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2014/11/05 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 国の統治機構に関する調査会 第2号
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2014/11/05 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 国の統治機構に関する調査会 第2号

#1
第187回国会 国の統治機構に関する調査会 第2号
平成二十六年十一月五日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十一日
    辞任         補欠選任
     宮沢 洋一君     高橋 克法君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         山崎  力君
    理 事
                猪口 邦子君
                島村  大君
                渡邉 美樹君
                長浜 博行君
                横山 信一君
                井上 義行君
                清水 貴之君
                倉林 明子君
    委 員
                井原  巧君
                衛藤 晟一君
                古賀友一郎君
                酒井 庸行君
                高橋 克法君
                武見 敬三君
                柘植 芳文君
                堀井  巌君
                足立 信也君
                江田 五月君
                風間 直樹君
                浜野 喜史君
                吉川 沙織君
                秋野 公造君
                田中  茂君
                浜田 和幸君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        宮崎 清隆君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国の統治機構等に関する調査
 (海外派遣議員の報告)
 (「時代の変化に対応した国の統治機構の在り
 方」のうち、国と地方の関係)
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○会長(山崎力君) ただいまから国の統治機構に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十一日、宮沢洋一君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(山崎力君) 国の統治機構等に関する調査を議題といたします。
 先般、本院から、英国及びドイツ連邦共和国における議会制度、行政府、地方制度等統治機構に関する実情調査並びに両国の政治経済事情等視察のため、海外派遣が行われました。
 その調査結果につきましては、議院運営委員会に報告されることと存じておりますが、この際、派遣議員から便宜報告を聴取し、本調査会の調査の参考にいたしたいと存じます。
 それでは、報告を派遣議員団の団長を務められました武見前会長にお願いいたします。武見敬三君。
#4
○武見敬三君 それでは、先般行われました海外派遣につきまして報告をいたします。
 平成二十六年度重要事項調査第一班は、英国及びドイツ連邦共和国における議会制度、行政府、地方制度等統治機構に関する実情調査並びに両国の政治経済事情等視察のため、去る七月二十一日から二十七日までの七日間、英国及びドイツ連邦共和国を訪問いたしました。派遣議員団は、私を団長とし、島尻安伊子議員、風間直樹議員、松沢成文議員の四名でございます。
 続いて、調査の概要について申し上げます。
 まず英国では、上院事務局から、最高裁判所の創設について説明を聴取しました。最高裁の機能は二〇〇九年まで英国上院の上訴委員会が担っており、議会、政府、裁判所という三権の明確な分離がなく、国民からは議会が司法に干渉しているとの誤解を受け、欧州評議会からは独立した新たな最高裁の設置を求める勧告がなされたことを理由として、最高裁が上院から独立して設置された経緯等の説明がありました。
 次に、ウルマー英国上院議員及びボーネス英国上院議員と委任立法の審査制度について意見交換を行いました。英国では上院の役割の一つが委任立法の審査であり、委任立法が議会制定法の意図に沿っているのかいないのかの審査を行うこと、委任立法の増加に伴う官僚機構の肥大化の抑制が必要との問題意識は英国にも存在するが、議会と政府はコミュニケーションが取れており、委任立法が上院へ提出されるまでの過程で修正されることも多い等の説明がありました。
 次に、下院事務局から、二〇一一年に成立した議会任期固定法について説明を聴取しました。現在の保守党と自由民主党の連立政権時の政策合意を受けて成立したもので、議会任期を五年に固定するものであること、この法律の目的は連立政権の安定であり、首相の自由な解散権を制約することで政府と野党の関係を公平にしたとして肯定的に捉えられていること、計画的政策立案が容易となり政治が効率的になったと評価されていること等の説明がありました。
 次に、前スコットランド首席大臣であるマコーネル英国上院議員と、九月に控えていたスコットランド独立を問う住民投票等について意見交換を行いました。独立への動きの背景について、スコットランドの人々には強いアイデンティティーや政治に対する不信感があると考えられること、独立がもたらす影響について、英国経済に大きな打撃を与えるだけでなく、EUから英国が離脱する可能性が高まること等の説明があり、マコーネル議員自身の信念として、スコットランドが英国にとどまり強い存在として中央集権でもなく独立でもない立場を実現し、グローバルな問題についても英国に影響を与えつつ貢献していくことが重要であるとの考えが示されました。
 次に、スコットランド議会を訪問しました。同議会は、一九九七年の住民投票で設置が決定し、一九九九年に議員選挙が行われた後、一院制の議会として約三百年ぶりに開設されたことのほか、首席大臣への質疑方法等について説明がありました。
 次に、スコットランド政府当局から、権限移譲、予算制度等について説明を聴取しました。同政府は、英国議会で制定されたスコットランド法に基づき移譲された権限に関して行政を執行しているが、その大半が英国からの包括補助金で賄われていること、その補助金の算出方式がスコットランドの人口に比して優遇されていることから、その方式の廃止を主張する声があること等の説明がありました。
