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2014/03/27 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 財政金融委員会 第8号
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2014/03/27 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 財政金融委員会 第8号

#1
第186回国会 財政金融委員会 第8号
平成二十六年三月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     堀内 恒夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         塚田 一郎君
    理 事
                鶴保 庸介君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                尾立 源幸君
                西田 実仁君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                片山さつき君
                熊谷  大君
                伊達 忠一君
                長谷川 岳君
                堀内 恒夫君
                三宅 伸吾君
                礒崎 哲史君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                金子 洋一君
                安井美沙子君
                山本 博司君
                井上 義行君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                川田 龍平君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣     麻生 太郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   副大臣
       財務副大臣    愛知 治郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       小澤  仁君
       警察庁長官官房
       審議官      宮城 直樹君
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  室城 信之君
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       外務大臣官房審
       議官       五嶋 賢二君
       外務大臣官房参
       事官       大菅 岳史君
       財務省主税局長  田中 一穂君
       財務省関税局長  宮内  豊君
       財務省国際局長  山崎 達雄君
       国税庁次長    藤田 利彦君
       中小企業庁次長  横田 俊之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(塚田一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、山本一太君が委員を辞任され、その補欠として堀内恒夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(塚田一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官小澤仁君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(塚田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(塚田一郎君) 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○熊谷大君 おはようございます。自由民主党の熊谷大です。本日は質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 本日の委員会の議題は、先ほど委員長からもございました。それで、ここ数日、質問を考えるに当たって関税について少し思いを巡らせていた次第です。関税は、単純に定義すれば、外国から輸入する品物又は輸出するときに課せられる税のことであることは、何も言葉にしなくても当然のことでありますが、国境とか、外国と自分たちの国の関係を考える上では非常に重要なことであるし、国際関係や主権国家としてのありようということなどを改めて深く考えてみた次第です。
 それで、WTOのドーハ・ラウンドの交渉早期妥結、多国間、バイによるEPAとかFTAなどの経済連携ですが、もちろん関税と深い関わりがございます。WTOでの多国間の貿易交渉は長期化いたしまして、その補完的な動きとしてEPA又はFTAが登場して、今年二〇一四年は通商交渉の正念場とよく言われておりまして、TPPの参加交渉も鋭意行われているところでございます。
 それで、新聞記事なんか見ると、さらさらっと関税をなくしてとか関税を撤廃してという言葉がまさしく躍っている感覚に陥るんですけれども、関税というのはまさしくイコール国家でございますので、国として競争力のある分野、保護しないといけない分野を見極めて決定していかなければならないと思います。
 そこでちょっと懸念なんですけれども、安倍政権の成長戦略で、私も与党側の人間なんですけれども、ちょっと心配だなと思うのがあって、二〇一三年六月十四日に閣議決定もされました日本の成長戦略で、FTA比率を現在の一九%から二〇一八年までに七〇%に高める目標というものをうたっております。かなり大胆な目標だと思います。七〇%という野心的なこの数値はどのような背景から、また何を根拠に生まれてきたのかを教えていただきたいなと思います。
 というのは、ちょっと後ほど言及しますが、結構、関税率とか関税とかというのは、やっぱり今回のウクライナの情勢を見ても、ロシアとウクライナはFTAで結ばれていた。結ばれていたんですけれども、ロシアから関税、チョコレートなんかに対していろいろ執拗な、嫌がらせというわけではないんですけれども、そのような関係があってどんどんこじれていって、まあそれだけではないんでしょうけれども、こじれていって今のような状況のきっかけになったかもしれないということもありますので、ちょっと関税の考え方と、七〇%に高めるという、すごい早急だと思うんですけれども、ちょっと質問にお答えいただければなと。
#7
○政府参考人(五嶋賢二君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の七〇%というFTA目標達成比率につきましては、米国、中国、その他、我が国の主要貿易国との貿易額が我が国の貿易総額に占める割合、これを踏まえまして、また二国間関係などを総合的に勘案いたしまして、二〇一八年までに七〇%を達成するとの目標を立てたものでございますが、日本の経済の再生のために自由貿易の推進、我が国の対外通商政策の柱と考えておりまして、諸外国の活力、成長を取り込む必要のために進めているところでございます。
#8
○熊谷大君 何か奥歯に物が挟まったような感じなんですけれども、経済再生ということですよね。
 本当にアベノミクスで経済再生を我が国はしていかなければいけないということは本当に論を待たないことなんですけれども、そのグローバルな経済活動を通して、周囲の富を我が国の国益につなげていくということ、それはまさしく平和ということが土台又は前提になければいけないことでございます。
 しかしながら、最近のウクライナ、クリミア半島をめぐる情勢について触れていきたいと思いますが、ここ数か月で本当に国際政治が大きく変わろうとしていますし、もう既に変わってしまったのかもしれないと思うときもあります。ロシアのクリミア編入という事態が起こりましたので、安倍総理からも予算委員会の際、力による現状変更は断固として認めないと政府見解として述べられましたが、このロシアの動き方は大変我が国にとっても脅威だと感じます。
 安倍総理がダボス会議に出席して、我が国の経済政策について述べて世界各国から共感を獲得いたしました。その際、残念なことに通訳の誤訳がありまして、日中関係を百年前の第一次世界大戦の英独関係に見立てて、良好な経済関係があっても戦争は起こるとして、日中間の戦争の危険に言及したといった文脈で残念ながら世界各地に報道されてしまいました。今年は第一次世界大戦から百年を迎えます。世界各国、特にその舞台となったヨーロッパはこの誤訳に非常に敏感に反応したというのは非常にうなずけるところであります。
 こうした言質が流れる中で、シリアをめぐる国際間の、特にアメリカとロシアの関係、続いてクリミアにおけるロシア、とりわけプーチン大統領がアメリカ国民に向けて公然とアメリカの独立と何が違うのかというふうに国民に問いかけるというか、非難とも受け止められる演説をしました。世界的に新しい冷戦というような感じで喧伝されていますが、もう冷戦というよりは本当に一触即発の大国間のせめぎ合いが始まっているのではないかなと。大国ロシアの元首が、一方の大国であるアメリカの国民に対してあのような言動を取るということは、本当に世界的にも非常事態であるという認識をしてもいいと思うのですが、麻生大臣は副総理でもありますので、ちょっと見解をいただければと思います。
#9
○国務大臣(麻生太郎君) これは外務省所管の話だと思いますが。
 まず最初に誤訳の話がありましたけれども、これは熊谷先生、昔からある話でしてね、佐藤栄作・ニクソン会談、あなたが生まれる前かもしらぬけれども、これのときに繊維交渉をやって、繊維のことについて日本は前向きに検討をしますと。これ、日本人が聞いたら、これはやらないって意味だなと分かりますよね。役人が前向きに検討をしますと言うのはやらないということですから、大体基本的には。やるようなふりしてやらない、これ、しょっちゅう食らっているからよく分かる。それを直訳したらどうなるかといったら明日にもやるように聞こえるわけですよ。これが、日米繊維交渉がもめた一番の理由はこれです。だから、誤訳というのは物すごくいろいろ、大事なんで、通訳というのはよほどきっちり選ばないとえらい騒ぎになるというのはもう過去に歴史がいっぱいある話なんで、これ日米に限らずいろいろあるんだと思います。
 それから、ロシアの話ですけれども、これはクリミアを併合するというのは、地理的な状況というのは御存じのとおりなんで、黒海艦隊の立場やらいろいろあるとは思いますけれども、しかしウクライナの統一性とか、それから主権とか領土とかいうことを考えた場合は、これはウクライナという国家の主権を侵害するというのは明らかな事実でして、これは明確ないわゆる国際法上の違反ということははっきりしているんだと思います。
 したがって、日本としては、このようなロシアのような力を背景としたような現状変更の試みというのには、これには断じてくみすることはできないというのが日本の対応なんだと理解いたしております。
#10
○熊谷大君 その言葉を聞いて本当に改めて安心をいたしました。
 というのは、第一次世界大戦は、私が言うのも本当におこがましいんですけれども、世界が経験した初めての大戦争で、ヨーロッパ全土が荒れ果てました。二十七か国が干戈を交えて、戦死者はおよそ一千万人、一般庶民の死傷者はこれも一千万人規模の大戦争でした。御存じのとおり、勝者なき戦争とも言われ、勝った側も負けた側も相当な痛手を被りました。
 この悲惨な戦争の結果、各国で平和主義が台頭していきます。象徴的なのは、日本の平和憲法にもつながるあの一九二八年の不戦条約のケロッグ・ブリアン協定のパリ協定ですが、誰もがもちろん戦争はしたくない、しかし、逆にその平和主義が第二次世界大戦の遠因になったと指摘する学者先生もいらっしゃいます。イギリスのウィンストン・チャーチルも第二次世界大戦の危機をその当時気付いていた一人だと思います。ヨーロッパ各国の平和主義、ここでは事なかれ主義というふうに表現してもいいと思うんですけれども、この欧州の平和主義がドイツの再軍備を許して、許すどころでなく、当時、国際管理下に置かれていた旧ドイツ領であったラインラントにドイツ軍の進駐を許してしまったと。これをきっかけに、あのナチスは数々の国の領土を併合していって国力を蓄えて、満を持して一九三九年九月にポーランドに侵攻して第二次世界大戦が始まってしまいます。
 こうした過去の事例を見ても、領土の拡張に野心を持っている国に対して周囲が平和主義で対応すると結果がどうなるかということは歴史が証明しているところだと思います。その当時、対独宥和政策を採用したイギリスのチェンバレンなんかもその代表だというふうに思います。今まさにそれと同じような状況が生まれようとしているし、実際に大きな時代の変動がもしかしてもう始まってしまっているのかもしれません。
