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2014/05/21 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 国の統治機構に関する調査会 第5号
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2014/05/21 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 国の統治機構に関する調査会 第5号

#1
第186回国会 国の統治機構に関する調査会 第5号
平成二十六年五月二十一日(水曜日)
   午後三時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     中泉 松司君     高階恵美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         武見 敬三君
    理 事
                岡田 直樹君
                片山さつき君
                宮沢 洋一君
                風間 直樹君
                谷合 正明君
                儀間 光男君
                井上 義行君
                倉林 明子君
    委 員
                有村 治子君
                井原  巧君
                古賀友一郎君
                酒井 庸行君
                高階恵美子君
                柘植 芳文君
                堀井  巌君
                江田 五月君
                尾立 源幸君
                徳永 エリ君
                森本 真治君
                吉川 沙織君
                杉  久武君
                江口 克彦君
                浜田 和幸君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        宮崎 清隆君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国の統治機構等に関する調査
 (「時代の変化に対応した国の統治機構の在り
 方」のうち、議院内閣制における内閣の在り方
 )
    ─────────────
#2
○会長(武見敬三君) ただいまから国の統治機構に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、中泉松司君が委員を辞任され、その補欠として高階恵美子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(武見敬三君) 国の統治機構等に関する調査を議題といたします。
 本日は、これまでの調査を踏まえ、中間報告書を取りまとめるに当たり、「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」のうち、「議院内閣制における内閣の在り方」について委員間の意見交換を行います。
 議事の進め方でございますが、まず各会派からそれぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員間で意見交換を行っていただきたいと存じます。
 意見のある方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言をいただくようお願いをいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、意見を表明される方は順次御発言願います。
#4
○岡田直樹君 ありがとうございます。
 本調査会は、「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」を三年間のテーマとして掲げ、一年目におきましては、「議院内閣制における内閣の在り方」について広範な調査を行ってまいりました。各参考人の皆様方から貴重な御意見をお聞きすることができまして、大変有意義な調査を行うことができたと存じます。御協力をいただいた参考人の方々や、また調査会の委員各位にも感謝を申し上げたいと思います。
 会派の意見表明ということでありますけれども、私どもの会派の特性上、なかなかまとまった会派の意見というものは形成しにくいわけでございますけれども、ここでは、自民会派の筆頭理事である私、岡田直樹の責任において、意見を若干申し述べたいと思います。
 まず、内閣の在り方についてでありますが、平成十三年における中央省庁再編の主な目標は内閣機能の強化でありました。改革の結果を生かして、首相が強いリーダーシップを発揮し、政治主導の国政を展開する内閣も現れるなど、一定の成果が上げられたものと考えられます。その一方で、十年余り経過した現在において、内閣府の肥大化ということが強く指摘をされまして、組織を整理する必要性が生じておると考えるところでございます。
 この点に関しては、元内閣官房副長官の石原参考人から、問題解決に向けて各省庁の力を結集する意味で内閣府に省庁横断的な組織を設けることが必要であると、しかし、こうした組織については一定の期間が過ぎれば消滅をさせることも必要であるという意見が述べられ、大変興味深くお聞きをしたところでございます。
 内閣による行政の指揮監督、これについても様々な御意見があろうかと思いますが、私は、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督し、その総合調整を行うことが重要であると考えます。閣議に必ずしも縛られずに決定をできる仕組みというものについても一考してみる必要があるのではないかと考えております。自由民主党がまとめました憲法改正案では、その旨を条文で明記したところでございます。
 行政の指揮監督は内閣総理大臣に属するということでありますが、この点に関して、駿河台大学教授の成田参考人から、首相に対して、内閣の首長として国の基本方針を定める権限を与えるべきであるとの指摘がなされました。このことは傾聴に値するところであると思います。
 各省大臣の分担管理原則につきましては、各大臣が所管する行政事務について責任が明確となり、取り組む意識も高まるというメリットがある反面、各省間で意見の対立を招くという側面もございます。各大臣が意思決定を行い、内閣で調整がなされるわけでありますが、内閣官房が強化をされ、特に緊急で戦略的な対応が求められる課題については、官邸の強力なリーダーシップの下で統一した意思決定が行われることが重要であります。
 この点に関して東京大学教授の牧原参考人から、縦割り行政にならないように、各省庁が互いに理解をし合いながら機動的に合意できる仕組みをつくっていくことが必要であるという指摘がなされました。
 国家公務員制度について、国家公務員制度改革基本法を踏まえ、国家のために働く人材をいかに活用していくかが重要となってまいります。政権におもねる官僚ばかりが出世することがないように政官の関係を考えることも必要であります。
 内閣が交代した場合において大幅に人事が替わるということがないよう、これも配慮をしなければならない。これは、私は、アメリカ等と違って日本のこの官僚組織においてはそうした激変というものは避けていかなければならないのではないかというふうに思っておりますし、国家の行政機能をうまく機能させるということが何よりも大事であろうと思っています。
 石原参考人、度々引用させていただきますが、内閣の交代に伴う人事において、内閣が各省庁の幹部の資質をどの程度把握できるか、また幹部が前政権に協力したがゆえの更迭など、そういう懸念が示されました。内閣人事局が幹部職員を審査するに当たっては、それぞれの出身省庁の意見を踏まえることが必要であるという指摘もなされました。
 こうした点について、特に前の政権に協力をして頑張ったがゆえに次の政権では冷遇をされると、こういう不安定なことがあってはならない。しかし、やはり官僚、お役人というものはそういう信念に基づいてまた正しいことを遂行すると、その点については政権がどうあろうと曲がったことはやってはならないということは言うまでもないことであると思います。
