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2014/05/27 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 外交防衛委員会 第18号
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2014/05/27 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 外交防衛委員会 第18号

#1
第186回国会 外交防衛委員会 第18号
平成二十六年五月二十七日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     井上 義行君     中西 健治君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     牧野たかお君     石田 昌宏君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         末松 信介君
    理 事
                佐藤 正久君
                松山 政司君
                三木  亨君
                福山 哲郎君
                石川 博崇君
    委 員
                石田 昌宏君
                宇都 隆史君
                岡田 直樹君
                小坂 憲次君
                島尻安伊子君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                白  眞勲君
                藤田 幸久君
                牧山ひろえ君
                山口那津男君
              アントニオ猪木君
                小野 次郎君
                中西 健治君
                井上 哲士君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     小野寺五典君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   副大臣
       外務副大臣    三ッ矢憲生君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       冨岡  勉君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       武藤 義哉君
       内閣官房内閣参
       事官       檜垣 重臣君
       外務大臣官房審
       議官       新美  潤君
       外務大臣官房審
       議官       金杉 憲治君
       外務省欧州局長  上月 豊久君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局次長      伊藤宗太郎君
       国土交通省航空
       局安全部長    島村  淳君
       防衛大臣官房審
       議官       吉田 正一君
       防衛省防衛政策
       局長       徳地 秀士君
       防衛省運用企画
       局長       中島 明彦君
       防衛省人事教育
       局長       豊田  硬君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (中国軍機による自衛隊機への異常接近事案に
 関する件)
 (安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会
 の報告書及び安倍内閣総理大臣の記者会見に関
 する件)
 (日朝関係に関する件)
 (海外在住の日本人研究者への支援に関する件
 )
 (日露関係に関する件)
 (米軍無人偵察機の三沢飛行場への展開に関す
 る件)
○核物質の防護に関する条約の改正の受諾につい
 て承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○刑を言い渡された者の移送に関する日本国とブ
 ラジル連邦共和国との間の条約の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う上での協
 力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国
 政府との間の協定の締結について承認を求める
 の件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、井上義行君及び牧野たかお君が委員を辞任され、その補欠として中西健治君及び石田昌宏君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(末松信介君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○宇都隆史君 おはようございます。自由民主党の宇都隆史です。
 後ほど、お手元に資料をお配りいたしますけれども、今日は二つの件に関して質問をしたいと思います。一点目は、先日、東シナ海上空でありました我が国の海上自衛隊機、航空自衛隊機の偵察機、これと中国軍の戦闘機の異常接近事案。そして後半、時間を残しまして、自衛隊のパイロットの割愛制度、そして民間に出たパイロットを一体どういうふうにして予備戦力として使っていくのか、防衛省はどういうふうにそれを考えているのか、こういう質問をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭に、この異常接近事案に関して質問をしていきたいわけなんですが、防衛大臣は二十五日の記者会見で、公海上で飛んでいるときに通常このような接近することはあり得ない、常軌を逸した接近行動だということで非常に強い不快感を表していただいたわけですが、改めて防衛大臣、この件に関して御感想をちょっと一言お願いできますか。
#7
○国務大臣(小野寺五典君) 今回発生しました自衛隊機による中国軍戦闘機の近接事案につきましては、そのときの状況を、私ども現場の状況からしっかりとした確認をさせていただく中で、大変危険な状況にあったということであります。我が方として、公海上で通常の警戒任務に当たっている中での今回のようなことについては、これは決してあってはならないことだと思っております。
 私どもとしては、直ちに中国側に抗議をするという意味で、外交ルートを通じ、外務省の協力をいただきながら、中国側にはこのようなことがないようにということで伝えさせていただいております。
#8
○宇都隆史君 防衛大臣、今度、シャングリラ会合、防衛相が、各国が集まる防衛相会議、これは総理も行かれるという話を聞いておりますけれども、是非そういう場でも、お互い国の守りのために平素のいろんな活動はありながらも、やはり安全、それから国際的なルール、これをきっちり守っていくべきだということを強く発信していただきたいということをまず冒頭にお願いをしておきます。
 先生方にも、今回のこの事案というのがいかに危険なことであるかというのをちょっと具体的な数字を示してお話をしておきたいんですが、一番接近された航空自衛隊のYS11というのは三十メートルぐらいまで近寄られたということなんですね。ふだんどれぐらいまで近寄るのか。余りこれははっきり言えないことでしょうけれども、もっともっと大きな幅の距離を持って航空自衛隊であれば対応するわけなんです。
 三十メーターという距離、なかなか想像も付かないでしょうけれども、航空自衛隊の主力戦闘機のF15戦闘機、全長が二十メートルです。ですから、三十メートルというのがいかに、近くで見たらもう戦闘機一機分の幅しかない。お互いがちょっと操作を誤れば本当にぶつかってしまうという距離ぐらいまで近づいてくるわけですね。しかも、こちらが真っすぐ飛んでいればの話です。向こうも真っすぐ飛んでくれればの話です。それぐらい非常に危険な行為を今回やってきたんだということをやっぱり十分我々は認識して、これは強い抗議を示すべきであろうと思います。
 今回、東シナ海、ちょうど先日というか過日、中国の方が一方的に定めた防衛識別区、そして、この防衛識別区の中を飛行する場合については事前通告を求める又はその行動に関しては中国側に従ってもらうというような、基本的に国際的なルールを無視した、非常に意図的なといいますか、中国の管轄下にまさにある空域かのような、こういうことをやっているわけなんですけれども。
 本日の朝の産経新聞で、外務省の齋木次官が非常にこれに対して強いクレームを出されたと。その中で、自衛隊機は平素の警戒監視活動を行っていましたという発言をされています。防衛大臣も、先ほどそういうようなお話をされていました。
 いわゆる警戒監視活動、平素における様々な偵察任務といいますか、そういうことを行っていたんだろうと思いますが、これ、どういう法的な根拠に基づいたものなのか、これは防衛省の方から説明をしてください。
#9
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。
 今回接近されました自衛隊のOP3C及び航空自衛隊のYS11Bでございます。これらの活動の詳細につきましては、我が方の手のうちということでお答えすることは御容赦いただきたく存じますけれども、法的根拠でございます。
 この活動、これは、具体的には平素から行っております我が国周辺海空域におきます警戒監視活動というふうに観念しておるところでございますけれども、これは法律上、防衛省の所掌事務を規定いたしました防衛省設置法第四条第十八号、読み上げますと、「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと。」の一環として実施しておるところでございます。
 この活動は、国民の権利及び義務に関わらない行為でありまして、実力の行使を伴うようなものではないということから、防衛省の所掌事務の範囲内で行うことが可能でございまして、現状において特段の問題は生じていないというふうに考えております。
#10
○宇都隆史君 現状において問題を認識していない、そのこと自体が私は非常に、防衛省としてはもう少し真剣に考えていただきたいなと思うんですが、これはいろんなところでこれまでも問題視されていた部分なんです。防衛省の自衛隊を動かそうと思えば、それなりの法的な根拠が必要なわけですね。例えば防衛出動であれば、これは自衛隊法の七十六条、これを根拠に動かすわけです。例えば命令による治安出動であれば七十八条等々ですね。
 しかしながら、平時においてこういう警戒監視任務に就いている航空自衛隊の様々な船であったり飛行機というのは、じゃ、何の法的根拠に基づいているかというと、実はそういう法律がない。ないんですけれども、平時においてもいろんな様々な情報収集活動等をしなければなりません。それを読み解くために、防衛省設置法の中の四条でしたね、四条十八号、調査研究の項目を拡大解釈して今までやってきたというのが現状で、これまでも、それをしっかりとした法整備をするべきではないかという問題点がいろんなところから提示をされているにもかかわらず、担当の防衛省が、そこに対しては大きな問題は今のところ生じておりませんという回答なんですね。今もそうでした。
 じゃ、本当にそうなのかということで、それからまた踏み込んで質問させていただきたいんですけれども、まさに今回、このADIZが重複している空域での飛行をしていたわけなんです。今回、この異常接近をされた航空機、海上自衛隊のOP3C哨戒機、それから航空自衛隊のYS11E電子偵察機、これはそれぞれに、何かが起こったときに正当防衛、緊急避難等をできるような自己防御機能、こういうのが付いている航空機ですか。
#11
○政府参考人(吉田正一君) お答え申し上げます。
 今回、異常接近された海上自衛隊のOP3C及び航空自衛隊のYS11EBについては、いずれも、議員御指摘の自機防御装置は有しておりません。
#12
○宇都隆史君 報道によりますと、今回異常接近してきた中国の戦闘機、これはスホイの27というロシア製の戦闘機なんですけれども、非常に性能の高い戦闘機です。しかも、今回の戦闘機は、翼の下に、おなか側の方に自己防御用ミサイル等々を積んでいたということで、場合によっては攻撃された可能性もあるかもしれないというような状況だったわけですね。しかしながら、我が方で防衛省設置法四条を拡大解釈して、平時における警戒監視活動をしてきなさいと命令を受けて飛んでいるこのパイロットたち、あるいはその搭乗員たちの身を守るすべというのは全く持っていないというのが現状なんです。
 先ほど紹介しました産経新聞、同じ記事の中に、安倍首相は首相官邸で小野寺防衛大臣と会談して、外交ルートでまずしっかりと抗議しようと、それで、警戒監視任務は継続してやりなさいということをお述べになっているわけですけれども、自衛隊の最高指揮官としてこれは当然のことなんだと思います。これで、しばらく危険だから警戒監視任務は中断するようになんと言ったら向こうの思うつぼなわけですから。
 しかしながら、やっぱり現場のストレスといいますか、現場で本当に命懸けでやる人間たちの気持ちも考えていただきたいんですね。自分たちの身を守るすべが何もない状況の中で、今回の戦闘機、二機です。その異常接近した航空機以外にぴったりと後ろに付かれていただろうと、そういうふうに推測するんですけれども。そのような状況の中で本当にこれまでどおりこういう任務活動をしていっていいんだろうか。あるいは、私は思うんですけれども、やっぱりこれ、本来任務としてちゃんと法律にのっとってやらせた上で、しかも防御をするような措置が必要なんじゃないかなと思うんです。
 こういうような問題点を提示しますと、中には、武器等防護という、隊法の九十五条ですね、これを読み解いて守れるんではないかというような意見が出ることもあります。果たしてこの武器等防護、九十五条で航空自衛隊の戦闘機がこのようなシチュエーションの中で当該機を守ることは可能ですか。
#13
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。
 まず、法律の議論として申し上げますと、法文の中に航空機というものがございまして、警護任務を付与された自衛官が防護することができるとありますので、航空自衛隊の戦闘機も、実際にそういう警護任務ということを付与いたしますと、法律的には可能ということになるわけでございます。
 ただ、じゃ、どういうふうなときにその付与の任務をするか、じゃ、警護要領でするかということになるかと思います。この具体的な状況につきましては、事柄の性質上お答えを差し控えますけれども、その前に、まず、今回の警戒監視任務というのは、議員御案内のとおり、公海上を何ら国際法上に触れることなく、全く正当な行為として行っておるわけでございます。そういうふうな状況の中で、果たしてその警護をするような形を念頭に置いた行動を我が方が取ることが適切であるかどうかというふうな軍事上の判断もあろうかと思います。
 それから、九十五条に関して申しますと、やはりその攻撃をまず退避するということが基本的には想定されておりまして、今回のケースのような例で考えますと、自衛隊機が何らかの危険にさらされるといった場合には、個別具体的な状況によりますけれども、一般論として、まず、地上からないしは航空機からの、周辺の相手方といいますか、航空機の状況の適切な情報の提供を踏まえまして、まず安全確保のための退避行動を取るということになろうかと思います。
#14
○宇都隆史君 非常に今、防衛省にうまく論理のすり替えをされましたね。
 そういうふうに警護をすることが果たして国際関係上、それが正しいのかどうなのかという前に、それができるのかという話を私は聞いているんですね。しかも、上手に濁しましたけれども、航空自衛隊のと冒頭に付けて、法的にそれは可能ですと言いましたけれども、じゃ、海上自衛隊の航空機を守ることはできますか。あるいは海上自衛隊の艦艇、あるいは民間の航空機を警護任務で、この九十五条を読み解いて守ることができるようになっていますか。
#15
○政府参考人(中島明彦君) まず、各自衛隊の間の警護任務の付与の在り方でございますけれども、法文上、特に海上自衛隊、航空自衛隊の区分は付けておりません。したがいまして、この法の趣旨、すなわち重要な我が国にとっての防衛手段を防護するという趣旨から考えますと、特に海上自衛隊、航空自衛隊、陸上自衛隊という区別はないというふうに考えております。
 他方、民間につきましては、やはり自衛隊の武器という、我が国の防衛力を構成する要素であるかどうかという観点から見ますと、それはやはり対象とはならないだろうというふうに考えます。
#16
○宇都隆史君 もう一点確認をいたしますけれども、陸海空の別はなく警護任務を付与し、それを警護対象に指定すれば、それは九十五条で、武器等防護で警護できるということでよろしいですね。
#17
○政府参考人(中島明彦君) そういうふうに御理解いただいて結構でございます。
#18
○宇都隆史君 残すところは、私はその認識はちょっと違うんじゃないかなと思うので、それは、じゃ、また別の新たに時間のあるときにしっかりと議論させていただきたいと思います。
 それともう一つ、先ほど答弁で言われたのは、これはあくまで自衛隊機の警護はできるけれども、民間はまさにその対象にはならないと。そこが今回、安保法制懇の中で一つ出てきたグレーゾーンにおける武器の使用、あるいは民間機を守るときに法的な担保が全くなされていない、本当にそのままでいいんだろうかというような話なんだろうと思います。
 もう一つ、一番最初の設問にまた戻って質問しますけれども、やはりこういう危険な状況は起こり得るわけなんですけれども、こういうのを設置法で読み解くのではなくて、やはり自衛隊の本来任務、隊法の三条の中に、警戒監視任務をやりなさい、これは自衛隊の本来任務ですよ、平時における主たる活動ですよということを法改正をしていくのがやっぱり筋ではないかと私は思います。その件に関して、防衛省、いかがお考えですか。
#19
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、この警戒監視活動、国民の権利義務に関わらない日常的な活動であって実力の行使を伴うようなものではないという、いわゆる法律上、国民の権利義務に関わるものは法定するという物事の考え方からいたしまして、防衛省の所掌事務の範囲内で事態に応じて適時適切に行うことが可能ということで、現在、防衛省設置法上の事務とされているところでございます。
 それでは、他方、今委員御指摘いただきましたように、警戒監視活動を新たな活動、行動類型として自衛隊法に規定するとした場合どういうことになるかということを考えますと、例えば、ほかにも訓練、演習などがございます。ないしは研究開発活動における自衛隊の活動がございます。こういう自衛隊が日常的に行う活動、これは、国民の権利及び義務に影響を与えないほかの活動についても、じゃ、すべからく個別具体的に自衛隊法に規定しなければならないのではないかというふうな議論も法律論としては生じるところでございます。そういたしますと、自衛隊の活動がどのような形であれ法律として規定しなければならないのではないかというふうな議論も生じますし、また、平素のものを含めまして、その他の自衛隊の活動との間のいわゆる隙間といったものをかえって生み出したりするのではないかというふうな議論もあるところでございます。