 続いて訪れたドイツ連邦共和国では、まず連邦首相府当局から、連邦と州の役割分担等について説明を聴取しました。連邦政府と州の関係については、一九四九年の基本法制定の際に各州の代表者も含めた憲法制定委員会で草案が作られたこと、ナチス政権が従来の連邦制を廃止して中央集権型にしたことへの反省等を背景として連邦制が採用されたこと、連邦政府と州の関係に対する国民の評価は、州間の財政調整について一部批判はあるが、おおむね満足が示されている等の説明がありました。
 次に、連邦参議院事務局から、州による連邦の立法過程への関与について説明を聴取しました。州の投票行動については、本会議では各州がその規模に応じて三票から六票の表決権を持っているが、全員が同じ投票行動を取らなければならず、連立政権で議案に対する賛否を州として統一できない場合には棄権するのが通常であること、過去に賛否を統一できない州が棄権しなかった例があり、一旦法案が成立したがその後表決の扱いについて裁判となり、立法が無効とされたとの説明がありました。
 次に、バルトケ連邦議会議員と日独両国の社会福祉政策の取組、連邦参議院の在り方等について意見交換を行いました。社会福祉政策の取組については、両国とも高齢化が進展し、そのため介護専門職の育成・確保が今後の大きな課題であるという認識で一致しました。また、連邦参議院の在り方については、連邦議会との間でねじれ状態が続いてきたものの、ドイツ人は議論を好む国民性であり、調整が図られることで両院制は円滑に機能している等の見解が示されました。
 次に、連邦議会事務局から、議会による政府統制等について説明を聴取しました。現在、ドイツは大連立政権であり、政府に対する統制が重要とされていること、統制は様々な手段で実施され、その対象は三権分立原則に係る事項を除き、外交・防衛等も含む政府の全ての事務とされていること、情報機関に対する統制も重要な役割であり、議会の情報収集と行政権限のバランスを図るため、非公開の特別委員会が設けられていること、また、議会による行政統制が強力である理由は、基本法に全ての国家権力が国民に由来する旨規定されているためである等の説明がありました。
 最後に、ベルリン州首相府当局から、各州間の関係等について説明を聴取しました。ドイツの統治機構においては、連邦と州、各州間の二つの調整が求められること、基本法に基づくものとして連邦参議院があり、一方、行政実務として主に各州間で定期的閣僚会議が実施されていること、各州から連邦への働きかけは連邦参議院で提案を行うが、過半数の同意が見込めない場合には他州との合意形成を図ること、州間の意見調整については、事前に同じ政党が政権を担う州間で連携を図り、その後、他党が政権を担う州と調整を行う等の説明がありました。
 以上が調査の概要でありますが、最後に、今般の調査に際し御尽力いただいた訪問先及び在外公館の関係各位に対し、深く感謝の意を表しまして、報告を終わります。
 以上です。
#5
○会長(山崎力君) 以上で報告の聴取は終わりました。
    ─────────────
#6
○会長(山崎力君) この際、本調査会の二年目の調査について御報告いたします。
 本調査会は、昨年十一月に今期の調査テーマを「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」とすることに決定し、調査を進めております。
 二年目の調査につきましては、理事懇談会等で協議いたしました結果、引き続き、本調査テーマの下、二年目は、「国と地方の関係」について調査を進めていくことになりました。
 何とぞ委員各位の御協力をお願いいたします。
    ─────────────
#7
○会長(山崎力君) 次に、「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」のうち、「国と地方の関係」について委員間の意見交換を行います。
 本日は、今後、「国と地方の関係」について調査を進めるに当たり、委員各位の御意見をお述べいただきたいと存じます。
 意見のある方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようにお願いいたします。
 また、多くの委員が発言の機会を得られますよう、発言は五分以内でお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、意見のある方は挙手を願います。
 猪口邦子君。
#8
○猪口邦子君 ありがとうございます。猪口邦子でございます。
 本調査会は、立法府、行政府等国の統治機構の在り方及び国と地方との関係に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、昨年八月に設置されたものであります。三年間の調査テーマである「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」の下、調査の一年目においては、「議院内閣制における内閣の在り方」について調査を行い、国の統治機構のうち、行政関係が取り上げられました。二年目の調査項目は、残る設置目的の中から「国と地方の関係」に今会長が述べられましたとおり決定されました。
 国民が全国で安心して快適な暮らしを営んでいけるよう、魅力ある地方の創生は安倍内閣においても最重要課題として取り組んでいるところであります。私といたしましては、本調査会において、統治機構という観点から、「国と地方の関係」という調査項目のうち、以下の三点について、すなわち、国と地方の役割分担、地方分権、それから広域行政、そして人口減少社会における地方自治、この三点について参考人から意見を聴取する等の調査を進めてはどうかと考えております。
 以下、それぞれの点について若干意見を述べさせていただきます。
 まず、国と地方の役割分担、地方分権についてでございますけれども、地方分権改革に関しましては、前国会において第四次一括法が成立しました。これによりまして、全国共通の基盤となる制度はある程度確立したと考えられます。
 今後は、国主導の改革から地方自治体主導の改革へと転換を進め、地方の発想や多様性を重んじた取組、これを進めることが求められております。また、地方自治体には分権改革の成果を住民に還元すること、これが求められております。改革の成果を実感した住民が積極的に地方自治に参画するよう促し、住民自治の充実について検討していく、これが必要であります。
 次に、広域行政についてですけれども、人口減少下にあって、集落の数はそれでもそれほど変わらないんですね。国民は国土に点在して住み続けています。地方中核拠点都市、その拠点都市から相当距離がある場合、この場合は、条件不利地域の市町村に対しては都道府県が地域の実情に応じて補完的な役割を果たすことが求められています。
 一方、四十七という都道府県の枠組みは百年以上を経ても変更されないままであり、交通通信網の発達あるいはグローバル化等によって人々の活動を非常に広域化する現代においても、都道府県といった行政地区を超えた広域な施策に対するニーズが高まってきていますけれども、その取組について十分であるとはなっていません。時代の要請に応じた広域行政に向けて、都道府県がより良く役割を果たすための方策、またより大きな枠組みを想定した場合の長所、問題点、こういうことも検討していく必要があると考えております。
