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2014/11/11 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 財政金融委員会 第5号
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2014/11/11 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 財政金融委員会 第5号

#1
第187回国会 財政金融委員会 第5号
平成二十六年十一月十一日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     長峯  誠君     松山 政司君
     三宅 伸吾君     宮沢 洋一君
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     塚田 一郎君
     松山 政司君     長峯  誠君
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     石田 昌宏君     馬場 成志君
     宮沢 洋一君     堀井  巌君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         古川 俊治君
    理 事
                愛知 治郎君
                若林 健太君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
                藤巻 健史君
    委 員
                大家 敏志君
                伊達 忠一君
                塚田 一郎君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                森 まさこ君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                前川 清成君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    御法川信英君
       農林水産副大臣  小泉 昭男君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  宇都 隆史君
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       若生 俊彦君
       金融庁監督局長  森  信親君
       外務大臣官房審
       議官       伊藤 直樹君
       財務省関税局長  宮内  豊君
       財務省国際局長  浅川 雅嗣君
       厚生労働大臣官
       房審議官     山崎 伸彦君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       三宅  智君
       農林水産大臣官
       房審議官     永山 賀久君
       農林水産大臣官
       房参事官     梶島 達也君
       農林水産省生産
       局農産部長    柄澤  彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○経済上の連携に関する日本国とオーストラリア
 との間の協定に基づく申告原産品に係る情報の
 提供等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、三宅伸吾君、豊田俊郎君及び石田昌宏君が委員を辞任され、その補欠として塚田一郎君、馬場成志君及び堀井巌君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(古川俊治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定に基づく申告原産品に係る情報の提供等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省関税局長宮内豊君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(古川俊治君) 関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定に基づく申告原産品に係る情報の提供等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○尾立源幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の尾立でございます。
 それでは、早速、法律案についての質疑に移らせていただきたいと思います。
 まず、この日豪EPAというのは、二〇〇六年に交渉開始の合意がなされ、交渉を重ねて今年四月に首脳間で大筋合意をし、七月に署名がなされたものでございます。本当に長い間御苦労さまでございます。
 今回の法改正というのは、このEPA協定の締結を受けて、趣旨説明もございましたが、まずは豪州産牛肉に係るセーフガード措置、そして豪州産麦が飼料原料として使用され、食糧用に転用されないことを担保するための制度、さらには輸入貨物の原産性を確認する手続等を整備するための措置などが盛り込まれているものでございます。
 オーストラリアというのは、我が国にとっても貿易相手国としては第四位ということで、非常に重要でございます。さらに、このEPA協定が締結され、より貿易、投資を含む経済関係が二国間の間で発展し緊密化するということを望むものであり、今回の法改正にはまず賛成であるということを申し上げたいと思います。
 その前提で質問をさせていただきますが、今回新たに導入されました輸入貨物原産性確認手続について、これまでは輸出国の発給機関が原産地証明書を発給しているものについて、事業者の利便性を考慮して、これからは輸入者が自ら作成した申告書を提出する方法を新たに認めることになっております。言わば事前申請から事後チェックへと変わるわけでございますが、これによって、輸入国税関として輸入貨物の原産性を確認するための手続や、輸出国税関として相手国税関の情報提供要請に応える手続が必要となってまいります。そのため、税関職員には資料の提出や質問検査権が付与され、輸出国税関として相手国からの情報提供要請に応えるために情報収集を行う必要があるなど、新たな業務が発生するわけでございます。
 そこで、職員に新たな業務が発生するという観点から、税関職員を取り巻く状況について伺っていきたいと思います。
 まず、お配りをした資料一を見ていただきたいんですが、左の真ん中辺りに税関職員の定員の推移というのが書いてございます。二十六年では八千七百四十八名ということで、減少というふうに出ておりますけれども、当局として定員確保のために御努力いただいているということは常々承知しておりますが、平成二十三年以来、ずっとこれ減少し続けているんです。一方で、政府、我々は観光立国を目指す方針で、全国各地へLCCが就航したり、また訪日外国人の数を二〇二〇年には二千万人にしていこうと、こういう目標を掲げてやっておるわけで、これに対応する税関業務というのが私は生じてくるんだと思っております。そういう意味で、この定員が、今これが減少しているというのは、効率化がなされているのか知りませんが、少し逆行しているのではないかと思っております。
 その一例が、とりわけ薬物の密輸の水際阻止という点で議論をさせていただきたいと思います。
 今日、ここに日本地図が、一部が出ておりますが、いろいろな摘発事例が出ております。とりわけ覚醒剤の押収量の推移を見ますと、平成二十四年の三百三十二キロ、これは左上の図になりますが、この押収量であったものが二十五年には八百十六キロと二・四五倍に激増しております、L字型にぐっと上がっているのが見えていると思いますが。
 まず、現場の税関職員を中心とした御奮闘の結果であり、心からこれには敬意を表したいと思いますが、このように押収量が増加した要因というものを説明していただきたいと思います。
#7
○副大臣(御法川信英君) お答えいたします。
 税関においては、不正薬物の密輸入事犯に対して水際取締りを一層強化するために、外国税関当局や国内関係機関との情報交換の促進等による有効な情報の収集、分析の強化及びそれらの情報を利用したリスクマネジメント、エックス線検査装置、麻薬探知犬、その他の取締り検査機器の有効な活用、広域的な事案に対する警察、海上保安庁等関係機関との合同取締りの実施等の対策を講じておるところでございます。
 この結果、今お話がございました平成二十五年の覚醒剤の押収量は十三年ぶりに八百キロを上回り、我々の資料では約八百六十キロと過去三番目の押収量になったということでございます。
 内訳といたしましては、メキシコからの海上コンテナの貨物の中に、製粉機のローラーの中に二百キロ超、あるいは模造鉄鉱石の中に隠匿されていたものが二百キロ弱と、例えばこういう大きい事例が二件あったということがございます。
 また、航空機旅客による覚醒剤の密輸押収量が著しく増加をしておりまして、過去最高の約三百四キロとなっているというようなことが挙げられるというふうに思います。
#8
○尾立源幸君 今御説明ございましたように、航空機、航空旅客での増加というもの、前年比二四%増、また押収量も四九%増と、航空機の方も非常に増えておりますが、この図を見ていただければお分かりのように、特に大型、大口の密輸というのが海上から行われておるということがこれは一目瞭然だと思っております。そのために、税関、出入国管理、検疫について、物的、人的体制の整備をなお一層これ進めていかなければ我が国の安全は守られないと思っております。
 そういう意味で、空港での取締りは、改めて言うまでもなく、大型化、巧妙化する海上コンテナ貨物による密輸の検査体制の強化のために人員の大幅な増員が私は必要だと考えておりますが、政府としての見解をお尋ねしたいと思います。
#9
○国務大臣(麻生太郎君) 税関におきましては、いわゆるCIQ、カスタム、イミグレーションとクアランティン、通称CIQと言っておりますけれども、二〇二〇年までの訪日外国人旅行者の予定者を二千万人と、去年まで一千万人ですから約倍ということをこの五年間でやっていくに当たりましては、これは今後、七百人から七百五十人ぐらいの増員が必要との試算を踏まえて、業務の効率化も併せて、今計画的な体制準備を進めております。
 海上コンテナの貨物による不正薬物の国内流入の阻止というのは、これは極めて大きな話なんでして、先ほど言われましたように、二百キロとか、桁の一つ違ったような形のものが最近出てきております。また、経済連携協定、通称EPAの活用促進ということなどのために体制整備をこれはやらなきゃいかぬということもこれまた確かでありまして、二十七年度の定員要求ではこの十年間で一番多い百四十人、純増で百四十人の純増要求をいたしております。
 ちなみに、これまでは純減で、昨年が三人、その前が二十七人、その前が二十一人、ずっとこの三年間マイナスで来ておりますので、税関業務といたしましても、その点に関しましては、今後の旅客の増員量とかいうようなものを考えますと、これは極めて厳しい財政事情の下ではありますけれども、どうしてもこの純増の百四十人を目指して、今までのマイナスからプラスで、三桁のラインに乗せてやっていかないととても間に合わぬと思っております。特に、成田とか羽田とかそういう大きな空港より、地方空港にいろいろ海外の便が着いてくることに今後なりますので、そこのところも併せて考えておかねばならぬところだろうと思っております。
#10
○尾立源幸君 大臣からもその必要性について、二〇二〇年までに七百人から七百五十人というような具体的な数字もいただいておりますけれども、我々委員会でも税関の視察に羽田空港等々にも行かせていただいておりますけれども、本当に全件調査ができれば、怪しいなと思う人を、一番いいんでしょうけど、そうもいかないし、また、一人の怪しい人がいれば、その人をしっかり囲んで業務の持ち場を離れて例えば尿検査をするだとかいろいろ手も取られてしまうということで、やりたくてもやれないというのが現状だと思うんです。
 その一方で、国内では、御案内のとおり、有名な方々の覚醒剤使用で事件が起きておる。ということは、やはりそこを擦り抜けて残念ながら覚醒剤等が入ってきているということも私は事実だと思いますので、やはり多くの、オリンピックを目指してまた観光客も来られるということで、安全な国日本をやっぱりPRするためにも、是非水際での取締り、しっかりやっていただきたいと思います。
