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2014/11/06 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 厚生労働委員会 第8号
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2014/11/06 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 厚生労働委員会 第8号

#1
第187回国会 厚生労働委員会 第8号
平成二十六年十一月六日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月四日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     藤田 幸久君
     新妻 秀規君     山本 香苗君
 十一月五日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     石井みどり君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
               三原じゅん子君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                藤田 幸久君
                山本 香苗君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                東   徹君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  永岡 桂子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       橋本  岳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     武川 恵子君
       厚生労働省医政
       局長       二川 一男君
       厚生労働省健康
       局長       新村 和哉君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       三宅  智君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       安藤よし子君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
    ─────────────
#2
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、森本真治君、新妻秀規君及び豊田俊郎君が委員を辞任され、その補欠として藤田幸久君、山本香苗君及び石井みどり君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長新村和哉君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(丸川珠代君) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。
 今日は、ちょっと時間をいただいておりますので、締めくくりの意味合いを込めて、今までの質疑の内容をちょっと振り返りながら質問したいと思います。
 その前に、ちょっと委員長にお聞きしたいことがございます。
 NHKの経営委員の方が、先月、世界がエボラを封じ込めようと必死で闘っている中で、日本も感染症関連法案改正に取り組もうとしているが、民主党が審議をストップさせている、こいつら、日本人を殺したいのか、民主党許さぬということを拡散希望でツイートされました。
 この件について委員長として、私は民主党のことはとやかく言うつもりはございませんけれども、審議が遅れているのか、その認識が委員長としてはあるのか。この厚生労働委員会あるいは院のことが問われていると私は思いますので、委員長の見解をまずお伺いしたいと思います。
#7
○委員長(丸川珠代君) 足立委員にお答えをいたします。
 本委員会は、十月十四日に塩崎厚生労働大臣から所信的挨拶を聴取して以降、与野党の大変真摯な協議の下、本日まで毎定例日に委員会を開会して審議を行っております。よって、委員長といたしましても、停滞をしているというような事実はないものと認識をしております。
#8
○足立信也君 ありがとうございます。
 まさに、直接この法案で対応がどうこうということは今すぐにはないと思いますけれども、審議をすることによって国民の皆さんにやはり正確な情報が伝わっていくと思っておりますので、皆さん本当に真摯に対応していると思いますし、委員長の発言で皆さんも安心されたろうと思います。対応を是非ともやっていただきたい。理事会でよろしくお願いします。
 ところで、今もありましたけれども、今回の法改正は、私は論議を活発にという点では大変重要だと思いますが、大半が再来年の四月施行、エボラに関してはほとんどそうですね。ちょっと誤解があるのは、今、日本にこのエボラウイルスが入ってきたときに、今回の法改正で対処が変わる、あるいは特別に何かできるということが、今、成立直後からあるんでしょうか。そのことを確認したいと思います。
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、特に今回の感染症法の中で情報の収集体制の強化などについて、施行は平成二十八年四月一日、医療機関に対する検体等の提出の要請、あるいは医療機関や患者に対する検体の収去、採取等の措置についてはおっしゃるとおりでございます。しかし、万が一エボラ出血熱に感染した疑いのある患者がもし国内で発生をしたという場合を想定した際には、現行の感染症法であっても、都道府県知事は、その患者に対する感染症指定医療機関への入院勧告、あるいは勧告に従わない場合の入院措置などは行うことができます。
 改正法の施行を待たずとも、今申し上げたような点については対応は十分可能だということでございまして、今回の改正事項は、感染症に関する情報収集体制を強化すること等を通じて我が国の感染症対策を更に強化をするということでございますので、今も申し上げたように、先生御懸念の点について、今エボラ出血熱の患者が国内で発生した場合にできないのではないか、いろいろとということでありますけれども、少なくとも、今申し上げたような入院措置というところなどについてきちっとできると、これだけでもですね、ということは申し上げておきたいというふうに思います。
#10
○足立信也君 おっしゃるとおりでございます。
 ですから、審議を見ていただいて、国民の皆さんにやっぱり情報がしっかり伝わると、そして、ここは対処しなきゃいけない、政府を挙げて対応していただきたいということでございます。
 ところで、先日の質疑でも、第一種感染症指定医療機関がない県が九県と、大臣の愛媛県とか私の大分県とか名指しで言われました。大分県は、実は十日付けで、これまで第二種であった県立病院を第一種に指定するとおととい発表しました。大臣も頑張っていただきたいんですけれども、この点について何か感想があれば。
#11
○国務大臣(塩崎恭久君) そのとおりだと思います。
 この間来私も申し上げているように、やっぱり全県きちっと対応ができるところがなければ、他の県にまで出かけていかなきゃいけない、搬送に時間が掛かるというようなこともありますから、これから更に加速度的にこれが全県ちゃんと第一種の指定医療機関になるように私も努力をしていきたいと思いますし、愛媛県にもそれをきちっと言ってまいりたいというふうに思います。大分県に負けないように頑張ります。
#12
○足立信也君 しつこいようですが、今までなかった九県で第一号が出たということですから、是非愛媛県も頑張っていただきたいと思います。ほかの県も頑張ってもらいたいと思います。
 ところで、質疑の今までの内容を聞いておりますと、法律案そのものについてはやっぱり個人情報の扱いが一番気になっている、その点と、エボラ出血熱が日本で発症した場合どうするかと、この二点に集約されていると思います。
 まず、法律案の方からお聞きしたいんですけれども、各会派賛成のように見られておりますが、実は私は、反対するわけではないですが、かなり大きな不満を持っているんです。そのことをこれから三点申し上げます。
 一点目は、これは今から八年前ですね、平成十八年の改正のときにも指摘しましたけれども、病原体については何種病原体とあるわけですね、一から四まで。それから、感染症については何類感染症とあって、一から五まで。そして新型インフルエンザ等、指定感染症、新感染症と、こうあるわけです。その方々が入院する施設は何種感染症指定医療機関と。病原体が種で、感染症が類で、医療機関がまた種だと、これはすごく混乱するんじゃないかと。しかも、その三つには厳密な意味でのパラレルな関係はないんですよね。混在しているんですよ。ここは整理が必要なんじゃないかということを実は八年前に申し上げました。
 例えば、皆さんよく御案内の結核ですね。結核は、結核症というのは二類感染症です。結核菌は三種あるいは四種病原体。入院するのは第二種感染症指定医療機関と、こうなっているわけですね。ここを整理した方がいいと指摘しましたが、当時の局長の答弁は、混乱がもしかしてあるかもしれない、十分に説明していくということをおっしゃったんですが、これなかなか、この前の質疑を聞いていても、病原体の種と感染症の類というのがどうも混同されているような印象を私持ちましたので、やはりこの点はちゃんと説明が必要なんだろう、あるいは混乱が避けられるように何か手はないのかなということを申し上げたいと、これが一点目です。
 そこで、これ新感染症の場合、つまり、先日も質問でありました全く未知のもの、この未知のものの病原体が出てきた場合に、このBSL、バイオセーフティーレベルはどこで扱うようになるんでしょうか。幾つになるんでしょうか。
#13
○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。
 御指摘の新感染症、これは病原体が未知の感染症を対象とするということでございます。その場合、その時点で明らかとなっている感染症の特徴やWHOの助言、専門家の御意見を基にどのバイオセーフティーレベルで取り扱うことが適当か、その都度判断するということになります。
 その後、原因となる病原体が判明し、その性状に基づきバイオセーフティーレベル等が明らかになった時点におきまして、感染症法に基づく一種病原体から四種病原体のいずれに該当するか、改めて判断を行うということになってございます。
#14
○足立信也君 総括したようなお話ですが、非常に危険で、国外においてもこれは大変危険なものだという判断をされた場合、当然BSL4のところで扱うということになるわけですよね。
 それに関連することなんですが、二点目の不満は、八年前の附帯決議で、一類感染症等の国内発生や生物テロなどの緊急時に備えるため、周辺への配慮の下、P4施設、今でいうBSL4ですね、P4施設を確保し、稼働させることと政府に対して附帯決議を付けてあるんですが、八年たってもいまだにこれがなされていないということです。
 それから三点目は、参考人質疑でもかなり強調されておりましたが、地方衛生研究所の法的位置付けがないというこの点です。
 地方衛生研究所は、昭和二十三年の厚生省の局長通知が元々の根拠で、三十九年、厚生事務次官通知で地方衛生研究所設置要綱というのができたと。
 この検体の流れ、今までの説明でも、医療機関から検体が保健所を経由して地方衛生研究所を通る、必要な場合は感染研に行くと、こういう流れがもうはっきりしている。それなのに、なぜこの地衛研のところだけが法定されていないのか。その理由があるとすればそれをお答え願いたいと思います。なぜ法定しないのか、今回もしなかったのか。
#15
○副大臣(永岡桂子君) 先生、御質問にお答えします。
 多くの都道府県におきまして保健所が検査機能を有していない中にございまして、地衛研というのは都道府県知事が収集いたしました検体の検査を実施しております。感染症対策を講じるに当たりましては、その機能というものは必要不可欠であるということでございまして、今後とも協力していただく必要があると考えております。
 一方で、現行の感染症法におきましては、これ、知事によります検体などの検査の実施について明確な規定がなく、また厚生科学審議会の感染症部会の議論におきましても、地衛研におけます検査業務の弱体化ですとか習熟技術の減少などが懸念されていたところでございます。
 今般の法改正におきましては、都道府県知事が入手いたしました検体について、知事によります検査の実施義務と、また検査基準の策定につきまして規定を設けるということになっております。
 厚生労働省といたしましては、このように都道府県におけます検査機能を感染症法上位置付けるということによりまして、今後、地衛研の機能も維持向上されるものと考えております。
 さらに、今般の法改正も踏まえまして、地衛研が果たす役割の重要性に鑑みまして、地衛研について、国立感染症研究所との連携の強化を図るとともに、感染症対策におけます位置付けをより明確にすることについて検討してまいりたいと考えております。
#16
