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2014/05/27 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 国土交通委員会 第16号
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2014/05/27 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 国土交通委員会 第16号

#1
第186回国会 国土交通委員会 第16号
平成二十六年五月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     野田 国義君     金子 洋一君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     金子 洋一君     野田 国義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤本 祐司君
    理 事
                赤池 誠章君
                渡辺 猛之君
                田城  郁君
                広田  一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                森屋  宏君
                金子 洋一君
                田中 直紀君
                野田 国義君
                前田 武志君
                河野 義博君
                室井 邦彦君
                田中  茂君
                和田 政宗君
                辰已孝太郎君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       国土交通副大臣  野上浩太郎君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  山本 博司君
       国土交通大臣政
       務官       中原 八一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       国土交通省都市
       局長       石井喜三郎君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        森北 佳昭君
       国土交通省道路
       局長       徳山日出男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、野田国義君が委員を辞任され、その補欠として金子洋一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤本祐司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省道路局長徳山日出男君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤本祐司君) 道路法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、前回積み残しの分につきまして御質問をさせていただきたいと思います。まず、更新費等の償還財源につきましてお伺いをいたします。
 私は、概算で二十五兆六千九百億円と莫大な費用が掛かるトータルコストの縮減の観点、そして、それを将来世代に安易にツケ回さないという責任感、さらには、更新等の緊急性、金利リスクの面から、償還期間の延長だけではなくて利用料の引上げ、税金の投入のベストミックスを図っていくことが合理的だというふうに考えております。よって、償還スキームにつきましては、これもこの前の質疑等で御答弁いただきましたように、状況に応じて不断の検討をすることを改めて要請をする次第でございます。
 その上で、償還財源につきましては利用料を主としながらも、利用者に負担を求めるだけではなくて、例えば道路会社や高速道路機構側からも償還財源をできるだけ捻出すべきであるというふうに考えます。その財源の一つとして考えられるのが利益剰余金でございます。
 この利益剰余金とは、企業活動で得た利益のうち分配せずに社内に留保している額であります。最近では、鉄道建設・運輸施設整備機構が民主党政権時代に一兆二千億円の利益剰余金につきまして国庫に返納するとともに、JR北海道、JR四国の経営安定基金に積み立てて有効活用した事例がございます。
 こういったことを踏まえまして、まずお伺いしたいのは、NEXCO三社、首都高、阪神並びに高速道路機構の保有する利益剰余金は合計幾らになるのか、お伺いをいたします。
#7
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。
 まず、高速道路会社の利益剰余金でございますけれども、中身は二種類ございます。高速道路事業によるものと、サービスエリア、パーキングエリアなど関連事業によるものでございます。
 合計ということでございますので六社の合計で申し上げますけれども、まず高速道路事業によるもの、これは平成二十四年度の期末決算ベースで申し上げますと約九百億円でございます。それから、サービスエリア、パーキングエリアなど関連事業によるものが約五百億円となっておりまして、これらの一部はその目的にかなった投資に回すことが可能でございます。
 一方、高速道路機構の利益剰余金でございますけれども、同じく平成二十四年度期末で約二・八兆円となっております。ただ、こちらは少し性格が異なっておりまして、これは毎年度の利益により債務を返済した累積額が財務諸表上で利益剰余金として計上されているものでございまして、実際に投資のできる現金があるものではないという性格でございます。
 以上が利益剰余金でございます。
#8
○広田一君 今、二種類につきましての御説明があったところでございますけれども、その中で、特定のものに積み立てられたもの、さらには、使用目的が未確定のものもあろうかというふうに思いますけれども、それぞれはどのような配分になっているんでしょうか。
#9
○政府参考人(徳山日出男君) まず、高速道路会社の利益剰余金のうち、高速道路事業によるものが九百億円であると申し上げました。一部、過去に修繕事業などに使った経緯はございますけれども、それと類する目的には投資が可能だと考えております。
 サービスエリア、パーキングエリアによります関連事業の五百億円については、会社がその自主事業の中で更なる投資に回すと、このような性格になっております。
#10
○広田一君 この利益剰余金でございますが、今、徳山局長の方からも御答弁がございましたように、九百億円の部分につきましては修繕等に充てられているというふうなことでございますので、この一部につきましては更新等の費用に充てられるべきものもあるというふうに思うわけでございます。
 確かに、機構も含めましてこの利益剰余金、全ては現金ではございません。全額更新費用の財源に充てろというふうにはもちろん言わないわけでございます。さらに、御説明がございましたように、高速道路機構の利益剰余金が活用しにくいことも理解をしているところでございますが、しかし、逆に一円も更新費用の財源に充てられないとも言えないはずでございます。特に、御説明のございました高速道路会社の利益剰余金につきましてはその余地があろうかというふうに思います。
 そもそも考えますと、これらの利益剰余金の原資というものは利用者が支払ったものでございますので、利用者に還元すべきものであるというふうに考えるわけでございます。是非とも、今後、中身を精査をしまして、更新費用等の一部に充てるべく検討をしていただきたいというふうに思いますが、この点につきましては政務三役に御見解をお伺いします。
#11
○副大臣(野上浩太郎君) 今お話がございましたとおり、平成十七年十月の道路公団民営化におきまして、料金収入には高速道路会社の利潤を含めない仕組みといたしまして、高速道路事業以外のサービスエリア等の関連事業から利益を得る仕組みに整備をされまして、道路事業と関連事業はこれは別会計となっております。こうした枠組みに従いまして、関連事業の利益剰余金につきましては新規のサービスエリアの建設に充てるとともに、既存サービスエリアの改修ですとか老朽化対策に備えるものでありまして、ここは今後とも関連事業に活用することといたしたいと思っております。
 一方、高速道路事業の利益剰余金、今九百億円と御答弁申し上げましたが、これは、交通量が減少した場合における確実な貸付料の支払ですとか、あるいは除雪や自然災害など管理費の増大への対応など、安定した事業運営を行うためのリスクに備えているものであります。そして、このうち約二百億円につきましては、笹子トンネル事故以降、高速道路の緊急修繕事業にも活用しているところでありまして、今後とも御指摘の方向性も踏まえて、修繕事業など高速道路の安全性確保などに資する方策を検討してまいりたいというふうに思っております。
#12
○広田一君 今、副大臣の方から基本的な方向性の話が出たわけでございます。是非ともこの利益剰余金、更新費などの償還に活用していただきたいと思いますが、その概算等が出た場合は、つまり具体的な金額等がある程度決まりましたら、是非とも御報告をしてほしいと思いますが、この点につきましての御所見もお伺いします。
#13
○政府参考人(徳山日出男君) こうした高速道路会社あるいは機構の経理につきましては、いろいろな面で計画を公表するなど、予算、決算共に公表してまいっておりますし、特に先生からこのような御指摘もあったことも踏まえて、今の利益剰余金について、更新事業に活用する場合には、これは世の中にも広く、また先生にもお知らせをさせていただくことになろうと思います。
#14
○広田一君 局長、もうちょっとはっきり言っていただければ有り難いんですけれども。是非とも御検討いただいた上で、金額等々が確定をしましたら是非公表なり御報告をしていただく、こういった理解でよろしいんでしょうか。もう一度確認をいたします。
#15
○政府参考人(徳山日出男君) かなり明確に申し上げたつもりでございますが、決算ももちろん公表いたしております。先ほど副大臣からも、この高速道路事業に係る利益剰余金については修繕事業などの安全確保に資する方策を検討すると申し上げたところでございまして、これの活用をする場合には、世の中への公表あるいは先生への御報告をさせていただきます。
#16
○広田一君 今、利益剰余金についての、活用についての質問をさせていただいたわけでありますけれども、私の問題意識は、やはりこれからの将来世代、ただでさえ一千兆円を超える借金を背負いながら、また少子化が進んでいく、人口減少が進んでいく、そういった平成六十二年以降の世代のことを考えた場合に、やはりトータルコスト等々も含めて全体的な負担というものはできる限り縮減、縮小していかなければならない。これは、今を生きる自分たちの私は責任ではないかなというふうに思うわけでございます。
 そういった観点に立って、是非ともこのトータルコスト縮減のためにあらゆる財源を活用する、そういった問題意識、政治の意思等々を持ってこの課題に取り組んでいただきたいというふうに思っているところでありまして、この点について、太田大臣、うなずいていらっしゃいますけれども、何か御所見があればよろしくお願いいたします。
#17