 我が国は、第二次世界大戦の反省から平和主義を採用して、地道に自由、民主主義、法の支配並びに今言った平和主義を確立していきました。安倍内閣の方針としても積極的平和主義というのを採用しています。ここでアジア、ユーラシア大陸の平和を保つために、先日、安倍総理も核セキュリティ・サミットで訪れて、G7、そこで緊急首脳会議を行いましてハーグ宣言を採択しましたが、対話の道はオープンにしつつ、とるべき措置はしっかりととらなければいけないというふうに考えておりますが、麻生大臣はいかがお考えでしょうか。
#11
○国務大臣(麻生太郎君) これまた外務大臣か総理大臣への質問だと存じますが。
 あれはパシフィズム、いわゆる平和主義が蔓延していた頃に、いわゆるナチス・ドイツとの交渉をチェンバレンがやって、結果的にあのときは戦争は避けることに成功したと彼はイギリスの下院で説明をして、イギリス下院で全員総立ちで拍手をするんですけれども、立たなかった人が二人。一人がチャーチル、一人がイーデンです。この二人が立たなかった。そして、その後、チェコのズデーテンラントの割譲を求めて、チェコへ入っていったときにはドイツ人の保護というのが名目だったと記憶しますけれども、そういったような形になって、結果として、後のチャーチルの回顧録を読むと、あのとき、イギリス人が一日たった一杯の紅茶を節約しそれを軍備に回してくれたりすれば、今日これだけの惨劇は招かなかったと回顧録で述べているとおりの形になったんですが。
 やっぱり、戦うという決意、覚悟が結果として戦争を回避するというのは、これは歴史の証明しているところだと思っておりますので、やっぱりいろんな形で今その歴史をどの程度学ぶか学ばないかと。これはヨーロッパにとってももちろんでしょうけれども、日本にとっても非常に大きなターニングポイントにいるぐらいの意識で事を掛からないと、アメリカは世界の警察をやめると自分で宣言したんですから、それ以降は各地で、あちらこちらで戦争が起きていてもアメリカは介入してこない。もう中近東に限らずいろいろなことになってきておりますので、そういった意味では、これは戦後のレジームでいきましたら非常に大きな変革の端緒がここに表れていることは確かで、その意識を持っておかないかぬと思っております。
#12
○熊谷大君 ありがとうございます。本当に今、激動の時代に入りつつあるときだと思っておりますので、毅然とした対応を我々はすべきだと思っております。
 続いて、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、それに絡ませてちょっとお話をさせて、また質疑をさせていただきたいと思います。
 このような緊迫した国際情勢の中、国際開発協会への加盟に伴う法律案の一部改正が出てきましたが、この役割は、言うまでもなく、開発途上国の経済的な成長や貧困の撲滅であります。世界は混迷を極めていく中で、積極的平和主義にのっとり国際的な地位を高めることと、我が国の平和に対する考え方や理念を積極的に対外発信していく必要がある。どうしても対外発信というと、広報や紙媒体とかネットとかテレビといったものが先行的に考えられやすいと思いますが、やはり日本人が国際機関でもって大いに働いてもらうということが、最も我が国又は世界平和に近道なんではないかと思います。働く先で日本人の働くそれこそ姿を、各国の人間と同僚として一緒に過ごす時間が多くなれば、あらゆる面で日本の理解につながると思います。
 しかし、出資の割合に対して、いろいろ指摘されていると思いますが、日本人の職員数が極めて少ないのは非常に残念であります。出資金はアメリカに次いで二番目に多いにもかかわらず、世銀グループ内での日本人職員数は、全職員五千四十三人中、百十二人しかおらない。これに対して、出資額が最も多いアメリカは一千二百五人であります。我が国も職員数を一桁多くしてもいいのではないかと思われますが、さはさりながら、急に百人を五百人に、又は千人にしてみろと言われても常識的に無理でございますので、職員数を増やしていくということを念頭に置きながら、この出資金に対して何人くらいが妥当なのか、又は、増やすといってもそれ相当の高い能力が求められると思いますので、どのようにリクルートされるのか、自然増を待っているだけなのか、そういった点を教えていただければと思います。
#13
○政府参考人(山崎達雄君) 先生御指摘のとおり、世界銀行グループの日本人職員比率は現在二・二%でございまして、出資比率に比べてまだ相当低い状況にございます。
 日本として、世界銀行における日本人職員数をどの程度まで増やすかという具体的な目標を設けることはなかなか困難でございますけれども、例えば、日本は英語というのが一つのハンディキャップになっておりますけれども、日本と同じく英語圏でない、例えばドイツであるとかイタリアの職員比率は、三%台というふうになってございます。
 それから、世銀から求められる人材といたしましては、修士課程や博士課程を修了した高い専門知識を有するそれぞれの分野でのスペシャリストであり、またその開発の現場での経験が豊富な人材でございまして、なかなか日本の官庁あるいは民間の企業のキャリアアップシステムとは合わない部分もございますけれども、そういった人材をできるだけ確保していくということが必要かと考えてございます。
#14
○熊谷大君 ありがとうございます。
 その職員数というちょっと切り口で、今度は税関の水際対策についてお尋ねしたいと思います。参議院の財政金融委員会でも東京税関などに視察に参りました。私、残念ながら時間がなくてちょっと一緒に行けなかったんですけれども、資料など、報告書などを参考に水際対策について質問させていただきたいと思います。
 昨年、訪日外国人が一千万人を超えました。政府は、成長戦略として、二〇三〇年までに訪日外国人の数を三千万人に拡大させるというふうにしています。大変野心的な数字ですし、応援したいと思います。
 また、私も最近海外に出されることが多いんですけれども、先日オーストラリアに行ったとき、州議会を視察していたら、突然、州議会議員の方に日本人ですかと言われて、はい、と言ったら、うちの息子がナルト好きなんだけどという話をされて、僕はナルトって全然分からなくて、ラーメンの上に乗っかっているなるとかなと思ったら漫画の「NARUTO」でして、何でそんなことを知っているんだという話をしたら、小学校四年生か五年生の息子が「NARUTO」が好きで、日本に行ったら「NARUTO」のグッズが売っているところを紹介してくれって突然、本当に会ってすぐに言われたり、あと、本当にシンガポールに行ってもラーメン屋さんがたくさん多いし、日本食屋さんも非常にブームになっていると。フィリピンに行くと豚骨ラーメンが物すごくはやっていて、若手政治家と豚骨ラーメンの話で花を咲かせると。愛知治郎先生も麺がお好きなので、非常に話題も盛り上がると思うんですけれども。
 そうした場面でますます日本人気が広がってくると、ビザの緩和とかそういうようなことで、ますます日本に来たいと思う方、また来てくれる外国人の方が多くなると思います。さらに、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックも控えておりますので。
 しかし一方で、残念な、そして心配な数値も出てきています。不正薬物の密輸入等です。不正薬物の密輸入の取締り状況を見ると、二〇一三年には摘発件数が前年と比較して二四%増の三百八十二件、押収量は一千七キログラム、この量は前年比の六一%増です。不正薬物の押収量は九年ぶりに一トンを上回る状況でございました。
 不正薬物やテロ、感染症などはグローバル化する社会の負の側面だと思います。それをどうやって水際で止めていくのか、その体制をいかに強化していくのかの取組と、税関で食い止めるにはどうしても職員数を増やしていくしかないと思います。しかし、ここ近年、附帯決議などでも税関の定員の確保が記されているにもかかわらず、過去三年は減少しています。自動ゲートの試みや訪日者数の増加に対応した試みはよく理解しているつもりですけれども、財政が厳しい中、行革の流れの中、いろいろ反論する方々もいらっしゃると思いますが、そうした水際でいろいろな不正を食い止めるにはやはり人を増やしていくというのが、一見古典的にも見えますが、とても重要なことだと思いますが、政府の取組を教えてください。
#15
○国務大臣(麻生太郎君) これはおっしゃるとおりで、更に観光客の数は増えると思っております。今まで八百万ぐらいだったものがいきなり千万になって、えらいことになっていますけれども、日本は一億二千七百万の人口で約一千万。フランス、人口からいったら人口分ぐらい入っているんじゃないですかね、五千万人ぐらいフランスは年間の観光客があるということですので、それでいけば日本だって一億人来たっておかしくないという計算になりますので。そういった意味ではますます増える可能性は十分にあると私どもは思っておりますし、それは観光客が落とすいわゆる金というのは大きなものになり得るので、それはいろんな意味で、国の税金の話にしても何にしても、非常に大きなものになると思っております。
 傍ら、負の遺産として覚醒剤等々ありますけれども、これは間違いなく、密輸されて分かっていないものじゃなくて分かったものだけで去年覚醒剤等で一トンを超えておりますので、このほとんどがいわゆる水際と言われるものですから、これは正確には昔は水際だったんでしょうけれども、今は空港際が正しいんだと思いますが、空港でいわゆる見付けられるという量の方が圧倒的に多くなってきておりますので、その分でいきますと、やっぱり空港の税関というものの人数というのはこれは必然的に増やさざるを得ないなと、私どもはそう思っているんですけれども、少なくとも航空機による旅客は去年二百キログラムだったものが三百キロに一挙に五割増えておりますので、そういった意味では、これは検査をやりますのに当たって、覚醒剤を発見する犬がいたり、それから検査機器というものがすごく進歩しておりますので、いろんな意味でなかなか隠せるというのは難しくなってきていることは確かですけれども。
 同時に、これは絶対量は不足していると思いますので、税関の数というのは確かに少しずつ、十人とか二十人とかいう形で減ってきておるんですが、他省庁のあれに比べればまだまだ減らす率は、財務省の中でもいろいろ努力をして税関職員というのに対してはかなりいろいろ配慮をいたしているところではありますけれども、今後ともこの税関職員の人数の問題につきましては非常に大事な問題だと、私どももそう思っております。
#16
○熊谷大君 以上です。ありがとうございました。
#17
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。三十分、時間をいただきましたので、質問をさせていただきたいと思います。
 今もせんだっての総理の英独の過去の戦争を引用したことについてのやり取りがあって、興味深く聞かせていただいていたんですが、せんだっては予算委員会で、あれは有村さんですか、やはり通訳の問題だったということを一生懸命やっておられて、お立場上ああいう形で事後処理をしておられるのは理解はできるんですけれども、ただ、今ちょっとお伺いしていて、いや、これは一言やっぱり申し上げた方がいいなと思いましたので、麻生財務大臣にお願いをしたいんですけれども。
 当然、国際会議の御経験も豊富で英語も堪能でいらっしゃるので、やはり誤解を与えないような日本語の選択と話題の選択をするということが、これがやっぱり一国の代表として、いわんや総理大臣として御発言になるときの当然の注意力ですよね、これは。だから、先ほど前向きにという表現がなかなか英語にしにくいという、これは分かります。だから、まさしく通訳が訳すときに誤解を与えないように日本語でまず表現する、やっぱりそういう注意力を働かせなきゃいけないんですが、その表現の問題とどういう話題を選択して話をするかという、これ全然別の問題なんですよ。だから、英独の戦争を例に引き合いに出したということ自体が、まず一国の総理としてはちょっと不用意だったかなと、率直にそう思います。
 是非、これは安倍総理の発言の巧拙、うまい下手というのは、これは我が国の国益にまさしく関わるわけですから、国益を一番重んじる御発言を一生懸命しておられるわけなので、そうであれば、通訳の責任にしないで、やはり御本人がどういう表現をするのかということと、どういう話題を選ぶかということが、自分自身の責任なんだということを副総理から総理によく言っていただかないと、この間の予算委員会のやり取りを受けて、通訳の問題なんだなんてたかをくくっていると、また国全体に大変な影響を与える御発言をされるリスクが私はあると思いますので、熊谷さんがいい今話題を取り上げてくださいましたので、ちょっと冒頭、付言をさせていただきます。是非、麻生さん、よろしくお願いします。
 一言、もしいただければ、コメントを聞かせていただければと思いますが。
#18
