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2014/05/13 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 内閣委員会 第13号
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2014/05/13 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 内閣委員会 第13号

#1
第186回国会 内閣委員会 第13号
平成二十六年五月十三日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     世耕 弘成君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     羽生田 俊君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     山下 芳生君     田村 智子君
     浜田 和幸君     荒井 広幸君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水岡 俊一君
    理 事
                上月 良祐君
                松下 新平君
                芝  博一君
                山下 芳生君
    委 員
                岡田  広君
                鴻池 祥肇君
                佐藤ゆかり君
                山東 昭子君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                大野 元裕君
                神本美恵子君
                蓮   舫君
                秋野 公造君
                江口 克彦君
                田村 智子君
                荒井 広幸君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   副大臣
       内閣府副大臣   後藤田正純君
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        小泉進次郎君
       総務大臣政務官  松本 文明君
       文部科学大臣政
       務官       冨岡  勉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       中垣 英明君
       内閣官房内閣審
       議官       菱山  豊君
       内閣官房地域活
       性化統合事務局
       次長       福島 直樹君
       内閣官房行政改
       革推進本部国家
       公務員制度改革
       事務局次長    川淵 幹児君
       内閣府規制改革
       推進室長     滝本 純生君
       文部科学大臣官
       房長       戸谷 一夫君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局次長      伊藤宗太郎君
       厚生労働大臣官
       房技術総括審議
       官        三浦 公嗣君
       厚生労働大臣官
       房審議官     高島  泉君
       厚生労働大臣官
       房審議官     成田 昌稔君
       厚生労働大臣官
       房審議官     神田 裕二君
       経済産業大臣官
       房審議官     石川 正樹君
   参考人
       独立行政法人理
       化学研究所理事
       長        野依 良治君
       独立行政法人理
       化学研究所理事  米倉  実君
       独立行政法人理
       化学研究所理事  川合 眞紀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○健康・医療戦略推進法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○独立行政法人日本医療研究開発機構法案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、舞立昇治君が委員を辞任され、その補欠として羽生田俊君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(水岡俊一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官中垣英明君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(水岡俊一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の審査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人理化学研究所理事長野依良治君、同理事米倉実君及び同理事川合眞紀君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(水岡俊一君) 健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○羽生田俊君 自由民主党の羽生田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この健康・医療戦略推進法案、そして独立行政法人の日本医療研究開発機構法案ということで、これは関連といいますか連続したものというふうに理解をしているところでございますけれども、こういったものをつくるためには、日本の長寿社会、健康長寿社会というものを形成するためにやはり世界最高水準の医療の提供ということが非常に大きな課題であろうというふうに思いますし、それをまた実行するための日本医療研究開発機構というものも大変重要なポイントであろうというふうに思っておりまして、これがしっかりと稼働し、日本のそういった健康長寿というものを実現するためにしっかりとした政策をしていただきたいというふうに期待をするところでございます。
 これらの法案につきましては、その目的として、やはり健康長寿ということ、そのための社会形成に資する新たな産業活動の創出、そして、こういったものを計画的に推進するために健康・医療戦略、こういったものの策定ということが非常に重要なポイントになるというふうに思っております。
 この法案自体、当初は日本版NIHという言い方をされておりましたけれども、やはり米国のNIHと比べて規模その他において違い過ぎるという意見もかなり我々の議論の中でもありまして、使うべきではないのではないかという大きな声もありまして、それはそれとして、スモール版ということでもいいのかもしれませんけれども、それに近い形、将来的にはそれに一歩でも近づくということが必要であろうというふうに考えておるところでございます。
 ただ、その中身を見たときに、今現在、文科省、厚生労働省、そして経済産業省、それぞれに予算が分配をされている、それを総量としてこの機構の中で分配していくという機能を持つということになっているわけですけれども、全体的な予算が増えているわけではない。多少増えております、もちろん増えておりますけれども、それを総量として集めた形でどのように分配していくのか、そういった機能というものが非常に我々としては気になるといいますか、一番重要なポイントになるんだろうというふうに思いまして、その点につきまして、こういった体制の構築というもの、どのような組織づくりをしているのかという総論的なことでまずお伺いしたいので、どうぞよろしくお願いいたします。
#9
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 羽生田委員からどういう体制で進めていくのかという御質問をいただきました。
 まず、今回、医療分野の研究開発を戦略的かつ効率的に進めるため、二つの法案を国会に提出をいたしました。そして、健康・医療戦略推進本部を設置をするとともに、その下に日本医療研究開発機構を設立をすることになっています。
 まず、最初に申し上げました健康・医療戦略推進本部は、全閣僚が構成員として内閣に設置をして、そして健康・医療戦略と医療分野研究開発推進計画を決定をします。そして、これに基づいて各省の総合的な調整を行うこととされております。その上で、日本医療研究開発機構が、この本部の方針を受けて医療分野の研究開発予算等を集約をして、研究課題の公募、採択、あるいは研究費の配分及び研究の進捗に応じた評価などを一体的に行う独立行政法人としてこの本部の下に設置をして、医療分野の研究開発を基礎から実用化まで切れ目なく研究支援を行っていくという形になっております。
 このように、健康・医療戦略等を策定する健康・医療戦略推進本部と研究費の配分機能等が集約化をされている日本医療研究開発機構が一体となって、医療分野の研究開発を戦略的かつ効率的に進めていきたいというふうに考えております。
#10
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 形としては、新たな予算配分によって新たな研究、特に重要なポイントを伸ばしていこうという趣旨は非常によく分かるわけでございまして、期待をするところでございますけれども、その重点的な配分というものをどういう形で決めていくのか。その重要項目を決めるに当たって、そしてまたそのプロセス、そして判断基準、そういったものが非常に重要になってくるだろうと。特に今、現在いろいろと研究についてもいろんなことが問題が起きている中で、そういったことをしっかりと、透明性を持ってしっかりとその基準を決めて、どのように配分をしていくかなど、その大本になる推進本部の考え方として、どのような形でその重点項目を決定していくのか、その過程についてお分かりになる範囲でも結構ですけれども、お知らせいただきたいというふうに思います。
#11
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 健康・医療方面の予算の戦略的、重点的な配分について、どういうプロセスあるいは判断基準という御質問でありますけれども、例えば、再生医療やがんといったいろんな分野がありますが、どの研究領域に重点的に配分を行うかなどの資源配分の基本的な方針については、先ほど申し上げました内閣に設置をされます健康・医療戦略推進本部がこれは有識者の御意見もしっかり伺いながら決定するということになろうかと思います。
 具体的には、まず平成二十六年度予算でも、既に九つの各省連携プロジェクトを取りまとめるなど重点化を図っていますけれども、今後この法律が成立をいたしましたら、このような重点化の方針は本部においてきちっと決定をしていくということになろうかと思います。
 一方で、更にそれをブレークダウンした個別の研究課題については、今度は、この法律に基づいてできる予定であります日本医療研究開発機構において、内閣の本部が作成する方針に基づいて、この独法の機構に置かれる研究マネジメントに優れたプログラムディレクター及びプログラムオフィサーの下で、専門家の評価もいただきながら、それぞれの個別の案件の採否を決定をして研究費を配分をしていく、このようなプロセスを踏んでいくというふうに考えております。
#12
