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2014/06/19 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 外交防衛委員会 第24号
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2014/06/19 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 外交防衛委員会 第24号

#1
第186回国会 外交防衛委員会 第24号
平成二十六年六月十九日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     河野 義博君     山口那津男君
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     三木  亨君     森 まさこ君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     森 まさこ君     三木  亨君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     藤田 幸久君     礒崎 哲史君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     礒崎 哲史君     藤田 幸久君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         末松 信介君
    理 事
                佐藤 正久君
                松山 政司君
                三木  亨君
                福山 哲郎君
                石川 博崇君
    委 員
                宇都 隆史君
                岡田 直樹君
                小坂 憲次君
                島尻安伊子君
                牧野たかお君
                礒崎 哲史君
                北澤 俊美君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                山口那津男君
              アントニオ猪木君
                中西 健治君
                井上 哲士君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     小野寺五典君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   副大臣
       外務副大臣    岸  信夫君
       文部科学副大臣  西川 京子君
       防衛副大臣    武田 良太君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       武藤 義哉君
       内閣府大臣官房
       審議官      岩渕  豊君
       外務大臣官房審
       議官       金杉 憲治君
       外務大臣官房審
       議官       岡   浩君
       外務大臣官房審
       議官       五嶋 賢二君
       外務大臣官房参
       事官       山田 滝雄君
       外務省アジア大
       洋州局長     伊原 純一君
       外務省中南米局
       長        山田  彰君
       外務省領事局長  三好 真理君
       水産庁長官    本川 一善君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     中山  亨君
       海上保安庁警備
       救難部長     中島  敏君

       防衛大臣官房審
       議官       吉田 正一君
       防衛省防衛政策
       局長       徳地 秀士君
       防衛省地方協力
       局長       山内 正和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (障害者権利条約の実施状況の監視機関に関す
 る件)
 (中東情勢に関する件)
 (集団的自衛権に関する件)
 (慰安婦問題に関する件)
 (防衛装備移転三原則に関する件)
 (普天間飛行場移設問題に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、河野義博君及び藤田幸久君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君及び礒崎哲史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(末松信介君) まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に三木亨君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(末松信介君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。よろしくお願いいたします。
 通常国会も閉会を目の前にして、こうやって審議ができるのも、ひょっとすると最終盤かもしれません。両大臣におかれましては、本当に御苦労さまでございました。また、委員長におかれましては、非常に公平な委員会の運営をしていただいたことについて、野党としても一言お礼を申し上げておきたいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、冒頭でございますが、石原環境大臣の発言についてでございます。
 小野寺防衛大臣は、福島ではありませんが、震災で大変被害に遭われた宮城県です。私、当時、官房副長官をやっておりまして、このノートを持ってきたんですけど、小野寺さんから三月十一日に電話があって、気仙沼が、非常に地域が孤立している、海上で火災が起こっていると電話をいただいて、与野党を超えて連絡をいただいて、私は小野寺大臣とやり取りさせていただいたことを覚えていますし、岸田大臣におかれましては、この間もNPDI、広島でやっていただいて、私も、三・一一の後、広島の原爆の慰霊祭に出席したときに、福島からの住民の方が広島にたくさん来られていて、原爆で被爆をした広島の方が福島の方に、自分たちもこうやって長生きしているんだから福島の皆さんも希望を持って生きなさいと、福島の皆さんに広島の住民の皆さんが励ましている姿を見て、私はもう、何とも言葉が詰まったような場面がありました。
 確かに、大臣の発言ですから、時には不規則な発言もあるかもしれません。しかし、中間貯蔵という大変厳しいことをお願いをしているときに、実は、私も副長官を辞める最後の場面に福島に行って、知事に中間貯蔵のお願いをした人間でございます。
 金目でしょというのが、あれは音も入っています。どういう態度で、どういう状況で言ったかというのは、音を聞けば雰囲気は分かります。
 もうあちこちで言われていますが、福島第一原発を第一サティアンと言ったり、中間貯蔵施設について福島県の皆さんが自ら行動って、どうやって中間貯蔵の問題を福島県の皆さんが行動できるんですか。そして、脱原発に至っては、脱原発は集団ヒステリーだと。これは不注意とかで済まない問題で、佐藤筆頭は福島の御出身で、何度も福島にお入りをいただきました。これも私は存じ上げています。与野党を超えて、許せるものと許せないものがある。
 私は、普通、こういったときにこんな言葉尻をつかまえて大臣に聞くようなことは余りしたくない人間ですが、防衛大臣と外務大臣、この石原大臣の発言について、知らないとか聞いていないとか、そんなことは通用しないです。是非、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(小野寺五典君) まず、福山委員には、東日本震災のときに直接被災地の声を聞いていただきました。今でも、そのとき官房副長官でいらっしゃった委員に様々な状況をお願いをしたこと、また、官邸に行ってお願いしたときにも非常に積極的に対応していただいたこと、改めて感謝を申し上げたいと思っています。
 今回の石原大臣の発言でありますが、やはり同じ被災地の出身の者として、非常に、被災者の気持ちに寄り添うべき私ども全ての閣僚でありますが、そのことがしっかりとした形で地元の皆さんに伝わっていない。報道を見れば、やはり地元の皆さんがかなりこの発言ではお怒りであるということ、これは私どもも重く受け止めていく必要があると思っております。
 石原大臣におきましては、早速、このことについては言葉が足りなかったということで、発言の真意について説明をし、誤解を招いたことについてはおわびをされていると承知をしておりますが、私ども、内閣の一員として、私も含めて、発言一つ一つに今後とも注意をしてまいりたいと思います。
#10
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回の石原大臣の発言につきましては、石原大臣自身が、言葉が足りなかった、そして誤解を招いたということについてまずおわびを申し上げ、そして、その真意について説明をしていると承知をしております。
 委員御指摘のように、福島における厳しい状況、そして、福島におられる方々のお気持ちですとか環境、お立場を考えましたときに、大臣の発言、これは慎重の上にも慎重でなければならないと考えます。是非、石原大臣には、自らしっかりとその真意について説明する努力をしていただかなければならないと思います。
 いずれにしましても、被災地の方々の心に寄り添って、復興を最優先に考え、努力をするというのが今の内閣の方針であります。閣僚一人一人がこのことを肝に銘じ、そして、今後とも、しっかりと私自身も含めて対応していきたいと考えます。
#11
○福山哲郎君 もうそれ以上御答弁できないと思いますのでこれ以上申し上げませんが、この大臣は、中間貯蔵の住民説明会十六回、一度も出席していません。寄り添うどころの話ではありません。先ほど、真意が伝わっていなくて誤解をと言われましたが、真意は十分に伝わっているんです。真意が伝わっているから怒っているんです、みんな。
 もっと申し上げれば、誤解を招いたという発言を大臣がしたら、我々の政権のときに自民党さんは何を言ったかというと、誤解をした方が悪いというのかと。何だ、誤解を招いたとすればということは、誤解をしているのはこっち側が悪いのかといって、さんざん私は、委員会でそういう批判をされている自民党の委員の方の発言を聞きました。
 同じことは繰り返しませんが、やっぱりこういった問題は、福島の問題は私たちにも責任がありますので、少し、少しじゃないな、厳重に、慎重に対応していただきたいと思いますし、福島との信頼関係が崩れている限りは、申し訳ありませんけど、私は大臣としての資格はないと思っておりますので、そのことだけは付言をさせていただきたいと思います。
 中身に、急いでいますので入ります。
 今年春に障害者権利条約が批准になりました。岸田大臣に大変お力添えをいただいたことも感謝申し上げます。昨年の年末、私、岸田大臣とこの障害者権利条約の質疑をやらせていただいて、大変前向きな御答弁をいただきました。
 現実に、この条約の促進とか条約がどの程度実施されているかについて監視の役割を担うというのは、障害者政策委員会で行われるということを昨年十二月の審議でお認めをいただいたというか、そういう御答弁をいただきましたが、内閣府に設置されているこの障害者政策委員会が監視の役割を担う、このことについて何ら変化がないのか、このことは間違いないのかについてお答えいただけますでしょうか。
#12
○政府参考人(山田滝雄君) 委員御指摘のとおり、障害者権利条約第三十三条二は、締約国が自国の法律上、行政上の制度に従って条約の実施を監視するための枠組みを設置することを求めております。この規定を踏まえまして、我が国におきましては、障害者基本計画の実施状況の監視を通じて障害者政策委員会が条約の実施の監視を行うこととされております。
#13
○福山哲郎君 この障害者政策委員会の委員は五月二十日で任期が切れております。今、任期が切れている状況で、この条約の実施の監視はどこが行っているのでしょうか。
#14
○政府参考人(山田滝雄君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、我が国におきまして条約の実施の監視を担う機関は障害者政策委員会でございます。現状、御指摘のとおり、委員の任期は切れておりますが、同委員会は本年だけでもう既に三回行われており、また現在、鋭意委員の任命に向けた調整が行われておると承知しておるところでございます。
