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2014/03/27 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 内閣委員会 第6号
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2014/03/27 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 内閣委員会 第6号

#1
第186回国会 内閣委員会 第6号
平成二十六年三月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     蓮   舫君     前川 清成君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水岡 俊一君
    理 事
                上月 良祐君
                松下 新平君
                芝  博一君
                山下 芳生君
    委 員
                岡田  広君
                鴻池 祥肇君
                佐藤ゆかり君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                福岡 資麿君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                大野 元裕君
                神本美恵子君
                前川 清成君
                秋野 公造君
                江口 克彦君
                浜田 和幸君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
   副大臣
       内閣府副大臣
       復興副大臣    岡田  広君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        小泉進次郎君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  永野 厚郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣府地域経済
       活性化支援機構
       担当室長
       兼金融庁総務企
       画局参事官    小野  尚君
       内閣府地域経済
       活性化支援機構
       担当室次長    西田 直樹君
       法務大臣官房審
       議官       萩本  修君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       厚生労働省職業
       安定局次長    宮野 甚一君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  宮川  晃君
       資源エネルギー
       庁廃炉・汚染水
       特別対策監    糟谷 敏秀君
       中小企業庁事業
       環境部長     松永  明君
       国土交通省航空
       局次長      甲斐 正彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改
 正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、蓮舫君が委員を辞任され、その補欠として前川清成君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(水岡俊一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府地域経済活性化支援機構担当室長兼金融庁総務企画局参事官小野尚君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(水岡俊一君) 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○上月良祐君 おはようございます。
 今回の法律に関しましては、やはりアベノミクスの成果をいかに地域に伝えていくのか、津々浦々に景気回復の実感を伝えていくことが重要であるということで、総理もおっしゃっております。今年はということでございましたけれども、あっという間に三月も終わろうといたしております。もう三か月が終わって残り九か月という状況になっております。我々与党の国会議員、まあもう国会議員、これは与野党を問わずかもしれませんが、特に与党の国会議員は本当に全力を挙げてその取組を地域でやっていかなければいけないと思っておりますし、何といいましても、やはり政府でおられる甘利大臣は、本当にTPPを始め大変なお仕事をされておられると心から尊敬をいたしておりますけれども、こういった地域を支えるこの法律に関しましても是非頑張っていただきたいと思いますし、今日は小泉政務官にも来ていただきましてひとつ質問をさせていただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回の地域経済活性化支援機構、REVICと言わせてください、このREVICに関しましては、経営者保証の付された債権の買取り、こういったことがよく言われておりますけれども、実は、地域の活性化のファンドをつくるといったような前向きな仕事というんでしょうか、より前向きな仕事も仕事の中に入ってございます。そういった意味では、何というんでしょうか、地域経済の活性化のために本当に重要な仕事を各般のツールをもってやる大切な機関だというふうに思っております。
 その中でも、ただ、まずお聞きしたいのは、経営者保証の付された債権を買い取る、この業務が新規に追加されたわけでございます。経営者の再チャレンジ支援という意味でも大変重要な役割だというふうに思っております。
 と申しますのは、地域でいろんな方とお話ししておりますと、実は結構重要な、何というんでしょう、中核的な業務を持っていて、そこはそこそこ大変順調にいっているんだけれども、周辺事業がなかなか不調である、あるいは、ちょっと前のあの高い金利のときの債務があって、それで大変苦しんでいる、特に土地を買ったような場合など、そういうので苦しんでいるといったような場合もあるようでございます。私も、地域でいろんなお話を聞く中では、これまでそういうお話をたくさん聞いてまいりました。
 ただ、そういった人こそ頑張っていただかないと、地域の経済が活性化するというのは、東京とは違いますから、東京のように大きな企業がどんどんというわけにはいきません。そういうふうな一つ一つ経営者の方々に大切に手を差し伸べていって、頑張っていただく、それが積み重なって地域の経済の活性化につながっていくんだというふうに思っております。そういう意味で、中小企業、再チャレンジしていただくというのは大変重要な役割があるのかなと思っているところでございます。
 ただ一方で、このREVICという機構は、民間からの出資が百億余りあるということですけれども、ややその中にも一部公的な色彩があるものもあります。そして、百三十億という、これはまあ明らかに公的な出資の部分もあるということで、公共が支えている、公金が支えているという面も、株式会社ではあるんですけれどもある機関だということもございます。
 そういう意味では、債権を買取りする場合に、当然想定をした価格で、これぐらいでということで買い取るわけですけれども、その見積りが甘かったりすると不測の損害を与えるということにもなりかねません。もちろん、株式会社ですから自己判断というところはもちろんあるんだと思っております。純粋な、何というんでしょう、例えば自治体であるとか公共の機関とは違う面もあるとは思っておりますけれども、慎重にやっていかなきゃいけない面もある。一生懸命やっていただかなきゃいけない。まあちょっとぐらい、何というんでしょうか、焦げ付きが出るぐらい踏み込んでやってほしいという思いがある一方で、慎重にやって、的確、慎重というか的確にやっていっていただきたいという面もあろうかと思います。特に、例えば小さな会社になればなるほど、公と私の部分というんでしょうか、会社とそれから個人資産の部分の境界線がやや曖昧になってしまうようなケースも間々あるというふうにも聞いております。そういった場合には、なかなかその債権を買い取るというのは難しくなってしまうのかなというケースもあるのかなというふうにも思います。
 また、区別がそれはきちんとある程度峻別されていたとしても、例えばAという会社、Bという会社、Cという会社があったとして、同じように一生懸命努力して同じような悩みも持っている、その中で、例えばAという会社だけなぜだか分からないけれども助けられたということでは、やはり真面目にやっているほかの人たちから見て何か不公平だよねというような感じを持たれてしまってもいけないというふうに思います。株式会社ですから、何度も言いますけれども、ピュアに行政と同じというわけではないと思いますので、そういう意味では、ある程度の差、それなりの目利き力によって差が付くのは仕方がないんだと思いますけれども、そういう意味でも、公平にというんでしょうか、慎重にやっていかなきゃいけない面もあろうかなというふうにも思っております。
 と申しますのは、そもそもこういった、本来は民民の取引なんだと思います。企業の経営者が銀行からお金を借りる、個人保証、経営者保証を極力付けないで借りれるようにしていくというのは大変重要なことだとは思いますけれども、基本、民民の取引の話に今回は公共、政府が関わっていくということになって、民民の取引の中でどこまで政府がこういったのを関わる必要があるのか、どこまで、なぜ関わるのかというのが問われる大切な、これは根源的なといいますか、前からある大変重要なテーマなんだとも思います。
 そういう意味で、どういう考え方で今回こういったところまで、民民取引にまで踏み込んで政府が役割を果たそうとするのか、そしてモラルハザードが起こらないように、あるいは地域で不公平感を持たれないように、一方で慎重に、しかし一方で積極的にやっていただきたいという、質問自体も大変ちょっと難しくて申し訳ありませんけれども、その辺につきましてのお考えを小泉政務官にお聞きしたい、できればと思います。よろしくお願いいたします。
#7
○大臣政務官(小泉進次郎君) 御質問をいただきましたモラルハザードをどうやって防止をしていくかというのは大変重要な観点だと思っております。
 特に、やはりどなたの債権でもどの会社の債権でも買い取りますよということではなくて、今回の法案では、特定の債権買取りを申し込むことができる人を限定をしております。特に、過大な債務を負っている事業者の経営者であって、金融機関と協力して新たな事業の創出など地域経済の活性化に資する事業活動の実施に寄与するために保証債務の整理を行おうとするものに限定をしておりますので、誰でも彼でもという、そういったモラルハザードにならない、先ほど上月先生の言葉を借りれば、真面目に頑張ってきた人が報われないよと、そういったことにならないようにしっかりと努めていきたいと思います。
 今後、特定債権買取り業務を行うに当たっての支援基準をこれから定めていくことになりますが、今御指摘いただいたとおり、法律の趣旨も踏まえて、モラルハザードの防止を図るという、こういった観点でもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
#8
○上月良祐君 ありがとうございます。
 こういったことに政府がどこまで関わっていくのかというところについては若干御答弁ありませんでしたけれども、昨日も官僚の皆さんと少し議論をいたしましたが、やはりこういう時代というんでしょうか、こういう経済状況で政府がやはり債権支援にまで踏み込んでいかなければいけない時代なんだと思います。なので、そういう役割があるわけですから、基本的にはまずしっかりやっていただきたいという思いがありますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 続きまして、大臣にお聞きしたいと思います。
 実は、このREVICは昨年三月に改組されたものでございます。一年という短い期間ではございますし、新しい業務として走り始めたばかりでございますので、そういう意味ではまだまだ実績が少ないのもしようがないのかなという面もあろうかと思いますが、十件ということなのでちょっと少ないのかなとも思います。何か原因があるのかなというか、原因があるのかもしれません。事務所が少ない、窓口がなかなか十分じゃないという面があるのかなというふうにも思うんですけれども。
 実は、私の地元でもいろいろお話を聞いてみましたが、実は同様の機能を持っているものというのは既にあったりもいたしております。事業再生に関連した出資については、独法の中小企業基盤整備機構が既にやっておりますし、中小企業の再生計画の策定支援、専門家の派遣は、これはかなり、各県に事務局というのでしょうか、置かれております中小企業再生支援協議会があったりもいたします。また、実は、復興関係のところにつきましては、復興関係の相談、復興相談センターでありますとか、株式会社の東日本大震災事業者再生支援機構も置かれておったりいたしまして、いろんなところがやっております。
 私は、政府がやってくださるのがたくさん重なること自体は大変有り難いことだと思っておりますし、非常にいいことだと思っておりますが、やはり、どうしても現場から見ますと、新しいのをつくるときにはそういう理由があってつくっておられるようではありますけれども、一旦つくってしまうと、どうしてもやはり縦割りというんでしょうか、意識として横の連携が足りないんじゃないかなという面があるようでございます。
 中小企業再生支援協議会が各県にありますので、そこが相談窓口というんでしょうか、一元化窓口のような感じでどうもやっているようではございますけれども、是非、トータルで成果が上がるということが必要なんだと思います。ここをひとつ、REVICの成果だけを見て少ない、多いと言ってもしようがないのであって、そのトータルで成果が上がるように是非とも横の連携をしっかり取っていただきたいと思うんですが、これは、大臣がハッパを掛けるかどうかは非常に大きゅうございますので、役人の皆さんもたくさん聞いていると思います。是非、その点につきましての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおりでありますが、機構は、中小企業再生支援協議会等の中小企業支援を行う他の機関があるわけですが、それらと協力体制の充実を図りつつ、適正かつ効率的に行うように努めなければならないということは、これは法律上求められているところであります。
 こういった点を踏まえまして、内閣府そして金融庁、さらには中小企業庁が平成二十四年四月に取りまとめました中小企業の経営支援のための政策パッケージ、ここにおきまして、企業再生支援機構及び中小企業再生支援協議会の機能及び連携の強化、これを施策の柱の一つとして掲げまして、これまでに、一として機構と支援協議会との間の案件仲介ルールの策定、二といたしまして支援協議会の支援案件に対する機構による相談、助言の実施等の連携強化に取り組んできたところであります。
 また、お話がありました被災地におきましては、例えば旧企業再生支援機構が支援を行っていた宮城県の造船業者について、支援期間がこれ十五年以内とされていることなど被災事業者の実情を踏まえたより期間の長い支援が可能となる東日本大震災事業者再生支援機構、これに支援を引き継ぐなど、関係機関との連携を図ってきたところでありまして、今後とも機構や中小企業支援を行う他の機関がそれぞれの組織の強みを生かしまして事業者が最適な支援を受けることができるように、そして現場で混乱しないように留意しつつ、緊密な連携強化を促してまいりたいと思っております。
 まだ改組以来十件ということで案件は少ないと、もう少し適切な案件をしっかり精査して支援体制を強化せよという御指摘をいただいております。御指摘を踏まえて、適切な案件抽出ができ、それが支援件数の拡大につながっていくように努力をさせたいと思っております。
#10
○上月良祐君 ありがとうございました。
 あともう一つ、横の連携を図るとすれば、やはり自治体だと思います。余り企業再生に関しては自治体は絡んでいないんだと思いますが、やはり税の関係、補助金の関係、総合行政をしてたくさんのツールを持っておりますので、そういった意味で情報共有だけでもしていくことは非常に意味があると思います。そういった面でも実が上がるように是非頑張っていただきたいと思います。
 時間がありませんので、政府参考人の方には御要望を申し上げたいと思います。
 現場で、結局実績が上がるかどうかのポイントは何だと思われていらっしゃるでしょうか。それは、やはり人なんだと思います。実際に金融機関から債権放棄をしてもらうためには、もう汗をかいてとにかく説得して回らないといけない、それを一生懸命やれる人がいないと絶対に駄目です。
 そういう意味では、再生支援協議会は各県に事務所があって、それなりの人を張っているようでございます。茨城でも十人ぐらいはおります。各県でも相当程度張っており、それは人件費にしてみると結構大変な額になって大変だとは思いますけれども、これらの方々が頑張っていただかないと絶対にあり得ないです。REVICもやはり事務所がまだまだ少ないです。どうしてもやっぱり、再生支援協議会のところが、復興をやっているところもそうですが、やっぱり窓口を兼ねて一元化してワンストップでやってあげるということがなければ実際の実績は上がらないと思います。
 そういう意味では、ここの人件費をきちんと見てあげる、張ってあげるというのが私はコアだと、その上で頑張っていただければいいんだというふうに思っておりますので、是非とも、この人件費の補助につきましては、財政厳しい状況ではありますけれども、地域のためにも頑張って予算獲得をしていただきたいということを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#11
○前川清成君 おはようございます。前川清成でございます。
 今日は差し替えで質問をさせていただくことになりまして、ありがとうございます。
 といいますのも、昨年に引き続きまして、従前の企業再生支援機構、現在の地域経済活性化支援機構法案の改正がなされます。この機構の拡充に関しては民主党政権下でも議論をさせていただいておりまして、私もその際の担当副大臣の一人でございました。この機能、機構の機能拡充というのは私は大事なことだと思っていますけれども、一方で、例えば、機構と何らかのコネがあるから支援を受けることができた、これではあってはならないと思いますし、機構の存在が太平洋に目薬を差していると、その程度の小さな役割であれば私は不要だと、そういうふうに思います。あまねく利用したい人が利用することができるような存在に育ってほしいと、そう願って今日は議論をさせていただきたいと思います。