 それで、もう一点ちょっと、非常にまた怖い話が、この日本地図の下の真ん中、漂着というのがあるんです。神奈川県海岸、コカイン百十八キロということで、ややもすれば、これまた港で厳しくなってくると、考えられるのが、例えばラジコンのような、無線でコントロールしながら無人の船に例えばそういう薬物を載っけて、母船から海岸に向けてボートを走らせるというようなこともあるのかもしれません、これから。そういう意味でも、本当に日本の海岸地帯をしっかり、税関の皆さん、またこれは海保の方にもなるんでしょうか、協力してやっていただけるような体制は私は必要だと思っております。
 そういう意味で、このCIQの対応の税関職員の増員ということは必要なんですけれども、一方で、役所ごとの定員管理というのも実際はなされている部分があります。そういうことで、税関職員が必要なので、その分、国税や財務局を減らしてしまえと、こういうことになると本末転倒になるわけですので、改めて、当委員会、国会、参議院、衆議院でも附帯決議でも常にこのことは申し上げておりますので、ゼロサムにならないように、改めて、附帯決議を尊重して、税関職員、加えて国税庁、財務局職員、適切な人員配置をしていただけるように財務大臣にお願いしたいと思うんですが、決意をお聞かせいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのように、私どもの役所だけで頑張ってもなかなか、内閣人事局とか、総務省の役人でいうと行管の範囲とかいろんなものもありますので、私どもの希望だけで、予算付けるからというだけではいかないという部分もありますのですが、今お申し越しの件、加えて委員会の決定等々、よう知っておるところでもありますし、現実問題として極めてこれは、増えれば増えるだけ猛烈に厳しくなってくることは確かだろうと思っておりますので、私どもも十分にそれを踏まえて対応させていただきたいと存じます。
#12
○尾立源幸君 それでは、今大臣からもお触れになりましたが、内閣人事局、今日来ていただいておりますが、国会決議等で、附帯決議等で意思が示されております。そのことをどう捉えるのか、今後の定員増についてどのように考えるのか、改めて見解をお聞かせください。
#13
○政府参考人(若生俊彦君) 国家公務員の定員管理については、内閣人事局設置後、七月に閣議決定をしました機構・定員管理に関する方針の下、戦略的な人事配置を実現する観点から、定員の再配置を推進するとともに、新規増員は厳に抑制すると、こういう方針でございます。
 財務省におかれては、徴税あるいは税関、財務局の金融検査等の国民の安全、安心の確保、こういった重要な課題を担っているということは十分よく認識をしております。二十七年度の要求におきましても、このような観点から、財務局においては、金融商品取引業者の検査監督体制の強化、それから税関については、先ほどお話がありましたように、二〇二〇年の訪日外国人旅行者二千万人の達成や、オリンピック・パラリンピック東京大会開催に向けた計画的な体制整備、あるいは国税の調査・徴収体制の強化等を内容とする要求をいただいているところでございます。また、委員御指摘のとおり、当委員会において、所要の定員の確保等について附帯決議がなされているということも十分認識をしております。
 ただ、他方で、依然としてこの厳しい財政状況の中で、内閣人事局として、政府全体として行政改革の取組を継続していく、これも必要であるというふうにされているところでございます。
 こうした状況におきまして、附帯決議の趣旨も受け止めまして、要求内容について必要性、緊急性等を十分精査させていただきたいというふうに考えているところでございます。
#14
○尾立源幸君 是非、内閣人事局、しっかりやってください。
 それでは、続きまして、税関における外国人旅行者の免税取扱業務について質問をしたいと思います。これは、以前、鶴保議員も取り上げられておられましたし、我々、視察でも行かせていただきました。
 先ほど申し上げましたように、二〇二〇年二千万人という、こういう目標を立てておるわけなんですけれども、今、外国人旅行者には免税措置がなされております。最近拡充もされました。現在どのような制度になっているのか、簡単に御説明ください。
#15
○副大臣(御法川信英君) お答えいたします。
 我が国における外国人旅行者向けの消費税免税制度は、税務署長から許可を受けた免税店、各お店でございます、今、桜のシールが貼っているお店ですが、ここにおいて、外国人旅行者から旅券の提示を受け、これに購入者や購入した物品などを記載した書類を貼り付け、割り印をする。購入者や購入した物品などが記載され、かつ当該外国人旅行者が購入した物品を輸出する旨を誓約した書類を免税店において保存をする。消耗品の販売については、包装を開封するとそのことが分かる方法により包装をするなどの手続を取ることにより、その販売時に消費税が免税となる、このような仕組みになっております。
#16
○尾立源幸君 今は一定の手続で免税という、買ったその場で税金を払わなくていいということの扱いなんですよね。
 それで、現在、税関の皆さんも出国のとき等々一生懸命この確認をされておると思うんですけれども、今後消費税率が更にアップする、これは予定です、今、八から一〇にということなんですけれども。問題は、免税で買ったものを横流しをするなど、そういうやからが、やからと言っちゃいけないですかね、旅行者が出てきはしないかというふうに私は実は危惧をしております。例えば、百万円で買ったものが、本来ならば百十万円になるところが百万円で買えて、例えば百五万円で売れば、お互い、買う人も売った人も五万円得するというような、こんなことになりかねないんですね。やっぱりこういうことはしっかり防いでいかなきゃいけないと思っております。
 そういう意味で、現場のマンパワー、これ非常に大変になってくるかと思うんですけれども、公平性の観点からは、やっぱりこういうことはないよということをしっかり担保していかなきゃいけないと思います。すなわち、買ったその場で免税になるのではなくて、他の国でもやっているように、還付方式ですね、やっぱり一定の手続を取って還付をしてもらうような方式にしなきゃ公平性は私は担保できないと思っています。
 実は、韓国も以前は免税方式だったそうなんですけれども、こういうことが横行したということもあって還付方式に今は変更されております。私どもも、大臣もそうでしょうけど、外国で、海外でお買物をされると大変面倒くさいなと思う、場合によってはこれは返したくないからこんなに面倒くさいのかなと思うぐらいなんですけれども、やはりそれぐらいきちっと私はやるべきだと思っております。
 そういう意味で、政府の見解、今後消費税がアップするにつけ、この何税というんですか、益税とかそういう話じゃないですけれども、税金を払わないことでもうかるような、こんな仕組みは私はしっかり塞いでいくべきだと思いますが、政府の見解をお聞かせください。
#17
○国務大臣(麻生太郎君) 今、尾立先生御指摘になりましたように、日本で採用されております免税販売方式というものは、これは最初から免税で購入できるというところが利点でありまして、空港等々で出国のときに並んでずっと待たなくていいとか、いろんな意味でえらく利便性が高いということから、訪日観光客の中で最も評判の高いものの一つは多分これかなと思うほど評価が高いものと承知をいたしております。
 他方、今御指摘がありましたように、ヨーロッパなんかを見ればこれは明らかに事後の還付方式になっていて、しばらくすると振り込んでくるとか、VISAカードで振り込んできたりなんかするというので、確かに免税制度の悪用防止という意味では私は優れていると思っておりますけれども、相対的に外国人から見ますと、買物客から見ますと利便性は低いということになりますので、この採用に当たりましては、全国の空港においては、物品確認とか、また還付事務などの体制整備をまた別にせないけませんし、またシステムの導入、また維持費の費用負担等々また別の課題がこの方式にすると出てまいると思っております。
 したがいまして、免税方式の在り方については様々な論点がこれ採用するまでにいろいろありまして、私も似たようなことを申し上げたんですが、平成二十六年度の改正においては一定の不正防止策を講じて、先ほど副大臣の方から申し上げましたけれども、観光立国の推進のために外国人旅行者の利便性の方をまずは重視ということでやらせていただいております。
 いずれも免税対象品目の見直しで、例えば化粧品とかいろいろなものをやらせていただくことになりましたので、あれ百個買って半分だけ何とかというやり方はこれは私でも思い付きますから、もっと頭のいい人はいっぱいいますので、いろいろ手口は考えられるだろうとは思うので、割り印を押したりいろんな形でやらせていただきますので、きちんとしたもので、これがいろいろ今後問題が出てきたらその時点でまた改正していったりしていくというようなことは考えねばならぬだろうと思って、役人よりはその人たちの方が頭がいいと思いますので、間違いなくいろんな手口が出てくれば、それはもう当然のこととして対応させていただかねばならぬと思っております。
#18
○尾立源幸君 是非、現場の実情とそして規制の有効性みたいなものをしっかりバランスを取りながら、今後検討を進めていただきたいと思っております。
 次に、タックスヘイブン対策税制について御質問をさせていただきたいと思います。
 これは、タックスヘイブン国・地域に所在する子会社等を通じての租税回避行為を規制するための税制であり、企業の租税回避行為が問題となっている中、これは必要な制度だと思っておりますが、しかし、今回ちょっと個別に困ったことが出ております。
 それは、今課税されるトリガー税率というのは二〇%なんですけれども、今回イギリスで法改正があって、二〇一五年四月からは法人税率が二〇%に引き下げられる。そのため、今のままではイギリスもいわゆるタックスヘイブン対象国という扱いになって、イギリスで行う取引が租税回避行為だというふうに認定されてしまうおそれがあるということでございます。
 そこで、三ページ目でしょうか、租税特別措置法の中で、会社の事業や実体等を踏まえて適用除外とする制度もございます。ちょっと複雑なんですけれども、判定基準というのが一、二、三、四つまでありまして、これに基づいて、これに当てはまれば租税回避地じゃないよということになるわけですけれども、ただ、それでも問題になる例がイギリスには起こり得るというふうに思っております。
 それは、損害保険会社のビジネスモデルなんですけれども、御案内のとおり、英国のロイズマーケットにおいては損保会社が再保険を行っております。保険業界においては、このロイズマーケットというのは、私も余り存じ上げなかったんですけれども、今回勉強いたしますと、世界最古かつ最大の保険市場であり、ここでビジネスを継続的に行うということが会社としての信用力や商品開発力、さらにはリスク管理やノウハウの蓄積面から非常に重要と言われております。本当、ある意味唯一の保険のマーケットだということでございます。
 ただ、ここのマーケットで取引を行うためにはロイズ法というのに従わなきゃいけないそうでして、このロイズ法というものは、まず保険の引受業務、マネージングエージェントとこれは英語では言うそうですが、と資本提供、お金を出す人、メンバーシップとを独立したそれぞれの会社で行うことが義務付けられています。普通はこれ一緒に一つの会社でやるんですけれども、ロイズ法では分けろと、こういうことになっています。
 ところが、このように分けますと、先ほど見ていただきましたこの資料三ページ目、マネージングエージェントとメンバーというふうに書かせていただいておりますけれども、判定基準の一、二、三、四に当てはめますと、マネージングエージェントでは四のところで基準をクリアしないというようなケースが出てきたり、メンバーの方では実体基準だとか管理支配基準で当てはまらないということが出てきて、結局このスキーム自体がトリガー税率の対象になってしまうと、こういうことになるわけでございます。
 そういう意味で、我が国の損保会社にとっても、ひいては我々国民にとっても非常に大事な保険が、また別の面で費用負担をしたり不便になったりするということですので、何とか、今回このロイズ法における保険の引受業務と資本提供業務の会社がトリガー税率に引っかからないような私は措置が必要だと思うんですけれども、大臣にお聞きいたします。
#19
○国務大臣(麻生太郎君) これは尾立先生、よう勉強しておられますけれども、これはもう最も大きな問題の一つだろうと思っておりますが、今イギリスは二一%なんですが、これを二〇%に下げますと、今言われたようなトリガーに引っかかるという形になっております。
