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2014/05/22 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 国土交通委員会 第15号
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2014/05/22 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 国土交通委員会 第15号

#1
第186回国会 国土交通委員会 第15号
平成二十六年五月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     森屋  宏君     山本 一太君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     森屋  宏君
     浜野 喜史君     田中 直紀君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤本 祐司君
    理 事
                赤池 誠章君
                渡辺 猛之君
                田城  郁君
                広田  一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                森屋  宏君
                田中 直紀君
                野田 国義君
                前田 武志君
                河野 義博君
                室井 邦彦君
                田中  茂君
                和田 政宗君
                辰已孝太郎君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       国土交通副大臣  野上浩太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       中原 八一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       国土交通省道路
       局長       徳山日出男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、浜野喜史君が委員を辞任され、その補欠として田中直紀君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤本祐司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省道路局長徳山日出男君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤本祐司君) 道路法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○森屋宏君 おはようございます。自由民主党、森屋宏でございます。貴重なお時間をいただきましたので、大切に使いながら質問をさせていただきたいと思います。
 本日は、道路法等の一部を改正する法律案ということで、私は、御存じだと思いますけれども、山梨県選出でございます。一昨年、中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故という痛ましい事故が発生をしたわけでありますけれども、まさに私の地元であります。県会議員を十四年間務めておりましたので、平日は毎日あの同じ場所を行き来をしていた。たまたま、あの崩落事故が起きた日がたしか日曜日だったというふうなこともありましたけれども、多くの方が亡くなったという痛ましい事故でございます。昨年、そして今回と、道路法等の改正を進めていただけるということになった一つの大きな一因になった出来事ではなかったかなというふうに思います。
 少々私の地元の話をさせていただきますけれども、中央自動車道というのは比較的初期に造られた高速道路であります、約五十年前。ちょっと調べてみましたら、昭和三十二年に国土開発縦貫自動車道建設法という法律ができ、これ実は東名高速道路を造られた建設法より以前に、昭和三十二年にこの中央自動車道の建設法が作られた。まさに我が国では最初に着眼されたといいますか、内陸に向けて高速道路を造られたという最初の場所であったというふうに思います。山岳地帯でありますので建設期間が少々長く続いたということで供給には少々時間が掛かりましたけれども、そうした意味において、この中央自動車道というのは、笹子トンネルの事故に象徴されますように、いろんな意味で老朽化をしてきた最初のいろいろな教訓というものが出始めている、そういう場所であったなというふうに思います。
 一方において、この中央自動車道というのは山梨県にとりましては非常に価値のある道路でありました。昭和四十四年にこの中央自動車道というのは一部開通を、供給が開始されていったわけでありますけれども、内陸でありましたので、なかなか基幹産業のない場所に高速道路が開通したということで、京浜地域、特に私のところは川崎辺りにあった工場が移転をしてまいりまして、まさに高度成長期の基盤産業を支えていった、そんな役割を高速道路が果たしてまいりました。
 山梨県というと、よく皆さん方は果樹、特にブドウ、桃の産地、それから富士五湖、あるいは南アルプス、八ケ岳と観光地を控えておりますので、そうしたイメージを強く持っていらっしゃる方がおいでになりますけれども、実は山梨県というところは、この中央道が高度成長期にできたというおかげで工場が集積をされました。ITバブルの時代にそのピークを迎えておりましたけれども、年間の県内の製造品出荷額二兆七千億、人口その当時約八十九万人の県でしたので、小さいながらも相当の製造品出荷額、そしてなおかつその七四%が電機、機械といった装置産業と言われる分野でございました。
 これは、まさに高速道路網ができたということで、内陸にそうした新しい電機、機械、私どもの方では装置産業という言い方をしておりますけれども、こうした産業が集積をされていった場所であるということで、まさに戦後の高度成長期において国が政策的に、政策誘導で国土の均衡ある発展というものを示していただきまして、それが実践され成功した地域であるというふうに言えるというふうに思います。
 じゃ、今日はどうかというと、若干これは長い話になってしまいますからやめますけれども、実はこうしたその時代に集積された製造業というのは、実は東南アジアに移転をしている最たるものだということだけでお話をとどめさせていただいております。
 そうした意味で、初期の高速道路というのは、都市と都市を結ぶ、あるいは工業地帯と工業地帯を結ぶというふうな都市間連携の役割を果たしていたんだろうなというふうに思います。社整審の道路部会のお言葉を借りるならば、整備重視の時代であったというふうに思います。
 そして、御存じのように時代は大きく変化をいたしまして、少子高齢化、そして人口減少社会へと入ってまいりました。加えて、大臣のお言葉をお借りしますれば、アジアは既に国内であるというふうにグローバル化が進んで、国の在り方、地域の在り方というものが問われているというふうに思います。
 そうした中で、一方においては、車の技術といいますか、低公害あるいはハイブリッドでありますとかいろいろな自動車技術が進化してまいりましたし、高速道路をめぐる装置といいますか、ETCを始めいろいろな道路環境整備というものも進んでまいりました。特に、後ほど質問させていただきますけれども、ETCというのは非常に実は私の地域でも活用させていただいているところです。
 山梨県東部地域というのは、東京から入ってまいりまして最初にあるインターが上野原インターであります。その後が大月インターというジャンクションがあるところにありまして、甲府、長野方面に行く路線と私の地元に入ってまいります河口湖線というのがありまして、ですから、上野原、大月インター、そして私の都留インター、そして河口湖インターというふうに実は細かくインターがありまして、なおかつ、今回、上野原インターと大月インターの間には談合坂という大きなサービスエリアがありますけれども、そこにスマートインターの計画をしていただいておりますし、私の都留インターと河口湖インターの間にも富士吉田北というスマートインターの計画をしていただいておりまして、まさに今法案が目指している四から五キロというわけにはいきませんけれども、調べてみましたら七キロから八キロぐらいのスパンで高速のインターができると。理想的と言ったらあれですけれども、そういう場所でございます。
 現に、私が県会議員の時代に、地域医療の資源の活用というふうな分野を長くやってまいりました。ドクターヘリの導入でありますとかやってまいりましたけれども、まさに小さな三万人から五万人ぐらいの町に市立病院持っているわけですけれども、どうしても地域の皆さん方は市立病院にフルの科のある、設備のある病院を求めてまいりましたけれども、そうではなくて、高速道路網を使うことによって、それぞれの病院が、三万人ぐらいの町がフルの市立病院を備えなくても、お互いに利用し合うことによって面として医療が完備されていく、そういう主張をしてまいりました。
 ですから、今は富士吉田市立病院で産科を診ています。それから、私のところでは整形を診ています。それから、大月に行きましたら消化器を診ると。それぞれの病院が役割を果たしている。まさにこれは、実は高速道路網が発達しているおかげで、十分、十五分の間で市民の皆さん方がお互いの病院に行ける、その距離感を果たしているのが実は中央自動車道の現状でございます。
 今回、くしくもそうした私の地元のことに関連した、いろいろな起因した問題を発端として道路法改正ということでございますので、私の地元事情などもお話をさせていただきながら質問に入らさせていただきたいというふうに思います。
 今お話ししましたように、まずは高速道路の活用という面から質問をさせていただきたいと思いますけれども、一番最初には、やはりスマートインター、ETCを利用したスマートインターの活用ということでございます。
 今お話ししましたように、都市間を結ぶ、あるいは地域間を結ぶということで、非常にこのETCの利用というものには地域からの要望といいますか、期待が高いものがございます。
 今回、法律の説明におきましては、全国において百か所程度を想定をしているんだというふうなお話でございますけれども、現状どのようになっているのか、あるいは、これから一方においては財源確保ということもなされるわけでありますので、これからの展望としてどのような整備計画をお持ちになっているのか、まずお聞きをしたいと思います。
#7
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 スマートインターチェンジにつきましては、大変期待の高い事業でございまして、平成二十五年度末時点で七十か所で開通済み、なお五十九か所で事業中ということでございます。これまで、スマートインターチェンジの整備によりまして周辺の交通渋滞の緩和や、今委員御指摘になりましたような高次医療機関までのアクセス時間の短縮などの効果が見られております。
 山梨県内では一か所で開通済み、三か所で事業中でございますけれども、今事業中の笛吹スマートインターチェンジの例を取りましても、山梨県立中央病院等への救急搬送三十分圏域が拡大するというような効果に期待が集まっていると聞いております。
 そのようなことを考えますと、本格的な人口減少・高齢社会の到来を踏まえまして、行政や医療などの効率性を高めてより良いサービスを提供するために、国土交通省としましてはコンパクトな拠点をネットワークで結ぶ地域構造、こういうものを念頭に置いておりまして、このためのスマートインターチェンジの整備というものは有効であると考えております。
 お尋ねの今後でございますけれども、我が国のインターチェンジ間隔は平均で約十キロ、欧米諸国の平地部の無料の高速道路の約五キロと比べて長くなっております。今後、平地部については欧米諸国と同等の水準に改善することを念頭に置き、地域づくりやまちづくりと十分連携しつつ、そして必要なインターチェンジをきちんと評価をして整備を進めてまいりたいと考えております。
#8
○森屋宏君 ありがとうございます。
 最近、第二東名ですか、なんか見てまいりますと、高速道路の活用ということで、実は先ほどちょっとお話ししましたけど、私はドクターヘリというのをずっと長くやってまいりました。実は、山梨県と神奈川県というのは、共同で運航しましたのは、始めましたのは平成十二年なんですけれども、これ日本で最初に岡山県と、神奈川、山梨のこのグループが最初にドクターヘリを飛ばした第一号でありますけれども。最近の高速道路の整備を見ていますと、サービスエリアにドクターヘリが着陸できるようなヘリポートを備えていただいたりということで、非常に従来にない高速道路網の、あるいは高速道路の機能の強化といいますか、多様性というものが現れているというふうに思います。
 是非、人口減少社会、それから、それぞれの基礎的自治体は財政的にも大変厳しい時代を迎えていまして、それぞれが先ほど言いましたように病院等のいろいろな基盤整備をしていくというのは非常に厳しい時代だというふうに思います。そういう意味でも、スマートインターができることによってそれぞれの社会資本を共有して使えるというふうな地域づくりに貢献するんだというふうに思いますので、何とぞ、これからも高い目標を持って事業を進めていっていただきたいというふうに思います。
 次に、私の地元の話をさせていただきますと、今度、来週はこの委員会の皆さん方にはリニアモーターカーの実験センター、そして試乗をしていただくという委員長の御配慮をいただきましたので、まさに、ああ、この間森屋が言っていたのはこの場所だというふうに思っていただけると思いますけれども、富士山から八王子方面に向けて峡谷といいますか、非常に両側から山が迫った非常に狭い地域であります。神奈川県に入りますと一級河川の相模川という名称になりますけれども、私の地元の中では桂川という京都と同じ河川名になっておりますけれども、非常に狭いところであります。その中に国道百三十九号線という国道があり、そして一方には先ほどからお話ししている中央道があり、もちろん県道もそこにあるということで、三者が並行しているというふうなところでございます。
 そこで、単純に、これは県会議員のときから考えておりましたけれども、国道を取ってみると、百三十九号線というのは朝夕非常に渋滞を起こします。それがゆえに、地域からはバイパスを造ってほしいというふうな要望も強くあるわけですけれども、しかしながら、中央道というのは、どちらかというと大観光地へ向けての基幹的な道路の役割もありますので、土日は非常に混みます。今も毎週日曜日の夕方には三十キロ以上小仏峠で渋滞をするような道路でありますけれども、平日は比較的それほど混まない、生活道路に近い。
 でありますから、国がリーダーシップを取っていただきましたら、国道バイパスを造るよりも、財政を少し支援をしてあげて高速道路を朝夕安い料金でそこを使っていただければ、総体的な地域の交通政策という意味から考えると、新たなバイパス投資をするよりも、高速道路をその時間だけ使ってもらうというふうなことが有意義ではなかろうかなというふうに思うわけです。
 しかし、これに対する理想はありましても、なかなか事業を起こしていく、リーダーシップを取れる場所がありません。このことが非常に地域交通政策という意味では、誰が音頭を取るんだみたいな世界がありまして、理想はあるけれどもなかなか実現をしていかないというところがあります。
 そこで、先日の筑波大学の石田先生のお話もありましたけれども、道路利用議論のオープン化というふうなお言葉もいただきました。是非私は国にリーダーシップを取っていただいて、こうした地域も高速道路の利用というのはあるんじゃないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#9
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 確かに、道路は、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道と分かれておりまして、それぞれの種別ごとに道路管理者が異なっております。ややもすれば縦割りになりがちなところがあるわけでございますけれども、道路はネットワークとしては全てつながっておりまして、委員おっしゃるとおり、そういう垣根を越えて全体として有効な交通資源の活用という意味で使わなければならないと思います。
 かねてから、整備の段階では、毎年度の事業執行においての調整や渋滞対策の協議会やいろいろな連絡調整の場も持っておりました。今後は賢く使うということも大きなテーマになってくる時代ということで、先生おっしゃいますような、並行する一般道路の混雑を緩和するために高速道路側で料金を考えるというようなことも取り組み始めておりまして、この四月からスタートいたしました新料金におきましても、通勤時間帯の利用促進のための割引を入れたりいたしております。
 さらには、今後は老朽化対策という面でもますます地方公共団体と高速会社、国が連携していかねばならないという時代であろうと思います。限られた予算の中で、効率的かつ円滑に道路ネットワークのサービスを提供できるように、国としても役割を果たしてまいりたいと考えております。
#10
○森屋宏君 ありがとうございました。
 世の中は分権、分権ということで、地域のことは地域で決めなさいというふうな流れなんでしょうけれども、やはりなかなかこれは現実的には難しい。やはり整備局みたいなところで音頭を取っていただいて、こうした議論が深まってまいりますようにお願い申し上げたいと思います。
 そこで、次には、先日、代表質問において赤池議員の方から本会議質問をさせていただきました跨道橋についてお話をさせていただきたいと思います。
 跨道橋というのは、御存じない方いるかもしれませんが、またぐという字、道をまたぐ橋、陸橋なんという言い方もされているようでありますけれども、先ほどからお話しさせていただいていますように、山梨のように山間地を入ってまいりましたときに、トンネルを掘って高速道路を整備するまでもないちょっとした山でありますとか丘みたいなところを開削といいますか縦切りをして、そこに高速道路を敷いていくというふうなことであったろうかと思います。
 当然、山みたいなところですから、元々は山道みたいな、林道みたいのがありましたり、農道みたいのが残ってしまうわけですけれども、建設のときにその対応策として、地元と協議の中で恐らく跨道橋を造ってまいったというふうなことだというふうに思います。
 実は、昨年、会計検査院が高速道路上に架かる全国四千五百本の跨道橋を調査をいただきました。その中で、全く造られてから点検がされていないという橋が六百三十五本あったという事実が分かってまいりました。さらに、点検状況が不明であると、誰が、まあ誰がということはありませんけれども、管理者は地元市町村、地方公共団体が管理者なわけですけれども、点検されているかされていないかということさえも分からない橋が五百四十八本あったんだというふうなことが明らかになってまいりました。
 当然、主体者は地方公共団体であるわけでありますけれども、先日の大臣答弁もありましたけれども、なかなか地方公共団体には人的にも財政的にもこうしたものを見ていく、管理をしていく能力が今大変欠如しております。ともすれば、なかなか手を着けたくない、そこに政策的に着手をしていくインセンティブが働いてまいりませんから、なかなか、誰が口火を切るかというふうなところもございます。
 しかし、一旦事故が起こってしまいますと、高速道路上に架かっている橋でありますから、これが崩落したりしましたら命に関わるような事故になる可能性もありますし、それから、特に私どものところは地震の多発地帯、これから大きな地震が予想される地域でありますので、富士山噴火でありますとか地震の避難路として高速道路の役割というのも実は一方で期待をされています。そのときに、こうした管理されていない跨道が落ちてしまって全くその高速道路が使えないということになってしまいましたらば、これも大変なことでございます。