 その前に、今日は金融副大臣に御出席をいただきましたので、少し関連してお尋ねをしたいのは不招請勧誘の問題であります。平成二十一年に商品取引所法が改正をされました。これは当時の麻生内閣、当時でございますけれども、これによって、商品先物に関して不招請勧誘が禁止されました。副大臣、この不招請勧誘に関しては御認識いただいておりますでしょうか。
#12
○副大臣(岡田広君) 理解をさせていただいております。
#13
○前川清成君 簡単に申し上げますと、商品先物取引に関しては、一見のお客さんが十分に理解できないままぼったくられて財産的な損害を受けることが多いと、ついては、継続的な取引のないものに対して、一見のものに対しては勧誘しては駄目ですよと、これが不招請勧誘でありまして、日本だけのルールではなくて、いわゆるアメリカも含めて先進国と言われる国々では、リスクのある投資に対して導入されているルールであります。
 この不招請勧誘が平成二十三年から実際に施行されておりますけれども、この前後で、商品先物に関する被害件数、どのように推移したか、金融庁としては把握しておられるでしょうか。
#14
○副大臣(岡田広君) 金融庁としては把握をしておりません。
#15
○前川清成君 今日の議論に先立って、この点、例えば消費者庁、農水省、経産省それぞれ通告してほしいという話がありましたが、一つだけお答えいただくのに御出席いただくのも大変御迷惑かと思いますので、私の方で御案内をさせていただきたいんですが、国民生活センターの方でPIO―NETという組織があります。相談件数をそれぞれの相談者の皆さん方が登録しておられます。このPIO―NETによりますと、導入前、平成二十二年の商品先物に関する被害相談が三千五百九十四件、導入後、平成二十三年は千五百十件、激減をしておりまして、従前より私たちが求めておりましたとおり、この先物取引の被害救済というか被害撲滅、被害予防、これについては、私はやはり不招請勧誘の導入が極めて有効だったと、こういうふうに考えております。
 ところが、去年の六月十九日、これは当時の寺田副大臣、金融副大臣が、衆議院経済産業委員会での答弁において、禁止を解除する方向で推進したいと、こういうふうに述べておられます。せっかく被害が減ったのに、どうして不招請勧誘を解禁してしまうのかと、私は大変不思議に思っております。
 この点について、現副大臣からの御答弁、お考えをお聞かせいただけたらと思います。
#16
○副大臣(岡田広君) ただいまの内閣府副大臣の先輩であります前川委員の御質問でありますけれども、前川委員さんのこの不招請勧誘禁止に関する質問に対する主意書に対する答弁書も見せていただきまして、私も若干の数字は把握をさせていただいております。二十一年に法律が改正になって二十三年から施行されて、今委員が挙げられた数字も理解をさせていただいたところであります。
 昨年の六月十九日、前川委員から御指摘がありました副大臣答弁は、六月十九日の衆議院の経済産業委員会における民主党の岸本周平議員の御質問に対する答弁であり、金融デリバティブ取引と商品デリバティブ取引の双方が取り扱われる総合取引所における取引について、その行為規制が異なって証券会社に影響がないように、商品デリバティブ取引についてもこれまでの金融デリバティブ取引と同様に不招請勧誘を禁止しないという方向について確認を求めた御質問に対して当時の寺田副大臣から、上場されている金融デリバティブ取引と同様に、総合取引所に上場される商品デリバティブ取引について不招請勧誘の禁止を解除していく方向で推進していくといった趣旨の答弁がなされたものであると理解をしております。
#17
○前川清成君 ですから、岡田副大臣、この不招請勧誘を解禁するというのは、政府の方針で今後そのようにお進めになられるのかという点をお尋ねしております。
#18
○副大臣(岡田広君) お答えいたします。
 総合取引所は、この金融デリバティブのみならず商品デリバティブを同一の取引所で取り扱うことで取引所の国際競争力を強化する、そして、投資家に対して投資商品の選択肢を拡大をすることで多様な投資機会の提供を確保することを目指すものと考えております。他方、委員御指摘のように、総合取引所の商品デリバティブ取引においても投資家保護を図らなければならないというのは当然のことでありますので、どのような行為規制を掛けることが望ましいかについては、総合取引所の実現による国際競争力の強化や、多様な投資機会の提供の確保と投資家保護の確保という二つの要請について、どのようにバランスの取れた規制としていくかということを今慎重に検討していかなきゃならないと考えているところです。
#19
○前川清成君 大臣、ちょっと歯切れが悪いように思うんですが。私、金融取引の国際競争力を高めることに反対はしておりません。ただ、それはプロの皆さん方がやればいいことで、プロの皆さん方のリングの上に素人を無理やり引きずり込んで、身ぐるみ剥がしていくと。このやり方は許されないのではないかと、こういうことで申し上げているんです。
 それで、是非お考えいただきたいんですが、金融副大臣、不招請勧誘が禁止されたことによってもうからなくなったのは誰か。他方、不招請勧誘が禁止されたことによって助かったのは誰か。お答えいただきたいと思います。
#20
○副大臣(岡田広君) これについては、農林水産省及び旧通商産業省による取りまとめられた委託者保護に関する研究会中間取りまとめ、これによれば、利益を得た者の割合が二三%、そして損した者の割合が七五%という数字も出ております。利益を得た者の割合が二七%とか損した者の割合が七三%、これは委託手数料を含んだ損益状況として損失を被った委託者の平均損失額が約三百七十万円となっているという、こういうデータも出ております。
 そういう中で、まさに投資家を保護をするということは大変重要な視点であるというふうに考えております。
#21
○前川清成君 岡田副大臣、私は、先物取引で誰が得をしましたか、誰が損をしましたかとお尋ねしたのではなくて、不招請勧誘が禁止されましたと、これによって誰がもうけ損ねましたか、誰が助かりましたか、こうお尋ねしているんですよ。
#22
○副大臣(岡田広君) 不招請勧誘を禁止したことによりまして、やはりこれがあったときによって相当被害があったことはやっぱり数字として出ていますが、そういう意味で、大変被害が少なくなったということで、そういう意味で利益を得たという人たちはたくさんいるんだろうというふうに考えています。
#23
○前川清成君 不招請勧誘が禁止されたことによって、素人の皆さん方が商品先物に引きずり込まれて、身ぐるみ剥がされるという事態がおよそ三分の一に減少していると。不招請勧誘が禁止されました。その結果として、カモを探すことができなくなった先物業者たちは売上げが下がって損をしていると。
 要するに、不招請勧誘の禁止を外すかどうかというのは、先物取引業者、その人たちの幾つも裁判所の判決もあります。違法、不当な営業実態をもう一度野放しにしてしまうのか。そうではなくて、金融庁も貯蓄から投資へという政策を進めておられます。危ない投資に素人の皆さん方を引きずり込んではならない、その選択ではないかと私は思います。
 ちなみに、今副大臣も引用されました平成九年九月八日に取りまとめられた農水省商業課と当時の通産省商務室、この委託者保護に関する研究会の中間取りまとめによりますと、商品先物取引、取引のきっかけは電話勧誘が四二%、飛び込み訪問が二二%、六〇%強が不招請勧誘によって始まっています。私の手元の取りまとめによりますと、先物取引で損をした人は八〇%弱、ほとんどの方々が損をしてしまうと。
 その結果、これは消費者庁の所管ですけれども、国民生活センターが平成十六年四月十五日に取りまとめた商品先物取引に関する消費者相談の傾向と問題点、この中には、消費者に対するアドバイスとして、一般消費者は絶対に手を出さないと、ここまで書いてあるわけです。この大きなリスクのある商品先物をまた解禁してしまうということは、私は、商品先物自体を禁止しろと言っているんじゃありません。リスクヘッジ等の機能等があるんであればプロの皆さん方で、あるいは取引の内容を理解した投資家の皆さん方でやればいいことで、ある日突然引きずり込むなと、こういうことです。
 それと、最後にもう一点だけ資料を少し御紹介させていただきますと、いささか古いんですが、二〇〇六年五月に日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会が取りまとめた数字がありまして、この先物取引業者の自らの委託者数、お客さんの数、これの集計ですが、アイメックスという会社は、期首、その年の初めの委託者数が千四百十八名、その年新規に委託を受けた方が千七百十二人。今までのお客さんが千四百十八人いて、その年新しくお客さんになった方が千七百十二人いるわけです。普通の会社ですと、その年の終わり、期末のお客さんの数は三千幾らになるはずなんですが、千六百三十六。期首の委託者数に新規の委託者数を足しても、足した数字に期末の委託者数がはるかに及ばないと。これは何を表しているのか。
 つまりは、もうかったら続けていくわけですから、例えば野村証券の顧客の数が一年で入れ替わると、それは、その株式投資がみんな大損しているということだと思います。一年のうちにほとんどのお客さんが入れ替わってしまうということは、この商売の危険性、投資の危険性を表しているものだろうと、私はそのように思っております。私は、個人の顧客に対して不招請勧誘の禁止を解除することは絶対に反対だということを改めて申し上げたいと思います。
 その上で、この支援機構に関して議論させていただきたいんですが、企業再生支援機構がありました。実質、平成二十二年にスタートいたしまして、二十五年の三月までに支援件数が二十八件でした。三百十八件の相談を受け付けておりながら、僅かに二十八件。年間平均するとおよそ十件。余りにも支援件数が少ないんじゃないか、税金を使いながら何をやっているんだというふうな声があって、昨年、これも甘利大臣がやはり担当大臣でした、抜本的な改組を行い機能を拡充するということで、名前も企業再生支援機構から地域経済活性化支援機構に改まりました。
 一年たって、支援件数は十件、ちょうど企業再生支援機構の当時の平均値とほぼ同じ。抜本的な改組を行って、これからは地域経済の発展に寄与するんだと、中小零細企業にも光を当てるんだと、こういう意気込みでしたけれども、支援件数は一向に伸びておりません。
 この点について、甘利担当大臣、どのようにお考えになっておられるでしょうか。
#24
○国務大臣(甘利明君) おっしゃるような抜本的な改組、機能拡充と称して改正を行いました。
 昨年の法改正においては、それまで個々の事業者に対する直接的な事業再生支援のみを行っていたこの機構について、地域における再生現場であるとか地域経済活性化の担い手の支援能力の向上を図るための機能を付与する、そのための措置を講じたわけであります。
 また、機構による中小企業に対する再生支援を促進するために、支援決定期限を平成三十年三月末まで延長するとともに、支援期間を五年以内というのに延長して事業者の名称は原則非公開とする等々、中小企業にとっては使いやすい制度としたところであります。
 そして、改組した結果、どういうことが起きたかといいますと、昨年三月に地域経済活性化支援機構としてスタートしたわけでありますが、以降、本年一月の末までに受けた相談件数というのは百五件であります。このうち、金融機関等や事業者において調整が行われている、これが六十二件。機構による具体的な調査や協議が行われているものが十三件となっているわけであります。
 現状はこういうことでありますが、今後、支援決定件数が増加していくということが見込まれるということでありますが、いずれにいたしましても、機構におきましては、今回の改正による機能強化も含めまして、地域における中小企業等の事業再生支援であるとか地域活性化支援の取組を積極的に行って更に幅広い支援を行っていく、その結果、件数が拡大していくということを期待をしているところであります。
#25
○前川清成君 私の質問に全くお答えいただいていないんですが。その百五件の相談があったことも支援決定が十件だということも、私は紹介しました。あるいは、昨年の改正で機能を追加したとか使い勝手がいい制度にしましたというのは去年の話です。
 私がお尋ねしているのは、去年機能を追加した、使い勝手のいい制度にしました、それなのに、今年百五件もの相談を受けながら、なぜ十件しか支援決定できなかったのですかというお尋ねです。
 甘利大臣は、今後、この法改正によって今後増加が見込まれると、こういうふうに今御答弁されましたけれども、それならば去年の改正は間違っていたと、こういうことになるんですか。そうじゃなくて、私が聞いているのは、なぜ百五件もの相談を受けながら僅か十件しか支援決定できないんですかという点であります。
#26
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 機構が支援決定に至るまでには関係者間等との調整に一定の時間を要することもございまして、なかなか現時点でこの十件が多いかどうかということは評価するのは困難と考えています。
 ちなみに、企業再生支援機構は、平成二十一年十月から二十五年三月、この四十一か月間で二十八件でございます。対しまして、地域経済活性化支援機構になりましてから、平成二十五年三月から現在、十か月で十件ということでございます。
 また、そもそも、機構におきましては、事業再生の難易度が高い地域の中核的な企業を重点的に支援することとしていることから、必ずしも件数の多寡だけで評価することは難しいものと考えておりますが、ただ、先生、今御指摘を踏まえまして、機構が更にスピードアップできるように指導してまいりたいと考えてございます。
#27
○前川清成君 同様の制度があるというふうに先ほど上月委員もおっしゃっていましたが、最もオーソドックスな事業再生の制度としては、裁判所がやる会社更生あるいは民事再生、民事再生の中にはいわゆる通常再生と個人再生とあって、個人再生の中には給与所得者再生、これはサラリーマンの方を主に対象にしています。それと、サラリーマンも使えないわけではないけれども、小規模個人再生というのもあります。あるいは、任意の手続ですけれども、裁判所における特定調停という仕組みもあるし、清算型の仕組みとしては破産というのもあります。
 今日は裁判所にもお越しをいただいているんですが、去年あるいはおととし、それぞれの利用件数、新受件数で結構ですので、お答えをいただけますでしょうか。
#28
○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君) お答えいたします。
 平成二十五年の全国の倒産事件の新受件数につきまして、まず破産事件が八万一千百三十六件、民事再生事件が八千五百八十三件、会社更生事件が六件となっており、このほか特定調停事件が三千八百四十九件ございます。このうち民事再生事件の内訳は、通常再生が二百九件、個人再生が八千三百七十四件となっており、個人再生の内訳は、小規模個人再生が七千六百五十五件、給与所得者等再生が七百十九件となっております。
#29
○前川清成君 今のが平成二十五年の統計で、一昨年、平成二十四年でいいますと、会社更生事件は二十四件あります。先ほどどちらかの御答弁で、難しい案件が支援機構に来ているんだと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、会社更生事件の方がはるかに難解な事件が行っていると思います。それにもかかわらず二十四件。民事再生が平成二十四年度で一万三百二十六件、このうちのいわゆる例えばマイカルとかあるいはゴルフ場の日東興業などなどが利用した通常再生が三百五件あります。個人再生の小規模個人再生、これは事業者も使えます。事業者を本来は念頭に置いている制度ですが、実際、給与所得者再生の手続がちょっと制度的に使い勝手が悪かったので、サラリーマンの方々でも小規模個人再生を使っているという実態はありますが、それにしても、平成二十四年度九千九十六件、特定調停が五千五百十四件、清算型の手続でありますけれども、破産件数は九万二千五百五十四件。
 この支援機構が余りにも役割として小さいと私は言わざるを得ないし、残念ながら今のままでは、世の中にたくさんある倒産事件、あるいは多額の負債を抱えて苦しんでおられる方々のごくごく一握りしか救済することができていないという実態があります。
 昨年、甘利大臣は、事業再生を必要とする企業数はおよそ四、五万だろうというふうに答弁しておられます。四、五万の中で一年間に十件ずつ助けているというのであれば、冒頭申し上げたとおり、私は、太平洋に目薬を差すような存在にしかすぎないんじゃないかと、だから、誰でも利用したい人が利用できるようにこの支援機構を使い勝手のいいものに文字どおり変えていかなければならないと、こういうふうに思っているんですが、甘利大臣、四、五万件あると、こういうふうに御自身おっしゃいました。年間十件支援決定しています。この現状をどのように考えておられるでしょうか。
#30
○国務大臣(甘利明君) そもそも、相談に来る中から適正案件を協議していくということになるんだと思います。
 本年一月末までの相談件数が百五件と、これ自身母数が少ないと。そこには、PRが足りないのか、あるいは元々相談に来る人が自身でそういう認識を持っていらっしゃるのかということが一つあるかと思いますが、この百五件のうちの協議が行われているものは十三件ですが、残りは全く何もしていないのかといえばそうではなくて、六十二件については金融機関や事業者等がその間で調整が続いているということがあります。
 ですから、相談に来ている案件の中で、実際再生に向けてどうするかという協議自身は両方合わせた件数が進んでいるわけでありますから、これ自身は全く少ないということが言えないと思いますが、要はこの相談案件が百五件という母数がかなり少ないんだと思います。そこにはどういう、認知度が低いのか、その辺はしっかり検証していきたいと思っています。
#31
○前川清成君 ちょっと今の大臣の御答弁がよく理解できなかったんですが、全く少ないとは言えないとおっしゃったのは、何について全く少ないとは言えないとおっしゃったんですか。
#32
○国務大臣(甘利明君) 相談案件について何らかの対処が行われているという意味です。
#33
○前川清成君 じゃ、甘利大臣は、百五件相談を受け付けた、そのうち十件の支援決定をやった、これはよくやっていると、こういう御認識なんですね。
#34
○国務大臣(甘利明君) 何をおっしゃりたいのかよく分かりませんが、相談案件が来ているうち、それがゴーイングしているという案件は両方足すとかなり数がありますねということを申し上げたのであります。
