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2014/11/07 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 議院運営委員会 第6号
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2014/11/07 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 議院運営委員会 第6号

#1
第187回国会 議院運営委員会 第6号
平成二十六年十一月七日(金曜日)
   午前十一時二十二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 雅治君
    理 事
                野上浩太郎君
                牧野たかお君
                渡辺 猛之君
                小見山幸治君
                前川 清成君
                山本 博司君
                松田 公太君
                室井 邦彦君
                仁比 聡平君
    委 員
                大沼みずほ君
                岡田 直樹君
                上月 良祐君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                宮本 周司君
                森屋  宏君
                足立 信也君
                石上 俊雄君
                西村まさみ君
                浜野 喜史君
                森本 真治君
                新妻 秀規君
        ─────
       議長       山崎 正昭君
       副議長      輿石  東君
        ─────
   事務局側
       事務総長     中村  剛君
       事務次長     郷原  悟君
       議事部長     岡村 隆司君
       委員部長     秋谷 薫司君
       記録部長     松本 智和君
       警務部長     鈴木 千明君
       庶務部長     星   明君
       管理部長     笹嶋  正君
       国際部長     側嶋 秀展君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特別委員会に関する件
○本会議における議案の趣旨説明聴取及び質疑に
 関する件
○本日の本会議の議事に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(中川雅治君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。
 まず、特別委員会に関する件を議題といたします。
 地方創生に関する特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 本件につき御意見のある方は御発言願います。
#3
○石上俊雄君 民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。
 ただいまお話がございました地方創生特別委員会の設置に関しまして、反対をする立場から意見表明をさせていただきます。
 まず冒頭に、反対とする理由を三点ほど述べさせていただきたいと、そういうふうに思います。
 我々民主党は、地方主権を政策の一丁目一番地として位置付け、政権時においても地域主権改革を積極的に推進してまいりました。そういった観点からは、この地方創生に関しての目的自体は当然支持するべきではございますが、今回の関連二法案では、特別委員会を設置して集中的な議論を行うべき具体的な中身や真の意味での分権を見出すことができません。
 人口減少、超高齢化社会という我が国が直面する大きな課題、これは委員の皆様方も本当にしっかりと考えなきゃいけないというふうに思っておられるというふうに思いますが、各地域でのそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会の創生は、政府内部での組織いじりやビジョン、戦略という名のペーパー作りでは決して実現することはできないものであります。具体的なアクションを起こす政策こそ必要なのでありまして、今回のような法案は、特別委員会という短期集中、高密度、広範囲な議論を行う場で審議しても効果や効率はおよそ期待することができないというふうに考えるところでございます。このことがこの特別委員会の設置に反対するまず一つ目の理由でございます。
