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2014/11/12 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 災害対策特別委員会 第5号
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2014/11/12 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 災害対策特別委員会 第5号

#1
第187回国会 災害対策特別委員会 第5号
平成二十六年十一月十二日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     吉川ゆうみ君
     島村  大君     高野光二郎君
     高橋 克法君     古賀友一郎君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     吉川ゆうみ君     高橋 克法君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         秋野 公造君
    理 事
                古賀友一郎君
                松下 新平君
                野田 国義君
                山本 博司君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                高野光二郎君
                高橋 克法君
                柘植 芳文君
                長峯  誠君
                羽生田 俊君
                馬場 成志君
                舞立 昇治君
                大島九州男君
                大野 元裕君
                那谷屋正義君
                水岡 俊一君
               薬師寺みちよ君
                東   徹君
                仁比 聡平君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
   副大臣
       内閣府副大臣   西村 康稔君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        松本 洋平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        日原 洋文君
       消防庁国民保護
       ・防災部長    室田 哲男君
       厚生労働省医政
       局長       二川 一男君
       国土交通省道路
       局長       深澤 淳志君
       国土交通省港湾
       局長       大脇  崇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策基本法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(秋野公造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、島村大君及び大沼みずほ君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君及び古賀友一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(秋野公造君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に古賀友一郎君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(秋野公造君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官日原洋文君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(秋野公造君) 災害対策基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。
 今日は、私の方からは、災害対策基本法の一部を改正する法律案の内容について、その後、災害対策基本法の全般について、そして最後に、防災関係の予算について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、質問に先立ちまして、今年も非常にいろいろな災害によって多くの尊い人命が失われました。お亡くなりになりました方に心からお悔やみを申し上げたいとともに、また、被災されました方々に改めてお見舞いを申し上げたいと思います。
 それでは、質問に移らさせていただきます。
 大臣の法律案の提案説明にもございましたとおり、今回の改正は、道路管理者による車両の移動等を規定したものでございます。この背景には、今年の二月に関東甲信越地方を中心としました記録的な大雪に際して、放置車両の存在が除雪が遅れた原因の一つとなったということ、そして、首都直下地震対策ワーキンググループの最終報告で、放置車両対策が極めて重要な課題ということで指摘をされていたことがあるというふうに認識をしております。また、七月の二十九日に開催をされました中央防災会議、第五回の防災対策実行会議におきましても、今冬の大雪被害と首都直下地震の想定を踏まえた放置車両対策についてが議論されております。
 道路啓開、つまり緊急車両等の通行のために救援ルートを開けることがポイントとなっておりますけれども、まず最初に、道路啓開の重要性について御説明をいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、災害時に消防活動や救助活動などの緊急通行車両の通行を確保することは極めて重要でございます。また、その後の復旧復興に向けても、車両の通行というものがその成否を左右する重要な要素であると考えております。
 そのため、災害の発生の直後から速やかに道路の通行空間を確保すること、これがいわゆる道路啓開と呼んでいるものでございますけれども、これを行いまして、まずは緊急通行車両の通行を確保するために最低限の通行空間を確保することが必要不可欠だというふうに考えております。直接、今回の法ではありませんけれども、東日本大震災におきましても、東北地方整備局がくしの歯作戦によりまして道路啓開を迅速に実施したことが、その後の救命救助活動あるいは復旧につながってきたというふうに考えております。
 今回の改正案は、首都直下地震等の大規模災害時や大雪等におきまして直ちに道路啓開を進めるための立ち往生車両や放置車両対策の強化を図るものであり、大変重要であると考えております。
#10
○磯崎仁彦君 今の御答弁の中にもございましたとおり、首都直下地震におきましては、都心を中心とする八方位ごとの道路啓開が想定をされております。災害時におきましては、空港あるいは港、これが物資搬入に非常に重要な役割を果たすということかと思っておりますので、この空港、港への連絡路をどう確保していくのかということも非常に重要な課題だというふうに思っております。
 その意味でいえば、空港、港の連絡路の啓開についてどういう対応策を取るのか、御見解をお伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 首都直下地震における空港や港湾へのアクセスの確保、これにつきましては、首都圏の災害応急対策において最優先すべき課題の一つと考えております。したがって、速やかに道路啓開を行うこととしております。一方、被災地の外からのアクセスを確保するため、都心方向に向かって八方向から緊急的に最低一ルートを確保する八方向作戦を実施することとしております。
 したがいまして、空港、港湾へのアクセス確保と八方向作戦が相まって、緊急物資の輸送や救命救助活動等の災害応急対策を支援できるものと考えております。
 以上です。
#12
○磯崎仁彦君 現行法におきましても、警察官、そして警察官がその場にいない限りにおいて自衛官あるいは消防吏員につきましては車両の移動が認められているわけでございますけれども、今回は新たに、冒頭申し上げましたように、道路管理者についても車両の移動を認めるという内容が盛り込まれているわけでございます。
 そういった意味では、現行のこの対応では不十分だという認識の下で新たに道路管理者の車両の移動が認められたということかと思いますが、その理由と、これを認めることによってどういう効果が生ずるのかということについて御答弁をいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 現行の災害対策基本法第七十六条の三では、警察官が車両の移動等を行うことができることとしておりますけれども、これは、都道府県公安委員会が緊急交通路として指定を行った道路の区間における措置でございまして、その前提として、緊急通行車両が走れることを前提として都道府県公安委員会が区域、区間指定を行っているというものでございます。したがいまして、そもそも道路の機能が維持回復されているかどうか分からない状態、あるいは回復していない状態におきます道路の確保、通行空間の確保というものは道路管理者が行っているというものでございます。
 今回の改正法案におきましては、そういった立ち往生車両、放置車両によって道路が閉塞してしまった場合を想定し、道路管理者にその機能を回復するための権限を付与しようとするものでございます。そうしたことによって道路管理者が道路啓開を行った後に、都道府県の公安委員会におきまして緊急交通路の指定が行われるものというふうに考えております。
#14
○磯崎仁彦君 今回、一定の要件を満たせば、移動に際して放置車両等を破損することを認めているわけでございます。また、現行法の下でも、第六十四条におきましては、市町村長に、緊急の必要がある場合には、他人の土地、建物その他工作物を一時使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、若しくは収用できることになっております。つまり、私の権利、私権が制約されることになるわけでございます。
 これらは災害応急対策の局面であるというふうに認識をしておりますが、私は、災害の復旧あるいは復興の局面におきましても、私の権利、私権の制約というのはあり得るのではないかなというふうに思っております。
 そこで、災害時におきます私権の制約というものについて、どのような場合にどの範囲で認められるのかということにつきまして、御見解をお伺いをしたいというふうに思います。
#15
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 災害対策基本法におきましては、今回措置する道路管理者による車両の移動、破損のほか、他人の土地や工作物の一時使用あるいは物件の使用、収用等を定める、これは市町村長が行うものでございますけれども、応急公用負担の規定、それから緊急交通路におきます、先ほど委員御指摘の、警察官等によります車両の移動、破損、それから大規模災害時の総理大臣による物資の購入等の自制等の国民への協力の要求などの規定がございます。
 これらの規定はいずれも災害時におきまして一定の私権の制約につながるものでございますけれども、これらの適切な運用、活用を通じまして、災害対策に支障が生じないように取り組んでいくことが重要だと考えております。
 なお、復旧の局面におきましては、それぞれそういう事業法に基づきまして一定の、同じような応急公用負担の規定でございますとか私権制限の規定、あるいは土地収用等の規定があるということで承知しております。
#16
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 災害対策基本法の第一条の「目的」には、「社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする。」ということでございますので、恐らくこれと私権とのいわゆるバランスを取っているということかと認識をしております。
 それでは、今回の改正につきましての質問はこれぐらいにさせていただきまして、災害対策基本法そのものについて、ちょっと御質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 災害対策基本法は、昭和三十四年の伊勢湾台風を契機として昭和三十六年に制定をされ、今日まで数多くの改正を経て今日に至っているということでございます。
 最近では平成二十三年三月十一日の東日本大震災、これを踏まえて平成二十四年、平成二十五年、いずれも通常国会で大きな改正が行われております。
 平成二十四年には緊急を要する内容の改正を第一弾ということで改正を行い、残された諸課題について更なる改正を行ったのが平成二十五年の改正というふうに認識をしております。今年の通常国会の改正は独立行政法人改革に伴うものでございますので、非常に形式的ということかと思いますので、実質上の改正につきましては平成二十五年の六月以降の今回の改正ということになると思っております。
 そこで、質問でございますけれども、平成二十五年の改正に当たりましては衆参の委員会におきまして附帯決議が付されております。その中で、衆参で若干の文言の違いはございますけれども、残された課題、あるいは今回積み残された課題については更に検討を重ね、必要に応じて法制上の措置を講ずることというふうにされております。この残された課題あるいは今回積み残された課題というのは一体何なのか、また、それについてどのような検討状況がそれ以降行われているのかということについてお答えをいただきたいというふうに思います。
#17
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 東日本大震災から得られました教訓、課題につきましては、平成二十四年や二十五年の二度にわたる改正によりましておおむね措置はできているのではないかというふうに認識しております。
 積み残された課題という御指摘でございますけれども、基本的に、その運用に当たって、進めるに当たって、何か課題が出てくればその時点で考えるということでございますけれども、現時点では一応の措置はしたのではないかと。
 ただ、一方で、今回も同じでございますけれども、これまでに経験したような甚大な災害が発生する昨今の状況に対応するためには、災害の経験を生かしまして防災対策を不断に見直していくことが必要であると考えております。今回の改正案も、今年二月の大雪災害の教訓あるいは首都直下地震の被害想定の見直しを踏まえまして放置車両対策を強化するものでございまして、災害対策基本法の不断の見直しを行っているというところでございます。
 今後とも、今回の改正も含めまして、運用面あるいはその災害により得られた知見等を見まして不断の見直しを行い、防災対策に万全を期してまいりたいと考えております。
#18
○磯崎仁彦君 確かに今回のこの改正につきましても、大雪を踏まえて、あるいは首都直下地震の想定されるということを踏まえて改正が行われるということでございますので、是非とも不断の改正を必要に応じてやっていただきたいというふうに思っております。
 それでは、次の質問でございますが、災害対策基本法の基本理念についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 これは法の第二条の二に基本理念として六項目が記載をされております。一つ目が、災害の発生を常に想定するという、そういうことが書かれております。第二号としましては、ちょっと全文読ませていただきますが、国、地方公共団体及びその他の公共機関の適切な役割分担及び相互の連携協力を確保するとともに、これと併せて、住民一人一人が自ら行う防災活動及び自主防災組織その他の地域における多様な主体が自発的に行う防災活動を促進をすること、こういう内容を含めて六項目が基本理念として記載をされております。私は全くそのとおりだというふうに思っております。
 ただ、一方で、この基本理念の規定の仕方に若干私自身、物足りなさというか、それを感じているのも事実でございます。
 いろんなところでいわゆる自助、共助、公助ということが言われます。この災害対策基本法に基づいて策定をされましたのが防災基本計画、これは六百ページ以上にも上る非常に大部なものでございますので、なかなか私、全部読み切れませんでしたけれども、この中に一つ、防災基本計画の中にはこのような文言が記載をされております。それは、自らの身の安全は自ら守るのが防災の基本であるという、こういう文言でございます。私は、まさに防災基本計画のこの文言の言うとおり、自助というものが防災の基本中の基本だというふうに思っております。
 もう一度災害対策基本法の文言を読みたいと思いますが、先ほど申し上げましたように第二号目でございますが、国、地方公共団体及びその他の公共機関の適切な役割分担及び相互の連携協力を確保するとともに、これと併せて、住民一人一人が自ら行う防災活動及び自主防災組織その他の地域における多様な主体が自発的に行う防災活動を促進をすること、こういう文言。そして、その後で、第三条で国の責務、第四条で都道府県の責務、第五条で市町村の責務、第五条の二で地方公共団体相互の協力、そして五条の三で国及び地方公共団体とボランティアとの連携、第六条で指定公共機関及び指定地方公共機関の責務。
 そして、やっと第七条で住民等の責務という項目が出てまいりまして、この第七条も、第一項が施設管理者の責務、第二項が物資、資材、役務の提供、供給を業とする者の責務、そして第三項で、前二項に規定するもののほか、地方公共団体の住民は、基本理念にのっとり、食品、飲料水その他の生活必需物資の備蓄その他の自ら災害に備えるための手段を講ずるとともに、防災訓練その他の自発的な防災活動への参加、過去の災害から得られた教訓の伝承その他の取組により防災に寄与するよう努めなければならない、こういう規定の仕方になっているわけでございます。
 確かに、規定をされていることは全くそのとおりでございます。ただ、やはり私は、先ほど申し上げましたように、まさに防災の基本は自助にあるというふうに思っておりますので、防災基本計画にあります、自らの身の安全は自らが守るのが防災の基本であると、こういう内容がこの防災基本計画の中できちんとうたわれるということが必要ではないかというふうに思っておりますが、山谷大臣、いかがでございましょうか。
#19
○国務大臣(山谷えり子君) 議員御指摘のとおり、災害からの被害を軽減するためには、家具の固定や食料、水の備蓄、建物の耐震化、地震保険の加入など、個々人の自覚に根差した自助の取組による防災対策を実施していくことが必要不可欠であると認識をしております。平成二十五年の災害対策基本法の改正により、このような観点を基本理念や住民の責務として追加したところで、磯崎議員、今丁寧に御説明いただいた部分でございますけれども、追加したところでございます。
 昨年実施した防災に関する世論調査においても、公助に重点を置いた対応をすべきと答えた方の割合が、前回、平成十四年のときの調査から大幅に減少しまして、二四・九%から八・三%。一方で、自助に重点を置いた対応をすべきと答えた方の割合が増加しています。一八・六%から二一・七%になっております。それとともに、公助、共助、自助のバランスが取れた防災対策を望むという方の割合が非常に増加しておりまして、三七・四%から五六・三%となっておりまして、やはり公助、共助、自助のバランス、あるいは自助に重点を置いたという国民意識の変化があったというふうに考えております。
