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1947/12/11 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第1号
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1947/12/11 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第1号

#1
第002回国会 予算委員会 第1号
昭和二十二年十二月十一日(木曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君
   理事 小島 徹三君 理事 苫米地英俊君
   理事 庄司 一郎君 理事 川野 芳滿君
   理事 東井三代次君
      田中 松月君    海野 三朗君
      加藤シヅエ君    河合 義一君
      黒田 寿男君    島田 晋作君
      竹谷源太郎君    中崎  敏君
      山花 秀雄君    川崎 秀二君
      工藤 鐵男君    五坪 茂雄君
     長野重右ヱ門君    青木 孝義君
      淺利 三朗君    磯崎 貞序君
      小峯 柳多君    西村 久之君
      今井  耕君    船田 享二君
      大神 善吉君    中村 寅太君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
        國 務 大 臣 西尾 末廣君
 出席政府委員
        大藏事務官   福田 赳夫君
        大藏事務官   今井 一男君
        逓信事務官   大野 勝三君
        逓信事務官   浦島喜久衞君
 委員外の出席者
        議     員 林  百郎君
        專門調査員   芹澤 兵衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
    ―――――――――――――
十二月十一日
 昭和二十二年度一般会計予算補正(第十二号)
 昭和二十二年度特別会計予算補正(特第六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十二年度一般会計予算補正(第十二号)
 昭和二十二年度特別会計予算補正(特第六号)
 國政調査承認要求の件
 小委員会設置の件
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 第二回國会の初頭にあたりまして、本日は早速これから予算制度及び予算案の調査に関する小委員会の設置に関する件と、それの前提となる國会調査承認要求書に関する件につきまして、御協議いたしたいと存じます。この問題につきましては、第一回の國会におきまして、準備を完了いたしておつた次第でありますが、諸般の事情により発足がおくれましたことを遺憾に存ずる次第であります。それで第二回國会の召集に際し、本日あらためて議長のもとに、國政調査承認要求書を提出いたしまして、その承認を得た後に小委員会を設置し、予算制度及び予算案の調査の事業を進めたいと存じます。國政調査承認要求書につきましては、大体第一回の國会におけるものと同一のものを提出いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
#3
○鈴木委員長 それではさように決定いたします。議長の承認がありますまで暫時休憩いたしますが、午後一時より開会することにいたします。
 なお休憩に先だちまして、調査資料の件でありますが、何と申しますか、各省の中に帳簿に載つておらないところの、いわゆる帳簿外の財産というものが相当にあるようでございまするが、それに関する資料を至急に政府に提出を求めたいと存じます。この点も御承認願いたいと思います。
#4
○鈴木委員長 それではこれで暫時休憩いたします。
    午前十一時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十二分開議
#5
○鈴木委員長 それでは開会いたします。
 本日提出になりました昭和二十二年度一般会計予算補正(第十二号)及び昭和二十二年度特別会計予算補正(特第六号)を議題といたしますが、便宜上まず懇談の形で政府の説明並びにそれに対する質疑を進めたいと存じます。
     ――――◇―――――
    〔午後二時十三分懇談会に入る〕
    〔午後四時二十五分懇談会を終る〕
     ――――◇―――――
    午後四時二十六分開議
#6
○鈴木委員長 それではただいまより開会いたします。
 懇談会の形において進めてまいりました間に、政府の議案に対する説明を聽取し、並びにそれに対して委員諸君からの審議を行つてまいつたのでありますが、以上において大体委員各位の質疑は終了したように思いますので質疑を打切ることに御異議ございませんでしようか。
#7
○鈴木委員長 それでは質疑はこれをもつて打切りまして、討論採決にはいりたいと思います。
#8
○川島委員 この際討論を省略いたしまして、ただちに採決せられんことを希望する動議を提出いたします。
#9
○鈴木委員長 川島君の動議に御異議ございませんか。
#10
○鈴木委員長 御異議ないものと認めてさように決定いたします。
 これより採決にはいります。昭和二十二年度一般会計予算補正(第十二号)、昭和二十二年度特別会計予算補正(特第六号)、右の両案に賛成の諸君の起立を願います。
#11
○鈴木委員長 起立総員。よつて両案はいずれも原案の通りに可決いたしました。
     ――――◇―――――
#12
○鈴木委員長 なおこの際午前中の会議において皆さんの御賛成を得ました予算制度の調査に関する件、予算案の調査に関する件二つは議長より許可がございましたので、委員長において小委員の選定、役員の選定等をいたしたいと思いますが、これは前の委員長の通りでございますから、指名を委員長においてここで読み上げるここに御承認を願いたいと思います。
#13
○鈴木委員長 それでは読み上げます。
 予算制度調査に関する小委員
      稻村 順三君    海野 三朗君
      河合 義一君    加藤シヅエ君
      竹谷源太郎君    西村 榮一君
      安平 鹿一君    押川 定秋君
      小島 徹三君    鈴木 明良君
      鈴木 強平君   長野重右ヱ門君
      淺利 三朗君    植原悦二郎君
      角田 幸吉君    世耕 弘一君
      苫米地英俊君    樋貝 詮三君
      本多 市郎君    船田 享二君
      工藤 鐵男君    原 健三郎君
      東井三代次君
        小 委 員 長 小島 徹三君
        副 委 員 長 稻村 順三君
        理     事 竹谷源太郎君
        同       鈴木 強平君
        同       世耕 弘一君
        同       船田 享二君
 予算案調査に関する小委員会の委員
      川島 金次君    黒田 寿男君
      島田 晋作君    鈴木茂三郎君
      田中 松月君    中崎  敏君
      中原 健次君    山花 秀雄君
      川崎 秀二君    五坪 茂雄君
      鈴木彌五郎君    佃  良一君
      寺島隆太郎君    山崎 岩男君
      青木 孝義君    磯崎 貞序君
      上林山榮吉君    小峯 柳多君
      鈴木 正文君    庄司 一郎君
      西村 久之君    本多 市郎君
      今井  耕君    川野 芳滿君
      古賀喜太郎君    大神 善吉君
      中村 寅太君    野坂 參三君
        小 委 員 長 鈴木茂三郎君
        副 委 員 長 西村 榮一君
        副 委 員 長 山崎 岩男君
        理     事 中原 健次君
        同       五坪 茂雄君
        同       本多 市郎君
        同       川野 芳滿君
 以上でございますが、御贊成願いたいと思います。
 なお調査資料の件でありまするが、これも午前中に承認を得ておりまするが、各省における帳簿外財産の処理及び現況に関する資料各十部を政府に提出を要求いたします。
 なおただいま申しました小委員会は、随時必要に應じて開会していきたいと存じます。それに必要な資料に関しまして、前に政府に要求してございまするが、まだ御提出になつておりませんので、重ねてこの際資料の至急提出を要求いたします。
 一、各省及び各廳が大藏大臣に提出いたしました明年度、すなわち昭和二十三年度の(1)歳入歳出及び国庫債務負担行為の見積に関する書類。(2)物資需要調査。(3)労務需要調書その他参考書類。(4)復興金融金庫及び各種公園の昭和二十三年度予算見積書。以上各二部。
 二、昭和二十二年十月三十日附をもつて本委員会が承認した(1)予算制度に関する資料各三部。(2)予算の執行状況に関する資料各三部。
 三、昭和二十二年十月九日附をもつて本委員会が承認した苫米地委員要求の(1)終戰後新設または増設の官廳名、その職員数、給與その他の資料各三部。
 これを政府に要求することにいたします。
 たいへんありがとうございました。散会いたします。
    午後四時三十四分散会
     ――――◇―――――
#14
○鈴木委員長 それではこれから懇談会の形で進めます。
 大藏大臣は後ほどお見えになりまするが、大藏大臣からは、財政的な見地からのこの議題に対する御説明がございますが、その前に官房長官から、この議題についての御説明がございます。
#15
○西尾國務大臣 官廳職員の待遇改善問題に関し、その経過及び中央労働委員会の調停案に対する政府の方針を御説明申し上げたいと存じます。
 官公廳各労働組合が全官公廳労働組合連絡協議会を組織して、八月十五日政府に対して、適正價格による生活必需物資の完全配給を裏づけとし、これに必要な地域差を考慮した最低賃金制の確立、及び生活補給金として一月より六月までの赤字補填金、本人二千円、扶養家族一人千円の支給を要求し、これに対して爾來数次の交渉を重ねたのであります。しかして政府は、この要求に対して、新物價体系を確立するため千八百円賃金基準の堅持が、労働者のみならず、國民全般の生活を安定帯に導くゆえんであるとして、その要求の全面的に承認しがたいことを主張してきたのであります。しかし政府は官公廳職員の生活困難の実情を認めまして、でこぼこ調整金の支給、あるいは給與の繰上げ支給等を行いまして、当面の生活困難打開に可能なる限りの措置を講じますとともに、政府の施策に照らし、正当なる要求はこれを承認して、その円満なる解決をはからんとしたのであります。しかるに官公廳各労働組合を代表する交渉委員の構成は、それぞれ異なる意図と共同闘爭的組織となつておりましたために、交渉は円満に進展せず、これをもつてしましては、その円満なる解決点に到達することが至難な情勢にあつたのであります。從つて政府は、中央労働委員会に対して調停を申請し、この調停機関による解決を期待したのてあります。組合側におきましても、その後九月十五日、全逓信從業員組合がまず中央労働委員会に提訴し、國鉄労組、日教組等も引続き提訴いたしたのであります。政府は中央労働委員会の裁定の公正を確信しその権威を尊重することが、労働爭議を平和的解決に導くゆえんであるとの信念に基きまして、調停案の速やかなる提示を基待しておつたのであります。全逓信從業員組合が提訴して以來、中央労働委員会が、この至難な問題に対して調停案作成に努力されたことに対しましては、深く感謝するところであります。かくて十一月十四日、全逓信從業員組合の申請に対する調停案が提示されるに至つたのであります。政府はこの調停案に対して、これを政府職員全体に対するものとして措置することといたしたのであります。中央労働委員会の調停案は、全逓信從業員組合、國鉄労組の申請に対するものでありますが、両者ともに大体同一のものであります。從つてここでは全逓信從業員組合に対する調停案を中心として、全官公廳職員の待遇問題に関して御報告申し上げることといたしたいのであります。