 二つ目に、特別委員会を設置する場合でも、今この瞬間、はるかに緊急性、重要性、そして特別委員会設置の本旨にふさわしいテーマがあるわけでございます。それは何かというと、まさしくTPPの問題でございます。
 この設置については、今まで何度となく野党より提案させていただいておるものでありますが、なかなか皆さんの理解が得られません。このTPP、環太平洋パートナーシップ協定においては、関税が原則撤廃となるため、一般に輸出産業は海外に安く製品を売ることができるとの期待がある一方、逆に農産品などは海外から安い輸入品が流入することで国内の農業が衰退するのではないかとの不安が特に全国の地方で広がっております。
 しかも、昨日、安倍総理が関係閣僚会議でTPPに関して、交渉はいよいよ大詰めに入っていると発言し、夕刻から報道も一斉に行われたわけでありまして、議論の必要性、緊急性も一段と高まっているさなかであります。言論の府として、このTPPこそ、特別委員会を設置し、国民の前で議論するべき重要なテーマではないでしょうか。
 第三の反対の理由は、特別委員会を強引に利用するその手法でございます。
 特別委員会は、各会派がこれまで円満に協議し、合意の上で設置するのを通例としてまいりました。しかし、今回の特別委員会の設置は、この積み重ねを吹き飛ばすように、数の論理一辺倒で推し進められております。しかも、この議院運営委員会の場では、特別委員会や調査会の在り方について見直し検討の協議を行っている最中でもあります。また、我が会派は、これまでに何度となく特別委員会の設置に関してスクラップ・アンド・ビルドの原則を喚起し続けてまいりましたが、馬耳東風とはまさにこのことであります。
 更に言うならば、特別委員会の設置には、その委員数や少数会派への割当てをどうするかという見逃せない問題もあるわけで、仮に三十名割当ての特別委員会となれば、現在の会派の議員数から計算すると、大会派順で次世代の党までは委員を確保できるわけでありますが、社民党、改革、生活の三会派は割当てゼロとなってしまうわけでございます。
 こうした問題以外にも、関係大臣をきちっと確保して審議を行えるかなど、幅広い観点から時間を掛けて協議する必要が本来あるはずです。昨年の臨時国会終盤で行われた特別委員会での強行採決などは議会制民主主義をその土台から破壊する許し難い暴挙でありました。あれから一年もたたないうちに、また本日、特別委員会に関しての強行があるならば、これはおかしいと声を大にして反対せざるを得ません。
 以上三点、反対理由の要点をお話しさせていただきましたので、次に、これを裏付ける事実を交え、より詳しく説明をさせていただきます。
 では、一体何が法案に書いてあるかというと、全部で二十条のまち・ひと・しごと創生法案のうち、第十一条から第二十条で創生本部の設置やその所掌事務、組織などについての定めを行っています。内閣の中に創生本部をつくりますとか、本部長は内閣総理大臣ですという規定です。こうした政府活動に法的根拠を与える意義は認めますが、実際のところ、法律がまだ成立していない現在でも、創生本部は二か月前から閣議決定で正式に設置されていますし、内閣総理大臣も本部長として既に活動を開始されているわけでございます。
 また、法案の残り半分の重立った内容に、国の総合戦略作成の義務付けや都道府県や市町村への総合戦略作成努力義務付けがありますが、どちらも法律がなくても既に国の作業は始まっているわけであります。計画策定や組織編成は法律がなくてもある意味実行に移せるわけでありまして、一方、肝腎の地方創生は具体的に何をやるのかという点になりますと、その骨子ができるのはこの十一月。このことについては先日地方創生本部で骨子案が出されたという報道がありましたが、次に長期ビジョン、最終形の総合戦略としてまとまるのは臨時国会が終了した後の十二月ということでございます。
 法案に書いてあることはその成立を待たずに実行済みである一方で、一番重要な政策の中身自体、審議したくてもまだ存在していないというこの奇妙なちぐはぐ感の中で、特別委員会をつくり集中的に審議するということに一体どういう意味があるのでしょうか。何を期待し、特別委員会を提案されているのでしょうか。
 このままでは、安倍総理御執心の地方創生国会はまさに看板倒れ。真摯に地方創生を議論したいのか、それとも来年の統一地方選を前に国民の前でポーズを取りたいだけなのか。今回の特別委員会設置の提案は残念ながらその本気度を心底疑わざるを得ません。耳触りの良い文句をこねくり回し、条文を幾ら書き連ねたところで、世の中は何一つ変わらないわけであります。何とか本部だの組織をつくって仰々しくビジョンや戦略だと、何か宣言する法案だというならば、せめて概略程度は最低限御準備いただきたい、そういうふうに考えるわけであります。特別委員会云々はそれからが筋ではないでしょうか。
