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2014/06/13 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 厚生労働委員会 第21号
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2014/06/13 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 厚生労働委員会 第21号

#1
第186回国会 厚生労働委員会 第21号
平成二十六年六月十三日(金曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     滝沢  求君     石田 昌宏君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     大家 敏志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                西田 昌司君
               三原じゅん子君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                武見 敬三君
                羽生田 俊君
                足立 信也君
                相原久美子君
                小西 洋之君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                浜田 昌良君
                東   徹君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       赤石 清美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       財務省理財局次
       長        美並 義人君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省健康
       局長       佐藤 敏信君
       厚生労働省医薬
       食品局長     今別府敏雄君
       厚生労働省労働
       基準局長     中野 雅之君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    岡田 太造君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    蒲原 基道君
       厚生労働省老健
       局長       原  勝則君
       厚生労働省保険
       局長       木倉 敬之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地域における医療及び介護の総合的な確保を推
 進するための関係法律の整備等に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、滝沢求君が委員を辞任され、その補欠として石田昌宏君が選任されました。
 また、本日、宮本周司君が委員を辞任され、その補欠として大家敏志君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石井みどり君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長原徳壽君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石井みどり君) 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 金曜日のこういう時間に委員会開会となりました。質疑時間を確保するという面では、衆議院と交渉してその時間をこちらにいただいたと。与党の理事の先生方始め、御努力に感謝いたしたいと思います。しかし、これがこの法案の審議を途中で中断をして議員立法を成立させるようなバーターには決してならないように、是非ともお願いしたいと思います。
 御案内のように、医療法でも、制定以来、昭和二十三年の制定以来最大の改正ですね。それから、介護については、これ二〇〇〇年から施行されて、介護給付が必要な方を要支援と要介護というふうに認める、しかし、そこから介護給付を外すという大改革ですね。それから、医療事故の問題についても、一九九九年以来、これはずっと懸案の事項で、やっと一定の形にたどり着いたと。物すごく大きな事案ですよ。これを、衆議院の審議時間、強行採決という形で打ち切られた。参議院では少なくともそれ以上の審議をしないと、これはしっかり国民の皆さんにも理解していただけないし、大変大事なことだと思います。決して今日の開催が途中で打切りというものにつながらないように、是非とも与野党の理事の方にそこは頑張っていただきたいと思います。
 そこで、参考人の質疑を行いましたが、医療事故に関する参考人の方々は、ほぼ全員が集中審議を求めるとおっしゃっていました。それだけ大きな話なんだと。私は今日は、私個人ですけれども、集中審議のつもりでこの問題だけをやろうと思ったんですが、昨日でしたよね、昨日の我が党の西村委員の質問でちょっと合点がいかないということがございましたので、それを最初にやらなければいけない。
 二つあります。一つは成人の肺炎球菌ワクチンの承認、予防接種に使えるか否かという件。もう一つは臨床研究中核病院。この二つだけ先にやらさせていただきます。
 まず、この説明にありましたが、これ、五月二十六日の第二部会で、新たなワクチンですね、PCV―13は報告品目となっていますね。報告品目とは一体何ですか。
#7
○政府参考人(今別府敏雄君) 薬事法におきまして、厚生労働大臣が医薬品の承認に当たって、用法、用量、効能、効果等において既に承認されている医薬品と明らかに異なる場合は、あらかじめ薬事・食品衛生審議会の意見を聞かなければならないとされております。
 この審議会では、薬事法で審議が必要とされていない場合でありましても、用法、用量あるいは効能、効果を新たに追加する申請案件については、有効性、安全性に関して専門家による確認の機会を確保するという観点から、部会に報告をするという取決めがなされております。
 今回のワクチンにつきましては、既に小児で同様の効能について承認を有しておりますが、効能、効果あるいは用法、用量について新たに申請があったものでございますので、PMDAにおける審査報告という形で部会にかけて、部会にかけてというか、部会に報告をさせていただいたということでございます。現在、承認に必要な事務手続を行っております。
#8
○足立信也君 報告品目というのは、そこで報告をかけて、今、承認に必要な手続をしている。つまり、これ以上の、承認に関しては審議会は必要ないという話ですね。
 通常は一か月以内、一か月程度でいわゆる正式承認になるということで、西村委員は、じゃ、六月中にされるんですねという話をしたわけですよね。ところが、明確に答弁がなかったわけでございます。これは、通常考えると、五月二十六日から一か月となると当然六月中に承認されると、それはその考えでよろしいんでしょうか。
#9
○政府参考人(今別府敏雄君) 六月中に承認の予定でございます。
#10
○足立信也君 今は何をやられているかというと、これ、十月一日の予防接種、ワクチン、法定接種ですね、これに間に合わせるように、予防接種法の施行規則、そして実施規則、今、パブコメやっている最中ですね。地方自治体への説明はもう六月二十日にこれは決まっているという状況の中で、このパブコメの中で、新たな承認間近のワクチンについて、これが使用できるようにというような意見はあるんですか。
#11
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えいたします。
 私どもで聞いているところでは、今、パブコメ実施中ということで承知をしております。
#12
○足立信也君 内容はまだだということですね。
 これ、パブコメで使用できるようにすべしというふうになった場合は、当然これまた考え直すという話なんでしょうか。あと残っているのは、そのパブコメの結果を反映させて施行規則及び実施規則を公布するだけの段階ですよね。これ、そうなると、あとは予防接種・ワクチン部会ということになるんでしょうか。何回ぐらいそこで審議されると、実際にこれが使えるようなワクチン、予防接種、法定接種としてのワクチンとしてゴーサインが出るという形になるんでしょうか。
#13
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えいたします。
 今、薬事法上の手続が済んだ後、どうなっていくのかという御質問でございました。
 今後は、予防接種・ワクチン分科会等において、科学的知見に基づき定期の予防接種に位置付けるということについて評価、検討をいただくことになります。その際には、有効性、安全性、費用対効果などについて、定期の予防接種として位置付けて、国民の一定の層であるとはしても、国民に幅広く予防接種をするという観点から検討していただくということになります。
 何回かということについてはなかなか難しゅうございますけれども、御質問にありましたものはプレベナー13という商品になるかと思いますけれども、現時点では、高齢者に使用することについては、平成二十三年の秋頃以降に欧米諸国で承認が得られたばかりでございまして、高齢者の疾病予防効果、安全性も含めてですけれども、データの蓄積が必ずしも十分ではなく、現時点において健康な高齢者を含めて広く接種を実施している先進国がないことから、我が国においてもしこれを定期の予防接種にするとなると、国内での、先ほどの繰り返しになりますけど、有効性、安全性、費用対効果などのデータを基にしっかりと検討を行う必要があると考えておりまして、これが何回になるかというのは現時点で言明することはできませんけれども、かなり丁寧な議論をお願いすることになるだろうと思います。
#14
○足立信也君 どれだけやるかになるんですが、何回が答えにくかったら、おおむね何か月ぐらいなんでしょうか。
#15
○政府参考人(佐藤敏信君) 先ほどもお答えをいたしましたとおり、このワクチンを高齢者に、プレベナー13というものなんですけれども、これを高齢者に使用するということについては、欧米諸国で承認が得られたばかりで、現時点においては先進国における健康な高齢者を含めた広い接種の実施についての情報や実績がまだ集まっていないということのようですから、それを国内でもう一度丁寧に、もう一度といいますか、国内で丁寧に検討して検証する、特に費用対効果などについても検討するということになりますので、これ、時期がいつになるかということはなかなか申し上げられませんが、他のワクチンなどの場合の事例に沿って考えると、本当にごく簡単に、短期的に何か結論が得られるという雰囲気ではないと理解しております。
#16
○足立信也君 早くやれとか絶対に入れるべきだとかいうことを私は申し上げません。
 私が医療者として知っているのは、これはCDCのウイークリーレポート、二〇一二年十月、ACIPのリコメンドとして、免疫力が低下した方々には最初に打つべきものであるというようなこと、あるいは、今やる予定になっているPPSVの方は、いわゆる市中の肺炎については効果が一定していないとも言われています。この前、西村委員は選択肢を広げるということが大事じゃないかということをおっしゃいました。
 薬事上承認されていて、この十月から法定接種をいよいよ始めるというときに、やはり承認されているものは私は使える状況にしておくのは必要なのではなかろうかとは思います。しかし、HPVワクチンのときに、今もメディアがいろいろ取り上げておりますけど、誰が強引に推したのかとか、無理やり入れたのかというような議論が後々生じてしまってはこれまたマイナスですから、そこはきちっと段取りを踏むことは私は大事だと思いますけれども、でも、承認されたものがある以上、これは使える状況にはしていくんだという、その気持ちは必要ですよ。
 ですから、いたずらにこれ、一回ここで施行規則作ったんだからあと何年か見ましょうみたいなことにはならないように、これは私の要望ですけれども。古い話にはなりますけど、予防接種部会を立ち上げワクチンギャップを解消しようということで積極的に取り組んだ身としては、やはり目の前にあるものを使えないような状況にしておくのは間違っていると、そうは思います。
 二点目に行きます。
 木倉局長にその件だけで、だけでといいますか、来ていただいたんですが、臨床研究中核病院、これ、私もあの日、何でこんなことになっているんだと実はびっくりして、私の勉強不足かもしれませんが、全く知りませんでした。今ある臨床研究中核病院がそのまま法定化されるんだと私は思っていまして、早期・探索的臨床拠点、これは一体どうなるんだろうという質問を実は用意していたんです。
 ところが、あのときの答弁でやっと分かったんですが、まず答弁の間違いを指摘したいのは、臨床研究中核病院、今、予算事業でやられていますね、それから早期・探索型、これ十五。この十五は、医療法の改正案の方では、これを法律の根拠に基づく承認を与えたものとして実施していただくと、そういうふうに答えているんです。
 これは、今の臨床研究中核病院とそれから早期・探索型、これは丸めてそのまま臨床研究中核病院というのを新たにつくるわけですよね、新たに申請していただいて承認するというわけですよね。全く違うのに同じ名称のままでやると。しかも、十五をそのまま法定化した上でやっていただくというふうに答えているのは、ちょっと行き過ぎじゃないですか。これから申請を受け付けて、それから承認作業に入るわけでしょう。なのに、もう既に十五のところはそのまま法定化されてやっていただくんですと、これは余りにもちょっと先走った答弁じゃないですか。そこは訂正した方がいいと思いますよ。
#17
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 昨日の私の答弁、私も今確認をしております。確かにそのような表現で私申し上げたと思います。
 この医療法の改正案の方では、これを法律に基づく、根拠に基づく承認を与えたものと、皆そのまま承認を当然にも与えるという趣旨に読めるような表現を使っております。そこは私の言葉の不正確さだと思って、訂正させていただきたいと思います。
 きちんと新しい基準にのっとっての医療法の手続を踏んでいただいて承認が出るものというふうに認識をしております。
#18
○足立信也君 そこで、与党の先生方は御存じだったかもしれませんが、今の予算事業上の臨床研究中核病院と今回の医療法上の臨床研究中核病院は全く別の概念だと、別物なんだということは、僕は勉強不足かもしれませんが、知りませんでした。びっくりしました。
 そこで、今、予算事業としてやられているものは、早期・探索的臨床試験拠点は二十七年度までですね。それから、臨床研究中核病院は二十八年度までのものと二十九年度までのものありますよね。これ、恐らく申請されるんでしょうが、名称独占があって、承認されなかったら臨床研究中核病院という名称は使えなくなるわけですね。この使えなくなった場合の予算事業は継続されるんでしょうか。
#19
○政府参考人(原徳壽君) 仮定の御質問になかなかお答えしにくいわけでありますけれども、御指摘の予算事業でやっているものとそれから現在お諮りしております法律に基づく臨床研究中核病院ですけれども、目的は同じなわけであります。国際的な水準の臨床研究ができることや、あるいは周辺の医療機関等と一緒に医師主導治験の中心的な役割を担っていただく、この目標は一緒なわけであります。そういう意味で、法定化後は名称独占になりますので、臨床研究中核病院として一定の当然基準を決めますので、その基準をクリアしていただいたところがその当該臨床研究中核病院になるわけであります。
 現在の十五の、早期・探索的臨床拠点も含めまして十五の病院、機関については、当然ながら、予算も使いながら体制の整備をしていっていただいておりますので、新たに決めます基準をしっかりと満たしていただいてこの法定の臨床研究中核病院になっていただきたいと。
 それから、お尋ねの、予算事業として臨床研究中核病院の整備事業というのを使っておりますけれども、これにつきましては、その名称についてはどうするかについては検討させていただきたいと思います。
#20
○足立信也君 モデル事業の方の名前を当然変えていくという話なんですね。それは恐らく、今十五あるのをやりたい、そのまま入れたいという思いがあるからそうおっしゃるんでしょうが、これ、やっぱり承認される、そうは簡単にはいかないという気が私はしております。
 内閣委員会で私取り上げたものに、武田薬品の方と京都大学の研究不正といいますか、広告違反といいますか、過大広告というような件、それから、そこに多額の寄附金が流れているという件を取り上げさせていただきました。聞くところによると、京大に地検の内偵が入っているという話です。これですと、聞くところによるとですよ、承認の要件として研究不正に対するチェック機構等々が入っていないとそうは簡単に、まあ理研のようにですね、そうは簡単にこれ承認できないと思いますよ。
 この臨床研究中核病院のいろいろ要件が書かれておりますが、私は、日本版NIHのところでも申し上げたんですけれども、研究不正、それについてのチェック機構が何らか設けていないと私は無理だと思います。日本が今ちょっと世界的に危機なんですよ、日本の研究は本当に信用できるのかと。そこにもうどんどんどんどんアクセルを踏む官邸があって、これはリスクのところをどう捉えていくのか、本当に世界に誇れるのかということが今問われている。研究自体も問われている。
 これ、臨床研究中核病院には是非とも私はその機能があるべきだと、そう思っておりますが、この点についてどうお考えですか。
#21
○政府参考人(原徳壽君) 御指摘のとおりだと思います。
 ただ、まずは、研究をしていく生のデータについては、御承知のように、ICH―GCPではモニタリングでありますとか後の監査という仕組みが組み込まれますので、そこの段階における不正というのはある程度当然ながら防いでいけるだろうと。
 それから、全体としての、じゃ研究全体としてのもくろみがどうかとか、あるいは先ほどの利益相反がどうかとか、その辺りの問題についてどう考えていくかは、バルサルタン事件以降、検討会をつくってやってまいりましたし、現在、全体として、臨床研究も含め全体として、法制化も含めてどういう対処が必要なのかについて検討会を進めておりますので、その中でしっかりと検討していきたいと思います。
#22
○足立信也君 当然、京大の附属病院はICH―GCP準拠をしていて臨床研究中核病院に今なっているわけですよね。でも、そこがそういう事態になっているということは、プラスして何かの条件付けないとやはり難しいという話をしているんです。是非ともこの点は入れてください。じゃないと、やはり信頼できるものかどうかというのが、それが産業につながっていくんです。ただ単に新しいものがどんどんできればという話ではないんですね。是非そのことをお願いしておきたいと思います。
 そこの件について、プラスアルファの何かを加えないと、そのまま承認するのだけでは危ないということについては、プラスアルファの件については何か前向きな答弁ありますか。
#23
○政府参考人(原徳壽君) 先ほど申し上げましたように、研究のお金の流れですね、先ほど奨学寄附金のお話も出ましたけれども、そういうものも含めてどういう形のものが必要かということについては、真剣に検討していきたいと考えております。
#24
○足立信也君 それでは、本題の医療事故の調査制度のことについて質問いたします。
 資料一を御覧ください。
 これが医療事故の届出の推移ですね。赤が医療機関関係者等の届出、青が被害関係者等の届出と、こういうふうになっております。平成十一年というのは一九九九年で、御案内のように都立広尾病院事故、それから横浜での患者取り違え、その翌年からやっぱりぐっと増えてきて、それから二〇〇六年、平成十八年のところは大野病院事故ですね、またそこでぐっと増えて、二〇〇八年、平成二十年のところは大野病院が無罪判決と、そこからやはり減ってきているわけですね。
 これで、恐らく正確にはお答えできないと思いますから、医政局にお聞きしたいんですが、この医療機関関係者等の届出、赤のところですね、ここには、今後、この後、私、話題の中心にしていきたいんですけれども、これ医師法二十一条に基づいた義務としての届出なのか、あるいは、これは事件の可能性がある等々、医療者が判断をして自主的に届け出たものなのか、どちらが多いでしょう。
#25
○政府参考人(原徳壽君) いただいた資料ですけれども、これは恐らく警察庁の公表資料ということなんですけれども、この届出の内容につきまして、医師法二十一条に基づくものかどうかということについては、私どもとしては把握しておりません。
#26
○足立信也君 予想どおりの答弁される。昨日僕が言ったのは、それはそう答えるだろうから、医政局長としてはどう思うかということを聞きたいという話を昨日通告でしたんです。
 なぜか。よく考えてくださいよ。論理的に考えて、二十一条に基づくということは、医療機関で死体を見付けて、検案して異状があったと、だから届ける、二十一条ですね。それが多いと思いますか、論理的に考えて。どう思います。これ、二十一条の解釈がしっかり医政局長ができているかどうかの質問なんですよ。
#27
○政府参考人(原徳壽君) お答えをさせていただきますけれども、どちらが多いかといった点、先ほども言いましたように、中身が全然分かりませんので、私個人としての感想を申し上げることについては差し控えさせていただきたいと思います。
#28
○足立信也君 論理的に考えてと。私ははっきり申し上げます。医療機関で死体を発見して、それを検案して外表で判断して異状だと、それで届けるなんていうこと、そうはありませんよ。それは間違い。皆さんそう思っておられると思いますよ。それを言えないというのはちょっと、これから二十一条の問題に行きますけれどもね。
 今までの議論を私聞いていて、ちょっと心配というか、皆さん誤解されているんじゃないかなと。この前、参考人の豊田さんも多分心配になったと思うんですが、この医療事故の院内調査のスタート、そして報告というのがあたかも、あたかも亡くなったら突然管理者の判断でぽこっと始まるようなニュアンスで質問されている方が非常に多いんですね。私も二十三年外科医やってきましたけれども、亡くなったらどれだけの説明が必要かですよ。その直後から、過去のデータ、今のデータを全部集めて、どれだけ家族の方に説明する時間が必要かですよね。中には、治ると思って入院したのに医療費なんか払えるかという方もいっぱいいるんですよ。当然のことながら、どうしてこうなったのかという説明がずっとあった後に、それでは納得できないということで、じゃ事故調査をしましょうと、そしてそのことを、スタートするということを報告しましょうということでしょう。
 そこら辺の誤解が本当に、遺族の方の意見は全く聞かずに管理者がぽっと届けるような話をされる方がいらっしゃるんで、それは違う、現場はそんなことで絶対進みませんよということを前提に、これから聞いていこうと思います。
 皆さん、ガイドラインが重要重要というふうにおっしゃるんですが、私は何を意味しているのかなとちょっと疑問がありまして、第六条の十、これ、予期しないものとして厚生労働省令で定めるものというふうに書かれていますよね。一体何を定めるのかなと、僕はよく分からないんですよ。予期しなかったものの死産そして死体ということになりますよね。それで省令で定めるものというのは、どういうところを定めようと考えているんですか。
#29
○政府参考人(原徳壽君) お答えを申し上げます。
 ここでは、予期しなかったものを、予期しないというものをどういう基準で考えていくのかと。これ多分、どこまでが予期したものでどこまでが予期しなかったものかのこれは争いになる点でもあると思います。
 そういう意味で、この予期しなかった事例をどういうふうに考えるのかという、そういうものについて、従来からやっております事業とか、それから様々な観点から具体的な例とか、そういうものを考えながら、標準的で客観的な判断ができるような内容、これを法令として規定しようというふうに考えております。
#30
○足立信也君 じゃ、ここのところでは、予期の基準、客観的にそれは予期できるか予期できなかったか、何か業務上過失致死の前提条件みたいな話になってくるんですか。
 まず一つ挙げられたのは、予期が、それが客観的に見て予期できなかった、予期できたというような基準を定めるということを今おっしゃったんですか。
#31
○政府参考人(原徳壽君) 例えば、極端に言いますと、一万件に一例ぐらいはたまにこういうことが起こるよということもある意味では予期したことになるのかとか、そういう話についてどの程度のものを具体的に考えていくか。
 最終的にはその医療機関の管理者の判断によるわけでありますけれども、その判断をするために、どのような考え方、どのようなものを想定しているかというものを法令的に定めていきたいというふうに考えております。
#32
○足立信也君 管理者の判断の基準、これは後々質問しますけど、これもガイドラインになるんですか。
#33
○政府参考人(原徳壽君) あと、省令でどのように書くかということありますけれども、省令と、それからまた局長通知等で、具体例などはその通知の中で羅列的に書いていくのかなと。そういう意味で、ちょっと書き方については、今後、どう分けるかは考えていきたいと思います。
#34
○足立信也君 その六条に関しては、そこで一回止めます。
 附則第二条二項、これは本会議でも言ったことなんですが、医療事故調査の実施状況等を勘案し、一つ、医師法第二十一条の規定による届出及び、二番目、医療事故調査・支援センターへの医療事故の報告、三つ目、医療事故調査及び、これが三つ目ですね、医療事故調査及び、四つ目、医療事故調査・支援センターの在り方を見直すこと等について検討を加え、その結果に基づき、この法律の公布後二年以内に法制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとするというふうに書かれております。
 法制上の措置というのは、ここ一年ぐらい相当もめましたですよね。改革推進法からプログラム法になって、法制上の措置というのが一体何を意味するのか。これは、甘利大臣の答弁とか、いろいろ変遷していきましたですよね。
 ここで大臣、一回はっきりさせたいんです、私としては。法制上の措置というのは何を意味するんですか。
#35
○国務大臣(田村憲久君) これ、今回、与党での法案のいろんな御審議いただく中において、前回、平成二十年のときの医療安全調査委員会、このときのいろんな議論の中において、やはり医師法二十一条との関係があったわけであります。それで、ここに関しては、これは切り離して制度設計をさせていただきました。
 しかし一方で、この医師法二十一条との関係をどうするんだという議論、これはやっぱりあったわけでありまして、そういうことも含め、また一方で、当然、そうなってくればこの医療事故調査委員会、こことの関係も出てくるわけでございますので、この在り方等々含めて、これは今、法施行後二年、これを目途でありますけれども、検討を行った上で、必要な場合はその措置を講ずるということであります。
