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2014/05/20 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 財政金融委員会 第10号
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2014/05/20 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 財政金融委員会 第10号

#1
第186回国会 財政金融委員会 第10号
平成二十六年五月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     森屋  宏君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         塚田 一郎君
    理 事
                鶴保 庸介君
                古川 俊治君
                尾立 源幸君
                西田 実仁君
                中山 恭子君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                片山さつき君
                熊谷  大君
                伊達 忠一君
                長峯  誠君
                長谷川 岳君
                三宅 伸吾君
                森屋  宏君
                礒崎 哲史君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                金子 洋一君
                安井美沙子君
                山本 博司君
                川田 龍平君
                井上 義行君
                大門実紀史君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   岡田  広君
       財務副大臣    愛知 治郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        福岡 資麿君
       厚生労働大臣政
       務官       高鳥 修一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       公益法人行政担
       当室長      高野 修一君
       金融庁総務企画
       局長       桑原 茂裕君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   三井 秀範君
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       厚生労働大臣官
       房審議官     神田 裕二君
       厚生労働大臣官
       房審議官     藤井 康弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○保険業法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(塚田一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び保険業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房公益法人行政担当室長高野修一君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(塚田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(塚田一郎君) 金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び保険業法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾でございます。質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 議題となっております金融商品取引法等の一部を改正する法律案は、ファンド販売業者に対する規制を見直し、ファンド販売業者に対し、国内拠点及び国内における代表者の設置を義務付けるなど、規制を強化することにいたしております。市場の信頼性を確保するための妥当な見直しだと思っております。
 また、本年五月十四日、金融庁は、金融商品取引法施行令などの一部改正案を公表いたしております。いわゆるプロ向けファンドを販売できる投資家の範囲を厳格化する内容です。
 通常、ファンドにおいては、有価証券の取得勧誘や財産の運用に当たって登録の義務を課し、厳格な入口規制を行っております。ただ、ファンドの出資者に一名以上の適格機関投資家がおり、適格機関投資家以外の者、つまり一般投資家が四十九名以下である場合には、適格機関投資家等特例業務として特例業務を行う者が届出をするだけで募集、運用が可能になっております。このような適格機関投資家等特例業務は、一般的な登録義務ではなく、簡易な届出で済むわけであります。選択と集中戦略など、事業の再構築に動く経済界のニーズとファンド関連の金融専門家との活動がマッチして、特例業務という規制緩和策がうまく活用されている例も少なくないようであります。
 一方で、五月十四日公表の金融商品取引法施行令などの一部改正案は、この特例業務を見直し、適格機関投資家以外の者に限定を掛けるものだと理解をしております。
 そこで、金融庁にお聞きをいたします。
 特例業務がうまく活用されている側面について、その状況と評価をお聞きしたいと思います。また、今月十四日公表の金融商品取引法施行令などの一部改正案による規制強化の概略とその背景、狙いをお聞かせください。
#6
○政府参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘の適格機関投資家等特例業務、いわゆるプロ向けファンドと申しておりますけれども、この制度は平成十九年の金商法制定時に導入されたものでございます。
 プロ向けファンドの販売等を行う業者の中には、行為規制が緩いこと、それから四十九名以内であれば一般投資家にも販売が可能なことを利用しまして、投資家に被害を与えている業者が散見される一方で、簡易な仕組みであることを利用して、これまでにベンチャーファンド、再生ファンド、不動産ファンドなどの組成に活用され、一定の役割を果たしてきているものと認識いたしております。
 それから、五月十四日公表いたしました規制強化の概略と背景ということでございますけれども、このプロ向けファンドに関しましては、先ほども少し触れましたけれども、高齢者を中心に一般の投資家の被害事例が後を絶たないことについて金融庁としても憂慮をしていたところでございます。こうした被害事例が相次いでいることを踏まえまして、証券取引等監視委員会、また消費者委員会からもプロ向けファンドの制度の見直しに関する建議、提言が行われたところでございます。
 今般発表いたしました改正案は、こうした状況を踏まえまして、本来のプロ向けという趣旨に立ち戻り、ファンドの勧誘ができる投資家の範囲を一定の投資判断を有すると認められる者に限定することによりまして、一般投資家の被害の発生等を防止すべく制度の見直しを行うことといたしたものでございます。
#7
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
 特例業務は、一般にプロ向けファンドと言われておりますけれども、中を見ますと、適格機関投資家以外の者は一般個人でも四十九人以下であれば誰でもよかったというわけでありまして、今回の見直し案は、企業や個人などの属性に着目してきめ細かく規律を掛けるものだと理解しておりまして、私は極めて妥当な見直し案だと思っております。
 本日は、ファンド規制の再度の見直しを提案させていただきます。それは、出資者が同一の企業集団内の企業で完結する場合です。こうしたケースでは、金融商品取引法で投資家を保護する必要性は余りないように考えられるからでございます。現状の規制では、当然のことながら、現状の規制を強化する五月十四日公表の見直し案が実行されましても、グループ会社内だけでファンドを組成する場合、これを企業集団内完結型プロ向けファンドと呼ぶことにいたしますけれども、こうした場合であっても、適格機関投資家がいないと届出だけではファンドを組成することができません。また、グループ会社内だけで出資者が完結し、さらに営業者も同じグループ会社内の会社である場合には、そもそも不当な勧誘等を行うとは考えられません。つまり、投資家保護の要請は低いと私は考えます。それにもかかわらず、現状ルールでは登録又は届出義務が必要となっております。金融商品取引法の登録をしようとしますと手間が掛かり、また登録後も開示等で負担が重くなっております。
 市場の規律を守ることは極めて重要であります。投資家保護のため、弊害が起きる場合には、その予防のために必要な範囲内で入口規制、行為規制するのは当然。しかし、弊害が起きにくい状態に対してまで一律の規制が掛かってしまい、お金が流れなくなったり、流れにくくするのは日本経済の足を引っ張ることになります。これでは、現政権が標榜する世界で一番ビジネスがしやすい国は実現できないように思います。
 そこで、僣越ながら提案をさせていただきます。
 グループ会社内だけでファンドを組成する企業集団内完結型プロ向けファンドの場合においては、金融商品取引業から除外するのが妥当だと考えます。又は事業者のより負担の少ない規律とするべきだと考えております。金融処分庁ではなく金融育成庁を目指す、麻生大臣のこのお考えに私は全面的に賛同し、大臣に敬意を抱いております。企業集団内完結型プロ向けファンドを金融商品取引業に該当する行為から除外する行為を規定する内閣府令の見直し案をお届けしてありますので、是非御検討を賜れればと存じます。現時点での大臣の御所見をお聞かせください。
#8
○国務大臣(麻生太郎君) 企業集団内完結型プロ向けファンドに関する御提案というか見直し案というのにつきましては、これはいただきましたばっかりなのでちょっと勉強させていただきますが、一定の場合には届出を不要にするということが書いてあるんだというように、アバウトで言うとそういうことだと思っているんですが、プロ向けファンドの届出制は、これは市場の公正性と透明性というところから、私どもとしては、その実態について金融庁としてある程度把握していくことを目的としておりますので、そこが一番の留意せにゃいかぬところなんですが、プロ向けファンドの業者に求められております届出というのは、いわゆる許可制とは違いますから、届出なんであって、ファンドの業務の遂行上、特段の支障になるというようなものだとは、これ届け出ていただければよろしいんであって、なるものではないと考えております。
 いずれにしろ、ファンドに関する規制の在り方というのは、ファンドを通じてリスクマネーの供給ということをまず第一義、先ほど育成庁という話を申し上げましたけど、そういうのが大事なところなんですが、同時に、これは先ほど桑原の方から申し上げましたように、先月でしたか、あれは四月の十八日に証券監視委員会、消費者委員会から四月の二十二日に、いずれもこの業務についての提言ということをいただいておりまして、いわゆる適切な投資者保護の、是非確保を図れという点を両委員会から指摘されておりますのを受けております点も御留意いただければと存じます。
#9
○三宅伸吾君 大臣の御懸念は十分私も理解しております。
 ただ、私が申し上げているのは、投資家保護の必要性が余りない本当のプロの企業が潜在的な投資家であって、なおかつその投資家が兄弟会社、親子会社、同一の企業集団に属する場合については、その属性に着目をして一段の規制緩和を考えてはいかがでしょうかということを申し上げております。
 届出なら余り大したこと、手間暇掛からないという意見もあるかもしれませんけれども、企業から見ますと届出をするという事務作業のコストが発生をいたします。どうしても届出義務は外せないということでございましたら、企業集団内完結型の本当のプロ向けファンド、もうこれ個人はいないわけでございますので、本当のプロ向けファンドの場合においては適格機関投資家が不要とするような考え方もあってもよろしいのではないかと思います。
 いずれにしましても、数日前に内閣府令の改正案をお持ちしたばかりでございますので、是非じっくり御検討をいただいて、日本の金融がうまく回るように大臣の御英断を切にお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#10
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏でございます。
 アベノミクス、いよいよ第三の矢である民間投資を喚起する成長戦略が大事になってまいりましたが、金融分野では、第三の矢について、昨年十一月、金融・資本市場活性化有識者会合が、豊富な家計資金や公的年金などが成長マネーに向かう循環を確立するなどに取り組むべきとまとめました。そして、今回の金融商品取引法などの改正もこの文脈にあって、この提言の具体化を図るものであると。そして、特に家庭に眠っている家計資産を成長が期待できる分野に向かわせるように積極的に取り組むことが大事だと思っています。この観点で、今日は二つ議論をしたいと考えております。
 まず、一つ目でございます。
 投資を活発にするには、投資家が持つ投資にまつわる不安を取ること、軽減することがとても重要だと思いますけれども、家計は素人ですから不安の解消なくして投資はなかなかできないと思います。
 ただ、実際、投資をしようと思っても、例えば企業の収支計画などを見ても対前年度比何%増だとか、そのために何々の事業を黒字化しますとか書いてあるんですけれども、それ本当かなと、なかなかこういう感じがしてその不安というのは消えにくいものじゃないかなと思っていますが、確かにこの数字だとか見ても、この計画が本当にいろんな不確定な要因の、変動幅だとかそういったものを十分議論をしているんだとか、この根拠となるデータはどういうものか、それは本当に変動がないのかとか、そういったものの問いが明確になっていないからだと思います。
 この不明瞭さが、投資家からしたら何か計画の説明を受けたときに煙に巻かれるというか、そういった感覚があってなかなか投資に行かない、こういった場面も多いんじゃないかと思っていますので、投資への不安をなくそうということがとても大事だと思いますが、幾つかの取組が進んでいると思います。
 まず、コーポレートガバナンス、確かに企業が統治がうまくいっていないというのが分かれば、たとえ計画がうまくいっているように見えても投資家はさすがにその企業には投資する意欲はなくなると思いますので、こういう観点でもとても重要だと思いますし、今議論になっているのが日本版のスチュワードシップ・コード、これもとても大事だと思いますが、投資する側が、簡単に言ったら外部から経営をバックアップしていくという、こういった仕組みでもあると思うんですが、これも確かに投資家の投資意欲を増す仕組みだと思います。
 ただ、なかなか、私もどちらかというと素人に近いかもしれません、すっきりとこないんですね。何か分かるような気はするんだけれども、もっと経営者の本音とか哲学とか、そういったものがなかなか見えない感じがしてならないわけであって、経営者も、外部から言うといっても、本音言うと、成長投資しろというのは大体分かっているんだけれども、どうしたらいいか分からないと、そこをやっぱりもっとはっきりさせてほしい。つまり、経営者自身の不安がある意味投資家の不安を投影しているんじゃないかというような気持ちもあります。
 アベノミクスが始まったときの安倍総理もそうでしたけれども、やっぱりああいう確信的に物を言っていただくとすごく安心して投資する気持ちになるんですね。やっぱり経営者がそういった気持ちをしっかりと持てるように、そして投資家がこの企業に投資したいと思えるようにするために、もっともっと努力しなければならないと思いますが、そういった視点で、今言ったコーポレートガバナンスですとかスチュワードシップ・コードなどというのは投資を促進するという意味でどういった効果があるのか、是非御教示いただきたいと思います。
#11
○国務大臣(麻生太郎君) 企業に対して投資が行われる際に何を検討して、この会社よりこっちというようなことをいった場合には、それは業務とか財務の健全性というのもありますし、その企業とか産業の将来の発展性というようなものも確かに重要であることは、もうこれは石田先生おっしゃるとおりなんだと思っております。
 コーポレートガバナンスとか今言われましたスチュワードシップというのは、これは重要な要素だというのは、企業が投資をしてもらって、その投資を何に充てるかというときに、そのまま税金下げてもらって内部留保でも増やされたらそれは何の意味もありませんから、国民の税金がそのまま企業の内部留保に変わるだけのことですから、そういった意味では、コーポレートガバナンスというようなものが働きますと、ちょっと待ってくれという、物言う株主とかいろんな表現ありますけれども、そういったようなものに変わっていく。傍ら、海外なんか見てみますと、そういったもののガバナンスというか、見える化とかいろんな表現ありますけれども、そういったものをやっておるガバナンスの優れた企業という方が株主の評価が高くて、早い話が投資も増える、したがって株も上がる。いろんな話で収益性の観点からも好循環が期待されているんだと思っております。
 したがって、企業は別にそれをやるためには自分の方から、言われなくてもコーポレートガバナンスを上げた方が自分の企業の利益になりますから、と考えるところは、どんどん見えやすくします、透明化させますということにもなるんでしょうし、また、機関投資家の方は経営者との対話を通じて企業の中期的な成長を促すという意味でのスチュワードシップ・コードというのを適切に発揮するということは、これは何というか、先ほど言われた、投資というのは大体勧めてくるやつも怪しげなやつだし、何となくだまされるんじゃないかなというのは、これは必ずみんな付いて回る話なので、そういった意味では、投資にまつわる不安というものを払拭する、そういったものに関しては私は効果があるんだと思っておりますが。
 こういうのは、ただ、注意しておかないといけませんのは、先ほど石田先生おっしゃったように、これ、形ばかり注目したり評価しているというのはこれはなかなかうまくいかぬので、うちはスチュワードシップがとか言うけれども、現実問題というものを見ますとなかなかそうじゃないところもありますので、その意味において、実質的に考えていかないとこれはなかなかうまく効果が現しにくいものじゃないかなとは思っております。
#12
○石田昌宏君 ありがとうございます。