 ロイズバンクという、これ世界で一番大きなというか信用ある保険会社で、全ての再保険の最後はロイズが持ちますので、そういった意味ではロイズというのは物すごく力のあるところなんですけれども。
 ここで活動いたしますと、日本の損保、例えば東京海上とか等々を含めまして、損保会社が外国子会社の合算税制というのがありますので、それでいきますと、まさに言われたように、これ分けられますとこれは間違いなく適用されるということになることははっきりいたしておりますので、これは今税制改正要望がこの点に関してはもう既に日本の企業から私どものところにいただいておるところでありまして、今後の税制改正のプロセスの中で、これは与党とも連携をしながら検討していくことになるんだと思いますが。
 実体経済の全くない外国の子会社を通じて租税を回避するというのを阻止するのが本来の目的で、これは実際は形としてはそうなりますけれども実体はあるので、いろんな意味で、税制の趣旨を踏まえていろいろ検討せないけませんけれども、時間の問題がありますので、これちょっと、二〇%未満にするとかいろんな形で取り急ぎはするにしても、これ更に一九に下げられたらどうする、一八みたいにされたらどうするということは、オランダみたいにします、シンガポールみたいにしますと言われると、これ全然別の問題が出てまいりますので、本質的なことも含めてこの際考えておく必要があろうと思って、検討させねばいかぬと思っております。
#20
○尾立源幸君 是非、来年から始まるこれ二〇%ですので、日本の方針としては、特に税務当局としては早く方針を決めていただきたいと思います。野党とも連携していただいても結構ですので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、年金基金の件、これは前国会でも厚生労働省にお聞きした件です。今回、政務官が替わられて、高階政務官ですか、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、その後、私の方でもお調べをしました。逮捕された年金基金の役職員がどうだったかとか、そのうち役所出身の人が何人だったかというのは前回お示ししたとおりなんですけれども、今回は、更にその天下りの実態について資料を見ていただければと思います。最後のページの前、二枚目です。
 結果として、何ともひどい数字だなと思っております。一番ひどいのは、まず役職員に占める天下り人数が二〇%以上の基金が十四あります。その中で最もひどいところは、役職員ですよ、役職員の合計が九人しかいないところに四人もの再就職者がいると、四四・四%が再就職者、天下りだということでございます。
 これを見ますと、本当に年金基金という大事な国民の資産を食い物にしているんではないかというふうに私は非常に憤りを感じております。ましてや、この人たちが本当にきちっと仕事をしてくれればいいんですけれども、そうでない事例は前に言ったとおりなんですね。逮捕者もいると、接待を受けてとんでもないところに投資をしていると、運用を任せているみたいなことがいっぱいあるわけですね。
 そういう意味で、この年金基金に対する天下り規制というのは私は絶対必要だと思っておりますし、我々も政権にあったときにこの分野では非常に頑張ってきたつもりですが、まだまだこれ抜けておったということでございます。
 そういう意味で、なぜこんなまず天下りが多いのかということと、一定の私はルールを作るべきだと思いますが、新しい政務官、いかがでしょうか。
#21
○大臣政務官(高階恵美子君) お答えいたします。
 そもそも国家公務員法におきまして、退職者の再就職について本省側があっせんするということは禁止されてございます。他方、今ほど御指摘されましたとおり、現実的に国家公務員のOBが基金の役職に収まっておられるという方の数というのは現実的には一定数おられるということでございますが、基金側が行う人事に関して本省側が関与するということはなかなか困難な状況でございます。しかしながら、厚生年金基金の役職員の選任に当たりましては、透明性を確保することが重要だと考えてございますので、省としては公募を行うよう引き続き指導してまいりたいと考えております。
#22
○尾立源幸君 公募を行うよう指導ということなんですけれども、それはいつ、どのように発せられたんですか。発せられるんですか。
#23
○大臣政務官(高階恵美子君) 公募に関するこれまでの経緯についてお話をしたいと思います。
 平成二十二年九月三日、長妻元大臣からの公募要請文書を送付してございます。その後、平成二十四年になりましても、地方厚生局宛てに公募についてお願いをしているところでございます。
#24
○尾立源幸君 その結果、これは減ってきているという認識なんでしょうか。
#25
○大臣政務官(高階恵美子君) 実数で御報告申し上げたいと思います。
 厚生年金基金の役員として再就職している国家公務員の退職者数、平成二十一年五月時点で四百六十六人でございました。平成二十四年三月時点では四百五人、平成二十六年三月末時点では三百四十七人ということで、若干ずつではございますが、減員してきてございます。
 また、公募によって役員を改選するということがそれぞれの基金で進められてまいりますが、例えば国家公務員OBの役員の任期切れがあった基金のうち、公募した基金の数がどのように推移したのかということをお話ししたいと思います。
 平成二十二年九月から平成二十四年三月までは二百基金が国家公務員OBの任期切れを迎えてございますが、このうち三十七基金で公募が行われてございます。その後、平成二十四年三月から平成二十五年三月までについては百二基金中五十七基金、平成二十五年四月から平成二十六年三月までは百二十七基金のうち七十五基金ということで、割合にいたしますと、平成二十二年のときには一八・五%だったものが、平成二十五年で見ますと五九%ということになってございまして、割合としても公募いただいている機関が増えているという状況にございます。
#26
○尾立源幸君 この件については、やっぱり情報公開をしっかりするということを私は何度も申し上げております。しっかり事業計画書や、また決算の中で、こういう方々の役割と、それと報酬についてもしっかりディスクロージャーすることが、何よりもこの方々の職務の適正性を判断するための私は基準だと思っておりますので、是非そういうガイドラインも設けていただきたいと。今、上場会社でも結構そういうふうなディスクローズやっていますので、是非そこはお願いしたいと思います。
 その上で、この基金のガバナンス強化に関しても、もう一つ質問したいと思います。
 今、このガバナンス強化については厚労省の中で検討会が開かれて、今いろいろ議論している最中だと聞いておりますが、ちょうどいいタイミングなので申し上げたいと思います。
 現在は、この基金の決算報告書等には、監査意見というのは内部の方の監事の監査意見ですね、を付けて代議員会の議決を経ることになっておりますけれども、これが本当に機能しているのかという点で申し上げたいと思います。
 AIJで御案内のとおり、こういうこともやられておったわけですけれども、全くチェックが利いていないということ。さらには、様々な損失事例を見ますと、全くそういうことが機能していないということが分かってきております。
 そこで、私はやはり公認会計士等の職業専門家による外部の監査意見というものを付すべきだと思っております。基金も大中小いろいろあると思います。財政的な強弱もあるでしょうし、リスクの大小もあるでしょうから全てやれとは言いませんが、ある規模の、一定規模のものなどは例えば監査を義務付けるとか、そういう私は今後ガバナンス改革が必要だと思っております。
 実は、今まで監査ができなかった一つの理由として、この特別目的の監査というものの基準がはっきりしておりませんでした。ただ、これも金融庁の下でして、特別目的監査というのがきちっと位置付けられましたので、例えば年金基金のための監査をやってくれと言えば、会計士含めた職業専門家はそれに対応できるような今体制にもなってきておりますので、是非これは私は、検討されているということであれば、国民の大事な財産ですから、しっかり外部の目を入れて監査をして財務諸表の信頼性を担保すべきだと思いますが、政務官、いかがでしょうか。
#27
○大臣政務官(高階恵美子君) 先生御指摘のとおり、会計の専門家の活用の促進については、加入者の方々に対するその開示される情報の正確性が増すという利点があると思います。
 現在、厚生年金基金の監査は監事が少なくとも年一回行うこととなってございまして、公認会計士など会計の専門家が関与している例もこの中にはあると承知してございます。その一方で、多くの厚生年金基金が解散に向けた準備を今現在進めている中でございますので、基金に一定のコストを課すことになることにも十分配慮していく必要があると考えてございます。
 いずれにいたしましても、監査における会計の専門家の活用の在り方を含めました年金基金のガバナンスに関しては、今後、社会保障審議会企業年金部会において検討をされるものと承知してございます。御指摘を踏まえ、必要な対応をしてまいりたいと思います。
#28
○尾立源幸君 是非検討して導入をしていただきたいと思っております。
 最後に、政務官、審議官と、今回新しくなられたということで、五月の二十日の委員会で検討しますとおっしゃっていただいた件について改めて質問をしたいと思います。
 最終ページの資料でございますが、加入期間が二十五年未満の方で基金独自の給付を受けている方、この方たちは、今回解散をすると全く基本的には救済をされないという部分が出てまいります。
 そこでお聞きしたいのは、二十五年未満で独自給付を受けている人の数はどの程度いるのか、また基金独自の給付額の平均金額はどのぐらいになるのか、この点について改めて政務官に調査の結果を質問したいと思います。
 というのは、影響はないんだということを厚労省は言い続けるんですけれども、影響がない根拠は何なんだというと分からないということで、だからこそ私は聞いているわけで、大した影響がないんだったら、その大した影響がないということを是非数字をもって教えていただきたいと思います。政務官、よろしくお願いします。
#29
○大臣政務官(高階恵美子君) 厚生年金基金の受給者数は、平成二十四年度末時点で約二百九十九万人でございます。厚生年金基金の上乗せ給付につきましては、各基金から給付総額を記載した業務報告書の提出を求めておりますので、これに基づきまして平均額を算出することが可能でございます。それに基づきますと、平均額は月額六千七百七十五円と承知してございます。その一方で、個々の加入者の最高額については把握ができない状況にございます。
 また、昨年の国会で与野党合意の上で成立いたしました本年四月に施行された改正法について、代行割れ基金が特例解散を申請した場合においては、加入期間にかかわらず上乗せ給付は支給停止するということが法定されてございまして、この規定について改正法では特段の経過措置が設けられていないところでございます。
 なお、改正法の施行と同時に、厚生労働省では、加入員の受給権保護の観点から、例えば代行割れ基金についても、国に代行割れ額を返還しつつ企業年金を再建できるよう様々な支援措置を講じてございまして、基金の解散後もできる限り上乗せ給付が続くよう、引き続き支援に努めてまいりたいと考えてございます。
#30
○尾立源幸君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、ちょっとこの論点については引き続きまたやり取りさせていただきたいと思います。
#31
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません。
 先ほど、尾立議員からの質問に対して七百から七百五十と申し上げた下の数字が違っておりました。五百五十から七百ですので、ちょっと恐縮ですけど、訂正させていただきます。
#32
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 早速、法案に即して質問をしていきたいというふうに考えておりますが、まず、法案の前提となります日豪EPAについて、その意義等についてお伺いしたいというふうに思います。
 サービスの貿易、物品の貿易に分けられるわけですが、この物品の貿易について、まず日本からオーストラリア市場へのアクセスについてどのように経済効果を試算しているのか、お伺いしたいと思います。
#33
○大臣政務官(宇都隆史君) 中西委員にお答えを申し上げます。
 まず、この日豪のEPAにおけるお互いの貿易額が非常に大きいということで、その試算は非常に大きなものになるんですが、貿易、投資の流れが景気、それから為替の変動に大きく影響されるため、一概に定量的にお答えすることは困難だということを御理解いただきたいと思います。
