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2014/11/11 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 国土交通委員会 第4号
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2014/11/11 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 国土交通委員会 第4号

#1
第187回国会 国土交通委員会 第4号
平成二十六年十一月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     酒井 庸行君     吉田 博美君
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     吉田 博美君     酒井 庸行君
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     田中 直紀君     森本 真治君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     辰已孝太郎君     仁比 聡平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         広田  一君
    理 事
                江島  潔君
                森屋  宏君
                田城  郁君
                増子 輝彦君
                河野 義博君
    委 員
                青木 一彦君
                大野 泰正君
                太田 房江君
               北川イッセイ君
                酒井 庸行君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                山下 雄平君
                脇  雅史君
                渡辺 猛之君
                金子 洋一君
                前田 武志君
                森本 真治君
                山本 博司君
                和田 政宗君
                室井 邦彦君
                辰已孝太郎君
                仁比 聡平君
                江口 克彦君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       国土交通副大臣 北川イッセイ君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        小泉進次郎君
       内閣府大臣政務
       官        松本 洋平君
       国土交通大臣政
       務官      うえの賢一郎君
       国土交通大臣政
       務官       青木 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣府政策統括
       官        日原 洋文君
       総務大臣官房審
       議官       池永 敏康君
       消防庁国民保護
       ・防災部長    室田 哲男君
       文部科学大臣官
       房審議官     芦立  訓君
       林野庁森林整備
       部長       本郷 浩二君
       国土交通省都市
       局長       小関 正彦君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        池内 幸司君
       国土交通省道路
       局長       深澤 淳志君
       国土交通省住宅
       局長       橋本 公博君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省海事
       局長       森重 俊也君
       観光庁長官    久保 成人君
       気象庁長官    西出 則武君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策
 の推進に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(広田一君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、田中直紀君が委員を辞任をされ、その補欠として森本真治君が選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(広田一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省水管理・国土保全局長池内幸司君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(広田一君) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取をいたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○大野泰正君 おはようございます。自由民主党の大野泰正であります。
 本日はまず質問のお時間をいただいたこと、委員長始め理事の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 また、質問に先立ちまして、本年広島で起きた豪雨災害だけでなく、多くの地域で今年も自然災害が発生し、多くの命が奪われました。亡くなられた皆様の御冥福を心よりお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げ、質問を始めさせていただきたいと思います。
 まず初めに、これまでの問題点と本改正案の狙いについて大臣に伺います。
 まずは、先ほど申し上げました本年八月に発生した土砂災害を受け、今般、土砂災害防止法の改正案が迅速に提出されました。関係者の御努力に感謝を申し上げるところであります。
 土砂災害防止法については、これまでの法律のどこに問題があり、今回の改正によりいかに改め実効性のあるものとして国民の生命、財産を守っていくおつもりなのか、この改正案に懸ける大臣の思いをお聞かせいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(太田昭宏君) 今年の八月に広島市で発生しました土砂災害におきまして多くの方が亡くなられるということになり、本当に課題はいっぱいあったと思います。まず、住民に土砂災害の危険性が十分に伝わっていなかったこと、そして避難勧告の発令が災害発生後になってしまったということ、そして避難場所や避難経路が危険な区域内に存在するなど土砂災害からの避難体制が不十分であったことなどが挙げられると思います。
 これらの課題を踏まえまして、この法案におきましては、基礎調査結果の公表の義務付けや土砂災害警戒情報の法律上への明記と市町村への通知の義務付け、そして土砂災害に対する安全な避難場所、この確保など避難体制の充実強化、こうした点などを含めまして自治体や住民が的確な判断ができるような仕組みを構築するための措置を講じたものでございます。
 これらにより国として土砂災害防止対策を一層推進したいと思っておりますし、また、この法律の隙間といいますか、その間にも、早く、この警戒情報の前に気象庁としては雨の降り方始めとしていろんなことを早く知らせるとか様々な、また避難の在り方とか、いろんなことがあります。この法律を骨格にして更に万全な体制を一層進めたいと、このように考えているところであります。
#8
○大野泰正君 どうもありがとうございます。
 それでは、今大臣からいろいろお話もございましたが、一つ一つ伺ってまいりたいと思います。
 まず、基礎調査の実施及び警戒区域等の指定について伺ってまいります。
 基礎調査を進め警戒区域等の指定を完了することが土砂災害防止法の第一歩でありますが、土砂災害防止法は施行されて以来十三年以上が経過しているにもかかわらず、基礎調査が完了しているのは十三県にすぎず、また、警戒区域及び特別警戒区域の指定まで完了しているのは何と三県だということは皆さんも御存じのとおりだと思います。
 また、現在でも、各都道府県における基礎調査の実施率や警戒区域等の指定率については土砂災害危険箇所の数に対してどの程度進んでいるかで示されているようですが、土砂災害危険箇所は基礎調査や警戒区域等とは別の手法で導き出された数字であり、実施率等の分母とするには適切ではありません。状況を的確に把握するために使う数字が実態を表すものでなくてはなりませんが、正確な状況把握のためには今後この点の改善は不可欠と考えます。
 現在の段階で基礎調査実施の予定箇所数はどの程度あり、その進捗率を今後いかに正確に把握し、行政としての責任を果たしていくのか、お聞かせください。
#9
○政府参考人(池内幸司君) お答えいたします。
 今後、基礎調査を進めることで正確な数値は明らかになってまいりますが、基礎調査、警戒区域の総数は約六十五万区域前後になると考えております。また、本年八月末までに基礎調査が完了した区域は全国で約三十八万九千区域となっておりまして、予定箇所数は全体の総数との差から約二十六万区域前後になると考えております。
 さらに、今後、基礎調査につきましては、都道府県ごとに実施目標や進捗状況の報告を受けまして、その内容を公表するなどの進捗管理を行っていくこととしております。その際に、都道府県ごとの区域の総数の推計値を明らかにしていただき、これに対する進捗状況をお示しするなど、分かりやすい公表の仕方についても検討してまいりたいと考えております。
#10
○大野泰正君 ありがとうございました。
 国交省は今回の改正案の成立後、基礎調査についてはおおむね五年で完了させることを目標にしたいと伺っております。御存じのとおり、各都道府県の財政状況は厳しいところが多い中で、新たな予算措置もなく、また組織体制以前に、今も六十五万箇所というようなお話もございましたが、実査さえも十分でない中で、いかにしてこの目標を実現できるのか、疑問に感じます。確かに、新たな予算措置は、今日まで努力してこられた十三県との不公平を生むことは理解できますが、各都道府県にとっては政府の責任転嫁と丸投げに感じてしまう危惧もあります。
 都道府県に寄り添い、過度な負担を強いることなく、一日も早く全都道府県の基礎調査を終わらせて区域指定まで完了させるためにも、国としていかなる策を講じ、実効性を担保していくおつもりなのか、伺います。
#11
○政府参考人(池内幸司君) お答えいたします。
 基礎調査につきましては、基本的にはおおむね五年程度で完了させることを目標にしたいと考えておりまして、各都道府県に要請してまいります。また、国ではこれまで都道府県ごとの基礎調査の実施数を把握しておりましたが、今後は更に実施目標や進捗状況を把握、公表し、これによって基礎調査の促進を図ってまいります。
 一方で、委員御指摘のとおり、都道府県に過度な負担を課すことなくこの目標を実現させることも重要でございます。このため、まず財政面では基礎調査を推進する都道府県に対して防災・安全交付金による積極的な支援を行ってまいります。また、基礎調査の実施に当たりましては詳細な地形データが必要となるため、国が所有しております地形データの提供などによって都道府県の負担軽減を図ってまいります。
 さらに、先進県の事例を見ますと、大幅に人員を増やすというよりも、若干名の専任職員の配置やOBの活用などの工夫によって基礎調査等を進めておられます。また、基礎調査結果の確認作業を外部に委託するなど、交付金の活用により職員の負担軽減を図っている事例もございます。これら先進事例を周知することによって都道府県の取組を支援してまいります。
#12
○大野泰正君 ありがとうございます。
 何としても一日も早い調査の完了、そして区域の指定ということで進めていただければ有り難いなと思っています。実際、基礎調査の数字や今日の学問だけでなくて、地域の言い伝えや古い土砂災害の痕跡、また古地図等の知識も取り入れて土砂災害警戒区域等の指定に反映させればいかがか、ではないかとは思います。より適切な区域指定を行うことができると考えますが、このようなことにも今後心を配っていただいて、机上の対策ではなく、あらゆる方面からできる限りの対策を取っていただきたいと思います。
 今日まで、私もいろいろな土砂災害の現場を見て、その場に行って感じてきたことが多くあります。本当に昔からある家の一メートル手前で止まっている土砂災害を見たこともあります。
 やはりそういう昔からの先人の知恵、また言い伝え、こういうものもしっかりと後世に伝える必要性というのを私は感じていますが、国交省としていかに考えていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
#13
○政府参考人(池内幸司君) まさに委員御指摘のとおり、昔の言い伝え、昔の災害の痕跡、あるいはそういった情報等は非常に重要な情報だと考えております。法に基づく基本指針におきましても、基礎調査の実施に当たりましては、「過去の土砂災害の痕跡、土砂災害に関係のある地名等も参考にしつつ、調査を行う。」と定めているところでございます。
 委員御指摘の趣旨に沿いまして、今後とも、過去の土砂災害の痕跡等をより一層活用するよう各都道府県に周知してまいりたいと考えております。
#14
○大野泰正君 ありがとうございます。
 それでは次に、過疎化が進んでいる中山間地域などの問題点について伺っていきたいと思います。
 今後、土砂災害警戒区域等が指定されますと、今日まで以上に中山間等では人口の流出に拍車が掛かることが危惧されています。特に、厳しい山合いでは全ての地域がレッドゾーンということも考えられなくはありません。そのようなところではどこに避難すればよいのでしょうか。避難場所がレッドゾーンに指定されている避難場所については、今後、それを移転するに当たっての支援があるのでしょうか。
 避難場所が公のものとは限りません。地域の持ち物であったり私有の場合の支援策はどうされるおつもりでしょうか。なかなかこの場合、直接的な支援というのが難しいと思います。
 また、特に土砂災害特別警戒区域については建設規制が掛かるため、事実上、新たな住宅の建築はもとより、既存住宅の改築さえも難しくなることが想定されています。今日まで以上に中山間地域から人口が流出し、それを加速させますと、山を守り、森林を守る人がいなくなるということであります。山が荒れ、保水力もなくなり、自然災害の危険性がより高まるというような悪循環に陥ることも容易に想像ができます。また、せっかく両親の介護等でUターンしようと思っても、新たな家も建てられないということになり、Uターンもままなりません。この点については多くの住民の皆さんからも不安の声をいただきます。
 国交省として、これらの不安に対してお考えをお聞かせください。
#15
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のように、過疎化が進んだ中山間地域の集落等では、警戒区域等が指定されますと人口流出に拍車が掛かることを危惧される、こういった懸念もございます。
 今、三点御質問がございました。
 まず、一点目でございます。警戒区域の指定でございますが、土砂災害の危険性を住民の方に認識していただき、避難体制を充実強化するために必要だとは考えております。一方で、地域全体がレッドゾーン、あるいはそれに近い形でレッドゾーンがあるような区域もございますが、ただ、よく見てみますと、必ずしも全てがレッドゾーンということは少なくて、やはり安全な場所も存在いたしますので、そういった場所に避難場所を設置するように助言していきたいというふうに考えております。
 それから、レッドゾーンに指定されております避難場所の移転に係る支援でございますが、確かに非常に、何というか、御支援は難しいのでございますが、ただ、まず基本としては、レッドゾーン内に避難場所が指定されておれば他の場所を指定することになりますが、その際、何というんですか、いろんな施設をフル活用することによってレッドゾーン外に避難場所を確保していくことになると思います。
 それから、最後に、三点目の点でございます。レッドゾーンが掛かりますと建築規制が掛かりまして、新築はもとより改築も難しくなります。家を新築又は改築してUターンすることもままならないという御指摘もございます。一方で、特別警戒区域につきましては、レッドゾーンでございますが、人命に著しい危害が生じるおそれのある区域でございまして、やはり人命を守るためには土砂災害に対して安全な構造とすることも必要だと考えております。
 特別警戒区域に指定された場合、建てちゃいけないということではなくて、ちょっと工夫をすることによって回避できる場合がございます。例えば急傾斜地、崖の場合には、少しセットバックして擁壁を設けることによって回避できる場合がございますし、あるいは敷地の中の使い方、居室の使い方を工夫することによって安全性が確保できることもございます。
 こういった様々な工夫ございますので、特別警戒区域が指定されても個々の事情に応じて様々な対応策取り得ると考えております。市町村あるいは都道府県等におきまして、そういったアドバイスができる体制づくりをしていきたいというふうに考えております。
#16
○大野泰正君 お答え分かるんですが、例えば擁壁を造れといっても、それは個人負担であります。その点についても御配慮をいただかなくては、そんな簡単な話ではないということだけはもう一度申し上げておきます。
 それでは続きまして、土砂災害警戒情報や避難勧告等について伺ってまいりたいと思います。
 土砂災害警戒情報については、避難勧告、避難指示、避難準備等が発令されたとき、私どもはいつどうすればいいのか理解して行動できているでしょうか。実際に情報を受け取る人が正確に理解し的確な行動につながる情報の伝達方法や情報の出し方をしなければ、命を守ることはできません。行政用語や専門家の言葉遣いが国民の皆様に御理解いただけるとは思いません。言い換えれば、今日、情報を受け取る側が正確に受け取れない言葉遣いがされていることで避難行動が遅れる大きな要因になっていると言えます。
 先日の災害対策特別委員会でも、御嶽噴火に対する質問において同様の指摘はさせていただきましたが、専門的な情報ではなく、分かりやすく確実に全国民に伝わり行動につながる情報伝達をしなくては、行政の責任を果たすことはできません。もっと分かりやすく、本当に何が起こっているのか、今何をするべきなのか。もしかしたらお子さんが一人の場合もあるかもしれません。ほかにもお年寄りや情報弱者という方が増えている今日、総合的で適切な対策は急務であります。
 また、最近賛否両論があるようですが、避難指示において空振りを恐れるよりも、事が起こってから悔やむことがあってはならないということを私は心に刻んでいます。命に対する重い教訓を私たちは御嶽の噴火から学び、東日本大震災の釜石の奇跡を生んだ子供たちから学んだはずです。この子たちは、たとえ津波が百回来なくても百一回も逃げるという自然防災教育をしっかりと学び、実践したからこそ命を守ることができました。
 子供たちにこのような自然防災教育を全国的に徹底することで、家庭の中にもこのような気持ちが醸成されます。自らの命を守る、そのために自ら行動するという強い意思が育まれます。予防や減災の観点からも教育は大切であり、地域で災害の特性もありますが、全国的な自然災害教育の取組を文科省に伺います。また、実際相手に伝わり、的確な行動に結び付く情報の出し方、伝え方を含めた情報に対する考え方を伺ってまいります。よろしくお願いします。
#17
○副大臣(丹羽秀樹君) 現在、学校における防災教育においては、児童生徒が自分自身を守る行動を身に付けるとともに、地域に起こりやすい災害を理解することが重要だというふうに認識いたしております。
 現行の学習指導要領におきまして、主に社会科の中で地域の自然災害に応じた防災対策の重要性について学習することといたしております。
 また、平成二十四年度より実施しております実践的防災教育総合支援事業においては、津波災害が想定される地域では津波災害に対して、過去に大きな土砂災害を受けた地域では土砂災害、また火山活動が活発な地域では火山災害について、その地域で想定される災害について防災教育が行えるよう都道府県に対して財政的な支援をいたしております。その結果を、成果を全国で共有しております。
 今後も学校においてその地域地域の実情に応じた取組が行われるよう、防災教育をしっかりと推進していきたいと思います。
#18
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、住民の一人一人が、自らの身は自ら守るという考え方に立って適切な避難行動を取っていただくことが大切だと思っています。そのために行政としてやるべきことは二つあるかなというふうに思っております。
 一つ目は、御指摘のように、情報をきちんと伝えるということでございます。やはりきちんと伝わるためには、防災行政無線、緊急速報メール、広報車による呼びかけ、自治会等への電話、ファクス、あるいはホームページへの掲載など様々な手法を駆使しまして、繰り返し確実に住民に伝わるということが大事だと思っています。また、報道関係者と連携して、テレビ、ラジオにおいて繰り返し放送してもらうことも重要だと思っています。
 また、実際にその勧告のその瞬間というよりも、その前の段階から危険な状況が迫っているということをきちんと伝えていく、そのために、それを活用しながら避難準備情報というような形で自主避難を促すということも大切かというふうに思っております。
 二点目は、こうした情報に対して住民がきちんと行動を取れるような、そういった準備というんでしょうか、日頃からの防災教育の部分が大事だと思っています。
 そのためには、まず、地域のどこに危険があるかということをきちんと把握していただくということがございますので、昨年の災害対策基本法の法律改正によりまして地区防災計画という仕組みをつくりました。こうした中で、ふだんからどういう点にどういう危険があるかということを確認していただき、それに基づいてどういうことを訓練するかというようなことも大事だと思っています。