 以上のことが衆議院の審議で判明した以上は、参議院は衆議院のカーボンコピーではありませんので、同じように特別委員会を設置する必要はないというふうに考えるわけであります。法案はいずれも内閣官房の担当であり、さらに、関連する委員会でもいいわけであります。参議院規則第七十四条にのっとり内閣委員会で審議することが最も理にかなっておるわけでありますが、よもや、内閣委員会がほかの法案で混雑しているから程度のへ理屈で特別委員会に現実逃避しているはずもないでしょうが、万が一そうだとすれば、それは邪道だと言わざるを得ません。議会人として堂々と歩むべき道ではないというふうに考えます。
 道理や理屈をないがしろにするような議論では、この国の行く末は甚だおぼつかなく、そして危ういと言わざるを得ません。良識の府の参議院としては、衆議院の審議で明らかになった事実を踏まえ、院の独立性に基づき、特別の委員会を設置せず、内閣委員会や常設の委員会での審議を行うべきだというふうに考えておるわけでございます。
 そもそも、特別委員会とは何かといいますと、国会法第四十五条において、各議院は、その院において特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するために設けることができると規定されておるわけであります。
 この二つの案件のうち、後者の常任委員会の所管に属しない特定の案件とは、例えば憲法改正などがそれに当たると考えられてきました。一方、前者の特に必要があると認めた案件とは、当該案件がいずれかの常任委員会の所管に属するものであっても、特に重大な政治問題を含むものであるとか、複数の常任委員会の所属にまたがるものであって、そのいずれかの常任委員会に審査を付託するよりは、当該案件の審査そのことを目的とする特別の委員会で審査を行うことが適当だと認められる案件のことと考えられております。
 歴史をひもといてみますと、特別委員会の設置で与野党が攻防を繰り広げてきたのは、一九六〇年の日米新安保条約のときですとか、一九七六年のロッキード事件究明ですとか、二〇〇〇年の参議院比例区の非拘束式名簿の導入ですとか、二〇〇六年の教育基本法の改正についてなどですとか、今振り返っても大きな政治的テーマであることが分かります。今回のこの内容の薄い地方創生法案のために、なぜかくも強引な特別委員会設置の提案が必要なのでしょうか。ほとほと理解に苦しむわけでございます。
 また、議論の行い方に特別委員会以外の方式も存在していることを忘れてはいけないわけであります。法案審査上ほかの委員会とともに審議することが妥当と考えられる場合は、参議院規則第三十六条で、委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、他の委員会又は調査会と協議して連合審査を開くことができるわけでありますから、こちらの観点も併せて考えると、特別委員会の設置にはやはり特に必要があると認められた議案でなければ適法とは認められないというふうに考えて、今回の案件は、担当大臣御本人が認めているように、重要な法律事項もなく、その要件を満たしているとは到底考えることができないわけでございます。
 それよりは、民主党を始め各野党が衆議院、両院でこれまで要求してきた特別委員会の設置、冒頭にも触れさせていただきましたが、いわゆるTPP、環太平洋パートナーシップ協定に関する特別委員会でありますが、こちらの方がどれだけ国民一人一人の毎日の生活に直結した重大かつ緊迫した国家的案件であることでしょうか。
 このTPPは、複数国との交渉事で、単に合意されたとか決裂したとかだけではなく、分野ごとに、日本の提案がどの程度通りそうなのか、また通らなそうなのかなど細かい部分が決定的に重要な案件でありまして、また分野といっても極めて広範囲に及んでおり、一例を挙げるならば、農産物や工業製品、関税、金融、保険などのサービス、知的財産権、政府調達、一時的な入国、労働、電子商取引、投資、また紛争解決のルールなど、これこそ何から何までその交渉に含まれている超巨大な省庁横断的な国家案件であります。このTPPこそ、特別委員会の場におきまして集中的に一番に行うべきではないかと考えているわけであります。
 今回の地方創生の議論のように、重要なら、何をやるのか具体論が詰まっていない案件に短い臨時国会の貴重な時間や政治的エネルギーを費やすべきではなく、安倍総理いわく、いよいよ大詰めを迎え、そして特に全国地方の農家の方々が死活的と考えるこのTPP問題にこそ特別委員会設置の優先順位を積極的に与えるべきではないでしょうか。
 与党議員の先生方におかれましても、このTPPの重要性は当然御認識されているはずであり、党派を超えた御英断を、国民代表としての矜持と理性、そして今という時代の大局観に基づき、是非お願いしたいと考えるわけでございます。
 そして、最後になりますが、これだけははっきりと言っておきたいと思います。
 現在議院運営委員長をお務めになられる中川先生を前に大変申し訳ないと思うわけでありますが、我々は昨年秋の臨時国会終盤の特別委員会の運営の仕方をどうしても忘れることができないわけでございます。特定秘密保護法案というあれだけの重要法案の審議を、よりによって最後の最後、中川先生を始め与党の皆さんはああいう議論の終わらせ方を強行に行ったわけであります。それはもうどうやっても消し去ることはできないものでございます。あれから一年たつわけでありますが、この国の議会政治は何を学び、どう進化したというのでしょうか。よもやまたあの手法を思い浮かべているのではあるまいかと考えざるを得ないのでございます。