 今後とも、自助の取組が国民にとって一般的なこととなるように、関係省庁及び自治体等と連携して防災教育あるいは防災訓練などの取組を推進してまいりたいと思っております。
#20
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 まさに、私も共助、公助を否定するものではございませんけれども、やはり自らの命は自らで守るという、そういう気持ちを防災教育等々の中でもやはりきちんと持っていただくというのは重要だと思いますので、是非とも自助という観点を、重要だということをいろんなところで是非とも啓発をしていただければというふうに思っております。
 それでは、次の質問でございますが、防災基本計画、この中に一つ項目がございまして、防災をめぐる社会構造の変化と対応という、こういう項目がございます。私は、この内容を見まして、非常に鋭い分析というか、そういった認識を持っております。
 どういうことが書かれているかと申し上げますと、一つは、今まさに人口減少ということが言われておりますが、国土における人口の偏在状況に拍車が掛かり、都市部といわゆる人口減少の中山間地あるいは漁村等、こういったところが非常に分散化していまして、それぞれの、例えば人口が密集しているところの防災対策と過疎地における防災対策、これはやはりきちんと分けて考えなければいけないということが述べられております。
 さらに、高齢者、障害者、外国人等の要配慮者の増加が見られ、要配慮者に応じたきめ細かな施策が必要である、まさにそのとおりだと思います。
 さらに、海外に対する適時適切な情報の提供が必要、これも、海外の方から支援をいただくということも大規模災害の場合には多々ございますので、海外にどうきちんと情報を提供していくかというのも必要だというふうに思っております。
 さらに、ここがやはり非常に重要だと思いますが、住民意識及び生活環境の変化により近隣扶助の意識の低下が見られるため、コミュニティー、自主防災組織の強化が必要である、こういうことの指摘がなされているわけでございます。
 まさに今、その防災環境を取り巻く環境というのは非常に変わってきているという状況の中で、こういったことについてきちんと取り組んでいかなければいけないというふうに思っておりますし、まさに今、そういう取組をしていただいているというふうに思っておりますけれども、こういったここに書かれている内容についての進捗といいますか、取組についてお答えをいただきたいというふうに思います。
#21
○政府参考人(日原洋文君) 防災をめぐる社会構造の変化に対応して防災対応もきちんと対応していかなきゃいけないというのは、今委員御指摘のとおりでございます。
 例えば、少子高齢化への対応につきましては、平成二十五年六月の災害対策基本法の改正を受けまして、各市町村長へ避難行動要支援者名簿の作成を義務付けております。そのためのガイドラインといたしまして、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針というのを昨年定めております。それに基づきまして、その推進を図っております。
 特に、グローバリゼーションへの対応ということにつきましては、海外からの観光客を迎えるということもございますので、観光庁を中心にいたしまして、自然災害発生時の訪日外国人旅行者への初動対応マニュアル策定ガイドラインというものを策定いたしております。また、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを迎えるに当たりまして、もう少し、ピクトグラムというんでしょうか、文字が分からなくても適切な避難ができるような、作成につきましても、従来からのものに更に改善を加えた今改定作業を進めている最中でございます。
 また、地域防災力の低下ということに関しましては、これも災害対策基本法の改正におきまして地区防災計画の制度を導入いたしまして、それに基づきまして、それぞれの地域の方が、地域の安全の確認でありますとか防災訓練の仕組みでありますとか、そういった取組を促進するような働きかけを行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、社会構造の変化に対応した防災対策は極めて重要と認識しておりますので、今後とも鋭意進めてまいりたいというふうに考えております。
#22
○磯崎仁彦君 まさに、この防災基本計画に従って取組が着実になされているということでございますので、是非ともその方向で引き続きお取組をいただきたいというふうに思います。
 時間の関係ございますので、質問をちょっと飛ばさせていただきまして、最後に、防災関係予算につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 今年も、冒頭申し上げましたように、様々な自然災害によりまして多くの尊い生命が失われたということでございます。国民の皆さんは、まさに災害に強い安全で安心して生活できる国土を願っているわけでございます。そのためには、ハード面、ソフト面、両面での施策の実行が不可欠でございますが、そこではしっかりとした予算の裏打ちというものが必要になるわけでございます。
 そこでまず、今年度、平成二十六年度の防災関係予算がどの程度なのか、そして来年度の概算要求段階で予算がどれぐらいになっているのかということについてお伺いをさせていただきたいと思います。
#23
○政府参考人(日原洋文君) 内閣府防災担当におきましては、毎年、関係省庁の施策のうち防災関係のものとして予算額を特定できるものを防災関係予算として取りまとめ、白書においてお示ししているところでございます。
 平成二十六年度の防災関係予算につきましては、科学技術研究関係で百二十七億円、災害予防関係で四千百二十九億円、国土保全関係で八千三十四億円、災害復旧等関係が約二兆五千三百五十七億円となってございます。これらを合計いたしまして三兆七千六百四十七億円となっているところでございます。
 また、二十七年度要求額につきましては、これは、そういった意味での計上というものは行っております。内閣府の防災部門の予算要求は分かりますけれども、政府全体としてどうなっているかという把握は承知しておりません。
#24
○磯崎仁彦君 今、平成二十六年度の防災関係予算について三兆七千六百四十七億円程度というお話がございました。我が国の財政状況、非常に厳しい状況でございます。
 これは言うまでもないことでございますが、防災はまさに国民の命を守るということにつながるわけでございます。首都直下地震対策も必要でございます。また、私は香川県でございますけれども、四国あるいは東海地方ということになりますと、南海、東南海、東海、この地震対策も必要ということでございますし、また、今年大きな災害がありました土砂あるいは噴火、こういった対策もまだまだということかと思います。
 そういった意味では、私、山谷大臣、まさに国家を守る、国土を守る、そういうイメージが非常に強い大臣でございますけれども、是非とも防災担当大臣としてしっかり予算の確保をお願いをしたいと思いますが、最後に大臣の決意をお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
#25
○国務大臣(山谷えり子君) 防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務でございます。政府が一体となって事前防災・減災対策等を集中的に進め、被害の最小化を図っていく必要がございます。
 防災対策の推進に当たっては、防災関連施設の整備などのハード対策とハザードマップの作成などのソフト対策を適切に組み合わせて総合的に行うとともに、社会資本整備など事業の効果的かつ効率的な実施を図るため、真に必要とする対策を重点的に支援する視点が重要であります。
 今後とも、関係省庁と連携しながら、必要な予算の確保に努めてまいる所存です。事前防災、そして被害の最小化、しっかりと予算取っていきたいと思っています。
#26
○磯崎仁彦君 終わります。
#27
○羽生田俊君 自由民主党の羽生田俊でございます。今日、質問させていただく機会をいただきまして、ありがとうございました。
 今、磯崎委員から、災害に大切なことは自分で自分の身を守るということであるというお話がありましたけれども、実は、東日本大震災のときに私は岩手の方に行ったんですけれども、昔からの言い伝えの中に、多分方言だと思いますが、てんでんこという言葉がある。これは、東北で何度も津波に襲われているときにどうやって逃げるかというと、要するに、てんでんこということで逃げるという。これを標準語的に理解をすると、てんでんばらばらで逃げろと。親がそばにいても、自分のことは自分の身を守れということで、そうすることによってみんなが助かるんだという意味で、そういう言葉が言い伝えとして、てんでんこということで伝わってきたのかなというふうに感じているところであります。
 今年、特に私の地元であります群馬、そして埼玉、山梨、長野ということで、ふだん余り多くの雪が降らない地域で突然大雪に見舞われたという災害がございました。この委員会でも視察に行ったわけでございますけれども、これは、積雪がふだん多くないということは、寒い場合には寒冷地という指定があるんですけれども、積雪が少ない場合には積雪地という指定はないということで、今回の雪の被害を受けたところは全てがこの積雪地の指定は受けていないところだったということでございます。
 特に、今回の災害対策基本法の改正の中での車両等々の移動であるとか、あるいは民間用地の利用であるとかということが出てくるわけですけれども、今回のこの大雪につきましても、私の地元の群馬でも、ふだん余り雪が降らないので、地域的には四十二の地域で全くの孤立状態になったということでございましたけれども、これはやはり除雪が十分できなかったということが理由であるということでございます。特に、ふだんの雪が少ない地域でございますので、ちゃんとした除雪の設備が整っていなかったということもあり、またブルドーザーがあってもそこまで運転手がたどり着けなかったというようなことがあって、除雪が非常に進まなかったというようなことがあるわけです。
 私は、今回の改正に非常に大きな、放置車両の撤去等々が盛り込まれて、避難路の確保やあるいは救助の道路の確保ということで非常に大切なことだというふうに思っているんですけれども。これは確認をしたものではないんですが、たしか、車を放置するときにキーは付けたまま放置してくれということを放送するか何か、前にそういう話を聞いたことがあるんですけれども、そういった場合には放置車両の撤去も比較的スムーズにいくのかなというふうに思いますけれども、現実的に、傷を付けてもいいということがあっても、どのように、例えば持ち上げてどこかへ移動するのか、どういう形でやるのか。具体的に、今分かる範囲で結構ですので、その辺ちょっと教えていただければというふうに思います。
#28
○政府参考人(日原洋文君) 車の移動の方法についてでございます。
 これは、緊急度とそれと取り得るべき手段ということの比較の中であると思いますけれども、比較的考えやすいものとしては、例えば今お話のあったように、キーがロックされたままになっている場合にウインドーを割って車を開け動かすと、サイドブレーキを外すというようなことが比較的簡易なパターンとしてはあり得るのかなと。場合によっては例えばホイールローダーのような機材を使いまして車を持ち上げるというような、その場合にはシャーシーに傷が付くおそれがあるというようなこともございます。
 さらに、大変大規模な災害で大渋滞を起こしていて、なおかつ緊急に車両を通させなきゃいけないというような場合でありますと、なおかつ道路がもうほとんど塞がってよける余地がないというような場合になりますと、極端な例としては段積みのようなこともあり得るのかなというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、どういう手段が取り得るのかという中での、最も軽いというんでしょうか、傷の少ないものを選択するという形になってこようかと思います。
#29
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 特に今回は高速道路での放置車両のために何十キロもの渋滞が起きたということで、高速道路の場合には、動く状態であっても高速道路から出るということがまず不可能になってしまうということで大変な渋滞になってしまうということですから、こういったときの放置車両をいかに早く除去できるかということが非常に大きな問題であるということで、今回の法律改正は非常に大きな意義があるだろうというふうに思っているところであります。
 続きまして、今、少しお話もありましたけれども、大雪だけでなくいろんな災害があるために交通渋滞あるいは通行止めということが起きるわけでございますけれども、今回の改正で今の車の除去以外どのようなことが新たにできるようになるのか、ちょっと分かる範囲で具体的なお話を聞かせていただければというふうに思います。
 よろしくお願いいたします。
#30
○国務大臣(山谷えり子君) 現行制度では、道路災害の現場では破損を含む車両の移動が可能でありますが、道路法第六十八条で可能でありますが、被災地へアクセスするための周辺道路については対応できません。被災に関わらず長時間放置された車両の移動は今現在道路法第六十七条の二で可能でございますが、平常時を想定した規定でございまして、車両の破損をしてまでの移動ができず、緊急を要する場合には迅速な対応が図れなかったという限界がございました。
 今回の改正によりまして、道路管理者が、災害時における放置車両や立ち往生車両について、被災地周辺から被災地にアクセスする道路を含めて、破損を含む移動を行うことが可能となるということでございます。
#31
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 私、三年七か月前に東日本大震災が起きたとき、その当時まだ日本医師会の方におりましたもので、すぐに対策本部をつくったわけでございますけれども、副本部長として、地域、いわゆる三県、主に三県ですね、との連絡を取りながら、どのように対応するかということで、特に医療に関してどのような支援ができるかということでいろいろと指示をしてきたわけでございますけれども。
 実は、今、日本でいわゆる公的にDMATという、いわゆる災害対策の医療チーム、これはディザスター・メディシン・アシスタント・チームというものです。このDがJになったJMATというものを日本医師会でつくりました。これはただジャパン・メディカル・アソシエーション・チームという、JMATという略になるわけですけれども。これがかなりの数が現地に行って、特にDMATは救急医療を中心とした医療チームであるということで、多くは四十八時間以内ということになっているわけですけれども、実際に災害が起きたときには、その後に避難所や何かに病気を抱えた方々が多くいるということで、その後の慢性的な状況をしっかりと見なければならないということがある。今度の場合、津波だったものですから、薬や何かも全て流されてしまって何も持たずにもう避難をしたという方も多かったわけで、救急よりもそういった慢性的な方々への対応ということが非常に大きなことであったわけですけれども。
 実は、このDMATとJMATの大きな違い、当時は、DMATというものは公的なものですのでいわゆる道路の使用等々が十分に、DMATですよと言えば警察がスムーズに通すということができてかなり現地まで早く行けたんですけれども、実は、JMATをつくったときに警察庁との相談で、各地域の警察が通行証を出せば通れるということになりましたけれども、これが十分に行き渡っていなくて、地域で通行証が出してもらえなかったとか、途中でこんなものでは通さないとか、そういったことで現地まで行き着かなかったというチームも随分あったわけでございます。また、私自身、改めて警察庁の方に、交通部長さんの方に直接電話をして、改めて指令を出してくれというお願いをしたわけでございますけれども、そういったことがあったわけでございます。
 そういった災害というときに災害医療というのは非常に重要なことであって、もちろんライフラインの確保であるとかそういったことも重要なんですけれども、むしろ医療もライフラインの一つという考え方もできるわけで、非常に重要なわけですけれども、そういったチームをつくったんですけれども、十分に現地まで行けなかったということが実際にあったと。
 そして、例えばヘリコプターをチャーターして現地まで医師を運ぼうとした地域も、県もあったんですけれども、チャーターをしても着陸許可が出なかったということで現実に運ぶことができなかったということでございました。十分いろいろなことを知り尽くしている県は警察や自衛隊を使って現地までヘリで飛んだということも実際にあったわけですけれども、そういったことがありましてなかなか苦労したわけでございます。
 特に、津波によって薬も流され、そして交通機関がほとんどストップしたために、問屋からの薬も医療機関あるいは被災地まで、避難所まで運べないという状況があったわけでございまして、我々、薬を、都内を中心とした薬問屋にお願いをして約九トンの薬を集めました。結果的に、これを宅急便で運ぼうと思ったら、道路が使えないということで宅急便で運べずに自衛隊にお願いしましたが、自衛隊に断られました。
 そのとき、ちょうどハーバードに行っていた医者がいたものですから、それが日本の横田基地の司令官と知り合いだということで、その関係でお願いしたところ、米軍はすんなりと、うちが運びましょうということで、実際に米軍の輸送機で運んでもらったということが現実にありました。これがアメリカ軍のトモダチ作戦の第一号ということで、実際にあったわけですけれども。
 そういったことがあって、もう非常に道路も使えなくて困ったんですが、その当時、日本医師会長から国土交通大臣、当時民主党の政権でございましたけれども、国土交通大臣に、とにかく高速道路を開けてくれということをお願いしまして、翌日に高速道路が開いたということで、そういった医療チームも素早く行けるようになったし、何よりもタンクローリーが高速道路で現地まで行けたということで非常に被災地としては助かったということがありましたけれども。
 その辺の判断、非常に難しいのでございますけれども、今度は道路管理者というのがその辺の判断をするのかどうかはちょっと分かりませんが、そういったことで、現地の医療という点で、非常にそれを十分に果たすというのが今の状況ではなかなか難しい。今回の基本法の改正によってもその辺が十分良くなるということがなかなか読み取れないこともございまして、その辺を大変心配しているところでございます。
 そういったことで、今回の法律では、緊急時や災害時というその定義の中でどのような活動までが救護活動としてできるかどうか、その辺のお話をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#32
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 今回の措置は、災害が発生した場合に緊急通行車両の通行を確保するためのものでございます。緊急通行車両は、消防車や救急車などの緊急自動車のほか、緊急輸送など災害応急対策の実施のための車両がその対象となるわけでございます。JMATが行います医療活動のための車両につきましては、災害応急対策を実施するための車両と認められることから、緊急通行車両となり得るものと考えております。
