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2014/06/19 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 経済産業委員会 第18号
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2014/06/19 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 経済産業委員会 第18号

#1
第186回国会 経済産業委員会 第18号
平成二十六年六月十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     増子 輝彦君     榛葉賀津也君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     増子 輝彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保 勉君
    理 事
                有村 治子君
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                磯崎 仁彦君
               北川イッセイ君
                高野光二郎君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                榛葉賀津也君
                直嶋 正行君
                増子 輝彦君
                杉  久武君
                谷合 正明君
                小野 次郎君
                中野 正志君
                松田 公太君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   茂木 敏充君
   副大臣
       経済産業副大臣  松島みどり君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       磯崎 仁彦君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       復興庁統括官   伊藤  仁君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      加藤 洋一君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      高橋 泰三君
       中小企業庁長官  北川 慎介君
       中小企業庁事業
       環境部長     松永  明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○小規模企業振興基本法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○商工会及び商工会議所による小規模事業者の支
 援に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、増子輝彦君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大久保勉君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 小規模企業振興基本法案及び商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業大臣官房地域経済産業審議官加藤洋一君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大久保勉君) 小規模企業振興基本法案及び商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○谷合正明君 おはようございます。
 小規模企業振興基本法案、小規模事業者支援法案につきまして質問をさせていただきます。
 この問題というか、小規模の企業をどう振興していくかということを考えるに当たりまして、やはり私自身が考えますのは、これからの日本の人口構造なんですが、人口が減少していく、むしろ急減、何も手を加えなければ急減していくということの状況の中で、どのように小規模企業を振興させ、また小規模企業はどのような役割があるのかということの問題意識を持っております。
 先般も、増田元総務大臣が発表いたしました日本創成会議、これはいろんなところで使われておりますが、二〇四〇年に、何も対策を講じなければということでありますが、全国の八百九十六の自治体で若年女性が半減し、結果的に消滅の可能性すらあるという、そういう指摘がございました。これなんですけれども、中心市街地活性化法のときにもそういうような問題意識でやり取りを大臣ともさせていただきましたが、改めてこの点から大臣にお聞きをしていきたいと思っております。
 前回の質疑の中で大臣から御紹介いただきました「都会の不満 地方の不安」という本をアマゾンで入手をさせていただきまして、これ二十七年前の御著作だと思いますが、この中にも、現在の東京一極集中の中で国内経済の不均衡は拡大する一方だと、景気の回復とは裏腹の制度、政策面の改善の遅れは、産業間の競争力ギャップを始め日本の経済社会に様々な亀裂を生じさせつつあるという指摘も書いてありまして、大臣の二十七年前の顔写真とともにちょっと拝見も、拝読もさせていただいたわけであります。
 今日、お手元に、一枚の配付資料を皆さんのところに届けさせていただいておりますが、日本の中では人口が減少していく、しかも地方から都会に人が吸収されていくということは私も何となく感覚として分かっております。例えば、出生率は東京では一・一でございます。地方、田舎に行きますともう少し、一・五とか一・六というところもあります。しかしながら、二十代ぐらいになってくると、働くところがないとかいうことで一旦都会に出てしまうということで、結局地方の人材が都会に行ったまま戻ってこないという問題なんだと思います。
 これは世界共通の課題なのかなというところでちょっと調べてみましたら、世界主要都市の人口ということで、先進国の主要都市人口が各国の全人口に占める割合というデータなんです。これは青い太線が東京になります。ほかの線は、パリであるとかロンドン、そしてニューヨーク、ローマ、ベルリンということで、各国の主要都市の比較があるんですが、東京以外は基本的には人口に占める割合、都市人口の割合というんでしょうか、これは一定規模ずっと続いているわけですね。東京だけが一九五〇年代から今日に至るまでずっと伸び続けていると。大臣の本、出版されたのが一九八九年辺りだと思いますので、八八年でしょうか、その指摘以降もまだまだずっと、今日に至って一極集中というのは続いておるわけであります。
 そこで、今日まで様々な国土開発計画というのが策定されて実行されてきたんだと思います。もし実行していなければもっともっとこの、何というか、一極集中が進んだのかもしれませんが、ただ、この状況がこのまま続いていっていいとは思えませんので、この都会と地方の構造を変えていくことは今後できるのかと、また、できるとすれば何がきっかけとなると考えられていらっしゃるのかと、まずその大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(茂木敏充君) まず、本を御購入いただきましてありがとうございます。一九八八年に書いた本でありますけど、比較的売れまして、五万部ぐらい出版することできたわけでありますけれど。
 先生がお示しいただいた図を見ると、まだ日本もどちらかといいますと発展途上の国でありがちなやっぱり大都市部への集中と。先進国ですともうほとんど、例えば首都への人口流入というのが止まっていると。
 ただ、これを二千年遡っていただきますと、恐らく、ガリア地域の中でパリへの集中というのはこんなに進んでいなかったであろうと、さらには、ゲルマン地域においてベルリンへの集中というのは進んでいなかったんではないかなと思いますけれど、工業化等々が進む中で人口の都市部への流入というのは始まると。
 日本の場合も、一九六〇年代、ここで、いわゆる映画で出てきます「ALWAYS 三丁目の夕日」の世界で、いわゆる集団就職等々が起こると。そして、それを反転させようと、一九七二年に日本列島改造論、こういうものも打ち出されたりいたしましたが、どうしてもなかなかそういう状況に歯止めが掛からず、八〇年代になりますと、おっしゃるように東京一極集中、こういう言葉が生まれてまいりまして、私が本を書いたのもちょうどその当時でありまして、東京は、人口も多くなる、しかし都市機能も集積をする、その分現実の生活というのは大変、住環境にしても厳しい、そういったことから現状に対する不満が大きい。一方、地方は、経済が長期的に低迷をして人口も減少傾向にある、将来に対する不安が大きい。こういったことから、「都会の不満 地方の不安」、こういったタイトルの本を書いたわけでありますけれど、この二十五年ぐらい、基本的にその構造というものは変わっていないんではないかな、こんなふうに思っております。もちろん、国土の均衡ある発展、こういうことから、全国総合開発計画作ったりとか、工業再配置計画取り組んできましたが、なかなか大きなトレンドを変えるには至っていないんだと思います。
 ただ、今後、中長期的に人口一億人を維持をしていくということを考えたら、やはり地域において定住人口をつくっていくということは極めて重要であると思っております。何か一つの施策によってそれができるかといいますと難しい側面もあると思っておりますが、一つには、やっぱり地方にも中核になるような産業、企業というのをつくって、その下での産業の集積を進め、そこでまた、例えば大学であったりとか研究機関との連携、こういったことも進めていくという集積が一つの方法であると思っておりますし、また、今回、基本法を提出させていただいておりますのも、地域を支えるこの小規模企業、これがきちんと技術やそしてまた経営ノウハウを維持しながら雇用やそして事業を維持していくことが大切だ、こういう趣旨であります。
 そして、全国には様々な地域資源というものがあるわけでありまして、こういったものもきちんと生かしていく、一万四千と言われております、こういった地域資源を生かしながら新しいビジネスをつくっていく、こういったことも極めて重要であると考えております。
#8
○谷合正明君 大臣の方からは、今後、中核となる地方の拠点ですね、経済拠点をつくるとともに、要するに、それ以外の地域においてはもう少し地域ブランドを、地域資源を発掘していくというようなことをしながら、そういうことも支援しながらきめ細やかな対応が必要じゃないかというお話だったと思います。私も、まさにこれから地域経済の革新ということが求められてくるんだろうなと、これまでも求められてきたわけでありますが、よりこの人口急減社会においては政府がこの問題意識を、経産省のみならず政府全体として問題意識を持っていかなきゃならないんだなと思っております。
 そこで次に、この法案の中身の質問に入っていくわけでありますが、今回の小規模基本法案の基本原則では、中小企業基本法の基本理念である成長発展に加えて事業の持続的発展というものが盛り込まれました。また、従業員五人以下の事業者を新たに小企業者という定義をつくり、配慮規定を盛り込んだところでございます。
 まず確認したいのは、これらの新たな基本理念であるとか定義、配慮規定というのは九九年の中小企業基本法改正の理念からの転換になるのかという点を確認したいというのが一点。とともに、その盛り込んだ意義はどこにあるのかということも確認させていただきたいと思います。
 それから、この持続的発展ということは、これはどういうものを指しているのかと。例えば、農業政策でいいますと、農政には、産業政策と地域政策を車の両輪だといって、地域政策というのはどちらかというと社会政策的な部分で何か守っていくような側面があるわけですね。この持続的発展というのは産業政策から社会政策への転換を意味するものじゃないんだと思うんですけれども、その辺の整理を明確にしていただきたいと思っております。産業構造をこれ固定化させるものじゃないということも併せて確認したいと思います。
#9
○大臣政務官(磯崎仁彦君) お答えをさせていただきたいと思います。
 委員まさに御指摘いただきましたように、現行の中小企業基本法におきましては、中小企業の規模拡大というものを意味をします成長発展、これが基本理念として捉えているわけでございます。ただ、やはり商店街あるいは町工場、こういった小規模事業者を取り巻く環境というのは非常に厳しくなっている、先ほど人口減少のお話ありましたように、人口減少でありますとか高齢化、あるいは競争の激化、あるいは地方経済の低迷、こういったやはり構造的な変化にこういった小規模事業者、直面しているという事実がある中で、やはり現在の事業を維持するだけでもなかなか大変というのが現状ではないかなというふうに思っております。そういった中では、このような事業を踏まえまして、今回の小規模企業振興基本法におきましては、基本理念としまして、この成長発展のみならず、事業の持続的な発展を新たに小規模企業の振興の基本的な原則ということで位置付けたということでございます。
 したがいまして、成長発展をしていく、そちらを支援していくというのは当然、片方としてあるわけでございますけれども、ただ、やはり、なかなかそれを目指すということではなくて、とにかく現状維持をしていく、事業を持続的に地方で維持をしていく、こういった観点も必要だということで、こういったことも小規模事業者については基本理念として位置付けたということでございます。
 この事業の持続的な発展ということにつきましては、これは、一つ目には、例えば技術でありますとかノウハウであるとか、こういったものを維持向上させるという観点が一つございますし、また二つ目には、やはり地方の小規模事業者にとってみれば、顧客について見れば、顔が見える存在ということで、やはり顧客との信頼関係というのは非常に重要だというふうに思っておりますので、そういったものを基本にしながら付加価値を向上させていく、こういう観点がございますし、また三点目には、やはり地方において安定的な雇用を維持していく、こういった観点もこの事業の持続的な発展という中には意味として含まれているということでございます。
 それから、小企業者ということで意見ございましたけれども、これはまさに第二条の中で、おおむね常時使用する従業員の数が五人以下の事業者、これ小企業者ということで位置付けまして、やはり小規模企業者の中におきましても、例えば町工場でありますとかあるいは職人の方、こういった方はまさにその個人の技能あるいは経験を基に多様な事業を営んでいるわけでございまして、こういった中で我が国経済の重要な担い手になっているということも事実でございます。
 ただ、やはり他方で、こういった小企業者というのは、やはりその中にきちんとした組織があるというわけではございませんので、独自にマーケットを行えるということでもない、あるいは独自に総務部門を持っているというわけではありませんので、やはりそういった環境変化においては非常に脆弱な体質を持っているというふうに思っておりますので、こういった小規模企業者に対してもやはり特別な配慮を払うという観点から、この小企業者ということを位置付けまして特別な施策を取っていくということを今回この法律の中に含めたということでございます。
 そういった意味では、今回の基本法案というのは小規模企業者の前向きな一歩というものを引き出していくということが観点としてあるわけでございますので、例えば経済的にもあるいは社会的にも弱い存在ということに位置付けまして、例えばその救済を図っていくとか、あるいは格差の是正を図っていくとか、そういった社会政策の観点から今回の法律を作ったものではないというふうに我々は考えております。
#10
○谷合正明君 最後のははっきり言っていただきました。よく分かりました。
 その小規模企業や小企業者が今後前向きな一歩を踏み出していただくためにも、次、人材の確保についての質問をさせていただきたいと思います。特に、地方における経営人材の確保という点と、それから小規模企業を実際に支援する支援人材の確保について伺いたいと思います。
 私が冒頭紹介させていただいた日本創成会議、この中でも、地域経済を再構築していくためには、経営・組織マネジメントを行う人材や市場競争に打ち勝つために必要なスキルを持った人材を地方へ再配置する政策が必要不可欠と指摘しております。
 スキル人材というのを地方にシフトしていくということなんですが、また、そうした人材を、都会で活躍した人材をまた今度地方とマッチングをさせていくということが必要だと思うんですが、この辺の経営人材の確保についてということと、また、この今回の法案によりまして、特に経営指導員の人材育成だとか確保ということがよく、おとついの質疑でも話題になったわけでありますが、この法案によってどのような手だてが可能になるのかと、この二点について確認させていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(茂木敏充君) 私の方から概要をお答えした上で、また長官の方から詳細についてお答えできればと思っておりますけど。