○足立信也君 今の御説明のように、どなたでもいいです、答えてほしいんですが、私がお聞きしたのは、今おっしゃるように、都道府県知事の権限、義務というのがかなり強くなっている。検体を調べるのはこの地衛研だと、そう義務が強くなっているのにその場所が法的には定められていないというのは、やはり足りないんじゃないですか。今回、知事の権限というか義務もこれだけ大きくするならば、それを調べるところは法定されて私はしかるべきだと思いますよ。
 質問は、なぜしないのかということなんですが、なぜというのは今明確にはなかったと思いますが。どなたでも結構です、なぜしなかったんですか、今回これだけ都道府県知事の権限、そして義務も広めているのに。
#17
○政府参考人(新村和哉君) 今回の御提案申し上げている法改正案は、感染症法の改正ということでございます。
 今副大臣から御答弁申し上げましたとおり、地方衛生研究所の役割、非常に重要でございまして、またその一方で、検査業務あるいは技術の維持等の問題もあるということで、国において基準を設ける中で、都道府県の業務としてその検査の実施を義務付けるということで、地方衛生研究所の役割をそういう形で機能面として位置付けているというものでございます。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
 一方で、この地方衛生研究所という組織そのものの位置付けにつきましては、地域保健法あるいは地域保健の体制という観点から別途検討が必要かと思いますけれども、保健所あるいはこの地方衛生研究所という地方自治体が設置している機関の設置についてどこまで法定化するかということについては、別途自治体の御意見等も聞きながら調整が必要なことと承知しておりまして、そういう意味で、ちょっと感染症法におきましてはこの地方衛生研究所の組織は位置付けておりませんけれども、その機能面として重要だということで今回のような改正案になっているところでございます。
#18
○足立信也君 政権替わって、国と地方がこういう実際の現場でやるところに対して協議が私は若干少なくなっているような気がします。この問題は地方と国としっかり協議しなきゃいけないので、大臣、そこを肝に銘じていただきたいと思うんです。私は、宙ぶらりんのままは良くないと思います。そのことを是非これから検討してください。
 じゃ、条文に入りますが、まず十四条の二で、都道府県知事は、五類感染症の患者さんの検体、病原体の提出先を指定すると、そういうふうになっています。そこで、省令で定める五類感染症というふうになっていますが、これは、省令で定める五類感染症とは一体何なんですか。
#19
○政府参考人(新村和哉君) 五類感染症のうち遺伝子型あるいは血清型など病原体情報の解析が特に重要となるものにつきまして、病原体の性状の変化あるいは薬剤耐性株の発生状況などの情報を自動的に収集できるように、都道府県知事が指定する医療機関又は衛生検査所から検体が提出される制度を設けることとしたものでございます。省令で定める予定の五類感染症につきましては、現在、季節性のインフルエンザを定めることを想定しております。
 これによりまして、病原体の遺伝子情報等を収集、解析することによりまして、病原体の性状の変化の監視、薬剤耐性のある株の発生状況の把握、ワクチン株選定の妥当性の評価、また新型インフルエンザとの比較などを行うことが可能になると考えております。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
#20
○足立信也君 全数把握が必要な五類感染症、数多くありますけれども、今想定しているものは季節性のインフルエンザだと、そういうことですね。──はい、分かりました。
 続いて、十五条、十六条、二十六条というふうに行きますが、まず十五条で、一類、二類、三類、四類、五類若しくは新型インフルエンザ、これに対して、あるいは動物に対しても、検体の採取、提出を指定機関の職員に求めさせ、応じさせることができるとなっています。それから十六条の三で、一類、二類、新型インフルエンザについては提出を勧告、強制もできる、四十四条の七で新感染症にも同じような強制ができると、こうなっているわけです。それに対して、二十六条の三と四、これはやはり一類、二類、新型インフルエンザ等感染症に対して検体又は病原体の提出を命ずることができると、かなり強権があるわけですね。
 こうずっと条文が並んでいるんですが、私の理解では、なかなかこれがすっと、何が一体違うのかというのがはっきり分からないので、これ、明瞭に簡潔に、疾患、感染症については今申し上げましたので、一体何を規定しているのか、そこを説明してください。
#21
○政府参考人(新村和哉君) まず、改正法第十五条による検体の提出要請でございますが、これは、都道府県等が積極的な疫学調査の一環といたしまして、感染症法上の全ての感染症につきまして、医療機関などの検体の所持者、それから動物の所有者、また患者などに対して検体の提出を要請できるとする規定でございまして、この要請を受けた者は協力する努力義務を負うということとされております。
 また、改正法第十六条の三及び第四十四条の七、四十四条の七は新感染症ですけれども、これによる検体採取につきましては、都道府県等が一類感染症、新感染症など強い病原性を持ち、国内で発生した場合に迅速な危機管理体制の構築が必要な感染症に限りまして、その患者等に対して検体の採取の勧告措置を行うことができるとする規定でございます。
 また、改正法第二十六条の三による検体収去、これは医療機関からの検体収去でございますが、また改正法第二十六条の四による検体採取、こちらは動物の所有者からの検体採取ですが、これらにつきましては、都道府県等が、改正法第十六条の三と同様に、一類感染症など強い病原性を持ち、国内で発生した場合に迅速な危機管理体制の構築が必要な感染症に限りまして、検体収去につきましては、医療機関など患者の検体の所持者に対して、患者の検体を持っている人に対してその検体の収去の命令措置、検体採取につきましては、動物の所有者などに対して検体の採取の命令措置をそれぞれ行うことができるという規定でございます。
#22
○足立信也君 なかなかすっとは、分かりづらいとやっぱり思うんですね。
 私なりに整理すると、十六条や四十四条は、人あるいは動物に対して結構強制権があると、それから二十六条は、その検体、サンプルを持っている機関、そこに対する強制力だと、そういう理解でいいですか。
#23
○政府参考人(新村和哉君) そのとおりでございます。
 十六条の三は患者に対して、二十六条の三は医療機関、その検体を持っている人に対してということでございます。
#24
○足立信也君 人に対しても、やはり医療機関に対しても、かなりの強制権がこれあるわけですね。
 そうなった場合に、この前、福島委員も質問されていましたが、今、遺伝子産業等々かなり話題になっています。サンプルがあるということは、それをやっぱり利用して、あるいはデータとしてという気持ちは当然出てくるわけですね。
 これの膨大なサンプル、しかも強制的に集められる、提出される、その膨大なサンプルを目的外に使用しようとする人は私は現れてくると思うんですよ。そこをどうやって防ぐ、その手だてというものは考えておられるんでしょうか。
#25
○政府参考人(新村和哉君) 都道府県知事が入手した検体は、感染症の発生の予防や蔓延の防止策を講じまして、公衆衛生を向上させるために活用されるものでございます。入手した検体をこのような目的以外に用いるということは行われるべきではないと考えております。
 例えば、病原体そのものの遺伝子情報につきまして、新型インフルエンザなどの感染症の血清亜型の確定といった、強い病原性がもし国内で発生した場合に、迅速な危機管理体制の構築が必要な感染症の発生状況を確実に把握することや、患者が感染しているウイルスの由来の確認による感染経路の調査、あるいは変異の有無の確認、あるいは治療薬やワクチンなどの研究開発などに利用することは、これは感染症の発生の予防、蔓延の防止という公衆衛生上の目的に含まれるものと考えております。ただ、このような場合、必要となるのは病原体の遺伝子情報でございますので、患者さんの個人の情報については匿名化や切離しを行うなど、必要な範囲を超えて個人情報を保有、利用しないよう留意すべきことは当然と考えております。
 さらに、公衆衛生上の目的を超えた利用、例えば病原体ではなく個人の遺伝子情報そのものを入手、利用した場合、あるいは病原体情報についても職務外で個人的に利用するとか病原体情報を公衆衛生以外の目的で利用するといったことは、いずれも不適正な利用に当たるものと考えます。
 このような不適正な利用につきましては、公衆衛生に携わる都道府県の職員等の職務の範囲を超えており、服務規律違反として厳正に対処されるべきものと考えておりますが、厚生労働省といたしましても、検体の不適正な利用に該当し得る利用方法等につきまして、今後、施行に向けて地方自治体に周知徹底するなど、厳格な取扱いが行われるように対応したいと考えております。
#26
○足立信也君 今の答弁で、病原体の遺伝子情報と検体、つまりその個人の、人の遺伝子情報を分けて説明していただいたので、この前の質疑を聞いていて、ちょっと不十分だなと思ったところはクリアになったと思います。
 いずれにしても、規律違反ということで、それはやってはいけないんだという形になる。となると、地衛研もやっぱり法的に位置付けないと私はいけないんだと思いますよ。そこに返ってくる話ですので、大臣も先ほど検討をと、うなずいておられたので、是非お願いしたいと思います。
 そこで、今、病原体と検体を区別しておっしゃられました。じゃ、病原体、分離した一種病原体はどこで扱うんでしょうか。
#27
○政府参考人(新村和哉君) 例えばエボラウイルスのような一種病原体のことの御質問だと思いますが、エボラウイルスのような感染力が強く人に重篤な疾患を起こし得る一種病原体等につきましては、感染症法上、厚生労働大臣が指定したBSL4相当の一種病原体等取扱施設でのみ取り扱うことが許されているものでございまして、エボラウイルスが患者の検体から分離された時点で一種病原体等取扱施設で取り扱うことが必要となります。
#28
○足立信也君 ここでもこの前、武見委員が質問されていたように、もう直ちにBSL4、これは稼働が必要であると、病原体そのものを扱う、危険性の高い場合はですね、当然今でも必要であるということになるわけです。
 そこで、エボラ出血熱のことに、二点目のことについて質問したいと思います。
 まず、確認なんですけれども、新型インフルエンザのとき、私は当時政府におりましたので、そこと比較した場合、ほとんどの方は御存じだと思いますが、エボラウイルスの場合は何が違うか。潜伏期に感染力がないということですね。そして飛沫感染をしない、つまり病原体を含んだ唾液であるとかあるいは鼻水とか、そういうのは別にして、空気に乗ってウイルスが感染していくことはないと、今のところそうなっているわけですね。
 だから、新型インフルエンザに比べると、発症者に接触しなければいいということになって、出国の検疫であるとか入国の検疫がより重要になってくるし、より有効になってくるわけですね。新型インフルエンザの場合は潜伏期間に感染力がありますから、いかにそこで水際作戦やろうとしても素通りしてしまうというのが一番大きな違いです。
 そこで確認したいんですが、今、世界中で一万三千人をもう超える方々が発症されている。そのケースの分析で、今、飛沫感染の話をしました。この飛沫感染の可能性があるという症例、あるいは確認されてはいないんですか。
#29
○政府参考人(新村和哉君) 御指摘の点ですが、米国の疾病対策予防センター、CDC等の知見によりますと、エボラ出血熱がせきやくしゃみで感染が広がったとするエビデンスはないということでございます。一方で、エボラ出血熱の患者の感染性の体液が跳ね返るといったようなこと、医療行為の中でそういう場面もあるかと思いますが、そういう場合で感染もあり得るということで、医療機関におきましては、飛沫感染対策を含んだ感染予防体制を実施することが推奨されているところでございます。
 これまで得られた知見によりますれば、エボラ出血熱については、感染した患者のウイルスを含んだ体液等に直接接触することにより感染する疾病でございまして、インフルエンザのように容易に飛沫で感染するものではないとされているわけでございます。
 引き続き、正確な情報提供を行うとともに、医療機関における感染防御策の周知に取り組んでまいりたいと考えております。
#30
○足立信也君 CDCが中間リスクというところで九十センチ以内というのを定めましたが、今の説明ですと、これは病原体、ウイルスですね、ウイルスそのものが空気に乗ってではなくて、それを含んだ体液の危険性を考えて九十センチ以内を中間リスクとしたということですね。
 それで、私が気になるのは、このウイルスも五種類あるわけですけど、やっぱり変異しやすいという特徴がある。ということは、ウイルスそのものが今大気にさらされた場合どれぐらいで死滅するのか、あるいは変異の可能性、変異して飛沫感染、空気感染していく可能性というものは考えられるのかどうか、その点についてどうですか。
#31
○政府参考人(新村和哉君) これも米国のCDC等の知見によりますと、エボラウイルスは、机の天板等の表面におきましては、乾燥し死滅するまでは数時間掛かるとされているそうでございます。
