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2014/11/13 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 環境委員会 第5号
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2014/11/13 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 環境委員会 第5号

#1
第187回国会 環境委員会 第5号
平成二十六年十一月十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     山田 修路君     山谷えり子君
 十一月十二日
    辞任         補欠選任
     山谷えり子君     山下 雄平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島尻安伊子君
    理 事
                高橋 克法君
                中西 祐介君
                水岡 俊一君
                市田 忠義君
    委 員
                岩城 光英君
                尾辻 秀久君
                岸  宏一君
                佐藤 信秋君
                中川 雅治君
                中曽根弘文君
                山下 雄平君
                小見山幸治君
                櫻井  充君
                長浜 博行君
                浜野 喜史君
                杉  久武君
                水野 賢一君
                清水 貴之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻井 敏雄君
   参考人
       独立行政法人国
       立環境研究所資
       源循環・廃棄物
       研究センター長  大迫 政浩君
       立命館大学国際
       関係学部教授   大島 堅一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(島尻安伊子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山田修路君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(島尻安伊子君) 日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として独立行政法人国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長大迫政浩君及び立命館大学国際関係学部教授大島堅一君の両名に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜り、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、大迫参考人、大島参考人の順でお一人二十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人の皆様及び質疑者の発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず大迫参考人にお願いいたします。大迫参考人。
#4
○参考人(大迫政浩君) 皆さん、おはようございます。国立環境研究所の資源循環・廃棄物研究センターでセンター長をしております大迫と申します。よろしくお願いいたします。着席のまま失礼いたします。
 それでは、お手元の資料で、私の名前が入った横置きの資料を御覧いただければと思います。
 私の方からは、中間貯蔵施設の実現に向けた技術的課題ということで、まず最初に、中間貯蔵施設に関するおさらいをさせていただいて、それから次に、今後に向けた技術的課題、特に県外最終処分に向けての減容化というところに焦点を当てて意見を申し上げたいというふうに思います。
 それでは、次の二枚目を御覧ください。
 まず、今日御説明に当たって、私の所属、経歴等をお話しさせていただきます。
 国立環境研究所で、資源循環・廃棄物研究センターというところで廃棄物関係の仕事をしておりますけれども、これはつくばにありまして、国立環境研究所は環境省の所管の唯一の研究所でございます。
 私自身は、一九九一年に京都大学の工学研究科を修了しまして、その後、旧厚生省の研究所に入所いたしました。従来、廃棄物行政といいますのは旧厚生省がその当時担っておりましたので、その研究所に入り、二〇〇一年に省庁再編で環境省国立環境研究所に異動して、その後独法化されたわけですけれども、二〇一一年よりこのセンターのセンター長をしております。専門は環境工学でございます。
 二〇一一年にこのセンター長に就任したというのがちょうど震災直後でございまして、大変その後、災害廃棄物の問題、それから放射性物質汚染廃棄物の問題に関して一貫して研究開発に従事してまいったわけであります。その間、環境省の方でも、国としてその放射性物質に対する特別措置法を策定する必要があったわけでございますが、それに向けて私どもの研究所も科学的知見の提供によりまして技術基準やガイドライン等の策定に貢献してきております。
 私自身は、環境省の様々な検討会ございますが、その当初から参画しておりまして、今日の中間貯蔵に関する検討会においても、安全対策検討会、また輸送に関する検討会の委員を務めているところであります。
 それでは次のスライド、四枚目を御覧ください。
 それでは最初に、中間貯蔵施設の概要について若干おさらいしながら御理解いただければと思うわけでありますが、四枚目に中間貯蔵施設の流れを記載してございます。
 福島県内の今仮置場に、あるいは発生現場の現地に除染によって生じた土壌や廃棄物等が保管されてあるわけですが、それを中間貯蔵施設に輸送し、搬入してくるわけです。中間貯蔵施設におきましては、左側にありますけれども、最初に受入れ・分別施設というところでそのものを受け入れます。通常、フレコンに入った状態でダンプトラック等で搬入されるわけです。その受入れ・分別施設で土壌、廃棄物等の種類やまた濃度によって分別すると。したがって、そこでは、濃度の測定をしたり、また、フレコンを降ろした後にそのフレコンを破袋すると。破って中を出して、それを適切に埋設、貯蔵していくということになるわけです。
 右側の方にどういったところに貯蔵していくかというイメージが描いてございますが、一番上の方は土壌の貯蔵施設になっております。土壌の貯蔵には二つのタイプがございます。一つは八千ベクレルを超える土壌を貯蔵する器、それから八千ベクレル以下のもの、この二つのタイプがありまして、八千ベクレルを超えるものに関しましては、中の水が外に漏れ出さないように、水を集めて処理するというような形で遮水機能を設けているものでございます。
 その下に行きますと、減容化施設がございます。除染によって草木類などの可燃物が多く発生しておりますので、それを運んできて焼却施設等で減容化するということになります。そのときに焼却灰が生じるわけですが、それは、その一番下の廃棄物貯蔵施設という形で、イメージとしては、コンクリート構造物の中にドラム缶等に詰めながら三十年間にわたって保管できるようにするということがあります。ただし、これに関しましては、濃度が十万ベクレル・パー・キログラムを超えるものについて対応していくということになっております。
 また、この施設の中には、車両が汚染されていないかということを確認してから外に出ていってもらうというスクリーニング施設でありますとか、情報公開を積極的にやっていく情報公開センター等も附帯設備として備えていくということになります。
 その次、スライド五でございますけれども、これに関しましては、中間貯蔵施設に搬入するものの種類が書いてございます。
 まず、その一番右上の方に二つのフレコンの色が描いておりますが、このようなフレコンバッグ、大体一立米ぐらい入っておりますけれども、この中に土壌や草木類等の可燃物が入っていると。今現在、仮置場では可燃系と不燃系ということで分別した状態で置かれております。左側の方はクロス型、右側の方がランニング型というフレコンでございまして、右側の方がより耐候性や防水性に優れたフレコンでございます。ただ、いろいろと仮置場にはこういったものが、除染が始まった当初から種類が違うものも置かれておりますし、またこの管理の仕方についてもいろいろと課題もあるというように承知しておりますので、ここら辺も把握して対応していく必要があろうかと思います。
 それから、もう一つ搬入するものは下の方の焼却灰でございまして、これは十万ベクレル・パー・キログラムを超えるものであります。減容化、焼却した後に出てくる焼却灰で、比較的不安定な物質ですので、こういったものも厳重に管理して貯蔵していく必要がございます。
 次に、スライド六に搬入量の推計値がございます。大体千六百万立米から二千二百万立米、これは焼却した後の、減容化した後の量の推計でございますけれども、そこにグラフがございまして、一番左の方が八千ベクレル以下の土壌、それから次の柱が八千ベクレル以上の土壌ということになっておりまして、大体一千万立米ずつぐらい発生が予測されております。ほぼ八千ベクレル以下は市町村除染によって生じたもの、それから八千ベクレル以上というのは避難指示区域になっているような線量の高いところから出てくるものというふうに目安としては見ていただければと思います。
 その他、右側の方に、その除染によって生じた有機物、可燃物を焼却した後の焼却灰とか、あるいは今現在、仮設炉が様々建設されておりますけれども、その仮設炉から出てくる十万以上の焼却灰等が対象になるということでございます。
 次のスライドを御覧ください。
 スライド七でございますが、これは中間貯蔵施設の配置図案でございます。左の方が北側になりまして右側の方が南側になりますけれども、ここの今エリアの面積が大体十六平方キロメートルということで、広大な敷地の中に色分けされておりますけれども、先ほど御説明した幾つかのタイプの貯蔵施設を配置していくわけであります。必要面積等を考えながら、また地形的なもの、特に地盤の安定性とか、地下水がどれぐらいの高さになっているかとか、そういったことを考えながらレイアウトすると。
 先ほど土壌に二つのタイプがあると申し上げましたが、その中で言いますと、黄色い色のところの部分につきましては谷地形を利用して埋めていくと、それから、その上流側に濃度の濃い土壌のタイプを入れていくというようなレイアウトにしております。それから、焼却灰等の廃棄物はできるだけ地下水位が低い丘状のところ、段丘状のところに配置するというような形でレイアウトを考えておりまして、これも一つのまだイメージでございますが、今後ここを精査していくということになろうかと思います。
 次に、スライド八を御覧ください。
 ここは中間貯蔵施設への輸送について記載してございます。
 輸送に関しましては、三つの原則にのっとって進めていくと。安全かつ確実に輸送、それから短期間で輸送、それから国民や関係機関の理解と協力の下で実施する。こういった基本原則の下で、左側の方に幾つか文章で書いてございますけれども、それは現在、輸送基本計画という形で検討しておりまして、その基本方針の中には、国によって輸送情報の一元管理をしていくということ。それから、住民の安全確保、環境影響等の抑制、また、常磐道、高速道路の積極的な活用をしていくと。また、できるだけたくさんの仮置場から小型の車両で直送してくるということは効率性等の面から大変ですので、集約輸送や大型車両を利用していくと。今後、おおむね一年程度のパイロット輸送によって様々な効率性や環境影響等をきちっと確認していきながら、詳細なまた計画に役立てていくということにしているというふうに理解しております。
 また、現在、関係市町村、たしか昨日でしたか、連絡調整会議等も県の中で開かれておりますけれども、市町村の意見を聞きながら輸送基本計画を取りまとめ、また詳細な輸送実施計画を策定していくという状況でございます。
 次に、今度は技術的な課題ということで、私の考えている最も重要と思われる事項について絞ってお話しします。