 御承知のごとく、全逓信從業員組合の調停申請事項は十項目の多きにわたつておるのでありますが、今回の調停案に取上げられました事項は、物價安定を基礎とする最低賃金制の確立及び生活補給金の支給の二項目であります。この二項目は全官公廳職員に共通する問題でありまして、これを解決することによつて官公廳職員の待遇改善問題はその解決を見ることとなつておるのであります。もちろん全逓信從業員組合の調停申請事項中には、電氣通信事業の民主的一元化、大藏省預金部中逓信省関係資金運用権を逓信省に移管し民主的に運営せよ、及び官廳勞働組合の團体協約に対する八月二十日附閣議決定を撤廃せよなどの項目がありますが、これらの事項を労働問題として労働爭議調停法に基き裁定すベきや否やに関しましては、幾多の検討を要するものがあります。政府としては、かかる政治行政部面において解決すベき事項をまで労働委員会の裁定に委ねることに対しましては反対の意向をもつておるのであります。これらの問題に関しましては、中央労働委員会に政府の意向を傳え、その公正なる判断を基待しておるのであります。
 今回の調停案に示された最低賃金制の確立、生活補給支給の大体の内容を申し上げますと、最低賃金制の問題に関しましては新給與体制を確立し、これを明年一月より実施することを指示しておるのであります。本件に新給與体制の確立に関しましては政府においてもすでにその必要を認め、これが準備を進めつつあつたのであります。すなわちこの際從來の給與制度を根本的に改善することといたし、職階職務給與制の採用と民間における能率給を加味した新給與体系を確立し、規律の確立と誠実なる勤労に対する生活の確保を期しているのであります。さいわいに中央労働委員会の調停案においてもこのことが指示されましたので、調停案の趣旨を尊重し、速やかに新給與体系確立に関する委員会を設置しまして、十分なる審議を逐げ、その万全を期したいと考えておるのであります。次に生活補給金の支給に関しましては、本年一月より十二月までの生活費赤字を推計し、乙地五人家族を水準としてこれに五千六十二円、二・八箇月分の支給を指示しておるのであります。この生活補給金の問題に関して政府は最も愼重なる檢討を逐げ、官廳職員の待遇改善に万全を期するとともに、健全財政の堅持、新物價体系に影響なきことを期しておるのであります。中央労働委員会の調停案に対する回答が、諸般の事情で未だ発表の時期に至つておりませんが、労働爭議を平和的に解決するためには中央労働委員会をその機関として権威づけることにあると信じます。從つて政府は調停案の趣旨を十分尊重し、調停申請事項の平和的処理に努力しておるのであります。調停案の指示する生活補給金は、労働組合側の要求にも示されておりまする通り、本年一月に遡及して、生活費赤字を救済しようとする、いわゆる犠牲補填の思想に出発するのであります。過去の犠牲を補填しようとする思想を容認いたしますときには、あらゆる部面において問題を派生することが懸念されますので、政府はこの思想に対しては断固否定せざるを得ないのであります。しかしインフレ進行の阻止に協力し、職責遂行に精進する官公職員の生活困難に対しては深く感謝し、同情の念禁ずる能わざるものがあることは言うまでもないのであります。この意味におきまして中央労働委員会の調停案は、これを十分尊重し、その生活困難を緩和せしめたいと考えておるのであります。そこで政府しいたしましては臨時的給與につきましてはこれを過去に遡及することなく、要求が提出され、労働協約の更改期以降について考慮することといたしたのであります。新物價体系に基く賃金基準は、生産能率に即應するものであつて、生産の上昇とともに、賃金もまた上昇する仕組となつておることは周知の通りであります。從つて新物價体系確立後において、民間企業の賃金水準が向上いたしましたことは、生産能率の回復を示すものとして、一面よりすれば慶賀すべき現象と言わなければならぬのであります。これに対し生産を伴わない官廳職員の給與は、民間企業の労働者と均衡を失するに至りましたことは、けだし当然と言わなければなりません。かかる不均衡を是正して、國民生活に均衡を得せしめるためにも、官廳職員の給與引上げの措置を必要としているのであります。
 政府は以上の理由に基きまして、調停案の提示する二・八箇月分の給與を支給することとし、これによつて官廳職員の生活を再建せしめ、もつてその職責遂行に遺憾なきを期せしめたい方針であります。しかし御承知のごとき現下財政の困難は、容易ならざるものがありまして、これを一時に支給することは、とうてい至難の状態にあり、從つて次のごとく措置したいと考える次第であります。
 最初の一箇月分については、先般すでに御協賛を願つたのでありますから、これを本月十五日前後に支給することといたしたいと思うのであります。次の一箇月分の支給については、後刻大藏大臣から御説明があることと思いますが、本月下旬にこれを支給することといたしたのであります。残りの〇・八箇月分については、目下その財源に関して極力研究努力しておりますが、これが調達は現在至難の状態にありますので、財源が確保され次第、國会に提案して、御協賛を得たいと考えております。その時期はおそらく大体明年一月の再開劈頭と予定しておる次第であります。
 以上政府は官廳職員の待遇改善に関して、健全財政堅持を大前提として、あらゆる予算的措置を講じ、その遺憾なきを期しているのであります。財政窮迫の折から、あえて中央労働委会員の裁定を尊重し、大乘的見地に立つて、爭議の平和的解決に努力いたしておりますのは、國民生活に均衡を得せしめ、一丸となつて現下の危機を克服し、國家再建に邁進せしめたいからであります。
 なおこの際特に一言いたしたいことは、官廳職員に対する今回の給與は、民間企業の給與と均衡を得せしめるためのものでありますことは、前にも申し上げました通りでありますが、この点さらに強調いたしますのは、從來の民間給與は、官廳職員に例をとる事実があつたのでありますが、官廳職員の今回の給與には、賞與とか、越冬資金という性質は、全然ないのでありまして、民間企業がこれに追随するようなことがありますれば、せつかく緩和しつつありますところのインフレを刺戟し、はかり知ることのできない経済危機を招來することすら懸念されることにつきましては、とくと御留意を願いたいと思つているのであります。
 最後に官廳職員の給與の増額は、國民の負担を加重することなくしては行えないのでありますから、一層職務に精励し、もつて國民の期待に報いなければならないのであります。從來生活困難を理由として官規をみだり、業務に支障を與えたものもあつたことは、まことに遺憾とするところであります。政府は惡質なる業務妨害に対しては、断固たる方針をもつて臨んできたのでありますが、今後さらに組合運動その他に名をかりて、公務員としての職責を自覚しない者がありますとすれば、官規に照らし嚴重に処断する方針であります。
 以上官廳職員の待遇改善を中心といたします調停案に対する政府の方針を御説明申し上げた次第でありますが、その生活困難の実情を御賢察くださいまして、政府今回の措置を何とぞ御了承くださらんことを、切にお願い申し上げる次第であります。
#16
○鈴木委員長 大藏大臣はまだ見えませんがもうじきにお見えになると思いますから、それまで西尾官房長官に御質問があれば、その御質問を先に願いたいと思います。
#17
○稻村委員 給與局長ならばこまかい点はわかると思いますけれども、内閣の問題として一應大綱だけお聽きしたいと思います。この給與を一時支給として出すにつきまして、地域差その他に関しましては、大体この前の千六百円ベースから、千八百円ベースの差額を支給したあの当時と同じような支給方法をとるのかどうか、その点をちよつとお伺いしたいと思います。
#18
○今井政府委員 お答え申し上げます。最終的にはまだ確定いたしておりませんが、この前の六百円のときの差額は、御承知の通り法律案の表面は二割から十二割にいう開きでございまして、実行の場合には、これを八割から三割狹めまして実行いたしました。今回とりあえず政府がまとめました案は二箇月でありますが、最初の一箇月分は地域差を全然みておりません。今回出そうという一箇月分につきましては、中労委の調停案の趣旨が、そういつたことを極力考慮せよということでございますのと、数学的にもそういつた数字が出てまいりますので、その点を加味して、今回の法律案には一箇月分につきましては、最高を十三割、最低を七割、從つて二箇月にこれを考えますと、二十三割と十七割の大体色をつけたらどうか。但しこの点につきましても時間的余裕がございませんでしたので、一應法律案をさように御決定願いました上で、さらに組合の方の意向、中労委の方の具体的見解を、いま少し聽いた上できめたいと思います。
#19
○川島委員 そうすると次の〇・八の場合には、最初の分の基準でやるのか、二回目の基準に沿つてやる方針であるか、それを伺いたいと思います。
#20
○今井政府委員 その点は今回の最終的な決定をいたしませんと、何とも申し上げかねる次第でありますが、いずれにいたしましても、この前の千六百円と千八百円の差額のときのような、差のつくやり方をとることは適当でないと考えております。
#21
○川島委員 一言お伺いしたいと思います。先ほど長官から、中労委の裁定に從つて、近く給與体系の審議会を設置するというお話がございましたが、その給與体系を確立いたします審議会の構成などについては、すでに腹案ができているのでありますか、またできているとすれば、その設置の時期を大体いつごろに予定しておるか。その点腹案がございましたら、この機会にお示しを願いたいと思います。
#22
○西尾國務大臣 お答えいたします。腹案はすでに閣議決定いたしておりまして、大体定員は七名といたしまして、中央労働委員会から三名、政府側から二名、組合側から二名ということに大体いたしております。人選等につきましてはまだ確定いたしておりませんが、組合側の人選等につきましては、中労委とよく相談の上決定するようにいたしたいと考えております。実施につきましては、もうすでに遅くなつておるのでありますから、一日も早くその緒につきたいと考えております。
#23
○稻村委員 等級を定める、定めないの問題は別といたしまして、各地域の等級につきましていろいろな問題がたくさんでき、また最初の等差は一應人口割とか、そういうものでもつて、きわめて速急にやつたために不備も多かつたのであります。小さくとも、たとえば観光都市のようなところは物價が高いとか、あるいは非常に不便なために物價が高いということができてまいりますが、これにつきまして、そういうものもある程度考慮して、だんだん地域の等級を部分的に修正していく方向をとつておるのか、やはり從來の等級をそのまま維持するという氣持なのか、その点お聽きしたいと思います。