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 今、いわゆる戦略本部において決定するときのその有識者会議というもの、このメンバーの選定ということがどういう形で行われるかというところが、今までのいろいろな政府の諮問会議等々で私どもとしては危惧をする場面が非常に多いわけでございまして、その上に、いわゆる医療基盤研究法に基づくPDあるいはPOですかね、いわゆるプログラムディレクター、プログラムオフィサーというものが選ばれても、このPD、POだけで物事を決めるというのは難しいだろうというふうに思いますけれども、そのときにはここにまた有識者会議というものが設置をされるのであろうということが想像されるわけですね。
 そうしたときに、いわゆる二重になった形で有識者会議ができてくるということが非常に今後の運営に際してむしろいろいろなそごが生じるのではないか。そして、人数が多ければ多いほどいろいろな問題も多くなってくる。あるいは、極端なことを言えば、利益相反的なもの、そういったことに関与する人たちがその中に入ってこないとは限らないわけでございまして、その辺の二重構造というものについてどのようにお考えになるか、ちょっとその辺だけお聞かせいただければというふうに思います。
#13
○内閣官房副長官(世耕弘成君) ここは、我々も二重構造にはならないように気を付けていきたいと思います。やはり、内閣に設置される本部の方は、これは大きな方針ですね。ですから、領域を決めていく。また、そういう領域を決めるにふさわしい有識者の皆さんの御意見、やはりそれぞれ、この健康・医療の分野における包括的にマクロな目で見ていただけるような方に入っていただきながら、しかし一方で、独法で個別の研究課題を決めていくということについては、今度はそれぞれの分野におけるかなり先端的な知見も持っていらっしゃる方の御意見を聞いていくという形になろうかと思います。
 いずれにしても、内閣における本部で大きな方針を決めて、そして、その方針にあくまでも基づいて具体的にやっていくのが独法ということで、二重構造にはならないように留意してまいりたいというふうに思っております。
#14
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 是非そのようにしていただきたいというふうに思うんですけれども、ただ、いわゆる有識者会議あるいは独法のプログラムディレクターあるいはプログラムオフィサーという人というのは人数的にそう多いわけではない。かなりダブってくる可能性があるというふうにも思うわけでございまして、その辺が二重構造というところを私どもがちょっと心配をするような部分であろうというふうに思っているわけでございます。
 特に、独法の方に今度プログラムディレクターというものを選任するという、これは本部の方で重点項目を決定したそれぞれについて、まずは一人ずつのプログラムディレクターをお選びになるという方針なんだろうと思うんですけれども、そうしますと、それぞれの項目について、また新たに有識者会議みたいなものでどういうふうに予算を配分していくかというようなことまでも、どういう研究を優先していくかということをいろいろと議論するのかなというところでございますので、そういったときに、やはり人数が非常に多くなるということがいろいろな形で問題が起きてくるもとになってしまうのではないかというふうに心配するところでございまして、このプログラムディレクター、どういうことで、どういう判断でどういった方を選ぼうというふうにお考えなのか、その辺をお聞かせいただければというふうに思います。
#15
○政府参考人(菱山豊君) PD、POについてお尋ねでございます。
 PDにつきましては、研究領域ごとに理事長が選定いたします。また、それからPDがプログラムオフィサーを選定するという形にしたいというふうに考えております。こういったPD、POは、研究の運営方針の決定、それから研究の進捗管理、そして評価などを行うということにしているものでございます。研究者を支援、指導する牽引力等を備えた人材の確保をしていきたいというふうに考えております。
 PDといたしましては、研究現場の第一線で活躍されて、研究成果や研究プロジェクトのマネジメントに十分な実績と経験のある方に就いていただくのがふさわしいというふうに考えております。
 それから、POの方でございますが、POにつきましては、PDの下で個別の研究課題を管理するということになりますので、具体的には個別の研究課題の選定とか評価の実務、それから研究、そして予算の執行の進捗管理に経験と実績のある方に就いていただくのがふさわしいというふうに考えております。
 こうした研究プロジェクトのマネジメントに実績のある方を確保するために、大学等の研究機関にも御協力を求めるとともに、研究マネジメントに秀でた人材を見出していって、経験を積んでいただくことでその層を厚くしていくということで、引き続き取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、PDやPOがこうした重要な役割を的確に果たしているか否かにつきましては、研究課題ごとにあらかじめ設定する目標の達成度の評価を行うということとともに、利益相反が生じるような可能性につきましても国民の疑惑、おそれがないように、例えば利益相反ガイドラインの策定などを行いまして業務の公正の確保を図る措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#16
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 そういった利益相反等々が起きないように、是非きちっとした透明性、公平性を持って選定をしていただきたいというふうに思うところであります。
 このPD、POについては、この人たちが研究に直接タッチするということもあり得るということでよろしいんでしょうか。それ一つだけお答えを。
#17
○政府参考人(菱山豊君) PD、POにつきましては、研究マネジメントを行いますので、研究、担当する研究課題につきましてはマネジメントだけでございまして、研究をするものではございません。
#18
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 それぞれの研究所あるいは大学の研究室等々へそういった研究を依頼するということになると思うんですけれども、その点の評価につきましても非常に選び方が難しいといいますか、いろんな形で選ばなければならないということがありますので、その点は十分考慮していただきたいというふうに、国民にしっかりと分かる形で選んでいただきたいというふうに思うわけでございます。
 それから、今お話にちょっと出ましたように、この研究の成果、その評価という点が非常に大事でありまして、いろいろな研究所でいろいろ行われている、今問題になっている理研等でもいろいろな研究がされている。その研究が実際にどういう結果をもたらして、それが新しいいわゆる新薬の創出であるとかあるいは医療機器の創出であるとか、そういったことに実際に役立っているのかという評価というのはほとんど今されていない状況でありまして、この今回新しくできるこういった組織については、もちろん組織自体のいろいろ公平性、透明性等を評価する、いわゆる独法の評価というものは当然あると思うんですけれども、それ以外に、研究をいかに評価して、それが本当に生かされているのかというところ、これ生かされなければ何の研究の意味もないというふうに、極端な表現をすればそういうことになるわけですから、その評価というものをどういう形でされるのかという点についてお伺いしたいと思います。
#19
○政府参考人(菱山豊君) 日本医療研究開発機構におきます個別の研究課題の評価につきましては、プログラムディレクターが外部の専門家の評価も得ながらあらかじめ課題ごとに目標を設定しておりますので、その目標に達成しているかどうか、そういったことをきちんと評価をしていきたいというふうに考えております。ただ、研究課題ごとにそれぞれ目標とか中身が違ってきますので、そういう適切な評価をしていきたいというふうに考えております。
 こうした評価結果を踏まえまして、課題継続の可否、それから研究費の配分額などの決定を厳正に行ってまいりたいというふうに考えております。
#20
○羽生田俊君 是非その点の評価というものを十分にしていただいて、やはり国民のためになる研究といったものを是非きちっとしていただきたいというふうに思っております。
 国民のためになるというときの、特に創薬についてはやはり安全性、有効性というものが非常に大きな基になると、基礎であるというふうに思うわけでありますけれども、この安全性あるいは有効性というものがきっちりと評価をされた研究でなければならない。そういったものを基礎として新たな薬ができてくるということで、そういった安全な有効な薬を作っていくというその基礎研究としても十分に役立てていただきたいというふうに思っているわけですけれども、今現在でも大学あるいは研究所でいろいろな研究が行われている。ところが、なぜ日本でこの研究が余り進んでいないのかというところをやはり考えた上で、今回の組織の有用性というものに生かしていただきたいのは、優秀な人材が海外に流出してしまう一番の原因は、研究費がないんですよ。研究費が足りない。だから、研究費が十分にあれば、日本で新たな研究を進めて日本で創薬ができるというのは今現在でもできるんですよ。それが、そういったいわゆる研究費等々が大学でも足りないし、研究所でも足りないということで、その辺が進んでいないので、そういった人材が海外に流出してしまうということも、この組織としては一つの大きな目標として、そういったことがないように是非していただきたいというふうに思うわけであります。
 最後に、やっぱり安全性、有効性という、薬、あるいは治療薬だけでなく診断薬あるいはワクチン等々も全部含まれるわけでございますけれども、この安全性、有効性という国民に対しての絶対条件、これをしっかり確保するということが非常に大切であるんですけれども、今いろんな形で政府からの案として出てきている中で非常に危惧をする部分に、一つは、具体的な名前を挙げると選択療養という言葉が出てきて、これが独りで動き出しているという。
 この選択療養というのは、考えるに、その安全性、有効性がどのくらい担保されたもので動くのかという。最初に出てきた、伝わってきた話では、安全性だけあれば有効性はどうでもいいんだというような議論まであったというふうに聞くわけで、そんな議論がされてこんな選択療養というものが出てきたんでは困る。今現在、評価療養という中でこの選択療養に非常に近い形で新しい薬等々が選択をされているということでございまして、いわゆる患者と医師との間で意見が一致すれば新しい療養を使えるという。言っていることは分かるんですけれども、その点、非常に安全性、有効性という点で、これについて、最後の質問でございますけれども、是非この選択療養という点をどのように内閣としてお考えなのか、それだけ最後にお聞かせいただければというふうに思います。
#21
○副大臣(後藤田正純君) 規制改革担当でございます。
 まさに委員おっしゃるように、医療におきましては安全性、有効性というのはこれはもう絶対的なものであると、これはもうまさにそのとおりだと思います。ただ、規制改革の難しいところは、安全性、有効性と加えて利便性というものをどう調和していくかというのは、本当様々な課題において非常に我々頭を悩ましております。
 今回の件につきましては、やはり死に直面している、若しくは困難な病気に直面している、この方々の選択肢の拡大、また負担をどう下げていくか、そしてまた迅速に対応していくかという意味では非常に重要な問題だと思っています。
 しかし、その中でもポイントとしましては、我々は、今回の改革につきましても現行の保険外併用の療養費制度の枠内の改革案であるということも申し上げたいと思いますし、同時に、今お話あった患者と医師の選択によるということでございますが、これも無制限に混合診療を認めるという趣旨ではございません。
