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2014/03/25 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 厚生労働委員会 第4号
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2014/03/25 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 厚生労働委員会 第4号

#1
第186回国会 厚生労働委員会 第4号
平成二十六年三月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     滝沢  求君     島田 三郎君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     島田 三郎君     滝沢  求君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     西村まさみ君     安井美沙子君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     西村まさみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                古川 俊治君
               三原じゅん子君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                羽生田 俊君
                足立 信也君
                相原久美子君
                小西 洋之君
                森本 真治君
                安井美沙子君
                浜田 昌良君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                小池  晃君
                東   徹君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高鳥 修一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣官房地域活
       性化統合事務局
       長代理      富屋誠一郎君
       内閣官房日本経
       済再生総合事務
       局次長      赤石 浩一君
       厚生労働省職業
       安定局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   杉浦 信平君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       石井 淳子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○雇用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、西村まさみ君が委員を辞任され、その補欠として安井美沙子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石井みどり君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用保険法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長岡崎淳一君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石井みどり君) 雇用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(田村憲久君) おはようございます。
 ただいま議題となりました雇用保険法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 少子高齢化や経済のグローバル化の中で、男女が共に仕事と子育てを両立できるよう支援を行うとともに、若者等の中長期的なキャリア形成を支援するため、育児休業期間中の経済的支援の強化や若者等の自発的な教育訓練の受講促進を図ること等が求められています。また、有期労働契約が更新されなかったことによる離職者等に対する基本手当の給付日数を延長する等の暫定措置の期限が今年度末までとされており、来年度以降の取扱いについて検討することが求められています。
 このような状況に対応し、労働者の生活と雇用の安定を図るため、雇用保険制度において、育児休業給付金の充実、教育訓練給付の拡充及び教育訓練支援給付金の創設、就業促進手当の拡充並びに基本手当の給付日数を延長する等の暫定措置の延長等の所要の措置を講ずることとし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
 第一に、育児休業給付金について、男女が共に育児休業を取得していくことを更に促進するため、休業開始後六月の間の育児休業給付金の給付割合を百分の五十から百分の六十七に引き上げる暫定措置を創設することとしています。
 第二に、教育訓練給付について、若者等の自発的な教育訓練の受講促進のため、専門的、実践的な教育訓練に係る教育訓練給付金の給付割合の上限を百分の四十から百分の六十に引き上げるとともに、平成三十年度末までの暫定措置として、四十五歳未満の離職者が初めて専門的、実践的な教育訓練を受講する場合に限り、離職前賃金に基づき算出した一定額を支給する教育訓練支援給付金を創設することとしています。
 第三に、就業促進手当について、失業者の安定した再就職へのインセンティブを更に強化するため、安定した職業に就き六月以上継続して雇用されたこと等を要件として、現行の再就職手当に加え、一定額を支給することとしています。
 第四に、離職者に対するセーフティーネットを引き続き維持していくため、有期労働契約が更新されなかったことによる離職者等について基本手当の給付日数を延長する等の暫定措置を平成二十八年度末まで延長することとしています。
 最後に、この法律は、平成二十六年四月一日から施行することとしていますが、基本手当の給付日数を延長する等の暫定措置の延長については公布の日、教育訓練給付の拡充及び教育訓練支援給付金の創設については平成二十六年十月一日から施行することとしています。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
 以上でございます。
#7
○委員長(石井みどり君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 本日から雇用保険法改正案の質疑が始まるわけでありますが、この時期の同法の改正というのは年中行事みたいなものでありまして、平成二十一年から二十四年まで四年連続で法改正をしてまいりました。さらに、その前が平成十九年改正であります。平成十九年は自公政権のときの最後でございますけれども、最後の一年前か、あのときに、この雇用保険法の改正であってはならないことが起きたわけでございます。大臣、お分かりになりますでしょうか。
 あのときのようなことがないように、私が何を言っているか、分かる人は分かるんですよ、分からない人は分からないんだけれども。武士の情けで詳しくは言いません。厚労省には、政務三役のみならず、事務方の全職員も含めて、最後まで緊張感を持続するように強く求めたいというふうに思います。
 この法案の直接の改正点に入る前に、まず雇用保険二事業、このうち雇用安定事業で行われております雇用調整助成金についてお尋ねをしたいと思います。
 雇調金というふうに略させていただきますけれども、実は、私の出身組織であります労働組合のJAMには全国に複数の工場を有する企業が少なくありません。そうした企業が事業所単位でそれぞれ最寄りのハローワークに雇調金の教育訓練の申請を行うと、全く同じ教育訓練のメニューで申請したにもかかわらず、オーケーになるハローワークとノーのハローワークが出てきちゃったんですね。それ事実なんです。
 同じ制度なのにオーケーのところとノーというのが出てくるのはおかしいじゃないかということで相談がありまして、調べてみると、驚いたことに、その時点で雇調金の教育訓練に関してどのようなものが認められるのか、どのようなものが駄目なのかという明文の基準が存在してなかったんです、実は。ですから、どうしていたかというと、ハローワークごとにそれぞれ過去の前例を調べる、あるいは、近隣のハローワークに相談して、おまえのところどうしていると聞いて、じゃ、まあこうしようかという感じでやっていた。これが平成二十一年の頃のお話でございます。
 これではいけないということで、職安局の雇用開発課にこの基準作りをちゃんとすべきだということで、四か月程度徹底的に議論を行って基準ができたわけであります。それ以降は公平な基準で運用ができるようになったということであります。
 こういう経過を考えてみますと、私は、製造業は非常に景気変動の波を受けやすい産業でございます。しかも、熟練労働者が必要であるということになりますと、景気変動の波を受けるということは、どうしてもこの雇調金の制度というのは大変重要になってくるわけでございます。大きな役割をこれまで果たしてまいりました。私自身も、こうした際に、与野党先頭に立って、対象要件の緩和とか支給率の引上げ、厳しい環境のときにはそういうことを尽くしてまいりました。
 大臣にお尋ねしたいんですが、この雇調金の有する機能、これはどういうものだとお考えになっているか、あるいは、リーマン・ショックとか東日本大震災において具体的に雇調金がどのような役割を果たしたかをお聞きします。
#9
○国務大臣(田村憲久君) 雇用調整助成金、雇調金と今言われましたけれども、おっしゃられるとおり、景気の変動でありますとか産業構造の変化、こういうもので余儀なくどうしてもその事業というものが動かないというような状況の下で、例えば休職でありますとか、また一方で教育訓練、今言われた部分、出向という場合もありますけれども、そのような形で雇用を維持しよう、雇用の安定を何とか保とうというような場合にこの雇調金を使っていただくわけであります。
 今言われたリーマン・ショック、これはもう一斉に日本中から仕事がなくなったような状況でありました。世界的にと言っていいのかも分かりません。そして、東日本大震災は、まさにその産業というもの、サプライサイドといいますか、そのチェーンが止まってしまうというような問題が起こったわけでございまして、このようなときにどうしても仕事がなくなってしまうと、こういうときには大きな役割を果たすわけでございまして、雇調金というものは、非常に、我々としては雇用の安定、経済の激変やいろんな状況の中において雇用の安定という意味からしますと重要な施策だというふうに認識をいたしております。
#10
○津田弥太郎君 この雇調金については、リーマン・ショックの対応、今大臣もお話しになりましたけれども、平成二十二年度より失業等給付の積立金から借入れを可能にする暫定措置を実施をしたわけであります。これに基づいて三百七十億円の借入れ、平成二十四年度決算においてこれ無事に返済をされたということでございます。
 雇調金の制度全般に関しては、これは民主党政権下の終盤から、段階的にではありますけれども、緩和した要件を元に戻していく、景気の回復に伴ってそういう対応を行っておりますし、最終的に安倍政権でリーマン・ショック以前の水準に戻されたということを承知をいたしております。
 このリーマン・ショック以前に戻すということ自体、これは労政審でも議題にされ議論をされておりまして、原則として同意をされているということでありますので、私はそれについて反対をするというものではありません。ただ、先ほど大臣がおっしゃったように、雇調金というのは極めて重要な役割を果たしてまいりましたし、特に物づくり産業は、主として中小企業の熟練技能によって支えられているということ、今後も景気変動の影響を受けやすいということは間違いないわけでございます。
 私の出身母体のJAMで、今後も引き続き雇調金の役割が重要であるということで、今般、雇用調整助成金制度の見直しに関する影響把握と景気変動時等の迅速な対応を求める要請署名を行いまして、先日、集まりました六千五十九筆の団体署名を大臣にお届けをしたわけでございます。あのときはお世話になりました。この要請内容、具体的には三点になるわけでございますが、私も非常に重要であると思いますので確認をさせていただきたいと思います。
 一つ目、制度見直しによる影響について、中小企業の状況などを十分に把握をし、その影響を検証をした上で必要な対応を図ることとしております。
 まず、いつ頃、具体的にどのような方法での状況把握を考えておられるか、岡崎局長。
#11
○政府参考人(岡崎淳一君) 中小企業におきます状況につきましては、そのときにもお約束しましたように、しっかりやりたいというふうに。
 具体的には、昨年の十二月からリーマン・ショック前の基準に戻しておりますので、おおむね半年ぐらいたった段階で、中小企業、雇調金を使っているところと使っていないところ、どういう雇用継続になっているかどうか、そういった状況を見ながら分析していきたいと、こういうふうに考えております。
#12
○津田弥太郎君 分かりました。
 それでは、そうした状況把握と影響の検証を行った上で、大臣、この必要な対応を図るということについて大臣は確約していただけますでしょうか。
#13
○国務大臣(田村憲久君) やはりしっかり雇用は守っていかなきゃならぬわけでありまして、そういう意味では、今影響等々をしっかりと検討してみるという局長の方から話がございました。その状況を見て、必要があれば対応させていただきたいと考えております。
#14
○津田弥太郎君 それでは、要請の二つ目の項目であります。二つ目は、景気変動などにより事業活動へ影響が出ることが予想されるときは、速やかに制度の要件緩和と拡充を行うなどの柔軟な対応を図ることでございます。
 これは、先ほど指摘をさせていただきましたように、中小の製造業というのは極めて景気変動の影響を受けやすいという特性を有している、そういうところからこれ肝となる部分でございますが、大臣、決意をお願いします。
#15
○国務大臣(田村憲久君) 今も雇調金の制度はあるわけでございまして、やめたわけではないわけでありますけれども、ただ、やはり言われるとおり、大変な激変状況が起こった場合には機動的に我々動かなきゃならぬというふうに考えております。そのときには、リーマン・ショックのときのような要件緩和もしっかり検討しなければなりませんし、あわせて、予算も補正予算等々で対応していかなきゃならぬというふうに考えております。
#16
○津田弥太郎君 最後に答弁をされた予算の件でございますが、この三つ目の項目に、急な景気変動時にも対応が図られるよう十分な財源を確保することということにしております。
 これ、今大臣も予算というふうにおっしゃられたわけでございますけれども、はっきり言って先立つものがなければ対応は大変難しいわけでありまして、三百五十億の借入れをするとか、そういうことをこれまでもやってきたわけでありますから、当然そういう時限措置としてこの失業等給付からの借入れ、こういうようなことを行ってきたこれまでの過去の経験を踏まえて、必要な財源の確保ということについてもう一度大臣の答弁をお願いします。
#17
○国務大臣(田村憲久君) 平成二十六年度の予算案では五百四十五億円ということでございまして、二十五年度と比べますと半減になっておるわけでありますが、これは十二月までの実績値を見てまいりますと、今年度、二十五年度決算ベースで見ますと大体六百億円までかなというような、これは分かりませんけれども、これから、大体そういうような状況が見えてくる中において、予算においてこの五百四十五億円という数字を計上させていただきました。
 ただ、何があるか分からないわけでございまして、何かあったときにはしっかりとこれは対応していかなきゃならぬというふうに思っております。
#18
○津田弥太郎君 何かあったときには、お金が足りなければ、場合によっては時限措置ということでの対応、これまでの経験にありましたように、そういうこともしっかり腹積もりとしては持っておいていただければというふうに思います。
 先ほど言いました団体署名六千五十九筆でございますが、対象となる団体の構成員の総数が数百万人規模に及ぶということでございまして、私は大変重みがあるというふうに思いますし、この六千五十九筆の中には、労働組合が五千筆で、会社経営者の代表が千筆含まれているわけでございまして、労使共にこの雇調金の果たすべき役割の重要性について認識をしておるということでございますので、しっかり大臣におかれましても肝に銘じていただきたい、そのことを御要請申し上げておきたいというふうに思います。
 関連してお尋ねをしたいと思います。ここからちょっと厳しくなります。
 安倍政権になって、産業競争力会議とか規制改革会議が成熟産業から成長産業というスローガンを極めて多用するようになったわけであります。私どもの部門会議で内閣府や内閣官房にヒアリングを行って、私から成熟産業とは何かと尋ねると、代表的には製造業、そういう答えがすぐに返ってくるわけであります。
 これに呼応するように、昨年の六月に閣議決定をされました日本再興戦略、再び興す戦略ですね、これでも、雇用調整助成金、例えば二〇一二年度の実績は千百三十四億円ですが、この雇用調整助成金から労働移動支援助成金、二〇一二年度の実績では二・四億円でした、これに大胆に資金をシフトさせることにより、二〇一五年度までに予算規模を逆転させるという文言が明記をされたわけであります。冗談じゃない。非常に私は腹を立てているんです。
 これ、大臣、私はここではっきりと言っておきたいんです。厚生労働省においては、間違っても労働移動というものを自己目的化しないでいただきたい。労働移動というものを自己目的化しないでいただきたい。例えば、パソナの代表でもある竹中平蔵氏であるならば、当然労働移動を自己目的化するわけです、パソナがもうかるわけですから。経営者がもうかることを一生懸命やるのは当たり前ですよ。それはおいておいて、厚生労働省はあくまでも働く者の目線に立って考える役所でありますから、当事者が転職を望んでいる、あるいはあと一歩踏ん切りが付かない、そういうような状況に置かれている場合には労働移動を後押ししてやるということは私はあるだろうと思います。
 しかし一方で、今勤めている企業で今後も蓄積した能力を生かして末永く働いていきたい、そう願っているのが私は大多数だと思うんですが、そうした方々についてはできるだけ雇用維持を図っていく、これ両面重要だというふうに思うんです。会社を変わるということは、単に御本人だけの問題ではありません。家族全体の住まいの問題、配偶者の勤め先の問題、お子さんの学校の問題等々、多くの課題があるわけでございます。無理やりに労働移動を強制するのではなく、働く者の幸せを実現する観点から対応を考えていく、これが厚生労働省でなければならないんです。これ、もうはっきり申し上げておきます。そうでないと、我が党の石橋議員が先日予算委員会で指摘をしましたように、労働移動支援金というのはリストラ支援助成金じゃないかというような指摘が当たることになるのではないか、そういう批判にしっかりそうではないということを言わなければいけないんではないかというふうに思うんです。
 そういう、少なくともこの労働移動支援助成金を拡充するから雇用調整助成金は縮小するというこのトレードオフの関係に立つということになればこれは大変なことで、絶対にこれは立つべきではないと私は考えるんですが、大臣の見解はいかがでしょう。
#19
○国務大臣(田村憲久君) 成熟産業が製造業かどうかというのは、私は必ずしも製造業って一くくりにするものではないんだろうというふうに思いますが、成熟産業の概念というものはなかなか難しいわけでありまして、成長産業というのは目覚ましく多分雇用をこれからつくっていく産業だという話だと思います。成熟産業というのは、雇用が減っていくというよりかは、まあ極端に雇用がびゅっと伸びるということではないですけれども、まあ成熟した産業であると、日本のそういう意味では基幹産業であることは間違いないんだろうというふうに思いますけれども。
 そのような中において、今言われた部分ですが、まず雇用調整助成金は、当然景気が悪くなればこれは利用されるのが増えるわけでありますから、当然必要な分だけはこれはやっぱり予算にも計上していかなきゃならぬという話になります。ですから、トレードオフという話ではないんであろうと思います。
 一方で、今、津田委員おっしゃられました、じゃ、労働移動を支援をするのはどういう場合かという話でありますけれども、決して本人が望んでいないのに無理やり国が労働移動をしろというわけではありませんが、ただ一方で、企業のいろんな状況もあるわけでありまして、極端な言い方をすれば整理解雇という場合もあろうと思います。それから、整理解雇まではいかないけれども希望退職を募るという場合もあろうと思います。そういう場合、企業の都合で余儀なく離職をせざるを得ないという方々に対して、次の職に就くためのいろんな訓練等々も含めて対応をするという意味の類いのものでございますので、そのような意味からいたしますと、致し方なく企業を去らなければならない方に対する支援であるというような意味合いでございますので、我々は不必要なリストラをどんどん企業に勧めるような類いのこれは助成金ではないという認識の下でしっかりと対応してまいりたい、このように考えております。
#20
○津田弥太郎君 大変重要な発言を大臣にしていただきました。トレードオフの関係にはない。ただ、平成二十六年度の予算では、雇調金の予算が五百四十五億、労働移動支援金の予算が三百一億ということで、二〇一二年のときには二・四億だったのが何と百倍を超えたすごい金額に増えているわけでありまして、そこのところはしっかり、これを使わなければいけないというそういう何か思いになってもらっては困るわけで、必要なときに使うということであって、余してもいいですから、是非そこはしっかりそういう観点で臨んでいただきたいというふうに思います。
 で、今回の法改正に先立つ労政審の雇用保険部会、ここで基本手当の水準が大きな論点となったわけでございます。
 高鳥政務官にお聞きしたいんですが、労使の代表が部会でどのような主張をされたのか、簡単に御説明ください。
#21
○大臣政務官(高鳥修一君) 津田委員にお答えを申し上げます。
 基本手当の給付水準につきましては、労働政策審議会雇用保険部会におきまして論点として御議論をいただいたところでございます。
 労働者側の委員からは、平成十二年及び平成十五年の法改正に伴う給付水準の見直しの影響が見られること、自己都合離職者の中にもやむを得ず離職し、離職前から再就職の準備ができているわけではない方がいることから、他の給付に優先をして失業給付の改善を行うべきであるという主張がございました。
 一方で、使用者側の委員からは、平成十二年及び平成十五年の給付水準の見直しは基本手当受給者の再就職状況に大きな影響を与えていないこと、就職が厳しい方に対しましては個別延長給付等の暫定措置及び求職者支援制度による手当てがなされており、セーフティーネットは整備されているといった主張がございました。
 このため、基本手当の水準につきましては、今後の暫定措置の取扱い、基本手当受給者の就職状況の動向、基本手当支給額と再就職時賃金の状況等を踏まえまして、引き続き、今後の在り方について検討すべきとされたところでございます。
#22
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 今回、生活安定機能の充実のために基本手当の改善、すなわち所定給付日数と給付率の見直しを求めた労働側に対しまして、厚生労働省のまあ事務方と言った方がいいんだと思うんだけど、厚生労働省の事務方のガードは鉄壁と言ってもいいくらいでございました。残念ながら、厚生労働省の後ろというか上というか、当然に財務省の意向が強く反映していたわけでありまして、当然これは国庫負担の問題に入っていくわけでありまして、この国庫負担の問題というのは、後ほどもお尋ねするんですが、今回の法改正は基本手当の改善を行う一つの私は好機であったというふうに考えています。
 現在の基本手当の大枠というのは、平成十二年の法改正で取り入れられました。私の出身組織のJAMの先輩議員であります衆議院の労働委員会の野党筆頭理事でありました故鍵田節哉議員が関わって対応したわけでございます。あのときは、過去数年の雇用保険財政が一兆円を超す単年度赤字の連続ということで、積立金も底をつきそうになっていた。平成十三年度の予算が組めるかどうかというくらい厳しい財政状況であったということを承知をいたしております。そういう中で、今後とも雇用保険制度を維持するために、労使ともに言わばやむなしという形で一定の決着を見たものだというふうに思います。
 そういう経過があったということを私は決して忘れてはならないというふうに思うわけでありまして、もちろん平成十二年度改正で導入したこの求職者給付についての離職理由による差異、これ、離職前からあらかじめ再就職の準備ができるような人に対する給付と倒産、解雇等により離職した人、あるいは真に必要のある人に対しての給付とは明確な違いがある、こういう考え方というのは私は否定するものではございません。しかし、当時から労働者一人一人の退職理由というのは人それぞれ、ケース・バイ・ケース。これ、白か黒かというのを分けるのは難しいんですよ。本当に難しい。
 こういうこともあって、当時の衆議院の労働委員会では、次のような附帯決議が採択をされました。これ、申し上げます。
 倒産、解雇等による離職者として手厚い所定給付日数の対象となる者の具体的範囲を決めるに当たっては、離職の実態を十分踏まえつつ、中央職業安定審議会において明確な判断基準を示し、その周知徹底を図るとともに、運用に当たっては客観的事実と離職者本人の申立て、この両方に基づき、明確かつ合理的な判断を行うことという附帯決議でございます。
 この客観的事実と離職者本人の申立て、この二点が書かれているわけでございますが、これ以降、本当に真に離職理由の見極めが難しい事例、これ、数多く発生しているわけで、退職者の中には相当につらい思いをされた、まあ建前と本音みたいなものの違いみたいなものがやっぱりどうしてもあるわけでございまして、私は、これまでリーマン・ショック以降の有期の雇い止めのように、制度として特例を設けた、これは、今回の雇用保険部会でも、賃金の不払、遅配、過重労働等によるやむを得ない離職であるにもかかわらず、従来の特定受給資格者の基準に該当せず自己都合離職となっていた事例について、基準の見直しを行って特定受給資格者に位置付けることにした、これは評価をしたいというふうに思っております。
 その上で、現在の基本手当の水準、それから給付の率、これに関して、給付日数のセル一つ一つを含めて全く見直しの必要がないのかといえば、決して私はそうではないというふうに思います。今回の場合は日切れ法案ということで、審議会も時間的な制約があったことは理解をしております。どうしてもこの雇用保険法の改正というのは日切れでちょこまかちょこまかとやらざるを得ないというのは分かるんですが、しかし、やっぱり何年かに一回は雇用保険のそもそもの在り方、そもそも論、基本論、これはやっぱりしっかり議論すべきではないか、労政審も含めて、私はそういうふうに思うんですが、このそもそも論に対して田村大臣のお考えをお聞きします。
#23
○国務大臣(田村憲久君) 今般の見直しに関しましては、労政審の中で昨年五月から議論をいただいて十二回ほど御議論をいただいたということであります。限られた期間ではありましたけれども、その中で一定の理解を示していただきながら、教育訓練給付の拡充でありますとか、それから、もちろん御納得いただいていない部分、委員あると思いますけれども、この失業給付の暫定措置の延長でありますとか、それから育児休業給付、これの拡充、さらには再就職手当というようなものを見直していただいたということでございます。
 ただ一方で、今言われた基本的な部分に関しては、これはもう検討を継続するということでございますので、しっかりとこれからも議論は進めてまいりたいと思いますし、委員がおっしゃられているその意味というものは、私も必要性というものは感じておるわけでございます。労使それぞれの御議論の中で最終的にはお決めをいただくわけでございますので、十分な御議論はいただかなきゃならぬと思いますけれども、根幹的な部分も含めてこれからまた議論を継続をしていただきたい、このように考えております。
#24
○津田弥太郎君 積立金が五兆七千億円という、そのことばかりに焦点が合って、そもそも雇用保険とは何か、どうあるべきかということを議論しないと、金がたくさんあるからそれをほかに使えとか、あるいはこんなにあるんだったら保険料を下げろとか、そういう短絡的な話にすぐなってしまうという昨今の状況がございますので、やはりしっかり基本を押さえていく議論をしていただきたいな、そのことを要望申し上げておきたいと思います。
 次に、失業給付に係る国庫負担、お尋ねをしたいと思います。
 ちょっとつらい話で申し訳ないんですが、本則の四分の一でございますけれども、現在一三・七五%、丸七年が経過をしているわけであります。民主党政権のときには二次補正で平成二十一年度に三千五百億円の一般財源を投入したわけでございますし、平成二十三年には、できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとするという法改正を行ったわけでございます。
 率直に申し上げます。我々も力不足でございました。これは率直に認めます。しかし、その雇用保険部会の建議に示されておるわけでございますけれども、雇用保険の保険事故である失業は、政府の経済対策あるいは雇用政策とも密接な関係を有しておるわけで、政府もその責任を担うということでございます。
 この場合の政府の責任の担い方としては、やっぱり法律の本則戻しというのが大前提になると思うんですが、大臣にお尋ねをしたいんですが、この雇用保険法の附則に示された安定財源の確保そのものに対して、厚生労働省はこれは無関心でいていいと思いますか。これ、やっぱり本則戻しを目指していくべきだと私は思うんですが、大臣の所見をお伺いします。
#25
○国務大臣(田村憲久君) 本則二五%、今言われましたとおり、今現在一三・七五%で五五%しか国庫が入っていないという話であります。
 二十三年度の雇用保険法改正の中において、これは本則復帰検討規定として入れられたわけであります。二十六年度概算要求は、我々も要望をさせていただいておったわけでありますけれども、厳しい財政状況下ということもございましてこれは認められなかったということでございますが、法律にもしっかり検討規定が入っておるわけでありますし、本来、本則ということでもございますので、我々としては継続して要望はしてまいりたい、このように考えております。
#26
○津田弥太郎君 実は、暫定措置というのはこれだけではなくて、求職者支援制度の財源についても、本来この求職者支援制度の財源については、本則では、労使負担分が二分の一、国庫負担が二分の一と、半々ということになっておるんですが、暫定措置で本則の五五%ということになっているわけで、これは岡崎局長にお聞きしたいんですが、この国庫負担の暫定措置の解消という場合に、先ほど指摘をしました失業等給付における国庫負担と雇用保険の附帯事業という位置付けの求職者支援制度で完全に同じタイミングで問題解決を図らないといけないのかどうか、金額的には求職者の方は少ないわけですよ。ですから、取り組みやすいんですね。北方領土、四島返還でいくか、二島返還でいくか、二島からいくという考え方も私はあるんではないかと思うんですね、まあ一例としてね。
 そういう点では、この求職者支援制度は雇用保険の枠外の方の訓練も行っているわけでありますし、諸外国でも同種の支援措置が全額税負担で行われる例が多いということも考慮をしたときに、先行的に暫定措置を解決させる可能性があるのかどうか、これは政策論的に岡崎局長の答弁をお願いします。
#27
○政府参考人(岡崎淳一君) 求職者支援制度の国庫負担につきましては、制度創設当初にどうするかという相当の議論がありまして、御承知のように、三大臣合意の中で、二分の一にしつつ、暫定措置の適用対象にするということになったわけでございます。
 これをどうするかということでありまして、おっしゃいますように、雇用保険の被保険者とは違うという部分は一方ではございます。ただ、全体として暫定措置が掛かっているということでありますので、先生おっしゃいましたように、こっちの方だけということでいくのか、やはり我々としては、全体として安定財源を求めた上で全体として暫定措置をいかにしてなくしていくかということで基本的な姿勢としてはやっていきたいというふうに考えているところであります。
#28
○津田弥太郎君 やっぱり四島返還でいくわけですね。分かりました。
 この求職者支援制度関連でもう一点お伺いをしたいと思います。
 必ず何か問題が起きるんですよね。この求職者支援制度は、一定の要件に該当する場合には職業訓練受講給付金、これ月額十万円支給をされるわけでございます。実は、この制度の創設前から、非正規労働者などで雇用保険の基本手当の給付額がこの十万円の額と比較して低くなる、つまり雇用保険料を払っている人の方が低いという、まあたくさんではないですけど、一部でありますが出ているということでございます。
 この逆転現象は私は望ましくないと思うんですが、佐藤副大臣にお聞きしたいんですが、この問題についてはどのような状況になっていて、問題解決の見通しはどのようにお考えになっていらっしゃるか、お聞きします。
#29
○副大臣(佐藤茂樹君) 津田委員の御質問にお答えいたします。
 この逆転現象の問題でございますが、今、直近の数字で言いますと、平成二十四年度の実績によりますと、雇用保険の基本手当受給者の一か月当たりの給付額というのが、月額十万円以上の者の割合が約九割、正式に言いますと八六・四%となっております。ですから、逆に言うと十万円以下の給付額の方が一三・六%と、そうなっているわけでございます。
 この問題については今般の雇用保険制度の見直しの中でも労政審の雇用保険部会で御議論いただいたところでございますけれども、最終的にこの職業訓練受講給付金については、雇用保険の給付とのバランスを取るための具体的方策等について引き続き検討すべきと、そのように報告書ではされたことになっておりまして、同様に、厚生労働省としても、引き続き検討すべきとされたこの基本手当の水準に関する検討と併せてしっかりと今後検討してまいりたい、そのように考えております。
#30
○津田弥太郎君 検討という言葉はいい言葉ですが、本当にやっぱり逆転現象を解消すべく具体的なお取組を要望しておきたいと思います。
 今回の改正案の目玉の一つであります教育訓練給付金の拡充及び教育訓練支援給付金の創設に関するお尋ねをさせていただきます。
 元々、昨年六月の、私の余り好きではない日本再興戦略、これが端緒となっておりますから、厚生労働省が練り上げたものじゃないんですよね、元々。どっちかというと嫌々やっているんじゃないかなという感じが私は思っておりますけれども、労政審の雇用保険部会の議論を見ておりましても、当初は訓練の対象となる労働者、離職者等のイメージが絞り切れていなかった面もありましたし、さらには、給付率、給付上限、あるいは必要となる被保険者期間などについても、雇用保険の本来給付上限、あるいは必要となる被保険者期間などについても、失業した際の基本手当とのバランスの点で筋が悪いんではないか、こういう面もあったわけで、さらに、学び直しというあの嫌な言葉、これ、一般的に世間にはこれは上から目線というんですよ、学び直しという言葉。それで途中からこの言葉を使わなくなったんですね。その辺がこの日本再興戦略らしいなというふうに私は思うんでございますけれども。
