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2015/06/17 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 本会議 第27号
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2015/06/17 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 本会議 第27号

#1
第189回国会 本会議 第27号
平成二十七年六月十七日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十七号
  平成二十七年六月十七日
   午前十時開議
 第一 特許法条約の締結について承認を求める
  の件(衆議院送付)
 第二 商標法に関するシンガポール条約の締結
  について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第三 公職選挙法等の一部を改正する法律案(
  衆議院提出)
 第四 道路運送車両法及び自動車検査独立行政
  法人法の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第五 学校教育法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第六 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に
  関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第七 電気事業法等の一部を改正する等の法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、特許法等の一部を改正する法律案及び不正
  競争防止法の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 一、日程第一より第七まで
 一、国の統治機構等に関する調査の中間報告
 一、国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建
  に関する調査の中間報告
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 特許法等の一部を改正する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。経済産業大臣宮沢洋一君。
   〔国務大臣宮沢洋一君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(宮沢洋一君) ただいま議題となりました特許法等の一部を改正する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、特許法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 グローバル競争が激化する中、我が国のイノベーションを促進するためには、研究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の競争力強化を共に実現するための環境整備が重要であります。
 そのため、発明の奨励と併せて、企業の知的財産戦略の迅速かつ確実な実施を図ることが必要であります。また、知的財産権の取得、維持などに係る企業などの負担を軽減し、知的財産権の活用促進を図ると同時に、国際的な制度調和を促進し、手続の利便性を向上させることが必要となっております。
 こうした事情に鑑み、知的財産の適切な保護及び活用を実現するための制度を整備し、もって我が国のイノベーションを促進することを目的として、本法律案を提出いたしました。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、企業が組織として行う研究開発活動は我が国のイノベーションの源泉であることに鑑み、職務発明制度を見直します。具体的には、権利帰属の不安定性を解消するため、職務発明に関する特許を受ける権利について、権利が発生したときから企業などに帰属することを可能とします。また、従業者などは、特許を受ける権利などを取得などさせた場合には、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を有するものとし、企業などと従業者などがその内容を決定するための手続に関する指針の策定を法定します。
 第二に、特許料や商標登録料などを引き下げるなど、料金の見直しを行います。
 第三に、国際的な制度調和を促進するため、各国で異なる国内出願手続の統一化及び簡素化に関する条約である特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約への加入を国内法上担保するため、手続期間経過後の救済規定の整備などを行います。
 次に、不正競争防止法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 経済のグローバル化が進展し、企業間の国際的な競争が激化する中、知的財産の公開、秘匿、権利化を一体的な戦略の下使い分けて効果的に活用するオープン・クローズ戦略の重要性が増しております。このため、事業者の努力と知恵の結晶である製造ノウハウなどの営業秘密を適切に保護する必要性がますます高まっております。
 しかしながら、情報通信技術の高度化や新興国における技術ニーズの高まりなどを背景として、昨今、我が国企業の営業秘密が海外競合企業などに不正に取得、使用されたとする紛争事例が相次いで発生しております。
 こうした中、諸外国では営業秘密に係る制度整備が着々と進められていることを踏まえると、営業秘密の保護強化は我が国にとって喫緊の課題であります。
 こうした事情に鑑み、営業秘密の漏えいに対する抑止力を向上させることで、我が国企業の競争力の源泉たる営業秘密が収益の獲得、ひいては新たなイノベーションにつながっていく環境を創出し、もって我が国の産業競争力を維持強化するべく、本法律案を提出いたしました。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、刑事、民事両面にわたって、営業秘密侵害に対する抑止力を向上させます。営業秘密侵害罪について、犯罪行為者及びその背後にいる法人の罰金額の上限を引き上げるほか、我が国企業の重要技術を不正に海外に持ち出して使用するといった事案に対しては、罰金額の上限を更に引き上げ重罰化します。また、犯罪行為者やその背後にいる法人が不当に得た収益を没収できることとします。さらに、営業秘密侵害罪を非親告罪とします。
 民事については、訴訟手続における原告の負担を軽減する措置を講じます。被告が営業秘密を不正取得したこと及び当該営業秘密が物の生産方法などに係るものであることなどを原告が立証した場合には、当該営業秘密の使用が疑われる被告の製品は、被告が当該営業秘密を使用してこれを生産したものと推定する規定などを創設します。さらに、営業秘密を侵害していることを知って譲り受けた営業秘密侵害品の譲渡や輸出入などを差止めなどの対象とします。