#15
○福山哲郎君 この障害者政策委員会が任務を全うできるように、とにかく委員を早く任命をしていただきたい。これは、官邸が普通任命をします。現実の問題として、悪いですけど、集団的自衛権の議論も重要だと思いますが、こういった個別のきちっとした条約の案件について、委員を任命をして、実施状況について監視をしていっていただくと。
 与党におかれましては、公明党もいらっしゃいます。まさに、障害者の問題は、公明党も一緒になってこの障害者権利条約の問題について対応していただきました。こういったことを空白のままに置いておくというのは、まさに、しっかりやらなければいけないことをやっていないという指摘をされても仕方がないと思いますので、是非、一日も早く、それも衆人が、お友達ではなく、障害者施策にしっかりと対応できる専門家をこの委員に任命をしていただきたいということを強く申し上げたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。
#16
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者権利条約の国内実施状況の監視につきましては、障害者基本計画の監視を担う障害者政策委員会によって行われるものでございます。
 現在、内閣府におきまして障害者政策委員会の委員の任命に向けて調整を行っているところでございまして、障害者権利条約の国内実施状況の監視に支障が生じないように、速やかに手続を進めてまいりたいと存じます。
#17
○福山哲郎君 是非よろしくお願いします。
 外務大臣、内閣府が所掌になっていますが、外務省も、これは権利条約のことですので、重要ですので、そこについては事務方の、是非、叱咤激励、早くやれと指示を出していただきますようにお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、障害者権利条約の重要性を考えますときに、この条約がしっかりと実施されているかどうか、これを監視する委員会が御指摘のような状況にあるということが、その実施の状況に疑念を差し挟むということになってはなりません。是非、しっかりとこの体制を整えていくべく、私の立場からも働きかけていきたいと考えます。
#19
○福山哲郎君 是非よろしくお願いを申し上げます。
 実は、今日、私、時間がないので、イラク情勢等についても外務大臣と御議論したかったんです。
 今朝の報道等によりますと、アメリカの議会等でヘーゲル国防長官がマリキ政権を批判をしたり、一方で、イラク外相からアメリカに対して空爆の要請があったり、一番私が気になっているのは、石油精製施設がいわゆるISIS等々に占拠され出している状況があったりとか、スンニ派、クルド人、シーア派、さらにISISが非常に複雑な状況になっているので、これは、石油価格の問題、中東の情勢の問題も含めて注視していかなければいけないので外務大臣の見解をいただきたかったんですが、もう私、七分しか残っていません。このことは問題意識として申し上げます。
 恐らく、こういった状況でいろんな変化があれば、この委員会、また閉中といいながらも開いていただかなければいけないと思いますので、外務大臣におかれましては、一言、この問題に対してしっかり対応するという決意だけ述べていただければと思います。よろしくお願いします。
#20
○国務大臣(岸田文雄君) まず、イラクの情勢については、事態が緊迫化しており、そして、今現在も戦闘が続いております。我が国としましては、こうした事態を憂慮しております。
 是非こうした事態に対して、テロとの戦いにおいてどう対応していくのか。また、多くの国内避難民も発生をしております。人道的な見地から我が国としてどう対応していくのか。こういった点につきまして、我が国としてもしっかり対応を考えていかなければならないと思いますし、何よりも邦人の安全について万全を期さなければならない、このように認識をしております。
#21
○福山哲郎君 邦人の安全についても、是非、今大臣御指摘のとおり、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、ちょっと残された時間は短いですが、横畠法制局長官、お尋ねをします。
 前、私この委員会で御質問したときに、今与党側で協議しているからといって具体的に答弁をいただけなかった問題について、与党側でも具体的な議論が出ていますのでお伺いします。
 私のお配りしたペーパーを御覧をいただければと思いますが、これまでの憲法解釈は、いわゆる武力行使の三要件は、左側にありますように、我が国への武力攻撃があります。武力攻撃があるから国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される急迫不正の事態です。そして、このときに個別的自衛権だけ行使可能です。これも、必要最小限で例外的です。そして、海外での武力行使は許されないというのがこの四十年間の憲法九条を含めた我が国の在り方だったと思います。
 今与党で協議されている議論は、我が国への武力攻撃がなくて、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、これは微妙に左側と似ているんですが、覆されるおそれがあって、その下の二要件は一緒です。我が国に攻撃がなくて、我が国の存立が脅かされて、次です、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される状況というのはどういった状況を法制局は想定されているのか、法制局長官、お答えください。
#22
○政府特別補佐人(横畠裕介君) いわゆる限定的な場合における集団的自衛権の行使の問題につきましては、現在、与党協議が進められているところであると承知しておりまして、当局として、現時点で予断的なことを申し上げることは差し控えたいと思います。
 お尋ねの問題につきましては、これ自身まさに議論されていることでありましょうし、また、それ自体は法制上の問題というよりも事実認識の問題かとも思われます。そういう意味で、現時点で当局からお答えするということは困難でございます。
#23
○福山哲郎君 おかしいですよ。だって、政府が説明しているんでしょう。NSCも含めてメンバーが来て、与党側にペーパーを出しているんでしょう。政府側は、法制局長官は基本的にはそこに関わっているじゃないですか。事前に意見するでしょう。
 じゃ、この今議論されている、与党協議に出されているペーパーは政府は一切関知していないわけですか、長官。
#24
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 政府側から与党協議に必要な資料等を提供しているものがございます。それにつきましては、当局においてもあらかじめいただいているものもございますし、事後的にいただいているものもございます。まさに与党協議の材料という理解でございます。
#25
○福山哲郎君 長官、じゃ、もう一個本質的な話を聞きます。
 このおそれというのは、じゃ、一般論でいいです、おそれというのは、現実の問題として言えばどういう状況を想定される、おそれというのの範囲というのはどのように法律上は解釈されるのか、教えていただけますか。
#26
○政府特別補佐人(横畠裕介君) いわゆる報道されておりますたたき台で用いられているそのおそれそのものについて御説明する立場にはございませんが、一般的に法令で用いられているそのおそれという言葉、大変多数用いられておりますけれども、例えば憲法第八十二条第二項には、「公の秩序又は善良の風俗を害する虞がある」というような例も見られます。
 一般的に申し上げれば、何か好ましくない事柄について、それが必ずしも確かではないが今後発生する可能性がある、そういうものを指す言葉であろうと理解しております。
#27
○福山哲郎君 必ずしも確かではないと。左側を見てください。今までの憲法解釈は、我が国に武力攻撃があるんです、あるということは、間違いなく国民の生命、財産に影響があるという状況のみだったんですね。今のように、不確かな状況の中のおそれでなぜ限定的に集団的自衛権が行使できるのかどうか、私は理解できません。
 もう一点、もう時間がありませんから、長官、お伺いします。
 長官は何度も、これまでの解釈も含めて、集団的自衛権というのは量的概念ではないと、限定的な議論と、先ほど前提にとおっしゃいましたが、この限定的な議論が今まかり通っている根拠は一体何ですか。
#28
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどもお答えしたとおりでございまして、いわゆる限定的な場合における集団的自衛権の行使の問題、御指摘のそのおそれという表記の問題につきましても、まさに現在与党協議が進められているところでありまして、現時点で予断的なことを申し上げることは差し控えたいと思います。
#29
○福山哲郎君 それじゃ全然審議深まらないじゃないですか。量的な概念ではないんです。今、長官がいわゆるとおっしゃったけど、いわゆるなんという共通認識は、国民も含めて、我々も含めて何にもありません。限定的ななんて、だって、量的概念ではないんですよ、そもそも。どうやって量的概念という議論が出てくるんですか。
 今、与党協議の中で出てきている昭和四十七年見解は、結論として、結果として集団的自衛権の行使は憲法上許されないという結論を出しているんです。それが何で同じ見解を根拠にして量的概念が可能になり、おそれという、先ほど長官が言われたようなある種の抽象的な不確実な要素の中で武力行使が可能になるのか。長官として、今、じゃ、この与党の協議の議論についてどうお考えになるのか、お答えください。
#30
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさに与党において協議中でございますので、その内容について具体的に意見を申し上げることは差し控えますけれども、総理は、五月十五日の記者会見において、憲法前文、そして憲法十三条の趣旨を踏まえれば、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることは禁じられていない、そのための必要最小限度の武力の行使は許容される、こうした従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方について、今後更に研究を進めていきたいと述べておるところでございます。
 その基本的方向性を踏まえて、現在、与党協議が行われているところであると理解しており、その与党協議においても、そのような従来の政府の基本的な立場との整合性を保つことにも留意しつつ議論が行われているのではないか、そのように理解しております。
#31
○福山哲郎君 水掛け論ですから答えられないと思いますが、その必要最小限と総理が言われた議論がぎりぎり個別的自衛権の行使だったんです。何でいつの間に広がるんですか。それを、法制局長官がそんな答弁でどうするんですか。あなた方が四十年間この解釈を言ってきたんでしょう。
 国会の中でこういう議論をしているときに、それは与党協議だと与党協議に委ねてどうするんですか。政府の判断は政府の判断で今あるべきでしょう。じゃ、今政府の判断は空白ですか。政府の判断は今あるはずですよ。
 安保法制懇をやっているときは安保法制懇の議論を待つ、与党協議をやっているときは与党協議の議論を待つ、結果だけ出てきて国民にのめと言うんですか。国会の場でも、議論を全部こうやって、ある意味でいうと議論ができない環境にして。私は、非常に問題だと思いますよ。
 時間がありませんからもうこれでやめますけれども、どうもこういった量的概念ではないという憲法解釈とか、それから、武力攻撃があって我々の急迫不正の事態なのに、武力攻撃がない状況でのおそれってどういう状況かの説明も何もないままで、こういったことが非常に状況対応的に、状況追認型で進むことに対して、私は、法治国家として、民主主義の国家として非常に懸念を持っているということを申し上げて、何らかの動きがあれば、閉会中とはいえども、この委員会、是非議論をさせていただく場をつくっていただきたいとお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#32
○白眞勲君 おはようございます。民主党の白眞勲でございます。
 まず、外務大臣にお聞きいたします。
 六月二十日に河野談話の検証について発表されるとの報道がありますが、安倍内閣としては、どのような検証結果が出たとしてもこの河野談話自体の見直しは行わないと、つまり、内容については変更はなく、かつ内閣として河野談話を継承するということでよろしゅうございますか。
#33
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、安倍内閣としましては、河野談話の見直しは全く考えておりません。