 その措置とは一体何ぞやという話でありますが、そこは今予断を持っておるわけではないわけであります。
#36
○足立信也君 今、メモが入ったと思いますが、施行後二年じゃなくて公布後二年です。
 それから、この点でずっともめたんですよ、これ、改革推進法、プログラム法で。当初は、法制上の措置といったら、それは法案成立だろうと言っていて、その後、いや、法案提出でいいんじゃないかと。その後、閣議決定でいいだろうというように変遷していったんですよ。それが物すごく私は議論の混乱を招いたと思っているんです。
 大臣は、法制上の措置というのは、今私三つ挙げましたよね、どれを指すと思っているんですか。閣議決定なのか、法案提出なのか、法案成立なのか、法律改正する場合ですよ。
#37
○国務大臣(田村憲久君) これは、今言われたプログラム法も含めてずっと議論があったというのはおっしゃられるとおりでありますけれども、私は、そこも予断を持っていません。法制に向かっての一定の措置ということでありますから、予断を持ってどうだというようなものは持っておりません。
#38
○足立信也君 いろいろあったから注意深くおっしゃられているのは分かりますが、今、法案提出されているんですよ。法案提出されている大臣が、この法制上の措置は何を考えているんですと言ってもらわないと、予断を持って当たれないと言われたら、一体何考えてやっているんだろうと、こっちは対処のしようがないんじゃないですか。
#39
○国務大臣(田村憲久君) これ、期限が切られているわけではないので、二年後というふうな話であります、公布後。(発言する者あり)ごめんなさい、以内という話であります。ということで、まずは必要性があって行うか行わないかということがあるわけでありまして、必ず法制上の措置を講じなければならないというわけではないわけであります。
 ただ、このような形で二年以内という話であれば、それは法律を成立に向かった一連の流れの中において対応するということであろうということで考えております。
#40
○足立信也君 だんだん理事がいらいらしてきたと思いますが、質問に対しては答えていないですよね。
 だから、大臣は、もう一回読みますよ、「この法律の公布後二年以内に法制上の措置その他の必要な措置を講ずる」ですよ。必要なのはその他の必要な措置ですよ。法制上の措置と書いてあるんです。それは何を意味するんですかという極めてシンプルな私質問をしているつもりなんですけど、それは今は答えられないというのはどういうことなんでしょうかね。
#41
○国務大臣(田村憲久君) 検討を加えた上で、その結果に基づきでありますから、結果があるわけであります。
 法制上の措置を講ずる必要がある場合には、これは二年以内に法制上の措置を講じなければならないというような必要性があれば、その結果に基づいて、これはそのプロセス、つまり国会の状況もございますので、それはあのプログラム法のときと同じような話になってくるわけでございまして、それに向かって努力をするということであります。あとは国会の情勢等々いろんな部分があるんであろうというふうに考えます。
#42
○足立信也君 結果に基づいてと、そういうことを私聞いているんじゃないんですよ。法制上の措置を講ずると言っているから、それは閣議決定なのか、法案提出なのか、法案成立を言っているのか、それを教えてほしいと言っているんですよ。
#43
○国務大臣(田村憲久君) これ、法制上の措置その他必要な措置を講ずるということであります。その結果に基づいてということでございますから、その結果に基づいてこれは行わない場合もあるわけでありますね、これは。でありますから、その結果に基づいて行う場合は、二年以内ということであれば当然のごとく期限があるわけでありますので、そのような中においては行える対応を行うということでございます。
 法律を成立といっても、そのときの国会情勢で成立できないこともあるわけでございますから、プログラム法のときと重なるわけでありますけれども、それに向かっての一定の対応を行うということであろうと考えております。
#44
○足立信也君 必要性どうこうじゃないんです。必要だと判断したときにとる法制上の措置は何を意味しているんですかと聞いているんですよ。
 一番じゃハードルの低い例で言いますよ。閣議決定が一番時間を遅くしても大丈夫ですね、今の国会上影響ないですよね、閣議決定。閣議決定例にしますと、これ、この法案が今国会で成立して二年以内ということは再来年の六月ですよね、通常国会ですね。予算が絡むものとしては、多分その前の年の十二月かその年の一月、もう閣議決定していないと間に合わない。予算関係ないとしても二月でしょうね。そうしたら、この医療事故の施行期日は来年の十月一日ですよね。今、予算措置が関係するとしたら、一番遅くても二か月しかないんですよ。これは正しいですよね。そうなると二か月ですよ。
 医療事故調査の実施状況等を勘案し、これ二か月で事故調査の実施状況等を勘案し、まあ等がありますけど、この医療事故調査の実施状況を勘案するって、二か月で何をやるんですか、もしそうなった場合に。二か月間、最も遅くてですよ、法案成立を考えているんだったら更に早いような気もしますけどね。
 では、医療事故調査の実施状況を勘案というのはどういうことを考えているんですか。
#45
○政府参考人(原徳壽君) 御質問の趣旨がちょっと私も把握できているかどうか分かりませんけれども、実際に医療事故調査の、この法案での出している体制が整って、来年の十月一日を目途にしておりますけれども、そこを考えておりますけれども、そこから動き出すと。その前にも、例えば、今までも論点になっておりましたけれども、医師法の二十一条との関係については、今回の事故調査の報告制度と二十一条との関係をどうするかというような点については十分に考えることができると。
 さらに、具体的に何か動き出すときに、それまでにも予測できるような動きもあると思いますし、それを踏まえた上で、実際にその調査報告に上がってきた事例が出てくるわけですけれども、それらの状況を見ながら検討するということになろうかと思います。
#46
○足立信也君 そうすると、今の、私、二か月という例を出しましたが、実施状況は勘案するつもりがあるんですか。
#47
○政府参考人(原徳壽君) 当然ながら、実施状況を勘案してやる部分と、それまでにも準備をしながら検討を進める部分というのは当然あると思いますので、その中で予測できる範囲、例えば予測できた範囲で幾つか例が上がってきたら、予測どおりの何か状況だねということであれば、それまでの検討状況のまま、踏まえた上で必要な措置をとることはできるでしょうし、その辺りは実際に動いてみるところの状況と、それまでの準備段階でのその検討状況と、それを併せてのことだと思います。
#48
○足立信也君 大分分かりました。実施状況を勘案しなければできない検討と、実施状況はどうでもいいから関係なくもう検討できる部分があると、そういうお答えですね、今のは。
 そこで、本会議の答弁で大臣は、医師法二十一条との関連については、既にある程度問題点、論点が整理されているため、必要な見直しについては制度の施行前から議論することは可能と、今局長がおっしゃった実施状況を勘案しなくてもいい部分ですね。これ、じゃ、その論点は整理されていると今おっしゃいました、本会議でも。その論点とは何ですか。
#49
○国務大臣(田村憲久君) これは当初からいろいろと問題になっておったところでありまして、医師法二十一条、これを免除をするということになりますと、やはり司法捜査上、何か便宜を図るために代替措置が要るわけでありまして、例えばでありますけれども、一つそのときに議論をされた、二十年のときに議論をされたのは、これは第三者委員会、その場合は医療安全調査委員会でありましたけれども、ここが報告を警察にする、届出をするということであったわけであります。
 ただ、こうなってくると、じゃ、どのような範囲なのであるか、また判断するのは誰なのか、こういうようなところが議論になっておったわけであるわけでございまして、そういうところは整理がもうされておるわけであります、課題でありますけれども。
#50
○足立信也君 二十一条、今免除とおっしゃったけれども、ちょっと言葉が適切ではないと思うんですが、これ削除するか、あるいは医療関係は免責するかと、そういう話だろうと思いますけど、この点についてはもう議論できるという話ですね、議論が始められるという話を今されたわけですね。ですから、これから、二十一条と、今厚生労働省の解釈が本当にきちっとできているのかということについて質問をしていきます。
 その前に、法律関係なのでちょっと一点聞きたいんですが、参考人の方々は、これは医療の安全の確保のための措置、そういうふうに書かれていますよね、なのだから、公的資金をやっぱり使うべきではないかという、皆さんがそうおっしゃっていました。それは、第三者機関への遺族側の申請に基づいて行われる調査についてもそうでしょうし、最も大事な院内事故調査に外部の人をお願いする、支援団体をお願いする、そういうところにも当然お金が必要になってくる。これは公的にやるべきではないかという指摘だったんですね。
 そこで、この地域医療・介護確保促進法四条二項二号ホに、「地域における医療及び介護の総合的な確保のために実施する必要があるもの」というふうに書かれているんです。医療の安全の確保のための措置ですから、当然、総合的な確保のために実施する必要があるもので読めると私は思っているんですよ。この部分で基金が使えるんではないかというのが私の考えなんですが、その予定、あるいはおつもりはあるかどうか。
#51
○政府参考人(原徳壽君) 新たな基金につきましては、今年度につきましては、御承知のように、病床の機能分化、連携のために必要な事業、また在宅医療を推進する事業、医療従事者の確保、養成のための事業と、ある程度重点的にここに絞って配分する予定としております。翌年度以降どうするかというのは、またこれは議題とはなるとは思いますけれども、ただ、この基金事業というのは都道府県にも当然ながら御負担いただくというような形のものでございますので、どういう仕組みが必要かというのは十分な検討が必要だと思います。
 その上で、医療事故調査に係る費用につきましては、例えばこういう第三者機関、いわゆる医療事故調査・支援センターの運営に係るような費用についての基盤整備とか、そういうところには当然ながら公的な援助も必要だろうとは思います。そういう意味では、今年度も準備のための費用については助成をする予定でございます。
 そのほか、実際の調査に係る費用のところにつきましては、これは検討会の中で種々議論がございましたけれども、院内の調査の場合には、これはやはり医療機関が直接負担をするということ。それから、医療事故調査・支援センターが調査をする場合においては、それぞれ遺族あるいは医療機関の管理者からの申出がございますので、一定の御負担はその申出の方にも負担していただこうと。
 そのほか、学会や医療関係団体からの支援、あるいは国からの補助金、こういうものが必要ではないかというふうになっておりますので、そのような点も踏まえながら考えていきたいと思います。
#52
○足立信也君 必要であろうという言葉が入ったので、これは委員長を始め多くの方が今一生懸命やろうとされている死因究明の推進、私もこれはもう元々法案を作成したときの担当者ですから大賛成ですけど、やっぱりこの国は死因不明社会だと言われている。例えば、あのとききっかけになったのは時津風部屋の虐待、リンチですね、それからパロマのガス湯沸器等々。
 ここでやっぱり一番ネックになるのが、亡くなった原因を調べるところで費用負担の問題が必ず引っかかってくるんですよ。なので、これも私は扉を開く一つのきっかけになると思っていまして、これを推進しようということになったら、いや、必要だろうと言ってくれただけでも結構なんです。これ、公費がないとできないんですよ。亡くなった人にそれを負担してもらうのかと、家族に、という話になってきまして、是非、ここは今後の検討課題でしょうから前向きに取り組んでもらいたいと、そこにとどめておきます。
 いよいよ異状死の話ですが、例として申し訳ないんですけれども、資料の二です、大変残念だった昨年の千葉県袖ケ浦福祉センターの虐待死亡事故の経緯をそこに表しております。
 中間報告が出ましたが、これは施設での虐待ということが主眼ですから、私は、亡くなった方がどういうふうに判断されていったかというところに絞っていきたいと思いますが、これ、まず十一月二十五日、救急隊が到着した後病院に搬送されている。この病院に運ばれた、到着したのはいつなのか、そして亡くなったのは、当初は翌日の明け方と言われておりましたが、中間報告では深夜とか書かれているし、実際に亡くなったのはいつなのか、まずその二点をお聞きしたいと思います。
#53
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 千葉県の障害福祉課に照会したところ、死亡した利用者の搬送先のまず到着時間でございますけれども、委員お話がありましたとおり、十九時二十五分に救急隊が到着いたしまして、その後救急搬送されたということでございます。具体的な到着時間につきましては、県で設けられました第三者検証委員会の公表資料でも明記されておりませんため具体的な時間は不明でございますが、一方で、二十一時三十分の段階で搬送先の医師から、敗血症による多臓器不全の状態であり、危険な状態であるという報告が施設にあったということを確認しておりますので、それ以前に到着していると、こういう状況でございます。
 また、死亡の関係でございます。これは、警察発表資料によりますと、翌日の二時七分に死亡ということになってございます。
#54
○足立信也君 本題から外れますけれども、救急隊が病院に搬送した時刻なんていうのは全部控えてあるんですよ、どこでも。それが何日もたっても分からないというのはちょっとあり得ないですね。恐らく十九時三十分そこそこでしょうね。それから六時間近くたって亡くなったということになっているんだと思います。
 そこで、ここからなんですが、警察への通報は誰がどのような理由で行ったというふうになっているんでしょうか。
#55
○政府参考人(蒲原基道君) この点につきましても千葉県に照会をいたしております。
 警察への通報者につきましては、搬送先の担当医ということでございます。この報告については、死亡者が死亡した段階で通報したということでございまして、あわせて、その際の言わば法的根拠の認識について尋ねたところ、当省が作成しております死亡診断書記入マニュアル、これに沿って判断したというふうに聞いているというふうに千葉県からは回答を得ていると、こういう状況でございます。
#56
○足立信也君 これから問題になるところです。
 私が当初県に聞いたときは、県の職員は、行政職員は、医師法二十一条に基づいて警察への通報を行ったものと判断しておりと言われております。そして、実際の医師に聞いたら、死亡診断書記入マニュアルに沿って警察に通報したと。これは物すごく違いがあるんです、これはこれから明らかにしますが。
 その前に、検視、解剖の結果がありますね、これ。それは何と、どういう診断で誰に伝えられたんでしょう。
#57
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 実は、この件につきましても千葉県の方に照会をいたしております。解剖の結果に関する連絡の経緯につきましては、これが全体として警察情報であるということがございまして、千葉県としてこれを説明できる情報がないということで、そういう回答を得ているところでございます。
#58
○足立信也君 でも、そんなことはすぐに分かるんですね。これは、要は、二十一時三十分に敗血症、多臓器不全の状態で危険であると家族に説明されているんです。そして十一月二十六日に敗血症による多臓器不全と、これ、亡くなったときの診断ですね。同じ診断なんですよ。ポイントは同じ診断なんです、診療中も亡くなった後も同じ診断。恐らくこれは、検視、解剖の結果もそれに近いものだと思います、ここは分からないから問いませんが。
 そこで、医師法二十条、二十一条についての解釈は、この前の小池議員への答弁でこれもうはっきりとお答えになったので、ポイントだけ申し上げます。医師法二十一条は医療事故等々を想定しているわけではない、これ大臣がそういうふうにお答えになって、二番目は外表を検査することである、そして三番目、外表を検査して異状があると医師が判断した場合に警察署長に届ける、これが三番目、ポイントですね、この三つ。そして四番目が、自分の患者であるかどうかは問わないというのがあるわけです。
 しかし、私が今申し上げたのは、この人はまさに治療前の診断が敗血症、多臓器不全の状態、そして六時間以上診療をして、亡くなった後も同じ診断である、ですね。このことは、じゃ亡くなった後に、診療を、自分の患者であるか問わないと言われても、診断名が変わっていないということは、亡くなった後に改めて死体を見て、検案をして異状があったから医師法二十一条に基づいて届け出たという論理にはなりませんよね。これは前、原医政局長には聞きました。そうならないですよね、同じ診断ですから。どうですか。
#59
○政府参考人(原徳壽君) お答えを申し上げます。
 個別の事例、なかなか実際どういう状況であったか分からないんですが、二十一条に書かれているのは、あくまでも検案をして異状があると認められる、だから検案するかどうかというのは一つのポイントになろうかと思います。
 その際に、先生御指摘のように、自ら診察をしている患者さんが元々の病気で亡くなられた。これは、亡くなられたということは事実でありますけれども、わざわざそのときに普通は検案というようなことはしないだろう。普通の診察中の死亡であるならば、その原疾患による死亡ということで死亡診断書を書かれるのが通例だろうと思います。一般論として言うならそういうことだろうと思います。
#60
○足立信也君 そうなんです。だから、これは、県の職員が医師法二十一条に基づいて届けたと判断したのは違っていると私は思いますし、医師が、マニュアルに入りますよ、マニュアルに基づいて届けたということがおかしいことなんですよ。マニュアルにそう書かれてあるという意味なんですよ。
 そこで、資料に入ります。これが厚生労働省が出されている死亡診断書記入マニュアルです。これ、一冊全議員に届けてほしいと言ったんですが、在庫がないということで、ポイントのところだけ持ちました。三の二を見てください。これを私ももちろん使っておりますし、非常に参考にしているところです。上から本文の五行目ですか、@、Aの後、「また、外因による死亡またはその疑いのある場合には、異状死体として二十四時間以内に所轄警察署に届出が必要となります。」、こう書いてある。こういう法令はありますか。
#61
○政府参考人(原徳壽君) これはあくまで記入マニュアルということでございまして、例えば外因による死亡の場合は警察署に届出が必要となりますという法令的な根拠といいますか、法令の定めは直接のものはないというふうに承知しております。
#62
○足立信也君 法令に根拠のないことをマニュアルに書いているということです。しかし、この文面が非常に二十一条に近いから、みんな二十一条の判断はこれだと思っちゃっているんです。それがこの医療機関の人が届けた理由なんです。
 さらに、その下行きますよ。ここで、真ん中がちょっとオレンジ色になっています、「死体を検案して、異状があると認められますか」、はい、いいえですね。この異状、それについては下に注に書いています。「日本法医学会が定めている「異状死ガイドライン」等も参考にしてください。」ですね。
 そして次の、これ医師法二十一条が書かれています。二十条の解釈も書かれています。ここに、「検案して異状があると認めたときは、」、二十一条です、上の方ですね、と書かれてある。
 この三つの異状、私、意味が違うと思いますよ。二十一条は異状死体のことです。このマニュアルは異状死とは何を考えるかと言っているんです。しかも、法令では定められていない。そこの曖昧さが混乱を招いているんです。
 この異状、この三つの異状を私は挙げましたが、特に二十一条の関係で、これは同じですか。別物ですよね。
#63
○政府参考人(原徳壽君) 医師法二十一条で言っている異状というのは、死体あるいは死産児ですね、これを検案したときに判断する異状であって、いわゆる法医学的な異状と解釈をされております。それに対しまして、御指摘の次のまた先生の資料でいきますと法医学会の異状死ガイドライン、ここで言っている異状というのはかなり幅広いものというふうに私ども捉えておりまして、二十一条の異状と同じ異状という言葉でも中身は違うものと解釈しております。
#64
○足立信也君 そのとおりなんです。ところが、この書きぶりで同じように思ってしまっている。
 次に、資料四です。
 これが平成六年の日本法医学会の異状死ガイドラインです。上から十行目ほど、「基本的には、」とあるところなんですが、「診断されているその病気で死亡することが「ふつうの死」であり、これ以外は異状死と考えられる。」、こういう書き方なんです。そして、そこの下に列挙されているんです、火災とかですね。
 ここで更に混乱を招いているのは、次のページ、四の二の四番のところです。「診療行為に関連した予期しない死亡、およびその疑いがあるもの」。これは、今回の法律に非常に近い表現ですよね。これによって、事故の届出のもの、あるいは法医学会が考える異状死とは何なのかということと二十一条がほぼ一体化した考え方になってしまっているんですよ。だから、だから私はこの死亡診断書記入マニュアルを早急に変えてくれと何度もこの委員会で言っているんです。
 先ほど死因究明の話を私しましたが、次にやりますけど、今度閣議決定しようというものに、この死亡診断書記入マニュアルの内容を研修医を始めとして医療機関の人間にしっかり理解してもらうように活用するって書かれているんですよ。だとしたら、今ここで法律の解釈とこのマニュアルに書いていることの違いを明確にしないと大混乱ですよ、また。今回やろうとしている届出制度そのものに誤解がまた生じますよ。
 なので、早急に変えるべきだということは、私、主張し続けていますが、今までの話の中で、ここに混乱の大本があると。そして、少なくとも「また、」以降、法令にはどこにも書かれていないことを書いている。それから、異状というもの、二十一条の異状があたかも異状死ガイドラインのように捉えられるように書かれてしまっている。ここを改めるべきだと思いませんか。
#65
○政府参考人(原徳壽君) 御指摘の点については、混乱が生じかねないというおそれは私も思いとしては共有しておりますけれども、あくまで最終的にはその法令に基づいて個々の医師が状況に応じた判断をしてもらう必要があるというふうには思っております。その上で、このマニュアルというのはその参考にしていただくべきものだというふうに私ども作成しておりますので、その内容について慎重に吟味をした上で、直すべきものがあれば直していきたいと、そういうふうに考えております。
#66
○足立信也君 直すべきところはというのは、法律にも決められていないことを義務のように書いてはいけないということです、最低限。それから、異状死体を見たときの判断の二十一条と異状死とは何ぞやという考え方の部分を混同しないことです。これは明確にしないと大混乱を起こします。
 大臣、なかなか専門的で複雑なところだと思いますが、今混乱の原因はここにあるということは恐らく理解していただけたと思います。
 もう時間ですので、更に質疑時間があることを私は希望しますけれども、私が考えるガイドラインに必要だと思うことを列挙させていただいて、終わりにしたいと思います。
 まず、院内調査というものは、六か月という話が出ていますが、私は長過ぎる。三か月程度だと思います。その報告、センターへの報告は一週間以内にはなされなきゃいけないし、その中身は、余り内容に触れたものは当初としては必要ないんだろう、そのように思います。支援団体は、これは公正に、そして真実を、医学的な、医療的な真実を確かめるわけですから、私は法律家の参加というのは支援団体には必要ないと思います。
 それから、三か月以内でも、院内事故調査で調べたものが、いや、それでは納得いかないといってセンターに行くわけですから、そこから再調査しようと思っても大変なことになります。これは、報告書の内容が妥当なのか、正当性があるのか、要件をきちっと満たしているのか、そういう評価でしか私はできないと思いますよ。今の考えでは、半年以上たって再調査ができますか。だから、そういう外形的なものにとどめるべきだと思うし、院内調査とセンター調査は同時進行は絶対あり得ないです、このこと。そして、センター調査というのは今言った要件でやるわけですから、せいぜい一か月以内ですよ。そして、当然のことながら、その第三者機関、センターから警察への通知は行わない、これはもうおっしゃっていることですが、当然のことだと思います。
 そしてさらに、産科医療補償制度と明確に違う点を申し上げたいんですが、この報告書に、ガイドラインに沿っている、あるいはガイドラインを熟知されていない、そのとおりやられていないというようなことは書くべきではないと思います。ガイドラインというのは、ガイドラインとは何ぞやとこれから聞こうと思ったんですが、時間ないんですけれども、医療というのは日一日進歩していきますよ。そのやり方が金科玉条のように絶対守らなければいけないというものではないわけです。そこから逸脱しているものがあるいは十年後のファーストチョイスの治療になるかもしれないんです。そういうことを含んでいるわけですから、そことの対比で報告書を論じてはいけない。あるいは、改善策というものを書くべきではない。医療者というものは、何か事故が、何か自分が思う結果が得られなかったときに必ず反省するんです。反省しないと進歩しないんですよ。その反省文を書いてしまったら、なぜやらなかったのかとなってしまう。これは絶対にやってはいけないということが、私がガイドラインで挙げるべきことだと思っていることです。
 ちょっと時間足らずになってしまったので、次回もあることを期待して、質問を終わります。
#67
○相原久美子君 民主党の相原久美子でございます。
 いまだ国民の不安が払拭されていない、そんな思いで、先日から審議を続けてまいりました残り部分、まだまだ恐らく足立委員のおっしゃるように確認しなきゃならないことがたくさんありますので、今日で終わらないということを念じながら質問をさせていただきます。
 まず、介護人材の確保についてです。
 私も、大臣ずっと御心配いただいております団塊の世代でございますので、二〇二五年を考えたら、私が今保険料を払っている、さて本当に安心の生活ができるんだろうかな、そんな思いで、是非やはりいい体制を構築していきたい、そんな思いで、実はこの二〇二五年を目途としたときに今の介護サービス労働者、圧倒的に足りないということで、百万人を増やすんだというふうに言われていまして、国の方ではまず介護報酬改定で処遇改善の取組をする、そしてキャリアパス制度を使いながらやっぱりその専門性の確立をしていくんだと。そして、都道府県は介護保険事業支援計画などで人材の確保を進めるんだと。市町村は生活支援の担い手を増やす。恐らく、この最後の市町村は担い手を増やすんだというところの論点が、今回の大きな論点なんだろうと思うんですね。