 それで、最後の人口減少との関係でございますけれども、自治体を取り巻く現状の問題として、やはり急速に少子高齢化が進行し、人口減少社会となっている中、地域社会がそれぞれ抱える問題は非常に複雑化しています。
 東京一極集中の流れを変えることの必要性、これはよく指摘されるわけでありますが、そのためには、地方におきます雇用の充実や、農林水産業等におきます生活の安定あるいは雇用の創出力の強化、そのようなことにつながる地方振興策が必要であります。
 また、人口減少との関係では子育て支援の充実も必要であり、また学齢期の子供たちのためには通学路の安全や放課後時間の安全又はその充実、そのような細かい施策の重点化も必要であります。
 放課後の子供たちの充実と安全につきましては、この度、制度施行されることになりました子ども・子育て支援新制度の中でも、放課後総合子どもプラン、これが推進されますので、そのような国の制度と地域の特性を併せた各自治体でのそのような制度との関係における積極的な取組及びそのような制度の積極活用、これが検討されるべきであると考えております。
 また、通学路につきましては、例えば諸外国では当然でありますようなスクールバスの導入なども一案ではないかと考えております。また、地域社会におきます男女共同参画の社会文化の推進、これも若い世代がその地域に移り住んだりするときには必要であると考えております。
 なお、今後、例えば子育て支援のような分野において、国が制度を発展させていくとき、国より先んじて先進的な取組をした自治体もございます。そのような自治体が、国が制度を拡充するとき是非そのことに上乗せする支援を続けるように、それを機にそれが後退したりすることがないようにお願いしていくことも国と地方との関係では必要ではないかと考えております。
 以上、若干私の意見を表明させていただきました。また有益な調査活動ができますよう、私としても全力を尽くしてまいります。
 会長、ありがとうございました。
#9
○会長(山崎力君) 長浜博行君。
#10
○長浜博行君 本調査会がこれから二年目の調査を進めていくに当たり、国と地方の関係を取り巻く現状と課題につきまして意見を申し述べます。
 委員各位も御高承のように、我が国は少子高齢化が進み、人口減少社会に突入しております。また、地域経済が疲弊する中で、地方が多様化し、増大する行政ニーズに対応していかなければなりません。このまま放置すれば、地域文化や地域そのものが危うくなるおそれがあります。
 地域を活性化し、持続可能性を高めるためには、霞が関主導のままでは実効性のある改革は難しいと考えます。住民が主体となって地域の活力を高め、魅力にあふれた地域を将来世代に継承していくために、民主党政権においては、国と地方の役割分担の見直しを行い、地域のことは地域の住民が責任を持って決められるようにする地域主権改革を推進いたしました。
 大切なのは、国が地方に優越する上下の関係から対等の立場で対話できる新たなパートナーシップの関係へと根本的に転換することです。更に言えば、地域住民が自分たちの地域の在り方について自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負うという住民主体の発想が求められます。
 以下、国と地方に関する具体的な課題を二つほど申し上げます。
 まず、国と地方の役割分担の見直しについてです。
 これまで、義務付け・枠付けの見直しや、住民に最も身近な基礎自治体への権限移譲、国の出先機関改革等が進められてまいりましたが、更なる取組が必要です。地方の声に真摯に耳を傾けて、課題に精通した地方が求める形で見直しを進めることが重要と考えます。
 また、基礎自治体は地域における行政の中心的な役割を担うべき存在であることからも、住民に身近な行政は基礎自治体が事務作業を行うこととし、基礎自治体が担えない事務作業は広域自治体が、広域自治体が担えない事務作業は国がそれぞれ担うこととするよう、国、都道府県、市町村の事務配分を見直すべきであります。さらに、国の出先機関改革、すなわち国と地方の二重行政解消にも本腰を入れなければなりません。
 次に、基礎自治体の在り方についてです。
 いわゆる平成の合併によって市町村の数は大幅に減少し、現在は千七百余りとなっております。合併の要因として、合併特例債を中心とした行財政面での支援、いわゆるあめですね、と三位一体改革の下に行われた地方交付税の削減、これはむちでしょうか、があったとも指摘されております。
 人口減少がとりわけ危惧される過疎地域につきましては、これまで議員立法による数次の法改正によって過疎対策が進められてはきましたけれども、依然として厳しい状況にあります。財政の弱い自治体を含めた基礎自治体が役割を持続的に果たしていけるよう、その在り方等について議論する必要があると考えます。
 他方で、大都市につきましては、人々を支えるコミュニティーの機能低下が指摘されるとともに、通勤通学、経済活動等の範囲が行政区域をはるかに超えているとされております。このため、大都市における住民自治の拡充や行政サービスの提供の在り方等についても議論が必要と考えております。
 石破大臣のブログをのぞきますと、今国会は地方創生国会とも言われているとのことでしたが、大局的な見地から国政の基本的事項に関して調査を行う参議院独自の本調査会で様々な角度から議論が進められていることに強い期待を申し上げ、私の意見表明といたします。
#11
○会長(山崎力君) 横山信一君。
#12
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 国と地方の関係について私見を述べさせていただきます。
 一九九三年に衆参両院で地方分権の推進に関する決議が行われ、二十年以上が経過をいたしました。この間、東京への一極集中を是正し、国土の均衡ある発展を図るため、機関委任事務の廃止や国の地方への関与のルール化など、地域のことは地域で取り組む地方分権に向けた改革が進められてきました。しかし、この掛け声とは裏腹に、地方分権は一向に進まず、長引くデフレ不況と少子高齢化の進展が東京一極集中の度合いをますます強めてしまいました。
 改めて言うまでもなく、人口減少下にある我が国において、地方自治の果たす役割は重要です。公明党では九月に、活気ある温かな地域づくりを目指して政策提言を発表しました。そこでは、支え合う地域づくり、魅力ある地域づくり、安心な地域づくり、活力ある地域づくりの四つの地域づくりを柱に据えました。地域住民にとって最も身近な行政主体である基礎自治体がこれらを推進するための役割を果たしていけるよう、従来の地方分権の延長線ではなく、新しい発想で地域の自立性を高めていくことが重要と考えています。
 そのためには、以下の観点があるというふうに考えております。
 一つ目に、国と地方の役割分担の見直しについてであります。
 我が国は、少子高齢化の進展により、社会経済、地域社会の状況が変わりつつあります。こうした時代の変化に伴い、国と地方の関係も状況に見合ったものとなって役割を果たしていくことが求められます。