○国務大臣(麻生太郎君) どういう話題を選ぶかって、これ、話題はなかなかちょっと選びにくいところなんでしょうけれども、どういう例を引くかという話を今言っておられるので。例を引くのに当たって、英独の場合は今でもなかなか難しい。同じEUの中にあっても片一方はカレンシーには、為替には、入らないとか入るとか、いろいろ難しいところでもありますんで、英独を例に引くと話が更に疑心暗鬼を生みかねぬという例を引かれたというところがちょっと問題かなという点を言っておられるんだと思いますんで、その点は私どももそう思いますんで、私の方からその種の話をいたすことはもう全然全くあれなんで。ただ、説得力があるかどうかと。おまえの方こそ例の引き方が問題なんじゃないかと言われると、私もちょっとなかなか反論がしにくいところではありますけれども、いずれにいたしましても。
#19
○大塚耕平君 是非よろしくお願いいたします。
 さて、今日の本題に入らせていただきますけれども、私もずっと財政金融委員会に所属させていただいて、毎年この時期になるとこの関税定率法の法案が上がってくると、だんだん感覚が年中行事だなという感じで麻痺してきてしまうんですけれども、今、熊谷さんが国際社会の枠組みがこれはもう変わり始めているのかもしれないという文脈でお話しいただいたんですけれども、だからこそ、ちょっと改めてお伺いをしたいんですけれども、IDAを含む世銀グループ全体へのこれまでの出資総額が我が国として一体どうなっていて、これは世銀グループ全体への出資に対して日本はどういう基本方針で、どういう戦略で臨むのかということを、その全体像を一体誰が企画立案、そして、それがその戦略どおりに効果が上がっているのかどうかということについて検証しているのかということについて、全体的な御説明をしていただければと思います。
#20
○政府参考人(山崎達雄君) まず、世界銀行グループ全体への日本の出資でございますけれども、日本が一九五二年に世界銀行に加盟して以来、この約六十年間で合計六百十一億ドルになります。
#21
○大塚耕平君 ドルですか。
#22
○政府参考人(山崎達雄君) 六百十一億ドルです。
 それから、このIDAを含む世銀グループに対する出資、そしてまた、その世界銀行グループに対する日本の政策をどういうふうに反映させていくかという戦略についてでございますけれども、これにつきましては、主管が財務省でございますけれども、外務省を始めとする各省とも調整しつつ、開発協力における日本の方針をこういったIDA増資等に反映させるべく戦略を立てております。
 また、実際、増資会合におきましては日本の立場を主張し、日本としての貢献の在り方について検討を進めてまいりました。また、このプロセスにおいて、例えば麻生大臣とキム世銀総裁は度々意見交換を行いましたし、また、キム総裁には、昨年六月に参議院のODA特別委員会に来ていただいてIDAについての説明、質疑、議論等をしていただきましたし、また、増資交渉が大詰めを迎えた昨年の十二月には安倍総理とも意見交換を行っていただきました。
 こういった議論を踏まえまして今回の日本としての対応を決めたところでございますし、実際、そのIDAの施策の中で、例えば日本が重点とするインドやミャンマー等への融資に対する重点を置くこととか、あるいは保健政策あるいは防災等について重点を置くといったようなことをこの議論の中で盛り込むよう働きかけたところでございます。
#23
○大塚耕平君 今、一九五二年以来六百十一億ドルという数字を御披露いただきましたけれども、これ、大体六兆円ぐらいということですが、一九五〇年代とか六〇年代の当時の金額の割引現在価値みたいなものを考えると、恐らく現在価値でいうと、トータルでは六兆円では済まないで、十数兆円、もうちょっと行っているかなという気もします。計算の仕方にもよりますけど、現在価値に引き直すと、ひょっとすると本当に数十兆円という規模になるんですね。
 これを投下しつつ、我が国が、もちろん、パブリックな目的のために世銀グループ全体のその活動に資するように使ってもらうという、もちろんそういう崇高な目標も持ちつつ、しかし、何十兆円という資金を使う以上は、これは日本として何を目指すのかということも片方で常に意識しないといけないと思うんです。また、そういう時期に来ているというのが熊谷さんの質問、問題意識とも僕もつながるんですけれどもね。
 今、山崎さんが総理にも今年の方針をいろいろ御説明になったということなんですが、恐らく、そういう国際社会の構造が大きく変わりつつある中で、我が国がアメリカ主導の国際機関にどういうふうに関与して、そのことによってどういう我が国としてのナショナルインタレストに貢献させるかという文脈では多分総理に説明されていないと思うんですよ。二年に一回、三年に一回の一定の説明をされるだけで、総理もお忙しいでしょうから、うんうん、そうかそうかと、そうだなと、これは出資しないわけにはいかぬなと、はい、どうぞという、多分それだけで終わっていると思うんですよ。
 やはり、そろそろ本当に、この国際機関に対する出資というのを年中行事的感覚で行うことを改めて、きっちり国家としての戦略を持っていくべきだなというふうに思いますので、今日ここで何か答えを出すような話ではありませんので、山崎さんにおかれては是非そういう問題意識を共有していただければというふうに思います。
 その上で、今度は関税の方の話に移らさせていただきますけれども、これもIDAの法案と一緒にずっと聞いていると、毎年聞いているとだんだん感覚が麻痺しちゃっていますので、改めて、今回、この簡易税率の適用対象額を拡大することに伴って、納税課税事務の効率化及びセキュリティー対策の強化がどのように図られるという前提に立ってこれを提案しておられるのかということを聞かせていただきたいと思います。
#24
○政府参考人(宮内豊君) 近年、輸入が急増しております国際郵便物ですとか、あるいはSP貨物と呼ばれる小口急送貨物の輸入件数は二十万円以下のものが九割超を占めてございます。簡易税率の適用対象額を現行の十万円以下から二十万円以下に拡大していただいた場合には、国際郵便物で年間七万件、小口急送貨物は年間五十一万件が新たに簡易税率の適用対象となり、納税事務の簡素化あるいは課税の効率化につながります。
 例えば、簡易税率を適用いたしました場合、国際郵便物に係るサンプル調査によりますれば、税関での処理時間は一件当たり約十分程度の短縮が見込まれます。したがいまして、新たに簡易税率の適用対象となる年間七万件の国際郵便物の課税事務につきましてその分効率化されることになります。
 効率化につきましては、以上でございます。
#25
○大塚耕平君 そうすると、そこに掛かるマンパワーが軽減されるのでほかのことに充てられるという発想ですけれども、今回この法案が通ったら、どの部門からどの部門にどのくらいの人事異動とかを考えておられるんですか。
#26
○政府参考人(宮内豊君) 人事の配置につきましては、法案と直接ということではございませんけれども、適正な配置を考えてございます。
 また、このような今回図ります業務の効率化によりまして、税関における更なるセキュリティー対策の強化がいずれにせよ図り得るものと考えております。具体的には、従来にも増しまして積極的な開披の検査といったものを実施すること、あるいはエックス線検査装置ですとか麻薬探知犬などの検査機器を活用した深度ある検査を実施することが考えられるところでございます。
#27
○大塚耕平君 多分、その文脈的には、そういう十万円から二十万円に対象を拡大することで物すごい件数が事務の効率化に資するので、その部分に掛かっていたマンパワーは多分セキュリティーとか何かの方に回すということをおっしゃりたいわけですよね。それはセキュリティーというのは、つまり、もうちょっと皆さんに、あるいは私にも分かるようにお話ししていただきたいんですが、どういうことは今まで以上にきめ細かくやろうとしているということなんですか、その浮かしたマンパワーで。そこのところをちょっと聞かせてほしいんですけれども。
#28
○政府参考人(宮内豊君) 先ほど来お話出ておりますけれども、不正薬物の押収量、九年ぶりに一トンを上回るような状況にあります。また、知的財産侵害物品の差止め状況、二万八千件に昨年は達しまして過去最高となっております。こういったものへの対策を講じていかなければならないということでございます。
 具体的には、幾つかのことがあるんですけれども、実際に検査等を拡充していくということが考えられます。検査機器などを用いまして拡充していくということがあります。もう一つは、情報系統の話でございます。今日は国際郵便の話が対象でございますけれども、例えば国際的な動きといたしましては、せんだっても国会で御承認いただきました万国郵便条約の改正案というものが本年一月から発効しているところでございます。国際郵便物についての情報なども、税関におきましてはリスク判定にとって非常に重要になる、セキュリティー対策にとって重要になります。こうしたことにつきましても関係省庁と連携して取り組んでいかなきゃならないというふうに思っております。郵便に限らず、情報部門も拡充していくということも極めて重要なことだと思っております。
#29
○大塚耕平君 もう少し具体的に教えてほしいんですけれども、つまり、これまで課税事務、実務に関わっていた方々を麻薬とか知的財産権の侵害物のチェックの事務に当たらせるといっても、それは全くその専門性とかトレーニングなくできることなんですか。つまり、今までそちらの部門にいた人をばさっと移すだけでできることなのかどうなのかということなんですが。つまり、セキュリティー関係のところに人を充てると、もちろん検査機器入れるというのは当然のこととしてあっていいんですけれども、つまり実務のところにどういう変化が発生するか、それに当たる人はどういうトレーニングが必要かというところまで、現場を理解された上で今御答弁されておられますか。もうちょっと分かりやすく御説明いただきたいんですけれども。
#30
○政府参考人(宮内豊君) いろんなニーズが常に、水際でございますから、国の最先端というところでございます。相手側、相手側というのは密輸、例えばの話でございますけれども、密輸サイドも常に工夫を凝らしてくるということがあります。これには常に、先方の変化に対してはこちらも変化で対応しなければいけないということがあります。税関職員の研修というのは、常に新しいことに対応していかなきゃいけないということがございます。的確に研修をして新しいことに対応していかなきゃいけないという面がございます。
 もう少し具体的に申しますと、例えば覚醒剤の密輸にいたしましても、去年なども仕出し先の国が時期によって常に変わってくるというようなことがございました。一月から三月は全世界から同じようなペースで同じような割合で密輸がなされている。四月から六月はメキシコとか中南米が中心でございまして、七月―九月になりますとアジア、なかんずくインド辺りからの薬物の密輸が非常に多かった。それが秋以降になりますと止まって、今度は中国中心になる。そういうふうに、それは恐らく相手側の組織も考えているというようなこともあるのかもしれませんけれども、常に変化します。そういう変化に的確に対応しなければいけない。その情報を職員にはしっかりと把握させて、そして対応させていく。これが税関の現場で起こっているということでございます。
 引き続きこういったことには的確に対応していきたい、こう思っております。
#31
○大塚耕平君 この問題はこれ以上は聞きませんけれども、何を申し上げたいかというと、十万円から二十万円と、これ倍ですよ。件数でいったら、麻薬が先ほどですと七万件、知的財産侵害権のが五十一万件とおっしゃっていませんでしたっけ、まあいいです。件数はいいんですが、すごい件数が、つまり事務負担が軽減されるわけですよね、まず課税事務が、負担が軽減するわけですから。
 これだけ実は結構大きな提案をされているので、そこで浮いたマンパワーをどういう部門に充てて、何をするためにこれをさせてくださいというところまでやっぱりセットで御説明いただくと我々もよりすんなり通しやすくなりますし、職員の方々もそういう問題意識も持つようになりますよね。
 しかし、そのセキュリティー対応の事務をやるというのが果たして本当に右から左に人を動かしただけですぐできる仕事なのかどうなのかというのは我々分かりませんので、是非、来年以降も変化は続くと思いますので、このことをすることによって税関の実務の現場で人事も含めてどういう変化が起き、それがどういう効果をもたらすのかというところまでセットで御説明いただけるような御提案をしていただけるとより有り難いなというふうに思いますので、これはお願いをしておきます。
 その上で、財務省から報告されている様々な資料を拝見すると、覚醒剤の密輸の仕出し地、つまり日本に送り込む元々の仕出し地としてメキシコの割合が急速に高まっているんですが、これの理由について聞かせていただけますでしょうか。
#32
○政府参考人(宮内豊君) メキシコを仕出し地とする覚醒剤の押収量は年々増加傾向にございまして、平成二十五年に税関が押収したメキシコを仕出し地とする覚醒剤は約五百十六キロ、全体の約六〇%を占めております。国連の薬物犯罪事務所というところがあるんですが、そこの資料によりますと、メキシコにおきましては二〇一一年に世界最大、約三十一トンの覚醒剤が押収されております。また、百五十九か所の覚醒剤の密造所が摘発されており、密造所も増加傾向にあるということでございます。
