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2014/05/27 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 文教科学委員会 第14号
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2014/05/27 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 文教科学委員会 第14号

#1
第186回国会 文教科学委員会 第14号
平成二十六年五月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     長峯  誠君     中曽根弘文君
     田村 智子君     山下 芳生君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     堀内 恒夫君     世耕 弘成君
     那谷屋正義君     藤田 幸久君
     松沢 成文君     中西 健治君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     堀内 恒夫君
     藤田 幸久君     那谷屋正義君
     中西 健治君     松沢 成文君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     二之湯武史君
     堀内 恒夫君     岡田  広君
     山下 芳生君     田村 智子君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     岡田  広君     堀内 恒夫君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     那谷屋正義君     藤末 健三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸山 和也君
    理 事
                石井 浩郎君
                二之湯武史君
                大島九州男君
                松沢 成文君
    委 員
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                中曽根弘文君
                橋本 聖子君
                堀内 恒夫君
                水落 敏栄君
                石橋 通宏君
                斎藤 嘉隆君
                櫻井  充君
                那谷屋正義君
                藤末 健三君
                新妻 秀規君
                矢倉 克夫君
                柴田  巧君
                藤巻 健史君
                田村 智子君
   国務大臣
       文部科学大臣   下村 博文君
   副大臣
       文部科学副大臣  西川 京子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       文部科学省初等
       中等教育局長   前川 喜平君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、長峯誠君が委員を辞任され、その補欠として中曽根弘文君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸山和也君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に二之湯武史君及び松沢成文君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長前川喜平君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(丸山和也君) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。下村文部科学大臣。
#8
○国務大臣(下村博文君) この度、政府から提出いたしました地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 今日、児童生徒等の生命、身体や教育を受ける権利を脅かすような重大な事案が生じる中で、地方教育行政における責任の所在が不明確であること、迅速な危機管理対応ができていないこと、民意を反映した地方公共団体の長と教育委員会の連携が十分でないこと等が指摘され、地方教育行政に係る制度の抜本的な改革が不可欠な状況となっております。
 この法律案は、こうした状況に対応するため、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化を図るとともに、地方に対する国の関与の見直しを図る等の必要な見直しを行うものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、従来の教育委員長と教育長を一本化した新たな教育長を、地方公共団体の長が議会の同意を得て、三年の任期で任命することとし、新たな教育長が、教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表することとしております。
 第二に、地方公共団体の長が、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を策定するものとしております。また、大綱の策定に関する協議及び教育を行うための諸条件の整備等を図るため重点的に講ずべき施策や、児童生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置についての協議を行い、地方公共団体の長と教育委員会の事務の調整を図るため、地方公共団体の長及び教育委員会をもって構成する総合教育会議を設けるものとしております。
 第三に、教育委員会の法令違反や怠りがある場合であって、児童生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれ、その被害の拡大又は発生を防止するため、緊急の必要があり、他の措置によってはその是正を図ることが困難な場合、文部科学大臣は、教育委員会に対して指示できることを明確化することとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#9
○委員長(丸山和也君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○石井浩郎君 おはようございます。自由民主党の石井浩郎です。先週の本会議でも質問をさせていただきましたけれども、本日、改めて質問をさせていただきます。
 教育委員会制度改革につきましては、自民党内では、文部科学部会、そして小委員会、与党ワーキングチームと、野党時代から時間を掛けて丁寧に議論をしてまいりました。衆議院におきましても四十時間以上の審議をしてきたということでありますけれども、この参議院におきましてもしっかりと議論を重ねていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 今回行おうとしていますこの教育委員会制度改革でありますけれども、約六十年ぶりの大改正ということであります。
 これまで教育現場で問題や事件が起きるたびに、教育委員会の機能不全であるとか責任体制の曖昧さが指摘されてきたところであります。多くの国民の皆さんは、やはり改革が必要ではないかと考えていると思っております。今般、この約六十年ぶりの教育委員会制度の抜本的な見直しが必要なのはなぜか、改めて大臣にお尋ねいたします。
#11
○国務大臣(下村博文君) 現行の教育委員会制度については、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、また、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、さらに、地域の民意が十分に反映されていないという指摘、また、地方教育行政に問題がある場合に国が最終的に責任を果たせるようにする必要があるといった課題があるのではないかと考えております。
 このため、改正案におきましては、政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、一つには教育行政における責任体制の明確化を図る、二つ目に迅速な危機管理体制の構築を図る、三つ目に地域の民意を代表する首長との連携の強化を図る、四つ目、そのことによっていじめによる自殺事案等の問題に対して国が最終的な教育行政の責任を果たせるようにするなどのことによりまして、教育委員会制度の抜本的な改革に取り組んでまいりたいと考えております。
#12
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 本審議に先立つ今年二月末でありますけれども、地教行法改正の審議に生かすために、参議院の文教科学委員会として私の地元であります秋田県を視察しましたので、この視察を踏まえて何点か質問をしたいと思います。
 このとき、佐竹秋田県知事、そして米田秋田県教育長と意見交換する機会がありまして、教育委員会の在り方について議論をいたしましたが、まず米田教育長の方から、知事には教育の根本的な方針や予算面で指示や決定を仰いでいる、双方が共通の考えを持っていなければ県全体の教育が進まないという意見がございました。
 現行制度におきましても、首長には予算の編成、執行権、そして条例の提案権がありまして、教育行政に対しては首長は重要な役割を担っております。首長と教育委員会の意思疎通、連携を進める観点から、今回のこの改正案に盛り込まれた総合教育会議、大変有効だと思っておりますが、首長が総合教育会議を設けることとした趣旨についてお尋ねいたします。
#13
○副大臣(西川京子君) 今、秋田県での知事と教育長のお話伺いましたけど、現行でももちろん首長が当然最終的に予算の執行権も持っておりますし、教育行政に大きな思いがあり、またそれが実現できること、現行でもかなりのところでできることは事実でございます。やはり現行でも、私学や大学等の事務を所管するとともに、最終的な予算の執行権を持っているわけでございます。ただ、その中で、現実に首長と教育委員会の意思疎通が十分でないという地域もかなりあるということを踏まえまして、やはりお互いの意思疎通を十分に図るということで、今回、同じ教育の問題、課題を共有するということが大きな目的だと思っております。
 こうしたことから、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していくため、そういうための調整機能も持った総合教育会議が非常に大事なことだと思っておりまして、そういう意味で設置させていただきました。
#14
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 一方で、佐竹知事の方からは、我々は教育現場の中身に口を出すのは好ましくないと思うが、大きな政策という枠組みの中では一体とならなくてはならないという意見もありました。
 教科書採択でありますとか個別の人事などについては首長が口を出すことは政治的中立性の確保の観点から問題があると思いますけれども、学校の統廃合でありますとか土曜授業など予算が大きく関わることについては首長と教育委員会が議論して一体的に進めることが望ましいことだと思っております。
 総合教育会議では具体的にどのようなことが協議できるのか、また教育内容に関わることは議論できるのか。例えば、この四月に配付されました道徳の教材、「私たちの道徳」でありますけれども、学校現場で活用されていないという実態がありまして、今月十五日に文科省の方から活用を呼びかける通知を出されたということでありますけれども、例えばこの教材の活用について総合教育会議で議論ができるのか、その辺もお尋ねしたいと思います。
#15
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議におきましては、第一に、大綱の策定について、また第二に、教育を行うための諸条件の整備その他の地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興を図るため重点的に講ずべき教育施策について、また第三に、児童生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置、これらにつきまして協議し、また必要に応じて調整を行うということとなっております。
 この場におきまして協議する内容につきましては、教育の振興に関わるものでありますれば幅広く協議することができるわけでございまして、例えば先生今御指摘のございました「私たちの道徳」という国が作りました教材の使い方につきましても、首長と教育委員会との間で幅広く意見交換をするという意味での協議をすることが可能でございます。
 また、協議した上でお互いの調整を行うという事項につきましては、これは教育を行うための諸条件の整備のように、教育委員会の権限に属する事務のうち、予算の編成、執行や条例提案などの首長の権限に係る事項に限られるものでございます。ですが、例えば土曜授業の実施を予算事業とセットで推進するというような場合につきましては教育内容に関わることも含まれてくるということでございます。
 他方、個別の教職員の人事でありますとか教科書の採択などの特に政治的中立性の要請が高い事項につきましては、教育委員会制度の趣旨に鑑みまして、協議の議題として取り上げるべきではないと考えております。ただし、これらに関する方針をどうするかということにつきましては、自由な意見の交換という意味で協議をすることまで妨げられるものではないと考えているところでございます。
#16
○石井浩郎君 本法案とは直接は関係ありませんけれども、この「私たちの道徳」、大変すばらしい教材だと思っておりますので、これは地教行法四十八条で、あくまでも指導、助言、援助の一環だということで、使用の義務はないということだと思いますので、義務はないにしても、何とかまた文科省の方でしっかり現場で活用してもらうように対応していただきたいと思っております。
 次に、また、佐竹知事の方から、教育行政は少子化対策またキャリア教育など行政全般の中で捉えるべきであって、首長と一体的であることが望ましい、首長におかしなところがあった場合にどう歯止めを掛けるのかが重要だ、こういう御意見もございました。
 現行の教育委員会制度の意義は、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保だと考えておりますが、与党の議論の中でも教育の政治的中立性の確保についてかなり議論がされてきたところでありますけれども、今回の改正案では教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保がしっかり図られているのか、お尋ねいたします。
#17
○副大臣(西川京子君) そもそも、民間の、例の、教育再生実行会議、この会議あるいは中央教育審議会、それぞれの会議でもこの問題はかなり時間を掛けて議論していただきました。また、与党の中でもこの対策本部立ち上げて議論がされました。その中で、A案、B案、非常に首長の権限が強い案、そして今のほとんど現行にやや近い案、いろんな意見が出た中で、本当に時間を掛けて調整した結果として今の、今回出させていただいた法案の形になったと思っております。
 そういう中で、合議制の執行機関としてこの教育委員会を残すということは、これが大きな政治的中立性を担保していることだと思っておりまして、教育委員会の職務権限は変更しておりませんし、最終的な決定権限は教育委員会に留保されている。そういうことで、首長が替わるたびに教育行政が変化してしまうようなことは避けているということになると思います。
 そして、今までの教育長、教育委員についての、例えば同一政党所属委員が委員会の二分の一以上を構成しない、服務等第十一条の規定の中で政治的行為が制限されている、あるいは罷免要件を非常に限定することによって身分保障が講じられている、教育委員は毎年一、二名ずつ交代していくわけで、委員が一斉に交代しないという仕組みになっている等、今の現行制度における政治的中立性への配慮を定めた規定については変更しておりませんので、今回の教育委員会改正の政治的中立性というのは十分に保たれていると思っております。
#18
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 また、佐竹知事からは、秋田県は知事部局と教育委員会の連携がよくできていると思う、両者の連携を保つためにも、本来は首長が教育長を任命する形が望ましいという御意見もありました。
 現行の教育委員会制度では、教育委員会が委員の中から教育長を任命することとなっておりますが、今回の改正案では、教育長と教育委員長を一本化した新しい教育長は首長が直接議会の同意を得て任命することとしております。首長が教育長を直接任命することとした趣旨についてお尋ねいたします。
#19
○政府参考人(前川喜平君) 現行制度におきましては、首長が議会の同意を得て教育委員を任命し、教育委員会が委員の中から教育長を任命するということとなっているわけでございますが、実態といたしましては、首長が教育長になるべき者を選んで委員として任命しているわけでございまして、制度と実態に乖離があると言われております。
 新教育長につきましては、首長が議会の同意を得て直接任命することによりまして、制度と実態の乖離がなくなり、首長の任命責任が明確になるとともに、議会による教育長の資質、能力のチェック機能の強化にも資するものと考えているところでございます。
#20
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 この教育長と教育委員長を一本化した新しい教育長でありますが、任期を三年とされております。現行制度では四年でありますけれども、この任期三年というところでありますけれども、党内でも大変な議論がありまして意見の分かれたところでありますが、自民党の提案の段階、最終的には自民党の提案では、首長のリーダーシップを確保する観点から、新教育長の任期は二年と示しておりました。政府案として最終的に教育長の任期を三年とした理由についてお尋ねいたします。
#21
○政府参考人(前川喜平君) 教育長の任期につきましては、第一に、首長の任期四年よりも一年短くすることによりまして、首長の任期中、少なくとも一回は自らが教育長を任命できるようにするということ、第二には、教育長の権限が大きくなることを踏まえまして、教育委員よりも任期を短くすることで、委員によるチェック機能と議会同意によるチェック機能を強化できるということ、また第三に、計画性を持って一定の仕事をやり遂げるためには三年は必要ではないかと考えられること、こういったことから三年としたものでございます。
#22
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 他方、この教育長と教育委員長を一本化した新しい教育長は、ほかの委員と比較して大変強力な権限を有することになりますけれども、教育長の独断専行に対しての歯止めの措置は用意されているのか、お尋ねします。
#23
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正案では、教育長の権限が強いものとなりますことから、首長や議会のチェック機能を強化する観点から、教育長の任期を首長よりも一年短い三年としていますほか、総合教育会議という公開の場で首長が民意を反映した方向性を示すことによりまして、教育長に対するチェック機能が働くものと考えております。
 また、教育委員による教育長のチェック機能を強化するという観点からは、教育委員の三分の一以上の委員から会議の招集を請求された場合には教育長が遅滞なく会議を招集しなければならないこと、また、教育長が教育委員会から任命された事務の管理、執行状況について報告をしなければならないことを規定しているところでございます。
 さらに、教育委員会会議の透明性の向上を図り、住民によるチェック機能を強化するという観点から、教育委員会会議の議事録を作成し公表するよう努めなければならないことを規定しているところでございます。
#24
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 秋田県の場合、秋田県の子供たちの、全国学力調査で大変、五年連続、おかげさまで成績がいいということでありますけれども、秋田県の場合は現在の教育委員会制度でうまくいっているのではないかなという印象を受けました。秋田県のように現在の制度でもうまくいっている自治体は多くあるのではないかと思っております。
 そのような場合、特に小規模な自治体においては、総合教育会議の設置であったり大綱の策定を義務付けることがかえって負担であったり重荷にならないかという心配がありますが、今回の改正案で全ての地方公共団体において総合教育会議の設置と大綱の策定を義務付けた趣旨についてお尋ねいたします。
#25
○政府参考人(前川喜平君) 改正案におきましては、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していくために、総合教育会議の設置と大綱の策定について定めているところでございます。これに関しまして、全国どこでも責任ある地方教育行政を築くという観点から、統一的な教育行政の仕組みであることが必要であるということでございまして、総合教育会議の設置及び大綱の策定は全ての地方公共団体において実施することとしております。
 この点、総合教育会議は、首長と教育委員会を構成員とするものでございまして、既に全ての地方公共団体に設置されている執行機関同士で会議を行うものであるため、地域の実情に応じて過度の負担とならないよう適切に運用することが可能であると考えております。また、大綱の策定につきましても、大綱は地方公共団体における教育の目標や施策の根本となる方針を定めるものでありまして、詳細な施策の策定まで求めるものではないことから、小規模な市町村におきましても特に負担が大きいものではないと考えております。
 なお、改正案につきましては、先般、全国町村会の会議において私から説明もしたところでございますけれども、特段懸念の声は聞かれなかったところでございます。
#26
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 また、教育は国の根幹であります。最終的に国が責任を取ることができるようにすることが必要だと思っております。もとより地方分権は重要でありますが、地方によって教育がばらばらでは国全体の教育水準の確保や教育を受ける機会の保障はままなりません。
 特に、いじめなどの問題に際しまして、地方公共団体において適切な措置が講じられないなど、緊急の必要があるときには国が責任を持ってしっかりと行う必要があると考えますが、今回の是正の指示の規定の見直しの趣旨についてお尋ねいたします。
#27
○政府参考人(前川喜平君) 現行法の第五十条は、平成十九年の改正におきまして、いじめによる自殺等の事案において教育委員会の対応が不適切な場合に、文部科学大臣が教育委員会に対して是正の指示ができるよう設けられた規定でございます。しかしながら、大津市におけるいじめによる自殺事案の際に、児童生徒等の生命又は身体の保護のためという要件については、当該児童生徒等が自殺してしまった後の再発防止のためには発動できないのではないかという疑義が生じたわけでございます。
 現行法においても再発防止のために指示ができるという解釈も可能ではございますが、この指示は、地方自治制度の中でも非常に強い国の関与でございまして、国会審議においても抑制的に発動すべきことが何度も確認され、附帯決議においてもその旨示されていることから、解釈が曖昧なまま発動することは困難であるため、事件発生後においても同種の事件の再発防止のために指示ができることを明確にするための法改正を行うものでございます。
 なお、今回の改正は、あくまで要件の明確化のための改正でございまして、要件を追加して国の関与を強化するというものではございません。
#28
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 今回の教育委員会制度の改革は、大津市のいじめ事案が契機になっていると承知しております。総合教育会議を設置することによりまして、首長と教育委員会との連携が強化され、迅速な危機管理体制が構築されるということでありますし、また、是正の指示の要件を明確にしたわけでありますが、今後また大津市のようないじめ事案が生じた際には適切に対応できるようになるのか、お尋ねしたいと思います。
#29
○国務大臣(下村博文君) 今回の地教行法の改正によりまして教育長の責任がより明確になるということになりますので、いじめ事案の対処についても教育長がまず責任を持って取り組むことになるわけであります。また、教育長は教育委員会の主宰者となることから、迅速に教育委員会を招集して、いじめ事案への対処方針を決めることが可能となってまいります。
 また、首長が総合教育会議を招集して、いじめ事案等の緊急の場合に講ずべき措置、これは改正案第一条の四第一項第二号でありますが、これに基づいて協議することによりまして、首長と教育委員会の連携により効果的な対応が可能となってまいります。
 加えて、学校や教育委員会の対応についての事後検証や再発防止策の検討、立案について総合教育会議で議論することも考えられます。教育委員会及び総合教育会議は原則公開とされており、その議事録についても作成、公表が努力義務とされていることから、いじめ事案等への対応状況についても、可視化が進むことによりまして、いわゆるこれまでのような隠蔽体質の改善が図られるというふうに考えております。
#30
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 今回の改正案では、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保の観点から教育委員会を執行機関として残すこととしておりますが、新たに設けられる総合教育会議の活用だけではなくて、教育委員会自体の活性化も必要だと考えております。
 現在の教育委員会制度の全てを変えるのではなくて、良い点を生かしていくことも必要と考えますが、今回の改正により、教育委員会の活性化としてはどのようなことが期待されるのかをお尋ねしたいと思います。
#31
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正におきましては、教育行政の責任の明確化を図るために、現行の教育委員長と教育長の役割を一本化した新たな責任者である新教育長を置くこととしているわけでございます。これによりまして、緊急の対応が必要な問題に対しましても、迅速かつ適切な教育委員への情報提供でありますとか、あるいは会議の招集が可能となり、教育委員会の活性化に資するものと考えております。
 一方、教育委員会による教育長のチェック機能が十分に働くよう、教育委員による招集の請求に関する規定でありますとか、教育長に委任した事務についての報告に関する規定を盛り込んだところでございます。
 また、教育委員会会議の議事録の作成や公表の努力義務を規定したことから、会議の透明性が図られることとなります。
 加えまして、教育委員会の審議の活性化には教育委員の人選が重要でございます。教育委員には、新教育長の事務執行に対するチェック機能を果たす自覚と教育に対する深い関心や熱意が求められるところでございまして、教育に高度な知見を有する者も含め、幅広い人材を得ることが必要であると考えております。
#32
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 今回の改正案によりまして、教育委員からの会議の招集の請求権や教育長に委任した事務の報告が盛り込まれ、教育委員会の活性化も期待されますけれども、活性化のためには教育委員会を支える事務局の体制も大事だと思っております。
 小規模の自治体では職員の数も少なく、教育委員会を活性化していく準備も大変ではないかと思います。小規模の自治体に対しては、通知等でスムーズに移行できるよう丁寧に指導していくことや事務局を支援していくことが必要であり、新しい教育委員会制度がしっかり機能するよう応援していくべきと考えておりますけれども、どのようにお考えかお尋ねいたします。
#33
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十三年度地方教育行政調査によりますと、平成二十三年五月一日の時点で、教育委員会事務局の職員数が十人以下の市町村が四百九十三ございます。また、指導主事が置かれていない市町村が六百二十五あるという状況でございます。このような小規模な市町村では、事務体制が脆弱であるために、学校指導などが十分に行き届いていないということが課題となっております。
 文部科学省におきましては、今年度の地方財政措置におきまして、都道府県教育委員会における指導主事の地方交付税措置につきまして、十五名から二十一名への六名分の増員を図ったところでございまして、都道府県教育委員会による市町村教育委員会に対する支援の強化を通じまして、市町村教育委員会の学校指導体制の充実を図ることとしております。
 今後、施行通知や説明会を通しまして、市町村教育委員会に対する丁寧な助言や情報提供等を行うとともに、地方財政措置の活用の促進を通しまして、小規模な市町村における体制強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
#34
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 本法案に関する質問は予定していたのはこれだけでありますけれども、最後に一点だけ、ちょっとこの法案とは全く関係ないのでありますけれども、自民党の日本経済再生本部の方で、日本再生ビジョンというところにプロ野球の十六球団構想が盛り込まれたと。大臣はオリンピック担当大臣ということで、二〇二〇年のオリンピックに向けてやっぱりスポーツ界を盛り上げていくということも非常に大事だと思いますし、二〇二〇年のオリンピックが終点ではなくて、そこから更にスポーツが発展していくためにも、この十六球団構想、また地域の活性化という点でも非常に大事な点だと思いますけれども、最後に大臣の所見を伺って、終わりにしたいと思います。
#35
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが東京開催をされるということもありますし、またスポーツ庁の設置についても今、超党派の議連で議論をしていただきながら、文部科学省の中でもPTをつくって進めているところでありまして、これからスポーツによって、トップアスリートの育成だけでなく、全ての国民が健康、福祉の部分から享受できるような環境をつくることによって、平均寿命と健康寿命が一致するような、そういうスポーツにおける国民生活のプラスの促進について我が国は積極的に図っていく必要があるのではないかと思います。そういう中で、いろんなスポーツが活性化するということは大変望ましいことでありますし、自民党がこの日本再生ビジョンの中でプロ野球の十六球団構想を盛り込んだというのもその表れではないかというふうに思います。
 ただ、プロ野球における望ましいリーグ運営の在り方やチーム数等については、これは基本的に政府が判断すべき性質のものということではなくて、まずは日本野球機構を始めとする野球界においてしっかり検討すべきものであるというふうに考えますが、文部科学省としては、野球界の御意見等を踏まえながら、どのような対応が可能かどうか、検討してまいりたいと思います。
#36
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 日本のスポーツ産業、欧米に比べて残念ながらやっぱりちょっと伸びが悪いといいますか、アメリカのスポーツ産業に比べて大変ちょっと規模が小さい。逆に言うと、潜在能力が非常にまだあると思いますので、野球だけではなくて、プロスポーツ、相撲もサッカーも、いろんなプロスポーツを是非また国としてもどう支援していくのかということを考えていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#37
○橋本聖子君 ありがとうございます。自民党の橋本聖子でございます。石井先生に引き続きまして、質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど石井先生の方からもお話ありました、平成二十三年十月に発生した大津市におけるいじめの事件において、こういった大津市教育委員会の対応についての不徹底な事実解明、あるいは主体性の欠如、隠蔽体質といった批判が高まって今回の現行の教育行政システムを抜本的に変えなければいけないという動きの機運が高まったというふうに改めて認識をしているところでありますけれども、現在の地方教育行政に対して、権限と責任の所在が不明確であるということ、そして地域住民の意向を十分に反映していない、また教育委員会の審議等が形骸化している、迅速さ、機動性に欠ける、こういった問題点が指摘されておりまして、あらゆる面においてのこういったことを念頭に置いて、自民党における教育再生実行本部、あるいは政府における教育再生実行会議、中教審の教育制度分科会、また与党内での議論が重ねられてきました。
 本当に、この国の教育行政制度改革というのは、戦後の日本の教育行政制度の大きな転換になるということ、六十年ぶりということであります。今後の日本を考えていく中で、まさにこの教育システムの改革ということがこれからの日本をしっかりとつかさどる国家百年の計そのものにつながっていくという大事な教育改革だというふうに思っております。こういったことをつくり上げてきて、最後この舞台に上げていただくことに御尽力いただいた皆様方に改めて感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 質問に入らせていただきますが、まず、これを議論していく中で、一番最初にいろいろな意味で懸念材料になっていたのが、政治的中立性ということではないかなというふうに思っております。
 地方分権が進展していく中で、選挙によって支持された民意を代表する首長が教育行政においてもリーダーシップを発揮するということが期待をされている一方で、本当に大丈夫なのかというような心配も同時に明確になっているわけでありますけれども、仮に首長が暴走した場合にどうなってしまうのかといったようなのが一番の、こういった中教審の答申ですとか教育再生実行会議の第二次提言に対しての心配事であったというふうに思っておりますけれども、当文教科学委員会において教育委員会に関する議論を始めるに当たりまして、改めてでありますけれども、教育委員会制度の趣旨とされてきた継続性そして安定性の確保、地域住民の意向の反映についても説明をしていただければというふうに思います。何よりも、教育においての確保すべき政治的中立性というものは何かということも踏まえながら、お話をお聞かせいただきたいというふうに思います。
 また、もう一点、あわせて、教育委員会を引き続き執行機関として位置付けたということに対しても加えて御説明をまず最初にお願いしたいと思います。
#38
○国務大臣(下村博文君) 教育の政治的中立性とは、多数の者に対して強い影響力を持ち得る教育に一党一派に偏した政治的主義主張が持ち込まれてはならないことを意味するものであり、また、継続性、安定性の確保とは、教育は中長期的な計画の下に一貫して行う必要があるということであります。このため、首長一人の判断によって教育内容等が大きく左右されることがないよう、合議体によって判断する必要があるということであります。地域住民の意向の反映とは、教育が住民の日常生活に関係の深い地域的活動であることから、教育行政を専門家の判断のみに任せるのではなくて、幅広い地域住民の意向を十分に反映できる仕組みとする必要があるということであります。
 今回の改正案は、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携の強化を図るものでありますが、教育委員会を執行機関として残し、現行の教育委員会の職務権限を変更しないということによりまして、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保を図るとともに、より多様な民意を反映するものとなっているというふうに考えております。
#39