 やっぱり実質的に考えていかなければならないというのはまさにそのとおりで、それがある意味経営者の姿勢だとかそういったものに現れてくるんじゃないかなと、こう思っているわけですが。
 先日、日経新聞に大阪ガスさんの話がありまして、それちょっと面白かったんですね。冒頭、「大阪ガスの株価がさえない。」と始まっているので批判的な記事かなと思ってよく読んでみたら、どちらかというと前向きなんです。むしろ、大阪ガスはこれからガスだけでは厳しいから新規事業をしていくという形なんですけれども、読んでいると、新規事業を立ち上げようとするときに経営者は結構成功を確信を持っている感じが伝わってくるような記事で、ああ、これはいいかななんて思ってしまうわけなんです。
 どうしてそういう感覚を得るのかなと思っていろいろとやってみたんですけれども、やっぱり経営者が確信を持って、何か未来を語る内容を持っている感じがしたんです。そんなときはやっぱりやりたいな、投資したいなと思うわけですが。これは単に、いけるんちゃうかという思いでやっているだけじゃなくて、新しい計画の不確定な要因の変動幅は多分このぐらいあるだろうとか、根拠になるデータというのもいろんな変動幅があって、そういったものを感度分析だとか、言ってみたらシミュレーションですね、量的な分析をしっかりしているんです。しかも、している部門が、現場の部門とか経営部門じゃなくて、現場からも経営からもある意味中立、独立性を保った部門というのをつくって、経営者からも物を言う、現場にも物を言う、そういった部門でかなり客観的にやっているわけです。
 そういった客観的な定量的なシミュレーションがあるので、これを基にして経営者はこの事業は何%ぐらいの確率でいくな、ただしこれの条件が変わったらば確率はどう下がるな、ということを理解した上で新規事業の決断をしているという感じがしたんですね。つまり、未来をかなり論理的に考えているようなものでした。
 形や規則というのもとても大事かもしれないんだけれども、ある意味、経営者が未来への確信というのをちゃんと周りにも表現できるような姿がとても大事だと思うんですが、そのために、一つの方法かななんて思ったわけです。
 これ、なかなか法律にするというのは簡単じゃないんですけれども、今回のクラウドファンディングなど見ていても、どちらかというと成り済ましの防止とか不正の防止という観点が非常にあるんですけれども、もう一個進めて、やっぱり不安を解消して投資したいという、こういった思いで制度を考えていくことはとても重要かなと思うわけですが、是非その関係で大臣なりの御所見があれば有り難いと思います。
#13
○国務大臣(麻生太郎君) まず最初に、これは大阪ガスの話知らないわけじゃありませんが、これは個別の企業の話なんで、ここで担当しております大臣の方から、この大阪ガスはですね、なんて言うとちょっと話が込み入りますんで、大阪ガスだけ株が上がっても下がっても困りますんで、そこの話はちょっと差し控えさせていただくとして、自社への投資、すなわち事業に対してのいろんな出資を募るときに、将来を考えてこの事業というときに、その事業について分析して結果を外に出しておるという話なんですが、その話を出したとき、問題は、それをやっているのは経営者よりは、現場から上がってきた話と、それから横の話と、全部縦軸、横軸、いろいろやって、いわゆる現場の話と経営者の机の上の話と両方足して、きちっとしたものにして、絵を描いて、将来の配当利益やら何やら全部含んだところで描いて、しかも経営会議とか何か、どんな会議か知らないけれども、そういうようなものでやってありますと。
 石田さん、これ大事なことでね、これだけ聞くと格好だけはよくできているんですよ。問題は、それが本当にできるかどうかは、これ別問題。ここが一番難しいところなんだと私はそう思いますんで。投資の是非を決定する経営会議に提出することになっておりますと、それはそれなりでいいんだと思うんですが、とにかく一般論として申し上げれば、こういったしっかりした判断で自分の会社のビジョンというものをきっちり社外に出していくというところが大切なんで、投資家に対してそういった姿勢が説得力を持ち得るという意味においては、私は一つの方法としては決して間違っていないと存じます。
#14
○石田昌宏君 ありがとうございます。
 私も、確かにこれ正しいかどうか、いろんなパターンがあるかもしれませんが、正しくないことも含めて言えるというこの姿勢がとても重要かなと思います。それがやっぱり不安を取っていくことの要素になると思います。
 二つ目の話なんですけれども、もう一つは金融リテラシーの教育についてなんですが、イギリスの方では、ブレア政権時代に金融サービス機構の設立を出発点にして金融リテラシーの教育が活発に進められていますが、かなり実践的なプログラムまであって、すごいなと思ったわけです。
 例えば、四千校の中学校の生徒にパーソナルファイナンスを学ぶ機会を提供するとか、新たに親になる人に助産師さんを通じて親のためのお金ガイドというツールを届けていくですとか、低所得者に対してまた意図的に金融教育を施すですとか、犯罪者に対しての金融能力を付けるプログラムを組むだとか、例えば精神科の疾患持っている方とか自閉症の方に金融教育やるだとか、いろいろとかなりきめ細かい仕組みがあるわけですけれども、日本にこういったやっぱり金融政策、金融リテラシーはとても重要だと思います。それが投資家の不安をなくすものだと思いますけれども、こういった意味で、どういったような明確な戦略若しくは事業をやっているのか教えていただきたいと思います。
#15
○大臣政務官(福岡資麿君) 委員御指摘のとおり、金融リテラシー教育、大変重要な観点であるというふうに考えております。
 イギリスにおいても、サッチャー政権下で私的年金の運用等で詐欺的事案が発生したことを受けまして、今御指摘がありましたように、ブレア政権が発足いたしましてから金融教育活動に関する基本方針というものを定められまして、関係者の連携を図りつつ、金融教育が今日まで進められてきているというふうに承知をしております。
 日本におきましても、現在、有識者、関係団体等、幅広い関係者から成る金融経済教育推進会議というものを設置させていただいておりまして、金融経済教育の推進に取り組ませていただいているところでございます。
 特に、その中で、初等中等教育のみならず、大学、社会人、高齢者段階まで視野に入れさせていただきまして、そのライフステージごとに最低限身に付けるべき金融リテラシーを金融リテラシーマップというような形で体系的かつ具体的に整理する作業を今進めさせていただいておりまして、これは六月の推進会議で取りまとめられる予定となっておるところでございます。
 今後も、このマップを共通プラットフォームとする業界横断的な連携を強化しつつ、ライフステージに応じた金融リテラシーの底上げを図っていきたいと考えております。
#16
○石田昌宏君 ありがとうございます。とても重要な観点だと思います。
 例えば、今学校とかでも教えていることは教えているんですけれども、ある新聞記事だと、教員の六〇%近くが時間が足りないだとか思っていて、要は、何というのか、余り詳しくない、よく分からない先生が分からない人に対して一生懸命教えようと思っても分かるわけなくて、やっぱりそこをしっかりと組んでもらったら有り難いと思います。
 私は、やっぱりお金の問題はとても重要だと思うんですけれども、以前、精神科の病院で看護師をやっていたんですが、このときに患者さんの状態が悪く、ちょっと今日おかしいなと感じるときに必ず確認することが二つあって、一つが、夜眠れているかということはとても大事なんですね。もう一つが、実は財布の中身どうなっているかと。結構あって、これいつも確認していたんです。やっぱりお金がないというのは、ある意味人生の未来に非常に不安を感じるんだと思うんですが、精神状態を非常に悪くするのは本当に感じています。状態が、例えばハイな状況になってしまってお金を使うとか、計画性がなくてお金を使った後に財布空っぽなんですね。そのときに大体状態が悪くなっていくわけです。
 ですから、そういったことがないように、お金を上手にコントロールすることというのはとても人生の不安をなくすという意味でも重要だと思いますので、こういった金融リテラシーの教育というのは、ある意味お金を、投資を促進するだけじゃなくて、生活を安定させるという意味でもとても重要で、金融の大きな役割があるというふうに思っています。是非進めていただきたいと思います。
 時間ですので、これで質問は終わりたいと思いますけれども、今後またこの話は詰めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#17
○尾立源幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の尾立でございます。
 まず、今回の金商法の改正案、そして保険業法の改正案については、基本的には賛成でございます。ただし、中身において注意しなければならない、今後気を付けなければいけない点があるということで質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今回の法改正で投資型クラウドファンディング制度がより使いやすくなります。一方で、ネットのみを介して行うという点では、詐欺などの舞台に使われる可能性が懸念をされるということです。そこで、このような事態を防ぐために、業者に対するしっかりとした監督が必要ですが、どのように監督する予定でしょうか。
#18
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の金商法の改正におきましては、クラウドファンディングのいわゆる業者に対して、業務を的確に遂行するための業務管理体制というものを整備を義務付けるということにいたしております。
 金融庁としては、登録申請を受けたときに、こうした体制整備の状況というものを登録された申請者の中からヒアリングを通じて厳格に確認をさせていただいて、体制が整備をされていないというものにつきましては登録を拒否することになろうということも考えております。
 新制度の施行後、これは新規業者が具体的にどの程度参入するかとか、いろいろ今後考えなきゃいかぬところはいっぱいあるんだとは思いますけれども、いずれにいたしましても、これはきちっとした対応をしていかないと、いわゆる、過日、消費者庁やらいろいろ御注文をいただいておりますので、投資者を保護するという点をきちっとできるようにしていかねばならぬというのは、基本的にそう思っております。
#19
○尾立源幸君 私、この取組は一つの試行錯誤の一環として方向性としてはいいと思っているんですけれども、非常にリスクも含まれていると私は個人的に思っております。
 というのは、まず登録をした業者に対しての監督等々は今おっしゃったとおりなんですけれども、インターネットの世界ですね、無登録業者、違法な業者、さらには国内の業者ではなく海外の無登録業者が一気にこの制度を使って違法な資金集めをするのではないかと、私はそんな懸念も持っておりますので、ネットの世界は、登録されているかどうか、違法かどうかというのはなかなか見分けるのは難しいので、その辺りは投資家から見て非常に分かりやすいようにまず設計していただきたいと思いますし、そういう違法な者がいたら即ネットの世界で処分が、措置ができるような仕組みをつくってもらいたいと思っております。
 また、弁護士会からも幾つか懸念事項で指摘をされております。今言った違法な業者の取締りの問題、そしてさらには発行、お金を集めたいと思っている会社に対するデューデリジェンス、財務状況の調査等々をしっかりやらないと、いいかげんな会社の資金集めに加担をしてしまうということにもなりかねませんので、そういうところにもしっかり目を配っていただきたい。
 さらに、そういった情報をしっかりこれまたインターネットで適時に開示をしていただきたいと、そういうことをお願いしたいと思いますし、さらに、投資して終わりじゃなくて、その企業が当然成長していかなければならないし、それをみんな望んでいるわけですから、資金受入れ後の経営状況についてもインターネットでしっかり投資者に、投資家に情報が行き渡るような、そういうことも是非考えていただきたいと思いますが、麻生大臣、いかがでしょうか。
#20
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的に、尾立先生、金をこれは貸しているんじゃなくて、投資するわけですから、金を投資した以上はその会社が黒字にならない金は返ってきません。貸してある間は、別に借金の回収ですから、金利が入ってくればそこそこというのであって、会社は赤字でも別にきちっと金は返ってきますけれども、投資となると、これは会社がきちっと経営してそれで入ってくるということになりますので、そこのところはきちんとして、大事にしていかなきゃいかぬなと思っておりますので、十分な情報というものを得るというのは、これは極めて重要であろうと思っております。
 今回のあれにおきましても、ウエブサイト等々を通じまして投資者に対して情報提供を義務付けるということといたしておりますので、今後、関係法令等々、求められておられるものはいろいろあろうかと思いますけれども、しっかり対応してまいりたいと考えております。
#21
○尾立源幸君 金融庁の担当の方ともこの点をいろいろ私も事前にディスカッションさせていただきましたけれども、これがまた詐欺の舞台に是非使われないように、そういう細心の注意を持ってやっていただかないと、我々も法律を認めた責任がありますので、おまえらがこんなの作ったからだと言われかねませんので、しっかりそこはやっていただきたいと思います。
 このように、金融商品というのは資産の運用に関して、もうなくてはならないし、うまく使えばすばらしいものだと思いますが、一方でリスクもあります。毒にもなるということですので、そういった観点から、三年前ですか、もう、AIJという大きな大きな詐欺事件がありました。あのことに絡んで様々な国会でも議論があり、そして政府の対応もあって、今企業年金については改革の方向に進んでいっておるんですが、その点についてちょっと厚労省と議論をさせていただきたいと思います。
 まず、厚生年金基金の改革の進捗状況についてお聞きしたいと思います。
 今、基金の総数は五百三十四と聞いておりますが、そのうち百二十四基金が代行割れしている。資料の一を見ていただきたいんですが、代行割れというのは、積立金が代行部分より不足している部分のことを指します。そして、その基金のうち、解散の方向を決めた基金は百九十五基金あり、そのうち代行割れしている基金は七十六基金でございます。したがって、まだ方向性を決めていない基金が三百以上あります。これは今年四月一日から施行されておりますので、五年掛けて多くの基金がこれからどうすべきかということを検討していくとは思うんですけれども、問題になるのがこの代行割れの部分です。
 この代行割れの部分は、基金が責任を持ってしっかり国に返していただかなきゃいけないことになっているわけなんですけれども、負担が重いということで、今回、特例で最長三十年掛けて基金が分割納付するということが認められております。しかしながら、三十年ですからなかなか先は見通せないというのも一方にはございます。そういう意味で、結果として、この三十年分割して納付されない部分があった場合にどうなるのか、納付されない部分が出てくるんではないかという懸念もありますが、その点についてお答えください。
#22
○政府参考人(藤井康弘君) お答え申し上げます。
 厚生年金基金のいわゆる代行割れ問題を放置いたしますことは、厚生年金被保険者のリスクを高めてまいるというようなことになるものですから、昨年国会の方で御審議をいただきまして成立をいたしました改正厚生年金保険法におきまして、基金及び母体企業の自己責任を原則としつつ、母体企業の経営への影響も配慮するために、基金とその事業主の一定の運営上の努力を前提といたしまして、厚生年金本体の事業主、被保険者とリスクを分かち合うという、そういった観点から、先生御指摘のように最長三十年まで納付期間を延長をしたものでございます。
 こうした基金側の運営上の努力を前提としつつ、最終的に基金又はその事業主から納付されない額につきましては、厚生年金保険全体の負担となるということが改正厚生年金保険法の考え方になってございます。
#23
○尾立源幸君 ということは、納められなかった分、年金の方からいうと取りっぱぐれた分については国民全体で負担を分かち合うと、こういうことになろうかと思いますが、そこで、国民全体という意味では、基礎年金には二分の一税金が入っていますし、保険料も納めていただいている、そういう方々の負担になるわけなんですけれども、だからこそ、この基金の運営に関して透明性が私は必要だと思うんですよね。なぜあなたたちの失敗したものを我々国民が負担し合わなきゃいけないのかという、こういう疑問が出てきますので、しっかりした透明性を持った運営をしてもらわないと、こっちとしては納得いかないわけですよね。
 そういう意味でお聞きしたいと思います。この基金に天下りをしている元社保庁、OBと言った方がいいでしょうか、厚生省OB、この人たちがどのぐらい今いるのかということを改めてお聞きしたいと思いますし、また、私自身は、役員に限らず、職員、参与、顧問といった形でそういう方々が関与して報酬などをもらっていれば、こういうこともしっかり私は情報開示すべきだと思います。保険料や、また税金がそういう方たちのために使われるということ。もちろん、それぞれにお仕事をされているんだと思います。だからこそ、しっかりと情報開示をして、その報酬に見合った仕事をちゃんとしていただいているなと、それはみんなが監視し合って、評価し合って、納得すれば私はいいと思うんですよ。そういう意味で、情報公開というのは私は大事だと思っております。
 まず、その今の現状と今後の、役員ではないけれども報酬を何らかの形でもらっている方についての情報開示もすべきということについて、御意見をいただきたいと思います。
#24
○大臣政務官(高鳥修一君) 尾立委員にお答えをいたします。
 厚生年金基金の役員として再就職をしている国家公務員退職者の数でございますが、平成二十一年五月時点で四百六十六人、平成二十四年三月時点で四百五人、平成二十五年三月時点で三百九十人でございます。また、今ほど御質問がございました基金の職員として再就職をしている数でございますが、平成二十一年五月時点で百八十人、平成二十四年三月時点で三百十六人と承知をいたしております。
 また、基金の役員選任に当たりましては、透明性を確保することが重要であることから、改選等を迎えた際には公募を行うように指導いたしておりまして、平成二十四年度の実績につきまして昨年八月に公表いたしたところでございます。なお、直近の平成二十五年度分の再就職の状況につきましては調査を行いまして、公募の実施状況と併せまして本年夏を目途に公表してまいりたいと考えております。
#25
○尾立源幸君 まだまだ相当な数の方が働いていらっしゃる。働くことはもちろん、先ほども言いましたように、悪いわけじゃないんですよ。しっかり報酬と仕事の中身のバランスが取れているのかということが、みんなで評価できるようにすればいいと思っています。
 今お話しになった中に、顧問なんというのは実数として入っていますか。先ほどは役員と職員とおっしゃいましたが、顧問というのはこの中に入っていますでしょうか。