#24
○今井政府委員 申し上げます。当初この問題は、三月に一應六大都市を一つのクラス、普通の都市をその次のクラス、次に一般市町村という三つの段階で進んだのでございますが、その後組合方面の要望等をとりまして、お示しのようないろいろの問題がございますので、随時調査、補正を重ねております。最近におきましては毎月、あるいは一月おきには、調査の完了次第、数十箇所程度を手直しをいたしております。とにかく非常に困難な問題でございますが、こういつた問題をそういつたやり方でやつていくのがいいか、惡いかにつきましては、われわれとしては非常に疑問をもつております。今回設定されようとする給與関係の委員会におきましては、ぜひこの問題につきましても、ひとつ方針をきめていただきたいと、われわれ係りに携わているものといたしましては、ひそかに願つている次第であります。ただ組合の内情からいたしまして、組合と團体交渉ではきめにくい問題でございますので、いきおいやむを得ず、政府側の方で調査をいたしまして、いわば一方的にきめるような話合いになつておりますが、とにかく資料その他の関係から、常に問題がございますので、從つてこういつた専門委員会でもできました際に、一つの話合いをまとめまして、その方向で全面的な再檢討の時期を決定いたしたいと常々思つております。
#25
○稻村委員 なお質問がありますが、あとは大藏大臣に……。
#26
○鈴木委員長 それでは大藏大臣が來られましたから、大藏大臣の御説明を先に伺います。大藏大臣。
#27
○栗栖國務大臣 昭和二十二年度一般会計予算補正(第十二号)、及び昭和二十二年特別会計予算補正(特第六号)について御説明申し上げます。
 この補正予算はさきに政府職員に対しその給與の一箇月分に相当する一時手当の支給に関しまして、昭和二十二年度一般会計予算補正(第十号)及び昭和二十二年度特別会計予算補正(特第五号)として御協賛を得て成立いたしましたが、今回さらに給與の一箇月分に相当する額を、一時手当として支給することといたしました。これに関しまして、必要な経費等につきまして、補正予算第十二号及び特第六号といたしまして提出いたした次第であります。
 まず一般会計予算補正について申し上げます。この補正予算第十二号の歳入歳出は、おのおの三十四億七千四百九十余万円の増加でありまして、これをすでに成立いたしました昭和二十二年度予算額二千九十三億八千二百八十余万円に加えますと、二千百二十八億五千七百八十余万円と相なるのであります。この補正予算の内訳を申し上げますれば、政府職員に対し特別の一時手当支給に必要な経費として、一般政府職員に対する分五億九千四百六十余万円、地方公共團体補助職員に対する分三千六百九十余万円、地方警察職員に対する分一億一千九百六十余万円、義務教育職員に対する分二億九千八百四十余万円、計十億四千九百六十余万円、厚生保險及び農業共済再保險特別会計所属職員に対する特別の一時手当支給の財源の一部を、一般会計において負担するため四百六十余万円、大藏省予金部、國有鉄道事業、通信事業、簡易生命保險及び郵便年金の各特別会計の関係職員に対する特別の一時手当支給に必要な経費の財源について、当該会計において調達し得るものを除き、一般会計より繰入れるため大藏省預金部特別会計へ繰入れ九千六百二十余万円、國有鉄道事業特別会計に繰入れ九億九千三百余万円、通信事業特別会計へ繰入れ五億余万円、簡易生命保險及び郵便年金特別会計に繰入れ九千百三十余万円、計十六億八千七十余万円、政府職員に対し一時手当支給に伴いまして増加する所特税の收入の一部を、地方公共團体に分與するため、地方分與税分與金特別会計へ繰入れ一億九千三十余万円、地方公共團体の財政の実情に鑑みまして、地方費支弁の職員に支給する特別の一時手当の財源を、地方公共團体に貸付けるために十三億九百六十余万円、合計四十二億三千四百九十余万円を追加いたしますのと、貿易資金繰入れの既定予算につきまして、七億六千万円を修正減少をいたしまして、差引補正増加額三十四億七千四百九十余万円と相なつておる次第であります。この歳出予算補正増加額の財源といたしましては、所得税収入の増加八億円、タバコ賣渡し價格の改訂による專賣局益金の増加二十六億四千五百二十余万円、前年度剰余金二千九百七十余万円と相なつております。次に特別会計予算補正(特第六号)について申し上げます。特別会計予算補正は、地方分與税分與金特別会計ほか十七の特別会計に属するものでありまして、その予算補正額は、各会計を合計いたしまして、歳入四十八億三千百七十余万円、歳出二十一億九千百五十余万円の増加と相なつております。この歳出増加の内訳は、政府職員に対し特別に一時手当支給に必要な経費十九億六千六百十余万円、右の一時手当支給財源として、他会計または他勘定へ繰入れ一億九千百七十余万円、地方分與税分與金の増加一億九千三十余万円、合計二十三億四千八百二十余万円を追加いたしますのと、既定の予備費予算等を一億五千六百七十余万円修正減少いたしまして、差引き二十一億九千百五十余万円の増加と相なる次第であります。右のうち國有鉄道事業特別会計工事勘定、所属職員及び通信事業特別会計建設勘定所属職員の特別の一時手当支給に必要な経費の財源は、これを公債金收入によることといたしました。その金額は國有鉄道事業特別会計におきまして六千六百八十余万円、通信事業特別会計におきまして三千五百四十余万円であります。以上をもちまして昭和二十二年度一般会計予算補正(第十二号)及び昭和二十二年度特別会計予算補正(特第六号)の説明といたします。
 なお本補正予算は、成立の上は、先に前國会において成立いたしました一般会計補正予算(第十号)、及び特別会計補正予算(特第五号)と相まち、官公職員に対しこの際二箇月分の一時手当を支給し得ることとなるのであります。中労委裁定にかかる残りの〇・八箇月分につきましては、別途財源を用意し、できるだけ近い機会において支給し得るよう取計らう考えであります。いずれこれに関する法律案及び予算案を当國会に提出し御審議を願う考えであります。以上の次第でありますので、本案につきましては早急に御審議の上、御賛成あらんことを御願いいたす次第であります。
#28
○鈴木委員長 なお大藏大臣の御説明を補足するために、主計局長から補足的に御説明を願います。福田主計局長。
#29
○福田政府委員 ただいま議題になつておりまする予算案は、その大綱が昨晩の七時ごろ決定になりました関係上、正式の書類はとうてい間に合わすわけにいかなかつたのであります。しかしながらできる限りの書類を整備することをただいま努力しておりまして、四時過ぎころにお手許に配布できる、かように考えております。御了承願いたいと存じます。そこで取あえずお手許に一枚の紙を配布してあるのでありますが、これによりましてただいまの大藏大臣の説明を若干補足いたします。
 まず歳出でありまするが、一時手当一月分、これは一般会計が十億四千九百万円、特別会計への繰入れが十六億八千五百万円、特別会計の方は特別会計自前でできるところもあるのでありますが、自前でできないところの預金部と國有鉄道、通信事業、簡易保險及び郵便年金の、この四特別会計に対して繰入れを行うものであります。それから地方分與税分與金一億九千万円、これは歳入の面におきまして所得税の増收が八億円計上されておるのであります。この八億円の増収に対しまして、法律に定める定率によりまして、地方に繰入れるものであります。
 それから次の地方團体貸付が十三億九百万円となつておりますが、この十三億九百万円と一億九千万円とを合計いたしますとちようど十五億になるのであります。地方公共團体におきましては、政府の一時手当と同樣な手当を支給する方針をとつたのでありまして、このために財源を苦面する。一つは地方分與税分與金、それから一つは地方團体への貸付、この両者でその財源を出すわけであります。この地方團体の分は地方團体が非常に数も多いことでありまして、正確に何ぼの人間がいるかということはわかつておりません。しかしながら概算いたしまして百万人というふうに考えておるのであります。百万人といたしますと、大よそ十五億円をもつて足りるというのであります。しかしながらそれよりはやや一割くらいは多かろうという説もあるのであります。もし実際それより一割くらい多いということでありますならば、その場合にはこれは地方におきまして財源なり、あるいはこの経費の節約等をいたしまして、その差額を調達いたす、かような考えをいたしておるわけであります。
 それから次に貿易資金繰入れの減というのが七億六千万円計上してあるのでありますが、これは先般補正予算(第七号)におきまして、一般会計より貿易資金に対しまして五十五億円の繰入れを計上いたしたのであります。しかるにその後の情報を見ますと、これは砂糖に関係するのでありまして、砂糖は十一月におきまして五万トンの輸入を予定いたしておつたのでありますが、この五万トンの輸入が実際は全燃なかつたのであります。しかるに十二月におきましては、逆に六万トンの輸入の増加があるという見透しであります。從いましてここに一万トンの砂糖が、当時よりは余分にはいつてくるという見透しがあるのであります。それから現在におきましては、砂糖を貿易資金特別会計で外國より購入いたします。その購入いたしましたものを國内に賣りさばくのでありますが、その賣りさばくのは、日本の砂糖統制株式会社が主としてやるのであります。この賣渡し値段が一斥十円というふうになつておるのであります。これを今回二十五円に引上げるという措置を講ぜんとしておるのであります。この数量の増加並びに賣渡し値段の引上げに伴いまして、貿易資金におきましては收入が約十七億六千万円の増加と相なるのであります。ところが一面におきまして、先般補正第七号予算において計上いたしました砂糖消費税の問題があるのであります。これはその後砂糖消費税をかけ得る砂糖というものの六万トンを基礎にして計算しておつたのでありますが、これがなかなかはいつてこないという見透しがあるのであります。現在はその見透しをはつきりとこの予算に書くわけにはいきませんが、ただいま申し上げた通り、貿易資金の繰入れは、收入におきまして十七億六千万円の益になるというか、收入の増になるという状況でありますから、本來ならば十七億六千万円を、一般会計からの繰入れから全額控除してもよろしい筋合いでありますが、さような消費税の面における不確定要素も考慮いたしまして、さしあたり七億六千万円の繰入減をここに計上いたす措置をとつたのであります。
 それから歳入の面におきましては所得税の増收、これは今回中央地方を通じまして支出されますところの一箇月分の給與約四十五億円に対しまして、所得税が増收と相なる額を計上いたしたわけであります。それから「ひかり」の自由販賣というのでありますが、六億八千百万円、これは先般の改正によりまして、現在「ひかり」は製造を停止することとなつたのであります。しかるに從來の「ひかり」のストックが一億五千万本残つております。從來の「ひかり」の値段は四円でありますが、これを五十円をもつて賣りさばこう、かような計画であります。それから次に配給タバコの値上げであります。十九億六千四百万円、これは先般の補正第七号の措置におきましては、配給タバコの面におきましては値段の改正をいたさなかつたのであります。その結果朝日三円、「みのり」二円「のぞみ」二円というふうな單價に現在なつておるのでありますが、今回朝日を三円から七円五十銭に、「みのり」二円から五円に、「のぞみ」二円から五円に引上げまして十九億六千四百万円の收入を得んとするものであります。