 なお、JMATについての位置付けがなかなか理解がされていないというようなお話がございました。今、私どもにおきましては、災害医療の在り方ということで、厚生労働省さんと一緒になって、その他関係省庁も含めまして災害医療の在り方を検討しています。その中では、DMATと併せ、JMATの位置付けについてもきちんと整理していこうということで取り組んでおるところでございます。
 また、薬の輸送に関しまして、東日本大震災でいろいろとトラブルがあったというお話いただきました。東日本大震災のときには、当初、トラックの扱いについてもやはり同じような議論がございまして、今その辺は大分整理いたしまして、トラックの輸送については緊急時においては速やかに通行が可能になるような措置をとっておりますので、また引き続き反省を踏まえまして取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#33
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 東日本の場合も、しばらく、数日といいますか、一週間以上がたってからは、災害の車両である、運搬車両であるということを明示をすればスムーズに通るということができたので、それができるだけ早くできるようにしていただきたいというふうに思うわけであります。
 最後に一つ、質問といいますか、これは要望も含めてなんですけれども、実は今回の車両の移動等の措置においては道路管理者という者が権限を持ってある程度できるということになるわけですけれども、ヘリコプターも救急の場合には搬送あるいは現場に医師を運ぶということで非常に大切な道具ということになるんですが、実はこれがなかなか降りられない。
 ふだんの災害でも、高速道路での事故の場合に、空から現地に向かうのが一番早くたどり着けるわけですね。高速道路の場合も、今場所によってはサービスエリアに降りられるようになったところもありますけれども、十分な広さがあればできるだけ早く降りられるようにしていただきたいということもあるわけでございます。これは、こういった災害ということもありますけれども、もちろん救急の現場、いわゆる大きな事故というときのことも含めて、このヘリコプターの利用というものを十分できるように対応していただきたい。
 今、ドクターヘリが随分できまして、今四十二機ぐらいで稼働しているわけですけれども、これについても、やはり飛び出すのにいろいろな制約があり、現地に降りるのにいろいろな制約があり、そして患者さんを乗せて帰ってくるのにもいろいろ制約がありということで、救急病院のヘリポートに降りるにも地域の住民の許可、同意書が必要であるというようなことで、今現在ヘリポートを救急病院に造っているわけでございまして、そういったところをもう少し簡単にいくように是非その辺もお考えをいただきたいというふうに思っているわけです。
 大災害であるとかあるいは大きな事故であるとか、こういったときに、救急を、じゃ、誰が指示を出すのかといったときに非常にばらばらで、救急隊は消防でありますし、自衛隊は自衛隊であり、日赤は日赤であり、DMATはDMATでありと、厚生労働省ですね、そういったところで、非常に指示を出すところがばらばらで、そこの連絡が非常に付いていないというのがこれまでの災害の一番の欠点であったと。
 常々考えているのは、災害も含めて、各県に県知事からもうそれだけの権限を与えられたコーディネーターを一人置いて、これが全てのこういった事故に対して、あるいは救急に対してのいろいろな、省庁に対しても指示ができるぐらいのコーディネーターを一人置くということ。こういった、いわゆる発信するところが一か所であって、そこに情報が入って、じゃ、ここはどうしていくかということが分かった方が、分からないとなかなか十分な対応ができないというふうに考えておりますので、これはこの法律上でもちろん書けるわけではないし、各省庁との連絡も非常に大切ではありますけれども、是非大臣としても内閣で、そういったコーディネーター等々が一か所から指令が全ての面について出せるということがこの対応については非常に重要なことであるというふうに思っておりますので、是非そういったことを内閣でも検討されていただきたいというふうに思っております。
 特に、これは、ヘリコプターは、国土交通省から始まって警察から何から四つの省庁ぐらいが関係するんですね。ですから、なかなか現場に飛んでいくことも難しいわけでございまして、その点を迅速にやるための権限付与といったコーディネーターを置けるようなことについて、今質問というより要望なんですけれども、それについて、もし何かお考えがあったらお聞かせいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
#34
○国務大臣(山谷えり子君) それぞれの自治体で専門性を高めた方がおられること、また、それぞれ様々な災害に対してどのような対応が可能か、指示、要請が可能かということに対して、非常に専門的な知識と体験を有する人間が必要だということは感じております。その上で、災害対応の標準化の取組なども併せて検討してまいりたいというふうに思っております。
#35
○羽生田俊君 ありがとうございました。
 以上で質問を終わらせていただきます。
#36
○野田国義君 民主党・新緑風会の野田国義でございます。会派を代表いたしまして、災害対策基本法改正を中心に質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 連日、本当に山谷大臣を始め、国家国民の安寧のために御尽力をいただいておりますことに対しまして厚く御礼を申し上げたいと思います。
 私からも、本当に今年も広島の土砂災害、そして御嶽山の噴火ということで尊い命が失われたということでございまして、犠牲になられました皆様方に心から哀悼の意を表したいと思いますし、被災された皆様方にお見舞いを申し上げたいと思います。
 一昨日ですか、中国で三年ぶりに日中首脳会談が行われて、戦略的互恵関係に基づいて日中関係を発展させることを確認したとして、総理は関係改善へ第一歩と申されたところでございます。しかしながら、靖国と尖閣の問題には具体的に触れず、両国の国旗もなく、笑顔もなく、二十五分ほど会談が行われたということでございます。
 さて、本論に入る前に、山谷大臣に靖国問題について少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 十月の十八日に靖国神社の秋季大祭ですか、行われた際に、大臣は国務大臣として署名されて参拝をされましたけれども、この参拝に対する素直な気持ちをお聞きできたらなと思います。
#37
○国務大臣(山谷えり子君) 国のために尊い命をささげられた御英霊に対し、感謝の誠をささげ、平和な国づくりをお誓い、お約束してまいりました。
#38
○野田国義君 ちょっと私事で恐縮なんですけれども、私の家庭というか、野田家の方でも二人の戦死者を出しました。一人は祖父の弟、何か船が撃たれて沈没したということでございます。それから、父の兄は予科練の特攻隊で亡くなったということでございまして、私も小さい頃から祖父あるいは祖母から、本当に自分の子供を特攻隊で亡くしたその悲しさ、むなしさ、そういうものをずっと聞きながら育ったわけでございます。
 そして、いつも言っておりましたのは、この靖国というのはちょっと違った、本当に我々の思いがあるというか、信じていましたね。靖国に行ければその亡くなった息子に会えるんだ、哲雄というんですけれども、そういうことも私も聞きながら育った一人でございます。
 しかしながら、それで私も、靖国には静かに、機会があれば、タイミングがあればお参りをさせていただいております。これはもう学生の時代からそうさせていただいておるんですが。ただ、ここで、本当に日中間、日韓、非常に微妙なときでございますので、国益を損なうというようなことに対してはやはりちょっと思いとどまると申しますか、そういう必要があろうかなと、そういう思いもしているところでございますけれども、大臣においてはどうでしょうか。
#39
○国務大臣(山谷えり子君) 国のために命をささげられた方々に対して敬意を表するというのは万国共通の普遍的なことであるというふうに思っております。その在り方はそれぞれの国の伝統に従ってなされるものだというふうに思っております。
 日中関係に関しましては、総理が昨日も記者会見で、日中両国が戦略的互恵関係の原点に立ち戻り、関係を改善させていくために大きな一歩を踏み出すことができたと考えていますと記者会見でおっしゃられましたけれども、私も内閣の一員としてそのように考えております。
#40
○野田国義君 やはりここは、国益ということを非常に総理もいつもおっしゃいますけれども、大切なことであろうと思うところでございます。
 それから、私、この靖国問題を考えますと、いろいろな気持ちあられる方がいらっしゃると思いますけれども、私が一番思いますのは、天皇陛下、天皇陛下が御案内のとおり参拝ができないということ、このこと。私は、何とか天皇陛下がちゃんと参拝ができるような環境づくりを私はすべきではないか。小泉内閣のときいろいろな検討もなされた時期もあったわけでございますけれども、今はそういうことすらなされていないということであります。私は天皇陛下が一番お参り、参拝されたいんじゃなかろうかなと心中を察するわけでございますけれども、山谷大臣、是非ともその辺りのところも御尽力いただけたら有り難いなと思いますが、いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(山谷えり子君) 野田委員のお考えを私十分に理解しているかどうか分かりませんが、この災害対策特別委員会において防災担当大臣としてお答えは控えさせていただきたいと思います。
#42
○野田国義君 しっかり、そういう逃げずにと申しますか、非常に重要なことでもあろうかと思います。私はここが非常に、もう何というか、対中またあるいは韓国のことを考えるときにはどうしてもここにもうぶつかっていくということでございますので、私は根本的なところから、やっぱり非常に難しい問題というのは私も分かっておりますけれども、取り組んでいかなくてはいけない問題ではなかろうかということをちょっと提言をさせていただきまして、その問題については終わらさせていただきたいと思います。
 それでは、災害対策基本法の改正について質問をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、現行の道路法の規定の限界と法改正に至った背景についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 この現行の道路法は、第六十七条の二の規定による措置では災害対応としてどのような限界があるのかということ、そのことと、また、阪神・淡路大震災を踏まえて平成七年に災害対策基本法が改正をされました。そのときも、警察、自衛隊、消防が破損を含む放置車両等の移動ができるとされましたけれども、そのときの経緯を踏まえてまた今回に至ったということでございますけれども、今回、この法改正に至った経緯について、まず山谷大臣に説明をよろしくお願いしたいと思います。
#43
○国務大臣(山谷えり子君) 今回の災害対策基本法の改正は、主に昨年十二月に中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループが取りまとめた「首都直下地震の被害想定と対策について」では、道路の被災に加え、放置車両の発生により深刻な道路交通麻痺が発生する可能性が示されたこと、また、本年二月の大雪で多数の立ち往生車両が発生し、数日にわたり交通が寸断されたことを背景としたものであります。
 また、現行制度では、道路災害の現場では破損を含む車両の移動が道路法六十八条で可能であるものの、被災地へアクセスするための周辺道路については対応できないこと、また、今、野田委員がおっしゃられた道路法第六十七条の二、被災にかかわらず長時間放置された車両の移動は可能ですけれども、平常時を想定した規定でありまして、車両の破損をしてまでの移動ができず、緊急を要する場合に迅速な対応が図れないといった限界がございました。
 本法案は、このような背景や現行制度上の課題を踏まえ、災害時に立ち往生車両や放置車両によって道路が閉塞してしまった場合に、緊急通行車両の通行を確保するため、被災地周辺から被災地にアクセスする道路も含めて、道路管理者が車両の運転者に移動を命じたり、それが困難な場合には自ら車両の撤去を行うことができるとするものでございます。
#44
○野田国義君 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、道路啓開に必要な人員や資機材等の配備について質問をさせていただきたいと思います。
 これらは少し具体的な点についてお伺いしたいと思いますが、本年の七月十四日行われた国土交通省の関東地方整備局の首都直下地震道路啓開計画検討協議会での議論によりますと、国土交通省東京国道事務所管内の東京二十三区内の直轄国道に関して、東京都と同様、建設会社などの二百社以上と点検等についての災害協定を締結しているものの、道路啓開に必要になるオペレーターやフォークリフト、ホイールローダー等、重機などの資機材を建設会社は通常東京二十三区内に常備しているわけではないので、今後も体制充実の検討が必要であると見解を述べているところでございます。
 そこで、全国的に道路管理者等の人員及び重機等の資機材を充実させることを求めますが、この前提として、東京二十三区の道路管理者等の人員及び重機等の資機材の数について、国として現状を把握をされているのか、また、不足しているのであれば、今後どうされようと対策を計画されているのか、お聞きしたいと思います。
#45
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 首都直下地震における道路啓開につきましては、まずは道路上に散乱する瓦れきやあるいは放置車両の撤去を行い、そして道路の段差等の補修を行い、緊急輸送路を確保する必要があります。こうした啓開を実施する際には、必要な敷鉄板あるいは重機等の資機材について、必要なものは道路管理者が災害に備えて都市部に準備するとともに、あらかじめ民間事業者と協定を締結し、民間事業者でもできる限り都市部で資材を保有することが重要だと思っております。
 委員御指摘のように、現在十分かといえば、十分ではないと思っております。このため、現在、関東地方整備局を中心として関係機関とともに首都直下地震の道路啓開計画の策定を進めているところであります。できる限り都心部へ資機材を配置するよう、必要な資機材及び人員の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
#46
○野田国義君 本当に東京で直下型地震が起こった場合は、いろいろな機器関係、もうかなり要るんじゃなかろうかなと思うところでございますので、その準備と申しますか、よろしくお願いをしたいと思うところでございます。
 それから、引き続き、道路の啓開における作業員の安全確保についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 東北建設業協会連合会による東日本大震災の復旧作業、道路啓開作業および除雪作業における建設企業の活動実態に関する調査では、活動の実施に当たって注意したこととして、調査対象となった青森、岩手、宮城、福島のいずれの県も、安全性の確保に注意したと回答する企業が多かったということでございます。ほかには、従業員の過重労働や二次災害の防止、余震と津波に注意等が挙げられておるということでございますが。
 そこで、災害発生時の道路啓開に万全を期すため、現場における作業員の安全性の確保に向けてどのような取組が必要であると今考えられているのか、見解をお伺いしたいと思います。
#47
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 道路啓開に当たっては、委員御指摘のように、作業員の方々の安全確保は最優先に確保すべきだと思っております。大規模地震では、橋梁の段差の発生、瓦れきの散乱、放置車両の発生など、そのような状況が想定される中で、また余震による二次災害にも注意を払う必要があると思っております。
 啓開作業をするに当たりましては、労働安全衛生法等の関係法令を遵守するとともに、現地の地方整備局職員と建設業の方々との間でしっかり意思疎通を図り、作業員の方々の安全確保が図られるよう配慮してまいりたいと考えております。
 以上です。
#48
○野田国義君 本当に広島の土砂災害も、あるいは御嶽山の噴火のときもでございましたけれども、この二次災害というのが非常に危ないということでございますので、ここも本当に非常に重要な点だと思いますので、今後ともしっかりとした対策を練っていただきたいと思うところでございます。
 それから、引き続きまして、道路啓開時における路上車両移動技術研究会等で得られた知見の活用についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 首都直下地震が発生した場合、被害者の救命救助、被災延焼箇所の消火活動や支援物資の輸送など、緊急車両の通行が可能となるよう速やかに道路啓開を展開するため、国土交通省関東地方整備局では、放置された車両を効率よく安全に移動するための技術的検討を行うことを目的とした道路啓開時における路上車両移動技術研究会を本年の六月以降開催をしておられまして、本年中に車両撤去に有用な技術開発など基本方針をまとめるとのことでございますが、また、同研究会では、十月にフォークリフトを使用した車両の移動の実証実験も行われたということでございます。
 そこで、今後、同研究会で得られた知見をどのように生かしていくと考えておられるのかお伺いし、また、十月二十九日には平成二十六年度の首都直下地震防災訓練を国土交通省関東地方整備局の主催で実施し、その中では災害対策基本法の改正案を踏まえた車両の移動等の道路啓開訓練を行ったとのことでございますけれども、同訓練において、克服すべき課題等が恐らく明らかに、実際にやってみて、なったんではなかろうかと思います。その辺りのところを少し詳細に御説明いただきたいと思います。
#49
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 関東地方整備局は、首都直下地震に備えまして、平成二十六年六月に、レッカー技術等の専門技術を有する団体と連携いたしまして、道路啓開時における路上車両移動技術研究会を設立いたしました。研究会では、簡単なアタッチメントをフォークリフトに装着することにより放置車両を迅速に移動する技術等の開発を進めております。
 また、今議員が御指摘ございましたように、実動訓練による対応能力の向上も必要であります。十月二十九日には、実際に荒川の河川敷で、災害を想定いたしまして、関東地方整備局の首都直下地震防災訓練を行いました。その結果、車両の移動に要する時間、更なる短縮等が必要であるとの課題が認識されたところであります。
 こうした新しい技術の開発あるいは実動訓練等を引き続き実施して、適切な道路啓開ができるように努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
#50
○野田国義君 本当に、今もおっしゃったように、かなりの技術、高度な技術が要ると思うんです。ですから、しっかりと訓練をしておかなければいけないと思いますので、その辺りのところを、実際やってみてということでお分かりになってきたと思いますので、その辺りのところをしっかりと備えていただきたいと思うところでございます。
 それから、引き続きまして、災害の発災時における運転者が取るべき対応の在り方の周知方法についてお伺いをいたします。
