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2014/05/14 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 厚生労働委員会 第13号
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2014/05/14 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 厚生労働委員会 第13号

#1
第186回国会 厚生労働委員会 第13号
平成二十六年五月十四日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     赤石 清美君     三木  亨君
     武見 敬三君     舞立 昇治君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     大家 敏志君     堂故  茂君
     三宅 伸吾君     羽生田 俊君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                西田 昌司君
               三原じゅん子君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                滝沢  求君
                堂故  茂君
                羽生田 俊君
                舞立 昇治君
                三木  亨君
                足立 信也君
                相原久美子君
                小西 洋之君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                浜田 昌良君
                東   徹君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   参考人
       一般社団法人日
       本難病・疾病団
       体協議会代表理
       事        伊藤 建雄君
       公益社団法人鹿
       児島共済会南風
       病院院長     福永 秀敏君
       全国知事会社会
       保障常任委員会
       委員長
       栃木県知事    福田 富一君
       認定NPO法人
       難病のこども支
       援全国ネットワ
       ーク常務理事   福島 慎吾君
       独立行政法人国
       立成育医療研究
       センター理事長
       ・総長      五十嵐 隆君
       指定都市市長会
       副会長
       浜松市長     鈴木 康友君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○難病の患者に対する医療等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、赤石清美君及び武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として三木亨君及び舞立昇治君が選任されました。
 また、本日、三宅伸吾君が委員を辞任され、その補欠として羽生田俊君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石井みどり君) 難病の患者に対する医療等に関する法律案及び児童福祉法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、難病の患者に対する医療等に関する法律案について、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会代表理事伊藤建雄君、公益社団法人鹿児島共済会南風病院院長福永秀敏君及び全国知事会社会保障常任委員会委員長・栃木県知事福田富一君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず伊藤参考人にお願いいたします。伊藤参考人。
#4
○参考人(伊藤建雄君) この度は、このような機会を与えていただきましてありがとうございます。
 お手元には、衆議院の厚生労働委員会で発言したものをお配りさせていただいております。大変失礼なことかとは存じますが、しかし、参議院、衆議院にかかわらず、私たちの思いは全く同じものであり、私個人としても心からの思いを込めたものであります。どうか、この資料を皆様にもお配りさせていただいたことをお許しください。
 昭和四十七年、一九七二年の難病対策要綱の制定以来数多くの実績を上げてきた難病対策が、総合的な難病対策として念願の法制化を迎えるに当たり、一九七二年、昭和四十七年当時の難病対策要綱を作るに当たっての、国会での熱い思いのこもった真摯な論議や参考人の方々の御発言と御家族のこの対策へ寄せた希望と大きな期待とを思い、感慨深いものがあります。先人諸氏、諸先生たちがこの度の法制化をどのように評価されるのだろうかと思うときに、私としても内心恐懼たる思いもまた禁じ得ません。
 さらには、この四十年後とは言わないまでも、二十年後にどのような現実を迎え、この法律がどのような評価をいただくことになるのか、その評価を恐れつつ、私は今日発言をさせていただきます。
 御存じのように、難病という病気はありません。難病対策としては、研究、医療費助成が含まれた対策であります。海外では希少疾患、レアディジーズ、若しくは日本でも希少・難治性疾患対策という言われ方もいたしますが、実際にはこの法案にあるように難病という言葉を使っております。これは、今申し上げましたように、医療費助成や様々な制度的な支援も必要というところから、我が国独自の対策となっております。これは、取りも直さず、医療保険の不十分さを補う面、あるいは社会保障でまだこの病気、難病というものに光が当たっていない方々へ対する支援ということが含まれた意味で難病対策と言っているのだと思っております。
 この度の難病の患者に対する医療等に関する法律が四十年前の難病対策要綱の施行を基盤としていることは当然のことでありますが、この間の難病の治療研究の進歩発展、それから新しい難病対策、総合的な難病対策を求める当事者としての患者、家族からの働きかけと、多くの医療関係者や行政の後押しの上に立っての公平と公正を求める様々な議論の結果であるということだと思います。四十年前の、原因不明で治療法のないと言われていた、言わば絶望的な状況にあった患者と家族が、今は社会参加と就労さえもそのターゲットにできる時代を迎えているという中での難病対策の法制化だと思います。また一方で、当時は予測できなかった数多くの難病がこの難病対策の範疇に入るということであり、欧米先進諸国との連携した研究も進められている結果でもあると思います。
 そういう意味では、難病対策の改革に議論の中心となった厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会が、患者、家族の代表も参加して、様々な角度からの論議と討議を経て、二〇一一年十二月の難病対策委員会において、希少・難治性疾患は遺伝子レベルの変異が一因であるものが少なくなく、人類の多様性の中で一定の割合発生することが必然であり、したがって、希少・難治性疾患の患者、家族を我が国の社会が包含していくことがこれからの成熟した我が国の社会にとってふさわしいということを基本的な認識としたという基本的認識によって改革の方向を一致させ、さらに、二〇一二年八月の難病対策委員会中間報告によって、難病の研究を進め、疾患の克服を目指すとともに、難病患者の社会参加を支援し、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指すことを難病対策の基本理念とするという難病対策の基本理念を確立したことは、難病対策の方向を示した大きな成果であり、患者・家族団体も高く評価するものであります。また、我が国の医学、医療の世界にとっても高く評価されなければならないものだと思います。そして、これらの基本的認識や基本理念によって難病対策の法制化実現への道が開かれたものと確信しております。
 これらの基本的認識と基本理念によって、難病対策の法制化に先立って、難病患者、家族の長年の念願であった障害者並みの福祉をという願いが、改正障害者基本法と障害者総合支援法の対象として、難病もその対策に取り入れることが実現し、さらに就労支援や雇用支援への道も開かれることになりました。
 総合的な難病対策への改革はまだその途上にありますが、その達成を目的として難病対策が法律となって新たな船出をすることを、今まで難病対策の中には入ることができなかった多くの患者、家族も心待ちにしており、私ども患者・家族団体も一日も早く実現するよう心から願うとともに、政府・与党、国会議員の皆様の御尽力に心からの感謝を申し上げるものです。
 この新しい難病法の成立の後の実施において、懸念や心配している点を幾つか挙げることができます。それは、実施に当たって、他制度や行政各機関の連携が、果たして、この法案に書かれているように、どのようにそれは進められ、それが保障されるのか、また、実施機関としての地方公共団体における格差のない取組というのはどうなるのか、今後の低所得患者への配慮の問題などが挙げられると思います。
 難病患者とその家族は、多くの社会的ハンディーとともに、療養に関する様々な経済的負担と肉体的、精神的負担の状況の下に置かれており、特に低所得者の経済的負担は重く、この度の難病法の成立後においてもなお一層重要な課題の一つかと思います。
 新しい法律の施行には多くの難病患者、家族から大きな期待が寄せられております。日本の難病対策の根幹からの大改革として、また多方面にわたる総合的な難病対策への道筋を付けたものとして大きな評価を受けるものです。このことを反映しまして、本日も傍聴に患者、家族が来ておりますし、インターネット中継が、全国の患者会では固唾をのんで聞いていることと思います。しかし、法制化の後、さらにより良い難病対策の実現に向けて積み重ねていかなければならない課題もあるということも事実であり、今後どのようにそれらの課題が取り上げていくことができるのかという患者、家族の懸念に対して、しっかりとした方向を改めて確認いただけないかと思います。
 難病患者という階層も人種も存在するわけではありません。難病患者であっても、一人の人間として日本で暮らす生活者であることも忘れてはならないことです。それらの難病患者が地域で尊厳を持って生きていくことのできる共生社会とはどのような社会を言うのでしょうか。それは医療だけではなく、療養生活を送る場所の確保であり、食であり、介護支援の充実であり、患者の社会参加や、教育や保育を受けることであり、およそ人間として生きていくことが保障されるということだと思います。
 例えば、生活の質の向上のために福祉制度を利用するということは一人の日本に住む者としての権利なのですが、その前の関門として公的な認定を受けなければならず、さらに、どのような制度があって、それを利用することができるのかという知識が患者とその家族にもなければなりません。我が国の福祉制度に関する周知は、学校教育も含めて国の責務であるだけでなく、地域の安心と住民の生活を支える地方公共団体の役割でもあるものだと思います。
 さらには、どのような制度を利用することが自分の受持ち患者の生活の質を向上させることができるのかという福祉制度に関する医学教育の課題でもあり、医師の知識とその利用に関する幅の広い観点が必要です。しかし、残念ながら、今の日本の医療や教育の世界に大きく欠けている分野でもあることも事実なのであり、今後の大きな課題としなければならないと思います。
 また、昨年四月より実施されている障害者総合支援法によって、難病患者も他の障害者と同じ福祉制度の利用ができるようになったと言われていますが、実態においては、障害分野間においても大きな格差があることも事実であり、その改善の道は、患者、家族が必死になって国へ働きかけ、計り知れない努力と時間を費やさなければならない状態なのであり、今後の課題であるかと存じます。
 また、さらに、今後の重要課題としてあらかじめ問題を提起しておくとすれば、それは例えば医療費の負担の問題であり、就労や雇用や病気による失業に対してであり、例えば障害年金についてであり、また教育や保育の場の確保の問題や、在宅医療の充実と安心して療養を受けながら住むことのできる住宅の確保などの問題であると思います。
 これらの問題と、格差、不都合は、急いで改善しなければならない大きな国の課題ではないでしょうか。公平公正な制度というのは、同じ制度の中だけのことではなく、他の制度との関係においても議論しなければならないことだと思います。小児慢性特定疾患のトランジションの問題もその延長線上にある問題ではないでしょうか。
 老齢年金についても、病気を持ちながらも定年まではと必死で頑張っても、年金の受給年齢にはまだ遠いという現実は、場合によっては患者の生きる希望さえ打ち砕きかねないことなのです。
 これらの課題解決には、まず法制化を実現させることを第一とした後の課題としなければならないと考えております。
 地方公共団体についても触れておかなければなりません。
 難病対策は国の政策ですけれども、その実施主体は都道府県とされています。間もなく政令都市、中核都市でも実施の役割を果たさなければならないのですが、果たしてどのように取り組まれようとしているのか、いろいろ課題があると思います。
 全ての患者と家族は地方公共団体の住民であり、そこで生活を送っている紛れもない地域の住民なわけです。他の障害と同じように、国の制度に上乗せした施策や独自の支援制度があっても全くおかしくはないのですし、今までも取り組んできた自治体も少なくありませんが、それらの点について国としてどのように取り組むのかも今後の重要な難病対策の一環であると考えております。
 難病患者が安心して地域で生活を送るためには、さらに多くの課題があります。難病対策が法制化されることで期待できる側面として、私たちはこれらの課題にも大きな関心を寄せています。そのことを改善しなければ、新しい難病対策の本当の力は発揮できないのだと思います。
 新しい総合的な難病対策を求めて、そして難病法の成立に向けて、日本の患者団体は、病気に立ち向かいながらもその力を発揮してきたと思います。国民全体への貢献として、高額医療費の限度額の引下げにも取り組んできました。これからも、当事者として発言と行動を通じて社会に貢献していかなければならないと思います。地域社会においても、患者団体は、私たちの住んでいる地域が患者も暮らしやすくするようにするために貢献する活動を続けていくことと思います。EU諸国のように、我が国においても、国民を代表する当事者組織として、国や自治体の施策として患者団体を育成強化する施策もお願いいたします。
 この要望を終えるに当たって、一言付け加えたいと思います。
 厚生労働大臣は法に基づき基本方針を定めることになっています。国会においても、是非この法律がより良いものとなるよう一層の充実を願い、多くの患者、家族を励ますものとなるよう附帯決議を付けていただきたいという患者の声もあったことを御紹介するとともに、この難病法が速やかに成立いたしますよう、多くの難病患者、家族を代表してお願い申し上げます。
 総合的な難病対策の実現に向け、難病法の制定に御尽力された厚生労働大臣及び政府・与党と、真摯に審議を重ね、また患者団体を御指導いただいた参議院議員、厚生労働委員会の委員長並びに委員の皆様に深甚の感謝を申し上げるものです。
 以上です。
#5
○委員長(石井みどり君) ありがとうございました。
 次に、福永参考人にお願いいたします。福永参考人。
#6
○参考人(福永秀敏君) まずは、このような機会をいただきましたことに対して、委員長を始め皆様に感謝申し上げます。
 私は現在、公益社団法人南風病院で院長をしておりますが、昨年まで三十年ほど、国立病院機構南九州病院で働いていました。また、鹿児島県の難病相談・支援センターの所長も兼務しております。
 私の専門は神経内科ですが、大学を卒業しました年が一九七二年で、ちょうど国の難病対策要綱が制定された年に当たります。以降四十年余り、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症の治療や在宅ケアシステムの構築、また筋ジストロフィーの医療など、主に神経系の難病の研究や臨床に従事してきました。また、二〇一一年から厚労省の難病対策委員会の委員として、また一二年からは副委員長として、難病患者を病院で実際に診察している立場として委員会に参加してまいりました。
 さて、日本の難病対策は、世界的に見ても、外国の教科書にナンビョーと表記されるような誇るべき制度であり、難病の実態把握、治療法の開発、患者の療養環境の改善、難病に対する社会認識の促進などに大きな成果を上げてきたと考えています。
 それでも、難病対策要綱の制定後四十年余りもたちますと、いろんな問題点も指摘されるようになりました。一つには、難病という病気は何千もあると言われていますが、その中で僅か五十六の疾患だけが医療費助成の対象になっているという疾病間の不公平の問題、医療費助成に関わる都道府県の超過負担が増加して、今や都道府県の負担割合が七〇%を超えるなど、抜き差しならぬ状況となってきたこと、また、国民のより一層の理解の上に難病患者の療養と生活全般を支える総合的な対策が必要になってきたというような事情があります。
 厚労省の難病対策委員会は、二〇一一年九月の第十三回委員会から難病の法制化に向けての討議に入り、平成二十五年十二月十三日の第三十五回委員会まで、ワーキンググループの会議を含めますと実に二十九回となる審議を数えることになります。ある傍聴者が、こんなにも建設的な話合いをしている審議会があるのか、そして、全ての人にとって百点の答えを出すのは難しいかもしれないけれども、これまで助成を受けてきた人が切り捨てられることがないように、そして新たに救われる人が一人でも多くなるように、そんな制度になることを祈りたいという感想を述べておられましたが、委員の気持ちも全く同じでして、真剣な議論を重ねてきたと思います。
 まず、難病対策の改革に向けての取組についての中で、基本理念として、難病の治療研究を進め、患者の社会参加を支援し、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指すということを掲げました。また、希少・難治性疾患は遺伝子レベルの変異が一因であるものが少なくなく、人類の多様性の中で一定の割合で発症することが必然であり、その確率は低いものの、国民の誰しも発症する可能性があると初めの部分に書かれていますが、まさにそのとおりだと思います。
 私は長いこと神経内科病棟で働いてきました。この五月にも、人生の半分近くを人工呼吸器を付けながらの療養生活の中で、コンピューターグラフィックを使ってすばらしい絵画を描いて私たちを楽しませてくれた四十六歳の青年があっぱれな天寿を全うしました。ちょっと飛躍した表現を許されるならば、彼らが病気と闘ってくれたおかげで私たちは元気でいられるのだ、そのために、私たちは物心両面で彼らの支援をしていくのはある種の責務ではないだろうかと考えていました。今回の難病の患者に対する医療等に関する法律案にも盛り込まれている基本理念が現実の難病医療の中で実現できることを期待しております。
 まず、改革の柱を三点に絞りました。その一つが、難病が難病でなくなる日がみんなの共通の願いかと思いますが、その効果的な治療法の実現のためには、できるだけ精度の高い難病患者データベースの構築を達成したいということがあります。
 そのため、データベースは、医療費助成の対象疾患に罹患した患者であれば、医療費助成の有無にかかわらず全員が登録可能なシステムになりました。そして、精度の向上のために難病指定医を指定して、確実な診断とデータの登録、臨床調査個人票や難病患者登録証明書の発行をお願いすることとしました。
 登録のために病院を受診するということは患者にも大変な負担ですので、相応のインセンティブを考えていかなければならないと思います。一方、難病指定医の苦労も大変なものになりますので、登録項目の厳選などによる負担の軽減を考えています。難病指定医による登録日が集中することを避けるため、誕生月の登録や年に二回の登録を可能にすることはできないかも議論しました。今後、医療費助成の所得区分や都道府県の事務負担も考慮しながら議論していくことになるかと思います。
 データベースの活用に関しましては、個人情報の保護に留意しながら、創薬の促進や欧米などの難病データの比較を可能にするなど、データの活用を積極的に行っていく仕組みになればと願っています。
 また、医療提供体制の整備に関しましては、都道府県ごとに新・難病医療拠点病院を設け、総合型を一か所以上、領域型を複数指定することになりました。総合型は大学病院を想定し、領域型は従来の重症難病患者入院施設確保事業で神経難病患者の受皿となっていた病院などが対象になるかと思います。是非とも、拠点病院の担当者には、様々な機関と連携しながらこのシステムがスムーズに運用できますように頑張ってほしいと思います。
 また、二次医療圏ごとに難病医療地域基幹病院を設置すること、保健所を核とする難病対策地域協議会を設置することとしています。特に、地域の保健師には、難病保健医療専門員などにも積極的に名のりを上げ、地域での訪問や相談、指導の核になっていただきたいと思います。
 ただ、システムをつくっても、運用するのはあくまで人ですので、このシステム全般に言えることですが、人材の育成と研修は今後の課題であると思います。
 次に改革の柱は、公平で安定的な医療費助成の仕組みの構築です。