 第二に、情報通信技術の高度化などを背景とした犯罪行為の多様化に対応するため、営業秘密侵害罪の処罰範囲を拡大します。営業秘密を不正に取得した者から直接開示を受けた場合でなくても、不正開示が介在したことを知って営業秘密を取得し、その営業秘密を転売などする行為を処罰対象とするほか、我が国企業の営業秘密を海外で不正に取得する行為などについても処罰の対象に含めます。また、営業秘密侵害の未遂行為も処罰の対象とします。
 以上が、特許法等の一部を改正する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。宮本周司君。
   〔宮本周司君登壇、拍手〕
#7
○宮本周司君 自由民主党の宮本周司です。
 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました特許法等の一部を改正する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案について、宮沢経済産業大臣に質問いたします。
 まずは、我が国の特許の現状について伺います。
 近年、国内における特許出願件数は減少が続いており、十年前には年間四十二万件だったものが昨年は三十二万件台と、約二五%減少しております。
 一方で、グローバル化の進展に伴い、国際特許の出願件数は、十年前との比較では約七〇%増と堅調に推移をしてきましたが、昨年は前年比で四%ほど減少となり、中国やアメリカの企業が出願件数を順調に伸ばす一方で、我が国は頭打ちの状態になっております。
 これらの状況は、特許化する技術を精査、厳選するという企業における知財戦略の変化も背景にあると推察しますので、出願件数だけが国や企業の技術力評価要素ではないと理解しております。しかしながら、このまま特許出願が減少してもよいのか、将来的に我が国の技術的な優位性が損なわれるのではないかと危惧するのも事実であります。
 日本を世界で最もイノベーションに適した国にするため、こうした現状をどのように捉え、今般の法改正をどう位置付けていくのか、宮沢大臣の御見解をお伺いします。
 私は商工会出身で、小さな酒蔵の経営者でもあり、中小企業・小規模事業者のための政策実現を目指して活動しております。そうした観点で今回の法案を見ますと、やはり大企業を念頭に置いた改正ではないのか、中小企業・小規模事業者に対して丁寧な支援策が取られるのだろうかと懸念する内容もあります。
 今回の特許法改正では、職務発明に関する契約や勤務規則などを定めている企業は、特許を受ける権利を企業に帰属することが可能となります。しかし、大企業の九九%が職務発明規程を定めているのに対し、中小企業でこうした規程を制定しているのは二〇%にすぎず、多くの中小企業・小規模事業者にとって知的財産への対応に余力がないというのが実情であります。
 中小企業・小規模事業者の中にも優れた技術を有する企業はたくさん存在しますが、それを知財戦略という面からフル活用できている企業は、残念ながら極めて少ないと言わざるを得ません。今回の改正を機に、職務発明のみならず、中小企業・小規模事業者の知財戦略全般を丁寧にサポートする体制の構築も必要と考えますが、いかがでしょうか。大臣の御見解をお伺いします。
 次に、不正競争防止法の改正について伺います。
 海外への技術流出や企業の情報漏えいなどが大きな問題となる中で、営業秘密侵害罪の罰金引上げ、海外重課、そして非親告罪化、犯罪収益の没収規定の創設など、今回の法改正は大いに評価できる内容だと思います。こうした制度が厳格に運用されることにより、営業秘密漏えいに対する抑止力が高まり、その実効性が向上し、諸外国と遜色がない水準になるものと期待します。
 営業秘密の保護を実現するには、法整備のみならず、企業における取組も必要不可欠です。しかし、営業秘密の漏えい防止に取り組んでいるのは、大企業が六七%、中小企業が四七%、小規模企業に至っては三八%と、企業規模が小さいほど対策が十分ではないというデータが確認されています。まだまだ十分に体制が整っていない中小企業・小規模事業者に対して営業秘密の漏えい防止に資する取組をどのように支援していくお考えか、宮沢大臣にお伺いします。
 また、中小企業の技術力が我が国産業の強みであることを鑑み、守りだけでなく、攻めによる成長を促していくことも必要であると考えます。オープン・クローズ戦略を含め、知的財産戦略に中小企業の成長をどう位置付けていくお考えか、併せてお聞かせください。
 中小企業の努力と英知の結晶であり、我が国の宝と言っても過言ではない特許技術や営業秘密など知的財産について、企業規模の大小にかかわらず、一層きめ細かい対応を講じていく必要があると考えます。このことを最後に政府にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣宮沢洋一君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(宮沢洋一君) 宮本議員にお答えいたします。
 特許出願件数の減少傾向に対する認識と今般の法改正の位置付けについてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、我が国における特許出願件数は二〇〇六年以降減少傾向にある一方で、出願年別の特許登録件数は二〇〇六年以降も増加傾向にあります。このことは、企業の知財戦略が進化し、特許出願の量から質への転換が進んだことを示しております。
 また、企業活動のグローバル化に伴い、海外への出願はこの十年間に約一・四倍に増加していることに加え、二〇一三年における世界全体での日本国居住者の登録件数は三十四万件と世界で第一位となっていることから、依然として我が国の技術的優位性が現れているものと認識しております。
 さらに、近年、製品の高度化、複雑化により、一製品が数百、数千の特許から構成されるようになっており、適切な知財管理がますます重要となっております。
 経済産業省としては、このような状況を踏まえ、職務発明に係る特許を受ける権利を初めから法人帰属とすることを可能とする改正特許法案を提出させていただきました。これにより、企業が特許を円滑かつ確実に取得できるように環境整備が図られ、イノベーションが促進されるものと考えております。
 中小企業や小規模事業者へのサポート体制についてお尋ねがありました。
 中小企業や小規模事業者が持つ様々な技術やアイデアを知的財産として活用し、収益に結び付けることで地域を元気にしていくことが重要です。そのため、知財について気軽に相談できる体制の整備や海外展開について一気通貫で応援する支援メニューを拡充する必要があると考えております。
 そこで、全国四十七都道府県に知財総合支援窓口を設置し、弁理士、弁護士等専門家に相談できる体制を整えるとともに、知財に着目した融資を促進する支援や中小企業の海外展示会出展の支援を開始しております。
 また、改正特許法案が成立した場合には、職務発明規程の重要性を啓発する全国規模の説明会の開催や、知財総合支援窓口を通じて職務発明規程整備のアドバイスを行う予定です。こうした取組を通じて中小企業や小規模事業者の知財戦略を丁寧に支援してまいります。
 営業秘密保護に取り組む中小企業・小規模事業者に対する支援についてお尋ねがありました。
 今後、不正競争防止法の改正内容の普及啓発を含め、中小企業などによる営業秘密管理をきめ細かく支援するため、弁護士などの専門家が無料で相談を受け付ける営業秘密一一〇番の活用推進、営業秘密の窃取に関する最新動向を官民で共有する官民フォーラムの開催といった取組を進めてまいります。