○国務大臣(太田昭宏君) 四十五年で償還ということについてはしっかりきちっとやる、その後十五年の延長というか、大規模な修繕、更新ということでお願いをするという法の立て付けになっておりますけれども、その部分、広田先生がおっしゃるようにできる限り少なく、そして会社も努力をして、後代に負担を少しでも掛けないようにという努力をするということは極めて重要なことだというふうに思っておりますので、今日のその利益剰余金の件につきましてもしっかりそうした観点に立って判断をしていかなくてはいけないというふうに思っているところでございます。
#18
○広田一君 是非ともよろしくお願いを申し上げます。
 それでは次に、これからの高速道路政策についてお伺いをいたします。
 これに関しまして、先般、民主党の次の内閣におきまして、高速道路の原則無料化、マニフェストについて見直し、検討を行い、中間報告を取りまとめたところでございます。その概要は、民主党の高速道路政策の目的、これは、交通需要管理、TDMの考え方の下、既存の社会資本を有効活用することによって生活、企業活動、流通等のコストを引き下げて、もって生活の利便性の向上、地域活性化を図ることでございます。
 そこで、高速道路が有効に活用されるようにするためには柔軟な料金体系、つまり無料区間、料金引下げ区間、維持区間、さらには時期や時間による料金の変動などのベストミックスを構築することが必要と考えるわけであります。
 要するに、高速道路の無料化はあくまでも高速道路の有効活用策の一つとして位置付けることが妥当と今回整理をしたところでございます。それによって、原則無料化イコールほとんどただという誤解を是正をするとともに、今後の人口減少、高齢化、危機的な財政状況、そしてインフラの老朽化などを踏まえて、将来世代にも理解と納得が得られるような高速道路の政策の確立を目指すところでございます。
 具体的には、無料化の最終形の検討、債務返済スキームの再検討、有料区間の料金体系の検討など、今後、地方の皆さんの御意見をいただきながら、年内を目途に最終報告をまとめたいというふうに思っております。
 以上を踏まえまして、そのためには民主党政権下で行った高速道路無料化実験の検証が必要だというふうに思っております。
 そこでお伺いしたいんですけれども、実験中の交通量がどれだけ増加したのか、また、無料区間と有料区間をまたいでの利用状況、実験区間と並行する一般道の実験中の交通量と交通時間などはどうなったのか、特に、無料化することによって懸念をされましたことの一つが交通渋滞が発生するのではないかというふうなことでございましたけれども、実際はどうだったのか、これらについてお伺いをいたします。
#19
○政府参考人(徳山日出男君) 幾つかお尋ねをいただきましたので、順番に答弁申し上げます。
 無料化の社会実験につきましては、平成二十二年の六月二十八日から翌年の六月二十日まで約一年間、五十区間で実施をされたわけでございます。
 まず、その実験区間の交通量でお尋ねがございました。
 無料化社会実験により、実験区間五十区間の平均交通量は実験前の約二倍に増加をいたしております。一方、無料、有料区間またいでの利用についてお尋ねがございましたけれども、実験中、無料になっておりますその実験区間内だけを利用する交通は三倍に増加をいたしました。さらに、実験区間と隣接する有料区間またいでの利用は一・三倍の増加でございます。
 それから、お尋ねの渋滞でございますけれども、実験区間五十区間のうち、例えば週一回以上渋滞というのはかなり渋滞をしている実感があるのではないかと思いますが、週一回以上の渋滞が生じた区間といいますと、五十区間のうちの七区間がございました。一方、並行の一般道の交通量と混雑でございますけれども、実験区間に並行する一般道の実験中の交通量は、高速道路への転換により約二割減少しておりまして、混雑時間は約六割減少したというのがこの実験の結果でございます。
#20
○広田一君 今、段々の御答弁があったところでございます。先日の参考人質疑の中でも、無料化実験によって非常に混雑を招いたというふうに発言をされた先生もいらっしゃったわけでありますけれども、今五十区間のうちの七区間、これをどう評価するかは議論の分かれるところでございますけれども、しかしながら、一方で、並行する一般道の実験中の交通量の混雑時間、これが六割減ったというふうなことも重ね合わせますと、これは交通渋滞の緩和といったところには一定の成果があったのではないかな、このように思うわけでございますし、これによって渋滞等で発生する経済的損失も一定程度軽減したのではないかなと思うところでございます。
 こういったところも踏まえて、次に、鉄道とかバス、フェリーなどの交通機関に与えた影響、さらには実験中の死傷事故件数、さらには観光等の経済波及効果についてどのような結果が出たのか、お伺いをいたします。
#21
○政府参考人(徳山日出男君) まず、ほかの交通機関への影響について申し上げます。
 鉄道や高速バス、フェリーのそれぞれの旅客輸送量を全路線の合計値で比較いたしますと、実験前と実験中で大きな変動は見られませんでした。一方、個別路線ごとに実験前と実験中の旅客輸送量を比較いたしますと、高速バスにおきましては実験区間を通過する路線で減少傾向が大きくなった、要するに高速バスについては少しの影響の可能性があると、こういうことでございます。
 それから、二つ目は交通事故件数でございますけれども、実験中の死傷事故件数につきましては、実験区間五十区間の合計で約二・三倍に増加をいたしました。一方、並行する一般道では約二割を減少いたしました。合計をいたしますと、並行一般道の方が事故がはるかにボリュームが大きいものでございますから、合計しますと全体では約一割の減少ということになっております。
 最後に、観光への影響でございますけれども、無料化区間のインターチェンジの十キロ圏内では実験中の入り込み客数が増加傾向にありました。他方、実験区間に並行する一般道では施設の利用客が減少する事例も見られたというのが今回の結果でございます。
#22
○広田一君 以上、それぞれの実験結果についてのお話があったわけでございますが、その上で、全体的な総括といたしまして、この無料化社会実験についてどう評価をされているのか、今後の料金の在り方の方向性も含めて、太田大臣にお伺いをしたいと思います。
#23
○国務大臣(太田昭宏君) いろんな方面を総合的に判断しなくてはなりませんが、平成二十三年十二月の高速道路のあり方検討有識者委員会の中間取りまとめにおきまして、休日上限千円とともに総括がされています。具体的には、地域活性化などの面から一定の有効性が確認をされたという評価です。また一方で、当該施策の対象となった道路における激しい渋滞発生や他の交通機関への影響などの交通政策としての課題のほか、施策の継続に必要な予算の制約などの課題があり、持続可能性などの観点からも原点に立ち返った検討が必要であるともされているところでございます。これを受けまして、国土交通省としても同様の評価をしているところでございます。
#24
○広田一君 大臣から御答弁をいただきました。また、時間も来てしまいましたけれども、こういったことを含めて、これからのあるべき高速道路政策につきましても今後とも議論をしていきたいと思います。
 本日は、この後も資料をお示ししまして、無料化の最終形がどこまで可能なのかというふうな議論もしたかったわけでございますが、これはまた積み残しということで次回に回したいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 どうもありがとうございました。
#25
○金子洋一君 お疲れさまでございます。民主党の金子洋一でございます。
 私は、広田先生の問題意識を踏まえつつ、主に自動車ユーザーの観点から料金政策を中心にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、更新費の計算についてでございます。
 民営化当時の計算ではたしか千億円の更新費という計算だったと思いますが、今回の法改正では、首都高六千三百億円、阪神高速三千七百億円、NEXCOが約三兆円ということで、合計約四兆円の更新費と大規模修繕費ということになっておりまして、これは余りにも計算が違い過ぎるんじゃないかと思っております。
 五月二十二日の広田委員の質問に対して、道路局長はおおむねこんな趣旨のことをおっしゃっているんですが、通常の維持、修繕で何とかもたせられるのか、本当に根っこから造り替えるような大規模修繕まで踏み込まないとどうしようもなくなるのか、ここの境目の判断が非常に難しかったと答弁をしておられます。
 境目が非常に難しかったということでありましたならば、これは普通、民間企業あるいは我々の判断でいきますと、そこは、じゃ、まずくいった場合のケースを想定をして大きく経費を見積もるのが当然じゃないかと思いますが、そこはいかがお考えでしょうか。
#26
○政府参考人(徳山日出男君) 先日も、道路構造物の老朽化予測には限界があって、民営化時においては基礎から造り替える更新需要の発生は想定してはおりましたけれども、具体の箇所、対処方法が十分明らかでなかったために、民営化時点では更新費用を計上していなかったと申し上げました。
 今委員から、それでは安全に大きめに見込んだらどうだったのかと、こういう御指摘をいただきました。更新費用を仮に安全側で多めに見込んで財源を確保するとなりますと、その分利用者の皆様に料金値上げや料金徴収期間の延長などをお願いをすることになります。利用者に対して、これについて十分な説明なしに余裕を持った多めの負担を求めるということはなかなか容易には理解が得られないのではないかと考えております。
 今回、更新費用を検討するに当たりましては、今から三年前の平成二十三年四月以来、審議会等で負担の在り方を御審議いただくとともに、高速道路会社において更新計画についての検討を重ね、更新の必要な箇所やその対処方法について吟味を重ねてきまして、そして今回この法案を提出させていただいたということでございます。
#27
○金子洋一君 ありがとうございます。
 この点、何回申し上げても同じような御答弁にしかならないとは思いますが、今後はきちんと十分お気を付けていただきたいと思います。
 さて、ちょっとお尋ねする案件を変えてまいりますけれども、休日上限千円の料金についてでございます。
 これは先日の代表質問のときにも大臣にお尋ねを申し上げましたけれども、これはやはりかなりいろんなひずみがあったんじゃないかと思います。観光の振興というようなメリットはもちろんあったと思いますけれども、同時に、トラックあるいは高速バスといったような利用者にはかなり大きな負担を掛けたんじゃないかというふうに思っております。また同時に、並走する鉄道とかあるいはフェリー、そうしたほかの公共交通機関にも随分と影響があったのではないかと思いますが、この点についてどうお考えになっているのか、評価をなさっているのか、お尋ねをしたいと思います。
#28
○政府参考人(徳山日出男君) お尋ねの休日上限千円につきましては、平成二十三年十二月の高速道路のあり方検討有識者委員会中間取りまとめにおいて総括をされております。中身については先ほど大臣からも広田先生の御質問に御答弁申し上げましたので繰り返しませんが、一定の有効性は確認されたものの幾つかの課題があったと、こういうことだったと思います。
 特に、お尋ねの他の交通機関への影響でございますけれども、休日上限千円によりまして高速道路の長距離利用を促進をいたしましたために、例えば高速バスやフェリーにつきまして施策導入前と施策導入中を比較いたしますと、休日の利用者の減少率が平日よりも大きい。数字を申し上げますと、高速バスの場合は、平日四%減であったものが休日は八%減、フェリーの旅客を見ますと、平日は一六%減であったものが休日は一九%減ということで、休日の利用者数の減少率の方が大きくなっております。この結果、私どもとしては、有識者委員会ともいろいろ御検討いただきまして、こうした他の交通機関には影響を与えた可能性があると認識をいたしております。
#29
○金子洋一君 ありがとうございます。