#35
○前川清成君 担当大臣、それと、分かった上なのか、知らずにおっしゃっているのか知りませんが、相談に来ている件数と相談を受け付けている件数とは違うんですよ。それは御認識されていますか。
#36
○国務大臣(甘利明君) 認識しているつもりです。
#37
○前川清成君 どう違うんですか。
#38
○国務大臣(甘利明君) 具体的に機構が乗り出していって、関与する案件であるかそうでないかの判断だと思います。
#39
○前川清成君 今、甘利大臣がおっしゃったように、相談に来ましたと、しかし、もうあなたは帰ってください、うちではできませんという件数もあるわけです。しかし、今いみじくもおっしゃったように、支援機構で何とかしてあげましょうということになって受け付けるわけです。だから、相談件数と相談受付件数とは違うわけです。
 これは、皆さん方も余り経験ないかもしれませんが、例えば警察の告訴なんかはそうです。告訴は、じゃ、これから捜査をしましょうねという段階で受け付けるわけです。支援機構に関しても、相談は来ていると、相談は来たけれども、門前払い、相談の段階でお断りしているケースはあるはずなんです。あるんだけれども、じゃ、甘利大臣の定義のとおり、今おっしゃった定義のとおり、じゃ、支援機構で何とかしましょうねという件数が百五件、受付件数ですから受け付けているんです。にもかかわらず、十件で、全く少ないとは言えないというのは、私は余りにも厚顔無恥だと思いますが、違うんですかね。
#40
○国務大臣(甘利明君) 私は、相談を受け付けて、それに対してどう対処するかということに対して、そのうちの六十二件は金融機関や事業者において調整が現在行われていると、それ以外に十三件が協議が行われているという意味で、何らかの対処が、百五件のうち、両方足しますと七十五件が行われていると。そういう意味では、何らかの対応が行われている比率は七十数%になっていますということを申し上げたところです。
#41
○前川清成君 だから、それは今申し上げたとおり、相談を受け付けたんだから何らかの対処をするのは当たり前なんですよね。よくお考えください。
 その上で、その支援機構というのは、相談に行きます、いろいろ話をします、やっと相談を受け付けてくれます。そうしたら、支援決定をする前に資産の査定等を行います。これをデューデリジェンスというふうに呼んでいるわけです。不動産鑑定をやったり弁護士に意見を求めたりします。
 ただ、このデューデリジェンスに、昨年の委員会でも議論をさせていただきましたけれども、どれだけお金が掛かるかがあらかじめ分からない、やってみないと分かりませんというのが機構のお答えでした。しかし、やってみないと分からない、幾ら掛かるか分からないというのでは誰も利用できにくいと。この点、昨年甘利大臣にお尋ねをいたしましたところ、甘利大臣からも、ある程度想定できる費用が親切、あるいは、過去の事例に鑑みて極力親切な指導ができるようにさせたい、さらには、お話を伺っておりまして多々問題点があることは認識をいたしました、御指摘の問題、しっかりと持ち帰らせていただきまして、どういう改善ができるか検討したいと、こうお答えをいただきました。
 一年がたって新しい機構が動き出して、さらに今回、改正案が提出されております。このデューデリジェンスの費用、そして事前には幾ら掛かるか分からないという点、この点について、この一年間でどのようなお取組をいただけたのか、お答えをいただきます。
#42
○国務大臣(甘利明君) お話のとおり、昨年の法改正について審議をさせていただいたときに、委員から、機構が行うデューデリジェンス費用が高くて中小企業にとって負担が大きいと、しかも幾らか事前にしっかり把握できないじゃないかと、いろいろ御指摘をいただきました。
 機構が行いますデューデリジェンスは、対象事業者の事業再生の見極めであるとか、あるいは機構が融資を行う際の回収可能性の見極めであるとか、あるいは金融機関による債務放棄の合理性等を確認するために行っていると。これは当然重要な作業でありますから、中立公正な外部専門家による検証が必要となっているわけでありますが、他方で、機構においては、デューデリジェンスの前段階に実施する事前調査において、機構内の専門家を十分に活用して可能な範囲で調査を尽くすことによりまして、外部専門家に委託する調査項目を抑えて、そしてデューデリジェンス費用を節減をして事業者負担の削減に努めているものというふうに承知をいたしております。
 さらに、デューデリジェンス費用の適切性を確保するために、これまでも複数の業者より相見積りを取るなどの運用を行ってきたところでありますが、昨年の委員からの御指摘を踏まえまして、昨年六月にはデューデリジェンス費用の検証規程を策定をしまして、費用の適切性を検証するチェック体制も整えたものと承知をいたしております。
 案件によって費用が違うのは御承知のとおりでありますけれども、平均的なデューデリの費用を算定しますと約千三百万円となっているわけであります。従来、たしかこの四分の一ぐらいが当事者負担になっていたものが、この間に十分の一まで削減をすることができております。でありますから、千三百万の十分の一ということになりますが、これは支援決定に至らなかった場合は原則として機構が全額負担ということになりますから、結果として、平均値でならしていきますと七十五万ということになっております。
#43
○前川清成君 甘利大臣、平均値なんというものは当事者にとって全く意味がないというのはお分かりですよね。
 その上で、去年も申し上げたんですが、このデューデリジェンス、例えばですが、売上げが十一億、債務が十三億という会社に機構がデューデリジェンスをされましたと。担保不動産について不動産鑑定をやって四百万掛かった。弁護士に補助金がこれからもらえるか調べさせた。十人いる留学生、この雇用が適法かどうか調べさせた。この法務デューデリが五百八十万円掛かりました。
 あるいは、別の会社ですけれども、売上げが二十二億円、債務額が三十五億円の水産加工業者、メーンの商品はしめさば。しかし、しめさばの商品数が百数十あったと。商品をもっと絞るべきだと、事業デューデリというのをやってアドバイスしてもらった。これだけで二百八十万掛かったと。弁護士に契約書のチェックをさせた、これで五百二十万円掛かったと。このデューデリというのを本当にやらないといけないのかという点であります。
 しかも、しかも平均すると千三百万だというふうに胸を張られましたけれども、裁判所に持ち込まれる民事再生の件数、民事再生の案件、これも事件はそれぞれ様々です。しかし、今日は最高裁も来ていただいていますが、それぞれの裁判所で予納金の目安額を開示しているんです。民事再生を申し立てるときには、会社更生を申し立てる際にはこれだけのお金を裁判所に納めてくださいねというのを前もって公開していると。だから使い勝手がいい。東京地裁の場合ですと、負債額が五千万円未満だったら予納金は二百万円、十億円以上五十億未満なら六百万、一千億円未満なら千二百万円、一千億円の借金をしている会社というのは相当の会社ですけど、裁判所の民事再生だったら一千二百万で受け付けてくれる。支援機構の支援決定をもらうためには、平均すると、債務の額は様々でしょうけれども、平均すると一千三百万のデューデリ費用が掛かってしまうと。
 ついては、政府参考人にお尋ねしますけれども、このデューデリ費用をもっと合理化できないか、あるいは、裁判所のように一律に表示するのは今の能力ではなかなか厳しいとしても、例えば目安、これぐらいのことを行うんだったらこれぐらい掛かりますねという目安を表示するなどなどの努力がないと、私は、相談件数も伸びないし支援決定件数も伸びなくて、結局は太平洋に目薬を差す行為が続いていくんじゃないかなと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#44
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣が申し上げましたように、デューデリジェンス費用につきましては、業種、事業の特性及びグループ会社の有無など個々の案件の状況により異なるものであり、あらかじめ一定の目安を提示することは困難でございます。しかしながら、例えばこれまでの支援におけるデューデリジェンスの費用の実績を示す、又は、さらには、再生支援を希望する中小企業からの事前相談の中で可能な限りこの案件に係る費用の見通しをこの事業者に提示するなどの取組によって、デューデリジェンス費用に係る予見可能性を高めるように努めてまいりたいと存じます。
#45
○前川清成君 是非この点はこれからも工夫をお願い申し上げたいと思います。
 その上で、今回の改正法に移りたいと思いますが、三十二条の二以下に特定支援決定という新たな条文が追加をされました。改正前の条文、これを御覧いただけたらと思いますが、改正前の二十二条の一項一号、これも債権の買取りができました。あるいは、改正前の二十六条の一項もそうであります。機構は支援決定した案件について債権を買い取ることができるという条文がありました。
 債権を買い取ったならば、保証債務の随伴性に基づいて保証債務履行請求権も支援機構が取得することになります。ですから、これまでも保証債務の整理を支援機構は行おうと思えば行えたし、現実にも主債務を整理することによって保証債務を整理してきたはずなんです。にもかかわらず、新たに三十二条の二以下の条文を新設された趣旨、これを政府参考人にお尋ねいたします。
#46
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 ただいま前川先生から御指摘ございました二十二条一項という従来の規定は、地域経済活性化支援機構が直接その事業者に対しましてハンズオンの支援を行う際に必要に応じて債権の買取りを行うという規定でございます。一方、この度、新たに設けました三十二条の二第一項の規定は、この特定債権買取り業務でございますが、金融機関が有する中小企業等の代表者等に対する保証付債権などを買い取りましてその保証債務の整理を図ることによりまして、経営者の再チャレンジを支援して、もって地域における新たな事業の創出等を通じた地域経済の活性化を図ることを目的としたものでございまして、そこに違いがございます。
 このため、この特定債権買取り業務におきましては、三十二条の二第一項におきまして、要件として、過大な債務を負っている事業者の経営者又は実質的な経営者であって当該事業者の債務の保証をしている者のうち、地域経済の活性化に資する事業活動の実施に寄与するために当該事業者及び代表者等の債務の整理を行うこととするものが、当該事業者及び金融機関と連名で特定債権買取り業務の申込みをするというように規定しているところでございます。
#47
○前川清成君 少し私の方で簡単に整理をさせていただくと、現行の二十六条は、「再生支援決定を行ったときは、」とありますから、債権を買い取るためには再生支援決定をしなければならなかったと。しかし、今度提案されている三十二条の二は、再生支援決定という条文がないので、債務の整理を行おうとするものからの申立てで買い取ることができるようになると。かつ、現行の二十六条は、事業者が申し込まなければならないけれども、三十二条の新しい条文は、事業者に加えて債務の整理を行おうとするもの、つまりは保証人、経営者本人がその会社の債務を整理しようというときにも利用することができるようになって支援機構の使い勝手が良くなると、こういうことですよね。
#48
○政府参考人(小野尚君) おっしゃるとおりでございます。私の説明が悪くて申し訳ございません。まさに、新しく設けた規定は、地域経済活性化支援機構が支援決定をしなくても、直接の支援決定をしなくても買い取ることができるという、そういう規定でございます。
#49
○前川清成君 いや、説明が悪いことはありません。小野さんの優秀な頭と私の単純な頭との違いだと思います。
 その上で、今度は、この三十二条の二によって、保証債務付きの債権を買い取ることによって、グッドプラクティスを示していきたいと、こういうふうな御説明がされておられます。その趣旨について政府参考人からお尋ねします。
#50
○政府参考人(小野尚君) 先ほど申し上げました経営者保証に関するガイドラインは、今年の二月から適用が始まったところでございます。まだこの適用が始まったところでございますので、このガイドラインが広く金融機関の融資慣行として浸透、定着していくためには、この地域経済活性化支援機構が率先してこのガイドラインを活用し、まずは債務者の方から債権を買い取って、それをガイドラインに基づいて整理を行って、このようにやれば債務整理ができるのだということを示す、まさにそれが先生御指摘のベストプラクティスであると思っておりまして、それをこの機構が示すことによって、これを見て、他の地域金融機関がこれを見習って、このガイドラインに基づく債務整理が進んでいくということを期待しているところでございます。
#51
○前川清成君 つきましては、できれば残された時間、今度、金融庁と中小企業庁が中心になって取りまとめられました経営者保証に関するガイドライン、これについて議論をさせていただきたいと思います。
 今日、この後、ガイドラインについていろいろお話をさせていただきますので、ガイドライン、そして、それに基づいて取りまとめられたQアンドAを委員の皆さん方や大臣や副大臣、政府参考人の皆さん方にもお配りをした方が私は親切ではないかなと、こういうふうに思いました。
 そこで、委員部にそのように申し出ましたところ、委員部からは、委員部では配付しませんと、配付したければ委員数プラス十部、持ち込んでくださいと。こういう持ち込めというふうな国会のルールはないけれども、根拠規定はないけれども、各会派に申し入れていますというお答えでした。
 私も、みんなで寄り集まってする会議であれば自分でその資料を持ち込む、これはある意味当然だというふうに思っています。しかし、国会には、この内閣委員会にも委員部という組織があって、大勢の職員の皆さん方が今日も座っておられます。私たち参議院の定数は二百四十二人でありますけれども、参議院の職員は千二百人、議員一人当たりおよそ五人。それでいて、職員の皆さん方から、私たちはコピーはしませんと、配りたかったら自分で持ち込めと。ちょっと道理が通らないのではないのかなと。何のために委員部という組織があって、千二百人もの職員の皆さん方が勤めておられるのかなというふうに感じました。
 このような結果ですので、今日は委員の皆さん方のお手元にガイドラインはありませんが、できるだけ分かりやすく引用しながら質疑をしたいと、そういうふうに思いますし、委員長におかれましても、お願いでございますけれども、こういうふうなルールについてどうなっているのか、一度御検討いただけたらと思います。
 また、私も今たまたま議院運営委員会の理事をさせていただいておりますので、その場でも少し問題を提起させていただきたいと、こういうふうに思っております。
#52
○委員長(水岡俊一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をしてまいりたいと思います。
#53
○前川清成君 その上で、ガイドラインに関してお尋ねするんですが、このガイドラインに関して、まず一番最初のところ、行政当局の関与の下、日本商工会議所と全国銀行協会が共同で、有識者を交えた意見交換の場として経営者保証に関するガイドライン研究会を設置したと、その上で、中小企業団体及び金融機関団体共通の自主的自律的な準則として策定、公表したと、こういうふうに書かれております。
 このガイドラインというのは銀行協会だけのルールなのか、この点、まず政府参考人にお尋ねします。
#54
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 このルールは、単に銀行業界のみならず、商工会議所、商工会もメンバーに入りまして作ったものでございますので、単に銀行のみならず、さらに信用金庫、信用組合、政府金融機関、貸金業者等にも適用されますし、あとは公的金融機関にも適用されるものでございますし、あとは当然その事業者にも適用される、そういう幅広いルールでございます。
#55
○前川清成君 支援機構だけではなく、銀行協会だけではなく、地方銀行協会等々だけではなく、それぞれの金融機関も守るべきルールなんだと、こういうことなので、このルールのお手本をまずは支援機構でお示しをしていただくと、こういう趣旨でよろしいでしょうか。
#56
○政府参考人(小野尚君) おっしゃるとおりでございます。
 そのような趣旨で、是非機構によってベストプラクティスを示していただくと、これが今回の法律改正の狙いでございます。
#57
○前川清成君 私は、まず、この経営者保証ガイドラインの趣旨といいますか、意図といいますか、これ自体は大賛成であります。なぜならば、今までの民事法のルールでは、差押禁止財産、一定の例外を除いて全ての財産が、将来の収入も含めて全てが引き当てになったわけであります。
 しかし、それなら一旦つまずいたら立ち上がることができるのかと。一旦つまずいてしまった、その結果身ぐるみ剥がされてしまった、そうしたら、もう再スタートできなくなってしまう。あるいは、一旦つまずいてしまったならばもう再スタートできないというのなら、誰もチャレンジしようとしない。そうすると、日本でイノベーションというのが起こらなくなる。日本の今の豊かさを維持し、次の世代に伝えていくことができなくなる。ですから、私は、本人保証、もちろんモラルハザードの問題もありますけれども、前近代的な民法の、全ての資産が、将来の収入も含めて、一切合財が借金の引き当てになるという、この考え方を経営者保証ガイドラインによって修正しようとしている、ある種この思想に私は大賛成であります。ただ、大賛成なんですけれども、少し物足りないという点もありますので、応援するという趣旨で幾つかお聞きしたいと思うんですが。
 甘利大臣でもあるいは岡田副大臣でも、どちらでも結構ですが、今私が申し上げたこの経営者保証ガイドラインの目的、趣旨、つまりは第三者保証にとどまらず、本人保証だって一定程度制限していかなければならないという考え方に関してどのようにお考えになっておられますでしょうか。
#58
○国務大臣(甘利明君) よく言われることですが、日本では事業に失敗したのは人生におけるマイナス評価と言われますが、アメリカではむしろそういう経験を持っている経営者は次なる事業展開のときにプラス評価をされるという話があります。そこの違いは、日本では一度失敗するともう立ち上がれないというような、まさに個人保証に基づく中小企業政策の後ろ側にそういう制度があるということがそういうことにつながっているんではないかというふうに思っております。
 委員御指摘のように、イノベーションを次々に起こしていくということは、いろんな経験を踏まえて、次は失敗しないぞというエネルギーが必要だと思っておりまして、そういう環境整備のためには極めていい環境整備が進んでいるというふうに承知いたしております。
#59