#26
○政府参考人(藤井康弘君) 大変恐縮でございますが、そういった顧問ですとか、そういうタイトルに応じたような調査にはなってございませんので、今回改めて調査をする分につきましてはその辺りもきっちりと調査をしてまいりたいと考えております。
#27
○尾立源幸君 これはちょっと私が聞いた話ですけれども、AIJの問題で責任を取った理事長が、顧問に横滑りというか、何というのかな、ポジションを変えて、しかしながら引き続き相当の報酬をもらいながらそこに居座っているというような事例も聞いておりますので、しっかり調査をしていただきたいと。(発言する者あり)伊達先生にもいろいろ御指摘いただいておりますように、しっかり調査するようにしてください。
 それともう一点、これは残念な話ですけれども、過去五年間、この基金の中に逮捕された人たちがいます。事前にお聞きしますと五年間で七名、これ常務理事だとか理事長を含めて事務長とか、いろいろポジションはいるんですけれども、七名も逮捕されております。これは贈収賄ですよね。
 その中で、まさか公務員OBはいないと思うんですけれども、いかがですか、七名のうち公務員OBはいるんでしょうか。
#28
○政府参考人(藤井康弘君) 先生がおっしゃる事案の中で、逮捕された中で公務員OBが私ども把握しておる限りでは三名おります。
#29
○尾立源幸君 皆さんお聞きになっていただいたように、七名逮捕されたうち三名が役所のOBだと。これは、やっぱりこういうことはしっかり国民の皆さんに見ていただかないと私はいけないと思っております。そういう意味で、先ほどの情報公開、やっていただきたいと思います。
 それで、論点を次にちょっと移らせていただきたいと思います。
 もう一点、二枚目の資料をおめくりいただきたいんですけれども、代行割れをした特に基金が、基金を解散をいたしますと、代行の部分は返上いたします。ただ、基金加入者の中には、今、年金加入期間が二十五年に満たない方も、まだそれぞれの制度の中で給付を受けていらっしゃる人がいます。企業年金をもらっているということですよね。
 しかし、このお知らせですか、「厚生年金基金の解散認可と今後の年金支払について(ご案内)」というこの資料によりますと、私、青い線で囲って下線を引いておりますけれども、「国へ引継がれる老齢厚生年金は、原則として公的年金の加入期間の合計が二十五年以上ないと支給されません。」と書いてありますので、今、二十五年未満でもらっている方々も、基金が解散した場合は、この考え方になるということで、もらえなくなる可能性が、可能性というか、もらえなくなるわけですよね。まず、そのもらえなくなるということの確認と、人数が、そのもらえなくなる方がどのぐらいいるのか教えていただきたいと思います。
#30
○委員長(塚田一郎君) どなたが答弁されますか。高鳥政務官。
#31
○大臣政務官(高鳥修一君) お答えをいたします。
 厚生年金基金の受給者数ということで申し上げますが、平成二十四年度末時点で二百九十九万人となっております。また、厚生年金基金は、基金の受給者につきまして基金の加入期間しか管理しておりませんので、他制度の加入期間を把握していないということから、厚生年金基金の受給者数のうち公的年金制度の被保険者期間が二十五年未満の者の数については把握をいたしておりませんが、年金解散に伴い無年金となるケースは、制度的な対応を踏まえますと極めて例外的と認識をいたしております。
 具体的には、代行割れしてる基金が解散した場合であっても、無年金者への対応といたしまして、平成二十四年十月の年金確保支援法施行に伴う国民年金保険料の納付可能期間を十年へ延長することによりまして、追納すれば受給資格期間を満たし得ること、平成二十七年十月の消費税引上げと合わせまして年金機能強化法施行に伴う受給資格期間の十年への短縮によりまして、公的年金を受給していない高齢者につきましても、受給資格期間を十年以上有する場合には公的年金を受給することができるなどの措置を講じているところでございます。
 あわせまして、今回の法改正では、受給権の保護の観点から、代行割れしてる基金につきましても、国に代行割れ額を返還しつつ企業年金を再建できるよう、様々な支援措置を講じているところでございます。
 厚生労働省といたしましても、企業年金の再建を希望する事業主等に対し積極的に支援を行っていきたいと考えております。
#32
○尾立源幸君 まあ影響はないんだよというようなことをおっしゃりたいと思うんですけれども、今おっしゃったように、二百九十九万人がこの企業年金に加入しているわけですよね。
 私がお尋ねしたように、いわゆる今の法律で言う二十五年未満の受給権のない人が何人いるかということについては分からないということなんですか。
#33
○政府参考人(藤井康弘君) 先ほど政務官が答弁をしたとおりでございますけれども、それぞれの基金は当該基金の受給者についてその加入期間を把握しておるだけでございまして、二十五年満たすかどうかというのは、他制度も含めまして、厚生年金単独、国民年金単独、あるいは他の基金も含めまして全体の加入期間を把握する必要があるものでございますので、私どもといたしましても現在把握をしてございません。
#34
○尾立源幸君 いや、問題だと思うんですよね。この四月一日からこの特例解散をやると言って、こうやってわざわざもらえなくなる人が出ますよということをあなたたちも言っているわけじゃないですか。そのベースとなるもらえなくなる人が今の時点で分かっていないということですし、にもかかわらず、いや、影響は軽微だよというふうに政務官は言っているんですよ。どう軽微なんですか。証明できないでしょう。政務官、どうですか。調べてください、しっかり。調べれば分かるでしょう。
#35
○大臣政務官(高鳥修一君) お答えをいたします。
 御指摘の事項の把握というのは、各厚生年金基金では完結をしてないので、把握の方法が大きな課題でございます。
 あわせまして、解散を控えた基金の事務面や費用面の負担につきまして配慮が必要と考えられることから、慎重な検討が必要であると認識いたしております。
#36
○尾立源幸君 いや、政務官、もしあなたの有権者の中にこういうことを聞かれる人がいたらどうするんですか。分かりませんと言うんですか。調べてくださいよ。審議官の方がいいのかな、どうぞ。
#37
○政府参考人(藤井康弘君) 先生、先ほど政務官がお答えいたしましたように、かなり制度としての対応をこれまで行ってきております。
 実際、若干繰り返しになりますけれども、二十四年の十月に施行されました年金確保支援法によりまして、国民年金の十年の後納と申しますか追納の仕組みも設けておりますし、また二十七年十月からは受給資格期間を十年へ短縮するような、そういう仕組みにもなってございます。
 その一方で、これも政務官申し上げたとおりでございますが、その御指摘の事項の把握につきましては、それぞれの厚生年金基金で完結できるようなデータではございませんので、なかなか把握の方法をどうするかという課題もございますし、実際それぞれの基金も、解散に向けて多くの基金がいろいろ事務面、費用面の負担をしておる状況でございますので、そちらにも配慮が必要ではないかと考えております。
#38
○尾立源幸君 じゃ、政務官と話をさせていただきます。
 この厚生年金基金で、自分のところの加入者で二十五年未満で今年金をもらっている方というのが、把握するのそんなに難しいと思いますか、それぞれの基金で。いかがですか。ほとんどこれはもう、今の時代ですから、コンピューターで管理されているわけですよね。台帳を一枚一枚めくるわけじゃない。そして、この人たちが救われない可能性もある。そうしたら、例えば、政治的にこれから考えなきゃいけないのは、激変緩和だとか経過措置とか、そういうことが必要になるかもしれない。お年寄りにとって一万、二万、三万、これも分からない、その中でどういう影響が出てくるのかということをしっかり把握すべきじゃないでしょうか。
#39
○大臣政務官(高鳥修一君) 御指摘の点は非常に重要だというふうに考えておりますけれども、繰り返して申し上げておりますように、それぞれの基金ではそれぞれのことは把握をしているわけでありますけれども、それをなかなか、どのようにして合算をしていくということがやはり非常に難しい問題があるのではないかなというふうに考えております。
#40
○尾立源幸君 あなたたちは基金から年金をもらっている人の数、二百九十九万人って分かっているんでしょう。それと同じじゃないんですか。何で合算するの難しいんですか。それぞれの基金で分かっていれば、ただ足すだけでしょう。五百何ぼでしたかね、三十四の基金を。
#41
○政府参考人(藤井康弘君) その加える、合算すると申しましても、それぞれの方のライフヒストリーをイメージをいたしますと、例えば厚生年金基金のある事業所に雇用されている期間もあれば、そうでない、単なる厚生年金基金のない厚生年金の事業所に雇用されている期間もございますし、また他の厚生年金基金のある事業所に雇用されている場合もございますし、更に申し上げれば、自営業者として国民年金の被保険者だった場合もあるわけでございまして、そういった全体の被保険者期間を合算する必要があるということでございまして、これなかなか、先生、難しいところでございます。
#42
○委員長(塚田一郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#43
○委員長(塚田一郎君) 速記を起こしてください。
 質問の趣旨と御回答がうまくかみ合わないようですので、もう一度答弁をお願いします。
#44
○政府参考人(藤井康弘君) 合算と申しますのが、その当該基金の加入期間につきましてはもちろん当該基金が把握しておりますのですが、それだけではございませんで、他の厚生年金基金に加入している期間ですとか、あるいは厚生年金基金のない厚生年金の事業所に加入している期間ですとか、あるいは自営業者として国民年金の被保険者になっておる期間ですとか、そういった期間を全て合算しないと二十五年が満たされているかどうかというのが把握できないということでございまして、そういった合算をしていくということが、これなかなか実務的に難しいところがございます。
#45
○尾立源幸君 改めて、国の法律、都合でこういう特例解散を認めて、基金がこれを選択するわけですよね。今までもらえていた人が突然もらえなくなる可能性があるわけですよ。その影響額や人数が分からないということに対して、我々は責任を持たなくていいんですかということなので、しっかり把握をしていただきたいと思いますし、しなきゃいけないと思う。そのことを答えてください。
#46
○委員長(塚田一郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(塚田一郎君) 速記を起こしてください。
#48
○大臣政務官(高鳥修一君) 御指摘の点を踏まえまして、省内へ持ち帰ってしっかり検討したいと思います。
#49
○尾立源幸君 やりますということですね。
#50
○大臣政務官(高鳥修一君) よく検討させていただくということでございます。
#51
○尾立源幸君 やってもらわないと、またここに来ていただいてこのやり取りをすることになると思います。しっかりやってください。厚労省の責任ですよ、これ。だって、代行部分を認めてきたあなたたちの元々の責任なんですから、しっかりそこは最後までけつを持ってください。お願いします。
 では次に、麻生大臣を中心に議論をさせていただきたいと思います。
 この年金基金とも非常に密接な関係がある投資一任業者の監督について質問をさせていただきたいと思います。
 AIJの事件を受けて、投資一任業者に対する一斉調査を行い、その後、二次調査等を行ったと思いますが、これらの調査の進捗及び現時点での状況はどうなったのか、概要を報告お願いいたします。
#52
○国務大臣(麻生太郎君) AIJ、これは何の略だかよく知りませんけれども、誰に聞いても御存じないので多分AIJという名前なんだと思いますが。
 AIJ事案というのを受けて、これは投資一任業者に対する一斉調査というのをやらせていただいております。まずは全ての投資一任業者を対象とした一次調査を行って、その内容を平成二十四年の四月に公表を既にいたしております。その後、様々な観点から絞り込んだ投資一任業者を対象とした第二次調査を実施しております。二十四年の九月にそれまでに把握した内容を公表したところであります。一斉調査では、現在もこれは継続中でありまして、これまでに一斉調査を受けて五社に対して既に行政処分を行っているという途中経過であります。
#53
○尾立源幸君 分かりました。今後も引き続きしっかり調査を継続していただきたいと思います。
 それでは、資料三枚目になりますが、二〇一三年七月に業務改善命令を金融庁が発出したプラザアセットマネジメント社の資産消失問題について少し説明をさせていただきたいと思います。
 これはどういう問題かというと、これまた国内の年金基金などがこのプラザを通じてアメリカのライフセトルメント、生命保険取引ファンドに投資をしておったんですけれども、その純資産価額がゼロになっている問題です。消えてなくなっちゃったということですね、簡単に言うと。投資先の海外ファンドに対して、詐欺的行為で被害を被ったとして、米国では民事訴訟が起こされたり、一部社長が逮捕されたりしているとも聞いております。
 また、このプラザアセット社というのは、ライフセトルメントファンド以外にも未公開株や弁護士報酬債権などを対象としたファンドを提供しており、これらをじゃんじゃん売っているわけなんですけれども、これらの時価評価も、純資産価額も危ないんじゃないかと、こんな疑問も出ておる事案でございます。
 このプラザアセットに金融庁は調査に入り、業務改善命令を七月に出したわけですけれども、この左の下の方に書いてありますね、一三年七月と。この概要について教えていただきたいと思います。
#54
○大臣政務官(福岡資麿君) プラザアセットマネジメント社に対しまして、証券取引等監視委員会の検査におきまして法令違反が認められましたことから、同委員会の勧告、二十五年六月二十五日を受けまして、二十五年七月二日に金融庁としても業務改善命令を行っておるところでございます。
 同社に対しましての業務改善命令におきましては、責任ある法令等遵守体制及び内部管理体制の構築、これらを着実に実現するための業務運営方法の見直し、再発防止策の策定、責任の所在の明確化、本件の顧客説明、顧客への対応など投資者保護のために適切な措置を講じること等を明示させていただいております。
#55
○尾立源幸君 それでは、この図を基にちょっと議論をしたいんですけれども、金融庁としては、このプラザ社のライフセトルメントへの投資は幾らあったと把握しているのか。これは、私の資料によりますと、@のライフトレード社とAのトラネン・キャピタル社、それぞれで時点が書いてありますが、一二年一月末で二百二億、一三年一月末で七十九億というふうに私は承知しておるんですけれども、金融庁は時点と金額をどのように把握しているのか御説明ください。
#56
○大臣政務官(福岡資麿君) プラザアセットマネジメントによれば、同社が設定した国内投資信託のうち、ライフトレード社が運用するファンドへ投資を行っているものの純資産総額は、二十五年三月末時点で二百八億円であったというふうに聞いております。しかし、その後のプラザアセットマネジメントは、二十五年八月に当該ファンドの評価を下げ、以降は基準価額をゼロ円として投資家に通知していると聞いております。
#57
○尾立源幸君 ライフトレード社経由の残高が平成二十五年三月で二百八億ですよね。トラネン・キャピタル経由の方はどうですか。あなた方は二つに対して業務改善命令を出しているんですよ。
#58
○政府参考人(細溝清史君) トラネンファンドに対しましても、二十五年三月末時点で八十一億、二十五年十二月時点ではゼロ円というふうに報告を受けております。
#59
○尾立源幸君 二十五年というのは二〇一三年ですよね。
 それで、一方、厚生年金基金のプラザアセット社の運用額というものをお聞きしたいと思います。投資額及び投資基金数は幾つでしょうか。また、その時点も教えてください。
#60
○政府参考人(藤井康弘君) お尋ねのプラザアセット社に対する投資でございますが、厚生年金基金から厚生労働省に提出されております資産運用業務報告書によりますと、平成二十四年度末時点でプラザアセット社に投資をしていた基金数は二十基金、評価額は約二百億円となってございます。
#61
○尾立源幸君 そうすると、金融庁は、二〇一三年七月というと平成二十五年七月ということですよね、この業務改善命令を出した時点では、先ほど、残高の把握を二百八億、二十五年三月、二〇一三年の三月でもう一つの方が八十一億というふうに把握していて、一三年七月の業務改善命令を出した時点でもこのような認識をしておったということなんですかね。
#62
○政府参考人(細溝清史君) 平成二十五年六月二十五日に証券監視委員会から勧告を受けておりますが、その中で法令違反の指摘がございます。
 同社は、外国ファンドの流動性が低下し、国内の投資信託においても解約受付の停止が行われる状態になっているにもかかわらず、同投資信託への投資を前提とした投資一任契約を締結、販売しているということで、投資家に対して重要な事実を説明していなかったということを認定しております。つまり、投資額自体がかなり毀損し出しているということを投資家に対して説明していないということをもって法令違反ということで処分をしたわけでございます。
#63
○尾立源幸君 そうすると、一三年の八月末にはファンドの残高ゼロと例えばこのライフトレード社経由のものはなっているんですけれども、七月に業務改善命令を出して、八月にゼロになっているということは、残高については別に確認をしたわけではないということなんでしょうか。ここ、投資をしている基金からすると、もっと早く言ってよと、早く調査に入って早く言ってくださいよという思いがあるわけですよ。この点についてはどうなんですか。業務改善命令を出した翌月にゼロになったということは、それまでゼロであることを知らなかったということでしょうか。ほぼ限りなくゼロに近いんでしょうけれども。
#64
○政府参考人(細溝清史君) 検査時点は二十五年の六月以前でございますので、その時点で確定した数字を把握しているわけではございませんが、検査を受けて業務改善命令を出しまして、その報告をいただいているその時点におきましてゼロ円になっておるということで報告を受けております。
#65
○尾立源幸君 ちょっとちぐはぐな感じなんですよね。七月に業務改善命令出しておきながら、翌月には残高がゼロと。はっきり言って、残高の確認はしていないんでしょう、検査で。どうなんですか。
#66
○政府参考人(細溝清史君) 投資ファンドの時価でございまして、その時価を確認するというのはなかなか難しゅうございます。私どもも、同社から時価をきちんと評価して報告せよということで報告してもらっております。そういった意味で、二十五年三月の報告時点では二百億でございましたが、二十五年の八月の時点ではゼロ円になったという報告を受けておるということでございます。
#67
○尾立源幸君 いや、これAIJのときもそうだったんですけれども、残高の偽装が行われていたわけですよね。今回も、偽装かどうかは分からないにしても、ほぼ残高がゼロになりつつある中で、検査をしてもそのことが確認できないという検査体制の在り方と、時期についてはどうなんですか。