 今行っておりますのは、予算委員会で議論になり、国民に説明責任を果たす上で河野談話の作成過程について検証を行っているということであります。作成過程を確認するということでありますので、河野談話そのものの見直しは全く考えておりません。
#34
○白眞勲君 それでは、西川副大臣にお聞きいたします。
 前回の、お手元にある資料の六月十二日、一番後ろに、十七ページ目の真ん中のパラグラフについて、こうお答えになっているんですね。この河野談話に関して、国民に対する説明責任の観点から当時の実態について解明する必要があり、政府の中に疑惑の検討チームをつくり、実態を把握した上でと答弁されております。
 そこで、お聞きしたいのは、この副大臣のおっしゃる疑惑というのは一体何ですか。
#35
○副大臣(西川京子君) 大変申し訳ありません。
 これは、六月十二日の本委員会において、河野談話の当時の実態について解明するための検討チームについて、極秘のというところを私が疑惑のと申し上げたところでございまして、これは極秘のの誤りでございまして、大変、答弁を訂正しておわび申し上げます。
#36
○白眞勲君 極秘のと疑惑のとを読み間違いというのは、それはちょっとごまかしじゃないんですか。ちょっとひどいですよ、それ。どういうことですか、それは。それだったら、何でそのときに読み間違いをその場で言わなかったんですか。
#37
○副大臣(西川京子君) 大変単純な読み間違いでございまして、申し訳ありません。(発言する者あり)
#38
○委員長(末松信介君) じゃ、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#39
○委員長(末松信介君) 速記を起こしてください。
 今、両筆頭ともちょっと協議をしましたのですが、十七ページの、今日、白先生からお出しいただいておりますこの資料でありますが、ちょうど真ん中の八行目でございます、この議事録、未定稿でありますが、「政府の中に疑惑の検討チームをつくり、」でありますが、これが結局、極秘であったのを言い間違ったということですね、これは、副大臣。ここを今訂正しますと今日の質問との整合性が取りにくくなってくるわけなんですけれども、今、今日この時点でこれを取り消されますか。
 ちょっと取りあえず、じゃ、副大臣、御答弁いただけますか。
#40
○副大臣(西川京子君) これは明らかに私の読み間違いでございますので、この場で訂正させて、おわび申し上げます。(発言する者あり)
#41
○委員長(末松信介君) じゃ、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#42
○委員長(末松信介君) 速記を起こしてください。
 白先生の御質問、御趣旨よく分かります。今、佐藤筆頭に副大臣とも話をしていただいて、今、副大臣お持ちの資料も拝見しました。私の判断としては、読み間違いであるということを確認をしたんです。
 明確に、副大臣、ここで訂正をしていただくということで、それと陳謝をしていただきたいということ、そのことを求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#43
○副大臣(西川京子君) 大変、今回、この答弁書の中で、極秘のというのを疑惑のと読み間違えてしまいまして、大変申し訳なかったと思います。
 おわび申し上げます。
#44
○委員長(末松信介君) かなり白委員ほか民主党の先生方からも厳しい御指摘続いておりますので、真摯に受け止めていただきたいということ、そのことは委員長からお願いを申し上げたいと思います。
#45
○白眞勲君 西川先生、もう少し、ここは委員会なんですから、そのぐらいやっぱり誠実にお答えいただきたいと思うんですよ。あなたの気持ちも、それは今までの予算委員会とか何かとかであなたの話をしているのを聞いて、あなたの考え方というのは大体分かっていますけれども、少なくともここは委員会ですから、その辺は是非御理解いただきたいというふうに思うんですけれども。
 副大臣にお聞きします。
 副大臣は、慰安婦制度は史実と異なり、それが教科書に記載されていると、こう発言されていますよね。それで、今回、従軍慰安婦制度は歴史的な事実だともおっしゃっています。これ、矛盾していませんか。
#46
○副大臣(西川京子君) 教科書検定については、検定時点における客観的な学問的成果や適切な資料に照らして審議を行っているところでございまして、学習指導要領等の範囲内で具体的にどのような事項を取り上げ、それをどのように記述するかは教科書発行者に委ねられておりまして、慰安婦についても同様の考え方であると思っております。
#47
○白眞勲君 私の質問に答えてくださいよ。
 あなた御自身が言っているんですよ、慰安婦制度は史実と異なっていると。でも、従軍慰安婦制度は歴史的な事実だともこの国会でお答えになったんですよ、この委員会で。これは矛盾していませんかと聞いているんですよ。
#48
○副大臣(西川京子君) 衆議院議員として講演したものについての今御指摘だと思いますので、文部科学副大臣の立場での発言として受け取られたのであれば大変それは不本意でありまして、今後注意したいと思っております。
#49
○白眞勲君 今、衆議院議員として御発言というんですけれども、この講演について私も調べてみたら、この講演の主催者は、文部科学副大臣西川京子先生に聞くと言っていますよ、これ。あなたが一衆議院議員だと言ったって、主催者側はこういうふうに言っていますよ。これはどういうふうに答えるんですか。
#50
○副大臣(西川京子君) これは、昨年の十二月の二十日に私が講演した会合でありまして、この会合の顧問も務めていた中で、私的な会合であるという、新年会の中で私が講演をしたものでございます。したがって、衆議院議員としての立場で講演したつもりでございます。
#51
○白眞勲君 この前は、ホームページを見ると、タイトルからして文部科学副大臣となっているんですよ、主催者側のホームページを見ると。教育再生こそ国づくりということで、そういうふうにお話しされているんですね。
 それで、これ私見たら「正論」に載っているんですね。「正論」の十二月号に広告が載っているんです。特別記念講演として、西川京子先生ということで、衆議院議員、文部科学副大臣西川京子先生となっていますよ、これ。違うじゃないですか、これ。先生御自身のホームページにもそう記載されているんじゃないんですか。お答えください。
#52
○副大臣(西川京子君) 繰り返しになりますけど、私が講演したのは、副大臣の就任以前から顧問を務めています団体での会合でございまして、衆議院議員として講演を行ったものでございます。
#53
○白眞勲君 じゃ、御自身のホームページに載せていませんか、この広告を。それで削除しませんか。
#54
○副大臣(西川京子君) ちょっとそのホームページに関しては、私、認識しておりません。(発言する者あり)
#55
○委員長(末松信介君) じゃ、西川文部科学副大臣。
#56
○副大臣(西川京子君) 通告されておりませんので、ちょっとその確認はまたさせていただきます。
#57
○白眞勲君 じゃ、すぐ確認してください。この委員会にちゃんと届けてください。それで、消したかどうかも届けてください。
 私は、おととい、十八日の日に、昨日かな、昨日見たときには載っていた。夕方見たら消えていた。ただ、これは私の勘違いかもしれません。あなたの方できちっと見てください。ただ、キャッシュを見たらちゃんと出ていましたよ。消した跡があった。何で消したんですか、これ。そういうことですね。
#58
○副大臣(西川京子君) まだ確認しておりませんので、確認して御報告いたします。
#59
○白眞勲君 これ、この前の委員会もここで止まって、それで委員長から確認で、個人的なんですねということを言ったんですよ。もし万が一、あなたが自分のところにこういった広告を載せて、ちゃんと西川文部科学副大臣ということが載っているということになったら、これは委員会を冒涜したことになりますからね。それをはっきり、私、ここで押さえておきたいというふうに思いますけれども。
 そういう中で、この講演の動画をお持ちですね、西川さん。動画を持っていますか。
#60
○副大臣(西川京子君) ちょっと把握しておりません。
#61
○白眞勲君 じゃ、是非、それも併せてこの委員会に御提出願いたいと思います、その動画を。委員長、是非それをお願いいたします。
#62
○委員長(末松信介君) 今、白委員から御指摘がございましたけれども、動画と、それと今の、取りあえず理事会で一遍協議させてもらいます、これ。
#63
○白眞勲君 それと、西川副大臣にお聞きします。河野談話というのは自虐史観なんでしょうか。
#64
○副大臣(西川京子君) 慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話、いわゆる河野談話は、一九九三年に当時の河野洋平官房長官が、慰安婦として数多くの苦痛を経験され、心身にわたり癒やし難い傷を負われた全ての方々に対し、日本政府が心からおわびと反省の気持ちを述べた談話と承知しています。
 政府の基本的立場は河野談話を継承しているところでございますので、私もそのように行動したいと思います。
#65
○白眞勲君 いや、私が聞いているのは、河野談話は自虐史観だとずっと一衆議院議員としてあなたはおっしゃっているんですよね。だから、どうなんですかと聞いているんです。今はお立場が副大臣だ、そういう中で自虐史観なんでしょうか、それをお聞きしたいんです。イエスかノーかなんですよ。
#66
○副大臣(西川京子君) 今、副大臣としては発言を控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
#67
○委員長(末松信介君) もう一度聞いていただけますか。じゃ、もう一度。
#68
○白眞勲君 もう一回聞きます。
 河野談話というのは自虐史観かどうかをお聞きしているんですけれども、どうなんですか。
 あなたは今まで、一衆議院議員としては自虐史観だということをはっきりとおっしゃっていましたよね。今あなたはどういう立場なんですか。そして、どういうふうにお考えですか。河野談話自体は自虐史観なのかどうか。お答えください。
#69
○副大臣(西川京子君) この場では、一衆議院議員の立場としての考えは差し控えたいと思います。
#70
○白眞勲君 いや、私はあなたの一衆議院議員の立場など聞いていません。今、あなたを文部科学副大臣としてこの委員会にお呼びしているんです。あなたのお立場としてどうなんですかとお聞きしているんです。
#71
○委員長(末松信介君) それでは、今、名前は文部科学副大臣でお呼びしておりますので、文部科学副大臣の立場で御答弁を願います。
#72
○副大臣(西川京子君) 第一次安倍内閣の閣議決定で、答弁書で示されているとおり、政府の基本的立場は河野談話を継承しているところでございますので、その立場で行動したいと思います。
#73
○白眞勲君 そうしますと、また衆議院議員に戻ったらまた元に戻るんでしょうか、お聞きします。
#74
○副大臣(西川京子君) この場で一衆議員の立場としての考えを述べるということは差し控えたいということでございます。
#75
○白眞勲君 西川副大臣、あなたのお考えはよく分かりますよ。でも、有権者は期待しているわけですよ、あなたの支援者は。何で副大臣になった途端ころっと変わるんですか。私にはそれがさっぱり分からないですね。
 日朝協議についてお聞きします。
 伊原局長、朝鮮総連ビルの売却問題について、向こうとはどうも認識が違うようなんですけれども、これ、どうなんですか。何かしっかりと説明と答弁されていますけど、どうなんですか。
#76
○政府参考人(伊原純一君) 前回のストックホルムにおける協議におきましては、北朝鮮側からこの朝鮮総連の本部ビルの競売問題について、彼らとして懸念しているという発言はございました。ただ、繰り返し国会等の場でも御説明してきているとおり、今回の日朝の合意の中でこの問題は扱うことになってはおりません。
#77
○白眞勲君 最後に外務大臣にお聞きします。
 この日朝の合意について、在日朝鮮人の地位に関する問題ということが書いてありますが、その中に朝鮮学校の授業料無償化については含まれているんでしょうか。
#78
○国務大臣(岸田文雄君) この地位の問題について、御指摘のような具体的な項目が入っているとは、私自身承知はしておりません。
#79
○白眞勲君 ですから、具体的な項目じゃなくて、入っているか入っていないか、その認識をお聞きしているんですけれども、どうなんでしょうか。
#80
○国務大臣(岸田文雄君) 議論自体、これから行われることになります。ですから、その中で具体的にどういった項目を取り上げるのか、今の時点で私どもから予断を与えるような発言は控えなければならないと考えます。
#81
○白眞勲君 ということは、可能性ありということで考えまして、これからだということですから。
 以上でございます。
#82
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる、元気があればまた旅もできるということで。