 したがいまして、先ほどお答えいたしましたように、警戒監視活動の法的根拠について、基本的には現行法の考え方を変える必要はないのではないかというのが従来の政府から申し上げているところでございますけれども、今まで、御指摘のとおり、過去、この委員会も含めましていろいろ御指摘をいただいているところでございます。したがいまして、今後、不断の検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
#20
○宇都隆史君 役所としては、答弁としてはそのぐらいになるのはそれは仕方がないのかなと思いながら聞いておりましたけれども。
 やっぱり生身の人間ですから、自衛隊員は。現場で非常にストレスを浴びながらやっている人たちの、隊員たちの気持ちをやっぱり考えてやっていただきたい。国民の権利に云々じゃないからこれは調査研究の一般的な省庁の中でできる話なんですよと、それは法理的にはそうなのかもしれません。しかしながら、実際に現地に行く人間たちの気持ちを考えたら、やっぱりこれは本来任務なんだよ、ちゃんとした命令に基づいて行ってきなさいということを言われないで、そういうところである意味ひりひりするような、命を懸けたような任務に就くというのは、やっぱり私であれば、そういうところには上司としても行かせたくない、指揮官としてもオーダーを出したくないという気持ちがあります。
 それから、やっぱりこういう非常にストレスの掛かるところで活動する隊員たちの処遇というのももう少し真剣に考えていただきたいんですね。先ほど、自衛隊の平素における普通の活動だからとおっしゃいましたけれども、平素におけるこの情報収集活動、警戒監視活動、それがあってこその国の守りじゃないですか。まさに、本来任務にあるところの防衛出動であったりとか治安出動なんという状態は本来であればあってはならぬことですよね。そうならないための平時の活動なわけですから、言ってみたら極めて重要な本来任務なんですよ。
 今回のパイロットたちも、非常にストレスを感じて冷や冷やしたんだと思います。でも、このパイロットたち、こういうふうにして飛んで、まあ瑣末な話ですけど、日当幾らか御存じですか。六百五十円、もう定食一日分付くぐらい、それぐらいの任務で彼らは飛んでいるわけですね。別に、お金を上げろ云々という、そんな瑣末な話をしているのではないですけれども、もう少し現場の隊員たちが、よし行くぞという気持ちになれるような形で、やっぱり法改正も含めて真剣に取り組んでいただきたいと思います。
 大臣、もろもろ、この今の質疑をお聞きになりながら、大臣として是非前向きな、今後検討するというような御答弁をいただきたいんですが、いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(小野寺五典君) 警戒監視任務に当たっている、これは今回の事案のパイロットだけではなくて、パイロット、それから搭乗員、その整備をする、一体となって今、安全保障、特に航空機の運用に努力をしてくれているものと承知をしています。
 今回の事案を受けてでもありますが、やはり現場の声をよく聞くということ、これは私どもとしては大変重要だと思っておりますので、今、各幕を通じての現場の意見を上げてもらうような、そういう意見の交換の場を多くつくるようにはしておりますが、なおのこと、今回の事案も含めて、特に警戒監視やスクランブルに当たっている搭乗員含め、状況については、さらに今の状況、現場の声、それをしっかり把握をすることに努めていきたいと思っておりますし、また、委員が御指摘になりました航空搭乗員につきましては、今、飛んだ回数の日当というのがありますのが、それ以外に、パイロットの場合には独自に航空手当という形で手当も準備させていただいておりますので、そういう意味では、しっかりとした処遇ができるように今後とも検討していきたいと思っております。
#22
○宇都隆史君 安倍総理のこの安全保障関係の法案のこれまでの懸案事項だったことに対する真摯な取組、また、防衛大臣の日頃から本当に隊員を思ってくださってのいろいろな活動であったりいろいろなところでの発信、心から本当に敬意を表します。
 この設置法四条の絡み、平時における警戒監視活動、これを調査研究で読み解く、これは長年の実は防衛省の懸案事項なんです。是非、小野寺大臣のときに、これを真剣に考えようということで先鞭を付けていただきますことを心からお願いを申し上げて、二問目に移っていきたいと思います。
 さて、今、搭乗員の話をした中で、今度は、今年の夏頃からまさに防衛省として再開をされようとしています割愛制度。割愛制度というのは、自衛隊のパイロットをある程度の途中の年齢から民間の方に吐き出すといいますか、民間パイロットとして外に就職を認める、途中退職を認める制度なんですけれども。
 そもそも何でこういう制度ができてきたかというと、民間は民間でパイロットの需要、これは必要なわけですね。各航空会社は、自分たちの自社養成等でパイロットを育てます。しかしながら、物すごく多くのコストが掛かるわけですね。そうすると、ある時期に自衛隊のパイロットに対して、もっといい処遇でうちが雇うからということで引き抜きというのが非常にあった時期があって、それは非常に国の防衛上も困るということで、国交省、防衛省の中でしっかりとした覚書を交わして、一定程度の割合は民間の方にちゃんと差し出すから、そういうお互いに道義を欠いたような引き抜きとかそういうことをしないようにということで、この割愛制度というのがあるわけなんです。決して天下りとかそういうものではなくて、民間にとっても有り難い話、自衛隊にとっても、操縦者としてずっと勤務をしたいという人間にとってみたら有り難い話なわけなんです。
 この割愛制度を今年の夏から復活をさせようということなんですが、単なるかつての割愛制度の復活だけではなくて、今回は、外に、民間に出ていったパイロットたちに予備自衛官として、つまり、いざとなったときの予備兵力としての立場を期待するということを防衛省としては考えているわけですね。これは、急遽防衛省がこんなことを考え出したわけではなくて、昨年に定められた国家安全保障戦略、それに基づく防衛大綱、この中で航空戦力の予備戦力というのを真剣に考えなさいということがうたわれているわけなんです。その一環であろうと私は思っております。
 それで、まず冒頭、国交省の方に。
 民間のパイロットの今後の需要といいますか推移、これは、団塊の世代の大規模な退職、離職、それから今後どんどん出てくるLCCと言われる会社等でいっぱい必要になってくるというふうに聞いておりますけれども、現状のところをちょっと御説明いただけますか。
#23
○政府参考人(島村淳君) お答え申し上げます。
 現在、我が国の主要航空会社には約六千名のパイロットが在籍しております。そのうち、自衛隊出身者は約七%を占めております。
 今後の見通しにつきましては、二〇一〇年の国際民間航空機関の推計によりますと、世界的な航空需要の増大に伴いまして、二〇三〇年には世界で二倍以上のパイロットが必要とされ、特に、アジア太平洋地域については現在の四・五倍のパイロットが必要とされると見込まれております。
 そうした中で、我が国の航空業界においても、航空需要の増大に伴いパイロットの需要が増大することが予想される一方、主力となっております四十代のパイロットが今後十五年から二十年後、二〇三〇年頃には大量退職されると見込まれており、中長期的なパイロット不足が発生するおそれがあります。
 また、御指摘にありましたように、LCCまた地域航空会社においては比較的高齢のパイロットが多く、そうしたパイロットがここ数年で退職すると見込まれており、短期的にもパイロット不足に直面しております。
 こうした状況を踏まえ、国土交通省では、交通政策審議会の下に小委員会を立ち上げ、パイロットの養成、確保について検討を行っております。本年三月には小委員会の中間取りまとめも受けまして、短期的なパイロット不足の対応策として自衛隊パイロットの民間における活用を再開したところであり、パイロットの安定的な供給源として期待しております。
 引き続き、本制度が効果的となるよう防衛省と連携をしてまいりたいと考えております。
#24
○宇都隆史君 人口減少社会に突入していまして、労働力の不足というのはいろんなところに波及をしております。まさにそれが航空業界、パイロットの世界にも来ているわけですね。しかも、単なる労働人口の減少というだけにとどまらず、その需要自体が、パイ自体が、マーケット自体が非常に今後大きくなってくる。アジアで四・五倍ですか。
 先生方も、土日等でいろんなところに移動されるときに、時折、飛行機に乗られるときは操縦席をちょっとのぞいてみてください。恐らく何回に一回かは外国人の操縦者というのを見ることができると思います。それぐらい今多くなってきているんですね。
 時折ですけれども、重大事故につながらないぐらいの、インシデントですけれども、語学的なことがよく分かっていなかったり、そういうどちらかというと質の低いパイロットによって、日本の国内でもあるいは海外でも、航空事故といいますか、許可を得ないで滑走路に進入してみたりだとか、それから命令と違った形で先に着陸をしてしまったりだとか、そういうようなニュースもちらほら聞こえているような現状で、これから非常に重要になると思いますし、まさに一番重要になる四十代のパイロットということであれば、自衛隊の中では完全に脂の乗り切った経験豊富なパイロットになるわけです。ちょうど現場に残り切るか、それとも、飛行機自体の数が限られていますから、飛行機に乗れずに地上職に降りるか迫られるような年齢でもありますから、お互いにこれはウイン・ウインの関係でいけると私も期待はしております。
 しかしながら、これ割愛をまたしていくということになってくると、航空戦力の全体の組成をどう考えていくかということを真剣に考えていかなきゃいけませんね。
 大臣は、これちょっと私も正確なあれを持っていないんですけれども、どこかの記者会見か何かで、大体年間十名程度のパイロットを出そうというような考えでいるんだというようなことを発言されたようですけれども。年間十名でもいいです、私は少な過ぎるのではないかなとは思っていますが。年間十名吐いていくということは、これまで必要とされていた操縦者の、一番最初に操縦課程学生として入れる枠というのも、じゃ少し増やしていくんだろうか、あるいは、途中から中抜けした場合について、そのパイロットが抜けた部分の補充というのを今後どのように考えていくのか。しばらく割愛はしていなかったわけですから、そういうパイロットが残っているわけですね、現場には。この人たちと下のバランス、年齢構成的なバランスというのを航空自衛隊はどのように考えていくのか、ごめんなさい、航空自衛隊だけではないですね、陸海空の操縦者としての組成をどう考えていくのか。防衛省として今考えている状況をちょっと教えていただけますか。
#25
○政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。
 まず、割愛の状況でございますけれども、私ども、本年の三月十四日に制度を再開するということを公表させていただきまして、現在、民間航空会社などからの要望を踏まえまして具体的な人選等の手続を行っているところでございます。
 具体的に民間の航空会社等で活用される時期につきましては、採用試験などの手続を踏まえまして、早ければ夏頃に内定する予定でございます。また、人数につきましては、本人の要望等にもよりますけれども、先生からも御指摘ございましたように、おおむね十名程度になるのではないかと考えておるところでございます。
 自衛隊のパイロットにつきましては、自衛隊が装備する航空機の所要を満たすための要員を養成、確保しているところでございます。仮に第一線部隊に更にパイロットを補充することが必要となった場合には、まずは司令部等において勤務している操縦士の資格を持つ自衛官から補充することとしておりまして、これらの要員についても必要な技量の維持を行っているところでございます。
 先生御指摘の予備自衛官の活用でございますけれども……
#26
○宇都隆史君 予備自衛官はまだいいです。
#27
○政府参考人(豊田硬君) 失礼しました。
 パイロットの養成数の関係でございますけれども、この割愛につきましては、年齢構成の適正化を図る等の割愛の目的に照らしまして、現時点では、パイロットの養成数を増加させること自体は考えておりませんけれども、より多様化、長期化する事態におきまして持続的な部隊運用を支えるという観点から、予備自衛官の幅広い分野での活用について検討してまいっているところでございます。
#28
○宇都隆史君 お聞きになって、えっと先生方も思ったと思うんですけれども、これから割愛をする、年間十名ぐらいずつは希望者がしっかりいれば民間に吐き出すと言っておきながら、今後養成するパイロットの数は増やしませんと。減るじゃないかと思うんですけれども、その辺をだから真剣に考えていないと思うんですね、まだ自衛隊としても。だから、そこのところをちょっと真剣に考えながら全体の組成というのをやっぱり考えていかなきゃいけないと思うんです。
 その上で、今回は、単なる民間で活躍してくださいだけではなくて、これは予備自衛官になるわけですよね。いざとなったときに、この民間でパイロットをしている方々というのが帰ってきて、自衛隊の航空要員、つまり操縦者として活用することを考えられているのか。先ほどちらりとおっしゃいましたけれども、あくまでこれは地上勤務としての予備自衛官としてしか考えていないのか、その辺りはどうなんでしょうか。
#29
○国務大臣(小野寺五典君) 自衛隊、パイロットも含めて精強性を保つことが重要だと思っております。養成されたパイロット、例えば戦闘機の搭乗員、かなり過酷な環境での操縦となりますので、ある程度若い時代にこれを経験をし、そしてその後、次第に管理職を含めた立場になっていくということが通常であります。
 ただ、その中で、どうしてもやはり自分は現役で一線で飛行機を飛ばしたいという、そういう対象者もいる中で精強性を保つためには、むしろ、この割愛制度を活用しまして、民間航空機である程度の年齢になったパイロットが活躍をし、そしてその分若いパイロットの育成を重点的にできる、そういう形を取っていくことが必要だと思いますので、人員については適正な形で対応していくことが重要だと思っております。
 また、予備自衛官ですが、まず、割愛して民間の航空会社に行かれる場合にも、できるだけ予備自衛官として登録をしていただきたいというお願いをしております、義務ではございませんが。そういう形でお願いをしていきたいと思っておりますし、恐らく、士気高く自衛隊パイロットとして活躍したそれぞれのパイロット経験者は、割愛後も予備自衛官として登録してくれるものと期待をしております。
 また、この予備自衛官としての登録をしたパイロットでありますが、もし何か様々な安全保障環境の変化に応じて自衛隊でパイロットが急に必要になったという場合におきましては、まずは、今管理職等に就いている自衛隊の職員、パイロットが現場に復帰をして様々な航空機を操縦するというのが前提でありますが、それでもやはり不足するような場合、そういうようなときにこの予備自衛官の活用ということがその後に検討されることだと思っております。
#30
○宇都隆史君 最後に、大臣が必要になってくればその後に検討という話をされましたけれども、それは先に検討をしていなければ私はいけないと思います。絵に描いた餅になることを危惧しているんですね。
 希望者だけが予備自衛官になってください、是非お願いしますと。じゃ、予備自衛官になって何やるんですか。いざとなったときには司令部で幕僚活動してもらいたいと思います。誰もやりませんよ、そんなの。何のインセンティブもない。彼らは、いつまでも操縦桿握りたいから、地上職に降りたくなくて民間で操縦者になりたい。いざとなったときには帰ってくるから、だったら輸送機でも何でもできるところをやるからやらせてくれというんだったら、よし、俺も自衛官魂残っているから、いざとなったときには使ってくれよと思うかもしれませんけれども。年間何回か招集訓練を受けて、しかも地上関係の訓練を受けて、いざとなったときには一番ハードな司令部勤務、幕僚勤務をやってくれと、やらないでしょう、そんなの。そうしたら、みんな、じゃ済みません、私、予備自衛官にはなりませんので民間でやります、ここから防衛省とは一線を引いて、ありがとうございましたと。そんなふうになってしまったら何のための予備自衛官なんですか。大綱を具現しようという真剣さが全く足りない。だから、そこのところを真剣に考えていただきたいんです。
 これまで全く考えてこなかったところなんですね、航空戦力の摩耗した分の予備戦力というのは。別に戦闘機パイロットにしなくたっていいじゃないですか。後方地域の輸送だってできるわけですから。カーゴだったら、輸送機ですね、輸送機だったらそんなに操縦も難しくないわけで、その辺のところをやっぱり真剣に、いつか必要になったときにそれは再度検討いたしますではなくて、本気でやっぱり考えていただきたい。大綱の具現化に向けて努力をしていただくことを防衛省に求めておきます。
 最後、時間になりましたので、民間の方も、国交省、一度雇ったら終身雇用しますとか、JALのように、ああいうふうに経営がおかしくなってきたら真っ先にそういうパイロットから切るようなことをするのではなくて、やはり何かしら身分を保障するような制度というのも今後必要になると思います。これは防衛省としっかり議論をしていってくださいということを、もうこれは質問ではありません、要望しておきます。
 以上です。ありがとうございました。
#31
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。先週二十二日の質問に引き続いて質問をさせていただきます。
 二十二日にも質問いたしましたが、十五日の安倍総理の会見で示されたいわゆる赤ん坊を抱えた日本女性の乗った米国の船の防御の事例でございますが、それに対して横畠法制局長官は次のように答弁をされました。現在の法律においては、その事例で示されております邦人輸送中に限らず、そのような米艦を防護するという根拠はございませんということでございました。
 長官、確認をいたしますが、つまり、現行法においては、赤ん坊とお母さんが乗っていなくても米艦を守れないということでございますが、間違いございませんですね。
#32
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 現行法におきましては、邦人を輸送中の、米国に限りませんが、他国の艦船を防護するという規定はございません。
#33
○藤田幸久君 いや、前回は邦人輸送中に限らずとおっしゃったわけですから、邦人が乗っていなくても根拠がないということでよろしいですね。
#34
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 邦人を輸送中である場合はもとより、そうでない場合も含めて、他国の艦船を防護するという規定はございません。
#35
○藤田幸久君 したがいまして、総理は、この前の会見で強調されましたのが、今日の資料の一ページにも載っておりますけれども、その資料の一ページの二番目の段落、アンダーラインを引いておりますけれども、日本人の命を守り、国民の命と暮らしを守りというようなことを強調されておったわけであります。
 しかしながら、日本人が乗っていなくても同じ法律体系ということになりますと、例えば日本人が乗っていない同じ米国の船の防御ということは、日本人の命を守るということとは直接関係ないと思いますが、これは、世耕副長官、それでよろしいですね。
 それから、世耕さん、ちょっと早口で話し過ぎないように。何か読み上げて、後で議事録を読まなければ分からないような言い方をしますので、丁寧に答えてください。
#36
○内閣官房副長官(世耕弘成君) この安保法制懇の報告書は、元々、事例集ではなくて、やはりきちっとした学者の皆さんがお集まりになって検討を進められて、その上で提言という形でいただいているというふうに思っています。そして、その提言の内容は、国民の生命、財産、そして国の安全をしっかりと守るために何をすべきか、安全保障環境の変化にも留意をして、一部具体的事例も踏まえながら提言をいただいたものというふうに考えております。その内容は、専門的でかつ現実的な議論を踏まえた貴重な提言だというふうに思っております。