 ただ、その論点の部分をどうやって具体化していくのかなというところで、まず一つ確認したいのは、介護労働者のやはりスキルアップも含めて、処遇も含めてキャリアパス制度、これずっとうたわれています。仕事にやりがいを感じさせる仕組み、将来展望を持って働き続けることができるように、そして処遇が適切になされる仕組みとして検討されてきた。資料をいただきましたが、過去にそういう形で随分と施策を打ってきたように思います。二十一年度の補正予算で約三千九百億円で都道府県に基金が設置され、二十二年の十月のサービス分からキャリアパス要件の適用が始まったということですけれども、この結果の検証について伺いたいんです。
 ここでちょっと、実は、こういうキャリアパス制度を構築してきたけれどもというところで、現場の声をお聞きいただきたいんです。昨年十月末に実施されました市民団体による介護ホットラインで寄せられた声です。
 パートだが、勤務は一日九時間、休みは月八日で手取り十一万円、いつも人手不足で、相談する余裕もない、どうしたらいいですか。介護福祉士の資格を持っているが、ボーナスも含めて年収二百万円くらい、仕事内容も経験のない人と同じ扱い、資格の有無が関係ないのはおかしくないですか。所定勤務時間は九時間だが、タイムカードを押してから三、四時間のサービス残業、上司からは利用者のためだ、自己研さんだと言われ、仕事を失うのが怖くて何も言えない。こんな声が寄せられているんです。恐らくほんの一部だろうと思います。声を上げられないでいる人たちの方が多いんだろうと思います。
 ただ、実態はそういう状況にあるということは、多分大臣も少し御認識いただいているかと思います。このような現場の声に対して、今後キャリアパス制度をどのように確立していくのか、伺いたいと思います。
#68
○国務大臣(田村憲久君) 介護職員の処遇改善交付金、これをスタートするときにキャリアパスの要件というものを条件付けたわけでありまして、例えば研修の確保でありますとか、このようなものがあるわけでありますが、申請してきた中において約九割がそのような要件を満たして、処遇改善交付金、これを活用いただいたということでございまして、実績という意味からすれば、要件にかなうところ、もちろんそこしか行かないわけでありますから、申請中九割が要件にかなっていただいたということであります。
 それ以外にも、養成制度といいますか、初任者研修というような形でヘルパー一級、二級、三級というものを整理しながら、一方で今、介護福祉士というものに認定介護福祉士というような新たな制度、更にもう一歩高い制度を設けてはどうかということを検討をさせていただいております。さらに、介護のキャリア段位というもの、これも今推奨をしておりまして、こういうものを使いながら、非常に使い勝手がいいというように御反響いただいているところもあるわけでございますが、まだ十分に広がっていない部分もありますので、そういうところはこれからもしっかりと我々も周知をしていかなきゃならぬなというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事三原じゅん子君着席〕
 いずれにいたしましても、問題は財源でございますので、しっかりとそういうものに評価できるだけの報酬というものを我々確保していかなきゃならぬわけでございまして、来年度の介護報酬改定に向かってしっかりと我々も努力をしてまいりたい、このように考えております。
#69
○相原久美子君 申請の部分でいうと、確かに高い割合で実施されていると。ただ、先ほどの声にもありましたように、研修を受けるという余裕さえない現場という状況にあるということも是非勘案して、圧倒的にやっぱり人員が足りないのだということがそういう余裕もないということの結果にもなります。キャリアパス制度というだけではなくて、人員確保をどうしていくのかということも含めて今後御検討いただかなきゃならないのではないかと思います。
 それから、これまでのいわゆる訪問介護等々の給付の単価というのも決して高いものではなかったわけです。これが新たな自治体事業となりまして、各自治体の裁量によって運営基準、人員基準、単価等について柔軟に設定できるとされているわけですね。
 私、自治体のヒアリングをさせていただきました。今、相当介護事業者が撤退をしているという地域が顕著に出てきている。そうしますと、この先、自治体の財政が非常に厳しいようなところ、恐らく厳しくないような自治体というのは東京辺りくらいしかないかなと思うのですけれども、そうすると、前回指摘しましたように、更に事業者が撤退していくという状況になりかねないのではないかな。
 恐らく、今サービスを受けている方、御家族の方、サービス体制が自治体によって本当に縮小されていってしまって、必要なサービス受けられないんじゃないかということの不安がまず一番大きいんだろうと思うんです。どうされていくつもりか、決意のほどを伺いたいと思います。
#70
○国務大臣(田村憲久君) 生活支援サービス等も含めて、こういうものに対してしっかりと我々もいろんな各自治体に対して好事例も含めて情報は提供していかなきゃならぬと思いますし、生活支援サービス基盤という意味では、例えばコーディネーターの方々等々をしっかり養成して、そういう方々にお働きをいただくというような形で財政支援もあるわけでございます。更に申し上げれば、財源的には介護保険から財源構成同じものが、何度も申し上げますけれども、出るわけでございますし、これは一応、被保険者の方々の所得に合わせて財政調整もしっかりやりますから、地域の格差、そういうものが出ないようになるべくこれは努力をしてまいります。
 申し上げれば、今言っておる中において、これからの伸びというものを抑えるというようなお話をよく言われますが、しかし、基本的には高齢者の伸び分はしっかりと見るわけであります。つまり、高齢者の伸び分プラスアルファというものが今伸びておる、これは何なのかということは分析しなきゃならぬと思います。本来ならば高齢者の伸びがそのまま伸びと一致していくのが、普通に今と同じサービスを受けていれば同じはずであるのに、更にそれから二%ぐらい伸びていっていると。これは一体何なのかということも考えなきゃならぬわけでありますが、要支援者の方々が増えてくるという中においては、プロの、要するに専門職の方々のサービスというものは必要な方は受けていただく。しかし、そうじゃない方々は違うサービスを受けていただくという中において、一定程度やはり高齢者の伸びの範囲の中でこれは私どもは収まっていけるのではないかと。しかし、もちろん特殊事情があればそれは勘案させていただいて、そのような形で伸びも、我々いろいろと話合いには応じさせていただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、サービスというもの、いつも言っておりますが、いきなり全部できるわけではございません。今までの事業者の方々もサービスを提供いただけるわけでございますので、言うなれば、みなし指定という形で、今まで指定をいただいておれば、そのままみなしで指定を事業者としてしていただくということでございますので、新たな手続が要るわけでもございません。そういう既存の専門事業者の方々のサービスも受けながら、徐々に新たなサービスをおつくりをいただきたいと。
   〔理事三原じゅん子君退席、委員長着席〕
 そして、更に申し上げれば、働く方々の賃金が下がるのではないか、下がると多分撤退をされるという話であります。撤退をすれば、当然困るのは自治体であるわけであります。事業者自体は、要介護者はどんどんまだ増えていきますから、そちらの方で幾らでも仕事はあるんですよね。要支援者も増えますが、要介護者も増えていきますから。今よりもサービス量は増やしていかないとこれはもたないわけでありますから、もし本当に低い設定をしたら、もうそちらの方に事業者は移ってしまうと、要介護者の方に。それでは困りますので、適切な単価を自治体はこの地域支援事業でも設定をいただく。いただかなければ事業が展開できないということでございますから、そのような形で我々はしっかりとした運営をしていただけるものであると、このように認識をいたしております。
#71
○相原久美子君 大臣、責任転嫁しちゃ駄目ですよ。自治体に頑張れとか、自治体が適切にやるでしょうとか、給付の伸びを抑えるつもりはありませんといったって、資料の中に抑えるような資料を出してきたりしているから、皆さん、何なんだという話になるわけですよ。
 分かるんですよ。私は本当に団塊の世代として、このまま本当に給付が伸びていった場合、給付を受ける側の人間だけではなくて、後世の子供たち、若者たちが本当に大きな負担になっていってしまう、それで社会が回っていくのかなという、持続可能な介護保険の制度になるかなというその不安は間違いなくあります。
 だからこそ、本当にみんな元気で、できる限り給付を受けないで自立して生活していけるように、私も頑張りたいと思いますけれども、そのための手だてとしての多様なサービスをつくっていくんだということであるんだったら、決して今、要支援の一、二を、相変わらず給付です給付ですと言っていますけれども、介護保険のこの制度から外さなくたって、そこをつくっていくことはできるはずなんですよ。多様なサービスは、各自治体、是非、これからもうこんな社会になるんだと、だから、元気な高齢者をつくっていくためにいろんなサービスだけではないコミュニティーもつくり直そうよとかということを発信すればいいんだと思うんですね。
 どうもやっぱりある意味、ごめんなさいを言わないでごまかしのような感じだからみんな不安になるんですよ。是非そこは、最後に財政の部分がありますので財源はしっかりととおっしゃいましたから、そこに期待は掛けます。消費税を国民の皆さんに納得していただいた、私どもも賛成したというのはそのためになわけですから、是非そこは介護保険料のみならず、制度から以外のいわゆる消費税からの部分も投入していきながらという決意は持っていただきたいなと思います。
 それで、二〇〇五年のところにもちょっと戻りたいと思うんですが、予防重視の観点から、介護予防事業、包括支援事業などの地域支援事業が創設されました。それ以前と比較してどう変わってきているのか。また、二〇〇九年の事業仕分ですとか省内の事業仕分で予防効果を実証できるものがないとの指摘を受け、そのときに、科学的根拠に基づく調査研究を行いエビデンスを集めるように指摘されたと思うのですが、その結果について伺いたいと思います。
#72
○政府参考人(原勝則君) 御指摘ございました介護予防事業でございますけれども、要介護状態でない高齢者に対して、心身の機能や生活機能の低下の予防、また悪化の防止のための事業ということで、御指摘のとおり平成十八年に創設をされたものでございます。
 平成二十一年に実施されました事業仕分等におきまして、費用対効果等の観点から政策評価を行った上で適切な事業について検討すべきという御指摘ございまして、結論として予算要求の縮減ということが求められたわけでございます。
 このような指摘を踏まえまして、平成二十二年の八月には、対象者把握のための検診をそれまでは求めていたんですけれども、これを任意ということにするとともに、基本チェックリストのみで対象者を把握可能とするなどの事業の見直しをし、効率化を図ったわけでございます。
 また、エビデンスということがございましたけれども、平成二十四年、二十五年にわたりまして介護予防のモデル事業、こういったものも全国十三の市町村で実施をいたしまして、いわゆる効果的な介護予防の手法、こういったものの取組みたいなものについていろいろと市町村にやっていただいて、その情報を全国に好事例という形で展開をしていきたいと、こういうことでやってまいりました。
 一方、そういったモデル事業等を通しまして、あるいは従来からやっています介護予防事業を通しまして、実は、住民が主体となって行う体操教室等を広く展開することにより要介護認定率の伸びを抑えることができた事例がいろいろと出てまいりました。私どもとしては、この介護予防事業には一定の成果が期待できるというふうに評価しております。例えば、大阪府の大東市でございますとか、あるいは茨城県の利根町でやっていますリハビリの健康指導士、体操指導士、こういったような取組がだんだんとできてきているということでございます。
 厚生労働省としましては、このような地域の実情に応じた効果的かつ効率的な取組を全国展開する観点から、今回の地域支援事業の充実、見直しを通じまして、都道府県と連携しながら市町村を支援するとともに、地域のリハビリテーション専門職等を生かしつつ、要介護状態になっても生きがいや役割を持って生活できる地域の実現というものを目指してまいりたいと考えております。
#73
○相原久美子君 エビデンスとするには、私は若干足りないなと思っているんですね。
 それで、もう少しいろいろと検討していただきたいんです。大都市もあれば中核都市もある、過疎地域もあるというような形なわけですから、幾つかモデルも、一律のモデルではなくてすべきだろうと思いますし、そこに至るまでの過程もやはり大事なんだろうと思っているんですね。その結果を受けて、こういう地域であればこういうこともとか、こういう発想もあるんですよとかということをやはり示していただくという方がよいので。
 確かに、私も視察で柏とそれから和光ですか、行ってまいりました。私は出身が北海道です。札幌辺りなら、まあそれでも札幌の一部かなとか、北海道のちょっと島では無理だなとか、半年雪に埋まるところは無理だなとかということになるわけですから、そういうところのやはりモデルもしっかりとエビデンスを集めるということが私は必要なんだろうと思いますので、これは今後に生かすためにも、是非継続した形で調査研究をしていただければと思います。
#74
○政府参考人(原勝則君) ありがとうございます。
 この二十四年、二十五年で幾つかのモデル事業の成果出ています。こういうものを、実は今年度はいろいろアドバイザーというものを各県、ブロック単位になりますけれども、そういうことがよく分かっている方と連携しまして、少し今度は県あるいは県を通じた市町村に働きかけをいたしまして、我々が得られたそういった好事例、こういうものを普及させていこうと。そういう中で、あわせて、議員がおっしゃっていますようなもっとほかにもいろいろいい事例があると思います。北海道にもあると思いますので、そういうものもこれからいろいろ集めまして、更に展開をしていきたいと考えているところでございます。
#75
○相原久美子君 アドバイザーというのも、これ人選、非常に難しいんだろうと思います。要するに、状況が分からないで入っていくということになったらあれなので、地域のケアマネの方たちや何かとの連携、それから施設の方との連携、様々な形で、現場の声を拾い上げて返していける、つないでいけるアドバイザーというものを是非つくり上げていっていただければなと思います。
 それでは次に、地域包括支援センターについて伺いたいと思います。
 新たな介護予防・日常生活支援総合事業については、これ厚生労働省作成の説明資料で、地域包括支援センターによるケアマネジメントに基づき総合事業のサービスと予防給付のサービス、いわゆる要支援者を組み合わせるとされています。事業対象者の選定及び利用手続について、まずは要介護認定かどうかチェックリストによる判定をすることとなっております。
 ここも一つ、多分皆さんが不安に思っている点だと思うんですが、市町村のさじ加減によって左右されるのではないかとか、本当に正しく認定をしてくれるんだろうかと、今までと変わるんじゃないだろうかというふうに思っているかと思うんですね。
 そこをしっかりと担保しながら、ずっとこの間指摘されてきておりましたケアマネの中立性、そして質の高さ、これについてどのように確立していくおつもりか、お考えがあれば伺いたいと思います。
#76
○国務大臣(田村憲久君) 地域包括支援センターの中でケアマネジメントをやっていただくということになります。このケアマネジメントを行うのは専門職の方、保健師でありますとか専門職の方々がやっていただくということになります。その専門性をしっかりと磨いてもいただかなきゃなりませんし、あわせて、いろんなサービスをどういうふうにしていくかという検討と、それの説明をしっかりと要支援者の方にしていただいて、同意を得た上でサービスを行っていくということが重要でございますから、そういう意味では説明能力というものを磨いていただかなきゃならないと。
 サービス等々含めていろんな環境等々もございます。そこで、今回は法律の中で地域ケア会議というものを位置付けました。この地域ケア会議は、いろんな職種の方々が連携しながら、その要支援の方、もちろん要介護者もそうであるわけでありますが、そういう方にどういうようなサービスが必要であるか、こういうことを議論していただくわけでありまして、言うなればケアマネジメント、ケアマネジャーの支援をしていただくということでございます。
 もちろん、最終的にサービスを決めるのはケアマネジメントする者であって、それが要支援者の方と同意を得た上で行うということでありますから、あくまでも参考にしていただくわけでありますが、そのような形の中において支援をいただく、中立性というものを担保する、あわせて、やはり研修でありますとかいろんな身に付けていただくような能力、こういうものも磨いていただくということであります。
 地域包括支援センター自体がやはりいろいろとそういうような形で業務が増えてまいりますので、そういうことも含めた人員配置というものもしっかりと我々目くばせをしていかなきゃならぬと思っておりますし、あわせて、基幹になります地域包括支援センター、これは公立型といいますか、そういうような形の地域包括支援センターでありますけれども、こういうものに関しましては、やはり他の地域包括支援センターとの役割分担や連携というものもしっかりやっていただかなきゃならぬわけでありまして、そういう中において、他の地域包括支援センターに対するいろんな意味での支援もやっていただくということでございます。
 いずれにいたしましても、地域包括支援センターがその中心になることは間違いないので、ケアマネジメントを中心としてしっかりと力を発揮いただけるように、我々も環境整備をしてまいりたいと考えております。
#77
○相原久美子君 間違いなく、地域包括支援センター、ちょっと次の質問のところも重なってくるのですが、お答えも若干いただいたかなと思っていますが、業務は相当集中してまいります。
 今の状況の中でいきますと、いわゆる地域包括支援センターの評価を行っている市町村というのが三割足らずなんですね。効果的な評価の実施を促進するPDCAサイクルを構築する必要があるのではないかと思っておりますので、そこもお答えいただきたいのと、それと、先ほどおっしゃいましたように、この地域ケア会議というのは相当重要になってまいります。この地域ケア会議、多職種が参加するということが、ある意味、今回の求められております医療と介護、これが在宅でできる柱になると言ってもいいんだろうと思いますので、ここの部分をどうされていくのか、お伺いしたいなと思います。
#78
○副大臣(土屋品子君) 地域包括支援センターは、現在全国で約四千か所以上、支所を含めますと七千か所以上が市町村により設置されておりまして、地域の最前線において、高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防のケアマネジメント及び地域のケアマネジャーの支援などの業務を実施しており、地域包括ケアシステムの実現に向けたまさに中核的な機関と考えているわけで、先生が大変御心配になられている部分で、本当にここが核になっていくということでございます。
 一方で、高齢化の進展により、大臣からも話がありましたが、相談件数が相当伸びていまして、業務量を過大と認識しているセンターが一定程度あることなども課題でありまして、今後、センターに求められる役割を勘案しながら、市町村が主体となって、地域の実情に応じて、めり張りを付けて機能強化を図ることが重要であると考えております。
 地域ケア会議の推進で、ケアマネジャーとの連携を取っていくというお話が大臣の方からもありましたが、現在の業務に加えて地域ケア会議の推進を更に進めていくということと、在宅医療・介護の連携強化、認知症施策の推進を図る中で、それぞれのセンターの役割に応じた人員体制、ここが一応鍵になると思いますけれども、この強化を図れるようにしていきたいと考えています。
 さらに、運営に対する評価ですけれども、ここは非常に大事だと思います。今現在、市町村では、この評価を行っているところが三四%にとどまっていることを考えますと、今回の法案において、センターによる自己評価と市町村による点検、評価に取り組んでいくことが大事だと思っています。
#79
○相原久美子君 お示しいただきましたように、サブセンター、ブランチも合わせても七千か所ぐらい、この一センターの平均職員数というのは五・六人なんですね。もちろん大小はあるかと思いますけれども、やはり相当厳しい現場になることは間違いないと思うんですね。比較的、二十四時間とまではいきませんけれども、相当長時間、そしてある意味休みなしで動かさなければならないところですから、五・六人という平均では本当にしっかりとしたケアプラン、相談事業ができるのかなという心配がございますので、今決意もおっしゃっていただきました、人員体制も含めてしっかりとここを強化していくことによって、まだまだ不安の皆さんも若干の安心ができるかなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、この地域包括支援センターの運営費の部分をちょっとお伺いしたいと思うんですが、今は国の地域支援事業交付金と要支援者への介護予防ケアプランの作成費で賄われております。今お答えいただきましたように、恐らく運営は相当厳しい状況にあると思います。そこで、人員の問題もある、財政の問題もある、いろいろあるんでしょうけれども、どこを強化していこうとして今後考えていかれるのか、視点についてちょっと、再度お伺いしたいと思います。
#80
○副大臣(土屋品子君) 具体的には、業務量に応じた適切な人員体制、今おっしゃいましたように平均で五・六人ということでいいのかということでございますけれども、この辺もきちっと精査していかなければいけないと思っています。
 認知症施策の推進など地域支援事業の充実に向けては、消費税財源を活用しながら財源確保に努めていきたいと考えています。センターの役割に応じた人員体制の強化を更にそれで図れるんじゃないかと考えています。
 それから、業務内容の見直しの観点からいえば、例えば行政直営型センターを地域の中で基幹となるセンターとして位置付けることとか、委託型センターに対する市町村の運営方針を具体化するなど、センター間や行政との役割分担、連携体制を強化して、さらに点検、評価の推進に加えて、住民に取組等を広く周知できるように、市町村による情報公表を推進するなどをしていきたいと考えています。
#81
○相原久美子君 ここで、ちょっと質問通告もしておりませんし、これは党内議論もしていないようなことで、私の個人的意見としてちょっと聞いていただければなと思うんですけれども、私、やっぱりこの介護保険の制度、要支援一、二から始まって要介護と、非常に無理があるのではないかなと、認定そのものに。それは家事支援必要な方もいらっしゃるのは間違いないわけですけれども、これを制度の中でというのは非常に、当初のところからちょっと無理があるのではないかなと私は思っているんですね。
 ただ問題は、ある意味、一定程度いろいろな家事支援等々を受けることによって自立へ行ける方もいらっしゃるんです。ところが、認知症というのは、これは要支援で一、二の方もいらっしゃるんですよね、そのときのチェックの加減で。でも、申し訳ないのですけれども、認知症というのは現状を維持することが精いっぱいで、どうしても先へ進んでいっちゃうわけですよ。こういう方を私は要支援の一、二じゃなくて、もう要介護というような形でしっかりと介護保険の中で給付していくという考えがありかなと。これは現場の皆さんからも怒られるかもしれないし、今サービスを受けている方々からもお怒りがあるかもしれないので、ただ、本当に今後の団塊の世代も考えていくとそういうこともあるかなと。
 ちょっと議事録に残っちゃいますのでつぶやきとは言えませんけれども、そういうような大胆な考え方もありかなということで、御家族の皆さんも少し安心できるという新たな考え方も必要かなということで、これは答弁要りませんので。──なかなか、答弁できますかしら。
#82
○国務大臣(田村憲久君) 認知症、どの部分、どの方々対象かというのは難しくて、MCIの方々なのか、日常生活自立度一、二以上なのか。つまり、日常生活自立度二以上ということになれば、今よく言われますが、要支援一、二でそれぞれ七%、八%ぐらいまでだと思います。
 ただ、本当にこれ認知症というものが正確に判断ができれば、多分日常生活自立度二以上の方々は要介護になる可能性が高いんだと思います。ただ、それが、主治医の方々の意見等々、いろいろと要介護認定のときにあるわけですね、審査する中において。その中においていろいろとそこが複雑怪奇になってしまうわけでございまして、おっしゃられておられる意味は私もよく理解をさせていただきますが、実際問題、そこを厳格に判断するのがなかなか難しい。認知症疾患医療センターに全員が行っていただいて検査をしていただければある程度のことは分かるのかも分かりませんが、なかなかそこら辺のところが難しいというのが現場なのではないのかなというふうに認識いたしております。
#83
○相原久美子君 そうだと思うんです。ですから、ある意味、認定の仕方とかそれから専門職の、専門医の方ですとか、いろいろな方たちにこれから御議論いただかなきゃならないと思うんですね。
 でも、私は別に、じゃ認知症の人だけと、要介護の人だけと言っているわけじゃないんですよ。誤解しないでいただきたいんです。家事支援も必要な方いらっしゃるのは間違いないんですね。ちょっと補足してあげると少し良くなっていくという方もいらっしゃるでしょうし、それは別な意味で財源をしっかり充てて、そして自立へ向けていくというこの仕組みも必要だということを前提にした上でございますので、誤解のないようにお願いしたいと思います。
 ちょっと時間がなくなりましたので、幾つかは質問を省かせていただきまして、補足給付について伺いたいと思います。
 実際のこれもヒアリングのところで幾つか言われました。これまで夫婦の世帯分離や非課税年金により補足給付を受けてきた実態があると。今回は、特定入所者介護サービス費の資産勘案について、預貯金や資産を公平かつ簡便に把握できる仕組みがない現状で自治体が捕捉することは困難である、これはもう現場の皆さん一斉におっしゃいました。
 不正な利用についてはペナルティーを科すとのことだが、市町村の調査権限は何に基づくもので、調査の基準はどのように定めるのか、また全件調査を要するのか、要しない場合、万が一不正があった、市町村は責任を問われるのか。これは自治体がしっかりと厚生労働省に確認すればいいことでしょうけれども、ここでも公にしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#84
○国務大臣(田村憲久君) 一定の預貯金をお持ちの方は補足給付、この対象外にするということを今回盛り込まさせていただきました。