 それから前年度の剩余金でありますが、これは前年度と申しますが、二十年度の剩余金はすでに累次の補正追加予算におきまして使用いたしまして、残額ゼロであります。ここに揚げたのは二十一年度の剩余金であります。二十一年度の予算の歳入超過見込額が三十六億九千四百万円でありますが、翌年度繰越財源として十九億六千万円を予定したのであります。差引純剩余金は十七億三千四百万円となつておるのであります。その十七億三千四百万円のうち公債償還財源といたしまして、その半分を使用するというふうに財政法できまつておりまする関係上、使用し得る剩余金といたしましては、残りの八億六千六百万円というふうになつておるのであります。そのうち過般御審議願いました補正第十一号において、五億六千万円を使用して、残りが三億六百万円あるのであります。この三億六百万円のうちを使用しよう、かような計画になつております。以上が一般会計でありますが、特別会計におきましては、ただいま大臣から説明があつた通りであります。
#30
○鈴木委員長 それでは順次質問を続行いたします。川島君、稻村君はまだ質問が残つておりますか。
#31
○稻村委員 残つております。
#32
○鈴木委員長 小峰君も通告されておりますが、それでは稻村順三君。
#33
○稻村委員 まず第一にお尋ねしたいのは、これは今度の予算が非常に財源がないということを政府でも言われておりますし、それからある部分において、こうやれば財源があるのではないかということも、巷間到りところに傳えられ、また議員の中からもいくたびか質問したと思うのであります。しかも今われわれがこうやつてここえ來まして、われわれもこの財源を、こういうところに認めるというようなことのよしあしを審議しておる暇もない。時間的余裕もないような状態になつておるのでありますから、政府としてはこの際世間でいろいろ問題になつておる財源、たとえば特殊の課税とか、あるいはまた專賣というようなものが、この應急の間に合わないなら合わないということを、はつきりとここで言明しなければ、國民がとうていこれに対して納得しない現状にあると私は考えておりますので、この財源につきまして應急の間に合わないとか、あるいは不可能であるとかいうような点につきまして、まず大藏大臣からの簡單な御説明を願いたい、こう思つております。
#34
○栗栖國務大臣 お尋ねに対してお答えします。今お話の通りに、財源はほとんど枯渇しておるのであります。特殊物件を処理したならば財源は出るかというのでございますが、これもいろいろ処理をいたして、整理を始めておるのでありますが、急の間に合わぬ次第でございます。なおこれにつきましては、いろいろ終戰直後に錯綜した無秩序な整理も行われておりますから、それから洗わないと出てこないような関係でございます。それから專賣その他でございますが、やはり專賣を実施するには、これはすぐ專賣というわけにはいかないのでありまして、相当の準備期間をおくわけでありまして、これも間に合わぬわけでございます。それから世間では、インフレ利得者に対して高率の課税をなお取り得るというようなことを言つておるのでありますが、これについては十分とるという建前で、先の臨時議会に御協賛を得ました追加予算が盛つてあるのであります。とれるかとれぬかの御議論もございますが、政府としては責任をもつてとるということでいたしておるのでございます。それ以上には大幅の財源は出ないような次第でございます。なおそのほかいろいろ課税その他については議論の余地があるのでありますが、準備その他をいたしまして、短かい期間とるということは、とうていできないのであります。そういすような関係でやむを得ずこういうような財源によつたような次第でございます。なおここで一言申し上げておきたいと思うのは、官公吏を別々に扱うというのではなしに、一律に扱わねばならぬのであります。公吏につきましてはほとんど地方の財源は枯渇しておるような有樣であります。先般の一箇月分につきましては御無理をお願いしまして、住民税をさらに引上げたような次第でございますが、今回はまつたく方法はつかない次第でございまして、政府の一般收入によつて財源をつくりまして、これを地方團体に貸出すというようなことをいたしておる次第でございます。
#35
○稻村委員 それからもう一つお尋ねしたいことがあるのであります。鉄道事業の工事勘定、それから通信事業の建設勘定の職員の一時手当というものは、これは公債金で出しているというような建前をとつているのでありまして、この点鉄道の事業の、あるいは通信事業の全般の手当から考えますと、その手当の占める割合がきわめて少いのでありますけれども、直接建設勘定、あるいは工事勘定の当属職員、あるいは建設勘定の所属職員というようなことではなくて、現業一般について、こういうふうな点について建設勘定あるいは工事勘定ともに、営業その他について、將來非常に密接な関係があるわけでありますが、これに対して公債を発行するという建前をどうしてとらなかつたのかどうか。その点……。
#36
○栗栖國務大臣 お答えいたします。鉄道と通信の建設勘定及び工事勘定、これは同じことでございますが、それについては公債をもつてこれを賄つておる現状でございます。これは実は前内閣の本予算におきまして、公債の発行を認めたわけでございます。そうしてこれは今回の追加予算――先の臨時議会で御賛成を得ました追加予算を編成するにあたりましても、実は深い原則によつてこれを整理したのでございます。鉄道通信の特別会計は、工事または建設勘定と損益勘定と、こう二つがあるわけでございます。普通の会社で言うならば、資産勘定と損益勘定というようなもにのなるわけだと思うのであります。建設勘定、工事勘定につきましては、公債をもつてこれを賄います。これはいわゆる事業あるいは投資のものでございまして、投資をすればそれだけの資産が残るわけであります。資産勘定とは全然違うわけであります。そこで財政法でも、この種のものには建設的の意味における公債として発行を認められておるわけでございます。インフレーシヨンの関係においても、公債を発行しましても、それが市場で消化をいたしておりますような現状におきましては、インフレーシヨンに何ら差障りを及ぼさぬわけでありますので、先般の追加予算の際にも引続きこの発行だけは認められたのであります。しかしながら損益勘定の赤字というものは、これはまつたく赤字でございまして、それを公債で賄うということは、財政法の精神から申しましても、なおかつ今の健全財政という面から申しましても、これは極力抑えなければならぬことでございます。十二月からは鉄道勘定には損益勘定に五十億、通信勘定に二十五億、合計七十五億を繰入れまして、そうして損益勘定の赤字はなくしたような次第でございます。そこでその原理から申しますと、手当につきましても建設勘定もしくは工事勘定に属するところの職員の手当でございますならば、これは先ほど申しましたような建設的の意味でございますから、公債をもつて賄つても差支えないわけでございます。しかしながら損益勘定のものにつきましては、まつたく赤字公債になるわけでございます。賄えないのでございます。從つて一般会計から普通の收入をもつて、これを繰入れまして賄うことにいたしたような次第でございます。
#37
○鈴木委員長 ちよつとお諮りいたします。御承知のような事情できようのうちに参議院においても本案は議決するところまで運びたいということであります。この問題については法律案と予算案が出ておりまして、大藏大臣は続いて法律案の方の説明にも行かれなければなりませんよやす事情でございますから、なるべく質疑は簡潔にお願いしたいと思います。
#38
○稻村委員 それでは簡單にいたします。大体私質問したかつたのは、あとの〇・八箇月はことし中に出せないというふうな話でありましたが、次に質問したいのは地方團体の貸付ということが問題になるのでありまして、今後もこういうふうな地方財政が枯渇している現状では、当分これが行われるのかどうか、またこれは回收する見込が立つているのかどうか、この点お伺いしたい。
#39
○栗栖國務大臣 地方財政は、やはり原則としては地方自治の建前から、独立の收支をとるというこてが建前でございます。そこで將來につきましては、この種のことは中央の財政も枯渇しております現在におきましては、やむを得ない方針であります。しかし今回は何分にも窮迫した事情があり、地方財政の立直しーそうしてそれからの独立の財政を立直すとかいうことには時間もあり、また時間的の余裕もないところの支出を迫られておりますので、やむを得ず特例としてこういう例をとつたような次第でございます。でありますから今後にはこの種の例は、例にならぬということでお考えを願いたいと思うのであります。そうしてこの返済でありますが、これはやはり地方の財政が、一般的に申しますれば相当紊乱をいたしておるのでございます。しかしただいま内務省と大藏省――内務省の解体された後は、一時的に自治委員会もございますが、しかしこれも間もなくなくなれば、大藏省におきまして地方財政を十分指導して、建直しをいたすつまりであります。その際においてその貸付金は返済を求める。こういうような方針でおるわけであります。そこでもちろん返済等につきましても、貸出の際には十分條件その他を考えまして、遺漏のないと同時に、地方財政にもあまりむりを生しないような、相当長い期間にわたつての返済といえことを考えたいと思つておる次第でございます。
#40
○稻村委員 あと一つだけ質問しておきたいと思うことは、実は所得税の増加が八億見込んであります。これは補給金その他によりますところの、労働者の收入増加という建前からやつたと思うのでありますが、前回の一時補給金の場合、地方の教員組合の人その他の資料から見ますと、所得税の減免によつて一箇月くらいはつくというふうな見込みでおりましたところが、むしろ逆にたくさん所得税をとられるという結果になりまして、この点実は生活補給金というものに対して、一應所得税の減免、家族扶助料の増加しただけを、それを増加として見込んでやつておりますと、実際上においては税の方でかえつて非常に困るという結果がきている材料もあるのであります。これについてこの増加分はとにかくといたしまして、この前の一箇月の増加分に対して、何とか善処しないと、せつかく増加を見込んで労働者の方で非常に喜んでおるときに、そういう現象が起きたということは、逆効果を來す原因になると思うのでありますが、この点についてどう処置するか、御返答を願いたいと思います。
#41