 先ほどもちょっと質問があっておったわけでありますけれども、大規模の災害等の発災時における運転者が取るべき対応の在り方については、道路交通法に基づいて国家公安委員会が作成する交通の方法に関する教則において、できるだけ安全な方法により道路の左側に停止させることなどを記載していると承知をいたしております。また、防災訓練の場等を活用して、災害時の車の運転の仕方についても広報に努めるとのことであったと。しかし、運転中は緊急車両の交通の妨げにならないように鍵を付けたまま本来は路肩に停車をさせる等、大規模災害時に徹底させることは容易なことではないと想像ができるわけであります。
 運転者に対する講習や防災活動等の普及啓発、広報に加えて、優良運転者や一般運転者の免許の有効期間は五年でございますが、また、防災訓練の場等を活用しても、防災に関心の高い方の参加は見込まれるものの、多くの運転者はそのような機会に参加されることは少ないのではないかと思います。
 そこで、普及啓発の実効性を高めるため、発災時における車の適切な運転方法等について、事業所や町内会単位などへの広報等、更に効果的な方法によって早急に周知を図るべきではないかと考えますが、具体策の検討状況についてお伺いしたいと思いますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。
#51
○政府参考人(日原洋文君) 委員御指摘のとおり、発災時に立ち往生車両や放置車両の発生そのものを抑制するために、災害時に運転者が取るべき行動を周知することは大変重要であるというふうに認識しております。
 御指摘のとおり、発災時に運転者が取るべき行動といたしましては、まず、車を置いて避難するときはできるだけ道路の外側に置いてほしい、あるいは、やむを得ない場合には左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーは付けたままで、ドアはロックしないことというようなことがございまして、これにつきましては、警察庁のみならず内閣府におきましてもホームページ等で周知しているところでございます。また、御指摘のとおり、防災訓練等の機会を捉えまして啓発を進めているところでございます。
 また、そもそも車を利用しないというのも重要でございますので、災害時の車の利用自粛ということで、災害対策基本法の第五十一条の二で、総理大臣が災害に対してとるべき措置を国民に対し周知することとされておりますので、例えば今年の九月一日の防災の日の政府本部運営訓練の中でも、総理から車の移動を極力控えるような呼びかけを行うような訓練を行ったところでございます。
 今後とも、関係省庁、地方公共団体と連携の上、防災訓練や交通安全に係る広報などを通じまして平時から運転者に対する普及啓発を行ってまいりたいと思っておりますけれども、今御指摘いただきましたような事業者あるいは町内会を通じた周知というものも、具体的にどういうふうにやるかということをよく関係者と相談しながら検討してまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#52
○野田国義君 このことも本当に東京辺りだと相当混乱するのではなかろうかということが予想ができるわけでありますけれども、溝なんかにもう落とすというようなことも、何か北海道の方に聞きましたら、そういうこともたまにやることもあるんですよということもおっしゃっておりました。我々からは到底、九州の人間からは考えられないことでありますけれども。そしてまた、鍵を付けたままとか、なかなかこういうことも、どうしてもやっぱり鍵を掛けてしまうと。しかし、やっぱり鍵がそのまま、掛けたままと鍵を付けたままとこれ全然違いますので、その辺りのやっぱり指導というか啓発もしっかりとよろしくお願いをしたいと思うところであります。
 引き続きまして、車両等の移動に際して土地を一時使用の解釈及び周知方法について御質問させていただきます。
 法案の第七十六条の六第四項では、車両等の移動に際して土地を一時使用すること等について規定がなされております。その中では、他人の土地を一時使用し、又は竹や木その他の障害物を処分することができるとございますが、具体的にどのようなことが想定をされるのか。また、車両等の移動を行う際、この移動先として沿道の民地が使用されると理解するわけでありますが、この場合、本来はその都度、道路管理者が土地の所有者等と契約を締結し、借地料、使用料等を支払って使用することが望ましいものの、緊急時はそれがままならない事態が発生するためにこの規定が設けられたと解釈をいたします。
 このような施策について、国民に対して速やかな周知を図ることが無用なトラブルを回避できるのではないかと考えますし、また、衆議院での答弁では、現場を対象とした運用マニュアルの作成を予定していると答弁をなさっております。国民に向けた周知の在り方についても十分配慮すべきではなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。
#53
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 今回の改正法案におきましては、車両を移動する際、必要最低限での範囲内におきまして他人の土地の一時使用と障害物の処分ができることといたしてございます。これは、車両の移動先として沿道の空き地、駐車場などの民地を使用することを想定しておりまして、その際、車両を移動することで例えば花、花壇を傷めてしまったり、車両の置場として樹木を伐採するというようなこともあり得るということを想定したものでございます。
 実際にその運用に当たりまして混乱が生じることのないよう、今委員からも御指摘がございましたように、運用マニュアルにおいて、例えば土地の所有者がすぐ近くにおられるような場合であれば一言断るとか、そういったことも含めました運用を考えているところでございます。
 なお、基本的には本人同意が必要ではございませんので、そういった点につきまして内閣府におきましてホームページなどで周知を図ってまいりたい。委員御指摘のとおり、運用に当たって混乱はなるべく避けるというのが大変重要でございますので、今度の制度の趣旨というものをきちんと周知してまいりたいというふうに思っております。
 また、放置車両対策につきましての訓練というものもございますので、そういった機会なども活用いたしまして、道路管理者だけでなく国民の方々にも法律の趣旨をきちんと理解していただけるような取組を進めてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#54
○野田国義君 いろいろな人がおられるんですよね。だから、本当にこのことも非常に災害時大切だと思いますので、しっかりとお願いをしたいと思うところであります。
 続きまして、車両等の損失補償手続の簡素化や補償の迅速化に向けた検討状況についてお伺いをさせていただきます。
 今回の法改正によって道路管理者が車両等を自ら移動することができる権限が規定されるとともに、やむを得ない限度において破損することも許容され、その際の損失に対して補償規定も設けられているとなります。その際、車両を破損した場合においては、当該車両の所有者等に対し記録簿等に基づいて道路管理者から事後連絡を行い、補償の手続を進めることとされております。災害により車両の破損状況は様々でありまして、損失補償に要する時間もケース・バイ・ケースとなるのではなかろうかと思います。補償手続の簡素化や補償の迅速化について国民も望むところでございます。
 そこで、災害後に無用なトラブルが生じないよう、損失補償の手法に関して政府として適切な措置を講ずるよう今から必要な検討をしておくべきであると考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
#55
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 今回の改正によります、道路啓開作業の過程におきましてやむを得ない限度におきまして車両を損傷した場合には、その所有者等へ補償を円滑に行うということが重要であるということは委員御指摘のとおりでございます。このために、例えば啓開の現場にあっては、できるだけ車両の移動前、移動後の状態を、可能な限りということでございますけれども、写真で残すとか、移動の内容や連絡先を記載した掲示物を現地に残す、あるいは必要に応じて補償に関する相談窓口を開設するなどのことによりまして、事後に車両保有者の間で混乱の生じないように努めていくと。そのため、それに併せて、車両損失の補償手続の簡素化や迅速化に努めるということが考えられるわけでございます。
 これらの措置につきましては、法律の施行と同時に発出する道路管理者等への施行通知あるいは運用マニュアルのようなものを作りまして、規定の趣旨、運用について明確にし、十分周知してまいりたいというふうに考えております。
#56
○野田国義君 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それから、ちょっと話は変わりますけれども、火山噴火の被害対策について、この場で、せっかくの機会でございますので、質問をさせていただきたいと思います。
 まず、このことも今大きな問題になっておりますシェルター整備の国の方針でございますが、災害時の緊急対応に関連して、火山噴火の際の登山者あるいは行楽客の安全確保についてでございます。
 今回の御嶽山の噴火では、登山者に被害が集中し、犠牲者の大半が屋外で噴石の直撃を受けたということでございます。この悲劇を繰り返さないためにはどうすればよいか。退避ごう、いわゆるシェルターなどの一時避難施設を整備する必要があるのではないかと思います。
 シェルターは火山噴火の際に飛散してくる噴石、火山灰から身体を守るのに有効とされております。国内の活火山では、浅間山、阿蘇山、桜島などにシェルターが設けられております。しかし、御嶽山にはシェルターはございませんでした。噴火当時、数百人の登山者がいたと見られておりますが、山小屋に逃げ込めた方は助かっておられます。シェルターが設置されていれば犠牲者を減らせたのではなかろうかと思われます。
 我が国に百十ある活火山のうち、気象庁が二十四時間体制で常時監視、観測している火山は四十七であり、今後百年程度以内に噴火が発生する可能性を踏まえて選定されたと聞きます。しかし、シェルターがあるのは十数か所しかないということでございまして、我が国の活火山の多くは登山者や行楽客を集める観光地となっているが、これは登山者、行楽客への噴火対策が進んでいないと言わざるを得ません。
 四十七火山のうち、民間人のいない硫黄島を省く全ての常時監視火山には必ずこのシェルターを設置する必要がございます。登山者や行楽客の安全確保に万全の体制を整えるべきであると考えますが、政府としてはどのようにお考えなのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#57
○国務大臣(山谷えり子君) シェルター等の一時退避施設の整備でございますが、火山噴火による噴石から登山者、観光客等が一時的に避難し身を守るために有効であると認識しております。
 今委員おっしゃられましたように、幾つかの火山ではシェルターが整備されておりますが、その全国的な整備状況等について把握するために現在調査を行っているところでございます。
 また、今回の御嶽山噴火から明らかになった様々な課題、顕在化した問題を検討するために、中央防災会議の下に火山防災対策推進ワーキンググループを設置することとしておりまして、このシェルターの整備についても重要な論点の一つと考えております。このワーキンググループにおいて今年度内を目途に総合的な対策を取りまとめることとしておりますので、その検討結果を踏まえ、速やかに対策を講じていきたいと考えております。
#58
○野田国義君 本当に、命を守るためにしっかりとよろしくお願いしたいと思います。
 それから、このシェルター整備、自治体支援でございますけれども、国が全部やってくれればいいわけでありますけれども、基本的には自治体というようなことになっておるところでございますが、その地方公共団体によるシェルター整備の取組に対してはやっぱり積極的な国の支援が必要じゃないかなと。大体、こういう火山等があるところは非常に脆弱な財政状況のところが多いのではなかろうかと思いますので。それと、いっそのこと、これもう自治体任せということではなくて、国による設置を検討できないだろうかなと、そのように思いますが、いかがでしょうか。
#59
○政府参考人(室田哲男君) 消防庁におきましては、常時観測四十七火山におけます避難ごう、避難舎の整備に要する費用を消防防災施設整備費補助金の交付対象の一つといたしまして支援を実施しているところでございます。
 なお、当該補助金は、平成二十六年度予算におきまして十六億二千万円を計上しているところでございますけれども、今年度、退避ごう、退避舎の整備に対し交付した実績はございません。
 現在、消防庁におきましては、この常時監視の四十七火山におけます避難ごう、避難舎の整備状況や整備計画等を緊急に調査をしておりますので、その結果等を踏まえまして整備に対する支援の拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。
#60
○野田国義君 今おっしゃったように今年は支出していないというようなことでございまして、非常にこれはやはり御嶽山の災害を教訓としなくちゃいけないわけでございますので、積極的に取組をお願いしたいと思います。
 ところで、設置費用は一基大体どのくらい掛かるんですかね、これ。
#61
○政府参考人(室田哲男君) これまで補助をいたしました実績でいきますと、避難ごうにつきましては、これは浅間山の例でございますけれども、二千六百万円でございます。また、避難舎でございます、これは三宅村の例でございますけれども、これは十四億三千万ほど掛かっているということでございます。
#62
○野田国義君 非常に高いということでございますので、本当にそれこそ中小の自治体ではなかなかできないということでございますので、よろしく支援のほどをお願いをしたいと思っております。
 また、これは運び込むのが大変と、大体火山は高いところにあるので、資材の、そういう問題の指摘もあるようでございますので、しっかり研究をしながら対策を講じていただきたいと思います。
 それから、最後になろうかと思いますが、登山届提出促進に向けた国の考え方について御質問をさせていただきたいと思います。
 御嶽山の噴火では、巻き込まれた登山者、行楽客の安否確認が時間が掛かり、行方不明となった方の全容が分からなかったりいたしまして、登山届を提出していない人が多かったのがその一因となっているところであります。
 登山届は、山で災害が発生し、遭難者が出た場合、行方不明者数を把握し、犠牲者の身元を特定する基本的な情報になる。しかし、登山届の提出率が低いと、住民でない登山者や行楽客が火山噴火や荒天に巻き込まれて遭遇した場合、迅速な捜索が困難となる。警察庁調べによりますと、昨年、全国の山岳遭難は二千百七十二件あったそうで、このうち登山届が出ていたのは何と三百七十一件にしか及びませんで、二割足らずであったということでございまして、この御嶽山の噴火当日も多くの人が登山届を提出しなかったということでございます。
 そこで、登山者、行楽客の火山噴火遭難に万全を期すため、登山届の提出率を上げるような施策を政府に要望をしたいと思います。
 さらに、一部の県では、登山届の提出を義務化する動きがあります。例えば、遭難者が多いとされております富山県の剱岳と群馬県の谷川岳の入山者については、両県がそれぞれ条例で登山届提出が義務付けられており、さらに、岐阜県でも北アルプスの焼岳などで十二月から条例で義務化する予定となっているところでございます。
 先行事例も参考にしながら、この戦後最悪の火山被害となった御嶽山噴火を教訓として、全国の活火山に入山する登山者あるいは行楽客に届出を徹底し、任意であっても提出が習慣化ないしは届出の義務化を図るべきではないかと考えるところであります。
 また、十月二十八日の非常災害対策本部会議決定においても、緊急の取組として、平成二十六年度内に火山における届出の位置付けの明確化について地方公共団体に働きかけるとされておりますが、国の考え方をガイドラインやマニュアルなどで示すことにより地方公共団体による制度整備を働きかけるべきと考えますが、登山届の提出促進に向けた国の具体的な方策、考え方をお聞きしたいと思います。
#63
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 登山届につきましては、委員御指摘のとおり、噴火時におきます登山者の捜索のためというものもございますし、それ以前に、登山届の作成を通じまして安全な登山のための事前準備の認識が深まるということも期待できるわけでございまして、火山噴火対策として有効であるというふうに認識しております。ただ、御指摘のとおり、現状では多くの登山者は登山届を出していないという実態がございます。
 登山届につきましては、既に幾つかの自治体におきまして届出の義務化がございますので、その活用方法について、先ほど大臣からもお話ありました火山防災対策推進ワーキンググループを、場を活用いたしまして、登山届の扱いにつきましても御検討いただき、その上で登山届の位置付け、明確化につきまして、それを踏まえた働きかけというものを公共団体に対して行っていきたいというふうに考えております。
#64
○野田国義君 本当にいろいろな災害が起きておりますが、これを一つ一つ教訓として次につなげていくことが大切だと思いますので、しっかりと取組をよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#65
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 災害対策基本法改正案に関しまして質問を申し上げたいと思います。
 初めに、改めて本年夏の土砂災害や台風、御嶽山の噴火被害などでお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 本日は、法案に関連をする部分と、また南海トラフの巨大地震への備えにつきまして、質問をしていきたいと思います。
 まず、改正案の内容に関しましてお伺いいたします。
 今回の改正でございますけれども、本年の二月に発生をしました大雪による大規模な孤立の発生というのが一つのきっかけになっていると思います。二月の十四日から十六日、大雪などの被害によりまして死者は九県で二十六名、立ち往生車両は最大で千五百台となっておりまして、甚大な被害が発生をしたわけでございます。山梨県内では、県内全域で全車両が立ち往生をして、食料とか燃料が不足したという深刻な状態であったと言われております。こうした厳しい状態を真っ先に現地を訪れて確認をされておられます西村副大臣に、この当時の状況ということについて、どのようなものであったのか、御報告をいただきたいと思います。
#66
○副大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 今年の二月の大雪のときのお話でございますけれども、孤立集落も発生し、またそれも長期化するという事態の中で非常災害対策本部を政府において設置をいたしまして、特に大きな被害がございました山梨県に現地対策本部を設置をして、私と亀岡当時の政務官と交代で本部長を務めた次第でございます。
 現地対策本部では、連日、県と合同で会議、県の会議に参加をする形で意見調整、連絡調整を行いながらこうした対応に当たってきたわけでありますけれども、具体的には、まず孤立地域の解消ということを最優先をして対応を行いまして、その状況把握、そしてそのための対応ということで、除雪機械も足らなかったものですから、周辺の自治体を含めて、豪雪地域も含め広域的なそうした機械への支援あるいは人的な支援といったことをお願いをしたり、あるいは、特にその区域全域が孤立状態となった早川町の早期孤立解消ということで、そこに向けた救助活動あるいは物資の輸送、除雪等に対する自衛隊等の派遣と、こういったことを対応してまいりました。