 それをどう担保するんだということでありますが、まず、前提といたしまして、御本人の通帳の写しを添付をいただく、これは申請をされるときに添付をいただくということにします。それから、介護保険法二百三条で金融機関に報告を求めることができるわけでありますが、なかなか御本人の同意がないと金融機関もそれはお出しになりにくいということでございますので、申請のときに御本人にそのような形で事前に調査への同意というものを得ておくということをいたします。あわせて、今言われました、もしうそをついた場合には加算金二倍ということでありますから、合わせて三倍返しと、これは三倍返し以内でありますけれども、最高三倍返しというような形でかなり厳しいこのような制度にさせていただきます。
 問題は、じゃ全員調べるかというと、なかなかこれ行政そこまでやれませんので、そこはサンプル調査という形の中において、一定のこういうことをやるからということで抑制を掛けていくと。これは本当は全員でやれればいいんでしょうけれども、なかなかそこまでは自治体にお願いできないという実情もございます。でありますから、サンプル調査等々をやる中で、全部やっていただければそれはいいわけでありますけれども、その中において抑制を掛けていくということが今制度の中で一応我々が制度設計をしているものでございます。
 もちろん、あったからといって自治体が責任問われるというわけではありません。自治体に瑕疵があればそれは責任問われる場合もあるかも分かりませんが、そこは詳細に、また自治体から御相談をいただいたときに事細かく御説明をさせていただきたいというふうに思います。
#85
○相原久美子君 そういう意味で甚だグレーなんですね。所得の捕捉というのがなかなかできないという今の現状の中にあって、非常に無理のある設定ではあるんだと思うんです。そうはいっても、応分の負担はしてもらいたいというのも確かにあろうかと思います。低所得者の方ということよりは、それなりに持っていらっしゃる方はということではあろうと思うんですけれども、そこはやはりそれこそ所得の捕捉をしなければならない自治体の声をしっかりと聞いて、そしてできるだけ負担のない形でお願いしたいなと思います。
 ちょっとあちこちに飛んで申し訳ないのですが、もう一つ自治体のヒアリングで出てきたのが、一定のサービス水準を保つために必要なサービス内容と担い手の基準、単価などについて適正な目安、これをガイドラインで示していただきたいなと。
 実は、私どもはこの法案は反対です。でも、自治体もある意味大変だし、本当に真摯に考えているところは、できるんだろうかという不安を持ちながらなんですけれども、法案は通るんじゃないかという下で今着々と事業は進めているわけです。この矛盾があるんですね。これが多数決の原理の国会の中の状況なんですが、そのときにやはり単価の設定とかなんとかの目安が欲しいなというのが本当に現場の素直な声だと思います。
 そして、大臣は、ヘルパーさんらがやっているサービスに関して、単価を下げてくれと我々は言っていない、逆に、我々は、そこはガイドラインとして基準を示していこうということでありますと答弁をしていらっしゃいます。ガイドラインに現行の予防給付の単価を維持する、ヘルパーの単価を下げないといったことを明確に記載されるのかどうか、確認したいと思います。
#86
○国務大臣(田村憲久君) よく、ガイドラインで全部これからという話だから、これでは法案の審議ができないというお叱りをいただきますが、逆に申し上げれば、国会の御審議の中でいろんなお話をいただく中において、我々もそれをガイドラインに盛り込んでいきたいという部分もあるわけでございまして、国会の議論自体が大変我々も参考になっておるということでございまして、その点は御理解をいただきたいというふうに思います。
 このガイドラインはもちろん強制力はないわけでありますけれども、一定の基準ということで各自治体にこれを可能な限りお守りをいただけると我々も思っておりますし、事実、今までいろんなガイドラインをお示しをさせていただきましたが、基本的にはガイドラインに沿っていろんな事業を運営をいただいてきておるわけであります。
 単価の話からいたしますれば、それはまさにふさわしい単価を設定いただきたいということでありますし、そのふさわしい単価という意味からすれば、専門性のある職種には特にそれにふさわしい単価。特に、通所介護、訪問介護に関しましては、同じ質であれば今の単価というものをお示しさせていただく。ただ、それを上回っていただきますと、これはちょっとさすがにサービスを使われる方々にとって負担になられますので、とにかく今の使われている単価、これを上限にお示しをさせていただきたいというふうに思っております。
#87
○相原久美子君 国会の議論を是非参考にしてください。ずっと議論をしている、ここに参加の、もちろん衆議院での議論も国民の声ですので、この声にしっかりとやはり応えていただかなきゃならないので、参考にしていっていただければと思います。
 同じく、受け止める自治体からの要望なのですが、予防給付においては国保連合会を通じた審査支払事務が行われているが、従来の指定介護事業者以外のNPOですとかボランティア等の事業体にサービスを多様化した場合、国保連合会への請求事務になじまないため市町村が直接審査支払事務を行うことになるが、これらの事務負担を行う場合の財源の明確化と、事務負担を軽減するための方策などは考えているのでしょうかということです。
#88
○国務大臣(田村憲久君) これは、介護給付は、これは指定事業者として指定するわけでありますが、これと同じように指定をしてまいるという形になると考えております。特に、今まで指定事業者でやっておられた方々がそのままこれはもうみなしで指定をさせていただくということで、改めて手続を取らずに、みなしで指定をさせていただくという形で事務負担というものを和らげていこうと。
 それから、審査支払に関しまして、これも国保連等々でやっていただいておるわけでございます、介護給付に関しまして。これをそのまま今回の制度の中においても使わさせていただこうというふうに考えております。
 あわせて、その手数料等々に関しましては、今、介護保険の場合はその給付の中に入っておるわけでありますけれども、これに関しても、同じように介護給付といいますか、介護保険から出ておるわけでありますけれども、同じようにこの介護保険の財政の中からこれを相当分充てていただくという形を考えております。
#89
○相原久美子君 時間がなくなってまいりましたので、あと一、二点ちょっとお伺いしたいと思います。先日、東議員が指摘されておりました養護老人ホームの関係でございます。
 私は、養護老人ホームに関しては東議員とは視点がちょっと違いまして、実は、私の出身の北海道、ここは数的にも多いんですね、全国の設置数からいいますと。なぜこのように多いのかといいますと、北海道の場合、多くの地域は半年間雪に埋もれてしまうんですね。除雪の作業というのは高齢者にとっては本当に大きな負担なんです。外へ出なくなるということもあります。特に、田舎へ行きますと、外へ出なくなるということは閉じこもりになってしまう。それから、除雪によって、結構心臓への負担が大きいとかいうことがあるんですね。そういうことを考えますと、私は、やはり貴重な社会資源の一つなんだろうと思っているんですね。ところが、市町村費用負担となるために、自治体における措置控えの実態が指摘されているんですね。
 あわせまして、今後どう考えていかれるのかということも検討されているとお聞きしておりますので、そこについて伺いたいと思います。
#90
○政府参考人(原勝則君) 私どもも、今地域の中で、単に介護ニーズだけではなくて、そういう生活困窮ですとかあるいは社会的孤立といったような課題を抱えている高齢者が増加しているというふうに認識しておりまして、これはやっぱり養護老人ホームの果たすべき役割ではないかと。議員おっしゃいましたように、貴重な地域の資源だと思いますので、やっぱりこれを、役割を果たしていってもらいたいと思っています。
 そういう中で、措置控えは大変残念なことでございますので、私どもとしては、今年の全国課長会議でも都道府県を通して地方公共団体に要請をいたしましたけれども、積極的に活用していただくようにお願いをしておりますし、これからも引き続き努力をしていきたいと思います。
 また、これからの将来の在り方につきましては、二十五年度の老健事業で、有識者の方あるいはこういった養護老人ホームの関係者の方々に集まっていただきまして、その役割について議論をしていただきまして、そこでは主に三点出されてきております。一つはソーシャルワークを生かした専門的支援機能を強化すること、それから二点目が地域で暮らす高齢者の社会生活上の課題を解決するためのアウトリーチを積極的に実施して必要な支援を行うこと、それから三点目が入所者の自立支援や社会参加を促進し、地域移行が可能な方についてはその環境調整を行うことと、こういった貴重な御意見もいただいておりますので、こういったことも踏まえながら、また更なるこの養護老人ホームの活用ということについて検討し、その促進を図っていきたいと考えております。
#91
○相原久美子君 是非、それぞれの地域の状況があると思いますけれども、なかなか、北海道の田舎と言うと怒られますけれども、そういうところではサービス付き介護住宅なぞというものは建っておりませんし、これこそペイしないということで進出するところもありません。その意味では、特養もそうですけれども、養護なんかも貴重なやっぱり社会資源なんですね。その意味で、一律にというふうなことにもならないと思います。東議員が指摘されたように、本当に地域によってもう役割は果たされたというところもあるかもしれませんけれども、是非その辺も含めて御検討いただいて、いい方向へ出していっていただければと思います。
 時間がなくなりました。最後、ちょっと一点だけにさせていただきます。基金について伺いたいと思います。
 消費税増収分を活用した基金を各都道府県に設置するということです。二十六年度で約九百億円。当初は医療関係事業が主だと思いますが、ただ、この医療関係の事業、まだ細分はちょっと私も見ていないんですけれども、単年度で解決されるようなものばかりだとは思いません。
 そう考えていきますと、二十七年度以降、介護従事者の確保のための事業ですとか勤務環境改善のための事業、こういうものも入ってくるわけで、今後この基金について積み増しを考えていらっしゃるんだろうと思いますが、そこはきちっとお答えをいただきまして、決意を持っていただけますようにお願いいたします。
#92
○国務大臣(田村憲久君) 今般、九百四億円の基金という形になったわけであります。現時点では、これはほとんど医療という形になるわけでありますが、おっしゃられますとおり、二十七年度からはこれが介護の方にも使えるようになってまいります。
 一番違うところは、今までもいろんな基金等々あったわけでありますが、財源として当初予算の中でしっかり確保しながらというわけにはなかなかいかなかった。つまり、そういう意味からいたしますと、今回は消費税財源という形の中において、地域包括ケアシステムという形の中でございまして、在宅の介護、医療、こういうものも含めていろんな形で使っていけるという形でございます。
 そういう意味からしますと、介護の基盤整備、これにも使えるわけでありますし、人員の確保等々いろんなソフトに関しましても使っていけるということでありますが、申し訳ありませんが、どのような事業に使っていくか、それから予算規模はどれぐらいかというのはこれからでございまして、今現状、二十七年度予算編成の中においてこれから検討してまいります。
 消費税財源でございますので、必要な部分は我々もしっかりと要望をさせていただきながら、安心できる地域での介護、医療というものを整備してまいりたい、このように考えております。
#93
○相原久美子君 終わりたいと思います。ありがとうございました。
#94
○東徹君 日本維新の会・結いの党の東徹でございます。
 まず初めに、今日は資料の方配付させていただいております。地域医療再生臨時特例交付金各県交付額という資料がありますが、このことについて質問をさせていただきたいと思います。
 たしか前々回ぐらいだったと思うんですが、このことについて質問をさせていただきまして、今日、ちょっとその続きをさせていただきたいと思っておるんですけれども、この各都道府県に設置された地域医療再生基金でありますけれども、現在まで合計で四千九百五十億円、平成二十一年度では二千三百五十億円、平成二十二年度補正予算で二千百億円、平成二十四年度補正予算で五百億円、そして合計四千九百五十億円というお金が各都道府県の方に配分されたわけでありますけれども、この地域医療再生基金を用いて実施された事業には、今回の法案の基金で実施することができる事業の中にほとんど含まれておるわけなんですね。事業内容としては重複する部分が多いというふうに思っております。
 地域医療再生基金は、各都道府県の地域医療再生計画に基づいて活用されるものでありますけれども、この都道府県の計画は、基金の増額に使われている交付金の交付条件などを定めた医政局長の通達に従って策定することが求められておりまして、実際には厚生労働省の事業というふうに言えるんじゃないのかなというふうに思います。
 六月三日の委員会での赤石政務官の答弁では、都道府県に対して地域医療再生基金における中間評価を踏まえて適切に事業を進めるよう求めていくという、事業の実施について全て都道府県の責任であるというようなふうにも思えましたけれども、医政局長の通達などからすれば、これは厚生労働省にもきちっとした責任があるというふうに思います。
 今回の法案が成立して、新しい基金をつくって今までと同じようなことをしようとしている中で、現時点で厚生労働省が既に行った地域医療再生基金に基づく事業の評価も振り返りもしていないというのはちょっと問題だというふうに思っております。
 そこで、地域医療再生基金がどのように活用されたかを把握するために、地域医療再生基金を活用して行われた事業全体の数と、そのうち医師確保対策を目的とした事業の数と事業予算、在宅医療の推進を目的とした事業の数と事業予算について、まずお示しいただきたいと思います。
#95
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 地域医療再生基金を活用した事業の数は、この平成二十一年度から合計でいきますと、全都道府県で三千八百十事業ございます。このうち医師確保対策でございますけれども、私どもで基金の進捗管理上区分をしております。その区分では、医師・看護師等確保対策と区分しておりますけれども、これでいきますと、そのうち千百四十七事業が計画されて、計画額は千百六十二億円となっております。
 また、在宅医療の推進につきましては、四百五十二事業が計画されており、計画額としては二百八億円となっているところでございます。
#96
○東徹君 今、数と予算についてお示しをいただきましたですけれども、今まで四千九百五十億円の多額の税金を掛けていろいろ事業を実施してきたにもかかわらず、今回また新たな基金をつくって毎年一千億円近く、これ都道府県の分も入ってきますので、これ一千二百億ぐらいになるのかなと思うんですが、投入していくことになるのか。そしてまた、今まで実施してきた事業の効果が不十分だから新たに基金をつくる必要があるのだとすれば、なぜ効果が出せなかったのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(田村憲久君) 地域医療再生基金でありますが、これをつくりましたときに、各地域においてかなり医療的な課題が出てきた時期であります。このままでは医療崩壊が起こるのではないかと、いろんな声が出てまいりました。
 それぞれの地域の医療、これに応急的にも含めて応えるために、これは一定の基金をつくって、例えばその地域に不足している医療でありますとか、場合によっては基幹的な病院等々を統廃合するその費用に使ったりでありますとか、そのような形で利用をいただいてきたわけであります。でありますから、今までの地域医療再生基金というのは、そのときの課題にとにかく緊急に応えていただく、このような形で使われたことが多いわけであります。
 一方で、今回の場合は、もう御承知のとおり、新しく、今般の法律等々のように、例えば地域医療構想のようなものをつくっていただいて、計画的に地域の医療提供体制、病床機能の連携、分化、こういうことも含め、さらには地域医療の整備、そして介護の部分に関しましては地域包括ケアシステム等々の整備等々含めてこの費用を使っていただこうということで、新たな今般財政支援制度というものを用意をさせていただいたわけでありまして、そういう意味では、今まで応急に、現状このままでは大変なことになるというものに対してこの基金で対応したのと、今度の場合は、計画にのっとってこれから二〇二五年に向かって整備をしていくために使っていくというような基金という意味で、少しばかり目的が違うといいますか、長い目標を持ってこれから整備をいただくという意味で、今般このようなものを準備をさせていただきました。
 なお、法律にのっとっておりますし、財源は消費税でございますし、当初予算にしっかりとこれはのせていくわけでございますので、安定的に確保できるという意味では、長期のこれからの計画というもので整備をしていく中においては即しておる、そういう財源になってこようというふうに考えております。
#98
○東徹君 私が言いたいのは、これ先ほど原医政局長の方から答弁がありましたけれども、医師確保対策、在宅医療の推進、これは確かに、例えば医師確保だったら一千百六十二億円ですかね、全部でそれぐらい出しましたよと。じゃ、そのことによってどういうふうな、医師の確保がどれだけ増えたのかとか、在宅医療がどれだけ増えたのか、こういう評価というのはやっていないんじゃないですか。やっていますか。
#99
○政府参考人(原徳壽君) 例えば医師確保対策でいきますと、いわゆる地域枠の入学生に対する奨学金などを出していると、これは再生基金などを活用しながらやっている部分がございます。そうしますと、地域医療再生基金というのは当然時限的なものですので、引き続きやはり地域枠の学生も必要だとなると、その学生たちを新たな基金で支出していくということも当然考える、そういう継続的なものも中にはございます、そういう意味では。
 ただ、全体としてレビューがどうなっているかということについては、時限的とは言いますけれども、二十五年度に引き続き継続的に二十七年度までやっている事業もございますので、全体的なレビューを今私どもでしたわけではないということを、先日、政務官からお答えさせていただいたわけでございます。
#100
○東徹君 まだ継続している部分もありますけれども、二十一年度からこれ予算が付いているわけですから、中間でもやっぱりその辺の数値的な評価ができていなかったら駄目だというふうに思っておるんですね。是非、出したら出しっ放しじゃなくて、しっかりと数量的にその辺のところはしっかりと捉えていっていただきたいというふうに思っております。
 次の質問でありますが、医療法人の計算書類の公開についてでありますけれども、これは今回の医療・介護の総合の法律に我々の方から衆議院の方で修正案をお願いしておったわけでありましたけれども、結局それも通らず強行採決というふうになったわけですけれども、六月二日の本会議において、安倍総理の方からは、公告の義務付けなど、更なる情報公開については、医療現場の意見集約等を含めて、今後、厚生労働省において検討するというふうな答弁をいただいておりました。
 今後、医療費等の増大によって、消費税率の更なる引上げによる負担を国民に求めていかざるを得ないというふうに思いますけれども、医療法人の経営の透明性を高めて医療制度の中でのお金の流れを明らかにしていかないと、新たな負担に対する国民の納得も得ることができないのじゃないのかなというふうに思っておりますし、医療制度に対する信頼も失われてしまうというふうに思います。
 厚生労働省としては、どのように医療現場の意見を集約して、いつまでに計算書類の公告の義務付けをするのか、お伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(田村憲久君) 医療法人の計算書類の公開、これインターネットで公開すべきだというようなお話を衆議院の方でもいただいてまいりました。
 これに関しましては、医療法人の事業展開等に関する検討会というものの中で検討をしていこうと考えております。本年度中にこれ取りまとめをする方向で努力をいたしたいと思っております。この中には、当然、医療関係者の方々にも入っていただきながらしっかりと議論をいただきたい、このように考えております。
#102
○東徹君 本年度中ということでありますが、是非ともお願いしたいと思います。
 続きまして、我が国の医療制度の特徴として医療機関へのフリーアクセスというものがあります。救急以外の初診はかかりつけ医に行くのが原則のヨーロッパ主要国とは違って、日本ではどの医療機関も受診できるため、軽症であっても念のためというふうなことで大病院に行く患者も多く、場合によっては複数の医療機関を受診して、同じ検査をそれぞれ行っているということがあります。総務省の推計によると、年間約二兆円の医療費が重複検査や重複投薬に使われておって、そこから自己負担を除いた約一・五兆円が税金や保険料など国民全体の負担によって賄われているというふうな推定をされております。
 報道によればですけれども、厚生労働省は、紹介状なしで大病院を受診する全患者に一万円の特別料金を求める制度を検討しているということでありましたが、財政状況が非常に厳しいということを考えると何らかの対策も必要であるというふうに思っておりますし、これ、大病院もそういう、念のためということでどんどんどんどん患者が増えていくというのもやっぱり問題かというふうに思っておりますし、非常に患者が待たされているというような現状もあるというふうに聞いております。
 医療保険者によるレセプトデータを活用した保健指導など様々な対策は考えているところであるというふうに思いますが、厚生労働省はどのような対策を講じていくのか、見解をお伺いしたいと思います。
#103
○大臣政務官(赤石清美君) 東委員の御指摘のように、初診料とかで、今、私も川越に住んでいますけれども、埼玉医大というところに行きますと、最初、紹介状がないと少しお金を取られるというふうなことがありまして、そういうことで、今、中医協の方ではそういう議論もあるということで、まあ一万円という金額については私は聞いたことありませんけれども、そういうことも考えられているということだろうと思います。
 委員が指摘のように、医療保険者がレセプトや健診情報データを有効に活用して、重複受診者等への対策や加入者個々人の疾病予防、重症化予防を進めるための保健指導等を行うことは極めて、私も保険者でいましたので、重要だというふうに思っております。このため、昨年六月に閣議決定いたしました日本再興戦略におきまして、今年度から全ての医療保険者でデータヘルス計画を策定し、レセプトや健診情報等の分析結果に基づく効果的、効率的な取組を行うこととされております。その中で、重複検査や重複投薬が行われている者に対しては、訪問指導を行い、適切な受診を促すこととしております。
 なお、国民会議の報告書では、医療機関間の適切な役割分担を図るため、紹介状のない患者の一定病床数以上の病院の外来受診について一定の定額自己負担を求めるような仕組みを検討すべきとの指摘がありました。昨年十二月に成立いたしましたプログラム法案におきましては、医療提供施設相互間の機能分担を推進する観点から、その外来に関する給付の見直しについて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされております。その具体的な内容につきましては、今後、社会保障審議会医療保険部会等において御議論いただく予定でありまして、今年の年末までには何とかこういう案を整理して、来年の通常国会にはそういう案を提出したいというふうに考えております。
 以上です。
#104
○東徹君 先ほど、紹介状の件でありますけれども、これは報道でありましたけれども、東京都文京区にある東京医科歯科大学附属病院ですけれども、診察が始まる午前九時になると待合室は患者であふれ出して、待ち時間は三時間だと。混雑を少しでも緩和しようと、同病院は、他の医療機関の紹介状を持たずに来た初診患者に五千四百円の特別料金を払ってもらっていると。特別料金は二〇〇九年十月までは二千六百二十五円だったけれども、二倍以上に上げたけれども効果はいま一つと。紹介状なしの患者数は、一一年度から一三年度まで一万人前後で一進一退。ある内科医は、また値上げしないといけないともこぼすと。整形外科は腰痛や肩凝りなど軽症患者が増えて、一三年一月から紹介状なしの初診患者の受付をやめたというような報道もありました。
 この辺のところはやっぱりちょっと検討していかないといけないんじゃないのかなというふうに思っていますし、また、先ほどありましたICT活用による重複受診、重複検査等の防止、こういったこともしっかりと進めていっていただきたいというふうに思っております。
 重複して無駄な医療費が使われているというのはやっぱり、しかもその金額が一・五兆円もあるということであれば、これ本当に大きな問題だというふうに思っておりまして、是非ともその辺のところをしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それから、先日、小西委員の方からも質問がありましたけれども、これも報道ですが、今月末に閣議決定が予定されているいわゆる骨太の方針でありますが、その中には後発医薬品の使用による医療扶助の適正化が盛り込まれている見込みであるということであります。また、第二期医療費適正化計画においても後発医薬品の使用促進が掲げられており、後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップを推進することが求められております。
 このロードマップは、平成三十年三月末までに後発医薬品の数量シェアを六〇%以上とするという目標を掲げられておりますが、現在何%なのか、そしてまた目標達成は可能か、あわせて、医療保険者による差額通知など目標達成のための取組を進める必要がありますが、どのように取組を進めていくのか、厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。
#105
○政府参考人(原徳壽君) まず、後発品の数量シェアでございますけれども、平成三十年三月末までに六〇%以上とすることを目標とすると。現在、平成二十五年九月でございます、これは薬価の本調査をやったときですが、このときで四六・九%となっております。
 この目標達成のためには、もちろんこのジェネリック医薬品そのものの信頼性の向上とか安定性、安定供給とか、それぞれの課題がございます。それに加えて、使う側あるいは服用する側の意識も重要だと思います。そういう意味で、一つは、後発医薬品の処方といいますか調剤といいますか、そのための薬価をどうするかというその薬価引下げのルールでありますとか、それから後発品の調剤、後発品調剤を促進するための改定であるとか、そういう診療報酬上のルールも変えております。
 さらに、御指摘の差額通知でございますけれども、これについても、例えば、協会けんぽは既にやっておられますけれども、平成二十一年からやっているということですが、その後、通知をした方の中で四人に一人は後発品に切り替えているという事実がございます。その他、健保組合や後期高齢者広域連合、あるいは市町村国保でも、若干健保組合では低い、五〇%を切っておりますが、後期高齢者医療広域連合では七二%の保険者、市町村国保では六五%の保険者が取り組んでおられるというふうに聞いております。