○橋本聖子君 これまでの制度については、非常勤の教育委員の合議体である、今大臣お話しいただきましたけれども、教育委員会が常勤の教育長を指揮監督することの困難性、非常勤の教育委員長と常勤の教育長のどちらが責任者であるかが分かりにくいという責任の所在の不明確さということに指摘がなされてきたというふうに思います。
 改正案では、首長が議会の同意を得て直接新教育長の任命、罷免を行うこと、教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者として常勤の教育長が教育委員会の会務を総理し、そして教育委員会を代表することが規定をされております。
 非常勤の教育委員長では責任がない、あるいは迅速な対応が困難といった批判が今までなされてきたわけですけれども、一方で、地方公共団体に置かれるほかの行政委員会、例えば公安委員会あるいは収用委員会、そして農業委員会等々あるわけでありますけれども、別途の定めがない場合は原則としてこれらの委員会は非常勤であるわけなんですが、この行政委員会との比較において、教育委員会が今までなぜとりわけ責任の所在が不明確などの批判を受けるように至ったかという経緯、これを大臣にとってどのように認識されているか、お聞かせいただきたいと思います。
#40
○副大臣(西川京子君) 特に大津市においてのいじめ事件、これがきっかけでございますので、このときの経緯を御報告させていただきますと、会議が速やかに招集されなかった、教育委員会による責任ある迅速で的確な対応がなされなかった、あるいは教育長と教育委員長のどちらが責任者であるかということが分かりにくかったと、こういうことが非常に指摘されたわけでございまして、今回の教育委員会制度の改革の発端になったということはこういうことが大きな要因であった、原因であったということは事実だったと思います。
 今回、そういうことに鑑みまして、皆様の御意見をたくさん頂戴しながら、責任体制をまず明確化しようということで教育長と教育委員長が一本化した、その一本化した新教育長を置くということによりまして、責任の所在が不明確であったという従来の課題が解消できた、そして教育行政の第一義的な責任者が明確になったと考えております。
 また、常勤の教育長が会議の主宰者となることによりまして、迅速性というんでしょうか、会議の招集や議題を適切に判断すること、速やかに対応できること、そしてやはり教育委員の皆様に適切な情報の提供ができる、そういうことも含めまして教育委員会の活性化につながったと、そういうふうに思っております。
#41
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 より立場を明確化、責任を持った立場にするということが今までの改革の一歩になるということを思いますので、是非そのことをよろしくお願いしたいというふうに思います。
 新教育長の任命及び罷免については議会の同意を得て首長が直接行うということになりますけれども、このうち任命については現状と変わりないということでよろしいですか。違いがあるとするとどう違うのか、教えていただきたいと思います。
 例えば、学力テストの成績が悪いことを理由として首長が罷免をするといった、これは恣意的な問題かと思いますけれども、そういうことができないということで理解をしていいかということも併せて聞きたいと思います。
#42
○政府参考人(前川喜平君) 現行の教育長は、首長により議会の同意を得て教育委員としてまず任命され、その後に教育委員の中から教育委員会が任命するという仕組みになっております。これに対しまして新たな教育長は、首長により議会の同意を得て直接教育長として任命されるわけでございます。このことによりまして、首長の教育長に対する任命責任が明確化されるものと考えております。
 罷免につきましては、現行の教育委員と同様、首長は、教育長が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合、また職務上の義務違反その他教育長たるに適しない非行があると認める場合に、地方公共団体の議会の同意を得て罷免することができるとしているところでございます。
 この新教育長につきましては、罷免要件は教育委員と同じ書きぶりでございますけれども、新教育長が常勤の職であり他の委員と比べて幅広い職務を担当するということになりますことから、その負っている職責に応じまして職務上の義務違反と判断される場合は様々なケースが出てくると考えております。
 実際に罷免するかどうかは、義務違反の態様やその程度等、諸般の状況を総合的に勘案して適切に判断すべきものと考えておりますけれども、単に目標とした成果が上がらなかった、あるいは学力調査で十分な成績が上がらなかったというようなことによりまして罷免ができるということにはならないわけでございます。
#43
○橋本聖子君 目的を達成することができなかった、その目標に著しく到達する達成度が低かったということに関しては、やはり徹底した一方で責任というものも問われなければいけないんだろうというふうに思いますが、議会の同意を得てということでの任命ですので、市やあるいはその地域全体がやはりしっかりと教育長を支え、そしてより明確に迅速に、あるいは地域の皆さんの意向を反映するというような、そういう体制づくりでなければいけないんではないかなと改めて感じております。
 また、青少年の心身の健全な育成ということについて、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックも決定いたしまして、この国がこれからスポーツというものを中心としてどのようなある意味での改革とそして社会貢献度を問われていくのかということについては、国も大きな力を注いでスポーツというものの潜在力を引き上げていただければというふうに思っているところでありますけれども、オリンピックに出場した選手あるいはパラリンピックに出場した選手といった実績のあるアスリートのためのセカンドライフであったりあるいはセカンドキャリアということを考える上においても、その知見を教育に反映させる仕組みとして、教育委員に体育やスポーツの関係者というものを任用していただきたいというふうにも思いますけれども、その点について大臣としてどのようにお考えでしょうか。
#44
○国務大臣(下村博文君) 教育委員の資格要件につきましては、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するものとされておりますが、この中には体育、スポーツ関係者も含まれております。
 具体的にどのような者を教育委員に任命するかは、それは地方公共団体の判断でありますが、体育、スポーツ関係者を任命することも体育、スポーツの振興にとって有効であると考えており、その旨を各種会議等を通じて周知してまいりたいと思います。
#45
○橋本聖子君 現在、教育委員会は、都道府県そして市町村等を合わせて千八百以上存在しておりますけれども、スポーツ関係者の任用というのは、調べてみますと決して多くはないということでありました。逆に、これは当然いいことでありますけれども、芸術、文化的な活動の方の方が極めて各自治体にとっては多い任用度だということなんですけれども。
 例えば、毎年文科省が行っている教育委員会の実態調査の際に、保護者だけではなく、スポーツ関係者の任用がどうなっているのかというか、そういうようなことも明らかにしていくということの体制も取っていただければと思いますが、いかがですか。
#46
○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会の実態調査におきまして、御指摘のとおり、現在はスポーツ関係者の任用状況についての項目は設けていないところでございますけれども、御指摘を踏まえまして、スポーツ関係者についての項目を設けることを検討してまいりたいと考えております。
#47
○橋本聖子君 少しちょっと地元の話をさせていただきたいというふうに思いますけれども、先ほど石井理事からは秋田県内の教育についてお話ありましたが、私、地元北海道なわけなんですけれども、ソチのオリンピックでも大変活躍をした選手たちを輩出した第一の都道府県といいますか県が北海道であるわけなんですが、やはりどちらかというと冬のスポーツの方が力を、全体に力を入れていてもどうしても冬のスポーツのメッカだというふうに見られるというふうに思うんですけれども。
 北海道では氷都と呼ばれるところが多くあるんです。氷都というのは氷の都と書かれるわけですけれども、私の地元の苫小牧も氷都苫小牧市と言われます。また、帯広も氷都、この十勝圏内は極めてスケートのオリンピックメダル率が高いというところですけれども、また釧路も氷都釧路というふうなことで、氷の都として、そして大自然の中の氷とともに地域が活性化をされていく、そして子供たちの健全な育成のために寄与していこうということで、寒い場所ならではの視点から、教育に、そういった部分において寒さや氷というものの厳しさを体験させることによって人としてやはりしっかりとしたしんの強い子供たちになってもらおうというその一環で、氷都は氷というものをひとつ活用しながら教育をしてきているという場所であるんですけれども。
 そこはやはり氷都ならではの取組だというふうに思うんですけれども、これは首長さんの裁量によって、教育委員会ですとかあるいはスポーツ財団といったところに対して元アスリートあるいは現役のアスリート、スケートの選手等を採用していただきまして、直接地域の子供たちに触れ合い、そしてジュニアあるいはシニアになる前の一貫指導システムを任せることができるシステムづくりをしていたりですとか、そういった意味においては、人材のしっかりとした循環型を地域で図っているんですね。
 そういうふうにして、首長と教育委員会、そして地域のスポーツ団体とが一体となってその町のすばらしさをより子供の人間力を豊かにするために活用しているという、こういった人材の雇用、配置というのを、これは既に首長の裁量でやられている地域が幾つかありますので、そういった地域を、大臣、いろいろな場所で見ていただいていることが多いかというふうに思いますが、そういうふうな取組がよりもっとしやすくなるような形の教育委員会制度というのも考えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のとおりだと思いまして、ちょっと名前を言うのは差し障りがありますから申し上げませんが、先週土日、あるところに行ったとき、そこの知事さんとそして市長さんが私のところに来られまして、是非ナショナルトレーニングセンターを我が県、我が市に造ってほしいというお話がありましたが、どういうコンセプトでどういうものを考えているかということではなくて、国が全部お金を出して、場所はいろいろたくさんあるんですと、是非造ってほしいということで、具体性がないんですね。
 ですから、そういう意味では、やっぱり地域の中でスポーツ関係の方々が、じゃ自分のところだったらどういう競技スポーツについてどういうコンセプトでどういうナショナルトレセン、といっても、東京にあるナショナルトレセンをあちこちに造るというわけにはいかないわけでありまして、違うコンセプトでその地域に合ったものは何なのかということについてやっぱり専門家の知見を知事やあるいは市長もよく把握をされないと、漠然とただ建物造ってほしいといってもなかなかうまくいくわけではありませんし、そのことによって国がじゃそこに造りましょうというふうには、やっぱり四十七都道府県もあるわけですから、実際難しい話なわけですね。
 ですから、これは文部科学省が進めている地域総合スポーツなんかもそうですが、これもそういう専門家のアスリートの知見をどう取り入れながら地域の方々と一緒にやっていくかということは重要なことであるというふうに思いますし、今後、二〇二〇年に向けて、先ほどの石井委員にも申し上げましたが、我が国を是非スポーツ庁、そしてスポーツ立国としていくためには、こういう教育委員会においてもスポーツに知見のある方々に入っていただくということは大変有意義なことであるというふうに思いますし、そういう視点からも、文部科学省の方でこのスポーツ関係者の項目を設けることによって、今後スポーツ関係者の任用状況がどうなっているかということについても併せて促進とともに進めてまいりたいと思います。
#49
○橋本聖子君 ありがとうございます。今大臣の方からある県の知事、市長さんといったお話ありました。
 実は、二〇二〇年というものを目標にすることができたことによりまして、これはスポーツ界のみならず、それぞれの自治体、各都道府県でオリンピック・パラリンピック推進室等をつくっていただいて、東京オリンピックということではなくて、日本のおもてなしの文化を集中させて日本が活性化されるような日本オリパラをやろうという動きの中で、各都道府県、そしてまた各省庁を超えてオリンピック対策室を先般おつくりいただいたということでありますけれども、大臣お話しのとおり、どちらかというとまだ日本の体質として、オリンピックが来た、パラリンピックが来た、そうすると、また再度経済的な部分において非常に活性化されるんではないかというような待ちの構えというんですか、何かを期待するということだけの姿勢に非常に多くなっているような現状がとても心配になります。
 何かをしてもらえるということではなくて、やはり、うちの県は、うちの市はこれだけのすばらしいメリット、あるいは観光文化や食の文化というもの、そしてスポーツのすばらしさというものを一体となって、そこにはしっかりとしたすばらしい医療が伴うんだ、教育も伴うというような、そういう事前の合宿機能をプレゼンテーションするといったことですとか、やはりそういったのがまだ日本の地域社会においては、あるいは自治体においては非常にある意味でちょっと力不足なところがあるんではないかなと。何かをやってもらうということを待つんではなくて、自分たちからすばらしさを引き出していくプレゼンテーションが、二〇二〇年オリパラまでのこの六年間に日本の二〇二〇年以降の姿が懸かっているんではないかなといつも思うんですけれども。
 そういう意味においては、この六年間、子供たちの成長というのは早いわけですから、今からやはり教育委員会、そして自治体あるいは地方のスポーツ団体というものと連携を取って、スポーツというものにおけるやはり地域の文化力ですとかあるいは観光力ですとか、あるいはスポーツビジネスといったものは何なのかというようなこと、そういったことを総合的にスポーツを通じてその町の力を引き出していくことができるんだということをこれからの若い子供たち、生徒の子供たちにもやはりしっかりと教えていくということが大切ではないかなと。
 私たちは今、私たちといっても、オリンピック委員会の今立場でちょっとだけ話をしますと、オリンピック委員会といたしましては、今、オリンピックムーブメント、オリンピックがなぜできたのかというオリンピックの発祥の歴史、平和の祭典であったことのやはりすばらしさを継承していくというのを一つの仕事の柱としてオリンピックムーブメント活動を、全国の子供たちの教室に行って、学校に行って、それぞれオリンピアンを派遣して教育をさせていただくという学校の授業の一こまをいただけるように努力をしているわけですけれども、それに対してもやはり、市であったり、あるいは教育委員会であったり、これは物すごく地域によって温度差があるんです。
 そういった温度差があることによって、直接的なやはり子供たちが望む元オリンピアンですとか、そういう尊敬される選手たちと直接出会うチャンスをその自治体の裁量によって逃しているようなところも見られますので、そのことについては是非、大臣として、文科省として、しっかりとした子供の心の部分においての教育、何を子供たちは今求めているのかというような、そういうところの視点に立ってこの教育行政改革、教育委員会制度改革というものをしていくということを是非心に置いていただきたいというふうに思いますので、改めて、ちょっと話がそれましたけれども、オリンピックの活性化も含めてお願いをしたいというふうに思います。
 次に、首長と教育委員会との連携ということで改めてまたお話を聞かせていただきたいというふうに思いますけれども、総合教育会議について、設置の趣旨についてというのは石井先生からもお話がありましたけれども、総合教育会議の構成というのは首長と教育委員会とされておりますが、教育長及び教育委員ではなく執行機関である教育委員会としたのはなぜかということと、そしてどういう案件を議題としていくということが主になるのか、具体的にここで教えていただきたいと思います。
#50
○副大臣(西川京子君) 今回の改正におきましては、教育長と教育委員長を一本化した新教育長、これが日常的な事務執行をつかさどるわけですけれども、教育委員会の招集権を有するなど権限が強化されておりますけれども、合議体である教育委員会の意思決定に基づき事務を執行するという立場は変わっておりません。そういうことを考えますと、総合教育会議で首長と教育委員会という、言わば教育長と教育委員ではなくて、執行機関としての教育委員会と執行機関同士の協議及び調整の場ということが総合教育会議の意味でございますので、そういう機関としての教育委員会が構成員となるものであるということの意味で、教育長と教育委員ではなくて教育委員会と首長ということに整理しております。
 また、総合教育会議では、具体的に申し上げますと、大綱の策定、そして教育を行うための諸条件の整備その他地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興を図るため重点的に講ずべき教育施策、児童生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生じるおそれがあると見込まれる場合、今回これが改正の目玉でありますが、見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置、こういうことについて協議、調整をしていただきたいと思っております。
#51
○橋本聖子君 仮に、教育委員会側の反対を押し切って策定された場合というのはどのようになりますか、仮にですが。仮にということですけれども。
#52
○国務大臣(下村博文君) 改正案におきましては、首長が教育委員会と協議して大綱を定めることとされているわけであります。大綱を定めるに当たっては、首長と教育委員会との間でぎりぎりまで協議し、調整を行うこととなりますが、調整が付かない場合でありましても、大綱は首長が定めるものと規定されていることから、首長が策定権者として大綱を定めることができるものであります。
 大綱は、首長と教育委員会とが協議し、調整を経たものは尊重義務が生じることとされているため、教育委員会及び教育長には大綱に沿った教育行政運営が期待をされます。しかし、教育委員会と首長との間で調整が付かなかった場合におきましては尊重義務ということはなく、権限を持つ教育委員会が執行しない事項を記載するということ自体が意味がないということになりますので、こうしたことがないように十分な協議、調整をすることによって、なおかつ、一体的な自治体でありますから、この協議、調整については十分対応していただいて大綱を作っていただきたいと期待をしております。
#53
○橋本聖子君 大臣も期待されているということで、もう本当にここの部分においては重要なポイントだというふうに思いますので、是非指導をお願いをしたいというふうに思います。
 大津のいじめ事件を契機として昨年成立したいじめ対策推進法、この法律が施行をした後も大変残念ないじめによる子供たちの自殺ではないかというような問題が発覚をいたしまして、大変胸が締め付けられるような思いでありますけれども、学校、そして市教育委員会、またそういったところで不徹底な事実解明、また主体性の欠如、隠蔽体質、こういった今までの批判が、また法律が制定され施行された後もこのような事件が各地で起こっているということ、これに対して文科省といたしましては、この法律によって抑止、根絶に向けてどのようにしていくことがより重要なのかということと、今回のこの教育長のやはり任命によって、改革によって、こういったいじめ問題についてよりしっかりとした明確な役割というものが果たしていけるのかどうかというものを是非また御説明いただきたいと思います。
#54
○副大臣(西川京子君) 実は現行法五十条でも、平成十九年改正において、いじめによる自殺等の事案において教育委員会の対応が不適切な場合に、文部科学大臣が教育委員会に対して是正の指示ができるというふうに設けられた規定でございます。しかし、実際には、この是正の指示というのは大変強い権限でございますので、平成十九年以来一度も発動されていないんですね。
 そういう中で、大津市におけるいじめによる自殺事案の際に、児童生徒等の生命又は身体の保護のためという要件について、これはこういう書きぶりですと、実は当該児童が、生徒が自殺してしまった後の再発防止のためには発動できないという解釈になってしまいました。
 そういうことに、この問題を解決するという意味で、現行法においては、指示ができるという解釈も可能ですが、それはやはり今までは地方自治制度の中で非常に強い国の関与になるということで実際には発動されてこなかったということで、今回はこれを、解釈が曖昧なまま発動することは困難であるために、事件発生後においても、同種の事件の再発防止のために、指示ができることを明確にするということが今回の法改正の言わば目玉であるというふうに思っております。
#55
○橋本聖子君 ありがとうございます。是非、そこの部分については強くお願いをしたいというふうに思います。
 隠蔽体質や村社会を打破するということにおいては、教育委員会の事務局の人材育成というものが大事だというふうに思いますけれども、首長部局と人事交流などをして専門性を備えた行政職員を育成するということが必要ではないかというふうに思いますが、その点についていかがでしょうか。
 それと同時に、やはり責任と権限が集中をした結果、的確で迅速な執行が求められているというのがこれから同時に求められることでありますけれども、事務局の機能の柱となるのがこの教育専門職の指導主事だというふうに思います。この指導主事の育成というものも同時に必要だというふうに思いますけれども、現状では指導主事の人数が少ない、あるいはその能力に非常にばらつきがあるというふうにも指摘されておりますが、この二点について最後に大臣からお聞かせいただきたいと思います。副大臣、お願いします。
#56
○副大臣(西川京子君) 教育長や教育委員会を支える事務職員の資質の向上、これは今回の教育委員会改正においても非常に大事なポイントだと思っております。
 教育行政の専門性を有する行政職員の計画的な育成が大変重要でございまして、一般行政部局との人事交流も含めて適切な人材育成が望まれるわけですが、それと一緒に、やはり教育行政というのは特殊でございますから、教育行政を一貫してやってきて育てるということもまた重要なことだと思います。そういう意味で、国において現在様々な研修を実施しているところでございますが、各県の教育委員会とも意見交換をさせながら十分充実してまいりたいと思います。
 そして、人選あるいはその人数の配置の問題ですが、平成二十三年度地方教育行政調査によりますと、平成二十三年五月一日現在で、教育委員会事務局の職員数が十人以下の市町村が四百九十三あります。そして、指導主事が置かれていない市町村が六百二十五あります。非常にそういう意味では半数近くが事務体制が脆弱であるということがございますので、学校指導なども含めてこれからしっかりと対応してまいらなければいけないんですが、今年度の地方財政措置におきまして、都道府県教育委員会における指導主事の地方交付税措置におきまして六名分を、各県ごとにですね、六名分を増員したということで、これ標準規模を対象にしておりますが、十五人を二十一人に増やしました。これで県の方から脆弱な市町村にある程度派遣しながら調整を図っていただきたいということを考えておりまして、市町村教育委員会の学校指導体制の充実ということは文科省としても非常に大切なこととして一層の対応をしてまいりたいと思っております。
#57
○橋本聖子君 是非よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#58
○大島九州男君 それでは、早速質問をさせていただきたいと思います。民主党の大島九州男でございます。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 中教審が「今後の地方教育行政の在り方について」というのをまとめた文章をちょっと御紹介をしたいと思いますが。
 昭和三十一年に制定された地方教育行政の組織及び運営に関する法律は、旧教育委員会法の様々な問題点を整理し、今日まで五十七年間続いてきた現在の教育委員会制度の骨格を形成した重要な法律であり、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保を制度的に担保してきた。また、行政職員、教育関係者だけではなく、地域の多様な立場の人たちの視点を反映する観点からも重要な役割を果たしてきた。しかしながら、深い思慮の下に設計されたこの制度には、一つの重要な課題をはらみつつも、関係者の善意と協力によって維持されてきたという側面があることも事実である。その課題とは責任の所在の不明確さである。この課題は、今日、児童生徒の生命、身体や教育を受ける権利を脅かすような重大な事案が生じる中で顕在化し、地方教育行政に対する国民の信頼を維持するためには、制度の抜本的な改革が不可欠な状況となっている。
 本年四月十五日に内閣総理大臣が開催する教育再生実行会議においてまとめられた「教育委員会制度等の在り方について」においては、合議制の執行機関である教育委員会、その代表者である委員長、事務の統括者である教育長の間での責任の所在の不明確さ、教育委員会の審議等の形骸化、危機管理能力の不足といった課題が指摘され、地方教育行政の責任者を教育長とすることを柱とする改革が提言された。
 現行制度においては、非常勤の教育委員は、教育委員会という合議体の執行機関の一員として、公立学校の管理を始めとする教育行政について共同して教育長を指揮監督する責任を負っている。教育委員の中には、事務局が行う行政事務や所管の学校等の状況について、常勤の教育長と同じだけの情報を得ることができない中で、どのような事項について、どこまで強く意見を言ってよいものかという戸惑いがある一方で、重要な決定については教育長と同様に行っていることへの違和感があるという声が少なくない。こうした中で、いじめによる自殺など重大事案が生じた場合に、教育委員として果たすべき役割を明確にできず、教育長及び事務局、学校という専門家集団の対応を住民目線からチェックするという役割を果たせない場合もある。このような状況が五十年以上の間続いてきたことが、さきに示された責任の所在の不明確さ、審議の形骸化、危機管理能力の不足といった教育委員会の課題の原因となっていると考えられ、こうした課題を解決するために、属人的な努力による運用の改善に期待するだけではなく、教育委員会制度の抜本的な改革を行う必要があるというふうにされています。
 このようなことを受けて今回の改正をされたというふうに理解をするわけでありますけれども、今回の改正の目的、そしてこの改正により何がどのように変わるのかというのを具体的に御説明をいただきたいと思います。
#59
○国務大臣(下村博文君) これ、私に対する答申、読んでいただきましてありがとうございます。中教審でもこのような答申を受けました。
 まず、ここに、今読んでいただいたとおりでありますが、現行の教育委員会制度については、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、また、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、あるいは、地域の民意が十分に反映されていない、さらに、地方教育行政に問題がある場合に国が最終的に責任を果たせるようにする必要があると。
 そういった課題について抜本的な改革が必要であるという認識の下で、今回、改正案において、政治的な中立性、あるいは継続性、安定性を確保しつつ、一つは、首長が議会同意を得て直接任命する教育委員長と教育長を一本化した新教育長を置くことによる教育行政における責任体制の明確化を図るということ、また二つ目に、常勤の新教育長から教育委員への迅速な情報提供や会議の招集の実現など、迅速な危機管理体制の構築を図るということ、さらに、首長と教育委員会が協議、調整する総合教育会議の設置や首長による大綱の策定など、地域の民意を代表する首長との連携強化を図ること、そして、国が最終的な教育行政の責任を果たせるよう、第五十条を改正し、いじめによる自殺等が起きた後においても、再発防止のために国が教育委員会に指示できることの明確化、これらを図ることによりまして、地方教育行政の権限と責任を明確化し、全国どこでも責任ある体制を築くことが可能というふうに考えているところでございます。
#60
○大島九州男君 私も地方の議員を十二年間しておりましたので、首長がその教育長、教育委員会のメンバーを選ぶときに現状どういう状況だったかというのをおもんぱかりますと、大体首長が自分に関係する、縁のある皆さんを任命して、その中で教育委員長と教育長が決まっていくわけでありますけれども、全てとは言いませんけれども、大体首長の意向で教育長が決まってきていたのが今までの現状だというふうに私は理解をしているところなんですね。
 今回、この改正の中で、新教育長は首長が直接任命するというふうになっている。これは現状を法律化したと、私はこういうふうに受け止めるわけです。
 ここで、じゃ、その何が明快になったのかといえば、私の考え方は、任命権者である首長がより責任が重くなったんだと。今までは、教育委員会の中で何か互選によって教育長が選ばれてきたという立て付けであったけれども、やはり今回は、首長さんが直接任命をして議会に承認を得るということになる。この仕組みは、より首長、あなたが、この教育委員会が行うその事務の執行についての責任はあなたが一番重いんですよというふうに私は読み取れると、私はこういうふうに思うんですが、そこら辺の見解はどうでしょうか。
#61
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、今までの教育長というのは教育委員の中から選ぶということになっていたわけでありますが、実態的には、事実上、今の御指摘のように、首長が教育長を任命を事実上していたという部分があったというのは、ほかの自治体でも多分一般的にそうであったのではないかというふうに思います。
 今回、首長としては教育長としてふさわしいと考える者を教育委員として任命しても教育長の任命権者はあくまでも教育委員会であり任命責任が曖昧であるということを解決をするため、そして、新たな教育長は首長が議会の同意を得て直接教育長として任命する、そういうことから、首長の任命責任はより明確になるものというふうに考えます。
#62
○大島九州男君 このことは是非全国の首長さんにしっかり認識をしてもらいたいというのがあって、あえて確認をしていただきましたが、大臣が明確に言っていただきましたので、このことは、逃げ得を許さないと。言うなれば、首長である首長が、何か問題が起こったときに、いやいや、これは教育委員会がやっていることだからというようなことで逃げることはできないんだということを明快に大臣に御答弁をいただいたというふうに、是非、皆さん、そこは押さえておいていただきたいというふうに思います。
 次に、やはり地域の声を吸い上げて、そしてやっぱり学校教育に生かしていくという、そういう理念のお話もされていらっしゃいました。そこに出てくるのが私は総合教育会議だというふうに受け取っているわけです。
 それはなぜかというと、総合教育会議は、今の話の流れでいくと、首長と教育委員会が構成するメンバーで開催をしますと。首長が民意を反映する、地域住民の声を反映する立場で本来なら入っているという認識なんでしょうが、これが、幅広くその地域の住民の声を本当に反映する、教育的に知見があったり関心のある首長さんが全ているわけではないと。それを担保するためにどうなっているのかという話をしたら、地域の民意をより一層教育行政に反映をする観点から、今ある学校運営協議会や学校支援地域本部の人材、そういう人たちとか、いろんな地域の教育に関心のある人たちの意見も聞くことができるという立て付けになっているというようなこともちょっとお伺いしたわけですが、そのことをちょっと明快に確認をしていきたいと思うんですね。
 やはり、学校運営協議会イコール、コミュニティ・スクールで、地域と一体となって学校を運営するその主体、また学校支援地域本部、まさにボランティアの人を中心とした集まりである任意団体、これも当然、地域の声を反映するスタッフが集まっているわけですから、そういう人たちの声をその総合教育会議に反映をさせるということは大変有意義なことだと私は思うわけですが、そこら辺の考え方を教えていただきたいと思います。
#63
○副大臣(西川京子君) 本来、総合教育会議は、執行機関同士の首長と教育委員会、これの協議及び調整の場という立て付けになっております。しかし、その中で、会議の実効性があるものにするために、協議、調整を行うに当たっては、必要があると認めたとき、そのときには関係者又は学識経験を有する者から意見を聴くことができるというふうになっておりますので、当然、先生のおっしゃるコミュニティ・スクールの代表者や、あるいはPTA、あるいはその地域の企業の方でも、必要と認められればそういう方々の御意見を頂戴すると。そして、具体的に学校運営協議会会員やPTA関係者、地元の企業人からも意見の聴取が行われることは十分想定できることだと思っております。
#64
○大島九州男君 ありがとうございます。大変私はそういうことが望ましいし、政府もそういうふうに考えていらっしゃるということでは大変すばらしいことだと思うんですが。
 もう一度、ちょっと自分なりに整理をするのに、学校運営協議会制度という、よく一般的に言われているコミュニティ・スクールという、このコミュニティ・スクールの目的は、保護者や地域の住民が一定の権限と責任を持って学校運営に参画することにより、そのニーズを迅速かつ的確に学校運営に反映をさせ、より良い教育の実現に取り組むと。そして、この設置については任意ですよと。だから、持っている、やっている市町村もあれば、やっていないところもありますねと。位置付けは、学校の運営について、教育委員会の下部組織として、一定の範囲で法的な効果を持つ意思決定を行う合議制の機関であるという位置付けである。そして、法令上の根拠は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の五ということで、教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その指定する学校の運営に関して協議する機関として当該学校ごとに学校運営協議会を置くことができるものとすると。そして、資格の要件は、地域の住民、保護者その他教育委員会が必要と認める者。任命については、教育委員会が任命し、委員の身分は非常勤特別職の地方公務員と。主な内容は、学校の運営に関する基本的な方針について承認をする、学校の運営に関して教育委員会又は校長に対し意見を述べることができる、教職員の採用等に関しては任命権者に意見を述べることができ、任命権者はこれを尊重すると。
 ということで、今、学校数、全国で千五百七十校でこのコミュニティ・スクールと言われる学校運営協議会制度が運用をされているという、こういう現状にあるということですね。この中身を見てみると、本当にまさに地域の皆さんのいろんな意見をしっかり集約して、教育委員会と連携をしている地域住民だという位置付けですよね。
 学校支援地域本部というのは、これは目的は何かと。地域住民が学校の支援を行うもので、これにより学校と地域との連携体制の構築を図り、地域全体で学校教育を支援する体制づくりを推進すると。設置は同じく任意。位置付けは地域住民等のボランティアの集まりとして任意団体でありますよと。だから法令上の根拠もありませんと。資格要件、この協議会等は、学校関係者及び地域の代表者、校長や教職員、コーディネーターやボランティア代表、PTA関係者、公民館長等社会教育関係者、自治会等地域の関係者等。地域コーディネーターは、学校と地域の実情に精通する者で、ボランティアの活動の連絡調整を行う。学校支援ボランティア、学校支援活動に参加する地域住民のボランティア。法的な措置はないため、特に資格要件等は定めてありませんよと。だから任命もありません。主な内容は学校の教育活動の支援。例といえば、学習支援や部活動支援、校内の環境整備や子供の安全確保、学校行事等の支援。全国で三千五百二十七本部、八千六百五十四校が二十五年度の中ではこういう本部を置いているという現状ですということ。
 今の内容を聞いていただいて分かるように、学校支援地域本部が進化してというか、ちょっと上に上がってコミュニティ・スクール、学校運営協議会制度というふうに上がっているんだなというふうに私は受け取るわけですよ。そうすると、そういう経験とかそういうものを積んだ人が今回設置される総合教育会議というものに参加をするということは大変有意義だなと。逆に言うと、今回この総合教育会議が設置されたことによって、私はこのコミュニティ・スクールとかがどんどん、何というんですか、推進されていくんじゃないかというふうに思っているわけです。