 内閣人事局の設置によって国家公務員の幹部職員が一元管理されることになりますけれども、縦割り行政の弊害を是正する方向で運用が行われることが望まれてまいります。また、公正な能力評価が行われて適正な人事が行われることによりそれぞれの職員の能力が発揮されれば、官僚組織の活性化につながっていくことも期待できると考えております。
 内閣人事局が中心となって行う幹部人事が適切に機能していく留意点について石原参考人から、各省庁の幹部人事に対する内閣の関与の度合いが強まることは賛成であるけれども、どの内閣においても官僚が国政に全力で取り組むことができる環境づくりが必要である、内閣と官僚組織との信頼関係が継続される人事管理を行ってほしいという意見が述べられました。
 縦割り行政の弊害については、内閣官房への出向などにより、官僚に対し国家全体を見る意識を最初に植え付けることによって解消していくことが必要であります。このことは、結果として官邸の総合調整機能や統率力の強化につながると考えております。政官関係においては官僚主導による政治を国会議員が変えていくことが求められていて、明治大学教授の高橋参考人からは、官僚が選択肢を提示して政治が選ぶという運用を進めていかなければならないという意見が述べられました。私もこれに賛同するところであります。
 続いて、参議院の在り方について簡潔に述べたいと思います。
 二院制の我が国において参議院の果たすべき役割は、六年の安定した任期の中で大所高所からチェック機能を果たしていくことでございます。行政監視もその一つと考えます。衆議院は行政監視を決算と同じ委員会で行っておりますが、参議院は別々の委員会で行うなど、決算、行政監視は重要な使命としております。元参議院行政監視委員長の山下参考人からは、ねじれ状態が続く国会において三十数か所に及ぶ委員長視察を行った経験を踏まえ、各委員会が視察を行い、現場を見ることの重要性が述べられました。
 我が国の国政選挙について申し上げます。
 諸外国と比較して頻繁に行われる傾向があり、国政の不安定要素となっておると考えます。特に、衆議院の解散時期が予測できない、その中で、内閣の本来の役割を果たす上で支障となっておりますが、また、参議院において近年のねじれ国会の中で、内閣不信任に近い効果を持つ問責決議の応酬が行われてまいりました。与野党互いに苦い経験をしたものと思っております。したがって、その運用を抑制していく必要もあると考えております。
 成蹊大学教授の高安参考人から、ねじれ国会に当たっても合意を目指して調整が行われることが必要であり、問責決議のような強硬な対応では本来期待されている両院間の調整が機能しない、問責決議を行う場合があるとしても、政策に関連させて提出することは望ましいことではなく、法案の議決により意思表明すべきであるという指摘がなされております。
 現在、もうまとめますが、我が国の議会は両院で多数派が過半数を占め、ねじれ状態から解消されておりますけれども、しかし今後、常に国会が正常に機能していくとは限りません。また、政権交代が起こる可能性もあります。ねじれが起こる可能性もあります。どのような政治状況であっても国会が正常に機能するために、参議院のためにこの在り方というものを今後とも考えてまいりたいと、このように考えております。
 ありがとうございました。
#5
○風間直樹君 民主党の風間直樹です。
 会派の皆さんの御意見は集約はしておりませんが、理事という立場で代表して意見を述べさせていただくことをお許しいただきたいと思います。
 この調査会、統治機構に関する調査会は、今期、「議院内閣制における内閣の在り方」をテーマに議論を進めてまいりました。私は、この調査会が設置された最大の目的の一つは、内閣機能の強化をいかに図るかという点にあると思います。これは言い換えれば、内閣総理大臣の現在は弱い機能をいかに強化を図るかということだろうと私は考えています。
 では、なぜ総理の機能が弱いかを考えてみると、これは明らかに我が国の法制上に理由があると思います。具体的には、この調査会でも指摘をいたしましたが、憲法の七十二条、ここに定められた総理の権能、それから内閣法、そして内閣府設置法、この三つの法令が、我が国の総理の権能を閣議という仕組みによって大きく制約する根拠になっていると思います。問題は、総理の指揮監督権限が閣議に拘束されてしまうということが果たしていいのか、それとも良くないのかと、こういうことだろうと私は考えています。
 例えば、現在、集団的自衛権の解釈変更の問題がテーマになっていますが、安倍総理は繰り返し、安保法制懇の報告書を基に閣議決定をして、その上で国会に関連法制を整備してもらうと、こういう方針を表明されています。そのことの是非はここでは置きますが、総理の一存で政府の政策を決定できない、閣議にかけて関係閣僚の合意を得た上で政府方針がそこで決まるというのが我が国の現在の仕組みであります。
 ところが、これは、過去数年間我々が経験しましたように、衆議院と参議院がねじれを起こしたときには大きな問題を引き起こします。国政上の総理が持っている権能がほとんど発揮されなくなるという事態を引き起こすわけであります。このことこそ、憲法及び内閣法上の、あるいは内閣府設置法上の大きな問題だろうと思います。
 歴史を遡ってみますと、各省それぞれの事務は分担管理をするというのが我が国明治憲法以来の伝統だろうと思います。恐らく他の国と違って、政党から起源を起こした我が国の政治ではなく、どちらかというと官僚制から発祥した我が国の政府の中では、各省の分担管理事務に抵触をする総理の指揮監督権というのはできるだけ封じたいという官僚機構の思いが伝統的に働いてきたのではないかなというふうに私は感じています。明治憲法下ではそれでもよかったかもしれませんが、日本国憲法下で、明治憲法とは全くやり方が変わったのに明治憲法と同じように内閣の意思決定というものが行われている部分がある、これが問題ではないかと思っています。
 具体的に触れますが、まず内閣法の六条、この内閣法の六条で総理の権限を閣議によって縛っています。具体的には、「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」と、このように書かれています。
 この調査会の初回の参考人質疑の中で、成田参考人よりこの部分に関する指摘がありました。大変興味深いエピソードでありましたが、敗戦直後、当時GHQが日本国憲法の原案を作成し、恐らく国会審議にかける前か、あるいはかけている最中か分かりませんが、それに見合った内閣法の改正案を担当省庁の幹部がGHQに持参をしたところ、GHQの幹部をして、この内閣法の六条の部分は我々が憲法七十二条で意図したものではないと、こういう指摘があったという話が成田参考人からあったところであります。
 この内閣法六条は閣議決定の意味を非常に大きいものにしているわけですが、この条文を削ってしまうことで総理の指揮監督権は強くなることは間違いないんだろうと思います。では、なぜ六条では内閣を代表してと書いていないのか、つまり憲法に規定がない閣議にかけてなのか。これは、ある意味非常に曖昧であり、ごまかしと言ってもいいのかもしれないと思っています。この内閣法の六条の条文を改正し、この閣議と総理の意思決定の関係を整理すること、それが我々この統治機構調査会で議論すべき一つのテーマではないかと思っています。
 一方で、内閣府の設置法でありますが、これは御案内のように、平成十一年の中央省庁等改革により内閣府ができましたときに置かれた法令であります。この法令の目的は、総理のリーダーシップを強化することであります。だからこそ内閣府ができました。しかし、不思議なことに、内閣総理大臣は条文中ほとんど、この法令上出てきません。内閣府は内閣の仕事を助ける、そのためにこの法令上なっています。
 つまり、内閣総理大臣の仕事を内閣府が助けると、こういう位置付けにはなっておりません。そのことが、この内閣府設置法を通して、肝腎の内閣総理大臣のリーダーシップ、指揮監督権限の発揮を全く内閣府という役所がサポートしていないと、こういう実態につながっているのではないかと思います。
 では、内閣府は誰が仕切り、誰が差配しているのか。条文を子細に読んでいきますと、それは内閣官房長官にほかならないということが分かると思います。この内閣府設置法の関係条文を見直して、内閣府が内閣総理大臣の指揮監督をサポートする、そのようにすることが必要ではないかと思います。
 過去、小泉純一郎総理のように非常に強いリーダーシップを持って、同時に衆参の両院の選挙で勝った総理が出たときには、我が国の総理大臣制というのは非常にうまく機能し、総理御自身も強いリーダーシップを発揮することが可能になります。
 ただ、一方で、ねじれを生じ、総理大臣その人にも強力なリーダーシップがなかった場合、総理大臣の機能の発揮は十分ままならないということになると思います。弱い総理が出てきたときに、あるいは両院がねじれたときに、内閣総理大臣の機能の発揮が妨げられないような法制の整備をすることが必要だというのが私の問題意識であります。