 あくまでその上で申し上げますと、日本から豪州市場へのアクセスにつきましては、協定発効後十年間で豪州への輸出額の約九九・八%の関税が無税になるということから、輸出額が不変であると一定の仮定を置きまして試算をいたしますと、発効後八年目には約五百八十億円、我が国から豪州への関税支払額が減少し得ると試算をしております。その分、日本企業の負担を軽減できるのではないかと考えております。
 また、豪州から日本市場へのアクセスについては、十年間で輸入額の約九三・七%について関税が無税となることから、我が国における関税の減収見込額につきましては、これも輸入額が不変であると一定の仮定を置いて試算いたしますと、三百三十億円程度の減収になるという試算をしております。
 以上でございます。
#34
○中西健治君 今、日本から豪州へということについてお伺いしましたが、豪州から日本へも併せてお答えいただいたかなというふうに思いますが。
 今の試算というのは、あくまで関税額が輸出品については払うものが減りますよと、入ってくるものについては減りますよと、そういう話なんですが、政務官の御答弁の中にもありましたけれども、数量が一定という前提を置いてしまっているということであります。
 これは七年間も交渉してきているわけですから、やはりこの交渉が妥結されたら数量がどのように変化し得るのかということについて推計をしてみなければ、こうした経済連携協定の効果というのは余りよく分からないということになるのではないかと思いますが、例えば業者に対する、輸出業者、生産者に対する聞き取り調査などを行うということによって、経済効果はこれくらいあるんじゃないか、若しくは国内の産業はこれぐらいあるんじゃないかということについてやはり推計をしていかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、そうした点についての問題意識はいかがでしょうか。
#35
○大臣政務官(宇都隆史君) お答えを申し上げます。
 先ほどと答弁の方が重複してしまうことを大変恐縮に思うんですが、景気、為替の変動があるので一概に正確な定量的な数値を試算するというのが非常に困難ではありますけれども、様々な品目、分野に関わっているものの試算をできるだけ実態に即して検討を深めていくということで、今後努力をしてまいりたいと思います。
#36
○中西健治君 是非それはやっていただきたいと思うんです。
 この日豪EPAに関しては、農水省が、全ての品目に関して関税がゼロになるという前提の下に八千億円、日本の農産業者に対して影響があるというようなことを、随分前ですけれども、そうしたようなことを発表していて、それ以来、政府としてはそうしたものに代わる数値というものは出していないということだと思いますので、やはりある程度公平な議論をするために、必要な推計というものはやっていっていただきたいなというふうに思います。
 それから、今後大きな交渉をほかにも控えているということであります。最中のものもありますから、是非とも、そうしたことは外務省の方で、是非いろんな省庁と話しながらやっていっていただきたいというふうに思っております。
 さらにもう一つ、この条約についてお伺いしたいと思いますが、牛肉に係る特別セーフガード措置についてお伺いしたいと思います。
 その内容について、輸入基準数量と過去の実績について外務省にお伺いしようと思いましたけれども、時間の関係上、私の方で資料をお配りしましたので御覧いただきたいと思います。
 グラフと、それから数値が並んでいるテーブルですけれども、グラフの方で、豪州産の牛肉、これが平成十二年度から二十四年度までどれぐらい輸入されているのかというのが示されております。アメリカでのBSEの影響などもありますので、一時的に豪州産に置き換わって増えている部分もありますけれども、ただ、直近を見ても、平成二十四年度で豪州産の冷蔵肉は十二万七千トン、そして冷凍肉は十八万一千トン輸入されているということであります。そして、下のテーブルで、じゃ合意された輸入基準数量というのは幾らなんですかというのを見てみると、一年目、一番左側ですが、冷蔵牛肉は十三万トン、そして冷凍牛肉は十九万五千トンというところからほんの少しずつこの基準数量が上がっていくというのが見て取れるわけですが、これ過去の輸入量から照らしてみると、このセーフガードの措置が発動される可能性は極めて高いところに基準数量が設定されているということになります。
 そこで、政務官にお伺いしたいと思いますけれども、やはりこの協定というのは、生産者保護という視点も欠かせないと同時に、消費者利益、これのやはり向上ということも当然大きなこの協定を結ぶ利益ということになってくると思いますが、この協定を見てみますと、数量は大きく伸びない、けれどもこの基準数量の範囲内で、関税率が下がるわけですから、その範囲内で消費者が価格の低下というのを享受してください、こうしたものを企図したものというふうに見えますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
#37
○大臣政務官(宇都隆史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、この自由貿易推進に当たっては、やはり国内の生産者の保護それから消費者の利益のバランス、これを十分に勘案して確保することが重要と考えています。おっしゃるとおり、今回のこの条約に基づきまして、冷蔵牛肉については十五年、冷凍牛肉は十八年という長期間の段階的削減をするとともに、特に国産牛肉とより競合する冷蔵牛肉の場合は冷凍牛肉よりも四%高い税率とすること、それから輸入量が一定量を上回った場合については関税率を現状の三八・五%に戻す特別セーフガード措置を確保することが特徴でございます。
 委員のおっしゃるとおり、十年間掛けて少しずつこの量を増やしていく、実際にこれまでの統計的な輸入量を見ると、セーフガードが掛かりやすいような状況になっているのではないか、つまり、より生産者の保護に軸足を置いているのではないかという見方もあるとは思いますが、十年間掛けて少しずつその量を増やしながら、状況を見詰めつつ、消費者保護とバランスをよく見ながら進めていくという仕組みになっているということを御理解いただけたらと思います。
#38
○中西健治君 農水と外交防衛委員会の合同審査などにおきましても、農林大臣の方は輸入量の抑制に大変効果があるというようなコメントをしておりますので、それはどうかなというふうに私は感じているということであります。
 続きまして、法案について財務省の方にお伺いしたいと思います。
 飼料用麦の関税撤廃に係る用途確認ということが行われるということでありますが、これまでトウモロコシでも同じようなことが行われていたと思います。これが麦にも適用されるということによってどれぐらい業務が増えるのかどうかというようなことについて、関税局の御意見をお伺いしたいと思います。
#39
○政府参考人(宮内豊君) 承認工場制度につきましては、様々な食料品への転用を防止するための義務付けを行っております。そういった義務付けの状況、例えば食飼料以外の用途に適さないものへの加工を義務付けているとか、あるいは工場搬入から搬出に至るまでの原料品、製品等に関する帳簿を備え付けることを義務付けるとかということをいたしております。
 そこで、税関はこういった帳簿の検査、それから製造状況の検査を行うということをいたしております。
 関税定率法第十三条に既に規定されている飼料用トウモロコシの承認工場につきましては、平成二十五年七月から平成二十六年六月までの一年間におきまして、百六十の工場があるんですけれども、そのうち百二十四の工場について現場の検査をしてきております。これに対しましては、原則として全国の九税関の保税部門というところが対応いたしております。ただ、現場検査につきましては全国の税関の支署、出張所の中から、その近隣に所在するものからも応援の職員を派遣するということもあるというところでございます。
 今回、麦についても同様の制度を導入することといたしておりますが、かなり工場が重なる部分があろうかと思います。重複する業務の処理について効率化を図りつつ、新たな制度の運用について支障を来すことのないよう適切に対応してまいりたいと思っております。
#40
○中西健治君 今の御説明では、飼料用のトウモロコシを作っている工場と、それから今回、麦が新たに加わるわけですが、工場が重複するところが多いから税関の仕事量というのはこれによって追加的に大きく増えるわけではないと、こういうような理解でいいのかというふうに思います。
 もう一つ、同じような観点からお聞きしたいんですが、自己申告制度、これ事前承認がなくなって事後承認ということになるわけですが、その中で輸入税関が原産性の事後確認、その中には情報提供を要請するだけじゃなくて原産国に行ってそこで検査をするという相手国への訪問というようなのも含まれていますが、ここら辺はどれぐらいの可能性であるというふうにお考えでしょうか。
#41
○政府参考人(宮内豊君) お答え申し上げます。
 確かに自己申告制度の下では、輸入国税関によるEPA税率の適正な適用の確保につき、とりわけ事後確認が重要になってまいります。そこでは輸入者への情報提供要請ですとか、あるいはオーストラリアの税関だとか、あるいは輸出者だとかに情報提供を要請する、それは場合によっては訪問確認というようなことも生じてまいります。できるように法律上も措置しているわけでございます。また、それだけでなくて、恐らく輸入者に対して事前教示をしていくというようなことも増えるだろうと思います。それから、事後確認制度の習熟を輸入者の方々に求め、あるいは輸出者の方々にも説明するということでEPAセミナーの開催ということも必要になってくるだろうと思います。
 こうした事務を適切に実施するために、職員への十分な制度の周知、あるいは研修を実施することが一つ重要だと思っていますし、またさらには既存業務の効率化を図りつつ真に必要な人員の確保を行うことなどによりまして、税関の体制整備をしっかりと行ってまいりたいと思っております。
#42
○中西健治君 実際にオーストラリアに出向いていって調査を行うということは極めて少ないんだろうというふうに私は思いまして、事前にそのように伺っています。
 ちょっと大臣に、もう時間が限られているので最後にお伺いしたいと思うんですが、こうした自由貿易協定、経済連携協定というのは関税の掛かる品目が少なくなるということでありますので、税関の業務というのが直感的に言うと軽減されるのかなというふうに思ったりもするんですが、ただ、今のお話、それから法案などを見ると追加的な業務も出てくるということになります。これバランスして考えたときに、この自由貿易協定、一般的にこの税関の業務というのは増えるものというふうに認識されているのか、それとも軽減されるものと認識されているのか、そこら辺について大臣のお考えを最後にお伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(麻生太郎君) 時間もないようですので、増えます。
#44
○中西健治君 増えるというのは、まあ短い御説明でしたが、消費税などについては全ての物品に掛かってくるということがあるということなんだろうというふうに思います。
 であれば、やはり先ほどの尾立委員とも私は問題意識を共有しておりますので、是非税関の充実化というのは図っていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#45
○藤巻健史君 維新の党の藤巻です。よろしくお願いいたします。
 まず財務大臣にお聞きしたいんですけれども、外国製品に掛かる関税とはどういう目的で掛けているのか。財政状況が厳しい折、税収の増額目的なのか、それとも国内生産者を守るために関税を掛けているのか、どちらかお答えください。
#46
○国務大臣(麻生太郎君) これは、関税は基本的には、藤巻先生もよく御存じのように、国内産業を保護するという機能と、国に対しての関税収入という、いわゆる財政収入というものをもたらす機能と、二つ異なる機能があろうと存じますが、いずれにしても、こういったようなものは、まあ一般的に国内産業を保護する手段という性格が強いとは考えられますけれども、個別品目に係ります関税水準を策定するということなどのいわゆる関税政策の企画を立案するに当たりましては、これは産業の保護という点と、それから消費者に与えます影響というものも両方考えておかなければならぬという観点で、いろいろな総合的なもので、どちらかと言われると、それは総合的に勘案して判断すると申し上げるべきかと存じます。
#47
