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2014/06/17 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 国土交通委員会 第22号
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2014/06/17 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 国土交通委員会 第22号

#1
第186回国会 国土交通委員会 第22号
平成二十六年六月十七日(火曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     森屋  宏君
     河野 義博君     山口那津男君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     河野 義博君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     田中 直紀君     浜野 喜史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤本 祐司君
    理 事
                赤池 誠章君
                渡辺 猛之君
                田城  郁君
                広田  一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                森屋  宏君
                田中 直紀君
                野田 国義君
                浜野 喜史君
                前田 武志君
                河野 義博君
                室井 邦彦君
                田中  茂君
                和田 政宗君
                辰已孝太郎君
                吉田 忠智君
   衆議院議員
       国土交通委員長  梶山 弘志君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       国土交通副大臣  高木  毅君
       国土交通副大臣  野上浩太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       坂井  学君
       国土交通大臣政
       務官       中原 八一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        日原 洋文君
       厚生労働省職業
       安定局次長    宮野 甚一君
       国土交通省住宅
       局長       井上 俊之君
       国土交通省鉄道
       局長       瀧口 敬二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○マンションの建替えの円滑化等に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、高橋克法君が委員を辞任され、その補欠として森屋宏君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤本祐司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省住宅局長井上俊之君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤本祐司君) マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○豊田俊郎君 委員長から御指名をいただきました自由民主党の豊田俊郎でございます。
 国会議員になってもう十か月たちますけれども、初めての委員会での質問でございますのでいささか緊張しておりますので、ひとつよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 参考資料で今資料をお配りをさせていただきました。実は、千葉県出身でございまして、八千代市の生まれ、育ちでございまして、三期八千代市長を務めておった関係で、市のPRも兼ねて資料を付けさせていただいたんですけど、実は、私の住む八千代市でございますけれども、住宅団地発祥の地でございます。日本で初めて住宅団地ができた地域でございます。二枚目の方に記念碑の写真を載せてもらっておりますけれども、昭和三十年でございますので、随分早いうちから東京のベッドタウンとして住宅が建ってまいりました。一枚目の絵は二階建ての長屋式の住宅兼店舗でございますけれども、当時はトタン屋根の家がほとんどでございましたけれども、初めて瓦屋根の大変モダンな住宅ができまして、我々も憧れの住宅でございました。
 その後でございますけれども、次々と大きな住宅団地ができてまいりました。特に、高津団地、米本団地、それから村上団地、ここはいわゆる高層のマンション、分譲のマンションでございます。今回のいわゆるマンション建て替え円滑化等に関する法律の適用施設が相当点在しているわけでございまして、今回の法改正についても注視をしてまいったところでございます。
 実は、阪神・淡路大震災後、いわゆる耐震化に対しまして、国の補助金を活用した事業、補助制度を我が市も創設をいたしております。なかなか国、県の補助が満額というわけにはこれはもうまいりませんで、民間住宅でございますので、ある一定の枠組みの中で補助金をいただいて、耐震診断、併せて耐震改修と、この事業を市としても立ち上げてまいったところでございますけれども、実は、この耐震改修、耐震診断、なかなか進展というか、希望する人が出てまいりません。予算を計上しても予算に満たない、執行残がどうしても出てしまうという状況が続いておりました。
 その後、議会等でも、マンションに対する耐震診断、また耐震補強、この面の予算要望をする議員の方々もいらっしゃいましたけれども、マンションということになりますと費用も多額になりますし、相当難しい権利関係等も発生するということでございまして、いまだに我が市においては実施をいたしておりませんけれども、実は近隣市の中には千葉市、それから市川、松戸、柏といったような、ここも多くの集合住宅を抱えた地域がございますけれども、ここでも実はマンションに対する耐震診断、耐震補強の事業を実施しておりますけれども、実際のところ、実態でございますけれども、千葉市においても、平成二十三年、応募件数は一件、実績はゼロということでございましたし、二十四年、応募件数は一件、二十五年も一件ということでございます。市川市においても、応募件数が一件、実施が一件ということで、大変低い実施率ということでございます。
 そこで、お伺いをいたしたいんですけれども、今回の資料の中にこれまでのマンションの建て替えの実績の累計数でございますけれども、百八十三件、約一万四千戸と伺っておりますけれども、実際、市単位で許可した案件は何件なのか、教えていただきたいというふうに思います。
#7
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 マンション建て替え法における建て替え事業の認可事務、例えば組合の設立認可でありますとか権利変換計画の認可、これにつきましては、この法律ができた平成十四年当時は都道府県知事の権限に属するということで、特例としまして政令市、中核市、特例市については市長が認可をするということにされておりました。その後、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の改正に伴い、二十四年四月から認可権限は全て、市については市の市長に移譲されてきたところでございます。
 これまでマンション建て替えの実績百八十三件のうちマンション建て替え法で認可を得ているものは五十件でございまして、残りは区分所有法の手続で認可ということなく進めたものでございますけれども、この五十件のうち市で認可したものについては二十一件ということでございます。
#8
○豊田俊郎君 十四年から五十件ということでございますけれども、今回この円滑法の条文読ませていただいたわけでございますけれども、改正部分でございますけれども、私が建て替えの状況をイメージするに、実際には、居住している方々が建て替えをもちろん希望するわけでございますけれども、建て替えする方が主体的に事業を行うような仕組みというよりも、どちらかといえば、マンションを買い受け、除却、代替住宅の提供、あっせんを行う買受人、いわゆるディベロッパーが主体とならざるを得ないんではないかなと、そんな観点で今回の改正法を読ませていただいたんですけど、その辺について御意見を伺いたいというふうに思います。
#9
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 本法案のマンション敷地売却制度は、区分所有者が主体になってマンション敷地売却決議まで、ここまでは丁寧な合意形成をやっていただいて、さらに買受人、ディベロッパーを選定をしていただくということになってございます。
 御指摘のように、従来の建て替え事業ですと、その後、権利変換というのを作ります。これはもう権利調整でございまして、従後どういうマンションを造るか、その何号室に誰が入るかということまで全て住民主体の組合が表に立って調整をする仕組みでございましたけれども、今回は御指摘のように買受け後は買受人、ディベロッパーが主体になるというような仕組みになってございます。
 したがいまして、この買受人の方には、区分所有者あるいは借家権者の生活の再建にも一定の責任を持っていただくというようなことで、区分所有者、借家人の要請に応じた代替の住居、これを提供、あっせんしていただく義務を課して、さらにこの義務が履行されないときには都道府県知事が監督をするというような仕組みになっているところでございます。
 ディベロッパーが主体になりますけれども、住民がやる事業でございますので、住民の立場を忘れることなく執行されるようにガイドラインを整備しまして、私どももそういう運用がされるように努めてまいりたいと思います。
#10
○豊田俊郎君 ガイドラインを整備するということでございますけれども、一日も早いガイドラインの提示をお願いをしたいというふうに思います。
 次の質問に入ります。
 この改正法でございますけれども、百五条の規定による容積率の緩和特例についてお伺いをしたいというふうに思います。
 建築基準法第五十二条一項から第九項まで、また第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができるとなっておりますが、どの程度まで超えることができるのかについてまずお尋ねをしたいというふうに思います。
 また、今回のマンション敷地売却制度で、建築審査会の同意も含め、どの段階で許可が行われるのか、このことについても教えていただきたいというふうに思います。
#11
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 本法案におきます容積率特例は、耐震性不足のマンションの建て替えについて、従来ありました総合設計制度でありますと公開空地を供出していただくと、ここの公益性に着目をしまして容積にボーナスを出すということでございますが、今回は危険な耐震性不足のマンションを除却をしていただくということの公益性にまず着目をしまして、その上で地域の防災性とか景観とか環境に寄与していただくことを評価して行政庁が許可をすると、こういう仕組みになってございます。
 どのぐらいということでございますけれども、一律にお示しすることはなかなか困難でございますが、従来の総合設計が大体一・五倍ぐらいが主として一番多かった、中には二倍近いというのがありますが、それと同様になるんではないかというふうに考えております。
 また、マンション敷地売却決議に当たって、本容積率特例が適用された結果が売却額に反映されるということになりますので、できるだけ早い時期に許可がされないとディベロッパーの方が利益を得るということになります。したがいまして、買受け計画を認定する手続と並行して行政庁の方に事前協議をしていただきまして、できるだけ早くに見通しを示して進めていただくようにしたいと思います。
#12
○豊田俊郎君 並行して進めるということでございますけれども、いわゆる緩和規制においては建築審査会の議を経るということになろうかというふうに思いますけれども、なかなかこの建築審査会というのが難しい組織でございまして、もちろん、住民の意見を聞きながら、住民の代表、まあ学識経験者で組織しているのが通常でございますけれども、なかなか反対住民、賛同を得られない住民がいると、ほかの案件でございますけれども、なかなかその許可に至らないというケースも多々あるわけでございまして、今回の円滑法でございますけれども、その辺をクリアにしていくというのが本来の目的でございますので、その辺の充実をよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。
 さらに、改正法第百十五条で区分所有者等の居住の安定の確保に関する国及び地方公共団体の責務を規定しておりますが、具体的には、どのような状況を想定して、どのような措置を講ずる予定なのか、その辺についてお伺いをしたいというふうに思います。
#13
○政府参考人(井上俊之君) お答えを申し上げます。
 本規定は、国及び地方公共団体の区分所有者等の居住の安定に関する一般的な責務を規定するものでございます。したがいまして、これに沿ってどういう指示で何をやるかということでございますけれども、まず、区分所有者の負担を軽減してさしあげて、できるだけ従後にしっかりした住居に住んでいただくと、こういう観点からは、一つは費用の補助、それから売却時の譲渡益に係る税制特例、それから金融支援機構の高齢者向けの返済特例というようなことが国の責務としては実施を考えているところでございます。
 また、借家人の居住の安定に関しましては、移転に充てた補償金に関する税制特例、それから高齢者の借家人の方の家賃債務保証の整備、こんなことを考えてございます。
 さらに、技術的支援としては、ディベロッパーによる代替建築物の提供、あっせん、借家人に対する補償費の支払が適正に行われるようなことをガイドラインでしっかりお示しする、こういうことが考えられると思います。
 公共団体につきましては、国の補助に付き合うこれも補助、それから公共賃貸住宅の既存のものでございますけれども、これを活用してお困りの方に入っていただく、こんなようなことが考えられると思います。
#14
○豊田俊郎君 さらに、改正法の百四条、百十条、百十一条、百二十三条等において「都道府県知事等」と、書き出しに都道府県知事の役割について記載がございますけれども、この「都道府県知事等」、最終的には、先ほどの話によりますと、特定行政庁及び市制施行をしている市においては市長がその責めに任ずるというようなお話がございましたけれども、この「都道府県知事等」というのはその理解でよろしいのか、お尋ねしたいというふうに思います。
#15
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 要除却認定マンションの除却に係る指導、助言、指示、それから買受け計画の認定、買受け計画の変更の認定、さらにマンション敷地売却組合の設立認可の公告、これが御指摘いただいた条文でございますけれども、これらの条文につきましては、御指摘のとおり全て「都道府県知事等」ということで、市の区域においては市長が行うということでございます。
#16
○豊田俊郎君 この建て替え事業でございますけれども、本当に市長の役目、役割というのが大変また負担を生じるというふうな形で読ませていただいております。
 実は、私の先ほどの市でございますけれども、今人口は十九万三千人でございます。急激に発展した市でございますけれども、先ほど申し上げました、五十六年以前に建てられたいわゆる団地の戸数でございます、今、八万二千三百軒を超える戸数を数えておりますけれども、この五十六年、旧耐震基準で建てられた団地でございますけれども、一万七千八百九十五軒ございますので、一つも改修が進んでいないということでございますので、これ大変な負担になるというふうに思っております。