 そして、もう一つ保険収載等の関係につきましてでございますが、これも合理的根拠が疑わしい医療、また患者負担を不当に拡大させる医療は除外すると。安全性、有効性や患者への不利益の有無について国による専門家による確認を行う。そして加えて、仮称でございますが、選択療養の安全で有効な実績が集まれば、それがいわゆる評価療養につながっていって、その後の話でございます、保険収載につきましてですね。
 このような意味で、選択療養はいわゆる混合診療の全面解禁ということとは全く性質の異なるものと認識しておりますので、御指摘のような点も踏まえて国民の懸念が解消されるように、また医療を求めている患者さんのために引き続き検討が進められるものと考えております。
#22
○羽生田俊君 ありがとうございました。
#23
○蓮舫君 民主党の蓮舫です。
 医療イノベーションを国家戦略として実現するために政府の中に司令塔機能をつくる、その司令塔機能がつくった計画を実現するために新しく独立行政法人をつくる、その二つの法案審査です。
 その新しい独法には理化学研究所、独立行政法人からも人が移管をされ、そして理研で研究をされていた多くの研究に新たに機構から資金配分も行われる。当然、そこには不正があってはいけない。その視点で、今日は大変お忙しい中、理研の野依理事長にお越しいただきまして、ありがとうございます。しばらくSTAP細胞論文についてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、STAP細胞論文ですが、一月の二十八日、小保方ユニットリーダーが大々的に記者会見をしました。翌二十九日にネイチャーの電子版に掲載をされた。国内外で大変大きな反応を呼びました。
 まず、お伺いしますが、この会見、発表の時点で理研として小保方ユニットチームによるSTAP細胞実験の成果は信頼されていましたか。理事長にお伺いします。
#24
○参考人(野依良治君) STAP細胞に係る現象につきましては、会見時には理研としてその研究成果を信頼しておりました。後日、論文作成上の不備や過誤といった疑義が発覚いたしまして、調査委員会により研究不正と認定され、その後の不服申立てに関する審査でも再調査は不要と判断されまして、論文の取下げを勧告したところでございます。
 STAP現象につきましては、今後、予断なく理研の研究者で検証するとともに、第三者による追試によって最終的には証明されていくものと考えております。四月一日から一年程度掛けて検証を行っておりまして、四か月をめどに中間報告をする予定でございます。
#25
○蓮舫君 信頼されていたということでございます。
 確認なんですが、一月二十八日の会見というのは、STAP細胞の実験が成功したということについて、理研としての発表だったのか、それとも小保方さん研究者個人としての発表だったんでしょうか。
#26
○参考人(川合眞紀君) 発表は理研、理化学研究所として発表いたしております。
 個々の研究者のアイデアと努力によって達成されます研究成果そのものは、一義的には当該研究者の成果となります。その上で、知財を除く研究成果、すなわち社会的価値は理化学研究所に帰属するところでございます。
 一月二十九日の報道では、私どもの発表の中では共同研究の成果であるというふうに発表させていただいております。これは、理研のCDBの小保方研究ユニットリーダーを中心とする研究ユニット、それから、今は山梨大学にいらっしゃいますが、元チームリーダーの若山先生のチーム、それからハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授のグループ、この三つのグループの共同研究による成果でございます。
#27
○蓮舫君 共同研究の成果として理研として発表をされて、その会見時においては理研としてもその成果を信頼していた。ところが、その後、ネット等で不正疑惑が指摘をされて、理研として研究を調査をしてきた。
 確認なんですが、理事長、この不正を事前に組織として把握することはできませんでしたか。
#28
○参考人(野依良治君) 今回の問題につきましては、個人、チーム、それから組織の複合的な要因があったというふうに認識しております。
 今回研究不正と判断されました事項は論文作成上のデータの取扱いに関するものでありますけれども、通常でありますと、研究倫理教育の徹底、実験ノートの確認、研究データの適切な管理、研究途上における批判的な観点からの再検討、再検証の実施、それから論文の共著者等による生データへの立ち返っての確認等が行われることによりまして、事前にチェック機能が働いて問題点を把握することができたというふうに考えております。
 今回の調査委員会の報告書におきまして、小保方氏が他の機関で行いました研究を若山研におきまして客員研究員の身分で継続し、その後、自らがリーダーを務める研究室において発展させたという研究環境の変遷がございます。それから、成果取りまとめに近づいた段階に入りまして、笹井氏と丹羽氏という、それぞれ若山氏とは独立した立場のシニアの研究者がデータの補強、あるいは論文の作成のために協力することになったという事情がございまして、これらによりまして研究のチェック機能が果たされなかったとされております。
 こうした点につきましても、今後のチェック体制の見直しの際に十分に考慮していくことが必要というふうに認識しております。
#29
○蓮舫君 小保方さんがユニットリーダーを務めておられる細胞リプログラミング研究ユニット、それはセンター長の戦略プログラムの一つとして発生・再生科学総合研究センター、CDBに設置をされています。CDBは理事長、理事と直結をしています。
 確認なんですが、このユニットチームとセンター、それと理事長、この三者の連携というのはどのようになっているんですか。
#30
○参考人(川合眞紀君) お答えいたします。
 細胞リプログラミング研究ユニットは、発生・再生科学総合センターにおける一研究ユニットとして二〇一三年の三月一日に発足しております。STAP細胞に代表される細胞の初期化に係る研究に取り組んでおります。
 この研究センター内の関連する研究室の連携等については、センター長を中心にマネジメントをされております。すなわち、小保方氏がリーダーを務める研究ユニットはセンター長マネジメント以下にあったということでございます。
#31
○蓮舫君 センター長と小保方氏の連携は分かりました。
 直結している理事長との連携はどうでしょうか。
#32
○参考人(川合眞紀君) 理事長には、竹市センター長に対する任命責任がございます。研究センターの中の活動については、理事長からの命を受けてセンター長がそれを統括しております。
#33
○蓮舫君 理研内では、本当に多種多様な研究が同時進行で行われているんですね。その研究内容のチェックを全部する仕組みというのは、私はこれ非現実的だと思います。
 ただ、チームが理研の名前で世界に権威ある学術誌、ネイチャーとかサイエンスに投稿するときに、年間の投稿は理研では大体二百本前後と聞いているんですが、その中で実際に使われたのはネイチャーで去年十六本、サイエンスで十本ということだったんですけれども、少なくともこういう論文の中身はチェックをする体制にあるんですか。
#34
○参考人(川合眞紀君) 理化学研究所は年間二千六百報を超える論文をまず出しております。
 論文の投稿というのは、研究者が自ら研究した成果を自らの責任において行うということが科学コミュニティーの共通理解でございます。これに加えて、理研においては、ネイチャーやサイエンスに限らず、研究成果を発表する場合には規定上あらかじめ所属長の承諾を得る、承認を得るということが決まっております。
 二千六百報を超える研究論文を理研は発表しておりますが、世界でのトップ一%と評価される論文に理研の全論文の四%が該当しておりますので、およそ百報がこのクラスにあるということでございます。
 一方、こういうトップジャーナルでは、投稿するとそのまま採択されるわけではございませんで、採択率は一〇%を切っておりますので、平均的な言い方を申し上げますと、その百報を掲載されるバックグラウンドには、背景には千回ぐらいの投稿の行為がある、千報ぐらい分の投稿の行為があって、採択率がネイチャーの場合ですと八%と今言われておりますので、かなりの数の投稿がされているというのが数値的な事実でございます。
 とはいえ、今回のケースでは論文投稿のところのチェック機構が甘かったことはもうそのとおりでございまして、残念ながら、この捏造やその他を見抜くことができておりません。
#35
○委員長(水岡俊一君) その程度で止めてください。
#36
○参考人(川合眞紀君) はい、済みません。
#37
○蓮舫君 私がお伺いしているのは、ネイチャーとかサイエンスとか、千本あって採択率が八%と聞いています。その八%の中の相当優秀なものというのはなかなか、見通しがもしできた場合に、その論文の内容を投稿して掲載される直前に理研としてチェックはするんですかと聞いているんです。
#38
○参考人(川合眞紀君) 現実としては、個々の論文の内容を理化学研究所、すなわち理事長のところでチェックすることはしておりません。
#39
○蓮舫君 事前に理研の担当者の方とお話をお伺いして、理研経営者陣の下に研究分野別のセンターが実にフラットに並んでいて、それぞれが独自に更に分化した研究チームをたくさん抱えていて、研究内容、発表、成果の責任というのはそれぞれのチーム内で完結していると伺いました。
 確かに、管理を厳しくすることが自由な発想とか研究のその空気というのを分断する可能性もありますので、研究者の楽園と言われる理研ゆえの独特な私は空気だと思っているんですね。ただ、他方で、じゃ不正があっていいのかといったらそれは決して違う。理研にはやっぱり税金が八百億投入をされていますから、税金で行われる研究ですから、その成果は確たるものを出すためのチェックというのを私は行わなければいけないと思います。
 ただ、今回の小保方リーダーへの一連の理研の対応を見ていると、研究開発成果があったときには理研として発表をする、でも不正があったときには小保方切り、研究者を切ってしまう、こういうふうな姿勢に見えるんですが、これは野依理事長にお伺いします。経営者側の責任はないんでしょうか。
#40
○参考人(野依良治君) まず、調査等の責任につきましては、調査報告書に明確になっているところでございますけれども、基礎科学の分野におきましては、研究者は自ら得た観察データを適正に管理し、その集積から客観的かつ十分慎重に科学的な結論を導くということでありまして、その上で、学協会あるいは商業出版社の発行する科学誌の審査を経て公表するということになっております。
 この一連のプロセスは、基本的には研究者の責任において行われることでありまして、また、ここにおきます自律性を確保することは科学を発展する上で極めて大切でございます。物理学、生物学など多岐にわたる科学研究におきまして、実際の作業過程は分野によってそれぞれ異なりますので、そこはセンター長、研究グループの長などの管理職の裁量、指導の下で最も適切に行われているところでございます。
 一方で、研究分野とかあるいは研究者の背景の差異、違いに関わらず、研究所全体に共通する倫理あるいは規範を徹底するということは経営者の非常に大きな責任だというふうに考えております。今回の共同研究に係る事案におきましては、具体的には、著者らの責任に加えまして組織の管理、チェック機能が十分に働かなかったということが示されておりまして、経営者として非常に重く受け止めております。管理職研修も行っておりますけれども、これが不十分であったということでございます。
 経営者の責任といたしまして、若手研究者の能力を最大限生かせるように研究環境の構築を図ってきたところでございますが、これが機能していたのか、問題はなかったのか。自己点検とともに、外部有識者から成る研究不正再発防止のための改革委員会により検証を行って、対策の検討を進めているところでございます。
 理研には国の内外から様々な教育研究の背景を持つ人が集まっております。場合によりましては、若手研究者につきましては経験が少ないこと等によりまして十分に能力を発揮することが難しいことがあるかもしれないと、こういうことも考慮いたしまして、指導体制の改善、研究機会の充実など、バックアップ体制の改善策を早急に取りまとめてまいりたいと思っております。