○藤巻健史君 大臣の御回答にありましたように、国内生産者を保護するということがかなり強いというふうにおっしゃったと思うんですけれども、それであれば、関税を死守するということに固着せずに円安にしてしまえばいいんじゃないかなと思うわけですね。
 釈迦に説法ですけれども、外国製品、一ドルのものを輸入しているとき、一ドル百円であればこれは百円になります。国内生産者が百五十円で作っているのであれば、これは五〇%の関税を掛けないと当然競争できないわけですが、一ドル百円が一ドル二百円の円安になれば、外国製品というのは、一ドルのもの、二百円になります。百五十円で国内で作っているのであれば関税なんて全く必要なくなるわけですが、この条約、日豪経済連携協定が締結されたのは七月の八日ということで、そのときは一ドル百二円です。今百十五円ということは、約一三%の円安が進んでいるわけで、オーストラリアの牛肉というのは一三%高くなっているわけですね、日本に輸入する場合。
 だとするならば、この最初の関税が、一年目、冷蔵牛肉は初年度三二・五%だと書いてありますけれども、二〇%でよかったんじゃないかと。十五年後に二三・五%を維持と書いてありますけれども、それを考えれば一〇%でよかったんじゃないかと。今の関税というのは高過ぎて、それを引き下げて、オーストラリアからもっとリターンをもらった方がいいんじゃないかと。
 要するに、ドルが百二十円、百三十円になれば関税なんかゼロでいいということだと思うんですが、もうちょっと関税を引き下げるという考えはなかったのかどうか、お聞きしたいと思います。
#48
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのように、関税というものは特定品目に関しまして、これは国内価格にピンポイントで影響を与えると言うことができます、これは為替とは違いますので。したがいまして、国内産業の保護というのにおきましては、これは極めて有用な機能を有しておると私どもは考えております。
 他方、為替につきましては、これはもうG7とかG20とかいろんなところでも決められておりますように、競争力のために為替レートというものを目標とはしないということにされております。
 したがいまして、政府としては、こういった国際的な合意というものを踏まえる必要があろうと考えております。
#49
○藤巻健史君 そういう御回答だったら、ちょっと先に四番の方からお聞きしたいんですけれども。
 今年の四月二十八日の参議院の決算委員会で私質問したんですけれども、一九七四年と比べて円よりも強くなった通貨はあるかということを聞きましたところ、財務省の方の回答だったと思うんですけれども、百四十四か国中スイスだけは強くなったけれども、あとは世界で二番目に円は強くなってしまったという回答を得ましたが、じゃ、一九七三年二月以前の三百六十円時代と比べると、円は世界最強の通貨になったのか、それとも相変わらずスイスより弱く二番目なのか、ちょっと、担当者の方で結構なので、お聞きしたいと思います。
#50
○政府参考人(浅川雅嗣君) お答え申し上げます。
 一九七三年二月に日本は変動相場制に移行したわけでございますが、その前において、委員御指摘の基準為替相場が三百六十円時代であった例えば一九七〇年と二〇一三年を比較いたしました。IMFのデータベースを用いまして、前回と同様の範囲で比較してみたところ、同様に対スイス・フランについて二〇一三年が円安となっていることが確認されてございます。
#51
○藤巻健史君 分かりました。
 相変わらずスイスに次いで第二位の通貨高が進んだということだと思うんですけれども、そうすると、よく日本が円安になると、円安政策を取ろうとすると、アジアの近隣諸国から近隣窮乏化政策だという非難が出ますね。しょっちゅう新聞に出るんですけれども。要は、アジア諸国にとってみれば、自国通貨が強くなるということは自国窮乏化だということですね。逆な言い方をしますと、一九七〇年以降、日本は世界二番目に窮乏化政策を進めてきたわけですね。要するに、自国通貨が強くなるということは自国窮乏政策だとアジア諸国言っているわけですから、全く同じことで、一九七〇年からもう日本はぐいぐいと円高にした、自国を窮乏化し続けてきたわけです。
 それは、わざわざそんなに窮乏化する必要なくて、少しは戻してよと、平均並みに戻してよと、要するに、円が強過ぎるから世界の平均並みに円高を戻してくださいよと言うのはこれ政治家の役目であって、もしそういうことを説得して円安になれば、それこそもし一ドル百円が一ドル二百円になれば、これもう関税なんか必要ないですし、農家復活ですよね。基本的には農家が駄目になったというのは、私は円高のせいだと思っているんですね。
 例えば、沖縄のサトウキビ、まあそれは補助金があるからいいと思いますけれども、補助金がなければ、みんな強い円で外国製の砂糖を買って、日本の農家なんか全滅ですよ。それを保っているのが補助金であって、それが財政赤字にもつながってしまうわけですし、円が安くなればもう農家は万々歳ですよ。日本の農家は輸出産業に戻る可能性があるわけですよね。そういうメリットがあるわけです。
 それが駄目になっちゃったのは、やっぱり世界で二番目に通貨を強くした責任であって、それはやっぱりまずいよと。海外と比べて、海外からそういうプレッシャーがあるから円安にできないかということじゃなくて、もっと政治家自身が海外で円安が必要なんだと、我々はこの何十年間にわたって世界の窮乏化を一手に引き受けてきたんだと、だからもうちょっと円を安くして日本をもうちょっと豊かにさせてよということは言えるかと思うんですが、いかがでしょうか。
#52
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には通貨というものは意図的にそういうことはできないということになっておりますので、その国の経済のファンダメンタルズに応じて通貨の価格は国際マーケットで決められるというルールが基本的な今のルールということになっておると理解しております。
#53
○藤巻健史君 通貨は動かせないという議論だったと思うんですけれども、それじゃ、よく新聞に通貨戦争という言葉が出てくるわけですね。戦争というのは意図的にやるから戦争ということであって、事故で円高になっちゃったらこれ通貨事故というはずでして、基本的には世界の感覚というのは通貨は動かせるという認識だと私は思っているんですが、いかがでしょうか。
#54
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にはもうよく御存じのとおりなんで、ファンダメンタルズからの乖離というものを避けるということで、我々としてはコミットメントを再確認しますということをG20でも、いろんなところで申し上げてきておりますので、通貨の競争的な切下げを回避というのはG20のいわゆるサミットの首脳会談の合意文書と理解をしておりますので、そのように御理解いただければと存じます。
#55
○藤巻健史君 それは、マーケットが効率的であればそうかもしれないんですが、やはり先ほど言いましたように、円が世界で二番目に強くなったというのはファンダメンタルズを反映していない証拠だと私は思っているんで、これは是非いろんなところで円安が必要だというふうに言うべきだと私は思っているんですが、いかがでしょう。
 というよりは、例えば、ずっと大臣はこの財政金融委員会で為替に触れることははばかられるとおっしゃっていますが、今百十五円ですが、確かにさっき申し上げたように、この契約をした七月八日は一ドル百二円なわけです。で、去年の四月に黒田日銀総裁が異次元の量的緩和をやったときは九十七円ですね。あんなにじゃぶじゃぶにやっても百二円まで、五円しか円安になっていないんですよ。
 七十六円から九十七円までになったのは、別に量的緩和でなくて、当時野党であった自民党の総裁である安倍総裁が円高は問題だってどんどん言ってくださったから九十七円まで円安になったんですね。異次元の量的緩和をする前に七十六円から九十七円まで行った。量的緩和をやってから、九十七円から百二円までしか行っていないわけです。最近、ちょっと話、別になっていますけど。
 ということは何かというと、この口先介入が物すごく効いているわけですね。ならば、麻生大臣もこの場で円安が必要だと言っていただければ、ひょっとして二十円や三十円円安になって関税必要なくなるかもしれないんですけど、いかがでしょう。
#56
○国務大臣(麻生太郎君) よく御存じのとおりに、為替に関しまして、これは、その水準等につきましては市場に対して不測の影響を与えるということがありますので、為替レートにおいてはこれは間違いなく市場レートにおいて決定されるべきで、先ほど申し上げましたように、G7、G20におきましてもこのことは合意をされているということを踏まえて、これ、私どもとしては言及は差し控えるということに、これは各国ほぼ同じルールで動いておると存じます。
#57
○藤巻健史君 本当に効率的なマーケットであれば為替というのはファンダメンタルズを反映すると思うんですが、日本って私に言わせると社会主義的な体質なものですから、効率的なマーケットはできていないわけです。
 どういうことかというと、例えばお金をじゃぶじゃぶにして皆さんがゆうちょ銀行に入れると、ゆうちょ銀行が、これ普通のアメリカの銀行だったら必ず海外行っていると思うんですね。二十年間名目GDPが伸びなかった国に金を置いておいて、〇・五%の国債なんかで運用していたら、まず経営者は首ですよ、株主がいたらばですね。だけれども、ゆうちょ銀行、まあ半国営みたいなものですから、それでかつ法律的なものもあったと思いますけれども、〇・五%の国債に投資していた、それは別に株主気にしなかったからですよね。
 要するに、株主資本主義が、市場原理が徹底しなかったからこそ、じゃぶじゃぶにしたお金が国内に滞留してしまった、ドル高円安が進まなかったということだと思うんですね。その証拠に、千五百兆円ぐらいですか、ある個人金融資産はかなりの部分が日本に残っちゃっているわけです。こんな国、普通はないですよ。名目GDPが全然伸びていない国に、国内にその個人資金が滞留しちゃっているなんという国はほかだったら考えられない。みんな外行っていますよ。そして、円安ドル高が進んでいるんですけれども、そういう構造ができていないわけですね。
 ですから、そういう構造があれば、今頃きっと円の実力というのは百八十円、二百円だと私は思っています。ですから、だからこそ、安倍総裁が、当時の総裁が円高が問題だと言うだけで三十円も吹っ飛んだんです。今の円の状況というのは実力に比べてむちゃくちゃに強過ぎると思うんですよね。だから、そういうときは別に円安が必要だということは言っても構わないし、マーケットは動くと思うんですが、いかがでしょうか。
#58
○国務大臣(麻生太郎君) 野党の自由民主党総裁安倍と与党・自由民主党総裁安倍とでは立場が全く違います。それぐらいはもう十分御理解の上で発言していただいているんだと思いますが、ここでうかつなことを言っていただくということは、それ世界中に影響を与えるという幅が大き過ぎると、私はそう思いますけど。
#59
○藤巻健史君 でも、円安が日本の国力の最大のものであるならば、それはある程度のリスクを取ってでも、まあリスクがあるとは私は思いませんけれども、リーダーであれば、日銀総裁、財務大臣若しくは総理大臣が円安が必要だと言っていただければかなり円安が進むと思っているので、やはり国益に関することは一番重要なことだと思うんですが、いかがでしょう。
#60
○国務大臣(麻生太郎君) 為替に関して御意見がおありになることは、私どももよく問題意識は承知しておりますけど、私も今は野党じゃなくて与党の財務大臣していますので、そういう意味では、国際協調の観点を考えて、昨年の二月、円の独歩安だと世界中から非難されて、今全く非難されない。その間、円はどれだけ下がったかといえば、御存じのとおりで、九十円ぐらいから間違いなく百五円まで下がって、下がったと言われず済んでおる最大の理由は御理解いただけると思いますので、私どもとして、そのことに関して重ねて同じことを申し上げることになろうと思いますので、これ以上の答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
#61
○藤巻健史君 私は、国際協調も重要だと思いますけれども、日本が窮乏化政策を続ける必要もないと思いますし、日本が豊かになるというのは国力に関してやっぱり最大の国益になるかと思っております。
#62
○委員長(古川俊治君) 時間が参りましたので。
#63
○藤巻健史君 一応これで質問を終わります。
#64
○大門実紀史君 大門です。
 今回の関税法案の大本は日豪EPAでございまして、我が党はこれに明確に反対でございます。それを前提にした本法案でございますので、中身の効果も定かではありませんから賛成するわけにいかないわけですが、こういう機会ですので、基本的なことを麻生副総理にお伺いしたいと思いますけれど。