 そしてまた、我が国を取り巻く安全保障環境というのは非常に厳しさを増しており、もはや、どの国も一国だけでは平和を守れる時代ではないという認識に立っております。現在の国際情勢の中で……
#37
○藤田幸久君 総理の会見について聞いているので、そのことは今聞いていませんからやめてください。
#38
○内閣官房副長官(世耕弘成君) ですから、総理はこの提言を受けて会見をやっておられるわけであります。
 総理は、記者会見で述べられたように、あらゆる事態に対処するための法整備によってこそ抑止力が高まって、我が国が戦争により巻き込まれなくなるものと考えているという考え方を表明をしておられます。法制懇の報告書もそのような観点から様々な提言をいただいたものと理解をしておりまして、報告書は国民を守るとの視点から書かれていると思っています。
#39
○藤田幸久君 聞いていないことを時間使わないでください。私は、その赤ん坊を抱いた事例についての総理の会見について質問しているので、その報告書について質問しているわけじゃないので、時間を無駄に使わないでください。
 それで、実は総理の会見を読んでみますと、例えば、逃げようとする日本人を米国が救助、輸送する、日本人が乗っているこの船を日本の自衛隊は守ることができないとおっしゃっておるわけですね。それから、一番情緒的におっしゃったのは、皆さんのお子さんやお孫さんたちがその場所にいるかもしれない、その命を守るべき責任を負っている私や日本政府は何もできないことでいいのでしょうかと。そのことについて聞いているわけです。
 ところが、お子さんやつまりお母さんが乗っていなくても、実は、この法律というものは、つまりアメリカの船を守ることができないということがポイントなわけですから、ということは、例示として記者会見でテレビの前で強調された事例そのものが、それだけじゃないということですから、これは私は事例としては非常にまずいと思っております。
 つまり、日本のお母さんが乗っているかではなくて、そもそも、日本が攻撃を受けていなければ日本の自衛艦がそれに対して対応することができないということでございますから、これからは切り離して、事例をですね、でないと、この会見のずっと流れは、この日本のお母さんとお子さんを守るためにという流れでずっといっているんです。
 ところが、前提として、お母さん、お子さんが乗っていなくても、実は日本の自衛艦が守ることができないということが法体系であるということが集団的自衛権行使の骨幹でありますから、私は、この事例としての前提、ロジックというものが崩れていると思うんですが、いかがですか。
#40
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 済みません。ようやく藤田委員のおっしゃっていることがよく分かりました。
 ただ、当然、日本人が乗っている場合に守れないというのは厳然たる事実としてあるわけですから、私は、総理が会見でおっしゃったことは、何のおかしい点はないというふうに思っております。
#41
○藤田幸久君 それが、つまり、日本が攻撃を受けていないということが法律上の理由であって、日本人が乗っているから守ることができないという理論じゃないわけですから、この論理が違っていると。したがって、事例とすれば、私は非常に誤解を与えてしまっていると。
 つまり、今後、事例として扱う場合には、日本人が乗っていなくてもアメリカの船を日本の自衛隊が守ることができないということが憲法上の問題じゃないんですか。いかがですか。
#42
○内閣官房副長官(世耕弘成君) ですから、まず、日本人が乗っていようが乗っていまいが、アメリカの艦船を守ることはできない、それはおっしゃるとおりだと思います。
 ただ、当然、その中で、日本人が乗っている場合でも守れないわけですから、総理はそのことを指摘をしたわけでありまして、何ら不適切な点は、会見において総理がおっしゃったことに関してはないというふうに思います。
#43
○藤田幸久君 今まさにお認めになったように、乗っていても乗っていなくても、おっしゃったそのとおりでございますから、それを、乗っていることがパネルでテレビの前で示すということは、それが一番象徴的なわけですね。
 そして、日本のお孫さんやお子さんがその場所にいるかもしれない、それを守ることができないということが、つまり、お母さん、お孫さんがそこに乗っているということを強調して説明をされているわけです。それができないというのは、日本のお母さんが乗っているからではなくて、日本が攻撃を受けていないから守れないわけですね。
 ということは、テレビのメッセージとすれば、国民の皆さんは見ていて、ああ、乗っている日本人を守れないんだなと思っているわけですね。攻撃を受けていないから守れないとは言っていらっしゃらないわけです。
#44
○内閣官房副長官(世耕弘成君) あの会見には私も侍立をしておりましたが、総理は明確に日本自身が攻撃を受けていなければということを言っております。前提をちゃんと付けた上で言っております。そういう意味で、事例として私は不適切ではないというふうに思います。
#45
○藤田幸久君 その上で、攻撃を受けていなければ日本人が乗っているこの船を守ることができないと言った上で、その後、先ほど申し上げましたように、あなたのお子さんやお孫さんがということで、その後のロジックとしては出てきていないわけですね。ということは、事例とすれば、多くの皆さんは、テレビであの後皆さんインタビューを受けましたね、テレビの。そうすると、ああ、あのお母さん、子供を守れないんだなというふうに恐らくほとんどの日本人は感じているわけですね。
 ということは、これは発信として総理がおっしゃっているわけですから、私はやっぱりミスリーディングだろうと思いますが、いかがですか。
#46
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 総理は、何も網羅的にあのとき語っているわけではないんですね。あくまでも、事例は二つ挙げて、これは恐らく総理が御自身で国民に対して一番御理解をいただきやすい事例という形で挙げたんだというふうに思っています。
 藤田委員がおっしゃるように、それは、アメリカの艦船は日本人が乗っていようといまいと日本は守ることはできない、これは事実だと思います。しかし一方で、日本人が乗っている場合でも守ることができないというのも事実でありますから、私は、それは一つ総理が事例として選ばれたということに関してはおかしくないと思いますし、何度も申し上げますが、日本自身が攻撃を受けていなければという前提は明確に付けて話していたというふうに思っております。
#47
○藤田幸久君 今副長官おっしゃったように、一番分かりやすい事例とおっしゃいましたけれども、一番誤解を与えた事例であろうと思います。
 つまり、見ていたほとんどの人は、要するに、日本人が乗っているアメリカの船を今の法律では自衛隊が防御はできないと。だって、事例として、お孫さんやお子さんがこの場所にいるかもしれない、何もできないということはどうなんですかということ、それからその前でも、日本人が乗っている船を守ることができない、百五十万人、年間千八百万人の日本人が海外に出ていく、逃げようとする日本人をと、これだけ言っているわけですね。
 ということは、今おっしゃった一番分かりやすいということが一番誤解を与えてしまったメッセージ、網羅的であるけれども、典型的な事例を二つ選ばれたとするならば、一番分かりやすい事例であるべきことが一番実は誤解を与えてしまったということではないんでしょうか。
#48
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 何度も申し上げますが、日本人が乗っている場合にアメリカ艦船を日本は守ることができないというのは、これは厳然とした事実であります。そして、国民自身、海外で働いている家族もいらっしゃる、あるいは自分自身が海外へ旅行で行くかもしれないという、これはもう国民に密接な関係のあることでありますから、そのことを事例として挙げたということは、全く誤解を与えるどころか理解を深めることに私はつながっているというふうに思っております。
#49
○藤田幸久君 それは、後のアンケート調査等を見れば分かりますように、ほとんどの皆さん、要するに、日本人が乗っている、したがってこれはその日本人を守れないんだと、これを日本自身が攻撃を受けていないからというふうに取った人は、普通見ていた人はほとんどいないと思います。ですから、私は、今後事例を検討していく上に当たっては、日本人が乗っている乗っていないということではなくて、日本が攻撃を受けていないということの事例をはっきりしてこれからも審議を進めていただきたいというふうに思います。
 それから、次の質問に移りたいと思いますけれども、前回の質問に対して横畠長官は、これは憲法の解釈の面でございますけれども、行政府がその権限を行使するに当たっては憲法を適正に解釈していくということが当然の必要というふうに答弁されております。これは、内閣が考える必要性に基づき、それまでとは異なる解釈へと変更することが可能だというふうに聞こえましたが、そうでしょうか。
#50
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法の解釈が必要性に応じて任意に変更できるという趣旨ではもとよりございません。
 もう少し詳しく申し上げますと、一般論として、憲法を始めとする法令の解釈についての考え方は、平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書でもお答えしているとおりであり、大事な点でございますけれども、憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮することは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことがあるとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられる。
 このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではない、いずれにせよ、その当否については、個別的、具体的に検討されるべきものであり、一概にお答えすることは困難であるということでございます。
#51
○藤田幸久君 私が聞いているのは、前回答弁された、行政府が権限を行使するに当たっては憲法を適正に解釈していくということが当然の必要という答弁について聞いているんです。そんなに時間を費やして島さんのそれを答えられたわけですが、私の質問に答えてください。
 この憲法を適正に解釈していくのが当然の必要ということは、これは解釈変更を行政府がしていくということが当然だと言っていることですね。
#52
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 内閣が内閣の考える必要性に応じて憲法解釈を変更することが可能なのかというお尋ねと理解しますが、憲法の解釈及びその変更についての一般的な考え方は、先ほどちょっと長くなりましたが述べたとおりでございます。
#53
○藤田幸久君 ですから、先ほどのことについては、適正に解釈することが当然の必要ということについては答えていませんよね、先ほどの島さんに対する答弁では。
 あなたは、だって前回、私が引用したように、適正に解釈していくことが当然の必要とおっしゃっているわけですから、ということは、内閣は必要性に応じて異なる解釈へと変更することが可能かどうかと聞いているんです。
#54
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 失礼しました。
 さきにお答えしたその適正の中身、適正の中に、当然、先ほどお答えいたしました、憲法の解釈について議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことも必要でありますし、まさに論理的に確定すべきものであるということなどが当然必要であるという前提でお答えしているところでございます。
#55
○藤田幸久君 つまり、いろいろプロセスはありますけれども、適正にという範疇の中で解釈を変更していくことが必要だということですね。
#56
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 解釈の変更をする必要があるならば、適正に論理的に説明できるものでなければならない、そういう趣旨でございます。
#57
○藤田幸久君 つまり、必要があるならば解釈を変更していくことがあり得るということをおっしゃったわけですね。
 そうしますと、ちょっと質問を飛ばして、九十九条になりますけれども、資料も出しておりますけれども、国務大臣、国会議員は憲法を尊重し擁護する義務を負うということがありますけれども、ここで言っていることは、これまでの考え方について、その考え方を尊重し擁護する義務を負うというふうな意味でよろしいですね。
#58
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第九十九条は、憲法が最高法規であることに鑑み、国務大臣その他の公務員は、憲法の規定を遵守するとともに、その完全な実施に努力しなければならない旨を定めたものであって、行政府がその権限を行使するに当たっては、憲法を適正に解釈していくということは当然であると考えております。
 御指摘の趣旨が憲法九十九条が憲法の解釈を一切変えてはならないという趣旨ではないかというお尋ねであるならば、必ずしもそうではないと考えております。
#59
○藤田幸久君 そうしますと、要するに、この九十九条と先ほどおっしゃったことも含めまして、解釈を必要と感じたならば変えることもあり得て、そのことは、国会議員あるいは国務大臣というものがそれにくみしても憲法違反じゃないということですね。
#60
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどお答えしたとおり、論理的な検討、議論の積み重ねのあるものについてはやはり整合性を保つということも当然必要であり、そのような検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるということになった場合には、その変更がおよそ許されないということではないということをお答えしているところでございます。
#61
○藤田幸久君 先ほどおっしゃった適当とか至当というのは誰が判断するんですか。
#62
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 内閣による憲法あるいは法令の解釈については、内閣自身、当然自ら至当であるというふうに判断するのが前提でございます。さらに、それについては、国会を始め国民に対して説明をするのもまた当然であり、御理解をいただくということが必要であると考えます。
#63
○藤田幸久君 つまり、安倍総理が至当あるいは適切と感じた場合には、今長官がおっしゃったように、解釈を変更することができ、岸田大臣あるいは小野寺大臣あるいは我々国会議員の憲法擁護義務というものはそれを超えることができないということの確認でよろしいですね。
 ちょっとあなた長いので先に行きます。今それを確認していただいたというふうに思いました。
 それで、時間がないので、二十二日の委員会で、憲法解釈を変更して多国籍軍へ参加する可能性があるかという質問に対して答弁が不十分でしたので、もう一度答えを求めますけれども、安倍総理が十五日の会見で、自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することはこれからも決してないとおっしゃったんです。ところが、翌日、衆議院の外務委員会で石井国際法局長は、国連の集団安全保障措置に全く参加できないということを意味しているわけではございません、例えば武力攻撃の発生当初に自衛権が行使され、その後、国連の集団安全保障措置に移行するような場合がこれに含まれることがあるということをおっしゃっているわけです。
 ということは、今後、日本が集団的自衛権を行使し、その後、国連の安保理決議で集団安全保障措置に移行した、日本は引き続き武力行使を継続して集団安全保障措置に参加すると。かつてのイラクの場合がそうですが、つまり、湾岸戦争の多国籍軍に自衛隊が武力行使を目的として参加するような事例というものを政府は完全に排除できないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。これは岸田外務大臣。
#64
○国務大臣(岸田文雄君) 五月十五日の総理会見におきまして、安倍総理は、まず、集団的自衛権に対する考え方として、この報告書の考え方のうち、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときという限定的な場合に集団的自衛権を行使すること、このことは従来の政府の憲法解釈に言う必要最小限度の武力の行使に含まれるという考え方、こうした報告書の考え方について今後更に研究を進める、こういった考え方を明らかにしました。
 一方、御指摘のこの国連の安全保障措置についてですが、自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争、イラク戦争での戦闘にも参加するようなこと、これはこれからも決してありませんというふうに表明し、総理は、こうした事例を挙げることによって、そのような戦闘への参加は憲法上認められないとする従来の政府の立場を変える考えはないということを国民の皆様方に分かりやすく説明したということであります。
 このように、総理会見におきましては、集団的自衛権に関する考え方、そして集団的安全保障に対する考え方、整理した上で明らかにした次第です。
 そして、御指摘の石井国際法局長の答弁でありますが、一般論として、理論上、集団的自衛権と集団的安全保障、この二つが重なる場合が全くないとは考えられないと言えます。石井局長は、この二つが重なるケースがあり得るのではないか、これを一般論として理論上申し上げたという次第であります。
 しかし実際は、これ重なるかどうか以前の問題として、政府としましては、この集団的自衛権についての考え方、これは、今、これから研究を進めるわけであります。是非、政府・与党としてしっかり議論を進め、そしてこうした国会の議論も踏まえまして、これからこの集団的自衛権の部分につきまして政府の対応を明らかにしていきたいと考えています。
#65
○藤田幸久君 石井さんは重なるとは言っていないと思っています。変化していっているんだろうと、イラクのケースの場合もそうだったと、これはアメリカ、イギリス等がそうだったと。ですから、重なっていないということを指摘しておきたいと思います。
 それで、最後に、日本国憲法と国連憲章と日米安保条約の関係について伺いたいと思いますが、国連憲章第五十一条は、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」とあります。
 これに対して、日米安保条約前文は、日本及びアメリカは、国連憲章の目的及び原則に対する信念並びに国民及び全ての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認しとあります。
 ですから、国連憲章、それに基づいて日米安保とありますと、このことと憲法解釈上の、集団的自衛権の権利は有するが行使は許されないという今の憲法解釈との整合性についてどう考えられるか、お答えいただきたいと思います。
#66
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 我が国が、国際法上、個別的及び集団的を問わず自衛権を有していることは主権国家である以上当然でありますが、一般に、国家が国際法上の権利を行使するか否かは各国の判断に委ねられており、憲法その他の国内法によって国際法上国家に認められている特定の権利の行使を制限したとしても、法的には特段の問題を生じるものではないと考えております。