 また、ウイルスの変異につきまして専門家、エボラウイルスを一九七六年に発見されたピオット博士が報告されているというところでは、今般の西アフリカの流行を起こしたエボラウイルスについて、感染力を大幅に変化させるような変異は認められていないということを報告されていると承知しております。
 今後とも、エボラ出血熱に関する最先端の医学的、科学的な情報の収集を行うとともに、最新の知見に基づいた的確な対策の実施に努めてまいりたいと考えております。
#32
○足立信也君 先ほどから申し上げているように、病原体を含んだ体液以外は、病原体そのものが飛沫感染する可能性は低いということと、変異の可能性も低いということです。しかし、ウイルスですから、生き物ですから、変異の可能性というのはやっぱりあるし、ウイルスそのものを監視していくことはやっぱり非常に大事なことだと思います。
 確定診断においても、あるいはウイルス量そのものを決める際にも、この病原体そのものを扱う施設は絶対に必要であって、もう一つ言いますと、じゃ退院の判断はどうするのかというと、これはウイルスが消失したということだろうと思います。その点についても、やっぱりBSL4施設は必要なんだろうと。
 それから、これ、エボラは一九七六年に最初報告されたと思うんですが、イギリスでは、血液、尿、便などは発症後九日以降は陰性になった患者さんがいたけれども、精液だけは六十一日後も陽性だったというような報告もあります。
 ですから、やっぱりウイルス量そのものをしっかりと捉えて、これをチェックしていかなきゃいけないと思うんですが、そこで、念のために、やっぱり今すぐにでもBSL4施設としては稼働の必要性があるという判断でよろしいですね。
#33
○政府参考人(新村和哉君) 万が一エボラ出血熱の患者が国内で発生したような場合にどのような対応が必要かということになろうかと思います。
 患者体内のウイルスについて変異の状況など詳細な性状を確認することですとか、患者に対する治療の効果の判定、あるいは患者の退院の判断などを確実な情報に基づいて行うというためには、患者の血液等の検体からウイルスを分離した上で様々な試験検査を実施する必要がございます。このようなエボラウイルスそのものを取り扱う試験検査は厚生労働大臣が指定したBSL4相当施設においてのみ実施可能でございますが、現状では、そのような施設が指定されておらず、行うことができないということでございます。
 エボラ出血熱のような危険度が高い一類感染症への対応に当たりましては、確実な情報に基づいて患者に医療を提供するということが極めて重要であると考えてございます。そういった意味で、エボラウイルスを安全に取り扱うことができるBSL4施設を指定し、使用することが必要と考えております。
#34
○足立信也君 今挙げられたのは、変異の観察、ウイルス量の判定、それから退院可能かどうか等々の理由で、やっぱりBSL4は今すぐにでも、日本に発症した場合ですけれども、必要になると。
 加えて、日本発の薬ですね、富山化学のアビガン、これを未承認だけれども使うという形になっていますが、この有効性の判断は、じゃ、今、エボラウイルスに対してアビガン錠の有効性の判断は日本ではできないわけですね、日本発の薬なのに。これ一体どこでやっているんですか。
#35
○政府参考人(新村和哉君) 御指摘のアビガン錠でございますが、これは、既存の抗インフルエンザウイルス薬が新型インフルエンザ等に対して無効又は効果が不十分な場合に使用される治療薬として、元々はインフルエンザの薬として薬事承認されたものでございます。
 この薬のエボラ出血熱に対する効果につきましては、これまでのところ、マウスでは示唆をされておりますが、猿や人については実証に至っていないと認識しております。
 これまで、この薬のエボラ出血熱に対する有効性や安全性の評価に関する動物実験は、ドイツ等の海外において行われていると承知しております。
 なお、今後、フランス政府がギニアにおいて人に対する臨床試験を実施するものと承知しております。
#36
○足立信也君 新型インフルエンザが日本にも、あるいは世界的にパンデミックになるかもしれないという議論のときに、もう今から七、八年前になりますか、富山化学のこのアビガン錠の話が出まして、タミフルとかリレンザと違って、全くの違う機序で、これは本当に特効薬になるかもしれない、しかも日本発だということの中で、今実験段階ではドイツでやっていますという非常に寂しい話ですよね。これをやるためにも、必ずそれを扱えるBSL4は必要だと更に強調しておきたいと思います。
 ところで、参議院の本会議で公明党の山口代表の質問に対して総理は、BSL4は非常に重要であり、施設が立地する地元関係者の理解を得て、早期に稼働できるように対応してまいりますと答弁されています。その後、具体的に何か変わった、あるいは対応したということはあるんでしょうか。
#37
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、BSL4の施設の重要性ということについて先生からまた特に強く御示唆がございましたけれども、この必要性については私どもももちろん認識を強めているわけでありまして、先日の参議院本会議での、十月二日の総理答弁は今お話があったとおりでございますが、国立感染症研究所においては、これまで、このBSL4稼働の問題とは切り離して、かなりの回数にわたって自治体の協力を得ながら市民セミナーをやり、見学会を定期的に開催するということで、まずは地元の住民の皆様方に開かれた研究所としてなじんでいただくということで努めてはまいりました。
 それに対しては、エボラ出血熱の万全の対応ができる体制の確保ということが当然喫緊の課題であるわけでありまして、厚労省としても、総理答弁を踏まえて、地元関係者の理解を得て早期の稼働ができるように、これまで以上に丁寧に今力を尽くしているところでございまして、昨今の感染症の発生動向とか、あるいは施設の重要性ということを改めて御説明を申し上げるというようなことを様々努力を尽くしていきたいというふうに思っておりますし、様々今努力をいろんなレベルでやらさせていただいているということでございます。
#38
○足立信也君 また総論的なお答えですが、私は、この前、元感染研の岡部先生も参考人としていらして、彼もそういう対応をしているというのは随分私自身知っております。ですから、市民セミナーとかあるいは小中学校への学校保健とか、あるいは感染研の施設の見学とか、あるいは警察、消防に対する協力要請とか、こういうのをやっているのも知っています。
 でも、総理が答弁されてから、今の話、やられているということを僕は聞いていないんですね。実際、総理が本会議で答弁されてから何をしましたかというのを僕は聞いているわけで、その点についてはいかがなんですか。
#39
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、様々なレベルで我々としても厚労省としてやっているわけでありますけれども、具体的に示せということでございますけれども、相手の立場もいろいろございますので、その辺については、努力をしているということで御理解を賜りたいというふうに思います。
#40
○足立信也君 それ以上はなかなか、ですが、私が見ている限りでは、あれ以降、特にこういったような動きはないような気がします。
 とすると、今、地元住民の方の理解ということがありましたが、具体的にどこで止まっていて、どうやればこれが使えるというふうに今思われているんでしょうか。地元住民の方の理解、それのみですか。
#41
○国務大臣(塩崎恭久君) 地元の皆さん方がいろんなレベルで不安を持たれているからこそ、なかなか話が今までは進んでこなかったわけでございまして、それはそのとおり事実であるわけであります。
 やはり不安を持たれるということでありますから、やっぱりその心情を丁寧にほぐしていかなければいけませんし、十分配慮をしないといけないということで、今申し上げたように、いろいろ努力をしておるわけでありますけれども、なかなかつぶさに申し上げる段階にはまだ来ていないということだろうというふうに思っております。
 ただ、はっきりしていることは、エボラ出血熱の西アフリカでの蔓延という事実があり、どこからいつ入ってくるか分からないということでありますから、発生した際にはこの利用が不可欠であるということは事実であるし、また地元関係者の理解を得て進めなきゃいけないということもまた同時に重要であるわけでありまして、厚労省としては、先ほど来繰り返し申し上げておりますけれども、エボラ出血熱の国内発生の可能性を十分踏まえて、地元関係者の御理解を得られるように、早期の稼働ができるように更に精力的に取り組まないといけないということで様々努力をさせていただいているわけでございますが、繰り返しますけれども、いろいろお立場もございますから、相手あってのことでもありますので、努力をしているということで取りあえず御理解を賜れれば有り難いなというふうに思います。
#42
○足立信也君 実は、私が政務官だったときには、パンデミックになった新型インフルエンザ、豚ですけれども、大流行があったわけですね。それ以前に、これが物すごく強毒型で全く太刀打ちできないようなものだった場合はどうするかという議論で、実は、腹をくくってP4、BSL4を使うという決断はしていたんです。幸い、弱毒型に近いものでそういう形にはなりませんでしたが。
 やっぱり決断と行動が必要だと私は思いますね。その強い態度、あるいは必要性を訴えることが住民の理解につながっていく。総理の答弁後は目立った行動がないと先ほど申し上げましたが、やっぱり今こそやるべきじゃないでしょうかね。そういう行動が見えてこないというのはちょっと残念な気がします。
 そこで、これはあくまで、今、武蔵村山の感染研の話がずっとあるわけですが、この前、参考人として久留米大学の渡邊教授がおっしゃっていましたが、例えばアメリカの例でもそうですし、第一種感染症指定医療機関に併設させるというのはどうだろうと、あるいはそういう申請も長崎大学が出しているということなんですが。あくまでも武蔵村山にこだわるのか、あるいはそういう考え方もあるなというふうに対応していくのか、その点の今のお考えはいかがでしょう。
#43
○政府参考人(新村和哉君) 国立感染症研究所村山庁舎に設置されておりますBSL4で稼働することが可能な施設、これにつきましては、これまで定期的な点検や必要な改修も行ってきておりますので、現状においてもBSL4施設として機能できる状態に保たれております。
 一方で、他の場所に新たに施設を設置するといたしました場合には、実際に設置し稼働するまで種々の調整や建設に多くの時間を要するということがありますので、現段階では、国立感染症研究所村山庁舎のBSL4施設の稼働について御理解をいただき、努力をしていきたいと思っております。
#44
○足立信也君 物理的な制約等もあり、今はまず村山庁舎ということになるでしょうが、それ以降は、段階的にも、先ほど、久留米大学の渡邊教授の意見にあったような、第一種感染症指定医療機関等に隣接させるというような考え方も今後持っていていいのではないかと、そのように思います。
 もう時間が僅かなんですが、先ほど、国民の皆さんにある意味理解してもらいたいということがあって、病原体そのもの、ウイルスそのものの飛沫感染は、空気感染はないということと、それから潜伏期に感染力がないということで、接触をいかに避けるかが大事だという話をしましたけれども、ひとつ新村局長にお伺いしたいのは、これ、多ければ一ミリリットル当たり一億個のウイルスが体液に含まれることがある。一億個ですね。数十から数百個が体内に入っただけで感染する可能性がある。つまり、物すごく微量でも感染する可能性はあるわけです、体液の場合。小さな傷口から入ってきたとか、当然あるわけですね。
 そこで、出国検疫、入国検疫が必要だ、それから発症しているかどうか、体温をサーモグラフィー等でチェックしているということなんですけれども、これ、仮に解熱剤を自分で使うとか、あるいは処方されている等で発熱が何もない場合、これはそのまま素通りしてしまうんでしょうか、今現在。となると、この対応の仕方は、やっぱり西アフリカの三国からの渡航全てのものになってくる可能性がありますが、その解熱剤の影響、そこでチェックを越えてしまう、通り抜けてしまう可能性について、どうでしょう。
#45
○政府参考人(新村和哉君) 検疫所における対応といたしましては、そういった西アフリカの当該国から帰国された方につきまして、二十一日以内あるいは一か月以内に滞在していた方につきまして自己申告を促すということをしておりますし、サーモグラフィーで熱を測定しているということをしておりますが、御指摘のとおり、熱がないということもありますし、解熱剤の影響によって熱が出ていないということもあるかもしれません。
 いずれにしても、水際で当然全て把握できるというものではございませんので、その滞在歴等について把握できた方については、これは入国は当然いたしますけれども、健康カードというようなものをお渡しして、万一その後発熱があった場合、何か症状が出た場合には必ず保健所に連絡をいただくようにということを周知をしているわけでございますので、そういった対応をする中で可能な限り対応してまいりたいと。
 御本人の病状の変化というのは当然出てくると思いますので、一時的にそういった解熱剤の影響等もあるかもしれませんけれども、なるべく早く発見して対応するということを、水際に限らず国内での対応も併せてやっていきたいと思っております。
#46
○足立信也君 日本発の新薬の話をしました。