 まず、対象疾患ですが、数ある難病の中から特定の数に絞り込む作業は困難を極めると思います。一応、希少性、原因不明、効果的な治療法が未確立、生活面への長期の支障という四要素と客観的な指標に基づく診断基準の確立している疾患を対象に、今後予定されている対象疾患等検討委員会という第三者的な委員会で審議することになるかと思います。
 なお、希少性に関してはいろいろな考え方がありますが、人口の〇・一%程度以下で、いわゆるコモンディジーズは含まれないということになるかと思います。そうはいっても、難病と言われる病気の数からいいますと、その一部が医療費助成の対象になるわけですので、そのはざまとなる病気の解消はできません。そこで、効果的な治療法が確立するなどの状況の変化に即して、定期的な評価と見直しも行っていくことになるかと思います。
 また、今回から対象となった全疾患で重症度分類を導入することとしています。限られた財源の中で公平にということを考えますとやむを得ないことかと思います。様々な病状を持つ病気から重症度を決める作業はもっと困難を極めると予測されますが、学会や研究班の成果を基に決めていくことになるかと思います。ただ、難病の中には、軽症者でも最新の高額な薬剤の使用により軽快したり症状の維持の可能となる疾患も増えてきていますので、高額な医療を継続して必要とする軽症者の特例措置も設けられております。
 また、極めて希少な難病を診断するための情報提供体制も考えられております。難病医療支援ネットワークというもので、各種の難病研究班や国立高度専門医療研究センターや各分野の学会が連携した組織であり、極めて希少な疾患に対する情報や、特殊検体の送付、患者の紹介などを行うようにするもので、各都道府県の難病医療拠点病院などと連携して運営していくことになるかと思います。
 第三の柱は、国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実です。ここでは、難病相談・支援センターやハローワークによる就労支援、難病を持つ子供たちへの支援の在り方などが対象になりますが、私が現在所長を兼務している難病相談・支援センターについて紹介したいと思います。
 センターは、地域において難病患者等の療養上及び日常生活での不安の解消を図るなど、きめ細やかな相談や支援を行うため各県に設けられています。設立母体は様々ですが、鹿児島県では二〇一一年から県の直属で運営されることとなり、質量共に充実していると思います。医療相談、医療講演会、患者交流会、ボランティア養成、就労支援などを行っております。
 私は医療相談を担当しておりますが、病気そのものの相談もありますが、多くは受診した病院や医師に対する不満です。一般の外来医療の中で患者の悩みや訴えを十分に聞くだけの時間的余裕ができたら、患者の不満や悩みの多くは解消できるのではないかと思います。今後、全国的なセンター間のネットワークや職員の研修、そのための財政支援などもお願いしたいと思います。
 人間誰しも自分が一番大変だと思っています。新たに難病に取り上げられた病気の人は喜んでくれるけど、今回選定に漏れた人や自己負担が増える人には不満が生じるでしょう。ただ、日本経済が高度経済成長をしていた時代と異なり、低成長で少子高齢化の時代に突入していく中で、いかに安定的にこの制度を維持していけるのか、まずはこの法律を制定していただき、問題点に関してはその都度修正を加えながら、少しでもいい制度になるようにみんなで知恵を出し合うことだと思います。そして、より多くの難病の患者が安心して地域社会の中で暮らしていけるようになってほしいものだと願っております。
 以上です。
#7
○委員長(石井みどり君) ありがとうございました。
 次に、福田参考人にお願いいたします。福田参考人。
#8
○参考人(福田富一君) 私は、全国知事会社会保障常任委員長を務めております栃木県知事の福田と申します。
 本日は、難病の患者に対する医療等に関する法律案に対しまして意見を申し上げる機会を与えていただきましたことに御礼を申し上げます。
 さて、御案内のとおり、我が国の難病対策につきましては両参考人から今説明をいただきました。昭和四十七年に策定されました難病対策要綱に基づき、これまで患者への医療費助成と治療薬の開発や原因究明等に係る調査研究に重点を置いて各種事業が進められてきました。国におきましては、これまで対象疾患の拡大や患者支援サービスの拡充を図るため、制度の見直しが行われてまいりました。
 都道府県におきましても、国の事業を基本にしつつ、独自に工夫を行いながら事業を実施しております。栃木県におきましては、県単独の疾患を指定して医療費助成を行うとともに、人工呼吸器を装着した在宅難病患者を介護する家族の負担を軽減するための事業を実施するほか、保健所の保健師がきめ細かな患者支援を行うことによって療養生活の向上等に努めてまいりました。
 しかしながら、現在の国の難病対策につきましては、原因が不明で長期の療養が必要な多数の難病が指定しておらず、不公平感があること、本事業が、予算補助のため、長年にわたり国の補助率が本来の二分の一を大きく下回り、都道府県の超過負担が常態化するなど、制度として安定性に欠けること、難病患者の長期療養や社会生活を支える対策が不十分であることなど、課題が指摘されてまいりました。
 このような中、本法案は、対象疾患の拡大や療養生活環境の整備等を通じて、難病患者の長期にわたり重い精神的、身体的、経済的負担を社会全体で支えようとするものであります。医療費助成におきましては、対象疾患が現行の五十六疾患から約三百疾患へ拡大されるとともに、都道府県の医療費支給に要する費用の二分の一が国の義務負担とされ、長年の懸案でありました都道府県の超過負担が解消されることとなりました。
 以上のような点から、全国知事会といたしましても、難病対策の充実の観点から本法案を高く評価するとともに、法制化に向けて御尽力をいただきました皆様方に対し、深く感謝の言葉を申し上げます。
 都道府県といたしましては、法案の成立後、国と十分に連携を図りながら、新たな難病対策への移行に向けて準備作業を進めてまいる所存でありますが、本日は、実務を担当する立場から、今後御配慮いただきたい事項等について意見を申し上げます。
 最初は、法案の早期成立についてであります。
 この度の難病対策の法制化に当たりまして、医療費助成制度につきましては大幅な見直しが行われることとなります。法律の施行に当たっては、準備や周知のために十分な期間を確保することが必要と考えられますが、難病患者の方々に対する支援を一刻も早く実施するため、施行日は平成二十七年一月一日とされたと聞いております。
 新制度への移行に向けまして、都道府県においては、今後、指定医及び指定医療機関の指定など数々の準備作業を進めることとなりますが、対象疾患の選定を始め新制度の詳細な内容や運用方法は、法案の成立後、政省令等で定めることとなっております。円滑に新制度に移行するため、法案の早期成立とともに、政省令の制定はもとより、運用方針の速やかな提示が必要でございます。なお、運用方針の決定に当たりましては都道府県からの意見を十分反映願いたいと存じます。
 次に、都道府県の事務負担等の軽減について申し上げます。
 指定医及び指定医療機関の指定業務や対象疾患及びその認定基準の周知など、新制度の施行に伴って新たな事務負担の発生が見込まれております。そこで、国におきましては、都道府県に対し難病に係る専門医などの必要な情報の提供を行うとともに、日本医師会等関係機関との調整を十分に行うなど、都道府県の業務が円滑に進められるよう配慮していただくことが必要でございます。また、新制度の施行に伴い業務量が増大し、人件費や委託料など新たな費用負担が生じることとなるため、必要な財政措置を講じていただきたいと思います。
 さらに、過大な負担となっている現行の事務について、抜本的な負担軽減をお願いしたいと考えております。特に、平成二十一年度に導入され、公費負担減少の効果が確認されないまま継続されております高額療養費所得区分の細分化につきましては、保険者への照会手続が必要となるなど、都道府県にとって非常に大きな事務負担となっております。また、保険者への照会を行うため、受給者証の交付に時間を要し患者に不便を掛けていることから、新制度においては是非とも改善していただく必要があります。
 次に、制度の運用等に当たりまして、今後国において留意願いたい点について、項目ごとに申し上げます。
 まず、新たな医療費助成制度における対象疾患やその認定基準についてであります。対象疾患やその認定基準については、有識者による第三者的な委員会において決定することとされておりますが、それらの検討に当たりましては、真に支援が必要な患者が適切な医療を受けられるよう慎重な審議を期待しております。
 次に、指定医及び指定難病審査会について申し上げます。法案では、特定医療費の支給認定を受けようとする者は、指定医の診断書を添えて、都道府県に申請しなければならないとされております。指定医の要件は難病に係る医療に関し専門性を有する医師とされておりますが、地方におきましては指定医が偏在する可能性があり、難病患者が指定医の診察を受けられない事態や、指定医であることが要件である指定難病審査会の委員を任命できない事態が懸念されます。今後、指定医や指定難病審査会に関し必要な事項を定めるに当たっては、地域の実情に応じた対応ができるよう十分配慮が必要であると考えております。
 次に、指定医によるデータ登録について申し上げます。
 一定の症例数を確保し難病に関する治療方法の確立に資するため、難病患者データベースを構築することとなっております。そして、難病患者データの登録については指定医等が行うこととされております。全国知事会としては、日常の診療業務に追われている医師がデータ登録を行うことが本当に可能なのか疑問を呈してまいりましたが、国においては最終的に難病の治療研究を進める上で必要な仕組みであると判断されたと理解しております。指定医によるデータ登録が確実に実施され、難病患者データベースを有意義なものとするため、指定医によるデータ登録の意義、データ使用や活用方法等について医師会や医療機関等に対し国が十分に説明を行い、了解を得ることが必要であります。
 次に、療養生活環境整備事業について申し上げます。
 療養生活環境整備事業は、難病相談体制の充実、難病相談・支援センターの機能強化、さらには訪問看護の拡充等を図るため法案に位置付けられましたが、特定医療費と異なり、予算の範囲内で補助する裁量的経費とされております。難病患者等が真に必要とする事業が実施できるよう、国においては十分な予算を確保願いたいと考えております。
 結びに、医療費助成の実施主体について申し上げます。
 現在保健所では、在宅難病患者の支援計画の作成や訪問指導事業などを実施しております。総合的な難病患者支援対策の充実等の観点から、全国知事会としては、医療費助成の実施主体に保健所設置市である政令指定都市、中核市を加えることを要望してまいりました。
 法案では大都市特例の規定が設けられ、政令指定都市については平成三十年四月一日から適用されることとなっております。中核市につきましては、法施行後五年以内を目途に検討することとされておりますが、難病の子供に対し医療費助成を行う小児慢性特定疾患治療研究事業は現在中核市が行っておりますので、患者サービスの向上の観点から早期に中核市を医療費助成の実施主体とするよう要望するものでございます。
 本日、より良い難病対策の実現のため私の意見を申し上げましたが、法案成立から法施行まで短い期間でありますけれども、都道府県といたしましても、国や関係機関、患者団体とも連携を十分図りながら、円滑な制度の実施に向けて準備を進めてまいる所存でございます。
 以上で私の参考人としての意見発表を終わります。
#9
○委員長(石井みどり君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。
 参考人の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席、お越しをいただきまして、そして貴重な御意見、お話をいただきまして、心から感謝申し上げる次第でございます。そしてまた、皆様方がそれぞれの立場で難病対策に日々取り組まれている、御尽力されているそのお姿に心から敬意を表したいと思います。
 それでは質疑に入ります。
 昭和四十七年、難病対策要綱策定により始まった我が国の難病対策は、四十年以上の月日を経て、今般の難病患者に対する医療等に関する法律案、難病法案となったわけでございます。
 現在の特定疾患治療研究事業は予算事業として実施されているものでありますが、この法案により、難病は社会保障制度の中に位置付けられるとともに、公平かつ安定的な制度としてその対策が推進されると考えております。
 そこで伺いますが、これらの点を含めて、今回の法制化や今後の難病対策について患者の皆さんや御家族の方々がどのように受け止めておられるのか、難病患者の支援活動に携わるとともに御家族の介護も経験された伊藤参考人に、そしてまた、自治体はどのように受け止めているのか、福田参考人にもお伺いをいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#11
○参考人(伊藤建雄君) 今回のこの法案というのは、本当に幅の広い角度から本当に幅広い対策を実施する基になるものだと思います。患者にとって、あるいは病気によっては様々な受け止め方もありますし、また従来から対策に入っていたものとそうでない疾患との受け止め方の区別はありますけれども、しかし、国によって法律ということになって、全国どの市町村でも同じ法律に基づいた対策が行われるということについては大変心強いものがあります。そういう基盤といいますか岩盤ができたというように受け止めることができると思います。
 ただ、細かな点につきましては、先ほど言いましたように、その病気やいろんなものによって違いますので、それはいろいろ、凸凹や早い遅いはあると思いますけれども、まずそういうものが確立したと、長い間要綱でここまで来れたということも、これも大変すばらしいことだと思いますが、更に大きく飛躍する土台といいますか、継続的に安定的に対策が行われる基盤ができるということは大きな精神的な励ましでもあります。
 それは同時に、患者の支援に携わっている患者会や、相談に当たっている機構の方々にとっても大きな支えになることだというふうに受け止めております。
#12
○参考人(福田富一君) 難病対策につきましては、先ほど来お話がありますように、特定疾患治療研究事業あるいは難病特別対策事業など、要綱に基づいて国が実施してまいりました。これらの事業につきましては、いわゆる予算補助事業のために国の予算の範囲内でしか補助されずに、特に特定疾患治療研究事業については、補助金の交付率五〇%の二分の一程度にとどまっておりまして、超過負担として地方の財政を圧迫してまいりました。
 本法案におきまして特定医療費として義務的経費に位置付けられ、超過負担が解消されること、さらに、特に基本方針や療養生活環境整備事業によって難病患者の長期療養と社会生活を支える総合的な対策の推進が期待されますことから、地方としてもこの法制化を高く評価したいと思いますし、今後国から示される運用の手順あるいは基本方針などにのっとりまして、速やかに患者のための施策となるよう最大限努めてまいりたいと思います。
#13
○滝沢求君 ありがとうございます。
 今の御意見を伺いまして、法制化の持つ意味の重要性、これを私自身も改めて認識をすることができました。そして、この法案に基づいた難病対策を積極的に進めていかなければならないと思った次第でございます。
 次に伺います。
 難病対策といえば、まず医療費助成が頭に浮かびます。もちろん重要なことですが、これのみで患者さんの生活が安定するわけではないと思うんです。やはり、地域で生活していく上で様々なサービスを利用したり、あるいは就労支援を受けたりして生活していく方がいらっしゃるのが事実だと、現実だと思うんです。
 そこで、医療費助成以外に難病対策として行政が取り組むべき課題についてどのようなものがあるのか、伊藤参考人に伺いたいと思います。
 そしてまた、地方自治体から見て、医療費助成以外に難病対策として行政が取り組むべき課題についてどのように考えているか、福田参考人にお伺いしたいと思います。
#14
○参考人(伊藤建雄君) 行政の取り組むべき課題というのは非常に多いというように思っております。それは、先ほども述べましたように、難病という病気にかかっているのは特別な人、特別な人間ではなくて、一般の方々と同じように地域社会で普通に生活を送っている人たちであり、またそのような権利は保障されるべきものだと思います。
 病気のことだけを考えていきますと非常に範囲は狭くなりますけれども、生活もしていく、しかも、本人だけでなくて家族の生活もあるということを考えますと、それは福祉の制度であり、収入の保障であったり、介護であったり、それから通院のための交通への支援であったり、ヘルパーの制度であったり、あるいは専門医療にかかることの保障であったりと、実に様々な形でその患者を取り巻く支援が必要だというように思います。
 今の医療の中では病気を持っている人と治療する人というような観点で語られることが多かったと思いますけれども、そうではなくて、一度、生活をしているという面から考えていただきますとまた御理解いただけるのではないかと思います。患者だからあれをしてはいけない、これができないということではなくて、患者も全ての生活者と同じような生活を送ることが必要だろうというように思っております。
 以上です。
#15
○参考人(福田富一君) 栃木県では、とちぎ難病相談支援センターを設置しまして、難病患者や家族からの各種の相談に対応するほか、患者、家族の交流会など事業を実施しております。
 そこで、本法案では、難病患者に対する医療等の総合的な推進を図るため、国が、難病患者の療養生活の環境整備に関する事項や難病患者に対する医療等と福祉サービス、就労支援等の施策との連携に関する事項について基本方針で定めることとされております。
 県といたしましては、この基本方針を踏まえて難病相談支援センターの機能強化に努めるとともに、今回新たに設置することになります難病対策地域協議会などを活用して、拠点病院や市町村、ハローワークなど関係機関との連携を十分図りながら、相談、福祉、就労、医療など総合的な支援に努めてまいりたいと思います。
#16
○滝沢求君 御意見を伺って、ありがとうございます。
 限られた時間でございますので、最後に、この新たな制度が患者の、難病の方々、そして家族の方々にとって私は希望の光になって治療法の開発向上につながることを願いまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#17
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎でございます。
 本日は、参考人の皆様、大変ありがとうございます。心より感謝申し上げたいと思います。
 私は、障害者総合支援法制定の際の担当政務官をやっておりましたので、今回の新法についても検討段階で関わってまいった一人でございます。そういう意味で、今回の政府案、一歩前進であるという評価をいたしておる一人でございます。そういうことも含めまして、改めて参考人の皆様に御意見をお聞きしたいと思います。
 まず、伊藤参考人にお尋ねをしたいと思います。
 私は、研究予算は別として、医療費助成ということでは難病の種類に限定されない支援の仕組みを実現すること、これが将来的には間違いなく必要ではないかと、難病の種類に限定されない支援の仕組みを実現することですね、これが大変重要ではないかというふうに考えております。もちろん、現実的には財政の問題等々あることも十分承知をしておりますが、これは政治の課題でございます。
 少なくとも、患者団体、家族団体の立場では、根治療法がなく、長期の療養生活において同じように苦しんでいる方々の全てを公的支援の対象にしていく、そのような主張を今後も続けていかれるというふうに思うわけでございますが、この点について伊藤参考人から簡潔にお考えをお述べいただきたいと思います。
#18
○参考人(伊藤建雄君) おっしゃるとおりだと思います。
 難病という病気は、今のところどの病気も根治するということは不可能なわけですから、生涯、つまり死を迎えるまでの間、ずっと病気の治療を受けなければならない。そういう患者に対する支援、医療費の助成も含めてですが、当然それはあるべきだろうと。そして、様々な福祉の制度などについても、病気の研究は別にしましても、医療費の助成とかあるいは生活の支援というのは、病気の種類にかかわらず、必要な支援を必要なときに受けることができる、そういう社会保障であってほしいということは私どもの究極の願いであるというように思います。
#19
○津田弥太郎君 私もおっしゃるとおりだと思います。政治の責任が非常に大きいことだろうというふうに思って、今後もしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 続けてもう一問、伊藤参考人にお尋ねをしたいというふうに思います。
 今日、衆議院での意見表明と同じようなペーパーをお読みいただいた部分もあるわけですが、衆議院のときにもおっしゃっておるんですが、全てが国ということではなくて、地方自治体がどう国と密接に連携を取り合いながら難病対策を進めていくのかということが大きな課題ではないかと。これは様々な意味合いが含まれているのではないのかなというふうに思うわけであります。
 今日は、一番向こうに難病対策の実施主体の中核を担う都道府県の代表として福田知事が知事会を代表して御出席をされておられますので、是非この機会に、今回の新法を踏まえて、都道府県に対する患者側の要望をお述べをいただければと思います。よろしくお願いします。
#20
○参考人(伊藤建雄君) 先ほども言いましたように、患者は、その家族も含めて生活者なわけです。地域で生きている。それは、その責任はやっぱり地方公共団体の行政であり、政治だと思います。