 今回、日豪EPAは牛肉関税の大幅削減ということで、これ畜産・酪農農家にかなり影響を与えるということで、二〇〇六年の衆参の国会決議、これは全会一致なんですけれども、重要品目が除外又は再協議の対象となるようにというふうな全会一致の国会決議があったわけですね、全会一致で。牛肉というのも当然重要品目だったわけでありますが、今回こうなったということは、これもう国会決議に反していると。ですから、なぜ賛成されるのかが分からないぐらいでございますけれども。
 セーフガードがあるから止めると言うけれども、確かに一遍にたくさん入ってくるというふうなことは効果がないとは言えませんが、やっぱり価格は下がっていくだろうということは思います。
 私が思うのは、せっかくの機会だから、麻生副総理としての麻生大臣にお聞きしたいのは、食料、農産物を単なる貿易品と考えて、ましてや自動車と引換えにするようなものなのかと非常に強く思うわけですね。ほかの品目なら別として、農産物、食料というのは単なる貿易品と考えていいのかというふうに思います。
 アメリカもヨーロッパもそういうところはありますから、農産物に関しては日本よりも保護しておりますし、日本は何か保護、保護していると言われますけれども、もうかなり開放している方だと思います。この上、更に日豪EPA、更にTPPとなると、何か基本的に国家百年の計を誤る方向に私は行っているんではないかと。やっぱり農産物、食料というのは国の安全保障にも関わりますし、国土保全とか環境保護にも関わりますから、簡単に自動車と引換えにするとか、ちょっと位置付けがかなりずれてきているんではないかと思いますが、ちょっと基本的にそういうお考えを聞きたいと思います。
#65
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に農業が、安全保障の面から考えましても、また治山治水の面から見ましても、また、いわゆる食料の安全保障という面から考えましても、これは極めて大きな戦略物資の一つと考えるべきものだと思っておりますから、簡単にほかのものと一緒にするというわけにいかないからこれまで六十年間もいろいろ長いこと時間が掛かってきたんだと、私はそう思っております。
 日本にとりましても、この関税撤廃によって、いわゆる豪州の市場における日本の競争力が確保されるということは促進されると思いますし、また、日本にとりまして、これ絶対的な必要なものは鉱物資源、いわゆるそういった化石燃料かと思いますけれども、そういったもののエネルギーとか鉱物資源とか、そういったものの調達先でもありますので、そういった意味では極めて重要な貿易相手国であることもまた確かだろうと思います。
 これまでも農林大臣とか、それから外務大臣もお答えをしておられると思いますが、農林水産委員会の決議というのはこれはしっかり受け止めた上で、かつ国益にかなうという点から、最善の策を考えて政府一体となってこれまで全力を挙げて交渉に取り組んできたと思っておりますので、交渉結果と決議との関係につきましてはこれは国会が判断されるものと考えておりますけれども、政府としてはこれは日本にとって利益になる協定だと、私どもはそう思ってこれを結ばさせていただき、今言われましたように、冷凍の話にしても冷蔵の話にしても、そういったものについては時間を掛け、いろいろな形でこういったようなものにつきまして対応をさせていただいておると思っておりますし、特別セーフガードなんというものも、そういった意味では、国内畜産業保護という意味におきましてはいろいろなことをさせていただいたものの一つだと思っておりますので、いずれにしても、米につきましては関税撤廃等の対象から除外をしておりますし、食糧用の小麦につきましても将来見直すということにさせていただいておりますので、それなりの努力をさせていただいたとは思っておりますが、いずれにしても食料というものが極めて大きな戦略物資の一つであることははっきりしております。
#66
○大門実紀史君 もうこれ以上申し上げませんが、国益というものをよくよく考えていかなければと思います。
 次の問題で、先ほど尾立さんの方からタックスヘイブン、損保協会の要望についてございましたので、私もちょっと損保問題、触れたいというふうに思います。
 資料をお配りいたしましたけれども、今から十年、九年前ぐらいですかね、保険会社の不払問題がかなりクローズアップされまして、私はどちらかというと明治安田とか第一生命とか生保の方を取り上げてきたんですけれども、当時、損害保険会社の不払もかなり問題化しておりまして、二〇〇五年に損保の不払が発覚をいたしまして、平成十七年ですね、お手元の資料ですけれども、金融庁が損保四十八社に過去三年分の不払件数を調査して報告しなさいと命令を出しまして、その結果を踏まえて十一月に、お手元の資料ですけれども、調査結果が出て、全体で損保二十六社で十八万件を超える不払、八十四億円の支払漏れがあるということになって、二十六社に行政処分が科せられました。
 実はそのとき、後で明るみになるわけですけれども、東京海上だけは、過去三年分を求められていたのに最初の一年分を除外して報告しておりました。それが、それから九年後の今年の二月に、その最初の一年分を除外して二年分しか報告していなかったということがマスコミに対して内部告発があって明らかになったと。東京海上はそのとき、もう過去のことだからデータがないなんてごまかしていましたけれど、どういうわけか後でデータが修復できましたということで五月の九日に発表しましたけど、約十八万件の不払があったと。十八万件といいますと、二〇〇五年の二十六社全体で十八万件の支払漏れがあったというのが、東京海上は一年分だけで十八万件もあったということが今年の五月に明らかになりました。
 重大事案ですから私の方は大変関心を持ってきたんですけれども、東京海上は、きちんとした謝罪も何もなしに、やり方が違ったんだみたいなことを言っていただけで、しかし、社会的批判もあったので粛々とあるいは渋々と不払を払ってきているわけですね。九年がたっておりますので、今から払おうと思っても相手先が分からないとかいろいろあって、不払がやっぱり残ってしまう状況に今なりつつあるというふうに思います。
 見ていたんですけれども、東京海上自身の責任も金融庁の監督責任もいまだ公にどこにも明らかになっていないまま時間が過ぎてきております。こういう問題をただうっかりしましただけで済ませていいのかということと、私の方にも内部資料が来ております、入手いたしましたので今日取り上げているわけですけれども。
 金融庁が、まずその二〇〇五年当時、ほかの損保はみんな三年分ちゃんと報告しているのに東京海上だけ二年分の報告でなぜ金融庁が容認してしまったのかと、これがまず疑問なんですけれど、金融庁、いかがですか。
#67
○政府参考人(森信親君) 今先生からお話のございました二〇〇五年の九月当時、付随的な保険金の支払漏れについて報告徴求を行ったわけでございますが、当時を振り返りますと、保険業界全体として顧客それから利用者の視点に立った支払管理態勢に切り替えるという大きな転換が図られていたものと認識しております。
 その中で、金融庁としましても、当時、保険金の支払漏れ問題につきまして、各社に過去の実態を検証するとともに適正な保険金支払のための経営管理態勢、内部管理態勢等の早急な整備を促していたところでございます。
 それで、御指摘のあった東京海上の対人臨時費用保険の支払につきましては、当時、東京海上が公表していた支払漏れ件数は一万八千件余りであったわけでございますが、報告の対象になった三年間の間に東京海上は運用のやり方を変えておりまして、最初の二〇〇六年……
#68
○大門実紀史君 簡潔にしてください。
#69
○政府参考人(森信親君) 済みません。
 最初の一年においては、お見舞金等の費用が発生し保険金の請求があったにもかかわらず支払を行われなかったもの、これを計上している、それから、その後については、みなし請求案内を行うという運用に変更していたため、請求案内を行い、意思確認ができたものについて計上していたものと承知しております。
 当時、我々としましては、各社が自主的な方法で調査を行い、支払漏れへの対応を早急に行うように求めていたものでございまして、必ずしも一律の対応を求めていたわけではございません。東京海上が当初、最初の一年と二年と報告の仕方を変えたことにつきまして東京海上からは、付随的な保険金のうち、実損の発生を支払の前提としているような……
#70
○大門実紀史君 時間を考えて答弁してください。
#71
○委員長(古川俊治君) 答弁は簡潔に願います。
#72
○政府参考人(森信親君) はい。済みません。
 そのときの東京海上の判断には一定の理由があるという認識で当庁としても当時受理したものであるかと考えております。
#73
○大門実紀史君 要するに、当時、二〇〇五年に金融庁が求めたのは、いわゆる請求主義、請求されないと払わないということではなくて払うべきものは払うべきだと、そういう観点で支払漏れはないのかということを求めたのにもかかわらず、東京海上は、その一年分は請求されたものしか払わない仕組みでしたと、だから除外しますと。なぜそういうことを認めたのかということを聞いているわけですね。
 だって、ほかのところにはちゃんと払うべきものは払いなさいと、その前提で漏れているのはどうなのかということを聞かれているわけだから、東京海上だけなぜ払うべきものしか払っていませんでしたと、それ駄目だよと、その観点、それが駄目なんだよと、今回の調査はということで何で報告させなかったんですか。それが疑問なわけですよね。
 もしもそのときにきちっと金融庁が指導して、駄目だと、一年分除外しちゃ駄目だと、だから漏れているのはちゃんと報告しなさいと。たとえ十八万件になって、東京海上だけ突出ですよ。それにしたって、やっていれば、今頃払っているわけだから、どうせ払わなきゃいけないわけだから、今頃言われたって、忘れた人もいれば、連絡取れない人もいるわけですよね。そのときにやっていれば、不払がちゃんと払えたわけですよね。そういう契約者の観点に立たないでなあなあで東京海上とやってしまったからこういうことになっているんではないかと、不払が残っているんじゃないかということを問われていると思うんですよね。
 今の担当じゃないから、今の担当者、いないからあれですけれど、やっぱりそのときの金融庁の対応はどうだったのかということは改めて再検証すべきじゃないですか。これ大臣にお伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(麻生太郎君) 今の適切な保険金の支払という話なんだと思いますので、これは保険会社にとりましても最も重要な責任の一つだろうと思いますので、したがって金融庁としても、これは今後とも顧客とかまた利用者の観点に立ちまして、支払の管理態勢というものが、組織的かつ継続的にそういったようなものが十分に機能を発揮できるように我々としても指導監督をしていかにゃならぬと、そう思っております。
#75
○大門実紀史君 これは大きな問題ですので、まだそういうふうな生半可な対応でしたら再度取り上げていくしかないと思いますけれど、やっぱり金融庁としても、あのとき何が起きたのか、どうしてああいうふうに一年だけ認めたのか、きちっと再検証されるべきだと。これ一言どうですか、そういうことをちゃんと検証ぐらいすべきではないんですか。局長。
#76
○委員長(古川俊治君) 答弁短くお願いします。
#77
○政府参考人(森信親君) 本年二月、この問題が新聞報道をされましてから、我々も東京海上とはいろんな形で話合いをしたりモニタリングをしてきております。
 それで、今般も先生よりいろいろな具体的な御指摘をいただいておりまして、それについては我々誠意を持って回答してきておるつもりでございまして、引き続き、先生からの御指摘については引き続き確認するとともに、その支払管理態勢が更に優れたものになるようきちんと対応してまいりたいと考えております。
#78
○大門実紀史君 終わります。
#79
○中山恭子君 次世代の党の中山恭子でございます。
 まず、原産地証明に関する自己申告制度の導入の点からお伺いしたいと思います。
 今回のこの導入によりまして、これまで輸出品について日本商工会議所が日本製であるという原産地証明をしておりました。ある意味では非常に大きな作業だったかと思いますが、それが今回なくなりまして、日豪の経済連携協定では、その原産地証明の取得が不要となった代わりに、例えば輸入品について、輸入者が自ら作成した輸入貨物が原産品でありますという証明、自己申告をすればオーケーということになりました。この輸入貨物の原産性というのが、原産品であることの確認が輸入国の税関が行うということになったと考えております。
