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2014/04/10 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 厚生労働委員会 第8号
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2014/04/10 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 厚生労働委員会 第8号

#1
第186回国会 厚生労働委員会 第8号
平成二十六年四月十日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     二之湯武史君
     松沢 成文君    薬師寺みちよ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                古川 俊治君
               三原じゅん子君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                滝沢  求君
                二之湯武史君
                羽生田 俊君
                足立 信也君
                相原久美子君
                小西 洋之君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                浜田 昌良君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                小池  晃君
                東   徹君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  平口  洋君
       厚生労働大臣政
       務官       高鳥 修一君
       厚生労働大臣政
       務官       赤石 清美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       総務省行政評価
       局長       渡会  修君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   生田 正之君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省健康
       局長       佐藤 敏信君
       厚生労働省労働
       基準局長     中野 雅之君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       半田 有通君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  宮川  晃君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    岡田 太造君
       厚生労働省老健
       局長       原  勝則君
       厚生労働省保険
       局長       木倉 敬之君
       厚生労働省政策
       統括官      唐澤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (建設業への外国人労働者受入れとその雇用管
 理に関する件)
 (外国人技能実習制度を介護分野に適用するこ
 との弊害に関する件)
 (子宮頸がん予防ワクチン接種についての情報
 提供と説明の必要性に関する件)
 (歯周疾患検診後の医療機関への受診を促す取
 組の必要性に関する件)
 (介護職の職業性腰痛の現状とその予防対策の
 在り方に関する件)
 (固定残業代制度の実態と法的規制を含めた対
 策の必要性に関する件)
 (生活保護ホットラインによる生活保護不正受
 給対策の不当性に関する件)
 (診療報酬改定による医療費削減の在り方に関
 する件)
 (日本航空インターナショナルによる整理解雇
 と再建後の新規雇用の在り方に関する件)
○次代の社会を担う子どもの健全な育成を図るた
 めの次世代育成支援対策推進法等の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、松沢成文君及び武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として薬師寺みちよ君及び二之湯武史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石井みどり君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房総括審議官生田正之君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石井みどり君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○津田弥太郎君 おはようございます。民主党の津田弥太郎でございます。
 本日は、技能実習制度の見直し問題、これ一本に絞って関係省庁に対して質問をさせていただきます。
 皆様のお手元に今資料が配られていると思います。厚生労働省提出の二種類の資料、資料一と資料二、お配りをしております。技能実習制度の仕組み、そして技能実習制度の現状ということでお配りを申し上げております。これを見ながら皆様に御理解もいただきたいと思いますが、まずもって、この技能実習制度の目的は何なのか、そして、後ほど、新聞の記事が三枚目、四枚目にありますけれども、安倍政権の下で現在どのような技能実習制度の見直し論議が行われているのか、この二点について、法務省の平口政務官から端的にお答えをいただきたいと思います。
#7
○大臣政務官(平口洋君) 技能実習制度の仕組みは厚生労働大臣の公示で定められているところでございまして、それによりますと、開発途上国等への技能等の移転による人づくりへの協力という、これを目的とする制度ということになっております。
 発足以来、順次実行されているところなんですが、在り方につきまして様々な意見が寄せられているところでございまして、本年、本月ですね、四月の四日に開催されました経済財政諮問会議、産業競争力会議合同会議において、安倍総理の方から、技能実習制度の監理・運用体制を抜本的に強化、改善するなど必要な見直しを行うことの指示があったところでございます。
 また、衆参の方の附帯決議もあるところでございまして、これらを踏まえて、現在、法務大臣、私どもの大臣の方の私的懇談会であります出入国管理政策懇談会、ここに分科会を設けまして、技能実習制度の見直しについて検討いただいているというところでございます。分科会の議論等を踏まえて、本年年央を目途に一定の方向性を出すことにしております。
 なお、最近でございますが、建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置についての議論がございまして、これも本月四日の関係閣僚会議で取りまとめられたところでございます。
 これは、震災復興、この復興事業の一層の加速を図りながら、なおかつ二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて一時的に増大が見込まれる建設需要に的確に対応する人材の確保というものを目的とするものでございまして、技能実習を修了した外国人を対象に、原則として二年間、日本で建設業務に就労するという、こういうことを認める時限的措置でございます。したがいまして、国際貢献を目的といたしております技能実習の制度の見直しの検討とは全く別個の議論でございます。
 以上でございます。
#8
○津田弥太郎君 これ、別個じゃないんですよ。こじつけと言うんですよ、そういうのを。これ、技能実習を今修了したとおっしゃった。修了したら本国にお帰りになるのがこの制度です。そして、お帰りになって、本国で日本で学んだ技術、技能を生かして国づくりをしていただくという、それが目的になっているわけでありまして、そのこじつけということでは問題が大きいだろうというふうに思います。
 さて、この見直し論議が政府ではされているわけでありますが、今もおっしゃいましたように、最も注目されたのがこの建設業の問題でありますが、この資料二の右の上にありますが、建設業はこの六十八職種の一つであります。おおむね一万五千人ぐらい、トータルで、三年間の中では、大ざっぱですけれども、いらっしゃるわけでございます。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えると人手が不足するということで四月四日の緊急措置が取りまとめられたということで承知をしているわけですが、技能実習修了後に特定活動という在留資格で最長二年間、さらに技能実習を終えて本国に帰って本国の国づくりをする人に対してまた来いと、そして今度はそれも特定活動で最長三年間。これって、まさに本来の目的を逸脱して、言い方は悪いけど、また出稼ぎに来いと言っているようなものなんですよ。これ、まさに、事実上の技能実習制度の見直しになるわけです。
 これ、現状でも、この技能実習制度については大変政府内でも問題点がたくさんあるというふうに指摘をされているんです。例えば、総務省では、昨年、行政評価・監視という形で技能実習制度等への指摘をいたしました。その内容、大変たくさんあるわけでございますけれども、今日は総務省渡会局長見えていると思いますので、この技能実習制度に関し厚生労働省に行った勧告、これに絞ってその概要を御説明ください。
#9
○政府参考人(渡会修君) 技能実習制度につきましては、技能実習生の適切な受入れ及び管理を推進する観点から調査を行いまして、その結果に基づき、法務省及び厚生労働省に対して平成二十五年四月十九日に改善方策を勧告いたしました。特に、厚生労働省に対しましては、技能実習制度推進事業の実施状況等について調査を実施いたしました。その主な内容は次の三点でございます。
 まず一点目は、同制度における監理体制が形骸化している実態を踏まえ、その改善について勧告いたしました。具体的には、関係機関による情報共有の徹底、技能実習制度推進事業の巡回指導における基準の策定と指導の厳格化などでございます。
 二点目は、技能実習制度推進事業の競争性の向上のため、委託契約の実施方法の改善について勧告いたしました。具体的には、総合評価落札方式の導入、仕様書の内容の明確化などへの取組でございます。
 三点目は、技能実習生の技能修得状況の確認が低調であること等の現状を踏まえ、制度の運用状況の的確な把握、効果の検証の実施について勧告いたしました。
 以上でございます。
#10
○津田弥太郎君 もう細かいことは余り申し上げませんけれども、例えば、労働基準監督機関による是正勧告が二千二百五十二件あるわけです。これは平成二十三年。この一枚目の、皆様にお配りした資料の一枚目、資料一の左側の団体監理型というところに監理団体というのがあります。ここが重要な役割を果たさなければいけないことになっているんですが、この監理団体が、文書指導した同じ平成二十三年に三百四十四件しかしていないんです。あとはみんな労働基準監督署がやっている。二千二百五十二件は基準監督署がやっている。つまり、今のこの技能実習制度の仕組みの中で、実は不正な問題がしっかり把握されていないという、これが現状であります。
 このことをしっかり認識した上で大臣にお伺いをしたいわけでありますけれども、つまり、現状においても大変多くの課題がある。加えて、今回の建設分野における緊急措置、これは事実上の技能実習制度の見直しという形で行われるわけでありますけれども、これ大きな問題を生じさせるのではないかというふうに思うんです。
 大臣、建設業は、重層的な下請、孫請関係の下に業務処理が行われております。日雇労働者も多い。雇用管理も大変です。福島第一原発のあの問題、汚染処理の問題で、孫だ、ひ孫だ、やしゃごだ、もうえらいことになっている。その結果、労働災害の発生件数も極めて多い。直近の平成二十四年の確定値では、全産業の労災で死亡した数一千九十三人のうち、実に三三・六%、三分の一が建設業なんです。建設業で三分の一が死んでいる、労災で。十年間、ほぼこの三割というのはずっと続いているんです。建設業で三分の一死んでいる。
 だから、厚生労働省はそのことを十分認識をされているんです。建設・港湾対策室という専門部署を設けている。私の仲間の機械金属なんというのは何もない。建設だけはこうやってやっている。特別な部署を設けて、建設労働者の雇用の改善等に関する法律なんてまで作っている。こういう特別法を作って、特に建設業についてはしっかりチェックをしていかなければならないということで、厚生労働省は相当重要な位置付けをしてやっているわけです。
 三月二十六日の衆議院の厚生労働委員会で、建設労働者の厚生年金や企業健保、健康保険の未加入率が四〇%に上がる、こういうことが国交省のサンプル調査の結果としても明らかになった。つまり、これって本当に様々な問題が集中している。
 今回の緊急措置で、現行の技能実習制度における監理体制に加えて新たな特別の監理体制の創設を提案しているわけですが、これ、今現在でもこれだけ労働基準監督署が十倍近い指摘をしているわけですよ。こういう状況の中で、とてもとても問題が解決するとは思えません。
 したがって、人手不足だからということをもって安易に即戦力で外国人に頼るというのは、これは間違っている。安倍政権がそういうことをやろうとしているとすれば、それはこそくですよ、こそくなやり方です。私は見過ごすことができない。大臣、いかがですか。
#11
○国務大臣(田村憲久君) これは、四月四日に緊急措置として取りまとめられたところであります。趣旨は、今委員がおっしゃられましたとおり、東京オリンピック・パラリンピックに向かって、東京中心ではありますけれども、建設等々の需要が増える。もちろん、今現状、被災地の復興の方もやっておるわけでありますし、そのほかにもそれぞれ心配される災害に向かっての各地域での備えというものもあります。
 そういうことで予想すると、建設業に従事される方々の数が足らなくなってくるであろうということで、この緊急の措置というものがまとめられたわけでありますが、これ、技能実習制度ではないというのはもう委員もおっしゃったとおりでありまして、この制度を模してといいますか、つくった、特定行為という、言うなれば法務省の中の一つの制度をこの技能実習制度という制度自体にうまく重ねて、こういうようなことを今般緊急措置として取りまとめたわけであります。
 おっしゃられるとおり、その監理団体でありますとか受入れ企業等々、いろんな問題があるのも事実でございます。今も、これは建設業に限らずでありますけれども、技能実習制度においてはJITCOの皆様方に御協力をいただいたりなんかしながら、我々も問題があれば対応をしておるわけでありますけれども。
 今般に関しては、これは新しいスキームの中で、例えば五年間、不正行為でありますとか処分歴、こういうものがない、不正行為もしていないというようなことを、監理団体や受入れ企業の要件、限定をするというようなことでありますとか、あと、直接、国土交通省の言うなれば許可部局がこの受入れ企業に対して検査をする、そういうような形で検査監督をするというような形を取ったりでありますとか、元請企業に対して受入れ企業、これは下請になるわけでありますけれども、そういう企業に対して管理状況を確認し指導していくでありますとか、また協議会をつくって、この協議会において受入れ状況でありますとか不正等々、いろんな問題に関してしっかりと見ていっていただきますとか、そういうような管理上のいろんな仕組みといいますか工夫は入れようということで制度設計はしておるようでございます。
 いずれにいたしましても、来られる外国人の方々の人権はしっかり守らなきゃいけないわけでありますし、あわせて、賃金等々もこれは日本人並みということでございますので、この基本というものはしっかりと落とさずに対応しながら今般のスキームをお考えをいただいておるということでございまして、これから国土交通省を中心にいろいろと進めていかれるということでございます。
#12
○津田弥太郎君 駄目ですよ、そんな言い方。