 知財戦略に中小企業の成長をどう位置付けていくのかについてお尋ねがありました。
 技術力を生かして中小企業が成長することは、地域の活性化や日本の産業競争力の強化にも資するものです。また、中小企業においても、高い技術力を事業に反映していくために、特許による権利化、また、ノウハウなど秘匿すべき技術のブラックボックス化を最適に組み合わせながら自社の強みの差別化や付加価値の最大化を図る、いわゆるオープン・クローズ戦略の構築が重要となっているところであります。
 そのため、技術力を生かす中小企業に向けて、全国四十七都道府県における知財総合支援窓口や営業秘密一一〇番を通じたオープン・クローズ戦略の構築支援、特許料の減免制度や外国へ特許出願する際の補助金、特許情報を活用した研究開発戦略の支援を始め、人材面、資金面、さらには情報面からの包括的な支援を強化いたします。
 引き続き、地域中小企業の発展に向けて施策の強化を図ってまいります。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(山崎正昭君) 礒崎哲史君。
   〔礒崎哲史君登壇、拍手〕
#10
○礒崎哲史君 民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました政府提出の特許法等の一部を改正する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 まず、特許法改正案についてであります。
 我が国において特許法が導入されたのは明治四十二年、その後、大正十年の大改正において、特許を受ける権利は従業者、つまり発明者個人に帰属することとなりました。あわせて、特許を受ける権利を契約等により使用者、つまりは企業側に譲渡した場合には、従業者は相当の補償金を受ける権利を有するとされました。
 その法改正の後、今日に至るまで幾度かの法改正が実施されましたが、従業者帰属の原則は維持をされ、日本の工業、科学技術の発展、発明者、技術者の活躍の下支えとなってきました。
 本改正案の大きな柱は、職務発明に関する特許を受ける権利を、権利が発生したときから企業に帰属することを可能にするものであります。すなわち、九十四年間にわたり職務発明制度の根幹部分となってきた特許を受ける権利を、これまでの個人から企業にすることを可能にするという大改革の改正案であることを本法案審議の前提として認識をしておく必要があります。
 我が国が今後とも世界最先端の技術立国、世界最高の知財立国を目指していくためには、研究者と企業における研究開発が共に促進されるような職務発明制度を確立していくことが必要不可欠であります。その大前提として、まずは発明を生み出す研究者や技術者の発明意欲の向上を促すような環境が整備され、結果として職務発明の促進、産業の発展につながっていくことが重要です。
 民主党はこれまで、知的財産立国推進の立場から、従業者と企業が共に納得できる職務発明制度の確立を求めてまいりましたが、本日は、本改正案において従業者の権利がいかに保障されていくのかについて質問してまいります。審議を通じ国民の理解が進むよう、宮沢経済産業大臣の真摯で丁寧な御答弁をお願い申し上げます。
 そこで、まずは本改正案の立法事実について伺います。
 特許法の改正は平成十六年以来約十年ぶり、原始的帰属見直しについては先ほど申し述べました大正十年以来となりますが、そもそも現行法において、既に従業者と使用者の双方にインセンティブを与えるための合理的な利害調整機能が整えられていることは、産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会の論議でもあったとおりであります。
 そのような中、現行法を改正しなければならないと判断した理由は何でしょうか。本改正案を提出するに当たって、平成十六年の改正法の成果検証がどのように行われ、そこから浮上した具体的課題を明確にした上で、宮沢経済産業大臣の見解をお聞かせください。
 また、平成十六年改正法に基づいて、発明者が対価を不服として争った裁判のケースがどれぐらいあるのか、件数と内容について、経産大臣お答えください。
 その上で、本改正案が成立することによって、我が国の職務発明制度は実態としてどのように変わっていくのか、経産大臣、国民に分かりやすく御説明ください。
 次に、本改正による研究開発現場への影響について伺います。
 近年、我が国においてオープン・クローズ戦略等の知的財産戦略の多様化が進んでいると認識をしております。特許権を取得する又は秘匿にするなどのクローズ戦略と、他社に公開又はライセンスを行うオープン戦略を様々組み合わせ、企業は競争力向上、利益拡大を図っています。
 そうした中にあって、法人帰属が選択された場合、より核心的な技術を企業の判断として秘匿扱いすることで技術的優位性を確保するクローズ戦略が増加することも考えられます。
 こうした戦略は優位性確保の観点では効果的なこともあると考えますが、技術の進歩や発展、さらにはノーベル賞につながるような世紀の大発明を生み出す機会の損失につながることが懸念されます。世界最高の知財立国を目指す日本再興戦略との方向性にそごは生じないのでしょうか。経産大臣の答弁を求めます。
 次に、インセンティブの確保について伺います。
 特許を受ける権利を法人帰属とした場合、使用者と従業者の力関係によっては、従来は発明者に認められていた権利や補償の切下げが行われ、インセンティブの基盤が失われるのではないかといった改正後を不安視する声が聞かれます。
 今回の職務発明制度の見直しに当たり、産業界からは、特許を受ける権利を法人帰属へ転換するべきである、法定対価請求権を廃止し、企業が自由なインセンティブ施策ができるようにするべきであるとの意見が強く出されたと聞いており、従業者側が心配するのも無理はありません。
 本改正案のベースとなった特許制度小委員会の報告書では、本見直しは、インセンティブの切下げを行うものではなく、企業の国際競争力、イノベーションを強化する上では、研究者の研究開発活動に対するインセンティブを確保することが大前提であるとされています。その報告書にもあるとおり、本改正案により現行の職務発明制度における法定対価請求権と同等の権利が保障されるということで間違いないでしょうか。明確な答弁をお願いいたします。
 そして、そもそも今回の法改正が、今後、従業者のインセンティブにどのような影響を与えるとお考えか、経産大臣の答弁を求めます。
 また、現行法では相当の対価の支払とされているものが、本改正案第三十五条第四項では相当の金銭その他の経済上の利益と改められていますが、金銭以外のものとしてどのようなものを想定しているのでしょうか。加えて、どのような基準により経済上の利益かどうかを判断することになるのでしょうか。例えば、研究設備の充実などは会社資産であり、よもや従業者個人への対価の対象になるとは考えられませんが、経済上の利益に対する大臣のお考えについて、具体的な例を挙げた上でお答えください。
 さらに、先ほど申し上げたクローズ戦略、特に秘匿扱いを企業が選択した場合、発明をした従業者に対するインセンティブはどのように確保されるのでしょうか。発明技術の取扱いの違いにかかわらず、成果に見合う評価が適正になされ、相当の対価を受けることは公平性の観点からも重要と考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