 そこで、なかなか現状においてはどこが口火を切ってこの問題に対して対応していくのか、あるいは財政負担をしていくのかということでありますけれども、私はやっぱりこれも国がリーダーシップを取ってこの問題にまずは着手していただきたい。昨年、地元におきまして、国交省、そして山梨県、それから市町村の皆さん方をお集めになりまして一つの協議会は立ち上げられたというふうなお話を聞いておりますけれども、なおこの先の議論を是非進めていっていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#11
○政府参考人(徳山日出男君) 先生御指摘のとおり、以前、高速道路の跨道橋のうち、国や高速道路会社が管理をしております約千三百橋につきましては点検を適切に実施してまいっておりましたけれども、地方公共団体が管理するもの約三千三百橋の中につきましては、やはり地方公共団体、予算、人員、技術の面で非常に厳しい状況にあるために点検や修繕等の取組が遅れていたと、こういうことが指摘されたわけでございます。
 しかしながら、笹子トンネルの天井板崩落事故の後、地方公共団体には非常に危機感が広がりまして、様子は大分変化をしております。国土交通省といたしましても、平成二十五年をメンテナンス元年と位置付けまして、集中点検を実施をするように全国に指示をいたしております。地方公共団体が管理するこれらの跨道橋についても、現在までにほぼ全数について点検を終了したと報告は受けております。
 今後は、定常的に監視をし点検措置がされていく体制と、これが大きな課題になってきておると思います。国土交通省では、橋梁は五年に一度、近接目視で点検するというような道路管理者の義務を明確化いたしました。これに伴いまして、ますます市町村の役割と責任は大きくなりますものですから、国も、予算による支援に加えて、国の技術者による支援等により、高速道路の跨道橋を含む道路のメンテナンスが本格的に実施されるように国としての役割を果たしてまいりたいと考えております。
#12
○森屋宏君 ありがとうございました。もう本当に時間を惜しむことなく、本当に早くこの問題の対応を進めていっていただきたいなというふうに思います。
 基本的には、恐らく道路法、法律的にはですね、道路法上はそれぞれの市町村が管理をしている、財産所有をしている道路ということで、なかなかお金の掛けようというのは難しいということは理解はできます。しかしながら、先ほどからお話をさせていただいておりますように、一方においては高速道路の安全走行、安全の確保という意味合いも強いというふうに思います。
 何とか、今回、大規模更新における財源確保というふうなことで、料金の十五年の延長というふうな法律の改正でございます。このお金が直接使われるかどうかということは分かりませんけれども、一つには、やっぱり高速道路、今、徳山局長の方からは財源的な確保もというふうなお話もございましたけれども、是非、高速道路サイドからも、自分の頭上に架かっているこうした橋を守るといいますか、安全を確保するというふうな意味からも、財源の投入ということもこれからは是非考えていっていただきたいというふうに思います。
 地方はなかなか財源確保ができません。厳しい時代でございます。なかなか、ですから事業自体にもインセンティブが働いていかないというふうな現状でございます。特に、今回いろいろ調べてみますと、五十年前に造っていただいた林道とか農道の代わりの橋ですから、もう既に使われない状況になっているという橋も何本かあるということでありますから、小さな町にとりましては、使われなくなっている橋を撤去するために、恐らく数千万掛かるというふうに思いますけれども、そうしたものを自ら負担をしていくというのはなかなか厳しい現状があるということでございます。
 高速道路の面から財源を投入していくということについていかがでしょうか、お考えをお聞きしたいと思います。
#13
○政府参考人(徳山日出男君) 高速道路の跨道橋につきましては、高速道路の建設により分断された既存道路の機能補償という観点で、これも先生おっしゃいましたとおり、会社が設置をし、自治体に移管したものが多うございまして、法律上言えば、本来、その管理は道路管理者である自治体の責務と、こういうことになるわけでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、予算、財源の面、人材の面、技術の面、いろいろな面で国も応援をしてまいりますし、高速道路会社としても一定の責務を果たしていかなければならないと思っております。
 まずは、平成二十五年度に全ての都道府県で跨道橋に関する連絡協議会を立ち上げておりまして、高速会社も含めまして各管理者との情報共有体制を構築したところでございます。また、市町村が技術的に対応が困難な場合には、会社が地方公共団体から受託するなどにより支援していく必要があると考えております。先生御地元の山梨県の西桂町管理の跨道橋二橋につきましても、現在利用されていないことから、撤去するために会社に委託したいというような相談を受けておるところと聞いております。
 今後も、引き続き、地方公共団体の支援を行いながら、高速道路の安全確保に取り組んでまいりたいと考えております。
#14
○森屋宏君 本当に前向きな御答弁、ありがとうございました。地元もそうしたテーブルをつくっていただきましたら、議論を進め、参画し、事業が進むように努力をしてまいるというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、先日からございます料金の利用者負担というふうな面についてお聞きをしたいと思います。
 先日の参考人としておいでをいただきました先生方お三人とも考え方は共通して、これから利用者負担を求めていくということには理があるんだというふうなお話でございました。
 衆議院の議事録あるいは本会議等の大臣の答弁をお聞きしておりますと、非常に慎重なお話、答弁をされているというふうに思います。勝手に私は、むしろもっと踏み込んだ、料金をこれからも利用者負担としていただいていくんだというふうな、それはどこまでとか、いつまでとかいうふうなこともあろうかと思いますけれども、積極的に負担をしていただいて、その代わり利便性を高め、安全性も高めていくんだというふうな、私はそうした議論を進める時期に来ているというふうに思うわけであります。
 今回の道路法改正という一つのきっかけでありますので、更にこれから踏み込んだ議論を進めていっていただきたいというふうに思いますけれども、そのことについて当局の御見解をお聞きをしたいと思います。
#15
○政府参考人(徳山日出男君) 先生御指摘のとおり、先日の参考人質疑におきましても、利用者負担ということについての合理性や永久有料ということの議論も聞かれたわけでございますけれども、我が国の道路は無料開放を原則としておりまして、昭和二十七年に道路整備特別措置法を制定して料金収入により道路を整備する制度を導入したと、こういう経緯でございます。
 今回の法案におきましても、無料開放した後の維持管理、更新につきましては、一般道路と同様、税金により負担するということとしております。
 高速道路を恒久的に有料にすることにつきましては、利用者を始め広く理解を得られるかという課題もございまして、今後も慎重な検討が必要であると考えております。
#16
○森屋宏君 そうした答弁で、誠に慎重な姿勢ということを理解をいたします。むしろ議員サイドの方からこうした投げかけというのを、やっぱり議論を喚起をしていって、未来に向けて末永く私たちの国の財産である高速道路が使われていく道筋というものを立てていくべきじゃないかなというふうに思います。
 若いときによくアメリカへ行って、高速道路に乗った経験があります。アメリカの高速道路、人の国の悪口言うわけではありませんけれども、バーストしたタイヤが高速道路の端っこにいっぱい落ちていたり、石ころのこんな大きいのがあったりして、ああ、日本の高速というのは何てきれいな道路なんだろうということを思った思い出があります。それから、運転はしたことはありませんけれども、アウトバーンのドイツを北から南までずっと走ったこともありますけれども、あれは戦時中に造られた古い道路であります。ああいうものに比べても、日本の高速道路の快適性、サービスエリアでありますとか、そうしたものの整備状況、誠にすばらしいなと、これはやっぱり世界に冠たる私たちの財産であるなというふうに思います。こうした施設を、社会資本を末永く後世に伝え守っていくことも私たちの仕事じゃなかろうかなというふうに思います。
 最後になりますけれども、私たちは、与党はいつも大臣の答弁をこちらから一生懸命こうやって見て、すばらしい答弁をされるなと、さすが、元々専門でいらっしゃる道路とか公共の政策の御持論をお話をされながら、あるいは現場を常に見られている姿というものを大変頼もしく、いつも、そして広い見地から答弁をされている姿を拝見をしているところであります。
 大臣は国のグランドデザインということを掲げていらっしゃって、積極的な御発言をされています。私もまさに時宜を得たすばらしい考え方であるなというふうに思うわけであります。一方においては、前段で述べていらっしゃいますけれども、今、少子高齢化そして人口減少社会に向かって国の在り方自体が問われている大変重要な時期であるということであります。
 是非、最後に大臣の方から、そうした大臣がお考えになっていらっしゃる新しい国のグランドデザインというふうな考え方の中で、高速道路あるいは高速道路網というものをどのように位置付け、これから発展をさせていきたいというふうにお考えになっていらっしゃるのか、最後にお聞きをしたいと思います。
#17
○国務大臣(太田昭宏君) 私はかねてから、道路というのは、大都市周辺の経済を牽引していくために必要な経済戦略道路というべきものと、そして地方の生活ということを中心にした生活インフラ道路という、日本には二つの性格を持つ道路がある、これをもっと鮮明にしていかなくてはいけないというふうに考えておりました。そういう意味では、この高速道路は、都市においては経済戦略道路であるということになりますが、地方の道路は生活インフラだけではなくて、この高速道路はまさに動脈としての経済戦略的なということを含めた道路であって、人間の血液でいえば動脈に等しいものであるというふうに思います。
 そういう点では、この国会でも港湾を始めとして論議をしていただいていたわけでありますが、港湾も空港も、そして道路、中でも高速道路というものがだんだんだんだん、上海や、あるいは釜山や、あるいはシンガポールや香港、そしてあらゆる諸国に対して劣化してきているということを私は反転攻勢を掛けなくてはいけないというふうに思っています。
 選択と集中、この道路は一体何のための道路なのか、この港湾は一体どういう任務を担った港湾なのかということを、それぞれ空港も含めて、それぞれの地域が、同じような性格というよりも、その地域のために、また日本国のためにそうしたインフラが選択と集中の中で選ばれていくということが大事だというふうに思っています。
 そういう意味では、高速道路ができますと、この間も日沿道、一番遅れている道路でありましたが、これを何とかずっとつなげようと思いまして、大館の方に、大館―小坂間のところにも開通で行かせていただきました。
 既にそこで非常に多くの工場が立地をしている、道路が造られた後ではなくて前にそれが立地をしているということが明らかになりまして、そしてなぜここにそうした道路が立地されるのか。そうすると、小坂銅山と言われて非常に隆盛を極めた時代と全く違うところに今いるわけですが、実は道路が通じることによって、小坂と青森、小坂と盛岡、小坂と秋田というのが全く同じ距離ぐらいで真ん中に位置している。その日沿道が通ったときには、間違いなくここは、非常に手先が器用で賢くて真面目な秋田の県民のそうしたことをつくっていくと、大事だという、この雇用創出、そして近代産業の立地ということが行われているということ、秋田だけでなく圏央道もそうでありますけれども、様々拝見しているところでございます。
 常に、田舎と言っては失礼ですが、中山間地でだんだん人がいなくなって、コンパクトシティー・プラス・ネットワーク、小さな拠点をという、だんだん町をできるだけコンパクトに集約し、そして道路を有効に使うということを考えておりますが、ここは、立派な道路というよりも、本当に大変なときにも走れるという規模、それぞれのところに合った道路というものが大事だし、都市部の道路においても、何も全部二車線から三車線、四車線ということを今渋滞だからといって目指すのではなくて、ICTの発達によって賢く使うことができると。リダンダンシーでいろんなルートがあれば、車に乗った人が選べるというような中で渋滞も解消できるというように、様々工夫をしていかなくてはいけないというふうに思っているところでございます。
 国土のこれからのグランドデザインの中で、我が国の国土がどうなるかということを考えた上で、高速道路は特に経済戦略的な動脈的な道路であるという位置付けを明確にしながら、私はここをしっかり造るべきものは造っていくということに、まあ財政の制約は当然あるわけでありますけれども、進んでいくということが大事だろうというふうに考えているところでございます。
#18
○森屋宏君 御答弁ありがとうございました。
 今日は、私の地元、中央自動車道、供給が開始されまして約五十年たっている道路の現状というものを御紹介をしながら質問させていただきました。
 今回、資料を調べさせていただきながら、先ほども冒頭御紹介いたしました、中央自動車道は、昭和三十二年の国土開発縦貫自動車道建設法という法律に基づいて整備をいただきました。この昭和三十二年というのは実は私が生まれた年でありまして、今御答弁にもありましたけど、大分、御覧になっていただいて分かりますように、劣化も激しくなっています。しかしながら、まだまだ仕事をさせていただかなければいけないという身でございます。
 そうした意味からも、高速道路のしっかりとした整備をこれからも進めていただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#19
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 まず、我々の本法案に対する賛否なんですけれども、これは当面の暫定的な措置として賛成であります。このような言い回しでも分かりますように、要するに消極的賛成であります。
 本法案、これまでも段々の議論がございましたように、高速道路の計画的な更新などの実施のため、料金徴収年限を四十五年から六十年に十五年間延長することなどを主な内容としております。
 言うまでもなく、建設開始後、半世紀を経過し、老朽化が進む高速道路の更新などは、安全確保の観点からは喫緊の課題であります。また、巨額の更新などの費用が今後必要であること、これが明らかになったのは、実は民主党政権時代でございました。
 具体的には、二〇一一年十二月の高速道路のあり方検討有識者委員会中間取りまとめにおいて、更新費用への対応は、厳しい財政状況を踏まえつつ、償還期間の延長、対象経費の見直し、償還後の継続的な利用者負担も含め幅広く検討するとあります。本法案はこの報告を踏まえて策定されたと理解をしているところであり、よって我々にも一定の責任があると、このように考えるところでございます。
 しかしながら、今回の法改正におきまして、償還期間の延長以外に真剣な検討がなされたのか、これについては甚だ疑問であります。つまり、将来の利用者負担をいたずらに増やしているんではないか、こういった疑念を持つわけであります。
 我々といたしましては、料金徴収期間の延長は当面の暫定措置として是認はするものの、現在、党内におきまして高速道路原則無料化、マニフェストの見直しと併せまして、民主党として新しい高速道路政策について議論をしているところでございます。その中において、高速道路無料化の最終形、償還スキーム、維持管理費の在り方、更新費用の捻出方法、そして有料区間の料金体系などについて検討を進めております。その結果に基づきまして、民主党といたしましては今後必要な法改正等を求めていきたいというふうに思います。これが現在の自分たちの基本的なスタンス、立場であります。
 それでは、このことを踏まえて質問に入らさせていただきます。
 まず、そもそも論、基本的な認識についてお伺いをいたします。
 今回、更新需要などに対応した新たな料金徴収年限の設定として、既存の建設債務の償還と更新費などの償還を区別し、料金徴収期間を十五年延長しておりますけれども、その理由と法的根拠について改めて国交省にお伺いいたします。
#20
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 建設債務と更新債務の区分につきまして、これは審議会の答申を踏まえて現在のようなスキームをつくらせていただいております。
 具体的には、まず現在の償還計画に基づく新規建設などによる債務につきましては、民営化の趣旨を踏まえて、将来世代に先送りせず、四十五年以内に償還する方針を今後も堅持すると、こういう方針でございます。一方、料金徴収期間延長して確保した財源は、新規建設事業に充てることなく更新事業のみに充てることとしておりまして、これらを分けて表示する必要があるということがありまして、審議会からは両債務を区分すべきであるという答申をいただきまして、そのように法案のスキームを決めております。
 また、法案の中では、直接は新規建設事業とは別に更新事業を位置付けまして、機構の業務実施計画においてそれぞれの債務について各々の残高を明確に区分して表示することといたしております。
#21
○広田一君 ありがとうございます。
 確かに、既存の債務と更新等の債務を切り分ける、区分することは分かりやすいというふうに思います。一方で、このスキームは、トータルコストの面で課題、問題があるんじゃないかというふうに思います。
 資料の方の一枚目を御覧をいただきたいと思います。
 今回、四兆円もの更新費等が生じる、このことについて、衆議院におきましても大変な額だというふうに議論をされました。しかし、実際には、支払利息などの負担を含めると、実質的な負担は更に膨らむはずであります。これ、合計は一体幾らになるのか、お伺いをしたいと思います。
#22
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 今回、更新事業の実施に伴いまして、約四兆円の財源が必要ということを申し上げております。御提出いただきました資料をお借りして少し御説明を申し上げますと、一番上の段を横にずっと見ていきますと、首都高速で六千三百億、あるいは阪神が三千七百億、NEXCO三兆ということで、これを横に足しましたものが四兆円ということでございます。
 有料道路事業でございますから、税金を投入するわけではございませんで、一度金利の付いたお金を今回お借りをして、それでこの四兆円の事業を始めると、こういうことでございますから、このお借りをしたお金に金利が付くわけでございます。そして、新規建設などによる債務を平成六十二年までの四十五年間で償還した後にこれの返済を開始するということになりますから、平成六十二年までの間は元本を返すことなくこの分については金利を払い続けるということになるわけでございます。
 先生のお出しいただいた資料でいいますと、この六十二年までの支払利息が、例えば首都高速では上から二段目の一・三兆円と、これを、書いておられまして、横に足しますと、これが六十二年までで八兆円という数字になってくるわけでございます。その後、十五年を掛けて、管理費と金利負担を賄いながら債務を償還するということになるわけでございまして、先ほどのまた資料で申し上げますと、首都高でいうと、その少し下に管理費等約一千百億円と、これは一年単位で書かれておりますが、これを十五年分を同じように横に足しますと約十兆円でございます。さらに、平成六十二年以降七十七年までの元利返済が、首都高でいうと一番下の一千九百億、これを横に足しますと三兆円と、こういう数字でございます。
 したがいまして、これは住宅ローンなどと同じでございますが、金利の付いたお金でやむを得ず今回実施をする、こういうことになりますから、投資分が四兆、六十二年までの支払利息が八兆円、十五年間の管理費が十兆円、それからその十五年間の元利返済で三兆円と、このような総額が掛かってくる、このようなことになってまいります。
#23
○広田一君 御答弁がございましたように、二十五兆円を超える額が今後必要だということであります。これ、とてつもない金額であります。つまり、更新等の償還開始、これを平成六十二年以降に先延ばしをすることによって、その分、御説明がございましたように支払利息が膨らみ、実際の償還費用は増えてまいります。