 それは何でかと。その根拠は、実はもう今日はここで質問するよりは、文科省、いろいろやり取りしたり資料を見てきまして、それでいろいろ評価を、これコミュニティ・スクールに関わる要は大臣の評価を事前にちょっと取り寄せていました。このコミュニティ・スクールが果たしている役割に対する大臣や文科省の評価としては、保護者や地域住民が学校運営に参画するコミュニティ・スクールに取り組むことによって地域と連携した取組が組織的に行われているようになる、学校に対する保護者や地域の理解が深まる、教職員の意識改革が進むなど学校と地域との連携が一層深まるとともに、生徒指導上の課題の解決や学力の向上などの成果が報告されていて、その役割は重要だというふうに評価していただいているんですね。
 私は、御存じのように学習塾で、地域の本当に根差した学習塾の先生はその子の地域の家族環境から全て兄弟関係まで、ずっと塾で指導をしてきたりとかしているから非常に付き合いも長いし、いろんなことが分かっている。そういう人たちが学校運営に入る、これも大変すばらしいことですねということをずっと主張してきたわけですよね。
 そしてまた、この文科省が良いと考えるほかの事例はどういう事例がありますかということをちょっと聞きましたら、例えば東京都の三鷹市なんかは市内の全ての中学校単位で小中一貫教育によるコミュニティ・スクールを推進している、そして学習ボランティア等の協力によって教育支援も充実している。福岡県の春日市では、やはりこれも市内の全ての中学校単位で学校活性化とともに地域活性化を意識したコミュニティ・スクールを推進していて、学校運営協議会においての学校評価を行うなど、学校の評価の充実と関連付けて実施しているというような、こういう事例もありますよと。だから、地域でいろんな広がりを見せているという、こういう成果もあるんですねと。
 ただ、その成果だけではなくて、進捗しないという、なぜ進捗しないところもあるのかと。先ほど言いましたように、数的に言いますと、コミュニティ・スクールは全国で千五百七十校という、そういう数になっている。これは、進捗しない理由として文科省が考えているものは、教育委員会や校長、教職員のコミュニティ・スクールの意義等への理解の不足や、学校運営協議会の委員等の地域人材の育成や確保ができていないということが推測されるんじゃないかなという見解をお持ちなんですよ。
 だから私は、それで何が言いたかったかというと、学校支援地域本部というのは、任意でどんどんどんどん地域のボランティアの皆さんに積極的にやっていただいて、そこでいろんな経験を積んで学校運営協議会というコミュニティ・スクールに格上げをしていくというような動きを、今回この総合教育会議ができたことによって徹底して推進していく、発信をしていくことが地域の教育力、まさにその地域教育力を高めるということになるのではないかというふうに考えるわけですね。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 この地域の教育力、大臣の言う地域力とは何かということで、大臣が衆議院で、地域力があるというのは、学校運営協議会を進めていく上で、学校運営や学校支援に関して学校、保護者、地域等の関係者が連携し、協議できるような状況が整っていることを地域力があるというんだよというふうに、指すんだよというふうに御答弁されたんですね。だから、まさにそのことになるんだなと。
 そして、そういうことが連携されていくとどうなるかというと、連携、協働して取り組む意義等について学校、教育委員会、保護者、地域住民や地域の諸団体等の理解が深まるよう、導入に向けた体制づくりなど、未導入地域に対する支援を講じるとともに、教育委員会担当者に対する説明や、多くの有識者の協力を得た説明会やフォーラムの開催をして、好事例の普及や意識の啓発を図るなどに取り組みながらコミュニティ・スクールを推進していきたいと、そういうようなことも言われているわけですね。
 ということは、今答弁でありましたけれども、この総合教育会議は、首長と教育委員会がというふうにいうのではなくて、まさに学校支援のコミュニティ・スクールや学校支援地域本部や学校運営協議会制度と連携してやることが望ましいよということを大臣が一言おっしゃるとだだだっと進むんじゃないかと思いますが、そこら辺、大臣、どういう御見解でしょうか。
#65
○国務大臣(下村博文君) 非常に懇切丁寧に分かりやすく説明していただきまして、ありがとうございます。
 おっしゃるとおりでありますが、私もそれを、大島先生のような期待感を、総合教育会議含め今度の新しい教育委員会制度改革が成立した後、是非期待をしたいと思いますが、本当にそうなるかどうかは、それはやはりそこの首長とそれから教育委員会の意識によるのではないかというふうに思います。
 非常に恥ずかしい事例なんですけど、私の選挙区は東京の板橋区で、板橋区だけが一つの選挙区の自治体なんですね。ですから、文部科学大臣地元だから、小中で七十数校ありますので、一つぐらいはコミュニティ・スクールを是非つくってくれと再三言っているんですけれども、乗らないですね。これは、教育委員会が余り意欲がないということと、教育委員会の判断では、今御指摘があったような、必ずしも地域力、その地域の住民とか保護者とかそういう関係者の方々の連携して協働できるというようなまだマンパワー体制ができていないのではないかということを言われておりましたが、一方で、学校の閉鎖性も問題があるのではないかと思うんですね。
 学校支援地域本部というのは、これは今御指摘があったように、数としては八千六百五十四校ですから、これはかなり多い。これは部分部分のサポートなわけですけれども。コミュニティ・スクール、地域運営協議会というのは、かなり学校の中における運営にまで関わっていくということでありますから、余り校長やあるいは教職員がそこまで外部の人に関わってもらいたくないと思っているところも相当あるんですね。このことによってコミュニティ・スクールが進んでいないというところがありますが。
 しかし、それで、じゃ、うまくいっていればそれはそれでいいんですけれども、もっとうまくいくためには、やっぱり地域ぐるみで子供たちを育んでいく、育てていくという環境をつくっていくことは非常に重要であって、文部科学省としては、少なくとも小中高のうちの一割、三千校ぐらいはコミュニティ・スクールにすべきであるというふうに考えているところでありますが、まだその目標の半分しか行っていないということでありまして、今の御指摘のように、総合教育会議ができることによってそれが促進をされるのであれば大変に望ましいことでありますし。
 また、是非、今の御指摘の点も踏まえて、基本的には総合教育会議は首長とそれから教育委員会のメンバーが主たる構成要員でありますけれども、そこに地域の有識者、有識者の中には地域運営協議会やあるいは支援地域本部ですね、こういう方々が積極的に関わっていただいて、そこの自治体としてどう地域住民の方々に学校運営やあるいはサポートしてもらうかということを一緒に考えてもらうということは、まさにその地域における教育力をアップしていくという、本当に適切な受皿として総合教育会議がなる可能性はあると思いますので、是非、大島先生の言われるような指摘について、文部科学省としてもサポートしながら、それぞれの自治体でそういう取組が更に促進されるようフォローアップをしてまいりたいと思います。
#66
○大島九州男君 ありがとうございます。今大臣がおっしゃっていただいたやはりその一言は大きいと思うんですね。
 我々が今後やらなきゃいけないことは、地域の首長さんや住民がそういう意識を持っていただくと。そのためには、やはりそれぞれ地方議員の皆さんが議会を通じて、今回こういう法律が改正されましたと、そういう法律はどういう趣旨でどういうふうなことを目標にし、そして具体的にどういうふうに運用されていって動いていくのかと。
 これ、私、地方議員のときに、例えば法律が改正されて質問するじゃないですか。私は福岡県直方市の市の議会議員であったので、しますと、いや、まだそれは県の方からいろいろ御指導をいただいていないので私たちでは分かりませんとか、大体そういう答弁なんですよ。で、時間がずっとたってですよ、時間がずっとたって、県議会ではこういう答弁がされているのを引用して、そしてそれで、それを見て、直方市の教育委員会はこういうふうに考えていますみたいな、要は下りてくるのにタイムラグがあるんです。
 私、何が言いたいかというと、今ここで、この文部科学委員会で議論をしている。今の時代はインターネットも全て取れるわけですから、地方議員の皆さんがこのやり取りをきちんと聞いて、もう既にこの法律が、仮にもう議決されて運用されるその前から、その首長さんに、いや、実はこの法律の趣旨と目的はこういうことですよと。そして、首長さん、あなたはこれからこの地方教育行政に対して相当な責任を負う、そういった立場になったんですよと。そして、そのためには広く地域の声を聞いて、そしてその会議をより地域のために運営するように、仕組みにするためには、こういうコミュニティ・スクールの皆さん、そしてまた学校支援地域本部に関わっているような皆さんの声を聞くということは有意義なことなんですよというふうに大臣が言っていますねという、そういう議事録を見ながら質問していただけば、どういうことになるかというと、あれ、待てよと、うちはコミュニティ・スクール、何だと、これ、ちょっと調べてみたら、ああ、学校運営協議会というのかと、こういう首長さんたくさんいると思いますよ、正直言って。それで、ああ、こういうのがあったんだと、うちにはないなと。まさに板橋の区長がそういうふうに思うかどうかは別ですけど、やはりそういったボトムアップで上がっていき、首長に気付いてもらう。そして首長が自ら、ああそうだ、こういうことが必要だねということを必ず言えば、地域でそのことを御理解しながら活動されているボランティア活動の皆さんや保護者、PTAはたくさんいらっしゃるわけですから、そういう人たちと和合しながらこういうものが進んでいく。僕はまさしく進むと思いますよ。
 だから、これは地方議員の皆さんに徹底的に議会でこのことを首長に質問していただきたい。そうすると、もっともっと進んでいく。やはり、具体的に我々はそういう地域の教育力を、地域力を上げることによって、日本の子供たちの学力を上げたり、本当に子供たちがいじめのないそういう学校で過ごしていただけるような環境を今回これを契機にしてつくっていただくことが有り難いというふうに思うわけですね。
 その反面、大綱というものが作られて、その大綱に沿っていくわけですから、その大綱にはどういうことが決められるのかというのを実際イメージ湧かない首長さんもいると思うんですね。だから、文科省が想定をするその大綱というのは、では具体的にどういうものを想定しているのかというちょっと具体例を挙げていただくと有り難いです。
#67
○政府参考人(前川喜平君) 大綱とは、当該地方公共団体の教育の振興に関する総合的な施策につきまして、その目標や施策の根本となる方針を定めるものでございます。
 大綱に定める具体的な事項といたしましては、例えば、目標年度までに全学校の耐震化を完了することとか、あるいは学校の統廃合の推進を図るというようなこと、あるいは少人数教育を推進すること、今御指摘のございましたコミュニティ・スクールの指定の推進などもこの大綱にふさわしい事項ではないかというふうに考えております。
#68
○大島九州男君 なるほど。だから、そういうことを言っておいていただくと、なるほどと、ああ、じゃこの大綱にコミュニティ・スクールの推進を入れようとかいう議論になるわけですね。こういう議論の場でより具体的に現場の地方のことをやっぱり考えながら議論していくということはすごい大事だなと、これは私がもう本当に市会議員のときに痛感しているわけですよ。
 例えば、私が市会議員で、この法律どうだというので、じゃ文科省に上京して質問したというふうになるとどういうことが起こるかというと、文科省の方から県に連絡があって、県の教育委員会に、直方の大島という市会議員がこういう質問に来たんだけど、そういうようなことはさせないようにしてくださいという電話入るんですよ、本当に。私、これは昔の建設省のところで御注意を受けたことがありますけど、そうなんだと。
 いや、だから本当に私は、国会へ来て、入口と出口の間に何かいろんなフィルターがあるんだなということを実感していますので、だから、私はそういう意味において、国会で質疑をするときの自分の心構えは、直接その現場に携わる市会議員さんや首長さんや市の職員さんが分かりやすく直接的に情報がやり取りできるというのはすごい大事だなというのは、私の経験からね、そうやって求めていくと怒られちゃうんですから。議員、ちょっともうそういう勝手なことはしないでくださいとかと何度言われたことかというのを思い出しましたが、そういう議員さんたちにもしっかりとしたメッセージとして送っていただきたい。
 じゃ、今度大綱ができて、実際そういうふうにして進んでいっているかどうかというようなことをいろいろやると問題が起こってきたと。そうすると、そういう問題が起こったというと、今回の法律では文科省、国が是正の指示をするというようなことがあるわけですが、具体的に、じゃ、どういうことが起こると国からこういう御指導があるのかというのをちょっと教えていただければ有り難いです。
#69
○政府参考人(前川喜平君) 現行の第五十条でございますが、これは平成十九年の改正におきまして、いじめによる自殺等の事案において教育委員会の対応が不適切な場合に、文部科学大臣が教育委員会に対して是正の指示ができるように設けられた規定でございます。
 この指示が発動される具体的なケースといたしましては、例えば、いじめ等の事案において事実関係を明確にするための調査の実施について、教育委員会がそれを行おうとしていないという場合に指示を行うということ。あるいは、例えばでございますけれども、致死性の高い感染症が流行しているような場合で、児童生徒に被害が生じているにもかかわらず教育委員会が必要な措置を講じていないというような場合、こういった場合に例えば学校の臨時休業について指示を行うというふうなこともあり得ることではないかと思います。
 ただ、この是正の指示は、教育委員会の法令違反や事務の管理、執行の怠りが明白であって、他の手段によっては是正が困難である場合に限られた最終的な手段であるということは留意しておく必要があると考えております。
#70
○大島九州男君 分かりました。それを聞いてちょっと安心したんですけれども、この是正の指示というのは、もう教育委員会の法令違反や事務の管理、執行の怠りが明白であって、他の手段によっては是正が困難である場合ということに限られた最終手段ということですから、中には、国が何かめちゃくちゃ関与して地域の教育に口出すんじゃないかという人がいましたが、そういうことはもう私もないと思うんですね。こういうことのないように地方の首長、教育委員会がしっかりやっていただきたいということをお願いをしたいというふうに思います。
 地域の教育というものは、先ほども言わせていただいておりますけれども、やはり地域が密着した、本当は地域それぞれ僕は独自の教育があっていいと思うんですね、昔で言う藩校のような。その地域地域に沿ったそういう文化、伝統を、根付いたそういった教育がされていくことは非常に私は望ましいなと思っていて、将来的な私のイメージは、例えば学校支援地域本部でボランティアの皆さんが集まって、いろんなことがありましたと。それで今度、次に、コミュニティ・スクール、学校運営協議会制度に何か格上げして、首長さんたちもやはり地域の皆さんの声を聞いて、学校の校長先生もやっぱり一体となってやっていこうというふうな風土が芽生えて、そしてまたそれが総合教育会議に反映をされながら大綱に収まっていって教育がなされていくと。
 これ進化していったらどうなるかというと、例えば、自分の町は非常に伝統、まあ一つ例を挙げるなら、私のところは鉄工所なんですね。炭鉱から、それから製鉄所の設備とか、そういったことをやるような技術が進化していったわけですよ。そうすると、今は風力発電をやっているような会社もあるわけですね。そうすると、物づくりでいっている歴史ですねと、それもなおかつエネルギー産業の物づくりですねと。そうしたら、その歴史を踏まえて、じゃ、我々の地域では、そういうエネルギーや物づくりに関して興味を持つような教育を進めていこうというような大綱が作られて、その地域ではそういった物づくりとエネルギーに対する興味を持つ人材が増えていったと。ある山の方では、やはり山間地で、山間地の林業だとか、また山間地に対する農業の歴史があって、やはりこれは必要だよねと、こういうことをどんどんどんどんやっぱり発信していく必要があるねという大綱が定められて、そしてそういった人材が育っていくと。
 それぞれ、やはり私は、何でもそうですけれども、先ほど橋本先生の話がありました。北海道で生まれ育つからやはり冬場のウインタースポーツがオリンピックで行くような人が出てくると。僕、同じだと思うんですよ。だから、そういう意味において、その地域の特性を生かしたその中の教育というのは、食物でいうと、その地域でしか栽培できないものってありますよね、自然環境の中でやっぱり我々は生かされているわけですから。そうすると、そういう教育につながっていったときに、非常に地域の特性を生かした、特産物ですね、そういう人材、そういう人材がこの日本を支えていく多様な人材を構成するものになるんだという、そういう考え方なんです。
 だから、そういう意味において、今回の教育制度の地方教育行政の改革は六十年ぶりの改革なんだというふうに言われると、なるほどなという気がするんですよ。ただ、その教育委員会を廃止するだとかこうだとか、いじめに対してどうのこうのとかいうような、大事なことですよ、大事なことだけれども、じゃ、それが六十年ぶりの改革なのというイメージを持つわけです。ところが、今の現状だとかそういうものを含めて、いろんなことがあってこういう改革が起こるけれども、その将来的なビジョンというか、その行き着く先はこういうものを目指しているんだと言われると、なるほど、そうかと、それでこういう地方教育行政が六十年ぶりに改正されるんだなというふうにすんなり落ちるんですけれども、大臣、そこら辺のところを是非よろしくお願いします。
#71
○国務大臣(下村博文君) いや、与党以上に今回の地方教育行政法改正案の付加価値を高めていただけるような提案、質問をしていただいていることに対しては本当に感謝を申し上げたいと思います。是非、今回の改正案、民主党の御協力をお願い申し上げたいと思います。
 しかし、おっしゃるとおりだと思いまして、私は被災地に足をできるだけ運ぶようにしているんですが、岩手県の大槌町、それから福島県の浪江町、両方、ちょっと条件は違うんですが、流されてしまって、なかなか、避難生活をしている方が多くて、それぞれのふるさとに戻れないと、あるいは戻ってきている方々も少ないということの中、子供たちにふるさとの、ふるさと科というのをつくって、伝統、文化、そういうものをきちっと教えていこうと。そして、そのことによって大槌のずっと何百年育まれていた伝統行事を子供たちに継承させていくということを、被災前はしていなかったそうなんですが、三・一一、東日本大震災をきっかけに、学校ぐるみ、それから、もちろんそれは地域の方々が子供たちに教えていかなければなかなか伝統芸能等は継承していくのは無理ですから、地域の方々も学校に入って一緒にやっていこうと。
 浪江は今ふるさとに戻れないということで二本松の方に集団で移っておられて、そしてその中で、その二本松の転校した学校がなじめないという子供たちが、浪江町が廃校になった学校を借り受けて、そして浪江の子供だけ集めてそこで学校をやっているという中で、やはり核としてのアイデンティティーですね、これは浪江がどんなにすばらしいところなのかということについて、浪江の郷土料理も含めてですけれども、伝統、芸術、文化、子供たちにきちっと教えて、そして、浪江から離れてみんなは暮らしているけれども、しかし浪江を忘れないようにしようと。これはすばらしいことだというふうに思いましたし、子供たちも素直に、自分が元々住んでいた郷土の伝統、文化、あるいは食材を含めた、誇りを持って習おうという姿勢がありました。
 ですから、そういう極限の中でやっぱり大切なのはアイデンティティーなんだという思いを被災地のどこでも感じる部分がありましたし、この今回の地教行法の改正によって、おっしゃるとおり、それぞれの自治体が、首長とそれから教育委員会が総合教育会議という場を通じてそれぞれの教育力を高めていくという意味では、非常にこれから可能性があるというふうに思います。ですから、そこの首長やあるいは教育長、教育委員会の方々が、人選も非常に重要だと思いますし、また、首長も教育に関心を持つ方が選ばれるかどうかによって相当自治体によって差が出てくるというふうに思いますが。
 いい意味で競い合って、我こそは最も、ここの自治体は日本の中でもすばらしい子供たちに対する教育環境づくりのために一緒になって対応しているということを是非総合教育会議等で発信をしていって、いい意味での競い合い、文部科学省の方でもそういういい事例については是非全国に好事例として広げていきたい、応援をしていきたいというふうに思いますし、そのような、大島委員が提案されているようなことが是非取り入れられるように、法案改正がされた後、取り組んでまいりたいと思いますので、国会の審議、よろしくお願い申し上げたいと思います。
#72
○大島九州男君 ありがとうございます。私の提案を素直に受けていただくのは大変有り難くて、私どもは党としての採決の立場は当然ありますから、それを余り期待していただくとあれなんですが、基本的には教育ですから、やはりいい方向へ向いていっていただければいいと。だから、そういうところを是非お願いをしておきたいというふうに思います。
 最後のちょっと質問になりますが、今回は、この地方教育行政もそうですけれども、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案も今国会で成立をしております。文科省の皆さんも大変だったと思うんですが、一つちょっと、客観的に数字をちょっと教えてもらいたかったのは、単独市町村で教科書採択の地区となっているところというのが幾つぐらいあるのかというのと、また、その単独採択地区においてどのような体制で調査研究を行っているのかというのをちょっと教えていただければと思います。
#73
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十六年四月一日現在でございますけれども、市で単独で採択地区となっている例が二百二十四ございます。また、町村で単独で採択地区となっているという例は十二町二村、合わせて十四町村ございます。その例といたしましては、例えば福岡県の久留米市でありますとか、神奈川県の寒川町、東京都の小笠原村などが挙げられるわけでございます。
 これらの採択地区における教科書採択の状況につきまして、文部科学省として詳細に把握しているわけではございませんけれども、一般論といたしましては、採択の権限と責任を有する教育委員会が十分な数の調査員を確保したり選定委員会を置くなどいたしまして、教科書の調査研究を行うのに必要な体制を整えるべきものと考えております。
#74
○大島九州男君 ありがとうございます。
 先般、実は私ども竹富町に行って、石垣の教育委員会と竹富の教育委員会の皆さんからお話を聞きまして、ちょっと私、認識がなかったんですけど、竹富町というとあの竹富島だけかと思ったら、竹富町というのは全十六の島、十六島ですね、十六島で成っているのが竹富町と言うんだということがまず一つ。それと、小中学校とかの数が、小中の統合校が七校あって、小学校が四校で、中学校が二校といって計十三校あるんですね。ああ、そんなにあったのかと。だから、我々はどうしても小さい島のイメージで一校か二校しかないのかなと思ったら、町としてそれだけの学校があると。
 なおかつ、いろいろ話を聞いてみると、それこそ、この間視察に行った秋田は学力コンクールで全国一位だったじゃないですか。竹富だけの子供たちのあれを計算すると、秋田と変わらないそうですよ。ということは、それだけ地域の学力が高いというのを聞きまして、その原因は何ですかと聞いたら、いやいや、うちは学校運営に自治区長さんが入っているんですとおっしゃったんですけど、自治区長さんが入っただけでそんな成績が上がらないなと思ったんですが、そこでちょっと思ったのが、やはり地域の皆さんと一体となってやっているということは一つあるんだろうなと。
 今言うように、子供たちがやはりいつも島ですから親の目も周りの目も行き届いているということと、一つの統合小中学校でいうと、生徒が三十七人で先生が二十一人ぐらいいるわけですよ。だから、これは大きいなと思ったんですね。だから、そういう意味で、学力が高いというのもそうきめ細かくやっているからなというのは感じたんですが。そこで一つ思ったのは、教科書採択の研究をする人材はいっぱいいるなと思ったんです、それだけ先生がたくさんいるわけですから、逆に言うと。
 ここに、今ちょっと教えていただきましたけれども、市が単独で採択を行っている例が二百二十四市あって、町村、単独で採択地区となっている例は十二町二村、まさに何とか町とか小笠原村とかいう、やっぱりそういった東京都の小笠原村も単独でやっているんだと。多分、小笠原村も、さっき言った状況の中では、先生と生徒の割合って結構都会と違ってあるんだろうなと。
 よく学校の先生に聞きますと、もう自分たちが教材研究する暇もないように、いろんな忙殺をされるぐらい先生の数が足りないというところもあれば、逆に言うと、そういう村とか、村というか島とかは結構、ああ、そういう先生の余力、余力というと失礼ですからあれですけど、そういったいろんな教材研究に向く時間があるんだな、逆にと。だから、子供たちの学力とかそういうのも上がるし、そういう研究もされる教員の教員力も高いんだろうな、ああ、これは安心だなと、実は。そのとき、行ったのが沖縄の県教委が採択地区を発表する前だったので、発表されて竹富単独になりましたというのを聞いて、ああ、沖縄県がちゃんとそういうことを理解してそういうふうに単独にされたんだなというのを私は受けたわけです。
 何が言いたいかというと、今回のこの法律の改正も、県の教育委員会がそれをしっかり決めてやっていくということで、県のそういった、私から見ればほかのところもこういう事例があるわけですから、それにまた子供たちの学力コンクールの調査の結果も非常にいいということで今後期待ができるなと、竹富の教育委員会の皆さん頑張ってほしいなというふうに思ったということでございまして、これに対しては答弁は求めませんので。
 そしてまた、ちょうど十二時になりましたから、先ほど時間を与党の先生方も少し早く終わっていただきましたので、私も野党の筆頭理事として、十二時を超えましたので、ここで質問を終わらせたいと思います。
 ありがとうございました。
#75
○委員長(丸山和也君) すばらしかったですよ。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#76
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、那谷屋正義君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。
    ─────────────
#77
○委員長(丸山和也君) 休憩前に引き続き、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#78
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。
 午前中の大島委員に引き続きまして質疑をさせていただきたいと思いますし、先般本会議で、私も石井理事に続きまして民主党を代表して代表質問に立たせていただきましたけれども、その答弁も踏まえながら今日は質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まず冒頭、今日の議論にも関わりますので、先ほど大島委員も触れられましたけれども、八重山の教科書採択地区問題について、ちょっと確認だけさせていただければと思っております。
 実は、私も大島委員と一緒に先般現地訪問させていただきまして、沖縄県教委、石垣教委、そしてまた竹富の教育委員会の皆さん、余りじっくりとというわけにはいきませんでしたが、しっかりと意見交換、お話をさせていただきまして、竹富島で竹富小中学校にも訪問して、現場の状況、また現場の校長先生、教員の皆さん、お話をさせていただいて、この三年間のこの問題について、なぜ残念ながらここまで問題が継続してしまったのかということについても、私なりに理解ができたなというふうに思っております。
 先ほど大島委員も触れられました、先般の教科書無償法の議論のときに当委員会で、私自身も資料も出させていただいて、かなり小規模の町村も単独で採択地区、それでもしっかりと教科書の研究、採択、やっておられるということも大臣と議論をさせていただきました。改めて竹富教委とお話をさせていただいて、ある種、ちょっと大島委員とニュアンスは違うかもしれませんが、私自身は、竹富教委の皆さんはその責任の重さ、教科書選定を本当に町教委独自でできるのかということについては大変重く受け止めておられるなということも実感をし、だからこそ、非常に、どうきちんとやるのか、責任持ってやるのかということについて、教育長以下教育委員の皆さん、本当に真摯に考えていろんな対策を講じられ、それをもって沖縄県教委との協議に臨まれたというふうに理解をしております。
 そこで、大臣に確認だけで、後ほど多々本題の質問がありますので、時間の関係もありますので確認だけですが、まず、先般二十一日に沖縄県教委が竹富単独で採択地区設定、決定をされたわけです。これについて、文科省として、それについてはその沖縄県教委の決定を尊重するということでよろしいか、それだけ確認をお願いします。
#79
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正の趣旨、共同採択地区というのは、地域の地理的、自然的、経済的、文化的、そういう諸条件の中で教科書の調査研究体制の有無も更に考慮しながら行うべきものであるというふうに考えておりまして、八重山地区は、いらっしゃったということでよくお分かりだと思いますが、竹富町も、実際は竹富の中にあるのではなくて、石垣島の中の、石垣市の中にあるわけですね。ですから一体化しているということで、これは石垣市においても、あるいは与那国町においても、ここは共同採択地区としてほかの自治体は望んでいたという経緯もある中で、しかし最終的に竹富町が単独採択をしたいということについて、今回の法律改正の立て付けは都道府県の教育委員会が最終的には判断するということであるわけでございます。
 ですから、都道府県の教育委員会が、今後ともこの調査研究体制について竹富町ができると、そして県教委もそれについてフォローをするという中での判断ということでありますから、そういう法律でございますので、決めた以上はしっかりと、後々やはりあのときの選択は間違いだと言われないような、責任を持った、竹富町の教育委員会においても沖縄県の教育委員会についても、対処していただきたいと思います。
#80
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 やっぱり是非その辺について、我々も実際にお話しさせていただいたときに、しっかりとやっていただけるようにこれから是非沖縄県教委も一生懸命応援してほしいということもお願いをしてまいりました。文科省としても、今後しっかりと現場で対応いただけるように、そういう意味での応援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 もう一点だけ、これはもう既にメディア等で、大臣、記者会見で言われておりますので、ここは委員会での確認だけですが、竹富町教委に対する違法確認訴訟はこれは行わないということでよろしいですね。
#81
○国務大臣(下村博文君) 結果的に、来年以降竹富町が単独採択地区になったということを沖縄県教育委員会が判断したということで、来年度以降使用される教科書についての違法性は生じなくなったわけでありますが、しかし今年度使用している教科書の採択についての違法性はこれは変わらないわけであります。
 そのため、違法確認訴訟について、法律論としては提起することも可能でありますけれども、この訴訟についてかなり時間が掛かるということで、最終的な決着が出たとき半年以上実際は経過していたとして、既に生徒たちは違う教科書をもう使っているわけでありますから、それをメンツのような形で途中で変えさせるということにおいては、これは子供には罪がないわけですから、そのときの県教委や竹富町の教育的な判断は間違っていたとはいえ、子供には罪がないということで違法確認訴訟はしない、あえて提起しないというふうに判断をいたしました。
#82
○石橋通宏君 大臣から確認をいただきました。
 それで、ちょっともう一点だけ、通告の枠内でということでお願いしたいと思いますが、今回お話しさせていただいたときにも、仮に竹富単独で採択地区が設定されたとしても、大臣、先ほど、八重山はこれまで一体としてやってこられたということも含めて、教科書の研究等々を、もちろん協力していろいろと努力をされることについては、それはいろいろと現場でまた取組を協力されればいいのではないかというようなこともお話をしてまいりました。
 今後、今回新しい改正法に基づいて、いろんな全国で採択地区の見直しですとか改善ですとか、単独で町村で採択地区設定されるような動きもひょっとすると出てくるかもしれませんが、そういう場合でも、これまでの経緯も踏まえた上で、近隣の自治体と協力、連携しながら、共同研究ですとか、採択後の同じ教科書を使っておられる町村が連携して、いろいろと先生方が共同でいろんな取組をされるとか、そういうことはもちろん妨げられないと思いますし、逆にそういうのは文科省としても応援をしていけると思いますが、その点はそういう理解でよろしいか、大臣、確認だけお願いします。
#83
○国務大臣(下村博文君) 先ほど大島委員から竹富町は教員がたくさんいるから十分調査研究も独自にできるという御指摘がありましたが、できる教科もあれば全く担当の先生がいない教科も実際のところあるんですね。それをどうするかということについては、沖縄県教育委員会は、OBとかそういうことで県教委がそのカバーをするということを言われていました。
 ですから、これは文科省がするということではなくて、それぞれの市町村の教育委員会が協力をしながら、あるいは都道府県の教育委員会が協力しながらということについてはこれは妨げるものではありませんし、子供にとってはよりいい教科書を教育委員会が責任持って選ぶということは必要なことであるというふうに思います。
#84
○石橋通宏君 大臣が今最後に言っていただいた、まさに子供たちに近いところで子供たちにふさわしい適切な対応がなされるようにということで県教委の方には頑張っていただきたいと思いますし、これから全国各地の都道府県教委、同様にしっかりと対応いただければというふうに思います。
 今大臣言っていただいたことはこの後の地教行法改正案の話にもつながる話だと思いますので、以下、改正案についての質問に入っていきたいというふうに思います。
 まず、本会議でも答弁をいただいておりますけれども、今回、教育長、先ほど午前中の質問にも多々ありましたけれども、教育行政の責任の明確化ということに関連をして、今回は教育委員長、教育長、これを統合することによって教育長に責任、権限を一元化したということをお話をいただきました。
 改めまして、本会議答弁いただきましたけれども、今回、新教育長、人によってはスーパー教育長という表現もされますが、新たに付加された権限も含めて、いかなる権限、責任を持つことになるのかということについて、これは政府参考人でも結構ですので、改めてこの場で確認をいただけますでしょうか。
#85
○政府参考人(前川喜平君) 改正案におきます新しい教育長、新教育長でございますけれども、これは現在の教育委員長と教育長を一体化するというものでございますので、まず教育委員会を代表し、また教育委員会を主宰する立場になるわけでございます。また、現在の教育長と同等の職務を行うということでございますので、教育委員会の所管に属する事務全般についてその執行責任を負い、またその事務局を統括すると、こういうことになります。
#86
○石橋通宏君 改めて本会議答弁で確認をすれば、新教育長、スーパー教育長は、教育委員会に属する全ての事務をつかさどると。事務局を統括、所属の職員を指揮、統括する、教育委員会の会議を招集し主宰する、教育委員会を代表する権限を持つと。
 以上、端的に言って、新たなこの法律案の下では権限を持つということで、これは確かに絶大なる権限を教育長が持つ、同時に責任も持つわけでありますけれども、この場合に、やっぱり我々が改めて心配しておりますのは、このスーパー教育長、新教育長が、逆に教育行政、権限をこれだけ持つことによって、教育委員会、教育委員の関与をむしろある種ないがしろにして、教育長が専権的に様々な教育行政を執行することも可能になるのではないかということを一つ大きく心配をしております。