 これらの取組を通じまして理研の組織運営を点検いたしまして、社会から信頼を得るものに改めて、そして高い規範を再生することが私の大きな責任であるというふうに認識しております。
#41
○蓮舫君 事実関係を伺ってまいります。
 今回、調査委員会が小保方さんの不服申立てを受け審査をした。その結果、再調査の必要なしという。それは、切り張りした画像を真正でないものに加工した、すなわち改ざんがあった、そして、そのことを悪意がある、知っていたとしたんですね。この画像改ざんは小保方さんだけが知っていたんでしょうか。
#42
○参考人(米倉実君) お答えさせていただきます。
 三月三十一日に研究論文の疑義に関する調査報告書が発表されております。
#43
○蓮舫君 端的に答えてください。
#44
○参考人(米倉実君) はい。
 改ざんされたデータは、小保方氏が行った実験データを基に同氏が改ざんしたものであると。それから、笹井、若山、丹羽の三氏はこのデータには関与していないということでございます。三氏にとってはこの改ざんは容易に見抜くことはできるものではなかったということですから、三氏については知っていなかった、研究不正はなかったというふうに判断されると報告書で取りまとめられております。
#45
○蓮舫君 二〇一二年四月、小保方さんを客員として迎えていた理研の若山研は、STAP細胞論文をネイチャーに実は初投稿しています。これは掲載が拒否されているんですが、この審査を担当したレフェリーから相当厳しいコメントも返されている。このコメント、どういうものでしたか。
#46
○参考人(米倉実君) 二〇一二年のネイチャーの論文でございます。先生がおっしゃるとおり、リジェクトされた論文でございますけれども、それは最終的に未公開の論文ということになりますので、このレフェリーコメントにつきましては著者全員の了解を必要ということでございます。これが現時点で得られておりませんので、理研の方からの回答は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
#47
○蓮舫君 何百年にもわたる細胞生物学の歴史を愚弄するというコメントです。そのコメントを受けて返されて、その僅か三か月後、七月に、掲載拒否された論文に新たな画像を追加して、小保方さんもいる研究チームはSTAP細胞論文を今度はサイエンスに投稿しました。
 これは調査委員会の調査で明らかになっているから理研としてコメントできると思いますが、サイエンスのレフェリーからはどんなコメントが返ってきましたか。
#48
○参考人(米倉実君) 先生がおっしゃるように、二〇一二年にネイチャーにリジェクトされた後に、二〇一二年の七月にサイエンスの方に投稿しております。これは、電気泳動写真を加えた上で類似の内容として投稿していると、そういう状況でございます。
 その段階で、レビューアーの方から、これはちょっと英語になって恐縮ですが、英語でよろしいでしょうか。
#49
○蓮舫君 日本語で。
#50
○参考人(米倉実君) はい。
 では、そうしたら、英語をまず申し上げます。モアオーバー ジス フィギュア ハズ ビーン リコンストラクティド、この画像は、再構成あるいは加工というふうに訳したらいいかと思います。それから、イット イズ ノーマル プラクティス ツー インサート シン ホワイト ラインズ ビトウィーン レーンズ テークン フロム ディファレント ジェルズ、異なったジェルから得られたものについて、それを作る場合、その間に細い白いラインを作って、はっきりそれが分かるようにするというのが通常の方法であると、そういう御指摘を受けております。
#51
○蓮舫君 その時点で既に切り張りといいますか加工があるということがレフェリーから指摘をされている。それが二〇一二年の七月。二〇一二年の四月のネイチャー一回目の投稿も二〇一二年の七月のこのサイエンスの投稿時にも、この加工された画像を使った論文は若山教授の名前で出されています。若山研です。若山さんは知らなかったんでしょうか。
#52
○参考人(米倉実君) この件につきましては、先日の不服申立てに対する再審査の報告書のプレスブリーフィングの中で、委員の方がプレスに答える形で御説明しております。
 その中で、若山さんから、このサイエンスのレビューアーのコメントですけれども、情報をいただいた際に、最終的に、サイエンスのフィギュア、この図ですけれども、を若山さんはいただけなかったと。つまり、若山さんは論文は持っていましたけれどもフィギュアは持っていなかったというコメントを調査委員会の委員がプレスの中でお答えしております。
#53
○蓮舫君 若山さんは論文は持っているけど図は持っていなかった。けれども、このレフェリーからの図が加工されたというコメントを受け取って、かつ今回の理研の調査委員会に資料として提出したのは若山さんじゃないですか。若山さんは知っていたんじゃないですか。
#54
○参考人(米倉実君) 論文そのものについてのレフェリーのコメントについては知っているということでございます。当然のことながら、それを、レビューアーのコメントを調査委員会の方に提出しましたから知っております。
 ただ、先ほども言いましたレビューアーのコメントは、フィギュアについての、細いラインを入れると、そういう普通のプラクティスに沿っているかどうかというところでございました。そのフィギュア自身は若山さんは最終的に見ていないということでお話をされているというふうに聞いています。
#55
○蓮舫君 済みません、何でここ、こだわったかというと、若山さんは当時理研に所属していたんです。所属をしていた人が、自分たちが投稿した世界的権威ある学術誌のレフェリーからもらったコメントに対してセンター長に報告はしなかったんでしょうか。そこの連携が取れていないことが実は私は最大の問題だと思っているんです。報告は上がっていましたか。
#56
○参考人(米倉実君) 論文の出版は、先ほど川合からも申し上げましたけれども、基本的に著者とそれから出版社との間で何度もレビューを受けてやり取りをするものでございます。レフェリーのコメントを受け止めて、それをどういうふうに対応するかというのは基本的に著者の問題でございまして、研究所は、個別個別のレビューアーのコメントについてどういうふうに対応しているかということについては報告は受けておりませんでした。
#57
○蓮舫君 小保方さんは、そのサイエンスから指摘された切り張りを正すことなく、その八か月後に同じ画像を使用して再度ネイチャーに投稿しています。その同じ月に理研のユニットリーダーに就任しています。
 ユニットリーダーに就任するには、センター長の推薦があって、それが理事会で諮られて、理事長が任命をします。理事長が任命をするときに、彼女をリーダーにするという判断について、若山研のトップ若山さんあるいはセンター長からヒアリングはしましたか。
#58
○参考人(川合眞紀君) 採用についてお答えいたします。
 この公募でございます。二〇一二年の十月から国際公募をセンターとして実施いたしました。この公募には四十七名の応募がございまして、センターの中の人事委員会を設置いたしまして、そこで書類選考、インタビューを経て、小保方氏を含む五名がセンターの職員として採用されております。
 この過程において、外部から三名の方からの推薦書をいただき、御本人の確認をさせていただくというプロセスを取っております。それには、外での活躍等に鑑み推薦書をいただいておるわけでございます。適性、それから五年間の研究計画の独創性、新規性、将来性を人事委員会では評価し、研究ユニットリーダーに採用することがふさわしいとその時点では判断されております。そして、その外部からの推薦書を含めて、理事長にセンター長名で推薦が来たというのが経緯でございます。
 若山先生のところに直接リファレンスを取ったかどうかは、記録にないのでちょっと言及することは今できません。
#59
○蓮舫君 直接所属をしていた、当時、小保方さんは客員研究者ですけれども、所属をしていた理研の若山さんに確認を取っているかどうかも分からない。内部からふさわしいという推薦書、外部三人の推薦書があって、彼女がふさわしいと判断したということですか。
#60
○参考人(川合眞紀君) ほかの四名と同じプロシージャーを取っております。内々にお聞きしている可能性はあると思うんですが、人事委員会の正式な記録にはそこのところは残っておりませんので、あえてここでは申し上げなかったということで御理解いただければと思います。
#61
○蓮舫君 ありがとうございます。
 一連の話を聞いていて、恐らく誰かがどこかで気付く、そういう要素が振り返ってみるとあったと思うんですね。それが連携が取れていなくて、流されるように今回の事態になってしまった。
 理事長は、今回の一連の騒動の中で未熟な研究者という言い方をよくされています。誰でも最初は私は未熟だと思うんです。ただ、未熟だからこそ、それを組織がカバーをして、経験者が引き上げて熟練者に育てていく。そして、成果物を出して、日本としてしっかりとした発表の成果を得ていく。この一連の流れを理研は果たしてしていたんだろうか。私は、今、理研のガバナンスを見ていると、残念ながら、若手研究者を守る策というよりは、若手を切り捨てるというような印象の方が強く残るんです。
 先ほど理事長は、若手の倫理教育をこれから徹底していきたい、自分がそれができなかったことをしっかりやることが経営者の責任だと言いましたが、若手を守るんであれば、切り捨てるというよりも、その人たちを守るという方策は今回されましたか、理事長。
#62
○参考人(野依良治君) 世界的に、現在、多くの大学、研究機関が頻発する研究不正に悩んでおります。研究者を取り巻く社会状況に問題ありと言う人も少なくないわけでありますけれども、それは機関として責任回避であるというふうに思っております。
 私は、個人の問題、チームの連携の在り方の問題、こうした不正が起きない環境を整える研究機関としての問題、これらが、複合的な要因があると思っておりまして、それぞれの立場で改善すべきところがあると考えております。
 また、若手からベテランまで科学者としての基本的な指導、訓練が既に完了しているという認識の下で研修体制づくりを行っていた、これが研究所としての反省点でございます。現状の研修体制を改善していくとともに、若手研究者に対するシニア研究者からの教育支援、若手研究者が分野を超えて意見交換できる体制を充実させることが是非是非必要と考えております。
 私はかねてから、若手、女性、外国人のリーダーの登用を強く強く主張してまいりました。我が国のみならず、未来社会の科学技術イノベーションの振興のために、この信念は全く変わっておりません、揺らいでおりません。この方策を今後加速するために、研究所として万全の方策を考えてまいりたいと思います。
#63
○委員長(水岡俊一君) 野依参考人、簡潔にお答えいただければ助かります。ありがとうございます。
#64
○蓮舫君 理事長の思いは分かります。ただ、若手、女性を登用したいという思いが今回のことでむしろ後退してしまわないように、若手が萎縮しないように、若手切りで終わらせてしまうというような印象にならないように是非ガバナンスを取っていただきたいんですが、一点、確認をいたします。
 独立行政法人通則法第十九条では、監事は独法の業務を監査するとあります。今回の不正案件について監事は何をしましたか。
#65
○参考人(米倉実君) 今回の疑義が生じていましたから、研究不正委員会が即時に立ち上がりまして、独立性を持ってやってきました。
 その過程において、細かいところについては監事が意見を申し上げられるような状況ではございませんでした。ただ、理研の中でセンター長会議あるいは理事会議といったところにおきまして状況を報告する際に、監事の観点、監事は民間企業等の御経験もございますので、そういったところからいろんなサジェスチョンをいただいております。
#66
○蓮舫君 不正が起きてから発言をもらっていると聞きました。不正が起きる前に監事は何か監査をしましたか。