 大臣、どう思われます。要は、検査しても、検査し切れないものを検査したと言って業務改善命令を出しているとしか私には思えないんです。それなら最初から残高確認はできないと。実際、このファンドはどこにあるんですか。まず局長から。
#68
○政府参考人(細溝清史君) このファンドは、外国にあるファンドに対して国内の投資信託を経由して投資をするというスキームでございます。
#69
○尾立源幸君 それはAIJのときも同じでしょう。だから、こういう確認のできないものを国内で、ノンプロと呼ばれるような厚生年金基金、ほとんどがそうだったと思いますが、こういう方たちに販売してもいいんでしょうか。厚生労働省、どうですか、こういうものは買っていいんですかね。
#70
○政府参考人(藤井康弘君) 基金の資産運用につきましては、先生御案内のように、かつては資産配分の基準を一律に法令で定めておった時期もございましたが、その後、金融規制緩和の流れですとか、あるいは経済界からの要望を受けまして、これは平成九年でございましたが、こうした規制は撤廃をされておりまして、基本的に保険者たる基金が自己責任の下で自主的に運用を行うことが原則となっております。
 これに伴いまして厚生労働省といたしましては、運用の具体的な内容につきましては、各基金の判断を尊重しつつも、資産運用の基本的な事項に関するガイドラインによりまして、特定の運用方法に集中しないといった分散投資の原則でございますとか、あるいは基金の理事等の役割などを示してきたところでございます。さらに、AIJ事件後の平成二十四年の九月にはガイドラインを改正をいたしまして、外部監査等の監査の状況を運用受託機関選定の際の評価基準とすることなどを新たに盛り込んだところでございます。
 ただ、やはり基金における資産運用は、これは保険者である基金の中核たる業務でございますので、基金の運営主体でございます労使等で十分に御議論をいただいて、基金にふさわしい運用を決めていただくのが本来の姿ではないかと考えてございます。
#71
○尾立源幸君 今の答弁を聞いていただく中で、麻生大臣、先ほどもちょっとお聞きした点なんですけれども、そもそもこの海外にあるファンドの残高というのはこれ確認しようがないんですよね、検査でも。
 皆さん方の検査も一生懸命やっていただいていると思いますけれども、まさかタックスヘイブンまで行って確認するだとか、それをまた預かっている銀行に残高証明を取るとか、そんなことできないんでしょう。できるんですか、やろうと思えば。多分できないんだと思います。今、能力、人員の面からしても、また法律的な面からしても。大臣、今までの議論をお聞きしてどうですかね。
#72
○政府参考人(細溝清史君) まず事実関係を申し上げますと、国外におきまして私どもは権力行使はできませんので、国外に対して出ていって直接検査をするということはできません。ただ、外国当局といろいろな協定を結んでおりまして、外国当局に協力を求めて当該国における口座確認でありますとか、そういったことを求めることは当然必要に応じて行っておるところでございます。
#73
○尾立源幸君 そういう事務方のお答えなんですけど、大臣、どう思われます、こういう商品が堂々と販売されていて、詐欺行為に使われているという実態。
#74
○国務大臣(麻生太郎君) 金融商品取引法の中において、これは多様な商品にアクセスができるといういわゆる投資家のニーズに対する充足とか、またいわゆる利便性の確保という点と、もう一点は適切な投資家の保護というもののバランスを図る観点から、特定投資家、いわゆるプロと称される人たちと、年金基金などを含みます一般投資家、アマというものとの区別を設けました上で、一般投資家、いわゆるアマの部分の保護を図る様々な規制がいろいろ設けられておりますのはもう御存じのとおりです。
 具体的には、適合性の原則、また金商業者は一般投資家に対して、いわゆる知識とか認識とか財産の状況とか契約とか、いろいろ目的に照らして不適当と認められる勧誘を行ってはならないということにされておりますのは御存じのとおりです。ただ、一定の顧客に対する取引を一律に禁止する、これ外国も含みまして禁止するということにつきましては、投資家のいわゆるニーズの充足や利便性というものの確保という点と、いわゆる先ほども申し上げました投資家の保護という点との間のバランスを図るという観点から、なかなか慎重なところでもあって、これをぼんぼん規制していきますと、金融庁はこれは全くこういうものを育成する気がないということになる。
 これは物すごくなかなか難しいところなんだと思いますが、特に外国からの部分がこういうふうに入ってまいりますと、これは外国に対して介入する、度々、これたくさんありますのでそういったものに介入していくというのは、これは双方でお互いにいろいろな意味で連絡を密にするなり、いろいろな表現はあるでしょうけど、当方の部分で向こうで逮捕された例もないわけじゃない、結構ありますけれども、そういったようなものを含めて、きちんと連絡を密にしながら今後ともやっていかなきゃいかぬと思いますけれども。
#75
○尾立源幸君 全て一律に規制するというのは難しいとは思います。だからこそ、私は、厚生労働省、しっかりプロ、ノンプロというのを区分をして、責任を持った運用ができるようにしていただかなきゃいけないと思っています。さっき言ったようにこんな逮捕者が出ているんですよ。こういう目先の利益を得んがために受給者を犠牲にするようなやからがいる。そんな中で、あなたたちしっかり監督していただきたいと思います。
 そこで、一つ参考になるのがERISA法です。これは、アメリカの年金受給者制度に加入している従業員の受給権を保護することを最大の目的とした法律ですけれども、五つから成っております。一つは、加入員や行政サイドに対する情報開示、二つ目が、制度への加入資格や受給権付与の最低基準、三番目が、年金資産の最低積立基準の設定、四が、制度の管理・運営者の受託者責任、五番目が、制度終了保険、こんなことが規定されておるんですけれども、一方、我が国でも、先ほどお話がありました日本版スチュワードシップ・コードができたわけですから、機関投資家というものは、投資先と顧客の両方の利益を視野に入れて責任ある行動が求められております。そういう意味で、年金基金さらには運用機関等、しっかりと加入者利益を守るための行動が私は必要なんじゃないかと思います。そのためにも日本版ERISA法が必要だと思いますが、厚生労働省、いかがですか。政務官。
#76
○大臣政務官(高鳥修一君) 委員御指摘のとおり、米国のERISA法は、退職給付制度全般につきまして関係者の責任や制度運営のルールを定めたものでございます。我が国の各企業年金制度に関する法令、通達におきましては、米国のERISA法と、主な内容とおおむね類似の規定は設けられているところでございます。
 一方、我が国では、同じような項目でありましても、制度ごとに規定するレベルが異なるという形式面での違いや受託者責任等の実効性といった課題はございます。今後、社会保障審議会企業年金部会におきまして、ERISA法も参考にしつつ議論を行ってまいりたいと考えております。
#77
○尾立源幸君 今度は前向きな答弁をしていただいたので、しっかりやっていただきたいと思います。
 最後に、自主規制機関の話もさせていただきたいと思います。今回もこの金商法の中にその趣旨が入っておりますけれども、これ最後のページ、資料見ていただきたいんですけど、様々な金融商品に関わる自主規制機関の一覧を付けさせていただいております。プラザアセットというのは投資顧問業協会というところに加入をしていたんですけれども、やはりこのような問題を起こしております。
 一方、冒頭に触れたクラウドファンディングについては、今回、二種金融商品取引業に該当することになると思いますが、この表の中で言えば三つ目ですね、第二種金融商品取引業協会の加入率を見ると、何と二・四%しかない。非常に低い。ほとんど誰も入っていないというような状況なんですけれども、これで自主規制機関と言えるのかということもありますので、私自身は、この自主規制機関の規制内容、あるいはその会員拡充に関して、当局としても、金融庁としてもしっかり対応していただきたいと思うんですが、その決意をお聞かせいただきたいと思います。
#78
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のように、第二種金融商品取引業に係ります自主規制につきましては、第二種金融商品取引業協会が認定をしておりますけれども、自主規制の規則の制定など、業界の健全な発展とか投資者の保護に取り組んでいると承知はしております。しかし、同協会について、その加入率は今御指摘のありましたように極めて低いということになっておりますので、こういう適切な自主規制機能の発揮のためには、これは協会の加入促進というものをしっかりやってもらわにゃいかぬということなんだと思っております。
 したがいまして、今回の金融商品取引改正法案で、同協会に加入していない金融業者には、協会規則並みの社内規則というものを整備し、その遵守体制の整備を義務付けるということにいたしておりまして、これによって協会への加入を促進するというようにしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、金融庁としては、この規定を的確に運用することによってこの協会への加入率が向上して、ひいては自主規制機能というものが適切に発揮されるように進めてまいりたいと思っておりまして、確かに御指摘のありましたように、協会加入者三十一社、二・四%は事実であります。
#79
○尾立源幸君 是非、しっかりとやっていただくことをお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
#80
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。早速、質問の方に入らせていただきたいと思います。
 私の方からは、保険業法等の一部を改正する法律案に関連いたしまして、保険募集に係る再委託の禁止ということについて、やや実務的なことも含めましてお聞きをしたいと思います。
 保険業法では、保険販売の再委託というのは原則禁止をされております。しかしながら、法人の損保代理店におきましては、当局に届出を行った使用人については保険募集に従事できるという仕組みになってございます。
 お手元にもお配りをさせていただいてあります図を見ていただきますと、「「委託型募集人」の現行について」というのがまさにそのことでございまして、保険業法第二百七十五条のところに再委託の禁止ということがうたわれているわけでございます。しかしながら、右下の小さな米印のところにございますように、募集人については損害保険の場合は使用人届出する必要があると。届出をしていれば保険募集に従事できるという仕組みになってございます。
 以前、この当該使用人というのは代理店と雇用関係、すなわち直接雇用を有する者に限られておりました。しかし、平成十二年の規制緩和によりまして、代理店との雇用関係は使用人たる要件から削除をされてございます。つまり、直接雇用関係はなくとも委託型募集人として、いわゆるグループ代理店というような言い方もしますけれども、そういう形式で運営されてきたのが実際でございます。この図で言う赤いところにある委託型募集人というのは全国で六万人ぐらいいるのではないかということも聞かれております。
 この保険代理店、緑のところにございます保険代理店は、本来、その使用人が行う保険の募集業務について、つまり委託型募集人が行う募集業務について教育、指導、管理を行うことが求められております。しかし、実際には、代理店とこの委託型募集人の間に形式的な委託契約関係があることをもって使用人としての届出を行い、適切な教育、指導、管理を行うことなく、当該第三者、すなわち委託型募集人に募集業務を行わせている可能性があると昨年の金融審議会の報告書にも記載されてございました。
 したがって、平成十二年以来続いてまいりました直接雇用されていない委託型募集人の制度は廃止をする、そして新たな募集体制へ移行する必要があるということで、本年一月の十六日でありますが、金融庁の保険課長通達というものが出されてございます。この委託型募集人制度を廃止をして新たな募集体制への移行期限というのは明年の三月末までとなっているわけでありまして、残すところはもうあと数か月ということでございます。
 この課長通達の文書にはこのような記載がございました。一部の保険会社等に対して、保険代理店使用人の契約形態等の実態を聴取したところ、一部の保険代理店において、法第二百七十五条第三項に規定する再委託の禁止に抵触するおそれのある者や使用人の要件を満たさないおそれのある者を保険代理店使用人として登録、届出を行っていることが確認をされた、このように課長通達には出てございました。
 そこで、まず大臣にお聞きしたいと思いますが、この今私が説明をさせていただきました委託型募集人制度のどこに問題があると認識をされているんでしょうか。
#81
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、前提として、保険募集に係る再委託については、これは保険契約者の保護を図るために原則として禁止をされておりますという、これは大前提が一番肝腎なところだと思っております。
 その上で、保険代理店において従来雇用関係にあります使用人、社員に関しましては保険事業を募集するということを可能としてきたのはもう御存じのとおりなんですが、しかし、平成十二年度に、今御指摘のありましたように、雇用関係の関係がない、いわゆる派遣型の社員もそれがやれるようにしてもらいたいという陳情等々がこれありで、規制緩和の要望に応えて、当時、事務ガイドライン、今でいいますいわゆる現在の監督指針というものに改正をいたしまして、雇用関係のない使用人でもいわゆる保険募集ができるというのを可能にしたという経緯はもう今言われたとおりで、このような改正の結果、派遣社員ではない、代理店の形式的な委託契約などの関係があるだけという人にも募集が、行わせる形態が広まってきたという状態にある、ここが私は問題なんだと思っております。
 したがいまして、こうした形態では明らかに再委託の禁止というものに抵触していることになろうと存じますので、代理店が使用人に対して、そういった雇った人に対して十分な指導、管理というのは行いませんし、こういった知識も余り適切ではないというような形での保険業務が行われるというおそれがありますので、そういった形で今般、いわゆる委託型募集人について適正化を行うということにすべきだという経緯であります。
#82
○西田実仁君 この委託型募集人制度がなぜこのようにできてきたのかという背景がございまして、それは後々述べさせていただきますけれども、まずこの通達について確認をしたいことがございます。
 この課長通達にございますように、再委託の禁止に抵触するおそれのある者というのは、一体全国でどれくらいあったということが確認されたのか、また、使用人の要件を満たさないおそれのある者というのがまた同じく全国でどのぐらいあるということが確認をされたのかお聞きしたいと思います。
#83
○政府参考人(細溝清史君) 委託型募集人の数でございます。これは、悉皆的な把握は非常に困難ではございますが、例えば損害保険分野で、大手損害保険会社五社にヒアリングしたところ、約一万一千人ぐらい委託型募集人がおられる。また、生命保険分野では、主に生命保険系の代理店が加盟する保険代理店協議会に、保代協といいますが、によりますと、その所属する主な保険代理店において約五、六千人の委託型募集人が在籍していると聞いておりますので、全国的に数万人程度かというふうに推計されているのではないかと思っております。
#84
○西田実仁君 私がお聞きしたのは、委託型募集人の数ではなくて、課長通達にあるところの再委託の禁止に抵触するおそれのある者がどれぐらいあるのか、また、使用人の要件を満たさないおそれのある者がどのぐらいあるのかという現状認識であります。
#85
○政府参考人(細溝清史君) 保険会社にヒアリングをいたしましたら、保険会社が把握していないところで保険代理店が委託型募集人を使用人として届出して使っているというようなケースもあるというふうに聞いております。
 したがいまして、現在、保険会社それから保険代理店において委託型募集人の実態把握にまず努め、その適正化に取り組んでおるところでございます。
#86
○西田実仁君 この課長通達にある確認というのは、そうすると、一部の保険会社等に対して聴取を行ったと記されておりますが、代理店の団体ではなくて、いわゆる私が言うところのグループ代理店の店主あるいは委託型募集人、直接聴取を行ったという事実があるんでしょうか。
#87
○政府参考人(細溝清史君) この聴取でございますが、一部の保険会社のほか、保険代理店から構成されます団体がございます。そうした団体からの意見をお聞きしたということでございます。
#88
○西田実仁君 つまり代協だと思いますけれども、それ以外に直接、いわゆるグループ代理店の店主あるいは委託型募集人として保険募集に携わっている方から意見を聴取したという事実はないんですね。
#89
○政府参考人(細溝清史君) 保険の代理店ないしはそういう募集人という数は膨大に上りますので、そうした方々がいろんな団体をつくっておられますので、その団体を通じて意見を聴取したということでございます。
#90
○西田実仁君 実際、私のところへ、もちろん代協の団体の皆さんとも意見交換していますが、同時に、それぞれの地域で代理店をやっていらっしゃるグループ代理店の店主の方や、あるいは委託型募集人の方から、必ずしもその団体の意見とは異なる、そうした意見も寄せられてきておりまして、本来、こうしたこれまで政府が平成十二年から認めてきた制度で行ってきた委託型募集人を廃止をして来年の三月までには新しい形態に移らなければならないという、その携わっている方からすれば大変大きな変化でありまして、それが一体どういう影響を与えるのかということをきちんと意見も聴取をすべきではないかというふうに思います。
 そこで、重ねてお聞きしますけれども、金融審議会の報告書において指摘をされております代理店による委託募集人に対する教育、指導、管理が適切に行われずに、対顧客との間でどのようなトラブルがあったという報告があるんでしょうか、事実関係をお聞きします。
#91
○政府参考人(細溝清史君) 委託型募集人に限定したトラブル事例というものは把握しているわけではございませんが、といいますのも、この保険募集人の登録届出の際に代理店と使用人の間における契約形態まで示すことは求めておりません。したがいまして、その募集人が委託型なのかどうなのかということは、実は届出では分からない。したがいまして、不祥事件届出がありましても、その方が、募集人が委託型なのかどうかということが特定できないということになっております。
 ただ、保険代理店及び募集人に対する不祥事件、これは年間三千件から四千件発生しております。例えば、保険料の流用あるいは費消、重要事項の不説明、不告知の教唆などが代表的な事例として報告は受けております。
#92
○西田実仁君 今局長がおっしゃったことと委託型募集人制度との関係は特にないということでよろしいんでしょうか。
