くにさくロゴ
2014/11/11 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 文教科学委員会 第4号
姉妹サイト
 
2014/11/11 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 文教科学委員会 第4号

#1
第187回国会 文教科学委員会 第4号
平成二十六年十一月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     堀内 恒夫君     世耕 弘成君
     田村 智子君     山下 芳生君
 十月三十日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     堀内 恒夫君
     山下 芳生君     田村 智子君
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     藤田 幸久君
     新妻 秀規君     山本 香苗君
 十一月四日
    辞任         補欠選任
     藤田 幸久君     森本 真治君
     山本 香苗君     新妻 秀規君
 十一月五日
    辞任         補欠選任
     堀内 恒夫君     末松 信介君
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     堀内 恒夫君
     新妻 秀規君     山口那津男君
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     新妻 秀規君
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     橋本 聖子君     中泉 松司君
     森本 真治君     田中 直紀君
   アントニオ猪木君     中野 正志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                石井 浩郎君
                二之湯武史君
                神本美恵子君
                松沢 成文君
    委 員
                赤池 誠章君
                衛藤 晟一君
                中泉 松司君
                藤井 基之君
                堀内 恒夫君
                丸山 和也君
                斎藤 嘉隆君
                榛葉賀津也君
                田中 直紀君
                那谷屋正義君
                秋野 公造君
                新妻 秀規君
                柴田  巧君
                田村 智子君
                中野 正志君
   国務大臣
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       内閣府地域活性
       化推進室室長代
       理        富屋誠一郎君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       関  靖直君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       文部科学省高等
       教育局長     吉田 大輔君
       文部科学省研究
       開発局長     田中  敏君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        久保 公人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (道徳教育の教科化に伴う諸課題に関する件)
 (全国学力・学習状況調査の実施方法を再検討
 する必要性に関する件)
 (学校の津波対策における地域差是正の方策に
 関する件)
 (東京オリンピック・パラリンピック競技大会
 に向けた受動喫煙防止に係る法的整備に関する
 件)
 (自然災害による被害軽減のための調査研究の
 必要性に関する件)
 (子供の貧困対策としての学校給食の重要性に
 関する件)
 (東北地方における医学部新設問題に関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、橋本聖子さん、アントニオ猪木君及び森本真治君が委員を辞任され、その補欠として中泉松司君、中野正志君及び田中直紀君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(水落敏栄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地域活性化推進室室長代理富屋誠一郎君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(水落敏栄君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
 本日は、道徳教育について大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 実は私、初当選が二〇〇一年でございまして、国会議員生活十四年になります。この間、一貫して外交防衛委員会に所属をしておったわけでございますが、同期の神本理事の御指導を賜りながら、今回初めて文部科学委員会に配属されました。国会議員になって十四年、文部科学委員会で質問できる日を夢見て今日までやってまいりましたが、やっとその夢が実現をさせていただきました。
 道徳教育ということでございますが、大臣、大臣が小学生の頃、道徳教育はどんなことをやっていらっしゃったか、御記憶ございますでしょうか。
#7
○国務大臣(下村博文君) おはようございます。
 夢がかなったことを私の方からも歓迎をしたいと思いますし、また、是非活発な御議論ができればというふうに思います。
 私は、別に必ずしも勉強が好きな子ということではなかったと思っておりますが、しかし、学校の勉強、別に嫌いではなくて、その中でも道徳の教材等、読むのはすごく楽しみにしておりまして、それをきっかけに、さらに図書館等で関連した例えば偉人伝の物語を読むとかいうきっかけにもなったということで、いろんな教科の中では道徳の教材が最も好きな教材であったという記憶があります。
#8
○榛葉賀津也君 私は昭和四十二年の生まれでございます。ですから、小学生になって道徳教育を受けたのは昭和五十年代の学校教育でございます。
 私の尊敬する文科省の国会連絡調整室の室長補佐の三木さんも実は同級生でございまして、先日、同級生同士でこの道徳の話を若干したわけでございますが、私の記憶ですと、私のときの小学校の道徳教育は、教材もそうですが、NHKの教育テレビを数十分見て、それをまたその後議論すると。当時はCDもDVDもビデオすらございませんでしたので、今思うと、先生がそのNHKの放送の時間に合わせて道徳の時間をやっていたのかなという記憶があるんですけれども。
 この道徳という言葉ですね、この語源を実は調査室の鈴木さんが調べてくださいまして、語源は中国の古典「礼記」、お礼の礼に記録の記と書いて礼記といいますが、前漢や秦の時代の言葉だそうでございます。道徳仁義は礼にあらざれば成らずという言葉があるそうでございますが、大臣、ちなみにこの道徳の意味、それから日本で初めて道徳という言葉が使われたのがいつか御存じでしょうか。
#9
○国務大臣(下村博文君) いつかは存じませんが、私は道徳という言葉そのものも、実は最近すばらしい言葉ではないかと改めて認識しております。
 それは、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会が東京で開催されますが、是非、東京は二回目でありますし、このときに道の精神、これは柔道とか剣道、それから華道、茶道もそうですけれども、例えば柔道もブラジルではブラジリアン柔術なんですね。やっぱりテクニックなわけです。日本は、テクニックではなくて、その一つの道を通じて究めていくと。それがスポーツであろうが文化であろうが、その一つのその道を通じて究めていく、人間的認識を、あるいは所作振る舞いだけでなく思想そのものも深めていく、生き方をそこに求めていくと、それが道だと思うんですが、それはすばらしい考え方で、スポーツの中に、まさに二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを通じて世界に日本こそ発信していける、それだけの伝統文化、足跡があるのではないかと思います。
 ですから、徳の道という解釈でいえば、これはそういう捉え方をしたときに、道徳というのは適切な、これから世界に発信できる、特に日本は特定の宗教とか宗派にとらわれているわけではありませんから、ある意味では世界、古今東西のいいとこ取りができるわけですね、人が生きる道としての。特定の思想、国家主義的なものをもちろん全然我々は求めているわけではありませんし、そういうあるべきものを求めていきたいと考えております。
#10
○榛葉賀津也君 大臣おっしゃるとおり、この道徳のその道、これはまさに大臣おっしゃるように人の道という意味だそうでございます。徳、これは真っすぐな気持ちで前に進むということだそうでございます。つまりは、人の歩み行うべき行動の基準、そして人として歩むべき道義、これ英語で言うまさにモラルなんですね。いつ日本にこの道徳という言葉が来たかというと、まさにこの英語のモラル、モラルを和訳するときにこの道徳という言葉を明治時代に初めて日本で使ったのが出発だそうでございます。
 私、大臣が常々おっしゃるように、道徳教育というのは極めて重要だと思います。とりわけ、家庭や地域でのいわゆる人の道、道徳としての教育が、少し誤解を恐れずに申し上げますと、劣化している今日、学校での道徳をどう子供たちに指導していくかということは、これはやはり重要なんだろうと思います。
 ただ、幾つか疑問がございますので、そこで大臣にお伺いするんですが、いわゆる第一次安倍内閣、このときは伊吹先生が文科大臣でございました。このときの教育再生会議での教科化の議論がございまして、いわゆる中教審、このときは山崎さんが会長でございました。このとき、山崎正和会長は、従来どおり道徳は学校の教育活動全体を通じて行うものだと明言をされて、そして、いわゆる教科化はするべきではないという結論に達したと存じ上げております。
 以後、六年がたちました。今回の中教審の答申で教科化の方向性が出てきたわけでございますが、この六年間で一体何が変わったんでしょうか。
#11
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、第一次安倍内閣では、教育再生会議の報告を踏まえ、中央教育審議会におきまして、学習指導要領改訂の議論の中で道徳の時間の教育課程上の位置付けについて検討が行われました。その中では、道徳教育を充実強化すべきという認識は一致したものの、道徳の教科化は見送られたというのは御指摘のとおりです。
 しかしながら、その後も道徳教育の要となるべき道徳の時間が各教科等に比べて軽視しがちで有効に機能していないことも多く、このことが道徳教育全体の停滞につながっているとの指摘がなされております。また、近年も、いじめ等を原因とした痛ましい事案が大きな社会問題となっております。
 このような状況を踏まえ、昨年二月の教育再生実行会議第一次提言におきまして、心と体の調和の取れた人間の育成に取り組む観点から、道徳教育の抜本的な充実を図るとともに、新たな枠組みにより教科化することが提言をされました。これを受けて、文部科学省では、道徳教育の充実に関する懇談会におきまして道徳教育の改善方策について検討を行い、昨年十二月に報告を取りまとめました。また、道徳の教育用教材である「私たちの道徳」を作成し、今年の四月から全国の小中学校に配付しているところであります。