 今日はテーマが余りはっきりしておりませんが、総理が近々南米も訪問されるということで。私が昔、ある占い師に、猪木さんの前世は猫だったんですと言われて、びっくりしました。何で猫だろうと思ったのか。よく考えたら、また旅というか、猫が大好きなのはマタタビという、いまだに旅を連日続けておりますけど。
 そういう中で、今申し上げた、ちょうどブラジル、メキシコ、トリニダード、中南米を訪問されると聞いておりますが、今回の目的というんでしょうか、それについてお聞かせください。
#83
○副大臣(岸信夫君) お答えをいたします。
 総理は中南米訪問の意欲を大変お持ちということで承知をしておりますが、ただ、具体的な訪問の予定については何ら決定をしていないところでございます。
 その上で、中南米地域のことでございますけれども、中南米は、大変、近年著しい経済成長を遂げております。六億人の人口を有する巨大市場で、重要な資源、食料の供給地であり、製造拠点として我が国経済外交における重要性が増しているところでもございます。
 また、中南米諸国は、軍縮・不拡散、気候変動、国連改革等の課題において、ますます重要な役割を担ってきております。また、我が国にとっても国際場裏における大変重要なパートナーでございます。さらに、世界最大の日系人のネットワークを有しており、互恵的な日本の投資や援助を通じて非常に親日的な地域でもございます。
 このような良好な関係の強化を我が国としては重視をしておりまして、経済枠組みの整備やビジネス環境整備等の推進、また各国及び地域統合体との政策対話等を通じた連携と協力を強化をしておる地域でございます。
#84
○アントニオ猪木君 今、メキシコは、TPPあるいは商社関係もいろいろ、多くの会社が、商社や既に入っている会社がありますが、これから非常にエネルギー関係の問題でも大事な国かと思います。
 次に、パナマ運河についてお聞きしたいと思いますが、前にも述べましたが、パナマ運河とは非常に思い出がありまして、今、パナマ運河の拡張工事という、一九五七年に私はあそこを船で渡ったことがありますので、非常に、もう一度あそこを通ってみたいなと思っておりますが、今、拡張工事に入っておりますが、今どのような状況か、お聞かせください。
#85
○政府参考人(山田彰君) パナマ運河の拡張工事でございますけれども、二〇〇七年に開始して、運河開通百周年の今年、二〇一四年に完工することを当初は目指しておりました。しかしながら、開始当初から工事は遅れておりまして、特に、今年の二月には、政府と請負企業連合との間で工事費をめぐる交渉が難航するなどして、一時的に工事を中断するというような事態も発生して、遅延を重ねてきております。
 現時点では、パナマ政府によれば、工事は来年二〇一五年末に終了するというふうに承知しております。
#86
○アントニオ猪木君 是非、日本も協力して、これから日本にとっても、いろんな貿易という部分では大事な部分かと思います。
 次に、イラク情勢についてお聞きいたしますが、今、毎日、テレビでも出ておりますが、ISIS、この勢力が拡大しているという報道もありますが、このISISというのはどんな組織か、お聞かせください。
#87
○政府参考人(岡浩君) 今お尋ねのありましたISIL、イラクとレバントのイスラム国という組織は、その前身となるテロ組織が二〇〇四年頃から、イラク西部のファルージャを中心にアルカイダ系組織として活動を開始したというふうに言われております。当時はISI、イラクのイスラム国というふうに言われておりました。その後、二〇一三年の四月には、内戦が激化するシリアへ進出をいたしまして、イラクとレバントのイスラム国を宣言するに至っております。
 ただ、ISILは、シリアをめぐるアルカイダ中枢との路線対立、また、その攻撃手法が余りにも過激ということもございまして、本年二月にはアルカイダ中枢から絶縁されるに至ったということもございまして、再びイラクでの活動を活発化させているというふうに承知してございます。
 構成員は約一万人程度というふうに見積もられておりまして、その主体はイラク人というふうに言われておりますけれども、サウジアラビア、またチュニス等の中東・北アフリカ諸国、さらには欧米諸国等からの外国人戦闘員も数多く参加している模様でございます。
 資金源につきましては、支配地域の金融機関等からの略奪、また住民からの徴税等によって得ているというふうに言われておりますけれども、必ずしもその詳細については明らかになってございません。
#88
○アントニオ猪木君 本来は、宗教対立というのはもっと人の幸せをしなきゃいけないのに、我々とは全く違う形で宗教対立が起きておりますが。
 次に、周辺国というか、アメリカの中東戦略についてお聞きいたします。
 アメリカは、ペルシャ湾に空母を移動し、無人機による空爆の検討を始めたと新聞に出ておりますが、また、イランとも軍事協力を模索していると。オバマ政権の中東戦略の失敗がアメリカ国内では指摘されていますが、近年のアメリカの中東政策はどのようなものであったか、どのような影響を中東に与えるのか、その点についてお聞きいたします。
#89
○政府参考人(岡浩君) お答え申し上げます。
 アメリカは、中東地域の平和と安定に向けまして、アフガニスタン、イラク、中東和平、イラクの核問題、さらには中東諸国の民主化など、地域の様々な課題に取り組んできているところでございます。
 昨年九月、オバマ大統領は、国連総会の一般討論演説におきましてアメリカの中東地域への政策について包括的に述べております。その中で、アメリカの守るべき中核的な利益といたしまして、同盟国等に対する外部からの侵攻への対抗、それから二つ目、自由なエネルギー輸送の確保、三つ目、テロリストのネットワークの解体、四つ目、大量破壊兵器の開発又は使用を容認しないことに言及をしております。その上で、中東地域の平和と安定は米国の利益であるとして、民主主義、人権及び開かれた市場の促進がこの地域の平和と繁栄をもたらすというふうにも述べております。
 同地域では、このようなアメリカの政策、取組によりまして、経済開発、テロ対策、また大量破壊兵器の不拡散、さらには民主化等の観点から一定の成果が上がっているというふうには認識してございます。
 他方、アメリカ一国で全てのこういった課題に対応することはできませんで、引き続き、国際社会が一丸となってこの地域の諸課題に取り組んでいく必要があるかと思っております。
 我が国といたしましても、アメリカと緊密に連携を取りながら、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、世界の平和と繁栄、なかんずく中東地域の平和と繁栄にこれまで以上に積極的に貢献していく考えでございます。
#90
○アントニオ猪木君 次に、イラク情勢についてお聞きしたいと思いますが。
 かつては、オイルショックという、第一次オイルショックあるいは第二次オイルショックがありまして、今回の非常に不透明な今のイラクの情勢というのは、本当に、世の中は思いどおりにいかないというか、一寸先は闇という言葉もありますが、私の場合は一寸先はハプニングなんですが、そういう中で、非常にちょっと懸念されるこの今の状況の中で、日本にまたオイルショックのようなことが起きないか、そこをちょっと心配していますが、我が国における影響をお聞かせください。
#91
○政府参考人(岡浩君) まず、原油につきましてでございますけれども、我が国の昨年のイラクからの原油の輸入量は日量約七万バレル、これは我が国の全輸入量の約二%に該当いたしますが、現時点でイラクからの原油の供給には問題は生じてございません。他方で、原油価格の国際指標、ブレント価格を見ますと上昇しているということで、今後も市場動向を注視してまいりたいというふうに考えてございます。
 また、日本とイラクとの経済関係につきましては、昨年二〇一三年の我が国からイラクへの輸出額は約七百四十七億円、またイラクからの輸入額は約二千四百二十八億円でございまして、我が国のイラクからの輸入額の大宗は原油でございます。
 また、現在のイラク情勢、原油供給に問題は生じてはございませんけれども、近年のイラクにおけます膨大なインフラ需要に対して日本企業の関心は非常に高いということがございます。こうしたことを鑑みますと、現在の治安状況がこうした企業の活動に影響を与えることは避けられないというふうに考えてございます。
 政府といたしましては、早期のイラクにおける治安の回復をイラク政府に求めていくと同時に、今後も、イラクにおけるビジネスに関心を有する日本企業に対しまして、状況に応じた適切な支援、アドバイスを行っていきたいというふうに考えてございます。
#92
○アントニオ猪木君 そのイラク政府が不安定な状況なので非常に不透明ではないかと思いますが。
 次に、パキスタン情勢で、イスラム武装勢力ですね、パキスタンのタリバン運動というか。前にもこの委員会でお話をしたとおりですが、パキスタンにおける非常に不安定な状況ですが、そんな中で私もイベントを何回か仕掛けたりしておりますが。一つ一番懸念されることは、今、進出企業が随分パキスタンへ向けて出ておりますが、そんな中で一日も早いパキスタンの安定が必要かと思いますが、なかなか国連も、あるいは日本政府も、あそこまでは手が出せないという現状じゃないかと思います。
 そして、レッド、オレンジ、イエローという色分けができますが、JICAの人も、実際に向こうに勤務していても、レッドかオレンジか、その先には、その地域には入れませんので、実際には、せっかくの任務を背負いながら行動が起こせないというのが現実かなと思います。
 そこで、これから我が国にこれもどのようなやっぱり影響があるか、お聞かせください。
#93
○政府参考人(金杉憲治君) お答え申し上げます。
 パキスタンのシャリフ政権としましては、これまで治安の改善を最優先事項として取り組んできており、今年の二月には、パキスタン・タリバン運動、TTPと呼ばれておりますけれども、パキスタン・タリバン運動との対話というのが開始をされました。しかし、今回、カラチの国際空港の襲撃事案というのが発生して以降、パキスタン軍による軍事作戦が展開されているという状況にございます。こういったことも踏まえまして、カラチを始めとするパキスタンの治安情勢というのは、今、予断を許さない状況にございます。
 もちろん、日本との関係でいいますと、パキスタン政府は日本との経済関係の強化というのを大変強く希望しているわけでございますが、日本としましては、やはりその前提として、治安の安定、治安の維持、改善というのが不可欠だと思っております。これは、日本からの経済活動についても当てはまることだと思います。
 日本政府としましては、引き続き、パキスタン政府が治安改善に向けた努力を継続をしていくということを求めると同時に、状況というのをよく注視していきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#94
○アントニオ猪木君 次に、スリランカの問題についてお聞きをしたいと思いますが。
 スリランカでは、非常に私の友人でウパテッサという大変偉いお坊さんがおります。仏教界では、ダライ・ラマ、そしてその次のナンバーツー、ナンバースリーとも言われていますが。一度スリランカに来てくれという前から話があったんですが、なかなか機会ができなかったんですが、今回、九月の十五日から訪問、招待を受けていますので行ってこようと思っていますが。
 一つには、やはり仏教国で非常に日本人ともその辺は気の通ずる部分があるのかと思いますが、この前テレビでちょっと見たら、大変大きな山もあるしすばらしい景色だったので、イメージと大分違うかなと、昔は、セイロン、お茶の産地というだけで。その中で、インドとも非常に友好関係もありますので、あの辺のやっぱりスポーツ交流も続けていこうと思いますが、このウパテッサさんは、ダライ・ラマ十四世やローマ法王と親交が大変強く、キリスト教徒の二十万人の観衆の前で、サンピエトロ広場の大聖堂で平和演説を行いましたということで、大変、平和に関しての話合いを会うときには必ずさせてもらうんですが。
 日本企業も、近年、本当に経済成長著しいスリランカに進出をしているわけですが、その辺について、前からやはり一番その中で障害となるもの、日本企業が進出していくについて、前にも委員会でいろいろ話もさせてもらったとおり、やっぱり契約上の問題とかいろいろそういう整備ができないと、せっかくの交流が逆にあだになってしまうというようなことで、それについてちょっとお聞かせください。
#95
○国務大臣(岸田文雄君) スリランカの状況ですが、まず、日系企業の進出状況、スリランカへは、製造、建設、サービス業、こういった分野合わせて約百四十社の日系企業が進出をしております。スリランカは、近年、六%以上の経済成長を維持しています。その経済的潜在性について関心が高まっている、こういった現状にあります。