 先日来、衆参で議論をさせていただく中で、この人材の確保は極めて重要であると、これは小規模企業にとっても、また商工会や商工会議所等の支援機関においてもそういったものが重要であると考えておりまして、例えば、ジェトロは今、海外展開する中小企業を支援するということで、企業のOBで海外経験のあった方、こういった方を雇い入れることによりまして、そういった、なかなか自分で独自で海外でマーケティングできない、こういった中小企業の支援なんかも行っているところでありまして、今後の検討でありますけれども、そういった大都市で比較的大きな企業でマーケティングであったりとか様々な、じゃ、クラウドを使って新しいビジネスをつくっていくと、こういう経験のある人材の活用、こういったことも考えていく必要があるんではないかなと思っております。
 もう一点、先ほどの質問の中で極めて重要なことをおっしゃっていただいたと思っておりまして、今回の我々の小規模企業の政策、これはまさに経済政策でありまして、社会政策ではない。法案見ていただきますと、出てくるのは振興であり支援なんです。これは経済政策なんです。社会政策でありますと、そこは保護であったり保障ということでありまして、我々はあくまでもそういう、事業の持続的な維持であっても、それは前向きな活動として、経済政策として捉えていきたい、こんなふうに思っております。
#12
○政府参考人(北川慎介君) 人材についてお答えいたします。
 まず、地方の小規模事業者、これ、少子高齢化あるいは人口流出ということで人材確保、大変難しくなっております。このため、今回の基本法案十七条におきまして、小規模企業に必要な人材の育成及び確保、これを基本的施策に位置付けているところでございます。
 関連施策といたしましては、人材確保を図るためにインターンシップ、あるいは合同での企業説明会、あるいは大都市の大学へ進学した学生向けの説明会、こういったこともやっておりますし、今後とも御指摘を踏まえまして企業人材、企業OB人材のマッチングもやっていきたいと考えております。
 また、支援体制の中でございますけれども、各地域の商工会、商工会議所の経営指導員、これは数少ない身近な小規模事業者にとっての相談相手ということでございまして、その部分が強くなるということは極めて重要だと考えております。そのため、基本法第二十条におきまして適切な支援体制の整備、これを位置付けてございます。これに関連しますと、今年度、新たに年間千七百名の経営指導員に対して支援ノウハウの習得研修を行っていきたいと思ってございます。
 今後、十分な数の経営指導員が確保されるように、商工会、商工会議所への予算補助を行う都道府県に対しましても、理解と協力が得られるように働きかけてまいりたいと考えております。
#13
○谷合正明君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、NPOであるとかソーシャルビジネスといった点について確認しておきたいと思います。
 小規模支援法の第二十条で、NPOを中小企業者とみなして中小企業信用保険法を適用することといたしました。要するにNPOが信用保証協会を使うことができるようになったわけでありますが、まず、NPOを中小企業者とみなした理由について確認させていただきたいと思います。
#14
○政府参考人(北川慎介君) 御指摘の支援法二十条におきましてNPOを信用保証の対象とした理由でございます。
 これは、商工会、商工会議所が経営発達支援計画に基づきまして地域の金融機関、NPOなど様々な支援機関と連携することで、地域ぐるみで幅広い視点や専門知識を結集しまして支援する仕組みをつくりたいと考えているわけでございますが、この商工会あるいは商工会議所が連携するNPOとしては、例えば、先ほど御指摘のございましたような商社のOBなど、こういった方によって構成されて、その人脈を活用して取引先の御紹介や商談会の開催、こういったもので経営支援を行うという場合が想定されております。
 このNPOの支援に当たりまして様々な経費が発生すると考えられますけれども、NPO自体やや信用力に乏しく、民間金融機関からの資金の調達がまだ困難だと考えておりまして、このため、まずは商工会、商工会議所と連携いたしまして、小規模事業者を支援するNPOにつきましてはその事業活動が小規模事業者の振興に資するというふうに考えておりまして、信用保険の対象といたしました。これにより、NPOとの連携を後押ししまして地域ぐるみでの支援体制を強化していきたいと考えているところでございます。
#15
○谷合正明君 まず第一弾として小規模企業者を支援する、そういうNPOとかソーシャルビジネスを経産省としてもしっかりバックアップしていこうじゃないかと、そういうことで第一弾としてはこれは評価をいたします。
 その上で、もう一つ踏み込んで、踏み込んでというか一歩進んで、NPO自体が事業主体となって何か地域経済のために事業を起こすといったときに、信用保証の対象にしていくべきではないかという問題意識を私は持っております。
 現在、我が国は四万九千団体のNPO団体があって、認定NPO法人も増えてまいりました。全てがこういった事業をできるかどうかといったら、実はそんな数多くはありません。ただし、今、事業をできるNPOとかいうのも増えてきたわけであります。したがいまして、我が国も米国並みに、例えば中小企業施策の担い手としてこういった、ソーシャルセクターというんですかね、NPOなんかも十分組み込んでいくということはこれから重要ではないかと思っております。
 そこで、NPOを事業主体として捉えて、金融面の支援であるとか、あるいはNPOの事業の専門性、あるいは法制度の習熟度のバックアップでありますとか財政的なバックアップであるとか、その他中間支援を行っていくという両面必要ではないかと思っておるんですが、この点について、今後の経産省としての対応、方針を聞かせていただければと思います。
#16
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 今御質問いただきましたNPOについてでございますけれども、まず、今長官の方からお話ありましたように、小規模支援法第二十条につきましてはNPOを信用保証の対象としているということでございまして、これは、中小企業・小規模事業者の振興に資する事業、これを行うNPO法人について一部政策の対象としてきたということでございます。
 ただ、基本的な考え方としましては、中小企業基本法におきましては、中小企業を新たな産業の創出あるいは市場における競争の促進などの使命を負うということになっておりますので、原則としては営利を目的とする事業者が対象となっているというのが考え方でございます。
 ただ、やはりNPO法人の中にも、今お話ありましたように、雇用の創出あるいは地域の活性化に一定の役割を果たすものもあれば、ボランティアを始めとしまして社会貢献活動を行うものとして設立したもの、やはりいろんな形態のものがあるというのも現実かと思います。そういった意味では、NPO法人を事業主体としてこの支援の対象に含めるかどうかということにつきましては、そのNPO法人の性格あるいはその実態につきましても考慮をしていく必要があるというふうに考えております。
 このような考え方の下で、まず、本年三月から、例えば新たな市場の創出を通じて中小企業の市場拡大にも資する事業活動を行う、それとともに、有給の職員を雇用するNPO法人につきましては創業補助金の対象として三月から加えているということでございます。
 さらに、委員の方から御指摘がございました信用保険制度、あるいは、人材面での支援も含めたより広い中小企業の施策にNPO法人を加えるかどうかということにつきましては、これを検討する研究会というものを先週立ち上げまして、具体的な課題あるいはその制度の在り方について議論を開始をしたところでございます。この中では、例えば資金面、人材面、支援面、組織面、いろんな観点から研究をして、どうしていくかということを検討していくということでございます。
 NPOとの連携あるいはその位置付け等々につきましての明確化につきましては、御党の方からも御提言をいただいているところでございますので、そういった提言等も踏まえながら、この研究会で、今後の中でNPO法人の活力も生かしていくという観点で検討を重ねてまいりたいというふうに思っております。
#17
○谷合正明君 ありがとうございます。是非前向きによろしくお願いしたいと思います。
 最後に、この中小企業の二法案、これが成立し、しっかり早期に施行されて、現場の隅々まで行き渡るようなことを強く期待したいと思っております。
 とともに、これは、中小企業施策は、我が国のみならず、特に成長が見込まれる新興国でも、我が国のこの施策あるいは戦後の発展に大変関心を持っているんだと思っております。新興国のその成長力を吸収していくためにも、私は、九月に中国でAPECの中小企業担当大臣会合もありますから、そうしたところでしっかり日本の中小企業施策の、何というか、経験なり苦労であるとか、そうしたことをしっかり新興国にも含めてシェアしていくと、そういう格好の場ではないかなと思っておるわけでありますので、最後、しっかり、APECの中小企業担当大臣会合、臨むということを決意していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#18
○国務大臣(茂木敏充君) 私もいろんな海外の国々との交渉等を行っておりますが、日本から欲しい支援という中で出てくるのが、省エネ、この話は必ず出てきます。それから、SMEです、スモール・アンド・ミディアム・エンタープライズ。この中小企業支援という話は必ず出てまいりまして、やはり、トヨタであったりとか日産であったり、こういう大きな企業が生まれるのは、それを支える様々な下請、関連企業があってそういう製造業もつくれるということでありまして、日本の中小企業、そして中小企業政策に対する関心は極めて高い。また、日本から様々な形でそういった国の発展のために提案できること、協力できること、多いと思っておりまして、APECの中小企業関係の会合を含め、あらゆる機会に日本としての中小企業政策、世界に発信をしっかりしていきたいと思っております。
#19
○谷合正明君 終わります。
#20
○中野正志君 おはようございます。日本維新の会・結いの党の中野正志でございます。
 法案の質疑に入ります前に、今日的な話題であります法人税減税関連の問題についてちょっと触れさせていただきたいと思います。
 先日来もお話ありましたが、政府は経済財政諮問会議で骨太の方針素案を提示をされました。その中で、法人税減税、数年のうちに二〇%台に減税をすると。現在三五%程度の実効税率でありますから大変に思い切った決断だなと、安倍さんのリーダーシップ、率直に評価をしたいとは思います。財源については、課税対象の拡大などで恒久財源を確保するとしつつも具体策は先送り、これも今現在はやむなしだよなと、今後大いにこれは議論すべきだということであります。経済界も、中期的な展望を見据え新たな投資や雇用、事業展開を決断しやすくなる、当然ながら、押しなべて大変好意の声が満ちておるわけであります。
 ただ、私たち、中小企業、また地元の、そういう意味で小規模企業も含めた地域経済のことを考えますと、消費税増税に加えて財源として外形標準課税がプラスされるということになりますと、中小企業の経営はますます厳しくなるよな、とりわけ労働集約型の第三次産業、この企業にとっては、社員の数に応じて課税されるということになるわけでありますから、その影響というのは本当に大きいよな、何とか所得を増やし、また給与を押し上げ、少しでも社員にとっていい格好になるように頑張っております最中でありますから、中小・小規模企業にとっては外形標準課税、これはやっぱり大変だよなというのが正直なところであります。
 十七日、茂木大臣から、財源に関する一部の見解かとは思いますけれども、アベノミクス効果による税収増を活用するとか、不公平税制の是正、例えば租税特別措置の見直し、縮小とか、そういうところに言及はされました。ただ、外形標準課税の適用拡大には反対とはおっしゃいませんで、慎重な検討という最後の発言であったように思います。茂木大臣、いつも当意即妙の答弁をされまして、さすが総理候補だなと評価をいたしておるところでありますけれども、こういう問題については最後、慎重な検討ということでいつも終わっているような気がいたしますから、是非、閣内の一人であるということは承知はしつつも、政治家としての考え方を御披瀝いただけませんかというのが一つ。
 それから、北川長官にも、関連してでありますけれども、新聞の記事を読みました。北川長官、今気になっているのは法人税減税に関わって外形標準課税の議論、赤字の企業にも税金をもっと払ってもらったらどうかという議論が出てきていることです、十年前にもこの議論がありましたが、私たちは、大企業は外形標準課税で仕方ないが中小企業は駄目だと頑張りました、中小企業憲章にもつながりますが、中小企業は国の源泉、地域の宝です、赤字とはいえ、中小企業・小規模事業者は実際に人を雇い、その人が所得税を払い、会社も固定資産税や社会保険料なども払うなど、いろいろ社会的な負担をしています、その上で地域は成り立っていますと。
 すばらしい実は見解を発表されておりまして、まさにこのとおりだなとは思いますものの、しかし、十年前に遡及して発言をして、今現在しっかり反対だという表現はなされておらないところに北川長官の頭の良さも当然感じるんでありますけれども、是非、茂木大臣と北川長官にこの大テーマについての見解を、ここは内輪でございますので、是非御披瀝をいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(茂木敏充君) 中野先生は、正しいことは正しい、間違っていることは間違っている、もう長いお付き合いになりますが、常にそういう明確な主張であられて、私もそうありたいものだなと常に憧れてきている部分もあるわけでありますが。
 御指摘のように、代替財源の問題、最終的には年末の税制改正の中で詰めていくということでありますけれど、恐らく財務省であったりそれから党の税調とも相当な議論になると思いますが、税について、世界的な考え方は、当然減税をしたら何らかの形の代替財源は必要である、ただ、それは税収の話であって、レベニュー・ニュートラル、税収が最終的に一緒になればいい、決して税率が、どこかの税率を下げたからどこかの税率を上げるというタックスレート・ニュートラル、これが世界の潮流ではない、そのように考えておりまして、もちろん様々な古くなった租税特別措置であったりとか課税ベースの拡大、こういったことも検討しなければなりませんが、アベノミクスの経済効果によります増収分も含めて、いかにレベニュー・ニュートラルを確保するかということが大切だと思っております。
 そこの中で、特に中小企業に外形標準課税を適用する、こういうことになりますと、御案内のとおり、中小企業の場合、労働分配率が八割ということでありますから、どうしても我々は今、企業が収益を上げて、その収益を賃金や雇用の拡大につなげ、それが消費の拡大になり更なる投資や生産を生む、こういう経済の好循環をつくっていきたい、それに逆行しかねないことになるわけでありまして、特に給与所得が全体の八割を占める中小企業にとっては大きな負担、影響が生まれる。こういう観点から、経済産業大臣としては、その議論の中でしっかり中小企業の立場、こういったことを配慮するよう議論を進めていきたいと思っております。
#22
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。
 御指摘の講演につきまして、これは六月三日に中小企業家同友会全国協議会の場で私が申し上げたことでございます。これは、平成十三年から平成十五年にかけて外形標準課税を導入するかしないかという大議論がありました。その際、結果的には大企業には導入、中小企業には導入しないということになりましたけれども、その際、先ほども委員から御指摘のあった理由によりまして、私どもとしては中小企業の導入に反対をしたという事実関係を述べたものでございます。
 現在、私ども、赤字中小企業への課税ということにつきまして、赤字という状況から経営、極めて脆弱な状況であり、キャッシュフローもない、担税力も乏しいということで、これに過度な負担を課すことは適当ではないというふうに考えているところであります。
 そしてまた、最近でございますけれども、全国知事会の法人実効税率の見直しに関する提案というものが五月十九日に出てございます。知事会というのは事業税をいただく側の立場でございますけれども、その知事会におきましても、その提言でございますが、「中小法人への外形標準課税の拡大については、」ちょっと中略をしますが、「中小法人の経営に対する配慮から中小法人に係る現行の税率は低く設定されていることなどを踏まえて、慎重に検討する必要がある。」というふうに考えられております。このように知事会の側でもお考えになっておられまして、中小企業の実態、地域における雇用あるいは経済活動の維持という観点から考えていく必要があるんではないかと思っております。
#23
○中野正志君 ありがとうございます。