#67
○参考人(米倉実君) 今回の不正の間につきましては、事前に監査をしているということ、その目的だけで監査をしたということではございませんでした。
#68
○蓮舫君 事前にお伺いすると、監事は、この事件が起きて、不正が起きてから、重要な理研の会議の中で監査による確認の重要性についての発言を行ったと。当たり前じゃないですか。だから、千二百万円の年収で監事をお二人雇って、理研の中の不正が出ないように業務を監査する役割を担っているのに、不正が起きてから監事は大切だという発言をしている。それは本当に適切なんでしょうか。
#69
○参考人(米倉実君) 監事の御発言について細かいところまでは言及いたしませんけれども、監事の御趣旨は、いろんな規制、規定、そういったものを整備はされているということは全部レビューされまして、ただ、それが定期的に見直されているかといったところのモニタリングが十分ではなかったということをかなり強くおっしゃられました。そのモニタリングあるいは定期的な見直し、うまくいっているかといったことについて十分チェックしていくようにと、そういうような御議論をいただいております。
#70
○蓮舫君 議論でなくて、実際に仕事していただきたいんですね。ふだんどういう仕事をされているのか。恐らくしていないということに残念ながら受け止めざるを得ないんです。
 せめて今後、未熟な研究者が失敗を起こさないように、研究の中身そのものに踏み込むのは私は適正ではないと思いますが、最低限、実験ノートとかオリジナルデータとか、それが加工されているかどうかとか、外形的にチェックができるものを監事の下にぶら下げて何らかの監査機能を持たせるべきだと私は思いますが、それは是非検討していただきたいと思います。
 もう一点だけ理事長にお伺いします。
 今回、小保方さんの不正を調査した調査委員のメンバー、理研から委員長と委員が三人、外部有識者が三人。この人事、指名は適任だったでしょうか。
#71
○参考人(野依良治君) 規定に沿って人選をしたと思っております。
 それからまた、立派にその職務を遂行していただいたと、そういうふうに理解しております。
#72
○蓮舫君 委員長は何で辞任されたんですか。
#73
○参考人(川合眞紀君) お答えします。
 石井委員長に関しましては、外部から御本人の論文についての疑義の指摘がございました。私は慰留したのですが、本人は不正も否定しております。ただ……
#74
○蓮舫君 どんな疑義ですかと聞いているんです。
#75
○参考人(川合眞紀君) 切り張りがあるという疑義でございます。切り張りの行為……(発言する者あり)はい、問題ありません。これは今……(発言する者あり)まだこれ、今検証中でございますので、済みません、今ちょっと言い過ぎました。
 今調査をしておりますので、その結果が出ましたら公正に外側に発表させていただきます。
#76
○蓮舫君 調査委員会の委員長がネット等で、御自身が過去乳がん等で提出した論文で活用した画像に切り張りがあるという指摘を受けて、本人は不正でないとしながらも辞めました。
 ほかに調査委員会の理研に所属している二名も、同じように過去提出した五本の論文の画像について切り張りがあると指摘をされています。
 もう一人、外部有識者の方、ある大学の副学長ですが、この方も画像に切り張りがあるとされて、これは大学が調査をして不正はなかったと、正式な結果が出ています。
 でも、理研のこの三人については、調査結果出ていますか。
#77
○参考人(川合眞紀君) ただいま先生から御指摘ありましたように、実は三人に対してかなり多量の疑義が寄せられてきております。
 切り張りという行為、加工するかどうかという行為そのものだけで不正が認定するわけではございませんで、その切り張りの結果、実験という真正なものが曲げられてしまっているかという、そこが一点。それから、その加工に対して悪意、私どもは悪意と申しますけれども、故意があるかというところですね。この二点をもって不正か否かの判定がされるわけです。
 ただいま御指摘がありましたように、理化学研究所に所属しております三人の委員についての不正疑惑につきましては、今予備調査がほとんど完了したところでございます。早ければ、古関委員と眞貝委員については本日中に公表する予定でおります。それは問題ないということで公表できると思っております。
#78
○蓮舫君 その三人の調査が終わる前に、どうして同じ疑義が指摘された小保方さんの調査結果だけを出すことができるんでしょうか。答えてください。
#79
○参考人(川合眞紀君) 委員会は規則に沿いまして、規定に沿いまして厳正に判断をいただいて、調査委員会の報告を上げていただいております。それは報告書を見ていただければ分かると思います。
 切り張りがあるかどうかのことだけが不正を決めるものではございません。加工するのは……
#80
○委員長(水岡俊一君) 質問されたことに対して答えてくださいね。
#81
○参考人(川合眞紀君) はい。
 中身が違います。実際に加工されたものであっても、不正に当たらない加工ということでございます。
#82
○蓮舫君 ならば伺います。
 中身が違うと判断するのは、予備調査の調査委員じゃないですか。何で理事が判断するんですか。じゃ、小保方さんの不正も理事が判断すればいいじゃないですか。
 科学の下で悪意があったか不正があったかと調べるのは、調査委員会が第三者的な目でしっかりと調査をして、結果を出したものを国民は信頼できると。小保方さんに対しては、それを結果を出したけれども、その調査をした人の調査委員長と二人が理研の中で不正があったかどうかの調査が終わらないうちに、どうして小保方さんだけの結果を出すことができるんですかと伺っているんです。
#83
○参考人(川合眞紀君) お答えいたします。
 疑義が寄せられたときには、まず予備調査というものを経て、これが、疑義自身が調査に値するクエスチョンであるかどうかというのを所内で判定します。それを経た上で本調査に入るというのが監査、コンプライアンスのやり方でございます。これは理研の規定に沿って行っております。
 委員の方に寄せられた疑義に関しましては、この予備調査をほぼ終了しつつあるところでございます。私は報告を受けた二件について、今、本日中、早ければ本日中に公表できる状況であるというふうにお答えしたわけで、私が判断しているわけではございませんし、調査委員会の方は規定にのっとって厳正に調査をいただいているわけでございます。
#84
○蓮舫君 答えていただいていないんです。つまり、ダブルスタンダードなんですね。
 小保方さんの問題だけはさっさと終わらせて、自分たちの所属をしている正職員である研究者の疑義についてはその後調査をしますという。私、こういうところも一つ、理研の信頼回復のときに非常に大事なことだと思っているんです。
 野依理事長、その点、認識何かお持ちですか。先ほど任命は正しかったとおっしゃっていましたけど。
#85
○参考人(野依良治君) 規定に従って任命したということでございます。
#86
○蓮舫君 規定に沿って選んだ人選までは私も正しいと思います、規定ですから。ただ、その後に小保方さんと同じ、調査対象と同じ疑義が出て、理研の中で予備調査が行われていて、今日にも二人は結果が出る、もう一人はもうちょっとで出る。全員の結果が出た後に小保方さんから申請があった再調査について調査をすればよかったんではないですか。
#87
○参考人(野依良治君) 新しい調査委員長がおっしゃいましたけれども、それは別件であって、それは理化学研究所でしっかりと調査することだというふうに言われました。
#88
○蓮舫君 残念ながら言葉が通じていないと、今すごく残念です。
 済みません、じゃ、最後にちょっと確認をさせていただきます。
 理事長、STAP細胞はあるんでしょうか。
#89
○参考人(野依良治君) これは科学的にやはり検証されるべきだと思っておりまして、現在、検証チームが四月からスタートしてその任に当たっているところでございます。私からは、その存在する、存在しないということを言う立場にございません。
#90
○蓮舫君 二つに分けてやっぱりきっちり整理した方がいいと思います。論文に不正があったら、これはもう絶対やってはいけないから再発防止を講じる、独法の中のガバナンスを講じる、で、次の若手研究者に同じ轍を踏まさない、これは是非やっていただきたい。
 ただ一方で、STAP細胞という発想が全く斬新で、その若手の考え方そのものを潰してはいけないし、可能性があるのであれば、それはしっかり責任を持って再現の努力をしていただきたいとお願いをします。
 官房長官に一点確認します。
 これ通告していないんですが、今の一連の流れを伺っていて、聞いていてどのようにお感じになったか聞きたいんですが、新しい日本版NIHの司令塔機能の実務を担う独法には、理研の多くの、恐らく再生医療の部分はファンディングが相当移されます。その部分と併せて、特定研究開発法人の指定を、今回、理研を見送りました。何が足りないんでしょうか、理化学研究所には。
#91
○国務大臣(菅義偉君) 今、一連の委員との議論を聞いておりました。そういう中で、やはり国民の皆さんにとってしっかりと理解をできる調査結果までなかっただろうというふうに思います。
 そういう中にあって、これは文部科学大臣と山本大臣が、やはり今の時点でここは法案を提出することはすべきじゃないと、もう少しこの調査結果というものを待った上で提出すべきだという判断をした、そのことは私は正しかったというふうに思っています。
#92
○蓮舫君 ありがとうございました。
 野依理事長、あるいは理研の皆さん、ありがとうございました。どうぞ御退席なされて結構です。
#93
○委員長(水岡俊一君) じゃ、参考人の方々、御退席いただいて結構です。
#94
○蓮舫君 日本医療研究開発機構、新たに独立行政法人をもう一つつくるという法案を今回政府は提出されてきました。私は、理念は賛成します。我々の政権時の医療イノベーション推進と全く同じ考えなんですね。
 ただ、大きく違うのは、私たちは政府の中で調整をして縦割り行政の弊害を外そうと思ったんですが、現政権は独立行政法人に外出しする形でその中核を担わせると。なぜ独法をつくるという判断をされたんでしょうか。
#95
○国務大臣(菅義偉君) まず、私ども政権の座に就いたときに、前政権でやったことも私たちはよく参考にさせていただきました。当初、私、これはなぜ官房長官のところに置くのかなと実は思ったんですけれども、やはりこれ縦割りの弊害というんですか、さらにこの基礎研究を実用化するまで切れ目のない支援が十分できていないと、そういう判断の中で、優れた基礎研究のシーズ、そうしたものを生かすためには、今回のような対応をつくらさせていただいたということであります。
 そして、これは総理を本部長とする内閣全体として、まずこの健康・医療というものをしっかりと、世界で最高水準の医療、さらには日本の医療技術というんですか、そうしたものを健康長寿のために生かすことのできるように、そしてまた海外にもしっかりと輸出をすることができるように、そうした様々の観点の中から今回この推進本部というのをつくって、各省庁を統括する意味のこの機構をつくらせていただく法案を出したということです。
#96
○蓮舫君 趣旨は分かるんですが、独立行政法人はやっぱりその制度としての限界があるんですね。今回の新しくつくる機構というのは、ほかの研究開発独法から研究を寄せる、で、ファンディングをする、あるいは人も寄せる。ただ、医療イノベーションということで、インハウス研究と新しい機構の予算はすみ分けましたけれども、ここは恐らく医療といってもすっぱりきれいに二つに分けられるものではないと思うんです。どこまでが医療の分野でどこまでがインハウスの研究か、極めて曖昧な分野というのもあると思うんです。
 そうすると、この機構は、独立行政法人として新設されたときには、ほかの独法とのインハウスの研究の調整とかあるいは整理をする機能は持っていないんですよね。ならば、私は政府内でそれは直轄してやった方が現実的だと思うんですが、それでもなぜ独立行政法人にその中核を担わせるのか、もう少し分かりやすく教えてもらえますか。
#97