○栗栖國務大臣 実はその問題については、今も数字的の基礎を算出するように調整方を命じてきた次第でございます。大体におきまして現在の官公吏に対しては、一月以來二十二回の俸給の改訂をいたしておるわけでございます。そこで概算々々でとつてきまして、精算をいたしますと、あるいは余つたものを返す、不足分を取立てるということが自然起つてくるわけであります。二十二回も變るわけでございますので、その計算はたいへんめんどうなことに相なると思うのでございます。ところで俸給者の中で相当高いものについては別でありますが、それ以下のものにつきましては、むしろ政府の方から支拂勘定、つまり勤労所得者の方から言うならば、受取勘定に相なると思うのであります。それから高いものにつきましては相当の支拂勘定になるのでありまして、そこで受取勘定になる方から言えば、この際きちつと精算をして、受取るものは全部もらいたいということになるわけであります。支拂勘定の方のものは繰延ベてもあとに負担が残りますが、大体概算ぐらいで置いておいてもらえないかということにも相なるのであります。そこで政府としましては、この際全部に対する精算は、二十二回もの関係があつてできませんが、概算を立てまして、受取勘定の方には拂戻しをすることにする。それから支拂勘定――政府で支拂う勘定のものにつきましては支拂つてもらうことにしたしまして、個々の問題についてはその間に若干の調整をとつて、高額のものについては緩急よろしきを得るようにしたいと思つておる次第でございます。
#42
○川島委員 この際大藏大臣に対して、殊にまた大藏大臣が國務大臣の一人としての御所見を簡單に伺います。
 問題は、全國官公労組の要求に対して、中労委の裁定を全國的に尊重して、これをのまなければならなくなるに至つた重要な要素というものは、結局日本経済の今日における物價の問題であろうと思う。政府は官公廳の平均賃金を千八百円と抑えておりますけれども、その千八百円の安定賃金というものは、今日物價関係から搖ぎ出したという事実をここに物語つて、今日の結果になつたということに、深く思いをいたさなければならないと考えるのであります。殊にこの際私は二・八箇月問題のうちの一部である二箇月分に関する歳入面については、前回も、さらに今回も、私どもには若干の意見があるのでございますが、議案の審議をきわめて急いでおりますので、その問題については他日の機会に讓りまして、問題になりますのは、一般國民の必需的な物資の値上げを、そのおもな歳入源に求めておるということであります。その結果として政府がさきに定めましたいわゆる物價安定帶というものが、さらに一層の拍車を加えて、根底から搖ぎ出したということが私どもには明確に予想せられるのであります。かくのごとき状態をもつてして、はたして政府が先に策定いたしました物價の安定帶が堅持できるかどうか。堅持できないといたしますれば、どのような見透しをもつて明年に処していかれるのであるか。こういつた事柄と合わせまして、將來いわゆる官公廳労組の、一般の職員に対する千八百円の賃金ベースの再檢討を要する時期も來たのではないかと考えられるのでありますが、この点について大藏大臣の、國務大臣の立場としての御所見を一應承つておきたいと思います。
#43
○栗栖國務大臣 お答えいたします。御質問の点はきわめて重要なる問題でありますが、主管大臣をさておいて、國務大臣でありましても大藏大臣としてお答えすることは、もつぱら收支の賄いをつけるという面から來ておると思うのであります。そういう面から簡單にお答えしておきたいと思います。私はこの予算を組みましたけれども、これは千八百円のベースがもう壊れたという意味で予算を組んだのではないのでありまして、千八百円ベースのでこぼこその他むりなところを調整するという意味においてこの予算を提出いたし、御審議を願うことにいたしたような次第でございます。
#44
○川島委員 私は今の賃金ベースの問題と合わせてもつと大切な事柄は、日本経済の將來に関する物價安定帶の問題にあると思うのであります。賃金の問題は第二でありまして、要するに物價安定帶の堅持ができないために、一般の官公廳職員の生活の窮迫という結果を招來しておるということだけは言えるのではないかと思う。その意味において、その物價安定帶の、あのさきに策定いたしましたものを、どうしても堅持するという確固たる方針で進むのか、それとも物價安定問題は、今やもう一歩さらに靜かに檢討する機会が來たという考え方を政府はもつておるかどうか、それについて私は大臣の明確な御所見を一應伺つておきたい、かように思う次第でありまして、もう一遍御所見を聽かしていただきたいと思います。
#45
○栗栖國務大臣 大藏大臣といたしましては、去る七月にきまりました物價体系、安定帶、そういうものについての根本を動かすという考えはただいまもつておらぬのであります。ただ、でこぼこその他の調整をする、調整をする上において檢討を加える、こういう意味に考えておる次第でございます。
#46
○川島委員 大藏大臣にあまりきつくお尋ねを申し上げることはむりかと思いますので、この堤題は他日に讓りたいと思います。そこで逓信大臣が見えられておりますので、この機会にひとつ大臣の所見を伺つておきたいと思うのであります。逓信大臣もすでに御承知のことと存じ上げますが、この中労委の裁定に対して、まず政府職員のうちの大部分を占めております國鉄労働組合方面においては、現場に立つております自身の生活の窮迫にもかかわらず、中労委の裁定をのむことが、日本の現在の総合的な経済の上に立つて、やむを得ざるものだという確信をもたれました結果として、一部の國鉄從業員の中にはかなり不穏な空氣がみなぎつておつたのでありますが、最も健全にして、しかも日本の総合的な経済の上に立脚いたしました観点に立ちまして、こに中労委案をのむべしという大きな運動が行われまして、今日の國鉄の全面的な情勢というものは、逓信大臣も御承知のごとく、やや安途して差支えない程度になつておるのであります。從つて政府が、今回の熱意によりまして、この中労委の裁定線を守り、しかも実施するという事柄を傳え聞きまして、今や國鉄はさらに健全な組合として新しい事業に邁進をするという態勢がようやく確立せられんとしております。にもかかわらず、一方におきましては、この問題をめぐつて、大臣の所管下であるとろの逓信從業員の組合の各位におかれましては、今や全國にわたつて深刻廣範な一種の不穏な情勢が今日みなぎつており、それがために運輸、通信、あるいはその他の事柄について、きわめて重大な段階に國民は立たされておるような現状であります。この中労委の裁定を最も妥当として、政府が熱意をもつてこの予算の捻出に最大な努力を拂つておる次第でありますが、この二・八箇月を政府が全面的に採用いたしました上において、はたして逓信大臣の所管になりますところの全國逓信從業員組合の各位が、この政府の熱意にこたえるだけの用意をもつておりますか、それともまた別な行動、今日やつておられるような状態が、この二・八箇月が実現いたしましても、さらにこの不穏な状況が引続いて継続するような状態であるのかどうか、この点についての大臣の明確なお見透しを、この機会に御教示を願いたいと思うのてあります。
#47
○三木國務大臣 お答えをいたします。今回政府が二・八箇月分を御審議願う段取りになりましたにつきましては、中労委の裁定等もあり、また政府職員の生活の状態等も勘案をいたしまして、まつたく何と申しますか、財布の底をはたいたような感じのする苦心をいたしたのであります。この財政窮迫の今日、政府がこれだけの決意をしていたしましたことにつきましては、逓信從業員もおそらくこの政府の配慮に対しまして、日本の財政状態等もにらみ合わせて職場秩序維持のために深い反省と、さらに通信事業を護るために、一層の努力をされるものと私は期待をしておるし、また私自身としても、さように從業員の方向というものをもつていかなければならないという決心であります。
#48
○川島委員 もう一言逓信大臣にお伺いいたしますが、先ほどこの問題に関しまして、西尾官房長官の説明によりますと、この政府の熱意ある処置に対して、さらに別途な情勢が生れるような箇所があれば、それに対して政府は重大な決意をもつてこれに臨むという明確なことを言われておることを記憶いたしておるのであります。大臣の仰せのごとく、この問題の実施によりまして、おそらく逓信從業員の各位におきましても、日本の財政、日本の総合的な経済の上に立つての、何らかの了解点に達するものであろうと、また達してもらいたいということは、われわれの衷心から念願をいたす次第のものでございまするけれども、もしその事柄が過つて達つた方向にはいるような事態になりました場合に、大臣はどのような態度でもつて善処するのか、その点についての一應の御見解を承つておきたいのであります。
#49
○三木國務大臣 お答えいたします。先刻御答弁申し上げましたごとく、政府が調停案を受諾した、こういうことによつて從業員も職場の秩序を維持するために、一つの出発点に立つことと期待をいたしておりますが、しかしなおかつ今後、こういう中労委の調停案を政府が受諾し、困難なうちにも從業員の生活の改善をする配慮をしたにかかわらず、今後職場の秩序が乱れるというような事態があるときには、それはそういう方向をとるならば、その労働組合運動の方向は、決して健全なものではないのでありまして、おそらくは全從業員はさような方向をとらないことを確信し、もしさような場合があるならばそれは組合運動の健全な発達というよりかは、別の意図をもつものであると認めざるを得ないのであります。それに対しては、われわれとしては断固な決意をもつて臨みたい決心であります。
#50
○鈴木委員長 小峰柳太君。
#51
○小峯委員 非常に苦しい財源の中からやりくりをして、また非常にせつぱ詰まつた勤労者の生活のために、一時手当を出すことになりました政府の労に対しましては、われわれは大いに多とするものでございます。しかしこの案を見ますと、いかにも間に合わせのような感じがしてならないのであります。この点先ほど來各委員の御質問がありましたが、たとえばこの歳出、歳入について見ましても、三十四億拂う中から、所得税の増収と配給タバコの値上げで、すでに二十七億、八割以上の歳入を考えておられるのであります。しかし配給タバコは全部官公廳の方に使うわけではありませんが、何としても拂いはするが、とることをすぐ考えるというような、中味のやりくりにごまかしがあるような感じがしてならないのであります。一体組合の方の要求も、單に計数を得ないということでなくて、生活の擁護のために、適正な物資が手にはいることを考えておられるのでありましようから、数字の上だけでつじつまの合つたような、ごまかしがあるようはものは、嚴にこれは戒めなければならないと思います。そこで問題は非常に大きな問題になつておるのであります。川島委員も申されます通り、政府は千八百円べースをどこまでも堅持するおつもりか。また堅持できるとお考えになつておるか。私はこの問題は單にこういう計数の審議だけでなくて、政府の非常に大きな経済政策における轉換を用意しませんならば、次々にこういう問題が起りまして、一時手当が決して一時手当でなくなるだろうと思うのであります。その点つつこんで伺いたいと思うのでありますが、大藏大臣は先ほどから非常に上手なお言葉で逃げておられるようでありますから、この上お伺いすることも無理であります。われわれは補正予算をいくつも審議しますときに、常にその点は指摘してきたつもりでありますが、どうかもうひとつ、これを機会に腹をくくつた、新しい経済政策の出発に対して、十分に御決心あらんことを切望するものであります。なおこの問題につきまして事務的な、技術的な面になりますが、先ほど官房長官は下旬にこの支拂いをするとおつしやいましたが、私はもつとこまかく、何日ごろお出しになるおつもりか、伺いたいのであります。なぜこんなことを伺うかと申しますと、何にしましても今は勤労者の生活は実に火の車であります。少い金を上手にやるには、一日も早く支拂うことの方が、どれだけ生活の役に立つかということを考えますならば、今までのお役所仕事のように、予算は通つてもなかなか出ないということではいけない。下旬と言うが、いつごろ出せるおつもりか、この点を伺つておきたいと思います。