 そのほか、使用促進のためのリーフレットの作成、あるいは政府広報、また品質の確認という意味ではジェネリック医薬品等の品質情報検討会による後発医薬品の試験検査等の実施、これは処方されるお医者さん、医師側にジェネリックの品質を保証して使っていただこうと、こういうものでございます。そのほか、実際の流通しているものについての品質試験など、その使用促進のための様々な工夫をしているところでございます。
#106
○東徹君 日本は後発医薬品のシェアが主要先進国の中で最低の水準ということでありますから、これはしっかりと取り組んでいかないといけないですし、これは平成三十年までに六〇%ですから、今四六・九%ということで、これから約一三%を取り組んでいかなきゃいけないということで、これはもう目標達成に向けてしっかりとやっていただきたいと思います。
 もう一つ、今年の五月三十日に財政制度等審議会が出された財政健全化に向けた基本的考え方の中で、特許の切れた医薬品の保険償還額を後発医薬品に基づいて設定し、それを上回る部分は患者負担とする制度の導入が求められておりますが、医療費適正化と後発医薬品の使用促進の両方の観点からも重要じゃないかなというふうに思うんですが、この点について厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。
#107
○大臣政務官(赤石清美君) 今委員が指摘されましたこの医療費の適正化の方策としましては、御指摘の参照価格制度のような考え方も確かにあります。これまで中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協におきましても参照価格制度について議論されたこともありますが、参照価格制度を導入した場合には、医療費の適正化の効果は一時的で、その後、薬価が高止まりする可能性がある、また、使いたい薬があるにもかかわらず、患者負担の増加を考えて医療機関で必要な治療が提供されなくなる危険性もある、こういうことの問題もありまして、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
 このため、特許が切れた医薬品については、昨年四月に策定した後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップに先ほど医政局長から説明ありましたように基づき、安価な後発医薬品への置き換えを推進することによりましてこの医療費の適正化を図ることとしているところでございます。
#108
○東徹君 ちょっと時間がなくなってきましたので、次の質問でありますけれども、薬の公定価格である薬価の見直しについてですけれども、前々回だったですかね、櫻井委員の方からも質問がありましたが、現在は二年に一回行われておりますけれども、薬価の見直しでありますけれども、同じ薬の市場価格は年々下がる傾向にあるにもかかわらず薬価は据え置かれているという状況があります。今年の五月三十日に、これも財政制度等審議会が出された財政健全化に向けた基本的考え方の中でも、薬価改定が二年に一度しか行われていないため、無駄な患者負担や保険料負担、公費負担が生じるとともに、各種の重要統計の品質を下げてしまっているという指摘がされております。
 薬価の見直しについて、昭和五十七年には、今後とも年一回の薬価調査の実施とそれに基づく薬価基準の改定を行うということが閣議決定されているというふうなところでありますが、薬価の見直しについて毎年行うべきというふうに考えますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(田村憲久君) 薬価の毎年改定でありますが、中医協で平成十七年から二十一年にかけて議論をいただきまして、結果的に結論が出なかったといいますか、合意に至らなかったという案件であります。
 製薬会社からしてみれば、一定の利益を上げるわけでありまして、毎年急激に利益がなくなっていけば、これ新薬を開発する、そういう意欲がなくなってくるわけであります。今、健康・医療戦略ということで我々いろいろ考えているわけでありますが、製薬会社等々のことを考えるとなかなかこれは、そういうような新しい新薬開発等々が難しくなるのではないかという声があります。
 それから、医療機関にしてみれば、この薬剤費のうちの約半分は医療機関に行くわけでありまして、そう考えると、半分が大きく変わるとなるとこれはなかなか大変でありまして、診療報酬改定と一緒にやらないとなかなかこれ難しいのではないかと、こういうお声があります。
 あわせて、妥結率というもの、つまり価格が決まる、妥結する、これが非常に低いわけでありますので、今、半年程度で何とか妥結率を上げてほしいということで、五〇%でありますけれども、これに関していろいろと診療報酬改定でお願いをいたしましたが、しかし、それでも余り妥結率、金額が決まっていないのに、金額が決まらないにもかかわらず出した金額は非常に不正確であるということがございますので、こういうところで問題があるであろうと。
 何よりも、この実は調査は卸と医療機関がボランティアでやっているんですね。つまり、自発的にやっていただいております。費用も人手も全部これ医療関係者がやっておられるわけでありまして、正直、いろいろとお声をお聞きしますと、二年に一回でも大変なのに、毎年やったんでは、費用もそうだけれども、これほかの仕事がなかなかできないというようなお声もあるわけでございまして、なかなか、御協力をいただいてやっておるものでありますから、一方的に国が毎年やりなさいといってやっていただけるかどうかという問題があるわけでございまして、種々のことを考えるとそう簡単にはいかない。ましてやレセコン等々を毎年変えるとなると、これ全医療機関になりますからかなりの費用が掛かってきます。一説によりますと、二百億近く掛かるのではないかと言われる方もおられます。そういうことを考えると、そう簡単なことではないのではないかというのが正直な感想であります。
#110
○東徹君 これ確認ですが、昭和六十一年度の薬価改定までは毎年一回行われておったということ、それから、平成八年から十年まで三年連続して薬価調査に基づく薬価改定が行われているということ、これは間違いないですか。
#111
○政府参考人(木倉敬之君) 五十年代、これ毎年ではございません、三回部分改定を連続して繰り返したことはありましたが、そういう部分改定が三回続いたということで、全面改定はその間に一回でございました。それから、消費税が入ったときに、その消費税の引上げ分について対応するための調査というのを臨時にやったときがあります。先生、後で御指摘のようなことは事実ありました。しかしながら、六十二年に中医協より建議をされましてから、二年に一回、薬価は全面的にきちんと調べた上で診療報酬と一体で見直すということで、二年に一回が原則で今までやられているのは事実でございます。
#112
○東徹君 もう、ちょっと時間がなくなりましたので、毎年やっていたときもあるということですよね。三年連続してやったときはあるんですよね。
 ちょっともう時間もありませんので、是非、半分ぐらいしか今日も質問できませんでしたので、また次回質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
#113
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 先日は医療事故調についてシリーズ化させていただきましたので、今日は勤務医の労働環境改善という視点を取り上げてみたいと思います。
 しかし、その前に、私、実は順序を考えていろいろ質問させていただいているんですけれども、医療事故調というものを創設するのは、結局、医療安全を守るため。でも、医療安全が今どのように崩壊してきているのか。ちょっと資料一を御覧くださいませ。
 医療過誤の原因というものをドクターズ・ユニオンの皆様方が調査をなさいました。医療過誤の四大原因というのが、医師の負担増、時間の不足、スタッフの不足、過剰業務による疲労と。ここを改善しないと医療安全が守れないということです。今回の法案の中でも、医療勤務環境改善支援センターというものの創立も挙げられておりますけれども、まず、その現状をしっかり皆様方にも御認識をいただきたいと思います。
 私ども医師というのは、やっぱり応招義務があって、患者様方がいらっしゃると診なければならない。勤務医の八割という者はそういう中で三十二時間以上の連続勤務を強いられていると、こういう状況にございます。登壇した際にも御紹介いたしましたけれども、飲酒に例えてみれば、連続勤務十七時間後というものは酩酊状態に値する、いわゆる免停ですよね。その免停にも値する状態の中でも勤務をしたり手術をしたりしている、これが今の医療現場の現状だというデータが出ております。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、こういういわゆる過労死の認定水準を超えて勤務している医療現場にどのような認識をお持ちなのか、お願いできますでしょうか。
#114
○国務大臣(田村憲久君) 認識ということでありますが、本当に大変な中で日本の医療現場というものが何とか成り立っているというのが現状であろうと思います。よく日本の医療は、他の国と比べて非常に、GDP辺り比べても効率的だと言われております。しかし、それは今言われるとおり、かなりの無理を医療関係者の方々がやっていただいておるということであります。離職防止等々を考えれば、やはり医療勤務の体制というもの、実態というものを変えていかなきゃならぬと、このように思っております。
 しかし一方で、救急が来られれば、これは人の命が懸かっておられますので、医師も看護師も医療関係者の方々は無理をせざるを得ないと、これも実態としてあるわけでございますので、地域医療の責任を負っておる都道府県、こういうところを中心に、医療勤務、この環境改善ですね、これをやはりしていかなきゃならぬと考えておりまして、実は法律の中にもそのような形で支援センターをつくって、しっかりと各医療機関の勤務の在り方、多分いろんな努力をすれば厳しい中ででも勤務環境改善ができる部分もあると思うんです。そういうものも含めていろんな知恵を、専門家の方々に入っていただきながらやっていただきたい。そのためには、例えば新たな財政支援制度の中からもそういうものに関して使えるものもあるであろうということでございまして、とにかく我々としては、日本の医療を将来に向けて持続可能であるためには、財政だけではなくて、この現場の勤務環境ということに関しましても見直しを図っていかなきゃならないと、このように考えております。
#115
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 同じ認識であるということは、ここで共有できました。
 私も、研修医の時代には、ベッドの横で膝を抱えて眠って、一週間に一回ぐらいしか自宅に帰れない、これが普通だったんですね。ですけれども、本当にこのような中で育ってきた人間が、結局、今の若い医師にもそれを強いてしまう。それはいけないことだという認識も持っていかなければならないと私は考えております。しかし、医師がどうしてもそういう過労に陥ってしまう原因、先ほども申しました、医師が結局足りないんですね。ほかに担ってくださるような職種もなく、結局は自分が全てを行わなければならない。
 先日も私は質問をさせていただきました。局長からも、二〇二五年までに必要数というものは、医師、確保できるんだよという御答弁もいただいたところなんですけれども、私にとりましては、やっぱり女性医師の労働環境というものも改善してもらわなければならないという使命も背負っております。女性が二〇二五年、三分の一というものを占めます。かつ、そういう方々、一番これは働き盛りなんですけれども、フルタイムでも勤務はできません。これは申し訳ないですけれども、一時期には産休なども取らせていただかなければならないということもあろうかと思います。子供を保育園に預ける、そういう間は働けますけれども、保育園が閉まっているときにはやはり当直などもできないという、これが現状です。
 今回も、もう既に法案通ってしまいましたけれども、NIHという議論もございました。NIHの中で橋渡しをする、そういう技術者、医者も必要だ。新しい産業に関しても更に医師のニーズが増えてきております。かつ、私も産業医でございますけれども、いつまでたっても産業医と。もう枯渇状態というものは改善できないんですね。ですから、どうしても開業医の先生方が一か月に一時間、二時間ぐらい、ちょっとその企業に行って相談に乗っている、これでは企業の皆様方のなかなか健康の改善もできない。
 そこでお伺いしたいんですけれども、今のこのような状況、そして医師のこの超過勤務の中で過労死水準を超えている現状というもの全てを加味した上で、二〇二五年、本当に医師というものが充実するのか。済みません、大臣、そのような計算がなされているのか、教えていただけますか。
#116
○国務大臣(田村憲久君) 平成二十四年で約三十万人、二〇二五年で三十二万人から三万人ぐらいが必要であろうというふうに今見ておるわけでありますが、この試算は一定程度、医療提供体制等々が変わる中において、いろんな意味で効率化も図られていくということも入っているんだと思います。
 一応、この中には産業医でありますとか行政でありますとか研究機関でおられる医師も入っておるわけでありますが、言われるとおり、女性の医師の数が増えています。もちろん女性の医師も、これからは結婚、出産と同時に、その後、職場復帰はしないような形で医療現場から去られるという方々をなるべく減らすような努力を我々はしなきゃならないと思っておりますから、その点もいろいろと勘案していかなきゃなりませんが、一方で、医療が高度化もしておるわけであります。もちろん、医療クラークでありますとかいろんな形で本来の業務に専念をいただくような、そのような評価も我々はしていかなきゃならぬと思っております。チーム医療というものも進めていかなきゃならぬと思っております。
 しかし、そういうものも含めて本当に三十二万人、三万人でいいのか。今の現状でいきますと、毎年四千人ずつ増えておりますから、二〇二五年には三十五万人、このままでいけば三十五万人は養成できるのではないかというような一応目途は立っておりますが、それも含めて本当に必要な人数はどうかということ、我々は引き続き検討をさせていただいてまいりたい、このように考えております。
#117
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料九を御覧いただきたいと思います。
 左側が二〇一〇年、そして右側が二〇三五年です。医師というものも高齢化していきます。やはり高齢化した医師が増えるとそれだけフルタイムでも働けなくなる。これを見ると、一番働き盛りのこの人数というものは余り変わりもないというような現状もお分かりいただけるかと思います。
 なぜ私がもう何回も何回もこの問題について議論させていただくかというと、一九八二年に医師が過剰状態になるといけないということで医師抑制策というものを打ち出されたのは政府です。そして、二〇〇八年までに何が行われたか。医学部の定員が削減された、これがまさにこの資料九の減少状態ですよね。でも、今絶対的に医師が不足しているわけですよね。こんな政策的ミスを二度と犯してはならないんですよ。
 私どもは、国民の命を預からなければならない医師として、本当にこのような状態の中で次から次へと勤務医の皆様方が現場から消えていっている、これが現状です。勤務医は本当に寝ずに働かなければいけない。でも、同僚のその医師たち、僕が抜けてしまったら過労死してしまうだろう、そういう善意の下に成り立っている、それが今の病院の医療です。
 ですから、それでも十分しっかり検討を今後も続けていただけると、大臣、お約束いただけますでしょうか。済みません、御答弁ください。
#118
○国務大臣(田村憲久君) 医師の養成というものは、これはやはり今のままでは足らないのではないかということで医学部の定員枠等々も増やしてきているわけであります。そういう意味では、我々も必要な医師というものは養成をしていかなきゃならぬというふうに思っております。
 勤務医という形になれば、確かにおっしゃられるとおり大変厳しい今環境の中で活躍をいただいておるわけでございますので、そういう意味では、先ほど来申し上げておりますとおり、一定数の医師を確保しながら、将来の推計、将来必要な推計、これもしっかりやりながら、必要な方々がちゃんとまた真っ当な勤務環境の中で働いていただけるような、そんな我々は努力をしていかなきゃならぬと思っておりますし、あわせて、これは専門職能集団の方々に、やはり専門医という形で必要な診療科に必要な診療科医といいますか、医師をしっかりと確保いただく、そういう御努力も是非ともお願いをいたしたいというふうに考えております。
#119
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 何年に一度とは言わずに、本当に現状を見ながらその都度都度その定員というものも見直していただきたいと思います。
 それでは、ちょっと私もいろいろ調べましたら、政府も指をくわえて見ているだけではなく、やっぱり環境の改善という意味においても、診療報酬上、様々な特典も準備してくださっていることが分かりました。
 では、木倉局長の方にお伺いしたいんですけれども、まずは平成二十二年、そして二十四年、二十六年、それぞれ病院勤務医の負担軽減のために診療報酬上様々な改善点、準備をしていただいています。その項目が幾つぐらいあるのか教えていただけますでしょうか。
#120
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 御指摘の勤務医の負担軽減、それから処遇改善を要件とする診療報酬上の措置の項目でございますけれども、これは、まずどういう要件かと申しますと、勤務医の皆さんの勤務時間とか業務の負担の状況を把握をしていただいて、その改善の具体的な提言を行う責任者を医療機関の中に置いていただく、それからその計画、処遇改善、負担軽減の計画を作っていただく、それから役割分担、チーム医療の役割分担を推進する委員会も設置をして取り組んでいただくと、こういうふうなことを具体的に取り組んでいただく、そういう体制を組んでいただくことを前提の施設基準といたしまして、その上で加算の点数を増やしてきております。
 項目をお尋ねありましたので簡単に申し上げますけれども、二十二年からと申されましたが、二十年のときから三つほど始まっておりまして、二十年のときの改定で医療事務の作業補助者体制加算というものを始めておりまして、そういう要件を前提にして始めております。それから、地域の中核病院として総合的、専門的な急性期の医療を二十四時間提供されるというようなときに入院時医学管理料、こういうものなどの三つをまず最初にこの前提要件の下に加算として創設をしたと。
 それで、最初の、今御指摘の二十二年のときには、この項目を三つの項目から八つの項目に増やしました。例えば、多職種のチームで栄養サポートチームに取り組んでいただく、それから小児医療の救急医療に取り組んでいただく、そういうふうなものの加算を加えて八つというものに増やしました。
 それから、二十四年の改定では、さらに小児の分野、小児の集中治療室の管理料の加算をこの前提の下に加える、それから病棟薬剤師さんの活動についてもこれに加えるというようなことで、八つを今度は十五の項目まで増やしました。
 二十六年は、項目数として増やしたわけではありませんが、直近では、当直、夜間の呼出しが大変過重な負担になっておるということで、休日、時間外とか深夜の手術、処置の場合の加算、これについて新しい加算を新設をしまして、その加算の要件として、予定手術がある場合にはその前日は当直、夜間の呼出しをしないというふうなこと、あるいは交代の勤務制とかチーム制、それから休日、夜間、時間外の手術、処置の場合の手当の支給をきちっとやっていただくというようなことも取り組んでいただく、こういうことを要件にして新しい加算を認めるということも行ったところでございます。
#121
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 では、その加算に幾らぐらい配分されていたのか教えていただけますでしょうか。
#122
○政府参考人(木倉敬之君) 診療報酬の中での財源の配分でございますけれども、病院の一つの医療の分野でも、点数を上げていく重視する分野と見直しを行う適正化の分野が相互に組み合わさっておりまして、なかなかその分野ごとの影響額を示すことが難しいんですが、これまでの制度の中でも、今の二十二、二十四、二十六のうちの二十四年の改定で申し上げますと、全体の改定率はプラスの〇・〇〇四という幅の小さいものではございましたが、医科の本体の改定率がその中でプラスの一・五五%あった中で、勤務医の負担、環境改善等ということでこのときは抜き出して表示をしておりまして、約一千二百億円を勤務医の負担軽減等に充てておったと。
 それから、二十二年と二十六年の改定のときには、その分野だけのものを特定はできておりませんけれども、二十二年のときには特に急性期の入院医療にしっかり手当てをするということとともに、急性期の負担軽減、処遇改善の体制を、先ほど申しましたように項目数を拡大をする、事務補助者の項目を拡大をするということにいたしまして、これ全体のプラス〇・一九の改定でございましたが、医科本体プラス一・七四%の中で取組をさせていただいたと。
 二十六年度の方も、プラス〇・一%改善の中ではございましたけれども、医科本体でプラス〇・八二%改善の中で、医療機関の機能分化を進め、在宅医療との連携も進めていくということで役割分担を更に進めていく、それから休日、時間外、夜間等の手術、処置の加算の充実を図る等の手当てをさせていただいたというところでございます。
#123
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 二十四年度だけは明確に一千二百億円という数字がそこで出てきておりますけれども、じゃ、一千二百億円使って本当に勤務医の待遇改善が図られたんでしょうか。教えていただけますか。
#124
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 各改定のたびに、この効果を検証という形で医療機関の方で前後で比べていただいたりして調査をさせていただいております。
 そういう中で、例えば医師の事務作業補助体制、補助員の方の加算につきまして、二十四年のときに検証、調査を行っておりますが、この事務補助体制を組まれた、加算を取られたところと取られなかったところを比べまして、効果があった、あるいはどちらかといえば効果があったというお答えをいただいたところというのは約八割に上っております。それが、この加算そのものだけが結果を生んだというわけにはいかないかもしれませんが、そういう全体の傾向は見られておるということでございます。一個一個の加算の財源がそこだけに当たっているかどうかということを確認することはできないわけでございますが、そのような傾向があると。
 それから、二十二年の方の改定のときにも基本給や賞与等が増加をしたという回答を多くの医療機関からいただいておる。そういうふうな検証作業は繰り返しながら改善を図っておるというようなことでございます。
#125
○薬師寺みちよ君 済みません、私のちょっとデータとは違いますね。
 資料二、資料三を御覧いただきたいと思います。
 資料二は、平成二十四年改定後、労働環境が改善したように感じた場合、具体的に改善されたと感じる点。労働時間が減った三・六%、当直明け手術が減った二・二%。資料三では、労働時間の変化の中で長くなったというのが二四・五%、当直回数が増えたというのも一三・四%。これ、一体どういうことなのかということなんですよ。
 診療報酬で、勤務医の労働環境を改善するために結局は加算が行われていく、しかし勤務医のところには何もその恩恵を受けない。これで本当にいいのかということなんですね。ですから、これから見ましても、診療報酬による勤務医の待遇改善というのが限界があるのではないかと思われますけれども、局長、いかがでしょうか。
#126
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 先ほど私申し上げました検証の調査、これは私ども保険局として医療機関の御協力を得て調査をさせていただいております。
 今御指摘の資料二、三も、下に注に書いていただいておりますように、中医協の方に私どもから出した資料だと思われますけれども、その上にも、出典として日本外科学会会員の方々の労働環境のアンケート調査であるとか、こういうふうにあります。やはり、私どもは加算を取っていただいたところと取ってないところだけの比較で見たりしておりますけれども、全体で見るとまだまだ十分な改善は図られていない、効果を生んでいないということは事実であろうかというふうにも思っております。
 そのために、今回の春の改定でも、更に夜勤、休日等の体制をしっかり支援をする診療報酬、また合意を得られて実施をしたところでございますし、これをまた検証を行って更なる改善に役立ててまいりたいというふうに思っております。
 また、今御指摘のように、診療報酬、これは、それに取り組んでいただければ、それで医療機関の中でのチームを増やしていただく、勤務環境改善の計画を具体的に実行していただくということを促していける、そういうものであろうとは思っておりますけれども、具体的に、それだけでいずれの医療機関についてもしっかり効果を生むという十分なものになるかといいますと、必ずしもそうではないと思っておりまして、厚労省全体の中でも、補助金の方の仕組み、例えば産科の方の非常に苦しくなっていらっしゃる部分への補助金の仕組み、あるいは先ほど御指摘がありましたように、地域医療センターでの支援の推進、それから文科省との連携を取っての大学医学部定員の中での地域枠の拡大というようなことを総合的に取り組んでいく必要があると認識をしております。
#127
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほども局長おっしゃいましたように、二十年度が三項目、二十二年度八項目、二十四年度十五項目と、どんどんどんどん項目が増えていく、そしてそこに落ちていくお金も増えていく。私も、外科医の皆様方に外科医の手術料の加算が加えられたときに聞きましたけれども、結局MRI、CTが新しくなっただけで自分たちの労働環境は何も変わっていない。これがやっぱり現状なんですよね。
 形骸化されるような診療報酬の加算ではなく、しっかりPDCAサイクルを回しながら、どうやったら本当に勤務医の皆様方の労働環境を改善していくのかということも考えていただかなければ、日本の診療報酬のこの体系の中でドクターフィーとホスピタルフィーと分かれておりません。だとすると、結局はその施設に全てが吸収されてしまって、本当に汗をかいていらっしゃる皆様方の手元にも行かなければ、全く関係もなく余計に悪化したというふうな、これが今回の結果でも分かっているんじゃないでしょうか。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 では、お尋ねしたいんですけれども、勤務医の労働環境改善の解決策というものをそれなりに政府も考えていただいているかと思います。短期的、中期的、長期的、いろんなものがあると思いますけれども、原局長の方から教えていただけますでしょうか。
#128
