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2014/06/19 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 国土交通委員会 第23号
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2014/06/19 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 国土交通委員会 第23号

#1
第186回国会 国土交通委員会 第23号
平成二十六年六月十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     浜野 喜史君     田中 直紀君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤本 祐司君
    理 事
                赤池 誠章君
                渡辺 猛之君
                田城  郁君
                広田  一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                森屋  宏君
                田中 直紀君
                野田 国義君
                前田 武志君
                河野 義博君
                室井 邦彦君
                田中  茂君
                和田 政宗君
                辰已孝太郎君
                吉田 忠智君
   衆議院議員
       国土交通委員長  梶山 弘志君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       国土交通副大臣  高木  毅君
       国土交通副大臣  野上浩太郎君
   大臣政務官
       復興大臣政務官  小泉進次郎君
       国土交通大臣政
       務官       土井  亨君
       国土交通大臣政
       務官       中原 八一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      佐々木克樹君
       国土交通大臣官
       房物流審議官   加藤由起夫君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  毛利 信二君
       国土交通省都市
       局長       石井喜三郎君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        森北 佳昭君
       国土交通省道路
       局長       徳山日出男君
       国土交通省鉄道
       局長       瀧口 敬二君
       国土交通省港湾
       局長       山縣 宣彦君
       国土交通省航空
       局長       田村明比古君
       運輸安全委員会
       事務局長     室谷 正裕君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○建築士法の一部を改正する法律案(衆議院提出
 )
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (領海警備の在り方に関する件)
 (JR北海道の再生に向けた取組に関する件)
 (格安航空会社の安全対策に関する件)
 (東日本大震災被災地における防潮堤整備に関
 する件)
 (リニア中央新幹線建設の環境影響評価に関す
 る件)
 (山口県の愛宕山新住宅市街地開発事業に関す
 る件)
    ─────────────
#2
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、浜野喜史君が委員を辞任され、その補欠として田中直紀君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤本祐司君) 建築士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院国土交通委員長梶山弘志君から趣旨説明を聴取いたします。梶山衆議院国土交通委員長。
#4
○衆議院議員(梶山弘志君) ただいま議題となりました建築士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 建築士法は、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって建築物の質の向上に寄与させることを目的として、議員提案により、昭和二十五年に制定されたものであり、これまでも時代の要請に応じて改正が行われてきたところであります。
 しかしながら、現行の法制度では、設計、工事監理等の業務を行う建築士と建築士事務所の役割と責任が不明確であり、建築紛争の増大や長期化等の問題につながっております。このため、契約の在り方を含めた制度の改善が望まれているところであります。
 また、需要が増大する建築リフォームなどにおいて建築士成り済まし事案等のトラブルが発生しており、消費者に対する建築士資格等の情報開示の充実を図ることが必要となっております。
 本案は、このような建築設計等に係る様々な問題の発生に鑑み、建築物の設計及び工事監理の業務の適正化並びに建築主等への情報開示の充実を図るため所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、設計受託契約等の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならないこととしております。
 第二に、延べ面積が三百平方メートルを超える建築物の新築に係る設計受託契約等の当事者は、契約の締結に際して一定の事項を書面に記載し、署名又は記名押印して相互に交付しなければならないこととしております。
 第三に、延べ面積が三百平方メートルを超える建築物の新築に係る設計又は工事監理の委託を受けた建築士事務所の開設者は、当該業務をそれぞれ一括して他の建築士事務所の開設者に委託してはならないこととしております。
 第四に、管理建築士は、その建築士事務所の受託可能な業務量の設定等の技術的事項を総括することとしております。
 第五に、一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、設計等の委託者から請求があったときは、それぞれの建築士免許証又は建築士免許証明書を提示しなければならないこととしております。
 第六に、建築設備士の名称を法律上規定し、建築士は、延べ面積が二千平方メートルを超える建築物の建築設備に係る設計又は工事監理を行う場合に、建築設備士の意見を聴くよう努めなければならないこととしております。
 第七に、建築士に対する国土交通大臣及び都道府県知事による調査権を新設することとしております。
 以上が本案の提案の趣旨及びその内容であります。
 何とぞ速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(藤本祐司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 建築士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(藤本祐司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(藤本祐司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官佐々木克樹君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(藤本祐司君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 質問に入ります前に、まず石原環境大臣の金目でしょ発言について、太田大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
 人の本質が、本人からすれば何げもない短い言葉で現れることはよくあることでございますけれども、この石原大臣の発言はその典型例ではないかなと思います。御本人は、用地の補償額や生活再建策、地域振興策の規模、金額を示すことが重要な課題と釈明をされております。しかしながら、それをそうだなというふうに思われる方は余りいないと思います。
 といいますのも、この国土交通委員会の委員の皆様方御承知のとおり、石原大臣の暴言癖は今に始まったものではございません。これまでも、例えば汚染土壌の保管先に関し福島第一サティアンと発言するなど、むしろ枚挙にいとまがございません。サッカーのワールドカップ、明日日本戦がございますけれども、イエローカードがかなり累積をしているところでございます。今回でもうレッドカードではないかなというふうに思いますけれども、この点についての太田大臣の御所見をお伺いをいたします。
#12
○国務大臣(太田昭宏君) この件につきましては、石原大臣本人が発言の真意について説明もし、誤解を招いたことに対しておわびをしているというものと承知をしています。また、石原大臣は、被災地の方々の心に寄り添って中間貯蔵施設の問題を丁寧に説明していきたいと述べているというふうに承知をしております。おわびをしているということだと思います。
#13
○広田一君 大臣、今、釈明をされているというふうなことでございます。しかしながら、今後も被災地の皆様方の心に寄り添っていきたい、そういった御発言もあったわけでございますけれども、これはかえって、むしろ住民感情を逆なでしているんではないかなというふうに思います。
 私が一番危惧しますのは、この中間貯蔵施設をめぐる地元の理解はもはや石原大臣の下では得ることはできないのではないか、喫緊の課題でありながら話が前に進まなくなっていること、さらには協議の停滞をもたらしていること、私はこのことを強く懸念するわけでございますけれども、これについての大臣の御所見はいかがでしょうか。
#14
○国務大臣(太田昭宏君) 私は今述べたとおりが全てでございます。
#15
○広田一君 それでは、あの釈明の内容については全面的に支持するというふうな御理解でよろしいんでしょうか。
#16
○国務大臣(太田昭宏君) 全面的に支持しないというよりは、おわびをしているということだと思います。
#17
○広田一君 それについてどのように思われているのでしょうか。
#18
○国務大臣(太田昭宏君) 私が先ほど述べたとおりでございます。
#19
○広田一君 余りにも国民の皆さんの感覚とは懸け離れているというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
 それでは、質疑の方に入らさせていただきます。
 いよいよ今国会、閉会が間近でございます。あわせて、集団的自衛権の行使容認を含めた安全保障政策、大きな局面に来ている、このように認識をしているところでございます。よって、本日は、この前提となります政府の提示したいわゆる十五事例に関連してお伺いをしたいと思います。
 私は、この十五事例につきまして、全ての事例がこれは発生をする可能性はあるというふうに思っております。可能性がゼロではないというふうに認識をするところでございますが、しかしながら、可能性があることとその事例が適切かどうかは別問題だというふうに思います。
 といいますのも、この十五事例が出てきた前提は、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることを前提にいたしております。よって、この十五事例は、当然これが発生する切迫性と蓋然性というものを証明していかなければならないと思います。少なくともリアリティーを持って説明する責任がございます。
 民主党も今この十五事例について検討中でございます。そこで、今後の党内での議論の参考にすべく、以下お聞きをしたいと思います。