 これまで国は、地域によって産業構造が異なっていても、全国一律の制度を実施してきました。地方の独自の取組に対する権限移譲に当たっては特区制度などがありましたが、そこで移譲される権限は極めて限定的なものでした。省庁の縦割りを乗り越え、地域の主導的な取組を実現できるような制度が必要と考えています。
 二つ目は、産業振興と地域振興です。
 地方の基幹産業である農林漁業の振興が重要です。地方における農林漁業は、産業振興と地域振興という二つの側面があり、地域づくりの根幹を担っている分野です。農業でいえば、今年度から日本型直接支払制度が実施され、産業としての農業に加えて、地域振興のための取組を強めていくことは今後ますます重要になると考えています。
 国と地方の役割分担でいえば、地方は食料供給を担っており、その役割を果たすためには地域コミュニティーを維持することが欠かせません。農林水産業が協同組合によって主に運営されていることを見ても分かるように、今後はこれまで以上に地域に暮らす住民が積極的に農林漁業に参加しやすくなるような仕組みづくりが必要と考えます。また、産業としての側面からは、地域における協働や協業が効率性の上で重要になってくると考えています。
 三つ目は、広域行政についてであります。
 国が地方自治体と地域住民の意向を尊重し、地方自治体が自立的に地域の課題に取り組んでいくことが地方自治の原則です。全国一律の政策を進める中央集権的な統治機構の在り方を根本から改革する必要があります。国と地方の関係を見直す上では、広域行政の在り方も考える必要があります。
 総務省の進める地方中枢拠点都市圏と定住自立圏を核として、中心市と周辺市町村が相互に役割分担し、連携協力することにより、地域全体の経済の底上げを狙った取組には注目しています。これらの取組は、社会情勢の変化を踏まえ、国民的な議論を喚起しながら進めていくことが重要と考えております。
 以上でございます。
#13
○会長(山崎力君) それでは、井上義行君。
#14
○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。
 私は、この国と地方の関係を考えるとき、我が党は道州制というものを訴えております。
 これは、私自身も二十年間中央で働いて、官邸で七年間働いたときに、もう今のこの国の形ではやはり海外に勝てない、非常な危機感がありました。それはやはり、総理もAPEC、ASEAN、いろんなところに行って、枠組みの中で、その中でやはり国内のいろんな分野が影響があるものも決めていく。あるいは安全保障、様々な中東でいろんな問題が起きている、我が国でも中国が尖閣諸島あるいは様々日本の領海を侵している。こういう状況の中で、国しかできない、そういう分野に絞って戦略そして戦術を立てて、国益のためにやはりしっかりと国があるべきだというふうに考えました。
 そうすると、そのほかのものをどうやって、今の行政を市民に与えていくかということを考えたときに、大きく権限とそして財源というものを地方にやはり移して、今まで国の担っていたものを地方に担ってもらう、このように考えました。やはり、そうすると、この地方を、小さな町、市町村ではなかなか自分で独立してできることができない、だったら州という大きな形でそれを支えていくことができるだろうということで、我々はこの道州制というものを訴えております。
 やはり、国しかできない、例えば外交であるとか防衛であるとか、あるいは財政であるとか、あるいは社会保障とか、本当に国しかできないものに絞って、そして、そのほかの地域でできることは地方に財源とそして権限を移して、自分たちの自立を促す地方をつくることによって、より身近な行政が反映できるということを思っております。
 そこで、いろんな様々な議論の進め方があると思いますが、まずは、国しかできない権限とは何か、こういうことを議論していただき、そして、そのほか地方でやるべきこととして、じゃ、形として例えば首都州にするとか、あるいは道州制にするとか、こういうような地方の形というものを議論した方がいいのではないかと。その上で、我々も含めた国会そしていわゆる地方議会、あるいは地方の議員が国会で発言を得るドイツ型の連邦参議院みたいなことをやはり将来考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 以上です。
#15
○会長(山崎力君) それでは、清水貴之君。
#16
○清水貴之君 維新の党の清水貴之と申します。
 国と地方の関係ということで意見を述べさせていただきます。
 我々維新の党は、統治機構改革でこの国の形を変えていくべきであると考えています。我が国は今、経済のグローバル化と大競争時代の荒波の中で、新陳代謝が遅れ、国力が停滞あるいは弱体化し、国民が多くの不安を抱えています。我が国がこの閉塞感から脱却し、国民の安全、生活の豊かさ、伝統的な価値や文化などの国益を守り、かつ国の将来を切り開いていくためには、より効率的で自律分散型の統治機構を確立することが急務です。
 なぜなら、欧米に追い付け追い越せの時代には有効とされた中央集権、官僚主導などの国家運営方針が、成熟国家、今の日本の羅針盤たり得なくなってきたと考えているからです。
 このような統治機構を確立するため、まず国と地方の役割を抜本的に見直す必要があります。国の役割を外交・安全保障、マクロ経済政策などの国家的に取り組むことがふさわしい課題に集中させる一方で、地方にできることは地方に任せるべきです。やはり地方によって、それぞれの地域によって持っている課題が違うから、やはり地方独自で考えていくべきだと思います。
 住民に身近な課題は基礎自治体が担うとともに、広域地方政府として、先ほど、みんなの党、井上理事からもありましたが、道州制を導入し、権限と財源を地方に移譲し、さらには規制緩和を図り、国からの上意下達によらない、地域そして個人が自立できる社会システムを確立するべきではないでしょうか。道州制は、地域、個人の創意工夫、民間の自由な競争によって経済、社会の活性化を促す成長戦略の切り札としての可能性を有していると考えます。
 ということで、我々維新の党は、先月末に民主党さん、みんなの党さん、そして生活の党さんと一緒に、道州制を含めた国と地方公共団体との関係を抜本的に見直し改革するための法案を提出させていただいております。
 そして、出発は大阪のローカルパーティーである我々維新の党並びに大阪維新の会では、その大阪で地方分権のモデルケースとなるであろう大阪都構想を現在進めようとしています。
 これは、大阪府と大阪市にある様々な二重行政を解消するため、大阪市をなくし、大阪都の中に五つの特別区を置こうというものですが、ただ、報道等で御存じでいらっしゃるかと思いますが、大阪府議会、大阪市議会共に大阪維新の会で過半数の議席、現在ありませんので、大阪都構想の協定書、その制度案、先月末に否決され、可否を問う住民投票まで進む見通しは今のところ立っていません。
 私は大阪のお隣、兵庫県の選出です。同じ関西ですので、じゃ、大阪都構想ですとか道州制に対する理解とか認識が兵庫県内で高まっているかというと、やはり決してそのようなことはありませんで、県内の首長さん、特にそれほど人口規模の大きくない市ですとか町の市長、町長と話をさせていただきますと、道州制には反対だと。道州制は地方をますます衰退させるという意見を聞くことが度々あります。また、是が非でも道州制ではなく、まずは都道府県による広域連合を目指すべきだという議論があること、これも承知しています。