 だって、この資料四の田村厚労大臣のコメントだと、ここは介護の問題で言っているけれども、質がどうなるか心配だと、こう言っているわけです。これ、建設業も同じことが言えるんですよ。まあ、後から介護の問題をやりますけれども、介護なんというのはふざけるなという話なんですよ。
 佐藤副大臣にお聞きをいたしますが、この介護に関する技能実習の見直し問題、これ本当に重要な問題ですよ、大問題。資料を見ていただきたいんですけれども、現在は技能実習制度の受入れ職種として認められていません、介護は。政府内でこの解禁をしようという論議が行われているわけで、安倍総理自らも外国人材の活用の仕組みの検討を求めたというふうに記事には出ているわけであります。
 我が国でも、EPAに基づいて介護福祉士を目指す外国人を受け入れているわけですね。三月二十七日にはそうした方々の介護福祉士国家試験の結果も公表されたわけであります。そこで、これまでのEPAに基づく介護福祉士の受入れ問題に関し、EPAですよ、副大臣、その評価と課題について御意見ください。
#13
○副大臣(佐藤茂樹君) 津田委員の御質問にお答えいたします。
 EPA介護福祉士候補者は、そもそも看護とか介護分野の労働力不足への対応ではなくて、二国間の経済活動の連携の強化の観点から、経済連携協定に基づきまして公的な枠組みで特例的に受け入れているものでございまして、ですから、対象者も相手国の看護学校卒業等、一定の要件を満たした方が対象となっているわけでございます。
 そういうことから、日本政府としても、これまで意欲と能力のある候補者が一人でも多く合格できるように様々な支援を行ってまいりました。例えば、訪日前後の日本語研修の充実とか学習支援とか、あるいは学習経費の補助等々を講じてきたところでございます。
 その結果、今年、津田委員の質問でも言われました三月末の国家試験では七十八人のEPAの候補が合格いたしまして、合格率は三六・三%でございます、これは全体でございますが。特に、特徴といたしましては、初受験者ですね、この合格率が今年非常に高まったと。インドネシア人の方では五七・一%、フィリピン人は五〇・〇%と、前年度よりもそれぞれ一〇%以上合格率が上昇したという結果がございまして、今まで三年間で二百四十二人のEPA合格者が出ておりまして、これから、今年度からはベトナムの方も対象となるということで開始することになっておりますので、今後とも意欲と能力のあるそういう候補者が一人でも多く合格できるように、政府としても引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
#14
○津田弥太郎君 確かに、御指摘のように徐々に合格者が拡大していると。介護福祉士の質は、外国人労働者であっても質は一定程度確保していくという形で進められているわけです。
 総務省の行政評価だと、それでも日本語能力不足問題というのはやはり課題であると、これ当然のことだと。これだけ、我が国に来る前に六か月、我が国に来てから六か月、トータルで一年間日本語研修をするわけですね、この方々は。それでも日本語能力の問題があると。さっきの建設業の場合はたった二か月ですよ。非常に職場は危険なわけで、当然、危ないとかいろんな安全衛生に関わる日本語をちゃんと分かっていないと大変事故が起きやすいわけですね。
 そういう面でも様々な課題があるということは当然のことなわけで、ここでちょっと切り口を変えて平口政務官にお聞きをしたいんですが、治安問題という観点から技能実習制度とEPAの比較をしてみたいんです。
 まず、平口政務官、平成二十二年から二十五年までの技能実習生の失踪者の数について、年ごとの数字をお教えください。
#15
○大臣政務官(平口洋君) 研修生と技能実習生、これの失踪者数でございますけれども、平成二十二年は一千二百八十二人、平成二十三年は一千五百四十四人、平成二十四年は二千七人、平成二十五年は三千五百六十七人と、このようになっております。
#16
○津田弥太郎君 もう年々倍増しているわけですね、失踪者数が。こういう状況にあるわけでございます。
 そこで、平口政務官は、元々建設官僚あるいは秋田県警の本部長もやられていたということでございまして、治安対策については非常に関心があると、ですよね。平口政務官、お聞きしたいんですが、EPAで受け入れた外国人について、我が国の治安維持という観点で特段の問題が発生したことございますか。
#17
○大臣政務官(平口洋君) お答えをいたします。
 EPAの方の制度によって、看護師、介護福祉士の受入れは、インドネシアから平成二十年、フィリピンは二十一年、またベトナムは本年六月、これから開始をするという、こういうことになっております。それで、受入れ人数が、インドネシアは一千四十八人、フィリピンは八百二十一人ということで千人前後でございますが、これらの方々から、現在、出入国管理上、特段の問題が生じているような事象はございません。
#18
○津田弥太郎君 そこで、平口政務官、介護分野が人手不足ということで、技能実習によって外国人を受け入れようという動きについてどのようにお考えでしょうか。
#19
○大臣政務官(平口洋君) 先ほど来お答えいたしておりますように、技能実習の制度とEPAによって受け入れる制度はちょっと違うわけでございまして、技能実習の方は、あくまで発展途上国、開発途上国の人づくりに寄与するということを目的としている制度でございます。
 今後、介護分野で仮に技能実習を受け入れるかどうかと、こういうことになりました場合には、やはりあくまで開発途上国本国の方の発展に寄与するかどうかという点からの検討が必要でございまして、受入れの是非を含めていろいろな観点から検討を行っていかなければいけない問題であると、このように認識をいたしております。
#20
○津田弥太郎君 回りくどい答弁をされておりますけれども、制度の趣旨に反するということをおっしゃっているんです。ですよね。そういうことなんです。(発言する者あり)いや、そのとおりなんだよ。平口さん、そのとおりなんです。
 大臣にお聞きしたいのは、介護分野というのは人と人との間のサービスです。高齢者の生きがいあるいは健康、命にも関わる分野なんですね。言葉の問題というのも重要な意味を持つわけですが、技能実習制度においては先ほど言いましたように僅か二か月、EPAでは丸々一年、それでもまだまだ足りないという総務省の指摘があるくらいなわけです。
 近年、介護労働者の処遇改善という問題、与野党を通じて厚生労働分野の最重要課題の一つになっているわけです。先月の雇用保険法の改正の審議の際にも参考人として出席されました専門学校連合会の小林会長が、介護の養成校については大きく定員割れをしており、その理由は介護現場で働く人の給料が安い、3K職場というイメージを持たれていることが問題だというふうに発言をされていたわけであります。だからこそ、中長期的なキャリア形成の対象分野として介護を念頭に置いた法改正を行ったんですよ、この間。
 この朝日新聞の最後のところに書かれておりますけれども、イメージの悪化による日本人の若者の介護離れ、これ、外国人を大量に介護分野に入れるということは、逆に今度は日本人の若者は介護離れをするんじゃないかというような問題提起もされているわけであります。
 当然、介護は公的保険制度でありますから、質の担保というのは政府に大変求められている。言葉の問題というのは大変大きな課題であります。万が一、大臣公示の追加により技能実習で介護を解禁したら、これ、大臣、歴史に名が残りますよ、悪い意味で。悪い意味でね。(発言する者あり)うるさい。おまえ、黙ってろ。
 この技能実習の見直しで、介護を解禁するということは絶対ないという答弁でいかがでしょうか。
#21
○国務大臣(田村憲久君) まず、特定活動に関して申し上げれば、これは建設業の場合でありますけれども、一度、技能実習、これを終えられた方でありますから、一定程度日本におられて、そういう意味では、その後帰られたというようなことが前提でございますので、何といいますか、日本においての生活をされる中においてのいろんな習慣だとかを身に付けられて、日本社会になじんでおられる、しかも、一定程度、日本の中において、建設業それぞれの分野において技能を持たれた方ということでございまして、そういう視点から今般提案された案件だというふうに認識いたしております。
 介護の場合は、介護に限らず、この技能実習制度というのは、元々単純作業ではないということ、さらには母国で技能を学ぶ、そういうようなことが不可能若しくは困難であるということ、更に申し上げれば、元々母国でそのようなことをされておられて、日本で更に高い技能を学ばれて、そして帰られて母国でその技術を生かしていただく、こういうことが前提であり、しかも国内において公的な評価システムがなければこれはできないということでございます。このような観点。そして、介護の場合は今言われた日本語という大きなやはり要件があるということ、さらには介護というものの質というもの、これもしっかりと我々は担保していかなきゃならぬということ、こういうことを併せて考えながら検討する必要があるんであろうと思います。
#22
○津田弥太郎君 今、政府では、地域医療・介護法案で、要支援について従来のプロフェッショナルからボランティアへサービスの提供主体を変更しようという取組が今後国会で提案されようとしているわけでありますが、私はこの問題と今回のこの介護を技能実習で入れるというのは、これはもう全然ダンチの問題だと思っています。これはもう絶対やっちゃいけないことです。そのことをしっかり申し上げて、私の質問を終わります。
#23
○委員長(石井みどり君) 委員の方々に一言申し上げます。
 質疑中は、委員におかれましては御静粛に願います。
#24
○西村まさみ君 おはようございます。民主党の西村まさみでございます。
 まず、いよいよこの四月一日から、新しい診療報酬の体系の中で始まりました。今回の改定は、前回の質問のときにも申し上げましたが、消費税が上がる分、初再診での手当てをしていただいた以外は前回改定の僅か十分の一以下と、大変医療に従事している我々からすると厳しい環境の中でスタートしたわけです。しかしながら、国民の皆さんも、消費税が上がり、まだまだ景気が良くなったという実感をしていない方々にとってここは医療費が上がるわけにはいかないということで、泣く泣くというか渋々というか、納得をいたしまして、四月一日から医療機関においては適切な医療の提供というものを引き続き患者さんにしているところです。
 しかし、委員会でも指摘がありましたように、今回の訪問診療の関係で、同一建物、同一日での複数訪問診療の適正化、減算によってこれは医師が来なくなるんじゃないかという心配が、高齢者施設、いわゆる有料の老人ホームとかサービス付き高齢者向けの住宅など集合住宅から上がりました。この三月三十一日には、厚生労働省として地方厚生局と都道府県に、こういった困難な症例が発生した場合の事例の報告を求めるという事務連絡をされています。
 是非とも、改定率、この四月一日から上がったわけですから、今すぐどういう困難な事例が出てくるかということはなかなか把握できないでしょう。でも、やはり、もしその報告が上がってきたときには一日も早い迅速な対応をして、国民、高齢者の皆さん、患者さんの健康の不利益になるようなことだけは是非とも避けていただきたいということを、まず冒頭、大臣を始め厚生労働省の皆様にお願いを申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
 ここから本題なんですが、四月二日、国連が二〇〇七年に制定しました世界自閉症の啓発デーでありました。我が国も、東京タワーを始め様々なところでブルーのライトというものをやって、私も大臣とともに東京タワーの点灯式には出席をさせていただきました。
 御承知のように、自閉症というのはいわゆる脳の機能障害であって、非常に日常の生活を普通に送るということは困難かもしれません。しかし、あのときのパンフレットにもありました、決して自閉症の人たちは自分の殻に閉じこもっているわけではなく、気持ちを上手に伝えることとか他人の言葉の意図を理解することにちょっと苦手ではあるけれども、純粋で一生懸命であり、またそれ以上に、うまく才能を伸ばすことをしてあげると本当に優れた才能とか能力とか仕事や芸術などに発揮することができるということは、そのときの大臣からのメッセージの中にも記されています。
 そこでお尋ねしたいんですが、自閉症や発達障害の皆さん、教育や就業とか健康相談とか様々な人生のステージの中で、いわゆる制度の見直しとか政策の制度を推進していくことの必要性ということはもちろんなんですが、それ以上に、やはりまだまだ国民の皆さんに周知していないというところもあって、いじめの対象になったり、またグループホームなど施設とかの建設をしようとすると近隣の住民の皆さんからの反対とか、様々な問題がたくさんあるんです。無配慮とか差別、自閉症、発達障害を始めとした、やはり理解というか問題を一つずつ解決していくということは、この四月二日という世界で決めた啓発デーだからこそ我が国日本も取り組んでいかなければならない課題だと思うんですが、大臣にちょっとお尋ねしたいんです。
 自閉症、発達障害の人たちへの相談、支援などの充実、そして社会への啓発、また教育の強化など、田村大臣がこれは十分必要だということを思っていらっしゃることは認識しておりますが、改めてその思いについて、また何としてもこれからの自閉症、発達障害の皆様が同じようにこの社会の中で暮らしていけるようにするためにはどういうことが必要かという大臣の御決意をお尋ね申し上げたいと思います。
#25
○国務大臣(田村憲久君) 四月二日、世界自閉症啓発デー、御一緒させていただきました、東京タワー。全国で、札幌の時計台でありますとか、また横浜、それから神戸、それぞれマリンタワー、ポートタワー、さらには大阪の通天閣でもブルーライトアップをしたわけでありまして、そういう意味では、そういうことを通じて、やっぱり自閉症を始めとする発達障害の皆様方、お会いしただけではなかなか普通には分からないわけでありますが、接していると、ああ、何かちょっと違うなという誤解を招くわけでありまして、そこがやはりこれは一つの障害であるということを認識をいただきながら、しかし一方で、すばらしい個性、そしてまた力をお持ちでありますから、そういうものをうまく伸ばしていただければ社会の中においても大変な御活躍をいただける、そんな力もお持ちの方々でございますので、そういうような理解をそれぞれ社会がしながら、それぞれ持てる力を最大限に生かしていただけるような、そんな環境をつくっていかなきゃならぬと、このように思っております。
 平成十六年には、発達障害者支援法という法律を超党派で作ったわけでありまして、その中においても、ライフステージに合わせていろんな支援をしていこうということであるわけであります。今も都道府県では、教育と連携しながらでありますけれども、いろんな支援をいたしておるわけでありますし、発達障害者支援センター等々、各市町村や福祉サービス等々に連携しながらいろんな支援もいたしておるわけであります。
 あわせて、やはり早期に発見して早期から支援をしていくということが重要でございますから、専門家の方々に、それこそ学校でありますとか保育所等々を巡回していただいていろんな支援をしていただくわけでありまして、その頃から社会も含めていろんな共通の理解というものを広げていく、こういうことが重要なんであろうなというふうに思います。
 いずれにいたしましても、これからも厚生労働省、発達障害者の皆様方、しっかりとその力を発揮いただけるような、そんな環境をつくるために努力してまいりたい、このように考えております。
#26
○西村まさみ君 大臣、ありがとうございます。
 大臣のその啓発デーに寄せていただいたメッセージの中には、厚生労働省としては、当事者や御家族の皆様の声をしっかりと聞きながら、発達障害のある人が一人一人の力を発揮でき、安心して暮らしていける社会の実現に向けて全力で取り組んでいきますというメッセージをいただいています。
 是非とも、これは本当に、その子供たちがそれぞれのライフステージの中で、どの状況においてもやはり健常の子供たちと同じように教育を受け、そして社会の中で暮らしていけるようにするためには、私たち周りの人間が意識を改革したり、この自閉症啓発デーを機会にこのことを教えていく、また皆さんに分かっていただくということが必要だと思いますので、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは次に、平成二十四年度の地域保健・健康増進事業報告の概況が公表されました。市町村が行う歯周疾患検診も実施市区町村数が九百八十一、検診の実施率は五六・四%と、まだまだとはいいながらも、実に過去五年間の中では最高の実施率になりました。受診者は二十六万六千六百六名と伸びてきていて、これはもうまさに関係各位の皆様に心からの感謝と敬意を表したいと思います。