 難病対策が始まった昭和四十七年頃は、たくさんの自治体で独自の支援策が取り組まれました。それは、疾病の医療費助成であったり、交通費の支援であったり、見舞金制度であったり、様々なことがありましたけれども、時とともにこれは後退してしまっていて、今残り少ない自治体しかやっておりません。ベースになるのは全国一律で格差なく実施してほしいのですが、そういう地域地域の特性に基づいた自治体としての支援策も是非お願いしたいというように思っております。
#21
○津田弥太郎君 ありがとうございました。向こうで福田知事聞いていただいていると思いますので、是非知事会に持ち帰っていただければというふうに思います。
 次に、福永参考人にお聞きをしたいと思います。
 今日お持ちいただいた資料の五ページのところに、効果的な治療方法の開発と医療の質の向上ということで、先ほど福永参考人の方からも御説明がございました医療提供体制についての対策、これ今回の新法で講じられることになっているわけでございます。
 中でも、三次医療圏ごとに原則一か所以上指定される新・難病医療拠点病院、それから二次医療圏で一か所の、同じく今度はこれは領域型というんですか、先ほどの三次医療圏が総合型で、二次医療圏が領域型という言い方での新・難病医療拠点病院、さらには新たに誕生する難病指定医などがその柱になると。これ先ほど福永参考人もお述べになられたことでございます。
 少しこの問題が、新たなシステムが大都市圏に少し集中しているんではないだろうかと。医師の偏在の問題等も先ほど指摘がされたわけでございますが、大都市圏だけではなくて、その他の地域について十分な連携が、この制度が図られていくのかどうか、そこにどのような課題があるかについて福永参考人から御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#22
○参考人(福永秀敏君) おっしゃられるとおりだと思います。
 ちょっと私の説明が悪かったのかもしれませんけれども、一か所だけ訂正したいと思いますけれども、新・難病医療拠点病院の中で、総合型ともう一つの領域型も、これも三次医療圏に一か所あるいは二か所ということで、二次医療圏ではなくて三次医療圏ということに一応位置付けとしてはなっております。ただ、領域型の場合には、いわゆる特定の領域にということで、二つ分けていることになります。済みません。
 それから、今言われますように、非常に、大都市あるいは地方とのいろんな問題での医療提供体制というのは違うわけですので、今回のこの問題に限りませんけれども、やはり地方が、非常に過疎地域では困る場合もありますので、できるだけ難病の患者さんがやはり地域の中で、特に地方の中でもアクセスがうまくいけるような形での方法を取りたいということも議論されました。例えば難病指定医が巡回しながら地方の指定医のいないところには出かけていくとか、いろんな方策の中で、地方のそういう難病で困っている患者さんもそのような形でこの提供体制に組み込まれるようにしていきたいなというふうに考えております。
#23
○津田弥太郎君 最後に、福田参考人にお尋ねをしたいと思います。
 先月の衆議院における質疑におきまして、各都道府県が独自に行っている医療費助成の実態に関し、厚生労働省は把握をしていないということが明らかになりました。私は別に厚生労働省を責めるわけじゃありませんが、事実、そのような実態にあるということです。恐らく知事会におかれましても、難病対策に関する各都道府県の先進的な取組を必ずしも全て把握されていないのではないのかなというふうに思うわけでございます。
 ただし、今後ということに関しますと、今回この新法も提案されているわけでありますから、各都道府県の先進的な取組については最大限情報を共有化をして、効果的な施策については他の都道府県や全国レベルに拡大をしていくというような取組が極めて大きな課題になるのではないかというふうに思うんですが、この点に関して、逆に国に対しての要望も出てくるのではないかと思うんですが、福田参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
#24
○参考人(福田富一君) 津田先生の御質問について、私も、自分のところの独自の医療制度の取組については熱心にやってきているつもりですけれども、ほかの県が先進的なものをどの程度しているかということについては、知事会等の事務局としてはある程度は把握していると思いますけれども、私自身、委員長としては残念ながら内容について理解をしておりませんので、これを機に各都道府県の取組を改めてリストアップしまして、その中で先進的な取組、目をみはるようなものがあれば、それは全国展開ができるよう各都道府県に紹介をしていく必要があるというふうに思っております。
 この難病患者に対する医療費に関する法律案の成立に伴って、今の課題についても知事会として前向きに取り組んでいければというふうに思っております。
#25
○津田弥太郎君 終わります。
#26
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 参考人の皆様方、今日は大変貴重な御意見を伺うことができまして、心から感謝を申し上げます。
 早速御意見を伺いたいと思っておりますが、まず伊藤参考人と福永参考人、お二方にお伺いをしたいと思っています。
 先ほど、基本理念について、伊藤参考人、そして福永参考人、共に高い評価、あるいは大変期待の御意見をいただきました。この基本理念をどう実現するかという課題についてちょっと御意見を伺いたいんですね。特に、社会参加の促進、地域での共生、こういう言葉が入っておりますが、やはりどうしても抽象的であるということがちょっと課題として残っていると思います。
 この基本理念、難病患者に対する医療等は、難病の克服を目指し、難病の患者がその社会参加の機会が確保されること及び地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々と共生することを妨げられないことを旨として、難病の特性に応じて、社会福祉その他の関連施策との有機的な連携に配慮しつつ、総合的に行われなければならないものとするというこの部分、先ほど伊藤参考人からは、難病対策の方向を示した大きな成果であり、患者・家族団体も高く評価すると、こういうふうに評していただきました。
 ただ、じゃ、この理念を実現するために、特に社会参加の機会を確保するとか地域社会で尊厳を持って共生するということに向けて、じゃ具体的にどうするかという、その具体性にはちょっとやっぱりこれから課題が私は残っているというふうに思っています。
 その意味で、国民、あるいは企業、地域社会の理解の促進と。伊藤参考人は先ほど教育という面にちょっと触れられていらっしゃいましたが、この企業や地域社会の理解の促進を進めていくことが非常に大事になってくると思うんですけれども、この点について御意見あるいは何かサジェスチョンをいただけることがあれば有り難いと思いますので、伊藤参考人、福永参考人にお伺いしたいと思います。
#27
○参考人(伊藤建雄君) これはおっしゃるように大変難しい問題です。抽象的に簡単に言うことはできますが、しかし、私どもとしては、たとえ抽象的であろうともこういう表現が公的に出てきた、病気は誰でもかかるものだと、社会がそれを包含していくのだということがまず大事だと思います。
 そういうようなことを、私ども教育からと言ったのは、実は、今社会にいる方々にいきなりこれを理解しろといってもなかなかそう簡単には浸透しない。やはり子供の頃から、障害を持った子供あるいは病気を持った子供も一緒に学校教育を、いわゆる地域で育てられるということの経験を通じていく中でこそ将来的には実現されることであろうと思います。
 それにしても、その前の段階としては、やはり医療者、あるいは地域社会への宣伝といいますかPR、社会周知事業というのをどうしていくのかということではもう少し具体的なものがあっていいかと思います。例えば、今、コマーシャルですけれども、肝炎についてのコマーシャルが有名なタレントを使ってテレビでもう一日何回も流れますけど、ああいうようなことぐらい、例えば難病というのはこういうものだということを国は、そんなにお金が掛かることじゃないような気もしますが、するとか。それは、そういうことを率先して国がするのだという姿勢が大事なのではないかというように思います。特に、長い間、難病ということの中で社会に参加しにくいものがあった患者にとっては大事なことかと思いますから。
 もう一点、就労の問題というのは、実はこれは、ただ働く場所があって所得を得るということだけじゃなくて、そういう場が、就労の場というのが一番社会参加の最たるものだというように思いますので、そこをどう支援していくかということを通じてこれもまた広まっていくのではないかというふうに思います。
 以上です。
#28
○参考人(福永秀敏君) 私は、筋ジストロフィーの病棟に何十年も働いていました。そこでは、時代的な背景もあるんですけれども、やはり長い人では三十年、四十年入院されている人もいます。そういうことを考えたときには、やはり元気なときには在宅というか地域社会の中で生活されて、そして、病気というか、何か、肺炎とかそういう病気になったときには速やかにやはり入院できるような制度というか、それが一つはつくることが大事だと思います。
 それからもう一つは、最近かなり進んできましたけれども、やはり在宅でやっていると、介護者とかそういう人たちのやはり疲労とか過労も募ります。そういうことで、やはりレスパイト的な入院をできるような形を、仕組みをつくっていくことがやはり長い目で見たら必要じゃないかなというふうに思います。
#29
○長沢広明君 ありがとうございます。
 今、地域社会の中でどう共生できていくかということについて大変貴重な御意見をいただきました。難病の患者本人、そしてそれを支える家族がやっぱり孤立しないようにしていくことは非常に特に大事だと思いますし、これは小児慢性疾患の方もそうですけれども、やっぱり学校とかの連携というのは非常に難しい課題が残っていますので、こういうところをこれからもしっかり課題を克服していかなければいけないというふうに思っております。
 関連して、福田参考人にお伺いをしたいと思っております。今、就労という話も出ました。就労支援の課題、現場の課題というのはどういうところにあるかということでございます。
 医療費助成の対象になっている現在の五十六疾患、この五十六疾患の患者の方の平均発症年齢は四十一歳でございます。つまり、働き盛りと。働き盛りで発症されるということで、当然働きながら、就労を続けながら、要するに病と闘いながらも働き続けたいという強いお気持ちを持たれるのはこれ当然のことでございます。国としても就労支援に大いに取り組んでいかなければいけないと思いますし、都道府県の難病相談・支援センター、ここでは、ハローワークから難病患者サポーターの派遣を受けて、治療、生活の相談から就労の相談まで、今後、難病患者の方にとってのワンストップサービスの拠点となることがこれからも更に期待が強くなってまいります。
 先ほど福永参考人からも現場のお話をちょっと御報告をいただきまして大変参考になりますが、また、福田参考人から先ほど、裁量的経費となっているので十分な予算の確保が必要であるというようなお話もございました。
 福田参考人、栃木県知事として就労支援の難病相談支援センターの運営も行いながら、都道府県の立場から見た就労支援に関する現場の課題とその取組の在り方についてどのような御意見をお持ちかお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#30
○参考人(福田富一君) 障害者雇用率が引上げになって、県庁を捉えれば、知事部局は辛うじて達成、教育委員会は残念ながら未達成、県の教育委員会、栃木県教育委員会はですね。さらには民間に至ってはもっと低率と、こういう状況に今なっております。
 そこで、障害者雇用率をいかに高めていくかというのは行政の大きな課題だと私も捉えております。今回の法案の中では基本方針が出ることになっておりますので、当然、その中に就労支援についても国としての方針を明示されるのではないかというふうに期待をしております。
 それらを受けまして、我々は、ジョブカフェあるいはハローワーク、そういったところと連携をしながら、民間団体とも連携しながら取り組んでおりますけれども、改めてこの法案に基づく基本方針によって、難病相談支援センターの機能強化に努めながら、難病対策地域協議会を法定で立ち上げて、それらを活用し、ハローワークを始めとする関係機関と十分連携を図って就労の積極的な支援に取り組んでまいりたいというふうに思います。
#31
○長沢広明君 時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
#32
○東徹君 本日は、参考人の伊藤さん、そして福永さん、そして福田さん、お越しいただきまして本当にありがとうございます。
 難病といいますと、本当にたくさんの病気がありますし、またそれぞれの疾患によって非常に特徴等も大きく違うわけでありまして、これまでの障害とかそういったことと違って、難病というのは、一つ一つの疾患をやっぱり理解し、それにどう対応していったらいいのかというところが本当に難しいんだろうというふうに思っております。
 是非、伊藤参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、障害者に対する理解というのは今日大分広まってきたんではないだろうかというふうに思うんですが、今、難病に対する理解も、社会的な理解も広まってきているとは思うんですけれども、この難病に対する理解を更に深めていこうと思ったらどのようにしていったらいいのか、どのようにその辺のところはお考えなのか、もしありましたら教えていただければと思います。
#33
○参考人(伊藤建雄君) その中で一つ大きなポイントになるのは、障害者基本法の改正の中で難病も入った、それから障害者総合支援法の中に難病も入った、さらに日本でも人権条約が批准されたり、障害者差別解消法ができたりというものがあります。これは、難病もその中に入るのだということを行政も地方自治体もしっかりと捉えることがまず入口かと思います。
 つまり、病気とか障害とか高齢とかということで人間の存在は差別されるものでないんだと、それぞれの特性を持っているし、それぞれ必要な支援はある、それを支援することが社会の多様性を保障しているのだということを社会がしっかり捉えることだろうと思います。人間は多様だということを是非社会全体が理解するべきであろうと。
 そして、患者さんも、障害を持っている人も含めてですが、自分は患者であるからとか障害であるからということを意識しないで済むような、そういうものであれば、自分の病気や障害にもっと正面からまた向き合う力も出てくるのではないだろうかというようなこと、若干抽象的ですけれども、そういうようなふうに思っております。
 その先頭を行くのが、やっぱり行政が、法律の中で行政というのは仕事をするのでしょうけれども、こういう仕組みだからここは駄目だとかここまでだというような垣根を行政がつくらないことというのが大事かと思います。ただ、今の総合支援法では、従来のように障害者手帳を持っている人だけが対象だというのではなくて、状態でサービスを受けられるようにするというようになってきていますので、その精神はしかしまだ地方には広がっていないわけですから、是非そこから取り組んでいただければと思います。
#34
○東徹君 ありがとうございます。
 是非、障害も難病もそうだと思うんですけれども、誰がその病気を患ってもおかしくないというふうに思っておりますので、しっかりと我々もそこについては努力をしていかせていただきたいというふうに思っております。
 それで、非常に、地域で尊厳を持って生きていくことのできる共生社会というふうなことで、高い理念を掲げて活動をされているというふうに思っております。そんな中で、今回この法律案の中に都道府県は難病相談・支援センターの設置というふうなことが掲げられておりますけれども、その難病相談・支援センターの設置について、伊藤参考人、そして福永参考人から、希望するような、期待するようなところがありましたら是非お教えいただきたいというふうに思います。
#35
○参考人(伊藤建雄君) 相談・支援センターの役割というのは非常に大きいと思います。そのために、私どもが要望してから四十七都道府県全部に設置されるまでの時間は他の制度の様々な機関から比べても非常に早かったというように思います。
 しかし、財政的な支援が十分でないために、相談員といっても年間八十万の給与でやっている、次の後継者を指名することもできないというようなところから、鹿児島なんかは大変進んでいるところですけれども、県としてやっているところもあります。しかし、基本的に私どもは患者団体が運営することを当初は想定しておりました。それはなぜかというと、患者の権利擁護という側面もあるものですから、医療機関や行政ではなくて、患者としてその患者さんの困っていることをいろいろお話しし様々なところへ結び付けていくという、そういう役割が大事なのだというように思っておりました。行政機関ですと法律の範囲内のことしかできないわけですけれども、民間がやればもっと自由にできるのではないかということで、第三者的な機関というものを求めておりました。
 これはしかし、もっともっと多く増えるべきであろうと。今は各県に一つですけれども、その相談・支援センターまでにたどり着けない人が山ほどいるわけです。そういうことからいえば、県庁に一つではなくて県内に幾つもあるような、そして、そこで様々な病気を抱えている人の心の問題、心の支えもできるような相談・支援センターであるべきだろうというように思っております。
 そのためには、国としてもっともっと、支援することができるという法律ではなくて、将来この制度はもっと発展させて、国がきちんとベースをつくる、そういう責任を持って予算を投下するような、そういう仕組みであってほしいというように願っております。
#36
○参考人(福永秀敏君) 今、伊藤参考人も言われましたけれども、設立母体が各都道府県、かなり変わっているんですね。だけど、逆に言うと、この特徴を生かすこともできるんじゃないかなというふうに思います。たまたま私と福田知事の栃木県は県の直属ですけれども、県に直属している難病相談・支援センターというのは、たしか十何か所だったというふうに思います。
 そういう意味で、国の補助はたしか二分の一あると思うんですけれども、やはり体制の整備、人と質を上げるという意味では、やはりいろんな意味での国の補助、あるいは県の補助がなければやっていけない団体ですので、是非今後ともよろしくお願いしたいなというふうに思います。
 あと、たまたま鹿児島県の場合には患者団体と同じフロアにあります。だから、そういう意味では難病相談・支援センターは、患者団体あるいは保健所、そういうところとのやはり連携が必要な場所じゃないかなというふうに思っております。
#37
○東徹君 ありがとうございます。
 続きまして、これもちょっと福永参考人にお伺いしたいんですが、今回、難病の治療に当たってデータベース化ということが非常に大事だというふうに思っておるんですけれども、これは非常に医師にとっても負担になるんだろうというふうには想像できるんですが、何といっても、でもこの治療法を開発していくには、やっぱり精度というものが非常に大事だというふうに思っているんですけれども、精度の高いデータが収集することができるのかどうか、この辺についてはどのようにお考えになられているんでしょうか。
#38
○参考人(福永秀敏君) 言われるとおりなんですけれども、私自身も期待と不安と両方持っております。
 というのは、今言われましたように、やはり精度を上げるには、例えば項目をたくさん増やしたり、あるいはいろんな形で、相反することが多いんですね。だから、精度を上げようとすれば時間と労力を必要としますし、そういう意味で、今回の場合には難病指定医がやはり登録を行いましょうと、精度を上げるために、そうしないと、その後の創薬とかあるいは国際比較はできないんじゃないかという意見が強くありました。
 そういうことで、やはり入力する方々の負担は当然あるわけですけれども、やはりその中で入力する難病指定医の先生方には頑張っていただいて、是非精度を上げる努力をしていただきたいというのが希望です。
#39
○東徹君 ありがとうございます。
 ちょっともう時間がないので、これにて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#40
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 衆議院でもいろいろ質疑を行われて、附帯決議も出てきて、今日は参議院の中で、十五分という時間と、各質疑者から質問が来ます。そうすると、何十年間の思いのたけをこの時間でやるといったら大変なことだし、しかも質問で自分の言いたいことは遮られているという、遮られているわけではないかもしれませんけど、ちょっともしあれだったら、自分の時間を少しおあげしてもいいなと、少しだけですけど。足りないところ、もうちょっと言い足りないところ、ここだけはというところあったら、各参考人の方にお聞きしたいんですが。
#41
○委員長(石井みどり君) それでは、伊藤参考人からでしょうか。
 では、伊藤参考人。
#42
○参考人(伊藤建雄君) 私、この難病対策要綱が始まった昭和四十七年からずっと患者会をやっております。そういう長年のこの流れから見ていくと、本当に今最もこの難病に対する行政や議会の関心が高まった時期だと思います。
 しかし、まだまだやらなければならないことはたくさんありますので、是非、この難病法ができたら皆さんの関心が薄れるということではなくて、今後とも、こういう一番大変なところを支えると国もやっぱり良くなるのだという観点から是非難病対策を見て、見守っていただきたいし、応援していただきたいということをお願いしたいと思います。
#43
○委員長(石井みどり君) 続いて、では、福永参考人。
#44
○参考人(福永秀敏君) 非常に有り難い時間をいただいたんですけれども。
 私自身は、ちょうど一九七二年の難病対策要綱ができた年が大学を卒業して医者になった年で、それ以降四十数年、難病と関わってきたんですけれども、専門が神経難病ということもありまして、その中でいわゆる治療法が開発されたものというのは数少ないんですけれども、ただ、その中には、完治とまではいかないまでも普通の生活が送れるような治療法あるいは薬ができている病気もあります。