 さすが大臣も長官もそういう認識でお取組をいただくということは大変幸いでございますので、どうぞこれからもなお更によろしくお願いを申し上げたいと思います。
 私自身、ここ一年数か月、安倍内閣、なかんずく経済産業行政を見させていただきながら、本当に率直に評価をいたしたいと思います。とりわけ中小・小規模企業対策、今回の二法もそうでありますけれども、この一年数か月見ていても、いろいろな対応をされてこられました。もちろん、その前の民主党政権のときには、私はあえて、中小企業憲章を作られたと、直嶋大臣、そのことはちゃんと評価をしたいと思いますし、震災対策などでグループ化補助金などを含めて、もしかして自民党以上に、自民党内閣以上に財務省当局とけんかをしながらやられたということは評価をしたいと思います。
 ただ、私自身、五年数か月前に落選をいたしましたけれども、もちろん相手は民主党さんでありました。あの当時、よくぞ言ってくれたと思うんでありますけれども、私たちが政権を取りましたら中小企業省に昇格いたします、中小企業の予算は三倍にいたしますと。これがまた結構私たちも効きまして、もちろん選挙でありますから敗れるのは本人の不徳の致すところでありますけれども、いまだもって省昇格はありませんし、予算も三倍などということはないわけでありまして、結果的には、今現在の評価でいうとほらでありますけれども。
 とにもかくにも、私も再チャレンジでございまして、八か月、九か月前ですか、再び国政に議席を持たしていただきましたので、皆様共々この委員会でますます頑張らさせていただきたいな、そんな気持ちであります。
 ただ、自分があの五年数か月前まで衆議院議員であった当時に理事としてもあるいは政府側としても関わった案件、今思いますと、一つには小規模企業共済制度。当時、父ちゃん一人だけしか入れなかった。お母ちゃんが入りたい、あるいは後継者が入りたいといっても父ちゃんが死なないうちは入れなかったんでありますけれども、これ、いろいろ地域地域から御要望もいただいて、よし、それじゃやっぱり三人にしようということで、二階経産大臣のときでありましたけれども、解散になりましたけれども、衆議院の経済産業委員会の場だけは小規模企業共済制度の拡充、これをお手伝いをした経緯があります。
 また、事業承継税制。これは平成二十年の五月。当時は、やっぱり後継者、なかなかもう相続税が大変だということで後継ぎがいない、あるいは親族でなくても、番頭さん方であっても企業の後継ぎするのは嫌だと、こういうことでなかなか大変厳しい状況。いろいろ若手、中堅の皆さんと議論をしながら、相続税分についてはそれじゃもう八〇%、それで認定、それから贈与税一〇〇%分、それで認定と。それでも雇用の関係などで厳しいという声はありましたけれども、せいぜい一〇%分ぐらいの控除が八〇%控除をされるということで、これなら後継者確保、また中小企業がそのまんま伸びて雇用も守られるということになるのではないだろうか。この事業承継税制の拡充にもお手伝いをした経緯もありました。
 また、その当時は緊急保証制度というのもつくりました。これもまた財務省、反対でありましたけれども、結果的に、その十年前ぐらい特別保証制度というのがありまして、あの当時五千万円、そしてこの緊急保証制度のときにも、財務省は五千万と言ったんでありますけれども、経産のグループは一億円、結果、間を取って八千万ということになりましたけれども、あの緊急保証の八千万円、あれも中小・小規模企業の皆さんにとっては大変よかったんではないかな。ただ、事故率、当時、九%前後を覚悟するしかないよなというのもあったのでありますけれども、そんな高い数字ではないとたしか感じておるんでありますけれども。
 こういった三案件のように、中小・小規模企業対策、どうあれ、与野党を問わず、しっかりとタイムリーに政治側が対応してきたのではないかなと自負もいたしておるところでありますけれども、こういった三つの案件、あえて申し上げましたけれども、その後どうなっているのかな、その分析、またこれからについてどう考えておられるのか、この機会に伺っておきたいと思います。
#24
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。
 様々な事業環境の変化に伴いまして柔軟に対応させてきていただいているところでございますが、委員から三点、制度について御指摘がございました。
 まず初めに、小規模企業共済制度でございます。
 これは、現在百二十二万六千の方に入っていただいておりますけれども、今回の基本法案、これを先取りするということで、小規模事業者の中でも特に個人事業者の方に光を当てまして、平成二十二年四月の法律改正によりまして加入対象に新たに共同経営者の方も追加したというところでございます。これまで三万八千人の方の共同経営者の方に入っていただいております。在籍の方も順調に増えております。それから、今回法律を作っていただくということでございますので、その中で、経営者の引退の円滑化ということから、掛金の範囲内で廃業資金を貸付けする制度をつくるなど、様々な検討をしていきたいと考えております。
 次に、事業承継でございます。
 これは、一つは個人事業主の宅地の問題というのがございます。これも順次広げてまいりましたし、委員御指摘の株式に関する事業承継税制についてでございます。これは、平成十五年頃に一〇%減額というのをつくりましたが、委員御指摘のとおり、平成二十一年度の税制改正におきまして新たな事業承継税制をつくりまして、本年三月までに八百四十六件適用されております。これは、先ほどお話ありました、使い勝手が余り良くないのではないかという御指摘も残念ながらございまして、これは平成二十五年度の税制改正におきまして親族外承継の対象化、あるいは雇用要件、これを、八割以上維持するという要件で持っておるんですけれども、これを五年間、毎年というところから五年間平均ということにいたしまして適用要件を緩和するということを考えております。これは来年一月からの相続税全体の変更の中で新制度が施行されるということになります。
 いずれにいたしましても、この制度に関する改正規定が強うございまして、制度改正によりまして、減税額、これは従来の百十億円から百九十億円、一・七倍になると見込まれておりますけれども、さらにこれからどうするかということを考えていきたいと思います。
 緊急保証制度についてでございますが、これはリーマン・ショックの発生を受けまして平成二十年十月から融資額の一〇〇%保証という大規模な資金繰り支援を行ったものでございます。平成二十三年三月の制度終了までに二十七兆円という保証承諾実績を上げておりまして、資金繰りの改善に成果を上げたと思ってございます。この事故率につきましては、制度開始当初、これは一〇%ぐらいも想定されていたということでございますが、まだ返済を終了していない事業者の方もいらっしゃいますけれども、現在までの事故率は五%程度ということになってございます。今後も引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。
#25
○中野正志君 なるほどと思います。こういった本当に細やかな対応は間違いなくされてきているわけでありまして、今回のこの二つの法案成立を機に更に御努力をいただきたいとも思います。
 はてさて、経産省あるいは総務省の発表によりますと、中小企業・小規模事業者は減少の一途をたどっていると。これは少子高齢化、人口減少などとも当然関係があると思うんでありますけれども、政府としてどういったところに原因があると認識されておられるのか。もちろんこれらの法案が少子高齢化を食い止める直接の施策とはなりませんけれども、小規模事業者の減少傾向を抑えることを一つの目標としてどのような施策が今回講じられているか、お伺いをしておきたいと思います。
#26
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘のように、我が国の中小企業そして小規模事業者、減少傾向に歯止めが掛からないという状況でありまして、二〇一二年二月時点で三百八十五万社でありますが、これ、二〇〇九年から見てみますと三十五万社減少しております。そこの中でも、この三十五万社のうち三十二万社が小規模事業者という形でありますから、その大部分を占めるという形になってきまして、この背景であったりとか原因には、人口減少、高齢化、競争の激化、地域経済の低迷、こういった構造変化に一番直面しているのがまさに地域の小規模事業者である、このように考えておりまして、現在、大きく申し上げると三つの方向からこの状況を改善する、反転するための対策を打っております。
 その一つが法律の話でありまして、まさにこの小規模企業振興基本法案もそうでありますが、昨年の国会では小規模企業関連の八本の法案を一括して改正をさせていただいた小規模企業活性化法、こういった法律を総動員をして小規模企業の振興に努めていきたいと思っております。
 二つ目は、予算や税の話でありまして、御案内のとおり、ものづくり補助金、大変全国の中小企業・小規模事業者の皆さんから好評でありまして、一千七億円、これを一千四百億円に拡充をいたしました。そして、対象も、製造業から商業、サービス業まで拡大をして、また、単に工場における試作品づくりではなくて、業務改善、生産プロセスの改善も対象の支援にするということにいたしました。また、投資の面でも、中小企業投資促進税制、こういったものも充実をいたしまして、よりインセンティブの高いものにしたところであります。
 そして、三つ目は、金融、資金面の問題でありまして、経営者保証に関するガイドライン、これの見直しを行いました。これは、これまで経営者の個人保証に依存してきた、こういう従来の融資慣行を改める画期的な取組だと思っておりまして、この二月から実際に運用が開始をされておりまして、金融庁とも連携をして融資現場の対応を目に見える形で変えていきたい、このように思っております。
 先日も中小企業関係の会合に出席をさせていただいたんですが、まだ様々な意見はあると思うんですが、ある経営者の方が、本当に銀行の態度が変わったよ、茂木大臣とおっしゃっていただいて、大変いい傾向が生まれてきている。こういったことをきちんと融資の現場に根付かせていく、こういったことは極めて重要だと思っております。
 法律を変える、予算、税制を変える、金融を変える、こういった側面から状況の反転を図ってまいりたいと思っております。
#27
○中野正志君 大臣、本当に心強い限りであります。
 とりわけ、今出ました三点目、金融。地元でもよく中小企業者、小規模企業者から聞くのでありますが、政府系金融機関、もう徹底していまして、大変そういう意味では先導的に立ち向かっていただいておるなと。ただ、もちろん地方銀行も頑張っていただいているようでありますけれども、正直まだまだ、まあ元々が、地方銀行、石橋をたたいても渡らない銀行屋さんが多いものでありますから、まだもうちょっと地銀は掛かるのかなと。
 ただ、私からいたしますと、さっき話の出た緊急保証の問題にしたって、地方銀行を始め地域の金融機関、もう前に貸した分までもう一回借り換えさせて、自分たちのリスクを全くもう、極端に言えばゼロにしてあの緊急保証を活用した、良くも悪くもそういう金融機関でありますから、私たちはこれからももっと期待をしながら、しかし、やっぱり地方銀行、信用金庫・組合を含めてしっかり監視をしていかなければならないなと、そんな気持ちもあります。
 さっきも公明さんからお話がありました。ちょっと視点を変えたいと思いますけれども、これまでの中小企業基本法は成長発展に重点が置かれていたように思います。実際、これからの日本の持続的な経済成長を支えていくためには既存の業務を維持させるだけでは不十分だと。当然ながら、新技術の開発あるいは新産業の創出などを重点的に支援をしていく必要があると。この点、日本の中小企業、まさに世界に誇れる優れた独自の技術を持っている企業もありますけれども、今後、更にこういった日本発信の優れた技術、サービスの育成、これはもう求められております。
 他方、二〇一四年の中小企業白書では、既存事業の維持・充実型、この類型が七七%、成長型、この類型が一八%とありまして、成長を促す施策、新産業創出型の施策が不十分とも受け止められる数字が正直明らかになっております。
 既存事業の維持あるいは充実と異なって、成長型の事業には、ただ単にお金を出せばいいということではなくして、世界の技術開発動向をにらみ、あるいは業界の最新情報なども踏んまえて、企業が独自に有する技術をどうすればより付加価値の高いものとしてつくり上げていくことができるかという工夫が必要だと思います。
 こういった点について、具体的な実例を踏まえて、どうすればそうした企業の成長を後押ししていけるのか、経産省、中小企業庁としての考え方をお伺いいたします。
#28
○国務大臣(茂木敏充君) 中野委員から今御紹介いただきました二〇一四年版の中小企業白書、御説明のとおり二つの類型で、これは企業一万五千社から得たアンケートの回答を基に、維持・充実型、これがほぼ八割、そして成長型が二割弱ということでありまして、現実としてそういう認識が持たれている。
 ただ、多くの場合、これは一般的なケースなんだと思います。エイティー・トゥエンティーの原則というのがありまして、大体二割のところが八割の利益を稼ぎ出すと。アリの世界はもっと少ない人数が実際働いているんですけれども、そういう傾向もあるなと。
 ただ、例えば、この二十年見てみると、グーグルという会社はなかったんです。フェイスブックという会社もなかったんですよ。そういった会社がやっぱり欧米では生まれてきている。なかなか日本はそうなっていない。このことは深刻に捉える必要があるなと思っておりまして、例えば、フォーブスが選出しております世界のトップ二千社、金融業を除いたランクでいいますと、アメリカはランクインしている会社が四百六十六社あります。そのうちに一九八〇年以降に設立された新興企業が百五十四社ということですから、三社に一社はまだ二十五年たっていないんです。それに対して日本は、ランクインしている会社、これが百八十一社でありますけれども、そのうち一九八〇年以降というのは二十四社にとどまるということですから、八社に一社という形でありまして、やはりその比率も少ないと思っておりまして、ベンチャーといいますと何か一部のIT企業、こういう印象を持つかもしれませんが、決してITの分野だけにとどまらず、様々な分野で国際的な競争に乗り出せるような、こういった新しい新興企業をつくっていきたいという思いで、この三月まで私の下でベンチャー有識者会議、こういったものを開催をいたしまして、実際にベンチャーの経営者であったりとかその分野の専門家から様々な御議論をいただきまして、提言も取りまとめたところであります。
 そこの中で、一つには、日本経済全体でベンチャーの創造に向けて取り組むベンチャー創造協議会を創設をする、次には、大胆な制度改革を進めるという観点から、例えば政府調達においてベンチャー活用の推進を進めて、ベンチャーにまずは政府として事業をつくり出す、こういったことも重要であると思っておりますし、さらに三番目として、人材、挑戦するベンチャーを支える意識改革とか起業家支援、こういったものが必要である、そんなふうに我々は考えておりまして、次の時代のグーグルやフェイスブックは日本から出す、こういう思いでしっかりした取組をしていきたいと思っております。
#29
○中野正志君 大臣のその心意気やよしでございますから、ますます頑張っていただきます。
 政府発表の資料では、小規模事業者の相談相手として商工会、商工会議所を挙げる回答は実は一割にも満たっておりません。商工会、商工会議所、過去五十年余りにわたって経営改善普及事業を実施してきておりまして、国と地方を合わせて毎年九百億円ぐらいの補助金も支給されてきておりますけれども、残念でありますけれどもまだ十分な効果が現れていないのかなと。今後、商工会、商工会議所そのものに対して、予算も含め、経産省として具体的にどのような対応、また支援を行うことを想定しているのか、また、商工会、商工会議所にどのような役割を期待しているのか、お伺いしたいと思います。
 ついでに、時間の関係で申し上げますけれども、国の施策を周知させるということの重要性については私も幾度か委員会で申し上げてまいりました。しかし、商工会の組織率は六割、商工会議所の組織率は三割という現状の中では、結果的に、組織力を頼ることなく支援策を周知させていくという具体的方法を検討する必要があると思います。その方策として、ホームページを充実させるといった手段、旧来の方法のほかに、実際に五人以下の小規模企業というのは現実IT化が十分進んでいないということも考慮して、例えば説明員を訪問させることによって周知を図るとかという工夫も必要になってくると思います。現在既に実施の方向にあるものとは別に、今後より一層の周知を図るためにどのような手段が検討されているのか、そのことも併せお伺いしたいと思います。
#30
○政府参考人(北川慎介君) まず、商工会、商工会議所の役割、期待ということでございます。これは全国二千百九十三か所存在しておりますけれども、ここで七千六百五十五人の経営指導員を通じて相談を行うということで、極めて身近な存在であると思っております。その中で、小規模事業者は経営環境大変厳しくなってございますので、今後は持続的な事業の発展という考え方の下に、国内外の需要の動向、あるいは自らの強みを分析して事業を再構築していくと、こういったことを期待しておるんですが、それをその商工会、商工会議所の経営指導に当たって重点化してやっていただけないかということで、今回の支援法の中で経営発達支援計画の仕組みを導入したところでございます。予算につきましても、販路開拓というところに重点を置きまして支援をしていきたいと考えてございます。