 我々としましては、やはり国が全国一律に政策を決める中央集権体制ではなく、道州制にして地方の自立性を認めれば、制度や住民サービスの地域間競争が生まれ、行政も効率化できる。交通インフラなどを今の都道府県単位より大きな視点で俯瞰することで、空港誘致合戦のような無駄も排除できる。そして、強い道州という単位の都市、自治体が生まれることで、アジアのほかの都市です、ソウルとか上海とかシンガポールのような大都市と戦える都市が誕生する。その結果、日本の国力が高まると考えてはいますが、先ほど申したように様々な意見があるのも承知しておりますので、また皆様といろいろと意見交換をさせていただければと思っております。
 以上です。
#17
○会長(山崎力君) 倉林明子君。
#18
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 国と地方の関係を考えるに当たって、憲法での位置付けを改めて確認する必要があると考えます。
 かつて明治憲法の下では地方制度の規定はなく、中央直轄の官製団体でした。日本国憲法では、第八章地方自治を設け、地方自治の本旨に基づいて定めると規定しました。
 地方自治の本旨とは、団体自治と住民自治を意味しており、団体自治は、地方公共団体のことは当該地方公共団体が決めるという地方公共団体と国の関係の原則であります。住民自治は、地方公共団体のことは当該公共団体の住民自身が決める原則とされております。これらの原則の下で、地方自治体は住民の福祉の増進という地方自治の目的を果たす役割と権限が定められました。
 今、果たして地方自治体は憲法で位置付けられた地方自治の原則を発揮できているのかと、国と地方の関係について問題点を提起したいと思います。
 第一は、地方自治体が抱える課題は待ったなしの対策が求められているという問題です。
 少子化、高齢化の進展、基幹産業の農林水産業は衰退し、商店の廃業が後を絶ちません。疲弊した地域経済の下で高まる住民のニーズに地方自治体は苦戦を強いられております。こうした背景には、一九八〇年代半ばから進められた経済のグローバル化と構造改革があり、企業の生産の海外進出が進み、国内工場の閉鎖や縮小が地域の雇用を喪失させ、賃金の低下を招いています。海外現地法人の稼ぎ出す利益も、本社の輸出利益も、全て本社のある東京に富の一極集中が加速しました。規制緩和と海外生産は地場産業にも打撃となり、地域の労働者の雇用を喪失し、賃金の一層の低下に拍車が掛かりました。
 消費が落ち込む中で、大店法の廃止により大型店の出店攻勢に歯止めが掛からず、中小商店は廃業に追い込まれ、シャッター商店街が全国に広がりました。年金支給額の削減や公務員給与の削減は、地域の購買力を更に落ち込ませております。この悪循環からの脱却が大きな課題であることは間違いありません。
 第二は、平成の市町村合併と三位一体改革が地方財政に与えた影響についてです。
 地方分権の名の下に進められた地方交付税、補助金の削減と見直しが地方自治体財政を破綻寸前に追い込むことになりました。交付税の優遇措置で合併が急速に進み、広域合併した自治体では周辺部の人口減少が更に加速する事態となっています。合併しなかった自治体でも、交付金の削減で住民生活に密着した建設事業までもがストップし、除雪や災害時の対応を担ってきた地域の建設業が廃業に追い込まれました。
 交付金の削減は、大幅な職員削減と行政サービスの引下げや民営化をせざるを得ない状況に自治体を追い込んでいます。基礎自治体がその役割を発揮するために必要な財源確保は、国の責任で行うべきです。
 第三は、地方自治を破壊し、変質させる道州制についてです。
 国の仕事を外交、軍事、通商、司法などに限定し、憲法で位置付けられた社会保障や教育など国民の基本的人権を守る国の責任を放棄しようというものです。
 全国町村会の特別決議では、地方分権に名を借りた新たな集権体制を生み出すものであり、大都市圏への更なる集中を招き、地域間格差は一層拡大する、どの地域においても国民一人一人が安心して暮らすことができる国土の多様な姿に見合った多彩な市町村の存在こそが地方自治体本来の姿であり、この国の活力の源泉であることを忘れてはならないとしており、この指摘を重く受け止めるべきだと考えます。
 道州制の導入は憲法が定めた地方自治の原則を踏みにじるものだと厳しく指摘し、意見表明といたします。
#19
○会長(山崎力君) 次に、浜田和幸君。
#20
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会の浜田和幸です。
 国と地方との関係を考えたときに、今も議論がありましたけれども、国は国ができることだけに集中すべき、例えば外交ですとか防衛ですとかとは言うんですが、実際、私、例えば鳥取県の状況を御紹介しますと、環日本海経済圏構想という中で、ロシア、韓国、そして鳥取県の境港を結ぶ外国船、クルーズDBSを運航しておりまして、地方が果たすべき外交ですとか貿易ですとか、そういう面での魅力あるいは可能性というものはもっともっと研究される、そしてまた国もそれを応援する、そういう余地があると思います。
 例えば、ウラジオストクには我々鳥取県は活動拠点を設けておりますけれども、ロシア極東方面においては東京と同じぐらいに鳥取の存在感が大きく言ってみれば浸透をしている。梨にしてもスイカにしても、あるいは鳥取から持っていく様々な、中古車販売ですとか、そういう面で、いろんな文化活動を含めて地方が果たすべき、国がやっている外交や貿易を補完する機能というものは大きいものがあると思うんですね。ですから、そういうことも含めた、国と地方がどう協力していくのか、その在り方というものもやはり今後はしっかりと検討をする必要があると思います。
 今、安倍政権が今年末を目途に、国と地方の在り方ということを考える地方自治体からのヒアリングをしていますよね。現在、百二十六の自治体から一千を超える要望書が出てきております。しかし、こういった地方からの要望について中央官庁は、ほぼ八割はそんなことは受け入れられないと言ってかたくなに拒否をしているんですね。その辺りも、やっぱり地方の実態をしっかり受け止めて、どう協力して言ってみれば役割分担を果たしていくのか、そういうことを一つ一つ地方の要望に対して関心を持って受け止めていく。
 特に地方からの要望が多いのは、やっぱり農地に関するものですよね。権限移譲に関して、やっぱり耕作放棄地等をもっともっと有効に活用するには、やっぱり中央が持っている権限というものを地方に移譲をしていく、分権と自立がきちんと両立できるような、そういう在り方を議論していく必要があると思います。また、そういった意味で、地方にも自立するための責任を持った、そういう対応を求めるということも重要になってくると思うんですね。
 現在、私ども鳥取県では住民投票法制度を実施しております。有権者三分の一の署名があれば、知事や県議会が反対しても、地方にとって大事なことについては住民投票で決定していくんだと。そういうこともこれからの自治の在り方としては考えていく必要があると思います。