 さらに、今年の二月からは、中教審で道徳に係る教育課程の改善等についての審議をいただいたところであります。十月二十一日のその答申におきまして、道徳の時間を、その特性を踏まえ、新たな枠組みである特別の教科として位置付ける、つまり、教科という点ではやはり難しいので、新たな枠組みとして特別の教科としての位置付けをすると。それから、検定教科書を導入すると。また、一人一人の良さを伸ばし、成長を促すため、記述式の評価を行う、つまり、絶対評価とか相対評価でない、別の評価の在り方について検討されたわけであります。
 文科省としては、今後、本答申の内容を踏まえ、学校教育法施行規則の改正や学習指導要領の一部改訂を行うとともに、教員の指導力向上などに取り組んでまいります。
#12
○榛葉賀津也君 ありがとうございます。
 いや、私が聞いたのは、何がターニングポイントになって、前回の中教審は道徳は教科化する必要はないと、しかし今回は教科化すべきだと。今いろいろと御説明されましたが、私は、文科省からヒアリングしたり、それからいろんな有識者と話をする際、必ず出るのが大津のいじめ事件なんです、これが大きなターニングポイントになったと。
 この大津の事件は、やはり一つの大きなターニングポイントだったんでしょうか、端的にお願いします。
#13
○国務大臣(下村博文君) あの大津のいじめだけがターニングポイントになったわけではありませんが、教育再生実行会議で第一次提言で提言された、そのときの議論としてその大津のいじめ問題ももちろん議論になりました。
#14
○榛葉賀津也君 平成二十三年にこの大津のいじめ事件、中学二年生の男子生徒が自殺をしてしまうという痛ましい事件だったんです。これがきっかけで、平成二十五年にいじめ防止対策推進法ができました。この法律ができてどれだけいじめが減ったのかというのはまた違う議論なんだろうと思いますが。
 私、必ずこの道徳教育の議論のとき、この大津のいじめ事件が出るんですが、これ、いじめは問題です。しかし、この大津の事件が更に世間の注目を浴びるのは、実は子供のいじめ事件とは別に、教育委員会とか教育現場での隠蔽体質や、まさに教育委員会、行政の問題がクローズアップされて、裁判にもなり、マスコミや世間の注目を浴びたと思っているんですね。これがなぜか道徳教育が必要だという一つの議論に、すり替えられていると言っては大げさかもしれませんが、都合のいい事案としてこの大津のいじめが使われているんではないか。道徳教育は子供の問題です、子供の道徳教育をどうしようかと。しかし、様々な大人の問題がこの道徳教育に都合のいいように利用されたんではないかなというふうに思えてならないんですね。
 というのも、この道徳教育をめぐる報道で、安倍総理の宿願とか、リベンジを果たしたとか、そういう言葉が新聞報道で羅列されているんですね。これ、教科化することが何か目的化されているような、我々のゴールは子供たちを育むこと、道徳心を涵養すること、これが我々の目的なはずなのに、どうやらその道徳教育を教科化することが目的になっているように受け取れるんですが、大臣、どうお考えですか。
#15
○国務大臣(下村博文君) それは皮相なマスコミの記事だというふうに思います。
 大津の問題というのはもちろんいじめで、道徳の議論にも、先ほど申し上げましたように、教育再生実行会議でテーマとしてなりましたが、それ以上に、あの事件がきっかけとして戦後六十年ぶりに教育委員会制度の抜本改革案を国会で通していただいたということで、ある意味ではこれからの果たすべき役割として国会で教育委員会抜本改革を通してもらったと、これは大きなことだというふうに思います。
 先ほど榛葉議員が国会議員になって十四年とおっしゃいましたが、私も国会議員になって十八年になるんですが、最近はさすがに大臣で駅に立つことはないんですが、多分、榛葉議員もそういう経験はあるのではないかと思うんですね。この二十年近く見ていて、例えば駅前の違法駐輪、物すごく増えているんですね。私が、これはもう五年ぐらい前ですけれども、あるとき選挙区の駅で演説をしたとき、それを粛々と整理をしながら、それからごみも物すごい散らかっているんですね。片付けている人がいて、御苦労さまですと言ったら罵声を浴びせられまして、私に対してですね。こんな世の中にしたのは政治家の責任だと。つまり、モラルが低下している、先ほどおっしゃったようにですね。道徳というモラルが低下している、モラル低下と、みんなが社会におけるあるべきモラルを守らない、どんどん悪化していると。政治が悪い、こういうところをしっかり直せと言われましたが、演説する暇があったらそれをやれと言われましたが、私は本当にそのとおりだなというふうに思ったんですね。
 結果的に、そのことによって社会全体のコストアップにもつながるわけですけれども、本来であればそれは家庭が、親がきちっと教えるべきことかもしれません。それから社会で教えるべきことかもしれません。しかし、残念ながら社会における教育力や家庭における教育力が低下している中で、学校に対する、教育に対する期待感も大きいという中で、道徳というのもきちっと教えなければならないのではないかということでありまして、これはリベンジとか第一次安倍政権のとき実現できなかったものを今果たしたとか、そういうレベルでは全くありません。
#16
○榛葉賀津也君 少し具体的な中身に入ってまいりたいと思います。
 私は、ここにいらっしゃる委員の先生方は教育分野の専門家ばかりだと思いますが、私は外交防衛をこの十四年間ずっとやってまいりまして、教育分野はずぶの素人でございます。ですから、一市民、また一保護者の観点から少し率直な疑問を大臣にお伺いしたいと思うんですが、今回のこの道徳教科化の論点が幾つかあると思うんです。例えば、価値観の押し付けへの懸念であるとか評価の是非、そして検定教科書の在り方、そして学校における指導体制の在り方等々、幾つかの論点があると思うんですが、まずこの価値観の問題についてお伺いしたいんですが。
 中教審の答申にこうあるんですね。特定の価値観を押し付けたり、主体性を持たず言われるままに行動するよう指導したりすることは、道徳教育が目指す方向性の対極にあるものと言わなければならない。むしろ、多様な価値観の、時に対立がある場合を含めて、誠実にそれらの価値に向き合い、道徳としての問題を考え続ける姿勢こそ道徳教育で養うべき基本的資質であるというふうにおっしゃっているわけでございますが、これ、道徳教育を充実して、つまり教科化して多様な価値観を育むんだと中教審は言っているわけでございますが、これ教科化するとどうして多様な価値観が育つんでしょうか。端的にお願いします。
#17
○国務大臣(下村博文君) 教科化するから多様な価値観が育つということじゃなくて、多様な価値観を育つような教科化、教科書の内容にするということです。
 ちょっと例を申し上げていいですか。
#18
○榛葉賀津也君 短めに。
#19
○国務大臣(下村博文君) マジシャンの話というのが道徳の教材の中に結構入っているんですね。これは、子供とマジシャンが約束して、次の日に、じゃ、貧しい子供、その子はサーカスに見に来られないと、君のためだけにマジシャンやるよと約束したと。ところが、久々にそのマジシャンも仕事が入って隣の都市に移らなくちゃいけない、だから子供との約束が守れなくなったということで、今までの道徳の指導書の中には、それは子供の約束を守らなければ駄目だということを指導書の中で教えられていると。
 しかし、この間、先ほどのような有識者会議の中で議論があったんですが、本当にそれが正しい教えるべき道徳なんだろうかと。子供の立場から見たらそうかもしれないけれども、マジシャンだって難しいと。ですから、代わりに違うマジシャンにその子供に見せるような場をつくるとか、あるいはその子供を違う都市に招待するとか、いろんな創意工夫はあるのではないかと。
 つまり、先生が、教師が指導書にのっとって一方的にこれが道徳の正しい解釈だと、考え方だということではなくて、まさに子供たちにいろんな議論をさせることによって、そして、何があるべき形なのかと、答えは一つだけあるわけではないと、いろんな見方によって考え方があると。それこそが、旧来の一方的な道徳における教師の指導書的なものではなくて、まさに討論、議論によって主体的に子供が自ら正義とは何なのかと、道徳の正しさは何なのかと、議論する中で一つにまとめない。そういうことが今後道徳の中で議論の場として提供する必要があるんだろう、それが多様な価値観ということだと思います。
#20
○榛葉賀津也君 今大臣がおっしゃったことは大事だと思います。他方、それは今の道徳教育の在り方でも十分できる話ではないかと私は思っているんですね。
 次に、評価の是非についてお伺いしたいと思いますが、大臣冒頭おっしゃったように、数字による評価ではなくて記述式ということを設けるということでございます。先ほど大臣が価値観を押し付けないと、中教審でも言っているというふうにお答えになりましたし、これ評価というのはまさに子供たちの複雑な内面の話でございます。これが本当に評価できるのかという率直な疑問があります。何をどのように評価するおつもりなんでしょうか。
#21
○国務大臣(下村博文君) 十月二十一日の中教審の答申におきまして、道徳教育の評価について、道徳教育の充実のためには、目標を踏まえ、指導の狙いや内容に照らして適切な評価を行うことが必要であること、その際、道徳性は、極めて多様な児童生徒の人格全体に関わるものであることから、特別の教科について数値などによる評価は導入すべきではないこと、指導要録に新たに特別の教科道徳の評価のための記録欄を設けて、学習の状況や成長の様子などを文章で記述することなどが提言されました。あわせて、評価を効果的に実施するためには、教員の研修や評価方法等に関する情報の充実が必要であり、国や地方公共団体においてその支援に努めることとされております。
 文科省としては、今回の答申を受け、道徳の時間を特別の教科道徳として位置付けるための制度改正に取り組んでまいりますが、その評価の在り方については、指導要録の具体的な改善策なども含め、今後、文部科学省に協力者会議を設け、更に専門的検討を行うこととしております。
 これらの取組を通じて、基本的には、そういう相対評価、絶対評価ではない評価の仕方ということでありますが、生徒の一人一人の良さを伸ばして、そして成長を促すための評価の充実、それを念頭に考えていきたいと思います。来年度には道徳教育を進めていく上での効果的な指導方法等に関する教師用指導資料を作成する予定でありますので、その中に適切な評価方法等についても盛り込んでいくことを考えております。
#22
○榛葉賀津也君 今大臣、良さを伸ばすために点数式ではなくて記述式で評価するとおっしゃいましたが、そもそもその子の良さというのはどう判断するのかということもあるんだと思いますが、いずれにせよ、子供の心の中、内面のありよう、これを成績に付けることにほかならないと思うんですね、記述式にせよ。点数制でないからいいという話ではなくて、記述式にせよ、子供の心の在り方について評価をして成績を付けると。それが点数ではなくて言葉に変わったということですから、これ本当に客観的な評価できるんですか。そして、良さを伸ばすといいますが、その良さというのは具体的にどういうことを言うんでしょうか。
#23
○国務大臣(下村博文君) 今の子供たちの通知表を御覧になったことがあると思いますが、それぞれの教科における絶対評価、相対評価と別に行動の欄というのがあって、例えば宿題を忘れずにやってくるとか持ち物を忘れないとか、そういうところに丸を付けるとかいう評価の仕方もありますね。
 それと同じということではありませんが、これは記述式ということですから、確かにその先生の受け止め方によって違ってくる部分があると思います。ですから、先ほど申し上げたように、教師用の指導資料等の中でモデルとなるような、参考になるような評価の仕方については文部科学省の方で、評価の仕方といっても、先ほど申し上げたように、一人一人の良さを伸ばして成長を促すための評価ですけれども、それについては具体的に作ってまいりたいと思います。
#24
○榛葉賀津也君 大臣、子供は意外と賢いんですよ。