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 実は、平成二十年度の診療報酬改定で勤務医の環境改善入れたのは、担当課長として私がやったところでございまして、そのときはやはりいかに軽減するかということで、やはりその点数を取った、例えば医療クラーク加算を入れてできるだけ具体的に減らしていっていただきたい、そのために計画を作っていただきたいと。比較的斬新な改定だったのですが、なかなか効果がどうかというまで私、担当しておりませんでした。それを受けてではありませんけれども、一方で、体制の方で今回私ども勤務環境改善を考えたいと考えております。
 短期、中期となかなか分けにくいところはございますけれども、比較的短期な取組としては、勤務医に対する非常に過重な負担になっているもの、例えば産科の方々に対する手当て、これに対する財政支援など、それから先ほど来の診療報酬における対応、こういうようなのは短期的な取組として期待ができると。
 さらに、今回の法案に盛り込んでおります、例えば全体の医師の供給に資すると思われます地域医療支援センターの設置、それから、あるいは地域枠による医師の確保、それから、それぞれの役割分担を十分に考えていただきます今回の地域の医療提供体制の見直し、こういうようなものは中長期的には全体として医師の勤務の環境としては良くなるだろうと。
 さらに、具体的に今回の勤務環境改善の取組として、都道府県にもそういう、医師だけではありませんけれども、勤務環境改善のための支援をするための機能を持っていただくということにしておりますので、そういう意味では、中長期的にも含めて、全体として、医師のみならず看護師等も含めて医療現場での勤務環境を良くしていきたいという形で進めているところでございます。
#129
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、お尋ねしたいと思います。
 勤務医というのは労基法の適用になるんでしょうか、中野局長、教えていただけますか。
#130
○政府参考人(中野雅之君) 医師につきましても、労働基準法第九条の労働者、すなわち事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われる者であれば、労働基準法は適用されるものでございます。
#131
○薬師寺みちよ君 しかし、全く守られていないですよね。本当にその勤務医の労働管理というものについて状態を把握していらっしゃるんでしょうか、教えてください。
#132
○政府参考人(中野雅之君) 私どもの方から依頼いたしまして、独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施しました勤務医の就労実態と意識に関する調査、平成二十四年でございますが、これによりますと、週労働時間が六十時間以上である勤務医は四〇%となっております。また、約半数、四七・二%が年次有給休暇の取得日数が三日以下となっております。雇用労働者全体について、週労働時間が六十時間以上の者の割合は八・八%、年次有給休暇の取得日数は八・六日となっていることからすれば、勤務医の就労環境には厳しいものがあると認識しております。
#133
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、その勤務環境というものが厳しいということが分かっていらっしゃるんでしたら、ちょっと問題を何問か飛ばさせていただきますけれども、指導、勧告をしていただいているんですね、その件数を教えてください。
#134
○政府参考人(中野雅之君) 労働基準監督機関が平成二十五年の一年間で、医療機関を含む医療保健業ということで集計しておりますが、ここに対して立入調査を行った件数は二千百四十五件でございます。その結果、約七九%に当たる千六百八十九件で何らかの労働基準関係法令違反が認められました。
 主な違反内容、件数といたしましては、労働時間に関する違反が認められた件数が八百四十一件、全体の三九・二%、割増し賃金に関する違反が認められた件数が六百十一件、全体の二八・五%となっております。
#135
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料の五と、それから資料の六を参照していただきたいと思います。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 これは、情報公開制度を利用いたしまして得られた資料ということで、表にまとめていらっしゃる論文から拾ってまいりました。二百床以上の自治体病院の中で労基法違反、市町村立病院、第三十二条は七九・四%、そして都道府県、政令指定都市の病院六七・七%。これは、皆様が見ていただいたら分かるように、是正勧告分の違反回数です。
 私ども、やはり労働者としてしっかり皆様方、守られた中で働く、それが当たり前なんですけれども、医師はこのように守られていないんです。時間外、休日及び深夜の割増し賃金においても、是正勧告されてもなかなかそれが改善されることはありません。
 表の五、表の六を見ていただきたいんですけれども、当直勤務というものが私どもにはあります。夜間も呼出しをされ、そして夜間に手術を行っているような外科医もおります。夜間、休日、そして救急外来というものについては、通常勤務を行う場合には宿日直には相当しないというような判決も出ておりますよね。しかし、いつまでたっても宿日直という扱いになってしまいます。
 通常の勤務では、表五に示されているように、割増し料金、時間外、休日、深夜には支払わなくてはならない。表六にあるように、平日の割増し賃金として計算をすると十万相当、本当は私ども医師は手に入れなければならないんですけれども、それを宿日直の手当として計算がされている間に結局九万円がどこかに消えていってしまっている、これが現実ですよね。ですからこそ、この第三十七条の時間外、休日及び深夜の割増し賃金の違反が起こってしまう。やっぱりこういうところまでしっかり見て、勧告、是正をしていただきたい、指導もしていただきたい。
 ですから、まず、私も不思議に思ったんですけれども、私も産業医やっておりまして、様々な企業に指導に入っていきます。その中で、私ども、産業医として企業の指導、こういうことまでやらせていただきますけれども、自分たちが勤めている病院の中で自分たちが労働者であるという意識が薄いんですね。ですから、自分たちの病院に置き換えてみるとこんなにおかしなことが起こっているんだよということさえも分からない。
 資料七を見ていただきたいと思います。
 資料七に掲げておりますのが、これは院長が産業医をしていわゆる過重労働の面談をしている。本当にこれが許されていいのかということです。院長は、雇用者として労働をマネジメントする立場ですよね。しかし、院長が、超過勤務に対して、職員、ドクターに対して面談をしている。本当にこれでいいのかと。
 法律上は問題ないのかもしれませんけれども、中野局長、これでいいのか、ちょっと教えていただけますか。
#136
○政府参考人(中野雅之君) 安全衛生法におきましては、事業者は、産業医を選任し、労働者の健康管理を行わせなければならないこととされておりまして、産業医は、これらの職務の実施のほか、必要があると認めるときは、事業者に対して、労働者の健康管理について必要な勧告をすることができることとされております。
 安全衛生法上、産業医の資格を有する者が産業医と選任されている場合、御指摘のように、病院長等の医療施設の管理者が産業医を兼務していることのみをもって法律に違反しているとは言えないものと考えますが、病院長等の管理者が産業医を兼務することで産業医の業務を実施する、例えば時間を十分に確保できないとか、あるいは労働者の健康確保に立脚した判断ができないとか、産業医としての労働者の健康管理が適切に行われていないような実態がある場合につきましては、場合によっては他の産業医の選任を指導するなど、事業者に対して必要な指導を行う必要があると考えているところでございます。
#137
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今度の法案の中に書き込まれている医療勤務環境改善支援センター、しっかりこのような指導、是正、そして改善、見守っていただけるんでしょうか。局長、一言いただけますか。
#138
○政府参考人(中野雅之君) ただいまは行政としての立場を申し上げたわけでございますが、医療環境を改善するための支援センターにおきましては、今申し上げましたような趣旨も含めて、まずは事業者の方にしっかりと取り組んでいただくことが重要でございますので、ただいま申し上げました趣旨も含めて事業者の方に理解していくように努めてまいりたいと思っております。
#139
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ワンストップサービスということで、医政局の予算と、そして労働基準局の予算と、今回はしっかり入っております。ですから、医療の労働という面においても責任を持って監督をしていただきたいと思います。
 では、一問お尋ねします。
 先ほども申しました。私ども医師というのは、患者様に呼ばれればいつでも駆け付けて患者様を診なければならないという応招義務、義務付けられております。労働基準法というものを遵守する中で、これをどうやって解釈していったらいいのか迷う医師もおります。原局長、どのようにお考えになられますか。
#140
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 医師法第十九条第一項において、「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と、非常に崇高な理念の規定だと思います。
 そういう中で、勤務時間との御指摘がございました。確かに、夜間、休日の救急患者への対応、していただかなければならない使命でもあります。ただ、一定の医師に患者が集中しないようにとか、あるいは医療機関に集中しないように地域におけるいろいろな輪番制の病院の制度でありますとか、あるいは救急医療体制の様々な構築をしてきたと。そういう中で、医師の応招義務が際限ないものとならないように、充実をそういう中で図っていきたいと考えております。
 また、今回の勤務環境改善のためのいろいろな施策ですけれども、これは先生も御指摘のとおり、病院の中にいると非常に気が付きにくいといいますか、余り意識をしない問題ではあるわけですけれども、私どもの世代からいうと、やはり若い人たちの世代の考えも異なっております。やはり勤務環境を真剣に考えていく。以前にもお答えしましたけれども、医者は一人の患者を持ったときに主治医として一人で全面的に責任を負っていくというのが従来の形ですけれども、例えば、主治医・副主治医制度などを取ってその責任を分担するとか様々な働き方も工夫されておりますので、そういう中で勤務環境をできるだけ改善されるような方策を探っていきたいというふうに考えております。
#141
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私ども医師というのは、どうしても責任がある立場としてなかなかその場を立ち去りにくい。しかし、先ほど申しましたように、やっぱり現場ではもう立ち去り型のサボタージュ、勤務医でももうやっていけないんだ、だからこそクリニック開業が増えてしまう。クリニック開業が悪いと言っているわけではありません。でも、勤務医を何とか確保しなきゃいけないという中で様々な方策は今後必要かと思いますけれども、絶対的な医師数が少ない中でどうしたらいいのかという一つアイデアとして、やっぱりゲートキーパー役をつくる必要があるんではないか。
 今までは臓器別のかかりつけ医というものを持っているからこそ受診回数も増えた。しかし、そういう方々が家庭医、一人のドクターで診ていただけるようになれば受診回数の抑制も、抑制と言ったらおかしいですね、まあ減っていくというようなことも多くのヨーロッパ諸国では行われております。医師の専門性というものを、やっぱり家庭医、ゲートキーパー役としながら、更にその上の臓器別の専門医の方へつないでいく。フリーアクセスという制度はすごく今までこの日本の中ではよろしかったかもしれない。しかし、これからの日本の医療を考えたときに、ある一定のやっぱりそこにたがをはめ、ゲートキーパー役をもっと養成しながらフリーアクセスというものを考え直す必要があるのではないかと思いますけれども、大臣、お言葉をいただけますでしょうか。
#142
○国務大臣(田村憲久君) 衆議院でもこういう御議論がございました。ゼネラルプラクティショナー制度というものがいいのかどうか、これはヨーロッパではやっている国が幾つかありますが、利点とやはりマイナス点があるんだと思います。ただ、利点は日本も学ばなければならないところがあるわけでありまして、だからこそ今回、診療報酬改定の中で、主治医制度、これを評価するという形にしていくわけであります。
 がちがちのGP制度が本当にいいかどうかということはよくよく検証しませんと、例えば、たまたまその医者がゲートキーパーであったがために見付かるものが見付からなかった等々で訴訟が起こっておるような例もヨーロッパでもあるわけでありますので、そこは我々としては、いい部分はしっかり学びながら、しかしフリーアクセスの部分も守っていく。
 ただ、そうはいっても、大病院に関してはちょっとやはり本来の役割というものを、余り一般外来が増えてまいりますと、紹介なしに行っていただきますとこれは問題があるのではないかということもありますので、ここは見直しをしていこうという議論を今やっておるわけであります。
 全体としては先生のおっしゃった方向ではあろうと思いますが、ただ、がちがちのGP制度、要するにフリーアクセスを完全に阻害してしまう、ここしか駄目よというのはちょっと日本にはそぐわないのではないのかなというような気がいたしております。
#143
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、これから高齢化社会になっていくと、いろんな科を受診するよりも、昔でいう総合病院ですね、そこに行った方が一遍で済んでしまうよね、やっぱりこういう考え方がいまだに日本の皆様方お持ちでいらっしゃいます。ですから、そういうことも考え、また一方でいうと、私どももいらっしゃったら診なければならないという義務がありますのでお断りすることができない、こういった微妙な関係性をもう一度、やはりこの日本の医療の未来を考え、これから先を、今回はこれ入口かもしれません、しかし次の一歩をもう既に模索する必要があるかと思いますので、私はその家庭医というものを更に充実させていただきたいというところで、山口委員の方に家庭医の方は議論引き継がせていただきます。
 終わります。ありがとうございました。
#144
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 本来ならば薬師寺委員の方が五十分一本勝負で行きたかったんですけれども、前回、田村大臣の方でうんとうなずいていただけなく、ううんってなったものですから、十五分くださいということで十五分いただきましたが、ちょっとあと十分ぐらいしかないので、あと十分で話を決めたいと思うんですが。
 自分が病院に勤務していたときに、医師は労働基準法は関係ないんだろうと本当に思いました。まあ給料が高いからいいのかということなのか。今後、時間で制限しないのであれば、将来は成果主義でやるんだとなったら、真っ先にお医者さんは大変なことになってしまうんです。本当にせっかく病院で腕を上げて、その診療科の得意な先生がいらっしゃるんですけれども、地域で開業していくわけですよ。手術の腕もすごいのに地域で開業していかれるんです。それは、もういいかげんに限界というのもあるでしょうし、あとは地域で自分でゆっくり診ていきたいというのもあるのかもしれませんけれども、それは損失ですよ、これ。大きな損失ですよ。で、地域の中に行って、資料を見ていただくと、資料の一ですけれども、受診率の年間の外来回数、右から三つ目ですけれども、世界一受診率が高いという話が出てきたりします。
 そう考えていきますと、やはり医師の勤務体制、例えば偉い先生方が多い、年配の先生方が多いと、現場ではやはりそれほど、そんなには悪戦苦闘して働かないでしょうけれども、働き盛りのドクターはもう本当に使命感担ってやっているんですけれども、やっぱりバーンアウトしていくところだってどこかあると思うんですね。本気で考えないと日本の医療全体を変えていくことはできないんじゃないでしょうか。
 ということで、本当は五十分一本勝負だったんですけれども、山口が入らせていただきますが、かかりつけ医。先ほど、かかりつけ医、高齢化社会がどんどん進んで、医療費は、高齢者あるいは先進医療が進むことによって医療費が上がっていくんだよというふうになっているわけですから、老年医療あるいは総合的に診るドクターが地域にいなければいけないんです、実は。なかなかそういう話が進まないんですね、かかりつけ医という話が出るんですけれども。もちろん、臓器別の先生が多い中で総合的に判断してくれと、予防からみとりまでお願いできますかといっても、なかなかインセンティブも働かず、先ほど話しましたように、勤務医から地域の中に行きますと、やっぱりその専門で行かれる先生方が多いわけですから。
 さて、かかりつけ医を、地域医療を実現するためにはこのかかりつけ医が重要だと思うんですけれども、かかりつけ医の必要性、必要数、どのような状況なのか、どれぐらい育成するつもりなのか、教えていただきたいと思います。
#145
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 かかりつけ医という言葉ですけれども、明確な定義を設けることはなかなか困難なところがございます。ただ、かかりつけ医とか、先ほど薬師寺委員からもございました家庭医という言葉、それから、今専門医制度の中で出ております総合診療専門医という言葉などなど、よく似た言葉がたくさんございます。その中でかかりつけ医というのは、身近な地域で日常的な医療の提供や、あるいは健康関係のいろいろな相談にも乗っていただける、そういう役割に着目した言葉としてかかりつけ医という言葉を使っているのが通例のようでございます。
 この普及、定着が非常に重要だと思っております。御指摘のとおりだと思います。そのためには、もちろん勉強もしていただきますので、そのための研修の費用等は基金の中でもしっかりと見ていけるように考えております。
 それからもう一方で、臓器別ではなくして人間を総合的に診る、そういう意味では診療能力、病気を診断して治療する、そういう診療能力に着目して名前を付けておりますのが総合診療医あるいは総合診療専門医というものでございます。これにつきましては、高齢者は複数の疾患を当然持っておられる方が多いわけでありますので、臓器別ではなくしてその人全体を一人の総合診療専門医が診ていく、そういうようなことを考えて、これを専門医制度に位置付けるというふうになっております。
 これにつきましては、これからどういうような形で養成するかということは専門医機構の方で検討されるということになっておりますけれども、新しく養成する以外に、従来、例えば、先ほど先生がおっしゃったように、外科の先生でもうそろそろ手術ができない方が開業されて、幅広くいろいろな、内科も含めて診ておられるような方々、そういう先生方にも一定の研修を受けていただいてこのような総合診療の役割を担っていただこうと、そういうふうに考えておりまして、数的にどれだけという定義はなかなか算出は難しいですけれども、重要な役割を担ってもらうものとして広げていっていただきたいと考えております。
#146
○山口和之君 総合的に診れるドクターが地域の中にどれぐらい必要なのかという、そういう目標がなければ育成もできないんだと思いますし、相手にしていないのかと思ってしまうわけです、目標がないということはですね。
 柏市を見学させていただきましたけれども、地域で総合的に診るドクターを研修するにも当初ほとんど来ていただけなかったという。相当苦戦するだろうというふうにこれは思いますので、是非本気になって検討していただければと思います。
 ちょっと通告していないんですけれども、原老健局長にお伺いしたいんですけれども、もし答えられるのであれば答えていただきたいんですが、以前から要支援の方々が地域支援事業に移っていくんですが、そこではしっかりとニーズを基にケアマネジメントしていくんだと、だから心配ないよというお話を聞きます。周りでの発言を聞きますと非常に心配なんですけれども、心配ないよというんであれば、わざわざ介護保険サービスから外さなくても、地域支援事業の中の地域包括支援センターがしっかりマネジメントすれば必要なサービスを必要に受けさせればいいわけで、わざわざ外す理由は何なんですか。
#147
○政府参考人(原勝則君) まず、保険サービスから外すわけじゃございませんので。
 それで、これはケアマネジメントの方が問題だと言っているわけじゃなくて、利用するその要支援者、あるいはその手前の方々、あるいはお独り暮らしの方々が今何が求めておられるかと。これはやっぱり生活支援サービスであったり、あるいは社会参加、介護予防でございますね、こういうニーズが非常に高うございます。こういったもののサービス提供というのは実は非常に幅があって、いわゆるデイサービス事業に行って専門職の方の指導の下のリハビリ訓練ももちろんあるでしょうけれども、その手前の、サロンとかに行って例えばお友達の方とお話をするとか、いろいろ幅がある。その多様なこのニーズ、サービス、これはまた一方で多様な主体が提供しているわけですね。
 先ほど言いましたように、専門の指定事業者の方が提供する場合もあれば、NPOでございますとか社協でございますとか、いろんな形があるわけでございますので、そういうふうに非常に連続性があるものですから、これらを効果的、効率的に実施をしていくためには、これはやはり給付と事業で分けるよりも、その一番実情が分かっている市町村がマネジメントをしながらこれを一体的に運用していくことがいいんではないかと私ども考えまして、そうであるならば、今回、予防給付の中のそういう多様なサービスになじむ通所介護と訪問介護につきまして総合事業の方に移させていただいたと、こういうことでございます。
#148
○山口和之君 介護保険が始まって、地域でいろんな互助、いわゆるNPOであったり、そういうものは広げていきましょうといいながら、なかなか広まらなかった、専門的なサービスオンリーになってしまった。その根源とすれば、根源というかその原因とすれば、地域包括支援センターが本来町づくりまでしていく、そういういわゆる互助ですね、インフォーマルなサービス、あるいは専門職によらない株式会社であったり何か地域のサービス、いろんなサービスがつくられていくわけだったんですけれども、それができなかったのは、地域包括支援センターが余りにも忙しくてそれができなかったわけで、あと、地域住民がそういう意識が全くなかったということなんですよ。
 だから、外すことは、それができることではなくて、それをやった上で専門的なサービスが必要な方には専門的なサービスを付けていきましょうということなので、本来外す必要はないと思うんですが、また大臣が首をかしげているので、次また必要になっちゃうのかもしれませんけれども、例えば介護サービス、これは介護保険サービスから外すわけではないということですと、御自分でセルフケア、例えばセルフマネジメント、サービスをプランニング、それは自分でできるんでしょうか。
#149
○政府参考人(原勝則君) 前回もお答え、済みません、別の議員の方の御質問だと思いますが、お答えしましたけれども、いわゆるセルフケアプランというのは今回事業に移行いたしますので、制度としてはそれはないということでございます。
 ただ、何回も申し上げていますように、ケアマネジメントというのはあくまでも御本人の御意向、やっぱりこれがベースでございますので、それに加えて、専門職が状態像とかをしっかり把握をして、そして最後は御本人の同意、これに基づいて提供いたしますので、実質的には同じようなことになるんじゃないかと思います。
#150
○山口和之君 そうしましたら、介護保険サービスの要支援の方の訪問介護、通所介護、わざわざ外さなくても、マネジメントがしっかりしていればいいわけで、支払がどこからするかだけの話の問題ですから、わざわざ外して問題を、事を大きくしなくてもいいんじゃないかなと思いますが、(発言する者あり)ありがとうございます。
 実は、社会的入院の問題、これは大きな問題、あるいは老健入所、地域包括ケアがどういうふうに進めるかという問題もあるんですけれども、いただいた時間が十一分までですので、東委員ではないんですけれども、また別な機会に質問させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#151
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 昨日から今日にかけて、臨床研究中核病院のことが話題になっておりますけれども、私も、既に予算事業でやっているものがそのまま法律化されるんだとばっかり思っていたんで、これが違うんだと聞いて、ちょっと非常にびっくりしているんですね。
 今回のこの法案の審議というのは、何かやるたびに新しいことが出てくるんですよ。利用料二割負担の問題の根拠も間違っていたと。それから、要支援者への専門的サービスの比率というのも、数字もここで初めて出ました。今回の臨床研究中核病院の問題もある。もうとにかく、こんなふうになっていくと、このほかにも隠れた問題まだあるんじゃないかというふうに思いたくもなりますよ。
 その点では、やはり十九本もの法律を一本にして出したということの根本が問われているわけだし、やっぱりこの法案の審議は出直すしかないと、この臨床研究中核病院の問題でも私そう思います。
   〔委員長退席、理事高階恵美子君着席〕
 そのことはちょっと指摘だけにとどめて、今日は施設介護の問題にちょっと焦点を当てて議論をしたいと思うんですが、本法案は、特養ホームへの入所を原則要介護三以上に限定することになっています。現在、特養ホームの待機者五十二万人、そのうち十七万八千人が要介護一、二なわけで、一部の例外を除いて、これは大部分が入所枠から外れることになります。
 厚労省にお聞きしますけれども、特養ホームに入所できなくなる要介護一、二の人たちを救済するための施設計画、今回のこの制度によって一、二が外れることに対する対応策というのは検討されているんでしょうか。
#152
○政府参考人(原勝則君) 一、二の方が全て低所得だということではございませんので、確かに多いということはそのとおりでございますけれども、その点ちょっと前置きをさせていただいた上で、いずれにしても、軽度の方々の受皿といいましょうか、住まいということも大事でございます。
 それで、私どもとしては、定期巡回・随時対応型サービスでございますとか、小規模多機能型居宅介護でございますとか、そういった在宅サービスの充実にまず取り組むということが大事だと思っております。また、あわせまして、心身の状況に応じまして、サービス付き高齢者向け住宅でございますとか有料老人ホームなど、新たな住まいの確保、これも進めてまいりたいと考えております。さらに、低所得、処遇困難な高齢者が入所する軽費老人ホームや養護老人ホーム、こういったものの活用等も図ることで、それぞれの高齢者のニーズに応じた多様な住まいの確保に努めていきたいと考えております。
#153