 メキシコにおける覚醒剤の密造には国際犯罪組織が、カルテルと呼ばれるものなんですけれども、関与しているとされておりまして、この組織が市場の拡大を図る中で我が国への覚醒剤の密輸を企てていることが推測されます。税関としては、今後とも警察等の関係機関との連携を強化しつつ、厳正な水際取締りに努めてまいる所存でございます。
#33
○大塚耕平君 税関でもちろんチェックをするということだけじゃなくて、もうこれだけ顕著にメキシコの割合が高まっているのはここ一、二年の話ですから、メキシコ政府に対してはどういう対応をしておられるのでしょうか。もし何か、分かる範囲でお答えいただければと思いますが。
#34
○政府参考人(宮内豊君) メキシコの政府の方も当局による薬物犯罪組織に対する取締りを強化しているようでございまして、組織幹部を逮捕するなど一定の効果が上がっているというふうに考えております。
 我が国税関といたしましては、覚醒剤取締りについての情報交換を行う等、メキシコ税関当局等との関係も強化して厳正な水際取締りに努める考えでございます。
#35
○大塚耕平君 つまり、先ほどの話とも関係があるんですけれども、今回これだけ簡易税率の適用範囲を広げて人員もシフトさせ、機器も入れて対策すると。しかも、メキシコがこれだけ顕著にその仕出し地としてシェアが高まっていることも分かっていると。メキシコ政府にもお願いをしている。ということは、来年以降このメキシコの割合はぐっと下がるという成果が上がらないと、もちろん犯罪集団が相手方にある話なので日本の意思どおりにはなりませんけれども、やはり明確に成果を上げるということを意識してやっていただかないとまずいと思います。
 同様に、知的財産侵害物品の中国来、中国から来るものの割合がもう物すごく高まっているわけで、九割以上ですよね。これは今の覚醒剤とちょっと違って、覚醒剤はもちろん輸入しようとする人たちも犯罪集団として割と明確な集団だと思うんですが、知的財産侵害物品の場合は割と普通の企業の方々が、認識していて輸入する場合と認識していないで輸入する場合とあると思いますが、いずれにしても普通の事業をやっていらっしゃる方々が多いような気もするんですね、もちろん犯罪集団もあると思いますけれども。
 輸入先、つまり日本の発注元はこれ全部分かっているわけですから、当然そうですよね、輸入するわけですから、どこが輸入しているのかというのは分かっているわけですから、この輸入元の摘発というのは行っているんでしょうか。
#36
○政府参考人(宮城直樹君) 今御質問の知的財産権の保護、大変重要でございます。
 今我々も一生懸命取締りをしているところでございまして、昨年中でございますが、商標権の侵害事犯、これは二百四十一件、二百四十一件を検挙してございます。このうち中国から日本に持ち込まれた件数、これは百二十八件ということで、半分強となってございます。
 さらに、もう少し細かく分析いたしますと、昨年中に偽ブランド品、これはたくさん押収してございます。そのうち仕出し地、輸出元が分かっている物品が九万七千五百八十三点ありました。このうち中国本土が仕出し地になっているもの、これが六万三千三百七十三点ということで、約六五%、これぐらいが中国から来ているということになります。
 それでは、御質問の日本の発注元を取り締まっているのかということでございます。
 昨年中の主な事件といたしましては、昨年六月でございますが、警視庁におきまして東京税関と共同いたしまして、中国から輸入した偽ブランド品、これはアメリカの企業の財布とかバッグ、これが非常に多うございますが、これをインターネットのサイトで売りさばくと、こういった事件を検挙してございます。この事件におきましては、一法人、会社自体、それから九人を商標法違反で検挙するということでございまして、この事件は、売りさばく前の品物、これ二千百点を押収しているということでございます。
 今後とも、権利者と連携いたしまして、あと国内外の取締り機関と連携いたしまして対策をしてまいりたいと、このように考えてございます。
#37
○大塚耕平君 もう一回お伺いしますけれども、つまり知的財産侵害物品の輸入元はこれ全部明らかなわけですよ。そうすると、悪意があれば当然摘発しなきゃいけないですけれども、悪意のないケースもありますので、全ての輸入元に対して何らかのアクションを起こしているという理解でいいですね。
#38
○政府参考人(宮城直樹君) いわゆる犯罪が成立するものについてはアクションを起こせるということでございます。要するに、ある物品がございますと、その物品は確かにどこかから輸入されたものかもしれませんですけれども、実はどこから輸入されたかが分からない場合があります。要するに、書類が残っていない、単に商標権を侵害する物品があるというだけの場合があります。そうすると、何といいますか、その場合にはなかなか、いわゆる本人たちがしゃべってくれなければ摘発できないということになります。
 いずれにしても、そういったものを発見した場合におきましては、関係機関のところに通報する、例えばこの相手である権利者に通報するという形の作業を行ってございます。
#39
○政府参考人(宮内豊君) 知的財産侵害物品につきましては関税法上も輸入してはならない貨物とされておりまして、税関においては厳正な水際取締りを実施しているところでございます。
 警察等と共同で輸入者等に対する調査も行っておりまして、その輸入者が知的財産侵害物品を輸入したと認められるときは関税法違反として処分しているということがございます。平成二十五年におきましては五十九件、関税法違反として処分を行っております。このうち中国来のものは四十六件ございます。
 刑事責任を問うといったところまで至らない処分あるいは処分を行わなかった場合につきましても、関税法に規定する認定手続を経て、知的財産侵害物品を没収、廃棄することで国内への流入を阻止しているところでございます。これ、差止め状況につきましては、平成二十五年で二万八千百三十五件を差し止めているというところでございます。
#40
○大塚耕平君 申し上げたいことは、つまり税関の現場の対応でいろんな傾向も分かっているわけなんですけれども、不正な輸入をしたり、あるいは不正な輸出をする、覚醒剤も含めてですね、そういった当事者に対する対応をしっかりしないと、税関の現場にどんどん負荷が掛かるということになりますので、そこはちゃんとタイアップしてやっていただきたいということを申し上げつつ、大臣にお伺いしたいんですが、いずれにしても大変な件数の覚醒剤であるとか知的財産侵害物品の輸入が行われるという中でどんどん人員をシフトさせて、簡易税率を適用範囲広げて人員をシフトさせてセキュリティー対策を高めるということなんですが、それでも税関職員のマンパワーの確保とか、あるいはそういうスキルを含めた資質の向上にはまだまだ努力と配慮が必要だと思うんですが、この点についてどういう方針で臨んでいるのか、お答えいただきたいと思います。
#41
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十五年で年間約一トンのいわゆる不正薬物、コカインもあればヘロインもいろいろあるんですけれども、こういったのが九年ぶりに一トンを上回るというのは、これはちょっと深刻な状況なんだと私どもとしては思っております。
 そのほかにも、社会悪製品として拳銃とかその他いろいろ、大麻含めましていろいろ水際取締りの強化を、取り締まるにしても、やっぱり今言われましたように知的財産権の話とか、また輸入品の原産地の判定とか、そして今やたら機械化されてきていますので、機械化って、IT化されていると言うべきなんだと思いますが、そういったものになってきていますので、これを逮捕する側の方のその種の知的能力なり検査能力の質の向上を求められる。まぶして持ってくるって、この間もどでかい鉱物資源の中にいきなり覚醒剤とか、歯磨きの中に全くまぶしていきなり覚醒剤とか、そういったような話になってくると、歯磨きなんて話になるんですけれども、そういったような話、昔、歯磨きはダイヤモンドに決まっていたんですけれども、今は覚醒剤まで歯磨きの中にまぶして持ってくるという話ですから、そういった意味では研修の充実とかそういったものが非常に大切なので、そういった質の向上をやると同時に、やっぱり、先ほどの御質問にあったように、入ってこられる人の数の絶対量が千万が二千万とかいうことになってくると、これはとてもじゃないけれども対応する物理的な人的確保というのが、これは大事なことだと思いますので、この点はちょっと今後の方針として、他省庁に合わせてうちも減らしていきますなんというのは、そっちは減らせてもこっちはとても減らせるような状況にない部署もいっぱいあるということなんだと思います。これはちょっと真剣に、観光客の増大に伴ってこの部分はちょっと正直全然別の発想で対応しなきゃならぬ部分かなと、私自身はそう思っております。
#42
○大塚耕平君 終わります。
#43
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今日は、関税定率法等の一部改正法案の審議ということでございまして、今、最初に質問しようと思ったことは大塚委員がかなり質問されましたので、そこはちょっと割愛をさせていただきまして、二つ目の質問から入らせていただきたいというふうに思います。
 四月からの消費税引上げに伴いまして、小規模な業者が多い輸入商社、この転嫁の問題に加えまして、消費税支払のための資金繰り懸念ということについては前回も質問させていただきました。
 この小規模零細の輸入商社が消費税率の引上げに円滑に対応するために、消費税納税猶予制度、これを活用して、そして資金繰りを何とか乗り切っていこうと、こういうことをしていくために財務省としての対応も求めてきたところでございます。据置担保として提供していくためのその担保を、これまで土地等は入っておりませんでしたけれども、これを認めていただくというお願いをしたところ、早速財務省にはもうやっていただきまして、四月からの対応をしていただく体制をつくっていただきました。
 今日は、それに加えまして、多くの小規模事業者の方からもお話をいただいておりますのは、納税保証のための保証料についてでございます。
 現状、小規模零細の輸入商社にとりまして、税関への担保として銀行や保険会社から納税保証を取る際に支払う保証料の負担が結構な額に上るという声を聞くことがございます。負担軽減の観点から、小規模事業者に対する直接的な保証制度、これをつくってはどうかということも、我が党では浜田昌良議員を中心に訴えてまいりましたけれども、そうしたことを勉強していくうちに、商工中金では比較的低利で税関関連の債務保証の実績があるというふうに聞きました。
 四月からの消費税引上げに円滑に対応するためには、そうした情報が小規模な輸入商社の多くの方々に共有されていくことが必要ではないかというふうに思っておりまして、まず最初の質問でございますが、この商工中金によります税関関連の債務保証の実績等の概要ですね、これについて、是非、中小の輸入商社の方々にも分かるような形で丁寧に御説明いただければというふうに思います。
#44
○政府参考人(横田俊之君) お答え申し上げます。
 商工中金によります消費税納付猶予のための債務保証でございますけれども、最近五年間で四十八件の実績がございまして、過去五年間の平均保証料が〇・六四八%、平成二十五年一年間だけ取りますと、年間〇・五三九%ということになっております。
 こうした制度が活用可能であることにつきまして、中小企業庁といたしましても積極的に広報に努めてまいりたいと思います。
#45
○西田実仁君 これは税関ですから、いろんな場所で商工中金も保証をしていると思いますけれども、地域別の、営業店別というんでしょうか、あるいは業種別の件数等で保証の特色等がございましたらお知らせ、それも併せていただけますか。
#46
○政府参考人(横田俊之君) お答え申し上げます。
 申し訳ございません。あいにく手元に地域別、業種別の資料がございません。後ほど委員の方にお届けさせていただきたいと思います。
#47
○西田実仁君 この商工中金による保証料、先ほどの御説明ですと〇・六四%ですか。私どもが聞いているよりもかなり低い率でこうした保証料が設定されているということでございますので、是非、四月からの消費税対応に活用をいただきたいと、また、その情報をより広く周知をいただけるように御努力を願いたいというふうに思います。
 その上で、商工中金にとどまらず、全国の地方銀行とかあるいは信金等でもこうした税関関連の債務保証を実施されているとは思いますけれども、その実態はどのようになっているのか。また、小規模の事業者に広く知らしめるために、どのような工夫をされておられるのか、またされていくおつもりなのか。これについてお聞きしたいと思います。
#48
○政府参考人(細溝清史君) 輸入の際に支払う消費税延納の際の税関の担保、その保証、提供する保証人の保証といたしまして、銀行、一般の市中銀行の保証も認められております。
 こうした保証の実態について網羅的に把握しているわけではございませんが、幾つか例を申し上げたいと思います。
