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2014/11/04 第187回国会 参議院 参議院会議録情報 第187回国会 予算委員会 第3号
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2014/11/04 第187回国会 参議院

参議院会議録情報 第187回国会 予算委員会 第3号

#1
第187回国会 予算委員会 第3号
平成二十六年十一月四日(火曜日)
   午前九時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月八日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     関口 昌一君
     森屋  宏君     中西 祐介君
     荒木 清寛君     横山 信一君
    佐々木さやか君     矢倉 克夫君
     水野 賢一君     松沢 成文君
     辰已孝太郎君     小池  晃君
     浜田 和幸君     平野 達男君
 十月九日
    辞任         補欠選任
     関口 昌一君     石井 準一君
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     島村  大君     藤川 政人君
    三原じゅん子君     岡田 直樹君
     大塚 耕平君     櫻井  充君
     片山虎之助君     清水 貴之君
     小池  晃君     仁比 聡平君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
 十一月四日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     大塚 耕平君
     横山 信一君     長沢 広明君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                岡田  広君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                那谷屋正義君
                蓮   舫君
                若松 謙維君
                行田 邦子君
                小野 次郎君
    委 員
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                岡田 直樹君
                北村 経夫君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                島田 三郎君
                高野光二郎君
                堂故  茂君
                二之湯武史君
                藤川 政人君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                小川 敏夫君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小西 洋之君
                櫻井  充君
                田城  郁君
                田中 直紀君
                藤田 幸久君
                水岡 俊一君
                河野 義博君
                長沢 広明君
                矢倉 克夫君
                横山 信一君
                松沢 成文君
               渡辺美知太郎君
                清水 貴之君
                大門実紀史君
                仁比 聡平君
                吉田 忠智君
                平野 達男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣
       国務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   西川 公也君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  宮沢 洋一君
       国土交通大臣
       国務大臣     太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     望月 義夫君
       防衛大臣
       国務大臣     江渡 聡徳君
       国務大臣
       (復興大臣)   竹下  亘君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    山口 俊一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       規制改革、少子
       化対策、男女共
       同参画))    有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       財務副大臣    御法川信英君
       文部科学副大臣  藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       渡邊 一洋君
       内閣官房内閣審
       議官       満田  誉君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       笹島 誉行君
       内閣府大臣官房
       審議官      井野 靖久君
       内閣府政策統括
       官        日原 洋文君
       総務省自治行政
       局選挙部長    稲山 博司君
       外務大臣官房審
       議官       河野  章君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     福本 浩樹君
       経済産業省製造
       産業局長     黒田 篤郎君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       水資源部長    藤山 秀章君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       気象庁長官    西出 則武君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○予算の執行状況に関する調査
 (安倍内閣の基本姿勢に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石井準一君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党百四分、民主党・新緑風会百九分、公明党四十六分、みんなの党四十五分、維新の党三十五分、日本共産党三十五分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。岡田直樹君。
#6
○岡田直樹君 おはようございます。自民党の岡田直樹でございます。時間が短い割には質問を欲張り過ぎましたので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、沖縄の基地負担軽減についてお伺いをいたします。
 私は、自民党が野党時代、鳩山由紀夫総理に御質問をしたこともございます。今更、鳩山総理のことをあれこれ申し上げても仕方がありませんが、普天間飛行場の問題で沖縄県民の心情を翻弄し、また、米国との信頼関係も損ねてしまった。その結果、この問題が極めて困難になってしまったことは誠に遺憾と言わざるを得ません。したがって、自民党が政権に復帰したとき、安倍総理は最悪と言っていい日米関係を引き継ぎ、また、沖縄県民の方々の国に対する大きな不信感を引き継がざるを得なかったと、こう申し上げていいと思います。
 それ以来、安倍総理は真正面から沖縄の基地負担の軽減について努力をしてこられた。特に、市街地に囲まれ、学校も近い普天間飛行場の早期移設・返還のために全力を尽くしてこられたということを私は高く評価を申し上げたいと思います。
 そして、基地負担軽減の目に見える成果の一つをお示ししたいと思うんですが、パネルをお願いします。(資料提示)皆様のお手元にも資料を配付をいたしておりますが、普天間配備の米軍空中給油機KC130が総理の地元でもある山口県の岩国に基地を移したことであります。
 今年八月にKC130が十五機、普天間から岩国に移りました。絵で見るとよく分かるんです。パネルの上の図は昨年のKC130の普天間周辺の飛行航跡であります。かなり稠密に飛んでおります。それが、下の図は今年のもの、一目瞭然、減っております。普天間における二十五年九月の離着陸回数は百六十二回、それが一年後の今年九月は三十回に減った。これは普天間周辺の住民の方々に肌で感じていただける負担軽減の成果であったと思います。そして、これは岩国の皆さんの、そしてその周辺の自治体の皆さんの御理解のおかげでもある。せっかく成果を上げたこの沖縄の基地負担軽減について、沖縄県民はもとより全国民に知っていただきたいと、こういう思いからパネルをお示しをいたしました。
 安倍総理、政府が沖縄の基地負担軽減に向けて全力で取り組んでいくんだという強い決意をここでお示しいただきたいと思います。
#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米軍基地の多くが沖縄に集中している中にあって、沖縄の米軍基地の、対する負担軽減は沖縄県民の、そして私たちにとっての悲願でもあります。しかし同時に、それは政府と沖縄の皆様、あるいはまた交渉相手である米軍とともにしっかりと進めていく必要があるわけでありまして、一歩、二歩、あるいは三歩、四歩、しっかりと着実に結果を出していかなければ、まさに住宅地の真ん中にある、学校や病院等にも囲まれている普天間の移設はかなわないわけであります。また、普天間地域の負担軽減はかなわないわけであります。
 普天間の移設は現在の施設を単純に辺野古に移設するものではないということも、この際申し上げておきたいと思います。現在、今、岡田委員が示していただきましたように、既に空中給油機十五機全機が山口県岩国基地への移駐が完了しました。これは十八年越しの課題でありましたが、岩国の皆様、山口県の皆様にも御理解をいただきながら、やっと実現することができました。
 普天間飛行場には三つの機能があるわけであります。第一にオスプレイなどの運用機能。第二に空中給油機の運用機能。既にこの空中給油機の運用機能は県外である山口に移設されました。そして三番目に、緊急時に外部から多数の航空機を受け入れる基地機能。これも県外に移っていきます。つまり、普天間から辺野古に移る機能は三分の一に減少するということでありまして、明らかに沖縄県全体としては負担軽減になっていくということであります。
 また、辺野古において埋め立てる面積は、全面返還される普天間飛行場の面積と比べて三分の一以下、大幅に縮小されることになります。さらに、訓練等で日常的に使用する飛行経路については、現在は残念ながら市街地の上空であります。これが、移設後は周辺の集落から数百メートル離れた海上へと変更されていくことになります。このため騒音も大幅に軽減されるわけでありまして、現在は住宅防音が必要となる地域に一万数千世帯の方々が居住している、これが現在の普天間の状況でございます。辺野古への移設後は、このような世帯はゼロになります。騒音の値は住居専用地域に適用される環境基準を満たすことになるわけでありますし、これに更に加えまして、万が一航空機に不測の事態が生じた場合は、海上へと回避することで地上の安全性が確保されます。このように辺野古への移設は負担軽減に十分に資するものであると、このように思うわけであります。
 そして、冒頭申し上げましたように、辺野古に移設する前に、既に今から負担軽減を始めています。これはまさに仲井眞知事からの強い要望でございまして、この仲井眞知事の御要望に、私たちはできることは全てやるとの考え方の下にこうした軽減措置を進めているわけでございますし、今後とも、できることは全て行うとの考え方の下、全力で軽減を進めてまいりたいと、このように決意をいたしておるところでございます。
#8
○岡田直樹君 安倍総理がただいまおっしゃったように、沖縄県知事、昨年末に、普天間飛行場に代わる施設の建設のための埋立ての申請承認という決断を行いました。これは知事にとっては非常に厳しい決断であったと思います。しかし、普天間飛行場があのままあの場所にあり続けていいはずはない、これは私の確信であります。住宅密集地、学校の近くに普天間の固定化は絶対に避けなければならない、そして普天間の危険性は一刻も早く除去しなければならない、この流れを決して止めてはならないと、このように思います。
 安倍総理の今後ともの全力のお取組をお願いをしたい、強くお訴えをしたいと思っております。
 防衛大臣にお伺いをいたします。
 私の住む石川県に航空自衛隊小松基地がございます。その小松にも、沖縄の、これは嘉手納でございますが、米軍のF15戦闘機が訓練移転を行っております。ほかにも千歳、三沢、百里、築城、新田原などの基地でも同様に、嘉手納の米軍戦闘機が訓練をいたしております。
 日本全体が沖縄の基地負担を少しずつでも分担をしていく、この流れを更に大きくしていかねばならないと思いますが、防衛大臣、具体的なお考えがあれば簡潔にお願いいたします。
#9
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 委員の御地元においても御協力いただいているということ、まず厚く御礼申し上げたいと思います。
 もう委員御承知のとおり、国土面積の僅か〇・六%のところに全国の約七四%、つまり沖縄県に七四%の在日米軍施設・区域が依然として集中していると、このことに対しまして、県民の皆様方に対しては大変大きな負担になっているというふうに私どもも認識しているわけであります。そしてまた、先ほど委員がお話しされたように、その中においても、特に住宅や学校等に囲まれ、市街地の真ん中にあるこの普天間飛行場の固定化というのは絶対に避けなければならないわけであります。これがあくまでも大前提でありまして、かつ政府と地元の皆様方の共通認識であるというふうに私も思っております。
 また、昨年十二月に、仲井眞知事から四項目の御要望をいただいておりますけれども、沖縄の負担軽減につきましては政府としてできることは全て行うということが基本姿勢でありまして、その上で、本土におけるそれに向けた努力ということを十二分に考えているところでございます。
 特に、この負担軽減に向けた具体的な取組としては、先ほど総理からも御答弁ありましたけれども、空中給油機KC130の十五機全機の普天間飛行場から岩国飛行場への移駐につきまして、八月二十六日に完了いたしました。これによりまして、普天間飛行場に所在する固定翼は連絡機を除きなくなりまして、軍人軍属及び家族の合わせて約八百七十名が沖縄県外に転出することとなりました。
 また、オスプレイにつきましては、岩国飛行場等への飛行訓練、あるいはフィリピン、タイ、豪州における訓練への参加など、県外への訓練移転等を着実に進めておりまして、更なる負担軽減を目指して佐賀空港の有効活用についても現在米国とも相談しているところでございます。
 また、キャンプ・キンザーの七年以内の全面返還については、米国による施設再配置のためのマスタープラン作成を日本政府といたしまして支援するとともに、その後の再配置プロセスも加速化しているところでございます。既に本年四月には一部のマスタープランの作成が終わっておりまして、また、一部の移設先の文化財の調査について一年前倒しで着手する方向で調整するなど、返還までのプロセスを最大限短縮することを目指しておるところでございます。
 防衛省といたしましては、引き続き、各種施策を着実に進め、できることは全て行うという強い決意の下で、沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、抑止力を維持しつつ、目に見える形での沖縄の負担軽減に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
#10
○岡田直樹君 着実に進めていただきたいと思います。
 次に、沖縄振興策についてお尋ねをいたします。
 沖縄県民は、言うまでもなく歴史的に苦難の道を歩んでこられました。さきの大戦で沖縄戦戦没者約二十万人のうち一般の方が九万四千人を占めております。また、先ほどから御紹介があるとおり、国土の〇・六%にすぎない沖縄県に七四%もの米軍基地が集中をしておる。このことを考えますと、沖縄振興が国の責務であるということは疑いのないところであります。
 しかし、なかなか、離島であることのハンディもあって沖縄振興は容易ではございません。出生率は全国トップであります。これは後にも申し上げます人口減少社会の問題の参考にもなろうと思います。しかしながら、一方では、一人当たり県民所得は全国最下位、そして完全失業率もワーストワンでございます。
 政府は沖縄を日本経済活性化のフロントランナーと、こう位置付けておりますけれども、現実との乖離はなかなか大きいように思うわけであります。総理から沖縄振興に懸ける強い決意を伺い、また、山口大臣からは具体的な方策をお伺いしたいと思います。
#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま岡田委員が指摘されたように、沖縄は日本において唯一の地上戦を経験し、そして、その後の長い米国による占領時代があったわけであり、かつ多くの基地が存在するという特殊な事情があるわけであります。
 その中におきまして、一人当たり県民所得も全国で最下位ではあります。しかし、県民所得は全国最下位でありますが、一方、沖縄の出生率は日本一でありますし、確かに位置的には日本の南の端に位置するわけでありますが、東アジアの中心にあるのも事実。つまり、これから伸びていくアジアの中心、この可能性を生かしていけば間違いなく沖縄の未来は明るいし、沖縄への投資は未来への投資となると、こう確信をいたしております。
 その中におきまして、我々は、優位性、潜在力を生かしながら、沖縄振興に資する事業を県が主体的な選択に基づいて実施できる沖縄振興一括交付金制度の創設を行いました。そして、国内外の観光客の受入れや、これが非常に重要でありますが、国際物流拠点の形成のために重要な拠点空港である那覇空港滑走路増設事業も進めております。かつまた、沖縄科学技術大学院大学等を核としたグローバルな知的・産業クラスターの形成の推進などをしっかりと前に進めておりまして、まさに日本の沖縄から世界の沖縄、世界の知的・産業クラスターの中心にしていく、あるいは物流の中心にしていく、多くの人たちがゲートウエーとして沖縄に入ってくると、こういうものを進めていきたいと。
 こうした各種振興策を仲井眞沖縄県知事とともに進めた結果、成果としては、有効求人倍率は復帰後過去最高となりました。そして、この過去最高は四か月連続で更新中であります。そして同時に、就業者数も六十六・一万人となり、これも過去最高であります。また、観光でありますが、入域観光客数も六百五十八万人でありまして、過去最高であります。外国人も六十二万人、これも過去最高でありまして、着実に仲井眞知事とともに進めてきた政策は成果を上げている、これを更に大きく開花させていきたいと、こう思っております。
 さらに、沖縄振興の取組を一層強化する観点から、昨年十二月の閣議において、現行の沖縄振興計画期間においては、沖縄振興予算について毎年三千億円台を確保する旨申し上げたところでございまして、沖縄が日本のフロントランナーとして二十一世紀の成長モデルとなり、日本経済再生の牽引役となるよう国家戦略として沖縄振興策を総合的、積極的に推進していく考えであります。
#12
○国務大臣(山口俊一君) 私の方からもお答えいたしたいと思いますが、総理からかなり詳しく御答弁がございましたが、沖縄振興につきましては、先ほど来岡田委員御指摘のとおり、やはり社会的、歴史的あるいは地理的な特殊性に鑑みてこれまで復帰以降様々な施策を講じてきたわけでありますが、確かに、社会資本の整備とか就業者数の増加はございますが、御指摘のとおり、失業率は全国ワーストワン、あるいは県民所得もワーストワン。ただ、先般も沖縄にお邪魔した折に、是非とも私の地元の徳島県を追い越したいというふうなお話もございました。
 非常に意欲を持って取り組んでおられるわけでありますが、先ほど来御答弁がありましたように、一括交付金等、これから大いに効果を発揮していくだろうと。事実、失業率にしてもあるいは県民所得にしても、目に見えて全国平均との差が縮まってきております。是非とも、こういった方向でこれまで以上に力を入れて取り組んでまいりたい。そして、全国平均を目指すのではなくて、まさに、お話があった日本のフロントランナーとしてこの日本経済の再生の牽引役となるようにしっかりと努めてまいりたい。
 お話がございました観光リゾート産業とかITの関係も、この間視察に行ってまいりましたが、大きく伸びつつあるなというふうな実感をいたしたところでございます。物流もありますし、OISTを中心にした科学技術でのまさに世界へ発信する沖縄ということで、これまで以上に努力をしてまいりたいと考えております。
#13
○岡田直樹君 今国会は地方創生国会であります。地方創生は沖縄からと、このように意気込んで頑張っていただきたいというふうに思うわけであります。
 次に、今も申し上げました地方創生、そして人口減少対策について若干お伺いをいたします。パネルをお願いします。
 これは日本列島の普通の地図であります。私は、この自分の国の形が非常に気に入っております。美しいと思います。しかし、裏を返すとこういう地図になります。これは各都道府県を人口の大きさで表現した地図でございます。
 総理にまず一言だけ。この日本の国の形は美しいと思われますでしょうか。
#14
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初の形はまさに美しい日本ではないかと、このように思いますが、もう一方の方は、これを見ると何となく悲しくなるわけでありまして、やはりバランスが取れて初めて日本のみずみずしい発展があるのではないかと、このように思います。
#15
○岡田直樹君 おっしゃるとおりアンバランスだし、あえて言えばグロテスクということも言えるぐらいだと思うんです。言葉は古いですけれども、太平洋ベルト地帯、あるいは東京、首都圏にもう一極集中をいたしておりまして、人口減少、国全体の人口減少も大変な問題でありますけれども、人口の偏在、偏りということはより大きな問題であります。
 アンケート調査いたしますと、この東京から地方に移り住みたいという、そういう願望は増えてきておりますし、若い世代の方々でもそう思う方が多くなっている。しかしながら、現実は働く場がないということで、なかなか地方に移るということは難しい。
 そこで、もう閣僚には釈迦に説法でありますけれども、地域創生本部の有識者会議のメンバーのお一人で、この度は旭日大綬章をお受けになることになりました坂根日本経団連元副会長、この方も島根県、日本海側の出身の方でありますが、東京に集中し過ぎた企業の本社機能の一部でもいいから地方に移転しようというのが持論でありまして、その旗振り役を務めてこられました。そして、御自分の会社の一部、これは調達本部であるとか教育センターであるとか、こういったものを実際に発祥の地である石川県小松の方に移されたわけであります。
 これもよくお聞きになっておるかと思いますけれども、その坂根さんの会社の東京本社勤務の女性の出生率は〇・七しかないんですけれども、石川県勤務の女性社員では一・九と、二人近いお子さんを産む。そして、石川勤務の女性管理職に至っては出生率二・八ということで、ばりばり仕事をしながら三人近いお子さんを育てているという、そういう仕事をしながら子育てもできるゆったりとした環境が地方にはあるので、企業のとりわけ本社機能移転、地域活性化とともに、日本国全体の人口減少対策にもなるのではないかと坂根さんは有識者会議で持論を展開しておられると思います。
 あってはならないことでありますが、首都圏直下型地震等のリスクを分散する意味でも、例えば研究開発機能とかデータセンターとか、そういったものを地方に移す、また第二、第三の生産拠点を地方に移しておくということは有益なことだと思います。
 しかし、何かインセンティブがないとできません。石破大臣がよく言われるとおり、地方創生は地方が自分で考えて、知恵を出して、やる気を出してやるのが本筋だと思いますが、ここは国、地方が一体になって大きな政策として企業の地方立地を進めるべきではないかと思うわけであります。
 ある一定の基準を設けて企業の地方移転に税制上の優遇措置を設ける、これは自民党でも提言、公約をしております。これは一国二制度と言われる場合もあるんですけれども、一国二制度でももう構わない、やらないと地方が本当に疲弊をしている、崖っ縁にあると、そういう思いから、是非これはこの国土のゆがみを解消するためにそうした大胆な措置ができないか、石破大臣のお考えを伺いたいと思います。
#16
○国務大臣(石破茂君) 総理が、この地方創生というのは異次元の取組をもって臨むというふうにおっしゃっておられます。
 委員おっしゃいますように、今までできなかったからこれからもできません、だったら何が変わるんだいというお話でありまして、参議院本会議で申し上げたと思いますが、我々政府として、できません、なぜならばと言うのが仕事ではないと、できるためにはどうすればいいかということを考えると、それが今回の取組だと思っております。
 コマツさんがそうですし、YKKさんがそうですし、あるいは東芝、日本ゼオン、アクサ生命等々、委員がおっしゃるように多極分散をしなきゃいかぬということとともに、いざ何かあったときに国家として機能を維持できるかという観点からも地方への分散というのは必要なことだと思っております。
 その際に、コマツの坂根さんからもずっと私はお話聞いているんですが、企業はどうすれば地方に移転をするかということなんです。地方に移転した方が仕事の効率も上がる、出生率も増えるということであれば、ある意味ほっておいても地方に分散しそうなものですが、そうならないのは一体なぜなのだろうか。税なのだろうか、何なのだろうかということは今回きちんと答えを出さねばいかぬことだと思います。
 また、民間企業にそういうことをお願いするからには国はどうなんだいということが問われます。民間企業に地方に分散してくださいと言いながら、政府の機能をどうするんだということにもきちんとお答えをせねばならぬことでございましょう。政府、民間、一体となってこの国の分散の社会をつくるために、あるいは日本全国に均衡ある国土の発展という名の下に実はミニ東京みたいなものをいっぱいつくってきちゃったんではないかという思いもあります。地域の創意工夫がきちんと生きるような、そういうふうなサポートもしてまいりたいと存じます。
#17
○岡田直樹君 企業のみならず国の機能も考えねばならない、地方へという発想、大変有意義な御答弁をいただいたと思っております。
 もう一つ、この地方創生に関して、やはり東日本大震災の被災地を忘れるわけにはいかないと思うわけであります。沖縄と同様、やはり大変な苦難を経験している被災地のために、その被災地の集中復興期間が平成二十七年度限りで途絶えてしまう、被災各地の知事からもこの延長を求める声がございましたが、是非お願いをしたいというふうに思います。竹下復興担当大臣の被災地に希望を与えるような御答弁を願いたい。
 それと同時に、子供たち、自民党女性局が視察に行って、やはり青少年の心のケアということが大切ということを申しております。どうかその点も併せて御答弁いただきたいと思います。
#18
○国務大臣(竹下亘君) 地方創生との絡みもございますが、元々過疎地で高齢化が進み、それほど経済活動が活発でなかった地域が東日本の大震災で大きな被災を受けた。ここが立ち直ることが私は地方創生の一つのシンボルであると、こう思っておりますし、何が何でもやり遂げていかなければならない、安倍内閣にとりましても最重要課題の一つであると肝に銘じてやっていきたいと思います。
 集中復興期間、確かに二十七年度いっぱいで終わりますが、まずは今やっておりますことは、二十七年度までの集中復興期間、しっかりと予算を確保してやり遂げていくことでございます。しかし、それで復興は終わるわけではございません。復興は復興するまでが復興でございますので、我々はその後もしっかりと財源を確保した上で被災地の復興、お一人お一人の心に寄り添うような形で成し遂げていきたいと、このように考えております。
 特に、子供たちについてお話がございました。確かにもう三年七か月避難生活を送っている子供たち、あるいは校庭に仮設住宅ができて外で遊べなくなった子供たちというのが被災地にたくさんいる。その心のケアというのはもう非常に大切なことでございまして、まずは相談員を配置をいたしまして、それぞれの仮設住宅で子供たちあるいはお年寄りの方々の健康、心のケアに寄り添う。さらに、学校にはスクールカウンセラーを配置をいたしました。そして、学校でもしっかりと子供たちの心のケアを行うと。
 それに加えまして、遊具、遊び道具を新しく更新をしたり造ったり、あるいはイベントを開催をして子供たちが楽しく遊べるように、そういうことにも配慮をいたしておりまして、住宅を建てる、道路を造るという復興だけじゃなくて、まさにソフト、特に子供たち、あるいはお年寄りの皆さん方に対するケアというのは非常に大事だと思っておりますし、併せてやっていこうと、こう思っております。
#19
○岡田直樹君 時間もなくなってまいりました。
 今年は、東海道新幹線が開業して五十年、そして東京オリンピックから五十年という記念すべき年であります。そして今、東海道から遅れること約五十年であります、半世紀たって地方の整備新幹線、これは九州、北陸、北海道と開業をし、また開業を控えております。そして、総理自らつかんでこられた東京オリンピック二〇二〇、パラリンピックも、地方に夢を与える上でも、これを東京だけではなく日本全国に波及する、そうした新幹線であり、オリンピックにしたいものだと思っております。
 時間がございませんが、関係大臣、国交大臣から新幹線のこと、それから文科大臣からは東京オリンピックの全国への波及ということについて御答弁を願いたいと思います。
#20
○国務大臣(太田昭宏君) 新幹線ができまして五十年、本当に、人を運び、物を運び、同時に、何よりも夢を運んできたというふうに思いますし、事故が全くなかったというのは世界に誇るべき日本の技術だと思います。金沢にいよいよ、この三月には開通ということになって、かなり夢も、そして人も、そして企業ももう既に立地を始めているというふうに聞いています。
 そういう意味では、新幹線は極めて重要であり、これから北海道、九州、そしてまた敦賀までということについても、私たちとしては前倒しができないかという希望もいただいておりまして、財政上、技術上の課題に対しても議論を深め、与党そして関係省庁とも連携を取っていきたいというふうに考えております。
#21
○国務大臣(下村博文君) 岡田委員御指摘のように、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックは、東京一極集中を加速させるものではなくて、日本全体を元気に、更に発展を目指す大きなチャンスとして捉えて積極的に位置付けていく必要があると考えております。
 新たな日本の創造を果たすことによって、オールジャパンで東京大会の成果、全国へ波及させるべきだと考え、日本各地の豊かな地域資源を積極的に活用しながら、スポーツを通じた国際交流やオリンピック・パラリンピック教育の実施、文化プログラムの実施等、二〇二〇年に向けて、早ければリオの後、二〇一六年からスタートし、日本全国での機運を盛り上げていきたいと考えております。
#22
○岡田直樹君 国交大臣、新幹線、財源も厳しいことでございますけれども、特に北陸はまだ出口が見えておりません。関西までつないでこそ代替補完機能を持つ災害にも強い新幹線になることと思います。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 総理始め各大臣に感謝を申し上げ、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#23
○委員長(岸宏一君) 以上で岡田直樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#24
○委員長(岸宏一君) 次に、藤川政人君の質疑を行います。藤川政人君。
#25
○藤川政人君 自由民主党、藤川政人でございます。よろしくお願い申し上げます。
 まず一問目でございますが、先週金曜日、十月三十一日に年金積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIFから年金資産運用の構成割合の見直しが発表されました。これは、年金の受給者お一人お一人に関係する大変重要な問題だと考えております。
 このパネルはGPIFが記者会見で当日配付した資料の一部でございます。(資料提示)なお、委員各位と閣僚の皆様には配付資料全体をお配りしております。
 年金運用資産の構成割合を見直すことが、なぜ約束どおりの年金受取につながるのかについて教えていただきたいと思います。特に気になるのは、新聞報道等でも国内債券、すなわち国債の割合が大きく下がり、株式の割合が大きく上がっているため、株価が下がったときなど本当に年金資産は長期的に大丈夫なのか、そういった不安の声があることであります。
 大変専門的な話でもありますので、見直しの基本的な考え方について塩崎厚生労働大臣に、国民の皆様に向けて安心していただけるよう、また分かりやすく説明をしていただきたいと思います。
#26
○国務大臣(塩崎恭久君) 藤川先生、ありがとうございます。
 若干長めになりますことをお許しをいただきたいと思います。
 今先生御指摘のとおり、年金積立金の管理運用というのは、年金を本当に約束どおり受け取れるかどうかという大変大切な問題でございます。我が国の公的年金制度の下では、いわゆる給付と負担の関係につきまして五年に一度財政検証というのを行うこととなっておりまして、本年六月に最新の検証結果が出ました。年金積立金の運用目標については、長期的に見て賃金上昇率プラス一・七%という利回りが示されたところでございまして、国民の皆様方にお約束した年金の受取に向けて長期的にこの目標を確保することが大変大事だということでございます。
 その大前提といたしまして、今アベノミクスによってデフレから脱却しつつあって、物価や名目賃金が高まる局面にございます。原則として、年金給付は物価とか賃金に連動することから、従来の債券中心の運用でありますと必要な積立金額を確保することが難しくなるため、新しい運用方法を打ち立てなければならないということになります。
 その際、国債は安全で株は危ないという見方は確かにありますけれども、実は国債を含めてどんな資産もリスクというのがあります。特に、経済がデフレから脱却をして緩やかなインフレ状態になる場合は金利の上昇というのが想定されて、仮にGPIFの運用資産約百三十兆円を全額国内債券で運用したとすると、一%の金利上昇で実は約十兆円の評価損が発生するということになります。したがって、どうやってリスクを最小化するかというのが最も大事になります。
 藤川先生のパネル、今掲げていただいておりますけれども、左下に分散投資でリスクを最小化というふうに書いてございますけれども、分散投資とは、収益率が違う動きをする資産を組み合わせて運用をすることで、一つの資産で損をしても他の資産で補うことができるということであります。したがって、長期的に見たときに、一つの資産中心で運用するよりも、つまり国債中心でいくというよりも、波を打ち消し合って、リスクを相殺をして、年々の収益のぶれが少なくなるように、つまり分散投資を行うことでリスクがより少ない運用が可能となるということでございます。
 藤川先生のパネルにありますとおり、海外の事例を見てみますと、カナダ、スウェーデンなどでは債券の比率は大体二、三割となっておりまして、まさに分散投資でリスク管理を行うことが運用のグローバルスタンダードでございます。
 先生御配付の資料、分厚い方の資料には最後に新聞報道が付いておりまして、アメリカの大統領経済諮問委員会の委員長を務められたフェルドシュタイン教授もそうした分散投資を進めることについて、日本がですね、御評価をいただいております。
 なお、そこで触れられておりますけれども、米国の年金資産は一〇〇%国債で運用しているという誤解がありまして、これはしかし交付国債のような形で保有をしているもので、フェルドシュタイン教授はこう言っております。米国の社会保障基金は、つまり年金であります、区分勘定のようなものであって、実際に資産の運用に携わっているGPIFとは性格が異なる。つまり、市場運用しているGPIFとアメリカの場合の交付国債的に国債を持っているのとは意味が違うということをおっしゃっているわけであります。
 るる申し上げましたけれども、厚生年金保険法によって、年金資金運用は専ら被保険者の利益のために安全かつ効率的に行うことになっております。国民の皆様にお約束をした年金を確保するという厚生労働大臣に与えられた私の責任を果たすために、アベノミクスの新しい経済の下で、分散投資によってリスクを最小化しながら必要利回りを確保するという考え方の下で、GPIFの専門家に議論を行っていただいて決定をしたというものでございまして、国民の皆様方の御理解を賜りたいというふうに思います。
#27
○藤川政人君 じゃ、ちょっと二枚目のパネルにしていただきたいと思います。
 このパネルを見ていただきますと、何と鎌倉時代から、鎌倉幕府成立の人口統計から、すばらしい統計だなと思うんですが、二一〇〇年までの人口の推移が掲げられております。二〇一〇年、一億二千八百万人を頂点として、明治維新三千三百万人、それから九千万人増やした後、もう急な坂を転げ落ちるように人口は減少してまいります。それと同時に、高齢化率も示されておりますが、まさに高齢化を支える中で高齢者の基本的生活を安心できるものにするのが、今大臣おっしゃっていただいたGPIF始め年金の運用につながると思います。投資政策である以上はリスクは必ず生じると思いますが、担当大臣として、是非国民が安心できるようになお一層御尽力を賜りたいと思います。
 通告は、この後、成長戦略のお話をちょっとさせていただくつもりでおりましたが、この関係もありまして地方創生関係を先にさせていただきたいと思います。
 将来の人口をこの表で見ますと、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年、期待の事業でありますが、その年にこの国から三百万人人口が減少いたします。これはほぼ確定値でございます。そして、二〇三〇年、リニア新幹線が開通した三年後の人口推計では、何と一千万人の人口がこの国から消え去る。これは、東京二十三区内約九百万人を大きく超える規模であります。東京オリンピック・パラリンピック開催、そしてリニア中央新幹線の開通、そして先般のMRJの竣工などなど、国民に夢と希望をもたらす大きな節目となる事業やイベントの裏では、我々が想像もできないすさまじい人口減少が進行することが予想されております。
 いわゆる増田レポートでは、人口の再生産力を表す若年女性二十歳から三十九歳に着目し、若年女性が二〇四〇年までに五〇%以上減少する自治体、すなわち消滅可能性都市が八百九十六団体に上ると衝撃的な試算を行いました。この試算を前提に依拠すれば、地域からの若年女性の流出を防ぐ手だてを講じる必要もあるかと思います。
 女性が都市部に出ていくことを強制的に止めることはもちろんできません。しかし、女性にとって魅力的な働く場を地方に用意する必要があるのではないでしょうか。都市部にはどんどん女性が集まり、山や川を、そして多くの問題を抱える過疎地に男性が残るとなれば、どんどん結婚の機会はなくなり少子化に、加速化を進めるのではないかという心配をしております。もちろん、魅力があるとはお金だけのことではないと思います。例えば、働いて他人から感謝されるとか仕事にやりがいを持つとか、いろんな価値観があると思います。
 地方における女性の働く場について、有村女性活躍担当大臣に率直な感想を伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 地域の企業や自治会、PTAなど様々な場面で貢献される女性の皆さんは、元気で豊かな地域社会に不可欠な存在だと私も認識をしております。まさに藤川委員が今御指摘いただきましたいわゆる増田レポートにおきましても、二十歳から三十九歳の女性の人口増減に特に焦点を合わせておられるように、地域活性化にとって女性の活躍は鍵になると認識をしております。