 スライドの十枚目でございますけれども、三つのポイントでお話ししたいんですが、一つは、県外最終処分対象物の減容化の必要性ということで、できるだけ県外に持っていく最終処分の量を減らすということの必要性。それから二つ目に、土壌自身が大変今回の問題になっている放射性セシウムという放射性物質に対して極めて強い固定化能力を持っていますので、それを生かしたコスト合理性のある再生利用方法を選択していくべきであるということ。それから三つ目に、そのような再生利用方法も含めて、放射性セシウム分離のための減容化技術の研究開発を急ぐ必要がある。この三つの点についてお話しさせていただきます。
 十一枚目でございますが、県外最終処分の対象物の減容化の必要性という点では、やはり処分場の立地というものが大変難しゅうございますので、できるだけ事前に減容化を図り、中間貯蔵施設から県外最終処分場に運ぶ物の量を減らし、また最終処分過程における負荷低減を図ることが必要です。そうなりますと、減容化をしていくということが大変重要だということは言うまでもありません。
 減容化には三つの手段が有効だと考えておりまして、まず、その中間貯蔵の埋設前にできるだけ濃度分別を図り、低濃度のものは再利用していくと。それから二つ目に、たとえ貯蔵後であっても自然に放射能は減衰していきますので、そういった状況も見極めながら、適宜掘り起こしながら濃度分別、再生利用を図っていくということ。それから、不安定な焼却灰等については溶出性も若干高いということもありますので、これは高度にできるだけ技術的な減容化を図っていくということ、こういったことが重要かと思っております。
 スライド十二ですけれども、ちょっと少しそこでその補足説明をさせていただきますけれども、土壌に吸着捕捉された放射性セシウムは、雨水とか地下水の接触があってもこれは長期的に移動をいたしません。これは科学的に証明されております。また、十分な覆土をしていれば、放射線であるガンマ線というものがありまして、その放射線を遮蔽できるということで、管理された状態であれば再生利用が可能だということでございます。
 ちょっとその下を説明する前に、次のスライド、十三枚目と書いてあると思いますけれども、そこに放射性セシウムの吸着メカニズム、土壌への吸着メカニズムが書いてございますけれども、化学的な部分、詳細は御説明しませんが、土壌の中の微粒子、鉱物との分子レベルの相互作用によって放射性セシウムは極めて強く吸着されているということであります。
 これは、今回の事故に伴う環境汚染の実態調査等進んでおりますけれども、地下水等への移動というものは認められていないという状況でもございますし、また、一九八六年のチェルノブイリの事故のときにも、その後モニタリング等をしておりましても、放射性セシウムの土壌汚染は表面にとどまっているということでございます。
 また、次のスライドを御覧になっていただいて、放射能の物理的減衰でございますが、今回問題になっている放射性セシウムの核種として134と137というものがございますけれども、134の核種は二年の半減期、それから137が三十年の半減期ということで、この137の方が長期にわたって残存していくわけですが、三十年後に中間貯蔵の中の土壌がどうなっているかといいますと、四割ぐらいまで放射能が低減するということでございます。したがって、例えば八千ベクレル・パー・キログラムの一千万立米の土壌であっても、三十年後には三千ベクレル程度まで減衰しているということ、こういったことも考慮に入れながら考えていく必要があろうと。
 スライドの次の十五を御覧いただければと思いますが、そこにありますように、土壌に関しては極めてシンプルに再生利用を図っていっても問題ないんじゃないかと思っておりまして、土壌層の中に除去土壌を埋設し、表面は覆土によって放射線を遮蔽し、長期の自然減衰を考慮しながら、また、地下水等と接触しても溶出はせずに移動しませんので、土壌による強い吸着力を踏まえながら再生利用していくということが重要かと思います。
 それで、申し訳ありませんが、再度スライドの十二に戻っていただきますと、実際に、じゃ、具体的な今後の考え方としてまず必要なのは、この土壌の再生利用基準を早急に設定していくことが肝要かと思います。後ほど説明しますが、分級洗浄技術等の技術を併用しながら濃度を分けて、濃度の低いものは再利用をしていくと。例えば、濃度レベル三千ベクレルで三十センチの覆土厚があれば、その土壌貯蔵施設内の中間覆土とか土壌流出を避けるための堰堤ですね、堰堤の造成材料等にも使えますので、利用用途を考えながら再生利用を図っていくと。また、ここに三千ベクレル程度の土壌が埋設、利用されていますよということを長期的な情報管理で担保していくということ、こういったことも必要かと思います。
 それでは、スライドの十六を御覧ください。次、三つ目に、この放射性セシウムの減容化技術の研究開発でございます。
 スライド十六の下に二つの四角囲みがありますが、減容化、減容化といいましても、どういうことをやるかというと、放射性セシウムというのはそのままなくなるわけではございませんので、土壌、焼却灰を低濃度のものと高濃度に分けるという操作が減容化なんですね。この低濃度のものはかなり多量に出てきますので、その再生利用を図ることによって県外最終処分の対象の高濃度の少量のものを厳重に管理していく、こういうスキームでございます。下の方の四角においては、今度は同じ四角の絵でございますが、この最終処分の対象というのは、今度は濃度が高濃度になっている、量はコンパクトになっていますが高濃度になっておりますので、これに関しては厳重に管理していくということが必要になります。
 スライドの十七を御覧いただければと思いますが、そこに、今現在技術開発が行われている技術の種類がございます。
 最初に、分級洗浄処理というものがございまして、これに関しては、土壌の小さな粒にセシウムが吸着し濃度が高いということで、小さな粒と大きな粒を分けて、低濃度の大きな粒を再生利用を図っていくということで減容化を図ろうと。二つ目の化学処理は薬剤等によって抽出する方法、それから三つ目の熱処理は高温の処理によってセシウムを揮発分離して回収していく方法、こういった方法によって減容化を図ることが可能になります。
 さて、終わりにということで、十八枚目でございますが、ここに環境省がお示しになっている今後の県外最終処分に向けてのロードマップが書いてございますけれども、ステップ一からステップ八までございます。
 今日、今御説明差し上げたように、県外最終処分の負荷低減のためにはこの減容化技術の開発が必須であります。今現在かなり技術開発も進んでおりますので、その状況を見極めながら適宜ロードマップもアップデートすべきというふうに思っております。既に確立している、先ほど申し上げた分級洗浄技術とかそういったものはできるだけ先行してモデル的な実証事業を進めていただいて、できましたら埋設貯蔵前に再生利用を図っていくということも、時間的にいろいろと難しい面もあろうかと思いますが、検討していくべきではないかなというふうに考えております。
 以上、私の意見陳述を終わらせていただきます。
#5
○委員長(島尻安伊子君) ありがとうございました。
 次に、大島参考人、お願いいたします。大島参考人。
#6
○参考人(大島堅一君) 皆様、おはようございます。立命館大学の大島と申します。
 今日は意見を述べる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私の専門は技術的なことではありませんで、環境経済学や環境・エネルギー政策論でありますので、その観点からお話をさせていただきたいと思います。私自身は二〇一一年に政府のコスト等検証委員会の委員や総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会の委員などをさせていただいております。
 まず、今日お話しする二枚目のスライドに移っていただきまして、三点お話ししたいというふうに考えております。
 一つは、費用と費用負担についてということであります。二つ目は、今回の対象となっておりますJESCOについてお話しさせていただきたいというふうに思います。三つ目は、中間貯蔵施設をめぐって様々な論点がございますので、法案を審議するに当たって御考慮いただきたい点についてお話しさせていただきたいというふうに思います。
 三枚目のスライドに移っていただきまして、まず費用負担についてでございます。
 私の費用負担論からいいますと、一体誰が負担するのかということによって事業者への影響というのは大きく変わるわけです。環境問題に対して様々な費用負担がされていますけれども、基本となる原則というのは汚染者負担原則です。
 今回、中間貯蔵施設の建設・運転費用に関しては一体誰が実質的に負担するのかというところが非常に大事なことではないかというふうに考えています。汚染者負担原則にのっとれば、東京電力が当然ながら支払うべきことであり、これは環境基本法第三十七条にも同じようなことが明記されています。ただ、今回の政府のスキームによりますと、原子力損害賠償支援機構法六十八条、これは国費を投入するという、国費を支援機構に対して入れる、資金援助するという条項に基づきまして、政府は機構に対して資金交付をその分することになっています。すなわち、この分、事業者に代わって国が費用を負うことになります。そういう意味では、ここでは国民負担になっているわけです。
 そもそも、支援機構法自体が汚染者負担原則に反するような内容になっていると私自身は考えておりますが、その上、今回国費を投入するとなれば、ますますおかしな話になるのではないかというふうに考えています。説明によると、電促税の使途変更によって追加的な国民負担はないというふうに書かれていますが、これは汚染者負担原則からすれば筋が通らない話なので、付け替えればいいという話ではないというふうに考えています。もし汚染者負担原則から逸脱するということであれば、その理由は一体何なのかということが非常に大事なことでありまして、財政出動する以上、そこが非常に大事なことになるのではないかと思っています。
 あと、最終処分地の、これから三十年以内に県外移設するということですが、最終処分地の建設、運転ないしは、もう一つは事故炉から出てくる放射性廃棄物、これはもっと放射性が高い、放射能がたくさん出てきますけれども、そこの最終処分地の建設・運転費用の負担に当たっての前例になるのではないかというふうに私自身は懸念しておりますので、最初の放射性廃棄物の処分場である、処分場というか中間貯蔵施設であるこの今回の案については慎重な御議論をしていただければというふうに考えています。
 次、めくっていただきまして、汚染者負担原則に関して考えてみると、損害賠償、事故炉の収束、あるいは除染、除染廃棄物の処理処分に関して国が関与する、責任を持って対処するというのは当然な話であります。ただ、国が強く関与することと国が費用負担を行うということは別の問題であります。当然ながら、繰り返し申しますが、汚染者、加害者である東京電力に費用負担責任があるのでありまして、もし仮に国が費用負担を行うのであれば、これは福島原発事故を発生させた国の責任を認めるということになりますので、ここを明確にして、それを認めた上で費用負担を行うことを国民に対して分かりやすく提示すべきではないかというふうに考えています。
 現実には、国の事故発生責任が明確にはならないまま、国民、電力消費者への費用転嫁が実は進んでおりまして、次、めくっていただきまして、五ページに行っていただきますと、これは政府や東京電力の出している資料を積み上げたものでありまして、私が恣意的に積み上げたものではございません。積み上げてみますと、大体十一兆を超える、福島原発事故に関連して十一兆を超える費用が、出費が出ているということになっています。
 では、これは一体誰が負担しているのかというのが非常に問題でありまして、六ページ目に行っていただきますと、個別のことは今日は時間がないので差し控えさせていただきますが、おおむね電力会社が支援機構に対して払う負担金、一般負担金を通じて電力消費者負担になっているか、電力料金への総括原価の中に入れていくという形によって電力消費者負担になっているか、あるいは今回のような国民負担になっているかというようなことが非常に行われています。もちろん東京電力も自ら払う部分はあるわけですが、それは十一兆円のうちの一部にすぎません。多くの部分は、国民、電力消費者への負担になっておりますので、そこは非常に大きく懸念しておるわけです。