 やはり他の交通機関に大きな影響が出たであろうということは、これはしっかりと認識をしていただかなきゃならないと思います。
 また同時に、高速道路自体の甚だしい渋滞というのもこれは大きな問題だっただろうと思うんですが、こういった料金政策を取ることによって渋滞をむしろ助長をしてしまうというようなことになってしまう、こういう政策を取ることについてはやはり私は望ましくないと思うんですが、この点いかがお考えでしょうか。
#30
○政府参考人(徳山日出男君) 休日上限千円の料金施策におきましては、地域活性化などの面から一定の有効性が確認された一方、全国一律的に行いましたものですから、激しい渋滞が発生するという課題がございました。
 具体的には、全国的に毎週ゴールデンウイーク並みの渋滞が発生をいたしまして、特に東名高速、名神高速では通常の三倍の渋滞が発生しておりまして、この点におきましては交通政策として課題があったと私どもとしても認識をいたしております。
#31
○金子洋一君 やはり局長御答弁なさいましたように、全国一律に行ったというところで随分と大きな問題が出てくるんじゃないかと思います。
 そこで、料金の徴収期間が終わってから、首都高も阪高も、そしてNEXCOについてもこれは無料開放するということになるわけですよね。となりますと、特に首都高や阪高あるいは東名高速などで申しますと、私は神奈川ですけれども、東名厚木からずっと東京寄りというのは非常に渋滞をすると思うんですが、渋滞するんじゃないでしょうか。
#32
○政府参考人(徳山日出男君) 現在、私どもの料金の案では、一定期間の料金徴収期間が過ぎますと無料開放するという案で作っております。
 都市部等では渋滞が懸念されるものをどうするかということにつきましては諸外国でもいろいろ悩んでおりまして、例えば都市部の渋滞対策としてロードプライシングあるいは流入規制などを行いまして都心部への車の流入を調整する取組が実施されております。無料開放後の渋滞対策につきましては、こうした諸外国の取組も参考にしつつ、無料開放時点での交通の状況を踏まえ、適切に措置することになると考えております。
#33
○金子洋一君 ありがとうございます。
 要するに、そのままあっさりと無料開放した場合には渋滞をするだろうという受け止めでよろしいのだろうと思いますが、ただ、代表質問でお尋ねをしたときにも、ただいまの局長の御答弁にも、ロードプライシングや流入規制という言葉が出てまいりました。このロードプライシングというのは、このロードというのは道という意味ではなくて、ピークロードプライシング、つまり負荷が、ピークの負荷が掛かったところには余計価格を乗っけると、通行料金を乗っけるという意味ですから、これは要するに、諸外国の実例を参考にしてとおっしゃるのは、要するに、結局、無料開放はできないというふうにおっしゃっていると解釈してよろしいですか。
#34
○国務大臣(太田昭宏君) まず、無料開放が原則ということでスタートした高速道路ということでありまして、首都高速、阪神高速についても他の高速道路と同様に償還満了の後は無料開放ということにしております。
 そこで、そのときの交通状況とか都市の形成、あるいは道路がどのようにそのときになっているか、人口とかそうしたことがどういう形になっているのかということで、例えばロンドンとか、あるいはまた、私も先日行ってまいりましたが、シンガポール等では、そこで流入するということについての規制を行ったり、都心部の街路のネットワークの機能強化ということでこれを対応するとか、いろんな形が取られているということになります。そういう意味では、ロードプライシングということのほか、今申し上げたようなことを総合的にそのときに勘案をして、どのように渋滞を解消し、都市機能がスムーズに展開されるということを考えるかということだというふうに思います。
 料金ということについては、四十五年償還、そして十五年をこの更新に充てると、そして無料化するということなんですが、都市自体の運営というものと交通ということをどうするかということについては、これから幅広く検討していかなくてはならない問題だというふうに思っているところでございます。
#35
○金子洋一君 済みません、ちょっと分かりにくいと感じました。つまり、無料開放をして通常の国道に移管をすると、通常の国道の管理者がそこにピークロードプライシングというような形で、ETCが恐らくかなり普及しているでしょうから、そういうところに追加的に通行料金を掛けるということはあり得べしだというふうに受け止めていいわけなんでしょうか。これは、大臣、お願いします。
#36
○国務大臣(太田昭宏君) むしろ、高速道路を無料化したということの後に、都市全体のそこに流入するということを、高速道路と言われたものに限らず、どのような規制をしていくかという判断をするということが検討されるのではないかというふうに思っているところでございます。
#37
○金子洋一君 ありがとうございます。
 実質的には料金の徴収の継続というものもあり得べしということで受け止めさせていただきましたが、局長、それでよろしいですか。
#38
○政府参考人(徳山日出男君) 大臣が御答弁申し上げたことを私に確認をされてもなかなかでございますけれども、大臣申し上げましたとおり、ここは大きな考え方がまた違う世界だと思います。有料道路として償還のための料金ではなくて、今度は一般道路も含めてエリア全体として、例えばロンドンやシンガポールは課金をすることで流入を制御するというケースもございますし、あるいは料金ではない方法で、ナンバープレートの偶数、奇数とか、三人以上乗っていなければ入れないとか、料金以外の規制もございます。
 いずれにしても、大臣申し上げましたのは、エリアの中の全体としての何らかの流入規制というものは諸外国もやっておって、そういったものを検討しなければならないだろうということであったろうと思います。
#39
○金子洋一君 ありがとうございます。
 私も、料金の徴収を続けるということが何も絶対に駄目だと申し上げているわけではなくて、いろいろなケースに応じてお考えをいただければいいのだろうと思っております。
 料金政策について続いてお尋ねをいたしますけれども、ETC搭載の普通車に対する割引というのが四月以降かなり減って、利用者負担が増えてきておりますけれども、これはそこに充てられる補正予算の予算計上額が一年限りで六百二十億円ということで随分減ったということが原因だと承っております。また、先ほど広田先生からもお尋ねになった問題意識と重なるんですが、今後、混雑をしていない時期、あるいは混雑をしていない路線を選んで割引の拡充に力を入れるべきではないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
#40
○政府参考人(徳山日出男君) お答え申し上げます。
 高速道路料金につきまして、この四月から改定をいたしました。これは平成二十年十月から緊急経済対策として平日の三割引き、休日の五割引きなどの割引を実施してきたわけでございますけれども、昨年度末をもってこの緊急経済対策による料金割引の財源が終了いたしましたために、やむを得ず料金割引を縮小すると、こういうことだったわけでございます。この縮小の影響を緩和するために、その他の割引についても例外なく見直す、あるいは会社の経営努力もお願いをして、さらに激変緩和措置として平成二十五年度の補正予算に六百二十億円を計上したわけでございます。
 先生おっしゃるとおり、いろいろな交通の変化、この実施目的を明確にして料金割引は行うべきものであろうと思っておりまして、本年四月からの料金につきましても、観光振興や物流対策など実施目的を明確にし、また高速道路利用の多い車に配慮するように再編をいたしたところでございます。
#41
○金子洋一君 ありがとうございます。
 先ほどの大臣の御答弁の中にもありましたけれども、都市の渋滞緩和で料金だけじゃないんだということ、一般国道も含めてネットワークをつくっていくという御趣旨と受け止めさせていただいたんですが、私は神奈川県ですけれども、私の地元には国道十六号線の保土ヶ谷バイパスというのがありまして、これは平日昼間の十二時間の交通量で申しますと十万四千八百四十六台ということで、一般道路中、日本一の交通量だということであります。まさに大臣おっしゃいましたように、こうした道路の渋滞に今後力を入れていくべきだろうと思うんですが、いかがでございましょうか。
#42
○副大臣(野上浩太郎君) 国土交通省におきましては、渋滞によって全国で年間約五十億人時間の損失が出ていると推計をしておりまして、渋滞対策は国として取り組むべき大きな課題だと考えております。
 御指摘のありました国道十六号保土ヶ谷バイパスは、これは横浜市中心部と東名高速道路を連絡する主要な幹線道路でありまして、東名高速道路や国道二百四十六号との交差部を中心に渋滞が発生をしております。このため、保土ヶ谷バイパスにおきましては、これまで一部八車線化を含む全線六車線化などの対策によりまして渋滞の緩和に努めてきたところであります。現在は、広域的な道路のネットワーク強化といたしまして、東名高速道路と横浜市中心部を結ぶ首都高速横浜環状北線それから北西線、また圏央道などの整備を進めるとともに、ボトルネック対策といたしまして、保土ヶ谷バイパスの国道二百四十六号との交差部の立体化を進めているところであります。
 今後とも、国として保土ヶ谷バイパスを始めとする全国の渋滞対策についてしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#43
○金子洋一君 是非とも、保土ヶ谷バイパスじゃありません、そういう渋滞するところについてはしっかりとお願いをしたいと思います。
 最後の質問になると思いますが、財務省にこれはお尋ねをさせていただきますが、こういった道路の建設などに使われておりました道路特定財源というのはずっと前に、これは自民党さんの政権のときに廃止をされたわけですけれども、となりますと、自動車重量税とか、これはガソリンや軽油の価格に含まれている揮発油税や軽油引取税、特にその旧暫定税率分というものについては、これは非常に大きな負担になっておりますので、特に今の政府が実施をしておりますアベノミクスによって円安が進んでいるということで、円換算で見ますと原燃油の価格も随分上がっております。いっそのこと、こうした税金については廃止と申し上げたいところですが、かなりばっさりと切っていただければ自動車ユーザーとしては有り難いんですが、いかがでございましょうか。
#44
○大臣政務官(山本博司君) 御指摘のございました税目のうちで、国税に関係があります自動車重量税、また揮発油税につきまして答弁をさせていただきたいと思います。
 まず、自動車重量税でございますけれども、車体課税につきましては、税制抜本改革法の第七条におきまして安定的な財源を確保した上で見直しを行うとされております。その意味で、財源を考慮することなく減税をするということは、この法律の考え方と整合的でないというふうに考えておる次第でございます。また、この同税につきましては、道路の損壊とか道路の整備などの原因者負担とか、また受益者の負担としての性格を有しておりますので、今後、こうした道路などの老朽化対策に多額の財源が必要となる中で、維持をしていく方針でございます。
 次に、揮発油税でございますけれども、やはり国、地方の極めて厳しい財政状況や地球温暖化対策の必要性を踏まえれば、その税率の水準は引き下げるべきではないと考えておる次第でございます。実際、約一兆三千億円の減収ということになりますので、そういう面がございます。
 その点、民主党政権の下でこの税率水準の引下げが検討された際も、やはり同様な理由で維持されたものと承知をしている次第でございます。
#45
○委員長(藤本祐司君) 金子洋一君、時間が来ていますので、まとめてください。
#46
○金子洋一君 はい。