 現在、地域女性活躍加速化交付金を通じて、女性の登用や創業等に向けた地域ぐるみの取組の支援などを行っておりますけれども、去る十月十日に取りまとめさせていただきました、すべての女性が輝く政策パッケージに基づきまして、今後も地域で活躍したい女性に対して学び直しや地域活動への参画までを総合的にサポートさせていただきたいと考えております。さらに、現在国会で御審議をいただいております女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案においても、地域の協議会の設置などを規定しておりまして、地域の実情に応じた女性活躍推進のための取組を促したいと考えております。
 最後にですが、女性が活躍する地域社会を創造することは、女性がその地域に魅力を感じ、居場所を見出し、また住み続けることにもつながってまいります。今後も、地方公共団体を始め関係者の御尽力を望みますとともに、政府として全力でサポートさせていただきたいと考えております。
#29
○藤川政人君 是非頑張っていただきたいと思います。
 次に、子供の関係について伺いたいと思いますが、先週、文科省の国民性調査が公表され、生まれ変わったら日本人がいいという国民が八三%という結果が出ました。うれしい結果だと思います。その中で二十代の男子の比率が特に向上し、大きな喜びと希望を持つと同時に、少子化という現実の間で複雑な思いがいたしました。
 この少子化対策についてお伺いをいたしますが、地方自治体の仕事として子供の医療費助成という仕事がございます。もちろん法定ではございません。福祉元年と言われました一九七二年頃から始まったとされますが、今では全国の自治体の全てで何らかの助成が行われております。自治体の首長選挙では子供の医療費無料化が必ずと言っていいほど公約の一丁目一番地となっております。この公約を実施するための財源確保がままならず、消耗戦となっているのが多くの自治体での実際の現状ではないでしょうか。
 一例を挙げると、私たちが今ここにいる千代田区では、東京都の十五歳年度末までの入通院無料の独自の政策の上乗せを行い、入通院とも十八歳まで無料であります。親の所得制限も窓口での一部負担金もありません。しかし、お隣の神奈川県に行きますと、市町村によって差はあるんでしょうけれども、市の上乗せがなければ、通院が就学前まで、入院は十五歳年度末までであります。町の名前は申しませんが、ある町は子供が大学生や専門学校生など、就学中であれば入院も通院も二十二歳まで無料であり、親の所得制限も一部負担金もないという町もあります。
 家にいればずっと親にとっては子供は子供なんでしょうが、二十二歳まで子供医療の医療費助成が必要かどうかはまたこれは議論の余地があると思います。しかし、安心して子供を産み育てることができる環境をつくるというのが目下取り組んでいる地方創生の眼目ではないでしょうか。財源の問題なので一朝一夕に解決できるとは思っておりませんが、子供の医療費について全国全ての市町村が何らかの独自の制度を設けている今の現状においては、これはローカルミニマムではなくてもうナショナルミニマムとして考えていけるのではないかなと思います。
 現在、政府は高齢者の患者負担について更に負担能力に応じた負担とすることを検討しておられますが、高齢者に御負担いただく分の財源を子供の医療費のために充てることも一考ではないかなと思います。それは、五十年後に一億人程度の安定した人口構造を保持することを目指すという安倍総理が掲げる目標とも軌を一にするものだと思います。
 厳しい財政状況にあることは十分承知しておりますが、全て無料化にするのが絶対だとは私は思いません。負担もあって当然かと思いますが、高齢者の医療費軽減が、医療保険、いわゆる保険と保険者と行政の三者で費用負担をしている状況と、この子供医療費負担が市町村の独自財源で、もちろん財布が違うということも十分承知をしておりますが、子供の医療費の負担を国の責務とすることを真剣に議論する時期に入っているのではないか、そんなことを考えます。
 安倍総理の見解を、先ほどの文科省の国民性調査の感想と併せて伺えればと思います。
#30
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もし、生まれ変われるとしたらもう一度日本人として生まれたい、日本人としての誇り、まさにそれは矜持を示すことにもつながっていくんだろうなと。一人でもそういう国民が増えていくよう我々も施策をしっかりと進めていきたいと思うところでございます。
 そこで、子供の医療費の問題であります。もちろん、全てのお子様たちの医療費、完全に無料にできればそれが一番いいんだろうと思います。それが十八歳であるのか二十二歳であるのかは意見が分かれるところではあろうと思います。しかし、今、我々は国として、国全体の中においてできることは行っておりまして、その上において、財政力のある市町村がそれに上乗せをしている、場合によっては、例えばこの千代田区は大きく上乗せをしているわけでございます。
 そこで、子供の健やかな成長を確保することは重要な課題であり、医療費の負担について国としての支援は先ほど申し上げましたように行っています。具体的には、小学校入学前の子供について、医療保険の自己負担を三割から二割に軽減しているほか、未熟児や特定の慢性的な疾病を抱える子供の医療費については更に自己負担の一部を公費で助成をしているのは御承知のとおりであります。
 特に、慢性的な疾病で長期療養を必要とすることにより高額な医療費が掛かる子供については、さきの通常国会で児童福祉法を改正し、小児慢性特定疾病の医療費助成の充実を図ったところであります。平成二十七年一月の施行に向けて今まさに準備を進めているところでございますが、自己負担を更に一律で軽減することにつきましては財政の問題が何といってもあり、慎重な検討が必要であると考えております。
#31
○藤川政人君 私が特に危惧をいたしますのは、冒頭この質問の中で申し上げさせていただいたように、地方自治体が独自でもうそれぞれの案を出して頑張られるというのは応援をしなくちゃいけませんが、選挙公約として、隣の町がこうだから、あの候補がこうだから、私が市長になったらもっともっと上げてやるという、こういう消耗戦になっているところを国が何とかもう少し、財源の問題もありましょうし、制度の問題もあるんでしょうけれども、そういうところをやはり地方創生という言葉の中でも議論をしていく必要があるのではないか、そんな気が強くしております。
 続いて、子供の後は、地域振興策について地方創生と絡めてお伺いできればと思いますが、地域振興策は戦後一貫して取り組まれてまいりました。全総から始まる国土計画、離島振興法や過疎法を代表とする条件不利地域対策立法、新産業都市法、農村工業導入法といった産業振興に関する各種政策や立法が講じられてまいりました。
 そういった地域政策の中でも我々の記憶に新しいものは、やはり昭和六十三年、ふるさと創生事業が始まり、自治体に与えたインパクトは非常に大きかったと思います。ふるさと創生一億円で小さくてもきらりと光る、そして私の地元でも何かできないだろうかと、当時は、地域総合整備事業債には様々な評価がありますけれども、これを活用して地域づくり事業ができないだろうかと自治体は知恵を働かせました。
 また、その後は行財政基盤の強化などを目的として平成の大合併が推進され、三千三百近くあった市町村が現在千七百二十七となり、半減近い形で市町村が減少いたしました。ところが、現在地方が置かれている状況は大変厳しく、さきに述べたように八百九十六の自治体が消滅可能性都市と言われる状況にあります。
 自治体を強くするために行ってきたふるさと創生であり、自治体の基礎的な力を強めるために行った市町村合併であったはずにもかかわらず、地方創生という言葉を新たに使わなくちゃいけない今の現状をどのように考えていけばいいのか。ふるさと創生では、自ら考え自ら行う地域づくり、地方が知恵を出し中央が支援する、そういうことがうたわれました。
 地方創生との違いは何なのか。そして、市町村合併は、行財政基盤の強化をする目的の中で、多くの事業、また交付金等で進めたわけでありますが、しっかりその辺について検証し、地方創生という、本当にこの雪崩式、直滑降のごとく坂を転げて二一〇〇年には明治時代の人口に戻ることが、ほぼ、まあなっちゃいけないんでしょうけれども、それが想定される中において、どう地方創生という言葉を我々は理解し、また地元に戻って一人の市町村民として取り組めばいいのか、石破大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(石破茂君) 一九八八年でしたか、竹下総理がふるさと創生ということで、どんなちっちゃな村でもどんな大きな市でも一億円というのがありました。私、その頃当選一回でしたが、ばらまきという批判がありました。竹下総理は、いや、そうではないんだ。委員が御指摘のように、自ら考え自ら行うのだと。じゃ、そのお金をどう使うのかということをそれぞれが考えることが大事なんだというふうにおっしゃいました。
 実際、成功したところもあります、大失敗したところもあります。お金さえもらえばうまくいくというのは、そうではない。それをどう使うのかというプランがきちんとなければいかぬという当たり前のお話ですし、それをどう使ったかという検証のシステムが動かなければいけません。
 首長の皆様方は、それはもう今の縦割りのシステムの中でそうなるんですけれども、どれだけの補助金を取ってきたか、どれだけ補助率が高く、どれだけ裏負担がきちんと見てもらえるものを取ったかが争いなんでありまして、それがどのようにして町を活性化させたかという検証が行われたという例を寡聞にして存じません。ですから、自分でプランを作る、そしてその検証が行われるということが、国が支援をする際には必ず必要なことだと思っております。
 十月三十一日に、第二回まち・ひと・しごと創生会議というものをいたしました。そこに中間報告が出まして、今までも善かれと思っていろんなことをやってきたんです。やってきたんだが、どこに問題点があったかといえば五つあると。
 一つは、縦割りによって重複する事業、小粒な事業が乱立をしましたと。もう一つは、検証というものがございませんでしたと。地域特性を考慮しない全国一律、そのような政策をやってきましたということ。そして、地域に浸透しない表面的で単発的な取組があったのではないか。そして、中長期的な展望、プランを持たない、短期的な成果を求める施策があったのではないかということであります。
 ばらまき、ばらまきと言いますけれども、ばらまきとは何なのだといえば、効果検証を伴わない、そういうものをばらまきと言うのだと思っております。縦割りは言わずもがなでありまして、今回、地方創生というものをきちんとやりますためには、その反省を踏まえまして、自立性、つまり国の支援がなくなったらおしまいよということはやらない。金の切れ目が縁の切れ目みたいなことはやらない。これが将来どうなるのかということをきちんと示した将来性のあるものでなければ駄目だと。そして、その地域の特性に着目したもの。愛知県でもいろんな自治体があると思いますが、そこの地域に着目した地域性のあるものでなければ駄目。そして、風が吹けばおけ屋がもうかるみたいな話では駄目で、直接効果があるものでなければいかぬということであります。そして、プロセスが大事ですが、それと同時に、いや、それ以上に結果というものが大事なのだということで、地方創生に当たりましてはそういう要素をきちんと設定をいたしまして、それにかなうものをやってまいりたいと思っております。
#33
○藤川政人君 是非大臣、我々も地域に過ごす一人として、地方創生というキーワードの下にしっかり、この推移で見る日本のような形ではなくて、本当に夢と希望が持てる日本づくりを総理の下でしっかりやっていきたいと思いますので、また御邁進、取組をいただきたいと思います。
 続きまして、日本の先端技術についてお伺いしたいと思いますが、昨日も文化勲章受章のときに、山口大臣の地元の中村先生がうれしそうに受章されておみえでした。
 このノーベル賞受賞という明るい話題、私の地元の赤崎名城大学教授、そして天野名古屋大学教授、そして山口大臣の地元、徳島大学出身の中村先生が青色発光ダイオードの発明、実用化でノーベル賞を受賞されました。日本の科学技術の底力を見せたものと思いますが、是非、山口大臣に、今後我が国の科学技術振興についての在り方について所見を伺いたいと思います。
#34
○国務大臣(山口俊一君) お答えをいたします。
 恐らく藤川委員の御地元も大変、皆さん大騒ぎというか、ノーベル賞を取って良かったなという雰囲気なんだろうと思いますが、私の地元の徳島でも、とりわけ徳島大学あるいは名古屋大学ですね、地方の大学を出られた、あるいは地方の大学で研究をして、結果こういう形になったということに実は私、大変大きな意義が、これから地方創生という意味でもあるんだろうと思いますし、同時に、御指摘いただきましたように、やはり基礎研究をしっかりやって、かつ、青色発光ダイオードですから、今みんなもう実用化されて使っておる。ある意味、基礎研究から応用、実用に向けて非常に分かりやすい事例だということで、これもしっかりと踏まえて今後やっていかなくてはいけないなというふうな感じでございます。
 もう御案内のとおり、安倍内閣としても科学技術イノベーション総合戦略二〇一四を取りまとめて、政府全体で科学技術イノベーション政策を強力に推進をしておるところでありますが、とりわけ今回、三名の研究者がノーベル賞を受賞された、これを受けて、イノベーションの源泉となる基礎研究、さらには人材、これをしっかりと強化をしていくということの重要性を改めて感じたところでございます。
 今後とも、科学技術・イノベーション会議が司令塔となりまして、人材の育成とか、あるいは魅力あふれる研究環境、この整備を強力に推進をして、日本を世界で最もイノベーションに適した国、これになるようにこれまで以上に努力をしていきたいと思っております。
#35
○藤川政人君 大臣、是非今以上の取組をお願いしたいと思います。
 そうした技術の問題では、先月十八日に、日の丸プロジェクトでありますMRJのロールアウト、いわゆる完成披露が行われました。その前日には、太田大臣よりリニア中央新幹線の実施計画が認可をされました。
 このように、夢と希望を与える、国際競争力にも大きく寄与することになる事業がいよいよ本格化しましたが、総理の所感を伺えればと思います。
#36
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本の強みの一つがまさに科学技術であり、そしてまた物づくりであろうと、このように思います。
 MRJや高速鉄道の事業が成長するためには、国内だけでなく海外市場を獲得することが重要であると考えています。政府としては、MRJを成功させるため、また新幹線や超電導リニアといった高速鉄道の海外展開を図るため、積極的なトップセールスを始め、引き続きしっかりと支援をしていく考えでございます。
 インフラ輸出につきましては、一昨年の三兆円が昨年九兆円に三倍増したところでございます。私も四十九か国を訪問し、その際、多くの機会を活用して、経済界の人々にも同行していただき、日本の力、そしてまた日本の技術、また操業技術も併せて売り込んできているところでございます。
 今後とも、こうした新たな技術についてもしっかりと行っていきたいと思いますが、まだこのMRJにつきましてはトップセールスを受けた受注には至っておりませんが、現在、六航空会社から約四百七機を受注しているところでございます。今後、引き続き全力を挙げて日本の技術を売り込んでいきたいと、このように思います。
#37
○藤川政人君 是非、全力でトップセールス等々、進めていただきたいと思います。
 そこで、一つ、リニア中央新幹線については、やはり経済効果が名古屋―品川間開通の一・四倍とも言われる大阪までの一気通貫の話もございます。大阪経済界からは関西が残されるという懸念も出ておりますが、ここで太田大臣に、大阪延伸に係る見解及び今後の見通しを伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(太田昭宏君) リニア新幹線、最速で東京―名古屋間四十分、劇的に流れを変え、大阪まで一時間強という形になります。
 これは、この事業は、JR東海が民間企業として経営の自由や投資の自主性の確保を貫徹することを大原則としまして、全額自己負担で整備するとの意向を受けまして建設が指示されたという経緯がございます。JR東海はこのような前提に基づいて、同社の財務や現場の工事の見通しを踏まえまして、東京―名古屋間の開業目標を二〇二七年、大阪までを平成五十七年と、このように設定をしているところであります。
 これが、東京―大阪間同時開業あるいは前倒しという大変大きな要請があり、要望があるということは十分承知をしています。しかし、本件に関しましては、現在の建設主体でありますJR東海の考え方をよく踏まえながら考えていかなくてはならない、このように思っているところでございます。
#39
○藤川政人君 もう時間がなくなってまいりました。
 最後に、トップセールスの成功例として、私は地デジの海外展開が挙げられると思います。これは日本だけが、本当、日本方式という形で頑張っていった中で、中南米、そしてアフリカ、そしてアジアへと、今十七か国となりました。これは麻生副総理が総務大臣、総理大臣等々手掛けられ、これは野党に我々がなっても、民主党政権下でも着実に進められた成功例であると思います。宗主国がほとんどヨーロッパである中で日伯方式というあの手法、大変だったと思いますが、そちらについてトップセールスの在り方、またこの成功例について副総理から御見解を伺いたいと思います。
#40
○国務大臣(麻生太郎君) 日伯方式、技術はブラジルのものはありません。しかし、中南米という地域で、ヨーロッパ方式は全てスペイン国王からヨーロッパの、大統領等々に電話が掛かってくるという営業をやられると、やっぱりなかなかこちらとしてはしんどいことになりますので、とても技術だけではなかなか難しいと思いましたので、ブラジルの大統領、当時、今の大統領の前の人はルーラという人だったんですが、ルーラと話をして、日伯方式というのでこれ売ってくれと。どうしてブラジルを使う、いや、営業はそっちがやると、おまえが自分で売ると。名前は日伯方式という名前使っていいからというので、彼は、その名前を使っていいというところに飛び付いて、全大統領に電話をして、最終的にはほとんどのところは全部これで、直接見ている目の前でも電話していましたので、あっちこっちに電話していただいた結果、あれだけのものが成果が上がったのだと思いますので、いろいろ営業の仕方というのはやり方があると思っております。
#41
○藤川政人君 終わります。
#42
○委員長(岸宏一君) 以上で藤川政人君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#43
○委員長(岸宏一君) 次に、島田三郎君の質疑を行います。島田三郎君。
#44
○島田三郎君 おはようございます。
 私は島根県出身でございまして、我が島根県は新幹線の計画もリニアの計画もございません。ただ、地方創生に懸ける思いはほかの県には負けないつもりでございます。
 本日は、社会保障関係について質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、安倍総理にお伺いいたします。
 社会保障は、国民の安心を支える重要なものであります。少子高齢化が急速に進展する中、総理は持続可能な社会保障制度の確立に向けて制度改革に取り組んでおられると承知をいたしております。改めて、総理の社会保障に対する基本的な考え方をお尋ねいたします。
#45
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人は、生まれてこの世を去るまで、時に病気になる場合もありますし、病気が重篤になって仕事を失う場合もあります。あるいは、年を取って仕事から離れなければならないというときを迎えるわけでございますし、また、年を取れば病気になりやすくなっていくと。また、経済の状況は日本だけで決まるわけではなくて、世界的な大きな経済の波を被ることもあります。本人の努力の、これは言わば、を超えて仕事を失っていく場合がある。
 それぞれに、しっかりとそういうときに備えて国が保障していく。これは、国が保障していく上においては、これは国民みんなの助け合いでもあるわけであります。自助自立を基本といたしまして、共助、公助を組み合わせて、そういうときを迎えたとしても、これは最低限の生活は大丈夫ですよという仕組みをつくっていくことこそがみんなが安心していい社会をつくっていくことにつながっていくと、このように考えております。
#46
○島田三郎君 平成二十六年度制度改正では、高度急性期医療から在宅医療・介護、さらには生活支援まで一連のサービスを地域において切れ目なく総合的に確保するために、医療提供体制の見直し、また地域包括ケアシステムの構築に向けた見直しが一体的に行われました。
 介護保険制度における具体的な対応として、在宅医療・介護連携の推進、認知症施策の推進、生活支援サービスの充実などを市町村が行う地域支援事業に位置付けるとともに、要支援の多様なニーズに対応するため、従来、予防給付として提供されていました全国一律の訪問、通所の予防介護を市町村が行う事業に移行することになっております。
 では、それを前提に具体的な質問に入らさせていただきます。まず、社会福祉法人改革についてお尋ねを申し上げます。
#47
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生今お話ございましたように、社会保障改革を進めているわけでありますが、中で重要な役割を果たしてまいりました社会福祉法人についてのお問合せがございました。
 社会福祉法人は、公共性の高い社会福祉事業を主たる事業としてやってきました非営利法人であります。今後、人口構造の高齢化、人口減少社会の到来、そしてまた地域社会の変容とか、そういった福祉ニーズが多様化、複雑化をしていくわけでありまして、この生活困窮者への対応とか、あるいは地域における広い意味での支え合いなどの面において社会福祉法人が果たす役割は恐らくこれからますます重要になってくるというふうに思っております。
 社会福祉法人がこうした福祉サービスの基盤としての役割をしっかりと果たすためにも、公共性、非営利性を担保する観点から、ガバナンスの強化あるいは透明性の確保、そしてまた財務規律の確立等に取り組んでいくということの中にあって、この重要な役割を担っていくべきだというふうに思っております。
#48
○島田三郎君 社会福祉法人は地域における介護や福祉サービスの主たる担い手となっております。人口減少が進み、地域の互助機能による助け合い制度が期待できなくなっていく中で、社会福祉法人は、制度によらない福祉サービスも含め、地域社会のセーフティーネットとして様々な活動をしていく必要があると思っております。今後の社会福祉法人の役割について、塩崎大臣のお考えをお聞かせください。
#49
○国務大臣(塩崎恭久君) 役割につきましては、今申し上げたように、基本的には、これからますます地域での様々な福祉ニーズが必要になってくる。
 そういう中にあって、公共性の高い社会福祉事業を主たる事業として担ってきたこの社会福祉法人の役割、あるいは非営利法人としての社会福祉法人としての役割がとても大事なわけでございまして、こういった面で、今いろいろ御指摘がなされているこの法人の在り方ということについても改革をしながら、その改革は、先ほど申し上げたように、ガバナンスを強化をしていくとか、あるいは透明性を確保する、あるいは財務規律の確立とか、そういった面でこれをしっかりとしたものにもう一回仕立て上げて、役割をこれまで以上にまた担っていってもらわないとなかなかうまくいかない。例えば、これはもう高齢者福祉だけではなくて、児童虐待のための児童養護施設とか、それから障害者の施設とか様々あるわけでございまして、これらを担っているのが社会福祉法人でありまして、これなくして社会福祉はあり得ないということでございますので、役割としては今申し上げたとおりでございます。
#50
○島田三郎君 実は、社会福祉法人制度をめぐる状況は、措置から契約への転換、福祉サービスにおける民間企業等の参入、また高齢者単身世帯の増加による福祉ニーズの多様化、複雑化、先ほど大臣がおっしゃいましたように、制度をめぐる環境が大きく変化をいたしております。
 他方、社会福祉法人に関しては、特養のいわゆる内部留保に関する議論や、一部法人における不適正な運営について指摘、報道がなされております。また、本年六月には規制改革に関する閣議決定や政府税調の提言もなされております。
 私としては、先ほど大臣がおっしゃいましたように、ガバナンスや運営の透明化の確保については社会福祉法人自ら積極的に取り組んでいくべきものと思っております。しかし、社会福祉法人制度の在り方の見直しについてどのように取り組んでいかれるのか、厚生労働大臣に改めてお聞きいたします。
#51
○国務大臣(塩崎恭久君) 社会福祉法人がその福祉サービスを、基盤としての役割をしっかりと果たすというために、いわゆる公共性、非営利性を担保するという観点からこの制度の見直しが必要だということでございまして、今、社会保障審議会の福祉部会というところで議論を重ねていただいております。
 具体的には、このガバナンスを強化するという観点から、いわゆる理事会、評議会の位置付け、あるいは権限、この見直しあるいは明確化、それから、運営の透明性の確保の観点から、財務や事業に関する書類の閲覧、公表の対象を拡大するといったこと、あるいは、財務規律の確立を図るために適正かつ公正な支出管理とそれから余裕財産の明確化を行って、その原因解明を行うとともに福祉サービスへの再投下というものを行うといったことなどを今検討しておりまして、年内をめどに取りまとめを行う予定となっておるところでございます。
#52
○島田三郎君 先ほどお話がありましたように、このような社会福祉法人に対する指摘の発端として、特別養護老人ホームの内部留保は平均して三・一億円あるという話があります。しかし、この額は、例えば施設の建て替えに要する費用なども含まれており、決して自由になる余裕資金ではありません。にもかかわらず、この額が独り歩きをして介護報酬改定の議論に影響を与えていることは非常に憂慮すべきものであると私は思っております。
 社会福祉法人の内部留保についてどのように取り組んでいくのか、厚生労働大臣のお考えをお聞かせください。
#53
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、今、福祉部会というところでこの内部留保の問題についても議論していただいているわけでありますが、いわゆる事業運営において余裕財産を生じさせているんじゃないかというようなことを言われておりまして、いわゆる内部留保に関する問題が御指摘を受けているわけであります。
 この問題の原因というか要因でございますけれども、いわゆるこの社会福祉法人の内部留保についてまず確立した定義がなくて、何を指して内部留保と呼ぶのかということもはっきりしないということで、この余裕財産を明確化する仕組みがないということが一つあると思います。
 ただ、その前に、なぜたまるのかと、その原因についてもやっぱりきちっと分析をしなければいけませんし、先生今御指摘のように、好ましい内部留保と好ましくないかも分からない内部留保というのがあるのかも分からないということでもあるわけでございます。余裕財産が明確化、そういう中でされた場合には、この活用方法にまた明確なルールが今ないわけですから、これをどうするんだということを考えなきゃいけないと思っておりまして、今さっきのお話のように、福祉部会で議論をしていただいて、この社会福祉法人制度の見直しそのものを議論の対象としていただいております。
 その中で、社会福祉法人が、先生おっしゃったように、自ら説明責任を果たせるように余裕財産の具体的な状況をいわゆる見える化する仕組みを構築した上で、それでもまだ残る余裕財産については必要に応じて福祉サービスや地域の公益的な活動に活用する仕組みについて検討を進めていきたいというふうに今考えておるところでございます。
#54
○島田三郎君 介護サービス全体の平均収支差率はプラス八%程度だと言われております。一般中小企業の水準がプラス二から三%、つまり大幅に上回っている状態であると言われております。そういう中で、介護職員の処遇改善加算などの充実を図る一方、介護報酬の基本部分に関わる適正化が必要であるとの指摘があります。ただ、これ、私なりに考えますと、ある意味では痩せ細った樹木にたわわに実をならすような、を望むという幻想的な世界の話であると私は思っております。
 また、今後、高齢者が増加する中で、規模の経済によるコスト削減が見込まれることを踏まえれば、収支差率を中小企業の水準より低い水準にすることも検討すべきではないかとも言われております。
 そこで、財政制度審議会の資料では、介護報酬を六%に引き下げるべきとされております。地域包括ケアシステムの構築を推進するために必要なサービスの充実を図ったり、職員の処遇を改善させ、利用者が質の高い介護サービスを安定的に利用できるようにするためには、私は現実的な数値ではないと考えております。
 年末の予算編成過程では、塩崎大臣と麻生大臣でしっかりと協議をしていただき、しっかりとした結論を出していただきたいと思っております。それに向けて厚生労働大臣の意気込みをお聞きしたいと思っております。
#55
○国務大臣(塩崎恭久君) この介護サービスが安定的に供給されるためには、介護職員の処遇改善を含めた人材確保というものが喫緊の課題であることはもう皆が認めるところでございまして、また、サービスの効率化に向けた不断の努力というものも同時に今先生御指摘のように必要があるというふうには思うわけであります。
 このような観点から、今、次期介護報酬改定に向けては、まず三つの基本的な視点から議論をしていただいております。中重度、中くらいと重い度の要介護者やあるいは認知症高齢者への対応をやっぱり更に強化しないといかぬだろうと。さらには、介護人材確保の対策が今申し上げたように極めて大事でありますから、これを推進しないといかぬと。そして、効果的、効率的なサービス提供体制の構築も同時にこれは必要だということだと思います。
 今年の六月の閣議決定をいたしました骨太方針において、社会福祉法人の、先ほどお話あった、内部留保の状況を踏まえた適正化を行いつつ、介護保険サービス事業者の経営状況等を勘案して見直すとともに、安定財源を確保しつつ、介護職員の処遇改善等に取り組むことと書いてあるわけですね。厚生労働省としても、この方針に基づいて検討を今進めているわけでございます。
 先生御指摘の介護報酬の改定率の問題については、様々御心配を今いただきました。広くそういう声を私どももしかと受け止めているところでございますが、この収支差率をもって一律に決定するというものではやはりなくて、個別のサービスをめぐる事情とか、あるいは先ほど先生、冒頭におっしゃった地域包括ケアの推進といった大きな政策課題、大きな流れがあるわけでありますので、そういったことを総合的に勘案しながらいかなければならないし、先ほどの財政審の議論ももちろん踏まえながらではありますけれども、年末の予算編成の過程に向けて、厚生労働省としてはやっぱり言うべきことはきっちりと言っていくということでまいりたいというふうに思っております。
#56
○島田三郎君 厚生労働大臣、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 実は、社会福祉法人の改革というのは社会福祉法人の方々自らが実行すべきものであると私は思っております。ただ、残念ながら、今議論の中でイコールフッティングというような議論もございます。ただ、この議論というのは、私どもから見ますと木に竹を接ぐようなところもあるわけでありまして、きちんと社会福祉法人の設立の趣旨によって、そして成り立ちによって新たな二十一世紀の社会福祉法人の在り方というものを今後模索をしていかねばならない、私はそのように思っております。
 今後とも皆様方の御協力を賜りますようにお願いを申し上げ、私の質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
#57
○委員長(岸宏一君) 以上で島田三郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#58
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。(発言する者あり)
 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#59
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#60
○委員長(岸宏一君) 次に、櫻井充君の質疑を行います。櫻井充君。
#61
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 今日は直球で勝負させていただきたいと思っておりますので、できれば答弁も直球でお返しいただきたいと、そう思います。
 まず冒頭、総理、アベノミクスは国民の皆さんを幸せにする政策なんでしょうか。
#62
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆるアベノミクスと言われている政策は、大胆な金融政策と機動的な財政政策と民間投資を喚起する成長戦略によって、デフレから脱却し、経済を力強く成長させ、そしてまさに国民を豊かにする政策であります。という意味においては、豊かになる、生活がより豊かになっていくということでありますから、国民を幸せにするための政策であります。
#63
○櫻井充君 総理のスタートの時点では、そういうお考えでこういう政策を取られたんだと思っています。大胆なやり方で、これまでになかった新しい方法ですから、これはこれで一つだったと思っております。
 ただ、一方で、総理は総理就任時から、結果が全てだというふうに、この国会で何回も何回も御答弁いただいております。そうすると、この一年半以上経過して国民の皆さんの生活は良くなったのかどうかと、ここが一番大きなところなんだと思っています。
 株は上がりました。この点については評価いたします。一方で、株価上がった以外、経済的に見てプラスの面というのは一体どこがあるんでしょうか。
#64
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、株価が上がるというのは、株価が上がることだけではなくて、例えば、先ほどのGPIFの議論もございましたが、年金の運用もプラスになります。そして、株価が上がることによって大きな資産効果を呼び、そしてそれは消費に結び付き、経済の成長にプラスになっていくということであります。
 櫻井委員も、二十年以上も続いた経済の低迷の背景として、人口減少、賃金の低迷、社会保障への不安を背景とした消費の低迷を御指摘されているものと承知をしております。
 問題意識としては私も同じ問題意識を持っているところでございますが、我々が進めた政策によって、長く続いた、十五年以上続いたデフレが存在をしていたわけでありますが、それによって国民の所得が四十兆円以上も奪われていたわけでございます。そして、マイナス成長の中に日本があったのも事実であろうと、このように思うわけでありまして、その中で私たちは、三本の矢の政策、いわゆるアベノミクスの政策を進めることによって、デフレ脱却とまでは言えないのではありますが、現在はデフレではないという状況をつくり出すことにも成功したところであります。
 有効求人倍率につきましても二十二年ぶりの高水準となっていますし、今年の賃上げ率は二・〇七%と過去十五年間で最高であります。そして、経常利益も過去最高水準になっておりますし、上場企業のROEは政権発足時の一・五倍、言わば企業が収益を上げていく力、もうける力は明らかに強化され始めたわけであります。同時に、第一次安倍政権のときにも企業は大きな収益を上げていましたが、残念ながらそれは賃金という形で国民に広く均てんされることはなかったのであります。だからこそ今回は、政労使の会議によって賃金を引き上げるよう、そうしたお願いをしてきた結果、十五年間で最高の引上げになっているのはこれは厳然たる事実でございまして、今まさにファクトで申し上げているところでございます。
#65
○櫻井充君 一つだけ。有効求人倍率の数字をよく総理は出されますが、結果的には、リーマン・ショックで一回落ち込んだものが、我々の政権の時代でも実は有効求人倍率は改善しておりました。そのペースと安倍政権になってからのペースと変わっているかというと、ほとんど変わっていないんです。ですから、これは世界全体の経済が上向き始めたことによって私は変わってきているものだと思っています。まあ、これは議論。
 それで、何点か問題点を申し上げたいと思いますが、(資料提示)総理は今賃金が上がったというお話をされているんです。賃金上がったのかどうかといいますと、下のところのパネルの青いラインがありますが、この青いラインが名目の賃金でして、確かに少しではありますが上がっています。
 ところが、一方で問題は、上の段にありますけれど、消費者物価指数がどんどんどんどん上がってきていて、実質賃金はどうなっているのかというと、実質賃金そのものは十何か月連続して下がってきていて、消費税が上がってから、実際のことを申し上げれば、三%以上実質賃金は下がっているわけです。そうすると、国民の皆さんから見れば、今総理は賃金は上がったというお話をされています、しかし、賃金は上がったかもしれないけれど、物価の上昇に追い付くだけ賃金が上がってきていないので、結果的に国民の皆さんの生活はどうなるかというと、はるかに厳しくなっているんだと思っています。
 それを示してきているのがその次の資料なんですが、この消費支出を見た際に、どうなっているのかと。今回はこの赤いラインです。これは三回の消費税の引上げのときの消費の支出の推移を見ているものですが、財務省に説明させるとこういうことになるんです。前回よりも厳しくなるのは、反動減があるのは当たり前なんだと。なぜかというと、前回は三%から五%で二%しか上がっていないからだと。しかし、これは消費税を導入したときはゼロから三%であって、三%の引上げなんですね。前回と前々回は全く重なっていて、一九九七年のところで十一月ぐらいから下がってきているのは、これはアジアの通貨危機があったから全体的に経済が減速したのでこういう形になっています。そうすると、今回の消費支出の落ち込みというのは、これ九月も余り変わっておりません。ですから、四―六期は落ち込みはこれは想定内だという話でしたが、残念ながら七月になってもほとんど変わってきていないという実態です。
 これは、なぜこういうことが起こっているのかというと、私は実質賃金が下がってきているからだと思っていて、先に物価を上げてしまって賃金がそれに追い付いてこないことが最大の問題だと思っています。
 もう一つ、これ見ていただきたいんですが、都心部と地方とでどのぐらい違うかということです。なぜ都心部と地方が違うのかというと、簡単に申し上げれば、田舎の方の交通手段は、これは車だからです。そうすると、ガソリンをみんな使っているものですから、消費に占めるエネルギーの割合が違っていて、この赤いラインが全体のエネルギーの消費の割合です。そうすると、政令指定都市や東京都などは六・四%程度でしかありませんが、東北全体で見ると九・九%なんです。それから、北海道で見ると九・五%です。そうすると物価の上昇は、政令指定都市や東京では二・八%で止まっていますが、東北に行くと三・九%、北海道に行くと三・六%になるんです。これは、済みません、八月です。これから東北や北海道は寒い時期を迎えて灯油の消費量が物すごく増えていくことになるので、実際のことを申し上げれば、地方であればあるほど非常に厳しくなってきているんです。
 これの最大の原因は円安です。この円安を誘導してきたのは、日銀の、何のこともない、本当に私はおかしなやり方だと思っていますが、金融緩和を行った結果、こうやって円安がどんどんどんどん進行してきているわけですね。この円安は、私はまさしくアベノミクスの副作用の一つだと思っております。
 安倍総理にまずお伺いしたいと思いますが、日銀の黒田さんがこれまでやってきたことについての評価はいかがでございましょう。
#66
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、実質賃金と名目賃金についてお話をされたわけであります。今年四月から三%消費税を引き上げましたから、これは強制的に物価は上がっていくわけであります。これはもう昨年の予算委員会等で私が御説明をしてきたところでございますが、我々は、まずデフレ経済を変えていかなければ、まあデフレというのは、物の値段が上がっていく以上に賃金が下がっていく、当然生産も落ちていく、消費も落ちていくという、このデフレスパイラルの中に入ってきたと。これは、十五年間続いてきたこのデフレ状況を変えるのはそう容易なことではないからこそ、異次元の政策でもってデフレマインドを払拭することは私はできた。このマインドを変えることが一番大変であった、十五年間できなかったんですから。それを何とか私たちはやり遂げることができたと思います。
 しかし、問題は、その中において、私たちの政策が効果を上げていく中において、インフレ目標というのはつくりました。このインフレ目標に向かってだんだん物の値段が安定的に上がっていく中において、賃金が上がっていくか、この賃金を上がっていくような状況をつくらなければならないわけでありますが、これはしばらく後追いの形になっていく。なるべく早く、これが追い付き追い越す形をつくりたいというのが私たちの政策であります。
 一方、消費税の三%につきましては、これは伸びていく社会保障費をみんなで支えていこうということで皆様にこれは新たな増税をお願いをしたところでありまして、ここには残念ながら追い付いていくことは我々の政策においてはすぐにはできないわけでありまして、そのことはもう既に申し上げてきたとおりであります。