 そこで、実は平成二十年、住宅・土地統計調査が行われましたけれども、その調査結果でございますけれども、旧耐震の住宅に住んでいる世帯の年齢、これ私どもの市でございますけれども、半数が実は六十五歳以上の高齢者であり、旧耐震の住宅に住んでいる世帯の年収を見てみますと半数が年収三百万円未満という、高齢で年金生活の方が老朽化した住宅に住んでいるというのが現状でございます。
 今回、市長の判断、市長の役割というのが大きくクローズアップをされるわけでございますけれども、NIMBYという言葉があります。ノット・イン・マイ・バックヤード、これアメリカの格言だそうでございますけれども、どういうことなのかといいますと、必要なのは分かるが、うちの近所には迷惑施設を造るのは勘弁してくれという、今、日本で言うなれば地域エゴとでもいいましょうか、総論賛成各論反対ということだろうというふうに思います。特に、原子力発電所の問題、それから軍事施設、米軍の基地の問題、地域においてはごみの処理場だとか刑務所、また斎場や葬儀場なども迷惑施設になるわけでございます。最近では、この間の新聞見ますと、保育所も一部迷惑施設だというような考えの方もいらっしゃるというふうに伺っております。
 首長は、賛成してくれる人ももちろん住民であり、有権者であり、場合によっては支持者でございます。また、反対をする人、賛成しかねる人、この人たちも実は、もちろん住民でありますし、有権者でありますし、場合によっては支持者ということになるわけでございます。この首長が判断をするという上では、実はこの五分の四という数字、まあ改修においては去年、四分の三以上の同意ということになりましたけれども、なかなかこの判断基準が難しいところでございます。
 この辺、私の個人的な考え方とすれば、地方分権という流れ、考え方からすれば逆行をしているかもしれませんけれども、もう少し国とか県の責務、ひいては、緩和規定の場合等においては第三者機関による判断、こういうことも考えていかなきゃならないだろうというふうに思います。
 いずれにしろ、負担が大きくなる今回の改正でございますけれども、最後に大臣に伺いたいというふうに思います。市が行う業務や住民等の対応について負担が増大すると思われるが、市や県への指導についてどう考えているのか、大臣のお考えをお伺いして、終わりたいというふうに思います。
#17
○国務大臣(太田昭宏君) 本法案のマンション敷地売却制度におきましては、耐震性不足の認定は建築主事を置く特定行政庁、買受け計画、これ非常に大事なんですが、この認定や組合の設立認可、分配金取得計画の認可は都道府県知事又は市長、そして、今までなかなかこれが進んでこなかったという点からいきまして、これを更にマンションの建て替えを進めていこうということの中で市長さんの役割というものは大変大きくなって、ある意味では負担が確かに大きくなってくるという状況かというふうに思います。
 国として、これは認定、認可も含めた運用につきまして、マンション敷地売却制度に係るガイドラインを示す地方公共団体向けの説明会を実施すること、そして、何よりも国交省としてしっかり相談に乗って、ちゃんと親切にというか、初めての制度でありますから、それをしっかりやるということをお誓い申し上げたいと思っております。
#18
○豊田俊郎君 ありがとうございました。
#19
○野田国義君 民主党の野田国義です。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず冒頭、昨日の石原環境大臣の発言、最後はお金、最後は金目でしょという発言、これはもう断じて許すことのできない失言であると。本当に、今、この中間貯蔵施設、大きな国の問題であろうと思っております。そういう中に、被災者あるいは地元福島県の皆さんを逆なでするような発言があったということは断じて許すことができないと冒頭申し上げまして、質問に移らさせていただきたいと思います。
 まず最初に、北陸新幹線の談合問題でございますけれども、私も過去二度この質問をさせていただきまして、第三者機関をつくってしっかりと調査をし、そして改善策を立てていくという大臣の発言もあったところでございますけれども、その後、第三者機関を立ち上げてどういうことが判明してきたのか、よろしかったら教えていただきたいと思います。
#20
○政府参考人(瀧口敬二君) 四月三日の委員会におきまして鉄道・運輸機構理事長から答弁申し上げたとおり、機構においては三月二十七日に外部有識者による第三者委員会を立ち上げまして、翌二十八日に開催された第一回委員会におきまして、理事長から、職員二名が起訴されたことや公正取引委員会から機構へ出されました改善措置要求や申入れの内容などについて説明をいたしております。
 機構によりますと、その後第三者委員会はこれまでに、今回の事案に関する機構の役職員等約二十名に対する聞き取り調査を行っております。また、三月四日に機構が公表いたしました当面の再発防止策、これは六項目ございましたが、この再発防止策についての実効性の評価などを行っております。今後、事実関係の更なる解明のため、引き続き関係者の聞き取り調査を行うとともに、その聞き取り結果の分析や再発防止策の検証を行った上で、提言が取りまとめられる予定というふうに聞いております。
 国土交通省といたしましては、第三者委員会が調査結果などを取りまとめ次第報告を受けることになりますが、いずれにいたしましても、今般のような事案が二度と発生しないよう、鉄道・運輸機構に対しまして徹底した対策を講じさせるよう対応してまいります。
#21
○野田国義君 私は、なれ合いと申しますか、そういうことが今回の事件を生んだと思っております。ですから、今後は、天下りあるいは就職のあっせんなどないようにしっかりとやっていくことがこういう事件を起こさないことにつながると思いますので、ひとつ太田大臣のリーダーシップをしっかり発揮していただきたいと思います。
 それで、住宅政策の方に入っていきたいと思いますけれども、まず、ちょっと政策の全体像と申しますか、私も豊田委員と同じく市長も長くやらせていただきましたので、公の住宅、今回の法案は民間の住宅に対して一つのメニューを示していただいたと思いますけれども、公の住宅が非常にやっぱり首長やっていると気になってくるわけでございまして、恐らく皆さんのお手元にもお配りしておりますけれども、まず、雇用促進住宅、全国に本当にたくさんあるわけでございまして、約十四万戸ですか、約十四万戸、それから一千二百六十六住宅ですか、あるということでございます。それから、URが七十五万戸ですか、七十五万戸、それから、ちょっと総務省に問い合わせましたところ、いわゆる公共の借家、いわゆる県営それから市営住宅、町村ですね、これが二百万戸、約二百万戸あるということでございまして、私、このことも非常に大きな問題に今後またなっていくのではなかろうかなということを以前から思っておりましたので、ちょっとこのマンションの前に少し質問をさせていただきたいと思っているところであります。
 この雇用促進住宅でございますけれども、今何か廃止にしようというようなところも随分と全国見受けられるわけでございますけれども、どういう考えの下にあるのか、お考えをお聞きしたいと思います。
#22
○政府参考人(宮野甚一君) お答えを申し上げます。
 雇用促進住宅でございますけれども、この制度につきましては、就職に伴い住居の移転が必要な方のための宿舎の整備ということで設けられた仕組みでございますけれども、こうした役割につきましては、その役割を果たしたのではないかということで、平成十九年六月の閣議決定におきまして、平成三十三年度までに譲渡、廃止を完了することとされたところでございます。
 今申しましたとおり、中長期的には譲渡、廃止を行っていくべきものと考えており、閣議決定で定められました譲渡、廃止期限であります平成三十三年度に向けまして、着実に譲渡、廃止を進めてまいりたいというふうに考えております。
#23
○野田国義君 この雇用促進住宅は、皆さんも御承知かと思いますが、昭和三十六年ですが、雇用促進事業団によって開始されまして、今何か話題になってきておりますけれども、JEEDに、平成十一年ですか、委託されたということで、またそこから委託されて雇用振興協会が今何か管理をしているというようなことでございますけれども。
 これ、三十三年までに廃止をするということでございますが、お手元に資料を出しておりますように、まだ未廃止決定、これが六百八十五住宅ですか、あるわけですけれども、もう平成三十三年というとすぐでございますけれども、この住宅を、本当に大丈夫なんでしょうか、廃止できるんでしょうか。
#24
○政府参考人(宮野甚一君) お答えを申し上げます。
 今お話ございましたとおり、この雇用促進住宅につきましては、まだ入居されている方も当然ながらいらっしゃいます。したがいまして、一方でそういった方についての配慮というものも非常に重要でございますけれども、そうした配慮につきましても十分踏まえつつ、私どもとしては平成三十三年度までに譲渡、廃止に向けて取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#25
○野田国義君 いやいや、だから、本当に三十三年度までに廃止するという、これ相当努力をしませんとできないということでありますし、また、これも本当に国民の雇用保険を使って建ててきたということでありますので、私は無駄なくやっぱり活用していくと。
 グリーンピア、厚生年金ですか、それを使って、あれも大きな問題になりましたけれども、この雇用促進住宅も何らかの、例えば民間で活用してもらうとか、あるいは福祉、高齢者住宅に変えるとか、いろいろな知恵を出して活用しないと、本当にこれ無駄遣いということを言われてもしようがなくなるんじゃなかろうかと思いますが、もう一度お願いいたします。
#26
○政府参考人(宮野甚一君) お答えを申し上げます。
 この雇用促進住宅の譲渡、廃止につきましては、今委員からも御指摘がございましたとおり、例えばこれまでも、地方公共団体へ売却をいたしまして地方公共団体において公的な住宅として活用していただく、あるいは民間に売却をして住宅として活用していただく、そういったような取組も進めているところでございます。引き続き、そういった様々な方法を工夫いたしまして取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
#27
○野田国義君 この雇用促進住宅、私も市長時代、譲渡というか申込みがございましたけれども、また公的な住宅を増やすということはなかなか後の維持管理が大変になるということで断った経緯もあります。ほかにも、文化施設とかあるいは野球場、これは非常に地元にとって必要でしたので譲渡していただきましたけれども。
 そういうことで、これはしっかりと知恵を出さないと、そしてまた計画を立ててやっていきませんと、なかなか全てが廃止できるということにはならないと思いますので、国民の私は貴重な財産だと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと、このことをお願いをしたいと思っております。
 それから、URの問題でございますけれども、これも全国至る所にあるわけでございますけれども、千七百三十二団地ですか、そして戸数で七十五万戸あるということでございますが、これら、今の状況、それから今後はどういう展開をしていくかということ、お願いしたいと思います。
#28
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 都市再生機構におきましては、平成二十六年三月末現在で、御指摘いただきましたように七十四万八千戸の賃貸住宅ストックを保有しております。これにつきましては、委員の配付資料にもございますけれども、昭和四十年代に建てられたものが三十六万六千戸と半分ぐらい占めてございまして、これは老朽化が進んでいるほか、間取りとか設備も非常に古くなっているということでございます。
 これまで機構においては、三十年代のものは基本的には建て替えるということで整備を進めてまいりましたが、四十年代のものを全て建て替えるというのは現実的ではないというのが判断でございまして、ニーズの変化とか、それから人口も減りますので過剰な供給になっている地域もあるということで、リフォームとか部分的な建て替えとか、場合によっては団地を集約して戸数も減らしていくというような様々な手法の組合せによってストックの再編をしていこうということでございます。具体的な計画は機構の方で立てて、これに基づいて、例えば再編に合わせて地域に役立つような福祉、医療施設を誘致して団地再生を図っていく、拠点化していくというような取組も含めて進めているところでございます。
#29
○野田国義君 このURの住宅についてもしっかりと計画を持ってやっていただきませんと、恐らくまた後で本当に大変なことになる可能性があると思っております。
 あと、県営、市営が二百万戸あるということのようでございますけれども、実を言うと私、市長を十六年やらせてもらって、一戸も市営住宅は建てませんでした。なかなか住んでおられる方々が出ていただけないというか、そういう問題も含めて、あと、建てたらいいんだけれども維持管理、これが大変なんだということでありますので、これからの事業はしっかりそういうところまで、今強靱化の問題なんかもありますけれども、まさしくそこのところをしっかり見ていなかったということも言えると思いますので、そういうことを考えながら対策を講じていただきたいと思うところでございます。
 それでは、大臣の方にちょっとお伺いしたいと思いますが、今、住宅ストック総数が御案内のとおり五千七百六十万戸ですか、そして日本の世帯数は約五千万戸だそうでございます。ですから、一五%も上回っているということですね。片方では新築の住宅もどんどんどんどん建ってきておるということでございますし、そしてまた空き家も増えてきておるということでございます。
 総論として、今後の空き家問題や高齢者住宅とか、人口減というのが一番問題になろうかと思いますけれども、どうこの住宅政策お考えになるのか、御答弁をお願いしたいと思います。
#30
○国務大臣(太田昭宏君) 国土のグランドデザインということも今やっているところなんですが、御指摘のように、住宅をこれからどういうふうに、観点で、建てるというか維持管理というか、その思想性というものを持つかという、ここも転換点であろうというふうに思います。
 この法案は、耐震化ということに対しまして、耐震改修促進法、去年やりましたし、それに加えてマンション等における諸制度を整うという形になるわけですが、これから人口減少、高齢化、そして環境をということをもっと考えなくちゃならない、町全体でいいますと、スマートウエルネス住宅という町並みをつくっていかなくてはならない、こういう観点だと思います。
 高齢社会に対応するという観点を常に住宅問題で考えること、それから質という点を常にこれから考えていくこと、そして、それがそのまま連なってまちづくりという観点でいくこと。常にそこにはまた省エネルギー化、ゼロエネ住宅というものを考えること、まちづくりと相まって医療や福祉との連携というものを考えるという、ある意味では国土のグランドデザインの中で、交通政策基本計画という法をつくっていただいて交通政策基本計画を立てているところでありますけれども、同じように、これから住宅というのは一体どういう基本的な、今、市営住宅は造らないようにしたと、こういう話ですが、人口減少社会と財政制約の中で公営というものは一体どうするか、民間はどうするか、老朽化したマンションはどうしていくのか、一つ一つをやりながらも、全体像としての住宅総合計画というようなもののイメージを私はつくっていかなくてはいけないという問題意識を持っておりまして、この法案成立させていただいた後に、住宅局ともしっかり話合いをしながら、今日御質問のそうした、総合的にどういうふうにこれから住宅をしていくんだと、空き家対策というのはもちろんでありますが、という考え方にのっとって一つ考え方をつくっていかなくちゃいかぬと、こういうふうに思っておるところでございます。
#31
○野田国義君 しっかり総合的に取り組んでいただきたいなと思います。
 それじゃ、具体的な質問に入るわけでありますけれども、まず阪神・淡路大震災における建築物の被害状況をお聞きをしたいと思っております。
 昭和五十六年以前の旧耐震基準と、それ以降、新耐震基準があるわけでありますけれども、この被害状況に差があったのか、そのデータについてちょっと持っておられればお聞きしたいと思います。
#32