 そう考えますと、本来は、本筋は、個々の利用者の負担、これは増えるかもしれませんけれども、利用料を引き上げても、更新等の償還を平成六十二年より早くすればするほど現役世代、将来世代を通じてのトータル負担は今御提案のスキームよりはるかに安くなるというふうに思いますけれども、この点についての御見解は政務三役にお伺いしたいと思います。
#24
○副大臣(野上浩太郎君) 今、この法の枠組みではトータルコストが非常に増加するんじゃないかと、こういう御指摘をいただきました。
 確かに、現行の建設債務の償還に影響を与えない範囲で更新債務の元本を早く返すことができましたならば、これはトータルの返済額が小さくなるということが言えると思います。しかしながら、景気に与える影響ですとか現下の財政状況を考慮して、料金の値上げや税金の投入ではなくて今回の料金徴収期間の延長が適当であると、こういう審議会の指摘もあったものでございまして、こういう答申を踏まえて、建設債務の償還満了後、更新のために料金徴収を継続するといたしたわけでございます。
#25
○広田一君 今の御答弁は、現役世代さえ良ければいいというふうにも聞こえてしまいます。今自分たちが議論しなければならないのは、やはり将来世代のことを考えて、いかに負担軽減を図っていくのか、これは非常に重要なことだというふうに思います。そしてまた、景気に与える影響等々、確かに消費税の引上げもあります、こういったことを考えるとこのようなスキームというふうな提案をなされたというふうに思いますけれども、しかしながら、今、野上副大臣も認められたように、このスキーム、できるだけ早く、前倒しで償還することによってトータルコストはより一層安くなる、これについては問題意識を共有できたというふうに認識をしているところでございます。
 そして、次に、これも政務三役にお伺いしたいんですけれども、現在のような低金利、これが未来永劫続くわけではありません。確かに四%というふうに高めの金利を想定しているとはいえ、実際の支払利息というものは、長期間を見ますと更に増大することが、考えることが私は妥当だというふうに思います。そうすると、金利リスク面でも早く償還を始めた方が合理的ではないかというふうに思いますけれども、この点についての御所見をお伺いします。
#26
○副大臣(野上浩太郎君) 今御指摘がありましたとおり、料金値上げを早く実施をするということになれば、これはトータルの負担を小さくできるというのは御指摘のとおりでありますが、景気に与える影響を踏まえますと、今回の案が妥当であるというふうに考えたところでございます。
#27
○広田一君 自分が今質問しましたのは、金利リスクの面でもこれは償還を早く始めた方が合理的ではないか、こういう質問でございますので、改めて御答弁をお願いします。
#28
○副大臣(野上浩太郎君) 金利の上昇等によりまして償還計画を抜本的に見直す必要が生じた場合には、これは改めて負担の在り方について議論をするという必要があろうかというふうに思いますが、先ほども申し上げましたとおり、現在の状況では今の水準でやっていくというのが妥当だろうというふうに考えております。
#29
○広田一君 金利が上昇すればまた改めて議論をしていくというふうなことでありますけれども、ただ、ここでも共有をしたいのは、非常に長い間返済していくわけでございます。確かに、今四%ということで設定をして計算をしていること、現状の低金利から比べればむしろ高いんじゃないかというふうな指摘もなされるわけでございますけれども、しかし私は、これはこれで妥当だというふうに思っているわけでございます。
 しかし、長く見ると、これ以上の金利負担というものを生じる可能性があるわけでございますので、本来であれば、この金利リスクというものを回避するためにはできるだけ早く償還を始めていくということが合理的であるというふうな、思いますので、この点が問題意識として共有できるかどうか、確認をしたいと思います。
#30
○副大臣(野上浩太郎君) 今、広田委員がおっしゃった、早く始めればその負担は少なくなっていくというのは御指摘のとおりでありますが、今の現下の状況、景気に与える影響等々を考えると、現在のところでは今の案が妥当であると考えております。
#31
○広田一君 そうすると、段々の御答弁を聞きますと、現状の人たちのために、一定、将来世代にそれをツケ回すのは仕方がないと、こういった理解をしているんでしょうか。
#32
○副大臣(野上浩太郎君) 今、世代間の公平性という観点だろうというふうに思います。例えば橋梁について申し上げれば、条件が整っておりましたら百年程度は使用することは可能であると考えておりまして、現に隅田川に架かる言問橋ですとか両国橋などは、八十年を超えて重量制限もなく健全に機能を維持をしております。
 このような状況を踏まえましたら、更新によって将来世代を含め長期にわたり構造物の使用が可能になることから、これは審議会におきましても、世代間の負担の平準化の観点より、将来世代に負担を求めることについては合理的であるとの指摘を受けているところでございます。
#33
○広田一君 ここはちょっと議論を区別して考えていかなければならないと思います。
 構造物を利用する世代間の公平性、これは確かにあると思います。しかしながら、今議論をしているのは、いわゆる利用者負担といったものを考えたときに、今の現下の景気というものを最優先をさせることによって、結果として将来世代の方に利用料等も含めて負担を回しているんじゃないか、これについて私は問題だというふうに思っておりますので、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
#34
○副大臣(野上浩太郎君) おっしゃるとおり、構造物を長期にわたって使用できるということが事実としてあります。それに対する負担を求めるということでございますので、負担と構造物の使用ということは一体のものと考えていいのではないかと思っております。
#35
○広田一君 いや、ちょっと今の答弁、理解できないんですけど、もう少し説明をお願いします。
#36
○副大臣(野上浩太郎君) 将来世代に対して不公平ではないかというお話だと思いますが……
#37
○広田一君 利用料の面で。
#38
○副大臣(野上浩太郎君) 利用料の面でですね。
 将来世代に対してその更新を全て先送りするのは不公平ではないかというお話だと思いますが、先の世代に対して、先ほど申し上げましたとおり、更新をしていくことによって長期に使用ができるということになりますので、そこの部分に対して利用料の部分を求めていくというのは妥当ではないかなというふうに思っております。
#39
○広田一君 その点に関して、ちょっと若干視点を変えてお聞きをしますと、現在のスキームですと、実際、更新後のぴかぴかの橋梁、これなどを利用するユーザー、少なくとも平成六十二年以降車を乗らない人は償還費用を一円も負担しないことになるんです、一円も。安全は現役世代が享受をして、安全確保の財源は全額平成六十二年以降の将来世代にツケ回す、これは非常に私は申し訳ない気持ちでいっぱいであります。そういう意味での世代間の負担の公平性という観点から、この区分をするというスキームは私は問題点を含んでいる、このように思うわけでございまして、この点についても引き続き議論をしていきたいなというふうに思うところでございます。
 以上のように、現在のスキーム、様々な問題があります。よって、本来、更新等の償還財源は利用料といったものを基本としながらも、二枚目の資料にもございますように、期間の延長、料金の引上げ、そして安全確保の緊急性に鑑み、税の投入、こういったベストミックスといったものを図っていって世代間の負担の公平性を図るとともに、トータルコストを縮減すべきである、こういうふうに考えるわけでございますけれども、政務三役の御所見をお伺いします。
#40
○副大臣(野上浩太郎君) 更新事業に対する負担の在り方につきましては、料金徴収期間の延長、税負担、料金引上げの三通りが考えられまして、御提案のように、これらを組み合わせるということも一つの方法であるというふうに思っております。
 審議会でも同様に、この三通りの案につきまして様々な議論がありましたが、その結果、御提案のあった税金による負担ですとか料金値上げということにつきましては、まず税金による負担は、現下の厳しい財政状況の下で他の施策との優先度の整理が必要となる、あるいは料金値上げにつきましては利用者の理解が得られるかどうかということが言われまして、こういうような課題もあって、料金徴収期間の延長による対応を検討すべきとされたところであります。
 これを踏まえまして、更新に必要な財源を確保するために、建設債務の償還満了後、継続して料金を徴収するといたしたところであります。
#41
○広田一君 今、野上副大臣の方から、これまでの議論の経緯の御説明があったところでございます。これ、一定、私も承知をしているところでございますけれども、要は、申し上げたいことは、本来、先ほど来の世代間の負担の公平性等々、そしてトータルコストの観点、また金利リスク、こういうふうなことを考えますと、当初審議会等で議論があったように、税金だけなのか、料金値上げだけなのか、そして償還制度の見直し、つまり料金徴収期間の延長だけなのかというふうなことだけではなくて、本来はそれぞれを組み合わすことによってあるべき私は返済スキームというものを構築できるのではないか。これについては、今後とも不断の検討と見直しといったものが必要というふうに考えますけれども、この点についての御所見をお伺いをいたします。
#42
○副大臣(野上浩太郎君) 更新費用の確保方策につきましては、今ほど来お話がありましたとおり、審議会におきましても、税金による負担、料金の値上げ、料金徴収期間の延長などの案が議論されたところであります。今回の法案では、この中で料金徴収期間の延長により対応する考え方としておりますが、今お話がございましたとおり、今後社会情勢が大きく変わった場合には、いただいた御意見も踏まえまして、時代に合わせた対応をしてまいりたいと考えております。
#43
○広田一君 是非、現在御提案のスキームだけではなくて、今ほど副大臣の方からも御答弁がございましたように、状況等々を鑑みてこのスキームの見直しも図っていくという御答弁をいただきましたので、これについても引き続き議論をしていきたい、このように思っているところでございます。
 次に、お伺いをしたいと思います。NEXCO三社、首都高、阪神、それぞれの償還完了時期はいつになるのか、これは国土交通省にお伺いします。
#44
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 今回の法案によりまして料金徴収期間を延長した後の高速道路各社の償還満了時期を申し上げたいと思います。
 首都高速につきましては、約六千三百億円の計画に対しまして、これを先ほど来申し上げているようなスキームでお返しをするということになりますと、約十五年延長いたしまして平成七十七年度に償還が満了するということになります。また、阪神高速につきましては、約三千七百億円の計画に対しまして、阪神の料金でこれを返していくとなりますと、平成六十二年度以降約十二年延長をすることになりますので、平成七十四年度に阪神高速は償還満了時期を迎えます。また、NEXCO三社につきましては、約三兆円の計画に対しまして約十年延長が必要でございまして、平成七十二年度に償還満了となると、このように試算をしているところでございます。
#45
○広田一君 そうすると、確認なんですけれども、償還が完了した会社から無料開放する、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#46
○政府参考人(徳山日出男君) 我が国の道路は無料開放原則ということで有料道路を進めております。したがいまして、委員御指摘のとおり、債務の償還が満了すれば、それぞれその時点で無料開放していくという考え方を取っております。
#47
○広田一君 その法的担保はどのようなものがあるんでしょうか。
#48
○政府参考人(徳山日出男君) 有料道路につきましては、そもそも無料原則の例外として、道路整備特別措置法により料金を徴収をするという、その財源をもって道路を造ることになっております。
 この中で、料金はその掛かった建設費と維持管理等の所要の支出を償うようにセットをされるということでございますから、特措法においては、その必要な料金を取り終えた時点で無料開放すると、こういうふうな前提で全てが成り立っておるということでございます。
#49
○広田一君 確かに、首都高についてはたまたま今法律案の延長期間十五年というふうに平仄を合わせているわけでございますが、阪神とNEXCOについては違います。NEXCO十年、阪神十二年ということであります。これについては実は法的な担保といったものがありません。恐らく、今後協定等を結んでこれについては設定していくんだろうというふうに思うわけであります。逆に言いますと、時が経てこの議論がなかなかもう盛り上がらなくなれば、知らない間に償還期間十五年になっている可能性もあるわけでございます。
 こういったことを考えた場合に、私はやはり法的にしっかり担保をしていくということ、それによって約束どおり無料開放していく、これを確保していかなければならないというふうに思いますけれども、この点についての御所見をお伺いします。
#50
○政府参考人(徳山日出男君) 法律上、料金を徴収する年限の上限を現在も民営化時以降決めておりますし、今回もそれに沿って上限を法的に決めようとしております。この心は、料金徴収年限を法定するというのは、無料開放原則の特例措置として料金を徴収していることに鑑みまして、これ以上延ばしてはならないという上限として高速道路全体に設定をしているという趣旨でございます。
 一方で、実際には、先ほど来申し上げましたように、個々の会社ごとに債務返済に必要な年数は異なってまいります。これは、実は、今の民営化後の建設債務のスキームの中でもぴったり一緒にはなりませんから、微妙にずれてくる、これはそのようになってまいります。したがいまして、民営化の趣旨を踏まえまして、この各社ごとの料金徴収年限につきましては、会社と機構との自主的な協定で料金徴収期間を定める仕組みとしておるわけでございます。
 御指摘の、なし崩しに十五年にそろってしまうんではないかということにつきましては、先ほど来明確に、それぞれの現在予定をしております料金徴収期限が異なっておりまして、全てが七十七年ではないという試算についても申し上げさせていただきました。私ども、これを遵守してまいりたいと考えております。
#51
○広田一君 そうすると、これ、それぞれの、十年、十二年で償還が終了する、ここの担保について、これはちょっと大臣の方から、大臣の答弁で是非担保いただければというふうに思います。
#52
○国務大臣(太田昭宏君) 上限十五年ということを決めさせていただく、そして法の趣旨としては債務の償還が満了すれば無料開放していくという、これが原則であるということを申し上げたいと思います。
#53
○広田一君 いや、具体的に、今回法案を議論をする場合に、阪神とNEXCOにつきましてはそれぞれ十五年たたずに償還が完了する、その後無料化するというふうに我々理解をしているんですけれども、しかしこれは法的には担保がないんです。これを担保するためには、大臣答弁等々、それが私は必要だというふうに思いますので、この場で、これまで国民の皆さんに説明してきたこと、これは大臣としてしっかり担保するんだということについて御答弁をいただきたいと思います。
#54
○国務大臣(太田昭宏君) 私が申し上げたのは、十五年を上限とするというこの法律と、それから債務の償還が満了するという二つですということは、そのまま今試算がされているということを原則とするということだというふうに思います。
#55
○広田一君 そうすると、時と場合、状況によってNEXCOの十年、阪神高速の十二年ということが延びてしまうという可能性もあるということでしょうか。
#56
○国務大臣(太田昭宏君) それはあり得る話だと思いますが、原則、今試算をしているところの数字ということを、毎年毎年の返済の中で返していただくということが原則であるということを申し上げているわけでございます。
#57
○広田一君 いや、再度確認になるんですけれども、このNEXCO十年、阪神十二年というところがひょっとしたら守ることができないかもしれないというふうなことは、これは非常に今後議論を進めていく上でも問題ではないかなというふうに思っているところでございます。これは引き続きまた議論を進めていかなければならないと思います。
 そして、もう一点確認なんですけれども、平成六十二年以降、既存インフラの維持、修繕などの管理費、これは税で見ていくということでよろしいんでしょうか。
#58
○政府参考人(徳山日出男君) お尋ねの料金徴収期間の延長によります平成六十二年以降の新たな料金徴収期間中の維持管理費用につきましては、高速道路会社が料金収入で負担することといたしております。
#59
○広田一君 その年間の概算額とその根拠についてお示しを願いたいと思います。
#60
○政府参考人(徳山日出男君) 平成六十二年以降の維持管理費の額でございますけれども、現在の高速道路会社の計画によりますと、建設債務の償還満了時点での維持管理費及び修繕費は、一年当たり六社合計で約四千五百億円となっております。
 また、その法律の書かれ方でありますけれども、道路整備特別措置法の第二十三条第一項第一号というのがございます。この項については今回の法改正で改正するものではございませんで、従来から書かれておる部分でございますけれども、料金の額は、会社が行う高速道路の維持、修繕その他の管理に要する費用を料金の徴収期間内に償うものであることというふうに定めておりまして、これを読みまして、今申し上げましたように、料金徴収期間の延長による六十二年以降の維持管理費用につきまして高速道路会社が料金収入で負担すると、このように考えておるわけでございます。
#61
○広田一君 現在、御紹介のございました二十三条の読み方で徴収をするということでございますけれども、今回、更新費などの償還に加えて償還が完了した既存インフラの維持管理費が含まれている、これについては十分な説明、国民の皆さんいただいていないんじゃないか。これまでは更新費用の償還にだけ充てるみたいな、そういう説明をずっと繰り返してきたのではないかなということを一点指摘をさせていただきたいと思います。
 既存の建設債務の償還と更新費の償還、これを明確に区分をしながらも、一方で維持管理費は更新費の償還費用等に紛れ込ませる。これは、平成六十二年までに償還が終了した既存インフラのそれ以降の管理費は、これまでは税金で賄う予定だったはずだったというふうに私自身は理解をしておるところでございますけれども、ただ、二十三条の規定によっても引き続き料金徴収をしている間は管理費についても取れると、こういうふうに考えてやっているということでございますので、これの是非についても今後議論をしていかなければならないということを指摘をさせていただきたいと思います。
 続きまして、平成十七年の道路公団民営化時において、将来必要となる更新に対する見通しの甘さについて、これどう総括をしているのか、国土交通省にお伺いします。
#62
○政府参考人(徳山日出男君) 道路構造物の老朽化予測には限界がございまして、民営化時におきましても基礎から造り替える更新需要の発生は想定していたわけでございますけれども、当時は構造物が建設後四十年程度を経過し始めたところでございまして、更新の必要性について具体の箇所や対処方法が十分に明らかになっていなかったところでございます。その後、東日本大震災、そして笹子トンネル天井板落下事故が起こりまして、老朽化対策が一層必要であるという認識が共有されてきたと考えております。
 このような認識の下、建設後五十年が経過し、老朽化の進展により更新の必要な箇所が明らかになってきたこと、また対処方法について検討が進んできたことから、具体的な更新事業に取り組むものと考えております。
#63
○広田一君 つまり、民営化時におきましては更新需要の発生は想定はしていたと、ただ、道路構造物の老朽化予測には限界があって、当時は構造物が建設後四十年を経過し始めたところなので、具体の箇所や対処方針が明らかになっていなかったので更新費については計上していなかった、こういった御説明だというふうに理解しますが、これでよろしいでしょうか。
#64
○政府参考人(徳山日出男君) 答弁申し上げたとおりでございます。
#65
○広田一君 予測は限界があるというふうに答弁をしております。しかし、逆に言えば、どこまで予測ができていたのか、この説明責任はあろうかというふうに思います。特に現場の技術者の皆さんはこれを早くから認識をしていたのではないかというふうに思います。今回、首都高、阪神、必要な更新箇所といったものは東京オリンピックと大阪万博の突貫工事のツケの部分であります。プロの技術者であればもっと前に分かっていたことではないでしょうか。