 ある地方銀行では、年間で、保証件数四十件、保証金額二十五億円といった実績があるようでございます。これだと、平均すると六千万円ぐらいの保証になっている。それから、別の地方銀行ですが、保証件数三十件、保証金額は一件当たり三百万から五百万程度、比較的小口の保証のサービスをやっている銀行もあると。片や主要行、メガに聞いてみましたところ、大体、年間一千五百件程度、保証金額一千三百億円の事例がございました。これになりますと、大体一億弱ぐらいの割と大きな案件をメガは対応しておるということだろうと思います。
 保証料率につきましても、先ほど中小企業庁さんから御紹介ありましたが、これは当該企業の信用リスクに応じて決められているものでございまして、幅があります。ただ、おおむね〇・六から一%程度というふうになっているものと承知しております。
 こうした税関関連の債務保証の提供、これはもちろん顧客のニーズに応じて金融機関が実施するものでございます。常々、金融機関に対しましては、顧客企業の様々なニーズにきめ細かな対応をするようにと言っている中で、輸入業者についてはこういったニーズがあって、銀行が対応しておると。こういったニーズに今後ともきめ細かに対応していくように促してまいりたいと思っております。
#49
○西田実仁君 次にというか、これが最後でありますけれども、今いろいろと議論もされておりますが、武器輸出に関してのことでございます。通関手続におきます武器の扱いということで、この際ですから改めて確認をしたいと思っているところであります。
 関税法では第六十九条の二のところで、次に掲げる貨物は輸出してはならないということで、輸出してはならないものが列挙されておりますけれども、武器とか拳銃はそこには記載はないわけであります。また、同法六十九条の十一にも、今度は輸入してはならないものとして、他の法令の規定により輸入することができるとされている輸入は除くということで、様々な自衛隊が使う武器等の輸入は、恐らくこの他のものでということでの規定で輸入をされているんだろうというふうに思います。
 すなわち、関税法では武器の輸出ということについては特に触れているわけではありませんで、御案内のとおり、外為法で経産省が一々の輸出について許可を与えるという日本の仕組みになっているわけでありますけれども、そうはいっても、実際に武器を水際で輸出することを防ぐという税関業務も、当然、何の関わりもないかというと、そういうことではないわけでありまして、現に昭和五十六年には通達が出ていて、武器に関して輸出の厳格な審査をより強化するようにという通達が出ていることも承知をしております。
 改めて、これまでの武器輸出三原則の下での税関における武器の取扱いについて、税関はどのような役割をしてきたのか。外為法がもちろん主であることはよく分かった上で、改めて確認のためにお聞きしたいと思います。
#50
○政府参考人(宮内豊君) 税関におきましては、お話しのとおり、輸出貿易管理令の規制に基づきまして、武器及びその部分品等の不正な輸出が行われることがないよう水際取締りの実効性確保に努めてきたところでございます。
 具体的には、関係法令及び昭和五十六年の国会決議を踏まえた通達に基づきまして、武器等に該当する貨物として輸出申告されたものが経済産業大臣の許可を受けているかどうかを確認する、また、武器等に該当しないものとして輸出申告された貨物でありましても、武器等に該当するおそれがあると認められる場合には検査を実施し、必要に応じて経済産業省にも通報するということなど、適正な通関に努めているところでございます。
#51
○西田実仁君 今後、武器輸出三原則ではなくて防衛装備品の海外移転三原則ということが今議論されているわけでございますけれども、その新しい原則の下で、当然これまで果たしてきた税関の役割というものもまた新たな装いで臨むことになる部分ももしかしたらあるのかもしれませんし、ないのかもしれません。ただ、厳格な審査ということは、いずれにしても新たな原則で一番大事な柱の一つになってこようかと思いますので、今後、税関の武器輸出の取扱いに関する税関業務の課題等が新たな三原則の下で何かあり得るのかどうかということについて、最後、大臣にお聞きして、終わりたいと思います。
#52
○国務大臣(麻生太郎君) この防衛装備の海外への移転に関する新たな原則の策定につきましては、基本的にはこれまで積み重ねてきた例外化というのの実例を整理をしなきゃいかぬという点と、それから、防衛装備の移転に関する手続とか歯止めを今まで以上にきちんと、これ、ネガティブリスト、ポジティブリストいろいろ出ますので、きちんと明確化する、三番目に、政府全体として、これは厳格な審査体制といわゆる管理体制というものをきちんと構築する必要があるんだと存じますが、いずれにしても、新たな安全保障環境に適合する明確な原則というものを明確にしていますので、現在与党とも御相談をしながら検討させていただいているところです。
 また、水際を守る役割を担う税関の方においては、これは実効性の確保というのが一番の課題、幾ら言っても実効性がなければ意味がありませんので、新たな方針が策定された際にも、引き続きこれは関係法令に従いまして実効性のある水際の取締りというのに努めてまいらなければならないと思っておりまして、これは輸出に関しても同様であります。
#53
○西田実仁君 終わります。
#54
○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。前回に引き続き、経協インフラ戦略会議についてお伺いをしたいと思います。
 前回、第一次安倍内閣でつくった海外経済協力会議というのが今は経協インフラ戦略会議に改組されて、様々な海外権益確保、あるいは我が国の海外経済協力に関する重要事項を議論しているということを世耕副長官からお伺いをいたしました。やはり私も、こうした戦略というのは非常に大事になってくると、限られた予算あるいは融資、こうした貴重なお金をいかに有効に利用して資源を獲得する、あるいは企業の体力を付ける、これが我が国にとっても重要だというふうに思っております。
 そこで、今日は、その前向きな議論の中で、もうちょっとこの部分をやった方がいいんじゃないかということを議論していきたいというふうに思っております。
 まず、この経協インフラ戦略会議の、大体どのような内容で議論をしているのかというのをまずお伺いしたいと思います。
#55
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 井上委員御指摘のとおり、アジアを中心とする新興国の成長のエネルギーをしっかりと取り込んで日本経済の活性化につなげていくというために、我が国の企業の海外展開を支援をして、最先端のインフラシステム輸出を後押しをしていく、これがまさに安倍政権の成長戦略の重要な柱の一つというふうになっています。こういう考えの下、安倍総理が指示をされた下で、官房長官が議長となってこのインフラ輸出、経済協力等を総合的に議論する経協インフラ戦略会議を立ち上げて、これまで九回やらせていただいています。
 特に、経協インフラ戦略会議の進め方ですけれども、例えば第一回はミャンマーという形で国を決めて、国別、地域別に議題を深めて、こういうことを何回かやっています。あるいは、第五回でやったように、日本式ODAをどういう形で普及させていけばいいか、それをうまく活用するにはどうすればいいかというような分野横断的なテーマをやっていったり、それを関係閣僚間で率直に腹を割って、あるいは外交情勢とかそういったことも踏まえながら議論を進めていっているというのが今の経協インフラ会議の現状であります。
#56
○井上義行君 確かに、本当にそういうような議論を通じて戦略的に行っていく、これはもう非常に重要だというふうに思っています。特に、こうしたインフラ整備をする場合には、やはり情報が命だと私は思っているんですね。ああしたウクライナの問題や、あるいはいつどこで何が起こるか分からない。せっかく投資をした、あるいは融資をしたそのものが全部パーになる、そういうことも考えられるわけで、そういう意味からすると、今回NSCというものができたので、こうしたNSCの組織とやはりこの経協インフラの情報交換というか、そうした情報収集というか連携というのはどのような活用の仕方をしているんでしょうか。
#57
○内閣官房副長官(世耕弘成君) まだ具体的にこういう手法でというのはありませんけれども、当然、経済協力、インフラ輸出を進めていくに当たって相手国のカントリーリスクというのも考えなければいけない、あるいはそこで働く日本人社員の安全確保という視点もあります。そういう意味で、その国が今国際的にどういう状況にあるのかとか、あるいは国内の政治状況がどういうふうになっているのかという状況把握というのは非常に重要だというふうに思っておりまして、国別のときにその国の状況ということを外務省から報告をしてもらったりという形で適宜議論をし、把握をしているところであります。
#58
○井上義行君 是非、こうしたいろんな軍事情報なりあるいは情報収集をして、やはり我が国の国民や、あるいはこうした企業、あるいはその投資が無駄にならないように議論をしていただきたいと思います。
 そこで、この会議は非常に非公開、私も非公開はそれはいいと思うんです。ただ、非公開の中でも、やはり総理が替わった場合とか、あるいは政権が交代をした場合に、どのような議論の中でこうした投資が始まったとか、そういう検証というのはやはり私は必要だというふうに思うんです。
 ですから、例えば、いろんな情報の中で日本が取った決定というのは、こうした議論の中で、積み重ねの中で決定してそれが実現したということを、やはり議事録を作って、それはもう僕は特定秘密に指定して公開しなくてもいいと思うんです、将来公開するべきだと思いますけれども、やはりそれが、議論した過程が次の総理大臣に分かるように、あるいは次の政権に分かるように、こうした議事録を作成するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#59
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 経協インフラ戦略会議はあくまでも自由闊達に議論をするということでありますので、あえて議事録は今作っていない状況であります。ただ、言いっ放しで終わらせてはいけない、今おっしゃるようにちゃんと後々にも経過も含めて伝えていかなければいけないということで、インフラシステム輸出戦略という形でまとめさせていただいております。実は、冊子も作って、民間向けにも情報提供をして、あるいはホームページでもどういう議論があったかということをしっかり記録に残していって、そういう形で必ずしっかり引継ぎができるように考えています。
 まだ特定秘密保護法は、これは施行はされていない状況でありますから、今これは使えないわけですけれども、現時点ではやはり自由闊達な議論、特に総理外遊とどういうふうにリンクさせていくかとか、あるいは個別の企業の今現地でのビジネス状況とか、かなり機微にわたる話がありますので、現時点ではあえて議事録は作らないで、ただし、その結果、アウトプットはしっかり戦略としてまとめたり、あるいはホームページ上で公開をして民間と共有をしていくというふうな取組でやらせていただいております。
#60
○井上義行君 確かに、企業名とかあるいは国名が出ると、それに支障が出るということは私も十分理解をしております。しかし、やはり検証というのは国家として大事なことなので、検証ができる形を是非残していただきたいと思います。
 そこで、どうしても出てくるのが、この経協インフラによって企業進出がしやすくなる、ただ、その一方で、国内の企業がどんどんどんどん海外へ出てしまう、このギャップをどのように埋めていくか、これはもう非常にいろんな課題が出てくるわけですね。本当に、企業の体力を今は付けるからそういうようなインフラを造る、一方で資源を獲得したい。しかし、企業がどんどんどんどん地方から海外に出ていってしまう、結果的には雇用が減ってしまう。
 だったら、この経協インフラのこうした議論を、国内にもやはりどのような影響があるか、あるいは国内産業、例えば我々は、法人税の実効税率を同時に引き下げろと、そのことによって企業が国内にとどまってもらう、こういうような海外と国内の政策を一体的に議論する必要があるんではないかと、このように思いますので、是非、この経協インフラ会議の議論、そして国内の雇用関係をどのようにやっていくかということを、タイアップした議論の会議というか、その場を是非つくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#61
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 井上委員御指摘のとおり、海外インフラをやったけれども、その結果として国内雇用が減ってしまったということでは、これは全く本末転倒だというふうに思います。
 しかし一方で、これはいろいろ現実の結果として、海外でいろいろ展開している企業の方が実は国内雇用が増えている。それだけいろんなビジネスを管理しなければいけないとか、ちょっと雇用の種類は変わるかもしれませんけれども、結果として国内雇用が増えているというような例も多数報告をされているわけであります。