 そして、こうした日系企業にとりまして、スリランカの現地の状況の中で最も関心が高いのが治安の状況でありますが、この治安の状況につきましては、二〇〇九年の内戦終結後、内戦の主戦場であった北部州も含め状況は改善しており、現在、一般的に治安情勢は安定しているというように認識をしております。最近、宗教的対立等に起因する衝突事案が発生したという事実は存在いたしますが、これについても、一般的な治安状況の悪化につながるものではない、このように認識をしているところでございます。
#96
○アントニオ猪木君 大変いろんなことがありましたが、今日で終わりです。
 終わりよければ全てよしということで、ありがとうございました。
    ─────────────
#97
○委員長(末松信介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、礒崎哲史君が委員を辞任され、その補欠として藤田幸久君が選任されました。
    ─────────────
#98
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 前回に引き続き、集団的自衛権をめぐる議論について質問させていただきたいと思います。特に、今日は閣議決定案についてお聞きしたいというふうに思っています。
 これまで政府は、国会における我々の質問に対して、一貫して、集団的自衛権については与党協議の結果を踏まえて政府として検討を進めていくこととしているという姿勢に終始していたわけであります。そして、この与党協議においては座長私案、こうしたものが出て、いろんなものが出て協議が行われていたというふうに理解しておりますが、それはそれで与党の協議だから問題ないというふうに思っておりましたけれども、先日、十七日の与党協議においては、政府が閣議決定の概要をたたき台として提示したというふうに承知しております。
 これまで政府は、与党協議の結果を踏まえて検討を進めていく、こういうふうに言っていたわけでありますけれども、これは、与党協議の結果を踏まえるどころではなくて、積極的に誘導をして、そして方向付けを行っているということなんじゃないでしょうか。
#99
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今御指摘の閣議決定の案というもの、これは、六月十七日、政府、与党協議会に対して、この与党協議会の議論のたたき台としていただくために閣議決定案の概要という形でお示しをしたところであります。
 あくまでも、これは与党で御議論をいただくためのたたき台ということでありまして、何か政府が誘導とか、そういう問題ではないというふうに思っております。
#100
○中西健治君 そうした誘導をしているのかどうかということも考えるために、このたたき台として与党に提出されたもの、これを内閣官房に見せてくれということを要求いたしました。ところが、この四項目にわたる概要とされているうち、肝腎の三ポツの九条の下で許容される自衛の措置、そして四ポツの今後の国内法整備の進め方に関する部分の資料が含まれていないものだけ我々には提出をされました。
 これはどういうことなのか、どうして政府の考えを示すものを一部非公表にするのか、教えていただきたいと思います。
#101
○内閣官房副長官(世耕弘成君) この御指摘の閣議決定案の概要については、今おっしゃったように、いわゆる四項目のそれぞれ見出し的なところを、これは概要として公表をさせていただいております。ただ、その閣議決定案の概要そのものは、これはあくまでも与党の御議論のたたき台として我々がお示しをしたものでありまして、現在も与党協議が継続をしているということであります。
 このたたき台そのものは、現在の検討状況に関することになりますので、政府として詳細を述べることは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
#102
○中西健治君 一ポツ、二ポツについては、グレーゾーン等については中身をいただいているんですよ。けれども、肝腎の三ポツ、四ポツのところはいただけないんです。これはどういうことなのかということをお伺いしています。
#103
○政府参考人(武藤義哉君) 与党協議会、基本的にはその協議の中で御協議をいただいていますので、その詳細については差し控えさせていただいているところでございますけれども、その中で、今御指摘の武力攻撃に至らない事態への対処、あるいは国際社会の平和と安定への一層の貢献の部分につきましては、与党とも協議の上、政府の方から協議会の方にお示しをした考え方について公表されている部分もありますので、それをお示ししたということと思いますけれども、御指摘のあった憲法九条の下で許容される自衛の措置等につきましては、今まさに与党の中で協議をいただいているところでございまして、その詳細については差し控えさせていただきたいと思ってございます。
#104
○中西健治君 その三ポツ、四ポツ、肝腎のところを差し控えたということでありますけれども、じゃ、何で今日の朝刊に全文が出ているんですか。
#105
○政府参考人(武藤義哉君) 報道があることは承知してございますけれども、それについて政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、現在、与党間での議論の結果を待ちたいと思ってございまして、閣議決定の内容等について予断を持ってお答えする段階にはないと考えてございます。
#106
○中西健治君 与党の多くの方が加わっているそうした協議会に提示をしたら、当然、報道、マスコミにも漏れるんですよ。そんなのも分かっている中で、野党が要求したものについて、与党に見せたものについて提示をしない、開示をしないというのは、これはどういうことなんですか。これは国会軽視ということなんじゃないですか。
#107
○政府参考人(武藤義哉君) 与党で協議をいただいています十五の事例でありますとか、先ほど申し上げましたような武力攻撃に至らない事態への対応、あるいは国際協力関係の部分等について、与党の方から公表されているというものもございます。しかしまた、その与党の協議の細部につきましては、公表することは差し控えさせていただきたいと思ってございます。
#108
○中西健治君 ということは、報道するまで待てということですか。報道されるまで待てということですか。
#109
○政府参考人(武藤義哉君) 与党とも協議をしながら、お示しする部分については、先ほど申し上げたような形でお示ししている部分もございますし、また、そうでない部分については差し控えさせていただいているところでございます。
#110
○中西健治君 我が国の自衛権に係るこれまでの憲法解釈を変更するか否かという大きな事柄を今議論しているときでありますけれども、これは、当然、与野党の枠を超えてしっかりと国民の前で議論をするということが極めて大事であろうというふうに思いますけれども、そうした認識が欠落しているんじゃないですか。
#111
○政府参考人(武藤義哉君) 当然に、国会等でも御議論をいただくということは大事なことでございますし、今までも御議論をいただいているところでございます。
 与党の中で議論を進められている内容、それについても、先ほど申し上げましたように、お示ししている部分もございますし、また、しばらく協議のお時間をいただきたいというところもあるかと思います。
#112
○中西健治君 安保法制懇が最終報告書を出したときには、すぐさま全議員に対してその報告書を配られました。それと比較して、今回、政府が案を出しているにもかかわらず、政府が与党に案を提示しているにもかかわらず、そして我々がそれを開示するように要求しているにもかかわらず出してこないというのは、こうした委員会での議論に資するつもりがないということですよね。
#113
○政府参考人(武藤義哉君) 安保法制懇の報告書につきましては、五月十五日に提出をされまして、これについては、公表もされましたし、また、議員の方々にもお渡しをしているところでございます。
 今、与党協議会に提出をしております御指摘の概要、これにつきましては、あくまで、まだたたき台として与党に協議をいただくというものでございますので、その詳細については差し控えさせていただいているところでございます。
#114
○中西健治君 世耕副長官にお伺いしたいと思うんですけれども、政府は来週にも閣議決定を行うかもしれないと、こんな報道がされているわけであります。政府の見解を閣議決定することには、我々野党は関与することは当然できません。
 政府は、個別法の改正において、国会で審議を重ねていくと強調しているわけでありますが、一方、では、そうした閣議決定の内容が法律に書き込まれるんですかということをお聞きしますと、先週もお聞きしました、具体的な法整備の内容については与党協議の結果を踏まえて政府として検討を進めていくこととしているという曖昧な答弁に今は終始しているということであります。
 閣議決定の内容が法律に盛り込まれるということを明言されるのであれば、国会審議を通じて丁寧な議論が行われるということで理解できるわけでありますが、閣議決定の内容が法律に明記されない場合は、政府は野党とどこの場でそうしたことを議論するつもりなのでしょうか。野党との議論は必要ないとでも考えていらっしゃるんでしょうか。
#115
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 野党との議論は非常に重要だというふうに考えております。
 これからの物事の進み方ですけれども、まず、今は与党協議をやっていただいていて、そして、そこで一つの結論が出てくる、結果が出てくる。その結果を受けて政府としての対応を検討して、そして、憲法解釈の変更が必要だと判断をすれば閣議決定をしていきます。そしてさらに、その次の段階として、現実に起こり得るあらゆる事態に対して切れ目のない対処をしていかなければいけない、その対処を可能とするに当たって、政府としての対応を実施するために必要な法案を準備でき次第国会にお諮りをしていく、そこの段階でしっかり御議論をいただけるというふうに思いますし、当然、その段階では閣議決定も明らかになっているわけです。閣議決定の中身も明らかになっているわけですから、その閣議決定も御議論をいただけますし、法案についてもしっかりと御議論をいただけると思いますし、政府としても、その際は真摯に答弁をしてまいりたいと思います。特に、みんなの党さんは安保法制に関して明確な党としての考え方を持っておられますし、その見識にしっかり我々としてもお応えをしていきたいというふうに思っております。
#116
○中西健治君 閣議決定の内容が全て法律の中に入ってくるというわけではないのではないかなというところから、そうした部分についてはどう議論を進めるのかという問題意識で質問をさせていただいているというところであります。
 政府が示した新三要件、先ほどの質問の中にもありましたけれども、これ以外に、これまで国際司法裁判所の裁判例ですとか判決ですとか、あと、安保法制懇の報告書では、集団的自衛権の行使に当たっては幾つもほかの要件というのが書かれております。例えば、攻撃を受けている国の要請又は同意、こうしたことが書かれているわけでありますけれども、今の政府のたたき台を見る限りにおいてはそうしたものが含まれておりません。
 これはどうして含まれていないのかについて見解をお聞きしたいと思います。
#117
○政府参考人(武藤義哉君) 六月十三日の与党協議会におきまして、高村副総裁が御自身の私案として、憲法第九条の下で認められる武力の行使についての考え方を示したたたき台を提示をされたということでございます。
 これは、現在、与党の成案ということでもなく、また政府の案ということでもございませんが、その中に今御指摘の新たな三要件というものがございますけれども、これはあくまでも高村副総裁が私案として提示されたものでございますので、政府としては、その私案の内容、そして、それと安保法制懇の報告書との関係については、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#118
○中西健治君 では、この新三要件が政府から提示されているたたき台の中に入っているということは間違いないということでよろしいでしょうか。
#119
○政府参考人(武藤義哉君) 先ほども申し上げましたとおり、閣議決定の概要のたたき台というものを与党協議会の方にお示しさせていただいているわけでございますけれども、それと今の副総裁の私案との関係、またその内容がどうかということも含めて、概要のたたき台については、詳細は控えさせていただきたいと思います。
#120
○中西健治君 概要の詳細は控えさせていただくということですが、新聞に全文が出ているんですよね。新聞に全文が出ている中で、こうしたものが、新三要件は入っているけれども、ほかの要件というものは特に書かれていないということなんじゃないかと思います。
 これは、うがった見方をすると、もっと本来であれば要件は増やす余地があるんだけれども、今は、案としては新三要件にとどめておいて、あと一つか二つは与党の協議で付け加える余白を残している、こういうふうにも見えるということでありますが、それについてはちょっとコメントできないでしょうから、あとは結果を見させていただこうというふうに思います。