 大臣、教育長が新しい法案の下で、教育委員会を、例えば会議を開催せずに、又は会議について自分の御都合のよろしいように自由にコントロールをして、首長との連携で教育委員会から委任された事務を独善的にどんどんどんどん推し進めて実行していく、教育委員会には結果だけ報告をして経過については全く相談をしないということも論理上可能になると思いますが、それは可能になるという理解でよろしいですか。
#87
○副大臣(西川京子君) 今回の改正十四条第二項において、「教育長は、委員の定数の三分の一以上の委員から会議に付議すべき事件を示して会議の招集を請求された場合には、遅滞なく、これを招集しなければならない。」と規定されております。この場合、教育長の、遅滞なく会議を招集しなければならないが、一般には定例の会議の開催日よりも早い時期が想定されておりまして、教育長が教育委員会会議を開催せずに独断的に教育行政を遂行することはできないと考えております。
#88
○石橋通宏君 今遅滞なくと言われましたが、あわせて、定例の会議の前と。これ、衆議院でも前川局長が、請求があれば即座に開催するという意味の言葉ではございませんという答弁をされています。
 遅滞なくというのと、即座に開催するという意味の言葉ではございませんというのと、意味が不明ですが、これはどっちの意味なんですか。
#89
○政府参考人(前川喜平君) 法律用語としての遅滞なくというのは、直ちによりは一定の幅があるということでございまして、しかしながら合理的でない遅延は許されないというような意味合いの言葉ではないかと考えております。
 したがいまして、この場合の遅滞なくというのは、少なくとも次の定例日があるのであればそれよりは前に開催する、招集するということが意味としてはあるのではないかと考えているところでございます。
#90
○石橋通宏君 今、次の定例日と言われましたけれども、教育委員会の会合というのは、これは毎週毎週行われるものではないですね。毎月毎月行われるものでもないですね。自治体によっては、年に数度という自治体もあるやに聞いておりますが、次の定例ということになりますと、ひょっとすると半年先の定例かもしれませんね。
 ということは、この遅滞なくというのと、今言われた、まあ次の定例会議の前までにやればそれが遅滞なくということになるのではないか、これでは全く意味がないのではないかと思いますが、大臣、これ、どういう理解をすればいいんですか。
#91
○国務大臣(下村博文君) 平成二十四年度の教育委員会協議会等を含む教育委員会会議の平均開催回数は、都道府県、政令指定都市で平均二十九・八回、また市町村で十五・四回であります。ですから、月に一・五回程度は、少なくともですね、開かれるという状況ではないかというふうに思います。
 直ちにというのは法律用語で一切の遅延が許されないもの、また、遅滞なくというのは時間的即時性が要求されるが正当な又は合理的な理由による遅延は許容されるということでございますので、常識的に考えて半年後とかいうことは、それはあり得ない話であって、それは当然その月のうちにと、少なくともですね、その次の会合よりも前という程度の範囲内だというふうに考えます。
#92
○石橋通宏君 先ほど大臣、平均で出していただきました。平均で出すと確かにそういう数字になるんですが、これ私も見ましたけれども、要は自治体間格差が大きい。教育委員会格差があります。開催を余りされていない自治体も実は十数%あります。
 ということは、むしろこういう事態を、残念ながら教育委員の側から会議の開催請求をされるようなそういう自治体は、やはりふだんから教育委員会が余り開催されていないとか、余り教育長と教育委員の間の情報の交流がないとかいうところがやっぱり教育委員側からこの十四条に基づく請求があるわけでありまして、ふだんから、大臣、頻繁にやられていればあえて教育委員から請求することはないのではないかと思うわけで、とすれば、むしろそういう事態を、今回、教育長にこれだけ権限が集中されるわけでありますから、まさに、教育長が残念ながら教育委員会会合を余り開催せず、だからこそ教育委員の側から十四条を用いざるを得ない場合、こういった場合にやられるとすれば、半年ではないというのは、さすがに大臣、今言われましたけれども、遅滞なくの幅はせめてもう少し遅滞なくだと思いますが、この辺について、ちょっと、遅滞なくという範囲、もう少し幅狭めて、大臣、言っていただけないかと思いますが、どうですか。
#93
○国務大臣(下村博文君) それは基本的には石橋委員の趣旨のとおりだというふうに思います。
 この場合、ほとんど開かれていないということで教育委員から是非教育委員会を開くべきではないかということの会議の招集請求とともに、もう一つは緊急事態、子供のいじめ問題等で次の教育委員会を待っていたら対応できないのではないかということでの緊急における教育委員会の開催要求でもあるのではないかと思いますが、いずれにしても、その地域住民が非常識と思われるような会議のローテーションあるいは次の会議を開くということがあってはならないわけでありまして、当然それは常識の範囲内で適切に対応していただきたいと思います。
#94
○石橋通宏君 常識の範囲内で適切に、合理的な範囲内でということだと思いますから、是非そこは今後の運用、今後将来的には、もし成立をしたら徹底していただきたいなというふうに思うわけでありますが。
 もう一つは、先ほど、委員の三分の一、十四条はそういう規定になっております、委員の三分の一と言われましたけれども、これ、ほとんどの市町村教委というのは委員が四人、教育長プラス委員が四人だというふうに理解をいたします。委員が四人ということは、三分の一以上ということは二人は必要だと、つまり五割は必要、二分の一必要だということになってしまいます。
 とすると、今まさに大臣が言っていただいた、例えば緊急事態への対応で教育委員会をすぐに開かなきゃいけないんじゃないかとか、本来、誰か教育委員のお一人が、ちょっとこの問題、何か具体的に対応を教委としてすべきではないかということに気付いていただいたとき、まさにそういうときに適切なタイミングで教育委員会を開いていただけるようにこの十四条が規定されているとすれば、何も三分の一要件を付す必要がないのではないかと。もっと人数が多い場合は、さすがに、例えば十人、二十人の委員会で一人でもオーケーとしてしまうと大変なことになってしまうかもしれませんが、四人の場合に、三分の一要件で結局は二分の一要件だと、実質的にというのは、ちょっとその迅速性、まさに適切なタイミングでということについても、要件として適切ではないのではないかと思うんですが、大臣、先ほどの答弁との絡みでいって、この三分の一、本来、四人のところは一人でもオーケーにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#95
○国務大臣(下村博文君) 一般的に、公安委員会や人事委員会等のほかの行政委員会においては、委員からの会議の招集の請求を求める規定はそもそも入っていないということでございます。
 今回の改正におきまして、新たな教育長が、御指摘のように、他の委員と比較して強い権限を有するため、教育委員が教育長の事務執行をチェックできる仕組みが必要であるという点から、他の合議体の類似の例として、これは行政委員会以外ですけれども、三分の一以上の構成員の請求を要件としているものが多いから同様の要件にしたという経緯がありますが。
 一方で、御指摘のように一人でもいいのではないかということでありますが、その場合には、例えば、それぞれの教育委員会によって、実際は定数は条例で定めることができることによって、必ずしも五人ではなくて、もっと少ない多い、そういう教育委員会もあるわけでございまして、その中で、例えば一人でも委員の意思によって開けということになると、頻繁に教育委員会会議の招集を求められるおそれがあるということの中で、三分の一以上の構成員の請求がほかの全体的な合議体との類似のバランスの中で望ましいのではないかということから、三分の一以上というふうにしたところであります。
#96
○石橋通宏君 ほかの会議体云々は分かりますが、ストレートにちょっと質問にお答えいただいていないので。
 本来、緊急事態等々への対応ということを考えれば、まさに、大臣、ふだんから適切に教育委員会行われているところについては恐らくいろんな事態が発生しても迅速に対応されるんだと思うんです。そうでないところについて、まさに教育委員の側から提起ができるというのが第十四条の趣旨ですから、この辺について、ちょっとここではこれ以上突っ込みませんが、是非、本来の趣旨からいけば、四人の教育委員が市町村では圧倒的に多いわけですから、そういう場合には一人でも必要に応じて対応できるように考えていただくべきではないかなというふうに思っております。
 一つ、教育長がこれ、この十四条に基づいて、先ほど遅滞なく適切な合理的な範囲内でということを言われましたが、それに教育長が応じない場合、教育委員の側から何らかのアクションは取れるんでしょうか。
#97
○政府参考人(前川喜平君) この十四条に基づきまして、教育委員の三分の一以上の求めがある場合に、教育長は会議の招集をしなければならないということになるわけでございますけれども、この会議を招集しないという場合は、これはまさにこの改正法に基づく規定に違反する状態になります。そのようなことがあってはならないということになるわけでございますけれども、仮にそのようなことがあった場合には、これは、場合によりましては、罷免要件に当たります職務上の義務違反になることもあり得るというふうに考えております。
#98
○石橋通宏君 職務上の義務違反になり得るということでありました。その辺の、具体的に、じゃ、教育委員からどのようにアクション取るのか、細かいことは今後規定されていくんだと思いますけれども、教育長として開催要求に真摯に応じる、応じなければ規定違反だということを確認いただきました。
 もう一つ、これ併せて確認したいんですが、これまで現行法では、私の理解が正しければ、教育長に対する指揮監督権限、これは教育委員会が持っているということであったと思います。新たな改正法の下では、教育長に対する指揮監督権限というのはどこにあるんでしょうか。誰も持っていないのか。誰が指揮監督権限を持つんでしょうか。これ、大臣、お願いします。
#99
○副大臣(西川京子君) 現行の地教行法では、教育長は教育委員会の指揮監督の下に教育委員会の権限に属する事務をつかさどる、第十七条で規定をしておりますけれども、教育委員会は現行の教育長に対して指揮監督権を有しております。
 一方、改正案においては、新教育長は執行機関である教育委員会の代表者であることから、教育委員会による指揮監督権は規定されておりません。合議体の意思決定に基づき事務を執行する立場であることには変わりがないわけでございますので、合議体の意思決定に反する事務執行を行うことはできない、実質、というふうに考えております。
#100
○石橋通宏君 しかしながら、誰も教育長に対しては指揮監督権はない、法律上は規定されていないという理解でよろしいですね。そこだけ確認してください。
#101
○副大臣(西川京子君) 実質上、合議体の意思決定に基づいて執行する立場であること、立場上は意思決定に反する事務執行はできないというものと考えておりますので、規定はしておりませんが、事実上はできないものと考えられます。
#102
○石橋通宏君 しかし、先ほど確認いただきましたように、新教育長は絶大なる権限を与えられているわけでありまして、確かに合議体としての教育委、しかし、それをつかさどるのは教育長でありますから、それを指揮監督する、要は監督、チェックするというのが、じゃ、どうなるのかというのは、これは今回の改正案の中で大変重要なポイントだと思います。
 そこで、この問題一つ大きく残るということは指摘をさせていただきながら、教育長に対する議会によるチェック機能について確認をさせていただきたいと思います。
 今回、教育長の任免、任命、罷免に当たりまして、教育委員もそうですが、首長さんが任命され、それを議会の同意を求めておられます。議会の同意手続ですが、これは衆議院でも議論になっておりますけれども、具体的に議会の同意プロセスについてどのような、これ最終的にはもちろん各現場で判断されるものと理解をしますが、政府としては、議会の同意プロセス、具体的にどのようなプロセスを議会に、これチェック機能の強化と言っておられるわけですから、どのような強化されたチェック機能を議会が果たすことをこの同意罷免プロセスで求められるでしょうか。
#103
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正案によりまして、まず首長は、教育長を直接任命することに加え、大綱の策定や総合教育会議の設置を通じてこれまで以上に教育行政に関与することになりますが、その際、議会が十分にそのチェック機能を発揮していくことは重要であるというふうに考えます。
 それから、現行の教育長については、教育委員としての任命、罷免に当たり議会同意が行われておりますが、今回の改正案においては、現行の教育委員長と教育長を一本化した新教育長の任命、罷免に当たり議会同意を行うことになるわけであります。つまり、今までは教育委員を議会同意して、その後、教育委員から教育長を選ぶということであったわけですけれども、今度は直接教育長を議会が同意をする、首長が任命することによって。そういう議会同意の今までと違う部分が出てくるわけであります。その際、任期について、教育委員より一年短縮し三年としており、議会において従来以上に職責が重くなる新教育長の資質、能力をより丁寧にチェックすることが求められます。
 一方、教育委員の任命、罷免について、これは特に変更があるわけではありません。
 教育長及び教育委員の業務執行状況とその内容については、現に現行法におきましても、毎年、教育委員会自らが行う事務の管理及び執行状況に関する点検・評価報告書の議会への提出が規定されているほか、議会の本会議や文教委員会等におきまして教育委員会の事務執行についての質疑が行われており、これについては改正案において変更はありません。
 いずれにしても、これらの機会を通じて、議会が教育委員会をチェックし、教育行政に住民の意向を反映させていくことが必要であると考えます。
#104
○石橋通宏君 済みませんが、質問していない部分の答弁がほとんどで、質問していることにお答えいただいていませんが。教育長の、首長さんが任命する、それを議会の同意を求めたときに、議会はどのような具体的に同意プロセスを期待をされているのかということをお聞きしたので、議会に求められている同意のプロセスの在り方、その具体的内容、とりわけ、今回、教育長のこれだけ権限、責任を一元化して重たくなったということに伴って、今のプロセス以上の議会の役割、責任、チェックプロセス、同意プロセスを考えておられるのかどうか、そこも含めて、そのことを教えてください。
#105
○国務大臣(下村博文君) 議会の同意プロセスということでありますが、これは教育長と教育委員で異なるものではありませんが、新教育長については、これまで以上に職責が重くなるということを踏まえて、例えば議会同意に当たって所信表明を聴取するなど、議会において教育長の資質、能力をより丁寧にチェックするというようなことが期待されるというふうに思います。
#106
○石橋通宏君 法律上は規定がありませんが、それだけ議会に同意プロセスをきちんとやっていただくべきだということの今、大臣の答弁だったと思いますが。
 今、大臣、教育長、教育委員はプロセスは異ならないというふうにお話をされました。その関係で、しかし、第四条の教育長、教育委員、これ任命の基準といいますか、要件が異なっています。教育長は、教育行政に関し識見を有するもの。教育委員は、教育、学術及び文化に関する識見を有するもの、これは現行どおり。教育長については、新たに、教育行政に関する識見を有するものと、あえて教育委員とは異なる要件を法文上記しておられます。
 ということは、議会が同意プロセスをやるに当たって、当然法律に基づいて同意プロセスをやられるわけでありますから、そうすれば、この法文にのっとっていけば、プロセスは同じでも判定基準は教育長と教育委員では異なってしまうのではないか、いや、異ならざるを得ないのではないかと思いますが、これは、あえて議会に対して、異なる要件、異なる基準で同意プロセスを行うように要求するためにこれ第四条の規定を変えているんでしょうか。変えているとすれば、その根拠は何でしょうか。
#107
○国務大臣(下村博文君) まず、教育委員については、その資格要件は変更しているわけではありませんが、単に一般的な識見があるということだけではなくて、教育に対する深い関心や熱意が求められるところでありまして、例えば、午前中も議論されておりましたが、コミュニティ・スクール等の関係者を選任したり、あるいは教育に対する高度な知見を有する者も含めるなど、幅広い人材を得ることが必要であると考えます。
 新教育長については、教育行政の責任体制を明確化する趣旨から、現行の教育委員長と事務局を統括する教育長を一本化した新たな職を設けたものであるということのため、教育行政に関し識見を有するものを更に要件としたところであります。この場合におきまして教育行政に関し識見を有するものとは、教育委員会事務局や教職員の出身者だけではなく、教育行政を行うに当たり必要な資質を備えていれば、それは幅広く該当するものでもあるというふうに思います。
 議会は、おのずと教育長と教育委員のそういう選任に向けて、そういう趣旨にのっとって、先ほどちょっと申し上げましたが、特に、例えば教育長等は所信表明を聴取するなど、そういう形で議会において教育長の資質、能力についてはより丁寧にチェックすることを期待をしたいと思います。
#108
○石橋通宏君 今御説明いただきましたけれども、逆に、これは教育行政に関わった経験のある者だけを限定して教育長の候補者とせよということではないと。つまり、今各自治体でいろんな取組があって、むしろ民間で活躍をされた方々、そういった方々に民間での経験を踏まえて教育長になっていただいて、いろんな取組があっていいんだと思います、まさに。
 しかし、これ、法文上こうしてしまうことによって、まるで教育行政に関わった人間、直接的な経験がある人じゃないと教育長はしては駄目だよというようなことに取られないとも限らないので、大臣、そこは明確に否定をしていただいて、つまり、それ、こう規定してあるけれども、あらゆる人材をそれは現場の判断でしていただければいんだということでよろしいですね。
#109
○国務大臣(下村博文君) それは御指摘のとおりであります。一方、全くの素人というわけにはやっぱりいかないと思いますので、教育行政に対し識見を有するというのが過去形であるかもしれないし、現在進行形としても、例えば今回の法改正を前提として兵庫教育大学等が教育長の養成、大学院コースをつくりたいと、これをほかの大学院にも連携をしながらやりたいというような話もございます。こういう大学院やあるいは大学等で、新たな教育長やあるいは教育委員の養成コース、研修コース等を設けることによって幅広く地域住民から評価されるような、そういう教育長を選任していただきたいと思いますし、御指摘のように、もちろん教育行政以外で教育的な識見を持っている方々に対しても積極的に新教育長として是非首長は考えていただきたいというふうに思います。
#110
○石橋通宏君 ちょっと今、大臣、微妙な答弁だったので、この辺はちょっと今後の委員会審議でまた議論を深めたいと思いますが、やっぱり国が一定の基準はめて特定の資格要件を持つ人しか教育長になれない、これはまさに地方の独自の、それぞれの地方にふさわしい教育長を決定するということについて国の関与が強過ぎてしまうのではないかなという心配があると思いますので、この辺はちょっと慎重に今後また議論していければと思っております。
 そこで、今ちょっと教育長の任命、罷免の議会の同意の在り方についてお伺いしましたが、一点確認ですが、一旦教育長が議会の同意を経て任命された、その後様々に教育長が教育行政遂行されるわけでありますけれども、その後の教育長の任務遂行、職務遂行について議会がどのように定期的にチェックするのかと。先ほど教育委員会から定期的に報告があるということはありましたが、それ以外に、例えば定期的に教育長が議会で教育行政の進捗状況について報告をされる、審議をされる、そういった議会としての具体的な役割、これは期待されるんでしょうか。
#111
○副大臣(西川京子君) 教育長及び教育委員の業務執行状況と内容については、現に現行法においても、毎年、教育委員会自らが行う事務の管理及び執行状況に関する点検・評価報告書の議会への提出が規定されております。それから、議会の本会議や文教委員会等において教育委員会の事務執行について質疑が行われており、改正案において変更はございません。
 これらの機会を通じて、議会が教育委員会をチェックし、教育行政に住民の意向が反映させていくことが必要であると考えております。
#112
○石橋通宏君 今議会でいろいろと質疑が行われているというような話もありましたが、これは全ての議会、全ての市町村、自治体でそういうことが行われている事実を文科省は確認をされているんですね。
#113
○政府参考人(前川喜平君) 全ての自治体の議会の議事をチェックしているわけではございませんけれども、通常、教育行政に関しましては教育長が答弁に立つというようなことで、議会に対する説明責任を果たしているということでございます。
 地教行法に基づきます教育委員会の点検・評価の報告書につきましては議会への報告が全て行われていると承知しておりますけれども、その方法につきましては様々ございます。本会議、委員会とで説明するケース、あるいは委員会で説明するケース、また書面による提出のみというケースもあると承知しておりますけれども、いずれにいたしましても、この教育委員会の点検・評価報告書につきましては、議会に提出し、議会の審議の対象となり得る形で説明責任が果たされているということでございます。
#114
○石橋通宏君 これ、今回、議会の役割、大変重要になってくるというのは先ほど来大臣も答弁いただいているとおりでありますので、定期的な報告、どう議会がきちんと扱って質疑もされているのかということについては、改めて状況確認もさせていただければというふうに思います。
 続いて、教育長の罷免事由についてお伺いをします。
 これ午前中にも若干話がありましたが、第七条で罷免事由に職務上の義務違反というのが規定されております。先ほど、例えば教育委員からの会議開催要求に従わない場合はこれ事由に当たるのではないかという御発言もありましたが、最初に確認ですが、第十一条第八項の規定があります。ここには、教育長は大綱に則して意を用いなければならないという規定もございまして、これだけ文言読むと、大綱に則して教育長、教育委員が職務執行しなかった場合にはこの職務上の義務違反に当たるというふうに読めてしまいますが、これはそういう理解ですか、そうではないんですか。
#115
○政府参考人(前川喜平君) この改正法案の第十一条第八項でございますけれども、これは意を用いるということを求めているものでございますが、この意を用いるというのは、これは訓示的な規定であるということでございまして、大綱に定められていることを全て実現しなければいけないという趣旨のものではございません。
#116
○石橋通宏君 第十一条第八項の規定は、これは訓示的なので義務違反には当たらないという答弁でしたので、それ確認させていただきますが。
 それでは、第一条の四の第八項に、総合教育会議において構成員の事務の調整が行われた事項については当該構成員はその調整の結果を尊重しなければならない、これは衆議院でもいろいろと質疑があったと思いますが、これは、改めて、この調整の結果を尊重しなかった場合には義務違反に当たるということですね、大臣。
#117
○政府参考人(前川喜平君) 調整の結果につきましては、これは先生御指摘のとおり、首長及び教育委員会双方に対しましてそれを尊重する義務が生じるわけでございますので、これを全く尊重しないということがあれば、これはこの義務に違反するということになり得るわけであります。
#118
○石橋通宏君 この場合の第八項が言う総合教育会議において云々調整の結果というのは、これは大綱も含まれるということですか。
#119
○政府参考人(前川喜平君) 大綱において調整の結果記述された内容はそういうことでございます。
#120
○石橋通宏君 ここで問題になるのが、これもいろいろと衆議院で質疑ありましたが、今、調整の結果書き込まれた部分については尊重義務が生じると。しかし一方で、これ大臣も答弁されていますが、調整が整わなかったにもかかわらず大綱の決定権者として首長が書き込んでしまったと、それについては当然教育委員会側は尊重義務はないという答弁だったと思いますが、まず、ここで確認まで、そういう理解でよろしいんですね。
#121
○国務大臣(下村博文君) そのとおりでございます。
#122
○石橋通宏君 そうすると、そういう事態はあってはならないというのはこれは大臣も言われているとおりだと思いますが、仮にそういう事態が残念ながら生じてしまった場合、教育委員会が同意しなかったけれども、首長が自ら決定権者として大綱を定めてそれを公表しました、これは公表義務がありますから公に公表するわけです、公表して、そのときに教育委員会はいかにしてその中のこの項目は我々は同意しなかったということを公表するんですか。
#123
○国務大臣(下村博文君) まず、大綱は総合教育会議における首長と教育委員会との協議を経て策定されるものでありまして、総合教育会議は原則として公開で行われ、そして議事録の作成、公表も努力義務とされているところでありますが、文部科学省としては、これは是非公表するように、指導通知をしながら努力をしていただきたいということを働きかけて法案が成立したということであれば、後でさせていただきたいと思っています。ですから、基本的に公表するということについて、議事録についてもそのような対応をしていただきたいと考えております。
 また、御指摘のその首長が大綱に記載したいと主張している事項について教育委員会会議において検討する場合も考えられますが、教育委員会も原則として公開で行われ、今回、新たに議事録の作成、公表を努力義務として規定したところでもありまして、それぞれオープンになっているということでございます。
 このように、大綱の策定過程は住民に公開されているものであり、仮に大綱の記載をめぐって首長と教育委員会の調整が付かない場合や、あるいは首長が調整が付かない事項を大綱に記載した場合には、こうした総合教育会議や教育委員会会議での議論を通じて住民が明らかになるというふうに考えております。
#124
○石橋通宏君 つまり、住民がそれを全部議事録読んで判断しなければいけないということですか。そんなことあり得ないと思います。
 それで、今、問題は、可能性として、もう大臣認められておられるので、大綱に教育委員会との議事が調わなかったものについても首長さんが書き込んでしまう、これは妨げられないということです。その事態になって、しかし一方で、大綱で協議が調っている事項については尊重義務があるというふうにも規定をされていて、この義務違反では罷免事由になり得るという組立てになっています。
 そうすると、仮にそのような事態が起こってしまったときには、教育委員会側は、これ明示的にはっきりと、ここは我々は同意しなかったのに首長がそれを大綱に書き込んでしまった、こことここの、ここの部分は我々は同意していないということを何らかの形で公表する事態に残念ながらならざるを得ない、そうしないと自分たちの責任問題に教育長も含めて発展してしまいますから。こんな事態が、もしそうなるとすれば、これとんでもない混乱だし、現場に大変な問題を引き起こしてしまうことになるんだと思います。
 大臣、なぜそれが可能だというふうにしてしまうんでしょうか。むしろ、協議が調わなかった事項は大綱には書き込まないというふうにやってしまった方が、大綱の位置付け、そこがはっきりするし、責任の所在も双方が、まさに総合教育会議というのは調整機関だというふうに大臣言われているわけですから、調整機関として調整の結果が大綱であって、調整できなかったものについては書き込まないというふうに明示していただいた方が、順調に教育行政執行されますし、現場に混乱も引き起こさないというふうに思うんですが、なぜそうしないんでしょうか。
#125
○国務大臣(下村博文君) 先ほどまず答弁をさせていただいたつもりですが、総合教育会議もそれから教育委員会もそれぞれ原則公開、それから議事録の作成、公表、努力義務ということで、今御指摘のようなことで、総合教育会議の中で協議、調整付かなかったことについて首長が書いても、その教育委員会の権限の範囲内のことについては、これは教育委員会としてはそれに従わなくてもいいということについての議論というのは、当然、総合教育会議の後を受けて教育委員会でもそういう議論はされるでしょうから、住民にはいつもオープンになっているという部分があると思います。
 総合教育会議そのものの主宰がこれは首長ということでありますので、まず総合教育会議そのものは首長が開くわけですが、一方で、首長の教育における予算執行的な権限部分と、それから教育委員会が持っている教育における事務的なことを含めた権限部分は、それぞれ執行機関として二つあるわけでありますから、それについては今までどおり独立した執行機関として教育委員会も認めるということの中での今回は総合教育会議ということでありますので、基本的には首長が教育長を直接任命権を持って任命するということでありますから、調整そして協議が調うというのは前提でありますが、しかし、それは二つの執行機関がそれぞれあるということ、調わないことも可能性としてないわけではないので、それであっても、全部首長が教育委員会の権限を侵食して持てるということではありません。しかし、どうしても書きたいということについては、これは主宰は、総合教育会議の主宰は首長ですから、それ自体を排除するということは法律上はすべきではない。しかし、法律の本来の趣旨は、これは、協議した、調った部分を、とことん議論する中で、総合教育会議の中で大綱として書き込んでいただきたいということは期待を申し上げたいと思います。
#126
○石橋通宏君 恐らく大臣も、仮にそういう事態になってしまったら大変だなと思われながら答弁されているんじゃないかなというふうに思います。これは、むしろ答弁の中でははっきりと、大臣、先ほど前提と言われたけれども、いや、それがもう基本だともう言い切って、断言して言っていただいた方がこれすんなりいくと思います。これ、大綱は四年、五年続くものだというふうに理解しています。仮に、そういうふうに両者が協議が調わないものについて決定されてしまって、それが何年もその地方の指針になるということは、これは本当に恐るべき、あってはならないことだと思います。だったら、そこをむしろ明確化していただいて、ちゃんと調えて大綱を作って、それが、それぞれ首長さんも教育委員会もそれぞれの職務執行権限に基づいて真摯に尊重してやっていくんだという方がよっぽどきれいだし、本来の趣旨に沿うのではないか。
 この辺、恐らくこれからも議論あると思いますが、これ、大臣、むしろ是非、答弁修正していただいて結構ですから、そうしていただければなというふうに私自身は個人的には思っております。
 時間がありますので、ちょっとその後の質問へ行きますが、教育委員会の、今回、事務局の体制強化について、いろいろと先ほど来、教育長に対するチェック、監査機能の強化、これは議会、そして教育委員会それぞれあるわけですが、むしろ私が着目しているのは教育委員会事務局の体制強化という点でありますが、今回の改正案では、私の理解でいけば教育委員会事務局の体制については改善若しくは強化というのは特に図られていないという理解です。これがなぜなのかと。
 教育長がスーパー教育長になり、そして総合教育会議が設置をされる、しかし事務局の体制は現状のままというのは、これは明らかにちょっと違うのではないかなというふうに思うわけです。これ、大臣、どういう判断なんでしょうか。
 事務局は今のままで十分に機能をしていると、午前中のあれは石井委員の質問だったかと思いますが、規模の小さい事務局というのもたくさん全国にはあると、しかし、今回、新たな業務というのも発生してしまうわけで、そこは本来であれば事務局の体制強化、改善というのももう求めなければならないのではないかと思いますが、なぜこれが今回ないんでしょうか。
#127
○副大臣(西川京子君) 先生御指摘のように、今回、教育制度の課題の中で教育委員会が非常に閉鎖的で隠蔽体質があるという御指摘がありましたが、これ、かなり事務局の問題であるという側面も大きいと考えられております。そういう意味で、事務局職員の育成については、運用の改善を促していくことはもちろん大変重要なことだと考えておりまして、全く事務局の体質を何もしなくていいとは思っておりません。
 そういう中で、各委員会においては、教育職、行政職、いずれの職員につきましても、一層の行政能力の向上の観点から、教育内容など専門的な内容と管理的業務の双方についてバランス良く職務を経験させるなど、計画的な人事異動、これを行うとともに、職員に対する研修の充実を努めていくことが必要であると思いまして、これはもう文科省でもこの研修の充実ということは考えてまいりたいと思っております。
 また、教育行政に高い専門性を有する職員を確保するため、教育委員会プロパーとして職員を育成することも一つの方法ではないかと、そして、教育委員会事務局と首長部局が連携して人材育成の方針を検討することが重要であると考えておりまして、現在、様々な研修を実施しているところでございますが、今後も各都道府県委員会とも連携して更にその充実を図ってまいりたいと思っております。
#128
○石橋通宏君 問題が二つあると思っていまして、一つは、今回総合教育会議を設置をしました。首長さんの関与が新たに生じてくるということになりました。これ、私の理解が正しければ、総合教育会議の事務局も教育委員会事務局が担うというふうに理解をしますが、ちょっとこれ先に確認します。それはそういうことでよろしいですね。
#129
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議は首長が主宰いたしますので、これはその事務局機能をどこが担うかというのはこれは自治体ごとに判断していただければいいわけでございますけれども、首長が主宰者であることを考えますと、首長部局に置くのが制度的には当然のことであると。しかし、首長が主宰する会議ではありますけれども、例えば補助執行のような形で教育委員会の事務局がその仕事を担うということは考えられると考えております。
#130
○石橋通宏君 これはちょっと今本当にそういう理解なのか、首長主宰だから首長部局が総合教育会議の中身の準備から調整から何から全部やるということで本当にいいんですか。僕はこれ恐らく、現場の対応では結局は教育委員会事務局が様々に対応されることに現実的にはなるのではないかなというふうに思います。もしそうなるとすれば、今回、教育委員会事務局は、これまでどおりの教育委員会への対応、そしてスーパー教育長、新教育長への更なる対応、それから新たに設置をされる総合教育会議への対応若しくは首長部局との調整、今まで以上に業務量は増えるわけです。
 しかし、先ほど副大臣、育成、養成というスキルの向上というのは言われたけれども、圧倒的にその体制が弱い、人員の少ない教育委員会に対する人員の量的拡大は触れられませんでした。若しくはプロパーとして人を育てるというのが、新たに加配をして教育委員会体制の充実強化を図るということなのであれば、それは納得をしないでもないですが、今回、今のように総合教育会議が設置をされたことによって、事務局は更なる業務に忙殺されることになる。
 そうすると、もう一つの問題は、これまで以上に、さっき副大臣触れていただきましたが、教育委員に対する情報提供、情報の共有、様々な常日頃からの連携、これがよりおろそかになってしまう懸念はないのかということなんです。
 大津の事例でも、むしろ大津の第三者委員会は、教育委員会事務局が適切な対応をすることができなかった、情報の共有、教育委員への情報の提供、それができなかったことを一つの大きな要因に挙げられています。
 つまり、今回の改正によって、教育委員会事務局の体制、量的、質的、特に量的なところが現行のままだとすると、今まで以上に教育委員会事務局の皆さんがいろんなものに忙殺されて本来の教育委員会、とりわけ教育委員の皆さんへのサービス提供、情報提供、これができなくなってしまう。ひいては教育委員会の更なる形骸化にむしろつながってしまうのではないかと思いますが、これはそうならないんでしょうか、大臣。
#131
○副大臣(西川京子君) 先生の御懸念、大変問題意識はかなり共有しておりますが、そういう意味で、これで十分とは言えませんけれど、今年度の地方財政措置におきまして、都道府県教育委員会における指導主事の地方交付税措置をしておりまして、六名分を増員、これは十五人から二十一人にするということですが、都道府県教育委員会によって手薄なところの市町村教育委員会に対しての支援の強化、これを通じて学校の指導体制そして教育委員会行政の体制の強化を図ってまいりたいと思っております。
 また、都道府県教育委員会では、指導主事として必要な専門的知識や指導技術の習得のため、あるいは教育委員会の事務局のために、これ各都道府県教育委員会でその辺のところをしっかりと対応していただきたいと思いますが、文科省としても、独立行政法人教員研修センターにおいて、指導主事の対象とした研修なども含めて、この教育委員会事務局の体制強化に様々な研修の体制を整えてまいるように検討していきたいと思っております。