 というのは、十一兆円と今申し上げましたが、これはまだまだこれから膨らんでいくものです。今現時点での金額ですので、例えばこれまでの環境問題の出費からいきますと、水俣病は非常に大きな公害事件で非常に悲惨な被害も生み出したわけですけれども、出費でいいますと二千五百億円規模だったわけですね。今回の福島原発事故は十一兆円ですので、もう桁違いに大きいわけですけれども、これがまだ現時点で十一兆円ですので、恐らくもっと上がってくるだろうと。既に要賠償額は私が見た時点よりも既に上がっております。
 六ページの方の中間貯蔵施設ですが、先ほど申し上げましたとおり、ここも国民負担になるということはやはり少なくとも国民に非常に分かりやすく説明する必要があるのではないかというふうに考えております。
 次に、七ページに行きまして、費用そのものですけれども、これは一・一兆円というふうに見込んでいますが、本当にこれで足りるのかということであります。
 衆議院の方の環境委員会の酒井参考人の発言を私は見ておりましたが、大体一立米当たり十万円ぐらい掛かるということですので、一・一兆円というのはかなり楽観的な話なのではないかというふうに私は考えておりますし、私は技術的には分かりませんので、その発言を見てそのような印象を持ったということでございますけれども、ただ、これは更にその費用が増える可能性があるということだけは事実だと思いますので、そのときにまたどういう費用負担をするのかということが問題になるわけです。この部分についても汚染者負担原則を逸脱する可能性があるのではないかというふうに考えておりまして、非常に懸念しているところです。
 二点目のJESCOの話に移らせていただきます。
 JESCOである必然性は本当にあるのかというのを私は考えました。JESCOは今回の中間貯蔵施設に持ち込む廃棄物を扱う専門組織としてふさわしいのかということですね。
 当然ながら、JESCOに関して言うと、放射性廃棄物の処分実績はありません。それは、これから、似ているところもあるんだということで技術的に積み上げるんだということだとは思いますけれども。
 では、そのJESCOが担当する施設の運転ですね、運営管理、輸送に関してどういったことをこれまでやってきたのかということを今回の参考人の陳述に当たって若干調べてみましたが、ホームページを見る限り、事業の業務委託をしているわけですね、民間に対しても業務委託をしていると。国がJESCOに委託し、JESCOが民間事業者に対して委託するのであれば、何かその委託するための組織のように私には見えまして、果たしてこれでJESCOを通して国が責任を負うというふうに言い切れるのかというのが私疑問に思いました。これに関しては御審議の中で御議論いただければというふうに思っております。
 ちょっと一枚飛ばしまして九ページ目に行っていただきまして、あと、JESCOがPCB廃棄物処分施設で様々なこれはトラブルが起こっております。複数の事業所で起きています。
 今回の意見陳述に当たって簡単に調査した限りにおいては、五つの事業所がありますけれども、少なくとも四つは幾つものトラブルが起こっておりまして、例えば北海道の件では、北海道新聞の報道によると、一件に関しては、道や室蘭市に報告義務があるにもかかわらず報告しなかったというような報道がされているところです。私は事実関係は確認しておりませんので報道によっておりますが、そのような報道もされているところです。
 そういう意味では、やはりどういった施設を運用するに当たっても様々な事故、トラブルというのは起こり得るし、実際、JESCOというのは起こした経験もあるわけです。そのときに国の責任は一体どういうふうに負うことになるのかということはあらかじめ整理しておく必要があるのではないかと。中間貯蔵施設の建設に当たっては、やはり住民の皆様の懸念というのが非常に大きいところでありますので、搬入路も含めて、どういったトラブルが起こり得るのか、起こった場合にどう責任を取るのかということについて整理し、必要であれば新たな制度をつくる必要があるのではないかと。
 様々資料を読ませていただきましたが、やはりトラブルの内容なども、ポジティブな面とネガティブな面、全面的にいろんなものを精査した上で、本当にJESCOがふさわしいのかどうかということも検討する必要があるのではないかというふうに考えておりまして、ちょっと一枚戻っていただきまして、八の二というふうに書いておりますけれども。
 やはり、福島原発事故というのは、先ほど申し上げましたとおり、出費の面に限って言っても、非常に巨大な被害といいますか費用を発生させておりますし、様々な対策が必要なわけです。その意味では、今回の法案、JESCO法の改正ということだけでは十分に対応できないんではないかと。むしろ、継ぎはぎ継ぎはぎではなくて、福島第一原発事故に対する抜本的な法律、法整備というのが必要なんではないかと私自身は常々思っているところであります。もちろん復興庁もありますけれども、例えば、これは単なる例ですけれども、福島原発事故賠償・復興機関というようなものを、環境省や経産省あるいは復興庁に分散している福島原発事故に関連する様々な機能をそういった統一した機関に集中させて損害賠償や復興に当たると。今回の中間貯蔵施設の建設においても、賠償問題と絡む部分がやっぱり多いわけですね。ですので、賠償と復興を統一的に行うような機関をやはり整備していただく必要があるんじゃないかと。これは新しい法律が制定されなければならないので、やはり国会で御議論いただければというふうに強く願っているところです。
 これは、ここの例で出させていただいたのは、私が座長代理を務めます原子力市民委員会というところで「原発ゼロ社会への道」というものを書いておりまして、これは原発ゼロ社会を目指すというものですが、この中に、とはいえ、福島原発事故にどのような対策をしなければならないのかというのを専門家、弁護士や技術者も含めて専門家が取りまとめたものでありますので、ここの案を申し述べさせていただきました。
 三点目です、中間貯蔵施設をめぐる論点について幾つか申し述べさせていただきます。
 そのうち、まず一点目は、地域社会の関与です。
 JESCOのPCB処理施設が立地している自治体を調べましたところ、短期間でしたので全部見られなかったんですけれども、複数の自治体でここに書かれておりますような委員会を設置して定期的に議論を行っているようであります。ということは、ここの、今回の中間貯蔵施設の建設に当たって重要なことは住民参加をいかに確保するかと、そういうことによって住民の不安や潜在的な危険を回避できるんではないかというふうに考えております。やはり中間貯蔵施設の建設、運用に関して、意思決定プロセスを透明化、住民参加をする必要があるんではないかと。これは株式会社ですので、なかなか住民参加というのが制度的に保障されないものですので、ここについては何とか住民参加ができるような仕組みというのを入れ込むべきではないかというふうに考えているところであります。
 二つ目は、中間貯蔵施設の予定地についてでありますが、土地の所有権の扱いをどうするかということが今非常に大変問題になっています。
 売りたい人、売りたくない人いますが、特に売りたくない人というのは、とりわけその土地に愛着を持っている人であります。この人たちの気持ちというのは非常に重視しなければいけないわけですね。そういう意味では、売ってしまうということは、本当の意味でふるさとを喪失するということでもあるわけです。ですので、売るということに関して、ただ処分地を確保するということではなくて、ふるさとを喪失するための賠償なんだという位置付けをやっぱり与えるべきなんじゃないかというふうに考えているところであります。そういう意味では、丁寧な取組が必要だというふうに考えています。
 今、土地の買収や交渉に当たっては個別で交渉しているというようなケースが説明されていますけれども、やはり、地権者と町の間で例えば契約を結んだりして町と国が交渉するとか、様々なスキームもあり得るので、単に個別で説得するということではなくて、より地域全体としてどうするのかという丁寧な説明が必要なのではないかというふうに考えています。
 あと、三十年後の土地の扱いですね。これは、原状回復措置をどうしていくのかということも展望に置きながら考えないといけない問題だと思います。これは費用と費用負担とも関わるところです。
 十二ページの方に行っていただいて、もう短いですので飛ばさせていただきますが、中間貯蔵施設の予定地についてですが、今、国は、土地は無価値であると、全損評価したので無価値であると、賠償したので無価値であるというふうに説明していますが、ただ、これは買上げではないので、この説明はやはりおかしいというふうに考えています。つまり、所有権は残っているので、東電が全損賠償したところで無価値になったとは言えないわけです。
 一方、これから県外最終処分をするのであれば、土地の価値というのは回復していく、長期的には回復していくのではないかと。なので、無価値なものに対して代価を払っているという感覚ではなくて、これから価値が戻っていくものなんだということで、もう一度考え直す必要があるのではないかと。今回、詳しく述べませんし、述べられませんが、農地の扱いなどもこれから検討すべき課題ではないかというふうに思っています。
 十三ページ目ですが、県外最終処分です。これは、中間貯蔵施設建設に当たって非常に重要な点だと思いますけれども、これを一体どのように担保するのかということと、その県外搬出後に跡地をどうするのかということですね。搬出後返すということであれば、地権者はその後を考えるのは当然でありまして、契約の内容に関わるわけですね。そういう意味では、どういうふうに返してもらえるのか、その跡地はどうするのかということも丁寧に議論すべきことだというふうに思っています。
 十四ページ目ですが、最後になりますけれども、環境影響については、地権者への説明だけではなくて、搬入路周辺の住民の人たちにもとりわけ影響が及ぶ可能性がありますので、説明し、また環境影響も評価するべきではないかというふうに考えております。
 まとめは省略させていただきますが、今申し述べさせていただいたとおりです。十五ページを御覧いただければと思います。
 以上、簡単でございましたが、意見とさせていただきます。どうもありがとうございます。
#7
○委員長(島尻安伊子君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様の意見陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○中西祐介君 おはようございます。自民党の中西祐介でございます。
 本日は、大迫参考人、そして大島参考人、大変、平日のお昼間、午前中のお忙しい時間にこうしてお時間を取っていただきまして、心から感謝を申し上げます。まず、会派を代表して御礼を申し上げたいと思います。
 三・一一の事故が起こって以来、この原発の収束に向けて、私は中間貯蔵の稼働こそが一つ大きな節目にあるというふうな認識を持っております。だからこそ、この中間貯蔵の施設の供用開始が重要でありますし、同時に、その出口の部分をしっかりとビジョンを見せることが何より福島の方々にとって、あるいは日本全国にとって重要な位置付けになるんだろうというふうな思いがしております。
 そうした中で幾つか御質問を伺いたいと思いますが、まず一つ、最初に伺いたいと思いますけれども、中間貯蔵施設、私も、これ環境委員会も通じて現地にも足を運ばせていただいて、バスという車内からではございましたが、候補地の視察もさせていただきました。とにかく広大な土地で、しかも起伏も結構あるようなところでございます。
 その中で、現状把握しているだけで一万五千筆ですね、筆数があり、地権者が多岐にわたっているという現状がございます。同時に、田舎の地域でありますので、相続とかなんとかでなかなかその地権者が十分把握し切れていない、ここまではもうこれ現状として事実でございます。
 そういう中で、交渉がスムーズにいけばいいですが、難航されることもこれは予測をされるわけでありまして、そういう中で、この中間貯蔵施設を本格稼働させるまで、言わば大迫先生がお示しいただいた政府の資料の設備が整えられるまでにいろんな課題が予想されるところでありますが、まず大迫参考人からその点について御意見を賜りたいと思います。
#9
○参考人(大迫政浩君) ただいまの御質問でございますけれども、確かに様々な解決すべき課題が残っているかと思いますが、本格稼働という手前のところの、できるだけ、今仮置場に保管されているもので困っていらっしゃる方も多いわけですから、順次、段階的に対応して、技術的なレベルも高め、そして本格稼働に結び付けていくと。その技術開発に関しましても、できるだけ精力的にやることで短縮化して本格稼働までの時間を短くしていく、こういったことが大変重要だと、段階的に対応していくということが大変重要かと思います。
