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2014/10/16 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 厚生労働委員会 第2号
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2014/10/16 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 厚生労働委員会 第2号

#1
第187回国会 厚生労働委員会 第2号
平成二十六年十月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月十五日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     小見山幸治君
     藤田 幸久君     江崎  孝君
 十月十六日
    辞任         補欠選任
     江崎  孝君     藤田 幸久君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
               三原じゅん子君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                江崎  孝君
                小見山幸治君
                白  眞勲君
                藤田 幸久君
                山本 香苗君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                東   徹君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  永岡 桂子君
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        越智 隆雄君
       厚生労働大臣政
       務官       橋本  岳君
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      荻野  徹君
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  樹下  尚君
       総務省自治行政
       局公務員部長   丸山 淑夫君
       法務大臣官房審
       議官       上冨 敏伸君
       外務大臣官房審
       議官       中村 吉利君
       厚生労働大臣官
       房技術総括審議
       官        鈴木 康裕君
       厚生労働省医政
       局長       二川 一男君
       厚生労働省健康
       局長       新村 和哉君
       厚生労働省医薬
       食品局長     神田 裕二君
       厚生労働省労働
       基準局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       土屋 喜久君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       安藤よし子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    鈴木 俊彦君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    藤井 康弘君
       厚生労働省老健
       局長       三浦 公嗣君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
       厚生労働省年金
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省政策
       統括官      今別府敏雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (医療保険制度改革に関する件)
 (年金積立金の今後の運用の在り方に関する件
 )
 (認知症施策の推進に関する件)
 (労働時間法制の見直しに関する件)
 (危険ドラッグ対策の在り方に関する件)
 (持続可能な社会保障制度の必要条件に関する
 件)
 (日本経済及び社会保障分野における生産性に
 関する件)
 (御嶽山噴火災害の被災者等への対応に関する
 件)
 (デング熱の発生状況及び感染症対策の在り方
 に関する件)
 (災害派遣医療チーム(DMAT)及び災害派
 遣精神医療チーム(DPAT)の体制整備に関
 する件)
 (次期介護報酬改定に関する件)
 (大阪泉南アスベスト訴訟最高裁判決を受けて
 の政府方針に関する件)
 (新しい介護予防・日常生活支援総合事業実施
 後の介護保険制度の在り方に関する件)
 (ビキニ環礁での水爆実験の被爆者に対する健
 康調査に関する件)
○専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関す
 る特別措置法案(第百八十六回国会内閣提出、
 衆議院送付)(継続案件)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、藤田幸久君及び榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として江崎孝君及び小見山幸治君が選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(丸川珠代君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。この国会から厚生労働委員会に配属になりました。委員の方々にはよろしく御指導いただきますようにお願いをさせていただきます。
 まず、塩崎大臣、この度、御就任おめでとうございました。私も政調会等では御指導いただいたわけでありますが、非常に政策通の大臣でもいらっしゃいます。その手腕をこの厚生労働分野でも十分に発揮していただければというふうに思っておりますし、また、副大臣、政務官の方々も、これまでそれぞれのお立場で厚労行政に深く関わってこられた方々ばかりでございます。大臣をしっかりサポートしていただいて御活躍いただきますことを祈念をさせていただきたいと思います。
 まず、消費税についてお伺いをさせていただきます。
 消費税の増税、来年の一〇%への引上げの判断、今年中にも総理がされるというふうに承っております。ただ、足下の経済状況については、大変不安視する声が大きくなってきているということもこれは現実でございます。一方で、社会保障の貴重な財源という意味では、この消費税の引上げによって得られる財源、社会保障の充実に充てられる貴重な財源でもございます。この引上げについての大臣御自身のお考えをお聞かせください。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) 福岡先生には、今日はまた御質問いただいてありがとうございます。私も参議院におったときは厚生委員会に武見先生と御一緒に席を並べて仕事をしたことを覚えているわけでございまして、何とぞよろしくお願いいたします。
 消費税の問題については、今先生御指摘のように、最終的には十二月に総理がお決めになることでございますけれども、社会保障を所掌する立場としましては、やはりこの社会保障の充実のために、今先生御指摘のとおり、消費税率を引き上げ、そして安定財源を確保して制度を持続可能なものにするというのが基本であります。
 そういうことで、社会保障の充実に必要な予算の確保と併せて、社会保障改革プログラム法に沿って、社会保障の各分野で制度の充実と重点化と、そしてまた効率化を取り組んでいくということでございまして、一つ一つの改革を積み上げ、そして、引き続いて受益、負担の均衡が取れた持続可能な制度をつくり上げていきたいと、このように思っております。
#8
○福岡資麿君 最終的には総理が御判断されることだと思いますが、大臣も御自身のお立場でしっかりと御自身の主張をしていただきたいと思います。
 それに絡むお話としましては、昨日も保育関係の集会がございましたが、来年四月に子ども・子育ての新制度がスタートするわけでございます。消費税が五%から一〇%に引き上げられたことを前提に七千億円の充実が図られるというような予定になっているわけでございます。今年度も八%に上がったのは四月の段階ですから、満年度として増収が図られたわけではありませんが、三千億が充実の予算として確保されているところでございます。やはり、この七千億に加えて、しっかりとした充実を図るためには一兆円の予算が必要だということで言われておりますが、この消費税の増税の部分もまだ不透明の中、子ども・子育ての予算確保に向けての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のように、この子ども・子育て新制度をちゃんとやっていくためには、これから一兆円の財源が必要だというお話が今ございました。
 この新制度については来年の四月から施行するという方針の下で取り組んでいるわけでありますけれども、財源確保は極めて重要な課題でございます。
 一昨年の社会保障・税一体改革に関する自公民の三党合意、それから、子ども・子育て関連三法に対する参議院の附帯決議において、幼児教育・保育・子育て支援の質・量の充実を図るためには、一兆円を超える財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力すると、こうなっております。
 これを受けて六月に決定をいたしました骨太の方針、ここにおいても、財源の確保については着実に進め、消費税分以外も含め適切に対応していくとされておりまして、消費税七千億、そしてまた加えて三千億の財源確保に最大限私としても努めてまいりたいというふうに思います。
#10
○福岡資麿君 おっしゃられましたとおり、その加える三千億の部分の財源というのもまだはっきりしていない状況でございます。また、来年度の子ども・子育ての充実に向けてどれだけの予算が確保できるか、まさにこれから正念場だというふうに思いますので、しっかりとした決意で、子供たちのための予算ということでお願いをさせていただきたいと思います。
 消費税財源に絡む話といたしまして、来年の通常国会でも予定されております医療保険の改革についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 この消費税増税分は国保の基盤整備等にも充てられるというようなことが予定をされているところでございますが、この医療保険の制度改革、プログラム法でも積み残しの大きな検討課題として残されているわけでございます。市町村国保、そして協会けんぽなどの財政基盤の安定であったり、後期高齢者の支援金の在り方であったり、問題は山積しているというふうに承知をしておりますが、現在の検討状況、また決意についてお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(塩崎恭久君) 高齢化の進展によりまして医療費の増大が進むということはもう皆さん御案内のとおりでありまして、今後も安心して必要な医療を受けられるようにするにはどうしたらいいのかということで、国民皆保険を堅持するという大原則の下でこれを解決をしていかなきゃいけないと思っております。
 医療保険制度改革につきましては、昨年の社会保障制度改革国民会議の報告書、そしてプログラム法等を踏まえまして、国保を始めとする医療保険の財政基盤の安定化、そして負担の公平の確保などについて今検討を進めているところでございます。
 十月十日に厚労省の中に医療介護改革推進本部というのをつくりまして、私が先頭に立って省を挙げて改革に取り組む体制を整備をいたしました。この中で、この本部の中で今検討をしているわけでございますけれども、十一月上旬をめどに厚生労働省としての一定の考え方をお示しをして、社会保障審議会での議論や与党の先生方との御相談を経て、年内には改革内容の取りまとめを行っていきたいというふうに考えてございます。
#12
○福岡資麿君 今おっしゃられました十一月上旬ということでいいますと、もう余り時間がないわけでございます。当然、いろいろな保険者によりましても思いの違いということがあるわけでありますが、しっかりとした調整を行っていただく上で皆さん方の理解が得られる、そういう制度設計に努めていただきたいというふうに考えております。
 これから橋本政務官にお聞きをさせていただきたいと思います。
 社会保障の充実というのは、これ全ての国民が望む話でございます。ただ一方で、高齢化の進展等に伴いまして社会保障費の伸びというのが経済成長よりも大きく上回るという中で、財政的な要件をどう解決していくか、大きな課題としてあるわけでございます。
 我が党といたしましても、二〇二〇年にはプライマリーバランスを黒字化にするということを公約にも掲げている中で、こういった社会保障の支出の重点化、効率化、どうやって図っていくかということについては極めて大きな課題だというふうに考えておりますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#13
○大臣政務官(橋本岳君) 御質問ありがとうございます。
 高齢化等に伴いまして医療費が膨張してまいります。要因というのは、高齢化もありますし、あるいは医療の高度化でありますとか制度の改正等々も影響してくる、幾つかの要因がございます。
 ただ、いずれにしても膨らんでまいりますが、この医療費について、明確な根拠なく一律にこれを削減したり抑制をしたりすることをするものではないとまず思っております。ただ、国民皆保険を維持していく観点から、計画的に予防、健康づくりの推進でありますとか、医療の効率化、重点化に取り組むということは大変重要であるというふうに考えております。
 骨太の方針二〇一四では、都道府県が平成二十七年度以降作成する地域医療構想と整合的な医療費水準などの目標を設定するように医療費適正化計画の見直しを検討することとしております。このため、平成二十七年の医療保険制度改正において医療費適正化計画の見直しを予定をしておりまして、医療費水準や医療費適正化対策の在り方などについて、社会保障制度改革推進本部の下に設置された専門調査会の議論も踏まえつつ検討してまいります。また、レセプト、健診情報などのデータ分析に基づく保健事業、いわゆるデータヘルスというものの推進を通じまして、糖尿病などの重症化予防や後発医薬品の使用促進など、保険者による医療費適正化の取組も推進してまいります。
 こうしたことを通じまして、医療費の適正化、効率化をしっかり図ってまいりたいと、このように思っております。
#14
○福岡資麿君 専門調査会の議論も踏まえて今後検討するということでございます。これまでの従来の延長線の考え方では、なかなかそこの効率化が十分に図れていないということもあろうかと思いますので、しっかりとした検証をお願いをさせていただきたいと思います。
 続きまして、この国会の大きなテーマとしては地方創生ということが掲げられています。まち・ひと・しごとというのが大きなテーマでございます。人口問題であったり、医療、福祉、子育て、また働く場所の確保など、厚生労働省が担うべき役割というのは極めて大きいというふうに考えております。
 地方創生に向けて厚労省としてどのように貢献されていくお考えか、永岡副大臣にお聞きしたいと思います。
#15
○副大臣(永岡桂子君) 福岡委員、御質問ありがとうございます。
 地域の活力を維持して少子化と人口減少を克服するということは、やはり安倍内閣の重要な政策課題であると認識をしております。
 厚生労働省といたしましても、政策を総点検いたしまして、まち・ひと・しごとの各分野にわたりまして、来年度の予算額、予算要求ですね、この関連政策を盛り込んでおります。具体的に申し上げますと、若い世代が安心して地方で生活ができるようにするための雇用政策、そして、希望どおり出産、子育てができるようにするための妊娠期から子育て期までの包括的な支援、そして、地方居住の推進のための人口減少に対応した福祉の町づくりなどを支援してまいります。
 厚生労働省といたしましては、まち・ひと・しごと創生本部などにも積極的に協力しながら、国民が安心をして働き、希望どおり結婚や出産、子育てができ、将来に夢や希望を持てる魅力あふれる地方の創生に向けまして、各省と連携をしつつ総合的な政策に取り組んでまいる所存でございます。
#16
○福岡資麿君 この地方創生については、地方の創意工夫を受けて、それをなるべく生かしていくという観点だというふうに思っておりますが、今御答弁いただいたことも、従来の施策とどう変わるのかといった部分でいうとなかなか見えづらい部分があるというふうに考えております。極めて重要なテーマでありますから、掛け声倒れに終わったということにならないようにしっかりとした施策を講じていただきたいというふうに思っておりますし、地方におきましては、やはり出生率は都市部より高いにもかかわらず、実際働く年齢になったときに、雇用口がないために若い人たちが都市部に流出していくということが大きな問題となっているわけですから、その地域の中でどうやって雇用を確保していくか、これは極めて重要なテーマだというふうに考えております。そういった点で、また副大臣も先頭に立って頑張っていただければということをお願いをさせていただきたいというふうに考えております。
 続きまして、GPIFについてお聞きをさせていただきます。
 本日の報道におきましても、昨日、塩崎大臣が社会保障審議会の年金部会に御出席をされていろいろ御発言をなさったことの概要が載っていたわけでございます。従来から、大臣、党の中の日本経済再生本部の中においても、GPIFの運用についてはもっと分散投資を促進していくべきだというお考えであったり、今の慎重過ぎる運用については今後検討して改めていくべきではないかというようなずっと持論を展開されてきたわけでございます。
 まず、今までの考え方としてはGPIFのガバナンスを強化するということに専念をしていきたいということですが、今後のそのポートフォリオ、運用について、大臣御自身のお考えについてお聞かせをいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃっているように、このGPIFにつきましては、昨年の成長戦略に向けてかなり厚労省とも私ども自民党との間で議論し、政府の中でも議論した上で、閣議決定で日本再興戦略が決まり、その中で有識者会議というのがつくられました。そこの中から報告書が十一月に出て、それに沿って、政府はそれを踏まえた上で改革を厚労省においてやっていくということで、運用につきましても、これまで既にGPIFにおいて有識者会議の報告書を念頭に改革が行われてきたものだと思っております。
 この運用の改革と、今先生がおっしゃったように分散投資を、今までの国債にやや偏り過ぎていたと言われているものを分散投資をするという限りは、やはりリスクに対してちゃんとした管理ができるという体制と、それらをちゃんとチェックできるガバナンスがしっかりしたものでなければやはり分散投資をするには十分ではないということで、言ってみれば、運用改革とガバナンス改革は一体のものだということで私は考えておりますし、昨年十一月の有識者会議の報告書もそういうことだろうと思うんです。
 運用の基本は厚生年金保険法に書いてございまして、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ効率的に行うということで、最終責任はもちろん厚生労働大臣が負うわけであります。
 デフレ経済から脱却をして名目で経済成長していくという新しい状況の中で運用環境についても変わりつつありまして、年金財政上必要な利回り、これは賃金上昇率プラス一・七というのが財政検証から出てまいりましたが、これをしっかりと確保しつつリスクを抑えていく運用が重要であって、短期的な見方ではなくて、やはり長期的な経済、そして運用環境の変化に対応して安全かつ効率的な年金運用に努めていかなければならないと、このように考えております。
#18
○福岡資麿君 今、安全かつ効率的というような言葉をお使いになりましたが、なかなかその安全と効率というのを両立させるというのは極めて困難な話だと思っています。
 つい数年前ですか、厚生年金基金の話がございましたけれども、あれも企業年金として運用する中でかなり多くの企業が失敗をしたというようなこともございます。株式等の比率を増やせばそういった全体の経済状況の中で不確定な要因というのが広まるというのは、そういった過去の事例から見ても当然だというふうに思っておりまして、ガバナンスの強化だけで本当にそういった部分が賄い切れるのかという多くの方々の不安に対して、しっかりとしたお考えを今後も示していただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。
 そして、続けてお聞きしたいのは、どうしても塩崎大臣というとそういったGPIFのイメージが強いのでありますが、党内でいうと、これまでも児童の養護と未来を考える議員連盟の会という議連の会長もされておられましたし、例えばがん登録の推進とか、そういう部分でいうと、社会的に弱い立場の方々に立ってどういうふうにそこを推進していくかというようなことにもずっと熱心に取り組まれてきたというふうに承知をしているところでございます。
 先ほどの児童養護のことに関して言えば、先ほどの消費税の増税に伴う子育ての充実財源とかで児童養護施設とかの職員配置基準とかが改善される見込みであるとか、大臣がなされた功績というのは非常に大きいというふうに思っておりますが、大臣自身のお口から、虐待防止の取組であったり、また社会的養護の今後の方向性についてどうお考えかということをお聞かせください。
#19
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、福岡先生から御指摘いただきましたように、私は長い間児童養護の問題に取り組んでまいりました。決してGPIFだけでやっているわけではなくて、さっき申し上げたように、私は元々、衆議院に初当選のときから厚生委員会で、参議院に移っても厚生委員会でやってまいりましたので、今のような児童養護、それから私は、障害者施策については随分、田村前厚労大臣が社会部会長というのをやっていたときに一緒にタウンミーティングなどをやって、全国を回って自立支援法の成立に向けて障害者の皆様方から生の声を聞くということもやってまいりました。そんなことで、是非皆さん方に誤解を、誤ったイメージを持たないようにしていただいて、よろしくお願いしたいと、こう思います。
 この児童養護の問題については、今私は安倍総理の後を継いで議員連盟の会長をやっておりますが、この児童養護につきましては、平成二十五年の児童相談所での児童虐待相談対応件数というのが速報値で七万三千七百六十五件と、これまでの最多になっているんですね。それから、児童養護施設の入所児童でも、虐待を受けた児童の割合が五割から六割ということであります。先日、早速都内の児童養護施設に視察に行ってまいりました。そこは何と入所している子供たちの八割が虐待が原因で入っているというところでございました。
 こういうことで、社会的な大きな問題が背景にあるこの虐待、我々にとっては、子供たちの問題解決だけではなくて、親の問題解決、社会の問題の解決、これをやらなきゃいけないのが児童養護に取り組む際の使命だというふうに思っております。
 この児童相談所、それから市町村の体制強化などにこれまで児童虐待防止については取り組んできましたけれども、これに加えて、八月には関係府省庁によります副大臣会議というのが行われております。さらに、先般、厚生労働省の中にも社会保障審議会の児童部会の下に新たに児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会というのをつくりまして、私はそこに、第一回目の会合のときに行って御挨拶もしてまいったところでございます。
 こういうことで、初期対応の迅速化等のための関係機関の連携強化等を中心に議論していまして、更なる対応の検討を進めてまいりたいと思っております。そのほかに、社会的養護については、児童がより家庭的な環境でどうやったら養育できるかということで、里親とかファミリーホームとか、それから児童養護施設の小規模化、それから地域分散化に取り組んでまいっております。
 今後、施設の小規模化等を更に推進するためには、児童養護施設の、先ほど福岡先生からお話がありました職員配置基準の引上げなど質の改善というのがもう絶対不可欠であって、平成二十七年度における消費税収増分の動向等を踏まえて予算編成過程で検討することとしておりまして、必要な財源の確保に最大限努めてまいりたいというふうに思います。
 今後とも、私のライフワークとも言うべきこの児童養護の、あるいは児童虐待防止の問題については全力で取り組んでまいりたいと思います。
#20
○福岡資麿君 今まさに大臣のお口からライフワークというお言葉も出していただきました。しっかりと今後も予算確保も含めてリーダーシップを発揮していただきますようにお願いをさせていただきたいと存じます。
 続きまして、社会福祉法人の改革についてお伺いをいたします。
 これまで規制改革会議等によって社会福祉法人改革、議論されてきておりますし、政府税調においてはイコールフッティングの観点から、課税というような話も漏れ伝わってきているような状況でございます。当然、社会福祉法人については、財務諸表であったり役員報酬の開示、また内部留保の明確化であったり経営管理体制の強化であったり、こういったいろいろな改革を図っていくべきだという方向性についてはそのとおりだというふうに思っておりますが、一方で、社会福祉法人が公益性の高い社会福祉事業を行う非営利法人としてこれまで果たしてきた役割ということを考えると、いきなり課税というような話が出てくるということに対して大変違和感を感じているわけでございます。
 この社会福祉法人の改革について、現時点での進捗であったり、またお考えについてお聞かせいただきたいと存じます。
#21
○国務大臣(塩崎恭久君) この社会福祉法人、いろんな目的で活動していただいているわけで、先ほど申し上げた児童養護施設もほとんどこれは社会福祉法人が運営をしておりますし、もちろん高齢者、それから障害者、様々ございます。これは、公益性の高い社会福祉事業を主たる事業とする非営利法人が社会福祉法人であって、福祉ニーズというものが今申し上げたように大変多様化あるいは複雑化をしていく中で、むしろその役割は極めて重要さを増していると言ってもいいのかなというふうに思っております。
 社会福祉法人が福祉サービスの基盤としての役割をしっかりと果たしていくためには、こうした法人の在り方というものを徹底する観点から制度の見直しが必要であって、現在、社会保障審議会福祉部会において検討が進められております。
 具体的には、まずガバナンスを強化する、この観点から、理事会とか評議会の位置付けを整理をする、権限を明確化することが重要だと思っておりますし、会社のように株主がいるとかいうことではないのでありますので、どういうガバナンスにするのかというのはなかなか難しいわけでありますが、しかし、やはり絶対に必要なものとしてこの社会福祉法人が社会貢献に役割をなすためには、ガバナンスの強化は不可避だろうというふうに思っております。
 それから、運営の透明性、この透明性の確保の観点から、財務とか事業とかの書類の閲覧、公表等の対象を拡大することなど、透明性も極めて求められていることだと思います。
 それから、財務規律の確立を図るために、適正かつ公正な支出管理と、それから余裕財産の明確化を行って、福祉サービス等へ再投下するというようなことを検討しておりまして、年内をめどに取りまとめを行う予定でございます。
 よく積み上がっている余裕金についてのお話が出ますが、我々としてはやはり、なぜたまるのか、そして本当に必要な剰余金とそうじゃないのがあるのかどうか、そういったことも含め、そして今剰余金としてあるものについてどう社会に還元をしていくことがいいのか、そんなことを今一生懸命考えているところでございますので、またよろしく御指導をお願いいたしたいと思います。
#22
○福岡資麿君 今、ガバナンスの強化策も含めて社会保障審議会の福祉部会の中で年内を目途に議論を進めていただいているというお話がございました。極めて大きなテーマだというふうに思っております。我が党としましても、党内にPTを立ち上げまして、しっかりと党側からもこの問題については議論をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 続きまして、雇用とか労働関係に移らせていただきたいと思います。
 御承知のとおり、アベノミクスの成果によりまして雇用情勢改善しておりまして、賃金も上昇するなど全般的には成果が上がってきているというふうに考えておりますが、今後、少子高齢化が進展する中では、若者、女性、高齢者など全ての方々が働きやすい環境をつくっていくということが大変大切になってきているというふうに考えております。長時間労働が当たり前となっている働き方の見直しであったり、特に若者を中心とした非正規労働者の正規雇用化の推進、女性が活躍できる環境の整備などに取り組んでいかなければならないというふうに考えておりまして、以下に質問をさせていただきます。
 まず一点目は、長時間労働が当たり前となっている働き方の見直しでございます。
 メンバーシップ型とも言われる日本型雇用では、個々の人の職務の範囲が明らかでないため、どうしても長時間労働に陥りやすいというような仕組みになっているというふうに承知しています。統計によりますと、パートタイム労働者の増加により、年間の総実労働時間は減少傾向にあるわけでございますが、一般労働者の総実労働時間は横ばいとなっているわけでありまして、週六十時間働く方々の割合というのも減少していないという状況にあります。
 このような状況の中で、厚生労働省挙げて長時間労働の削減に向けた取組を進めておられるようでございますが、その内容についてお聞かせください。
#23
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のように、長時間労働の削減のためには、まず労働基準法を遵守するというのが、当然のこととしてこれを徹底するということがまず第一であり、それから、労使の自主的な改善の取組を支援をしていくということも大事だろうと思っております。
 先般、厚生労働省の中に、私自身を本部長といたします長時間労働削減推進本部というのをつくりまして、まずやることは、今申し上げたように、監督指導の強化、著しい過重労働とか悪質な賃金不払残業等の撲滅に向けて監督指導を強化していくというのが一つ、それからもう一つは、休暇の取得促進を始めとした働き方の見直しに向けた企業への働きかけをしっかりやっていくということではないかと思っておりまして、厚労省としてもこの長時間労働対策を強力に進めていこうというふうに考えております。
 まず隗より始めよということで、厚生労働省の中も働き方を変えないといかぬと、こういうふうにハッパを今掛けていまして、若手のチームをつくって、どうやったら厚労省の中の長時間労働を減らしていけるかということを考えろということを言って、上の方に行くと大体余りそういう発想は出ませんから、若い人たちに考えてもらうということで、今やっていただいております。
 それから、十月九日には、私自身、経団連の方に出向きまして、長時間労働抑制による過重労働解消等の取組を要求して、副大臣、政務官の皆さんにも、それぞれ商工会議所あるいは中小企業団体中央会、そしてまた連合の方に出向いてお願いをしてきたところでございます。
 引き続いて、長時間労働削減に向けて省を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
#24
○福岡資麿君 大変心強いお言葉をいただきました。私も、かつてサラリーマンをやっているときは長時間労働がかなり常態化しているような状況でございましたから、是非指導力を発揮していただきたいと思いますし、まず隗より始めろということで省内の残業の削減等に向けても取り組まれているということ、是非実効性のあるものとしていただきますようにお願いをさせていただきたいと思います。
 続きまして、仕事と生活の調和の取れた働き方を推進するためには、より柔軟な働き方も可能となるような見直しも必要かと存じます。現在、労働政策審議会において労働時間制度の見直しについて議論されているというふうに思いますが、その見直しに当たっての基本的な考え方を高階政務官にお伺いします。
#25
○大臣政務官(高階恵美子君) 労働時間制度の見直しについての労働政策審議会における基本的な考え方について御質問をいただきました。
 労働時間法制全般についての、生産性の向上と仕事と生活との調和を図る観点から、総合的な見直しを検討しているところでございます。
 具体的に申し上げますと、労働者の心身の健康確保等を図るための長時間労働抑制策や年次有給休暇の取得の促進策、子育てやあるいは介護等事情を抱える働き手の方々のニーズに対応したフレックスタイム制の見直し、そして企業の中核部門等で働く労働者の創造性の発揮等に向けた裁量労働制の新たな枠組みの構築、また、時間ではなく成果で評価される働き方を求めるニーズに応えていく新たな労働時間制度の創設等につきまして、現在労働政策審議会において議論を進めております。
 その結論を踏まえまして、次期通常国会には所要の法制上の措置を講じてまいりたいと思います。委員の皆様の御協力、よろしくお願いしたいと思います。
#26
○福岡資麿君 次の通常国会では法案の提出も予定をされているということでございます。しっかりとした検討をお願いいたしまして、続きまして、若者の雇用ということで質問をさせていただきます。
 少子高齢化社会が進展する中で、持続的な経済成長のためには、意欲と能力のある若者が将来に希望の持てる環境を整備していくということが非常に大切だというふうに考えております。女性であったり高齢者であったり障害者などについてはこれらの方々を対象にした個別の法律が制定されておりますが、若者についてはこのような法律がいまだ制定されていないというのが現状だというふうに承知しています。
 現在、労働政策審議会において若者の雇用対策の充実に向けた法的整備も含む検討がなされているというふうに承っておりますが、山本副大臣からこの取組についてお話をいただきたいと思います。
#27
○副大臣(山本香苗君) 御指摘のとおり、意欲と能力のある若者がしっかりと活躍できる環境整備というものが重要だと考えております。
 本年六月に閣議決定されました日本再興戦略の改訂版におきましても、御指摘のとおり、就職準備から就職活動、就職後のキャリア形成に至るまでの対策を社会全体で推進できるよう、総合的かつ体系的な若年雇用対策について検討を行い、法的整備が必要なものについては次期通常国会への法案提出を目指すということとされております。
 現在、労政審におきまして議論を進めていただいておりまして、年内をめどに取りまとめをさせていただいて、来年の通常国会提出を目指してまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
#28
○福岡資麿君 ありがとうございます。
 今、地方を中心に若者の閉塞感というのが大変広がっている状況でございます。副大臣も是非リーダーシップを発揮していただいて、来年の通常国会、しっかりとした法案提出を望みたいというふうに考えております。
 最後に、女性の活躍推進という立場から一点質問をさせていただきたいと思います。
 この国会でも、女性の活躍推進を図るための法案の提出もなされております。政府を挙げて今女性の活躍推進に取り組んでおられますし、厚生労働省は、今拝見しても、政務三役五人のうち過半数の三名が女性ということでございます。次官も女性ということもございまして、そういう意味では率先した取組をしていただいている省だというふうに考えております。
 そういった中で、ちょっと地元からも一つ言われた点についてお話をさせていただきたいと思いますが、今政府を挙げて二〇二〇・三〇、二〇二〇年に指導的な立場の方々の女性の占める割合を三〇%に持っていこうということを目標として掲げているということでございます。
 例えば、地方の自治体とかに行きますと、適齢期の女性を全部管理職に登用したとしてもとてもその三割に至らないというのが現状としてあるということでございまして、例えば、管理職に対して、女性に限定して管理職を採用することで何とかその二〇二〇・三〇が達成できるように、三割の女性管理職を登用したいと考えている地元の首長さんもいらっしゃるんですが、実は、地方公務員法等によっても、そういったことで女性に限定したような採用というのが現在できない仕組みになっているということでございます。
 これは、民間企業とかでいいますと、明らかに女性の割合が少ない場合等においては女性に限定した雇用というのが今できる状況でありますが、先ほど大臣も、まず足下から率先してやるということでいうと、行政機関が率先して女性を限定して雇用をしていこうということに対して、今の法的な仕組みでいうと、それができないような仕組みになっているということでいうと、その二〇二〇・三〇を達成しようにも、なかなか現実的には難しいというような状況があるということでございます。
 こういった事実関係について、まず総務省から現状についてお話をいただきたいと思います。
#29
○政府参考人(丸山淑夫君) ただいま地方公務員の職員の募集について御質問がございました。