 また、停電もありましたので、電力事業者と除雪業者との間の調整とか、あるいは物資の供給についての事業者との連絡調整、そして二次被害で雪崩も危険視されておりましたので、そうした専門家を派遣して、どの程度そのおそれがあるのかといったことの分析、こうしたことを行ってまいりました。
 さらに、その被災者の支援あるいは復旧の支援ということで現地で様々なニーズがございましたので、特に農業の被害が大きなものがございました、ハウスの撤去等ですね、こうしたことについて公費で支援するような仕組みを農水省、環境省とも調整の上、実施した次第でございます。
 以上でございます。
#67
○山本博司君 副大臣、大変にありがとうございます。
 私も、記録的な大雪という意味では、二〇一一年の山陰地方、鳥取と島根県が、ちょうど正月の時期でしたけれども大雪が降りまして、そのときにお伺いをしたことがございました。その地域も、そんなに雪が降るという、記録的な雪が降るところじゃなかったわけですけれども、実際、漁船が四百五十二隻被害がありましたし、白砂青松のきれいなクロマツが五千九百本被害に遭ったりとか、観光の問題等も、様々そうした声を、雪によっての対応ということがあったということを私も実際見て痛感をしております。
 今回のケースもやはりふだん雪が少ない地域において記録的な大雪になったということが言われておりますけれども、今回のこうした改正の前にも、そもそもこうした大規模な孤立を未然に防ぐ手当て、これはもっと必要ではなかったのかということも考えるわけでございます。もし、あの大雪の想定が判明したときからこの情報提供を随時行って、いち早く、外出を避けるというふうなことであるとか、若しくはスタッドレスタイヤであるとかチェーンの装着を呼びかけるとか、車両の通行規制を随時行うとか、こうしたことを徹底していれば、そうした大規模じゃなくても、もう少し小規模で収まったのではないかと、このように思うこともございます。
 そこで、これまでのこうした事例等の検証をして、大規模な孤立を未然に防ぐためにどのような対策が必要であると、このように考えていらっしゃるか、確認をしたいと思います。
#68
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 今年の二月の記録的な大雪に対しましては、金曜日の夜から降り始めたわけでございまして、その金曜日の昼間に警戒会議を開催いたしまして、当時の古屋防災大臣から、夏タイヤでの通行を避けてほしいとか、車の不要不急の利用は避けてほしいというような呼びかけはしておったんですけれども、やはり十分徹底できなかったということもございますし、そもそも除雪の量が不足していたというようなことがございました。その結果、大きな立ち往生車両が発生したということでございます。
 改善策といたしまして、国土交通省におきまして、まずその関係機関、事前に調整しまして除雪の優先区間を設定すると、あるいは除排雪用の資機材の適切な配置あるいは協定によります調達を進める。それから、立ち往生車両の発生を抑制するための早めの通行止めを行う。それから、先ほどもありましたが、除排雪機械につきまして広域連携を強化する。そのほか、冬タイヤ、チェーンの装着の準備の呼びかけでございますとか、ツイッターを活用した通行止め状況の提供など、情報提供の充実などを行うということを、今回の二月の大雪を、反省を踏まえまして対策を講ずることとされているというふうに承知しております。
 内閣府といたしましても、不要不急の車両の自粛、チェーン等の装着準備などなど、災害時に取るべき行動につきまして改めてきちんと呼びかけていき、対応を取ってまいりたいというふうに思っております。
 国土交通省など関係省庁と連携の上に、今年の冬につきましても適切に対応していきたいというふうに考えております。
#69
○山本博司君 こうした大規模な孤立を防ぐという様々な対策というのは大事でございますので、推進をお願いをしたいと思います。
 次に、損失補償に関しましてお伺いをしたいと思います。
 法案では、災害発生時に直ちに道路啓開を進めて緊急車両の通行ルートを迅速に確保すると。このために、道路管理者が放置車両を移動することができるようになっているわけでございます。その際には、やむを得ない限度での破損を容認するということになっておりまして、その場合、損失に見合った補償がされるということでございます。
 例として、ホイールローダーで車両を持ち上げて移動させるということが紹介されておりましたけれども、一般の乗用車からトラックとか若しくはトレーラーとか大型に至るまでの放置車両というのがあると思いますので、移動ができるようにするには、クレーンであるとか若しくは重機など相当の規模の準備が必要ではないかと思います。
 また、こうした車両を持ち上げて指定された土地まで運ぶということでございますから、当然それは傷が付いたり破損をするということがなりますので、費用はどのぐらい掛かるのかとか、若しくはこの道路管理者は規模によって想定がなかなか難しい場合があると思います。
 そこで、この具体的な損失補償の規定というのをどのように決めていくのか、このことを確認をしたいと思います。
#70
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 今回の改正法によりまして行います損失補償につきましては、基本的に車両の移動等に伴って生じた損失分ということでございます。
 具体的には、ケースにより様々でございますけれども、例えばサイドブレーキを外すために割ったガラスでありますと、ガラスの修理代。それから、重機によって車両を持ち上げたときにつきましては、そのための擦り傷とかバンパーのへこみなどの修理代と。あるいは、段積みをせざるを得ないような場合につきましては、それによって車が変形いたしますので、それを元に戻すための修理代と。基本的に修理代ということになるわけでございます。
 そのために、元々の状況がどうであったか、移動によってどういうふうに損失が生じたかということを明らかにする必要がございますので、災害時でございますからできるだけとしか申し上げられませんが、車両の移動前、移動後の状態を写真で残しておくなどによりまして事後の混乱が生じないようにしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#71
○山本博司君 やはり、これは私有物ということでございますから、その所有者のものを公的な形の執行をしていくということで、やはりきめ細やかな配慮ということを見ていかないとこれはいけないと思います。
 その意味で、今回の法改正の趣旨というのを、車両の占有者、所有者であるとか、当然地方自治体、道路管理者もそうでございますし、地域住民に対してしっかり周知をしていくということが必要だと思いますけれども、どんな形で進めていくのか、この点確認をしたいと思います。
#72
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 まず、道路管理者に対しましては、運用マニュアルのようなものを作成いたしまして、先ほど申しました写真を撮るようなことも含めて周知を、これは国土交通省の方で御検討いただいているところでございます。
 それから、法律につきましては、当然通達もございますし、ホームページ等の掲載等もございますが、そのほか、この放置車両対策はやはり訓練もしていかないと進みませんので、そういった訓練の場でありますとか、あるいは防災の日等を活用いたしました訓練とか、様々な防災教育、防災訓練の場を活用いたしまして今回の改正の趣旨を周知してまいりたいというふうに考えております。
#73
○山本博司君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 この改正は、大規模な災害の際に直ちに道路啓開を進めて緊急車両の通行ルートを迅速に確保するために大変重要なものであると思います。
 東日本大震災のときにはくしの歯作戦と、こう呼ばれる道路啓開が実施をされまして、内陸部を南北に貫く東北自動車道とか国道四号線、そこから沿岸部に向けて瓦れきの撤去とか段差の解消を進めて、緊急車両とか物資の輸送ができるように体制が確保されたというふうに聞いております。
 また、今後想定されております首都直下型地震に関しましては、八方向作戦と、こう呼ばれる道路啓開の計画があるということでございますけれども、私、四国に住んでおりますので、南海トラフの巨大地震が想定される地域、特に四国におけるこの道路啓開の計画、これはどのようになっているんでしょうか。現状を御確認したいと思います。
#74
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 南海トラフ巨大地震の発生を想定いたしまして、国土交通省四国地方整備局では、関係機関と協力いたしまして、平成二十三年に道路啓開計画を策定いたしました。今委員御指摘の東北地方における道路啓開、くしの歯作戦、これを参考にいたしまして四国版くしの歯作戦と名付けております。
 具体的に申し上げますと、比較的被害が少ないと想定されます瀬戸内側の松山自動車道、国道十一号などの横軸のラインを確保すると併せまして、横軸から太平洋沿岸地域へ連絡する高知自動車道、国道三十三号等の縦軸のラインを確保し、さらには縦軸ラインから太平洋沿岸の国道五十五号、国道五十六号の沿岸ラインを確保することとしております。
 今後とも、実践的な訓練などを通じまして啓開計画をより実効性あるものとし、来るべき大地震に備えた対策を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。
#75
○山本博司君 今、四国版くしの歯作戦という形で、瀬戸内海から太平洋側に入るという形で進めていこうということでございますけれども、現実は四国はなかなか道路が未整備状況がたくさんございます。その中でも、このくしと言える、例えば香川から徳島に入る猪ノ鼻道路ってありますけれども、三豊から三好に向かっていくという、これもしっかり整備がされました。また、愛媛県の久万高原町から高知に入っていく地芳道路、これも整備されてきて、くしの部分というのは確かにできつつはあるわけですけれども、しかしまだ全体的な形で道路が未整備な状況があります。
 特に、これは四国といいますと、やはり高速道路が大変大きな役割が果たされるわけでございますけれども、残念ながら、この整備状況というのは余り進んでいないというのが実態がございます。この高速道路の現状に関して御説明いただきたいと思います。
#76
○政府参考人(深澤淳志君) 御説明申し上げます。
 四国における高速道路の整備状況についてお尋ねがありました。四国におきましては、委員御指摘のように、切迫している南海トラフ巨大地震による津波など災害時におけるリダンダンシーを確保するためにも、高速道路の整備が重要だと考えているところであります。
 四国を一周する全体延長約八百十キロメートルの8の字ネットワークの整備状況は、平成二十六年十月現在で、開通済みが約五百五十二キロメートルで全体の六八%、現在事業中の延長が約百二十九キロメートルで全体の一六%であります。地元からも早期整備について多くの要望を受けているところであります。
 以上です。
#77
○山本博司君 やはり、被災者の救助の生死を分ける時間というのは七十二時間の壁というのがあるかと思います。実際、人命の救助のためには、被災されたところに、一刻も早く被災者の下に到達するというのがやっぱり大きな課題であると思います。
 しかし、残念ながら、南海トラフの巨大地震の影響を受けるこの地域においては、いまだこの高速道路が未整備の状況があるわけでございます。たくさんあります。例えば、紀伊半島南部の三重県から和歌山県の地域、これもそうでございますし、四国も、愛媛県、高知県の幡多地域の地域、また徳島から高知に至る地域、これもそうでございますし、九州では宮崎県の一部でこれは未整備の部分がございます。
 こうしたミッシングリンクの解消ということに関しては、各県の知事の皆様、地域の方々が要望活動を活発に行っているわけでございますけれども、四国においてもこの高速道路、8の字ネットワーク、まだ六八%ということでございますけれども、やっぱり命の道であるということでずっと訴えてきたわけでございます。
 東日本大震災の際に、この被災地である三陸の沿岸部、これに関しては高速道路が着実に建設をされております。まさしく大規模災害の発生時に、救命、救援のルート、この部分でやはり高速道路の整備がネットワークの向上に、防災機能の強化につながっていくという意味では大変私は大事であると思います。
 山谷大臣、この認識をまず伺いたいと思います。
#78
○国務大臣(山谷えり子君) 防災機能の強化のためにも早期の高速道路の整備が必要ではないかという御指摘、御質問でございますけれども、高速道路は、大規模災害発生時における迅速、円滑な救助活動、緊急物資の輸送、復旧活動の実施等を支える基幹的なルートであり、東日本大震災においても太平洋沿岸の被災地への道路啓開の起点として、また日本海側の高速道路ネットワークが物流の迂回路として機能するなど、その役割を再認識したものでございます。
 切迫性の高い首都直下地震や南海トラフ地震等への防災機能の強化に当たっては、この度の災害対策基本法の改正における道路管理者における災害対応力の強化もさることながら、その前提として、基幹的な道路ネットワークの確保ということが非常に重要であるというふうに考えております。
 今後とも、強さとしなやかさを持った安全、安心な国土、地域、経済社会の構築という国土強靱化の理念を踏まえ、国土交通省を始め関係機関と連携しながら、高速道路を含めた災害時における緊急輸送ルートの確保の推進、防災機能の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
#79
○山本博司君 もう大臣、是非これは、ミッシングリンクの解消という部分は大規模災害にとっての大事な部分でございますので、閣内においても、また政府においてもしっかりお願いを申し上げたいと思います。
 次に、南海トラフの巨大地震への備えにつきまして具体的にお聞きをしたいと思います。
 この南海トラフの巨大地震につきましては、国の被害想定では、最悪の場合、三十四メートルの津波が発生して、死者は三十二万人と言われております。経済被害は二百二十兆円と言われておりまして、人命保護を最優先とした防災・減災対策、大変急務となっております。
 昨年十二月に南海トラフの地震対策特別措置法、特措法が施行されまして、地域指定がされた上で対象地域の国庫補助がかさ上げになっております。これによりまして津波避難対策が進んでいるわけですけれども、まず、防災担当大臣としてのこの南海トラフ地震対策の決意、これをお伺いしたいと思います。
#80
○国務大臣(山谷えり子君) 南海トラフ地震で想定される大規模な地震、津波に対しては、命を守るということを中心に被害の最小化を図り、ハードとソフトを組み合わせた総合的な対策を講じていくことが必要と認識しております。
 本年三月に中央防災会議において決定された南海トラフ地震防災対策推進基本計画では、地震・津波対策を講じていくことにより、今後十年間で達成すべき減災目標として、想定される死者数をおおむね八割減少させるということを掲げております。この減災目標を達成するため、関係省庁や地方公共団体等と連携して地震・津波対策の着実な推進を図っているところであります。
 中でも、津波から人命を守るためには住民の迅速な避難が重要であります。今年は、十一月五日の津波防災の日を中心に、国、地方公共団体、民間企業等が津波防災訓練等の活動を行い、津波からの避難の重要性について広く周知を図ったところでございます。先生お生まれ、お住まいの四国地方でもたくさんの訓練が行われました。
 また、人命救助のためには様々な機関の総力を挙げた対応が必要となります。このため、全国からの応援部隊の派遣や広域医療搬送、広域物資調達等、国の調整が必要となる応急対策活動について、あらかじめ具体的にその実施手順等を定める具体計画を今年度中を目標にできるだけ早期に策定してまいりたいと思っています。
 今後とも、関係機関と緊密に連携し、南海トラフ地震に対する防災・減災対策に万全を期してまいる所存でございます。
#81
○山本博司君 先月、高知県を、南海トラフの津波対策の地域、ずっと回ってまいりました。今、やはりいち早く逃げないといけないということで、津波タワーをそれぞれ設置されております。例えば南国市では、十四メートルぐらいの津波が来て、ともかく二十分以内に逃げないといけないというところで、津波タワー約十四基、二十メートルぐらいの二階建てのものを六百メートルごとに十四基建てられております。そして、もうすぐ逃げられる、約四千名ぐらいの方がその地域では五分以内にそこに駆け付けることができるということが特措法等の様々な法整備によってできております。
 また、土佐の一本釣りというカツオで有名な中土佐町というのは、やはり三階建ての津波タワーで、高齢者とか障害者の方がしっかりできるようなスロープであるとか、手で、何といいますか、しっかり四、五人ぐらいが上れるような、そういう形の津波タワーも造っておりますし、また、三十四メートルの黒潮町、ここでもやはりすぐ逃げるための対応ということで、命の山ということで、子供たちが毎週、週一回、その山目指して避難をしているという。一刻も早く逃げるということをどうするかということがやはり今の現状でございます。
 そういう意味で、津波の情報を早く発信をするという意味で、この調査体制の整備に関してお聞きを申し上げたいと思います。
 本年三月に中央防災会議で決定されました南海トラフ地震防災対策基本計画の中では、あらゆる手段を活用して調査体制を充実させると、こう明記されております。特に、津波に備えた調査体制の整備が重要であると私は考えております。
 この調査体制に関しまして、一つの事例として今日はお聞きをしたいんですけれども、国交省で活用しているGPS波浪計と海洋レーダーというのがございます。これは津波の観測に大変大きな効果があるというふうに言われておりまして、そこで、国交省の港湾局長に、このGPS波浪計と海洋レーダーの活用状況と津波に対する研究状況について報告いただきたいと思います。
#82
○政府参考人(大脇崇君) 国土交通省港湾局におきましては、港湾整備に必要な沖合の波浪を観測することを目的といたしまして、GPS波浪計を全国で十七基設置をしているところでございます。また、海洋短波レーダーにつきましては、閉鎖性海域におきます浮遊ごみ回収の効率化ということを目的といたしまして、全国で四海域に設置をしてございます。
 GPS波浪計につきましては、沖合での津波観測も可能でございまして、観測データを気象庁にもリアルタイムで提供しているところでございます。東日本大震災におきましては、沖合で六メートルを超える津波を観測いたしまして、気象庁の津波警報の引上げにも活用されたところでございます。さらに、地域防災にも活用いただくために、観測データを沿岸地方自治体等にメール配信をするシステム、これを順次構築をしているところでございます。
 一方、海洋短波レーダーにつきましては、東日本大震災の後、その観測データを分析いたしましたところ、津波による流れを広範囲に捉えることができることが分かりました。現時点ではまだ研究段階ではございますけれども、津波防災への実用化に向けて技術開発を行っているところでございます。
 このようにいたしまして、港湾局といたしましては、保有する観測機器、これを津波防災にも活用できるように、引き続き国土技術政策総合研究所、あるいは独立行政法人の港湾空港技術研究所とも協力しながら技術開発を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上です。