#52
○栗栖國務大臣 実は官公吏に対しては、十二月分の給料を十二月一日に前渡ししたのでありまして、そうしてさきの臨時議会で御承認を得ました一箇月分は、近々日に、二、三日うちに出し得ることに予定をいたしております。そういたしますと、一箇月分というものは下旬でございますが、私はその半ばぐらいまでのところには拂うようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#53
○淺利委員 今回の予算を拜見いたしますと、これは來るベきものが來たというふうなことがはつきりいたしたのでありまして、新物價体系の当初よりこのことあるベきことは、もう國民一般に、素人さえも予期しておるのであります。この問題についてはすでに他の委員から質問があつたのであります。私は重複を省きまして、ただ一点だけお伺いしておきたいことは、地方財政の問題であります。政府の政策の結果において、地方はかくのごとき犠性を拂わなければならぬということであります。これは世間の経済状態の結果とは申しまするけれども、主として政府の政策の結果に基くものであります。しかして今日の窮迫せる地方財政において、かくのごとき厖大なる財政支出をしなければならぬということは、地方財政を一層窮迫に陷らしめると思うのであります。ゆえにこの際政府は、地方にこれを貸付をするという御計画のようでありますけれども、地方團体としても、償還の見透しもなくして、これを國庫より借りるということは、はなはだ困ることと思うのであります。むしろ政府は思い切つて、これを補助の形式でもつておやりになる決心はないかどうか。また地方がこれを他日支拂いすることができなかつた場合には、政府はどういう処置をとられるか。それからこの貸付に対しては無利子でお貸付になるのか、あるいは利息つきでもつて貸付けられるのか。その点の御説明を願いたい。
#54
○栗栖國務大臣 お答えいたします。地方財政はただいま相当紊乱しておるのでありますが、しかしこれは建直さなければならぬし、建直しは借すに一定の年限をもつてすれば、十分できることでございます。そこでこれは貸付をいたしまして、補助等の方法によらない次第でございます。また國家全体の立場から申しまして、地方財政の独立という建前から申しましても、補助ということはむづかしと思つておるのであります。それから利子の点でありますが、これも貸付ということであるならば、ある程度の地方財政その他に應じた利息をとることが建前でございます。しかしこれは地方の情勢その他をもよく調ベまして考えたいと思うのでございます。國庫といたしましても貸付金で利息をとらないということは、財政法の建前その他の手続も要ることでありますし、ここではさようにまでは考えておらぬような次第でございます。
#55
○淺利委員 ただいま大藏大臣の御見解によれば、地方財政は將來建直しができるというお見込みのように観察されておるようであります。これは見解の相違ではありまするけれども、私どもから見ますれば、地方財政が当分建直しに好轉するということは、ちよつと見透されぬのであります。殊に今回災害を受けました地方のごときは、ますます窮迫状況にあるのであります。こういうものに対して政府のいかなる御指導によるかしりませんけれども、政府の御指導によりまして、將來好轉するという御見解のごときは、これはほとんど夢ではないかと私は思うのであります。むしろもつと実際的に御観察になりまして、この貸付のごときも、他日政府がとれないという場合も予想されて、何らかの方法を講じていただきたいと思います。殊に利子のごきも、あるいは利子の全額負担というような方法を用いられまして、政府みずからまいた種を刈取るという意味において、この地方財政窮迫に対する方法を講ぜられんことを希望申し上げるのであります。今日議論しましても、これ以上は意見の相違になりますから、これ以上は申し上げませんが、もう少し眞劍に地方財政の実態について御檢討くださいまして、今のような將來建直しができるというような、樂観的な考を拂拭して、地方財政を眞劍に御考慮願いたいと思うのでございます。
#56
○栗栖國務大臣 実は地方自治團体については、内務省と大藏省、内務省が主管でありますけれども、こういうように紊乱をしておりまして、そうしてこのままにしておくことは、いろいろ困る問題が起りますので、実は最近各地方自治團体の知事または市長、その他とも面接をし、いろいろ建直しの方法なども示し、そうして実際を檢討したのであります。そういますと、内容を見ますと穴費、人員の増加というような点も相当あるのであります。それと同時に國家がいろいろな機関をつくり、あるいは教員というようなものの費用が相当かさむという点もあるのであります。それから一方においては政府の徴税と違いまして、地方自治團体の徴税が十分な強制力を伴わないような点があるのか、非常に滯納が多いという事実もあるのであります。しかしながらこれを整理していきますれば、今淺利委員のお考えのように、悲観をしないで十分整理ができると思うのであります。先年東京市の財政、殊に電氣局の財政も紊乱したのであります。いろいろなお話が出ましたけれども、とにかくあれが立直りができたという事実もあるわけでございます。大阪市その他の例もあるのであります。この方針でもつて確固たる方針をとつてやつていきたい。大藏省としましては、その点は十分指導をし、そうしてこの長期整理をいたさせたいと考えるのであります。この貸付金もその中へ入れて、一部として長期にわたつて整理をいたそうと考えておる次第であります。
#57
○淺利委員 大藏大臣は地方財政の紊乱ということを基礎にして論ぜられたようでありますが、地方財政の紊乱なら整輪して好轉するということもあり得ると思うのであります。しかし紊乱にあらずして、一切の地方財源の枯渇しておる場合においては、そう簡單にはまいらないと思うのであります。ただ一、二の紊乱した財政を基本としてお考えでなく、ほんとうに財源枯渇及び民力の負担にたえないという点を基準として、御考慮を願いたいと思うのであります。
#58
○鈴木委員長 庄司君。
#59
○庄司(一)委員 きわめて簡單にお伺いいたします。ただいま議題となつております本案の歳入は、非常に御苦心のあとの歳入ではありますが、今回補正第一号より本第十二号補正にいたる間に、官有物件の拂下げ收入が、かなり各補正案に盛られておつたのであります。もとの陸海軍共有地、陸軍の師團司令部のあるところ、あるいは演習地、射撃場、陸海軍の工厰関係、これらの土地の適正なる処分、拂下げ等によつと財源を得られ、歳入を増さるるというような御計画が、本委員会においては、補正第一号よりただいま議題と相なつておる補正第十二号までの間には追加されておりません。昭和二十二年度の既決の予算には多少あつたようでありますが、これは速やかに善処されて、全國数百箇所に分散しておる土地を処分させ、歳入をあげられることに全力を注いでいただきたい。またこの際お伺いしたいのは、もとの皇室財産、天皇陛下の土地関係が日本政府に帰属されたのであります。そういう土地の関係も適当に考慮されて、速やかに善処されることが、乏しいわが國の財政を援助される上においてふさわしいものであると考えておりますが、そういう関係に対する御計画、御準備等はいかが相なつておるか、お伺してみたいと思うのであります。本員はこの歳入の中の二番目、タバコの「ひかり」の販賣によつて六億八千余万円をあげるというのを見て驚いた。こういうとつておきがあるならば、なせ六・三制の三の方を七億の問題の解決を急いでやらなかつたか。何も官公吏の待遇のために、ここに計上されることが悪いというのでありませんけれども、あんなに大きな問題になつた六・三関係に六億八千万円を増されたならば、合計十四億の解決ができたのではないかと考えるのであります。六・三制には「ひかり」賣上代金は用いることができなかつたという理由は、一体どういう理由であるが。どういうお考えであるか。補正第七号において予算をとられましたあの臨時農業調整法案等、國会においては審議未了になりましたああいう予算もあるのであります。またそれらの法律案に関連の予算が補正第七号の中にもあるのでありますが、あとの〇・八というような金額を來年に引延ばさぬで、俗な言葉で言えば二杯一杯と言いますか、先般一月分をきめ、ただいままた二月分ときめるというような姑息なやり方でなく、一・八を今回計上されて、待望している官公吏諸君のお台所経済のために出されたらいかがなものでございますか。私はどうも政府のやり方が姑息であり、因循であり、了解に苦しむ、やればやれる。何も來年を待つ必要がないのであります。
 そこでこの際いま一点伺いたいのは、きのうの新聞の報道によれば、福島縣白河市郊外の種畜場の場長が、五十何日間自分の俸給も部下の俸給も、手当もこないために、責任感に打たれて自刄したということが報道されておる。報道通りであるとすればまことに由々しい問題であります。大臣もその新聞をごらんになつたかどうかわかりませんけれども、政府がそういう方面に支拂うべき俸給を拂わないためであるという事実が、新聞の報道にあるのであります。これは重大な人道問題であり、社会問題であると私は考えておる。要は姑息手段をとらず、中労委の裁定の二・八を三箇月に刻んで出すというような、いかに國家の財政が多事多端でありましても、さようないわゆる切られ與三郎の三十何箇所の刀きずのようなものでなく、何とかうまくやれないものか。ただいま御指摘申し上げたように、補正第七号の中の臨時農業調整法案に必要なりとして計上された予算は、もう必要がなくなつた。そういうものをかき集めて、一遍にこれを提案されることが望ましいと本員は考えておるのであります。何も來年にこれを引延ばす必要はないのであります。大藏大臣はどういうお考えでありますか。御所見を承つて、時間的には一刻も早く、せめて本案には御賛成申し上げたいと考えておるのであります。
#60
○栗栖國務大臣 まず最初に國有財産の処分について申し上げます。これは今の庄司委員のお話のように、政府は非常に急いでおるのであります、政府としては、実は是は前内閣のときでありますが、本予算に二十二億をたしか計上しておると思うのであります。しかるに実際におきましてはやはり支拂能力その他というようなものが十分ないとか、あるいは轉用等が遅々として進まなくして、急いでおりますけれどもなかなかこの処分の決定ができない。決定しましても拂込みがなかなかとれないというような現状にありまして、たしか上期では二億くらいしかまだこの支拂いを受けておらぬのであります。下期についても大した数字になつておりませんので、政府としてはなおこの二十二億の予算の中で計上してありますから、これを少くとも上げるべく最善の努力をいたしておるのであります。それ以上にということは現状の諸般の事情を考えますとなかなかむずかしいのではないか、かように思う次第であります。
 それから六・三制の問題がありまして、「ひかり」の利益でもつて六・三制をやつたらいいではないかというようなことであります。これは先の臨時議会で本委員会においてしばしば申し上げましたが、財源の点と資材その他の点等の見合いが問題であります。財源等については大体捻出をいたしておりましても、資材その他の説明、あるいは資材その他の引当てということが問題になつておりますので、自然かように遅れておるような次第であります。しかし六・三制については政府としても十分考え、この資材その他の説明、資材その他の蒐集、見合いというようなこともつけつつありますから、早晩解決する問題だと思うのであります。