#67
○藤田幸久君 それでいいのかと思いますけれども、時間が参りましたので終わります。
#68
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 まず、外務大臣にお聞きいたしたいと思います。
 昨日から日本と北朝鮮の協議が行われていますが、拉致問題につきまして、拉致被害者の安否についての再調査の件が話し合われているのではないかという報道もあるわけですけれども、今までのいろんな交渉の経緯を見ますと、私は、北朝鮮側が再調査の約束とか着手だけで制裁を解除するとか、そういったことはすべきではないと思うんですけれども、単刀直入に聞きますけれども、外務大臣もそういうお考えでよろしいですよね。
#69
○国務大臣(岸田文雄君) 日朝間の政府間協議ですが、一年四か月ぶりに再開してから後、二回目の協議が昨日二十六日から開始されました。初日が終わりまして、四時間余りにわたりまして真摯な、率直な議論が行われたという報告を受けております。
 その中にありまして、今、拉致問題につきましての対応について御質問をいただいたわけですが、当然のことながら、拉致問題、我が国の最大の関心事ということで、この協議においてしっかり議論を行う所存でありますが、この具体的なやり取りについては、相手の考え、出方もありますので、今の段階で予断的に申し上げることはできませんが、やはり最も効果的な、北朝鮮から最も具体的な前向きな対応を引き出すために効果的な対応をしっかり検討した上で判断をしていきたいと考えております。
#70
○白眞勲君 要は、拉致被害者の一刻も早い帰国ということが我々の目標でもあるわけですけれども、そういった中では、やはり今おっしゃいましたように、効果的なやり方というのをきちっとやっていかなきゃいかぬ。その場合には、やっぱり我々は、もう一度確認しますけれども、やっぱり結果が出てから制裁解除の展開をするというふうにすべきだと思いますが、もう一度、外務大臣の答弁をお願いしたいと思います。
#71
○国務大臣(岸田文雄君) この拉致問題という課題、我が国にとりまして最大の関心事であり、安倍内閣としましても最優先課題として取り組まなければならない課題だと思っています。よって、この協議におきましても最も力を入れて政府間協議を進めていかなければいけない課題だと思っておりますが、今の段階で具体的に我が国の対応についてこの場で申し上げるということは、まさにこの協議の行方全体に影響することになります。
 よって、この場で具体的なことを申し上げるのは控えなければならないと考えておりますが、様々なこういった議論も踏まえて、最も効果的な対応を真剣に考え、そして実施していきたいと考えております。
#72
○白眞勲君 何か、だんだん苦しそうな顔になってくるのを見ているの、こっちもつらいんですけれども、でも、やはり効果的な方法を考えていくということは本当に重要だと思うんですね。その中の一つが、やっぱり私は結果が出てからの制裁解除、結果が出る前の制裁解除はあってはならない、この辺りだけは、ひとつちょっともう一度御答弁願いたいと思います。
#73
○国務大臣(岸田文雄君) この段階で我が国の具体的な対応を申し上げるのは控えなければならないと存じますが、こうした御指摘の点など様々な議論を踏まえて最も効果的な対応を考えます。
#74
○白眞勲君 安保法制懇についてお聞きいたします。
 まず、世耕副長官にお聞きしますけれども、先日、五月十九日に自民党の会合で北岡座長代理が、安保法制懇に正統性がないと新聞に書かれるけれども、首相の私的懇談会だから正統性なんかそもそもあるわけがないと発言されましたということなんですが、この懇談会の正統性はそもそもないんでしょうか。
#75
○内閣官房副長官(世耕弘成君) これは、きちっと手続にのっとって設置をされた総理に御意見をいただく懇談会でありますから、正統性はあるというふうに思っております。
#76
○白眞勲君 この私的懇談会、今おっしゃいましたように、大臣等の決裁を受けているわけだし、さらには、運営費や交通費、税金で支払われているわけですから、これは横丁の八つぁん、熊さんが話している話とは全然違うわけですよね。だとすると、この方、自分と意見の違う人を入れてどうするのか、日本のあしき平等主義だと発言しているんですよ。要は、意見の違う人は入れなかったと。世耕副長官、どうなっているんですか、これ。
#77
○内閣官房副長官(世耕弘成君) これはもう、人選は、基本的には一番広範にいろんな意見をいただけるという視点から選ばれているというふうに思いますから、意見の違う人を入れていないなんということはないというふうに思っております。
#78
○白眞勲君 何言っているんですか。これ、座長代理が言っているんですよ、そういうふうに。意見の違う人を入れるわけないよと本人認めているんですよ、これ、自分と意見の違う人は入れていないと。答弁ごまかさないでくださいよ。どういうことなんですか、これ。
#79
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 北岡さんがどうおっしゃったか、ちょっと私もその現場にはいませんので分かりませんが、北岡さんは座長代理であります。人選は、これは内閣の責任において行っておりますので、北岡座長代理としてどう感じられたかは、これは私の知るところではありませんけれども、内閣としては、きちっと公平にバランスの取れた人選をしているというふうに認識をしております。
#80
○白眞勲君 いや、当事者が言っているんですよ。当事者が言っていて、ちょっとそれは全然話が違いますよ。それは違う。要は、相当苦しいですよ、世耕さん、それ。やっぱりそこはきちっとしてもらわないといけないんですよ。
 私は、違う意見を入れることによって当然この報告書の価値というのは高まるわけですよ。完璧で非の打ちどころのない人間なんというのはこの世に存在しないわけですから、お互い不完全な人間同士が協力し合い支え合って、いわゆる和、和の世界を築くことが必要なんですよね。そういう中で、国民の税金を使ってやっているんですから、それぞれ自己主張しているばかりでは、対立ばかり増すばかりじゃありませんか。
 だから、ここは謙虚になることが必要なんだけど、ある憲法学者は、この安保法制懇については、有識者ということですが、どこに学識があるのか疑問です、憲法学の分野では駒大の名誉教授が一人入っておられるが、異端の人です、もちろん異端だから悪いわけじゃないが、少なくともこういう議論をするときにはその学問分野の標準的見解を代表する学者が入ってしかるべきと言っていますが、どう思われますか。
#81
○内閣官房副長官(世耕弘成君) ちょっとしゃくし定規な答弁になりますけれども、これは内閣の責任において人選をしております、安保法制懇のメンバーは。そしてそのメンバーは、外交防衛政策に関する実務経験者、政治、外交、憲法、国際法等の学界関係者、そして経済界の民間有識者といった幅広い分野の代表の方々に参加をいただいているというふうに思っておりまして、偏った構成にはなっていないというのが我々の認識であります。
 しかも、これはあくまでも総理に報告をいただくという立場であります。ここで何か決まるということではなくて、それを受けて総理が検討を進めていく、そして今与党でもんでいただいているということでありますから、そこでまたいろんなバランスが働くのだろうというふうに思っております。
#82
○白眞勲君 これは、世耕さんたちが自己満足していてもしようがない話なんですよ。周りの人たちがどう見られるかということで重要なんじゃないんですか。だから、公平な人事をするというのはそういったところからやるのであって、総理が選んでいるんですから。そうしたら、これ下手すると、北岡さんこう言っているということになると、これ正統性があるわけないと言っているんですよ、座長代理が、偏った人事当たり前じゃないですかと言っているということになったら、これは総理自身が、今、世耕さん、総理がそういうことをやったということだったら、総理自身に対する、これは場合によっては問題発言になるということだと私は思いますけどね。
 ここでこれ以上これをやってもあれですけど、武藤さんにお聞きします。
 三月十七日に非公式に集まったと、この安保法制懇が、朝日新聞には書いてありますよね。この日当、交通費は払われているんでしょうか。
#83
○政府参考人(武藤義哉君) お答えいたします。
 三月十七日の非公式会合につきましては、平成二十五年度一般会計予算の(組織)内閣官房(項)内閣官房共通費から諸謝金として二十一万六千円、交通費として五万四千九百六十円、会議費として八万五千二百三十九円、会場借料として四十一万一千四百六十八円を支出したところでございます。
#84
○白眞勲君 これ、要は、だから、非公式とはいっても、政府がきちっと関与して全部お手伝いをしているということが今分かったわけですけれども。
 この会議が始まるとこの報告書の原案は回収されたと。会議が始まったら回収された、普通は会議が始まったら配られるというのは分かるんだけど、会議が始まったら回収された、これ事実関係はどうなっているんですか。
#85
○政府参考人(武藤義哉君) 報道の中では、会議が始まって、その卓上になかった等の報道がなされておりますけれども、それについては事実ではございません。
 この非公式会合は、その時点までに委員の方々から出された御意見を取りまとめるなどして北岡座長代理を中心に作成した報告書の素案が席上配付され、それを基に議論が行われたと承知しておりまして、報道の中で、出席委員は報告書の原案を手元に置いて議論することができなかったとありますけれども、そこのところは誤りでございます。
#86
○白眞勲君 じゃ、終わったら回収したんですね。
 それで、手元に報告書の原案はなかったと。三時間前に開けているけれども、その原案を読んで手書きでメモするというのもうそだということですね、じゃ、これの内容は。
#87
○政府参考人(武藤義哉君) ただいま申し上げましたように、手元に置いて議論をしたということでございますので、細かいところについて、その事前に云々というようなところについては、こういう非公式会合でもありますし、差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、報告書の素案が席上に配付されて、それを基に議論が行われたと承知してございます。
#88
○白眞勲君 これ、報告書の原案というのは多分三十ページ、四十ページぐらいのものですよね。前もって配られないで、その場でぱっと見させられて、さあ意見をどうぞといって、どの程度の議論が私はできるのかなと、非常に不思議でしようがないんですよね。
 熟議したというふうに言えるんですか、これで。私は、それはちょっと違うんじゃないかなというふうに思うんですけれども、武藤さん、もう一回お答えください。
#89
○政府参考人(武藤義哉君) 当日もこれについて議論が行われまして、報告書の素案については相当程度修正が行われたというふうにも聞いてございまして、そういった意味では、そういった議論を踏まえて報告書が作成されていったというふうに承知してございます。
#90
○白眞勲君 今、まさに非公式で何でそういうことをやるんですかというのが分からないんですけど、何で非公式でやっちゃったんですか、それを。
#91
○政府参考人(武藤義哉君) 安保法制懇は、正式の会合を七回開催してございますけれども、また、その第六回が行われて以降、これは、また委員の間での議論の詰めということが行われてまいりまして、そうした中で、こういうような形で非公式にも集まって詰めの議論を行っていただいたということでございます。
#92
○白眞勲君 よく分からないんですよね。
 じゃ、非公式会合というのは何回行われたんですか。
#93
○政府参考人(武藤義哉君) 非公式会合、全体で申し上げますと八回、計八回開催されているところでございます。
#94
○白眞勲君 その八回会合、全部出してください、日にちを。
 ちょっとひどいじゃないですか、これ。公式会合を六回にして、非公式で八回も会っていたというのは、ちょっと驚きですよ、それは。それ、どういうことなんですか。そのたびにこうやってメモを、ぱっとその場で卓上にその文書を置いて、そしてまた回収していたということをやったんですか。お答えください。
#95
○政府参考人(武藤義哉君) 非公式会合の具体的な日程は、平成二十五年では四月九日、五月二十一日、七月四日、二十六年が一月八日、一月二十一日、二月十四日、二月十八日、三月十七日でございます。
 それぞれの時期において議論の内容は違いますけれども、それぞれのところで議論がなされていたところでございます。
#96
○白眞勲君 今まで、福山筆頭もいろいろこの件については世耕さんに聞いていたわけですよね。そのときには、それぞれ個々の議員同士がやり取りするのは当たり前じゃないかというふうに言っていたんだけれども、今見たら非公式会合をやっているんじゃないですか、これだけいっぱい。おかしいじゃないですか、これは。これ、全然でたらめなことを言っているじゃないですか。
 何でそのときに非公式でも会っていますということを言わなかったんですか。世耕さん、どういうことですか、これ。
#97
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 私は、懇談会の委員の皆さんがどういう形で集まっているかというのは、福山委員に質問をいただいたときは、私ははっきり言って認識はしていませんでした。携帯電話で連絡を取るなどということもあるということで、私は例示的に申し上げてきたつもりであります。
 私は、報告書がもう今は公開されているわけであります。この有識者の先生方は、この公開された報告書において名前を載せられていて、今後、責任を学者として、あるいは専門家として問われるわけでありますから。当然その過程にはいろんな議論があると思います。それぞれの先生方がずっと人生で主張してきた主張を必ずしも全部載せられるとは限らないわけですよね。そういう中でいろんな調整が行われるというのは、こういう報告書の取りまとめの過程では当然あってしかるべきだというふうに思っています。
#98
○白眞勲君 いや、でも、私、国会答弁で、世耕副長官がこういうところで答弁されるわけですよね。当然、福山筆頭だってここの場でぱっと思い付いて聞いているわけではない。当然、これは前もって質問のレクの方もやられて、こういったことも聞きますよということもある程度はお話をしている以上は、やっぱり世耕副長官も、知らなかったんです、私はじゃ、この国会における答弁としては、非常に不誠実だというふうに私は思いますよ。
 ちょっとこれ、外務大臣にお聞きします。
 全文は読まれましたよね。これ、いつ読まれたんですか、全文を、報告書の。
#99
○国務大臣(岸田文雄君) 報告書全文につきましては、報告書が正式に提出された後であります。
#100
○白眞勲君 全文を読んだのは報告書が提出された、つまりこれ、五月十五日の三時九分に安保法制懇が、総理お出になって、ここで終わったわけですけれども、NSCが開かれたのは三十四分後なんですよ。つまり、安保法制懇でいただいた資料を、三十四分後の三時四十三分ですから、このたったの三十四分間、三十四分間でこの全文をお読みになったということですよね。
 ですから、この報告書、資料、正味三十八ページ、大体一分で一ページの分量で読んでいったということですよね。ということは、読むのは読めるでしょう、それは。読めるけれども、速読でも何でもいいから読めるけれども、少なくとも四大臣会合って、これ、NSCですよ。NSCという非常に重要な会合に、一回読んだきりではてさて会議をしていいものだろうか。当然、事務方の人たち、防衛大臣にも聞きたいんですけれども、同じだと思いますよ、私は。三十四分間の間にこれを読んだんでしょう。
 じゃ、ちょっと、防衛大臣、どうなんですか、それ。三十四分間で読んだんですか、これ。
#101
○国務大臣(小野寺五典君) 法制懇の資料が出てから私も読みましたが、今、外務大臣もお話をされておりますが、たしか私どもは、安保法制懇の議論が進む中で、様々今どのような議論がされているかということはその都度議論としての承知はしておりますので、何か全くゼロからその日にいきなり全てが出てきたというよりは、むしろ私どもとして、その議論はこういう議論を行っているんだなということはその都度認識をしていることだと思っております。
#102
○白眞勲君 いや、ただ、大臣、三月十七日に、武藤さんは、ここでも激論が交わされて、そして内容的にも大分変わったということを今おっしゃったばかりです。当然、報告は受けていらっしゃるでしょう。受けていらっしゃるかもしれないけれども、正文が出たのが、この三十四分間の間に読んで、当然、これを事務方、あるいは防衛省であるならば当然自衛隊のそういう制服の皆さんにもどうなんだということを聞いて、そして大臣、それで四大臣会合、NSCに臨むのが私は当たり前だというふうに思うんですけれども、それはやられたんですか、防衛大臣。
#103
○国務大臣(小野寺五典君) 先ほどからお話をしておりますが、私ども、安保法制懇の議論については、その議論が今どのような状況で行われているかということは、その都度私どもとしてその内容について確認をし、そして、当然、私だけではなくて省内、これは各幕も含めてでありますが、そういう情報については私どもは得ているということだと思っております。
#104
○白眞勲君 じゃ、ちょっと、このNSCの今回の四大臣会合にどのような意味があるんでしょうか。NSC担当の、いましたよね、審議官。お答えください。
#105
○政府参考人(武藤義哉君) 安保法制懇の報告書が第七回の会議で出されたわけですけれども、それを受けて四大臣会合で議論をし、その後、総理が会見を行って基本的な方向性ということを示されたということになってございます。
#106
○白眞勲君 非常に重要な会議なわけですよね。
 私は、二十分、三十分というこの会議の中で、場合によっては非常に大きな、この国の形、方針というのが変わるという部分においても非常に重要な会議だったわけですよね。そういう中で、今まで世耕副長官もこの会議から検討が始まるんだという言い方を今までされているんですけれども、何か検討するんだから何が悪いんだというような感じにも私は聞こえるんですよね。
 世耕副長官、よく御存じだと思うんですけれども、以前、当時の麻生外務大臣が核保有について、議論していくことは大切だという発言をしただけで大騒ぎになったこともあるわけですよ。つまり、議論することで、じゃ何が問題かということがありましたけれども、当時の外務省などは、政府としては非核三原則は堅持します。そのときの大臣発言は核武装、保有の方向で議論を進める意図で発言はしていませんけれども、誤解を招くような発言をしたというようなことまで言っている。つまり、打ち消しに必死になったわけですよ。さらに、この発言で衆議院では外務大臣に対する不信任決議案まで出されています。
 ところが、今回、解釈により憲法を変える、これも大きな話なんですよ。私、本当に大変な発言だと思うんですけれども、私は、NSCまで開いて、総理が記者会見までしているわけですから、幾ら検討といっても今までとは重みが違うというふうに思いますけれども、世耕副長官、その辺はどうでしょうか。
#107
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今問題になっていること、検討を始めるということだけで非常に重いこと、これは白委員のおっしゃるとおりだというふうに思います。だからこそ、有識者の皆さんにじっくりと議論をいただいて、その報告書をいただいた上で総理はその検討を始めるということを指示をしたということだと思います。
#108
○白眞勲君 法制局長官にお聞きします。
 憲法は主権者たる国民が決めて為政者を管理するための規範であるという、確認ですが、よろしいですね。
#109
○政府特別補佐人(横畠裕介君) いわゆる立憲主義の基本であると理解しております。
#110
○白眞勲君 つまり、憲法は国民の持ち物だと、ありていに言えば。その憲法を為政者が勝手に解釈を変えることは許されるわけじゃありませんよね。