 地方公務員法におきましては、全て国民は、この法律の適用について平等に取り扱わなければならず、性別等によって差別されてはならないと規定されております。また、職員の任用につきましては、能力の実証に基づいて行わなければならないと規定されているところでもございます。こうした平等取扱の原則や成績主義の趣旨に照らしますと、職員の採用、募集を女性に限定して行うことは、採用しようとする職の職務の性質等に照らして合理的な理由がない限りできないものと解しております。
 例えば、国家公務員の女性の刑務官あるいは助産師など、職務の性質上、女性限定とすることに合理的な理由のある職については女性に限定した募集ができるということでございますけれども、こうした場合以外には、職員の採用、募集に関して女性に限定するということは難しいというふうに解しているところでございます。
#30
○福岡資麿君 これはすぐ解決する問題ではないですが、是非真剣に検討していただきたいのは、今民間企業に対してはいろいろな目標設定も含めてしっかりやっていけということを国が言っている一方で、足下はいろいろな制約があってとても達成できないということでは示しが付かないというふうに思いますので、そういった検討も併せてお願いをさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#31
○石井みどり君 おはようございます。自由民主党の石井みどりでございます。
 先ほど塩崎大臣から、自分の生涯のテーマだというお言葉がありましたが、私もそういう意味では認知症政策が私のライフワークでございますので、塩崎大臣には認知症政策を主にお聞かせいただきたいと思っております。
 我が国におきましては、人類史上未曽有の超高齢社会が進展しております。これまでの不十分な認知症有病率調査データに基づいた推計以上の高齢者認知症の大幅な増加が予測されています。このため、高齢者認知症に対する医療、介護は国民にとって極めて喫緊かつ重大な問題となっております。
 国際的にも認知症政策に関する関心、意欲は高く、昨年十二月にはイギリスにてG8認知症サミットが開催され、本年十一月には我が国においても認知症サミット日本後継イベントが開催される予定となっております。
 安倍総理は、五月十四日の衆議院厚生労働委員会で、高齢化の進展に応じて認知症高齢者の方々が増えていくことが見込まれ、社会全体で認知症の方を支えるための仕組みをつくることが重要である、認知症の方々が地域で安心して生活できるような環境づくりに国を挙げて取り組んでいく旨を発言をされておられます。また、岸田文雄外務大臣も、本年九月二十二日の国連総会サイドイベントで、日本は高齢化社会で非感染性疾患や認知症に対応している旨を発言をされておられます。
 そこで、まず塩崎厚生労働大臣に、国民的課題である認知症に対していかに最大の国家戦略を持って対応していくか、御見解をお伺いしたいと思います。
 また、認知症に関する問題は多岐にわたります。少なくとも、一つは認知症研究、二つ目にシステムを構築するための認知症政策、三つ目として財源問題、四つ目として法的問題、少なくともこの四つの観点からの検討が必要と考えておりますが、厚生労働省としての今後の取組をお伺いしたいと思います。
 さらに、この問題は省庁横断的にチームとして取り組む必要があると考えますが、認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議がこれまで年一回ずつ二回、まさにアリバイづくり的に開催されておりますが、今後更なる議論が必要と考えますが、今後の取組をお伺いしたいと存じます。
#32
○国務大臣(塩崎恭久君) 石井先生にとってライフワークというべきこの認知症は、本当に、六十五歳以上の四人に一人は認知症ということでありますし、私も、今、両親のうちの母が残っておりますが、父も最後の方は少しそうだったかなという感じもしますし、今、母もややそういう感じかなという感じもして、本当に身近な問題として取り組んでいかなきゃいけないことだと思っております。
 社会全体で認知症の方を支えて、認知症の方が地域で安心して暮らしていける社会をつくるということが大事であって、これは言わば日本が高齢社会の最先端を世界で行っているわけでありますから、日本が認知症とどう言ってみれば向き合って日本をつくり直していくかということを世界に範として示していくことも可能かなというふうにも思っております。
 御指摘の観点については、例えば認知症研究については、認知症の病態解明を進め、予防法、診断法、治療法等の研究開発につなげていく。そして、システムを構築するための認知症政策として、認知症のステージに応じて切れ目なく対応できる医療・介護サービスの資源とその有機的な連携体制の整備ということが進めなければいけないことだと思っております。
 それから、財源問題については、社会保障・税一体改革の中で社会保障の充実の対象経費として安定的な財源を確保して、認知症発症の初期段階から医療と介護の専門職がチームとなって支援を行う事業など、認知症に係る地域支援事業の充実を図っていくということかと思います。
 それから、四番目の先生御指摘の法的問題については、成年後見制度の利用促進や市民後見人の育成、活動支援を行うなどの取組を進めておりまして、引き続きこうした観点からの政策を推進していきたいと思っております。
 また、先生御指摘のように、厚生労働省だけで抱えられるような課題では決してないわけであって、認知症の方に優しい地域づくりに向けて、生活しやすい環境の整備、あるいは消費者保護、高齢者保護なども含めて、我が国全体の課題として幅広い取組を推進していかなければなりません。
 それで、先月、今先生御指摘の関係省庁連絡会議というのを、実は本当に一年ぶりに開催になりました。それは、我々としては、十一月の、先ほど御指摘のキャメロン・イギリス首相が始めたサミットの後継イベントが日本でございます。それもあって、私としては、これはもうスピードを上げて、この十一月に向けてこの省庁連絡会議も開催すべしということでハッパを掛けておりまして、先般開いた会議では九つの項目に沿って関係省庁の施策を整理したところであります。
 今後はこれを土台として施策の連携やフォローアップを行うなど、引き続き関係省庁と連携しながら認知症施策を推進していきたいと思っておりますし、この十一月のイベントが一つのきっかけとして、我々としてはこの認知症を本当に大きな厚生労働省としての政策の柱として押し上げていきたいと思っておりますし、政府全体としての取組にも厚生労働省として貢献をしてまいりたいと、このように考えております。
#33
○石井みどり君 厚生労働省挙げて、あるいは政府を挙げて取り組むというお考えでありますが、これまでも取り組んでこられなかったわけではなく、認知症に対しては二〇〇一年のメディカル・フロンティアというのがございます。そして、二〇一二年には認知症施策推進五か年計画、いわゆるオレンジプランも策定をされています。
 しかしながら、その一方で、今、法的問題のところもちょっとお答えいただきましたが、二〇〇七年に愛知県大府市で認知症患者の方が自宅を出て徘回中に電車にはねられて死亡した事例でありますが、本年四月二十四日に名古屋高裁において、自宅で介護を行っていた当時八十五歳の妻に対して監督義務者としての賠償責任があると認めるとする控訴審判決がなされました。これは約三百六十万円の賠償でありました。
 法理的には、法律上ではこの考え方は正しい、家族に対して監督義務があったということでありますが、しかしながら、果たして本当にこういう法律でいいのかという問題が、今後やはり検討していかなくてはいけないと思っています。これはまさに、単なる一事例にとどまらず、我が国の認知症対策の在り方を根底から考え直すべき、まさに国民的課題であると言えると思います。この事例を見ても、特にオレンジプランにおける、施設から地域へ、医療から介護へという流れは、私は疑問を持たざるを得ません。
 高齢者認知症は、言うまでもなく進行性の神経変性疾患であり、進行性の、不可逆性の脳の難病であります。また、認知症高齢者の方々は、身体合併症の確率も頻度も非常に高いものであります。急性増悪や在宅生活を困難にする重度の症状と問題行動など、地域ケアのみでは治療困難である場合も多く見られ、入院医療のサポートがなければ持続可能な地域ケアは成立をいたしません。すなわち、認知症は医療が下支えをするという観点が必要だと考えます。
 オレンジプランの最大の特徴として、認知症の人の精神科病院の長期入院が不適切なケアの流れの結果であるとしていますが、そもそも疾患の種類、病気、病像が多様なために対応についても多様にならざるを得ず、早期退院を阻害する要因の解明なしには長期入院解消の施策を提言することはまさに短絡的であると言わざるを得ません。
 また、認知症治療病棟の入院日数の数値目標として入院日数の中央値を二か月にすることとしていますが、根拠となったこのデータは、近畿地方、僅か四施設の少数例のデータであります。このデータが日本全国の精神科病院に当てはまるかどうか、非常に妥当性に疑問が持たれるところであります。
 そこで、大臣に、このオレンジプランの見直しやフォローアップ、あるいは新たな認知症国家戦略の策定が必要かと思いますが、いかがでございましょう。
#34
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十四年九月にこのオレンジプランというのは認知症施策推進五か年計画として定められました。ここにおいて、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指して、平成二十五年度から二十九年度までの五か年計画として、必要な医療・介護サービス等についての数値目標を定めて整備を図るものでございます。
 オレンジプランについては、例えば個々の医療・介護サービス等の数値目標の進捗状況についてフォローアップを行った上で、さきの通常国会で成立をいたしました医療・介護総合確保推進法等を踏まえた検討を行うべきではないのか、あるいは、オレンジプランで整備されてまいりました医療・介護サービス等の資源が有機的に連携できているのかというような観点などから、我々としてはこれを点検をやはりしていかなければいけないんではないかというふうに思っておりますので、我々としても、このオレンジプランについての中身について点検をしてまいりたいというふうに思っております。
#35
○石井みどり君 少なくとも、政策を行うに当たって、政策を立案するときに、客観的に、そして科学的にきちんとしたデザインを、統計学的デザインをされたそういう調査に基づいて本来は医療政策を立案すべき。そして、その政策をきちんとまた科学的に検証していくということが従来どうも医療政策のみならず厚生労働省政策には欠落をしていたと思っておりますが、是非、このオレンジプラン、きちんと検証していただいて見直しをしていただきたいと思います。
 そして認知症関連予算は、平成二十五年度、二十六年度共に三十二億円となっております。今、見直しということがございました、オレンジプランの。そして、プランだけでなく、予算についても更なる増額が必要だと思っておりますが、いかがでございましょう。
 例えば、これからは地域での認知症医療を主に担ってまいりますのは認知症疾患医療センターでありますが、少なくとも、全国で二次医療圏、三百四十四ございますが、この二次医療圏に全てセンターを設置するとしてもいまだまだ遠い状況であります。現在、まだ二百三十一しか設置されていません。さらに、少なくとも二次医療圏ごとに設置するとしてもまだ不十分である。これに対する予算の増額あるいは対策をどのようにお考えでしょうか。
#36
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、予算のお話が石井先生から出てまいりまして、認知症施策を推進するための予算につきましては、平成二十七年度の概算要求、ここで対前年度約一億円増ということで約三十億円の要求をしているところでございます。
 例えば、認知症の方が地域で安心して暮らしていただけるためには、早期診断、早期対応が何よりも重要であって、鑑別診断等を行う認知症疾患医療センター、今先生御指摘でございましたが、この計画的な整備を図っていく必要があって、オレンジプランに掲げる目標を踏まえて、平成二十七年度概算要求では対前年度約一億円増の約七億円の要求を行っているところでございます。
 これに加えて、認知症発症の初期段階から医療と介護の専門職がチームとなって支援を行う事業など、認知症に係る地域支援事業の更なる充実等については、社会保障・税一体改革の中で社会保障の充実の対象経費とされておるところでございます。
 認知症施策の推進は重要でございますので、予算編成過程で更に財政当局とよく議論をしてまいりたいと思います。
#37
○石井みどり君 ただ、伺っているとちょっと情けないというか、今思わずしょぼっと言ってしまいましたけど、プラス一億円でございますか、これで地域で安心して高齢者の方々が暮らしていけないと思いますが、是非これからの予算獲得に全力で取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、国としての取組だけでなく、各都道府県の取組をお聞きしたいと思います。
 四十七都道府県、各都道府県の認知症対策がどのような状況に置かれているか、例えば各都道府県の医療計画にはどのような認知症対策が書かれているのか、例えば認知症というワードが各県でどの程度出ているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
#38
○国務大臣(塩崎恭久君) 各都道府県で医療計画を作っているわけでございますが、この中で、都道府県が定める医療計画において、平成二十五年度から始まる第六次医療計画から、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の四疾病に加えまして、認知症も含めた精神疾患の医療の確保について定めるということとなりました。この精神疾患の中に認知症が入っているわけでございますが、厚生労働省としては、認知症について、必要な医療を提供できるような医療提供体制の構築を目標とすべきことなどの指針を示しておりまして、各都道府県に対して、都道府県においてはこの指針を踏まえて医療計画を策定することとされております。
 現在、都道府県が策定した全ての医療計画において認知症に対応した医療提供体制が記載はされており、地域の実情に応じた施策が行われているものと考えられますけれども、これを定量的に把握や評価するまでには残念ながら至っていないので、今後、把握に向けて努めてまいりたいというふうに思います。
#39
○石井みどり君 是非、指針は出ている、指針を出したんで終わりではなく、本当にどういうふうに取り組んでいるかというのをきちんと都道府県における計画の中でも検証をしていただきたいと思っています。少なくとも、先ほど申し上げた認知症疾患医療センターの整備状況を見ても、これは都道府県格差が出ているはずなんですね。そうなると、相当、認知症対策の実施体制は格差があると思いますが、少なくとも、指導だけでなく、通知を出すだけでなく、もっと具体的にきちんとこれが進むようにお願いをしたいと思います。
 現在、各市町村で策定が進められています第六期の介護保険事業計画あるいは都道府県の支援計画にどれぐらい認知症に関する記載と実践を求めておられるのでしょうか。
#40
○国務大臣(塩崎恭久君) 認知症施策の地域間格差でございますけれども、現在十分に把握できていないというのが正直なところでございますけれども、厚労省としては、PDCAサイクルの考え方に基づいて認知症を含めた医療計画の取組を着実に進めるように仕向けるというか、そういうことで、都道府県担当職員を対象にいたしまして都道府県内の状況分析やその評価手法についての研修会を実施しているところでございます。
 介護保険については、平成二十七年度から始まる第六期介護保険事業支援計画に関する基本指針において、認知症の早期診断等を行う医療機関の整備、かかりつけ医、病院従事者に対する認知症対応力向上のための研修を実施すると。それから、認知症サポート医、お医者さんですね、の養成について各年度の具体的な計画を定めるように都道府県に依頼することとしているところでございます。
#41
○石井みどり君 ちょっと聞いていて、是非、都道府県の方も、研修のみならず、都道府県でそういう政策を立案する人材が、武見先生、今いらっしゃいませんが、武見先生も度々指摘されています。都道府県でそういう人材、医療政策をきちんと立案していく人材、はっきり申し上げてなかなか不足をしております。ですから、その辺も、通知を出すあるいは研修会をするではなく、本当に実効的な政策が進むように、都道府県にきちんとそこのところを御指導いただきたいと思います。
 先ほど私は、国家戦略が要ると、そして国民的課題だというふうに申し上げましたが、先ほども申し上げた、きちんと科学的にデザインされたデータが必要だとも申し上げましたが、これに関しましても、私は民主党の野田総理に予算委員会でもお尋ねしたことがございます。認知症有病率の正確な把握というのが必要であると思っております。
 その後、野田総理に御質問した後、二〇一二年、厚労科研の「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」という研究が出ました。筑波大の朝田教授を中心とした研究でありましたが、これで初めて全国の推定有病者数が四百六十二万人という数字が出ました。しかし、このデータの調査地域は、つくば市、福岡市、これは久山町というんですか、それから大牟田市等であります。東京などの大都市が入っていないんですね。東京や名古屋、横浜あるいは博多、福岡市というような大都市が欠落しているのであります。
 私は、やはりこういう大都市のデータもなければ本当のデータとはならないのではないかと思っておりますが、今後、こういう全国的なデータ収集に関してどういう方策をお取りになるのでしょうか。
#42
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、有病率のお話が出まして、認知症施策を推進するに当たっては、我が国における認知症の有病率など、その実態を正確に把握をしないといけないという、今正確ではないというお話がございましたが、まさにそのとおりだと思います。
 現在、利用可能なデータに基づきますと、認知症の有病率は六十五歳以上の高齢者の約一五%と推計をされていて、これに基づき、認知症高齢者数は平成二十四年度で全国約四百六十二万人と推計をされております。認知症の有病率の調査に当たりましては、訓練された調査員による問診検査や医師の診察を経た上で、最終的に参加者の頭部MRI等を使って認知症の診断を行っております。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
 今後とも、より正確な推計を行うための方法について、専門家の御意見も踏まえながら、先生御指摘のように、より正確な有病率の把握ということに向けてやっていきたいというふうに思います。
#43
○石井みどり君 大都市が抜けていると申し上げたんですね。それに対してどう方策を取られるか、お答えがなかったんですが、これは非常に難しい研究だと思います。是非そこを、まずは基本となる調査、これが政策立案の根底でありますので、お願いをしたいと思います。
 先ほど、各国が認知症政策に取り組んでいるということで、昨年一月、認知症国家戦略に関する国際政策シンポジウムが、これは我が国で開かれました。そして十二月には、日本で認知症日米戦略カンファレンスが開かれました。諸外国においてもこの認知症対策というのは考え方の根底は同じでありまして、全て施設というわけにはいかず、地域で暮らしていただくためには、早期発見、研究開発、介護への対応が必要という考えであると認識をしています。
 我が国の認知症に関する専門医、先ほど専門医のお話も出ましたが、全国で老年精神医学会認定専門医が七百三十七名、日本認知症学会専門医が八百二十五名という状況であります。まさに専門家の育成が急務であると考えますが、ここをどのようにお考えでしょうか。
#44
○国務大臣(塩崎恭久君) 専門家の育成、極めて大事でありまして、認知症の方が地域で安心して暮らしていただくためにも、早期診断、早期対応が何よりも大事であります。
 その鑑別診断ができる認知症の専門医につきましては、認知症疾患医療センターあるいは認知症初期集中支援チームの中で重要な役割を担ってもらっているところでございますが、今お話がありましたように、専門医としてそれぞれの学会、老年精神医学会あるいは認知症学会が八百三十五名、先ほどの老年精神医学会は七百三十七名でありますけれども、まだまだ足りないということでもございますので、専門家を育成するための体制を更に整備をするようにしていかなければいけないなというふうに思います。
#45
○石井みどり君 それでは、地域包括ケアシステムについてお伺いをしていこうと思います。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
 地域包括ケアシステムが成り立つためには、まさにこの認知症に関しても認知症疾患の本質を正確に認識し、そして介護に偏重せず、早期診断、早期介入から始まる医療と介護、そして施設と地域ケア、両方大事でありまして、その両者をシームレスでつなぐ循環型医療・介護システムの確立が必要だと考えています。医療も介護も必要、地域も施設も大事であります。
 先ほども申し上げましたように、医療から介護へ、あるいは施設から地域へというスローガンは、それぞれ不可分なケア相互の補完性をこれは軽視をしており、シームレスな医療と介護の連携を阻害する可能性があることが懸念をされています。すなわち、認知症に対するニーズの増大とサポート力の低下の状況にあっては、その質の向上と効率化を図りながら、入院医療と地域医療・介護との連携を図る循環型医療・介護連携システムが求められています。
 では、二次医療圏と老人福祉圏域について、先ほど、本年六月成立しました法律の中でも、医療・介護総合確保推進法の一部である医療・介護総合確保促進法に基づく医療介護総合確保方針を検討する医療介護総合確保推進会議の中でも、この二次医療圏と老人福祉圏域については議論をされています。地域医療介護総合確保基金とも関係する医療介護総合確保区域においては、これら三圏域は一致させることが望ましいという議論がございました。また、先般成立しました改正医療法に基づく地域医療構想に関する検討会の資料の中でもこのことは言及されていますが、昨年の社会保障プログラム法以来、私としては議論が必要だと考えていることがございます。
 それは、今障害者の方々も高齢化していっています。少子化に伴って先天性の障害者の方の出生は減っています。しかし、高齢化ということで後天的な障害、生活障害みたいなものをお持ちである方は非常に増えています。まさに障害者の方も高齢化をし、そして障害者の方は医療が必要とする方がたくさんいらっしゃいます。であるならば、障害保健福祉圏域も私は一致させる必要があると考えますが、これはまだ与党の中でもこの視点での議論はされていません。
 そして、地域包括ケアシステム、これは日常生活圏域、これは医療圏域の約十五倍から二十五倍であります。現在は約十五倍ですから、中学校区と合わせるならば二十五倍になるわけでありますが、この論点においてもまだ議論がされておりません。
 現場の視点に立ちますと、住民の方がどこに住んでどう動いて、そしてそれに応じてどんな医療や介護や福祉が必要で、そしてそのことを一体として取り組むための地域、エリアを考えていく必要があると思っています。
 地域における限られた医療や介護の人材、資源の有効な活用の観点からも、総合的、抜本的に圏域を見直すべきだと思いますが、大臣、どのようにお考えですか。そして、これは厚労省のみならず、総務省、国交省、地方創生本部とも十分な議論が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#46
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、石井先生御指摘のように、二次医療圏と、それから老人福祉圏域と、それから障害保健福祉圏域、この三つの圏域を一致させていくということは、医療、介護等の提供体制の改革をこれから一体的にやろうというわけでありますから、都道府県や市町村が策定するこういった様々な計画の基礎となる圏域の整合性を図っていくということは極めて重要な問題提起であると思っております。
 御指摘の三つの圏域について、現在でも大半の都道府県においては一致をしていまして、四十一都道府県が、四十一が一致をしているわけでありまして、今後、都道府県が策定いたします医療計画、介護保険事業支援計画、そして障害福祉計画の策定サイクルが一致をいたします平成三十年度以降を見据えて、地域の実情に見合った整合的な圏域設定について、都道府県の御意見も伺いながらよく研究してまいりたいというふうに思います。
#47
○石井みどり君 平成二十二年の厚生労働科研で、これは二〇〇三年に愛知県で六十五歳以上の健常者四千四百二十五名を対象に調査をし、そして四年間追跡調査をした研究でありますが、これによりますと、歯を失うと認知症リスクが一・九倍というデータが出ています。
 歯科医療も認知症の予防的役割を果たしますが、認知症政策の一環として、地域の医療資源の有効活用という意味で歯科医療の果たす役割、位置付けをどのようにお考えでしょうか。そしてまた、国として、認知症政策の一環としての歯科医療の充実をどのようにお考えか、具体的にお示しをいただきたい。これは橋本政務官にお願いいたします。
#48
○大臣政務官(橋本岳君) 今御指摘がありましたように、歯及び口腔の健康を保つことは、例えば口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防でありますとか、そうした形で全身の健康にもつながるということはもう既に広く指摘されているところでございますし、先ほど御指摘をいただきました研究によりまして、歯を失うと認知症のリスクが一・九倍にもなるんだというような結論が出ている研究についても承知をしているところでございます。
 現時点においてどうしているかということですけれども、認知症施策のうち、認知症発症の初期段階から医療と介護の専門職がチームとなって支援を行う認知症初期集中支援事業におきまして、口腔ケアの観点から、チーム員となることができる国家資格の一つとして歯科衛生士を位置付けておりますとともに、チームはかかりつけ歯科医との連携や情報の共有を図ることとしております。
 平成二十三年に施行されました歯科口腔保健の推進に関する法律におきましては、国は、介護を必要とする高齢者等が定期的に歯科検診等を受けることを促進するための施策を講ずるものとされておるところでもございまして、先ほど御指摘をいただきました研究等の結果なども注目をしながら、今後とも高齢者等の歯科口腔保健の推進に努めてまいりたいと、このように考えております。
#49
○石井みどり君 どんどん時間がなくなって、少し通告をした質問を割愛をさせていただきます。申し訳ございません。
 今、隠れ介護が非常に増えていると言われています。そして、総介護時代の到来も叫ばれています。生産年齢人口の減少による地域介護労働力の低下、高齢者夫婦のみの世帯、高齢者の単独世帯も増加し、家事を担ってきた女性の就業率上昇による家庭の介護力の低下などにより、地域あるいは家庭における介護は困難となりつつあります。特に家庭の介護負担は過酷となりつつあります。
 介護をしながら働いている企業人の中で、企業が把握していない人数が一説によると一千三百万人いるとされ、そして年間十万人が介護離職していると言われています。総務省が行っている就業構造基本調査の最新データ、平成二十四年の結果では、介護をしている雇用者は二百三十九万九千人、そのうち介護休業等制度の利用ありの者は三十七万八千人という結果が出ています。
 労働政策ですので山本副大臣にお伺いしたいと思います。まずは、企業が把握していない分も含めてトータルでどのぐらいの方々が介護をしながら働いているかという計量的データが必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。
#50
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の問題については答弁いたしますが、ちょっと関連で、先ほど、二つほど訂正をさせていただけたらと思いまして。
 専門医の数で認知症学会を私、八百三十五と言ったようでありますが、八百二十五の間違いです。先生は八百二十五とおっしゃっていました。
 それから、さっきの三つの圏域について、一致を三つともしているというのが四十一と私申し上げましたけれども、三十一の誤りでありましたので、おわびして訂正をいたしたいと思います。
#51
○副大臣(山本香苗君) ただいまおっしゃっていただきましたとおり、総務省で五年ごとに実施している就業構造基本調査、これで介護をしながら働いていらっしゃる方の有業者数というものは把握できるわけでありまして、おっしゃったとおり、約二百九十一万人となっております。
 これは約百万人を調査対象とした世帯調査でございまして、企業が把握できていない有業者の介護の従事者の有無も含めて把握できる調査であることから、計量的なデータとして大変参考になるものと考えております。
 今御指摘なさいました隠れ介護、一千三百万人という数字につきまして、詳細は存じ上げておりませんが、後でしっかり読ませていただきたいと思っておりますけれども、千三百万人と言われなくても、この二百九十一万人という数字そのものも決して少なくない数字であると認識しております。
 しっかり、こうした介護離職防止のための仕事と介護の両立支援として、厚生労働省挙げて頑張っていきたいと思っております。
#52
○石井みどり君 隠れ介護と申し上げたのは、介護の休業制度、これはもう法律的には認められているものでありますが、年間九十三日、そして介護休暇に至っては、二親ですから年間、五掛ける二で十日というふうに認められております。これはもう既に法律上あるものでありますが、しかし実態は、これを利用しないで追い詰められて、そして離職に至るという方が多いのではないか。これはなぜ介護支援制度を利用しないのか。例えば、様々な理由があると思います。例えば、人事考課に影響が出るだろうという懸念もあるでしょうし、様々な理由で利用されていないと思います。そういう実態を調べる必要があると思っています。
 企業は、法律ができるとすぐさま就業規則は変えます。就業規則にはきちんと盛り込みますが、しかし、就業規則に書いただけでは、利用されていないという実態に対して、企業風土を変えていくということも必要でしょうが、もっとここのところを労働政策としてきちんと介護との両立ができるような、そういう支援制度にしていくべきだと思いますが、使い勝手が悪いとも言われています。その辺をどうお考えでしょうか。
#53
○副大臣(山本香苗君) 重要な御指摘、ありがとうございます。
 ますます、離職せずに仕事と介護が両立できる環境整備というのは、今まで以上に重要になってくると思っております。
 従来やっているような施策といたしましては、それをきっちり、今取得なかなかされないという話でありましたけれども、取得していただけるように、育児・介護休業法の周知徹底や好事例の周知をしております。また、シンポジウムや表彰も実施しております。そして、今年度、企業における仕事と介護の両立モデルの導入、これ百社ぐらいでやっているものでございますが、こうした実証試験の実施等の取組を行わせていただいているところであります。また、多様な働き方というものもこれに資するものでございますので、介護等の事情を抱える働き手のニーズに対応したフレックスタイム制の見直しの検討もしております。また、テレワークの導入に取り組む企業への相談事業や、また、関係省庁と連携した介護等と仕事を両立できるテレワークモデルを構築するための実証事業等の取組をさせていただいているところであります。これらの施策を総動員させていただきまして、しっかりと仕事と介護の両立が図れるようにしてまいりたいと思っております。
 御指摘ありがとうございました。
#54
○石井みどり君 まさにおっしゃるとおりで、多様な働き方を認めるというか、そういうことが必要だと思っています。
 安倍政権は女性の活躍推進を掲げておられますが、一方で、厚生労働省としての政策は在宅介護を奨励されています。まさにこれ政策矛盾ではないかという指摘を受けないためにも、きちんと、短時間勤務であるとか、今おっしゃったフレックスタイム制とか、あるいはテレワークとか、そういう柔軟な働き方。ただ、日本は長い間、長時間労働という、長時間勤務が企業風土としてある、そういうところも是正をしていく、きめ細かな労働政策の支援が必要だと思いますので、お願いをしたいと思います。
 もう時間がありませんので、最後に、六月十八日に、先ほど申し上げた地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律が成立をいたしました。そして、本法には改正医療法も入っております。
 これを受けて、医療事故調のガイドライン策定に向けて、診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班が現在検討を行っておられます。この研究班の議論が迷走し、混乱が起こっているという報道もございました。特に、十月一日のこの研究班の会合では看過できない議論の混乱があったと認識をしています。
 何かと申しますと、改正医療法で届出の対象とされている予期しなかった死亡は医療に起因するものだけであり、管理に起因するものは除外をされています。今回の改正医療法の予期しなかった死亡は、元々は医療法施行規則の、行った医療又は管理に起因した死亡との文言が出発点であり、この文言が修正された後、医療事故に係る調査の仕組み資料中では、対象となる医療事故は、医療機関に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、と説明をされ、法律上では管理は対象外となっております。
 我が国は、言わずもがなでありますが、法治国家であり、行政は法治主義でなくてはならないと思います。今回の法律に管理が含まれるなどというのは法律を逸脱すること甚だしく、言語道断であります。万が一、厚生労働省によって管理が医療に含まれるという暴論が述べられた場合は、これは法律上あってはならない解釈であり、私は、厚生労働省の責任問題につながる曲解であると思っています。
 そこで、二川医政局長に改めてお聞きいたします。
 厚生労働省内で予定されている医療事故調査制度の施行に係る検討会、これから行われるわけでありますが、ここにおいての議論においては、これからガイドラインや省令をこの議論で策定されるわけでありますが、改正医療法にのっとった内容にすべきであると思いますが、いかがでしょうか。
#55
○政府参考人(二川一男君) 厚生労働省におきましては、改正医療法に基づく医療事故調査制度、平成二十七年十月一日の施行に向けまして、医療事故の考え方、それから医療事故調査に関する事項などを省令、告示及び運用のためのガイドラインを定めていくということにしてございます。
 このため、今後、委員御指摘のとおり、厚生労働省におきまして検討会を設置してまいる予定でございますが、御指摘のとおり、改正医療法にのっとって省令等を定めていく予定でございます。
#56
○石井みどり君 改めて、医療と管理の明確な区別について、改正医療法にのっとった御説明をお願いしたいと存じます。
#57
○政府参考人(二川一男君) 医療事故調査制度の対象は、今回成立いたしました改正医療法におきましては、「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたもの」と、こういうふうに法律上規定されているものでございます。
 したがいまして、本制度で対象となる事案は、医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産でございまして、それ以外のものは含まれないというところでございます。
#58
○石井みどり君 再度確認します。管理は含まれていないですね。
#59
○政府参考人(二川一男君) 繰り返しになりますけれども、あくまで法律上は医療に起因し、又は起因すると疑われるものということでございますので、単なる管理というものは含まれてございません。
#60
○石井みどり君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
#61
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。引き続き、本委員会の理事、十年目を迎えます。よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、九月三日に内閣が改造されました。前任の田村大臣につきましては、派遣業界に対しかなり緩い面がありましたが、それ以外の分野については非常に勉強もされておりましたし、答弁もほとんどノー原稿でやられておりました。難しい立場におられながらも、官邸に対して厚労大臣として主張すべきは主張してこられた、私はそのように認識をしております。率直に評価をしております。恐らく、厚生労働分野に関し、政務官や衆議院の委員長あるいは野党筆頭理事など、まさに専門的な取組を続けてこられたことが背景にあるというふうに思っております。
 今度の塩崎大臣の場合は、御本人もおっしゃっておりますように、参議院の旧厚生委員会に所属をされていた時代が三年間程度おありだということですが、それ以外はほとんど当委員会以外の分野でございます。大蔵政務次官とか外務副大臣とか、さらには内閣官房長官、衆議院では法務委員長ということで、かなりばらばらな経歴をお持ちでございます。同時に、安倍総理のお友達ということで、官邸の距離の近さ、これは厚生労働大臣としては余り近いのはウエルカムじゃないんですね。遠い方がいいわけです。これは余り評価に値しない。