 同じように、その訓練を通じまして、いざというときにきちんと体が動くという体制をつくることも大事だと思っています。そうした点につきまして、関係機関と一緒になって取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
#19
○大野泰正君 ありがとうございました。
 受取手としては余りよく分からなかったところがあるんで、そういうことがないように、しっかりと情報の出し方というのはお考えいただきたいと思います。
 次に参ります。
 災害の危険度が非常に高まり、避難を行う必要がある場合、都道府県と気象庁が共同で市町村単位で避難勧告等を発表することになっていますが、その緊急の防災情報の手段としては、今もお話がありましたが、テレビ、メール、防災行政無線など、いろいろな手段があります。ただ、先ほども指摘しましたように、行政からの直接発信だけでは情報弱者の方々にはなかなか伝わりません。確実に伝えるためには行政以外に地域力が大きな力となるのですが、その力を発揮していただくには、誰がどこでどのような状態で生活をしているのかの把握が必要になってきます。
 ただ、今日、個人情報保護法が大きな壁になっていることも御理解いただけると思います。特に、避難行動要支援者であっても、名簿作成に非同意者の名簿は平常時には民間には提供できません。災害時にタイムリーに使えない可能性も高く、実際に緊急時において自治会等の民間にある程度委ねることが必要になる場合が数多く想定される中で、この法律の運用を地方自治体の裁量に任せるのではなく、国として明確な運用指針を示さなくては地域の防災活動を妨げてしまう可能性もあると思います。この点についてのお考えを伺います。
 また、今般、税と社会保障の一体改革の中でマイナンバー制度がスタートします。特に税と社会保障を中心に活用されると思いますが、このマイナンバー制度導入時に、災害時にも活用できるよう具体的に国の災害マニュアルに生かせるものを検討されてはいかがでしょうか。特に東日本大震災の際、病歴や投薬歴などが事前に把握できていたとしたら、より一層緊急時の対応が適切に、迅速にできていたと思います。
 せっかくマイナンバー制度を導入するならば、このような緊急時に一つでも多くの命を守るという観点から検討していただけたらと思いますが、何とかこの今の質問に対してしっかりとしたお答えをいただければ有り難いなと思っています。よろしくお願いします。
#20
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 最初に、災害時の要援護者名簿あるいは要支援者名簿についてお答えいたします。
 これまでも、自力で避難行動が困難な方々につきましては、各市町村におきましていわゆる災害時要援護者名簿を作成する取組が行われてまいりました。ただ、この名簿につきましては、法令上の根拠がなかったために、その作成のための情報の活用あるいはその提供につきまして一定の制限があったということがございまして、例えば名簿の作成に当たりまして防災部局と福祉部局の間で個人情報の共有が行えないとか、民生委員や消防団などの外部の避難支援者への名簿情報の提供を行えないというような課題が指摘されておりました。
 このため、昨年六月に災害対策基本法を改正いたしまして、災害発生時の避難に特に支援を要する方々の名簿の作成を市町村長に義務付ける、それから、本人の同意を得て地域の支援者に平時から提供するほか、実際に災害が発生した場合や災害が発生するおそれがある場合には、本人の同意がなくても避難支援者に対して名簿情報を提供できるようにしたところでございます。また、この名簿の作成と外部への提供に関する事務につきましては、内閣府におきまして昨年八月に取組指針を策定いたしまして、先進的な取組の事例集を取りまとめてその周知徹底を行ってまいりました。
 委員御指摘のとおり、避難行動要支援者名簿の作成及び活用につきましてまだまだ周知が不十分な点もあろうかと思いますので、関係規定の周知あるいは取組指針の周知ということをしっかり行ってまいりたいと思いますし、また、市町村における取組の参考となるような事例集の充実を図ってまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#21
○大臣政務官(小泉進次郎君) マイナンバーの方も担当していますので、御質問にお答えさせていただきますが、先ほど大野委員からは、投薬の履歴、そして病歴など、こういった医療情報についてもマイナンバーの対象とすべきではないかと、そういった御質問がありましたが、分かりやすく一言で答えれば、今検討を進めていると、そういった結論なんですが、それだとそっけないので、ちょっと説明を加えたいと思いますが、本年六月の閣議決定された日本再興戦略、この中でも、医療分野等の情報については、まずは個人情報の保護に配慮しつつ、マイナンバー利用の在り方やメリット、そして課題等について検討を進めて、今年度中に方向性を明らかにすることとされています。
 そういった上で、現在、厚労省において研究会がありまして、医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会、こちらで検討を進めているところでありますので、将来の見通しについて可能な限り早期に国民の皆さんにお示しをして、御理解が得られるように努めてまいりたいと思っております。
#22
○大野泰正君 ありがとうございます。
 是非何としても入れ込んでいただきたいなと、そんな思いですので、よろしく推進していただきますようお願いします。
 また、今まで、ここまでいろいろ御答弁をいただきましたが、その中には予算措置を必要としないものもたくさんあると思います。意識改革によってすぐに実行できるようなこともたくさんあると思いますので、災害はいつ起こるか分かりません、本当に一分一秒でも早い対策をお願いしたいと思います。
 最後に、今マイナンバー制度等いろんな話ありました、今日もいろんな省庁に来ていただいておりますが、やはりこの縦割り行政の弊害を排除し、助けられる命をしっかり守れる体制が整備されることが何より大切であります。全省庁の横断的な御検討をいただくことを心よりお願いしたいと思いますし、それに対し国土交通大臣の強いリーダーシップを期待しております。
 その点、最後に御決意をもう一度お聞かせいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
#23
○国務大臣(太田昭宏君) この災害という問題の中には、冒頭にも申し上げましたが、制度をつくったけれども、制度が生かされるようにということが一つ、そして、制度と制度には必ず隙間があるということを認識して、誰がそれを埋めるかということが極めて大事であるというふうに思います。
 そういう意味では、災害弱者と言われる人たち、これ、いろんなところで全然違うわけなんですが、東京などでは、まさに隣は何をする人ぞということで、独り暮らしかどうかということも、体が弱いということもあって、孤独死というようなことが大変問題となって、災害じゃなくてもあります。地方においても、災害が多いわけでありますけれども、どこに独り暮らしの方が住んでいて、どこにはどんな顔をした猫がいるとかいうことまでよく分かっていくということが大事でありますし、山口の例で私聞きましたら、土砂が来るから、水が来るから二階に上がってくれと、こう言ったら、わしはもうここまで生きてきたんだから死んでもいいんだというようなことを言って、なかなか二階にすら上がらないというようなこともあったと聞きます。それらのことを的確に、日常の、先生がおっしゃったように、コミュニティーの結束度という、密度が大事だというふうに思います。町会や自治会や消防団や、いろんなところで一生懸命やっていらっしゃる方の助けを本当に借りて、その地域で、誰がどこに住んでいて、どういう状況かということをよく掌握するような日本にしていかなくてはならないと思います。
 司馬遼太郎が「「明治」という国家」という本を書いておりますが、明治という時代は心躍る時代である、しかし制度は整っていなかった、しかし明治の人たちは制度の弱点を知っていた、制度と制度には、間には大きな隙間があった、しかしその制度と制度の隙間を明治の男たちが、まあ、男たちと言っているんですけれども、男たちが体を張ってつなぎ止めようとした精神性の中に明治という国家の魅力があると、こういう言葉を書いております。
 私は、制度と制度の隙間をコミュニティーということの形成の中でもっともっと埋めていくような、そういう日本でなくてはならないし、災害はそういうことに心掛けていくということでリーダーシップを取りたいと考えております。
#24
○大野泰正君 どうもありがとうございました。大変心強いお言葉をいただきました。
 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#25
○森本真治君 おはようございます。民主党・新緑風会の森本真治でございます。
 まずもって、本日、差し替えをしていただいて質疑をさせていただく機会をいただきましたこと、委員長並びに先輩各位に感謝を申し上げます。
 八月の広島災害以降、私もこれまで災害特を中心にいろいろと質問も立たせていただいたりさせていただいたわけでございますけれども、この間、関係各位の皆様の御尽力に対しまして敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
 本会議に続きましてこの委員会でも質問をさせていただくということで、本会議でもかなり細かい部分も質問もさせていただいたと思っておるんですけれども、今日は時間をかなりたくさんいただいておりますので、その御答弁なども踏まえまして、ちょっと掘り下げてまたいろいろと何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 御案内のように、土砂災害防止法は十五年前の広島の災害を契機に制定されたわけでございますけれども、皮肉にも、これまでの土砂災害対策、その体制の不備が同じ広島の災害において明らかになってしまったということで、大変残念というか、私自身も無念な思いでいっぱいなわけでございます。
 現在も地元の広島のメディアにおいては、この災害関連の報道というのはそれこそ連日今も報道をされているというところもあります。先般、この本改正案が衆議院で通過をしたときも、地元の新聞ではそれこそ一面トップで大きく報道されたわけでございます。この改正案については、我々も一日も早く成立を願うものでありますけれども、しかし、この本改正で確実に今後の防災対策ということが本当に進んでいくのか、不備はないのかということについては、細かくまたいろいろと確認もさせていただかなければならないというふうに思っております。
 それで、この改正案の中身に入る前に、本会議でもちょっと取り上げさせていただいたんですけれども、災害復旧の支援についてということで二問ほどちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
 大臣は、本会議の御答弁で、この災害復旧に向けた支援ということで、もう既に国においては砂防堰堤の緊急事業にも着手していただいているということで、しっかりと取組をしていくという決意も述べていただきました。
 今日ちょっとお伺いしたいのは、国とは別で、広島県や広島市においても今同時に、今この災害復旧の取組を進めているところがございます。それで、国としてもその支援ということで、例えば激甚指定などもしていただいたりとかいうこともございますし、いろんな、インフラですね、県や市が担うインフラ整備についても既に査定が今始まっていると、補助の査定が始まっているというふうにも伺っておるんですけれども、この県や市の復旧に向けた取組についての現状認識といいますか、それについての今の国としてのお考え、いろいろ査定を、申請が今なされておると思いますけれども、きっちりと国や県の思いというものにちゃんと対応していただけているのかどうかということですね、この査定の完了の見込み、これも一日でも早く完了もしていただきたいという思いもございますので、まずはその現状について、参考人の方で結構でございますので、御答弁いただきたいと思います。
#26
○政府参考人(池内幸司君) 広島豪雨災害におきましては、道路、河川等の公共土木施設の被害が広島県、広島市、それから安芸高田市の所管施設において発生しております。
 広島県及び安芸高田市につきましては十月末に災害査定が完了しておりまして、被害額は、広島県で約十一億二千万円、安芸高田市で約一億四千万円となっております。また、広島市につきましては被害額は約四十一億四千万円という報告を受けておりますが、十月末から災害査定を実施しておりまして、十二月中旬頃までには査定が完了する見込みとなっております。
 以上でございます。
#27
○森本真治君 市の方の申請が十月末ですか、ということで、今から査定などを進めていくということで、十二月ということで今御答弁いただきましたけれども、大変これは無理なお願いになるかもしれませんけれども、査定の調査についてもできるだけスピードアップを図っていただいて、予定よりもどんどん前倒しで完了していただければ、また地元の方にも勇気も与えていただけることになろうかと思いますので、是非その辺りの御尽力をお願いをさせていただければというふうに思っております。
 それともう一点、広島においても、現在復興まちづくり対策本部ということで、復旧から、これからまた復興に向かってもいろんな動きが始まっております。
 それで、今日はちょっと資料を用意させていただいたんですけれども、これは広島というよりも全国的な課題でもあろうかと思うんですが、復興の妨げになるというか、そういうような課題として地籍調査の問題というのがございます。
 広島においては具体的な大きな課題ということでまだ深刻になっていないというふうに私も認識しておるんですけれども、安佐南の方は比較的団地などでしたけれども、安佐北の方になりますとやはりいろいろ、田舎というか、そういう部分も多くて、この地籍調査というようなこともいろいろ課題にもなってくるのかなということも懸念をされるわけです。
 この新聞報道などでは、なかなかこれが苦労されているというようなこれ報道があるんですけれども、今この地籍調査の課題についての現状認識と、それと今後、対策どのように取っていこうとされているのかということもお伺いできればと思います。
#28
○副大臣(北川イッセイ君) 森本先生から新聞の資料をいただいております。私も、これ見せていただいております。
 地籍の調査の作業がなかなか進んでいないために、復旧復興する場合に、非常に土地の所有権とかそういうものが、境界がはっきりしないというようなことで、それが原因で遅れる場合もあるというような記事が書かれておりました。私も、これ地籍調査というのはもう是非とも急いでやらなければいけないものだというふうに思っております。
 この地籍調査というのは、市町村が実施主体ということで行っておるわけでございます。一筆ごとの土地の境界などを調査して明確にするということです。この実施により、土地取引の円滑化や、また、まちづくりの推進で被災後の復旧復興の迅速化ということに貢献するだろうというように思っております。
 新聞報道では、東日本大震災の被災地でも家屋再建やインフラ復興等の妨げになったとされましたということで書かれております。しかしながら、東日本大震災の被災地では、全体として被災地については地籍調査がほかの地域よりも比較的進捗しておると、そういうような状況がございます。これによって用地の取得が迅速に進むなど、地籍調査の有用性が再確認されておるということであります。
 現在、日本における地籍調査の進捗率というのは五一%ということでございます。また、本年八月には、国土審議会において、災害への備えとして、緊急性が高い地域における地籍整備、地籍調査を優先的に進めるべきことということで、国土審議会から示されておるということであります。
 このような状況を踏まえまして、国土交通省としては、大規模な災害の想定される地域、自治体に対して重点的に財政支援を行うなど、地籍調査の更なる推進を進めていきたい、そういうふうに思っております。
#29
○森本真治君 ありがとうございます。
 いろいろと技術的にというか、いろんな難しい問題も多々あろうかと思うんですけれども、先ほど副大臣御答弁いただいたように、今後のやはり災害想定されるようなところとかで、やはり迅速にその後の対応なども進めていく上においても、この問題に対する取組というのは非常に重要だというふうに思いますので、今国交省の方においてもいろいろと検討会を立ち上げていただいているということでございますが、しっかりとこの辺りも着実に取組を進めていただくようにお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 それで、本改正案のことについて入らせていただきたいと思います。
 それで、地元の方の報道でも、先ほど申しましたように衆議院を通過したときにも大きく報道がされました。そういう中で、一つ、マスコミなどの報道を見ていることと実際の今回の改正案、これまで当局の方から御説明を受けたりする中で、ちょっと私が腑に落ちない点が一つあるんです。
 是非これは大臣の方にお伺いしたいと思うんですけれども、地元などのメディアでは、この法律が改正が進むことによって土砂災害警戒区域等の指定が加速ということを大々的にトップの見出しとして書かれているんですね。しかし、今回の法改正を、内容をちょっとよく見てみると、そして大臣の趣旨説明などを伺っても、警戒区域等の指定を促進するということが文言として直接的には言及をされていないんですね。今回の広島災害においても、この区域指定がなされていなかったことがいろいろと課題として上がったわけで、幾つか今回の改正のポイントということで出ておりますけれども、この区域指定の促進ということがなぜ直接的に言及をされないのか、警戒避難体制の強化の必要性は言われておるんですけれども、そのためには確実なやはり区域指定が大前提であるんですけれども、まずそのことについてちょっと御説明をもう一度していただければと思います。
#30
○国務大臣(太田昭宏君) 警戒区域の指定の加速ということは今回の大きな柱です。ただし、法律改正ということの中では、これは趣旨説明等におきましても、区域指定についてはいわゆる改正事項ということではない、物の考え方として改正事項ではないけれども、警戒区域等の指定を加速するということは我々は主眼としては考えている、その加速のために調査結果の公表ということを義務付けるという、こういう仕組みになっています。
 その仕組みをつくった上で公表を義務付ければかなり警戒区域の指定が加速をされる、そして、それではまた調査が遅れているということが警戒区域の指定を遅らせているということになるから、調査というものをしっかりできるようにという援助を予算的にも、そして人材的にも応援すると、こういう仕組みになっているところでございまして、新聞報道と先生の御認識と全く一緒でございます。加速をさせるということが重要な柱でございます。
#31
○森本真治君 ありがとうございます。
 指定の加速をする、その前段の部分の基礎調査などをしっかりすることによって加速させるんだという、ある意味二段階方式みたいなイメージもあったりもして、その辺りが本当に最終的な区域の指定まで着実に結び付いていくのか。もちろん、それをするんだということでの提案だとは思うんですけれども、その辺りで本当にいくのかどうかという部分についても、ちょっとこの後また何点か確認もさせていただきたいと思うんですけれども、実はこれ、衆議院の方のいろいろ委員会の議論の中でも、直接的に区域の指定を義務化するべきじゃないかというような提案もあったというふうに思います。私も本会議でも少しそのことも触れさせていただいたんですけれども、義務化についてはなかなかいろんな御見解も既に御答弁などでもされているとは思うんですけれども、ある意味、最終的には自治体の判断というところに委ねざるを得ないんだというような私は認識だと今理解しておるんです。
 ということは、つまり、最終的な自治体の判断によっては指定ができなくてもこれはやむなしという考え方になるんですか。
#32
○国務大臣(太田昭宏君) そこは、いわゆる率直な言葉で言えばサボっているというようなことであれば是正勧告をしっかり出すということになります。
 物の考え方は、災害対策基本法によりましても、避難とかそういうことについては都道府県そして市町村がやるという分権思想の中に、なっています。その分権思想ということの裏には、現場のことは現場に近いところで、避難しなさいとか、あるいはここを指定しなさいということの指導は、かなり現場と離れている国がやれということよりも、現場に近いところの都道府県が調査をし、そして警戒区域等を指定し、そして避難計画というような、ここに避難しなさい、あそこに避難しなさいというようなことは市町村がやると、こういう仕組みになっています。
 現場に近いということと、それから、国が何でも離れたところで義務付けるというよりも、主体的に都道府県そして市町村が取り組むということが大事だという考え方の中でやっているわけでありまして、ただし、我々はそうしたことについて全部放置しているわけじゃなくて、今回の事例等々に鑑みまして、それが調査が行われて、それをよく見て、いわゆるサボっているというようなことが絶対ないように、期限も、私の方から答弁でも五年程度を目標にしてというようなことを言っているというのはそういうことで、必ず早く指定されるように関与をしてまいりたいし、指導もしたいというふうに思っているところでございます。
#33
○森本真治君 ありがとうございます。
 分権の考え方というお話がございました。これは区域の指定に限らず、これは以前、災害特でも私はお話をさせていただいたんですけれども、例えば避難勧告等の発令なんかにしても、一義的には自治体の方に責任を負わされるわけですけれども、より、例えば知識とか財政的な力のある国などが積極的にそこに入っていくというのは、これは国民の命を守るという観点でいったときに、何ら私は分権の思想と相反するものではないんじゃないかというようなことは御提起もさせていただいたことがございました。
 なかなかこれ分権思想というのは、統治機構的なというか、考え方の中から入っていく部分ではあろうかと思うんですけれども、やはり一番大事なのが国民の命を守るというところですね。生存権というか、何というんですかね、生命を守るという部分においては、これは憲法においてもしっかりと、まあ責務としてというか、権力側のというか、やっぱりそれは求められているわけでございますし、そこはもう少し私は議論をしてもいいのではないかなというふうにも思っておるんです。
 それと、もう一点、これは参考人の方でも結構なんですけれども、ちょっと私がなかなかこれ義務化に踏み込めない理由として、例えば私有財産権の制約、これも憲法との関わりになってきますけれども、そことの兼ね合いもちょっとあるのかなというふうにも思ったりして、例えば、これ強制的に私有財産権を制約することで訴えられて、憲法違反というようなことという可能性はどうなんでしょうね。そこら辺の問題もあるのでなかなか踏み込めないというところもあるんですかね。