#111
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 繰り返しませんが、まさに恣意的、便宜的、勝手に変更することが許されるというものではございません。
#112
○白眞勲君 そういうふうに分かりやすく答弁してくださるとすごくうれしいんですね。
 そういう中で、先ほど横畠長官もおっしゃいましたとおり、これ国民のものなんですよ、憲法というのは。ですから、国会や国民が関与しながら解釈の変更をすべきである、するのであるならば、そういうふうに解してよろしいですよね。
#113
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 現在、この問題について検討が開始されたところでございまして、政府といたしましても、一定の解釈の変更を前提として議論しているということではないというふうに承知しておりますので、若干その解釈の変更をどうするかという議論に踏み込むのは差し控えたいと思います。
#114
○白眞勲君 時間がないので、もっとやりたいんだけれども、ちょっとここで法制局長官に御認識聞きたいんだけれども、歴代の法制局長官が何名も今の憲法解釈の変更について厳しい批判をしておりますよね。これ、どう思われますか。
#115
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 現在は私が長官を拝命しておりまして、内閣法制局としての職務は私のところで処理いたします。OBの諸先輩の意見は意見として、それは特別の扱いということではなくて、いろいろございます意見の一部として拝聴はさせていただきますけれども、それによって左右されるということではございません。
#116
○白眞勲君 いろいろございますのでって、何がござるんですか。今、いろいろございますのでとおっしゃったような気がしたんですけれども、そうおっしゃいませんでしたか。──じゃ、いいや、首を横に振っているんだったら。もう一回ちょっと議事録見ますけれども。
 歴代の法制局長官は、憲法を改正しなければ集団的自衛権を入れるのは無理だとおっしゃっていますけれども、どう思われますか。
#117
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさに、そういう点も含めて今後検討していく、具体的に検討していくということでございますので、そのような意見に対して直接何か所感を述べるということは差し控えたいと思います。
#118
○白眞勲君 今の憲法下において、いわゆる自衛権行使の三要件についてお聞きしたいんですけれども、我が国に対する武力攻撃が発生したということが自衛権行使の第一要件。武力攻撃が我が国に対して発生していない以上、第二、第三、つまり排除するためのほかの適当な手段云々とか、あるいはさらに必要最小限云々は要は関係ない、まずは第一要件が満たされない限りにおいては第二、第三までは行かないという認識でよろしいでしょうか。
#119
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘のとおりだと思います。
#120
○白眞勲君 限定的集団自衛権という概念というのはあるんですか。
#121
○政府特別補佐人(横畠裕介君) この度安保法制懇からの報告書で示された見解の中に、いわゆる限定的な、あるいは限定的な集団的自衛権の行使という考え方が示されているわけで、それについては今後更に研究していくということにはなっております。既に既存のものとしてその限定的な集団的自衛権の行使というものが確立したものとして存在しているということではございません。
#122
○白眞勲君 瀋陽の脱北した日本人妻についてお聞きしたいと思うんですけれども、外務省としましてはこの日本人妻は把握していますか。
#123
○政府参考人(金杉憲治君) お答えいたします。
 脱北者問題につきましては、関係国の意向も踏まえて人道的観点から対処してきておりますけれども、関係者の安全あるいはプライバシーといったことも含めて、この場でお答えできないということは御理解をいただきたいと思います。
 ただ、北朝鮮をめぐる情勢ですとか、あるいはそこから派生する問題については、私どもも細心の注意を払って対応してきているということでございます。
 以上でございます。
#124
○白眞勲君 別に名前を挙げろとか言っているわけじゃありません。日本人妻が脱北して日本に帰ってきた例はあるんでしょうか。もう一度聞きたいと思います。
#125
○政府参考人(金杉憲治君) その点も含めて、個人のプライバシーの問題がありますのでお答えは差し控えさせていただきますけれども、脱北者全体で申し上げれば、政府が把握しているところでは、これまで百人超の方が日本に入国されているというふうに承知しております。
#126
○白眞勲君 最後の質問にしたいと思うんですけれども、過去、瀋陽の日本総領事館で連絡を取った日本人妻とその近親者のうち、連絡が取れなくなった例というのはあるんでしょうか。
#127
○政府参考人(金杉憲治君) 繰り返しになって誠に申し訳ございませんけれども、やはり関係者のプライバシーあるいは安全等に配慮をして、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
#128
○白眞勲君 それは変でしょう。
 関係者のプライバシーって、誰のプライバシーですか。関係者って誰ですか。別に私は特定の個人をということを言っているわけではありませんので、そういう余り不誠実な答弁というのは、分かるところまではやっぱりしゃべってもらわなきゃ駄目ですよ、それは、国民の理解を得るためにも。何でもかんでも全部秘密ですというと、疑って掛かっちゃいますよ。
 そういうところを最後に申し上げまして、質問を終わります。
#129
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 安保法制懇から報告書が提出されまして、与党協議も、今日、第二回目が開催されたところでございます。当外交防衛委員会におきましても、多くの委員の先生方からこの報告書、そして今後の協議の行く末について質問が出ているところでございますが、是非、個別具体的な事例に即し、誠実に、また丁寧に政府としてはお答えをいただきますよう冒頭申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 一方で、我が国の外交、安全保障に関わる課題というのは他も山積しております。政治、経済、また文化交流、こういった総合的な国力を引き上げていくことがひいては我が国の安全保障、また外交力を高めていくことに直結すると確信をしているところでございます。私からは、本日は、そういう意味で、海外に在住しております日本人研究者の方々に対する支援の体制について、お時間をいただいて御質問させていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 海外在住の日本人研究者、政府におきましても、グローバル人材を育成していくということを掲げ、様々な形での支援の取組を推進しておられるというふうに承知をしておりますけれども、そもそも、日本の大学において博士課程を修了される方々の推移というものを若干申し上げさせていただきますと、平成三年時点では、日本の大学において博士課程を修了される方というのは六千二百名余りでございましたが、現在、平成二十五年度におきましては、博士課程を修了される方、一万六千四百四十五名になっております。一万名、この二十年余りで博士課程を修了される方は増えているという状況でございます。ここ数年は横ばいでございますが。
 そうした中で、博士課程を修了後の就職者の方々の行く末といいますか、その問題がポスドク問題として一時期大きく取り上げられたところでございます。大学院重点化計画を進められてきた文科省としてもこのポスドク問題に取り組んでおられるというふうに承知をしておりますが、今日、このポスドク問題を御質問させていただこうと思いましたら、たまたまですが、読売新聞の一面で、今後ポスドク就業を国が支援していく、年央の骨太の方針にこれも反映させていく方向であるということが報道されておりました。私が質問通告したからこういう記事が出たのかどうかというのはよく分かりませんけれども。こうした方針が、まだ最終確定している状況ではないと思いますが、報道でも出てきているということは歓迎したいと思いますが、そもそも、現時点で、これまで増えてきたポスドク問題、その現状とその後の政府の対策について、文科省から御説明をまずいただけますでしょうか。
#130
○政府参考人(伊藤宗太郎君) お答え申し上げます。
 委員御質問のポストドクターにつきましては、我が国の研究活動を実質的に担う担い手でございまして、その数は現在約一万五千人となってございます。これらの人材が国の内外あるいは社会の多様な場面において活躍していただくということが我が国の経済社会の活性化にとりまして極めて重要だというふうに認識をいたしております。
 そもそも、ポストドクターを含めました我が国の若手研究者は、一般的に、有期の雇用契約を繰り返しながら短期間に多様な研究経験を積み重ね、その能力の向上を図り、そして安定的な職に就いていくというような傾向にございます。
 平成二十一年度の文部科学省の調査によりますと、ポストドクターのうち約半数がポストドクターの経験年数が二年以下であり、また、ポストドクターの約四割が二回以上のポストドクターを経験し、その後、大学教員や公的研究機関、民間企業の研究員になっていくといったような実態がございます。
 文部科学省におきましては、このようなポストドクターの実情も踏まえまして、従来より、博士号取得者に対しまして、自らの研究活動に専念ができるような研究奨励金の整備でございますとか、あるいは研究のための環境の整備、さらには産業界を含めた多様なキャリアパスの整備を図るための取組を講じてきたところでございます。さらに、平成二十六年度予算におきまして、科学技術人材育成のコンソーシアムの構築といたしまして、複数の大学などでコンソーシアムを形成し、企業とも連携をしながら、研究者の流動性を高めつつ安定的な雇用を確保し、キャリアアップを図る取組を行うことといたしております。
 これらの新たな事業等も活用しつつ、引き続き、ポストドクターを含めた若手研究者の育成でございますとか、あるいはその雇用の安定などの処遇の改善に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#131
○石川博崇君 今日のあの報道自体がどの程度実際のものとして実現するかは分かりませんけれども、骨太の方針にも反映させる方向で調整をしていただいているということが報じられているということは多としたいと思います。是非、今後とも精力的に進めていただきたいと思います。
 今御説明にもありましたが、ポストドクターの方々、なかなか正式な採用に至らない方も一方でおられるわけでございます。三十五歳以上になってもまだポストドクターをされている方は三〇%以上、全体のポストドクターの中でもいらっしゃいます。
 そうした中で、国内のポストを獲得できないこともあり、その進路を求めて海外に打って出て、そして海外の大学での研究活動を行っている日本人研究者も増えているのではないかというふうに推察いたしますが、こうした海外の大学で研究活動を行っている日本人研究者の現状について政府はどのように認識、把握をされているのか、教えていただけますでしょうか。
#132
○政府参考人(伊藤宗太郎君) お答え申し上げます。
 文部科学省が平成二十二年に実施いたしました博士課程修了者の進路実態に関する調査研究によりますと、平成二十一年度の博士課程修了者、これは全体が一万六千六十九名でございまして、このうち就職をした者九千六百七十三名、全体の六〇・二%、ポストドクターになられた方二千八百七十七名、全体の一七・九%でございました。
 また、このポストドクターのポジションを得て研究活動を行っている二千八百七十七名のうち海外の大学などで研究活動を行っている者は百三十九名、ポストドクター全体の四・八%になってございます。
 文部科学省では、海外で活躍する日本人の若手研究者に対する支援策といたしまして、海外の日本人研究者が海外の大学等研究機関において長期間研究に専念できるように渡航費、滞在費を支援する海外特別研究員事業でございますとか、あるいは、海外のトップクラスの研究機関に若手研究者を派遣する大学等研究機関に対しまして渡航費、滞在費あるいは現地の研究機関におきます研究費を支援する頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業を行っているところでございます。
 これらの取組を通じまして、海外における日本人研究者の研究活動を今後ともしっかりと支援してまいりたいというふうに考えてございます。
#133
○石川博崇君 先日、たまたま、海外で研究活動を行っておられる日本人の研究者の方と懇談させていただく機会がございましたが、その方が率直に現状としておっしゃっていたんですけれども、こうした海外の大学あるいは研究機関で実績を積んでいくためにも研究費というものをしっかり獲得していく必要があるんですが、海外の国においてはどうしても自国籍の研究者に対する研究費の配分を優先する国も多くあることから、日本人研究者が海外の大学や研究機関で研究費を獲得するというのはなかなか難しいものだということをおっしゃっておられました。
 大学においてどれだけ研究費を自分の実績として獲得してくるかということがそのまま評価につながり、そしてその評価によって、特に海外の研究職というのは任期付きのものが多いので、その任期が延長できるかどうかというのにも懸かってくるという状況にあります。
 日本は科研費というものを国内の大学の研究者に対して交付をしておりますけれども、海外の大学で研究をしておられる日本人研究者の方々に対しては、こうした科研費というのは交付の申請対象になっておりません。
 今後、グローバル人材をしっかり育てていくということを日本政府として進めていくことを考えれば、今後、この科研費の交付の在り方、果たして日本の大学で研究しておられる研究者の方々だけでいいのか、あるいは海外でも活躍しておられる日本人研究者の方々に対しても、それぞれの場でグローバル社会で競争に勝っていき、そして、それがひいては日本との共同研究の拡充にもつながってくるのではないかというふうに思っております。
 主要各国も、そういった意味で、それぞれ主要各国から海外に出ている研究者に対する支援を行っている国もあろうかと思いますが、そうした海外各国の支援策などもしっかり研究していただいて、その上で、こうした日本の科研費の交付申請対象に海外在住の日本人研究者を含めることも検討していくことをお願いしたいと思いますが、今日、冨岡政務官、来ていただいておりますけれども、いかがでございましょうか。
#134
○大臣政務官(冨岡勉君) 委員の質問にお答えしたいんですけれど、本当に、海外におられる方も大変御苦労されております。したがいまして、そういう方におかれましては、文部科学省としては、諸外国において海外に在住する自国籍研究者に対する支援策について網羅的に把握しているわけではありませんけれど、主要各国における支援制度について、自国の研究機関に所属している研究者に対する国内外での研究活動の支援や海外との研究交流を促進するための渡航費用等の支援があると承知しております。例えば、アメリカでは国立科学財団において、米国研究機関に所属する研究者に対し国内外での研究活動を支援する研究助成、イギリスの研究会議、そして、ドイツのアレクサンダー・フンボルト財団においてもこういう制度があると承知しております。
 御指摘のように、こういったグローバル人材の育成の潮流の中で、対象とすることを我々として考えておるわけでございます。したがいまして、文部科学省としては、三月二十五日の産業競争力会議において、海外の日本人など多様な研究者による質の高い研究支援を更に加速することを打ち出して、科学技術・学術審議会において議論を進めているところであります。
 一方、国民の税金により実施している科学研究費助成事業については、補助金適正化法にのっとり、事業執行状況報告、実績報告、精算手続、補助金返還などについて研究者が所属する大学等が責任を持って実施することにより、その適法な執行を担保しているところであります。海外にいる優秀な日本人研究者を科研費で支援する際にも同様に補助金の適正な執行の確実な担保が求められており、このような観点から、海外にいる優秀な日本人研究者に対してどのような支援が可能であるかについては、今後ともしっかり検討していきたいと思っております。
 ちょっとお答えが長くなりましたけれども、文部科学省としても十分な対策を取っていきたいと考えております。
#135
○石川博崇君 当然、適正な資金の交付の在り方というのは重要な観点でございますので、しっかり御検討いただきたいというふうに思いますが。
 文科省におきましても、科学技術・学術審議会で、学術研究の推進方策に関する総合的な審議について審議経過報告が審議会の中で配付されておりますが、その中でも、科研費の、例えば卓越した若手や女性、あるいは外国人、またさらに海外の日本人など多様な研究者による質の高い学術研究支援の加速などの改革に取り組んでいくということが示されておりまして、こうした報告を受け、更に検討を加速化していただきたいというふうに思います。
 今、JICAはJSTと連携をいたしまして、特にエネルギーや環境などの地球規模課題に対応する国際科学技術協力プログラム、いわゆるSATREPSという事業を進めておられます。これは、我が国の優れた科学技術と経済開発援助、ODAとの連携によってアジア等の開発途上国とこうした地球規模課題の分野において国際共同研究を推進するということで、文科省と外務省、JICAが連携をした上で、日本の国内の研究者、日本側の研究者、研究機関を文部科学省、JSTが支援するとともに、海外の途上国側研究機関の研究者をJICAのスキームを通じて支援する、その双方が国際共同研究という形で進めていくという事業を進めていただいております。
 まさに、こうした分野、今は限定ですけれども、海外の研究機関に対する支援策を日本の学術機関と共同して進めていけるこういった事業というものを今後も是非推進していただきたいと思いますが、今現在、このSATREPSは、対象の分野が地球規模課題対応ということで、環境、エネルギー、あるいは防災、生物資源分野等、限られた分野となっております。また、予算といたしましても、文科省としては二十一億円となっておりますが、こうした対象範囲やあるいは予算額の拡充というものを今後検討を行う余地というのはあるのか、お伺いをしたいと思います。
#136
○大臣政務官(冨岡勉君) 委員御指摘のように、このSATREPSは、我が国の優れた科学技術と政府開発援助との連携により、地球規模課題の解決のために国際共同研究を通じたイノベーションの創出を目指すものであり、委員御指摘のように、各国から高い評価を得ているプログラムでありまして、現在、四十一か国、八十七課題を採択したところであります。
 例えば、インドネシア、ベトナムなど多国間に飛来するような渡り鳥の感染、鳥インフルエンザ感染症など、これまで対象分野や予算の規模について、文部科学省としても、今後、これまで実施してきた研究課題の実績、成果や新たに解決するべき地球規模課題への対応の必要性を踏まえて、今後も前向きに検討していきたいと考えております。
#137
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省としましても、御指摘のSATREPSという事業、平成二十年度から実施しているわけですが、今日までの実績、ただいま冨岡政務官の方からも紹介がありましたが、こうした実績等をしっかりと評価した上で、従来まで採択している分野の範囲ですとかあるいは予算の規模、こういったものについても検討していきたいと考えます。
 文科省とも引き続きしっかり連携した上で、今後のありようについて考えていきたいと存じます。