 これらの各点は、部会の中で労使双方からの指摘もあって、最終的には今回の法案の内容に落ち着いた、そういうことでありますが、それでも、一年間の給付額の四十八万円、三年間で最大百四十四万円という、これが上限です。これは失業者が受け取る基本手当と比較して相当に思い切った、安倍総理がよく言う異次元の支援措置、異次元というやつですね、そういうふうに思うんです。
 杉浦局長にお尋ねしたいんですが、今日、資料をお配り申し上げております。厚生労働省の行っている教育訓練の体系を図にして作っていただきました。これを用いまして、現行の我が国の労働者等への訓練制度がどのような体系になっているか、今回の中長期的なキャリア形成支援措置がどのような位置付けを有するのか、分かりやすく簡単に説明してください。
#31
○政府参考人(杉浦信平君) 御提出いただきました資料に沿って御説明をいたします。
 一枚目でございますけれども、労働者の、対象者の属性に応じて職業訓練の体系を絵にしたものでございます。
 まず上の方でございますが、離職者等の求職者向けの訓練は、早期の就職を希望されるということで、雇用保険を受給できるかできないか等の区別によりまして公共職業訓練とか求職者支援訓練などの制度がございます。期間は一年以内の比較的短期間のもので、失業対策として無料で公共職業訓練施設あるいは民間の教育訓練機関等に委託して実施をしているものでございます。
 それから、下の方が在職者に対するものでございまして、一番下の方でございますが、基本的には勤務先の企業で行う研修などで能力開発を行う場合が多いわけでございまして、能力開発施策といたしましては、企業に対するその訓練の助成等を通じてこれを促進しているところでございます。
 それから、中ほどでございますが、近年、求職者であれ在職者であれ、個人主導で自発的なスキルアップを希望するという方々が増えております。こういった方々に対しまして、一番真ん中のところでございますが、平成十年に、自発的に能力開発を行う在職者、離職者に対しまして、自己負担を求めつつ訓練費用の一部を雇用保険制度において支援する教育訓練費用というのが設けられたわけでございます。
 この教育訓練給付は、現行は多様な分野の資格等を目指す訓練を広く指定している一方で、原則一年以内の訓練期間で助成率が二割というものになっておるところでございますが、今般この法改正によりまして拡充を考えておりますものについては、より専門的、実践的な教育訓練に対象を厳選した上で、訓練期間は原則二年、それから助成率を引き上げるという程度の拡充を行うこととしている、その真ん中ほどの右側のところでございますが、中長期的なキャリア形成支援措置として考えているものでございます。
 二枚目に参りまして、これら既存の制度と今般の教育訓練給付の拡充によります中長期的なキャリア形成支援措置とを訓練の内容や趣旨の点から比較をしてみますと、下の方左側、離職者あるいは求職者にとっては、現行の公共職業訓練あるいは求職者支援訓練などが早期の就職を目的として比較的基礎的な訓練であるのに対しまして、今般の中長期的キャリア形成支援措置はより専門的、実践的なものでございます。上に行くほど専門的、実践的というイメージでございます。
 それから、従来の企業による訓練は企業主導で企業に即必要な能力の開発というものが中心でございますけれども、今般の中長期的なキャリア形成支援措置は自発的にキャリアアップをするということのための訓練でございます。
 こういった趣旨、内容の教育訓練によりまして、新たな措置は、現行制度よりも労働者が中長期的にキャリア形成、キャリアアップを図るということを強力に推進し、経済成長を担う人材力の強化を図ることができるものと考えているところでございます。
#32
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 今御説明がありましたように、今回の新しい教育訓練というのは、非正規雇用労働者を含む在職者、さらには離職者の双方を念頭に置いているわけであります。しかも、この二枚目の資料を見ていただいても分かるように、訓練の性格としては専門的、実践的ということが義務付けられているわけで、当然、これは就職につながるということだけではなくて、安定した正規社員として相当程度の長きにわたって職業生活が可能となるような就職につながらなければならないわけでありまして、この点、この指定基準がどのようなものになるかということが極めて重要になるわけでありますが、仮に法案が成立したとして、その後のスケジュールはどういう感じでしょう。
#33
○政府参考人(杉浦信平君) 雇用保険法におきまして教育訓練給付の対象となる教育訓練は厚生労働大臣が指定するものと定められていることから、今般の拡充に係る対象訓練につきましても、法案を成立させていただいた後に速やかに大臣が指定するための基準を労働政策審議会で審議し策定をしたいと考えておるところでございます。
 なお、今般の措置は平成二十六年十月を施行を予定をしておることから、指定基準をできるだけ速やかに策定し、その後に申請の受付を開始し、審査の上、対象となる訓練を指定した後に、教育訓練機関へ通知するとともに、ホームページ等での公表を予定して、円滑な施行を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#34
○津田弥太郎君 この資料の二枚目の一番上のところに、この中長期的キャリア形成は「就職可能性が高い仕事において必要とされる能力の教育訓練」というふうに書いてあるんですが、この言葉の意味、例えば資格を身に付けるための訓練の場合は資格取得後の就職可能性のみを指すのか、それとも教育訓練修了後の資格試験の合格可能性なども含めて考えるのか、ここは大変重要になってくるんですが、佐藤副大臣、いかがでしょう。
#35
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、津田委員の方から大変分かりやすい、先ほどから大臣とも申し上げたんですが、二枚物の資料を御提示いただきましてありがとうございます。
 今回のこの中長期的なキャリア形成支援措置については、今、職業能力開発局長からありましたように、具体的な基準については、法案を成立させていただいた暁に労働政策審議会で議論をして策定することとなると思うんですけれども、対象となる訓練については、労働需要も把握しながら、就職につながるか等の観点で検討し、厳選することとなると考えております。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
 今委員御指摘のこの就職可能性についても今後議論することとなると思うんですけれども、委員がおっしゃったこの資格試験の合格可能性も踏まえつつ訓練修了後の就職可能性を問うこととなると、そのように考えております。
#36
○津田弥太郎君 分かりやすく言いますと、例えば司法試験、ロースクールは三年間なんですね。じゃ、ここに入ってくるかというと、私は、これはやっぱり、今、佐藤副大臣おっしゃったように、合格可能性のことを考えるとちょっと無理だろうなと思うんですよ。そこでやっぱり当然この幅がおのずから決まっていくんではないかなというふうに思うんです。
 杉浦局長にお聞きしたいんですが、現行の教育訓練の受講修了者に関して、労政審の分科会報告で例示をされました看護師、介護福祉士、保育士、建築士について、就職率はどのようになっておりますか。
#37
○政府参考人(杉浦信平君) 現行の指定講座の就職率につきましては、サンプル数が非常に僅かなものでございますので、専門学校の卒業者全体について学校基本調査によりお答えをいたしますと、平成二十五年度の学校基本調査に基づく就職率は、看護師が九五%、准看護師が八八%、介護福祉士等が九四%、保育士が九〇%、建築士等が六五%となっております。
#38
○津田弥太郎君 司法試験の合格率二割とは随分違うわけでありまして、そこら辺がやっぱり違いがはっきり見えてくるのかなというふうに思います。
 先ほどの対象訓練、その効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の教育訓練、二枚目の二行目ですね、その効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の教育訓練の考え方を、杉浦局長、お示しください。
#39
○政府参考人(杉浦信平君) その効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の教育訓練ということでございますけれども、この訓練受講の結果、企業で評価されたり質の高い安定した雇用につながるなどによって能力を発揮し続けられる訓練というような趣旨で考えているところでございます。
 具体的には、昨年の労働政策審議会における議論の際に想定されたケースを踏まえますと、例えば職業に不可欠あるいは重要な資格の取得を目指す訓練、今申し上げました医療、福祉の専門職等の業務独占資格ですとか名称独占資格を含むものでございます。それから、実践的で企業との連携が確保されている専門学校の課程、あるいは実践的な技術開発力、企画力等を身に付ける社会人向けの大学院のプログラムなどが考えられるわけでございますけれども、具体的には、今後、労働政策審議会で公労使の委員の方々に御議論いただきたいと思っております。
#40
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 訓練期間の指定というのは原則として三年間ということでございます。この場合、個々の訓練期間の再指定そのものは厚生労働省の事務方が行っていくこととなると思われるんですが、これだけの新しい給付金制度を設けたわけでありますから、これ、是非、法律の施行三年に至る前には、労政審で、個別の訓練期間に対する要望も含めて、指定分野、これ偏りがないように祈りますけれども、しかし、厚生労働省も万能ではありませんから、どうしてもやっぱり調整が必要となってくる部分は私はあると思うんですが、幅広く委員の声に耳を傾けることが必要と考えるわけですが、佐藤副大臣、いかがでしょう。
#41
○副大臣(佐藤茂樹君) 厚生労働省といたしましても、この法律を成立させていただいた後でございますが、施行に当たりましても、施行後も定期的に、今御指摘の指定分野も含めまして、講座の指定状況や講座の受講状況、修了者の状況等についてまとめるとともに、可能な限り教育訓練機関の意見も把握して労働政策審議会に報告をしてまいりたいと、そのように考えておりますし、また、平成二十五年十二月の労政審の報告におきましても、対象訓練の実施状況を踏まえて、当該基準について定期的に見直していく必要性がうたわれておりますので、施行後も、労働政策審議会の公労使の委員には、報告された実施状況を様々な観点からよく精査していただきまして、それらも踏まえまして、幅広く委員の声に耳を傾けながら、指定の考え方の見直しについても御議論をいただきたいと、そのように考えております。
#42
○津田弥太郎君 是非しっかりしたお取組をお願いをしたいと思います。
 さて、今回の新しい教育訓練、とりわけ在職者向けの訓練、これは労働者が在籍している事業主の理解が私は二つの意味で大変重要であるというふうに考えます。
 一つ目は、労働者がそもそもこうした教育訓練を、現在働いているわけですから、就業と並行して受講できる、そういうことに対する事業者の理解、それから職場環境の整備というものが私は重要であると思います。これが進まないと誰も応募しなくなっちゃいます。訓練の受講者が頭打ちになったんでは困ると思いますので、これはしっかり対応しなきゃいかぬ。
 それから、二点目。労働者が新しい教育訓練の受講を満了して職業能力が大いに高まったと、そのような場合に、事業主がそのことを適切に評価をするかどうかという問題が二点目でございます。これ、そうしないと、いや、いい勉強してきたねと、給料は今までどおりだよと、いい仕事してくれよなというんではこれはちょっとつらいわけでありまして、職業能力が高まったのに処遇が変わらないということでは、これは問題になるんではないかなというふうに思うんですね。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
 やっぱり、転職ということはハードルが高いのがやはり現状であります。まずは、勤務先の企業において、今回の教育訓練を経て能力を高めたこと、その能力を生かしていく、今働いている企業で能力を生かしていく、これが私は現実的だと思うんです。労働者もそれなりの自己負担をしているわけでございますから、雇用保険財政でも巨額の支援を行って、その上で身に付いた職業能力が、企業はただ乗りしたんじゃ、これはやっぱり良くない、それなりのものはちゃんと払っていくということが私は大事ではないかな。そのことによって、インセンティブと申しますか、受講生が拡大をしていく、そのことにつながるんではないかと思うんですが、この二つの点に関して、田村大臣から是非、日本経団連さんを始めとした使用者団体に対しまして協力を要請していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#43
○国務大臣(田村憲久君) 働く方々が自発的に能力開発をする、今言われたように在職しながらということになれば、やはり企業の理解でありますとか職場環境を整備していただかないとなかなかこれ進んでいかないわけであります。
 今言われましたとおり、我々といたしましても、経済団体に対しまして、もちろん企業内での人材育成、それは基本的にやっていただきたいということはこれは促していくわけでありますけど、あわせて、今申し上げたような理解でありますとか職場環境の整備、こういうものを要請をさせていっていただきたいというふうに思います。
 あわせて、せっかく学んで能力を付ける、にもかかわらず評価されない、これでは確かに意味のない話になってまいります。まず、そもそも、どれだけ能力が付いたか、キャリアアップでありますとかいろんな部分に関してちゃんと評価できる仕組みをつくらなきゃいけないわけでありまして、物差しが必要であります。職業能力評価制度のようなものですね。これは業界検定みたいなものを念頭に置いておりますけれども、そういうものをやはりつくる必要があるわけでありまして、そこにも力を入れながら、一方で、そういうものでしっかりと評価ができるのであるならば、企業としてその評価に応じた対応をしていただくということも併せて企業の方に促してまいりたい、このように考えております。
#44
○津田弥太郎君 それで、更に言いますと、今回の給付金制度、当初の給付は受講費用の四割が上限というふうになっているわけであります。加えて、資格を取得した、その上で就職に結び付いた場合には更に受講費用の二割を追加的に給付すると、まあ至れり尽くせりですね、こういうことになっているわけであります。この訓練修了後の資格取得、これについては、例えば資格の受験回数による制限があるのかどうか、それとも訓練修了後の一定期間内の資格取得という形で限定をするのか、岡崎局長、お答えください。
#45
○政府参考人(岡崎淳一君) 受験回数で制限するつもりはありませんが、やはり教育訓練の結果として資格取得あるいは就職ということでありますので、それについては一定の期間ということにしていきたいと考えております。これも法律成立後に審議会で御意見を伺うことではございますが、まあおおむね一年ぐらいかなというふうに内々思っているところでございます。
#46
○津田弥太郎君 分かりました。
 この法案成立後も最大の課題となるのはこの二割の追加給付。これ、二割の追加給付がもらえると給付額は百四十四万円、もらえなければ九十六万円、ここに四十八万円も違うんですよ、大臣。これ、私は結構な違いじゃないかなというふうに思うんですね。
 例えば、年に一回の資格試験の当日に、田村大臣がインフルエンザにかかったように、法定伝染病にかかってしまった場合、こういうことは現実問題としてあるわけですね、予防接種していてもかかることはあるわけですから。こういうことになった場合にどうするかということをやっぱりちゃんと考えておく必要が私はあるんではないかなと。田村大臣におかれては、身から出たさびとは言いませんけれども、やはりそういうことをしっかり考えておく必要があるということは非常にお感じになっていらっしゃるんじゃないかなと。
 それから、追加的給付のもう一つの要件、就職に結び付いた場合、この意味、これ重要です。会社を自ら起こしたような場合は含まれないということ、それからあくまでも仮に一か月であれ雇用保険の被保険者となることが条件というふうに伺っておるわけですが、その点の確認と、被保険者とは、まあいろいろあるわけで、一般の被保険者のみを指すのかどうかについて、岡崎局長、お答えください。
#47
○政府参考人(岡崎淳一君) これにつきましては、制度創設の議論の際に、やはり雇用保険制度の枠内でやるということでございますので、結果につきましてもやはり雇用保険の被保険者ということが条件であるということでございます。したがいまして、自営等で仕事を始めた方については対象にならないということとともに、基本的には一般被保険者になるということで考えているところでございます。
#48
○津田弥太郎君 さて、つらいことなんですけれども、中にはよこしまな人間が必ずおります。これまで厚生労働省が行ってきた教育訓練の中でも、残念ながら、いわゆる不正受給、その手のことが残念ながら一定の比率で発生をしているわけでございます。今回は金額も大変多い、桁が一桁違う金額でございます。悪質な業者がこの制度を食い物にしようと、俺、俺というふうに言っている人がいるんではないかというふうに思うんです。
 仮にこの不正が行われた場合に、求職者訓練同様に三倍返し、これペナルティーが規定をされているわけであります。当然、厚生労働省は毅然とした対応をしっかりしていただきたいと思うんですが、私が求めたいのは、今回の新たな教育訓練を行う教育機関が求職者支援訓練や現行の教育訓練も実施する、しているという場合も想定されるわけであります。その場合、いずれかの制度で指定取消しを受けた場合には、他の制度においても連動して指定取消しを行い、不正の未然防止を図っていただきたいと思うんですが、高鳥政務官、いかがでしょう。
#49
○大臣政務官(高鳥修一君) お答えをいたします。
 現行の教育訓練給付におきましては、過去五年以内に教育訓練の運営におきまして不適正な行為等により教育訓練給付の指定を取り消された者や、求職者支援訓練も含めまして他の制度において不正が認められた者等は、教育訓練を実施する者として著しく不適当として指定の対象としておらず、こうしたケースに該当することとなった場合には指定の取消しを行っているところでございます。
 中長期的キャリア形成支援措置におきましても、いずれかの制度で指定の取消し等を受けた者は現行の教育訓練給付と同様に対応することといたしまして、委員御指摘のとおり、不正の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
#50
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 しっかり取り組んでいただきたいと思うんですが、さっき、今の質問の前に大臣のインフルエンザのことを言いましたけど、そういう言ってみれば突発的な事態が生じたときの対応というのは、これは大学受験のときもいろいろ対応されておりますけど、当然これはやっぱり考えておく必要があると思うんですね。これはもちろんこれが実施されるまでにしっかり対応を考えておく必要があると思うんですが、そのことについて何か所見がありますか、岡崎局長。
#51
○政府参考人(岡崎淳一君) 先生から今御指摘がありましたので、具体的には労政審で法案成立後議論することになりますので、今の御指摘も審議会の中でしっかり議論していただくということにしたいというふうに思います。
#52
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 済みません、大臣に再三変なことを言いまして。変でもないんですけど、事実を言ったんですけど。
 そもそも論のことにちょっと戻りたいと思うんですが、私は、三月十三日、大臣所信に対する質疑のときに、中小のサプライヤーが大手のメーカーに対していかに立場が弱いかというお話をさせていただきました。これは消費税の転嫁の問題なんかも含めてそうですが、あのときはそういうお話をさせていただきました。それから派遣の問題でいうと、派遣元と派遣先との関係、これは派遣元の立場が弱いんです。これは当然のことなんですね。その理由というのは簡単なんですよ。大手のメーカーは中小のサプライヤーに金を払う。派遣先は派遣元に金を払う。金を払う方が強いんです、金を払う方が強い。これ現実の世の中であります。
 あえて違ったことを言いますけれども、テレビ局、民間放送会社は株式会社ということで制約があるわけですが、当然、スポンサー企業に対してはその番組の中では批判をしない、これは常識になっております。問題が起きたとしても、スポンサーに遠慮をするということをやっているわけです。
 一方で、今大騒ぎになっているNHKについては、国民の受信料で成り立っているわけであります。十年前、NHKで不祥事が相次ぎまして、受信料支払いを拒否する国民が急増をしました。あのときのNHKの会長は海老沢さんという方でございました。最終的にこの海老沢会長は辞任をされました。御立派ですね。現在は籾井会長、一連の言動によって国民のNHKに対する信頼は地に落ちていると言っても過言ではないと思います。私も籾井会長に対しては本当に遺憾であるというふうに思います。大臣も多分そう心の中では思っていらっしゃるだろうと思います。あえて答弁は求めません。
 しかし、だからといってNHKをなくしてしまえということにはなりません。当然のことであります。NHKが今後偏向報道をすることがないように我々はしっかり監視をしなければいけません。しかし、スポンサー企業を必要とせず、本質的には公平中立な立場で誰に気兼ねすることもなく自由に番組制作を行える、これはNHKしかできないことであります。そういう存在というのは大変大事です。全部民放になるわけにはいかないと思うんです。
 ここからが重要なんです、ここから。
 同様に、本日の議題に深く関わっております公共職業紹介所、ハローワーク、これ、有料職業紹介所と違って、求人企業に対しても求職者に対してもある意味で本当に毅然とした対応を取ることが可能なんですね。当然なんです、求人企業からも求職者からもお金は一銭も取っていないからです。そういう関係だからきちっとした対応ができる。
 民間に任せるものは民間でやるということはあると思う。しかし、一方で、質の高い公共といったものもしっかり維持をしていく、これは大変大事なことではないかなと私は思っております。そして、当然ながらそのコストは国民全体で負担をしていく、これ、大変重要である。その切り分け、これが重要でありまして、これ、間違っても郵政民営化のときのような極論に走らないようにしていただきたいというふうに思うんです。
 田村大臣は極めて冷静な方であるということを私は信じておりますが、いかがですか。
#53
○国務大臣(田村憲久君) 非常に高尚なお話でございまして、公共の在り方はどうなのかというのはなかなかちょっと私も理解できない部分もあるんですけれども。
 ただ、ハローワークに関しましては、私は、国、地方、民間、それぞれが要は求職と求人をマッチングしていく、これはうまく回ればいいと思っているんですが、ただ、民間でやれる分野というのはやっぱりあるわけでありまして、それでいいところに、自分が望むところに就職できればそれを選んでいただければいいわけでありますけれども、当然のごとく、なかなか就職したいけれども就職できないという方々もおられるわけでありまして、そういう方々、つまりこの雇用のセーフティーネットという役割をハローワークは果たしているんだというふうに思っております。でありますから、何かあったときにやはり最後のつてはハローワークであると。そのハローワークというものはやはりしっかりと国が対応していく必要がある。もちろん、地方といろいろと協力するところはあるんだろうと思いますし、場合によっては民間と協力するところもあろうと思いますけれども、しかし、その責任はやはり国が最後のつてとしてハローワークというものをしっかりと維持していく、機能強化をしていく、この部分は重要であろうというふうに考えております。
 ILO、いろんな部分はございますので、我々はその点も踏まえてこれからもその重要性というものを伝えていかなければならぬというふうにも思っております。
#54
○津田弥太郎君 ありがとうございます。
 世の中ではいろんな議論がありまして、ハローワークは民間にしろとか地方に移管しろとかいう話も聞こえております。先ほど私が雇用調整助成金のことで教育訓練のときにも申し上げましたように、これは全国一律でしっかり対応しているというところに私は大変重要な点があるわけでありまして、企業は様々な形で展開をしておりますから、その企業が所在する事業所によって対応が違ってくるなんていうことになると非常にこれは問題になるわけでございまして、そういうことがないように、この公共という意味合いをしっかり押さえていただいて、今後ともハローワークをしっかり支えていっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#55
○相原久美子君 民主党の相原久美子でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 大臣席の方たち、それから官僚の方たちは雇用保険の適用外ですので、我々も含めてなかなかしくっとこないと思うんですけれども、一般的な労働者にとって、職を失って生活給を得るというときにこの雇用保険の制度というのは本当に私は大切なものだと思っております。その意味では、この雇用保険の制度の果たす役割は大きいと思います。
 ただ、現下の雇用情勢、これからお伺いしようと思いますけれども、非常に波があるという状況の中で、どうしても失業保険を受けなければならないその立場になった方たちのことを考えると、私たちはしっかりと今回の制度の議論をしていきたい、そんな思いでおります。
 現下の雇用情勢について、まず大臣にお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(田村憲久君) 現下の雇用情勢でありますけれども、失業率は三・七%、有効求人倍率一・〇四ということでございまして、改善はしてきておるわけであります。一部に厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでおるということであります。
 その一部に厳しさが見られるというのは、やはり地域において差があるわけでありまして、例えば、沖縄は有効求人倍率、これ一月の数字ですが、〇・六三、鹿児島も〇・七〇というふうに地域によっては低いところがあります。それから、大分上がってきてはいるんですけれども、正規雇用はまだ〇・六七倍という数字でございます。これは以前から比べるとかなり良くなってきておりまして、リーマン前ぐらいまでは戻ってきておるんだと思いますけれども、しかし、やはり正規はまだまだ全体で見ると低い数字であるということでございまして、そのような意味からいたしますと、これからもしっかりと雇用対策、我々は進めてまいらなければならない、このように考えております。
#57
○相原久美子君 今伺いましたように、正規と非正規のこの状況が非常に分かりやすいのが、お手元に配付しておりますこのグラフでございます。
 政府として、やはり同じ雇用をつくっていくにしても、良質な雇用をどうやってつくっていくかというのは非常に大切なことだと思います。
 このグラフを見て分かりますように、非正規労働者が増加している中で、特に懸念されるのが若者の割合なんですね。非正規というのは、賃金も低い上に研修の機会も不十分というような状況にございます。正規職員への転換には困難が伴うんだろうと思います。このままいきますと、将来、年金ですとか生活保護への影響も懸念されます。
 この状況を打開するには、まず私は、労働契約法ですとか今回改正予定のパートタイム労働法、こういうところに均等待遇の原則を確立していくということが重要なのではないかと思うのですが、その辺について所見を伺いたいと思います。
#58
○副大臣(佐藤茂樹君) 相原委員の御質問にお答えいたします。
 今御指摘いただきました非正規雇用者について、やはり一般には雇用が不安定、あるいは賃金が低い、能力開発機会が乏しい等の課題があると私どもも認識しておりまして、このために、一つは、正規雇用を希望する非正規労働者全体に対しましては大きく今、現行の政策では二つ実施をしておりまして、一つは、キャリアアップ助成金を活用いたしまして非正規労働者の正規雇用化を支援する、これは事業主に対して助成していくというものですが、二つ目には、雇用保険法を改正して非正規雇用労働者である若者等の中長期的なキャリア形成の支援を行うということにしております。
 その上で、やはり雇用形態に応じて、個々の態様に応じた、着目した、そういう施策というものもきちっとしていくことがやはり雇用の均等・均衡待遇の確保という点でも非常に大事になってくると、そのように考えておりまして、そのために、今、現行の政策でも、一つは労働契約法に関係するんですが、有期契約労働者については、有期契約労働者に対する不合理な労働条件を禁止する規定を労働契約法に整備しているということが一つでございますし、もう一つは、パートタイム労働者についてはパートタイム労働法に差別的な取扱いの禁止や均衡確保の規定を整備するなどの、そういう法制面での対応を実施しているわけでございます。
 その上で、今国会におきましては、この後御審議いただくようにお願いしているところでございますが、パートタイム労働者の更なる均等・均衡待遇確保のためパートタイム労働法の改正法案を提出したところでございまして、これからも個々の非正規労働者の皆さんの態様に応じた、そういう施策の推進も含めまして、非正規雇用労働者の処遇改善に向けた施策をしっかりと推進していきたい、そのように考えております。
#59
○相原久美子君 答弁いただきましてありがとうございますなんですが、私は、今度の、皆さんが派遣の拡大をしようとしていることのときに、もし法案が出てきたら絶対言ってやりましょうと思った言葉があります。マッチポンプになってしまうんです。今回のように、本当にある意味、非正規から正規へ転換していくような、このような法律改正をしつつ一方ではということになってしまっては私はやっぱりいけないんだと思うんです。政治というのは、政府というのは、いかに良質な雇用をつくり出していくかというところに是非主眼を置いていただきたい、そんな思いで次の質問をさせていただきます。
 今回の雇用保険の改正法は、安倍内閣の日本再興戦略に沿って、非正規労働者、今おっしゃっていただきましたように、キャリアアップにつながるようにということでの訓練をしていくということでございます。先ほど津田委員から言いました学び直し、これは上から目線だというような指摘もございましたけれども、その意味で私は、やはり若者たちが本当にキャリアアップをできて、そしてしっかりとした職に就けるかどうかということが、結果が重要なんだと思っております。
 その意味で、今日お示ししました三枚目を見ていただきたいと思います、資料をですね。
 いろいろな施策がこの間投じられてまいりました。トライアル雇用奨励金、キャリアアップ助成金等々で正規雇用化の施策、そして今回は、また新たに雇用保険法の改正で教育訓練給付金、これ以前に行われていました非正規雇用者の若年層に対するここの部分、ちょっとお伺いしたいなと思います。
 公的職業訓練の実施、それからジョブ・カードの活用、これらはどういうような効果が上がっているのか、お伺いしたいと思います。
#60
○政府参考人(杉浦信平君) 非正規雇用で働く若者の方々等に対しまして社会全体で職業能力開発の機会を確保するという観点から、委員御指摘のような公的職業訓練あるいはジョブ・カードを活用した訓練を行っているところでございます。
 公的職業訓練のうち、主に雇用保険を受給をしている者を対象とした公共職業訓練の就職率で見ますと、施設内の訓練で就職率八一・〇%、それから民間の訓練機関に委託をします委託訓練で六九・二%でございます。また、主に雇用保険を受給していない方々を対象とする求職者支援訓練の就職率は、基礎コースで八〇・六%、実践コースが七九・五%ということでございまして、一般にハローワークを利用されている方の就職率が三割程度ということに比べますと、相当の効果があるということは言えようかと思います。
 また、ジョブ・カード制度についてでございますけれども、現時点のジョブ・カードの取得者は累計で約百二万人でございますが、そのうち雇用型の訓練としまして、ジョブ・カードを使って訓練を修了した方が累計で三万八千人ということでございます。これらの方々、修了者のうち約八九%が訓練修了後三か月以内に就職をしていただいております。また、平成二十四年度の訓練修了者についても、訓練修了後三か月以内に八九%が正社員の就職を果たしているということで、これにつきましても一定の効果が上がっているものと考えておるところでございます。
#61
○相原久美子君 ジョブ・カードですとか公的施設の訓練についてはまた後ほどちょっとお伺いしたいと思いますけれども、公的職業訓練の一環として行われております地域若者サポートステーションですね、サポステ事業と略称するようですけれども、これは働くことに悩みを抱えている十九歳から三十九歳までの若者に対して、キャリアコンサルトを受け、そしてコミュニケーション訓練等々を受けてステップアップ、もちろん協力企業等へ就労の体験に行くとか就労に向けた支援を行っているようですけれども、この事業の規模、内容、予算措置についてお伺いしたいと思います。
#62
○政府参考人(杉浦信平君) 地域若者サポートステーション事業でございますが、委員御指摘のように、ニートと言われる若者等の職業的自立を支援するために、就労支援の拠点となる地域若者サポートステーションを全国百六十か所設置をいたしまして、その中でキャリアコンサルタントによる専門的な相談ですとか職場体験、あるいは学校等と連携した中退者等の支援、また合宿を含む集中的な訓練などを実施をして就労に結び付けるといった事業を展開をしておるところでございます。
 予算につきましては、平成二十五年度補正予算において三十五億円が措置をされているところでございます。
#63
○相原久美子君 この事業なんですけれども、結果が出るまでにはやはりなかなか時間の掛かる事業だと思いますけれども、しかしながら、若者が本当に社会に出ていって社会の一員として働いてというところまでのサポートの事業としては非常に大きなものがあると思っております。
 その意味で、予算を見ていますと、当初の予算は本予算だったんですけれども、途中から補正予算のみで事業展開をしているんですね。今後、事業継続の足掛かりとするために、地域としては本予算を付けてしっかりと対応していただきたいという要望があるのですが、政府の今後の本事業への財源に関わる部分についてお伺いしたいと思います。
#64
○政府参考人(杉浦信平君) この地域若者サポートステーション事業についてでございますけれども、委員御指摘のように、若者の就労促進を促すということが経済の好循環実現のために必要であるという観点で、今年度、二十五年度補正予算で措置をされているところでございます。
 本事業は、若者の職業的自立を図るという上で重要な事業であるというふうに考えておりまして、効果的な執行のために、見直すべきものは見直した上で必要な支援は引き続き行っていきたいと考えているところでございます。