 それから給料を小刻みにするがどうかというようなお話でありますが、これは庄司委員も御存じのように、大体官吏だけが三十億ばかりであります。それから公吏を入れますと四十五億ばかりであるのであります。これをこの〇・八だけ計上いたしましても相当大きな数字になるのでありまして、これだけの支弁をいたすには、なお今回こうして急いでこの一・八を拂うというのに努力をいたしましても、間に合わぬような点があるのであります。そこで自然切離し、できるだけ早く一ポイントでも支拂える方がという意味で、実は政府は非常に急ぎまして、また各位におかれましてもわざわざ本日お願いをいたしまして、そうしてこの補正予算を出したような次第でございます。
#61
○苫米地(英)委員 本予算につきましては、政府も熱意をもつて官公吏の窮状を救おうといたしておるので、またわれわれもこれに劣らない熱意をもつて、一日も早くその窮状から脱出せしめたいという念願をもつております。從いまして私どもは政府のこの上とも善処せらることを熱望してやまないものでございます。しかし歳入の面を見ますと、これは今月下旬に拂い渡しをするという御説明でございますが、それまでに所得税の増收とか、「ひかり」の自由販賣とか、配給タバコの値上げとかいうようなもので、必要なだけの経費が收納せられるのもとは考えられないのであります。そこでおそらくこれは藏券をもつてひとまずお拂いになるものであろうと考えますが、これに関連いたしまして私どもが憂慮にたえませんのは、各方面からの情報を伺いますと、收税吏が税金の取立てということに、一向熱意をもつて働いておらないという情報がはいつておるのであります。もしこの情報が現実であるといたしますならば、これは財政全体の基礎を危うくするものである。このことについては、財政金融委員会の方が中心になつて運動をせられることになつており、これはきわめて適切なことと存じますけれども、なかなかなまやさしいことで、この情報が改まるものとは考えられないのであります。そこで先ほど官房長官もまた逓信大臣も、官紀粛正ということについてお言葉がありましたが、私どもは一方においてもつと待遇をよくするとともに、この際十分官紀粛正をやられることが必要であると存ずる次第であります。私は今大藏大臣にお伺いいたしたいのは、ここに見積られておるところの税收入は、支拂をするところまでにどのくらいはいつてくる御予定であるか。藏劵等で一時間に合わせていかなければならない金額がどのくらいであるかということをお伺いいたしたいのであります。なお地方團体の貸付については、淺利委員と同樣私は憂慮いたしておるのでありますが、これは他日に讓りたいと存じます。どうか時間のずれというものは赤字に變るということをお考えくださいまして、官紀を粛正し、また税務官吏を督励せられて、なるベく多く、早き時期に收納せられるようにいたしたいと希望いたすものでございます。
#62
○栗栖國務大臣 ただいま苫米地委員のお言葉はごもつともと思うのであります。これは單にこの追加予算だけの問題でなしに、すベての本予算、この各種の追加予算を全体をくるめて、支拂と歳入とを見合わしていくということが最も大事であると思うのであります。そこで今日までの実績を申しますと、先に臨時議会でお願いしました追加予算において御説明申し上げ、また各委員からも御質問がありましたように、この徴税というものは十分進んでおらないのでありまして、一方で滯納があるわけであります。その際説明いたしましたように、政府としてはあらゆる手段をもちまして、徴税を進めていく。また酒、タバコその他につきましても、手持品はなるベく早く処分をし、賣出しをいたしまして、收入をあげると同時に、浮動購買力を掬う、こういう方針をとつておる次第でございます。殊に十二月においてはそういう方針をとつておる次第であります。そこで藏劵によつてこれを賄うというようなことは極力避けたいと思つておる次第でございます。なお地方につきましては、この分與税について早く引渡しをして、その中で賄わすとか、あるいはその他の適当なる方法をとりまして、地方においてもこれによつて一時借入金でつなぐというようなことを防がしたいと思う次第でございます。こまかい数字につきましては、このことだけにつきましてはちよつと見当がつきかねますので、抽象的な御返事を申し上げましたが、どうか御了承願います。
#63
○川崎委員 私は簡單に御質問いたします。先ほど來の質問應答によりまして、大藏大臣はしばしば千八百円ベースは堅持している。千八百円ベースは崩れてないということを言われ、ただでこぼこを調整するためのものであるということを言われるのでありますが、現実の数字の上から見て、二・八箇月分を官公吏の給與に加えますときにおきましては、千八百円ベースは崩れていると断定してもよいかと私は考るるのであります。そこでこの際大藏大臣にお伺いいたしたいことは、私は現在の物價体系を堅持する方針はまことに結構であると思いますけれども、千八百円ベースの問題にからんで、明年度の予算を編成される場合におきまして、はたして大藏当局は千八百円ベースを堅持する方針のもとに、今後も進まれる方針であるかどうか、この点を伺いたいと思います。
#64
○栗栖國務大臣 川崎委員の御尋ねに対してお答えしたいと思います。この二十三年度、すなわち明年度の予算編成にあたりましては、この物價体系水準、賃金水準のみならず、あらゆる経済諸情勢というものを、すベて再檢討をいたしまして、そして國民の生活安定、あるいは産業の振興の点、その他各般の問題を根本的に掘り下げた上で、十分見透しをつけ、その見透しの上に立つて予算編成をいたしたい。かように考えている次第でございます。
#65
○川崎委員 大藏当局としてはその見透しをいつごろまでにつけられる確信をもつて進んでおられますか。
#66
○栗栖國務大臣 お答えいたします。実は予算案は本月一杯に出すベきはずになつております。しかし臨時議会のこの委員会で先般も申し上げましたように、そういうわけに諸般の情勢が至りませんので、これが來年の一月に延びると思うのであります。しかし少くとも一月のうちにはそういう見透しをつけ、さらに予算を組立て、そうしてその筋とも連絡をとつて、この一月中には何とかして提出するようなことにいたしたいと思いまして、ただいまも極力努力をいたしているような次第でございます。
#67
○川崎委員 明年度の予算の編成にあたりましては、もちろん與党との関係もあることでありますが、私は大藏当局が嚴然たる方針のもとに見透しをつけられて、一月中にまとめられるという御方針を承りまして、実は安心をいたすのであります。この際特に御要望を申し上げ、かつ大藏大臣の御信念を伺いたいと思いますのは、本年の予算のごとき総花式を切りかえて、生産も傾針生産に移つているのでありますから、財政も傾斜財政に移る必要があると私どもは確信をいたしております。すなわち六・三制の根本的檢討、明年度はわれわれはまさに日本が國際貿易線に参加をし得る態勢を整備しなければならない年であることから、経済復興の第一年とならなければならぬ。そのためには産業の復興を目指したあらゆる計画を盛られなければならぬ。その前提に來るベきものは、企業整備と行政の整理である。これらのことを断行せずして経済の安定はないという観点で、從來の総花式財政を傾斜財政に改めるベきであるという考え方をもつているのでありますが、これらの問題に対して大藏大臣はどういうお考えをもつておられるか、御答弁を承りたいと思うのであります。
#68
○栗栖國務大臣 明年度の予算編成につきましては、ただつじつまを合わすとか、あるいは今お話のように、総花式に少しずつ腰溜め的に支出を盛るとか、こういうようなことは避けたいと思います。明年度の予算は、今お話のごとくきわめて大事なものであり、しかも経済再建への歩みを大きく、あるいは強く踏み出したいと思うのでありまして、それがために再生産の問題、國民生活の安定とか、そういう問題に相当重点的の施策を見透し、その見透しに從つて予算をも盛りたいと考えておる次第であります。
#69
○鈴木委員長 ちよつとお諮りいたします。予算委員の野坂參三君が今日欠席されておりますが、野崎君に代つて林百郎君が、委員外として簡單な質問をしたいという御申出がございます。委員長においては許可いたしたいと思いますが……。
#70
○鈴木委員長 それではなるべく、急ぎます関係上簡單に……。
#71
○川島委員 議事進行について――正親の委員の中に、まだ発言を希望しておる方がございます。それを先にやつていただくことの方が至当と思うのでありますが、この際委員長においてお取計らいを願いたいと思います。
#72
○鈴木委員長 大体私の手もとの通告は済んだのですが、あとまだございましようか。ここで一つ御了承願いたいのは各派交渉会の意向は、今日は予算委員会を開かないで、本会議一本で、質問なしで可決したいという御希望でございましたが、委員長といたしましてはそういう取計らいでなく、委員会を開いて、時間の許す範囲で審議したい、こういうことで予算委員会を開くということにいたしたのであります。先ほど申しましたように、大藏大臣はまだ財政金融委員会でこれと関連する法律案を説明しなければなりませんし、その上で衆議院本会議を経て、さらに引続いて参議院において二つの委員会を開いて、参議院の本会議において今日中に可決するという取運びにいたします関係上、直接これに触れない、またはすでに質問されたような事項については省略して、簡単に質疑を終了いたしたいと思いますが、いかがでございますか。
#73
○鈴木委員長 それでは林君、簡單に願います。
#74
○林百郎君 大藏大臣に簡單に財源の問題についてお聽きしたい。官公廳の從業員の給料を上げますと、すぐわれわれ國民生活に彰響を及ぼすような面から財源を求めるということになつておるのであります。すなわちその点について重要なる問題を四点ほどお聽きしたいと思います。
 その第一点といたしましては、本日の読賣新聞に出ておるのでありますが、実はその財源として鉄道運賃の七割値上、郵便料の二倍値上ということを言つておるが、これは事実こういう意思があるかないかという点が一つ。
 それから第二点といたしまして、これは社会党の諸君も唱えておるところでありますが、社会新聞の十二月八日に、中原健次氏の意見といたしまして、大体やみ物資による不当利得者からの利益を徴税しろ、あるいは特殊物件の轉賣益金を徴税しろ、價格差益金にしても三百億ある。こういう面から徴収すベきものであつて、大衆に直接彰響を及ぼすようなタバコ、鉄道運賃あるいは郵便料というものに、全官公廳の從業員の給料問題を轉嫁すベきでない。そうすると全官公廳從業員と國民の生活との間に利害の対立を來し、ますます全官公廳の從業員を國民生活から遊離させ、対立させる結果になるから、これを避けるべきであるということを言つておる。この点について、これを本日の毎日新聞に加藤勘十氏もくれぐれも言つておりますが、將來新円大口利得者に対する課税あるいはやみ物資の不当利得者に対する課税、あるいは特殊物件の轉賣益金に対する課税、價格差益金に対する課税、こういうことを財源として考慮するかどうか。