 さて、以上申しました内閣総理大臣の機能の強化を実現した場合、いま一つの問題が生じます。それは、この内閣総理大臣の権能及び行政府をチェックする衆参両院の機能をいかに強化するかという課題です。
 以下、私案を申し上げたいと思います。
 まず一点目、衆議院、参議院、それぞれの権能をやはり今以上に明確に分けるべきだろうと思います。現在は、先生方御案内のように、衆議院、参議院の議決が違った場合、再び衆議院の三分の二以上の議決でそれが議決となると、国会としての議決となる、こういう仕組みでありますが、この三分の二条項を見直すということも一つでしょうし、また、私は、むしろ参議院の法案審議上の権限を衆議院に比べて今よりも弱くした上で、衆参の機能を分化することも一つではないかと思っています。
 具体的には、衆議院はお金の面から様々な国の状況をチェックする、参議院は人事と制度の面から同じくチェックする。そのために、衆議院に現在の会計検査院を設置し、同時に参議院に現在の人事院と総務省にある行政評価局を移設して人事行政監視院を設置する。そのことによって、中長期的に繰り返し様々な行政機構をチェックをし、両院の権能を図っていくと、このことを一つ提案させていただきたいと思います。
 時間が参りましたので、ここで終わります。
#6
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、国の統治機構に関する調査会の一年のまとめということで、公明党を代表して意見を述べさせていただきます。
 この調査会は、昨年の通常選挙後の八月に設置されました。三年間を通じては、「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」をテーマとして、そして一年目は、「議院内閣制における内閣の在り方」について参考人質疑の形で調査を行ってまいりましたが、そのことを踏まえまして何点か指摘したいと思います。
 まず、内閣機能強化の重要性についてです。
 既に発生から三年以上が経過しておりますが、原発事故を含む東日本大震災、あのような大規模災害が発生した場合には、当然、速やかな対応が求められることとなります。
 しかし、特に東日本大震災の際には内閣は十分に機能しておらず、統治機構が機能不全に陥っていたとの厳しい批判もあり、改革の必要性を痛感しています。非常時において国民の生命、財産を守るために適切な対応をすることは、国家的危機管理の面からも大変重要な課題となってまいります。その意味におきましても、内閣機能強化の観点から統治機構を構築し、その在り方を検討する必要があると考えております。
 内閣の機能強化の問題については、あわせて、その補佐機能となる内閣官房や内閣府についての再検討が必要ではないでしょうか。
 御承知のとおり、中央省庁等改革では、国民の声を行政に生かすため、首相補佐機能を強化して政治主導の行政運営を目指すこととされました。内閣官房の機能充実や内閣府の新設で首相の補佐機能を充実させると同時に、いわゆる縦割り行政の弊害を除くことを目指し、複数府省が関連する場合に総合調整の役割を担うことも期待されています。
 しかし、内閣府も肥大しており、府省間の調整機能も十分発揮されておらず、例えば議員立法を立案する場合に、府省連携が不十分なためにこれに対する府省の担当が明確にならないなど、より連携が求められるような場面も見受けられるようです。
 したがいまして、改革から既に十五年近く経過した現在、そもそも総理のリーダーシップを発揮するという目的が達成されているか、あるいは現状の内閣官房と内閣府の事務の在り方が適切なのか等の観点からも見直しを検討する時期に来ていると思います。
 続いて、閣議の議事録は従来、作成、公表されてこなかったところですが、この四月から作成、公表することとなりました。申すまでもありませんが、閣議は内閣の最高の意思決定の場でありますから、情報公開あるいは国民に対する説明責任を果たすという観点から画期的なことと評価をしております。
 この件に関してはまだ始まったばかりということもありますが、内閣の意思決定過程の透明化を推進する、あるいは国民の知る権利に応えていくという面から、今後ともより良いものになるよう考えていきたいと思っております。
 機能が強化されました内閣に対しまして、一方、国会による統制が大変重要になってくると思いますが、その前提となります国会自身の強化、特に国会での議論の在り方というものが大変重要になってくると思います。
 本調査会におきましては、元内閣官房長官の野中廣務参考人が言及されておりました、与党内の議論と国会での野党の議論が形骸化していけば議会制民主主義は機能不全になるとの重要な御指摘を共通の認識とした上で、言わば強い内閣に対する強い国会とでも申しましょうか、統治機構の在り方として国会による行政統制も重要な課題となってまいります。
 この行政統制、具体的に行政監視を検討する際には、本調査会でも元参議院行政監視委員長の山下栄一参考人が言及されておりましたが、委員会における視察をより活発に実施すること等、まずは現状の制度を前提に充実する必要があるのではないかと思います。
 山下参考人は、あわせて、国権の最高機関の国政調査活動として厳然と自覚をしながら、会派や議員個人ということではなく、ハウス、参議院として超党派の動きをつくれるかどうか、国民の立法府に対する信頼に関わる、これが参議院の独自の国民への貢献である旨述べられておりましたが、その上で、更に実効性を高める手段として、例えば参議院を中心に常設的な機関で、年間計画を立案した上で継続的に行政統制を実施するというような観点も重要ではないかと考えております。
 参議院公明党としては、従来から行政監視の強化の課題に取り組んでいるところであり、この課題は古くて新しい課題と認識しております。この行政監視機能の強化も含め、二院制における参議院の役割について更に議論を深めて具体的検討を行っていく必要があると考えております。
 以上、私の意見表明といたします。
#7
○儀間光男君 日本維新の会・結いの儀間でございます。
 誠に残念なことなんですが、私ども統一会派を組んでまだほやほやで、基本的な政策のすり合わせもままならないまま、今日このことでお話し申し上げたんですが、おまえ勝手にやれということでありましたが、この統治機構という言葉の持つ意味、これからするといいますと、浅学非才、あるいは知見の薄い私がここで軽口をたたいても会派が迷惑をするだけであることから、今回は皆さんのお話を傾聴させていただき、六月の中間報告できちっとやるということで皆さんのお許しを得たいと思っております。
 いろいろ、内閣に対する問題、あるいは参議院、衆議院の改革等々、持論は持っておるものの、すり合わせができていませんから、今回はこれにてお許しをいただきたいと、かように思います。
 ありがとうございました。
#8
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
 みんなの党を代表いたしまして、意見表明をさせていただきます。
 平成五年の衆参両院における地方分権の推進決議を契機として地方分権した地方分権改革は、大きな節目を迎えていると言えると思います。
 地方分権改革の目指すものは、明治以来の統治機構である中央集権型の行政システムを大きく転換し、地域の自主性、自立性を高め、個性豊かなそれぞれの地域が活性化することにより、日本全体の活性化につなげようとするものであったと思います。これまでの一連の地方分権改革は、一定の成果は上げられたと評価できる面もありますけれども、十分とは言い難いというふうに思います。
 また、平成の大合併と言われる市町村合併により市町村の体制も充実されるはずでありましたけれども、バブル崩壊やリーマン・ショックなどによる景気の低迷による税収減などにより、地方自治体は厳しい財政運営を余儀なくされているわけであります。アベノミクスによる景気回復の実感も、大都市部はともかくといたしまして、地方ではほとんど感じられていないというのが実情であります。
 なぜこれまでの地方分権改革が消化不良であったのか、そういう状況であったのかということでございますけれども、それは都道府県、市町村という二重性の現行の地方自治制度を前提としているからと言えると思います。現在、我が国の地方は、経済が低迷し、過疎化、高齢化が進み、このままではますます衰退の一途をたどることになると思います。
 もう皆さん既に御存じだと思いますけれども、日本創成会議、元総務大臣の増田先生が主宰をしておられる、そこで出された驚くべき、この二〇四〇年までにほとんどの都市が一万人を切ってしまう、あるいはまた消滅可能性都市というふうに言われていることは御存じだと思います。そういう状況の上に、二〇一一年三月十一日、御承知のように、既に東日本大震災が発生いたしまして、被災地域の復興が待ったなしの課題になったわけでございます。