 そして、そこで果たして、我々が目指してきた、私たちが示した物価安定目標に対して果たして賃金が追い付いたかどうかということでいいますと、実質賃金の見方は、一人当たりの実質賃金で見ますと、どうしてもこれは、景気の回復局面におきましては短期のパートさんを含み非正規の方々が多くなりましたので、平均すると実は下がっていくというのは、これはもう世界どこでも常識であります。そして、その中で、ではどうやって見るかといえば、むしろ分かりやすく見るためには総雇用者所得で見るべきではないか。
 あえて一人当たりの賃金、今、櫻井さんが示した賃金で見ても、一月から五月まではマイナス一・三からマイナス二・〇であったものが、六月はマイナス一・二、七月はプラス〇・三、八月は一・一とマイナス幅は縮小しているわけでありまして、だんだん物価上昇に賃金上昇が追い付いていっています。これは消費税の引上げ分を省いたところでございますが。
 それに加えまして、雇用者所得でいいますと、この雇用者所得という、総雇用者所得で見ますと、四月、五月はマイナスであったものが、六月、七月、八月はプラスになっておりますので、そういう意味におきましては、我々が進めてきた政策に基本的に沿って進んでいると、こう考えているところでございますが、黒田総裁には物価安定目標ということをお願いをしている、二%の物価安定目標をお願いをしているわけでありますが、その中におきまして、手段は黒田総裁にお任せをしているわけでありまして、今回の決断もおおむね好感を持って迎えられているのではないかと思います。
 ただ、櫻井委員がお示しになった消費が弱い動きを示しているということについては、今後も注視していきたいと、このように思っております。
#67
○櫻井充君 総理、私、昨日、おとといでしたかね、NHKスペシャルの、ビッグデータを使って医療政策をというテレビ番組見ていて非常に面白いと思ったんですが、データをどういうふうに処理していくのかということによっていろんな見方ができてくるんだと。特に、この間やっていたのは、我々にとって感染症というのは、人類にとってみれば一番大きな闘いです。その感染症をいち早く見付けようということでビッグデータを取ってやってこられるんですね。
 今の私は日本の役所のデータ管理を見てくると、自分たちの都合のいいところだけ持ってきて、そしてそれを国民の皆さんに伝えると。大本営発表のとき以来何も変わっていないんだと思っているんです。ですから、私は役所の方々は優秀だと思いますよ、その優秀な方々のデータ分析能力が、申し訳ないけど、自分たちの都合のいいようなところだけ持ってきてやってくると。それを政治家に伝えて、そして政治家がそれをうのみにして発言し続けるということは、私は非常に大きな問題があるのではないのかと思っているんです。
 是非総理には分かっていただきたいのは、私は昨日塩竈という町におりましたが、塩竈という町でも中小企業の社長さんたちが、もうこれ以上の円安は困るんだと、なぜかというと価格転嫁できないからなんだと。
 これは、去年の三月から四月、これは東京の多摩信用金庫です、東京の多摩信用金庫が中小企業に対してアンケートを取ったところ、もうこの時点で円安で困ると言っている企業が五〇%を超えています。これは東京の中小企業です。良かったという企業は一五%でしかないんですね。今のレベルに行ったら更に数字は悪くなっているだろうと思っていますし、先ほど出したように、地方の方が厳しいんです。これは、地方を再生するためには、この円安をまず止めることなくして地方の再生というのは私はあり得ないんじゃないだろうかと、そう思うんですね。
 これは、中小企業が苦しんでいるのは、繰り返しになりますが、原材料費が上がっているからです。原材料費がなぜ上がるかというと、三割も四割も円が安くなってしまえば、今まで百円で買えたものが、海外のものが百円で買えたものが百三十円なり百四十円出さないと買えなくなってきてしまう、そのことが最大の問題ですよね。ですから、何らかの形で、株価が上がって資産が上がったんだ、国民所得が上がったんだとおっしゃるけれど、世界はドルで見ていますから、世界はドルで見れば、今度はドル側から見れば日本の資産価値というのは下がっているわけですよね。三割も四割も日本の資産価値が失われている。株だって何で上がったのかといえば、簡単なことですよ、要するに、今まで一万円だった平均株価が、外国から見れば三割円安になったら七千円に見えて、割安感があって買っているだけの話じゃないですか。経済が良くなっているわけでも何でもないですよ。そして、GPIFで今度はポートフォリオを変えて株価を上げてくると。こんなバブルつくり上げていって、一体どうされるんでしょうか。
 お願いは、ここにもありますけれど、価格転嫁できなくて苦しんでいる中小企業がいる。それからもう一つ、海江田代表との党首討論の中で総理はこうおっしゃいました。年金の生活者の方々は物価が上がれば年金が上がるんだから心配しなくて結構ですという答弁されています。だけど、ところが、残念ながらそういうシステムにはなっておりませんで、物価と賃金と両方に連動するんです。物価の上昇があっても、賃金が上がらなければ年金の支給額は上がらないんです。物価と賃金の上昇率の低い方に合わせることになっているからです。
 そうすると、サラリーマンの皆さんの賃金はこれから上がっていって、その後から年金の生活者になるのかどうか分かりません。しかも、過去三年の平均を取るんですよ。年金の生活者の方々も非常に厳しい生活を強いられてきていて、そういったところを一つ一つ見ていただかないと、申し訳ないけれど、東京の大企業だけ見ていて今のような政策でいいんだと、それから数字も、ある部分のその関東圏にとってみればいいのかもしれませんけれど、地方はそうではないと。
 御地元は相当私は厳しくなっているんだと思っていますが、改めてお伺いしたいのは、安倍総理は、実態の社会において国民の皆さんの生活が良くなっていると、実際、本当にお思いなんでしょうか。
#68
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、櫻井委員には教えていただくことは多々あると思っております。資料等についても、確かに委員がおっしゃったように、一つの役所の資料だけでは、その役所の言わばある程度思いが入ったものだけになっている可能性もございますので、なるべく経済の指標等については、多くの役所だけではなくて民間のもの、あるいはまた、実際にこれミクロで、今、櫻井先生が指摘されたように、ミクロの感覚というのも大切にしていきたいと思っております。
 そこで、円高がいいのか円安がいいのか、為替の水準について申し上げるつもりはございませんが、例えばもう二年前の段階においては、まさにこれ円高で苦しんでいたのは事実でありまして、円高の怖いところは根っこから仕事がなくなっていくということでありまして、私の地元においても、これは液晶板を作っていて、これは国際的にも大きなシェアを持っていて五、六百人の雇用があったわけでありますが、今の例えば為替の水準であれば生存できるわけでありますが、八十円前後ではこれはとてもやっていけないということで、これ丸ごとなくなったわけでありまして、下関市の規模においては最大の雇用の喪失になったのは事実であります。
 その中におきまして、確かに円安において材料費が上がっていくというのは事実なんだろうと思いますが、納入先の企業そのものが言わば世界に出ていってしまうということにはならないわけでありまして、世界に出てしまってはもう元の根本から、根っこからこれは仕事が失われてしまうわけであります。事実、円高が進んでいたときには海外への投資がどんどん増えていき、輸出もこれは減少し、そして日本の企業が外に出ていったというのも事実でございます。
 そこで、その中において、円安局面には円安局面の課題がありますから、その課題にもきっちりと応えていく必要はあるわけでありますし、例えば具体的には、政府系金融機関に対して中小・小規模事業者からの返済条件の緩和要請があった際には、これに配慮するよう求めていく、あるいは、約二十万者の親事業者と七百四十五の業界団体に対し適正な価格転嫁を求める、あるいはまた、約二百社の代表的な大企業を選定し、年内に集中的に下請代金法の立入検査を実施する、約六百名の消費税転嫁のGメンが立入検査を行う際、コスト増加分の価格転嫁状況を厳正に確認していく、そして、全国四十八か所に設置した下請かけこみ寺に新たに原材料やエネルギーコスト増に関する相談員を配置するといった措置を講じているところでありまして、今ここで今の水準がどうこうということを私は言うのは差し控えた方がいいと思いますし、実際に円高にも円安にもそれぞれメリット、デメリットが存在するのは事実でありますが、しかし、先ほど申し上げましたように、円高がどんどん進んでいくという中においては、日本からどんどん製造現場が失われていたのは事実だろうと、こういうことではないかと思います。
#69
○櫻井充君 済みません、総理、肝腎なところを答えていただいていないんですが、今のは、総理、官僚が書いた答弁要旨読んでいるだけじゃないですか。
 私がお伺いしているのは、総理は、御地元なら御地元の、その地元の経済界の方々がどのように感じていらっしゃるんですかと。それから、今、ミクロだとおっしゃいました。大事なことは、ミクロの私は積み重ねがマクロになっていくものだと思っています。それを、大きな数字だけ見て、何となく良くなっているんだというふうに取られてくるのはおかしな話なんです。
 繰り返しになります。安倍総理の御自身の判断として、国民の皆さんの生活は良くなっているとお思いなんですか。
#70
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まずマクロで捉えなければ、しっかりと経済政策を分析し、進めていくことはできないんだろうと思います。マクロ全体においては、これは明らかに我々が政権を奪取する前はマイナス成長なんですから。二期連続のマイナス成長でありました。それを、我々が政権を取って、プラス五あるいはプラス三、プラス二と、プラス成長に変えたのは事実であります。
 その中で、ミクロで見ていけば、これはいろんな方がおられます。円安という中において、これはたくさん利益を上げている方もおられるのは事実であります。それを櫻井先生は否定はされないんだろうと思います。
 一方、円安において、様々な厳しい状況が発生している方々もおられるのは事実でありますし、またガソリン価格の高騰ということにおいて、言わば、櫻井先生は私の地元ということでおっしゃったわけでございますが、私の地元は、一人当たりの消費に占めるガソリンの出費は、比率は日本で一番高いわけでありますから、ガソリンの値上がりというのは一番厳しいのも事実であります。しかし、ガソリン代が支出できるのも、元々根っこでしっかりと雇用が確保されて初めてガソリン代も出費ができるというわけでありますから、これは総体的によく見ていく必要があるんだろうと思います。
 ですから、一番最初に申し上げたとおり、円高のときに、私の地元においては最大規模の雇用が失われたのは事実でございます。そういう中におきまして、今後、この円安の変化に対応するために、途中で、先ほど御説明をさせていただきましたように、しっかりと我々もできることはやっていきたいと、こういうことではないかと思います。(発言する者あり)
#71
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#72
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
#73
○櫻井充君 総理、一言でおっしゃるのは難しい、そのとおりかもしれませんが、私の地元で中小企業の勉強会やっているんです、二か月に一回。そのときに中小企業の皆さんから言われるのは、非常にきつい、厳しいと。これは去年の話ですけど、非常に厳しいと。だけど、アベノミクスでいずれ良くなるんじゃないかという期待はあると、そういうふうに皆さんおっしゃっていたんです。
 ですが、最近になって何とおっしゃっているかというと、もう無理だなと言っているんです。要するに、今も厳しくてどうしていくんだと、これ以上円安になったら本当にやめなきゃいけないと。これ、帝国データバンクでももうデータ出ています。これは、もうこれから円安倒産がどんどん増えていくであろうということも、これ、ちゃんとしたリサーチで出てきています。
 それから、先ほど、我々の政権の時代に円高だという問題があるんだとおっしゃいました。しかし、あの当時は、どうして円高になっていたのかといえば、アメリカはリーマン・ショックという問題を抱えていました。EUはソブリン問題を抱えておりました。日本は、経済状況が決して良くなかったかもしれないけれど、これら三つの地域の中では一番まだまともだろうということで円高になっていただけの話です。
 それからもう一つ、よく輸出の話をされますけれど、今、じゃ財界は戻ってきているかというと、経済界戻ってきていません。なぜかというと、円高、円安よりも、一番大きいのは現地生産するようになっているからです。現地生産した方が人件費も安いし、運搬コストも低く済むし、そしてその証拠に、経済界は、今物づくり全体で国内、国外合わせて一〇〇つくっているとすれば、現在二〇%ちょっとぐらいが海外で生産されていますが、海外比率を二五%まで引き上げるとまで言っています。つまり、海外にもう新しいマーケットができていく中でいうと、そちらの方にシフトしてくるのはこれは当然のことなんです。
 そうなってくると、我々はこれから考えてこなきゃいけないのは、製造業だけではなくて、ほかの分野でいかに雇用を生んでくるかということ、まさしくそれが成長戦略なんだと私は思っております。
 ですから、ここのところが、そこのところで、円安だとか円高だとかということで議論していても仕方がないと思うんですが、総理、一言で、一言でですよ、一言で言ったら、本当に国民の皆さんは今、生活が良くなっていると、そう感じていらっしゃるんですか。国民の声が総理には届いているか届いていないか、私はお伺いしているんですから、総理、お答えください。
#74
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初に申し上げましたとおり、まさに国民総所得は四十兆円失われていたんですから、その間ですね、我々が政権を獲得してからそれがプラスに転じたのは事実であります。そのことははっきりと申し上げておきたいと思いますし。
 そして、言わば輸出構造云々というお話をされたのでございますが、例えば、民主党政権当時のことを何回も申し上げるつもりはございませんが、二〇〇九年以降ですね、二〇一二年末にかけて為替が円高方向に推移する中で、物づくり企業の海外設備投資比率はこの間のたった三年間で、たった三年間で……(発言する者あり)
#75
○委員長(岸宏一君) 静粛にお願いします。
#76
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一〇%強から二〇%強へと倍増したのは事実であります。
 私はファクトを申し上げておりまして、経済の分析はファクトを見ながら比較をしていくということが大切だろうと思います。
 製造業の生産基盤は海外に急速に移転したのは事実であります。これは櫻井委員とも共感できるんだろうと思います。政投銀の調査によれば、製造業の設備投資は二〇一一年度や二〇一二年度には国内が微増にとどまる一方、海外は大きく増加したわけでありまして、二〇一一年二月から二〇一二年十一月にかけて、輸出は二割減少したところであります。
 しかし、そこで安倍政権になってから為替が円安方向に動く中で、企業の海外投資比率の急増傾向は食い止められたわけでありまして、海外の投資比率は食い止められたのは事実であります。輸出の減少傾向も止まったのであります。
 まさに、ここで投資家はこれからどうしようかと考えているわけでありまして、この投資環境が良くなっていく中においては、やっぱり日本で製造現場をつくろうと、まあ東芝なんかもそういう判断をしましたね。そういう判断をしていくところが増えていけば、より雇用の場所も増えていくわけでありまして、雇用の場所が増えていけば、言わば労働市場はよりタイトになっていくわけでありますから、これが賃金に跳ね返っていくという可能性もあるだろうと、こう思っているところであります。
 大切なところは、去年から今年にかけて、先ほど申し上げましたように、十五年ぶりの賃金の上昇を勝ち取ることができましたが、来年に向けてこれを果たして実現できるかどうかということについても全力を傾けていきたいと、こう思っているところでありまして、果たして二〇一二年と現在を比べて国民がどう思っているかという御質問だと思いますが、二〇一二年のあの暗く重い空気が立ち込めていた状況を私たちが変えたのは事実であろうと、このように思っております。(発言する者あり)
#77
○委員長(岸宏一君) 総理、質疑の時間も限られていますので、少し簡潔にお願いします。
#78
○櫻井充君 イメージが変わったのは確かにそのとおりだと思います。それは認めます。それは民主党政権に対する期待感が非常に高くて、ところが、我々、政権運営が拙遅だったと、この点については素直に反省したいと、そう思っていますし、その意味で今は党内で改革を行っているところです。
 ただし、政策的なことを申し上げれば、相当いろんなところで変わってきたこともあったと思っています。医療の分野で申し上げれば、たらい回しという言葉が激減いたしました。これは医療費を増やしたからです。今、農業の方々どうおっしゃっているでしょうか。また農業の所得が下がって大変だと。戸別所得補償政策、いろんな問題があったかもしれないけれど、やっと農家の方々に定着したところで大きく方向転換されてきています。
 ですから、そういう意味では、いいものはいいもので継続すべきだと思っていますし、国民の皆さんの生活がどうなのかということをもう少しちゃんと考えてやっていただきたいと。
 そして、あの時点で雰囲気が変わったのは確かにそのとおりですよ。しかし、今の時点であの当時と同じかというと、決してそうではないということも総理は認識されるべきではないのかなと、そう思います。
 残念なことは、総理からきちんとした御答弁をいただけなかったことと、それからもう一つは、国民の皆さんがどう考えていらっしゃるのかということをなかなか肌感覚で実感していただけていないんじゃないのかということです。
 その意味で、もう一つ、株対策なのかどうかよく分かりませんが、GPIFの年金の運用についてですけれども、なぜ株で運用を増やさなきゃいけないのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
#79
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回のGPIFの基本ポートフォリオの見直しについては、財政検証の結果を踏まえ、先ほど申し上げましたけれども、しっかりとした検討に基づいて速やかな基本ポートフォリオの見直し作業を実施するように今年の六月に既に総理から指示があり、また、厚生労働省としてもGPIFに対して六月に要請していたんですね。日本再興戦略、六月に、基本ポートフォリオの適切な見直しをできるだけ速やかに実施するということになっていました。
 今回の見直しについて、今、株を増やすというふうにおっしゃいましたが、基本的に今やっていることは、先ほど申し上げたように、分散投資をしてリスクを最小限に食い止めながら利益を上げていく、収益を上げていくということでございまして、国内債券だけでは実質的な年金給付を確保することが困難になるだろうという想定の下で、被保険者の利益のために最適な運用について専門家に御検討をいただいて策定されたというのが今回の基本ポートフォリオであります。その結果、これまでよりも国内債券比率が下がり、株式比率が相対的に上がったということであります。
#80
○櫻井充君 資料をお配りすればよかったんですが、これGPIFの運用実績の推移でして、これはGPIFのホームページにある資料です。
 今、塩崎大臣、そうおっしゃいますけど、自主運用を開始したのが平成十三年で、平成二十五年度までの運用実績を申し上げますが、国内での債券は一・六七なんです、国債で運用した場合ですね。国内の株式はどうなっているかというと一・〇三なんです。国内の債券でと今お話がありましたが、国内の債券で運用していた方が今まで良かったんです。ですから、共済年金などは実際は国債のポートフォリオでいえば割合が高いので、厚生年金や国民年金よりも運用利回りが良かったはずなんですね。それから、外国債券が一番運用実績が良くて五・七九%、外国株式が四・七〇なんです。
 そうすると、何で運用利回りの一番低い国内の株式のポートフォリオを増やさなきゃいけないのか、これがどうしてリスクを分散させることになるのか、私には全く理解ができません。
 総理にお伺いしたいと思います。このようなやり方で国民の皆さんの財産を守れるとお思いでしょうか。
#81
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは厚労大臣からお話をいたしますが、まさにデフレ下においては、基本的に国債等を中心に運用するということでいいんだろうと思います。事実、日本の株価は上がっていかない、あるいは下がっている状況でありますから、そういう運用だったんだろうと、このように思います。一方、米国等は株価が順調に上がっているわけでありますから、外国の株価における利回りは良かったと、このようなことではないかと、こう思います。
 しかし、我々は、デフレを容認せずにデフレから脱却をするという政策を掲げて、実際それは成果を上げているのは、これはもう櫻井委員もお認めいただけるのではないかと思います。そういう中におきましては、言わば局面が変わったわけでありますから、この新しい状況の中におけるポートフォリオを考えていくことは当然のことではないかと、このように思います。
 詳しくは厚労大臣から答弁させます。
#82
○櫻井充君 先ほど塩崎大臣から、有識者会議という話もありました。その公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議のメンバーの中に、実は、名前を出して大変恐縮ですが、伊藤隆敏さんという方がトップになられています。この伊藤隆敏さんが何とおっしゃっているのかというと、これは十月二十一日に日本記者クラブで会見された中で、GPIFについて、長い期間で見れば国債よりも株の方が利回りが高いと、そういうふうにおっしゃっているんです。
 こういう、元々これはGPIFにあったデータなんですよ。GPIFの実績では国内の株式の方が悪いにもかかわらず、有識者と言われる人たちが全然データを無視して発言されているんですね。これで、どうしてその有識者の会議によってこういう方向付けになるのか。こういう元々、何と言ったらいいんでしょう、株で運用するべきだと思っているような人をトップに据えるからこんなことになってしまうんじゃないのかと思っていて、もうこれは答弁結構ですが、これは国民の財産ですよ、年金というのは。これをこんなめちゃくちゃなやり方にされたんでは私は大変な問題が起こってくるんではないのかと、そう思います。
 それからもう一つ、国債の割当てが減っていますが、日銀がある部分引き受けていますから、誰が、これから国債を発行した際に、こんなことを言ったら怒られることは覚悟で申し上げますけれども、国債を引き受けてくれるのかというと、公的年金から日銀にシフトしてきている、そういうふうに世界で取られかねないと、私はそう思います。ですから、こういうことを指摘されないようにだけしていただきたいことと、それから、このことによって間違いなく株価は上がるんです。だって、年金で投資するというわけですから。
 総理は、前原さんとの衆議院の質疑においてこうおっしゃっているんですが、要するに賃金が上がるよりも株価が上がった方が経済に対する影響は大きいんだと、そういうふうに総理は前原さんのところで答えていらっしゃるんですが、本当にそう思っていらっしゃるんですか。
#83
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済学者が分析する資産効果として申し上げたわけでありまして、資産効果としては、言わば賃金が上がった場合、賃金が上がっていくというのは、まさにそれぞれの勤労者にとって一年間一生懸命頑張った結果でありますから、その支出については当然慎重に考えていくわけでございますが、株価については、株価が上がったものに対しましては、これはすぐに消費に回る傾向が分析の結果高いというのが事実でありまして、言わば資産効果としての意味について私は申し上げたわけでありまして、資産効果として株価が高いというのは、これは多くの経済学者が指摘しているところではないかと思います。
#84
○櫻井充君 総理、じゃ、ちょっとお伺いしますが、株を持っている人というのは国民全体で何%ぐらいだとお思いでしょう。
#85
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 株を持っている人、言わば、じかに株を持っている、しかし投資信託の形で持っている方もおられるでしょうし、事実、また年金もまさに株価で運用もされているわけでございます。同時に……(発言する者あり)済みません、静かにしていただけますか。同時に、今私が申し上げましたのは、経済におけるこれマクロの話でお話をさせていただいているわけでありまして、言わば資産効果としてそれは大きな影響を及ぼすということでありますから、その中において、株を持っている人がお金を使い始めればこれは回っていく、お金というのは回っていくわけでありまして、それは様々なものを買えば、そうしたものをつくっている人に利益をもたらせる。
 経済はそういうものでありますから、一つのところだけをフォーカスをして、それを持っている人しか利益を得ないという考え方はこれ基本的に私は間違っているのではないかと。これはまさに経済の原則と言ってもいいわけでありますが、お金は回っていく、その中で資産効果、資産効果というのが例えば消費を喚起をする、あるいはデフレから脱却をしていくということにおいて大きな成果を上げていくのは事実であります。(発言する者あり)
#86
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛に願います。
#87
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこで申し上げますが、我々が政権を取ってこの政策を進めてから、この政策を進めてからまさに国民の言わば一般の消費が景気を引っ張ったのは事実であります。この景気を引っ張ったのが消費であるのも事実でありますし、その上において資産効果がある程度の役割を果たしたというのが多くの方の分析ではないかと、こう思うところでございます。
#88
○櫻井充君 まあこれは、あと国民の皆さんが判断してくださることだと思います。
 済みません、総理は確かにある一部の方は見ていらっしゃいます。まあ、私はそこはそれで一つだと思っていますが、一方で、そのアベノミクスによって副作用の部分で苦しんでいらっしゃる方もいるので、そのことについてだけは理解していただきたいんですよ、総理。
 ここのところ、別に私は、何といったらいいんでしょう、難癖付けているわけでも何でもなくて、データに基づいてこうなっていますからねと。このままいったら経済対策うまくいかないですよ、本当に。そうなったらどうされるんですか。長期政権目指していらっしゃるんでしょう。違うんですか。だとすれば、もう少し国民のことを考えて政権運営をしていただきたいという意味で申し上げているんですよ。
 だって、経済だってこうやって伸びてこないのは一体なぜですか。これは九七年以降、結果的にはここに書いてあるように横ばいとなっているのは、国民の皆さんの消費ですけれども、消費が伸びないからこうなっているわけですよ。ここのところはデフレマインドだとこの間総理は御答弁いただきましたが、私は人口減少が一番大きいと思っています。二番目は何かというと、若い人たちの賃金が下がっていることだと思っています。そしてもう一つは、高齢者の方々からしてみれば将来の不安があってお金を使えないということなので、社会保障をいかに充実させるかということが大事なことであって、賃金の分布表をちょっと見ていただきたいんですが、格差が拡大しているわけでも何でもないんですよ、実際のことを言うと。
 見ていただきたいのは、一九九五年というのは、所得が四百万円から八百万円ぐらいのいわゆる中流階級という人たちが一番を占めていたわけです。現時点でどうなっているかというと、所得が二百万から四百万のいわゆる下流層と言われる人たちが一番になり、中段やや下のところにありますが、黄色いライン、これはいわゆるワーキングプアと言われる百万から二百万の層が増えているんですよ。お金持ちが増えているのかというと決してそうでもありませんで、八百万から一千五百万の上流階級という人たちも減ってきていると。
 我が国はどうなっているかというと、結果的には貧困化に向かっているだけの話なんです。そうすると、こういった賃金の構造を解決しない限り日本の経済の再生というのはあり得ないんじゃないのかなと。これは、済みません、御答弁結構です。
 それで、済みません、今日は大臣何人か来ていただいているので、要望も含めてお願いをしておきたいと思いますが、まず一つ、エボラ出血熱に関してです。このエボラ出血熱に関して、恥ずかしい話ですが、我が宮城県では実は一種感染症指定の病院がございません。ですから、今四十七都道府県のうちに九つでしたっけ、幾つかの県で整備されていない中の、九つですよね、九つ整備されていない中の一つです。
 今回は東京で疑い者が発見されたから、私はスムーズにああやって検査の結果が出たと思っていますが、仮に仙台空港でそういった疑いの患者さんが出た場合には一体どういうふうになっていくんでしょうか。
#89
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、指定医療機関がないところが九つございます。その中の一つが宮城県であるし、私の愛媛県も実はお仲間になっているわけでありますが。
 専門の医療機関が整備されていない県においては、エボラ出血熱の患者が仮に発生した場合には、都道府県等はその近隣の県の専門の医療機関に搬送するという対応が求められておりまして、厚労省としては、実際にエボラ出血熱の患者が発生した場合の対応に万全を期すために、先月、もう既に、二十四日にも都道府県に対して、近隣県の専門医療機関への搬送を含めた発生時の具体的な対応の流れを再確認するように通知をいたしております。
 問題は、今先生御指摘の未整備の県、これでありますが、専門の医療機関が整備を進むようにするんですけれども、今たちまちは、先生の場合の、仙台空港に仮に出血熱の患者が見付かった場合には岩手県の盛岡市立病院に搬送することを予定をしております。
 ただ、これで、基本的には条件を満たしていただかないと指定医療機関になりませんが、それはしかし、それぞれの県などが、専門医療機関が判断をしていくということでありますけれども、私ども厚労省としても、やっぱりこれは全県設置に向けて自治体と調整を前向きにしていかなきゃいかぬなというふうに私は考えて、今指示を出しているところでございます。
#90
○櫻井充君 ありがとうございます。
 今のは、検疫所で見付かった場合にはそうなんです。ところが、これ市中で見付かった場合にはまだ検討済んでいないんです。山形に行くか福島に行くか、これからの相談だというふうに私はこの間聞きました。
 問題はここからなんですが、実は私、国会議員になってもう十七年目ですが、一番最初に質問させていただいたのが感染症の予防法の改正だったんです。そのときに問題点を指摘したのは、本当にこういった設備がきちんとできるのかどうか、それから、こういった感染症の治療をできる医者、それからコメディカルスタッフを育てることができるのかということについて、きちんとやりますと言ってあるんですが、実際はなかなか進んでおりません。
 ここの最大の問題は、あの当時の感染症の予防法は、実は県単位でやることになっていたんです。発症が国内発症しかイメージされていなかったので、私が問題点を言ったのは、海外から来たような場合にはどうするんだと。
 実際、SARSが起こって、それで感染症の予防法の法律改正されるんですけど、総理、ここはお願いがあります。県単位でやってもなかなかもう進まないんです。これは、どうして県単位でやって進まないかというと、お金がないからです、はっきり申し上げておきますと。
 ですから、東北大に元々あったんですが、入口が同じだったので駄目だと言われて、今はたしか手術室か何かに変わっているかと思いますが。二〇一八年には整備すると言っていますが、お金の問題というのは私は非常に大きいと思っていて、補正を組まれるんでしょうから、もし補正を組まれるとすればですよ、総理、是非国で残りの部分について早急に整備していただけないでしょうか。総理、これは質問通告しておりませんが、何とかお願いしたいんですが。──いやいや、もう時間がないので、総理、お願いします。
#91
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 櫻井委員の御指摘でございますから、しっかりと検討させたいと思います。
#92
○櫻井充君 ありがとうございます。
 やはり、この病気については、本当に国民の皆さん相当不安に感じていて、我々の中でも議論しているのは、果たして地方病院に運ぶことがいいのか、この間のように国立国際医療研究センターに運んじゃった方がいいのかどうか、そこも含めて是非検討はいただきたいなと、そう思います。
 それから、もう一点ですけれども、最近のニュースでちょっと愕然としているのは、中国の漁船が、サンゴの密漁かどうかよく分かりませんが、大挙して押し寄せてきていることです。これに対して、今、海上保安庁で何らかの手当ては取っていただけているんでしょうが、多分限界があるんだと思っているのと、もう一つ、もうすぐ台風があの地域に近づいてくるんです。
 そうすると、あの漁船の人たちはどうなるんだろうなと、まさか上陸するということは多分ないんだろうとは思っていますが、あれだけのことをやられていたら、我々の政権の時代には弱腰対応だとさんざん言われていたわけであって、厳しく対応されるのかどうか、この点についてだけ質問させていただきたいと思います。
#93
○国務大臣(太田昭宏君) 九月中旬から中国のサンゴ漁だと思われる漁船が小笠原諸島周辺に多数来て、数は大体二百隻を超えるという状況にあります。
 小笠原を始めとする人たち、大変不安に思っているということでありますので、今、巡視船等を多数派遣しまして、昨日も領海に入った船というのを全部それを出す、今日もそうしたことが現実にこの時点で行われている状況にございます。関係省庁とこの辺は今しっかり毎日のように打合せをして、東京都、そして水産庁、そして海上保安庁を始めとして、そして警察、法務当局、様々なところと連携して万全の態勢を取りたいと思っています。
 台風が来ます。それを、とにかく台風が来ているということについて、台風が接近しているのでこの海域から退避するようにという今注意喚起をしております。退避するように注意喚起をしておりますが、万一、小笠原諸島に避難してきた場合には、必要に応じ立入検査を行い、上陸しないよう厳重な指導を行うこととしているところでございます。
#94
○櫻井充君 きちんとした対応をしていただきたいということだけお願いしておきたいと思います。
 最後に、余りこういう質問は好みではありませんが、いろいろなお金の問題があるので質問させていただきたいんですが、総理、これだけ大臣からいろいろな問題が出てくるのであれば、内閣改造を行わない方がよかったんじゃないでしょうか。
#95
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 改造内閣において二人の閣僚が辞任をいたしました。国民の皆様には大変な御迷惑をお掛けをいたしましたことをおわびを申し上げる次第でございます。
 また、任命責任は総理大臣である私にございます。この任命責任の重さをしっかりとかみしめながら、しかし、国民の皆様から負託をしていただいた、この責任の下、しっかりと政策を前に進めていきたいと、このように決意をしているところでございます。
#96
○櫻井充君 それで、これは政治資金規正法違反ではないんだということは分かった上で麻生大臣に質問させていただきたいんですが、資料を配らせていただいている中で、もううちはほとんど会合費というのを政治資金から出したことのない事務所なものですから、びっくりしたのは、ある年ですね、平成二十四年の二月十日に、一日の会合費だけで十五件も支出されているんです。済みませんが、これ、どういうことで十五件も支出できるんでしょうか。
#97
○国務大臣(麻生太郎君) さすがに体力的に十五件回れるわけではありませんので、一点にまとめてやっているわけではないのは、それはもう御想像のとおりです。支払日がその日に集中しているということでもありますし、その日一日ではなくて、何か月間分をたまってその日に払うということになろうと思いますので、そういった一日で払っているというような誤解を生むような記載になっているのかどうかは存じませんけれども、少なくとも、支払日がそうなるということでありまして、一日で十五件回っているわけではございません。
#98
○櫻井充君 これ、済みませんけど、領収書が切られている日ではないんですか。普通であれば、行った日のところで全部領収書が切られて経理されるものだと思いますが、そういう経理の仕方ではないということなんですね。
#99
○国務大臣(麻生太郎君) 細目、私が担当しているわけではないので詳しいわけではありませんが、政治資金に係る収入、支出の状況につきましては、これは政治資金規正法にのっとってきちんと求められている報告書を作成をいたしておりますので、明らかにしているところだと、そういう具合に思っております。
#100
○櫻井充君 あと、一件の支出でも百五十万を超えるところがありまして、ここに行くたびに大体こんなぐらい出ているんですけど、何人ぐらいで行かれて、いや、こういう支出したことないし、うちの財政状況ではとても出せないので、どういう方と行かれているんでしょうか。
#101
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる村の会合で行くこともあろうかとは存じますが、少なくともその百五十の話につきましても、それも一回ですぽっと全部百五十万掛かったわけではなくて、それは多分、その話は三か月分がそのくらいになったというように聞いておりますけれども、いずれにいたしましても、一回でというわけではないというふうに御理解いただければと存じます。
#102
○櫻井充君 それは多分違うと思いますね。なぜかというと、ほかのところでは、例えば二月十日に出されているところは、名前を控えますが、ある会社に対しては三回に分けて出してあって、ばらばらであればばらばらで出してくるのが、こういうやり方なんじゃないかと思っていて、ここはそういう会計なのかどうか分かりません。まあ、済みません、それはそれで理解をいたしました。
 あと、望月大臣に、ちょっと聞きにくいことですが、死人に口なしという言葉を御存じでしょうか。
#103
○国務大臣(望月義夫君) はい、分かっております。
#104
○櫻井充君 死人に口なしとはどういう意味でしょうか。
#105
○国務大臣(望月義夫君) 死んでしまえばもう発言する機会がないのでということではないかなというふうに思います。
#106
○櫻井充君 国語辞典によれば、死人を利用して悪事をたくらんだり、死人に無実の罪を着せたりすることを表すと、そうなります。
 私は、今回の件で憤りを感じているのは、多分奥様は大臣のために一生懸命政治活動を支えてこられたんじゃないのかと思うんです。その方に無実の罪かもしれないものを押し付けるということは、私は非常に恥ずかしい話だと思っておるし、これ、ほかの方々から見ても私は問題があるんではないのかなと、そう思います。
 この点については、またあさって委員会で質問させていただきますが、大臣は記者会見の中で、これ以上調べようがないから明らかにすることはないとおっしゃっていましたが、今も同じでございましょうか。
#107
○国務大臣(望月義夫君) 既に保存期間が法的に過ぎておりまして、領収書などが残っておりません。そういう意味ででありますけれども、何分古い話でございますけれども、最大限の努力を、確認を行ったところであります。
 政治家として襟を正していかなくてはならない、説明責任を果たしていかなくてはならないということ、これは当然のことで、引き続き努力をして、今後とも国民の信頼を得られるように努めてまいりたいと、このように思っております。
#108
○櫻井充君 御本人に任せておいては資料が出てくるかどうか分かりませんので、当委員会で事実を明らかにした上での資料を求めたいと思います。
#109
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。
#110
○櫻井充君 それから、宮沢大臣にお伺いしたいと思いますが、宮沢大臣、パチンコ業界というのはどういう方々が経営、主にですね、経営されているというふうに理解されているんでしょうか。
#111
○国務大臣(宮沢洋一君) 私の政党支部が寄附を受けていた件に関してだと思っておりますけれども、私自身、うちの事務所の者が後援会の方から紹介されて寄附を受けましたが、企業名は日本の企業名でございますし、パチンコ屋を想像するような名前でもなかったために、過って寄附を受けてしまったということでございます。
 先ほどのパチンコ業界とはというお話でございますけれども、私もパチンコ業界に決して詳しいわけではありませんけれども、やはり日本人の経営の方、外国籍の方、交じり合った業界というふうに聞いております。
#112
○櫻井充君 一般的にはどちらの方が多いというふうに思われますか。