 次に、インセンティブ決定手続のガイドライン、指針について質問します。
 まず、策定に当たっては、従業者や研究者にとって不利益とならないよう、多くの方々の意見が尊重される内容としていただくよう要請をいたします。
 その上で、ガイドラインの策定、公表に当たり、規定では、経済産業大臣は産業構造審議会の意見を聞かなければならないとされていますが、具体的な審議の場としてどのような会議体を想定しているのでしょうか。小委員会の開催やワーキンググループの設置などのお考えはありますでしょうか。お答えください。
 また、こうした論議の場を設定する場合、現行の特許制度小委員会では企業側委員の数が労働組合や労働法専門家委員の数を上回っており、研究者である従業者代表の参加を増やすことなどによって、よりバランスの取れた体制を構築する必要があると考えます。加えて、パブリックコメントの募集や、著名な研究者の意見なども参考にする必要があると考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
 次に、法改正後の評価、検証の在り方についてお尋ねいたします。
 今回の改正については、従業者のインセンティブにどのような影響を与えたか、企業の職務発明規則がどのように変わったのかなど、法改正後の運用に対する調査、検証が必要不可欠であると考えます。
 衆議院の委員会審議においては、改正後に企業や発明者へのヒアリングやアンケートの実施も行うとの政府側の答弁もありましたが、改めて、改正後の評価、検証の在り方について、経産大臣の見解を求めます。
 また、現状においても、平成十六年改正以前と改正以後に適用された補償制度は異なっており、本改正法が成立すれば、更に異なる補償制度が加わることになります。言わば三つの補償制度が共存をするトリプルスタンダードの状態になることになります。その評価、検証も必要だと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
 次に、不正競争防止法改正案について伺います。
 民主党は、本改正案は、多様化する営業秘密侵害事例に即して抑止力の向上を図るものであり、企業や労働者の努力の蓄積を守る上で必要な措置であると認識をしております。基幹技術など企業情報の漏えい事案が多発する中で、一刻も早い対策が必要であることは論をまつまでもありません。
 一方で、本改正によって、事業者及び労働者の間に疑念や過度な萎縮が生じ、企業の健全な発展を妨げるものとなってしまっては本末転倒です。本改正案は、処罰範囲の拡大や企業及び労働者への影響も大きいことから、周知徹底が不可欠であると考えますが、その具体策について、経産大臣の認識をお聞かせください。
 また、幾ら法定刑を引き上げても実効性が伴わなければ抑止力にはなり得ません。現に、営業秘密侵害について、諸外国と比べ摘発件数が少ない上に、刑事裁判で実刑判決が下された例は少なく、今後ともその効果についての検証は必要だと考えますが、実効性を高めていく上での関係省庁間の連携や取締り体制の充実の在り方について、経産大臣の答弁を求めます。
 以上、二法案の大きな論点について質問をしてまいりましたが、最後に一言申し上げます。
 私は、以前、商品開発の現場でエンジニアとして働いておりました。その間、特許を出願するなどの経験もさせていただきました。開発上の必要性から生まれたささいなアイデアではありましたが、特許出願を促してくれた当時の上司、共に苦労をした共同提案者、事務手続をサポートしてくれた担当者には今も感謝をしております。そして、何よりも、小さな小さな外からは見えない勲章が自分自身のエンジニアとしての達成感や向上心につながってまいりました。
 職場で働く、現場で働く者にとって、自らの努力や仲間との協力が企業業績に貢献をし、それが正しく評価されることは何よりも重要であります。こうした企業内における労使の健全な関係や制度が技術の進歩に与える影響は決して小さなものではありません。
 両改正案が、今後、様々な研究や技術開発を行う現場の労使の関係と研究者のモチベーションに大きな影響を与える内容であることを踏まえ、優秀な人材や卓越した技術の海外への流出を防止して、技術立国、知的財産立国を確立するために、民主党は、引き続き委員会審議におきまして、慎重かつ詳細な論議を行っていくことを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣宮沢洋一君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(宮沢洋一君) 礒崎議員にお答えいたします。
 平成十六年改正特許法の検証結果及び改正理由についてお尋ねがありました。
 平成十六年改正以降、職務発明の対価をめぐる訴訟は四件あり、いずれも社内の職務発明規程の整備の在り方が争点の一つとなりました。その中で、一億円を超えるような高額判決は確認されていないことからも、平成十六年改正によって職務発明の対価の額について予見可能性は一定程度高まったものと認識しております。
 しかしながら、近年、製品の高度化、複雑化により、一つの製品が数百、数千の特許から構成されるようになっており、適切な知的財産管理がますます重要となっております。
 こうした環境変化を背景に、産業構造審議会において制度改正が検討されました。改正特許法案は、こうした検討を踏まえ、特許権の帰属が不安定とならないようにするべく、職務発明に係る特許を受ける権利を初めから法人帰属とすることを可能とし、企業が特許を円滑かつ確実に取得できるよう環境整備を図るものであります。
 さらに、政府が企業と従業者の間での発明のインセンティブを決定する手続に関するガイドラインを策定し、従業者との協議や意見聴取などの在り方について明確化いたします。
 また、この改正による職務発明制度の実態の変化についてお尋ねがありましたが、企業が特許を円滑かつ確実に取得し、スピーディーに知財戦略を実施することが可能になると同時に、発明のインセンティブに対する発明者の納得感が高まり、イノベーションをより促すものとなると考えております。
 クローズ戦略が増加することによる技術の進歩や発明につながる機会損失の可能性、また日本再興戦略との関係についてお尋ねがありました。
 法人帰属が選択される場合であっても、特許は秘匿されるものではなく、技術内容が公開されることによって産業の発展がもたらされます。いずれにしても、市場や製造拠点がグローバル化する状況において、企業が事業戦略を優位に進めるために、研究開発の成果の一部をオープンにすることで市場拡大や技術の普及を図る一方、独自の技術を自社で囲い込み、クローズすることで付加価値の最大化を図る、いわゆるオープン・クローズ戦略の構築が重要となっております。
 また、このように企業の知財戦略の高度化によって我が国全体のイノベーションを促進するという方向性は、日本再興戦略と整合的であると考えております。
 現行の職務発明制度における法定対価請求権と同等の権利の保障についてお尋ねがありました。
 我が国のイノベーションを促進するためには、発明のインセンティブを適切に確保することが大前提であります。現行の特許法第三十五条第三項は、従業者が職務発明に係る特許を受ける権利を企業に承継した場合に相当の対価の支払を受ける権利を有することを規定しております。一方で、改正特許法案第三十五条第四項では、現行法第三十五条第三項の相当の対価を金銭以外のインセンティブも含めた相当の利益に改め、従業者がその給付を受ける権利を有することとしています。したがいまして、職務発明をした従業者には現行の職務発明制度における法定対価請求権と実質的に同等の権利が保障されます。