 自動車ユーザー側から見ますと、諸外国と比較をして車体課税というのは、例えば大陸のヨーロッパの三倍ぐらいある、あるいはアメリカの二十倍とか三十倍とかあるというところがございますので、時間がなくなってしまいましたけれども、是非ともそういった点に御配慮をいただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
#47
○室井邦彦君 おはようございます。日本維新の会・結いの党の室井でございます。
 早速質問いたしますが、高速道路のアクセス道路の交通渋滞についてお伺いをしたいと思います。
 スマートインターチェンジの設置により高速道路本線への乗り降りが格段に便利になったと、こういう高速道路への物流、人流の拡大は無論地域の経済活性につながっていくと、このように感じて、思っております。また、交通渋滞の、これもさらにそういう意味でも渋滞の解消につながっておるわけでありますが、我が国の高速道路において、先日の質問にも局長お答えされておりますけれども、日本のインターチェンジは十キロ間隔であるんだと、このことを答弁をされておりました。そういう中で、欧米と比較すると二倍の間隔だということをおっしゃっておられます。そうした欧米と日本の国土の状況は違うんだろうし、欧米が五キロぐらいであって日本が十キロだから欧米に合わせなくちゃいけないということはないと思うんですが、今回、そういうあらゆる意味において、スマートインターチェンジを取り入れるということの方があらゆる面においていいんだということは私もよく理解をしております。
 こういう中で、今回の法改正によってこのスマートインターチェンジの整備に要する費用、これ、無利子貸付制度として創設するようになっております。更なる整備の促進を期待をしておるわけでありますが、そこで引き続き地域の要望に応えながら必要なインターチェンジの設置をしていくという制度が担保されている、これは大切なことだと思っております。
 他方、高速道路への交通量増加がアクセス道路における渋滞の更なる原因となって、車の円滑な流れを確保する道路環境の整備がまた更に課題になってくるんではないかと、こう思います。
 国はそういう点をどのような対策を講じようと考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#48
○政府参考人(徳山日出男君) スマートインターチェンジの整備に当たりましては、国土交通省も地元と一緒に地区協議会をつくりまして、周辺道路に与える影響について考慮した計画となるようにしてきたわけでございまして、平成二十五年の末時点で七十か所で開通済みでございます。
 ただ、実際に整備後の交通量を見てみますと、八割以上の箇所で事前の予測を上回っているという結果になっております。これは、施策としては利用していただいて大変結構なことなわけでございますけれども、計画以上の交通が乗ることになりますので、アクセス道路の渋滞が見られる場合がございます。このような場合にも、周辺道路の更なる改良について社会資本整備総合交付金による支援を行っているところでございます。
 国土交通省といたしましては、地域の期待が大きいスマートインターチェンジの効果が十分発揮されるよう、これは、事前の検討はもとより事後もしっかりフォローさせていただいて、周辺道路の整備を行う地方公共団体に対して必要な支援をしてまいりたいと考えております。
#49
○室井邦彦君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思いますが、我が兵庫県にはこのスマートインターチェンジはないんですよね。そういうことからも是非御検討を、大阪は交通量が激しいところでありまして、いろいろと地域の事情もあって、かなりあるようでありますけれども、ひとつ是非よろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、高速道路のネットワークの構築についてお伺いをしたいと思います。
 首都圏を始め大都市圏における渋滞解消のために、環状道路の整備が進められております。しかし、都市部を通過するだけの交通を迂回させる、このルートがありません。現状は、慢性的な交通渋滞や大気汚染、騒音などの公害問題を引き起こし、訴訟に発展をしているほど深刻な社会問題になっているというところもあります。
 これは実を申し上げますと、私どもの阪神高速道路、阪神間の、尼崎もそうでありますけれども、この小さな尼崎の面積四十九平方キロメートル、南北は十一・五キロ、この間の南北に、湾岸道路、阪神高速道路、国道二号線、四十三号線、少し北に上がりますけれども名神高速道路と、こういう大動脈が通っておりますから、四十三号線の全国的に有名な公害問題、訴訟問題が起きたわけでありますけれども、このような問題を解決していくためには、やはり道路の耐震補強や、また老朽化対策と同じようにミッシングリンクを解消させなくちゃいけない、高速道路ネットワークを整備することが都市の国際競争力の強化を図る上で非常に重要だと感じております。
 そこで、近畿圏の道路ネットワークの整備に関して、特に大阪湾岸道路西伸部の事業化について、どのような現在見通しなのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#50
○副大臣(野上浩太郎君) 近畿圏の道路ネットワークにつきましては、港湾、空港へのアクセスを強化するとともに慢性的な渋滞を解消して、物流の効率化による国際競争力の観点からも大変重要であると考えております。
 今お尋ねのございました大阪湾岸道路西伸部につきましては、人口や産業が集積する大阪―神戸間の沿岸部におきまして、交通集中によって渋滞が生じている阪神高速三号神戸線の交通を受け持つことが期待をされているわけでございます。これによって、一般道路を含めた渋滞の緩和とともに、騒音などの沿岸環境の改善に効果があると認識をいたしております。そして、現在これは全線にわたって都市計画決定が完了しておりまして、兵庫県や神戸市等の関係機関と協力をして、コストの縮減方策ですとか整備手法などについて今必要な検討を進めているところであります。
 引き続き、既存道路の維持管理ですとか更新を計画的に進めることとともに、コストを縮減しながら、厳格な評価を行いながら、道路ネットワークの強化に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#51
○室井邦彦君 副大臣、そういうことでありますので、是非、渋滞するということは、そこで車が、エンジン、またそういう環境汚染にこれは直接に関係してきますし、やはりスムーズに交通量が流れる、これが大切なことだと率直に地元で経験を、体験をしておりますので、是非御検討をよろしく、前向きにスピードアップでお願いしたいと、このように願うものであります。
 続きまして、高速道路の更新工事に係る周辺地域における交通渋滞についてお伺いしますけれども、今述べました部分と多少重複するかも分かりませんが、首都高速道路においては一号羽田線、そして阪神高速道路においても、一号環状線では多い箇所では一日に約十万台もの交通量がある。そのために、大規模更新、大規模修繕工事などに実際に高速道路を、長期間道路を止めなくちゃいけない、通行を止めなくちゃいけない等により、市民生活また経済活動に大きな支障を与えるということになります。
 ここでお尋ねしたいんですが、大規模更新等の工事に伴う影響として、その周辺地域における交通渋滞が懸念をもちろんされるわけでありますが、高速道路の更新を迅速かつ計画的に推進をさせ交通渋滞を解消させるため、どのような工夫と申しますか、対策が考えられておられるのか、是非ここは太田大臣に御答弁をお願いしたいんですが、よろしくお願いいたします。
#52
○国務大臣(太田昭宏君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまでに首都高を大規模な更新あるいは大規模な修繕をということを多くの方が望んでいるというふうに思います。しかし、なかなか今先生御指摘のように難工事であります上に、私としては、首都高は止められないと、工事だからといって一年も止めるというわけにはいかないというふうに思っています。
 そういう意味では、この首都高、大阪もそうかもしれませんけれども、そういう場合には、現在の利用している交通を確保しながら工事を行うというやり方を取る以外にないと。難工事にもなりますが、計画面と施工面の両面にわたって英知を結集して臨みたいというふうに思っているところです。
 計画面ということでいいますと、例えば現在二車、二車というのがあったとしますと、その横に別に迂回路として二車を設置をする、そのままここに走っていただいて、でき上がったらそこに半分の二車線を、上りか下りを移す。そして、次に本線の方の半分を造る。そして、でき上がったらそれをまた、今度工事するところを移すというようにしまして、上下にわたって迂回の線を造ることによってやるというような、そうした手法を取っていかねばならないなというふうに思っています。
 また、施工面におきましても、先日、隅田川橋梁、環状二号線で橋を架けるという架橋工事が行われましたが、別のところで造っておいて、それをそのまま持ってきて一日でばっと付けるというような形で、船や様々なものの運航ということについても支障を来さないようにするというような、かなり施工面におきましても主桁の一括撤去、架設を行うというようなことを、日本の技術水準はかなり、狭い国土の中でやっておりますものですから、その辺をやらせていただいて、渋滞解消あるいは道路が遮断されるということのないようにということで、英知を結集したいと思っているところでございます。
#53
○室井邦彦君 大都市圏でありますので、大変な工事だと思います。
 大臣は耐震工学の専門家であり、こういう特に道路行政に関しても幅広い知識を持っておられますので、大臣が一言一句おっしゃられたことはそのとおりいくというふうに思っておりますけれども、こういう大都市の中の工事でありますので、その点は事故のないように、またスムーズに工事が進むように強力な御指導をもって進めていただきたいと、このように願うものであります。
 少し、まだ二分ほどございますので、今度、高速料金について質問させていただきます。
 高速道路の料金制度については、昨年六月の二十五日の社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会の中間答申を受け、昨年十二月二十日の国土交通省より新たな高速道路料金に関する基本指針が発表されました。整備重視の料金から利用重視の料金への転換がポイントだと思います。
 今回、高速道路料金の見直しがどのようなルール、基準で行われ、進められたのか、お聞かせをください。
#54
○政府参考人(徳山日出男君) これまでの料金割引につきましては、いろいろな割引が導入されてきたことから、利用者から複雑で分かりにくいという指摘がございました。これを改めるために、昨年六月の国土幹線道路部会の中間答申、あるいは会社からの案、私ども国としても基本方針を年末にも出しました。パブリックコメント、申請、いろいろな経緯を経てこの四月からの料金にたどり着いたわけでございますけれども、まさにこの本年四月の新料金のポイントは、委員御指摘のとおり、整備重視の料金から利用重視の料金への転換ということでございました。
 これにつきましては料金水準と割引という二つの点で見直しております。具体的には、料金水準を普通区間、大都市近郊区間、海峡部特別区間の三つに整理をいたしました。料金割引につきましては、観光振興、物流対策など実施目的を明確にして、高速道路利用の多い車に配慮するように再編をしたわけでございます。
 今後とも、高速道路利用につきましては幅広い議論を行って、社会情勢を踏まえながら、時代に即した高速料金になるように努めてまいりたいと考えております。
#55