 私、ちょっとこの議論で気になったのが、良い子になるような子供になると。良い子はいい評価されるけど、悪い子は悪い評価になる、大人から見てですよ。ですから、子供たちが大人から見ていい子のふりをする傾向を助長するんじゃないかなと思うんですね。つまり、子供がパフォーマンスに走っていく。いい子度を測るような評価になるんではないか。私が子供のときは、まさしくこれもう大変な悪い成績になると思うんですけれども。
 実は、こんなことがあるんです。実際に私の周りにいた学生から聞いたんですけれども、中学校の頃ボランティアたくさんやっているんですよ。すばらしいね、ボランティアやってと言ったら、何と言ったと思います。いや、ボランティアたくさんやると高校進学有利になるんですと、いろんなボランティアやっているんです。
 先生方の事務所にもインターンの大学生が来ることがあると思います。私、あるインターン生から聞いたんですけど、履歴書にインターンやっていたって書ける、これが大事なんですと。
 子供がこういう、先生から見ていい子になろうというパフォーマンスに走ってしまうんではないかなという嫌いがあるんですが、大臣、どうお考えでしょうか。
#25
○国務大臣(下村博文君) 先ほどのボランティアとかインターンは、私はやらないよりはやった方がいいのではないかと思いますから、それ自体を否定する必要はないと思うんですね。
 ただ、御指摘のとおり、本当に何をもっていい子なのかどうかという子供の心の内面というのは、そう分かる、簡単に、ものではないと思います。そういう意味では、教師の子供を見る目を高めるということは非常に重要なことだと思いますから、今後、この道徳というのは担任の先生が教えていただきたいと。ですから、全ての先生が、道徳における研修とか、それから評価方法等に関する情報の充実を高めることに、まず教師力を高めていくと、そして子供をしっかり見る目を先生方に養ってもらうと、こういう環境をつくっていくことが大切だと思います。
#26
○榛葉賀津也君 前回の委員会、私初めて参加させていただいて、大臣の答弁を聞いて大変心強く思ったのが、財務省が四十人学級に戻そうと、静岡は先んじて静岡方式で全学年三十五人を今実現しているところでございますけれども、財務省との関係で、当日は財務大臣政務官がお見えになっていましたが、大臣から心強い答弁を聞いて、私、この件については大臣と全く同じでございます。
 大臣は、先生が子供と向き合う時間が大事なんだとおっしゃいました。これまさにそうで、私正直申し上げて、これ教科化して記述式の成績を付けて子供の道徳力が高まるかどうか、私は疑問に思っているんです。むしろ、教科化して全て記述式の成績を付ける、結果として、先生がただ忙しくなって、仕事が増えて、大臣のおっしゃる、子供と向き合う時間が大切だとおっしゃっている大臣がこの制度を導入することによって、ますます先生が多忙になって子供と向き合う時間が減るんではないかという心配があるんですが、大臣、どうでしょうか。
#27
○国務大臣(下村博文君) 是非、参議院文教科学委員会、これは与野党を問わず、財務省に対して、御支援を、我々の主張が通りですね、していただければ有り難いと思います。
 これは本当に、OECD諸国の調査の中でも日本の教員が世界で一番忙しいと。これからあるべき形として一人一人の子供と向き合う時間をいかに確保するか、そのために今後、いろんな仕事の分業を教員以外の方々にお願いをする等しながら、それがチーム学校としての位置付けですが、是非今まで以上に学校の先生には子供たちに向き合う時間をしっかり持ってもらうような、そういう施策を文部科学省としては力を入れてやっていきたいと思います。
#28
○榛葉賀津也君 これ教科化すると、今度、学校の先生になる課程ですね、いわゆる教育学部での教育課程、これも大分変わってくる可能性があると思うんですが、最後に大臣にお伺いしたいのが、本来ならば、教科化を図るに当たって、いわゆる教育課程での位置付け、教員の養成、採用、研修の在り方、こういったものを体系的に示して検討していくべきだというふうに思うんです。
 しかも、大臣は四年後にこの教科化を導入したいというふうにおっしゃっているわけで、教員免許の具体的検討、これがほとんどされていないということに少し私疑問を感じるんですが、この小学校、中学校の各段階における教員免許の在り方、今後どのような審議のいわゆるスケジュール感を持って当たっていかれるのか、お答えいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(下村博文君) 時間がもう過ぎていますので簡単に申し上げたいと思うんですが、中教審の教員養成部会におきまして、教員の養成、採用、研修の全体的な在り方の議論の中で、教員養成課程における道徳の取扱いの一層の充実について検討を進めるとともに、教員研修の充実に向け、管理職研修の充実や効果的な指導方法等についての事例集を作成するなど、必要な支援を行ってまいりたいと思います。また、今後、大学における教員養成課程における道徳の研修の在り方、それから教員になってからの教員の研修の在り方、この中でも道徳の指導に関する内容を充実してまいりたいと思います。
#30
○榛葉賀津也君 昨日、茂里課長に御指導いただいて、いわゆる教科指導法、この中で、現在大学では二十二単位ほど取られて、二単位九教科で十八単位。道徳二単位で、これで合計二十単位。その他の特別活動の指導であるとかそういったものが二単位で大体二十二、これ大学によって若干変化があるようでございますが。中教審でこの道徳を四単位に増やして、いわゆる教育学部の学生に対して道徳教育の指導方法の時間を増やしたらどうだという議論があるようなんですが、そうすると他の教科の時間が今度減ってしまうというジレンマもあると思いますね。
 これを議論していくと、教育職の免許法、これもいずれ変えることになろう可能性もあると思うんですけれども、いずれにせよ大臣おっしゃるように、道徳教育、これ私非常に重要だと思っているんです。非常に重要だと思っているんです。しかし、そのためにも、やっぱり先生の質と量、これをしっかり確保すること、そして先生方に余裕を持って子供と向き合う時間を増やすこと、そして教科化することが目的化にならないように、是非大臣の指導をいただきたいと思います。
 最後に、私の知り合いから聞いた話ですけれども、その方がお友達と話をされていて、民主党のやった子ども手当とか高校無償化、私には全く関係ないとおっしゃったそうです。なぜかというと、その方にはお子さんがいらっしゃらなくて、私子供いないから、高校の無償化も子ども手当も私には関係ないということをおっしゃった方がいると私知り合いから聞いて、少し残念に思ったんですけれども、それは子供を持った親御さんのための政策ではなくて、子供は国全体の宝ですから、その方にお子さんがいらっしゃろうが、いらっしゃるまいが、国全体、地域全体、社会全体で子供を育てていくということが極めて大事なんだろうと思います。その点で、我々の政策は非難されましたが、決してあれらの政策は私は間違っていなかったなということを改めて感じている次第でございます。
 党派を超えてこの道徳問題をしっかりやっていきたいと思いますが、私は教科化することに対しては少し疑問を持っている、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#31
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆です。今日はよろしくお願いをいたします。
 まず、今日は冒頭、全国学力・学習状況調査について少しお伺いをしたいと思います。
 十一月六日であったかと思いますけれども、大臣、静岡の川勝知事と対談をされたということであります。ここへ至るまで、実は静岡県知事は、実施要領に言わば反する形で結果の公表に類するものを、結果の公表などを行ってきたということで、このことに対して大臣御自身が遺憾の意を示され、それに対してですけれども、知事さんは大臣のことを笑止千万とか、見識を疑うとか、あるいはもう権力をかさに着てとかですね、かなり言いたい放題の物言いをされていらっしゃいました。
 会談では、実施要領が分かりにくいということでありましたけれども、ただ、私どもに言わせれば、この実施要領にかかわらず、最も分かりやすいことは、結果の公表あるいはこの学力テストの実施そのものについても知事が判断をすることではないということが、これは実施要領に何が書いてあろうと明確なことであろうかというふうに思います。
 それで、ちょっとお伺いをしたいと思いますが、この会談の中で川勝知事さんは、来年度、この実施要領を守る、すなわち市町村教委が認めることなしに市町村別の結果公表をしないという旨の約束なのか、そのような発言はあったんでしょうか。
#32
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思っていまして、静岡県の川勝知事のあの発言は、要するに実施要領がよく分からないから、だから自分が発表してもいいんだというふうに取れるようなことで、私に対する批判も相当いろんなところでされておられましたが、しかし、ルール違反であることは間違いないことでありまして、これを何でマスコミがバトルのように平等に扱うのかということ自体が、私は法治国家としてそもそもいかがなものかというふうに思っております。元々、知事に権限はないわけですね。ないことを、幾らその実施要領が分かりづらいからといって、それを使えるはずがないというのは当たり前の話であります。
 先日、十一月の六日に開催された全国知事会との意見交換におきまして静岡県知事と話をし、全国学力・学習状況調査の結果公表に関する権限はあくまでも教育委員会にあるということについて、これは理解いただけたものと受け止めております。
 静岡県知事からは、実施要領が不明瞭との指摘がありました。現在、平成二十七年度調査に向けて実施要領を検討しているところでありますが、より分かりやすくするという観点で、実際、不明瞭だと言われているのはお一人だけなんですけれども、ほかの四十六都道府県からはそういうような批判なりクレームがあったわけではないんですが、より丁寧に、必要があれば検討したいとは、これは思います。
 いずれにしても、実施要領は本調査を適切に実施するために定めているものでありまして、遵守していただく必要があると考えます。
#33
○斎藤嘉隆君 このテストの実施や結果の扱いについては、改めて私がこの場で言うこともありませんけれども、その最終的な権限は現行法では教育委員会にあるということであります。
 しかし、首長がその権限を逸脱をしての様々な発言、行動が実はずっと相次いでいます。大阪しかり、鳥取しかり、武雄市しかり、今日は寺田先生いらっしゃいませんけれども、秋田県しかりですね。様々な形でこれはやっぱり地教行法等諸法令に照らし合わせてきちんとした対応をするように、改めて文科省には強い態度でこれについては臨んでいただきたいということがまず一点であります。
 ただ、今回のことも含めて、先ほど申し上げましたように、これまでいろんな形でこの学力テストの扱いについて首長サイドで様々な発言や取組がなされてきた。その状況、繰り返しになりますが、大変残念ながら文科省としては言われっ放しで、むしろ過去の例を見ると、首長のこういう、違反行為とまで言えるかどうか分かりませんけれども、こういった行為を言わば容認をする形で実施要領などが実は見直されてきたという経過もあろうかというふうに思います。今回、当初、ペナルティー的な措置も来年度以降ということを発言をされていらっしゃいましたが、これも新たに用意をされないということも報道などでお聞きをしています。
 次年度以降、もういろんなケースが起きてくるのではないかなというふうに思いますけれども、私、根本的なこのことに対しての原因をやっぱり排除すべきだというふうに思います。ここは多分大臣とはちょっと考えが違うかもしれませんけれども、私はやっぱり根本的なこの原因に悉皆調査、毎年行う悉皆調査があろうかというふうに思います。現場とそれぞれの教育委員会が困惑しているようないろんな現状は確かにありますので、私は、抽出調査にいま一度戻す、あるいは毎年ではなくて数年に一度の調査に戻す、こういったことも今検討すべき時期ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#34
○国務大臣(下村博文君) 今回の静岡県のような状況は、つまり県教委が同意していないのに知事が勝手に公表したという事例は、これは静岡県だけだというふうに承知しております。ほかのところでは教育委員会も同意した上でということでありますので、静岡県だけのこれは逸脱行為である、ルール違反であるということであります。