○国務大臣(菅義偉君) いわゆる今委員から御指摘のありましたインハウスの研究との連携とか調整は、この独立行政法人ではなくて全閣僚で構成する健康・医療戦略推進本部、ここで実は方向性を決めるということであります。そして、その方向性に基づいてこの新しい独法で目標に向かって推進をしていくという、そういう仕組みをつくらさせていただいたということです。
#98
○蓮舫君 独立行政法人の制度そのものが生まれたのは、独法間の調整とか縦割り行政の弊害を除去するためではなくて、行革です。国が行っていた事業をそれをそのまま外に委ねたら民間が担わないであろうから、だから独立行政法人を使って、税金で運営費交付金を渡してその実務を確実に担うというふうにさせている。だから、それは独法間の調整を行うとかそういう業務は全然ないんですね。
 それは何で、内閣官房というのは元々総合調整機能があるのに、総合調整機能のない独法にその業務を担わせるんでしょうか。私はやっぱりそこが分からないんです。
#99
○国務大臣(菅義偉君) 今私申し上げましたように、総合調整はこの独法では行わないということです。総合調整については、今申し上げましたように全閣僚で構成する健康・医療戦略本部、ここで実は行うということであります。
#100
○蓮舫君 総合調整は恐らく政府に設置されたその本部で行うことは分かります。だけれども、予算の一円からどうのこうの、各省のこの調整がどうのこうのという細かいところは恐らく本部機能ではなくて中核を担う独法が担っていくんです。そのときに総合調整というのは独法にはできないということを指摘しているんですね。
 そもそも、これ稲田大臣にお伺いしますが、独立行政法人が総合に調整できない機能を正すことなく、この法案の方が先に出てきている、そしてその後に独法通則法改正案が出ているんですが、順番が逆じゃないですか。
#101
○国務大臣(稲田朋美君) この法案が独法通則法改正法案よりも先に出たのは、この機構を平成二十七年四月一日に設立すべく所要の経費を今年度予算に計上し、予算関連法案として今国会に提出されたという、予算関連法案であったため、この独法通則法自体は予算措置が必要なものではないため、非予算関連法案として先月提出をさせていただきまして、前後関係がちょっとずれたということだと承知をいたしております。
#102
○蓮舫君 予算関連かどうかだけでずれたという話ではないと思うんですよ。独法が本来持っている部分でうまく総合に機能していないという問題を解決せずして、どうしてこっちの法案の方が優先されるんでしょうか。
#103
○国務大臣(稲田朋美君) 日本再興戦略において、研究管理を行う新たな独法を早期に設立するとされたことを踏まえて、予算関連法案として今国会に提出をされた。そして、この通則法につきましては、繰り返しになりますけれども、予算措置が必要でないため非予算関連法案として先月提出をさせていただきました。
 今の調整についてのことでございますけれども、現在の独法通則法においても業務の調整を行うことについて特段制約する規定はございませんし、今回の法案でもございません。
#104
○蓮舫君 今回提出された独立行政法人通則法、後にこの委員会でも審議されることになると思うんですが、私たちが政権時に作った法案とほぼ中身が一緒です。やっぱり踏襲されている。それは有り難いと思っているんですが、ならば、一年間、政権回復した後に凍結していた時間が本当にもったいないと思っているんです。特別会計改革にしても独法改革にしても、我々のときにつくったものを一年間棚上げして凍結して、その後少し加工して出してきたと。私はこの期間が本当にもったいなかったと思うし、そこは大臣としてもっと指導力を果たしていただきたかったと改めて思っています。
 各省にお伺いしますが、所管独法における研究開発独法で、各省の中期目標、独法の中期計画についてです。
 今回新たな独法に移管をされる医療イノベーションに関する項目についてなんですが、まずは厚労省。医薬品医療機器総合機構の中期目標、ここには世界に先駆けた革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品の実用化促進のための支援というものがあります。この目標に対して、PMDAは、審査の迅速化を図るとした上で、どんな中期計画項目を作って実行していますか。
#105
○副大臣(佐藤茂樹君) 蓮舫委員の御質問にお答えいたします。
 御指摘のとおり、厚生労働省では三月に改定いたしましたPMDAの中期目標で、世界に先駆けた革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品の実用化促進のための支援に取り組むと、そのようにしております。これを踏まえまして、PMDAでは、三月末に策定した二十六年度から三十年度までの第三期中期計画、これを作成いたしました。
 その中で、今関連するところでは三つの大きな柱を掲げさせていただきました。
 一つは、審査ラグゼロ実現を目指した審査体制の強化でございます。今、おかげさまで審査ラグも大分解消されてきまして、ドラッグは今一か月、デバイスは二か月まで審査ラグ縮まってきているんですが、それを更に審査ラグゼロ実現を目指した審査体制の強化を目指そうと。二番目が、開発ラグの解消に向けた薬事戦略相談等の大幅な拡充をするということでございます。三つ目が、革新的な医療機器への審査の重点化などを盛り込むとともに、更に大事なのは体制の強化ということでございまして、常勤職員数を現在七百五十一人、これは平成十六年に発足したときの二百五十六人から三倍になりましたけれども、それを三十年度末までに更に約一・四倍の千六十五人に体制強化することとしておりまして、こういうことをもってPMDAとしては成長戦略の推進に貢献していくこととしております。
 以上でございます。
#106
○蓮舫君 医療に関する成長戦略、恐らく新しい機構に移るであろう研究テーマの内容、PMDAはこれまでも中期目標で掲げて行動してきた。
 厚労省内に設置された独法評価委員会では、そうした革新的医薬品や医療機器や再生医療製品の実用化等について、これまで勧告とかあるいは業務運営の改善にコメントされたことありますか。
#107
○副大臣(佐藤茂樹君) 厚生労働省の独法の評価委員会では、独法通則法に基づく業務運営の改善その他の勧告は行われておりません。
#108
○蓮舫君 文科省にお伺いします。
 科学技術振興機構が達成すべき中期目標では、独創的なシーズの創出から研究成果の企業化開発に至るまで切れ目なく推進すること、科学技術イノベーションの創出の目標に対して機構の中期計画はどうなっていますか。
#109
○大臣政務官(冨岡勉君) 蓮舫委員の御質問にお答えいたします。
 科学技術振興機構では、御指摘の第三期中期目標の規定を受け、第三期中期計画において、独創的なシーズの創出から研究成果の企業化開発に至るまで切れ目なく推進することにより、科学技術イノベーションを創出するための具体的な取組を規定しております。
 具体例としては、全体事項として、バーチャルネットワーク型研究所を構築して、文部科学省が示す政策に沿った基礎研究の実施、基礎研究の成果と産業界のニーズを結び付ける戦略的な産学連携事業を一体的に実施すること。また、これを受けた個別事項として、基礎研究に関しましては、文部科学省が定めた社会的、経済的ニーズを踏まえた戦略目標等の下、課題達成型の研究領域等を組織の枠を超えて時限的に設定し、科学技術イノベーションにつながる創造的な新技術の創出のための研究開発を推進すること。また、産学連携事業に関しましては、大学等における基礎研究により生み出された新技術を基に、柔軟な運営により、企業が単独では実施しづらい基盤的かつ挑戦的な研究開発を推進することとしております。
 以上でございます。
#110
○蓮舫君 今長々御説明ありましたが、基礎研究から研究成果の展開を切れ目ない支援を行うという目標と計画なんですね。
 こういう独法が行っている計画に対して、過去、文科省内に設置された独法評価委員会では、勧告、業務改善、これまで出されたことありますか。
#111
○大臣政務官(冨岡勉君) 文部科学省独立行政法人評価委員会では、基礎研究の成果の実用化を促進する産学連携事業について、科学技術振興機構、JSTの平成二十四年度の、御指摘の科学技術イノベーションの項目に関して、平成二十四年度の実績評価において、文部科学省独立行政法人評価委員会から勧告を出されていませんが、業務運営の改善として、産学連携事業に関して、例えば産業革新機構との連携を今後より一層強化すべきであること、サイトビジットでの課題の進捗管理の強化を通じ、実施者が社会ニーズの調査をより加速させることなどの指摘がなされているところであります。
#112
○蓮舫君 経産省に伺います。
 課題解決型国家の実現に向けた研究開発の重点分野として示した産総研のライフイノベーション推進中期目標に対する中期計画、具体的にどんなものがありますか。
#113
○委員長(水岡俊一君) 経産省、今日呼んでいるかな。
#114
○蓮舫君 あっ、今日来ていない。分かりました。じゃ、いいです。
#115
○委員長(水岡俊一君) 蓮舫君、もう一回。
#116
○蓮舫君 失礼しました。
 今お伺いをした独立行政法人の評価委員会の評価された項目というのは、新しく設置される独立行政法人の機構に恐らく移管をされる、ファンディングされる研究内容です。現在の独法の制度の下では、それぞれ評価を見ると、S、SS、A、物すごく評価が高いんです。つまり、現時点で全部できているという評価なんですね。だから、それでも実用化をされていないから政府はそれを、司令塔機能を持って、横をつなげて風通しを良くしていく、この方向性には私は賛成をします。
 ただ、やはりそれが独法に落とすことで実現するかどうなのか。今言ったように、独法のそれぞれの業務は判断として正しいと言われている、ただ、横の連携が取れていないものを、新しく独法がつくってそれの横の連携を促すことが本当に、司令塔機能のバックアップがあったとしても、実現するかどうなのかを実はすごく危惧しているんですが、官房長官、いかがでしょうか。
#117
○国務大臣(菅義偉君) ここは、政府として、総理大臣を本部長として、全閣僚が出席しての健康・医療戦略本部というのを設置をするわけですから、そこの決定というのはこれは内閣としての決定であります。その決定に基づいて今度新しいこの機構が推進をしていくわけでありますので、そこについてはしっかりとしたガバナンスの下にこれは実行に移すと。
 もっと言うならば、これほど今の高齢化社会の中において健康・医療というのは極めて重要だという私ども内閣の認識の下にこの推進本部というのをつくって、そして、今それぞれの省庁、文部科学、厚生労働、先ほど言われました経産省、こうしたものについて一体となって行う機構をつくるという、そういうことで御理解をいただければと思います。
#118
○蓮舫君 厚労、文科の政務の方、もうほかに質問ございませんので、退席されて結構です。
#119
○委員長(水岡俊一君) 厚生労働、文科の政務官の方、御退席いただいて結構です。副大臣も含めてですね。
#120
○蓮舫君 菅官房長官の御指摘されること、全く共有しているんです。これだけ平均寿命が延びているけれども、健康寿命が残念ながらそこに追い付いていない。あるいは、社会保障の給付費の増大というのはやはり医療、介護、この部分に占めるものが多いので、なるべく元気な御高齢者の方を増やして、そして、なるべく長く活躍をしていただいて納税者になっていただきたいし、いわゆる社会保険の保険料の納付者になってもらいたいと私は思っているので、そのために国が全ての総力を結集して医療イノベーションを実現しようとするのは私は大賛成です。我々の政権でもやってきました。
 ただ、実際、今回の両法案によってそれが実現するのかどうなのか。むしろ手間暇が、手間を掛けることが増えるのではないかと思われることがあるんですが、総務省にお伺いします。総務省が独立行政法人の仕組みを説明するときに主務大臣の過剰な関与の廃止と言っておりますが、この意味は何でしょうか。
#121