 そういう中で、産業競争力会議、ここが横紙破りを再三やっております。ここの提案に対して厚生労働大臣の立場で、これはやっぱり国民のためには良くない、私は、塩崎は体を張ってここと闘っていくんだという覚悟を示していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#62
○国務大臣(塩崎恭久君) 津田先生にはこれからいろいろまた御指導いただかなきゃいけませんし、確かに田村前大臣はこの厚生労働分野をずっと一気通貫でやってこられた、そういうお方でございます。
 私も、実はかつて安倍総理とそれから根本前復興大臣と三人、あと石原さんもそうですが、四人でNAISグループというのをつくっていましたが、皆、実は社会部会長になりたくて、唯一、安倍総理だけが部会長になれたということで、我々は残念な思いをして、せいぜい副部会長とかその辺で我慢をいたしましたが、そういうことで、気持ちはいつも厚生にあったわけで、今は厚生労働でありますけれども、ということで、是非ひとつ胸を借りて、津田先生にもいろいろと御指導いただきたいというふうに思うわけでございます。
 産業競争力会議については、これは総理のお考えでつくられたものだと思います。まず、経済最優先というのが安倍内閣の言ってみれば大黒柱の政策であって、それの中核を成すものとして行われました。それぞれ専門家がやっておるわけでありますから、それはそれとして聞きますが、私も今、厚生労働大臣という立場を頂戴した以上は、この目的も使命も責任もやはり厚生労働行政の実現のためにやるということでありますから、是々非々でやっていくのは当然のことであって、安倍さんに近いとか遠いとかいう問題とは全くレベルの違う話として、国益のために、そして厚生労働分野の、やっぱり国民が納得できるような形で、是々非々で私もやっていきたいというふうに思っております。
#63
○津田弥太郎君 よく言ってくれました。
 是々非々で対応する、言うべきはしっかり言うという決意を表明していただきましたので、今後その言葉どおりに行動していただくことを期待申し上げたいと思います。
 今国会は雇用国会であります。最大の対決法案、言うまでもなく労働者派遣法であります。また、その前に有期契約特措法案の審議も予定されているわけでありますが、この両法案、これは私の政務官時代に自民党、公明党も賛成をして行った法改正、これにある面では逆に、逆行する、穴を空けるものでございます。本当に苦労して労働者保護ルールをつくってきました。派遣労働や有期労働が拡大されるというのは、これはまさに逆行する話なんですね。私は大変怒りを感じておるんですが。
 慶應義塾大学の樋口先生に私、座長を務めていただいて、厚生労働省として望ましい働き方ビジョンというのを作らせていただきました。そこでは、雇用の在り方として、期間の定めのない雇用、直接雇用が重要と明確な位置付けを行いました。その上で、正社員の定義を三点、一、労働契約の期間の定めはない、二、所定労働時間がフルタイムである、三、直接雇用であるというふうにした上で、正社員への転換を促進することを改めて確認をいたしたわけであります。
 そこで、塩崎大臣に伺うわけでありますが、大臣にとって雇用の原則、これは期間の定めのない直接雇用ということでよろしいですね。
#64
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から正規雇用とはということで三つの条件をおっしゃっていただきました。それはそれとして、私としては、この雇用の原則について申し上げれば、期間の定めのない直接雇用、今先生がおっしゃった、これを希望する方にはやはりそのような働き方を実現していくことが基本でございます。そしてまた、それ以外の働き方を希望する方々に対しても公正な処遇が行われるようにすることが極めて大事であって、先ほど派遣法のお話が少し出ました。
 これについてはまた改めて審議をお願いする際にしっかり議論をさせていただきたいと思いますが、時代は随分変わって、ニーズも変わり、そしてまた、今女性の活躍を我々安倍内閣としても全面バックアップをしていくということで今様々な施策、そしてまた今国会でも新しい法律をお諮りをするわけでありますが、そういう、女性が子育てをしながら、あるいは結婚しながら、子育てをしながら働くという場合の働き方なども含めて、様々な方々が様々な思いで働きたいと思っていらっしゃるんだろうと思います。
 そういう意味で、今のようなことで、それぞれ身分がしっかりと守られて、働く者の権利も守られるという中で、それぞれの人生にとっての最良の選択肢が選べるようにできるようにしていくことが大事かなと、こんなふうに思っております。
#65
○津田弥太郎君 ちょっとぼかした言い方をされたわけでありますが、私が申し上げました雇用の在り方として、期間の定めのない直接雇用、これ、そうじゃない雇用というのは様々な問題点があるということでこれまで悲劇が起きたわけであります。リーマン・ショックのときに起きた悲劇、これまさに雇用と使用の分離をすることによって誰も責任を取らない日雇派遣というものが生まれ、景気の状況によってその人たちが見捨てられてしまうという、これまさに間接雇用の重要な欠陥というふうに言えるんではないかなというふうに思うわけでありまして、大臣、そこはしっかり押さえていただきたいというふうに思います。
 続けてお尋ねをします。
 昨年十一月の産業競争力会議雇用・人材分科会において長谷川主査が正式に提出した資料にこういう記述があります。
 世界でトップレベルの雇用環境・働き方イコール多様で柔軟な選択肢を持った雇用システムの構築、これを実現していくためには、経済政策と労働政策を一体的に捉えて幅広い視点から、ここからです、労使の利害調整の枠を超えた多様なステークホルダーの意見を反映できる労働政策の基本方針策定の仕組みの検討も必要である。
 これ、この言葉を素直に読めば、労働政策審議会の枠組みを否定するものというふうに言えるわけでありますが、大臣、この長谷川主査が出されたこの意見に賛成されますか、どうです。
#66
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の産業競争力会議の長谷川主査のペーパーでありますが、御指摘のような資料が会議に提出されたことはもちろん私たちも分かっているわけであります。
 しかし、いずれにしても、この労働法制の見直しなど労働政策に関する重要事項については、現場を熟知した労使の参画を得て議論を尽くすという観点から、公労使の三者で構成される労働政策審議会、いわゆる労政審、これで十分に議論をしていただくことが我々にとっても重要だというふうに考えているところでございます。
#67
○津田弥太郎君 大臣の言い方は、この産業競争力会議が何を言っても、労政審でしっかり結論が出たものについては検討するが、産業競争力会議の言うことは無視すると、そういうふうに理解していいですね。
#68
○国務大臣(塩崎恭久君) 無視をするのは大変どなたにも失礼でありますが、しかし、厚生労働省は労政審を基本にして、ここで審議をして政策をつくっていくというのが、労働政策についてはですね、ということがステップでありますので、ここで十分議論をしていくことが極めて重要だということで、それを基本としてまいりたいというふうに思います。
#69
○津田弥太郎君 分かりました。
 それで、この長谷川さんですね、産業競争力会議の。これ、出身が武田薬品工業。何か臨床研究のデータ捏造で今アメリカでえらい多額の損害賠償を求められていて、先般、産業競争力会議の民間委員から外れたというふうに、まあ結構なことだと思うんですが。この産業競争力会議において、この長谷川さん、あるいは憎き竹中平蔵、これが中心になってごり押しをしてきたいわゆるホワイトカラーエグゼンプション、六月の閣議決定に盛り込まれたわけであります。既に労政審で議論がスタートしてしまいました。
 この制度は、残業代ゼロ法案あるいは過労死促進法案として世論の総スカンを食って塩崎官房長官時代に国会提出を断念したいわく因縁の法案であります。塩崎大臣は十分承知をされていると思います。これはもうやめようというふうに判断されないで、またしても出される。これ、極めて前向きの姿勢を示されているわけで、極めて遺憾であります。
 この九月二十六日に厚労大臣補佐官に就任された菅原さんという女性、任命は内閣ですが、実際は塩崎大臣が行ったものでしょう。この菅原さんは、直前までこの産業競争力会議の事務局として長谷川氏や憎き竹中平蔵を支え、ホワイトカラーエグゼンプションなどを推進してこられた張本人であります。
 塩崎大臣は、資産報告書によると、長谷川氏が現在も会長を務める武田薬品工業の株式、前回の総選挙時点で何と三千六百三十株保有されているという報道がございます。
 竹中平蔵については、橋本政務官は平成十八年の予算委員会でこういう発言しているんですね。
 今を去ること十数年前、私が大学に入りまして最初に受けた授業が竹中先生の経済学の授業でございました、先生の教えもあって、こういうような立場にならせていただいたこともあろうかと思います。
 どうなってるの。これ、厚生労働省が産業競争力会議の別働部隊になるんじゃないかということを私は大変心配であります。
 これ、こういう状況の中で、岡崎局長に聞きたいんですが、そもそも労働時間規制の目的、それから休日労働、深夜労働などの割増し、これはどういう意義を持つのか、御説明ください。
#70
○政府参考人(岡崎淳一君) 労働基準法で労働時間の規制がございます。週四十時間、一日八時間でありますとか、あるいは毎週一日の休日等でございます。これらにつきましては、労働者の心身の健康の確保、それからゆとりある生活を実現していただく、そういうことから最低基準として定められております。
 そして、その法定労働時間あるいは法定休日に働く場合につきましては、労使間の協定の締結と届出、そして今先生から御指摘のありました割増し賃金の支払を義務付けております。これらにつきましては、法定労働時間あるいは法定休日の原則を踏まえながら、それを超えて働く場合につきましての労働者への補償、あるいは法定時間外労働を抑制する効果を含めてそういう制度があるというふうに認識しております。
#71
○津田弥太郎君 数多いILO条約の中で、一九一九年に採択された第一号、これが一日八時間、労働時間規制であるということ、これはしっかり我々は思いを致す必要があると思うんです。
 日本労働法学会の代表理事を務めた筑波大学名誉教授の渡辺先生の著書にこのような記載がございます。
 労働時間が長引けば人の社会的遊びの時間がなくなり、友人と会い、読書をし、自分と向き合い、能力を高め、親交を深め、慈善活動に参加し、趣味を楽しむ時間を持てない。一番の問題は、家族と交わる時間がなくなることであろう。労働に時間を使い切って足りないときは、人は休息の一部を回すほかない。少ない睡眠時間が蓄積すれば健康が害される。企業にはその限界を試みる権利はない。
 このように申されているわけであります。
 事ほどさように、この労働時間の問題というのは重要なんですが、使用者が労働者の労働時間を把握することについて、現行法では明文の規定がないんです。告示に定められているのみ。まずはこの告示で使用者に課せられている措置を労働基準法上の義務として法文化した上で、当該義務違反には厳しい罰則を設ける、そのことが、この労働時間法制を今後大臣が議論されたいというふうに考えるなら、まずそれからやれよと言いたいわけでありますが、いかがでしょう。
#72
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、岡崎局長からも申し上げたとおり、労基法の基本を踏まえなければいけないというふうに思うわけでありまして、そういう意味では、先般も過労死等防止対策推進法が成立をして施行になるわけでありまして、喫緊の課題となっている長時間労働の削減というものを我々としては真剣に取り組まなきゃいかぬというふうに思っております。
 ということで、厚労省にも、私が本部長となります長時間労働削減推進本部というのをつくりまして、企業に対する指導監督の強化、それから働き方についての問題が出る、この働き過ぎというものを防止することについて、省を挙げて今取り組んでいるところでございます。
 こうした取組を前提に、現在、労使の代表が参画する労政審、ここで労働時間法制の総合的な検討を進めているわけでございまして、検討の中では、いわゆる時間ではなくて成果で評価される新たな労働時間制度について対象者の健康確保のための措置も含めて議論する、それから、長時間労働の抑制あるいは年次有給休暇の取得促進策を図る制度の在り方についても議論しているわけでございまして、一体的に結論を得た上で次期通常国会で御議論を賜りたいというふうに考えているところでございます。
 先ほど、産業競争力会議の別働隊になるんではないかというお話がありましたが、そんなことは決してないわけであって、我々は厚生労働省を預かる身として、働く方々のためになるように、そして身分を守っていくということが大事であり、同時に、しかし日本の発展にも資するようにということでやっていくというつもりでございますし、それから、先ほど補佐官の菅原さんのことがちょっと触れられていたので、彼女の名誉のためにも言わなきゃいけませんし、私が選んだということもございますので申し上げれば、彼女は、もちろん同友会の事務方としてずっと長らく働きをしてきて、そして政府にも、例えば公務員制度改革の事務局にも出向していたわけでございまして、様々な知見を持っているということで来ていただいているわけで、我々は、たとえ産業競争力会議が労働政策を提案したとしても、決めるのは厚生労働省で決めるわけでありますから、最終的には我々が先ほど申し上げたように是々非々で判断するということであり、また、補佐官はその際の私の補佐をするということでございますので、御心配には及ばないんではないかというふうに思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#73
○津田弥太郎君 私の質問に答えてくださいよ。
 労働時間把握の義務さえない中で、新たな労働時間の規制緩和など議論できる余地はないでしょうと。過労死防止対策推進法に基づく対策を行えないですよ、労働時間把握の義務がしっかり使用者に課されていなければ。ですから、これを、労働時間の把握義務は法律に明記をした上で様々な提案をしていきますと、そのことをちゃんと言ってください。
#74
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げましたように、労働政策の策定の基本は労政審で議論して、様々、公、労それから使の御意見を聞きながらやっているわけで、今先生御指摘の労働時間の把握の問題についても、今申し上げたように、長時間の労働抑制の中でただいま議論をしているところでございます。
#75
○津田弥太郎君 今後またしっかり議論していきたいと思います。
 時間が限られているので、次の質問に移らせていただきます。
 過労死促進制度になるんですよ、次の国会で提案されようとしているのは。だから、そのことはしっかり心して、出すなら出してこいよと言っておきます。
 これ、文字どおり命と健康に直結した危険ドラッグの問題を取り上げたいと思います。
 大臣も所信のときにお述べになりました。六月の池袋の事故、これは記憶に新しいところでありますが、一月には香川県の善通寺で小学校の女性が亡くなり、五月には長野県で若い消防士が危険ドラッグの、運転した運転手による暴走事故で亡くなっているわけであります。大臣もお会いをされたというふうにお聞きをいたしております。
 事故の巻き添えによる被害者とは別に、危険ドラッグの使用が原因で本人が死亡した事例、これ結構あるというふうに聞いているんですが、八月の衆議院の厚生労働委員会で警察庁から答弁された以降、数字がどのように変わっているか、教えてください。
#76
○政府参考人(樹下尚君) 本年中に都道府県警察における警察活動の中で危険ドラッグの使用が原因と疑われるものとして把握した死亡事案については、九月末現在で七十四人でございます。これらの死亡事案は、変死現場における危険ドラッグの発見、死亡する前の錯乱状況、関係者の供述などから危険ドラッグの使用が死亡の原因と疑われるに至ったものでございます。
 警察といたしましては、危険ドラッグの使用が原因と疑われる死亡事案を幅広く把握をし、危険ドラッグの乱用防止に向けた適切な対策を講じるよう努めてまいりたいと考えております。
#77
○津田弥太郎君 覚醒剤で死んだというのは少ないんですよね。だけど、この危険ドラッグでこんなに亡くなっている。すごい数字なんですよ。だから、今厚生労働省が薬事法の七十六条の六とかあるいは五十五条の二項などを活用して今までやらなかったことをやろうとされている、やっている、これは評価したいと思うんです。
 一方で、大臣もお会いなされたように、被害者の遺族にすると、これだけ大きな被害が生じても法律改正が全く行われていないと。今も危険ドラッグが平気で売られ、スマートフォンでも簡単に購入ができるわけです。そうしたことに対して社会の怒りが強くなっていると私は思っております。
 大臣は記者会見で、法改正よりもまずは現行法で徹底的な対応を行うというふうに述べられているわけでありますが、閣法を変えるということになるとかなりの慎重な検討過程が要りますから、時間が掛かる。
 そこで、野党各党が議員立法で作成作業を進め、先週の金曜日に全野党提出で衆議院に危険ドラッグ禁止法案を提出したわけであります。若干問題点もあると思います。罪刑法定主義の観点だとか政府の取締り権限の強化、あるいは公判が維持できるのかどうかとか、様々な問題があるということは理解ができるんですが、問題は、この議員立法について与党が厚生労働省にどうかというふうに聞いたときに、こんな野党の議員立法は無視しましょうというふうに言わないでいただきたいんですよ。大体そういうことを言う傾向が強いんです。
 何とか与党の皆さんとも協議をして、何とかこの危険ドラッグに対して効果的な対策が打てるような法改正を是非していただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
#78
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、この危険ドラッグがどれだけ社会に被害をもたらしているかというのは今の数値にも表れているわけで、本当に死亡者が七十四人ですか、出るということも、私自身も驚くような数字でございます。
 その上で、先生今お話がありましたように、政府としてもいろいろな対策を打ってきたことは先生の御指摘のとおりで、平成十九年の指定薬物制度の導入、平成二十五年の議員立法による麻薬取締官等に対する指定薬物の取締り権限の付与、本年四月の指定薬物の単純所持、使用の禁止など、政府及び与野党が知恵を出し合って今日まで対応を取ってきたところでございます。
 今お話がありましたように、野党全党が名前を連ねて議員立法を出していただいているわけでありまして、私も与党のときも野党のときも議員立法をたくさんやってまいった者として、そんなものはというようなことは決してあり得ません。
 そういうことで、この薬事法の改正案については、もちろん議員立法でありますから、我々政府から見れば、やはり議員間で議論してもらう、各党間で議論していただいて、そしてその協議を我々としても注視をしていきたいし、また必要な情報提供などもしっかりやっていきたいというふうに思っています。
 そして、与野党間で協議が調って成案が得られれば、施行責任を負う立場になるのが厚生労働省であるわけでありますから、実効性のある成案が得られるように、求められれば現場の実態についての御説明をするなり、何らかの知恵出しや情報は提供をどしどし前向きにさせていただいて必要な対応を図っていきたいと、このように思っております。
#79
○津田弥太郎君 ということで、厚生労働省は邪魔しないということですので、与党の皆さん、是非よろしく協議のほどお願いを申し上げたいと思います。
 九月の二十五日、宮城県警で、交通事故を起こした男性に危険ドラッグを販売したということで、仙台市の危険ドラッグの販売店を道路交通法違反の幇助の疑いで捜索をしたというニュースが流れました。幇助というのは、実行行為以外の行為で正犯の実行行為を容易にする行為であると、刑法六十二条一項で従犯とされるというふうに理解をしているわけでありますが、私は、薬事法違反の商品販売を行うサイト、これについても先ほどの道路交通法同様に、プロバイダー等を幇助に問うことができるのではないかと、そのように考えるわけで、法務省にお尋ねをしたいんですが、個々の事案については証拠関係によることは当然でありますが、もう私の方から言いますよ、一般論として言えば、プロバイダー等について幇助に問える余地、可能性はありますか。
#80
○政府参考人(上冨敏伸君) 一般論として申し上げますが、刑法六十二条一項の幇助とは、今御指摘がありましたとおり、実行行為以外の行為で、正犯の実行行為を容易にすることとされております。個別具体の事情によりますが、お尋ねのようなプロバイダー等について、その行為が薬事法違反の正犯の実行行為を容易にするものであれば、薬事法違反幇助の罪が成立し得るものと解されます。
#81
○津田弥太郎君 という答弁でございますから、大臣、是非適切な対応をしっかりお願いしたいと思います。
 九月の十九日、消防庁が、危険ドラッグを吸引した疑いで緊急搬送された人が二〇〇九年一月から今年の六月までに、少なくともですよ、少なくとも四千四百六十九人。すごい数字です、これ。これ、すごいことですよ。四千四百六十九人。
 私は、昨年、本委員会で、東京都荒川区の自殺対策を紹介をしました。自殺者の四人に一人が過去に自殺未遂歴がある。自殺未遂で緊急搬送された際に、単に医療機関でけがの手当てや胃の洗浄を行うだけではなくて、精神科医やケースワーカーと連携を行って自殺に至る根本的な原因を解決する、これが大きな成果を上げているということであります。したがって、この危険ドラッグについても、現在は緊急搬送された際に医学的な緊急の治療を行うだけでお帰りくださいということになっているわけで、これはやっぱり総務省や医療機関と連携することで依存症対策や再発防止と結び付けていくことが重要だと考えるわけですが、大臣、いかがでしょう。
#82
○国務大臣(塩崎恭久君) 危険ドラッグを含む薬物によって救急搬送された方への対応においては、一般救急と精神科との連携というのが極めて重要であるということは先生御指摘のとおりだと思っております。このため、危険ドラッグの使用による急性期の中毒症状への対応に関しては、一般救急で受け入れる場合でも、精神科救急医療体制整備事業において精神科を有する病院の受入先を調整するなど、精神科救急との連携を今でも図っておることはおるわけでございます。
 今後、先生御指摘のように、救急と依存症対策、これをどう結び付けるかと、あるいはそれをどう結び付けてそれを強く進めていくかという観点からは、例えば救急からの退院時に依存症の治療を行っている精神科病院の受診を促すといったことなどの対応が取られるように、自治体を通じて救急医療機関にお願いをしたいと考えているところでございます。
 以上のような取組を通じて、今後とも依存症対策の更なる推進を図ってまいりたいというふうに思います。
#83
○津田弥太郎君 是非しっかり進めていただきたいと思います。
 次のテーマに移ります。
 先ほど福岡議員も触れましたGPIFです。
 大臣の大好きなGPIFでありますが、大臣に就任されるという報道でもう株価が上がるという、これ異例の事態です。今まで誰が厚労大臣になっても株価が上がるということはなかった。公的年金積立金の運用で株式の比率が高まるのではないかという期待感があったということだろうと思います。
 このGPIFのガバナンスに関する法改正、先ほど福岡議員との質疑の中でも触れられておりますが、これ法改正は来年の通常国会。しかし、ポートフォリオの早期の見直し、これについて運用委員会による検討が進められているということでございます。一方で、労働組合の連合などは、公的年金の積立金は厚生年金保険法等の規定に基づき、専ら被保険者の利益のために長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持すべきということで、リスク性資産割合を高めることに対しては問題を指摘をしているわけであります。
 現在、運用委員会は、事実上労使代表が一名ずつ加わっていることは確かでありますが、いわゆるGPIF法の第十七条には、委員は、経済又は金融に関して高い識見を有する者でその他の学識経験を有する者のうちから大臣が任命するというふうにされているだけであります。つまり、法律上は保険料を拠出している被保険者の代表としての位置付けはされていないということであります。
 ですから、この年金積立金の運用に関し、金を出している労使代表の存在をしっかり位置付けた上で、彼らが納得した上で見直しを行うというのなら分かる。やっぱりそういう手続をしっかり踏んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
#84
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、今の運用委員会、運用の専門組織でありますこの運用委員会に二人、拠出側というか、連合からの御推薦による方、それから経団連の御推薦の方とお二人入っているわけでありまして、確かに、これはGPIF法に基づいて、経済、金融等に優れた識見を有している方々から厚生労働大臣が任命をしておるわけでございます。こうした方からの御意見を踏まえて、基本ポートフォリオの検討が今行われているというふうに私は承知をしているわけであって、この考え方はやはり我々も共通に持っている認識で、拠出者としての声が反映をされるということは大事なことだというふうに思っておりますので、引き続きそういう考え方でいきたいというふうに思っております。
 なお、運用委員は、全力を挙げてその職務を遂行しなければならない義務とか、あるいは秘密保持の義務が課されておりまして、この義務に違反した場合は責任を負うことになっておりまして、大変厳格な仕事をやっていただくということで、労働界そしてまた経済界からも加わっていただいているということで、この考え方はこれからも同じように取っていくんではないかというふうに思います。
#85
○津田弥太郎君 是非、法律改正についても御検討いただきたいと思います。
 昨年、厚生年金基金、これも福岡議員からの質問がございました。この厚生年金基金、これ運営に行き詰まって、特に中小企業で構成されている総合型の基金、解散したくてもできない。で、だんだんだんだん損失が拡大をしていくというアリ地獄みたいな状況でありました。その状況を踏まえての法改正を行ったわけであります。
 何でこの年金基金の財政が悪化したのか。その原因を調べると、やっぱり五・三・三・二規制、塩崎大臣、覚えていらっしゃると思うんです。大臣は、平成七年十二月の国会質問でこの問題を取り上げて、まさに五・三・三・二規制撤廃に貢献をされたんです。逆に言えば、この年金基金の破綻によって上乗せ年金を受給できなくなった高齢者からは、塩崎大臣は恨んでも恨み切れない、そういう存在になっているわけであります。
 もちろん、この規制の撤廃で収益を上げたところもありますから、一概には言えないことも私は存じ上げておりますよ。しかし、この三階部分の基金にしても、あるいは今現在問題になっている一階、二階、それも、労働者にとっては何が何でも高い収益を上げてほしいというふうに思っているかな、私はそう思わないんですよ。自ら汗を流して稼いだ賃金が原資となっている以上、間違っても保険料が目減りするような運用だけはしてくれるな、そこが基本中の基本だというふうに考えるわけであります。
 大臣が年金基金に関する国会質問の際に、未公開株への投資の問題も取り上げたわけであります、そのとき。今じゃないですよ、その頃。これ、なに、GPIFが未公開株への投資が行われる可能性があるのか。現在、GPIFの運用は管理運用方針が定まっておりまして、このように書かれております。投資対象は国内の各証券取引所において公開された株式の銘柄とすると。これ、事前に事務方に確認しましたら、アクティブ運用も含めて未公開株は投資対象としては認めていない、その理由は安全性と流動性に問題があるという回答です。
 香取局長、この方針は見直しませんね。
#86
○政府参考人(香取照幸君) お答え申し上げます。
 未公開株を含めましてどういった投資対象を運用先にするかというのは、基本的には運用の多様化をどう考えるかと、現在の経済状況の中で安全、確実に必要な利回りを確保するという観点から、運用の多様化をどのように考えるかということの議論の中でされているということでございます。基本的な考え方は、大臣からも繰り返し御答弁申し上げておりますが、分散投資によりまして年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保する、この枠組みの中で分散投資をどのように行うか、その中で投資対象の範囲をどうするかと、こういう御議論だというふうに理解しております。
 いずれにしても、この問題は、運用に特化した専門機関でありますGPIFで議論をするということでございますので、今の段階で方針をどうこうということは、基本的にはこれはGPIFの中で今まさに議論されている運用改革の中で議論が行われているものというふうに考えております。
#87
○津田弥太郎君 はっきり答えてよ。だって、投資対象は国内の各証券取引所において公開された株式の銘柄とすると。これ、変える必要はないでしょう。そこだけ答えて。
#88
○政府参考人(香取照幸君) 一義的にはGPIFの御判断ということになりますが、現在の規定は、御指摘のように、基本的には市場で調達する株式ないしは債券で運用するということになっています。
#89
○津田弥太郎君 ということです。
 消えた年金のときにも問題になりました歴代の社会保険庁の長官、辞めた人も含めて、一期分の一時金を全部返還せいということをやりましたよ。今回も、もしこの対象を広げていく、株式投資を広げていって損失が被ったときに誰が責任を取るのか。この問題、必ず出てきます。
 塩崎大臣は、死んでからも責任を取りますというふうにおっしゃれますか。
#90
○国務大臣(塩崎恭久君) 日本は法治国家でございますので、法律にのっとってこの責任も決まっているというふうに考えております。
 年金積立金は将来の年金給付のための貴重な原資であって、厚生年金保険法等に基づいて所管大臣である厚生労働大臣の責任の下で運用が行われるということになっています。専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に、これも法律に書き込んでありますが、安全かつ効率的に行うということになっています。具体的な運用は、今話が出ているように、運用に特化した専門の法人であるGPIFに寄託をして、お願いをして運用をしてもらうと。GPIFにおいては、年金財政上必要な運用利回りを最小限のリスクで確保できるような受託者責任の下で運用をするということになっています。
 年金積立金の運用は長期的な観点から評価する必要がありますけれども、今先生御指摘のこの責任は、年金制度を所管する厚生労働省、そして最終的にはその長である厚生労働大臣が最終的な責任を負っているということでございます。
#91
○津田弥太郎君 責任を取るといったって、別に金出せとかそういう話にならないんですよ。だから、いろいろ課題があります。
 次に移ります。
 前国会では、当厚生労働委員会は大変荒れました。石井みどり前委員長も大変に御苦労されましたね。今国会では生まれ変わった厚生労働委員会の姿を国民の皆様に見せていただきたいというふうに思っておりますが、政府・与党の不祥事が続いております。
 まずは、厚労省の不祥事がまた発覚をしてしまいました。労災病院を運営する独法、労働者健康福祉機構が少なくとも五年以上にわたり障害者雇用数を水増しして報告していた。法定雇用率の算定基礎となる労働者数、いわゆる分母の水増しだけではなくて、分子、障害者の実人数を毎年水増しをしてきた。実在しない障害者をつくり出してきたわけですから、これは完全にアウト。これはもう犯罪ですよ。絶対に許せない、これは。
 私は、丸川委員長、同じ政務官としてだまされてきたんですよ、そういうことになる。大変じくじたる思いでございます。これ、国民に対して背信行為であり、障害者に対する裏切り行為であります。
 この偽装が明るみになったのは、厚労省から機構の総務部長に荒木さんが行って調べたところ、実はということで出てきたと。荒木さんが総務部長に就任しなかったらまだ続いたかもしれないという恐ろしい話です。まあ荒木さんは私はよくやったと思うし、間違っても逆に荒木がそんなことやるからいけないんだなんということにはならないようにしていただきたいと思うんですが、これ、事実関係について速やかに全てを公表するとともに、機構の在職者のみならず、当然、社会保険庁のように退職者も含めた責任の所在を明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#92
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のとおりでございまして、この労働者健康福祉機構における障害者雇用率の虚偽報告については本当に許し難い信用失墜行為であり、もう私も開いた口が塞がらなかったというのが正直なところでありまして、早速、十月二日に私自らが理事長を呼んで厳重に注意をしたところでございます。
 また、その事実関係の徹底的な調査、それから厳正な対応、これをやらなければいけませんし、独立行政法人としての法定雇用率は二・三%でありますけれども、自らがそれを直ちに達成をするようにするということも当然であり、また厚労省所管の独法についても同じような事案がないのかどうかもう一回全部洗い直せということで、今それを作業をやらせているところでございます。
 この労働者健康福祉機構に関しては、今第三者委員会が設置をされたところでございまして、今先生お話しのように、累次にわたってやってきたことでありますから、当然、今の職員だけではなくてかつての退職者を含めて徹底的な調査をして、その上で調査結果を公表するとともに、その対処方針を厚労省としても決めなければいけないというふうに思っています。
 法律違反をしているわけでありますから、当然そういった認識の下で取らなきゃいけない行動というのもあるというふうに思っております。
#93
○津田弥太郎君 少なくともこの実行犯は一番重い懲戒解雇処分になるように、しっかり頑張っていただきたいと思います。そうじゃないと納得できない。
 時間も最後になります。アスベストの問題で最高裁の判決が出たわけで、国の責任を認めたわけであります。
 私が本委員会で初めて行った質問はアスベストで、当時官房副長官であった山崎現議長が政府の不作為責任ということで、私は追及しました。
 役所というのは前任者が行ってきた政策を変更することが難しいんですよ。特にこの不作為責任という問題をどう対応するか、様々な領域で、今後、厚生労働省はこの不作為責任というものを追及されていくことは間違いないと思います。これまでもありましたから、今後もあると思います。
 したがって、どのような状況が生じたら政策転換をするのか、これをちゃんとマニュアル化しないと遅れてしまう。遅れてしまうと厚労省が悪いということになる。これはやっぱりちゃんとしたマニュアルを私は作るべきだというふうに思うんです。その上で、今回このアスベストについて、最高裁の判決は裁判官五人全員一致の結論でありますので、大臣としても当然に重く受け止めていただけると思うんですが、そのことと、私の申し上げたマニュアルを作ること、二つ御答弁ください。
#94
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の最高裁の判決は、先生おっしゃるように、規制行政の不作為、これが訴えられて負けたわけでありますから、これはもう国の責任があるということで、これは重く受け止めなければいけないというふうに思いますし、国が責任を負う原告に対して直ちに判決どおりの対応をしていかなければいけませんし、何よりも原告の皆様方には大変申し訳ないという気持ちでもあり、またこれまで本当に御苦労を重ねてきて、中には原告のまま亡くなられた方々も複数おられるわけでありますから、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいでございます。
 その上で、我々としては、今まだ残っている他の裁判、そしてまた今回の最高裁から高裁に差し戻された裁判、そういったことも含めて考えながら、何が一体できるのかということを考えているところでございます。早期の解決ということが大事だということも我々よく認識をしているつもりでございますので、今後はできる限り迅速な対応をしていきたいというふうに思っております。
 マニュアルのことについては、今先生お話があったように、前任のやったことをなかなか否定できないというのは、これはもう会社でも役所でも同じことでありまして、どこでも大体そんなようなことでなかなかハンドルが切れないということになります。そういうことであれば、今先生の御提案のようなことを含めて対応策を考えていくべきだというふうに思います。
#95
○津田弥太郎君 終わります。
#96
○委員長(丸川珠代君) 午後一時十五分に再開をすることとし、休憩をいたします。
   午後零時十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#97
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、江崎孝君が委員を辞任され、その補欠として藤田幸久君が選任されました。
    ─────────────
#98
○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#99
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 大臣を始め両副大臣、それから両政務官、御就任誠におめでとうございますが、大変な激務だと思いますので、どうかお気を付けて頑張っていただきたいと思います。