○前川清成君 釈迦に説法ですが、日本は人口が減少していきます。つまりは、日本国内というマーケットが小さくなっていく。つまりは、今までどおり物も売れないし、今のような豊かさもこのままでは維持できない。あるいは、中国やインド、新興国がそれなりの品質のものを作るようになったと。同じことをやっていたら、やっぱり今の豊かさを維持することはできないと。日本でしか作れないもの、技術、これを開発していく。その際には、今までのように、高度経済成長期のように、あるいは戦後復興期のようにお手本がないわけですから、お手本がないのに挑戦するわけですからやっぱり失敗も起こると。失敗したときに、身ぐるみ剥がされて再チャレンジの元手さえなくなってしまう。これでは誰も挑戦しようとしない。結果として、イノベーションも起こらない、日本経済は停滞せざるを得ないと、私はそう思っています。
 その点、もし岡田副大臣、追加されることがあれば。
#60
○副大臣(岡田広君) 前川委員、御指摘がありましたように、やっぱり再チャレンジというのは非常に大事なことだろうと考えていますので、本ガイドラインの積極的な活用によりまして、中小企業等や、これからさらにまた創業を志す者の取組意欲が増進をされ、それぞれの活力が一層引き出されることが大変重要であると考えております。
#61
○前川清成君 イノベーションという点もそうですし、今、近時、新規開業率が低迷をしています。失敗したら身ぐるみ剥がされるんだったら、やっぱり安定した社会、それなりに一定程度豊かになった社会では開業する人が出てこないというのは、私は言わば当たり前だと思います。
 あるいは、人間の尊厳ということも考えても、一旦借金を背負ってしまったら死ぬまで、将来の資産も含めて、収入も含めて借金の引き当てになってしまうというのもやはりある程度は制限しなければならないと、そう思っています。
 今回は、この本人保証の制限はガイドラインでした。あるいは、先立って平成二十二年、第三者保証の制限については金融庁の監督指針で盛り込まれました。しかし、私は、日本というのは法治国家です。単に銀行業界と商工会議所の取決め、あるいは金融庁の監督基準で決めていくのではなくて、将来的には法改正に結び付けていかなければならないと思っていますし、今、法制審議会で進んでいます民法債権法の議論の中で、第三者保証の制限については盛り込まれるような方向が報道されております。
 これは通告しておりませんので、甘利大臣でもあるいは岡田副大臣、どちらでも結構でございますけれども、本人保証の制限、これも将来的な課題として私は法律の中に取り込むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(甘利明君) 理想的な法律が整備されればそれにこしたことはないと思います。ただ、法律は一度できますと想定したこと以外の強制力がありますから、ですから、こういうガイドラインを通じてベストプラクティスを積み上げていく先にどういう整備が必要かということが見えてくるというのが一番適切かなというふうに思っています。
#63
○前川清成君 今回は私もその趣旨におおむね賛成でございます。
 ただ、一点だけ申し上げれば、憲法も含めてですが、法律というのは不磨の大典ではありません。去年この法律の改正案をお出しになって、一年たってまたお出しになるわけですから、グッドプラクティスを積み上げていって債権法改正に反映をさせて、そして何らかの不都合が出てきたならばまた改正をすると。いずれにしても、私たちが望む理想の社会に向けて様々な法律や制度の改善を続けていくと、私はそれが政治の役割ではないのかなと、こういうふうに思っております。
 それで、次にですが、このガイドライン、先ほど小野さんの方からお答えがありましたけれども、銀行協会だけのルールじゃないんだと、それぞれの、例えば三菱UFJ銀行も拘束されるし、私の地元の例えば南都銀行や大和信用金庫も守ってもらわなければ困ると、さらには貸金業者、これも遵守しなければならないと、こういうお話でした。
 さらにですが、今、不良債権をサービサーが買い取ります。先ほどの保証債務の随伴性の話をしましたが、サービサーが不良債権を買い取ったら、これに伴ってサービサーが保証債務履行請求権を取得するわけであります。したがって、ガイドラインが抜け穴がないようにするためには、私はサービサーについてもガイドラインを遵守させることは当然のことだというふうに考えています。この点、法務省から萩本審議官にお越しいただいておりますので、お答えをいただきます。
#64
○政府参考人(萩本修君) このガイドラインは、サービサーが保証債権の債権者となる場合も対象としているものというように承知をしております。したがいまして、サービサーもこのガイドラインを遵守することが期待されるということが言えるだろうと考えております。
#65
○前川清成君 それでは、小野政府参考人にお尋ねしますが、結局、このガイドラインは金融機関、金融業者、プロとして債権を取り扱う方に関してはおよそ適用されると、こういうことでよろしいんですか。
#66
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 本ガイドラインにおける対象債権者についてでございますが、これはガイドラインのQアンドAにも書いてございますが、中小企業に対する金融債権を有する金融機関等であって、現に経営者に対して保証債権を有するもの、あるいは将来これを有する可能性があるものというふうに規定されているところでございます。
#67
○前川清成君 そのために例えば金融庁においては監督指針を改定していくと、こういうことですし、法務省においてもそれなりの手はずを整えられると、こういうことなんだろうと思います。
 その上でガイドラインの中身の話に入るんですが、まず、ガイドラインが適用されるためにはガイドラインの適用対象となる保証契約という項目がありまして、保証契約の主たる債務者が中小企業者であることという要件が加わっています。中小企業の定義に関しては、御案内のとおり、中小企業基本法という法律がありまして、例えば製造業であれば従業員が三百人以下、資本金が三億円以下、これが中小企業、小売業であれば資本金が五千万以下、常時雇用する従業員は五十人以下というふうに決まっています。私の感触としては、意外と中小企業というのはエリアが狭いのかなと。従業員が三百一人になる工場の社長さんが大企業というふうには余り思っていないので、このガイドラインの適用範囲としても、もう少し広くするべきではないのかなと、こういうふうに考えておるんですが、この点について小野政府参考人にお尋ねします。
#68
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 ガイドラインの主たる対象は中小企業・小規模事業者でございますが、ガイドライン又はQアンドAにも書いてございますが、必ずしも中小企業基本法に定める中小企業者、小規模事業者に該当する法人に限定はしておりませんで、その範囲を超える企業や個人事業主も対象となり得るところでございます。
 いずれにいたしましても、ガイドラインの実際の適用に当たりましては、このような点も踏まえまして柔軟に運用が行われることを期待しているところでございます。
#69
○前川清成君 今のお答えはそのとおりですし、是非、従業員が三百一人の工場については適用しないというふうな扱いではなくて柔軟な適用をお願いしたいと思うんですが、ただ、これを遵守しなければならない金融機関の立場からすると、三百一人はじゃ中小企業に準じて扱おうと、四百人だったらどうなのか、五百人だったらどうなのか、その適用の限界というのが大変難しくなると私は思います。その結果、先ほどもありましたが、金融庁の監督指針が改定される、場合によっては行政処分の対象にもなってしまう、金融機関も余計な不安を与えてしまう、あるいは金融の実務に混乱を与えてしまう、こういうことがあってはならないのではないか。
 だから、むしろ、中小企業法上の中小企業というのを中心にして考えるんじゃなくて、例えばですが、三菱UFJ銀行がトヨタ自動車にお金を貸すときに、豊田章男さんに連帯保証の判こ押してくださいとは言わないですよね。パナソニックに金を貸すときに、パナソニックの社長に判こ押してくださいとは言わない。むしろ、法律の概念から適用範囲を持ってくるのではなくて、企業に対してあるいは事業者に対して融資をされている、その融資に伴って連帯保証を経営者本人がやっている、経営者本人が連帯保証している場合にはこのガイドラインを適用するんだと、こっちの方が実務に混乱を生じないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#70
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 確かに、ガイドラインにつきましては何らかの目安が必要でございますので中小企業・小規模事業者を中心にと書いてございますが、先ほど申し上げましたように、必ずしもそれに限らずより広く適用される旨がガイドライン、QアンドAに書いているところでございます。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、このような個人保証を使う方々は結果的にはこのような個人事業者、小規模事業者、中小企業者の方に帰結されるんだと思いますが、いずれにしましても、運用に当たりましては、先ほど申し上げましたように、柔軟に運用されるように私どももしっかりと見ていきたいと存じております。
#71
○前川清成君 そのガイドラインの適用範囲がいささか不明確であって、その結果として金融機関もお困りになるのではないかと、金融の実務に混乱を来すのではないかという点でもう一点お尋ねをしたいんですが、連帯保証なしにお金を貸してもらうための要件として、四ページに4以降書いておられます。
 その一つが、一つ目の条件として、法人と経営者との関係の明確な区分・分離と、法人の業務、経理、資産と個人とを分離することだと。その一つとして、例示として、法人と経営者との間の資金のやり取りを社会通念上適切な範囲を超えないものとする体制の整備と。つまり、あればあるだけ全部何億円でも給料に取るよと、こういうことは駄目なんですよという趣旨なんだろうと思うんですが、しかし、社会通念上適切な範囲を超えないと、これは言葉としてはなるほどなんですが、金額に直すと一体幾らなのかなと。
 しかもですよ、それを金融機関に、QアンドAによると、最後は金融機関、対象債権者が判断するというふうに書いているんです。金融機関だって、社会通念上適切な範囲を丸投げされてしまうとやっぱり困るのかなと。社会通念上適切な範囲という定め方がけしからぬと言っているわけではありません。しかし、もう少し具体的に書くことができなかったのかと、こういうふうに考えておりますが、政府参考人、いかがですか。
#72
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 法人の規模、事業内容、収益力等によりまして、どうしてもこの社会通念上適切な範囲が異なってまいりますので、それでガイドラインのQアンドAでは、例えば必要に応じて公認会計士や税理士等、外部の目による検証結果を踏まえて判断していくというふうに書いてございます。
 ただ、これにつきましては、今、前川先生が御指摘ございましたように、これからこの運用をしていく中で、積み上げていく中で、場合によってはそれがだんだん収れんしていくものであれば、例えば追加的なQアンドAでそういうようなことを更に明確化していくということも考えられるのではないかと思っているところでございます。
#73
○前川清成君 先ほど申し上げましたとおり、私はこのガイドラインの思想自体は大変評価いたしております。不明確な点、最初の一歩ですからあるのも仕方ないと思いますし、場合によってはこのQアンドAの改定なり、あるいはQアンドAを更に追加、補充していくということもお考えをいただけたらと、こういうふうに思います。
 その上で、その連帯保証なしで金を貸してもらえる要件の一つに、ガイドラインの五ページですけれども、財務基盤を強化しなさいよと、経営者は財務基盤を強化しなさいよと、こういうふうに書いています。財務基盤の強化は当たり前なんですが、どういう場合が財務基盤の強化かというと、QアンドAの六ページ、三つ例を挙げておられます。
 一つ目は、業績が堅調で十分な利益を確保しており、内部留保も十分ある。二番目は、内部留保が潤沢で借入金全額の返済が可能だ。しかし、この二つの例は、こんな会社ですが、お金を借りないで自己資金で商売できます。三つ目の例としては、好業績が続いており、今後も借入れを順調に返済し得るだけの利益を確保する可能性が高いこと、こう書いてあるんです。これも、この言葉自体はそのとおりなんです。
 しかしですよ、しかし、例えばリーマン・ショック前、トヨタ自動車の経常利益は二兆五千億円ありました。しかし、その翌年は経常利益がマイナス五千六百億円。トヨタ自動車でさえ三兆円もぶれちゃうわけです。ちなみに、今年のトヨタ自動車の経常利益の予測は二兆五千三百億円。トヨタでさえ三兆円も上振れ、下振れするにもかかわらず、世の中にどれだけ、好業績が続いていてこれからも借入金を順調に返済するというふうに金融機関が認定してくれる会社があるのか、ここも私は是非御検討をいただきたいと思います。
 それと、時間がなくなってきましたのでもう一度言いますと、もう私の方から申し上げてしまいますと、この様々な要件、さらには、ガイドラインの六ページ、経営者等から十分な物的担保の提供がある、財務基盤も強固だし、あるいは経営者本人と資産、経理が分離もされている、収益のみで十分返済できると。に加えて、十分な物的担保の提供があったとしても、金融機関は、保証人なしで、経営者保証なしでお金を貸しなさいよというふうにはこのガイドライン書いてないんです。その場合には、経営者保証なしで、経営者保証を求めない可能性を検討するという表現にとどまっています。これならば、残念ながら、経営者保証に依存しない融資というのが恐らく難しいのではないかと、こういうふうに思います。
 さらには、指摘にとどめますが、経営者保証を取る際には、保証人に対して一律に保証金額全額に対して履行するのではないですよと、あるいは、場合によっては保証契約の変更、解除等、見直しの可能性もありますよと、こういうことを説明しなさいというふうに書かれています。それなら、これからの金融実務において、保証人に対して全額請求しないのかというと、そうじゃなくて、様々な要件がある場合に対して、全額を履行しないこともあるというふうにとどまるガイドラインの表現になっています。
 必ずしも全てのケースにおいて債務の一部免除が認められるわけでもないにもかかわらず事前にこのような説明をしてしまうことは、場合によっては金融機関が詐欺だというふうな批判を受けかねないのではないかと。ついては、この説明のありようについても私はもう少し表現をし直す必要があるのではないかと、こういうふうに考えています。
 ただ、残念ながら、このガイドラインについてもっと議論をしたいんですが、時間がなくなってしまいましたし、今日は特定専門家派遣や特定組合出資については時間の都合で議論をすることができませんでした。またどこかの機会で議論をさせていただけたらということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#74
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますように質疑をしたいと思います。
 昨年三月十八日の法改正で企業再生支援機構を地域経済活性化支援機構と抜本的に改組をしまして、従前の事業再生業務に加えて地域活性化に関する業務が追加をされました。景気回復の実感を地域経済に浸透させていくために地域経済活性化支援機構の果たす役割は大変大きいと認識をしておりますけれども、二十五年十二月には閣議決定された好循環実現のための経済対策で地域経済活性化支援機構の機能拡充も位置付けられている観点から質問をしたいと思います。
 まず、昨年三月以降の取組ということで、中小企業の再生だけでなく、医療法人や学校法人等の再生も重要でありますが、機構は中でも、地域医療を守るために地域の医療法人の再生に取り組んでいると認識をしておりますけど、ちょっと具体例を挙げて具体的なグッドプラクティス、再生事例をお聞かせいただけないでしょうか。
#75
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、機構は地域の重要な社会的インフラである医療法人や学校法人の事業再生に積極的に取り組んでおりまして、旧企業再生支援機構からの通算での支援決定件数は、医療法人が十一件、学校法人が二件となってございます。
 地域の医療法人に対する再生支援の具体的な事例といたしましては、例えば、機構からの経営人材の派遣を通じた医療機関の組織基盤、人員体制の整備による病床稼働率の安定や、医師の確保による透析の稼働の引上げ等によって医業利益の改善を図るなどして事業再生を果たした事例があると承知しているところでございます。
#76
○秋野公造君 三月以降も中小企業、学校法人、病院法人の再生に取り組んでいるということでありますが、昨年三月の法改正に追加された業務についてもちょっと聞きたいと思います。
 それは、直接の再生支援業務に加えて、事業再生や地域活性化支援を目的としたファンドへの出資、こういった機能が付け加えられておりますが、関西とか山口県で新たなファンドが設立されたようではありますが、全国隅々に至るまで事業再生や地域経済活性化が行き渡っていないように思っています。
 全国各地でファンドを設立して支援を行うための取組、実効性のある対応状況について伺いたいと思います。
#77
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 昨年の三月の法改正以降、機構の子会社がファンドの業務執行組合員、GP、無限責任組合員となりまして、全国各地における事業再生ファンドや地域活性化ファンドの設立を進めてきたところでございます。今般の法改正によりまして、機構は、事業再生ファンド、地域活性化ファンドに対する出資者、LP、有限責任組合員となることが可能となります。これによりまして、民間事業者が地域で運営するこのようなファンドに機構がLP出資を行いまして、より広範な地域で機構が関与するファンドの設立やファンドの規模の拡大が図られていくことを期待しているところでございます。
 また、特定専門家派遣業務における専門家の派遣先を拡大いたしまして、機構が関与するファンドのみならず、当該ファンドの投資先であります事業者に対しましても機構の専門家を派遣することができるようになりまして、各地におけるファンドを利用した一層効率的かつ効果的な支援が可能となると考えているところでございます。
#78
○秋野公造君 そうなんですけれども、そうやって全国各地で機構が関与したファンドが設立されて支援が行き渡るということが重要なのでありますが、私の問題意識はまだまだ足りないのではないかということであります。