 また、この動きは、他のEPA、経済連携協定を結んでいる国にも今後波及していくであろうと考えております。この場合、やはり税関が原産品であるということについての責任を持つということでございますので、税関の負担というのが相当、先ほど尾立委員の御質問に対して麻生大臣からの御答弁でも、税関職員を相当増やすという、百四十人純増というふうなお話がありまして、まあそこまで手を打てば何とかやれるのかなとは思いながら、やはり日本の安全を考えますときに、しっかりした原産性というものを見極めていく必要が非常に重要であろうと考えております。
 例としていいか悪いか分かりませんが、例えば食料品について、これが全てオーストラリア産なのか中国製、中国のものが入っているのかどうかというようなことを私どもやはりどうしてもそこを確認してから買物をするという状況でございまして、現在ですね、特に。そういった意味で、税関の役割は多いと思います。
 人数を増やしていただくということで大変有り難く感謝の気持ちでいっぱいなんですけれども、それだけではなくて、やはり税関職員の質というんでしょうか、研修をしっかりやっていただきたいという思いと、それから、国家公務員の場合、全国を異動いたします。これ、二、三年でどんどん替わっていくわけでございますが、このときやはり一番大変なのが着任したときの住む場所、将来ずっと自分が住んでいる場所を確保できるというのはもうほとんどないと思われます。異動があったとき、一週間くらいの時間でもあればよろしゅうございますが、通常はもう着任して早々から仕事が始まります。そんな中で宿舎を決めたり探したりということはもうほとんど、非常に困難な状態だと思っております。
 まずは、やはり研修でこの原産性をしっかりと確認できる、そういう研修を行っていただきたいということと、やはり宿舎等の手当てについても、人数が増えると同時に手配していただきたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
#80
○副大臣(御法川信英君) お答えいたします。
 中山先生御指摘のとおり、税関の職員の拡充のみならず、その研修、体制整備、これは大変大事なことだというふうに認識をしております。
 とりわけ、これも御指摘ありましたけれども、輸入国税関における原産性の審査及び事後確認というのが重要になってまいります。このための税関の体制整備を図っていく必要がありますけれども、具体的には、協定発効前に通達やマニュアルをこれをしっかり整備して、全国九つの全ての税関に関して、制度の趣旨あるいは内容、具体的な実施方法等、これを徹底して周知をするとともに、財務省本省職員や東京税関、原産地センターの職員が通関審査あるいは事後確認等を担当する全国の税関職員に対してこれは研修を行うということにもしております。また、税関研修所のカリキュラムの中にも自己申告制度についての適切な運用ということについて盛り込むということにもなっております。
 さらに、既存業務の効率化を図りながら真に必要な人員を確保するということで、先ほど申し上げたとおり、まあ百四十人ですが、経済連携協定の拡充に伴う増ということで十七人ということを今努力しているところでございます。
#81
○中山恭子君 質問に入っていなかったかもしれませんが、国家公務員の宿舎の手当てなどについてはいかがお考えでしょうか。
#82
○副大臣(御法川信英君) ここでしっかりしたお答えをできるかどうか分かりませんが、この問題についても取り組んでいきたいというふうに考えております。
#83
○中山恭子君 昨年の九月に参議院の特定事項調査がありまして、私自身もその委員の一人としてシドニーを訪問しました。シドニーの町でやはりオーストラリアの牛肉、オージービーフ、オージーラムといった、こういう食肉の、どう言ったらいいんでしょうか、私どもが感じているような食肉の産業という、それをもうはるかに超えた形で、本当に輸出企業、輸出産業としてこの牛肉やラムが扱われている、まさに企業体制、大きな輸出企業であるということを実感いたしました。手続から生産の規定まで整備されておりました。
 マーケティング活動などの説明も受けましたが、やはり日本がこういった牛肉等の巨大な産業と相対するためには、やはり、非常に特化したと言ったらいいんでしょうか、非常に質の高いものをつくっていくという、そういったことが重要になってくるだろうと考えておりました。
 今回の牛肉に係る特別セーフガード措置につきましては、基準数量が高いところに置かれているということもありまして、まず、ほとんどセーフガードを発動するという事態は余り来ないであろうと考えておりますが、いかがでしょうか。
#84
○委員長(古川俊治君) 中山恭子君、どちらに。
#85
○中山恭子君 私自身の考えでよろしければ、そのまま飛ばして、ちょっと別のことを質問させていただきたいと思っております。
 それは、その視察のときに食肉が提示されまして、草だけで育てたもの、飼料と草が半々と、それから飼料だけで育てたものといったものについてのおいしさを比べましょうということで試食がありました。その中に、豪州産ではあるんですが、和牛のKOBEという牛肉が出されておりました。シドニーではこのKOBEという牛肉が最上級、最高級品だそうでして、シドニーのレストランでも、このKOBE牛というものが、これはオーストラリアの国内で育てられた和牛の肉でございまして、これが最高級のものであるという形で考えられております。その試食をしたときに、私は、どうですかと聞かれて、いや、日本の高級牛肉と比べるとやはりちょっとというような答えをいたしました。
 その中で、なぜオーストラリアでは日本の牛肉を輸入しないのかと、質の全く違うおいしい牛肉があるんだけどと聞きましたところ、そこの業者は一度輸入しようと思って申請したんだけれども、日本からの動物及び畜産物の輸入については、口蹄疫、BSE、鳥インフルエンザなどの理由で日本からのこういったものの動物の肉類の輸入は停止していますということでございました。調べてみましたら、オーストラリアだけではなくて、韓国、台湾、中国、インドネシア、ロシア等、相当の国が日本からの食肉を停止しております。
 日本では、日本の肉、そんなこと考えもせずにいただいておりますが、本当にこれは日本の肉というものが危険なものなのでしょうか。もし危険でないのであれば、例えば、このオーストラリアとのEPA協定をきっかけにしてでも、日本からの輸入停止を解くように努力していく必要があるのではないかと考えておりまして、この点について御答弁いただけたら。よろしくお願いいたします。
#86
○政府参考人(永山賀久君) まず、豪州への日本産牛肉の輸出についてお答え申し上げます。
 動物検疫措置につきましては、WTOの衛生植物検疫措置に関する協定、SPS協定と申しておりますが、これによりまして各国ごとに科学的な知見に基づきまして実施をしておるところでございます。
 我が国は、平成十六年の六月に豪州に、その前に、平成十三年九月に御指摘のございましたBSEの発生を受けまして輸入を禁止しておりますので、それを受けまして、平成十六年六月に豪州に日本産牛肉の輸出解禁要請を行っております。その後、解禁に必要な情報提供を随時行ってきたところでございますけれども、本年七月には豪州当局によりましてBSEに関する現地調査が行われているところでございます。
 現在、そのリスク評価が豪州当局によって行われておりますけれども、これまで収集した情報に不足がないことを確認した上で、これから後、輸出のための具体的な条件に係る協議に入ることとなってございます。
#87
○政府参考人(三宅智君) 日本産牛肉の安全性についてお答えをいたします。
 日本産牛肉に関しましては、平成十三年九月に国内で初めてBSEの発生を確認されたことを踏まえまして、同年十月に屠畜場における牛の特定危険部位の除去、焼却を法令上義務化するとともに、食用として処理される全ての牛を対象にBSEの全頭検査を開始いたしました。このような対策の結果、我が国では平成十四年二月以降に生まれた牛からはBSEが発生しておらず、平成二十五年五月には世界の動物衛生の向上を目的とする政府間機関である国際獣疫事務局、OIEが、日本を無視できるBSEリスクの国に認定しております。
 したがいまして、現在、BSEに係る日本産牛肉の安全性は国際的にも認められているものと認識しております。
#88
○中山恭子君 日本では全くそのような心配をせずに日本の牛肉、日本の鳥肉をいただいておりますので、これが東南アジアの国やロシアなどでも日本の牛肉は輸入できないんだと、危険なんだと思われていること自体、非常に残念な思いがいたしました、当時、あのときですね。そんな意味でも、是非安全であるということをしっかりと国際社会に示して、PRしていただきたいと同時に、こういった不平等というんでしょうか、理解されていないまま日本の牛肉は危険だということのないような手配を早速にしていただきたいと考えております。
#89
○委員長(古川俊治君) 時間ですので手短に。
#90
○中山恭子君 失礼しました。
 ありがとうございました。
#91
○平野達男君 今回も十五分いただきましたので、今日は農業関係を中心に何点か質問させていただきたいと思います。
 今日は日豪EPAがテーマでありますけれども、御案内のとおり、日本は関税につきましては鉱工業製品について世界に先駆けて税率を低くするという、ほとんどの分野において税率がゼロになっているということでありまして、残っているのが農業部分ということで、これからEPAとかTPPも含めて、どうしてもマーケットアクセスという部分、議論すると、日本の場合は一次産品、一次産品といっても特に、林業はもう下げていますから、自由化していますから、農産物のところに様々な議論が集中するということであります。
 御案内のとおり、じゃ、世界的にどうかということなんですけれども、ヨーロッパは高い関税と補助金で農業を一生懸命守っています。アメリカは、世界の農業大国だと言いながら、農業補助金を使っていないかというと、かなりの補助金を使って農業を守っていると。最近は、私、アメリカの農業について余りフォローしていませんが、かつては輸出補助金まで付けて、補助金を付けているということで、今もその傾向は多分続いていると思います。
 それからあと、EUは、もうどんどんアメリカの農産物にけちを付けるという、GMフードで、一時はもうフランケンフードといいまして、こんなもの食えるかといってアメリカの穀物の輸入を一生懸命阻止するということだったし、アメリカ側の牛肉にホルモン剤使えば、これはもう違法じゃないかといってけちを付けるという、そういういろんな手練手管を使ってとにかく自国の農業を守るというのは、EUでもアメリカでも、アメリカはもうセンシティブ品目、何品目かありますが、世界の常識みたいなことだというふうに思っています。
 南米とかオーストラリア、ニュージーランドみたいにああいう粗放的な農業をやっているところは別として、自由貿易は進めないかぬと思いますけれども、守るべきものは守るということで、先ほど麻生財務大臣からお話がございましたけれども、そういう方針で是非やっていただきたいというふうに思います。
 それで、今回の日豪EPAの中で、麦につきましては餌用についての関税はゼロにするということで、あわせて、麦は米と併せて国家貿易品目ということになっていまして、今までは全部国が一元管理をして輸入して、それで販売をするという形になっておりましたけれども、今回、オーストラリアからの輸入に関していえば国家貿易品目を外すということで、民間にお任せをするということになりました。今五十万トンぐらい、大体、麦については餌用として入っているということでありましたけれども。
 これ、国家貿易品目から外すというのは、ある意味においては今までにない大きな一歩ではあるんですね。今の段階で農水省としては、これはあくまでも例外的な措置として考えているのか、あるいは餌についてはこれから全部外すということで考えているのか、どっちかということで、簡単でいいですからちょっと御答弁をお願いします。
#92
○政府参考人(梶島達也君) ただいま飼料用麦の扱いについてお尋ねがございました。
 今回、飼料用麦の民間貿易への移行につきましては、まず、交渉相手国の豪州が餌麦の輸出国であるということ、加えまして、我が国においては飼料用を目的とした麦生産が行われていない、したがいまして国内小麦生産に影響を及ぼさないということ、三点目としまして、民間貿易によって穀物相場動向に対応した輸入が行われることでより安価な餌麦が提供できるということから、今回合意に至ったところでございます。
 現在、ほかのEPAにつきましては、今申し上げましたように、相手国の関心の程度、それからその影響等を踏まえてそれぞれ決まっていくというものでございますので、あらかじめその結果を予断するということにはならないということで御理解を賜れればと思います。