 創薬は成長戦略でもありますし、それから、何といっても国民の健康を守るために病原体そのものを見ていかなければいけないということで、BSL4の稼働は、これはもう今すぐにでもしなきゃいけない。そのために、大臣がやっぱり熱意を持って行動を取ってもらいたいと、そのことをお願いをして、私の質問を終わります。
#47
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 本日は、二回目の質問ということもございますので、エボラ出血熱等の患者さん、若しくはその疑いの患者さんが出た際の具体的な対応を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 誰がどこにどのような方法で対象者を運び、誰が治療に関わるかということもなかなか分かりづらい点がございました。患者様の移送に当たっては、法律上、所定の手続に伴って一類及び二類感染症の患者が感染症指定医療機関に入院する場合、都道府県知事が感染症患者を移送しなければならないことになっております。この場合、移送の方法については厚生労働省令で定められるとなっております。この厚生労働省令、法第二十一条に規定する移送は、当該移送を行う患者に係る感染症が蔓延しないように配慮して行わなければならないとされております。
 そこで、お尋ねをさせていただきます。今回のエボラ出血熱の対応では、感染症患者及び疑似症患者の移送は誰が行うのでしょう。お願いいたします。
#48
○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。
 水際と国内と二つあるかと思いますが、まず、検疫所でエボラ出血熱が疑われると判断した方がいた場合には、検疫所が特定感染症指定医療機関等に搬送するということになっております。一方で、国内で疑い例が発生した場合には、感染症法に基づきまして都道府県知事が搬送するということになっておりまして、具体的には、多くの都道府県等では保健所が搬送するものと承知しております。
#49
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この問題は、前回の武見先生の質問の中にもあったかと思います。消防庁の答弁によれば、一一九番電話があった時点で、発熱を訴えている方については、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航歴を確認し、過去一か月以内に渡航歴があったことが判明した場合には、御自宅に待機をお願いし、直ちに保健所の人に連絡をしてもらう体制を取ってもらう。ですから、保健所の方がこの後移送するものという答弁でよろしゅうございますでしょうか。
#50
○政府参考人(新村和哉君) 御指摘のとおり、連絡を受けた保健所が感染症指定医療機関に搬送するということでございます。
#51
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、保健所のスタッフの方、職員の方というものは平常時から感染症の患者さんの移送訓練というものを行っていらっしゃるんでしょうか。また、厚生労働省では全国の訓練の実施状況というものを把握していらっしゃるんでしょうか、教えてください。
#52
○政府参考人(新村和哉君) 保健所職員につきましては、日頃より結核等の感染症が発生した場合に感染症患者の移送を行っているということはございます。また、新型インフルエンザの発生などを想定した訓練を実施しております。
 今回、西アフリカでのエボラ出血熱の流行を踏まえまして、実際にエボラ出血熱の患者が発生した場合の対応に万全を期すため、先月二十四日にも都道府県に対して通知を発出しておりまして、近隣県の第一種感染症指定医療機関等への搬送も含めた発生時の具体的な対応の流れを再確認するよう求めておりますし、感染症患者の移送訓練の実施状況についても報告を求めているところでございます。
 また、来週、十一月十三日になりますが、全国の自治体担当者にお集まりいただきまして、患者発生時における保健所による患者の搬送体制など、基本的な対応について再度確認する予定でございます。
 今回の結果報告を受けまして、改めて各自治体に対して移送訓練の実施を要請してまいりたいと考えております。
#53
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、その移送訓練を行っている場合には、特定、第一種、第二種の感染症指定医療機関も参加をして行われているのかどうか、教えていただけますか。
#54
○政府参考人(新村和哉君) 現在、各都道府県等の感染症患者の移送訓練の実施状況等につきまして調査を行っているところでございますが、その中には、訓練の実施状況に加えて、訓練への医療機関等の参加状況についても報告を求めているところでございます。
 保健所と感染症指定医療機関との連携は非常に重要でございますので、例えば、本年十月から全国各地で行われている第一種感染症指定医療機関への研修会におきましては、地域の保健所や自治体職員等が合同で訓練を実施すること、また、自治体における患者発生時の基本的対応の再確認におきましても、感染症指定医療機関の専門家に対する協力依頼など、必要な調整をあらかじめ行うということを要請しているところでございます。
 今後とも、各都道府県等が円滑に患者搬送を行えるよう、国としてもしっかり支援してまいりたいと考えております。
#55
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も、不安になりましたので、実際に聞き取りをさせていただきました。資料の一を御覧ください。一番右の部分でございます。
 訓練の実施状況、ここで、上の島根県から宮城県まで、全県することはできなかったんですけれども、このヒアリングの中で分かってきたことというのは、実地訓練が不定期であるところもある。不定期であるので何年に一回かも分かりません。ですし、ここに書いてあるように、第一種、そして医療機関というものを巻き込んでの訓練を行っているところも行っていないところもあるということなんです。これが現状でございます。かつ、じゃ、先ほどもお話ございましたけれども、指定病院がないところはどういう訓練を行っているか、そういう調査さえも行っていないわけですよね。
 まだまだこれからの問題だからゆっくり調査をいたしますという回答しか私のところにも返ってこないんですけれども、これ早急にしっかりとした訓練の実施状況も厚生労働省の方で把握をしていただかなければならないと思うんですね。今までどういうことをやっていたのか、どういう訓練をやっていたのか。私どもとしましては、このような状況の中で安心して、じゃ、その患者様若しくは患者様かもしれないという疑似症状の方を移送してくれ、安心して移送してと、これは言えないんですね。ですから、このことをまず一点指摘をさせていただきたいと思います。
 それから、これ以外にも、実は保健所長にも何件かお願いをいたしましてヒアリングをさせていただきました。これはやっぱり、全くこういう訓練という中で職員がスキルが身に付いていないということも分かってまいりました。今、じゃ、自分のところで発生したらどうしたらいいんだという、本当に不安におびえていらっしゃいます。
 保健所の役割というものが大変大きいことはこの資料二を見ていただいても分かります。これは、この間、厚生労働省が出していただいた通知の中に入っているものでございます。保健所、保健所、保健所というところで、たくさん保健所の役割がございます。しかし、保健所長の方がこれを御覧になっていないところもございました。こんなものが出ていたんですねというふうに驚いて私どもに反応されたところもございます。
 かつ、これを御覧になっていただいても分かるように、大変分かりにくいフローチャートとなっております。検体の流れと患者様の流れが同時に書き込まれている。これを見ても、自分たちは一体どこでどういうふうに人を流していったらいいのかということが分からない。ですから、患者さんが発生した場合に、その患者さんを中心としたフローというものが書かれていない、描かれていない。
 どうでしょう。この今回のエボラ出血熱への対応で、しっかりと第一種の感染症指定病院に保健所の職員が移送する人的な流れのフローチャートというものを別個作成すべきではないかと思いますが、御意見いただけますでしょうか。
#56
○政府参考人(新村和哉君) 既に委員から資料を提出されて御指摘があったところですが、エボラ出血熱への感染が疑われる患者が発生した場合を想定した対応につきまして、本年八月に都道府県等にこのフローチャートをお示ししたところでございます。
 また、先月の二十四日には、都道府県等に対して、実際に患者が発生した場合に迅速な対応ができるよう、このフローチャートに沿いまして各自治体における発生時の具体的な対応の流れを再確認するように改めて通知しておりまして、詳細な搬送体制等については各自治体において現在整理いただいているところでございますし、私どもも調査をまさに今しているところでございます。そして、重ねて、来週には全国の自治体にお集まりいただきまして、情報を共有するとともに、この搬送体制の具体的な対応などにつきましてもよく確認をしていきたいと考えております。
 今後とも、各都道府県における準備が迅速に行われるように国としてしっかり支援してまいりたいと考えております。
#57
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 なるべく分かりやすく資料というものを作り込んでいただかなければ、これを見て一目で全てを理解できる方はいらっしゃいません。ですので、厚労省の方でも、今後研修等々において配付なさる資料につきましては工夫をお願いしたいと思います。
 では、次の質問に移らせていただきます。
 保健所というものが患者様、若しくはその患者様かもしれない疑いの方を移送するということは先ほど確認をさせていただきました。では、その移送についてというもの、今まで余り訓練も行われておりませんので、保健所の職員は素人です。ということは、素人ではない方々が本来であれば移送を行うべきではないかというところで、消防のスペシャリストや病院の職員というものを効率的に、若しくは今回の感染においても様々な助言もいただかなければなりませんので、移送を手伝っていただくようなことを考えていらっしゃるというふうに私は思っておりますけれども、その点、厚労省の見解をお伺いしたいと思います。
#58
○副大臣(永岡桂子君) 薬師寺先生にお答えいたします。
 今までの感染症におきましても、患者の感染症指定医療機関への移送というものは、入院措置などその他の措置と同じように都道府県知事などが実施権限を持っております。自治体において、この業務というのは、実施するところは保健所が担っているということになっております。
 ということで、保健所というのはふだんから結核などの感染症の患者さんの移送を実施しておりまして、移送につきましては一定の経験を持っているというふうに認識しておりますけれども、一方で、患者さんの容体ですとかその発生数ということによりまして、保健所独自ではその対応が困難になるという場合も想定されるというふうに考えております。
 このため、今般のエボラ出血熱につきましては、移送の責任が都道府県知事などにあるということを前提としつつも、都道府県に対して、地域の実情に応じまして特定感染症の指定医療機関などの専門家に対します協力の依頼、これ重要だと思いますけれども、消防機関との連携体制の構築など、必要な調整をあらかじめ行うようにということを含めました搬送体制などの基本的対応を再点検するように自治体に、これはまだ依頼しているところでございます。ということで、来週になりますけれども、自治体の担当者を呼びましてこの対応状況の確認をすることになっております。
 厚生労働省といたしましても、引き続きまして、保健所を中核としながら、地域の関係者と緊密な連携の上に感染症への対応が図られるようにしっかりと支援をしてまいる所存でございます。
#59
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 知事に権限があるわけですけれども、結局、知事はスペシャリストではございません。ですので、私どもは、しっかりその地域の医療というもののネットワークを最大限生かしていただかなければ、消防では患者様を搬送すると言います、保健所では移送すると言います、同じ行為をするにしてもこれだけ隔たりがある機関の中で、これからその壁というものを取っ払っていただく、その工夫がまずここに第一歩、研修によって行われていくということを私は心から願っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 では、次に質問を移らせていただきたいと思います。
 アイソレーター、そして患者の移送の車というものもこれからは必要になってくるんではないかと思います。各都道府県、各保健所にそういうものが配置されているのかどうか、教えていただけますでしょうか。
#60
○政府参考人(新村和哉君) 感染症法上、感染症患者の移送は都道府県知事等が責任を持って行うこととされておりまして、都道府県におきましては、自ら保有する患者移送車による移送のほか、民間の搬送専門業者への委託などの選択肢もございまして、そういった中で各地域の実情を踏まえて移送体制を確保していると承知しております。