 海外へのインフラシステムの輸出と国内での雇用の関係ということについては、これから政府としてもしっかり研究はしていきたいというふうに思いますし、必要があれば経協インフラ戦略会議でも議論をさせていただきたいというふうに思っております。
#62
○井上義行君 以上です。
#63
○大門実紀史君 大門です。
 関税、IDA法案とも、全体として賛成でございます。既に議論もありましたので特に申し上げることもございませんので、この間取り上げてきたタックスヘイブンについて、時間をいただいて質問したいと思います。
 資料をお配りいたしておりますが、タックスヘイブン税制の概要の説明資料でございますけれども、要するに、税率の低い国に子会社をつくって、子会社、ペーパーカンパニーを設立した場合、そのペーパーカンパニーの所得を日本の親会社の所得と合算して課税するということでございます。
 資料の左端に特定外国子会社等とございますけれども、これは税率が、改正後ですと二〇%以下の国に設立された子会社全部を指します。こういうところに会社をつくるということは、意図的にペーパーカンパニーではないかと疑われるわけですね。
 ただし、この中から、資料の真ん中にありますけれども、適用除外ということで判定をいたしまして、実体のある子会社は除こうということですね。実体のある経済活動をしている会社は除こうということになります。この四条件を満たして適用除外となるわけですけれども、その中でも資産性所得があるものは、これはやっぱり合算して課税をしようというのが、二〇一〇年になったわけでございます。
 この資産性所得の中身が二枚目の資料、時間の関係でこちらで説明をいたしますけれども、二枚目の資産性所得は何かということで説明がございます。
 持ち株割合一〇%未満の株式云々、債券の利子・譲渡、工業所有権、著作権等々、船舶・航空機の貸付所得というふうな、今まで脱税に使われたようなものがあるわけですけれども、こういうものは合算するとなっているわけでございます。
 主税局に伺いますけれども、この資産性所得に当たるものをこういうものに限定した理由は何でしょうか。
#64
○政府参考人(田中一穂君) タックスヘイブン税制におきます資産性所得、具体的には今先生にお読みいただいたようなものが対象になりますが、これは、いわゆるパッシブインカムという表現で諸外国で言われているものでございますけれども、いわゆる資産運用的な所得については、子会社においてこれに関する取引を行うという積極的な経済的な合理性を見出し難い場合が多いということで、日本と比べて著しく税負担の低い国の海外子会社への所得の付け替えに利用されるという判断をいたしまして、合算課税の対象にしているということでございます。
#65
○大門実紀史君 これは、まだ二〇一〇年に導入されたばかりでございますけれども、国税庁に聞いた方がいいんですかね。この資産性所得に関する課税データというのは把握されているんでしょうか。
#66
○政府参考人(藤田利彦君) お答え申し上げます。
 国税庁におきましては、資本金一億円以上の大規模法人につきまして、申告におけます特定外国子会社等の課税対象金額等は集計しておるところでございますが、御指摘の資産性所得の金額等については集計をしていないところでございます。
#67
○大門実紀史君 これから重要な項目になりますので、きちっとした把握をお願いしたいと思います。
 当初から、この資産性所得についてはこの今の範囲では狭過ぎるんではないかという意見がいろいろ出されております。例えば保険所得、あるいは広い意味での知的財産からの収入とか貸付金の利子所得などは、租税回避に使われやすいものですから入れるべきだという意見が出されてきたところでございますし、アメリカなんかはタックスヘイブンの対策税制として保険所得も課税所得になっているということもございます。
 この点で、資料の三枚目に、この制度を導入した当初、経団連の税制対策を担当している阿部泰久さんが「税経通信」という専門誌の二〇一〇年二月号の対談の中で、かなり本音の話をされております。何をおっしゃっているかと、線を引いた部分ですけれども。
 資産性所得について、この中身を随分詰めましたが、主税局は当初は非常にきついことを言っていましたが、議論をしているうちにどんどん基準を下げてくれて、ある意味で、こういうものだったら課税されてもしようがないものしか残らなかったのですが、その心は、小さく産んで大きく育てるというか、ともかく、タックスヘイブン税制の仕組みの中に、適用除外であろうがなかろうが資産性所得を合算する仕組みを入れたいと、最初は小さくてもいいから、というところではないかと思うので、この先が怖いですと。資産性所得の枠がだんだん広がっていくのではないかと思いますというふうに、本音の話をされておりますし、もっと怖くしてあげたらどうかと思うわけでございますけれども。
 ちょっと主税局に聞きたいんですけれども、大体、いつもこんな感じで経団連と折り合いを付けてきているんですか。
#68
○政府参考人(田中一穂君) 決してそういうことはないと思いますが、やはり、さっきパッシブインカムと申し上げましたけれども、どういう所得がこういう例外の対象になるかというのを、各国いろんな制度を入れておりますけれども、当時、日本の中で議論をした際に今先生がおっしゃっているような保険の部分とか知的財産のところまで対象にしなかったということでございまして、まさにこの経団連の方がおっしゃっているように、一義的にこういう所得だというふうに決め切れないところがありますものですから、今後も恐らく議論になっていくというところだろうと思っています。
#69
○大門実紀史君 財務省は、とにかく消費税でも何でも小さく産んで大きく育てるということを考えておられるようですけれども。やっぱり資産性所得は、ほかの国のタックスヘイブンと比べてもそう広いというふうに言えないと思いますので、最後に麻生大臣に伺いますけれども、やっぱりこの資産性所得の範囲の検討をすべきではないかと、拡大の方向で、せめてアメリカとかほかの国並みの基準にすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#70
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありました外国子会社合算課税、いわゆるタックスヘイブンという税制の件ですが、これはもう国際的な租税回避防止のためにいわゆる極めて重要な税制であって、OECDの中でも今BEPSと言われるもので、BEPSって、例のあの税源浸食と利益移転という、日本語は難しいものですから略してBEPSと呼ばれておりますけれども、この国際的租税回避防止のための税制でこの強化策が検討されて課題に上がっております。これの委員長が御存じのように日本人ということになっておりまして、これは別に、選挙で選ばれておりますので、公平に選ばれたんで、我々が押し込んだわけでも何でもない、選ばれてなっておりますので。
 そういった意味では、タックスヘイブンの税制のこの資産性所得の範囲というのが今一番問題なんだということを言っておられますので、共産党と一緒になってやるのはいかがかと思いますが、小さく産んで大きく育てる、決して間違っている方向だとは思いません。
#71
○大門実紀史君 ありがとうございます。共産党といいことは一緒にやってもいいかと思いますが。
 本当にだんだん諸外国並みのやっぱりタックスヘイブン税制にしていただきたいということを改めて申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
#72
○中山恭子君 日本維新の会、中山でございます。
 まず、IDAの関係からお伺いいたします。
 日本が世銀に加盟いたしましたのは一九五二年、日本が独立した年でございます。翌年から世銀からの借入れを行い、東海道新幹線や初めての高速道路や電力機構をつくって、その後日本はオリンピックも無事に開催し、経済発展を遂げています。
 この七五年から七八年にかけて、私自身、IMFに勤務いたしました。IMFと世銀は姉妹機関でございまして、連絡を取りながら仕事をしておりましたが、そのときその借り入れた金額をまとめて一気に返済したいという申入れをしようとしたそうでございますが、世銀側から、日本への貸付けというのは極めて成功した事例であるので一気に返済しないで計画どおりで返済してほしいと言われたというような話を聞いております。一九九〇年に借入れを全て返済しているというような状況でございます。
 日本は、言わば世銀による支援の成功事例と言われるような国でございまして、日本から国際機関に対する支援といいましょうか、出資というものをやはり落とさずに、今大分ランクも、出資シェアも三位になって落ちてきているというふうに数字が出ておりますので、やはり日本としては、国際機関では発言力も出資に応じて決まってくるということでございますので、なるべく落とさずに維持していく必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(麻生太郎君) 日本が世銀からとか、海外から金を借りて返してうまくいった成功例、これは一九〇五年の日露戦争のときの戦時国債一千万ポンドに始まって、あれたしか、中山先生、返し終わったのは、あれは六十年返済で金利七%とか六%付いていたはずですが、あれ、たしか返し終わったのは、第二次世界大戦の間を除いた、ときだけジャンプをしてもらって、ジャンプって手形のあれをしてもらって、返し終わったのは千九百八十何年なんだと思いますね。
 だから、日露戦争の借入金を返し終わったのがいわゆる一九八〇年代ということですから、そういった意味では、その間きちっと金利を払っておりますし、昭和三十九年のオリンピックのときの新幹線から何から、皆これも全部約定どおり。たしか、私の記憶ですけれども、世銀等々から金を借りた国で約定を一切たがえず返し切った国というのは日本以外にないということになっておりますので、ほかに一国もないと思います。ほかは大体踏み倒すか、値切るか、何かいろいろな過去に瑕疵があったと、みんな。そう世銀の人が言っていましたので、すごく私も記憶があるところなんですが。
 この出資額につきましては、これは発言権の関係もこれありで、これの増資のときはこれは毎回物すごくもめる話でして、各国でこの増資につきましてはなかなか私どもの希望どおりにはいかない。それで、アメリカもその比率を全部決めて、各国かなりやり合ってきているところだと思いますが、今後ともこの出資の比率をきちんと持っておくというのは大変大切なことだと存じますので、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
#74
○中山恭子君 二月二十七日に私ども、東京税関本関、羽田空港支署、それと青海のコンテナ検査センターを視察いたしました。税関職員が非常に緊張感を絶やさずにハードな業務に真剣に取り組んでいるということを御覧いただけたかと思います。
 日本で社会悪物品を水際で押さえるということは、日本社会全体にとって非常に効果のある仕事であると言えるかと思います。一旦、この社会悪物品が国内に入ってしまった後で取り締まろうと思っても、これは非常に難しい。やはり水際で押さえられるかどうかということが、社会全体としては水際で押さえることが極めて安上がりで、しかも有効な手段であるとはっきり言えると考えています。
 こういった中で、一つ例を挙げれば、拳銃は日本では製造していないものでございますが、暴力団の中に、これは私、二十数年前に成田税関支署長をしておりますときに、暴力団が団員一人一丁という目標を掲げて動き出しました。残念ながら、取り締まることがもうとてもとても手に負えませんで、今拳銃が日本の中で相当数が入っていると、違法な拳銃が、と考えております。麻薬についても税関で必死で押さえていますけれども、それでも入ってきている。
 このことを考えますと、水際で押さえるということに税関職員を相当数増やして押さえても、全体としては、価値としては非常に安い価格で押さえることができると考えておりまして、税関職員を今後の、先ほど大臣おっしゃいました観光の問題、それから他の新しい動きに備えるためにも相当の訓練も必要ですので、今年度は致し方ないかもしれませんが、来年度からはまさに別の考え方で対応していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃいましたとおり、この直近五年間、平成二十年からの五年間を見ましても、税関が関与したいわゆる覚醒剤のもの、約九割を超えておりまして、不正薬物、銃砲等々、いろいろ取締りの対象の税関の役割というのが非常に大きなものになっているのは、これはもう、中山先生、間違いない事実だと存じます。昨年一年間見ましても、税関による不正薬物全体の摘発は三百八十二件、押収量約千七キロ、一トンを超えておりますんですが、そのうち、特に不正薬物のうち、覚醒剤、これは日本の場合はコカインよりはヘロインの方が多いというほかの国と少し違う事情もあるんですけれども、八百六十キロになっておりまして、十三年ぶりに八百キロを上回っております。