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 阪神・淡路大震災の被害状況、全体について悉皆で調べたものは残念ながらございません。復旧が優先でございますので、なかなか細かいところまで調べ切れないんだと思います。三宮駅周辺のおおむね震度七のエリア、ここで建築年別の被害状況の調査を建築学会が行った、これが一番詳しいものだと思います。
 当該調査によれば、倒壊、崩壊の割合は、新耐震の建築物では三%、旧耐震のものは一四%、それから、倒壊には至らないけれども大破したものの割合は、新耐震は五%、旧耐震は一五%ということで、数字の上からも歴然たる差があるということだと思います。
 この理由は、旧耐震では、中小地震に対して安全性を検証することで大地震にも一定程度大丈夫だろうと、当時の知見ではそういう判断で基準を定めておりましたが、昭和五十六年以降は、この中小地震の安全性に加えまして、大地震で建物全体が倒壊、崩壊をしないということのチェックを行いまして、より安全な建築物を求めるようになったと、こういうことからこういう差が出ているというふうに思っております。
#33
○野田国義君 聞くところによると、東日本の大震災では建物の倒壊等は余り状況、被害は出なかった。やっぱり地震の質によるのかなと思いますけれども、しっかりとした対策をやっていく、その効果も出るということでございます。
 それから、昨年、建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正をされまして、マンションの耐震改修の際の決議要件が緩和されたのに続き、本法律案では、耐震性不足のマンションの建て替え等を円滑化することとされております。そこで、まず改正耐震改修促進法の施行により、マンションの耐震改修の進捗状況や補助制度の整備状況はどのようになっているのか、この補助が支援がないとなかなかできないと思いますので、併せてお願いしたいと思います。
#34
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 まず実施状況でございますが、大変申し訳ございませんが、十一月の二十五日施行でございまして、その日以降どうかということはちょっと把握をできておりません。
 ちなみに、東京都がかつて行った調査、これ二十三年の八月時点でございますけれども、一定のマンション調べたところ、大体耐震改修を行っておられるものが五・九%だったというような結果が出てございまして、こういう数字じゃ話にならないということで、いろんな施策をやっていかなければいけないということでございます。
 補助の状況でございますけれども、現状、マンションについては、一般的には耐震改修は国三分の一、地方三分の一、それから、あっ、ごめんなさい、耐震診断は三分の一ずつ、それから耐震改修は一一・五%ずつで二三%というのが一般的なルールでございまして、現段階では、市町村数でございますが、三四%の市町村で耐震診断の補助制度を整備していただき、二九%の市町村で耐震改修の補助制度を整備していただいているということでございます。
 あわせまして、昨年、マンションはこれ該当が多いと思うんですけれども、避難路の沿道の、倒壊すると避難路を塞いでしまうというようなものにつきましては耐震診断の義務付けを行いまして、補助率についても引上げをしてございます。診断については国、地方で全額、改修については国、地方で五分の四、これは最大ということでございますけれども、そういうような補助もやっておるところでございまして、この制度につきましては、東京都、大阪府などで、五都道府県二政令市で避難路沿道の義務化を既に始めていただいておりまして、これを今後は増やしていくということが課題だと思います。
 また、補助制度そのものも先ほど申しましたような普及状況でございますので、これを地方の御協力をいただいてできるだけ普及し、そして活用もしていただくように周知をしてまいるということも大事だというふうに思います。
#35
○野田国義君 この補助制度はしっかりやっぱり啓発していきませんと、自治体等含めてなかなか知らないという国民が多いと思いますので、努力をよろしくお願いをしておきたいと思います。
 それから次に、耐震改修のみならず、建て替えで耐震化を進める理由についてお聞きしたいと思いますが、昨年の耐震改修促進法の改正では新たな耐震改修工法も認定の対象となりまして、また、容積率や建蔽率の特例も設けられたので、法による制約で耐震改修でないというケースは少なくなったのではないかと思いますが、今般、改修だけでなく、マンション敷地売却や建て替えで耐震化を進めようとする理由は何か、また、諸外国で建て替えやマンション敷地売却に関する制度はあるのか、これだけ建て替え等が必要とされる背景には我が国の特有の事情があると思いますけれども、その辺りをどう考えておられるか、お聞きしたいと思います。
#36
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 まず、老朽化マンションの耐震化をどういう方法で進めるかということでございますが、マンションの居住者の方々の経済状況、それからマンション自体の評価といいますか価格みたいなもの、それから所有者全体の合意形成がどんなふうになっているか、それぞれのマンションで千差万別だと思います。基本的には区分所有者の皆様が、建て替えなのか、改修なのか、それから今回の売却なのかということを主体となってお決めいただくということが基本なんだと思います。
 昨年の耐震改修法の改正で、改修については御指摘のように過半数の決議でできるようになりましたので、合意形成を改修に持っていくということは非常にこれで容易になると思いますが、中にはどうしても建て替えたいと思っておられる方が多いマンションもあるわけでございまして、そういう場合にできるだけやりやすい仕組みを整備して選択肢を増やしてさしあげるということが重要だというふうに思います。今回の敷地売却制度は、まさにそういう選択肢を新たに増やして、この事業にマッチしたところで建て替えをしっかり進めていただくために創設をしたということでございます。
 それから、諸外国の問題でございますが、これも国によりましてマンションができてきた歴史的、社会的背景、あるいは民法を中心とした法体系、こういうものがそれぞれ全く異なっておりますので、非常に特色的でございます。例えばシンガポールや韓国は土地が余りない、特に韓国は、ソウルの周辺でございますが、その中で住宅が非常に不足しているという状況にあって、売却や建て替えで居住者にも開発利益が相当回ってくるだろうと、こんなことで、シンガポールでは一括売却制度を、韓国では行政が強く関与した形の建て替え制度を採用している。それから、アメリカにおきましては、区分所有法の解消制度というのが各州で設けられていますが、どうもよく調べますと、ハリケーン等で災害の被害を受けたもの以外は余り活用の実績がないというようなことでございます。諸外国もそれぞれ制度を持ちながら活用しているということだと思います。
 我が国の事情としては、まさに地震に対する非常に危険性がある中で、昭和五十六年以前のものが現段階で見ればかなり危ないものが多いということは我が国固有の状況だというふうに思っておりまして、そういうことを背景に今回の法案をお願いしている次第でございます。
#37
○野田国義君 諸外国とはなかなか状況も違うので比べられないと思いますけれども、しっかり日本に合ったいろいろなやり方を見出すということが必要なことかなと思っております。
 建て替えの実績、評価について次に質問したいと思いますが、平成十四年に制定された現行のマンション建て替え円滑化法は、区分所有法による建て替え決議後の建て替え事業を円滑に行うため、建て替え組合に法人格を与えるとともに、所有権や抵当権を建て替え後の建物へ円滑に移行させる権利変換の仕組みを導入したものでありますけれども、同年の区分所有法改正による建て替え決議要件の見直しと併せて建て替えが進めやすいよう法整備がなされたわけでありますけれども、それ以前と比べて建て替えの実績はどう変化をしてきたか、その評価と併せてお聞きできればと思います。
#38
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 平成十四年に御指摘のように建て替えの決議要件、これ費用の過分性の要件というのがありましたけれども、この要件をなくしました。あわせて、マンション建て替え円滑化法を制定をしましてこの権利変換方式を導入したということでございます。
 ちょっと数字をよく調べてみましたが、平成九年から、マンション建て替え円滑化法に基づく建て替えが始まったのが十八年でございまして、準備期間もございますので、この八年間でマンション建て替えは四十六件でございました。これは組合方式ではない、権利変換ではない、従来のやり方のみでございます。十八年から二十五年までの八年間で同じ数字を取ると合計九十二件ということで件数増えてございまして、円滑化法による建て替えが五十件、それから円滑化法によらない建て替えもまだ選択をされていまして、これが四十二件ということで、件数を見る限り、法改正をやってその分新しく建て替えが進んだというふうに見れると思います。
#39
○野田国義君 この制度のメリット、デメリット及び売却後の土地利用のニーズについてお伺いをしたいと思いますが、これまで建て替えは実現しなかった、マンション敷地売却ならば実現が見込まれるマンションとはどのようなものであるか、制度のメリット、デメリットと併せて説明をお願いしたいと思いますが、売却後の土地利用としてどのようなニーズがあるのか、非常に大切だと思いますので、お伺いをしたいと思います。
#40
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 従来の建て替え制度と今回の売却制度の最大の違いは、従来の建て替えは権利変換で、マンションからマンションに、もちろん新しくなりますけれども置き換わるということに対して、今回、制度上は、従来のマンションが、土地も含めてでございますが、お金に換わるというところでございます。したがいまして、従後のマンションが建つ保証がないものですから、お住まいの方の所有権あるいは借家権ということに対する措置が従来の制度よりは充実しなければいけない、こういう面があろうかと思います。
 それから、従来ですと、権利者の皆さんがお互いの権利の調整を全部自分たちが表に立ってやっていくということで、非常にこれが煩瑣でございまして負担になっていたということでございますが、これ先ほどもお答え申し上げましたように、一定のところから先は都道府県知事の監督の下にディベロッパーがやるということでございますので、ここも負担の軽減が図れるんだというふうに思います。
 用途の問題でございますけれども、基本的に土地柄が変わらなければ、マンションが建っていたところにはまたマンションが再建されるのが普通なのかなというふうに思いますけれども、経済合理性みたいなことで、例えば事務所を建てたりショッピングセンターを建てたりということの方が高値で売れるということになれば、当然そういう選択もあり得るのかなというふうに思いますし、また、住み替えが一回で済むということで、別のところに土地をお求めになって、そこに建て替え後のマンションを近所に建てて、でき上がった後、そこに移った上でマンションを売るというようなやり方も可能になりますし、また、ディベロッパーの方が土地を買った周りの地域も巻き込んで再開発するというような使い方もできるんではないか、かなり多様な展開も考えられるというふうに思っております。
#41
○野田国義君 いろいろな展開をして促進をしていくということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、私、実を言うと、一番最初の分譲マンションと言われております四谷コーポラスですか、あちらの方を見に行かせていただきました。二十八戸ですか、の住人がまだ住んでおられるということでございますけれども、昭和三十一年、私が三十三年生まれでございまして、二つ年上でございますので五十八歳で、今現在も住んでおられるということで、随分古くなっておりまして、まだ耐震なんかも工事もやられていない。
 ちょうどそこに管理人さんがいらっしゃいまして、少しいろいろな話をさせていただきましたが、いろいろなことを提案もされているそうです。耐震の問題、それで改修の問題、それからもう全部売っていっそのことほかのところに建てようかというような検討もされているそうですけれども、まあなかなかですね、話はまとまりませんよと。じゃ、どのくらい反対する方がいらっしゃいましたか。そこまで行き着きませんでしたと、まだですね。何か提案すると、いやいやいやいや、もう自分はここにおるとか、空き家が出てくると、何か同じ方が三戸ぐらい買われる方もいらっしゃるそうでございます。また、変な人が入ってくると余計にややこしくなってくるというようなことで、それがちょっと危ないよねとか話をされておりましたけれども、本当にこれ難しいんだなということを改めて感じたところでございますので、いろいろなメニューを用意して努力をしていかなくちゃいけないと、これが一つの今回の法律でもあろうと思いますけれども。
 そこで、借家人に対する措置、このことについてお伺いしたいと思いますが、国土交通省の資料によりますと、マンションは年月とともに第三者に賃貸する住戸が増加することが示されており、本法律案の対象となる耐震基準のマンションには借家人も多いと思われます。借家人への対応としては、借地借家法による正当事由に該当するかなどが問題とあるが、補償金の支払と代替住宅の提供、あっせんというあっさりとした対応でこれ十分なのかなと。今も申し上げましたように、なかなかざっといきませんよというのが現場の声でございましたけれども、いかがでしょうか。
#42
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 本法案のマンション敷地売却制度は、まず耐震性の不足しているものに限ると、危ないものですよということが大前提でございます。その前提に立って、借家権につきましては、おっしゃるように、御指摘いただきましたように、補償金の支払と代替住居の提供、あっせんというのが法律上の仕組みでございまして、補償金につきましては、公共用地補償基準に準じた客観的基準によって、適正な額の補償料、移転料等をお支払をするということ、それから、代替住居の提供、あっせんにつきましては、買受人であるディベロッパー、この方々が借家人の方の意向をよく調べて聞いた上で、できるだけ御希望に沿う住宅を御用意するということが大前提になろうかと思います。
 この点につきましては、ガイドラインで定めた上で、都道府県知事がしっかり監督をするという仕組みに、知事と市長でございますけれども、監督をするという仕組みになってございまして、一義的には十分な措置だというふうに思っておりますが、現実には御指摘のようにいろんなケースがあろうかと思います。そういう方々については、例えば公共住宅のあっせんでありますとか、地域の居住支援協議会というのが設けられておりますので、ここで民間住宅も含めてネットワークを活用してできるだけ御希望に沿う住宅を探してさしあげるだとか、そういう重層的な取組も行うことといたしておりますので、漏れがないように、しっかり丁寧な運用をしてまいりたいと思います。
#43
○野田国義君 次に、この反対者ですね、ちょっと私、これ読ませてもらって、これでいいのかなと思ったものですから質問させていただきたいと思いますが、マンションの敷地売却決議の後、売却に参加する区分所有者が分配金を受け取るとされておりますけれども、そこで、売渡しの請求における時価とこの分配金、それぞれの金額の決め方について、何かちょっと私、違和感感じるものですから、説明をいただきたいと思いますし、その上で、現行の建て替え制度の場合は、建て替えに参加する者は再建されたマンションを手に入れて、参加しない者は売渡し請求による時価でお金を受け取るという仕組みであるのに対し、マンション敷地売却制度では、参加者は分配金、反対区分所有者は売渡し請求による時価と、いずれもお金を受け取ることになるわけです。
 ある区分所有者にして、売却に参加するかしないかによって手にする金額に差が付くこともあり得るのかなと。そのようなことで無用の混乱を生じないように、反対区分所有者も強制的な売却手続に参加させ、分配金なら分配金に一本化した方がよいという考え方もあると思いますけれども、どうでしょうか。
#44