 一方、更新費は計上していないというふうに申しているわけでございますけれども、平成十六年の民営化論議において、本日ここにもいらっしゃいます室井邦彦先生の耐用年数に関する質問の答弁の中で、こう述べております。
 百年もたせるべく、良好な維持管理、創意工夫をしながらやっていくということが必要であろう。ただし、コンクリート構造物等につきましては、大体、おおむね目安、六十年ぐらいというような説もございます。したがいまして、四十年経過した構造物があと二十年、三十年たちますと、六十年、七十年になる。そういう意味では、人間の寿命にちょうど近いような部分もございますので、できるだけの、あらかじめの創意工夫しながら良好な管理をする。それから、場合によっては、必要な更新というものは、部材の取替えであったり、そういうことを適切にやっていく必要があるだろうということは、この前も示しました債務返済イメージの中にも、五十年近くたってから以降は更新というようなことも、平成二十二年度以降、一千億円ほどの計上、こういうこともさせていただいておる、こういった旨の答弁をしているわけでございます。
 つまり、平成二十二年度以降は一千億円の更新費を計上すると明言をしているわけであります。当時の生き証人もここにいらっしゃるわけでございます。この更新費用については計上していたのではないでしょうか。
#66
○政府参考人(徳山日出男君) 先ほど副大臣から、条件が合えば橋梁は百年ぐらいもっていくと、隅田川では八十年を過ぎた橋梁が健全であるというような例も御紹介いたしました。
 民営化のときもいろんな検討をしたわけでございますけれども、通常の維持、修繕で何とかもたせながらいけるのか、本当に根っこから造り替えるような更新、大規模修繕まで踏み込まないとどうしようもなくなるのかという、ここの境目が非常に難しかったわけでございます。
 委員から御指摘のありましたように、しかし、当時も、確かにおっしゃるとおり、当時の道路局長が答弁申し上げております。一千億円の更新費ということを申し上げておりまして、これは民営化法の審議の際の参考資料として国土交通委員会に提出をした資料でございます。おっしゃるとおり、一千億の更新費ということを盛り込んだということを申し上げたわけでございます。
 これは、当時想定したものとして、舗装の打ち替え、それからETCの施設、それから遮音壁、それから交通管制の関連施設といった、土木本体といいますよりは道路に附属する施設の更新費用、これについてはある程度の耐用年数が見込めたものでございますから、これらについては更新費用を今回見込もうということで民営化時点に入れておるわけでございます。
 一方、大規模更新につきましては、主要構造そのものを取り替えるものでございまして、鋼製フーチングの取替えとか桁そのものを架け替えるというようなものもございますが、こういったものについては、まだ当時の時点ではそこまで踏み込まなくても通常の維持、修繕で何とか維持していけるのではないかというふうに考えて、更新費ということでは設備系の一千億円を計上をいたしたということでございます。
#67
○広田一君 御答弁頂戴したわけでございますけれども、ただ、当時の室井先生の御質問が、本当に耐用年数というふうに非常に大きな話の中で出てきたこの更新費の一千億円の計上、ただ、実は中身は舗装の打ち替え等々、非常に修繕に近いもの、こういうふうなことでございました。単語は同じ、中身は違う、不可解な話ではございますけれども、そうしますと、いつからこの更新の定義とか中身というものが変わってしまったんでしょうか。
#68
○政府参考人(徳山日出男君) 更新といいますのは、文字どおり修繕ではなくて根っこから置き換えるようなものでございまして、定義が変わっているとは思いませんが、先ほど申し上げましたように、一千億については、例えばETCの施設、これについては、電気設備でございますから、ある程度の年限で駄目になるであろう、置き換える必要があるであろうということで更新費として民営化時点で計上をさせていただいたわけでございまして、更新という意味では施設面はこの定義に合っておると思います。
 先ほども申し上げましたように、民営化時点では、まだ道路できて四十年という程度の時期を過ごしておりまして、維持、修繕の中でこれらを維持していけるというふうに考えておりましたので、大規模な、桁そのものを取り替えるような更新費については盛り込まなくても何とか維持していけるのではないかと、このような考え方であったということでございます。
#69
○広田一君 そうすると、今回また資料を配らさせていただいているところでございますけれども、今回の提案のございます更新の定義、そしてその具体的な工事内容、さらにはこれから議論になります大規模修繕、そしてその具体的な工事内容、これらにつきまして、それぞれ配りました資料に沿って御説明を願えればと思います。
#70
○政府参考人(徳山日出男君) 資料の表のところでございますか、図が付いておるページということでございましょうか。
 では、先ほど来いただいた資料を使わせていただいて大変恐縮でございますけれども、何ページ目になりますでしょうか、四ページ目ですか、一番上に、「大規模更新・大規模修繕の主な対策工事のイメージ」と書かれたまずこの表で申し上げますと、上半分に橋の絵が描いてございます。左上には、床版の取替えという、道路のまさに車を支えているこの面を床版と申しますけれども、これを取り替えてしまうようなもの。あるいはその右側に、桁を架け替えるという、この床版を支えているまさに橋の本体である主桁を架け替える。これらはまさに置き換えておるわけでございまして、大規模更新と我々が言っておりますものの典型のものがこの二つでございます。
 一方、その下に、高性能床版防水工あるいはSFRCというような、これは補強コンクリートというようなものでございます。あるいはその右に、表面被覆というようなものがございます。これらは桁そのものを完全に取り替えているわけではございませんけれども、このままほっておきますと致命的な損傷に発展して通行止めになる、本来であればこれは更新で置き換えるぐらいの致命的な大きな主たる部材へのダメージであるというようなものを、なるべく安い工費で行うために、大規模更新と同様、損傷を精査をして、修繕を主桁全体に徹底的に行うことで更新したと同じような効果を出させようと、こういったものでございまして、こういったものがこの大規模修繕に当たるということでございます。
 以下、その下のようなページ、あるいはその次にも、「阪神高速道路の更新計画(概略)について」という資料もお出しいただいております。
 いずれも、完全に置き換えるものが大規模更新、そして完全に置き換えるのと同等の効果を発するような主たる構造に対する徹底的な修繕を大規模修繕というふうに呼ばせていただいております。
#71
○広田一君 御答弁がございました。おっしゃるとおり、橋梁の架け替えなどの更新費用が掛かること、これはある程度理解をします。しかしながら、大規模とはいえ、この修繕についていきなり一兆七千億円ほど必要と言われ、はい、そうですかといって普通返事をすることは私はできないのではないかなと思います。
 先ほど徳山局長がおっしゃったように、更新と大規模修繕、これは定義も違えば中身も全く違うわけでございます。これを一緒にして更新費というふうな形で将来世代にツケ回すということについては、私は問題ではないかなというふうに思うわけでございますけれども、この点についての御見解は政務三役にお伺いをいたします。
#72
○副大臣(野上浩太郎君) 今局長から答弁を申し上げましたとおり、大規模修繕は、通常の部分的な修繕のみでは致命的な損傷に発展しまして通行止めなどが発生するおそれのある箇所について、主要構造の全体に対して補修を実施するものであります。大規模更新との違いは、取替えということかあるいは全体的な補修かといった工法の違いとなっております。
 この大規模修繕についても、大規模更新と同様、個々の構造物の損傷状況を精査した上で適切に箇所が選定されているものと考えております。
#73
○広田一君 ですから、大規模修繕をすること自体、これは否定をしているわけではありません。しかしながら、資料にもございますように、グラウンドアンカー対策であるとか土石流対策、こういったものが大規模修繕ということであれば、この工事内容、確かに重要、必要かもしれませんけれども、これを全て平成六十二年以降の将来世代にツケ回してまでやるべき仕事なのかどうか。これは、本来は、この大規模修繕をすることによって安全性を確保する現役世代が負担をすべきこれ工事内容ではないかなと、こういうふうに思うわけでございます。
 ですので、これから大規模修繕等々、一兆七千億円を超える事業があるということでございますが、これは是非とも中身を精査をしていただいて、これは将来世代にお願いをしなければならない大規模修繕事業なのか、それとも今のこの現役世代において負担をして賄うべき事業なのか、これについては精査をし、なるべく将来世代に負担をツケ回さないような取組をすべきだというふうに思いますけれども、この点についての御所見をお伺いします。
#74
○政府参考人(徳山日出男君) 今回、大規模更新、それから本当にこのまま放っておきますと致命的な損傷に発展するものを、更新よりも安い費用で同じような効果を出すものとして大規模修繕というものを、各社におきまして有識者委員会あるいは専門家の意見も聞きながら今回積み上げたわけでございます。そして、これは、これから進めていく中で、業務実施計画という中に更新事業を、大規模修繕も含めまして明確に位置付けていただこうと、特出しをしていただくということを法律に今回入れようとしております。
 当然、業務実施計画は国土交通大臣が認可をいたします。したがいまして、実施する中におきましても、各道路会社が工法等の工夫によりましてコスト縮減に取り組んでいるかどうか、あるいは真に必要なものであるかどうか、そういったものを認可の際にきちっとチェックをすることになると思いますし、これについては債務区分を分けるだけではなくて、こういった内容についてもきちんと世の中に周知をさせていただいて、世の中からの厳しい目にもさらして、そういった中で進めていきたいと、このように考えております。
#75
○広田一君 御答弁ございましたように、一兆七千億円を超える大規模修繕について厳しく精査をしていただきたいと思います。これが不必要ということではなくて、これは将来世代にまでツケ回してやるべきものなのかどうか、これをそういった視点で中身を精査をしていただければというふうに思うところでございます。
 そして、これに関連しまして、今後、更新について次から次へと発生するものではない、こういうふうな御答弁をしているところでございますけれども、これもちょっと資料に付けさせてもらいました。
 この問題について、確かにこれからも更新費がどんどん出てくれば大変困ったことになるわけでございますけれども、しかしながら、各高速道路会社が設置しました有識者委員会が行った提言によりますと、大規模修繕には今後の検討によって大規模更新となる可能性のあるものが含まれており、それらが全て大規模更新となった場合は五・二兆円の追加費用が必要となるというふうに言われております。
 そうすると、これまでの御答弁との整合性といったものが図れなくなるんじゃないかなというふうに思いますけれども、この点についての御所見をお伺いします。
#76
○副大臣(野上浩太郎君) 高速道路会社におきましては、更新計画の検討に当たって、各会社が設置した委員会による議論をいただいているところであります。
 例えば、NEXCOが設置した委員会におきましては、これ平成二十五年四月に中間取りまとめを行いまして、塩分が飛来する海岸付近や凍結防止剤の使用が多い地域など一部の条件に当てはまる箇所を単純に拾い上げた結果、今御指摘のありました約五・四兆円の概算費用に加えて約五・二兆円の追加費用が必要となるということといたしております。
 そして、その後、通常の部分的な修繕のみでは致命的な修繕に発展をして通行止めが発生するおそれのある箇所に絞り込んだ結果、平成二十六年一月に約三兆円の更新計画を公表させていただいたということであります。
#77
○広田一君 そうすると、確認ですけど、これからも更新費用が発生をするというふうに見込んでいるというふうに理解してよろしいんですね。
#78
○副大臣(野上浩太郎君) その三兆円の更新計画を公表させていただきまして、そこの部分についてはそのとおりでございます。
#79
○広田一君 もう時間となりました。今日で自分の質疑終える予定でございましたけれども、まだまだ積み残し等々がございましたので、これは来週の火曜日にもまた若干やらさせていただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 どうも失礼しました。ありがとうございました。
#80
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 道路法の一部改正案の前に、おととい、五月二十日、太田大臣は総理から水循環政策担当大臣に任命されたというペーパーが入りました。この四月の二日公布でございますが、水循環基本法、これに基づく政策本部を設置するということでこのような担当大臣が任命されたわけでございますが、御案内のとおり、この水循環基本法、この委員会で藤本委員長が提案という形で、全会一致で参議院側から出させていただきまして、そして衆議院に行って成立をさせていただいたところでございます。
 大臣御案内のとおりだと思いますが、この水循環基本法、二〇〇八年九月に超党派の国会議員と民間有識者が水循環基本法研究会、こういうものを立ち上げてやってきたところでございまして、我が公明党からは、もう勇退されましたけれども、田端正広衆議院議員が中心になって、この水循環の維持、河川の流域管理の面で提案をさせていただいてきたところでございます。
 もちろん、水に関しては、上水道は厚生労働省、また下水道は国交省、農業用水は農水省等々、いろんな縦割り行政の弊害ということが指摘されてきたわけでございますが、大臣の、今回、政策担当大臣ということでございますものですから、強力なリーダーシップで是非この法の趣旨を生かして、二十一世紀は水の世紀だと言われておるわけでございまして、リーダーシップを発揮されるよう希望するものでございます。
 そこで、道路法の問題でございますけれども、笹子トンネルの話が先ほどもございました。本当にショックな事故であったわけでございますが、私もこの中央道、先ほど森屋委員がいろいろお話をされたところでございますが、結構利用させていただいてまいりまして、昭和五十六年の夏だったと思いますけれども、台風の影響で、上野原だったと思いますが、のり面がざばっと土砂崩れといいますか、しまして、たしか上野原の辺りだと思いますけれども、半月間ぐらい通れなかったという。私、よく調べたら、崩落する十分ぐらい前に、夜間でございますが、通過している。本当に鳥肌物だったわけでございますが、高速道路の事故というのは本当に恐ろしいなというふうになるわけでございますが。
 しかし、年数たてばやはり老朽化するわけでございますが、この笹子トンネルのような大きな事故の前に、本来このような道路法の改正をして、大規模修繕といいますか、更新も含めた対策にしっかり提案をしていくべきではないかと。ある意味では、この法改正自体が遅きに失したのではないのかと。
 今回、今国会に提案された理由、いきさつについて御説明をいただきたいと思います。
#81
○政府参考人(徳山日出男君) 道路の老朽化に対しまして、通常の維持、修繕で大丈夫なのか、あるいは根っこから造り替える更新が必要なのかということを判断することは非常に難しいわけでございます。これまでは、通常の維持管理、修繕により長寿命化を図る、こちらの方がコストは当然安くなるわけでございますから、そういう考えにより対応してきたわけでございます。これは、民営化の時点もそのように考えておりました。
 これがもう大きく変わりましたのは、やはり東日本大震災、そして笹子トンネルの天井板落下事故ということだったと思います。老朽化対策が一層必要であるという認識が共有され、そして、老朽化の進展により更新の必要な箇所が明らかになってきたということが契機になっております。
 今回、法案にまとめるに当たりましては、国土交通省におきまして、あり方検討委員会、あるいは首都高の再生の有識者会議、国土幹線道路部会という三つの委員会でいろいろな議論をいただきました。各高速会社においても委員会を持っております。こうした丁寧な議論を経て、今般、更新事業に取り組むための法案を提出させていただいたという次第でございます。
#82
○魚住裕一郎君 今の御答弁の中にも若干出てきたわけでございますが、これはやはり民営化というときがあったわけでございますが、建設と大規模更新・修繕費用、なかなか見通しが難しいのはもちろんでございますが、いずれはやっぱり構造物、壊れていくといいますか、予想されるわけであって、その辺の費用の取扱いについては、やはり償還計画に含めないというふうに判断した理由というのは、いずれは当然あるわけですよね、ちょっと無責任に思うわけでございますが、もう一度説明をお願いします。
   〔委員長退席、理事広田一君着席〕
#83
○政府参考人(徳山日出男君) 先ほど副大臣からも申し上げた部分がございますけれども、条件が許せば道路の橋は百年ぐらいの寿命があるというふうに私ども設計上考えております。現に、隅田川の橋を例に申し上げましたけれども、八十年、九十年で健全だという橋もあるわけでございまして、民営化時の議論といたしましては、まだ四十年程度の中で完全に造り替えるところまで踏み込まなければならないかと、こういう議論だったわけでございます。
 そういう造り替える、更新需要の発生は将来的にはもちろん想定していたわけでございますけれども、当時は、建設後四十年程度経過し始めたということで、まだ寿命から比べれば通常の維持、修繕で長寿命化を図っていけるのではないかと、こういうことでございまして、十分に明らかになっていなかったということでございます。
 その後、先ほど申し上げましたけれども、東日本大震災、笹子トンネルの事故という契機を経まして、今回検討が進んできたことから、具体的な更新事業に取り組むということで法案を出させていただいたということでございます。
#84
○魚住裕一郎君 それで、今回最大十五年延長という形で財源を確保して更新計画が実施されるという形になるわけでございますが、これは当面の更新事業の財源を手当てしたというふうに理解していいわけですね。
#85
○政府参考人(徳山日出男君) 先ほど申し上げましたように、条件がよろしければ橋は八十年、百年という寿命があると考えております。
 今回、いろいろ精査をいたしました結果、東京オリンピックとか大阪万博のようなやはり期限が切られる中で無理をして工事をしなければならなかったような事業、あるいは、その当時のいろいろな基準類が必ずしも長寿命化に対応できていなかったものというのが、残念ながら八十年、百年ともたずに、今回更新しなければならないというふうに出てきたわけでございます。
 同じような基準で造ったものがほかにないかどうかというのは、今回全国にわたって精査をいたしました。したがいまして、今回約四兆円の更新事業を提案させていただいておりますけれども、これに対応すれば、今回の料金徴収期間内において次々とまた同じようなものが出てくるという状況にはない。逆に言いますと、当面の分だけではなくて、料金徴収期間内において安全性が守られる必要な更新事業を計上させていただいていると、こういう考え方でございます。
#86
○魚住裕一郎君 だから、四十五年プラス十五年で六十年という非常に長い期間のことをおっしゃっているんだろうと思いますが。
 先般、参考人でここで質疑をさせていただいたわけでございますが、その中で石田参考人、レジュメの中で、料金制度の基本を、建設をする時代の償還主義から活用する時代の政策主義ともいうべきものに転換することを議論するべきであると。ああ、確かにそうだなと思った次第でございまして、先ほどもありましたが、ピーク時、幹線道路の混雑を緩和するために高速道路への転換を図る通勤割引、あるいは夜間の沿道の環境改善のための夜間割引、あるいは沿道環境を改善するための環境ロードプライシング云々と。また、そろそろ永久有料制度、要するに維持管理有料制度、さらに特急料金としての高速道路料金ということを考えた方がいいのではないのかなと。