 十五のうち、海上保安庁に関連する例が、武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーンへの対処でございます。具体的には、お手元にお配りをいたしております事例の一と二でございます。第一の事例は、武装集団が離島等に上陸、この離島には警察機関はなく、海上保安庁も近くにはいない、しかし、たまたま訓練等で自衛隊が近くにおり、速やかに対処できる場合が第一で、第二の事例が、公海上で自衛隊の艦艇が訓練中、日本の民間船舶が武装集団から不法行為を受けている、海上保安庁は近くにおらず、速やかに対処ができない場合。
 まずお聞きしたいのが、この二つの事例について、過去に同様若しくは類似の事例が発生したことがあるのか、お伺いをしたいと思います。
#20
○大臣政務官(中原八一君) 事例集に挙げられております各事例は、御指摘の事例一、二を含め、先般の安倍総理の記者会見におきまして示された、いかなる事態においても国民の命と暮らしを守る、現実に起こり得るあらゆる事態に対して切れ目ない対処を可能とするという問題意識を踏まえつつ提示をされたものであると認識いたしております。
 事例一と二につきましては特定の地域を念頭に置いているものではありませんが、いずれの地域であれ、万一にも、警察機関が存在せず海上保安庁も近傍に所在しないという状況が生じたとしても、切れ目ない対応を可能とするという問題意識に基づいて提示されたものであると認識をいたしております。
#21
○広田一君 質問に答えておりませんのでお答えをください。過去にこのような事例があったのでしょうか。
#22
○大臣政務官(中原八一君) 現在、海上保安庁が関係機関と連携をして領海警備に当たっておりますけれども、尖閣諸島に限らず、事例一と二のような事態が実際における蓋然性が高いとは認識しておりませんけれども、他方、安全保障を考える際には、常に最悪の事態に備えながら、そのために、万全を期すために不断に努力していくことが必要であります。最悪の事態においても切れ目ない対応を可能とすることが重要であると認識をいたしております。
#23
○広田一君 御答弁ございましたように、この一と二の事例はこれまでに発生件数はゼロでございます。しかしながら、最悪の事態を想定をしていかなければならないということでこれを掲げているということでありますけれども、この事例が示す問題点は一体何なのか。そもそも、海上保安庁が武装集団が離島上陸するまで全く気が付かない、気配すら感じることができない状況があり得ると認めているのがこの事例の私は問題点だというふうに思っております。
 つまり、海上保安庁を始め我が国の警戒監視能力に大きな穴があるという前提に立たないとこれは成り立たない事例であるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#24
○大臣政務官(中原八一君) 現在、海上保安庁が関係機関と連携をして領海警備に当たっているわけでありますけれども、尖閣諸島に限らず、事例一と二のような事態が実際における蓋然性が高いとは認識しておりません。他方、やはり常に最悪の事態に備えながら不断に努力していくことが大切であり、最悪の事態におきましても切れ目ない対応を可能とすることが重要であると認識をいたしております。
#25
○広田一君 それでは、まず確認なんですけれども、この一と二の事例は蓋然性が低いということだと、ほとんど起きる可能性はないというふうにお考えだというふうな理解でよろしいんでしょうか。
#26
○大臣政務官(中原八一君) それで結構でございます。
#27
○広田一君 ほとんど起きる可能性のない事例を挙げているわけであります。
 しかしながら、この十五事例を出された大前提というものは、先ほど申し上げたとおり、この日本を取り巻く安全保障環境がより一層厳しさを増しているということで出されたはずであります。よって、私も可能性がゼロということはないというふうには申し上げました。しかしながら、蓋然性、必然性、さらには切迫性が高いかどうかというふうなところについては、これは提示をされた政府に私は説明責任があるのではないかなというふうに思っております。
 それはまた後で議論しますけれども、中原政務官、私の質問にお答えをいたしておりません。こういった事例が万一起きる場合、これは先ほど申し上げたように、海上保安庁を始め我が国の警戒監視能力に大きな穴があるという、これが前提でなければなりませんけれども、こういったことを御認識をされているんでしょうか。
#28
○大臣政務官(中原八一君) 海上保安庁では、全くこれと同じような事例が生じたということについては承知しておりません。
#29
○広田一君 話の前提として、武装集団が離島に上陸をする、これについて、海上保安庁を始め、全く気が付かなかった、気配すら感じなかったということが前提になるわけであります。これは、言ってしまえば、我が国の自衛隊を含めて警戒監視能力に大きな穴があるということを前提にしなければ成り立たない事例であります。そういったことを御認識をされているのか、いないのか、ここは非常に重要なポイントでありますので、明確にお答えいただきたいと思います。
#30
○大臣政務官(中原八一君) 現在、海上保安庁は、関係機関と連携をして冷静かつ毅然と領海警備に当たっているのが現状でございます。
#31
○広田一君 質問に答えていないので答えてください。
#32
○大臣政務官(中原八一君) 先ほどから申し上げているとおり、事例は事例として、現実に起こり得るあらゆる事態に対して切れ目ない対応を可能とする問題意識を踏まえつつ提示されたものであります。万一にも、警察機関が存在せず海上保安庁も近傍に所在しないという状況が生じたという、こういう前提で切れ目ない対処を可能とするという問題意識に基づいているものであります。
#33
○広田一君 中原政務官御答弁されましたように、現実に起こり得るというふうにおっしゃっているわけであります。これは、現実に起こるためにはどういった前提が必要なのかといったら、先ほど私が示したように、警戒監視能力に大きな穴がなければ成り立たないんです。そういった御認識があるのかどうかということをお聞きをしているわけであります。
 つまり、私が申し上げたいのは、日本の警戒監視能力は私は世界に冠たるものだというふうに思っております。日々、二十四時間、三百六十五日、過酷な状況の下で、非常に緊張感を保ちつつ警戒監視任務に精励している皆さんにどう説明するんでしょうか。海上保安庁が万全を期してこのような事態にならないように対処しているということであれば、こういった事例は出てこないはずなんです。それを皆さんが認められて政府として出されているということ、これは私は非常に不誠実なことだというふうに思っております。
 また、例えば武装集団が上陸しようとしていても、この事例にございますように、近距離に自衛隊がいるのであれば、普通は一目散でこの武装集団は退散すると思うんですが、そうではなくて、平気で上陸を試みるとしていることが普通、客観的に考えてそんなことがあるのか、ある場合はどのような理由からなのか、こういったことについて皆さんはどういうふうに整理されているんでしょうか。
#34
○大臣政務官(中原八一君) 先ほどから答弁させていただいておりますように、安全保障を考える際には、常に最悪の事態に備えながら、そのために、万全を期すために不断に努力をしているわけであります。最悪の事態におきましても切れ目ない対応を可能とすることが重要であるというふうに認識をいたしております。
#35
○広田一君 最悪の事態を想定をしてということでございます。
 ですから、最悪の事態に陥る、それまでの経緯というものがあるわけでございます。最悪の事態を想定することは結構でございますけれども、それには先ほど申し上げたような様々な経緯を経て最悪の事態に至るわけでございますので、この点について政務三役の皆さんはどのようにこの事例について深く考えられて出されているのか、私はそのことが知りたいんです。
 きっちりと状況を分析をして、蓋然性は低いんだけれども最悪の事態はあり得ると、あり得る場合はどのような経緯を経てこの最悪の事態に至るのか、それについて説明する責任が皆様方にあるわけであります。一切、最悪の事態というふうな言い方で逃げて、私の具体的な質問に答えておりません。私は具体的に質問しているわけですから、具体的にお答えください。
#36
○大臣政務官(中原八一君) 個別具体的な状況に応じて判断する必要があることでございますので、一概に申し上げることは困難であります。
#37
○広田一君 今回のこの事例を作る場合には、内閣官房の方で作られたというふうに思っております。全てが最悪の事態というふうなことは、まさしく歯止めが掛からなくなってしまいます。そうではなくて、まさしく十五事例に絞って皆様方が出してきて、第一、事例二というふうに出していることであります。これらについてなぜ具体的に示すことができないのか、私は非常に理解をすることができません。
 具体的に再度お聞きしますけれども、御答弁願わなければこの事例について説得力がないんです。最悪の事態、最悪の事態というふうに国民の皆さんに不安だけあおって、実際は起きる蓋然性は低い、そして中身については全く説明できない、どうしてこれが最悪の事態に陥るのかという経緯も説明できない。そういう事例を皆様方、責任を持って国民の皆さんに示せるんですか。私の具体的な質問についてお答えください。
#38
○大臣政務官(中原八一君) この事例設定につきましては、今委員からもお話がございましたけれども、内閣官房が中心となり、関係省庁と調整しつつ作成されたというふうに認識をいたしております。
#39
○広田一君 先ほどから、後で議事録読み返したときに、全く質問に誠実に答えていただいていないということについて非常に不満でございます。
 そうしたら、このグレーゾーンの議論をする際に最も大事なことは、蓋然性が高いのが尖閣諸島であります。だから、今こそ、今、国の威信を懸けてこの地域について警戒監視活動をやっているわけであります。海上保安庁の皆さんも、過酷な条件の下、制約の下で任務に精励をされております。
 そういった中で、警察機関もない、近傍に海上保安庁も存在しない離島に、この尖閣諸島といったものは含まれるのでしょうか。
#40
○大臣政務官(中原八一君) 事例一につきましては特定の地域を念頭に置いているものではありませんが、いずれの地域であれ、事例一のような万一にも警察機関が存在せず海上保安庁も近傍に所在しないという状況が生じたとしても、切れ目ない対処を可能とするという問題意識に基づいているものであります。
#41
○広田一君 じゃ、尖閣諸島周辺においてこの事例一のような事態も起こり得るというふうな認識なわけですね。
#42
○大臣政務官(中原八一君) 事例一につきましては、特定の地域を念頭に置いているものではないというふうに認識をいたしております。
 なお、尖閣諸島につきましては、海上保安庁の巡視船を常時配備して警戒に当たっているのが現状であります。
#43
○広田一君 万全を期して警戒監視をしているというふうなことでございます。よって、そうすれば、この事例一というふうなことは尖閣諸島周辺では発生しない、その蓋然性は低いというふうに理解をしているということでよろしいんでしょうか。
#44
○大臣政務官(中原八一君) 結構でございます。
#45
○広田一君 そうすると、この事例一、二で挙げた、これは大臣にお聞きしたいんですけれども、今このグレーゾーンの議論で大変重要なポイントは、私は尖閣周辺、この事態にどう対処するかだというふうに思っております。
 だからこそ、私は、今重要なことは、この議論において海上自衛隊が前面に出るんじゃなくて、やはりこのグレーゾーンの対処というものは、海上保安庁を中心に警察力をもって対処することが私は重要だというふうに思います。しかし、その上で、治安出動には至らないこういった事態に対処するための必要な法整備ということを考えていくのが本来の私は責任ある対応だというふうに思います。
 つまり、領海警備法の制定等々について前向きに取り組んでいかなければならないというふうに考えておりますので、この事例一、二というものは、私は可能性はないとは言いませんけれども、認められたように非常に蓋然性の低い例であります。しかしながら、私たちが今議論しなければならないことは、現実のこの尖閣周辺のグレーゾーンに対処するのがどうすべきかということが私は議論の本質でなければならないというふうに思いますけれども、あわせて太田大臣の御所見をお伺いします。
#46