 今後の財源等につきましては、現段階で詳しく申し上げることはできませんけれども、引き続き、限られた予算の中で今後とも効果的に事業ができるよう努めてまいりたいと考えております。
#65
○相原久美子君 地方からお話伺いますと、この事業の受皿としてのニーズは非常に大きくなっていると聞きます。是非御検討をいただければと思います。
 それで、先ほどお話をいただきました公的施設での職業訓練、これ私も実は公的職業訓練の施設の方たちに若干お話を伺いました。物づくりの部分が多いということのようです。これ、どうしても民間のところですと、施設投資がなかなかできない、設備投資ができないということで、公的なところでやはりそれなりに設備投資をされたところで受けているということで、これがまた先ほどおっしゃっていただいたように、就業に結び付く、就職率が非常に高いというような結果が出ているようでございます。
 それでも、私どもは分かりませんものですから、どんな職業訓練があるのかなと思いまして、ホームページをちょっと開いてみましてもなかなか分かりにくいんですね。先ほど津田議員のところで示していただいた一番最初の資料ですとまだ何とか分かるんですけれども、ホームページだけでは、自分がちょっと職業訓練受けたいな、何とかいろんな形で職に結び付けたいなと思っても非常に分かりにくい。で、当面、離職された方ですとか仕事に就いていない方はハローワークに行かれるというケースが一番多いんだろうと思います。
 そういう意味で、職業の紹介、それからいろいろな相談業務をされているハローワークでの求職者に対するマッチング作業というのはうまくできているのかなと思って、ちょっとその状況をお伺いしたいと思います。
#66
○政府参考人(杉浦信平君) ハローワークに来られた方で職業訓練の受講を希望される方々に対しましては、訓練の実施機関との連携を図りながら、訓練を受講する前にキャリアコンサルティングを行うなど、それから訓練受講後の担当者制などによりまして職業相談、職業紹介まで一貫した就職支援を行っているところでございます。
 今後とも、ハローワークが行う就職支援と密接に連携しつつ、公的職業訓練あるいはジョブ・カードを活用した支援に取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
#67
○相原久美子君 一貫した形でやっていかれるというのが私は一番結果を出すにはいい状況なんだろうと思っております。是非このハローワークの充実をお願いしたいのですが、現場は今人員不足で大変なようでございます。もちろん予算の関係もあるでしょうけれども、一番大切な、キャリアの相談を受けるとか、実質、職業の紹介等々、様々な形でなさるこの現場の人員の不足というのはやはり結果に影響してきかねないということだろうと思います。是非、大臣、答弁は要りません、ハローワークでの人員を見直し、しっかりとしていただければ有り難いなと思います。
 先ほど御答弁いただきましたジョブ・カードについてお伺いしたいと思います。
 求職者が職業訓練を受ける際のジョブ・カードですけれども、これをうまく活用していくというのは私は非常に大切なんだろうと思います。昨年の十二月の二十六日に出されております産業競争力会議の雇用・人材分科会の中間整理で、ジョブ・カード制度の抜本見直しが言われております。ジョブ・カードの取得者、これは二〇一三年の七月現在で約九十一万人、ジョブ・カードの制度内容を知っている事業者はというと一六%に満たないというような結果が出ているようです。本来、この制度というのは、特に非正規雇用労働者の正規化にも役立つものですし、なおかつ、やはり事業所にしっかりと周知をしていただくということが大切なんだろうと思いますけれども、この見直しの方向というのでどういうような検討をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#68
○政府参考人(杉浦信平君) 委員御指摘のように、昨年十二月二十六日の産業競争力会議の雇用・人材分科会の中間整理におきまして、ジョブ・カードを抜本的に見直し、その利用率を向上させることにより、広く労働者や学生等がそれを活用することとなるということが示されたところでございます。
 御指摘のように、まだまだ企業その他国民に認知度が低い、あるいはその内容につきましてもなかなか利用しにくい部分があるというような御指摘もいただいておるところでございまして、厚生労働省としましては、このジョブ・カードを学生、求職者、それから非正規雇用労働者などの在職者など、幅広くキャリア形成、職務能力の明確化等のための支援ツールとして活用させていくようにしたいと考えております。
 このため、学生段階から職業生活を通じた利用を可能にするための仕様も含めたコンセプトも抜本的に見直すとともに、企業に対する活用促進の要請、あるいは助成金を活用した拡充の方策、さらには情報の電子化やデータベースの構築などを含む活用促進のための方策などを、文部科学省など関係省庁と連携しつつ検討していきたいと考えておるところでございます。
#69
○相原久美子君 学生時代からジョブ・カードの利用。何か日本って変ですよね。学生は本来学業に専念すべきなわけですけれども、こういう状況になっているということについて私は本当にちょっとううんというところもあるのですが、しかしながら、やはり学校を卒業したら仕事に結び付かなければこれもまたこの先大変だろうと思うので、是非その辺について慎重にしていただきたいと思います。何か名前だけなんですね、変えていくというようなことにならないように是非御検討をいただければと思います。
 そのジョブ・カードの見直しに当たって、何かジョブからキャリアという名称変更をするということですけれども、先ほど言いましたように、研修の機会が非常に不十分な状態の非正規労働者への研修機会の拡充ですとか、そして、なおかつ非正規から正規へ転換できる、それに本当に役立つような形にしなきゃならないと思うんです。制度についていろいろ指摘があるということも受け止めていらっしゃるようですから、その指摘を受け止めながら是非見直しをしていただきたいと思います。
 それから、各種職業訓練、これ、求職者と企業とのマッチングというのが非常に大きいものがあるんだろうと思います。今回の雇用保険法の改正によりまして教育訓練給付金の創設がされるというのは、私は評価できると思っております。それがやはり、先ほど言いましたように、ハローワークですとかジョブ・カードの制度ですとか、そういうものと一体になって結果を出していくということが私は大切なんだろうと思っています。
 その意味では、いろいろと検討の課題が出てきているというように先ほど答弁いただきましたけれども、是非、現場、ハローワークの皆さんたち、それから企業の皆さんたち、そして当該者の皆さんたちの声をお聞きいただいて今回の見直しをしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#70
○政府参考人(杉浦信平君) 御指摘のように、ジョブ・カード制度を見直すに当たりましては、幅広く関係者の御意見をいただきながら検討していきたいと考えております。
 そのために、ハローワークを始め民間の教育訓練機関ですとか、現場でジョブ・カードを活用していただいている方々含め、幅広く実態、課題等をお聞きしまして、その把握を十分に行い、制度の見直しが実効あるようになるように努めてまいりたいと考えております。
#71
○相原久美子君 是非よろしくお願いいたします。
 先ほどの津田委員と重なる部分がございますけれども、そもそも論として、今回の雇用保険法の改正案では基本手当の改善が行われておりません。基本手当を引き上げますと、制度全体の各種給付の底上げにもつながっていくんだと思います。四月から消費税が増税されるということを踏まえますと、就業と生活の安定を守る制度の基本であるこの雇用保険制度、給付の底上げが図られるべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
#72
○国務大臣(田村憲久君) 今般の労働政策審議会の雇用保険部会の中において、基本手当についても御議論をいただきました。労働者側からは、この失業給付の改善、これを求める声があったわけでありますが、一方で、事業主側からは、失業者の生活の安定と早期の再就職、このバランスを取るべきであるというような御意見もございました。結果的に今般はこのような形で基本手当見直しにはならなかったわけでありますが、ただ、給付期間の延長の暫定措置はこれは再度延ばすという形になったわけでございます。そういう意味では、若干、基本手当に関しましても改正といいますか、延長はするわけでありますが、ただ一方で、これはこれからも検討課題でございますので、これからも労働政策審議会の中で継続して御議論をいただきたい、このように思っております。
#73
○相原久美子君 拡充の部分は認めます。しかしながら、全体の底上げを図っていきませんと、本当に期間的に、例えば最低ですと九十日、三か月の給付、やはり就業に早く結び付けるということは大事なことですけれども、日常の生活費、これは四月から相当やはり掛かる負担が大きくなるんだろうと思いますので、是非よろしく検討をお願いしたいと思います。
 もう一点、先ほど津田議員の質問にもございました、この制度における国庫負担についてですね。当分の間の措置という、この法で定められた部分の五五パー、このままでいいんだろうか、当分の間と言っているけれども、この当分の間はいつまでなんだろうというのがやはり私の中にもあるわけですけれども、ここについてお伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど津田委員にもお答えさせていただきました。雇用保険だけじゃなくて、ほかの医療の方でも同じような話があるわけでございまして、本来、本則に戻すというのが本筋なんだというふうに思いますが、二十六年度概算要求では求めたわけでありますけれども、諸般の事情からこれ認められなかったわけであります。
 ただ、これ、先ほども言いましたが、二十三年度改正においてこれは検討をするということになっておりますので、引き続き我々としては検討してまいりたいと考えております。
#75
○相原久美子君 確かに財政状況等々あると思います。しかしながら、私なんかに言わせると、公共事業にあれだけの巨額な投資をするのであればと思います。私たちも後押しをしますので、是非次年度以降も積極的な形での取組をお願いしたいと思います。
 基本手当の所定の給付日数につきまして、二〇〇〇年の法改正で、解雇、倒産等によるいわゆる非自発的離職者、これ特定受給者とそれから特定受給者以外とに分けられております。現下の雇用情勢を考えますと、いわゆるブラック企業ですとかそれから追い出し部屋という、とんでもない、もう日本でしかないようなこんな言葉を使われて、結果として労働者が、自発的離職というところに追い込まれているという人たちが結構いるかと思います。マスコミ等々でも報道されているこれらを見まして、本当に私も心痛みます。まして、今、過労死が問題視されて、本当に国連からも指摘されているような状況の中で、サービス残業、これで疲れてメンタルになるとか、もう自発的退職というのが結構多いわけです。
 いろいろな形で、特定の受給者というふうに分類もされてきて認定をしているようですけれども、この範囲、これについて厚生労働省としてはどのように考えているのか、お答えいただきたいと思います。
#76
○大臣政務官(高鳥修一君) 相原委員にお答えをいたします。
 給付日数が手厚くなる特定受給資格者に関する基準につきましては、形式上は自己都合であっても賃金の不払、遅配、過重労働などによりやむを得ず離職された方も含めておりますが、今般、労働政策審議会における労使の議論によりまして、離職前の六か月のうちに賃金の不払、遅配があった月が三か月以上あった場合、一か月に百時間を超える時間外労働があった場合を追加するなど、その範囲を拡大をする予定でございます。
 また、ハローワークで離職理由の判定を行う際に、離職された方が異議を唱えた場合には、離職された方と事業主双方の主張を聴取した上で実態を見極め適切に判断をいたしております。これらの取組を適切に進めることにより、形式的には自己都合であってもやむを得ず離職された方に対する給付の充実を図ってまいりたいと考えております。
 また、若者の使い捨てが疑われる企業等では、賃金不払残業等の労働基準法違反やパワハラなどの問題がしばしば見られると言われております。厚生労働省といたしましては、昨年九月を過重労働重点監督月間といたしまして重点的な監督指導を実施したところでございます。さらに、委員御指摘のとおり、一昨年以来、大企業で退職強要が疑われる動きが見られる旨の報道があったことから、事実関係の調査等を行っております。
 今後とも、機動的な事実関係の把握や判例等に基づく啓発指導に取り組むなどとともに、労働者から相談があれば、労働局等で個別労働紛争解決のための労働相談にもきめ細かく対応してまいりたいと考えております。
#77
○相原久美子君 ありがとうございます。
 是非、本当に、今回のこの改正法案のいわゆるその給付日数の隔たり、これだけを指摘しているわけではないんですね。やはり自発的な形で離職をせざるを得ないというふうに追い込むという、こういうことが横行してはならないんだと思うんです。その意味ではやはり労働基準監督署等々の指導、査察、これが重要になるかと思います。是非それと併せた形でお取組を強めていただければ有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
 現在、先ほどのいわゆる基本手当の部分でもちょっと指摘をさせていただいたんですが、特定受給者以外で所定給付日数なんですけれども、被保険者であった期間が一年以上五年未満であった方、五年以上十年未満の方、これ、給付日数が同じ九十日なんですね。労働者が違法に過重労働させられている場合も想定しますと、せめて被保険者であった期間が五年以上十年未満の方たち、一、二年で辞められるという方とちょっとやっぱり十年ぐらいまで頑張った方とこれが給付日数同じというのは、私はいかがかなと思っております。
 ここについても是非御検討いただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
#78
○政府参考人(岡崎淳一君) 給付日数につきましては、これは審議会の中で労使からそれぞれ御意見がありまして、特に労働側からは、先ほど来、津田先生、相原先生から御指摘のように、基本手当の日数が少し少ないんではないかという御議論がありました。ただ、これは、大臣、副大臣から御答弁しておりますように、使用者側からは、失業中の生活の安定と早期再就職のバランスを考えるようにというようなお話もあって、引き続き検討ということになっております。
 そういういろんな御意見も踏まえながら、また労政審の中で労使で御議論いただきたいというふうに考えております。
#79
○相原久美子君 もちろん労政審の議論というのは重要だろうと思います。ただ、厚生労働省としてどういう方向でいくのかという基本がやはり私は必要なんだと思います。
 先ほど来お話をしておりますように、非正規という労働者が増えているこの日本、将来を考えたときに何がベストなのかということが非常に重要になってくると思います。この国をやはり安定した国に持っていかなければならないとすると、今後、働き方も含めて、本当に、正規も今ちょっと過酷な状況にありますので正規がいいというふうな一元的な言い方はできないと思います。要は、本当に適正な働き方、そして適正な労働条件、これが担保されてこそこの日本の先行きがあるんだと思います。
 その意味では厚生労働省の役割というのは非常に高いものがあると思います。労政審、政労使共に議論はその場でしていただくことは私は必要だと思っておりますけれども、厚生労働省としての姿勢というものを、しっかりとした基軸を持ってこの国の先行きを考えていただきたい、そんな思いを込めまして、若干時間が早いのですが、通告をしておりました質問数をちょっと超えてしまいましたので、次回に残りは回したいと思います。
 ありがとうございました。
#80
○委員長(石井みどり君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#81
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、安井美沙子君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君が選任されました。
    ─────────────
#82
○委員長(石井みどり君) 休憩前に引き続き、雇用保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#83
○大沼みずほ君 自由民主党の大沼みずほです。
 まず冒頭、最初に、先週起こったベビーシッターによる二歳児の男の子の死亡事件についてお尋ねいたします。
 私にも間もなく二歳になる娘がおります。本当に人ごととは思えない、心の痛む事件でありました。大臣は事件後すぐに調査等をされる旨おっしゃられておりましたけれども、今後ベビーシッターの安全対策をどのようにしていくのか。
 今や若い世代は共働きが当たり前の世の中であります。働く女性が増える中、もちろん保育園を利用されている人も多くいるわけでありますが、ベビーシッターを併用している家庭も多くございます。ベビーシッターへの需要が増えている中、安全対策とともに、こうしたニーズにしっかりと応え、健全な、しっかりやっているこのベビーシッター業を国としてサポートしていくことも大切であると思いますが、安全対策とこのベビーシッター業の今後について大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
#84
○国務大臣(田村憲久君) 本当に痛ましい事件でございました。どうしても、時間帯等々、保育所等々が開いていない時間帯もあるわけでありますし、いろんな諸事情もある中で、仕事の関係で何とかお子さんをシッターにということで、今回インターネットという形でこのような、まあ話を聞いておりますと、以前非常に悪い対応であったシッターであったわけでありまして、その方じゃないということを確認したんですが、事実上は名前変えていたというような案件だというふうに聞いておりますけれども、このようなことが二度と起こらないような我々も対応をしていかなきゃならぬというふうに思います。
 現在、よく似た業態等々を調査をさせていただきながら、その調査結果を踏まえてどのような対応をするか検討していきたいと考えておりますが、まずは利用される方々に対して注意喚起、これ留意点というのをまとめさせていただきました。そしてまた、関係する紹介をされておられるサイトを運営されている方々に対して、是非ともそれを留意点という形でお載せをいただきたいということで要請もさせていただいております。
 基本的にはどういう方かちゃんと確認をした上ででありますとか、場合によっては何かあったときの対応のために保険等々も含めていろんなことを留意していただきたいというふうに思っておりますが、今新しい新制度の中において居宅訪問保育事業というものをスタートする準備をしております。これには公費が入ってくるわけなんですけれども、全てのシッターを必要とする方々に対応するというわけにはなかなかいかないので、障害児の皆様方に対する対応であるとか、あとは一人親で夜仕事をされる方であるとか、そういう方々に対しては対応できるようなそういう制度をつくるわけでありまして、これ市町村の認可という形になると思いますが、是非ともシッター協会といいますか保育サービス協会の方にはそのような形でまたいろいろと対応していただければ有り難いなというふうに思っております。
 実際規制をするかどうかなんですけれども、これ今六人以上に関しましては、これは認可外保育という形で都道府県に一応届出をするようになっております。五人以下に関してはそうなっていない。今回の場合はベビーシッターというよりかは保育室みたいなところで子供を預かっているというような形態であったわけでありますけれども、シッターも含めてそういう届出をすべきかどうかということも、ちょっとこれからこの調査の実態を見ながら検討していく必要はあるかなというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、質の高いベビーシッター業の方々がそういうような形の中においてしっかり対応をしていただけるというような環境をつくることが重要だというふうに思っておりますので、厚生労働省も、しっかり今、現状を把握しながら、どのような対応があるのか、できるのかということを検討をしてまいりたい、このように考えております。
#85
○大沼みずほ君 ありがとうございます。前向きに、規制強化も重要ではありますけれども、ニーズに応えるべくしっかりとした制度をつくっていっていただければと思います。私も最大限御協力していきたいと思います。
 また、待機児童解消問題は安倍政権の目玉政策でありますけれども、保育所、つまり箱を造っても、働く保育士がいなければこの問題は解消されません。消費税を一〇%に引き上げても、確保できる確実な財源というのは〇・七兆円。一部報道では、保育士の処遇改善のための予算幅が五%から三%へ圧縮されるという報道がございました。
 やはり、この箱も大切でありますけれども、ベビーシッターにしても保育士にしても、人を育てていくということが一番重要であります。消費税の確実な一〇%アップとそのための予算確保をお願いいたします。
 大臣にも一言決意をいただければと思います。
#86
○国務大臣(田村憲久君) 元々、三党、自民、公明、民主三党、まあ民主党政権時代でありますけれども、このときに、社会保障と税の一体改革の議論の中においてこの新しい子ども・子育て新制度に関して合意を得て、その上で今に至っておるわけであります。当時、附帯決議等々でも、しっかりと必要な額を確保する、努力していくということでございました。そのような意味では、保育士の方々の処遇改善、これは当然必要なことであります。
 保育士不足と言われている中において、本来ですと、資格をお持ちになりながら現場に復帰されない方々がおられる一つの要因、全てとは言いませんけれども、一つの要因は、やはり処遇が余りよろしくないというお声もお聞きするわけでありまして、そのための財源、七千億円はこれは消費税一〇%になったときにしっかり確保するという約束になっておりますけれども、それ以外、三千億円強に関しましてもしっかりとこれは確保する努力をしていくということでございますので、これは閣内挙げて努力をさせていただきたいと、このように思っております。
#87
○大沼みずほ君 どうもありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 次に、今回は改正とはなりませんが、雇用保険法に含まれる介護休業給付についてお尋ねいたします。
 この度の社会保障改革プログラム法案では、在宅医療の推進がうたわれております。多くのお年寄りにとって最後まで自宅で過ごしたいという気持ちはあるでしょうし、家族もそうさせてあげたいという気持ちに思っている方が多いと思います。一方で、介護を理由に職場を辞めざるを得ないといったことも多く聞くようになりました。私の義理の母もまたその一人であります。
 資料、今日お配りいたしました一の介護休業給付率を見てみますと、圧倒的に女性の取得率が高く、平成二十四年度では、男性二千五十三人に対し女性は七千三十五人となっています。また、その数も年々、二十一年度から二十四年度にかけて増加傾向にございます。
 女性の就労継続のためには、介護しながら仕事を続けられる制度をしっかりと整えていかなければなりません。今後、雇用均等法が成立して以降の年代の方が介護をする側になります。介護のために離職せざるを得ない状況を前もって予防していくことが政府には求められていると思います。介護は、徐々に老化が来て体が弱くなっていくだけでなく、突然倒れて体の自由が利かなくなったり、また、病気になって入院し、退院したときには入院前よりも元気ではなくなっている、そういったケースがあります。
 育児休業が一年であるのに対し、介護休業は最大で九十三日であります。付きっきりの介護が必要な方であれば、三か月の間に施設に入ることは今の現状であればほぼ不可能であります。ケアマネジャーと打合せをしたり、また病院、役所などと掛け合ったり、新たなベッドを入れたり、家の構造を変えたり、こういったことも必要になってくるわけです。
 三か月以内でできる方ももちろんいらっしゃるわけでありますが、もう少し時間が欲しい方もいると思います。給付金額も四割であり、このことも取得につながっておらず、かえって仕事を辞めざるを得ないという選択につながっているものと思われます。
 在宅医療の推進を国として進める以上は、この介護休業における給付額の増額、また期間の延長はセットで行われるべきと考えます。育休は権利として一年あるわけですが、四か月や六か月で復帰される方もいらっしゃいます。やはり、介護休業においても、権利としては一年あって、三か月や四か月で復帰できる人もいれば六か月で復帰する人もいる、そうした柔軟性、幅を持たせていくことが大切ではないかと思います。当然、この介護休業給付は所得の四割でありますので所得は減るわけでありますから、これをむやみに引き延ばすといったようなことはないように思いますし、むしろ育休の取得率が年々上がっていったのは受給額が増えてきたということも背景にあります。介護休業においても、受給額を増やす、また期間を延ばすことで取りやすくなり、また仕事を続けられるという環境整備になると思いますが、政府の御見解をお聞かせいただければと思います。
#88
○大臣政務官(高鳥修一君) 大沼委員にお答えいたします。
 介護休業制度につきましては、家族が介護に関する長期的方針を決めることができるようになるまでの期間として、対象家族一人につき要介護状態ごとに一回、通算で九十三日という期間を設定いたしております。これに加えまして、前回の育児・介護休業法の改正においては、対象家族一人につき年五日取得可能な介護休暇制度を創設したところでございます。
 育児・介護休業法につきましては、改正法の附則によりまして、施行後五年、これは平成二十七年になりますが、五年を経過した場合に検討を行い必要な措置を講ずることとされており、今後見直しの検討を行うこととされております。
 委員御指摘のとおり、介護と仕事の両立の問題に直面をする労働者の増加が見込まれる中、労働者が離職せずに仕事と介護が両立できる環境整備は今後ますます重要な課題となっていくと認識をいたしておりまして、このために、平成二十六年度の予算においては、企業における仕事と介護の両立モデルの導入に向けた実証実験等を行う事業を盛り込んでおります。検討に当たっては、当該実証実験の結果も踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
#89
○大沼みずほ君 ありがとうございます。やはり、その場で、介護をする方が増えて離職せざるを得ない人が増えてからではなくて、予防という意味でも前もってこの議論を加速化させていただければと思います。
 また、育休もそうですけれども、こうした制度は全日休業と部分休業ができるような制度設計が諸外国ではされております。介護休業においては、特にこの訪問介護等を利用しながら働き続けられる環境整備、この部分休業というのが選択できるようになるとかなり取りやすくもなるのかなと思いますけれども、その問題について政府の御見解を重ねてお聞かせいただければと思います。
#90
○政府参考人(石井淳子君) お答え申し上げます。
 まさにこれから実証実験などを通じてその問題点、あるいはどう対応していったらいいかということを抽出していきたいと思っておりますが、議員御指摘のように、休業というもののみではなくて、やはり、部分休業と委員御指摘になりましたが、部分休業、短時間勤務もございますし、あるいはフレックスタイムとか、そういう働き方についての少し配慮みたいなものを加えることによって介護と仕事の両立が進むという、そういう意見はあるところでございます。そうした御意見にも十分配慮しながら今後検討していきたいと思っております。
#91
○大沼みずほ君 ありがとうございます。まさに時短、フレックスとともに考えていただけるということで、今後この分野での議論が前向きに検討されることをお願いしたいと思います。
 次に、教育訓練給付金の拡充についてお尋ねいたしたいと思います。
 対象となります厚生労働大臣が指定する講座については、資料二にありますように、看護師、介護福祉士、保育士、建築士等、こういった業種への絞り込みが行われるということで、先ほど津田委員からも御質問ありましたけれども、引き続き、現在受講費用の二割を支給している講座、資料三にございます教育訓練講座というものがたくさんあるわけでございますけれども、現在のこの対象講座には、雇用の条件となる資格というよりは付加価値を付ける資格が少なくなく、個人の趣味や教養の領域への公費負担というのは少し過剰給付ではないかなと思われるものがございます。例えば英検でありますとかいろんな語学の検定試験、私もこれ大学時代に、就職活動する前に資格を持っておいた方が有利だなと思って受けましたけれども、こういったものや、いろいろちょっと、余り個別に言うのは控えますが、ちょっと趣味の領域ですね、掛かっているようなものもあります。
 やはり給付の重点化、効率化ということを厚生労働省の方でも今後考えていかなければならないということで、この四割給付、非常に拡大されて公費も入るわけでございますので、現在の二割給付の講座、これを不断に見直していくことも必要であると考えますが、厚生労働省のお考えをお聞かせいただければと思います。
#92
○政府参考人(杉浦信平君) 現行の教育訓練給付でございますけれども、雇用の安定、就職の促進を図るために必要な教育訓練ということで広く対象としまして、今資料二で御説明いただきましたように、事務、技術、サービスなど多様な分野の資格等を目指す訓練を指定をしておるところでございます。
 この訓練の対象となるものにつきましても、趣味的、教養的な講座ですとか入門的、基礎的水準の講座は対象外というふうに基準を設けております。例えば語学の講座につきましても、英語検定につきましては準一級相当以上というような形で、職業上の効果が一定以上見込まれる水準以上のものに限定をして対象としているところでございます。
 これまでも何度かこの指定基準の見直しを図ってきておるところでございますし、また更新で申請してきた際に、実際に効果が表れているかということも十分審査しながら認定をしておるところでございまして、今後とも、こういった雇用の安定ですとか就職の促進に資するものかどうかということをしっかり審査をしながら適正に講座を指定していきたいというふうに思っております。
#93
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 英検の準一級が、そこで線引きがふさわしいかどうかちょっと私も分かりませんが、やはりこの付加価値であるものとしっかりと雇用に結び付くというところは不断に見直しを行っていただきたいと思います。
 私自身、例えば、スペイン語はあるけれどもポルトガルはない、でもポルトガル語は結構、日系の方や何かが入ってきて、例えば警察なんかで翻訳をする人とか、そういった方の需要なんかもあるわけですが、例えば、ないとか、それを入れろということではなくて、そういった公平性の観点からも不断の見直しを行っていただければと思います。
 では次に、育児休業制度についてお尋ねいたします。
 この度の制度改正により給付額が六七%になったことは、本当に多くの子育て世代にとって大きな喜びであったと思います。大臣始め政府の皆様の御尽力に心より感謝を表したいと思います。これまでも給付率を上げるとそれに比例する形で年々女性の取得人数は多くなってきていたわけで、非常に政策効果があるものと期待できます。一方、給付率を上げても男性の取得率はいまだに二%弱と大変少ないのが現状です。
 ただ、よくよく数字を見ますと、資料の一に戻っていただいて、平成二十二年四月より育児休業給付金と職場復帰給付金を統合して育児休業中に全額支給するといたしましたこの政策の結果、男性の取得人数は、前年の千六百三十四人から、これ平成二十一年度ですね、二十二年度には三千二百九十一人へと一気に倍増しています。これもある一定の政策効果があったものと思われます。今後も男性の取得率を上げるために効果的な施策をしていく必要があると思います。
 なぜ男性の育児休業取得率を上げる必要があるのかといえば、単に女性の社会進出を進めるということだけではなく、資料四にありますように、内閣府や厚労省の調査によりますと、夫の家事・育児時間が長いほど第一子出産前後の妻の継続就業割合が高く、また第二子以降の出生割合が高いというふうに出ているからです。
 男性の家事・育児時間は、世界的に見ても、日本は平均で一日一時間程度です。ドイツや北欧が三時間以上、米国、英国、フランスでも二時間半以上が平均であることを鑑みますと、余りに少ないと言わざるを得ません。少子化対策を握っているのは夫の家事・育児時間であるという結果なわけであります。
 このことに関して厚生労働省はどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせいただければと思います。
#94
○政府参考人(石井淳子君) 委員が今御指摘くださいましたように、確かに、出産後の妻の継続就業割合については、例えば、夫の家事・育児時間がない妻については四六%、夫の家事・育児時間が四時間以上ある妻については七四%と、夫の家事・育児時間が長いほどその割合は高くなっております。
 同様に、第二子以降の出生割合を見ましても、例えば休日で申しますと、夫の家事・育児時間がない夫婦、休日でも全く育児、家事をしない夫婦の場合は第二子以降は九・九%、それに対しまして、夫の家事・育児時間が四時間から六時間の場合五五・三%、六時間以上ある夫婦については六七・四%と、夫の家事・育児時間が長いほどその割合が高くなっているという、そういうデータでございます。
 もとより、男性の三割の方が育児休業の取得を希望しているところでございます。今の育児休業を取得するであろう年齢の男性は、家庭科、技術・家庭科などで女性とともに家庭科を学んできた男性で、そういうモチベーションといいますか、意欲が高いというふうに言われているわけでございますが、そういう取得の希望があるわけでございますが、その個人の希望のみならず、御指摘のとおり、女性の継続就業や少子化対策の観点から見ましても、男性の育児参加の促進、極めて重要と考えております。
 こうした男性の育児参加が進むことは、恐らく働き方の見直しにもつながっていくものというふうに考えているところでございます。
#95
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 ここにいらっしゃる委員の方々にも、今日、夫の家事・育児時間が長いということは少子化対策につながるということが証明されたということをお知らせできましたので。うちの主人は終日土日はイクメンで、掃除も料理もお風呂も全部できます。なので、第二子以降も頑張りたいとは思いますが。少子化対策にはここがキーポイントだということを是非発信していっていただきたいと思います。
 そして、手っ取り早くと言ってはなんですが、男性の家事・育児時間を取ってもらうためには、やっぱりこの育休を促進していくこと、今局長からもありましたように、職場での理解、取りたいと思っている男性が育休を取れるような職場にしていくこと、この育休を取ることはマイナスではなくプラスなんだという評価を促すことが最も重要と考えます。今でもくるみん認定制度などがありますが、例えば育休を一か月以上取った男性職員が一〇%以上いる会社の税制優遇を更に図るなどの政策が必要と考えますが、政府のお考えをお聞かせいただければと思います。