#132
○石橋通宏君 そこは是非、今回のこの体制、教育委員会とりわけ事務局のところ、やっぱり今現状でどうなっているのか、今幾つか改善点指摘していただきましたけれども、本来しっかりと事務局として責任を果たしていただくべく体制になっているのかどうかという検証も含めて、今後の取組を是非していっていただきたいというふうに思いますので、そこは重ねてお願いをしておきたいと思います。
 時間があと数分になってきましたので、若干ちょっと前後してしまうかもしれませんが、幾つか残りの質問で拾っていきたいというふうに思います。
 先ほど大綱の話をさせていただきました。大綱は、繰り返しますが、政府の説明によれば、一回大綱を定めればこれは四年、五年というスパンで有効なものだというふうに理解をしております。そうすると、この四年、五年有効なスパンの中で、この間の大綱がどのように、首長さん、そしてまた教育委員会それぞれの所掌事務において大綱で規定されたことが順調に執行、履行されているのかどうか、これを定期的にそれをチェックする、そういうプロセスというのは、例えば議会がそれを担ってやるとかということにこれはなるんでしょうか。大綱の決定以降の進捗の管理、モニター、第三者によるチェックですね、そこをどう考えておられるか、そこをちょっと説明をお願いします。
#133
○副大臣(西川京子君) 今回の改正案におきましては、大綱に関する議会報告については規定されておりません。ただし、透明性を確保するため、大綱を策定又は変更した際には公表することとされていることから、議会において質疑が行われることは十分に想定されております。
 また、大綱の実施状況については、大綱に基づく施策を実現するための予算案、条例案の審議、議決、大綱に基づく教育委員会の事務執行に関する日々の審議、毎年の実施が義務付けられている教育委員会の自己点検・評価の議会報告に対する質疑といった形でチェックが行われるものと考えております。
#134
○石橋通宏君 是非その辺のチェックというか、第三者、今回は議会ですけれども、先ほど大臣が、これ議事録の公表に努めるというのがあるので公表をしっかりやっていただけるということ、文科省としては極力公表されるように努めていかれるということですので、市民による、住民の皆さんによるチェックというのが促進されるようにしていただきたいというふうに思っておりますので、そこはよろしくお願いをします。
 それから、総合教育会議について確認ですけれども、先ほどの大綱については第一条の三の第四項に第二十一条との関係が規定をしてありまして、ここのところは首長さんに教育委員会の本来の所掌事務について権限を与えるものではないというようなことが規定してあるわけでありますけれども、総合教育会議の部分には第一条に関わる関係というのは特には規定をされていないという理解です。これはどういうふうに理解をすればいいでしょうか。大綱については第二十一条の関係、明確に権利の役割分担がしてありますが、総合教育会議については第二十一条の関係が示されていないので、そういうことは、総合教育会議ではあらゆる事項について議論する、調整するということが除外されていないということになるという理解なんでしょうか。
#135
○国務大臣(下村博文君) 改正案では、大綱の策定を首長の権限としたことによりまして、教育委員会が所管する具体的な事務の管理、執行について教育委員会の権限を変更したのではないかとの疑義を生じかねないということが出てくるわけでございます。このため、第一条の三第四項として、首長の大綱策定権限は教育委員会の権限に属する事務の管理、執行権を首長に与えたものではないという旨の確認規定を設けているということであります。
 一方、総合教育会議は、首長と教育委員会という対等な執行機関同士の協議及び調整の場という位置付けであり、どちらか一方だけで決定するということではないということから、総合教育会議の設置によって教育委員会の権限を変更したのではないかという疑義は生じないと考えられ、同様の規定は設けていないというふうにしたわけでございます。
#136
○石橋通宏君 そうしますと、理解が正しければ、先ほど総合教育会議で具体的に何を調整対象とするのかということについて具体的な事例も挙げて説明がございましたけれども、逆に、つまり総合教育会議で扱われる事項については、首長さんがそう決められれば特に制約はないと。つまり、調整が整ったという形さえ取れば、かなりの教育に関わるこれまで教育委員会が専権事項とされていた領域にまで踏み込んで、枠をはめて、総合教育会議の場で調整したというふうに言ってしまうことも可能であるという理解で、そうなってしまうのではないかという懸念を大変強く持っているわけでありますが、結果的にそれは否定できないということでよろしいんでしょうか。
#137
○国務大臣(下村博文君) 地方公共団体における教育行政を一体的にかつ円滑に推進していくためには、予算等の権限を有する首長と教育委員会が連携協力して施策を検討していくことはこれは必要であると考えます。
 こうした観点から、第一条の四第一項第一号では、地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興を図るため重点的に講ずべき施策を協議することとしているわけであります。
 この場合におきまして、首長及び教育委員会によって重点的に講ずべき施策に該当するものと判断されれば、教育行政の幅広い事項が協議の対象とはなり得ます。ただ、協議した結果、それは調整を付くか付かないかという問題もあるわけでありまして、協議そのものについてはそれはそういう判断で議論できるということであります。
#138
○石橋通宏君 時間が参りましたのでこれで終わりになりますが、今の最後の部分も含めてまだまだ当委員会で議論を煮詰めていく必要があると感じましたので、今後またしっかりと審議させていただくこともお願いをさせていただいて、以上で質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
#139
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
 今回の改正に至る経緯には、教育委員会への不信と期待の交錯があったと思っております。大津の事件などを契機に、教育委員会というのはそもそもその求められる役目、責任を果たしていなかったんじゃないかと、特に危機管理対応を非常勤、合議体の教育委員会に任せるのはどうかという議論が巻き起こりまして、不信が極限まで達し、ならば廃止してしまえと、首長に任せればいいじゃないかということになったと思います。
 ただ、特に教育の分野に関しては首長が体現している民意だけで判断してしまって本当にいいのか、教育介入への不信、不安と言ってもいいと思います。そこから政治的中立性を考える契機となりまして、結果、これまで何度も確認してまいりましたが、首長と教育委員会の権限配分は一切変えず、円滑な意思疎通を図る趣旨で総合教育会議というのを今回の改正案で設置をいたしております。この方向性、私は正しいと思っております。この前提で、まず大臣より、これまでの教育委員会に対する評価、これをいただければと思います。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
#140
○国務大臣(下村博文君) 現在の教育委員会制度は、これまで約六十年にわたって教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保を制度的に担保しつつ、地域の多様な立場の人たちの視点を反映する観点から重要な役割を果たしてまいりました。
 一方、現行制度については、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、また、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、あるいは、地域の民意が十分に反映されていない、さらに、地方教育行政に問題がある場合に国が最終的に責任を果たせるようにする必要があると、そのような課題も指摘されているということから、今般これらについての見直しを行うための抜本的な改革を行うものであります。
#141
○矢倉克夫君 地域の声を反映する、他方でやはり形骸化があったという大臣の評価であったかと思います。
 教育委員会に期待される役割を担う理念としてレーマンコントロールという言葉がございます。今回の改正、改めてこの意義を考える契機だと思います。なかなか分かるようで分かりにくい概念ではあるんですが、改めて御説明をいただきたいと思います。
#142
○政府参考人(前川喜平君) レーマンコントロールとは、専門家の判断のみによらず、広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現するため、基本的に教育の専門家や行政官ではない住民が専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督するという仕組みでございます。
 今回の改正案におきましては、教育行政の責任者としての教育長のリーダーシップが高まるわけでございますけれども、教育委員の職業等に偏りがないよう配慮するとの現行法の規定も維持しておりまして、教育の専門家ではない一般の住民の意向を教育行政に反映していく必要があることから、いわゆるレーマンコントロールの考え方を基本的に引き続き維持しているものでございます。
#143
○矢倉克夫君 専門家の判断のみによらず、広く意見を受けるという点であると思います。
 教育政策が、レーマン、この定義がなかなか様々あるようで、そこが問題でもあると思うんですが、このレーマンに求めるものは何か。今参考人の方からも御説明ありましたが、言い換えれば、教育政策が専門家の意見だけに偏ってしまってはいけないという趣旨、この点を特にまた改めて御説明をいただければと思います。
#144
○政府参考人(前川喜平君) 教育はそもそも住民の日常生活に関係の深い地域的活動であり、地域住民の教育に対する期待も極めて大きいものがございます。このため、専門家の判断のみに任せるのではなく、幅広い地域住民の意向を十分に反映できる仕組みとする必要があるわけでございます。また、教育委員には、大局的立場に立って教育行政の方針を決定し得る識見と能力を有することも求められるところでございます。
 こうしたことから、教育委員につきましては、教育の専門的知識や経験を有する者のみにより構成されることがないよう、委員の任命に当たっては、委員の職業等に著しい偏りが生じないように配慮する旨の規定が設けられているところでございます。
#145
○矢倉克夫君 私も弁護士という立場で世間的には専門家と言われている職種だったわけですが、その経験からいえば、やはり当然いろんな分野で専門的知識、経験等は非常に重要なんですが、専門家というのは非常に勉強した方がやはり多くて、物事を考えるとき、自らが勉強した論理、逆に言えば、ある意味Aの場合はBだというような公式、定理と言ってもいいと思うんですが、そういうものを過信してしまう場合がやはりあるんじゃないかなと個人的には思っています。場合によっては人にそれを押し付けてしまう、そういうような傾向もあるんじゃないかと、これが正しいんだということで。ただ、事教育に関しては、私の感覚ではあるんですが、そういうような専門家の弊害が仮に起きた場合の悪影響が余りに多いんじゃないかと。
 我々公明党、常に訴えているところは、教育の本質とは子供の幸福のためにある。これをもう少し別の言葉でいえば、個々人が持てる力を最大に発揮をして、あるいは潜在的に有している、何というか、本質みたいなものをちゃんと現実に現すことを助けるものがこれが教育であると、私はそのように思っております。これは相当大変な作業でありますし、そうであれば、究極を言えば、その人ごとに教育の在り方というのはあるんじゃないかなと思っております。そういう観点から考えると、むしろ、余り自らの論理だけにこだわらずに、相手が何を求めているのか、真剣に聞く姿勢や、それを反映していこうという謙虚さ、これが専門家だけではなし得ない民意の反映でもあるかと思っております。
 ここに、私の考えでは、教育委員会の権威の根拠というのもある。レーマンコントロールというのも、文部科学省がホームページでレーマンとは何かと書かれておりましたが、素人という意味合いがこれまで強かった意味ではあるが、むしろ予断や偏見を排して事柄に臨む人たちであると。あらゆる意見をしっかりと多様に吸い上げるレーマン、ここから反映される民意というのを教育に反映させていこうというのがレーマンコントロールの意味でもあり、教育委員会に求められる役割ではないかと、私はこのように思っております。
 では次に、対首長という関係から考えたいと思うんですが、やはり教育委員会によるレーマンコントロールというのを考えたいと思います。
 まず、あらかじめ申し上げますと、これまで議論で、首長を教育から遠ざければ遠ざけるほど政治的中立性というのが保たれるんじゃないかというような風潮も一部にはあったのかもしれないんですが、私自身はそうは思っておりません。午前の石井委員の質問にもあったんですが、秋田の事例も、私も秋田に行きまして、やはり大事なのは連携であるというふうに非常に思っております、首長も民意を体現した方でもあるわけですし。ただ、他方で、私は、首長の体現する民意と教育の在り方というものは、ある種良い意味で緊張感というものが当然なければいけないと思っております。
 今回の改正は、少なくとも教育に関しては、経緯から考えますと、選挙による民意を反映した首長の意思だけが絶対であるという考えは採用しないということがより明らかになったかと思っております。
 改めて、教育が首長による民意だけで判断されるべきではない、この理由についてどのようにお考えか、御意見をいただければと思います。
#146
○政府参考人(前川喜平君) 教育行政に多様な民意を反映するということは非常に大事だと考えております。今回の改正によりまして、民意を代表する立場の首長の意向の反映がより図られるものになるということは事実でございます。
 しかしながら、教育行政には政治的中立性、継続性、安定性を確保することが求められるわけでございまして、より一層多様な民意を反映し、地域の状況に応じた教育行政の展開を図るという観点からは、合議制の教育委員会が教育行政の管理、執行に当たるということが適切であるという考え方でございます。
#147
○矢倉克夫君 様々理由はあると思います。私の意見としては、まず首長が反映している民意というのは、究極、五一%の可能性もある。これは京都の門川市長もおっしゃっていることではあるんですが、五一%だけで決めてしまった場合は学校教育への信頼感というものもやはりなくなってしまう可能性がある。また、やはり選挙の過程で教育だけを政策として訴えるわけではありませんので、パッケージとして訴えますから、そこで得られた民意というのが全て教育に全部当てはまるというようなことも、ひょっとしたらもう一考慮があるんじゃないかというのはやはり考えなければいけないと思います。
 さらに、もっと言えば、政治はどうしても短期の結果を求めたがってしまう、次の選挙もあるということもあり。やはり、教育は子供の人格の形成に関わるものでもありますし、短期的視点だけから判断するのは危険だと、こういうような部分から、政治的中立性というのは様々やはり求められるところではないかというふうに、このように思っております。
 以上を前提にして、今回も教育委員会廃止論などというものもありましたが、最終的に首長と教育委員会の権限配分は変更しないということを明確にいたしました。改めて、その趣旨、理由についてお願いをいたします。
#148
○政府参考人(前川喜平君) 学校教育につきましては、多数の者に対して強い影響力を持ち得ることから、一党一派に偏した政治的主義主張が持ち込まれないよう政治的中立性を確保する必要がございます。
 今回の改革案は、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携の強化を図るものでございますが、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保の重要性に鑑みまして、教育委員会を執行機関として残し、現行の教育委員会の職務権限を変更しないとしたところでございます。
#149
○矢倉克夫君 まず前提を確認させていただいたんですが、ちょっと大臣から、ここまでについて御意見がございましたら是非お願いいただきたいことと、あと、何度も確認していることではあるんですが、地方教育行政について最終的な責任を負うのは合議体の教育委員会であるということを再度御確認をいただければと思います。
#150
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正におきましては、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保する観点から、引き続き教育委員会を合議制の執行機関として残すとともに、教育委員会の職務権限は変更しないこととしたわけであります。したがって、今回の改正後も、地教行法第二十一条に規定する教育に関する事務の管理、執行については教育委員会が最終責任者であるわけであります。
#151
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 以上、前提を確認させていただきましたので、次の問題意識に移りたいと思います。
 レーマンコントロールという理念は分かりますが、結局やはりそれに沿うことができなかった教育委員会が多かったのではないかというような現実も今まであって、それが今回の改正の議論に係っている部分であるかと思います。
 そこで、やはりこちらも大臣にお願いしたいんですが、教育委員会がレーマンコントロールというものに沿った組織として機能するには何が必要か、御意見をいただければと思います。
#152
○国務大臣(下村博文君) 教育、学術及び文化に関して識見を有するものとの教育委員会の資格要件はもとより、教育委員の職業等に偏りが生じないよう配慮するとともに、保護者を含まなければならないとの現行法の規定は変更しないこととしておりまして、教育行政の責任者としての教育長のリーダーシップは高まりますが、一般の住民の意向を教育行政に反映するのと、レーマンコントロールの趣旨は引き続き維持していくということが必要であるというふうに考えます。
 こうした観点から、教育委員会において地域の多様な民意が反映されるよう、例えばコミュニティ・スクールや学校支援地域本部の代表を教育委員に選任するなど、地域の幅広い関係者から教育委員を人選する工夫を一層進めることが有効であると考えます。また、教育委員会会議は原則公開とすることと法定されており、改正後もこの取扱いに変更はなく、引き続き公開されることとなります。さらに、改正案においては、より一層の教育委員会会議の透明性の向上を図り、住民によるチェック機能を強化する観点から、教育委員会会議の議事録の作成及び公表を努力義務としているところであります。
#153
○矢倉克夫君 今大臣おっしゃったように、教育委員会が求められている役割、原点に立ち返りますと、民意をいかに吸い上げていくか、吸い上げるような仕組みをつくっていくことがやはり大事。そして、情報公開、公開制ということをおっしゃっていましたが、この公開を通じて住民を巻き込んでいくこと、これがやはり大事であると思っております。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 その地域の声を集約する、そのための手足として動いていくべきが、先ほど石橋委員から話もありましたが、教育委員会の事務局がこの役割を担うべきではないかと私は思っております。この点、大臣より御意見をいただければと思います。
#154
○国務大臣(下村博文君) 現在、教育委員会が自らに期待されている機能を十分に果たしていくということのためには、教育委員会を支える事務局職員の資質、能力を更に御指摘のように向上させていく必要があると考えております。
 各教育委員会においては、幅広い地域住民の意向を反映するため、教育職、行政職、いずれの職員についても、一層の行政能力の向上の観点から、教育内容等専門的な内容と管理的業務の双方についてバランス良く職務を経験させるなど、計画的な人事異動を行うとともに、職員に対する研修の充実に努めていくことが必要であると考えます。
 また、教育行政に高い専門性を有する職員を確保するため、教育委員会プロパーとして地域の実情に詳しい職員を育成することも一つの方法でありまして、教育委員会事務局と首長部局が連携して人材育成の方針を検討することが重要であると考えます。国としては、現在、様々な研修を実施しているところでありますが、今後、各都道府県教育委員会等とも連携して更にその充実方策について検討してまいりたいと考えております。
#155
○矢倉克夫君 専門性を持つ専門家や、また多数決の意思という民意を持っている首長と教育委員会がより良い緊張感を保っていかなければいけない。協議、調整を通じてより良い教育をつくっていくというためには、やはり教育委員会にもいい意味で対抗できる武器となるようなものが必要であると思っております。これがない限り、幾ら責任がどこにあるか、権限はどうかなどと抽象的なことを言っても余り意味はないのではないかなと。
 私も、その武器と言っていいのがやはり地域や父兄、教員などとのつながりですね、教育委員会にとっては。あと、それから集約された現場の声、これがやはり大事であって、そのための手足となるのが事務局、その活性化であると思います。大臣から今、その事務局の活性化、人材育成、様々な点がございました。この事務局をどうやって活性化させていくのか、これが非常に大きな問題になると思います。
 今回いろいろと制度改正をしたわけですが、同時並行でこの事務局の在り方そのものをやはり考えていかないと魂がやはり入らないものになる可能性もある、そこはしっかり考えなければいけない。様々いろんな事例を私、参考になるものを見てきたんですけど、その中で面白いなと思ったのが福岡県の春日市の実例でございます。
 今、私の手元には毎日新聞の記事があります。この記事の中で、事務局活性化に向けてどういうのが必要かいろいろ考えた中で、一つヒントがあったので紹介させていただきたいんですけど、まず読んで驚いたのが、この事務局改革、教育委員会改革の起点というのが、忙し過ぎる事務局、これを楽にさせてあげるというところから入っていたというところであります。
 私も知らなかったんですが、教育委員会の事務局というのは非常にやはり多忙みたいでして、例えば学校予算も処理しなければいけない、また文部科学省や県の教育委員会から調査依頼の文書が山のように降ってくる、そういうようなことが毎日毎日のルーチンで行われているということ。特に、予算に関しては、あるAという学校がホッチキスを買いたいとか、やはりそういう部分を含めて予算の使い方ということで、学校から依頼が来てそれを処理するであったりとか、そういうような書類の処理で一日忙殺されてしまうというようなことがありました。
 福岡の春日市、これがまず何を始めたか。この予算について、教育委員会が担っている部分の権限というのをどんどん現場に下ろしていったというようなことが紹介をされております。まず、予算執行権を学校に委譲して、ある金額以下は校長が決裁できるように改めたと。その執行権の委譲というところから更に進みまして、最終的には教育委員会が決めるのは総額だけで、そして内訳は学校の裁量に任せたと、このようなことが言われております。学校予算総枠配当方式と言われているようですが、これによって教育委員会の事務局の負担は更に軽減をされたと。
 これが実際どういう副次的効果といいますか、これを生じさせたかというと、記事等によれば、この負担の軽減は教育委員会事務局の職員の意識を変えることになったと。それまでは、自分たちは事務屋であると、文部科学省や県の教育委員会の下請だというような、そういう感覚があったわけですが、事務がなくなって負担が軽くなったことでより良く頭を働かす方向になり、諸問題を学校とともに改善していこうという積極的姿勢が高まったと言われております。特に学校に頻繁に足を運ぶような事務局の姿勢になっていった。
 先ほど来から話にもあるコミュニティ・スクール、春日市は全小学校、中学校がコミュニティ・スクールになっているという、そこもいろんな経緯があったようですが、現状そのようになっているんですが、このコミュニティ・スクールの一員としてもこういう教育委員会の事務局が入っていっている。もうまさに地域でしっかりいろんな方が集まっているところに事務局が入っていって、そこで意見を交換して集約をしていく、まさに地域の声を集約する手足として事務局が働いているという部分があります。この起爆剤が、先ほどから冒頭申し上げた、まず事務局の負担を軽減していくというような部分があったというところは非常に示唆に富むところであるかなと思っております。
 こういう点では、もう一方は、ちょっと長くなって恐縮なんですけど、このような春日市の教育委員会の主導をしたのが工藤さんという方なんですが、私の手元にもう一個この方の手記があるんですが、タイトルはずばり、「教育委員会事務局の改革が地域の活性化につながる」、この事務局を改革することがコミュニティ・スクール等を通じた、更に地域との連携、教育を一体化していこうというような動きにしっかりつながっていったというようなことがはっきり表れているタイトルでございました。
 そこで、文部科学省にお伺いしたいんですが、春日市のように事務局定型業務をスリム化して事務局の政策形成機能を育てる、こういう方向性とともに、学校の自立化を目指し権限を委譲していく、このような委譲によって、先ほど御紹介もした部分の中に一部書いてあったのは、これまで上と下の関係であった教育委員会と学校というのが、むしろ支持し合える、お互いが話し合えるような横の関係になったというのも一つの効果として挙げられています。
 こういうような効果が上げられる一つの取組というのは、特殊な事例ではなく、全国的にも広がり得る普遍性のあるものでもあるかと思っております。国としても各自治体に、同様の施策を行っていくように、権限委譲等も含めた積極的な関わりを促していくべきである、このように考えますが、この点いかがでしょうか、御所見をいただければと思います。
#156
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、春日市は、学校への予算執行権の委譲によりまして教育委員会事務局の定型業務が効率化され、政策形成機能の強化が図られた優れた事例であると承知しております。
 このため、文部科学省としては、学校の自主的、自律的な運営を促進するとともに、教育委員会事務局の事務負担軽減を図る観点から、予算執行権限の委譲や裁量的経費の措置といった予算面における学校裁量の拡大などの取組につきまして、説明会やフォーラム、広報誌等を通じて事例の紹介や啓発に努めているところでございます。
 引き続き、こうした取組を通じまして、教育委員会が自らに期待されている機能を十分に果たせるよう指導してまいりたいと考えております。
#157
○矢倉克夫君 引き続きよろしくお願いいたします。
 この教育委員会事務局の改革、先ほどの毎日新聞の記事や工藤さんの手記から、さらに次どうなったかというような話が書いてあったんですが、改革を経た事務局が次行ったのは、それまで教育委員会というのが実は事務局案の追認機関にすぎなかったという現実、これがあったわけです。その教育委員会の現状に違和感を感じ始めた、そういう状況がある。そこから、身軽になった教育委員会の事務局が知恵を絞りまして、教育委員会の在り方の見直しにも着手をしていった。様々な取組を生んだわけですが、その一つとして、春日市の教育委員会、挙げられているもの、またほかの例では立川などもあるようですが、言われているのが、出張、出前トークと言われているものです。
 これまで、よく教育委員会は学校訪問という形で様々現場の声を聞く取組をしていたわけなんですが、現実としては、教育委員会、教育長も含めて大挙押し寄せていき、学校の幹部の方とだけ話をすると。ほとんど、学校側の意見を聞くというよりは、上から何かを言うというようなタイプのやはりものがどうしてもあったと。現場の教育、学校の関係者の方のお話ということであるが、まるで一つのショーだったというようなことがあったという御意見がありました。これでは、やはり儀式でもあるし、意見交換にならないと。
 そこで、春日市等は、そうではなくて、同じような態様かもしれないんですが、視察ではなく意見交換に重点を置いて、通常夏休みに十八校回るわけですけれども、学校側は全教職員が参加もして、教育委員会側も事務局全員も加わった上で、本当に一対一で対面をしながら話し合うような、そのような意見交換の場を積極的に設けるようにしたと。
 立川などは、大挙押し寄せるのではなく、教育委員一人でも行って意見を聞いていくというような取組をどんどんするようになった。そのための事務局として、教育委員会の事務局がしっかりと機能を果たしているというようなことの報告がなされております。
 私としても、今後、教育委員会活性化のためにどうしても大事なことは、先ほどのレーマンコントロールの前提からも考えましても、こういう現場に入るような教育委員会の在り方をつくっていくこと、これが非常に大事であるかとは思っております。その点、今後どのように進められるのか、御意見をいただければと思います。
#158
○副大臣(西川京子君) 今先生がおっしゃいました春日市の例、立川市の例など、教育委員が自ら現場に出向いて地域住民と意見交換を行う、あるいは地域住民の意見を聞く機会を設ける、大変重要なことだと考えております。
 平成二十四年度の調査によりますと、保護者や地域住民の意見、要望、苦情等を聴取し、意見交換を行う機会を設けた教育委員会は、都道府県、指定都市で全体の五一・五%あります。そして、市町村で全体の三〇・六%という状況になっております。
 また、改正案においては、総合教育会議を実効性あるものとするために、協議、調整を行うに当たって必要があると認めたときは、先ほども申し上げましたように、学識経験者や関係者、それらの方々の意見を聴くことができることとしておりまして、具体的には学校運営協議会委員やPTA関係者、地元の企業人等からの意見聴取が行われることも想定しているということでございまして、総合教育会議だけでなくて、日頃からやはりそれに類するそういう地元民との意見交換、こういうことによって教育委員さんの資質も向上していきますし、地域の状態の理解も深まると思いますので、文部科学省としては、今後とも広く地域住民の意見を反映できる機会を設けるよう教育委員会に促してまいりたいと思っております。
#159
○矢倉克夫君 やはり教育委員会一人一人の意識の問題もあると思います。その辺り、地道な取組、また促しも必要だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 そういう点では、教育委員会がどのような資質を持つかというのは非常に大事な部分ではあるかと思います。首長さんの意向を酌むことを考えるような教育委員会だけでは当然いけないし、一方で、やはり現場に入ってという熱意と情熱を持っているような方、これをどのように選任していくのかというのはやはり大事なことであるかと思います。
 この点、様々これから取組が各地域でなされるところではあるかと思うんですが、よく参考に言われているのは、公募の方式、これをやはり採用していく実例がもろもろあるというところであります。
 例えば大阪の箕面市などは、この前、教育委員六名のうち四名公募されていたわけですが、地域の方が非常に熱意があったというか、応募されたのが三十名以上応募をされて、そこから四次選考をして、最終的に四人の方が教育委員として公募に合格されたと。その上で任命を受けたというような話も聞いております。四名の方皆さん女性で、三十代、四十代の方ばかり、取締役をされている人もいれば、やはり学校教育関係をずっと従事して、またさらには海外で教えられたりとかされた方、もうお一人お一人様々な立場でしっかり識見、見識を持った方で、何といっても教育に対しての情熱、自分から応募をされているわけですので、どうあるべきかというような問題意識を非常に持った方が多くいたというようなお話もしております。
 やはり委員のこの選任の在り方というのも、これはやはり地域個々ごとに決めなきゃいけないところではあると思うんですが、このような公募の方式ということも文部科学省として積極的にある意味推進をしていく部分もあるかとは思うんですが、この辺りについて御意見をいただければと思います。
#160
○副大臣(西川京子君) 先生の今御指摘のように、今教育を取り巻く環境の中には、いじめ問題を始めとして本当に様々な問題が山積しております。そういう中で、当然、この教育委員になる方もあらゆる方面の方から代表を選ぶということは大変大事なことだと思っております。地域の多様な民意が反映されますように、保護者や地域の関係者、そういう方々を教育委員として選任することも大事ですし、また、いわゆる専門的知識を持っていらっしゃる方を入れるということも大事だろうと思います。
 そういうことで、幅広く人材を求めるということでは、公募制を活用するということは、教育委員会の活性化のための大きな有効な一つの方策だと考えておりまして、平成二十五年度三月一日現在、全国で二十三団体において公募制で教育委員が選任されております。
 文部科学省としても、今後ともこの教育委員の人選の工夫、こういうことを一層工夫を進めていきますように促してまいりたいと思っております。
#161
○矢倉克夫君 是非よろしくお願いいたします。幅広く、偏りもなく、本当に優秀な方々、熱意のある方々が委員になるということで、やはり起点であるかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 様々今いろいろ御紹介したとおり、全国各地でいろいろ教育委員会、先進的な取組というのがあるなと、そういう部分は感じられる部分です。では、こういうのが共有されているのかどうかというようなところを事前に文部科学省に確認をしたんですが、教育委員会研究協議会というのがあるというふうに回答をいただきました。
 しかし、やはり現状、例えば大きな会議室で全国から一堂に集まって、そういう方が講演を聞くと。ただ、初めてお会いするような方の成功事例とかを、なかなか、聞いてもすぐに身に付くかというと、やはり難しい部分はあるのかなと。参加者の立場から立ってみたら、聞いてきたというだけで大体終わってしまうんじゃないかなというような部分はやはりあるかと思います。
 私としては、せっかくいろんな先進事例が、恐らくいろんな教育委員会が現場で悩みながらいろいろなやり方を模索しているのであれば、それを多くが共有し合って、接触し合って切磋琢磨し合うというような枠組みをやはりつくっていかなければいけないんじゃないかなと思います。
 そのためには、やはり顔の見える関係、近隣の教育委員会同士でお互いの活性化策をちゃんと議論し合うような、そういうようなスタイルもつくっていく必要があるかと思います。その前提には、当然、近隣同士のつながりを密にする必要性もあるわけですし、そういった教育委員会メンバー同士がつながりを強化し合って、連携し合って情報を共有していくこと、こういうことを含むような研修制度の構築、少々ちょっと抽象的な問いかけになってしまうんですが、このようなものをしっかりつくっていって、教育委員会同士がお互いをしっかり切磋琢磨し合うような関係をつくっていくことが大事だと思うんですが、この辺りについて大臣の御所見をいただければと思います。
#162
○国務大臣(下村博文君) 非常にいい考えだというふうに思います。
 今、矢倉委員のお話を聞いていて私も思い出したんですが、私も国会議員になる前に都議会議員をしていたときがありまして、そのときに文教厚生委員長をしていたんですね。私が委員長になって初めて東京都の教育委員と一緒に議論する場が、初めて提案して、非公式だったんですが、あったんですね。それだけ議会と東京都の教育委員が一緒に平場で議論したこともなかったというのも、今から考えるとやっぱり相当閉鎖的だったんじゃないかなと思って聞いていたわけでありまして、それだけこれから新しい教育委員会については、地域住民の多様化の中で一人一人のもちろん能力を高めていくことも必要ですし、議会や住民の方々ともっと接点を持つことによって、今教育委員会で議論されていること、あるいは地域の中で、あるいは議会の中で何が問題なのかということをよく把握をしてもらうということも必要だと思います。
 そして、もちろん研修でありますけれども、文部科学省におきましては、毎年、都道府県、指定都市の新任教育委員に対して研修を行っていることに加え、文部科学省と都道府県教育委員会の共催で市町村教育委員会委員等を対象とした研修会を実施しております。そして、都道府県においては、平成二十三年度の調査によれば、全市町村の教育委員を対象とした研修を年平均一・二回行っているほか、自らの教育委員に対する研修を年平均六・七回行っているということだそうであります。市町村においても、自らの教育委員に対する研修を年平均四・六回行っているということでありますが、ただの座学的な研修ではそれほど成果、効果は上がらないのではないかというふうに思います。