○国務大臣(太田昭宏君) グレーゾーンという言葉の定義も昔から今日までいろいろ変わってきているわけでありますが、現在与党で安全保障について論議をしているということのグレーゾーンということにつきましては、まさに現在、論議を自公の間でされていることですから、私はそれについてはお答えは控えさせていただきたいと思います。
 しかし、今、広田先生おっしゃったように、我が国の領土、領海を断固として守るということの中で、領海警備に従事する海上保安庁の対応能力の向上、役割というものは極めて重要であるというふうに私は認識をしております。そういう点では、いずれにしましても、海洋権益をめぐる問題は平和的な解決を目指すものとは考えておりますが、このため、法執行を担う警察機関である海上保安庁が冷静にかつ毅然として対応をしていく必要があるというのが私の現在の立場でございます。
#47
○広田一君 以上で終わります。ありがとうございました。
#48
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。どうぞよろしくお願いをいたします。
 一般質疑に入る前に、石原環境大臣発言に対して私の意見表明を、そして集団的自衛権の解釈による変更については、私の海外での支援活動で実感したことなどをお話をし、それに対して、通告はしておりませんが、是非、太田大臣、お考えなどを述べていただければというふうに思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
 まず石原環境大臣の金目発言でありますけれども、福島県民の皆様はもちろんですけれども、周辺で、例えば最終処分場のどこにしようかという議論が周辺の県でも行われておりますけれども、その周辺の県民の皆さんに向けてもそういう価値観で、政府は金目で、最後は金目かと俺たちは見られているのかという価値観で対応するのではないか、ふざけるな、許されない、そういう国民の思い、県民の思いがあると思います。全く許されない発言であると思っております。
 民主党政権時代に、鉢呂経産大臣が放射能を付けちゃうぞという類いの発言を行ったときにも、石原大臣、当時は衆議院議員は、万死に値すると批判をしております。それに照らせば、今回の金目発言、あるいは広田筆頭からも述べられましたサティアン発言などを合わせれば、当然自ら大臣を辞する内容の発言であると私は考えております。是非、石原大臣には自らの進退を自らの責任において決めてほしいと、そのように思います。
 それでは、安倍政権の進めます集団的自衛権を解釈の変更によって実質的に改憲するということ、しかも閣議決定によって行うということに対しまして、私は形式的にも内容的にも認められないと、立憲主義を逸脱する行為であり、絶対に反対であるという意思をまず明らかにいたします。
 私は、二〇〇一年の末から約五年間にわたってアフガニスタンあるいはパキスタンで難民支援、復興支援に携わらせていただきました。そして、次のような経験をいたしました。例えば、現地でタクシーに乗ると、ドライバーが、おまえは日本人かと、私は、そうだ、日本人だ、そうか、じゃ金は要らないと。道端で売っているコーラを買うときも、おまえ日本人か、そうだ、金は要らない。床屋さんに入って、おまえは日本人か、そうだ、金は要らない。もちろんお金払いました、払いましたが、なぜこのようなことが起きるのか。事務所に戻って現地人スタッフに、なぜアフガン人は日本人にこんなに好意的なんだというふうに尋ねますと、それは、第二次大戦でアメリカにあれだけこてんぱんに打ちのめされながらも、どん底からはい上がって、経済的には世界第二位、今は三位ですが、技術的には世界第一位になった日本、アジアの代表、俺たちの代表日本という意識があるんですと。そして、何より日本は戦争をしない国なんだろう、俺は戦争はもう嫌だよ、日本へ行きたいよ、そういうことを現地のスタッフは言いました。パキスタンやイランへ旅行したときも、皆同じようなことを言いました。
 更に言えば、現地ではほとんどが日本からの中古車が流通しておりますけれども、漢字の入った車両はプレミアム価格で取引をされております。例えば、伊藤幼稚園という文字が、漢字が入ったスクールバス、田城左官工業と入ったトラックなど、そういうものがプレミアム価格で流通をしております。なぜか。それは、日本で日本人に使われた、日本国内で整備され続けてきた車両であり、最高の価値を持つ車両だという、そういう意味でのプレミアム価格なのであります。
 西アジアから中東、北アフリカのイスラム圏の人々はほぼ同じ思い、価値観を持って日本人を見ているなというのが私の実感しているところであります。このことは、私個人の考えだけではなく、国際ボランティアに携わる方々、あるいは商社員として又は政府機関の仕事として海外で活動されている方々の多くが共通して実感として述べられていることであります。
 これはまさに、自主憲法制定を党是としながらも、平和憲法にのっとって専守防衛に徹し、外交防衛政策や海外支援、ODA支援を曲がりなりにも日本国憲法を逸脱することなく実践してきた自民党が責任を持ってきた日本政府が長期にわたってつくり上げてきた日本への国際的な信頼感であったと言えます。これは一朝一夕につくり上げることのできない貴重な日本の国際的財産であることは間違いありません。テロの標的にはなりにくい存在でもあったのです。しかし、集団的自衛権の行使の容認は、この国際的に良好な日本の立場を根底から覆してしまいます。
 戦後、日本は他国の人を国家の意思で一人も殺したことのない誇らしい歴史を持っている国です。それが一転して、日本が、そして日本人がテロの標的にされる、そういう立場にさらされることは容易に想像が付きます。自衛隊から犠牲者が出るだけではなく、海外展開するNGO団体や商社に働く日本人、日本政府機関で働く方々に犠牲者が出る可能性が非常に高くなるわけです。
 日本は、今まで築き上げてきた、平和主義に徹して築き上げてきた国際的に信頼される立場を壊す必要はありません。安倍政権は、日本人の国際的に優れた立場を壊し、危機的状況に追いやろうとしていることを自覚すべきだと思います。したがって、解釈改憲による集団的自衛権行使には絶対に反対をする、これが私の立場であります。
 太田大臣、お考えなり感想をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
#49
○国務大臣(太田昭宏君) 現在、与党の間で安全保障に係る問題については論議をされていることでありますので、私としては論議を見守りたいというふうに思っているところでございます。
#50
○田城郁君 平和の党、公明党から出ている国交大臣として是非、集団的自衛権行使を閣議決定によって解釈変更するなどということには是非、党是をもって平和ということが語られている、そういう党の代表として適切な対応をよろしくお願いをいたします。
 では、一般質疑に入ります。
 さて、JR北海道が新経営陣を迎えて二か月半がたちます。まだまだ評価をする段階ではないと思いますが、改革の萌芽が出ているのか、課題は何か、注目をしていくことがJR北海道の良い意味での緊張感とモチベーションを高める、そういうことだと思い、そういう立場で質問をさせていただきます。
 まず、JR北海道への対応と評価ということでお尋ねいたします。JR北海道に対するこれまでの国交省の対応状況及び評価について御報告をお願いいたします。
#51
○政府参考人(瀧口敬二君) JR北海道におきましては、度重なる車両トラブルや脱線事故に加えまして、整備基準値を超える軌道変位の放置、検査データの改ざんという、あってはならない深刻な問題が発生いたしました。
 これらの問題に対応するため、国土交通省では三回にわたる特別保安監査を実施し、その結果を取りまとめ、一月の二十四日に鉄道事業法に基づく事業改善命令及びJR会社法に基づく監督命令として、JR北海道に対しその実施を命じたところであります。この命令において、日々の輸送の安全確保、そして第一歩の改善として改ざんの根絶、安全管理体制の再構築などを、また、更なる安全確保として安全確保のためのPDCAサイクルの確立などを求めております。
 JR北海道においては、委員御指摘のように四月一日より新体制が発足し、新しい経営陣の下、全社一丸となって鉄道事業者としての再生に取り組むこととしております。また、JR北海道におきましては、第三者機関としてJR北海道再生推進会議を設置いたしまして、今月の十二日に第一回の会合を開催するなど、命令に基づく安全対策のうち既にその実施に向けて動き出したものもございます。
 国土交通省としても、常設の監査体制などを通じまして、JR北海道が講ずべき措置を確実に実行するよう監督し、また指導することといたしております。このように、JR北海道の安全確保と信頼回復に向けて、JR北海道自身の取組と国土交通省による指導監督を通じまして、JR北海道における講ずべき措置を着実に実行させ、その再生を図ってまいります。
#52
○田城郁君 是非、五年間という長い期間でありますが、しっかりJR北海道とともに、国交省、再生に向けて御努力をお願いしたいと思います。
 ダイヤ改編の成果についてお尋ねをいたします。
 十一月そして三月など、ダイヤ改編に伴って、減速減便を始め車両の運用など、故障の低減などを目的に幾つかの変更が行われております。どのようなことを変更し、どのような成果や変化が見られているのか、お伺いをいたします。
#53
○政府参考人(瀧口敬二君) JR北海道におきましては、車両トラブルが続いたということがございます。こういったことを受けまして、昨年の十一月から、目的といたしましては、メンテナンス体制の強化というものを目的といたしまして、一部の特急列車の減速減便を実施をいたしております。
 この減速減便につきましては、減便によって予備車が捻出されることになります。この予備車を活用することによる効果といたしまして、適正なメンテナンスや劣化した部品の取替えによる故障の減少、さらに、車両に不具合が生じたときに徹底した原因究明を行い、適切なメンテナンスを行っていくといったことも可能となったことがございます。また、減車の効果としては、車両の受けるダメージの軽減が図られるといったなどの効果が期待されておりました。
 これらの効果でございますけれども、JR北海道からは、昨年の十一月から今年の三月までの故障の数、故障件数というものについて報告がございまして、前年同期と比較いたしました場合、特に昨年度故障が多かった特急のディーゼル車につきまして、一昨年が三十二件であったものが、昨年度は、こういった減便や減速をした結果、十四件ということで、半分以下に減ったという報告を受けているところでございます。
 JR北海道では、こういった減速減便に加えまして、車輪がレールに接する面、踏面の管理の強化など、車両に関しましても様々な安全対策を強化いたしております。トラブルがこういった減少をしているということは、減速減便を始めとしたJR北海道のこうした各種の取組の成果が現れているというふうに評価をしているところでございます。
#54
○田城郁君 このことは、現場で同様のことを早期に実現するよう上部機関に求めていたという経緯もございます。そういう中で行われているということからして、やはり現場の声というのは、現場に答えがあるということは、私は実感をしているわけです。
 今後とも、JRの北海道の経営陣はもとより国交省の皆さんも、答えは現場にあるということで、是非現場重視で、現場第一でいろいろと御指導願えればと、そのように思いますので、よろしくお願いいたします。
 軌道関係の現状についてお伺いをいたします。
 残念ながら、根室線においてグループ会社社員による軌道整備不良の事象が起きてしまいましたが、二度と同種の事象の起きないように、何か今回の事象から教訓化されていることはあるのか、そして組織にどうそれを反映させていくのか、お聞かせください。
#55
○政府参考人(瀧口敬二君) 今回の軌道の問題というのは、先ほど申し上げましたように、二つございました。軌道変位が放置されていたということと、改ざんがあったという二点でございます。
 こういった問題につきましては、今回の講ずべき措置の中に私どもの考え方をまとめさせていただいておりますが、改ざんについては、これはどういったことがあっても決して認められないということ、そしてまた、安全については、安全を第一にして作業を進めるということが必要だろうと思っております。残念ながら、そういった点において、軌道変位について、そういったような安全上の障害があるということについても十分認識をしていなかったといったような社員もおりました。こういったことにつきましては、徹底的に安全第一ということを根底のルールといたしまして、徹底していくことが必要だろうと思っております。