 もうほとんど四十五年、六十年という世界になってくると、無料開放ということよりも、快適なというか、将来にもわたってきちっと維持していくべき社会資本として、低料な料金でしっかり快適に移動できる高速道路を維持していくべきである。それが今回は、もう先ほども、何回も出てくるはずなんでございますけれども、あくまでも十五年を限度としてこれを延ばすという形で、議論の先送りじゃないかという、そんな気がしてならないのでございますが、この点はいかがでございましょうか。
   〔理事広田一君退席、委員長着席〕
#87
○政府参考人(徳山日出男君) 先日の参考人質疑におきましても、私も傍聴させていただいたわけでございますけれども、石田先生から、建設する時代の償還主義から活用する時代の政策主義への転換が必要であるというお話がございました。
 私どもも、例えば料金につきましては、この四月から新料金に移行いたしましたけれども、この中で、単に掛かった建設費を償うための料金という設定ではなくて、利用しやすい、あるいは賢く使うための料金というものを盛り込んだ、そういう料金の第一歩にしたつもりでございます。
 かつ、今回大規模更新の必要性が明らかになったわけでございます。これらについては、ただ、無料償還の原則という考え方の中で十五年延長させていただいた上で、この十五年を上限として財源を賄おうと、こういう考え方にしておるわけでございます。
 高速道路を恒久的に有料にするということについては、また利用者を始め広く理解を得られるかという課題もございまして、今後も慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
#88
○魚住裕一郎君 次に、首都高速道路の早期更新の必要性についてお聞きしたいと思います。
 もちろん、道路はどこでも大事な社会インフラでございますし、優劣ということはないわけでございますが、なかんずくやっぱりこの首都高速は首都圏という交通の要でありますし、また国際戦略港湾である東京港、横浜を掲げて、また全国をつなぐ物流の大動脈としての機能を維持しているわけでございますし、さらに二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催、また首都直下ということを考えると、本当に国家的に早急に最も優先度の高い高速道路というふうに思うわけでございますけれども、国土交通省におきましてはこの首都高速道路の更新の早期実現についてどのような方針で臨むのか、お示しをしていただきたいと思います。
#89
○副大臣(野上浩太郎君) 首都高速の更新事業に取り組むに当たりまして、今先生から御指摘のありましたとおり、例えば二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催時にどのような形で首都高速を御利用いただくかということも極めて重要であると認識をいたしております。
 現実には、都市内の限られた空間におきまして現在利用している交通を確保しながら行う難工事でありますので、これは通常の工法や手続等によって二〇二〇年に間に合わせるということはなかなか難しい状況ではあります。しかし、今後、工期短縮を図ることですとか、あるいは、オリンピック・パラリンピック開催中の安全、快適な利用方法について東京都等とも連携をしながら検討を進めまして、二〇二〇年の開催に支障がないよう最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
#90
○魚住裕一郎君 この首都高の早期の更新事業実施に加えて、やっぱり首都圏を始め我が国の物流の更なる活性化を促す観点から、圏央道、また東京外郭環状道路など、首都圏三環状道路の早期完成も優先度の高い事業だと考えております。
 平成二十七年度中には圏央道のほとんどが完成して、三環状道路の整備率も八割を超えるという状況になります。それを踏まえて、シームレスな料金体系、これが導入が検討されているというふうに伺っておりますが、このシームレスな料金体系が導入されれば都内の通過交通をかなり削減できるのではないか。そうすると、その結果、首都高速道路の渋滞緩和、長寿命化への効果も期待できるところでございますが、この首都圏三環状道路につきましても二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまでの完成が期待されるわけでありますが、今後の見通しについてお伺いをいたします。
#91
○大臣政務官(中原八一君) 首都圏三環状道路につきましては、平成二十六年四月末現在で約六割が完成しており、平成三十二年度までには約九割の区間の開通を目指して整備を推進しているところであります。環状道路を整備することは、都心部の交通を外側の環状道路へ迂回することにより都心部の慢性的な渋滞の緩和に大きな効果があり、東京の機能強化に大きく寄与すると考えております。
 また、圏央道が来年六月に東名高速から中央道、関越道の間がつながる予定でありまして、今後、環状道路の渋滞緩和の効果をフルに発揮するためには、委員から御指摘がございました、環状道路の整備に合わせましてシームレスな料金体系の導入等により、交通流動の最適化が重要であると認識をいたしているところであります。
 このような効果を早期に発揮するため、一日も早い首都圏三環状道路の完成を目指し、二〇二〇年に開催されます東京オリンピック・パラリンピックも見据えまして、地元の協力を得ながら整備を推進してまいりたいと考えております。
#92
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。
 続いて、高速道路と立体交差する橋梁、跨道橋についてお聞きしようと思ったわけでございますが、森屋委員が先行して細かく質問されましたので、私も現状認識でありますとかあるいは管理の在り方とか、提言も含めて質問をさせていただこうと思ったわけでございますが、こういう状況を踏まえて、やはり跨道橋も集約化する、あるいは場合によっては撤去という形になっていくわけでございますが、やはり機能の補償というような、先ほど、それでこの跨道橋を造ったんだという話でございましたが、これは集約も撤去もやはりどれを選ぶのかという選定基準ということを明確にしていくことが、地域に与える影響も大事ではないかと思っておりますが、その辺についてはどのように今お考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
#93
○政府参考人(徳山日出男君) 跨道橋の撤去についてお尋ねをいただきました。
 高速道路の跨道橋は、高速道路の建設により分断された既存道路の機能補償のために会社が設置して自治体に移管したものが大変多うございます。したがいまして、その管理は本来道路管理者の責務であると、これが法律上の決まりでございますけれども、市町村は予算、人員、技術の面で非常に厳しい状況にあるものですから、これに対して支援をしなければとてもできないというのは自明のことであると思います。
 そういう中で、予算の面や技術面での支援についても申し上げてまいりましたけれども、今先生おっしゃいますような撤去という考え方、これはそういう機能補償だから、まあ造っておいてもらうのはいいかなというような造り方をした橋もあるわけでございまして、今となっては、市町村にとりましては、これは少し撤去をする、あるいは三本ある橋の中、一本に集約をして通行してもらうというような考え方をするような時期が来ておりまして、幾つかの相談を受けております。まだこれを一律の基準でということはなかなか難しゅうございますけれども、いずれにしましても、地域の道路管理者の判断でこうした撤去についてもふさわしいものは実施すべきものであると、このように考えております。
#94
○魚住裕一郎君 それで、そういう人口減少やまた土地利用の変化等々、社会構造の変化に対応していくという、必要になってくるわけでございまして、先般も都市再生特別措置法の一部改正案があったわけでございますが、その中でも住宅、医療、福祉、商業の都市機能の集約化ということがございました。
 また、人口減少社会を前提とした国土のグランドデザインという、そういう話もあるわけでございますが、また、地域によっては、先般、日本創成会議ですか、九百に近い自治体が将来消滅するのではないかみたいな報告もあったりして、そういう全体を見渡した中での各地域の将来像を見据えた新たな道路網の再構築ということを考えていくべきではないのかと。
 また、管理の在り方も国、県、また市町村とあって、具体的な、いざというときに、今年の二月の大雪のときも管理の仕方によってアクセス自体も遮られてしまったという、そういうこともあったわけでございますが、この辺の新たな道路網の再構築について大臣の御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
#95
○国務大臣(太田昭宏君) 本格的な人口減少社会が到来をする、そして、二〇五〇年には二割のところで人がいなくなると、こう言うんですが、私はこの二割をどういうふうに見るかということだと思います。
 なかなか人はその土地に生まれ育ってきたところからは離れ難いものでもありますし、ここは本当に将来どうなるかということについて言うと、五世帯ぐらいあっても、私のおやじの田舎なんかもう本当に山の中でありますけれども、三世帯ぐらいになって、本当に頑張っていて、シイタケ作ったり、そういうようなことがあります。道路というのは、やはりその人たちにも提供しなくちゃならない、すばらしい立派な道路というものではなくても、生活するということができる道路は造っておかなくちゃいけないというふうに思っています。
 全体的にはコンパクトシティー・プラス・ネットワークということ、あるいは集落のようなものでは小さな拠点をつくって道をそこに配置する。このコンパクトシティー・プラス・ネットワークと公共交通、そして道路網というのを、そんな立派なものじゃなくても、人が通らないんじゃないかというようなことをよく言うんですが、私は、人が住んでいる以上、何らかの形で道路を、そして交通というものが得られるということを想定しなくてはいけないというふうに思います。
 財政が制約をされているけれども、人が生きていくということの中には、そこで、今日冒頭申し上げましたが、そこの本当に命を守るとか、あるいは生活インフラ道路というようなものも当然必要であり、そして、その中には経済戦略的な、あるいは動脈としての産業の高速道路というものが配置をされるということをバランスよくこれから持っていかなくてはいけないんじゃないかというふうに思います。
 跨道橋の話が今日三回ほど出ましたが、これも高速道路が真ん中を突っ切るということで、元々農家が多うございました。そこで農家が真っ二つに分かれると言って、おらの農地に行けないじゃないかというようなことから出たということもありますが、その後、三十年ぐらいたってみると、もう農業はやめたり、そして工場が逆に建ったりというようなことで必要ないという。
 老朽化したことによって通行止めで必要ないというところもできるし、そういう時代の変化とともにそれが必要じゃないというものもあったりして、一つ一つ現場の実情に合わせて、この一億二千七百万人の人口を擁する日本の人々がそれぞれ異なった生活をしているということ、そして、日本は勢いのある産業というものもつくらなくてはいけないということをバランス持ってやっていくということが必要だろうというふうに思っています。
 国土のグランドデザインということと、また審議をいただいて今日まで来ました交通政策基本法、またそれに基づいた基本計画、また今般にも法律を出させていただいた公共交通を始めとする諸法案、それらを踏まえて、選択と集中という言葉にも集約されるかもしれませんが、道路網ということについてはより深く考えて、また私は、住んでいる人からいうと、より温かくも考えていかなくてはいけないのではないかというふうに思っているところでございます。
#96
○魚住裕一郎君 終わります。
#97
○委員長(藤本祐司君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩をいたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#98
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、道路法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#99
○室井邦彦君 日本維新の会・結いの党の室井でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 道路法等の一部を改正する法律案の提出目的に、首都高速道路、そして阪神高速道路の高速道路の老朽化対策が掲げられております。先ほど来、各先生方の御質問の中でも出てきておりますが、この大きな一つのきっかけになったのは、言うまでもなく笹子トンネルの事故でありました。このトンネルが開通後四十年近いものであった、経過したものであったということ、老朽化に更に焦点が当てられるきっかけになったというふうに承知をしております。
 この事故を受けて、再発防止策や安全性向上の取組について国土交通省としてどのような対応を取られてきたのかお伺いしたいことと、あわせて、今国会にこの法律案を提出することになった理由をお聞かせをください。
#100
○政府参考人(徳山日出男君) 今先生おっしゃいましたとおり、国土交通省では笹子トンネル天井板落下事故後、まず直ちに緊急の安全点検を実施をいたしました。これは、笹子トンネルと同様のつり天井板を有するトンネル及びトンネル内の道路附属物等を対象に全国にわたって点検を実施いたしまして、必要な措置を講じました。
 次いで、事故直後に設置をいたしました有識者による調査・検討委員会におきまして原因究明を行いました。事故は天井板をつり下げる部材の施工や経年劣化などが原因であったとしております。
 さらに、再発防止策といたしまして、委員会の見解を踏まえ、笹子トンネルと同様の構造を有する全国の十六トンネルにつきまして、二トンネルはバックアップ構造・部材を設置し存置することにし、十四トンネルは天井板を撤去することにいたしました。これまで九トンネルの対策が完了した段階でございます。
 こうした状況を受けまして、老朽化対策の必要性への認識が非常に高まってまいりました。国土交通省におきましては、高速道路会社と連携しつつ、有識者委員会を設置し、様々な意見も聴取しながら御審議をいただき、昨年六月、国土幹線道路部会において更新の在り方についての取りまとめをいただいたところでございます。
 こうした丁寧な議論を経て、今般、高速道路の更新事業に取り組むための法案を取りまとめ、提出させていただいたと、こういう経緯がございます。
#101
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 この事故について、また老朽化に対する対応、そしてこの笹子トンネルの天井板崩落がなかったら、今どのような、国交省として、我々もそうであります、老朽化に対して、これだけ集中してこういう計画というか老朽化に対する法案の手直しといいますか、そういう改正が実際行われた。これがなければどのようにこの状況が続いていたのかなということを考えますと、やはり今局長が答弁していただいたように、事故があった、犠牲が出たからこうするああするじゃなくて、そういう一つの基本、基準というものを、事故があってもなくても五十年たてばこういう見直しをしていく。見た目では手直しする必要がない、そんな無駄な経費を使うことないんじゃないかという意見も出るでしょうけれども、やはりそういうことを行っていかなくちゃいけないんじゃないのかな、こんなことを思っております。質問じゃありません。
 それともう一点、このトンネル事故でまた背筋がぞっとするような思いがいたしたことがありまして、新幹線の、特に西日本の新幹線でしたか、東海でしたか、天井のコンクリート破片が走行中の新幹線に落下したというようなことも過去ありました。これは大事故にならなかったから良かったものの、そういうメンテナンス、こういうものをやっぱりしっかりと、行き届いたメンテナンスをしていただかないといけないなと、このような思いが強くしております。これはこれからもしっかりとですね。
 あと、後ほど少し、メンテナンスの件に関しての業界、技術力はどのように国交省として指導しておられるのか。私も先般の登壇で大臣にそういうところをお聞きいたしましたけれども、くどくなってもいけませんので、民主党筆頭理事の広田一先生がほとんど質問をしていただきましたので、私も随分重複するところがありますので少し割愛させていただきながら、その部分は触れさせていただきたいと思います。
 次に質問をさせていただきたいと思います。
 次は、このような状況の中で、今年の四月十四日に、社会資本整備審議会道路分科会、行われましたですね。そこで、老朽化対策の本格実施に関する提言を行っております。その提言では、冒頭より、最後の警告、今すぐ本格的なメンテナンスにかじを切れ、静かに危機は進行している、既に警鐘は鳴らされている、行動を起こす最後の機会は今というように、強い表現のものとなっております。
 大臣は、平成二十五年をメンテナンス元年と位置付け、メンテナンスに重点を置くとおっしゃってこられました。この提言をどのように受け止めておられるのか、御決意、また御所見をお聞きをしたいと思います。
#102
○国務大臣(太田昭宏君) 最後の警告という強い指摘がなされました。私は、メンテナンスが必要であるということについてはずっと言ってきたつもりでありまして、そういう意味では、最後、ラストチャンスという、今なら最後間に合うからと、直ちにそこに入れという警告だというふうに受け止めています。
 そこで、昨日も実は老朽化対策の行動計画をまとめて、それぞれの道路、トンネルそれぞれについて、そして、何をどういう基準でいつまでにして、そしてデータをどのようにして、特に地方自治体の職員が人手不足であるときでありますから、そこをどうバックアップするかということを、大変分厚い行動計画を分野別に発表させていただきました。
 その中にも、道路につきましては、一つは義務を課すということで、橋梁等は五年に一度の近接目視をするということを義務付けるということを三月の終わりに発表しましたけれども、そうした類いのことを昨日は事細かく出させていただいております。そして、義務だけではなくて、市町村は財政、人員、技術におきまして大変な課題を抱えておりますから、そこをやれというんじゃなくて、どうすればできるかということをしっかり、背中からずっと押してあげるような手厚い支援というものを行っていくということも具体的にさせていただいているところでございます。
 義務と支援と両面で、いよいよ、昨年はメンテナンス元年、その意識を変えるという年でありましたが、今年は具体的に現場で作業が行われるという年にしたいというふうに思っておりまして、大体工程表どおりに来ていると思いますが、更に力を注いでいきたいと思っているところでございます。
#103
○室井邦彦君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、今回のこの法律案の改正事項の中に、高速道路の計画的な更新を実施するため、平成六十二年九月末までとなっている料金徴収期間、平成七十七年まで十五年延長するということとされております。高速道路各社は、年末から今年一月にかけ、大規模更新そして大規模修繕、NEXCO三社が約三兆二百億円、首都高速道路株式会社が約六千三百億、阪神高速道路株式会社が約三千七百億、本州四国連絡高速道路株式会社が約二百五十億、合計四兆四百五十億円というような数字を発表されました。
 今後、少子高齢化が進み、日本の人口も、内閣府の資料によりますと、平成六十年には一億人を割り込み、平成七十二年には八千六百七十四万人になると推計されております。社会経済状況の変化を踏まえ、交通需要や料金収入の推計に基づき料金徴収期間の延長期間が十五年と設定されておりますが、その根拠ですね、ついてお聞かせをください。
#104
○政府参考人(徳山日出男君) 先ほど来、例えば首都高速につきましては約六千三百億円の更新のための投資が必要であって、これは料金徴収期間の延長としては十五年が必要であると、こういうことを申し上げてきております。ただいま室井先生からは、それの算定根拠を更にというお尋ねでございました。
 更新計画の必要な額を料金でどう返すか。必要な額については、首都高では例えば六千三百億円と、こういうものが精査の結果出てきております。これに関係しますのは、平成六十二年以降の交通量がどう変わるのか、それに掛ける料金を幾らと仮定したらいいのかと、こういう数字で決まってまいります。
 交通量につきましては、平成六十二年までの交通量推計、これは当然、人口の減等を受けまして交通量微減の形で推移しておりますから、六十二年以降もこのトレンドで交通量が徐々に減っていくということを前提といたしまして、また、料金については、その最終的にいただいておる料金の水準をそのまま維持するという形で、一定の仮定の下で計算をしております。