 そういった支援が組織率の低さも相まって届いていないのではないかという御指摘でございますけれども、これは御指摘の、ポータルサイト、ミラサポということ、あるいは地域の税理士、あるいは信用金庫など地域金融機関を巻き込んだ認定支援機関、これ二万一千以上になっておりますが、こういったところを一緒にやっておりますけれども、さらに、これだけでもということでございますので、御指摘の、特にITの時代、これをどういうふうにするのかということでございます。
 私どもといたしましては、まず、小さな事業の方の基本的なITを使う能力、ITを使ってビジネスをする力というのを付けていただくことがまず一番スタートだと思っておりまして、まずは、商工会、商工会議所の経営指導におきましてもパソコン、インターネットの使い方を指導しておりますが、これに加えまして、ITを使いこなす能力の向上について、小規模事業者の方、直接研修をいたしたり指導をいたしたりしていきたいと思いますし、IT関係の専門家につきましても、先ほど申し上げましたような支援機関のネットワークに入っていただきまして、様々な応援をしていきたいと、このように考えているところでございます。
#31
○中野正志君 東京商工リサーチという会社の調査で注目に値する統計がありました。紹介したいと思いますけれども、二〇一三年の倒産件数が一万八百五十五件となっていて、これは一九九一年以来二十二年ぶりに一万一千件を下回る水準だということであります。この数字を見る限りでは企業活動は上向いているように思われます。ただ、一方で、休廃業、解散件数が二万八千九百四十三件と過去十年間で最多となっております。これは明らかに事業が行き詰まった企業が多くなってきているものと思われるわけですけれども。
 政府はこうした現状をどのように分析されているのかお伺いしたいと思いますし、あわせて、さっきの一四年版中小企業白書では、廃業支援として、一つには廃業に関する情報提供、二つには匿名性に十分配慮した専門家支援、三つには小規模企業共済制度の三つを挙げておりますけれども、こういった取組だけで昨今のこういった休業あるいは解散件数を減らすことができるのか、十分な取組がなされていると言えるのか、政府側の認識も併せてお伺いをしておきたいと思います。
#32
○国務大臣(茂木敏充君) 倒産件数は減っているけれど、逆に休廃業、解散の方が増加をしている、御指摘のとおりでありますが、休廃業であったりとか解散の増加の中には事業の継続が困難となった事業者が円滑に市場から退出した場合も含まれておりまして、直ちにこれが全部悪いと否定的にばかり考える必要はないとは考えておりまして、産業の新陳代謝を進めるということが極めて重要で、欧米、アメリカやヨーロッパ、開業率も一〇%以上ありますが、廃業率も一〇%以上あると。開業率だけ上げるというのは難しくて、新陳代謝をきちんと進めていくことが必要なんだと思っております。
 ただ、廃業しやすい環境を御指摘のようにつくっていくということも極めて重要でありまして、先ほど答弁をさせていただきました経営者の保証に関するガイドライン、この運用によりまして、廃業したら全て家屋敷持っていかれてしまうと、こうではないような状況をつくるということが重要だと思っておりますし、また、個人事業主そして小規模企業の会社の役員が廃業や退職をした場合に、将来の生活の安定や事業の再建等に必要な資金を確保するために、経営者向けの退職金制度であります小規模企業共済制度、こういったものも用意をしているところであります。
 その中でも、小規模企業の共済制度については、経営者の引退を円滑化するために、掛金の範囲内で廃業資金を貸付けする制度の創設であったり、事業承継時に受け取れる共済金を廃業時並みに引き上げるなど、制度の機能強化も進めているところであります。
 さらに、先ほど長官の方からお答えしましたように、事業承継税制についても拡充を進めたところでありまして、こういった様々な対策を行うことによってできるだけ早く新陳代謝が進むと。そして、維持をしてくれる方はしっかり維持できるような支援をしますし、それから、難しくなってきたら、ぎりぎりまで引っ張らずに、ある程度の段階で退出ができるような環境整備をするということが極めて重要だと、こんなふうに考えております。
#33
○中野正志君 大臣、本当にいいお考えを御披瀝いただきましてありがとうございます。これからも共々、小規模企業、中小企業振興のために頑張らさせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
#34
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 大臣、長い国会、お疲れさまでございます。この小規模二法が最後の法案になる予定でございますので、是非最後までよろしくお願い申し上げます。
 先日の参考人意見陳述の中で、中小企業家にとっては、一体どの法律がどのように中小企業家に効果的な施策をしていただいているのか、多少迷いを生じているのが現状でございますという話がありました。私も、今回の法案を最初に聞いたときは、中小企業、小規模事業者、そして小企業者の分類が入り組んでいまして、非常に分かりづらいなというふうに感じました。
 そこで、もう一度お聞きしたいんですが、なぜこのような分け方にしたのでしょうか。
#35
○政府参考人(北川慎介君) 今回の中小企業、小規模企業、そして小企業と、この分類でございます。
 まず、中小企業基本法におきましても、従業員二十名以下の中小企業につきましては小規模企業者として定義をしておりますけれども、今回新たに、小規模企業振興基本法の二条におきまして、従業員五人以下の事業者を小企業者として定義いたしました。
 小企業者というのは、例えば町工場、あるいは職人の方、あるいは個人請負で自分で仕事をしている方、こういった方をイメージしていただければというふうに思いますけれども、個人の技能あるいは経験を基に様々な事業を営んでおられます。ところが、企業としての組織体制、一人であったり二人であったりするわけで、整っていないということから、環境変化にも脆弱な面もございます。したがいまして、我が国経済の重要な担い手であります小企業者につきまして、政府としても特別な考慮を払う必要があると判断しまして、このような定義をしたものでございます。
 基本法案第三条の基本原則におきまして、個人事業者を始めとする小企業の方、これが自己の知識及び技能を活用して多様な事業を創出する旨を明記いたしました。あと、四条におきましても、小規模企業の振興に当たって、小企業者が経営資源を有効に活用して円滑に事業を運営できるよう考慮されるべき旨を記載しております。こうした規定、これは総則の中に書かれておりますので、今回の法案全般におきまして小企業者を特に考慮するということになります。
 これは、中小企業、小規模企業、極めて多様な実態に即しまして、特に小さい方に光を当てていこうという考え方の一つでございます。予算措置におきましても様々な特例を設けたりしておりますので、きめ細かく支援を講じていきたいと、このように考えております。
#36
○松田公太君 今お話を伺っていて、ますますちょっと混乱してしまいそうになったんですけれども。規模によって細分化するということは一定の意味があろうかというように私も思っております。ただ、現行法と新法との企業の整理を私の中で何回もしているんですけれども、どうしても入れ子状態になってしまっているなというところが私は否めないというふうに思うんですね。
 本来は、今日資料を作って皆さんにも提出したかったんですが、ちょっと時間の関係でそれができなくなりましたので、ちょっとイメージを是非していただきたいと思うんですけれども、私は、もうざっくりと十字形に切ってしまって、例えば上が大企業、真ん中というのが中堅企業、そして下が小企業というふうに分けて、左を例えば、右でも左でもいいんですが、左を例えば成長志向の企業、そして右を現状維持若しくは休廃業する企業というふうにすぱっと分けてしまって、国として支援していくのはやはりそのラインの下の方ですね、中堅企業より下の小企業の方、こちらを公的な支援で、例えば成長志向の企業であれば、ある意味それはベンチャー企業と言えるかもしれませんけど、そういったベンチャー企業を協力していく。現状維持というところであれば、ちょっときつい言い方かもしれませんけれども、私は現状維持というのは存在しないと、この世の中には、思っておりまして、現状維持をしたいと思った瞬間からもう衰退は始まっているんですね。そういうところは、申し訳ないんですが、もう廃業する方向、若しくは集約をする、いい会社であればMアンドA、売却をしていくという方向で、ドラスチックに話を進めてしまった方が私はいいのではないかなというふうに思っております。
 先ほども大臣の話ありましたが、極力早い段階から私は、資産的にもまだ余力がある、若しくはまだ企業として価値があるという状況の中で、どんどん廃業へ向けた話を進めていった方がより各地域の経済の活性化若しくは新陳代謝につながるのではないかなというふうに思っているわけです。
 これについては、大臣、どのように思われますでしょうか。
#37
○国務大臣(茂木敏充君) 多分、今委員の方から御説明あったのはこんな図になるんではないかなと思って書かさせていただいたところでありますけれど、基本的な考え方は同じだと思っております。
 まず、大きな企業については独力でやってもらうと、それぞれが経営判断に任せてということになってきます。私は中堅企業についてもそれに近いところがあると思っておりますけれど、中小企業と小規模企業を分けたときに、中小企業についてもそうなのかどうかと、完全に独力化といいますとそこの部分は若干違うと、そんなふうに思っております。そして、成長志向型の小規模企業等については全面的な様々な支援策を取っていくということが、これは法律面でも、予算、税制、さらには金融面でも必要だと思っております。
 そして、維持型はないというお話をされたわけでありますけど、例えば、十年その技術なりノウハウを維持していると、それによって急に時代が変わって求められる、そういったものも私は出てくるんではないかなと。同じものを維持していることだけが全く悪いとは言い切れない部分がある。もちろん、新陳代謝を進める、そういう観点は必要でありますけれど、五十年維持した技術、百年維持した技術、こういったものが注目されるということはあるんではないかなと思っております。
 恐らく、日本の漬物であったりとか酵母の技術、こういったものは極めて、何というか、伝統的なものでありまして、これだけ多様な漬物を持っている国であったりとか発酵技術を持っているという国はない。ただ、それは単純に発酵の、漬物に使うだけではなくて、今はそれが医薬の世界で注目をされたりとか、そういったことも将来的には起こってくるわけでありまして、維持そのものが完全にそれだから駄目だと否定することについては若干意見違いますけれど、お示しした図についての基本的な考え方は一緒なんではないかなと思っております。
#38
○松田公太君 ぱっとそうやって図を示していただいたところはさすがだなというふうに感じますが、私の方が実はもうちょっとシンプルなこういう図なんですけれど、済みません、余りこれを見せてしまうと理事会で話をしていないものですから駄目だと言われてしまいますので、ちょっとそれは避けさせていただきますが。
 実はみんなの党としても今回の法案には賛成なんですが、やはり違う観点から、私はちょっと問題点も、理念的な部分でもちょっとあるのかなと思いますので、引き続き御質問させていただきたいんですが、例えば、小規模事業者が地域経済、特に雇用にとって極めて重要な存在であるという話が幾度となく出てくるわけですね。法案の中でもそのように説明をされているわけです。果たしてそうなのかなというところが私の疑問点でございます。
 確かに、戦後、また高度成長期の中で小規模事業者が果たしてきた役割というのは非常に大きいのかなというふうには思っておりますが、ただ、九〇年代のバブル崩壊以降、そして近年、団塊の世代の大量定年退職、これがスタートしてから、生産労働人口というのは年々急減しているわけです。それに対して、労働力の需要というものは引き続き旺盛なわけですね。特に最近また旺盛になってきているということなんですが。
 つまり、最近叫ばれている労働力不足、よくすき家とかでもいろんな問題が出ているみたいですけれども、チェーン店でもですね、これは決して一過性の私は問題じゃなくて、日本が抱えている構造的なファンダメンタルの転換期に来ているのではないかなと、このように感じているわけですね。
 先日の委員会でも、小規模事業者の数がこの十五年間で百万社減っている、だから大変なんだと、雇用を失っているというお話が出ていましたが、ある意味、見方を変えれば、これは労働力人口が減ってきている、そこの減少とマッチした自然減でもあるんじゃないかなというふうに思っています。例えば、百万社の平均雇用者数が三人だと仮にしたらそれだけで三百万人になるわけですけれども、労働人口のそれは四・六%にもなるわけですね。でも、それだけの人が路頭に迷っているわけではなくて、最近は完全失業率も徐々に改善を更にしているわけで、また、過去十年ぐらいを見ても、一番高いときでも五%ぐらい、それ以外では大体四%ぐらいを推移しているという状況ですので、やはり労働力のシフトというのは完全に行われているのかなというふうに思っているわけです。つまり、小規模事業者で働いている従業員が一旦雇用を失っても、他社へ移動するなど雇用の代替というのは実現しているのかなというふうに思うんですね。
 昨日いろんなことを考えていたんですけれども、例えば地域で今必要とされる事業って何かなと思ったときに、特に地方ですね、先ほど来から都心部と地方と違うというお話が出ておりますけれども、例えば私は介護とかじゃないかなと思っているんです。じゃ、介護がどんどん必要だと。介護というのはやはり比較的若い人じゃないとなかなかそれはできませんから、そういったところに労働力がシフトする必要があるという中において、仮に今回の小規模二法で様々な政策を打ち出すことによってもしかしたら退場を本来であったらするべき会社が生き延びてしまって、生き延びてしまってと言ったら失礼かもしれませんけれど、例えば十年、二十年、場合によってはそれで引き続き事業を続けることはできることになるかもしれませんよね。そうすると、そこで働いている例えば若者、三十代の人が例えば二人、三人いたとします。こういった人たちが、本来であれば、退場を企業がすれば、要は雇用を失って場合によっては介護の方にシフトするかもしれない。特に地方というのはサービス業の割合も非常に高いと思うんですけれども、サービス業を志向している方々というのは介護に行く人も多いわけです。本来だったら自然な流れで介護に向かうかもしれないという状況の中で、それをあえてせき止めてしまう、こういう可能性もあるのかなというふうに考えているんですね。
 また、ちょっとこれは私の個人的な話で恐縮なんですけれども、以前コーヒーショップを地方に出したときに、それによって近くにあった喫茶店が一店廃業されてしまったということがあったんです。私は正直複雑な思いだったんですけれども、その話を聞いたときに、その後、たまたまその店主さんとお会いすることがあって、むしろ自分が廃業するきっかけをつくってくれた、促してくれてむしろ有り難かったぐらいの話をしていただいたんです。これはもしかしたら社交辞令的な部分はあったかもしれませんけれども、実は私がそこにお店を出したことによって正社員が二人採用できたんですね。アルバイトも二十人採用できたんです。当時、そこの近くにあったその喫茶店は、旦那さんがお一人でやっていらっしゃる、たまに奥様にお手伝いをしてもらっているというような喫茶店だったわけです。ですから、確実に雇用は増えているわけですね。
 ですから、そういうことも考えると、本当に、先ほど来新陳代謝という言葉も何回も出ておりますけれども、新陳代謝を促す上ではこのような政策が本当に今必要なのかなと、雇用のために本当に果たしてなっているのかなということが物すごく疑問に思ってしまうわけです。
 是非それについての御見解を茂木大臣からいただければと思います。
#39
○国務大臣(茂木敏充君) 基本的な認識として、成熟産業から成長産業若しくはこれから労働力を必要とする産業に失業がない状態で労働移動が図られる、こういうことは望ましい方向である、こんなふうに思っております。
 介護の例あったわけでありますけど、当然そこに新しい労働力人口が入っていくというのもあると思いますし、地方においてはこれからある程度高齢者の人が高齢者を介護しなければいけないという状況も生まれてくるというふうなことになりますと、ロボットの技術というのは極めて重要になってくると思います。町工場で機能性のロボットを作って、お年寄りの方でも負担なく介護の仕事ができるような状況をつくるということもあるわけでありまして、単純にその全てが産業として置き換えられるというよりも、その組合せというものもあるんではないかな、こんなふうに考えております。