 そのためにも、ただいま委員御指摘のように、本社が、現場で一体何が行われているのか、また現場ではこういった問題があるということについて本社に伝える、そして対策を講じていくということが必要なんだろうというふうに考えております。
#56
○田城郁君 今回、グループ会社の社員の起こした事例でありますが、やはり、これはJR東日本でいえばこの前の川崎での脱線、横転事故にも共通しますが、本体とグループ会社、それも孫、ひ孫、ここに断絶が起きている、その中で意思統一やルールの統一がされていない、そういう中で、安全性の価値観も統一されていないという中で起きていることでもあると思います。
 そういう意味で、何か評価全般ということを行える状況ではないというのは前提にしながらも、軌道関係全般の取組について、良い方向性というか前向きに何か取り組まれているようなことがあれば御紹介願います。
#57
○政府参考人(瀧口敬二君) 五月のグループ会社の問題について御説明を申し上げます。
 五月の二十七日に、JR北海道から鉄道局に対しまして、五月十日の根室線音別駅構内の曲線区間のPC枕木交換作業におきまして、作業を請け負っておりましたのが、グループ会社でございますが、北海道軌道施設工業でございますけれども、この社員が、PC枕木交換後の仕上がり検査の際に一部の軌道変位の検測を失念をいたしました。その結果、JR北海道に対しては検測していない数値を報告をしていたという旨の報告が私どもの方に対して五月の二十七日にあったということがございました。JR北海道のグループ会社においてこのような事案が発生したことは誠に遺憾でございます。
 JR北海道においては、今回の事案につきましては、軌道変位が自社の、JR北海道の検測で確認された後、直ちに運転を中止をし、この軌道変位を補修するということを実施いたしております。さらに、グループ会社に対して事実関係の調査を求めるといったなどの対応がなされているというふうに報告がございました。
 国土交通省といたしましても、JR北海道に対して、JR北海道本体のみならずグループ会社を通じて、私どもが講ずべき措置の中に指摘をいたしておりますコンプライアンスの徹底ということを行うよう指導したところでございます。
 一方、こういったグループ会社に係る極めて遺憾な事案はございましたが、JR北海道では、軌道に関する前向きな取組というものも多々行われているところでございます。幾つか御紹介を申し上げます。
 まず、JR北海道においては、社外の学識経験者などを交えました保線業務改善検討委員会というものが三月の二十六日にJR北海道保線再生プランというものを取りまとめております。このプランの中では、現場第一主義の実現に向けました業務執行体制の強化といったようなこと、それから自らが考え行動できる保線技術者の人材の育成といったようなこと、それから検査作業の適正化、システム化といったような内容でございまして、私どもが一月の二十四日に命じました講ずべき措置を踏まえ、保線業務の適正化に向けた具体的な内容が盛り込まれているというふうに評価をいたしております。
 また、この検討委員会の検討と並行いたしまして、JR北海道では、今年の一月から三月にかけまして保線関係の講習会を延べ三十一回開催をいたしております。この三十一回開催することによって、約八百人の軌道部門の社員に対しまして、鉄道運営に対します基本姿勢あるいは保線技術者の心構えなどとともに、検査から修繕までを適正に作業することの重要性などについても併せて確認をするといったようなことも行われているということでございます。
 さらに、この委員会でも御指摘をいただいておりました、特に老朽化が指摘されておりました函館線の渡島砂原経由、いわゆる砂原線でございますが、今年の十一月、すなわち冬期、根雪の前にPC枕木化を前倒しで行うといったような軌道関係の整備も重点的に行われているといったようなことでございます。
 JR北海道に対する信頼回復というのは非常に重要なことでございます。私どもも、JR北海道を指導監督しながら、信頼回復に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#58
○田城郁君 私は当初から、一気に変わるということはあり得ないと、お金の問題、あるいは人の問題、物理的に材料がないとかそういう問題も含めて、一気に変わることはないが、しかし、その中でスピードアップをして改善をし、道民の皆さんに信頼感を醸成していかなければいけないというようなことを指摘をしておりました。そういう中で、問題はまだまだ一気に解決しませんが、方向性としては非常に好循環がつくられつつあるのではないかと、そのようにも感じております。
 次に、現場の声の重要性ということで大臣にお伺いしたいと思います。
 保線畑、土木畑出身の須田会長のインタビュー記事が六月十六日付けの交通新聞に載っておりました。須田会長は、本社と支社、現場が乖離し、車両が古くて限界、枕木交換が必要といった現場の悲痛な声が届かず、的確な手を打てずにいました、現場とのキャッチボールをしていればトラブル前に直すこともできたはずです、現場の声を聞くことが大事です、鉄道は現場社員の力で動いているのですからと述べておられます。
 私と太田大臣のこの間のやり取りの中でも現場の声を聞く重要性を再三確認をしておりますが、須田会長の現場に対するお考えについて太田大臣はどのような御感想をお持ちでしょうか。
#59
○国務大臣(太田昭宏君) 会長就任前も現場が大事だということを、須田会長はずっと保線を始めとする現場でやってこられた方ですから強調しておりますが、そのようによく今現場を回っているというふうに思います。そして、現場でこうしてほしい、ああしてほしいということについてはすぐ手を打つという動きが始まっているというふうに思います。
 安全の徹底ということについても、須田会長と話をしますと、安全にしろ、安全にしろ、安全でなくちゃ駄目だということを体にしみ込ませると、こう言っても、技術が伴わないとということもまた大事なことなので、技術的なもの、料理作っても、本を読んで作ってもおいしい料理ができるかどうかというのはまた別の問題ということがありますから、体で覚えるということが非常に大事なので、そこのところを須田会長は本当に対応しようとしている努力が私は感じられるんです。なかなか安全については予断を許さないわけでありますけれども、緊張感を持ってこれからもやっていただきたいというふうに思っているところでございます。
#60
○田城郁君 ありがとうございます。
 次に、教育の必要性、重要性についてお伺いをいたします。
 須田会長は、この記事の中で、現場の社員は熱心に話も聞いてくれ、前向きに仕事に取り組む姿勢がうかがえます、ただ、気持ちがあってもトレーニングされていない、ルールを繰り返し植え付けていかなければなりませんとおっしゃっております。私はこの間、教育の重要性についても強調してまいりましたが、会長もまさに教育訓練の必要性を訴えておられます。
 これはJR北海道に限らず言えることなのですが、他のJRにも言えることなのですが、教育訓練を軽んじる傾向があるように思います。確かに、教育や訓練にはコストが掛かります。これを経費と捉えてコスト削減の対象に考えているという節も私には感じられるのです。私は、教育訓練は安全性確保への投資だと考えております。現場の社員が新しい仕事を前に不安を解消したいので訓練をしてほしいと求めても必要ないと訓練を拒むなど言語道断だと思います。
 太田大臣は、教育訓練の必要性についてどのようにお考えでしょうか。もう一度お願いいたします。
#61
○国務大臣(太田昭宏君) 今私が申し上げたトレーニングも必要であるという、安全ということを意識においても体においてもしみ込ませると、これは相当時間も掛かるしエネルギーも要るというふうに思います。その辺をしっかりやるということが非常に大事で、このJR各社等の取組も含めて、教育訓練の充実を図るということが極めて大事だというふうに思っておりまして、国交省としてもその辺をJR北海道始めとして各社に徹底をするようにしたいというふうに思っております。
#62
○田城郁君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 最後に、国の支援の必要性についてお伺いします。
 会長は、一つの反省として、現場がお金が足りないというのに必要な予算を付けていくことが欠けていました、負の遺産を一掃するため、安全に関わる修繕、設備投資は現在巨額に上っておりますが、平常時に戻った際にどれだけ必要なのか、ランク付けも含め明確にしていかなければなりません、国に支援をお願いせざるを得ない場合もあるかもしれませんということを訴えております。
 来るべき外国人観光客二千万、三千万人時代に備え、JR北海道を観光立国の主役として頑張ってもらうためにも、国も是非支援について前向きにお考えいただければと思いますが、大臣にお考えをお伺いいたします。
#63
○国務大臣(太田昭宏君) これまでJR北海道については、脆弱な経営基盤を強化するために、国鉄改革時に経営安定基金を六千八百二十二億、平成二十三年度にさらに経営安定基金の積み増しを実施しているところでございます。さらに、老朽化した施設の更新等のための設備に対する支援として、二十三年度から十年で六百億円の支援をやっているというところでありますし、社長、会長を始めとして、そうしたものについては、安全ということについては使いなさいということを私、強く申し上げております。
 そこで、使いなさいと言っておいて、使い切ってありませんでしたということで不安にならないよう、あくまでその中でやるということを頑張ると、こういうふうに言っているわけでありますけれども、その辺について、経営陣の考え方も聞きながら、JR北海道の努力と併せて、何よりも安全第一という観点で何が必要かよく話合いをしながら、適切に対応していかなくてはならないと思っております。
#64
○田城郁君 自助努力は大前提であります。その中で是非これからも国の御支援をよろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございます。
#65
○室井邦彦君 日本維新の会・結いの党の室井でございます。
 早速質問に入りたいと思います。私は、航空関係のLCC関係、触れてみたいと思います。
 我が国におきましても、国際競争力のある戦略的な航空政策としてオープンスカイ政策が推進をされてきました。こうした航空政策の大転換によりまして、格安航空会社の就航が飛躍的に拡大し低運賃等のビジネスモデルを展開するLCCが更に浸透していくことで、今まで航空機を利用していなかった層の利用拡大が見込まれております。
 こういう中で、新たな更なる需要が期待をされておるわけでありますが、五月十二日の読売新聞のこれは数値でありますけれども、日本の空港を発着するLCCは十五社以上になっておると、国内線のシェアは六%を超え、今後一層激化しそうだというふうな記事が書かれておりましたし、私も国土交通委員会のメンバーとしてそんなことを承知をしておるところであります。
 一方で、この急速な事業の拡大策は、深刻なパイロット不足、また運航トラブル等が顕在化させている、このように聞いております。増便や路線拡張で利便性の向上を図ることは、経営上これは重要な戦略であることはもっともなことでありますが、何よりもやっぱり安全確保が最優先されなければいけない、このように思っております。
 そこで、急成長を遂げているこのLCCが健全な発展を続け、これからも航空輸送需要の拡大につながる、そしてまたパイロットの確保を含めた安全運航の徹底が喫緊の課題と考えております。国土交通省として今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、お聞かせをください。
#66
○国務大臣(太田昭宏君) LCCの需要は今後更に拡大されるというふうに思います。
 ただ、御指摘のように、パイロット不足とか減便せざるを得ないとかいう話がありましたものですから、これは、整備ができないとか、もう大変心配しまして、国交省として様々打合せをしたり現場の話を聞かせていただいたり、この間、私も関空からわざわざ来ていただいて、技術者も含めて話を聞かせていただいて、いや、関空は非常に活況を呈して、特にLCCは若い人、女性も多いから非常に活況を呈してきていると、これからも更に頑張っていかなくちゃならないと。