#138
○石川博崇君 ありがとうございます。
 SATREPS、これまで進めてきた中で様々課題等も出てきているというふうに思います。そうしたこれまでの成果、評価等をしっかり分析していただいて取り組んでいただきたいというふうに思いますが。
 その中でお声としてあったのが、このSATREPS、非常に、地球規模課題の分野に対して予算措置をしているんですが、大規模事業になっていると。一件当たり大体一億円ぐらいでしょうか。そうしたことになると、どうしても海外で受けられる方も、あるいは研究機関も限られてしまうと。より幅広い方々との連携を増やしていくためにも、また、冒頭、ポストドクターの話を若干させていただきましたが、こうしたポストドクターの方々が実績を積んでいくということを考えると、もう少しきめ細やかに、それぞれの研究分野を生かせるような、そういった支援の仕方を考えていただくことも是非今後の検討の中で行っていただければというふうに思っております。例えば、SATREPSの事業で小規模の研究費の交付についても検討すべきではないかということも一案としてあろうかと思いますが、この点について文科省はいかがでしょうか。
#139
○大臣政務官(冨岡勉君) 委員御指摘のように、将来にわたる科学技術イノベーションの発達のためには、若手研究者の養成、育成が必要だと、大変文科省としても認識しているところであります。
 このSATREPSにおいても、地球規模課題の解決につながる国際共同研究を実施する上で、やはり若手研究者が積極的に参画し、活躍の機会を得ることを我々としても期待しております。そのために、SATREPSでは、研究代表者が四十五歳未満の若手研究者、又は日本側研究チームの半数以上が三十五歳以下の若手研究者を中心とした体制で構成される課題の積極的な提案を推奨しているところであります。
 委員御指摘の研究プロジェクトの規模については、各研究代表者による提案に基づくものであり、SATREPSとしては小規模な研究プロジェクトも排除していないものと承知しております。
 今後とも、本事業による若手研究者の育成につなげていきたいと考えております。
#140
○石川博崇君 小規模も排除されていないということを確認させていただきました。
 ちなみにですが、このSATREPSの案件採択に当たっては、当然、十分な客観性、公正中立性を確保していくことが必要だというふうに思いますが、この点はどのように確保されているのか、文科省から御説明をお願いいたします。
#141
○政府参考人(伊藤宗太郎君) お答えいたします。
 SATREPSにおきますプロジェクトの採択に当たりましては、これを具体的に運用いたします科学技術振興機構の中に、各分野の科学的知見と国際協力の豊富な経験を有した外部有識者、これによります審査会を設けて、このプロジェクトの選定を行っているところでございます。
 選考の観点といたしましては、まずは地球規模課題解決のための新たな知見の獲得につながる科学技術的な価値、また国際協力による科学技術の発展や若手研究者の育成等の見込み、さらに具体的なイノベーションに結び付けるための道筋、そして我が国のODA方針との整合性などを重視しているところでございます。
 このように、審査会におきましては、大学、民間企業、NPO等様々な知見や経験を有する外部の専門家が書類審査及び面接選考を行うことで十分な客観性を確保しているというふうに考えてございます。また、研究提案者の利害関係者を選考から排除することによりまして公正中立性を確保しているところでございます。
 今後とも、課題の採択に当たりましては、先生御指摘の客観性、公正中立性の確保に一層努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#142
○石川博崇君 時間も参りましたので、最後に、外務大臣と政務官から、海外日本人研究者支援に対する御決意をお伺いをしたいと思います。
#143
○国務大臣(岸田文雄君) まず、海外で活躍しておられる日本人研究者を支援するという考え方、これは大変重要なことであると認識をしております。
 外務省としましては、日米知的交流の文脈の中で、国際交流基金日米センターを通じて、安倍フェローシップとして、主に日本人及び米国人の研究者の調査研究プロジェクトに対する奨学金を付与しており、平成三年以来四十三名の海外在住の日本人研究者がこの対象となっております。
 そして、各国のこの海外で研究する研究者に対する支援、先ほど、冨岡政務官の答弁の中にもアメリカですとかドイツの例があったと存じますが、例えば中国あるいは韓国におきましても政府機関による支援があるようでございます。中国においては、海外に渡航するポスドクを含む研究者、学者、客員教授に対して渡航費ですとかあるいは奨学金、生活費を給付する、こういった制度があると承知しておりますし、韓国におきましても、韓国内の大学や研究機関に所属する韓国人研究者の国外での研究に対して資金援助を行う、こういった制度があると承知をしております。
 こういった各国の制度も念頭に置きながら、是非、外務省としましても、関係省庁としっかり連携しながらこの課題に取り組んでいきたいと考えます。
#144
○大臣政務官(冨岡勉君) 世界的に優れた人材の獲得競争が激化する中、第一線級の研究者の多くは国や機関を超えた移動が常識となっております。我が国としても、海外の日本人研究者が独創的な研究成果を生み出すことが重要であると認識しております。
 そのため、文部科学省として、一つ、海外の優秀な日本人研究者に対する科学研究費助成事業による支援の検討、また、委員御質問ありましたけど、SATREPSを通じた若手研究者の人材育成の取組、また、優秀な日本人の若手研究者の海外への派遣及び国際的な頭脳循環を加速するための取組の強化を図っていきたいと思っております。
 したがいまして、海外において日本人研究者が活躍できるように、今、岸田外務大臣の方からも御答弁ありましたけれど、文科省としても十分委員の質問に応えるような取組をやっていきたいと思っております。
 御質問ありがとうございました。
#145
○石川博崇君 終わります。ありがとうございました。
#146
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば旅行も楽しいということで、大変季節も良くなってきました。
 あるときに、ブラジルの大統領とアメリカの大統領とフランスの大統領が旅をすることになりまして、飛行機で飛び立ちました。フランスの大統領が、やっぱりフランスのワインは最高だと、アメリカの大統領が、そんなことない、今はアメリカのワインが最高だと。それを聞いていたブラジルの大統領は、何を言っているんだ、ブラジルにはカシャーサという最高の酒があるのになと。そうこうするうちに、うとうとしているうちに、フランスの大統領がいきなり、あっ、今フランスの上空を飛んでいるよと、どうしてだと言ったら、手を出したらエッフェル塔が手に触ったと自慢げに言っていました。そのうちまた沈黙が続いて、アメリカの大統領が今度は、今アメリカの上空を飛んでいるよと、どうしてだと言ったら、今、自由の女神が手に触ったと。そしてまたしばらく沈黙が続いたんですが、ブラジルの大統領が今度は大きな声で、今ブラジルの上空を飛んでいるぜと。どうせコルコバードのキリスト像の手に触っただろうというぐらいの話かなと思ったら、そうじゃなくて、外に腕を出したら腕時計がなくなっていたという。これはブラジルのジョークですから。
 そのくらいブラジルは、日本人観光客も事件に遭ったりしますけど、サッカーもいよいよ来月開幕ですから、是非そういう事故に遭わないように気を付けていただきたいと思いますが。
 そして、今日は、ちょうど日朝交渉が一年四か月ぶりに再開したということで、大変いいことだなと。もっともっと話を早く進めていかないと、それぞれ、拉致問題もありますし、俺たちもじいさん、ばあさんになって、もうあの世に旅立ってしまうよと。そんなことで、できるだけ後戻りのしないような交渉にしていただきたいと思いますが。
 そんな中で、朝鮮総連本部の案件について、この場でも質問させてもらいました。非常にこれは北朝鮮にとっても要望が強い、そういう中で話合いが難航します。日朝交渉を進める中で、とにかく、総連問題をどういうふうに考えているかと。飯島参与も私と同じような見解を持っています。これは、北朝鮮の決して肩を持つわけではなく、先方が拉致問題再調査を条件として投げてきたボールなので、ボールを打ち返さずに見て見ないふりするのでは外交交渉は成り立ちません。
 なぜ日本政府は総連本部の案件が日朝交渉の障害にならないと判断したのか、お聞かせください。
#147
○政府参考人(金杉憲治君) お答え申し上げます。
 朝鮮総連本部不動産の競売問題につきましては、裁判所の下で行われている手続であるということから、政府としてコメントをする立場にはございません。
 他方で、政府間協議の開催と朝鮮総連本部不動産の競売問題は直接関連するものではないというふうに考えております。前回の協議におきましても、日本側からこれまでの経緯や裁判所により進められている手続について説明をいたしました。このような従来からの立場を踏まえて今後とも対応していくということが政府の基本的な方針でございます。
 以上でございます。
#148
○アントニオ猪木君 多分今のような返事が来ると思いましたけど、これで、十何年間何にも進んでいないという状況の中で、少し発想の転換もして、やはり一番最優先事項は何であるかということを考えてもらったらいいと私は思います。
 次に、日朝交渉についてお聞きをしたいと思いますが、日朝局長協議が昨日からストックホルムで行われています。私は、これまで訪朝し、直接北朝鮮政府と拉致問題を始めとする日朝間の懸案について議論しました。先ほども申し上げましたが、日朝交渉に関して、飯島参与の意見については私も共感する部分があります。閣僚の皆さんは相反する発言をされていますが、日朝交渉において、政府の方針と異なる飯島参与の発言をどのように考えるのか。飯島参与の役割についてはどのようにお考えでしょうか。これは、ある新聞にも出ていますので、政府の意向で飯島参与が訪朝したということも報じられております。
#149
○政府参考人(金杉憲治君) 内閣官房参与は、内閣総理大臣の諮問に答え、意見を述べることを任務とする非常勤の一般職の国家公務員でございます。猪木先生の御指摘の飯島参与の御発言というのは、個人として示された見解であるというふうに私ども承知しております。
#150
○アントニオ猪木君 次に、ロシア外交についてお聞きします。
 日本にとってロシア外交、北方領土交渉やシベリア開発、エネルギー協力など、極めて重要です。二十四日にプーチン大統領が日本の制裁に不快感を表明し、北方領土交渉の中断に言及しました。我が国のロシアへの制裁はどのようなものが行われているのか、お聞きしたいと思います。
#151
○政府参考人(上月豊久君) お答えします。
 我が国は、三月十六日のクリミアにおける住民投票の後、ロシアがクリミア自治共和国の独立を承認したことを受けまして、三月十八日にロシアとの査証緩和に関する協議の停止、それから新投資協定、宇宙協定及び危険な軍事活動の防止に関する協定という三件の新たな国際約束の締結交渉の開始の凍結、これを発表いたしました。
 また、四月二十九日には、ロシアによりますウクライナの主権及び領土の一体性を侵害する動きが継続していること等から、ウクライナの主権と領土の一体性の侵害に関与したと判断される計二十三名に対して、入国査証の発給を当分の間停止する措置をとりました。
 これらは、我が国としまして、G7諸国と連携しつつ、力を背景とする現状変更の試みを決して看過することはできないとの姿勢を示す上で適切な措置だったと考えているところでございます。
#152
○アントニオ猪木君 北方領土交渉についてお聞きしますが、今、ウクライナ危機以前の日ロ外交は比較的順調に進んでいたと思います。しかしながら、さきのプーチン発言にあるとおり、対ロ外交において日本は難しい局面に立たされています。
 今年の秋にプーチン大統領の訪日が予定されていますが、現在、どのような見通しなのか、お聞きいたします。また、今後、政府はこれから北方領土の交渉をどのように進めていくのか、これも併せてお聞きしたいと思います。
#153
○国務大臣(岸田文雄君) まず、プーチン大統領の訪日ですが、今年二月に日ロ首脳会談が行われて、その際に、プーチン大統領、今年の秋に日本を訪問する、こういったことについて合意をした次第であります。プーチン大統領の訪日につきましては、現時点においては、これは何ら変更はないということであります。
 そして、北方領土問題ですが、北方領土問題の交渉につきましては、日ロ間において、特に昨年来、五回の首脳会談を始め様々な議論を積み重ねてきました。昨年来のこうした二国間関係の上に立って、引き続き、ロシアとの間において対話を重ねつつ、この日ロ関係を進めていく中で北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結していくべく、粘り強くこの交渉に取り組んでいきたいと考えております。
#154
○アントニオ猪木君 次に、中ロ関係についてお聞きをします。
 この度、ロシアと中国が東シナ海で初めて大規模な合同軍事演習を行いました。また、両国は、来年に第二次世界大戦戦勝七十周年の記念行事を共同で開催することを決めています。歴史カードを武器に、我が国への対抗姿勢を強めているような気がします。
 日米同盟に対抗するために、中ロ両国が軍事、政治同盟に発展するのではないかと懸念されていますが、政府はどのように分析し、どのように対応していくのか。最近の新聞や何かの報道を見ている限り、東西冷戦に世の中が逆戻りしているような気がいたします。よろしくお願いします。
#155
○副大臣(三ッ矢憲生君) 中国とロシアが緊密な関係を維持しているということは事実でございますが、これは、第三国間の例えば合同軍事演習や、あるいは戦勝七十周年記念行事の開催の意図について我が国として断定的に評価することは困難でありまして、コメントは差し控えたいと思いますが、いずれにしましても、我が国として中ロ関係の動向は注視しなければなりませんし、力を背景とする現状変更の試みが東アジアで助長されることがないように、引き続き外交努力を重ねてまいりたいと考えております。
#156
○アントニオ猪木君 かつて委員会でもお話しさせてもらいましたが、キューバとの付き合いも非常に近いもので、いろいろ歴史も勉強させてもらった中で、かつてのアメリカとの、カストロ政権が誕生した後の状況は非常に親米派だったのに、アメリカが突っぱねたということからロシアにつながっていくという歴史がありますが、今、北朝鮮においても同じように、もっともっと外交を有効に、さっき言った東西冷戦ではなく、そのようなことを起きないようにするのが多分平和国家として標榜する日本がやる役割ではないかと思います。
 次に、中国軍機の異常接近、先ほど同僚議員からも一部質問がありました。昨日も中国関係の人たちが来ておりましたが、中国の今中で起きていること、ウルムチもそうですが、その中で本当に今大事なことは、経済の情勢というのか、その辺も、この質問にはありませんが、もしあれでしたら、どうでしょうか、お答えいただければ。
#157
○政府参考人(金杉憲治君) 先生の御質問は、中国経済についてということだったかと思います。
 世上言われておりますのは、中国は、これまで一年間一〇%以上を超える成長をしてまいりましたけれども、ここに来て国内の経済の減速が顕著になってきていると。それから、銀行の不良債権の問題等々、問題を多く抱えているということは事実だろうと思います。他方で、かつての日本の経験にも学んで、中国政府としても最大限中国経済を軟着陸させる方向で今調整をしているというふうに承知しております。
 以上でございます。
#158
○アントニオ猪木君 先日のテレビでもやっておりましたが、ブラジルの石油資源を買ったとか、いろんなエネルギー戦略、今中国が積極的に出ております。その中で、これからの日本の、あるいはこのアジアの平和の役割を、リーダーシップを取ってもらいたい、そんな思いから、アジア版のNATO創設についてちょっとお聞きをいたします。
 我が国の尖閣諸島を始め、ベトナム船との衝突や、フィリピン、マレーシアの中国の拡張政策はアジア各国で摩擦を起こしています。今や、アメリカも中国に対し厳しい姿勢を取りつつあります。中国が各地で起こす挑発行為をきっかけとした偶発的な武力衝突を防ぐためにも、アジア全体で防衛の枠組みをつくることも重要です。例えばアジア版NATOの創設も検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(岸田文雄君) 今、委員の方からアジア版NATOを創設すべきではないかという御提言をいただきましたが、アジア太平洋地域の特徴として、欧州と比較した場合に、域内の各国の発展段階がかなり多様であるということ、さらには政治経済体制、これもアジアの中で様々なものがあるということ、さらには各国の安全保障観、考え方も様々なものがあります。こうしたアジア太平洋地域においては多様性が存在するというのが欧州における事情との違いであると認識をしております。
 こういった状況でありますので、NATOのような集団防衛のための機構をこのアジア太平洋地域においてつくるということ、少なくとも現時点では余り現実的ではないという認識に立っております。
 まずは、この現状を考えましたときに、アジアにおいては、我が国として、まず日米同盟を基軸としながら、今申し上げましたような多様性を踏まえ、例えば東アジア・サミット、EASですとか、ASEAN地域フォーラム、ARFですとか、こうした様々な対話の枠組みがあります。こうした枠組みを重層的に整備することによって全体の平和と安定を維持していく、こういったことを考えていくべきではないかと認識をしております。
#160
○アントニオ猪木君 次に、ウクライナ情勢についてお聞きいたします。
 ウクライナ大統領選挙は親EU派のポロシェンコ氏が当選、その政治手腕が期待されています。今後、NATOやEUへ加盟が焦点となりますが、日本は新政権に対してどのようなスタンスで臨むのか、お聞きしたいと思います。多分、この辺の政府としての強い人脈をお持ちなのかどうか、それも併せてお聞きしたいと思います。
#161
○副大臣(三ッ矢憲生君) お答え申し上げます。
 まず、ウクライナのEU及びNATOへの加盟については、これは、ウクライナ国民自身による選択並びにEU及びNATO加盟国の検討の結果として決定されるべきものであると認識しているところでありますが、我が国としては、ウクライナの平和と安定のためには、まず第一に経済状況の改善、それから民主主義の回復、国内の対話と統合の促進の三つが重要と考えておりまして、これまで、最大十五億ドルの経済支援を含め、我が国の貢献につきまして表明してきたところでございます。
 今回の大統領選挙を通じまして民主的に選出された新政権が成立することは、ウクライナの平和と安定の実現に向けた大きな一歩であると考えております。新政権におきましては、経済改革や国内の対話と統合の促進を含め喫緊の課題について改革が進むことを期待し、我が国としても、こうした改革の促進において引き続き新政権を支援していくこととしております。
 それから、新政権との人脈でございますが、詳細は控えさせていただきますけれども、これまでの現地大使館の外交的努力の過程で人脈を構築してきておりまして、この人脈の中には、ポロシェンコ氏本人及び同氏に近い人物も含まれております。これまでに形成された人脈を基に、ウクライナ新政権との関係を更に強化していきたいと考えております。
#162
○アントニオ猪木君 次に、欧州議会選挙についてお聞きします。
 この度行われました欧州議会選挙で反EU政党が躍進しました。例えば、フランスでは、極右と言われる国民戦線が国内で初めて最多票を集めました。また、イギリスでは、英国独立党の得票率が労働党と保守党の二大政党を超えました。このような現象の要因についてどのように考えるか、多分EUの崩壊も危惧されている中でどうお考えか、お聞かせください。