○大臣政務官(松本文明君) 独立行政法人の自律性、自主性を重んずるというのが制度の趣旨でありまして、そこから大臣の法人に対する一般的な監督規定は置かない、大臣関与については必要最小限のものに限定した上で個別に法令で明確に定めるとしたところであります。
#122
○蓮舫君 ありがとうございます。自主性、自律性を重んじるために関連大臣の関与をやはり最小限に抑えるということですね。
 官房長官にお伺いします。機構法案の十八条、この主務大臣はどなたでしょうか。
#123
○国務大臣(菅義偉君) 役員の任命等に関する事項については内閣総理大臣であります。それ以外の事項については、内閣総理大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣であります。
#124
○蓮舫君 資料二に付けさせていただきましたが、担当大臣が四人もおられるんですね、この独立行政法人には。政府直轄の仕事を独法が担うこと自体も私は独法制度の趣旨とは違うと思うんですが、担当大臣が四人いる。そうすると、その法人の裁量、自主性、自律性というのがむしろ縛られるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#125
○国務大臣(菅義偉君) まず、今指摘ありましたけれども、この日本医療研究開発機構というのは内閣府を主管府省として、文部科学、厚生、経産を含めた四府省がこれを所管をいたします。そして、機構は、この文部科学、厚生、経産、三省からの財源措置を受けて業務を行うことになっており、三省は自ら補助金等を交付する業務を所管することになっています。
 で、私申し上げましたけれども、この役員任命等については内閣総理大臣、それ以外については内閣総理大臣を含めて四人の大臣ということになっておりますけれども、こういう中にあって担当大臣というのはしっかりとこれ法案成立させた暁には置かせていただきたいというふうに思います。
#126
○蓮舫君 総務の政務三役の方もお帰りいただいて結構です。
#127
○委員長(水岡俊一君) 総務大臣政務官も御退席いただいて結構です。
#128
○蓮舫君 官房長官、私が指摘しているのは、担当大臣を設ける設けないということではなくて、担当大臣が多過ぎるゆえに独立行政法人の様々な作業が増えるのではないかという懸念を持っているんです。新たな機構の主務省は内閣府です。独法は、所管省庁に設置された評価委員会の評価を経て、重要事項を決定し、大臣の承認や認可を受けるものがあります。
 新たな機構は、内閣府の評価委員会の評価だけではないことが十九条に規定されています。何をどの省のどの委員会に評価をしてもらうんでしょうか。
#129
○国務大臣(菅義偉君) まず、個別法において共管省庁独立行政法人評価委員会の関与規定を設けることが一般的であり、この旨を機構の第九条に規定したものであります。
 今、国会で、独法通則法改正でこの独法の評価制度の見直しが行われておるわけでありまして、具体的な有識者の評価のやり方については、この通則法案の条項を踏まえながら適切に対応していきたいというふうに考えています。
#130
○蓮舫君 十九条の中身で、この機構が評価委員会に評価を受けるものは何ですかと伺っているんです。
#131
○国務大臣(菅義偉君) いずれにしろ、この評価内容の項目については、法案成立後作成される医療分野研究開発推進計画や法人の中期目標、中期計画等を踏まえて決定される予定であるというふうに思います。
#132
○蓮舫君 十九条を読みますと、この新たな独立行政法人の機構が作る中期計画、財務諸表、剰余金の使途、借入金の是非、不要財産の国庫納付、役員の報酬などそれら全てを、あるいは、毎年度の業務実績評価に至るまでを文科省、厚労省、経産省のそれぞれの独法評価委員会の意見を聴いた上で、更に同じ項目を今度は内閣府に設置された独立行政法人評価委員会の評価を得るんです。四度手間です。これは業務の効率化とは真逆の効果を生みませんか。
#133
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、この三省の評価委員会の意見を聴くことは想定をしていますけれども、これからできるこの法律に基づいて適切に対応できるものを決定していきたいというふうに思っています。
#134
○蓮舫君 いや、じゃ、内閣府の独法評価委員会だけで事足りるとすればよかったんではないですか。
#135
○国務大臣(菅義偉君) 少なくとも三省がこれ所管をしていることは事実でありますので、そこは今私申し上げたとおりだと思います。
#136
○蓮舫君 ここを一番危惧するんです。結局、縦割り行政を排するといいながら、全ての省庁の関与が残ったままなんですよ。だから、その所管は内閣府に置かれるんだけれども、経産、厚労、文科のひもがずっと付いているということがむしろ私は新しい独法の業務量を増やしてしまうことにつながると懸念しているんですね。
 じゃ、もう一つ伺います。独法の予算はどうやって決まるんでしょうか。
#137
○国務大臣(菅義偉君) 健康・医療推進本部が定める方針に基づいて、総合的な予算の要求、配分調整をまず行うことにいたしております。
 具体的には、概算要求前に、健康・医療戦略推進本部において策定する医療分野の研究開発関連予算の要求の基本方針を受けて、各省が医療分野の研究開発関連予算についての要求を内閣官房に提出をし、当該予算の要求に当たっては内閣官房の了解を得、内閣官房は各省から要求の提出を受けた後に調整を行って、必要に応じて要求内容の見直し等を各省に指示するということであります。各省は、そうした指示を受けて要求内容の見直し等の対応を行うとともに、その対応状況を内閣官房に報告をし、その了解を得ることによって内閣官房と共同して概算要求を行うことになっています。
#138
○蓮舫君 医療イノベーションの司令塔機能というからには、やはり関係省庁を超えた強い内閣の主導と省庁横断的な予算編成とその配分の一括管理というのは、私はこれは欠かせないと思っているんです。恐らくそれが内閣に設置された本部が司令塔機能で調整をするということになるんだと思うんですが。
 資料三に付けました、平成二十六年、医療分野の研究開発関連予算のポイントの二十六年度決定を見ると、独法がまだできていないから、あるいはその本部がまだ設置されていないから、取りあえず二十六年度予算は文科、厚労、経産から集めたものを積み上げてここに予算計上されているんですね。
 ただ、これ、来年新たに機構が成立した場合には、この予算編成は各省が出してきたものを本部で総合調整をして決定をするという流れになるという今官房長官の御説明でしたが、一般的に聞きますが、国家戦略の司令塔機能を果たすということは、来年からの予算編成は各省から上がってきたものをそのままこのように括弧付けで載せるのではなくて、内閣官房がそれをきっちりと調整をすることが可能なんでしょうか。
#139
○国務大臣(菅義偉君) そこは、先ほど来申し上げていますように、本部の決定に基づいてこれは予算要求をすることになっておりますので、そこは本部のその方針に基づいてそうなるというふうに考えています。
#140
○蓮舫君 確認です。予算など資源配分のいわゆる優先順位を本部が付けるということですね。
#141
○国務大臣(菅義偉君) そうです。
#142
○蓮舫君 そうすると、例えば実用化が見込まれるシーズがPD、POの目利きで見付かったと、iPS細胞が研究開発された後にやはりそこには予算が大きく配分をされて今実用化に向けて走っているという前例もあるように、何か成果を生むであろう、実用化されるであろうシーズが見付かった場合には、そこに内閣主導で過去の予算配分の優先順位が大きく傾倒する可能性があるということですね。
#143
○国務大臣(菅義偉君) そのとおりです。
 具体的に申し上げますと、この健康・医療戦略本部というのは総理が本部長でありますから、そこにおいて集中的に計画的に予算配分をする、その重要性というものを何にするかということをそこで方針を決めますから、その方針に基づいて毎年度の研究領域に重点化を行うかという、そういうことは決定をしていきたいというふうに思っています。
#144
○蓮舫君 資料四に付けさせていただきました科学技術関連予算の推移なんですが、もうこの五年間、大体同じぐらいの規模で推移しています。つまり、科学技術関連予算のパイというのは限られている。今回の法案二つが通ったところで、ここが大きく増える余裕は我が国財政には残念ながら現状まだないと。
 じゃ、パイが限られる中で、司令塔機能が優先順位を付けることによって予算が削られる分野は出てくるんですね。
#145
○国務大臣(菅義偉君) そこは当然そうなると思います。
#146
○蓮舫君 九分野に中核の分野を絞り込んでいくと。各研究においても、その中核分野に沿った思い切った優先順位を付けて適切な資源配分をしていくと。有望なシーズがあった場合には削られるところと増えるところがある。そうすると、随分と関係省庁、あるいは研究者、関係機関、あるいは議員、関係団体、抵抗が激しいんではないでしょうか。
#147
○国務大臣(菅義偉君) ここは、いずれにしろ、国民の健康・医療について何が必要なのか、今この国に何が必要なのか、そういう中の判断から予算は決定をしていきたいというふうに思います。
#148
○蓮舫君 衆議院のこの日本版NIH法案の審査の議事録も読ませていただきましたが、やはりそういう懸念の声が相当多かったというか、この予算は切らないでくれという質問が随分多くて、私、行革を担当していたからすごくその痛みが分かるんですね。限られたパイの中で優先順位を付けるということは、増えるところと減るところがあって、減るところの抵抗は相当多くて、そこをどうやって説得するかというのがまさに内閣主導の司令塔機能の腕の振るいどころだと思っているんです。
 それは、そう考えると、また資料二に戻るんですけれども、だからこそ、この関係する所管府省を少なくすることに実は私は力を注いでいただきたかったんです。内閣府の下に文科、厚労、経産があってもいいぐらいです、この図でいったら。つまり、予算編成権は各省が持っている、独法の評価委員の機能も各省が持っている。どんなに内閣官房が総合機能、総理大臣が本部長だといっても、やはりそこは物理的な予算編成時の抵抗というのは相当高いと思う。それを超えられるすべというのは何かあるのでしょうか。
#149
○国務大臣(菅義偉君) そこは先ほど来度々申し上げていますけれども、健康・医療戦略推進本部という、総理を本部長に、また全閣僚が出席をしてその方向性を決めるわけであります。
 ちなみに、本年、この具体的な金額、今回の医療分野の研究開発予算については、対前年度約二割増の千二百億円になっていますし、さらに、医療分野の研究開発の調整費を含めると対前年度比四割増の千四百億円になっております。
 そういう中で、確かに増えていますけれども、必要なものについては重点的に配分をして、そうでないものについてはやはり調整をしていくというめり張りの付いた形にここはしっかりと推進をしていきたいというふうに思います。
#150
○蓮舫君 総理が本部長で全閣僚がその本部のメンバーだから大丈夫だという説明を先ほど来お話しになられておりますけれども、そうした会議というのは往々にして、官僚に用意された原稿を所管担当大臣が、この分野は大事だからこの予算はもっと計上したいという予算要求発言につながることもあるんです。
 だから、その調整をどのように行うかというのが実はすごく大事で、提案なんですけれども、法案を見ておくと、副本部長に担当大臣をつくると、官房長官のほかに。そうすると、やっぱりこの副本部長、関係大臣はただの部員ですから、副本部長に総合調整権限、その予算調整に係る何らかの権限を持たせることを提案しますが、いかがでしょうか。
#151
○国務大臣(菅義偉君) まず、先ほど来申し上げていますように、本部が司令塔としての機能を含めて予算の要求、配分調整を行うと。それに、各省から必要な予算というのはこれ上がってくるわけでありますけれども、しかし、ここは、副本部長が健康・医療戦略に関し内閣総理大臣を助け、各調整というのはこの担当大臣が行うことになるわけですけれども、これは内閣として基本方針を打ち出して、それに従って行うわけでありますから、私は、蓮舫委員のそういう懸念というんですか、そういうことは当たらなくて、このことは実施できるというふうに考えております。