 そういう中で、我々の意見、個人の意見というわけではございませんので、一部、感動した同僚議員の思いを紹介させていただきたいと思います。自民党、公明党、地方創生に関する総合的な対策を樹立するために地方創生に関する特別委員会を設置したいという提案があったということでつづっておられます。
 その方も地方の出身でございまして、地方の人口流出、過疎化、高齢化、工場が海外に移転したりなど、働く場所がなくなっていることを肌身で分かっている。東京一極集中ではあかんと東京出身の国会議員でも考えるはずだと。したがって、地方の活性化、東京一極集中の是正、地方に働く場所、生活の場所を創出することに関する議論を真剣に、徹底的にやることは当然だと。ただ、これら大事な議論を自民党、公明党が提案するように特別委員会で、つまり限られた期間に限られた議員のみで行うことが本当に適当なのかどうか。
 残念ながら、これからも人口減少は続きます。放置しておけば更に東京一極集中は続き、進学のため、就職のため、若い人たちは東京へ集まります。地方には高齢者だけが残され、やがてその高齢者もいなくなってしまうわけであります。これからも続く課題であり、かつ、二十一世紀の日本の形を決める重要問題であればこそ、限られた期間の特別委員会ではなく、総務委員会や内閣委員会など常任委員会で腰を据えた議論をするべきではないかということでございます。
 さらには、公明党から、特別委員会なら維新の党や次世代の党などの少数会派も議論に参加できると主張されております。むしろ、参議院では、社民党が三名、新党改革が三名、生活の党は二名でございます。確かに少数会派ではございます。自民党、公明党の提案では、地方創生特別委員会の委員はこの三党においてはゼロになってしまいます。少数会派が議論に参加できるようにやっぱりするべきではないかという意見を申されるわけであります。
 さらには、公明党さんは、特別委員会なら定例日以外でも議論ができるとも主張しておられるということでございます。定例日以外に議論をすることが望ましいのであれば、ほかの法務委員会や財政金融委員会、外交防衛委員会なども定例日以外も議論するべきではないか。
 なぜ国会が定例日というルールを積み重ねてきたのかというところでありますが、衆議院、参議院で委員会開催日が重ならない工夫に加え、真に充実した議論を行うには委員も政府も十分準備しなければならず、そのために、毎日ではなく、参議院では毎週月、水、金曜日は本会議、火曜、木曜日は委員会を開催する定例日のルールが定着してきたわけであります。したがって、定例日以外でも議論ができるということになりますと、そのルールの根幹が覆されるというふうなことを書いておられます。
 最初から参議院における常任委員会、特別委員会、調査会の在り方を全体としてパッケージで議論しようと今提案をされているということでございますが、TPPが大詰めを迎えている状況にありながら、TPP特別委員会を設置しようと提案をしておるがいまだ回答がないということでつづっておられるわけであります。
 このように、我々は民主党一丸となってこの特別委員会の設置には反対をしているということでございます。
 まとめに入らせていただきますが、特別委員会につきましては、各会派がこれまでどうにか円満に協議し、合意の上、現在の特別委員会が設置されてきた経緯があるわけであります。
 重ねて申し上げますが、我が民主党・新緑風会は地方創生の議論自体は極めて重要だと考えているわけであります。しかし、今のように余りに空疎な法案を審議する場として特別委員会がふさわしいとは本当に考えられないわけでございます。これまでどおり内閣委員会、さらには総務委員会等常任委員会においてじっくりと政策論議を尽くすのが常道であり、特別委員会を考えるならば、少なくともまずスクラップ・アンド・ビルドの観点を考慮に入れて、その上で、委員数や少数会派への委員割当てをどうするかなど、幅広い観点から十分に時間を掛けて、与野党会派全体、派を挙げて共に協議を進める必要があると確信をしておるわけであります。
 民主主義の根本でもある公平公正な議論の仕方自体を数で押し切るというのであれば、それは良識の府の自己否定であり、決して認めるわけにはいきません。
 以上、これまでどおり野党にも配慮した話合いに基づく円満な議会運営を心より求め、特別委員会を強行に設置することに強く、本当に強く反対することを申し上げまして、私の意見表明とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
#4
○仁比聡平君 職権によって議題とされました地方創生に関する特別委員会の設置に日本共産党を代表して反対の意見を申し述べます。