 では、法制局にお伺いしたいと思います。
 政府の示した、若しくは高村副総裁が案として出した新三要件、報道されている新三要件でありますけれども、これは、これまでの武力行使に当たっての政府見解を修正したものという位置付けとされていますが、じゃ、これまでのをお聞きしたいんですけれども、これまでの政府見解、これまでの三要件は自衛隊法には明記されていません。なぜ現行法では明記されていないんでしょうか。
#121
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 自衛隊法に明記という趣旨が若干理解できないのでお答えしにくいのでございますけれども、我が国における実力組織である自衛隊の行動等につきましては、自衛隊法にそれぞれ具体的な根拠規定を設けているところでございます。特に、武力の行使につきましては、いわゆる自衛権発動の三要件がまさに要件として基本となっているところであり、自衛隊法におきましてもこれらに対応する規定は存在していると理解しております。
 すなわち、第一要件であります、我が国に対する急迫不正の侵害があること、すなわち我が国に対する武力攻撃が発生したことに対応するものとして、同法七十六条第一項には、「我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態」とあり、第二要件である、この場合にこれを排除するために他の適当な手段がないことに対応するものとして、同法七十六条第一項には、「我が国を防衛するため必要があると認める場合には、」と、また、同法第八十八条第一項には、「第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊は、わが国を防衛するため、必要な武力を行使することができる。」とあり、第三要件である、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことに対応するものとして、同法第八十八条二項には、「事態に応じ合理的に必要と判断される限度をこえてはならない」とございます。
#122
○中西健治君 これまでの政府解釈の三要件と同じ言葉ではないけれども、それに相応するものが自衛隊法にある、こういう説明だったと思います。
 最後に、世耕副長官にお伺いしたいと思います。
 先日の委員会で副長官は、いわゆる芦田修正の考えを取らないことの理由として、これまでの政府の論理的整合性、法的安定性の確保の観点から採用しない、こういうことでありましたけれども、これまでの政府の論理的な整合性ということについては、おっしゃっていることはよく分かるという気がいたしますけれども、私からは、政府の長年にわたる憲法の解釈を変更しようとしているのであれば、むしろ、これまでの複雑な解釈、いろんな擬制を使っている解釈を一度クリアにして、はっきりと分かりやすい形で整理し直した方がいいのではないかと、こう申し上げたわけでありますが、この法的安定性の確保というのは、具体的にはどういうことを指していらっしゃるんでしょうか。
#123
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 法的安定性の確保は、一般に、憲法を始めとする各種法令の解釈というのは、その法令の規定の文言とか趣旨等に即しながら、また、立案をした人の意図や立案の背景となるような社会情勢などを考慮して、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるものだというふうに考えています。政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づいて、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであります。
 したがって、情勢の変化とか、それから生ずる新たな要請を考慮するべきことは、今まさにそこの議論をしているわけですが、そういうことを考慮するのは当然であるとしても、このような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではなくて、その変更については十分慎重でなければならないというのが今の政府の考えでありまして、法的安定性の確保とは、まさにそのことの趣旨を端的に述べたものだというふうに考えています。
#124
○中西健治君 芦田修正を採用した場合と採用しない場合で、個別法の改正について大きな対応の違いが生じてくるとお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#125
○内閣官房副長官(世耕弘成君) これからまだ、閣議決定もまだの段階ですから、その法令について具体的に述べることは控えさせていただきたいと思いますが、あくまでも、今までの議論してきたことの論理的整合性と法的安定性を確保して、きちっと立法に臨んでまいりたいというふうに思っております。
#126
○中西健治君 時間が来ましたので、質問を終わらせていただきます。
 どうも本当にありがとうございました。
#127
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 世界最大規模の武器の展示会ユーロサトリが十六日から始まりました。パリで行われておりますが、今回は、武器禁輸政策の撤廃を受けて日本パビリオンが出展されて、初めて十三社が参加をしております。政府としては、この武器輸出の新三原則について、防衛産業に対していつどういう場で説明をされたのか、そして、政府として企業にこのユーロサトリへの出展の要請をしているようですが、そういう説明の場で行ったのか個別に行ったのか、お答えください。
#128
○政府参考人(吉田正一君) お答え申し上げます。
 防衛省におきましては、平素から防衛産業と必要な情報交換を行っておりますが、本年四月一日に閣議決定された防衛装備移転三原則につきましては、例えば、五月十二日に日本経団連が主催しましたセミナーにおいて、防衛省及び経済産業省から説明を行ったところでございます。
 具体的には、経済産業省から防衛装備移転三原則の背景と概要について説明するとともに、防衛省からは、防衛装備、技術協力に係る取組の現状等について説明をいたしました。この際、防衛省からユーロサトリを含む国際装備展示会について一般的な紹介を行ったところでございますが、防衛省としては、展示会への参加はあくまでも民間企業の判断であるものとして説明を行ったものでございます。
#129
○井上哲士君 テレビでも、三菱重工の方が政府からの要請があったとはっきり述べられておりますし、いろんな多くの新聞や雑誌が複数の出展企業のコメントを載せておりますけれども、これも政府からの要請があったとはっきり言っているわけであります。
 それで、経済産業省、来ていただいておりますが、このユーロサトリへの出展に関して、外為法に基づく輸出許可申請はあったんでしょうか。
#130
○政府参考人(中山亨君) お答えいたします。
 外為法に基づく輸出許可申請の有無という御質問でございます。
 まず、海外の展示会への出展に当たっての外為法上の扱いでございますが、我が国企業が出展する際に、パネルでございますとかカタログでございますとか、こういったことの一般展示にとどまる場合には外為法上の輸出許可申請は不要という扱いになってございます。他方、防衛装備そのもののような貨物の輸出又は技術を見本品として展示するということであれば、これは輸出に当たりますので輸出許可申請が必要となります。
 経済産業省といたしましては、輸出許可申請があれば防衛装備移転三原則及びその運用指針に沿って厳格に審査するということでございますが、今回の個別の企業の個別の事案についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
#131
○井上哲士君 個別企業、個別事案は言えないということでありますが、このユーロサトリについてそういう申請があったのかなかったのか、これはお答えいただけますか。
#132
○政府参考人(中山亨君) ただいま申し上げましたように、それぞれの企業が今回のユーロサトリにどのような出展をしているかということから類推いたしまして、私どものところに輸出許可申請が必要だというものであれば申請があると考えられますし、必要がないということであれば申請されていないということでございます。
#133
○井上哲士君 いや、もう既に始まっているわけですから。行われているんですよ、あったとすれば。その事実を聞いているんですから、答えてください。
#134
○政府参考人(中山亨君) 申し訳ございません。
 今回展示されている内容を我々事前に全て把握はしておりませんが、現在、我々のところに輸出許可申請が必要だということで来ていることはございません。
#135
○井上哲士君 すぐに答えていただきたいんですが。
 このユーロサトリには武田副大臣が参加をされておりますが、どういう目的で参加をされたのか。また、各国の防衛要人と会談をされておりますが、どこの国とどういう協議を行われたんでしょうか。
#136
○副大臣(武田良太君) 諸外国の最新の防衛装備品を視察するほか、各国の要人との会談を果たしに行ったわけでありますけれども、フランス・ルドリアン国防大臣、そしてアルバニア及びブルガリアの国防大臣、モンゴル及びミャンマーの国防副大臣の各国の要人と二国間の防衛協力等について意見交換をしてまいりました。また、フランス国防省装備総局、DGAコレビヨン長官との間で、先月の日仏首脳会談における合意事項のフォローアップとして、今後の防衛装備・技術分野における協力について協議を行いました。
 どういった内容についてということにつきましては、相手国との関係上、お答えを差し控えたいと思いますけれども、装備・技術協力の推進について各国の要人と会談をしたわけであります。
#137
○井上哲士君 防衛副大臣の出張に関わって防衛省から配付された資料を見ますと、このような国際展示会では防衛関連産業が出展する場合には、政府要人等が参加し、官民一体となった取組を国際的に行っているということで、日本も要人が行くことが必要だというふうに書かれていたわけでありまして、まさに、今、官民一体の取組ということが言われております。
 この武器輸出の問題で、私、本会議で総理をただしたことがありますが、その際、総理は、武器輸出によって経済成長を図るということは考えていませんと答えられました。ところが、副大臣は、このユーロサトリの会場でのテレビインタビューで、持っている国力を発揮できる環境を安倍内閣がつくったわけだから、それを生かしてどんどん成長していっていただきたいと、こういうふうにはっきり述べられておりましたけれども、総理の答弁とは食い違うんじゃないですか。パリに行ったから本音が出たということでしょうか。
#138
○副大臣(武田良太君) 日本の誇るべき技術力というものを発揮する環境が広がるということについては、産業を育成する上でこれはいいことではないかという意味で私は発言をいたしました。
#139
○井上哲士君 これはダイヤモンドという雑誌でありますが、こういうことに関連してユーロサトリも含めて報道し、世界の国防関係者が日本の最新兵器に熱視線と、こういう報道をしております。テレビでもユーロサトリの状況があったわけでありますけれども、まさに日本の技術をそうした様々な兵器産業などが注目をしているということがあったわけでありまして、まさに武器輸出によって経済成長を図るという方向ではないかと。
 今日、防衛生産・技術基盤戦略が決定をされるという朝の報道がございました。四月の三日に防衛省が自民党の会議に提出した原案では、防衛産業に対する財政投融資を活用した支援策というのも挙げられておりましたけれども、発表された戦略にはこの財政投融資の問題はどのように盛り込まれたんでしょうか。
#140
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘ありました防衛生産・技術基盤戦略、これについては、今日午後に会議をする予定にしております。
 今御指摘の内容については、自民党国防部会・防衛政策検討小委員会合同会議におきまして説明した資料においては、防衛生産・技術基盤の維持強化のために行う関係省庁との連携した支援策の案の一つとして、財政投融資などを活用した支援策の検討を進めていくということにしております。
 現在、防衛生産・技術基盤戦略、これはまだ最終決定をしておりませんが、その中で、その詳細についてお答えすることができませんが、同様の趣旨の内容を記述する方向で考えております。また、財政投融資については、長期低利の資金供給による政策的必要性の高い分野への支援を行うものであり、防衛生産・技術基盤の維持強化に用いることはその趣旨に合致し得るものと考えております。
#141