#93
○政府参考人(細溝清史君) 委託型募集人であるから起こったということではなくて、募集人一般に対してこういった事例が起こっておるということでございます。
#94
○西田実仁君 今お話がありましたように、この委託型募集人制度について、対顧客との間でどのようなトラブルがあったのかということは何ら確認をされていないという、今局長の説明がございました。しかし、それだけ大きな変化をさせていく背景として、この委託型募集人という背景をもう一度確認したいと思います。
 一口に委託型募集人といいましても、大型の乗り合い代理店と、小さな代理店が結集して、グループ代理店とはその成り立ちがそもそも違うということはよく認識をされるべきだというふうに私は思います。金融ビッグバンの中で手数料が引き下げられてまいりました。その上で、苦しくなった小規模な代理店が集まって、形だけでも大きくなって保険会社の手数料引下げの圧力を遮る会社としてグループ代理店というものを形成してきたという経緯がございます。
 顧客保護というのはもちろん大事なんでありますけれども、こうしたグループ代理店の役割を評価して、仮に代理店による指導、教育、管理が行き届かないという事実を確認しているのであれば、その監督体制を強化するという別の規制強化のやり方もあったのではないかというふうに思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#95
○国務大臣(麻生太郎君) 西田先生、これは前提条件として、いわゆる保険業者に係る再委託については保険契約者などの保護の観点から原則禁止されていると、これは最初に申し上げたとおりで、ここが一番御留意いただきたいところであります。加えて、保険募集の再委託が行われた場合には、これは保険募集人というものに対する保険会社や保険代理店によります教育とか管理とか指導とかいうのが十分に行われていないおそれがあるということから、今般、委託型の募集人というものの適正化を行うことにしたものであります。
 したがいまして、今後、適正化というものがきちんと図られていって、保険会社によります募集主体に対していわゆる指導とか教育とか管理とかというものが図られることによりまして、保険契約者側のいわゆる保護というものが図られるということになるのではないかというように考えております。
#96
○西田実仁君 この課長通達で来年三月までに措置することが求められておりまして、現在の委託型募集人制度に代わりまして新たな募集体制ということがしかれなければならないということになっております。
 先ほどの図の裏を見ていただきますと、金融庁からはその新しい募集体制として、三つそのスキームが提示されておりますうちの一つを裏に記させていただきました。この裏にございますのは、「「委託型募集人」に係る三者間契約を活用するスキーム」と書いてございます。
 これは受皿代理店の下に元々緑の保険代理店が委託型募集人としていたのが独立をして新たな保険代理店をつくり、そして保険会社との間で代理店委託契約を結ぶ。そして、受皿代理店と保険代理店というのは、私が言うには親子代理店というふうに申し上げますが、親である受皿代理店が営業推進等の指導、教育、管理をこの子代理店である緑の保険代理店、新たに独立した保険代理店に対して管理等を行うと、こういう三者間のスキーム、そこに保険会社が絡むという、そういう新しい募集体制の提案をされております。
 まずお聞きしたいんですが、こうした委託型募集人に代わる新たな募集体制で今金融庁が提示をされておられる三つのスキーム、ほかにもアイデアがあれば是非お寄せいただきたいというふうに通達には出ておりますけれども、この三つのスキームを始めといたしました新たな募集体制というのは、何か激変緩和措置という暫定的な措置として提案をされているのか、それとも恒久的な措置としてこのスキームにのっとって新たな募集体制をやればいいのか、これをお聞きしたいと思います。
#97
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる、西田先生、委託型の募集人の適正化というものについては、これは業界のいろんな団体の方から様々な意見やら何やらを伺った上に具体的な案も出されたところであります。金融庁では、これらの案の内容について業界などからの意見というものやら、また御要望等々を踏まえて、法令面や実務面から慎重な検討をさせていただきました。
 いわゆる三者間の契約というこの図にありますようなものを含めまして、その適正化に向けた具体的な方策につきましては、これは現行法令に照らして特段の問題というものは生じるものではありません。したがいまして、今後も適切な保険募集、管理体制というものを構築する上で有効なものだと考えておりますので、これは一時的なものとか暫定的なものと考えているわけではありません。
#98
○西田実仁君 この緑の保険代理店が今まで受皿代理店の下にいた委託型募集人ということになるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、そのグループ代理店を形成してきた経緯を考えますと、この保険代理店は元々ある意味で金融ビッグバンの中で独り立ちできない、そういう代理店として受皿代理店の下に委託型募集人という形式で保険募集をしていたという背景が多いわけであります。
 したがって、その独り立ちもできなかった委託型募集人が保険代理店として独立をして新たに保険会社との間で、保険会社がそもそもこういう代理店と契約を結ぶだろうかという現実的なことを考えなければなりません。絵に描いた餅ということになってしまえばいけないわけでございまして、さらに、仮に契約を結んだとしても、その手数料等については相当削られていくんではないか。元々独り立ちできない人だから独り立ちさせようというスキームになっているわけでありますので、そこで保険会社も絡めて三者でやるということですから、そこは何らかの配慮というものが保険会社との間で結ばれるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#99
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる委託型募集人の適正化というものに関しましては、これは従来の委託型募集人や、また個人代理店とか法人の代理店とかいろいろな方法がありますが、保険会社と従来委託していた保険代理店の間で三者間の契約を結ぶスキーム、形というものなどが可能であると考えられております。事実そうなるだろうと思いますが、このうちいわゆる三者間の契約スキームというものは、実務上はこれは現状と大きく変わるわけではありませんので、実態に即したものではないかというように考えております。
 したがいまして、いずれにいたしましても、どの方法を取るかということにつきましては、これは実態に即した対応がなされるということが必要でありまして、現在のこの保険会社や保険代理店におきましても、いろいろな移行に向かって、適正とか円滑とかいうような形で、取り組んでおられるところだ、まだ途中だというように承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、これはいろいろな、その間において個人的なトラブルがあるとかいろいろ問題があるとかいうことは、これは十分に、数が多い話でもありますので、そういった関係業者からの相談というものがあれば、これはもう当然のこととして真摯に対応してまいるというところであって、円滑な移行というものに対して私どもとしては支援をしてまいりたい、そのように考えております。
#100
○西田実仁君 是非丁寧な対応をいただきたいと思いますが、親子代理店において、この図でいうところの茶色の受皿代理店と保険代理店を私は親子代理店という言い方をしておりますが、この際、この受皿代理店が保険代理店に対しまして営業推進や比較推奨販売に係る指導、教育、管理を行うという矢印になってございます。
 ということは、仮に保険代理店、緑の保険代理店に何らかのトラブル等があった場合に、この受皿代理店である親代理店にどのような責任が及ぶのか、その範囲等について是非明確にしていただかないと、うかつにこの親子の関係で今まで委託型募集人であった人を独立させるわけにもいかないという声もあります。この点、いかがでしょうか。
#101
○政府参考人(細溝清史君) 保険業法上、保険会社は、代理店による募集に当たりまして、保険契約者に加えた損害を賠償する責任を負うとされております。それで、代理店が保険契約者に与えた損害は、保険会社が責任を負うものとなっております。
 一方、この親代理店と子代理店、それから保険会社、この三者間の契約、これは民民の契約でございまして、その内容もいろいろあろうかと思います。例えば、募集行為に係る連帯責任が親子間でどのように発生するのかしないのか、親代理店から子代理店への教育、管理、指導というのが実際にどの程度のものがされることになるのかといったことによって親代理店の責任の範囲も変わってくるというふうに考えております。
 そういった意味で、契約当事者間において責任の明確化が図られることが必要でございまして、現在、損害保険協会におきまして、この三者契約における親子の役割分担あるいはその責任の在り方について整理を開始していると聞いております。
#102
○西田実仁君 是非そこは監督をする金融庁としてもよく見ていただいて、また御指導もいただければというふうに思います。
 この委託型募集人が、保険代理店、緑の方に独立することができず廃業をしてしまうケースも恐らく多いと思います。もちろん直接雇用されるケースもありますけれども、それは余り多くはないんじゃないかというふうに一般的には思われます。
 そうすると、この委託型募集人が廃業して受皿代理店に顧客を紹介するという紹介型サービスということも起きる可能性はあると思います。つまり、保険の募集はいたしませんけれども顧客を紹介をする、そして受皿代理店から紹介料をいただく、そういう形でなりわいをしていくという方も出てくるかもしれません。その場合に、この紹介型として認められる範囲ということも明確にしていただかないと、思わぬところで法に抵触をするということにもなりかねません。この点について確認をしたいと思います。
#103
○政府参考人(細溝清史君) 保険の募集に当たりまして、例えば代理といいますのは、これは保険会社に代わって契約を結ぶ、媒介というのは保険契約の成立に尽力する行為でございます。そういったこと、典型的には保険契約の締結の勧誘を目的とした内容説明でありますとか、保険契約の申込みの受領等の業務を行うといったことが典型的な募集行為だと思っております。これにつきましては当然登録が要るわけでございます。
 仮に保険募集に該当しない場合というのはどういう場合かといいますと、例えば、募集人の指示を受けて単に商品案内のチラシを配布するといったようなこととか、事務的な連絡の受付、事務手続についての説明をするとか、金融商品説明会における一般的な保険商品の仕組み、活用法についての説明のみを行う、個別の説明はしないといったような事柄が想定されております。
#104
○西田実仁君 終わります。
#105
○中山恭子君 日本維新の会・結いの党の中山恭子でございます。
 今日、金商法等の問題につきましてお伺いする前に、麻生大臣に幾つか御質問したいと思っております。
 先日の委員会でも話題になっておりましたが、四月二十四日、財政金融委員会で巣鴨地蔵通り商店街を視察いたしました。十六年ぶりの消費税引上げについて商店の方々や買物中の特に女性の方々のお話を伺いました。
 まず、商店経営者の方々はいろいろと工夫しながら対応している様子を見ることができました。例えば、あるお店では百十円の商品について百二十円の値札を付けた、また、ある商品については百十円のまま据え置いて商売をしているというお話もありました。また、あるお店では外税を導入して、百五円で売っていたものを百円の値札を付けて百八円、百円の代金をいただくときにプラス八円ですということで品物を売っているお店もありました。
 この外税の場合には、支払のときに、あら、そうなのといった少し戸惑った様子が見えますという商店の、お店の方のお話がありました。政府が外税と決めてくれればやりやすいんだけどというようなことでございましたが、麻生大臣、こういった動きについて、愛知先生どうぞ、どのようにお考えか、じゃ、お答えいただければ。
#106
○副大臣(愛知治郎君) お答えさせていただきます。
 消費税の総額表示義務ですね、分かりにくいということで、これは消費者の利便性の観点から導入されたんですが、先生御指摘のとおりに、税抜き価格ではレジで請求されるまで最終的に幾ら払えばいいのか分からない、また、税抜き表示のお店と税込み表示のお店で価格の比較がしづらいといった問題がありまして、この総額表示義務は元々平成十六年四月から実施をされているものであります。しかしながら、今般の消費税率の引上げに当たっては、事業者と消費者双方の視点から、消費税転嫁対策特別措置法によりまして平成二十九年三月三十一日までの間の時限的な取扱いを定めているところでございます。
 まず、事業者に関してなんですが、値札貼り替えの事務負担等に配慮するという観点から、消費者に誤認されないための対策を講じていれば、これは、例えば括弧税とかプラス税という表示をしていれば税抜き表示も可能とする特例を定めているところであります。他方、消費者への配慮の観点から、その場合には事業者はできるだけ速やかに税込み価格を表示するよう努めるものとしておるところであります。時限的な措置でありますが、やはり消費者の皆さんに分かりやすく表示をするということであるならば原則の総額表示をするべきだというふうには考えておりますが、あくまでも時限措置ということで御理解をいただきたいと思います。
 また、この制度、なかなか皆さんに御理解をいただいていないということで、周知をしなければいけないということで様々な広報を努めておるところでございます。例えば、新聞折り込み広告は三千六百万世帯にやっておりますし、新聞記事下広告、これも相当やっているところでありますし、また税務署等でリーフレットの据置き、これは二十一万枚をやっているところでありますが、引き続き広報にも努めてまいりたいと考えております。
#107
○中山恭子君 おっしゃるとおり、一年半というこの期間の間に二度消費税の引上げがあるということでございますので、もちろん事業者の方にいろいろ配慮をするということは大事なことでございますが、今おっしゃられたように、お年寄りや子供たちにも関係してくる税の支払方法でございますから、是非分かりやすい形でいろいろと広報していただきたいと思っております。
 私自身は、将来この税が一〇%というような形が取られる場合には、どちらかというと外税の方がはっきりしているのではないだろうかと。また、消費税の脱税という事案が非常に増加していると聞いておりますので、その辺り、更に御検討、御議論いただきたいと思っています。
 また、商店街を歩きながら、女性の方々から今日は何があるのという質問がありまして、今月から消費税が上がったから心配してみんなで様子を見にきたのと答えましたら、あら、ここは大丈夫よという非常に元気な答えが返ってまいりました。そして、それより介護保険が高くて困っているの、年金から引かれるから年金の受取分がすごく少なくなってしまう、何とかならないかしらという声があり、集まっていた女性たちからも、そうだそうだと、何とかしてほしいと、話題が消費税から介護保険の話題に移ってしまいました。
 女性たちは消費税引上げを受け入れているという様子がうかがえましたとともに、今私たちが抱えている問題がどこにあるかということを直感しているなと、女性たちは強いなと、そんな印象を受けたところでございますが、麻生大臣、こういった動きに対して御感想をお聞かせいただけますか。
#108
○国務大臣(麻生太郎君) これ中山先生、最初導入されたあの頃をお覚えかと思いますが、あのときはもう外税と内税とは真っ向対立で、ちょうど半分に割れたと思っております。内税でなけりゃ駄目だという方もいらっしゃいましたし、外税でなきゃと。考えてみれば、ビールなんて外税でやったら飲む人いなくなると思いますね、僕は。半分税金ですよ。ビールなんて買うやつはいなくなると、私そのときそう言った記憶は今でもあるんですが。物によってというのをやっていくぐらい、日本の場合、計算もできますし引き算も速いのでそういったものは十分にできますと、いろんなことを申し上げて結果的にはこれは内税になっていったんだと思いますが、外国なんかの場合はほとんど外税ということになりますので。そういう意味では、今言われましたように、三%という話は、これは随分前から話題になっておりましたので、そういった意味では、結構一般消費者の方々には織り込み済みというところもあったんだろうと思っております。
 それから、巣鴨のとげぬき地蔵の話、商店街の話ですけれども、あそこは確かにおっしゃるように、あそこに一日立ってみると実に面白くて、私三回ぐらい行ったことがあって、あそこの特に、行かれたことないかどうか存じませんが、とげぬき地蔵の正面の左側のところにずっと昔からやっている耳かき屋というのがありますが、この耳かき屋、三代目。三代目ですよ、耳かき屋だけで。それで、ひっきりなしに人が来ているんで、これは面白いということでじっと見ていたんですけれども、消費税が上がってこれ値上げしたかと言ったら、百円上げましたと。耳かき一本二千円で売っているんですから。耳かきですよ、二千円。その代わり御自分の耳に合わせてマイ耳かきにしてくれるわけで。その付加価値だけでいきなり二千円を取ったやつを、百円上げましたって。おまえ、暴利だろうがと。三代目、おまえ三代目になったらちょっと暴利でやり過ぎだろうなんて言ってからかった。でも売れますもん、というのがそのおじさんの三代目の対応だったのがすごい印象に残っているんですが。
 是非、いろんな意味で、こういったものというのは、今の消費傾向を見ていますとずっと今後とも、生活必需品につきましては駆け込みはほとんど、今回の場合はどの数値を見ても上がっておりません。高価なものの方が三月に上がりました。上がって四月にどんと下がっておりますけれども、四月後半になってほとんど元のところまで戻ってきているというのが高級品に関しても言えるところだと思いますが、今行かれた巣鴨の場合は、日本で唯一商店街で引き続き広まっている商店街、商店街がみんな縮小している中であそこだけは商店街で広まっている、日本中数ある商店街の中では二つのうちの一つなんだとあそこは思っておりますけれども。
 是非、そういった意味でこういった商売の仕方等々は勉強せねばならぬと思いますが、あそこに来ている方々というのは、わざわざ新潟からバスであそこまでずっとお見えになるほど、結構それなりの豊かな方が来ておられると、私にはそう見えます。おばあさんの竹下通りとかいろんな表現がありますけれども、あそこは、私は正直申し上げて、来ておられる方々の使われる金の使い方、また買われるものの量の多さ等々を見ていて、しばらくいて、三時間、いやもっといましたかね、三回ともそれぐらい座って飽きることなく見ていましたけれども、実に買われるのを見ていると不景気なんていうのはとてもあそこにいると感じられないので、先生、あそこだけ見るとちょっと世の中の景気判断、間違えると思います。
#109