 今の矢倉委員の指摘も踏まえて、より成果、効果の上がる研修の在り方、充実について検討してまいりたいと思います。
#163
○矢倉克夫君 大臣、御自身の御経験に基づく御答弁、ありがとうございます。
 やはり教育委員、閉鎖的閉鎖的と言われていた部分はあるんですが、一つ、様々、事務局の活性化であるとか、そういう外部環境を変えることで本来教育委員の方々が持っている教育を何とかしようという思いがやはり解き放たれることができるんじゃないかなと、それをやっぱりサポートするのが政治の分野であるかなと思っております。
 教育委員の様々な、先ほどの出張トークをされたときの方の経験ということで新聞が報道しているのが、現場でやっぱり話してみると、教員の方と教育委員の壁が取り外されて一緒にいい教育をつくっていこうという信頼感ができてきたと。そういうような信頼感をどんどん醸成していくことがやはり大事であるかなと、その点は私もしっかりと今後も議論も含めて貢献してまいりたいと、このように思っております。
 次に質問を移らせていただきます。教育長の資質についてでございます。
 先ほども確認いたしましたが、専門的な教育長がレーマンで集まりである教育委員会を支配してしまうというようなことが仮にあっては、教育委員会によるレーマンコントロールの制度趣旨に反してしまうわけでございます。その上で今回の法案の文言に立ち返りますと、教育長の任務については、委員会を代表するとともに、会務を総理するという言葉があります。この総理するという文言が代表するとは別に書かれている点、これはいかなる意味か、御見解をいただければと思います。
#164
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正案において新たに置くこととされております教育長は、教育委員会会議を主宰するという現行の教育委員長の役割に加えまして、事務局の事務を統括し、所属の職員を指揮監督する現行の教育長の役割も果たすことになることから、これらを総体として表現いたしまして、改正案におきましては教育委員会の会務を総理すると規定したものでございます。
 改正案では、常勤の教育長が会議の主宰者となることによりまして、会議の招集や議題を適切に判断することや、委員への迅速かつ適切な情報提供が可能となり、教育委員会の活性化に資するものと考えております。
#165
○矢倉克夫君 事務局を総括する立場としての総理であるという答弁であったと思います。
 その事務局は、先ほども確認いたしましたとおり、非常勤である教育委員が現場の声を聞く、そのための手足ともなるべき存在でもあり、吸い上げる役割も持っている調査員のような、場合によってはシンクタンクのような役割もこれから担っていかなければいけない、このように思います。それを総括するのが教育長でもあると。
 以前も、今回の法改正前も、そのシンクタンクであるべき事務局は、要は事務局長は言わば教育長であったという認識でございます。しかし、事務局が吸い上げた、あるいは吸い上げるべき情報若しくは地域の声という共有すべき対象、これを共有すべき対象である教育委員会、これを主宰するのは、法の建前上は教育長とは別の教育委員長だったと、これが今回の法改正前の、今現状ですね、現状がそういう状態であるということだと思います。それによっては、教育長がいかに事務局を通じて収集した情報などを教育委員会に開示したくても、会合自体が開会されないというようなこともあり得た。これをやはり解消する意味では、今回教育委員長と教育長が一体化したという点は非常に意味はあるという点ではないかなと私は思っております。
 ただ、その新しい教育長の役割は何か。繰り返しになりますけど、一つには、集約した多様な民意を専門家ではない教育委員に議論してもらうときの専門的見地からの論点整理その他を行う方であるわけですが、何よりも重要なのは、つなぎ役としての教育長、やはり学校現場と行政、また教育委員会を代表する、総理する立場として、その教育委員会とやはり子供の懸け橋になるようなことが教育長は、この一体化の議論を経てスーパー教育長とも言われているわけですが、新しく担わなければいけない役割として非常に重要であると思っております。総理というこの言葉を解釈する上でも、このつなぎ役という意識を持った人であるという部分の思いというのは大事であるかなと思っております。
 そこで、改めて、このような重要な役回りが期待されている教育長に求められている資質というものはどのようなものか、御意見をいただければと思います。
#166
○政府参考人(前川喜平君) 現行法におきましては、教育長の要件につきましては、教育、学術、文化に関し識見を有するものという教育委員としての要件のみが法定されておりまして、一般職としての教育長の要件は法律上の規定がないわけでございます。
 改正案におきましては、教育行政の責任体制を明確化する趣旨から、現行の教育委員長と事務局を統括する教育長を一本化した新たな職を設けるものでございまして、新教育長は行政法規にも通じ、組織マネジメントにも優れるなどの資質が求められるわけでございます。そういったことから、法律上、教育行政に識見があるものという要件を定めているところでございます。なお、この場合において教育行政に識見があるものとは、教育委員会事務局や教職員の出身者だけではなくて、教育行政を行うに当たり必要な資質を備えていれば幅広く該当するものと考えております。
#167
○矢倉克夫君 そのような資質を有している教育長か否かについてどのように判断するか、先ほど来の質問もあったんですが、議会における同意に当たっての所信表明なども挙げられているところであります。この所信を表明する、まあ、どのような所信を表明するのか、今お話も聞いていても、これはやはり大変な能力を持った方でないとなかなか務まらないところがあるかなと思います。識見だけではない、知識だけではない、しっかりしたマネジメント能力もなければいけない。現場に入るというような意欲も持っている方でなければいけない。どのような所信をまた述べていただくかというような部分もあるかと思います。
 この辺りについて、どのように更に判断をしていくのか、御意見をいただければと思います。
#168
○政府参考人(前川喜平君) 新教育長は、現行の教育長と教育委員長の職務を一本化した職でございまして、教育行政に大きな権限と責任を有し、従来に比べましてその職責が重くなることから、その資質、能力を議会において丁寧にチェックするということが必要であると考えております。
 そのため、議会同意に当たって、例えば地方公共団体において、教育長候補者が所信表明を行うなど丁寧な手続を定めることも一つの方策ではないかと考えております。法案が成立した場合には、施行通知や改正法の説明会等を通じまして、議会同意に当たっての所信表明など、教育長の資質、能力をチェックするための様々な工夫について周知してまいりたいと考えております。
#169
○矢倉克夫君 所信表明、どういう所信になるかという部分もあるかと思うのですが、やはり教育長に求められているのはこういうものだというのを周知徹底することは大事であるかと思います。やはり判断する側が、教育長というのはどういうことを、役割を求められていて、どういう資質を求められているのかというのが分からないと、やはり所信を聞くだけでは判断ができない部分はあるかなと思っておりますので、その辺りも含めて、施行通知等でしっかりと、施行通知に限らず現場にしっかりと徹底をしていただければと思います。
 その上で問題なのは、やはり教育長として役割を担っていく人、非常に能力もまた様々経験等も重要な部分であり、理想的な方というのを探すことはなかなか難しい部分はあるんじゃないかというぐらいに大変な役職だと思います。ただ、他方で、教育長に値するような方々をやはり養成をしていくというような視点もしっかりと考えていかなければいけないと思います。
 この辺り、教育長がいかにあるべきか、そういう部分の、養成の制度等も含めて、どのように今後進められていくのか、大臣から御所見をいただければと思います。
#170
○副大臣(西川京子君) 大変大きな権限を持っている教育長の、今、資質をどうするかと、そして今後どうやってそれを更に高めていくかという責任があると思います。
 その中で、昨年の十二月の十三日に中央教育審議会答申においては、教育長には、強い使命感を持ち常に自己研さんに励む人材が求められ、学び続ける教育長の育成を担保することが大事だと言われております。国、都道府県、大学などが主体となって、現職の教育長の研修を積極的に実施することが必要である、その際、教育の専門的知識だけではなくて、福祉、雇用、産業、環境など様々な分野に関する知識の習得が求められるとされております。
 例えば京都市の教育委員会におきましては、行政職の職員を長期にわたって教育委員会事務局に勤務をさせまして、教育内容や学校運営を理解し、教員出身の職員とともに政策立案、学校の運営指導ができる専門性を持った職員として育成し、その中から教育長となる人材を確保している。現京都市の生田教育長そして門川市長、共に教育委員会事務局の御出身でいらっしゃるという、そういう経験を基にして大変きめ細かな人材育成をやっていらっしゃるところもあります。
 教育長のリーダーとしての資質や能力を高めるための方策としては、現在、国や大学において市町村の教育長を対象とした研修会を実施しておりまして、今後、国、都道府県、大学などによる研修のプログラムについて充実をしっかりと図ってまいりたいと思っております。
#171
○矢倉克夫君 最後に、大臣、通告していないんですが、新しい教育長に求めるもの、大臣、是非御意見をいただければと思います。
#172
○国務大臣(下村博文君) 先ほどもちょっと答弁させていただきましたが、今度、兵庫教育大学で教育長を養成するための大学院コースを設定する、これを全国のほかの大学、大学院と連携するということでありまして、そういう意味で、今まで述べてきたような識見、能力だけでなく、さらに、新しい時代に対応する教育行政あるいは教育の在り方についても熟知をしていただきたいと思いますし、今、私の下だけでも四十七項目の教育改革同時工程表を作って進めておりまして、その時代に合った、今、教育がどんなふうにタイムリーで国が行っていて、それをそれぞれの自治体でどうするかということについても常に学び続けていただかないと、ちょっと前までの感覚ではずれが出てくると思いますし、それだけ教育長に求めることは多いわけでありますが、是非、日本が教育立国を目指すためには大変重要な立場であるというふうに思いますし、是非それぞれの教育委員会がすばらしい教育長を選任していただいて、そしてその教育長の下ですばらしい教育行政が行われるような教育委員会、対応できるように国としてもフォローしてまいりたいと思います。
#173
○矢倉克夫君 ありがとうございます。以上です。
#174
○藤巻健史君 日本維新の会・結いの党、藤巻です。よろしくお願いします。
 私は、大学で授業をかなり長い間やっていたんですけれども、非常勤講師だったもので、週に一遍行くだけで、教授会も出たことがないですし、また、ある大学の理事をやっておりますけれども、理事会というのも、非常勤でしたので、二か月に一遍、三か月に、行くだけで、教育については全くの素人です。そして、小中高の教育には全く携わったことがないということで、全くの素人なものですから、質問もちょっと稚拙になるかもしれませんけれども、それはお許しいただきたいと思います。
 ただ、私、まさに金融村の人間なんですけれども、金融村の人間から見ると、教育村の人間の思考にもちょっと違和感を感じるところがありまして、今回の法改正でつくり上げた組織にも幾分まだ違和感があるんですね。かなり改善はしていると思うんですけれども、まだ違和感があると。
 どういうことかというと、例えば、意思決定をしたところに責任が確実にないとか、それから執行機関に忠実義務がないとか、それからリーダーシップが発揮できていないとか、それから、大津のいじめ事件もそうだったと思いますけれども、意思決定が遅くなってしまうとか、完璧な人事権がないとか、こういう組織論からすると非常に甘いところがありまして、これが民間企業であったらば潰れているなと思うわけです。
 もちろん、利益を追求する民間企業と、そして利益を追求しない教育とは全く違うといえば違うんですけれども、でもやっぱり組織論からすると、きちんとそうした組織をつくり上げていかないと、いろんな問題が多く発生すると思うわけですね。やはり、何となく政治的中立を重視するがゆえに組織に非常に甘いことが起きて、それがゆえに意思決定が遅れて大津のいじめ事件みたいなことが起こるのではないかなというのが金融村の私からの率直な感想であります。
 そういう観点でいろいろ質問していきたいんですけれども、まず、素人としての認識をする、全く私の知識ということでお聞きしたいんですけれども、昔の教育委員会というのは公選制だったと思うんですが、現状の制度に変わった、首長が議会の同意を得て教育委員を選ぶという制度に変わったと思いますけれども、それはどのような理由で、どういう経過を経てそういうふうに変わったのかを教えていただければと思います。
#175
○政府参考人(前川喜平君) 昭和二十三年の教育委員会法の制定によりまして教育委員会制度が導入された当時は、委員は直接選挙で選ばれておりました。
 この昭和二十三年の十月には第一回の教育委員の選挙が行われたわけでございますけれども、昭和二十五年の八月に文部省が第二次アメリカ教育使節団に提出いたしました報告書によりますと、国民一般が教育委員会制度を理解する程度が低く、その結果棄権率も相当高く、また、野心家に利用されやすい、教員組合はその組織力を利用して自己の代表者を委員に選出し、その委員を通じて教育委員会をコントロールしようとする傾向が見られる、単一選挙区制のため選挙費用がかさみ、金のある野心家か組織的地盤のある者でなくては当選できない現状であり、日本の社会の現状は結果的には直接公選制の狙う公正な民意の反映、市民委員の進出をゆがめている嫌いがあると指摘しておりまして、公正な住民の意思を行政に反映するという狙いとは異なるものとなってしまったということでございました。
 このため、昭和三十一年に教育委員会法に代わりまして現在の地方教育行政の組織及び運営に関する法律、地教行法が制定されまして、公選制が廃止されたものでございます。
 現行の地教行法におきましては、専門家のみが教育行政を担うのではなく、必ずしも専門家ではない教育委員によって構成される教育委員会が教育行政を行うこととしておりまして、地域住民の意向を反映する制度となっておりますが、今回の改正案におきましては、民意を代表する首長の役割を明確化し、総合教育会議での協議、調整や大綱の策定等を通じて、より一層民意を反映した教育行政が推進されるものと考えております。
#176
○藤巻健史君 全く初めてそういうことは知りましたけれども、要は、ラウドマイノリティーよりもサイレントマジョリティーの意見を聞くために制度を改正したということかと理解いたしました。公選制とか民意を聞くというふうに名目上いっても、誤った民意を聞いてしまう可能性もあるということで改正があったというふうに理解いたしました。
 その次に、もう一つ基本的な認識としてお聞きしたいんですけれども、現在の教育委員会のメンバーというのはどのような職種の人たちがいるのか。それから、ちょっと通告はしていなかったんですけど、やっぱり政党に入っている方はいらっしゃるのか、その辺がもし分かれば教えていただければと思います。
#177
○政府参考人(前川喜平君) 教育長を除く教育委員につきまして、その職業を見ますと、平成二十三年五月一日現在で、割合が大きい順に申しますと、都道府県では、会社役員等、これが四四・八%、医師、大学教員等四〇・九%、商店経営等〇・九%、農林漁業等が〇・四%、その他が〇・九%を占めておりまして、無職が一二・一%となっております。市町村を見ますと、医師、大学教員等が二三・六%、会社役員等が一八・九%、農林漁業等が九・六%、商店経営等が六・九%、その他が五・六%を占め、無職が三五・三%となっております。また、教職経験者の割合でございますけれども、これは都道府県が二二・四%、市町村が二八・三%となっております。
 今回の改正案では、教育委員の資格要件は変更しておりませんので、各地方公共団体において委員の構成が大きく変わるということは想定しておりません。ただし、教育委員会の審議をより活性化するためには、文部科学省といたしましては、単に一般的な識見があるというだけではなく、例えばコミュニティ・スクール等の関係者を選任したり、教育に関する高度な知見を有する者も含めるなど、適任者の確保に向けて各地方公共団体における教育委員の人選の工夫を一層進めるよう促してまいりたいと考えております。
 教育委員が政党に属しているかどうかということでございますけれども、法律の規定は政党に属することを予定した規定になっておりまして、もちろん属する属さないは個人の自由でございますけれども、現行制度におきましては、教育委員は同一政党所属委員が委員会の二分の一以上を構成しないようにすると、こういう規定になっております。私どもとして、この教育委員が政党に所属しているかしていないか、どの政党に所属しているか、こういったことは個人の思想信条にわたることでございますので、こういったことにつきましては調査しておりません。
#178
○藤巻健史君 ありがとうございました。
 もう一つ基礎的な質問あるんですけれども、これは時間があればということで、後に回します。
 実は私は三十年以上マーケットにいて、マーケットのプロを自負しているんですけれども、しかし、そうはいっても毎日相場を見ていなければマーケットの感覚は非常に鈍るんですね、これは鈍ってしまうと。例えば、私が米銀に勤めて、十五年間勤めておりましたけれども、十五年間のうちに百の利益を上げたとすると、百二が長期的ポジションに基づいて利益を上げ、二の損失をしてでき上がりが百だったんですね。じゃ、なぜ短期のトレーディングをやっていたか、損をすることが分かっていながらやっていたかというと、毎日相場にさらされていないと、まず感覚が鈍るし、それから意思決定ができないわけです。特に、私は何千億の勝負をさせてもらっていたんですけれども、しばらく勝負をしていないと、毎日相場を見ていないと、怖くて勝負できないんですよね。今でも例えば若者にうんちくを垂れることはできるんですけれども、責任を持って大きな勝負もできないし、絶対これだと思うだけの自信もなくなっているわけです。
 これは何を言いたいかというと、要は、毎日その仕事にどっぷりつかっていないと大きな仕事はできないし、意思決定はできないし、責任逃れはするよということなんですけれども。
 今度の法改正で、やっぱりその教育委員会のメンバーというのは非常勤なわけですね。そんな非常勤の人たちが、そしてまた教育委員会というのは執行機関なわけです。非常勤の人が執行機関の役割をこなせるのかと。少なくとも企業においては、まあ取締役は意思決定であれですけど、執行機関である執行役員が非常勤なんてことはあり得ないわけです。要するに、毎日その現場にいない限り執行なんてことはできないわけで、こんな会社は全部潰れちゃうわけですね。
 今回の法改正でも、新教育長を除いて、ほとんどが非常勤の人たちが執行機関であってもいいのかと、その辺についてお聞きしたいと思います。
#179
○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会制度の趣旨は、教育行政を行うに当たりまして、教育の専門家のみによりこれを行うのではなく、教育、学術、文化について識見を有し、大所高所から教育行政について判断できる人材や、地域住民や保護者等の意向を的確に把握している者を幅広く教育委員として迎えることによりまして、地域の実情に応じた主体的かつ積極的な教育行政の展開を図ろうとするものでございます。
 教育委員につきましては、こうした趣旨に基づきまして幅広い人材を得るために非常勤とするとされているところでございまして、教育委員会の会議において教育委員の識見を十分に発揮していただくことが責任を果たしていただくことになると考えております。
 なお、この度の改正によりまして、常勤の教育長が教育委員会会議を主宰することとなりますことから、他の教育委員に対するより適切な情報提供と迅速な会議の招集が可能となり、教育委員会の活性化に資するものと考えております。
#180
○藤巻健史君 民間の場合、執行機関であって一人が常勤で四人が非常勤なんという執行機関はないと思うんですけれども、もし教育委員会を執行機関とするのだったらば、全員を常勤にするべきだと思いますし、それが今の御趣旨で無理だというのならば、教育委員会というのは諮問機関であるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#181
○政府参考人(前川喜平君) 教育につきましては政治的中立性を確保する必要があり、首長一人の判断によって教育内容等が大きく左右されることのないように合議制執行機関として教育委員会が設けられておりまして、改正案におきましてもその基本は維持しているところでございます。
 教育委員会を諮問機関とした場合には、執行機関として自らの判断と責任において事務を管理、執行するものではなくなるために、教育の政治的中立性が確保できなくなるおそれがございます。
 しかし、現行の教育委員会制度につきましては、非常勤の教育委員長と常勤の教育長が置かれていて、どちらが責任者か分かりにくい、また、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていないなどの問題があったところでございまして、このため、改正案におきましては、教育委員長と教育長を一本化した新教育長を置くことにより、教育行政における責任体制を明確化し、常勤の新教育長から教育委員への迅速な情報提供や会議の招集など、危機管理体制を構築するとしたところでございまして、これによりまして、新教育長のリーダーシップの下で教育委員会の執行機関としての機能は格段に高まることになると考えております。
#182
○委員長(丸山和也君) 下村大臣、何かありますか。ちょっと手を挙げられかけていたので。
#183
○国務大臣(下村博文君) いや、いいです。
#184
○藤巻健史君 教育委員会が政治的中立に役立っているというふうに御回答がありましたけれども、それでは、ちょっと、これは地方教育のシステムですけれども、中央に関してお聞きしたいんですが、まず首長に相当するのが安倍総理大臣だと思います。教育長に当たるのが下村大臣かと思います。じゃ、中教審は何かというと、明らかにこれは執行機関ではなくて諮問機関です。そのシステムで政治的中立でない、我が国の文部科学省のコントロールは政治的中立を保っていないと誰かに批判されていますでしょうか。
#185
○政府参考人(前川喜平君) 教育行政における国と地方の役割には違いがあるわけでございます。国は、まず法律に基づく行政をしているわけでございますけれども、学校教育法等の制度の枠組みをつくったり、あるいはその下で学習指導要領といった全国的な基準を定める、また教員の給与等の財政負担を行うといったことを役割としているわけでございますが、学校の設置者あるいは管理者として児童生徒に直接教育を実施したり教職員人事を行うといった立場にはないわけでございます。このため、国においては、独立した委員会を設けることなく文部科学大臣が教育行政を行っていて、政治的中立性の問題は生じないということでございます。
 国と地方の統治機構の違いという面からいたしますと、国が議院内閣制を取っているのとは異なり、地方は二元代表制を取っておりまして、首長は住民による直接選挙で選出されるなど議会との関係では極めて強力な権限を持っております。このため、教育委員会制度を含む各種委員会制度が設けられているという事情がございます。
 こうしたことから、今回の改正におきましては、教育の政治的中立性、安定性、継続性を確保する観点から、独立した行政委員会としての教育委員会を引き続き執行機関として残しつつ、地域の民意を代表する首長が教育行政に連帯して責任を果たせる体制を構築するため、総合教育会議の設置等をすることとしたものでございます。
#186
○藤巻健史君 地方が直接選挙であるならば、より一層首長というのは民意を反映していると思うんですが、首長が教育長を選任し、何も問題ないと思うんですね。特に、国の組織として安倍首相がおり、そしてその委託を受けた下村大臣がおり、そして中教審が諮問機関であるならば、私はそのままそのシステムを地方に導入してもよくて、首長が教育長を選び、教育委員会は諮問機関であるというシステムでも政治的中立は保てると。もし国自身が政治的中立を保てないようなシステムであるというなら話は別ですけれども、国のシステムをコピーして何が悪いのかと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
#187
○政府参考人(前川喜平君) 先ほど御説明申し上げた点、多少繰り返しになりますけれども、文部科学省自身は、学校の設置者として教育を実際に行ったり教職員人事を行ったり等する立場にはないわけでございます。学校教育法等の制度の枠組みでありますとか学習指導要領の制定といった全国的な基準を定めるという業務、これがメーンの業務になっているわけでございます。
 一方、地方公共団体は、それぞれ学校を設置しておりまして、その学校におきまして直接児童生徒に対する教育を行っている、また直接その任に当たる教職員の人事を行っていると、そういう立場にあるわけでございまして、この日々の教育活動、またその活動を行う教職員の服務監督でありますとか人事を行うと、こういった立場の業務に関しましては、その政治的中立性を担保するために、合議制機関である教育委員会がその任に当たるということが必要になるという考え方でございます。
#188
○藤巻健史君 じゃ、ちょっとそちらの方はいいとして。
 安倍首相が下村大臣を選ぶ場合には、任命は天皇陛下だと思いますけれども、選ぶのは安倍首相だと思いますが、そのときに議会の同意は必要ないですよね。それから、解任するときも議会の必要はないと思うんですけれども、その理由も先ほどの御説明どおりですか。
#189
○政府参考人(前川喜平君) 首長が教育長を任命するときの議会の同意についてでございますけれども、現行制度におきましても、首長が教育委員として教育長を任命する際、議会の同意を得ることとされておりますが、これは教育長となるべき委員としての資質、能力を担保するためでございます。
 新教育長は、現行の教育長と教育委員長の職務を一本化した職でございまして、教育行政に大きな権限と責任を有し、従来に比べその職責が重くなるものでございまして、その資質、能力を丁寧にチェックすることが必要と考えられることから引き続き議会の同意を要件としております。
 法案が成立した場合には、施行通知や改正法の説明会等を通じまして、議会同意に当たっての教育長の資質、能力のチェックのための様々な工夫について周知してまいりたいと考えております。
#190
○藤巻健史君 下村大臣も非常に重要なる責務を負っているんですけれども、じゃ、我々国会議員は下村大臣の資質、能力をチェックする必要がないんでしょうか。
#191
○政府参考人(前川喜平君) 大臣につきましては総理大臣に任命責任があるわけでございまして、最終的には総理大臣がその任命責任を負った上で、議会に不信任があれば総辞職をすると、これが憲法の建前だというふうに承知しております。
#192
○藤巻健史君 どうして地方で同じような仕組みにできないんでしょうか。
#193
○政府参考人(前川喜平君) 地方教育行政におきましては、先ほど……
#194
○委員長(丸山和也君) 短く答えてください。
#195
○政府参考人(前川喜平君) はい。
 直接学校を設置、管理するという仕事、これを担っているということから政治的中立性の要請に基づいて合議制機関が設けられているということでございまして、その点が国の教育行政機関と違うということでございます。
#196
○藤巻健史君 国と違うのを認めるとしましても、それならば、なぜ教育委員会に忠実義務を入れないんでしょうか。この前の私立学校の理事の方の法律改正では理事に忠実義務を課しましたですよね。なぜ、教育委員会のメンバーに、教育委員に忠実義務を課さないんですか。
 忠実義務を課すということは、個人に賠償責任が行くわけですから、かなり重い責任を持つわけですよね。教育委員会が重い執行機関であるならば、当然のことながら、企業であれば当然のことなんですけれども、責任を負わなくちゃいけないと思うんですが、忠実義務を負わせて賠償責任まで取らせたらいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#197
○政府参考人(前川喜平君) 忠実義務というのはこの教育委員会の委員についてはなじまないものと考えておりますけれども、地教行法上は教育長及び教育委員につきましても服務についての規定は設けられておりまして、今回の改正におきましても、新教育長及び教育委員につきまして、その服務についての規定についても必要な見直しを図っているところでございます。
#198
○藤巻健史君 権限があって重要な意思決定をするところには責任が生じるのは民間であれば当然のことであって、非常に大きい失敗があれば、当然のことながら個人的にも賠償責任があってしかるべきだと思うんですけれども、今の制度のままでは何もペナルティーがないという感じがしますが、いかがでしょうか。
#199
○政府参考人(前川喜平君) 行政の行為につきましては、公法人としての地方公共団体、あるいは国の場合ですと国が責任を負うということになるわけでございますけれども、それぞれの執行機関あるいはその構成員である者につきましては当然にその職務について責任が生じるということでございます。
#200
○藤巻健史君 時間が参りましたので、次回にします。ありがとうございました。
#201
○柴田巧君 日本維新の会・結いの党の柴田巧です。藤巻委員に続いて、残りやらせていただきたいと思います。
 御案内のように、このいわゆる地方教育行政法の改正案は、あの大津でのいじめ自殺事件などを受けて今回のこの教育委員会制度の改革論議が事実上スタートしたところもあるわけですが、このいじめなどによる自殺など、児童生徒の生命、身体や教育を受ける権利を脅かす、そういう重大な事案が生じる中で、この責任体制の在り方、あるいは迅速にどうこの危機管理に対応していくか、あるいは民意をどう反映していくかというのが、この法改正の中で今問われているところであります。
 そういうことからもこの子供の自殺の問題をまず取り上げたいと思っておりますが、御案内といいますか、今この児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力会議というのが文科省の専門家会議としてあって、今ここで、児童生徒が自殺した際に学校側が実施する、この背景調査の指針の見直しが議論をされているということであります。
 文科省では、平成二十三年の六月の通知で、自殺の事案があれば迅速に聴取するということを規定をしておりましたが、全件調査というふうには明示をしていなかったわけですね。ところが、今ほど申し上げたように、大津などの事件が起きて、そこで学校側の初期対応のずさんさが問題視をされたわけですが、こういうことが相次いでおります。
 また、今日の朝刊にもありますように、私も驚きましたが、また悲しい事件が起きているわけで、長崎県の中学校で、中学校三年生の男子生徒が今年一月、始業式の朝に自殺をしました。
 当初は、受験を控えたことなどがあって自殺をしたのかなと御遺族の方などは思っていらっしゃったわけで、また学校側がいろいろ関係者に聞き取りをし、町の教育委員会が報告書を出した中にも、いじめは見当たらなかったという報告書が出たわけですが、しかしどうやらこれがいじめが原因だったというのがだんだん明らかになってきて、しかも、亡くなった彼は、十一月頃からもうLINEで自殺をほのめかしていた。当日の朝も、さようならということでメールを送っていて、みんな実はそのメールを見ていて、仲間の皆さん、生徒もその保護者も知っていたんだけれども、誰も両親や学校に伝えなくて、当初はその理由が分からなかったということで、今真相究明を遺族の皆さんが改めて求めているというような記事が出ておりましたが。
 こういう具合に、子供の自殺というのは詳しい理由が分からないケースが当初は多くて、学校側もいじめではないと即断をしてしまうことが今回のようにあるわけですから、詳細な調査も行われない、最終的には闇の中に葬られるということがあるわけで、いずれにしても、しっかりとこの自殺の事案を調査をするということが、あるいはルールを厳格化していくというのが求められると思っております。
 その有識者会議では、全件を対象に学校がまず基本調査を行うと。で、いじめが疑われた場合は、詳細調査を教育委員会が求めることができるという具合なものにしていこうというふうに言われて議論をしているわけでありますが、いずれにしてもこういう状況が続いております。
 ルールの厳格化が求められると思っておりますが、指針の見直しが求められると思いますが、今のところのこの骨子案でいくと、どういうふうにこの調査が厳格化されるのか、まずこの点からお聞きをしたいと思います。
#202
○政府参考人(前川喜平君) 児童生徒の自殺予防対策を充実させ再発防止を図っていくためには、自殺の背景となった可能性のある事実関係に関しましてできる限り把握していくことが必要でございます。
 文部科学省におきましては、平成二十三年に、子どもの自殺が起きたときの調査の指針を取りまとめて周知しておりますが、現在、この指針につきまして、各自治体における運用状況やいじめ防止対策推進法における重大事態への対処の規定等を踏まえて、有識者会議において見直しを検討しているところでございます。
 この中で、背景調査が全件、全ての事件対象であることについてより明確な表現で示していくことや、いじめ防止対策推進法を踏まえて、いじめが背景に疑われる場合の措置についても具体的に示すよう検討をしているところでございます。指針の見直しを行った後には、学校関係者向けの普及啓発協議会を全国四ブロックで行うなど、周知徹底を図っていく予定でございます。
 文部科学省としては、引き続き、児童生徒の自殺予防に資する取組を更に進めてまいりたいと考えているところでございます。
#203
○柴田巧君 今答弁があったように、ルールが厳格化されていく、調査がより充実、詳細なものになっていくというのは基本的に歓迎をするところでありますが、しっかりやっていかなきゃならぬと思いますが。
 ただ、その中でちょっと気になりましたのは、今のところは遺族が望まない場合は詳細な調査は見送るということにしていますが、今のところの骨子案の中では、教育委員会の判断で調査が実施できる、原則として例外を設けないということになると言われておりますが、やはりそこは遺族の気持ちというか、最大限に意向を尊重して調査が行われるべきではないかと思っておりますが、この点はどういうふうに今のところ考えておられるのか、お尋ねをします。
#204
○政府参考人(前川喜平君) 児童生徒の自殺予防に関する文部科学省の有識者会議における指針の見直しにおきましては、調査対象を自殺又は自殺が疑われる事案について全件を対象とすることをより明確に示してはどうかという議論がされているところでございます。
 しかしながら、児童生徒に広く情報提供を求めるアンケート調査でありますとか聞き取り調査などにつきましては、これは遺族の了解なしには実施できないと考えております。学校は学校として事実に向き合うことが必要でございますが、遺族が望まない場合には、学校の教職員など学校関係者のみで可能な範囲で実施する情報収集等の調査にとどまると考えられ、その具体的な在り方に関しましても有識者会議において現在検討中でございます。
 遺族の意向の尊重という観点にもしっかりと配慮しながら、子供の自殺という事態の再発を防止するために、必要な調査の在り方について引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
#205
○柴田巧君 是非、そういう方向もしっかり加味をしていただきたいと思います。
 いずれにしても、学校側の背景調査というのは、子供の自殺の再発の防止に役立てていく、あるいは初期調査を徹底することによって深刻ないじめを見逃さないようにしていくということが大きな一つの目的でもあろうかと思います。
 そういう意味では、指針の見直しが急がれると思いますが、今、二月に骨子案ができて、早ければ四月にもという話だったんですが、あれから幾らか日が過ぎております。今、長崎のようなことなども起きているわけで、やはり早急にこの指針の見直しをやっぱりやっていくべきで、そして、調査の厳格化をしっかり図って、先ほど申し上げたような目的がしっかり達成できるようにしていくべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞きをします。
#206
○国務大臣(下村博文君) 児童生徒が自ら命を絶つということは理由のいかんにかかわらず決してあってはならないことでありまして、自殺予防に向けた取組は教育上の重要な課題であるというふうに考えております。