○井上哲士君 財政投融資についての、これは財務省のホームページで説明を見ますと、資源配分の調整機能と経済の安定化機能を果たすものとして、中小企業金融や教育、福祉、医療などの分野に活用されてきたと、こういう説明でありまして、それが私は、防衛産業に活用するのが趣旨と合っているというのはおよそ考えられないと思います。
 そういうことの活用を検討すること自体が私は大変大きな問題だと思いますが、今のユーロサトリのこともそうでありますし、この新しい戦略、まさに官民一体による武器ビジネスが新しい三原則の下で急速に展開をされている。
 五月の世論調査でも、武器輸出の関係については、反対が六二%、賛成は二七%で圧倒的に反対の声なんですね。こういう声と全く逆の方向に今急ピッチで進んでいるということを、これは極めて重大だということを指摘をしておきたいと思います。
 次に、集団的自衛権の問題でありますが、先ほど来、閣議決定の案文としての新三要件のことが、指摘がありました。
 我が国に武力攻撃が発生したということに加えて、他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあることというものであります。これ自体が極めて曖昧で地理的限定のないものでありますが、現に急迫不正の事態が発生していなくても、おそれのある場合に武力攻撃が可能だということになるわけですね。
 法制局に来ていただいておりますが、これまでの三要件では、事態が生じていない、おそれの段階では武力行使は憲法上認められておりませんけれども、なぜそういうことなんでしょうか。
#142
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まず、国連憲章第五十一条は、国連加盟国に対して武力攻撃が発生したことを個別的又は集団的自衛権行使の要件として明らかにしております。それを踏まえて、いわゆる憲法九条の下での自衛権発動の三要件のうち第一要件におきましては、まさに個別的自衛権に対応するものとして、我が国に対する武力攻撃が発生したことを要件としているものと理解しております。
#143
○井上哲士君 じゃ、武力攻撃の発生の時点とはどこなのかという議論も過去国会で行われておりますが、一九七〇年の衆議院予算委員会での高辻長官の答弁で、武力攻撃の発生の時点とは、まず武力行使のおそれがあると推量される時期ではない、そういう場合に攻撃することを通例先制攻撃というと思いますが、まずそうではないと、こういう答弁がありますが、こういうことでよろしいでしょうか。
#144
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 政府は繰り返し、武力攻撃が発生した時点について、我が国に対する武力攻撃のおそれがあるだけでは足りないが、攻撃による現実の被害の発生までは要するものではなく、武力攻撃が始まったとき、すなわち相手方が武力攻撃に着手したときという意味であるという説明をしております。
#145
○井上哲士君 おそれがあるだけでは駄目なんだと。そして、先ほど紹介しましたように、そういう場合に攻撃することを先制攻撃だと、こういうふうにはっきり法制局長官が答弁されているわけですね。
 そこで、外務大臣にお聞きいたしますが、個別的自衛権の行使の場合はおそれで武力行使をすれば先制攻撃とされる、だから憲法上使えないと。ところが、なぜ集団的自衛権ではおそれの段階で行使をできるということになるのか。相手からは先制攻撃とみなされるんじゃありませんか。
#146
○国務大臣(岸田文雄君) 一般論として、国際法上、集団的自衛権を行使するに当たっては、武力行使を受けた国の要請又は同意が必要であるとされています。よって、集団的自衛権を行使する前提として他国に対する武力行使の発生、これがなければなりません。ですから、集団的自衛権の行使の前提として他国に対する武力攻撃の発生が存在するわけでありますから、これをもって先制攻撃ということには当たらないと考えます。
#147
○井上哲士君 他国に発生していても、我が国には発生していないんですよ。ですから、我が国がそれに対して武力行使をすれば、相手からは、当然、これは先制攻撃を受けたとされるわけですね。
 そもそも、総理は、憲法九条の下で個別的自衛権の行使は限定されてきた、集団的自衛権行使を容認する場合でもその限定の範囲内だと繰り返し答弁されてきたわけですね。ところが、個別的自衛権の行使ではできないおそれの段階で集団的自衛権は行使をできると、こういうことになりますと、これまでの限定の範囲を超えることになる。そもそも九条の範囲内での集団的自衛権なんてあり得ないということを私は示していると思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
#148
○国務大臣(岸田文雄君) そもそも、国際法上、集団的自衛権と個別的自衛権の違い、これは、他国に対する武力行使があるか自国に対する武力行使があるか、この違いがまず歴然として存在します。加えて、武力行使を受けた国からの要請又は同意、これが必要とされる、このようにされています。これが集団的自衛権と個別的自衛権の定義の違いでありますので、これを前提として議論をしております。
 よって、ですから、そういったことを前提に議論をしているわけでありますので、御指摘のような御質問は、先制攻撃に当たるかどうかという御質問につきましては、集団的自衛権に当たって先制攻撃に当たるということはそもそも考えられないと認識をいたします。
#149
○井上哲士君 いや、憲法上の問題を言っているんですね。憲法上、今の個別自衛権の限定の範囲内でしか集団的自衛権も使えないんだと言いながら、はるかにそれを超えるような状況になる、それは定義言われましたけれども、本質上そうなるわけですよ。そんなものをなぜ従来の見解を覆してできることになるのか。従来できなかった集団的自衛権を行使をする上で、こういう個々の判断の条件も緩めますと、まさに無限定の行使になるということを私は明らかにしていると思うんですね。
 もう一つ、ホルムズ海峡の機雷掃海の問題でありますが、先日、武力行使の一環として行われた機雷の掃海は武力行使に当たるということを総理も認められましたし、法制局長官もそう答弁をされました。そうであれば、武力行使を目的に戦闘行為に参加することはないという総理のそれまでの答弁と矛盾するじゃないかと申し上げますと、総理は、機雷掃海は敵を撃破するための空爆などと違う受動的、限定的な行為であって、一般に武力行使は禁止されているという従来の答弁の一般の中に入るかどうか検討していると、こういう答弁でありました。
 まず、法制局長官にお聞きしますが、憲法上、武力行使について、受動的、限定的な行為など、その性格によって禁止されるものとされないものと、こういう区別があるんでしょうか。
#150
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 厳密な意味で法的な区分であるかどうかは別といたしまして、御指摘の受動的、限定的という表現そのものではございませんけれども、これまでも、憲法第九条の下で保有が許される実力に関して、例えば長距離戦略爆撃機といった、その性能上相手国の領土の壊滅的破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器の使用は許されないと説明したものがございます。
 これは、憲法第九条の下で許されるのは自衛のための必要最小限度の実力であるという考え方に基づくものであると理解しております。
#151
○井上哲士君 自衛のためかどうかじゃなくて、この場合は、受動的、限定的な行為と言っているんですね。そういうものは許されるというようなことが、区分があるんでしょうか。
#152
○政府特別補佐人(横畠裕介君) それは、憲法第九条の下でいかなる武力の行使が許されるかという議論としてなされるべき事柄かもしれませんけれども、その受動的、限定的ということで具体的に何を指し示すのか、それいかんによるものであろうかと思いますが、武力の行使そのものに法的な区分があるかどうかという点は別論であろうかと思います。
#153
○井上哲士君 最後に外務大臣にお聞きしますけれども、国連憲章の中で、禁止されている一般の武力行使と、受動的、限定的な場合など類型によって許される武力行使という区別があるんでしょうか。
#154
○国務大臣(岸田文雄君) まず、国連憲章上、武力の行使について、受動的あるいは限定的といった類型は存在いたしません。
 総理は、海洋国家である我が国にとって船舶の航行の安全確保、これは極めて重要である、そして、その上で機雷の掃海、これが大変重要であるという問題意識を提起されました。
 六月九日の参議院決算委員会におきまして、安倍総理自身も、機雷の掃海は武力の行使に当たり得る活動である、これは明確に答弁をされています。その上で、こうした活動は、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘、すなわち敵を撃破するために大規模な空爆や攻撃を加えたり敵地に攻め入るような行為とは性質を異にするものである、こういった答弁をされたと承知をしております。
 国連憲章上は御指摘のような類型は存在いたしませんが、総理の問題意識につきましては今申し上げたようなものであると我々は認識をしております。
#155
○井上哲士君 総理の問題意識というのがまさに国連憲章上も通用しない議論だということを指摘をいたしまして、質問を終わります。
#156
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。
 マグロはえ縄切断事案について、前回もお伺いをいたしました。その中で、米軍艦船による疑いのあるマグロはえ縄切断事案についてでありますが、私は、六月十六日に、沖縄社会大衆党を代表して、地元沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に対して、本事案に対する日本政府の対応に抗議するとともに、事件の全容解明、補償について政府が窓口となって速やかに解決すること、そして、事件を起こした米艦船及び今後事件を起こす可能性のある艦船の航行中止を要請いたしました。
 また、十七日及び十八日には、沖縄県知事、それから県漁業協同組合連合会代表理事会長及び県漁業協同組合長会長の連名で、農林水産大臣、そして防衛大臣及び外務大臣に対して、原因の徹底究明及び再発防止に向けた対策を米国に求めること、さらに、米軍への損害賠償請求について、その支払まで政府が責任を持って米国政府との仲介を図ること、米国政府が原因究明、損害補償に応じない場合には政府が責任を持って対処するとともに、漁業者が安心して操業ができるよう抜本的な措置を講ずることについて要請を行いました。
 さきの質問に対しまして外務大臣は、できる限りの側面支援をしていきたいと答弁をしてくださいました。当事案は我が国近海漁業の安全操業を脅かす深刻なものであり、また、我が国の国民である漁業者の財産権を侵すものであることから、政府が全面的にこれらの要請に応え、適切に対応すべきであるというふうに考えますが、改めて、外務大臣、防衛大臣、見解を求めたいと思います。
#157
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、先日の委員会でも答弁をさせていただきました。
 今回の事案については、米側は、当事者である漁業者の方が米海軍法務部に対しまして事案の申立てを行えば米海事法及び米連邦規則に基づき処理される、こういった説明を行っております。
 政府としては、この米側の説明を踏まえて、まずは漁業者の方から米側に対し事案の申立てを行う必要があると考えております。申立てを行っていただいた上で、政府としましてはできる限りの支援をしていきたいと考えております。
 米側には引き続き関連の情報提供を求めておりますが、こうした情報提供ですとか、あるいは様々な手続等において相談をいただければ、是非、政府としましてもできる限りの支援を行っていきたいと考えております。
#158
○国務大臣(小野寺五典君) 糸数議員におかれましては、先週木曜日に、この委員会におきまして本件に関する質問をいただきました。
 また、今週月曜日には、沖縄防衛局長に対して抗議を行われまして、また、早期に全容を解明すること、補償については政府が窓口になること、同種の米軍艦船の航行を中止することを内容とする要請をされたということを承知しております。
 また、昨日、沖縄県から沖縄防衛局に対しまして、原因究明と再発防止を米側に強く求めること、日本政府が漁業者と米国政府との仲介を行うこと、米側が損害賠償に応じない場合は日本政府が責任を持って対処すること等を内容とします私あての要請書が提出されたと承知をしております。
 沖縄防衛局におきましては、漁具被害を受けたとの沖縄県近海鮪漁協等からの連絡を受け、先月、五月二十日ですが、在沖米海軍に対して米軍艦船の航行の有無について照会を行ったところでありますが、現時点において、米側からの回答は得られておりません。
 我が国の領海外で発生した本件漁具被害につきましては、仮に米軍艦船によるものであったとしても日米地位協定に基づく補償の対象となるわけではございませんが、防衛省としては、在沖米海軍から得られた情報を地元漁協等に提供するなど、可能な限り適切に対応してまいりたいと考えております。