#34
○政府参考人(池内幸司君) 警戒区域と特別警戒区域がございます。警戒区域の場合には避難体制ですので必ずしも私有財産権云々にはならないと思いますが、特別警戒区域の場合にはやはり相当厳しい建築上の制限等が加わりますので、やはりそういった私有財産との兼ね合いも考える必要があるかというふうに考えております。
#35
○森本真治君 いろいろと、これを義務化することについてのいろんな課題ということもあろうかというふうにも、私もこれはクリアしなければいけない問題もあるのかなというふうにも思いますが、私の方でも是非今後また研究も続けていきたいと思うんですけれども。
 それで、先ほど基礎調査の目標を五年以内ということで、しっかりとそこで、ある意味、目標を定めているということがあるんですけれども、実はこの区域指定についても国交省さんの方では目標設定、立てていらっしゃいますね、これまでに。社会資本整備重点計画というので、平成二十八年度までに四十六万か所の指定を目指すと、目標だと。ある意味、なかなか強制はできないんだけれども、国としてもその目標を立てているというところがあります。
 そうすると、ある意味、これについてはしっかりと目標を、今後もこの目標は引き続き継続するのか、いや、むしろこういう状況の中でしっかり、またこの目標の見直しというか、加速をさせるためにはこの件数なんかを増やしていくというようなお考えがあるのかどうか、そこについてお伺いします。
#36
○政府参考人(池内幸司君) 社会資本整備重点計画におきましては、今御指摘ございましたように土砂災害警戒区域の指定数の目標値というのを設定しておりますが、これは次期の計画の改定期に見直す方向で考えております。
 しかしながら、今ある目標値、これを、目標に行けばいいというのではなくて、できるだけ上向きになるように都道府県の取組を支援していきたいというふうに考えております。
#37
○森本真治君 ごめんなさい、次期の変更はするということですか。今言われたんですか。
#38
○政府参考人(池内幸司君) 今、まだ……
#39
○委員長(広田一君) 池内局長、挙手の上でお願いします。局長。
#40
○政府参考人(池内幸司君) そこに至っていないので変更しますと言えませんが、多分、次期の見直しの時期にはこういう目標値の変更になってくると思います。
 いずれにしても、各都道府県の方から、今後、各県の目標値を出していただきます。また、大臣から答弁いたしましたように、おおむね五年以内というの出てまいりますので、多分この目標値は上向きになるというふうに考えております。
#41
○委員長(広田一君) 済みません、活発な議論、結構なことでございますけれども、池内局長、御答弁の際は挙手をした上でよろしくお願いを申し上げます。
#42
○政府参考人(池内幸司君) 失礼しました。
#43
○森本真治君 ありがとうございます。
 御答弁いただいたように、そこは当然、基礎調査の完了を加速させるわけだから、当然ながらそれに比例して区域指定の方も増えていかないと、宙ぶらりんな状態というか、完了しても指定されないところだけがどんどん膨れ上がっていくだけのことであっては何も意味がないわけでありますから、そこの部分についてもやはりこれはセットで考えていかなければならないのかなというふうに思います。
 それで、じゃ、この基礎調査の結果公表が義務化することが本当に区域指定の方にきちんとつながっていくのかということですね。そのことについても少し、何点かお伺いをしたいというふうに思います。
 それで、ちょっとこれ数字を、先ほどもちょっと幾つかお話があったというふうにも思うんですけれども、まず基礎調査の今後、未着手のところですね、六十五万ぐらいが全体であるということだったと思うんですけれども、その中の未着手のところがどのぐらいあるのか。さらに、基礎調査が今済んでいるんだけれども指定がなされていない箇所、これがどのぐらいあるのか。ちょっとごめんなさい、もう一度数字の確認をさせていただければと思います。
#44
○政府参考人(池内幸司君) まず、全体像としては六十五万区域前後になるのじゃないかという想定がございます。それに対して、今後実施すべきなのは約二十六万か所程度ございます。
 それから、あと、今、基礎調査の完了から区域指定までの期間でございますが、これは県からの聞き取り結果でございますが、多くの県でおおむね六か月から一年程度を要するというふうに聞いております。
#45
○森本真治君 そこの件数です。完了してまだ指定がなされていない件数は分かりますか。
#46
○政府参考人(池内幸司君) 基礎調査をしてからすぐに指定というわけにいきませんので、例えば一年以上、基礎調査をやってから一年以上経過しても指定がなされていない件数は約一万六千七百か所ございます。
#47
○森本真治君 今回の改正では、ここの今の一万六千七百か所、プラスアルファ今後の部分についての促進というかスピードアップの部分については特に言及はされていないと思うんですけれども、まあこれは法改正というよりも具体的な運用の中とかでそこら辺の促進ももちろんなされるとは思うんですけれども。
 その辺りの、今、大体平均で六か月から一年と言われましたかね、まあ長いところはもっと長いと思うんですけれども、そこを一日でも早く短縮するような促進策、お考えがあったらお伺いします。
#48
○政府参考人(池内幸司君) 区域指定につきましても、基礎調査と同じように県の方で目標を出していただいて、そういったものについて国の方でも把握させていただいて進捗管理をし、公表していくということを考えております。
#49
○国務大臣(太田昭宏君) 調査がされていないので警戒区域が指定できないということの要素が大きかったんです。これを調査を更にしようということが今回の法律の一つ大事なポイントです。
 そして、同時に、公表をさせるということは何を意味しているかというと、公表させることによって、その次の段階では住民との合意形成がなかなかできないのでということが遅れになっていて、一万六千七百か所が調査が終わったけれども、一年以上警戒区域になっていないというのが一万六千七百か所あると、ここは合意形成ということが一つ大きな問題です。
 合意形成ということは、せっかく土地を、そういう建物を買ったのに財産価値が下がってしまうというようなことの懸念も含めていろんな意味があるようです。しかし、そこのところをクリアするためには、いかに危ないかということを御認識いただかなくてはならないということで、その合意形成に向けてどういうような仕組みでやっていくのか、地域のこの説明の機会というのをどうやって増やすのか、単位をどうするのか、どういう説得力ある説明ができるのか、いろんなことのいわゆるソフト部分が、この法律の事項そのものではありませんけれども、公表して危ないということを認識していただく、そして合意を形成しようというところが一つ大事なポイントに今回はなっているということでございます。
#50
○森本真治君 大事なそこは狙いだというふうにも思います。実際に、広島県の今回の安佐南などでは、基礎調査が完了したのが昨年の年末、十二月ぐらいだったと思います。八か月以上たっていたんですね。まあ大体一年ぐらいが平均ですから、それは平均以内だったかもしれませんけれども。その中で、だから、まずはそこが危険箇所なんだということを皆さんに知っていただくという部分で今回の公表ということは大事だろうというふうに思います。そこはもちろん否定するつもりも何もないんですけれども。
 ただ、もう一つやっぱり大事なのは、自治体側がどのような行動を取るべきか。ある意味、危険箇所を知らせて、自助の中で住民の方に判断していただくということに加えて、自治体側が取れる行動ということの部分でいったときには、区域の指定がなされないと警戒避難体制ということは義務付けされないわけですよね。だから、これはちょっと、これも災害特のときからちょっといろいろと御提案もさせていただいておったんですけれども、例えば危険箇所の段階とかからもうこれ警戒避難体制、これはだから基礎調査の完了する以前でもいいですよ、もうここが危ないんだということで、もう自治体の方はしっかりとその体制をつくるということは、これは何ら住民の合意がとかというような話とはまた別の話というか、十分にこれできる話だと思うんですよね。そんなにコストも掛かる話なのかどうかですよね。という部分においては、やはりそこについてもしっかりと検討してもいいんじゃないかと私は思うんです。
 だから、この区域指定が行われる前の警戒避難体制をもうしっかりやるんだということは、ひとつ今後やはり是非検討してもらいたいんですけれども、その辺りのお考えをお伺いします。
#51
○副大臣(北川イッセイ君) 基礎調査をやって区域指定をして、今大臣が言われましたように、そういうようにしても、そこの住民の方が周知していなければ、知らなければ何もならないということで、そのソフト面が非常にこれから大事な要素なんだと、こういうことでございます。
 この今回の広島での土砂災害、これを踏まえまして、危険箇所などの緊急周知及び警戒避難体制の緊急点検、これを九月の二日の日に都道府県に対して緊急点検その他を要請しました。
 緊急周知につきましては、ほとんど全ての市町村でホームページや広報誌への掲載を行ってくれております。公共施設での掲示なども開始をしていただいております。積極的に取り組んでいただいているというように思います。また、緊急点検につきましても、避難勧告の発令基準、それから避難場所、避難路の周知状況や防災訓練の実施などについて各市町村の状況を点検しております。
 この結果を踏まえて、国において改善方策を今年中をめどに取りまとめたいというふうに思っております。都道府県、市町村と連携をして、避難体制の充実に向けた取組をしっかり進めていきたいというふうに思っております。
#52
○森本真治君 ありがとうございます。
 危険箇所は大体五十万ちょっと、強ですかね、資料では五十二万何か所というふうになっています。それで、危険箇所の中で警戒区域に指定されないところはほぼないというふうに伺っております。
 六十五万か所というのは、だから、危険箇所として把握しているところプラスアルファの部分で六十五万か所となるということだから、いわゆる危険箇所であればもうあとは時間の問題で警戒区域などに指定されていくんだろうということは思うわけで、先ほど副大臣の方はしっかりとそこら辺の御答弁いただいたというふうに思うんですけれども、ある意味、これは前倒しというか、そういう中でやっても、結果的にはそれは危険箇所になっていってということになろうかと思いますので、今把握している五十二万強か所についても、しっかりとこの警戒避難体制の整備というものは、指定と併せて同時並行的にでも体制は整備していけるんではないかなというふうにも思いますので、その辺りもしっかりと、また自治体の方とも連携をしっかり図っていただいて促進をしていただければというふうに思います。
 それで、あとは、ちょっと基礎調査の話なんですけれども、今後、やはりこの基礎調査を促進する上で、交付金の充実ということはしっかりとやっていきたいんだということでこれまで御答弁もされていたというふうに思うんですが、これもちょっと数字で教えていただきたいんですけれども、今後これを加速させていこうとしたときに、これまでの予算とプラスアルファで、更にどのぐらいの上積みというかが必要になってくるのかというようなことを、見積りをお伺いしたいと思います。
#53
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のとおり、基礎調査促進のために財政面で支援を行うことは重要だと考えております。
 基礎調査を完了するために必要な費用でございますが、今後指定すべき警戒区域の推計と、これまで実施した基礎調査の実績等から推計いたしますと、現時点では、おおよそ今後一千億円程度の費用を要するというふうに考えております。
#54
○森本真治君 これは、だから、防災・安全交付金の中で、基礎調査の方に活用していただくという形での交付金だと思うんですけれども、今、今後、各自治体の方が着実にこの基礎調査というのを本当に進めていくのか。これまでは、予算要求があって、それを自動的に配分をしているというようなところもあったんじゃないかなというふうにも私は理解しておるんですけれども、今後、きめ細かさというか、着実に予算というものが有効に使われていくというところのチェックというのはやはり必要になってこようかと思うんですね。
 この配分方法の考え方で、やる気のあるところにはどんどんと促進をしていくんだというようなお話もありますが、どのようにこれをチェックしていくというか確認していくのかということを、もう少しちょっと具体的に、その方法についてお伺いします。
#55
○政府参考人(池内幸司君) 今後、基礎調査を促進していくために、都道府県ごとの実施目標やその進捗状況を把握いたしますとともに、交付金につきましても基礎調査の計画や要望についてしっかりと聞き取りによって把握いたしまして、調査が確実に実施できるように、その部分についてはもう交付金によって積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
#56
○森本真治君 ありがとうございます。
 それと、これもちょっと本会議でも取り上げさせていただいた土砂災害警戒区域、特別警戒区域の指定基準の妥当性の問題ということで、資料でも今日は付けさせていただいて、資料の二の方にありますけれども、現在のこの基準に当てはめて特別警戒区域の設定する上で、今回の広島災害では大幅にその想定を超えた被害というのが発生をしたということで、これについては、本会議の御答弁の中では、計算式の問題というよりも当てはめる数値の問題についてしっかりと検証をまずしてみようというようなお話だというふうに思っておるんですが、なかなかそこら辺の、数値とか計算式などを検討するのもいいんですが、実際にやはりこの土砂災害特別警戒区域相当の被害がもう起きたところについては、あえてもう一度そういうところをまた時間を掛けてやらなくても、自動的にもうレッドゾーンということでこれ指定することというのが、ある意味本当に住民の命を守るという観点でいえば非常にこれはやっぱり大事なんじゃないかという、事実、現状に対してやはり指定ということを考えていくということですよね。
 そのことについて、これ広島県の方からもいろいろと要望も挙がっていると思うんですけれども、ちょっとその辺りの考え方についてお伺いします。
#57
○国務大臣(太田昭宏君) 土砂災害がこれだけひどいところ、そして人命が失われる、家屋が倒壊するというところは、これは当然特別警戒区域ということを直ちに指定するということが私は当然のことだろうというふうに思います。
 この計算式とか土砂量ということを申し上げましたのは、そこに同じ土砂が崩れていても、八木地区とかそういうところの崩れ方の量と、違うところの沢でも結構落ちています、そういうような土砂量の落ち方の形態もいろいろありましょうし、それから、どれだけの土砂が落ちるかということをもう一遍計算をするということが大事で、そうしたことをいろいろ考えてこの間の答弁というようなことにさせていただいて、計算式というよりは、そこはもう間違いなく警戒区域に、被害があるところはあるわけですから、いろんな態様があるものですから、そこで土砂量を中心にして、そこで再計算をさせていただく。
 それによって、そこに住んでいる方たちの擁壁を造るとか、擁壁の造り方はどの程度のものかとかいうことも含めて計算をしなくてはならないものですから、そうした土砂量ということ、そして外力のこと、こうしたことを計算をさせていただいて、その地域だけということになるのか、もう少し幅広くできるのかというような計算はちゃんとやりますよということでありますが、被害の起きたところについてはもう当然そこは指定をされるところだと思います。
#58
○森本真治君 分かりました。ありがとうございます。
 ということは、しゃくし定規にというか、今これ、特別警戒区域の場合は政令でしたかね、基準というか何かあれがありますけれども、そこに決してこだわらなくても、これは柔軟に各自治体の方で設定はできるということの理解でいいんですかね。
#59
○政府参考人(池内幸司君) 大臣の御答弁のとおりなんですが、結局根幹は、土砂量をちゃんと設定すれば、当然その甚大な被害を受けた区域を含んで、広がる可能性もございますが、当然それを含んで設定できるということでございます。
 ですから、基本的には計算式を用いますが、当然、ちゃんと被害等を踏まえればきちんとそういう区域も含んで特別警戒区域は設定できるということでございます。
#60
○森本真治君 分かりました。
 これは、あと今日ちょっと資料としては用意していないんですけれども、今レッドゾーンとイエローゾーンというのがあって、なかなかこのレッドゾーンの指定についてはいろんな、やはりなかなか難しい、そう簡単に、住民の理解などもある中で難しいという中で、やはりただ住民に危険を周知する中で、やはり最大級の被害なんかが想定される地域を例えばレッドゾーンとイエローゾーンとはまた別に、いわゆるこれは学会の方では何か第三の区域指定というようなことで御提言をされているようですけれども、いろんなそういう方法も今後やはり検討もしていくというのも重要かなというふうに思います。
 これだけやはり想定外の被害というか、レッドゾーン以外でも、これ広島だけじゃないですね、今頻発に、これ今全国各地で被害が起きている現状を考えると、新たなそういうような危険を周知する方法というのも一つ考えられるのかなというふうに思うんですけれども、この辺りの専門家などの御提言などについてもどのような認識を持たれているのか、お伺いしたいと思います。
#61
○政府参考人(池内幸司君) 今回の委員からの御指摘は、結局、元々県の方で想定していた区域を大幅に越えて被害が生じたという問題意識だと思っております。この点につきましては、今回発生した土砂量等を設定することによって特別警戒区域は設定できると考えております。
 一方で、今後、いろんな甚大な災害が起こっております、土砂災害が生じております、そういった非常に通常の想定を大幅に超えるようなものについてもやはり今後検討を進めて、直ちにというわけではございませんが、研究を進めて、そういうものについての被害想定、あるいは被害がどうなるのかについてもリスクを示していくことが重要だと考えております。
#62
○森本真治君 ありがとうございます。
 それで、ちょっと続いて、これも本会議でちょっと御答弁もいただいておるんですけれども、移転の支援の問題です。これについてはしっかりと周知を、この制度についての周知をされていくというようなお話もあったかなというふうにも、本会議でも、思うんですけれども、一つ、まずこのがけ地近接等危険住宅移転事業でございますけれども、周知をするということは、やはり今後積極的にこの制度についても活用してもらって、やはり危険な場所には極力もう住まないということで、その部分について応援もしなければいけないというようなお考えだと思うんです。
 それで、さらに今、区域の指定の範囲をどうするかというようなお話もちょっとしたんですけれども、例えばこれを、今はこれレッドゾーンだけでしたっけ、対象は、この制度が利用できるのは。ごめんなさい、ちょっと今、もし分かったら。以外のところも柔軟にこれを対象として活用できるんだったかどうか。
#63
○政府参考人(池内幸司君) この現在の移転の事業でございますけれども、基本的にレッドゾーンとなっております。
#64
○森本真治君 例えばさっきの第三の区域じゃないけれども、そういうようなところとかでも、御本人のやはり思いというか、そういうことをやっぱり活用、移転をしたいんだというようなことがあれば、この制度の拡充というようなことも是非ちょっとこれ検討してみてはどうかなと思いますけれども、今のレッドゾーンだけに限られているこの移転制度の対象範囲の拡大などということは、どうなんでしょうか、ちょっとこれ御検討していただくということができるかどうか。
#65
○副大臣(北川イッセイ君) レッドゾーンの拡張ということですが、がけ地近接等危険住宅移転事業というのがございますね。これについて、災害危険区域あるいは土砂災害特別警戒区域などの建築制限を課しているそういう区域において、災害の未然防止という観点から、危険住宅の除去あるいは安全な地域における住宅の建設、購入に必要な費用の一部を交付しております。
 本事業は、これまでに累計しますと一万八千件という実績がございます。また、特別警戒区域のものについても六十一件、まあこれは六十一件にとどまっているということであります。特別警戒区域の件数は多くありませんけれども、本当に危険な場所から移転対策としては有効なものというように考えております。
 対象の拡充という指摘がありましたけれども、本事業は、支援するに当たっては移転を必要とする地域が制度上明確であることが前提ということで考えております。このため、まずは今回提案している土砂災害防止法の改正を踏まえ、特別警戒区域の指定の促進を図ってまいります。その上で、本事業が積極的に活用されますよう、地方公共団体を通じて十分なこの制度の周知というものを図ってまいりたいというふうに思っております。
#66
○森本真治君 ありがとうございます。
 制度の重要性ということはかなりあろうと思いますし、今後の、この周知の強化をする中でどのような成果が得られるかということを今後しっかりと検証もしていかなければならないというふうにも思うんですけれども、これも本会議の御答弁で、この移転支援の絡みで、移転勧告制度ということも実績としてはこれはないというような御答弁があったというふうに思います。
 もちろん、この移転支援制度がしっかりとまた機能していけるようにいろいろと考えることも大事なんですが、先ほど大野先生も、いろんな防災対策の中でなかなか、これ自己責任でしっかりやっていくということもなかなか大変なんじゃないかというようなお話があったかのようにも思うんですけれども、この移転制度を積極的に周知するということも大事なんだけれども、万が一というか、そこにやはり居続けたいという方がいた場合には、そこの辺りの個人の例えば住宅に対する構造、改築などについての支援ということは、これは今ないんではないかというふうに思います。
 この辺りについて、例えばこの対策の検討ということができるかどうか、ちょっとお考えをお伺いしたいと思います。
#67
○政府参考人(池内幸司君) 確かに、現段階では建物耐震化等の補助はございますが、こういった地域に対する補助は、ちょっと手元に資料がございませんが、ないように存じております。
 ただ、今御指摘のように、やはりこういった地域についても安全な構造とすることについて補助することについては、ちょっとどの程度実現性があるかどうかは別にして、一つの検討していくべき課題だというふうに考えております。
#68