 こうした結果、首都高速道路が十五年、阪神高速道路は十二年、NEXCOについては十年などとなっておりまして、このような法律を提出させていただいておるということでございます。
#105
○室井邦彦君 この部分については、私も、同僚議員であります広田一先生のきめ細かな、このようなことはなかなか私にはできぬことでありますけれども、ただ、人口減に関しての質問が欠けておったというか、あえて御質問されなかったんでしょうけれども、その点はちょっと私もそれを触れさせていただきたいと思って、少し重複しましたけれども御勘弁をいただきたいと思います。
 続きまして、高速道路の料金の、再びお尋ねしたいんですけれども、徴収についてお聞きをしたいと思います。
 大臣は、先週の参議院本会議での私の質問に対して、道路は無料開放が原則である、我が国では、厳しい財政状況の下、特別措置として有料道路制度を採用している、本法案においても、建設債務及び更新債務の償還満了後、無料開放すると、このようにお答えになっております。これも先ほど来、私も何度も大臣の口から聞かせていただいております。そういう、無料開放する、こういうことに考えておる、なっていると答弁をされております。
 高速道路無料、高速料金が無料になれば利用者からはもちろん歓迎されますが、現在、その維持管理費については、利用者から徴収した高速道路料金が充てられていると。しかし、無料開放になった場合、一般道路と同様に税金により維持管理を行うということとなります。随分先の話になりますが、この厳しい財政状況の下、現役世代が将来世代に負担を先送りするということになってしまう、このように思いますが、太田大臣、この辺の御所見を聞かせてください。
#106
○国務大臣(太田昭宏君) 無料開放、原則でありますし、世界各国ではいろんな経緯がありまして最初から無料というところもございます。我が国は、戦後、特に道路整備特別措置法を制定して、料金収入によって道路を整備する制度を導入したという経緯があって、かなり定着もしてきたというふうに思います。したがって、無料開放した後の維持管理、更新については、一般道路と同様、税金によって負担をするということになります。
 恒久的に有料にして細く長く取っていくというようなことでできないかとか、先ほど広田先生の方からも、もっとこれ前倒しして利子が発生しないようにというような、いろんな形があろうと思いますが、今回は有識者会議のじっくり論議もしていただいて、こうした形でやると。
 同時に、四十五年できちっと債務を償還するという、ここがまた揺れると非常に、また新しいものを造るとか、いろんな論議になってきますから、ここをきちっとするという歯止めを掛け、そしてその後の十五年を経て無料という形にさせていただくということにしたところでございます。
 今朝からの論議を聞いておりまして、私、土木をやった端くれとしては、確かに出ておりましたとおり、高速道路の最初のところの首都高速とか、万博を目指してとかいうことはかなり急いでやったという点がございます。その頃から設計が非常に経済設計ということで、非常にぎりぎりの設計を無駄なくやるということもはやった時期もありますが、昨今はしっかりしたものを造るという、技術的にもかなり進んできましたものですから、早いうちからの維持管理というものに手を打ってくれば、更に技術革新をしていけば長寿命化が図っていけるというふうに私は思っています。
 したがって、五十年などというのではなくて、いつとは申しませんが、場所にもよるんですけど、長寿命化がかなり図られるというような状況も生まれるのではないかというのが、私のちょっと技術屋の端くれとしての感覚でございます。そのことだけまた申し上げておきたいと思います。
#107
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 人間も長寿命化、高速道路、道路も長寿命化になっていけばいいな、このように期待をしております。
 大臣、ありがとうございます。特に私の質問だけじゃないんですけれども、懇切丁寧に答弁していただいておりますので、私、あと局長に三問、四問ほど用意しておりまして、最後まだ少し時間がありますので、全部飛ばしまして、申し訳ないです、せっかく用意していただいていますが、一点だけ気になるところがありまして、ちょっと早めにやらせていただきます。
 局長の御答弁いただくようになっておりますけれども、高速道路の有効活用による維持更新負担の軽減のため、これまで新設や改築の際にしか認められていなかった立体道路の制度、これについて少しお聞きしたいんですけれども、既存の高速道路へ適用拡大、また高速道路の高架の空間を有効利用するというのはこれはすばらしい発想だと思うんですが、期待をしております。
 いずれにしましても、この制度も、土地に制約のある東京、大阪等の大都市部を走る首都高速、阪神高速等で活用が計画され、期待をされておるということであります。いずれも老朽化対策が課題となっている状況の中で、また首都直下地震、南海トラフ、巨大地震の発生も想定されている中、この道路の上下空間の活用拡大は望ましいとしても、これ災害発生時に道路機能に支障を来さないのか私は心配しておるんです。
 災害等の非常時における道路機能の確保策や防災機能拡充策についてどのように対応しようとか、どのように考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
 これで質問を終わります。
#108
○政府参考人(徳山日出男君) 立体道路制度を活用いたしまして既存の高速道路の上部空間を有効活用できればまちづくりが活性化するといういい面がございますが、その反面、先生御指摘のとおり、首都直下あるいは南海トラフ巨大地震などの予想される災害時には、構造が複雑な分であるだけ、この安全対策ということは非常に大切になってくるということでございます。
 本制度が活用されるような地域、状況に応じて、実施する場合には、もちろん津波の想定に応じた対策とか、あるいは近年特に激甚化しております豪雨の排水対策、あるいはトンネル等の閉じた空間が多くなってくる可能性がございますので、消火設備などの非常用の施設、こういったものの設置を的確に行うことで安全が確保されるように計画することが重要であると思っております。
 立体道路制度を活用したプロジェクトの具体化に当たって、安全の確保を最優先としつつ検討を進めてまいりたいと考えております。
#109
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗です。
 まず、高速道路と景観の問題について聞いていきます。
 お手元に資料配られていると思いますが、御覧いただければと思います。「日本橋の今と昔」と書かれた資料ですけれども、左上の写真が現在の日本橋です。首都高速が橋の上を通りまして、景観は台なしでございます。がっかり名所のうちの一つとも言われています。私も、幼い頃初めて日本橋を訪れたときにがっかりした記憶がありますし、今でも訪れるたびに何とかならないものかというふうに思います。左下が江戸時代の日本橋、そして右が明治時代、戦前の日本橋の絵となっておりますけれども、まさに東海道の起点でもあり日本の名所でもあるわけです。
 二枚目の資料も見ていただければと思います。ちょっと横になっておりまして、縦で見ていただければと思うんですが、この上の部分ですね。橋の上の高速道路がなくなったらどうなるのかというような形ですけれども、こんなにすっきりしてというような形で、この景観で例えばお食事をしたりお酒を飲んだりということもできるぐらい、もうすっきりとしたきれいな空間になるわけです。こうして道路を撤去するなどして景観を再生する事例としましては既に国内でも成功例がありまして、それがこの二枚目の資料の下段の札幌の創成川の事例です。景観もとても良くなりますし、水辺に接することができるようになり、にぎわいも戻ります。
 そして、三枚目の資料、これは海外での事例になりますが、例えば一番左上のドイツのライン川の河畔の事例。これは、ライン川沿いの連邦道路、このように車が大量にあふれているというような状態だったんですけれども、これを地下化しましてプロムナードを造りましたところ、写真のとおり、このようなきれいな景観になりまして、多くの人が集うようになっております。
 そこで、大臣に質問いたしますが、高速道路の大規模更新時などに、都市再生の観点から、堀や川の上を通る高速、首都高速を撤去して地下化を進めるなどして景観の再生とにぎわいの復活を図るべきだと思います。政府の考えや方針、どうなっているでしょうか。
#110
○国務大臣(太田昭宏君) 首都高速の再生ということについては、大規模な更新というのが、築地川の上に、土地買収をしなくてもいいものですから、オリンピック前に造ったという経過がございまして、これは大規模な更新というものが必要であるというふうに考えている区間でございます。
 首都高速の再生につきましては、ピンポイント的に小泉元総理がこの日本橋のことについて発表した時期がありますけれども、実は二十四年に、亡くなられました三宅久之座長の下で、岩見隆夫さんとかコシノジュンコさんとか、猪瀬さんもそうでありましたが、会議を行いまして議論をされました。老朽化した都心環状線は、高架橋を撤去して、地下化などを含めた再生を目指して、その具体化に向けた検討を進めるべきであるという提言でございました。
 コシノジュンコさんは私に直接、先般も、太田さん、引き算の政治ということも、足し算ばかりやってきた日本の高度成長時代だが、いよいよ引き算の政治という、引き算も大事だよと。青空がわっと物がなくなって見えるというようなこともこれからは考えなくてはいけないということを言っておりましたが、私はそれは非常に大事な指摘であろうというふうに思います。
 また、オリンピックを前にして、水辺の空間というものが非常に、皇居の周りも私はそう思いますし、外堀もそうでありますけれども、水辺の空間がもっとあればということを思っておりまして、そこができると東京はよみがえってくるというふうに思います。
 そうしたことから、まずは首都高速の築地川区間をモデルケースとする、そして東京都、中央区等の関係機関との検討会を行い、都市の再開発と更新事業を一体的に実施しようというふうに今動き始めているところでありまして、不動産事業をやっているところで、日本橋のところから水辺空間を広げていく、高速を撤去するという以上に、あそこにそれも含めてもっと水辺の空間と昔の江戸の町を復活するということを急ごうという総合的な意欲に満ちる、まあCGなんかも既にできておりましてやっておりますけれども、私はそれらの、首都高速の更新と日本橋の再生ということが実施されれば大変結構なことだというふうに思っているところでございます。
#111
○和田政宗君 首都高更新時などに、地上部分、これを地下化を進めていくというようなことになりましたら膨大なお金というのが掛かるということで、費用対効果がどうなのかということを我が党を中心に恐らく言っていく形にはなろうかと思いますけれども、やはりこれは観光面、場合によっては、外国の方が多く訪れる、こんなきれいな景観が都市の中にあるのかということで外交面、そういったところでも非常に得られるものは大きいというふうに思いますので、是非不断に検討をお願いしたい、これは要望として申し述べたいというふうに思います。
 次に、スマートインターチェンジの整備について聞いてまいります。
 今回の法案では、スマートインターチェンジの整備に対する財政支援を行うということですけれども、現在のスマートインターチェンジの整備状況どうなのかということをお聞きします。特に、被災地宮城県では復興車両が増加しておりまして、その利便性の観点や集団移転先でのマイカー利用の利便性の観点からスマートインターチェンジの整備が図られています。宮城県内の現在建設中のスマートインターチェンジについて、どのような進捗になっているでしょうか。
#112
○政府参考人(徳山日出男君) スマートインターチェンジにつきましては、平成二十五年度末時点で、全国では七十か所で開通済み、なお五十九か所で事業中と申し上げております。
 お尋ねの宮城県内の事業中のスマートインターチェンジでございますけれども、亘理パーキングエリアのスマートインターチェンジ、名取中央スマートインターチェンジ、そして坂元スマートインターチェンジの三か所が事業中でございまして、いずれも各地の震災復興計画に位置付けられるなど、復興で防災基盤づくりや産業復興などにとって推進すべき事業というふうにされております。三か所いずれも平成二十五年度に事業着手をいたしておりますけれども、二十五年度は地元説明会を実施し、測量や設計に着手をいたしております。今年度はいよいよ、測量、設計に加えて、用地買収を実施しようというところでございます。
#113
○和田政宗君 復興の観点からも、これらのスマートインターチェンジについては地元から早期開通の要望が強いですが、そういった声にはどういうふうに応えていくんでしょうか。
#114
○政府参考人(徳山日出男君) 今の三つのスマートインターチェンジでございますけれども、亘理パーキングエリアのスマートインターチェンジにつきましては、平成二十七年度の開通予定と公表させていただいております。残る二か所につきましても、平成二十八年度の開通予定と公表いたしております。
 ただ、先ほど申し上げましたとおり、今年度から用地買収に入っていくという段階でございますので、この予定どおり、あるいは予定よりも一日でも早く開通させるということでありますと、地域の協力が不可欠ということでございます。
 幸い、復興に必要なインターチェンジということで皆様本当に前向きにこれについて受け入れていただいておりまして、私どもとしましても、復興に関係する重要なインターチェンジでございますので、国、地方、高速道路会社、緊密に連携をいたしまして、早期開通に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
#115
○和田政宗君 被災地ずっと歩いておりますと、これからようやく集団移転ですとか高台移転、本格化していくという状況ですけれども、そういった場所で話を聞いておりますと、あの高速道路にこの道路が接続できたらいいんじゃないか、スマートインターチェンジがあの場所にできたらいいんじゃないか、そういった声も聞くわけです。
 被災地では、今後、スマートインターチェンジの整備をしたいという要望も出てくるというふうに思います。そういった要望が出てきた際の対応はどのようになるでしょうか。
#116
○政府参考人(徳山日出男君) 東日本大震災からの復興につきましては、国土交通省としても本当に重要な課題であるということで取り組んでおります。この復興の中におきまして、防災基盤の整備、あるいは地域をつなぐネットワークの強化、有効活用、こうした重要な取組を考えますと、これを図る上でスマートインターチェンジの整備は有効であると考えております。
 スマートインターチェンジの整備は、地元の地方公共団体の要望を踏まえながら、国、高速道路会社、地方公共団体が連携をしまして、インターチェンジの位置、アクセス道路、整備効果などについて検討いたしまして計画を取りまとめるというスタイルでございます。
 国土交通省といたしましては、復興を進める観点からも、今後、地方公共団体におけるスマートインターチェンジの検討に対して必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
#117
○和田政宗君 被災地では復興関連、そして道路の利便性というところの関心も非常に高くなっておりますので、引き続き御対応をお願いしたいというふうに思います。
 次に、沿岸で津波から避難する際の高速道路への避難階段について聞きます。
 東日本大震災では、迫る津波を避けるために高速道路である仙台東部道路の斜面を駆け上がって、道路に逃げて助かった方が多くいます。
 これも資料の方を見ていただければと思うんですが、四枚目の部分ですね。
 仙台東部道路のところで津波が止まって、東部道路の東側のところは浸水していて西側は浸水していないというところが分かるというふうに思うんですけれども、まさに命からがらこの斜面を駆け上がって助かった人のお話も私実際に聞いております。その後、仙台東部道路では斜面に避難階段が設置されまして、一か所で百人ほどが、これは道としっかりと分けられて安全に逃げられるというふうになっております。地元でも避難訓練等行われまして、この取組は私非常にいい取組だというふうに思っております。
 現在のこうした避難階段の全国的な整備状況、どうなっているでしょうか。
#118
○政府参考人(徳山日出男君) 先生御指摘のとおり、東日本大震災の仙台東部道路に駆け上がって多くの方が助かったという、こういう実績を踏まえまして、まず東北におきまして、宮城県内で例えば仙台東部道路で十一か所、三陸沿岸道路で七か所の避難階段、これは単に上がれるだけではなくて人が本線の道路に入らなくていいような、きちんと計画された避難階段を整備済みといたしております。
 全国もこうした取組について大変関心を持って見ておられますし、私ども道路管理者間でも情報共有を行っております。平成二十六年四月一日現在、全国では高速道路で十三か所、直轄の国道で百か所、自治体管理の道路で二十五か所が整備済みとなっております。
 今後とも避難階段の設置につきまして、その意義、役割等について一層の周知を図り、整備促進に努めてまいりたいと考えております。
#119
○和田政宗君 これはいい取組ですので、是非周知をしていただければというふうに思うんですけれども、これ、具体的なこういったものが造れますよという周知の方法ですとか、あと予算の確保というのは、これはどうなっているでしょうか。
#120
○政府参考人(徳山日出男君) 周知につきましては、こうした先進的な東北の取組をまず道路管理者間では様々な場を通じて情報共有をしております。
 さらに、平成二十四年九月に改定されました政府全体の防災基本計画におきましても、総合的な津波災害対策として避難階段等の整備が位置付けられておりまして、自治体は、道路盛土等が避難場所として活用できる場合は、道路管理者等の協力を得つつ、避難階段等の整備に努めるということとされております。
 このような大きな全国的に必要な箇所に避難階段を設置するという方向性は政府としても打ち出しておりまして、これから具体の自治体からの御相談には積極的に応じてまいりたいと考えております。
#121
○和田政宗君 関連してですけれども、大きな地震が来たときに高速道路の入口が閉鎖される点についてお聞きしたいというふうに思います。
 東日本大震災の仙台東部道路ですけれども、迫りくる津波から何とか逃げようということで、車を乗り捨てて駆け上がった人もいる一方で、車でゲートを入ろうとしたんだけれども結局閉まっていたということで、そちらの方は入れなくて更に内陸に逃げたという事例もあると聞いております。
 逃げ込もうとして入口が閉まっていると逃げられないという状況ですけれども、大地震の際は高速道路に段差ができたり亀裂が入ったりする場合もありますから、安全確保の面では入口を封鎖する必要性、これはあるというふうに理解をしておりますけれども、緊急的に避難したいという車に対して入口を確保することができないのか、その点いかがでしょうか。
#122
○政府参考人(徳山日出男君) 高速道路の決まりといたしまして、一定規模以上の地震が発生した際には、直後の緊急点検や、その後は緊急輸送道路として車両を円滑に通行させるために、高速道路を一般車に対しては通行止めにすることといたしておりまして、インターチェンジにある料金所の入口は原則として閉鎖するという考え方でございます。
 ただ、東日本大震災におきましても、私も仙台におりまして実際に見聞きいたしましたけれども、臨機の措置として、津波から逃れてくる車や人がいる中で、ここは閉鎖だからあっちへ行けというような対応はしておりませんでした。実際にバーを開け、あるいは一般の方にのり面上がっていただくような措置を臨機に高速道路会社ではとってくれておりまして、避難のために仙台東部道路が活用され、自動車もその上に逃れましたし、避難者も盛土のり面に避難して津波の難を逃れたという事態がございました。
 国としても、今後ももちろん緊急輸送道路としての必要性のための高速道路の維持、これも大事でございますけれども、臨機応変に対応して、避難箇所への誘導ですとか、道路状況の周知をきちっと行うように会社を指導してまいりたいと考えております。
#123