 同時に、日本全体で見ると、確かに人口減、労働力の減少、それと同じような形でやっぱり企業の数が減ったりという部分はありますけど、大都市圏ですといわゆる小規模企業で働く人の割合、二三%でありますけれども、これが地方圏になりますと二九・二%に上がるということでありまして、人口減少のインパクト、そしてそれが小規模企業に与えている影響というのは地方の方が大きい。さらに、企業規模別で見てみますと、五十一人以上の事業者、これは全販売額に占める同一県内への割合が二六・八%ということですから、四分の三は県外に売っている。これに対して、従業員規模が五人以下の事業者、その割合が半分以上、五六・五%が地域内で売っているということでありまして、お店がなくなることによって経済活動そのものも廃れる、そういう側面も同時に考えなければいけないんではないかなと。もちろん、そのことを維持するというよりも、それが発展していくような、いい形で時代環境に対応できるような状況をつくっていくということも重要である、そのように考えております。
 同時に、私は、やっぱりそういった地域に根差した企業というのが地域のブランド力そのものを高める、こういった効果も持っているんではないかなと思っておりまして、我が栃木県でいいますと、やはりとちおとめといえば誰でも御存じなブランドなんだと思います。最近はスカイツリーに絡めましてスカイベリーという新しい品種のイチゴも売り出したところでありますけれども、やっぱりそういう地域のブランドイメージを高めていく。さらに、私の地元はショウガが有名なんですね。岩下の新生姜というと誰でも御存じだと思いますけど、すし屋に行くと皆さん、すしを食べながら、がりを注文されると思います。おやじ、がりちょうだいと。あれは遠藤食品という会社の登録商標ですから売っちゃいけないんです。遠藤食品しか売れないんです。それも私の地元の食品会社でありますけど、小さな八百屋さんから始まって、そういった企業、つくっているところもあるわけでありまして、失業なき労働移動を進める、そういう観点と同時に、地域における雇用であったりとか技術を守るということも極めて重要な視点であると、そんなふうに思っております。
#40
○松田公太君 おっしゃっていることは分かりますし、ただ、どうしても今回の皆さんの審議を聞いていますと、今大臣がおっしゃったような例えばブランド力、それも一理あると思うんです。ただ、じゃ大きな企業若しくはチェーン店が、言い換えれば生産性が高い企業がそのように地元でブランド力をつくれないかというと、私は決してそういうこともないのかなと。むしろそういうことに積極的に力を入れているところも多いわけですね。例えば、地域コミュニティーという話もよく出ますが、チェーン店であってもしっかりしたところは、地域に根付くために商店街の例えば掃除をみんなでやったりとか、若しくは店内でオープンにしてジャズのコンサートを開いたりとか、若しくはコーヒー教室を開いたりとか、そういったものを無料でどんどんやることによって、より多くの人たちが集まってくるという環境も実際つくり出しているわけですね。
 単純に数字だけでというふうに言われてしまうかもしれませんが、やはり売上げを見ても間違いなくそういった生産性の高いところの方が高いわけですし、そう考えたら、例えばそれはフランチャイジーでやっていただいているとしたら法人税もそちらで落ちるということになるわけですから、私はやはり両方の側面からこれは見る必要があるなと。単純に小規模企業を積極的に推進する補助金を付けるとか、そういう形でモラルハザードを私は生むようなことはしてはいけないと思っていますし、できればやはり退場していただくところに退場していただく、新陳代謝をしっかり自然の流れで起こしていくということは重要だなということは申し上げたいと思います。
 同じ観点から、ちょっと金融政策についてお聞きしたいと思うんですけれども、中小企業の金融として活用されているのは、日本政策金融公庫による融資、若しくは信用保証協会による保証だと思います。それぞれ金融公庫とマル保と呼ばせていただきたいと思いますが、例えば金融公庫による経営改善貸付、マル経融資、これは来年度予算の成立を受けて、融資限度額が従来の千五百万円から二千万円に引き上げられたと、こういう話が出ておりまして、実際、その前に二〇〇九年にも一千万円から千五百万円までに引き上げられているんですね。つまり、五年で二倍になっているということになるわけです。先日の参考人質疑でも非常に評判が良かった。参考人のお三方とも、これは二千万にしてくれてうれしい、できればもっと欲しいという話が出てきていたわけです。
 このマル経は商工会議所などの経営指導を受けている小規模事業者を対象とした融資なわけですが、実際に事業が改善した企業の数、このマル経によってあるいは焦げ付いた融資額、デフォルトになってしまっているところはどの程度あるのかということを政府参考人にお聞きできればと思います。
#41
○政府参考人(北川慎介君) お尋ねの公庫融資それから保証協会の保証につきまして、まず概数を申し上げますと、日本公庫の融資が延べ九十八万社、保証協会の保証が百四十六万社に利用されております。
 お尋ねのマル経につきまして、回収率の数字だけ手元にございますので申し上げますと、二十五年度末現在におきまして一・七%が貸倒れ、残りの九八・三%が回収できているという状況にあります。それから信用保証につきましては、同じく二十五年度末におきまして五・〇%が代位弁済に至り、残りの九五・〇%が金融機関において回収されております。
 これは、特にリーマン・ショックのような危機時、これに一〇〇%保証ということをやっておるんですけれども、多くの国費が投入されたこともございまして、見直しをずっと不断にしておるところでございます。特にリーマン・ショック後の緊急避難的な例外措置として一〇〇%保証を行いましたけれども、これは金融機関側にとってみれば貸倒れリスクがないというようなことにもなり、中小企業側にとって必ずしもしっかりと面倒を見てもらえない、経営指導に当たってもらえないと、こういうこともあり得るので、本年三月に制度を本来のように戻しまして、現在は基本的に金融機関が一定のリスク、二〇%を負担する一般保証、これを原則とする制度運用にいたしております。
#42
○松田公太君 ありがとうございます。昨日ちょっと伺ったときは明確なそこまでの数字が出てこなかったのでお聞きしたんですけれども。
 信用保証協会についてそれではお聞きしたいんですが、信用保証協会、これの残高、四月末時点でどのくらいになっていますでしょうか。
#43
○政府参考人(北川慎介君) 信用保証の残高でございます。今、二十五年度末現在で二十九兆七千七百八十五億円となっております。
#44
○松田公太君 約三十兆円ということだと思います。
 そして、実は最近五年間、この五年間の代位弁済の額を私は調べさせていただいたんですが、これ実は五兆円になるんですね。五年間で五兆円、年間一兆円もの代位弁済が出ている。そして、その、じゃ回収率はどうかという話ですけれども、最近どんどんまた回収率が下がっておりまして、二〇%台を切って一八%台になってしまっているという状況です。仮に二割だったとしても、五兆円の焦げ付きが出て回収できるのはたった一兆円。つまり、四兆円が損失となってしまっているわけですね。こうやって本当に巨大な不良債権の塊になってしまっているなと思うわけです。
 私も銀行員を以前やっていましたので、マル保融資というものが非常にある意味、例えば支店長なんかも非常に決裁しやすいといいますか、ほぼスルーで通りやすいという案件、そういったものを多々見てきているわけですけれども、非常に私はこれモラルハザードを招いているのではないかなというふうにも思っております。
 この五年間で四兆円ものお金が回収できなくなった。ある意味、生産性の低い企業に四兆円ものお金、我々国民が税金として投入しているということになるわけですね。これ、私、非常に非効率じゃないかなというふうに思いますが、大臣はいかが思われますでしょうか。
#45
○国務大臣(茂木敏充君) 恐らくこの五年間というのは日本経済にとってかなり異常な状態の時期だったのじゃないかなと。二〇〇八年の九月の十五日、リーマン・ショックというのが発生をするわけであります。それから日本経済ががたんと落ち込む。そこの中で、金融機能を始め相当、何というか、厳しい状況にあったと。緊急的な措置として様々な融資保証制度をとったわけでありまして、その結果として御指摘のようなものが出ているのだと思います。
 ただ、日本経済が改善することによりまして、当然、何というか、公的に頼らなくても資金調達ができるような状況が生まれればそれにこしたことはありませんし、同時に、金融機関にも、しっかりと自分でリスクを取って融資をする、本来のバンカーとしての姿勢を取り戻す、こういうことが求められていると思いますし、またそういった状況がつくれるようにデフレからの脱却を進め日本経済を持続的な成長軌道に乗せる、これが我々の責任であると思っております。
#46
○松田公太君 金融円滑化法によって多少そういった部分は改善されてきているところもあると思いますが、いかんせん日本の保証率というのが非常に高いんですね、他国と比べても。他国は七〇%ぐらい、先進民主主義国家で、のところが多いんですが、日本は八〇%から一〇〇%ぐらいだと。なおかつ保証料率も非常に低いということがありますので、私はこういった部分を改善していかなくてはいけないのかなと、このように思っております。また、そのカバーをしているのは政策金融公庫ですから、やはりこれは国民全体のお金がここに流れるということを踏まえて、今後はこういった保証協会制度についても私は引き続きいろいろ提言をさせていただきたいというふうに思っております。
 最後に、ちょっと時間がなくなりましたので、外形標準課税についてお話をさせていただきたいと思います。
 これは中野議員と議論になってしまうかもしれませんけれども、私は、この外形標準課税、これを検討されているという話で、先日、参考人のお三方もこれは大反対だという話があって、今日も話の中では、非常に慎重だという話が出ております。ただ、私は、やはり法人税を納めずに行政サービスはしっかりと享受しているという企業が日本に七割もあるという現状、その応益課税という意味合いにおいて、また生産性の低い企業には実は退場していただきたいという意味も含めて、新陳代謝を図る上でも外形標準課税の適用拡大というのは私は検討に値するのではないかなというふうに思っております。
 これについての茂木大臣、再度御見解をお聞かせいただければと思います。
#47
○国務大臣(茂木敏充君) 税制の基本、一つはベネフィット・ツー・ペイ、便益に応じて税を払う、もう一つはアビリティー・ツー・ペイ、能力に応じて払う、このバランスが取れなければいけない、そんなふうに思っているところでありますけれども。
 まず、日本の中小企業、赤字企業が多い、こういった状況を改善していくことが何よりも私は重要だと思っておりまして、我々としては、黒字企業の割合を倍増していきたい、こういう目標に向けて様々な対策を取っているところでありまして、収益を出していただいて法人税として堂々と納税をしてもらえる、こういったことが最も望ましいことだと思っております。その上で、それ以外の法人税の引下げに伴います代替財源については、様々な要素を考えながら検討すべき課題だと思っております。
#48
○松田公太君 私は、これも大臣の方からお話何度かいただいていますが、レベニュー・ニュートラル、それに対してタックスレート・ニュートラル。私もレベニュー・ニュートラルという考え方に賛同しております。むしろ、ニュートラルじゃなくてレベニュー・ポジティブにしなくちゃいけないなというふうに考えている次第でして、法人税実効税率を下げた分は、逆にそれによって法人税収は増えていくという方向に変えていかなくちゃいけないなと、こういうふうに思っているわけですが、そういう観点ではですから一緒なんですけれども、ある意味、外形標準課税というものは、繰り返しになりますが、その応益課税という観点と、もう一つは、それさえ申し訳ないんですがお支払いできないということであれば、本当にじゃ存続する必要があるのかというところに私は視点を置いているわけですね。
 例えば、今現状であれば一億以上の資本金というところにラインがあるわけですけれども、例えばそれが九千万の企業だったとして、仮に利益は全く出ていないということであったとしたら、せいぜい、ちょっと細かい計算はしていませんが、数十万ぐらいですよ、お支払いするのは。それすら払えないというところはいかがなものかというふうに私は考えてしまうわけですね。
 先ほど来いろんな話をさせていただいていますが、私の最終的な目的というのは、やはり新陳代謝を促したいということなんです。集約させたいと。より生産性の高い、利益率が高い、より雇用を生むことができる企業をどんどん増やしていきたいというところなんですね。そういう観点からも、私はこの外形標準課税というのはやはり検討に値するものではないかなと、こんなふうに思っております。
 というところで、時間が来ましたので、以上で私の質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。
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#49
○委員長(大久保勉君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として増子輝彦君が選任されました。
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#50
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今年の中小企業白書を見せていただきまして、本当にそのボリュームと同時に、その中身は注目をさせていただきました。その中で、地域の小規模事業者に対して地域経済の主役という観点からも様々な調査がされているというところも非常に大事なところだろうなと思って受け止めました。
 そこで、中小企業政策のパラダイムシフトということが白書の中でも紹介されていて、その考え方を実現したのがこの小規模二法だという受け止めをしているわけですが、パラダイムシフトということになりますと、天動説から地動説に転換するというぐらいの劇的な価値観の変化だという意味があると思っているんですけれども、天動説に当たる部分というのはどういう考え方だったのか、地動説に当たる部分というのはどういう考え方か、ここを明確に、分かりやすく説明していただきたいと思います。
#51
○政府参考人(北川慎介君) 今、パラダイムシフトの御指摘がございます。これは白書の百五十一ページに書かれているものでございますけれども、これはどういうことかといいますと、中小企業基本法、かつては格差の是正ということでやっておったんですが、一九九九年に改正されまして、中小企業の事業規模の拡大と、これを意味する成長発展、これを基本理念と定めておるわけであります。
 他方、近年の状況を見ますと、人口動態などを見ますと、商店街あるいは町工場に代表されるような小さな小規模事業者を取り巻く状況は大変厳しくなっておりまして、現在の事業を維持するだけでも大変な努力が必要という状況になっております。
 このような状況を踏まえまして今国会に小規模企業振興基本法案を提出したわけでございますけれども、まさに地方で雇用を維持して頑張っている小規模企業の方々を正面から支援したいという考え方の下、成長発展のみならず、成長発展に加えまして事業の持続的な発展を新たに小規模企業の振興の基本原則として位置付けたところであります。中小企業白書では、この事業の持続的な発展という新たな基本原則、これを加えたことをもってパラダイムシフトと記載しております。
#52
○倉林明子君 一九九九年の中小企業基本法からの私は考え方として大転換ということだと思うんです。
 そこで、参考人質疑の中で、法律上の中小企業の位置付けに対する疑問ということで示されておりまして、この理念について、中小企業基本法は依然として残っていると、さらに小規模の今回の振興基本法ということになるわけで、理念が二つあるのではないかというようなことが指摘されたかと思うんですね。さらに、中小企業憲章も閣議決定されている、その位置付けもあると。
 それぞれの関係について御説明をいただきたい。
#53
○政府参考人(北川慎介君) 今回の基本法案と中小企業基本法、それから憲章との関係ということでございます。
 平成二十二年に閣議決定されました中小企業憲章におきましては、中小企業が社会の主役と位置付けられておりまして、それに基づきまして中小企業政策の基本理念、行動指針などが定められております。憲章に規定されているとおり、中小企業・小規模事業者が地域の経済や雇用を支える極めて重要な存在というところであります。
 この中小企業憲章の趣旨も踏まえまして、昨年の通常国会におきましては、中小企業の成長発展を支援するという中小企業基本法の基本理念を維持しつつも、小規模企業の位置付け、意義付けなどをより明確にするために、中小企業基本法の改正を含めまして、小規模企業に焦点を当てて、八本の関連法案を一括で改正する小規模企業活性化法を成立させていただいたところでございます。
 この小規模企業活性化法におきましては、中小企業施策として今日的に重要であって中小企業憲章にも規定されておる海外展開の推進、事業承継の円滑化、こういったものにつきましても中小企業基本法で新たに改正して基本施策として位置付けたところであります。