 密輸の手口がだんだんだんだん大口化してきておりますので、そういった点も私どもとしては非常に気になるところなので、手口もなかなか込み入ったものになってきて、この間、横浜税関で挙げたのは製粉機のローラーの内部に覚醒剤二百四十キロとか、それから、鉄鉱石の中に隠蔽された覚醒剤が百九十四キロとか、手口がだんだんだんだん、こう物すごく大きなものになってきておりますので、私どもとしては、これは向こう側も手口が荒くなってきているんでしょうけれども、こういったものに対して、我々としてはこれに、先ほどの御質問で大塚先生からも御質問あっておりましたけれども、これは人間で、ある程度人海戦術を用いなければできないというところまで来つつあろうと思いますので、これ一回広がっちゃうともうその後の手間の方がよほど金と時間と労力を要しますので、これ水際でやった方がはるかに安く上がるじゃないかという御説はごもっともだと思いますので、この人間の配置等々につきましては、これはいわゆる役人の数の制限との関係もございますので簡単な話じゃないんですけれども、基本としてはこの税関は特に大事なところだと、我々もそう考えております。
#76
○中山恭子君 大口のものを押さえるということも大事でございますが、アメリカで麻薬が蔓延したのは小口のものを外していたということでございまして、やはり人、職員の数と、それからその技能、技術というものが大きな力になると思っております。
 今日はもう一つ、ハブ空港について質問しようと思いましたが、時間が足りません。いずれお尋ねしたいと思います。
 ありがとうございました。
#77
○川田龍平君 結いの党の川田龍平です。
 私は、時間の制約から、国際開発協会、IDAへの加盟に伴う措置法改正案に絞って伺います。
 IDAは、この世界銀行グループの中で低所得国に対して超長期で低利の融資や贈与、技術支援を行う機関であり、ミレニアム開発目標の達成、貧困の削減を後押しするものでなければなりません。この貧困の撲滅と繁栄の共有という世銀のビジョンを実現するためには、経済成長に直接的には裨益しないものの、この繁栄を共有できる経済成長の実現に不可欠な保健医療や教育、社会保障などの強化が欠かせず、世銀が、途上国によるこれら分野における施策がしっかりとグラント、つまり無償援助で支えられる必要があると考えています。
 このIDAにおいて、無償援助方式である贈与、技術支援の割合は一七%、日本がIDAに対してどのような姿勢で臨むかは、IDAが確実に貧困削減への投資を行うために影響力が非常に大きいと思います。日本は残高ベースでは米国に次ぐ世界第二位の貢献国であり、今回の第十七次増資会合における貢献額も英米に次ぐ第三位の貢献を約束しています。その中身を見ますと、総額五千二十四億円の新たな貢献額のうち、JICAの円借款による融資が千九百四億円と、三八%に当たります。
 質問に移りますが、この厳しい財政事情の中で、貢献シェア一〇%を維持するためにはやむを得ない選択だったとは思います。英国も融資を始めるなど、融資割合が世界的にも増えていくのではないかと推測しますが、世界的な動向を財務省はどのように把握していますでしょうか。
#78
○政府参考人(山崎達雄君) 今回、IDAへの融資貢献を行いますのは、日本のほかに、イギリス、フランス、中国、サウジアラビアの五か国の見込みでございます。
 それで、今回のIDA十七次増資においては、ドナーからの貢献総額のうち融資が約一一%と、大半が依然として出資でございますけれども、今後につきましてはIDAの、一つとして先ほど御指摘のあったとおり、一七%はグラント部分でございますので、融資を全て原資とするというわけにはいかないわけでございますので、したがって、IDAが今後どのような形態の援助をしていくかということに今後の融資が増えていくかどうかというのは依存するということで、今の時点では一概に申し上げることはできないんじゃないかと思っております。
#79
○川田龍平君 このIDAの第十七次増資期間はミレニアム開発目標の達成までのラストスパートの期間に当たります。IDAによる無償援助が着実に行われるようにするために、日本の貢献もこれまでどおり出資を主体に行われるべきと考えますが、財務大臣の見解を伺います。
#80
○国務大臣(麻生太郎君) 融資と出資の違いを言っておられるんだと存じますが、川田先生、融資といっても、これは金利は極めて低い、日本の金利より更に低いという金利、安い金利が一つ。
 それから、こういった国々におきましては、やっぱり金は借りたら返すという基本的な世界の常識というものをきちっと定着させないと、借りた金は踏み倒す、そのままいただいて当然、返さなくて当たり前みたいなのが教育になったら話になりませんから、これはきちんと金は返す、それで、俺たちは全部返してきたから今日これだけの発展があるんだということは、もう度々いろいろ言ってきているところでもありますので。
 私どもはこれは融資というのをやらせていただくので、私どもは今までどおり増資でも、それを受けられないわけではありませんけれども、同時にやっぱりきちんとした税務署の職員とか、それから資源の国は、全部資源を売った金は国に入って、それだけで賄っておりますので、税金をみんなから集めるとか、そういったような基礎的な訓練、組織、制度、全くありませんので、今、JICA等々と組んでケニア、タンザニア、ウガンダ、そういったところで、まずはということで、税関というか税金を集める職員の教育やら何やらも併せてやらせていただいておりますので、私どもは融資、増資、いろいろありますけれども、基本としては、その国がきちんと育っていってもらうような方向を原則において事を進めたいと考えております。
#81
○川田龍平君 今回の増資会合において格差問題が議論され、貧困層下位四〇%の成長率が全体の成長率を上回るという指標が導入されることになったことは評価をいたしますが、格差是正についてのIDAの取組はまだ不十分です。具体的には、IDAの事業ごとに、所得格差やジェンダー、障害、民族などの視点からの指標を作り、インパクトを図って格差是正に取り組むべきではないでしょうか。
#82
○政府参考人(山崎達雄君) 今回、IDAがリザルツフレームワークを改定しまして、御指摘のように、所得格差であるとかジェンダーの平等についてこれまで以上に詳しい指標を設けたところでございます。
 今後、今御指摘のあった障害であるとか少数民族等も含めまして、社会的弱者に配慮するための指標については、必要に応じてそれを盛り込んでもらえるように、私どもとしても働きかけてまいりたいというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
#83
○川田龍平君 IDAが更にこの貧困削減の取組を進める上で、NGOやCSO、シビル・ソサエティー・オーガニゼーションと呼ばれる市民社会組織の参加は不可欠だと思います。現在は、増資妥結前にパブリックコメントを受け付けることでNGOの意見も取り入れているとのことですが、増資交渉の場においてもNGOやCSOの参加を認めるよう日本から率先して働きかけるべきではないでしょうか。他省に先駆けて一九九七年からNGOとの定期協議を行い、高い評価と実績を残している麻生財務大臣の見解を伺います。
#84
○国務大臣(麻生太郎君) NGOとのお話ですけれども、この増資の会合のときには、これはやっぱり出資国が皆参加をしているので、全然金出してない人が、金をもらう人の方が出てきて増資の話をするというのは、これは会合の趣旨に全くなじまないと思いますので、その点はいかがなものかと存じますが、その他NGOとの話というのは、これは、決まった後はかなり積極的にやっている一番ぐらいの国かなと思っておりますんで、今後ともNGOを含めまして市民団体等々との連絡は密にしてまいりたいと考えております。
#85
○川田龍平君 是非、これは日本から率先してそういったことを提案することを検討していただきたいと思います。
 次に、ODAの大綱の再改定が検討されているようですので、外務省にお尋ねをいたします。
 これまで日本のODAは、人間の安全保障を軸に貧困の削減のための取組を重点化してきましたが、近年、経済界からは日本の経済成長への貢献を追求すべきとの意見が強まってきているようです。
 ODAは、短期的視野から見た国益のために使うのではなく、あくまでも地球益、国際公共益の増大、達成に貢献することが主な目的であって、長期的に日本の国益に資するという考え方でなければならないと考えますが、外務省の見解を伺います。
#86
○政府参考人(大菅岳史君) ODAの目的、これはODA大綱にございますとおり、「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資すること」ということでございます。
 こうした観点から、我が国としましては、これまでODAを活用しまして世界の開発課題の解決に積極的に取り組むことで御指摘の地球益、国際公共益の増大に貢献してまいったものと考えております。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 仮に現在のODA大綱を改定する場合におきましても、同様の観点から長期的な我が国の国益に資する形でODAを活用していく考えでございます。
#87
○川田龍平君 これは、近年アフリカなどに向けての円借款の拡大及び民間投資の増大が主張されていますが、八〇年代そして九〇年代に円借款援助や民間の投資の増大がアジアなどの最貧困国において持続不能な債務を生み、それが貧困をもたらすという悪循環を生んだことを教訓とすべきではないでしょうか。
 そしてまた、保健や教育など経済成長を直接的には生み出さない分野にも円借款が用いられているようになってきていますが、経済成長によって債務を返還することが前提の円借款援助について、こうした民生分野にも拡大することに問題はないのでしょうか。外務省の見解を伺います。
#88
○政府参考人(大菅岳史君) 円借款につきましては、従来より途上国の債務負担能力等に十分配慮しつつ供与を検討しております。それにもかかわらず、当初予想できなかった政治の不安定化ですとか金融危機等の事情により開発途上国の経済財政状況が急激に悪化すると、そういった場合におきましては、国際的な合意に基づき債務救済を行うといった対応を取ることもございます。
 今御指摘のございました保健や教育など社会開発の分野における支援につきましては、開発途上国の開発効果を高めて、持続的な経済成長を実現するためにも極めて重要と認識しております。その上で、開発途上国の開発ニーズの規模の大きさ、これを考えますと、このような分野の事業におきましても、相手国の要請に基づいて円借款を活用するということが適当な場合もあると考えております。
#89
○川田龍平君 時間が参っていますが、最後に麻生大臣、一言だけ見解をお願いします。この今の意見を聞いての。お願いします。
#90
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、外務省の方から答弁があったとおりなんだと思いますが、これは川田先生、貧困を生んだっていうけど、元々それがなければ富も生まなかったわけですから、ずっとみんな貧しいままでいいのかと。それとも、ある程度差は付いても、ある程度富のある方も一部出てくることによって全体が上がるのか、それともみんな貧しいままでいいのという、多分極論でいくと、国際的な場で議論すると多分そこに行き着くんだと思いますんで、その答えを見ましたら、それはある程度誰かが引っ張っていかなきゃしようがないという形になるんだと思います。
#91
○川田龍平君 ありがとうございました。
#92
○平野達男君 平野達男でございます。
 川田委員にちょっと引き続いて、IDAに関連しての支援の在り方ということについて若干の質問をさせていただきたいというふうに思います。
 赤道直下の国に赤道ギニアという国がありまして、これはよく資源の呪いという、リソースカースという、最近よくこれも出てくる言葉なんですけれども、そのときの典型として捉えられる国です。この国は石油が結構出ます。人口は七十万人だそうです。GDPは、これデータ、いろんなところのネットなんかをめくってみますと数字がちょっとばらつくんですが、三万五千ドルぐらいですね、日本とほぼ同じぐらいです。ところが、人口の四分の三ぐらいは、一日当たりの生活費が二ドル以下というとんでもない極貧の状態に置かれている。お金はたくさんあるんだけど、それが地域の中に下りていかないという、いわゆる資源の呪いというやつの典型な話ですね。
 もう一つ、似たような話で、オランダ病、ダッチディジーズというのがありますけれども、あれは北海の方でやっぱり油田が出て、その石油の収入がたくさん入ってくることによってオランダの通貨の価値がどかんと上がってしまって、輸出産業、特に一次産業の部分が次々に衰退するという、回り回ってオランダの経済がおかしくなっていくということでダッチディジーズという、これイギリスが付けた名前らしいんですけどね。
 ただ、同じ北海の油田でも、ノルウェーはいっぱいお金もらって、取って、それを今基金という形にしていろんな社会保障とかなんかにも使えるということでしっかりやっている国ももちろんあります。