#163
○政府参考人(上月豊久君) お答えします。
 今回の欧州議会選挙の開票結果は未確定でございますけれども、委員御指摘のとおり、それぞれの国においていわゆるEU懐疑派が議席数を伸ばす見込みであるということと承知しております。
 要因を確定的に申し上げるのは難しゅうございますが、幾つかの理由が考えられると思います。一つは、やはり欧州統合が進んで多くの分野でEU主導の政策が取られる中で、欧州金融危機に伴う緊縮政策に対する反発、これが一つ要因として挙げられると思います。また、もう一つ、EUの移民政策が雇用情勢の悪化を招いているとする不満が広がっております。こういったことが今次欧州議会選挙でEU懐疑派が議席数を伸ばす一因となったと考えております。
 以上です。
#164
○アントニオ猪木君 欧州選挙の今結果をお聞きしましたが、影響についてお聞きしたいと思いますが。
 この度、欧州議会選挙の結果を受けてキャメロン首相は、二〇一七年にEUから脱退を問う国民投票を実施するということを約束しました。仮にイギリスがEUを離脱した場合に、EUは極めて不安定な状況になると考えます。この度の選挙結果が今後EUに与えることをどのように分析するのか、お聞きします。昨日びっくりして聞いたんですが、EUはユーロかなと思ったら、イギリスだけはまだ自国のお金を使っているというので、そういう中で、今質問したようなことにどうお考えか。
#165
○政府参考人(上月豊久君) 今回の欧州議会選挙の開票結果はまだ未確定でございます。御指摘の事例も含めて、我が国として、欧州統合のプロセスや日・EU関係を始めとする欧州の対外政策にどのような影響があり得るかについての観点から選挙結果を注視してまいりたいと思っております。
 今の御指摘の中でEUの離脱の問題について御指摘ありましたので、その関連についてお答えいたしますが、キャメロン首相は、二〇一〇年に成立した連立政権の政策綱領に基づいて、英国とEUとの間の権限配分の現状を調査し、明らかにする作業を実施中でございます。また、二〇一三年一月、次期選挙後も政権を維持した場合にはEUにとどまるか否かについて国民投票を二〇一七年までに実施することを約束しております。そのため、この国民投票は今回の欧州選挙の結果を受けたものでございませんけれども、こういった動向についても引き続き注視してまいりたいと思っております。
#166
○アントニオ猪木君 グレーゾーン事態、安保協議十五事例、先ほど同僚議員からも一部質問が出ましたので、次に行きたいと思います。
 武力の行使に当たる活動、これら八事例は日本を守るために直接的若しくは間接的に必要なことと考えますが、個別的自衛権や警察権で対応できるのか、見解をお聞かせください。
#167
○政府特別補佐人(横畠裕介君) お尋ねは、本日政府から与党に示された事例集の内容であろうかと思います。その事例集は、与党からの御指示に基づきまして、与党協議のための材料として作成されたものであると承知しております。
 政府としての対応は与党協議の結果に基づき検討することとなるものと承知しており、当局として、その検討の過程において適切に意見を申し上げることとなると考えておりますが、現在、与党協議が進められているところでもあり、この事例集の内容について具体的に何か申し述べるということはできませんが、大枠として申し上げれば、その事例集で示された八つの事例において、武力の行使に当たる対応措置と思われるものが記述されておりますが、自衛権の行使について、いわゆる自衛権発動の三要件に該当する場合に限られるとするこれまでの憲法解釈では、そのような武力の行使はできないということであろうかと思います。
#168
○アントニオ猪木君 これは新聞の中の記事ですが、離島における不法行為への対処。私もイノキ島を持っていますので、これを守るのが大変なんですけど、フィリピンとかいろんな人がシャコガイを捕りに来たりと。この誰もいないところの対処ということがちょっと気になったものですから。お答えは結構です。
 ありがとうございました。
#169
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 同僚議員からの質問と一部かぶるところもあるかもしれませんけれども、質問通告どおり質問の方をさせていただこうというふうに考えております。
 私は、先週、議運の承認を得てワシントンDCに行ってまいりました。そして、国務省、国防省、政府関係者及び議会関係者と会談、面談を多数させていただいたわけでありますけれども。集団的自衛権についての議論、これを紹介したり、それについて話をするということも多々行いましたけれども、そのほかに米国側で一番日本に対して懸念というようなものを持っているとすれば、この集団的自衛権については懸念を持っているというわけではないんですが、今、米国側が一番気にしていることというのがロシアへの対応ということなのではないかなというふうに思います。
 これまでの日本のロシアへの対応について、明示的に批判をするということはありません。これまでのことについて批判をされているというわけではありませんでしたけれども、今後、日本がアメリカとの間で対応にずれが生じてきてしまうのではないか、G7との間で対応にずれが生じてきてしまうのではないか、そうならないようにしてほしいと、こういうような向こうの要請があるということを肌身で感じてきたということであります。
 私は、アメリカの期待するとおりに日本が動かなきゃいけない、べったりしなきゃいけない、そう思っているわけではありません。日本も、これまで安倍政権になってプーチン大統領と五回会っている、その前の第一次政権のときも二回会っている、こういったような積み上げもあるわけですから、べったりするべきであるというわけではありませんけれども、ただ、やはり聞かなければならないことがありますので、今日はお聞きしたいというふうに思っています。
 ロシアのクリミア実質的な併合、独立承認、これをめぐって我が国のロシアへの制裁というのは、EUそしてアメリカは資産凍結まで踏み込みましたけれども、我が国はそこまで行きませんでした。このアメリカ、EUとの制裁の違いの理由をまずお伺いしたいと思います。
#170
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国の対応ですが、三月十八日、ロシアとの査証緩和に関する協議を停止し、三件の新たな国際約束の締結交渉開始を凍結する、これを発表いたしました。続けて、四月二十九日には、二十三名に対し入国査証の発給を当分の間停止する措置をとった次第です。
 まず、これまでの措置につきましては、力を背景とする現状変更の試みを決して看過しないという我が国の姿勢を示す上でこれは適切なものであったと認識をしております。
 こうした力による現状変更を許さないという姿勢を関係各国とともにしっかり示すということは極めて重要であると認識をしておりますが、ただ、関係国それぞれの事情があるわけですから、この具体的な対応まで必ずしも同一である必要はないと考えている次第です。
 そして、この点につきましては、米国の国務省報道官も、米国とEUの制裁対象者が異なる点について問題ではないというふうに述べていますし、我々の目標と努力は補完的な措置であることに焦点を当てており、完全に重なることは期待していない、こういった発言もしておりますし、また、五月七日の日・EU定期首脳協議後の共同記者会見におきましても、ファン・ロンパイ議長は、日本の査証発給停止措置を評価しているという発言をされておられますし、バローゾ委員長は、このG7の枠組みで日本がウクライナをめぐって連携の取れた行動を行っていることに感謝している、こういった発言もされております。
 我が国としましては、こういった各国の評価等もしっかり念頭に置きながら、今後とも、関係各国と連携をしながら対応を続けていきたいと考えております。
#171
○中西健治君 申し上げましたとおり、私も、ワシントンでこれまでの対応について批判めいたことを聞いたというわけではないということであります。ですから、今後が非常に大事だということなんだろうというふうに思います。
 先ほどもありましたけれども、プーチン大統領がサンクトペテルブルクで開かれた経済フォーラムで、主要メディアが一斉にいる前で、日本が対ロ制裁に加わったと聞いて驚いた、北方領土問題の交渉も日本は中断するつもりなのかというような強い不快感を示したということが報道されておりますけれども、こうしたプーチン大統領の発言に対する外務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#172
○国務大臣(岸田文雄君) まず、二十四日のプーチン大統領の発言ですが、プーチン大統領は、日本の対ロシア制裁について驚きを持って聞いたと述べつつ、平和条約交渉についてロシアには交渉を行う用意がある、こうしたことを明言されたというふうに承知をしております。
 まず、このウクライナ問題につきましては、先ほども申し上げましたように、力を背景とする現状変更の試みを看過することができないという我が国の基本的な姿勢を示す上で、これは適切な措置を今日までとってきていると考えております。そして、日ロ間で昨年四月、安倍総理訪ロ時の日ロ共同声明における合意を踏まえて平和条約交渉を進めていく、こういった考えにつきましては我が国として何ら変わりはないと考えております。
 是非、こうした考え方に基づいて今後とも対応していきたいと存じます。
#173
○中西健治君 このプーチン大統領の発言ですけれども、日本と欧米諸国を分断させようとする意図に基づいて発言されているのではないかというふうに私などは思うわけでありますけれども、外務大臣はそうした見解はお持ちではないということでしょうか。
#174
○国務大臣(岸田文雄君) プーチン大統領の発言の意図について確定的に申し上げる材料を私は持ち合わせてはおりませんが、我が国の基本的な考え方としては、まずは力を背景とする現状変更の試みを看過することができない、こういったことをしっかりと表明するということは重要だと存じます。
 しかし、その上で、我が国としましては、昨年来積み重ねてきた日ロ関係、二国間関係も存在いたします。この関係に基づいて、ロシアに対してこのウクライナ問題についてもしっかりと働きかけを行っていかなければならないと思いますし、また、北方領土問題、平和条約締結問題についても、こうした二国間関係に基づいて引き続き政治対話は続けていかなければならない、このように考えます。
#175
○中西健治君 申し上げましたとおり、これまでロシアとの間で積み上げてきた関係、それから北方領土に関していろんな話というのはされているんだと思います。それをひっくり返すべきではないというふうに私も思うわけでありますけれども、ワシントンでの国務省の高官、これはオンで言っていいということで言われたので御紹介しますけれども、プーチン大統領は旧ソ連の領土を回復しようとしている、そうした政権に対して北方領土が返還されるというふうに期待するということはなかなか期待し過ぎなのではないか、甘いのではないかと、こういうようなことを言われました。
 先ほど、プーチン大統領が北方領土の交渉をする用意があるという発言をしたということを紹介されていましたけれども、これ、真に受けるべきなんでしょうか。そこをお伺いしたいと思います。
#176
○国務大臣(岸田文雄君) プーチン大統領は、二十四日、先ほども触れさせていただきましたが、ロシアには交渉を行う用意があると明言をされたわけですが、それに加えて大統領は、一九五六年の日ソ共同宣言における二島の日本への引渡しについて、いかなる条件でこれらの島々の主権は誰のものになるかについて書かれておらず、これは全て交渉の対象であるという発言もされました。この点は従来の立場を繰り返されたわけですが、それと併せて、四島全てについても交渉の対象である、こういった発言もされておられます。
 この発言の真意について確定的なことを申し上げることはできませんが、こうした発言にも注視、注目しながら、是非日ロ間で、昨年四月の安倍総理訪ロ時の日ロ共同声明における合意を踏まえて平和条約締結交渉を進めていきたいと考えております。
#177
○中西健治君 よくよく注視しながらやっていくということかなというふうに思います。
 ロシアに関して、今度は直近というかもうすぐということなんですが、ナルイシキン下院議長がもうすぐ日本にやってくることになっております。ロシア文化フェスティバルのロシア側の組織委員長として六月一日に来日するということになっていますが、先ほど御紹介のあった先月の二十九日に日本が発表したビザ発給停止措置の二十三名、この二十三名は政府関係者及び議会関係者なわけですけれども、に入っておりません。ということは、六月一日予定どおり来るということ、これを止めないということを認めるということでよろしいんでしょうか。
#178
○国務大臣(岸田文雄君) 四月二十九日に、我が国としてウクライナ問題に関連して二十三名に対し入国査証の発給を当分の間停止する、こういった措置をとったわけですが、このナルイシキン議長については、我が国の措置との関係で問題は生じていない次第です。
 ですので、議長としては訪日の方針であると承知をしておりますが、今後の日ロ間の要路往来については、是非、誤ったメッセージを発することにならないよう注意しつつ、様々な要素を考慮し、総合的に判断をしていきたいと考えています。
#179
○中西健治君 この下院議長の予定についてお伺いしたいんですが、一部報道では政府高官と会うのではないか、若しくは総理と会うのではないかと、こんなような報道もされておりますが、私は、もしこの下院議長が来るのであれば、そして政府高官とお会いになられる、総理とお会いになられるのであれば、そこできっちりとしたメッセージを出す必要があるのではないかというふうに思っていますが、まず、予定についてお伺いをしたいと思います。
#180
○国務大臣(岸田文雄君) ナルイシキン議長の訪日ですが、現時点で我が国の政府関係者と会談するということ、こういった予定は全くございません。
#181
○中西健治君 現時点でということですから、ひょっとしたら変わり得るのかもしれませんけれども。
 六月の一日に来られるということでありますが、その直後、六月の四、五にはG7サミットという予定になっているわけでありますので、当然、そちらでも説明が求められるということも想定しておかなきゃいけないだろうというふうに思います。そういうタイミングですので、もし、先ほど申し上げたとおり政府のどなたかとお会いになるのであれば、やはり正しいメッセージを伝えるということが必要なんだろうというふうに思います。
 先週のワシントンでの話ばかりして恐縮ではありますけれども、プーチン大統領の訪日についても語られていました。そのほかに、要人の往来について日本国政府は重大かつ象徴的な決断を迫られると承知していると、こんなような言葉もありましたので、こういうことを米政府は思っているということ、これはオンにしていいということで言っているわけですから、これはそうしたことだということを御承知おきいただきたいというふうに思います。
 こうしたロシアとの関係、大変難しい状況だと思います。アメリカやG7との我が国の関係というのもありますし、そんな中で、これまで積み上げてきたものをうまく活用して、そして、できれば中国、ロシアが余り仲よくするのではなくて、そこのところにもある程度のくさびを打ち込んでいく、そんなことを日本が果たす、我が国が果たすことができるのかどうか、そうした考えをお持ちなのかどうか、そこら辺、岸田外務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#182
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ロシアによるクリミア編入や、ウクライナ東部の親ロ派武装勢力の動き、こうしたものはウクライナの主権及び領土の一体性を侵害するものであり、我が国はこのような力を背景とする現状変更の試み、これを断じて容認しないと考えています。こういった我が国の姿勢については、まずしっかりと示していかなければならないと存じます。そして、我が国としては、今後もG7各国と連携しながら、ロシアとも意思疎通を図り、このウクライナをめぐる問題、平和的、外交的な解決に向けて役割を果たしていきたいと考えております。同時に、アジア太平洋地域の厳しい安全保障環境を考えますときに、我が国にとりまして日ロ関係の重要性、これは変わらないと認識をしております。
 そういったことから、今後とも、ロシアとの対話を重ねつつ、我が国の国益に資するよう日ロ関係全体を進めていく、こうした方針で臨んでいきたいと考えます。
#183
○中西健治君 このロシアと関連してということなんですが、最近の中国の動きというのは、やはりロシアの動きを見て誘発されている部分というのがあり得るのではないかなというふうにも考えています。どちらも力による現状変更の試みということなのではないかというふうに思っております。
 そこで、直近で起きたこととしますと、防空識別区、防空識別圏、重なっているところでの我が国の自衛隊に対する航空機の異常接近ということでありますけれども、小野寺防衛大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、今後、この重なっているところ、防空識別区、防空識別圏が重なっているところの警戒監視活動をどのようにやっていくのか、お伺いしたいと思います。
#184
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省・自衛隊としては、今までも警戒監視にしっかりと取り組んでまいりましたし、これからも警戒監視をしっかりしてまいります。
#185
○中西健治君 二十四日にこの事案が発生して、二十五日に、防衛大臣、初動とも言える初めてのコメントをお出しになったときに、このようなことがないように申入れを行ったと、こんなようなことをおっしゃられましたけれども、偶発的な事故の発生につながりかねない今回の異常接近に対して、申入れを行ったというのは初めのコメントとしては多少ちょっと優し過ぎるんじゃないかというふうに思いました。初めから強硬な抗議を行ったと言うべきなのではないかなと思いますが、申入れを行ったというものの趣旨はどういうものだったのか、教えていただきたいと思います。
#186
○国務大臣(小野寺五典君) コメントとしまして、事案については、私、かなり強い口調でこの事案については私どもの考え方をお伝えをさせていただきました。
 そして、実は、外交ルートでの中国側への抗議というのは、これは外務省を通じて行うことになりますので、私どもの、特に私が直接中国側に抗議をするわけではないものですから、そういう意味では、少し広い意味で申入れということを用語としては使わせていただきました。あくまでも外務省からの外交ルートの話であります。
 ただ、現実的には、外務省の方で外交ルートを通じて内容としては抗議という形になっていたと思いますので、現時点では、抗議という形に用語を使わせていただきたいと思っております。
#187
○中西健治君 ということは、意思としては当然強い抗議であったということですが、申入れという言い回しを記者会見では使ったと、そういうことと理解いたしました。ただ、申入れに素直に従う国柄かなというと、きっとそうではないんだろうというふうに思います。
 海上連絡メカニズムの早期の運用開始ということを計画されているということでありましたが、こうした異常接近を回避、防止するために有効な手だてとなり得るかどうか、防衛大臣の見通しをお伺いしたいと思います。
#188
○国務大臣(小野寺五典君) 基本的には、現在、日中間で協議をしております海上連絡メカニズムというものでしっかりと、日中間で海上でもあるいは空でも連絡体制を取るということが大事だというふうに思っております。今、中国側には累次この問題については申入れをしておりますので、今後ともその努力を続けていきたいと思っております。
#189
○中西健治君 質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#190