 この全国学力・学習状況調査は保護者や地域住民の関心の高い学校教育の改善のために実施しており、保護者や地域住民に対して国、教育委員会、学校がそれぞれ説明責任を果たすことは重要であるというふうに考えます。そのため、本年度の調査から、教育委員会がより積極的に説明責任を果たすために、都道府県教育委員会が市町村や学校の結果を公表できるよう取扱いを変更したところであります。
 その際、公表に当たっては、市町村教育委員会が学校の設置管理者であり、かつ本調査の参加主体であること、都道府県教育委員会が市町村や学校の結果を公表することについては市町村教育委員会に慎重な意見が多いことなどを踏まえまして、市町村教育委員会の同意を要件とするなどの配慮事項も定めているところであり、こうした考え方を基本にしてまとめたものでございます。
 このようなことによって、最近も私のところに送られてきましたが、例えば福井県がなぜ学力・学習調査で四十七都道府県で一番だったのかと。それは福井県の教育を、こういうことをきっかけに、ただ勉強だけじゃなく、早寝、早起き、朝御飯から始め、あるいは家庭に対する協力要請等、トータル的な教育力をどう高めるかという、そういうことで成果、効果が上がったということで、本としても取りまとめたということでありますので、活用の仕方だというふうに私は思います。
 是非、そのことによってトータル的に日本の教育力が上がるということであれば、これは全国学力・学習状況調査をやっている意味があると思っておりますし、今はそういうことを是非前向きに取り組みたいというふうに思っております。
#35
○斎藤嘉隆君 この学力・学習状況調査の結果が例えば教育条件整備、特に学力向上、指導が困難な学校とか地域とかそういったところへの例えば定数措置に結び付くとか、そのようなことがあれば、その意義というのも私自身も感じるんですけれども、むしろ、事もあろうに、この学力テストの結果の一部を引用して、例えば少人数指導については効果がないと言うような省があったり、そのようなデメリットがあるのも一つの事実としてあろうかと思います。
 それから、各自治体では、これは是非先生方にも共有をしていただきたいと思いますけれども、点数を上げるために努力をしている。このことはもう否定するつもりは全くありませんけれども、四月のテストに向けて事前学習のプリントをやらせるとか、四月の二十一日がテストですけれども、四月の初めから二十日までは授業後の居残りの補充学習をするとか、過去問対策なんかはもうほとんどのところでやられているというふうに思いますけれども、もはや本来の意義をちょっと逸脱をしているような感がなきにしもあらずであります。
 こうした状況を踏まえて、私は、冒頭、静岡の知事さんの話を申し上げましたけれども、そのことの根本的な要因となっているこの悉皆について、一度十分に文科省サイドでも再検討、議論をしていただきたい。今、大臣がおっしゃったことは一定理解はいたしますけれども、是非そういう時期であるということを付言をさせていただきたいと思います。このことはちょっとまた改めて、今日時間ありませんので、議論をさせていただきたいと思います。
 教育はやっぱり政治的中立が求められるということで、昨今、繰り返しになりますが、首長さんがその権限を越えて、本来教育委員会が行うべき、判断すべき事項にいろいろ首を突っ込んでくるということがあろうかと思います。教育は政治家の何か道具、おもちゃではありませんので、そこを守っていただくのが私は文科省の役割だと、重要な役割だというふうに思います。
 そこで一点、今内閣府等々で議論をされています公設民営学校について、残った時間でお伺いをしたいと思います。
 これ、管理法人の指定は都道府県、指定都市ということになっていますが、最終的な判断は、これ自治体の長が指定をするのか、あるいは教育委員会が指定するのか。これはどうでしょうか。
#36
○政府参考人(小松親次郎君) 議会の議決を経まして、地方公共団体として指定をするということでございます。
#37
○斎藤嘉隆君 それはよく分かっています、そのように書いてありますから。地方公共団体として指定をする、その判断は教育委員会がするんですか、あるいは首長がするんですか。
#38
○政府参考人(小松親次郎君) この事務の基本的な処理につきましては教育委員会が担当いたしておりますので、その責任部署として教育委員会がその事務を執り行います。しかる後、執行部として議会に諮って、議決を経た上で地方公共団体として指定をすると。これは、ほかの指定をする場合のそれぞれの担当部局と議会、それから公共団体の関係と同じでございます。
#39
○斎藤嘉隆君 教育委員会がその判断を決めて、最終的には議会がそれを認めるということですね、今の御発言は。
 これは、局長、この公設民営学校が導入をされるときには教育委員会制度は変わっておりますので、これは新教育委員会の下で総合教育会議で調整を図る事項ですか。
#40
○政府参考人(小松親次郎君) 制度上の構えは、総合教育会議で調整を図らなければならない事項ではございません。教育委員会のそういう意味では処理する事務でございます。
 なお、総合教育会議でいろんな議論をすることはもちろんあり得ることだと思いますけれども、制度上図る事項かということであれば、先ほどお答えしたとおりでございます。
#41
○斎藤嘉隆君 これは地教行法の三十条で言うところの地方公共団体が設置をする学校の一つだろうというふうに思います。当然ながら、今局長がおっしゃったように、学校の設置という権限は教育委員会に属していますから、これは新しい地教行法の下であってもそのような形になると。総合教育会議で、何らか議論の俎上に上がるということはあり得るかもしれないけれども、そこで調整を図る事項でもないし、基本的には教育委員会が定めるということであります。
 ということは、教育委員会として公設民営学校についてこれは設置をすべきではないという判断に至った場合は、今回のこの法の中では設置がされないと。これ、ちょっと特区の在り方そのものにも関わるんですけれども、現行法に照らし合わせればそういうことになりますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#42
○政府参考人(小松親次郎君) 特区法によって設けられております特例は、地教行法の今御指摘になりました該当条文について特例を設けているものではございませんので、そのまま現行法が適用されるということでございます。
#43
○斎藤嘉隆君 そこで、今、この学校に関する事務、管理等々を民間の団体が行うということについてであっても、その是非についての判断は教育委員会にその権限が属するということであります。私学であれば知事であろうというふうに思いますけれども、私学ではありません、これ公立でありますので、教育委員会にその権限が属するということであります。これは特区であっても同様だという今の御回答だったと思います。
 確認します。それでよろしいですね。
#44
○政府参考人(小松親次郎君) そのとおりでございます。
#45
○斎藤嘉隆君 その上で、少しお伺いをしたいと思います。
 今日は内閣府にお越しをいただいています。国家戦略特区のそもそもの目的というのは何でしょうか。
#46
○政府参考人(富屋誠一郎君) 国家戦略特区の目的についてのお尋ねでございます。
 国家戦略特区というのは、大胆な規制・制度改革を通して経済社会の構造改革を重点的に推進することによりまして、産業の国際競争力の強化とともに国際的な経済活動の拠点の形成を図り、もって国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与するということを目的とした制度でございます。
#47
○斎藤嘉隆君 経済社会の構造改革を重点的に推進をすると、もって産業の国際競争力を強化、国際的に経済活動の拠点の形成ということが記載をされています。
 そのことと今回の公設民営学校の創設、産業の国際競争力強化、国際的な経済活動と今回のこの公設民営公立学校との関わりがちょっと見えづらいんですが、その件について言及をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
#48
○政府参考人(富屋誠一郎君) 御質問の公設民営学校につきましては、まず、昨年の夏に国家戦略特区に関する提案募集というのを広くいたしまして、その際に大阪市から提案がなされたものでございます。
 昨年成立した国家戦略特区法の附則におきましては、こうした提案募集をされたときに御希望がある自治体ということで、関係自治体との協議の状況を踏まえながら、この法律の施行後一年以内を目途として具体的な方策について検討を加えて必要な措置を講ずるというふうにされたものでございますが、その後の検討結果に基づきまして、今回特区法の改正法案を提出いたしておりますけれども、そのときの考え方は、グローバル人材の育成や個性に応じた教育など多様な価値に対応した公教育を可能とするために、教育委員会の一定の関与を前提として公立学校の運営を民間に開放する措置を盛り込んでいるところでございます。
 なお、今年の五月一日に特区の区域を指定をしておりますが、その際に、併せて各特区ごとに区域方針というのを定めておりまして、関西圏につきましては、その区域方針ではチャレンジングな人材の集まるビジネス環境を整えた国際都市の形成ということを目標として掲げております。その中で、特区で実施が見込まれる事業として、国際ビジネスを支える人材の育成という事業をやっていこうというようなことを掲げておりまして、そういった特区での大きな目標というものを念頭に置きながら今回の公設民営学校というのを捉えていただければと思います。
#49
○斎藤嘉隆君 まだちょっと自分の中でなかなかしっくりこないので、これは内閣委員会でも、私、是非出席させていただいてお聞きをしたいというふうに思っています。
 学校教育における教育委員会の役割というのを無にするような形の特区であってはならないと思いますし、その関わりをどう担保していくかというのは極めて重要だと思います。それから、文部科学省としても、今度、公設民営学校が進んでいくに当たって、いわゆる教育の継続性とか安定性とか、いわゆる教育委員会制度の根幹になっている部分についてもどのように担保していくかというのは、これは文科省さんの大きな役割だと思います。
 今日はちょっと時間が来てしまいましたのでこれぐらいにしたいというふうに思いますが、是非、学校教育法とか地教行法とか、こういう理念に沿った形での公設民営学校の在り方というのを今後議論してまいりたいと思います。
 時間ですので以上にします。ありがとうございました。
#50
○新妻秀規君 おはようございます。本日は、学校防災、とりわけ津波対策についてお尋ねをさせていただきます。
 この春、四月に、神奈川県の藤沢市の湘洋中学校に津波防災の視察に行ってまいりました。本当に海岸の目の前にある学校です。一たび大地震が起これば、最大の予想の津波の高さが十・七メートル、しかもこの津波が来るまでの時間が十分しかないという屋上がない三階建ての学校です。PTAは、生徒が安全に避難できて、また地域の住民の方が避難の生活の拠点になるような施設の整備を市長に求めている、このようにも伺いました。
 折しも二週間前、十月の二十八日に文科省から公立学校施設における津波対策状況調査が発表されました。この資料からは津波対策について様々な課題が読み取ることができます。まず、この資料に基づいて、ハード面の整備状況の地域差の是正について伺おうと思います。
 お手元の資料を御覧ください。先ほど申し上げた公立学校施設における津波対策状況調査からの抜粋です。この資料一の左側の緑の円グラフを見ますと、この全体二千八百六十校の中、施設の対策、検討中というところは千六十六校あります。次、一枚おめくりいただきまして資料二を御覧ください。この千六十六校、これ右から六列目が、検討中という学校が各都道府県別に示されています。この都道府県別の全体の学校、津波による浸水が想定される学校のうち、この右から六列目、検討中という学校の比率を見てみますと、一番右側に、検討中の割合という我が事務所で計算をした値を付けました。すると、一番下の鹿児島県では七九%、大阪府では七二%、広島県では六九・八%、こうしたかなり検討中という比率が高い都府県もあれば、一方で検討中ゼロという、そうした府県もございます。