○森本真治君 いろいろとやはり財政的な問題も絡む問題でありますから非常に難しいという課題も多いとは思うんですけれども、何か知恵というか、いろいろと考えることができないかということは是非また検討をお願いをしたいというふうに思います。
 続いて、土砂災害警戒情報の通知、伝達の義務化というのも今回の改正の中ではございますけれども、ちょっと一点、これ、ごめんなさい、これもちょっと確認、もし分かれば教えてほしいんですけれども、これ義務化を今回しますけれども、今もこの警戒情報というのは各自治体の方に例えばそれぞれの機関から通知行っていますよね。これ、一〇〇%行っていないんですか、義務化をするということで何か状況が変わるんですか、これ。
#69
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のように、現状でもいわゆる都道府県の方から各市町村等の方に周知することになっておりますし、またマスコミ等を通じても発表されておりますが、これをやっぱり今回、土砂災害警戒情報を明確に法律上に位置付けたということと、それから明確に通知義務を課したということで、今まで以上にこの土砂災害警戒情報の位置付けというのがきちんといたします。そうすることによってこれがより適切に使われていくんじゃないかというふうに考えております。
 具体的には、特に、今避難勧告等の基準になっていることも、例としては少ないんですけれども、より一層土砂災害警戒情報がこういった避難の際の有力な情報になっていくというふうに考えております。
#70
○森本真治君 ちょっと、私がそこら辺がちょっとよく理解できていないんですけれども、今でもちゃんと通知はされているんだけれども、例えばいろんな避難勧告とかを出すその情報としてしっかりそれが今活用できていなくて、これが義務化になればしっかりとそこら辺を踏まえてより的確な判断というものができるというお考えということでよろしいですね。ちょっともう一回、ごめんなさい、確認です。
#71
○政府参考人(池内幸司君) 今は土砂災害警戒情報は法的な位置付けございませんし、通知義務もございません。ですから、言わば任意情報として行っているわけですね。ところが、きちんと法律上に位置付け、明確にされていくこと、それから通知義務が課せられるということで、言わば土砂災害警戒情報の格が上がるといいますか、非常に位置付けが重くなります。そういった意味で、避難勧告等の基準にもなりやすくなるんじゃないかというふうに考えております。
#72
○森本真治君 ちょっと資料の三の一と三の二を御覧いただきたいと思います。これは、広島市の気象・河川情報等の入手に係る伝達経路ということですね。本当にこれすごい複雑な伝達経路を取られています。
 三の二を見ていただきたいんですけれども、これは、例えば今回の広島の災害の場合で、短時間の間に一気にこれだけの情報がばあっと自治体の方に入ってくるわけですよ。その中に、当然、土砂災害警戒情報というのもありますね。これは、下の方の気象業務支援センターにも土砂災害警戒情報というのがあります。そのちょっと上にも、広島県土木局砂防課からも土砂災害警戒情報というのもあります。
 いろんな情報が大量に同時に押し寄せてくる中で、的確な自治体の方の判断がなかなか難しかったというのも今回の課題として挙がってきています。それで、例えばこれ、ファクスなんですね、ほとんどが。そうすると、今回、広島の災害対策本部のファクスの受信が、大幅に大量に情報が集まってきて印字するのが追い付かなくて、機械の中にその情報が蓄積されてしまって出てこなかったというようないろんな課題もあったわけです。
 それで、今回、警戒情報の義務化ということもありますけれども、そもそも自治体が判断するときのこの情報、これをしっかりとやはり整理をするというか、送り手側もやはり危険をちょっとでも察知してもらいたいということで次から次に情報を出しますけれども、なかなかそれで混乱をしてしまったという今回現状がありますね。
 例えば洪水警報なんかも解除したというようなことが夜中にあって、それで、雨脚が弱まっていくというような判断の中で避難勧告の発令が遅れたというようなこともあったりとか、次から次に情報来まして、降雨が例えば一ミリというようなのが出てきたので、ああ、これはもうちょっと弱まってくるんだというようなことで、非常に、情報の受け手側にとってきちんと理解しやすいように情報を流していくということは非常に重要だと思います。
 今回、この警戒情報の義務化ということもありますけれども、やはりその辺り、これだけの部分についてしっかりとこれ整理をしていただきたいと思うんですけれども、これは内閣府さんの方だと思いますが、ちょっと御答弁をお願いします。
#73
○政府参考人(日原洋文君) 委員御指摘のとおり、大変多くの情報が市町村に流れたのは事実でございます。特に、例えば台風が接近している場合には水害でありますとか土砂災害、あるいは高潮災害、いろいろな災害の発生するおそれがありまして、それに対して市町村に対して、気象台、それから国交省の河川事務所、都道府県の県土整備事務所などなど、各機関から台風の進路だとか雨量、河川の水位、その他様々な情報が寄せられる形になります。
 基本的にはこうした情報を市町村が確認していただくということが基本になるわけでございますけれども、私ども、避難勧告ガイドラインを今年の四月に発表させていただきまして、その中で、どの情報が最も注視すべき情報かというようなことをまずは明らかにするようにいたしております。
 それと併せまして、やはり情報量が大きくなり過ぎると市町村で対応し切れないというケースもございますので、それにつきましては、特に災害の発生の危険性が高まっているときには、関係機関、例えば気象庁なり国土交通省の出先機関なりが危機感を持っている場合には、その危機感を市町村と共有するために直接電話をするような対応も取っている、助言をするというようなことも行うというようなことを行っております。
 それから、逆に市町村の側から、この状況で大丈夫かということを確認できるような助言を求める仕組みというのもございまして、これにつきましては、昨年災害対策基本法を改正いたしまして、助言を求められた場合、国等の機関はそれに応えなければならないというような応答義務を課しているところでございます。それに加えまして、やはり日頃からそういったことを聞きやすい関係というんでしょうか、地域における関係機関がどういう災害が起きそうかということについて、日頃から会議等を通じて顔見知りになっておくということは大変重要だと思いますので、そういった点についても進めてまいりたいと思います。
 以上につきまして、関係機関を通じまして取組を進めてまいりたいというふうに思います。
#74
○森本真治君 ちょっと今の御答弁で、どの情報が特に重要か、緊急性が高いかというような判断は自治体じゃなくて送り手側の方で判断をしていただいて、それを指示してくれるという意味ですか。
#75
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 今申しましたのは、どの情報が重要かということをガイドラインで示しているということで、例えば土砂災害についてはいろんな情報ありますけれども、土砂災害警戒情報という情報が土砂災害に関する避難勧告を出すには一番重要な情報なので、とにかく土砂災害警戒情報を注目してほしいというようなことを改定ガイドラインの中で示しているということでございます。
 あわせまして、国の方で何か危機感があった場合は、それは状況に応じて、機械的にということではなく、状況に応じて随時連絡することもあり得るということでございます。
#76
○森本真治君 ありがとうございます。
 具体的に、じゃ、私の方で何か御提案できるようなものが今あるわけでもありません。例えばこれ国交省さんとかいろいろ、今度、広島県とか県の方とかいろいろと、いろんなところから情報発信をする中で、じゃ、これをどう整理するかというようなところというのは、本当にこれいろんな難しい課題もあろうかというふうにも思うんですけれども、ちょっとその辺りを、やはりより受け手側も判断できるような情報の伝達の在り方ということもこれはちょっと研究をしていくべきではないかなというふうにも思います。
 あと、この資料の三の二なんかでもありますけれども、しっかりと電話で、ホットラインでも確認するというようなこともありますけれども、今回など、これほとんどファクスなんですね、これ全部ですね。これ、NTTさんも何でいまだにファクスだけなのかなとか思ったりとか、ちょっと疑問に思うこととかもありますので、まず、住民への周知の以前の、前段の部分の、やはり自治体の情報の収集の在り方の部分についても、これ更なる研究というか検討をやっぱりしていかなければならないということをちょっと問題提起としてお伝えをさせていただきたいと思います。
 あと最後、残り、もう時間が迫ってきましたので、最後の一問だけです。
 これもちょっと本会議の御答弁で、逆に私の思いがそのまま理解をしていただいて御答弁になっていなかったのかなというようなこともあったので、これは避難経路のハザードマップの関係なんですけれども、これちょっと防災大臣の方に、今回、広島のケースで、土砂災害の避難所ではない、洪水の避難場所に逃げてしまったということで巻き込まれたというようなことで、これは災害ごとにしっかりとやはり整理をしないと、住民の方も多くの方は、私もそうですけれども、地域の避難場所といったらもう一か所だけ、近くの例えば学校の体育館とかと頭にもう入っているわけですけれども、それが実は災害の中身によっては違っておったというようなことというのは非常にあるわけなんですね。
 それで、分かりやすさという中で、一つのハザードマップにまとめて重ね合わせてそれをするんだというのは、逆にこれって分かりづらさを助長しているんじゃないかなというふうに私は思ったんですけれども。ちょっとこれ事前のやり取りで国交省さんの方に御答弁をしていただくというような話になっていたんですけれども、決して防災大臣の答弁を否定しなくても結構なんですけれども、ちょっともう一度、この本会議での私の思いの部分について少し御所見があれば、国交省さんにひとつ最後に聞いて終わりたいと思います。
#77
○政府参考人(池内幸司君) ハザードマップ、二面性ございます。一覧性を重視するという考え方もございますし、一方で、一覧性を重視し過ぎると、非常に重ね合わせになって見づらい、見づらくて分かりづらい、こういう両面がございます。
 そこで、まずは、御自宅の場合にどのような災害があるのか、危険性があるのかということを住民の方に意識していただくことが重要でございまして、まずはそういったものを分かりやすいポータルサイトを作ることが重要だと思っております。また、各地域地域で災害は異なります。水害、土砂災害の地域もあれば、津波の災害の場所もございます。このため、私は、内閣府が提案されておられますように、自宅等の場所ごとにどのような災害を想定され、具体的にどのような避難行動を取るべきか等を記載した災害・避難カードの作成が非常に有効ではないかというふうに考えております。
 国交省といたしましても、今後とも、内閣府と連携しながら、分かりやすい形でのハザードマップが作成されるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
#78
○森本真治君 ありがとうございました。
 ちょうど時間が参りましたので終わらせていただきますけれども、私も、昨年の七月に当選をさせていただいて、くしくもこの広島の災害に遭いまして、この間、特に防災の問題というものを、非常にこの間の中でも特に私も問題意識を持って取り組ませていただくことになりました。
 今回の法改正自体は否定するものでもありませんし、ただ、しっかりとやはり、できればもうこれが最後の法改正というか、着実に所期の思いが達せられるような取組ということが進むことを願うわけでございますけれども、引き続き細かい部分などについてもしっかりと検証もしていくということで、それぞれの御担当の皆様にも、やはり自治体の皆さんとの連携を一層図っていただくことをお願いをさせていただいて、私の質問を終わります。
#79
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。どうぞよろしくお願いをいたします。
 我が民主党、森本委員より、被災地出身ということで熱く熱く多岐にわたって質問をいたしました関係上、重複する部分もあるかもしれませんが、是非御答弁をよろしくお願いいたします。
 さて、七十四人の犠牲者、そして二百五十軒以上の全半壊家屋の被害を出しました広島の土砂災害から、もうすぐ三か月がたとうとしております。改めて、お亡くなりになられました方々に御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様、家を失われた方々にお見舞いを申し上げます。
 多くの犠牲者、そして損失を出してしまった今回の大災害をしっかりと教訓といたして、激甚化する降雨を始めとした大きく変動する気候の変動に対応して、自然災害を最小限に食い止めるべく、この土砂災害防止法の一部を改正する法律案、しっかりと成立をさせ、実効性の上がるような運用をされるべく、私たちはしっかりとチェックをし、その後の経過を見守っていかなければならないと思っております。そういう観点から質問をさせていただきます。
 一つ目は、基礎調査の実施と完了時期についてということであります。
 広島の土砂災害で被害が特に集中した八木地区あるいは緑井地区は、土砂災害警戒区域又は土砂災害特別警戒区域に指定されていませんでした。これらの地域ではその指定に向けて昨年末に基礎調査を終了していましたが、住民説明会を準備していた最中に土砂災害が起こってしまったと広島県は説明をしております。いずれにせよ、基礎調査の結果の公表が遅れたことで住民に土砂災害の危険性が認識されず、多くの方が亡くなられるという結果となってしまいました。
 こうしたことから、本改正案では、各都道府県が行う基礎調査の結果の公表が義務化されることになりましたが、そもそも基礎調査については、法制定当初はおおむね五年以内に各都道府県で一巡するようなペースで行うことが予定されておりましたが、法施行から十三年が経過しても十三の県で一巡目が完了したばかりで、完了時期未定の県もあるのが現状であります。
 そこで、二点ほどお伺いをいたします。まず、大臣は、残りの基礎調査の実施を五年程度で完了するとされておりますが、こうした完了時期未定の県も含めてのことなのでしょうか。これは確認をしたいと思います。
#80
○国務大臣(太田昭宏君) 基本的にはおおむね五年程度を目標にして全て完了をしたいというふうに考えています。そうした、現在も十三県は既に完了しているわけで、聞き取り調査によりますと、二十県を超えるところが五年以内と既になっているわけですが、それを超えるところも、十県を超えるところ、特殊なところもあるんですけれども、北海道などはかなり掛かるというような聞き取り調査の結果になっていたり、被災地はまた別であったりいたします。
 そうしたことも考えて、おおむね五年程度を目標ということを維持できるようにと考え、その上で、この法律制定させていただきましたら各都道府県と丁寧に、どうすればそういうふうになるのかということを、命令を下すんじゃなくて相談をするという作業を始めたいと、このように思っております。
#81
○田城郁君 ありがとうございます。
 それぞれに特殊な事情などを抱えているとは思いますが、やはりここは住民の安全ということを考えればより前倒しでということで、相談というお話も出てきましたが、是非よろしくお願いしたいと思います。
 二点目は、既に一巡目が完了している県については今後二巡目以降の基礎調査も考えていく必要があると思いますが、二巡目以降の基礎調査についてはどのように推進されるお考えでしょうか、お伺いをいたします。
#82
○政府参考人(池内幸司君) 二巡目以降の基礎調査につきましては、おおむね五年ごとに各区域における地形や土地利用の状況等を確認いたしまして、変化が認められた箇所等につきましては現地確認を行うなどによって詳細な調査を行うこととしております。このような考え方に基づきまして、二巡目以降の基礎調査が的確に行われるよう、都道府県に要請してまいりたいと思っております。
#83
○田城郁君 ありがとうございます。
 次に、基礎調査の結果の公表に関わる住民の相談体制の確立についてお伺いをいたします。
 基礎調査の結果の公表が義務化され、住民に土砂災害の危険性を認識させるとしておりますが、実際に土砂災害警戒区域に指定されて初めて市町村地域防災計画に必要な事項が掲載され、土砂災害の警戒避難体制が整備されていくものと考えております。
 そうすると、基礎調査の結果の公表から土砂災害警戒区域に指定されるまでの間は、住民は土砂災害の危険性だけ認識させられていて、実際に自分はどうしたらよいのか分からない状態になってしまう、そういうふうなことが想定されますが、いかがお考えでしょうか。そうした住民が土砂災害に対してどのように行動すべきかなどを相談したり、あるいは助言を与える体制を地方公共団体においても整備すべきではないかと考えます。いかがお考えでしょうか。大臣、よろしくお願いいたします。
#84
○国務大臣(太田昭宏君) 区域指定が行われる前における行政側の警戒避難体制の整備については、先ほど森本委員に対しまして答弁をいたしました。田城委員の御指摘は、今度は住民の側での対応についても区域指定の前から準備を進めるべきだということだと思います。
 御指摘のとおり、区域指定の前であっても市町村が情報伝達体制の整備や、あるいは避難場所、避難経路等の設定などに着手するとともに、そのことを地域の自治会等を通じまして確実に住民に周知していくことが重要だと考えます。その上で、相談体制づくりについても都道府県と市町村が連携して取り組んでいただく必要があるというふうに思いますが、私としては、市町村が様々な意味での準備をする、そして地域の自治会とか消防団、いろんなところも含めて確実にまずこの周知をするということをかなり徹底していかなくちゃいけないと、その上で相談体制ということになろうと思います。相談体制のみに頼らないで、むしろ徹底をするということに力を注いでいきたいというふうに思っております。
#85
○田城郁君 万全な体制でよろしくお願いをいたします。
 次に、是正の要求の発動基準についてお伺いをいたします。
 本改正案では、国土交通大臣は、都道府県の基礎調査に関する事務の処理が法令の規定に違反している場合又は科学的知見に基づかずに行われている場合に、地方自治法の規定による是正の要求を行うことが定められておりますが、これについて三点ほどお伺いをいたします。
 一つは、都道府県の基礎調査に関する事務の処理が法令の規定に違反している場合とはどのような場合を想定しておるのでしょうか、お伺いいたします。
#86
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のとおり、基礎調査に関する事務の処理が法令の規定に違反している場合には是正の要求を行うことになります。ここで、法律の規定に違反する場合の例といたしましては、例えばおおむね五年ごとに基礎調査が行われていない場合ですとか、あるいは土砂災害防止法に基づき国土交通大臣が定めております基本指針に基づかずに基礎調査を行った場合などが挙げられます。
#87
○田城郁君 では、今後、都道府県の基礎調査の進捗状況を把握し、必要に応じて是正の要求を行うとしておりますが、どのくらいの遅れに対して是正の要求を行っていくのでしょうか、お伺いいたします。
#88
○政府参考人(池内幸司君) 基礎調査につきましては、基本的にはおおむね五年程度で完了させることを目標にしたいと考えておりまして、各都道府県に要請してまいります。
 また、国はこれまで都道府県ごとの基礎調査の実施数を把握しておりましたが、今後はさらに実施目標やその進捗状況について把握、公表いたしまして、基礎調査の実施を促進してまいります。このため、毎年一回各都道府県の進捗状況を確認いたしまして、目的に対して著しく遅れが生じている場合には是正の要求を行うこととなります。
 具体的にどの程度の遅れが生じた場合に是正の要求を行うのかにつきましては、おおむね五年程度で完了させるという目標を踏まえつつ、各都道府県の個別の事情を勘案して総合的に判断してまいりたいと考えております。
#89
○田城郁君 では、都道府県の基礎調査が科学的知見に基づかずに行われている場合については、どのような場合を想定しているのでしょうか、お伺いいたします。
#90
○政府参考人(池内幸司君) 科学的知見に基づかずに行われている場合の例といたしましては、例えば流下する土石等の量を小さく見積もるですとか、あるいは土石流が流下する渓流の傾斜の取り方を誤るなどによりまして土石等が到達する区域を狭く設定している場合などが挙げられます。
#91
○田城郁君 ありがとうございます。いずれにしても、しっかりと国民、住民の命を守るという立場から御指導をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域の指定の推進ということでお伺いをいたします。
 今後五年以内で基礎調査を完了するとして、土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域の指定についてはどのような目標を考えているのでしょうか。土砂災害防止法を制定したときの会議録、平成十二年の四月十七日の参議院災害対策特別委員会の資料ですが、これを見ると、基礎調査をした後にはほぼ自動的に土砂災害警戒区域であるイエローゾーンや土砂災害特別警戒区域であるレッドゾーンに指定されていくというような答弁がありましたが、実際には、会計検査院に過去に指摘されたように、基礎調査が終了してから何年も経過するのに指定がなされない区域が多数存在をしております。平成二十五年度末でも基礎調査の終了後も未指定である区域がイエローゾーンで三万四千区域、レッドゾーンで四万五千区域となっております。
 基礎調査の遅れについては是正の要求の規定を設けて推進していくとしていますが、基礎調査後のイエローゾーンあるいはレッドゾーンへの指定の遅れについてはどのように指導していくお考えでしょうか、お聞かせください。
#92
○政府参考人(池内幸司君) 警戒区域や特別警戒区域につきましては基礎調査後速やかに指定がなされるものと考えておりまして、各都道府県においては早期の区域指定へ向けた実施目標を設定していただくこととしております。
 次に、区域指定の遅れている都道府県への対応についてお答えいたします。
 国土交通省といたしましては、都道府県ごとの区域指定に関する実施目標とその進捗状況について把握、公表することとしておりまして、指定が遅れております都道府県に対しましては、まずはその指定を進めるよう要請してまいります。これにより、都道府県において指定に向けて適切な措置が講じられるものと考えております。