 そもそも、農業破壊や中小企業切捨て、市町村合併などにより地方の産業と雇用を壊し、地方から魅力と活力を奪ってきたのは誰なのか、また、雇用破壊による人口の減少、大型再開発のための規制緩和と公共投資の集中による東京一極集中をつくり出したのは誰なのか、この根本問題についてこれまで政府・与党にその総括も反省も全くうかがわれません。
 特別委員会を設置して付託しようとする法案は、行政サービスの集約と経済活動の活性化と言いますが、その柱は、財界が主導して策定した安倍政権の成長戦略、規制改革実施計画を具体化し、地方の構造改革を進めていくものです。特別委員会の設置は、こうした法案を、定例日に縛られず、残り少ない会期にとにかく一気に進めようとするものであります。
 設置に関する与党提案の協議では、出席大臣の問題、割当てのない会派の質問権保障の問題、また調査会、特別委員会全体の在り方の問題についてなお課題が残っており、合意のないまま慎重かつ十分な審議の土台となるべき委員会設置を強行するべきではありません。
 以上の理由から、反対の立場を表明させていただきます。
#5
○委員長(中川雅治君) 他に御発言ございませんか。──他に御発言がなければ、本件につき採決を行います。
 本件につきましては、お手元の資料のとおり特別委員会を設置することに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#7
○委員長(中川雅治君) 次に、本会議における議案の趣旨説明聴取及び質疑に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、理事会において協議いたしました結果、まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案につき、本日の本会議においてその趣旨説明を聴取するとともに、自由民主党一人十分、民主党・新緑風会一人十五分、公明党、みんなの党、維新の党及び日本共産党各々一人十分の質疑を順次行うことに意見が一致いたしました。
 理事会申合せのとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(中川雅治君) 次に、本日の本会議の議事に関する件を議題といたします。
#10
○渡辺猛之君 本日は、お手元に配付いたしました資料のとおり議事を進めることの動議を提出いたします。
#11
○委員長(中川雅治君) ただいまの渡辺猛之君提出の動議につきまして御意見のある方は御発言願います。
#12
○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。
 ただいま提出されました動議に関しまして、反対の立場から意見表明をさせていただきます。
 巨大与党の強引な国会運営をまずただしたいと思います。
 本年六月二十二日に第百八十六回国会が閉会いたしました。閉会後、三か月が経過した後、今国会、第百八十七回国会が九月二十九日に開会されました。今国会は、安倍政権のメッキが剥がれたとやゆされるような不祥事が次から次へと噴出をいたしました。
 女性閣僚五名の様々な問題、とりわけ第二次安倍内閣の看板人事でもありました小渕経済産業大臣、松島法務大臣の二閣僚は、政治とお金や公職選挙法の問題等で同時に辞任するという前代未聞の事態が起き、しかも両氏は、政治資金規正法や公職選挙法抵触の可能性が指摘されるにもかかわらず、いまだ国会では十分な説明がなされていないまま、時間ばかりが過ぎています。
 ダブル辞任後、次々と閣僚の問題が発覚し、望月環境大臣の政治とお金にまつわる緊急会見が深夜に開かれる、小渕氏の後任である宮沢経済産業大臣は東京電力の株保有問題を含む不適切な支出が見付かるなど、また、江渡防衛大臣の違法な寄附を受けていた疑惑など、不祥事が発覚し、そのために委員会での審議がスムーズに行えず、大切な国会の審議時間を浪費することになったのは周知の事実であります。
 このような安倍政権の構造的な体質を抱えながら、これもまた安倍政権の特徴とも言える、野党の意見を全く聞かずに強引で横暴な国会運営を強行する姿を本日も目の当たりにしたところでございます。
 昨年の臨時国会におきましても、厚生労働委員会での社会保障プログラム法案の質疑、また、特定秘密保護法案が、参議院の国家安全保障特別委員会における質問時間の最中、与党が動議を提出し、十分な質疑なしに質疑を打ち切り、採決を強行するという暴挙に出たことは御承知のとおりであります。
 安倍総理も後に拙速過ぎた感があると認めざるを得ない発言をされておりましたが、その反省も生かされず、国民無視、国会軽視が安倍政権の風物詩とも言えるような国会運営をいつまでお続けになるおつもりでしょうか。
 冒頭にも申し上げましたとおり、通常国会閉会から今臨時国会開会まで百日近い日にちがありました。国政の諸課題が山積する中、一日も国会開会を早く早くと求めてきたにもかかわらず、今国会が召集されたのは九月二十九日であり、会期は十一月三十日までの僅か六十三日間と、短い臨時国会を決めたのも政府・与党、どの法案をどのように何本提出するか決めたのも政府・与党、そして、明日からの総理の長い外遊を決めたのも政府・与党であります。のんびりと国会を開会し、非常に窮屈な日程を決めながら、地方創生に関する特別委員会の設置を急いでほしい、時間がないと言い出すということは、余りにも身勝手、横暴と言わざるを得ません。