 それから、病気によっては、やはり就労という点では、社会の理解があって、難病というのは調子のいいときあるいは悪いときは非常に大きな差がある病気ですので、調子のいいときにいろんな雇用者の理解があって仕事できるような機会が恵まれている患者さんも増えてきています。そういう意味では、やはり社会全体の支えというか理解が必要な病気だと思いますので、その点では是非、難病を広くみんなに知っていただける機会に、これも一つですけれども、なっていただきたいなというふうに思っております。
#45
○委員長(石井みどり君) では、福田参考人、お願いします。
#46
○参考人(福田富一君) 二十五年四月、先ほど津田先生だったと思いますけれども、障害者総合支援法が施行されまして、身体障害者手帳を所持しない難病患者においても障害の程度に応じて障害者福祉サービスを受けることが可能となったわけであります。
 市町村が難病患者への福祉サービスを円滑に実施していくためには、まずその市町村の担当者が難病に対する理解を深めることが大変重要なことだと思っております。そのために、市町村の実務担当者を対象とする難病に関する研修会等を引き続き開催するとともに、新たに設置されます難病対策地域協議会などの場を活用して、県、保健所の保健師、そしてまた市町村担当者などが連携を深めて、難病患者が適切な福祉サービスが受けられるよう、これからも最大限努めてまいりたいというふうに思います。
#47
○山口和之君 ありがとうございます。もう何百倍も言いたいことがあるんでしょうけれども、一言で大事なところを言っていただいて。
 ようやく日本が成熟した社会に向けて何か走り出してきた、障害者のこともそうですけれども、大切なものは何かということがだんだん少しずつ伝わってきているような気はします。立派な日本にしていかなきゃいけないと思いますので、皆さんの力を借りながら動いていく必要があるんだと思いますけれども。
 どうしても、ちょっと医療から見てしまうと、障害、いわゆるハンディーというものが違うふうに見えてきちゃうんですよね。そういうふうに考えていくと、まずは医療から話を進めるのではなくて地域の福祉から話を進めた方が本当は分かりやすい、理解しやすいんですね。そこでどうにかして証明しなきゃいけないというふうに考えてくると、指定されたドクターがある程度、これは特につくられたものではなくて、本来もうハンディーとしてあるものなんだよということであれば、地域で救っていくような体制つくればいいと思うんです。
 そういった意味で、衆議院のときに附帯決議が付いたと思うんですけれども、その衆議院のときに付いた附帯決議についてクレームありますか。
#48
○委員長(石井みどり君) これはお三方にですか。
#49
○山口和之君 どなたでも。
#50
○委員長(石井みどり君) どなたがお答えになられますか。
 では、伊藤参考人。
#51
○参考人(伊藤建雄君) 附帯決議をお願いした立場からですので。
 特にクレームとか不満はございません。そういうような形で少しずつ広まっていく、その第一歩だというように思っておりますので。ただ、これで万全なわけではありませんので、今後更にどうこの法律を良くしていくのか、あるいは地域に浸透していくのかということは必要なんだろうということで、全会派一致で採択していただいたので、大変私どもはそういう意味でベースがそろったかというふうに受け止めておりますので。
#52
○委員長(石井みどり君) 福永参考人、福田参考人、ございますか。
#53
○参考人(福永秀敏君) 附帯決議といいますと、難病の定義的なもの。
#54
○山口和之君 決議と附帯決議とどっちでもいいですけれども、もう少しここを強く……
#55
○委員長(石井みどり君) 指名を受けてから御発言ください。
#56
○山口和之君 済みません。
#57
○委員長(石井みどり君) それでは、福永参考人。
#58
○参考人(福永秀敏君) いや、特にありません。
#59
○委員長(石井みどり君) 福田参考人、いかがですか。
#60
○参考人(福田富一君) 先ほど申し上げましたように、この後、基本方針、まずは法案を早く成立させてほしいと、その上で、政省令を整備して基本方針を定めてもらって、地方が準備する期間を一秒でも余計に取らせてほしいと。その上で、地域協議会などで十分法の趣旨が生かせるように努めてまいりたいと思いますし、患者団体などとも十分連携を図りながら、一〇〇%とは言えないと思いますので、それを一〇〇%に近づける努力を国も地方もやっていく必要があると、そのために地方も頑張っていきたいというふうに思います。
#61
○山口和之君 福田参考人の、福島県ももうとてもじゃないけど対応できないと、もう本当に抜本的なもの、抜本的な支援をお願いしたいと先ほど福田参考人の方もおっしゃいましたけれども、それ、具体的に抜本的というと、簡単に言うとどんなことでしょうか。先ほど抜本的な改革はしてほしいということでお話があったと思うんですけれども、その通知なり何なり、いろいろ支援ですね。
#62
○委員長(石井みどり君) 福田参考人にでしょうか。
#63
○山口和之君 はい、福田参考人。
#64
○参考人(福田富一君) 抜本的という言葉をどこで使ったか私も失念をしてしまいましたけれども、画期的な法律だと評価をしておりますので、これから、先ほど伊藤さんがおっしゃいましたように、難病あるいは疾病団体の皆様方の意向が十分反映されるような制度に仕上げていかなければならないということが重要なことだと思います。それは国会でも頑張ってもらいたいと思いますし、国と地方が共に手を携えて、障害者、難病患者の皆さん方が地域でしっかり就労も含めて自立できるような支援体制、社会全体で支援をする体制をつくっていくスタートラインに立ったと、新たなスタートラインに立ったというふうに思っておりますので、そういう点では責任は我々も重いと考えておりますので、栃木県としては、あるいは各都道府県としては、最大限この法案の趣旨を生かすよう努力をしていきたいというふうに思います。
#65
○山口和之君 ありがとうございます。
 福永参考人にお聞きしたいんですけれども、研究が思い切って進む、加速的に進むために必要なことってあるんでしょうか。疾患も希少ですし、ドクターも希少、少ない世界で、ここで研究をいろいろ広げていかなきゃいけないわけなんですけれども、もっと加速的に進むような。
#66
○参考人(福永秀敏君) 一般的な話ですけれども、やはり人、物、金だと思います。だから、財政的な支援というか、研究のためにはやはり予算の増額とか、そういうことがベースに、必要になるんじゃないだろうかと思います。
#67
○山口和之君 社会全体で支えるということですし、障害者の方に難病が入るんですけれども、難病は難病独自のその障害があるわけですから、それに準ずるというよりは新たなものをつくっていくというような感覚でいたいなと思っております。
 ありがとうございました。
#68
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今回の法案については、今まで予算事業で非常に不安定だった、自治体の超過負担もあったという中で、法制化をされ、対象疾患も大幅に広がるということで、やはりその患者団体の長年の取組の成果が実ったものだというふうに思っております。
 同時に、伊藤参考人も先ほどおっしゃられましたけれども、課題もまだまだたくさんあって、大変私自身は複雑な思いで、第一条のやっぱり難病の定義に希少性ということが、指定難病の医療費助成の対象ではなく、難病対策ということで希少性ということがなぜ必要なのか。あるいは、自己負担についても当初の案に比べればよほど軽減はされてはいるものの、やはりせめて低所得者のところは無料というような仕組みができなかったのか、あるいは食費を自己負担限度額の中に収めるということができなかったのか等々、まあトランジションの問題もありますが、非常に、大変いろんな問題があると思っておりますが、全体として、先ほど冒頭で申し上げたようなこの法案の意義ということに照らして私どもも賛成をするという判断をしました。
 ただ、やはりもう本当に、まあ今回はともかく、これからやはり解決していかなければいけない問題いっぱいあるんではないかと思っていまして、一点ちょっと伊藤参考人に、自己負担の問題で、自立支援医療については、違憲訴訟団との和解の中でもやっぱり無料を目指すという方向もあるので、私は本当に、難病という病気抱えてもう永続的に治療が必要だというこの状態を考えれば、やはりいま一歩踏み込んだ負担軽減ということをこの国としてやっていく必要があるんじゃないかなというふうに考えているんですが、どのようにお考えでしょうか。
#69
○参考人(伊藤建雄君) おっしゃるように、永続的というか、永久に近いような形で自己負担を続けなきゃならないというのは、医療費の負担だけではなくて、介護なり、あるいは医療費って様々なものが掛かるわけですね、通院交通費から家族の負担からと。
 そういうことを考えると、たかが千円ではないかとか千五百円ではないかということは実は言えないんだと思うんです。様々なものがある中で国としてどこまで支援をするのだという、ある意味で精神的な支えでもあるわけですから、そういう意味で、大変重い患者さん、重症の患者さん、本当に今必死で日夜生活と闘っておられる、生活といいますか、生命と闘っておられる患者さんに自己負担をというのはいかがなものかというようなことは我々も重々分かっております。
 ただ、どうしても今の時期にまず法律としての基盤が必要であろうということで、そこのところではちょっとやむを得なかったかというところはあるわけですけれども、精神的な支えとしてでももう少し何か方法は、今後いい方向に進むということを期待しております。
#70
○小池晃君 ありがとうございます。
 人工呼吸器なしにはもう生きていけない人に千円を、あるいは難病で苦しむ子供に毎日食費百三十円をと、そういうことをやっぱりしていく国でいいのかなと私は率直に思うんですよね。やっぱり、そういったことを本当に今後の課題の中で見直していくことを是非国会の場でも議論していかなければいけないなというふうに思っているんですが。
 福永参考人にちょっとお伺いしたいんですけれども、やはりこの間の難病の医療費の負担軽減策というのは、難病の場合、多くは非常に高額な薬剤を使う患者さんがいらっしゃいます。やっぱり治療を進める上で大きな役割を果たしたんではないか。それから、臨床データを収集するという点でもこの負担軽減政策というのは大きな役割を果たしたんではないかと思いますが、参考人はどのように評価されていますか。
#71
○参考人(福永秀敏君) 小池先生が言われるとおりだと思います。難病対策そのものが今おっしゃられましたように非常に希少な疾患ですので、その患者さんをデータとして集めて、それが創薬に生かすという面ではやはり非常に大きな役割もしたし、ただ、もう一つの点は、やはり日本では福祉的な意味合いと両方持ってきたわけで、ある意味では福祉と治療研究ということがごっちゃになったような感じがあったんですね。そういうところもありまして、先ほど言われましたように、正確なデータベースを作るということで今回新たなスタートを切ったというようなふうに捉えているんですけれども。
#72
○小池晃君 やはりこれは治療を進めていく上でも研究進めていく上でも非常に大きな役割を果たしてきたと思いますので、更に充実を図っていきたいと思います。
 それから、伊藤参考人に、ちょっとこの法案そのものとは離れるんですが、政府に規制改革会議というところがありまして、混合診療ということを言っているわけですよ。先日も私議論させていただいたんだけれども、困難な病気と闘う患者のためにやるんだということで、保険収載されていないような治療を医師と患者が書面で合意をすればこれをやってもいいんだと、保険収載を想定しないような治療をやっていくと。
 私はこれは決して難病患者さんの期待しているようなことではないんではないかなというふうに思うんですが、この混合診療の問題について団体としても御意見をお持ちだと思うので、お聞かせいただきたいなと思います。
#73
○参考人(伊藤建雄君) 先ほど、混合診療の問題については、私ども日本難病・疾病団体協議会としては声明を出しております。
 ただ、様々な病気、それから様々な方々でこの問題についてはいろんな観点からいろんな意見があると思います。でも、私どもとしては、やはり多くの患者さんが期待をしている医療というのはあるわけですね。特にそれは、国費を投じて本当に研究を進めてきたその成果というものを、患者さんたちはいつか自分たちもそれを受けることができるということを期待して、様々な研究に期待しているわけですけれども、実際できてしまうと、それは非常にお金のある人でなければ受けられない。ほんの一部だけ保険で見ますみたいなことでは失望にもつながりかねないということもありますし、また、不安定な医療、確立していない医療というものを提供できるという体制でいいのか、患者と医師とが契約すればいいのかというようなことも、様々な意味で日本の保険医療制度の基盤に直接関わってくる重要な問題ですので、それはやはりやめていただきたいというのが私どもの考え方です。
 特に、難病対策が始まった頃、医師は何でもできたわけですね。独自にある先生が作った薬、何でも効くとか痛みが治るとかいろんなことを言われて、その薬を求めてたくさんの患者さんがあっちの病院、こっちの病院へ移り歩いたということも私どもは体験しているわけですから、その時代に戻ってはいけないというようなふうにも思っております。
#74
○小池晃君 ありがとうございました。
 最後に福田参考人に、難病、県単事業がやられていると思うんですね。今度の制度で疾患拡大するとかなりその部分は恐らく入ってくるだろうとは思うんですが、同時に、超過負担なんかなくなるわけで、財政上は一定のプラスにも自治体側はなると思うので、県単事業でやっているようなものはやはりきちっと国の制度に入れるという方向で要望されていると思うんですが、その辺についての考え方と、もし漏れた場合も、やっぱり全体の財政から見ればこれは引き続き継続していただきたいなと思っているんですが、その点についていかがでしょうか。
#75
○参考人(福田富一君) 約三百に拡大されるわけですので、県単でやっているもの、二疾病ですけれどもありますが、当然その中に、国の基本方針の中に、運用方針の中に盛り込まれるというふうには捉えております。万が一漏れる場合には、当然県単で継続してやっていくことになります。その上で、引き続き、難病患者団体などから要望があれば十分聞きながら、県独自の事業に対して前向きに検討していきたいというふうに思います。
#76
○小池晃君 ありがとうございました。終わります。
#77
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は本当にありがとうございます。難病の問題に関して、もうかくも長き間、身を粉にして、あるいは心血注いで取り組んでこられた三人の参考人の皆さんに心から敬意を表したいと思いますし、今日の発言も本当にありがとうございます。また、患者さん、当事者が非常に頑張って、国会の中にも、御存じ超党派の議員連盟もでき、様々な推進力でこういう法案ができたことも本当に良かったというふうに思っています。三百に拡大することもそうですし、やはりこういう法律ができて、これからまた新たに施策が始まるというふうに思っておりまして、その点についてのこれまでの御尽力にも心から敬意を表したいと思っております。
 まず、福永参考人が先ほど公平性と地域格差ということをおっしゃいました。私は、難病の問題で様々な今まで陳情を受けたり、国会で質問してきて、根本的な疑問は、やっぱりその希少性、つまり研究と福祉でいうと、やっぱり希少性があるから研究で、だから予算を付けてやるんだというのが今までの厚生労働省でした。しかし、じゃ患者さんが増えるとその希少性というのがなくなって外れるというか、常に外れる外れないという議論で、何とか押し込んで入れるんだということで国会で質問したりしてきたんですね。
 私は、希少性で研究の対象だから予算を付けて難病の認定の病気とするんだというのも一定理解はできるんですが、実はその立て付けはもうやめて、人数が増えると難病認定から外れるなんというのは冗談じゃなくて、やはり根本的に患者さんの立場からこれをやるべきでないかというふうにも思っているんですが、どうでしょうか。
#78
○参考人(福永秀敏君) 今、福島先生が言われたこと、基本的には非常に賛成なんです。ジレンマというか、難病の定義含めて、ワークショップとかいろんなところ、あるいはこの委員会でも検討してきた部分です。
 ただ、全世界的に見ても、例えばレアディジーズというふうに言われていますけれども、例えばアメリカの場合には患者数が約二十万人未満とか、欧州の場合には一万人に五人以下の病気を一応難病として定義してやりましょうという、ある程度この枠を決める中で難病という言葉を逆に言うとインパクトを非常に強くして、というのは、難しい病気というのはごまんとあるわけです、きっと。もちろん、がんなんかもそうですし。
 だから、その中でやはり難病として取り上げて、そして医療費の助成というか、あるいは研究の促進とか、そういうことでやりましょうということで、日本の場合にこういう〇・一%程度以下ということで今回決めたと思うんですけれども、程度以下であって、あくまで、幾らという、これはもうそれぞれの考え方、それぞれの議論があるわけですので、先生の言われたとおりだというふうに思います。
 非常に難しい部分で、今後議論していかなければならないし、今後病気が分かってくる中でまたその定義も変わっていくんじゃないかなというふうに思います。
#79
○福島みずほ君 では、伊藤参考人に、今の、そもそもの難病が希少性を前提にして、今うんうんと言ってくださっていましたが、人数が増えると認定外れるんじゃないかと患者さんが非常に不安に思って陳情に来られたりとか、など、今までいろんな経緯がありました。
 今回、また三百からやっぱり漏れた患者さんたちもいらして、なかなか、限られた財源の中でどうするかという議論はもちろんあるんですが、やっぱり漏れた患者さんたちの中には是非入れてほしいという話や、それから難病患者の皆さんたちはやっぱり経済的にも大変なんですが、どこまでやる、どうするのかということなど、本当に悩みながら、悩ましいが、しかしやっぱり手は差し伸べるべきだと私は思っておりまして、その点についていかがでしょうか。
#80
○参考人(伊藤建雄君) 二つ側面があると思います。一つは病気そのものの治療研究という部分と、もう一つは医療費も含めて社会的支援をどうするかということなので、この両面から考えなければならないのですが、私どもは、今のこの三百疾患と言われているのは、まあ三百というふうに数限られたわけではありませんで、その前後だろうとは思っているんですが、そういう疾患を今後とも拡大していける保障というのがこの中にきちんと盛り込まれるか、あるいはこの後の基本方針で盛り込まれるか何かをして一定程度それは確保するべきだろうと。
 それから、人数についても、研究していろいろ対策をしたから患者数も増えていったんだと思いますが、数ではなくて、やはり病気、病態そのものの状況であると思います。
 また、病気を持ちながらも社会生活送っていくことができるようになればまた問題の性質も変わってくると思いますので、そういう社会を目指しつつ、その基盤となるのが今回の法律であって、多少、完璧なものを目指したのではなかなかいつまでたってもできないので、今回はこういう形になりましたけれども、私どもの願いとしては、もっともっと広範に、病気になったことによって生活が困ったりすることがないような、医療費に困って治療を受けることができないというようなことがない社会というのは将来的にも目指してまいりたいというふうに思っております。
#81
○福島みずほ君 今日は地域格差の話が結構出まして、先ほど伊藤参考人の方からも言及がありました。今回、療養生活環境整備事業等は義務的経費化されませんので、やはり自治体でどうか、あるいは指定医の偏在の問題や、誰でもやはり治療が受けられるようにというのが地域格差をどう是正するかが一つの大きな課題だと思います。
 実感として、地域格差って、本当ざっくばらんに言ってどんな感じなんでしょうか。伊藤参考人、それから福永参考人、教えてください。
#82
○参考人(伊藤建雄君) 一つは、今、これらの病気については一定の割合発生することが確かということになっていて、その地域によって多い少ないということはないはずなんですけれども、統計を取っていきますと、物すごくたくさん患者のいる、人口比にしてですね、多くいる県とそうでない県があったりします。これは明らかに地域格差で、そこは何がその原因かということを、やはり地域の行政とか患者会も様々な方も一緒になって考える、それから、逆に言えば、そこの県で何をしたら、その地域では何ができるか、何をしたらいいかということも一緒に考える、そういう難病対策の機会であってほしいというふうに思っております。
 理解力だけでなくて財政力の問題もあると思いますので、そこのところの創意工夫というのが今後大事になるかというように思います。
#83
○参考人(福永秀敏君) 言われるとおりだと思います。
 疾患が三百とか増えますと、それぞれの疾患の専門医なんというのは全国にそれほどいるわけではもちろんありませんし、だから、ある意味では、先ほどちょっと私述べましたけれども、全国的な支援ネットワークというか、それをやはり国全体としてつくって、そして各県の人たちがやはり分からないときにアクセスしやすいようなところのシステムをつくっていくことも必要じゃないかなというふうに思っております。
#84
○福島みずほ君 難病と障害者政策、先ほど伊藤参考人が障害者に関する三つの立法についておっしゃっていただいたんですが、やはり障害者政策、障害者権利条約も批准されましたし、それと難病との関係で、先ほどもおっしゃいましたが、総合支援法が施行になっているわけですが、差別解消法もできましたし、この関係、あるいは難病の問題、難病の患者さん、当事者にとってのこの三つの法律の使い勝手というようなものについて教えてください。