 この小規模企業活性化法を一歩進めまして、小規模企業の固有の課題、今日的な課題を洗い出した上で、小規模企業の振興に関する施策につきまして総合的かつ計画的に、そして関係者が一丸となって実施するための新たな施策体系を構築するために本基本法案を国会に提出したところでございます。
 この小規模企業振興基本法案には、先ほど申し上げましたけれども、中小企業基本法の基本理念である中小企業の成長発展のみならず、事業の持続的発展を新たに基本原則と位置付けるとともに、具体的な政策立案の指針といたしまして、中小企業基本法にはない基本計画を策定し、国会への報告、そしてまた毎年の進捗管理を行う旨を規定しております。この基本法案に基づきまして、施策を総合的かつ計画的に推進していくということでございます。
 また、今回の基本法案におきましては、中小企業憲章の行動指針の趣旨、これを踏まえまして、基本方針、第六条における地域経済活性化等に資する事業活動の推進、そしてまた支援体制の整備、あるいは十三条における基本計画の策定などを規定しているところでございます。
#54
○倉林明子君 改めて確認したいと思うんですけれども、中小企業庁設置法の目的と任務はどうだったでしょうか。
#55
○政府参考人(松永明君) 昭和二十三年に制定されました中小企業庁設置法でございます。制定当時の提案理由によりますと、国内における社会情勢、自由公正な競争の確保、我が国の国際経済上の自立、こういった観点から、中小企業の健全なる発達を図ることはこの際何としても行わねばならぬとの考え方に基づきまして制定されたものでございます。
 第一条におきまして、健全な独立の中小企業が、国民経済を健全にし、及び発達させ、経済力の集中を防止し、かつ企業を営もうとする者に対し、公平な事業活動の機会を確保するものであることに鑑み、中小企業を育成し、及び発展させ、かつその経営を向上させるに足る諸条件を確立することを目的としておるところでございます。
 そして、第三条におきましてこの目的を達成することが中小企業庁の任務であると規定しており、この任務を達成するために第四条において所掌事務が規定されておりまして、具体的には、中小企業の育成及び発展を図るための基本となる方策の企画及び立案に関すること、中小企業の経営方法の改善、技術の向上その他の経営の向上に関すること、中小企業の新たな事業の創出に関すること等々規定されているところでございます。
#56
○倉林明子君 今紹介ありましたように、設置法では、中小企業を育成し、その経営を向上させると、こういう目的、これが原点だと思うんですね。
 ところが、一九九九年の中小企業基本法の改正以後、一割、二割が引っ張ってあげていけば付いてくると、こういう改正の以後、小規模事業者は圧倒的に減少傾向をたどっていると。
 やっぱり失敗したと、こういう政策失敗したんだということに対して真摯な反省が私求められているんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(茂木敏充君) 九九年に中小企業基本法、抜本改正をいたしました。当時私は通産の政務次官でありましたけれど、それまで、格差の是正、中小企業は弱い立場である、こういうことから、中小企業には様々な可能性がある、我が国の経済の発展と活力の源泉、極めて前向きに捉えて、中小企業の多様で活力ある成長発展へとポジティブに考え方を転換をした。私はこれはある意味パラダイムチェンジであったと、こんなふうに思っております。決して一部の企業だけで日本経済を発展させるということではない。大企業が中心になってその下に全部弱い中小企業はくっついている、こういう構図ではないんだ、元気な中小企業は中小企業で頑張ってもらう、こういう発想の下でやってまいりました。
 ただ、日本経済全体を見てみますと、その中小企業のうちの九割が小規模事業者ということでありまして、さらにこの小規模事業者にも焦点を当てた政策が必要であろうということで、昨年来の様々な法律に取組をしております。もちろん、中小企業基本法で規定をいたしております成長の発展、こういうことに対する支援というのは続けてまいりますけれど、今回は事業の持続的維持ということでありまして、こういった地域において雇用や経済を維持している小規模事業者を正面から応援をしていくということでありまして、これはパラダイムチェンジではありません、パラダイムシフトです。シフトというのは広がることですから、変わるんじゃないんです、チェンジじゃないんです。シフトというのは、少なくともスコープを広げ、そこの中での重点を置くことをシフトというわけでございます。
#58
○倉林明子君 初代中小企業庁長官が、京都にもゆかりの方なんですけれども、できたばかりの中小企業庁の職員に中小企業とは何かということを説いたというんですね。それはスケールで決まるんじゃない、大資本の圧力をもろに受けつつ経営をしなきゃならないのが中小企業だと。ここに本質がある、だからこそ大資本の圧力から経営を守ると、この行政目的を忘れたらあかぬということで、私、これは現代にも通ずるものがあるんじゃないかというふうに思います。シフトかチェンジかという議論はまた改めてさせていただきたいと思います。
 そこで、参考人質疑で全国商工会の森田副会長は、百三十五万社も二十年で減少していると、わけてこの三年間の減少率にも触れて、非常に大きな危機感を表明された。この法律の提案に至ったというのは、現場のこうした小規模事業者の実態があるということだと思っているんです。何がどう良くなるのかという疑問が会員から出ているということで、この法案で小規模企業の今のような減少を食い止めることにつながると、こういう理解でよろしいでしょうか、大臣。
#59
○国務大臣(茂木敏充君) この基本法案、小規模事業者の皆さんにとって悲願であったと、そんなふうに思っておりまして、昭和三十八年に中小企業基本法制定以来五十一年ぶり、経済産業省としては戦後二本目の基本法という形でありますから、国として小規模企業を全面的に支援していく、極めて強い私はメッセージである、このように考えております。
 そして、そのための計画の策定であったり、また面的な支援の体制づくり、様々な対策も取っております。もちろんこれだけで全てが良くなるわけではない。日本経済全体を良くしなければなかなか中小企業も良くならないということでありますから、そういったアベノミクスの三本の矢もしっかりと進めていきたいと思っております。
 やっぱりやる気を出させるということは必要なんですよ。ゲーテも言っているんです、お金を失うことは少し失うことだ、名誉を失うことは多くを失うこと、勇気を失うことは全てを失うことと。是非、中小企業・小規模事業者の皆さんに勇気を持って事業に取り組んでもらえるような環境をつくっていきたいと思っております。
#60
○倉林明子君 そうなんですよね。実際にどう景気が良くなっていくのか、どうアベノミクスで底上げが図られているのかということに対しても厳しい意見があったんですよね。全く感じられないという声の紹介がありました。中同協のアンケートでも四月の消費税増税の影響が六割に及んでいるというところが出ていまして、商工会はそもそも消費税に基本的に反対だということも副会長おっしゃっていました。赤字でも負担が求められる消費税、これが中小企業・小規模事業者の団体から厳しい指摘があったということだと思うんですね。
 この四月の増税について、小規模事業者に与える影響というのをどう見ているんでしょうか。
#61
○政府参考人(松永明君) 経済産業省が三月に実施いたしました全国の中小・小規模事業者二万社を対象とした調査によりますと、一―三月期の小規模事業者の景況認識でございますけれども、駆け込みの影響もありまして前期からは二・五%、二・五ポイントの増加となっております。他方で、四月―六月期の景況認識の見通しでございますけれども、マイナス一一・六%ポイントということで、消費増税による反動減の影響を見通しているという状況になっていると認識しております。
 他方、転嫁状況でございますけれども、経済産業省が実施いたしました消費税の転嫁状況に関する月次モニタリング調査、この五月調査によりますと、消費税を全て転嫁できていると答えた事業者は全体で八一・九%に対しまして、従業員五人以下の小規模事業者では七五・七%と、四月調査に比べれば若干改善していますけれども、依然として全く転嫁できないと回答した小規模事業者も四・六%存在している状況でございます。
#62
○倉林明子君 そこで、資料も出させていただいたんですが、二枚目のところに、これ二月に帝国データバンクが取ったシミュレーションで出ているんですけれども、五割が転嫁できたという場合でどうなるかというのを業種別に出しているんですけど、ほとんどのところで五〇%転嫁できても赤字になるということが見て取れると思うんですね。
 実際、今転嫁できているところは八割だということでつかんでいるということなんですけれども、実際どうかというと、転嫁はできていても、原料高、材料高で利益幅はぐっと狭まってきている、転嫁できてももうからないという状況があるんだという実態は、私、しっかり見る必要があると思っているんです。
 消費税の増税には反対だという声が各団体からも出されているということは、今後の増税についても反対だという声が出されているという声、聞きました。明確だと思いました。小規模企業振興基本法を作りながら、消費税の増税を十月にやるというようなことをすれば、廃業を増やしていく可能性が私は極めて大きい、これ一つ大きな逆行になるんじゃないかというふうに思っております。
 そこに加えて、先ほど来議論もありました外形標準課税適用拡大という問題なんですね。断固反対という声がこぞって出されました。どうも、これ課税した方がええという御意見の方もいらっしゃってびっくりしたんですけれども、絶対やるべきじゃないというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事加藤敏幸君着席〕
 そこで、中小企業庁長官は、先ほど適当でないという答弁があったかと思うんですね。しかし、この小規模企業振興基本法を作りながら、外形標準課税の適用拡大ということが来年度財源措置で出てくるなんということになりましたら、これは本当にとんでもない、廃業を増やす逆行につながっちゃうというふうに思うわけです。長官の立場を明確にお述べいただきたいと思います。
#63
○政府参考人(北川慎介君) 先ほども御答弁申し上げましたが、中小企業の経営の実態、特に赤字企業ですとキャッシュフローに乏しいという状況にあります。また、損益分岐点の問題もありますので、何かあると非常に経営が苦しくなるという状況にあります。
 そういったことに鑑みまして、これまで様々議論されております課税の形態も、付加価値、すなわち、特に中小企業の場合は賃金が多いわけでございますので、賃金を基本的な課税標準にしようという案もあるようでございます。かつてはそういうことであったわけで、我々も適当でないという立場を取ったわけでございます。
 これから税制改正の議論、秋に向けて深まってくると思いますが、どのような案が出てくるのか分かりませんが、従来のような賃金を基本的な課税標準にする案であれば、中小企業にとっては適当ではないのではないかと思っております。
#64
○倉林明子君 その立場で意見をしっかり反映させていっていただきたいと思うし、大臣も慎重にと言いながら、この点では、廃業が進むようなことにつながることになってはならないという点では一致できると思いますので、奮闘を求めたいと思います。
 そこで、小規模事業者の急激に減少してきたという現状について、白書では実態の調査も含めて丁寧にされていると。しっかり読ませていただきました。その中で、私、注目しましたのは、地域の抱える課題と地域の活性化というふうに光を当てているというところなんですね。
 そこで、小規模事業者の九・二%が大規模工場等の製造業の不在ということを課題の一つに挙げていると。これに対して白書では推察のコメントが出されております。御紹介いただきたいと思います。
   〔理事加藤敏幸君退席、委員長着席〕
#65
○政府参考人(松永明君) 委員御指摘のとおり、二〇一四年版中小企業白書におきまして、地域が抱える課題といたしまして、人口減少、少子高齢化、商店街・繁華街の衰退に加えまして、その次に続きまして大規模工場等の製造業の不在、これが掲げられておりまして、中規模企業の六・一%、小規模事業者の九・二%が掲げているところでございます。白書におきましては、小規模事業者について、大規模工場等の製造業の不在と書いた企業が多い要因といたしまして、大規模工場等がその地域から移転した影響で、下請であるより経営基盤の弱い小規模事業者が仕事を失ったのではないかということが推察されると記載しております。
#66
○倉林明子君 その推察どおりのことが本当にあちこちで起こっているというのが現状だと思います。
 資料として用意させていただきました。これは、白書の中にデータとして紹介があったのが一枚目のものでございます。右に進むほど国内投資が多い、高く上がるほど海外投資を反映した数値で、直近のものは赤い折れ線グラフなんです。これまでと特徴的に何が違うかというと、国内投資はほとんど伸びない、減退するという中で、これは海外への投資が製造業のところでこの間どれだけ進んでいるかということを端的に示しているグラフになっているかと思うんです。
 実は、物づくりの本当に最高水準を支えてきたというのが、やっぱり大企業の部品を作って磨きを掛けてきた中小企業・小規模事業者というところだと思うんです。ところが、こうした海外移転が進む中で、この技術そのものがもう保てなくなってくるというような事態が進展しております。我が京都でも、北部では機械金属が産業の一つの中心にもなってきていたんですけれども、ホンダの下請でもある日進という会社がございまして、そこが海外進出をこの間ずっと進めてきていたんですね。中国に展開が中心だったんだけれども、今度、ベトナム、タイということで進出の準備も進んでいて、北部はただでさえ落ち込んでいる経済の状況が、この日進の海外進出で本当にえらいことになるんじゃないかというような危機感がもう相当に広がっているわけです。
 私は、地域経済に重大な影響を与えるようなこうした工場の撤退、リストラ、大規模なリストラということが各地で起こっているわけで、こうしたものを放置したままでどれだけ頑張れと言っても、小規模事業者のところでの踏ん張りというのは続かないと思うんです。こうした撤退、リストラに対する規制やルールということを小規模企業の事業継続という観点からも進めていくべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
#67
○政府参考人(加藤洋一君) 御指摘いただきました大企業の工場等の撤退あるいはリストラでございますけれども、これは、国際的な事業環境の変化によりまして企業立地拠点が選択をされるということでもございますので、企業競争力を維持する上で、ある意味往々にして発生する事態であろうというふうに考えておりますけれども、他方で、このことが地域経済に影響を与えるということもこれは事実であろうと考えております。こうした状況の変化に対しましては、地域経済が適応し得る内発的な産業力を保持するということが、開かれた国際社会に生きる我が国としては本質的に重要な課題ではないかというふうに考えてございます。
 こうしたことから、日本再興戦略に基づきまして、地域ブロックごとに、地域の産学官が総力を挙げまして地域の実情に即した戦略産業を策定し、そして、関係省庁を交えて関係機関が連携してその実現を図るということを今執り行っているところでございます。また、地域活性化統合事務局におきまして、府省横断的に政策資源を重点投入すべく実施をいたしました地域活性化モデルケース、こういったようなものを通じまして成長戦略をしっかりと実現を図ってまいりたいと思いますし、また、中小企業予算等につきまして、これ地域に対しましてめり張りを付けて配分をしていく、こういうようなことも大変重要な課題だというふうに考えてございまして、私どもとしましては、こうした政策を推進することによりまして自立的な地域経済構造が形成されていきますように全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
#68
○倉林明子君 今、実態として海外に工場が移転するという計画がまさに進展しているんですね。そういうことがお尻に火が付いているような状況にあるということもしっかり受け止めていただいて、そういう工場の海外移転、このままでいいのかと、野放しに進められるということに対しても正面から取り組む課題だと思いますので、指摘をしておきたいと思います。
 中小企業白書、いろんな分野でたくさんの盛り込みがあったわけですけれども、欧米諸国の取組ということを教訓的にまとめているというのが一つの特徴でもあろうかと思いますし、それを参考にしていこうという意欲の反映でもあろうかと思うんです。この間のEU、アメリカ、そしてフランス、特徴を取りまとめて、時間なくなってきましたので簡潔に御説明いただきたいと思います。
#69
○政府参考人(松永明君) お答え申し上げます。
 まず、アメリカでございますけれども、第二次世界大戦のかなり早い時期から中小企業の支援の基本的な制度が整備されておりまして、一九五三年に中小企業基本法が制定されております。
 現在の米国の中小企業施策の特徴といたしましては、研究開発費を中心といたします補助制度がございます。米国国防省ですとか米国国立衛生研究所等の研究開発、これを支援するということ、研究開発費を呼び水としながら、研究開発の支援に補助が行われているところでございます。また、ベンチャーキャピタル等の充実を通じた民間のリスクマネーによるベンチャー支援も特徴の一つとなっております。