 ただ、それを地方で実現するためには、受け手となる地方にベースを置いた民主的なボランティア団体ですとか地方自治団体といったものの役割がとても大きくなると思いますので、やっぱり、スーパーボランティア組織、制度を今鳥取県では推進していますけれども、河川ですとかあるいは道路ですとか公園ですとか、そういうところの維持管理あるいは整備、運営について、地方のボランティア団体が責任を持って実行をする。必要な管理費ですとか整備費は県の方が負担をしていく。住民のイニシアチブに基づいて県が応援して、一緒になって地方の経済の活性化に取り組む。
 そういうプロセスの中においては、今、日本の国際化がどんどん進んでいますから、私ども鳥取県にも海外から移住してきている人がたくさんいます。あるいは、短期間ですけれども技能実習生のような人もたくさんいます。そういった人たちの意見も吸い上げて、開かれた日本、開かれた地域ということも考えていく必要があるのではないかと思います。
 そういうもろもろの地方が主体的に取り組むべき課題を実行するためにも、やっぱり中央からの財源に依存しているだけでは限界がありますから、やはり地方環境税ですとか地方独特の税制といったこともこれからは検討していくべきではないかと思います。
 また、日本海にはメタンハイドレートを含めてまだ未開発の天然資源がたくさん眠っています。そういったものに対して、逆に中央政府ではなくて、中国ですとか韓国ですとかロシアですとか、そういった海外との共同の資源の開発、そういったことで地方から新しいエネルギーといったものを生み出していく。そういう可能性もあるわけですから、外交やエネルギー政策ひっくるめて、やっぱり地方の独特の資源、これを有効活用するためのそういった可能性、これを是非こういった場でも議論し、それが世界に、また日本の存在、地方自治の在り方を新しい観点で捉えるという意味で日本の魅力を増すということにつながると思いますので、是非そういう観点からの議論もこの調査会で進めていければと思います。
 以上です。
#21
○会長(山崎力君) 古賀友一郎君。
#22
○古賀友一郎君 自由民主党の古賀友一郎でございます。
 国と地方の関係について、私の思うところを申し述べたいと思います。
 本会の調査項目が「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」ということで、まさしく私も、国と地方の関係についても時代の変化に対応して合目的的にやっぱり変化していくべきだと、このように思っております。
 先ほど、歴史的に考えて、倉林委員からも御指摘があった憲法なんですけれども、まさしく戦後、我が国の民主化の一環として憲法に地方自治の章が新たに設けられたということでありまして、新しい地方自治制度が導入されたわけでありますけれども、これは、その国と地方の関係という観点からいたしますと、まさしく中央政府に対するチェック・アンド・バランスといいますか、抑制均衡という、そういった要請があったというわけでありまして、まさしく地方自治の本旨たる団体自治、住民自治のうち、団体自治というのはまさにそういった視点からの要請だと、これは戦前の反省からだというふうに理解をできるわけであります。
 その後、戦後の復興から高度経済成長を経て、社会が安定、成熟化していって、また国民の価値観も多様化してくるという中にあって、それまでの国主導での一律の行政では社会のニーズを満たしにくくなってきたというわけであって、しかもまた経済成長によるパイの拡大も望めないという、そういう時代に入ってきたというわけでありまして、まさにそれが昭和の終わりからバブルを経て、バブル崩壊後の頃からそういった視点がやっぱり強くなってきたわけであります。
 その頃から、先ほど横山先生からもありました、これは平成五年の地方分権の衆参の国会決議というところから始まりまして、るる地方分権の改革というのが取り組まれてきたわけでありますけれども、ちょうど我が国における失われた二十年と重なる時期になるわけであります。平成七年の地方分権推進法、あるいは平成十一年の地方分権一括法の成立、あるいは平成の市町村大合併、あるいは平成十六年からの三位一体の改革、十八年の地方分権改革推進法に基づく改革という一連の分権改革がなされてきたわけでありますけれども、この間の改革の趣旨というのは、一貫して自治体の能力を高める、あわせて国の関与を縮小して自治体の自由度を高めるというわけでございまして、そういうことを通じて、行政能力のある自治体が地域の住民のニーズを効率よく満たすことができるんだと、こういう思想に基づいた改革であったわけであります。
 その当初の目的が果たして順調にちゃんと効果が発揮されているかどうかというのは、これはいろんな議論のあるところだと思いますけれども、一つは、この間の改革で大きな積み残しとなっているのがいわゆる税財源の問題というわけでございまして、特に先ほど申し上げたように、経済のパイが停滞する時代においての分権議論でありますから、どうしても国と地方の税財源分捕り合戦になって、なかなか進まなくなってきているというのが大きな課題であると、これは一つ認識をしておかなければならない課題だろうというふうに思うわけであります。
 ただ、そうこうしているうちに、今度は少子高齢化が進んで人口が減っていくという時代に入って、経済のパイが停滞するどころか縮小に向かうんじゃないかというような危機感が共有される中で、地方は消滅すら意識を持たなければいけない。そういった、その程度の危機感がやっぱり醸成されてきたという社会情勢の中にあって、どういう今後の国と地方の在り方を考えていくかというところが求められているのではないかというふうに思っております。その点については先ほど浜田委員も御指摘になったと思うんですけれども、地方の持っている資源によってその可能性を引き出すというような国と地方の関係というものがこれから必要なのではないかなというふうに私も思っているところであります。
 これまでの地方自治体に求められる役割というのは、その与えられた仕事をうまく効率よくこなすというようなことだったんですけれども、これからは、それに加えまして、やはりその地域の資源をフルに活用をいたしまして、雇用を生み出して、そしてまた持続可能な地域社会を創出する、そういう自治体が求められているんじゃないかなと、このように思っております。
 そういった意味では、これまでの分権というのは行政間での権限のやり取りというわけでありましたけれども、既存の行政の権限を国と地方でどう分け合うかという発想とともに、言わば、それを一階としますと、二階の部分の議論といいますか、世の中的には現在認められていない、あるいは禁止されているかもしれない、そういう領域において自治体に権限を与えてみる。やる気と能力のある自治体に権限を与えてみて、そしてその潜在能力を発揮させると。もちろん、それがうまくいかなければ……
#23
○会長(山崎力君) そろそろおまとめください。
#24
○古賀友一郎君 はい。
 剥奪するということになろうと思いますが、そういった一階、二階の権限の議論をしていただければなと。
 それとともに、最後に一言申し上げますと、国の関与もやはり必要な部分が必ずありますので、その仕分、目利きをやっぱりきちんとやらなきゃいかぬというふうに思っております。