 それから第三といたしましては特別会計の問題でありますが、これは通信にいたしましても、大体四百六十億円という郵便貯金が、特別会計から大藏省の特別貯金部へはいつておる。これを大藏省ではわずか三分四厘にまわしておる。郵便貯金の利息は二分五厘だ。この差は八厘にまわしているだけで、これで賄えないものは全部赤字になるのだということを言つておりますが、もし独立採算制を強制するならば、將來はこうした逓信関係の特別会計の益金、あるいは収得した金額を、全部鉄道なりあるいは通信なりに、独立した運営を任せるかどうかという点、殊に戰爭中毎年逓信局の方の特別会計からは、十余億円の繰入れをしておるのであります。戰爭中は十余億円の繰入れをしておきながら、戰爭によつて逓信のいろいろの施設が破壊された。それを補充するために金を出しておる場合、逓信事業から上つてくる金をわずか三分四厘でまわして、その利ざやのわずか八厘だけで独立採算を維持していくということは無理だと思う。將來はこうした逓信部門なら逓信部門に上つた益金を、逓信部門に独立に運用させる意思があるかどうか、鉄道の方につきましても、たとえば鉄道が炭價が上つただけで、すでに六十二億円の増加、これは石炭が上つたために鉄道の方が六十二億円の金を使つておるのであります。從つて結局從業員の給料を拂うために、この赤字になるのではなくして、大藏省の特別預金部が特に金融資本を擁護するために赤字になるのであつて、通信あるいは鉄道に独立採算を強いるならば、將來こういう面から上る一切の会計は、この特別会計に自主的に運用させる意思があるかどうかという点。
 また第四点といたしましては、独立採算制を強いるために、賃金の値上げをすればすぐ人員整理というような問題で迫つてくるのであります。われわれといたしましては、むしろ財源は別にある。また金融資本を擁護するための大藏省の資金運用のために独立採算制がとれなくて、通信も鉄道事業も赤字になつておる。そういう面から言いまして、人員整理ということはむしろ威かしだ。結局全官公廳の從業員の給料を値上げするために、大衆に負担をかけるものだ、金融資本に奉仕するのを隠しておいて、その面で責任を轉嫁して、全官公廳の從業員と、われわれ國民との間の遊離をはかろうとしておるのであるが、將來独立採算制の問題については、通信鉄道会計に、眞に自主性を認めるかどうかという点をお聽きしておきます。
 それから西尾官房長官がお見えになりましたから、西尾官房長官に簡單に三点ほどお聽きしたいと思います。先ほど西尾官房長官の答弁の中にありました、このたびの新給與体制委員会と團体交渉との問題はどうなるか、新給與体制委員会で給與がきまつた場合にも、なお團体交渉の余地を残しておくのかどうかという点、それから先ほど各委員からも質問がありましたが、結局新給與体制委員会によつて、新しい給與の体制を檢討するということは、すでに実質的には千八百円ベースが壞れておることだと思うのであります。從つて新給與体制によつて全逓の要求の第一にあるところの、最低賃金制の確立ということを檢討するということは、結局政府が千八百円ベースについて再檢討を加え、場合によつてはもしこれが非常に無理であるということならば、これをかえるという意思によつて、再檢討する意思があるかどうかという点が第二点、それから第三の点は行政整理の点でありますが、鉄道なりあるいは通信なりにしましても、労働基準法あるいは團体協約によつて締結されておる人員はすでに欠けておるのであります。むしろ人員を殖やさなければ、労働基準法によつて規定されておる労働が確保できないという際に、今言つた給與の値上げということを理由にして行政整理をするという意思があるかどうか、この三点を西尾官房長官にお聽きしたいと思います。以上をもつて私の質問を終ります。
#75
○栗栖國務大臣 お答えします。まず第一の点は、本日の読賣新聞に鉄道通信の値上げの問題が出ておつたが、これは上げるつもりかどうかというのであります。これはわれわれはただいまのところ何ら考えておらぬのでありまして、この新聞記事は十分な根拠なしに出したものではないかと思うのであります。
 それからよくお話でありますが、この際はつきり申し上げておきたいと思いますのは價格差益であります。價格差益は三百億あるとか何とかいうことは、これはお見込みであろうと思うのであります。ところが價格差益をすベてこちらが取上げるのでなしに、やはりある部分は相当に業者に、あるいはプール的に残すのでありまして、その一部を國家が價格差益金として取上げることになるのであります。そうしてこれは大体百億余と認めておるのであります。しかしこれを取上げるにつきましても、本年度におきましては六十余億と、こういうことに認めたのでありまして、その辺は十分御了承を願いたいと思うのであります。先ほどもすでに申し上げましたが、やみ利得者に対してもつととつたらいいじやないかというのでありますが、これは十分とるように政府が極力これを追求し、そうして徴税をするということを見込んでの財政でありまして、すでにこの間の追加予算がそうでありますので、この追加予算でさらにそれを見込むというようなことは、財政の上からいつて危険がある、こう考えるわけであります。財源的にそのほか、たとえば先ほども申し上げましたが特殊物件その他にすぐ捕まえ得る財源がありますならば、もちろんそういうものをこの中へ計上しまして、そうしていたしたいと思うのであります。現在におきましては十分把握し得、しかも財源として取上げ得る段階に至つてないものばかりでありまして、この際早急にこれを取上げるということはできない次第であります。
 それから通信関係の資金運用の利率の差その他についてのお話があつたのでありますが、これは実は逓信関係につきましても鉄道関係にもございます。あるいは大藏省預金部につきましても、私の今日までの仕事としても、あるいは嘱託その他で十分関係しておつたのであります。そういうような利さやが低いというお話でありますが、これはすでに終戦前からの内閣が、そのときの低金利政策できめたものでありまして、実は低い利ざやで他に運用をしておるのでありまして、これはだんだん改善していかなければならぬということになつておるのであります。しかしながらこれは補償打切りによるところの企業再建整備につれて、金融機関に再建整備という一線に沿うて整埋をし、改善していかなければならぬものでございます。そこで今の点だけをこの際ただちに取上げるというわけには至らぬと思うのであります。これは逓信関係のものでも、運輸関係のものでも、一種の金融機関として取扱われておりますから、從つて再建整備の手続を終え、十分改善をするという道順になる、こう御了承を願いたいと思うのであります。
 それから鉄道の関係になりまなが、炭代をおもにあげておられましたけれども、これは人件費等についても相当の厖大を來しておるのであります。そこで炭代もありましようし、各種の面でこの膨脹を來しておるのであります。そこでそういう各種の面から集まつて赤字が出たのでございますから、そういう点はやはり十分独立採算制という線に沿うて檢討し、慎重に考えて、これで赤字を防ぐという方向に至らぬといかぬと思うのであります。それからたとえば逓信関係、鉄道関係、預金部もありますが、金融資本というお話がありましたが、こうはつきり申し上げておきたいと思うのであります。これはこの言葉だけならよろしゆうございますが、こういう特殊なものは、國民の預金その他零細なる資金が集まつてここにこの基金をつくつているのであります。そこでこれはもちろん國民全体のものであり、そうして特殊の金融資本家とか、金融資本というものではないのであります。そこで政府といたしまして企業再建整備、金融機関の再建整備等につきましても、廣く國民の利益、その零細なる預金を十分保護するという面において、あらゆる施策をとつているのであります。その辺を十分お考え願つて、区別をしてひとつ御了承願いたい、こう思う次第でございます。
#76
○林百郎君 金融機関が民間業者に金を貸しつける場合の金利は、少くとも八分五厘くらいの利子にまわつておる。ところが逓信事業にまわる場合には、三分五厘にさやを抑えて、そこに五分の大きな違いがある。もし金融機関として逓信から上つてくる金を公平に使うならば、逓信省の方にも八分五厘の利子でまわさなければならないと思うが、この点についてお伺いしたい。
#77
○栗栖國務大臣 今のは事実の認識が非常に違つておるのであります。実は金融機関は、今新しく貸出しをすればあるいは八分の金利調整などもいたしたいと考えて法律もできておるのであります。しかし八分のものもありましようけれども、古く貸したものは三分五厘とかあるいは七厘とか、こういう低いものがたくさんあるのでございます。これは金融機関は短期貸が主なのでありますが、逓信関係その他は長期貸が非常に多くなつているのであります。すでに約定の低い利子でこの資金を運用し、そうしてそれを低く事業に投資してあるようなものにつきましては、こういう経済の動搖しておりますこの際、急に古いものにさかのぼつて金利を引上げることは非常にむずかしいのであります。しかしこれは先ほども申しましたように、実は私もその関係の嘱託をいたしておつた関係もありますので、よく存じておるのでありますが、これは逓信、鉄道その他につきましても十分改善をしていかなければならぬ。それには金融機関、企業の再建整備の線に沿いまして、元本、利息等をも見直し、そうして整理をし、切りえかていく。そうしてこの八分というのは、民間と違つてお役所ではいかぬでしようが、適当なところへだんだんもつていく、こういう措置をとらなければいかぬと思うのであります。
#78
○林百郎君 中原委員から依頼の質問があるのでありますが……。
#79
○鈴木委員長 頼まれたのはやめてください。
#80
○西尾國務大臣 林君の御質問にお答えいたします。第一の御質問は新給與委員会と團体交渉権との関係についてでありますが、新しく設けます給與專門委員会は、御承知のごとくこれは團体交渉的な性質をもたないものでありまして、むしろ專門的に、最も科学的にして公正な賃金を討檢するという性質のものでありますから、これは團体交渉権を何ら阻害するものでありません。このことにかかわらず自由と團体交渉権が行えるものとお考えを願いたいと思うのであります。
 第二の御質問は、新しく賃金を改訂する場合に千八百円ベースを堅持するのかどうかという問題でありますが、たとえば政府が千八百円ベースを堅持するという條件附でこの委員会が審議するといたしますならば、その委員会の結論は一般的な権威をもたないものになるだろうと思うのであります。それでありますから、委員会といたしましては、千八百円ベースにかかわりなく、自由な立場において、最も公正な賃金を決定せらるることを政府は期待しておる次第であります。
 第三の御質問は、行政整理を條件とするとか、この給與の解決の問題について、行政整理を條件的に行うということについての御質問でありましたが、これは行政整理とは全然別個の問題であります。この給與の措置は十二月までの問題を解決する。それから一月以後の問題につきましては、新給與賃金がきまることを通じて、新しく問題がきまつとくるのであります。行政整理の問題は、この問題とは全然別個の問題でありまして、別個の見地から日本の経済の合理化、あるいは官廳職員の最も能率的なのには、どの程度の人数がいいかという建前で処理されるべきものと考えております。
#81
○鈴木委員長 ちよつとお諮りいたしますが、開会の劈頭に申し上げましたように、昭和二十二年度一般会計予算補正(第十二号)、昭和二十二年度特別会計補正(特第六号)の審議に際しましては、関係方面との事情上便宜委員会を懇談の形で進めてまいりましたが、そういう必要がなくなりましたので、これにて懇談会を終ることにいたします。
ソース: 国立国会図書館
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