 続いて、EUでございます。
 EUでは、二〇〇〇年にEUの総合経済戦略でありますリスボン戦略の中で中小企業の重要性が盛り込まれたところでございます。同年に欧州小企業憲章も採択されたところでございます。二〇〇〇年でございます。その後、二〇〇八年に、欧州小企業憲章よりも更に一歩踏み込みまして、具体的な課題や対応を欧州委員会や各国政府に求めるアクションプランとなります小企業議定書が採択されたところでございます。さらに、二〇一〇年にリスボン戦略を引き継ぐEU二〇二〇戦略、これを正式決定をしたところでございます。金融危機の後、EUにおいても中小企業政策が経済政策の最重要項目の一つとして位置付けられていると言えると思います。
 そのEUの中でも、とりわけフランスでございますけれども、サルコジ政権におきまして個人の起業促進による経済活性化と雇用創出を目的といたしました個人事業主制度が導入されました。本制度では、規模の小さな事業を行う者について、インターネットでの簡易な登録での起業を認め、一種の地方税である地域経済拠出金や付加価値税の三年間の免除を認めているところでございます。本制度の導入によりましてフランスでは起業件数がほぼ倍増しているところでございます。本制度につきましては今後とも注視し、評価、分析していくことが必要だと考えております。
#70
○倉林明子君 圧倒的な量の補助金を使ったり税金を免除したりという思い切った策が取られているというところを本当に大いに日本でも学ぶべきだと思うんですね。
 私は家族経営の小規模事業者とも直接お話をたくさん伺ってまいりましたけれども、消費税が赤字で払えないという人は珍しくないんですね。さらに、苦しんでいるのは国民健康保険料なんですね。小規模なゆえに国民健康保険料や税を払って病院にかかっていると。ところが、各地でも同様かと思いますけれども、滞納差押えというのは物すごく厳しくなっているんですね。そうなると、事業存続さえ脅かされるという状況が起こってきております。
 私、消費税も、この国民健康保険料、税も、思い切って負担軽減に取り組んでいくということは、各国も既にやっているし、日本でもこれやると本当にあまねく広く大歓迎されることは間違いないと思うんですね。省庁間との連携にも踏み込んで、こうした支援策も視野に入れていくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょう。
#71
○政府参考人(北川慎介君) 社会保険料の件でございます。
 まず、小規模事業者の方からは、これは大変だという話も伺っております。一方、社会保険料負担、これは雇用者としての義務でもございますし、従業員の方とも二分の一ずつ分担という制度でございまして、あえて言えば制度の根幹に関わる、社会保険の制度の根幹に関わる問題でもございます。
 様々な議論があり得ると思いますけれども、私どもといたしましては、この社会保険料の事業者負担の在り方につきましては、社会保障制度全般の中での見直しの議論の中で、中小企業・小規模事業者の立場を踏まえて関係省庁と協議してまいりたいと考えております。
#72
○倉林明子君 やっぱり何で欧米でこういうことができているかというと、権限もすごく強いというところが大きいんですよね。だから、日本も、経産省の中に中小企業庁ということだとやっぱり政策的な、横断的な権限発揮ってできないと思うんですね。そういう点では、経産省や内閣からも独立した機能、権限、こういう方向こそ考えていくべきだと主張して、終わります。
#73
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。
 ビジネスを地域活性化というような捉え方、いわゆる地域の問題解決の視点から見直してみますと、一つは、地方は高齢化、人口減少による地域経済の疲弊、地域コミュニティーの崩壊、生活不便の増大が進んでいます。こうした三つを私は取り上げてみましたけれども、この地域の課題を解決するための一つの方法として、政治や行政による手段ではなく、一人一人の方々が、いわゆる仕事をしている人たちがビジネスとしてこれらの問題を解決していくという役立ち方があるわけで、そういうものを支援するということを私は奨励していきたいと思いますが、それぞれの地域課題の解決方法、ソリューションビジネスというんでしょうか、そういうものが次々に現れてもいいような今環境にあるわけですね、問題がたくさんありますから。ですから、そのような問題解決方法型のいわゆる事業、企業、商品、サービスの立ち上げを支援していくと、こういうことが必要ではないかと思います。
 お尋ねいたします。地域活性化は問題解決型に近い、そういう意味での事業、こういうものの立ち上げ時に強力な支援をするべきだと思いますが、具体策として考えているものがあったら一例を示してください。
#74
○政府参考人(北川慎介君) 委員御指摘のとおり、中小企業・小規模事業者の振興、それと地域の活性化、これは表裏一体だと考えてございます。地域課題の解決のために今どのようなことができるかということでございますが、そのために地域に根差して事業活動を行っておられる中小企業・小規模事業者の事業の活性化、これを取り組んでいきたいと思います。
 具体的にということでございますので、三点ほど御紹介いたします。一つは、地域における事業の担い手の減少という現実に対応するということで、昨年御審議いただきまして成立いたしました産業競争力強化法におきまして地域における創業支援体制を整備するとしていただいたところでございます。現在、九十四市区町村の八十七計画を認定してございます。さらに、二十四年度そして二十五年度の補正予算におきまして、地域での創業を支援するため、上限二百万円でございますが、創業補助金を措置しているところでございます。
 次に、平成二十六年度予算におきまして、先ほどから申し上げております、身近な存在である商工会、商工会議所が小規模事業者あるいは地元自治体と一体となって行う町づくり、村おこしあるいはコミュニティービジネスの取組といったものを支援しております。
 さらに、三点目でございますが、地域の課題に応える事業主体、これを広く捉えまして、先ほども御議論ありましたが、雇用の創出や地域活性化に一定の役割を果たすNPO法人、これを中小企業施策一般の対象に加えるかどうかを検討するために、新たな研究会を立ち上げて議論を開始したところでございます。
 このような様々な取組を通じて地域課題の解決に向けて地域の活性化を促進してまいりたいと考えております。
#75
○荒井広幸君 理念法、考え方が専らのこの法律ですから、具体的にしていくための具体的な支援というのが重要だと思いますので、成果を、経験を積み上げて更にいろいろな方に適用できるようにしていただきたいと思います。
 今申し上げましたのは地域型で、それぞれの地域にそれぞれの事情があると。もう一つは普遍型です。それぞれの地域で困っているんだなと思ったら、全国的にも同じように地域で困っている問題があると。こうした地域間で共通するところに関わるというような問題解決をしていくという場合に、やはり、立ち上げたはいいが、今度は、各地域で連携しているというところに経営者も気が回ればいいんですけれども、事業者も回ればいいですが、なかなかそういうこともない場合がある。気が付いたとしても、販売力とかそれから市場開発力が弱いというようなことで、そのせっかくの地域解決、問題解決型のサービスや商品が全国の共通地域に展開できない。その地域が助かるわけですね、全国のそれぞれの地域も。そして、さらにそこが今度はいいものをお互いに高め合うという、競争という言葉は余り私は使いたくありませんが、お互いにいいサービスを競い合う、何というんですか、地域の方に役立てていただこうという、そういう意欲による関係が出てくると思うんですが、この販売力とか市場開発力が弱い。
 それで、今までもいろいろな支援をしていただきました。そこで、よろず拠点というのが今度できるそうでございますが、全国商工会連合会などが言っているのは、もっと思い切って地域共同販売拠点整備事業といったようなものを徹底してやってみてくれと、どおんとやってみてくれと。こういう販路開拓支援を打ち出すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#76
○政府参考人(北川慎介君) 委員御指摘のとおり、小規模事業者は情報あるいはノウハウ、こういった経営資源に乏しいという状況にございます。したがいまして、最も重要な課題は販路開拓、売上げ増進ということだと思っておりまして、このため、一つは直接支援、もう一つは体制整備という二つから応援していきたいと思っております。
 まず、小規模事業者の売上げ増加、これを直接支援するために、二十五年度の補正予算におきまして、小規模事業者が商工会、商工会議所と一体となって取り組む販路開拓を支援する補助事業、そしてまた、小規模事業者の販路開拓のために、商工会、商工会議所が全国各地におきましてアンテナショップを運営したり物産展へ参加すると、このための補助事業を実施しております。
 次に、売上げ増加の体制整備、支援の体制整備でございます。これは、今般御提案しております小規模支援法案におきまして、商工会、商工会議所の役割といたしまして、従来やってまいりました経営指導、記帳指導に加えまして、売上げの増加、収益の改善、そして持続的なためのビジネスプランの策定、実施と、こういったものの支援を新たに位置付けております。
 また、御指摘ございました各都道府県に設置しますよろず支援拠点、これにつきましても、販路開拓を含めた経営課題に対して先進的なアドバイスを行う、そしてワンストップで対応していくということで考えております。
 以上でございます。
#77
○荒井広幸君 いよいよ頑張っていかなくてはならないときですから、今までの反省を基に進めていくということが当然必要なんだろうと思います。
 大臣にお尋ねいたします。
 今回のものは専ら理念法、考え方を示しているところが非常に大きい理念法でありますが、こうしたところに、先ほどからのお話で新陳代謝という言葉がありました。健康とか美容で新陳代謝というのは専ら使われる言葉でして、新陳代謝というもののほかに代謝は三つあると多分言われているんですね。一つは新陳なんですね、取って代わる。二つ目は、いわゆる実質代謝というのもあるんですね。それから、もう一つあるというのが基礎代謝なんです。その基礎代謝というのは何かといったら、維持していくということです。最低限を維持していくということなんですね。
 ですから、一人の人が地域にあるいはお客様に奉仕することによって、自分がそれで喜び、なりわいとしての収入もそこで成り立って生活していく。程々の、従業員さんも同じように、そうしてお互いに経営者とやっていく。こういう意味での言葉を使わせていただければ、基礎代謝的なものを支援するという発想も必要なんですね。
 どういうことかと。先ほど議論にありましたけれども、そういう局面ではありません。いわゆる新陳代謝を必要とするような局面でないんです。広域災害が今非常に多くなっているということです。広域というのは、何といったらいいんでしょうか、経営状況でそのお店が駄目になるというんではなくて、この異常気象、こういったもので広域的に、大雨だとか大雪だとか、自然災害を含めて非常に大きいわけですね。例えば、原発なんというのはもっとこれは人為的なもので代表例ですが、今度のこの法律の中には、こういう意味で、広域災害に見舞われた場合、少なくともその基礎代謝的な意味で、最低限のところに戻ると、今までのところに戻れると、そういう意味での小規模事業者やそしてその従業員の支援という考え方はこの中には特に盛り込んでいないように、私はそんな感じがするんですが、この辺はどうなっているんでしょうか。
#78
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の法案、小規模事業者を健康にする、健康増進を図るというための法案でありまして、当然、病気になった際、事故に遭った際の対応というのも重要でありますが、これらにつきましては、現状におきましても特別相談窓口の設置であったり、さらには災害復旧貸付けの適用を始めとする対応を行っているところであります。特に、大規模な災害につきましては、激甚法の第四章、第十二条から第十四条になるわけでありますが、におきまして中小企業に関する特別の助成が定められておりまして、災害関係保証の適用など支援策を講じているところでありまして、既にこういった事故であったりとか被害ということに対する対応はこの基本法とは別途措置をされていると、このように理解をいたしております。
#79
○荒井広幸君 そういうくくりも、仕分も必要なんですが、同時に、やはり私はそういうところは常に頭にもっと置かないと、もう当たり前、恒常的のように災害が来ているんですね。複数の事業者が、全く自分の努力やそういったもの、経済活動、そういったものではないところの、理不尽なものというのか、自然の理不尽というんでしょうか、そういうものに見舞われますので、是非大臣としても、ほかの法律も含めて、その事故の場合の法律ということでしたね、今回は、ビタミンを入れるということですから、そういうものをもう一回精査していただきたいんです。
 そこで、例えば、こういう事例を次々に申し上げるとやっぱりもっと勉強していただきたいなと、役所には、思うんですが、例えばこういうことなんですね。
 これは福島県の例ですけど、この例は原発ということだけに限らないでできるんですね。災害があって避難したという場合が出てくるわけですから、なかなか帰れないという場合が出てくる。これはもう岩手、宮城がそうなんですが、今回福島の例を言いますと、避難指示区域で営業している事業の従業員、この確保が非常に難しいんですね、今。福島復興再生特別措置法は個人事業者又は法人の減税措置を設けていますけれども、従業員を確保して、避難区域内で働くその従業員、その従業員の所得税の減免措置というのはないんですよ。事業者にはあるんだけれども、所得を得ているその従業員にはないんですね。そうなると、やっぱり今までのところやもっと仕事があるところで働いた方がいいということになるので戻らないということになってくるんです。
 ここを検討していただきたいと何遍か申し上げておりますが、復興庁、どのように考えていますか。
#80
○政府参考人(伊藤仁君) 被災地の復興におきまして事業の再開、雇用の確保は極めて重要な課題と認識しております。経済産業省、厚生労働省とも一緒になりまして様々な支援策を講じております。先生御指摘の福島特措法で、避難されている方を雇用した場合に個人事業者だとか法人の減税措置というものを設けておりますのはその一環でございますが、従業員確保のために従業員様の所得税の免税措置というものは今は講じられておりません。
 被災地での声、実態、それから雇用のかかる制度を所管している省庁とも十分議論した上で、雇用の確保のための考え方について検討していきたいと思っております。
#81
○荒井広幸君 検討して減免措置をとるようにしていただきたいと思います。
 五番目ですが、またこういう事例があるんですね。被災地域事業者向け立地補助金の拡充として、現在、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金とふくしま産業復興企業立地補助金があります。これは委員の皆さん、政府の皆さんでこうしたものをつくっていただいて、大変感謝をしております。
 中身を簡単に言えば、被災地域に戻れば四分の三の補助、被災地域以外であれば三分の一の補助というふうになっているんです。しかし、被災企業の支援であるという観点を考えれば、いつ戻れるか不透明な状況にあるわけで、ここを当然勘案するべきなんです。また同時に、人口流出を防ぐという、他県にですね、そういう観点からも、県内の他地域であっても四分の三の補助にして支援するという方法も検討されるべきと思いますが、この辺どうなっていますでしょうか。
#82
○政府参考人(加藤洋一君) お答え申し上げます。
 東日本大震災からの復旧復興、非常に重要な課題でございます。特に原子力災害によりまして被害を受けました福島県に対しましてはきめ細かな配慮が必要、これはこのとおりだと考えてございます。
 したがいまして、御指摘いただきましたふくしま産業復興企業立地補助金、そして津波・企業立地補助金につきましては、他の被災地域とは異なりまして、福島県全域を対象といたしまして産業機能の復旧復興に配慮をするという形を取っております。その際、企業立地が大きな制約を受けるという意味において更に重厚な手当てが必要となりますのが避難指示区域等でございますので、その地域に関しましては補助率のかさ上げ措置を講じているという立て付けになってございます。
 ただし、福島県につきましては、全県に対しまして特に目くばせをした対応が必要だということは御指摘のとおりでございますので、経済産業省自ら実施いたします福島産業復興フェアを累次にわたって実施をしてまいりました。このことに更に加えまして、放射線量の測定指導・助言事業、あるいは工業品等に係るビジネスマッチング・商品開発支援事業、各般の措置をきめ細かく実施してまいってきたところでございます。
 これらの措置によりまして、福島県全域の産業復興に向けてできる限りの措置を講じてまいりたいと考えているところでございます。
#83