#85
○参考人(伊藤建雄君) 理念としてはそうなんですけれども、残念ながら現実はちょっとまだそうではなくて、何となく関係者の中の受け止め方としても、従来ある障害者の施策に難病がぶら下がったというような受け止め方が多いと思うんですが、先ほど知事会の方からも発言ありましたように、今後それは行政等様々なものを通じて、地域で、患者会も加わって解消していくべき目標の一つだろうというふうに思います。
#86
○福島みずほ君 福田参考人にお聞きをいたします。
 実際、県知事会のまとめ役をされていて、実際、知事としてやっていらして、また、これまたざっくばらんに、難病対策、難病のことの政策をやる中で、県知事としてやっぱり何を一番難しいと思っていらっしゃるんでしょうか。
#87
○参考人(福田富一君) 先ほど申し上げましたように、指定医あるいは審査会のメンバー、これらがちゃんと確保できるのかと、こういった課題も地方には出てくる可能性があるというふうに思いますし、また、医師がデータ入力をすることになりますけれども、この意義などについて十分日本医師会などと協議をして理解を得てもらわないと制度が動かなくなるのではないかという、こういった懸念もあります。
 いずれにしても、スタートしなければなりませんので、前向きに捉えて、足らざる点は患者団体などとも十分連携を取りながら、国会に対しても国に対しても意見を申し上げ、自分たちでできることは自分たちで取り組むと、こういう方針で臨んでいきたいというふうに思います。
#88
○福島みずほ君 三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございました。
#89
○委員長(石井みどり君) 以上で難病の患者に対する医療等に関する法律案についての参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#90
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#91
○委員長(石井みどり君) 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案について、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク常務理事福島慎吾君、独立行政法人国立成育医療研究センター理事長・総長五十嵐隆君及び指定都市市長会副会長・浜松市長鈴木康友君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙の中、当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず福島参考人にお願いをいたします。福島参考人。
#92
○参考人(福島慎吾君) 認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。
 本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、脊髄性筋萎縮症、これは英語の頭文字を取ってSMAと呼ばれておりますが、そのSMAという神経難病の子供の父親となったことを契機にいたしまして、今まで全く経験したことのなかった親の会の立ち上げや運営などを体験し、平成十五年から、認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワークの事務局におきまして、難病や慢性疾患、障害のある子供とその家族を支える活動に微力ながら従事しております。
 ちなみに、SMAは特定疾患の五十六には含まれておりますが、小児慢性特定疾患の対象疾患としての指定は受けておりません。
 難病のこども支援全国ネットワークには親の会連絡会という相互交流や情報交換を主たる目的とする定例の会議がございまして、そこには目下のところ五十八の親の会が名を連ねております。そして、対等協力関係の下、活動を行ってまいりました。今回の小児慢性特定疾患治療研究事業の制度改革におきましても、この親の会連絡会の中に有志によるワーキンググループが設置されまして、活発な議論を行ってきたところであります。
 御案内のとおり、小慢事業は昭和四十九年から始まりまして、平成十七年には児童福祉法に基づく法律補助事業として位置付けられております。
 この初回の法制化の道のりの背景には、当時、補助金に対する毎年一割の予算削減が求められる中、自分たちが今まで助けられたこの制度を将来の子供たちとその家族のためにも存続させたい、制度を安定させ公平なものとするためにはある程度の自己負担の導入もやむを得ないのではないかなどという声が日増しに親の会の代表たちの大勢となる状況下、当時の厚労省の担当者たちとの度重なる懸命な話合いの中で、児童福祉法に位置付けた法制化を行うことによって、この制度を維持していこうという方向性が決まったような経緯がございました。
 その結果、従来はなかった自己負担が導入された代わりに、対象疾患の拡大や、全ての疾患群において入院、通院の区別なく医療費助成の対象となったほか、日常生活用具の給付やピアカウンセリングなどの福祉サービスもそのメニューに加わることとなりました。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 前回の法制化の後も、トランジション、当時はキャリーオーバーというふうに呼ばれておりましたけれども、この二十歳以降の問題であるトランジションや対象疾患の見直しなどの課題は残されていたものの、この法制化によって小慢事業は公平かつ安定的な新しい制度となったものと私たちはすっかり安心していたわけでございます。
 ところが、数年前、この新しくなった小慢事業は、条文に事業を行うことができるというふうに書かれている裁量的経費に基づくもののために、再び予算削減の対象となっているということを聞き及びまして、大変驚いたわけでございます。ちょうどその頃、難病対策の法制化に向け機が熟しつつある時期でございましたので、この難病対策の歴史的とも言える法制化に歩調を合わせる形で、改めて義務的な経費に基づく小慢事業の再構築を行うことによって、持続が可能な公平かつ安定的な仕組みとすることを目指した議論を進めてまいりました。
 このような数々の経緯がございまして、今回の児童福祉法改正案、難病法案の早期成立を願う思いをお伝えするために本日はお伺いしている次第でございます。
 私たちの議論の中でも、治療研究の問題、低所得者に対する自己負担の問題、長期にわたる入院時における食事療養費の問題、遠隔地にある専門医にかかる際に生じる交通費や家族の宿泊費などの医療費以外の負担の問題、疾患名によるくくりと制度の谷間の問題、地域格差の問題など残された課題に関しても様々な意見がございました。
 今回の制度改革が全ての人に満足を与え、そしてこの制度だけで全ての問題が解決されるとは考えておりませんので、今後も当事者たちの声を丁寧にお聞きいただき、状況や必要に応じて柔軟かつ能動的に制度の見直しを行っていただきたく思います。
 ここで、子供の難病や慢性疾患の特徴と、それに伴う実情について幾つか挙げてみたいと思います。
 まずは、患者数が少ないことであります。そのために、病気の周知や診断が遅れたり、治療法が未確立だったり、あるいは薬の開発が遅れてしまうことにつながるわけです。また、同じ疾患の患者との出会いが限られてしまうことによって家族が孤立しがちとなることも否めません。
 私たちは、難病の子供たちが全国に二十万人いるといつもお話をしているのですけれども、小慢事業の受給対象者はそのうち約十一万人、小慢の十一疾患群五百十四疾病全てを合わせても十一万人しかおりません。全ての疾患が難病法案の指定難病の希少要件を満たしている点を申し添えておきたいというふうに思います。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 次に、どんな重い病気や障害があっても、子供は必ず成長、発達するため、保育や学校教育、病院の選択、思春期の問題などライフステージに応じた柔軟かつきめ細やかな対応が必要となることです。
 医療、保健、教育、福祉といった支援をする側が決めた縦割りの枠組みの中だけで自己完結していては、子供の成長、発達に必要な支援は確保できません。それゆえに、総合的かつ横断的な自立支援や自己決定力支援が必要となるわけであります。私自身も様々な経験がございますが、特に学校教育段階における厚労省と文科省の連携は大変大きな課題だというふうに考えております。
 このほか、親が若いために経済的な負担が大きいこと、兄弟に対する配慮やケアが必要なことも忘れてはなりません。包括的な家族支援が必要となるゆえんでございます。
 そして、先天性疾患や遺伝性疾患など生まれつきの病気が多く、偏見や誤解によって傷つく子供や家族も少なくありません。また、確定した診断名が付くまでに長い時間を要することも珍しくなく、確定した診断名が付かないと小慢事業や難病対策の対象とはみなされないことは言うまでもありません。
 地方自治体が実施主体の乳幼児、子供医療費の助成制度もありますが、国からの補助のないこの制度は、実施主体によってその対象年齢や通院、入院の区別、所得制限の有無とその額などが大きく異なっておりまして、それこそ住んでいる市町村によって受けられる内容に雲泥の差が生じているというのが現状でございます。何らかのセーフティーネットが必要な領域かと思います。このほかにも様々な困難がありまして、これらを一つの家族だけで乗り越えるのは難しいと言えるのではないでしょうか。
 親の会や患者会、あるいは私どものような支援団体はインフォーマルな社会資源の一つだといつも申し上げておりますけれども、病気や障害のある子供とその家族の生活を支えるためには、医療、保健、教育、福祉の専門職と体験的な知識を持つ親の会や、あるいは当事者に軸足を置いた支援団体など、レイ・エキスパートが連携、協働しながら両輪となって支援を行っていくことの重要性を御提言申し上げたいと思います。
 そのような観点からも、今回の法律案に含まれる小児慢性特定疾病児童等自立支援事業につきましては大変大きな関心と期待を持っているところでございます。
 最後となりますが、お手元に資料を配付させていただきました。今までの話と重複いたしますが、私たちの願いを三点に絞って申し上げたいと思います。
 一つは、小慢事業の医療費助成の仕組みを義務的な経費に基づくものとする法案の速やかな成立であります。二つ目は、地域で暮らす難病や慢性疾患のある子供たちとその家族を支える自立支援事業などの福祉施策への積極的な取組です。そして三点目は、子供から大人への切れ目のない支援の実現のためのトランジション問題への取組です。
 以上、大変雑駁なお話となってしまいましたけれども、私の陳述は以上のとおりでございます。
 御清聴ありがとうございました。
#93
○委員長(石井みどり君) ありがとうございました。
 次に、五十嵐参考人にお願いいたします。五十嵐参考人。
#94
○参考人(五十嵐隆君) それでは、慢性疾患を持つ子供と御家族への支援の充実ということでお話をさせていただきたいと思います。
 私は、国立成育医療研究センターの五十嵐と申します。本日は、お話をする機会をいただきまして誠にありがとうございます。
 私は、平成二十四年九月に設置されました社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の委員長として、昨年十二月の報告の取りまとめに関わりました。本日は、この慢性疾患を持つ子供と御家族への支援の在り方について、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 初めに、この現状について述べたいと思います。
 子供の難病あるいは重症の慢性疾患対策として、小児慢性特定疾患治療研究事業がございます。この事業は、昭和四十三年度に開始された先天性代謝異常症に対する医療費助成事業を出発点としております。そして、昭和四十九年度には、フェニルケトン尿症など九疾患を対象としてこの事業が始まりました。
 その後、対象疾患あるいは疾患群は徐々に拡大されてまいりまして、平成十七年度には児童福祉法に根拠を持つ事業として法制化されたわけであります。しかしながら、その位置付けは治療研究事業でありまして、児童の健全育成を目的として治療法の確立と普及を図り、併せて患児家庭の医療費負担を軽減するとするものだったわけですけれども、福祉的な観点が明確ではありません。それから、財政的に、先ほども御指摘がありましたように、不安定な制度になっております。
 さらに、医療の進歩により、重い病気を持つ子供が以前より長く生存することができるようになっております。例えば、小児慢性特定疾患の患者十万人当たり、一歳を超えて二十歳までに亡くなる患者さんの死亡率は、今から四十年前は一〇・四六でした。四十年たった現在は三・四四ということで、この四十年間に三分の一に死亡する方が減っているという状況です。
 病気を持って成人になった患者さんを小児科医やあるいは小児の外科系疾患の専門医だけでこれをずうっと診ていくということは、いろいろ医療上の問題があると思います。例えば、慢性疾患を持つ小児から成人への医療環境の移行や協力は現在必ずしもうまくいっておりません。さらに、慢性疾患を持つ子供の成長を助け、社会での自立を支援するような取組も大変不十分ではないかと思います。
 次に、慢性疾患を持つ子供と御家族への支援の在り方について述べたいと思います。
 今申し上げましたような課題を解決するために、専門委員会におきましては、難病対策委員会とも連携をしつつ、一年以上を掛けて検討いたしまして、慢性疾患を持つ子供と御家族への支援の在り方として三つの基本的な方向性を取りまとめました。
 その第一は、公平で安定的な医療費助成の仕組みの構築であります。
 小児慢性特定疾患の医療費助成の目的は、先ほど申し上げましたように、児童の健全育成であり、医療費助成の制度を、従来の研究促進に加え、医療費負担が大きい慢性疾患を持つ子供とその御家族を経済的にも支えるという福祉的な目的を反映した、安定的でかつ公平な仕組みにする必要があると考えています。
 対象とする疾患としましては幾つか条件がありまして、まず、慢性に病気が経過していく、それから生命を長期にわたって脅かす可能性がある、それから症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる可能性がある、そして最後に、長期にわたって高額な医療費の負担が続くという、この四つの条件を満たすものとして、従来どおり一定以上の症状を示す、すなわち一定以上重たい方を対象にすべきというふうに考えています。
 この小児慢性特定疾患では疾患群という概念を取り入れておりまして、現行でもかなり幅広い疾患を対象としています。現在、この対象疾患を増やして、医学の進歩を反映した公平な制度になるように、類縁疾患等の整理、それから治療方針や診断基準を明確化させるために、関連する学会が厚生労働科学研究の班会議に協力する形で取り組んでいるところでございます。
 一方、その給付水準は、現行制度との関係も踏まえつつ、難病医療費助成の二分の一にすることを提言させていただきました。
 二番目は、研究の推進と医療の向上です。
 慢性疾患を持つ子供と御家族は、何よりも治療法の開発を望んでいらっしゃると思います。小児の慢性疾患の多くは患者数が少なく、研究を進めるためには同様の病気を持つ全国の子供の登録データが必要だと考えています。さらに、慢性疾患とそれに対する長年の治療が子供の成長、発達に与える影響や、様々な合併症等に適切に対応するためには、登録データを経年的に蓄積し、成人になった後は難病の登録データと連結することも大事だと考えています。
 小児の慢性疾患あるいは難病の中には、専門家の数も極めて限られている疾患も少なくありません。子供の成長、発達への病気の影響を最小限にするためには、早期に病気を診断し、早期から適切な治療を開始するということが重要で、施設や医療従事者の間での連携も必要と考えています。
 小児期に重い病気になり継続的に治療が必要な子供の中には、成人になっても小児科に通って、入院する場合にも小児病棟に入るという患者さんも現在少なくありません。成人の医療を専門とするドクターは、小児期に発症する病気の診療経験が乏しいのは当然ですけれども、逆に、小児科医やあるいは小児の外科系の疾患の専門医は、成人期に発症する病気についても十分な対応ができるとは言えないと思います。
 ということで、患児の成人への移行については医学界全体で取り組まなくてはならない今後の課題でありますけれども、幸いにして、循環器内科などの一部の診療科との協力体制が現在構築をされているところでございます。
 三番目の問題は、慢性疾患を持つ子供の特性を踏まえた、健全育成あるいは社会参加の促進、それから地域関係者が一体となった自立支援の充実が非常に重要と考えています。
 慢性疾患を持つ子供には、子供や御家族の特性に応じて、保育、介護の支援、それから精神的なサポート、それから子供の成長や自立あるいは社会参加への支援、学習支援など総合的な取組が必要でして、それらが成人期に向けた切れ目のない支援としてつながっていくことが大事だと考えています。重い病気を持って生まれた日本の子供たちが日本に生まれて良かったと思えるような制度にしていただけることを願っております。
 さらに、成人に移行しました患者さんが就学、就労できる、あるいは地域での生活をする上で必要な支援をいろいろと受けることができる、必要な情報を得て自らの生活を設計できる、そして地域の一員として自己尊厳感、セルフエスティームという言葉がありますけれども、これを持って参画できる社会をつくっていただきたいと考えております。
 そのためには、小児から成人への移行期の方たちへの難病相談、あるいは支援センターの機能を強化する、福祉サービスの充実、就労支援の充実、ピアサポートの取組の推進、それから地域協議会の設置などによる連携の強化、そして小児の慢性疾患や難病に関する社会への啓発活動なども必要と考えております。
 最後に、一言申し上げさせていただきます。
 小児慢性疾患の患者さんと御家族、そして医療に関わる者が一番に願うことは、治療法を開発して病気を治すことだと思います。そのためには、患者データの登録、ゲノム解析、再生医療、創薬、あるいは日本で大変遅れております医療機器の開発などの研究を強化して、専門的な診断、治療を行う医療機関を充実させ、地域のかかりつけ医との連携を図る必要があると考えています。
 これまで小児の医学研究や臨床研究には、成人に比べますと国からの支援が少なかったと考えております。これからは、我が国の将来を担う子供のために、小児の医学研究や臨床研究に更に力を入れるべきと考えています。
 私の所属しております国立成育医療研究センターは、全国の小児医療専門施設とのネットワークを持っております。これを生かして、成育医療に関わる医学研究あるいは臨床研究に今後も取り組んでまいる所存であります。
 御清聴ありがとうございました。
#95
○委員長(石井みどり君) ありがとうございました。
 次に、鈴木参考人にお願いいたします。鈴木参考人。
#96
○参考人(鈴木康友君) 浜松市長の鈴木康友でございます。本日は貴重な機会をいただきましてありがとうございます。指定都市を代表いたしまして、児童福祉法の一部を改正する法律案についての意見を述べさせていただきます。
 小児慢性特定疾患研究事業は、国の補助事業として昭和四十九年度から医療費助成が開始をされておりますが、浜松市は、中核市として平成八年度からこの事業を実施をいたしております。
 まず初めに、改正案の概要について触れさせていただきまして、その後、小児慢性特定疾病児への支援について自治体の立場からの要望をお伝えさせていただきます。
 資料の一ページを御覧をいただきたいと思います。
 現在示されている児童福祉法の改正案は高く評価できるものであり、自治体として全面的に支持させていただきたいと思います。消費税などを活用した持続可能な社会保障制度の確立は急務であり、まさに時宜を得た法案であると思います。
 具体的に申し上げますれば、裁量的経費だったものが明確な義務的経費に位置付けられ、事業の安定した運営のための国庫の二分の一負担は自治体としても評価できる内容であるというふうに思います。さらに、対象疾患の拡大は患児とその家族にとって大変な朗報だと思いますし、利用者負担割合が三割から二割に軽減され、さらに経過措置が講じられていることも評価をできます。
 二ページを御覧ください。
 二つ目としては、指定医療機関の在り方などが見直され、今まで以上に専門的な診断及び治療が可能となり、研究の精度向上が期待をされます。また、それにより、一人一人の患児が地域格差なく適切な治療を受けることにつながると思います。
 三つ目として、自立支援の充実は、地域ぐるみでの積極的な取組により、患児とその家族が住みやすい環境になると思われます。自治体としても、国庫負担により支援の取組の充実を図ることができるため、地域、関係機関と協力をして事業の推進をしてまいりたいと思います。
 三ページを御覧をいただきたいと思います。
 このような制度を平成二十七年一月に我々地方自治体が確実に実施できるよう幾つかの要望をさせていただきます。ここで挙げている五項目につきましては、指定都市及び東京都を含む大都市衛生主管局長会の要望として七月に提出をさせていただく予定のものであります。
 国への要望といたしまして、@として、新制度は平成二十七年一月の施行が予定をされているため、具体的な内容を早急に示し、十分な準備期間を設けること、A制度内容を国の責任において国民及び関係機関に周知を図ること、Bとして、治療研究の一層の推進を図り、患者、保護者の立場を理解し、事業の在り方について引き続き検討を続けること、Cとして、対象疾患の拡充、患者負担の一層の軽減を図ること、Dとして、二十歳以降においても、継続的な治療が必要な患者が高額な医療費負担を強いられる場合においては、特定疾患治療研究事業の対象疾患とするなど助成措置を講ずること、この五つにつきまして七月に要望として提出をさせていただく予定となっております。