○室井邦彦君 終わりますけれども、くれぐれもこの高速料金の引下げが各いわゆる交通、また、フェリーとかそういう高速バス、JRなどの公共機関に影響を当然与えると思いますけれども、そのフォローをしっかりと、料金下げることによってフェリーが倒産するとか廃止になったとかという話をよく聞いておりますので、その点もよく御指導願いたいと思います。
 終わります。
#56
○田中茂君 みんなの党の田中茂です。
 早速、道路法等の一部を改正する法案への質問をさせていただきます。
 確かに高速道路建設後五十年近く経過しており、今後、老朽化対策やメンテナンスに費用と時間が必要となるという点は十分に理解し同意した上で、以下の点についてお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず第一に、これは参考人質疑でもお伺いしましたが、再度お聞きしたいと思います。中央道の笹子トンネル内天井崩落事故についてであります。
 昨年六月公表のトンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会の報告書を見ますと、現段階での天井板落下の原因は、天頂部接着系ボルトの設計、施工を含めた接着部の問題を始めとした複数の要因が影響したとの結論に至っています。報告書の最後に、各現場における構造物の経年変化並びに点検の実施計画、計画を変更した場合にはその経緯等に関する情報が組織内で共有、継承されるように、特定の技術者や点検員が定期的に当該構造物の点検に携わるようにするなど、補修補強履歴等が確実に記録、保存される仕組みの構築やマネジメントの実施が重要であると。最後に、国並びに各道路管理者は、以上を教訓に確実な維持管理等に関わる仕組み、実施体制の整備を図っていくべきであるという提言がありました。
 この意味を考えると、建設後にきちんとした維持管理の履歴が残っていなかったというようにも取れます。それも事故の遠因になったのではと思いますので、今回の法案で提案されている大規模更新、大規模修繕の根拠となる事故だけに、笹子トンネルとそれ以外の場所についてどのような再発防止策や維持管理の履歴のような仕組みの導入を検討し、現段階でどの程度の取組が既に行われているのか、その辺を再度お聞かせいただければと思います。
#57
○政府参考人(徳山日出男君) 笹子トンネルとそれ以外、全国にわたる取組についてお尋ねをいただきました。
 笹子トンネルに関して言いますと、笹子トンネルの天井板落下事故後に私どもいたしましたことは大きく三つだと思います。緊急点検、そして原因究明、再発防止という三つでございます。
 手短に申し上げますと、緊急点検につきましては、笹子と同様のつり天井板を有するトンネルについて全国で点検をいたしまして必要な措置を講じました。原因究明につきましては調査・検討委員会にお願いをいたしまして、事故は天井板をつり下げる部材の施工や経年劣化などが原因であったという結論をいただいております。また、同様のタイプの再発防止策につきましては、笹子トンネルと同様の構造を有する十六トンネルについて措置をいたしまして、これまでに九トンネルにつきましては天井板の撤去等を完了しておるという状況でございます。
 一方、このような笹子トンネルと同様の構造を有するトンネルへの再発防止策に加えまして、お尋ねのように、全国に対しまして、国土交通省といたしましては、昨年道路法を改正をさせていただきまして、本年三月三十一日に道路の維持修繕に関する省令を公布をさせていただきました。これによりまして、全国の橋梁やトンネル等は五年に一度、近接目視の点検を行いますとともに、点検や修繕の内容を記録し保存すること等、道路管理者の義務を既に明確化したところでございます。
 昨年をメンテナンス元年として様々な取組を講じてまいりましたけれども、今年はいよいよメンテナンスが本格的に実施されるように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#58
○田中茂君 ありがとうございます。
 今後の大規模修繕、大規模更新、莫大な費用が掛かってまいります。メンテナンスがなければ幾ら修繕、更新をしても無意味になる可能性があるので、その辺は徹底していただき、二度と笹子トンネルのような事故が起きないようにしていただきたいと思います。
 次に、高速道路の老朽化の対応について御質問させていただきます。
 東京オリンピック後、首都高は、約五十年を経過した現在、当然のようにかなりの傷みや劣化が生じており、高速道路の四割が竣工後三十年を超え、早急に老朽化対策が必要なのは理解しております。
 今回の法改正で対象となる大規模更新、大規模修繕は、概算事業費として首都高が六千三百億円、NEXCOが三兆二百億円、阪神高速が三千七百億円という巨額の金額が示されています。しかし、NEXCOの資料を見ますと、この更新で対応ができる部分は約二百四十キロの橋梁部分の床板取替えが主であり、大規模修繕の対象箇所も一千八百七十キロで、合わせても全体の一割程度で、それもメンテナンスにすぎません。たとえこの部分の更新、修繕が一段落したとしても、その頃にまた別の箇所の老朽化が進行し、同様の更新、修繕が必要となる可能性があり、そうなると更新、修繕は今後ほぼエンドレスで必要ということにも受け取れます。
 同様の質問もあったかとは思いますが、今回の対象箇所についてはどのような考えで選択し、今後エンドレスで必要となる更新についてどの程度の規模を見込んでいるのかお聞かせいただきたいと同時に、阪神・淡路大震災、東日本大震災以降、耐震の観点からも修繕や更新は行われてきたと思います。これに関しては、既に大規模更新、大規模修繕との関連があるのか、震災対策に対する今後の方針や見込みがあれば併せてお伺いしたいと思います。
#59
○政府参考人(徳山日出男君) まず一つ目の、エンドレスで更新が必要になるのではないかというお尋ねでございますけれども、今回の更新計画につきましては全国的にいろいろな吟味をいたしました。そういうことの中で見ますと、建設時に施工を急ぐなどの無理をした箇所がまず挙がっております。これは昭和三十九年の東京オリンピックあるいは昭和四十五年の大阪万博に合わせて整備をしたところという例でございます。
 もう一つは、古い基準で設計された箇所などが挙がりました。例えば、これはもう更新が必要な橋だなというのをNEXCOから上がってきたものを見て原因をいろいろ見てみますと、例えば高度成長期に砂が足りなくて海砂を使った例というのがございました。これに対して、同様の海砂を使ったものを全国的に横に精査をしたりいたしまして、その中で拾い上げてこのような数字をつくっております。ただ、例えばこの海砂の例でいいますと、昭和六十一年にJISが決められまして、海砂を使う場合には脱塩をどうするかということが明確になっておりますから、昭和六十一年以降のものについてはこのようなものが出ないということでございます。
 したがいまして、五十年を過ぎるとどんどん出てくるということではなくて、施工を急いで無理をしたもの、あるいは古い基準のものというものが今回の対象になっておりまして、今回の対応以降、次々に更新需要が生ずるということにはならないと考えております。
 もう一点、耐震補強との関係をお尋ねいただきましたけれども、この耐震補強につきましては、阪神・淡路大震災と同程度の地震により倒壊等の甚大な被害が生じないよう、橋梁耐震補強計画の下、鋼板による橋脚の補強あるいは落下防止のケーブル設置などの部分的な補強工事を平成七年度より進めて、高速道路につきましては平成二十五年度末までに対象箇所全てを完了したところでございます。
 この耐震補強と大規模更新、大規模修繕は趣旨、目的が異なりますことから、耐震補強済みの箇所についても大規模更新・修繕が別の事業として必要になるとは考えております。ただ、これはまた目的が異なりますので、多くの場合重複することなく対応できるというふうに考えておるところでございます。
#60
○田中茂君 ありがとうございます。なるべく重複しないように、無駄を省いてやっていただきたいと思います。
 次に、道路公団のファミリー企業についてお伺いいたします。
 さきの道路公団民営化のプロセスでは、道路関係の公団から独占的に高コストで業務を受注し、内部で利益を吸い上げながらOBの受入先として増殖してきたファミリー企業の実態が初めて明らかになりました。このような状態が続けば、市場原理が働かない高コスト体質が続いて、採算性のない道路や設備の建設にもつながりかねません。このため、民営化時には新会社発足までに六千億のコストの三〇%の削減を行うべきという提言がなされました。公団の高コスト体質の元凶であったファミリー企業やその体質を引きずるカルチャーが残っていれば、今後大規模修繕など新たな業務が発生した際に同じ轍を踏むことにもなりかねません。
 このような観点から、民営化後のファミリー企業の動向を総括することと、今後の大規模改修時の事業化に伴いファミリー企業への発注などが復活し以前の高コスト体質に戻らないよう監視する仕組みも必要であると考えます。高コスト体質を温存し、そのツケを次世代に押し付けることは断じて許されるべきではありません。
 いずれにしましても、更新事業を進めるのであれば、その前に高速道路会社のコスト縮減を徹底するのが大前提だと考えますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#61
○政府参考人(徳山日出男君) 道路関係四公団の民営化に当たりましては、三つの大きな目的が言われました。一つは、約四十兆円の有利子債務を確実に返済をすること、二つ目は、真に必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期にできるだけ少ない国民負担の下で建設する、三つ目は、民間ノウハウ発揮により多様で弾力的な料金設定やサービスを提供すること、この三つでございました。
 こういう観点からの議論が行われましたので、いわゆるファミリー企業につきましては、旧道路公団と資本関係のない特定の企業が維持管理業務等の多くを受注、実施をいたしまして、この点について非効率性や契約の不透明性が批判されたというわけでございます。
 このため、民営化後は、かつてのファミリー企業が行っていた業務のうち、管理瑕疵や企業信用に直結する業務やサービスエリア業務につきましてはグループ内の連結子会社で実施することで内部化をいたしまして、連結決算の対象とすることで効率化、透明化を図ったわけでございます。また、連結子会社で実施しないこととした業務については、市場競争化により競争性のある発注契約を行っております。
 今後、更新事業を進めるに当たりましても、新技術の活用や合理的な施工方法の採用等による更なるコスト縮減を進めるとともに、引き続き経営全体の効率化に努めるよう、各高速道路会社を指導してまいりたいと考えております。
#62
○田中茂君 次世代にツケは断じて残さないという自覚でコスト削減を徹底していただきたいと思います。
 次に、道路関係四団体民営化のスキームの見通しと変更についてお尋ねいたします。
 道路公団の民営化は、その議論を振り返ってみると、民にできることは民にとの小泉総理のリーダーシップの下で行われた非常に勢いのある改革であったと思います。しかし、今までの参考人の先生方や委員会での様々な議論を聞けば聞くほど、これまでの公団方式と同様、高速道路は将来無料開放するという枠組みを採用したこと自体本当に正しかったのか、疑問に思える部分もあります。恒久有料化の場合の固定資産税の課税問題など難しい問題があったことは承知していますし、将来の首都高速や東名高速の無料化が当時現実的ではないと思った国民も多かったと思います。更に冷静に考えれば、道路が存在する限り恒久的に維持管理費用は必要になるわけですし、その費用を料金収入以外で賄おうとすれば国民の税負担が莫大になることは自明でもあります。
 広田先生、民主党としての提言をしていただきましたが、この際、維持管理に関する費用については料金として取り続ける考え方に変更した方がよほどすっきりすると思いますが、大臣の御見解をお聞かせください。