 現在、各都道府県のアイソレーター及び感染症患者移送専用車の確保の状況についても今調査を行っているところでございます。また、厚生労働省が都道府県等に示している患者移送に関する手引がございますが、この中では、感染拡大の防止策として、アイソレーターによる方法に限定せず、移送車両内部をビニール等により防護する方法も示しているところでございます。
 また、厚生労働省におきましては、感染症患者の移送車あるいはアイソレーターなどの整備、搬送専門業者への委託費なども含め、都道府県等が行う移送に必要な経費に対しまして国庫補助を行っているというところでございます。今回の調査結果も踏まえて、引き続き、都道府県において患者の移送が円滑に行われるよう、国としてもしっかり支援をしてまいりたいと思います。
#61
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料一をもう一度御覧いただきたいと思うんです。これもヒアリングさせていただきました。専用の移送車があるところから普通の公用車にビニールを張っているところまで、様々なんですね。これは、どんなに指針の中に書き込まれていたとしても、現状もあり、これを全ての県に今すぐ配置しろというのも難しいかと現実問題として私は考えております。
 ということは、どういうところにこういう車があって、アイソレーターがあって、設備がいい、それでどういうところにないかということをしっかり把握した上で、そういうマップを作った上で貸し借りというものも効率的にやっていただくようなシステムを早急に構築していただきたいと考えておりますけれども、大臣、その辺りの御見解をちょっとお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生、お調べをいただいて、ありがとうございます。
 今お話があったように、知事が移送については責任を持つと、こういう体制でございまして、自ら都道府県が持っている移送車による移送と民間への委託と、いろいろな選択肢があるわけでありますけれども、各地域の実情を踏まえて移送体制を確保しているというふうに理解をしておりますけれども。
 厚労省としては、今般のエボラ出血熱の拡大を踏まえて、都道府県等におけるこの移送・搬送体制の現状を把握するために、今、改めて移送車の保有状況についても調査を行っております。十一月に都道府県の担当者に集まってもらって会議をする予定でございますけれども、それに備えて、まあ調査自体はもう既に上がってきているわけでございますけれども、あわせて、地域の実情に応じて感染症指定医療機関の専門家に対する協力依頼、あるいは消防機関との連携体制の構築など、必要な調整をあらかじめ行うようにこちらから要請をしております。
 厚労省においては、感染症患者の移送車あるいは患者移送用の陰圧装置などの整備等々については、今お話がありましたように、この経費について国庫補助をやっているわけでございまして、今回の調査結果も踏まえて、引き続き、患者の移送が円滑に行われるように支援はしてまいるつもりでございますけれども。
 今先生がおっしゃったのは、まず、日本中でどういうふうに保有されているのかということをマップでやったらいいじゃないかと、それともう一つは、必要に応じて貸し借りもいいんじゃないかと、こういうことでありますが、基本的に、私も先生の御提案には賛成でございます。
#63
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これも実は保健所長のヒアリングで出てきたことなんですね。やっぱり自分たちのところですぐに手に入れることができない。予算もございます。ですから、もう何年に一回しかないようなものであればやっぱり効率的に都合を付け合うような、こういうシステムも国で構築していただきたいという御意見でございましたので、お伝えをさせていただきました。
 では次に、やはりその保健所長さんのヒアリングから出てきたことなんですけれども、皆様、資料三を御覧くださいませ。第一種の感染症指定医療機関の指定基準でございます。特に二ページ目を見ていただきたいんですけれども、病院関係というところで、感染症の医療の経験を有する医師が常時勤務していることということとなっております。
 私も医師として感染症の医療の経験は有しておりますが、私のような者が、じゃ、その第一種、第二種という感染症全てを診療、治療できるかといえば、そうでもないかと思います。
 ちょっとこれ一問飛ばさせていただきたいんですけれども、この間の参考人の話からもありましたように、やっぱりこういう病気を診れるドクターというのは少のうございます。ということは、箱物は造っても中身がない。もう俺たちは、保健所が責任持ってもちろん搬送するよ、移送するよ、でも、そこで本当に治療がしてもらえるんだろうかという不安が保健所長の中にはございました。そこに待機をして受け取ってくれるんでしょうかということでございます。
 大臣にお伺いをしたいんですけれども、やはり第一種の感染症指定医療機関のみで対応できない、その箱物はあるけれどもやっぱりそういった専門家がそこにはいないところも多うございます。ということは、感染症DMAT、私も前回御紹介させていただきましたけれども、災害時派遣医療チームのようなDMATなどを、感染症DMATという専門家の医師、看護師を含めたチームを形成しまして、各地にもしそういうことがあれば飛んでいくような体制というものを構築すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。大臣の御意見を伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論から言えば、先生の考え方に賛成でございます。
 今、特定感染症指定医療機関と第一種の感染症指定医療機関で万が一のときには診察をする用意があるという体制は確保はしているわけでありますけれども、問題は、今お話しのように重症の患者が来てしまった、あるいは複数の患者が同時に来てしまうというようなこともあるわけでありまして、そうなると、余り慣れていないこの第一種の感染症指定医療機関の場合には、単独での対応というのはやっぱり難しいかも分からないというふうに考えるのは自然だろうというふうに思うわけでありまして、そうなると、どういう支援をできるのかということで、感染症指定医療機関を支援する体制ということを我々は考えなければいけないというふうに思っております。
 厚労省としても、先生のお考え、問題意識と全く我々も同じ考え方を持っていて、国立国際医療研究センターに研究班というのを置いて、それで医療機関などの感染症対応を支援を、バックアップをしていこうじゃないかということで、そういう中で医療機関からの相談とか、あるいは緊急時における専門家チームをこちらから派遣する、まさに感染症DMATと先生はおっしゃっていますけれども、そういうような診療あるいは感染予防対策の支援をできるようにということで、今その研究班をつくろうということで、私たちとしても支援を行おうというふうに考えているわけでございまして、必要な場合にはこの研究班で協力をして、万が一のときのためにエボラ出血熱の対応に当たらせていければなというふうに思っております。
 今、研究班として想定しているのは、三十人前後の、医師と看護師半々ぐらいの中からそのチームを編成するというようなことを想定をしておるわけでございますけれども、先生の発想に沿ったラインで私どもとしてもやっていきたいなというふうに思っております。
#65
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大変前向きな答弁をいただきまして、是非実現させて、お願いをしたいと思います。
 済みません、時間もございませんので数問飛ばさせていただきまして、またちょっと最後に大臣にお伺いしたいことがあります。
 実は、この資料四にもまとめさせていただきましたけれども、空の入口というものがいろいろございます。成田、関空、そして羽田、中部国際空港等ございます。それと合わせて見ましたら、中部国際空港は、この空港の日本人の出国者数というものは四位に位置付けられております。かつ、どのような県から出国したかという構成比率を見ましても、首都圏、そして中部圏、関西圏、大変多うございます。
 これと照らし合わせて見ていただくと、特定感染症指定医療機関の問題でございます。特定感染症指定医療機関というものは、成田にあり、りんくうにあり、国際医療研究センターということで、成田、関西、羽田に対応はいたしておりますけれども、中部に対応した特定感染症指定医療機関というものはございません。
 今後、やっぱり中部も大きな窓口になってまいります。産業の面におきましても様々な、自動車の中心地でもございます。人の出入りも多うございますので、今後、愛知県等にこのような特定感染症指定医療機関というものを検討なさってはどうかと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
#66
○委員長(丸川珠代君) 塩崎大臣、時間でございますので、簡潔に御答弁願います。
#67
○国務大臣(塩崎恭久君) はい。
 結論から申し上げますれば、この特定感染症指定医療機関、成田、羽田、関空にはあるわけですけれども四番目の中部にないということでありますけれども、私どもとしても、愛知県内の病院で何とか今年度中の完成を目指して特定感染症の整備を進めて、国としても、その費用も補助しながら、今後、順調に協議が調えばこの特定感染症指定医療機関としての指定を行う方向で、先生の御提案の方向で検討したいというふうに思っております。
#68
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 では、質問を終わります。
#69
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 前回ちょっと質問をさせていただいたんですが、ちょっと時間がなくて中途半端になりましたので、前回の質問の続きからちょっと入らせていただきたいと思います。
 前回の委員会で質問させていただきました本法案の施行日についてなんですけれども、本法案の施行日が一部の規定を除きまして平成二十八年四月一日というふうになっております、先ほど足立委員の方からも質問が出ましたけれども。
 なぜ二十八年四月一日、一年半後ですから、まあ来年の四月一日からだったら分かるんですけれども、二十八年四月一日ということで、一年半も間が空くということで、なぜこんなに空ける必要があるんですかというふうなことで前回お聞きしますと、地方において一定の検査水準の質の確保をする観点から、基準をまとめるために専門家の意見を聞くための期間とか、一定の検査精度を保つためにそういった検査機器、そういったものを整えていく必要があるので期間が必要というふうな答弁だったというふうに思うんですが。
 その一定水準の検査精度を担保するための体制を整備する必要があるということですけれども、ということは、今この体制整備というのができていないということで、これが一年半掛かるということでよろしいんですか。
#70
○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。
 今回の改正法案の施行期日は、幾つかに分かれておりますが、特に検体の採取等の要請の制度の創設につきましては、御指摘のとおり平成二十八年四月一日としております。
 この制度につきましては、都道府県知事に対して入手した検体の検査を行うことを義務付けるということにしておりますが、その検査の質を確保するための基準について、厚生労働省におきまして専門家の意見を聞きつつ詳細を検討する必要がまずございます。
 具体的には、厚生科学審議会の感染症部会を開きまして、標準的な検査方法あるいは標準的な検査数、組織体制、研修体制、手順書あるいは精度管理など、こういったものについて決定をし、省令の改正、通知の発出を行う必要がございます。
 また、地方自治体において一定水準の検査精度を担保するということで、これはこれまでも、個々の疾患について検査キットを配付するとかマニュアルを配付するとか、そういうことで体制を整備してきておりますが、今後法定化されますと、地方自治体におきまして、検査の手順書の作成、あるいは保守管理体制の整備、あるいは検査に当たる人材への手順書の周知、研修の実施など、検査の質を保ち高めるための様々な準備が必要と考えております。
 そういった十分な準備をするための期間を確保するために、二十八年の四月一日施行としているものでございます。
#71
○東徹君 いろいろとおっしゃられて、精度管理していくための、検査の精度を担保するための体制の整備に時間が掛かるんだということなんですが、これは、一年半も掛けてやるというのは非常に時間を掛け過ぎじゃないのかなというふうに思っていまして、こういうものは早く補正予算でも付けて、そういった検査の機器をないところに、ない地方自治体に入れていくんだったら、これは早急にやらないといけないというふうに思うんですけれども、これはもう一年半も掛けずにもっと早くやるべきというふうに思うんですが、その辺いかがですか。
#72
○政府参考人(新村和哉君) 国の審議会における様々な検討も、できるだけ早く行って地方に示していきたいと思いますし、地方自治体では、場合によっては補正予算などで体制の整備をする必要があろうかと思いますが、そういったこともできるだけ早くしていただきたいと思っております。
 一年半を待ってからということではなくてできることから、それは、できるだけ早く実行上準備が進むように国としても支援をしてまいりたいと考えております。