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 まず、売渡し請求の時価も、反対者の方の、それから分配金の額も、基本的には不動産鑑定を基準とする、考え方は同じでございます。ただ、時期が多少ずれるとかそういう面があろうと思いますのと、実は、分配金につきましては、恐らくディベロッパーがどういう条件を示してくるかということを、何社か出していただいて、そして競争させて透明なプロセスでディベロッパーを選ぶということになりますと、まあ評価は評価として、現実に出てくる額、お示しされる額というのは鑑定評価の中でも高い方に来るのではないかというふうに考えてございまして、結果的には、反対する方が多少低い額で出ていただいて、あと残った方は高い額になるということが一般的ではないかなと考えております。
 実は、マンションの今の建て替えの仕組みも今回の仕組みも、反対の方に出ていただくプロセスは全く同じように法定をされていまして、確かに権利変換の代わりに分配金という額なのでございますが、できるだけ早い段階でどうしても反対の方には出ていただけるような仕組みを従来の建て替え制度も今回の制度も同じように備えてございます。
 これは、反対者を抱えますと、例えば今回の場合ですと、権利消滅期日というときまでに退去をしていただかなければいけないということになりますが、反対のままの方を抱えておりますと、その時期になって私はやっぱり出ていかないということになれば、これは民事訴訟で出ていただくことになって非常に時間を要するようなケースも想定されますので、反対者の方にはできるだけ早く、結果、翻っていただいてもいいわけでございますので、賛否を決めていただいて、出ていただく方は出ていただくという方が事業運営には明らかに混乱が少なく、リスクも少ないというふうに思っております。
 ちなみに、従来の建て替え制度は、九六%の方が決議のときには賛成、残りの四%の方も五分の四は結果的には賛成に転じて、九九%の方が賛成ということで、平均像でございますが、事業が行われているということを付け加えさせていただきます。
#45
○野田国義君 今も申されましたけれども、やっぱりいろいろな紛争やリスクが出てくるんじゃないかなと思うんですね。ですから、そこに国交省が適切なガイドラインを示していく、基準、それが大切だと思いますけれども、それ示されますか。
#46
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、本制度をしっかり運用するためには、できるだけ明確な基準とか、それから円滑な手続の進め方に関するガイドラインを示すということは不可欠だというふうに思っております。そういう観点から、基準の中には政省令、告示でお示しするものもございますけれども、それを補う部分についてはガイドラインを作りまして、現場が困らないようにやってまいりたいと思います。
#47
○野田国義君 しっかりとお願いしたいと思います。
 それから、この法律で今回は容積率を緩和すると特例がうたわれているわけでありますけれども、耐震性不足を受けたマンションの建て替えにより新たな建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備、改善に資するものについて、特定行政庁の許可により容積率制限を緩和することとされております。
 容積率を増やせば、周辺と比べてボリュームの大きな建物が建ち、市街地環境の悪化を招くおそれもありまして、周囲とのあつれきを生まないよう、また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて潤いある市街地環境の整備が求められることも踏まえて適切に運用することが重要であると思います。
 どのような要件によりどの程度容積率緩和を可能とする考えか、また、既存の総合設計制度との違い及びそのような違いを設けた理由をお伺いしたいと思います。
#48
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、一般的な容積率特例としましては総合設計制度というのが既にございまして、この制度は、公開空地、皆さん、周りの方が使える空地を提供していただくことと引換えに容積のボーナスを出すというようなものでございます。
 マンションの建て替えの場合には、なかなか敷地もそう広くなく、住宅についてはプランの制約もございます。そういう中で、公開空地を思うように取れないでありますとか、あるいは、むしろ余り高くはしてくれない方がいいという周りの声があるような地域で公開空地を取ると、当然これは上に伸ばすことになりますので、そういう要件を設けない方がいいというふうなことも想定されることから、耐震性不足のマンションの危険を除去するという公益性に着目をしまして、従来のような公開空地を中心ではない評価制度を設けた上で容積率の特例を出す仕組みを設けたものでございます。
 具体的には、公開空地も出す場合にはこれは評価できますし、あるいは地域の防災性とか景観等の向上、こういった環境寄与の貢献も評価した上で特定行政庁が個別に判断をして許可をするということになると思います。先ほどもお答えしましたけれども、大体一・五倍ぐらいが上限なのかなと思います。
 この評価の仕組みにつきましては、これ、何にもないと行政庁もちろん困りますので、私どもの方で基本的な考え方をガイドラインとしてしっかりお示しをして、それを基に公共団体の方でそれぞれ地域に実情に合わせて運用していただくということだと思います。
#49
○野田国義君 ここもまた大きな問題になるおそれもあると思いますので、しっかり指導をお願いをしたいと思います。
 最後になろうかと思いますけれども、最初にも大臣に言っていただきましたけれども、いろいろな、高齢化社会を迎えて、そしてまたこれからは人口がどんどんどんどん減っていく。そういう中で、これから本当にどういった住宅政策をやっていかなくちゃいけないかということでございますけれども、年月とともに一律に建て替えが必要となるんじゃなくて、私、このことは非常に大切だと思うんです。スクラップ・アンド・ビルドとよく言われますけれども、そういう時代は終わったんだ、産廃最終処分場ですね、この問題からしても、本当に大きな問題なんです。日本だけがもうスクラップ・アンド・ビルドで建てては壊し建てては壊しということをしてまいったと私は思っております。その反省にも立ちながらやっていかなくちゃいけない。
 そして、私、先ほど話しましたように、四谷コーポラスですか、五十八年間たっております。ですから、鉄筋でしたら百年住宅と、百年は十分もつということが、私も専門家と話すわけでありますけれども、そういうことをおっしゃいますので、是非ともそういう方向でやっていただきたいなと。ですから、きちんと手入れをして長く大切に使うと、いいものを造ってですね。
 その点で、もう一つ、それに加えて、この間から、横浜ですか、販売されたマンションが徐々に傾いてきたというような事件が起きておるようでございまして、何か引っ越しをされている風景が映像で流れておりましたけれども、これはなかなか住人の方が指摘をしてもマンション業者が認めなかったというようなことがあるようでございます。ですから、やっぱり施工管理と申しますか、あの姉歯事件ですか、あのときには耐震の問題がいろいろと問題になりましたけれども、私はそういった管理をちゃんとやっていくということが必要なことだと思います。
 このことも併せて、大臣のこれからのマンションあるいは住宅に懸ける思いを述べていただけたらと思います。
#50
○国務大臣(太田昭宏君) 間違いなく質を獲得していかなくてはならない時代になっているというふうに思います。そういう意味では、住宅全体としましては間違いなくこの質は上がってきているというふうに思います。品確法に基づいての性能表示ということもありましたし、あるいは住宅瑕疵担保責任保険ということもありましたし、あるいは長期優良住宅ということをやっているということもありますから、全体的には質は上がってきているというふうに思います。
 そして、同時に、先生がおっしゃるとおり、いいものを造って手入れしていくという、日本は本当に百年住宅とか二百年住宅ということは、現実にはそういう感じがしないということが続いてきたと思いますが、欧米を考えてみましても、また木造ということでも、CLT、この間、法案審査いただきましたけれども、そうしたことで相当私は変わってくる、質を獲得するという時代に入ってきたというふうに思います。
 マンションについては、耐震化ということがこの法案の非常に大事なところでありますけれども、マンションの管理ということでマンション管理適正化法というのを十数年前だったと思いますが作って、管理組合自体がなかったことから、これをやらせていただいたり、長期修繕という方向を打ち出したりということでやっているわけでありますけれども、老朽化マンションの耐震化はこの法案でかなり進むのではないかというふうに思っています。
 横浜の例は、これ立派な会社がやったことではありますけど、支持基盤のところにくいがしっかり届いていなかったということがどうも原因のようでありまして、この辺は私のところにも本当に申し訳ないという直接連絡が入ったりしている状況ではありますが、施工ということについては、これはしっかりとして、我々は目を届かせなくてはいけないことだというふうに思っているところでございます。
#51
○野田国義君 これから、衣食住、このマンション政策ですね、非常に大切でございますので、しっかりとやっていただきますようによろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#52
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 今年の一月の八日でございますけれども、公明党マンション問題議員懇話会、また住宅振興議員懇話会というのがございまして、老朽化マンションの再生の促進方策に関する提言というのをさせていただいたところでございます。
 三点ございまして、一点は建物敷地売却制度を新たに創設すること、二点目は容積率等の建築規制の緩和措置を講ずること、三点目が建て替え等に関する相談体制あるいは紛争処理体制を整備すること、この三点について提言をさせていただいたところでございまして、今法案審議をしているわけでございますが、本当に大切な、この提言に沿ったといいますか、法案だというふうに承知をしているところでございます。
 さて、現行法制上、区分所有物である分譲マンションを取り壊して住み替えるためには、民法の原則に基づいて区分所有者全員の同意が必要であるわけでございますが、この法律案では、耐震性不足を条件として、区分所有者、議決権、また当該敷地利用権の持分の五分の四以上の多数によってこの敷地の一括売却を決議できるというふうにされているところでございます。
 また、いろんな関係団体からは、いや、耐震性不足だけじゃなくて、エレベーターが付いていないとか、あるいはもう陳腐化しているんじゃないのか、あと十年後になったらもう建て替える方がいいんじゃないのかというようなものも、そういうマンションの解消制度も創設した方がいいんではないのかなというような提言もあったわけでありますが、この法律案におきましては、この敷地売却決議の要件を耐震性不足ということだけ、かつ五分の四。五分の四もいろいろ、いやいや、二分の一とか三分の二とかいろいろあると思うんですが、五分の四にした理由付けとか、行った配慮といいますか、バランス感覚とか含めてどういうことが配慮されてきたのか、お示しをしていただきたいと思います。
#53
○政府参考人(井上俊之君) お答えを申し上げます。
 本法案につきましては、耐震性不足のマンションに関し、限ってということでございますけれども、国民の生命、身体の保護を図るという公共性の観点から、本来であれば一人でも反対者がいたらできない売却ということ、これは財産権の保障でございますけれども、これの特別措置として五分の四以上の多数決による売却ができると、こういう仕組みを新たに設けるということでございます。
 例えば、お年寄りがマンションを買いましたと。買ったマンションが、入ってみたら、情報公開何も買うときにはされずに建て替えの話が進んでいて、一年後には退去を余儀なくされた、こういうようなケースがどういう場合だったら許されるのかということが議論の中心でございまして、まさに財産権の保障という観点で、身体の安全、それも周りに対しても迷惑を掛けるこの耐震性不足ということ以外に認められるだろうかということで、私ども事業を進める立場ではできるだけ広くやりたいという気持ちもあったんですけれども、そういう財産権の保障との関係を議論して考えますに、現状ではこの問題は耐震性不足のものに限るべきだという結論に至ったと、こういうことでございます。
 決議要件につきましては、昨年改正されました被災マンション法に基づきます、大規模な震災によって大規模一部損壊したマンションの同じような建物敷地売却制度というのがございまして、これが同じように五分の四ということでございました。耐震性のないマンションも、ある意味では事前防災ということで、そういう形で倒壊する可能性があるということでこの五分の四の数字を引かせていただいた、こういうことでございます。
#54
○魚住裕一郎君 次に、相談体制といいますか、紛争処理体制についてお聞きしたいと思いますが、今回のこの枠組みでございますが、いろんな形で多角的に使えるという御答弁であったわけでございますが、ただ、やっぱり区分所有者それぞれいろんな価値観を持っておいでになるし、また専門知識が少ないということもございますし、やはりしっかりとした相談体制というのが大事かと思っております。
 今まで組合をつくってそれが推進をしてきた、今回はディベロッパーが入るんだよと。ただ、ディベロッパーもある意味じゃ利益相反する立場になるわけでございまして、やはりそれに踏まえた相談体制というのが一番大事なのかなというふうに思っておりまして、その辺どういうふうに考えるのか。
 また、反対する者に対しては、やはり時価をめぐって裁判とか結構なるだろうというふうに思っておりまして、その紛争処理体制の整備ということが非常に大事になってくるだろうと思っておりますが、この相談体制と紛争処理体制の整備についてお聞きしたいと思います。
#55
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 まず、一般的な相談窓口でございますが、これはマンションの管理あるいは建て替えについて、全てではございませんが、公共団体にも窓口を置いていただいておりまして、私どもでありますとか、あるいは公益財団法人マンション管理センターなどが情報提供などをしてバックアップをしているということでございます。そのほか、耐震改修・診断につきましては、これも財団法人になりますが、建築防災協会というところで、マンションに限りませんけれども、技術的な情報提供等を行っていただいております。
 こういうことで、既存にも相談窓口がございますし、それから、今回この制度ができますれば、公共団体を特に主体としていろいろな周知、PRもしてまいりたいというふうに思っているところでございますが、加えまして、本法案に関連して、現在、日本弁護士連合会と連携をいたしまして、マンションの敷地売却や建て替え、従来の手法も含めてでございますが、これに関しまして、弁護士、建築士、こういった法的あるいは技術的な専門家による相談体制、それから、いわゆるADR、紛争処理体制ができないかということで検討を行っているところでございます。
#56
○魚住裕一郎君 是非しっかりしたものをつくっていただきたいと思います。
 ADRとか、よく裁判外の紛争解決手続というふうになるわけでありますが、いずれも民事裁判が裏にあって支えているから機能するという側面がありますが、裁判所にとっても、恐らくそんな難しいことをいっぱい持ってこられてもたまらないというのがあるのかもしれませんが、しっかりした制度を是非つくっていただきたいと思っております。
 次に、容積率緩和特例の件でございますが、既に質問に出たところでございますが、どういう場合に認めるのか、かなり特定行政庁といいますか、判断を委ねられている。先ほど、豊田先生も含めて、首長の立場で悩む事例がいっぱい出てくるのではないのかというようなお話であったわけでございますが、やはり運用の基準というものをしっかりと示していくことが必要なのかなと。一方で、やはりせっかくの容積率緩和特例なわけですから、これも活用が進むようにすべきであろうと思っておりますが、この点につきましてどのように国土交通省としてはお考えなのか、お示しをしていただきたいと思います。
#57
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 従来からございます総合設計制度につきましては、もう既に相当程度普及を見ておりまして、私どもの方で一般的な考え方はかつてお示しをしておりますけれども、公共団体の方でそれぞれ環境寄与みたいなものをプラスにするとか、いろんな形でそれぞれの地域で定着して運用されているというふうに認識をしております。