#83
○山本博司君 このGPS波浪計と併せて海洋レーダーを活用しますと、より精緻で迅速な津波の到来が予測が可能となって、いち早い避難につなげていくという研究を産官学の研究所を中心に今進められているということでございます。
 こうした津波の観測の研究を進めていくことによって、この南海トラフの地震災害が想定される沿岸部にそれを設置を推進を私はしていくべきだというふうに思うわけですけれども、今、これはごみ収集を含めた当初の目的とは違う観測機器であったとしても、応用によって新たな価値が見付かるのであれば、どんどんこういったことは推進をすべきと考えております。
 また、こうした研究以外にも、御嶽山の噴火災害の際の火山の観測体制の整備、これも求められておりました。一方、ゲリラ豪雨とか竜巻とか局地的な異常気象に関する即時観測システム、これも大変重要な課題でございます。こうした地震とか津波とか観測体制の更なる充実が私は必要だと思います。そうした分野を活用すれば、海外においてもその技術を展開できて国際貢献にも私は役に立っていくと、こう思う次第でございます。
 大臣に最後に、こうした災害に備えた調査研究体制の整備を拡充をしていくと、こういうことに関してお願いをしたいと思います。
#84
○国務大臣(山谷えり子君) 災害に備えた調査研究体制の整備拡充の必要性でございますが、効率的、効果的に進めていくことが大変に重要だというふうに考えております。
 例えば火山災害については、御嶽山の噴火を踏まえ、観測体制、研究体制等の整備拡充について気象庁、文部科学省において検討しているところであり、内閣府においても、それを踏まえて総合的な火山防災対策を検討することとしております。
 一方、防災対策に関する調査研究においては、各調査研究の連携が不十分、防災対策のニーズと調査研究のマッチングがなされていないといった研究成果の防災対策への反映の不十分さ等々の課題があるというふうにも指摘されているところでございます。
 このような状況を踏まえまして、中央防災会議防災対策実行会議において、防災対策に関する知見が深い有識者等から成る防災関連調査研究の戦略的推進ワーキンググループを設置することといたしました。現在、ワーキンググループの立ち上げに向けて鋭意準備を進めているところであり、この中で、防災対策に関する調査研究に関する情報の集約、整理、共有化を行うとともに、防災対策ニーズと調査研究のマッチング等を行っていくことで調査研究の成果を防災対策に反映できるよう推進してまいります。
#85
○山本博司君 是非とも、こうしたワーキングチーム検討会が立ち上げられるわけでございますので、推進をお願いしたいと思います。
 その意味で、やはり予算の措置という意味でも大変大事でございますので、その点もお願いをしたいと思います。最後に一言。
#86
○国務大臣(山谷えり子君) ワーキングチーム、火山噴火、そして土砂災害、そしてこの度の防災関連調査研究の戦略的推進ワーキンググループ、様々な課題が出てまいります。必要な予算をしっかりと取ってまいりたいと思っております。
#87
○山本博司君 以上でございます。ありがとうございました。
#88
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 まさに防災対策というのは、多くの尊い命が失われて、その上に成り立っているということを、私、今日も忘れずに議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 今日の準備いたしました質問は三点でございます。まず一点目は、さきの常会からの宿題の確認でございます。二点目といたしましては、今回の改正点。三点目といたしまして、羽生田先生に続き災害医療について取り上げさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 では、まず一点目でございます。
 西村副大臣にお伺いをさせていただきます。さきの常会、雪害の後に孤立集落というものの定義について見直すべきではないかというふうな私の問いに対しまして、検討しますというお答えをいただきました。現在の検討状況について教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
#89
○副大臣(西村康稔君) 前国会のときにも委員御指摘をいただいて私どもいろいろ考えているところでございますけれども、先般、内閣府において、中山間地の、山合いの集落等について、地震等が起こった場合あるいは土砂災害が起こった場合、孤立するおそれがある集落についての調査を行いまして、これは先月、十月二十二日に公表いたしております。
 このときの孤立ということの定義については、中山間地における主な移動手段が自動車であるということに限られておりますので、そうしたことを念頭に道路交通による外部からのアクセスができるかどうかという、四輪の自動車で通行可能かどうかという、この点について目安として孤立の定義というものをしました。
 ただ、実際に、山梨の大雪のときもそうですし、様々なケースで、いろんなケースがあるんですけれども、発生時に救出救助をする対象となるかどうかは、車両の交通だけじゃなくて、人は歩いて通れるかどうかとか、あるいはそもそも備蓄をちゃんとしているかどうかとか、水、電気、ライフラインが通っているかどうか、あるいは住民の方がそもそも避難をする意向があるかどうか、こういった点を考えながら総合的に判断をするということにいたしております。
 例えば、ありましたケースでいいますと、研修施設で、自宅以外の場所なんですけれども、ここで大勢の方が取り残されているというケースで、仮に緊急車両が通行可能であっても随時食料をやっぱり運んでいかなきゃいけないということもありまして、孤立をしているという判断をするケースもありました。逆に、一定車両のアクセスがない、確保されていない場合でも、元々、山奥、山合いに住まわれて、ふだんと変わらぬ生活ができているから心配しないでくれということで、孤立とみなさないようなケースもございました。
 これなかなか難しくて、孤立集落という定義あるいは呼び方、これについて、今申し上げたように、避難せずに自主的に滞留しておられる方もおられますので、そうした場合のどういうふうに呼ぶかという呼び方も含めて、誤解ないように対外的にもしっかり説明することが大事ということで、引き続きその呼び方等は検討いたしているところでございまして、いずれにしても、呼び方とか定義をどうするかというところにかかわらず、そうしたライフラインの状況とか住民の避難の意向とか、こうしたところをきめ細かく把握して、住民の方々の生活に支障がないように対応していくという方針で臨んでいるところでございます。
#90
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 あの後の大雪の際にも、実は私、愛知でございますので、愛知の山間部におきましても孤立集落という報道がございました。私もびっくりいたしまして、村でございましたので、その村の皆様方にもお電話しましたら、何も心配はないと、食料もあれば、その村の中自由に歩き回ってもいますし、大丈夫ですよと。やはり、報道ベースで孤立集落というとかなり私もショックを受けましたけれども、実際に、じゃお困りかというとそうではないことも、私、今回の様々な冬の雪害で確認をさせていただきましたので、是非今後とも、市町村若しくは都道府県におきましても定義が違うということもございましたので、その定義の統一化ということも考え、御検討いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、今回の改正点についてお伺いをさせていただきます。
 緊急車両の通行ルート確保のための放置車両を移動することが可能ということになっておりますけれども、では、実際に具体的にどういうことを行っていったらいいのかということ、災害時における放置自動車は誰が移動することになるんでしょうか。教えていただけますでしょうか。
#91
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 今回の車両の移動等の措置につきましては、道路管理者が行うというふうに法律上規定されておりますけれども、これは、道路管理者の名義と責任において行うという趣旨でございますので、具体的に放置自動車の車両を誰が移動するかということ、物理的な移動の手段ということになりますと、道路管理者自身が行う場合もありましょうが、多くの場合は、道路管理者から委託を受けた建設業者などの民間事業者が運転者に道路管理者の移動命令を伝えたり移動を行ったりするということがあろうかと思います。また、被災地の道路管理者から要請を受けた国などが車両の移動等を行うということも想定されております。
 以上でございます。
#92
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今後、首都直下地震若しくは大規模な災害の場合には、あらゆる道路で放置自動車等による交通麻痺というものが想定されております。このような大混乱の状況下で、病院、先ほど羽生田先生からも御紹介いただきましたようなDMATの関係車両というものも走行しなければなりません。若しくは、それに、先ほどJMATというものも付け加えてくれということがございましたので、JMAT等の緊急車両もそこを走行しなければなりません。災害者、若しくは患者様方を搬送するということにおいても、放置自動車によってもし緊急車両が通行を妨げられるということになれば、じゃ、病院の関係者であったり、DMAT、JMATの関係者というものはその放置自動車というものを移動することが可能なんでしょうか。それとも、そういう先ほど委託を受けた業者などということの答弁ございましたけど、そのような方々が到着するまでそこで待っていなければならないんでしょうか。その状況について教えていただけますか。
#93
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 先ほど申しましたように、移動は道路管理者の名義と責任において行うということでございますので、建設業者が行う場合のみならず、医療関係のスタッフが行う場合についても、その行うということにつきまして道路管理者の了解を得、道路管理者の名義と責任において行うということは可能であろうと思っております。
 ただ、現実の問題といたしまして、一台の車が、一台だけ支障が生ずるという場合であればともかく、多くの場合は、そもそも道路啓開作業におきまして、例えばその道路に段差が生じている可能性があるということで、土のうとか敷鉄板のようなものを装備しつつ途中で車両を排除するというふうなことを行ったりすることがございますので、多くの場合は、やはり平時から道路の管理を行い、その施設や構造を熟知している道路管理者あるいは協定を締結している建設業者におきましてしっかりと啓開作業を行っていくのかなというふうに思っておりますけれども、そういったケース以外のケースで可能ということであれば、道路管理者の了解を得て行うことは可能でございます。
#94
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 一刻も早く到着しなければならないような救急車、DMAT車につきましても今後検討いただきたいと考えております。そのような業者が到着するまでの間というのは一体どのくらいの時間なのかということについても、大災害のときは混乱しておりますので、それをもうちょっと柔軟性を持ったような制度設計をお願いをしていきたいと思っております。
 では次に、災害医療ということで、今もいろいろ羽生田先生から御質問いただいたような場面で、災害時の医療というものはまだまだ充実されていないということが分かってまいりました。では、災害対策基本法における災害時の医療というものはまず現在どのような位置付けになっているのか、松本政務官、教えていただけますでしょうか。
#95
○大臣政務官(松本洋平君) お答えをさせていただきたいと思います。
 災害対策基本法におきまして、災害医療は救難、救助、その他の災害応急対策の中に含まれているものでありまして、これ第五十条第一項第三号になるわけでありますけれども、防災対策の重要な要素であると位置付けられております。このため、災害対策基本法に基づきまして作成される防災基本計画におきましては、災害予防対策といたしまして、医療資機材の備蓄、また救急医療体制の整備、DMATに参加する医師等の教育研修や活動体制の確立、また被災者の心のケアを行うチームの教育研修などを位置付けているところであります。
 また、発災後の災害応急対策といたしましては、被災地域内の医療機関における医療活動の実施及び相互の協力、広域後方医療施設への負傷者等の搬送、被災地域外から災害医療派遣チーム、DMATの派遣、また被災者の心のケアを行うチームの派遣などを具体的に位置付けているところであります。
 以上です。
#96
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 私も何回もその部分読ませていただきまして、大変充実したよろしい制度だと思うんですけれども、一方、じゃ、具体的に動かなければならない自治体はどうなっているかということについて伺っていきたいんですけれども、本法案の提出の背景にも、首都直下地震対策検討のワーキングチームがまとめました最終報告での指摘があるというふうに私伺っております。同じ最終報告の中で、救急救命活動と災害時医療の課題というものも指摘がなされております。
 救命救急活動、災害時医療、被災者、災害時要配慮者への対応などを分けまして対策の方向性が示されておりますけれども、今後、この最終報告を受けて、該当する自治体というのはどのような具体的な策を講じなければならないのかということについて教えていただけますでしょうか。
#97
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 昨年十二月に委員御指摘の調査報告がまとめられているわけでございますけれども、それを踏まえまして、本年三月に首都直下地震対策特別措置法に基づく首都直下地震緊急対策推進基本計画というものを策定いたしたところでございます。その基本計画におきましては、国のほか都県、市町村に求められる対策として、多数の負傷者等の発生が想定されるということで、救命救助のための要員の確保、育成、あるいは必要な資機材の配備、活動拠点の確保などの体制の充実、それから、広域医療搬送だけでは限界があるということで、発災時における医療機関の早期復旧、臨時医療施設の開設、あるいは地域内の移送手段の多様化などの体制の構築、それから、限られた医療資源を重傷者などに充てるということから、軽傷の場合の在宅、避難所での応急救護、あるいは中等傷の場合の地域病院での処置などの体制の充実と住民意識の啓発などを行うことなどを定めているところでございます。
 これらの対策につきましては、一義的には医療、消防などを所管する都県、市町村が中心となって進めるということになりますので、国としてもこうした対策につきまして支援してまいりたいというふうに思っております。
 さらに、国による調整が必要となる全国からの応援部隊の派遣、あるいは広域医療搬送等々につきましては、現在、具体計画の策定に向けまして準備を進めているところでございます。
#98
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私もこの最終報告書を読ませていただきまして、やっぱりここでも、今回の交通渋滞、道路啓開の遅れというものがいかに人命救急の医療に対して被害を及ぼすかということも書き込まれております。
 そのために、やはり地域の皆様方で先ほどもございました自助というものの中の命を確保するような協力体制、さらに、これはいわゆるかかりつけ医というような皆様方もこの救急の際には是非活躍していただくような制度と、地域で制度設計も必要になってくるのではないかと思います。もちろん、県、市という大きな単位でももちろんそうですけれども、今度、医療では地域包括ケアということで、中学校地域で一つの医療圏をつくっていこうじゃないかというような発想で動いてもございます。ですから、そういう小さい単位でも一つの医療圏がつくれるような形で、更に制度設計というところで知恵を絞っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 では、今日は、二川医政局長にもいらしていただいておりますので、更に医療について詳しく伺っていきたいと思います。
 東日本大震災で明らかになりました災害医療体制の課題につきまして、厚労省におきましても、災害医療等のあり方に関する検討会というものを開催していただきまして報告書というものがまとめられております。厚生労働省は、この報告書の趣旨を踏まえた災害医療体制の充実強化を図るようにということで、二十四年三月、災害時における医療体制の充実強化という通達を全自治体に発信していらっしゃるというふうに私も伺っております。
 この通達というものと今日議論をしております災害対策基本法との関わりについて教えていただけますでしょうか。
#99
○政府参考人(二川一男君) 災害対策基本法と私どもの医療体制の充実強化という関係でございますけれども、もちろん災害対策基本法は、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策などの災害対策の基本を定めた法律でございます。私ども、この災害対策基本法に基づきまして、私どもの厚生労働省の所掌業務に関する防災業務計画といったものを作成しておるわけでございます。この計画におきましては、医療に関しましてはDMATの体制整備、それから災害拠点病院の整備、それから広域災害救急医療情報システムの整備、こういったことを定めているわけでございます。
 この防災業務計画で定めている事柄に関しまして、実際に実施していく過程におきまして、DMATや災害拠点病院の具体的な要件、こういったものをこれまでも通知により示してきたところでございます。
 それを今回、東日本大震災を踏まえまして、災害医療等のあり方に関する検討会、こういった検討会を開催いたしまして、そこで更なる見直しについて御議論をいただいたところでございます。そういった議論を踏まえまして、その検討結果を踏まえまして改めて災害時における医療体制の充実強化を定めたといったものが御指摘の平成二十四年三月二十一日の通知というものでございます。
 このように、本通知につきましては、災害対策基本法に基づく災害医療の体制整備について具体的な運用を進めるためのものだと、こういった位置付けのものだというふうに承知をしております。
#100
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、質問をさせていただきたいと思います。
 各都道府県が地域防災計画作成する際に、医療法に定められている医療計画というものを参考にしていらっしゃるんでしょうか、教えてください。
#101
○政府参考人(日原洋文君) 医療計画につきましては、各都道府県が地域の実情に応じて当該都道府県における医療提供体制の確保を図るために策定するものでございまして、その柱の一つとして災害時における医療の確保というものが定められているものというふうに承知しております。また、地域防災計画におきましては、防災基本計画に基づき災害応急対策を定めておりますけれども、その中の一つとして災害時における医療活動等についても定めているというわけでございます。
 したがって、それぞれの枠組み、医療の枠組み、防災の枠組みの中で規定しておりますけれども、災害時の医療だけを取り出してみれば両方同じものを指しておりますので、その書き方の細かさの差はあるにせよ、同じことを定めているというふうに理解しております。