#10
○中西祐介君 ありがとうございます。現実的なお話だと思います。
 その上で、六枚目の資料に出していただいておりますが、福島県内の汚染土壌の発生量に対して、更に施設に運び込んだ上で減容化した量が千六百から二千二百万立米だと推計をされているということなので、この図が意味するところは、運び込んで減容化の処理をした後ここまで圧縮できるという認識でよろしいですか。
#11
○参考人(大迫政浩君) そうではございませんで、これは仮置場から中間貯蔵施設に搬入する量ということで御理解いただいて、ただ、この焼却施設を中間貯蔵施設の中にも配置するということで、その分に関しましては、その場で減容化を図りますので、そこの出てきた焼却灰は、その分は、草木類は事前にやはりこの二千二百万立米を超える量が搬入されることもあります。二千八百万立米と、最大、こう言われておりますけれども、この数字は最終的に土壌の貯蔵施設あるいは廃棄物の貯蔵施設に入れる量ということで、減容化の前の量だというふうに理解いただければと思います。
#12
○中西祐介君 ありがとうございます。
 そうした意味からしますと、この八千ベクレル以下の土壌と以上の土壌の分け方というのは、多分、三十年の自然減衰も含めて考えると、左側のこの八千ベクレル以下というのは再利用に資するぐらいの量になってくるんじゃないか。さらに、この右側の千三十五万立米と示されているグラフの方は、更にここから、先生のお示しになると四割近くに減衰化されたものが濃度の濃いものとして最終的に処分場に運ばれるものになるという認識を持ってよろしいんでしょうか。
#13
○参考人(大迫政浩君) 詳細な量的なバランスについては今後精査する必要がありますが、この八千ベクレル以下の土壌については、三十年後までの県外最終処分を見通しますと、三十年後には三千ベクレル程度まで下がっていると。ですから、そのままであっても再生利用対象にはなり得ると思いますけれども、ただ、埋めてしまってまた掘り起こすとなると大変ですので、できるだけ、私の意見としては、貯蔵前に分けて、濃度を測り、またいろんな技術によって濃度の低いものに関して分別していくことで再生利用を図ると。
 それから、八千以上のものについても、濃度をうまく測りながら分けて、例えば埋設することの中でできるだけ再生利用の方に持っていって、県外最終処分の対象量をできるだけ削減するということによってコスト削減を図ることが重要だというふうに思います。
#14
○中西祐介君 ありがとうございます。
 今のお話を伺いますと、やはりスムーズな搬入とそして設備の稼働が必要だと思っておりますが、リスクの大きなポイントとしては、やはり今仮置場で三年近く野ざらしといいますか、外に置いてある状況から運び込むまでの搬入のリスクですね。例えば三年たって、あれはフレコンバッグの寿命に応じて三年という区切りを切ったと聞いておりますが、この搬入に対してのリスクはどのように先生お考えでございますか。
#15
○参考人(大迫政浩君) 被曝リスクという観点からいいますと、特に何か大きな影響が出るようなものとは考えておりませんが、ただ、事業を進めるに当たって、例えば輸送中にフレコンが破れて中のものが出たりとかそういったことになりますと、その事業自身の社会的な不安でありますとか、安全、安心という面からいうと、安心の面でやはりいろいろと事業に対する不安感を県民の方々が覚えるということもあろうかと思います。
 ですから、今私どもも協力しておりますけれども、例えばフレコンバッグで仮置きされている状態がどういう状況になっているのか、例えばそれを、中に水も入ったりしている部分もあるかもしれないので、そういったものが滴り落ちるようなものに関してはもう一回フレコンを防水性のものに入れ直すとか、運ぶことに対してきちっと安全対策が担保されるような形で事前の準備もしていく必要があるということで信頼の置ける対応ができるような形になるんではないかというふうに思っております。
#16
○中西祐介君 現状、この三月末の段階で全県で五万三千か所以上の仮置場があると言われている中で、順次パイロットケースをつくりながらの形になると思いますから、例えばどの自治体で現状どれぐらいの箇所と量があって、今どういう順番で運ばれているかと、あるいはどの自治体に、優先順位を付けながらといいますか、どういう進捗を、進んでいるかというものも公開をしていって理解を深めていただく必要があると思いますので、この点につきましてはこれから御専門の分野で大所高所から御意見を賜ればというふうに思っております。
 三つ目に質問をさせていただきたいと思いますが、先ほど大島参考人から八ページのところでお話がございましたけれども、JESCOである必然性が本当にあるのかという観点について大迫参考人に伺いたいと思います。
 先日行われた衆議院の参考人質疑の中で、酒井伸一参考人であったと思いますが、濃度の濃いものを扱っているのはなかなか民間ではないと。低いものを扱うのはたくさんあるんだけれども、極めて高濃度で扱うのは唯一ではないかというふうな話がございました。その点につきまして、適性について所見を伺いたいと思います。
#17
○参考人(大迫政浩君) 今お話のあったところがやはりPCBの処理事業の特徴でもあります。濃度の濃いものを厳重に管理して、輸送からあるいは処理、そしてそれを管理する上でのいろんな事故対応だとか、いろんなソフト的な部分もしっかりやっているというようなことで、そういう意味ではこのJESCOが適切だと思っております。
 何より、今回の事業については、国が責任を基本的には負っていくんだという思想の中で、国一〇〇%出資の特殊会社でございますし、また、今申し上げたように高濃度のものを扱っている。確かに放射性物質とPCBということについては性状は異なりますが、それは技術的な対応ということの中で担保できると思いますので、それはむしろ技術的なノウハウ、体制として管理していく思想、それから管理していく体制としてやはりしっかりしたものを持っているのはJESCOがベストかどうかというのは議論あるかもしれませんが、今現状で迅速に早く始めなきゃならないということの中では最もベターな選択ではないかというふうに思います。
#18
○中西祐介君 最後の質問をさせていただきたいと思いますが、大迫参考人におかれましては、国の機関であるとか自治体のいろんな委嘱も受けられておりますし、また民間の活動にも参画をされていると思っておりますが、その中で、この三十年という期間があるわけなので、継続的に人材を育てていかなきゃいけないというふうに思っております。
 現状のこの放射性汚染に対する、バックアップする人材の現状と育成に対してはどういう国が関与していく必要があるのか、所見を伺いたいというふうに思います。
#19
○参考人(大迫政浩君) 大変重要かつ難しい課題だと思います。
 技術的な開発というのは民間等でもやっておりますが、この国家プロジェクトを長期にわたって進めていくためには、やはり様々なセクターの総結集によるところが多いわけですね。それを担うだけの人材がいるかといいますと、やはり今回の問題は、原子力発電所を管理してきた、あるいはそこから出てくる放射性廃棄物を管理してきた方々は極めてまだまだ、この進んでいない状況の中では、人材的にも少ないし、また原発とか放射性廃棄物の量的な、性状的な世界と、今回のように大量のものを、また様々な多様な性状のものを対応していくということには大きなやっぱりギャップがあるわけですね。
 そういう意味では、その原子力分野のノウハウも生かしながら、環境分野、今私が所属しているような環境や廃棄物で携わっている人たちの人材力も高めていかなきゃならないと。そういうような融合した形で新しい人材や体制づくりをしていくということに関して、国はやはり積極的に関与してほしいというふうに思っております。
#20
○中西祐介君 以上で終えます。ありがとうございました。
#21
○長浜博行君 今日は技術的な部分とそれから環境政策的な部分、御両名の参考人からお話を拝聴できるという貴重な機会をいただきまして、どうもありがとうございます。
 最初、参考人の皆様からも経歴についてお話がありましたように、今日は日本環境安全事業株式会社の根拠法であるところのこのJESCO法の一部改正案の参考人質疑でありますので、ちょっとその歴史をひもとけば、特に大迫参考人の国環研は昭和四十九年に国立公害研究所として発足をされて、この四十九年の前に実は四十六年に環境庁が発足をし、その環境庁が発足する前は例の公害国会という第六十四回の臨時国会で、四十五年のときに公害問題が厳しく問われた部分だったと思います。
 そして、平成十三年のいわゆる特殊法人等整理合理化計画の閣議決定に基づいて、大迫参考人もおっしゃられたとおり、国環研が発足をし、たしかそこで廃棄物研究部も新設をされたんだというふうにも思っております。
 今日御意見を伺っているこの法律の基でありますけれども、これはもっと古くて、昭和四十年に公害防止事業団が設立をされて、平成になってから環境事業団に改組をされましたけれども、同じく十三年のいわゆる特殊法人の改革に伴って、十五年に法律の整備をして、そして十六年に日本環境安全事業株式会社が設立をされたということであります。
 何が言いたいかというと、この経緯の中において、あっという間に三十年、四十年という期間は過ぎ去るという状況だというふうにも思っております。
 この本日御意見を拝聴しております日本環境安全事業株式会社は、特殊会社であって、商法上は株式会社というふうになっているわけであります。現在の現行法の法律の中においては、業務はポリ塩化ビフェニルの含有する廃棄物の処理という状況になっているわけであります。
 この中で私が特に注目をする点は、この改正案の附則の部分ですね。もちろん現行法にも附則が付いているわけでありますけれども、この法律、現行法はどうなっているかというと、政府は、特殊法人改革基本法に基づいて、「平成二十八年三月三十一日までの間に、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の状況等を勘案しつつ、会社の在り方について、この法律の廃止及び会社の民営化を含めた見直しを行うものとする。」ということになっておって、今回の法案、改正案においては、「会社の在り方の検討」からこれを単に「検討」ということに置き換えて、「政府は、平成三十九年三月三十一日までの間に、中間貯蔵の状況、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の状況その他の状況を勘案しつつ、会社の組織及び事業全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。」というふうにこの附則の部分も変更をしているわけであります。
 これについては、本年の六月六日だったでしょうか、環境省の告示で、JESCOによる世界でも類を見ない大規模な化学処理方式による処理は、処理開始後に明らかになった課題の対応等により、当初予定していた平成二十八年三月までの事業の完了が困難な状況になってきているという、これPCBの処理ですね、そして、現状では平成四十九年度まで必要な高濃度PCBの処理期間を、平成三十七年度までに短縮し、いわゆるストックホルム条約で求められている年限、これは平成四十年でありますが、までに処理することが可能とすると。こういう状況から、このPCB処理にまつわる法案が、先ほど御説明をしましたように、附則の状況の中においてもその期限が延びるということがこの法案改正の中においても書かれているわけでありますが。
 特殊法人等整理合理化計画が出された平成十三年にPCBの特措法は作られて、その附則の第二条に、施行後十年後の見直し規定の中においての施行後十五年、つまり平成二十八年の七月までの処理の完了が不可能となっていると、こういう状況の中において、今話題になっているまさにこのJESCO、この法案の質疑に入る前の状況の中におけるPCBの処理の状況について、大迫参考人はどのようにお考えになっておられますでしょうか。
#22
○参考人(大迫政浩君) 私自身、PCBの事業に関しては直接的には関わってはきておりませんが、今、長浜議員の方からの御説明をお聞きして、いろいろと記憶を思い起こしながら、頭の中ちょっと整理しておったわけであります。
 今PCBの処理ということで、これは各国様々なところでも同様のスキームでやっておりまして、日本でこの事業の形態を取り入れたときにも、いろいろな検討の上でこういう体制づくり、あるいは技術的な開発等も、あるいは技術基準等も策定していったわけでございます。