 この報告から、二十三年度がん検診受診者の中で、精密検診が必要だと指摘されているにもかかわらず、二七%に当たる約三十六万人の方々が精密検査を受けていなかったり、また受けたかどうか確認していなかったという調査結果が先日のNHKニュースで報道されていました。
 生活習慣病を含め、自覚症状の出る前の早期治療が非常に重要で、さらに自覚症状のない段階で気付き、早期発見というものが、これをやっていくことが検診の一番重要なことだと思っています。しかし、残念ながら、症状がなくて日々の生活を行う上で差し障りがないということでの精密検査、指摘というものはなかなか、たとえがん検診であっても恐怖心があったり、まだ自覚がないからもうちょっと先でいいかと先送りされているんじゃないかという心配もこれは一方であるわけです。日々の多忙を理由に先送りされているということも多分あるでしょうし、何とかここを改善していって、早期発見、早期治療というものにつなげていかなければならないと思うんですが。
 今回、歯周疾患検診についてちょっとお尋ねしたいんですが、歯周疾患検診で受診を必要とされた方々の実際の歯科医院での、専門機関での受診状況はどうなっているかということ。そして二点目は、検診結果に基づいて精密検査医療機関の受診を促す、つなげる取組はどのように今現在、厚生労働省としてはやっているのか。またもう一点、もしそれが完全じゃないということを理解していらっしゃるのであるとするならば、改善策はどのようにしていくというふうに考えていらっしゃるのか。この三つについて厚生労働省にお尋ね申し上げたいと思います。
#27
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。
 御指摘の歯周疾患検診でございますけれども、健康増進事業ということで市町村が実施主体となっております。実施の状況につきましては、もう議員の方からお話がありましたので詳しくは申し上げませんが、約五割の市町村で実施をされまして、総数は約二十六万六千人、そしてそのうち約八割が要精検ということでございます。しかしながら、この要精検と判定された方が実際に歯科医療機関を受診していらっしゃるかどうかということについては、実態が把握できていない状況にございます。
 それから、そうした中で、今議員からはがん検診の要精検に係るお話もございました。歯周疾患もそうですし、がん検診もそうですけれども、要精検とされた方については、実施要綱上、医療機関において精密検査を受診するよう指導しているところで、がんは何とか要精検者が一体どのくらい受診をしたのかというところまではできていますが、歯とかあるいは骨粗鬆症のようなものについては、実は医療機関を実際に受診しているかどうか分からない状況にあります。
 がんを例に取りますと、どうしても受診率の向上という、最初の受診率の向上にのみ力点が置かれてしまって、要精密で受診したのかどうか、そして最終的には、がん、歯の場合ですと歯周疾患、重大な歯周疾患が発見されたのかどうかという結果のところがどうしても希薄になりがちだということは私ども自覚をしておりまして、今後疾病の性質とか特徴とかも踏まえながら、最終的には疾患をきちっと把握をして、それを治療に結び付けていくということが重要だということを肝に銘じて、来年度の予算や今後の健康増進の取組の中で生かしていきたいと考えております。
#28
○西村まさみ君 今、受診率に力点を置いてとおっしゃいましたが、まさにそうなんですね。大変立派な報告書なんですが、受診に関することだけで、その後どうしたのか、そこに来ていない皆さんたちにはどうしているかということはほぼ書かれていないので、今自覚をしているとおっしゃいましたので、何としてもこれ、受診するだけでは全く、検診を受けるだけでは何の意味もなくて、そこで要精密検査、必要だというふうに出たのであるならば、やはりきっちりとその後のフォローまでしていくことをして初めて国民の健康を守るということにつながるんだと思いますし。
 歯科の話を言うと、毎回で恐縮でございますが、歯周疾患というものが重症化すれば歯を失う原因の一番であります。歯を失うことによって人間は口から食べることができなくなり、そこから始まって様々な全身疾患につながっていくということは十分にこれはもう出てきているわけですから、何としても、がん検診の重要なことは誰もが分かる、でも、骨粗鬆症にしても歯周疾患にしても、是非とも、検診をして受診率を上げることだけを目標、力点に置くのではなく、その後のフォローをしっかりとやっていただくということでよろしいですか。
#29
○政府参考人(佐藤敏信君) 議員の御指摘にもありましたように、個々の疾病の性質や特徴を十分踏まえながら、今後の取組を充実させていきたいと考えております。
#30
○西村まさみ君 是非よろしくお願いします。
 それでは続きまして、また、今がんの話が出ましたので、前回ちょっと言いっ放しになりましたところと、時間がないので答弁を簡潔になんてお願いしましたので、ちょっと改めてお尋ねしたいんですが、子宮頸がん予防ワクチンについて。
 あのときも言いました。昨年四月からやっと定期接種化して、受診勧奨を多くの自治体、また医療機関でしました。ところが、副反応報告等を受けて、六月には積極的な受診勧奨を中止して、今現在に至っていると。あのとき、私も質問の中で、予防接種、これは非常に重要なことだということは言いました。そして、それと同時に、受診を勧める、予防接種を受けることを推奨している年齢が小学校六年生から高校生の女性、女子、少女です。あの子たちに対しての教育と、そして今後の検診と、これは三つを一緒にして初めて成り立つんだと、そういうこともお話をいたしました。
 あのときの厚生労働省のお答えでは、様々、今受診勧奨をもう一度積極的にするかしないか論点整理が始まっているところで、もう行っているところだということ、そして副反応検討部会の中でもおおむねの意見の一致は見られているところであるということ、そしてこれからも積極的な接種勧奨の再開についても検討していくことになるんだろうというお答えでしたが、教育について、教育が必要だと私は申し上げました。
 教育についてのお答えがなかったので、まず最初に、これは何度も言います、予防接種と検診と教育、しかも予防接種をする年齢の子供たちに対しての教育が一番必要だと思うんですが、その点について、厚生労働省、いかがお考えでしょうか。
#31
○政府参考人(佐藤敏信君) HPVワクチンの接種に係る教育のお話でございます。
 実際のところ、このワクチンというのは小学校六年生ぐらい、思春期で、十分科学的なことも理解できるような年齢に差しかかっているんだろうというふうに思います。そうした中で、副反応検討部会の中でも、このワクチンの副反応問題を取り扱う過程で教育の重要性というのは指摘をされております。具体的には、例えばHPVというウイルスはどういうものなのか、これにワクチンを接種するというのはどういうことなのか、もしワクチンを接種しなければどういう状態になるのか、ワクチン以外にこれを防ぐ方法はないのか、あるいはがん検診みたいなものはどういうふうに有効なのか、そして最終的にはがんはどうやって防ぐのか、がんまでどう発育といいますか成長していくのかみたいなことも含めて、きちっとやっぱり説明をする必要があるだろうということは言われました。
 それから、ワクチンの接種そのものに関して言うならば、これまでのワクチンが専ら皮下注射だったのに比べまして、これは筋肉注射、筋注でございますので、痛みが強いということも訴えも相当聞いておりますし、その痛みが強いために、ちょっと、失神という言葉を使われていますけれども、倒れてしまった、倒れて頭を打ったというようなことも聞いておりますので、通常のワクチンより痛いんだ、痛いということになると、接種をされる方だけじゃなくて接種のお医者さんの側の注意も必要になってきますから、そうしたこと、接種に直結しての注意事項等々も必要だろうということで、改めてやっぱり広い意味での注意喚起、啓発が重要だという御指摘はいただいておりまして、今副反応の議論をしておりますが、それと並行してそういった注意喚起、教育の話も充実していく方向だろうと思います。
#32
○西村まさみ君 今お話しいただいた中で、今回の報告書案には、二月二十六日に専門家の先生から、痛みがこれまでの予防接種の痛みのイメージとは懸け離れているということであるとか、接種部位に大変強い痛みが生じやすいことを接種者に十分説明することが求められるというんですが、局長は今、いろんな意味で理解をできるような年齢に差しかかっていると言いましたが、果たして六年生や中学一年生の女の子に、例えば子宮頸がんワクチンがどういうことで、どういうふうにして起こるのか、そのために予防注射が必要だけれども、これは物すごく痛いんですよ、それでもあなたは受けますかと言われたときに、六年生の女の子が、はい、それでも受けますと言うことはなかなか難しいと思うんですね。
 だから、痛みに対することということは教えることは十分必要だとは思うんですが、何かその以前に、予防接種を受けるその場で説明を受けるのではなくて、その前の教育というところで、注射は痛い、これは誰もが多分同じ認識だと思うんです。ただ、その感じ方は、一番敏感な年齢のときに受けるからこそ、心理的なものとか、ショックで倒れたり頭をぶつけたりということがあるんでしょうから、やはり教育というものが先にあって、その後やっぱり予防接種を受けること、そしてその後検診をきちっと受けていくということをもう一度やっぱり徹底していかなきゃいけないと私は思っています。
 それから、昨年の四月からが定期接種、それまでももちろん受けている方がいますが、この予防接種というのは三回の接種が必要です。二種類の薬の中で、例えば一回目やった後、一か月目に二回目、六か月後に三回目とするときに、昨年四月から定期接種化して、もう六月に積極的な勧奨を一旦中断しているわけですから、一回目しか受けていない子、また、二回目を受けたところで三回目を六か月以上たっているけれども受けていない接種者というものがやはり私はいると思うんですが、三回の予防接種をしないで途中で中断したときにこのワクチンの効果は一体どうなのかということ、これが一点。
 それからもう一点は、接種後中断した、一回しかしていない、二回しかしていない、そういった中断した人の数をきちっと把握しているのか。また、当然受けないからには受けないなりの理由があるわけですから、それに対する相談や説明というものをきちっとしているのかということ。
 これについてちょっとお尋ねをしたいと思います。
#33
○政府参考人(佐藤敏信君) 御存じのように、ワクチンの数あるいは種類と言ってもいいかもしれませんけれども、大変増えてきておりまして、それも一期とか二期とか、一回目とか二回目とか、そういうふうになりますので、お母様方あるいは御本人様も時々忘れたり、どうしてもそのときに風邪を引いたり等して時間が空いてしまうことがあります。
 そういうこともありまして、HPVワクチンも含めまして、ワクチンおおむね四種類ぐらいについて厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会で御審議をいただいております。昨年の十一月から十二月にかけて、少し科学的なデータも出していただきながら御議論をいただいております。
 結論を先に申しますと、薬事法に基づく添付文書に書かれている通常の接種の間隔よりも長い間隔で接種したとしても、ワクチンの有効性には影響はないという結論が得られております。したがいまして、この場合のHPVワクチンの接種ですけれども、仮に、こういう副反応の報道があったこととか、あるいはたまたま体調が悪いとか、いろんなことで中断されている方についても、残りの回数を接種をしていただければワクチンの効果は得られるものというふうに言えると思います。
 それから、次の御質問が、中断している人が仮にいるとしたときに、接種回数ごとの接種者、とりわけ中断している人がどのくらいいるか把握をしているかという御質問だったと思います。
 厚生労働省では、このHPVワクチンの接種回数ごとの接種者について定期的に市町村から情報を収集をしておりますので、その情報を基に一定の仮定を置いて計算すると、接種を中断した者の数についてもおおよその推計をすることは可能であると思います。
 ただし、実は、個人に着目をして、例えばAさんという方が一回目を受けて、そのAさんが二回目にいつ受けたかとか三回目はいつ受けたかとかいう記録を取る形にはなっていませんで、マスでデータを取る形になっていますので細かく取ることがなかなか難しゅうございまして、マスのデータを集計をしてそれを基に予測をするということになっております。昨年度の統計の集計にもうちょっとだけ時間を要するので、いましばらくお待ちをいただければと思います。
 以上でございます。
#34
○西村まさみ君 おっしゃるとおりだと思うんですね。
 それは、誰さんが、何さんがどこで何回やってどこで中断しているか、それを把握しろということは難しいと思うんですが、大体、予防接種というのは多分同じ医療機関、三回打たなければならないものであれば同じ医療機関で受けるということをすると思うんです。でしたら、医療機関宛てに、途中で中断している患者さんがいるならばというような、なぜ中断しているのか、心配なことがあったら相談をしてくださいとか、そういう窓口は必要だと思うんですが、子宮頸がんワクチンについて副反応がこれだけテレビや様々な報道で出ている中で、相談の窓口はありますか。
#35
○政府参考人(佐藤敏信君) HPVワクチンの接種の中断あるいは副反応をめぐるお話等々につきましても、厚生労働省のホームページなどにおいて少し丁寧に説明をするQアンドAのような形で御説明をするような形にしておりますし、また今後は、今先生お話にありましたように、接種医、これは産婦人科医であったり、小児科医であったり、内科医であったり、様々でございますけれども、関係の接種を担当してくださる先生、そしてその団体のようなところにも引き続きその御協力やお願いのような形で対応してまいりたいと考えます。
#36
○西村まさみ君 是非、一回、二回受けた少女たちがもう残りの回数をきちっと受けるということの必要性と、今、副反応で苦しんでいる皆さんたちに対する説明と、やはり相談の窓口というものはしっかりつくっていただきたいと私は思います。
 何度も言うんですが、まさに私が中学一年を迎えた娘の母親です。まだ迷っています。しなきゃいけないことは十分に分かっています。医療に関係する人間としては、予防接種の効果というものも十分に分かっています。ただ、やはりこれが一たび医療関係者から一人の母親として考えたときに、あの症状で苦しむ若い女の子たちの姿を見たときに、私以上に迷っている母親そして子供たち、いっぱいいると思うので、是非、安全性が確たるものとしてしっかりあるのであれば早くそれを証明し、またそうでないとするならば、どういったところに問題点があるのかということも含めた相談の窓口や意見を聞くという窓口を是非おつくりいただくことをお願いを申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
 前回、もう一点積み残しというか、質問の途中で終わってしまったことで、歯科の口腔保健推進室についてお尋ねをしたいと思います。
 もう何度も言っていますね。皆さんも十分御理解いただけていますし、前回の委員会では歯科健診の重要性というものが皆さんのお口から出ましたので御理解いただけると思うんですが、何といったって国民の食と健康寿命の延伸に関わるためにあの歯科口腔保健法ができたわけです。そして、それを充実をさせて発展させていくためには、歯科口腔保健法と同時に設置された推進室の役割が十分に必要と。
 前回のときに、今まで推進室ではどういった会議をしてどういった議論をしていったのか教えてほしいと言ったところ、残念ながら手元に資料がありませんので、その点については御容赦くださいと言われましたので、そのときは御容赦をしたんですが、今回、質問通告をしっかりとしておりますので、今まで、歯科口腔保健推進室ができてから本日に至るまで、どういった議論をどのくらいの回数でして、何を目的としているのかをお知らせいただきたいと思います。
#37