○中山恭子君 確かにあの地域は、ある意味では豊かな女性たちが多くお買物しているということが言えるかもしれませんが、それにしましても、あそこがもし消費税に対して非常に拒否反応があるような状態になっていたとしたら、これは大変なことが起きていると言えるかと思いますが、今回はそうでもありませんでした。
 また、外税というのは、消費税についてだけ外税ではいかがでしょうかという考えでございます。
 今回の、あの町が特殊だと言われればちょっと特殊かもしれませんが、それにしましても、消費税引上げに対して、黒田日銀総裁の記者会見での、消費税増税後、反動減の影響はおおむね想定内であるというお話とも符合しているかと考えています。
 ただ、一つ観点を変えますと、今回の消費税に対して日本経済が安定した動きをしたということにつきまして、海外からの目を考えますと、日本にはまだ担税力があるということを知らすことのできた動きではないかと思っております。
 国際社会からは、今回の消費税引上げの動きを見て日本の経済に対して安心感を持ったと言えると思いますが、この点について麻生大臣、いかがお考えですか。
#110
○国務大臣(麻生太郎君) 昨年の二月にG20の財務大臣・中央銀行総裁会議に最初に出たんですけれども、以来、これまで七、八回、この種の会議に出させていただくことになりましたが、最初は日本に対して円安に対する一方的な批判、次は財政出動に対して財政は大丈夫かという批判、それに対して私どもは一々反論をして、今日、私どもが財政再建と経済成長は同時にやる、それが今の我々の方法で、このとおり必ず世界にはなるからということをあのとき言い切って、今日、間違いなくG20、またADBの総会におきましても経済成長と財政再建を両立させるということが世界の世論ということに今なっておりますんですが、私どもとして一番肝腎なのは、やっぱり民主党、自民党、公明党で与野党合意の下に消費税値上げというのを国会が衆参でねじれている中でやり遂げた。ほかの国でこれができた国はありませんから。日本の場合が、アメリカやらイギリスに比べて俺たちの方が民主主義が成熟していると、何か反論があるなら是非聞かせてもらいたいと、俺たちの方が成熟していると、そう思って、俺たちにはプライドがあると、そう言っていると申し上げ、事実、そのとおりに数字が上がってきましたので、このところ全くこの種の発言は、この二回、この種の発言はありませんので、納得をしていただいていると思っているんですが。
 僕は、担税力よりは、やっぱり日本の場合は、財政出動してもそれに対してきちっと対応するために税金もちゃんと上げているという、きちんとした財政に対する責任が日本という国は取ろうとしている姿勢が評価されて、結果として日本の国債等々はきちんとした形の動きをしているという背景は、この消費税の値上げを三党で合意したあれが一番大きかったと、私はそう思っております。
#111
○中山恭子君 今のお話にもありましたが、去る五月三日、四日に、麻生大臣はカザフスタンで開催されたASEANプラス3財務大臣・中央銀行総裁会議、さらにアジア開発銀行、ADB年次総会に御出席されたと伺っております。また、ウズベキスタンをも御訪問されたと伺っております。
 ASEANプラス3では、麻生大臣が共同議長を務められたと伺いました。今回の会議では、金融面での協力に関することが主な議題であったとのことでございますが、ASEANプラス3での重要課題、また今後の取組についてお知らせいただきたいと思います。
#112
○国務大臣(麻生太郎君) ASEANプラス3財務大臣・中央銀行総裁会議というものにつきましては、これは一九九九年以来だと思いますが、ずっと日本は主導的な役割をここで果たしてきたことは間違いないと思っております。
 したがいまして、どうでしょう、少なくとも短期のドル資金というものが融通がきちんとできる等々、チェンマイ・イニシアチブというのの整備というものもこのとき、九七年、九八年のあのアジア通貨危機以来これをやっておりますし、また、地域経済の監視とか分析というものをきちんとやらなくてはいかぬというのでAMROというのを設立させていただいて、これの担当が、日本から出たのが今度これが留年しております、留年じゃ聞こえが悪いですね、留任して、これがもう一回やることになっておりますので。
 そういった意味では、貯蓄やら投資に関して、投資に結び付けるアジアの債券市場を育成するイニシアチブというので、これABMIといったものを推進したり、もういろんなものを取組をやって、ASEAN地域におけますいわゆるインフラの不足とかそういったものをADBとかいろんな形で支援するという取組を行ってきたところでありまして、今回の第十七回になりますこの会議におきましては、ミャンマーと二人で共同議長というのをやらせていただいたんですけれども、きちんとした金融協力というのができるようになって、やっぱり日本というものの経済がこの一年間間違いなく上がってきた結果、他国もやっぱり成功の結果論でしか物を見てまいりませんので、そういったものにつきましては今後ともきちんとした対応をしていかねばならぬと思っております。
   〔委員長退席、理事鶴保庸介君着席〕
 いずれにしても、AMROにしてもABMIにしても、やっぱり日本の経済の更なる発展に向かっては、成長が著しい今後とも発展が期待されるASEANというものの成長力というものを取り込んでいくということは極めて重要なところなのであって、この種のASEANプラス3等々、こういった会合にはいろんな意味で出て、その意味で、ASEANに入ってきた、最初の国と比べて、今、ベトナムも入ってきて、ミャンマーも入って、ラオスも入って、カンボジアも入って、いろいろな形で増えてきておりますので、そういった意味において、我々としては引き続きこういった地域との連携をきちんと密にして、もって日本の国益につなげていかねばならぬものだと思っております。
#113
○中山恭子君 また、今回ADBの年次総会にも御出席と伺っておりまして、これまでADBはアジア地域の経済発展に対して非常に大きな役割を果たしてきたと考えています。
 今回の年次総会では、日本はどのように対応されたのでしょうか。また、今、中国主導でアジアインフラ投資銀行が設立されることになっていると明らかになっておりますが、こうした状況の中で日本がアジアとともに発展していく決意というんでしょうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#114
○国務大臣(麻生太郎君) アジア開発銀行の総会におきまして、私どもは、総務演説というのがありますので、最初に総務演説をやらせていただいておりますが、日本としては、今後とも、インフラの整備、また防災、そして人材育成、運用できないところに金を貸しても意味がありませんので、きちんとそれをオペレートできるだけの人材の育成、こういった分野において、我々は資金面だけじゃなくて、技術とか知識とかいろんな経験を総動員してちゃんと協力していきたいということを申し上げております。
 今まで、御存じのように、この地域はいろいろ意欲はあるし、きちんとして治安も良くなってきたし、いろいろなんですけれども、決定的に電力が足りないとか道路が足りないとか港湾がもう使えぬとか、いろんな基本的な社会インフラが欠落しているとか全然不足しておりますので、いろんな意味で、いわゆる金をというより融資をしましょうというので、通常融資勘定とそれから低利の融資勘定というものを一緒にして、何というか、お金を貸しますという話を正式に枠として認めてもらって、今までは資本金の枠でしか認めていなかったものを融資もということで、正式に今度から融資も対象として認めるということにしましたので、今後ともこれをサポートしてまいりたいと思っております。
   〔理事鶴保庸介君退席、委員長着席〕
 もう一点、今御指摘になりましたアジアインフラ投資銀行の構想というのは、これは昨年の十月に中国の習近平国家主席の方から東南アジアを歴訪した際に表明されたものだと伺っております。
 これは、今年の秋にはこの構想の枠組みに関する政府間の覚書を締結したいという話も、意向を有しておられると伺っておりますが、この件につきましてはアジアのインフラ整備への資金提供にも影響を与えるものなので、日本政府としては注視はいたしております。少なくとも現時点で関連情報の収集等々を私どもとしてはいたしておるところではありますけれども、今その評価について、こういうことになりますとかいうことをちょっと断定的に申し上げられるだけの情報というものがまだございませんし、それがどの程度進んでいるかというのは、極めてまだ初期段階のところだというように理解をいたしております。
#115
○中山恭子君 この中国の動きというのも注視して対応していく必要があると考えております。
 また、大臣はウズベキスタンを御訪問だったと聞いておりますが、私たちも少し前、四月一日、二日とウズベキスタンを訪問いたしました。麻生大臣がお見えになるというのを皆非常に楽しみにしていた様子がございました。今日この話もお伺いしたいんですけれども、ちょっと時間がありませんので、その後からも、麻生大臣のウズベキスタン訪問は大変有意義であったということが伝えられてきておりまして、これからも日本政府として、ウズベキスタンを始めとする中央アジアとの協力関係というものを深めていただけたらと考えております。
 クラウドファンディングについて質問しようと思いましたが、先ほどお話がありまして、注意深く動かす必要はあろうかと思いますが、地方の活性化のために大いに役立つものであると考えておりますので、この辺り含めて御意見伺っていいでしょうか。
#116
○委員長(塚田一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#117
○中山恭子君 時間ですね。また次の機会にでもお伺いしたいと思いますが、有益な形でお使いいただきたいと思っております。
 ありがとうございました。
#118
○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。
 今日は、まず金融機関の役割についてお伺いしたいというふうに思います。
 財政が限られている中で、これから地域の活性化あるいは世界に対抗し得るやはり融資というのは非常に重要だというふうに思っております。そこで、私も地元を歩いていると、都市銀行、あるいは地方銀行、あるいは信用組合のこの役割というのが食い合いになっているというようなことをよく聞きます。ですから、この辺についてまず基本的なことをお伺いしたいと思いますけれども、都市銀行、そして地方銀行、そして信用組合、信用金庫の役割についてお伺いしたいと思います。
#119
○副大臣(岡田広君) お答えいたします。
 銀行や信用金庫等の預金取扱金融機関の基本的な役割、使命は、御承知のように、銀行法、信用金庫法等に規定されているとおり、信用の維持、預金者等の保護、金融の円滑化の確保を通じ、国民経済の健全な発展に資する点にあります。その上で、各金融機関に期待される具体的な役割は、その規模、特性やビジネスモデルの実態に応じて異なっているものと考えています。
 例えば、主要行の場合には、規模が非常に大きく、我が国経済に大きな影響力を有し、国際的な金融活動を展開しているケースも多いので、世界最高水準の金融サービスを提供していくことが期待されています。
 他方、地方銀行や信用金庫、信用組合等の地域金融機関に関しましては、特定の地域に密着し、中小企業や個人を主要な融資対象としているため、顧客との長期的な取引関係を前提とした地域密着型金融の推進が期待されているところであります。特に信用金庫や信用組合は、相互扶助を旨とし、特定の地域を営業区域とする地域中小企業専門の金融機関であるため、より地域に密着した金融サービスの提供が求められております。
 金融庁といたしましては、こうした各金融機関の特性を踏まえ、それぞれが期待される役割を適切に果たしていくよう促してまいりたいと考えております。
#120
○井上義行君 まさに台本どおりというか、もう本当にそのことは十分分かっているんですが、現実には中小企業のところに、都市銀行、勝ち組というふうに言われておりますけれども、お金の借りられる人というのは、麻生大臣も前言っておりましたけれども、それほど借りないで十分ため込んでいると、そして借りたい人はなかなか借りられない、これが非常に起きている。そして、何でそういうことが起きているかといえば、やはり金融危機のときに検査が非常に厳しかった。あのときには私はあれしかなかったろうというふうに思っています。しかし、新聞で金融の再編というのが載る、そうすると、本当に実は起きてしまうんじゃないか、どんどんどんどん貸し渋りで自分の体質ばかり目を向けてしまう、こうなると民間にどんどんどんどんお金が出ていかない。こうした再編というのは、やはり長期に促す、あるいは考えていくことだというふうに思っております。
 これだけグローバル化になり、あるいは地域の密着の銀行が実際は存在するんだけれども、やはり違う視線になってしまう。こうした問題をどうやって食い合いにならずに、そしてもっと企業を伸ばせるような金融機関に育てるためには、様々ないろんな中長期的に将来を考えるべきだというふうに思っております。
 そこで、将来のあるべき姿ということを麻生大臣にお伺いしたいというふうに思います。
#121
○国務大臣(麻生太郎君) 今、副大臣の方から話がありましたように、これは銀行の特性とかビジネスモデルとかいろいろ実態を踏まえたときに、やっぱり考えていかないかぬ一番御関心の方は地域の方なんだと思うんですが、この地域の場合、今後考えてもらわないかぬところはやっぱり人口減という話だと思いますね。この人口減というものを理解していないと、そこのところの人口がどんどん減っていくというときに、そこで銀行が成り立つかといえばなかなか難しいことになってくる。そうすると、それにどうやって対応していくかということはちょっと考えておいていただかなきゃいかぬ大事なところだろうと。これを合併しろとか何とかしろとかいうんじゃなくて、やっぱり御自分たちできちんと考えていかないかぬのだと思っております。これが一点。
 もう一点は、やっぱり資産デフレによる不況という、少なくとも過去七十年間ぐらいで世界で初めてこのデフレによる不況というのに我々は二十年ほど対応を右往左往したわけですから、そういった意味で、これを、今立て直ってどうやらデフレではなくなりつつあるというところまで来つつあるんだと思いますけれども。
 いずれにしても、こういった状況の中で、今後、この不況が終わった後、何で飯を食うのかと、日本という国家は、ということを考えたときには、やっぱり中小零細企業、製造業、いろんなもので国内でいろいろ頑張っている企業というものがきちんと今後成長していくようなことを考えないといかぬ。日本の場合は貿易立国なんてよく新聞で騒いでいますけれども、日本の場合は貿易がGDPの中で占めるシェアが一五%以上になったなんてことは過去三十年間ぐらいで一回もないと思いますので、そういった意味では、貿易立国なんてものじゃなくて、間違いなく国内の需要が一番強い。
 その国内の需要を喚起していくためには、間違いなく地域の産業というものがより元気になっていくということを考えていったときに、やっぱり地域にあります産業の中でも、なかなかいい企業があるんだけど、その企業というのは地元の人も知らないものが、例えば、何でしょうね、シリコンウエハーの上に薄い膜をかぶせるというものがあるんですけれども、これは日本の小さな小さな企業がやっていますが、世界のシェアの七割ですよ。世界のシェアの七割持っているけれども、地元の人もその会社がそんなすごいなんて誰も知りませんものね。すさまじい能力です。だって、これがなかったらあれが止まりますから、すごいノウハウですよ。切断する、あの呉のディスコという、機械もすごい機械だと思いますけれども、それよりこっちの方がもっとすごいんじゃないかなと思うぐらいきちんとしたものを持っているんですが。
 そういった企業というものをやっぱり、すごいじゃないかといって、そいつのところの持っている土地に金貸すんじゃなくて、その事業の内容とその経営者を見てお金を貸すということができるのは、やっぱり転勤の数が少ない、地域に密着した中小金融機関の方が人を見る、長く付き合う期間によって人を見抜く目というのも養えるんだと思いますので、是非そういった点を考えて資金の供給というものもやっていかないかぬと思っておりますので、今度、金融機関等が経営支援によって事業再生支援に係る取組等々を広く実践されているということで、事例集というのを取りまとめて、公表して今周知を図っているところなんですけれども、今後とも、金融仲介の機能というものが、単に金貸すだけじゃなくて、この企業のこれとこちらの仕事とくっつけたら両方とももっと別な付加価値を生むよというのは、一番たくさん知っているのは全部に付き合いのある金融機関ということになろうと思いますので、そういったものをもっと育てていくことを考えるべきだとは思っております。
#122
○井上義行君 そうですね、各論的にはいろんな様々なそういう考え方があると思うんですが、私は大臣にもっと大きな視点で、この間も質問しましたけれども、やはり将来の国の産業の在り方とか、今申し上げた人口とか、そうした国の方向性に向けて都市銀行というのはこういうふうにあるべきだとか、あるいはこうした取組についてはもっと地方銀行を活用するべきだという、もっと大きなビジョンを掲げて、長期に再編とか、多分農業の改革でもJAの金融機関というのも関係してくるでしょう、将来の農業の産業化を見ればそこにもやはり進出をしていくということがあると思いますので、こうした大きな視点で一度検証をしていただきたいなというふうに思っております。
 そして、経済を見ていくと、中国経済、非常に大きな影響を受けます。特に最近、中国の不動産がバブルが崩壊をするのではないかと、こういうようなことが民間の調査でも発表しているところがあると。そうすると、シャドーバンキングというような、前回、麻生大臣のときに、大分その辺については多分いろんな各国で規制なりそういうことをしてきたと思うんですが、中国は非常にシャドーバンキングがすごい高いと、それがどんどんどんどん不動産に行っている。そうすると、不動産が、このバブルが崩壊するとどのような日本に対して影響が出てくるんだろうかと。
 そこで、まず今の中国の経済と、そして中国の不動産バブルについてどういう認識を持っているか、お伺いをしたいと思います。
#123
○副大臣(岡田広君) 中国経済の現状認識につきましては、簡潔に私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 中国の二〇一四年一月から三月期の実質GDP成長率は七・四%、二〇一四年の政府目標である七・五%をやや下回り、四半期連続で伸びは鈍化しましたけれども、引き続き七%台を維持するなど、他国に比べて高い成長率となっているところであります。中国経済は緩やかに拡大を続けておりますが、鉱工業生産や小売売上高の伸びはこのところやや低下するなど、弱い動きも見られると承知をしています。
 こうした状況を背景に、株式市場では中国の株価指数の一つである上海総合指数が上値の重い展開となっており、年初来対比マイナス圏での推移となっている、これが現状であります。
 以上です。
#124
○政府参考人(三井秀範君) 続きまして、中国の不動産バブルの状況についての現状認識についての御質問でございます。