○荒井広幸君 これは是非四分の三にしていただきたいと思います。
 大臣、このように、東日本とか福島原発事故によるというふうに必ず頭に地域なり状況が付くんですね、限定状況が付くんです。しかし、これを普遍法にしていくということが必要だと思うんですね。原発再稼働をするということのお考えでしょう、政府は、私と違うけれども。避難計画を作ると同じなんですよ。万が一があったときに、それを東日本だ福島だというふうな意味で作っておくんではなくて、きちんと事前に普遍法として用意しておくべきなんですね。そういうものの整理の段階にもう今入っているんだろうというふうに思います。
 例えば、議員立法による二重ローン救済法案。我々も議員立法でしたが、これ財務省が非常に固くて、東日本大震災適用だけに取りあえずはしたんですね。しかし、こういう二重ローンの発生というのは様々な局面で、自然災害でも起こり得るわけですね。もう一回やろうとしたときに初めて二重ローンになるんです、今までの借金にもう一回借りなくちゃいけないんですから。
 こういうものの普遍化というものを私たちはしていきたいというふうに考えているんですが、大臣、この点についてお尋ねしたいというのが一点と、二点目、端的に大臣お願いしたいんですが、営業損害関連賠償が税金取られるというのはやっぱりどうしても納得いかないということなんですね。実態生活としても非常に厳しいんです。この辺も何とか改善していただきたいんですが、この一般法と、こうした営業損害に関する税金が掛かると、この点何とか改善いただけないでしょうか。端的にお願いします。
#84
○国務大臣(茂木敏充君) 被災地に対する様々な補助の制度であったりとか税の減免どうしたらいいかと。
 恐らく最初に導入したのは紀元一七年、ローマでアウグストゥスの後を継いだ二代皇帝のティベリウスが、小アジアの大地震の際に、その地域の復旧それから属州税の猶予ということで導入したわけであります。それ以降、ティベリウス方式というのはローマで取られておりますけれど、全く同じ方式ではなくて、被害の場所であったりとか地域によって違いがありますので、それに合わせた形の制度設計が行われているということでありまして、今言及のありました二重ローンの問題につきましても、もし違う地域で問題が発生したときには、テーラーメードの制度の方がより被災者に、被災地に寄り添った支援ができるのではないかなと、こんなふうに考えているところであります。
 それから二点目の問題につきまして、ちょっと通告をいただいておりませんでしたので、また御提案踏まえて検討させていただきたいと思います。
#85
○荒井広幸君 通告はしていたんですが、ちょっと読み取りづらいところでしたので、次回、是非お願いしたいと思います。
 さて、私は、大体原発立地の地域を、間もなく、あと半年ぐらいで全部回らせていただくんです。ほとんどの場合、PRセンターとか住民交流センターとかいろんな名前で、その原発の近所に必ず、展示館というんですかね、PR館、交流センターがあるんです。そこに、この原発はどういう仕組みでできているか、大体同じようなつくりで同じような展示です。
 このPRセンターでございますが、このPRセンターというのは、法律に基づくものなのか、行政指導によるものなのか、あるいは業界なのか、各電気事業者の独自判断で設置しているのか、どういう根拠で設置しているんでしょうか。
#86
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のPRセンターでございますけれども、これは、設置及びその運営の内容等につきましては各事業者の判断で行われているものと承知しております。
#87
○荒井広幸君 各事業者の判断ということなんですが、これは非常に、この間、美浜に行ってまいりました。関電ですね。このPRセンターは、新しく二年前ぐらいにしまして、中身を改装しまして、福島原発事故を紹介していました。非常に珍しいです。私ももう二桁回っておりますけれども、珍しい。柏崎原発、これは東電でございますが、ここに限っては福島原発の事故の紹介が模造紙二枚ぐらいで通路にぺたっと貼ってあるだけでしたね。東電です、これ。それから、四電の伊方、ここはほとんど触れてありませんでしたね、福島原発の事故については。自分の原発はこういう仕組みで、こうやって安全だというようなことと、こういう対策をしていますと、こういうことが専らなんですね。
 こういうことは非常に誤解を生むんじゃないでしょうか。事業者が独自に設置しているということですから、ここ、大臣、お尋ねします。意見、考えてください。
 やっぱり、少なくとも、事業者がやっていても、どんどんそこに昔なんかはバスで行って、鉛筆もらったり、場合によってはお土産もらってきたんですよ、原発を宣伝するための。原発村の、ここ言ってみれば観光物産館、展示場みたいなものですから。そこで子供たちは粘土細工をしたり、地域の人はそこで、極端に言えば踊りまで踊ったり、絵まで貼っているという、そういう展示会みたいなものをやっているんですよね。
 だから、ここできちんとルール作ったらどうでしょうか。少なくとも全館に、自分のところの原発のことも当然重要ですが、福島原発事故の今分かっている原因はこういうことだと、収束までの対応でこういうことをやろうとしていると、教訓から得たものはこういうものである。そして、何より重要だと私は思いましたのは、避難者や被災地の現状。だから、この原発が万が一があったらどういう避難計画や避難方法などでどのように連絡します、これはほとんどのところにない。ありようがないんです、作っていないから、まだ、避難計画。しかし、作ったらこういうことをしっかり教えないと、その場所でも、自らの原発の必要性と普遍的な原発の必要性と安全に努力していますという専らの訴え方だけなんですよ。これでは私は少しバランスに欠けるんじゃないかと。
 原発をやめろと言っているんじゃないんです。きちんと今起きていることも、私のところの原発とは関係ないよぐらいの話なんです。あれは特別な事情でなったんでしょうというぐらいの話なんです。そうではなくて、一つの基準を作ってそのような広報をさせるということの考えについて、大臣はどのようにお考えになりますか。
#88
○国務大臣(茂木敏充君) 電力会社のPRセンター、今あるですね、電ガ部長の方からも答弁申し上げたように、電力各社が独自に今つくっているものでありますけれど、何のためのPRセンターかと。それは、原子力につきまして国民の皆さんに、また地域の皆さんに正しく理解をしていただく、これが目的であるはずでありまして、そして、我が国は三年前、三月十一日に東日本大震災、そして福島第一原発事故という大きな事故を経験したわけでありまして、当然、展示の内容、説明につきましても、この原発事故を踏まえた形で、今どういう安全対策を取っているということでなければいけない、このように考えておりまして、それぞれの説明の仕方ということにつきましては、各事業者、工夫をしてほしいと思っておりますけれども、当然、事故がなかった、こういうことで単純に一つの原発についての安全性をアピールするだけでは国民、地域の皆さんの安心感は得られない、このように考えております。
#89
○荒井広幸君 間接的に各事業者に改善を求めていただいたという発言として聞きますが。
 原子力規制委員長にお越しいただきました。田中委員長はいろいろ回られているんだろうと思いますが、私が回った限りといっても、ほとんど数多く回っております。大臣がおっしゃるように、正しく広報するという意味では、原発や自分の原発の必要性とか安全対策とかいろんなことを展示、PRされるのは、それはそれで結構でしょう、立場は違えども。しかし、福島で起きたこと、それによってどういう今地域の様々な避難者を含めた困難が発生しているのかと、それに目を背けるようなことではなくて、他人事として受け止めるんではなくて、そうなった場合にはどうするんだということの気持ちがあれば、避難計画をきっちり作って、避難計画の、避難先やその仕方、そしてどういう体験をその場でもするというようなところにまで入ってくるんですよ、必ず。いかに原発の必要性と安全性だけを今までどおり繰り返して言っているかというところが、皆さんどうぞPRセンターへ行ってみてください。三月十一日前と同じようなものですから。
 規制委員長、原子力規制委員会の大きな役割の中の範疇にあると思います。こうしたPRセンターに対して、各事業者がやっておりますけれども、福島原発の事故の実態、住民の実態、そして教訓、それに対してどう、この原発をどのように補修しているかというのは大体書いてありますけれども、その部分だけはね、万が一被害が起きた場合にどういうふうに避難するんだと。いつも避難は関係ないんだと言うんですが、委員長、もうそういう段階まで入ってきているんですよ、このPRセンターだけだって。そういうものがないということ自体がおかしいんですから。
 どうか、この辺について、福島原発事故の関連と住民被害の現状、そして避難をすることを含めて、事業者にPRセンター、徹底してそういうものをある程度マニュアル化させて展示させるように、広報するようにさせてはいかがなんでしょうか。
#90
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のとおり、事業者が今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、事故は起こり得る、起こった場合はこういうことになるというようなことについて広報をすべきだということはもっともなことと私どもは思います。しかし、どういった広報をすべきかというところまで私たちが規制するということには、なかなかこれは、先ほど大臣の方からも御答弁されたとおり、そこは各事業者が工夫していただきたいというふうに思うところでございます。
 規制委員会としては、やはり絶対の安全はないんだと、安全性の向上に組織的に、この事故も踏まえまして取り組んでいくんだというその姿勢が住民の方に伝わっていくというようなことを含めて、きちっと絶え間なくそういった考え方をPRしていただくよう是非お願いしたいと思います。
#91
○荒井広幸君 今度、私は一つの基準を次回お示ししたいというふうに思っております。
 環境大臣の発言は非常に残念でしたけれども、政治家の旧来の政治手法と発想、こういったものが我々含めて表れた発言だというふうに思っているんです。それはどういうことかと。ずっと全国の原発周辺に回っていきますと、やっぱり仕事がないから、この地域は寂れてきているからということで、ある意味においてお金で判断していくということになっているんです。そして、政治が政策目的を達成するために予算とか補助金を出すことによって、反対派を和らげたり、推進派を結果支援するような形になってやってきたということがあるんですね、常に。むしろ、その地域の経済振興策を、そうした形で振興するんじゃなくて、新しい形の、原発に例えば委ねなくても所得が得られるような方策をどうするかを我々国会や政治家が考えてこなくてはいけなかったことでもあろうと思うんです。
 その意味において、私は、所得の場がないから、経済支援を自治体にもらえるから、だから原発に委ねていくというのはある意味一番安易なやり方だと思っているんです。我々国会を含めて、新しい地域の振興策、所得の場、働く場を含めて、その対策をしていくということの重要性を改めてこの法案を含めて検討する中で私は痛感をいたしました。ですから、いわゆる金目でしょと言っている言葉は、我々自身、特に私自身も、それ以外の方策を提示できないというそのもどかしさにおいて反省をして受け止めている次第であります。
 今日私が最後になろうと思いますので、いつも最後、大臣にはいろいろと聞いていただきました。どうぞ、福島県のみならず、これからもし再稼働するというならば、避難計画も、そして広報の仕方もまだまだ改めなくてはならないところがあると、再稼働の前にやることは山のようにあるということを申し上げ、そして、委員長には、メンバーが替わりましたが、どうぞ、国民の生命、安全を守るという立場で、委員が替わってもしっかり安全第一の立場でやってください。まだまだ足りないところがあるということも付け加えさせていただきたいと思います。
 終わります。
#92
○委員長(大久保勉君) 他に発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、小規模企業振興基本法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#93
○委員長(大久保勉君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(大久保勉君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、加藤君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
#95
○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました小規模企業振興基本法案及び商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    「小規模企業振興基本法案」及び「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(案)
  小規模企業は、経済を牽引し、雇用を確保する力であり、地域社会の主役として地域経済と住民生活に貢献し、伝統技能や文化の継承に重要な機能を果たす国家の財産ともいうべき存在である。しかしながら、小規模企業の多くは、資金や人材などに制約があるため、外からの変化に弱く、不公平な取引を強いられるなど数多くの困難に晒されてきた。日本経済の再生を果たすためには、成長力の基盤である小規模企業の健全な発展を促し、小規模企業がその個性や可能性を存分に発揮することを通じて、活力ある地域社会ひいては我が国の産業競争力の向上を実現していくことが国家的課題であることに鑑み、政府は、両法律の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 小規模企業振興基本計画については、関係省庁の一層の連携のもと、小規模事業者の意見を十分反映した上で策定を行い、その実効性を中長期的に担保するために、政府一体となって必要な予算・税制等の措置の拡充に努めるとともに、適時適切に施策の評価及び見直しを行うなど、PDCAサイクルを確立すること。
 二 全国の小規模企業に支援施策を確実かつ効率的に届けられるよう、国、地方公共団体、中小企業に関する団体等が緊密な政策的連携及び適切な役割分担を図るとともに、事業者にとって分かりにくいものとなっている施策体系を整理・統合し、施策の積極的な周知に努めること。
 三 小規模企業に蓄積された有益な経営資源の継承及び産業の新陳代謝を促進するため、創業・事業承継・廃業については、これまで行われてきた各種施策の再評価を行った上で、相互の関連性を踏まえた段階ごとのきめ細かな支援策を拡充するとともに、事業者に対する情報提供、相談体制を整備することにより、その円滑化を図ること。その際、廃業については、経営者が廃業を決断するに当たって過度な経済的・精神的負担を負うことなく適切なタイミングで事業を終了することができるよう環境を整備すること。
 四 商工会及び商工会議所が小規模事業者の支援ニーズに的確かつ十分に応えられるよう、経営指導員等の資質向上及び有為な人材の確保に必要な措置を講ずること。また、政府として、関係省庁や支援機関などとも連携しながら、地方公共団体に対し、小規模事業者の振興と地域活性化は表裏一体であるという本基本法案の趣旨を丁寧に説明し、十分な支援人材の体制が確保され、理解と協力が得られるよう努めるとともに、都道府県による商工会、商工会議所向け予算に係る地方交付税を始めとする国の支援の充実に向けて、適切に対応すること。さらに、新たに創設される経営発達支援計画の積極的かつ効果的な活用を図ることにより、小規模事業者が抱える課題の解決に資するよう努めること。
 五 法人事業所及び常時従業員五人以上の個人事業所に義務付けられる社会保険料が、小規模企業の経営に負担となっている現状があることに鑑み、小規模企業の事業の持続的発展を図るという観点に立ち、従業員の生活の安定も勘案しつつ、小規模企業の負担の軽減のためにより効果的な支援策の実現を図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#96
○委員長(大久保勉君) ただいま加藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(大久保勉君) 全会一致と認めます。よって、加藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、茂木経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。茂木経済産業大臣。
#98
○国務大臣(茂木敏充君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
#99
○委員長(大久保勉君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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