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 歯科口腔保健法の成立の直後でございますが、平成二十三年八月に医政局の中に歯科口腔保健推進室を設置をしたところでございます。この部屋では、私どもの歯科保健課の職員を始め関係の障害保健福祉部でありますとか、あるいは母子保健課、あるいはそのほか老人保健課も含めて、あと労働衛生課も含めて、歯に関わるところの部局の職員を兼務という形で併任を掛けて推進室を形成しているところでございます。
 その中でまずやった仕事といいますのは、この口腔保健法の中でまず掲げられております歯科口腔保健の推進に関する基本的な事項を定めるということでございます。これにつきましては、歯科口腔保健に関する知識の普及啓発等の施策、それから総合的な実施のための方針、目標、計画を定めるということになっておりまして、その中には当然ながらライフステージに応じた、乳幼児期からあるいは学童期、成人期それから高齢者に至るまで、さらには障害者の歯科問題、これらも含めた形での目標を策定していくことにしたわけでございます。これが約一年掛かりましたが、平成二十四年七月にできたわけであります。
 こういう過程の中で、実はこの推進室そのものが、じゃ定期的に全体としてみんなが集まってやったかというと、残念ながらちょっと記録には残っておりません。ただ、それぞれの施策の場面場面では、それぞれの関係部局の人と一緒に会議を頻繁に実施したというふうに聞いております。
 また、この組織、定員につきましても、推進室、先ほど言いましたように、私どもの中にある意味では兼務の形でつくっていったわけでありますけれども、極めて定数、組織、定員、非常に厳しい中ではありますけれども、平成二十五年の十月から、歯科口腔保健の推進を図るために、歯科口腔保健専門官一名を確保したところでございます。
 今後とも、必要な場面に応じて、この必要な組織、定員の要求などを含めまして、この歯科口腔保健に関する施策を推進していきたいと考えております。
#38
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 推進室で記録にないということは、やっていないというふうに申し上げるつもりはないんですが、やはりあの法律の中にはしっかりとPDCAサイクルにのっとってやっていくわけですから、この間も申し上げました、今既に条例は、三十八道府県、四十七の市、二区十一町一村で条例ができているわけですから、その条例がどのように生かされて、どうやって国民、市民、県民の口の中の健康というものを守っていくのかの状況の把握とか、是非ともいいことをしているところはほかの地区にそれを周知させるとか、そういうことをまずやっていただきたいと思いますし、何よりも、前にも申し上げましたが、専任の職員がいなくて、やはり兼任の皆さんがいろいろな知識を集めて検討されているということ、これ大変重要なことだと思うんですが、少なくともやはり専任をお一人ぐらい置いていただくように、いろいろな問題があることも十分に承知していますが、これからの課題の中では、やはりこの歯科口腔保健法を充実させて機能させていくためにはやはり専任の人間が必要なんじゃないかと思うんですが、その点についてはいかがお考えですか。
#39
○政府参考人(原徳壽君) 先ほど少し触れさせていただきましたけれども、なかなか組織定員数の全体を削減するという中で非常に厳しい状況であると。その中で、昨年の十月から半年になりましたけれども、専門官一名を何とか確保したと。今後も必要に応じて要求はしていきたいと考えております。
#40
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 全身の健康、歯科とのつながり、それから国民の健康寿命の延伸、これにつながるのに歯科は大変重要な役割を示しているということは多くの皆様に御理解いただきましたので、引き続きこの推進室がきちっと機能するように、厚生労働省の中でも大臣を始め皆様からの御指導をいただきたいと思います。
 時間になりましたので、これで終わりにします。ありがとうございました。
#41
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 今日は、職場における腰痛対策についてお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
 資料一を見ていただきたいんですけれども、ちょっと古い資料なんですね。いい資料が見付からずに二〇〇四年の資料を出しましたけれども、通院している患者さんの病名、腰痛なんですけれども、第一位が高血圧、第二位が腰痛症、第三、糖尿病、虫歯。女性は、第一位が高血圧症、第二位が腰痛症、第三位が虫歯というふうに言われています。腰痛症の場合、慢性疼痛になるとまたちょっと雰囲気が大きく変わってきますので、このことについては改めて別な機会に話させていただきたいと思いますけれども、ここでは腰痛症は重要な疾患であるということを認識していただきたいと思います。
 そこで質問いたしますが、我が国の業務上疾病の主なものと、その中で腰痛、いわゆる職業性腰痛の占める割合はどれぐらいでしょうか。
#42
○政府参考人(半田有通君) ただいまの御質問にお答えするに先立ちまして、一点おわびを申し上げたいと存じます。
 本日配付されてございます山口議員提出資料のうち資料五、「主な業種における労働災害(休業四日以上の死傷災害のうち腰痛に限る)の年千人率」についてというのがございますが、これは私どもが山口議員からの資料要求にお応えして提出したものでございますが、この中に四か所間違いがございました。誠に申し訳ございません。訂正をさせていただきます。
 訂正箇所は、資料五の平成二十四年、卸売・小売業の腰痛災害の人数ということになってございますが、ここが千百六人となってございますが、正しくは八百三十四人、平成二十四年の卸・小売業の腰痛災害の年千人率が〇・一二となってございますが、正しくは〇・〇九となります。同じく、平成二十四年の社会福祉施設の腰痛災害の人数が千二百七十七人となってございますが、正しくは九百五十七人、平成二十四年の社会福祉施設の腰痛災害の年千人率が〇・三八となってございますが、正しくは〇・二九でございます。
 ただいま申し上げましたように、資料要求をいただきまして、部内で集計する際に集計作業に誤りがあったものでございます。誤った数字を資料として提出するようなことになってしまいました。今後このようなことのないように正確な集計作業に努めてまいります。重ねておわびを申し上げまして、お許しを願う次第でございます。本当に申し訳ございませんでした。
 以上の訂正を申し上げた上で、先ほどの山口委員の御質問にお答えを申し上げます。
 業務上疾病の発生状況の概要でございますが、平成二十四年の休業四日以上の業務上疾病発生状況は、全体で七千七百四十三件でございます。そのうち職業性腰痛が四千八百三十二件で、約六二%と最も多く占めてございます。このほかに、熱中症等の温度や気圧などの物理的原因による疾病が六百八十四件で約九%、それからじん肺及びじん肺合併症が三百六十一件で約五%となってございます。
 また、業種別の業務上疾病発生状況を見ますと、社会福祉施設を含む保健衛生業でございますが、ここで千六百五十四件で、全業種の約二一%と最も多くを占めてございまして、そのうち職業性腰痛の発生件数は千三百九件、約七九%と最も多くなっているという状況でございます。
#43
○山口和之君 質問が毎回毎回なものですから自転車操業に近いところがあって、資料提出をすぐにお願いしますとかそういう状況があったので、ちょっと弁護させていただきますとヒューマンエラーがあったということだと思います。でも、気付いていただいただけでもよかったなと思って、オープンになる前に気付いていただけましたから。
 もう圧倒的に腰痛が、四日以上休む方が多いわけですね。もうこれは、ここについてどれだけ力を入れるかということが今後大事になってくるんだと思いますけれども、それを踏まえた上で、職業性腰痛の医療費はどれぐらいなのか、教えていただきたいと思います。
#44
○政府参考人(半田有通君) 仕事が原因で腰痛になったとの労災請求につきましては、業務と腰痛との間に相当因果関係が認められるときには業務上の疾病として労災認定を行い、この療養に掛かる費用などにつきましては労災保険から給付を行っているところでございます。
 ただいま御質問ございましたが、腰痛を含めた業務上の疾病別の療養費につきましては、誠に申し訳ございませんが、システム上把握できないということでございます。今後とも適切な、適正かつ迅速な労災補償に努めてまいりますということで御了解をいただければと存じます。
#45
○山口和之君 調べてあるのは四日以上休んだ方であって、実際それ以外で腰痛を抱えている方、あるいは病院や診療所にかからなくても腰痛になっている方、あるいはそれ以外の代替医療にかかっている方々、たくさん、もっとすごい数いる可能性あります。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
 医療機関にかかっている人でどれぐらいかという計算をしている方がいらっしゃって、それは順天堂大学の伊藤弘明先生らが出した数字は、職業性腰痛で二〇一一年で八百二十一億円と言われております。これは、診療所にかかった、あるいは病院にかかった方で計算されているんだとは思いますけれども、それ以外でも相当数いるものだろうというふうに推測いたします。
 また、我が国の職業性腰痛による経済的な損失はどれぐらいあるものかということをちょっとお伺いしたい。
#46
○政府参考人(半田有通君) 職業性腰痛が発生することによりどれぐらいの経済損失が発生するのかということにつきましては、経済損失の定義自体がなかなか難しいところもございまして、具体的に検証、参照できるデータなども足りないため、お示しするのが困難なところがございます。
 しかしながら、平成二十四年に職業性腰痛により四日以上休業された労働者数が四千八百三十二人ということを踏まえますと、厚生労働省としても腰痛予防対策が重要な課題と認識してございまして、その対策にはしっかり取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
#47
○山口和之君 どの数字が正しいかちょっと分からないんですけれども、欧米で数字を出してきているのがインターネットの中でありますけれども、相当な数字だというふうに出てくるんですね。これから労働人口がどんどん減っていくというふうに考えていくと、あなた、腰が痛いから辞めてくださいなんという社会はもう成り立たないですよね、まずそういうことはあっちゃいけないんですけれども。今までは腰を痛めて仕事を離脱するというのはどちらかといえば本人の責任に近いところがあって、辞めざるを得ないような環境があったりしていますけれども、これはもう、まずこのこと自体が話にならないんですけれども。
 データ、資料の三を見ていただきますと、腰痛というふうに限定はしておりませんけれども、これは中災防といって中央労働災害防止協会の方で出している、ネットで出しているものなんですが、MSDsというのがあるんですけれども、これは骨格筋系の障害でありまして、それの、欧州でいくと約四千万人おると、仕事が原因となる欠勤の原因の中で最も多くを占めていますと。その中で、GDPの二%に達すると、ちょっとすごいなとは思うんですけれども、これは本当かどうか、中災防で出しているのである程度信用していいのかもしれませんけれども。
 資料四を見ていただいて、資料四の国際安全衛生センターの方で見ますと、骨格筋系の障害に関わる医療費とリハビリ費用というところで各国の数字が出ていますが、その下の国民総生産、GNPに占めるこの障害の費用についてですけれども、大体イギリスでは〇・七九から〇・八二に相当する、GNPの、相当すると言われています。オランダではGNPの〇・一%、それからドイツでは〇・六%、フィンランドでは一%というふうに出ています。いずれにしても物すごい数字がこの障害によって起きているわけです。そう考えますと、障害で四日以上、四日以上ですからね、これどれぐらい休むか分かりませんけれども、腰痛の方が六割を超えて大きな損失になっていることは間違いないと思います。
 それでは、社会福祉施設における腰痛災害の現状についてお伺いいたします。
#48
○政府参考人(半田有通君) 平成二十四年の全産業における労働災害発生件数は十一万九千五百七十六件でございます。このうち腰痛災害の発生件数は四千八百三十二件となってございまして、約四%を占めてございます。
 一方、社会福祉施設における労働災害発生件数は六千四百八十件でございまして、このうち腰痛災害の発生件数が九百五十七件と約一四・八%を占めてございます。全産業と比べますと、労働災害全体に占める腰痛の割合が社会福祉施設では非常に高くなっているということが分かるところでございます。
#49
○山口和之君 いずれにしても、この社会福祉施設、介護が主な人材だとは思いますけれども、その方々の腰痛というのが非常に多く出ていると思います。ましてや、増えているということになっていますけれども、社会福祉施設に対して腰痛対策をどのようにしているのか、お伺いしたいと思います。
#50
○政府参考人(半田有通君) まず、腰痛予防対策でございますが、これにつきましては平成六年に策定しました職場における腰痛予防対策指針というものがございまして、これに基づき、主に重量物を取り扱う事業者に対して啓発指導を行ってきたところでございます。このような中で、近年、高齢者介護などを行う社会福祉施設の腰痛発生件数が大幅に増加してきていると、こういったことを踏まえまして、第十二次労働災害防止計画でも腰痛予防対策を重点対策の一つとして位置付けたところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、昨年六月に先ほど申し上げました職場における腰痛予防対策指針を改訂いたしまして、次のようなことを盛り込んでございます。まず、各事業場において、一つには、移乗介助時にリフトなどを用いまして人力で抱え上げないなどの作業方法の見直しを行っていただくということを入れてございます。二つ目といたしまして、腰痛予防のための教育をやっていただくと。三点目といたしましては、リスクアセスメントを実施していただくと。こういったことなどを盛り込みまして、事業場を対象とします講習会の実施によりこの対策の普及、定着を図るということをやってございます。
 あわせまして、リーフレットの作成等を行いまして周知啓発を行ってございます。
 さらに、介護サービスを行う中小企業事業主が介護福祉機器などを導入した場合や腰痛健康診断制度などを導入した場合、こういった場合に中小企業労働環境向上助成金というものを支給することによりまして、事業主による腰痛対策を促進しているところでございます。
#51
○山口和之君 ありがとうございます。
 田村大臣の方から、多分これ全国でやりなさいということで一斉に、一斉というか、全国で始まった指導であると思っています。非常に自分としては評価しておるんですけれども、ただ、ちょっと時間が短かったり、研修の内容、でも、ないよりはもう全然ましな話で、こういうことを積極的にチャレンジしていかないと、労働者は使い捨てではないので、一緒になって改善していくということがとても大事です。これが慢性疼痛に変わっていくと、もうその方の人生そのものが大きく変わってきてしまいますし、そういうことから考えると、あるきっかけの段階で防御する意味でも、田村大臣が出された研修会については評価いたします。
 ただ、実はTHP、この前話をしたときに、会場からもTHPの話は、トータル・ヘルス・プロモーションというんですけれども、これは職場において健康に働きましょうという話をしたときに、あのときは委員の中からもほとんど機能していないよという話がありましたけれども、THPが六十三年に出たときには鳴り物入りのデビューでした。これはすばらしい、これは世界に誇れるような健康指導であるというふうになっていたんですが、補助金がなくなった瞬間にすっと引く状態になりました。いわゆる根付かない状態でそのまま進んでしまいました。絵に描いた餅が絵に描いた餅のまま少し終わっていくような雰囲気になってしまいました。もしそれをしっかりとした支援をして全国に根付かせていたら、また日本の労働災害の雰囲気も大きく変わってきたのではないかなというふうに思います。