 中国七十都市を対象としました不動産平均価格の伸び率を見ますと、依然プラス圏ではございますが、足下、一部の都市で価格の上昇をベースに、やや頭打ちの状況が見られると存じます。
 その背景でございますが、市場関係者の中では景気の先行き懸念が指摘されておりますし、また、年初来、中国の銀行が初めて住宅を購入する顧客に対して提供される住宅ローンの優遇金利を取りやめているといった指摘もありますし、またその住宅価格の下落を見込んで買手が様子見、買い控えをしていると、こういった指摘もあるかというふうに承知してございます。
 他方、最近になりまして、中国人民銀行が初めて住宅を購入する顧客に対する住宅ローンの提供促進を商業銀行に働きかけるといった動きがあるというふうな指摘もございまして、今直ちにこの中国の不動産がバブルの状況にあるかということについてのコメントは政府としては差し控えたいと存じますが、いずれにしましても、この不動産市場の状況というのはよく注視をして、この状況を踏まえて注意深く見守っていかなければならないというふうに考えてございます。
#125
○井上義行君 そうすると、麻生大臣から御答弁するというのはなかなか難しいのかもしれませんけれども、中国がこうした不動産バブルがはじけた場合に日本にどのような影響があるのか、そしてそのシミュレーションというか、その場合には、こうしたことを全く影響もなく日本としてはこういうような対応を考えているというような答弁をお願いしたいと思います。
#126
○国務大臣(麻生太郎君) バブルというのは、初めてこの言葉が出てきたのは十八世紀、オランダのチューリップ・バブルが最初、続いてイギリスのサウス・シー・バブル、南海泡沫事件というサウス・シー・バブルで二回目、これ辺りがバブルという言葉の始まった元なんだということだと思いますが、共通していることは一つ、必ずはじけます。
 したがって、中国に限らず、どこの国でもバブルというものが始まったらどこかで必ずはじける、もうこれははっきりしています。例外は一つもありませんから。無理しなくても放っておけばはじけると。無理して潰しちゃったのは日本みたいなところですから。無理して潰すこともなかったのに、無理して潰したら非常に痛みが大きかったということは日本も経験したところだと思っております。
 したがって、中国も必ずはじけるんだと思いますが、そのはじける時期とはじけ方によって、それによって中国国内がどのようなあれが出るかというと、それが暴動まで発展するのか、内乱まで発展するのか、いや、軍隊はと。もういろんな話をしている人はいっぱいいますけれども、いずれもそういった話は極めてエクスポージャーが限定的だとか、いろんな話をみんなするんですけれども。
 私どもとしては、いろんな意味でかなりの影響が、そこに投資をしておられる方々がおられますので、工場やら何やらいろいろ人を出しておられる方もいらっしゃいますので、そういった意味ではかなりの影響が出てくるものだと私どもも考えております。
 したがいまして、是非、我々としてはあらかじめこういったような状況というものがどの部分で出てくるか、金融だけで止まるかというと、そんなわけではありませんので、そういった意味ではこれは分析をやらにゃいかぬということで、これはいろいろ日本銀行とも連携をいたしまして、財務省に限らず関係省庁いろいろありますので、そういったところと連絡を密にして今分析やら何やらを少しずつさせていただいておりますけれども。
 情報がかなり限られておるというより、かなり向こうの政府の発表する情報が、およそその数値がそのとおりになった歴史がありませんので、私どもとしては、正直に申し上げてこの数字がどれぐらい信用ができるものかということに関して、ちょっとこうしてよく眉に唾付けて聞かにゃいかぬところがいっぱいありますので、なかなか分析は難しいというのも現実です。
#127
○井上義行君 そうですね、非常に情報が限られたその中で、日本の影響を最小限に食い止めるためのシミュレーションはしているんだろうというふうに思っておりますが、実際、財務大臣の、御答弁するといろんな影響があるということで、控えめだったというふうに思っておりますが。いずれにしても、このようなことが起きても日本の経済を支えることができる対応策はしっかりつくっておくべきだろうというふうに思っております。
 時間の関係で、最後に一問だけ質問したいのですが、保険会社は病院を持てない。しかし、公益法人という形で実質上補助金を出して、そして病院の経営を助けている。そんなような声が私の方に届いております。
 例えば、病院に企業が寄附をすると、これはいわゆる損金算入ですね。ところが、公益法人だと特定公益増進法人といって税金の控除になるわけですね。そうすると、民間の病院からするとそれはちょっと不公平じゃないかということで、いわゆるある生命保険会社が心臓系の病院をやっていると、そういうことはちょっと不公平だからおかしいんじゃないかという声が出ておりますので、こうした公益法人を使った病院、あるいは民間の病院、先生も病院を経営しておりますけれども、ちょっと不公平じゃないかということがまず一点と、そして、生命保険は本来他の企業を経営はできないと言っておきながら、実際、その経営ができるような実態があるということでございますので、今日は最後一人だけちょっとお答えを願いたいんですけれども、時間の関係ございますが、大臣、一言だけ今の感想で結構ですから、お答えを願いたいと思います。
#128
○政府参考人(細溝清史君) 生命保険会社におきましては、一般的な社会貢献活動の一環として公益法人に寄附を行うことがあるということは承知しております。
 大手の四社で病院を傘下に持つ公益法人に対して寄附金ないし補助金を出している例はあるかと確認しましたら、七法人ほどございました。ただ、いずれも、役員、評議員とか理事を出していないとか、評議員とか役員は過半数は取っていないといった形で、支配しているという実態はないというふうに承知しております。といった意味で、子会社等の業務範囲規制とか他業禁止の趣旨を実質的に潜脱するものではないというふうに思っております。
#129
○委員長(塚田一郎君) 時間が来ましたので、これで終わります。
#130
○大門実紀史君 大門でございます。
 前回の質疑で取り上げましたTIBOR問題、今日は法案との関係で質問をさせていただきます。
 前回取り上げましたけれども、改めて言いますと、TIBORというのは東京の銀行間取引市場における目安になる指標金利でございますが、これが各銀行の呈示によって決める仕組みになっておりましたので、それが高めに決められて、実勢よりも高いレートになっているんではないかということを指摘をしたわけでございます。そのときは日本銀行がいろいろぐだぐだ言って意味不明なことを言っていましたけど、その後、自ら、配りましたような資料を出してまいりました。日本銀行が出した資料によっても、この円TIBORですね、円TIBORが実勢金利よりもずっと高止まりしているというのは改めて示されているわけでございます。
 これがカルテルなのかどうかは実際には調査して検証が必要なんですけれども、原因はともかく、実勢金利よりも銀行間の指標、これは前にも申し上げましたけど、金利スワップとかデリバティブ商品あるいは住宅ローンの変動金利、企業の貸出しにも全部連動します。したがって、この指標金利に基づいてそういうものが決められますので、このTIBORが高止まりしているということは、イコール銀行が余分に国民から金利を取っている、ぼっているということになるわけでございます。それが、原因はともかく、形としてはっきり表れているグラフでございます。
 この規模というのは、例えば、これは〇・一%のあれですけど、〇・一実際よりも高く取ったらどうなるかというと、この前も言いましたけど、一つのメガバンクで住宅ローンだけでもその銀行に数百億転がり込むというふうなことでありまして、この〇・一高止まりしただけでも国民から何千億も余分に銀行が取っているということを示すわけであります。
 それで、先日の質問は昨日のフィナンシャル・タイムズに載りまして、日本のマスコミは取材はありましたけれども、多分現場の記者は関心持っても、上で止められるんだと思います、やっぱり銀行業界が大スポンサーであるんで、だと思いますが、海外のメディアはすぐ報道をいたしました。
 実は、このグラフを見てもらって、二〇一三年の二月頃から若干このTIBORが実勢金利に近づいたといいますか、下がったんですね。これは実は、そのときにフィナンシャル・タイムズの二月十何日付けか、現場のトレーダーの、前回紹介しましたエディ・タカタさんの告発を基にフィナンシャル・タイムズが記事を掲載して世界にそれを発信しました。それで、このときにがくっと一旦下がったということですね。やっぱりまずいと思っているんだと思うんですね、銀行業界の方も。
 今回もこのフィナンシャル・タイムズ出まして、今度は麻生大臣のコメントも出ておりますので、これからまたこれがくっと下がるんじゃないかと思います。したがって、それは国民にとってはいいことで、余分に取られている金利が何千億と下がることだからいいことだというふうに思いますけれど、日本のマスコミも勇気を持って、今日も見ていると思いますけれど、ちゃんと報道してもらいたいなと申し上げておきたいと思います。
 その上で、とにかくカルテルなどあってはならないわけでございまして、また、こういうTIBORが高止まりするというのは、私たちはちょっと異論があるんですけれど、政府が今やっておられる異次元金融緩和、この効果をそぐ、それに対して逆らう役割をしているわけですね、金利を下げないということですから。高止まりさせるということですから。そういう点では、政府の政策にも合わないということだと思います。
 その上で、今回の法案との関連で質問に入りますけれど、資料の二枚目に、じゃ、LIBOR事件を受けて世界はどういう動きに今なっているかというのが資料の二枚目にございまして、これは国際決済銀行、BISが今後の指標金利の在り方について方向性を提言しております。去年の三月に出したわけですね。
 この中で、いろいろあるわけですけど、一番重要なのは、このLIBORの事件を踏まえて、恣意的な指標基準が作られる、銀行のいろんな恣意的な裁量で申告して作るということを防ぐために、実取引のデータをより多く利用して、実際に市場で成立した金利水準、これを多く利用して、これに透明かつ適切な形で専門家としての判断を組み合わせる、それが指標金利の強靱性が向上するんだという提言をされております。
 ちなみに、このときのワーキンググループのリーダーは日本銀行の副総裁の中曽さんでございます。日本がリードしてこういう報告書を、日銀がリードしてまとめたということであります。
 要するに、LIBORもTIBORも銀行が申告する呈示レートに基づいて決めるから、銀行の思惑、裁量が入ると。LIBOR事件ではトレーダーがその隙間を利用して銀行に働きかけて操作をすると。TIBORでは、先ほどから言っていますが、つり上げている、暗黙の了解なのか分かりませんが、つり上げているということが、カルテル疑惑が指摘されると。だから、このBIS、国際決済銀行は実際の取引データを多く、全てとは言っておりませんが、多く使うべきだという提言をしているわけですけれども、金融庁はこの提言をいかに受け止めておられますか。
#131
○政府参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。
 御指摘のBISの報告書におきましては、別の箇所で、既存の指標金利の信頼性及び頑健性を向上させることの緊要性及び指標金利の選択肢を増やすことの重要性を指摘するとともに、今先生が御指摘のように、実取引データの利用について、実取引データをより多く利用し、これに透明かつ適切な形で専門家としての判断を組み合わせる健全な金利設定手続の構築を促進することによって、指標金利の強靱性は向上するとされているところでございます。
 金融庁といたしましては、この御指摘のBISの報告書につきましては、このBISの報告書自身の中でも触れられておりますように、中央銀行の視点から指標金利に関連する実務の改善方法について提言を示したものというふうに認識しておるところでございます。
#132
○大門実紀史君 全て実際取引データでこの指標金利を決めるべきだというふうにBISも言っておりませんし、私も言っているわけではありません。実取引だけでやると急に数字が特別な要因で跳ね上がるということもあるわけですから、専門家の客観的なものを加えながらですけれど、いわゆる銀行の裁量にばかり頼らないで、実取引データをやっぱりそれを加味してやらないと、LIBOR事件、TIBOR疑惑もこれからまた同じようなことが起きるのではないかということだと思います。
 ところが、今回の金融庁の改正案は、この国際決済銀行の提言に沿って前に進めるということよりも、もう全銀協が昨年末に公表したTIBORの改革案をそのまま追認するものにとどまっているのではないかというふうに見ております。
 例えば、新しい運営機関を設けてガバナンスを強化するというふうに言っておりますけれど、これは全銀協の子会社をつくるだけのようなものでございまして、独立性は疑問でありますし、肝腎の指標金利の定義、何をもって指標金利とするかという、その定義の抜本的な見直しも見送られました。
 ちょっと詳しく言いますと、このTIBORの、各銀行が全銀協に呈示する、うちは何%と、その呈示するレートというのは、実は自分のところの実取引じゃなくて、優良銀行、プライムバンク、これは資料三枚目に出ておりますけれど、優良銀行、プライムバンクの間の取引を想定して各銀行が報告すると。つまり、自分のところの銀行のことではなくて、プライムバンクという仮想の、想定した、大変財務状況のいい優良な銀行だったらばこれぐらいの金利だろうということを、想像上の銀行の取引を、それを想像して出すのが今のこのTIBORの呈示レートのそれぞれ銀行が出すものになっております。
 この優良銀行、プライムバンクというのは、もうちょっと、どういう意味なのか、御説明をいただけますか。
#133
○政府参考人(細溝清史君) まさにこの資料に書いてございますとおり、十分な自己資本と潤沢な流動資産を保有する等、財務的に強固である本邦無担保コール市場の主要な参加銀行というのが定義でございまして、この定義に基づきまして、各呈示行は自らが想定するプライムバンクというものについての想定レートを報告しているものと承知しております。
#134
○大門実紀史君 そうですね。この三枚目の資料に書いてあることなんですけれども、今申し上げたように、想像上の、自分のところの銀行のことではない、どこか、どこかといいますか、そういう優良な、財務状況のいい銀行を想定してそれぞれレートを呈示するわけですね。
 LIBORも十五年前まではこういうふうにプライムバンクの取引を想定した金利を実勢金利とみなすというようなことをやっていたんですけれども、これでは余りに銀行の裁量が大き過ぎるということで、一九九八年に自分のところの銀行が実際に調達できるレートというふうに定義が変更されたわけでございます。それでもこの前のような不正がなくならなかったということで、今回は更に進んで、先ほどの実際の取引データの裏付けをできるだけ取るような方向に、そういう改革に今着手しているところなんですね。
 そういうふうに見てみますと、今回まだこのプライムバンクの取引などという旧態依然とした曖昧なやり方を残しているというのは余りにも遅れた改正じゃないかと思いますが、いかがですか。
#135
○政府参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。
 まず、金融指標の定義でございますけれども、これにつきましては、基本的にはまずは金融指標の算出者において検討すべき事項であると考えておるわけでございます。
 これも先生十分御存じとは思いますけれども、IOSCO、証券監督者の国際的な機構でございますけれども、これの原則におきましても、運営機関は指標の構築等、指標決定プロセスのあらゆる面に対して第一義的な責任を有するとされているわけでございます。
 それで、先ほどから御質問にありますプライムバンク間の金利とするのか、それとも自行の例えば調達金利とするのかという点に関しては、これは先ほどから御指摘がございますように、TIBORについてはプライムバンク間の取引を前提とした定義を引き続き使用することとされております。
 その理由につきましては、この先生のお配りしていただいた資料の三ページの(3)のAの第二パラにもございますけれども、この現行定義に関しましては、確かに一方で、各リファレンスバンクのレート決定時における裁量の余地が大きいとの指摘もある一方で、金融市場が不安定な場合等においても安定的、継続的にレート呈示を行うことが可能になるというメリット、また、そういうことを勘案して、こうした現行定義のメリットや定義の変更を行った場合の大きさ等を勘案し、現時点ではプライムバンク間の取引という定義を使うと、すなわち定義の変更は行わないものとしたものと承知しております。
 また、実は自行の調達レートを前提とした定義といたしますと、LIBORの不正操作事案において見られましたように、自行の信用力をより良く見せるために実勢よりも低い金利を呈示するというインセンティブにもつながらないという指摘があることも事実でございます。
 こうした中、欧州銀行間取引市場におきます資金取引の市場実勢を示す指標金利でございますEURIBORというのがございますけれども、ここにおいてもTIBORと同様にプライムバンク間の取引を前提とした定義を維持しているものと承知しております。
 これらを踏まえまして、今回の金商法の改正案におきましては、具体的な指標の定義については踏み込むことはしない一方で、ただし、指標の算出の適正性を確保するために特定金融指標算出者が特定金融指標の算出方針を業務規程に定めまして、それを当局が認可する枠組みを導入することによって指標の適正性を確保したいと考えておるところでございます。
#136
○大門実紀史君 桑原さん、やっぱりそういう理屈は、この全銀協のこれに書いてある理屈はもう乗り越えるときに来ているんじゃないかと思うんですよね。
 例えば、何か金融システムに不安が起きたときだと、ほかに指標がないからと言うけれども、それこそ裁量なんですよね。それこそ裁量になっちゃいますし、通常は金利を高くする、高くするというのは自分のところの信用力が落ちているということを示すことになるから低く言うはずなのに、ところが、みんなで高くすれば怖くないんですよね。それが今指摘されていることでありますので、この全銀協も分かっていると思うんですけれども、BISの提言も出ているんで、こういう方向は、こういうふうな言い訳はもう乗り越えるべきときに来ているというふうに思います。
 LIBORは、今申し上げたように、実取引データを、実はイギリス銀行協会から運営機関も独立させて、なおかつ、今、仕組みとしてはレートを呈示するという仕組みは残っているんですけれども、実取引データに基づいてそれをチェックするという仕組みまで考えているところまで、ロンドンの場合は、LIBORの場合は踏み込もうとしておりますし、シンガポールなんかは、もう実取引データに基づく指標金利で、一定部分はもうそれでやっちゃうというふうに今なっておりますから、要するに、シンガポールがなぜそんなことに踏み込んでいるかというと、銀行協会の会長がおっしゃっていますけれども、要するに、顧客に安心感を与えて、いろいろ不祥事ありましたから、金融市場の地位を高めると、市場の信頼性を高めるためにやっているんだということだと思うんですよね。