 私たちは、地方の人口減少、人口流出、少子化、超高齢化、産業が流出し、国民の働く場所が日々失われていくことは日本の将来にとって極めて重要な問題であり、これからも長期的な課題であり続けることが想定されるために、期間限定の特別委員会ではなく、総務委員会や内閣委員会、農林水産委員会、経済産業委員会などの常設の常任委員会、じっくりと腰を据えてしっかりと議論をさせていただきたいと何度も呼びかけ続けてまいりました。また、そうであるべきだと今でも思っています。
 常任委員会での議論を求める理由はそれだけではありません。与党の提案される地方創生特別委員会は、少数会派が議論に参加できません。少数の意見を尊重すること、少数の意見に耳を傾けることは民主主義の基本であります。その基本中の基本を踏みにじりながら、地方の個々の要望に果たして耳を傾け、地方再生の道筋を付けることができるのでしょうか。地方創生をうたいながら国会での議論は多数意見で押し切る、そんな手法で本当に地方を元気に、地方の活力を生かす地方創生のための議論が可能なのでしょうか。安倍政権の少数切捨ての姿勢がかいま見られる特別委員会の設置のこの手法には断じて反対せざるを得ません。
 さらに、石破大臣は、衆議院の質疑の中でこのように答弁されています。東京の一極集中というのは何も今になって議論が始まったことではありません。私が議員になった二十八年前からそういうお話はずっとあったことでございます。ただ、大変だ大変だと言っておっても、一体何がどうなってこんなことになったのだということをきちんと子細に分析して国会側で議論したという記憶が余り私にはございません。一極集中であり、人口集中だと言いますが、では一体どの年代の人口がこの東京に集中しているのか、どの年代であり、どの性別であり、どの職業でありということを子細に分析していかないと、東京の一極集中を解消することはできないと思っております。
 このように、大臣は、自ら国会の場で議論した記憶がないとおっしゃっています。つまり、国会でしっかり議論すべきであるとおっしゃっているわけです。
 先ほど反対の中でお話がありましたように、田中角栄元総理大臣の日本列島改造論では、人と金と物の流れを巨大都市から地方へ逆流させる地方分散の推進を提唱し、また、竹下元総理大臣はふるさと創生を掲げて各市区町村に地域振興に使える資金一億円を交付するなど、当時は、利益誘導、ばらまきとの批判が付きまといながらも、きちんと地方重視の姿勢を取ってこられました。国総合開発計画は、国土の均衡ある発展を目標に、五次にわたり、地方の過疎化、中心市街地の空洞化問題等、山積する様々な諸問題に対して解決策を打ち出し、常に闘い続けてきたとも言えるわけであります。
 それだけ重要な課題であるにもかかわらず、時間がないから特別委員会をつくって急いで審議を、この問題をこのような形で取り扱おうとする姿勢は歴代の御党の姿勢にも反することになり、一強多弱と言われる今の政治状況下でこそ、政府・与党は正々堂々と、少数会派も含め、しっかりと野党との議論に応じるべきではないのでしょうか。
 安倍総理大臣は所信表明において、やれば、できる。人口減少や超高齢化など、地方が直面する構造的な課題は深刻です。しかし、若者が将来に夢や希望を抱き、その場所でチャレンジしたいと願う。そうした若者こそが危機に歯止めを掛ける鍵であると私は確信しています。若者にとって魅力ある町づくり、人づくり、仕事づくりを進めます。まち・ひと・しごと創生本部を創設し、政府として、これまでとは次元の異なる大胆な政策を取りまとめ、実行してまいりますと述べられました。
 我が民主党は、地域主権を政策の一丁目一番地として位置付け、政権をお預かりしていたときにおいても地域主権改革を進めてまいりました。地方創生という目的は、これはもちろん支持はできますが、衆議院で審議された中身も分権もない政府案に賛成すれば、地方再生に逆行することになるのではないかと、そう考えます。本部の設置や総合戦略の策定など、会議体や計画を増やすだけ。石破大臣が述べた一括交付金も法案の中に規定されていません。一方で、新交付金と称したビジョンなきばらまきの追求もかいま見られ、これで地方再生が前進することなどあり得るとは到底思えません。
 さらに、政府案では、国が、まち・ひと・しごと創生本部が総合戦略を決定し、都道府県や市町村は、国の総合戦略を勘案して地方版の総合戦略を策定することが努力義務となります。しかし、これでは国の総合戦略を横目で見ながら地方版の総合戦略を策定するということとなり、実質的に地方は国の枠にはめられてしまい、どこまでも国主導の政策になりかねません。