#102
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 県は医療計画を定めなければならない。四疾病五事業というものは有名でございます。がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病。五事業の場合には、救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療でございます。しっかりとその中の、医療計画の中の災害時における医療と今回の地域防災計画とマッチして整合性が取れたものでなければならないと考えておりますから、厚生労働省の側からはどのような御見解なのか、伺ってよろしいでしょうか。
#103
○政府参考人(二川一男君) 医療法におきましては、御指摘のとおり、地域の実情に応じた医療提供体制の確保を図るため、各都道府県が医療計画を作成することとされておりまして、その中に災害時における医療についても盛り込むと、こういった規定になっているわけでございます。具体的には、先ほども申し上げましたように、災害拠点病院、DMAT、医療チーム、救護班のことでございますけれども、そういった災害時における医療体制の構築についても定めるといったことになっているわけでございます。
 一方、今内閣府の方から御答弁ございましたように、災害対策基本法に基づきまして各地方公共団体が定める地域防災計画におきましても、災害拠点病院の機能強化や救護班等の活動内容を各都道府県の取組ということで記載がされるというふうになってございます。
 したがいまして、医療法で定める医療計画と災害対策基本法で定める地域防災計画につきましては、厚生労働省通知におきまして、災害時における医療が適切に提供されるように整合性を図っていただきますように通知の方でお示しをしているところでございまして、それに従って定めていただくということをお願いしているところでございます。
#104
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 消防庁の地域防災計画担当の方にお伺いをしたところ、医療計画を参考にしているかということをお尋ねしましたら、それはどうなんでしょうねというような答えも返ってくるんですね。ですから、やっぱりいろんな省庁が今回の災害医療というものに関しましては関係をしていただかなければなりません。各省庁、しっかりともう一度、医療というものを軸にしてどう動いたらいいのかということを見直していただきたいと考えております。
 では、最後に一問、大臣の方にお尋ねをさせていただきます。
 今まで、ちょっと聞いていただいたら分かります、もう前回も前々回も私ずっとこの災害医療について取り上げさせていただいておりますけれども、やはりこの災害医療というものを災害対策基本法において明確に位置付けていかなければ末端まで行き渡っていかないと、これが現状でございます。
 各都道府県が策定いたします地域防災計画に定める事項として、医療という文字が例示をされておりません。しかし、災害時における発災直後から復興段階において、一連の段階に様々な医療、そしてメンタルケア、若しくは福祉というもの、介護におけるサポートというものが必要になってくるということがもうこれ多くの災害で実例として挙がってきております。岩手では福祉DMATというもの、広島においては公衆衛生チームというものの中において、幅広の観念で災害をサポートしていこうという地方自治体の動きも出てきております。
 是非この地域防災計画の策定事項の中に明確に医療というものを位置付けられてみてはいかがかと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
#105
○国務大臣(山谷えり子君) 災害対策基本法においては、各都道府県が策定する地域防災計画に定める事項として医療が例示されていないと。この地域防災計画の策定事項として明確に医療を位置付けてはどうかという御質問でございますが、地域防災計画では、情報の収集、伝達、予報、警報の発令、伝達、避難、消火、水防、救難、救助、衛生その他の災害応急対策に関することなどについて定めることとしております。災害医療については、この救難、救助、その他の災害応急対策の中に含まれるものであり、防災基本計画において災害医療を位置付け、これに基づき地域防災計画が策定されているところでございます。
 災害対策基本法において、地域防災計画に定めるべき事項に医療を明示するかどうかは、他に例示されている災害応急対策とのバランスなどの観点から考える必要があると思いますが、発災時に迅速かつ適切な医療を提供することは当然に重要でありまして、適切な災害医療体制が構築されるように引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
#106
○薬師寺みちよ君 時間になりましたので終わりますけれども、災害医療の大切さについてまず大臣も認識していただけたかと思いますので、よろしくお願いいたします。
#107
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 今回の災害対策基本法の一部を改正する法律案ということで、大規模災害時において直ちに道路啓開を進め、緊急車両の通行ルートを迅速に確保するための道路管理者による放置車両対策の強化に措置を講ずるというものでありますけれども、今回出てきた改正案につきましては、当然早くやらなきゃならないというふうに思っておりますが、その上で、課題も多々あるというふうに思っておりまして、そのことについて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、首都直下型地震とか南海トラフ地震を始め、都市部において大地震が発生したことを想定したときに、放置車両等の移動によって道路を啓開させ、救助ルートを確保するということは大変、これはもう当然重要なことであるというふうに認識をしておるわけですけれども、そこで、今回の法案の第七十六条の六にあります通行を確保するため必要な措置とは具体的にどのような措置を想定しているのか、まずお伺いしたいと思います。
#108
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 今回の改正案の第七十六条の六にある通行を確保するため必要な措置といたしましては、消防救急部隊などの緊急通行車両の通行を確保するために取りあえず一車線だけでも確保したいということで、車両を車線の左側あるいは歩道へ移動させること、あるいは車間を詰めて空いたスペースに車両を移動すること、あるいは、さらには車両を沿道の空き地、駐車場へ移動することなどを想定しております。これらの措置につきましては、まず車両の運転者に命令することとなりますけれども、運転者が現場にいない場合などは道路管理者が自ら行うということも可能というものでございます。
#109
○東徹君 そこで、消防の救急車両とかそういったものが通りやすいように歩道とか沿道の方へ車を移動していくということでありますが、この車両移動のために、例えばですけれども、ホイールローダーなどの道路の啓開のために必要な機材というのが十分な数がそろっているとは思えません。そしてまた、そのような機材が都心部では余りないというふうに聞いておりますし、このような現状を踏まえて、道路の啓開に必要となる機材はどのように確保して、それをどう配置していくのか、まず見解をお伺いしたいと思います。
#110
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 大規模地震発生時の道路啓開につきましては、先ほどもお答え申し上げましたけれども、まずは道路上の瓦れき、それから放置車両等を撤去し、それから道路の段差等の補修を行い、そして緊急輸送路を確保する必要があります。その際は、委員御指摘のように、応急復旧のための重機やトラック、あるいは車両移動のためのホイールローダー、レッカー車等が必要になりますけれども、御指摘のように、現在十分な数が都市部に配置されているわけではございません。
 したがいまして、現在、関東地方整備局を中心として、関係する方々と連携しまして、道路啓開のための計画の策定を進めているところであります。その際は、民間の事業者との協定も締結し、民間の事業者にもできる限り郊外部ではなく都市部で機材を保有していただくことをお願いすることなどを含めまして、必要な機材の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
#111
○東徹君 そういった民間の、先ほども薬師寺委員の方からも質問があったところでありましたけれども、民間と契約してそういった車両等が使えるようにということでありますが、それでも本当に、車両があったとしてもそれを動かす人員であったりとか、そういったものが本当に確保できるのかというふうに思っておるんですが。
 この啓開に当たってはたくさんの人員というものが必要になってくるというふうに思うんですが、その人員をどのように調達するのか、まず、そのことも併せてお伺いしたいと思います。
#112
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 道路啓開の作業を実施するに当たりましては、建設業者を始めとして民間の事業者の応援をいただかなければなりません。そのため、既に民間事業者と協定を締結して、災害発生時には出動を要請することとしております。
 しかしながら、例えば東日本大震災のときの例でございますけれども、太平洋岸におけます建設業者の方で被災した方であるとか、あるいは通信環境の悪化により連絡が取れないケースもございました。このような教訓も踏まえまして、災害時でも確実に連絡が取れるような手段を検討するとともに、複数の建設業者の方と協定を結ぶなど、いざというときにきちっとした人数が集まれるようなシミュレーションをしておく、あるいは地区地区によって、ここの地区はこの方々とということで、かなり詳細な計画を作っておく必要があると思います。
 このように、民間の事業者の方々とも連携しながら、必要な人員の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
#113
○東徹君 実際には、こういった法律ができたとしても、法改正ができたとしても、実際に道路を啓開するための機材、その人員をどうするのかというところが本当に一番これ大きな問題であるというふうに思っておりまして、そこをどうやってこれから確保していくのか、これは早急にやっていかなければならないというふうに思っております。大臣、その辺のところ、是非検討していただきたいというふうに思っておりますが、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、災害時においてなんですけれども、今回、道路管理者については、緊急通行車両の通行を確保するために放置車両の、付近の道路外の場所へ移動することができるということになっておるわけですけれども、実際に、これ、いざ災害が起こったときに、先ほども薬師寺委員の方から話がありましたけれども、じゃ、道路管理者ができるということは、なかなか、人員の不足もあります。そこで、民間の人にも依頼してというふうになってくるわけですけれども、その車両が来るまでというのは本当に時間が、機材が来るまで物すごく時間が掛かると思うんですね。後ろには消防車両が来ている、救急車が来ている、そういったときに、じゃ、この車を動かさなきゃいけないという場面もこれは想定できると思うんですね。
 そこで、この法案では道路管理者が放置車両を移動させる場合の損失補償規定はありますけれども、道路管理者に対して、でも一般の人が放置車両を動かした場合、こういった損失補償の規定というのはないわけでありますけれども、そこで、放置車両の所有者から一般人が損害補償等を請求された場合、どのような対応が可能なのか。仮に、災害が起きて後ろに消防車が来ている、救急車が来ている、じゃ、車の窓ガラスを割って、そして車を移動させたとか、ほかの車で無理やり動かしたとか、バンパーが傷ついた、ガラスが割れた、そういったときはどうなのか、お伺いしたいと思います。
#114
○大臣政務官(松本洋平君) 今回の法改正によります措置は、道路管理者におきまして、被災地域へのアクセス道路を含め、放置車両等の移動等を行うことが想定をされているところでありまして、当該道路管理者以外の者が法改正による措置を行う場合には、何らかの形で道路管理者に連絡を取っていただくことが必要であるものと考えているところでありますが、委員御指摘のとおり、仮に一般の方が事前に道路管理者への連絡が取ることができず、今回の法改正に適合する内容の放置車両の移動を行った場合の対応方策につきましては、今後よく検討してまいりたいと思います。
#115
○東徹君 今後よく検討しますというか、ここが、実際の現場ではそういったことが一番多いと思うのが実際だと思うんですよね。先ほど答弁されましたけれども、一般の人が道路管理者に連絡するって、じゃ、この道路は一体どこが道路管理者なのかなんて分からないですよ。仮にその連絡先が分かったとしても、その人が、はい、いいですよということもそう簡単にすぐには考えられないと思うんですね。
 だから、やはりこれはもう災害時ですから、災害時のときは一般の方も、そうやって窓ガラスを割って車を移動した、それは当然損失補償の対象になるよということをやっぱりこれはやっておかないといけないと思うんですが、これは大臣、どうですか。
#116
○国務大臣(山谷えり子君) いろいろな現場を踏まえながら検討していきたいと思います。
#117
○東徹君 やはりそういったところを想定して法改正をやっぱりやらないといけないと思うんですね。すごく、今回の法改正については、当然こういったことは大事ですけれども、やはり大規模災害が起こったときというのは、やっぱりそういうことを想定してこの法改正もやっておくべきだというふうに思いますので、是非ここを早急に検討していただきたいと思います。
 続きまして、今回の法案ですけれども、例えば、第七十六条の七に、国土交通大臣は国道、都道府県道及び市町村道に関し、当該道路の道路管理者に対し、指定若しくは命令をし、指示をすることができるというふうにされておるわけですね。国から都道府県知事とか市町村に対しては指示などができるということになっておるんですね。
 ところが、市町村長から国土交通大臣とか都道府県知事に対してこれと同様の指示ができるというようなことは書いていないわけです。先ほどからも申していますように、実際に現場で起こったときに誰がいち早く気が付くかというと、やっぱり市町村であったり都道府県であったりとかするわけですよね。だからこそ、これは市町村から、都道府県から、都道府県知事とか国土交通大臣に対して指示ができるということになっていないとおかしいというふうに思っておるんですが、道路管理者として実際にできることは、都道府県知事と市町村で大きな違いというのがない上、この指示ができるかどうかは、運用ではなくて法律上規定をきちっとこれして、法的に市町村長の指示の権限をやっぱり明確に書く必要があるというふうに思うんですが、これはいかがでしょうか。
#118
○国務大臣(山谷えり子君) 法律上の規定を置いて市町村長の指示権限を認めるべきではないかという御質問と思いますが、今回の改正案においては、被災現場までのルート全体を広域的に俯瞰してネットワークで緊急通行車両の通行空間を確保するため、国から都道府県や市町村に、都道府県から市町村に対する指示規定を設けております。逆に、市町村から国や都道府県に対し車両の移動を要請する場合は、広域的にネットワークを確保するという観点よりも、むしろ災害現場において迅速に災害応急対策を行うという観点から行われるものと考えられます。
 現場にある市町村側から国や都道府県に対して要請を行うことは極めて重要と認識しておりますが、この点については、現行の災害対策基本法において、被災市町村から都道府県に対し、また被災都道府県から国に対し、災害応急対策の実施を要請することができる、国及び都道府県は正当な理由がない限りその実施を拒んではならないとする規定を活用して対応することが可能であり、改めて指示規定を設ける必要はないと考えております。
#119
○東徹君 大臣、そこが非常に官僚的な考え方に基づいてこういう法律が作られているというふうに是非理解していただきたいなというふうに思うんですよね。
 これは、もう本当にやっぱり中央集権的な物の発想からこういった法律を考えているというふうにしか思えないわけなんですね。確かにネットワークも大事ですけれども、やっぱり現場で起こっているときに、これもネットワークであるんだったら、やっぱり当然これ市町村からも都道府県からも、市町村であれば都道府県知事に、そしてまた国土交通大臣に対しても指示ができるというような内容でなかったら、これおかしいと思うんですよ。
 当然、これ災害時ですから、災害時ですから。災害時に、先ほど大臣が答弁されましたけれども、拒んではならないというような表現、こんなのおかしいと思いませんですかね、拒んではならない。災害時ですから、もう当然やらなきゃいけないわけでありまして、こういうところはやっぱり迅速な災害応急対策を行う必要があるというふうに思うんですが、そこをきちっと本来、法律にもう少しここは明記すべきだというふうに考えるんですが、もう一度いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(山谷えり子君) 東委員おっしゃるように、やっぱり現場がいち早くその現実をキャッチするというのはもう当然のことでありまして、であるがゆえに要請することができ、国及び都道府県は正当な理由がない限りその実施を拒んではならないとする規定を活用して対応するということでありまして、改めて指示規定を設けなくても、現場、現実に対応するということは可能だと考えております。
#121
○東徹君 こういうところを是非、先ほども話が出ておりましたけれども、施行通知でやったりとか運用マニュアルでやったりとか、こういったことをきちっと、当然、市町村からでも都道府県からもそういったことが指示ができるんだというようなことを明記しておくべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#122
○国務大臣(山谷えり子君) 繰り返しになりますけれども、正当な理由がない限りその実施を拒んではならないとする規定を活用して対応することが可能であり、改めて指示規定を設ける必要はないと考えています。
#123
○東徹君 本当にそんなので実際に災害が起こったときに大丈夫なんですかと、こう思うわけなんですよね。やはり、例えば国土交通省の国道であったりとかしても、また都道府県道であったり、一番現場に近いのはやはり市町村であるわけですから、もうちょっとやっぱり市町村に権限をしっかりと与えるということが僕は非常に大事だというふうに思いますので、是非ともそういったところ、先ほどから施行通知、運用マニュアルというふうにおっしゃるんだったら、そういったところにも書いておくべきだというふうに思いますので、是非御検討していただきたいというふうに思います。
#124
○政府参考人(日原洋文君) 委員御指摘のとおり、法律上は指示の規定しかございませんので、市町村側から先ほどの要請の規定が活用できるということをよく市町村側に理解できるように、あるいは逆に都道府県なり国の出先機関なりがそういった場合にきちんと対応できるようなことは施行通知にきちんと明記したいというふうに考えております。
#125
○東徹君 ありがとうございます。
 そうでなかったらやはり駄目だと思うんですよね。やはり現場に近い市町村が責任を持ってこういったことをやっていくということが非常に大事だというふうに思いますので、是非そこは施行通知であったり運用マニュアルであったり、そういったところにしっかりと明記をしていただきたいと思います。