 自分がヨーロッパに視察に行かせていただいたときには、まだ議員ではありませんでしたけれども、以前行ったときには介護施設でリフトを使っているところが非常に多かった。日本はほとんど使っていない。何で使っていないかというと、少ない介護の人材で物すごいスピードでいろんなことをやらなきゃいけない、特に自立を支援するような介護、しっかりした介護をやろうとすると、手間暇がいっぱい掛かるんです。そう考えてくると、もう時間がないからリフトを使っている暇はないと。リフトはほこりをかぶって袋がかぶせてあるような状態のところの施設は幾つも見てきました。これは、元々人員配置の問題もありますし、最低基準でやっている施設も非常に多いということと、そこに対しての経営者側の視点が少ないと、腰痛に対する。
 自分が視察しましたところでは、ちょっとどこの国を回ったときのどこで見たか、お聞きしたか忘れましたけれども、経営者、いわゆる雇用者が罰せられるんですね、腰痛になると、しっかりとした指導をしていないと。ですから、リフトはしっかりしている、あるいは、自分は理学療法士ですけれども、産業理学療法士、理学療法みたいなのがあって、しっかりと指導をするというものがあったりしていました。ここは日本とやっぱり大きな違いのところだと思います。この前の努力義務と義務化と同じかもしれませんけれども。
 介護の現場で腰痛になるということは、これから百万人増やしていく介護労働者をどう支えていくかということになったら、大きな大問題であることは間違いないと思っています。労働人口は減っていきます。しっかりと、労働される皆さんと、それから経営される側と、それと健康を支援する国が一体となって支援していかなければならないと思っています。ましてや、これから高齢の方々についても、正式な介護労働者になるかどうか分かりませんけれども、手伝っていただこうというふうな雰囲気を持っている以上、この問題については本気で取りかかっていただかないといけないと思っています。
 田村大臣には、せっかく研修会、全国でスタートしていただきましたけれども、より一層力を入れてこの分野を支援していただきたいと思います。大臣にお伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(田村憲久君) 労働災害含めていろいろな統計資料を見ていますと、やはり福祉施設では圧倒的に腰痛が多いということで、十分な教育もなかったんであろうと。それは、要介護者の体勢を変えるときにちゃんとした要するに体勢で変えなければそれだけで腰痛が起こっちゃう。つまり、ちょっとした力の入れ方で腰痛というのは起こるわけであります。その専門であられますからよく御理解いただいておることだと思うんですが。
 そういうことを考えたときに、やっぱりこれは何とかしなきゃならぬという話でございまして、これ二十五年度から始まった第十二次防に関しましてもこの部分は重きを置いておるわけでありますし、今言われました腰痛予防対策指針という中においても、この作業の仕方でありますとか教育、こういう部分が重要であるということになっておるわけでありますが、やはり講習会をこれは全国でやっていかなきゃならぬと。
 この講習会に関しては、これぐらいの人数というお話もありますが、しかしそれは各事業所の方々が来ていただいて、その事業所で広げていただくという意味でやっておりますので、そういう意味では、我々としては意味のあるものにしていかなきゃならぬと思っておりますし、しっかりと内容もこれからも精査していかなきゃならぬわけでありますけれども、それを生かしていただいて、ほんのちょっとしたことでも変わってくるわけでありますから、福祉施設でのやはり腰痛というものを減らしていただきたい。リフト等々もありますし、更に言えば、これからいろんな介護ロボット、アシストスーツ、そういうものも、これは介護する側にとってもそういうようなものが今出てきておりますから、そういうものの利用というのも一つかも分かりません。
 いずれにいたしましても、これから百万人、二〇二五年に向かって、介護従事していく方々、人数増やしていかなきゃいけないわけでありまして、この中において、今言われたように、腰痛ということでもし介護できないという話になれば、これはもうすごい損失であります、ノウハウを持っている方がそれでできないわけでありますから。そういうことをなるべく少なくしていくように、我々しっかり教育も含めて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#53
○山口和之君 日本は超高齢化社会、世界で最速で高齢化社会を迎えています。介護は大事な一つの支援策ですけれども、これは世界の見本にならなきゃいけない、本来であればそうならなきゃいけないことです。
 そう考えていくと、従来の対応の仕方ではとても減っているとは思えない。ここは少し、思いっ切り力を入れていただきたいところだと思います。ましてや、昔、特別養護老人ホームあるいは介護施設のところでほとんどベッドで寝ていた時代、その時代は、ほとんど介護のところで、ベッドの上での介護ですから、それほど腰痛発生というのはなかったですけれども、最近は車椅子に座りっ放しというのもありますけれども、それをしっかりとした自立支援の介護を行おうとするならば、更にこれは腰痛の数は物すごい数になります。
 講習だけではなくて、一歩踏み込んだ現場の場面での指導、あるいは早い段階での治療ということをしっかりやっていかないと、これはもう労働産業としては非常に問題が起きると思っています。是非、田村大臣の時代にしっかりとした体制を整えていただければと思います。
 本日はこれで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#54
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 ブラック企業にはびこっている固定残業代制度についてお聞きをしたいと思います。
 今、居酒屋チェーンなんかで、これを悪用して正当な残業代を支払わない手口が広がっております。こういう会社は、募集の段階では長時間労働を前提にした賃金を所定内賃金であるかのように示して、労働者は入ってから初めて気が付いて、余りのひどさに辞めてしまうかあるいは我慢して働き続けるかと、こんなことが強いられています。
 厚労省にまず聞きますが、固定残業代制度を採用して、三六協定を上回る残業をさせながら固定分を超えた残業代を一切支払っていないような場合は、どのような法令違反になりますか。
#55
○政府参考人(中野雅之君) 一般論でお答えいたしますが、固定残業代制度を採用いたしまして、定められた時間数を超えて時間外労働を行わせたにもかかわらず差額の割増し賃金が支払われていないとすれば、時間外の割増し賃金の支払について定めました労働基準法第三十七条違反となるわけでございます。また、労働基準法三十六条の協定で労使が定めた延長時間以上に労働者に時間外労働をさせているのだとすれば、法定労働時間を定めました労働基準法第三十二条違反となるということでございます。
#56
○小池晃君 具体例ですが、北海道の田井自動車という消防車両などを製造している企業の雇用契約書とそれから給与の明細の書類、昨日厚労省に渡しましたので大臣も御覧になっているかと思います。これは、雇用契約書では給与の中に残業代が入っていることは明示されていません。ところが、十九万円という給与の中に実際には固定残業代六万三千円が含まれている、それが給与として明細として出ております。
 この会社の三六協定では、残業上限月四十二時間、年間三百二十時間で、特別協定は結ばれていない。それなのに、多い人で月百八十六時間、大半が百時間を超える残業を強いられてきた。みんな消防車を造るという仕事に熱意を持ってきたので、それで頑張ってきたというふうに労働者は言っているんですが、過労死基準オーバーの状況でありながら、固定残業代制で月六万から八万円以上は一度も支払われたことが、会社は大正時代からある会社らしいですけれども、一度も支払われていないというんですね。
 元々、この会社の基本給二十万円で、固定残業代は二万円だったんだけれども、労基法違反になるということを恐れて、基本給を五万円削って残業代に移したと。その結果、基本給は職能給を含めても北海道の最賃並みなんですね。余りにも賃金が低いということで労働者が組合をつくって、固定残業代の実態はこれ基準内賃金だということで、実労働時間分の残業代を求めて今闘っています。
 厚労省にお聞きしますが、こういうふうに固定残業代を超える残業をしても支払わないような企業に対して、やっぱりこれは対応が必要だと思うんですね。この間、サービス残業防止通達、いわゆる四・六通達が出されましたが、こういう固定残業代制を隠れみのにするような手法に対する規制も含めて、サービス残業防止策はその後どのように発展しているんでしょうか。
#57
○政府参考人(中野雅之君) 厚生労働省におきましては、平成十三年に御指摘がありました労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準を定めまして、その後も平成十五年に賃金不払残業総合対策要綱を定め重点的な監督指導を実施するなど、賃金不払残業防止に向けて取組の強化を図ってきたところでございます。
 固定残業代制度につきましては、それ自体が労働基準法に違反するものではなく、また採用しているからといって賃金不払残業が必ず生じるものではないことから、それのみに着目して監督指導を実施しているわけではございませんが、固定残業代制度を採用し、定められた時間数を超えて時間外労働を行わせたにもかかわらず差額の割増し賃金が支払われていないといった事実を確認した場合は、これまでも是正指導を行ってきているところでございます。
 賃金不払残業は、労働基準法に違反する行為であることから、固定残業代制度の採用の有無にかかわらず今後とも厳しく指導していきたいと考えております。
#58
○小池晃君 先日の予算委員会で我が党の吉良よし子議員が質問して、大臣も未払残業事案の中での固定残業代制については調べるというふうに答弁をされていると思います。現実には、ブラック企業で行われている固定残業代制の多くがサービス残業になっていて、過労死を招くような長時間労働を招いております。
 固定残業代制度そのものが悪いわけじゃないんだと言うけれども、私、この問題の背景をもっと深刻に考える必要があると思っていまして、単なる未払残業という問題にとどまらないと思うんですね。まず第一に、見かけ上の高賃金という虚偽で労働者を誘引する、そのことに利用されております。それから第二に、基準内賃金をこのことで低く抑えることで残業代の単価を低く抑える、そのことで残業時間を更に増加させるということにつながっております。それから、固定残業代を多くすることで過労死ラインを超えるような残業をしても別途の残業代が発生しない、そういう非常に過酷な労働を招くようなことにつながっております。
 大臣、やっぱりこの固定残業代制度というのが長時間過密労働や過労死の温床になって日本の職場をむしばんでいるという実態が生まれてきているというふうに思うので、やはりこの際、固定残業代制を取っている会社の実態調査を行うべきではないか。かつて、電機の職場の疑似裁量労働制の実態調査を厚労省やってくださいまして、それがサービス残業の是正通達につながったという経過もあるというふうに聞いているんですね。やはり今これが広がりつつある、その中で実態はどうなっているのか、固定残業代制度の問題について調査して、調査に基づいてやはり必要な歯止めも掛けていく、規制もしていくということを検討すべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#59
○国務大臣(田村憲久君) 先般、吉良議員から御質問をいただいた件に関しては、これは労働基準法第三十七条に違反した事業場の中で固定残業代、これを採用していたという事業所の数について今調査中でございまして、今調査の最中でございますので、また結果が出ればお知らせをさせていただきたいというふうに思います。
 この固定残業代制度でありますが、これ自身は、今も局長から話がありましたけれども、制度が違反ではないわけであります。今委員がおっしゃられたように、じゃその中で残業代分、つまり残業時間分がどれぐらいあるか、こういうことを書面で明記していないこと自体がこれは駄目でございますので、こういう案件があれば、これはしっかり指導していかなきゃならぬという話になると思います。
 併せて申し上げれば、これは一般論でもありますけれども、三六協定等々を申し出られる場合には、これは窓口でしっかりと指導しなきゃならぬと思っておりますし、あわせて、やはり月四十五時間以上、これ時間外、休日労働等を課すような可能性のある、おそれのあるような企業に対してはしっかりこれも対応していかなきゃならぬということでございます。
 ただ一方で、固定残業代制度自体がもう既に多くの事業所等々が使っている部分もございますし、違反しておればそれは当然のごとく適切に対応して、場合によっては厳しい対応をしていかなきゃならぬというふうに思っておりますけれども、しかし、これ自体をどうするんだというのはなかなか難しいところでございますし、全てに関して調査をするというのはなかなかこれまた難しいこともありますので、今現状、吉良議員から御要望いただいた部分に関してしっかり調査をさせていただいて、結果をお示しをさせていただきたい、このように考えております。
#60
○小池晃君 私は、労基署の定期監督とか労働相談などを通じて、重点的にやっぱり問題意識を持って、労働時間が把握しにくい、労働者の側が自覚しにくい、どれだけ残業をやらされているかというのはやっぱり分かりにくい、そういう中で結局サービス残業を生み出す温床になっている面、あると思うんです。やっぱり、今言ったような形での調査分析、可能だと思いますので、是非これ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 続いて、生活保護制度の問題で、ホットラインの設置ということについて聞きます。
 福岡市が、今年度予算で生活保護適正実施プログラムの中で生活保護についての専用の通報窓口、生活保護ホットラインを設けようとしています。市民から生活保護受給者に関する不正行為の情報の提供に対応することなどを目的にしております。
 これ、福岡市だけじゃなくて、調べてみたら全国で一斉に同じような動きがあって、さいたま市、京都市、それから大阪では寝屋川市、守口市、東大阪市、松原市、枚方市、大東市、門真市、これいろいろと取り寄せてみると、なぜか、どこの自治体で作られているチラシやポスターも同じようなせりふが並んでいて、収入を得ているのに報告していないのではとか、財産を隠して受給しているのでは、必要のない治療を受けているのではなど書かれていて、このような疑いのある情報をお待ちしていますと。何か、どこかにひな形があるんじゃないかなというふうにも疑うような感じなんですね。
 厚労省に聞きますが、生活保護の受給について市民に情報提供を求めるホットラインのような業務の根拠になるような通知、法令、厚労省出したことあるんでしょうか。
#61
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘のホットラインは、生活保護制度の適正な実施の観点から、生活に困窮されている方の情報や生活保護の不正受給に関する情報などについて市民からの情報提供を求めるために設置しているものと承知しています。
 厚生労働省としては、このような事業の根拠になる法令とか通知を発出はしておりません。しかし、ホットラインを開設しない自治体にありましても、実態として市民などから福祉事務所に様々な情報が寄せられているというようなこともございますので、この中で自治体独自の取組としてホットラインを設置し、市民から情報を求めているものと理解しているところでございます。
#62
○小池晃君 福岡市議会での我が党議員の質問に対して市の保健福祉局長は、アルコールやギャンブルによる生活の乱れがあるのではないかといった情報を受け付けるというふうに答弁をしているんですが、しかし、そもそも一体どの家庭が生活保護を受給しているのかというのは、これは守秘義務掛かっていて分からないはずなわけで、それなのにそういう世帯についての情報を求めるということは、言わば想像や予断に基づく情報を求めるということになるわけですよね。私、こんなことに公金使っていいんだろうかというふうに思います。何か正当化されているようですけど、こういったことはやっぱり是正するべきじゃないですか。
#63
○政府参考人(岡田太造君) 通報された情報に基づきまして、実際の保護の実施の決定であるとか、そういうものに関わりましては、それは事実関係をしっかりと確認した上で当然行われるべきものだというふうに考えておりますが、ホットラインの設置につきましては、生活保護制度の適正な実施の観点から自治体の体制整備の一環として行われる取組であり、厚生労働省としては、それ自体が不適切だとは考えておりません。