#73
○東徹君 じゃ、もう端的にお聞きしますけれども、これは二十八年四月一日というふうになっているんですが、実際はいつまでに、きちっと地方自治体の方でも、そういった検査精度を担保して体制整備をするのをいつまでにやるという考えでおられるのか、お聞きしたいと思います。
#74
○政府参考人(新村和哉君) その点につきましては、今後、各地方自治体と、当然この法案が成立した後でございますけれども、お話をして、情報も提供し、各自治体の現在の状況などもお聞きし、今後必要な体制等、それからそれに必要な準備期間なども自治体とも意見交換をしながら、できるだけ早くできるように支援をしていきたいと思っておりますが、いつまでということは、なかなか現時点では申し上げにくいかと思います。
#75
○東徹君 できるだけ早くということでありますから、二十八年四月一日を待たずに、きちっと早く、前倒しで体制整備をしていただきたいというふうに思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。
 次に、感染症指定医療機関の訓練状況についてですけれども、先ほど薬師寺委員の方からも話がありましたが、もう一度聞かせていただきたいと思います。
 我々も、報道等を見ておりまして、病院の方で、医療機関の方でそういった訓練をやっているというふうな事実がちらほらと入ってくるわけですけれども、全国の四十五の指定医療機関において実際にエボラ出血熱などに感染した疑いのある患者を受け入れるに当たっては、適切な処置を行いつつ二次感染が生じないような、十分に患者受入れの訓練を行う必要があるということで、現在の訓練の実施状況と訓練を実施したことで新たに浮かび上がってきた課題についてお伺いしたいと思います。
#76
○副大臣(永岡桂子君) 東委員から、今の訓練の実施状況と課題ということで御質問でございます。
 厚生労働省におきましては、特定感染症指定医療機関、それから第一種の感染症指定医療機関の医師を対象といたしまして、平成十三年度から、定期的に海外で一類感染症等の実際の症例の診察、治療等を経験させるなどの研修を実施してきたところでございます。
 さらに、西アフリカにおけますエボラ出血熱の感染拡大を受けまして、今般、厚生労働科学研究班におきまして、十月の八日から医療従事者の感染防御策の研修会を開始いたしております。年内に全国十四か所で実施する予定でございます。これに加えまして、今月にも、国立国際医療研究センターの全国第一種感染症指定医療機関などの医療従事者にお集まりいただきまして、疑い症例の診察ですとか移送、感染防御策などにつきまして研修を実施する予定となっております。
 また、今年の十月から行われております研修会におきましては、実際の患者発生時の対応を念頭に置きましたより実践的な研修となりますよう、指定医療機関と地域の保健所、また自治体の職員などとが合同で訓練を実施しております。この研修を通じまして、実際にエボラ出血熱に感染した疑いのある患者を受け入れる際には、医療従事者と自治体担当者との連携体制の確立が不可欠であるということが明らかになったということを承知しております。
 これを踏まえまして、厚生労働省におきましては、来週、十一月の十三日になります、全国の自治体の担当者にお集まりいただきまして担当者会議の開催を予定しているところです。その中におきまして、エボラ出血熱の発生時におけます搬送体制などを含め、基本的な対応について確認する予定でございます。その際にも、医療従事者と自治体担当者との連携の重要性についても改めて強調するということにしております。
#77
○東徹君 私がお聞きしたのは、四十五の指定医療機関で、報道等を見ておりますと、防護服の着脱とかそういったことの訓練をやっているというふうに報道等で見るので、じゃ、その訓練の実施状況はどうなんですかということをちょっとお聞きしたんですけれども、今の答弁でよろしいんですか。
#78
○政府参考人(新村和哉君) 第一種感染症指定医療機関での訓練等も実施しておりますが、特に、アメリカなどで医療関係者に二次感染が生じたというようなこともありますので、御指摘のような防護服の着脱訓練、これも非常に重要でございます。そういった防護服の着脱訓練も実施しているところでございます。
 そういったことも含めまして、国としても、先ほど副大臣からも御答弁ありましたけれども、十月から、個々の第一種指定医療機関に国際医療センターのスタッフが赴いて、具体的なそういった防護服の着脱についての指導なども含めて行っているところでございますし、また、全てのそういった対象の医療機関の関係者を集めての研修も行うということにしておりますので、そこは一つ重要な課題として、今後とも重点的に取り組みたいと考えております。
#79
○東徹君 ちょっと時間がなくなってきましたので、次の質問に移らせていただきますけれども。
 ちょっと飛ばさせていただいて、先日の参考人質疑におきまして渡邊参考人から、渡航医学会で帰国診療ができる医療機関をホームページで公表しようとすると、マラリアなどの輸入感染症患者が来院することが医療機関にとってデメリットになるというふうなこともあって、ホームページには載せてほしくないとする医療機関が少なからずある、そういうふうな話がありました。
 マラリアやデング熱の診断キットに保険点数を付けることや、マラリア等の患者を診ることに保険点数をプラスして、医療機関にそういう患者を診ることのメリットを示す必要があるという意見を述べておられましたけれども、この意見のように、帰国診療ができる医療機関を周知して、そのような患者が受診できる体制を整えることというのは感染症の予防拡大にとっても重要と考えますが、このことについて見解をお伺いしたいと思います。
#80
○政府参考人(新村和哉君) 輸入感染症も非常に増えている、また増えるおそれがあるという状況でございますので、そういった海外で起こっているような感染症に対応できる医療機関を確保し、支援をしていくということが重要であろうと思います。
 厚生労働省におきましては、感染症の対策や検査法に関する調査研究を推進しまして、その成果をQアンドAや検査マニュアルとして全国の自治体や医療機関に提供するとか、地域において感染症への対応に協力する医療機関の整備や、設備の購入に必要な経費を補助する、あるいは一類感染症等に対する医療従事者に対する研修を実施するといった取組を行っているところでございまして、そういった支援を引き続き行っていきたいと考えております。
 なお、診療報酬、保険適用等々の問題につきましては、中医協における議論を踏まえまして適切に対応していきたいと考えております。
#81
○東徹君 じゃ、中医協におかれても、そういう保険点数のことも一度そういうのは審議してみるということですね。
 最後に質問させていただきますけれども、地方衛生研究所についてですけれども、これは全国に七十九か所あるんですけれども、この格差が結構生じているというふうに言われているわけでありまして、このような、七十九か所あるんだけれども、人事異動とか予算の制約、正確な検査業務を行うことができるのかどうか。こういった格差があるということで、このような課題の解決のためには、全国の地方衛生研究所と国立感染症研究所との連携というのが必要であるというふうに考えるんですが、どのように連携を図っていくのか、お伺いをしたいと思います。
#82
○国務大臣(塩崎恭久君) この地方衛生研究所の位置付けについては、先ほど足立先生からもお話が出ましたが、極めて重要な役割を果たしていただいておって、検査の中身についての判断についても相当の精度が求められるということでございます。
 したがいまして、国立感染研究所において、毎年、地方衛生研究所の職員を対象として、細菌、ウイルスの分離、培養、それから同定等の実地講習や、インフルエンザや新興感染症に関する技術研修会、こういったものを複数回にわたって開催をするとともに、検査に必要な標準品あるいは検査キットなどの配付とかあるいは技術的助言などを行っているところでございまして、こういうことによって地方衛生研究所の検査技術の維持向上に資していこうということでやっているわけでございます。
 国立感染症研究所と地方衛生研究所の連携は、先生御指摘のように大変重要でありますので、厚労省としても、引き続いて、我が国の検査水準、全国津々浦々どこでも大体同じレベルの精度の検査ができる、判断ができるというようにするべく努力をしてまいりたいというふうに思います。
#83
○東徹君 ありがとうございました。
 これで終わらせていただきます。
#84
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 感染症、特に今回のエボラ出血熱への対応で検疫体制が注目されております。もちろん、この疾患の特性からいって水際作戦だけで防げるものではないことも承知していますが、参考人質疑でも、抑止効果も含めてその意義が強調されておりました。同時に、検疫体制の不備については、こういう問題が起こるたびにこの委員会でも指摘をされてきたわけですが。
 厚労省にまずお聞きします。
 検疫所における検疫官の定員と実数は今幾らなのか。また、国際線の定期便が就航しているいわゆる検疫飛行場のうち、検疫官の常駐がない空港はどれだけあるんでしょうか。
#85
○政府参考人(三宅智君) 検疫所における定員でございますけれども、平成二十六年十月一日現在の検疫所における検疫官の定員数は三百八十四名でございまして、現在員数は三百五十六名でございます。
 また、国外から航空機が到着し必要な検疫を行う検疫飛行場は全国で三十か所ございますが、そのうち検疫官が常駐しておらず、航空機が到着する際に検疫官が出張して検疫対応している検疫飛行場は十一か所となっております。
#86
○小池晃君 十一か所の中には、ちなみに松山空港もございます。
 配付資料で、私も厚労省からこの配置をいただいて、これはなかなか大変だなというふうに率直に言って思います。例えば、検疫飛行場、青森でいえば青森空港は常駐はなくて、飛行機到着するたびに、今御説明あったように青森出張所から検疫官が出張しているということなんですね。青森出張所にも三名しかいないわけです。これでは、もしも青森空港で入国者にエボラの疑いという人がいたら、もうこれは塩竈にある仙台検疫所から応援に行かざるを得ないだろうというふうに思うんですね。
 同時に、ゼロがいっぱいあるその一方で、たとえ常駐体制があるところでも、多数の入国者がある成田で六十八名、羽田で二十四名、関空四十四名、中部二十名。二十四時間空港では三交代での体制ですから、これは極めて厳しいだろうというふうに思うんです。
 大臣、やはりこういう部門こそ国民の生命と安全にとって重要だと私は思うんですね。外国からの入国者は、この間、この最初の資料にある十年間でいうと一・五倍になっている。ところが、この経過を見ていただければ分かるように、検疫官の人数はほとんど横ばいであります。しかも今、定員割れしています。
 私は、総定員法の枠を外してでも、国民の生命、安全を守る検疫官の抜本的増員が必要ではないかというふうに思うんですね。あわせて、予算も、その下にあるように、近年は、これは裁量的経費の削減ということで予算も減らされております。予算の増額ということも併せて、この検疫体制の強化に向けた大臣の考え方を聞かせていただきたい。
#87
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、検疫官の、言ってみれば水際での守りというのが非常に重要であることは間違いないわけで、それについては、我々も法務省との連携も含めて強化をしてきているところでございます。
 国内に常在しない病原体が航空機等を介して侵入することを防止するために必要な体制を今担ってもらっているわけでありますけれども、検疫業務に係る人員体制については、平成二十七年度の組織・定員要求におきまして、空港等での検疫体制の強化を図るために十九名の増員を今行っているところでございます。
 そして、輸入食品の検査に係るものも含めた検疫所の予算に関しては、今先生から資料を配付されまして御指摘がございますけれども、平成二十七年度概算要求においては、訪日外国人旅行者の増加が顕著でありますから、それに対応するためにも約九十一億円、若干ではありますけれどもプラス一億円の増額要求を今しているところでございまして、いずれにしても、検疫官、検疫所がその役割をしっかりと果たせるように体制の確保を努めてまいりたいというふうに思います。
#88
○小池晃君 私は、こういうのが本当の安全保障だというふうに思っておりますし、やっぱりこういったものを財務省に対してもきちっと予算要求していただきたいし、来年は、今御説明ありましたけど、こういう事態を踏まえて、この配置を見るとちょっとやっぱり心細いですよね、率直に。これはやっぱり抜本的な強化を、現場で働いている検疫官も本当に大変な中で仕事をされているというふうに聞いているので、強化をしていただきたいということを重ねて申し上げたいというふうに思います。
 ちょっと今日は国保の問題もお聞きしたいんですが、全国各地で国保料、国保税を滞納した世帯に対する差押えが激増して、これはマスコミでも取り上げられました。
 今日お配りした資料の最後のページにありますように、この差押えの件数、金額共に、激増といいますか、十年間で四、五倍になっています。二〇〇五年に厚労省が収納対策緊急プランの策定等についてという通達を出して、収納率向上のために預貯金、給与、生命保険の差押えなどを例示して以来、これがかなり急増しているという指摘もございます。