 今回の容積率特例は従来の総合設計と異なりまして、公開空地の評価というのは基本的には必須要件ではございません。そういう意味で、全く新しい手法でございまして、これ、このまま法文を公共団体が受け取っても、さて、どうするものかということに当然なるわけでございまして、御指摘のように、許可の基準の考え方、これについては国土交通省でしっかり責任を持ってお示しをすることが重要だというふうに思っております。
 具体的には、許可に当たってどういうことを評価するか、防災性、あるいは景観、あるいは市街地環境の向上、こういうものがどういう貢献をしているかということ、そして、その取組を踏まえて容積率をどの程度緩和していいのか、こういうことをしっかり考え方をお示しをして、それを公共団体の方がかみ砕いてそれぞれで基準を作っていただくということになるんだと思います。
 ただ、全く新しい制度でございますので、許可基準の考え方だけでは動かぬよということに当然なってまいりましょうから、個別の話についてはまず私どもの方でしっかり御相談に応じたいと思います。加えて、各特定行政庁で許可基準が順次策定をされると思いますので、こういった許可基準の策定例、それから、実際に許可をしたものを、どんな考え方で許可をしたのか、こういうものをしっかりストックをして、定期的に整理をしまして公共団体の方に御提供してまいりたいと思います。
#58
○魚住裕一郎君 よろしくお願いしたいと思います。
 そして、本法案はやっぱりマンションが中心だと思いますが、先ほど来、団地型の分譲マンションについての先行質問があったわけでございます。豊田委員からは八千代台団地が示されましたけれども、私も親戚がおりまして、古いなというのが実感しているわけでございますけれども、ただ、太田大臣も、衆議院における審議の中で、団地の再生を進めるためにはマンション建て替え法による権利調整ルールの整備だけでは困難であると、その旨述べられていたわけでございますが、この分譲型団地の再生について検討がなされているのか、また何がネックになっているのか、今後の検討課題と併せてお示しをしていただきたいと思います。
#59
○国務大臣(太田昭宏君) 豊田先生の質問を聞いておりましても、かなり古いマンションというのが、昭和三十年代からのものというとかなり老朽化しているという感がいたします。ただ、昔のものは意外と耐震性はあって、壁構造のようになっているということもありますものですからかなり強いということもあるんですが、建て替えということが必要になってくるという、特に団地辺りであるというふうに思います。
 この一番の問題は、団地の複雑な権利関係の調整を行うことが現実的になかなか難しいということが、建て替えにこれを活用する、団地の建て替えにはなかなか困難であるという考え方の理由でございます。
 具体的には、一つの敷地に複数棟のマンションが建つ団地について、一つに幾つか棟があるわけですが、土地全体が全棟の区分所有者全員の共有になっていると。このため、その建て替えに当たっては全棟の区分所有者全員に対して合意を得ていくという手続が必要となるということになります。特に、分譲マンションだけでなくて賃貸住宅や社宅等混在しているという場合も結構あるようでありまして、そこで全員合意ということはなかなか難しいという困難さが伴うということだと思います。
 その一方で、老朽化やあるいは高齢化が進む団地の建て替えということは一方では大事な観点だというふうに思っておりまして、このことをどういうふうにしていくのかということが次の大きな課題であると。まず地震が迫っているということがありますものですから、マンション全体について今回この建て替えということについての法律を出させていただいているわけですが、この団地の問題は次の大きな課題である、併せてこのことについても研究を進めていかなくてはならないと、このように思っているところです。
#60
○魚住裕一郎君 終わります。
#61
○室井邦彦君 維新・結いの会の室井でございます。
 分譲のマンションのストック数、平成二十四年の末で約五百九十万戸と聞いております。また、建築後四十年を超える、四十年超のマンションが現在三十二万戸ということであります。今後、年数を経たマンションがこの数字から分かるように急激に増大をしてくるわけであります。このような状況の中で、都市の再生と良好な居住環境をつくる、そして国民生活の安定と向上、さらには国民の経済の健全な発展に寄与するために、適切な修繕等により既存ストックを有効に活用しなくてはいけません。そういう中で、今回このマンションの建て替えの円滑を図ることに、非常に重要として今回考えられ、またこれを進めていこうということであります。
 また、首都機能の一極集中、これは、首都東京のまさに脆弱性が指摘され、今や自然災害のリスクは世界一高い、このように言われておるところであります。その有効な対策を講じ、世界で最も防災・減災が進む都市として安全性の高さを世界に発信ができれば、これは更なる評価に、高まるものと、このように思っております。
 そこでお尋ねをいたしますが、このマンション敷地売却制度の創設について、南海トラフ地震や首都直下地震等の巨大地震発生のおそれのある中、旧耐震基準のマンションの建て替えは平成二十五年四月時点で百八十三件、約一万四千戸に止まっているという、ちょっと信じ難い数字でありますが、そこで、まず、耐震性不足のマンション建て替えについての現状の認識と今回マンション敷地売却制度を創設する目的をお聞かせをいただきたいと思います。
#62
○国務大臣(太田昭宏君) 大地震が切迫している今日、マンションの耐震化は緊急を要するというふうに思っています。先生、日本の東京を始めとする大都市が世界一危ないというデータが、あれはドイツの保険会社がやっているものですから、どうもちょっと本当かなということの真偽というものを逆にきちっとやって、そうじゃないぞということを合理的に提起するということも我々の役割であるというふうに思っています。
 五百九十万戸というと千四百五十万人住んでいるということは相当のものだというふうに思っておりまして、ここを一万四千戸しか進んでいないんじゃいけないということから、特に都市部で何といっても建て替えの促進には容積率に余裕がないということがございます。建て替え費用が賄えないということにもつながりますので、容積率緩和制度を創設する、あわせて、今回の売却もそうですが、建て替えという以前のものについてもこの容積率をこの法律と準じてやらさせていただいているというところが大きな特徴でございます。
 第二には、組合で、なかなか権利調整を仲間でやるというのが非常に難しいということがあります。そういう意味では、ディベロッパーに、買受人にしっかり対応させると。ただし、そこが強引にならないようにということで、住んでいる人が困ってしまうよう、放り出されるなんということの絶対ないようにということで、そこのところを進めていきながらも、住んでいる人を守るという観点を含めてこの法律を出させていただいているところでございます。
#63
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 大臣が触れられましたけれども、くどいようでありますけれども、このミュンヘン再保険会社が二〇〇三年に公表した世界大都市の自然災害リスク指数、これを見ると、東京・横浜エリアは世界の主要都市五十都市の中で危険度は極めて高い、このようなことであります。ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 続いて、次の質問に入ります。
 このマンションの建て替えに向けた合意形成の促進についてお伺いをしたいと思います。
 耐震性が不足しているかどうか、又は客観的な基準に基づく耐震診断の実績が計画的な老朽化のマンションの建て替えに不可欠である、このように思っております。
 旧耐震基準に基づき建設されたストックマンションのうち耐震診断を行った管理組合は三三・二%と、このように数字が出ております。またさらに、耐震診断を行っていないという管理組合が何と五八%、このような数字をお聞きをしております。平成二十五年三月時点で、東京都によるマンション実態調査では耐震診断は一七・一%しか実施されていないという、これも驚くべき数字なんですが、このように倒壊のおそれのある耐震性不足の懸念されるマンションの老朽度の判定が進んでいない実態が明らかになったわけであります。
 そこで、老朽化マンションの建て替えの合意形成において必要となる耐震診断がなぜ進まないのか、そして老朽化等により建て替えを余儀なくされたマンションの建て替えについてのいわゆる相談体制や整備、情報提供など、老朽化対策の問題に対して議論の方向性を決める上で非常に重要なポイントだと思っております。
 そこで、国はこれまでどのようなことに取り組んでこられたのか、また、今後どのように取り組んでいこうとしておられるのか、是非お聞かせをください。
#64
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 まず、マンションの耐震診断がなかなか進まないということでございます。
 よく調べてみますと費用が負担掛かるということで、額は、五千平米程度、ですから、七十戸とかそういうオーダーのマンションで安いもので二百万、図面等があればですね、ないような場合には九百万というようなことでございますが、一戸当たりにすれば改修に比べればそれほどの額ではございませんけれども、やはり診断ということをやって、じゃ、どういうふうに次はやっていくんだというような議論もある中で、この費用の問題というのはまずどうしてもあるだろうと言われております。
 それから、耐震診断の実施方法を誰に頼めばいいかとか、専門家ですね、具体的にどういうところに相談して、これも業者を選ぶときにどんな方法で選ぶんだとか、そういうことについてもなかなかそれぞれのマンションの中で議論になってしまって収束が付かないというようなこともよくあるというふうに伺っております。
 さらに、これもよく裏の話といいますか実情みたいなことでちょっとお聞かせいただく話としては、耐震性不足ということが分かってしまったときに、じゃ、このマンション売れなくなるんではないかということが一番実は管理組合の中では議論になるというようなこともございまして、これは乗り越えなければいけないハードルなんではありますけれども、そういう御心配があって、その先のビジョンがないとなかなか進めないというのも現状なんだというふうに思います。
 総じて申しますと、やはりこれはきちっと親身になって相談をしてあげる体制というのが要るんではないかということに一点目は行き着くんだろうというふうに思っておりまして、そういう意味では、公共団体に、先ほどもお答え申し上げましたように、窓口も開いていただいておりますし、マンション管理センターでありますとか再開発コーディネーター協会でありますとか、専門機関もそれぞれが窓口を開いて相談に応じていただいて、一定の成果もこれはあるんだというふうに思っております。
 今回の新しい制度、それから昨年の耐震改修法の改正ももちろんでございますけれども、そういうことを契機として、まず公共団体にももう少し情報提供をしっかりやっていただく、私どももそれをしっかりバックアップするということが住民の皆さんに一番身近ということで必要なのかなというふうに思っております。
 更に加えて、これも先ほどお答えしましたけれども、日弁連と相談体制、それから紛争になった場合の裁判外紛争処理、ADRでございますけれども、これをつくるためにこの法案に関連して現在検討をさせていただいているところでございます。
#65
○室井邦彦君 大臣がお答えになられたように、一千四百五十万人がこういうマンションにお住まいだということでありますから、それぞれ行政とも協力是非していただいて、まず情報提供を的確にされるのが肝要かな、このように思います。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 次の質問に移ります。この除却認定マンションに居住していた区分所有者等に対する居住の安定確保、この部分について少しお尋ねをしたいと思います。
 このマンション建て替え法の建て替えの場合は参加組合員の規定があります。この規定の中にこのように示されております。組合が施行するマンション建て替え事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力、資金力ですね、及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員になると、このように定められております。そこで、専門的な知識を有するディベロッパー等の事業参画を認めると、こういうことでありますが、そのノウハウや資金力を活用し、マンション建て替え組合の建て替え許可の基準となる事業計画を作成をすると。
 一方、マンション敷地売却制度の場合は、区分所有者等の意向をディベロッパー等が買受け計画の内容に反映させるというものと考え、このように考えられると、進めるということですね。
 このように、マンション建て替え法の建て替えとマンション敷地売却制度との相違点として、マンションに居住していた区分所有者等に対するまさに居住の安定確保に向けた対応に違いが見られるわけであります。
 そこで、この改正法の第百十五条においてこのように書かれておるわけでありますが、国及び地方公共団体は、決議要除却認定マンションに居住していた区分所有者及び賃借人の居住の安定の確保を図るために必要な措置を講ずるように努めなくてはならないというふうに規定、書かれておりますね。そこで、マンション敷地売却制度によってマンション建て替えは促進するというふうに私も理解をしておりますが、この居住の安定確保についての対応が後退しているのではないか、こんな心配があります。この辺の、そういう心配がないのかどうか、御所見をお聞きをしたい、このように思います。
#66
○副大臣(高木毅君) ただいま御指摘いただきましたけれども、居住しております区分所有者、そして借家人の居住の安定を図ることは極めて重要だと認識をいたしております。
 このため、区分所有者につきましては、マンションとその敷地を容積率の緩和分も含めた開発利益が織り込まれた高額で売却すること、そしてまた、除却費や建て替え工事費の補助によりまして事業費を軽減し、区分所有者に還元すること、代替住居をしっかりと提供、あっせんすること、そしてまた、個々の区分所有者の負担を軽減するためには、区分所有者の譲渡益について課税の特例を設ける、そして、特に高齢者に対しては、住宅金融支援機構によるいわゆるリバースモーゲージ型の高齢者向けの融資を活用することとしているところでございます。
 また、借家人についてでございますけれども、公共用地補償に準じた適正な額の補償金を支払うこと、代替住居をしっかりと提供、あっせんすること、そして、個々の借家人の負担を軽減するため、移転に充てた補償金について課税の特例をこれもまた設けること、特に高齢者に対しましては、別途、公的賃貸住宅や家賃債務保証制度を活用いたしまして、更に居住の安定を図ることとしております。
 さらに、ディベロッパーに対してでございますけれども、これは、区分所有者や借家人の希望を十分にまず把握する、そして再建マンションや流通物件の中からこれらの希望に最大限近い代替住居を提供、あっせんすることを義務付けておりまして、これがもし取組が不十分という場合には都道府県知事等が勧告して、従わなければ公表するということにしておりまして、このように区分所有者及び借家人の居住の安定の確保をしっかりと行っていくというふうに考えているところでございます。
#67
○室井邦彦君 時間が来ましたので、終わります。
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#68
○委員長(藤本祐司君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田中直紀君が委員を辞任され、その補欠として浜野喜史君が選任されました。
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#69
○田中茂君 みんなの党の田中茂です。
 早速ですが、今回のマンション建て替え円滑化法改正案につきまして幾つか質問をいたします。
 まず第一に、先ほどからも何度か質問は出ていたと思うんですが、ディベロッパー選定における競争性、透明性の確保についてお伺いしたいと思います。
 先ほど局長も若干触れられましたが、シンガポールのマンション敷地売却制度の調査報告を読まさせていただきましたが、購入事業者の選定は公募入札により行われるとともに、一括売却の合意形成に関わる専門家や事業者と開発を行う購入業者とが完全に分離され、利益相反行為の禁止が厳格に運用されているということであります。