○和田政宗君 徳山さんはもう震災のとき、その後の状況もよく御存じですので、まさにそういった対応であれば有り難いなというふうに思うんですけれども、本来であれば、やはり原則徒歩で避難をして緊急性が高い場合には車ということですけれども、今回の津波はもうまさか来ないだろうというふうに思い込んでいた方もいましたので、車で一気に逃げたという方もいらっしゃいます。
 これ、フレキシブルに対応していただければ、その入口から中に一旦逃げるということもできると思いますけれども、実際にそうならなかった場合に、近くにある避難階段ですとか、そういったところがしっかり明示をされるべきだというふうに思いますけれども、例えばそういったことが分かるような看板の設置を進めていくですとか、そういった考えはいかがでしょうか。
#124
○政府参考人(徳山日出男君) 現在でもそのような周知が大事だと考えております。看板の設置、あるいは夜中に地震が起きましたときには看板が見えない、停電もしておるということを考えまして、昼間の間に太陽光で蓄えて夜自然に発光するような看板を立てたりとか、あるいは町ぐるみでそういう避難階段があることを訓練の中で使っていただくとか、各地でいろんな工夫をして、より有効に使っていただけるように工夫をしてくれているというふうに聞いております。
#125
○和田政宗君 これは命を救っていくためにも重要だというふうに思いますので、引き続き御対応をお願いいたします。
 次に、高速道路の大規模更新や修繕に当たっての環境面への配慮についてお聞きしたいというふうに思います。
 過去、高速道路の建設に当たりまして、海や川と道路との境目に矢板を使用したりコンクリートで護岸を固めた事例が見られますけれども、例えばそこは、今までは植物が生えて生物がすむ土手であったところもあるわけです。微生物などもすんで、水質の改善にもつながっていたと考えられます。
 今後の高速道路の更新や修繕に当たりまして、また矢板やコンクリートで固めるのではなくて、植物が生える土手の構造にするなど環境面にも配慮すべきではないかと考えますが、国はどのように考えるんでしょうか。
#126
○政府参考人(徳山日出男君) 高速道路の建設に当たりましては、現在では一定規模以上のものにつきまして、環境影響評価法に基づきまして自然環境、景観等の項目に関して環境アセスメントを実施いたしまして、必要に応じて環境保全措置を講じている、これが基本でございます。御指摘のありました、例えば鮫洲の埋立部で鋼矢板で道路を構築した例がございます。これは、東京オリンピックの開催に合わせて緊急的に整備された特殊な例だと思っておりますけれども、建設当時は環境影響評価法や水質汚濁防止法がない中で、非常に急いだ工事を行った特殊な例というふうに考えます。
 今回御提案を申し上げております更新事業につきましては、当然、現行の水質等の環境に係る法令、基準あるいはいろいろな環境のルールを遵守しつつ事業を実施してまいりたいと考えております。
#127
○和田政宗君 先ほど大臣から、プラスだけではなく、これからはマイナスの考え方、引いていく考え方も必要じゃないかということをおっしゃっておりましたけれども、やはり私は高速道路ですとか道路事業自体は極めて有効な事業であるというふうに思っておりますので、環境面と共生できるような形、そしてにぎわいを取り戻していけるような形の更新がなされればというふうに思っております。
 次に、これはちょっと関連して、一般道のものも入ってくるのでちょっと法案からは若干ずれるかもしれませんが、お聞きできればと思います。
 宮城県など被災地におきましては、海岸近くから内陸や高台へ向かう避難道路をしっかりと整備してほしいという声が多く上がっております。そもそも巨大な防潮堤を造ってもそれを津波が越えてくる可能性があるわけですから、巨大防潮堤よりも逃げるための道路をしっかり整備してほしいという声は当然であるというふうに思います。宮城県は一人の命も失わせないために巨大防潮堤を造るということを説明しているんですが、これ実はレベル1の津波を防ぐということで、レベル1は数十年から百数十年に一回ということで、五百年、千年に一度の津波が来れば、当然波は越えてくるわけです。
 総理も見直しを考える必要があるということで、巨大防潮堤事業は見直しがなされていくのだろうというふうに私は確信をしておりますけれども、やはりしっかりと内陸や高台に逃げる避難道路の整備というのが地元の思いでもあり、これは命を守る上でも必要であるわけです。
 被災地における避難道路についての予算付け、整備の状況はどうなっているでしょうか。
#128
○大臣政務官(中原八一君) 東日本大震災におきましては、介護が必要な高齢者を避難させるなど、やむを得ず自動車で避難する場合があることから、東北の各自治体が策定した復興計画には避難道路が位置付けられているところであります。例えば宮城県におきましては、防災・安全交付金や社会資本整備総合交付金等により六十九か所で整備を行っております。全国につきましては、東日本大震災の教訓を受けまして津波を始め各種災害に対する避難道路への関心が高まってきており、地域防災計画への位置付けや整備が進められておりますが、被災地の東北に比べますとやはり温度差が感じられるところもございます。
 政府といたしましては、平成二十三年十二月に防災基本計画を改定いたしまして津波災害対策編を追加をいたし、その中に避難路の整備を位置付けるなど基本的な考え方を示しておりますが、自治体に対しまして東日本大震災の経験を伝えるなど、避難道路の整備が進むよう適切に指導してまいりたいと考えております。
#129
○和田政宗君 これは地元の大きな声でもありますので、是非反映をお願いしたいというふうに思います。
 宮城県の気仙沼市などでは、震災以後も、津波警報が発表された際に高台に避難しようとする車が渋滞を引き起こしました。これは、高台を走る幹線道路に車が集中して動かなくなりまして、それに接続する道路に車があふれて、結局高台に逃げる道路も渋滞して、車では高台に避難ができないという現象です。なるべく徒歩で避難して、緊急性が高いときには車で避難すべき、これはもちろん大原則ですけれども、実際にはそうなっていないというのが現実です。
 高台や内陸に向かう避難道路だけではなく、海に近い地域では高台を走る国道などの道路もしっかりと車線や道幅を確保するべきだと思いますが、国の考え方はいかがでしょうか。
#130
○大臣政務官(中原八一君) ただいま委員が御指摘がございましたように、自動車による避難を考える場合、避難道路は、高台へつながる道路のみならず、市街地におけるネットワークとして考える必要があると思います。
 国土交通省といたしましては、避難計画を策定する市町村や県等の関係機関と連携をしながら、必要に応じまして道路の改良等を推進してまいりたいと、このように考えております。
#131
○和田政宗君 やはり震災の教訓を後世につなげていく、さらにはまた命を失わせないためにもそういった複合的な対策が必要であるというふうに思っております。
 四枚目の先ほどの資料のように、仙台東部道路で波が止まったという事例もございます。この土手で止めるというようなことが本来の目的ではないにせよ、こういった効果も得られたわけです。そして、この東部道路の方に向かって沿岸からずうっと内陸の方に様々な農道も延びておりますけれども、これをもうずうっと車スピードを出して何とか難を逃れたという方もいるわけです。
 やはり被災地、これから復興するにおきましては、私は道路というものは極めて重要な手段、避難手段にもなりますし復興のための経済活性化の手段にもなると思いますので、引き続きしっかりとした国の取組、考えを示していただければというふうに思います。
 あわせて、もう一点、これ通告していませんので要望というような形をしたいというふうに思いますけれども、高速道路、これ、被災地におきましてはやはり一定期間無料化をしていただけないか、これは本当に多くの声をいただいております。復興を進めるに当たっても、例えば三陸道、鳴瀬奥松島インターの向こうは、料金所の向こうは無料化されているわけですけれども、仙台方面から行くときはその区間まで料金が取られるということがございます。
 高速道路、私は復興車両等もどんどん使っていただければというふうに思っておりますし、実際使っていることもありますが、やはり一般道の方に多く復興車両が行きまして時間のロスがあるというふうに思います。渋滞も引き起こされております。ですので、そういった高速道路、被災地において無料化を一定期間していただいて復興をしっかりと進めていただく、そういった考えも是非政府の方で示していただければというふうに思います。
 私の質問を終わります。
#132
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 道路公団民営化後、高速道路会社は債務の返済のために道路を新たに造れなくなったのか。そうではありません。会社は四十五年以内に返済できる分だけ負担をして、今度は国の税金を入れて、合併施行方式で新たな道路は造れると。その合併施行方式で民営化後に事業化された東京外郭環状道路について、今日はお聞きいたします。
 この外環道は、都心から十五キロの範囲を環状に整備する高速道路でありまして、延長約八十五キロメートル。このうち、関越道大泉ジャンクションから東名高速東名ジャンクションまでの十六・二キロメートルが二〇〇九年に事業化をされました。これ、外径十六メートルの地下トンネルを二本掘っていく大工事でありまして、総事業費は一兆二千八百二十億円、国がほとんどの事業費をこのうち賄って有料道路事業としていくものであります。
 この工事は、外回りの北行きの線と内回りの南行き線のそれぞれのトンネルを、中日本高速道路会社、東日本高速会社が国からの委託を受けて発注をしたものであります。今日、皆さんのお手元にも三枚資料がありますが、この二枚目の図にもこのことを記させていただきます。
 まず国交省にお聞きしますけれども、この事業をなぜわざわざ四つの事業区間に分ける必要があったのか、これをお答えください。
#133
○政府参考人(徳山日出男君) お尋ねの東京外郭環状道路でございますけれども、首都圏の慢性的な渋滞解消に大きな効果を発揮する重要な道路としておりまして、早期供用が期待をされております。
 御指摘の区間は、最大級かつ長距離のシールドトンネルを大深度地下で速やかに掘るという難工事でございまして、施工に当たっては、私ども、高速施工を実現すること、そしてもう一つはトラブル発生のリスクを回避することと、この二つが最大の課題となっております。
 こうした課題を踏まえまして、学識経験者等によります東京外郭トンネル施工等検討委員会、東京都立大学の名誉教授今田先生に委員長になっていただいておりますけれども、いろいろ御検討いただきました。この委員会からは、予期せぬトラブルが発生した場合に、対向するシールド機の掘進距離を延伸して対応する可能性があることを考慮していく必要があるという御指摘などをいただいているところでございます。
 事業効果の早期発現が期待される中、工期短縮の観点、もう一つはトラブル発生のリスクを回避する必要性という観点から、これは他のトンネルでも、東京湾アクアラインなども両側から掘進をしておりますし、施工実績がたくさんございます。こういったものも参考に、上下線を両側から掘ることといたしたものでございます。
#134
○辰已孝太郎君 三枚目の資料を皆さん御覧いただきたいんですけれども、私、ちょっと不思議なことがあるんですね。
 この四つの事業というのは今年三月の十七日に開札をされたわけですが、この入札に参加したのは、この図にあるとおり四つのJVであります。この入札は、いわゆる勝ち抜け方式とか、また一抜け方式と言われるもので行っておりまして、四つの事業が同じ日の開札で順番に開札をされていくと。一つの事業を落札しますと次以降の入札では無効になると、こういうものであります。四つのJVが応札したわけですけれども、四つの事業ですから必ず一つの工事は取れるというものであります。実際、大林、鹿島、清水、大成建設が筆頭を務めるJVがそれぞれ落札をしたわけであります。四つの事業に四つのJV、まさに外れなしの宝くじと言われるゆえんであります。
 国交省に聞きますが、なぜこのようないわゆる一抜け方式の入札を導入したんでしょうか。
#135
○政府参考人(徳山日出男君) 先ほども申し上げましたように、今回は大深度で長距離の大断面のシールドを掘るという工事でございますが、シールドトンネルは、それでなくても過去にも予期せぬトラブルが発生をして遅延した例がございます。今回、早期開通が求められる中で、過去に例のない高土圧の大深度、長距離シールドを掘進するものでございますので、仮に片側からの技術がトラブルに見舞われても、反対側からの別の技術により掘削をカバーすることで工期の遅延を最小限に食い止めることが可能となります。これが先ほどから申し上げております、委員会も御指摘いただいた、対向するシールド機の掘進距離を延伸して対応する可能性があるというこのトラブル発生リスク回避でございます。
 こうしたことから、今回の入札では、リスクの分散を図るとともに、多様な技術の導入を目指して異なる技術を提案してもらうことを意図したものでございます。したがいまして、同一の会社でも異なる提案をいただければ複数受注することも可能な仕組みとなっております。
#136
○辰已孝太郎君 早く早く、遅延なしにという話がありましたけれども、今回、大規模更新、改修で、首都高や名神、早く造って早く潰れてしまったということを想起せざるを得ないと思います。
 リスクの分散といいますけれども、そもそもこれだけの大事業で、高額の、しかも高度な技術を必要とする事業のJVの中心になる企業というのはスーパーゼネコンに私は限られると思います。そもそも応札してくる企業というのが筆頭であれば限られてくると。実際にこの四つの事業に応札したのは四つのJVですから、仲よくみんなで高額の仕事を分け合ったと、こう言われているわけであります。
 私が驚いたのは、この図の三にありますとおり、最後の大成建設が筆頭のJVの落札率であります。これは九八・五一%になっておりまして、普通だったら談合が疑われても仕方のないような高い数字になっております。ちなみに、調べてみますと、この大成建設は四つ全ての事業で高額の入札をしておりまして、ですから、一つ目は予定価格をオーバーになってしまったほどであります。
 ちなみに、東日本、中日本高速会社の二〇一二年の一般競争入札における落札率の平均、会社の資料で私調べてみたところ、そうすると、それぞれ八六・二八%、八九・六九%でありましたけれども、それと比べても極めて高い落札率となっているわけです。事業費が莫大ですから、高いお金で落札すればそれだけの利益は出てくるわけで、仮に大成建設がこの平均落札率で受注した場合と今回の場合と比べた場合、百億円以上の差が出てくるわけであります。
 私は、これだけ莫大な費用を要する事業で、国が事業主体ですから、入札方法の変更が私は行われるべきだったのではないかと思いますけれども、これについてはどのようにお考えですか。
#137
○政府参考人(徳山日出男君) こういう入札を行います場合には、こういう高い技術を必要とする実績があるかどうかと、こういう経験を問うわけでございます。今回、例えば東日本高速道路会社がこの発注に当たっての条件と課したもの、例えば、一つは外径五メートル以上の密閉型シールドトンネルの経験があるかどうかと、こういった実績条件を課したわけでございますけれども、こういう条件に合致する企業が何社あるかということを調べてみますと、四つの工事の中でも競争参加資格者数が最も少ない東日本高速会社の工事に対しましても、参加可能な条件を満たす企業は四十五社ございます。そういうことでは、多くの応札者が現れる可能性が担保されておったわけでございます。
 それから、四社が入札をして四つの工事なので外れなしと、こういうことでございましたけれども、近年の入札では、応札者同士が顔を合わせて一度に入札をするということはいたしておりません。各応札者は、全体の応札者数については事前には知ることができません。ですから、最後に開札となる工事につきましても、一社であるということを知らずにこの会社は入札をしていると。四社が全部四つに入れるわけですけれども、最後の開札となる会社は、必ず一人であるということが分かって入札をしているわけではないということでございます。
 このようなことから考えますと、これらの入札につきましては適切に行われたものと私どもとしては考えております。
#138
○辰已孝太郎君 入札を行った企業が何社入札したか分からない、当たり前の話です。しかし、委託された東日本や中日本というのは、何社の入札があったかというのは、これは分かるわけですね。
 ですから、この一抜け方式、勝ち抜け方式の弱点というのはやはり最後の落札者が一社のみになった場合であって、例えば埼玉県の春日部市の契約課に問い合わせますと、こういう入札があるときは、落札可能業者が最後一社になった場合、これは実質的に競争性が発揮されないとみなされる場合、これは公告中に一抜け方式により執行すると明示をしていても通常の方式により執行する場合がありますと、こう言って、ちゃんと運用上の予防線というのを張っているわけであります。
 先ほどありました、四十五社という話がありましたけれども、結局、実際は四社しかなかったわけですから、それをもちろん会社は分かりません、だけれども、東日本、中日本は分かっていたわけですから、違った入札の方式を取るということも私は可能だったのではないかと思うんですね。
 国は事前にこのような入札方式を東日本と中日本が取ることというのを承知していたんでしょうか、それだけ。していたか、していなかったか。
#139
○政府参考人(徳山日出男君) 発注手続につきましては、実際の発注者であります各高速道路会社の責任において実施するものでございます。しかしながら、国としても東京外郭環状道路の早期整備は重要と考えておりまして、また、二つの高速道路会社にまたがることもございますから、基本的な部分については関東地方整備局が両社からの協議を受けております。
 お尋ねの発注方式、先ほど来申し上げておりますように、大断面、長距離のシールドトンネルの施工上のリスク回避及び早期整備の観点から必要な事項でございまして、関東地方整備局と各高速道路会社が事前に協議の上、実施されたものでございます。
#140
○辰已孝太郎君 分かっていたということであります。
 国の公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針ではこう書いてありますよ。入札及び契約に関していやしくも国民の疑惑を招くことがないよう、公正、透明で競争性の高い入札や契約の適正化に取り組むと、基本的な考え方を示しているわけです。
 大臣にお聞きしますけれども、やはりこの外環道、国と高速会社の共同事業ということでありますけれども、ましてや事業費のほとんどが国民の税金で行う事業であるならば、このような入札が行われたことについて、行われると分かっていたわけですから、国は改めさせる必要があったんじゃないですか。
#141
○国務大臣(太田昭宏君) 既にこれまで局長から答弁したとおりで、私からは付け加えることは何もありませんが、まさに公平性ということや技術的なことについてそうした工事が行われたんだというふうに、入札が行われたというふうに思っています。
 一日も早い開通が望まれているということ、技術的な水準ということからいって難工事であるということを、技術を担保するということで行われなければならないということ、そのリスクを回避して早期開通を目指すという課題について、今回の入札は競争性を確保して多様な技術の導入を求めるものであって、適切に行われたものだと考えています。
#142
○辰已孝太郎君 私は、国の指針にも今回の入札は真っ向から反するものだというふうに思います。契約の妥当性が問われるものだと私は思います。
 この区間の事業、今大臣も望まれているという話がありましたけれども、これは二〇〇九年四月の二十七日に開かれた第四回国土開発幹線自動車道建設会議で僅か二時間の審議で決められたものであります。この会議の議事録、私も見ましたが、地下水や地盤への影響など環境問題について市民から意見や要望が出ているということも紹介をされております。
 難工事、難工事と言いますけれども、それは、この地下のトンネルが四十メートルにも及ぶ大深度の掘削工事、また、武蔵野三大湧水池を横切るものでありまして、環境破壊が深刻であります。三鷹市や武蔵野市は六割から七割の水道をこの地下水に依存をしていますので、ますます深刻です。
 また、外環道途中の東八インター付近の小学校のぜんそく罹患率、これ都内の平均というのは六%なんですけれども、例えば北野小学校は一四・八%、東台小学校は一三・八%、中原小学校は一四・八%と、今でもぜんそくの罹患率が極めて高くなっております。もしここに一日三万台もの交通量が見込まれているインターが設置されるということになれば、子供の健康が心配だと誰もが思います。だからこそ、周辺住民の皆さんは今でも反対の声を上げられているわけであります。