 委員長の発言でありましたけれども、公平公正を旨としということをおっしゃいましたので、是非、委員長にも公平公正に、去年のような何とか決議とかを可決されないように頑張っていただきたいと思います。
 今日は大臣所信への質疑ですので、塩崎大臣の過去の与党時代、それから野党時代、そして与党時代、そして大臣と、その発言の内容についてお聞きしたいと思います。ですから、答弁の内容によっては更に、私と考え方が違っていたら更に質問するということが増えていくかもしれませんので、そこは御容赦願いたいと思います。
 まず大臣所信で、持続可能な社会保障制度を確立しなければなりませんと、これは全議員が当たり前のように思って、当たり前のように口にしていることですが、じゃ具体的に何が必要かということがなかなか、考えてはおるんでしょうが、表になかなか出てこない、国民の耳に触れるような形ではなかなか出てこないということで、大臣としては、持続可能にするために何が必要だと、そのように考えられておられるでしょうか。
#100
○国務大臣(塩崎恭久君) 足立先生にはいろいろ医療政策等々でこれまでも御指導いただいておりましたことを改めて感謝申し上げ、こういう形で委員会で議論できることになりましたので、是非いろいろ御指導願いたいというふうに思います。
 今、持続可能な社会保障制度について、何を必要としてこの持続可能性というのが実現するのかと、こういうことでありました。いろんな角度からこの社会保障を見れると思うんですけれども、一言で言ってしまえば、私は国民のやっぱり理解だと思うんですね。国民の理解がなかなか十分ではないがゆえに、世論調査を取ってみると、必ず経済、暮らしと、それから社会保障、これが二大柱で国民の関心事、つまり心配をしていることだろうと思います。したがって、私たちは、持続可能なということを分かってもらうようにどうするのかということを社会保障についてやっていかなければいけないんじゃないかとかねがね思っております。
 もう言わずもがなではありますけれども、保険制度で成り立っているものとそうじゃないものとありますけれども、いずれにしても保険制度のものが大半でありますから、そうすると、何で財源は成り立っているのかというと、保険料と、それから税と、そして自己負担。保険制度でなければこの保険料というのがない、税の分配ということになるんだろうと思います。一方で、その反対に、どういう社会保障のサービスを受けられるのかということがあって、この両方についての国民の理解というものがなければ、あるいは支持がなければ、持続可能ということは実現しないんではないかというふうに思っております。
 こういうことで、今は、当面は、社会保障・税の一体改革を推進して、消費税の引上げによる安定財源を確保しつつ、制度の充実と重点化、効率化を同時に進めていくことが必要ということで、今いろいろ役所ではやっているわけでありますけれども、この充実と重点化、効率化というのがまさに今申し上げた国民の理解というか支持に関わることであって、これらについてどうやって理解をしてもらうのかということかなというふうに思っております。
 これを支えるために様々なものが必要であることは言うまでもないんですけれども、やはり、年金にしても、今、若い人たちが今の高齢者をサポートするという、こういう形での仕組みが大半であるわけでありますので、そうなると、高齢化がどんどん進む、そういう中で、我々も将来必ず年金をもらい、また医療にも更にお世話になり、また介護にもお世話になるかも分からないときに、そのときの若者がどれだけ理解をしてサポートしてくれるのかということを考えてみると、本当に先々、まあこれであれば納得できるかなというのを達成するのが持続可能性かなというふうに思っております。
#101
○足立信也君 全く同じですよ。納得と理解というのが最終ゴールだと思うんですね。そのために必要なのは、やっぱり認識の共有化ですね。
 これからの人口減少社会、あるいは生産年齢人口が毎年五、六十万人ずつ減っていくというような時代にあって、やっぱり人口構造の変化、分布の変化、そして今置かれている状況というものを正確に共有化しなきゃいけないですね。それが成った後に、じゃ、何を守って何を諦めていくかということも私は大事なことだと思います。やっぱり国民全員が、今後、日本が置かれている近未来の危機感というのをしっかり理解して、そして責任を自覚して協働しなきゃいけないと、そのように思います。
 実は、私、政務官時代、具体的な細かな事柄はいろいろありましたけれども、その次に待っているのは、国民議論を展開しようと思ったんです。でも、なかなか一年ではその道筋を付けるところまでいかなかったので、是非ともそれを腰を据えてやっていただきたいなと、そう思います。
 同じような問題で、今日資料をお配りしましたが、おとといですか、大臣がこの委員会に報告されました臓器移植、私は、原因というか根本は同じところにあると実は思っているんです。それはなぜかといいますと、九月十日、日本移植学会が設立五十周年記念式典があったんですね。私は招かれて御挨拶しましたが、残念ながら与党議員はどなたもいらっしゃらなかったです。
 これ見てお分かりのように、九年に臓器移植法ができて、二十二年に改正されて、この内容はもう皆さん御存じだと思いますが、移植件数が全く伸びないんですね。全く伸びない。特に死体からの摘出というのは激減していますね、このブルーのところを御覧になると。二十六年も、九月ですから三分の四倍すると二十例ぐらいになって、物すごい激減の仕方ですね。これは、この五十周年の記念大会の島津会長がまとめておっしゃっているんですが、移植医療は社会全体の協調と連携がなくては成り立たない医療であると。まさにこれが必要なことで、先ほどの持続可能性につながっていく話なんです。
 そこで、この協調と連携のために、今これだけ激減する中で何が必要になってくるか。協調と連携するために何が必要になってくるかということを、お考えがあったらお聞きしたいと思うんです。
#102
○国務大臣(塩崎恭久君) 島津先生のおっしゃっている協調と連携というのは、ハーモニーとコーポレーションとかリンクということを書いてあるようで、このホームページに拝見しますと書いてあって、これを見ると、一言で言えば、やはり国民の理解と、言ってみれば問題意識の共有みたいなものが十分じゃないのかなというふうに思いました。
 今先生御指摘のように、脳死下での移植自体は、私ども、年度で見ると若干増えるぐらいで、横ばいちょっと上に行ったぐらいでありましたが、今お話しの心停止ですね、これだと本当にかなり減ってしまっているわけで、世論調査では、臓器提供を希望される方の割合というのは四割程度提供したいというようなことで、これは脳死下でも心停止下でも同じぐらいの希望が示されているんですけれども、これが実現していないということであります。
 恐らく、いろんな理解というものが一般の方々には十分でなく、ドナーカードを持っていらっしゃる数も、ちょっと手元には今ありませんけれども、まだまだ十分ではないというふうに思います。私自身は妻と一緒にドナーカードをお互いに確認をし合いながら持っておりますけれども、そういうことで、今の協調と連携というのは非常に重要で、国民の皆さん方に理解と納得をしてもらった上でこういう事態に備えてもらうということが大事なのかなというふうに思っております。
 政府として考えると、やっぱり臓器提供を行う施設の負担とかの軽減をするとか、あるいは臓器提供側と移植側をつなぐ臓器あっせん機関とか、あるいは臓器提供者の家族への支援とか、そういうようなものを今概算要求で二十七年度に向けて出しておりますけれども、これに加えて普及啓発、あるいは国民の理解と信用に根差した移植医療の着実な推進が図れるような、言ってみれば具体的な普及啓発の努力というものをやっていかなければいけないのかなというふうに思っております。
#103
○足立信也君 一問目と共通する話だというふうに私申し上げたのはまさにそこでありまして、後につながる話なんですが、希望された方がそのようにできていないということなんです。
 四割の方が希望されている、今おっしゃいましたけれども。これは、もちろん患者さん側あるいはドナー側と医療者側のコミュニケーションの問題、コーディネーター含めてあるでしょうが、今、摘出施設の話が出ましたが、私は、医療者側でも、皆さん御案内のように、死体からの臓器提供というのは、いわゆるどこの病院でも手術ができる環境にあれば可能なんですね。しかし、脳死からのとなるのは、五類型といいますか、かなり高度で、救急機能を持っていてとか実績があるところとか、限られていますね。
 私は、医療者側も、移植となると、いわゆる五類型のところに任せきりになっているんじゃないかという気がしないでもない。多くの方はそれ以外のところで亡くなるんです。そこのところは、医療者側の方の連携、協調もちょっと私は足りないんではないかと思うんです。
 ですから、最も大事なのは国民の理解というふうになっていくわけですけれども、やはり細かく見ると、医療者側と提供者側、提供者というか、提供者側と受ける側、ドナー、レシピエント、それから医療者側間の問題もかなりあると。ここは手を付けられるところだと思いますのでやっていただきたいと、そのように思います。
 それから、摘出側のやっぱり負担が非常に大きいということなので今は任せきりみたいになっていますから、この負担軽減策というのを講じれば必ず私は増えてくると思います。政務官、うなずいておられて、所掌外かもしれませんけれども、是非よろしくお願いします。
 次に、経済成長と格差ということについて、大臣の発言ですが、これは与党時代、二〇〇七年、もう官房長官終えられた後ですけれども、読売新聞に、成長なくして格差問題の解消はないというふうに書かれております。ということは、この先永遠に成長しなければ、これを続けなければ格差問題というのは解消しないという認識なんでしょうか、そこが連動しているという認識なんでしょうか。そこをまず伺いたいと思います。
#104
○国務大臣(塩崎恭久君) この当時、先生御指摘のように、読売新聞の、本当に久しぶりに自分で見ましたが、このとき何を我々考えていたかというと、ちょうどNHKが「ワーキングプア」という番組を、我々第一次安倍内閣がスタートしてすぐに、秋に二回にわたって放映をされました。私もそれをビデオで繰り返し見まして、何が問題なのかと。確かに格差ということが随分言われるようになってきましたし、またそのNHKの番組を見ても分かることは、実は日本だけではない、いろいろな先進国で起きていることでもあるということも分かりました。
 ただ、これが高齢化が特にハイスピードで進んでいる日本において顕著に出ているということもあって、一体このいわゆる格差の問題というものをどう解決したらいいのかということを随分政府の中で議論しました。その結果として、私たちは成長力底上げ戦略というのを出して、そしてそれを実行に移そうということで動き出したわけでありまして、この戦略の中に、例えばジョブ・カードなんというのはこの中から出てきたことでもあり、そして、今回、最低賃金を二年連続十四円、十六円と上げていますけれども、実は第一次安倍内閣のときには、平成十九年は十四円、平成二十年は十五円それぞれ上げておりまして、まずは、やっぱり底上げをするためには、最低賃金を上げることによって、言ってみれば格差の開いてしまった低所得者層の所得を上げるということがある。
 しかし、それをどうやって上げるんだというときに、必ず何らかの再分配をしなければいけないわけであります。それは税なのか、あるいは会社の中の私的な再分配なのか、つまり賃金を上げるという形での分配なのか、そういうようなことをいろいろ考えた結果、やはりこれは成長をもう一回取り戻すということが、その格差の言ってみれば底上げを図っていくことが可能なのではないかと、こういうことで、そのためにじゃ何をするのかというときに、人材能力や就業機会などの経済を下支える基盤の向上をしていこうということで、働く人全体の所得、生活水準を引き上げつつ、格差の固定化を防止するということで、ジョブ・カードもそもそも、例えば福祉から雇用へということを我々キャッチフレーズで使っていましたが、要するに、生活保護から脱して、そして自ら働いていけるようにするためにどういうサポートができるのかというようなこともやってまいりました。
 もちろん、企業の投資をもっと盛んになるように何ができるのかと、そういうことも考えておりまして、今回、アベノミクスで全面的な第一の矢、第二の矢、第三の矢ということになっていますが、そこまで明確な物事の整理はできていないにせよ、成長戦略をやることが、底を上げていくことでみんなが全体として良くなっていくことになるんではないかということでございました。
 もとより、非正規雇用労働者の処遇改善など、最低賃金を含め、格差縮小のための施策も当然必要ですけれども、所得の再分配だけでは経済全体のパイは縮んでいくものでありまして、持続的な経済成長で、パイをどう配るのかということではなくて、まずパイをつくらないと、大きくしていかないと配るパイがどんどん小さくなってしまうということなので、持続的な経済成長を通じて富を生み出すことが重要なのではないのかということを強調したわけでございます。
#105
○足立信也君 それは多分ずっと変わっていらっしゃらないと思うんですね、塩崎大臣は。トリクルダウンを信じてといいますか、成長がまずあればという考えがやっぱりあるんだと思います。
 フランスの経済学者のトマ・ピケティ教授、御存じでしょうか、この春ぐらいからアメリカではかなり、格差問題をやっている方ですね、人気があるというか、取り上げられている方ですね。
 私は、成長戦略、成長があればそのうち格差が是正されるという考え方ではやっぱり駄目だと思います。今、途中でちらっとおっしゃいましたが、所得再配分ですね。それと、彼が言っているのは、日本も、あるいはアメリカも当てはまっているんですが、資産の、資本の固定化というのが起きてきて、教育の格差のためにそれが世襲化されている、身分まで固定化されていってしまっている。これは成長を待てば解決するという問題ではないですね。資本主義というのは当然格差を助長していくわけですから、それとは違うアプローチをしなきゃやっぱりいけないということだと思います。
 そうはいっても、欧米社会は寄附社会であったり、ところが日本はなかなかそれがないので、我々としては、寄附税制を大幅に変えていって寄附しやすい環境をつくるということとか、それから所得再配分の問題、あるいはノーブレスオブリージュというか、英語だと何ですか、ノーブルオブリゲーションというんでしょうか、社会的な地位や身分、そういう方々は当然責任を負っているというような考え方ですね、そこが日本の場合はかなり薄い部分があるような気がして、なかなか自然に任せたら所得再配分というのは進まないんですよ。ここをやっていかなければ、格差の是正というか、解消に向けての是正というのはできない話なんです、待っていてはですね。是非その点を、別の捉え方もしていただきたいなと、そのように思います。
#106
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生がおっしゃるとおりで、ちょっと舌足らずだったかも分かりませんが、さっき申し上げたように、再分配が大事だということを申し上げたのは、これは社会保障と税が再分配の仕組みであって、まさにそのうちの社会保障については、この厚生労働省が所管をしながら、どういう再分配によって格差を是正できるのかということをやっていかなきゃいけないということだと思っておりますので、成長していったら格差がなくなるということを言っているわけでは決してなくて、しかし、再分配だけをやっても、さっき申し上げたように、成長なしで再分配をやっていくと、もちろん再分配できるわけですけれども、しかし、全体としての幸せ度というか、そういうものを上げていくためには、やっぱり成長していく中で再分配した方がよりよいということなので、それは自然に成長したら再分配が起きるということでは決してもちろんないわけであります。
 税の構造ももちろんそうで、所得税のフラット化をやっていたのをまた少し今戻していますけれども、こういうことをどう考えるのか、課税最低限をどう考えるのかということも大事な問題であって、しかしやっぱり、さっき申し上げたように、経済の中で再分配をするパイを大きくしていった方が再分配効果は大きくなるじゃないかということで、成長がやっぱり大前提でありますから、今、安倍内閣として、成長なくして財政再建なし、成長なくして言ってみれば社会保障の再建もなしということだというふうに思っていますので、そういうことで、今成長戦略、日本再興戦略の改訂版でも打ち出しているのは、やっぱり経済の好循環をどうつくっていく中で皆さんの幸せ度というか幸福度を増すための再分配を税と社会保障を中心に図っていくかということなので、決して成長だけで全部が解決するということを思っているわけでは全くないけれども、成長がないままで再分配で皆さんを幸せにしようと思っても、なかなかこれ難しいなということを申し上げているところでございます。
#107
○足立信也君 成長戦略と格差の是正の制度を同時にやっぱりやっていかなきゃいけないということでございます。やはりどうも印象として、経済、もちろん総理もそうおっしゃっていますから、経済最優先というものの中で、GDPが上がれば何でもうまくいくという考え方は恐らく国民の多くの方は今思っていらっしゃらない。やっぱり同時に進めなきゃいけないということを言わさせていただきたいと思います。
 そんな中で、今成長の話が出ましたが、大臣は記者会見で、日本経済の抱えている問題点は生産性が低いということだと、こういうふうにおっしゃっています。この場合、生産性というものの定義はありますけれども、どういうことをおっしゃっているのかなということで、お聞きしたいと思います。
#108
○国務大臣(塩崎恭久君) 生産性、経済学でいえば労働生産性ということであって、アウトプットを労働投入量で割ったものということでありまして、単位投入当たりのアウトプットを示したものであります。アウトプットはいわゆる付加価値額を用いたもののことでありまして、GDPというのは大体付加価値でもありますが、生産性について私がよく言っているのは、これは日本経済の抱えている問題というのはいっぱいあるんですけれども、そのうちの大きな一つが労働生産性が低いということだということを言ってまいりました。
 この間の成長戦略を自民党の中でつくったときも、これを一つの言ってみれば基本的な認識として、スタートラインとしてこれを捉え、これがゆえに国際競争力も、これがゆえにというのは、例えば、私がよく使っていたのは、日本とアメリカの業種別の生産性の比較というものを学者の先生方がはじいてくださっていて、それを見ると、業種別でアメリカよりも日本の方が高いというのは二つぐらいしかないんですね。輸送用機械と一般機械だけが日本の方が高くて、あとは全部低い、それも、例えば卸、小売なんというのはアメリカの四分の一ぐらいしかない。
 それは何を意味するかというと、一つは国際競争力がないということであり、もう一つは企業が収益力を上げることができないということ、この二つはほとんど同じでありますけれども、三つ目は賃金が上がらないということであって、我々にとって、国民にとって一番はやっぱり賃金が高くなることが、つまりそれが生活水準が上がることになるわけですから、これに至るための問題は、やはりこの生産性というところをどう解決していくことが非常に今大きな柱だということを申し上げてきたところございます。
#109
○足立信也君 大臣はそのようにやっぱりおっしゃっているわけですね。労働生産性を上げて、企業に成果が上がったら自分も評価を受けて、やがて賃金が上がっていくんではないかと。ですが、今、それも一つの大きな要素だとおっしゃったので、これが全てではないということだから少しは安心したんですけれども。
 生産性、労働生産性を突き詰めていくがために、例えば、かつて少ない人数で、そして公定価格であれば回数で稼ぐしかない、例えば医療や、今回、今六%マイナスと言われているような介護の問題のように、そこは少ない人数で回数でどんどんやるしかないというふうになっていくと、今度は働き方の問題が出てくるし、疲弊が出てくるし、やがて立ち去る人が出てくる、崩壊に近づいていくということもあります。こればかりを追求するのではない分野というのは、先ほど分野の、業種の話がありましたけれども、相当あるんだと、特に大臣が所管する厚生労働分野はということがありますので、そこは労働生産性が上がれば全てということは、是非そういう考え方を持たないでいただきたいと思っているんです。
 ところで、十月十日に国家戦略特別区域諮問会議で医師以外の人も医療法人理事長になれるようにするという提案があって、その理由は、経営効率が向上したりガバナンスが強化されたりする、出席されていた塩崎大臣も、厚労省としても協力していきたいというふうに発言されているんです。
 ここで気になるのは、医療における経営効率の向上あるいはガバナンスの強化というのは一体何を意味しているのかということが気になるんですけれども、これ、大臣、同意されて、協力していきたいとおっしゃっているので、どういうことを想定されているんでしょうか。
#110
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の国家戦略特区において、医師以外の方を医療法人の理事長として選出する際の基準というものを法令上明記した上で見直して、その基準を満たす場合は都道府県知事は医師以外の理事長の選任を認可することとするという、そういうことがこの間決められたわけであります。
 これによって、国家戦略特区において、法人運営について専門的な知識あるいは経験を有する理事長を、おられれば選任をし、そして幅広い視点、視野から柔軟な運営ができる、それから国際的な経済活動の拠点となるような地域の形成につながる、あるいは医療を安定的に提供できる体制を確保することができるというふうなことが場合によって期待をされるんではないかということで、もちろん、これは、選ぶ方は実際の医療法人がやるということであって初めて起きることでありますので、誰かを急に送り込むといったようなことはあり得ないわけです。
 基本的には、日本の場合には医療法人はお医者さんがなってやってこられたわけですけれども、理事会というのはやはり経営に責任を持つわけであります。医療法人であってもやっぱり経営ということが大事な側面であることは、これは多分誰しもが認めることで、それを誰が担って、どういう言ってみれば意思決定の仕組みで、できるだけ間違いがないようにしてより良い医療が提供できるようにするかという、一番大事なのはそこでありますから、一番いい医療を提供するために、大きな組織になればなるほどガバナンスはきちっとしていた方がよろしいかと思いますし、それから、経営という観点が大きくなればなるほど増えてくるわけでありますので、そういう面での得意な方がおられればそういう方にもやっていただくということが可能な場合もつくってもいいんではないのかというのが今回の特区での考え方ではないかというふうに思います。
#111
○足立信也君 そういう考え方、つまり経営効率が上がるんではないか、あるいはガバナンスを強化されるんではないかということになってくると、経営効率を上げるということは利益率を上げるということですね。今まで公的保険でやられていたこの国の医療というものは、もちろん利益率は極めて少ないところで、ほとんど医療に使われるという形になるわけですね。当然、民間であるならば、あるいはアメリカのような民間保険であるならば、利益率を高めるところが評価が高くなるわけです。これを目指していくという、あるいはそう持っていける方が理事長になることはウエルカムだという意味なんでしょうか。
 ある意味、逆の言い方をすると、全国のコンビニエンスストアなんか、これ経営効率考えて配置を考えるけれども、そこが良くなかったら直ちに撤退ですよ。これも経営効率の考え方なんですが、そういう、医療機関の今話ですけれども、これ撤退という判断もどんどん出てき得るんじゃないですか。今安定的な経営のためにとおっしゃいましたが、それは、そこがなくならないことが大前提だとそうかもしれないけれども、いや、これは必要ないという判断が当然トップはすることもあり得るんじゃないですか。それが今私は気にしているところなんですが。
#112
○国務大臣(塩崎恭久君) 私の地元でも、実質的にお医者さんではない方が、医師でない方が経営面を担っていらっしゃる医療機関というのがございます。それは、言ってみれば、半ば非常に停滞した医療機関だったところが、今は本当に働いている人たちも明るく元気で、若い人たちも増えて、そしていつも行っても感じもいいし、そして実際患者さんも大変増えているということで、患者さんもハッピーな感じに見える、そんな経営をされている医療機関を私は見てまいりました。
 今お話しのコンビニの話は物を売るという御商売の方々のお話であって、医療は人間相手ですから、そんなすぐいなくなるとかいうところがサポートされるわけはないですし、医療は別に営利ではありませんから、利益率がという話で全てが決まるわけではないのはもちろんでありますけれども、しかし、どんどんどんどんお給料が減っていく職員は多分余りハッピーな顔はされないでお仕事をされることになって、仕事自体にも張りがなかったり、あるいは患者さんの満足度が高くならないというようなことがあるので、私は、やっぱり医療というのは、来られる患者さんがやっぱりここに来てよかったなと思って、また元気におうちに帰るというふうになるのが一番大事なことでありますので、そういうことにプラスになる場合にはやってみたらどうですかということだろうと私は思っていますので、コンビニの場合とは全く違うし、撤退をするような医療機関が、患者さんがみんな集まってきて、ここはいい病院だといって来ることはなかなかないのかなというふうに思います。
#113
○足立信也君 効率化のことにつながる話で、先ほどから大臣、成長には生産性を上げる必要があるという話をされておりましたですね。
 私たちは、医療、介護あるいは福祉分野は成長戦略と捉えたんです。それは非常に身近な地域密着型の産業であること、雇用の創生というのが非常に期待できるということ。今まさに日本創成会議の報告でも、今地方の雇用の減少を下支えしているのは医療や介護、福祉分野ですよ。その分野なんだけれども、そこにも生産性を求める、生産性の向上を求めるとするならば、それは厚生労働大臣として、この分野の生産性というのはどこに、成長戦略と我々は定めたわけですけれども、成長戦略じゃないんだとおっしゃるなら、それはそれで大臣のお考えですが、生産性を高めることだと言われると、その医療や介護や福祉分野の生産性というのは一体何だろうと思うんですが、いかがでしょうか。
#114
○国務大臣(塩崎恭久君) この分野は、さっき申し上げたように、医療、福祉あるいは介護、こういったところはやっぱり人間を相手にするところであります。この医療、介護、福祉の分野において、少子高齢化の進展や、財政も厳しいわけですから、限られた人材で質の高いサービスを提供していくということが当然必要で、それが患者満足度というか、来られる方が来てよかったなというふうに思ってくれることであって、そういうことが、先ほど申し上げた意味での生産性の向上を図ることにつながるというふうに思っているので、いわゆる単純にアウトプットを労働力で割るといったことだけで解決できるような問題ではないことは間違いないことだと思っています。
 このために、今我々厚労省としては、この度の地域医療構想を通じた医療機能の分化とか、あるいは連携の推進とか、あるいはチーム医療の推進とか、各種研修等を通じた人材の育成とか、あるいはICT、あるいはロボット、こういったものでいかにサービスの質の向上と効率化に取り組んでいくかということに今取り組んでいるわけでございまして、医療、介護、福祉分野の生産性というのは生産した物の数を数えていくという話ではないわけであって、今のような質の高いサービス、付加価値をどうつくっていくかということだろうというふうに思います。
 裏返すと、さっきから申し上げているように、やっぱり来られた方がどれだけハッピーになり、また働いている人たちがどれだけハッピーになっていくか。しかし、経営的にはやっぱりその医療機関がちゃんとお給料を従業員に払って、そしてみんなが前を向いて進んでいけるようにするということが広い意味での生産性になるんじゃないかなと私は思います。
#115
○足立信也君 今多少触れられたかもしれませんが、この分野で生産性、労働生産性がどうこうというのは余り考えない方がいいということがメーンだったと思います。しかし、一つの考え方として、これで、医療やあるいは障害者福祉、介護のところで、社会復帰、労働現場復帰した場合の生産性も考えていただきたいんですね。これは非常に大きなことなんです。やっぱり生産性は頭からこの分野は違うと否定するよりも、この方々が社会復帰した後の生産性というものまで思いを致せば、ここは厚くやらなきゃいけないなということもありますので、是非その分野もそういう考え方をしていただきたいと思います。
 四年前、成長戦略を定めたときに、当時、GDPは中国に抜かれた直後で三位でした。しかし、一人当たりGDP、日本は十七位なんですね。その多くの理由は、男性の就業率が世界第二位なのに女性は十五位であるということがある中で、この分野は女性の雇用の創出というものに極めて大きいだろうということで、この分野を成長戦略として、そして雇用を創出していこうという思いでスタートしましたので、その点も含めて理解していただきたいと、そのように思います。
 大臣所信の中で、ちょっと飛びますが、国民が安心して働き、希望どおり結婚や出産、子育てができ、将来に夢や希望を持てる、魅力あふれる地方の創生に向けというふうにおっしゃっているんですが、これは地方の問題でしょうか。特に前半部分の、希望どおり結婚や出産、子育てができというところは、私は地方に限定するような問題点ではないと思うんですが、いかがなんでしょうか。
#116
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生も大分、私も愛媛、海を挟んで向かい合っているわけでありますが、我々いずれも地方、田舎に住んでおります。
 しかし、今回、地方創生というのは、別に本当の中山間とか地方を言っているだけではなくて、地方創生に当たっては、東京も含めた都市部の問題にも正面から取り組むことは当然のことであって、東京圏といった都市部の活力の維持とか向上とかを図りながら、過密化、人口集中を軽減して、快適かつ安全、安心な環境を実現することが重要だということを我々も当然考えているわけであります。
 まち・ひと・しごと創生本部で決定いたしました基本方針の中でも、大都市圏等において、過密、人口集中に伴う諸問題に対応するとともに、高齢化、単身化を地域全体で受け止める地域包括ケアを推進することとされています。当然、厚生労働省としても、地域包括ケアを推進するとともに、待機児童がたくさんいるのは都市部でありますから、この都市部の課題に対応するための待機児童解消加速化プランに基づく保育の受皿の確保など、こういった都市部にもよく気配りをしたメニューを取りそろえて今回の地方創生を実現していこうというふうに思っております。
#117
○足立信也君 おっしゃるとおりで、全国平均の今合計特殊出生率が一・四三ですよね。沖縄が一番高くて一・九四、東京が極端に低くて一・一三ですね。これはやっぱり、この問題は大都市圏の問題が相当大きいわけですね。
 そこなんですが、昨日、東大の神野名誉教授と話していたんですが、人口増加時代は地方からプッシュ型で都市に集まってくる。これ減少時代に入ったら、そのままにしていても地方に戻ってくる。実際、進学ネットのデータによると、大学進学の志望校検討時に、地元に残りたいという人の割合が二〇〇九年三九%、二〇一一年四六・一%、二〇一三年四八・七%、半分ぐらいが地方に残りたいというふうに今変わってきているんですね。
 ここで申し上げたいのは、東京一極集中に戻すことが、意図的に戻すことがないようにしなければ、人口減少の歯止めは利かないと思います。歴史の中で、やっぱり地方に人があふれてきたら、当然、都市部に出ていく。減ってきたらまた戻ってくると。今まさに日本がその流れになっています。若者の志向もそうなっています。それを無理やり東京にまた一極集中にさせようとしたら、この人口減少の流れは加速すると思います。ここを是非気を付けてもらいたい。
 ところで、政府参考人になんですが、今、臓器提供も四割が希望をされているけどほとんど行っていないということの中で、じゃ、子供を持ちたいと思っている方々の希望を合わせるとどれぐらいになるんだろうという話なんです。
 結婚されている方、夫婦の希望の子供の数、あるいは未婚だけど結婚したいと思っている人が子供を持ちたいと思っている数等々、計算がたしかあったと思うんですが、その若い人が希望されていることが満たされたら、特殊出生率はどれぐらいになるんでしょう、今。
#118
○政府参考人(今別府敏雄君) 創成会議が五月に一・八という数字を出しております。私ども、若干古うございますが、平成十九年に社会保障審議会に一・七五程度という数字を出したことがございます。いずれも、約九割の方が結婚をし、二人子供を産むというのをベースに計算をしてございます。
#119
○足立信也君 そうなんですね。希望を満たすことができれば一・八近くまで上がるということなんですね。そこを満たせていないということが問題だと思いますので、あるいは対処できるところだと思いますので、是非、分析して、どこが足りないのか、なぜできないのかということを取り組む必要があると思います。
 ちなみに、二十代後半の結婚割合が今の四〇%から六〇%になれば、もう一・八に行きます。二十代前半の結婚割合が今の八パーから二五%になれば二を超えます。ですから、そこをやっぱり、分析に基づいて的を射たターゲットを絞った対策というのが必要なのではなかろうかと、そのように思います。
 それから、これは塩崎大臣と一緒に活動した部分でもあるんですが、塩崎大臣は、がん登録法定化、かなり一生懸命動かれました。
 私が心配しているのは、塩崎大臣がその理由として、日本、この国にはナショナルデータがないんだと、僅か六県の古いデータでやっているんだということをおっしゃいました。そのとおりなんです。しかし、がんだけに限っていいのかと。ほかの病気の方々は、同じようにナショナルデータを作っていただいて、その治療が本当に正しいものとされているのかどうか、ほかの国と比べてどうなのか、期待されているんですよ。
 大臣は、ほかの疾患は余り必要ないとお思いですか、それともそれを広げる必要があると思っていますか、登録について。
#120
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘いただきましたが、がん登録を議員立法でやる際にみんなで議論したのは、これ本当にがんだけでいいんだろうかということを実際に議論いたしました。
 いろいろ意見がございまして、それから学会とか研究機関等で疾患によっては登録が実施されているものもあるということも聞いているわけでありまして、ただ一方で、疾患登録の制度化に当たって、いわゆる個人情報の保護、これがん登録のときも個人情報の保護というのが最後までいろいろな各党間の調整で苦労したところでありましたけれども、個人情報の保護をどうするのか。それから、医療従事者の負担、先生方の負担の中で、どの疾患を対象としてどこまでの情報登録をするのが必要なのかとか、こういうことについて様々な御意見がどうもあるようでして、それからマイナンバー制度の活用というのが、今の法体系ですと行政事務を対象としたマイナンバー法の趣旨や法律の枠組みというのがあって、これを活用してできるかも分からないけれども、ちょっとこれは今はすぐにはなかなか難しいなとかですね。
 いろんなことがありまして、結局、取りあえずがん登録はこのがん登録で実現しようと。その後、またほかの疾病については、もし先生方の御意見が集約をされるとかいうようなことになったときにまた考えなきゃいけないのかなということで、この間のときは取りあえず一日も早くがん登録法を実現しようと、こういうことで超党派で議論の結果を出したというところでございます。
#121
○足立信也君 今おっしゃっていただきましたですが、このがん登録の法制化のときに個人情報の問題はある程度クリアされているという自負があられると思うんです。そして、必要なのは、やはりもっと大きな、他の疾患へのデータなんです。これが個別の法律がなきゃできないとか、登録法がそれぞれの疾患になきゃできないとか、そういう事態は是非とも避けていただきたいんです。
 それから、スケールメリットという面でいいますと、地域医療機能推進機構というのができましたけれども、これは全体での情報共有というのを図ろうとしているんですね、五十五医療機関。あるいは小児科学会も、災害対策ワーキンググループではネットワークの構築や拡充、これをしようとしています。やっぱり共有するということは極めて大事だと思いますので、マイナンバーの、ひも付きの話ですけれども、厚労省だけがちょっと遅れているという批判が出ないように是非頑張っていただきたいと思います。
 今日は、もう最後になりますが、大臣所信ということで大臣のお考えをできるだけ話していただきましたし、十分理解できるところと、やっぱり根本的に違うのかなと思うところがありますので、これから具体的な個別個別の事柄については更に次回以降の委員会で議論したいと思います。
 どうもありがとうございました。
#122
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 今日は幅広く大臣のお考えを幾つか伺いたいところがございますが、まず当面の、私の一番気になっていることから御質問させていただきたいと思っています。それは災害の対応でございます。
 九月二十七日に発生した御嶽山の噴火、これ、秋晴れの週末で多くの登山客が集まる、そういう、これから紅葉のいいシーズンであるということもあって、そういうことが災いして火山噴火災害としては戦後最悪の被害をもたらすことになりました。不幸にしてお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた方々には謹んでお見舞いを申し上げたいと思います。