 本法律案ではディベロッパーの選定は法律の範囲外ですが、どのようなディベロッパーが建て替えを行うかはこの敷地売却によるマンション建て替えを進めるに当たり極めて重要な要素になると思います。その場合、単一のディベロッパーとの間で話が進められると、買取り価格が果たして妥当なものなのかその適切性を検証することができないため、例えば区分所有者側から見ると安く算定されるという懸念があります。その結果の担保割れなどの可能性があることを考慮に入れると、一旦は建て替えに同意した場合であっても、ちゅうちょする区分所有者も出てくると思います。
 また、一方で耐震診断や敷地売却、売却価格などで区分所有者の合意形成が進まず、当初想定していたよりも時間が掛かる状態になれば、ディベロッパー側としてもビジネスリスクや訴訟リスクが高くなり、事業への参入が進まないことも想定されます。
 そこで、質問なんですが、競争性に加え、価格査定の妥当性と透明性を確保するため、またディベロッパーの事業遂行能力を検証する意味でも、公募入札のような仕組みをつくるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 また、先ほど御答弁されましたが、ガイドラインを示すというようなこともおっしゃっていましたが、具体的にはどのような仕組みを考えていらっしゃるのか、より詳細にお聞かせください。
#70
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、どういうディベロッパーを選ぶかということは、この事業を進める上ではもう基本中の基本ということだと思います。
 今回の売却制度では、一般的には複数のディベロッパーの中から区分所有者の方全体にとって最も有利な条件、買受け価格が一番大きいと思いますけれども、を提示するディベロッパーを選定すべきだ、その選定方法は、当然競争性があり、透明性があるものでなければいけない、こういうふうに私どもも考えているところでございます。
 法定の中で入札とかプロポーザルの仕組みというのは入れてございませんけれども、御指摘のありましたガイドラインの中で、基本的にはプロポーザル方式を推奨とまで書けるかどうか分かりませんが、推奨していこうというふうに思っております。具体的には、事業者から提案内容をしっかり出していただく、どういう提案を出していただくかということを大体お示しをする、そして出てきた提案について、どういう観点から公平な判断をしていくかというようなことをお示しをするんだというふうに思っております。
 なお、入札方式とかあるいは随契方式というのもメリット、デメリットがございます。例えば小規模なマンションでも、この業者で間違いないということをみんなが思っているような場合には随契の方が早く手続が進むということも考えられますので、問題点をしっかり指摘をした上で、そういう複数のやり方も選べるようにガイドラインは作ってまいりたいと思います。
#71
○田中茂君 ありがとうございます。
 今の御答弁で関係しているんですが、本法律案では、ディベロッパーに対し状況報告を求めることができると同時に、助言等を行い、問題があった場合には勧告し、勧告に従わなければその旨を公表できるとありますが、どのような形での勧告や公表を想定されているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#72
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、本法案では、買受人、ディベロッパーでございますが、が買受け計画に従ってマンションの買受けや除却、それから一番恐らく問題になるのが代替建築物のあっせん、提供、これを行うことになっていまして、これを計画に従って行わない場合には、都道府県知事が勧告、勧告に従わなければ公表ということでございます。
 勧告や公表の方法というのは特に決まりがあるわけではございませんが、一般的には、勧告に関しては勧告書等の書面交付で行われることが多いと思います。また、公表に関しては、会社名の公表に至った原因や事実、これにつきまして公報掲載、記者発表、ホームページへの掲載などによって行うということだと思いますので、今回の制度でもこういう方法が取られる。また、必要があれば、これもいろんな方の御意見を聞いてでございますが、ガイドラインの中にも載せていきたいと思います。
#73
○田中茂君 先ほど委員の方も若干ちょっと触れていらっしゃいましたが、利益相反、利害対立が起きる可能性も十分あるということですので、この辺、マンション建て替えを円滑に進めるためにも十分検討していただきたいと思います。
 次に、ほかの法制との整合の問題についてお聞かせいただきたいと思います。
 建築基準法が改正され、現在の耐震基準が定められたのは昭和五十六年であります。したがって、耐震性の不足の老朽化マンションは多くが昭和五十六年以前に建てられたと考えられます。一方で、建築物の高さの規制制度が拡充されましたが、その代表的制度が日影規制制度で、昭和五十一年に創設されたと思います。
 現在、老朽化マンションを建て替えようとした場合、容積率を緩和しても、周辺地区に日影規制が掛けられると建物の高さが抑えられ、結果として容積率を最大限に活用した高度利用が実現できないといったケースも少なくないのではと思います。このような日影規制を始めとした斜線制限、関連する条例なども含む規制緩和や調整などの措置を講じる必要性があるとは思いますが、その辺、現状に即した適切な運用が求められると思いますので、国交省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#74
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 容積率に関しましては、事業採算とかマンションの危険性を除去するために必要だという観点でできるだけ高くした方がいいという立場と、それから、周りの方が主なんでございましょうけれども、日影を受けるとか圧迫感があるとかいうことでできるだけ抑えてほしいという立場、両方の立場を公共団体がよく現状も見ながら最後は許可の判断をしていただくと、こういうことになるんだと思います。
 御指摘の高さについても、そういう観点からどういうふうに判断していくかというのは一義的には公共団体が決めていくということなんだと思いますけれども、一つ、日影規制に関して申し上げますと、これは日影を受ける側が日影が落ちることを許容しないということを決めるというルールでございまして、この容積率の許可等の中で日影について緩和をするということはできないというのが現行のルールだというふうに思います。
 一方で、最近、東京の都心区なんかでも開発の促進エリア以外のところは高さの制限を都市計画で掛けるようなケースが出てまいっておりますけれども、こういうものにつきましては、これは区の判断でどういうふうに決まりの中で書くかでございますけれども、総合設計などについては、高さを緩和できる場合、というふうに定める場合と緩和できないように定める場合、これはいろいろ公共団体でそれぞれ現場の事情でやられておりまして、どういうやり方がいいのかということを国で一律にお示しはできませんけれども、基本的な考え方については公共団体と基本的に意思疎通を図りながらやってまいりたいと思います。
#75
○田中茂君 規制緩和に関してはなるべく不公平感が生じないように徹底していただきたいと思っております。
 時間が来ましたので、私の質問は終わりにします。
#76
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗です。
 私は、法案に関連しまして、長周期地震動が建築物に与える影響と対策について聞いていきます。
 長周期地震動が超高層ビルに与える影響については、E―ディフェンスでの実験において、南海トラフの三連動地震の三・八倍の強さを加えるとビルが倒壊する、すなわちビルが折れるとの結果が出ていますが、この三・八倍という強さの揺れは通常あり得ないとしても、地盤の状況だとか地震の周期と合い、共振することによって可能性はゼロではないと言えます。
 国として、超高層ビルが長周期地震動によって重大な損傷や倒壊する可能性をどのように考えているのか、お聞きいたします。
#77
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 大規模地震においては、地盤の状況や地震波の伝播の仕方によって、建築物に作用する地震動のうち長周期の成分が増幅をして、固有周期というのがございますので、超高層の建築物等がそれに共振をして被害を受ける、これが長周期地震動による被害ということでございます。
 このため、超高層建築物の新築時には、これ一件一件想定の地震波を入れてチェックをするということで、手続上は大臣認定という形を取らせていただいております。この大臣認定の基準につきまして、平成二十二年の十二月に、それまでの研究の知見を踏まえて想定東海地震、東南海地震、宮城県沖地震を従来の波に加えまして、この地震動に対応して個別検証を行うときにどういうチェックをすべきかということを定めました対策試案というパブリックコメントを出しました。
 この三つの地震波を想定した場合に、既存の建築物がそれじゃどの程度の被害を受けるのかということで、先ほど実験の紹介がございましたけれども、既往の実験、解析結果では、この地震動によっては倒壊とかそれから崩壊、これは崩壊というのは一部の階が崩れてすとんと落ちる、こういうことでございまして、これはあってはならないのですが、これは発生しないというふうに今のところやった実験、検証の中では認識をしておりますが、最終的には個別に全部チェックをしていかないと分からないという面が残っているというふうに思います。
 それから、現在内閣府においてこの地震動の見直しを南海トラフ地震、首都直下地震を想定して行っていただいているところと認識をしております。この検討がまだ終わっておりませんので、実は先ほど申しましたパブリックコメントで示した基準についてはちょっと見合せをしておりまして、この内閣府の検討を待って対策をしていきたいと思います。
 この検討の波はまだ示されていませんので、これによって倒壊するかどうかということは今ちょっと申し上げることはできないというふうに思いますけれども、検討が終了すれば、新築のものはもちろんでございますが、既存のものについても、これ行政指導ということになりますが、危ない可能性のあるものについては、超高層のデータ全て私どもで把握していますので、しっかり対策を講じていただくように要請していきたいというふうに思います。
#78
○和田政宗君 今答弁にありましたように、長周期地震動について、これは内閣府で今分析等が行われているということですけれども、地盤の状況や地震波によって全く違う揺れになりますし、関東平野と大阪でも違いますので、綿密な計算が必要になるわけです。
 内閣府の分析、これ早急に進めていただきたいというふうに思いますけれども、現在の進捗状況、いかがでしょうか。
#79
○政府参考人(日原洋文君) 内閣府におきましては、今お話のありましたように、南海トラフの巨大地震モデル検討会及び首都直下地震モデル検討会を設置いたしまして、両検討会を合同いたしまして、それぞれ長周期地震動の検討を行っております。
 具体的には、いわゆる東日本大震災ですね、東北地方太平洋沖地震におきます長周期地震動の発生メカニズムなど最新の科学的知見を踏まえまして、例えば地盤のどこがどういうふうにずれるかという断層モデル、あるいは地震波の伝送経路についての、あるいは地形とか地質等の地下構造の設定を一定設定いたしまして、それを基にスーパーコンピューターを使用してシミュレーションモデルを動かし、それをまた観測データと突き合わせてチェックし直すという作業を行っております。それを基に、各地域でどのような長周期地震動が想定されるかということの検討を行っておりまして、年内には少なくとも公表したいというふうに考えておるところでございます。
 その結果を踏まえまして、関係機関と連携し、高層建築物におきます対策の必要性、あるいは家具の固定の必要性、人体に与える影響など、対策を検討してまいりたいと思っております。
#80
○和田政宗君 年内に公表されるということで、これを受けて国交省では取組を進められるということと思いますけれども、そもそも東日本大震災による長周期地震動の建物への影響については、国交省として独自にどのような分析を行って、その後どのように取り組んでいるのでしょうか。
#81
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 先ほど申しましたパブリックコメントを行った直後に東日本大震災が起こりました。この大震災によって、震度計をあちこちに建築研究所が設けておりまして、これで一定のデータができたと、それを反映しなければいけないなというやさきに、内閣府の方で新しい波の検討が始まるということで、その時点で一旦先ほど申しましたように凍結をいたしたところでございます。
 凍結をいたしましたが、二十四年の七月に、このまま、パブリックコメントした基準があるにもかかわらず前の基準のままで認定を続けるのはまずいのではないか、結果的に、工事をやられて後で手戻りが出てくるということがまずいのではないかというふうに考えまして、二十四年七月から、パブリックコメントのときの基準ないしは、それぞれ超高層の設計をするところは相当な専門機関でございますので、いろんな情報を仕入れられてより安全な基準でチェックをしているというところは、そういう基準を使って従来の基準よりも厳しめに見ていただくように運用を開始をしたところでございます。これはあくまでも行政指導でございますけれども、漏れなくやっていただいていると認識しております。
#82
○和田政宗君 日本はこれだけ高層建築普及しておりますので、長周期地震動に対する取組というのは極めて重要であるというふうに思います。
 東日本大震災の際には、建築物もそうでしたけれども、津波対策についてももっとしっかり対策が打てていればという事例が幾つもありました。起きてから、あのときこうしておけばよかったということでは遅いですので、早急に長周期地震動への取組を強化し、進めるべきだと考えますが、太田大臣はどのように考えるでしょうか。
#83
○国務大臣(太田昭宏君) 私が学部、大学院では、まさにこの土木構造物と地盤との関係性の中で、固有振動、それぞれ物は持っていますから、が共振を起こした場合にどの程度のものであって、そしてフックのばね定数のkというのがループを描くというのが私の学部、大学院の時代の研究でありました。
 非常にこの長周期地震動というのは、当時はビルもそんなに高くなかったわけでありますから、この間の東日本大震災で大阪のビルが大変揺れたというようなこともあったりしまして、かなり固有振動というのが非常に難しい。しかし、そうしたことに対応しなくてはならないということで、内閣府を中心にして今研究をしているという状況だと思います。
 それに先駆けて、先にやっておかなくちゃいけないというので、この間の虎ノ門ヒルズもそうなんですけれども、物すごい免震構造を造っていって、ラバーを入れたりいろんな形で、何が来ようと大丈夫というようにしているというのが現状でありますが、既存の高い建物がどのようになるかということは、この間の東日本大震災の例というのは一つの事例になると私は思っておりまして、それなりの、まず建物自体をどうするというだけでなくて、そこにコピー機なんかが、もうこれは凶器になりますから、そうしたこともまずできるということをしっかり、この高い建物に住んでいる企業は対応ということがまずは大事なことだと、そして本格的なことは今政府で研究をしているという状況だと思います。
#84
○和田政宗君 この長周期地震動については年内に内閣府が公表ということで、それからどんどん進めていただけるというふうに思っておりますので、これはまたこの委員会の質疑等でしっかりと検証をして、私どももサポートをできるところがあればしっかりサポートして、しっかりと国の防災を高めていければというふうに思います。
 質問を終わります。
#85
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 今法案は、マンションを除却し、その敷地売却を推進するもので、現行法にありました危険又は有害な状況にあるマンションの建て替えの勧告制度等を廃止し、耐震不足のマンションを建て替えとは違うマンションの除却、敷地売却を実施しようとするものであります。