#113
○国務大臣(宮沢洋一君) 私にはそこまでの知識はございません。
#114
○櫻井充君 大蔵省にいた方がそこまで知らないということは私はないと思っているんですが、総理にお伺いしたいのは、外国人献金の問題について我々に対しては非常に厳しく大臣を辞めろという話をされた。これ、知っている知らないということだけで済まされないんだということを、実は当委員会で自民党の委員からも随分叱責されまして、道義的責任があるだろうという話まで出てまいりました。
 今回の総理は身内には余りに甘くて他人に厳しいんじゃないのかと、そう思いますが、一言でお答えいただけますか、時間がないので。
#115
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは恐らく田中元法務大臣の件だろうと思いますが、田中さんの件と宮沢さんの件がいかに違うかということを御説明いたしますと、寄附を受けた民主党神奈川県第五総支部の平成二十一年の収支報告書に寄附した法人の代表者名が外国籍名で記載されたこと、そして、田中法務大臣と寄附をした法人の代表者が日頃からお付き合いをされていたことから問題がある可能性を十分予想できたわけであります。なおかつ、田中法務大臣は記者会見で、経営者の国籍はどういう形でお知りになったのですかという問いに対して、去年の三月十一日の震災のときに台湾の方に一時帰っているということでしたので、そう思っている、言わば認識していると答えたわけでございます。
 一方、宮沢大臣の場合は、これはそもそも法人名からは外国人が株の過半数を保有することは類推できず、また経営者は日本名でもあった。そしてまた、経営者本人は後援者の方が紹介をされたということでございますから、これは全くケースとしては違うということは申し上げておきたいと思います。
#116
○櫻井充君 最後に一言だけ申し上げておきますが、経済のことについて、国民全体のことを考えて、国民の皆さんの声をいろいろ聞いた上で経済政策を進めていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#117
○委員長(岸宏一君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#118
○委員長(岸宏一君) 次に、水岡俊一君の質疑を行います。水岡俊一君。
#119
○水岡俊一君 民主党・新緑風会の水岡俊一でございます。午前中の時間が短うございますので、もう早速質問に入らせていただきます。
 安倍内閣の重要な閣僚である農水大臣の政治姿勢についてお伺いをいたしたいと存じます。
 西川大臣、大臣が代表をされております政党支部、これは自由民主党栃木県第二選挙区支部と、こういうふうに言うと思いますが、この政党支部は、N社という会社から物品をよく購入されていると思います。今、資料を委員の皆さんにはお配りをいただいていると思いますが、この資料の一には、政治資金収支報告書に添付をされている、その領収書の一部をコピーをしているものであります。御覧をいただきたいと思います。
 この資料はごく一部のものでありますけれども、調べてみますと、平成二十二年には二十五万六千六百八十円、二十三年には九万八千二百八十円、二十四年には四万二千円と、N社からの購入の記録がございます。
 西川大臣、この会社はどのような会社で、その社長と大臣とはどういうような御関係なんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#120
○国務大臣(西川公也君) 今御指摘がありましたように、物品等の購入を行っております。
 それで、N社という表現でありますが、今日のお尋ねの中に親族企業二つあると思うんですが、N社については、私の長男が代表を務める会社でございます。
#121
○水岡俊一君 それでは次に、S社という会社とも取引があることについてお尋ねをしたいと思います。委員の皆さんには資料二でございます。
 平成二十二年、四十一万九十六円、二十三年には九万九百四十四円、二十四年には四十三万五千三百九十七円と、取引がございます。
 この会社はどのような会社でしょうか、そして、社長と大臣の御関係、そして株主にはどのような方がいらっしゃるのか、差し支えなければお答えをいただきたいと思います。
#122
○国務大臣(西川公也君) 今お尋ねの会社は、私のおいが社長をやっている会社でございます。
 この会社は非常に規模が大きくて、二十億前後の物品を販売している会社でありまして、私のところで取引をしているのは主に文房具あるいはコピー用品等でありますが、この会社は全国的な物販の会社と代理店契約をやっておりまして、私はそこから購入しております。
#123
○水岡俊一君 大臣、息子さんあるいはおいごさんということで、共に親族の会社ということでありますね。
 自由民主党栃木県第二選挙区支部というのは、政党交付金を収入の一つとしている会計だというふうに思います。政党交付金というのは、要するに税金ですよね。国民お一人当たり二百五十円の税金を納めていただいている分を、政党を通じて大臣の政党支部に入ってきているお金があるということであります。御親族の会社との取引は、それ自体は違法行為でないかもしれません。しかし、税金が還流されているのではないかというそしりを受けることは私は免れないというふうに思います。
 政治資金規正法第二条第二項には、「いやしくも国民の疑惑を招くことのないよう」と、こういうふうに求めている、この法律の理念に反していると言えるのではないかと私は思いますが、大臣の所感をお述べをいただきたいと思います。
#124
○国務大臣(西川公也君) いずれの会社も、両社とも大変活発に営業活動をやっている会社で実態があるということはまずお話を申し上げておきたいと思います。
 私が住む町に、文房具、そういう用品等が、取り扱っているところが非常に少ないと、こういうこともあります。それから、両社ともインターネットでの商売が主流でありまして、とにかく早く安く確実に届くと、こういうことでありましたので、私はその両社から物品の購入をやっています。
 ただ、これからは、ほかの企業でも同等の購入ができるかどうかということもこれから検討していきたいと、こう考えています。
#125
○水岡俊一君 大臣、ネットで取引というお話もありました。ネットで取引ができるならば、お近くの、その会社でなくてもできるわけですね。そこのところを御理解をいただきたいというふうに思います。
 それで、先ほどのN社のお話、これは大臣の御子息が代表をされているということでありますが、聞くところによりますと、この西川鎭央さん、御子息は、釣堀を二か所、学習塾を二か所、レストランを一軒経営をされていると。大変手広く事業をされているということで、正直私はびっくりをいたしました。
 更にびっくりをしたことがあります。この西川さんは、衆議院議員西川公也氏、つまり大臣ですね、大臣の政策秘書をされていると、こういうことでありますが、間違いございませんか。
#126
○国務大臣(西川公也君) 商売の状況、今御指摘がありましたが、そのとおり、商売をやっていることも事実であります。
 それから、私の政策秘書として、長い間、私の職務を手伝ってくれていると、これも事実でございます。
#127
○水岡俊一君 大臣、もちろん兼業届を出されていることだとは思いますが、これだけの事業を手広くやられて、私としては素朴な疑問として、政策を担当する秘書として時間的な余裕、そして精神的な余裕があるのか、私は非常に疑問に思うところであります。勤務の実態があるのかということについて、衆議院でも御質問があって大臣は答えられていますし、まあ、勤務をしているんだというふうにお答えになった。
 私は、税金で給料が支払われている政策秘書でありますので、勤務の実態について、実態があるんであれば大臣の方からその証拠をこの委員会に御提出をいただきたいというふうに思います。
 委員長、取り計りをお願いいたします。
#128
○国務大臣(西川公也君) 実態があるかということでありますが、立派に政策秘書の仕事で私を補佐してくれております。常々は議員会館に来ておりますので、多くの報道関係者の皆さんといつも接しております。それで、先生のお尋ねでありますが、勤務実態はしっかりやっております。
 あとは、今御質問がありましたけれど、私は、土日のときに私の仕事を手伝えば代休として平日に休むこともあると、こういうことだけ申し上げておきたいと思います。
#129
○水岡俊一君 実績があるということですから、その実績を記述をいただいて、当委員会に提出をいただきたいと思います。
 委員長、お願いいたします。
#130
○国務大臣(西川公也君) 東京の事務所と栃木の事務所を往復しながらよく精励しております。そういうことでありまして、私としては立派に職務を果たしていると、こういうことを申し上げておきます。
#131
○委員長(岸宏一君) なお、ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#132
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。
 休憩前に引き続き質疑を行います。水岡俊一君。
#133
○水岡俊一君 民主党・新緑風会の水岡でございます。
 午後も引き続き質問をお願いをしたいと思います。
 西川農林水産大臣、大変恐縮でございますが、過去の個人的なことをお伺いをいたしたいと思います。西川衆議院議員が現在農林水産大臣という公職にある御身ということでありますので、お伺いをせざるを得ないこと、どうか御理解をいただきたいと思います。
 率直にお尋ねをします。大臣は過去に逮捕されたことがおありでしょうか。
#134
○国務大臣(西川公也君) お答え申し上げます。
 私は、そういう記事を今流れていると、こういうこともよく承知をしています。この事件は、一九七一年九月、四十三年前の話でございます。ダムの汚職事件に絡み、県庁職員時代の私が建設業者から現金二万円を受け取って収賄罪で逮捕されたとしております。
 そこで申し上げますけれども、本件は最終的に不起訴処分となっております。実態は、私がけがをし、入院したことに対してのお見舞金であります。これを誤解をされたものと思います。当然、これに関して職務上の何らの約束や取引をしたことは断じてありません。また、退院後、通常のお見舞いをくれた方々に対しても、相応の品物を全ての人に快気祝いとして送り届けております。不起訴処分であることはよく覚えておりますが、それ以上の詳細については承知しておりません。
 しかし、誤解のないように申し上げますけれども、私は県庁に勤めて、このときは出先機関におりましたが、この事件を契機に県庁の農務部農政課、幹事課でありますけれども、そちらへ戻りました。そして、勤務年数九年と最短の勤務年数で私は一般吏員から主査にも昇格をさせていただきました。
 そういうことがあったことは事実であります。
#135
○水岡俊一君 大変丁寧にお答えをいただきました。
 そこでお伺いをいたしますが、大臣は今、不起訴処分ということでお答えになりました。起訴猶予処分ではないということでしょうか。(発言する者あり)
#136
○国務大臣(西川公也君) 今申し上げましたとおり、不起訴処分になりました。
#137
○水岡俊一君 今、総理から、だからどうだっていうんだというようなお言葉が漏れたように私は聞こえましたが、私は、起訴猶予処分かどうかということは大変重要な問題だというように思います。
 私は、一九七一年の九月八日の新聞でこのことも確認をいたしました。その後の報道で起訴猶予処分だというような報道もありましたので、そのことをお伺いをしたわけでありますけれども、大臣は不起訴処分という以外のことについては記憶がないというふうにおっしゃる。四十数年前といえども、大臣の人生において大変重要な問題だと思うんですね。そのことについてお忘れになるはずはないというふうに思うんですが。
 そこで、起訴猶予処分とそれを一くくりにした不起訴処分というものの間には違いが私は大きくあると思うんですが、ちょっと通告をしておりませんが、法務大臣はどういうふうにお感じになっているでしょうか。もしお分かりになればお答えをいただきたいと思います。
#138
○国務大臣(上川陽子君) ただいまの御質問でございますが、具体的な事例ということでございますので、私の方からは差し控えさせていただきたいと存じます。(発言する者あり)
#139
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛に願います。静粛に願います。
#140
○水岡俊一君 具体的な質問ではなくて、法律上、一般的に起訴猶予処分、それを含んだ不起訴処分との間には大きな違いがあると思いますが、いかがでしょうか。(発言する者あり)
#141
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#142
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 法務大臣、大丈夫ですか。(発言する者あり)
 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#143
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 上川法務大臣。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#144
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 大丈夫ですか。上川法務大臣。
#145
○国務大臣(上川陽子君) 先ほどの御質問でございますが、刑事訴訟法の第二章公訴に係る第二百四十八条に起訴便宜主義と称し、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びにということでございまして、必要としないときは公訴を提起しないことができる旨規定されていることでございます。これは不起訴ということでございます。(発言する者あり)
#146
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#147
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
 上川法務大臣。
#148
○国務大臣(上川陽子君) 犯罪の事由におきまして、犯罪の事実が明白でありましても、今申し上げた二百四十八条の規定によりまして、事情がある場合につきましては不起訴処分を出すということでございます。これが起訴猶予ということでございます。
#149
○水岡俊一君 大臣、私も法律の専門家ではないので断定的なことを申し上げる力がございませんが、不起訴処分というものの中に、罪が確定できないだとか、あるいは刑の免除の事由がある場合だとか、そのような事由があって不起訴の場合と、罪は認めたけれどもその程度が軽いとか、あるいはお若いとか将来があるということで検察庁がそれを起訴しないというようなことが別にあると思うんですよね。その後の方が起訴猶予処分だと私は理解をしているんですが、どうでしょう。(発言する者あり)
#150
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#151
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
#152
○国務大臣(上川陽子君) 大変失礼いたしました。
 ただいま先生がおっしゃったことに尽きるというふうに思います。(発言する者あり)
#153
○委員長(岸宏一君) 質問してください、どうぞ。
#154
○水岡俊一君 大臣のお言葉で答弁をいただきたいと思いますが、その間に、準備していただく間に申し上げたいと思うんです。
 起訴便宜主義というのを最初に大臣は御説明になったと思います。そういった部分についての細かいことはいろいろありますが、やはり起訴猶予処分なのか、それを含めた不起訴処分なのかは明確にしないと、これは問題だと思うんですね。でも、西川大臣は起訴猶予処分ではないというふうに断定をされるというわけですね。ですから、そこに大きな問題が生じるわけです。そうなのかそうでないのかが問題だと思うので、その前段として、法務大臣に違いがありますかと聞いたんですね。ですから、大臣のお言葉でお答えをいただきたいと思います。
#155
○国務大臣(上川陽子君) ただいま御質問がございました具体的な事案に照らしてということについてはお答えすることができないということでありますが、その前段の中での基本的なフレームワークということでの御質問でございました。
 犯罪の事実が明白な場合であっても、先ほど、刑事訴訟法の二百四十八に該当する場合につきましては不起訴処分をするということでございまして、その場合は起訴猶予というところに該当するということでございます。そのほかにおきましても、犯罪がない場合につきまして、不十分な場合、こういったことにつきましては不起訴処分ということになろうかというふうに思います。
#156
○水岡俊一君 そこで、西川大臣にもう一度お尋ねをいたします。
 西川大臣の、四十数年前、一九七一年九月のケースについては大臣は罪をお認めになったんでしょうか、そうでなかったんでしょうか、どちらでしょう。
#157
○国務大臣(西川公也君) 全く罪は認めておりません。これは、私は当時まだ二十八歳ぐらいだったと思いますね。ええ、そうですね。それで、世間の捜査の状況も分からない、こういうことでありました上に、県庁にも戻ることも決まったし、さらには、捜査の最高責任者が私の勾留中に複数回にわたって、あなたに対して申し訳ないことをしたと、こういうことをおわびをされました。さらには、さらには、私の親族に対してもそういうおわびをされたわけでありまして、私は、不起訴処分と、こういうことで決定したものですから、そのとおりにしたと、こういうことでございます。
#158
○水岡俊一君 大臣はそういうふうに今御答弁をなさったということで、私はそこのところは非常に問題だと思うので、大臣の名誉に関わることだと思いますので、大臣自ら宇都宮地方検察庁にお尋ねをいただきたいと思います。そして、そのときの経過をお調べになって、その結果を当委員会に御報告をいただきたいと思います。大臣、どうでしょう。
#159
○国務大臣(西川公也君) 私は、この問題は解決していると、不起訴処分で決定をして、その後何の変化もなかったと、こういうことでありまして、私は十分これは終結したと、こう考えています。
#160
○水岡俊一君 私は解決していないと思いますので、今大臣の御見解と私たちが聞いていることとの違いがあるので、それを埋めていただきたいと、こういうふうに思います。
 ただ、念のために申し上げておきますけれども、刑法の第百九十七条一項には、「公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、」と、こういうふうに書いてあります。つまり、何かを頼まれたか、何かを約束したとかいうことがなくても、その職務にある人が賄賂をもらったら、それは収賄ですよということが刑法に書いてあります。
 大臣は入院をしたときにお見舞いをもらっただけだというふうにおっしゃったけれども、このことについても、判例では、中元、歳暮における社交上の儀礼と認められる程度の贈物も、職務に関して授受される以上、収賄罪が成立すると、こういうふうに判例にあるんです。ですから、そのことについて大臣の御説明は私には理解できません。
 そういったこともあるので、このことについては、水掛け論になってもいけませんので、四十数年前のことをお調べになって、是非明らかにしていただいたらと思います。
 委員長、お諮りをいただきたいと思いますが。
#161
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。
#162
○水岡俊一君 それでは、次の問題に移りたいというふうに思います。
 民主党政権下で導入をされました高校授業料無償化の問題についてでありますが、これは国中で、また国外でも大変大きな評価を受けました。とはいっても、大変恥ずかしいことではあるんですね。どういうことかというと、日本もやっと先進国の仲間入りができたというレベルの話ですので喜んでいいやら悪いやらというところはありますが、生徒たち、教育を受ける権利を持っている子供たちにとっては大変いいことだったというふうに思っているわけです。先進国のほとんどが中等教育、日本でいう中学校、高校は無償であり、大学の高等教育も順次無償になっていくと、そういう世界の流れに日本もやっと乗れそうだという評価を受けたという意味で大変喜ばしいというふうに思います。
 ここでポイントなんですけれども、全国の高校生あるいは高校に準じる形の学生や保護者の皆さんは、どの政党が導入した制度かどうかということは関係なくて、非常にその制度そのものを喜んでいただけたのではないかなと、私はそういうふうに思っております。
 そこで、自民党政権になりまして、この制度に所得制限を設けた新たな就学支援金制度に転換をされました。自民党の皆さんは、限られた財源だからより有効にそれを活用するべきだということで、例えば低所得者世帯の私学高校生への支援などを行うというふうにおっしゃった。しかし、さてさて、その実際はどういうことになっているのかということについてお尋ねをしたいというふうに思っています。
 文部科学省にお尋ねをしましょう。所得制限を設けたことによって捻出をされる財源というのは幾らと見積もりましたか。
#163
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 平成二十六年度予算について申し上げますけれども、所得制限により捻出される財源は、一学年分、約二百九十五億円を見込んでおります。
#164
○水岡俊一君 二百九十五億円、このお金は本来受給できるはずの高校生の手から、多少収入が多いからといってではありますけれども、かすめ取ったお金ではないかなというふうに思っております。
 その後は、その二百九十五億円、全て低所得者世帯の高校生に対して支援ができているのならまだ理解ができますが、実際そうなっているんでしょうか。文部科学省、いかがでしょう。
#165
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 この見込んでおります二百九十五億円につきましては、低所得者への支援と、それから公私間格差の是正のための施策等に充てることといたしておりまして、具体的には、平成二十六年度予算におきまして、ただいまの目的のための私立学校の就学支援金の加算の拡充、それから低所得者等への支援として高校生の奨学のための給付金の創設等に全て充てているところでございます。
#166
○水岡俊一君 その額は幾らでしょう。
#167
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げました私立学校の就学支援金の加算の拡充は九十四億円、それから奨学のための給付金が二十八億円。このほかに、例えば所得確認等のための事務費十七億円、特定扶養控除の縮減により負担増となった特別支援学校、定時制・通信制高校の生徒への支援、これが七億円、海外の日本人高校生への支援等に〇・七億円、家計急変への支援に〇・七億円等でこの二百九十五億円を充てているという状況にございます。
#168
○水岡俊一君 私、余り頭が良くないので今のをすぐさま足し算ができないんですが、二百九十五億円にはおよそ及ばないことは分かりました。(発言する者あり)百三十億円足りないと今同僚から指摘がございました。このことを今この場で追及をしても余り生産性はないかもしれませんが、ただやはり、子供たちが本来だったら受け取ることができたお金を何か低所得者層にあたかもしっかり支援するんだというような、そんな触れ込みで事業はやったけれども百三十億円がどこかに浮いてしまったと、そんな構図は私は許せないというふうに思うわけであります。
 で、この九十四億円のお話も、細かくいくと私は問題だというふうに思っています。つまり、九十四億円が各都道府県にこれは配られて、各都道府県で私立の高校生の支援に制度として回されることになっていたはずですが、これは、全国の各都道府県でそれが実際に行われているかどうかということについては下村大臣も御存じだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#169
○国務大臣(下村博文君) まず、先ほどの御質問に関係いたしますが、自公政権になって、我々も高校無償化について、これをストップするということではなく、同じ四千億円あるのであれば、より低所得者、あるいは私学の格差がありますから、私学の子供たちに対してより厚く支援をする必要があるだろうと。しかし、新たにどこからか財源を持ってくるというのはなかなか厳しい状況の中で、所得制限を設けて、そのお金によってそのような支援をするということでありまして、無償化に向けた取組をしているということについては、これは政権交代しても同様の取組をこれからもしてまいりたいと思います。
 それから、先ほど消えてしまったのではないかのような御発言がありましたが、これは初めての制度設計ということで、地方自治体等でこれをやるための新たなソフトの開発や人の開発、これで約百億円掛かっている。最初の、当初の設定費用ということでございますので。今後は、その分についてはより低所得者層や公私間格差の是正に回るということを申し上げておきたいと思います。
 それから、二十六年度において、具体的に先ほど御質問があった中で、都道府県によって違いがあるのではないかという話がありました。
 今年の四月から新・高等学校等就学支援金制度が始まったことに伴い、各都道府県での新制度の実施状況及び授業料減免制度等の家庭の経済的負担の軽減策の見直し状況について調査をし、七月末に取りまとめて公表いたしました。その調査結果によれば、都道府県による家庭の経済的負担の軽減策の見直しについては、授業料減免の対象世帯の拡大や支給額の増額など二十九都府県で支援策の拡充が行われている一方で、十六道県では何ら拡充が行われておりませんでした。うち、今後拡充を検討する方向であるのは八道県であります。
 これまでも、国によって、就学支援金の拡充によって生じる都道府県の財源については低所得世帯等への一層の支援に充て、家庭の教育費負担の軽減を図っていただきたい旨要請してきたところでありますが、今回の調査結果を踏まえ、都道府県に対して改めて家庭における経済的負担の軽減策の拡充について要請をいたしました。
 今後、都道府県の補正予算や二十七年度予算要求の状況についてもフォローアップを行いまして、その結果を踏まえ、引き続き家庭の経済的負担の一層の軽減に努めるよう、各都道府県に対して要請してまいりたいと考えております。
#170
○水岡俊一君 今、大臣からお答えをいただきました。二十九都府県においては拡充策が行われたけれども、十六道県においては残念ながら何ら現在のところはなかったと。今年の高校一年生にとっては、その十六道県の子供たちは受けられなかったわけであります。そういった意味では、自民党のお考えはそれなりの精神があったように思いますけれども、実際にその恩恵を受けることのできなかった子供たちがいるということをしっかりと受け止めていただいて今後の取組に生かしていただきたいと、こういうふうに思っております。
 そしてまた、今準備に百億円というふうにおっしゃいましたが、準備とか事務とかソフトとかそういうことじゃなくて、子供たちに渡るお金として是非使ってほしいと、こういうふうに思っております。
 そこで、その自民党がおやりになった新制度、次の問題点についても私は見逃せないことがあると思うので、皆さん、私、今資料三、資料四、資料五を用意いたしました。皆さんのお手元にあるように思います。テレビを御覧の皆さんには、そのうちの資料五というのを見ていただこうというふうに思っておりますが、(資料提示)これは、簡単に言うと申請の用紙なんですね。
 申請の用紙にどういうことを書かなきゃいけないかというと、例えば資料四のところを見ていただいたら、「保護者等の収入の状況について」「(2)@〜Bの中から、該当するものを選択してください。」とあって、「保護者の所得に関する書類を添付します。」。添付するときに、「保護者が一人の場合又は親権者若しくは未成年後見人の一部に」というくだりがございます。それから、Bのところを見ていただいたら、「以下の理由により、保護者等の所得に関する書類を添付できません。」と、こういうような記述をするところがございます。資料五でいえば、ちょっと今赤いマークでいきますが、そういったことを書かなきゃいけない、そういう書類になっています。
 簡単に申し上げると、所得制限をしているので、この家庭においては幾らの所得があるのかということを証明しなさいということですね。所得証明を付けなさいということだけれども、所得証明が付けられない場合はその理由を明確にしなきゃいけないわけです。両親がいらっしゃる場合は両方の所得証明を付けなきゃいけないわけですね。片方の親の所得証明が取れない場合は、それはなぜかということを書かなきゃいけないということであります。
 これは、もう皆さんお分かりのとおりに、離婚をしている御家庭もある、あるいは今まさに離婚をしようとしている御家庭もある、あるいは死別をされた方もいらっしゃる、あるいは行方不明になっている親御さんもいる。そういう家庭が、もう様々な家庭があるんですね。そういう家庭においてこのような書類を書かなきゃいけないということについては、大変問題が起きているわけです。どういう問題が起きているか。つまり、書きたくないという意向もあるわけです、あるいは思い出したくもないという親御さんもいるわけです。
 ですから、授業料の支援を受けたいと思っていても、このことが書けないことによってその支援が受けられないというようなケースが私はあると思うんですが、実際はどうなんでしょう。文部科学省は対象の生徒数と受給者数というのをつかんでおられると思うんですが、いかがでしょうか。
#171
○政府参考人(小松親次郎君) 失礼いたします。
 まず、対象の受給者数等につきましては、第一学年の生徒数百二十一万人中、約九十二万人ということでございます。その実際の事務におきまして、ただいま御指摘のように、この様式におきまして課税証明等が出せないという方々の中に、そういった個人の事情ということが書きにくいというようなお話があったということは都道府県等から私どもも伺っているところでございます。
 私どもといたしましては、家庭の状況の確認等が過度に詳細事項に及ぶことがないように、生徒、保護者のプライバシーに配慮した形で行うように都道府県、学校に対して指導いたしておりますけれども、ただいま御指摘のような御意見があるということから、さらに、来年度におきましては、手続そのものにつきましても生徒の家庭状況の確認方法等を簡素化するような形に改めまして、申請書の様式や事務処理要領等を改訂するということを検討してまいりたいと考えております。
#172
○水岡俊一君 文部科学省がそのように配慮をしていきたいというお考えを持つことは理解ができます。しかしながら、そもそもそのような手続をやっぱりつくっていかなきゃいけなかったんでしょうか。
 二百九十五億円浮いてきたかもしれないけれども、それは別にお金持ちの親に行くわけじゃなくて高校で勉学をする子供たちの授業料に変わるわけですから、全ての高校生に国の貴重なる税金を国庫から支出してもらう、そういう考え方に私は立つべきだと思うんです。そうすれば、家庭の事情のことを苦しいながら申請書に書かなきゃいけない親も出てこないし、初めてその申請書を書くときに自分の両親が離婚をしているということをショックを受けながら知る子供たちもなくなるわけだし。
 そういった意味で、今、より低所得者層に、あるいは公私間格差をなくすというような、そういう思いを持っておられた文部科学省あるいは文部科学大臣、その思いは分からぬでもないですけれども、こういった現実がたくさん出てきていることを捉えて大臣には是非今後お考えをいただきたいと思いますが、大臣の今のお考えがあればおっしゃってください。
#173
○国務大臣(下村博文君) これは基本的な哲学の問題であるというふうに思います。
 我々は、同じ四千億円あるのであれば、より恵まれない子供たちに対して厚く手当てをすべきであると。そのために所得制限を設けたわけでございまして、所得制限はこの高校授業料だけの問題でなく、ほかの部分でもいろいろあるわけでございます。
 九百十万円という所得制限を設けた中で、真に必要な、それはより低所得者層の子供たち、それから私学に通っている子供たち、これも必ずしもお金持ちの子供たちが選んで私学に行っているわけではありません。そういう意味で、全ての子供たちにできるだけチャンス、可能性を提供するという意味で所得制限を設けたわけでありまして、これは今後も続けていきたいと考えておりますが、ただ、手続については、先ほど局長から答弁がありましたように、簡素化をしながら、できるだけ精神的な負担増にならないような配慮については十分これから創意工夫をしてまいりたいと考えます。
#174
○水岡俊一君 今、哲学の問題と大臣はおっしゃった。私もそのとおりだと思います。哲学の問題なんですよ。だから、支援金というのを考えたときに、これをお上が与えるお金だというふうに考えれば、申請に多少の手間や、そしてつらいことも我慢をして書いて提出をして、それを受けるという考え方、私はまあ分からぬでもないです。
 しかし、私たちが申し上げたいのは、子供が教育を受ける権利という視点に立つならば、何かの代償を払いながら支援金を受ける、高校の授業料をほぼ無料にするということを子供の側から、保護者の側からお上にお頼みをしなきゃいけないという考え方は私は根本的に間違っているんじゃないかな、こんなふうに私は思っています。やはり、それは私の乏しい語彙力で言えば、上から目線というか、あるいは支配者階級的な考え方、私はそこに行ってしまうと思うんです。
 私は、下村大臣が、やはり、こう言ってはなんですが、苦学生として頑張ってこられたという御経験をお持ちなので、是非そういった子供たちの目線で物事をお考えになって大きな英断をいただきたいなと期待を申し上げておきたいと、このように思います。
 残り時間が少なくなってまいりましたので、次の問題に行きたいと思います。
 安倍総理はこれまで、国際舞台が大変お好きなようで、オリンピック招致の折にも、南アメリカ、アルゼンチン・ブエノスアイレスまでお出かけになって世界の各国へアピールをなさった。いろいろ評価はあろうかと思いますが、私は、日本の総理としてその行動が本当に必要だったかどうか、正直疑問に思うところであります。誤解がないように申し上げておきますが、私はスポーツは大好きですし、オリンピックの開催についても本当に前向きに取り組みたいと思っていますが、総理の行動として必要だったかどうか、私自身は正直疑問に思っております。
 でも、別の角度から言えば、総理は、日本が国際社会においてどのように見られているのか、あるいは国際社会においてどのような位置を占めているのか、そのことは随分気にされているということには間違いがないし、そういう意味では私は納得のいくところだと思います。日本が国連の常任理事国入りを目指したいという意味であれば、他の国が日本をどういうふうに見ているかということは非常に重要な点だというふうに思っております。
 その意味では、総理に一つお伺いをしたいんですが、国連という国際舞台、非常に私は重要だと思うんです。その国連という重要舞台の中で、自由権規約委員会、あるいは人種差別撤廃委員会が今年の夏にジュネーブで行われました。そういった委員会が日本に対して審査をしている。日本の状況がどうだということについて審査をしている。そして、その審査に基づいて最終的な見解が出ている。この見解は外務省もちゃんと訳をされている。そういったものを総理としてはどういうふうに捉えておられるのか。そこを、もしお読みになっているということでもあればお聞かせをいただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
#175
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず最初に、私は好きだから海外に出張しているのではありません。好きとか嫌いとかではなくて、総理大臣として出張すべきところに出張しているわけでありまして、嫌いだから行かないという総理が出てきたら本当に困ると思います。
 そこで、御質問にお答えさせていただきたいと思います。
 国際人権規約についての御質問でございますが、この御指摘のあった条約でございますが、我が国が提出した政府報告書を踏まえまして、本年七月には自由権規約の、八月には人種差別撤廃条約の対日審査がそれぞれの条約委員会により行われました。これらの対日審査を踏まえてそれぞれの条約の委員会から最終見解が公表されましたが、その中では、前回の対日審査以降の進展として、我が国による強制失踪条約及び障害者権利条約の批准等が肯定的に評価をされたところであります。一方で、それぞれの条約委員会から、我が国の人権状況について、改善が必要とされる事項について指摘及び勧告が付されているところでございます。
 これらの最終見解は法的拘束力を有するものではありませんが、関係府省庁とも内容を十分に検討の上、政府として適切に対処していきたいと、このように考えているところでございます。
#176
○水岡俊一君 時間がなくなりましたので、これで終わりたいと思いますが、私は、自由権規約委員会が日本の審査を行うその現場に今年行ってまいりました。もちろん自費で行ってまいりましたが。その自由権規約委員会で日本の審査が行われているその状況を見たときに、日本はどうしてもっと誠実に、もっと正直にこの問題について取り組まないのか、非常に残念に感じたところであります。この問題について、非常に重要であるということについては総理からもお話があったので、今後の委員会、あるいは法務委員会なり外防委員会なり、そういったところでまた議論をしてまいりたいというふうに思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#177
○委員長(岸宏一君) 以上で水岡俊一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#178
○委員長(岸宏一君) 次に、長沢広明君の質疑を行います。長沢広明君。
#179
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 今日は、安倍内閣の基本姿勢について何点か伺わせていただきたいと思います。
 安倍改造内閣が発足してちょうど二か月でございます。この間、残念ながら二人の閣僚が辞任したことは、与党である我が党にとっても大変残念な事態でございました。しかし、これは閣僚自身に問われた問題によって行政執行が滞ることを避け、なおかつ国会での審議が滞る、それを促進するための大変重たい決断であったというふうに理解をしております。
 この臨時国会、やや短い会期だとは思いますけれども、既に半ばを過ぎまして、折り返し点を過ぎました。この国会、大変重要な課題を幾つも抱えております。人口減に対処して地方の活性化を図るための地方創生、また災害対策の強化、そして女性が輝く社会へ向けた働き方の対策の充実と、こういうような国民生活に直結した重要課題を議論すべき国会であり、国会審議を活発に進め、着実な行政執行を図るということのために私たち与党もしっかり支えていきたい、こういうふうに思っております。
 総理にまず伺います。
 閣僚の任命権者として、現状の認識とまた今後の国会対応、そして遅滞なき行政執行、さらに国民のための政策の実現へ向けた現在の総理の基本的な考えをお示しいただきたいと思います。
#180
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 内閣を改造し、二人の閣僚が辞任するという結果を招いたことに対しまして、任命権者として責任を痛感をしているところでございます。
 同時に、今、長沢委員が御指摘になられたように、数々の課題を私たちは抱えているわけであります。こうした課題に対する対応が遅滞してはならない。この国会において、土砂災害を始め、経済の再生もそうです、地方創生、女性が輝く社会をつくっていくこともそうでありますが、あるいはまた、日本をめぐる国際情勢は厳しさを増しているわけであります。こうした状況にしっかりと対応していくことこそ私たちの責任だろうと、このように思います。
 二年前の総選挙、そして昨年の参議院選挙、公明党の皆様とともに力を合わせて我々は衆参で過半数を得ることができました。しっかりとこの責任をかみしめながら政策を前に進めていきたいと思います。
#181
○長沢広明君 この国会もあと四週間でございます。この国会でしっかりと政策課題を前に進めるように、私たちも頑張りますので、是非、内閣におかれましても緊張感を持って対応をお願いしたいというふうに思います。
 次に、災害対策に関して内閣の基本姿勢を伺いたいと思います。
 今年は十月二十三日であの新潟中越地震からちょうど十年というときを迎えました。また、昨年の台風二十六号による大島の土砂災害、これからこの十月で一年。東日本大震災を契機に防災・減災ということに対する意識は高まって、また対策も加速しておりますけれども、東日本大震災以降も度々自然災害による被害は多発しているというふうに思います。
 今年は特に災害が多いという印象を強く持っております。二月には全国的な豪雪被害がございました。七月から八月には大型台風が相次いで上陸をいたしました。この中で、特に八月二十日、集中豪雨、これ、広島で大規模な土砂災害が起こり、七十四名の尊い命が失われました。この国会にこのための土砂災害防止法改正案が提出をされておりますので、これは一日も早く成立をさせたいというふうに思っております。竜巻被害、ゲリラ豪雨というものも増加しておりますが、今回の御嶽山の噴火災害、これでは犠牲者が五十七名、そしていまだに行方不明の方が六名いらっしゃるという戦後最悪の火山災害となってしまいました。