 今こそ我が国の中央集権型の国の形を変えなきゃいけない。豊かな地域社会の形成と地域経済の自律的な発展を実現し、被災地域の主体的な復興を成し遂げるためには、新しい統治機構である道州制、すなわち中央集権型道州制でもない、連邦制型道州制でもない、まさに地域、地方が主役の道州制への移行は避けて通れない道であるというふうに私は思うんですね。
 宮城県知事の村井知事が、この大震災後、非常に強くこの道州制を主張されるようになっておりますけれども、それは皆さん方、国会議員の先生方、無視できない言葉として受け止めてあげる必要があるのではないだろうかというふうに私は思っております。
 道州制については確かに賛否両論があります。また、賛成者の中でもその具体的な姿について意見が一致しているというわけではありません。しかし、賛否がある問題についていつまでも棚上げにしていては、目の前に迫った危機に対応できない。是非とも道州制導入に向けた建設的な議論が必要であり、反対者も、抽象的、感情的な、また個人的な私的な反対論ではなく、制度的な議論が求められるというふうに思います。賛成者も道州制に対する漠然とした不安を払拭するための努力が必要ではないかと思っております。
 道州制は、我が国が内政全般に関与してきた中央集権体制を排して、国、道州、地方自治体が明確な役割分担の下、それぞれが独立した権限と自らの税財源を有することで地域が自由で独創的な活動をできるようにするという新しい国の形、統治機構を構築しようというものであります。この地域主権型道州制に反対するということは、現在の中央集権体制でいいのかということを皆さん方は考えていかなければならないのではないだろうかというふうに思うということであります。
 新しい国の形の構築を目指して道州制の導入に踏み切らなければ、二十一世紀の日本の永続的繁栄、発展はあり得ないと私は確信いたしております。私利私欲を排して、まさに政治主導で私は取り組むべきだと思います。今こそ、地方の衰退を手をこまねいて見過ごしていただけと後々批判されるか、思い切った転換により日本をもう一度発展させる大きな決断だったと評価されるか、大きな決断のときを今政治は迎えているというふうに思っています。
 さらに、幾つかの意見を申し上げたいと思います。
 一つは、首相公選制を実現すること。
 総理大臣は直接国民が選んで、その総理大臣のリーダーシップの下に行政を進めていく。その中で、国の業務、機能を地方に移す。広域な業務は道州制という形で地方の主権、主体に任せる必要があります。国は真に国が行う業務、機能に集中させることを実現すべきだと思います。特に首脳会議、会談においては、各国のリーダーがトップとしての自分の考えで判断していく、スピードを持った判断で物事を決めていくことが必要であります。そのためにも、リーダーは国民が直接選ぶと。力のあるリーダーとして、現在のスピードのあるグローバル社会の中で民主主義を反映した行政を目指すべきだと強く考えます。今の体制、機能のままではいずれ限界が来るだろうと思っております。
 次に、内閣官房の機能強化の問題があると思います。
 内閣総理大臣は、内閣の長という顔のほかに、内閣の主任の大臣という顔を持っているわけであります。そのことは、様々な場所で総理大臣の時間が限定されてしまい、総理自らが戦略や調整というものをじっくり考える時間が非常に少なくなってしまっているわけであります。
 したがいまして、例えば内閣官房長官を格上げして副総理格の総合調整の職にし、現在の内閣官房副長官を内閣総理大臣補佐官、各担当大臣を大臣級の官房副長官に任命し、高度でスピードのある調整機能を発揮させて、内外、外政にしっかり対応できる職にすべきではないかというふうに思います。
 また、内閣官房を身軽にし、官邸の直属の機関という位置付けをして、緊急的な課題あるいは政権の公約の実現に絞り、内閣府というのは政権が抱えた中長期的な問題についてどう実現するか、その高い見地から調整していくべきだというふうに考えます。その他の調整業務は総務省に任せればいいのではないかということであります。
 さらに、単年度の予算を複数年化し、その執行を参議院に会計検査院を設置して監視する体制を検討できないかということであります。一つは、議院内閣制の下での参議院の役割の一つとして、会計検査院を参議院に移設して、むしろ国会のサイドから見た行政の無駄を強力に監視する制度を確立してはどうだろうかというふうに思います。
 そして、年度単位の予算執行ではなく、また、現在の財政法による公共事業中心のあらかじめ年数を決めて執行する国庫債務負担行為、今最大は五年になっていますけれども、そういう国庫債務負担行為による予算化ではなく、公共事業以外にも複数年にわたる予算執行を可能にする検討ができないかということであります。そうすることにより、経済の先々の見通しが分かり、複数年担保ができると。そうしますと、事業資金の銀行資金の貸出しが拡大し、景気にも大いに反映されるというふうに考えております。
 以上です。
#9
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 日本共産党を代表して、意見を表明します。
 国の統治機構に関する調査に当たって、憲法の国民主権の原理を根本に据えることが最も重要であると考えます。この原理原則に照らして、現実の統治機構はどう機能しているかを検証する必要があると考えます。選挙で国民の多数を得さえすれば全て白紙委任されたかのように振る舞おうとする政権に対し、参考人から危惧の念が示されたということは重く受け止めるべきです。
 野中参考人は、ここ数年間、政治の実態を眺めておりますと、憲法が規定し、期待するものと相当に異なったことが平然として行われているように申し上げざるを得ないと述べ、議会政治は時間を限定した独裁政治と同じという菅元総理の発言や、現在の内閣について、首相のブレーンによって重要政策をまとめ、メディアを利用して正当性を国民にアピールし、与党や国会での議論を形骸化する傾向が現れていることに危機感を表明しています。
 特に、外交・安保、経済政策などについて、偏った立場のブレーンを集め、公的あるいは私的諮問機関で首相の主導する政策の事実上の確定を行っているとの指摘がありましたが、まさに安保法制懇を指摘したものと受け止めました。集団的自衛権の行使容認に向けた動きに対して、集めたメンバーを見れば結論は明確でした。
 成田参考人、高橋参考人からは、立憲主義についての貴重な御意見がありました。憲法は権力を統制するものであり、これが立憲主義であるという指摘です。
 安倍総理は、改憲のハードルを下げるために憲法九十六条の改正を提示していました。これに対して、憲法改正に関しては三分の二でなければならないと縛っているということは憲法の本質的部分である、九十六条だけを改正して過半数にするというのは憲法全体の整合性を崩すものではないかとの指摘は重要です。改憲ができなかったのは、ハードルが高いことにあるのではなく、改憲の内容についてのコンセンサスが得られなかったことが問題との指摘はそのとおりであると考えます。
 安倍総理は、私が最高責任者だと答弁し、半世紀近くにわたって国是とされてきた武器輸出三原則を放棄し、憲法九条をなきものとする集団的自衛権行使の解釈改憲も閣議決定で実施しようとしています。
 安倍総理が集団的自衛権行使容認に向け政府に検討を指示したことを受けて行われた毎日新聞の調査では、憲法解釈の変更に反対が五六%、集団的自衛権行使について反対が五四%に上りました。また、共同通信の調査では、憲法解釈変更による行使容認に反対が五一・三%、集団的自衛権行使容認に反対が四八・一%となっており、どちらの調査でも集団的自衛権に反対の世論が賛成を上回っています。国民世論はもちろん、国会や憲法も極端に軽視しており、到底許されるものではありません。
 議院内閣制の下での国会と内閣との関係についても参考人から御意見がありました。一つは、民意を反映した国会、二つ目に、国会での徹底審議によるガバナンスの質の向上というものです。
 議院内閣制とは、内閣は議会の信任を根拠に置いて存在すること、政治、行政を考える際に国会の果たす役割が重要であることが強調されました。国会が国権の最高機関として憲法の要請に応えた役割を発揮する上で重要なことは、民意を鏡のように反映した議席で国会が構成されることです。
 一九九〇年代以降、国民の政治不信を背景に進められてきたのが行政改革でもありました。強い内閣をつくるために、官僚主導から政治主導を口実に中央省庁の改革や独立行政法人の導入が進められ、それと一体に小選挙区制の導入、二大政党づくりが行われてきました。この間、政権交代が現実のものとなったものの、国民が望む政治は実現したと言えるでしょうか。沖縄への新たな基地建設の押し付け、消費税増税とセットで社会保障の大幅な削減を強行、原発は再稼働へ、TPP交渉への参加など、民意との乖離が広がってきました。