 都道府県においては実情がやっぱり違うところもあると思いますので、地域の実情を十分踏まえた支援を行っていくことが重要ではないかと思いますが、これは大臣に伺いましょう、もうちょっと詳しく御説明をいただけませんでしょうか。
#79
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、地域の実情を踏まえた対応、支援というのが重要であることは御指摘のとおりであります。
 そこで、機構はそれぞれの地域の実情に即した支援を行っていくという観点から、これまでも、地域に根差した金融機関である信用金庫、信用組合からの事業再生及び地域活性化に関する専門相談窓口の設置、これは平成二十五年六月に行っておりますが、さらに、機構に蓄積をされた事業再生や地域活性化のノウハウを習得させるために、地域金融機関からの出向者、十一名でありますが、内訳は地銀八名、信金二名、信組一名でありますが、この受入れ等の取組を行ってきているところであります。
 今後とも、引き続き、機構がそれぞれの地域における金融機関等と密接に連携をしつつ、各地域の事業者への一層積極的かつ効果的な支援が行われるよう指導してまいりたいと思っております。
#80
○秋野公造君 大臣より支援をできるよう指導していきたいという御答弁をいただきました。双方向性に向き合うということが大変重要かと思いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 新規業務になります特定債権買取り業務と、それから従来、これまで行われておりました再生支援業務の申込みの要件がちょっと異なるように見えますけれども、この特定債権買取り業務において事業再生の見込みを要件としなかった理由について教えていただけますでしょうか。
#81
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 機構の従来からの再生支援業務というものは、機構自身が事業者の事業再生を直接支援するため、その過程で支援決定をいたしまして、事業者に対して金融機関が有する債権の買取りを行うものでございます。そのために、支援の申込みは、過大な債務を負っている事業者であって、債権者その他の者と協力して事業の再生を図ろうとするものということが要件になってございます。
 一方、今回新たに設けられます特定債権買取り業務につきましては、中小企業者等が負担する経営者保証の付された貸付債権というものを機構が買い取りまして、この保証債務の整理を図って、経営者の再チャレンジを支援することによって地域における新たな事業の創出を通じた地域経済の活性化を図っていくことを目的としているものでございます。
 このために、この特定債権買取り業務につきましては、事業者の事業再生の見込みを要件とせずに、過大な債務を負っている事業の経営者又は実質的な経営者でありまして、その事業者の債務の保証をしている者のうち、地域経済の活性化に資する事業活動の実施に寄与するために事業者及び代表者等の債務の整理を行おうとするもの、これが、この経営者、債務者、保証人が、事業者、金融機関と連名で特定債権買取り申込みをする、このような違いがあるところでございます。
#82
○秋野公造君 大体理解をしますが、大臣に伺いたいと思います。
 再生が重要であるという観点でありますれば、特定債権買取り業務の申込みを一旦しましたが、再生の見込みがあるということで、これまでの再生支援に移行する、あるいは移行させるということがあり得るのかということをちょっと教えていただけますでしょうか。
#83
○国務大臣(甘利明君) 例えば、特定債権買取り業務の申込みをする事業者と機構との事前相談において、機構による直接の再生支援を活用した方がより効果的な支援が可能であるというふうに判断をされる場合には、当事者間の話合いによりまして、特定債権買取り業務によらずに再生支援を活用することはあり得るというふうに考えております。
#84
○秋野公造君 ありがとうございます。
 来週の四月一日から消費税が導入をされますけれども、増税の前は嵐の前と似ております。中小企業の経営者の方が情報収集に奔走しているとの話でありまして、今年二月二十五日の東京商工会議所のアンケートでも、全て転嫁できると回答した企業が六割ということでありまして、そういった対策については経産省や公取の方で省庁一体となって取り組んでいただいていると思いますが、こういった方々に対して土日の相談もできるようになっているということでありますものの、今回の法改正で特定専門家派遣の派遣先を機構が関与するファンドの投資先の事業者まで拡大するということでありますが、この事業者が今回の消費税の増税を受けて売上げ減少みたいな一時的な苦境に陥った場合などもこういう機構の業務による支援を受けることは可能でしょうか。
#85
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 特定専門家の派遣先の範囲拡大につきましては、機構による事業者に対する支援を一層効率的かつ効果的に実施することを目的としているものでございます。
 機構が関与するファンドの投資先にただいま委員御指摘がありましたような事業者の方が存在し、その当該ファンドから専門家派遣の要請があった場合には、効率的かつ効果的な支援を図るとの観点から、機構が当該事業者の状況を十分に踏まえた上できめ細かく丁寧に対応していくように指導してまいりたいと存じます。
#86
○秋野公造君 最後に、余り聞きたくない内容ではありますが、再生支援決定を受けて機構の再生支援を受けていましたが、例えばです、業績悪化や環境の変化で再生が難しくなった場合、どういうことになるかということ、お伺いをしたいと思います。
#87
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 再生支援中の事業者が、例えば経営環境の急激な悪化等によりまして予定していた事業再生計画の実現が困難になった場合等でございましても、機構は、専門家の派遣や助言をするなど、その時点で可能な限りの支援を行い、引き続き再生支援に尽力していくものと考えてございます。
 その上で、機構の機能だけでは十分な支援を講じることが困難であると判断される場合には、例えば民事再生手続などを含めまして、その当該事業者の事業の再生に向けて最適な他の枠組みの活用についても検討していくことも考えられるところでございます。
#88
○秋野公造君 ありがとうございます。
 あらゆる政策を総動員させて地域活性化に力を尽くしてもらうよう求めて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#89
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
 まず、甘利大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 中小企業の数が我が国の企業全体に占める割合は九九・七%ということで、御承知だと思います。また、雇用者の数でも中小企業は全体の約七割を占めておると。日本経済を支えているのはまさに地域の中小企業というふうに申し上げてもいいと思います。私も経営者でありましたから、本当に大企業も中小企業に支えられているというふうに実感として申し上げることができるんですけれども。
 しかし、春闘では大企業のベースアップの回答が相次ぐ中、中小企業には大企業のような賃上げは難しいという懸念があるんです。景気が良くなっていくということで、それはそれでいいと思うんですけれども、大企業はすぐに恩恵を被るというか、あるいはまたいい結果が出てくるということにもなるんですけれども、中小企業は今までデフレでありますから非常に借金もしている、あるいはまた内部留保も目減りしているわけですよ。
 ですから、中小企業が少々利益を上げても賃金を社員に回すというのはなかなか、いろいろ中小企業の社長と話をしていても、難しいと。賃金に回すよりも、まず会社を立て直すというか。だから、そういう意味では、内部留保がもう減り過ぎているから、それをやっぱりまた復元していかなきゃいけない。そしてまた、何よりも、借金しているから、もうけた利益を借金返済に回したいと、だから賃金にまではちょっと行きにくいというようなことを非常に苦渋の表情で言われるわけであります。その意味でも、中小企業の本格的な賃上げのためには、中小企業が競争力を備えた躍進する企業へ成長できる仕組みづくりを、大臣、考えないと駄目ではないだろうかと。
 大企業と、経団連とか相手にいろいろと政府として、また大臣として御努力されているというのはよく分かりますけれども、中小企業に対して、やはりもう少しというよりも、もっともっと踏み込んで対応していくということを今やっぱり考えなければ、せっかくアベノミクスで良くなってきた、大臣の御努力で良くなってきたというものも、全体としてまた沈んでしまうということになってしまうんじゃないかということを私懸念しているんです。
 この点につきまして、政府の経済政策のキーマンである大臣に、中小企業をどうするかと、どういうふうにして中小企業の特に従業員の人たちの給料を上げるというか、そういう対策、対応をしていくのか。大臣の個人的なというか、お考えでもいいですから、こうして今やろうと、こういうことをしてあげたいと、こういう大臣の思いをちょっと。
#90
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のように、日本の企業、事業者数でいえばほとんどが中小企業です。ですから、中小企業が活力を持っていかなければ、本当の意味で日本経済が回復したとは言えないというのは、おっしゃるとおりであります。
 実は、御案内のとおり、政労使の三者協議をやりましたときに、中小企業の代表者も入ってもらいました。そこで、それぞれが、政府は何をやる、経営側は何をやる、そして組合側は何をやるという共通認識を持った中に、大企業の経営者に対しては幾つかのことを要請をしました。それは、一つは賃上げであります。一つは、競争力を強化するために、自分への投資といいますか、設備投資、研究開発投資をしっかりやってくれということ。それからもう一点は、取引事業者に対する価格を適正化してほしい。これは、言ってみれば、中小企業の下請代金を今までみたいにたたくということは経済の好循環上もいいことじゃないですよということを申し上げたわけであります。
 賃上げばっかりが目立っているものですから、中小下請事業者に対する取引価格の適正化というのがちょっと弱いので、これをもうちょっと私、また強調していこうというふうに思っております。
 実は、ベアの発表の前に、ある日本を代表する大手の企業の副社長が私のところに来られまして、ベアやりますと、それから、あと二つ言われました。もう一つは、パートの時間給を上げていきますということ、それからもう一点は、下請価格の適正化に取り組みますと。適正化というのは、要するに構造改善、事業革新をしていく中で当然単価は下がっていくわけですけれども、それを従来よりも一言で言えばマイルドにしますというような表現でありました。つまり、中小下請企業が自分で生産性を上げていく、それをそっくり求めないで、そこはある幅を持たせてあげるというような説明に来たわけであります。そういう点を通じて、中小企業が資金的に余力を持てるようにするということ。
 それから、やっぱり地域を支えているのは一次産業と、それから中小企業でありますから、今ブロック別に地方の競争力協議会というのを開いています。これは中央の競争力会議の地方版みたいなものですけれども、そこで地方版の、つまり中小企業を組み入れた成長戦略というものが上がってきつつあります。その中で、なるほどと思うのは採用して、中小企業の活力の強化に、それを通じて地域経済の強化に資するようにしていきたいというふうに思っております。
#91
○江口克彦君 是非、大企業重視という政策を進めておられるわけではないということは私よく存じています。中小企業というか、あるいはまた、地方の活性化というものは非常に大事だという認識を強く大臣持っておられるし、安倍総理もその認識を持っておられるというのはよくよく存じていますけれども、しかし、ある意味では大企業以上にというか、もう三倍も四倍も中小企業と地方の活性化、あるいはまた活力をどうするかという、それにもう相当の力を用いないと駄目なのではないだろうかというふうに私は思う。
 要するに、いつも申し上げますけど、今までは東京の発展が日本の発展だったんですね。だけど、それはもう許されなくなった、グローバル化の時代では。要するに、日本全体が発展しなければグローバル化の時代にもう日本は発展していくことはできない。どんどんどんどん後になっていく。それから、それと同じように、大企業はもうどんどんどんどん外へ逃げていっているわけですよ。そういう中で、国内のことは、中小企業をいかに活性化させるということを是非、非常にその対策については熱心に、今まで以上にお考えをいただきたいということをちょっと申し上げて。
 最後、私が、もう一点だけですけど、これは全く別ですけれども、岡田副大臣にちょっと御質問させていただきたいんですけれども、被災地の復興、経済再生のためには、その前提として、福島原発事故の問題を根本から解決しなければならないというのはこれは私は当然だというふうに思うのでございますけれども、その事故処理のために東電の社員や下請等の作業員の方々はまさに命を削って日夜奮闘されているということですけれども、その住環境とか労働環境は相当劣悪なんですね。
 先日もジャーナリストの細川珠生さんがこの現場に行ってきて、それを逐次、私に話を聞かせてくれましたけど、まあこれは言ってみればタコ部屋に押し込めているというような状況で、確かにこういう事故を起こしたのは東電が悪い、国が悪いとかというような、だからそれぐらいは我慢しろというようなことはあるのかもしれませんけれども、やっぱり現場の士気がそのために低下しているというふうに私聞かされました。
 福島の復興ひいては我が国の経済成長のためにも、その大前提となる原発作業員の住環境、労働環境の改善をやっぱり早急に図ってあげる必要があるんじゃないかと。とにかくこんな状況、聞いた状況でありますけれども、ああいう状況でしたら復旧作業も力が入らないという、疲労こんぱいしてしまっている、非常に力を出し切れない状態になっている。やっぱりその辺りの作業員の方々の住環境とか、あるいはまたそういった作業員の方々のそういう環境整備というようなことももっと考えてあげた方が効率が上がって、かえって早く復興が進められるんじゃないかというふうに思うんですけれども、副大臣、ちょっと。
#92
○副大臣(岡田広君) 安倍総理は、被災地の復興なくして日本の再生なしと発言をされておりますし、復興の加速化は経済再生や危機管理と並ぶ日本の、内閣の最重要課題と位置付けられているところであります。
 被災地、東北三県につきましては、この一年で復興が動き始めたと考えており、被災三県の経済状況は、全体として回復していると考えているわけでありますが、この被災地の復興、経済再生のためには、委員御指摘のように、福島原発事故の問題を根本から解決しなければならないと考えています。この廃炉・汚染水問題への対応は復興の大前提であることは言うまでもありません。同問題への対処には、高い放射線環境下において高度な技術を要する作業が多いことから、専門性の高い人材が安心して働ける労働環境を整備することは不可欠であります。
 政府といたしましては、廃炉措置等に向けた中長期ロードマップにおいて、過酷な状況の中で少しでも働きやすい環境を整備するため、作業員の作業安全管理、放射線管理、健康管理等に継続的に取り組むことを定め、経産省においてその進捗を確認をしていると承知をしております。具体的には、休憩所の拡充整備、防護装備の適正化、個人線量管理の確実な実施、医療体制の継続的確保等、労働環境の改善に取り組んでいると承知をしております。加えて、昨年十一月に東電が発表した緊急安全対策では、作業環境の改善として大型休憩所の整備、給食センターの設置、緊急医療用機器等の充実、労務費割増し分の増額等についても対策として打ち出し、計画的に取り組んでおります。
 福島第一の廃炉作業は長期にわたる作業であり、今後とも廃炉・汚染水対策が適切に進むよう関係省庁に働きかけてまいりたいと考えております。
 以上です。
#93
○江口克彦君 いろいろと努力していただいているということはよく理解できるんですけれども、それでもなおかつ、この話を聞いたのは二週間ぐらい前なんですよ。そういうことをやっていただいてももう劣悪だというそういう状況で、作業しろ作業しろと、いい仕事しろいい仕事しろというような、マンションみたいな、あるいはまた御殿みたいなところという、そういうものを造れということを申し上げているわけじゃないですけれども、少なくともやる気の出せるような、あるいはまたゆっくり休憩、睡眠、休養できるようなそういう環境づくりをしてあげないと、これ私は復興が遅れていく、かえって遅れていくということを心配しているということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#94
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会、浜田和幸です。
 甘利大臣の先日の今回の法案の提案説明を聞かせていただいて、幾つか質問をしたいと思います。
 冒頭、大臣は、日本経済はデフレ脱却に向けて着実に前進しており、今後は、景気回復の裾野を更に広げていくことが重要な政策課題となっている。この日本経済着実に前進、私なんかは地方の選挙区ですけれども、なかなかそういう実感が感じられないという声の方が圧倒的に多いんですが、どういうデータをもって日本経済着実に伸展中ということを判断されたのか、まずその点からお聞かせいただきたいと思います。
#95
○国務大臣(甘利明君) まだなかなか鳥取まで届いていないというお叱りをいただいているわけでありますが、この一年間、経済、例えばGDPの変化とかあるいは失業率だとか有効求人倍率とか、あらゆるデータの上では間違いなくほぼ全ての経済指標が改善をいたしております。
   〔委員長退席、理事芝博一君着席〕
 一方、地域にはもちろんばらつきがあります。そういうばらつきの中でも、うんと悪かったところが少しずつ良くなってきた、いいところはもっと良くなったとか、この濃淡はあるんでありますけれども、内閣府の調査であるとかあるいは日銀のレポート、さくらレポートなんかがその典型でありますが、そういう中では、現状、地域格差はもちろんありますが、その地域自身も一年前と比べて今はどうかというと、改善をしつつあります。
 ただ、いいところはいいけれども、まだそれが回復が肌身に感じられるほど地方で実感がないというのも事実でありますから、これをまず全体の底上げを図るということと、それから、この景気回復の伝播というのは中央から地方へ、大企業から中小企業へというタイムラグがありますが、そのタイムラグをできるだけ縮めていくということにしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
#96
○浜田和幸君 ありがとうございます。