#63
○国務大臣(太田昭宏君) 我が国の道路は無料開放が原則でありまして、厳しい財政状況がありましたものですから、昭和二十七年に道路整備特別措置法を制定して、料金収入によって道路を整備するという制度が導入されて今日に至ります。
 無料開放した後の維持管理、更新については、一般道路と同様に税金によって負担をするというふうにしております。高速道路を恒久的に有料にすることについては、利用者を始め広く理解を得られるかという課題もありまして、今後も慎重な検討が必要であるというふうに考えているところでございます。
#64
○田中茂君 大臣、ありがとうございます。
 大規模更新、大規模修繕、その延長を考えれば、六十年後に無料開放した場合には現在の料金収入が一切入らなくなるわけでありますので、次世代に申し訳ないという思いもするんですが、それゆえに次の質問をさせていただきます。
 日本橋付近の高速道路地下化の可能性についてであります。前回の委員会で同僚の和田委員からも質問がありました、日本橋付近の高速道路地下化の可能性について再度お尋ねいたします。
 かつては日本の幹線道路の出発点でもあった日本橋が、首都高速が上に通ったことですっかり風景が変わってしまったことは、前回の和田委員から配付された写真を見ればよく御理解できると思います。
 そして、この日本橋の空を取り戻すということで、大臣もこの間お話しされた日本橋川に空を取り戻す会の提言で、この首都高を地下化した場合の費用の見積りやシミュレーションが行われています。当時の試算では、費用はほぼ五千億円、その一部を地元が負担するというスキームも想定されていたと私は記憶しています。
 また、今回の六千三百億円の予算を盛り込んだ首都高五区間の大規模更新の対象に日本橋を通る都心環状線の竹橋―江戸橋間が含まれており、この日本橋付近の修繕、更新は一つの大きな課題で、実現を検討するに十分値するテーマだとも考えています。地下化や建て替えには費用だけでなく地元の協力が不可欠で、なかなか難しい問題でもありますが、この日本橋地区については、これまでの経緯を考えますと、地元の協力も比較的得られやすいのではないかと思います。
 首都高速が造られた当時、先ほどからおっしゃっていますように、東京オリンピックに間に合わせるということで用地買収に時間が掛けられなかったと、このように河川上などに道路を通すことが多かったとも聞きます。日本橋の頭上を走る首都高は、他国に追い付け追い越せと経済成長と効率性を第一に掲げた高度成長時代の負の遺産の一つでもあると考えます。
 今回の大規模修繕、大規模更新に伴う償還期間延長等々で次世代にツケを残すのかという議論が非常に多かっただけに、風景や歴史も都市の資産であり国民の資産でもあるという考えに基づいて、この日本橋問題で、次世代に向けて夢のある付加価値を含む新しい資産を残したというシンボルとしても、地下化などの最新の技術を駆使した新しい首都高速を造ることを考慮すべきではないかと思われますが、この点について大臣の御意見をお聞かせください。
#65
○国務大臣(太田昭宏君) 平成二十四年に、三宅久之さんを座長にいたしまして、老朽化した都心環状線、これをどうするかという、またこれは東京の再生ということになりますが、そういう議論が行われて提言がまとまりました。この提言を踏まえまして、まずは、首都高速の築地川区間、これ、川をそのままやったものですから、今も行きますと、橋がそのまま残って、橋脚がそのままあって危ないというマークがされていたりするんですけれども、そこをモデルケースとしまして、東京都そして中央区等と連携を取り、検討会を設置して、都市と再開発とそして更新事業を一体的に実施するということにつきまして、具体的な検討を始めているところでございます。
 日本橋につきましても、高速道路を地下にというだけでなくて、空を取り戻すとともに、あそこは水を取り戻すと。東京は、実は世界の人をお迎えするに当たって、水辺の空間というところで見ていただくとか楽しんでいただくところが残念ながらございません。日本橋も新橋も、橋が付くところが非常に多くて、江戸ということを復活させるには水辺空間というものをどうつくるかということも大事でありまして、まちづくりと一体、そして江戸を復活させる、日本の本当に良さというものを提起する、そうしたことでの、首都高速の更新と相まって、まちづくりと一体となったそうした再生ということについて今検討が始まっているところでありますけれども、私は、進むことは大変結構なことだというふうに思っているところでございます。
#66
○委員長(藤本祐司君) 田中茂君、時間が来ていますので、まとめてください。
#67
○田中茂君 ありがとうございます、大臣。
 是非とも、次世代に向けて、ツケではなく、このような夢を与えるのも大事だと思いますので、是非とも実現させていただきたいと思います。
 それでは、私の質問を終わりにします。
    ─────────────
#68
○委員長(藤本祐司君) 委員の異動について報告をいたします。
 本日、金子洋一君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君が選任されました。
    ─────────────
#69
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 前回に続いて、高速道路の新規建設についてお聞きします。
 淀川左岸線二期事業は、一九九六年に都市決定をされたものであります。元々は阪神高速道路公団の事業でありましたけれども、民営化の際、会社だけでは負担できないということになりまして、二〇〇六年から大阪市の街路事業と阪神高速道路株式会社の有料道路事業との合併施行で事業化されているものであります。総事業費の一千三百三十億円のうち会社負担は九十億円、残りは税金ということであります。この事業は、その名のとおり淀川の左岸、これ堤防の中にトンネルを埋め込む形で高速道路が造られるということになっております。
 国交省にまず確認をしますけれども、堤防の中に構造物を入れるのは安全上問題があると思いますけれども、どうでしょう。
#70
○政府参考人(森北佳昭君) お答えを申し上げます。
 河川堤防の構造に関しましては、河川管理施設等構造令というのがございます。これに基づきまして、盛土で築造するということを原則に、堤防の天端幅、のり面の勾配など、形状等が所定の要件満たすことが求められます。この構造令では、河川堤防として必要となる断面の中に道路構造物が築造される等、特殊な構造とする場合には、耐震性、耐浸透性など、河川堤防が有すべき機能につきまして、盛土による堤防と同等以上の機能を有するかを個別に判断することといたしております。
 事業主体から構造等について申請がなされた際には、このような観点から適切に判断することになります。
#71
○辰已孝太郎君 個別に判断ということなんですが、このような事業というのはかつてこれまであったんでしょうか。あったかなかったか、簡潔に。
#72
○政府参考人(森北佳昭君) これまでにこういったものについてはないというふうに承知をしております。
#73
○辰已孝太郎君 それでは、この安全性について個別に判断ということなんですが、この淀川左岸線二期事業についてはどうなんですか。
#74
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。
 この淀川左岸線の二期事業の建設に当たりましては、今御指摘の道路構造物と堤防を一体とした場合の安全性、施工方法及びその維持管理手法等について技術的な審議を行うことを目的といたしまして、大阪市、近畿地方整備局及び阪神高速道路会社により、直近では淀川左岸線二期事業に関する技術検討委員会を設置をして検討をしておるところでございます。
#75
○辰已孝太郎君 検討委員会で検討しているということですが、実はこの間、大阪市、そして国、かつての道路公団、道路会社は、この事業化に当たって大変迷走しております。堤防設置に関しては2Hルールというのがありまして、これは堤防の防災、治水機能を守るために、堤防の一定の範囲に異物の構造物を設置することを禁止をするものであります。事業化に当たって、この2Hルールがあるので、どうこれをクリアするのか、このことに国も大阪市も阪高も腐心をしてきたということであります。
 例えば一九九六年の十二月二十四日、淀川左岸線二期に係る建設省淀川工事事務所の説明の議事録というのが手元にもあるんですけれども、ここで建設省からは、スーパー堤防ありきでこの事業は協議を進めればよいという発言がなされております。つまり、これは九二年の建設省河川局の水政、計画、治水課長通達で、スーパー堤防は2Hルールの適用外と、こういう通達が出されておりまして、恐らくこれを前提とした発言だろうと思います。議事録では、建設省側が一体整備ができなければ2Hルール遵守となって管理から厳しい条件が付くだろうと、こういう話もしております。
 しかし、スーパー堤防というのは簡単に整備は進みません。ですから、二〇〇〇年には部分的なスーパー堤防ではどうかという話合いも出てきておりますし、二〇〇一年には、これは近畿地方整備局から、暫定スーパー堤防とか、スーパー堤防ができるまでは兼用工作物という見解で進めていきたいということも記されております。
 森北局長に確認をしますけれども、国、大阪市、高速道路会社、つまりかつての公団は、堤防内のトンネル設置は2Hルールが壁になって事業化が難しいということをずっと議論をしてきたわけでありますけれども、この議論、国土交通省としてこういう議論を行ってきたことは承知はされていますね。
#76
○政府参考人(森北佳昭君) 御指摘の点については承知をいたしております。
#77
○辰已孝太郎君 承知をしていると。
 2Hルールというのは堤防の安全や安定性を保証するためのもので、非常に大事な取決めでありますけれども、結局、これまでの議論を見れば、安全よりも事業の開始というのが私は最優先になってきたんじゃないかなというふうに思います。
 そして、今回、先ほどの答弁にあったように、大臣の認可ということで、今度は2Hルールそのものを適用除外にしようとしているわけであります。これまでに例のない事業でありますから、この淀川左岸線二期事業に関する検討委員会ということで、安全性については議論をしております。この間の委員会でも、全路線での液状化の対策の必要性が改めて指摘をされているところでありますけれども、そもそも、国交省にお聞きしますけれども、液状化の可能性が指摘をされているような区間に道路建設をすることについて、これ、どういうふうにお考えですか。
#78
○政府参考人(石井喜三郎君) 先生御指摘の、今の委員会における検討の状況でございますが、同委員会におきましては、液状化によって様々な静的解析、動的解析による液状化の検討を含めて、地震時に河川堤防として要求される機能が満足できるかという観点から検討しております。
 ちょっと分かりにくかったかと存じ上げるんですが、具体的には、今般は道路が入る、カルバートが入る位置が確定をしてまいります。それを踏まえて詳細にまず検討をする。そして、今先生から御指摘がありました、地震時に液状化が起きるということを想定した上で、河川堤防の治水機能が確保できるか、また、機能を確保するためには堤防の構造がいかにあるべきかということを本委員会では検討をされております。
 公開されております委員会の資料によりますと、液状化対策としては、サンドコンパクションというそうですが、砂のくいを地盤に打ち込んで地盤を締め固める締め固め工法や、液状化する層そのものを他の土に置き換える置き換え工法、置換工法を検討しているというふうに承知をしております。
 委員会ではまだ結論を得ていないところでございますが、これらの検討を踏まえて、液状化について必要な対策を進めるというふうに承知をしております。
#79