 文科省では、有識者会議におきまして、子どもの自殺が起きたときの調査の指針について、各自治体における運用状況やいじめ防止対策推進法の重大事態への対処の規定等を踏まえ、調査組織の設置の在り方や調査で得られた情報の取扱い等に関し、御遺族の意向との関係についても配慮しながら必要な見直しを検討しているところであります。
 できるだけ早く、できたら六月中にでも行えるよう現在最終的な作業を有識者において進めているところでございまして、子供の自殺予防に関し、しっかりと引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#207
○柴田巧君 ありがとうございました。
 子供の自殺という悲劇が繰り返されないように、実効性のある取組、しっかりやっていただきたいと思います。
 次に、改正案に関連してお聞きをしていきたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、この改正案の一つの目的が、先ほどからもまた議論がありますように、いかに民意を反映させていくかということにあります。
 その中で、教育行政や学校運営に地域住民や保護者の意向をどう反映をさせるようにしていくか、参画をさせていくかということが今日もいろいろ議論になっているところでありますが、衆議院での附帯決議の中にも、学校運営協議会の設置の促進に努めるということが附帯決議の中に盛り込まれましたが、残念ながらと言うべきか、改正案そのものにはそういう文言はなかったわけで、大変残念に思っているわけで、やはり本来はそもそもは、改正案そのものの中にそういう民意を、具体的に言えば、学校運営協議会の設置を必置規定にするといったような、そういう地域住民の意向を反映させる具体的な仕組みを入れるべきだったんじゃないかと思いますが、なぜ入れないということになったのか、大臣に確認をしたいと思います。
#208
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のコミュニティ・スクールは、多様な地域の子供の実情に応じた質の高い学校教育の実現に向け、保護者、地域住民の参画を得ながら学校運営の改善を図る上で重要な役割を果たすものと考えており、平成十六年制度化されて以降、その推進に努めてきたところでありまして、これは自民党、民主党政権問わず、ずっと続けてきたことでもあるわけであります。
 文科省としては、コミュニティ・スクールが適切に機能し、成果を発揮していく上で、学校、教育委員会、地域住民の理解が深まり、協働が進むようにすることが重要であると考えており、各地域の実情を踏まえつつ、制度の意義を丁寧に説明した上で、理解を得られた地域から順次指定を増やしてきたところでありますが、そういうふうに、これは政権交代をしてもしなくてもずっと継続してやってきたことにもかかわらず、いまだ一部の自治体にとどまっているということがありまして、先ほど申し上げましたが、私の地元でもそうですし、柴田委員の富山県でも、県全体の中でもまだコミュニティ・スクールは設置されていないですよね。それだけ、これは地域事情もあるので、強制的になかなかいかないところがあるというふうに思います。
 そういうことで、今回の法案では一律にコミュニティ・スクールの設置を図ることはしないということにしたところでありますが、引き続き、教育委員会や学校、地域の関係者に対し、成果の普及、それから理解の促進を図りながら、コミュニティ・スクールの一層の拡大と充実に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#209
○柴田巧君 法案の中には、そのものにはあれですが、とにかくその推進をしていきたいというお考えは分かりました。
 じゃ、具体的にどう進めていくかということをお聞きをしたいと思いますが、まずその前に、今三千校を目指して、千五百七十でしょうか、ほどしか今ないということですが、この現状と、この十年余りやってきて、十年近くやってきて、その成果というのは具体的にどういうふうに上がっているのかと。
 先ほど大島筆頭理事からちょっと大分かなり中身は聞いたような気がしますが、文科省の方から正式にお答えをいただきたいと思います。
#210
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省では、保護者や地域住民の参画を得ながら学校運営の改善や学校支援の充実を図ることが重要と考えておりまして、コミュニティ・スクール、学校運営協議会制度の設置を促進しているところでございまして、平成二十五年四月現在で全国で千五百七十校で導入されているという状況でございます。
 コミュニティ・スクールの導入による成果といたしましては、地域と連携した取組が組織的に行えるようになる、学校に対する保護者や地域の理解が深まる、教職員の意識改革が進むなど、地域との連携が一層深まる中で、補導件数の大幅な減少など生徒指導上の課題の解決、学力調査の結果に見られる学力の向上などの成果がこれまで報告されているところでございます。
#211
○柴田巧君 最終的な目的は、もちろん数を増やしていくというのはもちろん重要なんですが、設置をすることが最終目的ではなくて、それを通じてやっぱり学校を改善を図っていくというか、保護者や地域住民の皆さんの意向を反映して改善を図っていく一つの手段だというふうに思いますし、学校を開いて、学校が信頼されるように努めるという、その教育の取組を向上させていくというやっぱり一方策なんだろうと思います。そういう意味で、設置したからといって急にあしたから良くなるわけではなくて、しっかりと取組をよりいいものにしていく努力がまずは必要なんだろうと思います。
 そういう意味では、コミュニティ・スクールの推進を実際、最終的にしていくためにも、その導入の在り方や取組の充実や改善の在り方をやっぱり調査研究を行うということが更にいいものにしていくためには大事でしょうし、また委員の人が主体的にかつ的確に意見を述べて学校運営に参画をしていくということが大事なことなんだと思います。そういう意味では、そういう委員の皆さんの研修の確保や充実というのは求められると思いますが、これはどういうふうにやっていくおつもりか、お聞きをしたいと思います。
#212
○政府参考人(前川喜平君) コミュニティ・スクールにつきましては、全国的な取組は着実に進んでいるものの、学校や教育委員会の中には、取組の目的や成果等への理解の不足でありますとか周辺に好事例がないなどの理由によりまして、導入に消極的なところもあり、取組状況には地域差が見られるなど、必ずしも十分とは言えない状況にございます。
 このため、文部科学省といたしましては、導入に向けた体制づくりなど未導入地域に対する支援を講じるとともに、多くの有識者の協力を得まして、学校運営協議会委員も対象とした全国各地での説明会やフォーラム等を開催するなどの取組を推進しているほか、コミュニティ・スクールのマネジメント力を強化する観点から、地域とのコーディネート機能や事務機能の強化、学校運営協議会委員の研修の充実に関する調査研究等を進めているところでございます。
 引き続き、教育委員会や学校、地域の関係者等に対し成果の普及と理解の促進を図りながら、コミュニティ・スクールの一層の拡大と充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
#213
○柴田巧君 今も答弁一部あったように、今、これを実際広げていく段になりますとなかなかやっぱり困難があるのも事実です。まず、設置者自体の教育委員会も非常に消極的だと言わざるを得ません。先ほどの板橋であれ、私の地元の富山もそうですが。基本的に、保護者や地域住民の意見を聞くことに、特に人事についてですね、そういったことを保護者や地域住民に聞くことに大変ためらいがあるというか、あるのも事実でしょうし、また学校の教職員自身がコミュニティ・スクールに対する理解が進んでいないという面もあろうかと思います。加えて、住民の中にでも、学校が教育の場であるとともに公の施設であるということについての理解が余り進んでいないという面もあって、ここら辺をやっぱり克服をしていかなきゃならないということだと思います。
 したがって、コミュニティ・スクールの意義やあるいは先進事例、好事例をどう、普及啓発するための情報発信にどのように、ちょっと繰り返しの部分があるかもしれませんが、取り組んでいるのか。そして、今申し上げたように、教育委員会に対して、あるいは教職員に対して、そして地域住民などに対して、これからその普及啓発をどうそれぞれ取り組んでいくのか、お尋ねをしたいと思います。
#214
○政府参考人(前川喜平君) コミュニティ・スクールが適切に機能し成果を発揮していく上で、学校、教育委員会、地域住民等の理解が深まり、協働が進むようにすることが重要であると考えております。
 このため、文部科学省におきましては、教育委員会担当者に対する説明のほか、多くの有識者の協力を得まして、全国各地におきまして学校の教職員や教育委員会担当者、学校運営協議会委員、地域住民等を対象とした説明会やフォーラム等を開催し、コミュニティ・スクールの意義等について丁寧に説明するとともに、コミュニティ・スクールの導入について学校運営の改善や学校支援の充実に取り組んでいる学校の実践事例発表等を行うなど、積極的な情報発信を図っているところでございます。
 引き続き、教育委員会や学校、地域の関係者等に対し成果の普及と理解の促進を図りながら、コミュニティ・スクールの一層の拡大と充実に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#215
○柴田巧君 その中で、やはり一つ大きな進まない理由、背景、特に学校現場においては、そういうものができると非常に負担感が重くなるといいますか多忙感が増すという、やっぱりそういうところがあるんだろうと思います。やっぱりある意味、手間暇が掛かってしまうというところがあり、教職員、現場の皆さんからすれば、子供の教育や授業に専念する時間が削られるんじゃないかという、そういう懸念もあるのかもしれません。
 したがって、衆議院での附帯決議でも、財政措置も含め学校運営協議会の設置及び運営に係る支援策を講ずることというふうに盛り込まれましたが、もしそのコミュニティ・スクールを、学校運営協議会を設置をすれば、学校現場の事務負担を軽減するためにも設置するに当たって教員を増すといったことなど、そういう軽減策あるいはインセンティブが設けるということが、これを推進をしていく上で重要なことではないかと考えますが、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
#216
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりでありまして、このコミュニティ・スクールの導入の課題として、かえって学校現場にとってはもう手間暇掛かって大変だということがやっぱりあるわけでありまして、そのために管理職や担当教職員の負担軽減を図るということから、文科省としては、教職員定数の加配措置、これは平成二十五年度実績でこのために百九十五人の加配措置をしておりますが、こういうことを含めたコミュニティ・スクール導入に向けた体制づくりへの支援を講ずるなどの取組を推進を更にしていくことが必要であるというふうに思います。
 引き続き、未導入地域等に対する支援の着実な推進を図りながら、コミュニティ・スクールの一層の拡大と充実に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#217
○柴田巧君 どうもありがとうございました。
 先ほども申し上げましたように、学校の現場にあるいは教育行政に、保護者やあるいは地域住民の声がより的確に反映されて、そのことによって、子供たちにいい教育が展開をされるというためにも、今このコミュニティ・スクールをよりいいものにしていく、あるいはそれを普及していく、いろんな支援策を積極的に展開をしていただくこともお願いをして、質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
#218
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。
 大分審議時間も長くなってきておりますので、大臣、副大臣、政府委員の皆さんもお疲れだと思います。もう私の質問には、スタッフの用意した答弁書を下向いて読まずに、もう自由に大臣の思いのたけを開陳していただければ有り難いなというふうに思っております。
 さて、まず、この質問はもう大臣も衆議院から合わせると十回、二十回聞かれていると思いますが、今回の地方教育行政法改正案の主眼は、長年続いてきた日本の地方における教育委員会制度、これに問題があるから、これを改めていこうと、改革していこうということが目的ですよね。
 問題があるから改革をする、これ当たり前の話なんですが、それでは大臣、今の教育委員会制度のどこが問題なんだと。ちょっと砕けて言うと、ここが駄目なんだと、ここも駄目なんだと、だから変えなきゃ日本の教育は再生しないんだと。その問題なところ、駄目なところ、どこにあるのか、具体的に大臣の言葉でお聞きできればと思います。
#219
○国務大臣(下村博文君) 今まで御指摘のようにもう十回ぐらい答弁しているかもしれませんが、そのたびに違うと国会で問題になりますので、やはり答弁は統一した答弁をせざるを得ないというのがやっぱりルールであるのではないかと思います。
 現行の教育委員会制度については、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、地域の民意が十分に反映されていない、また、地方教育行政に問題がある場合に国が最終的に責任を果たせるようにすることが必要である、そういう課題があるというふうに考えております。
 このため、改正案におきまして、政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、教育行政における責任体制の明確化を図る、迅速な危機管理体制の構築、さらに地域の民意を代表する首長との連携の強化を図り、そしていじめによる自殺事案等の問題に対して国が最終的な教育行政の責任を果たせるようにすることなどによりまして、教育委員会制度の抜本的な改革を行おうとするものでございます。
#220
○松沢成文君 模範的な答弁、ありがとうございました。
 大臣の答弁の最後にもいじめ自殺事案の反省からというふうな言葉がありましたけれども、この教育委員会改革の議論がぐっと高まってきたのは、あの大津のいじめ自殺事件での教育委員会の対応ぶりが余りにもひどかったというところが大きな原因なんじゃないかと思います。情報を隠して隠蔽するとか、あるいは教育長さんが逃げの記者会見ばかりやるとか、その責任者である教育委員長が全然出てこないだとか、随分バッシングに遭いました。
 この大津の事件だけが何か取り上げられて、それが象徴になって、何か日本中の教育委員会はみんな駄目なんじゃないかというふうに議論が行っちゃって、私は、一生懸命やっていい改革をしている教育委員会も少なからずあると思うんですが、何かちょっと大津の事件が余りにも象徴的だったので教育委員会バッシング論が起きてきたようにも思うんです。
 そこで、ちょっと政府委員の方に伺いたいんですが、大津いじめ事件以外に、教育委員会、こんな駄目なこと、ほかにもここでもあった、そこでもあった、具体的な事例を是非とも出してください、ほかの事例を。
#221
○政府参考人(前川喜平君) 必ずしも今回の改革の直接の契機となったものではございませんけれども、大津市におけるいじめ自殺事件以外で教育委員会の対応に問題があったとされた事例といたしましては、一つには、大分県教育委員会における平成二十年度の教員採用において不正行為があったというものがございます。教育委員会の事務局職員や校長等が贈収賄で逮捕、起訴された事案でございます。
 もう一つ挙げますと、大阪市教育委員会におきまして、平成二十四年に発生した市立桜宮高校の男子生徒の自殺、体罰に起因するものでございましたが、これに関しまして、自殺発生前に同教育委員会に体罰の情報が寄せられていたにもかかわらず適切に事実確認ができなかったという事案でございます。
 このようなものがあると承知しております。
#222
○松沢成文君 確かに、この大分の事案も大阪市の事案も、私も今御指摘いただいたら覚えております。新聞でそういう記事が躍ったなというのは覚えております。ですから、ほかにも教育委員会制度の中で不祥事とか、あるいは全く地域住民の期待に応えられていないという事案が幾つもあるんだろうと思います。
 じゃ、一方で、現行教育委員会制度の下でも、もう教育委員会と学校と地域がそれぞれ連携して頑張ってすばらしい教育の成果を上げている、あるいは教育改革を進めている、こういう事例も私は全国にかなりあると思うんですが、まあ全部言えないかもしれませんが、もう三つでも四つでもいいので、もしこういう自治体でこんな成果が上がったというのを把握していたら是非とも御開陳いただければと思います。
#223
○政府参考人(前川喜平君) 先ほどの御質疑の中でも福岡県の春日市の例がございましたけれども、今ここで一つ例を挙げるとすれば、京都市教育委員会ではないかというふうに考えております。
 京都市教育委員会におきましては、教員公募制等の人事における校長裁量の拡大、また学校運営予算に係る権限の学校長への大幅な委譲、さらに教育行政の専門性を有する行政職員の育成、ボランティア団体として学校を支援する京都方式の学校運営協議会の推進と、このような取組が行われておりまして、中央教育審議会でも紹介されたところでございます。
 こうした教育委員会の取組は重要であると考えておりまして、引き続きこういった事例を参考にしつつ、教育委員会が活性化するよう指導してまいりたいと考えております。
#224
○松沢成文君 現行の教育委員会制度の下でも、様々な不祥事あるいはうまくいかなかった事例も幾つもあるし、逆に、同じく現行の教育委員会制度の下でも、地域、教育委員会、学校、連携して頑張ってかなりの成果を上げているものもありますよね。
 今、京都と、先ほどは質疑の中で福岡県春日市、これ、よく雑誌や様々な記事にもなっていて非常に有名なケースですが、あと秋田県なんかも、いつも学力テストが全国一とか言われていますけれども、これ、全国学力テストに先んじて全県の学力テストをやってスタートをさせたり、あるいは県の独自予算で少人数学級をどんどん進めたり、さらには教育の専門監というのを置いて教員の指導に当たらせたり、そして移動教育委員会というんですか、学校現場やいろんなところに教育委員会が出ていって、その地域の皆さん、学校の皆さんともう膝詰めで様々な意見交換をしていく、こういう風通しのいい運営をして秋田県は今教育県として非常に有名ですよね。
 実は、私は自分の自慢するの好きじゃないんですけれども、神奈川県で私が知事やっていたときも様々工夫しました。例えば今回の法案で、総合教育会議という首長と教育長、教育委員会がもう連携して様々議論をしながら教育の方針決めていこうよと。
 実は、ほかの県でもあるようですが、私も年に二回か三回は教育委員の皆さんとの懇談会をやっていました。一つは、教育ビジョンとか教育の大きな方針を決めるときは一緒に議論して決めましょう、それから、教育の予算を立てる前に、県側では学校の予算、耐震構造とかいろいろありますよね、こういうふうに考えているけれど、教育委員会としてはどうなのか、こういう情報交換もしていました。
 それと、私も選挙のときにかなりマニフェストで教育問題を公約にしていましたので、それは、やってもらうとしたら教育委員の皆さんに御理解いただいて、教育委員会から学校の現場に伝えていただいてコンセンサスつくらない限りできませんので、丁寧に説明して教育委員の皆さんに理解をいただいて、よしやろうということになったと。
 ここでも取り上げさせていただきましたけれども、高校日本史の必修化なんかもかなりの議論をしましたし、これは教育委員会に説明に行くだけじゃなくて、例えば県立高校の校長会にも私自身も説明に行きましていろいろ意見をいただきましたし、教員の組合あるいは父母の団体とも全て歴史教育の重要さを訴えて、相当な反発もありましたけれども、それは教育長とか教育委員と一緒に伺って議論をしたと。それでコンセンサスをつくっていって政策を進めたということもやりました。
 それから、ウイークリー知事現場訪問といって、毎月どこかの学校に知事が訪問をして、そこで授業を視察したり、あるいは教職員や生徒と様々な情報交換したりやっていたんですが、これも、知事だけが行くんじゃなくて教育委員の皆さんをお誘いして、まあ時間合う合わないありますから来れるとき来れないときありましたが、例えば私と教育長が一緒に小学校の視察に行く、あるいは私と教育委員長が一緒に県立高校の部活の視察に行くとか、こういうのもかなり密にやっていました。
 ですから、私自身も知事をやっていて、今の教育委員会制度が制度としてここまでひどいという印象は余りなかったんです。これはやり方で幾らでもできるなと。逆に関係を密にして、相互理解の下に政策を一緒に進めていくということはできるんじゃないかなというふうに現場にいて考えていたんですね。
 そこで、ちょっと話を変えますけれども、これは本会議でも文科大臣にお聞きしたので、またちょっと同じ答弁になっちゃうかもしれませんが、私は、教育委員会改革の非常にダイレクトな方向性として、教育委員会制度を廃止して、住民から選ばれている首長の下に教育の執行権限を集中させて、首長とその下にいる教育長でいいですけれども、ここが教育を執行していくと。それに対するチェック機能として、例えば議会あるいは議会から選ばれた教育監査委員会のようなところがきちっとチェックをしていくという、この仕組みだと今の教育委員会制度とはかなり教育現場はドラスチックに変わるんじゃないかなと。
 実は、衆法で、これは民主党と維新の会の共同提案でしたけれども、教育委員会主導型から首長主導型に大胆に変えようという案が出てきたんですよね。それで、私の認識しているところでは、自民党の最初のときの議論もこういう案をかなり検討していた。それから、大臣が中教審に諮問をして中教審から返ってきた答申も、A案はこの方向だったんですね。でも、これだけじゃいけないということでB案もくっついてきたわけですよ。
 私が拝察するに、大臣は恐らくこの首長主導型のドラスチックな改革案もかなり頭の中にあったのではないかと思うんですね。ですから、この案に反対じゃないと思うんですが、今回衆議院では、当然、大臣ですから政府案の支持を訴えたわけですけれども。
 この衆法の首長主導型の案、教育委員会を廃止する案ですね、この案について大臣はどのようにお考えなのか。逆に、どこがおかしいからこの案はやっぱり好ましくないということになったのか、詳しくお聞かせいただきたいなと思っております。
#225
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、現行法においても、松沢委員が神奈川県知事のときいろんな教育改革をされたということは承知をしておりますし、また、例えば日本史の必修等も、それを受けて私の方も是非、今後、中教審に諮問をしていきたいというふうに思っておりますし、参考になる事例はたくさんありますし、現行法でもやろうと思ったらやれる部分は結構あると思いますし、事実、教育委員会においても六割方はうまくいっているところもあるのではないかと思いますが。
 一方で、先ほど指摘を申し上げたようなやっぱり問題点があるということと、それから、うまくいっていても、教育委員会そのものが現状維持、調整型の発想の教育長あるいは教育委員会が多いものですから、時代の変化に対して、そこに優れた首長が出てきて、その首長が今おっしゃったようなアジェンダ、みんなの党的に言えばですね、政権公約、自民党でいえば、それぞれ掲げて、そして教育委員会の方々と相談して、同意が得られればそれを進めるということの中で、自治体においていろんな教育改革にチャレンジしているところもあるというふうに思いますし、やはり人の部分もあるというふうに思います。
 ですから、優れた、特に教育に関心を持った首長が選ばれることによって、どんな制度下であっても相当な改革が進むし、結果的にそれが地域や何よりも子供たちにとってプラスの成果、効果が上がるような教育が実現できる可能性というのは十分あるわけですから、そのために今まで以上に首長が権限、責任を持つということを位置付けるということは重要なことだというふうに思います。
 ただ、そのときに、同時にいつも議論されていたことは、政治的、教育における、中立性、継続性、安定性をどう担保するのかと。つまり、優れた首長の下だったらそれは結果が良ければ誰も反対することではないけれども、しかし、選挙公約でも別に教育だけで選ぶわけではありませんから、実際にそれに反するような、つまり教育における政治的な中立性とか安定性、継続性に反するような首長が出たときにそれをストップできないのではないかということから、やはり教育においてはそれをどう担保するかということが必要なんだということの中で、教育委員会はやっぱり存続させる必要があると。
 教育委員会を執行機関として残しながら、しかしその首長と教育委員会との連携という意味では、今までなかった、実際に神奈川ではされていたようでありますが、しかしそれが法律上実体を持った総合教育会議という法律の中における制度として設けて、首長によってやるやらないではなく、どこにおいても総合教育会議を設けることによって、首長の主宰の下で教育委員会と一緒に教育大綱を作ったり、あるいは緊急対応について対処できるというようなことをしながら、タイムリーな教育改革ができるような、そういう仕組みを制度設計上していこうということでありまして、教育委員会を残す理由というのは、やはり教育における政治的な中立性、安定性、継続性を担保させようと、そういう趣旨の中で、結果的にバランスの取れた政府・与党案として国会に提出できたのではないかというふうに考えております。
#226
○松沢成文君 それはそれで非常に説得力があるんですね。
 ただ、要は私は、今の教育委員会の問題点を、制度が悪いからこういう不祥事も起きてくるんだという部分もあると思います、これは否定しません。ただ、それだけじゃないですね。やっぱり運用が大事なんですよね。運用で頑張って、いい成果を上げているところもあるわけですよ。ですから、制度改革と同時に、運用、とにかく積極的にその制度を運用していい成果を上げる。まあそれを運用するのは人ですよね。ここにやっぱりやる気を起こさせないと、幾ら制度をつくっても、これやっぱり機能しないんですよね。
 いろんな例があると思うんですが、例えば選挙制度を考えても、一つの制度で全ての成果を上げられるという制度はないと思うんです。例えば小選挙区制度を取れば、民意の集約には優れているけれども、死に票が多くて民意の反映という意味ではこれは駄目なんだと。逆に、比例代表制度を取れば、民意の反映はこれもうちゃんとできますよね、国民の民意の反映が。しかし、小党を乱立してリーダーシップがなかなか取れないじゃないかと。だから、国の方では小選挙区比例代表並立制というような、両方併せちゃったわけですけれどもね。これは国の選挙制度だから、これは国で一本化しなきゃいけません。
 ただ、事は地方教育行政という地方の自治事務なんですね。ですから、制度を一つにしてこれで全てうまくいくというんじゃなくて、やはり幾つかの制度があって、その中で、運用する人たちが、我が町にはこのやり方が合っていると、あるいは、我が町はこういうことで不祥事も多かったんで、思い切ってこちらの制度に変えてみようと。こうやって、運用する人たちが自分たちの自主権、選択権があって、自分たちで制度を決められたときに初めて制度と運用がいい歯車が回るんですよ。
 私はそう思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#227
○国務大臣(下村博文君) まず、制度によってパーフェクトに全て解決する、この制度だったら全て問題ないというのは、どんな分野においてもそれはやっぱりあり得ないと思うんですね。その制度におけるやっぱりプラス点もあればマイナス点もあるわけでありまして、相対的によりいい制度改革を常に目指すと。しかし、それで完全に解決できるものができるわけではないということでありまして、制度だけでなく御指摘のようにやっぱり人の問題で、逆に、どんな制度であっても、人、リーダー、首長あるいは教育長によって相当改善ができる部分があるというふうに思います。
 ただ、みんなの党の提案は、教育委員会を設置するかしないかはそれぞれの自治体によって判断すればいいじゃないかと、その今の御指摘でありますが、それはやっぱり相当リスクがある話でありまして、つまり誰が首長かによって相当結果が違ってくる部分について、その場合に誰が責任取るのかというとき、それはその自治体が責任取ればいいじゃないかということで本当に済ませられるのかどうかということが教育については言えるわけであります。
 国の立場としては、やはり先ほど申し上げたような教育における政治的な中立性とか安定性、継続性だけでなく、例えば義務教育においてはこれは国が責任を負うているわけでありますし、そのために義務教育国庫負担とか、あるいは学習指導要領とか、国としての一つの基準というのがあるわけでありますけれども、それを自治体が判断したからあとは自治体任せでいいということにはならないという部分があるわけでありまして、制度の上にのっとってそれなりの更に創意工夫というのは、いろんな工夫があるかと思いますが、やっぱり最低限度としての、この程度のことはやっぱり平準的に守らなきゃいけないという部分の中では、これは、教育委員会制度というのはその根本の部分だというふうに考えておりますので、自治体によって設置するしないを判断をさせるというようなことについて、国がそのような無責任なことをすべきではないというふうに考えているところであります。
#228
○松沢成文君 まず、地方教育行政の当事者というのは地方住民であり、あるいは地方の首長であり、議会であり、教育委員会ですよね、当事者は。我々、国の立場で国全体を考えて、こういう仕組みが望ましいんじゃないかということを大いに議論をするのは全く反対じゃありませんが、当事者は地方ですよね。
 地方団体が、やっぱり自分たちで選ばせてほしいと、教育委員会制度もいいところ悪いところあると、でも教育委員会を置かないで首長の下でダイナミックに教育改革を進めたい、こういうふうに言っている自治体もあって、それで当事者である地方自治体は、もうこれ六団体全てですよ。要するに、教育委員会の設置規制を外して、それで、教育委員会を置いてやっていくか、あるいは教育委員会を置かずに首長中心でやっていくかは、自分たちで選ばせてくれ。でも、自分たちで選んだ以上、責任は自分たちが負うんですよね。もしそれで教育が間違った場合には、そこでまた議論して、修正して、新しい方向を探すのも当事者である地方なんですよね。でも、それをしっかり国が、分かった、やってみろと言わない限り、地方分権というのは永遠に進みませんよ。私はそう思うんですね。
 それから、地方自治体は多種多様であるということなんです。もう人口千人、二千人の小さな町、これ人口少ないだけじゃなくて、残念ながら人材も、人口少ないだけになかなかいませんよ。じゃ、首長は選ばれますけれども、そこに教育長にふさわしい人がいるか。あるいは、教育委員だって大体充て職になっちゃうんですね、いないから。先生のOBとか、こうなっちゃうんです、町の役職のこの方とかね。先ほどの議論のように事務局も小さいわけです。ところが、人口九百万とか一千三百万人いる東京や神奈川のようなところだったら、もう幾らでも専門職持った、あるいは教育に明るいそういう方がいて、教育委員にもなってくれるだろうし、教育長だってこれはもう引く手あまただと思いますよ。誰にしていいか迷うぐらいに人材は豊富であります。これだけ規模の違う自治体を一つの制度で、これで地方教育やれというのは、私は不可能だと思っているんです。
 だから、私が提案しているのは、何も地方に自由にやらせろと、そしたらこれ混乱も起きますよ。だから、私はせっかく、いい制度が三つ考えられたんです。今までの教育委員会制度でうまくやってきた、この継続でいきたいと考える自治体はそれを選べばいいし、あるいは抜本的に今の教育を変えたいと、我が町の教育は機能していない、首長を中心とした、首長主導型でやる、その決断を議論させて自治体で決めさせればいいですよ。それで、いや、両方にいい面悪い面があると。両方のいい面を組み合わせたのがある意味では今の政府案で、我が町はこれでいきたいという、いろんな考えがあると思うんですね。
 私は、地方がそれを望んでいる、地方分権は時代の大きな要請、ある意味でこれは規制改革でもあるんですよ、全部国が上から規制、一つの制度を押し付けるわけですから。当事者である地方は、この決まった制度でやりなさいといって、当事者なのにその制度をつくるときにほとんど自分たちの考えは取り入れてもらえない。私は、今の日本の政治の柔軟性がないのはここにあると思っていまして、私としては、是非ともこの地方の声を大切にして、逆に言えば、地方が自分たちで議論して、自分たちで判断して、自分たちで運営する、そしてその結果も自分たちで負う、これを地方にやらせることが、日本において民主主義や地方自治の発展につながると思っているんです。
 そういう意味で、この地方の教育制度の改革について、是非とも地方に、地方の特色に合った、自分たちの自治体にこれならいけるぞという制度を選択させてあげる、これがないと、私はまた一律の紋切り型で、それに合わないところの失敗も出てくるというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#229
○国務大臣(下村博文君) 今の松沢委員の話だけ聞いていれば、みんなそうかなというふうに思われると思うんですが、ポイントは、その中で、教育委員会の設置をするかしないかを自治体が判断するということをおっしゃっていないから、だから教育委員会がより自由性、自主性を持たせるという、一般論で言えばそのとおりだと思うんですね。
 それは、そもそも教育は地方自治業務ということで、地方分権一括法の中でそのように地方自治体が主体となってやるということでなっているわけでありますから、相当現段階においてやろうと思ったら実際はやれるわけで、本当に画一、均一で、しゃくし定規で、何が何でも何か同じことしかできないかというと、先ほどの事例のように現行法であっても相当いろんな創意工夫をしている自治体もあるわけですね。
 国はさらに、よりその権限の責任の明確化等によって、さらに首長、それから教育長、それから教育委員会、その辺の権限の明確、責任体制が明らかにすることによって、地方におけるめり張りの付いた教育行政あるいは教育改革が現行よりも更にしやすい。それから、何か起きたとき、いじめ問題等ですね、的確に対応するための制度改正を今国会でお願いしているわけでありますから、現状よりも、今回の法律改正案が通れば、より地方にとって住民から見て責任体制が明確化、そしてなおかつタイムリーな住民の意向が反映できるような教育行政あるいは教育改革が望まれるというふうに思います。
 その中で、何をもって地方の自由というのか、地方の自主性というのかということの中で、教育委員会を設置するかしないかを地方自治体が判断することが、それが地方の自主性を国が阻害しているということには私はならないのではないか。やっぱり、最低限度の担保ということは法治国家の中で必要な中で、本当に地方自治体が、もちろん地方分権でもっと地方に権限を教育においても移譲させろという声があることは事実ですし、またそういう方向に向かっていることも事実ですけれども、教育委員会を設置するかしないかはそれぞれの自治体の判断かというのがそんなに地方自治体の大きな声になっているかということについては、これはそんなふうには承知しておりません。
#230
○松沢成文君 それぞれの地方六団体もいろんな意見があるんです、これ。逆に首長型でいってほしいと、これこそが改革だというところもあるし、逆にこれまで教育委員会制度をやってきたし、これが慣れているからいいやというのもあるし。地方団体もこういう意見が二つあって、まとまらないから選択制にしてくれれば両方満足だというちょっと打算的な部分があるのかもしれません。そういう部分もあるのかもしれません。ただ、行政委員会が地方自治法で幾つも定められていますよね、公安委員会だとか何とか。じゃ、教育というのも地方において行政委員会方式じゃなきゃ本当にできないのか。
 これ、よく言われる例ですけど、国は中央教育委員会というのはないですよね。国はあくまでも文科省があって、そのトップは国会議員である下村大臣です。政治家ですよね。それで、中央教育審議会というのはあくまでも諮問を受けて答申を出すという審議会ですよ。国の方は教育委員会制度がなくて、じゃ、教育の政治的な中立がそれだから保たれてないと見ることもできちゃうわけですよね。
 例えば高校の授業料無償化も、僕はどちらがいいと言っているんじゃなくて、民主党政権のときは導入したわけです。で、政権交代して今度自民党政権になったら、所得制限が付いたりしてかなり変えられて、現場は混乱したのは事実ですよね。ですから、こういうことも国でもあるわけですよね。
 私は、そういうトラブルも含めて、地域の当事者たちが、自分たちで制度も考え、もしその制度に失敗があったら自分たちでそれをつくり直すことまでしっかりとやらせる権限を与えないと。それによって責任も伴ってきて、私は本物の地方自治というのはそういうことからスタートするというふうに思っているんですよ。