 パイロット不足については、もう短期的には自衛隊パイロットの活用ということや外国人パイロットの活用、そして健康を害しているという方がいらっしゃいますから、その対応ということでいきたいということなんですが、話を聞きますと、中期的に、計画的にどれだけそれが必要になってくるかというグラフをそれぞれの会社が立てておりまして、自社の養成を促進したり、私立大学校等の民間養成機関の拡充、あるいは航空大学校の更なる活用等、国交省も一緒になってやっていくということで長期的に対応していかなくてはいけないということを打合せをさせていただいたところです。
 それで、安全面でありますけれども、安全の確保は大事なんで、安全監査の、このLCCについては監査の頻度を上げるということ、あるいはまた外国のLCCにつきましては、ランプインスペクションと、こう言うようでありますが、立入検査ということをするというようなことで、特にその辺の頻度を上げたりしながら安全確保をしていきたいというふうに思っているところです。
#67
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 よくLCCというと、関西から、東京からでも一緒でありますけれども、奄美大島に行く、関西から沖縄に行く、沖縄に行く方が運賃が安い、なぜなんだということをよくよく奄美の関係の方々から要望、また陳情を受けておるわけでありますけれども。
 奄美関係はJAL、JACのテリトリーというか、そういうふうに決まっておるようでありますけれども、バニラエアが、たしかバニラエアでしたね、成田から奄美まで八千円で飛ばすと。これはもう驚き、JAL、JACの土手っ腹に穴を空けたといいますか、すごいことでありまして、これも期限が切られております。七月一日から十月の二十五日ということで、奄美群島、南西諸島の人たちは躍り上がって喜んでおるわけでありますが、それが採算合うのかどうか、今後の課題でありますけれども。そういうときにこのパイロット不足が出ましたもので、一瞬もう背筋が凍るような思いをしたわけでありますけれども、限定の間は何とか頑張るというような答えも聞いておりましたので多少は安心しておりますけれども。
 陸海空におきましてもこの日本の安全基準というのは冠たるもので、私は誇りに思っております。これからもどうか、空を飛ぶことでありますから、この安全に対しましてはしっかりとまた教育、対応をしていただきたい、このように御要望をしておきます。
 もう一点、関空の経営状況について触れさせていただきたいと思いますが、関西国際空港は国際拠点空港として再生強化をされております。関空、伊丹両空港において、関西圏の航空輸送需要の一層の拡大を図ることが我々にいたしましても大きく期待をしておるところであります。そういう中で、関空会社の現在の一兆一千六百五十九億円の負債がやはりしっかりと早期に確実に返済されることが喫緊の課題だ、このように感じております。
 このような問題を抱えながら、関空、伊丹空港、両空港においては、事業価値の最大化に向けた具体的な取組として、LCCの拠点化と国際貨物ハブ化が推進をされているところであります。新関空会社が更なる経営の効率化を図るためには、スケジュールどおり、早ければ二〇一四年度にコンセッションの手続を進め、利益向上や企業価値の増大につながる対策に当たるべきと考えるわけでありますが、国土交通省として、関空のLCC拠点化並びに国際貨物ハブ化向けにこれまでどのようなことに取り組んでこられたのかお聞きをし、また、さらに今後どのように取り組もうとしておられるのか、お聞きをしたいと思います。
#68
○政府参考人(田村明比古君) お答え申し上げます。
 現在、関西空港、伊丹空港につきましては、先ほど先生もおっしゃいましたように、債務の早期かつ確実な返済、そして、特に関西空港の拠点空港としての再生ということを目的といたしましてコンセッションを準備をしているという状況でございます。この新関空会社は、二つの空港の事業価値の増大を図りまして、できる限り速やかにコンセッションの手続を進めることを目指しているところでございます。このために、新関空会社では、航空分野、それから非航空といいますか商業分野、両方の面でその事業価値の増大のための取組を進めております。
 御指摘のLCCの拠点化、それから国際貨物ハブ化につきましては、この航空分野の事業価値増大の取組の一環でございますけれども、これまで、利用者ニーズに沿った着陸料の設定、あるいは新たなターミナル整備、これはLCCもターミナル整備いたしましたし、貨物の方もターミナル整備をいたしました、をやっているところでございますし、国交省といたしましても、このLCCのターミナル等に併せましてCIQ施設の整備というようなこともやっております。
 それから、貨物の航空会社の誘致につきましては、関空会社と一体となって国も支援をいたしたところでございます。それから、特区制度の活用等につきましても、関係当局との調整でこれまでも支援をしてまいりました。
 今後とも、関空会社の様々な取組につきまして私どもも積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#69
○室井邦彦君 是非是非、この関空、また物流の拠点、積極的に取り組んでいただいて、関西の経済活性化のためにしっかりと確実に事業を進めていただきたいと。また、リニアですか、リニアは名古屋しか来ぬと、大阪には来ないというような、我々関西人の国会議員としても非常にそういう点は心配をしておりまして、関空も積極的に物流のハブ港としてまた取り組んでいただくように大いに期待しておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 港湾の方に今度は移らせていただきます。政府出資、この法案が改正されまして、この辺についてお聞きをしたいと思います。
 物流を制する者は世界を制する。まさに日本の国は四千近い港がありまして、そのうち三千が漁港、千近くが港湾と聞いております。まさに、六千八百五十二ですか、島々から囲まれた国であります。もちろんこの港というのは非常にウエートを占める部分がありますので、この部分について御質問をさせていただきたいと思います。
 アジア新興国を始めとする世界的な海上輸送貨物の増加に伴い、大量一括輸送としてコンテナ輸送船舶の大型化が、海上輸送の効率化という観点により時代の潮流となって進んでおるところでありますが、まさにパナマ運河の拡張はその傾向を更に加速をさせていくというふうに感じております。
 我が国においては、国際競争力の強化のため平成二十一年より選択と集中を進め、ハード、ソフト一体となった政策を講じ、国際コンテナ戦略港湾における財務体質の強化と埠頭運営の効率化が図られてきたと認識をしておるところであります。国際コンテナ戦略港湾として港湾局も非常に積極的に取り組み、努力をされ、阪神港、また京浜港──東京港、横浜港、川崎港、まあ阪神港は神戸港、大阪港、こういう形で統合されてこられました。多くの外貿コンテナが東日本、西日本より集貨され、平成二十四年度における貨物取扱量は、京浜港、これは六百九十万TEU、阪神港は四百二十万TEU、全体の約六三%を占めておると聞いております。
 御案内のとおり、港湾運営会社に対して政府の出資を可能とする港湾法が改正されました。そこで、港湾運営会社の政府出資が、この国際コンテナ戦略港湾における集貨、創貨に対する支援策を通じ物流コストの低減を図り、また産業立地競争力の強化につなげるためには、今後どのように実効性を担保していくのか、お聞きをしたいと思います。
 局長、申し訳ないです。もう一点、私、質問を用意していたんですけれども、僕、これ十一分で終わりということが書いておられますので、まずこの一問で一応質問を終了させていただきたいと思います。申し訳ないです。よろしくお願いします。
#70
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 御質問の運営会社の出資等についてでございます。
 御指摘のように、国交省といたしましては、この運営会社に政府出資を通じまして我々の国の政策的意図、これをしっかりと港湾運営に反映させるということで実効性を担保いたしまして、広域からの集貨、東日本からは例えば京浜港、西日本であれば阪神港、そういった広域からの集貨、あるいはコストを下げるようないろんな投資もしていただいて寄港コストの低減を図っていくと、そういうことを通じまして我が国への基幹航路維持拡大をし、ひいては産業立地競争力の強化につなげてまいりたいと考えております。
 以上です。
#71
○室井邦彦君 終わります。
#72
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗でございます。
 まず、国内の倉庫事業者を取り巻く状況について質問します。
 資産流動化法により、外資系中心の物流不動産ファンドの流入が増えまして、大型物流施設のリーシング事業が本格化しています。国内の倉庫事業者が金融スキームを利用した投機的な物流施設開発に駆逐されてしまう危険性があると考えますが、国交省としてどのように捉えているでしょうか。
#73
○大臣政務官(土井亨君) 御指摘いただきましたのですが、近年、物流不動産ファンドにより物流施設の供給が進んでいるということは承知をいたしております。
 御承知をいただきますように、物流不動産ファンドは物流施設を投資対象として近年急速に需要が伸びておりまして、主に通販事業の配送センターなどの賃貸として供されることが多いと聞いております。他方、多くの倉庫事業者は、メーカーなどの荷主の具体的ニーズを踏まえ、自ら倉庫を整備し、保管を中心とした物流サービスを提供をいたしております。また、災害時の民間物資拠点として公的な役割も担っているところでもあります。このように、両者はそれぞれ市場ニーズに応じたサービスを提供いたしていると認識しております。
 倉庫業の影響は現在のところ限定的なものと考えておりますが、今後とも倉庫業の影響について十分に注視をしてまいるとともに、物流効率化法による税制特例等により倉庫事業者の物流効率化等を支援してまいりたいと考えております。
#74
○和田政宗君 国交省の認識として、現状ではすみ分けはできているということだというふうに思いますけれども、これ投機的な物流施設開発が行き過ぎますとこれは影響はかなり大きいと思いますので、引き続き注視をしていただければというふうに思います。
 次に、関連しまして、国際海上コンテナの標準サイズの一つである大型の四十五フィートコンテナの公道での輸送について、促進されるように基準を緩和すべきではないかと思います。国交省でも検討を進めているということですが、現在の進捗状況や方向性、どうなっているでしょうか。
#75
○政府参考人(徳山日出男君) セミトレーラー等の大型車両の通行につきましては、交通の危険防止と道路構造の保全ということのために車両の重量及び長さ等の制限を定めておりまして、コンテナ用等のセミトレーラーの車両の長さについては十七メートルと制限しております。議員御指摘の四十五フィート国際海上コンテナを積載するセミトレーラーは十七メートルを超えるものがございまして、今までその輸送に制約がございました。この制約の緩和について検討してまいりました。特に先生御地元の宮城県におきまして、四十五フィートコンテナ物流特区という取組を平成二十三年からされておられます。
 そのような走行実績等から安全性が確認されたことを踏まえまして、セミトレーラーの長さの制限を十七メートル以上に緩和することといたしまして、先月、五月九日に道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針の取組の一つとして公表をさせていただいたところでございます。現在、平成二十六年度中に実施ができるように準備を進めているところでございます。
#76
○和田政宗君 これ、緩和が行われますと、全国的に四十五フィートコンテナの輸送が行われますと大きなメリットがあると思いますが、現在でも港から臨港地区に近接する倉庫までは輸送可能だということを余り周知されていないというふうに聞いておりますので、しっかりとした周知をお願いしたいというふうに思います。
 次に、巨大防潮堤問題について聞きます。