 次に、従業員のインセンティブに与える影響についてのお尋ねがありましたが、本改正特許法案で定めるガイドラインに従ってインセンティブ基準が定められることにより、従業者のインセンティブはより高まるものと考えます。
 金銭以外の相当の利益に関して、考え方と判断基準についてお尋ねがありました。
 研究者向けに行ったアンケートによると、金銭以外のインセンティブも発明を奨励するためには重要であるとの結果が得られたため、本改正特許法案において相当の利益という文言に変更し、金銭以外の経済上の利益も読めるように柔軟化を図りました。具体的には、従業者へのストックオプションの給付や留学の機会の付与等を想定しております。
 この相当の利益は、職務発明をしたことを理由とした経済上の利益であり、かつガイドラインに従い企業と従業者が協議などを行って決定したものであることが求められます。したがって、例えば発明が生まれる前より予定していた研究設備への投資などは、職務発明をしたことを理由としていないため認められないと考えられます。
 クローズ戦略が取られた場合のインセンティブ確保についてお尋ねがありました。
 近年の激しい国際競争の中において、各企業の事業戦略に応じ、知的財産を権利化して公表したり秘匿化したりするオープン・クローズ戦略が有効であるところ、秘匿化される職務発明であってもインセンティブを確保することが必要であります。
 発明を出願せずに秘匿化した場合であっても、企業が特許を受ける権利を取得した場合には、発明者は特許出願される場合と同様に相当の利益を受ける権利を有するものと考えられます。したがって、企業が取得した発明が特許出願されなかった場合でも、発明者に相当の利益が与えられることにより、しっかりとインセンティブが確保されるものと考えております。
 本改正特許法案では、企業と従業者の間のインセンティブ決定手続に関するガイドライン策定を法定化することとしており、このガイドラインにおいて適正な手続を明示することなどにより、成果に見合う評価が適正になされ、従業者のインセンティブ確保がなされるようにしてまいります。
 ガイドライン策定の審議の場についてお尋ねがありました。
 改正特許法案では、産業構造審議会の意見を聞いてガイドラインを策定して公表することとしております。この具体的な審議の場としては、今回の職務発明制度の見直しの検討を行った産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会を想定しております。
 次に、小委員会の構成のバランスと外部のコメントの必要性についてお尋ねがありました。
 特許制度小委員会の現在の委員構成としては、大企業や中小企業から複数の方々に御参加いただいている一方、労働組合の代表者や労働法学者、研究者からも複数の方々に委員として御参加いただいております。ガイドライン案の検討、審議に当たっても、こうしたバランスに配慮しております。また、ガイドライン案に対するパブリックコメントの結果や著名な研究者の御意見など、外部の方の意見も参考にしてまいります。
 職務発明制度改正後の評価、検証の在り方についてお尋ねがありました。
 発明の奨励とイノベーションの促進のためには、発明のインセンティブが適切に定められ、従業員のインセンティブが高められることが前提となります。本改正特許法案では、インセンティブ決定の適正な手続をガイドラインで明確化することにより、従業者の納得感が得られるようなインセンティブが決定されることを意図しております。
 本改正特許法案が成立した場合には、職務発明制度の改正が従業者のインセンティブに実際にどのような影響を与えたのかについて、企業や発明者に対するヒアリングやアンケートなどにより調査、検証を行ってまいります。
 平成十六年改正前、平成十六年改正特許法及び本改正特許法案に基づく三種類の職務発明制度に対する評価、検証についてお尋ねがありました。
 本改正特許法案が成立した場合、御指摘のとおり三種類の制度が併存することとなります。国としては、先ほど申し上げた評価、検証を行うに際し、三種類の制度が併存することを前提として、各制度に応じて従業者のインセンティブがしっかりと確保されているか、きめ細やかな調査を行ってまいります。
 不正競争防止法の改正内容を周知徹底し、労働者などの過度の萎縮を防止すべきではないかとのお尋ねがありました。
 刑事罰の強化などの改正事項については、その趣旨や改正内容について、全国の知財総合支援窓口で無料で相談を受け付けるほか、弁護士、弁理士などの専門家や企業実務者などを対象とする説明会を全国各地で開催し、改正内容の周知徹底に力を尽くしてまいります。
 関係省庁間の連携や取締り体制の充実についてお尋ねがありました。
 営業秘密を国としてしっかりと守っていくためには、不正競争防止法改正案による制度面の抑止力の強化のほか、その適切な執行も重要な課題です。このため、営業秘密窃取に関する相談が企業からあった場合には、警察庁を経由して都道府県警につなぐ仕組みを新たに構築いたしました。さらに、警察庁や公安調査庁等との連携を強化し、技術情報の窃取動向や手口に関する情報の共有、産業界への注意喚起等を行ってまいります。
 以上です。(拍手)
#12
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#13
○議長(山崎正昭君) 日程第一 特許法条約の締結について承認を求めるの件
 日程第二 商標法に関するシンガポール条約の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長片山さつき君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔片山さつき君登壇、拍手〕
#14
○片山さつき君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、特許法条約は、特許出願等に関する手続について締約国が求めることができる要件等について定めるものであります。
 次に、商標法シンガポール条約は、商標等に係る登録の出願及び登録に関する手続について締約国が求めることができる要件等について定めるものであります。
 委員会におきましては、両件を一括して議題とし、両条約成立の経緯と我が国が締結する意義、特許法条約における救済規定の趣旨、商標法シンガポール条約が適用される商標等の範囲、アジア諸国に対する両条約締結に向けた働きかけ等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、順次採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(山崎正昭君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#16
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#17
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成           二百三十一  