#96
○副大臣(土屋品子君) 大沼みずほ委員の力強い今の御質問の中の夫の育児というのを私もしっかりと受け止めまして、地域で声を大きくしていきたいと思いました。
 それで、今いただいた質問でございますけれども、まさに積極的に育児に参加する男性を応援するイクメンプロジェクトを実施してきたわけですけれども、これで男性の育児参加を積極的に進めている企業の表彰とか好事例の普及を行っておりますが、またこれから審議いただく次世代法改正案では、現行のくるみん認定に加えまして、相当程度取組が進んでいる企業に対しまして新たな認定を設けることとしております。これらの認定を目指していただくためにも税制優遇措置というのは重要であろうと考えておりますので、積極的に検討してまいりたいと考えております。
#97
○大沼みずほ君 副大臣からの応援のエール、私も、ありがとうございます。是非、副大臣もますます頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 また、スウェーデンのように、両親が均等に手当を受給すればするほど追加の給付の金額が高くなるように設定されている、これは男性の育休を制度として進める平等ボーナスの仕組みというものがございますが、これについて厚生労働省としての御見解、御検討についてお聞かせいただければと思います。
#98
○政府参考人(岡崎淳一君) 委員御指摘のように、スウェーデンにおきましては、男性の育児休業取得促進を目的としまして、両親がそれぞれ取得した場合につきまして事後的に税を還付すると、こういう仕組みが二〇〇八年から導入されている、それは我々も認識しております。
 我が国の場合は育児休業給付でどうするかということで議論いたしました。現在、育児休業を取った場合、五〇%給付でございますが、これを引き上げるに際しまして、一律に例えば六〇%にするという方法と、それから男性に育児休業を取っていただく促進的な効果も含めまして、その六〇%ではなくて、六か月ごとに、個々人について六か月間につきまして六七%に上げると、この二つの方法があり得るかなということで議論したわけでございます。
 そういう中で、男性にも育児休業を取っていただくということを進めるためには、六か月で六七%、そうしますと、まずお母さんが取ってその後お父さんが取るということであれば常に六七%の給付が出るということになるわけでございます。したがいまして、スウェーデンとはやり方は違いますけれども、今回の育児休業給付の引上げにおきましては、男性の取得効果を高めると、こういう趣旨も含めまして今回御提案しているような中身にしたと、こういうことでございます。
#99
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 給付率六七%ということは、社会保険料の減免等で所得の八割が補償されるということは非常に大きなことで、男性のこの育休がこれを通じて増えるように私も願っているところであります。
 では、最後になりますけれども、先日も女性医師の働く環境整備という問題提起が薬師寺委員からも出されておりましたけれども、どの職種においても、一年以上職場から離れると、復職するのにまずは感覚からして追い付かないというものもございます。育休中でも職場に来たいと思っても、日本の制度は、先ほどもありましたが、基本的には全日休暇のシステムであります。
 資料五を見ていただきますと、先進国では完全休暇と部分休暇を選択できるようになっている国があります。また、次の資料六でも、御覧いただければと思いますが、日本でも十日以下であれば育休中も就労は認められているわけでありますが、一時間でも会社に出れば就労となってしまいます。
 日本は三歳までは短時間勤務、また残業免除などの措置などもあるわけですが、一歳になるまでの間も職場に少しずつ顔を出せる弾力的な制度にしていくことも女性の継続就業を促すためには大切だと思いますけれども、政府のお考えをお聞かせいただければと思います。
#100
○政府参考人(岡崎淳一君) 育児休業給付につきましては、雇用保険制度の枠内でやっているということもありますので、基本的には休業した日に出すと、こういうことでございます。ただ、育児休業期間中、先生からも御指摘がありましたように、全く仕事から離れると復帰につきましていろいろ障害になる場合もあるということもありますので、臨時的な就労を認めるという形になっています。ただ、現在につきましては一日ごとで判定しまして、月十日以下ということでございます。
 ただ、これにつきましては、女性が育児をしながら働く場合の働き方として一日単位で見るのが適当かどうか、短時間会社に出るという場合もありますし、あるいは在宅で仕事をする場合もあるというふうに理解しています。そういうことを考えますと、一日単位で見ていくということではなくて、全体として時間単位で見るという考え方もあるのではないかという御指摘を受けているところでございます。
 これにつきましては、既に衆参の予算委員会等で御質問があった中で、それぞれ大臣、副大臣からも御答弁しているところでありますが、最短で本年十月一日から、日単位で十日以下というものを時間単位で八十時間以下という方向で見直すべく、今後審議会等で議論していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#101
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 八十時間以下ということで、時間単位になりますと、女性も、一時間、二時間、体調や赤ちゃんの状況などを見て会社に出やすくなっていくと思いますので、この議論を加速させていっていただければと思います。
 少し時間は短いですが、私の質問はこれで終わりたいと思います。本日は御丁寧な御答弁、本当に誠にありがとうございました。
#102
○高階恵美子君 こんにちは。自由民主党の高階恵美子です。
 各々がその年代にふさわしい夢や希望を持ってそれを実現しようと努力すること、またその努力を通じて生きることや働くことに充実感を得られるようになることは大変好ましいことと考えます。今般の法改正が、そうした言わば国民一人一人の人間力を増す後押しとなることを大いに期待しております。
 十九日の予算委員会の集中審議におきましては、夫婦が交代で育休を取ることによって一年間続けて高い給付率の手当が受けられるようになることを確認させていただきました。
 この場では、教育訓練についてお尋ねを申し上げます。
 教育訓練給付は平成十年に創設されましたが、当初の趣旨に反して受給者の就職は容易に進まず、また中には健全かつ適正な活用実態にない例が含まれるなどしたため、制度の見直しと適正化が図られてまいりました。今般は日本再興戦略の一環として、中長期的な観点から、社会人の学び直しを促進するため、新たに制度を拡充することとなりました。過去の反省を踏まえれば、少し先の需要を見越した上で、あらかじめ育成強化すべき領域を定めること、また制度を活用した者については、中長期的にその就業動向を把握するなどして政策目標に合致する効果が得られたかどうか、その検証を進めることが重要になると考えます。
 エビデンスに基づく継続的な政策の質改善と今般の教育訓練の拡充による社会人のキャリアアップ効果への期待について、佐藤副大臣の御見解をお伺いいたします。
#103
○副大臣(佐藤茂樹君) 高階委員にお答えいたします。
 委員が今御質問の中で指摘されましたように、過去の教育訓練給付については、趣味的なものの内容ということもありましたし、また給付割合が八割と高いものでもあって、対象となる訓練の内容がそういう意味では結果として必ずしも就職の促進に資するとは言えない、そういうものも含まれていたということは事実であって、厚生労働省としても反省材料の一つに挙げているわけでございます。
 そこで、今般の措置では、四つぐらいしっかりとしたそういう基準を設けていこうと。一つは、対象となる訓練が真に中長期的なキャリア形成に資する内容であることをしっかりと審査するということ。これがまず第一だと思っておりまして、それに加えまして二番目としては、訓練費用の支援の水準についても最大六割として、過去の八割のようなことまでは行かない、最大六割として四割の自己負担を求めること。前は自己負担二割だったんですね。今回は四割の自己負担を求めるということ。三点目に、その六割の支援の水準のうち二割を資格取得及び就職を要件とした追加給付とすると。要するに、資格取得や就職をしっかりと結び付かなければ二割は追加として給付しないという、そういう形にさせていただいているということが三点目。四つ目は、離職者が希望する職業に就けるように、訓練開始前にキャリアコンサルティングを受けていただく。その人にとって役に立つかどうかですね、その受けようとされている訓練給付の内容が。そういうものもしっかりと、キャリアコンサルティングの中でしっかりと、本人との話合いをさせていただいて、その上で教育訓練の選択を相談する、そういう仕組みをしっかりと設けさせていただいておりまして、そういうことから適切な受講成果につながる枠組みとして社会人のキャリアアップにつなげていきたいと思っておりますし、また、今般のこの改正というのは大幅な改正になることもございますので、この制度を始めてから、実績についても委員御指摘のとおり定期的にしっかり検証いたしまして、そして改正の趣旨が適切に浸透しているかどうか、これも厚生労働省としてしっかりと確認をしていきたいと、そのように考えております。
#104
○高階恵美子君 効果検証、大切な作業だと思います。よろしくお願いいたします。
 これからの三十年間、この国の人口構成の変化をなだらかに見渡しますと、生産年齢人口が毎年八十二万ずつ減っていく、そういう中で亡くなる方の数は現在の一・五倍程度にまで増えていく、こういうことが推計されております。長期の介護とみとりのケアに当たる人材が何としても足りません。人に対する、人の手によるケアは、人を確保することでしかカバーができません。その点から見れば、雇用対策としての今回の教育訓練の拡充は看護、介護の領域に最も貢献するだろうと予測されます。
 そこで、受皿となる全国の学校、養成所等に対していち早く制度の趣旨とその活用法に対する情報を周知いただき、教育訓練の準備を進めていく必要があります。これまで、医療政策と雇用政策は、どちらかというと別建てで進められてまいりました。しかし、これからは、省内においても有機的な連携を促進していただき、一層の効果を生み出すべく努力をしていただきたいと思います。
 また、就業中の准看護師が看護師に、介護ヘルパーが介護福祉士になろうとする場合には、診療所や介護保険施設など現在の就業場所において関連する情報を得ることができるように職場の環境を整えていくことも重要です。さらに、ハローワークやナースバンクなど、就業、就職を希望する方が身近に接する場所で情報を収集できるように工夫することも有効と考えられます。
 政府の取組以外にも、自治体や民間企業が積極的に学び直しを支援する例もありますので、是非これらの関連する情報を利用者の視点に立って収集、提供する体制を整えていただきたいと思います。
 今後の取組方針をお伺いいたします。
#105
○政府参考人(岡崎淳一君) 具体的な教育訓練給付の対象になる講座の指定は、法律を成立させていただいた後、審議会で決めてということになりますが、ただ、それが指定された段階におきましては、やはりその対象となる分野の学校等でしっかりとそれを認定を受けていただいて対象講座になっていただく、これは非常に重要だろうというふうに思っているところであります。したがいまして、できるだけ速やかに指定基準等を決めて、その上で学校等へは周知を図っていきたいと、こういうふうに考えております。
 今後の人口構造の変化を見通して、看護、介護の人材の確保が非常に重要だということは私どもも認識しております。我々厚生労働省、従来の厚生分野、労働分野ありますけれども、やっぱりそこは省を挙げて人手の確保というのは重要だろうというふうに認識しております。佐藤副大臣出席しておりますが、佐藤副大臣の下で人手不足産業におきます人手確保の省内の連絡会議というのを設けております。ここでは、医政局あるいは老健局、社援局等、医療の担当あるいは介護の担当の部局と、私ども職業安定局や能力開発局、雇用の担当、両方が入りまして副大臣の下で議論をしておりますが、そういう中でも、今先生から御指摘があったような全体連携して人手の確保に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
 その上で、今回の教育訓練給付につきましては、在職中の方も、それから離職後一年以内の方も利用できます。そういった意味で、先生から御指摘ありましたように、医療機関や福祉施設で働きながら看護師でありますとか介護福祉士の資格を取りたい方、これにつきましては、その業界の団体等を通じましてそういう周知も進めていきたいというふうに思いますし、離職された後ということであれば、ハローワークとかあるいはナースバンクその他いろいろございますが、そういうところに相談に来られた際に、こういう仕組みもあるんだということを十分に周知して利用を促進していくと、こういうことで対応していきたいというふうに考えております。
#106
○高階恵美子君 看護基礎教育に関して言えば、既に大学が二百校を超えております。高等教育機関の比重が増してきている、こういう状況にありますので、教育訓練の趣旨に合致する形でしっかりと議論をしていただきまして、キャリアチェンジ、キャリアアップの支援につながるような、そういう活用の道を是非お進めいただきたいと思います。
 さて、看護師、介護福祉士はもちろんのことですが、例えば、管理栄養士、保育士、歯科衛生士など、保健、医療、福祉に携わる有資格者を質、量共に拡充していく、確保していくためには、十八歳人口だけにとらわれない養成のスタイルを考えていくことも重要と考えます。こうした分野の人材育成において、まだ人口規模が幾分大きな三十代、四十代の方々がまた新たな挑戦をする、その再チャレンジがしやすい環境づくりをお願いしたいのですが、土屋副大臣の御見解はいかがでしょうか。
#107
○副大臣(土屋品子君) 今般の改正は、教育訓練給付の拡充や育児休業給付の充実など、労働者がその能力を高めることや仕事と家庭の両立に対する支援を強化することとしたものであります。
 今般の教育訓練給付の拡充、特に社会人の人材力を強化する観点、これは三十代とか四十代になるんだろうと思います、非正規雇用労働者である若者等のキャリアアップ、それからキャリアチェンジを促進することを目的としているわけでございます。そのため、初回受講者であれば二年間の被保険者期間で可として、若年非正規雇用労働者の活用機会を確保することとしております。
 対象訓練については、委員が御指摘になったように、医療、福祉の専門職など、それ以外もこれから議論の中にいろんなものが入ってくると思いますけれども、特に足りていない医療、福祉の関係というのは重要だと思います。中長期的なキャリア形成に資する専門的、実践的な訓練を厳選してまいりたいと思います。訓練受講前にキャリアコンサルティングを受けて、教育訓練の選択を相談する仕組みなどもつくってまいります。社会人経験のある若者の希望に沿った適切なキャリア形成を支援していきたいと考えております。
 さらに、若者の教育訓練を強力に支援するためには、教育訓練支援給付金を創設いたしまして、四十五歳未満の離職者が今般の拡充後の教育訓練給付の対象となる訓練を受ける場合には、受講中に基本手当の半額を定期的に給付する支援を実施することとしております。
 一人でも多くの三十代、四十代、若者がキャリアチェンジできるように頑張っていきたいと思います。
#108
○高階恵美子君 一口にキャリア形成と言いましても、具体的にイメージするのはなかなか難しいかもしれません。私自身、次の目標に進もうとしたときには決まって、安定したポジションと収入があるんだから要らぬ苦労をする必要はないよと説得をされたものであります。
 しかし、今できることをやらなければと行動を起こす社会人は意外にたくさんいます。大切なのは、そのような強い意思で新たな選択をする者が所期の目標を達成できるように後押しをすることと考えます。社会経験が乏しくて、また経済的な基盤も弱い、そういう立場の者が学び直しに挑戦するというときには、悩んだり迷ったり行き詰まりを感じることもございます。そうしたときに、各々が自らの未来像を描くその参考となるキャリア形成モデルや、折に触れて支え手となる相談相手が必要と考えます。
 そこで、これからの教育訓練におきましては、先ほど来キャリアコンサルティングのお話が出ておりますけれども、多様な働き方、あるいは人生設計の具体像を描く、そして現実に照らして自らのキャリア形成を図ることができるような、そういう支援の仕組みを強化すべきと考えます。いかがでしょうか。
#109
○政府参考人(杉浦信平君) 御指摘のように、個人が、職業生活におけるそれぞれの置かれた状況に応じまして、職業の選択ですとか能力開発についてキャリアコンサルティングを受ける機会が確保されるということは大変重要だと考えております。
 厚生労働省としても、その担い手であるキャリアコンサルタントの養成にこれまでも取り組んできたところでございます。今般の中長期的なキャリア形成支援措置の対象訓練の選択に当たりましても、キャリアコンサルティングを行い、本人のキャリアアップに資する訓練を受講させるための相談、助言を行うこととしております。
 このため、キャリアコンサルタントについて、今後、質、量共に一層の充実が求められるところでございますが、昨年の十二月二十六日に取りまとめられた産業競争力会議雇用・人材分科会の中間整理におきましても、職務、能力を明確にし、キャリアを大切にするシステムへの変革を図るという観点から、キャリアコンサルタントの養成計画を平成二十六年年央までに策定し、確実に養成を図るということなどが提言をされておるところでございます。こうした状況を踏まえまして、労使の理解を得つつ今後検討を行い、キャリアコンサルティングの体制整備に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
#110
○高階恵美子君 進学や就職などの成長過程で自らの仕事や暮らしの将来像をじっくり考える機会の少ない方もおられますし、社会人となった後、徐々に生活設計を始めるという方もおられます。人生各期におけるキャリア形成支援の果たすべき役割は、これから非常に重要となってくると考えられます。
 最後に、高鳥政務官の見解をお尋ねいたします。
#111
○大臣政務官(高鳥修一君) 高階委員にお答えをいたします。
 現政権では、日本再興戦略等におきまして、人材こそが我が国最大の資源であると位置付けられておりまして、全ての人材が能力を高め、その能力を存分に発揮できる全員参加の社会を構築するため、個人の主体的なキャリア形成の支援が一層重要になってきていると考えております。
 委員御指摘のように、個々人が適切に自らの職業生活設計を行い、効果的に能力開発や職業選択をしながらキャリア形成を進められるよう、個々人の状況をよく踏まえて支援することは非常に重要であると考えております。
 先ほど佐藤副大臣からも答弁がございましたが、拡充される教育訓練給付では、受講前に原則としてキャリアコンサルティングを受けることとするほか、キャリアコンサルティングの体制整備、それから総合的な能力評価制度の構築、ジョブ・カードの抜本的見直し等を総合的に進めてまいりたいと考えております。
 今後とも、一人一人の状況に応じたきめ細かな支援を心掛けてまいりたいと思います。
 以上でございます。
#112
○高階恵美子君 改正は一歩一歩できるところからになるかもしれません。しかし、今般の改正が中長期的に見て、働きたい側と働いてもらいたい側の双方にとって働き方、暮らし方の充実感をもたらすことを願って、質問を終わらせていただきます。
#113
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 雇用保険法の一部改正案について質問をさせていただきます。
 今回の法改正は、日本再興戦略の中で明記をされました雇用維持型から労働移動支援型への転換と、こういう課題実現のために、社会人の学び直しの促進に資する教育訓練給付金の拡充、あるいは少子化対策としての育児休暇取得を促進するための見直し等がこの中に盛り込まれております。
 雇用保険法のその役割、これを十分に果たしていくためには、やはりその最も根本の目的、労働者の生活と雇用の安定を図ると、こういう最大の目的をしっかり見据えて、その観点から、その時々の雇用情勢、あるいは政府の中長期的な政策ビジョン、それとの整合性というようなことをしっかりと図りながら検証し、必要であれば見直しを行っていくということでここまで進んできたというふうに思っております。
 今までも適宜法改正を行ってきました。今回は、日本再興戦略の方針に沿って労働者の能力開発支援に力点を置いたという見直しになっているというふうに理解をしております。労働移動支援型へ移行する一環となるというその意味で、今回のこの法改正の目的や狙いという基本的なところを、佐藤副大臣にお考えを伺いたいと思います。
#114
○副大臣(佐藤茂樹君) 長沢委員の御質問にお答えいたします。
 今回の法改正の目的、狙いというのは大きく二つあると我々考えておりまして、一つは、委員が質問の中で御指摘されましたような、日本再興戦略を受けまして、人材育成の観点から中長期的なキャリア形成を支援するための教育訓練給付の拡充を行うということ、もう一つは、社会保障制度改革国民会議の報告書を受けまして、男女共育児休業を取得することを促進するための育児休業給付の充実を図ると、今日は午後の議論でも先ほどからその議論があったとおりでございますが、こういうものを内容とする雇用保険法改正でございます。
 特に教育訓練給付の拡充については、労働者の方々が中長期的な職業生活を設計していくに当たって、中核的な役割を担う資格や能力を取得することによって雇用される能力を高めることを通じて労働市場や企業内においてキャリアアップ、キャリアチェンジを可能とすることを目的としておりまして、日本再興戦略にのっとって労働移動支援型の労働政策への転換を目指した施策の一つであると考えております。
 雇用保険法の今回の改正以外にも、予算面での労働移動支援助成金を充実させるということなどを通じて、厚生労働省として、委員が言われました労働者の生活と雇用の安定を図るという点での労働者へのセーフティーネット機能を適切に確保しつつ、労働移動を支援する政策の充実を図っていく、そのように考えております。
#115
○長沢広明君 あくまでも労働者の生活と雇用の安定を図るという、ここをもうとにかく踏まえていくことが大事だというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 今回の改正案の中には、様々な形で給付が大幅に拡充をされているというところがあります。給付を拡充するという限り、その分の効果を、きちんと目的に沿った効果を上げていくということが大事だと思いますので、その意味で何点かの確認をさせていただきたいと思います。
 まず、育児休業給付の充実についてでございます。
 現在、育児休業給付金は、給付割合が五〇%となっております。今回の改正では、経済的理由により育児休業取得をちゅうちょしている人の背中を後押しする、また、特に男性の育児休業取得の促進を図るということを目的として、給付割合を育児休業開始時から六か月間に限って六七%に引き上げるという大きな拡充をしております。
 育児休業の取得促進については、育児期には休業することができて、その後仕事に復帰するという働き方が社会通念的に定着するということが何よりも大事だというふうに思いますし、永続的に取組を更に深めていくことが必要だと思います。
 ただ、この育児休業給付事業の財源が雇用保険の積立金から充てられております。積立金においては、これは失業給付による支出がたくさん、多額出る場合があります。保険料収入も含めて、その時々の景気の状況に影響が受けやすい積立金の形になっています。そういう意味では、やや不安定という懸念がございます。育児休業給付の財源の確保ということに課題が残るのではないかというようなところをやや心配する面もございます。
 ちなみに、平成二十四年の積立金残高が五兆九千二百五十七億円です。これは六兆円に近いということで、過去この二十年間ぐらいの間ではかなり積み上がっている状況ですね。ただ、最低を見ますと、平成十四年には四千億円まで減っている、目減りしているときがあります。過去最低で四千億円まで減っているんです。十年、十一年、十二年、十三年、十四年、五年連続でこの雇用保険の受給者人員が百万人を超えた五年間があります。その中でどんどん積立金が目減りをして、四千億円まで下がったことが過去実績としてあります。
 こういう育児休業を取得しながら離職せずに働けるという働き方がしっかりと定着するためには、将来、万が一、収支状況、この雇用保険の積立金の収支状況が悪化した場合、給付率を引き下げるとか、あるいは給付を維持するために保険料に跳ね返ってくるとか、そういう形で制度が後退してしまうようなことのないようにしなければならないというふうに思います。
 しっかりと永続的な取組をお願いしたいという点で、佐藤副大臣、お考えを伺いたいと思います。
#116
○副大臣(佐藤茂樹君) 何点か御指摘いただきました。
 育児休業給付は、委員御指摘のとおり、雇用保険による給付として平成七年に創設いたしまして、まず平成十二年、四〇%の給付、また平成十九年から五〇%と見直しを行っているわけですが、その間、初回受給者数も増加傾向にありまして、平成二十四年度の段階では二十三万七千三百八十三人と、そういう形になっておりまして、育児休業に対する職場の理解が進んできたこともあって、休業取得の促進に寄与してきたことと、そのように厚生労働省としても考えております。
 また、質問の中でありました、男性が育児に長く関わる家庭では、女性の就業継続の割合が上がるほか、第二子が出生する確率が上がる統計が上がっているなど、男性の育児参加は少子化対策や女性の就業継続にも資するものであって、今回の改正によりまして、男性の育児参加を促して一層の効果を持つものと、そのように考えております。
 このような女性の就業継続及び少子化対策というのは日本の喫緊の課題であるため、厚生労働省としても、この育児休業給付以外にも、育児のための短時間勤務制度や中小企業における育児休業期間中の代替要員の確保等についての助成金を支給する等の施策と併せて、今後も労働者にとって子供を産み育てやすい職場環境整備のために、育児休業給付制度が安定的に運用できるようにしっかりと取り組んでまいりたいと。
 その安定的にということでいうと、やはり今御指摘いただきました、今、積立金は六兆弱ございます。これは、今後とも、そういう財源もしっかりと、積立金も含めて安定的なものを確保した上で、今、ここまで上積みをしてきました給付というものもしっかりと確保されるように、厚生労働省としてもこれからしっかりと取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
#117
○長沢広明君 是非、この育児休業給付がしっかり定着していくためには、やはり安定的にしっかり進めていかなきゃいけないというふうに思いますので、この点についてもよくまた御検討をいただきたいというふうに思います。
 今回の改正では、給付率を引き上げるとともに、男性の育児休業の取得についてインセンティブを高める、男性の育児休業取得を促進するということを狙いの中に込めておりますが、では、今回の改正でどのぐらい男性の取得率が上がるとか増えると考えているのか、厚労省として見込みがあるかどうか、ちょっと伺いたいと思います。
#118
○政府参考人(岡崎淳一君) 男性が育児休業を取らない理由、幾つかあります。その中で、経済的な理由を挙げている方が二割強おられます。したがいまして、今回の育児休業の給付の率の引上げによりまして、そういう方々のうち育児休業を取られる方が出てくるというふうには見込んでおりますが、ただ、それで何人とか何%ということを見込むのはなかなか難しいというふうに思っています。
 男性が育児休業を取らない理由というのは、経済的な理由も二割強あるわけでありますが、それ以外にも、職場の理解でありますとか様々な理由が挙げられております。こういう点につきましては、育児・介護休業法や次世代育成支援推進法等、様々な施策を総合して対応していくということが必要だというふうに思っております。
 ただ、全体として、日本再興戦略におきましても、二〇二〇年度までに男性の育児休業取得率については一三%という目標が掲げられております。この育児休業給付の引上げだけでは対応できませんが、全体、様々な施策を動員しましてこの目標を目指していくということにしていきたいというふうに考えております。
#119
○長沢広明君 そうですね、今は育児休業取得率は、女性は八割を上回っていますが、男性の場合は一割も行かないどころか一・八九%という水準でございます。これを、二〇二〇年までにこの一・八九%を一三%まで引き上げると、こういう政府目標を持っていらっしゃるわけですから、あと六年で七倍にするということですね。それは大変な目標を掲げているわけですから、今局長がおっしゃったとおり、経済的理由だけではなくて、職場、同僚の理解といった環境的な改善、こういうことを多角的にやっていかなきゃいけないというふうに思いますが。
 今、次世代育成支援対策推進法にもちょっと触れましたけれども、この雇用保険法の育児休業取得のいわゆる給付の拡大という、様々な手段、この法律の中でやっていますが、これ以外に男性の育児休業取得に向けてどういうメニューを持っていらっしゃるか、ちょっと確認をさせてもらいたいと思います。
#120
○政府参考人(石井淳子君) アンケートの結果を見ましても、男性が育児休業を取得しないその理由は本当に様々でございます。経済的な理由もあれば、職場の雰囲気もあれば、あるいは、そもそも妻が専業主婦でいてその必要がないというものまで多岐にわたっているところでございます。
 そのための、男性育休取得促進のための施策でございますが、実は平成二十一年改正の育児・介護休業法ではかなり突っ込んだ法改正が行われておりまして、父母共に育児休業を取得する場合の育児休業可能期間を延長、パパ・ママ育休プラスと呼んでおりますが、二か月のボーナスが付くという制度。あるいは、専業主婦であっても育児休業の取得を可能とする。従前、それまではかなり限られておりまして、労使協定で締結した場合に専業主婦の場合は育休を取らなくてもいいという形でありましたのを、それを削除しております。あるいは、父親が出産後八週間以内に育児休業した場合には再度育休取得ができる、これも育児休業の取得の柔軟性を高めるものということでありまして、こうしたような制度を盛り込んだわけでございますが、その周知徹底を図っていきたいと。既にこの二十一年から相当経過しておりますが、まだこの制度について男性の方に余り知られていないという傾向ございますので、ここをよく注意をして周知徹底を図っていきたいということがございます。
 それから、職場の雰囲気を高めていくという観点でいきますと、男性の育児参加を積極的に促進する企業の表彰、イクメン企業アワード、これも今年度からスタートいたしておりますが、それを通じまして非常にいい取組しているものをどんどん見える化をしていくということがございます。イクメンプロジェクトの実施によって様々なイクメン男性を増やしていくということもやっているところでございます。
 さらには、好事例の普及、具体的な職場のマネジメントにおいて様々なノウハウが必要でございますので、そういうものをどんどん示していくということ、あるいは、先ほど副大臣からもお答えいただきましたが、助成金によって代替職員のカバーリングについての費用助成を行うとか、様々な施策を組み合わせて行っているところでございます。
 これに加えまして、育児休業を取得しにくい雰囲気の是正にも資する次世代育成支援対策推進法の改正法案を今般提出しているところでございまして、これらの施策に取り組むことで育児休業を取得したい男性が取りやすい職場環境を整備してまいりたいと考えております。
#121
○長沢広明君 様々な手段を講じてくださっているので、その一つ一つが効果を上げるように、社会全体の空気を変えていくということをまず目標にして、誰もが子供を産み育てやすい社会づくりへしっかり進んでいただきたいというふうに思います。
 教育訓練給付金の拡充についてお伺いをします。
 まず、今回の改正では、現行の教育訓練給付金に加えまして、非正規労働者のキャリアアップ、キャリアチェンジを一層支援する、教育訓練給付金の給付割合を四割に引き上げ、さらに訓練受講者が資格取得をして仕事に就いた場合には二割が追加給付され、合計六割の給付になり、上限は年四十八万円という大幅な見直しの内容となっております。
 大きく見直されておりますが、今回拡充される新しい教育訓練給付の教育訓練と現行の継続される教育訓練給付と、この関係はどういうふうになるのか、利用者が混乱しないように分かりやすく説明をいただきたいと思います。
#122
○政府参考人(杉浦信平君) 現行の教育訓練給付につきましては、雇用の安定、就職の促進を図るために必要な教育訓練を広く対象としまして、事務ですとか技術、サービスなど、多様な分野の資格を目指す訓練として指定をしておるところでございます。期間が原則一年ということになっておりまして、支給率も二割ということでございます。
 今回拡充する教育訓練にしましては、現行のそういった教育訓練に加えまして、内容的により専門的、実践的なものに絞って対象としようと、まさに中長期的なキャリア形成に資するという観点からそういったものが対象となるということで、期間も原則二年ないし三年ということにしておるところでございます。
 すなわち、現行の教育訓練給付であっても、今回拡充される要件に当てはまればそちらの方に移行するということは可能でございますし、また、その内容については、今申し上げましたように、真に職業上の効果が高いものに絞って対象としたいというふうに考えておるところでございます。
#123
○長沢広明君 現行の講座の中からまた新しい制度の方へ移ることも可能であるし、そういう変化もしていくということですので、ちょっと後でまた窓口での説明の仕方とか、そういうことが必要になるんですけれども、今回改正をすることで、教育訓練給付金の拡充、教育訓練支援給付金の創設、これ合わせて約八百九十億円が計上されていると。現在の教育訓練給付金事業は平成二十五年度予算で五十三億円ということから比べますと、大幅な拡充となります。効果的にするためにも、しっかりとした制度設計と運用ということが必要となります。
 この講座の選定について今日何度か質問が出ておりますが、雇用が不安定な非正規雇用労働者、特に若者のキャリアアップ、キャリアチェンジのために重要な事業ではあるけれども、一方では企業の中堅クラスのキャリアアップということもあります。これは本来企業側が行うべきだという意見もあることも承知しております。したがって、雇用保険を財源とするのであれば、受益者負担の観点から、雇用保険料を負担している労使共に納得できる仕組みとしていくことが重要なポイントだというふうに思っております。
 新しい制度の訓練の講座指定、これはどのような基準に沿って進められて、どういう審査手続で決定をするのか、きちんと労使双方の意見も反映できるような仕組みになっているのか、この点踏まえて説明をいただきたいと思います。
#124
○政府参考人(杉浦信平君) 今回創設されます中長期的なキャリア形成支援の対象となる教育訓練でございますが、昨年十二月の労働政策審議会の報告書を踏まえ、雇用の安定、就職の促進を図るために必要な教育訓練の中でも、就職可能性が高い仕事において必要とされる能力の教育訓練ですとか、その効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の教育訓練という基本的な考え方に適合するとともに、例えば資格取得を目指すコースであっても効果などの点から厳選するなど、より専門的、実践的なものに絞って対象とすることとなります。