 憲法は、言うまでもなく日本国の最高法規であり、国民主権の下で議院内閣制を採用しています。民意を鏡のように正確、公正に反映した国会の形成と、その国会から内閣総理大臣を指名し、民意を忠実に執行する内閣を組織することを憲法は要請しています。民意を反映しない国会の下で形成された内閣であることが民意との乖離を広げた最大の要因であり、憲法の要請に従って多様な民意を反映する国会を形成することこそ求められます。そのためには、民意をゆがめる小選挙区制を廃止し、比例代表制を軸とした選挙制度への転換が必要です。
 憲法は、国民主権の下で代表民主制を採用し、議会制民主主義を実現する国会を国の最高機関と位置付けています。議院内閣制における内閣の在り方を考える場合、権力を抑制し、統制する国会の役割は極めて重大です。
 只野参考人から、統治機構を考える場合、内閣や行政機関だけでなく国会の役割を含めて議論する必要性が提起されました。内閣機能強化とセットで国会のチェック機能の充実、統制機能の強化が図られるべきだったとの御意見を国会は重く受け止めるべきだと考えます。国会は法律を議決する権限を持っており、議決に至るまでの審議のプロセスが重要だという指摘です。二院制の立法過程は、衆参の両院の間で、法案の往復の過程で、その修正が図られたり立法の質が高められる、答弁の中で法律の運用や解釈について重要な答弁があったり、法文の意味を限定するような答弁が行われたりすること、立法機能の中で行政の在り方を縛るような重要な視点を盛り込むことができるとの御意見は、国会の機能強化の方向性を示していると感じました。
 さらに、フランス憲法で新たに規定された国会のミッションの定義に公共政策の評価があることが紹介されました。
 議院内閣制の場合、多数派対少数派で、多数派優位という構図が前面に出るとなかなか統制がうまく機能しないけれど、評価という点では、従来の統制とは違う国会が果たすべき役割が生まれること、ガバナンスを高める役割が国会に求められているという指摘もありました。
 かつて参議院は、消費税廃止法や被爆者援護法を可決しています。また、九三年の自衛隊海外派遣のPKO法や、九五年のいわゆる政治改革での小選挙区制導入を進める小選挙区法では、重要法案だという認識は一般にあったものの、衆議院段階ではさしたる混乱もなく通過しました。しかし、時間を追うごとに世論が熟成し、参議院の審議段階で国民的議論が高まる中、小選挙区法案は参議院で否決されることとなりました。
 このように、世論の熟成も相まって、参議院が統制機能を果たしてきた歴史があります。今、国会が行政を縛る立法機能を十分に果たせているのか、国の統治機構において国会の機能強化の必要性が提起されたことを受け止め、審議の形骸化はないか、点検、検証が必要であります。
 以上で意見表明を終わります。
#10
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会を代表して、意見表明をさせていただきたいと思います。
 今回のこの調査会は、時代の変化に対応した国の統治機構の在り方を真摯に議論する。その中で、時代の変化というものはどういう具合に我々が受け止めるべきなのか。
 やはり一つには、グローバル化、日本だけで安穏とした、そういう状況ではもうない。環境問題あるいは人口問題、エネルギー問題、食料問題、どれ一つ取っても、やっぱり日本が世界とどう向き合っていくのか、そういう発想でこの内閣の機能も強化する、その必要があると思うんですね。そういう観点で、じゃ、果たして今の内閣の情報収集能力、あるいはそれを反映した政策の遂行能力といったものが十分日本の国益に対してプラスの作用をしているのかどうか、そのことは我々一人一人が真剣に議論すべきだと思います。
 もう一つ、やはり大きな時代の変化ということを考えますと、スピード感だと思うんですね。様々な課題に対してじっくり腰を落ち着けて議論をする、それも大事だと思うんですけれども、その間にどんどん世界は日本を置いてきぼりに行ってしまっている、そういう現状があると思うんですね。
 例えば今、ちょうど今日、プーチン大統領が中国の習近平国家主席と会談をしていますよね。これなんかも、あのウクライナ危機に対して日本がどのような対応をするのか。経済制裁をということを掛け声では述べていても、ほとんど実効のある対策を打ち出せていない中で、逆に、本来であれば窮地に立たされているロシアが、中国と連携することによって、ロシアの持っている天然資源、特に液化天然ガスをウクライナからヨーロッパに輸出するのをストップした挙げ句、中国や韓国、日本に売りたい。いい条件で、特に中国に対しては三十年の長期契約で、ヨーロッパに出しているより安く売る。そういうような言ってみれば危機的状況を逆手に取るという動きを世界各国が展開している中で、ほとんど日本の場合は全くこれに対して有効な手だてが講じられていない。
 一方、安倍総理は、積極的平和主義あるいは地球儀を俯瞰するというようなことで、世界あちこちに首脳外交を展開されています。これはすばらしいことだと思うんですが、と同時に、幾ら首脳が世界各地飛び回っても、現地で相手国の首相や大統領や議長とじっくり懇談できる時間は限られていますよね。せっかく総理が道筋を開いたそういった国際協調の輪の中に、議員外交としてあるいはそれをフォローアップできるような仕掛けを考えていかないと、やはり日本の国益というのは維持できないと思うんですね。
 そういった意味で、今我々が国の統治機構、いろいろ調査、検討しているわけですけれども、その中にやっぱりグローバルな視点とスピード感を持った対応ということを打ち出していく必要があると思います。
 また、せっかく総理が世界各国を回っておられても、一番近場の韓国や中国との間では首脳会談も持てない、戦後最悪の関係だと言われているような状況、そういう状況を何らかの形で是正するということも内閣、国に課せられた大きな課題だと思うんですよね。
 やはり、中国との間でいえば、確かに領土問題ですとか資源をめぐる争奪戦はあるんですけれども、漢字一つ取っても、今や世界中で漢字文化というのは中国と日本だけですよね。また、様々な意味で我々は中国との間で経済関係というものは維持しているわけですから、そういうベースにのっとった新しい内閣としての外交の在り方ということに対しても我々一人一人が積極的に取り込めるような、そういう内閣あるいは政府の補完作用といったことも必要だと思います。
 また、幾ら日中関係が戦後最悪といっても、中国に進出している日本企業、そこで働く中国人の数は今一千万人を超えています。その一千万人の中国人の家族、地域、そういったところのネットワークをもっともっと有効に活用することによって、日本に対する信頼ですとかあるいは友好関係というものを増進していく、そういう手だても我々は講じるべき、そういう時代に差しかかっているんではないかと思います。
 私も内閣委員会のメンバーですけれども、実は今日、本会議で飛んでしまった日本版NIH、これは昨日委員会で通過したんですけれども、この中の一番大きな柱がやはり日本の誇る健康医療に関する技術ですとか知見といったものを世界にもっともっと広めましょうということで、アメリカのNIH、いいところは学びつつ、アメリカといえども必ずしも健康医療保険制度が整っているわけでもないし、国民の半分は健康保険入っていない。そういう状況の中で日本の国民皆保険制度、すばらしいものがあるわけですから、アメリカのいいところを生かしながら、日本独自の健康・医療戦略というものがせっかくこの内閣委員会で通って、今日、本来であればそれが採決で通過するはずだったんですが、もろもろあってそれが飛んでしまったんですけれども、こういう、いろんな各委員会で、本来であれば日本の持っているすばらしい武器、たくさんあるわけですよね。そういったものをこの内閣のいろんな機能の中にうまく取り込んでいく、そういうこともこれからは必要だと思うんですね。
 今、日本のICT戦略ということが世界中から注目を集めています。ICTというのはインフォメーションとコミュニケーション、内閣が様々な調査機能を発揮して情報をたくさん集める。情報を幾ら集めても、集めた情報をしっかり分析して、世界に対してコミュニケーション取っていくということがしっかりと政治主導の下で展開されない限り、宝の持ち腐れに終わってしまうんじゃないかということが大変危惧しているわけであります。
 こういった分野では、与野党を問わず、大きな政党であろうと小さな統一会派であろうと、やっぱり力を合わせて、日本のため、日本のモデルが世界の環境問題やエネルギー、人口その他の問題に解決を言ってみれば引き出す突破口になる、そういうことが逆に言うと韓国や中国、ロシアの動きを、流れを変えさせるということになると強く確信していますので、是非、武見会長の下で、この内閣の在り方、そういうグローバルな視点とスピード感を持った国会としての対応ということをこれからも議論していただきたいと思います。