  反対               〇  
 よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#18
○議長(山崎正昭君) 日程第三 公職選挙法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長牧山ひろえ君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔牧山ひろえ君登壇、拍手〕
#19
○牧山ひろえ君 ただいま議題となりました法律案につきまして、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律附則第三項の規定により必要な措置を講ずることとされている事項に関し、年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等とするとともに、当分の間の特例措置として少年法等の適用の特例を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、発議者を代表して衆議院議員武正公一君から趣旨説明を聴取した後、参考人から意見を聴取するとともに、選挙権年齢を十八歳以上に引き下げる意義、平成二十八年参議院議員通常選挙から適用を予定する理由、政治的中立性を確保した主権者教育の充実の必要性、選挙犯罪についての少年法の特例の判断基準、被選挙権年齢に関する見解、選挙人名簿登録制度の改善の必要性等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#20
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#21
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#22
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百三十  
  賛成            二百三十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#23
○議長(山崎正昭君) 日程第四 道路運送車両法及び自動車検査独立行政法人法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長広田一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔広田一君登壇、拍手〕
#24
○広田一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、自動車の基準などに関する国際協定の改定に対応した車両単位の相互承認制度を創設するとともに、図柄入りナンバープレートの導入、リコール制度に係る装置メーカーへの対策の強化、自動車検査独立行政法人と独立行政法人交通安全環境研究所の統合等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、タカタ製エアバッグのリコール問題に対する国の対応、図柄入りナンバープレートの導入の在り方、車両単位の相互承認制度を創設する意義、統合後の独立行政法人自動車技術総合機構の業務体制等について質疑がなされましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して辰巳孝太郎委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#25
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#26
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#27
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百二十一  
  反対              十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#28
○議長(山崎正昭君) 日程第五 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長水落敏栄君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔水落敏栄君登壇、拍手〕
#29
○水落敏栄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、学校教育制度の多様化及び弾力化を推進するため、小中一貫教育を実施することを目的とする義務教育学校の制度を設けるとともに、高等学校等の専攻科の修了者について、大学に編入学できる制度を創設しようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、教育の機会均等を確保することの重要性、義務教育学校の設置に伴い学校統廃合が促進される懸念、教職員の多忙化と負担軽減策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して田村委員より反対の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#30
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#31
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#32
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成            二百十七  
  反対              十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#33
○議長(山崎正昭君) 日程第六 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長大島九州男君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔大島九州男君登壇、拍手〕
#34
○大島九州男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果の御報告を申し上げます。
 本法律案は、最近における風俗営業の実情及びダンスをめぐる国民の意識の変化等に鑑み、客にダンスをさせる営業の一部を風俗営業から除外するとともに、設備を設けて深夜においても客に遊興をさせ、かつ、客に酒類の提供を伴う飲食をさせる営業について新たに許可制度を設けるほか、風俗営業の営業時間の制限について条例により緩和することができる範囲を拡大しようとするものであります。
 委員会におきましては、特定遊興飲食店営業における遊興の定義、関係者等の意見を聞いて解釈運用基準を策定する必要性、客室の床面積に係る基準の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了した後、生活の党と山本太郎となかまたちの山本委員より、風俗営業及び特定遊興飲食店営業に係る遊興について、その定義を定めることを内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の山下理事より原案及び修正案に反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#36