 まず、お手元の資料の三枚目を見ていただければというふうに思うんですけれども、岩手県の大船渡に造られている防潮堤です。(発言する者あり)今、同僚の委員の方からこれはすごいなというような声も上がりましたけれども、まさにこれコンクリートの巨大な壁で、こんなものを全国各地に造られたらまさに国土の破壊です。美しい国日本と言っている総理のときにこんな防潮堤が造られるというのはあってはならないというふうに思います。美しい国日本という総理の考え方、私は大いに賛同したいというふうに思いますけれども、これではちぐはぐと見られてももう仕方がないという状況です。
 そして、お手元の資料の一枚目、宮城県気仙沼市の大川沿いの防潮堤についてですけれども、高さ五・三メートルの細長いコンクリートの直立防潮堤の建設が計画されています。これではもう川も全く見えませんで、津波が来たときには逆に危ないのではないかというふうに思います。そして、道路沿いにコンクリートの壁が続きまして、景観上の配慮も全くなされていないと言えます。これは直立にするのではなく、傾斜を付けた堤防にするなどほかの方法はあると考えますが、そのような構造に改善しないんでしょうか、いかがでしょうか。
#77
○大臣政務官(土井亨君) 大川の堤防復旧に当たりましては、堤防の背後地に工場、主要幹線道路等が近接をいたしておりまして、その土地を利用するということになっております。このことを踏まえ、河川管理者であります宮城県におきまして、市のまちづくり計画との整合性を十分に図りながら直立型の堤防が計画されたと聞いております。
 しかしながら、気仙沼市等々、景観という形で検討してくれというお話もございまして、宮城県におきましては、現在、そういう気仙沼市と相談をいたしておりまして、今後は地元の皆様と意見交換をしながら景観等に配慮するよう検討いたしていくというふうに聞いております。
#78
○和田政宗君 これ、繰り返しになりますけれども、私は防潮堤自体については反対ということではありませんで、やはり地元にしっかりと合ったものを造っていただきたいということを思いますので、これにつきましてもしっかりと形状等について検討がなされるよう、国としてもしっかりとした御指導をお願いしたいというふうに思います。
 次に、石巻市の旧北上川における堤防計画について聞きます。
 お手元の資料の二枚目ですけれども、これ、川に中州があるんですね。これは中瀬と呼ばれる地区で、石ノ森章太郎の萬画館などがあるんですけれども、この地区に何も対策が行われずに両岸の河川堤防がかさ上げされますと、この中瀬地区に津波が集中するおそれがあります。萬画館ですので、当然、人も出入りするという状況です。この対策、どうなっているんでしょうか。
#79
○政府参考人(森北佳昭君) 委員御指摘の石巻市の中瀬地区でございますけれども、ここは河口地区部にございまして、中州となっております。この当該地区につきましては、復興まちづくりを総合的に進めていくという観点から、水辺に近づける親水空間といたしまして公園を整備するということとされております。当該箇所は災害危険区域にも指定されているところでございます。このため、当該地区の津波対策といたしましては、堤防を整備することはせずに、避難のためのソフト対策などについて地元石巻市において検討されているところでございます。
#80
○和田政宗君 そうしますと、ソフト対策でやるということをしっかりやっていけば、ここは河川堤防ですけれども、巨大防潮堤もその高さで造るのかというようなことにもなってくるというふうに思いますが。
 次に、巨大防潮堤の住民合意のことについてお聞きいたします。
 この石巻の北上川の資料では、国所管のところでは説明しっかり行っていこうという姿勢見られるんですけれども、宮城県が事業主体のところではもう乱暴とも言えるような状況になっております。
 昨年十一月、気仙沼市の小泉地区の振興会長が小泉復興政務官に建設推進の要望書を提出し、それを受けて小泉政務官は、速やかに小泉地区の防潮堤を推進すべきという考えを持っているとのことですけれども、地元の住民の方にお話を聞いていきますと、そもそも振興会での意見集約は行われておらず、一部の意見を振興会長が要望書として提出したと見られてもおかしくない状況です。
 こうしたことから、気仙沼市のお菓子メーカーの社長さんが小泉政務官に今年になって直訴状を送ったと新聞や雑誌で語っていますが、その直訴状に何が書かれているのかということを読みますと、拝啓小泉進次郎様、いっときも早い復興をと力を注いでくださいまして本当にありがとうございます。ただ、申し訳ありませんが、役所の方々のよいしょした意見を行政の方針そのままに進むだけの行動を見るに、このままではあなたは、ただの人気取りの国会議員になってしまうのではないでしょうか。何を聞き、何を感じ、どんなことをしてくれるのか。期待が大きい分、取り巻きの人間だけの話を見聞きして、それで終わっている姿を憂いを持って見ていますという内容です。
 これは強烈な内容ですし、小泉政務官にも反論はおありだというふうに思いますけれども、地元の思いはひとえに、もっと丹念に地元の状況を把握してほしいというところです。復興庁は、こうした住民の声を酌み上げて復興の総合調整をすることが役目なはずです。巨大防潮堤問題について現地の状況把握をもっとしっかりと行い、しっかり地元の声に耳を傾けるべきだと思いますが、小泉政務官、どのように考えるでしょうか。
#81
○大臣政務官(小泉進次郎君) 和田先生から今御紹介いただいた直訴状、私も地元に届きまして読ませていただきました。政治家というのはどんなことをやっても一〇〇%の賛成も一〇〇%の反対もありませんから、全てを受け止めて自分の信念に基づいて行動するのが政治家だと思っています。被災地についてもそれは変わらず、様々な意見を受け止めながら、被災地のためにと思ってこれからも真摯に取り組んでいきたいと思いますが。
 先ほど和田先生の御指摘をされたこの大船渡の防潮堤、これがまるで沿岸地域を埋め尽くすような、まさに防潮堤が万里の長城のようになるというのは、全くそういうことはありません。ですので、この委員会でも緑の防潮堤が実現可能になるような、そういった御審議もいただいたわけですから、まさに中島海岸においても、今は検討会、ワーキンググループ、こういったものも発足をしていまして、その中に、反対であると、そういう思いを持っている方も入っておりますので、まさにそういった声を受け止めて、実施の主体である県、そして国交省、農水省、そういった関係省庁がしっかり議論した上で地元の理解ができる限り得られるような結論に向けて動いていけばいいなと、復興庁もそのために全力を尽くしていきたいと思います。
#82
○和田政宗君 これ、中島海岸のワーキンググループにつきましても、これはやったというアリバイにならないように、しっかりと意見の中身も含めて国として注視をしていただきたいというふうに思います。
 それで、小泉政務官の方から、これが三陸沿岸、東北沿岸に全部できるわけではないというようなことでしたけれども、当然そうであるというふうに思いますが、こういった事例が散見されるというような状況で、そうしますと地元の住民の方も不安に思うわけです。国がいろいろ海岸法の改正等も含めて新たな取組をやるということですので、本当に私はこの美しい国日本というものを今しっかりと取り戻して子や孫の代に受け継いでいきたいというふうに思いますので、美しい国日本というのは、外交とか、いろいろな文化ですとか教育ですとか、そういった面もおありかと思いますけれども、本当に景観ですとか風景ですとか、日本のいいところもしっかりと受け継いでもらえるように、引き続き住民の意見をしっかりと酌み上げて、本当にいい形で復興が進むようにしていただければというふうに思います。
 それでは、少し話題というか質問を変えまして、次に建設現場における女性の登用について聞きます。
 これは、力仕事ではなく、施工管理や技術管理の部門などにおける女性の登用、人材難の解消の面や女性の社会進出の面から有効だと考えまして、以前、当委員会の質疑で取り上げまして、大臣からも前向きな答弁をいただいております。
 その後の進捗状況についてはどうなっているでしょうか。
#83
○国務大臣(太田昭宏君) 四月の初めだったと思いますが、御質問をいただきまして、これは大事で、やるということを私は言ったと思います。
 四月の二十四日に建設業五団体と会いまして、女性技術者・技能者を五年以内に倍増を目指すと、そしてそのために官民挙げた行動計画を策定するということを申合せをいたしました。そして、国交省としましても、女性の登用を促すために、女性技術者の配置を条件とするそうしたモデル工事の試行を始めたという状況にありまして、今月九日には第一弾となる入札手続を開始をすることができました。今後、夏頃までに、夏頃って、今もう夏かもしれませんが、もう少し暑くなる夏頃までに行動計画を取りまとめて、官民一体でこれは進めていきたいというふうに思っているところです。
#84
○和田政宗君 これは、労働力不足ということになりますれば、もう安易な移民とかを検討するのではなく、まず国内でしっかりと女性の進出ですとか人材の活用ということを図っていただければというふうに思います。
 次に、国連防災会議について聞きます。
 これもお手元の資料ですけれども、シンポジウム、みやぎボイスの資料があると思います。これは、宮城の建築家など建築の専門家が企画しまして、行政関係者や住民、NPOなどとともに復興の実現に向けて議論するシンポジウムで、毎年継続して行っています。復興公営住宅のデザインから根本的な国の復興政策まで丹念に議論されています。
 国連防災会議におきましては、会議に合わせて急遽行うようなイベントではなく、震災以後継続的に行っているシンポジウムなどを取り上げて、こうした取組から学ぶべきではないかと考えますが、政府の考えはいかがでしょうか。
#85
○政府参考人(佐々木克樹君) 第三回国連防災世界会議の本体会議と併せまして関連事業が実施される予定となっております。現在、開催実行委員会におきまして、地域団体も対象といたしまして、この関連事業の募集の準備を進めているところでございます。
 この国連防災会議は、東日本大震災からの復興の発信といったものも大きな意義があるというふうに掲げておりまして、御指摘のような継続的に行われているシンポジウムにつきましても関連事業として検討されていくということは望ましいものと考えております。
#86
○和田政宗君 その国連防災会議での関連事業ですけれども、これ費用、出展者の負担となるということで、これ大きな負担となりまして、例えば町内会とかでも防災の取組でいい取組をやっていて出展したいというところがあるんですが、その費用負担というのが足かせになっているというようなところもあります。何とか改善できないでしょうか。
#87
○政府参考人(佐々木克樹君) 関連事業の実施に係る費用につきましては、原則としまして各主催団体が負担することとなっております。先ほどの開催の関連事業の運営を行う実行委員会におきましては、様々な団体の規模に応じまして、参加しやすくなるように、小規模な会場の確保やプログラムの工夫等の取組を行うというふうに考えているというふうに聞いております。
 できるだけ多くの意欲ある地域団体の参加を得て、本世界会議が成功するよう工夫をしてまいりたいと思っております。
#88
○和田政宗君 次に、被災地において子供たちが遊ぶ公園が少ないという問題について聞きます。
 都市公園事業に該当するような大規模な公園の整備については国からの補助というのがありますけれども、町内にあるような小規模公園の整備などについて、国としてどのように取り組み、支援していくんでしょうか。
#89
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。
 都市公園事業につきましては、一部の政策的意義の高い低炭素化の法律等のものを除きまして、国と地方の役割分担ということで、二ヘクタール以上を国が支援するということとしておりますが、先生が御懸念の被災地につきましては、東日本大震災の被害から早急に復興する、子供を元気にするということで、防災集団移転事業、区画整理事業など新たな市街地整備、あるいは都市防災の拠点となるところで設けられる公園については二ヘクタール未満の小規模な公園についても支援をするということで、現在も亘理町等で約八百平米の公園、気仙沼では二百平米の公園も支援をしているところでございます。
 これからも子供たちの元気な姿が見られるように一生懸命支援をしてまいります。
#90
○和田政宗君 これも周知などについて改めて自治体の方にもしっかりとやっていただいて、しっかりとそのような子供たちが遊べるような公園が造られるようにしていただければというふうに思います。