 その中で、特に地域経済の活性化、私の地元なんかですとやっぱり日本海に面して、アジア周辺地域との関係というのも地域経済にとってはとても欠かせない状況になっています。成長力の底上げ、好循環の実現ということを大臣おっしゃいましたけれども、その地域経済がアジアや世界と結び付いているという現状から見ますと、いろんなその支援のファンドをつくるにしても、外国の投資ファンドですとか外国の企業が日本の企業を買収する、やっぱりその地域経済に欠かせない重要な役割を担っている企業というのは、困難に直面していればいるほど外国の投資ファンドや企業にとっては喉から手が出るほど欲しいと、お宝の企業もたくさんあると思うんですね。
 そこで、地域経済全体を考えると、この今回の地域経済活性化支援機構、これに外国のファンドが一緒になって取り組むとか、外国の企業が日本の企業を買収、支援するとか、そういうような場合もこの支援の一環として可能性があるのかどうか、その辺り、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#97
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 基本的には、この事業再生・地域活性化ファンドは、日本の民間事業者、金融機関を含む民間事業者とともにファンドをつくる、あるいはそのようなところに、ファンドに機構が出資するというところが基本でございます。
#98
○浜田和幸君 基本はよく分かるんですが、今大臣の下でTPPの協議も進んでいます。やはり、日本経済、特に地域経済が海外と一体化することによって持てる力をもっともっと拡大するという可能性もあるわけですから、そういう意味でも外国のファンドや外国の企業との連携もこのREVICの対象になるのかどうかという点についてお考えをお聞かせください。
#99
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
   〔理事芝博一君退席、委員長着席〕
 例えば、地域経済活性化又は事業再生する過程で外国企業と一緒に協力するというような事例は当然それは想定されるところでございます。
#100
○浜田和幸君 ありがとうございます。
 その上で、今日もいろいろと議論になったんですけれども、その支援を求める相談が、受付は百五件で、実際にはそのうち十件が支援されていると。そこで、どういうケースがこの支援としてオーケーになったもので、どういうケースは駄目だったのか。やっぱりその辺りの見極めというか判断のところについて、具体的なもし例で、名前出さなくて結構です、こういう点が評価されて支援対象だ、こういう点がやはり問題があって、やはりたくさん相談あったけれども、その中で支援に向けて検討をしたけれども駄目だった、その違いはどこにあるのかという具体的なそのケースについて、個別の企業の名前は結構ですけれども、その辺りの参考になる点を是非お聞かせください。
#101
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 やはり基本は、潜在的に力を持っている、今は多大な債務を抱えておりますが、その債務をうまく整理していけば基本的には競争力を持っている、そのような先につきましては、うまくその過大な債務というものを整理していく過程で、例えばよくありますのは第二会社方式と申しまして、いい事業を切り分けてそちらへ持っていって、なかなかもう競争力のないところはもう清算するというような形で再生したような製造業というものもあるところでございます。
 やはりポイントは、そういう潜在的にはいい力、技術力を持っているということが一つあるのではないかと考えているところでございます。
#102
○浜田和幸君 その体制強化の中でこの大阪オフィスを新しくつくられたということで、この地域活性化の主要テーマとなるヘルスケアとか観光産業に関する専門チームを組成されたと紹介されていますよね。やっぱりこの地域の特性を生かした新しい産業を支援する、その流れの中で、いい技術はあるけれどもなかなか、マネジメントで不足の部分を専門家が支援し金融的なバックアップもするということだと思うんですけれども、これは、たまたま大阪の場合がヘルスケアや観光であって、ほかの地域については、何かそういうその地域ごとの推進していくというような、何かそういうテーマの設定というのはあるのでしょうか。
#103
○政府参考人(小野尚君) ただいま委員から御指摘ございましたこのヘルスケア又は観光産業でございますが、これは大阪に限らず全国、やはりこれからの一つの日本の有望な成長産業といたしましては少子高齢化という中でヘルスケア又は観光ということでございますので、そういうテーマ別に機構の中にそういう専門チームを設けて全国に展開していって、例えば観光産業を盛り立てたいというような地域にそういう専門家を派遣する、あるいはここで是非ヘルスケアをやりたいというようなところに専門家を派遣する、そのようなことでやっていくということでございまして、大阪オフィスは、むしろ西日本、今まで東京にしかオフィスはございませんでしたので、西日本でのネットワークを広げるという意味でつくったものでございます。
#104
○浜田和幸君 日本が誇るべきそういうヘルスケアに関する医療、福祉に関する技術、やっぱり海外からも大変注目をされ期待もされているわけですから、そういうものが事業再生、で、地域経済の活性化につながる好循環を是非推進していきたいと思います。
 それで、今お話があった、機構の専門家をやはり派遣してそういう事業再生の道筋をちゃんと付けていく、その必要があると思うんですけれども、今はどういうところから専門家という方々を言ってみれば引っ張ってきているのか、あるいはどんどんどんどんこれは事業再生の支援が拡大すれば専門家の数も大変な数が必要になってくると思うんですが、そういう専門家をどうやって確保するのか、その辺りについての考えをお聞かせください。
#105
○政府参考人(小野尚君) お答えを申し上げます。
 まず、現在機構には百八十八名の役職員より構成されておりますが、このうち専門家として、弁護士あるいは会計士事務所、コンサルタント、投資顧問、あるいは銀行等の出身者から成る専門家が合計百十三名既に在籍しているところでございます。
 現在在籍している専門家の活躍を得まして、今、先ほど委員が御指摘ございましたように、今後拡大していく、今回の法改正に伴って新たな業務を担う人材も必要となることから、機構におきまして、必要に応じて外部からの採用を含めて専門家の採用に向けた検討が進められていくものと考えているところでございます。
 内閣府といたしましては、機構が目的の達成に向けた役割を十全に発揮できるよう、専門人材の確保を含め、機構において適切な対応がなされるよう促してまいりたいと存じます。
#106
○浜田和幸君 是非、広範な専門家をタイムリーに派遣いただくようにお願いしたいと思います。
 そこで、この支援基準をこれから作るということが法案の中に入っていますよね。これはやっぱり、どういう再チャレンジに対してしっかり支援するのかということはその支援の基準がとても重要になってくると思うし、それがしっかりしていなければモラルハザードを引き起こすことになりかねないと思うんですが、この新しい支援基準を一体いつまでにどういうプロセスで誰が最終的に決めるのか、その辺りについてのお考えをお聞かせください。
#107
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 本法案は、もしお認めいただきまして仮に国会で御成立いただければ、公布から六か月以内の施行というふうになってございます。ただし、やはりこの今の地域経済の状況を考えますと、なるべく早くこの業務を、お認めいただければこの新たな業務を開始したいと思いまして、六か月でございますが、なるべく早く業務を開始すべく、この今委員御指摘もございました支援基準の作成を行ってまいりたいと思います。支援基準は告示という形で公にもされるものでございまして、機構始め関係者の間で公正、透明な基準の作成に向けて作業を進めていくことになるというふうに考えているところでございます。
#108
○浜田和幸君 その基準を作成するに当たって、いわゆる現場からの声というか、これまで支援を求めるそういう様々な企業、そういうところからのヒアリングというのか、声を聞く、吸い上げるというようなプロセスはあるんでしょうか。また、これまでも多くの企業が何十万件と倒産して、この支援を求めて機構に相談に来ている。しかし、なかなか認められなかった。そういった、言ってみれば表に出てこなかった生々しい地域の企業の人の声をどういう形でこれまで受け取ってこられたのか。また、今回の新しいこの支援の基準作りにそれをどう生かすプロセスが保障されているのか。その辺りについてお聞かせください。
#109
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 支援基準につきましては、関係省庁間で機構と図りながら作ってまいりますが、当然ワーカブルな、回るような基準でなくてはいけませんので、これまでも機構におきましては、例えば金融機関や地元で様々な意見を聞きながら、どういうような改善を図ったらいいのか、どこに問題があるかということにつきましてはヒアリング等意見聴取を行ってきたところでございますし、この関係省庁の一つである金融庁におきましても、私ども定期的に各地で説明会を開催しておりまして、そういうところの中で中小企業者の方々を含む方々から様々な要望、御意見を聞いているところでございます。
 そのような御意見も踏まえながら、今後、先ほど申し上げましたように、非常に使い勝手のいい、ワーカブルな基準というものを関係者の間で作ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#110
○浜田和幸君 それで、実際にこの支援活動を進めるに当たっての出資をこれから更に拡大するというこの間の大臣のお話だったんですけれども、どれくらいの新たな出資が想定されているのか。また、それは民間からも国からも出るんでしょうけれども、その辺りの言ってみれば規模と、そして一体どういう、特に国の場合はどういうところに財源を確保できるのか。その辺り、今厳しい財政事情の中で大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#111
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のいわゆるLP出資、これがどの程度行われるかでありますけれども、今後各地域の金融機関等と具体的な検討を行っていく必要があることから、現時点でこうであるというふうに確たることを申し上げることはなかなか難しいんですけれども、平成二十六年度中に一年間で約二百四十億円程度のLP出資が行われることを想定をしております。また、この財源でありますけれども、機構が保有をしております利益剰余金等の事業活動資金で対応することとなるわけです。
 なお、機構は必要に応じまして金融機関から政府保証付きで借入れ等を行うことも可能になっておりますから、これらの資金を財源とするということも可能であります。
#112
○浜田和幸君 ありがとうございました。
 是非、地域経済の活性化のためにもっともっと大胆な取組を、創造的な取組を期待して、私の質問を終わります。
 以上です。
#113
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 まず、私は地域経済活性化の軸というのは雇用の確保、雇用の安定だと考えます。そこで、まず、明日にも開催される国家戦略特区諮問会議で検討される雇用指針、雇用のガイドラインについて質問をします。
 雇用ガイドラインは、進出企業にとって我が国の雇用ルールが分かりにくいという声に応えるため、裁判例を分析、類型化したものを作る。加えて、従業員が意欲と能力を発揮できるよう援助を行うと。これは田村厚労大臣が私の質問に本会議で答弁した内容です。ただ、厚生労働省案が出されたものを見て、私は驚きました。
 まず、採用の自由から始まっているんですが、そこには昭和四十八年の三菱樹脂事件の最高裁判決についてこう述べてあります。労働者が採用試験の際に、思想信条について身上書に虚偽の記載をし、面接試験で虚偽の回答をしたため、企業が試用期間の満了に当たり本採用を拒否したことについて、裁判所は雇入れの拒否を認め得るとしたと説明してあるんですね。これ、あたかも採用に当たって、思想信条調査を行うことが認められるかのような説明になっております。これ、余りにも不正確だと思うんですが、まず厚労省に確認しますが、現在、採用に当たって、思想信条などの差別についてどのような指導をしていますか。
#114
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
 職業安定法の指針におきましては、個人情報の扱いについて、労働者の募集を行う者などは、その業務の目的の範囲内で求職者などの個人情報を収集すること、思想信条などに関する個人情報は原則として収集してはならないこととしております。また、公正な採用選考におきましては、思想信条のように応募者の適性、能力に関係のない事項については事業主に対して把握しないよう周知啓発しているところでございます。
#115
○山下芳生君 今のが到達なんですね。
 三菱樹脂の裁判というのは、一九六三年に大学を卒業した原告が面接の際に六〇年安保の集会などに参加していたことを隠していたとして、詐欺だとして本採用を拒否したことに対して、原告が思想信条の自由を訴えて争ったものであります。一審、二審は原告が勝利、勝訴したわけですが、最高裁は判断を逃げて、事業者側の留保解約権を行使できるかどうかの審理が十分尽くされていないとして、高裁に差し戻されたわけであります。結局、高裁の審理の中で和解がされまして、原告は職場復帰して、後に子会社の社長にもなっております。これがこういう裁判の実態なんですよ。さっきの例は全く当たらないと思います。しかも、この判決後、女子学生たちの訴えや様々な労働者、学生たちの運動で、事業主の採用の自由においても何でもありではないんだと、労働者の保護などの原理に基づいて、例えば職安法や均等法において制限されるんだということで今に至っております。
 先ほど紹介した厚労省のガイドライン案は、古い判決のゆがんだ解釈を紹介して、使用者にあたかも出身地や思想信条、組合の加入などなど、身上調査をしてもよろしい、その結果、採用拒否、解雇してもいいという誤ったメッセージを送るものになりかねないと。こんな不正確、到達が反映されていない雇用指針、ガイドラインを作るべきではないと思いますが、いかがですか。
#116
○政府参考人(大西康之君) 委員御指摘の雇用指針案の採用の自由の項目につきましては、法律その他の特別の制限、もちろんこれがない限り、企業は原則として採用を自由に行うことができるという、そういったリーディングケースである判例を記載しているところでございますが、当該項目の関連情報で、委員が御指摘いただきましたように、社会的差別につながる個人情報を取得してはならないといった、そういったことも含めた個人情報保護に関するガイドラインとか、あるいは均等法についても紹介しているところでございます。
 そうしたことでございますので、現在、誤解を招かないように修正する方向で調整中でございます。
#117
○山下芳生君 私の指摘に基づいて今修正中だというんですけど、修正箇所以外にも、さっきの判例が結構そういう方向で載っているんですよ。
 それから、これだけじゃありません。採用だけではなくて例えば配転について、日本では広範囲な配転が広く行われていると、まるで推奨するかのような記述があります。しかし、育児休業法や男女雇用機会均等法で未成年者や介護者がいる労働者についての配転については配慮しなくてはならないと、こういう制限が加えられているんですね。これをめぐって判決が各地で出ております。そういうことに触れていない。
 それから、解雇についても、労働者保護に欠けることがない場合という、非常によく分からない曖昧な定義を新たに持ち出して、こういう表現があるんです。解雇をする場合には、雇用期間その他の事情を考慮して一定の手当を支払うことを労働契約書などに書き込めばいいと、これ解雇の金銭解決のやり方を指南するような内容になっている、まるで解雇特区が復活しているかのようであります。
 甘利大臣に伺います。これまで政府は、雇用指針について、雇用のルールと判例の類型化を示すと指摘していましたが、必要な判例をきちっと紹介しないで余分なものを付けている。このままこういうガイドラインを作るべきではないと思いますが、いかがですか。
#118
○国務大臣(甘利明君) 今、国内への投資を飛躍的に拡大していこうということで、例えば外資が日本に投資してくる際に雇用に関して予見可能性を高める必要があるという指摘は随分あります。この予見可能性といっても何をもってするかといえば、裁判事例、今の御指摘だと適切な事例が全部そろっていないじゃないかというお叱りをいただきましたが、事例とか、それから相談案件があります、雇用に関する紛争例ですね。どういうふうに指導したか等とかも含めて、将来、雇用に関する紛争が起きないように事前に日本の雇用形態に関しての情報を整理して理解している必要が特に外資にはあるということで、こういう試みに取り組んでいるわけであります。
 いずれにしても、この雇用指針につきましては、労働政策審議会における議論を含めて現在議論が行われているものでありまして、もうこれ担当大臣は田村厚労大臣と新藤総務大臣でありますけれども、この担当大臣において適切に検討されていくものというふうに受け止めております。
#119
○山下芳生君 ちょっと曖昧なんですけど、甘利大臣自身が諮問会議の議員だということで質問しているわけですね。
 それから、関連して、明日にも開催される国家戦略特区諮問会議で、特区の地域指定、それから今の雇用指針が議論されようとしております。私は、諮問会議のメンバーに竹中平蔵氏など使用者側のメンバーが複数入っていることについてこれまでも指摘して、菅官房長官は本会議の答弁で、議員が直接の利害関係を有すると考えられる議題が上がる場合には、当該議員が審議に参加しないようにできる仕組みとしたいと、会議の運営については、中立性、公平性を担保するため、万全の対策を講じると御答弁されております。だとすれば、事業主のメンバーが雇用指針を決める会議にのうのうと参加させるべきではないと思うんですが、甘利大臣、いかがですか。
#120
○国務大臣(甘利明君) 雇用指針は、労働契約に係る、今申し上げましたけれども、判例等の事実関係を分析をして分類することにより作成されるものでありまして、直接の利害関係を有する者は存在しないというふうに考えておりまして、直接の利害関係を有するということについてでありますけれども、個々具体の案件においてそのたびに判断されるものではありますけれども。