 具体的な基準については、法案を成立させていただいた後に速やかに労使を構成員に含む労働政策審議会で審議をし、策定をしていただくこととしております。
 今般の措置が平成二十六年十月施行を予定していることから、円滑に施行できますよう、指定基準策定後は速やかに訓練の指定申請の受付を開始しまして、審査の上、対象となる訓練の指定を行っていきたいと考えております。
#125
○長沢広明君 是非きちんと皆さんから意見を聞いての対応をしていただきたいと思います。
 ちょっと質問を一つ飛ばしまして、窓口の体制について確認をしておきます。
 実際の窓口の対応で、利用者は相当規模の人数となると見込まれます。申請に際して、給付金の適切な支給を行うためのチェック、さらに、現行制度との違い等をきちんと理解してもらうための的確な説明、アドバイス、こういうことが窓口で必要になってくると思います。具体的にどういうことに留意をして運用体制を整備するか、お考えを伺いたいと思います。
#126
○政府参考人(岡崎淳一君) この制度につきまして、直接の利用者に十分理解していただくというのは非常に重要だろうというふうに思っております。
 一つには、在職者、離職者それぞれ利用可能でございますので、先ほども答弁申し上げましたけれども、在職者につきましては、企業を通じて制度を理解していただく、離職者につきましては、ハローワークの窓口に来た際に、こういう制度もあると、利用可能であるということを十分まず理解していただくということだろうというふうに思っております。
 ただ、その上で、これを利用したいということになった場合に、さらに、これもキャリアコンサルティングが重要だということでありますので、これにつきましても、ハローワークにもキャリアコンサルタントおりますが、それで十分ではない部分につきましては、地方自治体等にも協力を求め、あるいは民間の委託を含めまして、しっかりとしたキャリアコンサルティング体制をつくっていきたいと。そういう中で、御本人の希望とその方の将来のキャリアアップ、キャリアチェンジにつながるような教育訓練を選んでいただくと。
 そしてさらに、給付がきちんとなされるということも重要でありますので、その最後の部分につきましては、ハローワークに体制をつくりまして、給付の対象になるかならないか、そこのところにつきましては、しっかりとハローワークで確認をした上で実際に教育訓練を受けていただく。ハローワークの体制についても十分に整えていきたいというふうに考えております。
#127
○長沢広明君 次に、教育訓練支援給付金の創設について伺います。
 今回の改正で、教育訓練給付金を拡充するとともに、四十五歳未満の離職者の教育訓練受講期間の生活を支援する、そのために教育訓練支援給付金を平成三十年度までの暫定措置として創設をしたということでございます。新たに創設するのでちょっと併せて伺いますが、創設をした狙い、そしてどういう人が使うか、制度の基本的な仕組みの説明と、これはいわゆる、ある意味では、訓練中の生活費が不安だという人たちに対して教育訓練を受けるチャンスを開くという大変大事な支援金だと思っています。しかし、対象者の中には失業給付が終了してハローワークにはなかなかもう来ないという人もいると思います。そういう人に必要な情報が届かなければ意味がないので、制度の仕組みと、それからこれを必要とするであろう一人でも多くの人に知らせる、その周知をするやり方、これをどう考えているか、伺いたいと思います。
#128
○政府参考人(岡崎淳一君) 教育訓練給付の拡充におきまして、これは御本人が自発的に教育訓練を受けていただくということはありますが、今回につきましては原則二年、資格取得につながる場合は最長三年という比較的長い期間の教育訓練を受けていただく。そのためには、やはりその間の生活をどうするかということは非常に重要だろうというふうに考えたわけでございます。
 基本的には、失業中の給付につきましては失業給付でございます。一般の公共訓練等でありますと、三か月、六か月、まあ最長でも一年でありますので、これについては雇用保険の訓練延長給付という形で生活費も御支援しておりますが、ただ、そこで二年、三年となった場合にそういう形がいいかどうかといういろんな議論がございます。
 そういう中で、審議会でもいろいろ議論があったわけでございますが、雇用保険の本来の給付とはやはり同格にはできないだろうと、しかしながら、やはりそういう二年、三年、そういったしっかりした教育訓練を受けていただくためにはそれなりの対応が必要だと、そういう議論の中で、基本手当日額の半額を支給する制度を、暫定的ということではありますが、仕組みをつくったということでございます。
 それで、基本的には、やはり年長フリーター等も含めまして、比較的それまで安定した仕事に就かず蓄えもない方、そういう方々を基本的な政策対象としているということでございます。したがいまして、教育訓練給付を使っていただくとともに、その際に生活的な不安を抱えている方に十分周知すると、これは非常に重要だろうというふうに思っております。教育訓練給付そのものの周知は当然するわけでありますが、それを使いたいということでハローワークに来た場合に、その辺、その対象の年齢になる方につきましてはこういう給付もあるんだということを併せて周知して、利用できる方には最大限利用していただけるように努力していきたいと、こういうふうに考えております。
#129
○長沢広明君 せっかくいい制度をつくったとしても本来必要としている人に届かなければ意味がないものですから、これをしっかり周知していくということには丁寧にいろんな方面に手を伸ばしておいていただきたいというふうに思います。
 それから、能力開発ということで、非正規雇用労働者のキャリアアップに限った話ではなく、広く労働者、働いている人皆さんが何らかの形で能力開発、更に自分のスキルをアップしていくと、こういうことを支援できるということが非常に大事な、これは政権の基本的な方針にも合った話だというふうに思います。
 今回の改正でも労働者の能力開発の推進ということが一つの大きな柱になっておりますし、労働者の生活と雇用の安定という雇用保険法の狙い、そのセーフティーネットとしての役割を果たしていくことは重要だけれども、同時に、国家としての力を蓄えていく、強くしていく、底上げをしていくと、こういう意味でも人を育てるということが非常に大事なことであります。能力開発、つまり人を育てるということは容易ではありませんけれども、名ばかりの教育訓練ということではなくて、それで支援が形骸化してしまうようなことのないように、きめの細かい丁寧な取組が必要だと思っております。
 これについて大臣の方針というか、能力開発行政について今後、ちょっと大きなざっくりした質問ですけれども、能力開発行政について今後どのような方針で臨んでいくか、お考えを一言いただきたいと思います。
#130
○国務大臣(田村憲久君) 私というか現政権、安倍内閣においては、日本再興戦略、先ほど来いろいろ話出ておりますけれども、これなどの中において、人材こそが我が国最大の資源であるという位置付けをいたしております。その上で、全ての人材が能力を高め、その能力を存分に発揮できるそういう社会、それをつくっていくことが重要であるわけでありまして、そのためには、やはり能力開発というもの、これは国を挙げてしっかり支援をしていかなきゃならぬというふうに考えております。
 企業の人材育成という意味では、認定職業訓練でありますとか、それからキャリア形成助成金でありますとかキャリアアップ助成金などがあるわけでありますし、また、個人の主体的な自らの能力開発という意味からいたしますと先ほど来出ております教育訓練給付があるわけでありますし、また、キャリアコンサルティングの体制整備、これもしっかりとやっていかなきゃならないというふうに思います。それから、離職者に対しましては、これは公共職業訓練でありますとか求職者支援訓練があるわけであります。
 今ほど来ずっと出ておりますように、今般、この雇用保険制度の改革の中において、自ら能力を高めようという部分に関しまして中長期的なキャリア形成という意味での支援を拡充をさせていただいておるわけでありますが、いずれにいたしましても、それぞれ民間は民間で、公共は公共でいろんな場があるわけでありますが、それぞれ必要な方々に必要な訓練の場、それをつくっていくことが必要でございまして、ベストミックスというものを是非とも実現できるべく我々としても努力をしてまいりたい、このように考えております。
#131
○長沢広明君 是非社会全体で誰もがこのキャリアアップというか、誰もが自らの能力を開発して新しいまたチャレンジができるような、そういう社会全体を、空気をつくっていかなきゃいけないというふうに思いますので、その方向でしっかりお願いしたいというふうに思います。
 就業促進手当の拡充についてお伺いをします。
 失業者の早期就職ということを促進するということで、失業手当の支給期間内に就職した場合、残りの手当の一部を支給して早期再就職を促すという制度でございますが、直近平成二十一年と二十三年、二度見直しを行っております。しかし、受給者の再就職の状況どうかということを見ると、手当の受給終了前に就職した人の割合というのは十数年間ずっと五〇%前後で、ずっとほとんど動きません、変わっていません。早期再就職者を増やしていくということは、本人の就職しようという意欲もありますし、求人倍率など雇用情勢ということもあります。これ、この手当だけでどうにかなるということではないというふうには思っておりますが、現状、これまでのこの就業促進手当について、どのような実績、どう評価をして、どういうこれから問題意識を持って今回の見直しになったのか、これについて説明をいただきたいと思います。
#132
○政府参考人(岡崎淳一君) 失業された方ができるだけ早く再就職していただくということにつきましては、本人のスキルの低下を防いだり、あるいは意欲の低下を防いだりという意味でも非常に重要だろうというふうに認識しております。そういう中で、失業給付、必要な方には生活安定のために給付するわけでありますが、給付との関わりの中で再就職への就職活動の意欲が低下しないようにというような趣旨も含めましてこの再就職手当制度があるわけでございます。
 全体、雇用保険の給付期間中に就職される方は五割程度でございますが、そのうち早期再就職をされてこの手当の支給対象になっている方が約二割ぐらいという状況でございまして、それなりに再就職を早くする効果はあるんだろうというふうに考えているところでございます。
 ただ、再就職といった場合に、それまでの賃金と同額、あるいはそれ以上の賃金を確保できればそれはそれにこしたことはないわけでございますが、現実の再就職の市場の中ではやはりやや賃金が下がらざるを得ないというような状況もあるわけでございます。
 今回の充実につきましては、やや賃金が下がるような職場に就職した場合、かつ早期に就職した場合につきまして、六か月間の定着状況を見た上で、そこにプラスアルファで充実して支援すると、こういうことでありまして、そういう賃金の低下を含めた状況の中で早期の再就職を促進すると、こういう狙いで今回制度化したということでございます。
#133
○長沢広明君 ここまで、様々な今回の改正案の中に盛り込まれている見直し、改正点、こういうところについて確認をさせていただいてきました。育児休業給付を六か月に限って引き上げる、あるいは中長期的なキャリア形成支援のための教育訓練給付金の拡充、教育訓練支援給付金の新設、再就職時の今説明のあった賃金低下に着眼した再就職手当の拡充と、それぞれ非常に工夫を凝らした新しい制度がこの中に盛り込まれているというふうに思います。
 この点、冒頭にも申し上げましたけれども、実際に運用された後に期待されたとおりの効果がどのぐらい上がっているのか、それをきちんと検証しながら進めていくことが極めて重要だというふうに思っております。法施行後、もしこの法律が成立をして、改正案が成立をして施行後の効果をどう検証する体制を取っているか、それを確認しておきたいと思います。
#134
○政府参考人(岡崎淳一君) 制度改正の効果をしっかりと評価するということにつきましては非常に重要だろうというふうに思っております。労働政策審議会におきましても、今回取りまとめるに際しまして、労使からそこはしっかりやるようにというような御指摘もいただいているところでございます。
 今先生から御指摘がありましたように、大きく分けると四つぐらいの今回の改正があるわけでございますが、育児休業給付につきましては、育児休業の取得状況の今後の変化、特に今回男性というところもありますので、それを含めて状況を見ていくということだというふうに思っておりますし、教育訓練給付につきましては、これを受けた方がどういう仕事にその後就いたか、あるいはその際にどういう処遇になったかというようなことも十分見ていく必要があるというふうに思っています。
 それから、再就職手当につきましては、これはその利用状況でありますとか、それによります再就職の状況、こういったものも見極めるという必要があると思いますし、暫定措置で行いますところの個別延長給付等につきましても、その対象者の状況でありますとか、あるいは雇い止めによります離職者の状況、そういったそれぞれごとにしっかりと評価できるような状況を把握して分析して、我々としても検証いたしますし、労働政策審議会の中でも検証していただくと、こういうことでやっていきたいというふうに考えております。
#135
○長沢広明君 冒頭申し上げましたとおり、この雇用保険法の最も大切な柱である労働者の生活と雇用の安定を図るという観点から、しっかりと検証をして常にいいものに見直していくということを改めて申し述べておきたいというふうに思います。
 それから、ちょっと離れまして、高齢者の就労支援について伺いたいと思っています。
 少子高齢化で労働力人口が減少する。そういう中では、若者、女性あるいは障害者の方も含めて皆さんが社会に参加し働くことができる社会、高齢者の就業促進というものはその中でも特に大事な観点だと思います。
 働く意欲と能力を有する高年齢者が働き続けることができる環境の整備ということをしっかり進めなければいけませんし、雇用保険制度において六十歳以降に雇用を継続した際に賃金が下がってしまった場合、その差額の一部が支給されるという高年齢雇用継続給付金、高年齢労働者に対しての措置は手当てはされているというふうに思っております。
 そこで、六十五歳までの雇用を確保するために措置をされた高年齢者雇用安定法、これについて、昨年四月より動いているわけでございますけれども、施行後の雇用状況、これはどのぐらい改善されているのか、現状を報告いただきたいと思います。
#136
○政府参考人(岡崎淳一君) 高齢者の雇用状況につきましては、毎年六月一日の状況を事業主から御報告をいただいております。法施行、昨年の四月でありますが、その後の六月一日現在の報告を受けているところでございます。
 これによりますと、法律どおりに高年齢者雇用確保措置を講じているという企業は九二・三%でございます。ただ、これは経過措置がありまして、年金支給開始年齢までのところを希望者全員にすればいいということになっている、それを守っているというところは九割以上ということであります。
 一方で、一挙に六十五歳まで希望者全員という企業も結構出てきておりまして、これにつきましては六六・五%、約三分の二の企業が法律の経過措置を利用することなく六十五歳まで希望者全員を雇用するということになっております。
 これは、一昨年の数字と比べますと一七・七ポイントの大幅な増加ということになっておりますので、法改正の効果もありまして、企業としては経過措置を利用することなく先取りして六十五歳まで継続して希望すれば働ける、そういう企業が相当増えたというふうに認識しているところでございます。
#137
○長沢広明君 非常にある意味では効果がちゃんと出ているということで評価をしておきたいというふうに思いますが、これから先また、生涯現役社会へ向けて高年齢者が生きがいを持って働けるということのためには、更にもっともっと工夫が必要だというふうに思います。
 最後に、大臣にちょっとお伺いをして、ちょっと早いんですが、終わろうと思っておりますが、厚生労働省の生涯現役社会の実現に向けた就労のあり方検討会、これは昨年六月に報告書が出ております。
 その報告書では、生涯現役社会の実現に向けた就労・社会参加の在り方についてということで幾つかの提言がされております。例えば、柏市の取組を事例として、産学官が連携した高齢者の就労に関する総合的な取組が有用であるなどと書かれておりますし、高齢者の就労・社会参加に向けた意識改革が必要だというようなことで提言がされています。
 その中に、プラットフォーム、コーディネーター設置の推進モデル事業という提言があります。これは、シルバー人材センター、社会福祉協議会、地域包括支援センター、NPOと、こういった各機関の連携を強化してプラットフォームを構築することで地域のニーズを発掘し、つくり出していく、つまり高年齢者の、働きたいという意欲ある高齢者等、そういう高齢者の人でもこういうところで仕事がありますよ、こういうところで更にその能力を発揮してもらいますよというところのマッチングをしていくプラットフォームをつくると、こういう提言がされています。
 生涯現役社会に向けた就労のあり方検討会で、この報告書で提言をされたプラットフォーム、コーディネーター設置の推進モデル事業、これについて実現に向けて検討を進める考えはあるかどうか、大臣の見解を伺って、終わりたいと思います。
#138
○国務大臣(田村憲久君) 年齢に関係なく、意欲と能力を生かして社会に貢献いただくということ、生涯現役社会というもの、これを我々目指しておるわけであります。
 就労という意味からいたしますと、ハローワーク等々に高齢者雇用相談窓口というのをつくっておりまして、ここで職業生活の再設計でありますとか、それから就労支援チームを組んでいろいろとお手伝いをさせていただいておりますし、また、一方でシニアワークプログラム事業、こういうものもございます。あと、言われたような助成金、さらには特定求職者雇用開発助成金というのもございます。
 いろいろなメニューあるんですが、今言われたあり方検討会の中でこのプラットフォーム、コーディネーター、こういう形の中で、いろんなニーズをすくい上げながら、一番適しているところはどこだというようなことをうまくコーディネートしていただく、こういうことは大変重要でございまして、今般、人づくり事業という基金事業をつくりました。この中でこのようなことを考えておられる自治体を支援をしてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、報告書でいただいた意見でございますので、こういうものが全国にうまく広がっていけば有り難いというふうに思っておりまして、やはり高齢者の方々、社会の支え手としてこれからも御活躍をいただきたいという思いの中で、我々厚生労働省としてもしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。
#139
○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
#140
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 今回は、育児休業給付などのほかに改正点が幾つかございます。
 私も三人の子供を産み育てながら仕事をしてまいりました。先ほど大沼委員の話を大変羨ましく伺っておりましたけれども、私はそれほどお手伝いいただいたような記憶もございません。
 私が第一子を出産した際には、育児休業制度は本当に間もなくというときでございました。恩恵にあずかれるわけもなく退職を余儀なくされた、そういう一人の女性でございます。二十四時間保育などはそのときにはほとんど存在しません。ですから、当直をしなければならないということで、まさに苦渋の選択をしました。子供は保育園に入れないですし、非常勤で勤務をしても誰も預かってくれない。こんな中で、一九九五年、今回の育児休業給付というものが生まれてまいりました。しかし、その現場におりました私には、聞こえてくる言葉は、出産で休ませてもらっているのにお給料までもらってという言葉、そして職場のお荷物になる、そんなことが現実にございました。
 ですから、今、本当に時代が変わりながら、女性も男性も子供を産み育て、仕事と家庭を両立する新たな価値観を見出せる、その希望を基に今日は質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、簡単で結構でございます、育児休業給付というものを今回増額する目的を明確にお知らせいただきたいと思います。
#141
○政府参考人(岡崎淳一君) 育児休業を取得されない理由、幾つかあるわけでありますが、やはり経済的な理由ということを挙げられる方も多いわけでございます。
 そういう中で、従来五〇%ということでありましたが、これを六七%に上げる。その際に、男性の方の育児休業の取得も促進するという目的から、それぞれ個人ごとで見て六か月ずつということにいたしましたので、最初にお母さんがお取りになってその後お父さんがお取りになれば、継続して六七%は給付が出ると、こういう考え方で今回御提案している次第でございます。
#142
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 男性の育休取得ということもございますが、実は、その育児休業給付というものは雇用継続給付に含まれているわけでございます。育児給付の増額というもので雇用継続につながるというお考えあるかとは思いますけれども、その根拠をお示しいただけますでしょうか。
#143
○政府参考人(岡崎淳一君) 出産、育児を契機にして一旦離職されますと、やはりその方のキャリアその他からして不利になるということがあります。そういう意味で、できるだけ出産、育児を経ても雇用を継続するということが非常に重要である、これは雇用保険の目的からしても適合するということで雇用保険の枠組みの中で給付制度を設けているわけでありますので、そういった意味におきまして、就業継続、雇用継続のための仕組みとして設けられているということだというふうに理解しております。
#144
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 雇用継続ということは本当に大事だということを、私、本当に身をもって体験をいたしました。専門職というものは、本当に三日、一週間その器具を触っていないとスキルが落ちてしまう。こんな中で、この給付が増額になったことによって新たな成果が生まれることを私も望んでおります。
 先ほどから大変話題になっております、私も先ほど取り上げました男性の育児休業の取得について伺わさせていただきたいと思います。
 民間の男性育休の取得率及び取得日数というものを教えていただけますでしょうか。
#145
○国務大臣(田村憲久君) 平成二十四年度の雇用均等基本調査によりますと、男性の育児休業取得、一・八九%であります。非常に低い数字であるわけでありますが、それでもトレンドとしては徐々に上がりつつあるという形であります。
 今言われた育児休業取得日数についてでありますが、五日未満が一番多くて四一・三%、五日から二週間未満が一九・四%、二週間から一か月未満が一四・八%、そして一か月から三か月未満が一七・九%、三か月以上が六・六%ということであります。
#146
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 今大臣お答えいただきましたように、民間でも一・八九でございます。実は、国家公務員の育休取得について、私、人事院、総務省の調べによるレポートを拝見させていただきました。その際に出てまいりました数字、国家公務員の女性は九六・五%、男性二・〇%。女性の取得率をこれ比較してみますと、公務員の方が一〇%近く高くなっております。しかし、残念ながら、男性に至っては一・八九、二・〇とほぼ変わらないという状況でございます。この数字についてどのように分析なさっているのか、教えていただけますでしょうか。
#147
○政府参考人(石井淳子君) 男性が育児休業を取得しない理由というのは、確かに二割程度経済的要因もございますが、やはり職場の雰囲気、これが一番多くて三割ぐらいに上っているところでございます。その他、ほかに育児をする方がいるということで、あえてその必要性感じなくて取らないという方もおられますし、職場が忙しいという理由で取れないと。かなり様々な要因が絡み合っておりまして、これは公務員、民間問わずだというふうに考えております。
#148
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 職場の雰囲気が国家公務員の皆様方が悪いのかどうかということはこちらに置いておきまして、民間と比較いたしましても比較的ポジションが安定をしていると思われる国家公務員の皆様方でさえも、男性は育休が取得できていないというこの現状がこれによって分かってくるんではないでしょうか。
 国家公務員の皆様方は、民間の皆様方と比較すると比較的勤務時間も短い、かつ、そういうお休みも取りやすいという状況だという調査結果もございます。公務員と民間の大きな差というのは、このような育児休業の取りやすさというふうに私も考えていたところでございました。公務員的な働き方というのは、仕事と家庭生活、両立を図りやすいという側面も分析をされております。このことを総合して考えると、女性の取得率が民間よりも高い、しかし男性が同程度ということについては、なかなか、この取得率を上げるためにじゃ給付額を上げたらそれで全てが解決するのか、そういうわけではないんではないかという疑問も生まれてまいります。
 次の質問に移らせていただきたいんですけど、実は長沢委員の質問と少し似通っております。二〇二〇年に目標としていらっしゃる数値、男性の育休取得率一三%というもの、先ほどの答弁から明確にまた私、確認をさせていただきました。しかし、先ほど大臣から御答弁いただきましたように、一日取っても育休なんです。三か月取っても育休なんです。ですから、給付額を増額することによって本当に育休と言われるような、本当に女性が子供を産み育てる中で男性がお手伝いいただけるような時間を確保できる、その日数というものは変わってくるのかどうか、済みません、お知らせいただきたいと思います。
#149
○政府参考人(岡崎淳一君) 男性の場合で経済上の理由等がある方につきまして、それにつきましてはやはり給付率を上げるということによって一定の効果があるだろうというふうに思っています。
 ただ、これまでも各先生から御指摘のように、男性が育児休業を取らない理由というのは必ずしも、経済的理由を挙げる方もおられますが、それ以外の方々も相当多いと。そういう中で、経済的なところで日数が短くなっている方については長くなるというふうに考えておりますが、それ以外の理由のところも併せて対応していかないとなかなか増えていかないというふうには認識しているということでございます。
#150
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 先ほど石井局長からもお話がございましたように、やはり男性が育児休業を取得するというものには三つの壁があると言われております。一つが経済ロス、一つがキャリアロス、一つが心の壁です。ですから、その三つの壁が全て取り除かれないことにはやはり高い取得率というものは望めないではないんでしょうか。
 ですから、今回、金銭面というものは改善ができたとしても、その次にあるものを一個一個を取り除いていく、それがこれからの作業になってくると私は考えております。男性社員というものが実際に長期で女性のように約一年近く休むことができる、これが果たしていいことなのかどうなのかということも大きな疑問が残っていくところでございます。
 ですから、原点に戻りましてもう一度お尋ねをしたいんですけれども、男性が育児休業を取得するということが本当に社会から求められていることなのかということ、教えていただけますでしょうか。
#151
○政府参考人(石井淳子君) まず、男性自身が育児休業を取得したいと考えている方は全体の三割を超えているわけでございます。この育児休業というのは、一定期間、男性が仕事から全く切り離された形で家事、育児に専念をする育児参加の象徴のような意味合いを持っているんだろうと思っております。そういうことを希望している方が三割。ただ、どうも中身聞いてみますと、非常に長い期間取りたいという、必ずしもそう思っているわけでない方が含まれているのもどうも一面の事実のようでございます。
 先ほど来議論もありましたように、男性の育児休業、男性が育児参加することによって女性の継続就業、そして出産意欲、これは配偶者でございますが、に資することが検証といいますかデータから出ているわけでございまして、そういう意味では、今我が国が抱えている大変大きな課題であります少子化対策に資するという意味で、まさに社会が望んでいることではないかと私は思っております。
 また、加えまして、男性の育児休業取得ということは実は職場の改革にもつながるものでございまして、職場における業務配分の見直しをするだとか、業務や情報の共有化を進める、そして仕事の進め方自体を見直す大きなきっかけになるということが実際に男性が育児休業を多く取っている職場の人事担当の方からの声として上がってきているところでございます。
 これは、すなわち、我が国のもう一つの課題でありますワーク・ライフ・バランスの実現といいましょうか、その働き方の改革というところにつながってくるものでございまして、その意味でやはり社会から求められている施策だというふうに考えております。
#152
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。私もそのように考えておりますけれども、またこれは後ほど触らせていただきたいと思います。
 次の設問でございますけれども、大沼委員の方も御質問いただきました。本当に本気でこの国が男性の取得率を上げたいと思うのであれば、やはり税制優遇のようなものというものが必要になってくるかと思います。先ほど御回答いただきましたように次世代法という中でも更に議論が進んでいくものと思われますので、そのときに私、質問させていただきたいと思います。
 では次に、女性の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 全国の労働局に、妊娠、出産に関わる相談及び妊娠、出産を理由にした嫌がらせ、いわゆるマタニティーハラスメントの相談が年に何件寄せられているのか、また、マタニティーハラスメントに対する厚労省の見解というものを教えていただけますでしょうか。
#153
○副大臣(土屋品子君) 雇用均等室に寄せられた妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いに関する相談件数は、現在三千件台で推移をしております。
 男女雇用機会均等法や育児・介護休業法に違反する事業主に対しては、現在、都道府県労働局雇用均等室において、法違反事案に対しては是正されるまで繰り返し指導するなど、厳正な是正指導を行っているところでございます。また、妊娠、出産、育休取得等を理由とする不利益取扱いの禁止については、母子手帳の任意様式に法の内容及び問合せ先は雇用均等室である旨を記載して周知をするとともに、先般の都道府県労働局長会議においても法律の内容の周知や相談しやすい雰囲気づくりの徹底を指示したところであります。
 委員がおっしゃっているのは、職場の中でも目に見えない部分でのお話だと私は今伺って感じました。そういう部分においては、やはり日本全体の、やっぱり妊娠というのをもう少しみんなで理解する環境づくりとか、学校の教育の中で子育ての、何というんですかね、やっぱり生まれてくる命とかそういう大切さとか、そういうものから教育をすることも大切なのかなということを私自身強く感じましたが、いずれにしても、やはり職場で不利益にならないようにこの広報を周知していくことが大切だと思っています。本人がどこに行って相談したらいいか分からないというのが一番精神的に参ってしまうことだと思いますので、そういうところを周知徹底していきたいと考えております。
#154
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 土屋副大臣にお答えいただきましたように、この三千件という件数、もう氷山の一角だと思います。自主退職を勧める行為というものが違法というところまで言えないというような見解もございます。ですから、産休を取得する前に退職に追い込まれるケースというものが実際は後を絶たないということは、私も目で見て本当に体感をいたしております。
 中には本当に残業、休日出勤が当然のような職場では働き続け得ないと泣く泣く退職するような現状もございます。また、連合の調査というものの中には、現職であるときに妊娠経験がある女性の二六%という高い数値の皆様方がマタハラを経験したというふうになっております。セクハラが一七%に比べてこれはかなり高い数字なんですね。しっかりとこれからも私どもがそういう現実というものと向かい合っていくべきだろうということを今日は共有できたことを本当にうれしく思います。
 また、そのような環境下で更に深刻であるのが非正規雇用の皆様方の就労継続だと言われております。非正規の女性の育休の取得率というものがどのくらいでしょうか。それと、また、その妊娠、出産を機会に退職をした非正規の労働者の皆様方の割合、教えていただけますでしょうか。
#155
○政府参考人(石井淳子君) 平成二十四年度の雇用均等基本調査によりますと、育児休業取得率は女性全体で八三・六%であるのに対しまして、いわゆる非正規雇用であります期間雇用者の育児休業取得率は七一・四%となっております。
 また、二〇〇五年から二〇〇九年までの第一子出産前後の妻の継続就業率は、正規職員が五二・九%であるのに対して、パート、派遣労働者については一八・〇%となっているところでございます。
#156
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 私も資料一にこの表を載せておりますけれども、マタハラや非正規の育休問題というものがかなり顕在化してきているのではないのでしょうか。第一子出産後就労を継続していらっしゃる方が三八%という数字でございます。また、国立社会保障・人口問題研究所の調べでは、非正規労働者で一人目の子の出産後に育休を取って仕事を続けている割合というのは四%にすぎないという結果もございます。
 非正規社員という働き方が男性に養われる女性が家事や育児の片手間にお小遣い稼ぎに従事する働き方というやはり固定観念を捨てていかなければ、まだまだこの長期間休めないという現状に変わりはないというふうに私は考えております。
 このような状況から、就労を継続させるのであれば、育児休暇を取得する以外にも効果的な施策があるのではないかと模索すべきではないのでしょうか。就労支援を望む、就労継続を望むような女性のニーズをどのように把握していらっしゃるのか、現状を教えていただけますでしょうか。
#157
○政府参考人(石井淳子君) 妊娠、出産を機に退職した女性の理由を見ますと、家事、育児に専念するために自発的に辞めたという方も四割ございますけれども、その一方で、仕事を続けたかったが仕事と育児の両立の難しさで辞めたということも二六・一%、約四人に一人はそういう事由になっているわけでございます。