 前提として申し上げますけれども、もちろん、明らかに支払能力があるのに保険料を払わず、督促にも納付相談にも応じない悪質な滞納者、これは一定の非常手段を取ることを私は否定をいたしません。しかし、やってはいけないことがあるはずで、一つは、年金や給与などの生計費相当分、あるいは福祉として給付されている公的手当、それを奪われたらなりわいが絶たれるような商売道具など、いわゆる差押禁止債権・財産の差押えです。もう一つは、病気や失業、所得激減などで生活困窮に陥った世帯を更に困窮に突き落とすような差押えです。
 しかし現実には、銀行口座に僅か十万円の給与を振り込まれたものを九万円差し押さえられたという京都市の例、あるいは失業している滞納者が児童手当、職業訓練用の訓練・生活支援給付が振り込まれる口座を差し押さえられて残高をゼロにされたという大分県の例などもあります。
 これは、昨年十一月に、地方税の滞納を理由にして児童手当が振り込まれる口座、児童手当だけが入っていたその口座を差し押さえた鳥取県の措置について、公的手当を狙い撃ちにした差押えは違法だという判決が広島高裁で出されて、これは確定した判決です。
 厚労省にお聞きしますが、これは直接的には地方税の滞納処分をめぐる判決ですけど、厚労省が所管する国民健康保険料の滞納処分をめぐってもやはり同じ立場が求められるはずではないか、国保料の滞納を理由にして児童手当など公的手当を狙い撃ちにするような差押えというのは、これはやってはならないと考えますが、いかがでしょうか。
#89
○政府参考人(唐澤剛君) ただいま先生から御指摘のございましたような鳥取県の判決が出されていることは承知をしております。
 これまで、これは私どもだけではなくて税務当局も同じでございますけれども、一般論として、こうした公的な手当等の受給権、差押えが禁止されている受給権は、これは差押えがもちろんできないわけでございます。他方で、これらが振り込まれた預金については、受給者の一般財産となりまして、原則として差押禁止債権としての属性は承継するものではなく差押えは禁止されないと解されているところでございますけれども、御指摘の判決の個別の事案については言及はできませんが、事実関係に照らしまして、この判決ではこうした原則の例外となり得るケースがあることを示したものというふうに受け止めております。
#90
○小池晃君 ですから、例えば口座があって、もうそれは専用の、例えば障害者の特別児童扶養手当だけが入るような口座、それ以外のものは入っていない、そういったものを入った途端に差し押さえる、もうこれは狙い撃ちですよね。こういったことはやっぱりやってはならないという、そういうことでよろしいですね。
#91
○政府参考人(唐澤剛君) 私どもとしては、今申し上げましたような一般的な原則と、それから例外となり得ることがあるということをよく踏まえまして、個々の滞納者の実情をよく把握した上で適切に対処をしていただくべきものと考えております。
#92
○小池晃君 だから、その公的年金だけが入っているようなものを狙い撃ちにするようなことというのは、これは例外的なものということになるわけですよね、今の御説明でいえば。
#93
○政府参考人(唐澤剛君) なかなか個別の事案についてはお答えはしにくいんですけれども、この鳥取の判決について詳しくはお話しできませんが、こちらの方では、これは児童手当を特別に受けていた口座ということだというふうに理解をしております。
#94
○小池晃君 ですから、今の答弁でいえば、そういったものを差し押さえるということはやっぱり許されないということであるというふうに思うんですね。
 それからもう一つの問題は、滞納していても、生活実態をよく調査して、生活困窮している世帯については処分を中止するというのが、これが滞納処分の原則でもあるというふうに思うんです。
 しかし、生活困窮に追い打ちを掛けるような差押えが行われていて、今日お配りした朝日新聞のちょっと大きな記事がありますが、これは実例として、群馬県の前橋市に住んでいるシングルマザー、勤めている会社が経営難で、給料の支払が遅れて国保料の滞納を余儀なくされた。昨年暮れ、約十二万円の給料が入った日に銀行口座を差し押さえられて十万円を強制徴収された。預金口座には六万円しか残っていないので、友人に借金をして生活した。それでも前橋市は、今度は生命保険を差し押さえて、どう滞納分を払うのかの計画を作らなければ生命保険を解約するというふうに言ってきたというわけですね。
 この記事の中でも、表がありますけれども、前橋市は滞納が六千四百八世帯に対して四千五百三件の差押えをやっています。一方で、滞納世帯数がほぼ同じ大津市の場合は、これは差押えの件数は百四件、四十分の一以下です。それから、名古屋市と前橋市は徴収率はほぼ同じですけれども、前橋市の差押えの比率は名古屋市の十倍なんですね。自治体によって、やはり生活実態を調べて差押えをやっているところと機械的にやっているところがあるのが実態なんではないかと、この記事を見て実態は推測できるわけであります。
 厚労省に確認しますけれども、これは総務省も事務連絡を出しているように、これは、地方税の滞納処分であってもやはり個別の事情を考慮するということを言っております。厚労省の国保料についても、差押えに当たっては滞納世帯の生活実態をよく調査して、生活が困窮するような特別な事情がある世帯については機械的な差押えを行うということがあってはならないと思いますが、基本的な考え方をお示しください。
#95
○政府参考人(唐澤剛君) 国民健康保険の保険料につきましては、負担の公平という観点から納付をいただく必要があるわけでございますけれども、これは、先ほど先生からも御指摘ございましたけれども、保険料を支払う財産があるにもかかわらず滞納しているという場合には差押えにより徴収を行うことも必要であるわけでございますが、各市町村におきまして、滞納する前に納付相談をまず行っていただき、それから分割納付などのきめ細かな対応を行うとともに、滞納している方の具体的な状況、個別具体的な状況を踏まえまして、生活を著しく窮迫させるおそれがあるという場合には滞納処分の執行を停止する仕組みがあると、こういうような仕組みになっているところでございますので、個々の滞納者の実情というものをよく把握をした上で適切に御対応いただきたいというふうに考えております。
#96
○小池晃君 同じ滞納制裁である資格証明書については、これは厚労省も特別な事情の把握に努めるようにという通達を自治体に何度も出しています。やはり差押えについても、今これだけ大問題になってきている中で、同趣旨の通知を出すべきではありませんか。
#97
○政府参考人(唐澤剛君) この差押えにつきましても、この委員会で御議論もございますし、また、先生御指摘のように紙面にも載ってきておりますので、私どもとしては、ただいまの個別の事情というものも十分把握をした上で対応をするということを、全国課長会議などもございますので、そうした会議や、あるいはブロックの会議などもございますので、こういう機会を捉えて市町村に対して周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#98
○小池晃君 今、大臣ちょっと手を挙げかけたので大臣にも。
 これはやっぱり何か通知のような、これ、資格証明書はちゃんと出しているんです、厚労省は。やっぱり滞納というのが今現場では大変問題になってきているので、やっぱりそういうきちっとした周知徹底のための、文書として出すべきじゃないですか。いかがですか。
#99
○国務大臣(塩崎恭久君) 県の財政にとってもそう大きな額ではないような場合に、あえてしゃくし定規なことをやるかということを考えてみると、やはりそこは温情を持って臨まなければいけないし、配慮をせにゃいかぬということでありまして、どうするかは今局長から申し上げたとおりで、その辺の考え方を、やはりぬくもりを持った行政をやるべく徹底をしていくということで厚労省としても言っていきたいというふうに思います。
#100
○小池晃君 分かりました。
 しっかりぬくもりを持って、温情と言われると、社会保障ってやっぱり受給権があるわけですから、そこをしっかり保障するという立場で是非お願いします。
 終わります。
#101
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今般の法改正において二類感染症である鳥インフルエンザの血清亜型の範囲を政令に委任する理由について、厚生労働省は、ウイルスの変異が突然に、かつ頻繁に生ずるため、二類感染症に相当する鳥インフルエンザが発生した場合に機動的にできるように新たに備える必要があると答弁をしました。
 一方で、現行感染症法には、政令により一類から三類感染症に準じた措置が可能となる指定感染症の制度があり、厚労省の説明資料によれば、法律によらずに法律に規定するレベルの強権的措置をとることを可能とするものであるため、緊急に強権的な措置を講じなければならなくなった場合等に限って指定されるべきものとされております。
 よって、鳥インフルエンザの血清亜型の政令委任を行わずとも、現行法の指定感染症で十分に対応可能ではないでしょうか。法改正の必要性についてお聞きをいたします。
#102
○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。
 指定感染症制度は、政令の制定によりまして指定した感染症について、緊急に一類感染症、二類感染症又は三類感染症に相当するものとして入院等の措置を講ずることを可能とするものでございますが、指定から原則一年間、延長しても最大二年間が限度とされておりまして、具体的な措置内容が変わらない場合でありましても、指定期限が到来するたびに法律の改正を行うことが必要となります。
 また、鳥インフルエンザにつきましては、ウイルスの変異が突然かつ頻繁に生じるため、二類感染症に相当する鳥インフルエンザがどの血清亜型で発生するかを予測することはできないということ、それから、二類感染症相当の鳥インフルエンザについて、人への感染例がほとんど見られなくなるなど入院措置を講じる必要性が認められなくなる場合もあり得ると考えております。このため、現行制度の下では、二類感染症相当の鳥インフルエンザが継続的に発生し、又は法律に位置付けた後に終息するたびに法律の改正を行うことが必要となり、迅速な対応に支障を来す場合も想定されるのではないかと考えております。
 このため、今般の改正法案におきましては、血清亜型の変異が突然かつ頻繁な鳥インフルエンザについてのみ、法律において新型インフルエンザに変異するおそれが高いものとその性質を明確化した上で、政令により血清亜型を定めるということで、期限を設けることなく二類感染症として指定することができるということにしたものでございまして、新たな鳥インフルエンザの発生に万全を期すためには必要な措置と考えております。
#103
○福島みずほ君 今後、例えばH5N1などと同等の感染力、重篤性を持つ鳥インフルエンザの血清亜型が見付かった場合、従来どおり、一旦指定感染症に指定した上で、一年ないし二年の期間経過後、特定鳥インフルエンザの政令指定に進むのでしょうか。それとも、指定感染症への指定のプロセスは飛ばして、いきなり特定鳥インフルエンザの政令指定というふうになるんでしょうか。どちらかお聞きをいたします。
#104
○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。
 今般の法改正によりまして、鳥インフルエンザのうち血清亜型が新型インフルエンザ等感染症に変異するおそれが高いものにつきましては、その血清亜型を政令で規定することによりまして、指定感染症に指定するプロセスを経ずに二類感染症として緊急に入院等の措置を講ずることが可能となります。
 一方で、指定感染症制度は、政令の制定によりまして、一類、二類、三類感染症のいずれかに相当する感染症として、感染症のその特性に応じて暫定的に入院等の強制的な措置を講ずることを可能とするものでございます。
 いずれの政令を定める場合にも厚生科学審議会で御審議をいただくことになるわけでございますが、その際には、対象となる鳥インフルエンザの感染力や病原性等の特性、またその蔓延の防止のために講ずべき措置を勘案した上で、二類感染症である特定鳥インフルエンザと指定感染症のいずれで対応するべきかについても御議論をいただくこととしております。
#105
○福島みずほ君 機敏に対応するということも大変必要でしょうし、一方で、きちっと審議ということで、恐らく後段の方が増えるのではないかとも思いますが、しっかりその点は議論をよろしくお願いいたします。
 次に、性暴力救援センターへの支援についてお聞きをいたします。
 これは東委員が十月十六日に質問をされましたが、先日、全国シェルターシンポジウムに行ってきまして、これはもう十六回目で、ほぼ毎年行っているんですが、是非、性暴力救援センターへの支援をやっていただきたい。
 内閣府は、今日局長に来ていただいておりますが、女性の暴力対策室をつくっていただいて、性犯罪被害者等のための総合支援に関する実証的調査研究事業費として今年度予算で三千八百八十万九千円を計上し、来年度は五千万円を概算要求していらっしゃいます。
 まず、内閣府の性暴力救援センターに対する取組について御説明をお願いします。
#106