 特に私、財政に携わってまいりましたので……
#25
○会長(山崎力君) そろそろおまとめください。
#26
○古賀友一郎君 はい。
 その国の関与の在り方についても必要な部分をきっちりと議論していただければと思いますので、その辺をまた皆さんの御意見を伺いたく思います。
 以上です。ありがとうございました。
#27
○会長(山崎力君) 風間直樹君。
#28
○風間直樹君 去年に引き続きまして、調査会に所属をさせていただきます。今年は「国と地方の関係」ということで、今の皆さんの御意見を伺っておりますと、思い切った我が国の統治機構、地方制度の改革が必要なんじゃないかということがやはり時代の変化に伴った皆さんの意識なのかなというふうに感じました。
 私も、今日出ています道州制について述べたいと思います。
 二十代の頃、当時の経済人の下で、日本に道州制を導入した場合、具体的にどういうプランが可能かということを考えたことがありますけれども、その後、私、県会議員を新潟で務めまして、やはり今の都道府県の制度というのは、日本の自治とか、その自治の基礎になるそれぞれ都道府県の産業力、経済力を成長させていく上ではどうも不適切じゃないかなと強く感じるようになりました。
 例えば、新潟県の場合ですと、当時、まあ今から約十五年ほど前ですが、大体年間の予算が一兆円程度、産業経済に関する部門の予算が年間三千から四千億円程度だったと思っています。その県の予算書を見ますと、まあ官僚出身の先生方は御承知のとおりですが、戦術的な予算が非常に多くて、例えば制度融資に関する予算とか、一方で、戦略的な産業基盤への投資とか産業基盤の強化ができる予算というのが枠としてほとんどつくれない状態でした。
 国はそもそも都道府県に対して余り産業投資とか産業基盤の育成というものを期待していないんだと思いますが、一方で、今のように、都道府県が機関委任事務の受皿としてほぼ機能するだけでいいのかなという意識は今日までずっと持っています。
 ドイツや中国を見ていますと、例えば人口が二千五百万人ぐらいまでの単位で、非常に活発な産業投資をやりながら、かつ自治も地方のその独自性や主体性を尊重してうまくやっているなという地域が多数あるような気がします。
 日本で仮に道州制を導入した場合、二十代の頃、私がその当時の上司の下でいろいろ計画作りに参画したときには、日本で十から十一に地域を分けて道州をつくった場合、GDPで世界の上位二十位ぐらいの国々の中に入ってくるという経済力をそれぞれの道州が日本では持つということだったと思います。ですので、今、アベノミクスの下、日本経済の成長を促す政策を政府は取っていますが、より根本的には、地域の産業基盤を強化することによって日本経済の成長を促すというのが私は一つの王道だろうと思っています。
 ただ、非常に大きな阻害をする要因が日本にはありまして、これは御案内のように、中央省庁による一種の妨害、抵抗だと私は思います。
 今から十年ほど前に、当時の政府・与党だった自民党が北海道をこの道州制のモデルとして、北海道で道州制、特区のような形でやろうという法案を提出されたことがあったと思うんですが、このときの様子を見ていまして、見事に中央省庁の抵抗によってそれが骨抜きにされました。骨抜きにされる理由はいろいろあると思うんですが、一つの大きな理由が、中央省庁から各都道府県に行くいわゆる天下り、人材が行く、そのルート、ポストがなくなるからというのが私は大きな原因だろうと思っています。
 よく最近、岩盤規制という言葉が言われますけれども、日本の地方自治の仕組みをより良いものにしていこうという、この考え方の中にも岩盤規制が実は出てきまして、それは私は中央省庁によるポストの維持だろうと思っています。これをやはり排除していくには、やはり官僚制度の改革、キャリアシステムの改革というものが避けて通れないだろうと私は考えています。
 アベノミクスが経済成長、成長戦略を掲げながらなかなかそれが実現に移っていかないのも、中央省庁の抵抗、言ってみればキャリアシステムがあるからこそだと思っておりますので、経済成長とそれから道州制移行に際してのこの地方自治システムの改革を考える上では、この官僚制度の改革というものも併せて考える必要があると思っています。
 以上です。
#29
○会長(山崎力君) それでは、井原巧君。
#30
○井原巧君 自民党の井原でございます。
 国と地方の関係ということで、地方分権、権限、財源の話が先ほどもずっと出ておりますけれども、考えてみるとすごく言われて久しいなというのがこの地方分権論議でありまして、私も本当に直近の去年までは首長をさせていただいていたんですけれども、ちょうど青年市長会というのがあって、全国で五十歳以下の市長で七十人ぐらいの会があるんですけれども、私、会長をさせていただいたんですね。そうしたら、集まると国の悪口ばっかりすごく言っていた記憶があります。民主党のときの子ども手当のときなんかも、かなりみんなで抵抗しようと、こういうようなことで、下から見たときにはそういう不満を持っていたんですね。
 今度、二十年ぶりに、昔は秘書をしていましたから、こちらに帰ってきて、今度は国政から見るとやはり少し見方が違って、地方に対しての不安感というのも払拭できないなと。こういうことを両方の目線で見ながら、今日ここ参加させていただいているんですけれども。誤解を恐れずに一言で言うと、心配性で過保護な親とまだまだ未熟だけど自立に自信を持った息子がそれぞれ意見を言い合っているような、そんなところが国と地方の関係の中であるのかなというふうに思います。
 そういう目線で少しお話をさせていただいたらと思いますけれども、基本的に皆さん方と同じような意見で、ナショナルミニマムというか、ほとんど国の端々まで社会資本等、サービス等が均一に整備された現状でありますから、それ以上にその住民の満足度とかあるいは幸福度というのは、物で、数字でなかなか測れませんが、ただ、例えばブータン王国なんかがすごく幸福度が高いと言います。それはただ単に豊かという数字だけじゃなくて、やっぱり行政との関わりとか地域住民との関わりとか、そういう総合的なところで幸福度というのが増すわけですけれども、ほぼサービスが整った上では、やっぱり住民に最も近い行政がそのニーズを把握して、やはりきめ細やかな行政サービスを付加していくという、そういう時代に今の日本は成熟期を迎えているのだろうというふうに思うんですね。
 もう一点、しかし、課題もあると思うんです。これはもちろん自民党政権も反省しなきゃならないけれども、諸外国と比べて、やっぱり東京への一極集中は他のパリとかロンドンに比べると一〇%ぐらい高いと。それは、やはり今回、地方創生という議論もしていますけれども、やっぱりこれまでの中央集権体制で反省すべきものの検証がなかったら、なぜこう起こったかということはなかなか見えてこないんだろうというふうに思うんです。例えば、国税収入の四割が東京だし、GDPの二割がそうだし、若い学生の三割は東京に集中しているという現状の中で、その辺をどうやって国と地方の関係の中で考えていくんだろう、地方分権を考えていくんだろうということがすごく求められていると思うんです。