 さらに、突っ込んでその具体的な理由を聞いてみますと、まずは勤務時間が合いそうもないというのが正規の方で六五・四%、非正規の方で四八・六%、そして、職場に両立を支援する雰囲気がなかった、これは正規の方が四九・五%、非正規が三八・五%、そして、自分の体力がもたなそうだった、これが正規が四五・七%、非正規は四〇・四%、育児休業を取れそうもなかったが、正規の方が二五%ございまして、非正規が三五・八%等々、若干正規、非正規と違いはございますが、事由として上がっていますものはかなり共通して見られるのではないかと思っております。
 そして、女性にとって子供を持ちながら働き続けるために必要なこととして、一つは子育てしながらでも働き続けられる制度や職場環境、そして勤務時間が柔軟であること、残業が余り多くないことなどが多く上がっているところでございます。
 このため、子供の看護休暇制度とか短時間勤務制度、フレックスタイムなど、仕事と育児の両立を支援する制度を盛り込んだこの育児・介護休業法を周知徹底を図っていくということと併せまして、やはり具体的な、現場でそれが真実に生きてくるための好事例の普及、あるいは助成金制度や表彰制度の実施などに取り組んでいるところでございます。
 さらに、現在国会に提出をさせていただいております次世代育成支援対策推進法の延長、強化や中小企業向けの支援策の新設を行うことによって、より一層仕事と子育てが両立しやすい職場環境の整備に努めていきたいというふうに考えております。
#158
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 先ほど、男性の育児休暇取得には経済ロス、キャリアロス、心の壁という三つの壁があると申し上げましたけれども、女性は三重苦を背負うことになってしまいます。仕事、育児、家事、この三つの負担というものが子供を持った途端に大きくのしかかってまいります。本日は時間の関係もございまして育児支援、家事支援については詳しく取り上げることはできませんけれども、次回以降また議論をさせていただきたいと思います。
 また、先日、三月四日、予算委員会の私の質問に対しまして、田村大臣より、育休も分割して取れるようにした方がいい、今の制度の中でもいろいろ弾力化を含めて対応したいと御回答いただいたところでございます。育児休暇にもどのようなバリエーションを持たせるべきなのか、検討状況をお知らせいただけますでしょうか。
#159
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど委員、国家公務員の男性の育休の取得率は余り変わらないというお話でありましたが、厚生労働省は一一%を超えております。やはりそういうようなつもりで体制を組んでいくということが重要なんだなと。いろんな、厚生労働省の中で、厚生労働省も、ちっちゃいところもあれば大きい職場もあるわけでありまして、それぞれにおいてどういうような対応をしているかというようなことも、事例等々はホームページも含めて示していたりなんかしておるわけでありまして、やはりそういうところが重要なんだなというふうに認識いたしております。
 今、先般の予算委員会のお話がございました。今の制度の中においてもという意味からいたしますと、男性も女性も育休を取るという意味では、パパ・ママ育休プラスという形で一年二か月ということもありますけれども、出産後八週間以内に男性育休取りますと分割でもう一回取れるわけでありまして、そういうものを広めていくということも一つだと思います。
 いずれにいたしましても、ちょうど五年の見直しが近づいてきております。その中においても、今の分割の部分を含めていろんな御議論をいただけるものだというふうに思います。
 重ねてではありますけれども、男性も女性も育休が取りやすい、そんな環境、そしてあわせて、それだけではなくて、短時間勤務を含めて本当に子育てしやすい、そんな職場環境というものもつくっていくことを含めて、厚生労働省、これからもしっかりと頑張ってまいりたいと考えております。
#160
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。本当に、その検討状況というものを今後とも確認をさせていただきながら、より良い制度と、協力をさせていただきたいと思っております。
 また資料一に戻っていただきたいんですけれども、この資料一におきまして、実はこの育児休業制度というもの、正規雇用の中で高収入の世帯だけがメリットを受けるんではないかという批判もあることは確かでございます。五百人以上の大企業では取得率が九〇・六%、しかし五人から二十九人の企業では七三・四%、この現状をどのように受け止めていらっしゃるのか、済みません、御答弁いただけますでしょうか。
#161
○政府参考人(石井淳子君) 先ほど来、非正規の問題出ておりましたが、もう一つの課題が中小企業の問題だというふうに私も受け止めているところでございます。
 中小企業に対して、やはりこれは体制を見ながらきちっと取得ができるような形に仕向けていかなきゃいけないということで、特に中小企業の場合は代替要員に苦慮する場合もあるわけでございます。したがいまして、両立支援助成金に代替要員確保コースを設けて、仕事と家庭の両立に取り組む事業主の支援を行ったり、あるいは中小企業において育児休業取得者が出た場合の体制確保も含んだ好事例の提供を行っていく。いろいろ工夫している中で実際に取っているところもあるわけでございますから、それを広めていくということ。さらには、職場体制整備も含めたモデルプランを作成をして中小企業を支援する新規事業、これは平成二十六年度の予算に盛り込んでいるところでございまして、これらも活用していきたい。さらには、キャリア形成促進助成金に育児休業中あるいは復職後の能力アップのための訓練に対して、中小企業に対してより手厚い助成を行う育休中・復職後等能力アップコースを創設して、これは実際に喜んで送り出してもらって、また喜んで帰ってきて存分にまた活躍してもらう、そういうふうなことに取り組んでいきたいというふうに考えております。
#162
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 育児休業の制度というものはございます。しかし、使える環境がなければ、もうこれは全く意味がないものとなってしまいます。
 これは、私、予算委員会でも取り上げましたけれども、育児休業取得率というものは八四%、しかし、それは働き続けた女性の取得率であって、それ以前の問題、六〇%の女性が辞めているというこの現実にしっかり私どもが今目を向けるべきではないでしょうか。
 もう時間もございませんので、最後、質問を一問飛ばさせていただきます。
 田村大臣から御答弁いただきました短時間勤務についてでございました。御検討いただいているということで本当に安心もいたしましたし、これからの世の中というものは、女性の活用というものはその女性のためだけではないということを共有していかなければならないと考えております。今後、日本社会を生き延びさせるためにも必要不可欠な要素であるということを、これはみんなでまずは考え直すべきではないでしょうか。
 しかし、先ほど来聞いておりましたら、大変気になる言葉がございました。女性の活用というものが生産年齢人口が減少するのを埋める、少子化のためにそれを行っていけば少子化ではなくなるんだよと。でも、それは単なる副産物でしかないと思うんですね。
 ですから、女性が社会に、そして私どものように政治に、企業に参画していくことによって、企業は業績がアップするんだ、女性自身が働き続けることによって更にこの国というものも財政豊かになるという視点、また、女性目線で私ども政策にも、そして政治にも関わることによってより豊かな、そしてきめ細やかな政策が実現できるということ、社会には更に和みですとか余裕が生まれてくるような、そんな成果を男女で共有していこう、そういう目線がまず第一になければその次につながっていくような副産物は到底手にすることができないということを私はここで申し上げさせていただきまして、最後の質問とさせていただきました。本当にありがとうございました。
 これからも、私ども女性、たくさんこの厚労委員会におりますので、共にいい世界をつくっていける、日本をつくっていけるように御協力いただければと思っております。
 ありがとうございました。
#163
○山口和之君 みんなの党の山口和之と申します。子育てをしてこなかった一人として非常に反省しております。
 先ほど大臣と津田委員との議論の中で、職能、職業能力評価制度、検討していきますという話がありました。介護も含まれると思いますけれども、様々な達人がつくられてくることは日本の底力として非常にいいことだと思いますので、是非進めていただきたいと思います。
 さて、少子高齢化が大問題なんですけれども、従来の環境とは大きく変わってきて、日本は大きなパラダイム、価値の大転換期を迎えています。少子の問題ですと、格差、非正規、それによる独身化、晩婚化、そういう問題が大きいんですけれども、今日は子育てのところで話させていただきたいと思います。
 先ほど来、大沼委員のところでも取り上げられております、資料一を見ていただけると、自分の資料ですけれども、資料一を見ていただけると、先ほど大沼委員のところでも出ましたけれども、真ん中には、夫の家事・育児時間が長いほど第二子以降の出生割合が高いということで、関われば関わるほど第二子が生まれやすい。また、右側の図を見ていただきますと、一の右側を見ていただきますと、夫の家事・育児時間が長いほど第一子出産前後の妻の継続就業割合が高いと言われています。
 これを前提としまして質問をさせていただきます。
 イクメン企業アワード大賞というものがありますけれども、どういう趣旨で設けたのか、またどのような効果があったのか、田村大臣にお伺いしたいと思います。
#164
○国務大臣(田村憲久君) これ一回目をやらせていただいたわけでありますが、今ほど来も石井局長からも話ありましたけれども、男性も聞くとやっぱり三割ぐらい育休取りたいというような声があるわけであります。しかし、日本は二十四年の調査では一・八九ということでありまして、もうこれ世界で見ても、先進国の中でももう断トツ低いような数字が出てきておるわけでございまして、今委員がおっしゃられたように、男性の育児時間の多いのと比例して、やはり一子目から二子目、また女性の継続就業、こういうようなこともあるわけでありまして、やはり男性が育児にもっともっと参加をしてもらいたい、こういう意味で、男性の育児参加、育児休業でありますとか短時間勤務も含めていろんなものを表彰していこうということで、これイクメンプロジェクトの一環でありまして、イクメンアワードというもので表彰をしようということで、第一回目を開催をさせていただきました。
 まだ一回目でございますので、効果と言われてもなかなか難しいところがあるんですが、ただ、好事例等々を含めて、それを周知をさせていただいてうまく参考にしていただければいいなという思いと、やはりそういうようなところに光を当てることによって社会的なそういう雰囲気をつくってまいりたいと、そういう思いの中で実施をさせていただきました。ワーク・ライフ・バランス含めてしっかりと実現できるような、そんな環境をつくるために、これからもこのイクメンプロジェクトをしっかりと推進してまいりたいと、このように考えております。
#165
○山口和之君 ありがとうございます。価値観を変える、日本のこれから大きく変わっていくところの価値観を評価していくという意味で、このイクメン企業アワードというのは非常に画期的というか面白いというふうに自分は思います。
 福島県のリハビリテーションと老健の合築された病院なんですけれども、そこでは花王とともに二〇一三年のイクメン企業アワード大賞というのを取られております。これはそこの職場なんですけれども、二十二年から二十五年まで平均で男性の育児休暇の取得率は六四%取っております。これ、男性の育児休暇を取ることがいいということだけではなくて、こういうところに取り組むところというのはどういうふうになっているかというと、有給休暇も取りやすくなってきている、それから残業も少なくしていこうという、企業体がそちらの方にシフトをしていくわけです。かといって、じゃ、職場が能力が低いかというと、そういうわけではなくて、在宅復帰率も福島県内ではトップクラスになっておりますので、そういった意味では帰属意識、会社に対する気持ちということが、自分たちがもう猛烈社員の中でとにかく仕事をいっぱいしてきた時代とちょっと違った雰囲気が随分出てきているように思います。
 ちなみに、アンケート調査ですけれども、ここの病院、施設のアンケートですが、私は職場の人間関係に満足をしているというところが七四%、私の部署は公休、有給休暇が取りやすい環境である、八四%、私の部署は仕事と家庭を両立できる環境である、八〇%。ここは離職率が、介護、福祉の全国平均が一三・九%、これは平成二十四年度の雇用動向調査なんですけれども、ここは四・二%というふうになっております。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
 そういった意味でも価値観が大きく変わってきて、変化しています。いわゆる減点法のマイナス社会からプラス社会へ、いい方に捉えていく、いいことをしていくという、先ほど来出てきますけれども、空気であったり機運であったり、成熟した社会には必要なところなんではないかなと思います。
 さて、とはいえ、先ほど来、長沢委員や薬師寺委員からも出ていますけれども、男性の育児休暇取得率、これは進めてほしいと思いますが、二〇二〇年に男性取得率一三%を目標としていますが、全国で一・八九%、なかなか進まない。どういう原因か、先ほど来出ておりますけれども、改めてお聞きいたします。
#166
○政府参考人(石井淳子君) 平成二十四年度の男性の育休取得率は一・八九%、非常に低い水準にとどまっているわけでございますが、このアンケート結果によりますと、男性が育児休業を取得しなかった理由としてまず一番多かったのが、職場が制度を利用しにくい雰囲気だった、これが三〇・三%でございます。これに、業務が繁忙だった、二九・七%、三番目が、配偶者など自分以外に育児をする人がいた、二九・四%、そして四番目が、職場や同僚に迷惑を掛けると思った、二五・一%、そして五番目が、収入が減り、経済的に苦しくなると思った、二二・〇%。言わば、経済的な要因のほか、職場環境の整備に課題があるというのがこの調査結果からうかがわれるものでございます。
#167
○山口和之君 いろいろ原因が出てくるのですけれども、資料の一をもう一度見ていただきますと、資料の一の左側に原因が載っているわけですが、今回の法改正は、取りにくい理由のうち、収入が減って苦しくなることに大分改善されますけれども、それ以外の原因への対応策はどういうふうに考えられておるか、お答え願えればと思うんです。先ほど来何度も出ているんですけれども、もう一度お願いします。
#168
○政府参考人(石井淳子君) 先ほど来お答え申し上げました続きとしまして、経済的要因以外の問題について対応するということで、職場の理解が得にくいことなどに対する対応策でございますが、まず一つは、育児・介護休業法二十一年改正の内容についての周知徹底でございます。
 父母共に育児休業を取得する場合の育児休業可能期間が延長されているわけでございます。パパ・ママ育休プラス、このボーナスがあるということについてしっかり周知を図っていくということ、あるいは配偶者が専業主婦であっても育児休業の取得は可能という形にしっかり改正をしておりますし、あるいは出産後八週間以内に育児休業を取得した場合に再度育児休業は取得できるという、こういう柔軟性を加味させた、そういう制度改正を行っておりますので、これについて、実は調査を見ますと二割程度しか、特に男性の正社員の場合、この制度の中身を知っていないというのがこの制度改正後一年後の結果でございました。まだまだこの周知について力を入れる必要があるというふうに思っております。
 それから、もう一つでございますが、この後は職場環境全体の雰囲気づくりでございますが、先ほど来大臣から御答弁いただきましたイクメン企業アワード、こういうふうな形で社会全体の機運の醸成を図っていくということ、さらには具体的な職場の事務管理の方のレベルに下りていった好事例の普及とか、あるいは助成金制度、表彰制度などによる言ってしまうとインセンティブですね、こういう企業の両立支援の取組を後押しするという施策などを併せて実施をしているところでございます。
 さらには、育児休業を取得しにくい職場の雰囲気の是正にも資する次世代育成支援対策推進法の改正法案を現在国会に提出させていただいているところでございまして、これらの施策に取り組むことで育児休業を取得したい男性が取りやすい職場環境を整備していく必要があると思っております。
 とりわけ、男女共に職場環境、取りにくい雰囲気というのがよく挙がってくるわけでございますが、片や、女性はさはさりながら八割、九割というふうな数字になっているのに対して、男性がはるかギャップがあるような状況でございまして、これは、時々最近出ておりますが、女性が育休取ることについては寛容であっても、男性が取るとかなり厳しくぎりぎりと詰め寄るというふうな職場もあるようでございますから、そういうところもしっかり見ていく必要があるのではないかなと思っております。
#169
○山口和之君 第十五回イクメンの星ということに選ばれた今田さんという方が体験談として載せているんですけれども、職場では、何よりも仕事を優先しなければいけない空気、残業をしなければいけない空気、休みを取ってはいけない空気があり、皆がその空気を読んで仕事をしていた。まあ忙しいというのもあるんですけれども、休みが取りづらいというのは一つ大きなところがあります。これは取られてからなんですけれども、仕事も大事、家庭も大事、自分の時間も大事、空気は読むものではなく、つくり出すものだとおっしゃっていましたので、これは……(発言する者あり)ええ、できるんじゃないかなと思います。できないことはないだろうと思います。
 そうはいっても、資料の二を見ていただいて、先ほど大臣からも話がありましたけれども、手本となるべき霞が関が平均で約四%、厚生労働省でも一一%、自慢されておりましたが、モデルとしては厳しい数字ではないでしょうか。どう受け止めるのか、また今後の目標と取組を教えていただきたいと思います。
#170
○国務大臣(田村憲久君) 男性の育児休業もそうなんですけれども、全体として労働時間長いというのが日本の国で、私も働き出した頃を思い出しますと、建設会社だったんですが、現場事務で出ました。夜遅くまで技術者の方々は残られて図面描いたりいろんなことをやられるんですね。私は、もう現場事務ですから仕事を終えれば帰りゃいいんですが、帰れないんですよね。所長が帰るまで帰れないというので、無理に仕事をつくるんですよ。無理に仕事をつくるってどういうことかというと、今日は多分十時ぐらいまでだなと思うと、本当、ちゃちゃっとやれば五時に終わるものを十時まで仕事を残すんですよね、じゃないとやることないですから。もう本当に非常に非効率的な働き方だなと、今から思うとそんなことを思い出すわけでありまして、そういう意識をやっぱり変えないと駄目なんだろうなというふうに思います。
 そこで、厚生労働省も、実は特定事業主行動計画、これは職場の子育て応援プログラム、厚生労働省の中において作っておりまして、平成二十二年から二十六年度までの間に一〇%育児休業、男性を伸ばそうという話だったんですが、先ほども言いましたとおり、もう二十四年度に一一・三%実現しましたので、私、大臣就任したときに、じゃもう二十六年度までこれ一三%までまず行こうよと。これは二〇二〇年の政府の目標なんですね、二〇二〇年の。これをもう前倒しして二十六年までにやっちゃおうと。その上で、平成三十一年度末までに三〇%まで、これを更に大きく、野心的でありますけれども、目標を引き上げようということを掲げまして、今それをやっておる最中であります。
 育児、子育てのメールマガジンを職員宛てに発行したりでありますとか、あと育児支援制度等、男性の育児休業取得事例集、こういうものも含めていろいろと周知をやっておるわけでありまして、先ほども申し上げましたが、厚生労働省の中で大きい職場もあればちっちゃい職場もあるんですね。ちっちゃい職場は取りにくいなんという話もありますが、それでも取っているところの事例を、それをアップして、ほかの職場、もちろん厚生労働省だけじゃなくて、ほかの民間企業も是非とも参考になれば参考にしていただきたいんですが、こういうやり方をすれば取っていただけますよというものをある程度詳しく載せさせていただくということもさせていただいております。
 いずれにいたしましても、模範とならなきゃいけない役所だと思います。しかし、霞が関の中で、多分、これは私の主観でありますが、人数と比べて仕事量は他の省と比べてもかなり多いんであろうというふうに思います。その中においてもしっかりと育児休業も取っていただきたいという私の思いも兼ねてでありますけれども、これからも育児休業取得、更に推進をしてまいりたい、このように考えております。
#171
○山口和之君 ありがとうございます。
 やはり、先ほど一番最初にもお話しさせていただきましたけれども、価値観を変えていく、マイナスからプラスへ変えていく。例えば、子供を育てることによって子供に対する考え方が変わってくる、あるいは育てることによって自分の人生観も変わっていく、いろんな意味でプラスになってくる可能性があると思いますので、是非取り組んでいただきたいなと思います。
 一方で、育児で昇格できずということで、違法ということで、京都地裁が一三年の九月に出しておりますけれども、それを読まさせていただきますと、三か月の育児休業を理由に一年間昇給させず昇格の機会も与えられなかったのは育児・介護休業法に反するとして、京都市の元看護師さんですけれども、医療法人を相手取って未払の昇給分や慰謝料など五十八万円を求めましたと。ですが、出た結果は、裁判長としては、育休を取った年度を算入しない法的根拠はないと判断した上で、昇格試験に合格する可能性は高かったとして慰謝料の支払を命じた、一方で昇給については三か月間の休業で一律に昇給を否定する合理性については疑問が残るというふうに、違法までは言えないというふうにうたっています。
 ノーワーク・ノーペイの原則も理解できるんですけれども、昇給昇格に影響されるとなると、イクメンの推進は難しくなるんですね。まだ、いまだに公務員の給与に準ずるとか、公務員の給与、例えば昇給していきます、あるいは昇格していきますという方法が、同じような手法を取られている企業はたくさんあるんですね、まだまだ。そういったときに、働いていないことのブランクが昇給の方に、昇格は大分クリアされてきているようなんですが、昇給の方に影響するとなると、積極的にこれを取ろうとするかといったときに、その昇給しない年数がずっと影響を及ぼしていくようなこともあるんですね。それに対してどう考えられるか、どなたかお答え願います。
#172
○政府参考人(石井淳子君) 育児休業復帰後の昇進昇格、それから昇給のお尋ねでございますが、休業によって労務を提供しなかった期間を超えて働かなかったものとして取り扱うことは、これは法律が不利益取扱いとして禁止をしているところでございますが、休業によって労務を提供しなかった期間を働かなかったものとして取り扱うことは不利益な取扱いに該当しない、現在そういう解釈で運用しております。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
 しかしながら、実際問題、これは男女共だと思いますけれども、育児休業を取得しやすい職場環境を実現していく、そのためにやはり積極的な措置を講じてもらう、これを我々は大いに応援したいと思っておりまして、実は、ポジティブアクションというのを女性の施策でやっております。その中で、出産、育児等による休業がハンディとならないように、人事管理制度、能力評価制度を導入するという取組をしている企業が、ポジティブアクション、三二・五%の企業が実施しておりますが、そのうちの四三%導入してくださっているところでございます。
 こういう様々な工夫事例というのがあるわけでございまして、瞬間は育児休業を取ったことによって若干遅れがあったとしても、これがちゃんと取り戻せるというふうな仕掛けというんでしょうか、人事処遇上の差を取り戻すことができるような制度を運用していくような企業の好事例を周知をして、事業主の取組を促していくことが大変大切だというふうに考えております。
#173
○山口和之君 子供は国の宝という考え方に基づいて、子供を産むことによって昇給しないということはないように是非していただきたく、公務員の場合、聞くところによると、それはもう是正されて、昇給しないあるいは昇格しないということはないというふうにお聞きしておりますので、何とかいろんな手法を使って広げていって、意識改革を広げていただきたいなと思います。
 次に、シングルマザーについてお聞きしたいんですけれども、今回、女性が育児休暇を取ったときに、男性も取れるんだということで、六か月、六か月、六七%になるわけですけれども、シングルマザーの場合は半年で終わってしまうわけですね。だから、確かに、育児休業、男性のを広げるということもあるんですけれども、そういったシングルマザーに総合的な支援ということをちょっと考えられないかと思いまして、質問させていただきます。どなたか。
#174
○政府参考人(石井淳子君) 育児休業給付の代わりそのものということではございませんが、やはり母子家庭が子育てと生計の維持を一人で担っているという不利を抱えているわけでございまして、一人親が就業して、仕事と子育てを両立しながら経済的に自立できるよう支援を推進していくことが大変重要だと思っております。このため、保育所の優先入所とかヘルパー派遣などの子育て・生活支援とか、あるいは資格、技能の取得支援などの就業支援、養育費の取決めに関する相談等による養育費の確保、さらには、児童扶養手当の支給や母子寡婦福祉資金の貸付けなどによる経済的な支援といった総合的な自立支援を行っているところでございます。
 さらには、二十六年度予算におきましては、母子自立支援に加えまして、新たに就業支援専門員を配置をして、総合的な相談窓口の整備を図って、母子家庭に対する適切な支援メニューの組合せ、あるいは各種の支援施策についての周知のための広報啓発を盛り込むような、そういう事業を盛り込んでおります。
 さらに、現在提出しております母子寡婦福祉法等の改正法案におきましては、高等職業訓練促進給付金等を法定化いたしまして非課税化するなど就業支援の強化、さらには、保育所の入所に加えまして、放課後児童健全育成事業等の利用に関しても配慮規定を設ける、追加するということに加えまして、やはりお子様が大切でございます。子供への相談、学習支援、親同士の情報交換等に係る予算事業を生活向上事業として法定化するなど、子育て・生活支援の強化などを行うことといたしております。
 これらを通じまして、母子家庭の支援に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#175
○山口和之君 田村大臣には、是非、シングルマザーについてどういった配慮がもっと必要かということを検討していただきたい。ちょっと話はそれますけれども、シングルマザーでも未婚の母の場合は寡婦控除の中でちょっと差別、区別があるので、それも含めてちょっと検討していただければと思います。
 さて、今回設けられる新しい教育給付の対象講座に社会人向けの大学院、MBAまでも対象となる議論があるようなんですけれども、必要でしょうか、質問いたします。
#176
○政府参考人(杉浦信平君) 今回拡充されます中長期的なキャリア形成支援措置の対象となる教育訓練について、昨年の夏から暮れにかけましてその基本的な考え方について労働政策審議会で議論をしていただきました。その中で、社会人大学院について、例えば企業内における安定的キャリアを得るための自発的かつ自費で受講する者が多いのではないかという御意見とか、あるいはMBAについては、中堅以上の正社員でこういった大学院講座を受講する人たちというのは雇用保険制度にはなじまないのではないかというような意見もあったことは事実でございます。
 ただ、いずれにしましても、今回法律を成立させていただいた後にこの対象とする訓練の指定基準を労働政策審議会の方で検討していただくことになっておりますが、社会人大学院と申しましても、MBA以外にもいろんな種類のコースがあるわけでございます。そういった中で、先ほど来申しておりますような就職可能性が高い仕事について必要とされる能力、あるいはその効果がキャリアにおいて長く生かせる能力といったような趣旨から、しっかり公労使の御意見を踏まえつつ、その適否について検討をしていただきたいというふうに考えております。
#177
○山口和之君 時間がないので質問はしませんけれども、生活支援給付金、四十五歳以下ということについて、これから介護は百万人必要だと言われています。そういうことから鑑みていくと、四十五歳以下で切るのはどうかなというのもあります。
 それからもう一つ、ちょっと話がそれますけれども、不妊治療で、有給休暇を一生懸命消化されて不妊治療をされるんですけれども、先ほどの、子供は国の宝だというふうに考えますと、田村大臣には是非とも検討していただきたいなと思います。
 質問を終わります。どうもありがとうございました。
#178
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今回の法案は、育児、介護の休業補償を休業前賃金の六七%に引き上げ、一定の改善であると評価できると思います。
 現状を見ますと、一方で産休すら取れないという実態があります。妊娠、産休取るなら解雇、雇い止めということが横行しているわけですね。
 厚労省の育児休業制度の調査研究事業を見ますと、妊娠、出産の離職理由に解雇、退職勧奨というのが一四%もあります。これは内閣委員会で我が党の議員が森まさこ少子化担当大臣にただしたところ、森大臣はこれを違法と明言をし、雇用均等室で厳正な是正指導を行っていると述べました。
 そこで聞きますが、妊娠、出産時の解雇、退職勧奨に関する雇用均等室への相談件数と、是正指導及び事業所名の公表はどれだけ行われていますか。
#179
○政府参考人(石井淳子君) 平成二十四年度について申し上げますと、平成二十四年度における男女雇用機会均等法第九条関係、すなわち、この条文は婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い関係でございますが、その相談件数は三千百八十六件でございます。相談件数の内訳は、女性労働者が千八百十九件、事業主が七百九十七件等となっております。
 また、その男女雇用機会均等法第二十九条に基づきまして報告徴収を行った事業所のうち、男女雇用機会均等法違反が確認された事業所に対して是正指導を行っているところでございますが、このうち第九条関係の是正指導件数は十九件となっております。
 企業名の公表というのが実は規定としてございまして、二十四年度は零件でありましたけれども、男女雇用機会均等法二十九条において、是正指導に基づいた是正が行われず、勧告を実施してもなお是正が行われない企業に対して実施するものでございます。第九条関係で是正指導を行った十九件については、是正がされているか、あるいは現在、是正指導継続中ということでございます。
 なお、過去の事例見ましても勧告の段階で是正されておりまして、これまでのところは公表制度があることが是正指導につながっているところでございます。
#180
○小池晃君 大臣、二千件近い相談に対して是正指導は十九件ですよ。今いろいろと言われたけれども、是正されたからいいんだということで、企業名公表ゼロなんですね。これで厳正な指導是正が行われていると言えるんでしょうか。
#181
○国務大臣(田村憲久君) 婚姻や妊娠や出産等々で不利益取扱いということで、いろんな雇用均等室の方に相談はあるわけでありますが、今話がありましたとおり、企業側からもあります。一方、女性から千八百人強相談があると。ただ、この内容も、個別相談だけではなくて、一般的な話をいろいろと相談に乗られる場合もあるわけであります。
 今、企業に対して報告徴収を実施した上で是正指導、これが少ないではないかというお話がございましたが、一方で紛争解決援助等は行っておるわけでありまして、これは、もちろん相談者の気持ちを十分に尊重した上ででありますけれども、二十四年度で二百三十二件あるということでございまして、直接企業に対して是正指導みたいな形で徴収してというようなやり方もありますけれども、間に入って紛争解決援助というようなやり方もあるわけでありまして、そのような意味では、今ほど来言っておりますとおり、全てが全て個別案件でない中において、個別案件に対してもこのような形で対応をさせていただいておるということであります。
#182
○小池晃君 いろいろおっしゃるけれども、違法だと大臣が言明するようなことが一四%も起こっているわけですから、これで厳正にやっているというんじゃ、まだまだやっぱり努力は必要だと思うんですよ。今の水準で私は実態に合っていないと思う。
 それから、同じ調査では、育児休業を取得しなかった理由に対して、制度がなかった又は対象外だったという回答が一番多いんですね。これ、非正規で五八%、正規で二八・四%。これ、制度がなかったというのは重大だと思うんですよ。この回答のうち、制度がないというふうに答えた人はどれだけいたんですか。制度がないと対象外って、そのうち制度がないはどれだけいたんですか。
#183
○政府参考人(石井淳子君) 御指摘の調査でございますが、この調査票上、選択肢が、制度がなかった又は対象外だったとセットになっておりまして、制度がなかったという部分だけを切り出しての集計は出されておりません。
#184
○小池晃君 これはやっぱり不十分ですね、こういう調査じゃ。制度がないというのはこれ大問題なわけですから。
 今回の改正では、このときのアンケートで、収入が減り、経済的に苦しくなると思ったということが休業給付の引上げを決めたというふうに説明聞いています。しかし、そもそも大前提として、制度がないといって育休取得が行われていないような会社は、これはあってはならないはずだと思うんですね。厚労省としてはどう考えているんですか。
#185
○政府参考人(石井淳子君) 制度がなかったとお答えになっている方は、恐らくそういう規定がなかったということでお答えになっているんだと思いますが、やはり法の履行確保とそれから労働者が安心して育児休業を取得する上で規定の整備というのは大変重要だと思っております。これはインフラのようなものだと思っております。ただ、この就業規則等の規定の整備につきましては現在大変重要視しておりまして、集団的手法も取り入れながらその徹底を図っております。
 ただ、この育児・介護休業法でございますが、仮に、企業での規定がなかったとしましても、これは、要件を満たせばこれは取得は可能なものでございまして、労働者の申出によってこの育児休業を取得させる義務がこれは事業主に生ずるものでございます。このため、こうしたことも併せて周知を図るとともに、労働者が要件を満たしているにかかわらず事業主が労働者の育児休業の申出を拒否するなどの法違反に対しては是正指導を行ってまいりたいと思っております。
#186
○小池晃君 これ、徹底した対策が必要だと思います。
 対象外だったという労働者に対してもこれは施策大切で、全労連は、依然として六割の女性が妊娠、出産を機に退職し、男性の取得率も低いということで、今回の引上げだけでは大きな改善が望めないと指摘をされています。
 今、女性労働者全体の五七・四%は非正規雇用です。非正規の契約期間は圧倒的に三か月、六か月、一年というふうになると、結局現行制度では対象外というふうにならざるを得なくなっています。