 で、言いたいのは、アフリカは、後でちょっとお話ししますけれども、赤道直下の辺りではナイジェリアがかなりもう産出国になっているんですが、実はここに来てかなりやっぱり石油があるということが分かってきている。どれだけあるかというのはまだ分からないんですが、これからいろんなことを調査していきたいんですけれども、何せコンゴなんかはああいう状況ですからなかなか調査したくてもできないという嫌みがあるんですけれども、相当やっぱり新しい技術を提供すればデポジットというか、要するにかなり出てくるだろうと。これが出てきたときにその地域の中でどうやって使うかということで、だから、他方で金はあるわけです。金はあるんだけれども、それが地域の住民に落ちていかない。
 こういう状況の中で、IDAというか世銀の在り方というのはどういうふうなことになるのかという、漠然とした質問になりますけれども、麻生大臣にちょっとお伺いをしていきたいと思います。
#93
○国務大臣(麻生太郎君) 今いただいた資料は、これは多分サブサハラの地図などを主に集めておられるんですが、このほかにも、アフリカ五十三か国全体でいいますと、このほかにもアルジェリアとかリビアとかエジプトなんかも石油というか油の生産量の多いところに入ってくるんだと存じますが、いずれにしても、こういった国々において、先ほどの川田先生の御質問の中にもありましたけれども、これ、なかなか国自体が統一されてきちんと運営されているわけではないというところが最も難しいところです。
 この中の一番西の、左の端の方にシエラレオネという国が丸付けてありますけど、私ここに二年住んでいましたので、この辺知らないわけじゃないんですけれども。部族間の抗争というのは極めて厳しいものですから、これは、今、スーダンと南スーダンの話が、宗教の話だけしか日本の新聞のレベルでは書いてありませんけど、あれは民族間の抗争がすごい面倒くさいものですから、宗教問題よりもっとそっちの方がしんどいと私はそう思って見ていますけれども。
 いずれにしても、これはなかなか、その国に資源があればあるほどもめる、貧しければ貧しい方がもめないんですよ、分捕るものがありませんから、そちらの方が平和に行くんですけど。資源がある方がもめることはもうはっきりしていますので、これは私どもとしては、IDAに言っているのは、我々がやっているみたいに、そこにいる人たちを今日本に呼んで税の職員を教育してみたりいろいろ人を教育しているので、少なくとも国をといってインフラ造ったって、それを運転する人がいない、壊れたらメンテナンスができない、そういったところをきちんと教育していく、支援していくというのが日本のこれまでのODAのやり方でしたので、そういった意味では、長期的には我々みたいなやり方の方が正しいのではないかということは今IDAにも我々として積極的に言っているところなので、少しずつではありますけど、そちらの方向が結果として、結果を出してきていますものですから、平野先生おっしゃるように、これはなかなか簡単にはいかぬ話だと思いますけれども、時間を掛けて、日本方式というべきほどのものかどうかは別にして、人を育てないと、組織をつくらないと、システムをつくらないと、これは金だけあってもなかなか国としては富まないと思います。
#94
○平野達男君 一つの、この問題の切り口としていろんな問題があると思いますけど、やっぱり税金、財政金融委員会ですから、税、課税ということをちょっと取り上げてみたいと思うんですけれども。
 お手元に表がありますけれども、これはアフリカにおける全体の国家収入と言っていいと思うんですけれども、いわゆる石油収入と税の割合ということの比率ですね。ここにありますのはナイジェリアとか、あるいは多いところでは赤道ギニアもそうなんですけれども、圧倒的に石油の歳入が多くて税金を課さない、課せないんだろうと思います。
 あと、ここにもう一つあるのは、今度は世銀とか何か外国の融資とか援助が入ってきます。そうすると、何が起こってくるかというと、為政者というのは、税金も取っていないし、税金を取らない以上、余り国民、臣民というか、何というんですか、面倒を見なくてもいいやみたいな、そういうその上側と国民との要するに意識のギャップが非常に出てくるというのも、これも指摘されているところですね。
 だから、やっぱりこういう中で援助の在り方といったときに、援助に依存をするという結果的に国家をつくってしまっているという面は、これは昔からODA関係の中でいろいろあるんですが、特に国家の歳入のときに税金を取るという仕組みをやっぱり地道ながらでもつくっていくというのが基本なのかなというような感じがします。
 これは、実はアフリカだけじゃなくて、アフガニスタンでも同じことが言われていますね。アフガニスタンのあのカルザイ政権の収入の九〇%は外国からで、ほとんどアメリカだって言っているわけです。一〇%は要するに、アフガニスタンというのは中でどうやっているか分かりませんけれども、いずれ、そこで収入をやっているから、大体もうアフガニスタンの国民と政府の中で大きな意識の差が出ているんじゃないかということですね。
 ベトナムでも実はアメリカは同じことをやったわけです。これはもうベトナムで、ゴ・ジン・ジエム政権のときには結構もう資金をどんどんどんどんやっちゃって、それでベトナム戦争が大体、当時のベトナム戦争、南ベトナムになりますけれども、やれるようにしちゃった。その中で国全体がばらけてきたというようなことは反省の中でも言われていますね。それが今アメリカの世銀、ベトナム戦争とアフガンと、今度世銀も今アメリカ主導の機関なんですけれどもね。そういったところはやっぱりしっかり言っていかなくちゃならないのではないかなというふうに思います。
 私、世銀というと、今日新幹線の話がありますけれども、私のかつての仕事の関係からいくと、どうしても愛知用水の話がちょっと出てくるんですが、そういった意味で世銀には随分世話になっているんだなと。日本の農業生産基盤というか復興のときの非常に大きな礎になりましたから、基礎になりましたので、私のイメージの中では世銀は本当に有り難いなという感じはあるんですけれども。どうも最近ではアフリカでは世銀よりも中国の方がよっぽどいいと。余計なことを言わなくてどんどん投資していってくれるし、それからどんどんどんどん奥深いところにも入ってきて、そんな立派な道路じゃないけれども道路を造ってくれるし、井戸も掘ってくれるしというような評価もあったりして、世銀全体の、何というんですか、在り方みたいなものもやっぱり問われているのかなという感じがしまして、ちょっと今日は税金ということだったんですが、麻生大臣、何かコメントがあれば最後お聞きして終わりたいと思います。コメントをいただいて終わりにいたします。
#95
○国務大臣(麻生太郎君) これは、いわゆる租税による政府というもの、歳入を天然資源からの上がりじゃなくて租税からの歳入によって国家をという、システムをつくり上げるというお話が基本なんだと思いますし、我々先進国というのは皆それでやっているんですが、それをやりますまず人材がいない、意識がまず全くない、それから当然システムはもちろんありませんので、そういったところが指摘をされておるんですが、私どもわんわんわんわん昨年辺りから特に言ったせいもこれありで、今九か国、アフリカでいけばエチオピア、リベリア、ナイジェリア等々、そのほかにもモンゴルとかパプアニューギニアとか、今言われたベトナムとか東ティモールとかいうような国々でこの課税のシステムというのの強化をやろうと。勉強というか、課税というものが、まず課税の説明からしなくちゃいかぬところが面倒くさいんですけれども、そういったことをやっていこうということで、今人を呼んだりして研修などを通じて徴税機能というものを勉強し、それを、徴税をゼロから教えて、勘定から何から全部やらせるというところの、ゼロから今教える、スタートからやらなきゃ駄目ということで、これは日本の案が通ってかなりその方向で事は、少しずつではありますけれども、動き出しつつあると思っております。
#96
○平野達男君 課税が国を救うなんというような、こういうタイトルでやってみたらいいんじゃないかと思います。
 終わります。
#97
○委員長(塚田一郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#98
○委員長(塚田一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、尾立君から発言を求められておりますので、これを許します。尾立源幸君。
#99
○尾立源幸君 私は、ただいま可決されました関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 東日本大震災により多大な被害を受けた地域における復旧・復興を図るため、被災地域の物流・貿易の円滑化、活性化に向けた税関による支援策を積極的に実施してきた。近年、経済・社会のグローバル化・ボーダレス化の進展を背景として、セキュリティ確保と両立させながら、我が国企業の国際競争力の強化や輸出入者の利便性の向上に資する通関手続の迅速化に努めること。
 一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国民経済的な視点から国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、調和ある対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。
 一 最近におけるグローバル化の進展等に伴い、税関業務が増大し、複雑化する中で、適正かつ迅速な税関業務の実現を図り、また、薬物・銃器を始めとした社会悪物品等の国内持込みを阻止する水際において国民の安心・安全を確保するため、税関職員の定員の確保、高度な専門性を要する職務に従事する税関職員の処遇改善、機構の充実及び職場環境の整備等に特段の努力を払うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#100
○委員長(塚田一郎君) ただいま尾立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#101
○委員長(塚田一郎君) 多数と認めます。よって、尾立君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生財務大臣。
#102
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#103
○委員長(塚田一郎君) 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#104
○委員長(塚田一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、尾立君から発言を求められておりますので、これを許します。尾立源幸君。
#105
○尾立源幸君 私は、ただいま可決されました国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、みんなの党、日本維新の会及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 政府は、国際開発協会を含む国際機関への資金拠出を行うに当たっては、我が国の厳しい財政状況を踏まえ、出資のみならず融資による資金拠出を組み合わせるとともに、国際機関の活動並びに我が国の貢献について国民の理解を得るために、日本語表記を含めた広報活動や情報公開の充実に努めること。また、融資を通じた援助需要に機動的に対応し、効果的かつ戦略的な資金拠出となるよう配慮し、国際社会における日本の評価を高めるよう努めるとともに、資金使途や事業の成果について十分な検証を行い、必要な見直しを行うこと。
 一 政府は、日本人の国際貢献機会を拡大する観点から、世界銀行グループを含む国際機関において日本人職員の登用機会を広げる活動をより進め、有能な人材が円滑に採用されるよう、民間企業からの出向機会の拡大、弁護士等法曹有資格者などの専門職及び社会科学のみならず自然科学を含めた修士、博士課程修了者の具体的なポスト獲得のための働きかけを行うとともに、主要出資国にふさわしい枢要なポスト獲得に尽力すること。また、国家として人材の確保、後進指導に努め、日本国内における人材育成を活性化させる方策を講じること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#106
○委員長(塚田一郎君) ただいま尾立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#107
○委員長(塚田一郎君) 全会一致と認めます。よって、尾立君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生財務大臣。
#108
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#109
○委員長(塚田一郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(塚田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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