○小池晃君 そういう一般論じゃなくて、今回一、二が外れることに対する対応、具体的な対応はあるんですかと聞いているんです。
#154
○政府参考人(原勝則君) まず、現在特別養護老人ホームに入所されている方は、これは軽度な方であっても、これは法律上ちゃんと引き続き入所ができるようになっていますので、そこはちょっと誤解のないようにお願いしたいと思います。
 具体的には、これはそれぞれ市町村が計画を作っていく中で、必要な対策ということもやっぱり将来に向けてはいろいろ考えていただくということだろうと思いますし、私たちもそういった市町村の取組に対して可能な限り支援をしていきたいと考えております。
#155
○小池晃君 無責任ですよね。国の制度で外しておいて、市町村にやってもらうんだと。
 私たちは、特養入所の重点化だといって線引き持ち込んで、大量の要介護者を外すこと自体に反対だけれども、百歩譲ってどうしても特養入所を制限するんだったらば、これはその人たちに対する受皿を緊急にまた別に整備する、こういう具体的な計画を持つべきなのに、聞いても具体的な計画はないわけですよ。特例入所を認めるというけれども、極めて限定的ですよ、これ。老人福祉法第二条の措置入所に該当するような、そういう事例ですから、これは狭過ぎると。
 結局、このやり方でいけば、要介護一、二の人たち、これは待機者の枠から排除されてしまうだけで、結局、介護難民のまま残されてしまうという事態になるんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
#156
○国務大臣(田村憲久君) ちょっと前提が違うんですね。いや、三、四、五も足らないんです、三、四、五の方々もね、要介護認定。一、二だけが足らないんじゃなくて、そもそも全体が足らないんですよ。
 ですから、一、二じゃなくて三、四、五も足らない中で、これからどうやって、特養を整備していける範囲の中において、そこに入れない方々に対して対応するかということでありますから、先ほど来、在宅でのいろんなサービス等々を整備していかなきゃならぬという話でございますから、それを一、二に限定しておっしゃられると我々は困っちゃうわけでありまして、これは、そもそも要介護者の方々の住まいをどうするんだと、そしてサービスをどうするんだという観点から、地域包括ケアシステムというものも含めて今提案をさせていただいておるわけであります。
#157
○小池晃君 そんなに胸張って三、四、五も足りないんだという話じゃないでしょう。おかしいですよ。三、四、五足りないって、私、当然だと思いますよ。前提ですよ。でも、その中で、結局、一、二の人は受給権すら剥奪されるわけですよ。こんなやり方が許されるのかということじゃないですか。私、そういう開き直りでやっちゃいかぬと思う。結局、三、四、五も足りない、みんな足りないから、見かけ上の救済対象を減らそうというのが今回のやり方じゃありませんか。
   〔理事高階恵美子君退席、委員長着席〕
 そもそも、何で特養ホームの、そうなんだよって自民党の議員も言っているよ、これが実態ですよ。何で待機者激増しているかというと、特養の定員数はそれなりに増えているわけです。二〇〇〇年、介護保険がスタートしたときは二十九万八千人、二〇〇九年で四十四・一万人、二〇一三年時点で五十一・六万人。一方で、待機者は、二〇〇〇年の制度スタート時に、これは共産党の国会議員団で調べて十万四千人でした。それが二〇〇九年には四十二万人、二〇一三年には五十二万人。要は、やっぱり施設整備がニーズに追い付いていないわけですよね。直近四年間を見ても、特養ホームの定員は七・五万人増えています。しかし、入所希望者がそれをはるかに上回る規模で増えて、待機者は十万人増えたわけですよ。
 大臣、この背景に一体何があるとお考えですか。やっぱり私は高齢者の低所得化だと思うんです。結局、国民年金のみだと平均で月四万九千円ですね。厚生年金も女性の平均受給額は月十一万円なんですよ。やはり所得の少ない高齢者が要介護状態になったときに、結局入れる施設というのは補足給付がある介護保険三施設、中でもついの住みかとなるのは特養ホームしかないわけですよ。
 大臣、今この特養ホームの待機者が全体として、それはもちろん三、四、五も増えているとおっしゃったけれども、何で増えているかの原因として、やはり所得の低い高齢者が増大していることがこの背景にある、根源にあるという認識はお持ちでしょうか。
#158
○国務大臣(田村憲久君) 高齢者の方々が所得が少ないということもありますが、あわせて、やはり家族形態が変わってきているということもあるんだというふうに思います。今まで家族と二世帯、三世帯で住んでおられるところから、独居の方々が増えてこられておられる。当然のごとく、御本人の収入は少ないわけでありますし、共に、一緒に生活される方々もおられないわけでありますから、そういう意味では、委員のおっしゃられている意味は我々も理解いたしている部分はあるんですが、ただ一方で、全ての方々をこれ施設で御面倒を見るというわけにもなかなかいかない中において、であるからこそ、地域で高齢者の方々、要介護の方々をしっかりと対応できるような、そういうような仕組みを考えていかなきゃならない。
 だから、これは我々、施設を全く造らないと言っているわけじゃない、施設も増やしていきますが、しかし全てのニーズを施設でというわけにはなかなかいかない中において、我々も地域包括ケアシステムというものを御提案をさせていただきながら、この形の中において充実をさせていこうと考えておるわけであります。
#159
○小池晃君 今も大臣もやっぱり低所得ということは認めざるを得ないわけですね。やっぱりそれは背景にある大きなこれは要因だと思いますよ。それに応えるのはやっぱり特養なんですよ、施設全体じゃなくて、一番応えるのは。
 介護難民の解消を目指すというのであれば、やはりそういう現実をしっかり見ていくべきなのに、特養ホームの増設は最小限に抑えて、そして老人保健施設は長期入所を制限して、介護療養病床は廃止を目指すと、こんなことをやったわけですから。
 厚労省、ちょっと聞きますけど、今日、資料も配付しておりますが、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の利用者数は、介護保険スタート時の二〇〇〇年と直近の二〇一三年、比較するとそれぞれ何倍になったか、お答えください。
#160
○政府参考人(原勝則君) お答え申し上げます。
 まず、介護老人福祉施設でございますけれども、二〇〇〇年十月時点で二十九万八千九百十二人、これが二〇一三年には五十一万六千人に増え、約一・七倍です。それから、介護老人保健施設は二十三万三千五百三十六人から三十四万九千九百人に増え、約一・五倍でございます。それから、介護療養型医療施設は十一万六千百十一人から七万三百人に減り、約〇・六倍となっております。
#161
○小池晃君 特養、老健は二倍に届いていないんですね。介護療養病床は六割に減少しているわけです。
 その一方で、政府が力を入れてきたのが有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、いわゆるサ高住などの整備であります。有料老人ホームの定員数、二〇〇〇年と二〇一三年の比較で何倍になっていますか。それから、サ高住の戸数は、制度が導入された二〇一一年と一三年の比較で何倍になっていますか。お答えください。
#162
○政府参考人(原勝則君) まず、有料老人ホームでございますけれども、二〇〇〇年の七月から二〇一三年七月までの間でございますが、三万六千八百五十五人から三十四万九千九百七十五人に増え、約九・五倍でございます。サービス付き高齢者向け住宅は二〇一一年十月から開始された制度でございますけれども、その戸数は、二〇一二年二月から二〇一四年二月までの間で、一万八千五百八十六戸から十四万五千七百三十六戸に増え、約七・八倍となっております。
#163
○小池晃君 介護三施設に比べると激増しているわけですね。特にサ高住は、僅かな期間で本当に急速に増えているわけですよ。
 平成二十五年度有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅に関する実態調査研究事業によりますと、有料老人ホームとサ高住の平均利用料は、介護サービス分抜きでそれぞれ月十五万四千円と月十二万七千円です。ですから、いずれも、国民年金のみの受給者、あるいは厚生年金の先ほど紹介したような女性の特にやっぱり低額の年金の方はもう手が出ない水準なわけですよ。しかも、これらの施設は要介護度が重くなると出なければいけない。
 今紹介した研究事業によりますと、有料老人ホームとサ高住の退去理由のベスト三は、一、要介護度の悪化、二、医療ニーズの高まり、三、認知症の進行です。入所時には認知症に対応可能といいながら、実際に症状が出てくると退去せざるを得ない。それでトラブルになるケースも非常に多いというふうに聞いているわけです。
 私は、一定の負担能力がある高齢者に有料老人ホームやサ高住のニーズがあることは否定しません。しかし、低所得の要介護者の難民化を防ぐためには、やはり大臣、介護三施設の強化、特にやっぱり特養ホームの抜本的増設に全体としての政策のかじを切ると、これが、本気になって取り組むことが必要じゃないですか。いかがでしょうか。
#164
○国務大臣(田村憲久君) 有料老人ホームででも、特定入居者生活介護等々を受けていただきながら、重くなっても対応いただける場合もあるわけであります。これ、契約でいろいろもめるということでございますから、指針を作って、契約時にどのような契約を結ぶかということも含めて我々もいろんな助言、指導しているわけであります。
 そういう意味からいたしますと、一定の役割を有料老人ホームも、それからサービス付き高齢者住宅、これは特定施設はまだ少ないわけでありますが、こういうところも担っていただいております。
 ただ、言われますとおり、比較的やはり低所得者の方々が多いのは、これは特別養護老人ホームを中心とする三施設、特に特別養護老人ホームであるわけであります。我々も、必要な数というもの、これは確保していかなければならないというふうに考えております。
 ただ一方で、全ての方々をこの特別養護老人ホーム等、施設等で対応するというのはこれはなかなか難しい。特に都会部ではそもそも地代等々が大変掛かるわけでありまして、造ることすら難しいということもあるわけでございます。そういうことも考えながら、我々もこれからも特養の整備は進めてまいりたいというふうに思います。
#165
○小池晃君 造ることが難しいって、何か自然現象みたいに言わないでほしいんですよ。造ることが難しくしたのはこの間の政策ですよ。結局、特養ホーム整備に対する国の補助を定率補助から交付金にして、その後、大規模特養については一般財源化して、小規模ユニット型については基金による支援と、大きく制度変わってきたわけです。その結果、特養ホームへの補助単価は介護保険導入前と比べて大きく減っています。
 この間、今回、東京都と大阪府に特養ホーム定員一人当たりの補助単価はどうなっているのか出してもらいましたらば、東京都の補助単価は、一九九九年度は定員一人当たり九百三十九万円だった。これが二〇一四年は五百万円です。それから、大阪府は、一九九九年度七百七十三万円だったのが二〇一三年度で二百七十万円です。
 私は、ここを根本的に転換する必要があると思うんですね。大臣、なかなか大変だとか言うけど、こういう大変な状況をつくってきたのはこのやっぱり国の施策なわけですよ。特に都市部は、用地取得の問題もありますから、コストが高いわけですよ。これ、転換する必要がある。
 厚労省、都市部における特養整備に着目した支援策ってあるんですか。
#166
○政府参考人(原勝則君) これから本当に都市部が急速に高齢化をいたしますし、一方で、土地が非常に取得が難しいという面がありますので、そういう意味で、都市部における特養等の整備というのは大変重要な課題だと思っております。
 私どもは、昨年度、都市部の高齢化対策検討会というものを開催いたしまして、これはいろんな、学識経験者とか、あるいは首都圏あるいは大阪、名古屋の都市の行政の方にも入っていただきまして、政策について検討させていただきました。
 そこで出てきている意見としましては、都市部においては用地確保が課題だということで、一つはサテライト型特養の整備の促進。私どもは、小規模特養は今でも基金で整備をしておりますけれども、少しサテライトという形で使っていただくと経営の非効率性みたいなこともカバーできるんじゃないかというようなことで、サテライト型特養というものの整備促進というのが一つあるんじゃないか。あるいは、都市再生機構、URですね、これとの連携を図って、URの団地を建て替えるときに、そこに一体的に特養を整備していただくというようなこと。あるいは、未利用公用地や小学校跡地、これ実際、小学校跡地を活用した例もこの近くの区でございますけれども、そういったものの施設整備。それから、民間事業者のマンションやオフィスビルの建築に際しまして一部フロアを特養として整備する手法。こういったことも御提言をいただいておりまして、東京都も関心を持っていただいております。
 こういった多様な整備手法の活用について提言をいただきました。また、特養の整備につきましては、先ほど言いましたように、小規模特養の施設整備に対しても支援をしているということでございます。いずれにしましても、これからは非常に都市部対策は大事でございます。
 それからもう一つ、私どもとして取り組んでいるのが、大規模な特養を含めまして、定期借地権による用地確保に対して財政支援を行うということをやっておりまして、これも基金でやっておりますけれども、こういうものも活用しながら支援をしていきたい。
 さらに、今国会成立しました都市再生特別措置法でございますけれども、ここで、福祉施設等を町中に誘導する観点から、施設整備に当たっての容積率の緩和や税財政上の支援等の施策が盛り込まれたところでございまして、厚生労働省としては、国土交通省とも連携協力しながら、都市部において必要な介護基盤というものを整備していきたいと考えております。
#167
○小池晃君 何かちまちまちまちました話ばっかりで、それで本当に都市部で増えるんですかって、全然展望見えませんね。
 財務省、ちょっと今日来ていただいているんですが、移転庁舎とか公務員官舎の跡地など国有地を活用した特養ホームあるいは保育所などの施設の建設、これ、二〇一〇年の当委員会で私、財務省に対して求めて、その後かなり広がってきていることは事実だと思うんですね。しかし、やはり賃料の高さはネックになっているわけです。
 まず、確認しますが、国有財産特措法の第二条では、保育とか、あるいは社会福祉法人に対しては無償で貸し付けることができると法文上なっていると思います。このことの確認と、実際に無償で貸与している例はあるんですよね。このことの確認を求めます。
#168
○政府参考人(美並義人君) 国有財産につきましては、財政法第九条において、法律に基づく場合を除くほか、適正な対価なくして譲渡又は貸付けをしてはならないこととされておりますが、この法律に基づく場合として、今委員の御指摘のありました国有財産特別措置法第二条におきまして、地方公共団体等が社会福祉分野の用に供する場合には無償で貸し付けることができるとされております。また、無償で貸し付けている事例もございます。
#169
○小池晃君 法律上はできるわけですが、実際にはやられていない。何で無償あるいは大幅な賃料の引下げができないんですか。
#170
○政府参考人(美並義人君) 今申し上げましたように、国有財産特別措置法第二条の規定は無償で貸し付けることができるとされております。
 実際の運用に当たっては、国の厳しい財政事情や地域間の公平性等に鑑みまして、極力適正な対価を得ることが適当であるとの考え方が昭和五十八年の国有財産中央審議会の答申により示されているところであり、こうした考え方に基づきまして、全国共通のルールとして適正な対価を得るよう運用してきているところでございます。
#171
○小池晃君 私は、法律でできるとなっているのに審議会の方針でできないっておかしいと思うんですよ、これ。やっぱりこれだけ深刻な事態になっているときに、何で法律では無償で貸し付けることができるとなっているのにそれをやらないのか。
 私は、国の財政事情が大変だというのはみんな国民も理解していると思うんですね。ただ、こういう中で、国有地を活用して保育所なり特養ホームを造ることに、これは無駄遣いだという声は起こらないと思いますよ。それから、よく不公平だというけれども、やっぱりこれは成り立たない議論で、都会というのは地価が高いわけだから、それに対して何らかの施策を打つことが、私は、例えば地方に住んでいる人が都会でそんなことやるのは不公平だという声は上げないと思いますよ。むしろ、きちっとそこで暮らしていけるような社会をつくろうじゃないかということで、私は前向きに受け止めてもらえるというふうに思うんです。
 国有地の活用についてこの間広がったことは前進だと思いますけれども、今のやり方では、やはり財政力のある社福法人とか自治体でしか手を挙げられないわけですよ。
 大臣、やっぱりここは財務省にしっかり物を言うべきじゃないかと。やっぱりこれは、保育所もそうですけれども、特養ホームを造ると、先ほどから大臣は大事だとおっしゃった、特に都市部では大事だと。だったらば、ここは思い切ったこういう手を打つべきじゃないか。都市部で特養ホームの建設のために土地を借りる場合に、本体とは別に経費補助を行うとか、あるいは無償・低廉貸与、借地料の軽減。私は、そもそも厚労省として国庫補助を復活させるということと併せて、やっぱり用地取得への支援を実現すべきだと、財務省にも働きかけるべきではないかと思いますが、いかがですか。
#172
○国務大臣(田村憲久君) 三位一体で地方財源化したものを戻すというのは、これは地方分権にも反するのでなかなか難しいというふうに思います。
 財務省が今お話しされた、国有地を借りて、定期借地権の下にこの特養等々を整備していく。これは、そういう貸付けスキームがあるわけでありますから、ちょうど二十四年度からその貸付料の一部を前納ができるというような形になっております。これに関しては助成制度、補助金というものがあるわけでありますので、なかなかこれがまだ知られていない部分もございますので、こういう制度を周知徹底をする中においてしっかりとやれる部分は進めてまいりたいと、このように考えております。
#173
○小池晃君 駄目ですね。それじゃ増えないよ、思い切ったことをやらなきゃね。
 やっぱりこういうことで、一、二を外すというこそくなやり方で待機者を減らすんじゃなくて、本当に待機者減らしましょうよ。それがやっぱり国民が望んでいることなんですよ。そうすれば、みんな働きに出るようになれば、介護離職なんてなくなれば税金払う人だって増えるわけだから、財務省だってそれでいいわけだから。そういうもうちょっと大きな目で見て、やっぱり国有財産の活用というのを真剣に考えるべきじゃないですか。私は、ちょっとこれ真剣に検討してほしいと。ちょっとこれは引き続きどこかでまた取り上げたいと思いますけれども、これ大事な問題だと思うんです。
 それから、今何が起こっているかというと、介護施設とか病院とか保育所などの入札不調が起こっているんですね。国土強靱化だ、オリンピックだということで公共事業費が大幅に増えて、人手不足と資材高騰が起こって、大手建設会社は道路建設なんかには積極的に応札するんですけれども、病院とか保育所とか介護施設に非常に消極的になっていると。被災地を含む全国各地で生活密着型事業の入札不調が続いているというわけです。
 例えば、東京都の狛江市で今年着工予定だった特養ホーム、第二こまえ正吉苑というのが、建築費が当初見込みを大きく上回ったために社福法人の自己資金では対応できないと、市の補助金も増やせないということで、法人は計画中止を発表しました。こういう事態が起こってきています。
 国や自治体の直轄で道路や橋を造る公共事業であれば、入札不調となっても予定価格の見直し、事業費の積み増しなど計画続行の努力は図られるわけですけれども、工期内に材料価格が高騰して請負代金が足りなくなる場合には工事額を中途で変更する仕組みがあるわけですけれども、ところが、介護施設などを建設する場合は、自治体の補助金額が決まった後で予定価格が変わってしまったら、あとは設置主体が持ち出しするしかない。結局、これは民間法人が造るからそれはできないというふうに言うかもしれないけれども、特養ホームというのはこれだけ公的な役割を担う施設なわけですから、私は、この今の事態に対して何らかの救済策というのをこれ考える必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#174
○国務大臣(田村憲久君) 小規模な介護施設等々を整備するための財源といたしましては、介護基盤緊急整備臨時特例交付金というのがあるわけでありますが、これに関して、言われるとおり労務費、また資材等々が上がっておりますので、本年四月から、これ三%から九・五%、単価を引き上げたところでございます。
#175
○小池晃君 そういうことだけじゃない、もっと臨機応変に、今も激変が続いているわけだから、何らかのやっぱり救済策を考える必要あるんじゃないかということなんですけど、いかがですか。
#176
○国務大臣(田村憲久君) 具体的にどういうイメージでおっしゃっておられるのか分からないんですが、必要ならばこれはやはり単価上げる必要があるわけでありまして、順次、急激に資材等々が上がっていくということであれば、これからもそのような形の中においていろいろと検討してまいりたいというふうに考えております。
#177
○小池晃君 是非こういった面にも手当てをする必要があるということを申し上げておきたいと思います。
 それから、法案には、介護施設の住所地特例がサービス付き高齢者住宅に適用する制度改変も盛り込まれているわけですね。今までは、住所地特例は特養ホームなどの介護施設が存在している市町村の給付費が上がるということがあって、元の住所地で負担させるという仕組みで、介護施設が所在するために高齢者の移住が多い、そういう市町村に配慮した仕組みだと思います。しかし、元々介護保険三施設だけが対象だった。これが有料老人ホームに拡大された。そしてさらに、サ高住にも広げると。これで、結局やっぱり特養ホームの増設を遅らせてしまうのではないかという懸念が出ているわけですよ。
 また、昨年の介護保険部会では、住所地特例の拡大が、要介護になっても住み慣れた地域で暮らすというその自治体のインセンティブを弱めるのではないか、要介護の高齢者を遠隔地の施設に送り出す動きに拍車掛けるのではないかという、そういう指摘もあります。
 私の事務所にも寄せられた声がありまして、敗戦直後から半世紀以上、渋谷で働き暮らしてきた八十代の女性なんですけど、特養ホームの入所を申請したけど空きがなくて、区の紹介で群馬県のサ高住に移住をした、もう人けもないところにぽつんと一軒建っていて、入居者が外出するときは送迎バスでデイサービスに行くときだけだ、お菓子を食べるのが楽しみだったんだけれども、施設の近所には商店はもちろん家もない、渋谷区にいるお知り合いにお菓子を送ってくれと毎月のように手紙書いているというんですね。
 いや、笑い事じゃないの、こういう事態があるんですよ。老後を豊かな自然の中で暮らしたいと思う、そういうものに応えるのであれば別だけど、そうじゃない実態があるわけですよ。
 私は、これ、こういう人里離れた遠隔地のサ高住に移住するというのはテレビなんかでも取り上げられていますけれども、昨年九月に出された都市部の高齢化対策に対する検討会の報告書も、サ高住への住所地特例の適用を地域包括ケアの例外になるというふうに指摘をしています。
 大臣、地域包括ケアでしょう、住み慣れた地域で最後まで暮らすという理念なんでしょう。その理念を掲げながら、他方で住所地特例を拡大して要介護高齢者、遠隔地への移住をやりやすくするというのは、これはどう考えてもこの二つの政策理念は矛盾をしているんではないですか。いかがですか。
#178
○国務大臣(田村憲久君) 住所地特例は、そもそも特養等々対応してきたわけでありまして、その場合は確かに中でサービスが完結できるわけであります。ただ、サ高住自体、これ住所地特例を考えますと、当然のごとくサ高住は住まいでありますから、地域密着型のサービスが受けられないということでは困るわけでございまして、これは対象にしていくという方向で考えておるわけでございます。そういうような対応の中において、しっかりとサービスを受けられるようにというような考え方で進めてまいりたいと考えております。
#179
○小池晃君 地域密着型サービスがあるからというけれども、実際にこのサービスがないような、そういう地域に造られていく例も多々あるわけですからね。私は、これは実際に地域包括ケアということでやってきた政策理念と違う方向だというふうに思いますよ。
 杉並区が静岡の南伊豆町に特養ホーム整備して、区内の要介護者を入所させて、これが大変話題となったんですけれども、産業競争力会議はこれを何と言っているかというと、この杉並方式を高く評価して、都市部の待機者を地方などの施設で受け入れる仕組みを形成する、そのために介護保険の住所地特例を緩和すべきだと、都市部に残る家族とのコミュニケーションを担保するため、格安航空券とタイアップした定期訪問、タブレット端末の無償貸与によるテレビ電話での対面などの取組を国が支援するべきだと、こんなことを言っているわけですよ。
 都心に施設が造れないからといって、あたかも厄介払いみたいに行政が率先して高齢者を遠隔地に本当に追いやる、肉親に会いたいという思いに対しては航空券やタブレットを公費で買わせて一もうけしようと。もう産業競争力会議というのはろくなことを言わないですよね。こういうことでいいんだろうか。
 私、こんなやり方は断固としてはねのけて、やはり都市部で本当に最後まで暮らしていける施設を造るんだということをはっきり言うべきだと、そういう方向で厚労省進むんだというふうにはっきり言ってください。
#180
○国務大臣(田村憲久君) 杉並と南伊豆はそもそも交流が深くて、その中においてお互いに……(発言する者あり)これを言っているわけじゃないんですね。ああ、なるほど。
 産業競争力会議の中では様々な御意見があられます。私がいいなという意見もあれば、ううん、ちょっとそうじゃないなというような意見もあるわけでございまして、ただ、多様な方々が多様な御意見を言っていただくことは、これは自由な国日本であることでございますので、これからも参考になる意見はしっかりといただきながら、厚生労働行政に頑張ってまいりたいと思っております。
#181
○小池晃君 うば捨て山にしてはいけないということを申し上げて、質問を終わります。
#182
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今の質問を聞きながら、私は実は少子化担当大臣だったときに、国有地を貸与してほしいというプロジェクトを発足して、第一号が世田谷、第二号が横浜、できるだけ国有地を貸与して保育園を増やそう、待機児童ゼロを目指そうというのでやっていました。ただ、賃料が結構高いという話も聞いておりまして、せっかくそういうプロジェクトをやるのであれば、保育園増やしたいママの動きもありましたし、特養老人ホーム造ってくれと、二つの待機の問題があるわけで、是非、そういうプロジェクトは進んでいるわけですから、厚労省、しっかりそれはやっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 ホワイトカラーエグゼンプションと混合診療と闘って、これを潰すぞというふうに思っておりまして、最近、安倍総理が混合診療に関して、十日、患者の希望があれば一定の基準の下で全国の病院や診療所で実施できる新たな制度をつくると正式表明し、来年の通常国会で法改正し、二〇一六年度からの実施を目指すと報道されています。