 そういう中では、その途中でいろいろと紆余曲折もありましたけれども、何とか今PCBの処理も軌道に乗りつつあると。そういう中で、やはりPCBを集めるということ自身も、保管状況の把握等も含めてなかなかままならないところもあって、また延長等も含めて様々な対応ありましたけれども、この処理事業そのものは将来に向けて着実に進んでいくものというふうに理解をしております。
#23
○長浜博行君 今申し上げたように、処理期間の延長をする状況の中に加えて、今度は放射性廃棄物の処理、中間貯蔵施設の管理等々の業務が更に加わってくるわけでありますが、JESCOを活用する理由の中において、その知見と経験を重要視したということが説明にあります。
 知見と経験はハードとソフトだというふうに思いますけれども、まさかこの事業所、全国五か所、室蘭、東京、豊田、大阪、北九州ですか、にあるところでこの放射性廃棄物の最終処分をされるということではないとは思いますけれども、このJESCOを活用する知見と経験は、PCB処理における先ほど高濃度の問題も御説明をされましたけれども、どこに生きてくるというふうにお考えでしょうか。これはお二人に伺ってみたいと思いますが。
#24
○参考人(大迫政浩君) やはり有害物質というものを扱う上では、それが外に漏れ出してはいけない、拡散してはいけないということの中で、その物を運ぶところから、またそれを処理するところの中の技術の問題、また事故対応の問題等も含め、様々なやはり注意すべき点があります。物自身の性状は違っても、基本的なやはり思想は変わりませんので、その管理思想という面で、そういう意味では大変そのPCBの処理において多くの知見を集積してきているということかと思います。その中で人材もある程度育っているというふうに思っております。それから、やはり住民対応という意味合いでのコミュニケーションの能力ですね、こういったことに関しても多くのノウハウがあるというふうに考えております。
 ただ、そういったところをベースにしながら、今、現状においての選択肢としては、やはりJESCOが妥当であろうと私は思っておりますけれども、今の体制で十分とは全く思っておりませんで、やはり、今回の大きな国家プロジェクトに対して、また人材を補強し体制づくりをして、そして、様々なまた教育研修等もやる中で人も育て、様々なセクターの方々、民間とかも含めて総結集を図る上でのマネジメントができる力ですね、そういったものを養っていただきたいというふうに思っております。
#25
○参考人(大島堅一君) JESCOの事業については私自身は直接は詳しくございませんので、技術的なことについては差し控えさせていただきたいと思いますが、やはりPCBというのは非常に有害な物質で、放射性物質、放射性廃棄物以外では非常に有害な物質でありますので、それを長年取り扱ってきたJESCOというのはそれなりの知見と経験を有しているのではないかというふうに考えています。
 ただ、先ほども申し上げましたとおり、トラブルがないわけではありません。トラブルが起こったときに、一体今回の場合はトラブルはどれぐらい起こっているのかというのは私自身全部把握しているわけではありませんので、どれぐらい起こってどのような対応したのかというのは、ノウハウがあるかないかというのは、私は今、現時点で判断できません。というのは、本当に対応したのか、報道されているように、報告義務があるにもかかわらず報告しなかったということも書かれてあったりしますので、それについては、私は本当にノウハウがあるのかどうかというのははっきりは分かりません。ないのかあるのかが分からないということです。ないとも言いませんし、あるとも言えないわけです。
 ですので、今回の中間貯蔵施設に関しては、非常に多くの方々も関わりますし、国民も非常に関心を持っていくところでもありますし、あと、最終処分場の建設や運用に当たっても、前例になることではあると思いますので、やはり、JESCOが本当にいいのかどうかというのは私はちょっと疑問に思っていまして、やはり今回の事業を継続的に、統一的に行うような事業体なりなんなりというのがあった方がいいのではないかと。それはJESCOを引き継ぐ形になるのかもしれませんし、そうではないかもしれませんが、ほかの形態があるのではないかというふうに今の印象では思っているところです。ただ、JESCOが今まで経験を積み重ねてきたことは事実であろうというふうに考えております。
#26
○長浜博行君 筋の問題をちょっと一つ。
 この特殊法人等整理合理化計画、平成十三年のときのJESCO法は、先ほど御説明した附則第三条で、会社の在り方の検討で、平成二十七年度までに廃止又は民営化を含めた組織の見直しと。つまり、合理化計画の中における国のやる仕事と民間の仕事の峻別といいますか、こういった方向性になってきたわけでありますけれども、今回の、おとといの大臣の御説明によりますと、このPCB廃棄物処理事業とそれから中間貯蔵施設の運営あるいは放射性廃棄物の処理の問題、これは、国と一体となって事業を支援する組織、これが大臣の提案理由の説明でありましたけれども、大分このJESCO法の当時の根拠法と法律の趣旨が変わってきているのではないかというふうに感じますが、その点について大島参考人はどうお考えになりますか。
#27
○参考人(大島堅一君) 今の御質問に必ずしも答える形になるかどうか分かりませんが、今先生がおっしゃったとおり、元々の趣旨から大分外れてきているんじゃないかということだと思うんですけれども、私もそのように思います。
 やはり、今回の場合は国と一体となって、今回、一〇〇%出資の株式会社、特殊法人なんですけれども、JESCOが国のパートナーというか国と一体となったものとして実施するんだというふうに言っていますが、今までのJESCOの在り方とこれからのJESCOに求められている在り方というのはかなり違っているんではないかというふうに私は思っていて、やはり、それは国が非常に責任を持つということだと思うんですね。
 そういう意味では、先生がおっしゃるように、性格が違う任務が与えられている以上、何らかの新たな考え方というか、もう一度整理し直して、これは中間的に存在するというのもあるかもしれませんが、新たな組織ないし会社というのが必要なんじゃないかなというふうに考えているところであります。
#28
○長浜博行君 終わります。
#29
○杉久武君 おはようございます。公明党の杉久武でございます。
 両参考人におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。また、様々な観点からお話をお聞きさせていただきましたことを感謝申し上げたいと思います。
 まず、大迫参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。今日お配りいただいた資料の中で、大迫参考人におかれましては、中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る検討会にも委員を務められているということで、資料の八ページで中間貯蔵施設への輸送について少し触れていただいたと思います。
 その中で、一点御質問させていただきたいのですが、先ほどのお話の中で、集約輸送、大型輸送車両の利用ということで、確かに全ての場所から小型で輸送するのは不効率であるというところで、ある程度積替え等をして集約をして効率的な輸送をしなければならない。その点については確かにそうであると思いますが、では、具体的にどういった場所、ポイントでやっぱり集約、積替えをしていくのか。やはり、その地域の住民にとっては一時的にしても汚染物質が集まるという環境になりますので、その点について今検討が進んでいる状況があれば御教示いただければと思います。
#30
○参考人(大迫政浩君) 詳細な部分は除染の実施計画の議論の中で、その辺りで明確になってくる部分があろうかと思います。また、パイロット輸送も同時にやりながら、いろいろと県民の方々への理解とともに、できるだけ積替え等を行う積込み場を迅速に設置していくということが重要かと思います。
 現実的には、今現在、既存の仮置場を、スペースがあればそこを使うとか、あるいはそこから搬出をすることによってスペースを生み、そういったところを使っていく、あとは、いろんなアクセス道路とかいろんな地理、地勢的な関係の中で効率的な場所を選んでいく、そういったことが重要かなというふうに思っておりまして、ちょっと話が変わりますが、仮置場を設置すること自身も大変最初は難しかったんですね。それが、仮置場を造り、それを住民が見て安心する中で、また仮置場も少しずつ設置が進んだということもありますので、積込み場についても、今申し上げたようなできるだけ現実的なところから始めながら、県民の理解を得ながら進めていくということが重要かなというふうに思います。
#31
○杉久武君 ありがとうございます。
 続けて、大迫参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
 再生利用について種々御説明をいただきました。その中で、資料の十六ページで、土壌、焼却灰を低濃度のものと高濃度のものに減容化して分けてそれぞれ処理をしていくと。そして、低濃度のものについては再生利用し、高濃度のものについては最終処分という形で枝分かれをしていくことになると思いますが、この資料の中で、低濃度のものは多量、高濃度のものはごく少量という形で今お示しをいただいておりますが、まだこれからの作業になるとは思うんですけれども、抽象的な表現でこういう形で今御説明いただいておりますが、大体どれぐらいの割合で再生可能分と最終処分に分かれるのか、ある程度めどが付いているようであればお示しをいただきたいなと。また、もしまだめどが付いていない状況であれば、どれぐらいの期間を掛けて大体最終処分のボリュームが見えてくるのかという点について御教示いただければと思います。
#32
○参考人(大迫政浩君) どれぐらいのボリュームに分かれていくのかという問題に関しては、やっぱり技術に依存するんですね。
 資料のその次のページの十七ページを御覧いただければと思うんですが、最も土壌に適用したらいいんじゃないかと思われている分級洗浄技術というものに関しては、濃度の高い小さな粒と濃度の薄い大きな粒を分けるということになっていて、それは土壌の種類にもよるんですが、例えば校庭の土壌とか公園とか、そういったところで割と粒度の幅が広いものをやると、例えばいい効率のときには九割、一割で、一割に濃度の高いもの、九割が濃度の薄いものというふうに分けられるような実績も出てきています。ただ、農地のように粘土質のちっちゃいものだけがあると、なかなかそこの効率は出ないというような状況もございます。
 一方、三つ目の熱処理ですね。これはもう極めて高温で、千度を超える高温で揮発分離しますので、その減容化率は数百分の一とか数千分の一とか、さらに、いろいろな洗浄技術とかを組み合わせてやったりすると、更に何万分の一とかという形で減容化が図れて、それはもう技術の適用次第で減容化率は変えることができます。ただ、減容化すればするほど濃縮して濃度が高くなるので、その扱いも逆に十分注意しなければならないというところかと思います。
 以上です。
#33
○杉久武君 ありがとうございます。
 できる限り最終処分をするものを減らしていくということは必要な方向性であると思いますが、一方で再生利用、資料の十二ページの方では、再生利用基準を定めていき、どういった場所でどういった用途で使うかというところが、今後議論が深まっていくところであると思いますが、やはり、安全だといっても、再生利用するということに対しては心理的になかなか受け入れ難いものも地域によっては出てくると思いますので、そういった意味で、今、繰り返しの御説明になるかもしれませんけれども、再生利用を想定している場所、用途、そういった点について御教示いただければと思います。
#34
○参考人(大迫政浩君) まさに今御指摘のとおり、再生利用ということは大変地域の方々への理解も必要だということでございます。
 まずは現実的に再生利用をして、それが十分安全なんだということをやはり見える化して見ていただく必要もあろうかと思います。そのためには、現実的なところでは中間貯蔵施設内で使っていくということでありまして、中間貯蔵施設、今から土壌を入れる器とかを造るためには、汚染された土壌の、埋めていく間に中間覆土という形で、万が一何か溶出してきたとしてもそこで捕捉するというための中間覆土を設けたり、あるいは土壌が流出しないように、堤ですね、堰堤という形で設けて、そこには大量のまた土砂も造成材として必要ですので、まずはそういったところで使っていくということが現実的かなというふうに思っております。
#35
○杉久武君 ありがとうございます。