 この地域差にどのような原因があるのか、またそれをどのように是正をしていくのか、御答弁をお願いをいたします。
#51
○政府参考人(関靖直君) 文部科学省では、津波対策の全国的な概況把握を目的といたしまして、今御指摘のございました全国の公立学校施設における津波対策状況調査を実施をいたしまして、結果を公表いたしました。
 御指摘のとおり、施設整備による安全対策を検討中と回答があった学校数は都道府県ごとに差があるわけでございますが、幾つかの教育委員会に聞きましたところ、東日本大震災以降、国から南海トラフにおける新たな巨大地震モデル等が示され、それを踏まえた津波対策について現在検討しているものもあると聞いております。
 この調査結果を受けまして、文部科学省では十月の二十八日付けで学校設置者に対しまして通知を発出し、各地域の実情を踏まえ、防災部局等と連携をいたしました早期の津波対策の検討について要請をしたところでございます。
 今後とも、学校設置者の津波に対する防災意識の向上が図られるように、事例の収集や提供、普及啓発を行いますとともに、必要な予算の確保に努め、取組を支援してまいりたいと考えております。
#52
○新妻秀規君 これ、本当に急がなくちゃいけないと思います。地震、津波、本当にいつ起こるか分からないという状況で、検討している間に万が一のことが起こってしまったってもう言い訳はできないと思いますので、本当、もう入念なフォローアップをお願いをしたいと思います。
 次に、一部かぶる質問ですが、ハード面の整備についてお伺いします。
 ハード面の整備では、今も御答弁ありましたとおり、国からの財政支援、非常に重要だと思います。これについては、本年三月二十六日、参議院の復興特で我が党の山本香苗議員からも、特に地震・津波対策に関わる避難路と避難階段の整備について国の財政支援の拡充を訴えさせていただきました。当時の西川文部科学副大臣より財政支援の強化に努力したい旨答弁をいただいておりますが、その後の取組状況はいかがでしょうか。答弁をお願いします。
#53
○政府参考人(関靖直君) 避難路の整備を含めまして、学校の防災機能の強化、極めて重要でございます。このため、従来から避難路や外階段の設置、備蓄倉庫の整備等を国庫補助の対象としております。さらに、本年七月には地方公共団体に対しまして、活用できる財政支援制度を周知をいたしまして、引き続き防災機能の強化に取り組んでいただくよう要請をしたところでございます。
 また、平成二十七年度の概算要求におきまして、防災機能強化を推進するために必要な予算額を計上いたしますとともに、地方負担の軽減について総務省と協議をしているところでございます。
#54
○新妻秀規君 成果を取れるように、更に取組を強化をお願いをしたいと思います。
 次に、ソフト面での防災対策について、また地域差についてお伺いをします。
 先ほど述べました湘洋中学校では、生徒を安全な場所に避難させるための訓練を全校を挙げて継続的に行っています。避難開始から避難完了までのタイムを年々改善していると伺いました。いざというときに靴を履き替えている時間がもったいないということで、上履きのまま避難できるように上履きを変えたり、そんなような細かい改善を繰り返しているというふうに伺っています。
 まさに、いざ津波というときの対策が決まっていなかったために、あの東日本大震災では大川小学校の悲劇が起こってしまったわけです。
 こうした教訓を踏まえて、震災後一年となる平成二十四年三月、今から二年半前ですけれども、学校防災マニュアルの地震・津波災害対策編が配布をされたと承知をしております。これを受けて、各学校で現場に即した災害対応マニュアルの整備そして避難訓練が行われていると思うんですけれども、その実施状況はいかがでしょうか。また、もし地域差があれば、どのように是正をしていくのか、御答弁をお願いをいたします。
#55
○政府参考人(久保公人君) ソフト面の防災対策、避難マニュアルの整備状況あるいは避難訓練の実施状況でございますけれども、直近の調査ですと二十四年度の調査でございます。この時点におきますれば、学校における災害に対する危機管理マニュアルの作成率は九割を超えておりますけれども、先生おっしゃられたように、津波等個別の災害につきましての対応マニュアルの作成あるいは避難訓練の実施状況につきましては地域差がやはりございます。現在、その後、二年たって今どうなっているかというのは現在調査中でございまして、集計次第また公表させていただきたいと思ってございます。
 文部科学省といたしましては、立地条件等の学校の実情に応じた防災マニュアルの作成を促しますために、今御紹介いただきました学校防災マニュアル、危機管理マニュアルと一般的に言ってございますけれども、この手引を全国に配布いたしまして、これを踏まえて適切なマニュアルを作るようにいろいろ指導してきておりますし、各学校の防災マニュアルあるいは防災訓練に対するチェック、助言を行う学校防災アドバイザーの派遣も行ってきているところでございます。
 今後も、これらの取組によりまして、各学校における防災対策が一層充実するよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#56
○新妻秀規君 地域差があるということで、様々な取組が行われているという御答弁でございましたが、やはりこれも急がなくちゃいけないと思います。
 私も二年前まで飛行機を造る仕事をしておりましたが、名古屋港の臨海地域の工場に勤めておりました。あの大震災のときに、愛知だったのに物すごい揺れたんですよね。逃げたところはどこかというと、工場の中庭だったんです。もしも津波があったら、モータープールの車がどんどんぶつかってくるし、津波にのまれるし、もう一網打尽なわけですよね。今では、その震災の反省を受けて様々な避難訓練、また対策が組まれるようになりました。なので、もしもそういうことが決まっていなければ、本当に、私がいたところでは社員が死ぬ、学校では生徒が死んでしまうわけなんですよね。なので、こうした地域差をなくす取組、本当に実効性がある避難訓練、こうしたことの促進をお願いをしたいと思います。
 最後に、児童生徒を守るための学校防災力の強化に向けた大臣の決意を伺おうと思います。
 地域社会にとって、学校は子供の命を預ける施設であります。また、一たび災害が起こったら避難所としての役割を期待される場合も多いと思います。本年の通常国会で成立しました改正地教行法によりまして首長と教育委員会が協議を行う総合教育会議が新設されましたが、ここで取り上げる重要な議題の例として、防災が施行通知に明記をされたと承知をしております。また、その法案審議の際行われました参考人質疑では、岸裕司参考人から、コミュニティ・スクールの活動においても防災は柱の一つであることが述べられております。
 学校防災について、ハード、ソフト両面における様々な取組を総動員して、また自治体、地域社会と連携をして児童生徒を守る必要があると思いますが、最後に大臣の御決意を伺います。
#57
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、学校が児童生徒等の安全確保や地域の避難所としての機能を十分に果たせるようにするために、ハードとソフト両面における防災力の強化が必要であります。そのために、平成二十七年四月から各地方公共団体に設置される総合教育会議を活用するなどして、首長と教育委員会とが十分に連携を図り、学校、教育委員会と防災担当部局や地域住民等との協力関係を密にすることが不可欠であると考えます。
 文科省としては、今回の津波対策状況調査の結果等を生かしつつ、今後とも、ハード、ソフト両面における学校の防災機能強化のため、各地方公共団体の取組を強力に後押ししてまいります。
#58
○新妻秀規君 力強い御決意ありがとうございました。本当に実効性がある対策を更に推進をしていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#59
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。今日は大臣に、オリンピック担当大臣として質問をさせていただきます。
 私は、この委員会で以前にも何度か、オリンピックに向けて、たばこ対策として受動喫煙防止法とかあるいは東京都の条例、こういうものをしっかりと作っていかなければいけないと。それは、国民の健康増進につながるのは当たり前ですけれども、やはりこれはオリンピックをやる都市としてしっかりとやっていかなければいけない、その理由としてオリンピックに関係する国際機関がそれを求めているということをずっと訴えてまいりました。
 私は、それを確認するために、今年の九月にジュネーブ、ローザンヌを回りまして、WHO、IOC、そして条約の事務局、FCTC事務局、全て回って、その認識を確認をしてまいりました。その中で、ちょうど九月の初めに舛添東京都知事が、オリンピックを成功させるためにも議会の御理解をいただいて受動喫煙防止の条例を作っていかなければならないと考えているという表明がありまして、非常にその回った国際機関でも期待度が高まっておりました。
 それで、今日はその資料を用意したので、ちょっと大臣にも、委員の皆さんにも御披露させていただきたいと思います。
 まずは、世界保健機関、WHOのたばこを担当しているダグラス・ベッチャーさんが舛添知事に書簡を、激励文を書いてくれました。この四つ目のパラグラフをちょっと見てください。
 WHOの技術的サポートとIOCの全面的な合意の下、各地域のオリンピック組織委員会は、他分野の協力を得て、オリンピック大会を完全にたばこフリーとしてまいりました。もう法律があるところはその法律にのっとって、そして、そのような法令がない国あるいは都市では、オリンピック開催までに、開催都市をスモークフリーにするための対策、これは条例だとか法律、適切な方法を講じていますと。こうやって、北京大会あるいはソチ・オリンピック、全てしっかりと条例なり法律を作っていただきました。
 その下のパラグラフに、二〇二〇年東京オリンピックをたばこフリーにする目標実現に向けて私どもが全面的に支援することを表明いたします。私どもは、東京がスモークフリーシティーになり、オリンピック大会をたばこフリーとする措置を実施することを望んでいます。僣越ながら、私どもには、速やかにそのためのテクニカルアシスタンスを提供する用意がございますと。
 次のページをめくっていただきますと、これは、日本も加盟をしている、参加をしているたばこ規制枠組条約の事務局長ベラ・ルイーザさんが、やはり東京の舛添知事にお手紙を書いていただきました。
 三つ目のパラグラフを見ていただきたいんですが、IOC、国際オリンピック委員会は、二十年前からスポーツイベントをたばこフリーで行うことを基本方針としております。二〇〇〇年のシドニー・オリンピックにおいては、会場が全てたばこフリーとされました。これは、レストランを含めて職場の完全禁煙と、たばこの宣伝、販売促進、スポンサー活動を禁止したシドニー市条例に基づいて実施されたものでした。オリンピック開催都市はこれに倣って会場の禁煙化を進めました。
 その次の行。東京をたばこフリーオリンピックの運動の列に参加させるだけでなく、東京の全ての職場と公衆の立ち入る施設を完全禁煙にすることによって、他の地域さらには日本全体にたばこの煙のない環境を実現することが、たばこ規制対策に大きな貢献をもたらすというメッセージを発信することになりますと。
 その次のパラグラフで、東京がそこに住む人々にとってより健康的な環境となることを目指す受動喫煙防止法令の制定と実施を全面的に支持、応援申し上げます、こう、たばこ規制枠組条約の事務局長も申しております。
 もうこれ以上は避けますが、次のページは、実はこれも驚いたんですが、その次の次ページをめくっていただくと、要するに医療団体ですね。世界医師会、医師会の世界組織です。国際の歯科医師会の世界組織、それから理学療法士の世界組織、薬剤師の世界組織、看護師会の世界組織、この医療関係五団体というんでしょうか、もうこの団体も、総力を挙げて東京がオリンピックに向けて受動喫煙防止条例なり防止法を作ることを全面的に支援したい、こう言っているんです。