 この混合診療については、先日、西村委員も質問をされたので、私も続けて、やはりこれは問題だという観点から質問をしたいというふうに思っています。
 患者申出療養制度、この制度はどのように運営するんですか。
#183
○国務大臣(田村憲久君) まず、混合診療という概念は我々持っておりません。保険外併用療養という今ある制度の中の制度でございますので、これはそういうような混合診療という新たな制度をつくるというわけではなくて、保険外併用療養制度の中でこれをやっていくということであります。
 運用といいますか、安全性、有効性というもの、これは一定程度確かめなければならぬわけでございますので、これは大変重要な部分。それからもう一つは、保険収載に向かってプロセスを歩むということでございますから、実施計画をしっかりと作っていただいて、実施状況は報告をいただくということになろうというふうに思います。これ評価、一応評価するわけでありますので、そういう意味では評価をしっかりやっていく、保険収載に向かっての評価をやっていくと、そのプロセスの中で評価をやっていくということであります。
 ただ、違うところはどこかといいますと、今までは医療機関から要望が来たわけでありますが、患者の方が申し出ることができるということが一点。それから、今まで以上に早い方法で、もちろん安全性、有効性というものはしっかりと確認しながらでありますけれども、保険外併用療養という形の中で保険とともに使えるというような点が若干違うところであろうというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、これ、法律改正をする中において進めていこうということを考えておりますので、今後いろんな形で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#184
○福島みずほ君 この保険外併用療養費制度と混合診療って同じことですよね。これが患者の申出によってやることができるようになると。だって、保険外併用療養費制度なわけだから、そうじゃないですか。
 この審査期間が六、七か月掛かっているが、これを六週間以内に短縮するというふうにも事前にレクでお聞きをしました。国内未承認薬の使用を患者が希望する場合、医療機関が国に申請し、専門家による合議機関が安全性を審査して、原則六週間以内に適否を判断するとされていますが、安全性に大きな不安が残るんじゃないでしょうか。
#185
○国務大臣(田村憲久君) まず、保険外併用療養と混合診療、そもそも混合診療って我々使わない言葉なものですから概念がよく分からなくて、保険外併用療養というのは基本的には、もちろん選定療養もありますけれども、基本的には保険収載というものをしっかり目指していくものであります。混合診療は、いろんな新聞の書きっぷり等々見ますと、保険収載を目指さないようなものも含めて、どうも保険外のものと保険内のものを一緒にやろうというような話でございますし、安全性だとか有効性に関してもどこまで担保されているのか、ちょっと我々、マスメディアが流しておられます混合診療という概念、それぞれメディアによっても違うものでありますから、なかなか理解できないわけでありますが、明確に我々は保険外併用療養と混合診療なるものは違うというふうに認識をいたしております。
 安全性でありますが、もちろんそれは患者申出療養というものを利用されるときにしっかりと、先ほども言いましたとおり、実施計画を作っていただいて、そして実施状況報告をいただく。言うなれば、しっかりと信頼できる医療機関等々がこれをやっていただくということでございまして、臨床研究中核病院を中心とする病院等々がここに絡んでいただいて、そして対応いただくと。先ほど来お話が出ておりますとおり、ICH―GCP等々の基準に準拠するような、そういうような中核病院等々がしっかりと関与をいただきながらこれを進めていくというような中において安全性を担保しながら、もし何かがあったときには当然報告をいただくわけでございますから、それに対してしっかりとしたこちらの方も指導、対応していくということになろうというふうに考えております。
#186
○福島みずほ君 国に報告することになっているわけですが、責任の所在や賠償についてはどういう取決めになっているでしょうか。
#187
○国務大臣(田村憲久君) 基本的には、先ほども申し上げましたとおり、有害事象も含めてこれは実施状況報告をしていただくということであります。それぞれ副作用等々は個々の事案によって違うものであろうと思いますけれども、そこも含めてこれからいろいろと検討していかなきゃなりません。
 今までのいろんな状況を見ると、例えば民間保険に入っていただくだとか、いろんなことがあるわけでありまして、今般、この制度に対してどうするかも含めていろいろと検討をこれからしてまいりたいというふうに考えております。
#188
○福島みずほ君 責任の所在や賠償については未定であり、今後検討するということなんですが、これも極めて重要な問題だと思います。
 また、この間、西村委員の質問でもありましたが、患者の申出によってスタートをするというので今までの制度とは違うわけですが、患者さんは、溺れる者はわらをもつかむじゃないけど、いろんなもの、とにかくお金が掛かっても、余り確立されていなくても、とにかく助かりたいあるいは家族を救いたいと思うわけで、この部分が広がっていくことで、安全性の担保や、あるいはここが高額になるとか、ここが突破口になるというようなことは大変心配をしています。いかがでしょうか。
#189
○国務大臣(田村憲久君) 基本的にまず想定しているものは、例えば海外等々では承認されていて日本ではまだ治験を進めていないというような薬、これは一定程度海外には治験があるんだろうというふうに思います、こういうもの。それからあと、適用外薬等々でまだ十分に治験等々が行われずに、しかしながら、一定程度の有効性というものが予想される、そういうようなものに関して、このような形でまずは進めていくということを念頭に置いております。
 あわせて、それぞれいろんなものが出てくれば、それは十分に、どの医療機関でこのような治療をしていますよというのが順次出てまいりますから、そういう情報は提供させていただく中において、病気で、病で苦しんでおられる方々がその情報を基に申出療養を受けられるような、そんな環境をつくってまいりたいというふうに考えております。
#190
○福島みずほ君 お話聞いているとやっぱり不安になって、患者の申出なわけですから、海外で治験があっても日本ではそれは確立していない。患者の申出で、あなたのイニシアチブで始まったんでしょうということにもなりかねないし、賠償や責任の所在がはっきりしていないわけです。こういうことは慎重であるべきですし、こういうことがどんどんどんどん進まないように、厚労省としてはしっかりやっていただきたいというふうに思っています。
 それで、次に産科医療補償制度の収支状況についてお聞きをいたします。
 これは、産科医療補償制度が、お手元に資料がありますが、問題が生ずるんではないかと思っていたとおりになっております。というのは、給付金支払実績は、これはもちろん五年間ですから若干流動はあるわけですが、五年間で二百五十九億五千万円、支払備金として残っているのが千百三十二億二百万円残っているわけです。ですから、実際お金が思ったよりも払ってなくて、お金がだぶついていて、千百三十二億二百万円今残っていると。
 事務経費なんですが、保険会社がこの五年間の間に受け取った事務経費は百四十六億六千三百万円なんですね。ですから、給付したのが二百五十九億五千万円で事務経費に百四十六億六千三百万円使っている。これ、損保会社のための制度になるんじゃないか、あるいはこの組立てだとお金が随分余るんじゃないかという指摘を社民党は当時したんですが、そのとおりになっている。これはどうですか。
#191
○政府参考人(原徳壽君) 資料の数字はまさしくそのとおりなわけでありますけれども、給付の方は、生まれてから五年間、脳性麻痺のお子さんの確定するまでに時間掛かりますので、五年までにということになっておりますので、まだ二年目の人、三年目、二十二年、二十三年に生まれた方はこれからまだ増えてくる可能性があるということであります。
 それと、あとは支払についても、一時金に加えて年金的に二十歳まで毎年払っていきますので、そのための、何といいますか、備えるお金は当然入っているということであります。
 それからあと、事務費については、御指摘のように確かに当初三十三億ほど掛かっておりましたけれども、毎年事務経費については削減をしてきておりますし、また、今回の節目に当たります二十五年においてはかなりの額を減額していただいたと。
 さらに、支払備金についても、適正な額かどうか、それから、元々の給付の対象となり得るであろうと想定したお子さんの数、この数がどうかというようなものを検証しながら、来年からの保険料についてはその点を考慮して考えたということでございます。
#192
○福島みずほ君 これ、保険料、一分娩に関して三万円払ってもらっているわけですよね。この収支で本当にいいんでしょうか。それで、やっぱりこれはもうけ過ぎじゃないか、おかしいじゃないか。どうですか。
#193
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 詳細の資料、ちょっと私の手元にないんですけれども、保険料とそれから実際に医療機関から行く掛金といいますか、その部分が若干変えておりまして、簡単に言いますと、掛金の部分については二十七年から下げるということにしております。その必要な経費については、支払備金といいますか、剰余の部分がございますので、その部分については補填をしていただいて、全体として調整を図るということも考えております。
#194
○福島みずほ君 保険料はやっぱり三万円、取り過ぎだったと思うんですね。初め、これやっぱり高いと思っていて、現にやっぱりこういう結果が出ている。
 下げるって幾らまで下げるんですか。それから、今までだと三万円だったのが、いつ子供を産んだかによっても保険料が違ってくる設計そのものが問題だったんではないですか。
#195
○政府参考人(原徳壽君) 当初の想定されている脳性麻痺の発生の患者数、これについて、必ずしも十分なデータがない中で制度を運用するために、ある程度の安全率を見込んだ費用であったことは確かであろうと思います。そのため、今回五年たちましたので制度的に見直しをしたということでございます。
 そういう意味で、今回はいわゆる掛金については平成二十七年からの出産については下げていくということであります。それから、妊婦さんに御負担いただいているものについては出産一時手当金の中で賄っておりますので、殊更変動があるというわけではないということであります。
#196
○福島みずほ君 この事務経費が、五年間の間に保険会社が、五つの保険会社ですよね、保険会社五社が受け取った事務経費は百四十六億六千三百万円、でも給付金、被害に遭った人に払った補償金額は二百五十九億五千万円、損保会社に払っているのが物すごくやっぱり高いですよね。このことで、事務経費をもっと安くするべきではないか。いかがですか。
#197
○政府参考人(原徳壽君) 御指摘は確かにそうでございますが、実際この表でも、事務経費、平成二十四年まで毎年下がっているのに加えて、二十五年は約十億ほど下げていただきました。これは制度の安定的な運用という部分もございますので、その辺りを、当初はやはり安全を見込んでおかないと制度立ち上がりませんので、そういう部分もあったということは御了解をいただきたいなというふうに思います。
#198
○福島みずほ君 日本医療機能評価機構は、常勤八十四名、契約社員、非正規五十三人、合計百三十七人と聞いております。そのうち何人が産科医療制度に関する仕事に就いているのでしょうか。毎年十億近くお金を払っておりますので、何人が産科医療制度に関する仕事に就いているのでしょうか。
#199
○政府参考人(原徳壽君) 機構の中で担当者がどれだけか、ちょっと今承知はしておりませんが、例えば経費としては、ただ、評価のための委員会頻繁に開いておりますので、そういうための経費等も含んでいるというふうに聞いております。
#200
○福島みずほ君 異動や流動性があるため分からないということなんですよ。でも、それって変だなと思って、実際その機構の中で産科医療制度に関する仕事に就いている人がいるのであれば何人が担当者ですと言うはずが、それが出てこないというのも変ですし、にもかかわらず十億のお金がここに払われているというのも理解ができない。
 というのは、機構は余りやる仕事ないと思うんですよ。だって、損保会社が実際やって、機械的に一人について保険料取っているわけですから。この産科、今回事故調もできる法案を議論していて、産科医療補償制度のこの在り方については、保険料を下げる、あるいはこの一千百三十二億円、五年間でたまったお金をこれでいいのかとか、あるいは機構に払うお金、損保会社に払うお金、見直していただきたい。いかがですか。
#201
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 先ほどから申し上げていますように、制度発足のときにやはり安全を見込んで持続的な形で考えないといけない点があったのは御了解をいただきたいと。
 その上で、今回いろいろと医療保険部会等でも議論をいただきまして、お金を実際負担していただく保険者の方々の意見や様々な意見がございました。その中で、平成二十七年から掛金を下げていく、さらには余った、剰余したお金についてはそれに充当していく、部分的に充当していくと。それから、先ほど、繰り返しになりますけれども、二十歳まで年金的に支払っていくための費用も必要になりますので、制度全体の構図としてはできるだけ合理的にしていきたい。
 また、御指摘の点も含めましてより効率的な点について、どうすべきかという点が御指摘があれば十分に検討した上で制度に反映していきたいと思います。
#202
○福島みずほ君 三万円の今保険料を幾らに引き下げるんですか。
#203
○政府参考人(原徳壽君) 妊婦さんが負担するという意味では三万円というのはそうであったわけですけれども、保険料というものと、それから事務費が当然乗って、ここにも書いてありますが、事務費の部分とあります。それが合計三万円になるわけですけれども、今回のいわゆる脳性麻痺の発生率が予想よりは少しは低いだろうという予想が出ていますので、いわゆる掛金については今回は二・四万円を想定している。その上で、一分娩当たり、先ほどの剰余金の充当額が〇・八万、八千円ですね、それを充当することにしているわけでございます。
#204
○福島みずほ君 これは制度設計そのものが、やはり保険料高過ぎたと思いますし、私は事前には一万七千円に引き下げるとちょっと聞いていたんですが、この制度設計そのもの、お金の掛け方、損保会社の事務費などをちょっと見直していただきたいというふうに思います。
 介護福祉士の資格取得方法の見直しについては、二〇〇七年の改正で国家試験や実務者研修が義務付けられることとされた後、二〇一一年の法改正で施行が三年間延期されました。今回更に施行が一年延期されますが、その間具体的にどのような形で進めていくのでしょうか。また、今回の延期は審議会などで議論されたのでしょうか。
#205
○政府参考人(岡田太造君) 介護福祉士の資格取得方法の見直しにつきましては、質の向上の観点から平成十九年の制度改正が行われて、平成二十七年度から施行予定でございましたが、養成施設ルートに新たに国家試験を課すことは養成施設入所者の減少をもたらすのではないかというような御懸念があるとか、実務者経験ルートに実務者研修を義務付けることは介護現場に働く方に過重な負担を課すものではないかという御意見もございまして、介護人材の確保が困難な状況で予定どおり施行することについての懸念の声が上がってきていたことでございます。
 こうしたことから、今回の法案におきましては、介護人材の確保につきまして、幅広い視点から実効性のある方策を一年という期間を区切って検討することとして、あわせて、介護福祉士の資格取得の見直しについても施行を一年間延期することとさせていただいたものでございます。
 今後、介護人材確保全般につきましても、幅広い観点から有識者の方々にお集まりいただきまして検討を行うため、福祉人材確保対策検討会を立ち上げたところでございますので、幅広い関係者の皆様から十分御意見を伺いながら、介護福祉士の資格取得方法の見直しについても早急に一定の方向を示すこととさせていただきたいというふうに思っております。
 なお、今回の一年の延期につきましては、審議会での議論をまたずに実施しているものでございます。
#206
○福島みずほ君 これは参考人質疑で出てきましたけれども、ずんずんずんずん延びているということで、これはしっかり資格を認めるような形でやっていただきたいというふうに思っています。
 医療についての法案なんですが、やっぱり私自身は基本的によく分からない。この委員会でも出ておりますが、医療と介護サービスの提供体制改革のための財政支援制度として、国が都道府県に対してお金を交付して都道府県が基金を創設するとあると。では、交付金の分配方法、これはどうなるんですか。
#207
○国務大臣(田村憲久君) これは、基本的に交付金、医療なら医療の分、介護なら介護の分があるわけでありますけれども、それぞれ医療提供体制でありますとか、又は地域の介護サービス等々整備していくというような形の中において、それぞれが関係者から話を聞きながら計画を練っていくわけであります。
 その計画を基に整備していくものに関して必要なもの、これは都道府県でまとめる中において国が丁寧にヒアリングをしてまいります。その中において、これは必要なものであるというふうにお互いに共有できた部分に関して、しっかりと基金の中で予算の積算の中に入れていくわけでございまして、地域の声というものをしっかり反映していく、必要なものをしっかり整備していくという中において、この基金というものをそれぞれの都道府県の方にしっかり確保させていただくという形になってまいります。
#208
○福島みずほ君 ちょっとこれイメージがよく分からないんですが、医療について幾ら、介護について幾らではなく、医療・介護サービスワンパックで何県には幾ら、どういう形でこの基金は交付されるんですか。
#209
○国務大臣(田村憲久君) 使い方をがちがちに縛るというわけではありませんが、医療なら医療で、それは地域医療構想等々をつくっていただきながら、必要なものを整備していく中においてどのようなものが今年度必要であるということは御要望を積算していくわけですね。もちろん介護もそうであります。同じようなプロセスを組んでいきながら、例えば市町村は市町村の中で事業計画があるわけでございますので、そういうものを積み上げていく中において必要なものが何であるかというものを県でまとめていただいて、その積算根拠の中においてこれぐらいのボリュームが必要であるという話をいただき、ヒアリングを重ねる中において、それはそうでございますねという話の中において、お互いに理解を共有し合って、そしてその積算したものを基金の中にお渡しをさせていただくと。
 ただ、がちがちに縛っているわけではありませんので、もちろんその方向で使っていただかなきゃならぬわけでありますけれども、そういうような中において各地方で、地域、都道府県中心でありますけれども、必要なものを整備いただくという形であります。
#210
○福島みずほ君 これ、莫大な基金の使い道ですよね。厚労省としては、介護と医療の割合はどれぐらいの割合になると思っていらっしゃいますか。
#211
○国務大臣(田村憲久君) これは、各地域によっても違うと思います。それぞれどのようなニーズがあるか。先ほども申し上げましたとおり、計画を作っていただく中において必要なもの、どういうものがあるかということを、それぞれソフト、まあハードの部分もあるかも分かりません、特に介護の場合は施設整備もございますから、そういうものをお出しをいただくということでございます。
 ですから、国からこうだと言ってしまうと、これはまさに地域にそぐった、そのような整備ができていかないわけでございますから、地域からボトムアップで上がってきたものをしっかりとこちらもヒアリングをさせていただいて、共通理解の下で必要なものを必要な形で、こちらとして基金としてお渡しをするという形になろうと考えております。
#212
○福島みずほ君 国が作成する基本方針の中身はどうなるんでしょうか。
#213
○国務大臣(田村憲久君) 例えば、国が定める総合確保方針でありますが、圏域をしっかりとこの中で設定するということ、二次医療圏が中心になると思います。それから、地域包括ケアシステム等々の構築の目標、これに対する考え方でありますとか、さらには医療や介護の必要な人材確保、これに関する基本的な考え方、こういうものをこの基本方針の中に盛り込んでまいります。
#214
○福島みずほ君 ボトムアップで地域から出たものを積み上げていくというよりも、国が基本方針を示して、それに合わせて自治体がいろんな基本計画、厚労省に、今度は都道府県が基本計画を作るわけですから、国の基本計画を見て都道府県が作るという形になるんじゃないですか。
 ですから、都道府県に合わせてというよりは、国が基本方針出して、それに合わせると。国の基本方針は一体どういう中身になるのか、この委員会でも示されていないんですよ。ガイドラインもよく分からない。一体どういう中身になるんでしょうか。
#215
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 細かい内容をあれこれあれこれ全部決めるという話ではなくて、その確保方針の中では、例えば医療・介護の総合的な確保を促進するべき区域の設定に関する事項というのが定まっております。例えば医療については、通常の医療はやはり二次医療圏という単位で設定をしてください、そういう単位で確保を図ってください、そういうような基本的な事項を書いていくでありますとか、あるいは医療提供体制や地域包括ケアシステム構築の目標に関する考え方、これは、したがって、どれぐらいの量を確保するかを書いてくださいとか、そういうような考え方などを定めるということでありまして、事細かに個別の事業がいい悪いみたいなものを定めるという予定ではないということであります。
#216
○福島みずほ君 でも、医療と介護を合わせて基金つくるってすごい話であって、自治体にとってもどの分量でどれぐらい要求するかというのもあるわけですよね。
 では、都道府県で要求すると、今度はそれの査定みたいな形に入っていくんですか。
#217
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど言いましたとおり、局長が言ったとおり、考え方は、こちらは確保方針の中で示させていただくと。それぞれ事業というものは、これはそれぞれの自治体といいますか都道府県でお考えをいただいたりとか、また介護なんかは市町村の事業計画があるわけであります、それに沿ってそういうものをお考えをいただくと。
 どういうような、国が査定をするという言い方がありましたが、ヒアリングをさせていただく中において、本当にそれが適当であるかどうかというのはお互いに共通理解を考えていかなきゃならぬ話でありまして、もちろん限られた財源でありますから、それは確かに消費税でかなりのボリュームの基金の財源を我々は確保してまいりたいと思っておりますが、それでも限られた財源でありますから、そこはやはりお互いにこれが本当に必要なものか、これが有効に機能するかということは共通理解というものを持たなきゃなりませんので、しっかりとそこはヒアリングをさせていただきながら話合いをしていくということであります。
#218
○福島みずほ君 具体的な中身についてほとんど明らかにされないまま法案審議だけが先行していくというのは、やっぱり極めて問題ではないかというふうに思っています。
 以前も質問しましたが、四択選んで、病院が、そしていくというのがありますよね。これが一体どういう意味を持っていくのか。つまり、公立病院などで空きベッドがあるようなところは統廃合に遭ってしまうんじゃないか。というか、厚労省は何でこういうことをやろうとしているのか、本当のところを教えてもらいたいというふうに思っているんですよ。
 というのは、これ、再編していこうとしているわけじゃないですか、地域の中で。でも、これって統廃合につながってしまうんじゃないか。どうですか。
 かつて療養病床に関して努力目標を設定して、結局失敗したというふうに思っているんですよ。療養病床の廃止をやろうとして、なかなかそうはいかなかった。厚労省がこういうふうにやれとビジョンを設定したとしても、地域の実情に合わない。あるいは、私はこれ、ビジョンを示して統廃合につながるんじゃないかというふうに非常に懸念を持っている。これを打ち消すことが、打ち消せるものなら打ち消してもらいたいというか、いかがでしょうか。
#219
○政府参考人(原徳壽君) 四つの機能に分けていくと。要は、ビジョンは何を考えているかといいますと、二〇二五年にどのような患者さんがその地域に出てくるか。例えば高度急性期の医療が必要な方々がどれぐらいいるか、急性期の医療が必要な方々がどれぐらいいるか、それがまずあるわけです。その方々をどういうような施設で見るべきかというのが今度はベッドが幾ら必要かというのに結び付いてくる。現状、それをそういうエリアで、例えば高度急性期のベッドが五百床必要なら五百床をどこの病院が担当していくか、それを具体的に張り付けていくというのが、こういう作業がこれから出てくるわけであります。
 だから、二〇二五年にどのような患者さんがいるかというのはある程度これは計算できるわけですので、ですから、その中でそれの高度な医療が必要なところには高度な、何といいますか、人材の配置も、看護師さんの配置もたくさん要るという中で、全体として効率的に回していこうと、そういう考えです。
 そのやり方は、それぞれの地域で今ある資源が全く違いますので、その中でどういうふうにそこにうまく張り付けていくかは、それぞれの工夫の出しどころだというふうに考えております。
#220
○委員長(石井みどり君) 福島みずほ君、時間を過ぎておりますので質問をおまとめください。
#221
○福島みずほ君 はい。
 基本的に、厚労省のその考え方が分からないんです。つまり、十年後にどうなっているかという予測を都道府県にさせて、でも一年後、三年後、五年後、十年後、変わっているかもしれないじゃないですか。十年後のことを予測させて、ビジョンをつくらせてということそのものが正しいのかどうか、それは外れるかもしれないし、違うかもしれないじゃないですか。十年後の予測をビジョンで示させることが妥当かどうかという根本的な疑問を持っておりまして、この医療制度改革の根本的なところのビジョンをつくるところから私はこれ机上の空論じゃないかというふうに思っております。
 以上で質問を終わります。
#222
○委員長(石井みどり君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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