 続いて、先ほど来、中西委員、長浜委員からも質問に出ましたが、やはり今回JESCO法を改正して、既存の組織を活用して中間貯蔵に当たっていくというところで、先ほど来、どういったJESCOのノウハウ、経験知が生かされるのかという点については既に質問があったところだと思います。
 一方で、扱うものが違いますので、やはり明らかにプラスアルファとして考えていかなければならない、ゼロからやはり築いていかなければならない体制、また技術、専門性、そういったものもあるんではないかと思います。その点についてもう少し詳しく教えていただければと思います。大迫参考人にお伺いいたします。
#36
○参考人(大迫政浩君) まさにおっしゃるとおりで、その管理思想とか様々な経験というのはもちろん生きるわけですが、物自身は違いますので、それに対応する技術も違うわけであります。
 特に、放射性セシウムを中心とした放射性物質を含む廃棄物あるいは土壌を扱うことになりますので、その被曝管理ということですね、放射性核種の特性を踏まえた技術的な対応をしていく必要があると。原子力の中でも様々、IAEAだとか国際機関によって出されている規則等もありますし、まず認識いただきたいのは、今の放射性廃棄物の低レベル廃棄物よりも更に低いレベルのものを一般的に扱う、ただ、量が多いと。そういう意味では、廃棄物分野に携わってきたJESCOのノウハウは生きるんですけれども、やはり原子力の中で培われてきた様々なルールや、その中での原理原則をきちっと学んでいただいて、やはり技術的な対応をしていくということは新たな技術習得等も含めて専門性の深化が必要かというふうに思います。
#37
○杉久武君 続いて、両参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回改組されるJESCOについては、JESCO自体の従業員は今三百名程度の規模ということで、先ほど大島参考人の資料の中に出てまいりましたように、下請というか外注に出して作業をしている部分も多々あるかと思います。
 一方で、やはり今回国を挙げてこの中間貯蔵という大きな事業に携わっていくわけでありますので、やっぱり組織の強化が必要ではないかというように思っております。
 この組織の強化という点について、どういった面が必要なのか。両参考人に御所見をいただければと思います。
#38
○参考人(大迫政浩君) 私からは技術的観点からということになりますが、三百人の体制からもちろん拡充する必要はあろうかと思うんですが、基本的にはJESCOはこの国家プロジェクトのマネジメントを行う会社としてやはり機能すると。国が全面的に責任を負い、そしてこのJESCOが特殊会社としてその全体のコントロールの責任を持つと。そういう意味では、かなり高度なやはり知識等が、ノウハウが必要になろうかと思います。
 そして、いろんな民間がきちっと、下請という言い方になると、何か管理が不十分になるんじゃないかという印象を与えるかもしれませんが、基本的に今回の事業はいろんなセクターが結集してやっていくと。国、JESCOの責任の下にやはりきちっとした体制をつくっていくということがまずは第一、重要なことかというふうに思っております。
#39
○参考人(大島堅一君) 私からは技術的な話ではなくて制度的な話になりますが、やや繰り返しのところがあるかもしれませんけれども、やはり今回の中間貯蔵施設に入ってくる放射性を帯びた様々な除染廃棄物に関しては不安が非常に大きいわけですので、住民との間のコミュニケーション、これは今までそれほど直接、PCBに関していうと、直接住民対話などをするような仕組みはなかったかと思います、もちろん考慮はされていたと思いますけれども。そういったものも国の一体的な事業として行う以上、やはり制度的に確保すべきではないかというふうに私は思っています。
 二つの町ですけれども、非常に困難な状況にも置かれておりますので、ほかのPCB関連の立地自治体のような委員会を独自になかなか設置しづらいであろうというふうなことも考えられますし、実際にそこに今住まれているわけでもないので、できるだけその住民の方、元々そこにいらっしゃった方々の意思が通るような形に、意思決定も含めて制度の在り方というのを考える必要があるのではないかというふうに思います。
 あと事業ですが、私は、JESCOが、本来的にはこのような事業はもちろん民間も入って総合的にやるものだとは思うんですけれども、国からJESCOに委託して、先ほども言いましたが、JESCOがまた民間に委託するという形では、何か、いいかげんになるとは言いませんけれども、責任関係がはっきりしなくなる可能性があるのではないかというふうに思うわけです。ですので、何かトラブルが起きたり、先ほどの住民参加の在り方も含めますけれども、国の責任というのはどこにあるのかというのをはっきりさせる必要がある。これは国が全面的に責任を負うというふうに言っていますので、ただ、どのような責任かというのは明記するなり具体化する必要があるのではないかというふうに考えています。
 以上です。
#40
○杉久武君 ありがとうございます。以上で終わります。
#41
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。
 全て質問は大島参考人の方にさせていただければというふうに思いますけれども。
 私自身も、基本的な考え方を申し上げれば、国がこうした大事故の後始末に対して前面に出るとか責任を持って国が行うということに関しては、その言葉自体には何の異論もないわけなんですけれども、それがとかく、何か、本来汚染者の第一義的に責任を負うべき東京電力を免責するために使われるような、そのために国が前面に出るというふうに言っているのは特定企業に対する救済的な側面が多くて問題があるというふうには思うわけなんですが、大島参考人の今お考えを承らさせていただいた中で、基本的には、繰り返しになるかもしれませんけれども、この中間貯蔵施設についてはもちろんのこと、今後の最終処分に関しても、若しくは中間貯蔵に関して追加的に出てくる負担に関しても、基本的に第一義的に汚染者負担の原則で東京電力がまず前面に出るのは、費用の負担ということでですね、当然だという考えなのかを再確認をさせていただければというふうに思います。
#42
○参考人(大島堅一君) お答えします。
 水野先生がおっしゃったように、やはり汚染者負担原則というのは崩すべきではないというふうに思います。というのは、やはり一義的に責任を持っているのは東京電力であるからです。それは当然ながら、東京電力の資力、賠償資力とかに限りがあるではないかという議論は当然ながらあるわけですけれども、その議論をきちっと国の責任も含めて整理することなしに無原則にお金がないから出してあげるんだというのでは、どういう原則にのっとってやっているのか分からなくなるので、そこはよろしくないというふうに考えています。
#43
○水野賢一君 私もまさにそのように考えておりますけれども、そういう議論のときに出てくるのは、例えば一方で、東京電力が負担するといっても結局それは電気料金に上乗せされるだけだから税金でやるのと結局同じなんだみたいなことを言う人も中にはいるかもしれませんけれども、その点はいかがお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#44
○参考人(大島堅一君) JESCOの法律とやや話は違うかもしれませんが、申し上げますと、電気料金に掛けるかどうかというのは、原価に含めるかどうかという今の総括原価方式に基づいていけば、原価で認めるかどうかということなんだと思うんですけれども、私は、基本それを直接認めるべきではないというふうに考えておりまして、やはり利益で出すか、あるいは資産を売却するなどで、当然ながらほかの企業はそのようにするわけです。ですので、ほかの産業と同じように、本来であれば東京電力が持っている資産、実際に簿価で判断するよりは市場価値で見れば非常に高いものもたくさん持っているわけです。ですので、そういった市場価値で判断して、売却していくことによって賠償資力や収束の費用などを賄っていくということがまずは大事なのではないかというふうに考えています。
#45
○水野賢一君 税金を安易に投入する前に、まず加害者が身を削るのは当然のことだというふうに私たちも思っておりますし、そして、ちょっと大島先生のおっしゃられたことでの、これは先ほどの参考人としての陳述の確認の部分になりますが、水俣病の原因企業であるチッソの場合は、二千五百億円を、国が出したのは二千五百億、つまり、あれだけの大惨事であるけど、それは当然、原則はチッソが払ったんだけど、国の負担が二千五百なのに、今度は兆の単位を出すというのはどういうことなんだと、そういう御説明だったのか、ちょっとここは確認をさせていただければというふうに思います。
#46
○参考人(大島堅一君) 今日はチッソについての、詳しく持ってきていませんでしたのでやや間違っているかもしれませんが、チッソの場合は、お金が足りないので県債を出してそこで貸し付けるという形を取っています。県債をどうするかというと、国がそれを買い上げるとかいう形を取るので、要は国が間接的に貸しているという形を取っていまして、財政資金を直接投じるということはしていません。
 二千五百億円というのは何かというと、チッソが様々出費した額ですね。大体二千五百億円規模ではないかと、三千億円まで行かないぐらいの規模ではないかというふうに思います。これは計算の仕方によってやや変化するとは思いますが、出費という観点でいえばそのようになるかというふうに思います。
#47
○水野賢一君 明確に分かりました。ありがとうございました。
 それでは、大島先生の専門の分野の話になると思いますけれども、特に原発のコストについては非常に高い知見を持っていろいろと世の中にも訴えていらっしゃるというふうに思いますけれども、ちょっとJESCOそのものからは離れるかもしれませんけれども、原発のコストというのは今まで安い安いというふうにかつて言われていた、言われていたけれども、それはかなりフィクションがあって、一見、見かけだけ安かったと、ところが、実際にはきちっと計算すると決して安くはないよねというようなのが大島先生の御主張だというふうに思いますけれども。
 最近、そのことに関係して、経済産業省が何かフィードインタリフ的なものを原発にも導入することを、決めたわけではないでしょうけれども、その方向に決めたいということをにじませて何か研究を進めているというようなことがありますが、私からすると、それは、そうやって優遇をしなきゃいけないのは、市場に任せておくと淘汰されてしまうから原発に優遇策をあえて導入しようというのは、これは高いことの証明なんじゃないかというふうに思いますけれども、大島先生の御見解をいただければというふうに思います。
#48
○参考人(大島堅一君) 今先生がおっしゃったように、CfDの話だと思うんですけれども、イギリスでは固定価格買取りにして新規建設を促すというような形にしていて、非常に高い買取り価格を設定しています。
 当然ながら、原子力には様々なリスクやコストがあるので、そのようにしてやらないと自由化された市場では入らないということの、今回CfDを研究しているという意味は、入らないということの表れであるというふうに思います。
 事故のコストも、今回なぜ東京電力や電気事業者が直接払うのではなくて、一般負担金や国費という形で入れていくかというと、それは事故の費用をそのまま入れたのでは事業が成り立たないからです。成り立たないということははっきり分かっている、事業者が一番よく分かっているということだというふうに私は理解しております。
#49
○水野賢一君 再生可能エネルギーに関しては、そうした固定価格買取りのような形で少なくとも現時点においては優遇をして、そしてそれを普及のインセンティブにしようということは私も認められるべきことだと思っていますし、制度設計にいろんな工夫は必要かもしれませんけど、大筋においてはフィードインタリフの方式というのは必要なことだし、だからこそ数年前に導入をしたというふうに、社会的に有用性があると思っていますけど、原発に関してそういうようなものを、優遇的な買取りをやるというような制度を、英国ではそういう制度があるのかもしれませんけど、日本で導入するというのはちょっと倫理的にも許されないことではないかというふうに私は思いますけれども、先生の御意見はいかがでしょうか。
#50
○参考人(大島堅一君) 日本においてフィードインタリフが再生可能エネルギーに導入されていることは事実ですが、再生可能エネルギー等フィードインタリフの目的は何かというと、市場に最終的に自立させることです。ですので、自立すればもうなくすというのは当然な話でありまして、十年、二十年ぐらいのスパンで考えて、幼稚産業であるときは保護して、最終的に安くなれば自動的になくなるという仕組みであります。原子力に関するフィードインタリフをもし導入するとすれば、もう四十年、五十年たった産業にまだ保護を付けるということなので、もう自立できない産業であるということの表れなわけですね。