 したがって、今回の法改正でとどまることではないと思いますけれども、本当に次の課題をすぐ掲げて頑張ってほしいなというふうに思います。全銀協任せにしないで、やっぱりグローバルスタンダードといいますか、透明性を高める方向に是非すぐに着手して踏み出してほしいと思いますが、最後に、麻生大臣のお考えを聞きたいと思います。
#137
○国務大臣(麻生太郎君) 大門先生、このTIBORに限りませんけれども、金融指標というものについては信頼性を確保するということが一番重要だという問題意識というのは、これは間違いなく共有しているんだと私どもそう思っておりますので、今ありましたように、確かにその日に取引がなかったらどうするんだと、いろいろと細かい問題点はいっぱいあるのは確かなんですけれども、いずれにしても、今回、一応定義としては、プライムバンクというものの定義を、一応ユーロ円TIBORの場合は、本邦オフショア市場の主要な参加行と一応定義したところだけでも半歩前進ぐらいだとは思っていただかないかぬところかなとは思ってはいるんですが、プライムバンクの取引を前提とした定義を継続するという意味で、このTIBORの算出者であります全銀協TIBORの運営機関の検討結果というのは尊重して当面信用するとして、これ、今後ともきちっと見た上で更なるものをやっていかなならぬとなると、その段階でもう一回考えないかぬということになるんだと思っております。
#138
○大門実紀史君 終わります。
    ─────────────
#139
○委員長(塚田一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本一太君が委員を辞任され、その補欠として森屋宏君が選任されました。
    ─────────────
#140
○平野達男君 平野達男でございます。
 まず冒頭、前回の一般質疑で通告申し上げまして質問できなかったことについて質問させていただきたいというふうに思います。
 お手元に資料として前回と同じ資料を提出させていただきましたけれども、今日はその下の潜在成長率の話につきまして何点かお聞きをしたいというふうに思います。
 このグラフにありますように、潜在成長率、短中期的に見た場合の実質成長率というふうに言っていいかと思いますが、非常にこれ下がっているということでありまして、この背景にある大きなファクターというのは人口減少だというふうにも言われております。
 御案内のとおり、過去五十年間で日本の人口というのは八千万人から一億二千万人に増えまして、今この状態が続きますと、今後五十年間で過去五十年に増えた人口がそっくりそのままいなくなってしまうという、そういう状況だというふうにも言われています。これから少子化対策しっかりやらないかぬとは思いますけれども、既に人口減少社会というのはもうビルトインされているということについては御案内のとおりかというふうに思います。
 多少余談的に言いますと、この人口減少社会というのは様々な形で現れておりまして、私は一九五四年生まれで、ちょうど、あの一九五四年、ゴジラと同じ年代になります。今年還暦を迎えるということでありますけれども、私どもよりもちょっと年齢の高い人たちというのが大体、三男、四男坊とか五人兄弟の一番下とか、かなり田舎では子供が多かった家庭で育った年代が多いんです。そういった次男坊以下、あるいは長女、次女、都会に出て、その方々が日本の高度経済成長を支えるんですが、長男は残ったんですね。長男は残って嫁を取って家は残った。その方々が今ちょうど六十過ぎて六十五歳ぐらいになりまして、その方の、我々の年代というのは大抵子供ができても一人か二人が多いです、その子供が今度は都会に出ていって戻ってこない。
 そういう中で、田舎は過疎化どころじゃない。ちょうど増田さんが将来的には集落が消滅するという数字を試算で出しておりますけれども、あれはもう現実に起こりかねない状況だと思います。今田舎で起こっているのは何かといいますと、そういう子供が入ってこなくて廃屋がどんどんどんどん目立っているという、そういう状況の中で、これから農村社会をどういうふうに立て直していくかというのは様々な観点から考えていかなくちゃならない課題だと思います。
 今日はその問題じゃなくて、この潜在成長率でありますが、こうやって潜在成長率が落ちていっているという状況の中で、ますます日本は人口減少が進むという中での成長率と人口減少ということについて、麻生大臣、どのような御認識をお持ちかということを冒頭ちょっとお聞きしたいというふうに思います。
#141
○国務大臣(麻生太郎君) この労働力の人口、生産年齢人口の減少が正確かな、そういった意味では経済成長を鈍化させますし、地域のいろんな意味での阻害要因になることはもう確かなんだという意味で、これは間違いなく日本経済というか地方の財政におきましてもこれは極めて大きな要素になりつつある。
 これは、この間の増田さんのを一週間ぐらい前に見せてもらいましたけど、本当かよといって聞くぐらいちょっとあの数字はすごかったですな。正直言って、私どもも過疎地を選挙区に抱えておりますので、そういった意味では、かなりな部分理解のできる部分でもあったんですけれども、取り組まねばならぬ問題、一番大きな問題だと思っております。
 よく、労働力人口だけ移民に頼るという場合は何が問題起きるかとか、ロボットでいった場合はこうなるとか、高齢者がより多く働けばとか、女性が働く、これ全部、全て別の問題が出てくるかと思いますので、いろんなものの可能性というのを今後とも考えていかなきゃいかぬところだと思うんですが、少なくとも、今私どもの段階の中で、労働力は一億は是非維持したいという方向で、今きちんとした方向で打ち出していかねばならぬと思っておりますが、そういったものを維持し続けるために何かするかといった場合に、私どもはやっぱりもう一回考えなきゃいかぬところは、子供が産みやすくできるようになる環境とか、産んでも育てやすい環境とかいうのができないと、これは幾ら豊かになっても子供が産めないんだと思うんですね。
 私の場合、六人兄弟で生まれていますから、下に五人おりましたので、きちんとけんかの仕方も餓鬼のときから自然と覚えますし、学校行って教わることもほとんどなく、ちゃんとみんな周りが教えてくれるようなものばかりだったと記憶するんですけれども。
 そういった意味で、今後こういったようなものを前提にして今までと同じような意識でやると間違えるので、是非、こういったものを前提にして、ロボットとかいろんなものを言っておりますけれども、そういったものを積極的に頭を柔らかくしてやっていかなきゃいかぬところなので、固定概念で今までどおりにいくという発想から抜け出して取り組んでいかねばならぬところだと、私どもはそう思っております。
#142
○平野達男君 人口減少といろんな経済問題、それから社会問題というものを初めてというか、きちっと整理して取り上げたというのは、私が知る限り政策大学院大学の松谷明彦さんではないかと思います。二〇〇四年に「人口減少経済の新しい公式」という本を出しまして、その後、松谷先生と私も何回かお話ししていろいろ御教示を受けたのですが、ここに来てやっぱり人口減少というのをきっちり捉えるようになったというのは非常にいいことだと思います。
 この人口減少社会という中で、地域社会、経済財政運営はどうあるべきかということについては、もっともっとこれは真剣に議論しなくちゃならない話だと思います。特に、生産性の問題からいきますと、どうしても供給サイドからいろんな議論するんですけれども、仮に成長が二%で進むとして人口が減るということは、一人当たりの給料がどんどんどんどん上がっていかないとGDPというのは成り立たないはずなんですね。どうしてもいろんな議論が、どうしても生産性、ロボット化すればいいじゃないかみたいな話になるんですが、人口が減ってGDPが上がっていくということは、個人消費がある一定の、六割という率をキープするためには、三%でいくんだったら、個人当たりの給料が五%とか六%ぐらいで上がっていかないと消費が成立しないという構図にもなりかねません。そういう中で、本当にどういう経済運営になっていくのかという問題。
 それから、あともう一つは、大事な問題は、負の遺産を残さないということだろうと思います。
 この間も、先般、一般質疑の中で経常収支がもうゼロ近傍、プラス・マイナス・ゼロのところに推移してきているという中で、これも今までにない状況だと思います。成長戦略ということで、これは前にも申し上げましたけれども、明るい未来ということを言うのも結構なんですけれども、何がリアリズムかという問題は難しいんですが、どうしても、やっぱり今までに経験したことのない社会に入っているんだということについては、これは政府としてももっともっとこれは発信していくべきだし、悲観的になるという意味ではなくて、そういった現実的な面に立っての財政運営、経済運営というのがやっぱり必要なのではないかなという、抽象的な話で申し訳ありませんが、以上を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 その上で、今回の法律でありますけれども、これは法律については賛成でありますが、いわゆるプロ向けのファンドについては様々な問題があって今回改正をするということでありますが、プロ向けファンドの中身については今日質問で何回もございましたし、どういう改正をするかということもお聞きしました。
 お聞きしたいのは、今回そういう改正をするということについての教訓というものが、どういう教訓があるのかということについて、簡単にちょっとお聞きをしておきたいというふうに思います。
#143
○政府参考人(桑原茂裕君) プロ向けファンドに関しまして、高齢者を中心に一般の投資家の被害事例が後を絶たないことにつきましては、私ども金融庁としても憂慮いたしておりました。そうした中、先ほども申しましたように、証券取引等監視委員会、また消費者委員会からプロ向けファンドの制度見直しに関する建議、提言が行われたわけでございます。
 そうした状況を踏まえまして、本来のプロ向けという趣旨にのっとりまして、そのファンドの勧誘ができる範囲、投資家の範囲を一定の投資判断能力を有すると見込まれる者に限定することによって、一般投資家の被害の発生等を防止する観点から、今回の制度見直し案を公表したところでございます。
 金融庁が得た教訓は何かということでございますけれども、金融庁といたしましては、制度設計を行う際には、金融資本市場において円滑な資金供給を確保するという一つの要請、それから投資者保護を図るというもう一つの要請の間でいかにバランスを取るかということが非常に重要な課題であるなということを改めて認識しておる次第でございます。
 今後とも、そうしたバランスに配慮しつつ制度設計には当たってまいりたいと考えております。
#144
○平野達男君 いずれ金商業者、仲介をやるわけですけれども、金商業者は別に自分でリスクを取るわけではない。あなたはリスクを取りませんかということでお金を集めるわけですね。
 プロ向けファンドということで、中に機関投資家がいるから大体このファンド自体は安全だろうということで四十九人でしたか、のところで、だったら大丈夫だろうということでやったんですが、様々な問題が出てくる。その背景には、やっぱり金商業者というのは、今言ったように数を集めて手数料を取るということでありますから、どうしてもやっぱりいろんな形でいろんな知恵を出して集めようとするんだろうと思います。
 今回は五十万ということで、ネットでやるということで、その裾野が随分今度は広がるんだろうと思いますね。様々なことをやるということになっていますけれども、今回は非上場株式も売買するという中で、これはやっぱり相当気を付けなきゃいかぬだろうということなんだろうと思います。麻生大臣が、投資と融資の違いを話をされましたけれども、大体、一般の高齢者の方は投資と融資の区別も付かない場合が多いんじゃないかというふうに思います。それで、ネットでやりますから、これはいいよ、これはいいですよということで、多分いろんなことを言ってくると思います。
 それからもう一つは、制度設計の中で、こんなことはないと思いますけれども、五十万以下だから多少のリスクがあってもいいじゃないかという感じの中で制度設計されていたら、これは大変なことになってしまいますね。
 だから、投資家という立場に立った場合に、今回のクラウドファンディングという、まあこの言葉自体もなかなか私なんかにはなじみがない言葉なんですけれども、こういう制度の中で、制度設計で入れる段階で、投資者にとって、あるいは一般の方々にとって何を気を付けるべきかという観点で、やっぱりこれはもうちょっときちっと情報発信をしていくべきじゃないかと思いますが、この何を気を付けるべきかということについて、現段階では金融庁さんとしてはどんな観点で整理されているんでしょうか。
#145
○政府参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。
 一般的に投資型クラウドファンディングを通じまして、今御指摘がありました非上場企業に投資した場合には、上場企業に対して投資する場合と比較いたしますと、将来その企業が上場することなどによって大きなリターンを得ることができるという可能性がある一方で、その企業が倒産してしまうリスク、また取得した株式等が換金できないリスクも高いものと考えられます。
 このため、先ほどから御議論がございますように、クラウドファンディングを通じた投資に当たりましては、投資者がこうしたベンチャー企業に対する投資に特有のリスクを十分理解して投資していただくことが重要であると考えております。
#146
○平野達男君 今日は金融リテラシーという話もございましたけれども、いずれ投資に対するリスクというものをどのように判断させるか、そのための材料提供ということについては、これは消費者庁とか弁護士会もいろいろな形で懸念を抱いているようでありますけれども、金融庁さんもこのことをしっかり受け止めて、これがやはりうまく成功するということが、長い間言われているところの間接金融から直接金融へという、それからあとリスクマネーの供給ということの一つの新たな道を開けるということでもありますし、逆にまた、ここでいろんな問題が出てきますとやっぱりなという話にもなりかねませんので、十分お分かりになっての今回の制度設計だと思いますけれども、しっかりやっていただくことをお願い申し上げまして、時間ちょっと余っていますけど、私の質問に代えさせていただきたいと思います。
#147
○委員長(塚田一郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、金融商品取引法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#148
○委員長(塚田一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、尾立君から発言を求められておりますので、これを許します。尾立源幸君。
#149
○尾立源幸君 私は、ただいま可決されました金融商品取引法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    金融商品取引法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 実体経済を支えつつ、成長産業として経済をリードするという我が国金融業が果たすべき役割を踏まえ、金融機能の安定、市場の公正、利用者の保護等に万全を期すとともに、我が国金融資本市場の国際的な魅力を高め、アジアのメインマーケットたる市場を実現するための取組を推進すること。
 一 新規・成長企業に対するリスクマネーの供給が円滑に行われるためには、金融資本市場に対する投資者の信頼感の確保が必要であることに鑑み、投資型クラウドファンディングに係る制度の運用に当たっては、詐欺的な行為に悪用されることを防ぐため、仲介者となる業者による、発行者に対するデューデリジェンス及びインターネットを通じた情報提供が適切に行われるよう適確な監督を行うとともに、必要な定員・機構の確保を図ること。また、資金受入れ後の企業の事業状況等についても、適時適切に情報提供されるよう配慮するとともに勧誘ルールを明確化するなど、投資者に対する注意喚起及び理解啓発に努めるほか、自主規制機関などの関係者との連携強化を図りつつ、投資者保護の確保に万全を期すこと。
 一 ファンドを販売する金融商品取引業者等における問題事案の再発を防止するため、自主規制機関と連携しつつ、本法による行為規制の強化等を厳正に運用するとともに、実効性ある投資者保護に資する対策を引き続き検討すること。その際、自主規制機関における加入促進に向けた取組についても配慮すること。
   また、無登録業者による未公開株やファンドの勧誘をめぐる被害が後を絶たないことに鑑み、国内・海外を問わず、無登録業者に対する監視等を強化すること。
 一 証券・金融と商品を一体として取り扱う総合取引所の創設が、我が国市場の国際競争力の強化及び利用者利便の向上を図るために重要な取組であることに鑑み、総合取引所についての規制・監督を一元化する改正金融商品取引法が本年三月に施行されたことも踏まえ、その早期実現に向けて取引所等の関係者に対し更なる検討を促すなど、金融庁、農林水産省及び経済産業省が連携して対応を強化すること。
 一 金融資本市場を取り巻く環境が大きく変化する中、近時における第二種金融商品取引業者による法令違反行為などの実態も踏まえ、実効性のある投資者・利用者保護を図る観点から、金融商品取引業者等に対する検査及び監督を強化すること。その際、地域の金融商品取引業者等の検査及び監督を主に担当する財務局も含め、優秀な人材の確保と職員の専門性の向上を図るとともに、必要な定員の確保、高度な専門的知識を要する職務に従事する職員の処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#150
○委員長(塚田一郎君) ただいま尾立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#151
○委員長(塚田一郎君) 多数と認めます。よって、尾立君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、麻生内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生内閣府特命担当大臣。
#152
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえて配意してまいりたいと存じます。
#153
○委員長(塚田一郎君) 次に、保険業法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#154
○委員長(塚田一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(塚田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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