 私は大変意を強くしたんですが、実はこれ、国際機関からのこういう要請というふうに捉えられていないところがまだありまして、東京の中にも相当な抵抗勢力があって、そんなことをやるかどうかは俺らの勝手だろうというようなことを平然と言う方もいらっしゃいます。
 まず、大臣、国際機関、特にオリンピックに関係するIOCやWHOや、あるいは日本が条約を結んでいるFCTC、こういう機関が、東京オリンピックに向けて受動喫煙防止法なり防止条例をしっかり作らなきゃ駄目だ、みんなオリンピック開催都市はそれをやってきているんだと。東京がそれをしっかりやる、日本がそれに動くのであれば全面的に支援するから、この機会にしっかりやりましょう、こう言っているんですね。さあ、これについて、オリンピック担当大臣、いかがお考えでしょうか。
#60
○国務大臣(下村博文君) まず、松沢委員が受動喫煙防止に関して精力的に活動され、またこの度はスイスまで行かれて関係機関の方々とお会いになって進めておられるその行動、心より敬意を申し上げたいと思います。
 御指摘の二〇一〇年にIOCとWHOとの間で取り交わされた合意文書が目指している健康的なライフスタイルと草の根のスポーツ活動を広げていくこと、これは大変有意義なことだと考えます。また、受動喫煙防止対策を講じることは、これは御指摘のように、健康寿命を延ばすこと、また東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けたおもてなしの環境づくりという観点から重要であるというふうに認識します。
#61
○松沢成文君 そこで、国際機関は、東京がオリンピックをやるわけだから、まず東京で受動喫煙防止条例を作ってほしいと。ただ、オリンピックは東京だけじゃなくて、例えば宮城のスタジアムとか札幌のスタジアムとか、私はちょっと異議を申し立てていますが、ゴルフも埼玉県の霞ケ関カンツリー倶楽部とか、東京以外でもやるわけですね。それから、選手たちは合宿地として日本国内いろんなところに行くわけです。
 ですから、そういう意味では、東京都の条例だけでなく日本国が、日本は国土が狭いですから人の移動も激しいので、自治体の条例だけでなく法律をしっかり作っていかないと、これ対応できないわけですね。国際機関としても、条約に入っているのは日本国なんだから、日本国としてしっかり取り組んでいただける、そこまでやってほしいということなんですね。
 そこで、オリンピックに向けて東京都と、舛添知事もかなりやる気になっていますので、国ですね、担当大臣あるいは組織委員会の下に、しっかりとこのたばこ問題に取り組んでいく、受動喫煙防止条例なり防止法を国際スタンダードに合ったもので作っていく、そういう検討会議というものをつくって進めていただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(下村博文君) まず、国の方に関しての法律がどうできるかどうかと。
 これは、松沢委員からも、またほかの委員からも国会で何度も取り上げられたことでもありますので、私の方で内閣官房オリパラ室に指示をし、今、厚生労働省において、近年のオリンピック開催地の受動喫煙に関する法規制の状況を調査をさせました。ほとんどの開催地において、御指摘のように、何らかの形で強制力を持った法制上の措置が講じられているとの調査の結果が上がってきております。
 その上で、今後の対応については、関係省庁におきまして専門家や関係者の意見を聞きながら引き続き検討が進められるように促してまいりたいと思います。
 また、東京都の舛添知事には、この国会での取り上げられたことを含めて、東京都でも独自に条例制定考えたらどうかということも私の方からも申し上げておりますが、東京都とそれから国全体の関係でもありますが、これはオリンピック組織委員会の中に知事とそれからオリンピック担当大臣と組織委員長とそれからJOC、JPC、ボードメンバーとして入っております。そういうところで問題提起をさせていただきたいと思います。
#63
○松沢成文君 いや、大臣の積極的な姿勢、私も本当に心強く思っております。
 それで、各国際機関がやはり言っていたのは、国際的なきちっとした基準、つまり強制力を持った条例なり法律にしてほしいと。これ、二つ条件があるんですね。
 一つは、公共的室内空間は原則禁煙を目指すべきだと。分煙でいいんでしょうというのは駄目なんだということですね。ですから、原則禁煙で、どうしても分煙措置をとるところは完全分煙、要するに席分煙なんかは全く駄目ですと。絶対に空気が漏れないように完全な形の分煙、喫煙室を造ってきちっとやる、まあそれでも本当は不合格なんですが、とにかく原則禁煙だということですね。
 それからもう一つは、罰則のある、これは行政罰でいいと思うんですけれども、法律なり条例にしないと、強制力が全くなくなると。実は、大臣御承知のとおり、健康増進法の第二十五条で、事業者は受動喫煙防止をしなければいけないという努力義務はあるわけですね。努力義務がもう法律であっても、日本の場合はほとんど守られないので、居酒屋に行ってもホテルに行ってもたばこ吸い放題というところはあるわけです。ですから、そういう意味で罰則付きの法律や条例。
 この二つを守っていただかないと、幾ら条例作りました、法律作りましたといっても、それは全く国際的には評価されずに、オリンピックで来る観光客や選手たちは何だ日本はということになってしまいますので、ここを是非とも御認識いただきたいと思います。
 大臣、最後に、舛添知事もロンドンを視察してきて、各競技会場とかあるいは町づくりの現場とか、さらには選手村みたいなところも全部回ってきて、そのときにロンドンの市長さん始め皆さんに言われたのは、とにかくレガシー。オリンピックをやったことによってそれが後世のロンドン市民、英国国民に本当に良かったなと思ってもらえる遺産をどう残せるか、それをしっかり考えて施設の整備もしなきゃ駄目ですよと言っているんですね。ですから、後で本当に使いやすいスタジアムなのか、あるいは、後で一般の人もそこに入ってすばらしい生活ができる選手村なのかですね。
 その意味で、オリンピックはバリアフリーを目指しています。ですから、私はバリアの中にたばこの煙もあると思うんですね。たばこを吸わない人にとっては、たばこの煙は本当にバリアです。ですから、そのバリアフリー化の中にスモークフリー化も入れていただいて、今回、受動喫煙防止法をしっかり作っていくことが、オリンピックの健康的遺産、つまりヘルスレガシーになるという思いでやっていただきたいと思いますが、大臣、一言、最後よろしくお願いいたします。
#64
○委員長(水落敏栄君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
#65
○国務大臣(下村博文君) 個人的には、私、たばこ吸いませんから、おっしゃるとおり、同感をいたします。
 ただ、御指摘の立法措置については、これは第一義的には法律を所管するのが、厚生労働大臣が判断する事柄ということにもなります。この問題に関する国民各層の様々な意見、議論の趨勢や東京都における検討状況なども見極めつつ、関係省庁において、しかし積極的に検討していくべきことだというふうに考えます。
#66
○松沢成文君 どうもありがとうございました。
#67
○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。
 今日は、防災対策並びに学校安全、安全教育などについてお聞きをしたいと思います。
 改めて言うまでもなく、今年は大雪が降ったり、あるいはゲリラ豪雨や土石流や、ひょうも降りましたが、本当に相次ぐ自然災害で大きな被害を受けました。改めて、お亡くなりになった方の御冥福をお祈りを申し上げ、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思いますが。
 こういう異常気象はこれからますます頻繁に起きるだろう、異常が異常でなくなって当たり前になってくるだろうと言われたりもしますし、そのためにもこの予測技術を向上させる、そのことが被害を軽減させていく上で大変重要なことだと思いますけれども、せっかく日本にはすばらしい科学技術があるわけで、このいわゆる突発的な局地的なそういう自然災害などをより早く、またより詳細に予測ができれば多くの人の命が救われることにもなりますし、その技術は、世界に輸出するあるいは移転することによって世界のそういう国々の人々の命や財産を守ることにもつながると、そういうことで非常に重要なことだろうと思っています。
 そこで、このゲリラ豪雨や竜巻などの異常気象による被害を軽減していくためにも、今後どのようにそのような早期の予測技術の開発をしていくのか、また、大事なことは産業界やあるいは関係機関などとも連携をしてこの社会実装の実現を図っていくということだと思いますが、こういったことについてどのように取り組んでいくのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
#68
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、早期予測技術の確立及び社会への実装は、我が国にとって喫緊の課題であるというふうに認識しております。
 文科省としては、平成二十七年度概算要求におきまして、独立行政法人防災科学技術研究所を中心とした大学や産業界等の知見や技術を結集して、例えば一時間先のゲリラ豪雨の予測や市町村単位に範囲を絞った竜巻の予測など、自然災害を早期予測するシステムを確立するとともに、地方自治体等の参画も得ながら、地域の特性に合わせて全国展開する取組を新たに要求しているところでもございます。異常気象による自然災害から町や人命、財産を守るため、本取組を着実に実現をし、安全、安心な地域社会の構築に貢献してまいりたいと考えております。
#69
○柴田巧君 是非、その早期予測技術の開発、また社会実装に向けてしっかりと歩んでいっていただきたいと、力を入れていただきたいと思います。
 次に、日本海側の地震、津波のことについてお聞きをしたいと思いますけれども、先般、国としては初めて、日本海側の津波や地震、地震が起きた場合にどのような速さで津波が到達してどのような高さになるかなどの統一的な見解、予測が初めて公表されました。
 一般的には、どうしても太平洋側で地震が多いというイメージが強いんですが、明治以降二十回、死者が百人以上出た津波、地震が起きておりますが、そのうちの約八回は、約半数近くやはり日本海側で起きているわけですね。戦後で言っても、昭和三十九年の新潟地震、同じく昭和五十八年の日本海中部地震、また平成に入ってからも北海道の南西沖地震などが起きて、深刻な津波被害が生じたわけです。
 しかしながら、太平洋側に比して、そういう調査研究、歴史的な記録も少なく地質調査も進んでいませんし、いろんな観測データが不足をしているというのが現実でありまして、東日本大震災後に制定をされた津波防災地域づくり法というのがございますが、これは都道府県で津波で浸水する地域ごとの水深を想定することになっていますが、そういう基礎データが日本海側はありませんので、日本海側についてはほとんど想定づくりが進んでいないというようなことが現実なわけです。
 そういう中で、今回のこの統一見解、予測が示されたわけですけれども、その予測によれば、日本海側は海底の隆起、沈降によって地震の規模の割に津波が高くなると予想されていまして、最大規模の地震が七・九、これによって十六道府県、日本海側のですが、津波の高さは、一番高いところで崖地では二十三メートル、人家のある平地部でも十二・四メートルと予測をしております。また、日本海側では断層が陸域に近いがゆえに、ほんの僅かで津波が到達する。私の地元の朝日町などは僅か一分でまず第一波が到達するだろうと言われておりますし、大陸との間が距離が短いので、何度も津波が押し寄せるだろうと予測をされているわけです。
 こういう具合に、初めてこういう統一見解、予測が出たことの意味は大変大きいと思っておりますが、これが最終点ではなくて、これを一つのきっかけに、やっぱりしっかり議論を深めていかなきゃならない、あるいは観測データを更に積み重ねていかなければならないだろうと思います。