○辰已孝太郎君 この淀川左岸線、川下の方に行きますと此花区酉島地域というのがあります。ここは阪神大震災のときに堤防が一・八キロにわたって三メートル陥没したという地域でもあります。この淀川左岸線事業区間のほんの三キロ先なんですね。
 対策はするというんですけれども、元々液状化するだろうというところに、このような、これまで施工したことがない、堤防の中にトンネルを造るということそのものが私は間違っていると思いますし、先ほど検討委員会で議論を踏まえてという話ですけれども、実はこの検討委員会の議事録が十分に公開されていないという問題があります。私、請求をしても、このような黒塗りの議事録、これもうほとんど黒塗りなんですね、しか入手ができないということになっております。技術検討委員会で検討するといいますけれども、委員会に入っていない専門家の方々が、これでは検討が十分にできないじゃないかということをおっしゃっておられます。
 ここは大臣にお聞きしたいんですが、やはり前例のないこういう工事だというのであれば、広く知見を求めるためにも私は十分な情報開示というのが必要だと思います。この検討会の委員会の議事録を、これ全面開示するべきだと思いますけれども、どうでしょう。
#80
○国務大臣(太田昭宏君) この淀川左岸線の二期事業は、大阪市と阪神高速が事業主体となって整備することとされています。その技術的な検討は、今御指摘のような淀川左岸線二期事業に関する技術検討委員会が設けられてしているということです。この委員会の議事の公開につきましては、規約において原則として非公開で開催するということとされています。会議でのまた配付資料及び議事要旨につきましては、大阪市及び近畿地方整備局のホームページに公開することとされています。
 議事要旨におきましては委員からの主な意見についても記載されていますけれども、いずれにしても、公開の範囲については委員会が判断すべきものと考えます。
#81
○辰已孝太郎君 議事要旨といいますが、それではやはり議論の中身というのは十分には分かりません。規約という話ですけれども、これ結局、阪高は先ほど九十億しか出さないと、残りは国と大阪市が負担するんです。国の方が負担分は多いというわけですから、これきちんと公開するべきだと、国の判断もきちんと伝えるべきだというふうに私は思っております。
 堤防内のトンネル工事については、何よりも安全性が求められます。専門家の中には、こういう前例のない工事なんだから、最低二十年間のテストを行って堤防の全基準を満たす確たる安全性のある計画とすることが不可欠だと、こういう指摘もあるわけですので、私は、それを一部の議論だけで決めてしまっては、安全が保証されるのかは甚だ疑問だというふうに言わなければなりません。
 この淀川の左岸線、更に延伸の計画というのもあります。しかし、そもそもこれらの道路が必要なのかということであります。阪神高速道路の利用者というのはこの間も減ってきております。九八年当時、阪神高速の一日の利用台数は九十五・二万台でしたけれども、二〇一一年では八十七・九万台になっております。供用の延長というのは増えていますけれども、交通量は減っております。渋滞量にしましても、一九九〇年のピーク時の、二〇一〇年は半分以下にも減っております。
 私は、淀川左岸線の延伸部も、そういうお金があるんだったらそれこそ老朽化対策を優先すべきだと思いますけれども、この延伸部、事業化すべきでないというふうに私は考えます。もう同じ答弁だから答弁を求めませんが。
 かつて、この淀川左岸線事業の前には、一九六七年に同地域に都市高速道路網構想の一つとして大阪高槻線というのが、これ実は公表されております。これは高架構造で造られようとしたものですけれども、当時、公害問題、環境問題で大きな反対運動が起こりまして、一九七三年の第七十一回国会衆議院内閣委員会において我が日本共産党の東中光雄議員がこの問題を取り上げて、当時の金丸信建設大臣が、百聞は一見にしかずだと言って、現地まで足を運ぶと言って、ついに一九八〇年には大阪高槻線の予算はゼロになって計画はなくなったと、こういう経緯もあるわけでございます。
 今後、南海・東南海地震というのが高い確率で発生すると言われております。この淀川左岸線の二期工事、それに続く延伸部、私は、こんな地盤の弱いところにわざわざ堤防の中にトンネルを設置するなんて、国土強靱化どころか国土軟弱化ではないかと、私は事業の撤回とそして中止を求めて、質問を終わります。
#82
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 先ほどの委員の方の質問と一部重複をしますけれども、確認の意味も含めて、より踏み込んだ答弁をいただきたいと思います。
 まず、高速道路の料金割引制度について質問をいたします。
 前の自公政権時代の二〇〇九年三月から、明石海峡大橋、大鳴門橋などの本四架橋も対象にして高速道路の休日上限千円という料金割引制度が実施をされました。また、二〇一〇年六月からは全国五十か所で高速道路無料化社会実験が実施されました。いずれの割引制度も、二〇一一年六月に大震災を受けて取りやめられています。
 これらの高速道路の料金割引制度について、プラス面、マイナス面の検証は行ったというふうに先ほど答弁がありましたけれども、特に他の公共交通へのマイナス面の影響についてどうであったのか、より具体的な答弁をお願いします。
#83
○政府参考人(徳山日出男君) お尋ねの無料化社会実験や休日上限千円でございますけれども、平成二十三年十二月の高速道路のあり方検討有識者委員会中間とりまとめにおいて総括がされております。
 具体的には、地域活性化などの面から一定の有効性が確認されたものの、当該施策の対象となった道路における激しい渋滞発生や他の交通機関への影響などの交通政策としての課題のほか、施策の継続に必要な予算の制約などの課題があり、持続可能性などの観点からも原点に立ち返った検討が必要であるとされているわけでございます。
 このうち、お尋ねの他の交通機関への影響でございますけれども、特に高速道路の長距離利用を促進したために、高速バスやフェリーに対して影響を与えたものと認識をしております。
 数字を少し申し上げますけれども、高速バスにつきましては、平日は四%減であるところが休日には八%減ということになりましたので、休日上限千円による影響が出ているものと認識をしておりますし、フェリーについては、平日一六%減が一九%減に休日はなりました。
 特に、本四について申し上げますと、平日は二〇%減が休日では三〇%減ということでございまして、このような他の交通機関に対しては影響を与えたものというふうに認識をいたしております。
#84
○吉田忠智君 本改正案でも、二〇六五年以降は無料開放になるとしております。大臣も、我が国の道路は無料開放が原則であると前の委員会でも言われておりますし、本日もそのように答弁をされておられます。
 交通弱者の増加が見込まれる時代において、無料開放すればさきの料金割引制度で生じたのと同様の弊害が生じるのではないかと懸念をされます。公共交通の担い手である事業者の経営が圧迫され路線や航路の廃止が生じれば、公共交通を利用せざるを得ない高齢者、障害者、未成年者などの移動の権利を大きく損ない、マイカー利用者との格差が拡大することが懸念されます。
 改めて、道路の無料開放原則自体を見直すべきではないかと考えますが、国交省の見解を伺います。
#85
○政府参考人(徳山日出男君) 無料開放原則については、この委員会でも度々御答弁を申し上げてまいりました。我が国の道路は無料開放原則ということでございまして、今回の法案につきましても、債務の償還満了後に無料開放するということといたしております。
 一方、昨年成立いたしました交通政策基本法におきましては、交通は、国民の自立した日常生活及び社会生活の確保、活発な地域間交流などの機能を有し、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図るために欠くことのできないものであると、こうしているところでございます。このような基本法も成立をいたしておりまして、委員御指摘のとおり、公共交通は国民の社会生活の確保などの観点で重要なものであると考えております。
 償還満了後の無料開放に伴う他の交通機関への影響につきましては、交通政策基本法で示されている考えを踏まえ、その時点での交通状況などを勘案し、幅広く検討してまいりたいと考えております。
#86
○吉田忠智君 今局長から答弁がありましたように、交通政策基本法の成立という状況もございますし、また、先ほどロードプライシングという御議論もありました。そういうトータルな観点からの是非今後の踏み込んだ検討をお願いしたいと思います。
 次に、高架下空間の活用について、具体例を交えて質問をいたします。
 本法案には、高架下空間の活用、占用基準の緩和等が盛り込まれておりますが、従来使われてこなかった空間を開放するということでありますから、地域住民の暮らしやまちづくりに大きな影響を与えます。
 地域住民の意向に最大限配慮すべきではないかと考えますが、住民合意の重要性について大臣の御所見をいただきたいと思います。占用許可に当たって、住民合意書を厳格に求め、慎重に審査すべきではないかと考えますが、いかがですか。
#87
○国務大臣(太田昭宏君) 一般に、各種施策の遂行に当たりましては関係者の意向を踏まえることは、これは重要なことだというふうに思います。
 高架下は町の中にある身近で公共的な空間というものでありまして、まちづくりに関連することから、高架下の利用を検討するに当たりましては、地元自治体が住民の意見を集約するものというふうに考えております。
 現在、私も東京ですのでずっと回っておりますと、野球の施設に使ったり、あるいは鉄道の下におきましてもいろんな構造物ができ上がっていたり、あるいは町会でそこで盆踊りをしたりとか、いろんなことで使われていることは事実です。そうした高架下占用の申請がなされた場合には、道路管理者は、道路の維持、修繕に支障がないかなどにつきまして道路管理上の観点から最終的に判断をするということにしております。
 この法改正後におきましても、高架下の占用許可に際しましては、地元自治体が集約する形での地域住民の意見を尊重してまいりたいと思います。
#88
○吉田忠智君 それで、具体例でありますが、現在、東京都練馬区がNEXCO東日本の管理する関越道高架下を占用して高齢者施設等を建設する計画を立てたところ、沿道住民から反対の声が上がり、テレビや新聞でも報道される事態になっています。お手元に東京新聞の記事のコピーを配付をしておりますので、御覧いただきたいと思います。
 債務返済機構が実施した異例のパブリックコメントでも、二百三十四筆中、一筆のみが賛成で、ほぼ全員が計画反対でありました。しかし、その結果は反映されず、区は今年度の申請を予定していると聞きます。住民の主な反対理由は、関越道は築四十三年と老朽化しており、その高架下を人の集う空間にすること自体が危険であり、日が当たらず、騒音、排気ガスもひどい高架下に高齢者施設等を造るべきではないというものであります。危険な道路を修繕する老朽化対策のはずが、占用料で修繕費を捻出するために老朽化した高架下を貸し出すというのでは本末転倒であります。
 各社ホームページによれば、数百グラムから数十キログラムまで、高架からのコンクリート片などの剥落物による事故が多数報告されています。高架下空間を多くの人が利用するようになれば、これまで以上に厳格な点検も必要になると考えられますが、練馬区の計画では、橋脚から一・五メートル以上離さなければならないという基準を満たしていないことが指摘されています。
 点検に関する占用許可基準はどのようなもので、その趣旨、目的はいかなるところにあるのでしょうか、道路局長に伺います。
#89
○政府参考人(徳山日出男君) ただいま御紹介のございました練馬区による関越道の高架下の占用計画に関しましては、まだ現時点では占用の許可申請がなされていない段階でございまして、具体的な内容については承知をしておりません。