 だから、国の制度では教育委員会制度はないのに、なぜ地方だけは絶対なきゃいけないのか、その辺りは大臣、いかがお考えでしょうか。
#231
○国務大臣(下村博文君) まず、教育行政における国と地方の役割は、これは明確な違いがあるというふうに思います。国は、先ほど藤巻委員の質問に対して前川局長が答弁したことでもあるんですが、国は学校教育法等の制度の枠組み、それから学習指導要領といった全国的な基準を定める、あるいは教員給与等の財政負担を行うことを役割としているわけでありますが、学校の設置管理者として児童生徒に直接教育を実施したり教職員人事を行うといった立場、それは国は持っていないわけであります。このため、教育委員会を設けず、文部科学大臣が教育行政を行っております。
 国と地方の統治機構の違いという面からすれば、国が議院内閣制を取っているのとは異なり、地方は二元代表制を取っている。つまり、首長というのは、ある意味では大統領的な権限を持っている、これは住民による直接選挙によって選出されていて、議会との関係では極めて強力な権限を持っているわけであります。このため、教育委員会制度を含む各種委員会制度が設けられているということでもあるわけでございます。
 この教育委員会制度というのは行政委員会の一つの形態でありますけれども、この行政委員会が設置されている理由というのは、個人の人権に直接的に関与するという事務の性質から政治的中立性の確保が要請されているもの、例えば国家公安委員会等がそうでありますが、また、所掌事務のうち準立法的又は準司法的権限を有するなど特に慎重、公正な事務処理を必要とされているもの、これが人事院とか公正取引委員会、こういう行政分野については、これは国においてもそういうふうに取っているわけであります。
 地方においては、そういう直接的な児童生徒に対する教育とか人事とかということから、地方において、教育委員会というのは、つまり、中教審のような審議機関ではなく行政委員会として位置付けることによって、政治的、教育における、中立性、安定性、継続性をやはり担保しておく必要があると。
 そういう国と地方における基本的な制度設計の違いによるものであって、単純に国がこうだから地方自治体も同じようにするということの仕組みとは違う仕組みであるということについては理解されておられるわけですが、そういう観点から、今回も教育委員会制度改革について、首長と、それから新教育長を位置付けることによる教育委員会の執行機関としての位置付けは存続をするということにしているわけであります。
#232
○委員長(丸山和也君) あと十五秒です。
#233
○松沢成文君 はい。
 大臣の説明は非常にうまいので、こちらも説得させられそうですけれども、私は、ちょっと今の日本の戦後教育含めて、やはり文部科学省を頂点に都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会、この、ある意味で、言葉は失礼ですが、大きな官僚機構の縦のつながりがやっぱり下からの発想の自由な教育というのを押さえ付けてきたという部分を非常に感じるんです。これは知事をやっていても、もう何から何まで文科省から指令が来る、通達が来る、それを、したがって市町村教委に都道府県教委から指令、通達を流していく、それで全国の統一的な教育行政、言葉を換えて悪い言い方をすれば、上からの管理型の教育行政が続いてきた……
#234
○委員長(丸山和也君) 松沢委員、質問時間が終了しています。
#235
○松沢成文君 はい。
 コミュニティ・スクールの議論なんかもあるように、やっぱり下から、地域から、みんなで地域の教育を支えるんだという形の教育をつくるには、私は一度教育委員会というものの必置制はなくして、もう少し柔軟な教育の制度をつくれればと思って、これからまた追加、次回も質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#236
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 この法案は、首長の判断で大綱に教育内容に関することも書き込める、教育委員会のトップとなる教育長も首長が任命するなど、教育への政治介入の懸念が払拭されません。
 政府は、教育行政への首長の意向の反映を民意の反映と説明をしますが、それは多様な民意の反映を保障するものではありません。むしろ、住民代表である教育委員会の権限を弱めることなどから、首長による政治介入、国による教育統制に道を開くことになるのではありませんか。大臣、お願いします。
#237
○国務大臣(下村博文君) 全くそういうことではありません。
#238
○田村智子君 そう簡単にお答えになったんですけれど、それでは少し具体的に、現実に私が述べたような懸念を広げる事態がこの法案審議のさなかに起きているということを指摘したいと思います。
 文部科学省作成の道徳教材「私たちの道徳」、これをめぐる問題についてお聞きをいたします。
 この教材は、心のノートを抜本的に改訂をしたもので、今年度から無料で全国の学校に配付されています。文科省が教材である「私たちの道徳」を作り、学校に配付する、その法的な根拠は何か、簡潔にお示しください。
#239
○政府参考人(前川喜平君) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十八条におきまして、文部科学大臣は地方公共団体に対し、教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言、援助を行うことができるとされております。「私たちの道徳」の作成、配付については、この法律に基づく各地方公共団体への指導、助言、援助の一環として行っているものでございます。
#240
○田村智子君 私も説明を受けまして、法的には都道府県や市町村に対する指導、助言、援助であると。ほかにも例示として幾つか示されていまして、手引書を作成し利用に供することと、教育及び教育行政に関する資料又は手引書を作成しと、これにも基づいているんだという説明も受けたんです。それが、全国の小中学校に総数で約一千七十七万冊、全児童生徒数は約一千万人強ですから、まさに全児童生徒数に匹敵する冊数が配られているということになります。
 では、その資料を教員は教材として使わなければならないという法的な義務があるのかどうか、お答えください。
#241
○政府参考人(前川喜平君) 「私たちの道徳」は教科書ではなく、道徳教育の充実を図るための教材でございます。したがって、法令上、教科書のように学校に使用義務が課されているものではございません。
#242
○田村智子君 文科省が使用を義務付けることはできないということになります。
 もう一点確認をします。週一回程度の授業の教材などは通常学校に置いていて、必要なときに持ち帰らせるということはよくあることだと思います。同じように、「私たちの道徳」を教室に置くのか、家に持って帰らせるのかなどの使い方についても、こうしなければならないという義務は教員や学校にはないというふうに考えますが、局長、いかがですか。
#243
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省として、各学校に対し「私たちの道徳」の使用方法について具体的に義務付けを行っているという事実はございません。
 一方で、「私たちの道徳」につきましては、学校の教育活動全体はもちろん、家庭や地域でも活用されるようにとの趣旨で作成、配付をしたものでございまして、文部科学省としては、この趣旨を踏まえて「私たちの道徳」が効果的に使われることを期待しております。
#244
○田村智子君 文科省としての趣旨はあり、期待はしたとしても、法的に使用方法について文科省が義務付けることはできないということも確認をしました。使用義務はないし、使用する場合も持ち帰らせるなどの使用方法についての義務はないと。これは、教員の裁量、教育の自主性に関わる教育行政の基本的なルールです。基本のルールです。
 一九七六年の最高裁学力テスト判決でも、憲法解釈として、大学教員だけでなく、小中高校の教員についても、一定の範囲としながら、教授の自由というのを認めています。教育の本質的要請から教員の教授の自由について述べているこの判決文の該当部分、局長、読み上げていただきたいと思います。
#245
○政府参考人(前川喜平君) 学問の自由を保障した憲法二三条により、学校において現実に子どもの教育の任にあたる教師は、教授の自由を有し、公権力による支配、介入を受けないで自由に子どもの教育内容を決定することができるとする見解も、採用することができない。確かに、憲法の保障する学問の自由は、単に学問研究の自由ばかりでなく、その結果を教授する自由をも含むと解されるし、更にまた、専ら自由な学問的探求と勉学を旨とする大学教育に比してむしろ知識の伝達と能力の開発を主とする普通教育の場においても、例えば教師が公権力によつて特定の意見のみを教授することを強制されないという意味において、また、子どもの教育が教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じ、その個性に応じて行われなければならないという本質的要請に照らし、教授の具体的内容及び方法につきある程度自由な裁量が認められなければならないという意味においては、一定の範囲における教授の自由が保障されるべきことを肯定できないではない。しかし、大学教育の場合には、学生が一応教授内容を批判する能力を備えていると考えられるのに対し、普通教育においては、児童生徒にこのような能力がなく、教師が児童生徒に対して強い影響力、支配力を有することを考え、また、普通教育においては、子どもの側に学校や教師を選択する余地が乏しく、教育の機会均等をはかる上からも全国的に一定の水準を確保すべき強い要請があること等に思いをいたすときは、普通教育における教師に完全な教授の自由を認めることは、とうてい許されないところといわなければならない。もとより、教師間における討議や親を含む第三者からの批判によつて、教授の自由にもおのずから抑制が加わることは確かであり、これに期待すべきところも少なくないけれども、それによつて右の自由の濫用等による弊害が効果的に防止されるという保障はなく、憲法が専ら右のような社会的自律作用による抑制のみに期待していると解すべき合理的根拠は、全く存しないのである。
#246
○田村智子君 大変長く読んでいただいたんですけど、要約しますと、これは完全な自由を認めているということではない。それは当然です、私たちもそう思います。大学の教授のように自分の研究でどんどん教えていいということではない、年齢や発達にふさわしい教育内容などを国が法律などで示す、しかし、その範囲の中で具体的な内容や方法についての裁量を認めるという中身になっているわけです。「一定の範囲における教授の自由が保障されるべきことを肯定できないではない。」、肯定できるという意味です。
 国が作成した資料を教材として使用するかどうか、家に持ち帰らせるかどうかはまさに教員の裁量に属することであって、国は強制をできません。これは憲法上の原則です。ここから大臣にお聞きをしたいんですね。ところが、驚いたことに、この「私たちの道徳」は教材として使用し、家にも持ち帰るようにするのが義務と言わんばかりの動きが起きています。
 下村大臣が御自身のフェイスブックに、五月十二日、次のように書き込ました。調査のお願い、四月より小中学校において道徳の時間、新しい教材として「私たちの道徳」というこれまでにない充実したものを作成し、配付しています。ところが、児童生徒に他の教科書のように家に持ち帰らせず学校に置きっ放しにさせている学校があることが判明しました。是非、保護者にも読んでいただきたいと考えています。子供たちがきちんと家に持ち帰っているか調べていただきたいとお願いします。そうでないところは文科省として指導したいと思います。
 これは、文部科学大臣の職務として調査のお願いをされているんでしょうか。誰に対して調べていただきたいと依頼をしたのですか。
#247
○国務大臣(下村博文君) 私は当然のことだというふうに思っています。
 四月以降、幾つかの学校現場を訪問した際に、「私たちの道徳」のことを知らない児童生徒がいたり、持ち帰らせないよう指導している学校があったりするなど、必ずしも適切に配付されていない状況が見受けられました。適切でない状況というのは、つまり、先ほど田村委員がおっしゃっていましたが、国が都道府県と教育委員会に対して、今回、「私たちの道徳」というのを教材として作りましたと、どれぐらい必要ですかということを事前に教育委員会に対して問い合わせたところ、御指摘のような数になったわけでございます。
 ですから、それを事実上全ての生徒に配付する、教育委員会からのそういう要望があったわけですから、それに合わせて作成、配付したものでありますし、さらに、学校教育の活動全体はもちろん、家庭や地域でも是非活用されるようにお願いしたいという趣旨で作ったものでありますから、せっかく十億以上掛けて作ったものですから、その趣旨について是非生かされる必要があるのではないかというふうに思っておりまして、これが十分に生かされていない状況は極めて残念であるというふうに思っております。
 実際に道徳の授業の中でどう活用するかどうかということについて私が強制をするようなことを文言の中でも書いたわけではございません。御指摘のように、去る五月の十二日、私自身のフェイスブック上で、「私たちの道徳」について子供たちがきちっと家に持ち帰っているか調べていただきたいと投稿したわけでございます。学校が児童生徒に配付していなかったり、あるいは家庭に持ち帰られていないという多くの具体的な報告が寄せられました。
 御指摘のように、これは教科書じゃありませんから、実際道徳の時間に使うか使わないかは、それはそれぞれの教育委員会の判断によるところがあるというふうに思いますから、それを強制しているわけじゃありません。しかし、私が、家に持ち帰って親にも、保護者にも読んでいただきたいということについては、これはせっかく貴重な国民の税金を使って新しく教材を作ったわけでありますから、是非活用していただきたいと思っております。
 今回、ソーシャルネットワーク、フェイスブックの特徴を生かして多くの国民の皆様方から御意見をいただいたというのは極めて有意義なことだと考えております。つまり、相当の部分が小中学生を持っている親が見ていない、あるいは家に持ち帰っていないというような実態が分かりましたので、改めて文部科学省として各教育委員会に対して、是非この「私たちの道徳」については家庭や地域においても活用していただきたいということで、是非子供たちに持ち帰らせていただきたいということをお願いをしたところであります。道徳教育の一層の充実が図られるという点から、更に取組を進めてまいりたいと思います。
#248
○田村智子君 局長の答弁を聞いていたのかなと、ちょっと、大変疑問に思いましたね。教材をどのように扱うかは文科省は義務付けることなんかできないんですよ。
 それじゃ、大臣、これは持ち帰らせるということを大臣としては義務付けるということなんですか、どうですか。
#249
○国務大臣(下村博文君) いや、義務付けているわけではありませんが、先ほど、しかし、局長の答弁にもあったと思いますが、「私たちの道徳」については、学校の教育活動全体はもちろん、家庭や地域でも活用されるようにとの趣旨で作成、配付したものであり、文部科学省としてはこの趣旨を踏まえて「私たちの道徳」が効果的に使用されることを期待していると、これは局長も答弁しているとおりでありまして、効果的に活用を是非していただきたいということを期待しているわけであります。
#250
○田村智子君 文科省の意図がどうであれ、これどうやって使うかというのは学校の裁量、教員の裁量なんですよ。そのことをずっと確認したわけですよ、憲法の原則からも。
 文科大臣が文科省として指導したいからと不特定多数に調査を呼びかけ、持ち帰らせていない学校名や自治体名を報告させる。これじゃ、まるで監視社会ですよ。そうでしょう。そのことをおかしいと思わないことに、私なら政治介入が起きるんじゃないかという疑念がこれ生じますよ、当然。
 しかも、私、重大だと思うのは、このフェイスブックの文面を読んでいると、誤った情報を不特定多数に発信して調査を呼びかけているというふうに取れるわけですよ。児童生徒に他の教科書のように持ち帰らせず。教科書と同じように扱うのかと。学校に置きっ放しにさせている学校があることが判明いたしましたですよ。文科大臣がこう書けば、「私たちの道徳」を家に持ち帰らせる義務がある、学校に置きっ放しにしている教員は問題だ、けしからぬと、こういう誤った理解を与えることになるんだと思いますが、大臣、いかがですか。
#251
○国務大臣(下村博文君) これは持ち帰っていただいて、是非家庭で、あるいは地域で活用していただきたいという趣旨で作成、配付したものでありますから、是非そのようにしていただきたいと思います。ただ、それをしなかったからといって、それでペナルティーを科すということではありません。あくまでもお願いベースであります。
 ちなみに、この「私たちの道徳」については是非市販をすることも考えて、つまり子供たちを持っていない一般社会の方々にも是非、学校でこういう教材ができたということについて読んでいただければというふうに思っております。
#252
○田村智子君 これ、そうでないところは指導したいなんて書いたら、これは問題だというふうに扱っているのと同じなんですよ。事実上の義務付けを学校に課しているのと同じだというふうにしか受け取れないわけです。ただ、義務付けるものではないというふうにおっしゃいました、お願いのレベルだと。書いている文章はお願いのレベルをはるかに超えている、踏み込んでいる。そのことは指摘しなければなりません。
 問題は、そのフェイスブックに書き込まれたコメント、これ読みますと、義務付けだと思い込んでいるものが多々あるんですよ。だから問題なんですよ。例えば、とんでもない学校ですねと。違法、違憲な教諭は懲戒してもらわないとと。違法、違憲ですよ。そういう不届きな学校があれば直接御報告します、そういった意識の学校は先生の入替えを検討していただきたい、こんなことしている教師に教育者としての資格はなし、こういうコメントが延々続いている。
 これでも誤解を与えたと思いませんか。
#253
○国務大臣(下村博文君) 私がそれを書いたら、それは大臣としていかがなものかということになると思います。しかし、一般の国民がそれぞれコメントを寄せたことに対して、それがけしからぬとかどうだとか言うことは、それぞれの国民のそれぞれの判断ですから、それは田村先生はそういうふうに判断されたのかもしれませんが、だからといって、私がそのとおりにするわけでは全くないわけであります。
#254
○田村智子君 あなたが義務付けであるように書いたから、こういうコメントが寄せられる。あなたが誤解を広げた。私だったら、違法、違憲なんてコメントが来たら、それは違いますよと書きますよ、当然。だって、大臣だもの。法律預かっているんですもの。そのまま放置されて、不特定多数が今もこうしたコメントが見られる状態になっているんです。誤解を広げ続けているんですよ。だから重大だといって私、取り上げているんです。
 「私たちの道徳」を使っていない、持ち帰らせていない、そういう教員は道徳教育に真剣に取り組んでいないと決め付けられるようなコメントなんですよ。大臣もそう決め付けているのかなというふうに思ってしまうんですけど、私、それは大きな間違いだと思うんですね。
 今日、ここまで道徳の教科書を持ってきました、重たいものを。(資料提示)私も道徳教育、とても大切だと思うから持ってきました。(発言する者あり)
#255
○委員長(丸山和也君) 静粛に願います。静粛に願います。
#256
○田村智子君 ここ、中学の道徳、この教科書を作った出版社は、「私たちの道徳」、文科省はこれ、中学三年間一冊なんですよね。ここの出版社は、一年、二年、三年用って、こうやって作っているんです。これ、小学校、中学校、これだけになるんですね、一年生から中学三年生まで。中身も相当に工夫されて、私もこういう教材で授業をやったら面白いだろうなと、是非そういう授業は見てみたいなと思えるようなすばらしいものがあるわけですよ。とても大切なことだと思います。
 あるいは、埼玉は県の教育委員会として作っておられます。中身を読みますと、例えば、クラス代表委員になった女の子をうざいというふうにクラスが雰囲気をつくっちゃう、こういうことをどう考えるかという中身とか、携帯電話を、メールの返事が返ってこないと、その友達をみんなでハブにしようかというのをどうしようかというような中身があったりとか、あるいは不登校の体験を基に自立を考えるなど、本当に学校の中で先生方が直面している問題を吸い上げて、教育委員会が工夫して工夫して作られたんだなということがよく分かります。
 その埼玉のある先生はこう言っていました。国の教材も読んだが、子供たちの置かれている現状から出発することにより重点を置いている県の教材の方がやはり使いやすい、これまでも県の教材を使って道徳に頑張って取り組んできたのに、国から配付されたものを使っていない、持ち帰らせていないのは問題だと言う、味方であるはずの教育行政のトップが何でこんなことをするのか理解に苦しむと、こういう声を私、何人かの先生から聞いているんです。
 大臣、いかがですか。
#257
○国務大臣(下村博文君) 私は、その先生の方が理解に苦しむと思います。
 田村委員が道徳に対してプラス評価をしていただいたというのは大変有り難いことでありますが、私が視察に行ったとき、そこの自治体も三つの道徳における教材が置いてありました。それは、今回、国が配付した「私たちの道徳」だけでなく、ちなみに申し上げれば、それは都内でしたけど、東京都教育委員会が作成したもの、それからそこの自治体が作成したもの、つまり三種類置いてあります。それはそのまま置きっ放しなんです、それだけ。
 私は、確かに埼玉県もそうですし、ほかの自治体も相当立派な副読本、副教材を作っていると思いますよ。でも、全て学校に置きっ放しではなくて、是非そういう教材こそ家に持ち帰ってもらって保護者の方々に読んでいただきたい。
 ですから、私が言っているのは、「私たちの道徳」だけ持ち帰らせればいいということじゃなくて、その県が作った、あるいはその自治体が作ったものも併せて是非持ち帰っていただいて読み比べていただければ、これは子供だけでなく大人にとってもなるほどなと思うことがあるのではないかと思いますし、できたら全ての教材を読んでいただければ大変有り難いと思います。
#258
○田村智子君 お願いベースでお願いベースでと言いますけど、お願いベースでずっと持ち帰れ持ち帰れと言っていたら、それは義務付けになっちゃうんですよ。それはやってはならないということを、もうずっと局長とのやり取りで確認しているんです。大臣、この確認をしっかり踏まえてもらわなかったら困りますよね。
 それで果たして大臣の職務に当たれるのかというふうに思いますし、私もう一つ思うのは、大臣のフェイスブックのところにあふれているのは、この「私たちの道徳」、文科省が作ったものを持ち帰らせていない学校はけしからぬ、教員はけしからぬ。どんなに頑張って授業の実践をやっている教員にもそうやって誹謗中傷が投げかけられているんです、今も。延々とコメントが続いているんです。
 これ、その教員の立場に立ったら、大臣どう思いますか。傷つくんじゃないですか。道徳というのは、相手の立場に立って物を考えるんですよ。誹謗中傷。相手の立場に立って物を考えようということを教えるじゃないですか。(発言する者あり)ええっとかって、もう驚きますね、そんなところでやじが飛んでくると。(発言する者あり)
#259
○委員長(丸山和也君) 静粛に。
#260
○田村智子君 そうやって誹謗中傷にさらされている、道徳に熱心ではないとレッテルを貼られていると、こういう事態をどう思いますか。
#261
○国務大臣(下村博文君) 田村先生、事実関係でちゃんと、国会の場ですからね、質問してください。
#262
○田村智子君 事実関係に沿っていますよ。
#263
○国務大臣(下村博文君) いや、誰か特定のその教師に対する誹謗中傷であふれたような文言というのは全くないと思いますよ。
#264
○田村智子君 学校名があります。
#265
○国務大臣(下村博文君) 何とか学校とあったかもしれませんけれども……
#266
○田村智子君 学校名、幾つか挙がっているんです。
#267
○国務大臣(下村博文君) 特定の教員に対する誹謗中傷というのはなかったと思います。
   〔田村智子君「それは教員全体のことです」と述ぶ〕
#268
○国務大臣(下村博文君) そもそもこれは……
#269
○委員長(丸山和也君) 勝手に討論しないでください。
#270
○国務大臣(下村博文君) はい、分かりました。
 私のフェイスブックについてのコメントはいろんなものがあるでしょうけど、それを私が規制するという立場ではないというふうに思います。
#271
○田村智子君 誤った情報が流れていたら、それを正す義務は情報を発信した側にはあるはずです。
 「私たちの道徳」の中学の版のところには、情報社会に生きる一人として絶対にしてはいけないことというページがあって、こう書かれています。インターネット上での誹謗や中傷、あるいはメールを介したいじめや嫌がらせが増えてきている、ソーシャル・ネットワーク・サービスを意図的に悪意あるコミュニケーションに利用する人もいる。
 こういうことを踏まえて私たち議員というのはソーシャル・ネットワーク・サービスを利用することが必要だと思うんですね。大臣があたかも持ち帰ることが義務であるかのような情報を発信し、持ち帰っていない学校や教員は道徳の教育を全く軽んじていると思わせる情報が、今どんどん拡散しているんです。
 シェアしますシェアします、どこどこの学校も持ち帰らせていません、どこどこの学校も持ち帰らせていません。学校の先生の個人の名前は出てこないかもしれないけれども、そういうのを読んでいると、保護者と例えば教員、学校の信頼関係、これも傷つきますよね。持ち帰らなきゃいけないものを持ち帰らせていないんだ、うちの学校どうなっているんだろう、うちの先生どうなっているんだろう、そうなりますよね、信頼に傷が付く。
 大臣が誹謗中傷するつもりがなかったとしても、あなたが発した情報によってそういう情報が拡散している。これは事態の収拾が必要だと思いますけど、いかがですか。
#272
○国務大臣(下村博文君) 率直に言って、そういう発想そのものが共有できません。
 私が申し上げているのは、「私たちの道徳」の趣旨というのは、これは最初に制作するとき、各教育委員会に対して、家に持ち帰って是非家庭や地域でも活用されるような、そういう教材として作りましたと。どれぐらい部数が必要ですかということの中で全ての教育委員会が必要部数について申込みがあったので、それで全国に配付したわけでございます。当然、それだけの貴重な税金が活用されているわけですから、趣旨にのっとった活用についてはお願いしたいというのは、これは当然のことでしょう。
#273
○田村智子君 じゃ、なぜ全国の全児童生徒数に匹敵する数が配られることになったのか、このことも私もちろん後で質問する予定でいましたので、そこに入りたいと思うんですが、その前に一言、やっぱり大臣、余りに反省がないというふうに思うんですよね。
 局長とのやり取りで明らかなように、教材の扱いについては学校の裁量であり、教員の裁量である。大原則なんです、大原則なんです。それを踏み越えて、持ち帰ることは当たり前じゃないですかというふうに大臣が言われる。こういうのを私は政治介入と言うんじゃないのかなと、あるいは国家による教育統制と言うんじゃないのかなというふうに言わざるを得ないわけですよね。
 義務でもないものを義務でもあるかのようにゆがめた情報を流す。教員の具体的な頑張りを見ることもなく、一方的に問題扱いをすると。国が作った教材を自画自賛して、これを使うことが大事だという自らの価値観を頑固に押し付ける。こういう自らの行為を自省する、これが道徳教育の中で私は学ぶことじゃないのかなというふうに思うわけですが、一言ありますか。(発言する者あり)
#274
○委員長(丸山和也君) 静粛に。
#275
○国務大臣(下村博文君) 一方的な思い込みの質問としか思えないですね。
 私は、先ほどから申し上げていますが、これを学校で絶対使えということを一言も発したことはないわけですね。先ほど申し上げたように、国も「私たちの道徳」というのを教材で作りましたと。しかし、先ほど申し上げたように、地方自治体でも作っていますと。立派な教材たくさんあります。都道府県の教育委員会が作ったものもあるし、それから区市町村の教育委員会が作ったものもあると。それぞれいいものを使ってもらったらいいと思いますので、ほかの自治体なり教育委員会が作ったものを排除して、国が作った「私たちの道徳」という教材が一番いいからこれを使えという指導をしたことは全くありませんし、それを義務化するつもりは全くありません。
 ただ、せっかく作った教材だから、家にも持ち帰って親御さんにも是非読んでいただきたいと。これはほかの副読本についても同様に是非お願いしたいぐらいです。
#276
○田村智子君 大臣がお願いだと言っても、事実上、持ち帰りなさいと求め続けることになると。
 私、今度文科省にちょっとお聞きしたいんですよ。
 義務付けではないということをおっしゃったので、これは是非私も発信したいと思います、義務付けではないと。大臣がどんなに持ち帰ったかどうかということを調査を掛けたとしても、それは義務付けではないということは確認したいと思います。
 さらに、文科省にお聞きをします。
 大臣のこのような行動に私は文部科学省がブレーキを掛けてほしいんですよ。ところが、そうじゃないんですね。フェイスブックへの書き込みの三日後には通知を出しているんですよ。資料として配ったので見ていただきたいと思うんですけれども、これ課長の通知ですね。「「私たちの道徳」の配布について」と、わざわざ下線が引かれているんです。学校に据え置くのではなく、児童生徒が家庭に持ち帰って家庭や地域等でも活用できるよう、対象児童生徒一人一人に確実に配布してくださいますようと書いてあるわけですね。
 これ、義務付けじゃないと言いながら、じゃ、これは持ち帰らせるということを義務付ける方向に文科省はかじを切ったということですか。
#277
○政府参考人(前川喜平君) 今回の通知は、地教行法第四十八条に基づきます地方公共団体に対する指導、助言、援助の一環として行ったものでございます。
 今回のこの冊子につきましては、これは児童生徒一人一人に給与するものでございまして、給与した以後はその児童生徒の所有物になるわけでございますが、その児童生徒一人一人が手元に置き、学校のみならず家庭や地域でも活用してほしいという願いを込めて作成し、配付したものでございまして、各学校においては、冊子本来の狙いが効果的に達成されるよう、学校に留め置くのではなく、児童生徒に持ち帰らせた上で、家庭や地域でも活用していただきたいという趣旨で通知を行ったものでございます。
#278
○田村智子君 あくまでお願いだと。
 それでは確認しますが、文科省は今後、初中局として、「私たちの道徳」を家庭に持ち帰らせているかなどを、その使い方を特化して調べる、そういうことはやらないですね。
#279
○政府参考人(前川喜平君) 具体的な活用の状況などについて調査を行うかどうかは、今後の状況を見極めつつ検討したいと思います。
#280
○田村智子君 持ち帰っているかどうかに特化した調査を行うということはあるんですか。
#281
○政府参考人(前川喜平君) 今後の状況を見極めつつ検討したいと思います。
#282
○田村智子君 これ、教材を使うかどうかは学校と教員の裁量であると。しかも、先ほどの文書はお願いだと言っているんですから、それにふさわしい扱いをしてもらわなきゃ困ります。
 私、何も道徳教育をどのように進めているか調査を行っちゃいけないなんて思いませんよ。だけど、その場合にも、教材の使用及び使用方法に義務付けはない、このことはちゃんと周知をすべきだということを申し上げておきます。
 そもそも、先ほどから問題になっている、なぜ全児童生徒数に匹敵するものが配られたのかということについてお聞きします。
 法的には、都道府県又は市町村に対する指導、助言、援助なんですよ、これは。指導、助言、援助にすぎないんです。文科省は、必要部数を調査したと言いますが、では、全国の学校が教材として使いたいといって必要部数を上げてきたんでしょうか。
#283
○政府参考人(前川喜平君) 「私たちの道徳」につきましては、事前に各都道府県、指定都市、教育委員会等に対して行いました必要部数調査に基づきまして配付したところでございます。
#284
○田村智子君 必要部数の調査というのは、それを求める通知が昨年の九月六日、初等中等局教育課程課発の文書で出されています。その中にどう書かれているか。調査票について、各都道府県委員会が作る調査票ですね、その調査票について、平成二十六年度在籍見込みの該当児童生徒数に乖離した数にならないよう必要な調整を行った上で作成することとあるわけですよ。結局、全児童生徒数の見込みの数字を書くようにとあらかじめ求めたのではないんですか。それとも、ちゃんと一校一校の学校から必要部数を受けたんですか。どうですか。
#285
○政府参考人(前川喜平君) この九月六日の事務連絡におきましては、文部科学省におきまして、道徳教育の抜本的な充実を図るため、心のノートを全面改訂し、平成二十六年度から使用できるよう、全国の小中学校に対し無償で配付するということを伝えた上で、ついては平成二十六年度使用分の新心のノート、この時点では名前が決まっておりませんでしたので、新心のノート、仮称、の送付先及び必要部数等を把握したいので、別紙に基づき、送付先及び必要部数一覧を作成し、当課宛て送付くださるようお願いしますと、こうなっておりまして、必要であるかどうかについて判断した上でその必要部数を送ってほしいと、こういう依頼をしているところでございます。
#286
○田村智子君 これ、東京都教育委員会が国の通知を受けて区市町村教育委員会等に宛てて通知を出したわけです。そこでも必要部数は在籍見込みの児童生徒数について作成しますというふうにされているんです。これを受けた市区町村の教育委員会はどうしたかと。私、幾つかのところに尋ねたところ、学校に必要冊数を確認していない、児童生徒の数を、大体人数をただそのまま書き込んで報告を上げているというふうに答えているところが幾つもあるわけですよ。こういうの、自作自演と言うんじゃないですかね。
 大臣は先ほど、全国の学校が必要として、だから全国に匹敵する十億円を掛けて作りましたというふうにおっしゃいましたけど、学校があらかじめこの内容を見て、これはすばらしい、是非使いたいと言って必要部数を上げたんじゃないんですよ、多くのところで。そうじゃなくて、文科省から、児童生徒数を書いて、それと乖離することのないように数字書きなさいよと言われて、そういう数字書いて上げたと。それで全国に配られたんだから、文科省としては持ち帰ってもらうということを前提にしているんだから、だから持ち帰りなさい、持ち帰ってない学校や教員は問題だと言う。これは、国のまさに教育の統制としか言いようがないですよね。
 国の教材を自画自賛で学校現場に押し付けて、その上、その使い方まで監視をしてしまう。こんなことを許していればどうなるかと。国からの教材と称してどんな内容のものでも教育現場に強要する道が開かれてしまう。憲法と法律でも守られている教員の裁量、自主性を踏みにじるというようなことは、これは断じて許されないことだと言わなければなりません。学校教育に文部科学大臣先頭に文科省が手を突っ込むような介入を現にこうやってやっていながら、今回の法案で政治介入に道を開くんじゃないか。そんなことはありません、一言お答えになるだけ。これでは、懸念は全く払拭されない。次回以降、法案の中身についても更に質問したいと思います。
 終わります。
#287
○委員長(丸山和也君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#288
○委員長(丸山和也君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十九日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#289
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#290
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#291
○委員長(丸山和也君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案につき、現地において意見を聴取するため、愛知県及び静岡県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#292
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#293
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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