 やはり、育児休業取得の見直し、要件の見直しとともに、正規雇用が当たり前という社会をつくっていくことが大事だと思いますが、これは、均等室に、育児休業申出及び取得による不利益取扱いの相談件数を聞いたんですけど、これも二〇一一年度、二千百七十二件に対して是正指導は十四件、企業名公表ゼロです。もちろん相談全てが違法だったと思いませんけれども、少ないと思うんですね。
 以上の議論を踏まえて、大臣、やはり違法な実態をしっかり把握するということとともに、厳正な是正指導、それからやっぱり企業名公表なんかをしっかりやって守らせていくというルールの見直し、これ、実効ある対策が必要だと思いませんか。
#187
○国務大臣(田村憲久君) いきなり企業名公表というわけにはなかなかいかないわけでありまして、指導して直していただければ、それはそれで対応していただいたということになるわけであります。
 もちろん、制度がないというのは、本来制度がないというようなことがあってはおかしいはずであって、制度はあるんですよね。ただ、そこの会社においてそれを就業規則等々で明示していないということでございますから、本来資格のある方が育児休業等々を要望した場合には、それはしっかりと取得をさせていただかなければ困るわけでありまして、その点に関して違法行為があれば我々は適切に対応してまいりたい、このように思っております。
 あわせて、やっぱり周知徹底、これはまだ十分にできていないというところもあるんだと思います。周知徹底をするとともに、なかなか、実際問題、均等室の方にいろいろと相談される方も、なかなか、実際問題、会社に言っていただくのはなかなかいろんな形で自分のことも分かってしまうからつらいという部分もありますので、そういう方々に対してどのように対応していくかということもいろいろと知恵を出していかなければならぬというふうに思います。
 いずれにいたしましても、悪質なものに関しましてはこれは当然公表も含めて対応するわけでございまして、そこは決して我々、手を緩めるわけではございません。
#188
○小池晃君 きちんと対応していただきたいと思います。
 具体的な事例について聞きます。
 世界有数の半導体メーカーであるルネサスエレクトロニクス、ここは二〇一〇年から大規模なリストラをやっています。昨年も三千人削減、この数年間で従業員を四万八千人から二万七千人へと半減させています。退職強要が一人に十回以上も行われたと。人権無視のやり方も社会的に大きな批判を浴びています。今年一月には、さらに、従業員二万七千人のうち五千四百人の人員削減と六千人の異動を提案して、早期退職募集と広域配転、進めております。
 今日お配りした資料の一枚目に、広域配転の計画、これは労働組合の電機・情報ユニオンが作成したものです。兵庫県伊丹や川崎などの事業所から茨城県あるいは群馬県などに大量の異動が提案されています。ルネサス玉川事業所、相模原事業所では、事業所の廃止を理由にして全員が異動対象となって、川崎市の玉川事業所からは高崎に五百人、茨城那珂事業所に二百人、東京武蔵事業所に千六百人の広域配転。会社側は、行けなければ退職しかないという態度です。
 育児・介護休業法二十六条では、事業主は、その就業の場所の変更により子の養育又は介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならないとなっております。しかし、ルネサスは、労働者の意向は聞かずに突然配置転換の内々示をして、事業所廃止は来年度末なのに、この三月末までにという期限を付けて早期退職募集を掛け、単身赴任を含む配置転換に応じるか退職かという決断を迫っているんですね。早期退職に応じないと、割増しのない自己都合退職となって条件が不利になるという恫喝までしています。
 資料の二は、労働者の訴えです。これは直接実名も出して、今日は配付資料なので黒塗りにしましたけれども、実名を明らかにしてこの配転に対する訴えを並べております。
 上から見ますと、小二、年長の子供がおります、那珂工場、この方は相模原なんですが、那珂工場への通勤は不可であり、通勤可能な職場の確保を希望します。次の方。小六、小二の子供がいます、主人は日ビル勤務のため、私一人が那珂に異動することは不可能です。三人目ですが、中三、小五の子供がいます、母子家庭です、子供二人と母を扶養しているので働かなくてはなりませんが、那珂にはどう考えても行くことは不可能ですと。
 労働組合には三十名近い女性労働者から訴えが寄せられて、そのほとんどが育児や介護で異動できないと。辞めたくないけれども、このままでは辞めるしかないという切実な声であります。
 厚労省に聞きますけれども、これは会社に対して育児・介護責任を負う労働者が配慮を求めても会社側が応じないで、労働者が均等室に来た場合には、これは育介法に基づいてどういう対応をするんでしょうか。
#189
○政府参考人(石井淳子君) 雇用均等室では、労働者から具体的な御相談があった場合には、まず相談内容を丁寧に聞き、また会社からも事情聴取を行うなど、双方から事実確認を行うところでございます。その上で、法に定める事項に照らして適切な対応がなされているかを判断をいたしまして、法違反を把握した場合には迅速かつ厳正な是正指導を行うということでございます。
#190
○小池晃君 二〇一〇年には、NTTが行った介護義務のある労働者への広域配転指示は育介法二十六条違反だと、これは最高裁で確定しています。
 事業所閉鎖など大規模なリストラの場合は、広域配置転換が多いんですね。遠隔地への配置転換を命じて事実上の退職強要ということが行われています。有能な労働者が離職を余儀なくされれば、これは結局会社にとっても損失になると思います。私、これルネサスのやり方は極めて問題ではないかと。
 先日、電機・情報ユニオンが労働者の訴えを厚労省にも届けまして、私も同席しました。対応を求めましたが、現状、取組、対応の状況はどうなっているでしょうか。
#191
○政府参考人(石井淳子君) 一般論で申し上げたいと思います。
 雇用均等室が労働者からの相談等によって法違反に関する情報を得た場合には、必要に応じて会社から事情聴取をして、法違反が把握された場合には迅速かつ厳正な是正指導を行うことでございます。
 個別の企業に関する事案については、誠に恐縮でございますが、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#192
○小池晃君 もうちゃんと具体例示して言っているんだから、こういったことにちゃんと個別名で答えないと、私は労働行政、役割果たせないと思いますよ、きちんと企業の責任をやっぱり追及するのが労働行政の役割なんだから。
 大臣、ルネサスというのは、これは政府の全面的な支援を受けている企業なんですね。政府がつくった初の官民ファンドである産業革新機構からは総額千五百億円のうち千三百八十三億円の出資を受けて、取締役、監査役四名中三名が送り込まれて、リストラと広域配転が実行されているわけです。
 経産省も、国会では、リストラの方針決定の際は雇用対策に万全を期すように大臣名で意見も述べているというふうに答弁しています。しかも、厳しい経営環境とも言うんですが、ルネサスは、今期、三月期の予想では営業利益は五百四十七億円、利益率六・七%と大幅に改善をしています。今回のリストラ、広域配転には何の道理もない。法令にも私は違反するものだと思います。
 大臣にも改めて調査と厳正な対応を求めたいと思います。いかがですか。
#193
○国務大臣(田村憲久君) 局長と同じような言いぶりで申し訳ありませんが、個別事案でございますので、具体的にはお答えはしません。
 ただ、一般論として申し上げれば、法律違反の疑いがあれば当然調査に入って、その上で問題があれば是正指導等々を行うわけでございます。
#194
○小池晃君 厳正な対応をしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 来年度予算では、この雇用調整助成金、これを千百七十五億円から五百四十五億円に半減させる一方で、労働移動支援助成金を前年度の一億九千万円から三百一億円へと、実に百五十八倍になる。資料の三枚目に出ております。先ほども若干議論ありましたが、雇用調整助成金は先ほどの答弁でも重要な施策だというふうに言われました。しかし、要件が非常に厳しくなって、売上げ減少五%というのがリーマン・ショック前の一〇%以上に戻って、受給期間も半分に短縮。これは結局、ほとんど利用されていなかったときの要件に戻すということで、かなり限定的になってしまうと思います。
 今後も急激な経済変動あるいは大災害などでこれは活用される可能性はあるわけで、やはり今後も、大臣、臨機応変に要件変更できるようにと先ほどもはっきりおっしゃっていただいたので、もう一回そこのところを確認をしたいと思います。
#195
○国務大臣(田村憲久君) 来年度、二十六年度予算の中において、今年度と比べて約半減したではないかという話でありますが、これは、先ほど申し上げましたとおり、十二月現在の数字を見て、来年度に向かって大体これぐらいのような状況であろうという中で予算立てをさせていただいたわけであります。一方で、労働移動支援助成金に関しましては、労働移動というようなもの、本来、自分の意思ではなく会社都合等々で離職を余儀なくされる方々に対しての支援というような形で予算を積み増ししていただいておるわけでありますが、しかし、これはトレードオフではございませんでして、要は両方とも伸びる場合もあるわけであります。
 そういう意味からいたしますと、当然のごとく、非常に経済が激変して厳しい状況、それも、継続してというよりかは、もうそのとき厳しくて将来はまた経済戻る、企業も戻るであろうというふうな形の中において雇用を維持していただくという意味からすれば、それは雇用調整助成金というものは大変意味のある、そういう制度でございますので、そのときには我々も適切に迅速に対応させていただきたい、このように考えております。
#196
○小池晃君 一方の労働移動支援助成金ですが、これは中小企業が事業規模を縮小する際に限られていたものを今回大企業にも広げると。しかも、これまでの要件は再就職が実現した場合だったんですけれども、今度は再就職支援の委託をしたときから一人上限十万円。で、額もこれだけどんと増えているわけです。
 そもそも雇用保険財政というのは雇用の安定に資するための施策に使われてきたはずで、しかし、今回はこれは労働移動支援ですから大企業のリストラ支援にも使えるわけですね。大企業に拡大するわけですね。
 厚労省に聞きますが、これまでの労働移動支援助成金も含めて、雇用保険財政から大企業に対して委託時から離職者全員対象に助成するような制度はありましたか。
#197
○政府参考人(岡崎淳一君) 労働移動助成金につきましては、何回か改正はしております。大企業を対象としていた時期はございますが、委託時からということであれば、それはなかったというふうに考えております。
#198
○小池晃君 こんな制度、今までなかったわけですよ。これはやっぱり現実には大企業のリストラに活用されるのは、私、目に見えていると。これ、拡充した内容を見ると、さっきも言ったように、委託しただけで一人上限十万円、言わばつかみ金のようなものが一事業所で最大五百人分出るわけですね。
 例えば、今五千四百人のリストラを進めているルネサスは、玉川、相模原、北伊丹の各事業所ごとにリストラをやるわけですが、これ一般論として聞きますが、それぞれの事業所が申請すれば、これは例えば五百人分の申請をすれば、委託しただけで一事業所に五百人分の五千万円の支援金が出るということですね。
#199
○政府参考人(岡崎淳一君) 委託しただけというか、要するに、労働者の再就職をどうやって支援していただくか、それをしっかりやっていただくところにつきまして委託時に一人当たり十万円ということ。当然、その分につきましては、再就職支援会社にそれ以上のものを払っているということが前提になっております。
#200
○小池晃君 こういった形でお金が出ていく仕組みなわけですよ。
 先ほどのルネサスは、神奈川県の玉川事業所では三十人近い育児、子育て中の女性たちが組合を通じて会社に通勤可能な配転を求める訴えをしていますが、このままでは失業せざるを得なくなるわけです。一方では、会社は五百億円を超える利益を上げているわけですね。そういう会社にお金が出る。
 これ、確認しますが、労働移動支援助成金の要件というのは、事業規模縮小に伴い離職を余儀なくされる労働者の再就職支援ということであれば、十分な利益を上げている企業が事業所の再編で特定の工場を縮小する、そういう場合も労働移動支援助成金の対象になるんですね。
#201
○政府参考人(岡崎淳一君) 会社の利益については要件に入っておりません。事業規模の縮小があるかどうかということで見るということにしております。
#202
○小池晃君 ですから、要するに、十分に利益を上げて黒字で、そういう場合でも対象になるということですね。はっきり答えてください。
#203
○政府参考人(岡崎淳一君) 会社の利益については要件にしておりません。
#204
○小池晃君 利益を上げながらリストラを進める企業に助成金を支払うというのは、もう盗人に追い銭という感じがしますよ、これ、はっきり言って。
 これ、長野にあるソニーの安曇野の事業所でも大規模なリストラやられています。ここは実は数年前にソニー東京事業所から長野県の安曇野事業所への広域配転に応じて来た人たちです。今度は安曇野の事業所が譲渡されて、千百人のうち二百人から三百人残して、残りは早期退職か広域配転だというリストラが進んでいるんですね。ここでもリストラ支援の労働移動支援助成金が使われるんではないかという話が言われています。
 ソニーは、このリストラをやる一方で、山形県鶴岡のルネサスの工場を買収しているんですね。それだけの資金力があるんであれば、私は雇用責任を果たすのが筋だと思う。
 結局、このソニーもルネサスも、互いに利益を上げるために事業所のスクラップ・アンド・ビルドで離職者を出して、そしてその再就職支援に雇用保険財政からお金が出てくるという仕組みなわけですよ。私、こういうことをやっていて日本の産業ってどうなっていくんだろうかと。
 例えば、ルネサスの労働者が何でこのルネサスが衰退しているのかということについてアンケートをやっているんだけれども、一番多い答えは社員のモチベーションの失墜、二番目は経営者のビジョンのなさ。やっぱりこれ、リストラ、リストラ、リストラやっている、利益を上げながらこんなことをやっている企業に、私は、社員は本当に展望持てなくなる、そのことがやっぱり結局日本の半導体産業の競争力だって奪っているんじゃないかというふうに思いますよ。そこに助成金という形でお金が出ていく仕組みというのは果たしていいんだろうかと。
 大臣、聞きますけど、こういう仕組み、特に雇用保険財政からこれが出ていく、これだけ大逆転の財政支出になっている、これでいいんでしょうか。これ、見直す必要あるんじゃないですか。
#205
○国務大臣(田村憲久君) ルネサスの話は委員の例でございますので。ルネサスが厳しい経営状況にあったのはいろんな理由があるんだと思いますけれども。
 今般の制度は、基本的には、先ほど来言っておりますとおり、御本人の自己都合というのではなくて、基本的には御本人の意思とは、基本的にはですよ、意思とは別で、企業がそれぞれ離職を余儀なくする場合であるわけであります。そういう意味では、そういう環境というのは、状況というのはいろいろあるんだと思います。ただ、この中において、まずは就職をするための再就職援助計画というものをしっかり作らなきゃいけないということでございまして、それを事業主が作って、労働組合等にこれを示して一応理解が得られるということが前提であります。
 お金は、基本的には企業に確かに払われますけれども、企業がそのまま懐に入れるわけではなくて、離職を余儀なくされる方の再就職に向かってのお金として使われるわけでありまして、あくまでも離職を余儀なくされる方々の再就職の支援という形で使われるわけでございますので、何か今のお話聞いていますと企業に入るような、そんな話でありますが、企業に入る、一旦は入りますけれども、またそこから再就職に向かって民間企業の方に出ていくわけでありまして、そのような意味からいたしますと、労働移動を支援するため、つまり離職を余儀なくされた方々に対して再就職を支援するためのこれはお金でございますから、これは我々としては必要なものであろうというふうに考えております。
#206
○小池晃君 それが大問題なんですよ。ルネサスがこれまで退職強要の面談をした際に求めたのは、再就職支援会社が行うキャリアセミナーとキャリア相談を受けることなわけです。ルネサスが契約している再就職支援会社というのはどこか。パソナ、ランスタッド、マンパワーなど五社ですよ。
 今回、ルネサスなどの大企業リストラの委託費用を国が半分以上支援する。しかも、仮に再就職に結び付かなくても、委託しただけで最高五千万円出る、一事業所当たり。そして、その金はパソナとかランスタッドに流れていくわけですよ。パソナの会長誰ですか。産業競争力会議のメンバーの竹中平蔵さんですよ。ランスタッドというのは、先日、私これ取り上げた製造派遣・請負事業の日本生産技能労務協会の副理事長を務める企業です。労政審の部会にオブザーバー参加してあの労働者派遣法の土台つくった、そういう人物ですよ。
 結局、どちらも大企業のリストラとその後の製造業派遣に置き換えられることで大もうけするような企業ですよ。しかも、パソナの竹中さんというのは、文字どおり政府の規制改革会議などで政策決定に関与して、今回の失業なき労働移動という大路線引いたその張本人じゃないですか。こういうことが許されるのかと。
 政策決定過程に深く関与して、リストラを推進して、その結果が自分たちの企業の利益拡大につながるだけじゃなくて、事業に対しては支援金が雇用保険財政から入ってくると、そういう構図ですよ、これ。一方で、労働者はリストラ、広域配転で苦しんでいるわけですよ。こんなことでいいんですか。私はこういう仕組みは根本的に見直す必要があると思いますが、大臣、いかがですか。
#207
○国務大臣(田村憲久君) 特定の企業名出ましたけれども、特定の企業を利するための制度ではないわけですね、これは。つまり、余儀なく離職をされる、そういう方々が円滑に失業期間を短くして次に就職をいただくための支援金であります。もちろん、その中においてはいろんな企業がそれを受けるところがあると思います。着手金のような形で入るというのは問題ではないかという話でありますが、それは一定の経費は掛かるわけでありまして、そういう意味での着手金であるわけでありますが、実態、何もしないで、その十万円を全く経費使わずに利益上げるようなことをすれば、それは当然企業側もそんなところには委託しないわけでありますから、それはちょっとどうなのかなというふうに思うわけでありまして、そこもちゃんと再就職をさせないことには残りの部分入ってこないわけでありますから、そういう意味で私は、その着手金だけもらってあとは知らないなんていうようなことは、それはないであろうと。それよりかは、ちゃんとその離職を余儀なくされた方々が再就職をして次の人生設計をちゃんと立てていただくということが重要であろうという中においての今回の制度だということを御理解をいただきたいというふうに思います。
#208
○小池晃君 何にもしないで受け取ったら、それは犯罪ですよ。そんなことを言っているんじゃないんです。こういう仕組みを、特定の企業とかと言うけど、これ竹中平蔵さんのやっている会社ですよ。もう実際に政策決定過程にどおんと座ってやっている人たちじゃないですか。そういう人たちが労働行政をゆがめていくということが、雇用調整助成金からこの労働移動支援金に大胆にシフトすると、こういう路線引いてそれで大もうけすると。大企業は不採算部門だといって労働者どんどん切り捨てている。これ、本来やっぱり経営者が責任問われなきゃいけないんですよ。それをやらずに全て労働者にこの犠牲を押し付けて、そしてそれを後押しするようなことを厚生労働省がやっちゃっていいんですかと。
 私はこういう仕組みは本当に根本的に問題があるというふうに思っていますし、このルネサスあるいはソニーなどにこの助成金が出ないようにしていただきたい。こんなことはやっぱり認められないと。やっぱりこういうやり方というのは労働者を二重三重に苦しめるものですから、直ちにやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。
#209
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 まず、通告をしておりませんので、ちょっとこの間からこの委員会とそれから予算委員会の方でもお話をさせていただきましたけれども、社会保障費というのは年々これからやっぱり上がっていくわけでありまして、それはもう試算がきちっとできているわけですよね。ですから、ある一定の数字を置けば、厚生労働省としての予算というか、一定の数字を置けば大体どれぐらいのふうに伸びていくかというのは、当然、今でも年間一・三兆円これは増えていっているわけですから、それが恐らくこれから五年後、十年後、更に増えていくだろうというふうに思うんですけれども、これは当然やはり試算すべきだというふうに思いますし、そしてまた、やっぱり政治の役割は、将来を予測して現状もきちっと直視をして、そしてやっぱり将来に備えて今やるべきことをやっていくことが非常に大事だというふうに思っておりまして、この間答弁いただいたことについては今日はここではちょっと質問しませんが、またの機会にさせていただきたいと思っておりますが、そういう思いをいたしております。
 そんな中で、今回、雇用保険法の一部を改正する法律案の概要というのが出てまいりましたけれども、今回の雇用保険制度の一部を改正する法律案の予算についてまずお聞きしたいんですが、全体の予算と、そして国庫負担が幾らなのか、ちょっとこの辺について教えていただいてよろしいでしょうか。
#210
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回の改正によります予算の必要額でございますが、育児休業給付につきまして約八百億円、それから教育訓練給付が八百九十億円、それから再就職手当でございますが、これは九百億円を見込んでおりますが、一方で、再就職が早期に進むということで基本手当の方の額が三百四十億円ぐらいの減を見込んでいます。それから、暫定措置で延長する部分につきまして一定の重点化を図るということにしておりまして、ここで二百五十億円ぐらいの削減を見込んでおります。
 これら全体まとめますと、予算の増加額としましては約二千億ということを見込んでおります。
#211
○東徹君 これ、二千億円全てが一般会計というか国庫負担じゃないと思うんですけれども、国庫負担割合というのは幾らになるんでしょうか。
#212
○政府参考人(岡崎淳一君) 済みません、今のは保険料全体でございますが、国庫負担につきましては、これは今回拡充分のうち対象で入っている部分が育児休業給付等でございます。育児休業給付の部分について申し上げますと、八百億円のうち五十五億円が国庫負担でございます。
#213
○東徹君 育児休業給付の部分だけですかね、国庫負担というのは。
#214
○政府参考人(岡崎淳一君) はい。
#215
○東徹君 はい、ありがとうございます。
 ということで、今回ちょっと、先ほど一番最初に津田委員の方からも話がありました雇用保険の国庫負担の在り方について、ちょっと予算に関連してまずお伺いしたいというふうに思っておるんですけれども。
 当初、雇用保険法の本則では、日雇労働求職者給付金以外の求職者給付については四分の一、日雇労働求職者給付金については三分の一、それから雇用継続給付については八分の一というふうな国庫負担というふうになっていて、平成十九年の改正によって暫定措置としてその五五%の負担というふうにされております。
 国庫負担の在り方についてですけれども、平成二十二年二月の改正によって、平成二十一年補正予算で三千五百億円の一般財源を追加投入するとともに、附則に、平成二十三年度において、安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとすると、そういう規定が置かれております。
 しかしながら、平成二十三年改正時に、引き続き検討を行い、できるだけ速やかに安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとするというふうにされておりますが、このように、現在も暫定措置に基づく国庫負担の割合のままというふうになっておりますが、この現状について説明していただけますでしょうか。
#216
○政府参考人(岡崎淳一君) 状況は今先生から御指摘があったとおりでございます。
 本来、本則で書いてあるのが基本でございますので、できるだけ早くそれに戻したいという思いにつきましては厚生労働省としては持っておりますし、概算要求段階では、これは事項要求という形ではありますが、毎回要求はしていると。それから、今回の雇用保険法の見直しの議論の中でも、労使からもやはり本来あるべき姿は本則の姿だということを強く指摘されまして、ここは厚生労働省もしっかりと政府部内で対応するようにというふうに言われているということでございます。
 ただ、残念ながら、今回の二十六年度予算の編成過程におきましても、我々も努力はいたしましたけれども、国全体の財政状況の中で引き続きその百分の五十五ということになったというのが現在の状況でございます。
#217
○東徹君 ここは是非厚生労働大臣にお聞きしたいんですが、衆議院の厚生労働委員会の方でも附帯決議が付いて、「雇用保険の国庫負担に関する暫定措置については、国庫負担が雇用政策に対する政府の責任を示すものであることにかんがみ、早期に安定財源を確保し、本則に戻すこと。」というふうに附帯決議が出されておるんですけれども、この財源の確保ということについて、見通しについて、田村厚生大臣、ちょっとこれどんなふうにお考えになられているのか、是非お聞きしたいと思うんですけれども。
#218
○国務大臣(田村憲久君) 私が国の財政を預かっているわけではないので、具体的に見通しといってもなかなか難しいんですが、基本的に、消費税を上げるということを三党で合意をして、その後法律を作って、いよいよ四月から八%、そして来年の十月、これはまだ確定はしておりませんけれども一〇%という話でありますが、この消費税の中身においてこの本則に戻す財源というものは、基本的な認識の下においてはそういうものは共有をされていなかったわけであります。でありますから、この財源を確保するということになればほかから財源を持ってこなければならぬということでございますが、我々は要求をする方でございますので、本則にのっとってこれはしっかりと要望をさせていただきたいと、このように思っております。
#219
○東徹君 消費税がもう四月から八%、そしてまた次一〇%というふうになるわけですけれども、その中ででもこの財源の確保というのは協議がなされていなかったというふうなことで、非常に厳しい状況にあるんだなというふうに認識をさせていただいております。
 次に、育児休業給付のことについてお伺いをさせていただきます。
 育児休業給付は、これまでも何度も拡充されておりますけれども、これまでどのような効果があったのか、できるだけ数字でお示しいただきたいというふうに思います。
#220
○大臣政務官(高鳥修一君) 東委員にお答えをいたします。
 育児休業給付は、平成十二年、十九年、二十一年と給付率の引上げ等の制度改善を行っておりますが、その間、育児休業を開始した初回受給者数は制度改善ごとに増加を続けております。具体的には、平成七年の制度創設当初は初回受給者は約六万人でございましたが、その後、平成十二年、十九年、そして二十一年の改正後にはそれぞれ八万五千人、十五万人、二十万六千人と着実に増加をいたしておりまして、直近の平成二十四年度では約二十四万人と、当初と比較すると約四倍に増加をいたしております。
 また、女性の育児休業取得率も、平成八年度は五割を下回っておりましたが、近年では八割を上回っております。これは、職場の理解が進んできたことも一因であると思われますが、育児休業給付の引上げが職場の理解そのものを推し進め、育児休業取得の促進に寄与してきたと考えております。
#221
○東徹君 確かに育児休業給付の支給状況を見ますと、着実に数字の方は増えてきているのは分かるんでありますが、今回のその育児休業給付についてですけれども、所得補償の強化ということでは確かに充実されて利用する方が多いと思うんですが、その他の、本来、先ほどから話がありましたこととか少子化対策とか、そういったことについてはどの程度の効果が上がっているというふうに考えておられるのかお聞きしたいんですが。
#222
○国務大臣(田村憲久君) 少子化という意味ではどういうふうに効果が上がっているか、なかなか分析がしづらい部分であります。いろんな理由で出生率というものは変わるわけでありますから、これだけでなかなかどれだけの効果があったかということを分析するのは難しいわけでありますが、ただ、一つ言えますことは、昨今は合計特殊出生率が、いろんな施策を講じた部分もあるんでありますけれども、増加傾向になってきておりまして、今、直近の数字があるのは一・四一ですかね、いっとき一・二台まで落ちたものが一・四一まで上がってきておると。ただ、それがこの育児休業給付とどのような関連があるのかというのはなかなか分析しづらいところでありまして、今政務官から話がありましたとおり、取得者の数で今御報告させていただいたというわけであります。
#223
○東徹君 先ほどずっと答弁を聞いておりまして、今回の育児休業給付のことについては少子化対策だというふうな答弁があったかというふうに思っておったんですが、じゃ、これまでのその育児休業給付については、少子化対策はどの程度というのは、そういう検証というのはなされていなかったということなんでしょうかね。
#224
○国務大臣(田村憲久君) 当然、子育てしやすい環境整備ができてくれば子供を産み育てやすくなるわけでありまして、そういう意味では影響があることは間違いないんだと思います。同時に、育児休業給付の給付率に関しましては、やはり日本はヨーロッパの諸国と比べると給付率が比して低いという状況でもございました。そういう意味からいたしますと、今般六七、半年ではありますけれども、ここに引き上げることによって、これに対して非課税、それから社会保険料の免除等々を勘案しますと大体八割ぐらいになるということになりますので、ヨーロッパの国々と比しても相応の水準になってくると。
 ですから、そういう意味では、もちろん育児しやすい環境をつくって少子化対策にも資しますが、そもそも世界の標準に近づいてきておるという意味での引上げの意味もあるわけであります。
#225
○東徹君 国立社会保障・人口問題研究所が平成二十二年に実施した第十四回出生動向基本調査によると、就業継続者の中で育児休業制度を利用した割合は伸びているものの、第一子妊娠前に仕事をしていた女性の六割強が出産を機に退職している状況は一九八〇年代後半以降ほとんど変化がない状態にあるというふうな、これ、国立社会保障・人口問題研究所の平成二十二年に実施した調査によってそういう結果が出ておるんですが、第一子妊娠前に仕事をしていた女性の六割強が出産を機に退職している状況は一九八〇年代後半以降ほとんど変化がないというふうにあるんですが、こういった調査研究というのはきちっと把握した上で今回の育児休業給付の拡充をやられたのかどうか、その辺についてはいかがなんでしょうか。
#226
○政府参考人(岡崎淳一君) 御指摘の調査は当然認識しております。やはり、育児休業を取るか、あるいは継続して働くか、そこら辺についてはいろんな要素があるというふうに理解しております。
 したがいまして、政策的には、一つはやはり育児休業中の経済面をしっかり見ていく、これまでここは上げてきましたが、それ以外の要素もいっぱいありますので、そこは育児休業給付だけでその問題を解決するという趣旨ではありませんが、やはりそこの問題については解決できるだろうということで今回取り組んでいる。したがいまして、言い換えれば、ほかの要素につきましては、それぞれ育児・介護休業法でありますとか次世代法でありますとか、妊娠、出産しても、あるいは育児中でも働きやすい職場をどうやってつくっていくか、その中で継続雇用される方が増えていく、そういった全体像でやっていくと。今回はその一環としてこの部分をやらせていただいていると、こういうことでございます。
#227
○東徹君 育児休業の取得促進のためには、これ、今回の改正よりも、また育児休業を取得しにくい、先ほどからも話がありましたけれども、中小企業の方々とか労働者の方々とか非正規雇用労働者の方々が取得できるような環境整備というのも併せて大事じゃないのかなというふうに思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
#228
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられますとおり、中小企業の例もございますし、先ほど来お話ありましたけれども、正規は第一子を産むときに離職する率というのは比較的低い、低いといっても継続雇用されたのは五十数%だったと思いますが、やはり非正規の方々が二割を切るような数字で継続雇用される、残り八割以上は辞められるということでございますので、やはり非正規で働いている方々も基本的に権利のある方々は育児休業取れるんだということ、これ周知徹底をしてまいりませんと、企業側にもそういう意識がない、御本人らもそういう意識をお持ちでないという中で、なかなか育児休業が取れない、取っていないというようなこともあろうと思います。
 ですから、しっかり周知をしながら、育児休業という制度があるんだということを企業にもまた御本人にも御理解をいただけるような、そういう広報をやってまいらなければならないというふうに考えております。
#229
○東徹君 なかなか広報って一番難しいとは思うんですけれども、是非そこは努力していただきたいというふうに思います。
 続きまして、教育訓練給付金の拡充及び支援給付金の創設についてでありますけれども、先ほどからいろいろと話がありましたので何度もになってしまうかもしれませんが、厚生労働大臣が指定する講座とはどのような講座なのか、まずはそのことについてお伺いしたいと思います。
#230
○政府参考人(杉浦信平君) 今回拡充を予定しております中長期的なキャリア形成支援の対象となる教育訓練につきましては、昨年十二月の労働政策審議会の報告を踏まえ、就職可能性が高い仕事において必要とされる能力の教育訓練、それからその効果がキャリアにおいて長く生かせる能力の教育訓練という考え方に適合する者について、現行の教育訓練給付指定講座と同様、厚生労働大臣が個別に指定をしていくこととしております。
 具体的には、昨年の議論のときに想定されたケースとしましては、一つは職業に不可欠あるいは重要な資格の取得を目指す訓練、それから、実践的で企業等との連携が確保されている専門学校の課程、あるいは実践的な技術開発力、企画力等を身に付ける社会人向け大学院等のプログラムといったようなことが想定をされているところでございます。
#231
○東徹君 そうなると、どういうふうな講座というのを、多分たくさんあるとは思うんですけれども、大きく、一番、大部分は大体こういったものに絞られてくる、私は、恐らく、想定しているのは恐らく医療とか介護とか、まあ大体そういうところが一番メーンになってくるんじゃないのかなというふうに思っているんですが、それについてはいかがですか。
#232
○政府参考人(杉浦信平君) 今御指摘いただきましたように、そういった医療、介護を含めたいろいろな資格を取得するための講座というのも当然対象として考えられることになるわけでしょうし、それからまた、必ずしも資格取得を直接の目的としなくても、先ほど申しましたように、専門学校等におきまして、企業のニーズ等を踏まえた実践的な訓練内容といったようなものを指定するといったようなことも想定はされるということになろうかと思います。
#233