 私、噴火の翌日に地元まで行きました。木曽町、翌日の昼には入りまして、公明党の御嶽山噴火災害対策本部の一員として入りまして、町長あるいは関係者から救援活動の一番スタートの時期のじかに確認をさせていただきました。周辺の農業被害のことについても様々に御意見を地元の方々にも伺ってまいりました。
 今回、地元からは、政府の、自衛隊の派遣も含めて対応が非常に早かった、大変助かりましたと、こういう感謝の声をまず地元の町から伺いました。
 しかし、いまだに噴火が続いて、行方不明の方はまだ七人いらっしゃる、台風で捜索環境も非常に悪化したと。もう大分寒くなってきております。有名な歌の中に、木曽の御嶽山、なんじゃらほい、夏でも寒いよという言葉が出てきます。長野県内でも最も気温の下がる地域の一つです。今御嶽山の頂上は、聞くところによると山頂付近はもう凍結が始まっているというふうにも聞いています。今日辺り雪がもう降るので、捜索の活動ももう大変な今山場に差しかかっているということで、捜索している救助隊員自身も高山病とか低体温症とか、そういう大変な厳しい中で困難な任務に当たっておられます。警察、消防、自衛隊、そして医療関係者の皆さん、そういう方々に最大の敬意を表したいというふうに思います。
 この噴火災害に対しては、厚生労働省も、大臣からの御指示もあって、災害対策本部を設置して医療や介護というような分野を中心に対処に努めてきたというふうに承知をしておりますので、まず今回の御嶽山噴火災害に当たって、厚生労働省は初動からどのように対処されたのか、経過の報告を伺いたいと思います。
#123
○政府参考人(鈴木康裕君) お答え申し上げます。
 厚生労働省の初動体制以降の経過についてお尋ねがございました。
 厚生労働省におきましては、噴火が発生した九月二十七日に情報連絡室を立ち上げまして、状況の把握と人命救助のための医療の提供に万全を期すという大臣からいただいた御指示を受けまして、省内に災害対策本部を設置をいたしました。現地におきましては、長野県を中心に、発災直後からDMATそれから精神科医療のDPAT等が活動しておりましたけれども、厚生労働省としても広域調整等の支援を行っていたところでございます。
 具体的には、九月二十七日二十時、長野県から近隣五県に対してDMATの派遣要請がございましたけれども、医政局DMAT事務局において派遣の調整を行わせていただきましたほか、被災者とその家族が地元に戻られても精神面での相談を受けられるよう、各都道府県、指定都市に対して精神保健福祉センター等における対応をお願いしてきたところでございます。
 今後とも、地元自治体と十分に連携をさせていただきながら、被災者とその家族の支援に万全を期してまいりたいというふうに思っております。
#124
○長沢広明君 主に医療関係者の支援ということで、DMATが最大時、長野県側で二十六チーム、岐阜県側で一チーム出ているということで、DMATの派遣をしていただいているというふうに伺っております。
 それ以外にも、実はDPAT、災害派遣精神医療チームも派遣されていますよね。被災者の心のケアというのは非常に大事な状態になっておりまして、今回思いも寄らない形で家族や親しい友人を失った御遺族の方の悲しみももちろん、何とか一命は取り留めたものの、すぐ目の前で一緒に登山された友人や家族や近くの人が助けられずに自責の念にさいなまれていくと、こういうような心情というのは私たちも察するに余りあるというか、こういう方々の心のケアをしっかり進めなければいけないというふうに思っております。
 救援活動中、御家族や関係者が待機している待機所で保健師や看護師の皆さんが二十四時間体制で心のケアに当たってくださっていたと、必要に応じて医療機関への受診につなげるように活動もしたということでございます。
 先ほど申し上げたDPAT、災害派遣の精神医療チーム、これはしかし十月三日で活動を終了しております。それはすなわち、被災者の方々はもう既に自宅へ戻られていったものですから、DPATがそこに残ってもケアの体制は、活動はニーズがないということで。ただし、いまだに安否不明の方もいらっしゃいますし、被災者の方々も噴火に遭遇した恐怖、これは地元に、自宅に帰ったとしてもフラッシュバックが起きるというふうに言われています。そういうことに対して息の長い取組が必要だと。
 御嶽山で災害を受けたけれども、被災したけれども、今は広い範囲に、御地元に戻られているという広く広がっている中で、各地でケアの体制を確保しなければいけないというふうに思いますので、今回の噴火災害のように被災者が広域にわたる災害に際して、国としてどのような体制で御遺族や被災者の心のケアを行っていくのか。地方への支援、特にこういう場合、限られた同じ場面で同じ被害を受けた人たちの被災者間のネットワークづくり、これが非常に有効だというふうに言われていますが、そういうことについてどういうふうに考えていらっしゃるか、説明いただきたいと思います。
#125
○副大臣(永岡桂子君) 長沢委員にお答えいたします。
 今回の御嶽山の噴火災害のように、災害発生地域以外の自治体の住民の方が大変多く被災していらっしゃるようなケースでは、被災された方々のお住まいの地域の精神保健福祉センター、また保健所、そして市町村の保健センターなどの役割が特に重要であるというふうに考えます。
 このために、厚生労働省といたしましては、各地域におきまして被災者の方々が円滑に必要な支援を受けられますよう、長野県と連携をいたしまして各地域の精神保健福祉センターなどでの対応を依頼するとともに、厚生労働省のみんなのメンタルヘルス総合サイトにおきまして各種相談機関の周知を図っているところでございます。また、都道府県などにおけます心のケア活動に対する支援といたしまして、国立精神・神経医療研究センターに設置しております災害時こころの情報支援センターにおいて、災害初期の心理的対応ですとか遺族対応などの技術的な支援を行っているところでございます。
 引き続きまして、被災者の心のケアにつきましては、各都道府県などと連携を取りつつ必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
#126
○長沢広明君 その際、今申し上げたとおり、やっぱり被災者間のネットワーク、これをしっかりつくることを支援するということを是非念頭に置いて進めていただきたいというふうに思います。
 今回の噴火は、予兆を十分につかむことができず、注意喚起が弱かったということが指摘をされています。そのために多くの犠牲を生む要因になったと。周辺地域でも、この二十年ぐらい前に非常に大きな噴火が起きているんですが、それから時がたったということもあり、噴火に対する備えというものが比較的弱くなっていた面もあるのではないかというふうに思います。
 私が噴火の翌日に行ったところ、もう既に噴煙の向きが風向きによって南に変わったり北に変わったり、すぐ変わりますが、したがって、噴煙が長野県側には来ていなかったときなんですけれども、それでも硫黄の臭いがすごかったですし、目がやっぱりひりひりするんですね。この噴火活動が今後続けば、風向きによっては周辺住民も非常に健康被害が起きるということも指摘をされています。
 御嶽山に限ったことではなく、我が国は世界でも有数の火山国でございますから、全国どこでもこうした噴火災害が起こり得る。桜島とかそういうところでは比較的生活の中に密着している面があると思います。火山灰には、物にもよりますけれども、ガラス質が含まれるということもよく言われております。今報道の中でも、最近、御嶽山噴火から二週間でやはり子供たちの間にせき込む子供が相次いでいるということもあります。
 これは、気象庁が出している降灰の厚さ、重さから見た被害、健康被害というものはどういうふうに出るかと。〇・一ミリの降灰で、ぜんそく患者のうち四二・九%が症状が悪化すると。要するに、ぜんそく患者の半分は症状が悪化すると。一・三ミリ積もったら、慢性的に肺の疾患を持つ人については健康上の問題が増加すると。六ミリ積もったら、喉や鼻あるいは目の異常の訴え、入院患者や治療を受けた患者数が増大するというふうにも言われています。
 こういう火山灰による健康被害についての防止策というのも大事なことだと思いますので、火山灰による健康被害から身を守るためにどういう点に留意する必要があり、どういう対策が求められているか、そして厚生労働省として現在どういう対応を取られているか、御説明いただきたいと思います。
#127
○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。
 火山灰が健康被害を引き起こすことは一般的には少ないとされているようですが、火山灰による健康影響としては、御指摘ありましたように、呼吸器系への影響、目の症状、皮膚への刺激などがあり得るものと認識をしております。
 このため、対策として、降灰時には不要な外出を避けること、マスクを着用すること、コンタクトレンズではなく、ゴーグルや眼鏡を掛けるなどの事項に留意する必要があると承知しております。このような留意点につきまして、独立行政法人防災科学技術研究所が発行しておりますパンフレットにまとめられております。今回の噴火で被災した自治体においても住民向けに周知がされていると承知しております。
 また、自治体の保健所等におきまして健康相談を実施し、火山灰による健康上の問題を含めまして、地域住民の不安や健康面のニーズを把握した上で、必要に応じて医療機関への受診を勧めるなどの対応を取っているところでございます。
 厚生労働省としては、環境省等の関係省庁と連携の上、引き続き第一線において対応を行う自治体に対して必要な情報提供、支援など、適切に対応してまいりたいと考えております。
#128
○長沢広明君 是非、政府としても統一的な対応というか、火山灰は健康には余り影響ないと説明されているところもあったり、実はやっぱり量によっては影響があると説明されているところもあったりするので、ちょっと混乱が、やっぱり地元でも小学校とか幼稚園とかそういうところで混乱が出ています。皆さんマスクして、外に遊びに出ないようにしたりとかいろいろ工夫はしておりますが、取り得べき対応をきちんと説明を一本化して進めてもらいたいなというふうに思います。
 もう一つ、噴火災害ですが、私、木曽町に噴火の翌日に行ったときに聞いた話でございますが、今回、即座に長野県木曽町とそれから王滝村に災害救助法が適用されました。これによって、災害救助法が適用されれば、被災者の救出や避難所の運営、それから避難所に寝具や食事を提供するということについては、その経費は国と県が負担することになるわけですね。
 ところが、私、入ったときに、もう下山できた人たちは、一旦避難所に入ったけれども、すぐ御自宅に帰っているわけですよ。避難所に何日もいることないんです。すぐ御自宅に戻っている。それ以外の方はもう行方不明者です。まだ救助活動が山の上で続いていると。したがって、避難所に避難者がいないという状況に翌日にはなっていました。避難所に避難者はいないけれども、人がごった返している。何かというと、安否を心配した御家族が集まってきている。この人は避難者じゃないんです。つまり、避難所でありながら、そこに避難者がいないという状況が生まれたわけです。
 これは、そうすると、この避難所で寝具や食事を提供するのは災害救助法の適用外になるんですよ、避難者じゃないから。結局、避難所の呼び方を待機所と変えるわけです。待機所と変えたときに、今度は災害救助法じゃない、関係ないですから、食事の提供はできない。その人たちはもう本当心配して集まってきて、安否の情報を知りたくて、災害対策本部の町役場とか村役場に一生懸命に毎日毎日通う。そして情報を取りに、もう心配しているわけですが、その食事を町から提供できずに、御自身たちが食事を一生懸命確保しに走らなきゃいけなかったと。
 余りにやっぱり見るに見かねて、木曽町はその翌々日からパンとかカップラーメンとかペットボトルとか、もう本当申し訳ないと町の人は言っていました。ろくなもの出せなくて本当に申し訳なかったと。だけど、そうやって出して、その待機所にいらっしゃる待機の方々に食事を何とか提供したと。避難者じゃないからといって災害救助法が適用されないという、そういうしゃくし定規な対応というのはいかがなものかということを強く感じました。
 最大時、木曽町で待機所が三か所設置されまして、最高百五十人以上の方々が集まっていらした。その方々に食事を町は一生懸命提供したわけですね。これ、町の負担になるんです。町の負担、今のところ、まだ二十日ですけれども、二千四百万ぐらい町の持ち出しになるということで、小さな町ですから大変な負担です。それでも、特別交付税の前倒しで対応してもらえるということで、ある程度の穴埋めはできるかもしれない、でも全部ではないというような、町の財政の問題としてはそういうことがあります。
 ただ、私、やっぱり現地へ行って思ったのは、避難者じゃないから避難所に集まってきた人たちは災害救助法適用外で、食事は出しませんよという、こういう対応も何かいかがなものかと。
 災害救助法が昨年からですか、これは内閣府に所管が移っている、厚生労働省じゃないんですね。内閣府に移っていることは十分承知の上で今ここでお話ししているんです。災害救助法の適用だったら当然内閣府の対応ですけれども、逆に適用外だということであれば、何かもっと別のことで対応できることはあったんじゃないかということもある。しかし、そのために予算を確保するには法律の裏打ちが必要になるとか、それは難しいことは十分承知の上です。
 厚生労働省としてできることがあるのか、あるいは、そうでなければ、内閣府に所管した災害救助法の適用を少し運用を幅を持たせるとかということで厚生労働大臣から内閣府に働きかけていただくとか、何らかの形、被災者ではない、その家族が安否を心配して待機する、そういうときに国や県の補助などでも食事が提供できたりするような、そういうような何かの工夫というか、そういう働きかけはできないものかということをちょっとお願いをしたいと思っているんですが、大臣、いかがでしょうか。
#129
○国務大臣(塩崎恭久君) 長沢先生、大変大事な御指摘を今いただいたと思います。
 厚生労働省としては、今般の噴火に当たっては、保健医療を所管するという立場から、災害医療の提供に万全を期すとともに、被災者やその御家族に対しての心のケア、先ほど説明をいたしましたが、提供する地元自治体の取組を支援をしてまいりました。引き続き、この地元自治体と十分連携をして、被災者、そしてまたその御家族、その支援に万全を期してまいりたいと思っております。
 今の災害救助法、内閣府に所管替えになった災害救助法については、この法律による救助の対象は、災害による直接被害を受けて現に救助を必要とする者とされていると承知しておりまして、これだと家族が対象にならないという大事な問題提起がございましたので、所管の防災担当大臣に私の方から伝えておきたいというふうに思います。
#130
○長沢広明君 大臣、ありがとうございます。
 やはり現場で苦労している人たちが法律によって本当はやりたいことができなくなるというのは、やっぱり役所の方々も非常に苦しい思いをされているので、そこをある程度、現場の声を受けられるような枠組みをもしつくっていただければというふうに思いますし、そういうことができるようにするためには、私たちもできるだけのお力添えをしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 今年は今申し上げた御嶽山の噴火に加えて、広島の大規模かつ甚大な土砂災害とか、幾つもの台風被害も重なって、災害の危険性、防災の重要性ということを改めて認識させられる年になっています。
 東日本大震災からは三年七か月を経過して、各地に震災の深い爪痕はまだ被災地では残っているということを考えますと、災害からの復興ということには長期的な取組が必要ということで、昨年の臨時会の冒頭、当時、もう二年七か月震災から経過した頃ですが、復興の状況について、当時の田村厚生労働大臣あるいは佐藤副大臣にお尋ねをいたしました。その際、医療関係、公衆衛生、精神的なケアを含めて、厚生労働省を始め政府の皆様方に全力の支援体制で東日本大震災の復興に取り組んでいただきたいと要望したところ、被災地、被災者の皆さんのしっかりした対策に尽力してまいりたいと、こういう答弁も当時いただいております。
 塩崎大臣も、今回の所信の挨拶で、東日本大震災について、健康確保や心のケア、雇用対策、医療、介護の体制、これらのことに取り組んでいくというふうに発言があったところでございますが、被災者の生活に深く関わる厚生労働行政を預かる大臣として、東日本大震災からの復興に向けた決意を改めてお聞かせを願いたいと思います。
 また、復興に際して、厚生労働省として当面の課題をどのように認識を持たれているか、御所見を伺いたいと思います。
#131
○国務大臣(塩崎恭久君) 先般、福島県のいわき市に私行ってまいりまして、これ、発災からちょうど三年七か月が経過をしている一方で、今なお二十四万三千人の方々が避難生活を送っておられるということで、復興に向けた取組は安倍内閣挙げて取り組まなきゃいけないと思っていますし、九月三日の改造のときにも、総理から、全員が復興大臣のつもりでやれと、こういうことでございました。私自身、先ほど申し上げたように、いわき市で仮設あるいは病院に行ってまいりましたけれども、改めてこの復興へ向けて立ち向かっていかなきゃいかぬなということを心を新たにしたところでございます。
 被災地で、避難生活の長期化に伴う健康状態の悪化あるいは被災者の孤立等が引き続き懸念をされるわけでありますし、今先生御指摘の雇用の創出それから確保、福島県沿岸部の医療・介護提供体制の整備、これは双葉郡から大勢の方々がいわきに来られ、そしてまた廃炉のために行っていらっしゃる方々が多くはいわきにおられるわけで、人口が三万人ぐらい増えているんですね。三十万のところが三万人増えちゃっている、一割ぐらい増えているというようなことで、いろんな形で、救急医療とかいろいろなところにしわ寄せが行っておりました。これは独りいわきだけではないのかも分かりませんので、このため、こういうことで被災者の健康確保、心のケア、そして雇用対策、それから医療、介護の体制整備等の対策に厚労省としても全面的に力を入れていきたいと思っております。
 また、労働の関係で、特に建設人材の不足というのが極めて深刻でございまして、我が省内にもPTを立ち上げて、被災地での建設人材確保に向けた具体的なビジョン、これを年明けにまとめることといたしました。
 東日本大震災からの復興に取り組んでいくに当たりまして、やはり現場第一主義ということで、この重要性を改めて認識し直し、今回初めて行きましたが、これからも他の地域を含め被災地を訪れて、復興に力を注いでまいりたいと思います。
#132
○長沢広明君 是非よろしくお願い申し上げます。
 もう一点、当面の私自身の問題意識としてお伺いしておきたいことがございます。それは感染症対策です。
 この国会、感染症法の一部改正案が提出されておりますので、その議論はその質疑の際にまた改めて詳しくさせていただきたいとは思いますが、当面、今非常に一刻も早くいろいろな対応が求められる課題も多いのではないかというふうに思っておりまして、今日少し確認させていただきたいと思います。
 まずデング熱ですけれども、七十年ぶりの国内感染というふうに騒がれましたが、一か月の間に百五十人余りまで拡大をいたしました。現在も関東を中心として北海道から西日本まで感染者が広がっている形でございます。冬で媒介する蚊の活動が終了するので、それはそのまま来年に引き継ぐことはないということでありますが、やはりこの感染者が、デング熱ウイルスにも幾つかの型があって、一つの型だったらまだいいけれども、二つ別のウイルスの型に感染すると重篤化するという問題がかねてから指摘されています。
 やはり依然として警戒すべき感染症であることは間違いないので、今回の感染拡大を一つの教訓として、蚊を媒介とする、あるいは虫を媒介とする感染症に対する体制の強化というのは本当に必要になるというふうに思っております。
 このデング熱の国内感染の現在の状況と厚生労働省の対応について、まず説明いただきたいと思います。
#133
○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。
 国内におけるデング熱の感染症例でございますが、今年の八月二十七日に第一例を確認しております。それ以降、十月十五日までに百五十九名の報告を受け、公表をしております。
 厚生労働省といたしましては、どこで患者が発生しても対応できるよう、八月二十七日に全国の自治体、医療機関に対しまして対応・対策の手引き及びデング熱診療ガイドラインの暫定版を提供しまして、必要があればその後改訂するなどの対策を講じてきたところでございます。
 また、九月六日には東京都二十三区及び関係機関の出席を得まして、デング熱対策に関する関係機関緊急対策会議を開催しております。その中で、患者が感染後に感染地とはまた別の場所で蚊に刺された場合に蚊の駆除などの対策を講じること、また、東京二十三区の公園におきましては利用者への注意喚起を行うこと、また、公園で長時間過ごす方の健康状況を確認することなどの対策を取ることについて合意したところでございます。また、九月十二日には自治体向け対応・対策の手引きの改訂版を発出しておりまして、大規模公園における発生を想定した蚊の調査及び防除の方法について具体的に明記したところでございます。
 デング熱の感染の拡大には歯止めが掛かりつつあるものと認識しておりますけれども、引き続き、全国の自治体とのより一層緊密な連携の下で当面のデング熱対策に万全を期してまいりたいと考えております。
#134
○長沢広明君 大事なことは、今回七十年ぶりに国内の感染が明らかになったということですけれども、これはある意味ちょっと偶然に、一人目の感染者を観察した医師が過去にデング熱を診察した経験があったと。そこでこれおかしいなと気が付いて、たどってみたら国内感染であったということで分かったということですね。
 ですから、蚊を媒介とする感染症というのは、日本脳炎を始めとしていろんな病気が指摘をされていますし、蚊を媒介とする感染症に対する対応というものを、このデング熱のことを、今回の件を機にどれだけ体制をきちんと、いろんなものに対応できるようにできるかどうかということは大事なことだというふうに思います。
 今回、感染源が当初代々木公園だということが分かって、東京都の初動の体制が甘かったじゃないかとかよく言われていますけれども、いわゆる蚊を採取して、そこにウイルスがあるかどうか分析するというノウハウが東京都にはやっぱりなかったんじゃないかと思うんですね。やったことがないことをやっぱり東京都の職員の方がやろうとしてもできないわけで、国立感染症研究所とかいろんなところから力を借りてスタートしているんだと思うんです。この状況というのは、多分全国各地、今現在一緒じゃないかと思う。
 そういうふうに考えると、蚊の採取とか駆除のノウハウの共有、それから検査キットの普及、地方自治体がより一層実効性のある初動体制が取れるように、この体制を今からきちんとつくっておく。これは、デング熱はこの冬でもう一旦終わりになるからいいだろうということではなくて、蚊を媒介とする様々な感染症に対する対応として、これを奇貨としてきちんと対応を取っておくということは非常に大事な問題だというふうに思うんですが、どういう方策を考えているか、伺いたいと思います。
#135
○政府参考人(新村和哉君) 地方自治体におきますデング熱の対応体制を強化するため、厚生労働省におきましては、地方衛生研究所にデング熱の簡易検査キットを配付しております。また、蚊の採取や駆除のノウハウにつきまして、東京都の特別区の担当者の参加を得て講習会も実施したところでございます。
 デング熱を始めとする蚊が媒介する感染症につきましては、国際的な移動の活発化に伴い、来年以降も、海外で感染し国内で発症した方を起点とした国内での感染の広がりという可能性もございます。このため、十月八日に厚生科学審議会感染症部会を開催しておりまして、その中で、専門家によるチームを設置し、こういった蚊が媒介する感染症への今後の対策について検討するということが了承されたところでございます。
 具体的には、今回の経緯で明らかとなった課題を踏まえまして、例えば平時及び感染症発生時の蚊への対策、予防策に関する国民への普及啓発、早期発見、治療のため、医療機関への情報提供の実施などについて検討することとしております。
 厚生労働省といたしましては、専門家の御議論を踏まえまして、蚊が媒介する感染症に関する特定感染症予防指針を策定することも含めて必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
#136
○長沢広明君 しっかりお願いしたいというふうに思います。
 蚊以外にもマダニで感染する病気のこともやろうかと思ったんですが、ちょっと飛ばします、時間がないので。
 エボラ出血熱の対策です。アメリカ国内での感染が確認されたということで、非常に重要な局面を私迎えたと思っております。エボラ出血熱について、厚生労働省は、主として患者に直接接触することにより感染する、流行地域がアフリカに限定されていると、こういうふうに今まで言って、通常の日本人渡航者が現地で感染するリスクは非常に低いというふうに今までしてきたと思いますが、アメリカ国内での感染が確認された段階で非常に逆に日本国内にも来るのではないかというリスクは私、一気に高まったのではないかというふうに思います。
 決して、ただ単に不安をかき立てても、あおり立ててもいけないわけですけれども、日本国内の医療体制、生活環境から考えれば、国内で流行、激しくするという可能性はほとんどないというふうに思っています。ただ、正確なリスク情報をきちんと提供しながら、国民が不安にならないように、エボラ出血熱対策がしっかり取られているということをきちんと説明していかなきゃいけないというふうに思いますので、この点について現状の報告をお願いしたいと思います。
#137
○政府参考人(新村和哉君) エボラ出血熱につきましては、アフリカのみならず、御指摘ありましたように、アメリカあるいはスペインなどにおきましても患者の発生が報告されておりまして、我が国としても予断を持たずに対応するということが必要と認識しております。
 このため、出入国者に関しましては、エボラ出血熱の発生状況等について注意喚起をまず実施しております。また、入国者につきましては、空港において日頃からサーモグラフィーによる体温測定を実施しておりますが、それに加え、ポスター、これは複数か国語でポスターを掲示し、また、検疫官の呼びかけ等によりまして、発生国に滞在した場合にはその旨の自己申告を促して問診あるいは健康相談を実施しております。
 また、各航空会社にも協力を要請しておりまして、発生国に二十一日以内に滞在した乗客の方には検疫官に自己申告するよう機内アナウンスをするよう依頼しております。
 また、発生国への滞在が把握できた在留邦人の方につきましては、その所属する企業、団体等を通じてエボラ出血熱の予防についての情報提供や帰国時における検疫所への自己申告のお願いなど、こういった取組により検疫強化を実施しております。
 また、国内で万一エボラ出血熱の患者が発生した場合には、特定感染症指定医療機関などの特定の病院に搬送するといった対応を取れるよう、既に体制を整備しているところでございます。
 厚生労働省におきましては、引き続き、WHO等関係機関と連携しつつ、国際的な感染動向をよく注視しながら、警戒を怠らずしっかり対応してまいりたいと考えております。
#138
○長沢広明君 国内で発生することよりもちょっと可能性が高いのは、海外において日本人の感染者が発生する場合の方が可能性が高いと思います。
 ちょっと確認だけしておきます。海外で日本人の感染者が発生した場合、どういう経路で日本に搬送するのか、どういう施設で治療を行うことになるのか、簡潔に説明してもらいたいと思います。
#139
○政府参考人(新村和哉君) 国外で日本人が万一エボラ出血熱に感染した場合には、国外における邦人保護という観点から、政府全体として迅速かつ最善の対応を取るということになります。その際、本人の病態あるいは日本までの移動時間を考慮する必要がありますし、医師の判断、本人の意思、あるいは御家族の要望など、総合的に勘案の上、日本に搬送するかどうかの判断が行われるものと考えてございます。
 日本人のエボラ出血熱の患者さんが国内に搬送された場合には、先ほど申し上げましたとおり、感染症法上の特定感染症指定医療機関等に搬送するなどの体制を既に整備しております。
 厚生労働省といたしましては、WHO等の関係機関とも連携しつつ、感染動向を注視し、情報収集、分析を怠りなく行いながら、関係省庁と緊密に連携して対応を準備をしていきたいと考えております。
#140
○長沢広明君 病態によってまず日本に移送するかどうかということの判断が非常に重要になるということだというふうに思います。
 日本に搬送した場合は日本の特定の施設の中で対応することになるということですが、その施設についてちょっと確認をします。
 エボラウイルスのような生命に極めて重大な影響を与える病原体は感染症法上も一種病原体等というふうに位置付けられて、そのウイルスの所持等に関しては強い規制を受けるということになります。この一種病原体等は、病原体等を扱う施設のレベルのうち最も高いバイオセーフティーレベル4、これ略してBSL4施設での取扱いが要求されていると。
 先日の参議院の本会議代表質問で、我が党の山口代表がこのBSL4施設のことについて質問をいたしました。我が国では、BSL4、バイオセーフティーレベル4の施設は、実は国立感染症研究所・村山と理化学研究所、これはつくばでしたかね、に実はあると。BSL4施設はあるけれども、地域住民の反対などがあってL4、レベル4としての稼働ができない。レベル3でとどまっているということで、実は先進国の中でレベル4の施設を持っていないのは日本だけだということで、世界中から実は指摘を受けてきているわけです。
 そういう意味では、このレベル4としての施設を稼働するかどうかについて我が党の山口代表が質問したときに安倍総理は、地元関係者の理解を得て早期に稼働できるよう対応していく旨答弁されました。このL4がないと、エボラウイルスを保持、保管することができないはずなんですね。そうすると、対応がかなり限定されてしまうわけです。
 万が一にもエボラ出血熱の感染者が発生してから稼働のための手続というのでは到底間に合わないと思いますし、現時点でバイオセーフティーレベル4施設の早期稼働に向けて具体的にどういう手続を進めようとしているのか。L4稼働の前はL3の中で対応するしかないということではあると思いますけれども、どういう手続を進めようとしているのか、説明を願いたいと思います。
#141
○副大臣(永岡桂子君) 長沢委員にお答えいたします。
 エボラ出血熱を始め大変重篤な病を引き起こします一類感染症が疑われる患者さんに対しまして万全の対策を講じるためには、やはり何といってもBSL4、この施設が稼働することが重要であると、やはり同じ認識でございます。
 国立感染症研究所の施設におきましては、エボラ出血熱などの病原体を扱いますBSL4施設の基準に適合しておりますけれども、施設周辺の住民の中には、このような病原体を扱いますことを非常に不安に思われる方という方がいらっしゃるんですね。その心情にもやはり十分注意をする、配慮をするということが重要かと考えております。
 国立感染症研究所におきましては、これまで、BSL4施設稼働の問題とはまた別に切り離しまして、地元の自治体の協力を得ながら、市民セミナーを年に数回やっていただいたり、また見学会ですね、これも年に一、二回定期的に開催するなどいたしまして、地元住民の方に開かれた研究所の運営ということを見ていただくように努めているところでございます。
 西アフリカにおきましてエボラ出血熱の感染が拡大している状況を踏まえれば、やはりBSL4施設の稼働が重要と強く認識しております。地元の関係者の皆様方の理解を得て早期に稼働ができますよう、今後、地元関係者にこれまで以上に丁寧に、昨今の感染症の発生動向ですとか施設の重要性を説明するなど、一層の努力をしてまいる所存でございます。
#142
○長沢広明君 地元住民への説明をやるしかないということです。
 通告していませんけれども、健康局長、さっきちょっと申し上げた、L4が稼働できない限りはL3までの対応で当面は大丈夫というふうに言っていいですか。
#143
○政府参考人(新村和哉君) 国立感染症研究所の村山支所にBSL4の稼働がし得る施設がございますが、先ほど来申し上げておりますように、BSL4レベルでは稼働しておりません。
 しかしながら、BSL3、三のレベルでは稼働することができますし、現に使用しております。そして、エボラ出血熱の患者さんが万一発生した場合に診断をするための検査につきましては、BSL3、三のレベルで診断まではできるというふうに伺っております。そこから更に検体からウイルスを分離して詳しい分析を行う、あるいは実験をするという段になりますとBSL4でないとできない、その部分ができないというふうに承知しております。
#144
○長沢広明君 今お話あったとおり、本当の対策を打っていくためにはやっぱりL4施設が必要なんですね。そのために是非政府も努力をお願いしたいというふうに思います。
 時間が足りなくなりましたが、雇用労働政策についてちょっと伺いたいと思います。
 今日様々に議論が出ていますけれども、塩崎大臣からは、雇用労働政策に関しては、女性や高齢者、若者の雇用の環境整備、それから能力開発による労働生産性の向上を通じて持続的な経済成長を図っていくという姿勢が示されました。他方、安倍総理は、報道とかいろいろ読みますと、塩崎大臣には労働規制の岩盤にも果敢に挑戦してもらいたいと、こういう総理の発言がございます。
 新聞でも、これは新聞のあくまで報道ですよ、新聞の報道ですが、従来、厚生労働省は労組側の主張に流されがちと見られてきたが、雇用改革で生産性を上げるべきと訴えてきた塩崎氏が厚生労働大臣に就任し、改革への期待が高まっている。あくまでこれは新聞の論調です、私が言っているんじゃないんです。新聞がそう言っている、と書いている。これまでの厚生労働省による雇用労働政策が塩崎大臣の就任で転換されるのではないかと、こういうような向きがあると。
 大臣に念のためにお尋ねいたしますけれども、これまでの厚生労働行政の方針を踏襲していくのか、あるいは転換していくのかと聞かれたら、大臣、どうお答えになるんでしょうか。よろしくお願いします。
#145
○国務大臣(塩崎恭久君) 政策全般にわたっていろいろございますので、そう単純化するようなことはなかなか難しいというふうに思いますし、雇用労働政策については、当然、まず雇用をつくっていくということに関してはもう安倍内閣としても最優先にして、それこそが経済そのものだというふうに思うんですね。
 その上で、なぜここまで経済が停滞してきたのかということを考えてみると、新しい仕事をつくったりするときにはやはり労働移動というものが起きなきゃいけないことがあるわけでありますので、成熟産業から成長産業へのいわゆる失業なき労働移動とか、あるいは多様で柔軟な働き方が必要だということを掲げているわけであります。これは私が大臣になる前からもう既に成長戦略、六月に決まっていることでありますので、私は内閣の一員として、淡々と内閣としての向かう方向に向かって、皆さん方と議論しながらこれを決めていくということを担っているんだろうというふうに思うんです。
 この雇用労働分野では、これまでどちらかというと少し雇用維持型だった労働政策でありましたけれども、ここに労働移動支援型に政策転換をするということが必要な規制の見直しが出てくるわけで、これまでも着手を既にしてきたところでございます。
 私としては、引き続き再興戦略改訂二〇一四に基づいて、働き方改革や失業なき労働移動の実現、そして地方創生を含めて、これから女性の、あるいはそれから若者の雇用、活躍の促進のためにも取り組んでいかなきゃいけないということで、今後とも、雇用労働問題の当事者である労使等の関係者の意見を十分お伺いしながらしっかり責を果たしていきたいというふうに思います。
#146
○長沢広明君 続けて、今、女性、若者という話が大臣から出ましたので、特に女性の雇用の問題について、安倍政権で、この内閣で女性の雇用について旗が大きく振られるようになりました。
 それで、今日も議論が午前中もありましたけれども、二〇二〇年の三〇%の女性の活躍というようなことも、まあリーダーの地位に能力の高い女性が就くことは大事だと思いますし、ガラスの天井とも言われていますけれども、本来、能力のある女性が結局昇進が可能にならないようなとか、そういうことを取っ払わなきゃいけないということは非常によく分かります。
 ただし、じゃ、多くの女性が自分が管理職になりたいというふうに思っているのかどうかですね。管理職になるということが、そのキャリアで地位を高めるということが働く女性の本当に多くの人の目的なのかどうかというと、若干違う面が私あるんじゃないかという、ちょっとそういう感覚を持っています。
 特に、ごく普通の女性がごく普通に働くことができる、そして自分の自己実現が図ることができるという体制をつくることが大事で、特に、例えば母子家庭のお母さんが本当に自分の子供をちゃんと育て上げられる、そして、母子家庭で子供を育てながら働いているお母さんが、自分が管理職になりたいと思うよりは、自分の子供が母子家庭で育ちながらもちゃんと育っていってほしい、あるいは母子家庭だからといって惨めな思いを子供にさせたくないというのが私、お母さんの本当の思いだと思うんですよ。そういう思いをきちんと生かせるような、それが私は本当の多くの女性が輝ける社会の実は根っこになるんじゃないかというふうに思うんですよね。
 そういう意味では、普通の女性が普通に働くことのできる環境、これをしっかり支援していくということも必要だと思いますし、今、厚労省と内閣府で政策パッケージの検討もずっとされてきているというふうに聞いていますけれども、その中にも母子家庭の支援というのも確かに入っております。そういう子育て支援とか働く女性への普通の支援というものを更に強くしていく、高齢社会においては介護に当たる女性の負担というのも軽くしていく、労働力からの離脱、介護による離脱ということをどう防いでいくかということも大事なことだというふうに思います。