 最後の質問になりますけれども、現状での尖閣諸島の防衛についてお聞きしたいというふうに思います。
 中国等の外国公船から武装した乗組員が尖閣諸島に上陸しようとした場合においては、一次的に海上保安庁が対処すると理解をしております。
 ただ、明らかに通常とは異なる量や種類の武器が外国公船に積載されていることが判明して、その船が尖閣諸島など我が国の領土を目掛けて進んでいる場合でも、まずは海上保安庁で対処することになるんでしょうか。
#91
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。
 委員お尋ねの事例につきましては、個別具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概に申し上げることは困難ではございますが、領海警備は第一義的には警察機関である海上保安庁の任務であります。今後とも、関係省庁と緊密に連携しながら領海警備に万全を期していくこととしております。
 しかしながら、海上保安庁では対処することが不可能又は著しく困難と認められる場合においては、自衛隊法の規定に基づいて海上警備行動が発令されるものと認識しております。
#92
○委員長(藤本祐司君) 和田政宗君、時間が来ていますので、まとめてください。
#93
○和田政宗君 先ほども議論になりましたけれども、しっかりと我が国の国民の命ですとか領土を守っていくという観点で集団的自衛権の問題も私は議論すべきであるということを申し述べて、私の質問は終わらせていただきます。
#94
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 まず、リニアについてお聞きします。
 六月の五日、リニア中央新幹線に係る環境影響評価書に対する環境大臣の意見が国交省に提出をされました。幾つか抜粋をしますと、地下水位の低下、河川流量の減少及び枯渇を招き、ひいては河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高いと。また、工事の実施に伴う大気汚染、騒音・振動対策等、本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがない。膨大な電力消費についてはどうか。こうあります。本事業の供用時には現時点で約二十七万キロワットと試算される大量のエネルギーを必要としているが、現在我が国があらゆる政策手段を講じて地球温暖化対策に取り組んでいる状況下、これほどのエネルギー需要が増加することは看過できない。これ、JR東海の評価書に対して厳しい意見が総じて述べられております。
 大臣にお聞きしますけれども、大臣は本委員会で繰り返し、評価書を精査し、環境大臣の意見も勘案し、また、知事からの意見がどのように反映されているかについてもしっかり検証していくと答弁されております。この環境大臣の意見を勘案し評価書をしっかり検証するというならば、このままこの事業を認可することはできないと思いますけれども、どうでしょうか。
#95
○国務大臣(太田昭宏君) JR東海から環境影響評価書が四月二十三日に送付されまして、そして、その日に環境省に送付をされ、そして環境影響評価法に基づいて六月五日に環境大臣の意見が国土交通省に提出されたという経過です。
 リニア中央新幹線は、全長約二百八十六キロ、南アルプスの長大山岳トンネルや大深度地下トンネル等の大規模な工事が予定されている。そして、今話もありましたが、環境大臣から、大気環境、水環境、水質、地下水、水資源、土壌環境、動物、植物、生態系、人と自然との触れ合い、建設発生土、温室効果ガスなど多岐にわたる環境行政の観点からの詳細な意見をいただいたところです。
 この送付を受けてから九十日以内に、環境大臣意見を勘案して国土交通大臣の意見を述べることができると、このようにされております。現在、環境大臣からの意見や、三月下旬に出されました、JR東海に対して出された知事からの意見等について精査をしているところです。
 いずれにしましても、リニア中央新幹線が環境の保全について適正な配慮がなされたものとなるように対応したいというふうに思っております。
#96
○辰已孝太郎君 環境大臣の意見では、本事業は関係する地方公共団体及び住民の理解なしに実施することは不可能であるということまで言っております。評価書が出された後も、首長から意見が全然反映されていないという声が相次いでいるなど、私は全然理解はされていないというふうに思っております。
 もう一つ、これは国交省に確認をしますけれども、このリニアの工事に際して、大井川の流量減少ということが準備書でも指摘をされておりますけれども、この大井川の流量減少があった場合、この環境影響を回避できる工法の提案がJRからなければ施工を許可しないということが国交省から示されたという報道がされております。不測の事態が生じた場合でも施工の停止を命令できるということも報道されていますけれども、これについては間違いないかどうか、簡潔に。
#97
○政府参考人(瀧口敬二君) まず、現在アセス法に基づく手続が行われておりますが、それが終了いたしますと、その後は全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画の認可という段階に入ります。この認可をする際につきましては、アセス法の三十三条の規定に従いまして、環境影響評価手続における意見などで示されました環境保全について適切な配慮がなされるものであるかどうかを審査をするということが書かれておりますので、したがいまして、この工事実施計画の認可につきましてはこの規定に従って判断をしていくということでございます。そういった制度になっているということでございます。
 なお、一旦認可をした上で、実際の工事は一体どうなのかということにつきましては、これは、我々はあくまでも鉄道行政の立場からいたしますと、アセス法で示した意見、そして認可をしたときの考え方に従って、建設主体であるJR東海にそれを実行させるというのがまず第一義でございます。
 したがって、それを大前提として、制度的にどうなっているのかというお尋ねについてお答えをするということで申し上げますと、鉄道事業法の今度は適用を受けることになりますので、鉄道事業法の規定といたしましては、必要により鉄道事業法に基づく事業改善命令により工事の実施方法に関する改善措置を命ずることができるといったような規定がございます。これはあくまで制度上の問題でございます。
#98
○辰已孝太郎君 周辺住民の皆さんから大変な懸念の声が出されておりますし、大臣意見でも、最大限これ環境影響を回避、低減するとしても、なお相当な環境負荷が生じることは否めないと、こういうことが記されているわけですから、そもそもこういう事業を認可することをすべきじゃないと私は言っておきたいと思います。
 最後に、大臣に確認をします。
 今、二〇四五年開通予定の名古屋―大阪間をこれ前倒しをするために、建設費用を無利子でJR東海に貸し付けるべきだとか、また、国が先に建設して、後で元本分をJR東海に負担してもらったらどうかなどの声が関係団体や議員から出されておりますけれども、大臣、建設費用は全てJR東海が負担するというのが建設指示の大前提だったと思いますが、これが変わることはありませんね。
#99
○国務大臣(太田昭宏君) リニア中央新幹線の東京―大阪間の同時開業ということに関しまして、大変強い要望が特に関西、大阪から出ていることは承知をしています。
 一方、この事業におきましては、JR東海が民間企業として経営の自由や投資の自主性の確保を貫徹することが大原則との前提の下で、全額自己負担で整備するとの意向を示したことを受けまして建設の指示が行われたということです。したがって、本件に関しましては、現在の建設主体であるJR東海の考え方をよく踏まえていく必要があると思います。
 なお、東京―大阪間の全線同時開業の要望に関しては、財源や地元の負担など更に検討すべき課題があると思われます。このため、要望している関係者やJR東海等における今後の対応を見守ってまいりたいと、このように考えているところです。
#100
○辰已孝太郎君 私は何度も指摘をしてきましたが、やはり税金は投入されない、JR東海が負担するということであるから、国会での審議はほとんどされてこなかったわけです。そもそも過大な需要予測でありますし、JR東海の経営が立ち行かなくなれば国費の投入ということになります。
 私は、この大前提が崩れることになれば、これは国会でもう一回審議をやり直さなければならないと思います。我々は建設に反対ですけれども、国会審議が尽くされるまで大臣には認可を出さないということを強く求めておきたいと思います。
 続いて、踏切事故についてお聞きをいたします。
 二〇一三年の踏切事故の件数は二百九十五件でありました。踏切事故による死者数は、この十年で平均で百二十名を超えております。
 総務省近畿管区行政評価局は、二〇一三年四月から七月にかけて踏切道の安全確保を調査し、その結果に基づいて改善を国交省に指示をしております。その中にはこうあるんですね。高齢者や障害者のための安全対策、この項目の中で、人が時速五キロメートルで踏切道を通過するとしており、踏切遮断機の遮断装置の警報開始から遮断完了までの時間がこれで設定されていると、これは高齢者や障害者に配慮されたものになっていないと、こうあるわけです。
 国交省はこの指摘を受けてどのように改善措置をとったのか、簡潔にお願いします。
#101
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、総務省の近畿管区行政評価局から、昨年十月、近畿運輸局等に対しまして通知がなされております。今委員御指摘をされました調査結果を踏まえて指摘を受けておるわけでございますが、その指摘内容は、今後も春秋の全国交通安全運動や踏切事故防止キャンペーンの機会を利用するなどして、踏切通行者等に対する一層の注意喚起に努めるなど、踏切道の状況に応じた高齢者、障害者のための安全対策を関係機関と協力して推進するよう鉄道事業者を指導することというのが近畿運輸局等に対します指摘内容でございます。
 これを受けまして、踏切事故防止キャンペーンというものを毎年度行っておるわけでございますが、二十五年度は管内百六十六か所の踏切道等で事故防止の啓発活動を実施いたしました。また、踏切道で立ち往生した場合等の対処方法を記載をいたしましたチラシを近畿運輸局におきましては二万枚作成をいたしまして、管内の鉄道事業者に配備をする、さらに、踏切道付近にございます高齢者の施設六か所を訪問いたしまして介護担当者に対してチラシを配付をするといったような、この指摘に対する対応を講じたところでございます。
#102
○辰已孝太郎君 啓発活動、注意喚起をした、周知徹底したということなんですが、私はこれは抜本的な対策にはまだ程遠いと思うんですね。高齢者や障害者に配慮したものになっていないと、こういう調査結果ですから、やはり配慮したものに変えていくということが大事だと思います。
 先ほど言いました警報が鳴ってバーが下りるまでの時間は、通行人が時速五キロメートルの速さで踏切を渡り切るということが目安になっているわけですね。これ本当に妥当だろうかと。これ時速ですけれども、秒速に直しますと一・三九メートルなんですよ。一秒間に、これちょっとパネル用意しましたけれども、(資料提示)一・三九メートルというのはこれぐらいの長さです、一秒間で。健常者であれば通ることはできると思います。しかし一方で、高齢者であれば、この距離を一秒間で通るのはなかなか私はできないケースもあるんじゃないかと思っておりますし、ちなみに不動産広告の駅まで徒歩何分というのは一・三三メートルなんですよ、秒速。それよりも、一・三九ですからね、やっぱりここは私は直していくべきではないかと思います。
 国交省に聞きますけれども、やはり事故で犠牲になる方を一人でもなくすために、この基準自体を高齢者や車椅子利用者などの方々に合わせたものに見直す必要があるんじゃないかと思いますけど、どうでしょう。
#103
○政府参考人(瀧口敬二君) その時速をどのように設定するのかということは、実は踏切の警報時間をどのように設定するのかということでございます。言うまでもなく、それぞれの踏切によりまして、踏切の渡る距離ですね、私どもは長さと言っておりますが、渡る距離や列車の運行形態などが異なりますので、これらに応じて、鉄道事業者がそれぞれの踏切に応じた適切な踏切の警報時間というものを設定をすることにいたしております。