 一般的に申し上げまして、お尋ねの私どもの有しております高架下の占用許可基準の件でございますけれども、特に一・五メートル空けるという離隔距離のことについて申し上げますと、まず、占用物件の天井は高架の道路の桁下から一・五メートル以上空けることということがございます。また、壁につきましても、高架の道路の構造を直接利用しないものであるとともに、橋脚から一・五メートル以上空けることを原則といたしております。
 この趣旨は、道路管理者が、ますます重要になりますこれからの点検を行う上で、通常の目視点検等を行えるスペースを確保するためのものでございます。このほか、この占用許可基準におきましては、耐火構造でなければならないというようなこと、あるいは爆発性の物件でないことというようないろいろな管理上の守るべき基準を決めております。
 一般に、占用許可申請がございましたら、道路管理上の支障の有無の確認などをこの基準に沿って行いまして、適切に対応をしてまいりたいと考えております。
#90
○吉田忠智君 目視点検をしても、安全を確認したとしても、落下物もあるわけです。簡易なプレハブ倉庫や広場のようなものは別としまして、多くの人が利用する、例えば災害弱者とも言われるような高齢者の施設は避けるべきであると考えます。高架下空間の施設の目的、利用者の種別や人数などを考慮した利用用途の制限が基準に必要ではないかと考えますが、いかがですか。
#91
○政府参考人(徳山日出男君) ただいまも申し上げましたとおり、高架下の占用許可に当たりましては、道路管理者の側といたしましては、道路管理上の観点から最終的に判断をさせていただくということといたしております。
 したがいまして、先ほど申し上げました高架下の占用許可基準におきましても、道路管理上の観点から、道路の維持、修繕に支障がないかどうか、これはかなり具体に、耐火構造その他火災により道路の構造また交通に支障を及ぼさないと認められる構造とするとか、先ほど申し上げましたような離隔距離一・五メートルを原則とすることとか、爆発性物件や危険と認められるものを搬入、貯蔵し、又は使用するためのものは駄目だとか、このようなことを決めております。さらに、公序良俗に反し、社会通念上不適当であるものというものももちろん私どもとしては許可しないということで考えておるわけでございまして、このような基準を定めておるわけでございます。
 しかしながら、まちづくり等の観点から高架下にどのような施設を設置するか等につきましては、これは道路管理者ではなく、その施設の設置を計画する者が地域住民の意見を集約するなどして個別に判断をされるべきものと考えております。
#92
○吉田忠智君 この高齢者施設の設置につきましては、練馬区では地元住民の多くが反対をしております。占用許可に安易に例外措置を認めるべきではありません。
 基準に照らし厳格な審査を行い、国交省としても、いま一歩踏み込んだ基準も作っていただきたいと思いますし、今後の調整をお願いをしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#93
○委員長(藤本祐司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#94
○辰已孝太郎君 私は、道路法等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 本改正案は、高速道路の大規模更新・修繕を実施する費用四兆四百五十億円を捻出するため、二〇五〇年までとしていた高速道路の料金徴収期間を十五年延長するなどとするものです。これは、高速料金の無料化を十五年先送りし、高速道路の建設や修繕に係る借入債務の償還期間を先送りすることにほかなりません。
 法案に反対する第一の理由は、債務の返済期限の延長自体が、道路公団民営化時の債務返済計画がそもそも成り立たないずさんなものであったことを示しているからです。本来、大規模更新・修繕費用は、民営化の際に償還計画に含めておくべきものでありました。社会資本整備審議会からも、二〇〇二年以降、近い将来大きな負担が生じると繰り返し警告されていました。にもかかわらず、費用算定の具体の箇所や対処方法を決めなかったのは、管理費コスト削減を優先し、民営化先にありきで費用を小さく見せる意図があったとしか考えられません。
 第二の理由は、大規模更新・修繕の債務と高速道路建設等の債務を別枠としたことで、新規の高速道路建設を歯止めもなく継続する仕組みを温存することになるからです。
 今後も数兆円規模で予定されている新規道路建設を抑制すれば、大規模更新・修繕の費用も当初どおり四十五年で償還する計画の枠内に収めることは可能です。ところが、四十五年償還の建設に係る債務に大規模更新・修繕の債務は含めず、別枠にしています。これでは、今後も増え続ける大規模更新・修繕費用に影響されることなく、東京外郭環状道路などの事業中区間はもとより、約一千百キロメートルの未事業化区間、さらには淀川左岸線延伸などの地域高規格道路といった新規事業を引き続き進める仕組みは変わりません。
 第三の理由は、新規の高速道路建設を抑制することのないまま無料化を延長することは、新たな負担を利用者、国民に強いることになるからです。
 以上、今行うべきは、最後の警告に耳を傾け、新規建設よりも既存道路の老朽化対策等、大規模更新・修繕を優先させることであるということを申し述べ、反対討論を終わります。
#95
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合を代表して、道路法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案は、高速道路の老朽化に対応し、大規模更新事業の費用を捻出するため、二〇五〇年までとしていた高速道路の料金徴収年限を十五年間延長し、二〇六五年までとすることを主な内容としています。
 社民党は、公共事業予算を新規建設中心から老朽化対策中心へと根本的に転換すべきとの立場であり、高速道路の老朽化に対応した迅速かつ計画的な更新事業の必要性については評価します。しかし、法案には以下のような問題があり、反対といたします。
 第一に、道路公団民営化の構図が破綻したにもかかわらず、全く反省、検証がなされていないことです。
 二〇〇四年に小泉構造改革の特殊法人改革のシンボルとして行われた道路公団民営化関連法のスキームの破綻が露呈したことが本法案の出発点です。料金徴収年限の十五年延長は、文字どおりの先送りでしかありません。民営化当時どのような意図があったにせよ、結果として更新費用の評価、算定が行われなかったことは事実であり、当時の民営化ありきの道路公団改革論議が不十分であり、スキームの抜本的見直しが不可欠であることは明らかです。
 第二に、債務償還後の無料開放について再考する貴重な機会であるにもかかわらず、従来の道路の無料開放原則にこだわり、これを見直すことを放棄しているからです。
 この間の経験は、高速道路料金が割引されれば地域の公共交通の経営を圧迫し、ローカル線、バス路線やフェリー航路の廃止につながり、いわゆる交通弱者の移動権を侵害することを明らかにしています。道路の管理権を移譲される国や地方自治体においても、財源の面で無料開放に持続可能性がないことは明白です。今こそ道路の無料開放原則を再考すべきです。
 第三に、立体道路制度の既存の高速道路への適用拡大は、土地利用秩序や既存の管理秩序の変更につながること、日照や風向きの変化等の悪影響を及ぼすことも懸念されます。高架下空間の占用基準の緩和等も同様の問題を抱えており、老朽化対策と同時の拙速な適用拡大であると言わざるを得ません。
 高齢化、人口減少が予測される今こそ、マイカー中心の交通政策から、交通弱者の移動権を保障する公共交通中心の交通政策に政策転換するべきです。
 以上申し述べ、本法案に対する反対討論といたします。
#96
○委員長(藤本祐司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 道路法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(藤本祐司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、田城君から発言を求められておりますので、これを許します。田城郁君。
#98
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。
 私は、ただいま可決されました道路法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本維新の会・結いの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    道路法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
 一 高速道路の安全性を確保するため、その維持管理に万全を期すること。また、高速道路の更新は緊急度、優先順位の高い公共事業であることから、最重点課題として位置付け、公費投入の検討も含め、その加速を図ること。
 二 協定及び業務実施計画に特定更新等工事を追加する場合には、コスト削減に努めるとともに、大規模修繕については、その内容を精査し、安易な将来世代への負担の先送りをしないようにすること。また、特定更新等工事について、その必要性、工事内容等の妥当性に関して客観的評価を実施することにより透明性を確保すること。
 三 高速道路ネットワークは国民共通の社会資本であることから、その一層の有効活用を図るため、通行料金の引下げ、交通混雑を引き起こすことなく、かつ利用度が画期的に改善される路線等における早期の無料化など、利便性の向上を実現する方策について、技術、運用、資金、制度面等、多様な角度から引き続き検討すること。
 四 高速道路の利用実態の把握に努め、その債務償還状況に応じて、償還の繰上げに努めること。
 五 大規模更新等の財源確保及び債務償還に当たっては、高速道路会社の経営に著しい影響を与えない範囲内で、高速道路各社の利益剰余金の活用等を図るなど利用者の負担軽減に努めること。
 六 高速道路会社の経営スリム化を図り、建設債務の償還期間の短縮に努めること。
 七 高速道路債務の償還満了後においても維持管理費用については利用者負担を求めることや、高速道路の混雑緩和のためのロードプライシング導入等の可能性について検討すること。
 八 償還対象経費から用地費を除外することによる償還期間の短縮と通行料金の低減を検討すること。
 九 ICTの高度化により交通流動を最適化し、高速道路網の活用効率をより高めるフレックス料金制度の導入について検討すること。
 十 道路上空の立体利用に当たっては、周辺土地利用との調和に留意し、都市計画との整合を図ること。
 十一 道路の高架下の活用に当たっては、公共的・公益的利用を優先するとともに、地域における土地利用状況との調和を図り、地域住民の意向に配慮すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
#99
○委員長(藤本祐司君) ただいま田城君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#100
○委員長(藤本祐司君) 多数と認めます。よって、田城君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣。
#101
○国務大臣(太田昭宏君) 道路法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。
#102
○委員長(藤本祐司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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