 以上です。
#11
○会長(武見敬三君) 以上で各会派の意見表明は終わりました。
 これより委員間の意見交換を行います。
 多くの委員が発言の機会を得られますように、一回の発言は三分程度でお願いをいたします。
 それでは、意見のある方は挙手を願います。
 いかがですか。
 どうぞ、儀間先生。
#12
○儀間光男君 済みません、要領が得なくて。
 内閣、これだけしゃべるのかと思ったら、かなり幅広くお話ししてよさそうですからやらしていただきますが、先ほど一分程度でしたから九分残っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど、議院内閣制度の中で総理大臣の権限のお話が少しありましたが、閣議決定ということは、私も地方出身ですから、私の経験からいうと、都道府県や市町村でいう庁議決定と同じようなものだと思うんですね、レベルは違うんですが。そうしますというと、庁議決定というのは首長の暴走を止める、縛る、そういう機能を果たしておりますから、今閣議決定で行われているということは私はいい制度であって、これはそのまま行ってほしいと思うんですが、ただ、日本の国はマニュアルがいっぱいあってなかなか大事なときにそれが動けないという、今日新聞の批判がありましたが、まさにそのとおりで、臨機応変に動くということが非常に大事であって、その臨機応変に動ける範囲はどの程度とするかをきちんと制度化、文章化しておって緊急に対応すべきだと、こうも思います。
 それから、アメリカや隣の韓国の大統領制度、これは行政を継続していくという観点からは極めて具合悪い制度だと思うんですね。ということは、内閣を形成する、日本でいう内閣を形成するスタッフが全部入れ替わっていくわけですから、前政権の国民のために展開してきた政策課題が一夜にして変わってしまったっておかしくない。人も替われば政策も全部変わっていくということではなかなか大変だと思うことから、日本の制度もいいのかなと、こんなような、思ったり考えたりいたします。
 また、我が維新の会は、統治機構は道州制の中でやるべきである、首相も公選制にすべきであるなどなど言いますから、全て憲法に関わることがありますので、これはいきなりというわけにいきませんが、道州制の導入と、総理の、首相の公選制は行っていいんですが、先ほど言ったようなアメリカの、あんなようになっては困る、そこもまた何か歯止めをしておきたいなと、こう思います。
 一番に申し上げたいのは、参議院と衆議院、特に参議院の審議の在り方、ちょっと素人的な話で、だからまた気付いたと思いますが、先議案件、衆議院から送られてきまして、特に衆議院優位な案件については、参議院でどんなにねじれて反対があっても衆議院に戻って通るわけですから、この審議の順序がちょっとおかしいと思うんですね。
 昨年の臨時議会で特定秘密保護法をやりましたが、衆議院で通って優位性があるからあれでいいものの、その後参議院へ来ていろんな陳情合戦、抗議合戦受けたって、陳情や抗議をやった側にその願意が届く保証がないんですよね。そういう意味では、そうであるならば、参議院が先にしてああいう後始末は衆議院でやっていただくと。こういうことじゃないと、決まったことを泥んこになって参議院で後始末をするということは、参議院の生い立ち、成り立ちからそぐわぬのではないかということで、その辺は少しやっぱり見直して、泥にまみれることは衆議院でおやりなさいということで、先に参議院で持ってきて、参議院で決めて衆議院へ送って、どうぞ泥仕合してくださいといった方が、参議院、憲法下で参議院ができた参議院の意義がここにあると思うんですね。
 したがって、衆議院優位な案件については参議院で先に先議をするというような見直しは今後必要ではないかと、そういうふうに思いますね。衆議院の性格、参議院の性格、生い立ち、そういうことから見ますというと、当然それは検討されてしかるべきだと思って、少し勉強不足ではありますが、感じたままに言わせていただいております。
 ありがとうございました。
#13
○会長(武見敬三君) ありがとうございました。
 それでは、風間君。
#14
○風間直樹君 二点ほど、ちょっと述べたいと思います。
 まず、先ほど江口委員から会計検査院の位置付けについて問題提起がございました。会計検査院を例えば参議院の下に設置をして、よりその検査に実効性を持たせるべきじゃないかと、こういう御指摘ですが、私も全く同感でございます。
 私、先ほど、検査院は衆議院の下に設置をして参議院には人事行政監視院という形で、制度それから人事の面から行政をチェックする機関を置くべきじゃないかという提起をしましたが、なぜあの検査院を国会の下に設置した方がいいかと江口委員同様考えるかといいますと、御案内のように、会計検査院は憲法九十条に基づく憲法機関でありまして、内閣に対する独立の地位を憲法上規定されています。
 ところが、一昨日、実は決算委員会で会計検査院に対して質疑をしたんですが、昨年度の会計検査院のOBによる再就職、いわゆる天下りが約二十名います。この二十名のほとんどが各省庁の所管する独立行政法人、一般社団法人、あるいは民間企業、これらに天下りをしています。この点、検査院に指摘をすると、検査院長は、これは各OBそれぞれの独自の人脈で再就職先を探したのであって、検査院は一切口利きはしていないと、このように一貫して答弁をします。これは明らかに国民から見て欺瞞でありまして、検査院の現在の検査機能そのものが内閣に対して独立をしていないという現状にほかならないと私は思っています。
 ですので、この検査院OBによる天下りを完全にやめさせて、検査院の内閣に対する独立した機能を実現するには、私は、検査院そのものを国会の傘下に設置をして、そして検査を機能させるべきではないかと、このように考えるわけであります。
 それから、今ほど儀間委員から閣議の在り方について御意見がございました。自治体でいうと庁議に相当するので、これは首長あるいは総理の暴走を防ぐという意味ではいいのではないかという指摘でありまして、その点は私も意義を感じるところであります。
 一方で、先ほども述べましたように、明治以来、我が国の行政の特徴は各省それぞれの事務の分担管理でありまして、仮に各省それぞれの事務の方針と総理の考えが抵触した場合、総理の指揮監督権が各省によって封じられるという部分も否めないわけであります。同時に、閣議という、この大変重要な機関、場の定義が、実は日本国憲法上、一文も出てまいりません。この矛盾をどのように考えたらいいかというのが私の問題意識であります。
 やはりこの閣議という場の在り方をいま一度憲法七十二条の上で、あるいは内閣法、内閣府設置法の上で見直して、総理の指揮監督権が各省の分担管理事務と抵触した場合どのように整合性を図るかということは考えるに値することではないかというふうに思います。
 以上、二点を指摘したいと思います。
#15
○会長(武見敬三君) それでは、古賀君。
#16
○古賀友一郎君 ありがとうございます。
 今回のこの調査会でのいろんな議論も拝聴して、そしてまた私自身の役所での経験等も踏まえまして感じたことを申し上げてみたいと思いますが、まず、国会、内閣の関係性についてですけれども、特にやっぱり問題になるのは、参議院の位置付けというところが非常に大きな問題だろうというふうに私も思っております。
 ねじれという現象からこの参議院の議論が非常にやっぱりクローズアップされてきたと思うんですけれども、やはり私が見ている限りにおいては、参議院が衆議院と同じであれば無益であるし、違えば有害だとよく言われますけれども、じゃ、参議院というのは一体どういう立場で国政に参画すべきなのかということを考えたときに、衆議院と同じように党派的な対立を先鋭的にぶつけ合うという場になると、やはりねじれの弊害というのが非常に大きくなってくるというふうに見ております。そうなると、参議院の強過ぎる権限というものがやはり問題視されてくるということになるんじゃないかなと思います。
 元々参議院に求められているものは何かということから考えますと、衆議院に対するあるいは政府に対するチェック機能ということを考えればその権限は強い方がいいわけでありますが、しかし、強い権限を持ったままで衆議院と同じような党派的な対立を主張し合う場で終始してしまいますと、その意義が問われるんだというふうな感じがしております。もし参議院に求められるものがそういった強いチェックではなくて参考意見という程度であれば、先ほどこれは風間委員がおっしゃっていたように、参議院の権限を弱めればいいのではないかなというふうに思います。ですから、参議院に何を求めるかというところから説き起こしてそのありようを考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