 警報時間を長くした場合、一体何が起こるかと申しますと、より遠くに列車があるときにも警報が鳴り始めるということになりますので、結果的に遮断時間が長くなるということを実は意味をいたします。これに伴いまして、付近の道路交通にどのような影響を与えるかということを考えなきゃならぬという問題。それから、警報が鳴り始めてもなかなか列車が来ないということを実は意味をいたしますので、逆に、こういった警報が鳴り始めても無謀にも横断を始めるというようなケースが実はございます。そういった危険性も実は指摘をされております。
 したがって、警報時間だけを長くすれば全て安全になるんだというわけではないだろうということで、問題意識を持ちながら対応する必要があるだろうというように考えております。
#104
○辰已孝太郎君 これで全て問題が解決するというふうには私も思っておりませんが、しかし、事業者に任すということでもあると思いますが、しかし、さきの総務省の調査でも、車椅子利用者の通行量を把握していたのは、これは関西の、近畿の鉄道会社五社のうち一社しかなかったと、こういう指摘もあるわけですから、やっぱりまず実情を把握していくということが何よりも大事だし、それで安全対策を講じるということが大事だと思います。
 やはり問題は、鉄道事業者と国が、不幸にも事故が起こったときに行われる調査や再発防止にどれだけ真剣に取り組んでいくのかということだと思っております。これから高齢化社会が到来する中で、認知症の方がどれだけ事故に遭ったのかなどをこれ調査を広げて情報を収集するということも大事だと思います。JR東海は、列車にはねられて亡くなった認知症の男性の遺族の方に、見守りを怠ったとこれ遅延損害の賠償も行っていますけれども。
 私、最後に大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、やはり事業者に安全第一の対策を徹底させること、これも大事だと思いますが、同時に、国としてやはりこの踏切事故の調査の対象も広げていく、事故の対策の検討会なども立ち上げて対策に本腰を入れていくべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
#105
○国務大臣(太田昭宏君) 高齢化が進んでいく中で、この踏切事故については非常に大事な課題であるというふうに思っております。
 国交省では、省内の関係部局、学識経験者、鉄道事業者、道路管理者等から成る検討の場を設置し、高齢者等の踏切事故の実態を把握するとともに、どのような対策が考えられるか検討すべく、現在準備を進めさせているところでございます。
#106
○辰已孝太郎君 是非、一人でも多くの人がこの事故で亡くなることがないように、検討会で十分議論していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#107
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 私は、去る六月十五日の日曜日に山口県岩国市の米軍岩国基地を視察をいたしました。岩国基地は、沖縄の皆さんの負担軽減の美名の下で、沖縄県外の米軍基地で最も増強されている米軍基地でございます。
 そして、それに関連をして米軍の住宅の建設について様々な問題が生じておりまして、建設予定をされているところの周辺の住民の皆さんから不安や懸念や反対の声が上がっています。そのとき、私も住民代表の皆さんとお会いをして様々な意見も伺いました。
 米軍基地全体の問題は別のところで質問しますけれども、今日は国土交通省の所管に関わる法手続の問題点について質問をさせていただきたいと思います。
 山口県岩国の愛宕山新住宅市街地開発事業は、米軍岩国基地の騒音軽減や危険除去等を目的として、沖合を埋め立てて滑走路を一キロ遠ざけるとともに、埋立てに必要な土砂を採取した愛宕山を二十一世紀の理想の住宅地にするとのうたい文句で、県の住宅供給公社が国土交通省の新住宅市街地開発法に基づく認可を受けたものであります。
 しかし、二〇〇七年三月、経済状況の変化により事業継続は困難とする県の判断を表向きの理由とし、厚木基地からの米空母艦載機五十九機などの移駐受入れに伴う米軍住宅の必要性を背景に、二〇〇八年十一月、突如、県公社から国土交通省に新住宅市街地開発事業認可取消しの申請がなされ、翌二〇〇九年二月に事業認可が取り消され、結局、用地は一二年三月に防衛省に売却されてしまいました。これに対し、旧地権者を中心とする周辺住民は事業認可取消処分の取消し等を求めて訴訟を提起し、現在、広島高裁で係争中であります。
 国土交通省の説明によれば、新住宅市街地開発法の認可取消しは、この愛宕山と茨城県住宅供給公社による水戸・勝田都市計画新住宅市街地開発事業のみで、事業認可の取消しの根拠条文も都市計画法第五十九条ということであります。しかし、法五十九条は単に都市計画事業の認可に当たり施行者を規定しているだけの条文でありまして、これが根拠条文であるというのは無理があるのではないかと思われます。法五十九条をどう解釈すれば新住宅市街地開発事業の認可取消しの根拠規定と言えるのでありましょうか。
 また、一般に申請があって処分がある場合、標準処理期間や異議申立て等の手続規定が法定されております。新住宅市街地開発事業認可取消し申請から取消処分に至る手続は条文上どのように規定をされているのか、まず伺います。
#108
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の新住宅市街地開発事業は強い住宅の需要があるという場合に行うということで、同法五条の規定により、都市計画事業として施行するということになっております。都市計画事業につきましては今御指摘のとおりでございまして、都市計画法五十九条に認可、すなわち授権の規定がございます。
 認可の取消しの条文がないのではないかということでございますが、法令上は、その取消しについて明文の規定がない場合も、認可の権限を付与される者が認可を取り消すことが可能となります。この点につきましては、最高裁の判例、昭和六十三年六月十七日の判決におきまして、法文上、直接明文の規定がなくとも、認可の権限を付与されている者が認可を取り消すことは可能というふうにされているところでございます。
 なお、今、取消しに当たっての異議申立てその他の規定ということでございますが、当該のものにつきましては、そもそも取消しということが、不利益処分というよりは、当該当事者が取消しをしたいということで言っておられるということでございますので、それに基づいて、かつ都市計画に適合するということが求められておりますので、それに基づいて処分をしたということでございます。
#109
○吉田忠智君 行政法上の一般的な解釈で読み込むというのは相当無理があるのではないかと思います。
 新住宅市街地開発法は、最終的に収用することになる土地を別の私人に売り渡すことになるため、法二十三条一項で、旧地権者の優先譲受け権の保障など、旧地権者の財産権に配慮する規定が設けられております。一方で、事情の変化があれば、新住宅市街地開発事業を認可した国土交通省の一方的な判断で認可の取消し、撤回が可能であり、その場合、この新住宅市街地開発法上の旧地権者への配慮が全く不要であるとすれば、これは著しくバランスを欠くのではないかと考えますが、いかがですか。
 説明責任を果たすとともに、旧地権者の意向を尊重した新たなまちづくりを支援するため、認可取消しに関わる法的な整備が必要ではないかと思いますが、伺います。
#110
○政府参考人(石井喜三郎君) ただいま御指摘の事業を中止した後の対応でございますが、これは用地取得の状況あるいは事業の進捗の状況等によりまして個別に対応が異なります。
 本件の場合には、一次造成、粗造成までが済んでおりますが、宅地として処分できる前の段階で事業が中止をされております。このため、これら事業の中止については、事業者が個々の事例に応じて事業中止後の対応を判断すべきものと承知しております。
 なお、本件愛宕山の新住宅市街地開発事業につきましては、御指摘のとおり都市計画事業認可の取消処分の訴訟が提起されておるところでございますが、第一審の広島地裁では、この利益衡量の点につきまして、旧地権者である原告の主張する造成宅地を優先的に購入する権利、御指摘のポイントでございますが、これは法的保護に値する利益であるとは認められないという理由で国側が勝訴しているところでございます。
#111
○吉田忠智君 もう一つの例で、私が先ほど挙げた水戸ニュータウンは、県公社の債務超過による破綻というかなり極端な事例であります。
 この岩国愛宕山の旧地権者の皆さんは、良好な宅地開発のために工事に協力したのに、米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転に伴う米軍住宅などに転用されようとしている、国や事業を計画した山口県にだまされたと憤っておられます。
 国土交通省が防衛省と山口県によるこのような詐欺的な行為に積極的に加担したとは思いませんけれども、このままでは採算見込みの厳しいニュータウン計画を米軍関連施設の用地計画に転用させるというあしき前例をつくることになるのではないかと大変危惧をしております。
 大臣に伺いますが、一旦事業認可の取消しを取りやめて、米軍住宅建設工事の強行を止めて、旧地権者や地元住民と事業者、自治体が話し合うよう、国土交通省としても努力すべきではないかと考えますが、いかがですか。
#112
○国務大臣(太田昭宏君) 愛宕山新住宅市街地開発事業につきましては、住宅需要の変化を理由にしまして、先ほどもありましたが、平成二十一年二月に山口県が都市計画の廃止を決定し、同時に、事業の施行者である山口県住宅供給公社からの申請を受けまして、法律に基づいて事業認可の取消しが行われたというふうに承知しております。また、事業中止後の平成二十四年三月、用地が山口県住宅供給公社から防衛省に売却をされていますが、これは地方自治体として判断をされたというふうに思います。
 このように、御指摘の事業につきましては、地元である山口県、岩国市の判断によって、法律に基づいて手続が進められてきたものだと考えています。
#113
○吉田忠智君 法五十九条で新住事業の認可取消しを読み込むことや、この新住法二十三条等で示された旧地権者保護を含む宅地処分の公共性を確保する趣旨の規定が取消し時に全く配慮されないなど、そもそも都市計画法、新住法自体が事業認可の取消しを想定しているようには読み取れないわけであります。行政の公正と透明性の確保の観点から、やはり明文で取消しに関する規定を設けるべきだと考えます。
 今国会では、人口減少をテーマにした議論が多く見受けられました。さらに大臣に伺いますが、愛宕山米軍住宅の問題を離れても、都市計画や市街地整備事業について、人口減少の時代背景にあって、計画の変更や事業認可取消し等、その際の関係者の権利保障を明記する法整備が必要ではないかと考えますが、いかがですか。
#114
○国務大臣(太田昭宏君) 先ほど都市局長からありましたが、新住宅市街地開発事業の認可の取消しについては、明文上の規定がなくても法律上可能ということになっています。一方で、事業を中止した後の対応につきましては、用地取得の状況や事業進捗の状況など、個別の事例によって異なると思います。このため、対応は、事業者が個々の事例に応じて事業中止後の対応をすべきものというふうに考えます。
#115
○吉田忠智君 私が提案をしました法整備については、大臣自身は必要がないというお考えですか、今時点で。
#116
○国務大臣(太田昭宏君) まずは、今私が申し上げましたように、個々の事例に応じて事業中止後の対応をすべきものだというふうに考えています。
#117
○吉田忠智君 法を無理な解釈に依存することは、私はやっぱり行政の信頼性を傷つけて、国民の権利利益を侵害をするというふうに考えます。法治国家として当たり前の法整備をやっぱりすべきだと思いますけれども、今日これ以上大臣と議論しても、どうも平行線のようでありますから、是非こういう事例を踏まえて、これから法整備についてやっぱり検討すべきである、そのことを強く申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#118
○委員長(藤本祐司君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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