 四ページを御覧をいただきたいと思います。
 これらの要望につきまして、少し具体的に説明をさせていただきます。
 一つ目の、具体的な内容の提示、周知については、対象疾患の拡大により新規申請者の事務手続が必要になりますことから、疾患を早期に決定し、対象者が円滑な手続ができるよう速やかな情報の周知をお願いいたします。
 次に二つ目の、新たに生じる事務の支援についてでございますが、医療機関の指定、指定医の研修等、自治体における新たな事務が生じることや、対象者を管理するシステム改修及び受診券発行等、新制度に伴う費用も発生すると思われます。そのため、十分な準備期間の確保や財政的な支援を国にお願いをいたします。また、スムーズな制度移行のため、国が想定する事務スケジュールを早期に提示していただくことを要請をいたします。
 五ページを御覧をいただきたいと思います。
 これは浜松市における法改正に伴う更新スケジュールを参考にお示しをしたものでございます。
 施行期日である平成二十七年一月一日に合わせて、申請、審査及び受診券発送期間を考慮いたしますと、市民への周知、啓発については九月頃となり、また、その前には関係機関との調整が発生しますことから、七月頃には制度の詳細を示していただく必要がございます。
 六ページ、こちらも参考資料でございますが、これは浜松市の現状を示したものでございまして、疾患別の分布は全国的なものと大体同様の傾向となっております。
 七ページを御覧をいただきたいと思います。
 次に三つ目の、効果的な実施の検討についてでございますが、都道府県等が実施するとされている指定医療機関の指定や指定医の研修及び患者データの登録に係る医療機関への指導につきましては、審査の統一性や専門的な知識が求められると感じております。また、地域支援協議会運営事業に当たりましては、患者会や家族会等に配慮した運営が必要となります。これらのことや、希少疾患であることを考えると、狭い地域で専門医の確保及び家族会などのニーズに応えることは課題が多く、効果的な実施のためには、都道府県単位などの広域での合同実施が望ましいと考えます。
 四つ目の、登録管理システムの開発及びデータ運用についてでございますが、新制度におきましては、診断した指定医が患者データを直接入力することでデータの精度が上がり、治療研究効果の向上も期待できるものでございます。しかしながら、精度の高い適正なデータを提供してもらうためには、医師への過度な負担が掛からないような配慮と研修を含めた準備期間が必要であると考えます。
 八ページを御覧をいただきたいと思います。
 五つ目の、事業の周知、普及啓発等につきましては、自己負担割合の変更、食事療養費の新たな負担、所得把握基準の変更が予定されていますが、スムーズな移行が適正な医療費の支払につながることから、国の責務として、医療機関、社保基金などの医療費審査機関への周知、指導をお願いをいたします。また、国が構築される新たなポータルサイトにおきましては、患者、家族などが簡単に利用できるような運用上の配慮、工夫をお願いしたいと思います。
 六つ目の、切れ目のない医療制度の確立につきましては、慢性疾患にかかっている子供たちは生涯にわたって治療を必要とすることから、十分な就労機会を得られないことも考えられます。また、現制度では、二十歳以降、医療費助成を受けられませんので、経済的負担が生じることから、継続した助成が必要となります。
 これらのことから、一つでも多くの疾患が難病制度で指定されることを切に願うものであります。
 九ページを御覧いただきたいと思います。
 最後に、全体のまとめとして申し上げます。
 小児から成人へ、これは先ほどからの参考人からの御意見にもありますとおり、切れ目のない制度を要望いたします。繰り返しになりますが、二十歳を超えたら難病制度での助成措置を検討していただきたいと思います。また、医療費の助成だけでなく、子供たちやその家族を社会全体で支援していくため、自立支援事業の更なる充実が重要であると考えます。さらに、治療法の開発研究の強化も重要であり、登録データの精度向上及び研究に期待しております。
 そして、新制度のスムーズな移行、及び充実した制度とするためには、自治体での準備期間の確保、国民、関係機関への十分な周知が必要であることから、早期に法案を成立していただくようお願い申し上げるとともに、制度内容の詳細を早急にお示ししていただきますようお願いをいたします。
 以上でございます。御清聴ありがとうございました。
#97
○委員長(石井みどり君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#98
○滝沢求君 ありがとうございます。自由民主党の滝沢求でございます。
 参考人の皆様方におかれましては、大変貴重な御意見をいただきまして、お話をいただき、ありがとうございます。早速、時間も限られておりますので、質疑、何点か伺いたいと思います。
 小児慢性特定疾病医療費助成は、平成十七年の法改正で児童福祉法に基づく法律助成になりましたが、その経費の性格は裁量的経費でございました。今回の法改正により、義務的経費化されるわけでございます。小児慢性特定疾病も大人の難病とともに社会保障制度の中に位置付けられ、公平かつ安定的な制度としてこの対策が推進されるものと考えておるわけでございます。
 先ほどからの参考人の皆様方のお話を伺っていますと、大人と違う点、つまり小児慢性疾病には幾つかの特徴があるのではないかと、そういう感じがしております。
 そこで、まず伺いたいんですが、小児慢性疾病、あるいはその対策を進める上で、本人や家族の立場からの御意見を福島参考人に、そしてさらに、医学的な観点から五十嵐参考人にお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#99
○参考人(福島慎吾君) 今御指摘をいただきましたように、子供の場合は家族支援というものが大変重要なものというふうに考えております。難病や慢性疾患のある子供の子育てには、保育や学校教育そして就労という子供のライフステージにおいて、親自身による体験的知識だけでは解決することの困難なことに向き合わなければならないことも多くございます。また、ライフスタイルを大幅に変更しなければいけないことや、自己決定を諦めなきゃいけない、そういったようなこともございまして、家族全体に大変大きな影響を及ぼすわけであります。
 一方、家族による丸抱えの生活は、親の介護負担だけではなくて、子供の自立や社会参加の制約要因となることも忘れてはなりません。このために、難病や慢性疾患のある子供本人への支援に加えて、その親や兄弟をも含めた包括的な家族支援が必要となるわけでございます。
 今回、具体的には、レスパイトやピアサポート、親の会などの支援も含めた自立支援事業というものが位置付けられたということに関しては大変評価をしたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#100
○参考人(五十嵐隆君) 御指摘いただきまして、大変ありがとうございます。
 子供の慢性特定疾患の多くは、小児期に治ってしまう病気もありますけれども、大人になっても、病気を持って大人として過ごさなきゃいけない病気が多々あると思います。そういう意味で、小児のときだけ支援するというのではなくて、できれば大人になってからも何らかの形での支援をしていただきたいというふうに考えているのが一点でございます。
 それからもう一つ、例えば先天性心疾患という病気がございますけれども、これは、大人の心臓病というのは、心臓の外側の血管と申しますか、筋肉を栄養する細い血管、冠動脈が詰まって心筋梗塞とか狭心症を起こす病気が多いわけですけれども、子供の心臓病というのは、生まれながらに心臓の形が正常ではないために、ですから、心臓の中の部屋の問題によることがたくさんあります。こういう病気は、昔は手術しても治らないというようなことが多かったわけですけれども、最近は非常に手術が良くなりまして、成人を迎える方が非常に多くなっております。現実に、子供のときの心臓病で大人になっても管理が必要な方は四十五万人に達しておりまして、成人先天性心疾患という新しいカテゴリーとして大人の循環器内科で管理を受けるような時代になっております。ですから、内科の先生も子供のときに発症した病気を診ざるを得ないような状況になっているということがございます。これが一点でございます。
 それからもう一つ、子供のとき、例えば白血病のような病気も実は八割が治癒するという、五年生存率が八割を超えるような時代になってまいりました。そういう方たちが大人になっていくわけですけれども、子供のときに受けました治療やそのときの養育環境、病院に長くいるとかですね、いろんな病気、状態が加わりまして、大人になってからいろんな障害が出てくることがございます。
 子供のがんというのは、これは小児慢性特定疾患なんですが、大人のがんは難病には入っていないんですね。がん対策法でカバーしているので、ちょっとこの支援制度が違っているということで、子供のときの小児慢性特定疾患の病気が、そのまま大人になってから支援が必ずしも受けられないというような状況があるのが今ちょっと問題になっているところで、これは今後検討して、解決に向けた何らかの対応をしていただきたいというふうに考えております。
 以上です。
#101
○滝沢求君 ただいまお話を伺って、小児の特徴や生活サイクルを理解した上で小児慢性疾病対策を進めていくことが大切だということを改めて感じました。ありがとうございます。
 次に、今回の法改正は、都道府県等が小児慢性特定疾病児童に対する自立支援のための事業の実施が盛り込められております。これには、必須事業として相談支援、情報提供、助言、そして任意事業としてレスパイト、相互交流支援、就労支援、そして家族支援などが盛り込められております。
 そこで伺いますが、医療費助成以外に小児慢性特定疾病対策として行政が取り組むべき課題についてどのようなものがあるのか、福島参考人にお伺いをいたします。
 そしてまた、地方自治体から見て、医療費助成以外に小児慢性特定疾病対策として行政が取り組むべき課題についてどのように考えていらっしゃるのか、鈴木参考人に伺いたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
#102
○参考人(福島慎吾君) 私の子供はもう十九歳になったんですけれども、私の事例で考えてみますと、病気や障害のある子供本人へのフォーマルな社会資源というのは、十分ではないもののかなり整いつつあるというふうに考えています。ただ、制度の谷間というのが歴然と存在しておりまして、その制度に乗らないと非常に大変な状況にあるということです。
 それから二点目は、家族が実際は動かなければ全くと言っていいほど具体的な社会資源には行き着かないというのが現状であります。第三者によるケアマネジメントというようなものが非常に欠けているというところだと思います。
 それから三点目は、先ほども申し上げましたとおり、両親や兄弟を対象としたフォーマルな社会資源というものはほとんどなかったということです。家族支援という視点が今まで欠如していたと。
 それから最後は、医療、保健、教育、福祉が連携を深めないと様々な問題というものは解決できない。これはもう生活者の視点を持てば、そういった縦割りではなくて横断的な支援が求められるということだと思います。
 そういった点で、先ほどの繰り返しになりますけれども、今回の自立支援事業というものに対しては大変大きな期待を持っているところでございます。
#103
○参考人(鈴木康友君) 今、福島参考人の方からお話がありましたように、これ、患児に対する対応だけじゃなくて、様々なそこに要素が盛り込まれるわけですね、家族の支援も含めてですね。これは、行政だけではなくていろんな団体と一緒になって取り組んでいかなきゃいけない、まさに地域ぐるみ、社会ぐるみで対応していかなきゃいけないということでございまして、行政としても、今縦割りというお話がありましたけれども、これはいろんな分野を横断して対応していくと同時に、行政以外の様々な機関との横連携の中で対応していくと。特に、今お話に出ていましたように、家族の皆さんへのケアとか、そうした今まで余り目の届かなかったところへのカウンセリング等もこれは必要になってくるんではないかなというふうに思っています。
#104
○滝沢求君 ありがとうございます。
 この新たな制度が治療法の開発に是非つながるように私も願いまして、私の時間になりましたので質疑を終わります。ありがとうございました。
#105
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
 参考人の皆様は、本日、貴重な御意見を誠にありがとうございました。私の方から皆様に伺わせていただきます。
 初め、福島参考人に伺わせていただきます。
 今、福島参考人、また五十嵐参考人の方から、小児がん、あるいは先天性心疾患といったトランジションの問題について伺いましたけれども、当事者としてより切実に、こういうところで本当にその谷間というものは困るのであるというような具体的なお話をいただければと存じます。
 もう一つ福島参考人に、先ほど、今回の中で盛り込まれた支援事業の中で、厚労省と文科省の連携、重要だということで例を挙げられましたけれども、そうした病気の子供たちの教育における課題、それについても具体的に、文科省の施策にまたがることでも結構でございますので、具体的にお願いいたします。
#106
○参考人(福島慎吾君) 一点目はトランジションに関する御質問だというふうに理解いたしましたけれども、先ほど来御指摘いただいていますとおり、難病や慢性疾患は二十歳で治るわけではございませんので、トランジションという問題が必ず出てくるわけでございます。
 ただ、まだ現状、正式なものとして決まっているものではございませんけれども、伝え聞こえてくる話によりますと、小児がんであるとか先天性の心疾患などはどうやらこのトランジションには含まれないのではないかというような話が聞こえてくるわけでございます。そういった意味で大変私どもも心配しているところでございますので、是非検討の俎上に上げていただいて御検討を進めていただきたいというふうに、そのように思っております。
#107
○小西洋之君 教育も。
#108
○参考人(福島慎吾君) じゃ、続きまして教育について。
 子供の成長、発達におきまして、学校教育の果たす役割というのは学習面のみならず大変大きなものがあるということはもう改めて言うまでもありません。
 入院時における課題を考えてみますと、いわゆる院内学級の整備の前段の問題として学籍の問題がございます。たとえ院内学級が設置されていて主治医の許可を得られたとしても、学籍の移動がなければ学びの場は確保できません。
 一例として、入院している病院に院内学級が設置されているのに、その子は私立の学校に在籍をしていて、一旦退学をしないと学籍の移動ができない。しかし、退学をしてしまうと、退院後に前籍校への復学ができない。そういった理由から、半年以上もお母さんがベッドサイドで勉強を教えていると、そういった相談をお受けしたことがあります。
 また、短期間の入退院を繰り返す場合や高等学校に在籍する子供への対応は、公立、私立を問わず、残念なことに制度が現状に付いてきておりません。
 難病や慢性疾患のある子供は、通常の学級、特別支援学級、特別支援学校など、多様な学びの場に在籍しているわけですが、特に地域の学校の通常の学級においては、親の付添いを半ば強要されたり、修学旅行に連れていってもらえないなどの不適切な事例がいまだに聞こえてまいります。こういった面で、厚労省と文科省との連携を深めていただきたいというふうに願っております。
 以上です。
#109
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今のいろんな関係者の連携について伺わせていただきます。
 先ほど鈴木参考人のいただいた資料の二ページに、地域支援事業の中に児童地域支援協議会の運営事業ということで国庫二分の一の補助という事業がございますけれども、実は私の確認している限り、新しい法律の中にこういう協議会の条文、明文規定はございません。難病の方には三十二条に難病対策地域協議会というものがあるわけでございますけれども、ただ、ちょっと調査室からのこのいただいた説明によると、厚労省としてはこれで国費を出すような、そういうことを想定しているそうなんですけれども、五十嵐参考人とあと福島参考人にそれぞれに伺わさせていただきたいんですけれども、それぞれ医療、福祉、あるいは保健、教育といった連携が必要だというふうにおっしゃられておりましたけれども、こういうやはり各地域に協議会というものをちゃんとつくるということの必要性と、あと具体的にどういう特に取組が、あるいは取組の方針みたいなものが必要かということについて、順にお願いいたします。
#110
○委員長(石井みどり君) 順にですか。
#111
○小西洋之君 あっ、五十嵐参考人。
#112
○委員長(石井みどり君) 五十嵐参考人ですね。
 五十嵐参考人。
#113
○参考人(五十嵐隆君) まだ条文だけで具体的なものが見えないという現状ですので私も軽々にはいろんなこと言えないんですが、今御指摘ありましたように、地域、これも地域と申しましても、医療が非常に豊かな地域とそれから広範囲にもかかわらず専門家が少ない地域がございますのでなかなか一概には言えないかもしれませんけれども、ある一定の、少なくとも県単位だとかいうレベルで、子供の生育に関係する、だから医療者だけじゃなくて教育者、あるいは行政の方たちも含めた、その子供がどうやって元気のいい、心も体もできるだけ元気な状態で大人になってもらうためには必要なことが何なのかということを考えていただくような、そういう協議会は是非つくっていただきたいと思います。
 それから、医療関係者としましては、いろんな疾患がございますので、全ての地域に例えば神経の専門家とか内分泌の専門家とか心臓の専門家がたくさんいるわけではございませんので、やはりある程度、県、あるいは県をまたいでも仕方ないかもしれませんけれども、そういう形で専門家を集めて、病気の診断やあるいはその子供にとって必要なことは何なのかということを相談するような会ができればいいんじゃないかと考えています。
 それから、先ほど、トランジション、そこでは当然トランジション、大人への移行の問題が出てくると思うんですけれども、実はこれは非常に難しい問題で、小児科は、割と一つの病気でも実はいろんな臓器にわたってその病気の症状が現れることが多いんですね。ところが、大人になってまいりますと、内科の先生方、確かに地方に参りますと、あるいは病院の先生では総合的に全ての、一人の方でいろんな病気を持っている大人の方を診てくださる方もいるんですが、昨今は割と臓器別になっているというところがありまして、大人への移行問題がなかなかうまくいかない理由の一つは、この内科側のかなり専門化された状況というのもあるんじゃないかと思います。
 そういうことで、今、小児科学会が中心になりまして、慢性疾患を持っている子供たちが大人に移行した場合にどういうところに注意して治療していただきたい、あるいは最初のうちは小児科側と内科側とで一緒に仕事する、そして場合によっては年齢がたっていったら大人に移行するというようなそういう、移行プログラムと申しますけれども、そういうのをつくるようなことも今考えているところでございまして、これはこれからの大きな課題ではないかと、医学界にも大きな課題ではないかと考えています。
#114
○小西洋之君 では、福島参考人、同じ質問ですが、協議会の必要性について。条文上は明文規定がないんですけれども、残念ながら。
#115
○参考人(福島慎吾君) 今般、都道府県、それから政令市、中核市には、自立支援の協議会ですかね、協議会が置かれて自立支援員という方が設置されるというふうに聞いておるわけですけれども、まだ具体的な細かい内容については私も存じ上げないところも多数ございますけれども、この自立支援員の研修等につきましては、親の会としても役所とも一緒になってそういった取組に御協力をさせていただきたいという今お話をしているところでございます。
#116
○小西洋之君 では、鈴木参考人に、先ほどの二ページのこの協議会の運営事業ですけど、まさに自治体、特に首長様がやっぱりリーダーシップを取っていただかなければいけないと思うんですけれども、その辺りについての姿勢といいますかお考えについて何かコメントをお願いいたします。
#117
○参考人(鈴木康友君) えてしてよくこういうものが設置をされる場合があるんですけれども、実際にこれを運営するとなると、かなりケース・バイ・ケースでやっていかなきゃいけないと思うんですね。疾患も、私、それぞれの疾患についてつぶさに把握しているわけではございませんけれども、恐らくいろんな病気の特徴があったり、ケアの仕方も違うと思うんですね。当然それが、例えば教育現場へ行ったときとか、社会で生活していく場合にどうかとか、もう一人一人にきめ細かな対策をしていかなきゃいけないんで、こういうものができたとしても、具体的にもう個々の、ケース・バイ・ケースでもう対応していくというのが、我々はもう常に、現場を預かっているとそういうことになってまいりますので、ある意味でこういうスキームがないよりはあった方がいいわけでございますけれども、実際にはかなりもう個々の現場での対応に懸かってくるんじゃないかなというふうに思います。
#118
○小西洋之君 では、今いただきました御意見はしっかり審議の中で生かさせていただくようにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#119
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 大変、参考人の皆様方にはお疲れのところ貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 私からもお伺いしたいこと、これまで滝沢委員、小西委員からも御質問のあったこととちょっとかぶる面もありますので、少し角度を変えたいというふうに思っておりますが。