 地震や台風という自然現象を止めることはできませんし、いつ起こるか予測も困難でございます。しかし、その起こり得る災害に対して被害を最小限にとどめるための防災・減災対策、これは政治、行政に課せられた重大な責務であるというふうに思っております。
 我が国は、言わば災害大国という宿命を背負っているとも言えます。しかし、国民の生命や財産を守るために、過去の災害の教訓、経験を生かしまして、また科学的な知見も十分に反映させて、人的資源も投入し、予算も十分に配分し、起こり得る災害へ万全の備えをしていく、そうした不断の取組を続けるべきであります。
 そこで、まず総理に、災害対策全般についての安倍内閣の基本的な取組姿勢をお示しいただきたいと思います。
#182
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般、全国各地で豪雨、土砂災害、火山噴火など様々な災害が立て続けに発生し、痛ましい被害が生じたところであります。私も被災した現場に赴き、災害のすさまじさを目の当たりにしてまいりました。
 改めて、これらの災害で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
 場所を問わず自然災害が起こりやすい我が国において、国民の生命と財産を守るためには、発生した災害から得られた貴重な教訓を踏まえ迅速に制度を改めるなど、災害対策を不断に見直しをしていく必要があります。そのため、今国会に、土砂災害警戒区域の指定を行いやすくするための土砂災害防止法の改正案、災害時における放置車両対策を強化するための災害対策基本法の改正案を提出したところであります。
 防災対策については、常に最新の科学的知見を取り入れつつ、ハード整備とともに情報伝達や防災訓練などのソフト対策を適切に組み合わせた総合的な防災対策が重要であると考えています。今の我が国の発展は先人が様々な大規模災害を乗り越えた礎の上にあることを思い出し、頻発する自然災害を乗り越えるべく、先頭に立って、政府一丸となって取り組んでいく決意でございます。
#183
○長沢広明君 是非、全力を挙げて取り組んでいただきたいというふうに思います。私どもも、土砂災害防止法、そして災害対策基本法、こうした法律の成立に全力を挙げてまいりたいというふうに思います。
 さて、今回の御嶽山の噴火災害についてちょっとお伺いをします。
 噴火した翌日に、公明党として翌日の昼には現地に入らせていただいて状況を見、この救助・救援活動についても状況を確認をさせていただきました。
 現地では、総理からもすぐ自衛隊派遣も含めて大変政府が素早い対応をしてくださったということで、この御嶽山の被災地の現場では政府の対応に感謝の声が上がっていたことをお伝えを申し上げます。
 現地に入ったときに一つ気になったことがございました。この御嶽山の噴火災害で、長野県の木曽町そして王滝村に直ちに災害救助法が適用されました。災害救助法が適用されれば、被災者の救出、避難所の運営、そして避難者への食事の提供、こうしたものが国と県が負担するということになります。
 ところが、御嶽山噴火の現場は、その翌日の午後には避難所が王滝村と木曽町に一か所ずつ設置をされていましたが、避難所に避難者はもう既にいませんでした。命からがら山を下りてこられた方は、病院に行かれたか、すぐさま御自宅に帰られました。しかし、下りてこられなかった方は山で遭難をしていたわけであります。したがって、避難所に避難者がいないという状況が生まれました。
 しかし、避難所が人であふれていました。何かというと、家族の安否が分からないで、いても立ってもいられなくなって各地から集まってきた家族や親族の皆様でした。そうすると、これ、災害救助法上、ここは避難所じゃないとなるんです。待機所になるんです。避難者がいなくて待機所になりますと、災害救助法の適用外になるというんです。したがって、そこに集まってきた親族や家族の方々に寝具や食事を提供することができない。地元の木曽町の皆さんが、どうしてこういうことになるのか、こういうふうに大変迷っていらっしゃいました。
 最終的には、地元の町や村が持ち出しで食事を提供するということになったわけでありますけれども、この安否が分からない被災者の家族が待機する場合においても、被災者本人でなくても、災害救助法の適用を弾力的に運用するか、あるいは国や県の補助によって食事が提供できるように、被災の現場が緊急的な対応がスムーズにできるように、しゃくし定規に線を引いて現場が困るようなことのないように是非検討をお願いしたいと思います。
 防災担当大臣、よろしくお願いします。
#184
○国務大臣(山谷えり子君) 今回の御嶽山の火山噴火災害でございますけれども、山頂付近、三千メートルを超えるようなところで噴火が起きていた、また非常に火山性のガスが強くて足場が非常に悪い、凍結したり大変な状況の中で、二次災害を防ぐために救助・捜索活動が長期化したというようなことがございました。で、安否不明の被災者の家族が多数地元自治体で待機することになりまして、地元自治体において宿泊可能な待機所の開設、食事、毛布の提供等を行ったところでございます。国としても、きちんと状況を把握しながら、毎日、テレビ会議を行っておりました。
 委員におかれましては、このことについて、さきの厚生労働委員会で厚生労働大臣に、災害救助法の運用の中で対応できないか、内閣府に働きかけてほしいとの問題提起がされたということを厚生労働大臣から聞いております。
 災害救助法については、現に救助を要する被災者に対する応急救助であるために被災者の家族に対する支援は対象となりませんが、今回と同様なケースも含め、地元自治体の対応状況等をよく伺った上で、国としてどのような対応ができるかについて関係省庁とよく相談して努めてまいりたいと思います。
#185
○長沢広明君 法律事項ですのでなかなか簡単にいかないということは理解をしておりますが、やはりしゃくし定規な対応ではなく、困っている人のために何ができるかということを第一に、よく検討を前向きにしていただきたいというふうにお願いします。
 今回の噴火の問題で一つ浮き彫りになったことは、今回、登山者に被害が集中しておりますけれども、犠牲になった方の多くが噴石に当たったことによる損傷死であったということでございます。噴火の規模そのものは火山の長い歴史から見れば小規模であったというふうに言われていますけれども、突然の噴火によって多くの犠牲者を出した。これを繰り返さないためには、やっぱり活火山には避難所というかシェルターというか、そういうものを設置する必要があるのではないかというふうに思います。
 避難所、シェルターが設置されているのは、気象庁が常時監視対象としている活火山四十七のうち、僅か十一火山しかこれは実はまだ設置されておりません。少なくとも、常時監視対象の四十七火山にはシェルターを付けるということを検討すべきではないかというふうに思います。景観の問題もあります。自治体からは維持費用の負担が重いという声もあります。また、標高の高い山は県境があったり市町村の境があったりして、どちらのいわゆる管轄になるのかというようなことについてもあります。
 したがって、国がしっかり調整をして、国のリーダーシップで一時避難施設の整備を進めるということが必要だというふうに思いますが、この点についても御見解をお願いしたいと思います。
#186
○国務大臣(山谷えり子君) シェルター等の退避施設の整備については、非常に身を守るために有効であるというふうに思っております。
 阿蘇山や浅間山を始めとして、確かに幾つかの火山ではシェルターが整備されておりますけれども、まだ不十分な状況であり、また県ごとにまたがるというようないろいろな問題もございまして、全国的な整備状況、問題等について、現在調査を行っているところでありまして、今月中には取りまとめをしたいというふうに思っております。
 また、今回の御嶽山噴火から明らかになった様々な課題に関する検討を行うために、中央防災会議の下に火山防災対策推進ワーキンググループを設置することとしておりまして、シェルターの整備についても重要な課題として論議していきたいというふうに思っております。ワーキンググループにおいては、今年度内を目途に総合的な対策を取りまとめることとしております。検討結果を踏まえて速やかに対策を講じてまいりたいと思っております。
#187
○長沢広明君 ちょっと質問を飛ばさせていただきます。
 観測体制について伺います。気象庁が活火山の活動に地震計とか傾斜計、空振計あるいはGPS、カメラ、監視装置と、こういうようなものを設置して二十四時間体制で監視しているのは、全国に百十ある活火山のうち現在は四十七、つまり半分以下でございます。もう二度とこういう悲劇を繰り返さないよう、速やかに観測体制を整えるべきだと思います。
 四十七以外の活火山についても観測体制を整備するという方向で、今後どういう対応をされているのか。これは気象庁に伺いたいと思います。
#188
○政府参考人(西出則武君) 気象庁といたしましては、今回の御嶽山の噴火災害を踏まえまして、全国の火山活動の監視・観測体制を強化してまいりたいと考えております。
 現状、気象庁では全国の百十の活火山につきまして監視をしております。このうち、監視・観測体制の充実が必要と火山噴火予知連絡会によって選定された四十七の火山については気象庁が観測機器を整備し、常時監視をしております。
 一方、この四十七火山以外の火山につきましては、全国の地震活動の監視のために展開しております地震計のネットワークによりまして火山周辺の地震活動を監視しております。また、現地に気象庁職員が出向いて計画的に調査観測を行うとともに、火山活動の活発化が見られる場合であって必要なときには臨時に地震計の増強や現地観測を行うなど、監視体制を強化することとしております。
 現状ではこのような観測体制で観測を行ってきたところでありますが、気象庁では今回の御嶽山の事例を踏まえまして、火山噴火予知連絡会の下に設置した検討会におきまして、常時監視が必要な火山の見直しをも含め、観測体制の強化について検討を進めているところであります。
#189
○長沢広明君 災害対策、最後の一問を総理にお伺いをいたします。
 我が国は、世界中の活火山の七%がこの小さな国土に集中するという世界有数の火山国であります。しかし、火山の研究者という人材でいきますと大変厳しい状況にあります。
 東大名誉教授で火山噴火予知連絡会の藤井会長が三年前、国会の参考人として来られたときにこう述べていらっしゃいます。大学の研究者はトータルで四十人が精いっぱい、経産省の独法産業総合研究所で十数名、文科省の独法防災科学技術研究所で五、六名程度だと。非常に、この世界有数の火山国としては研究者が少ない、専門家が少ないということになります。
 今後、対策を強化するに当たっても、専門家が確保されないということは大変大きな問題になるというふうに思います。人材の確保というのはすぐに解決をしませんけれども、これこそ、ある意味長い期間を見て、国がリーダーシップを取って研究者の裾野を広げる努力をしていかなければいけないのではないかと思います。
 今回の犠牲者を出してしまったことを重い教訓として将来の火山噴火に備えていくためにも、火山研究の人材確保、そして調査研究の一層の充実を始めとした火山噴火災害対策を今後政府の重要課題として取り組んでいくべきと考えますが、総理のお考えをお伺いします。
#190
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の御嶽山における噴火によって五十七名もの方々がお亡くなりになり、また、まだ六名の方が行方不明のままであります。火山噴火災害の被害のすさまじさを改めて実感し、同時に、火山防災対策を強化する必要性を強く認識したところでありまして、まさに長沢先生の御指摘のとおりだろうと思います。
 そこで、先般、火山噴火に関する緊急対策を取りまとめたところでありまして、常時観測四十七火山全てにおける今年度中の火山防災協議会の設置、そして火山観測体制の強化などの被害防止のための対策を強力に推し進めるということといたしました。また、中央防災会議の下に火山防災対策推進ワーキンググループを設置をいたしまして、専門家等による集中的な検討を行い、今年度内を目途に総合的な火山防災対策を取りまとめることとしております。その際、長沢委員が御指摘になった人材の育成、私も大変重要だろうと、このように思います。こうした人材の育成等も含めて検討をしていただきたいと、こう思っているところでございます。
 今後とも、国民の生命、財産を守るために、政府、自治体、専門家等と一体となって、できることは全て行うとの姿勢で取り組んでいく考えでございます。
#191
○長沢広明君 続いて、全ての女性が輝く社会づくりへ向けて、これに関連をして質問させていただきたいと思います。
 日本再興戦略におきまして、二〇二〇年までに指導的地位に占める女性の割合を三〇%にすると、二〇二〇・三〇と、こういうふうに言っているようですが、そういう目標を掲げております。今後の日本社会において指導的地位の女性の割合を増やしていくことは世界的に見ても大変重要な課題でありますし、昇進を望んでいる女性が公平に昇進していけるような労働環境を整えていくこと、これは大変重要だと思います。というよりも、まず、女性を、力を伸ばしていこう、女性の力を生かしていこうというふうに積極的に取り組んでいる企業こそ伸びているというのが現実の問題でありまして、そういう意味では、女性の力を生かしていけるような環境づくりに取り組むということは非常に大変大事なことだというふうに思います。それはそれで大きく進めるべきだと思います。
 今日私がお話ししたいのは、ちょっとそれと違うんですけれども、まず、この働き方に対するニーズは当然人それぞれでありまして、このことについて政府は、十月十日、すべての女性が輝く社会づくり本部において、すべての女性が輝く政策パッケージというものを決定をいたしました。これは、女性の視点から見て暮らしやすい社会の制度や仕組みをつくるために、来年春頃までに早急に実施すべき施策が取りまとめられたというパッケージでございます。
 このすべての女性が輝く政策パッケージについて、女性の就労、仕事の問題だけではなく、家庭や地域で活躍できるような支援策というのも盛り込まれております。女性の指導的地位の割合を増やすということだけでもなくて、女性の働き方の選択肢を広げ、一人一人の状況に応じて柔軟な働き方ができる、そして安心して暮らしていける社会を目指していくと、こういうことを目指した一つの政策パッケージであるというふうに理解をしておりますけれども、これは総理に、この考え方でよろしいか、どういうお考えでこのパッケージをまとめられたのか、お考えをお示しいただきたいと思います。
#192
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今日、今ここに並んでいる閣僚は三対二でこういうバランスになっておりますが、我々はこの指導的な地位に立つ女性だけをつくっていくということでは全くないわけでありまして、全ての女性が希望や夢をかなえることができる社会をつくっていきたいと、こういうことでございますし、家事で頑張っている、その余暇を利用して地域のために頑張りたいという方もおられるでしょうし、それはもういろいろなんだろうと、このように思います。
 その中におきまして、本年五月、公明党より、女性の元気応援プランを御提言いただいたところでございますが、政府におきましても、このプランも参考にさせていただきまして、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会の実現を目指し、先月十日にすべての女性が輝く政策パッケージを取りまとめたところであります。この「すべての女性」がキーワードでもあると思います。このパッケージに即して、ライフステージに応じ柔軟な働き方が選択できるよう子育てと仕事の両立のための環境整備を進めるほか、女性の再就職や起業も積極的に支援し選択肢を広げていかなければならないと、このように思います。
 つまり、女性にとって様々な選択が可能になるという社会をつくっていくことなんだろうと。一つの方向に政府として誘導していく、これは誤りだと思います。それぞれの女性の皆さんにはそれぞれの人生があり、その中において、自分がこういうことを取り組みたい、あるいは、人生においてこういうことを達成したいということがより可能になる社会をつくっていきたいと思います。
 また、母子家庭への支援の強化や働く女性の処遇改善にも取り組み、あらゆる女性が安心して生き生きと暮らすことができる社会をつくっていきたいと思います。
#193
○長沢広明君 今総理も触れていただきました。私の方からもう是非力を入れていただきたいというのが、この一人親家庭の問題でございます。
 いわゆる昇進したいとか社会的地位ということよりも以前に、日々一人で子育てをしながら懸命に働いて、それでも生活が不安定な中でも頑張っていらっしゃる女性、そういう女性の輝く社会ということに目を向けるということも大切だということをちょっと申し上げたいわけでございます。
 パネルをちょっと出していただきたいと思います。(資料提示)
 母子家庭の現状というのは、今お手元に資料も配付をさせていただいておりますけれども、ひとり親家庭の主要統計データというのを出させていただきました。母子家庭の現状は、平成二十三年度の調査で約百二十三・八万世帯、百二十三万八千世帯。父子世帯が二十二・三ですから、大変多くなっています。しかも、この母子家庭の世帯数は年々増加傾向にあります。しかも、母子家庭の収入の状況が非常に厳しいのが現状です。この表の下から三つ目ですね、平均年間収入、見ていただきますと、普通の、全世帯平均の総所得が年五百三十七万円です。これに対して母子家庭の年間平均収入は二百二十三万円。母親自身の就労収入だけで取ると、何と年間百八十一万円です。こういう収入の中で一生懸命生活をされている。
 パネル二を出していただけますか。
 では、その母子世帯が現在の暮らしについてどのように感じているかということについて調査したデータがございます。これは生活意識別に見た世帯数の構成割合、一番上が全世帯、二番目が高齢者世帯、三番目が児童のいる世帯、そして一番下が母子世帯になっています。母子世帯については、大変苦しいと答えた方が四九・五、そして、やや苦しいが三五・二と。実に母子家庭の八割以上が暮らし向きが苦しいと答えているわけであります。全世帯や高齢者世帯よりもはるかに苦しいと感じる割合が多いということでございます。
 全世帯では合わせて六〇%ぐらい、高齢者で五四・三、しかしこの母子家庭では八割以上と。一人親家庭のお母さんというのは、もうこういう厳しい状況の中で懸命にお子さんを育てていますので、母子家庭だからといって我が子に肩身の狭い思いをさせたくないとか、寂しい思いをさせたくないとか、自分が病気になったらこの子の暮らしどうなってしまうかとか、あるいは、この子が病気になったら自分が働けなくなってしまうとか、日々そういうぎりぎりの不安を抱えながら生活をされているわけでございます。
 こういう方々にも光を当てて、こういう状況にも手が届くような施策を進めていくことが、私は、女性が、全ての女性が輝く社会をつくっていくということにつながるのではないかと。母子家庭への支援を全力で取り組んでいただきたいということをお願いをしたいわけであります。
 すべての女性が輝く政策パッケージ、これを作成するに当たって、母子家庭への支援に対してどのような課題認識を持って検討されたのか、その課題解決のためにどのような施策を盛り込んだのか、女性活躍担当大臣にお伺いしたいと思います。
#194
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 長沢委員の真摯な問題提起を共有いたします。
 議員御指摘のように、母子家庭のお母さん方は、一人で子育てをしながら懸命に働いていらっしゃるにもかかわらず、生活がなかなか安定しないという方々が極めて多い現状がございます。その現状にしっかりと目を向けて、様々な困難を抱える女性が安定した生活ができるようにすることは、女性活躍の大きな基盤だと私も信じます。
 先月十日に発表させていただきました、議員御言及いただきましたすべての女性が輝く政策パッケージに基づいて、母子家庭に対する生活や就業に関する包括的な支援を行うためのワンストップ相談窓口の構築を進め、厚生労働省など関係府省と連携しながら安定した生活に向けて寄与していきたいと考えております。
#195
○長沢広明君 今、有村大臣からありましたとおり、このワンストップ相談窓口。これまで地方自治体の相談窓口には母子自立支援員がいらっしゃった。この自立支援員に対して、これに加えて、今度、就業支援専門員、これを加えて、生活支援と就業支援、仕事の支援、こういう両方専門性を確保したワンストップの相談窓口になると、こういうことで大変重要な施策だというふうに思っております。
 これまで、生活相談はこちら、仕事、就業相談はこちらと、いろんなところに窓口があって、そのために結果的に利用を避けてしまうということがありました。これをワンストップにすることによって、母子家庭のお母さんの不安や負担が少しでも軽くなるようにということで、しっかり取り組んでもらいたいというふうに思います。
 ただ、問題がちょっとありまして、今年の予算措置されています。これは二億八千万の予算が措置されて、目標として全国百九か所このワンストップの窓口をつくるという、百九か所の目標がありましたが、十月二十三日時点で僅か二十三か所にとどまっています。設置が進まないといういろいろな理由もあると思います。自治体の側の予算の事情とか、人材が確保できない、専門員の、という問題があると思いますが、七か月を経過して百九か所の目標にまだ二十三か所ということでは、更に一段と取組を加速してもらいたいというふうに思っております。
 そこで、このワンストップ相談窓口の設置が進まない理由はいろいろあると思いますし、これ、実は主体は厚労省でされていることはよく分かっています。厚労省なんですが、いわゆる女性が輝く国づくりに関する施策を総合的に推進するための企画立案及び行政各部の所管する事務の調整を担当されている有村大臣ですから、早期に相談体制を整えるということへ向けてのこの重要性、これについてのお考えを伺いたいと思います。
#196
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 正確で的確な情報を欲しいというニーズに応えていかなければなりません。委員御指摘のワンストップ相談窓口の設置は今年度から新たに開始した事業でございますが、自治体で予算や人員の確保などの準備が必要なため、まだまだ窓口の設置が十分に進んでいないと私自身思います。就学支援と保育サービスなど、家庭の支援が両方ワンストップでできるというメリットはあるんですが、まだまだその必要性や趣旨、あるいは先行する自治体の好事例など、まだまだ積極的に周知する伸び代があると私自身考えております。
 御指摘のように、厚労省が主体でございますが、やはりいま一度、厚労省としっかりと照会をいたしまして、理解を得て、ワンストップ窓口の設置を広げていくように努めてまいります。
#197
○長沢広明君 是非全力で進めてもらいたいと思うんですね。例えば、ある御家庭で突然御主人が亡くなられて母子家庭となってしまったと。本当に途方に暮れるわけですね。こうなったお母さんに、子供のこと、住まいのこと、そしてこれからの仕事のこと、こういうことをまずどこに行って相談すればよいか、こういうことを周りの皆さんがぱっと教えてさしあげて、またそれが元々周知をされているというようなことが実は大事だというふうに思っているんです。
 今、三枚目の資料、パネルを出していただきました。
 実は、母子世帯への支援制度は様々に用意されています。この書いてある左側の例は全部母子世帯に関する公的支援制度の一覧です。今、ワンストップ相談窓口に活用するというのは、上から八番目にあります母子自立支援員というところであります。この母子自立支援員制度を利用した人というのが僅か四・七%です。そのほかにもいろいろ支援制度がありますが、ここに書いてあるとおり、非常に利用率が低いわけです。それはどうして利用率が低いかと調べてみますと、制度自体を知らなかったという方が、自立支援員制度でいくともう四八・七%、半分の方が知らなかったから使っていないと、こういうことになるわけですね。
 支援が必要な方に情報が届いていないということでは大変もったいないということでもありますし、すべての女性が輝く政策パッケージでいろいろな支援施策を進めていきますけれども、その実効性を高めるということも考えますと、政府においてこういう母子家庭支援の各制度の周知をどのように図っていくか、支援を必要としている人に必要な情報をどのように届けるか、こういうことを関係省庁とまさに連携を取って実効のある取組をしていただきたい、このように思うんですが、今後の決意をお伺いしたいと思います。
#198
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 委員の問題提起、極めて大事な課題だと思っております。母子家庭の支援を始め、女性が個々のニーズに応じて必要な情報を得られるようにすることが極めて大事だと認識をしております。母子家庭の支援についても様々な府省が、あるいは各自治体が様々な支援メニューを持っているんですが、それを四苦八苦して探し当てるのが本当に困難に直面している御本人だというのは、これは余りにも寂し過ぎるというふうに思います。
 このため、母子家庭の支援を含めて、女性に対する様々な支援情報をインターネットを活用して一元的に、ここのサイトに行けば私に必要な情報が正確に的確に入手することができるという、そういうサイトを今内閣府を中心に関係省庁と連携して構築したいと考えております。今年度中にそのワンストップのインターネットでのサイトを開設いたしたいと考えております。
#199
○長沢広明君 母子家庭支援について今日は少しお願いをさせていただきました。こういうなかなか光の当たらないところにしっかり光を当てて、全ての女性がまさに自己実現を図っていけるような社会づくりへ進んでいっていただきたいということをお願いを重ねて申し上げます。
 一点、太田国土交通大臣にお伺いをいたします。
 これは、今年三月の予算委員会で離島の車検制度についてお願いいたしました。離島が、車検を受けるのにわざわざフェリーに乗って、大変、何万円もの自己負担をしなければならない、こういう状況を改善するためには、検査官の出張検査とかあるいは輸送航路の負担軽減とか、離島の車検の負担を軽くすることをできないかということを質問させていただき、その際、太田大臣から、少なくとも何か負担が軽くなるようにという措置について課題を整理して検討すると、こういう旨の御答弁をいただきました。
 その後、このことについて検討していただいたと思いますので、その内容をここで御報告いただければと思います。
#200
○国務大臣(太田昭宏君) 離島の皆様も今日はこの質疑を聞いてくださっていると思います。長沢委員から三月の予算委員会で御指摘をいただきまして、何とかこの、車検が受けられない、また本土まで行かなくちゃならない、そうした困ってしまうという方々が大勢いらっしゃるということで検討をさせていただいて、九月五日に発表して、四点まとめさせていただきました。
 一つ目は、出張検査の機会の拡大を図るということです。島民の方からの要望を受けまして、出張検査の回数や実施場所を増やしたり実施時期を調整するなどによりまして検査機会の拡大を図ります。
 二つ目は、車検を受けられる期間の延長です。車検証の有効期間の満了前におきましても、有効期間を失わずに車検を受けられる期間を現在の一か月から二か月に延長するということです。
 三つ目は、災害特例の柔軟な適用です。台風でフェリー等が長期間欠航するというようなことがございますものですから、この車検証の有効期間を延長するということです。
 四つ目は、相談窓口等の設置でございます。地方整備振興会におきまして、島民の方々に向けましての整備に関する相談窓口や出張検査時の臨時相談所を設置することにいたしました。
 これらの対策のうち、一つ目の出張検査の要望の聞き取り、三つ目に申し上げました災害特例、四つ目に申し上げました相談窓口の設置は既に実施をしております。車検を受けられる期間を延長するということにつきましても、可能な限り早期に実行して、島民の方々の負担の軽減に更に努めていきたいと考えております。
#201
○長沢広明君 今の太田大臣の負担軽減策を上手に島が組み合わせますと、島によっては本土までフェリーで持っていかなくても車検が受けられるようなことが可能になっていくという大変大きな前進をしていただきました。本当にありがとうございます。
 もう一点、太田大臣にお伺いします。
 今年四月に議員立法で雨水の利用の推進に関する法律が制定されました。これは雨水を有効利用するということで、これまで例えば都市部では雨水を早く川に流すことが主眼ということで町づくりが進められてきました。これを途中どこかで貯留する、あるいは徐々に浸透させるという浸透施設を組み合わせる、こういうことによって河川の氾濫を防ぐことができるし、また貯留することによって雨水、水資源の有効利用という観点でも使えるということで作られた議員立法でございます。今後、しっかりと進めていただくべきことであります。地方自治体や民間で、独自に雨水の利用の普及に向けて進んでおります。こういうことも積極的に国が支援していくべきだというふうに思います。
 安心、安全な町づくりを進めていく上で、住宅あるいは民間のビル、こういった個々の建築物についても、その中に地域一体として面的に捉える。学校や公共施設はもちろんのこと、駐車場、そういうところの地下に貯留施設あるいは浸透施設を造ることによって防災、水資源の有効活用につながっていくということですので、そうした雨水利用施設の普及推進について国としてより積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、現在の方針についてどうお考えか、お伺いしたいと思います。
#202
○国務大臣(太田昭宏君) 流せば洪水、受けてためれば資源と、このように趣旨説明にも書いてございました。最近、雨が異常な状況にありまして、局地化、集中化、激甚化している、これをどうコントロールするか、まさに、流せば洪水、受けてためれば資源と、ここをしっかりやるというのが議員立法によって成立させていただきました雨水の利用の促進に関する法律だったと思います。
 これに基づきまして、現在、関係省庁と連携しまして、基本方針を年度内に策定すべく作業を進めているところでございます。雨水をためて上手に使うことは限られた水資源の有効な利用を図る上で極めて重要であると考えますし、また、集中豪雨といっても、上流で降っている場合というのは案外分からないものですから、トイレやあるいはまたお風呂の水を流してしまうというようなことがあろうかと思いますが、それが実は大変なことになるということも認識をしていただいて、この集中豪雨の際には下水道、河川等への流出の抑制にも寄与することになると思います。
 今後、基本方針の策定を急ぎ、建築物における雨水利用の普及促進をしっかり進めていきたいと考えております。
#203
○長沢広明君 是非全力で、まず基本方針の策定というところからしっかりお願いしたいというふうに思います。
 時間が少なくなりました。最後に、麻生財務大臣にお伺いしたいと思います。
 生活困窮者自立支援法の予算に関連する問題です。この法律は昨年十二月に成立しまして、来年四月には全国の福祉事務所を設置する自治体でこの事業がスタートをすることになります。これまで支援が届かなかった生活保護受給者以外の生活困窮者に対する自立支援、すなわち第二のセーフティーネットを強化するものとして来年度からの全国展開を大いに期待しているものであります。
 一方、先週、十月二十七日の財政制度等審議会、ここにおいて事務方から生活保護や生活困窮者支援に関する資料が提出されました。これ拝見しましたところ、まず、生活保護について、住宅扶助基準を引き下げる、冬季加算を引き下げる、医療扶助に関しては全て後発医薬品、つまりジェネリックをベースにするというようなことが盛り込まれています。これ、財政的な見地からの提言であり、それは生活保護を始めとして社会保障制度について効率的な運用、これは不断の見直しが必要であることは、これは言うまでもありません。
 資料において、例えば住宅扶助の部分について比較する表が、いわゆる低所得者の家賃額の平均額と生活保護の家賃額の上限額、平均額と上限額を比較していたりするという、ややちょっと乱暴な議論になっているかなという面が若干見えます。
 それより、何より目に留まったのは、この資料の中に生活困窮者自立支援法の財源に触れている部分がある。それは、生活保護の見直しにより財源を捻出すべきではないかと書いてあるんです。これは、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度はかつてセットで議論した。その結果、生活保護については、例えば就労支援を強化する、あるいはジェネリック医薬品の原則化ということで六十年ぶりの法改正につながりました。そして、生活保護費については物価の状況に応じた基準の見直しを行うということで、平成二十五年度からの三年間でこの部分は既に六・五%削減を行うことにしています。
 このうち、生活扶助基準の見直しというのは我々国民生活に対する影響が大きいということで、我が党の中にも大変慎重な意見が強かった、生活扶助基準を見直すということについては。しかし、これに対して、基準の見直しを行う、しかしその一方で、生活困窮者に対して新たに就労支援とか相談活動するという、こういう活動を、いわゆる第二のセーフティーネットをそこで実施するということで両者一体的な改革について我々も決断をした、こういう経緯があったわけであります。
 それにもかかわらず、今回、新たに住宅扶助、冬季加算、ジェネリックの見直しで財源を出すべきだ。ここに書いてある財政審の資料の書き方は、その見直しをしなければ生活困窮者自立支援制度の財源が出ないかのような表現になっている。これはちょっと筋違いの議論ではないかというふうに思うんです。
 これは、財源という意味では既に昨年度から七百四十億円の削減を行って財源捻出しておりますので、生活困窮者自立支援の新法に見合った予算は総合的に判断して確保すべきと、こういうふうに思いますが、財務大臣のお考えを伺いたいと思います。
#204
○国務大臣(麻生太郎君) 今御質問のありました生活困窮者の自立支援制度については、今、課題の検証をこれはやってみないといかぬということで、これは平成二十五年度から主に厚生労働省によって複数の自治体で既にモデル事業が行われておりますのはもう御存じのとおりです。
 昨年は、二十五年度で六十八自治体、約三十億、平成二十六年度で二百五十四自治体、約百十五億ということの予算を付けてやっておりますので、来年度からこれを施行するということになっていることでありますので、この事業規模や財源の在り方、今御質問のあったところですが、関連する制度として生活保護制度との関係もございますので、モデル事業の実績等々踏まえながら、これは予算編成を今からいたす過程におきまして慎重に検討してまいりたいと存じます。
#205
○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
#206
○委員長(岸宏一君) 以上で長沢広明君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#207
○委員長(岸宏一君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
#208
○松沢成文君 安倍総理、お疲れさまでございます。
 みんなの党の松沢成文でございます。
 これまでかなり国政の現実的な課題についてシビアな質問がずっと続いてきましたので、総理も大分お疲れだと思います。私は、ちょっと趣を変えて、夢のある、希望の持てる、そういうテーマでまず質問をしたいと思います。ちょっと通告とは順番が変わりますけれども、よろしくお願いいたします。
 まず、安倍総理、ここから歩いて二、三キロのところに皇居がございます。この皇居は、かつて江戸城であったわけですね。江戸城址であります。総理は、この江戸城にかつて荘厳な天守閣があったということを御存じだったでしょうか。それでまた、その天守閣は長い歴史の中でいつ頃存在したか御存じだったでしょうか。
#209
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 突然の御質問でございますが、昨日、文化勲章の、叙勲の関係で皇居に参りまして、そのときにたまたまその話になったわけでありますが、これは、徳川家康が開城して後、天守閣を造るわけでありますが、二代目のときにも新たに造り、三代目家光のときに新たに造ったと、しかし、その後二十年でそれは振り袖火事で焼失をした後は天守閣がなく今日に至ったというふうに承知をしております。
#210
○松沢成文君 皆さんにも資料でお配りをしておりますが、(資料提示)これが江戸城の天守閣、三代目、寛永度天守閣の実は設計図が残っているんですね。そのコンピューターグラフィック、CGで再現したものと、左側は、これ絵図でありますから、設計図から当時絵を描いたのが残っているんです。高さ五十九メートル、日本の城郭で最大規模でした。体積にして姫路城の三倍、大阪城の一・五倍あるんですね。五層六階のそれはそれはすばらしい天守閣がそびえ立っていたんです。
 総理の答弁でちょっと訂正したいのは、実は、一六〇七年、徳川家康が初代天守閣を造って、二代、三代続いて、それで、振り袖火事で一六五七年に焼失して、これは四代家綱のときですね。それ以降建っていませんから、江戸時代初期の五十年間この天守閣は存在したわけなんです。江戸時代の寛永文化の象徴とも言われていまして、これは大変なモニュメントであったわけなんです。
 さあ、そこで、安倍総理、総理もよく御存じの森ビルの故元会長森稔さんがすばらしい言葉残しているんですね。経済だけで文化のない都市は人を引き付けられない。私もそう思います。
 実は、我が国の首都東京、これ世界一の大都市です、人口規模も経済の規模も。しかし、残念ながら、都市別の観光客の数を見ると、最新のデータはないんですが、二〇一二年のデータで、上位は香港とかシンガポールとかロンドンとかパリとかニューヨークが入ってきます。それで、何と、これ二年前のデータなんでちょっと古いんですが、東京は、私愕然としたんですが、三十六位ですよ。つまり、東京は経済の町ではあるけれども、やっぱり文化的な魅力がないので人を引き付けられない、したがって、国際観光客がほかの大都市に比べると圧倒的に少ないんですね。今、ビジット・ジャパン・キャンペーンで総理も先頭になってやっていますから、また円安効果でまあ今はもう少し増えていると思いますが、ほかの世界五大都市なんかに比べると少ないんです。
 さて、私は、やっぱり都市の文化、これ大事にしたいですよね。この歴史、伝統、文化のランドマーク、東京にもあったわけです。江戸城もそうでした。こういうものを復元していく、文化の復興というのは大変重要だと思います。そういう夢のある政策を国民みんなで実現していけば、そこに希望が持てるし、あるいは国民の自信にもつながる、誇りにもつながっていく、これが私は、郷土愛だとか、あるいは愛国心だとか、あるいはアイデンティティーというのにもつながっていくと思うんですね。歴史、伝統、文化の復興につながります。
 それから二つ目に、こういう日本の建築を復興させるということは、日本のこれまでの伝統的建築技術の継承につながるんです。例えば、お城を一つ造るとしたら、石積み職人、宮大工、あるいは瓦職人、そして左官職人、こういう業界は今仕事が少なくて、後継者もいなくて、どんどんどんどん技術廃れちゃっているんですよ。これは、天守閣を復興しよう、みんな集まれと言ったら、これは技術の継承にもなっていくんですね。
 そして、三つ目は、先ほど申し上げた観光の振興です。オリンピックに向けて観光振興をやっていこう、ビジット・ジャパン・キャンペーンもいいですよ。IR、例えばカジノも含んだIRも一つの観光の象徴になるじゃないかと。そうであれば、こういう文化の象徴も造っていけば、これは観光振興にもつながります。多くの外国人観光客は、なぜ江戸城にタワーがないんだと疑問に思うらしいんですね。みんな姫路城や大阪城の写真見ていますから、江戸城だから天守閣があると思ったけれども、ない。ここに荘厳な天守閣が復元できたら、大きな観光的魅力にもつながっていくというふうに思います。
 さて、こういう夢のあるプロジェクト、NPO法人の方も、江戸城再建をする会、もう四千人ぐらい会員抱えて一生懸命十年間運動してきているんですね。さあ、総理、こういう夢のあるプロジェクト、政治もその方向を見据えて一緒になって実現しよう、多くの国民は私、望んでいると思うんですが、総理はいかがお考えでしょうか。
#211
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今お伺いをした御意見も入っております委員の著書、拝読もさせていただきました。
 この一両年は、東京都は、文化や競争力、利便性等においての国際都市比較においては順位が上がっているというふうに認識をしておりますが、そこでこの江戸城でございますが、この江戸城の天守閣については、再建、復元を望む声もあることは十分に承知をしておりますが、その一方、再建、復元を、では誰が主体的に行うのか、その財源や建築技術上の問題や遺構保全への影響など、様々な課題があるのも事実であります。