 一九八一年五月以前の旧耐震基準で造られたマンションで耐震不足のものをまず特定する必要があると思います。そのためには、耐震診断を実施してもらうことが何よりも必要であります。東京都の調査では、旧耐震基準の分譲マンションの八割以上が診断すら行っていないということであります。
 国交省に確認しますけれども、この耐震診断、そして改修に対する補助制度の整備状況はどうなっていますでしょうか。
#86
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 マンションを含む耐震診断、耐震改修への補助制度につきましては防災・安全交付金等によって支援をしておりまして、診断については、通常でございますが、国三分の一、地方公共団体三分の一、合わせて三分の二、改修につきましては、国一一・五%、公共団体も同じでございまして、合計二三%というのが今の補助制度でございます。
 この補助制度につきまして、普及状況でございますが、平成二十五年度時点で、診断については、市町村の数のベースで三四%、人口に置き換えますと、大都市で整備されていますので六五%、それから改修につきましては、市町村の数のベースで二九%、人口ベースでは五五%、前年に比べれば数%ずつ上がっているというような状況でございます。
#87
○辰已孝太郎君 これから耐震化を進めていかなきゃいけないということですから、まだ人口ベースでも六割ほどということですから、これもっと進めていかなきゃいけないと思っています。
 補助制度は、国としてはあるけれども、そもそも自治体がこの制度をつくっていなければ活用できないということであります。そういうことの背景の一つには、やはり三分の一とはいえ、自治体でも負担があるということではないかと思っておりまして、本年六月四日の全国市長会、この決議の中には、地震・津波対策の充実強化についてという項目の中にこうあります。民間住宅等の耐震化促進補助事業等、防災・減災に係る諸事業に対して、事業推進を図るとともに、財政措置を拡充強化することと、こういう要望も出ているわけですね。
 以上が国や自治体の問題なんですが、じゃ、一方で区分所有者にとっての課題とは何かといえば、これもやはり経済的なハードルだと私は思います。国交省の資料でも、やはり耐震化の阻害要因、一番目に挙げられているのが耐震化に要する費用負担が大きいということでありますし、日本マンション学会のマンション建替えに関する意見では、マンションの建て替えが進まない理由について、これは決議要件ではなくて区分所有者の経済的負担が主な理由だと、こういうふうにも言っているわけであります。
 そこで、大臣にお聞きをしたいと思うんですけれども、やはり昨年改正された耐震改修促進法にのっとりながら、耐震の診断そして改修に対する国の補助を今よりも拡充する、広げる必要があると思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
#88
○国務大臣(太田昭宏君) 何といっても個人の所有物ですから、マンションの耐震化に当たっても一般の住宅の耐震化に係る補助率との整合性というものを図る必要があるというふうに思います。
 そういう意味では、避難路の沿道のマンション等について補助率を引き上げたということを想定して昨年のそうした対応をさせていただいて、現在、私ずっと見ておりますと、地方自治体が三月議会とかそういうところで徐々に対応を加えてきているという状況がありますものですから、それがきちっとできれば私は適正な対応が恐らく多くの方たちができるようになるというふうに思っておりまして、もう少しそこはこの法律の状況を見ていく、そして地方自治体へのお願いも加えていくということが大事なことだというふうに思っているところです。
#89
○辰已孝太郎君 是非、高齢化が進む中で、まず改修と。そして、それをどうスムーズにしていくかというところでいえば、引き続きこの制度の拡充を求めていきたいと思います。
 今法案は、区分所有者に決議が可決をされればいや応なく出ていかせるということになります。井上局長も先ほどから、従来のマンション建て替えと今回が違うのは、従来は新築のマンションというものに置き換わると。今回は、制度上の理解としては価値がお金に換わると答弁もされておられます。つまり、今回の制度では、元のところに戻るという権利といいますか、これは保障されないということであります。
 確認をしますけれども、買受人に対して代替住居の提供、あっせんを今法案でも義務付けるということでありますが、では、戻らない方々には具体的にどのように住居は担保されるのかということを確認したいと思います。
#90
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 代替住居の提供、あっせんは、区分所有者あるいは借家権者のいずれに対しても行うものでございまして、また、戻る、戻らないにかかわらず、言い換えますと、建て替えマンションも一つの選択肢でありますし、近傍で流通をしている中古マンションないしは賃貸住宅を提供、あっせんするというのも居住者側から見れば一つの選択肢ということでございまして、建て替え後のマンションに限ってあっせんをするということではございません。
 その上で、これも繰り返しになりますけれども、提供、あっせんについてはガイドラインでしっかりやり方等をお示しをし、特に区分所有者個々の方の御意向、場合によっては経済条件、こういうこともしっかり把握をしていただいて、希望に一番近い物件を何とか探してくるということをしっかりやっていただくということをお示しをしたいというふうに思います。
 加えて、都道府県知事ないしは市長が、不十分な取組については、先ほど来御説明していますように勧告、そして勧告に従わない場合には公表という一種のペナルティーも設けて、しっかり監督をしていただけるようにしてまいりたいと思います。
 以上です。
#91
○辰已孝太郎君 それで本当に十分なのかという議論が先ほどもありましたけれども、今法案は、市町村が手を挙げてマンション等の除却や建て替えを求めていく現行の危険マンション勧告制度とは違って、区分所有者からの発意だからあくまで自治体の関与は少ないと、つまり公営住宅などの提供は求められないということであります。
 二〇〇六年の住生活基本法の第六条でも、住生活の安定とその向上が健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤だとして、高齢者などの居住の安定の確保が図られなければならないと、こうされているわけですけれども、私はこの精神にも反するんじゃないかというふうに思います。
 もう一つ、続けて確認しますけれども、今法案は、耐震不足のマンションに限定をして敷地売却を認める法改正でありますが、今後この対象を一般の老朽化したマンションに広げるつもりはあるんでしょうか。
#92
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 先ほども御説明をいたしましたが、この法案を作るに際しまして、どういうマンションを要件にするかということについては、一方で事業を幅広くやって耐震化を進めたいという観点から検討もいたしました。しかしながら、例えば高齢者の方がマンションを買われて、買うときには分からない形で建て替えの話が進んでいたと。入居後一年たったら出ていかなければいけない。これは、財産権についてかなり侵害されると言っていいかどうか分かりませんが、財産権の保障という考え方からすると、従来でいえば難しい問題、慎重に検討すべき問題だというような議論をいたしまして、結果としまして、身体の安全、それから周りの方々にも迷惑を掛ける、危険をもたらす、加えて、昭和五十六年以前のマンションは耐震性がないということについては、かなり可能性については周知をされてきている、こんなことを勘案しまして、耐震性がないマンションに限ってこういう決議による売却ができるのではないかというふうに結論に至ったわけでございます。
 そういう意味では、耐震性不足マンション以外のものを対象にするのは困難だと思いますし、また、国交省としても近い将来に、まあ未来永劫ということはとても言えないと思いますけれども、近い将来に耐震性不足マンション以外のものをすぐ加えていくということは今は想定しておりません。
#93
○辰已孝太郎君 考えていないということであります。
 私、一番危惧するのは、大手ディベロッパーは、この限定を外して拡大するようにということを求めているわけですよ。この大手ディベロッパーが中心になってつくっている老朽化マンション対策会議では、二〇一四年一月二十一日の提言でこう書いてあります。現行の建て替え決議制度以外に区分所有関係の解消制度が必要であることについてかねてから主張してきたが、この際、耐震性に問題のあるものに限定せず、社会的に陳腐化したマンションをも広く対象とし、劣悪な環境や不便を強いられているマンション居住者のニーズに広く答えるべきであると、こういうふうに求めているわけですから、私は、先ほどありました個人の財産権を侵すおそれのあるものですから、こういうものを拡大することがあってはならないというふうに言っておきたいと思います。
 そこで、やはりこれからも長く住みたいという人にどれだけ良質な情報を提供して選択肢を広げることができるのかと、私はここが行政の頑張りどころではないかなというふうに思っております。
 そこで、確認しますけれども、行政として、耐震診断、耐震改修を行おうとする管理組合に対して、費用やまたその工法についてどのような情報提供を行っているのか、簡潔にお願いします。
#94
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 現行で、例えば東京都とか横浜市などの地方公共団体におきましては、マンションの耐震診断、耐震改修を促進するために、管理組合に対して広報、これは一般的な広報でございますが、加えて、ダイレクトメールの送付、それから戸別訪問、無料相談会、こんなことを開催しまして、様々な働きかけを行っているというふうに認識をいたしております。こういった取組、公共団体にとっても負担になる面もございますけれども、安全の確保という観点から、各公共団体がこういう取組を強化していただくようにお願いをしてまいりたいなというふうに思います。
 あと、先ほどの、繰り返しになりますが、財団法人、社団法人等で専門的な相談に応ずる体制も現在取られていますので、これも充実をしてまいりたいと思います。
#95
○辰已孝太郎君 充実という話でありましたけれども、今回のスキームでは、百六万戸のうち、今回の敷地売却では約十二万戸、約一割の建て替えを促進しようとするものでありまして、本来であれば改修しようとする、四十二万戸をこれ想定されるんですが、ここに一番の重点、力点が置かれるべきだと私は思っております。
 最後に、一つ、耐震改修で紹介しておきたい事例を紹介させていただいて終わりにしたいと思うんですが、先日、大阪の枚方市というところにある築三十八年、三百八十戸の分譲マンションである労住まきのハイツというところにお邪魔をしてまいりました。ここの管理組合は、耐震改修の検討に当たり、基本的な方向性として鉄骨筋交い工法、あのバッテンのやつですね、これはもう見た目が悪いからやらない、もう一つは修繕積立金の範囲内でやると、こういうことを基本的に条件に挙げまして、その結果として鋼板パネル耐震壁というのを採用するということになったと。私、それも見てまいりました。
 住民の皆さんは、当然、建築の素人であります。行政では、認められる工法などについて制約があったりして、住民の様々な要望に応えてもらえないのではないかという声も私聞いております。結局、この管理組合では、NPO法人に耐震診断と設計を行ってもらったと。工事の結果、Is値は〇・八から一・一にすることができるということであります。六千万円というローコストで耐震改修もできると。
 その背景には、やはり専門家、施工会社と管理組合が信頼関係を築いて、管理組合、住民の方が合意形成を粘り強く行ってきたということに一番あると思います。区分所有者の合意形成を促して耐震改修を実現していくためには、やはり行政からの情報提供とそれぞれの信頼関係というのが一番大事だと思うんですね。
 昨年、せっかく、せっかくですよ、様々な新たな耐震改修工法を認める法改正というのがされました。主な耐震改修……
#96
○委員長(藤本祐司君) 申合せの時間が来ておりますので、ポイントを絞ってください。
#97
○辰已孝太郎君 工法ですね、このマンション耐震化マニュアルというので例示してくれているわけですよ。だけど、これ、最後の改定が平成二十二年でしょう、四年前なんですよ。結局、法改正のものがここに反映されていないということになっておりますので……
#98
○委員長(藤本祐司君) そろそろ終わってください。
#99
○辰已孝太郎君 私は、二〇一〇年に改定されたきりで全く反映されてない、ほんまにやる気あるのかということを最後に申し上げて、耐震改修のためには全力挙げて私も頑張りたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
#100
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智です。
 本法案は、生命、身体の保護の観点から、耐震性不足のマンションについてマンション敷地売却制度と容積率の緩和特例等により建て替えを促進するものでありまして、基本的な方向性は賛同できるものであります。
 ただ、生命、身体の保護のためとはいえ、これらは憲法二十二条の居住、移転の自由、二十九条の財産権などの基本的人権を制約するものであります。
 築年数が上がれば世帯主の年齢も上がり、永住志向も高まるという傾向も見られます。それだけに、住み替えを迫られる旧所有者や借家人には十分な配慮が必要であります。特に高齢の旧区分所有者が新マンションへ再入居を希望する場合は、地域とのつながりを維持するという観点から、なるべく再入居が認められるべきであります。不動産業者の方に聞きますと、広告費も浮きますので、幾らかディスカウントして売買することも可能だそうであります。
 なるべく旧価格と同程度で再入居を認めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、その旨、現在作成中のガイドラインに書き込むなど、買受人に助言していただきたいと思いますが、いかがですか。
#101
○政府参考人(井上俊之君) お答えを申し上げます。
 御指摘は、高齢者の居住者の方々の居住の安定を図るためには、できればしてさしあげたいなというふうに思う反面、これはあくまでも個人の財産でございまして、やはり今あるものが幾らで評価をされ、新しいものが、ディスカウントはされるにしても幾らで評価されるのかというところについては、ある種の原理原則というのは貫かれなければならないというふうに思っています。
 その上ででございますが、この制度、そもそも、できるだけ従後の開発利益を見込んでマンション売却の価格に反映させるという仕組みでございますので、御指摘の趣旨にはそもそも沿った制度だというふうに考えておりますし、また、補助等々でできるだけ費用の圧縮、その他居住の安定措置も様々講じておりますので、できるだけ高齢者の方がお困りにならないような運用をするように努めてまいりたいと思います。
#102
○吉田忠智君 旧耐震基準といいますと一九八〇年以前でありまして、新築で購入された方は既に住宅ローンを完済したと考えられるわけですが、中古での購入等によって住宅ローンが残っているケースもあり得るわけであります。こうした残債があるような場合に、旧区分所有者が現役世代であれば返済能力に応じて新たな住宅ローンも可能であります。しかし、残債があって住宅ローン自体を組めないということはレアケースだろうと思いますけれども、頭金等の初期費用も払えず、住宅ローンの返済条件が厳格化するおそれはないかというのが懸念されるわけであります。これはどのように考えればいいのか、伺いたいと思いますが。
#103
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 基本的に五十六年以前のマンションですので、古くから居住されている方はローンは終わっているのかなと。それから、バブル期に非常に値上がりをしました。この頃買われた方も既に二十数年経過していますので、大きなローンが残っているということは一般的にはないんではないかなというふうに思っております。そういう中で、中古の価格も安定し、それから経年とともにだんだん下がるというのが一般的なところでございまして、その段階で買われた方が、残っているローンの残債と今回開発利益なども見込んで分配金を取得するその額というものが逆転をする、あるいは大きく割り込むということはほとんど想定できないのではないかと思いますけれども、一点、残債がどうしても残る方については、その残債の返済、これしないわけにいきませんので、債務保証の仕組みがございますので、予算措置上この債務保証の対象としたところでございます。