 今の今までずっと悩んでいたんですけれども、ちょっと私事で大変恐縮でございますが、私の弟が中学一年生のときにベーチェット病の診断を受けました。大変もう疲れやすくて、すぐ熱が出て、口の中にできものができたり、肘の内側とか、そういうところに突然赤い斑点が出始めるんですね。そうすると、もうぐったりして動けなくなるということで、近くに帝京大学病院がありましたので、そちらにかかって、ずっと治療を受けたということがございます。
 そのときに、私、母親に言われまして、うち、母子家庭だったものですから、大変経済的にも苦しかった。母親にこう言われました。弟には、これから様々なうちのお金も時間も全て弟につぎ込みたいと、ついては広明と、私、広明で、兄の方ですけれども、広明、おまえに回すものは何もないと、これからは一人で生きろと、こういう通告を受けたわけですね。私、高校生でしたけれども。おかげさまで大変たくましく育てていただいたというふうに思っております。
 私、今申し上げたいのは、先ほどちょっと福島参考人、触れられておりました、そういう難病のお子さんに対するサポート、プラス、非常に大事なことは、やっぱり家族に対するサポートということがある意味では非常に大事になってきているというふうに思います。
 その昔、うちの弟がなったときの時代と今の時代というのは、施策的な環境も違いますし、社会環境も違いますし、いろいろな変化が起きてきていると思います。そういう中で、福島参考人に、先ほど家族、親、兄弟へのサポートというものが欠落を今までしてきたという御指摘がございました。具体的に家族へのサポートをこれから充実していくということを考えたときに、私たちが心にとどめておかなければいけないことはどういうことがあるのか、御教示いただきたいと思います。
#120
○参考人(福島慎吾君) 家族支援あるいは兄弟支援といった場合に、ピアサポート的な視点というのはとても大事だというふうに考えています。当事者が当事者を支援するという形でしょうか。親でなければやはり親の気持ちは分からないというようなところも、私自身も難病の子供の親でございますので、同じ病気に限らず、親と話をしていると非常にリラックスできたり、未来に希望が持てたり、一歩踏み出せたり、そういった経験もしております。兄弟の場合も恐らく兄弟による当事者支援ということが大事なんじゃないかと、そういう意味での当事者性というものを一つの支援の形として今後もつくっていただければなというふうに願っております。
 以上です。
#121
○長沢広明君 ありがとうございます。
 うちの弟が中学に通うというときに、やはり学校との連携というのは非常に難しくて、当然、なかなか言えないんですね、クラスメート全部に言えるものでもないと。それで、担任の先生に母親が話をして、大変疲れやすいので、そこは申し訳ないけれども、迷惑を掛けるけれども、そのときには是非一報願いたいとかするわけですね。ただ、学校でどうサポートするかということは、そのときはなかなか、まあ学校の先生が理解をしてくださって、いろいろ気を遣ってくれたということがあったかもしれません。
 いわゆる難病の児童、小児慢性疾患の児童がいると。先ほど教育という点で、衆議院での参考人質疑でもこの院内学級ということが話題になりました。院内学級の問題については先ほど福島参考人から、学籍の問題等があるということがありました。逆に、通常学級とか特別支援学級に通学している児童についても、同世代の児童の中で児童の健全育成を図るという観点の重要性に鑑みれば、そういう配慮、教員を始めとして、クラスメートや家族の病気の理解を促進するための様々な手だてということも必要だというふうに思います。
 改めて、この院内学級と、そしてもう一方、学校に通学している児童に対する、それを支えるための理解をどう進めていくことが必要なのか、これ福島参考人に改めてと、それから鈴木参考人に、地方行政を預かっている御立場からどうお考えになるか、御意見を伺いたいと思います。
#122
○参考人(福島慎吾君) 大きなところとしては、やはり今うたわれておりますインクルーシブな教育という、例えば障害、病気も含めてですけれども、そういったものがある子供もない子供も共に学び共に育つというところの環境を整えていくということが、究極的にはそういった環境を整備していくことになるのかなというふうに思っています。
 各論としては、今現在、特別支援教育には、盲、聾、知的障害、肢体不自由のほかに病弱という部門があるわけですけれども、その病弱部門というのは元々学校や学級の数が大変少ない上に、今自治体によってはかなり縮小の方向に進んでいるような状況がございまして大変心配をしているんですけれども、こういった病弱部門の拠点をきちんと確保する、あるいは偏在を是正する、そういった取組をしていただく。
 それから、先ほど申し上げました私立の学校に在籍をしている子供であるとか高等学校に在籍をしている子供への配慮などをしていただけると、多くの子供たちがより良い学校生活を送ることができるというふうに思います。
#123
○参考人(鈴木康友君) 特別支援学級や特別支援学校ではそういう環境は整っているわけですけれども、通常学級での教育になりますと、どうしても先生に全てを負託するということが難しいので、通常我々がやるときは、そういう専門的な支援員というものを派遣をしてフォローするケースが多いわけですね。
 これは一義的には教育委員会の仕事になってくるわけですけれども、財政的には我々がそれを担保していかなきゃいけないので、よく、是非その辺の事情もお酌み取りいただきたいと思いますが、国で支援いただける場合もありますけれども、大体市費で、超過負担をしていたり、市費で対応するケースというのが多いので、一番いいのは、やっぱり個々にきめ細かく対応していくためには専門的な支援員を派遣するのが一番いいわけですけれども、それは自治体にとっても一定の財政負担がのしかかるということでございますので、その辺で我々も日々現場では苦労しているというところだと思います。
#124
○長沢広明君 ありがとうございます。
 最後に五十嵐参考人、ちょっと抽象的な質問で大変申し訳ないんですが、この児童福祉法は元々、次代の社会の担い手である児童の健全育成ということが児童福祉法の大きな柱ですよね。先ほど五十嵐参考人も御指摘になったとおり、そういう中にもちょっとした不具合というのは今まであったかもしれないと。
 今回の改正で医療費助成制度とか調査研究事業が拡充をされます。また、自立支援事業も法定化される、対策は進むと。
 一方、この対策の中に、小児慢性特定疾患対策には、例えば医療機関も教育機関も福祉機関も、以前にも増して様々な主体がここに関わって行政全体と一つでいくという枠組みになりますね。こういうときに、児童の健全育成という観点から、それぞれの主体はどういうことを配慮しながら進めていかなければいけないのか、そういうところに何か課題を今から想定するものは何かありますかということを、ちょっと抽象的で申し訳ないんですが、お伺いしたいと思います。
#125
○参考人(五十嵐隆君) 大変重要な御指摘ではないかと思います。
 やはり私は、子供たちが持っている病気の病名が同じでも、病気の程度とかそれから御家庭におけるいろんな状況が違いますので、やはりその子供にとって一番大事なことは何かということをケース・バイ・ケースでちゃんと考えていくというような姿勢が取れるような運営の仕方を第一の目標としてやっていくべきじゃないかと思います。
 ですから、先ほど、どの程度の規模でそういうものをやるかという御質問もあったわけですけれども、やはり大きくなるとそれがなかなか具体的に対応ができなくなるということがありますので、やはり地域の、個人がちゃんと分かるようなレベルで対応できるような形に何とかするということが一番大事なことじゃないかと思います。
 それからもう一つ、確かに健康とか元気とかという言葉は非常に聞こえはいいわけですけれども、医療が進むにつれて、昔だったら亡くなってしまった患者さんたちをある意味救命することによって延命しているということもあるわけですよね。そういう方たちに、やはり医療の恩恵を被ると同時に長く生存するがゆえにいろいろな障害を持ったその問題に対して、今足りないいろんな施策があると思うんですけれども、それをやはり、できることは何か、そしてできないことに対しては社会がこれからどういうふうに対応していくかということも含めて、この会で考えるべきではないかと思います。
 例えば、ちょっと一例を申し上げて大変恐縮ですが、一番やはり大きな問題の一つは、人工呼吸器を付けているお子さんたちが増えているということだと思います。その場合に、お子さんももちろん大変なんですが、御自宅でそれを見ている御家族、特にお母さんは大変です。三時間に一回は人工呼吸器のたんや分泌物を吸引しなきゃいけないわけですね。こういうことを、例えばおっぱいを、母乳を一年間あげるんだったら一年で終わっちゃうわけですが、生まれた赤ちゃんが一歳になればもう離乳しますから、一年間、三時間ごとに母乳を与えるわけですけれども、そういう人工呼吸器を付けている場合にはこれがずっと続くわけですよね。
 だから、こういう方たちの、特に親御さんを、何とか御自分のため、あるいは御家族のために時間を費やしてあげるような……
#126
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
#127
○参考人(五十嵐隆君) 済みません。
 そういうものを考えることなどもこれからの課題ではないかと考えます。
#128
○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
#129
○東徹君 日本維新の会の東でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、大変お忙しいところわざわざお越しいただきましてありがとうございます。
 私の方からは、先ほど福島参考人の方から、小児慢性特定疾患法制化実現に向けての要望書という中で、二番目に、地域で暮らす小児慢性疾患児のより良い療養生活実現のために、自立支援等福祉対策への積極的な取組をお願いいたしますというふうにありました。
 今までもいろいろと話が出ておりましたけれども、就学の問題であったりとかいろいろあるかと思いますが、家族に対してというところで一点絞って、家族に対してどのような施策があれば非常に有り難いのかというところを、福島参考人そしてまた五十嵐参考人からお聞かせいただければ有り難いと思います。
#130
○参考人(福島慎吾君) 家族に対する支援ということでございますけれども、一点目は、先ほどもお話し申し上げましたピアサポート的な当事者支援による生活相談といったものが大切だと思います。
 それから二点目は、レスパイト、先ほど五十嵐先生からもお話ありましたけれども、レスパイトのようなサービスがあると大変に助かると思います。
 それから三点目は、学校に対する支援ということで、今回の自立支援事業の中にも学習支援という言葉が書かれておりまして、具体的な中身はまだこれから決まることになると思うんですけれども、どうしてもやはり学校、私自身の経験も、学校の中のことは、例えば障害福祉サービスが使えないとか、ヘルパーが使えないので結局親が付き添うという話になったりとか、往々にしてそういった話になりがちです。ですから、学校関係、宿泊行事であるとか修学旅行であるとか、そういったものも含めて学校関係で具体的な支援を受けることができるメニューができてくると大変助かると、そのように考えております。
#131
○参考人(五十嵐隆君) では、一点だけ追加させていただきます。
 私は、御家族への訪問看護を更に充実していただければ非常に助かるのではないかと思います。
 以上です。
#132
○東徹君 ありがとうございます。
 今、ピアサポート、それからレスパイト、それから学校に対する支援ということで、それからヘルパーが使えないと、そしてまた訪問看護、こういったものもあればというようなお話でありました。
 これ、政令市長でもあります鈴木市長にちょっとお伺いをさせていただきたいというふうに思うんですけれども、鈴木浜松市長の場合は、これ指定都市でありますからほかの衛星都市とはちょっと違うかもしれませんが、こういった事業を政令指定都市であれば十分やっていけるのか。また、もう一つ参考までに、ほかの市町村だったらどうなのか、ちょっとその辺のところも教えていただければ有り難いなと思います。
#133
○参考人(鈴木康友君) これ浜松の場合は、五大市のような従来型の大都市と違いまして、周辺市町村が合併して政令市になったということで、同じ政令指定都市でも随分状況が違います。むしろ、私どもは、実は市域面積の半分が過疎指定を受けているような地区でございますので、中核市でありました浜松市が周辺自治体、最近でいうと消滅危機にあるような自治体を全部一緒にしたというようなタイプの自治体でございますので、少しそういう意味では他の大都市型の政令市とは状況が違ってまいります。
 ですから、我々のところも、どちらかというと地域格差というのは大きいわけですね。いわゆる過疎の地域に行きますと、やっぱり当然その医療の問題というのは大きな深刻な問題になっておりますので、そういうことが実はございます。
 ですから、余り指定都市だからとか自治体の規模によってということよりも、むしろこれやっぱり、先ほど五十嵐参考人がお話しされましたけれども、個々によってかなりその状況が違ってきますので、結局は最終的に個々に寄り添って必要なサービスというものを提供していくということしかございませんので、そうしますと、やっぱりよりきめ細かな対応が必要になってきます。
 それ、行政がやるとなると、やっぱりその財政的な負担どうしていくかということがありますので、一定のある程度の規模があった方が、それは少しそういう点ではやりくりできるとは思いますけれども、ですから、余り自治体の規模の大小というよりも、その患者や御家族に寄り添った、よりきめ細かな支援ができるかどうかというところですね、そういう体制があるいは環境がつくれるかどうかと、そこが大きな課題であるというふうに思っています。
#134
○東徹君 ありがとうございます。
 では、続きまして、これは五十嵐参考人の方からお話がありました件ですけれども、小児慢性疾患の多くは病因、病態が不明でありまして、治療法が確立していないものがやっぱり少なくないということで、成人疾患に比べて小児疾患の基礎・臨床研究は遅れておって、今後これまで以上に研究体制の強化が必要だと。国立成育医療研究センターで全国の専門医療施設とネットワークを組んで基礎・臨床研究に取り組んでいくということであります。
 本当にやっぱりそういう熱い思いで日々取り組んでいただいているんだろうというふうに思うんですけれども、そのセンターだけではなかなかこれは進んでいくわけではないというふうに思っておりまして、これを更に進めていくためには、今回研究の推進ということが入っておりますけれども、更に進めていくためにはどうしていったらいいのか、是非お聞かせいただきたいと思います。
#135
○参考人(五十嵐隆君) 大変難しい御指摘ではございますけれども、これは非常に重要な課題だと思っております。
 昨今、医療制度あるいは研修制度、いろいろ変わりまして、なかなか混乱しているところがございますけれども、日本小児科学会は、実は十数年前から外国の雑誌、英文の雑誌として査読を受けた論文数を調査してまいりましたけれども、二年前の状況は十一年前に比べて八六%ということで低下しております。まず、これが象徴するように、クオリティーの高い研究成果を出していくということが非常に今、日本は難しい状況になっております。それに対して、アジアの隣の国や中国は非常に活発に行っておりまして、そういう面でも日本は非常に遅れてきつつあるわけですけれども。
 これはいろんな理由があると思いますけれども、一つは、研究を担う体制が非常に成人領域に比べて小児は人材も少ないし、それから、対象とする疾患がたくさんあって、しかも患者さんの数が少ないとか、いろんな困難があるわけですけれども、しかし、いい研究があって初めていい診療がある、あるいは高度な医療があるということはもう間違いございませんので、これは学会を挙げて、あるいは若い人たちを教育するという点を含めて推進したいと考えています。
 それからもう一つ、我が国は臨床研究が非常に遅れております。これを、今ようやく、小児医療機関を集めてネットワークをつくって、これから臨床研究を推進する体制が、ようやく厚生労働省の研究拠点病院という制度もできましたので、こういうものを利用させていただいて研究を推進したいと考えております。
 以上です。
#136
○東徹君 ありがとうございました。
 時間ですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
    ─────────────
#137
○委員長(石井みどり君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大家敏志君が委員を辞任され、その補欠として堂故茂君が選任されました。
    ─────────────
#138
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 本当に、今日はいろいろな御意見いただきましてありがとうございます。
 本当に私ども、こういった全く分からない世界のことを聞いてなるほどと思う方もこの中には大勢いらっしゃると思うんですが、実は私、今日は反省を込めてここに座っております。
 私は医師でございまして、国立がんセンターでも小児がん等々の治療を行ってまいりました。私があの病棟にいた頃には、まだまだ子供たちを押さえ付けながら、治療を施しているんだというような態度で医療を行っていたものでございます。
 私も本当につらい経験がございまして、善かれと思って毎日のように注射を繰り返しながら腫瘍の治療を行っていた。しかし、じゃ家に帰そうという段になりまして、引きこもりになってしまった。私の経験から申しましても、まだ日本の病院の全ての小児病棟の中で療養環境がいいとは言えない状況があると思うんですね。
 私も、その後、様々なものを勉強させていただきまして、プレパレーションというような手法もあると。チャイルド・ライフ・スペシャリストであったり、ホスピタル・プレー・スペシャリストであったり、様々な専門職が世界では活躍していらっしゃって、その専門職の皆様方が子供たちにより良い療養環境、若しくはその御家族の方にも提供するようなものがあるんだ、しかし、この日本ではそれが導入されるには至っておらず、一部のNPOであったり協会であったり、そういう方々が育成をしながら病院の方に派遣しているけれども、何の手当てもなく、結局は足が出ているような状況だというものもお話を伺いました。
 是非、ちょっと三人の参考人の皆様方にお伺いをしたいんですけれども、まず五十嵐先生には、そのようないわゆる子供たちの療養環境を整えるための専門職というものがやはり今後必要であるのか、やっぱりこういったこともこういった施策の中でも考えていかなければならないのかということをお伺いしたいと思います。それから、福島参考人からは、是非親の立場として、そういうものが充実していたような環境があったのか、若しくはやっぱりそういうものが治療中必要であったのかということ、鈴木参考人の方からは、浜松でそういう取組が行われているかということをお尋ねしたいと思います。
#139
○参考人(五十嵐隆君) 大変重要な御指摘をいただきましてありがとうございます。
 まさに先生おっしゃるとおりで、子供も大人も同じだと思いますが、体の病気を持つということは、実は心の病気を持つことの可能性も非常に高いんだと思います。特に、これまでは小児のがんの病気などは強力な治療をするために病院に長く入院させるというような治療をこれまで取ってきたわけですけれども、欧米ではできるだけ外来でやろうというような治療法を選ぶことが多くて、日本と欧米では大きな違いがありまして、だんだん日本もそのような形になっております。
 しかし、それをやる場合に、地方から来た患者さんが、来たときに宿泊する場所がないとかですね、今、マクドナルド・ハウスとか、その他いろいろ支援する組織ができておりますけれども、これがまだまだ足りないということがございます。
 それから、院内にいる子供たちのケアということで、例えば小さな子供たちの場合には、チャイルド・ライフ・スペシャリストとか、あるいは病棟保育士さんだとか、こういうものを整備する病院が増えてはおりますけれども、まだ足りない状況だと思います。
 それから、ケースワーカー等も、実は外国の病院では入院するとすぐ付いてくれるというようなことで、そういうわけで、患者さんあるいは御家族を支援する体制が非常に日本と比べて手厚いのが事実なんですね。
 ただ、英国や米国のそういう手厚い体制は、全て国あるいは患者さんが出すお金でやられているわけじゃなくて、病院運営というのは、特に小児病院の場合は運営費の半分ぐらいがドネーションによって成り立っているわけですね。ここが非常に大きな差ではないかと思います。これが今後どういうふうになっていくか、日本の文化を変えるという点でも大きな課題ではないかと思います。
 大変貴重な御指摘ありがとうございました。
#140
○参考人(福島慎吾君) 私自身は、経験としては子供がかなり長期に入院したことはございませんので、今の先生の御質問に私個人の経験としてはお答えすることはできないんですけれども、聞き及んでいる話では、例えば院内にプレーコーナーであるとか院内学級、先ほど五十嵐先生のお話にもありましたように、宿泊施設などが整ってきて、家族としては大変助かっている側面もありますし、子供たちにも快適な院内環境が整いつつあるというふうには認識しております。
 また、保育士であるとかチャイルド・ライフ・スペシャリスト、ホスピタル・プレー・スペシャリストなどもこども病院には配置されているケースも増えてきたというふうに聞いておりますけれども、ただ、非常勤の方が大変多かったり、待遇に問題があって非常に従事されている方は御苦労されていると、そういったお話を聞き及んでおります。
#141
○参考人(鈴木康友君) 今少し確認をしました。