 一般論で申し上げますと、例えば国家戦略特区における区域計画の認定について調査審議をする際に、当該計画に定められた特定事業に民間有識者が特別の関係を有する場合を、そういうところを想定しておりますが、御指摘のことに関しましては、いわゆるこれ、直接の利害関係を有する者という判断はしておらないところであります。
#121
○山下芳生君 これはウオッチする必要があると思っているんですが、私は委員長に、これは非常に重要な問題なんです、雇用指針の問題、それから利害関係者の諮問会議への不参加の問題、見過ごすことができない問題がありますので、当委員会としてこの戦略特区問題について集中した審議を行うことを提案したいと思います。御検討いただけますか。
#122
○委員長(水岡俊一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
#123
○山下芳生君 さて、昨年の改正で企業再生支援機構が地域経済活性化支援機構とされました。地域経済を活性化する上で、先ほど述べたように、従業員とそこに蓄積された技術が大事だと思っております。
 先日、テレビ東京を見ておりますと、経営危機に落ち込んだ下請中小企業がどのように再生していったか、具体例を紹介されていました。液晶パネル製造に進出して高級車のインパネ部品を製造していたある下請事業者は、取引の八割を頼っていた取引先がリーマン・ショック後に海外に工場を移転したと、収入が一気に減った。ところが、社長は会社存続を決断して、一番先に従業員と話合いを持って打開策を探す中で、やっぱり崖っ縁で出た答えは下請からの脱却だったと。従業員とともに自社製品を作ることを始め、立派なこれは音響製品を作ってこの会社がよみがえったと。この社長は、精神的に私は参ったが、社員が元気だったから頑張れたと話しておられました。メーンキャスターの村上龍さんも、下請から脱却するのは至難の業だが、独自の技術、社員の結束があれば自立の道が開けると述べておられました。
 これ非常に大事だと思うんです。甘利大臣に基本姿勢について伺いますが、地域経済を活性化させる上で、そこにいる従業員、そこに蓄えられてきた技術を生かしてその事業をどう支援するかということが大事だと考えますが、大臣の見解、伺いたいと思います。
#124
○国務大臣(甘利明君) それは、技術というのは人と共にあることだと思います。その事業を培ってきた、その事業者が持っている強みを培ってきた技術をどう進化させていくかということと、そしてそれを支えてきた人をどう強力な、更に強力な経営資源としていくかということは、両々あって初めて事業再生ができるということは御指摘のとおりだというふうに思います。
#125
○山下芳生君 そこで、具体的にこの機構が支援した中身について伺いたいと思うんですが、この間、前身の企業再生支援機構も含めて機構が手掛けた支援の中で、整理解雇など人員削減を伴ったものは具体的にどういうケースか、まず何人の削減がされたかお答えください。
#126
○大臣政務官(小泉進次郎君) 今御指摘のありました機構がこれまで再生支援決定した三十八件のうち、この支援期間中に希望退職を実施した案件は九件あります。この九件の合計で、総従業員数合計約四万八千名のうち、希望退職人数が約六千名、そして継続雇用された人数が約四万二千名、そうなっております。
#127
○山下芳生君 機構には公的資金が入っているにもかかわらず、今言ったように三十八ケース中九件で人員削減が行われたということであります。これ問題だと思うんですね。
 一番人員削減が行われたのは、機構の支援第一号となった日本航空、JALであります。大量の希望退職者とともに、二〇一〇年十二月三十一日、五十歳代のベテランを中心に、パイロット八十一人、客室乗務員八十四人、計百六十五人の整理解雇が強行されました。十二月三十一日、大みそかの日にそういうことがやられたんです。
 二十歳で入社し五十三歳で切られるまでの三十三年間、真面目に働いてきたという独身のある客室乗務員は、解雇され収入がなくなり、貯金を切り崩しながら暮らしている。余りにも理不尽な解雇、判決に怒りに震えていると、これからの将来が不安で怖いと語っておられます。解雇者の中には、障害のある御家族、介護や子育て中の方、夫を亡くして自分の収入で家族を養わなければならない人、病休の後、育児休業取得中の人、妊娠中の人などが含まれております。解雇後もう三年たっているわけですが、解雇撤回の闘いの中で亡くなった方もおられます。職場復帰を願っている客室乗務員の原告のうち、既に十三人が解雇されたまま定年を迎えて、来年で定年を迎える人も入れれば二十七人となっておりまして、これは早い解決が求められているわけです。
 支援機構は、日本航空の支援の決定、二〇一〇年一月と同時に会社更生手続を行い法人管財人となりました。機構が管財人になったんです。機構の役員は、労働組合との交渉にも参加して、交渉内容についての決定権はむしろ支援機構の役員が握っていたと言われる状況がありました。支援機構と更生管財人が作成した更生計画では、日航グループ全体で四万八千七百八十一人の体制を三万二千六百人の体制にする、うち日航本体では千五百二十人削減、更に後に二百五十人の削減の上乗せが必要であるとされましたが、そういうことがこれ支援機構主導でやられているわけですね。
 そこで伺いますが、二〇一〇年十二月末までの希望退職者の数、乗員、客室乗務員それぞれ何人だったか、同じく更生計画の期限である二〇一一年三月の時点ではどうなっているか、お答えください。
#128
○大臣政務官(小泉進次郎君) まず、御指摘今は二問ありましたけれども、一点目が、整理解雇が行われた二〇一〇年十二月末より前までに八回にわたり行われた特別早期退職及び希望退職募集により、総計五千三百二十名が退職をしております。
 二点目でありますが、それ以降、二〇一一年三月末までに整理解雇により百六十五名が退職をしています。
#129
○山下芳生君 今のはグループ全体の数字だと思います。
 そこで、客室乗務員の場合はどうだったか、客乗の場合について見てみたいと思うんですが、二〇一一年三月末までに計画では四千百二十人体制にするとしていたわけですが、これ裁判の中で明らかになっているんですが、もう整理解雇の時点で既に四千四十二人となっていたんですね。ですから、減らして四千百二十人にすると言っていたのがもう四千四十二人と、削減目標を七十八人も上回る状況であったのに、会社機構、管財人はそれを隠して更なる整理解雇に踏み切ったということになっております。しかも、整理解雇後、自主退職者が二百十八人出ておりますが、そういう状況になるということを会社側は予測することができる状況にもあったわけです。
 当時、日本航空の稲盛会長は、経営上整理解雇はしなくてもよかったと述べられました。これは非常に重大な発言です。たとえ会社更生手続の下にあっても、私は、憲法で保障されている労働者の基本的な権利は守られなければならない、整理解雇の四要件、例えば人員削減の必要性があったかどうか、解雇回避努力義務が尽くされたかどうかなどは満たされなければならない、これは明らかであります。それが満たされてなかったと、整理解雇の対象となった客乗組合、CCUあるいは乗員組合の皆さんは、仮に日航の再建に向けて希望退職の人員目標が達成できなくても、これは休職を含むワークシェアリングを行おうじゃないか、賃金の大幅ダウンものもうじゃないかというふうに解雇回避に向けて自ら厳しい提案をしていたんですね。ところが、会社は何が何でも整理解雇をということで、実際にそれを進めてしまったわけであります。
 整理解雇の必要性は全くなかったんではないか、支援機構は、安全と公共交通を守ること、雇用を守ることのために最後まで整理解雇を回避するために努力をしなかったんではないか、こう思いますが、甘利大臣、いかがですか。
#130
○国務大臣(甘利明君) 稲盛さんが内々におっしゃったことについては稲盛さん御自身にお聞きをいただければと思いますが。
 日本航空の整理解雇については、同社の事業再生に不可欠であった再生計画を確実に実施するために行われたものであるというふうに私どもは承知をいたしております。具体的には、累次にわたり実施をされました特別早期退職それから希望退職、これだけでは再生計画にあった自主退職者の状況も踏まえた必要削減人員数を達成できなかったということからやむを得ず行ったものであるというふうに聞いております。
#131
○山下芳生君 それは聞き間違いなんですよ。もう目標以上に減らされ過ぎていたんです、実際は。そして、稲盛さんが経営上整理解雇はしなくてもよかったと、こう述べているんですよ。しかも、これ単に民間の企業がやったんじゃないんです。支援機構が管財人になった下でやられたことなんです。だから、私は聞いているんですよ。
 両組合は、何としても労働者を路頭に迷わす整理解雇は避けるべきだということで、ストライキ権を確立して会社としっかり交渉できるようにしようと争議権確立のための投票を当時開始しました。しかし、その途上、二〇一〇年十一月ですけれども、日本航空は組合執行部を呼び出して、企業支援機構のディレクター、飯塚さんという方ですが、と管財人の代表が、争議権が確立された場合、撤回するまで機構は三千五百億円の出資はできない、こう述べて、これは事実上の私はもう脅しだと言わなければならないと思いますが、結局投票中止に追い込ませるなどしたわけであります。
 この件については、東京都労働委員会は、この発言は争議権投票を控えた組合員に対して投票をちゅうちょさせるに十分なものであり、組合運営に影響を及ぼすとして不当労働行為として認定し、会社側に謝罪文の交付を命令いたしました。不当労働行為の主役は支援機構だったわけであります。
 小泉政務官に質問しますが、確認しますが、東京都労働委員会で支援機構の不当労働行為が認定されたという事実、ありましたね。もう一つは、支援機構は争議権を確立したら三千五百億円の出資はしないとの決定をしたのか、いつ、どこで、誰によってそんな決定をしたのか、お答えください。
#132
○大臣政務官(小泉進次郎君) 一点目でありますが、東京都の労働委員会でそのような発言が不当労働行為として認定されたことは事実であります。そして、この発言が不当労働行為に当たるか否かについては現在司法の場において係争中でありますので、その行方を見守りたいと思っております。
 そして二点目の、今の一部の職員の発言に関してでありますが、これは機構職員が当時の機構の執行部の考え方を述べたものであると承知しております。
#133
○山下芳生君 当時の機構の執行部の考えだとなると、ますます深刻だと思いますね。そういうことをスト権確立の投票の際に表明して、それを防害するということをやったわけですから、これは明白な不当労働行為ですよ。
 私は、これは甘利大臣に伺いたい。機構に監督責任がある政府、出資していますからね、私は、機構に対して、労働組合に対する不当労働行為を謝罪させるべきではないかと思います。加えて、これから機構がいろいろな支援をするでしょうけれども、不当労働行為までやって人員削減を強行するようなことは絶対にさせるべきではないと思いますが、この二点、いかがでしょうか。
#134
○国務大臣(甘利明君) 東京都の労働委員会から、御指摘の案件が不当労働行為に当たるということで救済命令が出されたことについては承知をいたしております。
 ただ、これ今係争中ですよね。具体的に言うと、これ地裁は不当労働行為ではないという判決を出しておりまして、それが今高裁で係争中になっているわけであります。(発言する者あり)あっ、違う。東京地裁。済みません、ちょっと私の勘違いでした。地裁で今この問題を係争中であるということであります。
 でありますから、まだ係争中の案件でありますから具体的なコメントは差し控えたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、今後とも機構に対しては、事業者が労働者の理解、協力を得るための努力を行っているということを十分に確認した上で支援を進めるよう、しっかりと指導してまいりたいと思っております。
#135
○山下芳生君 今後は当然なんですけれども、日航の問題は現在進行中なんですよ、さっき言ったように。
 それで、支援機構はもう二〇一二年の九月、日航の株式を売却して、出資金の倍近くを取得して、もう再生支援完了だと、こう言っておりますが、私はこれで完了にしてはならないと思います。支援機構が主導した整理解雇で現在百四十二人の原告が解雇撤回を求めて闘い続けているんですね。この問題が続いている限り、これ支援終了としたら余りに無責任だと思うんですね。
 その後、今現場では何が起こっているかといいますと、日航の客室乗務員のベテランが皆いなくなりましたから、新人の比率が三割を大きく超えております。中には七割が新人という飛行機もあるわけですね。その中で、基本中の基本の作業であるドアモードの変更ミスで実際に緊急脱出用シュートが作動してしまったとか、機内でのカートの転倒、これは非常に危険です、こういうトラブルが多発しているわけです。
 国交省に伺いますが、客室乗務員の保安要員としての任務について航空法でどうなっているか、それから日航からこのようなトラブルの報告はどうなっているか、お答えください。
#136
○政府参考人(甲斐正彰君) お答えいたします。
 まず一点目の客室乗務員の保安業務でございますが、機長ら運航乗務員とともに、航空法に基づき認可された各航空会社の運航規程に従いまして旅客の安全確保など保安業務を行っていただく必要があります。具体的には、旅客に対しましてシートベルトを常時着用するよう求める、あるいは緊急時におきます旅客の避難のための誘導、機内で火災等が発生した場合のその消火活動、機内で手荷物が適切に収納されていることを確認すること、その他安全の確保に関する業務を行っております。
 二点目につきまして、航空機に装備されました操縦系統やあるいは燃料系統など運航上の重要なシステムが正常に機能しないなどの航空機の運航に安全上の支障を及ぼす事態につきましては、本邦航空会社から国土交通省に対して報告されることになっております。また、先生が御指摘のようなドアモードの操作ミス、あるいはこれによって誤って脱出シュートが展開した事案などにつきましても、客室乗務員が関与した安全などに支障を及ぼす事態につきまして同様に報告を受けることになっております。
 いずれにいたしましても、こういった報告を受けた事案につきましては、航空会社が適切な措置を講じたか、あるいは、さらに、航空会社に対します定期的、随時の安全監査を通じまして客室乗務員の保安業務が適切に行われているか、有効に対策が機能しているかといったことを確認しているところでございます。
 以上でございます。
#137
○山下芳生君 そういう報告がされているということなんですよ。それで、やっぱり教える側も教えられる側も余裕がない状態になっていると、これは安全に直結する問題、ゆゆしき問題だと思います。
 この整理解雇された五十歳代のベテランの方々は、皆さん一九八五年の御巣鷹への墜落事故を目の当たりにして、仲間の方が亡くなったりしているんですね。絶対にこれは忘れてはならない、安全が絶対第一だということを体に刻み込んでいる方々であります。この方々が大事な役割を果たすべきときに放り出されたわけですね。しかも、その放り出された後、日航は、例えば千五百八十人の客室乗務員を新人を新たに採用しております。二〇一五年も二百人採用すると、それからパイロットも、そもそも二〇一〇年から不足が話題になっていたんですが、これも日航は採用を再開するとしています。だったら、こういう方々からちゃんと職場に戻っていただいて、安全なJALをつくる先頭に立っていただくのが筋ではないかと思うわけですね。
 ILO理事会は二〇一二年六月勧告を出しまして、委員会は、人員削減の過程において関連する当事者間で協議が実施されることを確実に保障するよう日本政府に要請する、再生計画策定の際には労働組合との十分かつ率直な協議が重要だと、政府にその協議ができるよう保障するようにと呼びかけております。政府が音頭を取れと言っているわけですね。
 さらに、昨年の十月には第二次勧告が出されておりますが、国交省、その中身を簡潔に紹介してください。
#138
○政府参考人(甲斐正彰君) お答えいたします。
 先生御指摘のILO結社の自由委員会が昨年十月に出しました報告書の内容のうち該当部分を二点ほど御紹介いたします。
 まず一つに、日本航空から整理解雇されました元運航乗務員及び元客室乗務員が会社との労働契約上の地位の確認を求めて提訴した訴訟に関しまして、委員会は日本政府に対し、現在審理が係属されている東京高等裁判所での訴訟の結果、またその後の政府の対応などにつきまして引き続き提供を求めること。二点目が、当該整理解雇された乗務員の再雇用につきまして会社が採用活動に関して労働組合との間の協議が実施されることを期待するという内容でございます。
#139
○山下芳生君 甘利大臣、最後に伺います。
 甘利大臣は労働大臣もされたし、ILO議連の要職にもある方だと思っております。このILOがそういう勧告を二度にわたってしたわけですね。これはそもそも支援機構が関与して進めた大量解雇が、当時の政権は自民党じゃなかったんですけれども、やっぱり双方がよく話し合って職場に復帰できるように、真の再生が実現できるようにこれはイニシアチブを私は甘利大臣が機構に関わっている大臣として、国土交通大臣や厚生労働大臣などとも話をして、前向きに解決されるようJALが当事者と協議の場を持つように相談していくのが筋だと思いますが、いかがですか。
#140
○委員長(水岡俊一君) 甘利大臣、簡潔にお願いします。
#141
○国務大臣(甘利明君) この案件は、もう既に御指摘のとおり、旧機構が二〇一二年、おっしゃるとおり前政権のときにもう完了してしまっている案件でありまして、現機構の担当大臣として現時点で何らかの対応をするということは非常に難しいということは御理解をいただきたいというふうに思います。
#142
○山下芳生君 そういう、その現とか旧とか言っているんじゃないんですよ。実際に機構が関わった問題でこういう事態が起こっている。ILOはそういう勧告をしていると。これ、大臣として、政治家としてですよ、ほっといていいのかと。ちゃんとこれ、大臣、関係大臣幾つかわたりますから、調整することぐらいはやっぱりやらないといけないんじゃないですか。その検討してください。
#143
○国務大臣(甘利明君) この整理解雇案件ですね、これ今係争中です。さっきちょっとこの案件とさっきのと取り違えて地裁と高裁の話をしましたけれども、この推移をまず見守らなきゃならないというふうに思っています。
#144
○山下芳生君 時間ですから、終わります。
#145
○山本太郎君 先週、三月十八日に党名の変更がありました。新党今はひとりから、新党ひとりひとりの山本太郎になりました。党名は変わっても相変わらず政党要件満たしておりませんが、よろしくお願いいたします。
 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案について質問いたしたいと思います。