 片や、今度、地方についての心配をこれは私の体験でお話しさせていただくと、市町村合併を誘導されたわけですね。そのときのキャッチフレーズというのは、サービスは高く負担は安くという、こういうことが一つと、もう一つは、地方分権の受皿としてもっと高次機能の市町村じゃないと、小さい何でもやるような市町村じゃ無理だよと、専門性を持たなきゃ駄目ですよと、こういう呼びかけで市町村合併を進めたわけですね。
 しかし、振り返ってみると、当時、ちょうど三位一体の改革がありましたから、非常に財政は悪化したわけです。あと、駆け込み事業ありましたから、私の町なんかはひどいときは経常収支比率九七%まで行きましたから、政策的予算というのは三パーしかなかったわけですね。そういう中で、しかしみんなが行政改革して、人を減らしながら今ここにやっとたどり着いているというのが今の現状だと思うんです。
 ただ、その中で、じゃ、地方が育ったのかというと、ちょっと残念ながら私自身も不安感があります。それは、例えば住民というのはサービスっていっぱい求めてくるわけです。満足はないわけですね。その中で、予算の優先順位決めるときに市とか町はどういう優先順位しているかと。できるだけ住民の満足を満たそうということになると、補助金がある事業か、あるいは交付税措置がある事業かということで、優先順位がいつの間にか国の補助の制度によって決められているというようなことになっています。
 ですから、私は、今回、国と地方の関係を考える上でいうと、国の側も、やっぱりお金を出して口も出していた時代から、少し勇気を持って、お金を出して、そして、地方という、今は子供ですけど、将来大人にならなきゃなりませんが、地方の方はしっかりとそのお金を受けた中で自分たちで考えて自立できる行政にどうすればいいかということを考えていかなきゃならないし、もし市町村に限界があるのであれば、今日議論があった広域的自治体でありますけれども、私は道州制にはちょっと慎重派です。なぜかというと、地方がそこまで育っていないから。だから……
#31
○会長(山崎力君) そろそろおまとめください。
#32
○井原巧君 はい。
 育っていないからですね。今、現状の中の都道府県の再編とかはこれは十分考えながら、広域的自治体に行政能力を持たせていくということも検討の余地はあろうかというふうな視点で今後この会で発言していきたいと思います。
 以上です。
#33
○会長(山崎力君) 秋野公造君。
#34
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
 私も意見を申し上げたいと思います。
 まず、これまでの地方分権改革によって、地方の法的自主自立性が高まるなど、地方分権の基盤はおおむね構築されてきたという地方分権改革有識者会議の見解にはおおむね私も同意しています。これからは、地方分権改革の推進については、国が主導するスタイルから地域における実情や課題に精通した地方の提案に根差した手法への転換が望まれており、地方の多様性を重視した取組を推進していくことが求められると思います。
 その背景は、我が国が成熟社会を迎える中にあって、地域社会における課題が複雑化しており、それらを画一的な方法で解決することが難しいからであります。よって、地域の実情に合わせた柔軟な対応が求められると言えるかと思いますが、その上で、私は、地方分権の議論は、単なる権限と財源移譲の論議にとどまることなく、地方分権と地方分権後の自治体間の連携の仕組みまでセットで行うべきであるということを申し上げたいと思います。
 例えば、県境、市町村境の社会資本整備は、これまで一体的に防災対策などは行われてきましたが、権限移譲後は複数の自治体間での水平間の調整が必要となってしまい、防災対策は一体的に行うことで重要であるものの、仮にその調整が困難なときに、コーディネートの役割を果たすのは一体どこなのか、緊急時に意思決定を行うのは一体誰なのかというところまで見極めておく必要があると思います。
 地域交通についても、民間事業者がカバーできないものを自治体が代替をしてまいったわけでありますが、自治体内の例えば町営バスとかいった地域交通にとどまらず、例えば半島地域の先端地においてその他の自治体ともつないでいくような仕組みが移動では担保が必要と私は考えておりまして、都道府県の補完の仕組みだけでなく、こういったことに目配りをしてコーディネートを果たしていく存在というのが必要と思います。権限は対等であったとしても、条件不利地と有利地の協力というのは何らかの仕組みが必要ではないかということを訴えたいと思います。
 最後に、住民自治の充実について申し上げたいと思います。
 地方分権改革は、究極的には住民生活の向上が目的であって、目に見える形で成果を住民に還元することが求められます。そこに生きる人々がそれぞれの地域で安心して人生設計を描くということが重要なことであり、今後、地方公共団体は、これまでの国の制度改革や移譲された事務権限を最大限に生かすとともに、広域連携等の相互補完のネットワークを意識しながら、地域の課題の解決に向けて独自の工夫を凝らしつつ、地域を元気にしていくということが期待されていると思います。
 そして、地域再生の主役は住民であり、住民は、単なる行政サービスの受益者にとどまることなく、地方公共団体の政策決定に参画し、協働する主体であるということが期待されると思います。地方においても都市部においても、自治体は住民を中心に地域の再生に取り組むという考え方が必要になると思います。
 また、住民の意見を地域の政策課題に反映させる上で議会の役割が重要であり、地方議会の政策提言機能を強化する地方議会改革もこの場で話し合ってはいかがかと思います。
 以上、意見を申し上げました。
#35
○会長(山崎力君) 御発言も尽きないようでございますけれども、予定の時間が近づいてまいりましたので、本日は、委員間の意見交換はこの程度とさせていただきます。
 委員各位からは貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日の御意見を今後の調査会運営の参考とさせていただき、より充実した調査ができるよう努めてまいりたいと存じます。
    ─────────────
#36
○会長(山崎力君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国の統治機構等に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○会長(山崎力君) 御異議ないものと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○会長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#39
○会長(山崎力君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国の統治機構等に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○会長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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