 今おっしゃられたように、個別の病院ではそうした専門職の方を用意しているケースがあるわけですけれども、行政としてそういうものをしっかりと、ケースワーカー含めて専門職をきちっと抱えているかというと、そこはまだ不十分だということであります。
#142
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 先ほどもマクドナルド・ハウスというのがあったように、やはりドネーションの文化というようなものについても、もっともっと子供たちをケアしていくという、別の視点もこれからは必要になってくるのかなということも学ばせていただきました。ありがとうございます。
 では、加えまして、また質問させていただきたいんですけれども、実は私、愛知でございまして、まさに浜松は隣の市ということで、市長が選出されるときにも、まずは子供第一主義ということで掲げられていらっしゃいました。
 その中で大変興味深い試みがございまして、職業科を持つ高等の特別支援学校というものを設置なさっている。ですから、私もちょっといろいろなデータを調べましたところ、どうしても教育を受ける機会が少ないので、一般のお子さんよりも高卒という学歴で終了してしまうような患者様方が多いというようなこともございました。
 ですから、次に職業に結び付くようにと、例えばこちらの高等学校の方で何かそういう小児慢性疾患の方が学ばれた、若しくは小児慢性疾患の方から問合せがあって、こういうような特別支援学級の方でも準備してほしいという声があったのか、済みません、教えていただけますでしょうか。
#143
○参考人(鈴木康友君) 申し訳ございません、ちょっとそこの中身は把握しておらないものですから。
 あのときは、実は市立の高等特別養護学校を設立してほしいと。それは、いわゆる職業に就くためのいろんな専門的な訓練をしたいというニーズがありましたので、それであれば、いわゆる工業高校のような専門の学校に、そこに分校として設置をした方がこれはもうはるかにインクルーシブという意味でも有益だろうということで、これは県の方に要請をいたしまして県立の分校として設置をしていただきましたので、これは残念ながら、今、市で運営をしているものではございませんので、ちょっと今そこの中身については把握しかねておりますので、申し訳ございません。
#144
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 就労支援という意味においても、その教育の一環としてこのような学校が増えていくということは、小児慢性疾患の皆様方も就労する機会というものを更に得ることができるのではないかなと思って、本当に大変興味深く見させていただいています。また、視察にも行かせていただきたいなと思っております。
 また、もう一点質問を加えさせていただきたいと思います。
 福島参考人の方が先ほどからレイエス、レイ・エキスパートというような言葉が何度も何度も出て御説明いただいておりますけれども、素人専門家というふうに何か訳されるんでしょうか。そうすると、専門家によって、その協働によって、難病や障害があるお子さん、その家族の生活を支えることが必要だと。済みません、ちょっとイメージが湧きませんので、具体的にどういうことを意味していらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。
#145
○参考人(福島慎吾君) レイ・エキスパートというのは、今お話しいただきましたとおり、素人の専門家ということで、私がこの場合申し上げているのは、例えば親の会であるとか支援団体であるとか、そういった難病や障害のある子供を育てた経験のある例えば親を指してレイ・エキスパートというふうに申し上げております。ですから、親ですので、専門家ではなくて、私も含めて単なる素人なわけでありますけれども、その専門家とは違った特定の極めて狭い領域ではありますけれども、そういった限定的なところに深い知識といいますか、そういったものを有している人たちという意味でレイ・エキスパートという言葉を使わせていただいております。
#146
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 時間になりましたので終わらせていただきますけれども、施策だけではなく、ボランティアの皆様方や、これから様々な施策も準備していかなきゃいけないということが本当に分かりました。ありがとうございました。
#147
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 福島参考人にお伺いをしたいと思うんですけど、自己負担の問題なんですけど、先ほど参考人のお話からも非常に複雑な思いが伝わってきたように思います。全体として、やはり今回、既認定者について言うと、やっぱり六割以上の人は負担が増えるということがありますし、それから食事代が今まで実質負担なかったものが一日百三十円という形で掛かってくると。
 難病のお子さんを持たれている御家族の話を聞くと、医療費以外の負担が非常に重いと。通院にかなり遠くの病院まで行かなきゃいけないことがあって、宿泊も含めて通院するようなケースもあるし、付添いの問題もあります。特に、やっぱり若い御夫婦のケースが多いので、そもそも収入が不安定な上に、お子さんの難病ということで仕事を離れて共働きできなくなって収入が減ると。兄弟への対応も含めて本当に深刻な事態になるときに、やはり医療費の負担が今回の仕組みで増えてしまうということの問題ですね。
 それから、二百六十円の半分だとはいえ百三十円。ただ、今、その二百六十円の食費負担を一部報道では四百六十円にするというような話もあって、そうなるとこれは二百三十円ということになってくる。
 やはり難病を持って本当に苦しんでおられる方に一日の食費百三十円求めるという、そういうことでいいんだろうかと私は思うんですね。せめてやはり自己負担限度額の中に入れるとか、あるいは所得の低い方の軽減を図るとか、やはりいま一歩対策が必要ではないかというふうに考えているんですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#148
○参考人(福島慎吾君) 利用者の家計からすれば、もちろん低所得者以外も含めて負担は少ないにこしたことはないわけでありますけれども、今回この制度を安定的なものあるいは公平的なものにするという意味で、我々、親の会のワーキンググループでも議論してきたわけですけれども、現実的に負担できる範囲であれば自己負担が増えることはやむを得ないのではないかと。その代わりに、もっと多くの疾患を対象とする、あるいはこの制度を必要としている人たち全体を支える制度にしてほしいというのが総意でありました。
 ただ、もちろん、今御指摘いただきましたように、低所得者に対する負担への更なる配慮であるとか、それから、小児がんのように長期あるいは度重なる入院をせざるを得ないケースにおける食事療養費の軽減などは大変大きな問題だというふうに認識しておりますので、今後も是非とも検討していただきたいというふうに願っております。
#149
○小池晃君 ありがとうございます。
 それから、トランジションの問題なんですが、これ実は十年前のこの委員会で私質問していて、そのとき尾辻当時厚生労働大臣は、よく整理をして検討させていただきたいと、いろんな制度をこの際ですから整理してみたいという、そういう答弁をされていて、それから十年たって、結局答えがやはり今回も出されていないんではないかなと。そのことについて、トランジションの問題についてはどのようにお考えか、お聞かせ願えますか。
#150
○参考人(福島慎吾君) この問題は、小慢事業ができたときからのもう永遠の課題といいますか、現在残っている課題でありますので、是非とも、先ほど小児がんとか先天性心疾患については入らない可能性があるというような声が聞こえてくるということを申し上げましたけれども、そういったものも含めて、公開の場において検討の俎上に上げていただきたいなというふうに願っております。
#151
○小池晃君 この問題で、衆議院の附帯決議を見ますと、児童が成人しても切れ目のない医療及び自立支援が受けられるよう、指定難病の拡大、自立支援事業の取組促進を図るという中身になっています。これはこれで必要なことだと私は思うんですが、指定難病の拡大ということになってくると、今おっしゃったように、やはり成人でもがんはある、成人でも心臓病はあるということで結局入らないということになりかねないと思うんですね。
 五十嵐参考人、ちょっと私、病気の考え方としてお聞きしたいと思うんですが、やはり小児のがんと大人のがんというのは、同じがんと付いていても、私は、もちろん共通点はありますけれども、かなり置かれている条件は違うだろうと。それから、成人の心疾患と先天性の成人心疾患というのも、これも心疾患ではあっても、これは置かれている状況も含めて違う。それから、特に糖尿病なんかでいいますと、1型糖尿病と2型糖尿病というのは、これは疾患概念としても全然違うんではないか。要するに、インシュリンがもう全く欠乏している、ベータ細胞が破壊されている自己免疫疾患で、それを糖尿病だからということで、大人になったらこれはもう糖尿病ですから対応しません、これではやはりこれは駄目じゃないかなと。やっぱり、疾患概念を横に広げるというだけじゃなくて、時間軸で、やはり二十歳過ぎたって同じ病気なわけだから、これはやっぱり支援を続けるという考え方にここは切り替えていかなければ対応できないんではないかというふうに考えるんですが、病気の考え方からしてどうかというのをちょっと御意見をお聞きしたいんですが。
#152
○参考人(五十嵐隆君) 大人のがんも子供のがんも遺伝子の異常をベースとする疾患であることには恐らく共通点があるんでしょうけれども、その発症の仕方とか、その発現の、異常の出方が違うために、例えばもう一歳のときから白血病になるような方もいらっしゃるわけですけれども、五十、六十になって白血病になる方もいるわけですよね。ですから、遺伝子学的には非常に共通点が多いかもしれないけれども、発症という点では、それから発症の異常の出方も随分違うという点では御指摘のとおりだと思います。それから、その他の病気も同じだと思います。
 そういうわけで、小児期発症の病気というのは、非常にその後の治療、管理が長くなるという点で、そして二十歳になったら治るという病気じゃないことが多いというのも特徴でございますから、議員御指摘のように、もしできるならば大人になってからも支援を続けていただきたいというのが医療関係者の切なる願いであることは同じ点だと思います。しかし、これはもう予算的なことなのでこのような形になっているのではないかというふうに理解はしておりますけれども、今後の大きな課題ではないかと考えております。
#153
○小池晃君 これはやっぱり法律の立て方とか、あとはまあ、そもそも雇用・児童家庭局と健康局という、そこがトランジションしていないところもあるわけで、やっぱりちょっとこれは本当に知恵出して解決しないと答え出ないと思っていまして、十年間やると言ってできなかったのは、これやっぱり積み残しじゃ駄目だと思うんで、是非今回の議論、これからの質疑もありますけれども、今回はこれで、もう法案出て、私どももこれはもう一歩前進だということで賛成という態度を取っていますけれども、是非やっぱりちょっと前に進める議論をさせていただきたいなというふうに思っていまして、これは自治体サイドで鈴木参考人にも、問題点として切れ目のない制度ということでお話ありましたので、御意見聞かせていただければと思います。
#154
○参考人(鈴木康友君) これはやっぱりこの課題の一番大きなポイントだと思うんですね。我々も、現場を預かっている者とすると、やっぱりそこからもう支援制度なくなるということが非常にじくじたるものもございますので、やっぱり切れ目のない支援が可能であればそれにこしたことはないと。今考えられるのは、やっぱり難病指定の枠を広げる、一つでも多くそういう指定を増やしてもらうというぐらいしか我々としても知恵はないわけですけれども、是非お考えいただければというふうに思います。
#155
○小池晃君 ありがとうございました。終わります。
#156
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。今日は本当に参考人の皆さん、ありがとうございます。
 私も、まず初めに教育のことについて福島参考人にお聞きをいたします。
 病院に行って、やはり子供のことが気になる、そして子供を見ると、やはり勉強や教育どうなっているだろうと。やっぱり子供は、大人もそうですが、日々成長するものですから。院内学級などの充実で、この厚生労働委員会で文科省などに今まで質問してきました。ちゃんとやっているとかあるいは連携しているという話なんですが、現場はとてもそうではないと。
 福島参考人から、やはり今後、子供たち、病気になった子供の勉強をやっぱり応援したいと思っていて、ほかの委員の皆さんとちょっとダブるところもありますが、是非、アドバイスやこういうことを文科省に言ってくれというのを教えてください。
#157
○参考人(福島慎吾君) 先ほど来お話をさせていただいていますけど、一つは院内学級の問題で、大きな問題と私が感じるのは、私立に在籍をしている子供、あるいは高等学校段階における院内学級というものがほとんど機能していないというところであります。
 それから、地域の通常の学級にももちろん多くの子供たちがいるわけで、今後インクルーシブな教育を進めていくという方向になっているわけですから、少しずつ合理的配慮などもされてくるのだとは思うんですけれども、ただ、私自身の今までの小中高の経験を見ていますと、どうもやはり学校の校長さんの意識だとかそういったものによってかなり実際の対応というのは変わってくるところもありまして、その辺りが、結局親が動かないと具体的な支援に結び付かないというような現状にあるんじゃないかなというふうに思います。その辺を是非埋めていただきたいなというふうに願っております。
#158
○福島みずほ君 では、五十嵐参考人、やはり、そういうふうに努力をしたり頑張っている病院を、例えば厚労省の側からも、診療報酬で見るとか、何か考えたらどうかと思っているんですね。これは実は、性暴力救援センターにおける病院拠点型についても、もちろん内閣府が頑張ってもらっているんですが、厚労省も頑張ってくれと、病院で何か付加して頑張っているというか付け足して、とりわけ配慮して頑張っている病院を、厚労省も何か頑張る知恵を出してほしいと思っているんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#159
○参考人(五十嵐隆君) 大変重要な指摘だと思います。私は、そこまで診療報酬の点数改善にこれを入れろということを考えたことはなかったんですが、是非言わせていただきたいと思います。
 それから、もう一点よろしいでしょうか、一つ追加で。
 院内学級があればいいという話じゃなくて、院内学級はあるんだけれども、その教室に子供たちが通えないこともあるんです。だから、できればベッドサイドに来て一人一人に、一日一時間でも二時間でも教育をしてくれるような教員の方を増やしていただけるような配慮もこれから是非考えていただきたいと思います。
 以上です。
#160
○福島みずほ君 難病のところでもその地域格差が非常に問題になったんですが、やはり、児童福祉法のこの問題では、都道府県の超過負担の現状も非常にあります。
 鈴木参考人、自治体首長は叫ぶじゃないですが、もっとこういうことをやってくれということを是非おっしゃってください。
#161
○参考人(鈴木康友君) これ、この問題だけではなくて、我々が抱えている問題って結構多岐にわたっていまして、大体国の対応というのは後追いになるものですから、その間は我々単独で、市費単独で対応する場合あるんですね。この難病の子供たちの支援だけではなくて、例えば私どものところでいくと、ブラジル人の人たちがたくさんいるので、そういう子供たちが公立学校に通ってくると、もう大量の支援員が、ポルトガル語のできる支援員を市費で雇って公立学校に派遣をするということをやっているわけですね。
 つまり、基礎自治体になりますと現場から逃れられないので、常にそうやって対応していかなきゃいけないので、是非そうした我々の声を聞いて、特にその財政支援については国の方でしっかりやっていただきたいなというふうに思います。
#162
○福島みずほ君 今日、トランジションのことが随分話題になっていますが、福島参考人に、やっぱりがんは、難病といった場合、希少性があるわけではないので、大人のがんは難病からどうしてもやっぱりこれは外れると。そうすると、小児がんはこの対象だけれども、これが外れるとなると、やっぱりそこでがくっと違ってくるという点について、例えばこういう支援があったらどうかというアドバイスがあれば教えてください。
#163
○参考人(福島慎吾君) 私は、ちょっとがんの専門ではないので細かいところは存じ上げないんですけれども、先ほど五十嵐参考人からもお話がありましたけれども、子供のがんと大人のがんというのは、発生の部位であるとかそういったものを含めて全く鑑別できるというのもよく聞くところでありますので、是非そういったところも含めてもうちょっと深めた議論をしていただきたいなというふうに願っております。
#164
○福島みずほ君 世田谷の病院などに厚生労働委員会として視察に行ったり、いろいろしていますが、恐らく私たちが見るのは、割といいところを見ているのかもしれない。
 ですから、地域格差ということにおいて、子供の難病の数が少ないと、やはり遠隔地に行かなくちゃいけないとか、地域によっては診るお医者さんが少ないとか、やはりそれはあると思うんですね。これを、やはりどこにいる子供もどこにいる親も応援したいという思いでいえば、地域格差という現状と何か対応策について、福島参考人、五十嵐参考人、教えてください。
#165
○参考人(福島慎吾君) 冒頭に申し上げましたけれども、子供の病気というのは非常に数が少ないということで、専門医がどうしても偏在してしまうというのはある程度やむを得ないところもあるのではないかなというふうに思います。
 そういった場合に、家族は遠くの医療機関にかかるために出かけるわけですから、例えば交通費であるとか宿泊費であるとか、そういった部分に対する支援があれば安心して医療を受けることができるんじゃないかというふうに思います。
#166
○参考人(五十嵐隆君) がんのことで例を挙げてお話しさせていただきますと、厚生労働省は小児がん拠点病院を全国十五施設指定をいたしました。しかし、これは集中的に高度な治療ができるという点ではいいわけですけれども、確かに地域によってはがん拠点病院がないために遠いところまで行かなきゃいけないというようなことがあると思います。
 そこで、やはり大事なことは、確かに拠点病院で重要な治療は受けるけれども、ふだんは地域の先生方と協調をして、協力関係を持って、そしてそこでもふだんの治療ができるというような、そういう体制をつくるということが、これからの学界も含めて、そういう体制を今まで以上に強力に推し進めることが必要ではないかと今考えております。
 そのような協力的な動きも含めまして、今、中央機関を中心に、小児がん中央機関というのもできましたので、今考えているところでございます。
#167
○福島みずほ君 長野ですか、子供の病院がありますが、沖縄などにもつくろうという、できたんですかね、沖縄などにもつくろうという動きがあったり、やはり大人も大事だけれども、子供の未来、子供は成長するものですから、そういう子供の病院をもっとつくるとか、そういう構想というのはどうでしょうか。五十嵐参考人、いかがでしょうか。
#168
○参考人(五十嵐隆君) 小児医療施設協議会というのがございまして、小児病院の簡単に言うと集まりなんですけれども、日本に今三十一ございます。その中で、大学病院の中の施設というのもありますし、それから一般病院の中で小児病院化しているところもありまして、いろいろあるわけですが、ただ、日本は自治体が小児病院をつくったという経緯がございまして、それが一番数が多いわけですね。
 ですから、なかなかこれを増やそうというのは、確かに数だけを増やせばいいというわけではもちろんないので、地方に行きますと、大学病院が小児病院的なファンクションを持っているというところが多いと思います。ですから、新たに小児病院をつくるということも大事ですけれども、小児病院のない県では、大学病院を小児病院の機能を充実するような方向で施策をするということも一つの手ではないかと考えています。
#169
○福島みずほ君 五十嵐参考人、厚生労働省に対して、子供の難病の問題、小児慢性特定疾患のことについてこれだけは言いたいという、あと一分三十秒ほどありますのでおっしゃってください。
#170
○参考人(五十嵐隆君) 基本的には、難病の法改正に合わせて子供のことも考えていただいて、ちょっと後追いという形ですけれども、いろいろ施策を取っていただいたことは大変有り難いというふうにまず考えております。
 しかしながら、どうしてもやはり小児のことは、例えば使われている薬のほとんどが小児の適応がない状態で売られているとか、こういうことも含めまして、子供がやはりどうしても大人の次、もっと言うと高齢者の後になってしまうというのが日本の基本的な施策ではないかと思います。
 これは厚生労働省だけの問題ではなくて、日本の基本的な姿勢じゃないかと思います。英国では、ブレア首相がウオー・オン・チャイルドフッド・ポバティーという施策をもって、十三年間で子供の相対的貧困率が三〇%ぐらいあったのが今一一%にまで下がっているわけですけれども、日本は一五%で、アメリカと同じように増えているわけですね。
 ですから、何とかそういう、厚生労働省だけじゃなくて、日本全体の子供に対する姿勢を是非変えていただきたいというふうに考えております。
#171
○福島みずほ君 ありがとうございます。
#172
○委員長(石井みどり君) 以上で児童福祉法の一部を改正する法律案についての参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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