 そのほかに、どうしても困るという個々の方々については、買受人ができるだけ安い中古マンションを、もうこれやむを得ないと思いますけれども、探してくるとか、そういう措置を通じてできるだけの御希望に沿うように努力をすべき、そういうことについてガイドラインで示してまいりたいと思います。
#104
○吉田忠智君 御高齢の方が全く新しい場所に住むというのは本当に困難だと思います。御高齢の旧区分所有者がせめて同じ町に住み続けるためには、住宅を購入するしかないというケースもあり得るわけであります。住宅金融支援機構の、先ほども答弁がありましたが、リバースモーゲージ型住宅ローンは上限が一千万でありますから、残債がある場合は新たな住宅を購入するために御高齢の方でもローンを組む必要があるのではないでしょうか。御高齢の方は賃貸に行くしかないという事態にならないのか、伺います。
#105
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 御高齢の方につきましても、同じような理由でローンが大きく残っているということは一般的には非常に少ないのではないかと思います。また、開発利益をできるだけ織り込むというのは先ほどお答え申し上げたとおりでございまして、リバースモーゲージ型ローンは返済の可能性なんかも年金生活の方の実情を踏まえまして考えた上で一千万円というのが限度額でございまして、これが足りないのではないかという御指摘もあろうかと思いますけれども、先ほど来申し上げていますように、できるだけ近傍で住みやすい中古住宅を探すというようなことも選択肢の一つでございますので、そういう対応、それから場合によってはもうセーフティーネットということで賃貸住宅あるいは公営住宅のあっせんみたいなことも含めて重層的に対応して、漏れのないようにしてまいりたいと思います。
#106
○吉田忠智君 住人や買受人への周知策として、現在ガイドラインを作成されていると聞いておりますけれども、実務の様々な場面を想定した利用者目線のものにしていただきたいと思っております。
 ガイドラインには、管理組合の方や借家人などの当事者、あるいは弁護士などの専門家等の多様な意見を反映すべきと考えますが、いかがですか。
#107
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 この制度をつくるときにも、御指摘のような方々の団体などの意見を伺ったところでございまして、大きな方向としてはおおむね賛同いただいたという経緯がございます。ガイドラインにつきましても、同様に、そういったいろんな立場の方々の目線をちゃんと取り入れるように意見を聞いてまいりたいと思います。
#108
○吉田忠智君 買受人による代替住宅の提供、あっせんというのは非常に幅のある概念であります。とにかく旧区分所有者や借家人が割り切れない思いで立ち退きを迫られるようなことのないようにしていただきたいと思いますが、大臣、見解を伺います。
#109
○国務大臣(太田昭宏君) 耐震ということを考えると、これは相当きちっと、なかなか今までの制度で進みませんものでしたからこの制度をつくったんですが、私、一番ずっと気にしていたのは、そこから高齢者やローンを抱えたりお金がない方が追い出されて、やはり高齢者になりますと、近くに住みたいとか人間関係が遮断されるというのが一番つらいことでもありますから、そうしたことをよく、単なるお金だけの問題ではない、心情というものも酌み上げて、これらの区分所有者や借家人が心の中に割り切れなさを持つというのではない形で対応していくということをどういうふうにすればいいかということが一つの大事な課題だったと思います。
 高額でマンションを売却できるようになるということもありますし、借家人については適正な額の補償金が支払われるということもありますが、何といっても、買受人に対して、借家人の、あるいは区分所有者の希望に最大限近い代替住居を提供、あっせんするということを義務付けるということが一番大事なことだということで今回こうした法案を出させていただいているところでございます。これは、法案ではそうなっているけれども現実にならなかったというふうなことのないように、よく目を届かせていく必要があるというふうに私は思っております。
#110
○吉田忠智君 是非よろしくお願いします。
 最後の質問ですが、本法案による新マンションの容積率緩和は、耐震性不足の旧マンションの除却が周辺住民の安全にも貢献する点で、他の経済活性化や開発目的の容積率緩和とは異なり、賛同できるものであります。しかし、いかに住民の安全に資するとはいえ、日照や強風など、住環境や景観への影響から周辺住民が反対することも予想されます。
 現在、建築紛争についてはあくまでも民民の調整ということで、法律ではなく自治体独自の建築紛争予防条例などにより対応しています。条例に基づく自治体による住民説明会や、本法案にも建築審査会の同意など保障されていますけれども、いまだに紛争は後を絶ちません。形だけの住民説明会、事業者寄りの審査委員、建築確認を盾に聞く耳を持たない事業者などなど、問題事例を聞くにつれ、残念ながら現行制度は建築紛争予防に有効に機能していないと言わざるを得ません。
 建築紛争予防制度について、国交省として改善を検討すべきと考えますが、いかがですか。
#111
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 建築物の相隣関係につきましては、建築基準法で高さ制限、それからこの高さ制限の一種でございますが日影規制などのルールを、これは明確なルールを定めているわけでございまして、このルールを守るという上での建築行為は基本的には認められるということだと思います。
 例えば、南側にマンションが建つと日影になると反対されるマンションの方々も、自分のマンションが実は北側に同じ日影を落としているというようなことでございまして、お互いの影響をどこまで認め合うのかというルールを建築基準法で決めているということなんだと思います。また、建築基準法を遵守しても、一方で常識を欠いた極端な建築行為とか権利の濫用というような場合には、これは民事紛争ということで、民法上の不法行為ということで、最終的にはこれは司法の場で解決されるということでございます。
 そうはいいながら、いろいろ現場でもめ事があるということで、これにつきまして、根本的解決はルールをちゃんと直すということなんだと思います。
 実は、昭和五十一年に日照紛争が非常に多かったことを背景に日影規制というのを新たに建築基準法に導入したということがございまして、これはまさに典型例でございますし、最近であれば、東京都の区部などで、先ほどもちょっと申しました絶対高さ制限を新たに導入して、一定のもの以上のものは原則認めないというような規制をしっかり掛けるということが行われているところでございます。
 建築条例、紛争条例のあっせんとかそういうものにつきましては、手続は努力義務になりますが、あっせんとか調停は、これ行政指導ということでございますので、行政手続法の規定に基づいて強制力はないということでございまして、そこに効果がないという御指摘があるんだと思いますけれども、現行の法体系はそんな形になっているということでございまして、直ちに基本のルールを見直す必要が今あるかと言われれば、そうではないのではないかと思いますが、今回こういう新たな仕組みを導入することもございますので、建築紛争の最近の動向については、もう一回私どもとして調べさせていただきたいと思います。
#112
○吉田忠智君 実態をよく調べていただいて、また、制度的な見直しが必要であればしっかりやっていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#113
○委員長(藤本祐司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#114
○辰已孝太郎君 マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 本改正案は、法律の名称を「マンションの建替えの円滑化等」から「マンションの建替え等の円滑化」に変え、マンションの除却、敷地売却を推進するものであり、これまでの建て替えとは全く違う、法の性格そのものを変えてしまうものであります。
 反対する第一の理由は、現行法にあった危険又は有害な状況にあるマンションの建て替えの勧告制度等を廃止し、居住者に対する代替建築物の提供等の行政の関与を弱めているからです。耐震不足のマンションを建て替えではなく、いきなり除却、敷地売却を実施しようとするものであり、マンション敷地売却制度ありきにほかなりません。
 第二の理由は、居住者の住まいの安定よりもディベロッパーの利益が優先されるものになるからです。
 敷地売却制度創設と容積率緩和措置と相まって、一部のゼネコン、ディベロッパーに都市開発用地を確保させ、区分所有者に対する強要や管理組合に売却を求めるおそれがあります。
 第三の理由は、敷地売却に反対した五分の一未満の区分所有者、賃借人は意思に反して強制的に売却されることになり、生活基盤が失われるからです。特に、高齢者など資力を有しない区分所有者は再びマンションや戸建て住宅を購入するのは困難です。賃貸住宅入居でも契約締結を断られるなど、安心、安全な住居を確保できないことも予想されます。現在マンションに住んでいる人の過半数は永住を望んでいます。
 第四の理由は、改正案では、マンション耐震性不足を理由に、補償金を払えば賃借権を消滅させることができるとしており、借地借家法の正当事由制度を掘り崩すことになりかねないからです。
 最後に、マンションは必然的に老朽化しますが、その対応として、やみくもに建て替えを急ぐのではなく、管理して長く使うことを基本とするべきです。安心して住み続けられるためにも、修繕積立金の範囲内でできる耐震改修等、現実的な対策を取るべきであると指摘し、反対討論を終わります。
#115
○委員長(藤本祐司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(藤本祐司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、田城君から発言を求められておりますので、これを許します。田城郁君。
#117
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。
 私は、ただいま可決されましたマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
 一 老朽化マンションについて、建替え、改修を含めた再生事業が円滑に進むよう、マンション敷地売却制度の創設による老朽化マンションの建替え等の促進効果を見極めた上で、マンションに係る権利調整や建築規制の在り方等について、引き続き多角的な観点から総合的な検討を行うこと。
 二 更新ニーズの強い団地型のマンションについては、その再生のための施策の在り方について、まちづくりの観点も含めて幅広く検討を行うこと。
 三 マンション敷地売却制度及び容積率の緩和特例の前提となる耐震診断が広く行われることが重要であることから、共同住宅向けの耐震化のための支援制度の一層の充実に努めること。また、既存ストックを有効活用する観点から、区分所有者が改修か建替えか売却かを的確に判断できるよう、判断基準の作成、普及に努めること。
 四 マンション敷地売却決議がされた要除却認定マンションの区分所有者及び借家人に対し、認定買受人が第百十三条の代替建築物の提供等を実施するに際しては、できるだけ区分所有者及び借家人の要請に沿った提供等となるよう努めること。
 五 マンション敷地売却の際には、除却の必要性に係る認定、マンション敷地売却決議、分配金取得計画の決定等の各段階において紛争の余地を少なくすることが重要と考えられることから、耐震性の判断、買受人の選定、分配金等の算定等について、適切かつ明確な基準やガイドラインを示すこと。
 六 除却の必要性が認定されたマンションの建替えに係る容積率の特例については、特定行政庁において、周辺地域への影響を十分に考慮し、地域住民の理解を得る努力をした上で、円滑な建替えが可能となるような運用がなされるよう、必要な助言を行うこと。
 七 近年の老朽化マンションの増加の実態を踏まえ、本法に基づくマンション敷地売却事業のほか、マンション建替事業や耐震改修などのマンション再生に向けた制度が十分に活用されるよう、地方公共団体や関係団体等と連携し、制度の周知や費用の支援、相談窓口の設置、紛争処理体制の整備なども含め、その対応に万全を期すこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
#118
○委員長(藤本祐司君) ただいま田城君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(藤本祐司君) 全会一致と認めます。よって、田城君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣。
#120
○国務大臣(太田昭宏君) マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。
#121
○委員長(藤本祐司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#123
○委員長(藤本祐司君) 次に、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院国土交通委員長梶山弘志君から趣旨説明を聴取いたします。梶山衆議院国土交通委員長。
#124
○衆議院議員(梶山弘志君) ただいま議題となりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 宅地建物取引業に従事する宅地建物取引主任者については、昭和三十二年に制度が創設され、宅地建物の安全な取引のために欠かせない役割を担っております。この宅地建物取引主任者の主要な業務である重要事項説明では、これまでの法令改正により説明事項が増加しているほか、例えば、建物についてアスベストの使用調査がある場合は、その内容についても説明する必要がある等複雑化しているところであり、宅地建物取引主任者の果たすべき責任は増大しております。
 また、我が国は欧米に比べて全住宅流通に占める中古住宅の割合が低い現状にありますが、中古住宅流通のより一層の円滑化を図っていくためには、消費者が安心して取引を行うことができる環境整備が重要であり、そのためにも、宅地建物取引主任者が中心となって、リフォーム会社、瑕疵保険会社及び金融機関等の関係者と連携の上、ワンストップで中古住宅の流通を実現していくことが求められております。
 本案は、このような最近における宅地建物取引主任者の役割の増大に鑑み、その役割が十分に発揮され、宅地建物取引業の業務の適正な実施が確保されるよう、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、宅地建物取引主任者を宅地建物取引士の名称に改めることとしております。
 第二に、宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならないこととしております。
 第三に、宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならないこととするとともに、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならないこととしております。
 第四に、宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならないこととしております。
 第五に、宅地建物取引業の免許及び宅地建物取引士の登録に係る欠格事由に暴力団員等であることを追加する等暴力団排除規定を整備しております。
 以上が本案の提案の趣旨及びその内容であります。
 何とぞ速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#125
○委員長(藤本祐司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(藤本祐司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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