 しかしながら、要請してもなお指定が進まない場合におきましては、地方自治法の規定に基づく是正の要求等を行ってまいります。これらの措置を講じることによりまして、しっかりと警戒区域等の指定を促進してまいります。
#93
○田城郁君 是非しっかりお願いをいたします。
 次に、土砂災害警戒情報の一般への周知についてということでお伺いをいたします。
 広島の土砂災害での教訓の一つとして、真夜中であったために土砂災害警戒情報などの防災気象情報が住民に伝わりにくかったということから、本改正案では土砂災害警戒情報については一般にも周知するとしております。一般への周知の方法としては、どのような方法を想定しているのでしょうか。
 例えばインターネットで配信するのは配信側にとっては便利でありますが、特に高齢者など受け手側が受け取った後にきちんと確認できているかどうか分かりません。広島の土砂災害現場でも、警官から聞いて初めて避難勧告の発令状況などを聞いたという住民の方々もいらっしゃるとお聞きをしております。
 土砂災害の危険性に関する情報については、住民等に確実に届くように防災行政無線など情報伝達体制を整備していく必要があると思われますが、現在の整備状況と今後の取組について御見解をお伺いをいたします。
#94
○政府参考人(室田哲男君) 今回の広島での災害におきましては、突発的かつ局地的に発生する災害に際しましての住民への情報伝達に課題があったところでございます。
 深夜や早朝を問わず住民に即時かつ確実に情報を伝達するためには、防災行政無線に加えまして緊急速報メールなどを活用し、情報伝達手段の多様化を図る必要があると考えております。
 まず、防災行政無線につきましては、平成二十六年三月末現在で整備率が八〇・四%となっておりまして、今後も整備の推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、この際、大雨などの場合には、この防災行政無線の屋外スピーカーからの音声が伝わりにくいということもありますことから、高齢者や障害者、あるいは土砂災害警戒区域の世帯等に対しまして戸別受信機を整備することが重要なことだというふうに考えております。現在、この防災行政無線が整備された市町村のうち、戸別受信機を全戸配備又は一部配備されている割合は八四・八%となっておりますが、これを併せて配備を推進してまいりたいと考えております。
 加えまして、緊急速報メールにつきましては、現在整備率が九三・二%となっておりまして、早急に一〇〇%を目指し、整備を促進していきたい、また、Lアラートにつきましては、現在整備率が四四・七%となっておりまして、平成二十六年度中の全都道府県への導入決定を目指し、順次活用を進めること、このほか、コミュニティーFM、SNSなど様々な情報伝達手段の活用を図ることなどに取り組み、この情報伝達手段の多様化を図ってまいりたいと考えております。
#95
○田城郁君 是非、戸別受信機、これを徹底して全戸配備を目指すということも含めて、すばらしい取組であるとは思いますが、やはり一方通行ということでありますから、やはりいろいろな状況の方々がいらっしゃる中で双方向の、最終的には目指すべき方向としては双方向で、いろいろな疑問なり、あるいは緊急時にどう行動していいのかということなども含めた双方向のやり取りができるような、そういう状況もつくっていかなければならないのではないかと考えますので、昔ながらの消防団がぐるぐる回るとか、そういう中で声を掛け合うとか、そういうことから緊急メールあるいは戸別受信機など、あらゆる手段を使って是非徹底した警戒を促すという体制を確立していただければと思います。
 次に、警戒避難体制の周知対象の拡大についてお伺いをいたします。二点ほどあります。
 本改正案では、急傾斜地の崩壊等が発生するおそれがある場合における避難施設その他の避難場所及び避難路その他の避難経路に関する事項等を住民等に周知させるため、当該事項を記載した印刷物の配布その他の必要な措置を講じなければならないとしておりますが、本法案では、これまで「住民」としてきたところを「住民等」としております。「等」にはどのような人々が含まれると想定しているのでしょうか、お伺いいたします。
#96
○政府参考人(池内幸司君) 命を守っていくためには、警戒区域等におられる方々に幅広く避難体制を周知していくことが重要だと考えております。
 周知の対象といたしましては、これまでの住民ということに加えまして、警戒区域等にある職場に勤務して通勤しておられる方々、あるいは観光客などの一時的に滞在しておられる方々も想定されるというふうに考えております。
#97
○田城郁君 おっしゃるとおり、やはり通勤者あるいは外国人観光客を、二千万人を目指すという中の外国人観光客が宿泊施設に泊まっている、そういう中でどういうふうに危機感を促していくのかという状況も、あらゆる状況などを想定して徹底して進めていってほしいというふうに思います。
 二つ目に、インターネットなどの普及により関連情報を広く周知できることから、通勤者なども含まれるとのことで、通勤者への情報配信も大切なことでありますから、土砂災害関連情報については交通事業者についても十分に提供し、タイムラインでどのような行動を取っていくのかについてしっかりと確認していく必要があると思いますが、地方公共団体から交通事業者に対する土砂災害警戒情報の提供などの連携体制や、交通事業者が土砂災害に対して警戒避難体制を構築する場合にどのような支援を行っていくのでしょうか、お伺いをいたします。
#98
○大臣政務官(うえの賢一郎君) 御指摘のとおり、多数の命を預かる交通事業者の皆さんにしっかり対応していただくというのが非常に大事だと思います。
 警戒区域の指定の際には、区域内に鉄道あるいはバス路線等がある場合、その交通事業者にしっかりと説明をしてまいりたいと思います。あるいは、先ほどもお話がありました周知方法、これはいろんな方法があります。インターネットであったり、テレビ、ラジオ放送、緊急ラジオ告知とかございますが、その周知方法につきまして、しっかりとあらかじめ交通事業者の皆さんに御理解をいただくという取組を進めていきたいというふうに思います。
 そして、委員御指摘になったように、そのタイムラインの話でございますが、実際にその警戒情報が発表された後にどのような対応を取っていただくかということをあらかじめ準備していただくということは非常に大事でありますので、その作成につきましてはガイドラインの支援等々を行ってまいりたいというふうに思います。
#99
○田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。
 次に、防災上の配慮を要する者が利用する施設等についてということで、国土交通省では、平成二十一年七月に発生した山口県の土砂災害において特別養護老人ホームに入所していた災害時要援護者が被災したことを受けて、都道府県の協力を得て土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設の状況について調査を行い、平成二十二年六月に調査結果を公表しておりますが、それ以降同様の調査を行っていないようであります。
 そこで、三点ほどお伺いをいたします。ちょっと連続して、時間がありませんのでお聞きします。
 本改正案では、市町村地域防災計画において、警戒避難体制を主に防災上の配慮を要する者が利用する施設の範囲に学校も含まれておりますが、どのような学校を加えることになるのでしょうか。これが一点目です。
 そして、防災上の配慮を要する者が利用する施設の範囲が変わることで、土砂災害のおそれのあるそれらの施設の安全の状況を再度国交省として把握すべきであると考えますが、いかがでしょうか。また、これらの施設に加え、指定避難場所、指定緊急避難場所についても同様に把握しておくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 そして、防災上の配慮を要する者が利用する施設や指定避難場所等において、土砂災害における安全性が不十分な施設において、砂防堰堤整備などのハード対策も含めて土砂災害対策を重点的に実施していくべきであると考えますが、いかがでしょうか。また、地方公共団体がそうした施設に対して実施する支援体制の充実強化についてお伺いをいたします。
#100
○委員長(広田一君) 以上三点でございますが、うえの政務官。
#101
○大臣政務官(うえの賢一郎君) 済みません、順番があれですが、三点目について最初に御説明をしたいと思います。
 砂防堰堤等の整備、災害時要援護者関連施設や避難場所を守るハード対策、これについては現在も優先的に実施をしているところでありますが、引き続き更に拡充していきたいというふうに思います。ソフト面の対策につきましても、これは関係府省と連携をしてでありますが、災害時要援護者の避難計画策定のためのガイドラインを作成して地方公共団体を支援をしてまいりたいと思います。
#102
○政府参考人(池内幸司君) 一点目、二点目についてお答えいたします。
 まず、対象となる学校でございますが、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等でございまして、こういったものを市町村地域防災計画に定めていただくことを想定しております。これらの考え方につきましては、法に基づく基本指針に定めて市町村等に周知する予定でございます。
 それから、二点目でございます。
 委員御指摘のとおり、防災上の配慮を要する方が利用される施設の実態を把握し対策を講じていくことは非常に重要だと考えております。このため、土砂災害警戒区域等における社会福祉施設や学校、医療施設等につきましては、その立地状況やハード対策の実施状況を関係府省と連携して把握することといたしております。
#103
○政府参考人(室田哲男君) 指定避難所及び指定緊急避難場所の指定状況についてお答えをいたします。
 昨年六月の災害対策基本法改正によりまして、本年四月一日から、指定避難所、そして災害の種類ごとにおける指定緊急避難場所をそれぞれ安全基準を満たすことを確認した上で指定することが新たに市町村長に義務付けられたところでございます。
 この指定状況につきましては、本年十月一日時点のものについて調査し現在取りまとめ中でございまして、これまでの回答のあった三十六都道府県分についてお答えさせていただきます。
 まず、避難所につきましては、指定済みのものは二万七千七百四十九か所、そして本年度指定予定のものが二万三千九百七十か所、また、土砂災害に係ります避難場所につきましては、指定済みのものが一万四千七百六十五か所、本年度中に指定予定のものが一万七千百七十三か所となっております。
 消防庁におきましては、この避難所及び緊急避難場所の指定につきまして、これまでも関係府省庁と連携いたしまして地方公共団体への通知や説明会により助言を行ってきたところでありますが、市町村において早期に指定が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。
#104
○田城郁君 是非しっかりお願いをいたします。
 土砂法に若干それますけれども、最後に、豪雨による水害等における鉄道の復旧支援についてお伺いをいたします。
 近年の雨の降り方は、御存じのように激甚化をしているということであります。鉄道関係も数多く被害を受けております。例えば、昨年、JR函館線で線路下の土砂が流出し列車が脱線する、あるいは今年は土砂崩れでJR東海道線が不通になるなど、旅客、貨物に大きな影響を及ぼしているということであります。災害が発生するたびに重要な地域の交通が縮小されていくことは、地域の衰退に歯止めが掛からなくなるということであります。どういうことかといいますと、やはりJRの地方路線の復旧は一義的には事業者であるJRが行うことになっておりますが、現状では、鉄道事業者の判断として、経営が厳しい地方路線などは復旧なされずにそのまま廃線になってしまう例なども出てきているわけであります。
 そういう中で、JRの地方路線については、地域の枢要な交通を廃止されると代替手段も少ないことから、近年、水害や土砂災害が頻発してきていることも踏まえ、その災害復旧の在り方については国として見直し、利益優先の判断になりがちな鉄道事業者を導き、確実に鉄道の復旧がなされるような具体的な方策を探っていくべきではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか、お伺いをいたします。
#105
○副大臣(北川イッセイ君) 地域の鉄道の復旧についてであります。これにつきましては、田城先生今言われましたように、基本的には事業主体である鉄道事業者が地元自治体などと議論しながら対応していく必要があるというように考えております。
 一方において、交通政策基本法や地域公共交通活性化再生法においては、地方公共団体が地域の諸条件に応じた施策を実施し、地域公共交通の活性化や再生に主体的に取り組むよう努めること、また、国においても総合的な施策の実施や情報提供などの支援業務に取り組むよう努めることというように定められております。このような考え方を踏まえ、国においては、経営の厳しい鉄道事業者の災害復旧事業に対して鉄道軌道整備法に基づく補助制度を設けております。
 また、例えばJR只見線でありますが、ここにつきましては、地元、JR東日本、それから国土交通省の三者から成る検討会議を設けまして、鉄道事業者、関係自治体などの議論の場を提供してきたところであります。国としましても、今後とも、こうした鉄道事業者の地元との間の議論を促進するための取組を実施し、円滑に合意形成がなされるよう努力してまいりたいと、そういうふうに思っております。
#106
○田城郁君 是非国からの力強い御支援を要請いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#107
○委員長(広田一君) 午後一時に再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#108
○委員長(広田一君) ただいまから国土交通委員会を再開をいたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、辰已孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。
    ─────────────
#109
○委員長(広田一君) 休憩前に引き続き、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#110
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 十一月の五日の本会議に続きまして、土砂災害防止法改正案につきまして質問を申し上げたいと思います。
 初めに、改めて、本年夏の土砂災害や台風、御嶽山の噴火被害などでお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 本日は、法案に関連する部分と、砂防堰堤の整備、またテックフォースに関しましてお聞きを申し上げたいと思います。
 近年のこの豪雨被害、太田大臣も話されておりますように、局地化であり、また激甚化であり、集中化しております。思いも寄らないこうした大きな規模になることも珍しくないということでございます。私たちは、自然の脅威に何よりも謙虚に向かい合っていかなくてはならないと思います。
 そこで、改正案に関連してお聞きを申し上げます。
 まず、開発許可に関しましてお聞きをいたします。
 今回の改正案では、土砂災害警戒区域及び特別警戒区域の指定促進に向けまして、その前提となる基礎調査の結果公表の義務化が、これが盛り込まれているわけでございます。この基礎調査が進み、結果の内容によっては、土砂災害の発生が予想される地域に関しましては都市計画法に基づきまして開発許可が出ない特別警戒区域に指定されると想定される場合もあると考えられます。
 しかし、今日の午前中でもいろいろな議論がございましたけれども、この区域指定には一定の時間が掛かります。一年以上ですと一万六千七百か所と、こう言われておりますけれども、この区域指定が決定される前に開発許可が行われた場合には基本的に許可がされることになるわけでございます。
 そういうことも含めまして、この基礎調査で土砂災害の危険性が予想される地域に関しましては区域指定がされる前でも開発許可を出さない、こういうことが国民の安全を守るという点では私は良いのではないかと思いますけれども、この点に関する見解をお聞きしたいと思います。
#111
○政府参考人(小関正彦君) 都市計画法の開発許可制度におきましては、土砂災害特別警戒区域が指定されている場合には土砂災害防止法に基づき対策工事が実施されているなど、支障がないと認められる場合を除いて、原則として開発許可をしてはならないこととされております。一方、開発許可申請がなされて許可の時点までに区域指定が行われないときは、許可基準に適合していれば開発許可をしなければならないこととされております。
 そのような場合におきましても、開発許可部局と防災部局とが連携を図り、申請者に対して、基礎調査の結果、開発区域には災害の発生のおそれがあることなどを情報提供し、注意を促すということにつきまして地方公共団体に対して技術的な助言を発出し、許可の運用が柔軟かつ適切に行われるようにしてまいります。
 以上でございます。
#112
○山本博司君 これは是非、大事な点でございますので、国民の安全を守るためにしっかりそうした形の対応をお願いをしたいと思います。
 次に、建築物への規制に関してお聞きをしたいと思います。
 土砂災害特別警戒区域では、その地域内で建築される建物に関しましては、建築基準法施行令に定められました土砂等の衝撃等に対しまして安全性を確保できる構造になっているかどうか、この建築確認がされることになっております。一定の基準に達していますと、これは建物が建つわけでございます。
 しかし、例えば崖の下にあって、雨が豪雨で土砂災害が起こって、たとえ建物は倒壊していなくても完全に埋まってしまうという、こういう特に大きな被害が生ずる可能性がある場所におきましては、どんなに建物が構造的に強い建物であったとしても、危険性があるというこの時点で建築自体を禁止する措置、これは私は必要ではないかなと思います。
 もう一方、建築基準法には災害危険区域制度というのがございます。これは、地方公共団体が条例を定めることで住居の建築を禁止することもできると、こうされているわけでございます。私は、命を守るというこういう点から、安全性を確保するために、必要に応じてこうした土砂災害防止法とこの建築基準法の制度を適切に組み合わせて、場合によっては建築禁止という厳しい規制強化、これを取るということも必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#113
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、土砂災害特別警戒区域の指定が行われた場合には、その地域内に建築される建築物には、想定される土砂等の外力により倒壊しないという構造基準に適合することが求められるところでございます。
 しかしながら、建物が倒壊せずとも建物が完全に埋まってしまうような特に大きな被害が生ずる可能性がある箇所につきましては、土砂災害特別警戒区域による規制に加えて、建築基準法に基づき災害危険区域を定めて住居の建築の禁止等を行うことが大変有効であると考えております。
 今後、地域の実情に合わせまして、これらの制度を組み合わせて活用することに関して、改正法の施行に合わせ地方公共団体に対し周知をしてまいる所存でございます。
#114
○山本博司君 是非、人命を守るという観点からその周知を含めて推進をお願いしたいと思います。
 さらに、要援護者への対策ということでお聞きをしたいと思います。
 広島市の災害におきましては、保育所とか障害者とか高齢者の関連施設、社会福祉関連施設が二十五か所被災に遭ったという報告を受けております。例えば障害者の就労B型の八木園というところでは、土石流によって流されました。また、二〇〇九年、山口県の防府市の特別養護老人ホームで七名の方が亡くなられましたけれども、私も現地に行きましたけれども、こういう地域に特養が建っているということも驚いたわけでございます。
 私は、先日の本会議で、こうした福祉避難所の整備を始めいわゆる災害弱者への支援ということを強く訴えたわけでございますけれども、この要援護者へのきめ細やかな対策というのは大変大事でございます。
 そこで、まずこうした要援護者が利用する施設、これが一体どのような場所に存在しているのか、また災害への、土砂災害等への備えが十分かどうか、こういう全国的な実態把握、総点検が私は必要であると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(太田昭宏君) 全くそのとおりだと思います。
 それで、私も防府のこととか、今回八木園とかいろんな事例を見ておりますけれども、とにかくどれだけあるかということについて、これは二十一年八月に調べたデータがありまして、一万四千施設という、これ国交省と厚生労働省との、一緒にやったことです。これは、その後五年経過していますから、相当施設もできたであろうし、また状況も変わっているということもありますから、直ちに、これは厚生労働省とよく連携しまして、今月中にも調査に着手をして、そして、私の考えでは、今年度中にはきちっとして数字が出るようにというふうに思っています。
 それから、今回のこの警戒区域とか、そうしたことの区域指定に限らず、去年仙北市で、秋田の、行きましたときに、政務官が行ってもらったんですが、非常になだらかに見えるんですね、なだらかに見えるところが土砂で流されたということがありますから、従来のそうしたことだけではない、特にこの要援護者の関連施設については念には念を入れて、まずは一定の基準で調べさせていただきますが、さらにその辺の注意を喚起するということが大事だというふうに思っております。
#116
○山本博司君 大臣、是非ともお願いをしたいと思います。そうした社会福祉施設かなり、私も全国回らせていただきましたけれども、山間地域とかそうした地域にもございますので、総点検をお願いをしたいと思います。
 次に、法案に関連をしまして、砂防堰堤等の整備についてお聞きをしたいと思います。
 私、現地広島を回らさせていただきまして、多くの住民の方々が、この砂防ダム、大変大きな効果を発揮したということをお聞きしました。大町地区とか八木地区等でやはり土石流を止めて土砂を止めたということで、下にいらっしゃる住民の方々は人命を守られたというふうに強くおっしゃっておられました。
 広島県はこのほど予算を組みまして、この砂防ダムの建設を進めることになっております。今後は、やはり人命を守るという観点から、砂防堰堤の整備、これを着実に進めていくということが私は、大臣、必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#117