○政府参考人(武川恵子君) 内閣府におきましては、性犯罪や性暴力の被害によって苦しむ女性を少しでも減らすことができるように、性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置の促進やその機能の強化、また性犯罪や性暴力の発生を防止するための広報、啓発などを行っている地方公共団体の取組を対象といたしまして実証的調査研究を実施しております。今年度は九つの地方公共団体を対象として実施をしております。
 今後とも、性犯罪被害者に対する支援に取り組んでまいりたいと思います。
#107
○福島みずほ君 三千八百八十万円、あるいは概算要求五千万円だけではなく、是非、全国の性暴力救援センターを内閣府としても応援していただくよう、よろしくお願いいたします。
 大阪にはSACHICOがあり、東京にはSARCがあると。千葉も今度センターができたと。福井、そして兵庫があって、そして滋賀県は性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖、SATOCOがある。全国でいろいろ性暴力救援センターをつくろうとNGOの側から動きがあり、とりわけSACHICO、SARC、それから滋賀の例がそうですが、病院拠点型で、性暴力に遭った人がいろんな証拠の採取やケアやいろんなことが産婦人科を中心にしていただくということで、大変やはり相談件数も多いですし、実績を上げています。
 今日は厚生労働省にお願いをしたいんです。厚生労働省の性暴力救援センターに対する取組を教えてください。経済的な支援、これはどうやってやっていらっしゃるでしょうか。
#108
○政府参考人(二川一男君) 御指摘の性暴力支援センターに対する厚生労働省の取組でございますけれども、これは平成二十三年三月の閣議決定でございますけれども、第二次犯罪被害者等基本計画に位置付けられているところでございます。
 この閣議決定を踏まえまして、具体的な取組といたしましては、平成二十四年七月に医師会、四病院団体協議会に対しまして、内閣府の方で作成されました性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター開設・運営の手引、これを関係機関に周知することをお願いをしているところでございます。
 また、本年三月の全国医政関係主管課長会議におきまして、各都道府県に対して、犯罪被害者支援団体等からワンストップ支援センターの開設について相談があった場合には、医療関係団体等と連携しつつ的確に対応するようお願いをしたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、先ほどの閣議決定の役割を踏まえまして、こうした取組を引き続き行い、ワンストップ支援センターについての啓発や情報提供等に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#109
○福島みずほ君 今おっしゃったように、第二次犯罪被害者等基本計画の重点項目に支援センターの設置促進を盛り込んでおります。一二年には開設・運営の手引を作成し、都道府県内に少なくとも一か所は設置することが望ましいという方針を示しています。
 内閣府は、私はもっとどんと予算を是非付けてほしいと思いますが、三千八百八十万円、億円じゃなくて万円、そして来年度予算は五千万円が概算要求。女性たちはつつましいですよね、億単位じゃなくて本当に。でも、それでもやっていただいていると思うんですが、厚労省は財政支援がないんですね。
 今までも、例えば診療報酬で、とりわけ病院拠点型ですと、SACHICOもSARCもどこもそうですが、病院の一室、事務長の部屋を全部例えば明け渡してもらって、そこに女性のための施設をちゃんとつくって、ケアができる場所もつくって、産婦人科医が本当に働いているという。それ、手弁当で、全く税金今までゼロなんですよね。
 それで是非、診療報酬や社会保険料の、何とか見てもらえないかというのでずっと行政交渉をしてきたんですが、なかなかその壁が厚いんです。今日は、だから、厚生労働委員会で何とかこれを、内閣府は頑張っている、厚生労働省はとりわけ意味のある病院拠点型のところに関して補助金を出してほしい、何とか出してほしいと思っております。
 塩崎大臣は非常に男女平等に理解のある方で、お連れ合いは女子大の学長代行で教育社会学の教授でもいらっしゃって、大変こういうところに関しては理解のある方だと思います。是非、内閣府だけでなく厚労省として、とりわけ病院拠点型、今、SACHICOもそうですが、病院の一室を明け渡して、明け渡してというか、そうして全くボランティアでやっているんですよね。是非、病院拠点型でやっているところに関して厚生労働省として補助やいろんなことをやってほしい。いかがでしょうか。
#110
○政府参考人(二川一男君) ただいま御指摘のとおり、性犯罪や性暴力の被害者に対しまして産婦人科や精神科を始めとした医療機関の果たす役割は大変重要なものであるというふうに考えているところでございまして、内閣府を始めといたしまして私ども厚生労働省等々、関係府省が連携し対応していくことが重要であるというふうに認識をしているところでございます。
 現時点におきましては、厚生労働省、医療行政の立場から財政支援を行うということは直ちには難しいかなというふうに考えているところでございますけれども、厚生労働省としての今後の支援の在り方につきましては、関係省庁とも十分相談してまいりたいと考えているところでございます。
#111
○福島みずほ君 難しいとおっしゃったんですが、是非それは、何とか厚生労働省、予算もあるので知恵を是非出していただきたいと。
 沖縄も病院拠点型ですが、SACHICO、それから東京のSARC、それから兵庫県も含めて病院拠点型で、何とか証拠の採取も含めて、ケアも含めてやっていこうということで、とても意味があると。しかし、今全く手弁当なので、ゼロですから、なかなか大変なんですね。いつまで善意でやっていけるかというところがあるんです。病院拠点型の意味というのはとてもある、女性の立場からするとあると思っているので、是非それを厚生労働省として考えてほしい。いろんな連携や手引やワンストップサービスの啓発、広報、それはいいんです。でも、是非、財政的支援をやっていただきたい。
 大臣、先ほどパートナーのことも申し上げて大変失礼でしたが、是非、理解のある塩崎大臣のときにこれは踏み出していただきたい。どうもやっぱり役人、なかなかこれ壁厚いんですよ。是非政務三役で、山本香苗さんもずっとこの性暴力救援センター、DV防止法の改正に関わっていらっしゃるので、これはやっていただきたい。いかがでしょうか。
#112
○国務大臣(塩崎恭久君) 財政支援のことについては、法的根拠が必要であるとかいろんなことがあろうと思いますのですが、性暴力に対して立ち向かっていくということは厚労省としても大事でありますから、何ができるか考えていきたいと思います。
#113
○福島みずほ君 今、考えていきたいとおっしゃったので、それを重く受け止めて、内閣府だとどうしても予算規模が、というか、内閣府はもちろん頑張っているんですが、病院拠点型の性暴力救援センターを応援したいと思っているんです。実際、女性の産婦人科や病院側が本当に厚意で、善意で、ゼロで今まで頑張り続けてきて、そこに内閣府が予算を今三千八百八十万円、つつましく立派に付けたと。厚労省として、補助金を付けるとか是非考えていただきたい。これに関して是非よろしくお願いします。
 また、厚労省は、自立支援事業や自立回復支援事業を行っている民間サポートグループに対して事業委託などの支援を、これを行うべきではないか。DV防止法ができて、各地の婦人相談事業の中でそこがセンターになったわけです。しかし、その後の自立支援事業や自立回復支援事業などの民間サポートグループに対して事業委託などの支援が行われておりません。是非これはやっていただきたい。いかがでしょうか。
#114
○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。
 性暴力などの暴力被害を受けて、日常生活を営む上で保護や援助を必要とする女性に対しましては、婦人相談所や婦人保護施設におきまして生活支援、心理的ケア、自立支援などを行っているところでございます。
 このほか、性暴力を受けた女性を含めた相談支援といたしまして、今年度から、DVシェルターを運営するNPO法人などが相談者に対して生活相談や行政機関への同行支援などの自立支援や家庭訪問、職場訪問などの定着支援を一体的に行って、その取組の効果を検証するというモデル事業を開始したところでございます。一定の要件を満たす民間団体であればこれの委託を受けるということも可能ではないかというふうに考えておりまして、こうした取組を通じまして、また性暴力などの暴力被害に遭われました女性の支援、考えていきたいと考えております。
#115
○福島みずほ君 考えていきたいとおっしゃったので、民間サポートグループに対する事業委託などの支援、これを是非よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#116
○委員長(丸川珠代君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(丸川珠代君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、羽生田君から発言を求められておりますので、これを許します。羽生田俊君。
#118
○羽生田俊君 私は、ただいま可決されました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、みんなの党、維新の党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、感染症の患者等に対する検体採取等の勧告及び措置の実施に当たっては、患者等に対する差別や偏見につながることのないよう十分に配慮すること。また、感染症の検体に係る個人情報の管理に当たっては、個人のプライバシー保護の観点から、地方自治体、医療機関等に対し、管理システムの維持、取扱基準の遵守の徹底等が厳格に行われるよう必要な支援を行うこと。
 二、エボラウイルスを始めとする一種病原体等を取り扱うBSL4施設を指定し稼働させることは、ウイルス変異の確定、治療薬やワクチンの研究開発等に不可欠であり、また国内における研究者の育成にも資することから、地域住民及び関係自治体の理解を得る努力を進め、政府を挙げて指定・稼働に向けた環境整備を速やかに実施すること。
 三、原則として各都道府県に一つ指定される第一種感染症指定医療機関がいまだ九つの県において指定されていない状況に鑑み、都道府県における感染症指定医療機関の確保を支援し、感染症患者等が必要とする医療提供体制を全国的に整備すること。
 四、地方衛生研究所が果たす役割の重要性に鑑み、地方衛生研究所について、感染症対策における位置付けを明確化し、国立感染症研究所との連携が強化されるよう配慮すること。
 五、二類感染症である鳥インフルエンザの範囲について、政令で血清亜型を定めることにより特定することとしたことを踏まえ、政令に規定する感染症の重篤性及び感染力等を適切に勘案するとともに、後にその評価に変更が生じた場合には、速やかにその類型について見直しの検討を開始すること。
 六、エボラ出血熱等の海外における発生の状況を踏まえ、これらの感染症が国内において発生した場合に迅速かつ適切に対処することができるよう、関係機関に対し対応策の周知徹底を図るとともに、学校保健及び産業保健領域を含むあらゆる医療従事者等が研修やシミュレーションを重ねることができるよう必要な支援を行うなど、備えに万全を期すこと。特に、感染症患者等の感染症指定医療機関への搬送については、緊急時における現場の混乱回避のための事前の詳細な実施手順の作成等、その体制整備が図られるよう、必要な支援を行うこと。
 七、国民に対して、日頃より、健康に重大な影響を及ぼす感染症に関する正確で分かりやすい情報をインターネット等を通じて随時広く提供したり、医療機関、介護施設、学校等での周知を図るなど、迅速かつ積極的な広報を行い、感染症に対する国民の理解を促すとともに不安の軽減に努めること。
 八、国境のボーダーレス化により輸入感染症の拡大が懸念される現状に鑑み、あらゆる感染症の予防・診断・治療に当たることができる専門家を育成するため、海外研修制度の充実等の必要な措置を講ずること。
 九、地球規模化する感染症問題への対応に当たっては、WHO及び諸外国の関係機関との連携を更に強化し、最新の情報の入手・分析体制を充実させるとともに、都道府県、保健所、検疫所、入国管理局等の関係各機関相互の情報ネットワークを強化すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#119
○委員長(丸川珠代君) ただいま羽生田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(丸川珠代君) 全会一致と認めます。よって、羽生田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
#121
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#122
○委員長(丸川珠代君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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