#64
○小池晃君 私は、やっぱり不正受給の是正だとして密告を市民に強いるような、そういう社会でいいんだろうかというふうに大変疑問を持ちます。
 国連の人権規約委員会でも、日本に求めているのは生活保護受給手続の簡素化です。そして、生活保護受給に伴うスティグマの根絶です。今回のようなやり方というのは、むしろこの指摘に逆行すると。
 それから、何かうまくいっているかのような答弁あったけれども、実際聞いてみると、ホットライン設置した自治体ではほとんど電話は掛かってきていないというんですね。これが実態だと。
 私は、むしろ、今ケースワーカー一人で担当している生活保護世帯は全国平均で九十三世帯ですね。都市部はもっと多いわけですよ。これではまともなチェックも自立支援もできるはずないと思います。不正受給の根絶、それはもう確かに不正受給はあってはなりませんから、手だて必要ですけど、だとすれば、こんな形で密告電話をつくるなんということじゃなくて、やはりケースワーカーの増員こそ必要ではないか。大臣、やっぱりこういうやり方ではなくケースワーカー増やすと、そういう方向で全力を挙げるべきじゃないですか。
#65
○国務大臣(田村憲久君) この調査権限の強化等は、先般成立をさせていただきました改正生活保護法の中でこれは位置付けたわけであります。
 一方で、今言われたケースワーカーを含めて人員の問題でありますが、やはりそれは生活保護を受給されておられる方々の自立も含めていろんな支援もあるわけでありまして、これはやっぱり増やしていく方向性があるということで地方交付税の上において今算定をしておる、これは若干ずつではございますけれども増やしてきておるわけでございまして、これからも必要な人員を確保していくために我々としては要望してまいりたいというふうに思っております。
#66
○小池晃君 若干ではなくて大幅にやらなきゃいけないし、こういう本筋の行政こそやるべきだということを重ねて申し上げます。
 同一建物への訪問診療報酬大幅カット問題、引き続き、前回もやりましたが、今日は報酬の大幅カットに加えて、配付をしておりますが、この通知でこういう訪問診療に係る書類を添付せよということを厚労省は今やり始めているんですね。
 この訪問診療料二に関わる算定ごとに、患者一人につき一枚ですから、週二回訪問していたらば月八枚、それが患者さんの数必要になってくるという本当に煩雑な事務ですよ。訪問診療の診療報酬を四分の一にするという前代未聞の大幅カットに加えてこんな事務作業を押し付けるって、何でこんな嫌がらせのようなことを厚労省はやるんですか。
#67
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 高齢者の方が多く入居されている住宅等で、その患者の紹介等があり、あるいは紹介料を払った上で、通院できるけれども、そういう患者も含めてこういう訪問診療を行っているケースがあるということ、報道もありましたが、国会でも御指摘いただきました。
 中医協での御議論の中で、そういう不適切な事例に対しましては、同一の建物で複数の方を訪問診療する、そういう場合への評価は先生御指摘のように引き下げるべきだと。それから、その算定をする場合にもきちんとやっていただくということを担保しなきゃいけないということで、その訪問診療の診療時間、診療の場所、患者さんということをきちんと分かるような記録を残していただくというふうなことが必要だという指摘をいただきました。
 訪問診療はそもそも通院困難な方に行うべきことでございますから、これまでも安易に算定してはならないということを指導しておりましたが、今回の記録書、この問題につきましては、このような御指摘を踏まえまして、きちんとレセプトにその方の記録を添付したりその訪問した施設の記録を添付していただきまして、これは保険者さんの方にも回るものでございますから、きちんとこれを確認をしていただきたいと、そういう趣旨で行っているものでございます。
#68
○小池晃君 前回も指摘したけれども、何でこの書類に要介護度、認知症の日常生活自立度を書かせなければいけないのか。これ全く関係ないじゃないですか、訪問診療の診療請求事務に。何でこんなことを入れるんですか。
#69
○政府参考人(木倉敬之君) お答えを申し上げます。
 今お配りをいただきました記録の一番上の方を御覧いただきますと、要介護度であるとか認知症の日常生活自立度あるいは訪問診療が必要な理由ということを記載をしていただく欄を設けてございます。
 これは、その訪問診療が必要な理由を記録に残していただきたいという中で、対象の患者さん、通院困難かどうかを見る場合に、要介護度あるいは認知症の自立度が高い、例えば四以上のような場合には、一般的にはやはり通院困難であろうということが考えられると思います。それで、事務的にも、こういう記録を残す場合に簡素にするためにも、四以上のところに丸が付いた場合は必要な理由欄を書かなくてもいいというような事務連絡も同時に流させていただいているところでございます。
 また、これは先般も御答弁させていただきましたが、要介護度が低い場合であっても、やはりこれは通院困難なこういう理由があるということがある場合には、ここに記載をしていただきまして適切に訪問をしていただきたいと、そういう趣旨でございます。
#70
○小池晃君 簡素化というんだったら、こんな書類作らないのが一番いいんですよ。
 それで、しかもこれ、今伝送のフォーマットもないということで、これをわざわざ別に紙で届けなきゃいけないわけですよね。だから、もう現場からは、これは支払側も含めて、これ大変だという声が今上がってきています。
 実際の請求には関係のない書類ですよ、これ、はっきり言って。不適切事例のチェックというのであれば、地方厚生局に報告求めているわけですから、こういったことをきちっとやれば私はいいというふうに思うんですね。何でわざわざ医療機関にこういう新たな負担を求めなければいけないんだろうかと。
 大臣、診療報酬の大幅削減、これ強行されましたけれども、先ほども議論ありましたが、これは直ちにやっぱり実態を見て見直す必要があると思います。しかし、少なくとも、火に油注ぐというか、もう怒りを更に広げるようなこんな書類作成については、私は、経過措置設けるなど、やっぱり実施を見合わせて検討し直すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#71
○国務大臣(田村憲久君) 発端は、マスコミ等々で報道されました、悪質な一施設等々で多くの方々を訪問診療をやられて、場合によっては手数料、ビジネスみたいなことが行われておると、こういうことがあったわけでありまして、見直すということになったわけであります。
 中医協の中でいろいろと御議論をいただいたわけでありますが、やはりポイントは、住まいという形の中で住まわれている中において、本来は通院できる方が受けてもらっては困るわけであります、訪問診療はあくまでも通院できない方が受けるサービスでありますから。そのような意味で、やはりちゃんとそれが分かるような形で今回の書類をお願いをしておるわけでありますが、ただ、これ、例えば患者氏名書くのが面倒くさければ、それはコピーを使っていただければいいわけでありますし、いろんなやり方があると思います。
 あわせて、簡素化の部分も含めてこれは検討はさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、今般、もしこれで本当に必要な方々が医療が受けられないということになればこれは大変でございますから、我々もしっかりとそこはいろんな情報を収集させていただきながら、そのようなことが起こればどのような対応か、これから検討させていただきたいと、このように考えております。
#72
○小池晃君 少なくとも、この書類については撤回していただきたい。これはやっぱり見合わせて、ちゃんといいやり方考えないと、とにかく電子請求との関係でも大変現場は混乱するということです。
 それから最後、ちょっと時間の関係でもうこちらは言うだけにしますが、原爆症認定訴訟の大阪地裁に続いて、厚労省、昨日、熊本地裁の三名についても控訴しました。これ、高齢の原告に更に苦しみを強いる非人道的な控訴には断固抗議をしたいというふうに思います。
 大臣は、先日のこの委員会で私の質問に、上級審の判断を仰ぐと言ったけれども、実際、大阪地裁では三名、今度の熊本でも二名については控訴していないわけですよね。新基準に照らして却下した合計五名を認定すべきだと司法判断下ったわけで、その司法判断を厚労省は受け入れたことは間違いないわけですよ。やっぱり少なくとも、この五名については認定の誤りがあったということじゃありませんか。
 だとすれば、やはりこの司法判断と行政の乖離を埋める、そのためには、今回の両判決を受けて、少なくとも今の原爆症の認定行政については私は見直すべきだ、認定基準を見直すべきだということを改めて申し上げて、質問を終わります。
#73
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 ちょっと質問の順番を入れ替えさせていただきまして、人口減社会、少子高齢化のことについて、まずそちらの方から質問させていただきたいと思います。
 昨日、読売新聞、ちょっと資料二、三と付けさせていただきましたけれども、読売新聞の朝刊で、二一〇〇年には人口五千万人割れ、少産多死で社会は一変していく、国土の六割が無人になっていく、そういう記事が出ておりました。
 二〇一二年の合計特殊出生率ですけれども、一・四一でありますが、東京では一・〇九というふうになっておりまして、四十七都道府県で最も低いような状況になっております。
 これから二〇二〇年のオリンピックもありますし、東京一極集中というものが更に更に加速していくというふうに思っておりまして、この東京一極集中が加速することによって更にこの少子化が進んでいくのではないのかというふうに危惧をいたしております。
 出産適齢期の女性が地方から東京へと移住していけばいくほど子供の数が減少にどんどんと拍車が掛かっていって、将来的には地方が消滅していくのではないのかと、そういう危惧をしておるんですけれども、大変難しい問題とは思いますが、この少子化対策と都市への人口集中の関係についてどのように厚生労働省として考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#74
○国務大臣(田村憲久君) 今、東京というおっしゃり方されました。都市部に東京のみならず人口が集まるという傾向があるわけでありまして、地方部は高齢化とともに人口が減っていっておるという現状があるわけであります。
 これは、若い方々がやはり主に都市部に集まる、東京を中心にということで、それは幾つか理由があるんだと思います。例えば、大学等々で東京に来られて、そのまま東京の水になじんで生活されて働かれるという場合、それから、そもそも雇用の場がやはり東京等都市部に集まっておるということで、地方部から働くという意味で都市部に集まってこられると。集まってこられれば当然若い人たちが増えるわけでありまして、そこで結婚ということも起こってくるわけであります。
 もちろん、今、結婚の年齢が後ろの方に動いていっておるというものもありますが、しかし、結婚をしてもなかなか、若い人たちはたくさん集まってくるんですけれども、十分に保育の場が提供できていないというのが東京を始めとする待機児童問題でありますから、そのような意味からすれば、対処法としては、今、待機児童解消加速化プランをやっておりますけれども、こういうような形で子供たちを、働きながらしっかりと仕事と子育てを両立できる、そういうような環境をつくる。
 一方で、企業等々でも両立支援をしっかりやっていただいて、子供の小さいうちは短時間勤務等々、併せて育児休業の取得、こういうこともやっていただくということがあろうと思います。これは、保育だけではなくていろんな環境整備をやらなきゃならぬと思います。
 しかし一方で、そもそも働く場がないと。地方では保育所も逆に定員が空いておるというような現状もあるわけでございますから、地方で生活すれば子供たちも保育所に預けられることもできるということになれば、地方にどうやって雇用をつくっていくのか、それから、どうしても東京が楽しいというようなイメージも、今は、最近価値観変わってきまして、逆に地方でという若い人たちも多いようでありますけれども、しかし、東京は楽しいという、一般的に都会は楽しいという若い方々へのイメージはあります。
 そういうものに対して、地方がやはり魅力を持った地域づくり、町づくりというものをしっかりとやっていただきながら、雇用の場の提供と併せて、地方に若い人たちがやはりしっかりと根付いていただく、そういう環境をつくっていくということも必要でありますから、我々厚生労働省、労働分野でありますけれども、そのような形での基金等々も含めて対応も今させていただいておるわけでありますが。
 なかなかこの問題、何か一つやれば解決するという問題でもございません。厚生労働省だけではなくて、国の省庁が力を合わせる、さらには地方自治体も含めて力を合わせる中において、国づくり、地域づくり、これをやっていかないことには解決していかない問題だと思っておりますから、そのような問題意識の下でこれからも厚生労働省として取り組んでまいりたい、このように考えております。
#75
○東徹君 田村厚生労働大臣、ありがとうございます。本当にやっぱりしっかりと認識していただいているんだなということで、改めて思いました。
 やはり、東京一極集中が加速していくことによって更に更に地方が壊滅していくような状況になっていくというふうな認識というのは、非常に私もこのことも視野に入れながら少子化対策もやっぱり考えていかなかったらいけないだろうというふうに思います。非常に解決策というのは難しいですし、もちろん厚生労働省だけで取り組める課題ではないというふうにも思っておりますが、是非とも我々も含めてしっかりとこのことに取り組んでいかなきゃならないというふうに思っております。
 続きまして、報道によりますと、日本製薬工業協会に加盟しておった七十社と子会社二社が二〇一二年度に医師や医療機関に提供した資金の総額が四千八百二十七億円ありましたという報道がありました。その主な内訳でありますけれども、研究開発費用に二千四百七十一億円、研究室への奨学寄附金や学会への寄附金五百四十億円、医師個人への講師謝礼金、原稿執筆料二百七十億円、医師を集めて講演会等四百二十八億円、接遇費などに百十五億円というふうな報道でありました。
 このように、製薬業界から医師に極めて多額の資金が流れているという慣行が古くからあって、これは新薬開発研究における不正や医薬品価格の高額化につながっていくものというふうに考えることができます。また、現在の医療費の財源構成では約二六%が国費であるということから考えますと、国民の税金が製薬業界から医師へ渡されていく、そういった資金の原資になっているというふうなことが言えます。
 厚生労働省としては、このような製薬会社と医師との間にこういった慣行があるということを是正すべきではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#76
○国務大臣(田村憲久君) これ、民間資金であろうと公的資金であろうと、一定程度やっぱりこれは研究開発費というのは必要でございますから、民間資金は駄目だというようなことを言うつもりはございません。ただ一方で、そのお金の入り方、透明性、こういうものをしっかり担保しないと今般いろいろと起こっておるような事案が出てくるわけでありますから、ここが重要なんであろうと思います。
 日本のみならず海外でも同じような問題意識がある中において、米国でも、二〇一〇年だったと思いますけれども、医療保険改革法の中においてサンシャインアクト、要するに情報を公開していくという方向であったわけでありますが、これはもう二〇一三年からですか、公開しなければならなかったものが、どうも二〇一四年の九月ぐらいまでまだ公開が延びておるということのようであります。
 それぞれ各国でいろんな悩みを抱えながらこの問題が進んでおるようでありますが、我が国では日本製薬工業協会においてこの情報の公開というものが始まっております。そういう意味では、まだ情報が限定的でございますが、しかし、これも二〇一三年分に関しましては二〇一四年度、今年からでありますけれども、研究者名まで含めて公開をするというような、そういう方向性でございますから、かなり進みつつあると思います。