 異次元の金融緩和でデフレ脱却を目指したアベノミクス、提唱当時の期待は今や絶望へと変わってしまったとの声も聞かれます。次元の異なる大胆な政策と、同じような言葉を使い回して、地方創生が期待外れに終わってしまっては取り返しが付きません。将来に対してしっかりと責任を果たし、地方再生への道筋を付けるためにも、私どもが繰り返しお呼びかけをしているとおり、常任委員会においてじっくりと議論できる環境を整えていただかなければなりません。国の命運を握るとも言える重要な課題ゆえ、何度も重ねて申し上げます。
 先ほど我が党の議員が反対討論で述べたとおり、地方創生自体は大変重要なテーマであります。しかし、関連二法案は特別委員会を設置して集中的な議論を行うべき具体的な中身がほとんどありません。このことは石破大臣自身が衆議院での地方創生特別委員会の中でお認めになったとおりであり、義務を課す規定のことを法律事項というわけでございます、では、今度の法案にそういうことが書いてあるかといいますと、それが直接書いてあるわけではございませんとお答えになっています。つまり、法案が成立しなければ何もできない、このことが衆議院の審議で既に判明している以上、参議院でも特別委員会を設置するべき意味は何もなく、早く特別委員会設置をと、意見が全く理解ができません。
 耳触りのいい話、条文を幾ら書き連ねてみたところでも世の中は変わりません。何とか本部、組織をつくって、ビジョンだ、戦略だと、何かを宣言する法案だというならば、せめて、何をするのか、何を変えていかなければならないのか、そのような具体案は最低限事前に御準備いただけているものと、そう思いたい。しかし、残念ながらそれが見えないからこそ私どもは反対をしているわけです。
 政府のまち・ひと・しごと創生本部は、六日、五年間の具体策を示す総合戦略、長期ビジョンの骨子案を示されました。しかし、中身は、ビッグデータを活用した地域経済分析システムの整備、また、希望が実現したら出てくる数字としてはおりますが、一・八という合計特殊出生率を示されました。
 合計特殊出生率の当面目指す水準を一・八にすることについて一言申し上げます。
 産む、産まないは個人の選択であり、様々な要因や就労環境の悪化により、子を持ちたくても持てないという現状をどう考えていらっしゃるのか。また、これを改善することがまさにやるべき政策ではないでしょうか。国連の、一九九四年、国際人口・開発会議で、人口の増加、抑制とも、数値目標を立てることは女性のリプロダクティブヘルス・ライツを侵害するとされ、数値目標は否定されているわけです。是非このことをよく思い出していただきたい。
 しかし、既に明らかになっているスケジュールでは、肝腎の戦略自体、最終形の総合戦略に至ってはこの臨時国会が終了した後の十二月になるということ、これは安倍総理の宣伝文句、地方創生国会、これがまさに看板倒れであり、羊頭狗肉そのものではないでしょうか。さらに、来年の統一地方選挙を前に国民の前でポーズを取りたいだけ、中身のないパフォーマンス。今回の特別委員会設置の提案は、残念ながら本気度を疑わざるを得ません。
 この二法案、まち・ひと・しごと創生法案と地域再生法改正案、いずれも担当は内閣官房であり、以上のことを考えてみても、参議院規則第七十四条にのっとり、やはりこれまでどおり内閣委員会で審議すること、これが理にかなっているのではないでしょうか。内閣委員会がほかの法案で混雑しているからなどという理屈は到底通るものではありません。まさに政府・与党の横暴以外の何物でもありません。議会人としては堂々と王道を歩くべきではないでしょうか。数の力に頼って物の道理や理屈をないがしろにしたような議論では、この国の行く末は危ういと言わざるを得ません。特別委員会の設置は、良識の府参議院にふさわしく、先ほどから出ているようにスクラップ・アンド・ビルドの基本精神に立ち返るべきなんです。
 そもそも、特別委員会とは、国会法の第四十五条において、各議院は、その院において特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため、そのために設けることができると規定されているわけです。再三再四申し上げますが、この二つの案件のうち、後者の常任委員会の所管に属しない特定の案件とは、かなり特殊な案件、何度も申し上げます、憲法改正案などがそれに当たるわけです。一方、前者、これは、当該案件がいずれかの常任委員会の所管に属するものであっても、重大な政治問題が含むのかどうかということ、複数の常任委員会の所属にまたがるものであって、いずれかの常任委員会に審査を付託するよりは一度に目的の特別委員会で審査することが適当と認められる案件のことだと考えています。
 先ほどの反対討論でもありました、特別委員会の設置、また過去を振り返ってみても、日米新安保条約、ロッキード事件の究明、参議院比例区の非拘束式名簿の導入、教育基本法、大きな政治テーマです。今回の法案だけで、中身がない地方創生法案のための特別委員会設置をめぐって、なぜこのような強引であり、このような乱暴な提案が必要なのでしょうか。
 またもう一つ、議論の行い方にも問題があると先ほど来申し上げました。