 パートや派遣も含めた働く女性の雇用を守るための環境整備、子育て支援や介護支援策について今後更にどう強化していくつもりか、考えを伺っておきたいと思います。
#147
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生おっしゃるように、女性がどういうふうに働くのかというのは千差万別だと思うんです。置かれた状況によって、子供がいるいない、結婚しているしていない、あるいは子供の年齢とか、あるいは介護をしなければいけない家族と一緒にいるのかいないのかとか、いろいろなことがありまして、全ての女性がそれぞれの希望に応じて働ける、そして個性と能力を発揮できる、それから子育てや介護と仕事の両立が可能な雇用環境整備というのが大事なんだろう、選択ができるということがやっぱり非常に大事なことだと思います。
 このため、これまで厚生労働省としても、期間雇用者の育児休業の取得促進であるとか、待機児童解消加速化プランに基づく保育の受皿の確保であるとか、デイサービスやショートステイ等の介護サービスの充実などに取り組んでいますし、今お話があった、パートで働く方々あるいは派遣で働く方々に対しては、パートタイム労働法に基づく均等・均衡待遇の確保等の推進とか、そしてキャリアアップ助成金による派遣から今度正社員に転換をする処遇改善をする、そういうものを我々としては推進をしているところでございまして、これらの取組によって、全ての女性が仕事と家庭を両立しつつ、そしてまた、いろいろな働き方や家庭での時間の過ごし方などもそれぞれ千差万別でありますけれども、そういう中で就業できる環境整備を進めてまいりたいと思います。
#148
○長沢広明君 ありがとうございました。
 終わります。
#149
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 塩崎大臣、そして両副大臣、政務官、就任、誠におめでとうございます。
 私からも幅広く大臣のお考えを伺いたかったんですけれども、今日は、長沢先生に続き、いつも連携をしているわけではないんですけれども、同じ問題でかぶってしまうんですが、災害対策について、災害医療について的を絞って御意見を伺っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 先ほど長沢先生からも御指摘ございました、閉会中に広島の土石流、これは石井先生の御地元でもございます。御嶽山の噴火、多くの方々が犠牲になられました。まずはその犠牲になられました皆様方に哀悼の意を表し、被害者の皆様方にはお見舞いを申し上げたいと思います。
 私から資料を配付いたしておりますので、資料を御覧になっていただきながら私の質問を聞いていただきたいと思います。
 まず、資料の一でございます。
 考えてみましたら、我が国というのは、その位置、地形、地質、気象などの自然現象から、台風、豪雨、豪雪、洪水そして土砂災害、地震、津波、火山災害など多くの災害が発生しやすい国土となっています。世界の全体に占める日本の災害発生割合は、マグニチュード六以上の地震の回数は一八・五%、活火山の数は七・一%、死者数は一・五%、災害被害額は一七・五%など、世界のたった〇・二五%の国土面積とこれを比較しますと、本当に高い災害の率が我が国にこれは降りかかっていると言わざるを得ません。阪神・淡路大震災からおよそ二十年、東日本大震災から三年半、本当に多くの皆様方の犠牲の上に私どもは今生活をしていることも確かです。
 災害医療派遣チーム、日本DMATの結成からも実は今年で十年でございます。その活躍は本当に目覚ましいものがあるということは、先ほども長沢先生からも御報告をいただきました。しかし、いまだ日本は災害医療後進国と言わざるを得ない状況がございます。
 まず私も、どのような今災害医療の現状なのかということを把握するために、先日、立川にございます日本DMAT事務局、国立病院機構災害医療センターへ視察に行ってまいりました。残念ながら、その日本DMATの事務局体制というものは、今私が説明しましたような災害大国日本には似つかわしくないものであったということをまず御報告をさせていただきたいと思います。
 実は、このDMATの事務局、三百六十五日二十四時間稼働していなければなりません。しかし、職員数は十六名。その十六名のうち二人は兼務でございます。ドクターが二人、その災害センターの病院と兼務をしている。残る十四人は全て非常勤です。このような状況の中で本当に日本の災害医療を担える基地と言えるのかどうか。
 実は、厚労省は、防災事業計画というものを持っています。この防災事業計画の中には、DMAT等の運用に係る体制を整備するという文言も入っております。DMATの事務局の職員を常勤職員にして安定した体制とすべきではないか、まずそこから質問させてください。お願いいたします。
#150
○副大臣(永岡桂子君) 薬師寺議員にお答えいたします。
 東日本のDMAT事務局につきまして、先生お調べいただきましたけれども、現在職員が十六名おります。そのうち常勤職員というのは、医師二名とそれから事務職の二名、計四名でございまして、そのうち三名が兼職、非常勤ではなくて兼職となっております。残りの十二名の職員は非常勤でありますけれども、そのうちお医者さんが二名、事務職員が十名となっております。
 DMATの事務局というのは、災害発生時には、被災の都道府県ですとか被災都道府県内の災害拠点の病院との連絡調整を行いまして、全国のDMAT隊員への情報の提供をいたしますとともに、活動するDMATへの支援を実施しております。平時は隊員の養成研修の企画、実施を行っておりますし、DMAT隊員のあと管理なども行っているわけでございます。
 厚生労働省といたしましては、今後首都直下地震などの大規模災害の発生が想定される中で、DMAT事務局の果たす役割は非常に大きいと考えておりまして、必要な人員の確保も含めまして、DMAT事務局の体制の整備に一生懸命努力をしてまいりたいと思います。
#151
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 努力をするだけではなかなか問題解決にはなりませんので、是非これは、この体制を整備をするという本当はお約束をいただきたいと思うんですね。そうでなければ、先ほどおっしゃっていただきましたDMAT事務局の皆様方のこの人数で本当に担えるとは私は思えません。三百六十、二十四時間の体制で多くの方々がボランティア精神で支えてくださっている、それが現状です。いかがでしょうか。もう一度御答弁いただけますでしょうか。
#152
○副大臣(永岡桂子君) DMAT事務局の体制の整備に努めてまいります。しっかりと努めてまいります。
#153
○薬師寺みちよ君 今御答弁いただくのは難しいかもしれませんけれども、しっかりこれは、まず検討をしながら、努めるだけではなく、実際に実行に向かって歩み出していただきたいと思う課題でございます。
 まずここの一段目からして、ちょっとかなり私どものところとは温度差があるのかなというところで大変残念なんですけれども、その次の段階といたしまして、じゃ、今まで災害が起こってきた、その中で様々なデータを蓄積できたチャンスがあるにもかかわらず、なぜかこの災害医療については、そのデータが蓄積されながらそれを次に生かせなかったというような現状も今回の御嶽山の噴火によって分かってきております。
 実際に、今回、御嶽山の噴火、多くの皆様方が熱風を浴びました。ということは、私も医師でございますので容易に想像できます。気道熱傷というものを起こしてしまいます。気道の、こちらのやけどですね。ですので、本来であれば、トリアージの際に、それをもう既に頭の中に描きながらトリアージを行っていかなければならない。しかし、そういった知識もない、知識か若しくはそういう情報もない方々がトリアージを行われたのか、自力歩行ができるというので、初め緑色のタグを付ける、しかし数十分後には赤のタグに変わるぐらい急変をしてしまったというような状況が多々発生をしたようでございます。ですので、もし今までそういう知識の蓄積があれば、そういう事態も回避できたかと思うんですね。
 今までの災害時の医療データを蓄積して分析を行い、次に生かしていく、いわゆるPDCAサイクルというものが厚労省の中にあったんでしょうか。教えていただけますでしょうか。
#154
○副大臣(永岡桂子君) DMATの活動記録につきましてのこの蓄積というものはございました。しかしながら、分析を行いますシステムというのは整備はされておりません。御指摘のデータの蓄積と分析を行うシステム、この整備につきましては、今後、これからなんですけれども、関係者の意見を聞きながら研究をしてまいりたいと思っております。
#155
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほど長沢先生からもお言葉ございましたけれども、DMATだけではないです、今DPATもございます。私も後から御紹介させていただきますけれども、地方でも様々な動きが起こっております。ということは、DMATの情報の蓄積だけでは全てを把握すると、全体把握にはなりませんので、本当に医療というものの観点、福祉というものの中で様々な観点から情報を収集し、それを次の災害に生かすためにはどうしたらいいのか。これ本気で考えていただかなければ、同じことが起こってもまた同じような問題が起こる。災害というのは、起こってしまったら、被害は本当にもう我々の命を懸けてでも守ってでも、何人も何人もの方が救えない、それが現状なんですよ。
 ですから、ここは、この度、閉会中、本当大きな災害が二つあったといういい機会でもございます。東日本大震災、そして阪神・淡路大震災の教訓を生かす意味においても、もう一度厚労省も真剣に考えていただきたいと思っております。
 ですので、私、ちょっと今から、大変申し訳ございません、感情的に害せられる方もいらっしゃるかもしれませんけど、一つの提案をさせていただきたいと思います。
 今回の御嶽山の被災をされた御遺体をAi、いわゆる死亡時画像診断などを用いて死因を特定したのかどうか、教えていただけますでしょうか。
#156
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 今回の災害により亡くなられた方の死因の特定に際しまして、御指摘の死亡時画像診断を一件実施しております。
#157
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 実は今回、DMATの事務局に参りました。できれば全例お願いしたいというふうなお声を方々掛けたんだけれども、なかなかそれが実現できなかった。なぜならば、なぜ死亡したのかというのは原因が分かっていないんですね。原因が分からないと次に対策の打ちようがないじゃないかと、これが今災害医療の前線で起こっているまさに現実なんですね。
 私がなぜ先ほど感情のということを申し上げたかといいますと、やはり、私ども医師、解剖させてくれと言うと、なかなかそれを受け入れてくださる皆様方はいらっしゃいません。しかし、今は画像診断という手があります。画像診断であれば、全く御遺体を汚すことなく、切り刻むことなく御遺族の皆様方の手元に戻すことができます。であれば、災害時もAiなどを利用していただきまして、本当の死因というものを究明し、それを防災に生かしていただきたいんです。ですから、そういった観点というものが今までの災害医療の中には欠けていたと言うしかないんではないかと私は考えているんですね。
 ですから、防災を担うということの中の大きな柱の一つとして、私は医療を立てていきたいんです。そうしていかなければ、いつまでたっても同じことの繰り返しで、何人が助かった、何人が死亡した、この数字だけで一喜一憂してしまうことになってしまうと考えております。災害医療というものを一つのサイエンスとして捉える体制というものを構築していただきたいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#158
○副大臣(永岡桂子君) 御指摘のとおり、災害時における対応については、その場限りの対応に終始することなく、今後の体制の充実に向けまして取り組むことが先生おっしゃるとおり重要と考えております。
 DMATについては、厚生労働の科学研究によりまして、南海トラフ地震の発生の初動時の対応に係る研究などが行われておりますが、心のケア、避難所におけます被災者の健康管理も含めまして、災害医療の研究体制の整備については、今後、関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
#159
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もう本当に先ほどから何度も何度も申し上げております。これは本当に本気で取り組んでいただかなければ、国民の命を守るという我々の政治家の生命も懸かっていると思っております。
 では、先ほどからDMATという言葉が出てきておりますので、DMATの活動について少し御紹介いただきたいと思います。
 DMATの活動はどのような場面を想定して訓練を行われているんでしょうか。お願いをいたします。
#160
○政府参考人(二川一男君) DMATでございますけれども、大地震及び航空機・列車事故等の災害時に被災者の生命を守るために被災地に迅速に駆け付け、救急医療を行うための専門的な訓練を受けているものでございます。具体的には、被災現場では医療活動を行うことはもちろんでございますけれども、災害対策本部での活動、あるいは被災病院への支援、それから被災地域内での患者搬送、そういった様々な業務がございます。
 現地でのニーズに応じて柔軟に活動するといったことが求められているものでございますから、これらの場面を想定をした訓練を行っているものでございます。
#161
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私、先ほども申しました。災害と一口に申しましても、台風である、豪雨である、豪雪である、洪水である、土砂災害である、地震である、津波である、火山の今回のような噴火である、様々なパターンというものが想定できると思います。そのパターンを想定し、訓練を積むべきではないんでしょうか。いかがでしょうか、局長。
#162
○政府参考人(二川一男君) 御指摘のように、災害には様々な場合がございます。地震、津波、大雪災害、土砂災害等様々な災害のパターンがあるわけでございまして、そういったものそれぞれを想定をして訓練を行うということは、DMAT隊員の能力向上に資するものというふうに考えております。
 現在も、瓦れきの置いてある場所をどうやって救出するかとか、そういったような場面を想定した訓練もやってはおるのでございますけれども、今後も災害医療に関する有識者とか都道府県DMAT隊員等の関係者の意見等も取り入れながら、様々な訓練体制につきまして充実を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
#163
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、残念ながら、今回も気道熱傷一つ取り上げても、そのパターンが生かされていないんですね。
 ですから、我々としては、まず考えなければならないことは、様々なカリキュラムも準備をしていただかなければならないことだと思うんですね。災害前に、こういうプログラム、こういうプログラム、そのための訓練というものを考えていただかなければならないんですけれども、先ほど申しましたように、日本DMATの事務局自体がやはりかなり手薄な状況の中で、本当に皆様方、災害となれば不眠不休で取り組んでくださっているような状況もございます。
 私が伺いましたら、三百六十五日のうちの約百日はそういった地方の皆様方のトレーニングを行っていると。もう自分たちは新しいプログラムを書く時間もないんだ、これなんですね。ですから、しっかりとした基盤整備というものが今後必要になってくるかと思いますけれども、大臣、どのように、今の話様々お伺いになった上で、災害医療について御意見をお持ちなのか、基盤整備を行っていく決意なのか、少し御意見を伺いたいと思います。
#164
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生も医師としての達見から今お話をいろいろと聞かせていただきました。
 近年、特に集中豪雨とか津波とか竜巻とか、それから噴火などの災害が多発をしておるわけでありますので、今先生がおっしゃっている災害急性期というか、こういったときの災害医療の在り方というものは本当に真剣に考えなきゃいけないなということを改めて教えていただいたような気がいたします。
 DMATそれからDPATの派遣、避難所における被災者の健康管理など、これは適切な時期に適切な支援を切れ目なく行うということが明らかに重要であって、それぞれの災害の種類によって恐らくそれぞれ変えていかなければいけないのかなというふうに思うわけであります。
 先ほどお話を聞いてみると、死因究明にしても画像の診断ということができたりということで、死因究明というのは本当に大事なことで、これは様々な意味で大事でありますから、今回のような場合には特にどういうふうにすれば災害による死亡を防げるかということを生かせるんだろうと思います。
 DMAT、DPATの問題については、先ほど先生、インフラというか人的インフラが不十分だというお話を頂戴をいたしました。
 確かに、ふだんはそれぞれ働いていらっしゃる方が兼務で医師をあるいは事務局を担っていただいているということは、ずっと常駐でいていただくわけにもいかない、いつ起きるか分からない災害でありますから。そうなると、どうやって本当に機動的に、そして絶えず訓練をしながら、おっしゃるように、DMAT、DPATが有効に活動できるようにできるのかということを考えなければいけないと思いますので、人材を有効に活用しながら、財源ももちろん限りはありますけれども、その中で精いっぱい今の災害医療を向上させるということをやっていかなきゃいけないのではないかというふうに思っております。
#165
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 また最後に大臣にはいろいろ御意見も、そして御決意も伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 そういたしましたら、済みません、時間の関係上、一問ちょっと後に回させていただきます。先ほどから出ておりますDPATの今度は問題でございます。
 災害時というものは、身体だけではなく、心というものも長期間にわたりむしばまれることが分かっております。東日本大震災に関しましては、自治体、医療機関から精神科医を中心とする心のケアチームというものが派遣をされました。被災地の住民のメンタルケアのための心のケアの活動なんですけれども、事前に組織化をされなかったということで、現場で多くの課題を残してまいりました。そのために生まれてきたのが先ほどから申し上げておりますDPATというものの活動でございます。
 災害派遣精神医療チーム、精神疾患の発症の予防などを支援する専門のチームでございますが、先日起こりました広島の土石流の災害、あの土石流の災害で初めて派遣をされ、活動なさったという報告を私受けております。今回の御嶽山の被災地でも活動してくださっておりますけれども、この二回の活動の中で見えてきた課題というものがございましたら教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
#166
○副大臣(永岡桂子君) 先生御指摘のとおり、DPATは、災害時に被災地域の精神保健医療ニーズの把握ですとか被災者に対します専門性の高い精神医療などの提供を行えるように、事前の体制として整備を進めていたものでございまして、今回の広島土砂災害などにおきまして大きな混乱なく活動ができたというふうに考えております。
 これは平成二十五年度の補助金の申請で補助金が出まして、つくり始まったものでございまして、課題といたしましては、広島県の土砂災害の場合は、局所的な災害に対して複数のDPATが相互に派遣されたために、各チームの派遣期間が大変短くて、チームの間での引継ぎですとか調整、本当に苦労したということを聞いております。広くなかった小さな局所的なところでのDPATの活躍というものが、広いところで起きました災害とはやはりちょっと違うという認識が分かりました。
 そして、災害の状況によりまして必要とされます支援が異なるということがあるために一概には言えないわけでございますが、これらの情報を国立精神・神経医療研究センターに設置いたしました災害時こころの情報支援センターで集積することによりまして、全国の災害時におけます心のケアの対応能力、これの向上を目指してまいりたいと思います。
#167
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では教えていただきたいんですけれども、平成二十六年一月七日付けの厚生労働省の通知によりまして、都道府県等において地域防災計画を策定する際にはDPATの運用についても記述することが望ましいとございますが、じゃ、現在どのくらいの都道府県の地域防災計画の中にDPATの運用についての記載がございますのでしょうか。お願いいたします。
#168
○政府参考人(藤井康弘君) お答えをいたします。
 委員御指摘のように、いわゆるDPATを各都道府県、指定都市に設けるように私どもお願いをしておるところでございますが、地域防災計画への記述につきましては、平成二十六年の四月時点でDPATを記載をしておりますのが七自治体、これは六道県、一指定都市でございます。ただ、そのDPATの前身的な位置付けになります心のケアチームを記載をしていただいている自治体は三十六自治体ございまして、二十六都府県、十指定都市となってございます。
#169
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 では、現在、DPATを何県が保有しているのか教えていただけますでしょうか。
#170
○政府参考人(藤井康弘君) 委員御指摘のDPATの保有県、これ、いわゆるDPATの先遣隊を保有しておる県というようなことで理解をしてお答えをいたしますけれども、発災の当日から遅くとも七十二時間以内に所属する都道府県等外の被災地域においても活動できるようなチーム、これをすなわちDPAT先遣隊というふうに申しておりますけれども、これを国立精神・神経医療研究センターに登録しておる都道府県は、都道府県の数で申しますと、平成二十六年の九月現在で十五府県ございます。
#171
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、資料の二を御覧いただきたいと思います。これはちょっと古い資料でございますけれども、このときには十三か所ということになっております。これから多分二都道府県増えたというふうに今御報告があったところでございますけれども、やっぱり多くの県でまだまだDPATというものが整備されていない。先遣隊ですので七十二時間以内にまずはDMATと同じように被災地に入り、活動を行っていく必要があるんですけれども、まだまだそういったチームの編成もなされていないような市町村若しくは都道府県もあるということでございます。
 各県DPATを最低でも一チーム持つという必要があるんではないかと思いますけど、どうでしょうか。いかがでしょう。
#172
○政府参考人(藤井康弘君) 私ども厚生労働省といたしましては、先ほど永岡副大臣の方からも答弁申し上げましたように、平成二十五年度からの災害派遣精神医療チーム体制整備事業というようなことも行っておりまして、都道府県等の職員に対する研修の実施でございますとか、あるいは各都道府県等における体制の確保のための支援を行うことによりまして、各都道府県等における先遣隊の整備も含めた発災時の対応力の強化に努めておるところでございます。私ども、こうした支援を通じまして、今後とも各県におけるDPATの体制整備を進めてまいりたいと考えております。
#173
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先日も私、実は災害特でDPATの問題取り上げさせていただきました。いまだにやはり東北では心のケアというものが必要。初期対応がとても大切なんですね。という意味においては、そのDPATの役割というものが認識されたのであれば、更にその充実というものを図る、これは当たり前のことだと思うんですね。
 実は、地域の防災の拠点病院、いわゆる災害拠点病院というものが整備をされています。二次医療圏に一つずつ災害拠点病院を整備をする、そしてさらに、都道府県に一つだけ基幹の災害拠点病院というものを持てばいいということで、現在医療提供体制が整備されているところかと思います。その災害拠点病院の指定要件といたしまして、DMATを保有している、その派遣体制があることという条件が付けられているんですね。であれば、都道府県、少なくとも一つDPATのチームを持つということであれば、基幹災害拠点病院の指定要件に入れていただいたら一番早いのではないか、一番整備がしやすいのではないかと考えられますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。
#174
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生の先ほど来の御主張については共感をする部分がたくさんあるわけでありますが、この基幹災害拠点病院の指定要件として災害派遣精神医療チーム、DPATですね、の保有を付け加えることについて、ちょうど今、この拠点病院が全国で六十あって、そのうち保有しているのが先ほど申し上げたように十五ということでございますので、このDPATの先遣隊を要件の一つとして加えるということについては、災害拠点病院の関係者、あるいは都道府県、あるいは先生のような災害医療にお詳しい方々の御意見も聞いて、その実現の可能性について、どういうふうにしたらできるだけ早く先生のおっしゃっているような形で実現できるのか、是非これ研究をしていきたいというふうに思います。
#175
○薬師寺みちよ君 是非前向きに検討をいただきたいと思っております。
 それと、私、先ほどから申しておりましたDPAT、DMAT以外にも様々な地域の活動がありますということで、資料三、四、五、六で皆様方にも御紹介をしていきたいと思います。資料三、四が広島県、そして資料五、六がこれ岩手県から御提供いただいたものでございます。
 実は、広島県、大変面白い試みをしていただいております。私は最初、DPATの一番目の派遣地だからということで様々聞き取りを行っておりましたら、何と、この広島独自の試みとして、公衆衛生チームというものを持っていることが分かりました。この公衆衛生チーム、資料三では時系列に、まず第一ステージ、第二ステージ、第三ステージ、第四ステージと。特にこの第二ステージの避難所で活躍をしてくださっておりますリハビリ、口腔ケアの分野で、まず公衆衛生を担うチームがその避難所の管理をしてくださっている。
 それから、これはまた広島に特化したことだったんですけど、こども分野の中でこどもDPATというものも編成をされていた。これは本当に先駆的な取組だと思います。資料四を御覧いただきましたら分かりますように、広島県災害時公衆衛生チームというものが様々な分野を下支えするような形で災害の避難所開催の運営者を応援してくださっていたんですね。
 一方で、この岩手県、まだまだ派遣をされたことはないんですけれども、実は福祉のDPATと呼ばれている皆様方のチームも編成が既になされております。これはまだまだ全国的に編成は進んでいないようですけれども、岩手県災害派遣福祉チームというものが組まれまして、現在トレーニング中だというふうに伺いました。
 先日、DMATの事務局に参りました際もそうです。救急医療というと、皆様方、外科というものを想像しがちなんですけれども、でも、災害のときに避難所に行ってしまえば、結局は生活習慣病で亡くなられる方が東日本大震災でも多かった。ということは、外科だけではなく生活習慣病を担当できるような、若しくはそれをケアできるような人間も先遣隊として必要なんだと、まさにこの公衆衛生チームであったり福祉版のDMATというものが、今後、高齢化社会の日本においては災害時に必要になってくることは、これは明白でございます。であれば、こういう様々な地域の取組というものを全国に広げていく、そういった工夫も必要かと思いますけれども、医政局長、御意見いただけますでしょうか。
#176
○政府参考人(二川一男君) 災害発生時に活動するチームといたしまして、DMATやDPATのほかに、公衆衛生支援を行うための公衆衛生チーム、あるいは福祉ニーズを把握し支援を行うための災害派遣福祉チーム、こういったものを自治体独自の取組として行われているというのは先生の御指摘のとおりでございまして、私どもも承知しているところでございます。
 そういった公衆衛生チーム等々、それぞれの自治体の独自の取組につきましては、総合的な災害医療体制の構築の観点から、大変重要な取組だというふうに考えているところでございます。今後、関係部局と連携をいたしまして、実情を把握し、必要に応じほかの自治体へも情報提供してまいりたいと思いますし、私ども厚生労働省におきましても、そういった取組を参考にしつつ、災害医療体制の充実強化に向けて一層研究をしてまいりたいというふうに考えております。
#177
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今、公衆衛生、それから福祉DMATというものを提案させていただいたんですけれども、実はそういった体制を支えるのに地域で今あるインフラで利用できるのはどこかと考えましたら、保健所なんですね。保健所というものが地域の公衆衛生を担って日頃から活動をしているんですけれども、資料七、八を御覧いただきたいと思います。
 保健所の業務という中に災害時の医療体制の整備というものが入っておりません。市町村の保健センターの業務の中にようやく小さく災害有事というものが入っております。
 平成二十二年に全国保健所長会が調査をいたしました。保健所の機能と役割に関する全国調査というものでございました。この中に災害対策というもの、役割としても入っておりません。先ほどもお話がございました、五疾病、五事業という医療計画の中の一つとして、災害時における医療というものも関わっております。ということは、やっぱり県に災害時の医療というものの計画もあれば、もちろんこの保健所、公衆衛生の整備もしていただかなければならない中で、保健所が役割として書いていない。
 しかし一方で、厚生労働省の防災業務計画の中には、都道府県は、医療計画等に基づき、保健所の活用等を配慮しつつ、災害時医療体制の整備に努めるという文があるんです。ラブコールを厚労省は送っていらっしゃるんですけれども、実際にこの保健所の役割の中になぜ災害という文字が入っていないんでしょう。本当に不十分ではないか。まさに地域の公衆衛生といった視点からも保健所機能の弱体化が起こっているんではないか。いざというときにやっぱり機動できないと、あっても仕方がないんですね。
 今全国に約五百か所の保健所がございます。二千四百を超える保健センターが設置されております。地域の公衆衛生を担う保健所こそ機能強化を更に行い、災害医療に重要な役割を果たすべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#178
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、地域で健康管理をしているのはこの保健所でありまして、地域保健法というのがあって、これに基づいて地域保健に関する広域的、専門的、技術的な拠点としての機能を持っているわけであります。地域における健康危機管理の拠点としても、平時から関係機関と連携、調整を行って危機管理体制の確立に努めることとなっておりまして、災害発生時においても、今のこの地域保健法においても、地域住民の健康上のニーズの把握や情報収集、発信等を行っているわけであります。
 保健所は、地域住民の健康の維持増進の観点から、災害時においても、先生御指摘のように、健康危機管理を担う重要な機関でありますし、また厚労省としても、その機能をより一層十分に発揮できるように、必要な情報提供や助言等の支援に努めてまいりたいと思いますし、結果として保健所においても、災害時においても今以上に明示的な役割を担えるように、法律どおりやっていけるように、厚労省としてもバックアップしていきたいというふうに思います。
#179
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 実際に、本年九月に日本学術会議から災害に対するレジリエンスの向上に向けてという提言書が出されております。この中でも、やはり同様に、公衆衛生システムを改善するには、第一に、健康危機対策の拠点として保健所、市町村保健センターの機能強化を図るべきであるという文がございました。ですから、私だけではなく多くの学識者の皆様方もやっぱり危機感を持っておりますので、早急に対応していただきたいと思っております。
 では、ちょっと時間の関係で一問飛ばさせていただきます。
 先ほどから御紹介いたしております厚生労働省の防災事業計画の中に、これは、大変申し訳ございません、厚生労働省災害対策連絡調整会議というものを主宰し、そして開催するという文面がございました。現在の開催状況はどのようになっているか、教えていただけますでしょうか。
#180
○政府参考人(鈴木康裕君) お答え申し上げます。
 厚生労働省の災害対策連絡調整会議についてお尋ねがございました。
 同会議は、防災業務計画に基づく省内の災害予防対策等を円滑に講ずることを目的とした常設の連絡調整会議でございまして、開催頻度については特に規定はございませんけれども、おおむね年に一回開催してございます。直近では平成二十五年五月十四日に開催をしております。
#181
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大変うまい答え方だったんですけれども、五月に開催をされたのは昨年度、今年はまだ開催をされていないということですよね。これだけ災害が起こっておりますので、しっかりやはり連絡会議も開催をするべきでないんでしょうか。私からはお願いをしたいと思います。
 それから、一問飛ばさせていただきまして、そのような災害、この事務方の連絡会議だけではなく、実は有識者の検討会というものも行われておりました。それは平成二十三年度、災害医療等のあり方に関する検討会、ここで幅広く医療などについて、福祉ですとか若しくは公衆衛生についても論じられたという記録がございました。しかし、既にもう三年経過をいたしております。DPAT、DMAT、先ほど私も紹介いたしましたような様々な地域の取組、こういうものを一度整理をすべきだと思っております。ですから、このような有識者の検討会、開催する試みというものはまだ行われないんでしょうか。大臣、御意見いただきたいと思います。
#182
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のありました、平成二十三年に開催をいたしました災害医療等のあり方に関する検討会、ここにおきまして有識者にお集まりをいただいて、災害拠点病院の指定要件であるとか災害派遣医療チーム、DMATですね、の在り方とか、それから災害発生時に中長期の医療提供体制の在り方について検討を行っていただきました。この検討会の後に、平成二十五年にはDPATが発足をして、DMATだけではなくて多くのチームが連携しながら効果的に活動を行っていく必要があると考えております。
 厚生労働省としては、災害発生時におけるこれらチームの活動に係る情報を収集するとともに、合同参加での訓練を実施することでチーム間の連携やその役割分担に何らかの課題が生じていないか確認をし、必要な検討を行っていかなければならないというふうに思っております。
#183
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 まだまだ災害医療後進国であるというこの事実、それを改善するためにも、やっぱり定例化をしてしっかりと、先ほどから何度も申し上げております、防災業務計画の方に反映をしていただいた方がよろしいのではないかと思います。
 この計画なんですけれども、効果的に推進できるよう毎年検討を加え、必要があると認めるときにはこれを修正するものとするという一言が入っております。残念ながら、この計画の中にまだまだ、DPATであったり様々な、ドクターヘリというような文言も見られません。ですので、毎年見直すのであれば、しっかりと今回このような議論の後、検討を進めていただきたいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#184
○政府参考人(鈴木康裕君) 防災業務計画の見直しでございますけれども、毎年検討を加えておりまして、御指摘いただきましたDPATにつきましては、具体的な文言としてDPATは入っておりませんけれども、精神保健対策が重要であるということは位置付けられておりますので、今般DPATが活躍しておるということもございますし、御指摘もいただきましたので、盛り込みについて具体的に検討を進めさせていただきたいと思います。
 ドクターヘリにつきましては、ヘリポートを備えた災害拠点病院の整備について盛り込んでおりますので、その重要性については十分認識をしておるところでございます。
#185
○薬師寺みちよ君 では、最後に大臣、一言、今までの御議論を受けまして、先ほど質問させていただきました基盤強化という点におきまして、まだ何か御意見ございましたら一言いただきたいなと思っております。