 そこで、言わば武家の象徴としてこの江戸城はそびえ立っていたわけでございますが、明治維新以降、言わば陛下の御所としての存在というのがございます。皇居内に高層の建築物を立地することによって、一帯の緑に囲まれた景観や周辺のプライバシーの維持確保といった課題があるわけでございまして、そういった様々な観点を留意した上で検討していく必要があるんだろうと思います。
 同時にやはり、では、この東京の持つ文化的な発信をどのように行っていくか、ここも重要な点であるんだろうなと思いますので、そうした意味において、世界から日本の文化に触れることができるのは京都だけではないと思っていただけるようなことも考えていきたいと、こう思うところでございます。
#212
○松沢成文君 総理にも御紹介いただいたんですが、私、今年の二月に「甦れ!江戸城天守閣」という本を書きました。その中でもちょっと提案しているんですが、単に観光用に復元しろと言っているんじゃないんですね。
 一つは、寛永度天守閣は設計図と見取図が残っているので、それに忠実に木造で復元したら将来文化財の価値を持つし、長い将来は世界文化遺産に登録される可能性もあるんですね。ですから、造るのであれば、観光用の鉄筋の天守閣じゃなくて、設計図に忠実に木造でしっかりと復元をすべきだということが一点と、もう一つは、これ、大体木造で造ると三百五十億ぐらいだというふうに言われているんです。じゃ、それを国が、あるいは都が税金で出したら、また無駄な箱物公共事業と言われますよね。
 さあ、そこで参考になるのが、実は大阪城が一九三一年に天守閣再建されています。これは鉄筋だったので今文化的な価値はないんですが、ただ、そのとき、関東大震災直後、一時的に大阪が東京の人口を上回ったんですね。当時の関一市長が、大阪の顔をつくらなきゃいけないと、日本の首都も凌駕する大大阪、よし、もう一度天守閣を造ろうということで多くの市民や企業に呼びかけて、何と一円も税金を使わずに、全て市民、企業の、あるいは国民と言ってもいい、寄附でこれを造り上げているんですね。
 ですから私は、今PPPと言われます、政府が条件整備をして、民間主導で、民間が寄附金を集めて、そして多くの国民、企業が参加して私たちの町のすばらしい歴史を復元し、それを将来に贈っていく、こういう夢のあるプロジェクトが実現できたら、私は、安倍総理、また人気が出ちゃうんじゃないかと思いますね。
 どうでしょう、こういう完全復元をするということと、もう一つは、PPP手法を使って民間資金でやっていく、税金は使わない、こういうやり方でやった例もあるし、私はできると思うんですが、いかがでしょうか。
#213
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変参考になる御意見だったと、このように思います。
 お城、天守閣を造るというのは、全国様々な地域でそうした運動が行われておりまして、私の地元でも、萩城を造る、これは三十年間ぐらい取り組んでいるんですが、なかなかこれはまあ難しいという状況でありますが、そうした文化遺産を復元する上において、国民の皆様の寄附ということも、またPPPを使っていくということも一つの手段だろうと思いますが、江戸城については、先ほど申し上げましたような様々な御意見もあるところであります。
 安土城を、信長の造った、世界の人々も驚いた、フロイスも驚いたあの安土城を再建すべきだと言う方もおられますし、これは、そういうことを考えていけば夢は広がっていくなと、こんなように思いました。
#214
○松沢成文君 実は、NPO法人の江戸城天守を再建する会の皆さんが今どんどん話を進めていまして、日本経済研究所に試算をしてもらったんですね。そうしましたら、木造で造った場合、建築工事費三百五十億円、そして経済波及効果は初年度で一千四十三億円、雇用誘発効果は初年度で八千二百四十人と、大変な経済波及効果がある、観光振興にもつながっていくということなんですね。
 これはある意味で、都市再生あるいは日本の成長戦略の起爆剤にもなる。総理は、IRを造っていくのは日本の成長戦略だと。ああいう近代的な観光資源もいいですが、すばらしい歴史、伝統、文化を持ったこういう観光資源を復元する。これによって日本の経済対策にもつなげていく。
 総理、いみじくも言っていただいた、実は今、日本各地で天守閣を木造で完全復元しようというところが恐らく十か所、二十か所あるんです。例えば、この近くだったら小田原城もそれ今議論しています。それから家康の駿府城、あるいは名古屋城も河村市長が言っておりますし、あるいは高松城、あるいは萩のお城。こうやって日本各地の城郭文化を復元していく、それも地域の力で復元していく。まさしくこれ地域再生じゃないですか。みんなで新しい目標を持って、地域のみんなが参加して、日本のすばらしい歴史、伝統、文化を再現して、そして多くの観光客を集めて地域再生につなげていく、こういう形に私はなっていくと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
#215
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がおっしゃったような意味において、各地域が自分たちの歴史や伝統にもう一度思いをはせながらその中心であった城郭を言わば市民みんなの力で再生していこうと、そしてそれは、完全に復元という、難しい、技術的に難易度の高いものでありますが、それを成し遂げた際には多くの方々がそこを訪れることは間違いないのではないのかなと、こんなように思います。
#216
○松沢成文君 ただ、こういうプロジェクトを進めるときには必ず霞が関の規制の壁というのがあるんですね。例えば、木造建築は今、建築基準法で三階までですから、これ、五層六階の天守閣建てるとしたらこの例外措置をつくらなきゃいけない。いや、これは耐震構造上、防火対策上問題だと、こういうふうにすぐになるんですね。
 それから、今日、文科大臣おられますけれども、文科省でも文化財保護法がある。史跡というのはいじっちゃいけない。じゃ、城郭の中に天守閣復元はなかなか難しくなっちゃうんですね。あるいは、土地は宮内庁のものだと、宮内庁がオーケーしてくれるのか。こうやって霞が関の規制の壁があるんです。
 ですから私は、こういう大きなプロジェクトは、総理が推進している国家戦略特区、霞が関の規制の壁を大きな目標のために一挙にやっていこうじゃないかと、日本の経済成長につながるぞと、日本の文化、伝統の復興につながるぞと、そういう目的があるんだからこれは戦略特区でやっていこう、こういう発想があってもいいと思うんですよね。
 今、国家戦略特区、東京はあんまりいい目玉がないです。法人税の減税だとか特別な都市計画の規制緩和は言っていますけど、こういう夢のあるプロジェクトで、それこそ国家戦略特区を使って、政治のリーダーシップで霞が関の規制の壁を越えてやっていくんだ、これぐらいのリーダーシップを取っていただけたら、私は、本当に国民の皆さん、夢が持てると思うんですが、いかがでしょうか。
#217
○国務大臣(下村博文君) 済みません、総理がお答えされる前に、これは文教科学委員会でも松沢委員が取り上げられましたし、またその後、NPOの関係の方々を文部科学省大臣室にお連れになられましたし、また本も書かれたということで、私も勉強しました。
 これは、そもそも論、哲学の問題なんですけれども、本当に江戸城に天守閣を造ることが、徳川家のものであればいいんですが、今、天皇皇后両陛下がお住まいになっていらっしゃるという中で、そういう江戸城的なコンセプトと、今皇居としての位置付けとして天守閣が本当に望ましいのかという、そういうところから私はやっぱりもう一度議論をしていく必要があるのではないかというふうに思います。
 最近、聖武天皇の勉強をしていまして、これは昭和天皇もそうでしたが、天皇陛下は国民の上にあるのではなくて、大御宝として一人一人の国民の安寧を願って、ある意味では大神主のような祈りの存在そのものの象徴のような方でありまして、それがその天守閣というのと沿うのかどうかということになると、そもそも、じゃ、今の江戸城のところをそのまま皇居として存続すること自体がいいのかどうかというところまで議論をする中で、その上で天守閣をどうするのかということを考えていく必要があるのではないかと。その上で、国家戦略特区というのは結論が出れば方法論としてはいい考えだと思いますが、その前に御皇室をどう考えるかということが基本的な哲学としてあるのではないかと思います。
#218
○松沢成文君 文科大臣にお答えいただきましたが、これは解決策があると思います。今、大きな皇居、江戸城の中で両陛下がお住まいなのは吹上御所ですから、そこから堀があって、こちらの東御苑の中に天守閣はあったわけで、ここはもう今公園で開放されているところなんです、一般の人が入っているところなんです。ですから、そのすみ分けは私は十分できると思います。
 古い歴史的建造物を復元して都市の再生につなげようというのは今世界中で取り組んでいるんですね。私はこの前、ベルリンの王宮を見てきました。これ、みんな市民、国民の寄附で、かつて二度の大戦で破壊されてしまったドイツの象徴である王宮をもう一度現代によみがえらせて多くの皆さんに歴史や文化を感じ取ってもらおうと。
 私は、そういう発想が日本の国には欠けているんじゃないかなと、すばらしい歴史建造物がこの国にはあったわけですから。それを今、火事でなくなっちゃった、戦争でなくなっちゃった、震災で焼けちゃった、だからそのままにしていくんじゃなくて、その設計図があれば復元して、そして我々の現代で復元して将来の国民の贈物にしよう、こういう過去、現在、未来をつなげる、私は、すばらしい哲学を持っているというふうにちょっと反論をして、この質問は終わりたいと思います。
 それでは、ちょっとシビアな質問に入ります。
 実は、私たちみんなの党は、消費税増税は今やるべきではないと思っています。それは、この委員会でも議論があった、デフレ脱却、経済の再生がしっかりとしたまだ形になっていないこの不安定な時期にまた再度消費税を一〇%に上げれば、経済がまたおかしくなって、むしろ税収が減ってしまう、こういう可能性が大じゃないかということと、もう一つは、増税の前にやるべきことがあるだろうと。行革どれだけやったのかと。ここが全然できていないのに国民に負担を求める、これ順番が逆でしょうということで、実は、私たちは今日、維新の党の皆さんと生活の党の皆さんと消費税再増税凍結法案というのを国会の方に提出をさせていただきました。これは、行革をしっかりやってからじゃないと再増税はできないという形にしていく法案であります。
 さて、その行革でありますが、行革というのは様々な分野があります。私が今日取り上げたいのは、政府が持っている特殊会社の問題なんです。
 ゆうちょの株を放出する前に、我々みんなの党は、ゆうちょの大き過ぎる資産を減資して、それを一度国に返して、その後、株を市場で放出した方がむしろ株価が上がるんじゃないか、こういう提案なんですね。
 安倍総理、今、日本郵政の株を政府が三分の一持ちますから三分の二は来年から市場に出していくわけですね。日本郵政は十二兆資産があると言われて、そのうちの十一兆はゆうちょ銀行であります。しかし、イコールフッティングでゆうちょ銀行が一般の民間の大銀行と勝負していくためには、同じような条件というわけですから、資本金というか資産も私は同じぐらいにして市場に放出すべきだと思うんですね。
 我々計算した中で、ゆうちょ銀行は少なくとも十一兆のうち四兆から五兆、資産大き過ぎると。これを一度国庫に返して、そして適度な資本で大きな収益を上げる、そういう会社にして株を公開した方が株価も高くなる、株の売却収入もある。だから、ゆうちょ銀行のこの資産は大き過ぎるから、これを国庫にしっかりと返納するのがまず最初だと、こう訴えているんですが、総理、いかがでしょうか。
#219
○国務大臣(麻生太郎君) これは松沢先生、前から御意見の多い、これはいろいろな方面から出ている話だと思うんですが、だからもう、ちょっと重ねて申し上げることになる点もあろうかと思いますが。
 まず、ゆうちょ銀行というものを今減資をしろと、簡単に、会社用語では減資をしろということを言っておられるんだと存じますが、会社法に基づいて設立をされておりますゆうちょ銀行というのは全く株式会社でありまして、郵政民営化法案に基づいて設立された、いわゆる持ち株会社という日本郵政株式会社から見れば、これはゆうちょ銀行というのは子会社ということになろうと存じます。したがって、会社法上ということになりますと、これは、この銀行が減資をするかとかしないかとかいうことは、さらに配当するとかしないとかいうことは、これは全てゆうちょ銀行並びに親会社であります日本郵政の経営判断ということになる。これは会社法上、そういうことになります。
 したがいまして、日本郵政の株主、この日本郵政ですよ、日本郵政の株主であります政府といたしましては、これは法律から見ましたら当然のこととして、これを尊重するというのは当然基本であって、妙に介入すれば、何だおまえ、政府の介入じゃないかということになりますし、そういった意味で、これ、郵政民営化法の第二条というのに書いてありますように、経営の自主性を高めるということを書いてありますので、これは法制度上の権限に基づいて行われますのは、これはもうはっきり言って、日本郵政の経営判断と異なる判断を政府がやれということを言うのはこれは差し控えないかぬというのは当然なんだと思いますので、加えて、上場を控えておるということもあろうと存じますので、これは投資家から見れば、政府による過剰介入があり得る会社というようなことになると、これはいかがなものかという点も留意せないかぬ。いろいろあろうと存じますが、取り急ぎ、今思い付くところではそれぐらいです。
#220
○松沢成文君 ゆうちょも、これから取り上げるJTの株の民営化もそうなんですが、まだ法律で、国はこの会社の監督権限を持っているんです。完全に株を放出して民間会社になったら、これは会社法を適用して、過剰介入はいけませんよね。これまでゆうちょがためてきた資産というのは、これは国民の財産なんですね。国民の財産が毀損される可能性があるのであれば、それを防ぐというのは監督権限を持っている国の役割なんです。それを逃げて、ゆうちょは会社ですからそちらの判断でと。これじゃ大きな埋蔵金逃しますよ。私はそう考えています。
 さて、時間がないので次行きますが、前回の質問で私は財務大臣に、JTの完全民営化がなぜできないのかと。財務大臣は三つ理由を挙げていました。その中の最大のものは、たばこ農家を保護しなきゃいけないんだと。それから、二兆円の税収がなくなるようなことを言っていましたが、税収はなくならないんです、民営化しても。税は掛かっているわけですから。ただ、なくなる可能性があるのは、筆頭株主としての配当金はなくなります。なくなりますね。
 ですから、こうやってるる理由を述べていたんですが、ここは内閣総理大臣として総理にお聞きしたいんですが、政府の特殊会社というのは、もう民間でできるものはどんどん民営化していっていますよね。それは昔の国鉄、電電公社から始まって、郵政もその過程にあるし、そしてJTもその過程にあるんですね。ただ、財政審議会で議論しているのは、JTの完全民営化は葉たばこ農家の問題があるので、それまではなかなかできないんだということで終始しているんですよ。
 さあ、総理、たばこというのは、今、健康に悪いから、世界中の国が条約を作って、日本も入っていますが、規制しているんですね。このたばこという財、あるいはたばこ産業という産業に、国が株式を所有して、そして財務省が監督して保護していく、その公共的な正当性というのはあるんでしょうか。私は全くないと思うんですが、あるから完全民営化できないんですよね。なぜですか、教えていただきたい。
#221
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松沢議員は、言わばたばこ自体が健康に悪いという中において、たばこという産業自体をこれはもうやめたらどうかと、そのように聞こえるわけでございますが、しかし、その中において、政府としては、たばこ事業法において、葉たばこ農家の経営安定を図るためにJTによる全量買取り契約を義務付け、これと一体の関係にあるJTの国内たばこの製造独占を認めているわけでございます。
 たばこ事業は、たばこ関連産業の健全な発展を通じた地域の雇用や経済の安定、発展に貢献するとともに、国及び地方の財政収入の安定的確保に寄与をしているという観点から、このたばこ事業法において、今申し上げたJTによる義務付けと独占が認められているということでありますが、政府によるJT株式の保有は、こうしたJTの全量買取りや製造独占等が認められたJTの適正な業務運営等を担保する義務を有しているわけでありまして、なお、たばこ事業法は健康に係る注意告示や広告規制を規定をしており、たばこ規制枠組条約の内容に沿った規制を行っているところでございます。
 今後、今委員が御指摘になった、言わば政府がこの株を持ち続けるかどうかという御指摘もございました。その点につきましては、様々な観点から今後慎重に議論はなされるものと思います。
#222
○松沢成文君 今JTをそういう形で政府の監督下に置いておく必要があるという御意見ですが、この前も言いましたけれども、JTは政府に、頼むから完全民営化してくれって求めちゃっているんですよ。
 小泉社長は、将来JTは完全民営化されるべきだと思うと。それから、なぜ将来の完全民営化を掲げているかというと、世界のライバルとイコールフッティングだと世間からも見られたいからだと。つまり、国内市場は財務大臣の監督の下に様々な保護をされていて、それで国際市場ではMアンドAやって、あるいはいろんな経営の多角化やって稼いでいっているわけですね。そのときに、国際的に見て、何でJTは国内で守られているんだと、こんな社会主義やっているのは日本だけだって言われちゃっているんです。だから、今後、株価だって上がりませんよね。
 それから、株主の主張。これ、イギリスのザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドという、これ、いわゆる物言う株主でありますが、でも、この人たちは、JTの株の民営化を狙って総理に進言しているんですね。何と言っているかというと、一段の民営化が日本政府の経済成長目標の達成にとって極めて重要だと。JTを完全民営化すれば、国際的な投資家コミュニティーで日本に対する信頼感が著しく高まると。首相には行動力があると。JTの完全民営化によりその評判に応えることを期待していると、こう言っているんですね。これ、市場の見方ですよ。
 それからもう一点言いますが、FCTC、たばこ規制枠組条約の第五条三項及びガイドラインではこう書いてあるんですね。たばこ産業と公衆衛生政策、これ政府のですね、の間には根本的かつ相容れない利害の対立が存在すると。そこでこう勧告しているんです。官僚や政府職員の利益相反を避ける、たばこ会社に特権的処遇を与えない。これ、日本は真逆なことやっているんです。財務大臣はJTの筆頭株主です。JTの会長は財務省からの天下りです。JTは国内の農家の葉っぱを全部買い上げて、そしてJTに製造独占をさせて、そして財務省とJTで流通も支配しているんですよ。中国以外でこんな社会主義体制を取っている国ないんです。これ、恥ずかしいですよ。世界の笑い物なんです、今。
 私、この前、条約の事務局長に取材してきました、ジュネーブまで行って。日本はきちっと国際的な約束守る国なのに、事JTの民営化についてはああやって何で逃げまくるんでしょうかと。私はこう答えました。それは財務省を中心としたたばこ利権があるからだと。たばこ税は上がってくる、株の配当金も入る、こうやってこの利権を手放したくないから日本は逃げているんですと。ただ、もうこのままじゃまずいですね、是非とも完全民営化していただきたいと、もう条約あるいは国際機関がこう言っているんです。
 さあ、ここで財務大臣答えたいでしょうが、もう時間がないので総理に伺いますが、総理、こういう大きな行革マターでもあるんです。これは、例えば土光さんが三公社の民営化やったときには、これ、しっかり総理が土光さんにお願いして、省庁の縦割りを超えた改革体制つくったからできたんですよ、あの行革は。
 今、このJTの完全民営化問題は、財務省に言うと、財務大臣、絶対反対だって言うんです。たばこ農家のことがあるからと、こう言うんですね。厚生労働省は、条約があるから是非とも完全民営化して条約守ってほしいって言うんですね。そうであれば、総理、内閣府の下に臨調と同じようにJTの民営化の検討会つくって、それで、JTも入れたらいいですよ。だって、民営化したいと、お願いしますって政府に迫っているんですから。
 そうやって、総理のリーダーシップでこれ進めないと、財務大臣、絶対反対なんですから、隣でいて。これはもう国際社会からは許されないことなんです。総理のリーダーシップでJTの完全民営化、これきっちりやる枠組みつくってくださいよ。じゃないと、笑われますよ。どうでしょうか。
#223
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、松沢委員の御意見は一つのお考えだと私も思います。
 その上で、まだ残っているたばこ農家をどのように今後位置付けていくのかと。JTとしては、むしろ完全民営化されれば、たばこ農家はもうこれは切るということも考えられるわけでございます。そこのところをどうしていくかということも大切な点だろうと、このように思いますが、今、松沢委員からいただいた御指摘については、私は、今、財務大臣とはちょっと意見が完全に合うかどうかということは別なんですが、検討には値するんだろうなとは思うところでございます。
#224
○松沢成文君 検討に値するということですから、是非とも総理の下にJTの完全民営化検討会をつくって改革を進めていただきたいというふうに思います。
 最後の質問に入ります。これ事前通告していないので、総理、分からなければ知らないと言ってください。
 まず総理、お盆休みに、総理ゴルフ大好きで、私もゴルフ好きです、結構四日か五日か連続してゴルフやられていて、それで、その中で富士桜カントリー倶楽部というところ大好きみたいで、三日間やられているんですね、お盆休みの中で。それで、この富士桜カントリー倶楽部のゴルフのプレーフィー、幾らだか覚えていますか。それで、そのときにゴルフ場利用税というのを幾らぐらい払ったか把握できていますか。これが一点。それと、総理にとってゴルフというのはスポーツなのか、あるいは娯楽なのか、あるいはお金持ちの接待なのか、これ総理の認識としてはどこに一番近いですか。この二つをお聞きしたいと思います。
#225
○内閣総理大臣(安倍晋三君) プレーフィーにつきましては、私はこの富士桜カントリー倶楽部の、あそこに別荘を所有しているものでありますから、事実上、会員権は持っていないんですが、会員扱いということになっておりますので、プレーフィー自体はそれほど高くはないと思いますが、利用税につきましては千円前後ではなかったかと、このように思います。
 私は、かつてゴルフ場事業協会の会長を務めておりまして、利用税を廃止をするということを掲げていたことがかつては、その立場上あるわけでありますが、同時に、これは市町村の大きな財源になっているのも事実であろうと、このように考えております。
#226
○松沢成文君 私もネットで調べさせていただきました。お盆休みに富士桜カントリー倶楽部でプレーをすると、休日だと二万八千円ぐらい、それで平日だと二万一千円ぐらいなんですね。総理おっしゃるとおり、ゴルフ場利用税は千円ということでありました。
 総理、ゴルフ場利用税、これはいかがなものかと思いますね。今、ゴルフ場のプレーフィーの全国的な平均はどれぐらいだと思います、六千円ぐらいなんですって。これで消費税が一〇%になったら、六百円消費税、それからゴルフ場利用税が大体八百円から千二百円の間ですから、千円掛かったとしたら千六百円。六千円でプレーするのに千六百円が税金で持っていかれるんです。こんなスポーツはゴルフだけですよ。
 先ほど総理に、ゴルフはスポーツなのか、娯楽なのか、接待なのかお聞きしましたけれども、ゴルフはスポーツなんです。だから国体の種目にも加わったし、だからオリンピックにも今度加わって、リオから始まるんですね。
 ゴルフは、かつてはお金持ちの道楽だ、担税力がある、ここから税金をせしめろということで、娯楽施設利用税がそのままゴルフ場利用税になって、ほかの娯楽は、例えばマージャンだとかボウリングは全部税はなくなったのに、ゴルフだけ残っているんです。ただ、総理、ゴルフって金持ちの道楽ですか。これスポーツですよね。だって、私みたいな庶民もやっていますもの。今、ゴルフの大体六割から七割は、所得七百万以下の普通の国民なんです。それで、若い人たちも学生も、みんなゴルフでやっぱりうまくなりたいといって安いゴルフ場を探して、一生懸命やっているんですよ。
 このままゴルフ場利用税を続けていたら、消費税との二重課税、これは課税の根拠もなくなってきます。というのは、消費税導入する代わりに、例えば二重課税になる自動車取得税はやめましょうという方向になっているでしょう。何でゴルフだけ、全てのスポーツ、どこかスポーツ場に行ってやるときに税金が掛からないのに、ゴルフだけ掛かるんですか。
 文科大臣、これ、スポーツ振興法ができて、生涯スポーツをどんどん広めていかなきゃいけない。ゴルフは生涯スポーツなんです。子供、孫、おじいちゃん、三代一緒にできるんですね。非常に体にもいいですよ。それなのに、税金が高いからなかなか普及していかないし、今、ゴルフ人口減っていますし、それから、税金が高いからゴルフ場は経営がどんどんどんどん厳しくなって、今倒産が相次いでいるんですよ。これ、スポーツを担当する大臣として、ゴルフ場利用税、このままでいいんですか。
#227
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、昨年、過去一年間でゴルフをプレーした国民は九百二十四万人ということで、これはもうお金持ちの、ごく一部のスポーツではなくて、一般大衆も参加するスポーツだというふうに思います。
 その中で、御指摘のように、いろんなスポーツの中でゴルフだけが唯一、施設の利用に伴い課税をされており、なおかつ消費税との二重の課税があるわけでありまして、これを解消する、そして生涯スポーツであるゴルフの振興をするということを考えると、我々としてはゴルフ場利用税を廃止すべきと考えております。
 このため、文部科学省としては、ゴルフ場利用税の廃止を総務省に要望するとともに、関係団体とも連携してゴルフ場利用税の廃止への理解を深めてまいりたいと考えております。
#228
○松沢成文君 確かに、ゴルフ場利用税をいきなり廃止すると、結構ゴルフ場利用税が税収の中の一割以上を占めるという小さな自治体が田舎の方に行くとあるんですね、ここが困るじゃないかと。だから総務省は反対だというんですが、ただ、一部ですよ、そんなゴルフ場利用税が一割になるなんという自治体は、もう本当に五つか十しかありませんから。
 そういう一部自治体の財政を守るために、ある意味で既得権ですよね、を守るために一千万人のゴルフプレーヤーが犠牲になっているんです。そして、全国二千四百のゴルフ場が経営に苦しんでいるんです。そして、日本のスポーツはそういう意味でなかなか発展の道が閉ざされているんですよね。
 財務大臣は税の番人ですから、総務省と相談すると税収が減るからこれはできないと言うでしょうが、財務大臣、もう一つ顔を持っているんですね。超党派ゴルフ議員連盟の会長なんですよ。それで、このゴルフ議員連盟は何をやっているかというと、この前の十月九日、ゴルフ場利用税の廃止を求める決議で、今私が言ったこういうような理由を並べて、ついては、ゴルフ場利用税については即刻廃止をすべきであるという先頭に立っているんですね、財務大臣。
 さあ、財務大臣、決断しましょうよ。やるなら今でしょう。だって、これだけ税の改革が様々求められている中で、こんな不公平な税を残しておけるんですか。御意見をお聞かせください。
#229
○国務大臣(麻生太郎君) よく、知事もしておられたのでお分かりだと思いますけど、これは総務省の所管ですからね、基本的には。忘れないでくださいよ。財務省がこんなことやりますなんて言った途端に総務省とはえらい騒ぎになりますよ。だから、そういうようなことはさせないの、知っていた上で。
 基本的には年間約五百七億円だと思いますね、今は。総額五百七億円。それが、地方の小さな団体の中において占める比率としては極めて大きなところも幾つかありますし、東京なんかの場合、少ないところもあるんですが、東京では大きなところと少ないところもあるので、地域によって違うことも確かですが、私は今、これは総理のところで決めていただくことになろうと思いますけれども、これは総務省と話をせないかぬ立場にありまして。
 何とかかんとか議員連盟とは、ついこの間しゃりむりさせられただけの話で、おまえらみたいなゴルフの下手なやつがゴルフの何か連盟の会長なんかするのはやめろなんて言っていたら、いつの間にかこっちが会長になる羽目に陥って、財務大臣というのでちょっとおちょくっていたら、それがこっちに降りかかってきたというだけの話なんですが。
 いずれにしても、オリンピックの種目に税金が掛かるというのはいかがなものかなということになりはせぬかという話をしておりましたので、そういった意味では、今の時期として、仮に消費税が来年の十月から上がるというのを、仮にそういうことになるというのであれば、地方税もそのとき収入が増えますから、やるタイミングとしては、そのタイミングというのは一つのタイミングとしてはいいタイミングかなという感じはしますが、重ねて言います、所管は総務省ですから。
#230
○松沢成文君 やるにはいいタイミングかなという気はしますという財務大臣の御答弁をいただきました。
 総理、総理の下の内閣府に政府税制調査会がありますよね。ここはもう政府の中の省庁を超えて税の適正な在り方を議論しているところです。こんなに不公平なゴルフ場利用税、私はゴルファーに対するいじめだとも思いますよ、これは。だって、ほかのスポーツ、何にも税金掛からないのに、ゴルファーだけゴルフやるときに税金取っているんですからね。それで、一部の自治体が財政もたないと言いますが、そこを例えば期限付の交付税措置なんかでうまく激変緩和をするのが政治の知恵じゃないですか。五つぐらいの自治体が困るから一千万人のゴルファーを犠牲にしていいんですか。これは世界でも日本だけです、こんなことをやっているのは。ここがまたガラパゴスと言われちゃうんですよ、日本は。
 ですから、総理、御自身の諮問機関である政府税制調査会に消費税導入時にゴルフ場利用税は廃止をするという検討をしてほしい。財務省と総務省、やり合えばいいじゃないですか。それで改革目指しましょうよ。こういう小さな税制改革できずに大きな消費税増税とか法人税の減税とか簡単にできません。まず、やれるところからしっかりやりましょう。政府税制調査会にしっかりと言っていただけますか。
#231
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、委員がおっしゃったように、全国の平均、私の地元なんかはそうなんですが、大体今は七千円とか八千円で、食事が付いて八千円ぐらいでありまして、その中でゴルフ場利用税の比率が高くなっているのは事実でございまして、これはまた総務大臣ともよく相談をしながら検討していきたいと思います。
#232
○松沢成文君 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
#233
○委員長(岸宏一君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#234
○委員長(岸宏一君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
#235
○小野次郎君 維新の党の小野次郎です。
 まず、総理にお伺いします。
 私は、十月二十日、維新の党の拉致問題対策本部長として、官邸で開かれた拉致問題に関する与野党協議に出席させていただきました。こういった野党からも意見を聞こうという姿勢に対しては評価をいたしております。しかし、その場で、私だけではなくて出席したほとんどの方から出た意見として、先方のペースに乗せられないように、具体的成果を上げる確証を得た上で訪朝を決めるべきだという意見が出たわけでございます。しかし、総理はその日のうちに、メリット、デメリットだったか、両方のリスクを比較してということで訪朝を決めたわけでございますが、改めて伺いますけれども、拉致認定被害者の方々の安否情報や特定失踪者の新たな消息情報など、具体的な成果を上げることができたのか、伺いたいと思います。
#236
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、小野委員も小泉内閣時代に秘書官として官邸に入っておられたから十分に承知をしておられると思いますが、外交交渉においては全てを表に出せるわけではないわけでありまして、まさに交渉当事者のみが知り得ることもございます。それがなければ交渉者同士の信頼関係は築けない、また、よって、交渉は進展をしないということになってくるわけでございます。その中で、できる限りの情報は開示をしながら、しかし、結果を出すためには、ある程度のことについては我々の中における交渉当事者の中だけのやり取りということはあるということは御理解をいただけるのではないかと思うわけでございます。
 その中で、今回、日本から代表団を訪朝させる上において、先方のペースにはまるかもしれないという危惧があったことは十分に承知はしておりますが、私もこの問題、もう九四年からずっとやっておりまして、小泉総理が二〇〇二年に訪朝した後についても、私の主張は一貫して北朝鮮のペースに乗るべきではないと、こういうことでございます。
 当時、クアラルンプールで正常化交渉が行われたのでありますが、私は五名の被害者の御家族をちゃんと帰すということを向こうが言わない限りこの交渉を打ち切るべきだと、こう進言をしたところであります。言わば、当時私は少数派であったわけでありますが、小泉総理から私の考え方が取り入れられ、クアラルンプールでの交渉は中止をしたのでございますが、その後、二年後に御家族が帰ってくることができたところであります。ただ、同時に、私は官房副長官でありますから、ある程度交渉の内容を知り得た上で申し上げていたところでございます。
 今回の訪朝につきましても、そもそも拉致被害者の方々についての安否情報の提供が行われることがないことが明らかな状況の上で、拉致問題こそが最重要課題であるとの日本政府の立場を直接調査委員会の責任者に改めて明確に伝える必要があったわけであります。前回の宋日昊との会談におきましては、残念ながら宋日昊大使自体がこの委員会の責任者でもないわけでありますし、最高首脳に果たしてその場で私たちが主張したことが届くかどうかも明らかでなかったのは事実でございます。そこで今回は、徐大河という言わば政権の中枢に声が届く可能性のある立場であり、調査委員会の責任者に、直接拉致問題が最優先課題であるということを伝えることができるということであったわけであります。
 一方、今委員が紹介されたように、行かなかった場合のリスクでありますが、やっと開いた、やっと開いた交渉の窓について我々が今閉じてしまえば、あとまた何年後に果たして彼らが調査に応じるかどうかということは明らかでないわけでございます。今までもやるべき制裁は行ってきて、その一部を今解除しているわけであります。そこで今、今回見送って、そして同時に、制裁を元に戻したところで、これはもう果たして何年先になるかは分からないという中において、今まで知り得ている情報の中において、我々は今回調査団を出すことの方が言わばリスクの比較考量においてその方が正しい判断だと、このように認識したところでございます。
 その結果、今回、北朝鮮側から、過去の調査結果にこだわることなく新しい角度から調査を深めていくということ、そして特殊機関に対しても徹底的に調査を行うとの説明があったわけでありまして、その意味においては派遣をした意味はあったと、このように認識をしております。
#237
○小野次郎君 要するに、意味はあったと思っているけれども、具体的な成果というのは上げることはできなかったということでございます。
 最近、政府の原則で、行動対行動の原則ということを挙げられておられますが、私にしてみればこの行動対行動の原則自体が口先だけになっているんじゃないかと思います。なぜかといえば、夏の終わりから秋の初め頃ということは、これはもう明らかに、まあ先方の言葉ですけれども、口先だけの話に終わってしまって、我々は、もう秋深く、冬に向かっているわけでございます。そういった先方が具体的行動に出ない、成果を報告するまでの間は、独自の制裁を元に戻すべきだと各方面から意見が出ておりますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
#238
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日朝間の交渉においては、今まで北朝鮮側が拉致問題について調査をすると言ってきたことは何回もあります。その間、我々は、例えば八万トンの米の支援をしたこともあります。数十万トンの米の支援をしたこともある。しかし、残念ながら、これは全くの空振りになったのは御承知のとおりだろうと思います。その反省から、私は、何かこちらが出すのではなくて、そのためにこそ制裁を可能にするべきだ、こう主張してきたわけであります。
 今私たちが行っている様々な制裁については、二〇〇二年の段階では全くその手段がなかったわけであります。このための立法を、我々自民党が中心になってその立法を行った。私もこの立法を主導した立場でありました。そのときは様々な方々から批判を受けました。二〇〇二年は、そうした制裁を掛けることによって今後交渉は不可能になると、五名の被害者の方々の八名のお子さんたちは帰ってくることができない、そういう批判を浴びたのは事実であります。しかし、二〇〇四年の四月にこの制裁のための法案が成立した後に小泉総理の二回目の訪朝が可能となり、五名の被害者の方々の御家族は日本に帰ってくることができたわけでございます。
 こうした、私は、北朝鮮との交渉の今までの経緯を十分に承知した上において今回は制裁を解除したと。制裁は、制裁をするときにも効果を発揮をするわけでありますし、制裁を解除したときにも効果を発揮する。これは、何か物をあげてしまうのではなくて、制裁でありますから、それを解除すればまたそれは当然制裁は可能になるということであるわけでございます。
 そこで、今申し上げましたように、今行っている制裁の解除はほんの一部であるわけでございまして、これは取り戻せないことではもちろんないわけであります。交渉中でありますから、再び再制裁するということは、申し上げるのは不適切だと思いますから申し上げませんが、しかし、今までの私が取ってきた態度については北朝鮮側も十分に了解をしていると、このように思うわけでありまして、現段階においては、やっと北朝鮮側が交渉に乗ってきたのは事実でありますし、国家安全保衛部の副部長という人物が世の中に姿を現したのも今回が初めてであります。
 しかし、それが直ちに結果に結び付くとは限らないわけでありまして、もちろん結果がすぐ出てくればいいわけでありますが、私たちが決断すれば物事が解決するわけではなくて、北朝鮮側が帰すという決意、この問題を解決をするという決意をしなければこの問題は解決をしない。だからこそ、今まで圧力を中心とした、対話と圧力の方向で協議を進めてきた。その結果、今回やっと調査を行うということを先方は約束したということではないかと思います。
#239
○小野次郎君 総理のお気持ち、メッセージというのは我々も明確に理解できるし、また外に向かっても発信していますけれども、外交交渉でもあるんですけれども、あちらの最高権力者から、今回はしっかりやるというメッセージは全然伝わってこない。せいぜい、総理のお言葉を借りても、先方に伝えることが精いっぱいだというのは、非常に我々としてはじくじたるものがあります。是非、毅然たる態度でこれからも臨んでいただきたいと思います。
 次の質問に移りますが、太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーの買取り制度について、九州、東北、北海道、四国、各地で接続保留、いわゆる買取り中断が急増して、この制度自体の信頼性が失われています。原発事故後に導入した自然エネルギー立国の柱になりますこの再生エネルギー全量買上げ制度を安定的に維持するために政府はどのような対応を考えているのか、お伺いしたいと思います。
#240
○国務大臣(宮沢洋一君) 再生可能エネルギーにつきましては、本年四月に決めました新たなエネルギー基本計画に基づいて、二〇一三年から三年程度最大限の導入拡大を図り、その後も積極的に推進していくというのが政府の方針でございます。
 今回、九州電力で接続申込みの回答保留という事態が起きました。これは、再生可能エネルギーの今後の導入に大きな影響があると考えておりまして、政府としては取りあえず作業部会を設けまして、各電力会社の接続可能量について厳しく検証する、もう少し枠がないかということを検証し、さらに接続可能量の拡大方策、技術的なことでできるのではないかということで拡大方策についても検討を進めることとしておりまして、年内にはその検証結果が得られるように今作業を急がせているところでございます。
#241
○小野次郎君 いずれにしても、これは自然エネルギー立国を進めるために大事なシステムだと思うし、もう一つは、安倍内閣のアベノミクスの三本目の矢の僕は成長戦略としても大変重要な部分だと思っています。その点についての信頼性なり期待が揺らぐということがないように、是非力強く政策を進めていただきたいと思います。
 総理にお伺いしますが、つい最近、今年の冬については、全ての原発止まっているわけですけれども、全国で供給余力があるということで節電目標は立てないと、数量目標は立てないということが発表されました。総理は、一方で、原発を我が国エネルギー供給のベースロード電源、ベースロードというのは恐らく恒常的に安定的に電力供給できる供給源だという意味だと思いますが、位置付けていながら、一方で、度々、原発依存度を可能な限り低下させていくともおっしゃっています。