 しかし、これは自主的なものでありますけれども、更に透明度も含めていろんな努力をされるということでありますので、これを我々も見守りながら、やはりしっかりと透明性を担保して、国民の方々に、どういうような形でお金が流れておるのか、そしてどのような研究がその結果行われておるのかということも含めて、ちゃんと信頼得る情報の下でこの研究というものが行われるように、我々もしっかりこの状況を見守りさせていただきながら、もし問題があればその時々でしっかりと対応させていただきたい、このように考えております。
#77
○東徹君 今回の余りにも多額な、七十社と子会社二社合わせて四千八百二十七億円というのはすごい金額だなというのが一つです。よく委員会でも問題出ましたけど、ノバルティスの不正問題もありました。やっぱりこういった資金が流れていることがこういった不正問題にもつながっているのではないのかというふうにも思っておりまして、更に透明化ということをしていく必要があるというふうに思います。
 続きまして、診療報酬の改定に関する質問をさせていただきます。
 今年の診療報酬改定において、治療目的以外でうがい薬のみを処方する場合、これを保険適用除外にすることで医療費の抑制につなげるということであります。医療用のうがい薬と市販品との間で成分や効能が変わらないのに、医療用は保険適用のため患者から見れば価格が安くて、そして安易な病院受診につながっているというふうに考えられます。特に、病院等での受診についての時間コストの低い高齢者、現役世代の医療費の自己負担割合は低いということもあってその傾向が見られるのではないんだろうかなというふうに思うところであります。
 まず、今回の、一定の場合におけるうがい薬の保険適用除外について、国費負担、どのようなことになるのか、お伺いをしたいと思います。
#78
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 今御指摘のように、治療目的でないうがい薬のみの処方につきましては、本来医療保険で対応するべきでない予防目的の使用など、こういうものを適正化するために、今回、二十六年の改定におきまして除外をするということにしたところでございます。
 医療費への影響でございますけれども、予算編成過程でこれを決定した際の得られるデータ、うがい薬のみを処方しておるような処方箋のデータから推計をいたしますと、国の負担、国庫の負担で約六十億円程度の節減になるのではないかというふうに推計をしておるところでございます。
#79
○東徹君 うがい薬、そういうことになったということですけれども、私が前に、休日にちょっと打撲したことがありまして、湿布薬をどこかにないかなと思ったら、近所のおばちゃんからいっぱい湿布薬をもらったことがありまして、一人だけなのかなと思ったら、いや、私も湿布薬ある、もうこれからは湿布薬買わぬでいいからねとか言われるぐらい湿布薬をすごくもらったことがあるんですが、この湿布薬についてもこれ、何かうがい薬と似たような傾向があるんじゃないかなというふうに思うんですが。
 この湿布薬について、これちょっと、本当に一人や二人じゃないんだろうなと、これ全国的にもこういった傾向があるんではないのかなというふうに思っているんですが、これ厚生労働省としてどのようにお考えになられているでしょうか。
#80
○大臣政務官(赤石清美君) 東委員にお答えいたします。
 うがい薬の件は先ほど保険局から説明がありましたけれども、委員御指摘のような湿布薬などの医薬品を保険適用除外することにつきましては、まず治療に必要な医薬品についてはあくまでも保険適用で行うというのが前提であります。今後の具体的な検討事例があれば、必要な医療が行われなくならないか、あるいは患者の負担がどのように増加するかといった観点から、内容を慎重に検討した上で適切に対応していきたいと思っております。ちなみに、前回の改定では、ビタミン剤を単なる栄養剤、栄養補給目的での投与について除外することを行っております。
 今後も、こういうことも含めて、あと残薬の問題については、この処方や調剤を行う段階で医師や薬剤師などが残薬を徹底することにより、過剰な薬剤の交付にならないように努めてまいりたいと、このように考えております。
#81
○東徹君 実際は、恐らくもう相当な湿布薬を過剰にもらっているお年寄りというのがやっぱりたくさんいるんだろうというふうに思うんですね。是非、これもやっぱり医療費が掛かっておるわけでして、そういったものが家にたくさん眠っているというような状況がやっぱりあるというふうな御認識の下、是非検討していっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、在宅医療についての質問をさせていただきます。
 先ほども出ておりましたけれども、在宅医療におきまして仲介業者が医療機関や医師に対して有料老人ホームなどの高齢者施設を紹介し、その見返りとして診療報酬の一部などから手数料を受け取るいわゆる患者紹介ビジネスについて、過剰な医療行為が行われているという可能性が高くて保険財政の面からも問題が多いというふうに考えますが、厚生労働省としてはこのことについてどのように対処されているのか、お伺いしたいと思います。
#82
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 国会での御審議もありましたし、中医協でも各地の実例報告を受けて御審議をいただいたわけでございますけれども、今御指摘のように、高齢者の方が多く入居されている住宅、集合住宅等におきまして医療機関に紹介を行われる業者の方がいらっしゃると、そしてその際に医療機関の方から患者紹介料をお渡しをする、そういうふうな患者紹介ビジネスが行われていて、今のような不適正な事例を生んでいる可能性があるのではないかということがありました。
 このため、今回の診療報酬改定におきましては、これは医療機関の方に対するものとして、同一建物で同一日に複数の患者さんに診療を行った場合というのはその評価を適正にさせていただく、引き下げるということをさせていただきました。また、医療機関がこういうふうな紹介料で自分のところに患者さんを引き付ける、誘引するというようなことは患者さんの選択等を妨げるものでございますので、こういうことで患者紹介を受けることは療養担当の規則において禁止をするということの措置をとらせていただいたというところでございます。
#83
○東徹君 これ、私もお医者さんからちょっと相談を受けたことがあって、確認したらば、そういう実態があったのかというふうにちょっと実は改めて思ったことがありました。それはやっぱり、そういう高齢者が集まっている住宅とか施設、そういったところに訪問診療行くことによって、非常に効率のいい診察ができて、非常に報酬もたくさん得られるんだろうというふうな話が聞いたことがありまして、これはちょっと問題だろうなと。私も都道府県の方に、ちょっとこういう実態、きちっとこれ調べることができないんですかというふうなことで質問したら、それはできないんですと。
 今日は、資料一、診療報酬明細書を付けておりますけれども、患者氏名だけしかなくて、住所欄とかそういったところがやっぱり書かれていないんですよね。だから、これちょっとたまたまなんですが、先ほどの質問からして、私も、ほかの委員の先生の資料を使うのもちょっと何かよくないのかもしれませんが、訪問診療に係る記録書というこれを見まして、ああ、これを付けて診療報酬の請求をすれば、先ほどの田村大臣の答弁ではないですが、これだったらちょっとは不正受給というかこういったことを防ぐことができるのかなと、こう思いまして、このことについては非常に今回の改正について高く評価をさせていただきたいなというふうに思っております。
 ということで、済みません、時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#84
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 JALの整理解雇問題についてお聞きをいたします。
 二〇一〇年三月二十六日、企業再生支援機構がJALに対して、支援決定に伴い買取り決定をいたしました。その際、主務大臣の意見を聞かれ、厚生労働大臣は、対象事業者における関係法令の遵守及び労働者との十分な協議の場の確保をお願いするとの意見を表明、さらに二〇一〇年八月三十一日、企業再生支援機構がJALに対する出資決定をしたときにも、当時の厚生労働大臣は、事業再生計画の実施につき助言、指導するに当たっては、対象事業者における関係法令の遵守及び労働者の雇用の安定などに配慮した労働者との十分な協議の場の確保をお願いするとしております。
 このような意見を表明しながら、その年の二〇一〇年十二月三十一日にパイロット八十一名、客室乗務員八十四名の整理解雇が行われました。厚労省はどのような監督指導をしていたんでしょうか。
#85
○国務大臣(田村憲久君) 個別の事案でもございますし、今、司法当局で係争中でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#86
○福島みずほ君 客観的に何やったか教えてください。
#87
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど委員がおっしゃられたとおり、事業再生計画の実施につき助言、指導するに当たっては、関係法令の遵守及び労働者の雇用の安定等に配慮して、労働者と十分な協議の場を確保するようお願いする旨を意見を述べさせていただいたということであります。
#88
○福島みずほ君 全然役に立っていないんですよね。
 というのは、一つ、果たしてこの整理解雇が妥当なものであったのか、必要なものであったのか。これ、例えば客室乗務員の場合、二〇一一年三月末までに計画では四千百二十名体制にするとしていたわけですが、裁判の中で明らかになっているように、整理解雇の時点で既に四千四十二名になっていると。それから、整理解雇後、自主退職者が二百十八名出ている。整理解雇なんてやる必要なかったんですよ。厚生労働省、どうですか。関係法令の遵守と協議の場の確保、されたんですか。この整理解雇は必要だったんですか。この稲盛さん、当時日本航空の稲盛会長は、経営上、整理解雇はしなくてもよかったと言っています。不必要だったんじゃないですか。これ、厚生労働大臣だから聞いているんですよ。不必要だったんじゃないですか。
#89
○国務大臣(田村憲久君) なかなかコメントしづらい、決定も含めて我々が関与していたことではなかったことでございますので、我々の政権が関与しておったことではなかったのでなかなかお答えづらいわけでありますが、係争中でもございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#90
○福島みずほ君 いや、厚生労働省だから聞いているんですよ。整理解雇、必要なかったんですよ。だって、もう辞めているんですもの。必要ないじゃないですか。だったら思い切って言ってくださいよ、関係ないんだったら。
#91
○国務大臣(田村憲久君) 関係ないというわけではないわけでありまして、厚生労働省は行政の継続性があるわけでありますけれども、ただ、先ほど来申し上げておりますとおり、個別事案でありますし、今、司法でまさに争われているところでございますので、担当省庁の行政である厚生労働省が大臣の口から何か申し上げるというわけにはいかないということであります。
#92
○福島みずほ君 重大な労働問題、労働事件に関して、厚生労働省、身を乗り出すべきじゃないですか。個別事案には答えないということだったら、全然労働者を守る厚生労働省にはならないですよ。
 これは、例えば争議権が確立された場合、撤回するまで機構は三千五百億円の出資はできないと企業支援機構のディレクターが言ったことに関し、東京都労働委員会は、この発言は争議権投票を控えた組合員に対して投票をちゅうちょさせるに十分なものであり、組合運営に影響を及ぼすとして不当労働行為として認定し、会社側に謝罪文の交付を言っております。
 これ、不当労働行為でしょう。こんなことをやって労働基本権を制限して、圧力掛けて、そして解雇でいいんですか。
#93
○国務大臣(田村憲久君) 何度も申し上げますが、個別案件で係争中のことでございますので、今行政の立場である、長の立場である私から申し上げるわけにはいかないというわけであります。
#94
○福島みずほ君 じゃ、裁判で争われていたら厚生労働省は何もしないんですか。それはおかしいですよ。これを不当労働行為と言わずして何を不当労働行為と言うんですか。大臣、どうですか。
#95
○政府参考人(中野雅之君) 御指摘ございました不当労働行為制度においては、それぞれの労働委員会におきまして判断されることでございますので、その判断に委ねることが適切であると考えているところでございます。
#96
○福島みずほ君 だけど、これ、はっきり争議権が確立された場合支援しないぞと言ったら、争議できないじゃないですか、実際。これ、不当労働行為だと認定されていて、労働委員会で謝罪文まで要求されている。これ、支援機構がやっているんですよ。問題じゃないですか。これに対して厚生労働省は、そんなのおかしいとこの時点で言うべきなんですよ。その都度おかしいとやっぱり言うべきなんですよ。それを放置してきた責任は重大ですよ。
 また、このパイロット八十一名、客室乗務員八十四名の整理解雇が行われましたが、そのうち現役組合役員、元組合役員はそれぞれ三十六名、四十五名です。これは組合潰しじゃないですか。これについていかがですか。
#97
○政府参考人(中野雅之君) 先ほども申し上げましたように、そのような問題につきましては労働委員会が適切に判断する事項であるというふうに考えております。
#98
○福島みずほ君 重大な労働事件であり、かつ支援機構もかんでいると。私はこれがほかの委員会だったら言わないですよ。でも、厚生労働省なんだから、労働省なんだから、不当労働行為と言われたり、その都度妥当かやるべきじゃないですか。だって、削減目標にほぼ達するぐらい辞めているわけだから、整理解雇、必要ないんですよ。不当労働行為をやってまで組合員の人たちを本当に潰すとやったのがこの事件じゃないですか。厚生労働省、身を乗り出してくださいよ。どうですか。
#99
○政府参考人(中野雅之君) 先ほど来申し上げましたように、まず一義的には労働委員会の判断でございますが、本件につきましては、今その件につきましてはJAL側が不服申立てをし、東京地裁にかかっていると聞いておりますので、司法における判断を見守りたいと考えております。
#100
○福島みずほ君 結局、厚生労働省、何もしないということじゃないですか。でも、人はどんどん年を取っていく。こういう問題に関してその都度やっぱりちゃんとやってくださいよ。
 ILOフォローアップ見解、お手元に資料をお配りしております。ここで、JALは、パイロットで二百名以上、客室乗務員、これ人数が違うのは期間のあれで違うんですが。当時、整理解雇は必要なかったんですよね。そして、もう達していた、しかも不当労働行為までやった、そしてその後、JALは、お手元に資料を配っておりますが、募集をしている、パイロットで二百人以上、客室乗務員で予定も含めて千七百八十人の新規採用をしております。
 これ考えれば、更に二〇一〇年十二月三十一日に行った整理解雇は不要だったんじゃないですか。
#101
○政府参考人(中野雅之君) 繰り返しになりますが、個別の事案についてはコメントは差し控えたいと考えておりますが、一般論で申し上げれば、各企業がいかなる者を雇い入れるかにつきましては、法律その他による特別の制限がない限り原則として自由に行うことができるものと承知しております。
#102
○福島みずほ君 だって、整理解雇四要件あるじゃないですか。ほかに手段がないということが要件でしょう。にもかかわらず、当時、それがなければ会社の存立ができない整理解雇の四要件あるじゃないですか。どこ満たしているんですか。
 だって、当時、希望退職者も含めて辞めている。その後、これだけ新規採用している。どこに整理解雇をやる必要があるんですか。ばさっと整理解雇をやって、ばんばん人を採用する、これ、整理解雇要件満たしていますか。都合の悪い人を全部追い出して、そして整理解雇をやって、新たにがばっと採用する、どこに整理解雇の要件があるんですか。
#103
○政府参考人(中野雅之君) 御指摘の案件は、まさに現在、司法機関において係争中でありますので、コメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