 仮に、所管大臣以外の大臣に対する質疑が必要、また、ほかの委員会と審議することが妥当と考えるのであるならば、参議院規則第三十六条、委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、他の委員会又は調査会と協議をして連合審査会を開くことができる、このように定められていることは先ほども申し上げたとおりであります。これらの観点からも、特別委員会の設置にはやはり特に必要があると認められた議案でなければ適法とは認められないのではないでしょうか。
 今回の案件は、石破大臣御当人が認めるように、重要な法律事項もなく、その要件を満たしているとは到底考えることができないんです。何より、我が党を始め各野党が衆参両院でこれまで要求してきた特別委員会の設置、これはもっと前からあったはずであります。
 TPP、先ほど関係ないとおっしゃっておりましたが、これはどれだけ国民一人一人の毎日に直結した重大かつ緊迫した国家的案件であるでしょうか。このTPP問題に関しては、複数の国の交渉事なんです。単に条約が妥結したとか決裂したとかいうだけでなく、分野ごとに、日本の提案がどれほど通ったのか、また通らなかったのか、細かい部分の決定が意味ある案件なわけです。農作物、工業製品、関税、金融、保険などのサービス、知的財産権、政府調達、入国の問題、労働、投資、また紛争解決のルール、それこそ何から何までがこのTPP交渉は具体的に含んでいるわけです。超巨大な国家案件であります。この特別委員会のテーマにふさわしく、集中的な議論を行うべきだと考えています。
 今回の地方創生の議論のように、重要なテーマであるけれども、政府が何をしたいのか具体論が全く煮詰まっていない案件に、この短い臨時国会の貴重な時間とエネルギーを費やすべきではありません。そうではなく、そろそろ交渉終了となりかねない、総理自身が御発言されている、特に地方の農家の方々、また多くの国民の皆様に直接関わるこのTPP問題にこそ特別委員会設置の優先順位を与えるべきではないのでしょうか。
 与党議員の先生方におかれましても、重要性は先ほど来申し上げているように当然御認識されているはずであります。国民の代表として私たち国会議員はあります。誇りと理性に基づいた、そして今という時代の大局観に基づき、党派を超えての御英断を是非とも再び、再度お願いを申し上げたいと思います。
 我々は、昨年秋の臨時国会終盤の特別委員会の運営、先ほど来申し上げています、あのことが忘れられません。国民の意見を無視した特定秘密保護法案というあの法案を最後の最後にあのような終わらせ方で強行的に行ってしまったこと、日本の民主主義を傷つけたと言える暴挙、それをどうしても拭い去ることができません。この一年、国会の、この国の議会政治、また同じ過ちの繰り返しをしようとしているのではないでしょうか。これまでの一年で何を学んだんでしょうか。よもやあの方法を再びお使いになることはないと信じております。
 特別委員会においては、各派が円満に協議して現在の特別委員会が設置されているわけです。何度も何度も申し上げますが、民主党・新緑風会は地方創生の議論自体は極めて重要と考えております。しかしながら、今ほど申し上げたように、この法案は余りに中身がなく、審議する場として、この短い臨時国会、もう期限が限られているだろう臨時国会の中で特別委員会を設置することがふさわしいとは全くもって考えることに及びません。これまでどおり内閣委員会においてルールどおり審議を尽くすのが常であって、特別委員会の設置に関しては、やはりスクラップ・アンド・ビルドの観点をしっかりと考慮に入れて、その上で、委員数、少数会派の委員の割当て、幅広い観点、十分時間を掛ける、そのようにして協議を進める必要があると考えます。民主主義の土台を成す議論の仕方自体を数の力で押し切るというのであれば、良識の府参議院議員の一員として、これはおかしいと、残念ながら声を大にして反対せざるを得ません。
 以上、私たちは、国民の負託に応えるべく、良識の府にふさわしい国会運営を強く求め、ただいま提出されました動議に対し、反対の意見を述べさせていただきまして、私の意見表明とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#13
○委員長(中川雅治君) 他に御発言ございませんか。──他に御発言がなければ、ただいまの渡辺猛之君提出の動議について、これより採決を行います。
 ただいまの渡辺猛之君提出の動議に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#14
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、渡辺猛之君提出の動議は可決されました。
 なお、予鈴は午後零時十五分、本鈴は午後零時二十分でございます。
 暫時休憩いたします。
   午後零時九分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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