 依存度をどんどんどんどん低下させていくというのだったら、今ゼロなんですから、今原発動いていないんですから、それで節電目標、数値目標立てる必要がないという事態になっている中で、原発依存度を可能な限り低減させていくということがもし本当だとすれば、将来における原発ゼロを目指す考えをお持ちなんじゃないかと思うんですが、その点、もう一遍お伺いしたいと思います。総理にお伺いしています。
#242
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細については経産大臣から答弁をさせますが、エネルギー政策につきましては、国民生活や経済活動に支障がないよう責任あるエネルギー政策を構築することが何よりも重要であると、このように考えております。
 その上において、今ゼロだからいいではないかという議論があるのも事実でございますが、しかし同時に、まさに今、毎日百億円、化石燃料代として海外に日本はお金を払っているという状況が続いています。残念ながらそれは電力料金にも反映をしていくわけでありますし、当然CO2がどんどん出ていくということにもなるわけであります。今すぐにその代替エネルギーというのは我々は手に入れていないという状況があると。安定的に、そして廉価で我々は電力供給をしなければいけない、そのためには様々なエネルギー源をミックスしていく、そのベストミックスを構築をしていく必要があるんだろうと、こう考えているところでございます。
 そこで、原発については安全性の確保を大前提に、徹底した省エネルギー社会の実現と、そして再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、原発依存度は可能な限り低減をしていくというのが基本方針であります。今ゼロだからそのままゼロでいけというのはできないということは今申し上げたとおりであります。電力供給における海外からの化石燃料の依存度が第一次石油ショック当時よりも高くなっているという現実を考える必要もあるわけであります。原発依存度の具体的な水準はエネルギーミックスの検討過程において決めていくことになります。
#243
○国務大臣(宮沢洋一君) 原発の依存度については今総理がおっしゃったとおりでありますけれども、私は、エネルギー政策、またエネルギーの安定供給に責任を持つ大臣として、今の日本をめぐるエネルギーの状況というものに大変危機感を持っております。
 まず安全保障という面からいいますと、自給率は六%でございます、エネルギーの。九四%は輸入で、これは全て化石燃料であります。そして、一方で中東の依存度というのは大変高まってきております。備蓄もございますけれども、石油備蓄は僅か半年。そして、LNGは備蓄ができません、基本的に。という状況で、ホルムズ海峡で一朝事があったときに我が国のエネルギーがどうなるのか、国民生活がどうなるのかということは正直言って大変心配であります。
 また、地球温暖化対策といったこと、来年COP21もございますけれども、我が国としても最大限国際的な協力をしていかなければいけませんが、その原子力発電というものがないときにどんな計画ができるかというと、本当にこれまた心配でございます。
 一方で、経済性の問題でいえば、もう小野議員のお耳にも届いていると思いますけれども、電力料金が大変高くなったことで、電力消費の多い中小企業は大変悲鳴を上げているという状況でございます。
 それらを考慮しまして、ともかく安全性がきっちりと確認できた原子力発電所については当面再稼働をしていくということが我々の方針でございます。
#244
○小野次郎君 現在ゼロであって、原発依存度を可能な限り下げていくということは将来ゼロになるという考えがあるんですかという質問に、どうしてもお答えになりたいというから経産大臣にお願いしたら、何か今のお答えは全然そのことと関係ないお答えをいただいたような気がいたします。
 時間の関係があるので次に進みますが、総理、我が党は、本日、みんなの党、生活の党、両党とともに消費増税凍結法案を国会に提出いたしました。
 先ほど、松沢議員の質問を聞いていまして、何かだんだん自分の頭が江戸時代みたいになってきまして、昔の世の中でいったら安倍総理は将軍様みたいなものだなと思ったりしていたんですが、公務員給与の話をしますけど、公務員給与は直参旗本、諸藩の藩士の俸禄みたいなものだと思うんですね。財政が逼迫しているからって年貢を上げようとしているときに、真っ先に総理の近くでお仕えしているお役人の俸禄を増やすのでは、年貢を取られる側の一般ピープルはたまったものじゃありません。
 増税の前にやるべきことがある。身を削る改革は国民への約束だったのではありませんか。公務員人件費や国会議員の歳費を削減するはずだったのに、元に戻してしまいました。
 そして、この夏には、人事院勧告で月給が〇・二七%、ボーナスは〇・一五か月アップする、そういう勧告が出ています。この人事院勧告をそのまま実施すれば、これまでさんざん話題になってきた公務員人件費の削減という大きなテーマ自体を現政権は放棄されるということなんでしょうか、お伺いしたいと思います。
#245
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 給与改定臨時特例法に基づく特例減額措置は、労働基本権制約の代償措置の根幹を成す人事院勧告制度の下では異例の措置として、東日本大震災の復興財源を確保するため、二年間に限り講じられたものであります。法律の規則どおり本年三月をもって終了させることは適当と判断したところであります。東日本大震災、あの大きな被害から回復するためにはみんなで負担を分かち合おうという中において、公務員の皆さんの給与についても削減したと。これは、本来であれば代替措置としての人事院勧告制度の中では大変異例なことであったけれども、了解を得ることができたのではないかと思います。
 一方で、厳しい財政事情に鑑み、公務員給与について、臨時的措置によるのではなく、給与制度の見直し等により職員構成の高齢化等に伴う構造的な人件費の増加を抑制することが適当であると、このように考えています。
 今年の人事院勧告には、民間における給与上昇を反映した給与改定だけではなく、地域間、世代間の給与配分の見直しを実施していきます。これは、今までと違うところと言ってもいいと思います。給与制度の総合的見直しが盛り込まれています。これは人件費の増加の抑制にも資することになると思います。こうしたことも踏まえて、国政全般の観点から検討を行った結果、勧告どおりこれを実施することが適当と考えています。
 国家公務員の総人件費については、厳しい財政事情に鑑み、給与制度の見直しとともに、簡素で効率的な行政組織体制を確立することによって今後とも抑制を図っていく考えであります。
#246
○小野次郎君 総理は九月の政労使会議で民間企業に年功序列の賃金体系の見直しなどを求めておられますけれども、国民みんなが一番よく知っているのは、実は極端な年功序列というのは公務員の給与体系なんじゃないですか。その辺からまず改革すべきだと思いますが、今日は答弁を求めませんので、是非、人事院任せにしないで、改革を自らリーダーシップで発揮して進めていただきたいと思います。
 次の質問は、文書交通費の使途公開についてです。
 維新の党は、既に法案を提出しました。また、法律の成立を待たずに、単独で文書交通費使途公開を決めております。谷垣自民党幹事長も、これは議院運営委員会の中で、国会の中で検討すべきじゃないかと、少し理解を示すお言葉をいただいておりますけれども、政治と金の問題については国民の目も一層厳しいものになっています。この文書交通費の使途公開と領収書など資料の保管などは当然必要だと思います。
 与党にも使途公開法案への賛同と、そして自主的公開の実施について御決断をお願いしたいと思いますが、総理の認識をお伺いいたします。
#247
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまさに国会議員の身分、待遇に関わることだろうと思います。政治活動の諸経費については、それぞれの国会議員が国民に疑念を持たれないように責任を持って行動すべき問題であろうと考えます。
 その上で、公開のルール化については、活動そのものに関わる、議員の活動そのものに関わることでありますから、国会において、各党各会派においてよく議論をしていただきたいと思います。
#248
○小野次郎君 余り踏み込んだお言葉がいただけなくて残念ですが、是非検討いただきたいと思います。
 それでは、お待ちかねというか、政治と金についての質問をさせていただきます。
 江渡大臣、恐縮でございますが、今日お手元に配らせていただきました政治倫理綱領、これは国会議員が全会一致で決議したものでございます。(資料提示)五つの項目がありますが、赤線を引かせていただいた四番目、第四項目を、恐縮ですが、ゆっくりお読みいただきたいと思います。
#249
○国務大臣(江渡聡徳君) 読まさせていただきたいと思います。「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」。以上でございます。
#250
○小野次郎君 これは衆参共に綱領を決議しているんですが、今日は江渡大臣が衆議院議員なので衆議院の方の倫理綱領を使わせていただいております。
 それでは、二枚目のパネルをちょっと見てください。今どういう疑惑が江渡大臣については挙がっているかということを簡単に御説明させていただきます。
 聡友会というのは江渡さんの資金管理団体です。そして、収支報告、二十一年、二十四年とも聡友会から江渡議員にそれぞれ二百万、百五十万寄附されています。この議員への資金管理団体からの寄附は政治資金規正法で違法とされています。その違法な寄附という記載について、今年の九月になって江渡議員サイドから訂正を掛けて、これは人件費だと、人件費の支払だったんだという説明をされました。そしてまた収支報告を訂正されました。どういうふうに訂正したかというと、点々々で二人の方に分かれている。そういうふうに金は動いたんだという説明でございます。二十一年の方は江渡議員のめいごさん、そして二十四年の方はこの聡友会の会計責任者でもある私設秘書のTさんに行ったんだということでございます。
 ここに赤い色と緑色の張り札が貼ってあります。我々は、衆議院でも参議院でも恐らく八人ぐらいの国会議員がこの件について質問しています。大体の事案の概要が分かってきましたけれども、この聡友会から江渡議員に渡した四回のお金についての仮領収書については、二十四年分の二枚だけは出ていますけれども、二十一年分の二枚については未発見となっています。そして、収支報告の方も、二十四年の方は見ることができますが、二十一年の方は今日現在は提出拒否されております。そして、会計帳簿については二十一年も二十四年も提出拒否されています。そして、このお二人の方、めいごさんと、それから会計責任者である私設秘書への金の受渡しについては、源泉徴収は行わなかった、領収書は作成しなかった。それ以外の支払を証明する資料はありませんかと、それについては探しているけれども見付からない。確定申告はしましたかと、確定申告はしました。じゃ、確定申告を分かるものを、資料を提出できないかといったら、めいごさんについても提出していないし、それからTさんについても提出拒否でございます。これが今の事案の概要でございます。
 そこで、お伺いいたします。
 江渡大臣、自らこの疑惑を招いていながら、自らの努力で疑惑を解消しようとあなたはしていません。国務大臣が自らに対する疑惑について説明責任を果たせないために、この間、防衛行政は停滞し、国会審議も進まない状態になっています。政治家としてこれに対する責任をどう明らかにすべきか、大臣御自身の認識をお伺いしたいと思います。
#251
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 委員から今御指摘のとおり、人件費として支払われたことを客観的に示す資料の提出に関しましては、これまで御要望に十分お応えできていなかったかもしれません。特に元秘書の税務申告の提出につきましては、現時点までに本人から了解が得られておりませんものですから、提出を差し控えさせていただいているところでございます。
 それでも、この本人の人件費につきましては、これまでに平成二十四年の仮の領収書を提出するとともに、本人たち、親族や元秘書に人件費の受領を改めて確認し、また確実に支払われている旨の回答を得るなど、本件が単なる事務的なミスであるとの説明責任を果たすべく、私なりに誠意を持って対応を繰り返し、丁寧に説明をしてきているつもりでございます。また、領収書等については、事務所の方で探しているものの現時点において見付かっておりませんけれども、引き続き探してまいりたいと思っております。
 他方、政治資金規正法上、自身の政治資金管理団体から政治運動に関するもの以外で寄附を受けることが禁止されているということは、これは、私も政治家でありまして、十二分に認識しているところでございます。もし仮に同法で禁じられている寄附行為を意図的に隠蔽しようとするならば、最初からわざわざ収支報告書に寄附と記載するはずがないということも御理解いただければ有り難いなと思っております。
 いずれにいたしましても、今回の政治資金収支報告書の訂正等では各所に大変御迷惑をお掛けしております。いまだ御納得いただけない点につきましては今後とも御理解をいただけるように丁寧に説明をさせていただきたいと、そのように思っているところでございます。
#252
○小野次郎君 大臣の弁解は、よく考えてもそんなに悪質な違反じゃなかったんだという疎明はしているように聞こえますけれども、ただ、さっき申し上げたとおり、事実関係と、それから明らかになっているこの緑の張り札になっているものだけ見ると、あなたの違法な寄附を受けたという違反は立証されているけれども、それを訂正するのに必要になっているものはちっとも出てきていないというのが現実でございます。
 三枚目のパネルを見てください。
 どういう違反に当たるかというと、大臣自らもおっしゃったとおり、政治家に資金管理団体が寄附しちゃいけない、第二十一条の二違反なんですね。これは、これだけしか書いていない報道機関の記事が多いんですけれども、実は二十二条の二というのがあります。何人も二十一条の二第一項の規定に違反してされる寄附を受けてはならない。つまり、最初の方の違反は会計責任者であるTさんが直接の責任者です。だけど、対向犯になっている相手方の、受け取る方の違反はあなた自身が違反の疑いが掛かっているということだということを申し上げておきたいと思います。そして、二十六条で両方の行為に罰則が付いていることを申し上げておきます。
 そして、あなたが、自分が受け取ったんじゃないんだ、お二人の方の人件費で支払ったんだと言っています。二十四年のTさんの方を中心に申し上げますけれども、下の方を見てください。第十一条に、政治団体の会計責任者、これTさんですよね、政治団体の代表者、これはあなたですよ、若しくは会計責任者と意思を通じて当該団体のために支出した者は、領収書を必ず受け取らなきゃいけないと十一条に書いてある。この十一条の違反というのは、二十四条で三年以下の禁錮となっています。
 ですから、あなたは、一方で違法な寄附をした団体の代表者であり、違法な寄附を受けた政治家であり、そして、あなたが違うんだといって説明している人件費の支払の方は、今度、領収書がないということであれば、第十一条及び第二十四条の違反になるということで、どちらにしても違反なんですよ。これはどう説明されるんですか。
#253
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 まず、示されたパネルの上の方の部分なんですけれども、私自身、政治資金規正法に従いまして、従来から、登録政治資金監査人による政治資金監査を受けるなどして収支報告書をきちんと作成し、確認を適正に行ってきたつもりであるわけであります。
 また、前回の委員会のときでも私はお答えさせていただきましたけれども、修正のときもこの登録政治資金監査人に見てもらったわけであります。修正のときに仮の領収書があったればこそ、そのことが人件費とみなされたので、私は、修正が受理されたものだというふうに私自身は理解しているつもりでございます。
 もし、この修正時点で問題があるならば、私は受理されなかったのではないのかなというふうに思っております。先生も先ほど申しましたよね、会計帳簿と領収書等の突合により支出の確認をと。この仮の領収書で人件費と認めてもらったから、私は受理されたというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、このような政治資金報告書の訂正を行わざるを得ない事態があったということ、このことは私自身大変反省しなければいけないことであろうと思っておりますし、また、各所に御迷惑をお掛けしたということは誠に遺憾でありまして、事務所の方に対しましても今後二度とこのようなことがないように厳格なチェックを行うように指示したところでございます。
 また、済みません、お答えをさせていただきたいと思います。パネルの方の下の方の部分ですけれども、確定申告のことでるる御質問がありましたけれども、必ずしも私自身も確定申告について詳細というものを承知しているわけではありませんけれども、所得税というのは申告納税制度を採用していることから、給与所得の源泉徴収票等の添付のない確定申告書が提出された場合であっても、当該申告は受理されているというふうに承知しているところでございます。
 いずれにいたしましても、税務申告をしたということは、私は直接、秘書でありましたT氏から確認しているところでございます。
#254
○小野次郎君 大臣、大変な発言、あなたはしていますよ。
 仮領収書って、あなた自身が違法な寄附を受けたときの領収書ですよ、これ。それを外部監査で認めてもらったといったら、あなた、今日初めて自分が寄附を受けたということを外部監査人にも認めてもらったと発言しているんですよ。それでいいんですか。
#255
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えします。
 それは違うと思います。仮の領収書に、領収書、私は仮と今まで言ってきましたけれども、仮という形で私は書いたわけであります。そのことが、実際受け取った者がきちんと領収書を書いて、そして差し替えすればよかったわけであります。ですから、一応お金の出し入れの部分のものがあったということ、だからこそ今まで私は仮の領収書というお話をしているわけであります。
 で、そこの部分が、修正のときもきちんと話をしていて、相手方も人件費だと認めてくれたからこそ修正ということが受理されたのではないのかなと私は思っております。それを今、小野委員は違法だということであれば、それは、もし問題があったら受理されなかったんじゃないでしょうか。
#256
○小野次郎君 仮領収書というのはあなたが聡友会からもらったときに出した領収書のことを言っているんでしょう、これパネルで見ても。それを外部監査が認めてくれたといったら、それは真実のお金の授受が聡友会と江渡議員で行われたということになるから、それはあなたの新たな違反を認めたことになりますよと言っているんですよ。
 総理……(発言する者あり)じゃ、手短にお願いします。
#257
○委員長(岸宏一君) 答えていただきますか。江渡防衛大臣。
#258
○国務大臣(江渡聡徳君) 委員の御指摘は違うと思っております。
#259
○小野次郎君 総理、将棋なさったことあると思いますが、このパネル見て、この局面というのは将棋でいったらどう表現されますか。
#260
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まあ将棋で言えば、もう時間、タイムオーバーということだと思います。
#261
○小野次郎君 総理、このパネルは、詰みですよ、詰み。江渡大臣は詰んでいるんですよ、もう。
 ですから、こういった大臣に対して総理は、説明責任をしっかり果たすか、しからずんば、自分の責任を明らかにするか、江渡大臣に喝っと入れてほしいんですけど、総理、そういう気持ちはありませんか。
#262
○委員長(岸宏一君) 時間が過ぎておりますので、答弁なさるとすれば、簡単におまとめください。──じゃ、時間ないようですから、いいですか、終わって。
#263
○小野次郎君 質問を終わります。
#264
○委員長(岸宏一君) 以上をもちまして、小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#265
○委員長(岸宏一君) 次に、仁比聡平君の質疑を行います。仁比聡平君。
#266
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 今日は、特定秘密保護法について総理にお尋ねをしたいと思います。
 安倍政権は、特定秘密保護法を昨年十二月六日に強行し、先月、十月の十四日、運用基準と政令を閣議決定して、十二月十日にも施行をしようとしておりますけれども、国民の根強い不信感、施行をやめ、廃止を求める声は広がるばかりです。
 総理は、昨年十二月九日の記者会見で、今後とも、国民の皆さんの懸念を払拭すべく丁寧に説明していきたいと考えていますと述べられ、そのときに、外交・安全保障政策を国民の皆さんと情報を共有しながら、透明性を確保した上で進めるべきことは言うまでもありませんと述べておられますけれども、覚えていらっしゃると思いますが、いかがですか。
#267
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この特定秘密につきましては、これはもう全くそうした枠組みがないところに突然つくるものではないわけでありまして、今までも特別管理秘密があり、防衛秘密があり、また外交秘密もあり、あるいはまた米軍との協定の中の秘密もあるわけであります。
 統一ルールがない中においてしっかりと統一的なルールを作ったということでございまして、基本的には、対象とするものは、そうした秘密を取ろうという工作員であったりスパイであったりテロリスト、そういう人たちから国民の命を守るための仕組みをつくったと、こういうことであります。そしてそれは、例えば我々の安全保障政策あるいは防衛政策自体を秘密として守ろうということではないということは申すまでもないわけでありまして、特に、安倍政権としては初めてNSCをつくり、そして我々の外交・安全保障戦略について作成をし、それを日本だけではなくて世界に示したところでございます。
#268
○仁比聡平君 質問にはお答えにはならないんですが、否定もなさりませんでした。
 官邸のホームページに今もその記者会見が掲載をされておりますが、外交・安全保障政策を国民の皆さんと情報を共有する、透明性を確保する、そのときに述べられたとおりです。
 また、そこで、沖縄の辺野古新基地建設の計画の問題についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、民意を踏みにじって巨大基地を押し付けるこの計画は、もとより直ちに中止をするべきだと私は繰り返しこの場でも主張をしてまいりました。
 今日お伺いしたいのは、そもそも計画の全体像が示されているのかという問題です。
 七月に、二〇〇八年に作成されたアメリカ政府の内部文書が明るみに出ました。そこで示されている普天間代替施設の計画図案、これがパネルで今お示しをしているところです。(資料提示)御覧いただきますとおり、辺野古の米軍キャンプ・シュワブの沿岸部を埋め立ててV字形滑走路、オスプレイなど米軍用機の駐機場、またその格納庫、燃料施設も、そして弾薬の搭載エリアも造ると。今政府が強行している計画がここに書かれているわけですね。
 ところが、重大なことに、赤い破線、点線で囲んだ部分を御覧いただきたい。内陸部にある辺野古ダム周辺です。これは政府の計画には全く示されていないものなんですね。ここは森の中にある名護市民の水源地です。政府がアセスの申請書で示した計画では、このエリアは沿岸部を埋め立てる土砂を採取する、その後は緑化して森に戻すということになっています。ところが、この米軍の計画見てください。長方形で示されているのが米軍の兵員宿舎ですけれども、これおよそ三十以上ありますよ。楕円形で示されているのは運動場ですけれども、これも大きなのを二つも造るということになっている。これを始めとして多数の米軍関連施設を計画するという、こういう計画がアメリカの内部文書の計画図案で明らかなんですね。
 総理、こんな計画を米側と協議をしているんですか。
#269
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 まず、この普天間飛行場の辺野古への移設後においては、米軍キャンプ・シュワブ内には約四千九百名が居住することになっております。そして、このために必要となる兵員宿舎につきましては、キャンプ・シュワブの内陸部、現在の米軍基地部分です。つまり、委員が指し示したこの点線のこの下の部分ですね、ここの方において、この現在の米軍基地部分において既存施設の再配置等によりまして整備する計画でございます。なお、その詳細につきましては今現在、米側と協議中であります。
 ただし、基地内の辺野古ダム周辺地域につきましては、先ほど委員が指摘していただきました点線部分でありますけれども、ここにつきましては埋立て用の土砂を採取し、その後は緑化を行う計画でありまして、兵員宿舎などの施設を整備する計画ということはございません。
 また、米側との間で辺野古ダム周辺地域での施設整備や環境アセスの実施に向けた協議を行ったという事実もございません。ですからこそ、御指摘の内部文書というものがいかなるものか私どもは全く承知していないところでございます。
#270
○仁比聡平君 驚くべき御答弁ですよね。
 二〇〇六年の四月の二十日付けの別の米軍内部文書も明るみに出ています。ここでは、普天間代替施設の検討コメントという文書ですけれども、そこには日本政府と協議したという記述があるんですね。米側は辺野古沿岸部だけでなくて内陸部の施設についてもアセス実施を求めていたとも書かれています。米側は協議していると言っているんですが、今防衛大臣は協議の事実は全くないなどと声を荒げるようにおっしゃいましたけれども、このような計画が日米間で話し合われてきたんじゃないんですか、総理。
#271
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思いますけれども、二〇〇六年の時期というのは、ちょうどこの移設等々に関するロードマップの協議をしている最中でありましたけれども、そのときにおいても今委員が御指摘のような事実ということはございませんでした。
#272
○仁比聡平君 ちょっと総理、お尋ねしたいと思うんですけれど、ここに公表されているアメリカ太平洋海兵隊基地司令部の二〇二五年戦略展望という文書があります。ここには、現在の二国間のマスタープランには家族住宅の建設は含まれてはいないもののとしながら、米軍再編実施のための合意が承認されたときにはその問題は認識されていたと書かれているわけですよ。つまり、二〇〇六年の米軍再編合意のときには辺野古における米軍宿舎問題は認識されていたということではありませんか。
 今、江渡防衛大臣が言ったのは、その二〇〇六年当時そんな事実はなかったと言うんですけれど、これ、アメリカが公表している。これと全く違うことをこの国会で言うんですか。総理は、どういう計画を協議をしているのか、これ明らかにするべきですよ。先ほどの話だったら、四千九百人居住することになっているだとか、けれどその具体的なことは言えないだとか、そんなことを言っているけれど、協議の事実、その経過、具体的な内容、これを国会に明らかにするべきじゃありませんか。総理。
#273
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 今委員が御指摘の戦略展望二〇二五におけるこの辺野古の家族住宅等に関する記述の部分なんですけど、仮訳の部分をちょっと読ませていただきたいと思います。
 現行の日米マスタープランには、キャンプ・シュワブの普天間代替施設に帯同する家族のための住宅が含まれていない、この事実は米軍再編実施に係る合意の承認時に認識されており、キャンプ・シュワブに通勤する海兵隊の負担軽減に関する記述が当該合意に盛り込まれたというふうになっておりまして、先ほどもお答えさせていただいたように、普天間飛行場の辺野古の移設後、米軍キャンプ・シュワブ内には約四千九百名が居住する予定でありますけれども、全て単身者でございます。家族帯同の者は基地の外に住むものと承知しておりまして、キャンプ・シュワブの内陸部に家族住宅を建設する計画というものはございません。また、キャンプ・シュワブ内での家族住宅の建設に向けた協議ということも行ったこともございません。
#274
○仁比聡平君 いや、総理、おかしいでしょう。だって、米側と協議をしてきたからこそ、その問題が認識されていた、私はそういうふうに読んでいるけれども、仮訳は違う、江渡さんが言うのは、違うと言うけれども、協議をしているからこそ、あるいはしてきたからこそ、その問題が認識されているわけじゃないですか。それはおかしな話ですよ。
 総理が、先ほど正面から御自身の言葉では言われませんでしたけれども、昨年十二月九日の記者会見では、もう一度申し上げます、外交・安全保障政策を国民の皆さんと情報を共有しながら、透明性を確保した上で進めるべきことは、もとより言うまでもありません、今後とも、国民の皆さんの懸念を払拭すべく丁寧に説明をしていきたいと考えていますと言っているんですよ。繰り返し答弁を求めているのにお立ちにさえならない。何が丁寧な説明ですか。
 この問題について稲嶺進名護市長は、国はオスプレイ配備も隠してきた、政府が正しい情報を流さないため県民は泣かされてきた、これもまさにそうだと怒りをあらわにしています。同じやり方で、土砂採取後は緑化だといって環境アセスをも偽ってこんな計画を押し付けるのかという重大問題なんですよ。
 総理、アメリカ側との協議の経過、こうした図面、これ全部明らかにすべきじゃありませんか。総理、ここまで聞いているんだから。
#275
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わばこのキャンプ・シュワブのやり取りについては、これは詳細を知っているのが防衛大臣で、私は詳細を承知をしておりませんから防衛大臣から答弁させますが、私が先ほど申し上げた、あるいは今引用されたのは、防衛政策について透明性を維持をしていくというのは当然のことでありますが、協議中の中身について、これを一々、こういう協議をしている、これからこちらはこのようにやっていくという交渉の中身について、あるいは協議の中身について公表しないのは、これは当然のことではないかと思います。
#276
○仁比聡平君 委員長。
#277
○委員長(岸宏一君) ちょっと待ってください。今、防衛大臣にもう一回。
#278
○仁比聡平君 いえいえ、もう防衛大臣の言い分は聞きましたから。
 キャンプ・シュワブの埋立て、辺野古の新基地計画、これが巨大な基地となってこうした内陸部も含めた半永久化する基地になるのではないか、これ重大な政策に関わる問題ですよ。これを地元にも国会にも明らかにせずに進めていくなんというようなことは絶対に許されない。
 今日ここまで聞いても、あれこれ言って答えようとされないわけですけれど、私はその姿勢に、これまで自民党政治が安保の秘密、日米同盟の秘密をいかに秘密にしてきたのか、それが表れていると思います。今でさえ都合の悪いことは隠す、その上、特定秘密保護法が施行されたらどうなるか。特定秘密保護法の恐るべき核心は、政府が保有する膨大な情報の中から特定秘密を恣意的に指定し、国民には何が秘密かも秘密にされてしまうところにあります。
 上川大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、一年前、秘密が恣意的に指定されるのではないか、都合の悪い情報が政府によって秘密にされるのではないかと国民の批判が沸騰いたしました。当時、森まさこ担当大臣でしたけれども、しっかりとした外部のチェック体制を導入するから大丈夫だといった答弁を繰り返されました。今度の十月の閣議決定でそのチェック体制をつくったということですね。
#279
○国務大臣(上川陽子君) 特定秘密保護法につきましては、委員御指摘のとおり、国民の皆様の間に懸念や不安があるということを踏まえまして、その運用の適正を確保するために、政令や運用基準におきまして二重三重の仕組みを構築したところでございます。
 まず、特定秘密の指定についてでございますが、指定をされる行政機関を政令で十九に限定したところでございます。また、特定秘密に指定できる事項につきましては、法律に列挙された四分野であります防衛、外交、スパイ防止、そしてテロ防止というところに係る二十三項目に限られていたところでございますが、運用基準におきまして、この指定できる事項の具体的細目として五十五項目を示すとともに、この必要最小限の情報を必要最低限の期間に限って指定するということの大原則を示したところでございます。
 加えて、運用基準におきましては、この拡張解釈を禁止すること、そして基本的人権、特に国民の知る権利の尊重、さらには公文書管理法及び情報公開法等の適正な運用についても規定したところでございます。さらに、法律の適正な運用を確保するために、政令で特定秘密の指定の検証、監察等を行う独立公文書管理監を設置をし、運用基準では通報制度も設けるなどしたところでございまして、法律の運用状況につきまして、国会報告、さらには公表ということでなされることになっているところでございます。
 こうした様々な重層的な仕組みによりまして、委員御指摘の恣意的な規定を阻止できる、防止できる制度となっているところと考えております。
#280
○仁比聡平君 指定事項の細目を細分化とか、適性評価だとか、本質的に全く変わっていないじゃないかという厳しい批判がこの夏も二万数千のパブリックコメント、それから有識者や多くのメディアからも指摘をされ続けてきているわけです。
 上川大臣がおっしゃった中でよく分からないので、私、政府資料からパネルを作ってみました。そのチェック機関を具体化したとおっしゃるんですが、内閣保全監視委員会、そして独立公文書管理監と、その言わば事務局になる情報保全監察室ですね。
 上川大臣にお尋ねしたいんですが、実際に個々の秘密情報の提供を受けてチェックをし得るとしたら、そうした機関は内閣保全監視委員会と独立公文書管理監、この二つでしょう。大臣に。
#281
○国務大臣(上川陽子君) 今回、内閣官房の下で内閣保全監視委員会ということで設定をし、また内閣府につきましては独立公文書管理監とさらに情報保全監察室というところで設けたところでございます。さらに、運用基準の意見聴取でありますとか年に一回の運用基準の報告等につきましては、情報保全諮問会議という形で設けているところでございます。
#282
○仁比聡平君 いや、問いにお答えにならないんだけれども、よくお分かりになっていないのかな。
 情報保全諮問会議というのは、これは一般的な運用基準の検討などをやって、そうした年一度の運用状況を報告するなどには関わるけれども、行政が指定する個々の秘密、この中身の提供を受けることはないでしょう。実際にそういう個別の秘密の情報の提供を受け得る、その上でチェックをするんだとこれまで皆さんがおっしゃってきた機関というのは、内閣保全監視委員会と独立公文書管理監、その二つでしょうと。確認です。
#283
○国務大臣(上川陽子君) 独立公文書管理監及び管理室ということでございますが、そこにおきまして検証、監査をする機関ということでございます。(発言する者あり)
#284
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#285
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
 上川国務大臣。
#286
○国務大臣(上川陽子君) 内閣府に置かれます独立公文書管理監につきましては、特定秘密保護法の附則第九条に規定する、独立した公正な立場において行政機関の長による特定秘密の指定等の適正を確保するために検証、監察等を行うということを役割としているところでございます。
 一方、内閣保全監視委員会ということでございますが、法律の施行に責任を負うという立場でございまして、こちらは特定秘密保護法の第十八条の第四項に基づきまして、行政各部を指揮監督する内閣総理大臣を補佐をするという役割でございます。
#287
○仁比聡平君 ちょっと先に進めるために紹介しますけれど、手元に内閣の内調が作っておられる適正確保の仕組みというペーパーありますけど、適正を確保するための重層的な仕組みとして、内閣に保全監視委員会を、内閣府に独立公文書管理監及び情報保全監察室を設置したと言っているじゃないですか。この二つでしょう。いいですね。(発言する者あり)まあ総理がいいとおっしゃっているから、次、進みますけれども。
 基本的な確認ですけれども、上川大臣、特定秘密を指定するのは秘密保護法で行政機関の長とされています。つまり、外務省の秘密であれば外務大臣、自衛隊や防衛省の秘密ならば防衛大臣ということですけれど、内閣官房の秘密は誰が指定するわけですか。
#288
○国務大臣(上川陽子君) 長であります内閣総理大臣でございます。
#289
○仁比聡平君 特定秘密保護法と一体に強行されたのが国家安全保障会議、NSCですけれども、これは内閣官房に属しています。その秘密は総理が指定するということですね。確認です。立って答弁して。
#290
○国務大臣(上川陽子君) 内閣総理大臣でございます。
#291
○仁比聡平君 日本の外交安全保障政策の司令塔とされて国の安全保障に関する重要情報を保有するのがNSCなわけですが、その秘密は総理が指定するということです。そうした秘密がどのようにチェックされるのかと。
 先ほど上川大臣が答弁しかけましたけど、法十八条によりますと、このパネルの、内閣総理大臣が各行政機関の長を指揮監督する、長い矢印を描いてありますが、つまり、内閣総理大臣が各行政機関の長の秘密指定や解除をチェックするということになっています。
 内閣保全監視委員会というのはこれを補佐すると、上川大臣、そういうことですね。
#292
○国務大臣(上川陽子君) 内閣総理大臣のその機能に対して補佐をするという役割でございます。
#293
○仁比聡平君 しかも、この補佐をする監視委員会というのは、秘密を指定する各官庁のトップ、事務次官級で構成されるわけで、言わば秘密指定の仲間内そのものということだと思うんですが、NSCなどの内閣官房の秘密であれば総理が行政機関の長になる、先ほど確認したとおりです。
 総理が指定した秘密を総理がチェックする、上川大臣、そういうことですか。仕組みを聞いているんですよ。大臣、そういうことでいいですか。
#294
○国務大臣(上川陽子君) 実務上は、内閣官房、内閣府などで特定秘密を取り扱う部局に対しまして独立公文書管理監が検証、監察を行うことになるところでございます。また、独立公文書管理監の事務、権限や各行政機関との関係につきましては、政令及び運用基準の中に明記されておりまして、検証、監察は厳正に行うことになるということでございます。
 部局と独立公文書管理との間で見解の相違が解消しない場合、内閣総理大臣が偏することなく公平な立場から適切に判断されるというふうに考えます。
#295
○仁比聡平君 ちょっと担当大臣、仕組みがお分かりになっておられない。今、独立公文書管理監の性格についてお話しになりましたけど、私が聞いているのは内閣保全監視委員会の性格です。
 内閣保全監視委員会は、法十八条に基づく内閣総理大臣の権限を補佐するわけでしょう。だったらば、内閣官房の秘密であれば、総理が指定して総理がチェックするということになるじゃありませんか。そうした、自分で自分をチェックするといって何のチェックにもならないじゃないかという昨年の国会の大きな批判の中で、強行採決の間際になってあなた方が持ち出したのがこっちの独立公文書管理監なんですね。
 上川大臣、先に確認しますが、この独立公文書管理監の任命権者、指揮監督者というのは誰ですか。
#296
○国務大臣(上川陽子君) 内閣総理大臣でございます。
#297
○仁比聡平君 独立公文書管理監は総理が任命する人間だということです。だから、総理の秘密指定を総理の任命した人がチェックすると、総理が秘密指定権者の場合ですね。そういうことになる。
 総理に改めてお尋ねしたいんですけれども、そうなりますと、保全監視委員会は、あなたが指定した秘密をあなた自身がチェックをするときに、言わばあなたの仲間内が補佐するというもので、独立公文書管理監は、あなたが指定した秘密をあなたが任命した人間がチェックするというものになる。これがあなたのおっしゃってきた重層的なチェックなんですか。
#298
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず御説明いたしますと、今既に、先ほど申し上げましたように、特別管理秘密があり、防衛秘密があり、アメリカとの協定上の秘密があり、それぞれ運用されているわけであります。私は内閣総理大臣ではありますが、それぞれの秘密がどのように指定されているかということを知り得ることはほとんどできなかったのであります。
 そして、この度しっかりとルールを作っていく、そして国民の皆様から選ばれた国会議員の皆様によって選出された私が、しっかりとまさに国民の立場に立って行政府の行った秘密指定をチェックをしていくということであります。果たしてそんなことができるのかという批判がございましたから、それを補佐する機関としてそれぞれつくった、それぞれというか、その委員会、監査委員会をつくったわけでございますが、それとともに、独立公文書管理監ができ、そしてそれがチェックをするということであります。