○国務大臣(太田昭宏君) 今回の広島市での災害におきましては、百七の渓流で土石流が発生をして、甚大な被害を及ぼしています。御指摘のとおり、八木地区では工事中の砂防堰堤が下流の被害を軽減して、少なくとも人命に関わらなかったという効果を発揮したことが確認をされています。また、安佐南区の大町地区では砂防堰堤が土石流を完全に止めているという事例もございますし、そうしたことを考えますと、砂防堰堤の整備というのは非常に重要だというふうに思います。
 ただ、財政制約があって、たくさんの地域ですから、そこでどういう順番でやっていくかという、そうした人命を守るという観点から効果が高い箇所、ここを優先してという優先順位をしっかり付けて直ちに動きたいというふうに思っているところでございます。
#118
○山本博司君 是非、優先順位を付けながらお願いを申し上げたいと思います。
 もう一問、砂防ダムに関しましてですけれども、現地訪問した際にも要望されました。今回、土石流等で砂防のダム、土砂が満杯になっております。一部では、八木地区では若干修復をしないといけない部分もあるかというふうに聞いておりますけれども、今後、豪雨災害が発生をしたときにやはり心配であるという声も聞いているわけでございます。やはりこの土砂を撤去してもらう、砂防ダムにたまった土砂を撤去してもらう、今進捗を、進められているということも聞いておりますけれども、この状況を御報告いただきたいと思います。
#119
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のとおり、八木地区、大町地区では砂防ダムが下流の人命を守っておりますが、一方で土砂も堆積しております。このうち、大町地区の砂防堰堤につきましては既に堆積土砂の撤去を完了いたしております。また、八木地区の砂防堰堤につきましては堆積土砂の撤去を年内に完了するとともに、次期出水期までに工事を完了させる予定でございます。
#120
○山本博司君 是非その点もお願いをしたいと思います。
 さらに、治山ダムにつきまして農林水産省にお聞きをしたいと思います。
 今回、広島の被災地を回った際にも、砂防ダムは土石流が食い止められたということでございましたけれども、八木地区を回る中で、治山ダムが破壊をされて、もう真っ先にコンクリートの大きなものが下に流れていったということでございまして、残念ながら土石流を止めることができなかった治山ダムがございました。これ、治山ダムは治山事業でございますので、森林法に基づく水資源の涵養とか、山地災害を防ぐための森林を維持造成するという目的があることも承知しております。砂防ダムは砂防事業でございますので、そういう趣旨はよく分かるわけでございますけれども、しかし、この治山ダムに関しましても土砂災害対策といいますか、そういう強化の検討を私はするべきではないかなというふうに実感をした次第ですけれども、農林省、いかがでしょうか。
#121
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 今回の広島での災害を含めまして、治山事業により整備された治山ダムは渓流の浸食の防止ですとか、土石流のエネルギーの抑制等に一定の効果があったものとは思っております。
 一方で、農林水産省といたしましては、近年の豪雨等による山地災害の発生状況を踏まえ、これまでの治山事業の効果の検証等を行いながら、土石流に対するダムの機能の強化等について検討を行っていく必要があると考えております。現在、既に広島におきましては、広島県と連携をさせていただきまして検討会を設置して検討を始めたところでございます。
 今後とも、このような検討を踏まえまして治山事業を推進し、地域の安全と安心の確保を図っていく考えでございます。
#122
○山本博司君 是非この治山ダムに関しましても検討をしていただきたいと思います。やはりハード的な砂防、治山を含めて、しっかりこういう点に関して安心できる環境をしていただきたいという声でございました。
 続きまして、最後に、テックフォースに関しまして伺いたいと思います。
 今回被災地を回る際にも、住民の皆様から、このテックフォースの皆さんに対する、活動、大変高い評価がございました。真っ先に駆け付けてくれて、二次災害を注意しながら最後まで対応していただいたと、こういう形の声を多く聞いたわけでございます。
 このテックフォースに関しましては、国交省の職員による緊急災害対策派遣隊のことでございますけれども、大変プロの目から、技術者集団として今回の役割というのはもっと高まってくるのではないかなという気がいたします。やはり、これから予想される南海トラフの巨大地震対策であるとか、広域的で長期間にわたる災害とか、度重なる災害、こういったことでも対応できるような訓練や研修の充実というのが私は必要ではないかなと思います。
 このテックフォース、大変大事な役割であると思いますけれども、大臣、この更なる体制強化も含めまして、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#123
○国務大臣(太田昭宏君) 平成十六年の中越地震、これを契機にしまして、国交省としてテックフォースを組織しました。これは、日常業務はそのまま置いておくんですが、それぞれ派遣をしていただいたりして訓練をしたり、そうした技術も身に付けるということで、現在、東日本大震災以降更に充実させまして、隊員数は約六千六百名に増強ということになりました。東日本大震災以降で倍になったという状況です。
 災害になりますと、自衛隊、そして消防、警察の皆様に大変御努力いただいたということがよく報道されるんですが、実は今御指摘のように、最初に、災害が起きたら真っ先に、テックフォースのまあ一部と考えたらいいんですが、リエゾンというのが直ちに市町村長の横にぴたっと付いて、災害が起きますと何をしていいか首長さんも分からない、そこをぱっと付いて参謀役になるという、そのリエゾンが常に真っ先に駆け付けるというシステムになっておりまして、去年の大島でも、今回の広島におきましても、下の方から見るんじゃなくて山の方にううっと上がっていって、これが二次災害が起きるか起きないかということを全部歩いて、棒でつついたりいろいろしながら、また、目視したりいろいろしながら、二次災害が起きないようにということをずっとやっているのもテックフォースでございます。
 このテックフォースが活躍をして、二次災害あるいは災害救援ということに重要な役割を果たすようになっており、出動回数も増加し、そして、専任部隊じゃないものですから、なかなかこれだけ災害が多いと負担が多くて、行きますと本当に泊まる場所もなかったり、結構徹夜に近いような状況もあるものですから、私は大変健康ということで心配をしています。事故のないようにということも言っているわけですが、更にこれを技術も磨いて皆さんがしっかりやっていけるようにと、単に精神的なものだけじゃなくて激励をしていかなくてはならないと思っています。
 今日、委員会で大事なテックフォースだと言っていただいたということを改めて国交省のメンバーに申し上げたいと、このように思っているところでございます。
#124
○山本博司君 やはりこれからの様々な災害の対策におきましてもテックフォースの役割、大変大きいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 やはり今回の土砂災害防止法の改正に関しまして、いかに実効性を高めていくかということがこれから大事でございますので、これからまだまだ様々な災害対策が必要になるかと思いますので、しっかり推進をお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
#125
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗です。
 私は、本年の広島の土砂災害の際、発災翌々日の早朝に現地に入りましたが、現場を目の当たりにして感じたことは、また同じことが起きてしまったという痛惜の念でした。二度とこうした災害によって命を失う方が生じないよう、あらゆる対策を行っていかなくてはなりません。お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方々の生活再建がしっかり実現できるよう行動していくことをお約束し、質問に入ります。
 まず、ハザードマップの周知や理解促進について、学校教育現場を活用してはどうかという観点からお聞きします。
 ハザードマップに対する理解は、配布したりホームページで公表しても、実際のところなかなか理解が進んでいないのが現実だと考えます。太田国交大臣はさきの本会議で、防災訓練や防災教育で活用し、理解促進を図りたいと答弁いたしました。
 岩手県釜石市では、群馬大学の片田敏孝教授が関わって学校教育現場で十年計画で防災教育を行ってきましたが、東日本大震災の際には、学校にいた児童生徒が率先して速やかに避難し、それに釣られて住民が避難するという大きな効果をもたらしました。
 皆様のお手元に写真資料があると思いますが、地震の後、津波が必ず来ると海に近い釜石東中学校の生徒たちが一目散に避難を始めまして、それを見た近くにある鵜住居小学校の児童たちが避難を始めて、それを見た住民たちが、これは避難しないとまずいと釣られて避難して、多くの人が助かったという事例です。写真では、中学生が小学生の手を引いて避難している様子も分かります。
 片田教授が釜石でどんな防災教育を行ったかといいますと、初めは地域の大人を何度も集めてハザードマップの解説などを行っていたわけですけれども、いつも来る人が同じであり、しかも少ないということを目の当たりにして、子供たちに防災教育を進めようということになったわけです。子供の理解が進めば、それを家庭で、家族同士話して会話をすることで家庭での理解につながり、それが地域にも広がるという考えでした。そして、今回の結果につながっていったわけです。
 と考えますと、土砂災害を始めとするハザードマップを学校教育現場で活用し、子供への理解を進めることが効果的な方法であると考えます。国土交通省と文部科学省に、現在の取組と考え方について伺います。
#126
○政府参考人(池内幸司君) 災害時に的確に避難行動を取るためには、正確な知識の普及が不可欠でございます。そこで、地域における土砂災害の危険性、安全な避難場所や避難経路、災害時に取るべき行動などについて正しい知識を盛り込んだハザードマップを学校の教育現場で活用いただくことが重要だと考えております。
 これまでも市町村の教育委員会と連携いたしまして、出前講座など土砂災害に関する防災教育を実施してきておりまして、このような機会にハザードマップの活用を図ってまいりたいと考えております。このように関係機関と連携いたしまして、学校教育の場を通じたハザードマップの周知活動を支援してまいります。
#127
○政府参考人(芦立訓君) お答え申し上げます。
 学校におきます防災教育は、児童生徒が自らの生命や安全を自分自身の力で守っていけるような力を養うということが大きな目標の一つだというふうに思っております。
 この観点からハザードマップの活用というのは有効であるというふうに考えておりまして、文部科学省におきましては、平成二十五年三月に全国の国公私立全ての学校へ配布いたしました防災教育の参考資料におきまして、地域で起こりやすい災害の学習事例の中で、地域のハザードマップ活用を促しているところでございます。また、津波に対するハザードマップの活用、火山災害に対するハザードマップを活用した防災マップ作り、地震災害に対するハザードマップを活用した災害実動訓練を行ったりする事例など、様々な取組が行われているところでございまして、今後ともこうした取組を進めてまいりたいと、かように考えております。
#128
○和田政宗君 今の答弁を聞いていますと、それなりに学校教育現場では実行されているということは分かりましたけれども、やはり何度も何度も繰り返しこういったハザードマップを含めた防災教育を子供たちに行っていくことが国としての防災力を高めることにつながり、いざというときの避難につながるというふうに思います。
 私は、こうした取組、更に促進を図るべきだと思いますが、太田国交大臣はどのように考えますでしょうか。
#129
○国務大臣(太田昭宏君) 私は、極めて重要だと思っておりまして、片田群大の教授とも何回も何回もお話を聞かせていただいたり話をしました。
 文明が進んできまして、本当に国土は逆に地下を始めとして脆弱性を増してきている。そして、人も、昔、裸に近い状況で住んでいた人の方がはるかに危険を察知してということだと思いますが、文明が進展すると、もう誰かが守ってくれるというふうにどうしても思いがちだという、そうしたことのマニュアル主義を脱しなさいとか、あるいは行動指南型から、これは片田さんの言葉ですが、行動指南型、こうしなさいと言われる、そういうものではなくて、状況情報提供型と。こんな状況になっていますよ、あなた判断してくださいという、こう動きなさいというよりは、あなたが判断するための情報を提供しますという、この行動指南型から状況情報提供型に変えなくてはいけないと、こういうことを言っていて、自分の命は自分で守るという原点、もう一遍教えなくちゃいけないと。小学生が一番いいと。子供に教えると、必ず家に帰って親にも言うと。そして、子供に言うと、子供は長生きするものですから、ずっと伝承ができるということから、子供の教育が特に災害では大事だと。
 黒潮町という、高知に三十四・四メーター、日本一の津波が来るというところ、結構近いんですけれども、命の山をつくって、小学生を毎週訓練しているそうなんですが、一気に三十メートルの裏山に走り込むという、こういう訓練を毎週のようにやっているそうでございます。速いのは二分で着く、それを競争している、毎週そういうことをやるというようなもので、私は、子供たちに、いろんな形で学校ごとに、そこの危機感というものを持って具体的に教えるというようなことが非常に大事だというふうに思っています。
#130
○和田政宗君 大臣から力強い答弁をいただいたと思っておりますので、学校教育現場でこうした取組が更に進むことを望みたいというふうに思います。
 太田国交大臣の話を聞いていまして、やはり逃げることが重要だというようなことを改めて私も認識しているわけですけれども、じゃ、あの巨大防潮堤は何なのかというところもあると思いますが、それは次のまた質疑に回したいというふうに思いまして、この法案に関連した質問を続けていきたいというふうに思っております。
 土砂災害警戒情報の周知について聞いていきます。
 現在の発表方法ですと、例えば土砂災害警戒情報を仙台市に発表しました、土砂災害警戒情報を石巻市に発表しましたなど、市町村単位であるために、実は自分自身が土砂災害を警戒すべき対象者になっているのにぴんとこない人もいるわけです。ですから、あなたに危機、危険が迫っていますよと、警戒すべき人一人一人にどう土砂災害警戒情報を届けていくかが重要だと考えます。
 この法案が成立した場合に、一人一人に届けるためにどのようなことを行っていくのか、お答えください。
#131
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のように、住民の的確な避難のためには、土砂災害警戒情報等の防災情報をきちんと住民に伝えることが重要だと考えております。
 現在、都道府県からはテレビ、ラジオ、インターネット、災害情報共有システム等を通じた周知を行っておりますし、また市町村からは防災行政無線、これは同報系とか移動系とかございますが、こういったものとか、緊急告知ラジオ、緊急速報メール、広報車等を通じた防災情報の周知を行っております。このように、多重的で確実な情報伝達手段を確保する取組を更に進めていくこととしております。
 また、引き続き、関係機関と連携いたしまして防災情報の伝達方法の改善について検討していくとともに、先進事例の提供ですとか、あるいは技術的な助言を行うなどの支援を行ってまいりたいと考えております。
#132
○和田政宗君 一人一人にしっかりと届けるためにあらゆる手を尽くしてやっていくということになっていくというふうに思いますけれども、それに関連しまして、公共情報コモンズ、Lアラートについて聞いていきます。
 このLアラートというシステムは、市町村が都道府県に報告する避難指示や避難勧告、災害情報を同時に報道機関が共有することにより、報道機関がテレビ、ラジオ、データ放送などで避難情報を住民に周知する際に活用してもらおうというものです。
 私は、前職のNHK時代にこのシステムを全国のNHKや民放各局に導入していこうと活動しておりましたので、Lアラートの放送局への導入が更に進めばと考えております。そして、今年度中に全都道府県で運用が始まると聞いております。
 しかしながら、報道機関や放送事業者のこのシステムへの加入は伸び悩んでいると聞いております。その理由と、より多く参加してもらうためにどのように取り組んでいくのか、お答えください。
#133
○政府参考人(池永敏康君) お答えを申し上げたいと思います。
 Lアラートの参加メディアの拡大は、Lアラートを通じて流れる災害関連情報を住民に迅速かつ確実に提供するための重要な課題の一つだと考えております。
 メディアの参加が伸び悩んでいる理由といたしましては、そもそもLアラートの存在がよく知られていないこと、また、知られていてもシステム改修などのコストに対する懸念があること、それから、情報発信者としての都道府県がまだ全て加入していないと、こういった状況があるのではないかというふうに考えてございます。
 そこで、総務省では本年八月にLアラートの普及加速化パッケージを公表いたしまして、メディア関連の事業者団体等を通じまして働きかけ等を行い、八月現在では二百八十七社だった参加メディアが十月末には三百二十二社まで拡大をしているところでございます。
 また、Lアラート上の情報を閲覧する無償ソフトといったコストの負担が不要なツールを紹介したりとか、あるいはLアラート経由で情報収集する効率化といったところのメリットを丁寧に説明し、メディアの理解を得るべく取り組んでいるところでございます。さらには、今年度中に全ての県にLアラートの参加を決めていただくべく、働きかけを強化しているところでございます。
 総務省といたしましては、引き続きこうしたLアラート普及のための取組を着実に実施をし、災害時における国民の生命、財産の安全確保に必要な情報が提供されるよう努めてまいりたいと考えております。
#134
○和田政宗君 これは迅速に情報を正確に伝えるということで非常に有意義なシステムだというふうに思いますので、どんどん放送事業者が加入をして、国民一人一人に正確な情報が伝わるようにしていただければというふうに思います。
 次に、避難経路の周知について聞きます。
 避難する際、特に夜間などはどこが避難場所でどこが避難経路か分かりにくい場合があります。分かりやすく避難場所まで誘導できるよう避難場所までの街路灯の色を変えたり、避難場所まで誘導できるように新たに避難誘導街路灯を設置してはどうかと考えますが、政府はどのように考えますでしょうか。
#135
○大臣政務官(松本洋平君) お答えをさせていただきたいと思います。
 委員の指摘は大変重要な御指摘だと認識をしております。災害発生時に避難場所まで住民を的確に誘導することは、住民避難を確実なものとする観点から非常に重要なものと考えているところであります。
 避難誘導に関する具体的な取組事例でございますけれども、例えば平成十六年の台風二十三号により非常に大きな被害を受けました兵庫県の豊岡市では、電柱や公的施設などに避難所の場所やそこまでの距離、方向を示す標識を市中に数多く設置をいたしまして、市全体をハザードマップにするまるごとまちごとハザードマップに関する取組を行っているところでもあります。
 また、最近の取組といたしまして、内閣府におきましては、国土地理院及び国土交通省とも一緒になりまして、民間から応募された災害時の避難誘導などに資する優れた防災アプリを選定するため、今年の十月、第二回審査委員会を開催したところでございます。
 内閣府といたしましては、議員御指摘の街路灯の関係も含めまして、避難誘導をより効果的なものとするため、関係省庁や自治体と連携をしながら、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 以上です。
#136
○和田政宗君 これ、街路灯につきましては、東日本大震災の災害の現場で実際に経験した住民の方もよく言われていることですので、積極的な検討をお願いしたいというふうに思います。
 最後に、防災無線のサイレンについて聞きます。
 これも被災地などで防災無線が近くに設置されている地域の方々にお話を聞きますと、避難指示と避難勧告のサイレンの違いなど、サイレン音が何を指すのか実はよく分からないという人が多いというのが現実です。
 防災無線のサイレンとは何かという位置付けと、サイレンによってどのような住民の行動につなげていこうと考えているのか、お答えください。
#137
○政府参考人(日原洋文君) 防災行政無線によるサイレンにつきましては、避難勧告等を直接伝えるという意味で非常に重要な手段の一つだというふうに考えております。各市町村におきましては、議員御指摘のとおり、避難勧告、避難指示、津波警報などの事態に応じてそれぞれサイレンのパターンを分けておりまして、それに従ってサイレンを鳴らしておるわけでございます。ただ、その情報が住民にとってきちんと把握できているかというと、必ずしもそうではないのではないかというふうに考えております。
 ただ、サイレンは異常な事態であるということを伝えるという意味では非常に重要な役割を果たしていると思っておりますので、サイレンと併せまして、緊急速報メールでありますとか広報車による呼びかけ、あるいは自治会等を活用した電話、ファクス、ホームページへの掲載など、様々な方法を繰り返し行うことによりまして確実に情報を伝えるようにすることが肝腎だというふうに思っております。
 今後とも、常日頃から住民に対する防災意識を高める努力、その中にはサイレンの意味というのも入ってくると思いますけれども、そういったものも含めまして避難勧告等が住民に確実に伝わるよう、それに伴って避難行動が適切に行われるよう、関係省庁及び自治体等と連携して取組を進めてまいりたいと考えております。
#138
○和田政宗君 これは今後の検討になるかと思いますけれども、例えばサイレン音を分かりやすいように思い切って変えるですとか、効果的な住民の避難につながっていくような形をしっかりと検討していただければというふうに思います。
 私の質問を終わります。
#139
○室井邦彦君 維新の党の室井でございます。よろしくお願いいたします。