#186
○国務大臣(塩崎恭久君) 最近、台風にしても何にしても異常気象が頻発をしているわけでありまして、それに加わって、今回の御嶽山の噴火であるとか三年余り前の東日本大震災、ああいうような悲惨なことが起きたわけでありまして、やはり頻繁に起きるということであるならば、更に我々は災害への備えをきちっとしなければいけませんし、その際の災害医療というものについてももっとベースアップをしないといけないと、レベルアップをしていかないといけないのかな、そして、そのインフラを整えていって、いつ何どき何が起きても大丈夫なようにしていくということが大事だなということで、不断の見直しをしていかなければならないということを感じたところでございます。
#187
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 災害特の理事会でよく私ども話すことがございます。いろいろ政策ございますけれども、我々の敵は災害ですよねというところでいつも災害特はまとまるところでございますので、本当に、敵は災害という意味におきましては、もう超党派でやっぱりこういう問題も取り組んでいかなければならないと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 今日は山口先生の時間をちょっと、済みません、短くしてしまいましたことをおわび申し上げます。
 ありがとうございました。
#188
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 私の方からも、広島の土砂災害、それから御嶽山での噴火、そして台風で被災された方々のお悔やみとお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
 そして、塩崎大臣、就任おめでとうございます。そしてまた、副大臣、それから政務官の皆さん、ちょっと前までこちらにいらっしゃった高階政務官共々よろしくお願いいたしたいと思います。
 救える命であるならばこれは救うべきであって、体制のシステムの問題で救うことができるのであれば、是非とも先ほどの薬師寺委員の方からの御提案を是非受けて改善していただきたいと思います。
 そして、大人も子供も、赤ちゃんもおじいちゃんもおばあちゃんも、障害のあるもないも、大切なのは命、そして生きる、そして働く、営み、人との関わり、仲間、家族、人生、生活そのもの、人のための政治、人のための経済。是非とも大臣には、心身共に厚生労働の中に両足を突っ込んでいただきたいなと思っております。
 さて、質問させていただきますが、資料一を見ていただきたいと思います。
 財政制度審議会では、次期改定で介護報酬を六%減らすべきと提言されております。資料一になりますけれども、この資料を見て、ぱっと見は非常に利益が高いようにも見えますけれども、これを見て大臣はどうお考えかということを伺いたいと思います。
#189
○国務大臣(塩崎恭久君) これは財政制度等審議会がお作りになられた資料なので、他省に関わるものでございますのであれですけれども、やはり介護にとって何が大事かという観点で我々はこの見直しをしていかなければならないな、それは介護を受ける方々、そしてまた介護に携わる方々、この方々が納得いくような、満足いくような制度につくり直していかなければいけない。ただ、持続可能でないといけませんので、どう工夫をしながらこれを実現していくかというところで私たちは知恵を出さなきゃいけないのではないかというふうに思います。
 財政審からの問題提起は問題提起として受け止めるにせよ、それを念頭に入れて我々の考えるベストな介護のシステムというものを考えていくということが大事かなというふうに思っているところでございます。
#190
○山口和之君 ありがとうございます。
 老健協会の東会長から緊急記者会見で猛烈抗議ということで、もう完全にやっていけないと、もしこれで下がったらもう老健としては成り立たないというお話もあります。
 ちょっと質問通告はしていないんですけれども、もしできたらなんですが、収支差益、このグラフを見て、収支差益なんですけれども、この収支差益の低いところ、つまり利益率の低いところとはどういう場所だと思われますか。ちょっと感覚的なもので結構なんですけれども。
#191
○国務大臣(塩崎恭久君) この中での話ですか。
#192
○山口和之君 一般的に……
#193
○理事(福岡資麿君) 指名をされてから。
#194
○山口和之君 一般的に、こういう介護施設あるいは介護サービス事業所というところの収益が少ないところというところは、どんなところが収益が少ないと思われますか。
#195
○国務大臣(塩崎恭久君) 収支差益と言うぐらいですから、入りと出のバランスの問題であって、できたばかりの組織であったり、あるいはそれが大分時間がたったりということで大分違うんだろうと思います。最初は多分恐らく効率が悪かったりして利益が少ないということもありましょう。あるいはまた、人件費に、なるべく職員の皆さん方に還元をして報酬を厚めにやっていらっしゃるところは利益率が悪いかも分からない。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
 いろいろな工夫をしながら皆さんそれぞれやっておられるので、一概にこの数字だけでは何が本当にこのジャンルに入っているところのベストプラクティスなのかというのは分からないことだろうと思うので、子細にやっぱり中身を見ながら、先ほど申し上げたように、何がベストな介護なのかということを考えていった方がいいのかなというふうに思います。
#196
○山口和之君 おっしゃるとおりで、ありがとうございます。
 ただ、介護施設のほとんど費用というのは人件費が六割ぐらいを占めています。また、それ以上のところもあると思うんですけれども、いいサービスをしっかり提供して自立を支援している場所、ここについては利益率は非常に低いんですね。それで、申し訳ないけれども、最低人数で何もしないところ、こんなところはないと思いますけれども、要介護状態が悪化すれば収益が増えていくところがあるわけです。
 つまり、どういうことかというと、いいサービスを提供して自立を支援して、健康な期間を長くして寝たきりにさせないようなところは収益率が低いんです。このまま下げたらどういうことが起きるかというと、倒れていくところはいいところが倒れていくんです。いいところが諦めていくんです。いいところが人材を投入しなくなるんです。
 例えば、デイサービスのここで一〇%と言われているものは月で四十五万程度です。一人分ちょいです。これが人材を確保して、あるいはリハビリテーションの職員を足して自立を支援して、自立を支援すると収益が減るんです、また。そうやって一生懸命やっているところがことごとく倒れていくんです。普通に、普通にというか、そんなに頑張らないところは何とかここで下げたら生きていけるかもしれませんけど、一生懸命やっていたところはギブアップです。
 そういうふうに考えたときに、これに惑わされては絶対駄目で、両足厚生労働の中に突っ込んでいただいて、大切なものは何かということを是非とも──まとめてくださいということが来ましたので、是非ともこの中で頑張って主計局と闘っていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
#197
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 五問質問がありますので、何とか時間のない中、五問とも質問させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 まず初めに、消費税の引上げにつきまして質問をさせていただきます。
 消費税の引上げにつきましては、安倍総理も何度も答弁されておりますけれども、予算委員会などでは経済指標を分析して判断するというふうに答弁をされております。本年十二月にその判断をされるということでありますけれども、仮に消費税を引上げを行わないと安倍総理が判断した場合、厚生労働省としてはどのように社会保障費の増大などに対応していくというふうにお考えなのか、塩崎大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#198
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、社会保障を預かる厚生労働省としては、何があろうと社会保障はしっかりと守っていかなきゃいけないというふうに思っているわけでありますし、今回の引上げについては、自公民の三党で決めさせていただいたこの引上げは、全て社会保障の安定化、そして充実のためにやるわけであります。したがって、この十二月に向けて、これは当然、内閣としては国民生活全体に責任を負っていますので、総合的な判断を総理が最終的にするということは、そのとおりだと思いますけれども。
 ですから、今、もし上げなかったらというような話を考えることは、社会保障を預かる私としては、あり得ない話だというふうに考えなきゃいけないのかなというふうに思います。
#199
○東徹君 これは、やはり大臣としては、そういったことも想定した上で今から備えていかないといけないんじゃないのかなというふうに私は思っております。
 消費税については、引上げについては我々も賛成であります。ただ、今のタイミングで本当にいいのかどうかというところは、これはやっぱりよく考えていかなかったら駄目だというふうに思っておりまして、今のタイミングはやっぱりよくないのではないのかというふうに思っております。
 本当にアベノミクスも、これも賛成というか、賛同しておりますし、是非経済の好循環をもたらしていかないとやっぱり税収というのは上がらないわけですから、是非ともそこには期待もしておるところでありますけれども、ただ、消費税の引上げについては、今のところやっぱりタイミングはちょっと待った方がいいんではないのかなというふうに思っておりまして、じゃ、安倍総理も、これはもう全額社会保障費に充てますよというふうなことも、これ消費税の引上げ分についてはやっぱり言っておられるわけですから、これは、じゃ、どうするのか、もし引き上げなかった場合はどうするのかと。これはやはり全体で歳出削減の努力をしていかなきゃならぬのじゃないのかなというふうに思っておるんですが、いかがでしょうか。
#200
○国務大臣(塩崎恭久君) 仮定のお話なので、なかなかそういうことは申し上げにくいわけでありますけれども、いずれにしても、さっき申し上げたように、何があろうと社会保障を充実していくということも予定をされ、例えば子ども・子育て支援新制度にしても来年の四月からスタートすることを前提に、もう全て、幼稚園も保育園も認定こども園もみんな動いているわけでありますので、我々としては万難を排してこれらを実行していかなきゃいけないというふうに思っておりますので、そういう意味で、今お話しのように節約をしながら財源をひねり出すというのは、これは当然ふだんからやっていかなきゃいけないことでありますので、そういうことも含めて、我々は絶えず社会保障を持続可能なものにするための努力をしていかなきゃいけないというふうに思っております。
#201
○東徹君 ありがとうございます。
 本当に来年四月から子ども・子育て支援制度もこれスタートするわけですから、大変これに向けても財源の確保というのは非常に大事だというふうにもちろん思っておりますので、万が一消費税を引き上げない場合についても、当然これは全予算の中でやっぱり考えていかなきゃならない問題だというふうに認識をいたしております。
 次に、介護報酬の改定についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 これまでも介護人材の確保というものが大事ということは、この委員会の中でも何度もどの先生もお話をされてまいりました。私も介護人材の確保は大事だというふうに思っておりまして、じゃ、介護人材を確保していくためにはどうしたらいいのか。これは介護人材の処遇改善というところはやっぱり避けて通れないというふうに思っておりまして、当然処遇改善ということは、やっぱり給料を上げていくということをこれはしていかなきゃならない。もちろんキャリアアップとかそういったことも大事だというふうに思っておりますけれども、やっぱり一番の課題は処遇改善だというふうに思っております。
 ここは、じゃ、処遇改善すると、これは全体的に費用がまたこれ上がっていくわけですから、じゃ、どうしたらいいんですかというふうになったときには、私は、介護報酬を上げてでもここは処遇改善をやっぱりやっていくべきだというふうに思っております。
 ただ、先ほどの質問と似たような質問になりますが、十月八日の財務省の財政制度等審議会では、特別養護老人ホームにおいては利益率が高い、巨額の内部留保が存在している一方、不足している介護職員の確保のための処遇改善を行う必要があるなど、介護報酬全体の効率化、適正化が求められているというふうに言われております。
 特に、社会福祉法人の内部留保に関しては、施設の建て替えのために内部留保が必要と一般的に言われているけれども、社会福祉法人の会計において減価償却費を計上できるため、建て替えに必要な現金は収支差ゼロでも蓄積できる上、補助金なども活用できるため、内部留保が必要という議論は妥当ではないというふうに指摘をされているところであります。
 ただ、私は、先ほども言いましたように、介護職員の人材確保のためにはやっぱり処遇改善、ここにはお金をやっぱり必要だというふうに思っておりまして、その確保策を講じた上で、なおかつまだできるのであればいいと思うんですが、ここはいろんなことを検討した上で考えていかなきゃならないというふうに思っておりますが、まずはその介護職員の確保策を講じた上でという、介護人材の確保、処遇改善、この点と併せて是非大臣にその点についてお伺いをしたいと思います。
#202
○国務大臣(塩崎恭久君) いずれにしても、年末の予算編成過程で介護報酬の改定というのはやっていくわけでございますので、その中で先生方の御意見もしっかりと聞いた上で決めていきたいというふうに思っております。
 処遇の改善につきましては、これはもう共通認識で、人材不足、人材確保のために必ずこの改善を含めて人材確保を確実にやっていかないと現場はもうもたないというところまで来ておるわけで、前も申し上げたように、専門学校でも福祉はなかなか集まらないというようなところまで、潰れちゃったりするところが出てきています。私の地元でもあります。
 そういうことで、一方で人手が足りない、学校は廃校になる、こういうことではいけないので、そういうことを進めていくとともに、サービスの効率化に向けた不断の努力というのは当然先生おっしゃるようにやっていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。中重度要介護者とか認知症高齢者への対応の強化もやらなければいけないわけでありますし、それから今の介護人材、それから効果的、効率的なサービス提供の構築、こういうことが必要であります。
 かつて税金直入で処遇を改善したこともありましたし、基金をつくったこともありました。しかし、最終的には保険料に跳ねてくるわけであって、一時的なことではうまくいかない。やっぱりこれは国民負担との関係をよく考えた上で、前提はもちろん処遇改善でありますけれども、最終的なこの改定率の決定は、さっき申し上げたように年末でありますけれども、そこに向けて、今申し上げたようなことを、あらゆることを考えた上で決めていくということが必要なんだろうというふうに思います。
#203
○東徹君 もう一点、まあちょっとこれは答えられないかもしれないんですけれども、処遇改善についてどの程度引き上げようというふうにお考えなのか、もしありましたらお答えいただけますでしょうか。
#204
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、どの程度上げるとどの程度報酬を上げるのかとか、いろんなことがありますので、衆議院の方の議論でもプラス改定をするのかしないのかというその一点だけをお尋ねになられた方もおられましたけれども、これは年末に向けて皆様方のお声をバックにしながら決めていかなければならないことだというふうに思います。処遇改善はやるということは皆の共通の認識ではないかというふうに思っております。
#205
○東徹君 大臣も今言われたとおり、私も福祉の専門学校におりました。十二、三年前は本当生徒もよく集まっていましたけれども、今は集まらないという状況でありますし、措置でやっていた時代と比べて、介護保険が入ってからというのは本当に人材というのが非常に難しくなってきたというふうに実感をいたしております。
 介護報酬を一%下げると一千億円の介護費用を減らすことができるというふうに言われております。介護報酬が減るということは、もちろん国民負担も軽くなるということにつながっていくわけですけれども、是非とも介護職員の確保策、処遇改善、ここをしっかりと講じた上で、介護報酬全体について是非とも御検討いただければというふうに思いますので、お願いをいたします。
 続きまして、性犯罪・性暴力被害者への支援についてお伺いをしたいと思います。
 我が国におきましては、強制わいせつの認知件数というのは平成二十四年中で七千二百六十三件と、非常に多くの事件が発生をいたしております。私の大阪府も、非常に恥ずかしながら全国と比較して性犯罪の件数というのが非常に多いというのが実情であります。
 性犯罪とか性暴力の被害というのは、これはもう御存じのとおり、精神的なダメージも大きくて、その回復を図るとともに被害の潜在化を防止するため、ワンストップで被害者からの相談などに応じる支援センターの役割というのが非常に大事であるというふうに考えております。
 大阪では、産婦人科もある大阪府の松原というところに阪南中央病院というところがありまして、その中に性暴力救援センター大阪、別名SACHICOというんですけれども、がありまして、被害者との面談とか、二十四時間ホットライン、これは電話での相談になるんですけれども、そういったものがあったり、産婦人科や警察との連携などが行われております。私も実際にその病院に行って見てまいりました。やはり病院に必要だなということを実感をいたしました。
 というのは、やっぱりまず被害に遭われた女性は、性感染症の疑いとか妊娠の心配、そういったことももちろんありますし、そして、やはり警察に被害届を出すのであれば、その法医学的な証拠というものを採取する必要がありまして、医師が診察したことを医学的見地からきちっと証拠を突き付けていかないと、なかなかこれは前に進まないというふうに聞いております。ですから、そういった相手の男性というか加害者の体液なんかを保存することも非常に大事でありまして、病院でないとやっぱりこれはできないというふうに思っております。
 全国を見れば、この大阪のほかに愛知にもワンストップ支援センターがありますが、これらは民間団体や警察が運営主体であります。このようなセンターをどういうふうに位置付け、また全国に広げていくのか、まずは内閣府から見解をお伺いしたいと思います。
#206
○大臣政務官(越智隆雄君) 性犯罪・性暴力被害者への支援について御質問を頂戴をいたしました。
 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターのために活用できる資源は地域によって様々でありまして、御指摘の民間団体、警察や地方公共団体など、地域の実情に応じてその持てる資源を有効に活用していくことが適当であると考えております。
 内閣府としましては、これまで、平成二十三年三月策定の第二次犯罪被害者等基本計画に基づいて、ワンストップ支援センターの開設及び運営に有益な情報などを盛り込みました手引を作成しまして、平成二十四年三月から関係機関、団体などに配布をしております。病院拠点型、相談センター拠点型など形態を具体的に明示するなどして開設を促進しているところであり、現在、性犯罪被害者支援のための取組が拡大しつつあるというふうに考えております。今年度からは実証的調査研究事業を実施し、地方公共団体の取組を促進しているところであります。
 今後とも、被害者の心身の負担軽減を最優先に、性犯罪・性暴力被害者の支援の充実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#207
○東徹君 このようなセンターというのが機能を果たしていく上において、やはり先ほども言いましたように、病院でなかったら駄目だということと、産婦人科との連携が非常に大事であります。また、よく、被害に遭われた女性は薬物を飲まされたりとか、そしてまた睡眠薬を入れられたりとか、そういったこともあるので、やっぱりそういった検査もできないといけないということで、産婦人科、病院との連携なども非常に重要であります。
 厚生労働省としてはどういうふうに対策を進めていくのか、見解をお伺いしたいと思います。
#208
○政府参考人(二川一男君) 性犯罪被害者の支援を行うに当たりましては、先生御指摘のとおり、産婦人科や精神科を始めとした医療機関の果たす役割は大変重要であるというふうに認識をしているところでございます。
 このため、平成二十三年に定められております第二次犯罪被害者等基本計画におきましても、厚生労働省の役割といたしまして、医療機関に対してワンストップ支援センターについての啓発を行う、それから、犯罪被害者支援団体等からワンストップ支援センター開設に向けた相談があった場合には、協力が可能な医療機関に関する情報を収集し提供する、こういった役割が厚生労働省として定められているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、二十四年の七月に、医師会あるいは四病院団体協議会に対しまして、内閣府が作成したワンストップ支援センター開設運営の手引を関係機関に周知することを依頼したところでございます。また、本年三月でございますけれども、全国の医政関係主管課長会議で、内閣府の資料等を活用いたしまして、各都道府県に対しましても、犯罪被害者支援団体等からワンストップ支援センター開設についての相談があった場合には、具体的な要望内容を踏まえて、医療関係団体と十分連携をしていただくようにお願いをしたところでございます。
#209
○東徹君 是非とも、大臣も是非このことにつきましても知っていただいて、支援していっていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、大阪府南部、泉南地域のアスベストの訴訟について質問をさせていただきます。
#210
○委員長(丸川珠代君) 済みません、東委員、越智政務官は退室していただいてよろしいですか。
#211
○東徹君 あっ、済みません、どうぞ。結構でございます。ありがとうございました。
#212
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございます。
#213
○東徹君 本年十月九日でありますけれども、最高裁で国の賠償責任を認める判決が出されました。この判決は、当時の労働大臣が、昭和三十三年五月二十六日から昭和四十六年四月二十八日までの間、石綿工場において局所排気装置の設置を義務付けるよう権限を行使すべきであったにもかかわらず行使しなかったことが違法であるというものであります。
 同じ十月九日の最高裁判決で大阪高裁に差戻しという判断が示されたもう一つの泉南アスベスト訴訟についても、当時の労働大臣について同様の権限の不行使による違法の余地があるというふうにされており、今後、大阪高裁でも国の賠償責任が認められる可能性というものが高いというふうに考えられております。
 もう御存じのとおり、提訴してからこれは八年が経過しておりまして、この間、原告の方々の非常に大変な御苦労もあったかというふうに思っておりますし、この間に、大臣も御承知のように、亡くなられた方もおられるわけでありますし、また非常に高齢ということもあります。
 こういうことから考えれば、救済を早期に進める必要があるわけでありまして、大阪高裁に差戻しとなった訴訟の原告について他方の訴訟の原告と同様の基準で、国として、是非ともここは塩崎厚生労働大臣の政治決断でもって国として和解を進めるべきではないかというふうに思います。
 これはもう私からの、こういう言い方するとどうなのかと思いますが、私の質問に答えるというよりは、是非、原告の皆さんに答えるつもりで是非ともお答えをいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
#214
○国務大臣(塩崎恭久君) 今朝ほども御質問を賜って、今回の判決が最高裁で国の規制行政における不作為を認めて国に責任があるということを明らかにされたわけでありまして、このことは極めて重たいことだというふうに受け止めております。当然のことながら、今回の裁判で国に責任があるというふうになられた原告の方々に対して誠に申し訳なく、またこれまでの、今お話のあったとおり、長い間の裁判で御苦労をお掛けした、そしてまた亡くなられた方々もおられる、そういうことを考えてみると、本当に申し訳ない気持ちでございます。やはり行政を預かるということは、こういうことを絶えず考えながらやっていかなければいけないことでありますので、これから本当に気を付けながらやっていかなきゃいかぬなというふうに思っております。
 当然、今回の判決で賠償を求められていることについては私どもとしても手続を始めているところでございます。ただ、今御指摘のように、高裁に差戻しになっている件もあります。さらには、他の裁判もこのアスベストに関してございまして、一体何が我々は今できるんだろうかということを早期の解決ということを前提に考えているところでございまして、関係省庁と今鋭意話を詰めておるところでございます。
#215
○東徹君 今日も質問がありましたので、申し訳ないという気持ちは私も重く受け止めさせていただきます。ただ、早期に解決となると、ここはやっぱり和解しかないというふうに思っておるんですけれども、そのことも含めてお考えということでよろしいでしょうか。
#216
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、早期解決を前提に、何が一体進むべき道なのかということを今鋭意検討しているということでございます。
#217
○東徹君 是非とも早期解決をしていただきたいというふうに思います。もうこれ以上時間を掛けるというのは本当に原告の方にもまた更に負担を掛けていくということにもなりますので、是非とも早期解決をお願いをいたします。
 もう一つ質問をしたかったんですが、会計検査院の方には申し訳ないんですが、時間がちょっと中途半端ですので、次回に回させていただきたいと思います。
 以上をもちまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#218
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 通常国会のちょっと続きのような議論から始めさせていただきたいんですが、医療・介護総合法案です。
 これは要支援外し、大問題になって、田村前大臣は、要支援者サービスの地域支援事業への移行については、これはサービスの抑制ありきではないと、要支援者の多様なニーズに対応するために、既存の事業者によるサービスに加えて、住民が担い手として参加するサービスの拡充を進めるというふうに答弁を繰り返しておられました。
 厚労省に聞きたいんですが、ところが、七月にこのガイドラインを厚労省は案を発表された。これ見ると、こう書いてあるんですね。新しく事業の対象となる要支援者等については、自らの能力を最大限活用しつつ、住民主体による支援等の多様なサービスの利用を促すと。私、これ、自治体関係者はこれで仕事をするわけで、こういうガイドラインを示してしまったら、やっぱり自治体は、新たにサービスを利用する人は、専らこれは多様なサービス、ボランティアなどのサービスに誘導するということにこれはなっちゃうんじゃないですか。いかがですか。
#219
○政府参考人(三浦公嗣君) 高齢者の多様な社会参加、生活支援のニーズに応えていくということで、既存の介護サービス事業者によるサービスに加えまして、元気な高齢者を始め、住民が担い手として活躍する支援の充実などを図りまして市町村を中心とした支え合いの体制づくりを推進していくということは、今委員の方から御紹介いただいたとおりでございます。
 総合事業の実施に当たりましては、これまでと同様に、地域包括支援センターなどによるケアマネジメントを行い、支援を必要とする高齢者の方々の状態、また置かれている環境を踏まえて、専門的なサービスを必要とするという方には専門的なサービスにつなげていくということを考えているところでございます。
 一方、多様なサービスには、支援する側、される側という、画一的ではなく、要支援者なども積極的に参加し、自ら活躍できるようなサービスも展開していくことが可能でございます。このような支援の形がその方の介護予防、自立支援にとってふさわしいと判断されれば、積極的に多様なサービスにつなげていくべきものと考えております。
#220
○小池晃君 今の話でいうと、例えば新規利用者であっても必要な人には現行相当サービスを提供するということですね。
#221
○政府参考人(三浦公嗣君) 今お答え申し上げましたように、その方の状態あるいは置かれている環境というものを踏まえて、その方の最も適切なサービスというのが提供されるような仕組みを考えているというところでございます。
#222
○小池晃君 それをきちっと本当にやれればいいと思うんですが、実際にはガイドライン案を見ると、現行相当サービスの対象は認知症の人とか退院直後の人というふうに限定する記述になっているし、その後ろには、断り書きとして、一定期間後のモニタリングに基づき、可能な限り住民主体の支援に移行していくことを検討することが重要だと。
 結局、やっぱり現行相当サービスをできる限り限定して、一旦割り振っても可能な限り多様なサービスへと、ボランティアへということになっていってしまうんじゃないか。法案審議のときに指摘をしたような、やはり大規模な要支援切りというような事態が起こりかねないというようなこのガイドラインの書きぶりというのは大変問題ではないかというふうに私は思うんです。
 さらに、要介護認定の問題ですが、資料をお配りしておりますけれども、これ、ガイドライン案にチャート図が出ております。現行のサービス利用手続というのは、これは、全員が窓口に相談した後、要介護認定申請をして要介護認定を受けるわけですが、この新しい総合事業実施後の利用手続というのを見るとどうなっているか。これ見ますと、市町村の窓口に相談に行くと。窓口の職員が判断をして、要介護認定を省略してチェックリストに回答しただけでサービスを割り振ることも可能になるということになっているわけで、こういうふうに窓口の職員の判断で要介護認定を省略された人が実際には要介護状態だったときには、一体誰が責任持つのか、どういう事態が起こり得るのか、これ非常に心配だ。
 しかも、この図によれば、この窓口での振り分けを、明らかに要介護一以上と判断できる場合、明らかに介護予防・生活支援サービス事業の対象外と判断できる場合、これ窓口の職員が判断をすると。チェックリストにも掛けないでも割り振ることができるということになっていて、私、市町村の窓口の職員にこういう判断を委ねてしまうと、これはもう下の方へ下の方へと割り振るということだって起こりかねないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#223
○政府参考人(三浦公嗣君) 新しい総合事業の中では、生活上の困り事などのある方の相談を受ける場合には、具体的には、相談窓口におきまして、生活上の困り事などのある相談者に対しまして、相談の目的、希望するサービスなどを聞き取りまして、サービスの事業、要介護認定などの申請、一般介護予防事業などについて丁寧に説明することが必要であると考えております。
 その中で、総合事業の説明の際には、基本チェックリスト活用の趣旨とともに、事業対象者となった後やサービス事業によるサービスを利用した後も、必要なときには要介護認定などの申請が可能であるということを説明し、利用者やその家族と相談しながら進めていくということが重要であると考えております。
 また、この説明の段階で、例えば相談者の方が要介護認定を希望されるということがございましたら要介護認定の申請の手続につなぐということも考えられると、そういう手続を進めるということになろうと思います。
 次に、相談者の方に対しまして、質問項目の趣旨を説明しながら、先ほど御紹介ございました基本チェックリストを実施しまして、利用するサービスへの当てはめなどを行っていくということになります。具体的なサービスの利用に当たりましては、地域包括支援センターなどの専門職によるケアマネジメントを通じて必要な支援につなげていくということでございますので、ここで改めて給付が必要だと、つまり要介護認定に基づくサービスが必要だということになれば、ここでまた要介護認定の申請をしていただくということも可能であるというふうに考えております。
#224
○小池晃君 しかし、入口のところで市町村の職員の判断で振り分けてしまうということは否定しないわけで、やっぱりこれは大変私は危険だと。結局、その窓口の職員の判断で要介護認定から遠ざけられてしまって安上がりサービスを割り振られるという危険だってこれは起こりかねない、こういう書きぶりですね。
 明らかに要介護一以上と判断できるかどうかを市町村の窓口の職員に委ねると、こういう書きぶりでやったら、これはどんどんどんどん独り歩きしませんか。
#225
○政府参考人(三浦公嗣君) これは、なるべく簡素な形でサービスを速やかに利用していただきたいということもございまして、チェックリストを使ったサービスの活用というようなことを考えてきたわけでございまして、先ほど御紹介がございましたとおり、確かに、例えばもう既に寝たきりになっているとか相当重いというような方、つまり、認定を受けるにふさわしいということは今や誰が見ても明らかというようなことであれば要介護認定の申請に行くということになりますし、そうでなくても、これに、要介護認定をお受けになった方がいいのではないか、あるいは受けたいという希望があれば、そこで要介護認定申請にも進んでいくと。
 つまり、要介護認定に行くことについてそれをブロックするというような、何というんでしょうか、仕掛けというものがあるわけではなくて、むしろそれぞれの方々の御希望に応じて窓口で対応していくということが重要ではないかと考えております。
#226
○小池晃君 答えてないですよ、やっぱり。ちゃんとここで窓口の職員に委ねてしまって、明らかに要介護一以上を判断できるんですかと。そこで何か問題が起こったときに誰が一体責任を持つんですか。実際、責任持てるんですかと言っているんです。
#227
○政府参考人(三浦公嗣君) そういう意味では、認定の仕組みというのとチェックリストというのが言わば並立して動くということになりますし、自治体の職員の方で、これは今までの経験で、認定の方にふさわしい、あるいはそれにふさわしい、その認定を受けた上でのサービスが必要だというような判断があれば、この表で言いますと上の方の動きになってくる、つまり要介護認定の申請に進んでいくということでございます。
#228
○小池晃君 これ、やっぱり法案審議でも問題になったけど、保険制度の根本に関わる問題で、保険料を払って受給権があるのに、職員の判断でこっちこっちというふうに割り振られると。受給権は一体どこで担保されるのかという根本問題ですよ、これ。やっぱりこれは法案の審議が本当に不十分だったなと改めてガイドラインを見てよく思うんです。
 しかも、要支援者の自立の促進ということがこのガイドライン案には書かれていて、もちろん自立を否定しませんし、自立は大変いいことですよ。必要なサービスを供給して、状態を改善して自立するんだったらいい。しかし、実際には何が書いてあるかというと、このガイドライン案の中にこういう記述もありますよ。例えば、掃除であれば掃除機からほうきやモップに変える、買物であればかご付き歩行車を活用するなど、環境調整やその動作を練習することで改善することができるんだと。これが自立なんだろうかと。
 幾らこう言われても、こういうガイドラインを出されてしまうと、自治体はやっぱりこれに基づいて仕事をするんですよ。結局、介護サービスの抑制、切捨てが横行することになるんじゃないですか。
 大臣、このガイドライン、大変問題が大きいと私は思う。是非これは根本的に見直していただきたいというふうに思うんですけど、いかがですか。
#229
○国務大臣(塩崎恭久君) ガイドライン案ということでありますので、先生の御意見を含めて、今、いろいろな地方公共団体の皆様方の御意見も聞きながら検討しているところでございますので、今後いろいろと検討していきたいというふうに思います。
#230
○小池晃君 これは抜本的見直しをしてほしいし、やはり医療・介護総合法を本当に実施を中止すべきだと。やっぱり余りに審議不十分だったし、これは問題がこれからいろいろ出てくると思いますよ、また医療事故の問題もありますけれども。そのことを指摘しておきたいというふうに思います。
 そんな中で、先ほども議論ありましたけれども、財政審が介護報酬六%引下げということを打ち出しました。かつて小泉政権のときに介護報酬連続引下げやって、あれで大打撃になったわけですよ。介護職の賃金、待遇の劣悪化、人材不足の加速、特養の整備抑制、いろんな事態が起きたわけですね。
 大臣、マイナス六%などという史上空前の報酬削減やったら介護の基盤は崩壊するという認識はお持ちじゃありませんか。
#231
○国務大臣(塩崎恭久君) 財政審が出した数字でございますので、私どもがこれを受けてこのままやるようなことは考えているわけでもないし、これは一つのたたき台として、御意見として承って、私どもは社会保障審議会の中で議論を重ねていくということで、この厚生労働委員会や様々なところでの意見、与党の中も当然これから佳境に入ってくるわけでありますので、そういった意見を受けながら、最終的に年末の予算編成に向けて決めていきたいというふうに思っております。