 形式上は、確かに私が指定するという形式にはなっておりますが、実際はNSCの中においてこれは秘密にしようという指定がなされるわけでございますが、それを私も直接チェックをしていくわけであります。そして、民主主義の機能というのは、選挙によって政権は交代をするわけであります。そして、政権が交代をしていく中において、後の政権によってそれは十分にチェックされると、これが民主主義の機能ではないかと、こう思うところであります。
 いずれにいたしましても、特定秘密の約九割近くは、これは御承知のように衛星写真であり、残りは、あるいはこれは暗号であり、そして武器の性能等々であるわけでありまして、それ以外はかなり限られてくるわけでありますが、そうしたものの指定についてはしっかりとチェックをしていきたいと、このように思うわけでございます。
#299
○仁比聡平君 いろいろおっしゃったんですけれども、今の総理の答弁を聞いて、国民の皆さんの不信というのは私、一層広がったと思いますよ。
 結局、総理がおっしゃっているのは、言わば秘密の隠し方のルールの話じゃないですか。問題は、どうやって隠すかというルールの問題じゃないんですよ。そんなことではなくて、そんなことを言ってもチェックもされないし、第一、国民にも国会にもその情報というのは出てこないでしょう。
 個々の秘密の情報をしっかり点検してチェックするということができるのかが問われて、いや、どうもこれはあなたがあなた自身の秘密をチェックするという仕組みであることが浮き彫りになってきたと思うんですけれども、情報保全諮問会議の一月に最初の会合があったときに総理はこう発言しておられます。しっかりとした外部のチェック体制を導入し、客観性と透明性を確保しなければなりませんと。これ、どこが外部のチェック体制なんですか。ちなみに、法附則九条には、独立した公正な立場における監査などと書いてありますが、独立というんだったら、秘密の指定権者から独立していなかったら何の意味もないじゃないですか。
 総理、こんなものが本当に外部のチェック体制だと、そういうふうにおっしゃるんですか。
#300
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までは、そもそも総理大臣である私も、一体、秘密、特別管理秘密がありますよ、特別管理秘密の中の何割が衛星写真で、どれぐらいが武器の秘密で、そしてどれぐらいが暗号か、そしてどれぐらいが外交機密であるものか、また防衛機密であるものかということは、これは把握がなかなか難しかったのは事実でありますし、今までの総理も恐らく御存じなかったんだろうと、このように思います。そして、今回こういう議論を行い、初めて、秘密の全体像、どのように我々がそれを特定秘密にしていくか、その必要性について御説明することができたんだろうと、このように思います。
 そして、運用状況について、しっかりとこれは国会に、年に一度、その表に書いていただいておりますように国会に報告することになっているわけでありまして、基本的に、国民の命を守る、安全を守るための秘密を保護するための法制としては国際的なスタンダードにのっとったものであろうと、国会との関係においては更にそれよりも厳しくなっているのではないかと、このように思うわけでありまして。
 先ほど総理の秘密とか言っていますが、私自身の秘密なんかは全くそれ、指定されるということは当然あり得ないわけでありまして、国民の安全を守るための秘密について、NSCについての秘密、これもそんなに膨大なものになるわけではありませんが、まさにこれは十分に国民の安全、そして我が国の安全に資するもの、そのために必要最小限のものを秘密にするという観点からしっかりと指定を行い、そして我々がこうした体制でチェックをしていくということであります。この仕事自体を根本から全く悪意によって運用されるというふうに考えられてしまえば、これはもうお答えのしようがないわけであります。
 いずれにいたしましても、まずは総理大臣も、次の、これは政権が替わっていくわけでありますから、次の総理大臣によってチェックされることは間違いないのだろうと、このように思うわけであります。
#301
○仁比聡平君 いや、やっぱり総理、隠し方のルールをしきりに話しているじゃないですか。国民に明らかにならなければ、あるいは本当に適正なチェックというのなら、そういうようなことでなければ意味ないんですよ。
 大体、内閣法制局の長官さえ意に沿う人物にすげ替えたのがあなたでしょう。冒頭伺った辺野古の隠された内陸部計画でさえ明らかにしようとしない。これまで核密約も沖縄返還密約も隠し続けて、アメリカで公表された文書そのものを目の前で示されて追及されても、ないとうそを繰り返してきたのが歴代自民党政権です。その上、政府に都合の悪い秘密は何でも国民に隠し続けようとする、それが特定秘密保護法の本質なのではないですか。
 こんな憲法の基本原理に反する骨格は、今度の閣議決定によっても何ら変わっていない。施行などは許されないし、断固として廃止をするほかありません。私はそのために全力を尽くして頑張り抜く、そのことを申し上げまして、この質問は終わりたいと思います。
#302
○委員長(岸宏一君) 以上で仁比聡平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#303
○委員長(岸宏一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
#304
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。安倍内閣の基本姿勢について質問をいたします。
 まず一点目が人権問題でございます。
 いわゆる在特会は、全国でヘイトデモ、ヘイトスピーチを展開をし、民事、刑事の事件に発展しており、日本の国際的な評価も失墜をさせています。山谷大臣も、在特会は右派系市民グループの一つであり、その一部の言動がヘイトスピーチだとお認めになっているところでございます。
 七月二十四日、国連自由権規約委員会は日本政府に対して、人種差別、憎悪や人種的優位を唱える宣伝活動やデモ、いわゆるヘイトスピーチ、ヘイトデモの禁止等を勧告をしております。
 総理、規制が必要だと考えますが、まず総理の御所見を伺います。
#305
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一部の国、民族を排除しようという言動があることは極めて残念であり、あってはならないことであろうと、このように思います。
 いわゆるヘイトスピーチと言われる言動の規制については、個々の事案の具体的状況を検討する必要があり一概に申し上げることは困難でありますが、各党における検討や国民的な議論の深まりを踏まえて考えてまいりたいと思います。
 いずれにせよ、今後とも、一人一人の人権が尊重される豊かで安心できる成熟した社会を実現するため、教育や啓発の充実に努めてまいりたいと思います。
#306
○吉田忠智君 実は、今日、予算委員会の理事会で自民党の理事の皆さんから同意をいただけませんで、パネル、配付資料について、今日テレビを御覧の国民の皆さんにも見ていただけませんし、資料も配付できませんでしたが、複数の逮捕歴を持つ在特会元関西支部長の男性と安倍総理との二〇〇九年八月のツーショット写真がネット上に出回っております、総理も御存じだと思いますが。写真にはこの男性により、総理がX君のことを覚えてくれましたとのキャプションが付いています。
 これは、名前をお話しすることはできませんけれども、総理は、この在特会元関西支部長のこと、よく御存じなのではありませんか。総理自身、選挙も含め、在特会などのヘイトグループと持ちつ持たれつであるために、ヘイトスピーチやヘイトデモの規制に少し及び腰なのではないかと私は思いますけれども、いかがですか。
#307
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の吉田議員の質問の仕方は極めて私は失礼だと思いますよ。私がその人物と親しいというのは、何の証拠をもって、その写真だけなんですか。その写真は私だけではないですよ。先般の衆議院の予算委員会で山谷議員を責めているときに、私もその人物と、どうやらネット上では、撮ったことがありますけれども、私は全く親しくない。この人はいろんな人たちと、私だけではないですよ、多くの人たちと写真撮っているじゃないですか。(発言する者あり)小川さんとは撮っていないかもしれませんが、小川さんとは余り、小川さんのことを認識できなかったのかもしれませんが。
 それは、写真を撮ったから親しい、写真を撮っているから深い関係にあるというのは大きな大間違いでありまして、私は多いときでそれは百名、二百名と写真撮ることというのはよくあることでありまして、一々覚えていないのは当然のことであります。相手がやあと言えばやあと言うわけでありまして、そういうような決め付けをして、この予算委員会の貴重な時間を使って相手のイメージを落とそうとするというのは、私は極めて愚かなことではないかと、このように思うわけでございます。
#308
○吉田忠智君 私は断定しているわけではなくて、写真に写って、親しいのではありませんかというふうに申し上げたんです。
 じゃ、総理、このヘイトデモ、それからヘイトスピーチ、しっかり腹をくくってやってくださいよ、規制を。超党派でも人種差別撤廃基本法を求める議員連盟ができて、具体的なもうほとんど法律まででき上がっています。自民党、公明党の中でもこのヘイトスピーチに関するプロジェクトチームができていると聞いております。
 是非、総理、法的措置まで私は必要だと思いますが、いかがですか。
#309
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、今、吉田委員に申し上げたのは、私が写真を撮ったから、このヘイトスピーチに対する態度が甘いという吉田さんの言わば決め付けに対して、厳しく反論をしたところであります。
 つまり、そういう見方をするというのは明らかに間違いであって、繰り返しになりますが、写真というのは頼まれたらしょっちゅう撮りますよ。駅や何かでたくさんの人たちに私は頼まれます。ですから、写真を撮るわけでありますし、その当該人物もいろんな人と撮っているわけであります。いろんな人と撮っているわけでありますから、私も親しくないと、このように申し上げておりますし、私がその人と親しいと思っている人は世の中にほとんどいないと思いますよ、その人以外にはね。ですから、それは全くそんなことはあり得ないわけでありまして、それがヘイトスピーチに対する立法に関連するかどうかということについては何の影響もないということは、改めてはっきりと断言をしておきたいと、こう思うわけであります。
 他方、今ヘイトスピーチに対する我々の対応ということにつきましては、言動の規制については、これは個々の事案の具体的な状況を検討する必要があり、一概に申し上げることは困難だというのは政府の立場として申し上げたとおりでありまして、現在各党において検討がなされているところであり、その検討の進み方を、進み具合をしっかりと注視していきたいと、こう思っているところであります。
#310
○吉田忠智君 しっかり総理、リーダーシップを取って、ヘイトスピーチ、ヘイトデモの規制、やってください。
 次に、政治と金について質問いたします。
 安倍内閣の新閣僚十二人中八名に、今日るる御議論がありましたけれども、疑惑が浮上しております。これも自民党の理事さんの反対でパネルにできませんでしたが、資料は手元にお配りをしています。安倍総理自身、二〇〇七年九月に安倍晋三相続税三億円脱税疑惑が報道されております。故安倍晋太郎氏が生前に指定政治団体に晋太郎氏の個人名義で寄附した六億円を超える政治資金を、全国六十六の政治団体ごと引き継ぎ、相続税三億円を脱税したという疑惑であります。
 指定政治団体制度は、九三年に政治改革の一環として脱税の温床になるとして廃止されました。安倍事務所は、収支報告には第三者からの寄附を故晋太郎氏名義で記載しているにすぎないと説明していたそうですが、それが事実であれば、偽名による政治資金収支報告書への虚偽記載ではありませんか。脱税額三億円について、確かに時効になっています。是非、時効の利益を放棄していただいて、自発的に納税してはいかがかと思いますが。
#311
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの質問は、私、見逃すことできませんよ。重大な名誉毀損ですよ。吉田さんは今その事実をどこで確かめたんですか。まさか週刊誌の記事だけではないでしょうね。週刊誌の記事だけですか。週刊誌の記事だけで私を誹謗中傷するというのは、議員として私は恥ずかしいと思いますよ、はっきりと申し上げて。この予算委員会の時間を使って、テレビを使って、恥ずかしくないんですか。自分で調べてくださいよ、それぐらいは。これは全くの捏造です。はっきりと申し上げておきます。当たり前じゃないですか。
 これは少し委員会で問題にしていただきたいと思いますよ。こんな、私がまるで犯罪者扱いじゃないですか、時効とか言って。これを今、吉田さんちゃんと答えてくれなければ私答弁できませんよ。(発言する者あり)
#312
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#313
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
#314
○吉田忠智君 断定的に申し上げたことは、その点は申し訳なく思いますけれども、分からないから聞いているんですから、答えてください、それ。
#315
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問の中で、時効になっているからとか、まるで私が犯罪を犯しているかのごとき、脱税を犯していると断定しているじゃないですか。それは余りにも失礼ですよ。これ断定しているんだったら、あなたは断定している証明をしなければいけない。質問というのはそういうものですよ。断定するんだったら、この週刊誌以外の証明をしなければならないんです。
 一回一回、週刊誌の記事に、では私はここで答えなければいけないんですか。これから吉田さんがいろんな週刊誌を読んで、その週刊誌を読んで、安倍さん、どうなんですかと、こう一々これからも聞いてくるんですか。私は週刊誌でいろんなことを書かれましたよ。どこかで隠し子がいるということも書かれた。そんなことも、じゃ、一々今後は吉田さん、聞くんですか。
 大体、失礼ですよ。そんなことにこの、私はもう、大事な大切な予算委員会を、時間を使う、国民の多くの皆様もうんざりしていると思いますよ、このやり取りにはね。結局、今、吉田さんの根拠というのは、政治と金とかいったって、結局、週刊誌の記事だけじゃありませんか。その週刊誌の記事に私は、ではこの大切な時間を一々使って答えなければいけないのかということ、この根本的な問題ですよ。
 そこで、私は先ほど来申し上げておりますように、全くこれは捏造であると、捏造であるということをはっきり申し上げているんですよ。もし事実であれば、当然、それは捜査当局や、あるいは税務当局が脱税かどうかというのをこれは捜査に入るのは当たり前じゃないですか、額が大きいんですから。大金ですよ、これは、億を超えていればね。それを私に、そういうふうに決め付けるというのは、それは余りにも私は、幾ら質問とはいえ、吉田さんにもそういうことは慎んでいただきたいと、このように強く思います。
#316
○吉田忠智君 いや、だから、私は、断定的に言ったことについてはおわびをしたじゃないですか。だから、分からないことを聞きたいと、国会議員の質問権ですから。(発言する者あり)
#317
○委員長(岸宏一君) そろそろ次の質問に移ったらどうですか。次の質問に移って。吉田忠智君。
#318
○吉田忠智君 それでは、次の質問に移ります。
 消費税の増税の問題であります。
 四月には五%から八%に上がりました。そして、来年一月には相続税の税率が上がります。国民に増税、負担増をお願いする立場であるわけでありますけれども、現下の経済状況、十月三十一日には日銀がまた追加金融緩和を行いました。
 そうした状況の中で、しかし一方で、私は、追加緩和というのは、確かに株がその後上がりましたけれども、今日ずっと議論がありましたように、急激な円安によって国民生活も直撃をしておりますし、中小企業の経営も大変厳しくなっています。とても私は来年十月に消費税を一〇%に上げる環境にない、そのように思っております。
 是非、消費税引上げ廃止法案を提出すべきだと私は思いますが、総理、いかがですか。
#319
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税につきましては、年金、医療、介護、こうした社会保障制度をしっかりと次世代に引き継いでいくために、あるいは子育て支援の拡充のために、我々は、野党ではありましたが、当時の民主党、そして公明党とともに消費税の引上げについて法案に賛成したところでございます。
 しかし、その消費税の引上げについては景気の状況等をよく見ていく必要があるわけでありまして、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動もあり、四、五、六月期の実質GDPは、成長率は前期比年率マイナス七・一%となったところであります。
 しかし、二〇一四年の一月から六月まで通していえばプラス一・三とはなったわけでございますが、今後、七月―九月の景気動向がどうなったか、成長率がどうなったかということをよく見定め、そして判断をしていきたいと、このように思うところでございますが、今の段階で消費税の引上げの法案を、廃止ですか、廃止をするということは考えていないところであります。
#320
○吉田忠智君 この消費税の関連法案そのものの立て付けが、何も立法措置をしなければ来年の十月には一〇%に上がるわけでありますから、消費税引上げを、一〇%行わないというのはかなりのエネルギーが要るのは私も分かります。
 しかし、現下の政治状況は、今日から何か有識者の聞き取りが行われる、この後あるんですか、今日から行われるようでありますけれども、しっかり、いずれにしても消費税の増税については反対であるということを申し上げたいと思います。
 次に、米軍普天間基地の移設について質問いたします。
 政府は九月に、普天間基地の運用停止時期について二〇一九年二月までと発表しました。ところが、十月の日米協議で米側はその停止時期を空想であると否定したと言われています。
 二〇一九年二月の運用停止について、四月二十四日には総理からオバマ大統領に対して説明したと言われていますが、その際、二〇一九年二月限りということ、そして運用停止、この二点について総理からオバマ大統領に具体的に要請されたのか、また大統領は了承をされたのか、明言をしていただきたいと思います。
#321
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む仲井眞知事からの要望につきましては、政府としてできることは全て行う、これが基本姿勢であります。
 そして、今御指摘の四月の日米首脳会談の際にも、本件要望につきまして、安倍総理から直接オバマ大統領に対して説明を行い、そして同大統領からも、沖縄の負担軽減に引き続き取り組みたい、こういった発言がありました。
 そして、これは政府全体として取り組んでおります。同じ四月に行われました日米防衛大臣会合、そして七月に行われました日米外相会合、さらには八月に行われました岸外務副大臣とワーク国防副長官の会談、こうした機会を捉えまして、累次、アメリカ側には我が国のこの問題に対する考え方、さらにはアメリカの協力要請、伝えてきております。そして、米側からも、負担軽減のコミットメント、これは示され続けております。
 こうした沖縄の負担軽減、これ引き続きましてしっかりと米国に伝えていきますし、そして米軍再編計画につきましても、この合意に基づいてしっかりと進めていきたいと考えております。
#322
○吉田忠智君 いや、ですから、総理がオバマ大統領に会われたときに、二〇一九年の二月の運用停止についてはっきり言われたのか。だから、そのことを聞いているんです。
#323
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年四月の日米首脳会談において、私から直接オバマ大統領に対して、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む仲井眞知事からの御要望を説明いたしました、直接ですね。これは外務大臣もそこにはいた場所でございますが、沖縄負担の軽減について更なる協力を要請したところであります。これに対して、オバマ大統領からは、沖縄の負担軽減に引き続き取り組みたいとの発言があったわけであります。
 負担軽減につきましては最優先で取り組むべき課題であると認識をしておりますし、仲井眞知事からの要請についてもしっかりと応えていきたいと、こう考えているところでございますが、政府としてできることは全て行うというのが安倍政権の基本姿勢でありまして、仲井眞知事からの御要請というのは県民皆様からの御要請であると、このように思うところであります。もちろん、相手があることでありますが、我々も全力を尽くしていきたいと、このように思っております。
#324
○吉田忠智君 国防総省の高官は、当局者は、公式に、一三年に日米が合意した二二年度以降の返還が唯一の方策である、一九年二月の運用停止に米政府は同意していない、日本側から正式要請はないと、このように言っているわけですよね。
#325
○国務大臣(岸田文雄君) 米側の一部関係者の発言一つ一つについてコメントすることは控えなければなりませんが、首脳会談あるいは外相会談あるいは防衛大臣会談、こうした責任者同士の会談において、先ほど総理から答弁させていただきましたように、はっきりと我が国の考え方、そして仲井眞知事の要請、伝えさせていただいております。こうしたことに対して、米側からもコミットメントが示されております。こうしたやり取りは大変重たいものだと考えております。
#326
○吉田忠智君 いずれにしても、二〇一九年二月というのはアメリカ側から全く言われていないわけですよ。負担軽減に努めるということ、漠然とした、アメリカ側からの回答がないわけですね。
 だから、しっかりそういうところをもっと沖縄の皆さんの気持ちを踏まえて交渉していただかなきゃ、やっぱり真の負担軽減になりませんよ。特に辺野古の新基地建設は、総理も午前中に、そのまま普天間は辺野古に持っていくわけではない。そうですよ。二百五十メーター以上の船が陸付けできる基地になるわけですから。
 以上、終わります。
#327
○委員長(岸宏一君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#328
○委員長(岸宏一君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
#329
○平野達男君 ラストバッターになりました平野でございます。
 今日は財政の問題、特に国債ということに主に視点を当てて何点か総理に見解をお伺いしたいというふうに思います。以下の話は麻生大臣とは何回も財政金融委員会で議論させていただきましたので、同じ質問になるかと思いますが、しばらくの間お付き合いを願いたいというふうに思います。
 まず総理に、今の日本の財政という状況をどのように認識されておるか、簡単で結構ですからお願いをいたしたいと思います。
#330
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の財政状況についての御質問でございますが、GDPの二倍程度という巨額の公的債務が累積をしています。こうした将来への負担の先送りが続く状況を改善していかなければならないと、こう考えています。
 こうした中で、安倍内閣としては、経済再生と財政健全化の両立を図り、国、地方の基礎的財政収支に関する財政健全化目標の達成を目指しているところであります。来年度は半減目標の達成時期に当たるわけでございますが、この達成に向けて、デフレからの脱却、経済再生を確実なものとしつつ、社会保障支出も含め、聖域なく歳出抑制にしっかりと取り組んでいくなど、歳出歳入両面での取組を進めていく考えであります。
 その上で、これはなかなか高い目標ではありますが、二〇二〇年の黒字化、PBのGDP比についての黒字化目標に向けて、二〇一五年度予算編成等を踏まえ、具体的な道筋を早期に明らかにできるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
#331
○平野達男君 財政ですから、いろんな視点があるかと思いますが、冒頭申し上げましたように、以下は国債の話中心で話をさせていただきたいと思います。
 今、一般国債の発行残高が二十六年度末で七百八十兆円というふうに理解しております。国債の償還費は、皆さん御承知のように、償還費と利払い費のセットで成り立つわけでありますが、この利払い費が今非常に金利が低いものですから低い状態にある。これが仮に一%上がりますと、七百八十兆でありますから七・八兆利払い費が増えることになります。実際には、これ、国債の平均残存期間というのは七年七か月ですから、毎年大体一兆ずつということになるかと思います。
 あわせて、新発債が四十兆ですから、実際にはこの四十兆分についても新たな利率の部分が加わるということで、何だかんだいきますと、仮に今の新規国債四十兆というもので発行し続けるという前提で考えますと、一%上がりますと八年後か七年後には約十兆ぐらいの利払い費が増えるという。これは、消費税が一%、二・八兆ですから、とんでもない利払い費になってしまいます。
 繰り返しになりますけれども、今の日本の国債の金利水準というのは世界でも異常なぐらい低いです。いつどういう状況になって上がっても不思議はない。ましてや、今のこの状況の中では、日銀が大量に国債を買い続けていますから、私は事実上のキーピングオペレーションだと思っていますが、日銀さんは絶対それ認めませんが、かなり低く抑えられている。いずれこれもどこかでやめなくちゃならないという状況の中で、この利払い費、金利リスクというのは大変だと思うんです。
 この問題について総理はどのように思われますか。
#332
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう言うまでもなく、今日で〇・四四ぐらいだと思いますんで、十年物国債の金利ね、四四で。間違いなく史上最低だと思っておりますし、世界でも今最低になったと。プラス金利なんてやっているところもありまして、そういう極端なところを除けば、やっぱり……(発言する者あり)マイナス金利、失礼、やっているところもありますんで、ちょっと異常なぐらい低いというのは、もう平野先生御指摘のとおりであります。
 一%上がるとという御指摘も間違いなく、今の七百八十兆ひっ掛けてそのまま単純計算すればすぐ出ますんで、そういったものを考えますと、これは金利が上がるということは確かに、常識的に考えれば国債が発行されれば発行される分だけ金利は上がらなくちゃおかしいんですけれども、そうじゃない現象が、我々が学校で習ったことのない現象が今世界で起きているということなんだと、私どもそう認識しておりますんで、これは、いわゆるそういったことになったときの備えというものに心しておかないと、ずっとこのまま〇・四四で行くさなんて思っていたら、それは間違いなくえらいことになりますんで、一日も早くそういう状況じゃないような状況にするべく財政再建というものを考えて、いろいろ、経済の成長と財政再建と両建てでやっていかねばならぬと思ってこの二年間やらせてきていただいております。
#333
○平野達男君 私は、間違いなく今の財政の問題については、破綻するとかなんとかいろんな御意見もありますけれども、そういう問題以前に、やっぱりこれは金利リスクだと思います。この金利が上がったことによって財政が組めなくなるかもしれないという。発散をするということを私何回か言わせていただいておりますけれども、利払い費が消費税の数%を食うような財政の状況というのは、これは事実上の、事実上というか、発散の状況に近いんじゃないかというふうに思っています。
 そして、今、麻生大臣が御指摘ありましたけれども、金利が低いには低いなりの理由があったと思います。現下の足下の問題からすれば、一番の理由は日銀がこれだけの国債を買っているということでありますから、金利は非常に低い。この様々な負の側面もあるかと思いますが、いずれ金利リスクは、今日、GPIFさんの話も出ましたけど、ここはもう一番金利リスクが、もう意識していますから、早い段階でもう今ポートフォリオ変えて、国債から株の方に変えようというのは、金利のこれだけ下がったときの後の要するにリスクをもう自分たちで意識しているから、多分そういうことなんだろうと思います。これぐらい早い、意識する人はこの金利に対してもう準備をしているということですね。
 日本の財政については、繰り返しになりますけれども、七百八十兆という、そういう金利がぽっと上がっただけで金利負担が大きく増えてしまうという、マグマがどんどんどんどん広がっているような、地下でですね、そういう感じではないかというふうに思っています。
 そして、この金利の状況について、私は二つのことをやっぱり考えていかなくちゃならないと思います。一つは経常収支ですね。それからもう一つは、人口減少ということになると思います。
 一つ目の経常収支なんですが、お手元にペーパーを用意させていただきましたけれども、経常収支、我が国はコンスタントに大きな黒字を続けてまいりました。最近は、貿易収支が赤字になりまして、所得収支、日本はもう世界最大の純債権国ですから、これの投資した分が返ってくるということで、所得収支で何とか黒字を出しているという構図なんですが、はっきりしているのは、今までのような黒字の状況にはならない。
 経常収支と、じゃ国債、何関係あるかというと、経常収支が黒字、右側に、今度は部門別資金過不足の推移ということで、いわゆる貯蓄・投資バランス、ISバランスというやつですね、これを右側に書いておりますけれども、こういう経常収支が黒字の状態の中には、国内の中には資金余りという状態ということでありますから、家計の貯蓄も非常にあった、家計の貯蓄が非常にあって、それで国債にお金が回ってきたということで、あれだけ赤字国債、あるいは国債を発行しても何とかここまで回ってきたということだと思います。
 ところが、こういう状況の中で、経常収支がこういう中で、今こういうふうに言いましたけれども、黒字、場合によったら赤字に転落するかもしれない。もし、もしですよ、仮に赤字に転落すれば、かつてアメリカは双子の赤字、大変だ大変だと言っていましたけれども、日本はそれどころじゃない。物すごい大変な財政赤字と経常収支の赤字を抱えなくちゃならないという状況になるかもしれないということであります。
 そういう中で、経常収支の赤字自体は、もうこれは総理、麻生大臣も御承知のように、何も怖がる必要のない部分ではあります。部分ではあるんですが、ある意味では経常収支が赤字になるということは外国からお金が入ってくるということですから、日本の景気がいいということにも読める。
 だから、ここはどういうふうに読むかという話になりますが、ただ、大事なことは、国債に回るお金がやっぱり不足してくるのではないかという、国債に回る金が不足するということは金利が上がるということですね、そういう状況が一つあるということです。
 それから二つ目は、やっぱり何といっても、ペーパーを用意していませんでしたけれども、人口減少です。この人口減少の話は、私も予算委員会で何回も何回も取り上げて、前にも申し上げましたけれども、人口減少問題を真っ正面に取り上げられるようになったというのは大変いいことだと思います。大変厳しい面もありますが、これはファクトとして、事実としてしっかり捉まえて、これからのいろんな社会政策、それから財政問題も含めてやっぱり取り組んでいかなくちゃならない課題なんだろうと思います。
 そこで、総理に、この人口減少と経済成長ということについてどのような御認識をお持ちなのかということについてお聞きをしたいと思います。
#334
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの累積債務でありますが、この累積債務は絶対額をもちろん見ていく必要があるんですが、正しく見ていく上においてはGDP比で見ていく必要があるんだろうと思います。言わばGDPが大きくなっていけば、絶対額がたとえ大きくても、それは比率として何%かということで見ていく必要があるだろうと。
 ですから、基本的には成長と長期金利だと思いますが、この成長と長期金利の関係でどっちが上回るかという議論も随分あったわけでございますが、成長していく中においてある程度の金利が上昇していくということは、これがまあやむを得ない、やむを得ないというか、これはまあ普通の、通常の経済なんだろうと、このように思うわけでありまして、成長しないのに金利がどんどん上がっていくということにはならないようにしなければならないという意味において国の信認をしっかりと守っていかなければならないと、このように思います。
 そこで、人口と成長との関係でございますが、人口が減少していくというのは、基本的にこれは成長においては間違いなくマイナスになっていくわけでございます。そこで、一人一人の生産性を上げていくことによってこの成長力を何とか維持をしていく必要があるんだろうと思います。同時に、人口が減少する中において成長を維持する上においては、新たなこれは成長力、それは日本では女性の力が十分に活用されていなかったのは事実であります。この女性の力が顕在化していくこと、あるいはまた、もう私も六十でありますが、六十五、七十となってもまだまだ現役で若々しく仕事ができる人たちがたくさんいるわけでありますから、こうした力を生かしていくことによって日本は成長していくことが可能になっていく、そのためにもしっかりとイノベーションに力を入れていくということ、そして、言わば前提条件がもう変わってしまってきているわけでありますから、構造改革にもしっかりと力を入れていく必要があるだろうと。
 いずれにいたしましても、高齢化が進んでいく上においては、成長していかなければ毎年増えていく社会保障費を支えていくことはできないわけでありますから、しっかりと成長していくための政策、成長戦略を進めていきたいと、このように思っているところであります。
#335
○平野達男君 成長していかなければならない、その方向はそのとおりだと思います。
 しかし同時に、これからの政策を考える場合に、様々なやっぱりリスクも考えておかにゃいかぬだろうというふうに思います。特に、この人口減少の中で経済成長に与える影響というのは例えばどんなものがあるんだろうか。私はもう何回も何回もこの問題を取り上げてきたんですが、やっぱり消費が気になるわけです。
 名目成長率が三%で伸びていって人口が減るということは、一人当たりの消費がどんどん増えないと駄目です。一人当たりの消費がどんどん増えるということは、給料もそれだけ上がっていかなくちゃならないということです。そんな状況が簡単に出てくるんだろうかということなんです。個人個人がこれからどういう生活をするのかということは、これはかなり難しい問題でありますから、一概にああだこうだと言うつもりはございませんが、いずれにせよ、一人当たりの消費が、やっぱり名目成長率も伸びていくというような状況というのはなかなかちょっと想像し難い。
 繰り返しますけれども、名目成長率よりも個人の消費が伸びていかないと名目成長率達成できませんからね、人口減るんですから。そういうリスクもあるんだという状況の中で、日本はひょっとしたら低成長になってしまうかもしれない。この間、新聞でちょっと見たときに、経済財政諮問会議の有識者がマイナス成長ということを議論し始めたということで、ああ、やっとそういう議論も出てきたのかと。
 これが正しいかどうかはまず別として、しかし、リスク管理の状況の問題としてこのことを考えた場合に、十年後、二十年後、日本の経済はどうするんですか、どうするかということを考えたときに、伸びますよというのはいいですよ、伸びる状態のときにという前提で考えるというのは、これは正攻法だと思います。だけれども、人口減少社会というのは、日本が今までのどの歴史の中でも経験したことのない世界です。何が起こるか分からないということもあります。そういう状況の中で、この全体の社会がどうなるか、財政運営をどうしていくかということについては、そのリスクのことも頭に入れながら考えなくちゃならない。
 だから、今の私の言いたいことは、ひょっとしたらそういう将来のリスクもあるという状況の中で、これからの財政再建、先ほど麻生大臣も言われましたけれども、財政再建をどうするかという問題にやっぱりまた戻ってくるわけでありますけれども。今日、消費税ということについて何人かの委員からも議論がありまして、凍結法案という法案も出されるということでありますが、是非その法案はじっくり見ていただいて、しかし、私の言いたいのは、消費税は予定どおり一〇%、十二月で決断していただくのが今一番大事じゃないかというふうに思います。
 それはなぜかといいますと、何点かありますが、まず、今、日銀がこれだけの緩和をしている。とんでもないやっぱり緩和だと思うんですけど、この緩和をするというのは、ある意味においては景気浮揚対策ですから、これ以上の措置は金融的に見ればまずあり得ないと思います。
 それから二つ目は、日本の財政は、今様々な見方があると思いますけれども、九十六兆、大変な量ですよ。また補正をつくるんであれば、これでまた歳出をすることによって、それで景気刺激にもなるという状況の中で、これで例えば様々な指標を見ると、経済の指標はいっぱいありますから、失業率とかなんとか、株価の問題だとか、個々の問題できちっきちっと議論するというのは大事なんですけれども、マクロ的に見た場合に、この状況の中で日本の財政運営をどうすべきかという判断は、これは是非やっていただきたいというふうに思います。
 ちょっとしゃべるのに疲れてしまいまして、私だけ一方的にしゃべってしまいましたけれども、総理、御決意を、もしあればちょっとお伺いしたいと思います。
#336
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員の御議論に盛んに隣で財務大臣がうなずいていたところでございますが、言わば税収を増やしていく上においても名目GDPを伸ばしていく必要も同時にあるわけでありますし、デフレからしっかりと脱却していくことも大切であります。先ほど、金利の話もあるわけでありますが、金利が幾ら低くても、デフレ下においては実質の金利はむしろ上がっていくことになってしまうわけでありまして、それが企業の活動を弱めていくことにもつながっていくわけでありますから、しっかりとデフレから完全に脱却をしていくことが市場機能を健全に機能させることにつながっていくんだろうと思います。
 つまり、我々に課せられた使命は、まずはデフレ脱却、そして経済成長ということではないかと、このように思います。その上において、当然、財政の健全化もこれは目指していかなければならないと。この二つを同時に達成していくことが大切ではないか。
 繰り返しになりますが、経済が腰折れをしてしまえば元も子もなくなってしまうわけでありますし、デフレ下に戻ってしまっては元も子もなくなっていくんだろうと、このように思うわけでありまして、しっかりと我々は指標を眺めながら判断をしていきたいと、このように思いますし、中長期的には先生のおっしゃったような、指摘されたようなリスクも留意をしながら政策を立案していくことが求められていくだろうと。ただ、成長していこうという気概を失ってしまっては国の未来はないのではないかと、このように思うところでございます。
#337
○平野達男君 成長については私も全く異論ありません。ただ、リスクとして、先ほど申し上げたとおりです。
 そしてもう一つは、国の行政というのはサービスの提供ですから、サービスの提供を受ける以上はやっぱり負担もあるんだという当たり前の話が本当にないがしろにされてきたんじゃないかというふうに思います。
 今日も私の地元から何人かの方が来られて、やっぱり消費税上げてもらいたくないという話ばっかしでした。ばっかしでしたというか、というのが多かったです。多くて、消費税を上げるということになっちゃうといろんな説明をしなくちゃならないというつらさはありますが、やっぱり負担していただくものは負担するというそのメッセージもやっぱり大事じゃないかと思いますし、いずれ総理が十二月決断するときには官邸で何らかのメッセージ発すると思いますけれども、成長ということも大事ですけれども、やはり財政というものはどういうものだということについて、多少耳が痛くても、こういうことで負担をお願いしなくちゃならないという強いメッセージを出してくださることを御期待申し上げまして、余り増税論者というレッテルを貼られるのも嫌なんですけれども、これは民主党政権の私は、私、民主党を離れてしまいましたけれども、最大の成果だと思っています、税と社会保障の一体改革。社会保障の問題についての議論が余り十分進んでおりませんが、今この状況の中でこれを進めると、そして財政再建と成長と負担と全部両立させなくちゃならないんですよという、そういうメッセージを出していただければ有り難いというふうに思います。
 時間になりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
#338
○委員長(岸宏一君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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