 それから、二つ目は、内閣の在り方ということで、総理大臣の権限を強化しようという方向で議論がたくさん出ていたと思いますけれども、総理大臣は、議院内閣制における総理というものは、多数派に基盤を置くトップでありますから、元々システム上、非常に強い権限を持ったトップであります。ですから、むしろそういった強い権限の総理をどうコントロールするかというのが内閣の知恵の出しどころではないかというふうに思っておりますし、強い権限を持った総理も個人の資質としてはやっぱり限界がありますので、余り全ての権限を総理に集中してしまうと、巨大化した権限は使い方が難しくなると。
 総理個人をサポートする人が、そうしてしまうと必要になってくるというわけでありまして、例えば、昔でいうと側用人のような人、あるいは今風に言うとシンクタンク的な総理を補佐する人が必要になってくると。そうなると、今度は逆に、総理の権限の使い方が不透明になってくるというふうな感じもいたします。
 私の見るところ、むしろ閣僚の調整能力をもっと発揮した方がいいのではないかなと。閣僚あるいは政務三役も含めて、各省に入っている政治家の人たちが各省の利益代表になってしまうと、これはその省庁間の調整はうまくいかないということになるわけで、どうしても官邸、最終的には総理が出ていかなきゃいけなくなってしまうと。そうでなくて、各省庁にいる大臣を始めとする政治家の調整能力が発揮できれば、総理の負担も軽減でき、そして省庁間の対立も緩和をされていくということだろうと思います。
 もう一つ申し上げると、それも一つの政治主導の現れだと思いますけれども、もう一つは役所内の政治主導の問題で、私が役人時代に感じていたことは、トップダウンの政治主導を余り強く打ち出しますと問題が発生するということが多いと思います。ですから、政治主導の発揮の在り方も、やはり先ほど岡田委員もおっしゃっていましたように、官僚をうまく使いこなす政治主導が求められていると思います。
 そういった意味では、トップダウン的な政治主導は非常にやっぱり弊害が私は大きいと役人時代に思っておりました。むしろ逆に、ボトムアップ的な政治主導といいますか、官僚をうまく使って、それで適切に政治家が断を下す、裁定を下すというやり方であります。
 役人は役人で、やはり各省庁の中でその歯車となって仕事をしておりますので、なかなか、個人的にはこう思うんだけれども、やっぱり役所のシステムの中で個人の声を上げられないという場合も多々あります。そういった、役所の中にいては調整の付かないことというのは非常にたくさんあるんです。私自身も仕事をしていて、これはもっと政治家がリーダーシップを発揮してくれればいいのになと思っていたこともありました。
 そういったところに適切に大臣、副大臣、政務官、政治家が出ていって、適切な調整して断を下すというふうにすることが、恐らくは官僚をフルに使う、その上で政治家がうまく政治主導を発揮するといういい関係ができるんじゃないかなというふうにも思いました。
 以上、私の感想を申し上げた次第でございます。
#17
○会長(武見敬三君) ありがとうございました。
 ほかに御発言はありませんか。
 どうぞ、吉川さん。
#18
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。
 今回のこの調査会のテーマは「議院内閣制における内閣の在り方」ということで、五回、それぞれの有識者、知見のある方からお話を伺ってまいったかと思っております。
 特に私印象に残りましたのは、「議院内閣制下での参議院の果たすべき役割」というテーマの回がございました。我々参議院として、この二院制の在り方ももちろん考えていかなければならないと思います。本日、皆様それぞれ当事者でございましたが、本会議、予定されていたものが開会をできないまま今に至っております。これはもちろん政府側の様々な不手際があったかと思いますが、参議院の果たすべき役割、こういったことからも考えられると思います。
 この調査会のことではございませんが、例えば、最近、法務委員会という委員会がございますが、そこで会社法が議論になっております。これは、衆議院で見付けられなかった法的な内容の瑕疵があるのではないかということも議論になっていますが、それは、二院制で参議院があったからこそ、議論を重ねたからこそ問題点が明らかになって、参議院の果たすべき役割はそれなりに果たせているものと思います。
 そして、今日、それぞれの委員の先生方から御発言がございました中で、お二方ほどから道州制と地方分権改革について御議論ございました。今日、本会議で本来もう今頃議了されておったはずですが、地方自治法の改正案がございました。この地方自治法の改正案は、基本的に地方制度調査会の中での答申を受けて、これが原案になって改正されたものでございますが、様々なことが書かれています。大都市制度のことや中核市や特例市の統合、そしてまた連携協約の制度等、様々含んでおりますが、その中に、今後の自治体の在り方と国の在り方を示唆するような内容もございます。
 その中で、これから、先ほど江口先生の方からも御発言がございましたけれども、極点社会と言われるように、人口減少社会で自治体も消滅をするところがたくさん出るかもしれない。こういったことも踏まえまして、それぞれの自治体間で横の水平連携を取ると同時に、それでもなお及ばない自治体に関しては都道府県が補完をしていく、こういう水平連携と垂直連携の仕組みをつくるような、こういう形の答申が出されておりますけれども、それも道州制の議論にも資するものでありますし、道州制とは異にするようなことも読めるような形の答申を書かれているということ。
 これ、我々は、この国会そして内閣の在り方を考えていくに当たっても、一つの物の見方ではなく、先ほど古賀委員からもいい御発言があったかと思いますが、それぞれ、トップはいずれ替わります。そのトップに余りにも強い強大な権限、これをいつもいつもうまいこと使いこなせる方がトップであればいいですけれども、皆さん人間が、誰かがトップに就くわけですから、必ずしもそうであるとは言えない。だからこそ、我々立法府として果たすべき役割、今日、本会議が飛んだのも、我々が国会としてではなく、政府の側の方がそこの壇上でやり取りをして、その結果、いろんな手続がまずいことが見付かって、今日、本会議が開けない。私、七年目ですけれども、このような事態は初めてでございます。こういうことがございました。
 行政府と立法府、それぞれ課せられた役割は違います。国会と内閣もそれぞれの役割、重要な役割がございますので、そういう一つ一つの問題を考えるに当たっては、それぞれの知見のある方から御意見をいただきましたので、これを踏まえて、私たち立法府に身を置く人間として、内閣の在り方もそうですが、国会が果たすべき役割というものを考えていくに当たって貴重なそれぞれの先生方から御意見いただきましたので、これからの活動にも資するようにやっていきたいと思います。
 ありがとうございました。
#19
○会長(武見敬三君) ありがとうございました。
 では、堀井君。
#20
○堀井巌君 御発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 今回、「議院内閣制における内閣の在り方」ということで様々な知見を得ることができましたが、特にその中で感じましたのは、今お話もありましたように、参議院というものの役割ということについて特に深く考えることがございました。
 やはり議院内閣制の下では、衆議院の場合はどうしても、これは多数派を構成した党がやはり内閣を支えるという、そのような役割をどうしても担いますので、やはりこの参議院というものが改めて、これは二院制ということで、衆議院で審議したものをもう一度参議院で第二院として審議をするという役割も、もちろんその重要性は変わるところはありませんが、同時に、言わば内閣の様々な意思決定について、立法府としての役割としての参議院というのは、また衆議院と違った意味で極めて重要な役割を担っているということを私は改めて確認をしたところであります。
 そのことが、どのようにすれば国民の方々にも、今のこの日本の憲法の統治機構の体系の中で理解いただけるか。これは与野党を超えて、この参議院というものの役割について、共にこれはメッセージをしっかりと出して理解を求めていかなければならないということも感じたところでございます。
 そういった意味では、やはり私は、様々なこの国会の中でのルール、国会改革のこれまでの形とはまた違った形でのこの国会改革に取り組む姿勢というのが私はやっぱり極めて大事ではないかというふうに思います。どうしても国会というのは、私も外から見ておりましたが、やはり与党は与党としての行動がありますでしょうし、やはり野党の場合は野党としての様々な行動があろうかと思います。これは衆議院でも同じでありましょうし、参議院でも同じであったかと、よく似ているところがあったかと思います。国対と言われる部分の動きというのはその一例ではないかと思いますし、この自民党が野党時代には、やはり野党としての様々な行動ということがあったのではないかというふうに思うわけであります。
 先ほど、今日の本会議のことも含めてのこともございましたが、これは私、ちょっと別の意味での感想は持っているわけですけれども、何というか、やっぱりこの参議院というものが、この審議というものをどのように我々自身が捉えているか。厳しく、この点はまずいんだということを言うことと、また、この参議院というものが、我々がこの中での国会での審議というものをどういう次元で認識しているかというのは、これはこれからもやはり継続的に、与野党を通じて、これまでの様々な積み上がった言わば国対ルールというものとはまた次元を超えて、こういった調査会での検討あるいは質疑、様々な意見の蓄積をしっかりと踏まえながら、引き続きやっていく必要があるのではないかというふうに思っているところでございます。
 一点、具体的なことで、是非ともこれ、私は公務員出身として国会からメッセージとして出していただきたいのは、質問の通告の部分でございます。これはまだまだ与党の方でさえ、私自身も含めて、まだ拙い経験しかございませんが、質問を出すということについて、大体前日に出るぞという人が一人いると、役所の方はみんな全員待機が掛かってくるわけでございます。前日の夜九時、十時に質問が来ますと、まずほぼそこから仕上がるまでに五時間、六時間は短くても掛かりますので、皆さんそれで仕事をしていくと。そうなりますと、私も経験ございますが、やはり子育てをしている女性の方がそういう質問の多い部署になかなか就きづらいということもございます。
 やはり我々の最終目標というのは、非常に実りある質疑をしていくということであろうと思いますので、そのための取組ということを参議院の方から、むしろこれはもう与党とか野党とかいうことではなくて、参議院の方からそういうメッセージを我々の努力として出していくことも極めて重要ではないかと。そういった参議院としての様々な努力の中でより一層、様々な方面からの理解、参議院の役割について理解が進むことを期待しておるというところでございます。
 以上です。
#21
○会長(武見敬三君) ありがとうございます。
 ほかに御意見はありませんか。時間がまだ多少残っておりますので、言いたいことがある方は是非どうぞ。
 じゃ、まず井原さん。
#22
○井原巧君 じゃ、まず、今の堀井委員とも関連するんですけれども、私も新しく加わって感じたことでありますけれども、一つは議院内閣制の、そもそも二院制を採用しながらまた議院内閣制を採用しているという我が国の憲法の理念を考えたときに、一つは、衆議院というのはもちろん総理が解散権を持っているから、内閣からの牽制というのは非常に大きなものがあります。逆に、衆議院の方は内閣総辞職という不信任案を出せるというその強い権限がありますけれども、参議院の場合は、ねじれ国会で経験したように、参議院がねじれた方が非常に国政が停滞をする可能性の危険性が非常に高いと、こう言われています。
 ですから、本当は法が求めているものというのは、議院内閣制で政府・与党一体という言葉というのは、実は本当は衆議院と内閣の関係なんだろうというふうに思うんですね。ですから、これはいいか悪いかは別でありますけれども、参議院が内閣に関与するというか、入閣するというのが本当にいいのか悪いのかというのが恐らく原点だろうと思うんです。ですから、政府に議会から入っていくというのは、本来求めるところというと、多分衆議院が本来の今の形からいうと理念ではないのかなというのが、思っているのが一点です。
 しかしながら、そうはいいながら、法律外のところにも政党政治というものを導入していますから、衆参とも選挙という中で政党政治が生まれているから、幾分か参議院も内閣に加わっているというのが今の実態であろうというふうに思っておりますから、その原点を忘れないような院の在り方というものを考えていくべきだというふうに思っております。
 もう一点は、これは非常に大きな問題となりますけれども、憲法についてですね。その改正が全て駄目だという、それは九条の問題とか、そのことが非常にクローズアップされているんですけれども。
 できてもう六十年以上たつような憲法でありますけれども、例えば衆議院の優越の話で、予算とか条約とか、これが三十日条項がありますよね。それは、じゃ、その憲法を作ったときになぜこういうものが優先条項として求められたかというと、それは執行において大きな影響を与えるだろうというふうに想定されたわけですよね。条約もこれはやっぱり国際的な問題に波及する、予算は国民生活に波及する、だから、もしも二院がもめたときにはやっぱりこれは三十日条項でちゃんと成立させましょうよと。こういう理念からいうと、その当時の昭和の戦後のときと今ではまず現状として交通状況が違いますね。もう一つは、情報化時代になって、世界のボーダーレスとか、要するに時間距離が明らかに変わっているわけですよ。
 それがいまだに百五十日国会で、三十日の優先条項があって、そのことについて、別に憲法がいい悪いじゃないんですよ、実務的にその憲法の中に明記されていますから、その辺のことを全く論議しないというのが、果たして逆の、ほかの議会とかほかの企業の経営の時代とか世界の流れとか、そのことにこの私たちの国会というものがちゃんと即応することができているのかということを検証する必要があるような時代に私は間違いなくなっているので、これは憲法改正とは別ですよ、別ですけれども、そういうことをしっかりと議論することがやはり国民の負託に応えることではないのかなと。
 このように自分の考えを述べさせていただいて、発言を終わりたいと思います。
#23
○会長(武見敬三君) ありがとうございます。
 他に御意見、いらっしゃいませんか。あと三分だけ残っています。
 じゃ、風間君。
#24
○風間直樹君 済みません、度々。
 参議院の在り方について、各委員の皆さんから御指摘ありましたので、ちょっと述べたいと思いますが、私は、参議院の重要な役割の一つは、当然、法案審査と、もう一点は行政監視、政府の各機関に関するチェックだろうと思います。
 今日、江口委員、行政監視委員会の委員長というお立場でいらっしゃいますが、私もかつて行政監視委員会に所属をしていましたけれども、我が国というのは非常に行政による被害が多い国じゃないかというふうに感じています。例えば冤罪がそうでありますし、原発事故もそうでありました。
 行政というのは、ほかの言葉で定義をすると法律の誠実な執行と言うことができると思います。法律の誠実な執行が行政だと思うんですが、この法の誠実な執行を監視するのが、任期が六年で解散がない我々参議院の大きな役割の一つじゃないかというふうに思います。
 行政を監視するというのは非常になかなか容易ではない作業でありまして、やはり一定の短くない任期を付与されてその活動を保障されているからこそできることでありますし、同時に、我が国の人口一億二千万ですが、これだけ多くの人口を抱えた国ですと、当然、先ほど触れたように各種の行政による人権侵害が出ますので、それをチェックするには私は衆議院一院だけではやはり難しいんだろうと、その意味で、第二院としての参議院の意味があるんだろうと思います。
 ただ、我々、若干ちょっと留意しなければいけないのは、先ほど井原委員のおっしゃったことで私は非常に触れるものがあったんですが、参議院がどこまで衆議院を振り回していいんだろうかと。参議院というのは、我々の名刺の裏にある英語の表記を見ると、ハウス・オブ・カウンセラーズと書いてありまして、カウンセラーというのは言ってみれば相談にあずかる人という程度の意味だと思いますので、相談にあずかる人間が国政を振り回すのはやはり行き過ぎではないかなというふうにも感じるわけであります。
 そういった意味で、やはりこの参議院の権能というものをいま一度議論していくことは、我々、この調査会の今後の一つの課題ではないかと思いますので、そのことを申し述べたいと思います。
#25
○会長(武見敬三君) 他に御発言もなければ、委員間の意見交換は終了をいたします。
 委員各位からは貴重な御意見をいただきまして誠にありがとうございました。本日の御意見も含め、これまでの調査の論点を整理し、各理事とも御相談の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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