 文科省としても、昨年度からプロジェクトを立てて日本海側の地震・津波調査を独自にやっていますが、今回の統一見解を出たことを機に、さらに日本海側での、未知の断層が見付かる可能性もあろうかと思いますが、しっかり調査研究を進めていくべきだと思いますが、どのように取り組んでいくか、お尋ねをしたいと思います。
#70
○政府参考人(田中敏君) 先生御指摘のとおり、津波防災地域づくりに関する法律に基づきまして、各都道府県が行う津波浸水想定時の防災対策ということに資するために、国土交通省、内閣府防災担当、そして文部科学省を事務局といたしまして、日本海における大規模地震に関する調査検討会、これを設置をいたし、本年八月に報告書を取りまとめたところでございます。
 文部科学省におきましては、データが不足をしております日本海の地震、津波の調査研究に関しまして、平成二十五年からの八年間の計画で日本海地震・津波調査研究プロジェクトということを取り組んでございます。海域の地下構造の把握など、これまで北陸沖の沿岸をやりましたけれども、これからも九州沖あるいは北海道沖というふうに進めていくところでございます。今回取りまとめられた報告書において採用されております断層モデルの設定ということに本プロジェクトの成果ということも生かされているところでございます。
 このプロジェクトにおきましては、今後更に新たな領域における沖合あるいは沿岸域を含む調査ということを進めまして、それらの成果を反映した震源断層モデルあるいは津波波源モデルの構築に関する調査研究を進めていくということとしてございまして、これらの成果が、適宜、地域防災対策に活用されるよう全力で取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
#71
○柴田巧君 長らく、日本海側はそういう地震や津波の研究の空白域が多くあったわけですが、今回の統一見解によって、また文科省が更に進めることによって、そういうところがなくなるように、そしてまた、そのデータが防災活動などにしっかり資するようになるようにしっかり調査研究を進めていただきたいと思います。
 次に、学校の安全、安全教育について、残る時間お聞きをしたいと思いますが、先ほどからも津波のお話がありましたし、私も申し上げましたように、いつ何どき、どういう自然災害が起きるかもしれません。また、登下校中に子供が巻き込まれる交通事故も頻繁に起きておりますし、学校外における不審者による子供の安全を脅かす事件なども発生をしているところであって、子供の安全確保が喫緊の課題になっているのは言うまでもありません。
 そういう中で、やはり安全教育というのは次の世代の安全文化の構築につながる教育活動でもあり、発達の段階に応じて系統的、体系的な教育が継続されるのがやはりあるべき姿だろうと、重要だろうと思います。
 そのためにも、主体的に行動する態度を育む教育であったり、危険を予測し回避する、そういう能力等を身に付ける、あるいは共助、公助に関する教育の充実をしていくというのは大事なわけですけれども、これまでは学習指導要領上も必ずしも系統立っていろんなそういったものが行われてこなかったというところもありますし、いろんな教科にはそれぞれそういうことをやっているわけですが、その関係性がはっきりしなかったり、重点的に指導する事項が明確でなかったりしたわけです。
 そんな中で、先般、中教審の学校安全部会が、大規模災害や事故、事件、そういったものから児童生徒を守るために、小中学校や高校の各教科において、防災や生活安全に関する内容を充実させるよう報告書をまとめるとされております。これを機に、これをしっかり受け止めて、学習指導要領をしっかりそれを反映させていくということが大事だろうと、そしてこの安全教育がしっかり展開されることが求められると思いますが、どのようにこれを反映させていこうと考えていらっしゃるのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
#72
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、中教審の学校安全部会においてのまとめに対応して安全教育の系統性を示すことなどによりまして、指導時間の確保を図ることや、指導体制の充実等の環境整備を図ることなどが柱となる予定であり、学習指導要領におきまして、例えば総合的な学習の時間の学習活動の例示として安全教育を追記することや、特別活動におきまして安全指導を行うことを明確に位置付けるなども検討されております。
 文科省としては、本部会の審議のまとめを踏まえつつ、次期学習指導要領改訂に向けての全体の議論の中で安全教育の充実の在り方について検討してまいります。
#73
○柴田巧君 もう時間が来ましたので終わりますが、このいろんな教材の開発もそうですし、指導要領に反映させていくということももちろん大事でありますが、教員の養成課程から、そういうことがしっかり指導できるような、指導力の向上や指導の充実などにも是非努めていただきたいことをお願いをして、時間が来ましたので終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#74
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 九月二十五日、NHKの「クローズアップ現代」で「おなかいっぱい食べたい」というタイトルの番組が報道されました。
 農家や企業から規格外の商品を集めて福祉施設などに提供しているNPO法人フードバンク山梨と新潟県立大学が調査をしたところ、フードバンクの支援対象で子供がいる二百六十九世帯のうち、主食、主菜、副菜がそろったバランスの取れた食事を一日のうち一度も取っていないという世帯が実に八六%であるということや、一人当たりの一日の食費は平均で三百二十九円、半数近くが三百円以下、中には百円以下という世帯まであって、栄養不足で体重が減っているとか貧血で倒れるなど、子供たちの健康に悪い影響を与えているということも番組の中で指摘をされていました。
 子供の貧困対策の大綱では学習面での支援ということは強調されていて、私もこれは必要なことだと思うんですけれども、一方、この学びの前提でもある食事が満足に取れていない、こういう実態が現実にあるわけで、やはりこういう学ぼうという意欲が持てない現状、あるいは食の支援の必要性について、これはいろんな認識、必要だと思います。大臣の見解をまずお聞きしたいと思います。
#75
○国務大臣(下村博文君) それは本当にそのとおりだと。
 私自身が、今後、フリースクールを支援していこうということで、川崎市で、ある意味では唯一に近いかもしれませんが、公的支援をしている、フリースクールに対して支援をしている、その視察に行きました。「フリースペースえん」というところが受皿になっているんですが、ですから、自己負担は全く掛からないんですが、唯一お昼代二百五十円だけは自己負担すると。
 その関係者に聞きましたら、本当にその日の食事もまともにできない子供たちが多いと。もしできるとしたら、三日前、コンビニで買ってきた冷蔵庫に置いておいたおにぎりを温めて子供に食べさせるみたいな、そういう、家庭でまともな食事ができていないので、二百五十円で自分たちで食材を買ってきて料理して給食といいますか、お昼を作ると、それを食べると。それが生きる力にも、育むことになっているということを実際目の当たりにいたしましたが、是非、この子供の適切な栄養摂取による健康の保持増進、これはしっかり文部科学省も今の時代に合わせた対応を考えていかなければならないと思います。
#76
○田村智子君 この夏、厚生労働省の科研費補助金による研究、世帯の経済状態と子供の食生活との関連についての実証的研究というものの中間的報告が行われました。その中で、低収入の世帯の児童は休日の朝食の欠食が多い、それから家庭での野菜の摂取頻度が低い、インスタント麺やカップラーメンの摂取頻度が高い、こういうことが指摘をされたわけです。こうした調査からも、栄養バランスの取れた食事は学校給食だけという子供たちが少なくないということが推測されます。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 学校給食法は、学校の設置者に学校給食の実施に努めるよう求め、地方公共団体や国の責務として学校給食の普及を位置付けています。ところが、中学校について見ますと、完全給食を実施している学校はいまだ八割、特に横浜市、川崎市など大規模な自治体で実施が進んでいません。
 文科省は、中学での学校給食実施が、完全給食ですね、これが八割にとどまっている現状とその要因というのをどうお考えになっていますか。端的に。
#77
○政府参考人(久保公人君) 中学校での実施率が低い理由につきましては、各教育委員会から事情を伺いましたら、やはり施設面、人員面での財政的な課題がある、あるいは弁当の方が保護者と子供の関係を深める等の教育的効果があるなどが理由として挙げられているのでございますけれども、中学校における完全給食の実施率は年々増加してきているところではございますし、文部科学省といたしましても、できるだけ学校給食を実施できるように、望ましいという要請はしてきているところでございます。
 今後、学校給食の教育的意義に鑑みまして、関係者の理解を深めますとともに、学校給食充実のための取組を進めていきたいと考えておるところでございます。
#78
○田村智子君 中学校給食を実施していない学校の様子について少し聞き取りをしてみました。ある女子中学生は、お弁当を作ってもらえないし買えない、昼食の時間はトイレに隠れている。別の中学生は、友達から少しずつ分けてもらったり、給食の時間は机に伏して寝ているふりをしていると。学校の先生もどうしていいか分からないと、ある先生は見かねて子供にお昼御飯の代金を渡していると、こういうことも聞きました。また、訪問看護を行っている人からは、親御さんが心を病んでいて食事の支度ができない、夕食もスナック菓子という家庭もある、とても弁当を持っていくことはできないだろうと、こういう指摘もありました。
 給食を実施していれば、給食費は就学援助の対象になります。しかし、給食がなければ、お昼御飯を食べることへの支援というのは何もないというのが実態です。
 大臣、栄養バランスの取れた温かくておいしい学校給食を家庭の実態にかかわらず子供たちに差別なく提供する、これは子供の貧困対策として非常に重要な意味を持つと思いますが、いかがでしょうか。
#79
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、学校給食費については、生活保護制度による教育扶助や就学援助制度による補助を行い、低所得世帯への支援を実施しているわけであります。また、学校給食実施基準の制定や優れた学校給食の取組に対する表彰等を通じて優良事例の普及を図るとともに、各学校における適切な栄養の摂取による健康の保持増進のための取組を推進しているところであります。
 学校給食を実施していない自治体は、先ほど局長からも答弁がありましたように、弁当の方が保護者と子供の関係を深める等の教育的効果が期待できるとか、あとはまあ施設面、人員面の財政的な問題とかありますが、なかなかそうは言えない家庭状況が特に貧困家庭等であることは事実でありますので、是非、今後、子供たちが栄養バランスが良くておいしい給食が食べることができるような学校給食の充実について、文部科学省の方でも働きかけてまいりたいと思います。
#80
○田村智子君 この中学校での学校給食をと求める運動も粘り強く取り組まれているんですが、先ほどあったように、調理施設の設置にお金が掛かるからと、これをやらずに、申込制のお弁当を給食だとしている自治体もあります。これがおいしくないとか、冷めているとか、結局子供たちがばらばらのお弁当を食べているというような実態が多数見受けられるわけです。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 学校給食法の第二条は、学校給食の目標として、適切な栄養の摂取による健康の保持増進、健全な食生活を営むことができる判断力を養い、望ましい食習慣を養うことなどとともに、学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うことということもうたっているわけです。ある自治体の首長さんは、みんなが同じものを食べるということで信頼感や連帯感が持てるというふうにも述べておられます。私も、みんなで同じ食事をするということが給食の原点だと思います。献立についていろいろ話をしたり、配膳の協力をしたり、何より一緒に同じ釜の飯を食うということが、社交性や協同の精神を養い、学校生活を豊かにする要素ではないかというふうに思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