 今回の改正案、新規業務として特定債権買収業務が追加されて経営者の再チャレンジ支援を強化すると、このようなお話なんですけれども、これ、経営者にとってはすばらしい提案かもしれないんですよね。けれども、この経営のスリム化によって、働く人々一人一人、労働者、従業員の方々に不条理が押し付けられるんじゃないかなと心配しているんです。それだけではなく、経営者だけが救済されて働く人々は置き去りにされてしまう、利益至上主義に陥ることはないのかなと。また、経営者の意に反して企業が切り売りされる例もあるというふうに聞いているんですけれども、先日、内閣府のレクチャーを受けました。労働者についても配慮されていますということでした。甘利大臣、今回の改正が労働者に不利益になるようなことはないと約束していただけますか。
#146
○国務大臣(甘利明君) 恐らくレクのときにも説明させていただいたかと思いますが、機構は、雇用機会の確保に配慮しつつ、地域における総合的な経済力の向上を通じて、地域経済の活性化を図ることを目的とするものであります。また、機構が特定債権買取りによる支援を行うか決定するに当たっては、法律上、支援の申込みをした事業者における弁済計画についての労働者との協議の状況、その他の状況に配慮しなければならないというふうにされております。
 機構が特定債権買取りを行うに当たっては、こうした規定の趣旨を踏まえまして、事業者が労働者の理解、協力を得るための努力を行っていることを十分に確認した上で支援を進めるようしっかりと指導してまいりたいと考えております。
#147
○山本太郎君 丁寧に説明していただきまして、ありがとうございました。
 今回のこの株式会社地域経済活性化支援機構法ですけれども、二〇〇九年に国の認可法人として設立して、JALなどを再生したことで有名な企業再生支援機構が法改正されたもので、今回の法改正でその機能を拡充して、よりバージョンアップしたということでよろしいでしょうか。
#148
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、平成二十五年三月の機構法改正においては、地域における再生現場や地域活性化の担い手の支援能力の向上を図るため、従来の企業再生支援機構を地域経済活性化支援機構として抜本的に改組、機能を拡充するための措置を講じたものでございます。
 今般、事業再生や地域活性化の支援の担い手である機構において、事業再生や地域活性化の支援が一層効果的に進められるよう、更に必要な機能の拡充を図るべく、再度機構法の改正を行うこととしたものでございます。
#149
○山本太郎君 ありがとうございます。
 JAL再生の場合、労働者の雇用機会は確保されて、そして労働組合等の理解と協力を得て、そして整理解雇された労働者は救済されたとお考えになるでしょうか。甘利大臣、いいですか。お願いします。
#150
○国務大臣(甘利明君) JALの案件、先ほど来いろいろ質問、御指摘がありました。
 要は、ほっておいたら倒産してしまうということは、全ての雇用が失われてしまうわけであります。それを救うためにいろんな手だてがあると。そこで、機構が関与したわけでありますけれども、そういう中においてこの整理解雇というのは出てきたと。それは再生をするために行う手だての中でやむを得ず実施されたものというふうに認識をしておりまして、いずれにいたしましても、機構が、これからも事業者が労働者の理解、協力を得るための努力をしっかり行っているかどうか、それは十分に確認をして再生支援をしていくということと、引き続きその点はしっかり注視しながら取り組んでいきたいというふうに思っております。
#151
○山本太郎君 ありがとうございます。
 企業再生支援機構が行ったJAL、日本航空の再生なんですけれども、一見、見事に再生されましたというふうに見えるんですけれども、実は利益至上主義で、安全、安心というものが置き去りになっているんじゃないかなと思うんです。
 労働者の三分の一に当たる一万六千人以上の人たちを希望退職、特別早期退職に追い込んだ。また、特定の人を狙い撃ちにして、パイロット八十一名、客室乗務員八十四名、合計百六十五名の人たちが整理解雇されてしまったと。この百六十五人の人々は、不当解雇を撤回し職場に戻してほしいということで、現在、東京高裁に訴えを起こしている状況だと。
 日本航空は、この二年間で千人以上の新人を採用した。先ほど詳しいお話、山下先生の方からあったと思います。二年間で千人以上もの新人を採用した、その人たちは既に乗務に就いている、そのような状況だと。そして、この春にも、新卒、採用しますよと。解雇された百六十五人の労働者について再び雇用する、職場復帰の採用計画というものを策定するべきではないんでしょうか。
 この件で、いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となると、そのような理念を持つ国際労働機関、ILOにより日本政府は勧告を受けました。その細かな内容というのは先ほど山下先生の方からもあったと思います。
 財務的に十分再生したと、大丈夫ですよと、赤字もなくなったよと、十分再生できました。社員を新たに雇い入れる体力があるならば、整理解雇された人から採用するのが筋なんじゃないかな。筋と言うとおかしくなるかもしれないですけれども、そうあってほしいなと思うんですよね。(発言する者あり)そうですよね。ありがとうございます。
 解雇されずに会社に残れた人々にも、解雇されずに会社に残された人々にも問題があるんですよね。その待遇に特に問題があると聞いています。
 現在、日本航空でパイロットの実労働時間、大幅に増えてしまったよ、高稼働勤務というものが続くんだ、過重労働で有名な高速バスの運転手並みの働き方になっているという指摘があります。例えば、以前までは月六十五時間ぐらいだった飛行時間、この六十五時間というのも結構多いという話ですね。これ、ごめんなさい、ちょっとニュースが古いんですけれども、二〇一三年の三月の日本経済新聞に、全日空はパイロットの月間乗務時間を延長すると、現行の平均五十五時間から五時間引き上げることで最終調整に入ったというような記事もあったぐらいなんですよね。けれども、以前までは月六十五時間、ほかの航空会社と比べてもちょっと多めの時間を飛んでいたんだと。
 月六十五時間ぐらいだった飛行時間が、現在、八十時間、九十時間とどんどん増えていっている状態だと聞きました。これ、飛行時間が八十時間、九十時間と聞いたって、ちょっとぴんときませんよね、操縦したこともないですし。この八十時間、九十時間というのをもっと自分たちに引き寄せるためにはどう考えればいいか。東京と大阪のフライト、これ一時間ですよね。そうすると、ああ、どれぐらい大変な仕事なのかというのがちょっと想像できると思うんですよ。これ、八十時間、九十時間、どれぐらいのものなのか、何となくざっくり分かったんですけれども、現場の声、実際のパイロットの人たちの声は、体力的に目いっぱい飛んだとしても六十時間、七十時間が限界だと聞きました。
 しかも、パイロットが働いているのは飛行時間だけではないんですよね。その前後もお仕事をされている。だとすると、もう激務ですよね。そんな過重労働環境の下に置かれたパイロットたち、操縦しているときに、たまに一瞬、自分がどこにいるのか分からなくなるという瞬間があるといいます。徹夜乗務、時差ぼけが入ってくるとマイクロスリープという状態にも入ることがあるんだと。マイクロスリープってどんな状態なんですかと聞くと、脳波的には一瞬、気付かない間に寝ている状態になってしまうんだよと。整理解雇されずにJALに残れたのに、ブラックな労働環境に耐え切れずに自ら辞めていったパイロットは百五十人にも上ると聞いています。
 ほかにも、日本航空の職場では、人員不足が長期にわたり続く中、年齢や傷病履歴を理由とした解雇が職場に不安を残しています。物言えぬ職場というものをつくり出していると聞きます。二〇一二年に起きた、出発前の機体点検中に転んだパイロットが骨折をした、骨折をしたまま飛行業務を続けていたんだよと。とてもいい例だと思います。けがをしたとしても、病気をしたとしても、人が足りないから、自分病気になりました、けがをしましたということが言いづらい、物も言えないような職場になってしまっていると。
 こんな状態で公共交通機関の使命である安全というのは守られるんでしょうか。危なくなった企業を再生させるんだということで大胆にリストラした。残った労働者には労働条件、賃金を下げさせる。一体、企業再生、何のために行われるのかなと。
 今回バージョンアップする地域経済活性化支援機構法、地域社会に貢献する持続的な経営をするのではなく、事業再生で短期的に利益を上げて売り抜けるのが目的ではありませんよね。JALのように労働者が犠牲になるだけではありませんよね。甘利大臣、今回の法改正で労働者の権利も重視して、労働者を救済する支援基準もバージョンアップするべきだと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
#152
○国務大臣(甘利明君) 機構が従来から行っておりました再生支援につきましては、事業者が労働組合等と事業再生計画の内容等について話合いを行ったこと又は行う予定であること、これが支援決定の要件の一つとして掲げられているわけであります。他方で、昨年の法改正によりまして新たな業務として追加をされた特定信託引受けや特定出資につきましては、事業者の事業の状況に照らし云々、事業の再生が図られると見込まれることが支援決定の要件の一つとされておりまして、事業者の事業の状況の例示の一つとして労働者の理解と協力が得られると見込まれること、これを掲げているわけであります。
 これらはいずれも、円滑な事業再生を図っていくために、事業者が労働者との協議等を通じて、労働者の理解であるとかあるいは協力を得ることに努めることを求めるものであります。
 したがいまして、機構が従来から行っていた再生支援に関する基準をあえて改正することは予定をしておりませんが、今後とも、機構に対しましては、事業者が労働者の理解、協力を得るための努力を行っているかどうか、そのことを十分に確認した上で支援を進めるようしっかりと指導してまいりたいと思っております。
#153
○山本太郎君 ありがとうございます。
 企業が再生するために人々が責任を感じてというか、大きな船を沈ませないために、じゃ、船から出ようということになった。その船がまた体力を取り戻したということであれば、優先的にその方々を職場に復帰させるという気持ちというか思いやりというものを本当に持っていただきたいなと思います。
 本法案から少し外れるんですけれども、前回以来の積み残しがあります。最後に質問させていただきますのは経済産業省の糟谷総括審議官、二度にわたり失礼いたしました、質問にまで到達しませんでした、申し訳ありません。今日も足を運んでいただきました。
 福島原発収束作業員の皆さんの賃金の問題です。去年十一月五日、委員会で私質問をいたしました。下請構造、何重もの下請構造の中で作業員の方々は搾取されていますよ、ピンはねされていますよと。その後、東京電力、収束作業員の方々に日給一万円増額の方針を出しましたけれども、これ本当に作業員の方々一人一人に行き渡っているんでしょうか。
 この問題に対して、状況を自ら検証し、必要に応じて東京電力の対応を促していくとの政府の答弁が前回ありましたけれども、政府のこの方針に変わりはないでしょうか。
#154
○政府参考人(糟谷敏秀君) 昨年の九月に、国は廃炉・汚染水対策につきまして、東京電力任せにせずに、前に出て対応することを決定いたしました。現地に事務所をつくりまして職員を常駐させまして、東京電力に指示を出すだけではなくて、自ら、その作業環境の改善も含めて、現場の元請、それからゼネコン、それからメーカー、そういうところの事務所を回って、要望、問題点をくみ上げて、それを東電に伝えて対応を促す、そういうことを続けてきております。
 先般御質問いただいた後、十一月八日に、東京電力が緊急安全対策ということで、今御質問の労務費割増し分の増額ということも発表したわけであります。これについては、東京電力が現在どのようにそれが反映されているかということについて、自ら順次確認をしているというところでございます。
 政府といたしましては、具体的なその賃金について、労働契約で本来決まるべきものを、個別の賃金水準にまで介入するのはちょっと行き過ぎではあるとは思いますけれども、他方で、労務費の割増し分の増額について、作業員の方々に確実に行き渡ることが望ましいと考えておりまして、引き続き現場の作業員の方々の声を自らいろんな機会を通じて聞きながら、東電に対応を促してまいりたいというふうに思っております。
#155
○山本太郎君 残念ながら質問時間がなくなってしまいました。また質問させてください、その件に関しては。
 是非とも労働者に優しい日本という国をつくり上げていただきたいと思います。それに前進していただきたいと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#156
○委員長(水岡俊一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#157
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、地域経済活性化支援機構法の一部改正法律案に反対の立場から討論を行います。
 反対理由の第一は、支援機構が中小事業者本位の再生ではなく、銀行等本位の廃業強制のツールとして使われかねないからであります。
 政府案は、経営者の貸付債権などの買取り業務を追加し、経営者保証に関するガイドラインの利用促進を打ち出していますが、実際は、私的整理を促進するために債務整理を上から促進するもので、金融機関のリスクを請け負い、経営者に廃業などを決断させる強制力として活用されかねません。地域経済を活性化するための支援とは言えません。金融庁は、今後は中小業者に廃業、転業を促す方向に転換しようとしており、それにこの機構を活用しようとしています。
 機構の専門家を直接派遣する事業の拡大をするとしていますが、現行の専門家の中で元銀行員のうちその七割はメガバンク出身者であり、中小企業の地域経済や雇用確保の役割をどれだけ現場で理解した上で支援を行えるかは甚だ疑問であります。
 支援機構の役員や専門家の中にはJALでの整理解雇を推進した側に立つ者が少なくなく、事業再生には人員削減まずありきとの認識を持ち、いわゆる倒産ビジネス関連の側で仕事をしてきた人が少なくありません。
 反対理由の二つ目は、ファンドへの新たな出資業務の追加は、本来、投資会社や金融機関等が負うべきリスクを税金によって肩代わりするリスクを高めるものだからであります。
 出資のみの有限責任組合員出資を追加し、民間の出資の呼び水とするとしていますが、リターンを求める個人投資家を排除していません。機構には国から多額の出資と一兆円を超える政府保証をするとなっており、金融機関や民間再生事業者の負うべきリスクを国民の税金投入によって肩代わりさせるものであり、今回の改正案はそのリスクを更に高めるものとなります。
 本来、地域経済の活性化、産業再生は、従業員とそこに蓄積された技術、地域コミュニティーの力に依拠してこそ実現するものであり、そもそも雇用の確保、雇用の安定を目的から外した機構の支援は名ばかりであり、また小規模事業者に光を当ててこそ地域経済が回っていくにもかかわらず、機構の支援先は中堅企業以上、大企業も排除されず、実績もこの一年で十件にすぎず、地域経済活性化と銘打つには余りにもお粗末です。
 さらに、昨年の機構改定以降、中小企業における支援先企業と支援の概要は非公表でもよいとされ、実際、十件中四件については出資したかどうかも含めて明らかにされていないなど、国の出資が行われている機構の支援であるにもかかわらず、監視、検証ができなくなっています。官製ファンドは乱立しており、やるべきは抜本的な中小企業支援強化です。中小零細業者に大打撃となる消費税増税など、もってのほかです。
 最後に、経営者保証に関するガイドラインについては、金融庁と中小企業庁がふさわしく、金融機関などに徹底を進めるべきであり、それでもなお救われない小規模事業者の支援を拡充すべきであります。
 以上、反対討論といたします。
#158
○委員長(水岡俊一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#159
○委員長(水岡俊一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、前川君から発言を求められておりますので、これを許します。前川清成君。
#160
○前川清成君 私は、ただいま可決されました株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、株式会社地域経済活性化支援機構(以下、「機構」という。)は、相談件数に比べ支援決定件数が依然として少ないことに鑑み、更に業務の効率化、迅速化を図り、より多くの支援を可能とする体制を構築すること。
 二、機構においては、デューディリジェンスの簡易化を図るなど一層の工夫を行い、多額の債務に苦しむ中小企業においても機構を利用しやすいように費用の低減化を図るとともに、要する費用の予見可能性を高めるように努めること。
 三、機構においては、特定債権買取業務に積極的に取り組み、「経営者保証に関するガイドライン」(以下、「ガイドライン」という。)に基づく保証債務の整理のベストプラクティス(模範となる事例)を示すよう努めること。
 四、金融機関等関係者がガイドラインを尊重、遵守するように、その周知を図るとともに、金融機関等に対する検査、監督を通じ、金融実務において定着するよう努めること。
 五、ガイドラインにおける不明瞭、不明確な点がないか、更に検討を加え、必要に応じガイドラインのQ&Aの充実を図るなど金融機関等の不安が生じないように努めること。
 六、個人保証に依存しない融資を確立するべく、民法(債権法)その他の関連する各種の法改正等の場面においてもガイドラインの趣旨を十分踏まえるよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#161
○委員長(水岡俊一君) ただいま前川清成君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#162
○委員長(水岡俊一君) 多数と認めます。よって、前川清成君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、甘利内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。甘利内閣府特命担当大臣。
#163
○国務大臣(甘利明君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じております。
#164
○委員長(水岡俊一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#165
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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