 工事の契約というのは行われましたけれども、まだ本格的に工事を進める段階にはありません。外環道は、大深度地下を通るために、法律に基づいて大深度地下使用の申請があります。三月の二十八日、国土交通大臣がこの認可の告示をいたしました。この認可に対し、八百人を超える異議申立てが行われております。今まで百人以上が口頭陳述を申し出ているというふうにも聞いております。法律上、この全員から意見を聞く義務があります。
 国交省に聞きますけれども、大臣に聞きますが、是非、大臣、国土交通省として、これらの市民の皆さんの意見に誠実に耳を傾けて、そしてその意見を踏まえて、改めて今回の事業の認可が適切かどうか私は再検討するべきだと思いますけれども、どのようにお考えですか。
#143
○国務大臣(太田昭宏君) この事業は、平成二十五年十一月八日に、関東地方整備局、東日本高速道路株式会社及び中日本高速道路株式会社から申請のあった東京外郭環状道路、関越から東名まで結ぶわけですが、この大深度地下の使用の認可について、事業者が法に基づく周辺住民への周知措置を実施するとともに、公聴会の開催並びに関係行政機関及び学識経験者の意見聴取の手続を経て、平成二十六年三月二十八日付けで認可したところでございます。
 平成二十六年五月二十日に、大深度地下の使用認可処分の取消しを求める異議申立書八百四十二通を受理をしたところです。それは御指摘のとおりです。これらの異議申立てにつきまして、行政不服審査法及び大深度地下の公共的使用に関する特別措置法に基づいて適正に手続を進めてまいります。
#144
○辰已孝太郎君 大臣、市民の意見を聞いてもらえるのかどうか、これだけお答えください。市民の意見。
#145
○国務大臣(太田昭宏君) 手続は、公聴会も行って聞いてきたというところでありますから、私も様々の機会に聞いており、早くこれをやってくれという声はかなり聞いてきたところでありますが、常に政治家は声は聞くというのは当然のことだと思います。
#146
○辰已孝太郎君 この外環道に関しては、渋滞の解消だという話がありましたけれども、しかし、外環を利用すると言われている区間で、九九年と二〇〇五年の比較で既に交通量が十万台減っておりまして、例えば、これ二〇〇六年、東京都が作った十年後の東京という資料なんですけれども、これ、二〇一五年の時点、外環道が整備されていないという前提でこれ見ましても、主要渋滞ポイント六百か所がおおむね解消すると、こういう資料だって東京都は出しているわけであります。環状八号線の三十一キロの走行時間の短縮効果、これが外環道ができたとしても八十一分から七十五分、僅か六分しか短縮されないという推計も出されているところであります。
 私は、今法案で、今回の法案で想定されている大規模更新、修繕に掛かる費用というのは、東日本高速会社で八千八百億円、中日本で一兆百億円であります。今回の事業全体の事業費というのは、一兆二千八百二十億円のうち、中日本と東日本が負担するのが二千五百十億円ですから、新しい高速道路につぎ込むお金があるのであれば、私は大規模更新、修繕にちゃんと回すべきだと思います。残りの一兆円は国が出すということですけれども、一メートル一億円の道路に使うお金があったら、これも大規模更新、修繕に、税源がなくて困っている地方のインフラ修繕などにも回すべきだというふうに私は思います。
 このような事業よりも、今……
#147
○委員長(藤本祐司君) 申合せの時間が来ていますので、簡潔にまとめてください。
#148
○辰已孝太郎君 本当に必要な既存の道路、インフラの老朽化対策にこそ国民の税金を使うべきだということを訴えまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#149
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智です。
 本法案の出発点は、二〇〇四年に小泉構造改革の象徴、特殊法人改革の柱として議論された道路公団民営化関連法のスキームに更新事業が盛り込まれていなかったことにあります。これは、確かに、独り国交省あるいは法案を提出した内閣にだけ責任があるのではなく、法案を審査した国会も含めた政治全体の責任でもあると反省するものであります。しかし、限界が既に露呈したにもかかわらず、料金徴収年限の十五年延長という、まさに先送り策でこのスキームを延命させようというのがこの法案にほかなりません。
 まず、道路公団民営化とは何だったのか、伺います。
 国交省の資料によれば、民営化の目的は、一、約四十兆円に上る有利子負債を確実に返済すること、二、真に必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民負担で建設すること、三、民間ノウハウ発揮により、多様で弾力的な料金設定や多様なサービスを提供することということでした。これらの目的は実現しているのでしょうか、現時点での評価をまず伺います。
#150
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 ただいま先生から御指摘のありました道路公団民営化の三つの目的でございますけれども、まず第一の目的であります有利子債務の確実な返済ということにつきましては、平成十七年十月の民営化時の有利子債務は三十八・一兆円でありましたところ、平成二十五年度期首では、計画値の三十二・九兆円に対して実績値で三十一・八兆円となっておりまして、計画を上回る返済を行っております。
 二つ目に、会社の自主性尊重とコスト縮減についてでございますけれども、国からの命令、指示の枠組みを民営化の中で廃止をいたしまして、会社からの申請方式に改めますとともに、建設コストを約六・五兆円削減するなど、国民負担の軽減を図っております。
 三つ目に、民間ノウハウによる多様な料金あるいはサービスについてでございますけれども、この四月からは利用重視の料金がスタートし、また、個性的で魅力あるサービスエリア事業の展開により、平成二十四年度のサービスエリア、パーキングエリアの売上高は平成十八年度比で一・二倍の約四千八百億円になっております。
 引き続き、民営化の三つの目的を踏まえて、利用者サービスの向上や国民負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
#151
○吉田忠智君 上記三点以外にも、二〇〇四年当時、ファミリー企業との不透明な関係が問題視され、審議の中で多くの具体例が指摘をされ、今後は改めるという答弁が繰り返されたと記憶をしています。こうしたファミリー企業との不透明な関係は現状どのようになっているのでしょうか、改善されたのでしょうか、伺います。
#152
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 旧日本道路公団時代には、公団と資本関係のないいわゆるファミリー企業が維持管理業務等を多く受注、実施していましたことから、非効率性や契約の不透明性が批判されておりました。このため、民営化後は、かつてのファミリー企業が行っていた業務のうち、管理瑕疵や企業信用に直結する業務やサービスエリア業務につきましてはグループ内の連結子会社で実施することで内部化をいたしまして、連結決算の対象とすることで効率化、透明化を図っております。
 また、連結子会社で実施しないこととした業務につきましては、市場競争化により競争性のある発注、契約を行っているところでございます。
#153
○吉田忠智君 次に、今回の改正の中身であります更新事業に対応した料金徴収年限の十五年延長について伺います。
 この間の質疑などで大臣は、東日本大震災や中央道笹子トンネル天井板落下事故などにより老朽化対策が急務となったことを受けて今般の改正案に至った旨、御答弁されておられます。そして、民営化当時、償還すべき債務に更新費用が計上されなかった理由については、先ほど来議論がありましたけれども、構造物の老朽化予測には限界があることを強調されておられるわけでございます。
 今日もございましたが、首都高六千三百億円、NEXCO三兆二百億円、阪神高三千七百億円の計四兆二百億円という高速道路会社が提出をした大規模更新費用を前提に料金徴収年限十五年延長が提起をされております。しかし、正確な老朽化予測が難しいということであれば、この前提が崩れることもあるのではないかと懸念をされるわけであります。
 各会社が提出した費用は適正でしょうか。今後、費用が増えることはないのでしょうか。国交省としてどのように検証されたのか、伺います。
#154
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 大規模更新等の事業費の算出というものは、これは新たな負担を利用者にお願いをするわけでございますから、非常に慎重な、また専門的な議論を続けてきております。
 少し丁寧に申し上げますけれども、まず、国土交通省におきましては、平成二十三年四月、ちょうど東日本大震災のすぐ後の頃でございます、約三年前、高速道路のあり方検討有識者委員会を開催をして議論を行いました。その後、首都高速の有識者会議での議論、具体の議論を受けて、平成二十四年一月からは国土交通省の正式の審議会でございます社会資本整備審議会の国土幹線道路部会で検討を重ねて、平成二十五年六月に中間答申をいただいたわけでございます。
 一方、具体の数字の概算事業費の計上でございますけれども、首都高の例で申し上げますと、首都高が別途設置した有識者会議での議論を経て、幅を持った更新費用の試算をまず取りまとめました。ただ、これを、利用者負担をお願いすることから、更に専門家を交えて厳しく精査を行いまして、最終的に昨年十二月に六千三百億円という計画を公表するに至ったものでございます。
 先日の参考人質疑におきましても、石田先生から、非常に豊富なデータと現在最高の知見に基づいて、かつ現場等も十二分に視察をして計上したものであるという御評価をいただいていたと思います。
 このような三年近くの検討を経て取りまとめられた更新事業を行うことで、非常に適切な内容になっているのではないかと考えております。
#155
○吉田忠智君 本改正が成立すれば、二〇六五年、平成七十七年には建設債務の償還と更新費の償還が終了し、以降は高速道路の管理は、高速自動車国道は国が、首都高や阪神高などについては地方自治体が管理することになっているわけであります。二〇六五年にどのような社会経済情勢にあるかは詳細に予測することはできませんけれども、国や自治体の財政状況に余裕があるとはとても思えません。そのような状況で高速道路の維持管理が適正になされるのか、疑問であると言わざるを得ません。
 この債務償還後の国、地方自治体の維持管理等の費用は年間幾らぐらいと見込まれているのでしょうか、また、国及び自治体に移管した後、今回のように大規模更新費用が発生するおそれはないのでしょうか、伺います。
#156
○政府参考人(徳山日出男君) 無料開放後の維持管理費についてお尋ねがございました。
 債務償還後の維持管理に掛かる費用でございますけれども、無料開放ということが前提になりますと、今の有料で供用しておりますものとはサービスレベルも異なることになろうかと思います。したがいまして、一概に無料開放後どのようなサービスレベルで幾らぐらい掛かるかということを申し上げることは困難でございますけれども、現状の有料道路の前提ではございますけれども、各会社の維持管理費及び修繕費を参考として申し上げることにすれば、首都高速におきましては平成二十六年度、年間約五百十億円、阪神高速におきましては年間約三百四十億円、NEXCO及び本四高速におきましては年間約四千億円の維持管理費が掛かっているということでございます。
 また、今回の更新事業の実施によりまして構造物を健全な状態で本来道路管理者に引き継ぐことができると考えております。ただ、無料になって引き継いだ後、更に長期的に見れば、これは構造物の更新はいずれ必要になるときが来るというふうに考えております。
#157
○吉田忠智君 債務償還後は料金の徴収を満了し、無料とすることが想定されているわけでありますけれども、国や地方自治体の財政状況から鑑みても、あるいは負担の公平性という観点からも、一定の利用者負担はやむを得ないのではないかと考えるわけです。債務償還後も無料にするのではなくて、一定額の料金徴収は継続した方がよいのではないかと考えます。さきの参考人の皆さんの御意見でもそういう御意見もございました。改めて大臣に、この点の国交省の見解、大臣の見解を伺います。
#158
○国務大臣(太田昭宏君) 我が国の道路は無料開放が原則でありまして、厳しい財政状況の下で、昭和二十七年でありますけれども、道路整備特別措置法を制定して、料金収入によって道路を整備する制度というのを導入をしているところです。無料開放した後の維持管理、更新については、今お話のありましたとおり、一般道路と同様に税金によって負担をするということにしております。
 それをもっと延ばして、もう少し山を低くして、十五年ではなくてとかいろんな案ということ、また、維持管理、大規模更新の時期、状況、様々な面で不確定なところは様々あるんですけれども、そこのところも勘案して有識者会議等々でこうした結論を出していただいて答申をいただいて、我々もそこの吟味の上で十五年ということにさせていただいたところでございます。
 したがって、高速道路を恒久的に有料にするということにつきましては、利用者を始め広く理解を得られるかという課題もありまして、今後も慎重な検討が必要かというふうに思っておるところでございます。
#159
○吉田忠智君 いずれにしても、利用料で賄うのか税金で賄うのかということでございまして、いずれにしても財源は要るわけであります。ここにおられる方はほとんどもう亡くなっていると思いますけれども、また何十年かしたら同じような議論をこの場でするというようなことのないように、ひとつ、慎重に検討すると、大臣、いうことですから、そういうことも含めて、原則は原則として分かりますけれども、高速道路の特殊性ということも鑑みて、是非国交省内で検討をいただきたいと思っております。
 次に、スマートインターチェンジ整備に対する財政支援についてお聞きします。
 我が国では、諸外国と比べてインターチェンジ間隔が広いことが指摘されておりまして、地域活性化等のためにもインターチェンジを整備することが提起されてまいりました。そのため、スマートインターチェンジの整備費の一部を国が負担する予算措置が〇八年の緊急経済対策に盛り込まれて、今日まで続いてきたわけでございます。
 これまでのスマートインターチェンジ整備の経済的な効果はどのようなものだったのでしょうか、また、今後の新たな整備に当たって費用対効果はどのように検討されるのか、伺います。
#160
○政府参考人(徳山日出男君) スマートインターチェンジにつきましては、既存の高速道路の有効活用、そして地域の活性化に大変重要な施策でございます。平成二十五年度末時点で七十か所で開通をしておりまして、現在更に五十九か所で事業中となっております。
 先生も御指摘になりましたとおり、我が国のインターチェンジ間隔は平均約十キロでございまして、欧米諸国の無料の高速道路の平地部の約五キロと比べて長くなっております。スマートインターチェンジの設置を進めることでインターチェンジ間隔が短くなり、高速道路ネットワークの利便性が向上します。この結果、例えば医療機関へのアクセス向上、あるいは利用者にとって使いやすくなる、あるいは周辺にある既存の工業団地がインターチェンジに近くなることでその魅力が増して企業立地が促進されるなど、様々な分野においてその効果が報告されているところでございます。
 また、ただいまは、新たな整備に当たりどのような評価をするのかというお尋ねがございました。
 これまでも、このスマートインターチェンジは、ETCの技術を活用して小さなコストでインターチェンジを効果的に整備することができるという利点を生かしまして、コストに対して大きな効果を得るという方向で設置をしてきております。
 このスマートインターチェンジの整備に際しましては、現在費用に見合う便益を確認して整備を進めているわけでございます。今後も、過去の整備事例を参考に様々な工夫を行いながら、費用に見合う便益が見込めることを確認をして整備を進めてまいりたいと考えております。
#161
○吉田忠智君 是非、費用に見合う便益、まさにそのように言われました。確認して進めていただきたいと思います。
 それで、さきに成立した都市再生特措法等の審議においても、郊外への都市域の無秩序な拡大が様々な弊害を生んでいることから、これを改める必要性について論じられました。コンパクトシティー・アンド・ネットワークということが強調されたばかりであります。
 高速道路に新たにインターチェンジを整備するということは、郊外に大規模な商業施設や工業団地などの集客施設を誘致する前提と理解されているわけでありますけれども、コンパクトシティー・アンド・ネットワークという考え方と整合性があるのでしょうか。新たなスマートインターチェンジ整備と地元自治体のまちづくり計画にそごが生じるおそれはないんでしょうか。整合性をどのように図られるのか、伺います。
#162
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 スマートインターチェンジの整備によりまして、インターチェンジが追加されるわけでございますから、既存の高速道路ネットワーク、本線が通っているだけという町にとりましては、インターチェンジができること、これは利便性が格段に向上いたしまして、その価値が増すわけでございます。
 先生今御指摘になりましたようなスマートインターチェンジの整備によりまして、その近所に工業団地があった場合に工場が立地するという、拠点化していくケースもございます。あるいは一方で、利用者にとって非常にうれしいのは、医療機関へのアクセス向上といったような生活者にとっての効果でございます。これから人口が減っていくという時代になる中で、医療機関をそういう非常にまばらな人口配置の中に全て配置をしていく、こういうことは非常に難しいことになってまいりますから、数少ない医療機関にアクセスを向上させていろいろなところから使っていただくと、こういう効果を期待しなければなりません。
 これが、本格的に到来をしております人口減少・高齢社会におきますネットワークの活用ということだろうと思います。これによって都市機能の共有が図られるという面があろうと思います。コンパクトシティー・プラス・ネットワークという考え方を現在グランドデザインなどで国土交通省として申し上げておりまして、スマートインターチェンジはこれを支援する効果があると考えております。
 今後とも、スマートインターチェンジは十分効果が発揮できるように、先生おっしゃいますとおり、地方自治体のまちづくり計画との整合性について十分調整をして進めていかなければならないと思います。このスマートインターチェンジ、これからの地域、まちづくりに大いに役立つようにこれからも進めてまいりたいと考えております。
#163
○吉田忠智君 効用は道路局長が言われるように私はよく理解できるんですけど、懸念されている点は何かありますか。
#164
○政府参考人(徳山日出男君) まずは、スマートインターチェンジを整備するに当たりましては、その効果、それから構造がいかにあるべきか、あるいはアクセス道路をどうするのか、土地利用に思わぬ影響を与えることがないのかどうか、これにつきましては国と高速道路会社、地方自治体でまず協議会のような形をつくりましてかなり慎重な検討をいたします。さらに、先ほども御答弁申し上げましたように、費用が便益を上回ることと、こういったことも検討いたしまして的確に行っているわけでございます。
 ただ、やってみますと、実際にできてみますと、思ったよりも交通が乗って渋滞が起きたというケースもございます。そういう場合は、適切にこれの改善を図る手当ても今打っている箇所もございます。逆に、思ったほど利用されないというケースもあるわけでございますから、こういったものについてもその後もしっかりとフォローをして、所定の効果が発揮されるように地域とともに私ども検討すると、こういう体制で進めさせていただいております。
#165
○吉田忠智君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#166
○委員長(藤本祐司君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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