 あと二つ質問があるんですが、ちょっと時間がありませんので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#126
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 まず、三か月がたとうとしております広島の土石流災害の復旧復興についてお尋ねをしたいと思います。
 現地で聞きますと、住民説明会では国、県、市の担当者が今後の宅地の安全性について絶対安全という保証はないと説明せざるを得ない状況が続いておりまして、住民の皆さんからは、最低でも砂防ダムができなければ気持ちの上でも戻れない、それまでは避難先確保の公の支援がどうしても必要だという声が次々上がっております。一方で、ダムができても帰れないと気持ちを吐露される方々も出てきておりまして、三か月がたとうとする中で生活再建の見通しが立たずに焦燥感が大きく広がっていると、そういうふうに言っても過言ではないかと思うんですね。
 ハードの面でいいますと、国交省がワイヤーネットというのを設置を今急いでおられますけれども、これも鉄でできていて腐食しますから、有効なのは十年程度というようなことが住民説明会で聞かされる、あるいは土石流のセンサーも動物が引っかかって誤作動なども起こっておりまして、本当にこれで安心できるのかと、到底できないという気持ちなんですよね。
 その下で、瓦れきを撤去して、今後の復旧復興を考えていく上での基本理念を改めてはっきりさせることが今大事かなと思って大臣に伺いたいんですけれども、東日本大震災を受けまして災害対策基本法が改正をされました。その際に、基本理念として被災者の援護を図るのだということが明記をされましたし、大規模災害からの復興に関する法律においても、地域住民の意向を尊重する、あるいは生活の再建を図るといった文言が記されているわけです。これ、災害からの復旧復興に当たって、一人一人の生活再建、とりわけ、基盤となる住まい、あるいはその宅地の安全性、あるいはなりわい、こうした被災者お一人お一人の生活の再建というのがこれ復旧復興の理念なんだと。
 これ、当然、広島の被災地においても、一人一人の皆さんの安心できる、そうした住まいを取り戻す上で、やっぱりみんなが力を合わせて頑張るんだということかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#127
○国務大臣(山谷えり子君) 昨年の災害対策基本法の改正及び大規模災害からの復興に関する法律案の審議において、古屋前大臣から基本理念について、大規模災害からの復興に関する法律案の被災地域における生活の再建とは、大規模災害から地域住民の生活を立て直し、安定させることであり、被災者一人一人の生活再建を図ることを意味しており、一方、災害対策基本法においても、基本理念規定の一つとして、被災者一人一人の生活再建を図ることを含めて、被災者の援護を図り、災害からの復興を図る旨を規定したと答弁したと承知しております。
 災害対策基本法及び大規模災害からの復興に関する法律の基本理念については、私も、古屋前大臣が答弁したとおりだと思っております。
#128
○仁比聡平君 そうした一人一人の生活再建を実際に具体的に図っていく、その上で、今その広島の被災地における復興に向けた全体像、ここを、被災者お一人お一人がしっかりと腰を据えて、語るべきことを御自身で本当にじっくり語り合って言える場をつくるということがすごく大切になっていると思うんです。
 といいますのも、例えばハード一つ取ってみても、砂防ダムを造るのに重機を山に入れる必要があるわけですが、これには四メートル幅の道路が必要だということで、けれど、皆さん御存じのように、例えば八木や緑井の地域というのは大変道幅が狭いんですね、二メートルあるかないかと。どうするんだということになって、現実に民家を次々と重機が入っていくとか土砂を出すとかいうことは現実的に不可能なんじゃないかということが隣近所でわんわん話題になる。そのことが住民説明会で話になると、その作業用道路は供出ですと、無償での提供ですというような説明がなされたりとかして、なおこれは難しいぞというようなことが現場で問題になっているんですね。今のこの問題については、昨日、国土交通委員会で太田大臣に前向きな解決に向けた御答弁もいただきましたのでここで繰り返すことはしないんですけれども、現地で出ていますのは、そうした下で、恒久的な道路用地として国が用地買収したらよいのにというような声もあるわけですね。私もそれは十分あり得ると思うわけです。
 そういう意味で、ダムができても帰れないというふうに感じていらっしゃる方々もある。今後、レッドゾーンの指定があって、その外にある皆さんも、いや、もうここにはいられないとおっしゃる方もあるかもしれない。そういう中で、この復興の全体像をそれぞれの町内で住民がじっくり議論ができる、本音で話せるという場をしっかりとつくっていく必要がある。これ、災害の直後から一貫して求めてきたんですけれども、必ずしもそうなっていないというのが現実で、やっぱり事業ごとの上からの説明みたいな形になってしまって、だから一般的には、例えば道路工事をするときには道路は無償で、ある道路は使うということでしょうから、そんなようなことが住民の耳に入ってしまうというか、説明されてしまうということになっているのではないのかなと思うんですよ。
 ですから、安心できる住まいとコミュニティーを取り戻す、それは一人一人の住民が本音で話せる場をつくってこそなんだと、そういう場をつくるべきだと私は思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#129
○政府参考人(日原洋文君) 広島市につきましては、今回の土砂災害の教訓を踏まえまして、災害に強い町づくりを目指しまして、国、県が実施する砂防事業と併せ、避難路として活用できる道路の整備、それから被災住宅の再建や移転に関する支援策を検討し、将来の町づくりに向けた復興まちづくりビジョンを策定するというふうに伺っております。
 このため、広島市において、十月七日に市長を本部長とする復興まちづくり本部を立ち上げまして、事業化に向けた課題などについて関係する国や県と調整を行っているということでございまして、地元の住民の方とお話しするにしても、県の中の、市の中の考え方をある程度整理する必要もございますので、年内にはその案を整理した上で、年明けから市民の御意見を聞いて年度内には確定していきたいというような予定であるというふうに伺っているところでございます。
#130
○仁比聡平君 広島市の主に七か所というふうにも言われている、七地区というふうに言われているようですけれども、その復興ビジョンの段取りというのは今統括官が紹介されたようなことなんですが、これが固めて説明するというみたいなことになってしまったら、やっぱりじっくり本音でこの町内のこと、住まいのことというのを言い出せなくなってしまう方々も出てくるかもしれない。
 本当に十分な説明が、説明といいますか、そういう場がつくられるためには、どうしても自治体は国や県の制度や予算とか支援策との関係を気にしながらのお話になるじゃないですか。だから、被災者にとってみると、どこが所管かは関係なく、こういうことが必要だというふうに思って発言したら、いや、それはできませんというみたいなことが現場で起こってしまうと、もう本当に一人一人の生活を再建していくべき場がそうではなくなってしまうと。何だか固まったものを押し付けるような場になってしまってはいけないというのが私の思いなんですよ。大臣、いかがですか。
#131
○国務大臣(山谷えり子君) 基本理念であります一人一人の生活の再建を図ること、そしてコミュニティーを取り戻すという考え方は大変に大切だと考えております。
 災害からの復興は、地元である市において被災地域の住民の意向を踏まえつつ進めていくことが重要であると認識しております。広島市においては、年内に復興ビジョン案を策定する、そして市の復旧復興に向けた考え方、十分に説明すると思いますが、国としてもしっかりと対応してまいりたいと思います。
#132
○仁比聡平君 そうした方向で是非よろしくお願いしたいと思うんです。
 そのときに、大臣、これはもうちょっとどの事業がというふうに個別に申し上げるわけじゃないんですけれども、実際にその被災者の生活を再建する、コミュニティーを取り戻すといったときに、既存の制度だとか予算だとか支援策ではこれはうまくいかないということがあり得ますよね。
 広島でも、これまでこの三か月近くの間に次々とそれがありましたし、皆さんに御提案もして乗り越えてきたと思うんですけれども、今後そうやって復興を考えていく上で起こってくる住民の皆さんから出されるニーズ、これは正面から受け止めて、是非、国としても検討していく、その姿勢で臨んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。
#133
○国務大臣(山谷えり子君) 柔軟に、きめ細かく、いろいろ連携しながら考えていきたいと思います。
#134
○仁比聡平君 そこで、資料をお手元にお配りをしています。表裏ありまして、ちょっと裏から入りたいと思うんですけれども、これ、広島市にお願いして私どもの市会議員団に提供をいただいた資料なんですけれども、広島県が公表した土砂災害危険区域内に立地している避難場所がどれだけあるかということなんですね。
 広島市がもちろん指定することになるわけですが、このエリアの中にあった避難場所は除外したと。これは危ないからということですよね、今度の災害を受けて。その災害を受けて避難場所あるいは候補施設から除外した数が、御覧のように二百七十八施設あるということなわけです。
 逆に言いますと、これまで、この災害が起こるまでこの二百七十八施設が避難場所として指定をされていたということになるわけで、同じような危険な箇所に避難場所があるという、あるいはそれを前提とした避難訓練などの計画があるという地域が日本中にあるのではないかとも思うんですけれども、この数字について、大臣の御感想いかがでしょう。
#135
○政府参考人(日原洋文君) 済みません、先に避難所と避難場所についての考え方、説明させていただきます。
 東日本大震災におきまして、切迫した災害の危険から逃れるためのいわゆる避難場所と、それから切迫した災害の危険が一定過ぎた後、しばらくの間避難生活を送るための避難所というものが従来は区別がされておりませんで、避難所に逃げ込んだ結果、そこで津波に巻き込まれて命を落とされたケースございました。今回の広島の土砂災害におきましても、高潮、洪水用の避難場所として定められていた集会所に避難した住民が土砂災害に遭われたというケースもあったというような報道もございます。
 このような東日本大震災の経験を教訓といたしまして、昨年行われました災害対策基本法の改正によりましては、市町村長は、避難所と区別して避難場所というものを指定することとされております。この避難場所につきましては、想定される災害に対して安全な区域にある、あるいは想定される災害に対して安全な構造であるということを指定の要件といたしておるところでございます。
 これを受けまして、現在、各市町村におきまして指定緊急避難場所の指定作業、今申しましたその避難場所を指定したものを指定緊急避難場所と呼ぶんですけれども、その指定緊急避難場所の指定作業を進めている最中であるというふうに承知しておりまして、その指定状況につきまして、現在消防庁において調査を行っているところでございます。
 内閣府といたしましては、そうした指定状況を踏まえまして、関係省庁と連携しながら制度の適切な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
#136
○仁比聡平君 いや、それはそういうことで取り組んでおられるんだろうけれども、だけれども、現に広島市でこういう状況にあるということなんですね。
 反対側の面を見ていただきますと、その避難場所というのは大方公共施設が想定されますけれども、御覧のとおり、例えば集会所とか公民館で百十三施設、福祉センターだとか保育園、あるいは市営住宅や学校など、公共施設がこの危険なエリア内に九百七施設あるというのが広島市の現状なんですよ。
 これは、開発の後追いになってきたこれまでの政治の結果だと思います。だからこそ、どう解決するのか。そう簡単にいかないと思うんですよね。だけれども、例えば土石流が現実に襲ってきたというところであれば、そこに復旧するのかという問題ももちろんあるでしょうし、そうでない、今回災害から免れた日本中の地域でも、ここの場所のままでいいのかという総点検を、住民の皆さんの気持ちや不安にしっかり応えながら、科学的な安全性もはっきりさせながら進めていくというのがどうしても必要だと思うんですね。
 これは土石流だけの話ではありませんで、八月に京都府の福知山市で豪雨災害における大水害がありました。あのときには、先ほど来議論になっている災害拠点病院の周りの道路が冠水して、救急車が六時間入れなかったという事態が起こったんですね。このときは、搬送した救急患者さん三人のために高台に救急車を止めてボートで病院に運ぶと。だから、通報があってから病院に到着まで一時間以上掛かったケースもあったと。幸い命に別状がなかったわけですけれども、というような事態が災害拠点病院で起こっているわけですよ。
 避難所、避難場所だったり災害拠点病院だったり、そうしたところがどんなリスクを抱えているのか、これ総点検をしっかり行って、住民の皆さんの合意の中で解決していくということが、大臣、必要だと思いますけれども、いかがですか。
#137
○国務大臣(山谷えり子君) 災害対策についてでございますけれども、一般的に不断の見直しが必要でありまして、総点検という委員の御指摘でございますけれども、様々な観点から意識を向けていけるように、関係省庁と連絡しながら、地方公共団体とも連携しながら働きかけを進めてまいりたいと思います。
#138
○仁比聡平君 是非お願いしたいと思います。
 ちょっと時間なくなりましたが、法案に関して一問。
 今度の広島の土石流でも、車両が救助活動のために移動しなきゃいけないということが大問題になりまして、広島市によりますと七十二台の移動を行っています。これ、救助に支障があるということで消防局が行ったものが三十六台、そのほか道路にあるものについて、あるいは民地にあるもの、こうしたものを合わせて七十二台なんですが、災害ですから、ナンバープレートが外れていて特定できないとか、あるいはナンバー登録されている住民の方の家が流されているとか所有者の所在が不明だということで、まだいまだに山積みになっているものもある。
 この広島においては同意を得ながらの作業で、そこに大きな困難もあったと思うし、御努力されたと思うんですけれども、今回の改正で、その移動に関する手続というのは一定負担が減るということがあるかもしれないが、その分、損失補償においては、同意を得て移動されているわけでもないわけですし、ここの作業にとりわけ道路管理者、例えば市町村が相当な苦労をするということも私は想定されると思うんです。その自治体の負担、これを軽減するために必要な人的、財政的な支援を私は是非これはやるべきだと、急いで道路を啓開するけれども、その後起こることはやっぱりこれきちんと支援するべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#139
○国務大臣(山谷えり子君) 人的また財政面含めた国の支援ということでございますけれども、議員御指摘のように、大規模災害の発生時には、地方公共団体における道路管理者のみの人員、資機材では実際の啓開が行い得ない状況が発生することが想定されます。このような場合には、市町村が都道府県や国に要請するなど、本来道路管理者以外の者により道路啓開を行うことで人的な支援を行ってきたところであり、例えば八月の広島の豪雨災害においても、広島市からの要請を受けて、広島市道の土砂撤去等を国土交通省において実施したという例がございます。
 また、道路啓開に必要な経費につきましては、原則として通常の維持管理経費の範囲内で各地方公共団体において負担することとしておりますが、大規模な災害により当該経費の範囲を超え地方公共団体の負担が大きなものとなる場合には、地方公共団体の対応状況等をよく伺った上で国として適切な対応を検討してまいりたいと思います。
#140
○仁比聡平君 よろしくお願いします。
 終わります。
#141
○委員長(秋野公造君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 災害対策基本法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#142
○委員長(秋野公造君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、野田君から発言を求められておりますので、これを許します。野田国義君。
#143
○野田国義君 私は、ただいま可決されました災害対策基本法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、みんなの党、維新の党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読させていただきます。
    災害対策基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、今後の大規模地震や大雪等の災害時において、緊急通行車両の通行の確保等がなされるよう、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 災害時の道路啓開に万全を期すため、道路管理者の人員体制の確保、重機等の資機材の充実等による現場における体制の強化並びに安全の確保を図ることとし、そのために必要な措置を講じること。
 二 本法の趣旨及びその内容について、道路管理者、車両の占有者、地域住民等に対し十分な周知を図るとともに、災害時の自動車運転の在り方や道路上の車両停止の在り方について、運転免許保有者に対する講習や防災訓練等を通じて適切な普及啓発を図ること。
 三 災害時における車両の移動等を行う際の車両、土地等への損失補償について、可能な限りその手続の簡素化と補償の迅速化が図られるよう適切な措置を講じること。
 四 災害時における発災直後から復興段階に至る一連の過程において、メンタルヘルスを含む医療体制の充実が犠牲者や被害者の拡大防止を図る上で重要であることに鑑み、災害対策基本法において各自治体が策定する「地域防災計画」に定める事項として「医療」の例示を検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
#144
○委員長(秋野公造君) ただいま野田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(秋野公造君) 全会一致と認めます。よって、野田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山谷防災担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山谷防災担当大臣。
#146
○国務大臣(山谷えり子君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいります。
#147
○委員長(秋野公造君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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