 そういう意味では、再生可能エネルギーと原子力に対するフィードインタリフというのは全く意味が異なっていて、もちろん倫理的にもどうかと思いますけれども、そもそも原子力というのは四十年、五十年たった成熟した技術であるということの説明であるとすれば、それはもう要らないというのが当然です。もちろん再生可能エネルギーも十年、二十年たって自立すればもう要らなくなるわけです。
#51
○水野賢一君 私たちも基本的にそのように考えておりまして、再生可能エネルギーにおいてフィードインタリフを投入する必要があるというのは、要は、現時点では再生可能エネルギーは高いと。高いものを安くしていくのは、一番いいのは大量生産していけば物が安くなるわけですから、今の現在だと、導入が進まないと物は少数しか作られない、少数だと高い、高いと、高いから普及が進まないという悪循環なのをどこかで一度切り替えて、大量に作る、それによって安くなる、安くなるから普及をするという、どんどんどんどんそうやって好循環に切り替えるためのそのきっかけとするのが何か必要だからフィードインタリフということで、未来永劫の措置だというふうには考えておりませんので、そういうために一時的にちょっと、市場メカニズムからすると微妙に純然たる自由競争ではないけど、そういうものをどこかでやる必要があるというふうに考えていますが、原発のように数十年もたって成熟したはずの技術でそんなことをするというのは、市場原理からしてもおかしいし、倫理的にもいかがなものかという意見を申し上げながら、私の質問を終わりたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
#52
○清水貴之君 維新の党の清水貴之です。
 今日は、本当にお忙しいところ貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
 まずは、大迫参考人にお聞きしたいと思います。
 今回の法案でやはり私が一番気になるポイントというのが、「中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了する」、ここの部分だと思っています。やはり三十年、県外と、これをはっきり明記するわけですから、どれだけこれが本当に担保できるのか、三十年後の社会というのはほとんどの方がどうなっているか分からないわけで、この辺り、地元の方へちゃんと責任を持って説明をできるのか、三十年後、その約束がしっかりと果たせるのか、この辺りがポイントとなると思っているんですけれども、そういった意味で、三十年掛けてどれだけ減容化を進めて、三十年後最終処分場に移すときに今ある汚染物質をどれだけ小さくできてどれだけ運べるかというのもポイントになってくるんだろうとは思うんですけれども、今あるこの計画というのは、三十年ありましたら様々技術的にも進歩はしていくと思いますので、今あるこの計画というのは現在の技術で立てられている計画であるのか、それともある程度進歩というのも見越して立てられている計画なのか。今ある技術で立てられているとしたら更に進んでいく可能性もあるわけですし、ある程度見越しているとしたら、これどうなるか分からないのに見越して立てている計画だと、これもある意味ちょっといいかげんな部分というのも出てくるのかなと思うんですが、この辺りというのはいかがでしょうか。
#53
○参考人(大迫政浩君) 三十年間というスパンをどう考えるかということについては、最初、特措法が二〇一一年の八月に公布され、また本格的な施行はその翌年一月からでございましたが、それ以前に、この三十年間という中間貯蔵のロードマップは既に出されておりました。したがって、かなり初期にこの三十年という数字は出てきております。そこで、技術的な部分も含めて見通しの中でこの三十年が決められたかというと、そこはちょっと、私自身、議論の中ではちょっとそこまでは見通す、見通すといいますか、そこまでは理解はしておりませんでした。
 ただ、その後三年半以上たって技術的ないろんな関係者の方の技術開発も進んでおりますし、この三十年間という、今、私自身の見解としては、技術的には十分県外最終処分を見通した減容化ということはなし得るというふうに思っております。
 むしろ、これは先生方も含め政治のまた役割かもしれませんが、この県外最終処分というものの出口を更に確保するということが、また県民に対する安心感でありますとか、また三十年後の地域のビジョンをちゃんと語れる状況になるんではないかというふうに思います。
#54
○清水貴之君 ありがとうございます。
 大島参考人にもお聞きしたいと思います。
 三十年後、県外というこの部分なんですが、住民との情報交換とか情報開示という部分も非常に先ほど御意見として述べられておりましたので、この三十年後、県外という部分、この辺りについての御意見がありましたらお聞かせください。
#55
○参考人(大島堅一君) この三十年以内に県外に持っていくということは、福島県や自治体の方々が強く求めていることでもありますし、国の約束していることでもあるわけです。ですので、三十年後に移設するというのは、これは担保されなければなりません。
 ただ、それが具体的に担保されているのか。三十年後、もし移設できなかった場合にどういう補償があるのかということはやはり考えておかねばなりませんし、三十年間の運用であれば、先ほども申し上げましたけれども、跡地はどうなるのかということはその地権者にとっては非常に重大なことなわけで、更地で返ってくるのか、再利用と称して何か土壌が戻っているのか。それは、幾ら安全だと言っても要らないものは要らないと言われてしまえばそのとおりなわけですので、それは今確定できることと確定できないことがあると思いますけれども、今確定できることに関しては原則をきちんとはっきりとさせておくと。要するに、県外に最終処分できなかった場合どうなるのか、まあそんなことはないんだというふうにおっしゃるかもしれませんが、そういうことも含めて、一番考えているのは住民の方だと思うので、そこはきちんと整理しておくべきだというふうに考えています。
#56
○清水貴之君 引き続き大島参考人にお聞きしたいんですけれども、JESCOについてなんですが、私もJESCOってどんな組織だろうと思って少々調べたところ、御指摘いただいたように、これまでにトラブルというようなものが幾つか起きているというのも分かりまして、本当に技術的な面も含めましてJESCOで大丈夫なのかなというところも皆さんも御意見として出されているところだと思うんですけれども、先ほど大島参考人は、別の組織とか仕組みでというお話だったんですが、となりますと、それ以外で、じゃ、どういったことが、どういった組織であったりとか、どういった役割分担とか責任でやっていくのかというところ、ほかの代替案といいますか、可能性というのがなかなか私はイメージが湧かないもので、その辺り、御意見お持ちでしたら教えていただけますでしょうか。
#57
○参考人(大島堅一君) この福島原発事故というのは非常に世界的にも最大規模の原発事故で、かつ先進国で起こった世界最大の事故ですので、やはりその対応というのは注目されますし、また総合的な対策が必要だというふうに思っているところです。
 先ほどお示しいたしました八の二の資料でも申し上げましたけれども、やはり福島原発事故の課題というのは幾つもあるわけですね。一つは事故炉の廃止ですね。あと、その復興です。除染と復興の課題。あと、損害賠償というのがある。三つの課題があるわけですが、それぞれ実は非常に連関していることでもあるわけです。
 ただ、現時点での役割分担というと、経産省と環境省、あと復興庁というものが分掌しているという形になっています。それは、かえってその住民にとっては、先ほどの中間貯蔵施設の敷地の買収の話とかは損害賠償と密接に関わる部分でもあるわけです。あと、事故炉の収束とか、事故炉の収束によって出てくる廃棄物の問題ってどうなるんだろうかと、誰も今まだ考えていませんが、まだ除染部分しか考えていませんけれども、そこも実は住民にとっては非常に重大な課題です。
 ですので、様々な機能を一つの統一した庁なり機関なりというのを国に設置して行う方が私はいいと思っておりまして、これは復興庁はしばらくすると、もちろん震災のことも非常に大きいですからこれはしばらく事業としては続くかと思いますけれども、福島原発事故の事業というのは非常に長く続くはずです。ですので、最終的には復興庁がそのような機関になってしまうかもしれませんが、福島原発事故に特化した先ほど申し上げた三つの事業を行うような機関を創出して、その下に例えば福島第一原発処理公社、事故炉の廃止を直接行うような公社を設置したりとか、あるいは今回の除染や中間貯蔵施設、最終処分場を扱うような、そうですね、除染・復興公社みたいなものをつくったりとか、そのような形で直接行う方が私は福島県の住民の安心とか要望に沿った形になるのではないかというふうに考えているところです。
#58
○清水貴之君 そういった組織、若しくはJESCOになるのかもしれませんけれども、そういった組織と今度は住民との関わりなんですけれども、具体的にどう関わっていけばいいのかという話なんですが、ほかのPCBの処理施設の周りにありますように、そういう監視委員会というようなものをつくるのか、それとも、もう組織そのものに住民の代表が入っていって一緒になってつくっていくのか、この辺りというのはいかがでしょうか。
#59
○参考人(大島堅一君) 私は、やはり地権者でもありますし、またその被害者でもありますので何らかの形で、JESCOは株式会社ですから極めて難しいなと、だからこそちょっと疑問に思っているところですけれども、ステークホルダーが参加するような、意思決定に参加できるような形式にした方がいいのではないかというふうに思っています。
#60
○清水貴之君 続いて大迫参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほど三十年後、この中間貯蔵施設のその後の再利用という話も出ておりましたが、仮置場の再利用についてもお聞きしたいと思います。
 仮置場、今もうすごく数があるわけで、中間貯蔵施設に運んだらその場所をどうしていくかということになるわけですが、原状回復、そして再利用ということに関しては、今後どのような流れで進んでいくことになるんでしょうか。
#61
○参考人(大迫政浩君) 仮置場は、当然きちっと原状回復して、様々な土地利用に供することができるような形で戻すということが原則かと思います。十分表面の線量等を確認して原状回復がされているということの対処の中でまた土地利用をいろいろとできるようにしていくと、それが原則かと思います。
#62
○清水貴之君 その辺りは技術的に、予算的に難しいことではないのでしょうか。
#63
○参考人(大迫政浩君) 既にそこの作業をする場においても、下にシートを敷いたりとか、またフレコンに関しても、漏れ出ないような形で対処したりとかしておりますので、フレコンを運び出した後、シートを剥がし、またそこの表面に汚染が残っていないかをチェックするというような確認が原則かと思いますので、何か大きな費用負担が生じるというようなことはないかと思います。
#64
○清水貴之君 あと、中間貯蔵施設そのものの安全性なんですけれども、様々な自然災害というのも想定しなければいけないかなと思います。地震であったりとか、もちろん津波もそうですし、台風の被害というのも考えられます。この辺りへの対応というのはどうなっているんでしょうか。
#65
○参考人(大迫政浩君) 当然、今これまでの検討会の中でも技術的な具体化をする中で検討をしてきております。中間貯蔵施設の貯蔵の構造物に関しましては、L2と言われていますが、東日本の大震災レベルで対応できるような強固な構造物というもの、あるいは津波に対しましても、その浸水等を想定した形で配置を工夫したりとかということで対応できるようにしています。
 また、大雨というものも最近いろいろと話題になりますけれども、それに関しましても十分な、工事中に雨が入ったとしても水をきちっと処理できるような容量を確保するとか、そういった様々な対応が行われているというふうに理解しております。
#66
○清水貴之君 あと、これも必ず質問で出ると思うんですが、移送のとき、トラックでの運搬というのが本当に安全なのかどうなのか、トラックがどういうルートを通るのか、住民の方への説明もそうですし、トラックそのものが例えば、分かりませんけれども、横転してしまう危険性もあるでしょうし、そこから飛散してしまう可能性もあるのかもしれませんし。この辺り、運搬に関する安全性というのはいかがでしょうか。