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#37
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            二百十八  
  反対              十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#38
○議長(山崎正昭君) 日程第七 電気事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長吉川沙織君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔吉川沙織君登壇、拍手〕
#39
○吉川沙織君 ただいま議題となりました電気事業法等の一部を改正する等の法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、公益事業たる電気事業、ガス事業及び熱供給事業に係る制度の抜本的な改革を行うため、送配電等業務の運営における中立性の一層の確保を図るための法的分離、一般の需要に応じ導管によりガスを供給する事業を営もうとする者に係る経済産業大臣の登録制度の創設、熱供給事業者に対する供給義務及び料金規制の廃止、独立した立場から電力等の取引の監視等を行う新たな行政組織の創設等の措置を講ずるなど、七法律について改正等を行おうとするものであります。
 本法律案の審査に先立ち、東京都港区のガス供給指令センター等及び東京都千代田区の熱供給事業の実情調査を実施いたしました。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、安倍内閣総理大臣の出席を求め、質疑を行いました。
 委員会における主な質疑の内容は、法的分離後の安定供給及び作業安全の確保に向けた取組、送配電部門等の中立性確保のための行為規制の在り方、小売全面自由化後の災害時の復旧等のガス保安体制の在り方、ガス導管の延伸整備及び天然ガスの利用拡大策、小売料金規制の経過措置を解除する条件、電力・ガス取引監視等委員会の役割及び独立性確保の在り方、検証規定の実効性確保の必要性、政省令委任事項への国会の関与の在り方、競争環境下での原子力事業の在り方などエネルギーのベストミックスの実現に向けた課題、再生可能エネルギーの導入促進策、総合エネルギー市場の創出に向けた課題等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林明子理事、日本を元気にする会・無所属会を代表して松田公太委員よりそれぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#40
○議長(山崎正昭君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。倉林明子君。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕
#41
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、電気事業法等の一部を改正する等の法律案に反対する討論を行います。
 本法案は、電力システム改革の契機となった東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を経験した国民が期待する改革に背を向けるものです。
 反対する第一の理由は、政府がエネルギー基本計画で、原発と石炭火力をベースロード電源とする古い発想に固執し、まるで原発事故がなかったかのように原発回帰を一体として推し進めるものだからです。
 二〇三〇年度の電源構成案では、再稼働のため国が前面に立つと明記しました。国民多数の原発依存からの脱却の願いを全く無視した、老朽原発も含めた再稼働宣言にほかなりません。
 政府は、本法案の附則第七十四条で原子力の事業環境整備を行うとしていますが、これは、電事連が求めてきた新たな国策民営の役割分担など、原子炉メーカー、ゼネコン、メガバンクなど原発利益共同体の強い要求に応えたものであり、容認できません。
 第二は、電気、都市ガス、熱供給事業の一体的な全面自由化によりつくり出される十兆円を超える総合的なエネルギー市場が新たな規制なき独占をもたらすからです。
 総合エネルギー市場の担い手となるのは、電力、石油元売、総合商社などの巨大資本であり、寡占化により、料金の抑制どころか値上げの危険が高まりかねません。
 さらに、法案は、持ち株会社等のグループ一体経営を認める発送電の法的分離が最終ゴールだとし、一般担保付社債による資金調達を当面継続するなど、自由競争とは名ばかりの、東電救済、電力優遇策だと言わざるを得ません。
 第三は、都市ガス事業の導管分離や自由化を急ぐ理由が全くないからです。
 消費者からは、多数の中小業者が担うガス市場の寡占化による料金値上げの懸念、ガスの漏えいなど重大事故につながるガス機器の安全が確保されるのかと不安が示され、消費者の知らない改革との痛烈な批判の声が上がっています。長年培ってきた一体的な保安体制を後退させるおそれを残したままの全面自由化は、消費者利益を侵害する危険があるものです。
 第四は、公共料金である電気・ガス料金について、説明会や電源構成を含む原価情報の開示義務が明確にされないまま、従来の公聴会などの国民参加の手続を廃止する問題です。消費者には料金の中身が見えにくくなり、選択肢と知る権利を奪うものとなります。
 新設される電力・ガス取引監視等委員会は、原価情報の公開、チェックを含む独立性の高い機関に位置付け直し、消費者を参画させるべきです。
 現在、原発は一基も動いていません。しかし、政府は、二〇三〇年度には三十基台半ばが稼働することを見込み、そのために、原発の空押さえなど、再生可能エネルギーを抑制する様々な制度改悪を進めています。同時に、石炭火力発電所の建設ラッシュにより、石炭火力発電への依存度が高まることは明らかです。これらは地球温暖化対策に逆行し、国際公約をほごにするもので許されません。
 欧州諸国から学び、地域が主体となった再生可能エネルギーの最大限の導入をエネルギー政策の土台に据え、発送電の完全分離と送電網の公的管理、市民、地域共同の小規模分散・地域経済循環型のエネルギーシステムへ向かう民主的な改革とすべきであることを強く指摘しまして、反対討論といたします。(拍手)
#42
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#43
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#44
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#45
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成             二百八  
  反対             二十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#46