 土砂法の質問をする前に、少し大臣に、コメントだけで結構ですので抱負というかお聞きをしたいことがあるわけでありまして、安倍総理がAPECの会合の中で習近平国家主席と握手をされておられました。かなり習近平さんも硬い表情でありましたけれども、その表情を見ておると、私もこの先不安を感じるところもあるわけでありますが、野田総理と胡錦濤国家主席が会われたのが平成二十三年十二月二十六日と、これ異常な外交関係が続いておったわけであります。
 そこで、私も、国土交通省、観光庁が高めの目標を掲げておられまして、要するにインバウンド、訪日外国人二千万人というようなことで頑張っておられます。そういう中で、御承知のとおり、釈迦に説法でありますけれども、一千三十六万人を超える訪日外国人の達成をされまして、その中でアジア諸国が七五%を占めていると。そういうところで、中国、韓国、もちろん台湾もそうでありますけれども、中国、韓国だけでも、その中で三八%近い数値があります。
 どうか、千里眼の太田大臣、先を見越して、中国に即トップセールス、そして韓国に即、そういうところの関係のところに行かれて、この二千万人達成できるように是非御努力をしていただきたい、このように期待をしております。コメントだけで結構でございますので、お答えいただければ。
#140
○国務大臣(太田昭宏君) 昨年、外国人旅行客一千万人を達成して、そして今年九月までかなり好調で、一千二百五十万を超えるぐらいの勢いになっています。その中で、中国の訪日旅行客が今年の九月までで百七十九万人に達しまして、年間最高であったのが百四十三万人ですから、もう既にはるかに超えているという状況です。韓国も、昨年ちょっと低迷したときがありましたが、増えているという状況にありまして、私は、観光客は大いに日本に来ていただけるようにと、今年四月に韓国、六月に中国へ行って、それぞれ観光、文化関係の中心者に、部長に会ってきましたけれども、更にこうしたAPECでの首脳会談を経て、両国へ、私としては更にインバウンドが達成できるように努力をしたいというふうに強く考えております。
#141
○室井邦彦君 ありがとうございます。大いに期待をしております。二千万人どころか三千万人という大きな夢を描いて頑張っていただきたいと思います。我々も微力ではありますけれども、しっかりと国のために御支援をしていきたい、このように思っておる次第であります。
 それでは、土砂法について御質問をさせていただきます。
 先ほど来、この基礎調査の終了、基礎調査の内容について多く質問をされておられまして、多少重複いたしますが、ひとつよろしく御回答のほどお願い申し上げます。
 私は、この基礎調査が終了した段階における防災対策の整備の推進について、ひとつお伺いをしたいと思います。
 四十七都道府県へのアンケート調査、これによりますと、土砂災害警戒区域等の指定時に住民から反対された事例がある四十都道府県のうち、指定を断念する都道府県はない、そして、およそ半数の二十四都道府県、約五一%でありますが、理解を得られるまで説明等を続けるというような結果が出ております。そして、今回の法改正により基礎調査が終了した段階で危険箇所を公表するということによってこの指定の実効性を高める効果がある、このように期待をしております。
 そこで、基礎調査が終了し、区域指定する手続の段階で、いろいろとございますよね、ハザードマップの作成の公表とか地域防災計画の見直しとか緊急避難体制の構築、いろいろと必要な対策は講じなくてはいけないわけでありますが、その土砂災害の危険性が放置されるということのないよう、その間においてもより安全な避難体制の充実強化を図り、少しでも命を守られる体制に結び付けるため、基礎調査が終了した段階より取組可能な防災対策を進行していくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、お考えをお聞かせください。
#142
○副大臣(北川イッセイ君) 室井先生の御質問でございますが、基礎調査が終了して、その後、間断なく防災対策を推進せよと、そういう趣旨であろうというふうに思います。
 この土砂対策、防止対策を推進するためには、何といっても、まずやはり危険なところについて基礎調査をきっちりと着実に進めていくということが先決であろうというように思います。そして、この基礎調査を行った後、どのような対策を取るべきかということ、これが非常に重要なのであります。
 この法案が成立しました後、国土交通省としましても速やかにその対応をするための基本指針というものを作成して、それを明確にしたいと、そういうように思っております。具体的には、基礎調査のまず結果を公表するということ、土砂災害の危険性についてしっかりと住民に周知をしていただくということがまず第一。第二として、それに基づいて速やかに警戒区域を指定するということ。それから第三に、警戒区域等の指定を待たずとも、情報の伝達、避難の場所、避難場所ですね、それから避難経路などの設定など、避難体制の整備を速やかに始めるように市町村に対して促していきたいと、そういうように思っております。
 これらの措置を都道府県や市町村に促すことにより、区域の指定前であっても、基礎調査の結果の公表後、速やかに避難体制の整備が進められるようにしてまいりたいというように思っております。
#143
○室井邦彦君 続きましては、区域指定を促進させるための環境整備についてお伺いをしたいと思います。
 このアンケート調査、先ほどの四十七都道府県アンケート調査によると、土砂災害警戒区域等の指定に市町村が反対している場合、名前を挙げますと、四県でありますので、岩手、秋田、新潟、岡山の四県は区域指定を断念しており、十六都道府県は、理解が得られるまで説明を続け、反対があれば指定はしないという結果が出ております。
 そこで、太田大臣は、参議院の本会議において、一律に区域指定を義務付けるより、実際にその業務を担う都道府県の実情を踏まえつつ区域指定を促す環境整備を行っていくことが重要だということを答弁されておられました。
 そこで、区域指定を促す環境整備とは具体的にどのような取組をされるのか、お伺いをしたいと思います。
#144
○国務大臣(太田昭宏君) 指定するのは都道府県、そして避難計画は市町村と、こういう形になっていますから、主体性はしっかり確立して、自らがやるという姿勢を持っていただかなくてはならない。
 しかし、指定のためには何が不足しているかというと、調査というものが進まないと。それには予算の面と、そして人材の面があると。この予算と人材を応援するということで調査が速やかに行われるようにする。今度は、調査が終わりましてから、住民合意をつくるということがなかなか難しいと。この住民合意を、難しいということは、場面の設定、どういう規模でどういう形でやるかというこのノウハウもありましょうし、山梨県などはそれを非常に幅広く、そこを工夫することによって合意が形成されてきたという例もございます。
 そういう意味では、住んでいる人たちがなるほど自分たちは危険でという、今回の広島県の例等々も示しながら丁寧にそこを説明して、やっぱり不動産価格がどうこうという以上にそこが大事なんだという認識をしていただけるように環境整備をするという二点が私は大事だというふうに思っているところです。
#145
○室井邦彦君 これに、今の類似した質問に対して、大臣は、いわゆる分権思想、このことを強調されておられます。私もその件に関しましてはもちろんごもっともなお考えだなというふうに思っております。
 続きまして、今度は、最後の質問になると思いますが、災害弱者への緊急避難体制の構築について、国土交通省砂防部の土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設の調査において、平成二十一年八月三十一日時点と平成二十四年三月三十一日時点における推移を見た場合、関連施設数は一万三千七百三十から一万四千四百二十一へ増加傾向にあります。収容人数も約八十二万二千人から九十五万九千人へと増加をしております。その一方で、土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設一万三千七百三十のうち、防災関係施設が未整備かつ土砂災害警戒区域が未指定の施設が七千百二十と過半数を超えている状況にあります。
 ここで、この災害弱者の関連施設の整備が追い付かない現状において、今後どのように取組を進めていこうとされようとしておられるのか、お考えをお聞かせください。
#146
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のとおり、土砂災害に対する災害時要支援者や被災要援護者関連施設の安全確保は命を守る観点から極めて重要であると認識しております。
 まず、砂防堰堤等の整備に当たりましては、このような施設を守るハード対策を優先的に実施しているところでございまして、引き続き必要な対策を講じてまいります。
 また、ソフト対策につきましても、関係府省と連携いたしまして災害時要援護者関連施設における避難計画策定のためのガイドラインを作成し、地方公共団体を支援してまいります。
#147
○室井邦彦君 よろしく頼みますよ。
 終わります。
#148
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。久しぶりに国土交通委員会に参りました。どうぞよろしくお願いをいたします。
 広島の土石流災害から三か月になろうとしております。被災住宅地の安全性につきまして、現地の住民説明会では、国、県、市の担当者が、絶対安全という保証はないと説明をせざるを得ない状況が続いております。
 国交省が設置を急いでいるワイヤーネットも、何しろ鉄でできているわけですから、腐食もあり得るということで、有効なのは十年程度という説明ですし、土石流センサーの誤作動も最近起こるというようなこともある中で、最低でも砂防ダムができなければ気持ちの上でも戻れない、それまでは避難先確保の公の支援がどうしても必要だという声が被災住民の皆さんの大方だと思います。ダムができても帰れないと内心を吐露される方々もいらっしゃって、三か月たとうとしてなお住宅再建の見通しが立たずに焦燥感が広がっていると思うんですね。
 そこで、まず砂防ダムについて大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、甚大な被害が出た安佐南区の八木地区で、国が九つの危険渓流に少なくとも九基の砂防ダムを整備する計画を持っていたんだけれども、着工した二基も完成は来年度の予定で未完成だったということは極めて残念だと私も思います。
 広島県の調査によりますと、県が設置した砂防ダム二十一基の下流域では、今回、人的被害あるいは建物被害が出なかったということなわけですけれども、この広島の被災地での砂防ダムの整備が急がれますけれども、大臣、いかがでしょう。
#149
○国務大臣(太田昭宏君) 砂防堰堤の整備は極めて重要ということは今御指摘のとおりで、九基のうち二基しか、途中までしかできていなかったと、それは途中だったんですけれども命は少なくとも守られたという例があります。そういう点では、この砂防堰堤が極めて重要で、安佐南区の大町地区では砂防堰堤が土石流を完全に止めたというのが今回でも明らかになっています。
 国交省では、特に被害の著しかった二十四渓流におきまして砂防堰堤の緊急事業に着手をしております。年内には工事用道路に着手して、できるだけ早期の完成を目指します。
 被災地の一日も早い復旧復興のために土砂災害からの安全確保に全力で取り組んでいきたいと思っておりますが、そこの工程、いつ頃どうなるかということも含めて、非常に不安に思っている皆様方に情報を提供するということも必要かというふうに思っております。
#150
○仁比聡平君 今大臣がお話しになった、その二十四渓流のダムについて水管理・国土保全局長に伺いたいと思うんですけれども、国交省は今大臣の御紹介の計画を、つまり早期整備を表明をされて、十二月中に設計をし、来年度初めに着工をし、来年度中には完成をと、こういったプランも示しておられると思います。
 ですが、現地で聞きますと、工事に必要な重機を入れるためには、道幅が四メートルという、そうした作業用道路が必要だという説明がありまして、ですが、現実に八木だとか緑井だとか、ここは御覧いただいているとおり、道幅は二メートルあるかないかという狭いところがほとんどなんですね。ですから、住民には、現実には不可能なのではないかと、その作業道路の確保が、という不安、思いが広がっております。
 現地で、そこで局長、四メートル幅が取れない地域といいますか地点というか、これが何か所あるのか、その確保ができないと来年度中に完成するという目標が難しくなるわけで、そこの工事はどんなふうにして進めるのか、御紹介ください。
#151
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のように、緊急事業を実施している箇所におきまして道幅が狭く大型の工事用車両の進入が難しい箇所が現時点では七か所程度あることを確認しております。このような箇所につきましては、工事用道路として利用するため拡幅工事を年内に着手する予定にさせていただいております。
 今後とも、住民の皆様の御理解を得ながら、一日も早い復旧復興のために土砂災害からの安全確保に向けて全力で取り組んでまいります。
#152
○仁比聡平君 大臣、そこで、その七か所と、今日初めて出た数字なんですけれども、この拡幅のためには、当然、民有地、宅地をどうするのかということが起こるわけですよね。
 現地の説明会では、道路は供出ですと、つまり無償で提供いただくべきものですといった住民の理解、住民がそういうふうに理解するような説明も行われているようなんですよ。民家を、そもそもが、あの山の上から何軒も通って重機を入れるとか土砂を出したりとかすることが難しいと隣近所で話されている中で、それが供出となってしまうと、なお被災者住民の合意は難しくなると思うんですね。少なくとも正当な補償がされるべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#153
○国務大臣(太田昭宏君) 工事用道路について、特に民有地の借り上げということについてのお尋ねですが、工事用道路などの借り上げは、基本的には個人財産に対する借用であることから、有償の借り上げというのが原則です。しかしながら、今回の広島の事例のように、災害発生後に緊急的に応急工事を行う必要がある場合は、地権者に説明して了解を得た上で、短期間無償で借り上げている実態というのはあります。
 今後、砂防堰堤の工事を実施することとなり、それに必要な工事用道路につきましては長期間の貸借が見込まれることから、基本的には有償で土地を借り上げるということになります。本格的な堰堤を設置というためのものについては、基本は有償ということです。
#154
○仁比聡平君 地価に見合った適正な、正当な補償が是非なされるようによろしくお願いいたします。
 それで、大臣も今おっしゃったように、一時的な作業道路の確保が正面から今問題になっているわけですけれども、恒久的な道路用地として国が用地を買収したらよいと、そういう声も上がっているんです。私も十分あり得ると思うんですね。それは、地域の復興の全体像に関わる問題だと思うからです。
 広島市は年内に復興ビジョンを示すということなんですけれども、砂防ダムの整備だとか必要な作業道路の確保といった国交省が所管するハードの事業も、復興後の町のビジョン、その中で道路が拡幅が必要なんじゃないかといった全体像の中で、安心できる住まいと町、コミュニティーを取り戻すというビジョンをしっかり議論する中で位置付けられるべきなのではないかと思うんですね。
 砂防ダムの早期整備は住民の当然の要求なんですが、砂防ダムができても、中にはこの地域には戻れないとおっしゃっている住民もいらっしゃいます。そうした下で、広島の市長さんが、危険地域に戻りたくない高齢の住民を医療・介護サービスが整った市の中心部で受け入れるといったことも想定を恐らくされながら、当面の復旧支援だけでなく、都市づくり全体を踏まえた復旧復興にできるような制度や法律を作っていただきたいと安倍総理に直接お話しになったという報道があります。
 大臣に、私、こうした住民がじっくり議論できる、本音で話せる、そういう場を、それぞれの町内で復旧とまちづくりをどうしていくのかというテーマをめぐってそういう場をつくっていく必要があるのではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(太田昭宏君) 前段の広島市において復興を契機としたまちづくり計画というのと復興ビジョンの案、これを年内に取りまとめていくということと併せて、そうした被災地の方々という、復興というのは一緒に考えていくということは極めて重要だと思っています。
 国や広島県では、この案と連携しながら砂防堰堤の早期整備に取り組んでいきたいというふうに思っておりますが、今後どういう形でそれを進めていくかという仕組みについては、今後検討する事項だと思います。
#156
○仁比聡平君 速やかによく相談を国、県、市でやっていただきたいと思うんです。
 大きな課題になる一つが、土砂災害危険区域内に既に建てられている民家をどうするのか、その移転という問題かと思います。
 お手元に広島市が作っていただいている資料をお配りをしています。広島県の基礎調査の公表と、平成十四年度の広島県のデータに基づきまして私どもの市会議員団に示されたものなんですが、上の方ですね、今日ちょっと見ていただきたいのは。
 ハザードマップの土砂災害危険エリア内に建設された民家の件数、どれだけかと。民家の数でいって八万六千四百二十一戸もこの危険なエリアの中に民家が建っているわけです。世帯員数にするとおよそ十万人から二十万人がこのエリアに住んでおられるということなんですね。これだけの住民が現実に住んでいる区域をこれからどうしていくかというのは大きな問題です。
 これ、今後、特別警戒区域の指定、いわゆるレッドゾーンの指定が進んだときに、レッドゾーン内は移転を希望する人がもちろんいますね。この移転の場合の用地の確保はどうするのかと。一方で、レッドゾーン以外でも、例えばイエローゾーンでももう住めないという方もあるんです。ですが、今、現地のがけ地移転事業の対象はレッドゾーンだけということになっている。
 これ、レッドゾーン以外の人にも広げる必要があるのではないか、私、こうした問題意識持っているんですが、局長、いかがでしょうか。
#157
○政府参考人(橋本公博君) まず、土砂災害特別警戒区域以外のところからの移転の支援についてでございますが、土砂災害特別警戒区域からの住宅移転に関しましては、がけ地近接等危険住宅移転事業というのがございます。ただ、この事業は、土砂災害特別警戒区域あるいは災害危険区域などの建築物について厳しい構造制限又は建築禁止という強い私権制限を課すことを前提に移転の費用に対する支援を行っておるものでございます。
 この観点に立ちまして、まずは危険な地域からの移転を進めるために特別警戒区域の指定等を図った上で、移転を希望される方に制度を周知し、制度の活用を図っていきたいと考えております。その上で、制度運用上、更に安全を確保するために必要なことにつきましては、地方公共団体あるいは住民の方々の意見を承りながら必要な制度の改善、拡充に努めてまいりたいと考えております。
#158
○仁比聡平君 レッドゾーンからの移転を希望する人の用地の取得については、局長、立たれませんでしたけれども、県があっせんすることになるのではないかと勉強では伺いました。そうしたことで本当に安全が守れるのかということがやっぱり大きな課題だと思うんですね。
 崖地のこの制度については、そんなしゃくし定規なことを言っていて本当に解決するのかと。しないんじゃないかと思うんです。これまで既に開発をされた地域がどうしてこんなに危険でもおうちが建っているかというと、それはこれまでの政治、行政が開発の後追いになってきたからだと私は思います。そうした政策の結果であって、個人の自己責任や市場任せにはならないと思うんですね。
 今回の改正は、まず危険区域を指定することによって住民にリスクを知らせて、ハード、ソフトの施策を一気に進めようとするものだと思います。指定して知らせた上で、出てくる様々な課題について、安心できる住まいとコミュニティーをつくっていくために政府が責任を果たしていくと。現実に出てくる課題についてどう解決するのか、これをやっぱり受け止めて解決していくのは我々の責任だということを申し上げて、大臣の見解を求めようと思いましたけれども、時間が来ているでしょう。
#159
○委員長(広田一君) はい。
#160
○仁比聡平君 なので、残念ですが、質問は終わります。
#161
○江口克彦君 次世代の党の江口克彦でございます。
 まず、土砂災害防止法の問題は、基礎調査の進捗状況やハザードマップの作成状況の把握など、フォローアップ体制が不十分であったところからきているのではないかというふうに考えているわけであります。国民にも見える形で基礎調査やハザードマップの進捗状況をフォローアップしていく体制というものを構築していく必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#162
○大臣政務官(うえの賢一郎君) 委員御指摘のとおり、見える形にするということは非常に大事でございます。
 その観点から、基礎調査につきましてはこれまで都道府県ごとに実施数を把握しておりましたけれども、今後は更に実施目標あるいは進捗状況、これをしっかり把握をして公表していきたいというふうに思います。
 また、ハザードマップにつきましては、これ、これまで全国の作成状況を単に集計して公表していただけだったんですが、これにつきましてもう少しきめ細かく都道府県ごとにその状況を公表していって、できるだけ国民の皆さんに見える形で提供できるような体制をしっかり取っていきたいと思います。
#163
○江口克彦君 是非、適時適切に、その都度、分かり次第、このフォローアップしていく体制というものをきっちりと、今おっしゃっていただきましたけれども、構築していただきたいというふうに思います。
 大臣にお伺いしたいと思います。
 台風十八号による影響で静岡県の由比地区、土砂崩れが発生いたしました。東西を結ぶ大動脈であるJR東海道線や、あるいはまた東名高速道路、国道一号線が一時不通になったわけでございます。国内流通の要となる鉄道や道路の土砂災害対策の現状はどのようになっているのかお伺いしたいということが一点。
 それから、先日、質問主意書でお尋ねしました際に、急傾斜地崩壊区域については鉄道や道路の管理者が安全対策を行うので、鉄道や道路の存在を指定要件にすることは検討しないということでありました。そういう回答が返ってきたんですね。一方で、砂防指定地や地すべり危険区域は鉄道や道路の存在を指定要件としているわけであるわけです。
 どこが危険な区域かを国民に周知する意味でも、急傾斜地崩壊区域についても鉄道や道路の存在を指定要件にして追加すべきであると改めて私は提案をしたいというふうに申し上げたいんですけれども、大臣、どのような御見解、お考えでしょうか。
#164