#104
○福島みずほ君 厚生労働省は労働省なわけじゃないですか。労働省だから、労働問題について身を乗り出してくださいよ。裁判で言ってきた整理解雇の四要件、じゃ、これ満たしていますか。
#105
○政府参考人(中野雅之君) まさにその点が現在、司法機関において係争中でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
#106
○福島みずほ君 その整理解雇をしなければ会社の存続ができないというのも整理解雇の四要件ですよね。他に手段がないことというのも整理解雇の四要件ですよね。でも、これって、もう既に希望退職者もいて、ほぼ満たしているんですよ、計画を。しかも、その後、たくさん採用している。これって整理解雇の四要件に当たらないでしょう。
#107
○政府参考人(中野雅之君) 繰り返しになりまして恐縮でございますが、まさにその点が司法機関において係争中でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
#108
○福島みずほ君 裁判やらない限り救済ができないんだったら、厚生労働省要らないですよ。どうですか。
#109
○政府参考人(中野雅之君) 厚生労働行政、法に基づいて行っておるわけでございますので、私ども行政機関に与えられた権限の中で行政を展開していくことが我々の使命であると考えております。
#110
○福島みずほ君 労働行政は労働者守るために頑張ってくださいよ。その都度その都度ちゃんと動いてくださいよ。動いたんですか。
#111
○政府参考人(中野雅之君) 一般論として、労働者の保護のために我々行政を展開するのは使命でございますが、ただいま先生御指摘の案件につきましては、司法機関においてまさに係争中でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
#112
○福島みずほ君 裁判やるのは、やむにやまれず、最後の手段ですよ。でも、裁判やって、その結果を見守るんだったら、厚生労働省要らないですよ。そういうときにおいても動くべきじゃないですか。そこで、何ができるのか。
 ILOのフォローアップ見解をお配りしております。ここで、JALが、これは人数違うのは期間の問題なので、実際はパイロット二百名以上、客室乗務員が千七百八十名新規採用しているわけですが、予定も含めて、ILOの勧告では、JALが九百四十名客室乗務員の採用を行っていながら、企業が人員削減計画を行う際には労働組合との完全かつ率直な協議が確実に履行されること、今後の採用計画において、全ての労働組合との協議が確実に実行されることというのを明記をしております。
 ILO百五十八条の解雇規制条約は、リストラで解雇された労働者には優先的に再雇用される権利があると規定をされています。ILOから見ると、解雇された労働者、整理解雇だといって解雇した労働者を放置しておいて日本航空が新規採用することは異常な事態だと映っていると思います。
 ですから、これからちゃんと労働組合と全部協議をして、そして新規採用するんだったら、だって、JALの見解はやむを得ず整理解雇するとしたわけだから、今ばんばん新規採用しているのもおかしいじゃないですか。新規採用するんだったら、整理解雇やむなくとJALが言うんだったら、その整理解雇した人から再雇用するということをやるべきで、そのことを厚生労働省、指導してくださいよ。どうですか。
#113
○政府参考人(中野雅之君) 御指摘の事案については、個別企業の採用に係る問題でありますのでコメントは差し控えたいと考えますが、先ほども申し上げましたが、各企業がいかなる者を雇い入れるかにつきましては、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由に行うことができるものと承知しております。
#114
○福島みずほ君 でも、これ整理解雇が本当に必要だったのか、不当労働行為じゃないか。そして、その後、新規採用をたくさんしている。整理解雇でやむなく辞めてくれ、整理解雇だといいながらたくさん雇っているわけで、JALのやっていることは全く支離滅裂ですよ。こんなの、厚生労働行政から見たら許せないとやるべきじゃないですか。
 だから、ILOは、全部承知をしながら、これから再雇用しろと、まあ再雇用しろとは書いていないですね、これから協議をしろと、採用計画において全ての労働組合との協議が確実に実行されるように。これはやっぱり再雇用するようにすべきじゃないですか。
 じゃ、個別事案について答えないと言うので、一般論としてお聞きします。
 整理解雇をした企業があります。でも、たくさん新規採用しています。整理解雇した人たちから新たに再雇用するように、労働組合、協議すべきじゃないですか。いかがですか。一般論です。
#115
○政府参考人(中野雅之君) 解雇につきましては、労働契約法におきまして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合は権利の濫用として無効とすると、こういうふうになっておりまして、具体的に裁判で争われる際には、委員御指摘のように、まずはその必要性、そして回避努力、そして選定基準が合理性があるかどうか、そして労働者組合との協議が適切に行われているかどうか、こういった観点から総合的に判断されるものと考えておりますが、それぞれの個別の事情については、まさに個別の案件でございますので、それぞれの案件において判断がなされ、個々の実情に応じて判断がなされるものと考えております。
#116
○福島みずほ君 いや、私、一般論として聞いているんですよね。整理解雇をした企業がある、でも、その後、本当に間髪入れずというか、非常に短い間に大量に採用している。まず、整理解雇はやむなくということだったら、やっぱりこれ、再雇用するような方向、少なくとも労働組合ときちっと協議すべきじゃないですか。いかがですか。
#117
○政府参考人(中野雅之君) ただいまの御指摘の点は、まさに先ほど申し上げました中の解雇の必要性のところをどう考えるかというところでありますが、それを判断する際に、それぞれの個別の事情において判断がなされる事項でありまして、一般論としてもなかなかそこら辺は、今申し上げました以上のことは申し上げにくいことでございまして、個別にはいろんな事情がそれぞれのケースごとにありますので、それぞれの状況に応じて判断がなされると、こういう性格のものであると理解しております。
#118
○福島みずほ君 厚生労働省だから、もうちょっと踏み込んでくださいよ。個別的事情を考慮してなんて、そんなの分かっていますよ。
 でも、これって、整理解雇しながら、というか、私自身は整理解雇の要件はないと思います、不当労働行為だと思います。でも、整理解雇をした、その後大量に新規採用、たくさん採用している。だとしたら、このときの整理解雇したパイロットや客室乗務員、これは採用すべきじゃないですか。厚生労働省の立場からしたら、労働者の立場からしたら、労働行政からしたらそうじゃないんですか。
#119
○政府参考人(中野雅之君) 一般的に、雇用の安定が図られたり、新たなまた失業者の方々が職を得ることは我々が推し進めるべき政策だとは思っておりますが、個々の案件については、まさに司法機関で争われている場合については我々コメントすべきではないと考えているところでございます。
#120
○福島みずほ君 ILOの勧告の最後は、今後の採用計画において、全ての労働組合との協議が確実に実行されることもまた期待するとしています。これを受けて厚生労働省はどう動くんですか。
#121
○政府参考人(中野雅之君) このILOの見解につきましては、こういう見解がなされておりますが、これを受けまして、まさに期待すると言われているわけでございますが、この状況を踏まえて、個別については関係の労使のところが判断をなされていくべきものと考えているところでございます。
#122
○福島みずほ君 いや、期待すると言われているんだったら、期待に応えなくちゃ駄目でしょう。これ、政府に対して勧告出ているんですよ。当事者に任せる、裁判に任せるんだったら、この勧告、無視することになるんじゃないですか。
#123
○国務大臣(田村憲久君) 先ほどおっしゃられたILOの結社の自由委員会報告書でありますが、これは二十四年六月のものだと思いますけれども、これはJALに限らない一般論の指摘であるというふうに我々は受け止めさせていただいております。
 その上で、正当な理由のない団体交渉の拒否等の不当労働行為に対しては、労働委員会へ救済を求めることができるわけでありまして、使用者と労働者との交渉が行われるために必要な措置が十分に講じられているということも含めて、これは追加情報提供としてILOにこちらの方から送っておるわけであります。
#124
○福島みずほ君 いや、大臣、違うんですよ。これは、六十六パラグラフで、日本航空が二〇一二年に客室乗務員の九百四十名の採用を行っていることからしてもという部分で、今後の採用計画において全ての労働組合との協議が確実に実行されることもまた期待すると、これはJALの問題で言っているんですよ。JALの問題で言っている。
 だとしたら、裁判に任せられていますというのは、このILOの勧告に応えていないじゃないですか。厚生労働省が例えばJALに対してちゃんと協議に応じなさいと言うべきじゃないですか、この勧告受けて。どうですか、局長。
#125
○政府参考人(中野雅之君) 御指摘の部分についての名宛て人は、直接政府に対して言われているものではないと理解しておりまして、先ほど申し上げましたように、個々の関係当事者について述べられたものであると理解しているところでございます。
#126
○福島みずほ君 いや、でも、ILOに関して、日本政府はこれに関して尊重するという旨を出しておりますよね。これILOは、やはりそれは日本がILOに入っているわけですし、これを踏まえて日本政府として、とりわけ厚生労働省として何をするかというのを厚生労働省として考えるべきじゃないですか。
#127
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
#128
○政府参考人(中野雅之君) 先ほど来、このILO結社の自由委員会の報告については申し上げたとおりでございますが、いずれにいたしましても、このJALの問題につきましては、現在、司法の場で争われていることでございますから、その推移を見守りたいと考えております。
#129
○福島みずほ君 また続けてやりますが、厚生労働省が裁判に係属中だということを理由にやらないんだったら、厚生労働省要らないですよ。ILOの勧告を受けてちゃんと動いてくださいよ。JALに対して関係組合と協議せよと言うべきじゃないですか。整理解雇をやっていながら、というか、もう満たしているのに整理解雇をやりながら、更に新規採用を大量にやっているんですよ。こんな整理解雇を許したら、どの会社だって整理解雇できちゃいますよ。
 こんなの厚生労働省も厚生労働委員会も許してはならないということで、質問を終わりますが、厚生労働省、ちょっと心を入れ替えて頑張ってくださいよ。よろしくお願いします。
#130
○委員長(石井みどり君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#131
○委員長(石井みどり君) 次代の社会を担う子どもの健全な育成を図るための次世代育成支援対策推進法等の一部を改正する法律案及び短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。
#132
○国務大臣(田村憲久君) ただいま議題となりました次代の社会を担う子どもの健全な育成を図るための次世代育成支援対策推進法等の一部を改正する法律案及び短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 まず、次代の社会を担う子どもの健全な育成を図るための次世代育成支援対策推進法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 我が国における少子化の進行、母子家庭及び父子家庭の厳しい経済状況等を踏まえ、次代の社会を担う子供が健やかに生まれ、育成される環境を整備することが喫緊の課題となっております。
 次世代育成支援対策推進法に基づく十年間の集中的、計画的な取組により、仕事と子育てが両立できる雇用環境の整備等が一定程度進んだものの、いまだ少子化の流れは変わっておらず、子供が健やかに生まれ、育成される環境を更に改善し、充実させることが必要です。
 また、母子家庭及び父子家庭の親等が就業し、仕事と子育てを両立しながら経済的に自立するとともに、子供が心身共に健やかに成長できるよう、そして、子供の貧困対策のためにも、これらの家庭の福祉の増進を図ることが必要であります。
 このため、次世代育成支援対策の推進強化、母子家庭及び父子家庭に対する支援施策の充実等の措置を講ずることとし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
 第一に、次世代育成支援対策推進法の有効期限を十年間延長するとともに、一般事業主行動計画の策定、届出義務について、対策の実施状況が優良な事業主に対する特例措置を新たに設けることとしております。
 第二に、都道府県等による母子家庭等への支援の積極的かつ計画的な実施に関する規定を整備するなど、母子家庭及び父子家庭に対する支援体制を強化するとともに、高等職業訓練促進給付金等に対する公課を禁止するなど、就業や生活への支援を強化することとしております。また、父子福祉資金の創設等、父子家庭に対する支援を拡充することとしております。さらに、児童扶養手当と公的年金給付等の併給調整の見直し等の措置を講ずることとしております。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十七年四月一日としております。
 次に、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 短時間労働は、子育て等の理由により就業時間に制約のある方が従事しやすい働き方であり、その数は雇用者全体の四分の一を占めております。また、基幹的な働き方をする方も出てくるなど、我が国の経済に果たす役割の重要性も増大してきています。一方、短時間労働者の待遇は必ずしもその働きに見合ったものとなっておらず、仕事に対する不満や不安を持つ方も多い状況にあることから、短時間労働者が納得して働くことができるよう、その待遇が改善されることが必要です。
 今回の改正は、このような状況を踏まえ、より一層、短時間労働者の均等・均衡待遇の確保と納得性の向上を図るなど、所要の措置を講ずるものであります。
 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
 第一に、通常の労働者と差別的取扱いが禁止される短時間労働者の対象範囲について、期間の定めのない労働契約を締結しているものという要件を削除し、拡大することとしております。
 第二に、短時間労働者の待遇について、通常の労働者との相違は、職務の内容、人材活用の仕組みその他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとの規定を設けることとしております。
 第三に、事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、その雇用管理の改善等に関する措置の内容について説明しなければならないものとしております。
 第四に、厚生労働大臣の勧告に従わない場合に企業名を公表する制度や、虚偽報告等を行った場合に過料を科す規定を設けることとしております。また、事業主等に対する国の援助について定めるとともに、指定法人である短時間労働援助センターの規定を廃止することとしております。
 最後に、この法律案の施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日としております。
 以上が二法案の趣旨であります。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
 以上でございます。
#133
○委員長(石井みどり君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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