○東徹君 なかなか、どういうふうなところなのかというのがちょっと見えないというのが、非常にこれどうなるのかなというのが何か分からないんですよね。じゃ、どういう講座があるのかというところが見えてこないと、いや、これだけのお金を掛けてやる効果というのが本当にあるのかなというふうに思ってしまうんですが、これ、やっぱり講座の内容というのはまだまだ分からないんですか。
#234
○政府参考人(杉浦信平君) 具体的な指定基準を法律が成立させていただいたら速やかに労働政策審議会の方で検討していくことにしております。
 ただ、現実的に、今そういった専門学校等で実際に行っております二年ないし三年の講座というのはいろいろ我々も調査をしたりしておるところでございまして、そういったようなものが現実にこれから当てはまっていくのかどうかというのを、また指定基準を定めていただいた際、あるいはその後について、申請に基づいて厳格に審査をして決めていきたいということでございます。
#235
○東徹君 専門学校が実施している講座というのは、恐らく看護師、介護士、社会福祉、医療関係とかそれから臨床検査技師とか、そういったところになってくるんですけれども、そういうイメージだということでよろしいんでしょうか。
#236
○政府参考人(杉浦信平君) 考えられますものとしてそういったものも含まれてこようかと思いますが、それ以外にも、先ほどから申しておりますが、必ずしも直接資格の取得を目的としないようなものであっても、就職可能性の高いようなもの、あるいは長くキャリア形成に資するようなものという観点から審査をして決定していくということでございますので、イメージとしては先生御指摘のようなものも当然含まれてくることになろうかと思います。
#237
○東徹君 私はそれなぜこだわるかというと、やはり資格の取得をしっかりと目的にされた方がいいと思うんですね。やっぱり就職につながるといったときに、何か資格を持っている、持っていない、やっぱりここは大きく違うというふうに思っておりまして、やはり、しっかりと資格の取得を目指すことに集中された方がいいと思うんですが、その方が効果が上がると思うんですけれども、そんなことないですかね。
#238
○政府参考人(杉浦信平君) もちろん、その資格自体が職業に密接に結び付いているというものであれば、当然そういったことが可能性としては大きくなろうかと思います。ただ、資格と申しましても、本当に職業との関連性がどのぐらい強いのかと、いろいろな資格の講座もあろうかと思いますので、そういったものも見ながらやっていく。それから、世の中にある資格には必ずしもぴたっと適合しなくても、そういう就職に有利な訓練というものがあれば、そういったものも別に排除するものではないということでございますので、その辺も幅広く見ながら決めていくことになろうかと思います。
#239
○東徹君 まずは資格をメーンに考えてもらって、資格以外にも確かにそれはあるでしょう、資格がなくても就職に役に立つようなそういったものもあるとは思うんですけれども、やはりせっかく税金を使ってここまでお金を出すわけですから、やっぱりそのことがきちっと就職につながって、就職した後も長年にわたって仕事ができる、そういうふうなことにつながるためには、やはりここは資格に力を入れて、資格取得を目指すことにやっぱり重点的にこういった拡充をやっていくということが非常に大事だというふうに思っていますので、そこは是非そういうふうな考え方に基づいてしていただきたいなというふうに思っております。
 教育訓練給付についてはこれまでもやってきたと思うんですが、中長期的なキャリア形成になったのか、その検証やられているのかどうか、ちょっとその辺については是非お聞きしたいなと思っておるんですが。
#240
○政府参考人(杉浦信平君) これまでも、教育訓練給付につきましては、一時、高率の助成をしておった時期にいろいろな批判もいただいたところでございまして、その内容、それから助成率等の見直しを逐次やってきたところでございます。
 そういったことは、個々の審査、更新等におきます審査の段階におきましてもチェックはしておるところでございまして、真に、そういった趣味的あるいは入門的なものではないというような観点からのチェックはさせていただいておるところでございます。
#241
○東徹君 是非、その辺のチェックされているということですけれども、しっかりと検証をしていただきたいというふうに思います。
 それと、今回想定されている訓練には、先ほども質問がありましたけれども、企業内の中堅職員が大学院修士を取得することでキャリアアップを目指すようなケースもあり得ることから、本来企業が自ら行うか、僕は本来これは自分のお金でやるべきだというふうに思うんですが、雇用保険で肩代わりするようなことになるんではないのかなというふうに思うんですが、その辺のことについてはいかがなものですか。
#242
○政府参考人(杉浦信平君) 先ほども答弁させていただきましたけれども、やはり昨年来の審議会の中でもそういった意見が公労使の委員の方々からあったことは事実でございます。
 ただ、一概に、例えば社会人大学院なら全て駄目だというふうにするのかどうかということについては、その中身もよく精査しながら決めていくことになろうかと思いますので、そういったことも併せて、また今後、指定基準を定める際に、労働政策審議会の方で御意見を聞きながら進めてまいりたいと思っております。
#243
○東徹君 中身を精査するとおっしゃいますけれども、私は本来こういうのはもう自分のお金で勉強するべきことじゃないのかなというふうに思います。
 続きまして、就業促進手当についてお伺いをいたします。
 就業促進手当の拡充についてですけれども、これまでも何度か改正をされてきておりますが、今回の就業促進手当の拡充については、低下した賃金の六か月分を一時金として追加的に支給するというふうにありますけれども、これ、定着効果なんですけれども、どの程度あるというふうに考えておられるのか、是非お伺いしたいと思います。
#244
○政府参考人(岡崎淳一君) 従来のものは早期に再就職した場合につきまして再就職手当を支給してきておりますが、こういう例で見ますと、再就職先で一年以上継続して勤務されている方はおおむね七割ぐらいという状況になっています。
 今回はプラスアルファで支給するわけでありますので、どういう要件にするかということ、これは審議会等でも議論いたしました。やはり就職した段階ということになりますと、ややその定着という観点等見てどうかという御議論もありまして、それで六か月定着した段階で、見た上でということにしたわけであります。
 ただ、従来からの部分でありましても七割程度が定着しておりますので、今回さらに定着を見た上で支給するということでありますので、よりそういう効果が、定着率は高まるのではないかというふうに私どもとしては期待しているということでございます。
#245
○東徹君 七割の定着率が更に高まるということでございますので、是非その辺の検証も実施されてからお願いしたいというふうに思います。
 以上で質問の方、終わらせていただきます。
#246
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず冒頭、原爆症認定について一言お聞きします。
 大阪地裁は、三月二十日、原告である被爆者四人に対し原爆症と認め、国が敗訴をいたしました。この判決の中で、司法は昨年十二月に国が策定した新基準よりも広い範囲で原爆症認定を行っており、国は早急に基準の再見直しを行う責任があると考えますが、厚生労働大臣、いかがですか。
#247
○国務大臣(田村憲久君) 今般の判決でありますけれども、判決の中で国の主張が認められなかった部分があるわけでありますが、問題となったのは、主に特定地域に対して入ったかどうかということの有無、ここが問題になったわけであります。我々の主張は認められなかったということであります。
 なお、新しい方針、これは昨年の十二月に見直しをいたしました。今般の判決においては、結審時期にまだこれ方針ができていなかったわけでありまして、勘案されていないということでございますので、この新しい方針、これにのっとってこれから我々としては認定をしてまいりたい、このように考えております。
#248
○福島みずほ君 国は敗訴続きなんですよね。ですから、これ、しっかり、新基準というか、抜本的に見直すべきだということを強く要請をいたします。
 まず、教育訓練給付制度の成果確認をお聞きします。
 これまで教育訓練としてどのような講座を実施し、どれだけの受講生が講座修了し、資格取得、就職に結び付いたか、累計データを明らかにしてください。
#249
○政府参考人(岡崎淳一君) 教育訓練給付につきましては、制度創設時の年につきまして十五万人の方が給付を受けられました。その後、最盛期、一番多かったのが平成十五年度でありまして、四十七万人の方が受けております。最近の二十四年度は十三万人という状況でございます。
 どう役に立ったかということでございますが、これは在職者を含めてということでやっておりますので、就職率その他では取れませんので、アンケート等で効果を把握しております。
 それによりますと、社内での処遇の向上でありますとかそういったことに役に立ったという方が三、四割程度、それから円滑な転職に役立った方というのが二割程度という状況でありまして、それらの状況を見ますと、それなりに効果があったというふうに把握しているところでございます。
#250
○福島みずほ君 データは取っていないんですよ。データは取っていない。誰がどれだけ資格取得して、どれだけ就職に結び付いたか、データは取っていないということで改めてよろしいですね。取っていないと言ってくだされば結構です。
#251
○政府参考人(岡崎淳一君) 在職者を含めてでありますので、就職したかどうかという取り方はできないというふうに思っておりますので、今申し上げたような形で把握しているということであります。
#252
○福島みずほ君 お金を出しながら、税金を使いながら、どういう成果が出たかというデータは取っていないんですよ。これを今回、莫大なお金を、これにお金を新たに予算として付けて、そのフィードバックをやらないといったら、どこに問題があって、どんな効果があってどうかという検証ができないじゃないですか。厚労省、こういうやり方はもうやめてくださいよ。水はまくかもしれないけれど、作物は枯れたか実を結んだか分からないということじゃないですか。
 さっきアンケート調査というふうにおっしゃいました。このアンケート調査は私も見せていただきましたが、七千四百三十二名中回収は二千三百四十四名、回収率は僅か三一・五%、三割しかありません。回収した中でも、三一・五%の中でも、事務関係は受験していないというのが二六・四%、四分の一以上が受験していないと答えているんですね。果たして就職に結び付いたかどうかもさっぱり分からない。こういう状況をもうやめないと、こんな予算認められないですよ。追跡調査として極めて不十分だと。
 これから今度の改正で年間五十万程度、資格を取るんだったら三年間一人につき百五十万お金を出すわけですよね。だとすれば、あなたの受講は税金が使われている、国は応援していますというメッセージを付け、その人が本当に受験したのか、合格したのか、就職できたのか、ちゃんとやるべきではないですか。
#253
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回新たに御提案しているものにつきましては、そういうこともあり、また効率な制度にしますので、資格を取ったか、それから就職をしているかということを踏まえた上で二割給付をするということにしておりますので、そういった面におきましても、その支給の段階でそれが把握できるというふうになります。
 そういうことを含めまして、いずれにしましても、こういう政策につきましては、政策効果をしっかりと把握して見直しをしていくということは重要だと思っておりますので、そういうことを考えつつ対応していきたいというふうに考えております。
#254
○福島みずほ君 今まで一切フィードバックしていないんですよ。個別に何もやっていない。アンケート調査をやったけど三割しか回収されていない、しかも受験していないという人たちがその中でも四分の一いるんですよ。今、検討するとおっしゃいましたが、私はやはり、一人一人にやっぱり国税、税金出すんですよ、少なくないお金を。国は応援している、それから、その人について受験したか、就職したか、どうなったか、一人一人フィードバックすべきじゃないですか。局長、ちゃんと答えてください。
#255
○政府参考人(岡崎淳一君) 今までの制度について、一人一人というよりは、それはちゃんと受講しているかどうかということは確認しながらやっているというのが一つと、それから、今回の制度につきましては、二割給付の部分について、しっかりと資格を取ったかどうか、それからきちっと雇用保険の被保険者として働いているかどうか、これを確認すると。したがいまして、今回はそれを組み込んだ上で制度を提案しているということでございます。
#256
○福島みずほ君 これ、雇用保険のお金を使うわけですから、私、ごめんなさい、税金って言いましたが、済みません、雇用保険のお金を使うわけですから、その面ではしっかりそれはどう使われたか、くどくて済みません、一人一人フィードバックして調査をする、お金を出すときのチェックではなくて、資格を取ったか、就職したか、受けなかったのか、全部一人一人チェックする、フォローする、よろしいですね。
#257
○政府参考人(杉浦信平君) 先ほど安定局長が答弁しましたように、資格取得した上での給付という形になるものですから、その点の把握は今回の部分についてはできると思いますし、それから、その訓練分野ごとの資格取得ですとか就職の実績について、これから定期的に把握をして検証していきたいというふうに思っております。
#258
○福島みずほ君 いや、何か不安な答弁ですね。定期的にじゃないんですよ。一人一人お金を出すとしたら、貴重な雇用保険料から出すわけだからちゃんとフォローすべきじゃないですか。こういうアンケート調査で回答率が三割なんて駄目ですよ。ちゃんとお金を出したんだったら、どうなったかフォローして、一人一人このお金の使い道が有効なのかどうかってやるべきじゃないですか。定期的にアンケート調査してお茶を濁すなんて駄目ですよ。
#259
○国務大臣(田村憲久君) 給付のときに段階が分かるわけでありまして、定期的にというのは、それを集計するのには定期的にじゃないと、一々今日は何人、今日は何人ってやるわけじゃありませんから。そういう意味では、そういうデータは残りますので、それを定期的に集計すればどういう状況かが分かるということでございます。
#260
○福島みずほ君 いや、しつこいですが、今までフィードバックしていないんですよ。だから、お金を出すときにどこに出したかは分かります。しっかり訓練講座のどこに出したかというのは分かっているわけですから、これは分かるんですよ。そうじゃなくて、問題にしているのは、それが有効だったかどうかということについて、大臣、一人一人について最終的にその人が資格を取ったか、就職したかまでフォローするということでよろしいですね。
#261
○国務大臣(田村憲久君) 一人一人ということになると、一人一人にまたカウンセラーか何かが付いてそれで対応するという話になるんだと思います。全体としてどれぐらいの政策効果があったかというのは、それは集計すれば数字が分かってまいりますから、それによってこれが効果があったかなかったかというのはそれは分かるんだと思います。
 ただ、一人一人という話になると、それをフォローして、じゃそうじゃなかった人に対してお金を返せというわけにもなかなかいきませんし、それをさらに就職させるというところまでやると、それはもう大変な労力になるわけでございまして、そこまでのフォローはなかなか人数的にも無理な部分はあると思いますが、ただ、全体として数字はもう出てきますから、政策があったかどうか、それから、場合によっては地域別でも出るのかな、そういうものは出るとは思いますけれども。
 ちょっと一人一人と委員がおっしゃられている意味がなかなか私が理解できていないものですから、どういうふうなお答えをすればいいのかが分からないんですが、とにかく全体としては給付の中において数字がつかめますので、政策効果というものはしっかりと把握できるというふうに考えます。
#262
○福島みずほ君 いや、アンケートの結果の集計が三割とかすごく低いからなんですよ。結局、これでは何も分からない。そして、アンケートに答えた人でも、受講開始時に就業していなかった人、事務関係は四一・七%就職していないんですよ。効果があるんですか、あるいは効果が出た方がいいからどういうふうにしたらいいのか、政策のチェックが必要じゃないですか。
 例えば私がイメージしているのは、アンケート、あなたにはこれだけの保険料が使われているから頑張ってください、その後の結果についてお知らせください、アンケート結果の調査票をその人に郵便で渡して、いや、郵便というか、渡して、だってこれ、講座のその学校があるわけですから、郵送でしてもらうんだったら割と回収率はいいんじゃないですか。
#263
○国務大臣(田村憲久君) まず、今までの反省も踏まえた上で、まず指定講座というもの、これは就職にしっかりと結び付いていくものを、これを決めるわけでありまして、その上で、やはりキャリコンをしっかりかませてそこでいろんな相談に乗りながら就職につなげていくわけなので、今言われたみたいに、今までの反省も踏まえて、しっかりと就職につながるようなそのような制度設計をしてまいりたいということであります。
#264
○福島みずほ君 いや、全員にキャリコン、キャリアコンサルタントが付くかどうかは分かりませんが、その中でやっぱり就職したかどうかとか資格をちゃんと取ったかどうかやるべきじゃないですか。
 私は、厚生労働大臣指定教育訓練講座一覧、読みました。いろんな予備校やいろんな大学、自動車とか免許とかたくさんいろいろありますね。その中で結構やっぱり予備校にお金を出していると。かつてのようにサロン的なものは大分減っているとは思いますが、色彩能力検定、イメージコンサルタント、カラースタイルコンサルタント、フラワー装飾技能士、フードコーディネーター、インテリアコーディネーターなどいろんなのがあるんですね。果たしてどれだけ就職に結び付いたのか、やっぱりそれはチェックをすべきだというふうに思っているんです。この講座一覧見て、予備校も実に様々ですから、例えば大学の大学院に対する講座もいろんな大学のいろんな講座を応援しているんです。果たしてそれがいいのかどうかというチェックも必要なので、一人一人のやっぱりフィードバックを今までやってこなかったというのはひどい話で、お金を使っているんだったらそれをやるべきだと思います。これはちょっと、ちゃんとやっていただくというふうに是非答弁お願いします。
#265
○国務大臣(田村憲久君) 要は、データとしては入るので、例えばこの講座の資格を取った人は就職に結び付いたか結び付いていないかというのは類型化して、それは集計できるわけでありますので、そういう意味では、委員が言われている一人一人とか個人の誰々、何べえさんという話でないわけですよね。ですから、そういう意味では分析はできるようになりますので、そこはしっかり分析しながら次の政策へのいろんな反省にしていきたいというふうに思います。
#266
○福島みずほ君 データは取っていないというのが今までなので、別に個人的な名前なんか必要ないので、その講座を受け、つまりこの雇用保険を使った人たちがその後どうなったのか、それが果たして有効だったのか、そういうデータを取ってくださるということなので、今後是非その追跡調査というか、効果のフィードバックをしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
 質問なんですが、これはやっぱり英語学校とか通学でのとか結構あるんですよね。在職で英語学校に行く、誰だって行きたいですよね。あるいは、なぜか社会保険労務士、税理士、公認会計士、まあ不動産鑑定士もたしか入っていますね。全部入っているんですが、司法書士入っています。司法試験は入っていないんですよね。それから大学も、アメリカ、米国MBAからいろいろあるんですよ。私は、どこにこのお金を使うかで、在職している人が英語のキャリアアップとか、例えばウエブのキャリアアップとか、そういうのだったら会社が払えばいい部分もあると思うんですよ。本当に困っていて、本当にその就職に結び付くような、そういうところにこそ応援すべきだ、いかがですか。MBAとか必要なんでしょうかね。まあキャリアアップは私必要だと思いますが、この保険料でやるべきか、いかがでしょうか。
#267
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど来局長からも話ありますけれども、必要である必要でないというものをこれからそれこそ労働政策審議会の中で御議論をいただくわけで、今委員がおっしゃられたみたいに、これは本来どうだろうというものは、そこでもいろんな御議論をいただくんだというふうに思います。
 いずれにいたしましても、やはり就職にちゃんとつながっていくということが大前提でございますので、そういう観点から今回の指定講座の中身をお決めをいただくというか御議論をいただいて最終的には決定をさせていただきたいと、このように考えております。
#268
○福島みずほ君 私は資格を取るというのはとても大事だと思いますが、合格率はその資格によって実に様々です。もちろん夢に挑戦することはとても大事なんですが、今までの厚労省のこの給付制度では、就職につながったかどうかというデータすら取っていないんですよ。お金あげただけ、終わり、という感じでしょう。これは駄目だと思います。
 今大臣が、きちっと業種別にというか講座別にどうなったか、だって、申し訳ないが、予備校だって、これもうかっているというか、やっぱりお金が入っているわけですから、そのフォローを、しっかり報告を受けるということを是非やってください。大臣がうんうんうなずいていらっしゃるので、もうそれでよろしいですよね。
#269
○国務大臣(田村憲久君) 政策評価するときに、どのような効果があったかということは当然我々はチェックをしなきゃいけないわけでありまして、今般はそのような形で給付に結び付いていくわけでございますので、就職が。だから、そういう意味からすると、どういうものがどうであったかということは類型化はできると思います。
#270
○福島みずほ君 失業給付における保険料徴収と給付の実態についてお聞きをします。
 雇用保険は、雇用形態別、男女別、年齢別などの階層に分けた場合、どのように徴収され、どのように失業等給付として再配分されているのでしょうか。
#271
○委員長(石井みどり君) どなた。止めますか、速記。
 岡崎職業安定局長。
#272
○政府参考人(岡崎淳一君) 済みません。あれですか、男女別とか属性別にどういうふうに支給されているか。
#273
○福島みずほ君 そうです。
#274
○政府参考人(岡崎淳一君) 済みません、ちょっと今、手元に資料がないので、別途資料を提出させていただければというふうに思います。
#275
○福島みずほ君 これ、事務所で聞いたところ、徴収にとっては統計を取っていないという答えだったんですね。確かに、その雇用保険でどう徴収するかについては統計を聞いたことがないんですが、なかなか事業所からお金をもらうので難しいかもしれないんですが、私自身は、雇用保険をどういう人たちが払ってどういう人たちがもらっているかという分析も必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#276
○政府参考人(岡崎淳一君) 雇用保険の保険料につきましては、徴収の際でございますが、事業所単位でいただいておりまして、そこでそれぞれの方の属性その他を取っておりませんので、なかなか、どういう方の分の保険料かという分析をするということになると、これなかなかちょっと難しいかなというふうに思っています。
 もちろん、どういう方に給付しているかということにつきましては、資料を整理すればございますので、ちょっとそこの対照関係は非常に難しいというふうに考えております。
#277
○福島みずほ君 徴収については、ですから、統計を取っていないというか、取りにくいというか、事情は分かるんですが、是非、雇用保険を一体誰が払っているのか、誰が払えないのか、これは雇用保険の拡充を若干民主党政権のときにやりましたけれども、雇用保険を誰が払って誰が払えないのかというのは、是非、厚労省としても重要なテーマだと思いますので、何らかの形でデータを取るなりやっていただきたい。いかがでしょうか。
#278
○政府参考人(岡崎淳一君) 現在取っているデータではなかなか今先生御指摘のことは難しい面がございますが、やはり問題意識としては理解いたしましたので、ちょっと、どういう形で今の雇用保険制度の中でそういった分析ができるかどうか、これはちょっとお時間をいただいて検討したいというふうに思います。
#279
○福島みずほ君 是非お願いします。
 じゃ、今度は払う側、払う側というか、もらう側なんですが、男性と女性でピークが違っていて、女性の場合は、初回受給者数のピークが三十歳から四十四歳、被保険者期間一―四年が多いと。つまり、女性などに関しては、本来なら壮年期と言われるときに雇用保険をもらうという形になっているわけです。こういう状況を打破するために厚労省としてどのような措置を講ずるとお考えでしょうか。
#280
○委員長(石井みどり君) 局長でしょうか。
 岡崎職業安定局長。
#281
○政府参考人(岡崎淳一君) 雇用保険の受給というよりは、むしろどういう段階でどう離職するか。雇用保険というのは、基本的には離職した段階で受給資格があれば支給すると。それで、かつ早期に就職できるかどうかでどれだけ支払われるかが決まるということであります。したがって、雇用保険制度というよりは、どういう形で今後の雇用政策をしていくか、それに基づきまして、あるいは、例えば女性なら女性の方に対してどういう就職支援策を講じるか、そういう全体像の中で出てくる話ではないかと。
 いずれにしましても、雇用保険は、失業されて求職中であればこれは基本的には払うという前提で整理してありますので、むしろ雇用保険制度の話というよりは全体の雇用政策をどうしていくかというお話のように受け止めましたし、それはそういう考え方でちょっと、雇用保険のデータとの関係でどう整理していくかというのは、これまた御指摘のことも踏まえてちょっと研究させていただければというふうに思います。
#282
○福島みずほ君 次、技能実習制度についてお聞きをします。
 産業競争力会議、規制改革会議等において、労働力不足解消のために技能実習制度の五年間への延長、再技能実習制度導入が議論をされています。
 一方、この制度は、人権侵害が多発していることについて国内外から批判を受けております。国際人権規約B規約の規約人権委員会は、二〇〇八年十月の総括所見の中でこの制度を厳しく批判をしております。具体的に指摘されているのは、日本の労働法の不適用、社会保険からの排除、有給休暇取得拒否、単純労働での搾取、最低賃金法違反、サービス残業、使用者による旅券取上げなど極めて広範囲にわたっております。これだけ問題が非常にあると。
 技能実習制度について、この問題の解決のための抜本的解決が全くなされない中で延長や再実習について議論することはそもそも誤っているんじゃないでしょうか。技能実習生に対する労働法令違反が撲滅されないままなのか、大臣の見解をお願いします。
#283
○副大臣(佐藤茂樹君) 福島委員の御質問にお答えいたします。
 技能実習制度はそもそも技能移転を目的としているわけでございますが、適切、適正な労働環境で技能実習できるように、今委員述べられた例えば最低賃金法等の労働関係法令が適用されていると、そのように我々認識しております。
 厚生労働省としては、具体的に、公益財団法人国際研修協力機構、JITCOに委託いたしまして、一つは、実習先の企業等に対して巡回指導を行いまして労働関係法令の遵守状況を確認しております。大体毎年またこの数なんですが、平成二十四年度の巡回指導件数は一万六百七十一件となっております。二つ目には、技能実習生向けの無料の母国語電話相談窓口設置をしておりまして、二十四年度の実績では千五百四件相談があったということになっております。三点目に、巡回指導等により把握した悪質な事案を関係行政機関へ通報するということ等によって技能実習制度の適正化に取り組んでいるところでありますし、もう一つは、都道府県労働局及び労働基準監督署において監督指導等を積極的に行いまして、労働関係法令違反が認められた場合には是正指導を行っております。さらに、重大、悪質な労働基準法等の違反については書類送検を行っているところでありまして、例えば平成二十四年では、労働基準監督機関による監督指導状況として、監督指導実施事業場数については二千七百七十六件、うち違反事業場数については二千百九十六件、送検件数十五件ということで、現在、委員御指摘のとおり、政府の方で技能実習制度の見直しが検討されておりますけれども、厚生労働省としては労働関係法規の遵守を含めた制度の適正化を前提に検討してまいりたいと考えております。
#284
○福島みずほ君 今答弁していただいたように、八割の事業所で労働法令違反があったということで、これはやはり極めて異常だというふうに考えています。雇用を守る、労働者を守る厚生労働省で是非頑張ってください。
 次に、国家戦略特区についてお聞きをいたします。
 二月二十五日に閣議決定された国家戦略特別区基本方針には、二〇一五年度末までを集中取組期間として、経済社会情勢の変化の中で民間が創意工夫を発揮する上での障害となってきているにもかかわらず長年にわたり改革ができていないような、いわゆる岩盤規制全般について速やかに具体的な検討を加え、国家戦略特区を活用していくと。例えば、成長分野への投資や人材の移動を加速させるという文言も入っております。
 国家戦略特区構想に対して、労働基準をきちっと守り雇用環境の悪化に歯止めを掛ける立場に立つべきと考えますが、大臣、いかがですか。
#285
○国務大臣(田村憲久君) 基本的生存権といいますか生存権的基本権といいますか、勤労権はこれを保障しなきゃいけないわけであります。
 その上で、国家戦略特区の中で雇用労働相談センターというものをつくって、雇用指針、ガイドラインと当時言っておりましたけれども、これを作るというのは、そもそも海外から来られた企業でありますとか、また創業間もないような企業がそこで操業されるときに、要は、日本の国の労働法制、どのような形になっているか、よく判例をこれを類型化するという話がありましたけれども、そういうことを御説明をさせていただくということでありまして。
 例えば、アメリカからよく、まあアメリカと言っていいのか分かりませんが、アメリカの雇用慣行等々で解雇をすぐにやるという企業が日本でも結構あるわけですよね。そういうのが特区に来たときに、いきなりアメリカ流でやられてしまえば日本の国の法令に違反するわけでございますので、そのような意味からして、そういうものをしっかりと御理解をいただきながら、労使間の紛争、要らぬ紛争をなくしていくといいますか、そのようなために、このような形でセンターをつくって雇用指針を作って御理解をいただきながら、海外から来た企業も日本の中でしっかりと業務を行っていただく、そしてそこで働く方々もしっかりと雇用が守られるというような中においてのことでございますので、今委員がおっしゃられたような御心配のないような形で進めるように努力してまいりたいと思います。
#286
○福島みずほ君 相談センターがあることは私はいいと思うんですが、何となく指針を作る、特区だけというと、また労働法制がちょっと違う形で適用されたら大変というふうに思っているんです。でも、大臣は違うというふうに言っていらっしゃいますので、それを信じて、厚労省、頑張ってください。(発言する者あり)甘いという声が。じゃ、信じないようにしてきちっとチェックをしてまいります。
 今のは、指針を作るというのがやっぱり問題なんですよ。だって、労働法制って日本国内一律なので、違う指針を作るというのはやはり問題だと思うんです。(発言する者あり)はい。じゃ、しっかり、しっかりここは国家戦略特区で労働法制がおかしくならないように私たちもしっかりチェックをしていきたいと思います。(発言する者あり)いや、信じずにきちっとチェックしていきます。
 産業競争力会議についてお聞きをいたします。
 この産業競争力会議、さっきからも出ておりますが、同会議のメンバーには竹中平蔵慶応大学教授・パソナグループの取締役会長が入っており、不適切な人選ではないかという強い批判が起きました。この度の国家戦略特区に当たっては、調査審議の公平性、中立性の確保が重要であるとして、直接の利害関係者の審議不参加が盛り込まれております。
 国家戦略特区、使用者側の強力な利害関係者のみをメンバーに入れて大筋を固めておきながら、具体的作業の段階で、今度は利害関係者排除の名の下に労働側の関与を拒む意図ではないか。全くおかしいと思いますが、いかがですか。
#287
○政府参考人(赤石浩一君) お答えさせていただきます。
 竹中さんの話が出ましたが、竹中さんに限らず、産業競争力会議の民間議員、いろんな提案いただいていますが、それぞれの御経験を踏まえた極めて示唆に富む内容が含まれて考えられると思っておりまして、竹中さんについても、御自分の経験を踏まえた高い見地からの意見や提案、競争力会議の議論に大きく貢献していると、そのように考えているところでございます。
#288
○福島みずほ君 答えていないですよ。全然駄目ですよ。だって、自分の利害と反することを主張したことがあるんですか。どんな高い識見なんですか。自分がもうかるための規制緩和を言っているというふうにしか思えないですよ。今の答弁は前者しか答えていません。国家戦略特区に当たって、直接の利害関係者の審議不参加を言っている。
 じゃ、産業競争力会議に直接の利害関係者の審議不参加って何で実現していないんですか。あるいは、労働者側ってどこにも入っていないですよ。これ、何なんですか。
#289
○政府参考人(富屋誠一郎君) 国家戦略特区諮問会議の関係について答弁を申し上げます。
 国家戦略特区諮問会議では幾つかのことについて意見を伺うことになっておるんですが、その関係で特区の指定が成った後に特区ごとに計画を作ります。その中には、やっぱりかなり個別の場所でどんな事業をするかというようなことが入ってまいりますので、こういった相当具体的な議論についても諮問会議で御議論いただくことがあるということで、そういった場合に、利害関係がある方について一定の場合にその議論に参加していただかないというような手当てを講じたというところでございます。
#290
○福島みずほ君 いや、だって労働者派遣などに一番直接利害関係のあるパソナの会長が労働法制について議論しているんでしょう。直接利害関係のある人間が議論していて、突然国家戦略特区の部会になったら直接利害関係がある人を排除するって、初めから産業競争力会議、利害関係のある人ばかりでやっているじゃないですか。こんなのアンフェアですよ。抜本的に見直してください。
 以上を申し上げ、時間ですので、私の質問を終わります。
#291
○委員長(石井みどり君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#292
○委員長(石井みどり君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用保険法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#293
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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