#159
○糸数慶子君 農水からはないですか。
#160
○政府参考人(本川一善君) 済みません。防衛大臣と外務大臣というふうにおっしゃいましたので、私、答弁ないのかと思っておりましたが。
 私どもも、六月十七日に沖縄県漁業協同組合連合会、それから沖縄県農林水産部の担当者が水産庁を訪れまして、原因究明や漁業者と米国政府との仲介等の要望をなさっていかれました。これを受けて、私ども水産庁として、外務省、防衛省に要請の内容を伝えたところでございます。
 今後とも、農林水産省としても、できる限り外務省、防衛省に協力してまいりたいと考えております。
#161
○糸数慶子君 前回の質疑に対しまして農林水産省は、韓国、それから中国等外国漁船操業対策事業の基金や沖縄漁業基金事業での対応について、米軍艦船など漁船以外による被害はこの事業の対象とならないと答弁されました、先ほどもそうでしたが。現行制度において対象外であるということは理解いたしましたが、これらの制度は外国漁船による被害救済が目的の一つであります。今回の場合は、我が国の漁船が被害を受けているということ、そして漁具被害の加害者が特定できないことなど、同趣旨の事案であるというふうに思います。
 よって、これらの制度を改正して、米軍艦船など外国漁船以外の船舶による被害も対象とすることや類似の制度を創設して対応することは、漁業者の経営安定、そして被害救済を支援するということになるというふうに考えます。
 こうした中で、制度の改正あるいは新制度創設について検討を行い、早期に結論を出すということを求めますが、先ほど両大臣からも答弁をいただきましたけれども、私は、やはりこの船が特定できないという状況の中にあって、ただ、現実的には漁業者がこれだけの被害を受けているわけですから、政治家である両大臣の決断を求めて、制度の改正若しくは新制度創設について是非とも検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#162
○政府参考人(本川一善君) この両基金を所管しておりますので、まず御答弁をさせていただきたいと思います。
 沖縄漁業基金と韓国・中国等外国漁船操業対策事業による基金、これは、我が国漁船が外国漁船の被害を受けて相手が特定できない場合、復旧の支援を行っておるところでございます。あくまで、やはり日韓や日中の漁業協定、日台民間漁業取決めの締結によりまして影響を受ける漁業者の方々への支援ということでございまして、私どもの所管として米軍艦船による漁具被害をこの事業の対象とすることは極めて困難であるということを御理解いただきたいと考えております。
#163
○糸数慶子君 被害を与えた船が特定できないと言っておりますけれども、実際には、こういうふうにしてちゃんと写真も撮られていて、漁業者の方々が実際に星条旗を掲げた船であるということは分かっています。
 先ほど大臣もおっしゃっておりましたように、米軍に問い合わせたところ、正式な手続をすれば、被害に対しても手続を踏まえた上で対応するというふうにおっしゃっておりますけれども、現に被害を受けた漁船は沖縄のマグロはえ縄漁をしていらっしゃる方々であるということで、県の方からも再三何とかしてほしいと言っているわけでございますから、手をこまねいて見るような状況ではなくて、制度が実際に今回の事案に対して適用されないにしても、その制度を何とか生かす方向でやっていただきたいというふうに申し上げております。大臣の御答弁をお願いいたします。
#164
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の外国漁船操業対策事業の適用につきましては、先ほど水産庁から説明があったとおりであります。そして、新たな制度をつくるということについても、現実にあります今回の事案に向けて新たな制度をつくるということについては、現実的ではないと考えます。
 まずは、先ほども申し上げましたように、現状、この申立てを漁業者の方から米軍に対して行っていただく、これがまず重要であると考えています。その上で、政府としてできることをしっかり検討し、しっかりと支援をしていきたいと考えます。
#165
○糸数慶子君 是非対応していただきたいということを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 辺野古水域拡大問題についてであります。
 本日、日米合同委員会が開かれるというふうに聞いておりますが、私、先週の質疑でも指摘をいたしましたけれども、普天間飛行場の辺野古移設については地元から強い反対が示されておりますが、政府は代替施設建設を進めようとしております。
 そういう中で、防衛大臣は、本年五月二十一日、キャンプ・シュワブ水域において、農林水産大臣に対して、いわゆる漁船操業制限法第一条の規定により、漁船の操業を制限又は禁止する区域及び期間並びにその条件を定めた昭和三十六年の総理府告示第九号の一部改正について照会を行いました。農林水産省は、沖縄県に対して意見照会をし、さらに県は、名護市、沖縄県漁業協同組合連合会、名護漁業協同組合に意見を求め、県からは六月十二日に回答があったと承知をしております。
 今後、防衛大臣は、これらを踏まえ、七月上旬をめどにこの総理府告示を改正するというふうに聞いておりますが、まず、これらの事実関係、告示改正の理由、それから県からの回答についても明らかにしていただきたいと思います。
 まず、防衛大臣にお願いいたします。
#166
○政府参考人(山内正和君) 事実関係でございますので、私の方から答弁させていただきたいと思います。
 普天間飛行場の代替施設の建設事業につきましては、昨年十二月の沖縄県知事によります公有水面の埋立承認を受けまして、現在、事業開始に向けた準備を進めているところでございます。
 この一環といたしまして、今後、普天間飛行場代替施設建設事業に伴います埋立てなどの工事を行うため、公有水面埋立承認願書でお示しした工事の施行区域におきまして、米軍によるキャンプ・シュワブ水域の使用や管理に影響が及ぶこととなります。また、これに伴い、当該工事の施行区域におきましては従来のように漁業を行うことができなくなることとなります。このため、委員御指摘の法律の規定に基づきまして、五月二十一日、防衛大臣から農林水産大臣に対して照会を行ったところであり、また、この照会に対しまして、六月十七日、農林水産大臣から回答をいただいたところでございます。
 防衛省といたしましては、農林水産大臣からの回答の内容も踏まえつつ、今後適切に対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#167
○糸数慶子君 次に、日米両政府は、この総理府告示の改正と同時に、キャンプ・シュワブの提供に関する昭和四十七年五月十五日の日米合同委員会合意、いわゆる五・一五メモによる第一水域の区域を漁船操業制限法による制限に合わせて変更することを日米合同委員会が決定し、告示すると承知しておりますが、この点についても事実関係を明らかにしていただきたい。
 防衛大臣、外務大臣にお伺いします。
#168
○国務大臣(小野寺五典君) 具体的な内容については、まだ決まっているわけではありません。
#169
○国務大臣(岸田文雄君) 今防衛大臣からありましたように、現在、調整中の段階にあると認識をしております。
#170
○糸数慶子君 調整中であるというふうに言っておりますけれども、この漁船操業制限法、これはあくまでも日本における米軍の水面の使用のために漁船の操業を制限することができるというものであります。
 今回の総理府告示第九号の改正案は、キャンプ・シュワブ水域の内に常時漁船の操業が禁止されている第一種区域を普天間飛行場代替施設建設のための埋立工事の施行区域に合わせて拡大しようとするものであり、米軍の活動とは全く関係のない日本政府による工事の円滑な実施を図ることを理由とするもので、漁船操業制限法に基づき漁船の操業を制限し又は禁止することはできないというふうに考えるわけですが、今回の第一種区域拡大の理由を示された上で、政府の見解を明らかにしていただきたいと思います。
#171
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
 先ほど答弁させていただきましたように、今後、普天間飛行場代替施設建設事業に伴います埋立てなどの工事を行うため、公有水面埋立承認願書でお示ししました工事の施行区域におきましては、米軍によるキャンプ・シュワブ水域の使用や管理に影響が及ぶことになります。また、これに伴いまして、同区域におきましては従来のように漁業を行うことができなくなると。このため、現在、漁業操業制限法に基づきます手続を取らせていただいているものでございます。
 なお、御質問のありました第一水域等の関係でございますけれども、水域の使用条件の変更については、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、現在、米側と協議を進めているところであり、具体的な内容についてまだ決まったものはないということでございます。
#172
○糸数慶子君 この五・一五メモによる第一水域は、これは日米地位協定第二条に基づき合衆国が施設・区域の使用を許与されたものであり、陸上施設の保安のために使用されるもので、合衆国軍隊の排他的使用のために常時制限されるものというものであります。
 今回、政府は、普天間飛行場代替施設建設のための埋立工事の施行区域をそのまま提供合意の対象水域に加え、五・一五メモに基づく第一水域を拡大、変更しようというふうに私どもは受け止めています。しかし、この施行区域は米軍の陸上施設の保安のための水域とは言えないため拡大はできないというふうに考えますが、改めて政府の見解をお伺いいたします。
#173
○政府参考人(山内正和君) 先ほど来答弁申し上げさせていただいているところでございますけれども、海上におきます工事に当たりましては、民間船舶の航行の安全を確保しつつ工事の安全確保に万全を期すとともに、米軍の円滑な活動と施設・区域の適切な管理を図る必要がございます。
 このため、キャンプ・シュワブの水域の使用条件の変更について、現在、米側と協議を進めていることは事実でございますが、まだ具体的な内容について決まっているわけではございません。
#174
○糸数慶子君 日米合意文書、五・一五メモで米軍の活動を妨げない限り立入りを制限しないとしている水域内についても立入り制限をする、つまり、継続活動に住民らの抗議行動が当たるとして拡大解釈をしていこうとしているのではないでしょうか。抗議行動を取り締まる構えで水域でのその区域を広げていこうとする。そういうことは民主的な民意を弾圧するようなものであり、警備やそれから取締り、そして多くの国民はもとより、このような状況は国際社会の理解も到底得られないというふうに思います。辺野古移設に関して、環境破壊や、それから人心の疲弊、そして地域住民の対立、あるいは経済的な面から見ても、この水域の拡大に関しては無謀な計画であります。
 今、きちんと答えておりませんけれども、実際には、今日のこの地元の新聞にはこのように紹介されております。今日の合同委員会の中でいろいろこれからの取決めが発表されていくであろう、二十四日には閣議決定がされて公示されるであろうというふうに言っておりますけれども、再三私が申し上げておりますように、この普天間飛行場の県内移設は七割以上の沖縄県民が反対をしています。そういう民意を踏みにじって強権的に物事を進めようとしている、それは民主国家としてあるまじき姿であるということで容認できません。
 今、正式なお答えはございませんけれども、政府は、このシュワブの提供水域に関する五・一五メモの解釈を変更することで、ボーリングの調査海域に近づくカヌーなどの活動に対しても刑特法を適用して取り締まることが可能だとの見解をまとめているというふうに聞いておりますけれども、やはりこれに関しましても、このことをもし強行するのであれば、沖縄では流血の惨事が起こるような可能性もあります。
 是非、水面下で国民の目を逃れて米国と協議を進めるのではなく、堂々と表に出して議論していただきたいと要望いたします。
 制限水域の見直しに関しては、是が非でも移設を強行しようという今の安倍政権の意図があるのは明らかであり、移設に反対する民意を踏みにじっての策動は許し難いものがあります。むしろ、普天間の県内移設、そして今の辺野古への移設を強行すること、そのことを撤回することが沖縄県民の民意に沿うものであり、民主主義国家の本来のあるべき姿であるということを強く申し上げまして、私の質問は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#175
○委員長(末松信介君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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