 最後に、今後のEPA交渉、守るべきものは守るということでしっかりと対応してまいりたいと思っております。
#93
○平野達男君 ちょっと分かりづらかったんですけど、あくまでも今回は例外的な措置という理解でよろしいですか、それだけちょっとお答えください。
#94
○政府参考人(梶島達也君) 言葉足らずで恐縮でございますが、相手国の関心の程度に応じてということでございます。
#95
○平野達男君 今まで麦の飼料用としての横流しみたいなことはなかったと思いますけれども、これから検査等々については農水省から財務省の方に移るということでありますが、税関の方はしっかりやっていただくと思いますけれども、穀物の中で粒として食べられるのは米だけなんですね。麦もトウモロコシも大体粉にして食べなくちゃならないということでありまして、主食用の麦についてはマークアップ取って、それでかなり高い価格で市場に出すということでありますから。一方で、麦については、多分等級は少し落ちているとは聞きましたけれども、粉にしてしまいますとなかなかその判別が難しいんじゃないかなというふうに想像してしまいます。様々なことで今まで横流しの防止やってきましたから、それが生きると思いますけれども。
 かつて、米については汚染米の、余り今ここでぶり返したくないですけれども、汚染米の事件の問題もありまして、その後、米のトレーサビリティー法なんか作ったりして、そういう全体の流通についてはきっちりフォローするという体制をつくりましたけれども、是非とも、そういう麦についても、税関の皆さんは大変だと思いますが、農水省から人を出すのかなと思ったら出さないんだそうですね。これ、今まで農水省がやっていたやつを全部税関がそれで引き受けますから、ただでさえ税関が大変なのに、その横流しの防止の部分までちょっと引き受けなくちゃならないというのは大変だと思いますけれども、しっかりやっていただきたいというふうに思います。
 そして、残りの時間、米のことについて、今日は、済みません、麻生大臣にも副大臣にも御質問ちょっと用意していませんので御容赦願いたいと思いますが、米について若干の質問をさせていただきたいと思います。
 今、皆さんも地元に帰られて、米の価格について様々な心配な意見が寄せられているというふうに思います。御案内のとおり、概算払というのが経済連若しくは全農から支払われるんですが、岩手県の場合は八千四百円ということで、例年のベースに比べると二千円ぐらい低かったということであります。
 そして、これ、概算払はあくまでも前払金でありますから、最終的には相対取引の価格で決まった価格と、そこからあと全農さんが経費取って残った部分をお支払いするということになりますが、マンスリーレポートの米のレポート見ますと、この相対価格も、九月段階で新米で、例えば岩手県のひとめぼれについては一万二千二百七十一円ということで、かつてない低さですね。本来ならば、九月は新米が出るときですから一万五千とか一万四千円とかそれぐらいの価格が出るんですけれども、これぐらいの価格になっちゃっている。
 その背景にあるのは、様々なことを言われていますけれども、一つは、今年は作況指数がかなり高いということで、東北、北海道がかなり作況指数が高いということがあります。それから、あとは、やっぱり私は、過剰米が、二百万トンぐらい抱えていて、二年連続で二百万トン以上抱えるという状況ですね。今年、米穀機構が三十万トン過剰米を買い取って餌に回すということでやって、少し効果があるかなと思ったんですけれども、余り効果も出てこないのかなということです。
 お手元の資料に、二枚紙用意しまして、近年における相対取引価格の月別全銘柄平均価格の推移ということで図表を用意させていただきましたけれども、平成二十二年は、これも過剰米を非常に抱えているということで、これ震災の年だったんですけれども、相対取引価格は非常に低位で推移しました。今の、今年の相対価格の取引はこれよりも低いですね。これで、これからナラシとかなんとかで対策をつくるだろうということだと思いますけれども、全体的な過剰米というものをきちっとした対策しないと、市場の中には需給状況が非常に緩むという見通しがやっぱり行き渡っているんじゃないかというふうに思います。
 それから、もう一つは、この過剰米を抱えている中で、生産調整の廃止というのを言ってしまいましたから、これでこれからの需給調整がどうなるかという見通しについても不安も出てきている。それから、あと人口減少社会というのが、これはいいことだと思いますけれども、人口減少社会ということがある程度広まってきて、需要も落ちるねということも農家の人たちというか市場も見ているという中で、何ができるかというとなかなかこれ限られていると思いますが、この過剰米の対策をどうするかということについて、今政府の方でどのように考えておられるか。
#96
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘がございましたように、近年の民間流通の主食用米の在庫量を見てみますと、御指摘のとおり、二十三年、二十四年は百八十万トン前後でございましたけれども、二十五年が二百二十四万トン、二十六年が二百二十二万トンという状況でございます。
 来年の六月時点での今の見通しでございますけれども、作況を踏まえまして現在は二百三十三万トンになるというふうに見通しておりますが、実は、今年産の米につきましては、いわゆるふるい下米ですとか青死米といった通常であれば主食用に回らない米もかなり出ているということでございますので、発表しております作況、需給見通しよりも更に十七万トンから二十万トンぐらい減少する可能性もあるというふうに見ております。
 そういった状況でございますので、今後の二十六年産米の価格動向、需給動向については、よくよく注視していく必要があると思います。
 そういった中で、今御指摘がございましたが、やはり人口減少、食生活の変化などによりまして、今後、主食用米の消費量の減少は続いていくというふうに考えざるを得ませんので、その中で需給の安定のためにはやはり需要のある飼料用米等の非主食用米への転換を進めていくということが何よりも重要ではないかと考えております。
 このような中で、先般、全農は、二十七年産の飼料用米につきまして六十万トンの目標を掲げて取り組むという方針を明確に打ち出されておりますので、私ども行政としましても、こういった動き、飼料用米等の拡大に向けてしっかり対応してまいりたいと考えております。
#97
○平野達男君 いずれ、先ほど申し上げましたように、今ふるい下米とか何かの話ありましたけれども、もう既に九月の新米の中で相対取引はああいう価格出ていますから、これはかなりの低い水準になるだろうということはやっぱり覚悟せないかぬだろうと思います。
 そういう中で、過剰米対策をどうするかというのは、今、柄澤部長からお話がありましたけれども、是非そういう方向でやっていただきたいと思いますが、いずれ長期的に米価がこうなるということになりますと、やっぱり心配されるのは、ある程度中規模程度で米をやっている農家が一番大変ですね。ナラシである程度補填されるということになりますが、ナラシもだんだん価格が下がれば補填価格の水準が下がっていきますから。
 それからあとは、中山間地域は高齢者の方が頑張っていますが、ある程度今この米が下がったとしても、元々自家労賃なんか余り考えていませんから、あと何年かは頑張ると思います。思いますが、今度は受取手がいないですね、リタイアするときに。
 いずれ米は、人口が減っても何でも米の需要はちゃんとありますから、日本では誰かがどこかで必ず作り続ける人がいます、外からはミニマムアクセス米で七十七万トンは入ってくる状況は変わりませんが。じゃ、誰が作り続けるかということに関しますと、今のままだと、やっぱり最終的には強いものが残るという構図になってくると思いますね。
 中山間地域が、今、繰り返しになりますけれども、高齢者が頑張っていますが、あと何年かするとばたばたばたばたリタイアします。そういう中で、中間管理機構なんかつくって農地を受け取るんだと言っていますが、出し手がいて、受け手がいないという構図の中で、この価格というものについては、なかなかこれセンシティブな問題ではありますけれども、十分、十分というか、どういう影響を与えるかという地域政策の観点からも見ていく必要があるということで、私は民主党のときに戸別所得補償政策というのをつくりまして、あれ出しまして、ばらまきだという批判を受けてしまいました。
 本当は、民主党は、あれと構造政策セットだったんですけど、構造政策が遅れちゃったんですね。お金を出すところだけやってしまったために、そういう批判を受けて十分な反論ができないという状況になっていますけれども、地域政策という観点を忘れてしまいますと、人口減少社会というのとセットになりまして中山間地帯はかなりの影響が出てくるということでありますから、そのことを重ね重ねちょっと申し上げまして、時間でございますので、一方的な話になってしまいましたけれども、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#98
○委員長(古川俊治君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#99
○委員長(古川俊治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定に基づく申告原産品に係る情報の提供等に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#100
○委員長(古川俊治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大久保勉君から発言を求められておりますので、これを許します。大久保勉君。
#101
○大久保勉君 私は、ただいま可決されました関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定に基づく申告原産品に係る情報の提供等に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、みんなの党、維新の党、次世代の党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定に基づく申告原産品に係る情報の提供等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 飼料の原料として使用するものであることを要件として関税の撤廃をする豪州産麦については、税関の監督の下で当該用途に使用されることを担保する必要があることから、製造工場に対する税関長の承認要件を明確化するとともに、製造等に係る検査を適切に行うよう努めること。
 一 輸入者等が自ら貨物の原産性を申告する自己申告制度を初めて導入するに当たっては、税関において、原産性確認手続を適正に行う体制を整備し、手続業務の効率的な運用に努めるとともに、貿易関係者等への制度の丁寧な周知を図ること。また、豪州税関当局から貨物の原産性の事後確認に資する情報の提供を求められた場合には、輸出者等の営業秘密の保護等に配意して対応すること。
 一 外国子会社合算税制については、英国ロイズマーケットにおける日本の損害保険会社の再保険業務等への影響にも配意し、OECDにおける「税源浸食と利益移転(BEPS)」プロジェクトの取組を踏まえ、必要な検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#102
○委員長(古川俊治君) ただいま大久保勉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#103
○委員長(古川俊治君) 多数と認めます。よって、大久保勉君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生財務大臣。
#104
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#105
○委員長(古川俊治君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#107
○委員長(古川俊治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 インターネット等を通じて国外から行われる役務の提供に対する消費税課税の適正化のための措置に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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