#232
○小池晃君 こんなのたたき台にしちゃ駄目ですよ。無視しないと、こんなのは。御意見といったって、こんなのでたらめですよ、こんなのは。
 介護事業所の収支差が一般中小企業より良好だから削減していいと。しかし、実態を聞くと、格差はいっぱいあるわけです。人件費も土地代も高い都市部の施設の多くは、高収益を享受するどころか、もうぎりぎりの状態でやっている。都市部以外だって、公的支援によって辛うじてやっているところもたくさんあるわけですよ。
 全国老人福祉施設協議会は、いろんな格差があると、収支差には。六%報酬削減をすれば五割を超す法人が赤字に転落すると言っていますよ。そうなれば介護の質が低下するわけですから。財政審が言っているみたいに処遇改善部分を多少加算したとしても、結局、報酬全体を大幅に下げたら先の見通し暗くなりますから。そうしたら、絶対これは待遇の改善なんかになりませんよ。
 大臣、これは撤回せよと、そんなたたき台なんて言わないで、撤回せよというふうに言うべきじゃないですか。
#233
○国務大臣(塩崎恭久君) 他省がおやりになっていることなので、我々は我々で議論を深めていくということだろうと思いますし、処遇の改善については、先ほど来お話が出ているように、人材確保のためにも必須のことでもございますし、しかし一方で、サービスの効率化というものも重点化とかそういうことも同時に必要で、いかに質の改善をしながら重点化それから効率化を図って、最終的な我々は国民負担ということも考えていかなきゃいけませんので、そういったことを含めて、一号被保険者の負担をどこまでお願いをするのかというのは極めて重要なお話でありますので、議論を深めていくということでございます。
#234
○小池晃君 他省と言うけれども、厚生労働省の責任、所管なんですから、そこではっきり物を言わなきゃ。責任あるんですから。
 財政審がもう一つ言っているのは内部留保の問題です。内部留保といったって、営利企業とは全然違うわけですよ、これ実態は。撤退が許されないわけですから、社会福祉法人というのは。これは永続性、安定性が求められるわけですし、かつては施設整備に補助金出ていたけれども、今全くこれは出なくなっているから、やっぱりそれに備えなきゃいけないという面もあるわけですよね。運営の規則で多額の借入れもできないわけですよ。
 これを大体、厚生労働省が内部留保と呼ぶこと自体が私、大問題だと。何だか、実在内部留保だとか何かいろんな言葉を付けているけれども、あんな内部留保なんて言うべきじゃないんですよ、この数字は。大体、内部留保、内部留保と財政審は言いながら、二百八十五兆円も桁違いの内部留保を持っている大企業の法人税は減税するって、支離滅裂で御都合主義じゃないですか。こういうやり方を許しちゃいかぬですよ。
 社会福祉法人が内部留保をため込み過ぎだという、ちょっと局長、これはやっぱりおかしいと、事実をねじ曲げているんだということをはっきりちょっと答弁していただきたい。
#235
○政府参考人(鈴木俊彦君) 社会福祉法人のいわゆる内部留保ということにつきましては、諸方面から様々な御指摘をいただいております。
 こうした御指摘いただいている要因でございますけれども、いわゆる社会福祉法人の内部留保がいかなるものかということについては、実は確立した定義がございませんで、社会福祉法人の余裕財産を表す仕組みというのは今ございません。それから第二に、仮にそういった形で余裕財産が明確化されたといった場合におきまして、その余裕財産をどういったことに使うか、こういったことについても明確なルールはないというのが現状でございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、まず第一点ですが、社会福祉法人が、まずその余裕財産というものが自分の法人にどの程度あるのかということが、自ら説明責任が果たされるような、そういった見える化の仕組みをつくっていく必要があるだろうというふうに思ってございます。その上で、第二点でありますけれども、この余裕財産につきまして、もしそういうものが生ずれば、必要に応じてこれを地域の公益的な活動でございますとかあるいは福祉サービスに再投下していただく、こういった仕組みができないかということを検討しているところでございます。
#236
○小池晃君 自己改革とか内部努力は私も必要だと思いますよ。でも、それをまず言うんじゃなくて、これ、そもそも議論がおかしいんですとやっぱり言わないと、厚生労働省として。この議論はやっぱり私は本当に理不尽だというふうに思っていますので、しっかり大臣、これ物を言っていただきたい。
 しかも、財政審の中で言っているのは、私が冒頭言った要支援外しどころの話じゃないんですよ。要介護一の生活援助についても地域支援事業に移行すると、この間、国会で大問題になって通ったばっかりで、まだやってもいないことをもっとやれというふうに言い出している。それから、二割に引き上げたばっかりの利用料の引上げまで言っている。ケアプランの有料化、特養ホームの多床室におけるホテルコストの徴収、もう言いたい放題言っているじゃないですか。
 私は、やっぱりこういうことをやってしまったら本当に介護保険制度は崩壊するというふうに思いますし、大臣は先ほど財政審の言うとおりにやるつもりはないというふうに言ったので、そこはちょっとしっかり見届けたいというふうに思うし、やっぱりこんなやり方で進んでいったら介護保険制度は壊れると、日本の社会福祉は壊れるということを、厚生労働省としてはっきり物を言うべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。
 泉南アスベスト訴訟の問題です。先ほどもありました。
 私、大臣、これ先ほどから申し訳ないというふうに何度も繰り返している、記者会見でも謝罪のコメントを述べました。しかし、いまだに原告に会って謝罪の言葉をおっしゃっていないんですよ。大臣、原告の方は、テレビカメラの前では謝罪するのに何で原告には謝罪できないのかという怒りの声を上げています。今日もたくさん傍聴に関係者も見えられています。是非私は、直接会っていただいて、謝っていただきたい。これが全ての出発点だと。いかがですか。
#237
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返しますけれども、今回の裁判の判決は、国が規制行政において不作為の失敗をしたということで、その責任を問われたわけであります。その責任が確定をしたわけでありますから、これは大変国の行政としては重たい結論だというふうに受け止めるとともに、この責任を国が負った原告の皆様方には本当に申し訳ないという気持ちだし、それから先ほど申し上げているように、早期解決をするということで、今回の確定した賠償事案については既に手続を取って、早急にこの賠償をするということが我々の国としての責務だというふうに思っています。
 今、早く会うべきじゃないかと、こういうお話でありますが、これはもう先ほど来繰り返し申し上げているように、一つは高裁に差戻しになっている案件があるということと、他に裁判が進んでいて、そして我々としては早期解決ということにおいては何ら変わらない認識でいますので、一体何をすることが一番いいことなのかということを今検討中であるわけでございます。
#238
○小池晃君 先ほどから高裁差戻しとおっしゃるけれども、別に裁判の結果、根本からひっくり返るような差戻しじゃないんですよ。これは確認をして賠償額を算定するための作業なわけですよ。
 その点でいえば、私は、早くというのであれば、対策を早く立てる必要があるというのであれば、まず会って思いを聞くべきじゃないですか。そこから始まるんじゃないですか、対策は。だから会ってほしいと言っているんですよ、早く解決するためにも。どうですか、早く会ってください。
#239
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、今、関係省庁と何ができるのかということを議論をしているところでございますので、早期解決ということを基本としながら考えていきたいというふうに思います。
#240
○小池晃君 先ほど内閣委員会で我が党議員が質問して、官房長官はこれは厚労省に任せてあるんだというふうに言っていますよ。他省庁と言うのなら、厚労省が責任なんですよ。だから私は、まず担当の大臣である塩崎さんが原告と真摯に向かい合って、何度も何度も謝罪するんだったら、じゃ、何で直接原告に会って謝罪しないのかと。そこで話を聞いて、そこからじゃないですか、対策というのは。
 しかも大臣は、亡くなられている方もいるとおっしゃった、御存じなわけですよね。訴訟提起されてから十四名が亡くなっているんです。ほとんどの原告は東京に出てくることもままならない状態なんですよ。原告からは、死んでから謝られても何にもならないと、墓に布団掛けられないじゃないかという声も上がっているんですよ。原告は一刻を争って大臣と会いたいというふうに言っているんです。大体、最高裁で確定した判決で、加害者側が会いに来るのが当然じゃないかと、何で被害者側が会ってくれと言わなきゃいけないんだと。私、本当にそのとおりだと思いますよ。こういう議論をすること自体が本当にむなしい。私は、やっぱり直ちに会う、これは政治家としてのまず第一歩じゃないかと思いますが、重ねて聞きます。
#241
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生の今の御意見も含めてよく考えていきたいと思います。
#242
○小池晃君 私、一刻も早く会っていただきたい。
 塩崎大臣は、かつてこういう種類の問題を解決した経験を持っているわけですよ。大臣は、第一次安倍内閣の官房長官のときに、筑豊じん肺訴訟の最高裁判決で原告勝訴、そのときに同趣旨の北海道石炭じん肺訴訟で和解協議で解決をしているわけですね。今回、同じ地域で分かれているわけですよ。だったらば、あのときやったように、一括して早期解決のためのテーブルをつくって、違法性が認められた時期の全てのやっぱり被害者の救済、あのときのようにイニシアチブを発揮すべきじゃないですか、いかがですか。
#243
○国務大臣(塩崎恭久君) そのことも当然私は認識をした上で、先ほど来申し上げているように、考えているところでございます。
#244
○小池晃君 政府、四年前に、前政権のときですが、泉南アスベスト訴訟を解決するという方向を決めた経過があると。そのときにはどれだけの方々が対象になるか試算したというふうに聞いています。その数字を明らかにされたい。
#245
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 お尋ねの点につきましては、当時の資料あるいは担当者にも当たったところでございますけれども、現時点では確認ができなかったところでございます。
 今お話がございました救済すべき人数の推計という点につきましては、その参考となるものといたしまして、私ども、平成十七年から石綿暴露作業における労災認定等事業場の公表というものをやっております。この公表の中に含まれております泉南地区を管轄する岸和田署における石綿の労災認定件数、これが平成二十五年の公表分までに労災保険法に基づく保険給付の支給決定件数、これ七十九件ございます。それから、石綿救済法に基づく特別遺族給付金が三十三件、合わせて百十二件ございますので、これが今お話があった点の参考になるというふうに考えております。
#246
○小池晃君 弁護団は、泉南地域の石綿被害者を六百名程度として、現実的な補償対象は原告とは別に六十名程度と、そういう数なんですよ、試算をされているんです。
 大臣、重く受け止めるとおっしゃるのであれば、やっぱり今回の原告だけではなくて、判決で示された期間に泉南で働いて発症した全ての方々を対象にこれ解決すべきじゃないですか。
#247
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来申し上げているとおり、様々なことを協議をしながら、今早期解決に向けて政府部内で検討をしているところでございますので、そのように御理解をいただければと思います。
#248
○小池晃君 今回の最高裁判決は、これはっきり確定したわけであります。アスベストの粉じんがもうもうと舞い上がる工場、建設現場で多くの労働者が暴露して今も被害が続いているわけですから、やはり今回のこの最高裁判決を受けて、私は、国に対してあらゆるアスベスト被害者に対して補償と救済の仕組みを整備することが求められているんだと、これはもう党派を超えた課題だということを申し上げて、質問を終わります。
#249
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず初めに、菅原晶子補佐官のことについてお聞きをいたします。
 これは津田理事の方からも午前中質問がありました。厚労省は、労働基準行政を所管しているにもかかわらず、経営者の利益擁護団体から一方的に補佐官を任命するのは問題ではないですか。
#250
○国務大臣(塩崎恭久君) 菅原補佐官は、今朝も申し上げましたけれども、経済同友会の執行役、企画部長等を歴任して、経済政策全般にわたって幅広い知見のある方だというふうに私は理解しておりますし、社会保障あるいは雇用、それから今、安倍内閣としても力を入れている女性の活躍、こういったものについて精通をしている方だということでございます。
 長谷川ペーパーというのが出てまいりましたが、いずれにしても、この方は幅広く行政にも関わってきた、そして問題も幅広かった、公務員制度改革の改革推進本部にも出向していましたし、そういうようなことを私も考えて選んだわけでございまして、特に長谷川ペーパーのことをおっしゃるならば、これは内閣参事官としての仕事としての関わりであって、匿名で何かそれだけやったとか、そんなことでは全くないのであって、大臣補佐官としてもバランス感覚を持ってやってもらおうというふうに思っています。
#251
○福島みずほ君 今、長谷川ペーパーをおっしゃいましたが、長谷川ペーパーの作成に関わったということはお認めになられるわけですね。
#252
○国務大臣(塩崎恭久君) つぶさに聞いておりません。そういうところに着目をして私は選んだわけではございませんので。
#253
○福島みずほ君 今、長谷川ペーパーの話がありましたが、整理解雇四要件を否認し、金銭による解雇容認を打ち出すなど、物すごい長谷川ペーパーについては非難が出たわけです。厚労省の中からも非難が出たというふうに私は理解をしております。
 ですから、長谷川ペーパーの作成に関わった人間が何で労働行政をやる厚生労働省の補佐官なのかと。社会民主主義の立場で、労働者のためにやるのが厚生労働省でしょう。これが経産省とか別のところだったらちょっと違います。でも、厚生労働省の補佐官になぜ長谷川ペーパーに関わった人間がなるんですか。全く不適任だと思いますが、どうですか。
#254
○国務大臣(塩崎恭久君) 全く当たっていないと思います。
 そもそも長谷川ペーパーというのは、産業競争力会議の民間人のペーパーであります。菅原さんは内閣参事官として仕事をしていたわけでありますから、民間議員が出してくるペーパーと内閣の参事官とは全然別物でありますから、民間の方がどういうプロセスで作ってきたかは、民間の方に聞いていただいた方がいいと思います。
#255
○福島みずほ君 長谷川ペーパーに、じゃ、作成に関わっていないということですか。
#256
○国務大臣(塩崎恭久君) 公務員でありますから、民間人ではございませんので、民間人のペーパーを出してくるときは民間人の方がお作りになるわけであります。
#257
○福島みずほ君 ただ、発言や中身や今までやってこられたことを考えると、私は、やっぱり労働省に期待しているんですよ、労働者のために頑張ってくれと、本当に。ですから、何で規制緩和やったりこういうことに関わった人間が補佐官なのかと。これは塩崎さんにとって汚点になりますよ、と私は思います。
 というか、あるいは塩崎さんはこれから労働法制、規制緩和やるという宣戦布告をこの厚生労働委員会にしていらっしゃるのかとも思いますが、これは是非やめていただきたいということを冒頭申し上げます。
 私も泉南アスベストの問題についてお聞きをいたします。
 私は、上告人兼上告受理申立人らからの最高裁判所裁判官への手紙を読まさせていただきました。大臣、聞いてください。
 私の主人、夫のことですが、佐藤何がしは三十二年間アスベストの仕事をしてきました。家族のため一生懸命働いていたと。私は怒りで胸がいっぱいです。私たちの原告の中には、明日をも知れぬ命、生きるのに精いっぱい、やっとの思いで生きております。この命があるうちに、一日も早い解決を願っております。泉南アスベストが提訴して八年になります。一緒に行動を共にした仲間が十三名命を落としました。それぞれが早期解決を願って一生懸命裁判に立ち向かいましたが、残念でなりません。
 今、十四名亡くなっていらっしゃるわけですね。
 石綿工場で二十年間働きました。現在病気で、治る薬もなく、治療法もありません。酸素チューブに付けられた私は何をするにも気持ちが晴れることはありません。一つ望むことは、私が生きている間に解決をしてほしいということです。よろしくお願いします。毎日苦しい日を過ごしております。被害者には時間がありません。一日も早く解決してください。明日という日もありません。
 抜き書きですが、多くの皆さんたちのこの一日も早く何とかしてくれというのを、大臣、聞いていただきたい。私も、是非会ってこの生の声を聞いて、やっていただきたい。いかがでしょうか。
#258
○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほど申し上げたとおり、この今回の裁判の判決は本当に国にとっては重たいわけでありますし、申し訳ない気持ちで、原告の皆様方にはそういう気持ちでございます。ですから、なるべく早期解決をということでありますが、それはもう共通の認識でありまして、先生も御存じのように、行政としての対応には、いろいろなことを考えて協議をした上で結論を出すということをやらなきゃいけないときもございますので、できる限り早期に解決ができるように努力を今しているところでございます。
#259
○福島みずほ君 早期解決のためにも、是非直接原告たちに会って謝罪をしていただきたい。いかがですか。
#260
○国務大臣(塩崎恭久君) そのことはさっきやはり申し上げたとおり、様々なことを考えた上で何ができるのかということを今協議をしているので、その中身を固めてからいろいろなことを考えていきたいというふうに思っております。
#261
○福島みずほ君 大臣、これ最高裁で確定したわけですよね。最高裁がこんなに国の責任を全面的に認めたというのは、やっぱりこれはなかなかのことだと思います。
 アスベストは、社会党時代、私はそのとき党員ではありませんでしたが、アスベスト被害について外国では明らかになっていたので法案作ろうという動きがあり、しかし産業界から物すごく圧力が掛かって、結局それは成立をしませんでした。もっと早く、もっと諸外国並みに、もっと早く国会が、行政が手を打っていたら、これほどまでに広がらなかった。つまり、これ以上時間を費やしても被害の救済が遅れるばかりで、何にもないんですよ。とにかく遅らせれば遅らせるほど被害の救済が遅れるだけで、国の責任はもう認められているわけです。
 差戻し審は、これは勝訴を前提に解決金の策定のために和解をやる、やれという差戻し審ですよね。だとすると、もう勝訴は分かっているわけで、あと金額の問題のわけです。だとすると、差戻し審の審理を待ちましょうではなく、これもまとめて行政として、厚生労働省として解決する、それを是非やっていただきたい。もう時間の猶予はないんですよ。差戻し審でやっていただく、それはもうそんな時間はないんですよ。いかがですか。
#262
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生の今のお言葉も受け止めて、しっかりとやっていきたいと思います。
#263
○福島みずほ君 しっかりやっていくという中身は、早期に解決するということでよろしいですか。差戻し審で和解の判決が出て、勝訴というのが出ることではなく、これは泉南アスベストを解決する、これに伴うことで、基準がもう分かっているわけですから、前提に一括して解決する、一日も早い解決をということに応えてください。いかがですか。
#264
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来申し上げているように、早期解決という気持ちは何も変わっておりませんので、その気持ちで今整理をしているところでございます。
#265
○福島みずほ君 じゃ、差戻し審での和解が出る前に解決する、それはよろしいですか。
#266
○国務大臣(塩崎恭久君) 今私が申し上げたとおりであって、今鋭意検討をしているということでございます。
#267
○福島みずほ君 厚生労働省がイニシアチブを是非発揮していただきたい。つまり、これはもう司法判断が出ているわけですから、延ばして何か、何というか、経費節減になるとかいうことではなくて、要するにもう決断して解決するというしかないんですよ。延ばしたからといって何かその分安くなるとか払う税金が少なくなるという話ではなく、今こそ解決すべきだ。塩崎さん、大臣になったわけですから、やってくださいよ。どうですか。
#268
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生のお言葉もしかと受け止めて考えていきます。
#269
○福島みずほ君 重く受け止めるという言葉を重く受け止めて、というか、大丈夫ですか。差戻し審じゃなく、やってくださいね。どうですか。
#270
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返し申し上げておりますけれども、でき得る限りの早期解決を図っていきたいというふうに考えておりますので、その言葉を受け止めていただければと思います。(発言する者あり)
#271
○福島みずほ君 自民党の席からも、頑張れ、塩崎という声がありました。超党派でも頑張っていきたいと思いますし、これ、時間を稼いだからといって改善することはないんですよね。もう一刻も早い解決をきちっとやるしかない。それで是非よろしくお願いします。
 次に、ビキニ環礁の被曝の問題についてお聞きをします。
 というのは、一九五四年、ビキニ環礁、そして、このときに実は千隻の船、二万人近い日本人の人たちがここを実は行き来していた。福竜丸の展示館にも行きましたが、福竜丸だけではありません。
 六十年前、米国には外務省から資料が行っていた。そして日本では、国会の中で質問されても、資料はありませんと言っていた。しかし、六十年ぶりに厚生労働省から資料が出てきた。外務省からも出てきました。私は、これは本当に何で今まで出てこなかったのか。六十年前、なぜ外務省、厚生労働省、公表しなかったんでしょうか。今日は外務省にも来ていただいています。なぜですか。
#272
○政府参考人(中村吉利君) 外務省が保有する行政文書を確認をいたしましたところ、一九五四年の三月、米国によるビキニにおける水爆実験の後に、我が国は米国との間で補償に関する協議を開始をいたしました。その過程で、補償額算出の検討のために関係省庁が作成をいたしました損害規模に関する資料を米国に提供していたというものでございます。作成元は関係省庁ということとなってございます。
#273
○大臣政務官(橋本岳君) 厚生労働省としてのお答えをさせていただきます。
 御指摘をいただきましたように、昭和二十九年、ビキニ環礁での核実験がございまして、厚生労働省では、ビキニ環礁近海で操業していた漁船につきまして、漁船員、漁獲物、船体の放射能検査を行っております。
 放射能検査の結果をその本人に知らせたか否かという記録はございませんが、当時の通知によりますと、頭髪そのほかの部分から一定の放射能、具体的には、二週間被曝した場合に換算して約〇・八ミリシーベルトという、現在の国際基準から見ても低い水準を超える放射能を検知した場合などには、本人に対し、専門家による精密検査の上、その結果に基づき指導を行うほか、医療機関において血液検査そのほかの精密な医学的検査を受けるように勧奨するという通知を出しております。
 したがいまして、このように、当時、検査、検知の結果に応じまして適切な医療的な対応をその御本人に講じていただくようにされていたのではないかというふうに考えております。
#274
○福島みずほ君 厚生労働省も外務省も、なぜ当時、六十年前、資料を公表しなかったかが答弁がありません。
 外務省はアメリカには資料を渡したんですよ。でも、なぜ日本の国会で資料がないと言ったんですか。おかしいじゃないですか。
#275
○政府参考人(中村吉利君) 当時、国会でどのような議論が行われていたか、今明らかではございませんので、それは調べて、またお答えを申し上げたいと思います。
#276
○大臣政務官(橋本岳君) まずもって、これまで資料の存在が確認されていなかったということは誠に遺憾だというふうに考えております。これまでその文書の存在が確認できないというふうにしていた背景には、御案内のとおり六十年近く昔の資料であって、徹底的な捜索を行わなかったことにもあるのだろうというふうに思っております。
 また、御指摘の政府委員の答弁につきましては、昨日質問いただいた後でいろいろ資料も調べたというふうにございまして、恐らく、質問の事前通告を受けて短時間で資料を捜索して、その結果に基づいて答弁をしたため、そのような答弁になってしまったのであろうというふうに考えております。
 重ねてになりますが、ただ、今回改めて徹底的に捜索をさせていただいて、それこそ茨城県の外部倉庫まで行って見付けた資料なども含まれて今回公開をしたということがございます。そのようなことで、これまでの資料が存在を確認されなかったというふうにしておりましたことは大変遺憾だと思っておりますので、今後、同様のことが生じないように、古い資料に関する公開の求めに対しましてはしっかり対応してまいりたいと、このように考えております。
#277
○福島みずほ君 厚生労働省は、国会の答弁で、そういう資料はないと言っていたんですよ。質問通告が直前だったから、過去の国会で調べることができなかったと言うけれど、そういう質問を受けたら、まだ調査中ですと言うか、調べれば出てきた可能性があるじゃないですか。
 六十年前、ビキニ環礁って日本にとっては大きい、大きな問題でしたよ。延べ千隻、二万人の船員、日本全国のマグロ漁や船員さんたちがこれに関わって被害を受けたんですよ。そのことをなぜ当時明らかにしなかったか。しかも国会で質問されて、ないと言っていたか。理由が、質問通告が前日だからというのは答えにならないじゃないですか。
 厚労省は、なぜそれを今まで明らかにしなかったんですか。
#278
○大臣政務官(橋本岳君) 重ねてになりますけれども、本当に今回、逆に、改めて情報公開の請求をいただきまして、本当に徹底的に調べさせていただいて出てきたものを公開をさせていただいたということでございます。
 ですから、過去の調べが足りなかったというお叱りに対しましては重く受け止めさせていただきたいと思いますし、今後そのようなことがないように取り組んでまいりたいと思っております。
#279
○福島みずほ君 被害は、例えば今回のでも、南太平洋方面就航船舶の放射能検査の結果についてという中で、例えば商船や大型船、指定五港以外の漁船など約四百隻分の放射能検査結果が記載されている。それから、貨物船神通川丸乗員に対する大阪や岩手などでの精密検査の結果が記載をされている。
 血液検査の結果、放射能症を疑われる者四名、放射能症を疑われるが他の疾患もある者三名、他の疾患によると思われるが念のため精密検査を要する者七名、計十四名。乗組員四十九名の健康診断の結果、放射能症状を疑わせる者が七名おり、他に精密検査を要すると思われる者が七名で、これなどは今後長期にわたる観察が必要と思われる。岩手大学。
 これ、フォローアップをきちっとしていますか。
#280
○政府参考人(新村和哉君) お答え申し上げます。
 第五福竜丸のまず被災の船員につきましては、他の漁船の乗組員と比較しまして被曝量が極めて高くなっております。したがいまして、その第五福竜丸の被災船員につきましては、放射線医学総合研究所により健康診断が毎年一回行われております。
 他方、この第五福竜丸以外の被災船員についてでございますが、今回開示した資料全体を集約し、分析した結果を見ますと、当時把握された被曝量は、国際基準、これは国際放射線防護委員会が定めました一事故当たり百ミリシーベルトという基準、あるいは第五福竜丸船員の推定被曝線量、これは千七百から六千ミリシーベルトになっていますが、これに比べて非常に低い水準でございまして、二週間検出されたカウントの線量を浴び続けたとして一・六八ミリシーベルトといったような低い線量であるということ、それから、低い水準の被曝量の場合には、当時被曝したことと、その後長い期間を経た現在におけるがんその他の健康状態との因果関係を医学的に評価することは困難であるということから、健康調査の実施については今行っていないということでございます。
#281
○福島みずほ君 二〇一三年、アメリカ公文書館で、例えば船体の基準値を超えた船は五隻となっています。また、沖縄のビキニ事件、一九五三年から六〇年まで八年間にわたり、年間八回ずつ被災海域で操業していたマグロ漁船、銀嶺丸と大鵬丸、この乗組員六十八名がいるんですが、この調査の結果、これは民間で調査を日本でやったわけですが、十七人が四十歳代半ばから五十歳代で死亡し、死因はがんが最も多くて十一人。被害が本当に出ていますよ。
 それで、アメリカからの見舞金があり、八億ほどありましたよね。そのうち、百六十名に見舞金が払われています。少ないと思いますが、数も、でも、その百六十名、見舞金を払った人たちのフォローアップを厚生労働省はしていますか。
#282
○政府参考人(新村和哉君) 見舞金を支払って、それを受けた方につきましては、その当時、見舞金を払った方の名簿はあったんだろうと思いますけれども、私ども、船体あるいは人体等の放射能の検査をして検出をしたその船、それから乗組員、そういった方々については今回徹底的に調査をして資料を出したわけですけれども、その名簿、船の船名なりその乗組員の方の名簿等がやはり十分残っているものではなくて断片的であったということでございますし、その見舞金を受けられた方との関係等についても明確でございませんので、その意味でフォローはされておりません。
#283
○福島みずほ君 結局、福竜丸以外は一切何もやらなかったんですよ。でも、実際は千隻、延べ千隻、二万人以上の船員さんたち、乗組員の人たち、漁民の人たちは、健康で頑丈な人たちががんで亡くなったり本当にしています。それを、民間の人たち、高校生とかいろんなフィールドワークがあって、厚労省はこの六十年間、フォローアップもしなければ何にもやらなかったんです。
 でも、広島、長崎に関しては放射線研究を、例えば広島の放射線影響研究所は、広島、長崎の被爆者の放射線影響を研究しています。染色体異常と歯による被曝の研究は、歯ですよね、継続的に進められており、この研究所は厚労省の研究所じゃないですか。なぜビキニの被曝を厚労省は見捨てたのか。どうですか。
#284
○政府参考人(新村和哉君) 先ほど来、政務官からも御答弁ありましたように、過去十分な資料の調査などもしなかったということがございますし、今回あらゆる方策を講じまして資料を探し出しました。その中でどこまでの事実が分かるかということを調べました結果、先ほどの繰り返しになりますけれども、第五福竜丸以外の被災船員につきましては、国際基準に比べても極めて低い放射線量であると推計されるということ、それから、第五福竜丸の乗組員に比べても非常に低い放射線量であるということが推計されるということでございます。
 また、がん等の関係につきましても、低い水準の被曝線量、低線量の被曝の場合にはその因果関係について明確にすることは難しいということがございますので、そういった意味で、健康調査をするということにつきまして困難ではないかと考えてございます。
#285
○福島みずほ君 厚労省はひどいと思いますよ。
 広島、長崎があって、福竜丸があって、ビキニの環礁の被曝があったわけで、それについてきちっとフォローアップすべきですよ。船員さんたちは、なぜ健康が悪くなったか分からず、黙って亡くなっていった人もたくさんいるわけです。六十年間放置していたんですよ。低線量被曝が影響ないなんて何で分かるんですか。みんな海水でお風呂を浴びているし、泳いでいるし、マグロを食べているし、そうなんですよ。そして、服などは洗っているから、それを放射線量が低いからといって被曝していないとは言えないし、むしろ四十、五十、六十で症状が出てくるからきちっとフォローアップすべきじゃないですか。それを六十年間やらなかったんですよ。こんなことをやっていると、今、福島の被曝でも低線量被曝、大したことないなんてなったら本当にこれは困ると思います。
 とりわけ外務省は、当時アメリカには資料を提供しながら日本では公表しない。厚労省も、資料を持って結果があって、少なくともそれを公表すべきじゃないですか。みんな福竜丸しか被曝していないと思っている人もいるかもしれませんが、全国的に被曝しているんですよ。大きな被曝があります。
 これについては、なかなか、歴史、六十年たっていますが、今からでも遅くない、何かやるべきだ。大臣、いかがですか。
#286
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど橋本政務官から御説明申し上げたとおり、こういった資料が出てこなかったというのは極めて問題だったと思います。
 さらに、今御指摘の点について、今局長から説明したように、当時の判断としては、線量としてははるかに国際基準よりも低いという判断でそういうことになったんだろうというふうに思いますが、今日、先生、そういう形で問題点の指摘をいただきましたので、持ち帰ってまたみんなで検討してみたいというふうに思います。
#287
○福島みずほ君 実際みんな症状が出ているというか、そういう分析が情報公開の結果出ているじゃないですか。少なくとも六十年間、全くフォローアップすらしなかったというのは問題ですし、それから、当時資料があったのであれば、やっぱり情報公開、国民にすべきだったというふうに思っています。
 たくさん質問したかったんですが、もう時間ですので、是非これは、広島、長崎も重要ですが、ビキニ環礁における日本の国民、ほかの人たちもそうですが、大量被曝の問題についても、福島の問題もありますし、しっかりやっていただきたい。今大臣が持ち帰るとおっしゃったので、是非また議論をさせてください。よろしくお願いします。
 質問を終わります。
#288
○委員長(丸川珠代君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#289
○委員長(丸川珠代君) 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
#290
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案について、その趣旨を説明いたします。
 有期労働契約については、その期間が同一の使用者の下で反復更新されて通算五年を超えた場合に、労働者の申込みにより無期労働契約に転換するルールの導入等を内容とする労働契約法の改正が行われ、平成二十五年四月から全面施行されています。
 この無期労働契約に転換するルールについては、高収入かつ高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者等を対象に、申込権が発生するまでの期間の在り方等について検討を行い、平成二十六年の通常国会に所要の法案の提出を目指すことが国家戦略特別区域法で定められているほか、定年後の高齢者に対する適用の在り方についても検討が求められてきました。
 このような状況を踏まえ、専門的知識等を有する有期雇用労働者及び定年後引き続き雇用される有期雇用労働者がその能力を有効に発揮し、活力ある社会を実現できるよう、その特性に応じた雇用管理に関する特別の措置が行われる場合には労働契約法の特例を認めることとし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
 第一に、厚生労働大臣は、専門的知識等を有する有期雇用労働者等の特性に応じた雇用管理に関する基本指針を定めることとしています。
 第二に、事業主は、その雇用管理に関する措置についての計画を作成し、基本指針に照らして適切なものであること等の要件に適合する場合には、厚生労働大臣の認定を受けることができることとしています。
 第三に、計画の認定を受けた事業主と専門的知識等を有する有期雇用労働者等との間の有期労働契約については、労働契約法に基づく無期労働契約への転換の申込権が発生するまでの期間に関する特例が適用されることとしています。
 最後に、この法律は、一部の規定を除き、平成二十七年四月一日から施行することとしています。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#291
○委員長(丸川珠代君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#292
○委員長(丸川珠代君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをしたいと存じます。
 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案の審査のため、来る二十三日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#293
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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