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 三沢基地に配備される米軍の無人偵察機グローバルホークについてお聞きいたします。
 二十四日に一機、そして明日二十八日に一機配備をされ、二機が配備をされるということでありますが、これは二〇一三年十月の2プラス2でローテーションによる展開が合意をされておりますが、三沢に配備をするということはいつの合同委員会で確認をされたんでしょうか。
#191
○国務大臣(岸田文雄君) グローバルホークの三沢飛行場へのローテーション展開については、まず昨年十月の日米2プラス2共同発表において、より高度な能力を日本国内に配備することが、戦略的な重要性を有し、日本及び地域の安全に一層寄与することを確認した上で、二〇一四年春から同機の日本国内へのローテーション展開を開始させる計画を確認した次第です。
 ですから、この時点では日本国内ということが確認をされたわけですが、これを受けまして、本年一月二十二日、在日米軍司令部から外務省に対して、米空軍が現在グアムを拠点に運用しているグローバルホーク二機を本年五月頃から十月頃にかけて三沢飛行場に展開する予定であるという通知がありました。この時点で三沢飛行場への展開という通知があったわけであります。
#192
○井上哲士君 通知ということで、特段それ自体は合同委員会の合意をしたということではないということなんだろうと思いますが。
 無人機であっても領空侵犯をすればこれは主権侵害になると考えますが、この点どうかと。そして、仮に日本の三沢に配備をされたグローバルホークが他国の領空侵犯をしたという場合は日本はどういう対応を取るのか、いかがでしょうか。
#193
○国務大臣(岸田文雄君) 国際法上、国家は領空について完全かつ排他的な主権を有しております。よって、無人機を含め、他国の航空機は領域国の許可を受けないでその領空を飛行することは認められていない、これが国際法上の考え方であります。
 お尋ねのこの三沢飛行場のローテーション展開するグローバルホークについて申し上げるならば、米国政府は、無人機によるものも含めて、あらゆる米軍の軍事作戦はこうした国際法を始めとする関係法規に従って行われていると、こうした説明をしているところであります。我が国としましても、こういった考え方に基づいて運用されているものと承知をしています。
#194
○井上哲士君 しかし、現にパキスタンで、これは無人機による攻撃、これが主権侵害であり国際人道法違反だと、こういう厳しい批判の声が上がっておりますし、グローバルホーク自身はU2の後継とされており、言わばスパイ偵察機でありますが、U2について言えば、過去にソ連への領空侵犯を行って撃墜をされたと、こういう例もあるわけですね。
 返還前の沖縄の嘉手納基地にSR71が配備をされていたことがありますが、その後、日本にこういう米軍の偵察機が配備をされるということは初めてだと思いますが、その点防衛大臣に確認をしたいのと、また、なぜこの間、沖縄の復帰以降は配備をされていなかった偵察機を配備を認めるということになったのか、いかがでしょうか。
#195
○国務大臣(小野寺五典君) 沖縄返還後に米軍の偵察機が日本に、配備という形じゃなくて展開という私どもは考え方と承知をしておりますが、展開した事例としましては、これまでも、嘉手納飛行場にSR71やU2、RC135といった偵察機が展開した実績はあると承知をしております。
 ですから、グローバルホークが今回三沢に展開するというのが沖縄返還後日本への初めてというわけではなく、過去にも、展開という内容であれば今お話ししたような実績があると承知をしております。
#196
○井上哲士君 沖縄には幾つかあったということでありますが、三沢というのは全く初めてのことでありますし、また、なぜ今こういうものを配備をすることに、まあ一時展開と言われますが、実際は年間の半年いるわけでありますから事実上の配備だと考えますが、そこの理由はどういうことなのかということであります。
#197
○国務大臣(小野寺五典君) グローバルホークにつきましては、グアム島のアンダーセン米空軍基地を拠点に運用しているこのグローバルホーク、夏におけます活動というのが台風等悪天候の影響により大きな制約を受けておるということで、夏において安定的な運用が可能な基地を必要としているということが主な状況ではないかと思っております。
 このような背景を受けまして、グローバルホークの夏におけます一時展開のため、米太平洋空軍の各基地が様々な観点から幅広く検討する中で三沢飛行場に展開することになったというふうに承知をしております。
#198
○井上哲士君 いや、台風でグローバルホークがグアムにいるのが支障が出るというのは、これはもうずっと昔からの話でありまして、なぜ今こういうことが行われたかということはどうなんでしょうか。
#199
○国務大臣(小野寺五典君) これは従前から、夏季、夏においてのグアムでの運用というのが台風等で十分な対応ができないというような、そういうことはあったと思います。
 これは米軍の運用の問題でありますので、私ども、直接コメントするのがどうか分かりませんが、私個人として感じますのは、最近の北朝鮮を含む安全保障環境が大変厳しい状況である中、一般的に言えば、このような警戒監視の任務、役割というのは従前にも増して重要度を増しているということが考えられるのではないかと思っております。
#200
○井上哲士君 こういう新しい無人偵察機の展開というものが逆にかえって緊張を激化をさせるのではないかと、こういう懸念があるわけでありますが、外部に配備されているときと日本に一時展開するときでは、任務の内容、それから展開する範囲にこれ違いがあるんでしょうか。
#201
○政府参考人(徳地秀士君) お答え申し上げます。
 今回、三沢に一時展開することとなりましたグローバルホークでございますが、アジア太平洋地域において情報収集、警戒監視、偵察の任務に当たっているものと承知をしておるところでございます。
 具体的なその活動範囲等につきましては、これはもう米軍の運用の詳細に関わる事項でございますので、私どもの方からお答えは差し控えさせていただきたいとは思っておりますけれども、今般の三沢飛行場への一時展開というものは、先ほど大臣からも御答弁ありましたとおり、グアムのアンダーセン空軍基地を拠点として運用しているこのグローバルホークの夏の時期における活動が台風等の悪天候の影響によって大きな制約を受けている、また、米空軍は夏季における安定的な運用が可能な基地を必要としているということから展開したものというふうに聞いております。
 したがいまして、グアムにおける任務の内容、それから三沢における任務の内容、これが異なるという説明はアメリカより受けておりません。
#202
○井上哲士君 しかし、グアムと三沢では随分場所が違うわけでありますから、果たして更に広い範囲、違う範囲などが担当するのではないかということも考えられるわけですね。
 米国内では、捜査当局によってこの無人機の利用が今広がっておりまして、空からの監視による市民のプライバシー侵害だと、こういう懸念が上がっております。フロリダなど九つの州等で捜査への利用を制限する州法が成立をして、規制の動きが更に進んでいるという報道もされておりました。また、先ほど紹介したパキスタンでの無人機攻撃、これはCIAが運用しているわけですね。
 三沢に配備されるグローバルホークについて、運用にCIAや捜査当局が関与することはないか、また情報が共有をされるということはないんでしょうか。
#203
○国務大臣(岸田文雄君) まず、パキスタンにおける無人機の攻撃等、CIAによる活動について委員の方から触れられましたが、まず基本的に、この三沢飛行場にローテーション展開するグローバルホーク、これは情報収集、警戒監視、偵察を目的とする航空機でありますので、地上目標や敵機を攻撃するための武器などの攻撃能力は有していないと承知をしております。
 その上で、この具体的な運用について政府として承知をしているわけではありませんが、展開については、日米安全保障条約の目的に沿って行われるものであると我々は理解しております。
#204
○井上哲士君 つまり、CIAや捜査当局が関与するかどうか、それはしないとかということは日米間では確認をしていないということでしょうか。
#205
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としましては、この運用につきまして、日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与する、こうした日米安全保障条約の目的に沿ってこのグローバルホークは運用されるものと承知しておりますので、改めてその具体的な運用について確認をするということはしておりません。
#206
○井上哲士君 特段確認をしていないということでありました。
 次に、安全性の問題でお聞きしますが、在日米軍の戦闘機等は、日米地位協定によって日本の航空法の適用除外でありますが、締結当時は無人機など想定をしていなかったと思うんですが、無人機についてもこの地位協定の扱いをどのようにするのかということは、いつ日米間で確認をしたのか。
 また、この三沢基地以外の米軍や自衛隊の基地、また民間空港に離着陸することも権利を有しているのかどうか、この点いかがでしょうか。
#207
○国務大臣(岸田文雄君) 日米地位協定においては、いわゆるこの無人機一般の扱いについて明確な規定があるわけではありませんが、日米地位協定第五条におきまして、合衆国及び合衆国以外の国の航空機で、合衆国によって合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものに対し、自衛隊基地や民間空港を含め、我が国の飛行場に出入りする権利等を認めております。
 グローバルホークについては、同機は米空軍が運用する合衆国の航空機であります。よって、公の目的で運航される限りにおいて、この日米地位協定第五条に言う航空機に該当すると解されます。この理解につきましては、昨年三月にこの日米合同委員会において確認をさせていただいております。
#208
○井上哲士君 米軍機は日本の航空法の適用除外となっておるわけでありますが、そもそも日本の航空法は無人機というものをどのように扱っていたのか、また、日本国内におけるこれまでの、民間ということになると思いますが、無人機の飛行実績はどのぐらいあるんでしょうか。
#209
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
 航空法における民間の無人機に関する規定といたしましては、航空法第八十七条に、無操縦者航空機による飛行を行う場合には国土交通大臣の許可が必要である旨の規定がございます。これまで、当該規定に基づき無人機の飛行を許可しております。
 許可の実績といたしましては、平成八年に無人のヘリコプターによる試験飛行、平成十六年に無人の飛行船による試験飛行の二件となっております。
#210
○井上哲士君 日本国内ではヘリと飛行船の試験飛行の二件のみしか今挙げられませんでした。要するに、これまで日本では飛行実績もなければ管制の経験もないものがこれからは日本上空を飛ぶということになるわけですね。
 このグローバルホークの操縦は、離着陸時は三沢飛行場内に設置される設備で行われて、十分な高度に至ったらカリフォルニア州ビールの空軍基地で米軍パイロットが行うとされておりますが、これは計器飛行方式で管制を受けて飛ぶということですが、具体的には三沢の管制を受けるということでいいのか、それから緊急時などは、先ほどありましたように、三沢以外にも離着陸する権利はあるということでありますが、仮にそういう緊急時に三沢以外に離着陸する場合はどこが管制をするんでしょうか。
#211
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
 対応する管制機関としては、離着陸時は三沢、それから高度が上がりますと札幌管制部、また緊急時の対応につきましては、その空域を所管する管制機関が対応することになります。
#212
○井上哲士君 緊急時などに三沢以外に着陸をするという場合は、この三沢飛行場内の設備で操縦するのか、それともアメリカのビール基地で操縦をする、どっちになるんでしょうか。
#213
○政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。
 三沢飛行場に一時展開をしますグローバルホーク、これはあくまで三沢飛行場から出て三沢飛行場に降りる、三沢飛行場を使用すると。これはあくまで原則でございますけれども、気象条件等によりましては例外的、あくまで例外的ですが、最寄りの基地などを使用するということも考えられるわけでございます。
 そして、このように安全確保などのために緊急着陸が必要となった場合においては、三沢飛行場に所在をいたします地上施設、あるいは米本土からパイロットがグローバルホークを操縦して最寄りの着陸先へと誘導すると、このように承知をしておるところでございます。
#214
○井上哲士君 やっぱり離着陸時は安全の配慮が必要だからこそ三沢基地内の施設で操縦が行われるんだと思うんですね。それが、ほかのところに緊急着陸などをするという場合に、しかも日本では全く管制や飛行の経験もないようなものを場合によっては米国内で操縦をするということで、本当に離着陸時の安全の確保ができるんだろうかと。私は、いろんな皆さんから不安の声が上がるのも当然だと思うんですね。
 しかも、これまで重大な事故は発生しないと説明をしておりましたが、アメリカの議会調査局が二〇一二年一月に発行したアメリカの無人航空システムという報告によりますと、十万飛行時間当たりのクラスAの事故発生件数は八十八件で、有人戦闘機のF16の四・一件に対して実に二十倍も多いと。
 これ、衆議院の答弁を聞きますと、過去の事故は古い型の、今のブロック30よりも古い型であって、ブロック30ではそういう重大な事故は発生していないという答弁でありましたが、一方、じゃ、ブロック30がこれまでの型式と比べて安全性能上どこが違うのかということについては、詳細についてはまだアメリカから説明を受けていないという答弁でありました。これは、その後説明を受けられたんでしょうか。
#215
○政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。
 三沢飛行場に展開をしております型式、これブロック30でございますが、このグローバルホークにつきましては、これまで重大な事故であるいわゆるクラスAの事故は発生をしていないと、こういう説明を受けておるところでございます。
#216
○井上哲士君 しかし、それはそうだが、ブロック30がそれまでの型式と比べて安全性の能力が違うのかということについては説明を受けていないという話だったんですよ。ですから、これは受けるか受けないかじゃなくて、日本の側からちゃんと説明しろと要求をして、その中身をきちっと公表すべきだと考えますけれども、その点いかがですか。
#217
○政府参考人(徳地秀士君) 失礼をいたしました。
 グローバルホークの安全性につきましては、実際の飛行運用あるいは過去の事故などを通じまして得られた各種の教訓を適用して機体を改良し、それから隊員の教育の徹底などの対策が実施をされてきている、それから、型式が新しいものになるにつれまして従来のものよりもその安全性が改善されてきていると、こういう説明を受けてきておるところでございます。
 それから、それぞれのブロックにおける安全性能の詳細な相違ということについては、私ども具体的には承知をいたしておりませんけれども、三沢に展開するこのブロック30、これにつきましては、グアムにあるものがそのまま来るわけでございますが、これにつきましては、重大な事故を起こしておらず安全性の高い機体であると、こういう説明を受けておるところでございます。
#218
○井上哲士君 詳細は聞いていないけれどもとにかく安全だと聞いているという話でありますが。
 今紹介したアメリカの議会調査局の報告は、このブロック30型機について、二〇一一年五月の作戦試験評価事務所によって低空時の信頼性のために作戦上不適切と判定されたと、こういうふうに記載をされております。にもかかわらず、なぜ詳細な説明を受けていないけれども安全だ、安全だと言えるのかと。
 私は、きちっとこれはアメリカに要求して公表するべきでありますし、こういう余りにも安全軽視の姿勢に住民からも極めて不安の声が上がっております。無人機の配備は中止をするべきだということを最後求めまして、質問を終わります。
#219
○委員長(末松信介君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 防衛大臣は御退席いただいて結構です。お疲れさまでした。
    ─────────────
#220
○委員長(末松信介君) 次に、核物質の防護に関する条約の改正の受諾について承認を求めるの件、刑を言い渡された者の移送に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
#221
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま議題となりました核物質の防護に関する条約の改正の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この改正は、平成十七年七月に国際原子力機関において開催された核物質の防護に関する条約の改正案の審議のための会議において採択されたものであります。
 この改正は、平和的目的のために使用される核物質及び原子力施設の効果的な防護を世界的規模で達成するため、国際輸送中の核物質を防護することに加え、締約国の管轄下にある核物質及び原子力施設の防護の制度を確立すること等について定めるものであります。
 我が国がこの改正を受諾し、その早期発効に寄与することは、核物質及び原子力施設の防護に関する国際協力を一層推進するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。
 次に、刑を言い渡された者の移送に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十四年七月に、ブラジルとの間でこの条約の交渉を開始しました。交渉の結果、平成二十六年一月二十四日に東京において、私と先方駐日大使との間でこの条約の署名が行われた次第であります。
 この条約は、我が国とブラジルとの間で、相手国の裁判所が拘禁刑を言い渡した自国民受刑者等について、両締約国及び受刑者の同意があること等、一定の条件を満たす場合にその本国に移送する手続等を定めております。
 この条約の締結により、両国の受刑者の更生及び社会復帰が促進されるとともに、刑事分野における二国間協力の進展に貢献することが期待されます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 最後に、重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、アメリカ合衆国政府との間でこの協定の交渉を行い、その結果、平成二十六年二月七日に東京において、我が方外務副大臣及び国家公安委員会委員長と先方駐日大使との間でこの協定の署名が行われた次第であります。
 この協定は、重大な犯罪の防止、探知及び捜査を目的として、必要な指紋情報等を交換する枠組み等について定めております。
 この協定の締結により、日米両国間において、査証を免除するそれぞれの制度の下で安全な国際的な渡航を一層容易にしつつ、両国の国民の安全を強化することに資することが期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
#222
○委員長(末松信介君) お疲れさまでした。
 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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