○議長(山崎正昭君) この際、国の統治機構に関する調査会長から、国の統治機構等に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国の統治機構に関する調査会長山崎力君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔山崎力君登壇、拍手〕
#48
○山崎力君 国の統治機構に関する調査会の中間報告につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 本調査会は、第百八十四回国会の平成二十五年八月七日に設置されました。
 憲法第八章でうたわれた地方自治は、同時に施行された地方自治法によって、これまで着実に成果を上げてまいりました。経済、産業の発展に伴い、大都市圏が形成されるのに呼応して政令指定都市も順次誕生し、人口も最近まで増加の一途をたどってきました。
 一方、従来の中央集権型行政システムの弊害等が指摘され、平成五年には衆参両院で地方分権の推進に関する決議が行われ、地方分権改革が始まりました。その成果として、これまでに機関委任事務制度の廃止、義務付け・枠付けの見直し、事務権限の移譲、国と地方の協議の場の法制化等がなされてきたところであります。
 しかしながら、今なお東京一極集中の是正、地方税財源の充実強化、さらには人口減少・超高齢社会への対応等、課題は山積しております。今後、国と地方の在り方、基礎自治体、大都市制度、広域行政、住民自治等についても議論を深めることが求められております。
 本調査会では、以上のような問題意識から、調査テーマを「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」とするとともに、二年目の調査項目として「国と地方の関係」を取り上げ、昨年来、調査を行ってまいりました。
 これまでの調査結果を踏まえ、去る六月十二日、議長に中間報告書を提出いたしました。
 その内容は、参考人質疑のあらまし、委員間の意見交換、以上を受けて調査会における議論を論点別に整理したものであります。
 論点と主な議論の内容は、次のとおりです。
 第一に、国と地方の役割分担についてであります。
 国が責任を負うべき事務権限、地方への権限移譲の在り方等について言及しております。
 第二に、基礎自治体についてであります。
 市町村合併の評価、基礎自治体の規模に応じた多様な制度の必要性、人口減少問題への対応等について言及しております。
 第三に、広域行政についてであります。
 都道府県の果たすべき役割、道州制の考え方、広域連携の仕組みの強化等について言及しております。
 第四に、地方自治についてであります。
 住民自治の活性化、地方議会の機能強化等について言及しております。
 このほかの論点として、地方分権改革、地方税財政についても言及しております。
 本調査会といたしましては、以上の認識を踏まえ、引き続き「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」について更に調査を進めてまいりたいと考えております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
     ─────・─────
#49
○議長(山崎正昭君) この際、国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会長から、国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会長鴻池祥肇君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔鴻池祥肇君登壇、拍手〕
#51
○鴻池祥肇君 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会の中間報告について御報告申し上げます。
 本調査会は、平成二十五年八月、第百八十四回国会において設置されて以来、三年間の調査項目を「デフレからの脱却と財政再建の在り方など経済状況について」と決定し、一年目は、調査項目について鋭意調査を進めてまいりました。
 二年目は、「経済の再生と財政再建の在り方」について調査を行うこととし、参考人から意見を聴取し、質疑を行うとともに、政府及び日本銀行から説明を聴取し、質疑を行いました。
 その後、中間報告書を取りまとめるに当たって委員間の意見交換を行い、それらの調査内容を踏まえ、今般、十一項目の提言を含む報告書を取りまとめ、去る六月十二日、これを議長に提出いたしました。
 以下、報告書の主な内容について、提言部分を中心に御報告申し上げます。
 我が国は、経済の好循環で本格的な景気回復、高齢化・人口減少社会における成長戦略の推進、累積債務問題の解決に引き続き取り組んでいく必要があることから、そのための留意点及び施策の方向性について十一項目の提言を行っております。
 以下、主なものを三項目御説明いたします。
 第一は、量的・質的金融緩和の出口政策に係る検討の着手についてであります。
 金融市場においては当局と市場参加者との対話が非常に重要であり、将来の市場の混乱を未然に防ぐ若しくは最小化するためにも、早急に出口の議論をすべきことを挙げております。
 また、出口において発生する可能性のある日銀の赤字や損失の負担の在り方について、事前に政府及び日銀との間で適切に協議する必要があることも挙げております。
 第二は、内外市場の信認を得られる財政健全化計画の策定についてであります。
 デフレを脱却し、経済が回復基調に入ると金利が上昇する懸念が生じ、長期金利が上昇すると歳出に占める国債費の割合が急増するため、財政が破綻することにもなりかねません。そのため、国債の長期金利が急騰しないような、また、上昇しても耐性のある財政構造を構築すべく財政健全化計画を策定する必要があるとしております。
 そして、財政健全化計画を策定するに当たっては、高い経済成長という願望を試算の前提にするのではなく、将来世代に負の遺産を付け回ししないために、保守的な試算に基づいた将来見通しを前提にすべきことも挙げております。
 第三は、潜在成長率の底上げに結び付く成長戦略の着実な実行についてであります。
 中長期的な視点に立った場合、需要面からの景気刺激ではなく、供給面を強化して潜在成長率を引き上げるような成長戦略をしっかりと描くことが求められております。
 労働供給の減少を食い止めるため、女性、高齢者の労働市場参加を促進するとともに、労働生産性の向上を図ることが望ましいとしております。
 また、企業活動においてイノベーションと効率化を継続的に実現するために、民間が主体とならねばならないことも挙げております。
 以上が報告書に盛り込まれた提言の主な内容であります。
 本調査会といたしましては、これらの提言の実施状況等を踏まえつつ、今後とも、デフレからの脱却と財政再建の在り方など経済状況について更に議論を深めていきたいと考えております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#52
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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