#67
○参考人(大迫政浩君) 運搬に関しましても、今、車両のいろんな種類だとか、運ぶものも、土壌と、また草木類とか、中には水が染み込んでいるものもあるかもしれない。あと、焼却灰のような溶出しやすいもの、不安定な形のものもあります。それを運ぶときにどのような車両の種類で、いろんな容器をどういうふうに考えていくべきかとか、詳細に検討しているところでありますので、そういう技術的な対応の中では十分安全性は担保できると。
 もちろん、輸送のルートでありますとか、いろんな時間帯、あるいは空間的にもできるだけそういう時間帯を、例えば通勤通学の時間帯を外すとか、空間的にも人の住んでいるところはなるべく通らないとか、そういったことも細かく今から検討をして計画を作っていくということかと思います。
 一番やはり個人的に見解として思っているのは、実際に運ぶ人、運転手でありますとか、そういったことの確保とその方々の教育とか、そういったところが一番本来ポイントになるんじゃないかというふうにも思っております。
#68
○清水貴之君 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
#69
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 今日は大変お忙しい中を、大迫参考人、大島参考人、貴重な御意見をありがとうございました。
 まず、大島参考人にお伺いをいたします。
 大島参考人が書かれた、福島原発事故のコストを誰が負担するか、こういう論文の中で、福島復興指針による中間貯蔵施設の設置、運用費用に対する国費投入の問題について、これは東電が賠償すべきものであり、ここに国費を充てることは東電の賠償責任を免除することに等しい、無原則な国費投入は東電の資金繰りを助ける加害者救済でしかないと、こう述べておられます。さらに、国費投入には二つの前提が不可欠だと。今日もお話がありましたが、第一の前提は、実質的に経営破綻している東電の法的整理を行うと、第二の前提として、事故被害に関する国の責任を認めて、それに基づく負担だという点を明確にすべきであると、こう指摘されております。
 私は大変もっともな御指摘だと思うんですが、ところが、今回のJESCO法改正案を見ますと、国の責務として中間貯蔵施設の整備等を規定しているんですが、原発事故被害に関する国の責任を認める規定がないんですね。その規定がないままJESCOに運営管理を任せるということになっていると。
 こうなりますと、福島復興指針に基づく無原則な国費投入による加害者である東電の救済に道を開くことになるのではないかという懸念を私持っておりますが、大島参考人はこの点どのようにお考えか、先ほどの陳述でも基本的な点はお述べになっていますが、更にありましたら詳しく御見解を伺いたいと思います。
#70
○参考人(大島堅一君) 先ほども申し述べさせていただきましたが、今先生がおっしゃったように、今回のスキームは、東電が本当は実質的に負担すべきものを国が財政的に支援するものに実質上なっているので、私自身は正しくないというふうに思っています。
 それは、今回も書かせていただきましたが、これからこの十一兆円、今私が積み上げたものだけでも十一兆円あるわけですけれども、この原状回復措置、中間貯蔵施設というのは第一弾にすぎないわけです。それ自体が幾らぐらいになるのか具体的にはまだはっきりよく分からないということになっていますし、また最終処分場の建設や運営に当たってのコストがこれから発生することは見えています。これが、今これは国費投入のところをやっているのはここだけなんですけれども、今後またこれが国費投入の道を開くものになるんではないかというふうなことで、先生がおっしゃるように懸念しているところです。
#71
○市田忠義君 もう一問、大島参考人にお伺いしたいんですけれども、大島参考人は、確かに対策を東電任せにするのではなくて、国が前面に出て国内外の英知を結集して事故収束を進めることは必要だということをお認めになった上で、しかし、それは国費の無原則な投入とは異なると。対策の実施主体が誰かということと費用を負担すべき主体というのは区別しなければならないと、こうお述べになっています。
 除染や中間貯蔵施設の費用については、現行の放射性物質汚染対処法では、実施主体は国や自治体だが、その費用は汚染を引き起こした東電に請求され支払われるということになっています。この法案は民主党政権下でできた法案で、我が党としては、若干の不十分な点、問題点もあるということで反対した法案なんですけれども、しかし少なくともこの法律には、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っている国の責任を明記しているということと、この法律に基づく措置の費用は東電の負担の下に実施するという旨をこの対処法は規定しています。
 ですから、今回、国の責務として中間貯蔵施設の整備などを法律に規定するんだったら、JESCO法ではなくて、放射性物質汚染対処法の条文に明記するのが妥当じゃないかというふうに私は考えるんですが、その辺の見解を伺いたいというふうに思います。
 要するに、国の責任を全く明記していないJESCO法に、中間貯蔵施設の整備等をこの法律に規定するんじゃなくて、不十分ながらそのことを規定している対処法の条文に明記するのがむしろ妥当じゃないかなというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
#72
○参考人(大島堅一君) まさに国の責任においてやるというのはどういうことかということだと思うんですけれども、やはり国の原子力事故を起こした責任、また原子力開発をむやみに進めてきた責任というのを明記して、先生がおっしゃるように対処法の方にのっとってやるのがより適切ではないかと。もちろん対処法に書かれているのは社会的な責任という形で非常に曖昧な規定なので、研究者の私にとっては非常に不満なところではあるわけですけれども、少なくともそのような責任が明示されるべきではないかというふうに考えています。
#73
○市田忠義君 大迫参考人に幾つかお伺いしたいと思うんですけれども、大迫参考人が放射能汚染廃棄物の中間貯蔵及び処理処分における技術的課題、こういう論文をお書きになっていますが、その中で、焼却減容化後に生じる十万ベクレル、一キログラム当たりですけれども、この十万ベクレルを超える焼却残渣、主灰及び飛灰の処理について、こう述べておられます。
 百万立米を超える焼却残渣の発生が見込まれており、これらをそのまま収納容器に封入して貯蔵するには、施設容量から見て困難になる可能性がある、十万ベクレルを超える焼却残渣は更に減容化技術の適用を検討すべきであるという趣旨のことをお述べになっています。
 私、技術的なことは余り詳しくありませんのでお聞きしたいんですけれども、ただ、これは焼却減容化で放射線の被曝や漏えいなどのリスクを伴うんじゃないかと。さらに、十万ベクレルを超える焼却残渣の減容化による高濃度化ということになると、作業員の被曝や漏えいなどのリスクを一層大きく高めることになるんじゃないかと。そうなれば、三十年以内となっているけれども、最終処分が大きく制約されるのではないかと。
 この辺りについて、もう少し詳しく御説明いただけないかと思います。
#74
○参考人(大迫政浩君) 焼却灰の量も、今後いろいろと精査する中で、量的にまたどうなるかというのは検討しなければならないと思うんですが、放射性物質を含む焼却灰がかなりの量出てくると。それをコンクリート構造物の中に、例えばドラム缶等に三十年以内の県外最終に向けて保管するとなったときに、やっぱり相当量のドラム缶が必要になるとかということになろうかと思います。スペース的に本当に大丈夫なのかということに関しても、また精査していく必要があろうかと思います。
 そういう中で、私の個人的な見解としては、できるだけ、特に焼却された後に、排ガスの中の粒子ですね、ばいじんを集めた飛灰と言われるものは水にもうかなり溶けやすいものですから、それを溶かし出して更にコンパクトにしていって容量を少なくしていくと。それは技術的にもかなりもう実用化に近いところにあるので、今後、段階的に技術開発を進め、実証し、できるだけ早い段階で、そういった対応もしていけるのであればやっていった方がいいという趣旨でございます。
 そういう中で、今先生御指摘のように、濃度が高くなっていくということに対して十分な被曝管理ができるのかということなんでございますが、従来の原子力の放射性廃棄物との比較でいいましても、それでかなり濃縮された高濃度のものが出てきたとしても、今現在の原子力の低レベルからしたら、まだ比較的低い状況になろうというふうに推測しております。
 今、低レベルの放射性廃棄物は、例えばコンクリートに固めてピット処分という形にするわけですが、それにおいては、放射性セシウムだと一千億ベクレル・パー・キログラムまで上限値になっております。六ケ所でいろいろと運用している中ではちょっともう少し低いところで運用しているかもしれませんが。
 したがって、今の汚染されたものを減容化し濃縮したとしても、そういった高いレベルまでは行かないであろうと。そうしますと、原子力の中での低レベルの様々な現在の技術、知見をいろいろと学びながら、技術的な対応は可能であろうというふうに理解しております。
#75
○市田忠義君 そうすると、余り作業員の被曝や漏えいのリスクは少ないという認識ですか。
#76
○参考人(大迫政浩君) 当然、そういったきちっとした技術のアセスメントをして、もし十分でなければ、作業員の保護具あるいは作業員の労働作業時間の短縮、そういったことでまずは対処する、それからまた、もしそこでも対応できない部分はできるだけ自動化していくというような技術的対応をしていくと。そういった辺りは放射性廃棄物の様々な技術をいろいろと応用していく必要があろうかというふうに思います。
#77
○市田忠義君 最後にもう一問、大迫参考人にお聞きしたいんですが、人工システム内での移行と制御、環境回復という報告を拝見しますと、長期隔離から見た廃棄物等の特性評価と施設機能要件の課題として、除去土壌、焼却灰の安全な処分というのを挙げておられます。その中で、処分の安全評価期間の設定として、モニタリング期間、それから放射性を加味した廃止基準、中間貯蔵三十年との整合性について触れておられる箇所があるんですが、これは特に中間貯蔵三十年ということを念頭に十万ベクレル以下の除去土壌などの処分の安全性を評価して、自然的、物理的減衰、これによる放射性を加味して、いわゆる廃掃法の廃止基準を考慮して土壌貯蔵施設などを廃止することになるというふうに解釈していいのか、先生の御見解は。これ、誤解なのか、このとおりなのか、ちょっとその辺りを説明いただけますか。
#78
○参考人(大迫政浩君) 中間貯蔵は、当然、三十年間という期限がありますので、その最終的な最終処分という位置付けの中での議論をそれはさせていただいているということでありまして、当然、県外最終処分になりますと、その濃度の、減容化した濃縮物のレベルに応じたやはり長期的な管理が必要になろうかと思います。
 一方、例えば、今日御説明申しましたが、八千ベクレルのものが三十年後には三千ベクレルまで下がるというようなことで、八千ベクレル以下であれば廃掃法の中ではそもそも通常の処分に少し工夫した形で処分ができるわけでございまして、その三十年後の再評価によって掘り起こしたものをどのように処分したり再生利用するかということの中においては、自然減衰を踏まえた形で通常の処分の方法も取り得る可能性はあり得るというふうに思っております。
 ただ、そこをそのままその場所に据え置くとか、そういうことを意味しているものでは全くありません。
#79
○市田忠義君 もう時間が来ましたのでやめますが、可能性としてそういうこともあるということであって、必ずしも土壌貯蔵施設を廃止するという意味ではないと、こういうふうに解していいんですか。確認しておきたい。そういうことですね。
#80
○参考人(大迫政浩君) はい、そうです。
#81
○市田忠義君 終わります。
#82
○委員長(島尻安伊子君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御礼を申し上げます。
 本日は貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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