#81
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の学校給食法第二条第三号、学校給食の目標として、「学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。」。ちょっとこの言葉はどうかなとは思うんですけれども、社交性に明るいとか暗いとか、そもそも給食で社交性というのもいかがなものかなというふうには思いますが、法律用語ですから、まあそれはそれとして、子供たちが給食の時間において友達と楽しく食事をしたり、給食の決まりを理解し、協力して食事の準備や後片付けをすることなどを通じて連帯感とか協同の精神を養うと、大変これは意義深いことであるというふうに思いますし、そういうことを是非進めていく必要があると思います。
#82
○田村智子君 これは規模の大きい自治体のその財政負担は確かに大きいと思います。それで後回しになったり、いろんな理由を付けて取り組めていないということだと思いますので、是非、給食の位置付け、先ほど大臣が答弁いただきましたように、やっぱり貧困の対策という意味もあるんだということなども是非自治体に理解をしてもらって、まだ実施していない自治体の背中を国としても後押しをしていただきたいと思います。
 最後にですけど、子供の貧困対策の大綱、ここは進学率ということについては指標も書き込まれているんですけれども、何度も指摘したとおり、成長期の子供にとって不可欠である食事については、これは学校や保育所でどういう食事を提供するかということなどの内容にとどまっていて、やはり食事がまともに取れていないということへの言及はないに等しいと言えると思います。
 給食費の例えば無償化に踏み出した自治体では、給食費の滞納を子供に督促しなくて済む、保護者の経済的な負担だけでなく子供への負担も減らすことができたという声なども聞かれているわけで、こうした施策などの検討も含めて、子供の貧困対策の大綱に、食の問題、まともな食事がどうしたらできるようになるのかというような問題も位置付けていくことが必要ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#83
○国務大臣(下村博文君) 子供の貧困対策におきまして、子供たちの食の問題は極めて重要であるというふうに認識しております。
 今年八月に閣議決定されました子供の貧困対策に関する大綱におきまして、この食の問題については、一つは、子供の食事、栄養状態の確保のため、低所得世帯への支援や学校給食の普及、充実及び食育の推進により子供の健康の保持増進に努めること、また二つ目に、児童福祉施設において食事の提供や栄養管理を行い、子供の健やかな発育、発達を支援すること、三つ目に、生活困窮世帯の子供を対象に、居場所づくりを含む学習支援事業等の支援を行うに当たっては、例えば、子供にとって食習慣の維持が不可欠であることに十分配慮するなど、対象者の状況に応じた個別的な支援を行うことなどの記述が盛り込まれております。
 文科省としては、この大綱に基づき、低所得世帯への支援や学校給食の普及、充実に関する各種取組を通じて子供たちの食に関する貧困対策に取り組んでまいりたいと考えます。
#84
○田村智子君 是非、学ぶ意欲が持てないような子供たちをどう支援するのか、ここが本当に貧困の対策として求められているところだと思いますので、今後とも是非積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#85
○中野正志君 次世代の党の中野正志でございます。
 再び、東北地方の医学部設置の問題につきまして質問をさせていただきます。
 十月十六日の文教委員会における質疑で、修学資金プラスアルファの拠出額に関する考えが、宮城県は八十億円、しかし東北薬科大は百五十億円、ギャップがあることが文科省としても認識していたことが明らかになりました。
 今後の問題は、この拠出負担のギャップ七十億円を誰がうずめるのか。これは設置主体であります東北薬科大学がもとより応分負担するべきものであると考えておりますけれども、どうも文科省は県や市町村に財政負担をしょわせるのではないか。本来、こうした奨学金制度は自ら全責任を負うべき性格のもので、宮城県が拠出負担すること自体、正直、前例のない破格の支援だと私は感じております。これは東北薬科大学構想の財源計画に大きく影響するという一面、同時に修学資金の規模を縮小するということにもなるわけでありますから、これまた構想そのものの変更に当たる重大な事態であると言わなければなりません。
 いずれにしても、東北薬科大学が応分負担できないということであれば、医学部の設置そのものの原点に立ち返って見直すべきであると思いますけれども、見解はいかがでしょうか。
#86
○国務大臣(下村博文君) 医師の地域定着を図るため、各都道府県が医学部の学生に対する奨学金を設けていることは現在でも行われているところでありまして、これは別に破格のことではありません。
 東北薬科大学の選定に当たっては、医師の地域定着を促すため、修学資金の仕組みについて東北各県と十分に調整を行うことを条件としておりますので、宮城県とだけでなく、東北のほかの県とも調整を行っていただきたいと思います。このため、東北地方の各県等が参加する運営協議会におきまして、東北地方の医師偏在解消のための方策を議論する中で、修学資金の費用負担の在り方については主要な論点の一つとして扱われるものと承知をしております。
 文部科学省としては、運営協議会の運営に当たり円滑な協議が行われるよう、必要な指導、助言を行ってまいります。
#87
○中野正志君 大臣の答弁ですから、そう言わざるを得ないのは分かります。
 ただ、運営協議会、七十億円ですよ、簡単にまとまると思いますか。宮城県が主体的な役割果たすわけにはいかないんです、もう、一私立大学ですから。まあそれはいいといたしまして。
 ただ、問題は、私たちの宮城県では、構想審査会、最終の審査会の開催の前日にもう東北薬科大学だと結論がリークされた。また、こういった修学資金の問題など、審査の過程においても多々不適切だなと指弾されるような、そう言われても仕方がないような対応が実は散見されるんであります。
 ですから、私たちの地元では、文部科学省は初めから東北薬科大ありきだったのではないか、そういう疑念の声が出ているんであります。少々の声じゃありません。こうした声に毅然と対応するためには、構想審査会が東北薬科大に付けた七つの条件を厳格にクリアすることが必要だと思います。一つ一つの条件を国民の皆さんが納得できるような形できちんとクリアしているかどうか、厳しくチェックをすることが何よりも求められております。曖昧な対応をすれば、審査結果に対する疑念がますます高まるということを肝に銘ずるべきなのであります。特に修学資金制度については、宮城県が拠出上限額を設けている中でどのように解決を図るのか、注視いたしております。
 これら条件がもしクリアされない場合には医学部新設は認められないとの理解でよろしいのかどうか、改めて確認を求めておきたいと思いますし、文部科学省として、まあ今大臣からはありましたけれども、どのように問題解決に当たるのか、改めてお尋ねもいたしておきたいと思います。
#88
○政府参考人(吉田大輔君) 文部科学省としては、今回の東北地方への医学部新設の問題につきましては、構想審査会におきまして、有識者による専門的、客観的な審査をしていただき、適正な選定が行われたというふうに考えております。
 東北薬科大学の選定条件、七つの条件がございましたけれども、その対応状況につきましては、東北薬科大学が設置認可申請を行う前に再度構想審査会を開催いたしまして、有識者による厳正な審査を行っていただく、こういう予定を立てておるところでございます。
 東北薬科大学におきましては、現在、七つの条件に対応できるよう準備を進めていると承知をしておりまして、文部科学省としても、運営協議会の運営に対する指導、助言を行うよう、東北薬科大学に対して支援を行ってまいりたいと考えております。
#89
○中野正志君 前回も申し上げましたけれども、県立大学であれば学費負担は私立大学の十分の一で済むんです、医学部なおさらでありますけれども。ですから、私たちは、一般の県民、庶民が、そして東日本大震災で被災して経済的に大変にお困りになっておられる家庭のお子さんでも、県立ならば何とか進学できると。地域医療を支えて被災地復興のために頑張りたい、高い志を持って医学部進学を希望していたたくさんの生徒たち、今回の決定には大変に落胆をいたしております。
 県立大学、その構想では、学費プラス生活費までも修学資金の対象としておりました。東北薬科大学の場合には、たとえ一人三千万円分の資金財源を用意できたとしても、学費全額分にも満たしません。生活費などは全て自己負担のままなんであります。まして、修学資金の拠出財源を確保できなければ更に負担が増えるということにもなりかねいたしません。
 今回の医学部新設、約四十年ぶりに国が門戸を開いたのは震災からの復興のためだったはずだと思います。経済面の不安なく進学機会の平等化を図り、復興に明るい希望の光をともすことができるのは、私はやっぱり県立大学こそ、なればこそ、ふさわしいのではないかと思っております。
 加えて、あえて申し上げますけれども、安倍内閣は今挙げて地方創生に取り組もうとしている中であります。お医者さん充足率の高い仙台市内ではなくて、あえて過疎地域に医学部を設置して、地域に根差した医学部を目指していたこの県立大学医学部構想を落としたということは、いかにも理屈に合わないことなのではないかなと思わざるを得ません。
 今回の安倍内閣の目玉政策であるこの地方創生、しかし、あえて言いますが、宮城県栗原市の佐藤勇市長はこう断じているんです。地方創生、地方の時代と大きなことを言っておきながら、医学部を仙台に持っていった、仙台一極集中を加速させるような政策を進める政府はおかしい、これは多くの宮城県民の代弁であります。
 地方創生関連法案、私も国対を預かっておりますから、すかすかした法案ではありましたけれども、道州制の問題、地方分権の問題、自民党がしっかり取り組みますと言うから、何とか次世代の党のまとめ方に頑張りましたよ。本当、この問題がなければ素直に賛成したいところではありますけれども、どうも引っかかる。
 文科省には地方創生の思想がないのではないかなと思っておりましたら、昨日の夕刊に、地方創生へ公立大活用、総務省、文科省、産業創出、地元就職促すという記事がありました。ただ、この仙台の宮城県の医学部新設構想、まごう方なく地方創生の思想からは、私は外れている。是非、見解をお伺いをしたいと思います。
#90
○国務大臣(下村博文君) 私の敬愛する中野先生の御意見でありますが、地方創生のその主張は、全く申し訳ありませんが、当たらないというふうに思います。
 今回の選定に当たっては、東北六県全体の医師偏在解消につながるという観点も含めて審査を行ったところでありまして、この点については、どの応募者の構想も一定の配慮がなされていたと承知をしております。
 東北薬科大学の構想については、石巻サテライトの設置や南三陸、登米等での地域医療実習の実施を通じた地域医療への貢献、東北六県への医師の定着を促す奨学金の設置などが盛り込まれております。
 また、選定に当たっては、各県、大学等と連携した運営協議会をつくり、東北六県全体の医師偏在解消につながる枠組みを確立し、仙台への医師の集中とならないようにすることや、宮城県北部等、東北各地域において滞在型の教育もできるようにすることなどを条件としたところでありまして、今後、同大学の医学部新設が、これは仙台の狭いエリアということではなく、宮城だけでなく、東北地方全体の復興に寄与するということを期待をしているものであります。
#91
○中野正志君 異議ありですが、時間ですので終わります。
#92
○委員長(水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト