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2014/03/18 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
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2014/03/18 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第4号

#1
第186回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
平成二十六年三月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     田村 智子君     辰已孝太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                高橋 克法君
                中西 祐介君
                松山 政司君
                石橋 通宏君
                大野 元裕君
                谷合 正明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井 準一君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                伊達 忠一君
                藤川 政人君
                水落 敏栄君
                大久保 勉君
                斎藤 嘉隆君
                津田弥太郎君
                西村まさみ君
                柳澤 光美君
                平木 大作君
                山田 太郎君
                辰已孝太郎君
              アントニオ猪木君
                小野 次郎君
                柴田  巧君
                又市 征治君
                浜田 和幸君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
   副大臣
       総務副大臣    上川 陽子君
       外務副大臣    岸  信夫君
       財務副大臣    愛知 治郎君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  木原 誠二君
   政府参考人
       外務省国際協力
       局長       石兼 公博君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       木村 陽一君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事  植澤 利次君
       株式会社国際協
       力銀行代表取締
       役専務取締役   前田 匡史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十六年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十六年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (政府開発援助関係経費)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二月二十六日、田村智子君が委員を辞任され、その補欠として辰已孝太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務省国際協力局長石兼公博君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人国際協力機構理事植澤利次君及び株式会社国際協力銀行代表取締役専務取締役前田匡史君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(岸宏一君) 去る十二日、予算委員会から、本日一日間、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 政府開発援助関係経費について岸田外務大臣から説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
#8
○国務大臣(岸田文雄君) 平成二十六年度政府開発援助に係る予算案について概要を説明いたします。
 平成二十六年度一般会計予算案のうち政府開発援助に係る予算は、政府全体で対前年度比一・三%減の五千五百二億四百万円となっております。
 このうち、外務省予算分については、対前年度比〇・四%増の四千二百三十億五百万円となっております。日本を取り巻く情勢が変化する中、国際協調主義に基づく積極的平和主義を推進し、世界の平和、安定及び繁栄の確保に外交力を最大限活用していく上で、我が国の最も重要な外交手段の一つであるODAの重要性はますます増大しており、一般会計予算案における外務省所管ODA予算は四年連続の増額となる予算を計上しております。
 今回の予算案計上に当たっては、第一に、日本にとって好ましい国際環境をつくるためのODA、第二に、新興国、途上国と日本が共に成長するODA、第三に、人間の安全保障を推進し、日本への信頼を強化するODAの三分野を重点分野としております。
 次に、協力の形態ごとに概略を御説明申し上げます。
 まず、無償資金協力については、さきに述べた重点分野を中心に、前年度比一・五%増の千六百六十六億七千五百万円を計上しております。
 技術協力については、政府全体で前年度比〇・七%減の二千五百四十二億三千八百万円となっております。このうち、独立行政法人国際協力機構の運営費交付金は、前年度比二・三%増の千五百二億七千四百万円を計上しております。
 国際機関への分担金、拠出金については、精査の上、政府全体で前年度比六・六%の減額としております。このうち、外務省分については対前年度比一三・八%の減額となっております。
 最後に、有償資金協力(円借款)については、独立行政法人国際協力機構の有償資金協力部門への出資金は、対前年度比四・二%減の四百八十五億円となっております。なお、インフラ・システム輸出などに積極的に活用していく方針であることを踏まえ、出融資の計画額は対前年度比八%増の九千八百八十五億円となっております。
 以上が平成二十六年度政府開発援助に係る予算案の概要であります。
 なお、平成二十五年度補正予算については、政府開発援助に係る予算は政府全体で千六百三十八億五千二百万円となっております。このうち、外務省予算分については千四百五十億三千八百万円となっております。好循環実現のための経済対策に基づいた中小企業、地方自治体の国際展開支援につながる即効性の高い事業や、平成二十五年度予算要求時に想定されなかった緊急性、義務性のある追加的経費に限定した予算を計上しております。
 今後とも、中小企業を含む民間企業、地方自治体、NGOなどと連携して国際協力を行うことで、ODAに対する幅広い理解と支持を得ながら、経協インフラ戦略会議における議論も踏まえ、より戦略的かつ質の高い援助を実施していく考えです。引き続き、岸委員長を始め、本委員会委員の先生方からの御指導、御鞭撻のほど、心からお願い申し上げます。
 以上です。
#9
○委員長(岸宏一君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○大野元裕君 おはようございます。民主党・新緑風会の大野元裕でございます。
 今日は、予算の委嘱審査ということで、ODA、特に本院の議決でございます平成二十三年の政府開発援助の持続的な推進を求める決議に従って、まさに国会の意思として示されたものでございますが、これに従って質問をさせていただきたいと思っています。
 まず最初に外務大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、本院は、参議院はODA重視を打ち出しております。そこで、先ほど申し上げた決議におきましては、政府においては東日本大震災に際し開発途上国・地域から寄せられた支援を踏まえ、特に適切な措置を講じつつ、戦略的かつめり張りの効いた形でのODAの持続的な推進に努めるべき、こういう決議を採択させていただきました。
 また、大震災の際には、本委員会のメンバーを中心に、当時、与党、野党、この垣根を超えて、政府に対して、大震災の後にはODAのレベルが多少下がるのは仕方がないとしても、これを元々のレベルまで戻していただきたいというようなお願いもさせていただきました。
 政府としてはこれらの国権の最高機関たる国会の決議というものをまずはどのように認識をされておられるか、教えていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の平成二十三年度のこの決議を始めとしまして、国会の決議につきましては政府としまして重く受け止め、適切な措置を講ずるよう努めてまいりました。
 具体的には、同決議で御指摘いただきました教育・保健分野における支援強化や、ODAに係る国際的な約束の着実な実施、さらには青年海外協力隊員への支援の充実、そして地方、中小企業を含む官民連携の推進等につき取り組んできたところであります。
 あの決議にありますよう、戦略的かつめり張りの効いた形でODAの持続的な推進に努めるべきであるという趣旨を踏まえ、これからもしっかり努力をしていきたいと考えております。
#12
○大野元裕君 しかしながら、資料でお配りしたとおり、これ、外務省は微増でございますけれども、全体としては下がり続けております。また、先ほど重点分野でおっしゃっていただきました教育、文科、こういったところは実は大幅に削減をされています。
 東日本大震災に際しましては、世界各国百六十三か国から御支援をいただいたと承知をしておりますし、その中には、大変厳しい財政状況にあるにもかかわらず我が国に対して支援し、その際には、一部の国では、我が国がODAを通じて支援してきたことに対する恩返しである、こう表明された国もあります。
 我が国も当然厳しい予算状況であることは十分承知していますけれども、しかしながら、いま一度我が院の国会の議決を踏まえて、このODAに対する減額方針というものは私は見直すべきであったと思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
#13
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、政府全体の一般会計ODA当初予算、大変厳しい財政状況の下、平成九年をピークにしまして過去十六年間減少をしております。ピーク時と比べまして約半分の水準になっているというのが現状でございます。外務省のODA予算につきましては、先ほど申し上げさせていただきましたように、四年連続増額とはなっておりますが、現状は本当に大変厳しい状況にあると認識をしております。
 先ほどの平成二十三年度の国会決議等もしっかり踏まえながら、まずは戦略的かつめり張りの効いた形でODAの持続的な推進に努めていきたいとは存じますが、予算の確保につきましても外務大臣としましてはしっかりと努力をしていかなければならない、このように認識をしております。
#14
○大野元裕君 本当に努力していただきたいんです。
 というのは、実は、全体だけではなくて、これODAというのは海外に対して行うものでございまして、安倍政権の、いわゆる予算委員会でもさんざん取り上げられましたけれども、円安によって中小企業あるいは消費者、こういったところに大きな打撃が出ているという話はありましたが、実は経済だけではありません。ODAも同じだと私は理解しております。
 例えば本年度においてですけれども、円安の悪影響によって、国際機関の分担金、拠出金、援助活動費等のODA予算、どの程度の影響が及ぼされているか、大臣、把握されているでしょうか。是非教えてください。
#15
○政府参考人(石兼公博君) 円安が及ぼす影響に関わる御質問でございます。
 本年度予算、二十五年度予算につきましては、例えば米ドルにつきましては一ドル八十二円で積算しております。したがいまして、仮に現在の実勢レート、米ドル一ドル百二円を当てはめて試算いたしますれば、分担金、拠出金に関しましては、基本的にこれは御指摘のとおり外貨支払となっておりますので、約二百五十億円の追加的支出が必要となります。一方、無償資金協力あるいはJICA運営費交付金等につきましては、予算の実施段階で初めて外貨支出割合が確定いたしますので、現段階で円安の影響を具体的に試算することは難しいかと存じます。
 ただ、いずれにいたしましても、現下の円安傾向がODA予算の執行に与える影響には十分留意する必要があると、このように考えております。
#16
○大野元裕君 おっしゃるとおりなんです。
 この見込みについては単純な数値とおっしゃいました。今日は愛知副大臣にもお越しをいただいておりますけれども、個別についてはまだ分からないという話も伺いましたが、今年度のドル建てのお支払におきましてはいわゆる財務省の貨幣交換差減補填金が補充されると思いますが、これはどのぐらいの本年度支出の見込みになっているでしょうか。
#17
○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。
 御質問のあった、これは貨幣交換差減補填金だと思うんですけれども、各府省の外貨支払等について、円安等により予算上のレートと実際の為替レートとの間で差額が生じ予算が不足する場合にこれを補填するものであります。
 平成二十五年度については、一般会計全体での執行見込額を申し上げれば八百四十九億円となっております。
#18
○大野元裕君 簡潔な答弁、ありがとうございます。
 まさに、その八百四十九億円、あるいはODAにおける分担金、拠出金等での二百五十億円は、これ円安による国民の税金への負担になっていきます。その一方で、円建てでお約束をしている、そういったODAについては、円で渡しませんから、円安の影響を受けた分だけ相手国政府が受領するような金額が減少するということになるんだろうと私は理解をしています。もちろん、サービス、財の場合もありますが。
 今年度及び来年度の円建ての額はまだはっきりしていないとは聞いていますけれども、平成二十四年度の技術協力及びJICA運営交付金のうち、円建ての割合と金額はどの程度になっているか教えてください。
#19
○政府参考人(石兼公博君) 先ほど申し上げましたとおり、無償資金の協力あるいはJICA運営費交付金につきましては実施段階で外貨支出割合が確定いたしますので、本年度予算について具体的に試算することはなかなか難しい点はございますが、昨年度の実績について申し上げますと、無償資金協力及びJICA運営費交付金における外貨の方の支出割合、額は約一千百五十億円、約三九%ということでございますので、先生の御質問の円貨につきましては三九%を引いた残りの六一%程度ということになるかと存じます。
#20
○大野元裕君 そうなんです。
 二枚目の資料を見ていただきたいと思うんですが、今、石兼局長がおっしゃったのは、平成二十四年度の無償とJICA、これ合計で、外貨建て、円建てというふうに書いてありますけれども、これ、外貨の方が六一ではなかったでしたっけ、円建ての方が千八百二十九ではなかったかと思いますけれども、六一%程度が円建てであるとすると、当時のお金でまさに合計で円建てが六一%の千八百二十九億円程度ですが、これをまだ確定していないということなのでこちらで計算をいたしまして、単純に六一%、二十五年度で考えた場合には千八百四十一億円程度が円建てになるんだろうと。そうすると、これはどこから取るかですが、支出官レートで取るかですけれども、選挙がありました一昨年の十二月の十六日から二月末日までに、約二二%、円が下がっています。そうすると、目減り、ドルで受領する分は千四百三十六億円で、目減り分は何と三百九十三億円分も目減りをしているということになっていて、この目減り分は何になるかというと、相手国が受領しているいわゆる無償だとかあるいはJICAの交付金分の財やサービスの量と質が減るということに私はなるんだと思います。
 円建ての分については、少なくとも、先ほど、ドル建ての分は国民に更なる負担になると言いました。円建ての分については相手国の受け取る財やサービスが減るわけですから、先ほど申し上げた本院の決議の趣旨に鑑みても、少なくとも二十六年度分は、これは二十五年度分は当時分からない中に積み上げられたのは三百九十三億円目減りしました。少なくとも二十六年度分は、先ほど大臣、〇・四%増えたという話をおっしゃっていましたが、実はこの三百九十三億円ぐらいは私は積み増すような予算措置というものが必要ではなかったかと。それが我が院の意思でもありますし、また、先ほどおっしゃっためり張りの付いた戦略的なODAを進める上でも実際には必要ではないかと思っているんですけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
#21
○国務大臣(岸田文雄君) 為替の影響、そしてそれによって国内の財政あるいは対外的な効果に影響が出るという御指摘、この御指摘については私もこれは当然のことであり、御指摘、重く受け止めなければならないと思っています。
 こうした現状の中で、まずは、国会の決議にありましたように、戦略的、そしてめり張りの効いた形でのODAの推進を行っていかなければいけないわけでありますが、それと加えて、額においてもしっかり考えなければいけない。厳しい財政の状況の中ではありますが、外務省としては、是非この額においてもODAの充実に向けて努力しなければいけないという意識は強く持っております。是非、委員を始め、国会の先生方のまた応援もお願いしたいと考えております。
#22
○大野元裕君 応援はしています。決議までさせていただきました。それで四百億円減というのは、ちょっとそれはやはり外務大臣、もう少し頑張っていただかないと。我々、応援させていただきますが、もちろん岸田大臣、信じていますけれども、外務省はもう少し頑張っていただきたいということを申し上げて、時間がちょっとあれなので別な件に移らせていただきます。
 先ほど申し述べた参議院の決議においては、その条項の中に、我が国の成長戦略におけるODAの活用を進めるためのODA案件に関する腐敗の防止、コンプライアンスの強化、これが求められています。
 この件に関連してお伺いしますが、平成二十四年八月の決算委員会でも、私、一回取り上げさせていただきましたが、二〇〇八年から二〇一〇年のアフガニスタンにおけるUNDP、国連開発計画、そしてUNOPS、ユノプス、この活動に関するアメリカの監査機関の指摘がありました。そこでは、不適切な拠出、あるいは拠出機関による調査への非協力が取り上げられて強く批判されていました。
 もう一度申し上げれば、例えばアフガニスタンの小規模プロジェクトにお金を付けてみたら、実際にはそこでは何もできずに、ドバイやハイチで彼らのオフィスができていた、こういうふざけた件があったということを私は指摘させていただきまして、ところが、この問題が明るみに出て以降、アフガニスタンにおけるUNOPSへの拠出は、実は日本が突然突出してしまったんです。そういったことに対して対処をしていただきたいというお話をさせていただきましたが、来年度予算はUNOPSに対する拠出は停止されるということでよろしいんでしょうか、大臣。
#23
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のUNOPSに対する支出ですが、元々UNOPSの運営に対する経費は、個々のプロジェクトごとに我が国としては支援を行い、そしてそのプロジェクト管理費から運営の経費が賄われているということであります。よって、このUNOPSの運営のための拠出金は、これは予算には計上しておりません。
 来年度のUNOPSの個別事業につきましては、無償資金協力予算等からプロジェクトの実施国の政治、治安情勢及び支援ニーズを見極めて実施するということでありますので、現時点ではUNOPSに対する支援、拠出、これは断定的なことは申し上げられないと考えています。
#24
○大野元裕君 予算に含まれないのであれば、国会からは現時点では見えません。そうすると、今継続している事業も、当然UNOPS、UNDP、両方ありますけれども、これらの現在継続している事業について、特にアフガニスタンですけれども、監視をどのように行って、あるいは過去における事業をどのように検証したのかを教えてください。
#25
○国務大臣(岸田文雄君) UNDP、あるいはUNOPSに対する我が国の拠出により実施される事業につきましては、まずは、両機関から提出されます実施報告書に基づいて外務省、大使館、JICAが案件進捗の状況を確認していく、こういったことで監視、検証をしております。あわせて、視察可能な地域については大使館による現場視察を行っている、こうした状況にあります。
#26
○大野元裕君 二年前と同じお答えだったような気がいたします。できるところは見ていきます、そして報告書を見ます。しかし、実際にこれだけの問題が起こった機関ですから、我々はしっかりとこれを監視していかないといけないと思っています。
 アフガニスタンのような厳しい地域でUNDPやUNOPSが一生懸命やってくれていることを知っています。しかし、私も外務省にいたときにそうでしたけれども、一部の国連機関は、人道的な支援が行われることは自分たちの職の延長にもつながるという一部の、本当に一部かもしれませんが、不届き者もいます。だとすれば、我々は、一度そういった問題があって指摘された機関であればこそ、今までと同じ手法ではない検証が必要だと思いますけれども、大臣、先ほどのお答えでは、私は若干納得ができません。もう少ししっかりと検証するべきではないでしょうか。
#27
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国が関わった個別の事業につきましては、先ほど申し上げた方法で監視、検証をしております。
 そして、御指摘のUNOPSの状況、活動につきましては、二〇一二年のUNOPSの財政諸表に関する国連会計検査委員会の監査報告書、案件管理や財務報告等に関する改善の必要性を指摘しつつも、最終的な監査意見として、UNOPSの財務諸表について全て重要な点については適正に表示されている、こうした結論付けを行っております。
 こうした、全体としてはこのような評価がされているわけですが、ただ、御指摘がありましたこのアフガニスタンでの過去の案件の指摘等を踏まえまして、我が国も、アフガニスタンにおいて外務省がUNOPSを通じて実施する新規案件については、委員の御指摘もありました、こうした御指摘も踏まえまして、外部監査に係る費用をプロジェクト経費の中で計上し、第三者、民間監査法人による監査を実施することを予定したいと考えます。
#28
○大野元裕君 大臣、済みません、一つ質問が先に行ってしまったようですけれども。
 今おっしゃったこの二〇一二年の財務報告、私もこれ丹念に読ませていただきました。確かに、過去数年間大きな問題を抱えていたUNOPSですけれども、改善が見られるということはサマリーのところで指摘されています。
 しかし、中を見ると、二〇一二年に監査報告を出そうとして、これ、歴史上初めてUNOPSが、非常に僕もびっくりしたんですけど、国際会計基準をやっと採用しようとしたと、ところが、出そうとしたら余りにも内部の監査の能力がないので外部のコンサルタントを急遽雇わざるを得なかったとか、あるいは、なぜかほとんどのプロジェクトが予算どおりの額で仕上がっているとか、UNOPSの要員の不正に対する意識が低いとか、コストパフォーマンスが半分近くのクライアントが満足していない、非常に悪いと、そういったことを、まだまだ枚挙にいとまがないんですが、まだまだ書いてあるんです。改善はされたにしても、二〇一二年の国連の中の監査の報告ですよ、これ。国連の報告ですよ。それでも言っているにもかかわらず、この状況ではございます。
 だとすれば、我が国がやったプロジェクト、新しいものではなくて現在行っているものについても遡って第三者機関に検査をさせるとか様々な工夫が必要ではないかと思いますけれども、いかがでございますか。
#29
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、国連の監査につきましては御指摘のような評価が出ております。そして、このUNOPS全体の国連の評価は御指摘のような形で出ているわけですが、我が国が関わった事業につきましては個別に従来から我が国として監視、検証をしてきた、こういったことであります。ですから、現状につきまして、現在までのUNOPSの活動につきましては、国連全体として御指摘のように評価し、そして我が国自身も監視、検証をしてきた、こういった形で適正さを確保してきたと認識をしております。
 是非、そういったことでありますので、今後実施するものにつきましては、第三者、民間監査法人による監査を実施する、こういったことで対応していきたいと我々は考えております。
#30
○大野元裕君 しつこいようですけれども、過去のものについては、平成二十四年の八月、政権交代前です、当時の山根副大臣が問題の所在をお認めになり、改善をお約束をされたと私は理解をしています。その後、政権交代はあったものの、税金の使い道、大きなものですから、やはりそういったものは、政権交代があってもなおそのときにお約束された改善というものは進めていただきたかったというのが私の正直な感想だし、これはまた是非監視を続け、私どももさせていただきたいと思っています。
 では、もう一点だけ。大臣がおっしゃいました、UNOPSの新しい契約については第三者機関の監査を経費に含んでそれをやらせるということですが、ということは、これ、第三者機関はUNOPSが選択をしてUNOPSが支払をその中から行うということになるんじゃないんですか。ということは、これ、機関は第三者だけれども、UNOPSの影響下に置かれるような第三者機関の監査でよろしいんでしょうか。大臣、教えてください。
#31
○国務大臣(岸田文雄君) 第三者の民間監査法人による外部監査の費用ですが、これはプロジェクト経費の中に計上することによって確実かつ迅速に実施することを考えていきたいと思っております。
 そして、具体的にこのUNOPSの影響があるのかという御指摘でありますが、現時点では今、アフガニスタンにおいて新規案件の予定はありません。しかし、今後、こうした案件が出てき、そしてそれを実施するということになりましたら、具体的な手続につきましては是非UNOPSと協議をしていき、公正性を担保する旨、努力をしていきたいと考えています。
#32
○大野元裕君 内包された、一つのプロジェクトの中に内包された資金であればこそ、私は、UNOPSの手によるのではなくて、あるいはUNOPSの影響にあるのではなくて、やはり今の合意の段階からこういった形で進めさせていただきたいということを構築いただくということが必要だと思うし、アフガニスタンのような状況、あるいは東ティモールでもハイチでもそうでしたけれども、UNOPSが重要な役割を担っていることはよく知っていますし、恐らく今年度、来年度辺りで案件も出てくるんだろうと私も思います、ほかにやる人がいませんから。
 ただ、そのときにはしっかりとした監視の制度をつくっていただくことが、先ほど冒頭申し上げました、本院といたしまして、めり張りの付いた戦略的なODAを進めていただくとともに腐敗防止、コンプライアンス、これを同時並行で進めていただくという、この我が院の意思でもございますので、これは今日はUNOPSのみを取り上げましたけれども、全体として、大臣の方でも、お金を取ってくるだけではなくて、そういった我が院に対する責任を果たしていただけますよう最後にお願いをしたいと思いますが、もし何かあれば一言いただいて、私の質問を終わりたいと思っています。
#33
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のUNOPSの第三者民間監査法人の選定につきましては、外務省が主体となって選定するべく協議を進めたいと存じます。そして、全体についての御指摘につきましては、御指摘のとおり、是非、この運用の透明性、公平性を確保するためにしっかりと努力をしていかなければならないと考えます。
 引き続き、御指摘を踏まえながら努力をしていきたいと思っております。
#34
○大野元裕君 ありがとうございました。終わります。
#35
○委員長(岸宏一君) 以上で大野元裕君の質疑は終わりました。
 次に、平木大作君。
#36
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 まず、私の方からは、この二十六年度予算の特徴、その特徴の一つとしてバイのODAの重点化、これが大きく打ち出されたことがあるかと思っております。これ、世界的な援助の潮流ですとか、あるいはODAをもっともっとしっかり戦略的に活用していこうという文脈の中でこういう方針打ち出されているということで私も理解をしておりますが、一方で、マルチのODA、これについても引き続き大変重要な役割を担っているというふうに考えております。
 この点について、実際にこのマルチのODA、今後、日本政府としてどういうふうに位置付けているのか、またどう活用されていくのか、これ是非、岸田大臣の方からお願いをいたします。
#37
○国務大臣(岸田文雄君) 貧困撲滅ですとか環境ですとか保健等、グローバルな重要な課題に積極的に貢献するためには、二国間ODAのみならず国際機関との連携など多国間の協力を推進していくこと、このことも大変重要だと認識をしております。特に、様々な分野で効果的な支援をしていく観点からは、専門性ですとかあるいは幅広いネットワークを有する国際機関の知見、経験、これを活用していくこと、これは大変有益であると考えます。
 ですので、今後とも、外務省としましては、国連を始めとする国際機関との連携強化を重視し、マルチのODAの活用、これにつきましても積極的に推進していかなければならないと認識をしております。
#38
○平木大作君 ありがとうございます。
 御答弁にありましたとおり、国際機関でしかできない援助といったものも多々あるかと思います。今後とも、引き続き重点的に取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 このマルチのODA、これに関して、あるいは国際機関への支援について、今後、より効果的な支援を行うために、これ予算の中にも国際機関の活動評価ネットワークに今回参画するというふうに書かれているわけですが、これは具体的にどのような取組になるんでしょうか。
#39
○副大臣(岸信夫君) 国際機関の活動を評価するネットワークといたしましては、多国間の取組として、MOPAN、マルチラテラル・オーガニゼーション・パフォーマンス・アセスメント・ネットワークという組織がございます。このMOPANは、年間四件から六件の国際機関を対象にいたしまして各機関の効率性等について評価を行って、その結果をホームページ等で公表しているところです。現時点では十七のドナー国が参加をする情報共有、そして相互学習の場と承知をいたしております。
#40
○平木大作君 ありがとうございます。
 この効率化、例えば国連に関しましても、まだまだ期待された役割を十分に果たし切れていないようなところですとか、非効率なところ多々あるのかというふうに思います。そういったところをしっかり検証する、あるいは第三者のこういったものを使って公平に見ていくというところ、見直していくというところ、今後とも引き続き重要になると思うんですが、一つお願いしたいのは、これを単純に支援の出し手として何か通信簿のように使うだけではなくて、そういった外部の評価から出てきたものから課題を抽出して、今度は日本がある意味、国連改革ですとか国際機関、より効率的に使っていくための提案をしていく、改革の旗振りをしていく、そういったことも是非取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 次の質問に移らせていただきます。
 続きまして、今回、中小企業の海外展開に関して予算盛り込まれているわけでございますけれども、この中小企業の海外展開支援、当然これは日本の支援におけるプレゼンスを高めるのと同時に、今後の開発援助をより効率的に進めていくための大変重要な取組であるというふうに考えております。
 この取組をしていく上で、私個人といたしましては、ニーズの調査の段階から、実際に中小企業に持ってきていただく商品、サービスの普及ですとか実証、ここについてしっかりまず調査から実証まで連携をしていくこと、そして個々の取組を通じてしっかりとこの知見をこれは外務省の中に蓄積をして今後にも役立てていくこと、これが非常に重要であるというふうに考えております。
 そういう目で、外務省から出ておりました中小企業海外展開支援、この事業の応募要項を拝見したときに少し気になるところがございます。これ結局、個々の案件について中小企業それぞれに提案をまず持ってきていただいて、それをしっかり審査しますよというふうに書かれているわけでありますけれども、こうなると、当然、持ってくる中小企業については、あの地域に進出したいからですとか、うちのいい技術持っているからあそこに売りに行きたい、そういうところから当然始まるわけでございます。
 これ、海外に中小企業を展開していただくというのは大事なことでありますけれども、第一義的には、当然、政府開発援助ですので、被支援国に対する援助に日本の中小企業が持っている大変優れたサービスや技術をしっかり活用していく、ここがまず第一義にあるというふうに考えております。
 そういう意味では、これ今後展開していく上でも、当然、中小企業の提案を大事にするのはもとよりなんですけれども、まず最初に、日本としてこういった地域に重点的な支援を行っていく、あるいはこういう分野に重点的な支援を行っていくから、ここで貢献できそうな技術、サービス、持っているところ手を挙げてください、これが順序じゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
#41
○政府参考人(石兼公博君) 中小企業の海外展開の支援につきましては、ODAを活用して企業の事業展開を後押しするという側面もございますが、そうした中小企業の優れた技術あるいは製品、これを途上国の開発に活用することで開発効果を高めるというのが大きな目的でございます。
 したがいまして、案件採択に当たりましては、途上国の開発に有益と考えられる例えば環境ですとか廃棄物の処理、水の浄化等々、そうした分野におきまして具体的な開発効果が高いと思われる、想定される技術、製品を持つ企業の提案を選定しております。また、実際、この本件事業に関する企業向けの説明会におきましても、開発の視点の重要性ということを外務省またJICAからも説明させていただいているところでございます。
 今の委員の御指摘も踏まえまして、引き続き、開発課題の解決に貢献するという視点をしっかり踏まえながら、ODAを活用した中小企業支援を行っていきたい、このように考えております。
#42
○平木大作君 この事業、二十四年度から始まっておりますので、少しずつ今実績が積み上がってきている段階にあるというように思っております。
 こうする中で、先ほども申し上げましたけれども、この一つ一つのプロジェクト、事業の中で得た知見といったものをしっかり外務省の中に蓄積して、また今後にも活用していく、あるいは、今後さらに、まだこのプロジェクトに応募していないけれども海外展開していきたいという中小企業にも有効に活用していただく、この視点が大事だというふうに思うんですが、こういった今得られた知見を広く共有するような仕組み、これ実際にあるんでしょうか。
#43
○政府参考人(石兼公博君) 知見の共有に関わる御質問でございます。
 ODAを活用いたしました中小企業の海外展開につきましては、これまでに採択されました案件の調査報告書が外務省、JICAのホームページ上で公開されております。また、各地で開催しております企業向けの説明会の場でも、私ども外務省やJICAからの御説明に加えまして、実際に調査を行った企業自ら成果の御報告が随時行われておりまして、参加者から好評を博しているということでございます。
 こうした取組を引き続き進め、また強化して、先生御指摘のとおり、知見が海外展開を検討している企業との間で広く共有されるように情報発信を進めていきたい、このように考えております。
#44
○平木大作君 ありがとうございます。
 報告書のようなものをしっかりホームページ等で公開しているというお話でございました。
 これ一つお願いしたいんですけれども、個々のプロジェクトが終わりまして、個々の企業が取り組んだもの、確かに報告書というのが出てくると思うんですけれども、これ、今度新たに使おう、あるいはこの知見を活用しようという企業からすると、個々の企業のフォーマットで作られたような、あるいは個々の企業によって書きぶりですとか情報の出し方が違う報告書が例えば二十、三十あっても、一体どれを見たらいいのか分からない、あるいは、どの部分が自分の企業にとって有用な知見なのかがやっぱり見えてこない。更に言えば、知見をある意味戦略的にしっかり積んでいこうと思えば、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、やはり外務省としてある程度のガイドライン、方向性をしっかりまず出すことが肝腎であるというふうに思っております。
 この地域あるいはこの分野において日本のODAとしてより知見を集積していく、そういったことが大事であると思いますので、是非、この発信の仕方についても工夫を今後お願いしたいというふうに思っております。
 続きまして、個別の支援事例に関連して御質問させていただきます。
 二〇一三年版のODA白書の中では、アンゴラにおける地雷処理の事例が紹介されております。この地雷処理という支援、これは、これまで危険地域であった、あるいは全く使い物にならなかった場所が、いずれ町になり、あるいは都市になり、農耕地になり、大変活用される、そういった意味での支援の効果の大きさ、さらには、非人道的な兵器が取り除かれるという意味での、日本の平和主義を発信していくという意味でのメッセージ性の強さ、さらには、人材育成も併せて行っているという意味で、本当に日本の持ち味、らしさを発揮できる支援分野ではないかなというように考えております。
 この白書の中でも、参加された方の声として、地雷撤去を行う国際NGOのほとんどはNGO自らが撤去作業を実施してしまうので、現地に撤去する力というのが移転されていかないと、アンゴラのことはアンゴラ人でできるように自立するような支援をしていかなければ意味ないという、そういった声も書かれているわけでございます。
 この地雷支援、まず最初にお伺いしたいんですけれども、現在、地雷、世界中に一体どのくらい残っていて、また、今現在どのような被害が起きているのか、さらには、来年度、日本政府としてはこの分野に対してどのような支援を行っていくおつもりなのか、御答弁いただけますでしょうか。
#45
○副大臣(岸信夫君) 現在、世界中に埋設されたまま残っております対人地雷につきましては、二〇一三年の国際NGOの報告書によりますと、アフリカ、中東、東南アジアを中心に依然として六十三の国と地域に地雷原が存在しております。百平方キロメートル以上の大きな地雷原という意味ではまだ三十以上の国と地域で存在をしているということであります。この報告書によりますと、対人地雷の被害者数は、二〇〇〇年の段階で年間約八千人、そして二〇一二年には、半減はしているんですけれども、約三千六百人が被害に遭っているわけです。
 我が国は、これまでにも、対人地雷がもたらす深刻な人道上、開発上の課題を抱える国を中心にいたしまして積極的に支援を実施してまいりました。二〇〇八年から二〇一二年の過去五年間の地雷対策支援の実績の総額といたしましては約二億四千六百万ドル、米国に次いで第二位の規模になっております。
 我が国としては、来年度も引き続きまして、地雷の被害が深刻な国を中心にいたしまして、現地のニーズや各国からの支援要請を踏まえて、地雷除去を含む地雷対策支援をしっかり取り組んでまいりたいと思います。
#46
○平木大作君 ありがとうございます。
 日本国内でも地雷に対する関心というのは一時的にすごく盛り上がったときはあるんですけれども、今ではほとんど語る人すらいなくなってしまっているという。その一方で、やはり大きな脅威がまだ残っていて、かつ犠牲者も多いと。是非とも、こういったところ、日本らしさが発揮できる支援、引き続きお願いしたいというふうに思います。
 この地雷除去、先ほども申しましたように、日本の持ち味が非常に発揮できるというふうに考えております。先般の安倍総理のアフリカ支援に対するスピーチの中でも、一人一人を強くする支援、人材の育成も込みにした支援というのは大変これから重要になってくるというふうに思っているわけですけれども、この支援の在り方、先ほどもちょっと紹介させていただきましたけれども、これ、日本らしさが発揮できると、そこだけで終わらせるのではなくて、是非今後、特に新興ドナー国出てきているわけでありますけれども、こういったところにも是非連携して、この一人一人を強くする支援、ノウハウですとか、これまで日本、六十年間積み上げてきたものはあるかと思いますので、こういったものを広げる取組、是非お願いしたいと思うんですが、この点、最後、外務大臣、お願いできますでしょうか。
#47
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、従来から、国際機関ですとかあるいはNGO、そして地雷被害国、こうした関係者と連携しながら、地雷の除去あるいは機材の供与、被害者支援に努めてきたわけですが、御指摘のように、被害国自身の地雷除去能力の向上という観点から人材育成の支援、これも大変重要だと認識をし、こういった取組も行ってきました。
 例えば、退職自衛官を中心として設立された日本地雷処理を支援する会、JMASと呼ばれていますが、こういった組織によるカンボジア、ラオス、アンゴラ等における現地地雷・不発弾処理除去機関の人材育成、あるいは技術移転の活動があります。また、外務省としましても、こうしたJMASの取組に対しまして過去五年間で約二十二億円規模の資金協力を行うなど、積極的に支援をしております。
 こうした取組について新興ドナー国等にしっかり広めていくべきではないかという御指摘につきましては、これは国際的な機運を高める上でも大変重要な御指摘だと考えております。是非こうした取組、関係国とも共有をしていきたいと思っていますし、是非この重要性につきましても働きかけを行いたいと考えます。
#48
○平木大作君 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
#49
○委員長(岸宏一君) 以上で平木大作君の質疑は終わりました。
 次に、山田太郎君。
#50
○山田太郎君 みんなの党、山田太郎でございます。
 今日はODAの予算ということでありますが、まさにODAが質的な転換を遂げるときだということで、ハードからソフトへというような観点でどのようにしていくのか、この辺り、特に発展途上国への例えば放送番組、テレビ番組をODAを使って普及できないかと、こんなところを少し質疑させていただきたいというふうに思っています。
 途上国に今、日本のファンを増やしていくということは非常に重要なことだと思っておりますし、日本の考え方を伝えていくということも非常に大きないわゆる支援になるのではないかと、こんなふうにも思います。日本ブランドの形成ですとか、日本のイニシアチブ、どのように図れるのか、国際世論をどうつくっていけるのか、これはテレビ番組等をうまく輸出していく、これがODAとしてできないだろうかと、こういうことを少し質疑したいと思っています。
 まず、この点なんですけれども、非常に日本のいわゆる放送番組に関する輸出、海外展開は、アメリカ、特に韓国に比べても遅れていると。韓国と日本の放送番組の市場規模は八倍の差があって日本の方が大きいんですが、実は番組のいわゆる輸出を見てみますと韓国は日本の三倍なんですね、という開きがあります。これ、年々どんどん拡大しているということであります。ただ、日本も黙っていませんで、外務省さん始めとして、総務省さん、それから経産省さんもタッグを組んでやっているということを説明いただきました。
 コンテンツに関しては特に総務省さん所轄でやっておりますので、どのようなそれでは海外展開、コンテンツ、対策を講じられているのか、その中でも課題は何なのか、その辺り簡単に総務省さんの方からお答えいただけますでしょうか。
#51
○副大臣(上川陽子君) 山田委員の御指摘の点でございますけれども、放送コンテンツの海外展開の促進ということで、昨年の六月に日本再興戦略、閣議決定をいたしまして、クールジャパン戦略を大きな国家戦略の一つとして位置付けているところでございます。五年後までに放送コンテンツの海外事業の売上高を現在の三倍近くに増加させるという国家目標を掲げて、今鋭意取り組んでいるところでございます。
 課題は何かという御指摘がございましたけれども、大きく三つあるというふうに考えております。
 第一点目は、放送局のみならず、幅広い業種の企業あるいは関係省庁を巻き込んだ形で、関係者間の連携を一層強化する必要があるのではないかという点でございます。特に、放送コンテンツの海外展開を通じて、先ほど御指摘ありましたとおり、日本のファンを増やすということでございますので、そのための総合的な戦略というところに力を入れなければいけないということが一点でございます。
 また、二点目につきましては、海外展開先として有望なASEAN等のアジア諸国ということでございますが、現地の言葉の字幕の付与ということでローカライズのためのコストが掛かる一方で、一般的に放送コンテンツの販売単価が安いというケースが多いということでありまして、その意味で放送コンテンツ単独では収益確保がなかなか難しいというところがございます。
 また、三点目でございますが、海外展開の折には、二次利用に係ります権利処理の問題ということでございまして、煩雑であり、また迅速かつ効率的な処理ということが求められているということで、この点につきましても課題の一つとして掲げております。
#52
○山田太郎君 いろいろ課題があるということで、やっぱりある程度お金を付けてやっていく必要もあるのかなということで、これはお手元の方に皆さんの方お配りしてあると思うんですけれども、どんなお金がODAで海外コンテンツ展開に使われてきたのかということを調べました。
 文化無償資金協力としては、平成二十一年からいろいろちょっと表にあるような形で様々な国に、それから国際交流基金交付金でもいろんな国に対してお金が付けられているんですが、これ見ていただくと、文化無償資金の方はどちらかというとかなり途上国の放送機材等を展開する、提供するというのが趣旨の予算でありまして、コンテンツとしては国際交流基金運営費交付金ということになりますが、実はこれ何となく年々減っているんですね。せっかく課題として増やそうというふうに三省庁集まって頑張っているわけですから、是非この予算を少し増やしていく。これからODAの中身の箇所付けについては検討されるということですので、これ箱物からソフトへと。
 まさに、私もこの委員会で何回かお話ししているかもしれませんが、海外でも働いてきまして、ミャンマーなんかへ行きますと、将来韓国の人みたいになりたいと。なぜならば、韓流ドラマが毎日流れている状況でありまして、日本のドラマはいまだに「おしん」を使っていると。何か大変そうだね、日本人はと、こういうふうにやっぱり言われてしまうわけですよね。是非、そういった意味では、予算を拡大すると同時に、中身についても少し今風というか、日本のイニシアチブを図れるようなものを是非前向きに進めていただきたいと思っています。
 それで、まだまだ予算が少ないんですが、日本は非常に真面目でありまして、それはそれでいいんですが、どちらかというとNHKの今のようなドラマということなんですけれども、是非、例えばももクロとかAKBとか、そういった今風のものも是非どんどんどんどん採用して展開していくと。こういったお金と質というんですかね、その辺りも是非今後考えていって日本らしいイニシアチブを取っていただきたいと思いますけれども、是非、外務大臣、いかがでしょうか。
#53
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省としましても、日本の放送コンテンツを海外において普及させることによって日本文化を紹介する、あるいは日本に対する理解が深まる、さらには親日的な感情が醸成される、こういった観点から大変重要であると認識をしております。
 そして、先ほど委員からも御指摘をいただきましたこの文化無償資金協力、そして国際交流基金、こうした取組によって支援を行っているわけですが、文化無償資金協力の方は、途上国の教育、人材育成の観点から開発途上国のテレビ局における日本の教育・ドキュメンタリー番組の整備を支援する、また、国際交流基金の方は、文化紹介とか文化交流、こういった視点からテレビ番組紹介事業によりアニメーション、ドラマを含むテレビ番組を提供する、こうしたそれぞれ特色があるわけですが、相手国のニーズを踏まえまして、是非、戦略的、そして効果的にこうした取組は充実させていかなければならないと存じます。
 そして、そのための予算という御指摘をいただきました。財政厳しい中ではありますが、外務省としましては、こうした放送コンテンツの海外での普及、大変重要だと認識をしており、これを支援するための予算、できるだけ充実に努めなければならないと考えております。そして、内容につきましては、是非、政府全体、関係省庁と協力しながら環境整備に努めていきたいと考えています。
#54
○山田太郎君 最後になりますけれども、是非、まずここで予算を増やすと、分かりやすいので、この予算を是非増やしていただきたい。
 それから、質的には、担当者がお若い方が少ないのかどうか分からないんですけれども、ちょっと御年配が見るようなものがどうしても放送コンテンツとして中心なので、いっそのこと要員も刷新して取り組むと。何かその辺り、もうちょっと突っ込んで大臣の方から御答弁いただけないでしょうか。
#55
○委員長(岸宏一君) 大臣、ちょっと時間が迫っておりますから、簡潔にひとつ。
#56
○国務大臣(岸田文雄君) 予算の充実の必要性については、先ほど申し上げたとおりであります。
 内容につきましても、やはり効果的な内容でなければならない、御指摘のとおりであります。そのためにどうあるべきなのか、人間の問題等も含めて、是非、関係省庁としっかりと連携し、検討していきたいと考えます。
#57
○山田太郎君 ありがとうございました。
#58
○委員長(岸宏一君) 山田太郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、辰已孝太郎君の質疑を許します。
#59
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎でございます。
 まず、大臣にお聞きします。
 改めて、ODAの目的をお願いします。
#60
○国務大臣(岸田文雄君) ODAの目的ですが、これはODA大綱の中にも明記されております。国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することであります。
 我が国としまして、途上国の貧困削減あるいは持続的な成長、地球的規模の問題への取組、平和の構築、さらには国際協調主義に基づく積極的平和主義、こうした考えの下に、是非、引き続きまして、ODAを通じまして国際社会の平和と安定、繁栄の確保にしっかり貢献していきたいと考えております。
#61
○辰已孝太郎君 さて、そのODA大綱ですね、報道では見直しの作業に入っているとされていますけれども、既に経済界、経団連との話合いを持っていると、こういう報道もあります。一体どのような話合いになっているんでしょうか。
#62
○大臣政務官(木原誠二君) 御質問いただきましたODA大綱についてでございますけれども、もう委員御承知のとおりだと思いますが、二〇〇三年に現行のODA大綱が作成されてから既に十年以上が経過をしているということでございまして、ODAをめぐる環境やODAに求められる役割が徐々に変化をしてきていると。
 こうした状況を踏まえまして、今後適切なタイミングでODA大綱を改定することも含めて今検討を行っているところでございますが、現時点においてODA大綱を改定をするということが決まったという状況にはないということでございます。
#63
○辰已孝太郎君 まだ見直しは決まっていないと、見直すことすらまだ決まっていないということでありましたが。
 ODAというものが、先ほど大臣がおっしゃったように、途上国の貧困削減、また持続的な成長、国際平和の構築、第一義的にはそれらがあると、こううたっているわけでありますが、それが大企業の、一部の大企業の利益優先になるようなことがあっては私は本末転倒だというふうに考えるんですが、ここのところは同意していただけますか。確認ですけれども。
#64
○政府参考人(石兼公博君) 私ども、ODAの戦略的活用という中で、例えばインフラ輸出等々の後押しということも考えております。
 今委員からの御指摘はこういう点を捉まえてのことではないかと存じますが、しかしながら、現在、グローバル化が進む世界において、途上国にはODAを上回る民間資金が流入しているという現実がございます。したがいまして、日本企業が有する優れた技術あるいはノウハウ、大企業であれ中小企業であれ、そういうものを途上国に提供することによって当該途上国の経済活動の基礎を提供し、また投資環境を整えるということは途上国の持続的成長を支援することとなると考えておりまして、これはODAの目的にかなうというふうに考えております。
#65
○辰已孝太郎君 私は、このODAの元々の本旨、目的を逸するようなことが既に着々と進められていると考えざるを得ないと思っております。
 例えば、経団連は昨年の四月に「インフラ・システム海外展開の機動的かつ戦略的な推進を求める」という政策提言を発表をしております。そこでは、例えば大型インフラ案件を広げろと、こう要求したり、中進国以上への円借款の供与を求めております。そして、昨年の四月、同じ月に外務省が発表した「円借款の戦略的活用のための改善策について」では、まさにそれら経団連の要求の実現が盛り込まれました。
 また、経団連は同じ提言の中でこうも言っております。JICAの海外投融資案件については関係省庁の関与を最小限とし、案件の採用、審査等の政府内プロセスの簡素化、迅速化を実現すべきと、こう言っているんですね。国民の税金であるODAを私は我が物のようにしようという狙いがここではあけすけに語られていると思うんです。とにかく露骨なんですね。
 元々、経団連は、遡ること二〇一〇年、「アジアにおけるインフラ・プロジェクト推進に向けて 東アジア・サミットに向けたメッセージ」の中で、世界経済の発展のためには成長のボトルネックとなっている基幹・都市インフラを整備することが当面の課題だと、こうした上で、インフラ整備は莫大な資金を要することから、基礎インフラの部分を我が国のODAを始めとする公的資金で整備し、採算性の見込まれる部分への投資や運用を民間で行う手法というのを活用していくと、こう述べております。つまり、もうからないところはODAで、その後もうかる部分への投資や運用は民間でという、私は、これちょっと身勝手な話をしているんじゃないかというふうに思うんです。
 こうなってきますと、先ほど冒頭大臣がおっしゃったODAの目的、途上国の貧困の削減や持続的成長、また国際平和への寄与という話とは大分違った話になってくるんじゃないかなと思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
#66
○国務大臣(岸田文雄君) ODAを通じまして途上国の貧困撲滅、削減、あるいは持続的な成長を確保する、これは大変重要な視点だと思います。
 しかし、その際に、現実の各国のニーズあるいは要求を見ますと、最近は単なる支援ではなくして、やはり現地に雇用や技術移転、こういったものがもたらされる、そういったことによって現地の国民がしっかり裨益する、こういった支援であってもらいたい、こういった具体的なニーズがどんどん広がっています。そういったことから、投資につながる支援というものが重視されている、こういった現実があります。投資につながるということで、日本の民間企業がこうした支援に関わっていく、こういったことが起こっています。こうした現地とそして日本がウイン・ウインの関係で共に成長していく、こういったODAはあるべき姿だといって、先ほども申し上げました、ODAの三本柱として、我が国が掲げている三本柱の一つとして掲げているわけでありますが、そうしたウイン・ウインのODAを実現するためにインフラ整備や人材育成の重要性が指摘をされています。
 こうした考え方の中で日本の民間企業がどう関わっていくのか、是非、こうした大きな目的のために資する関わりを実現していくべきだと我々は考えています。
#67
○辰已孝太郎君 現地のニーズ、要求、これをもちろん否定するものではありませんが、しかし、それじゃなくて日本の一部の大企業のまず利益というふうになると、やはりODAの本旨から私は外れると思うんですね。
 最後にお聞きしたいのは、安倍総理が去年五月にトルコと原子力協定に調印をいたしました。そこには大企業百二十一社から二百人が同行すると、こういうものでありましたが、現地の新聞では日本からもう一人の原発セールスマンが来たと、こうやゆされる始末でもありました。このような事業には私たち、もちろん反対なんですが、この原発輸出に関連した形でODAが使われるというのももちろん反対です。
 そこで、確認、お聞きをしますが、原発そのものをODAで造ることはこれできませんが、送電網などの周辺整備もODAで造ること、これやるべきではないと思いますが、どうでしょう。
#68
○委員長(岸宏一君) どなたがお答えしますか。大臣ですか。岸田大臣。
#69
○国務大臣(岸田文雄君) まず、原子力の発電プラントの建設には、OECDのガイドライン上、援助による支援をしてはならない、こういった制限が課せられています。
 そして、御質問は周辺の機器についての御質問でありますが、これはOECDの公的輸出信用アレンジメントの中にこの対象あるいは制限が課せられております。我が国としましては、その制限、ルールをしっかり守った上でこうした案件について輸出を考えていかなければいけない、これは当然のことだと認識をしております。
#70
○辰已孝太郎君 原発を買ってくれたら周辺整備、円借款でやるというようなことは絶対にやってはならないというふうに思います。
 最後に、ODAの大綱の見直しというならば、現地、日本で活動しているNGOにもきちんと話を聞いてODAの運用を本来のものに沿うように変えるべきだということを訴えて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#71
○委員長(岸宏一君) 以上で辰已君の質疑は終了しました。
 次に、アントニオ猪木君。
#72
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。これから始まらないと私の挨拶始まらないので、済みません。
 昨日、今日とテレビでも北朝鮮の横田夫妻とお孫さんの対面の場面が出ておりましたが、私は一日も早い、いろんな諸問題を含めていい交流ができればと思っておりました。
 今日は、先日、オリンピックもパラリンピックも終わりました。それぞれの選手が活躍をして我々に夢を与えてくれましたが、日本代表を含む各国選手たちの活躍、多くの人たちに勇気と希望を与えてくれたと思います。スポーツが果たす役割というのは、かつての師匠力道山が敗戦の中で勇壮で我々に夢を与えてくれたと。
 私が二月の二十日の委員会で、我が国のODAにおいてスポーツの持つ力がこれまでどのように活用されてきたか、外務政務官にお伺いしましたが、その際は手元に資料がないということで十分なお答えをいただけませんでした。
 そこで、地元広島で女子サッカーチームを運営するNPO法人の理事長を務められておられるなどスポーツの理解の深い岸田外務大臣に、これまでのODAでスポーツの果たしてきた役割、評価について改めてお伺いいたします。
#73
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、今日まで、スポーツを通じた国際貢献の重要性、これをしっかり認識をして、青年海外協力隊によるスポーツ指導者の派遣ですとか、文化無償資金協力による施設の整備、あるいは器材の供与等、スポーツ分野での支援、これを行ってきており、このことについては被援助国から高い評価を受けていると認識をしております。
 我が国は、二〇二〇年、オリンピック・パラリンピック東京大会、これは招致に成功しているわけですが、その招致の際に発表しました、スポーツを通じた国際貢献策、スポーツ・フォー・トゥモロー、この支援策、本年一月より実施しております。二〇二〇年までに百か国以上の国で一千万人以上を対象にスポーツの価値とオリンピックムーブメントを広げる、こういった目標を掲げて取組をスタートさせております。
 今後数年間の間にスポーツ分野で活動する青年海外協力隊員の派遣数も是非倍増させていきたいと考えておりますし、こうした取組、今後も着実に推進をしていきたいと考えております。
#74
○アントニオ猪木君 私自身も、スポーツ平和交流協会というNPO法人の理事長を務めております。世界規模でスポーツ交流を行っておりますが、現在では、パキスタン、それから大変な今北朝鮮という、これは向こうの人たちの、また日本の本当の心を伝え合おう、スポーツの交流を通じてということから、ほかにも、オーストラリア、ニューヨーク、幾つかの国に事務所を持っております。
 スポーツを通じた国際交流、これは本当に私が昔政治の場に出たときには全く評価されなかったというか、スポーツと政治は関係ないよという話がありましたが、今は逆にスポーツを通じてということが皆さんに浸透してきました。
 先日取り上げましたスポーツ・フォー・トゥモローに関連して、平成二十六年度予算では、文部科学省が青年協力隊などと連携し途上国のスポーツ環境整備に協力する戦略的二国間スポーツ貢献事業を始めると聞いています。JICAではこれまでスポーツ関係の協力隊員を多数派遣しているわけですが、この新しい事業は、これまでの取組、具体的にどのような点が違うのか、お尋ねします。
#75
○参考人(植澤利次君) 委員、御質問ありがとうございます。
 冒頭におっしゃられましたように、スポーツの力はすばらしいものだと思います。ソチ・オリンピック等を見ても、自分も痛感いたしました。そうしたスポーツの力というのは、開発途上国の支援においても同様との認識を持っております。一人一人の心に希望を与え、自立の精神を育み、情操教育にもつながるものと認識しております。また、集団、グループ、国家レベルにおきましては、きずなの強さの醸成にも役立っております。ひいては、国と国との紛争問題を緩和し、民族融和を実現する触媒ともなるものだという認識をしております。
 かかる認識の下、JICAは、協力隊事業は五十周年を来年迎えるわけでございますが、かねてより力強くスポーツの分野において支援を重ねてまいりました。既に、体育教育、あるいは柔道、バレーボールといった種目等におきまして三千名以上の日本人の若い人々が海外で活躍している次第でございます。現在も実施しておりますし、将来においてもかかる援助をますます推進していきたいと思っております。
 特に、スポーツ・フォー・トゥモローとの文脈でいかに違う部分があるかということでございますが、一つは、申し上げましたように、従来よりJICAはこの点に重点を置いておりますので、今まで積み重ねてきた上に更に重要な分野として協力を進めていきたいということでございますが、一つは、今般、スポーツ・フォー・トゥモローということで、大きな国としての枠組みの中の一端を担わせていただくということでますます責任を感じ、しっかりとやっていきたいということでございます。
 二つは、質、量の拡充でございます。まず、量につきましては、既に大臣より御発言がございましたように、協力隊については数年の間に倍増するべく最大限の努力をしていきたいと思っております。また、質につきましては、国内にはたくさんのアスリートの方々並びに関係スポーツ団体がございます。その方々と連携を強化し、内容の充実に努めていきたいと認識しております。
 以上でございます。
#76
○アントニオ猪木君 次に、地雷原の地雷除去について、ちょっと我が国の技術というか、それをお伺いしたいと思いますが。
 かつて私もカンボジアに行って地雷除去の作業も教わったことがありますが、そういう中で、今パキスタンで一番、やはり地雷原がありまして、日本の技術を是非という話があります。
 大変時間が短いのではしょらなきゃいけないんですが、地雷原に爆薬の付いたロープ状のものを投げ、地雷を爆発させて除去する技術、いろんなものがあると思いますが、日本はその点、非常に優れた除去する技術があると思いますが、その辺のこれからの人道的支援というか、その辺に立ったこれからの日本政府の取組をちょっとお伺いしたいと思います。
#77
○国務大臣(岸田文雄君) まず、パキスタンにおける地雷除去ですが、現時点ではパキスタン政府から地雷除去について我が国は支援要請というものは受けておりませんが、もし要請があったとしたならば我が国としてどんな支援ができるのか、これは是非検討していきたいと考えています。
 ただ、その際に一つ留意しなければいけないのは、やはり現地の治安情勢でありまして、この治安情勢について注意深く見極めた上で、我が国として何ができるかを検討していく、こうした方針で臨みたいと考えております。
 そして、今技術について御指摘がありました。ロープを投げて爆発させるという技術について御指摘をいただきましたが、我が国においては油圧式ショベルをベースマシンとしたフレールハンマー式、あるいはブルドーザーをベースマシンとした広幅破砕構造型という機材、これが主流だと承知してはおります。ただ、ロープを投げて爆破させるという方式も、これ防衛省の方に照会しましたら、七〇式地雷原爆破装置という装置があるそうでありまして、こうした装置等も現地のニーズ、状況も踏まえながら活用していくことを考えていくべきではないかと思っております。
#78
○アントニオ猪木君 私も除去作業に携わったことがありましたけれども、とにかく日本が貢献できるという部分で。
 大変今日は時間が短いもので、この辺で打切りにします。どうもありがとうございます。
#79
○委員長(岸宏一君) アントニオ猪木君の質疑は終了いたしました。
 次に、小野次郎君の質疑を許します。
#80
○小野次郎君 結いの党の小野次郎です。
 今日は、大臣、時間も限られていますので、私からは太陽光発電など再生可能エネルギーに関するODA協力をもっと活用すべきだという話をさせていただきたいと思います。
 実は、去年の十月になりますけれども、在日ケニア大使、ベンソン・オグトゥ大使という、おられるんですが、ケニア山と富士山の何か自治体レベルの交流を進めたいので案内してくれと言われて、私、御案内したんですね、一泊二日で。そして、ついでに山梨県のいろんな実情も見せたいと思って行ったら、だんだん話題が再生可能エネルギーの話になってきまして。
 山梨県の私の住んでいる北杜市というのは日本一の日照時間がある、メガソーラーの施設も幾つもあるんですが、それよりも数百時間、二〇%ぐらい、ナイロビですか、ケニアの首都は、日照時間が長いんですよ、その大使が調べてきまして。だから、日本で一番いい条件でできるところがもしここだとすれば、自分の国は更にその二割も効率がいい発電できるんだという話をされまして、そんなこともあって、山梨大学の燃料電池の研究施設を見てもらったり、さっき言った北杜市のメガソーラー施設を見たり、そういう関係のところを見ていただいて、すごく大使も何かモチベーションがかえって高まったみたいな感じがいたしました。
 実際に、世界中には十三億の人が電気が来ないところに暮らしている、二十六億の方がいわゆる台所というか近代的な調理施設のないところで暮らしていると言われているんですね。そういう中では、市民生活の質の向上に直接つながるのは、コミュニティー単位の、町や村単位の電力と熱のエネルギー需給システムを早くつくってあげるということだと思うんです。
 なぜそれが難しいかというと、幹線の送電網というのは高価なものですけど、そういうのから遠く離れたところの場合にはそれを引っ張ってくるのが大変なお金が掛かるというのもあるし、もう一つは、燃料を使うタイプのものの場合はそういう燃料を運ぶ道路網とか輸送網がまた完備されていないということがあるので、そういうのと比べると、この再生可能エネルギー利用型のエネルギーシステムというのは、町単位や村単位にそういう文化の光というか生活の質の向上を図るのには非常に私は有益なんじゃないかと、だから、途上国ほど大きいんじゃないかと、ニーズが、思っているんですが、そういう途上国サイドの要請がベースだと思いますけれども、この再生可能エネルギーに関する途上国のニーズというのはどんなふうになっているんでしょうか。
#81
○政府参考人(石兼公博君) 今、小野委員から御指摘ありましたように、コミュニティーレベルでのエネルギーを需給していくというアプローチ、非常に重要かと存じます。言わば地産地消型の再生可能エネルギーの活用でございますが、これに関わるODAの供与もやっております。
 例えば、昨年三月、トンガにおいて、太陽光発電設備やあるいはマイクログリッド送電網を整備する無償資金協力案件を決定いたしました。これは、同国が電力供給をほとんどディーゼルに依存して石油燃料の輸入が国家財政を圧迫しているという状況も踏まえまして、委員がおっしゃったように、地域レベルでのネットワークに基づいた太陽光発電システムを導入することによってエネルギーの安定的供給に寄与するということを目的としたものでございます。
 このように、エネルギーの安全保障というのは途上国の脆弱性について議論をする上で重要だと思いますので、引き続き先方のニーズを踏まえて必要な支援を行っていきたい、このように考えております。
#82
○小野次郎君 そのベンソン・オグトゥ大使を、北杜市の民間施設なんですけれども、二、三年前にできた施設へ御案内したら、その施設は結構事務所棟と住宅的な両方あるような大きな施設なんですけれども、太陽光発電と太陽熱の暖房を導入していると、新しい建物ですから。バイオマス利用の発電と暖房、バイオマスというのは熱も出るものですから暖房も。それから、流水、トイレや洗面所に落とす水までこれくるくる回して、若干ですけど電気をつくるらしいんですね、流水も使って小水力発電していると。それから、もちろん建物の材質を保温効果高めてとかいうことで、採光、光を取り入れる形も電力の節減になるということで、結局その大きな施設全体が買いエネルギーゼロ、暮らして仕事する場所が全体として東京電力から買うエネルギーがゼロで、たしかこの一月からは逆に売っているんですね、東京電力に。そういう施設を見てもらったら、この大使が、こういうものがまさに途上国でもどんどんあればいいんだなと、これだったら遠くと結ばれていなくてもここで完結するじゃないかというようなお話もありました。
 余談に今入ってしまいましたけれども、この再生可能エネルギーの導入可能性というのは、一つは年間の日照時間、さっき申し上げたみたいに、日本は曇りの日や雨の日も多いところもあるし、雪の多いところもありますけれども、その日本の一番いい条件のところよりも更に、多分、赤道直下のところ辺り、あるいは砂漠のところなんというのは何割と日照時間の長いところもあると思うので、そういった自然条件というのもあります。
 でも、更に大事なことは、逆に日本でなかなか再生可能エネルギーが普及できない理由にもなっているんですけど、設備費の問題がある、それから燃料費の問題がある。でも、燃料費は、タイプによっては、日照、太陽光発電みたいに燃料というのがないものもありますよね、設置すれば。燃料が必要なものもあります。例えばバイオマスみたいに、どこからか木質のものを持ってこなきゃいけませんから。そういうものもありますけれども、あとは、実は人件費というのも大きいんですね。人件費が高いところは、やっぱり維持管理するときに人を一人付けるだけでもコストが高くなります。
 そういった水準が大きく導入可能性に関係するんですが、そういうのをいろいろ考えてみても、結構、維持管理が近場で、近間でできて、地元の雇用が一定数つくることができて、さらには、日本国内よりも今言ったようないろんな条件がずっと安価で生産できる地域も世界中には多いんじゃないかと思うんですが、そういう地理的なというか気候的な条件で適しているところというのは世界中に結構多いんじゃないですか。
#83
○政府参考人(石兼公博君) 今、小野委員から御指摘がありましたように、確かにそれぞれの国の自然条件、あるいはそこで実際に使われる設備に関わる経費、あるいは維持管理の体制がどういうふうになるのか、こういうところをしっかりと判断して事業を実施していく必要があると存じます。
 例えば、先ほど例として申し上げましたトンガ、要するに島でございます。小さな島におきましては、大規模な発電施設を造るよりもそのようなコミュニティーレベルでの発電網をつくっていくということが重要でございまして、こうした事例というのは他の島嶼国においても適用できるのではないかなと、このように考える次第でございます。
#84
○小野次郎君 トンガというのも島の国だと思いますけど、私は昔鹿児島に勤務したことがありまして、実は、これ外務省に聞くことじゃないんですけど、日本でもまず再生可能エネルギーでコミュニティーを自立というか自給するのに適しているなと思うのは島嶼地区だと思うんです。今まで石油で、石油というか火力発電でやっているところが多いので、だから、船が着かなかったりすると燃料が不安だなんというのも南西諸島なんかにもたくさんあるんですね。だから、そういう意味でいうと、ある意味では、トンガの経験は日本でも使えるかもしれないと僕はむしろ思うんです、そういう海外での経験。
 何を言いたいかというと、海外における再生可能エネルギーをODA活用してでも拡大していくということが、普及によって、高いと言われている関連の資機材の価格低下につながったり、あるいは、今局長おっしゃったみたいに、海外で、日本の企業がやるかどうか分かりませんけど、とにかく海外でのそういった経験が日本でも再生可能エネルギーの更なる普及に資するいい効果があるんじゃないかと思うんです。
 今、党によって、政党によって若干は違うけれども、なるべく原発依存度を下げて、その大きな柱として再生可能エネルギーを最大限に活用していきましょうというのはどの党も思っていることなので、そうだとすれば、日本政府としてもこの再生可能エネルギーに関するODAの協力というのをもっともっと活用してもらって、相手にもいいけれども我々にもいいところがあると思うので進めていくべきだと思うんですが、まず資源エネルギー庁さんにお話を伺った上で、大臣からもこの議論を聞いていただいてコメントをいただきたいと思います。
#85
○政府参考人(木村陽一君) お答え申し上げます。
 再生可能エネルギーでございますけれども、御指摘のとおり、日本におきましてもその導入拡大が急務となっております。一昨年から固定価格買取り制度というものをスタートさせていただきまして、その普及に努めているところでございます。
 再生可能エネルギーの導入拡大に当たって最大の課題といいますのは、やっぱりコスト、コストが高いということでございまして、コストの低減は再生可能エネルギーの導入にとっても極めて重要な課題と考えてございます。この観点から、海外において再生可能エネルギーの活用が進みますと、それが国内にもコストの低減にプラスに働くという効果があるものと考えております。
 近年、欧米諸国はもとより、新興国等におきましても、今後のエネルギー需給の逼迫等に対応いたしまして再生可能エネルギーの導入の機運が高まってきております。海外における再生可能エネルギー技術の活用拡大が進みますと、やはり量産効果が働く、あるいは技術がこなれていくといったようなことがございますので、コストの削減あるいはその技術、ノウハウの向上といったものが見られるということかと思います。
 例えば、典型的に太陽光について申し上げれば、欧州でまず導入が拡大して、それがその市場を牽引するということがございまして、例えば、ドイツの市場では太陽光のシステム価格というのは五年ぐらいで五割ぐらい下がっているということがございます。したがいまして、例えば買取りの価格が家庭用の電気料金を下回るといったようなことも起こってきているということでして、今後、近年、中国あるいはインドといったところで新興国が急速に市場を拡大してまいりますと、例えばそういうことによりましても太陽光の世界的な価格というのは更に下落していくだろうということでございます。そういたしますと、やはりコストをめぐる課題というのはかなり解消されてくるというふうにも見ておりまして、日本国内における普及、導入拡大にも弾みが付くものと考えてございます。
#86
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども委員が御指摘になられましたように、開発途上国において電気の供給を受けられない地域に十三億人の方々がおられるということです。こうしたエネルギーの供給が行われないということは、その地域における産業の遅れあるいは貧困の拡大にもつながる問題でありますし、また、新興国を中心にエネルギーに対する需要、これはますます今後増大していきます。
 ですから、地球環境に配慮しながらエネルギーの安定供給を図る、こういった課題は大変重要でありますし、そのために再生可能エネルギーに対する取組が重要になってくると認識をいたします。そして、御指摘のように、国の内外における様々な知見を共有することによって全体の底上げを図り、結果として再生可能エネルギーが国際的にも普及していく、こういった結果につなげていく、こうした取組は大変重要だと認識をいたします。
#87
○小野次郎君 前向きの答弁をいただいたところで申し上げるのもちょっと恐縮なんですが、是非、原発輸出なんかに力を入れるよりも、このノウハウ、資機材、人材、日本の今一生懸命努力している自然エネルギーで自給できるような社会にしていこうというシステムそのものをもっともっと途上国にも広めていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
#88
○委員長(岸宏一君) 小野次郎君の質疑は終了しました。
 次に、又市征治君の質疑を許します。
#89
○又市征治君 社民党の又市です。
 最初に、先月公表されたODA白書の岸田外務大臣の巻頭言について伺いたいと思います。
 大臣はこの中で、「国際環境の変化としてまず挙げられるのは政治・安全保障環境の変化です。平和で豊かな国際社会を実現するため、ODAをより戦略的に展開し、自由や民主主義、人権、法の支配などの普遍的価値や戦略的利益を共有する国を支援する必要があります。」と、こういうふうに述べられておるわけですが、これは丸々私も否定する気はありませんけれども、これがODAの役割の第一番目に挙げられるとなるとちょっと違和感を持たざるを得ない、こういう気がするわけです。
 日本とやっぱり戦略的利益を共有する国を優先的に支援したいというと、政府は日米同盟を基軸にしておって、また現行憲法下では集団的自衛権の容認に総理が前のめりですから、日米同盟の影響力を拡大するためにODAを使う、こういうふうに取られかねない、そんな危惧を持たざるを得ないわけですが、大臣がここでおっしゃっていることの真意を改めてお伺いしたいと思うんです。
#90
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ODAの目的ですが、ODA大綱の中にもありますように、国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資すること、こうしたことが目的であると考えております。
 我が国は、今日までも、国際社会の平和と安定、さらには繁栄、こうしたものを確保するために貢献してきたと自負をしていますが、今後はこれまで以上に寄与していこうということで、今、国際協調主義に基づく積極的平和主義、こういった考え方を打ち出しているわけですが、この積極的平和主義を進めるに当たってODAは我が国の最も重要な外交手段の一つであると考えております。
 特に、インドですとかインドネシア、フィリピン、ベトナムといった我が国と普遍的価値、戦略的利益を共有する国へ支援を行うことですとか、さらには、ミャンマー等、民主化後の国づくりを進めている国の努力を後押ししていくこと、こういったことは、我が国を含む国際社会全体の平和や安定や繁栄を確保する望ましい国際関係を醸成していく、こういった点において大切な支援の在り方ではないかと考えております。こういった考え方に基づいてODAというものをしっかりと活用していきたいと考えております。
#91
○又市征治君 岸田大臣は、先ほど引用した文章の後の方で、基本的保健医療サービスを届けるとか、女性が輝く社会を実現する、一人一人の生活を改善することの重要性、一言で言えば人間の安全保障ということ、こういう理念だと思うんですが、これの具現化をする重要性も訴えられているわけでありまして、私は、まさにこれこそがODAの第一義的な課題なんだろうと思うんです。
 日本とは価値観の必ずしも一致していない国々への支援も行って良好な関係を維持することが、これは平和構築に極めて重要な役割を今日まで果たしてきたわけでありまして、そういう意味では、英国のBBCが毎年行っている世論調査、世界に良い影響を与えている国ランキングがありますけれども、二〇一二年には日本は一番だったわけですが、二〇一三年には一番をドイツに譲って四番目と、こういうことになっています。
 国際的にやっぱり信頼を高めるためにも、このODAの意義を見失わない、やはりしっかりとこうした世界の平和を醸成していく、こういう外交努力の一環として頑張ってもらいたいと思いますが、この点、いかがですか。
#92
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国のODAですが、取組としまして三つの柱を掲げています。一つ目は我が国にとりまして好ましい国際環境の構築であり、二つ目として経済分野での国際展開の支援を掲げ、そして三つ目として人間の安全保障の推進、こうしたものを掲げさせていただいております。是非、ODAを活用して人間の安全保障の実現に資する取組をこれからも続けていきたいと考えております。
 現在のミレニアム開発目標の達成に向けても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジですとか、あるいは防災、あるいは女性が輝く社会、こうした課題の実現に向けて一層取組を強化していきたいと考えておりますし、ポストMDGsの議論もこれから議論が行われ、そして来年の国連総会においてこれ決議が行われる、こういった日程が想定されていますが、こうした取組においても是非、人間の安全保障という考え方を大事にしながら我が国として貢献をしていきたいと考えております。
#93
○又市征治君 次に、インドネシアにおけるバタン石炭火力発電事業に関連して伺いたいと思うんです。
 先月の三日に、二十七か国九十の市民団体が、この石炭火力発電所の建設計画に対して融資を行わないようにJBICに要請をしたと報道をされています。その理由の一つに、地元住民の反対があり、JBICの融資のガイドラインである社会的合意が取れていないことを挙げられているわけですが、JBICは地元における反対運動を承知をされているだろうと思うんですが、これをどのように今認識されているのか、まずこの点。
 そして、要請書ではまた、地球温暖化の主因である二酸化炭素を大量に排出をする石炭火力について厳しい目が向けられる中、アメリカ輸出入銀行であるとか世界銀行、欧州投資銀行等は石炭火力への融資基準を厳しくしていると指摘をしているわけですが、このような事実を政府は把握をされているんだろうと思うんですが、どのようにこの動きを受け止めておられるのか。この二点、伺います。
#94
○参考人(前田匡史君) お答えいたします。
 今委員御指摘のとおり、私ども、投融資をするに当たりましては、いわゆる環境社会配慮に関する確認をするためのガイドラインというのを設けておりまして、このガイドラインに従った投融資、確認をしております。
 今御指摘の、インドネシアにおきますジャワ島中部のバタン石炭火力発電事業、これは超超臨界という非常に比較的石炭火力の発電所の中ではエネルギー効率の高い、二酸化炭素なんかの排出を抑制する効果の高いものでございますけれども、現在、委員御指摘のとおり、一部の住民の方々からはまだ御同意いただいていないと。大体今八割以上の御同意をいただいているというふうに聞いておりますけれども、まだ十分ではないと。そういう意味では、社会的合意というのはまだ達成できていないというふうに私ども認識しております。
 やはり丁寧な御説明というのが大事でございまして、この事業者は今現在鋭意これを一年むしろ期間を延ばしまして丁寧な説明をしているというふうに聞いておりますので、それを注意深く見守ってまいりたいと、このように考えております。
#95
○副大臣(愛知治郎君) 御指摘をいただきました米国や一部の国際開発金融機関において石炭火力への公的支援を厳格化している動きがあるということは承知をしております。一方で、石炭火力発電の海外展開については、昨年五月に決定されたインフラシステム輸出戦略におきまして、我が国の先端的な低炭素技術を活用して途上国における温室効果ガスの削減に貢献するとされておるところであります。
 我が国といたしましては、この方針に従って、石炭火力発電の導入を必要とする国に対しては、高効率火力発電などの我が国の先端的な低炭素技術を活用して途上国の経済開発と温室効果ガスの削減に貢献することが重要と考えており、そうした考え方の下、石炭火力発電への公的金融支援を行っているところであります。
#96
○又市征治君 時間がなくなりましたからこれ以上論議いたしませんが、いずれにしても、善かれと思ってやった支援が日本の評判を落としたり、日本の企業が現地の人々の生活を破壊したなどと言われたんじゃ意味がないわけでありますから、この点は重々御留意いただいて進めていただくように要請して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#97
○委員長(岸宏一君) 以上で又市征治君の質疑は終わりました。
 次に、浜田和幸君。
#98
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会を代表して、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 ODAが我が国の外交戦略にとって大変重要な役割を果たしてきたことにはもう異論がない。過去六十年間のやっぱり経験を踏まえて、次の新しい時代にふさわしいODAの在り方ということも考える時期に来ているのではないかと思います。
 その観点でいいますと、例えば二国間の経済とか技術移転ではなくて、三か国の間の協力というやり方もこれからはもっともっと本格的に考えるべきではないかと思うんですね。
 たまたま本日、この後、ベトナムのサン国家主席の国会演説があります。ベトナムも日本と同じように、実は中国からの公害問題に大変悩んでおります。我々がPM二・五ですとか黄砂、あるいは酸性降下物で悩んでいるのと同じように、陸続きのベトナムも同じような課題に直面しているわけですね。
 そういう観点でいきますと、日本とベトナムが協力して中国の環境問題に対する対応を一緒に考える、その中に中国も巻き込んでいく、そういう可能性もODAの大きな枠組みの中で検討に値すると思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
#99
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国として、ドナー国が開発の進んだ途上国と共同で他の途上国に対して援助を行う、こうした三角協力につきましては、最も積極的に取り組んでいる国の一つであると自負をしております。
 その中にあって、このベトナムとの協力ですが、今日までも、例えばベトナムに対して、我が国はシンガポールと協力をして日本の交番制度の導入あるいは防災能力向上のための研修、専門家の派遣を実施しています。また、ベトナムと協力してモザンビークの稲作生産能力向上のための支援を行うなど、ベトナムは三角協力における援助の担い手でもある、これが現実であります。このように、ベトナムに参加をしてもらう形での三角協力、今日までも存在するわけですが、是非こうした取組はこれからもしっかり進めていきたいと考えます。
 中国に対する三角協力という御提案をいただきました。こうした取組自体は、二国間及び当該国間の協力関係の強化というメリットもあることから、具体的にどういったものができるのか、私はまだちょっと十分検証はしておりませんが、考え方としてはこれは前向きに考えられる方向ではないかと認識をいたします。
#100
○浜田和幸君 ありがとうございます。是非、従来の発想の枠を超えた創造的なODAの在り方を追求していきたいと思っています。
 その三角協力の中で、例えば北朝鮮との関係にしても、食料危機ですとかエネルギー危機が言われていますよね。そういう中で、今中国が最大の北朝鮮にとっての援助国になっているわけですけれども、日本と中国が協力して、北朝鮮の食料危機やあるいはエネルギー問題に対して協力するというような形の三角協力の在り方というのは可能でしょうか。
#101
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮との関係におきましては、現状、我が国は北朝鮮に対しまして、対話と圧力の方針の下に、日朝平壌宣言に従って、核、ミサイル、拉致、こうした諸課題を包括的に解決すべく北朝鮮に対して真摯な行動を求めている、こういった状況にあります。
 ですから、こうした難しい局面をまず考えなければならないと思いますが、この三角協力の活用ということにおいては様々な可能性があると考えています。具体的に北朝鮮への協力ということについては、今現在では考える段階にはないとは思っていますが、一般論として、様々な可能性については検討していくことはあってもいいのではないかと考えています。
#102
○浜田和幸君 是非、今現状は難しい課題があるにせよ、世界の平和と安定を考えたときに、混乱要因の根を除くという意味では、北朝鮮に対する様々な働きかけの一つに三角協力ということも是非、検討に値するのではないかと思います。
 そして、具体的に、日本の中小企業がODAのプログラムで海外に出かけているときに様々な実は課題に直面していますよね。行った先の国での法律の整備が不備であるとか、あるいは賄賂を要求されるという倫理的な問題とか、そういう実際現地に出かけている日本の企業からの様々な問題点の吸収というか、相談というのか、それを受け止めてどう受入れ国の政府に働きかけているのか。その辺りの現状についてJICAの方からお話を伺いたい、説明をお願いしたいと思います。
#103
○参考人(植澤利次君) 今の委員の御指摘、御質問に対してお答え申し上げます。
 まさにおっしゃるとおりでございまして、ODAを通じた形で日本の企業、ひいては向こうの民間活力をブーストアップしていくということは開発のテークオフにとって最も重要なポイントだと考えております。
 委員御承知のとおり、特にベトナムとの関係におきましては、まさに御指摘にあった点に注力すべく、両者間でそのような枠組みをつくって、これは民間、さらには向こうの行政も入れた形で、できるだけ障害のない形で双方にとってウイン・ウインの関係が進めるような体制で臨んでおります。
 引き続き、そのような形で進めますので御指導いただければと思います。
#104
○浜田和幸君 今ちょうどこれからサン国家主席の国会演説ありますもので、今説明がありましたようにベトナムというのは日本のODAの最大の受入れ国になっているわけでありますから、その援助の質とやっぱり方向性というものもこれからじっくりと検討していく必要があると思うんですね。
 恐らく今日の国家主席の国会演説の中で、日本とベトナムとの間のこういった経済協力、技術移転について量から質への転換を図る、箱物からソフト、そういう分野に医療とか教育とかに対する要望、いろいろと出てくると思いますので、是非そういった受入れ国からの要望をきちんと受け止めて、日本側からせっかく技術や知見を出すわけですから、そこにそごがないような、また日本とベトナムが新しい国際協力の在り方のモデルとなるような、そういう三角関係。今、インドとベトナムと日本が戦略的なパートナーシップを組んで様々な地球的な課題に取り組もうとか、あるいはベトナムとサウジアラビアが協力して日本の支援の下で新しい動きをつくろうとか、そういう新しい、これまでにないODAの在り方というものがいろいろと関係国からも提案が来ておると承知しております。
 是非、そういうことを受け止めた、新しい時代にふさわしいODAを外務省もJICAも我々も一体となって進めていくということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
#105
○委員長(岸宏一君) 以上で浜田和幸君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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