○委員長(広田一君) 以上二点ございますが、池内局長。
#165
○政府参考人(池内幸司君) まず一点目でございます。鉄道や道路の土砂災害の現状についてお尋ねがございました。
 道路におけるのり面対策は、緊急的に対応が必要な箇所を優先してのり枠工や吹き付け工などの斜面対策やミニバイパス等、危険箇所を回避するための道路整備を推進しているところでございます。また、鉄道構造物につきましては、国土交通省令に基づきまして鉄道事業者は定期的に検査を行いまして、土砂崩れが発生するような斜面につきましては必要な設備を設けなければならないこととされております。
 道路、鉄道とも、異常気象時に被害の発生のおそれが高い区間につきましては、地域の実情に応じた雨量等の基準を設定して、あらかじめ通行等の規制をしているところでございます。
#166
○国務大臣(太田昭宏君) 道路とか鉄道についても、例えばこの間の由比とかあの辺は非常に大事なところですから、これはそれを加えてやっていかなくちゃいけませんし、これはやっているんですが、質問主意書の中に、急傾斜地の崩壊ということについては、それが入っていなかったということだと思います。
 それは、法律というか専門用語というか、土砂災害は土石流と、そして地すべりと、そしていわゆる崖崩れ、この三種類を分けて、概念分けして対応しているところでありまして、その急傾斜地の崩壊というのはいわゆる崖崩れというかなり小規模のものについて言っているという、そうした言葉の定義みたいなものがありまして、そこは人家とかあるいは学校とか、そういう崖の下にあるところを守るというための法律なものですから、決まりなものですから、道路とか鉄道が入っていないと、こういう説明なんです。
 いずれにしましても、普通から考えれば崖崩れも土砂崩れも土石流も急傾斜地も一緒ですから、それはそれとして、やらなくてはならないことはちゃんと道路も鉄道も加えてやるというのが基本的な姿勢です。
#167
○江口克彦君 質問を変えます。
 六月の後半ですけど、私は北方領土を視察してきました。大臣、行かれましたか。
#168
○国務大臣(太田昭宏君) 北方領土自体には入っておりませんが、納沙布始めとする道東地域に行って、見てきたところでありますし、根室港が拡充されるということが大事だということについても打合せをしてきたところでございます。
#169
○江口克彦君 北方領土を視察しまして、恐らく腹が立ちますよね。
 それは、根室港から「えとぴりか」という専用の船が出ているわけですね。それが根室港を出るときには日の丸がマストの上に翩翻と翻っているわけですよね。しかし、国後に入ると、朝起きてみたらロシアの国旗が翻っているわけですよ。これ何だと聞いたら、このロシアの旗を掲げないと入れてくれないんだと。じゃ、入港できないのかと言ったら、いや、その入港という言葉もやめてほしいと、入域だということを説明を受けたわけですけど。自分のところの国土に入っていくのにこんなこと、屈辱があるのかというふうに私は大変心の中で憤りを感じたわけですけれどもね。
 それはともかくといたしまして、この北方領土についての国民の認識というものは物すごく低いんじゃないかと、年々低くなっていくんじゃないかというふうに思っておるわけですよ。
 実際のところ、北海道の根室の高校で、八百人ぐらいの高校があるわけですね。そこで北方領土クラブというのがあるんですね。そこに入るのが毎年四人か五人しかいないということですね。ほかのお友達はどうなんだと聞いたら、余り関心ありませんと、こんな状況なんですね。
 これは、大臣、その根室の学校でもまあ四、五人いればまだいい方で、全国ということを考えたら、例えば四国だとか九州だとか沖縄だとか、あるいはまた東京でもそうかもしれませんけど、北方領土ということについて、もう本当に意識を持って我が領土という、そういうふうな感覚を持っている人は、あるいはまた子供たちはほとんどいない。
 北方領土四島って言えますかということですよね。ほとんど言えないですよね。大人でも言えない。皆さん方でも、ああそうか、先生方は言えるのか、国会議員ですからね、お互い、言えると思いますけどね。だけど、四島そのまま言えるという国民はそうないと思うんですね。
 どうしてかというと、尖閣諸島、そして竹島、これはニュースになって、これは問題になっているから頻繁にニュースになるわけですね。北方領土だけはニュースにならないんですよ。だから、どんどんどんどんどんどんどんどん国民の意識から北方領土という感覚というか、北方領土、要するに国後、択捉、歯舞、色丹が我が領土であるという意識が、国民の意識が薄れてきてしまっているわけですね。ここをやっぱり大臣、しっかり押さえていかなければいけない、政府として、国として。
 そのためには何が大事かといったら、いろいろ方法もあると思いますけれども、是非お願いしたいのは天気予報、天気予報を毎日毎日毎日毎日ね、北方領土ね、北方四島の天気予報をやるとか、まあもちろん尖閣でもそうですけど、竹島でも、これは毎日竹島を言う、尖閣諸島を言う、北方領土を言うという、そういう気象予報を言う必要が私はあると思うんです、日本の領土なんですから。
 なぜ気象庁は北方領土についての気象を言わないのか。そこに観測機を置かなければいけない、そんなことないですよ。うちの党の同僚は同じような質問をしたら、気象庁は、海上等の警報を発表するレベルでは新たな観測施設の設置は必要ないと、観測施設の必要はないと答弁したというので、そんな観測機なんて必要ないですよ、今のこの時期にね、人工衛星が回っているわけですから。なぜ気象予報で毎回毎回北方領土の天気予報を言う、あるいはまた、尖閣諸島あるいはまた竹島の天気予報を言い続けることによって、国民の中に、北方領土は我が領土、それから、尖閣諸島は我が領土、竹島は我が領土という意識が生まれていきますよ。
 是非そういう観点を、大臣、お考えいただいて御指導をいただければと思いますけれども、私のこの考え方どうですか、大臣。
#170
○国務大臣(太田昭宏君) 北方領土、まあ尖閣もそうなんですが、我が国の領土であるということについては間違いないことでございます。これをどういうふうに気象を始めとすることにするかというのは、もうこれは政府全体として考えるべき問題で、今日私が直接ここで答えるというのは余り適切ではないと思いますので、政府全体で考えるべき問題だと思っております。
#171
○江口克彦君 あと二分ありますので、それを申し上げてもいいですけれども、是非、是非そういう天気予報を言うということが、国民の知らず知らずの無意識のうちの我が領土という意識を持たせるんですよ。そのことはお分かりいただけると思います。個人的には、大臣、いい考え方だなと思っておられるんじゃないかと思いますけれどもね。
 もう一つ、最後に、例の中国漁船のサンゴの密漁ですよ。これ、今二百三隻ぐらい、二百五隻ぐらいあの辺でうろうろしているということで、ちょっと今朝の情報によると百七十ぐらいに減ったとかと報道がありましたけれども、いずれにしても、ここについてはよほどのやっぱり覚悟というか対応というものをしていかなければ、ここも知らないうちに、日本は土、ヨーロッパとかアメリカとかというか、そういう地続きで国境というわけでは、海が国境ですから、海が国境なんですよ。だから、そういうようなことからすると、その辺をしっかり守っていかなければいけない。その覚悟を水産庁にお聞きしたいというふうに思うんですけれどもね。
 それから、付け加えますけれども、もう一つ、今二百隻の違法中国漁船が、これ取り締まっているわけですよ。何隻の海上保安庁あるいはまた水産庁の船で取り締まっているのかと聞いたら、これは言えないと言うんですよ。確かに言えない面もあるかもしれないけれども、言えなかったら、これを増やせとも、国会議員として立法的に増やすべきだとも言えないし、減らすべきだと、もちろん減らすということは私の頭の中にはないんですけれども、なぜ何隻で中国の不法漁船に対応しているのか言えないのか。これは特定秘密保護事項なんですか。何隻で日本が対応しているのか、何でその隻数は言えないのか。ちょっと、最後にそれだけ教えてください。
#172
○委員長(広田一君) 大変重要な御指摘ではございますが、時間が過ぎておりますので、佐藤長官、簡潔によろしくお願いします。
#173
○政府参考人(佐藤雄二君) 現在、海上保安庁では小笠原諸島周辺海域において大型巡視船や航空機を集中的に投入した特別な態勢を取っており、違法操業等を行う外国漁船の取締りを強化しております。
 本件への対応については、現場における取組に加え、外交ルートを通じた申入れなど、関係省庁が緊密に連携して取り組むことが重要であると認識しております。海上保安庁にあっても事態の収拾に向け、引き続き現場において水産庁や東京都とも連携し、法令にのっとり厳正に対処する所存でございます。また、漁船の動静や取締り状況など情報提供を通じて地元の皆様の不安解消にも努めてまいります。
 お尋ねのありました、巡視船の隻数について言えないのかという御質問でございますが、これにつきましては、取締りを行う観点から公開することを控えさせていただいております。
 以上でございます。
#174
○委員長(広田一君) よろしいですか。江口克彦君、時間が参っておりますので、よろしくお願いします。
#175
○江口克彦君 ありがとうございました。
 いずれにしても、隻数がはっきりしなければ船を増やすべきだと、水産庁あるいはまた海上保安庁の船を増やすべきだというようなことは言えないということだけ申し上げておきます。
#176
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 八月の広島における豪雨災害を始めとするこの間の災害によって亡くなられた方々に改めて哀悼の意を表します。また、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。
 土砂法の改正案の質問の前に、関連をして、鹿児島の桜島火山噴火対策について質問をいたします。
 桜島は近年活発に活動しております。二〇一〇年以降、四年連続で爆発回数が八百回を超え、今年も、昨日現在で既に四百八回の爆発をしております。桜島火山の周辺に暮らす住民にとっては、道路は生活のためのものであると同時に、非常時の避難道路としても重要な役割を担っております。桜島及びその周辺の国県道については、速やかな整備拡充が必要であります。また、桜島の火山灰は粒子が細かく軽量のため、多量の降灰が広範囲に及び、周辺住民の生活に大きな影響を及ぼしています。降灰除去については、平成二十五年度に降灰除去車両のリース方式による取得が認められました。
 そこで質問をしますけれども、桜島の特殊性に鑑みて、周辺の道路整備の推進、そのための財源確保と充実強化が必要であります。また、安全で住みよい地域づくりのため、今後も引き続き積極的な降灰除去事業の推進を図る必要があると考えますが、国交省の見解をお聞かせください。
#177
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 一点目の道路整備についてお答え申し上げたいと思います。
 桜島火山は我が国有数の活火山であり、委員御指摘のとおり、平成二十二年から四年連続爆発回数が八百回以上を記録するなど、その長期にわたる噴火活動は当該地域に多大な影響を及ぼしているものと認識しております。
 国土交通省としましては、当該地域における火山災害発生時の避難路を確保するとともに、地域産業の振興等の観点から、国道二百二十号、国道二百二十四号などの改良事業等を推進しており、平成二十五年度末には垂水市の早崎改良等が完成したところであります。
 今後とも、関係する鹿児島県や地元市と十分連携を図りつつ、桜島周辺地域の道路整備を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。
#178
○政府参考人(池内幸司君) 二点目の降灰除去についてお答えいたします。
 国土交通省では、活動火山対策特別措置法に基づきまして、自治体が行います道路や下水道に係る降灰除去に要した費用を補助するなど、積極的な支援に努めているところでございます。また、委員御指摘の降灰除去の車両のリースに関しましても補助対象としているところでございまして、鹿児島市では、平成二十七年からのリース契約によって車両を確保する手続を進めているというふうに聞いております。
 今後も、関係自治体の意向を十分にお伺いしながら、積極的に降灰除去事業の促進を図ってまいります。
#179
○吉田忠智君 国土交通省もこの間よく御努力をいただいたと思いますけれども、鹿児島の皆さんはこの桜島の噴火、降灰によってほかの地域にはない御苦労をされているわけでありまして、是非また今後の特段の御努力をお願いを申し上げたいと思います。
 次に、土砂法の改正案について質問をいたします。
 私も、社民党調査団の団長としまして、八月二十五日に広島の土砂災害の現地調査を実施をいたしました。短時間豪雨の避難の難しさや、真砂土という軟弱な地質で作業が思うように進まない現状について、被災者の皆さん、地元自治体から御意見を伺ってまいりました。また、避難所にもお伺いをして、直接、避難をされている方々のお話もお伺いをしました。
 基礎調査についてでありますが、基礎調査が進まない、遅れている理由としては、都道府県へのアンケートでも、予算の確保が困難であるとの回答が一位を占めております。行革のプレッシャーの下で厳しい財政状況にある自治体への配慮が何より不可欠であります。基礎調査は基本方針に基づきおおむね五年ごとに実施されますが、一通り県内で基礎調査を終えれば、大きな地形の変動や改変、土地利用の変更がない限りは再調査の規模は縮小され、それに伴って業務量も減少することが予想されます。もちろん、先ほど来議論がありますように、この基礎調査を踏まえて警戒区域の指定は迅速に行わなければならない、それに伴う人員ももちろん必要であるのは改めて申すまでもありません。
 基礎調査を完了したのは、先ほど来議論がありましたように十三県にとどまるわけでありますが、完了したある県では、基礎調査に伴って数名の職員を増員したものの、完了後は別の部署に配属しているとも聞いております。自治体からすれば、ほぼ一回限りの調査等のために職員を新規に採用するというのは相当困難ではないかと思われるわけでございます。そこで、現状では防災・安全交付金は県職員の人件費には使えないとお聞きをしました。しかし、国交省は今後おおむね五年で残り三十四県の基礎調査を完了させるということを目標としておりますし、何が何でも完了させていただきたい、そのように思っております。
 そこで質問しますが、自治体財政も厳しい中、せめて目標の五年間のみの時限措置ででも、防災・安全交付金を基礎調査に要する人件費に使えるように対象拡大を図るべきだと考えますが、いかがですか。
#180
○政府参考人(池内幸司君) 人件費に関しての御質問でございますが、防災・安全交付金で人件費に対して支援することは困難でございますが、一方で、基礎調査に係る委託業務の費用は交付金で支弁可能でございます。例えば基礎調査結果の確認作業を委託業務で外注するなど、交付金を活用して職員の負担軽減を図っている例もございますので、このような活用事例も周知してまいりたいというふうに考えております。
#181
○吉田忠智君 できるだけ柔軟に使えるように、使い勝手のいいものにするようにいろいろ工夫をしていただきたいと思います。自治事務という前提があるようでありますし、容易でないことも理解をしております。
 自治体の厳しい財政事情に鑑みて、国や出先の地方整備局が専門家集団をプールをして都道府県に期限付でレンタル移籍させるなど、技術的な知見を持った職員のやりくりに関しては新たな工夫が必要ではないかと考えます。これは要望でありますけれども、是非検討していただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 改正案では、基礎調査が適切に行われていない場合、特に科学的知見に基づかずに行われている場合の是正要求、避難勧告解除時の助言、助言、情報提供その他の援助など、国の援助が規定されており、国交省の役割も大きくなっているところであります。予算、人員の面も含めて、国交省の体制拡充も必要ではないかと考えますが、見解を伺います。
#182
○政府参考人(池内幸司君) 委員御指摘のように、例えば科学的な知見に基づくかどうかの確認につきましては、都道府県から全ての箇所の基礎調査結果を提出していただいてヒアリングを実施した上で、問題ある箇所を抽出してチェックする、また、大規模な災害時などにおきましてはテックフォースや専門家を派遣して、現地調査などによって土砂流出の危険性を評価して避難勧告の解除の時期、範囲について助言を行う等々、非常に業務量が増えることも想定されます。
 今回の改正に伴いまして、国土交通省の役割も大きくなるとともに業務量も増大することから、それに対応できる体制を構築していく必要があるというように考えております。
#183
○吉田忠智君 最後に大臣に伺います。
 厳しい自治体財政に鑑み、国としても人件費や人材確保のための支援の拡充を検討すべきではないかと考えます。改めて大臣の御所見を伺います。
#184
○国務大臣(太田昭宏君) それぞれ都道府県に計画を出していただいたりしていますが、法律ができ上がりましたら、どういうふうに進捗するかということを検討させていただきたいというふうに思っています。
 人材面の支援ということは非常に大事なんですが、福岡県などの例を見ますと、一名専任がいたのを四名専任を増やして五名にしたところ全部調査ができたと。あるいは、OBを使うというそうした事例もございますし、基礎調査結果の確認作業を外部に委託するなどということもできるかと思います。また、基礎調査前に全体的な地形地図というものを、国が調べたものを提供して手間を省くというようなこともあります。そうしたいろんな手法も含めて都道府県とよく連携を取っていきたいというふうに思っているところです。
#185
○吉田忠智君 今日、ずっと議論があったわけでありますが、やっぱり一番残念なことは、十五年前に広島市であのような事故が起こって、それがきっかけで、ほかのこともあったかも分かりませんが、この法律ができて、法改正の議論しているわけで、もう教訓を生かされていないわけですよね、七十何名の方が亡くなられて。
 改めて、この法改正を実効あるものにするためにどうしたらいいのか。最近、安倍政権の、総理も、皆さん言っておりますはやり言葉で、できることは何でもやる、是非それで国交省としてもしっかり都道府県、市町村、自治体、しっかりスクラムを組んで、この法改正がしっかり生きるように全力を挙げていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#186
○委員長(広田一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#187
○委員長(広田一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、田城君から発言を求められておりますので、これを許します。田城郁君。
#188
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。
 私は、ただいま可決されました土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、みんなの党、維新の党、日本共産党、次世代の党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
 一 基礎調査の実施については、都道府県における取組に差が大きい現状を踏まえ、都道府県における基礎調査の実施目標や進捗状況を定期的に把握し公表するとともに、おおむね五年をめどに基礎調査が完了するよう努めること。
 二 基礎調査の結果の公表については、地域の住民が、自ら居住する地域の現状について容易に理解できる内容を、ホームページ、掲示板、回覧板、地方公共団体の広報等伝わりやすい形で行うとともに、調査対象区域内の土地、家屋の購入予定者及び賃貸を希望する者に対し、公表された基礎調査の結果についての適確な説明がなされるよう必要な対応を行うこと。また、地域住民が相談し、助言を受けることができる体制の充実に向け必要な支援を行うこと。
 三 都道府県において土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域の指定が確実に行われるよう、必要な措置を講じること。
 四 基礎調査及び土砂災害警戒区域等の指定が進まない原因に人員と財源の不足が指摘されている現状を踏まえ、都道府県のこれらの負担軽減のための支援措置を含め必要な方策を検討すること。
 五 移転勧告制度が適切に運用されるよう、移転勧告の基本的な考え方を示したガイドラインをできるだけ早期に示すよう努めること。
 六 土砂災害警戒情報の関係市町村長への通知及び一般への周知については、都道府県が気象庁及び市町村と連携して土砂災害の危険性に関する情報が住民等に確実に届くように行うとともに、雨量等きめ細かな情報の提供も行われるよう、十分配慮すること。
 七 市町村において土砂災害警戒区域内の社会福祉施設、学校、医療施設その他の主として防災上の配慮を要する者が利用する施設における警戒避難体制が構築されるための必要な措置を講じること。また、防災上の配慮を要する者が利用する施設や指定避難所等について、土砂災害の危険性の把握に努め、地方公共団体において土砂災害防止施設の設置など安全対策が重点的に実施されるよう支援すること。
 八 この法律に基づく都道府県及び市町村が行う事務が適正かつ円滑に行われるよう、必要な助言、情報の提供その他の援助を行うために必要な情報の収集や土砂災害に関する人材の育成、能力向上に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#189
○委員長(広田一君) ただいま田城君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#190
○委員長(広田一君) 全会一致と認めます。よって、田城君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣。
#191
○国務大臣(太田昭宏君) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。
#192
○委員長(広田一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#193
○委員長(広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後二時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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