#152
○蓮舫君 独立行政法人への運営費交付金というのは、その独法から三年から五年の中期計画の内容や目標、それに沿って運営費交付金の算定ルールを含めた予算をつくって、各省の評価委員会の評価を得て、各省の大臣の認可を受けることによって決められると。
 そうすると、運営費交付金の算定というのは、経産大臣、厚労大臣、文科大臣、それと内閣総理大臣、あるいは官房長官か担当大臣の認可を得て運営費交付金がつくられるんです。これ、総理だけが力を持っているとか、あるいは担当大臣だけが何らかの独自の権限を持っていれば恐らく調整は可能なんですけれども、そこは結構やっぱりフラットなんですね。だから私は懸念を表明しているんです、先ほど来。そこにおいて、ならば、独立行政法人の自主性、自律性を重んじるのであれば、やはり理事長の提案をもっと本部の会議の中で議論するときに重んじていただけるような仕組みを入れることができないんだろうか。
 確認なんですけれども、そうやって予算がつくられたときに、通常の独法の場合には、運営費交付金をもらったら三年から五年の中期計画の中で理事長の判断で目標を到達するような柔軟な予算の使われ方ができるんですね。今年余らせたから来年積んでおいて、来年この研究に投与をしていくと。その柔軟な理事長の権限というのは、この新たな機構にも認められるんでしょうか。
#153
○国務大臣(菅義偉君) この運営費交付金、これを含む機構の予算全体については、中期目標、中期計画に従って最大の成果が得られるように理事長の権限の下に適切に執行されるものとここは考えております。
#154
○蓮舫君 理事長は独法を代表してその業務を総理する、つまり全体を統一して管理をする。
 ところが、今回内閣官房から資料をいただいた資料五なんですけれども、例えば九つのプロジェクトの中の一つ、医薬品創出の基盤強化に向けてなんですが、きれいに予算が色分けされているんです。これ、各省から新たな機構に集約された予算なんですが、青が文科省、ピンクが厚労省、緑が経産省。
 事前に担当者に御説明をお伺いしましたが、集約された予算が何でこんなミシン目になっているのかと。つまり、独法の理事長の判断で、シーズが出そうなもの、実用化に結び付きそうなものは、この中で予算のいわゆる優先配分を行うことができるのか、溶け込むんですかと聞いたら、溶け込まないと伺いました。つまり、どんなに理事長に総理をする権限を持っていたとしても、各省庁がこうやってミシン目を入れて、それぞれの予算はそれぞれで消化をしますと説明を受けたんですが、それじゃ独法をつくった意味がないんですね。
#155
○国務大臣(菅義偉君) ここは担当大臣が調整することになっていますから、そこの重点的な問題については副本部長、そこは可能だというふうに考えます。
#156
○蓮舫君 資料六で作成をしたんですが、今回の九分野で、赤いのが既存事業です。青いのが新規事業です。ほとんどが既存事業で、それぞれの省庁で、例えば実用化のめどがもしかしたら立たないかもしれないけれども、基礎研究として大事だったと思われるものも含まれている。その優先順位を付けるといったときに、やっぱり既存事業が持っているものを、それを優先順位を傾斜をするってやっぱり相当私は難しいことだと思うし、むしろ、だからこそ司令塔機能に私は期待をしたいと思うんですが。
 一方で、次の資料七なんですが、新しい機構には百二人の職員が移管するといっているんですが、これ、なぜそれぞれの独法から移管をすることを決めたんでしょうか。
#157
○国務大臣(菅義偉君) まず百二人の、今これ委員の資料がありますように、ここは事実であります。これについてはスクラップ・アンド・ビルドの原則に基づいて、公的部門の肥大化は行わないと。それで、そういう観点から、いわゆる、職員をここに移管をするわけでありますけれども、それ以外にまた、この機構の職員全体として、三百三人ですから二百一人ですね、その方たちについてはまさに有期付の採用の方もいるでしょうし、そういう意味で非常にこの研究にふさわしいものをつくり上げていきたいというふうに思っています。
#158
○蓮舫君 この百二人は出向ですか。
#159
○国務大臣(菅義偉君) 百二人については、それぞれの中の枠であります。ですから、そこの今指摘を受けましたそれぞれの役所からの移管という枠に考えています。
 そして、それ以外に二百人の、三省の枠を超えて、いわゆる先ほど来話が出ていますPDだとかPOだとか、そうした基礎から実用化まで切れ目のない研究を行うような体制をつくっていきたいと思っています。
#160
○蓮舫君 人も予算も各省、各省所管の独法から集約して始めるというのがこの機構のスタートなんですね。九つの分野の中身は大半が既存予算ですから、従来同様、広く薄くならないように是非していただきたい。
 そのためにも配分の一括管理、これ、ちょっともう一回確認ですが、さっきの五ページ目の資料戻っていただくと、ミシン目を入れた予算じゃなくて、新たに就任される機構の理事長が、それぞれの、元々省庁が要求していた予算を自由に本部の計画に基づいて予算の組替えを行うことは可能ですか。
#161
○国務大臣(菅義偉君) 理事長ができるということでなくて、予算要求の段階でそれを承知をしますよね。そのときに内閣官房とそこは調整をしながら行うということです。
#162
○蓮舫君 そうすると、独法の理事長の自主性、自律性はどこにあるんでしょうか。
#163
○国務大臣(菅義偉君) 理事長は、いわゆるこのプログラムディレクターとか、あるいはプログラムオフィサーとか、まさに極めて大切な人事、そうしたものについては理事長が権限でありますし、さらにまた運営交付金についてもこれは理事長が行う仕事であります。
#164
○蓮舫君 いや、官房長官、運営費交付金を、じゃ、自由に使えるんですね。言っていることが矛盾しておられますが。
#165
○国務大臣(菅義偉君) いわゆる理事長は、本部の決定によって、それぞれの省庁が予算要求を、内閣官房と相談しながら予算要求をするわけです。そして、その予算について理事長が機構の中では責任者という形になって行うことができるという仕組みであります。
#166
○蓮舫君 いや、運営費交付金というのは各省から移管されてきたファンディングの予算が入っているんです。それが決まったときに理事長の判断で好きなところに再配分をすることができるんですかという確認です。
#167
○国務大臣(菅義偉君) 運営費交付金については、それは理事長の権限で適切に執行されるというふうに考えております。
#168
○蓮舫君 分かりました。各省庁の縛りが理事長の判断で外されて、資料五のようなミシン目ではなくて、シーズが発掘された場合には、文科省の予算だったものが厚労省の研究に回されるとか、経産省の予算に回されることが可能だという理解で受け止めました。いいですね、それで。
#169
○国務大臣(菅義偉君) 今委員と私の間でちょっと違いがあるのは、この機構に対して研究関連の事業費を補助金として交付するとともに、人件費等の管理については機構の業務運営上必要な額を見積もって運営費交付金として交付すると。これについては理事長が権限があるということです。
#170
○蓮舫君 時間がないので最後の質問にさせていただきますが、一点確認させてください。
 新たな機構の事務所をなぜ東京とされるのでしょうか。
#171
○国務大臣(菅義偉君) これについては、総合的にこの機構の位置付け等を考えたときに東京に置くことが適当だという形の中で、総合的に勘案をして都内にしたということです。
#172
○蓮舫君 政府が同じく進めている国際戦略の中で総合特区があります。国が規制、制度の特例措置、税制、財政、金融上で支援している特区として京浜臨海部にライフイノベーション特区をつくっています。この地域の目標は何でしょうか。
#173
○国務大臣(菅義偉君) この京浜臨海部ライフイノベーションの国際戦略特区というのは、まさにグローバル企業による革新的医薬品だとか医療機器の開発、製造と健康、こうした関連産業を創出するために平成二十三年十二月に指定をされたところであります。
#174
○蓮舫君 まさにこの特区では、個別化、予防医療時代に対応したグローバル企業による革新的医薬品、医療機器の開発、製造と健康関連産業創出のための規制の特例措置、税制、財政、金融上の支援措置等を活用して、革新的医薬品、医療機器の開発、製造と健康関連産業の創出を行っているんですね。
 この地域の中では、国、独法、大学、研究機関、研究者が本当に融合されてライフイノベーションを実現しようとしている。ならば、私は独法の事務所はここに置いた方がよっぽど現実的だと思うんですね。事前に何で東京都に置くのかという説明を聞いたら、内閣に置かれる推進本部と一体となって業務を行う。会議体と業務を行うよりも、実際に動いている国際戦略特区で業務を行った方がより現実的だと私は思いますが、いかがでしょうか。
#175
○国務大臣(菅義偉君) 国際戦略特区というのは京浜臨海部だけでなくて、医療等を行う部分というのはここはあるわけでありますから……
#176
○蓮舫君 医療はここだけですよ。
#177
○国務大臣(菅義偉君) いや、全体として、今申し上げましたけれども、医療研究開発機構の事務所として、本部とやはり密接な連携を取る必要があるということで、この本部にしたということであります。
#178
○蓮舫君 官房長官、密接な連絡というのは、もう今どういう形でも取れますから、地域的に離れていても、ならば現実的に、同じ国家戦略で進めているライフイノベーション特区に置いた方が私はより現実的ではないか。だから、東京都に置くと条文になっていますけれども、東京都でも比較的そこに近い地域というのもありますから、そういう部分も是非勘案して決めていただきたいと思います。
 時間になりました。以上です。ありがとうございました。
#179
○委員長(水岡俊一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#180
○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、浜田和幸君及び山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として荒井広幸君及び田村智子君が選任されました。
    ─────────────
#181
○委員長(水岡俊一君) 休憩前に引き続き、健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#182
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますよう質疑をしたいと思います。
 まず、法案の背景について少し伺いたいと思います。
 健康・医療戦略推進法案第一条、目的には、健康・医療に関する先端的研究開発及び産業創出を図るとともに、それに通じた我が国経済の成長を図ることが重要と規定をされておりますが、我が国においては現在、医薬品、医療機器等、貿易収支は二兆円の輸入超過の状況でありますが、まず、この原因をどのように考えているのか、どのように改善をしていくお考えかを伺いたいと思います。
#183
○政府参考人(神田裕二君) 我が国は、アメリカ、スイスに次ぐ世界第三位の創薬国でございまして、また医療機器についても診断系の機器では輸出超過の傾向にございます。その一方で、先生御指摘のとおり、物の動きとして見た場合には、医薬品と医療機器の合計で約二兆三千億の輸入超過というふうになってございます。
 その原因につきましては、日本は製造立地としての魅力に課題があるため、製造拠点を海外に移し、現地製造の製品をそのまま海外で販売しており、統計上は輸出には含まれないということも考えられます。また、医薬品につきましては、最近非常に伸びております、がん領域における医薬品あるいはバイオ医薬品に日本企業が弱いこと、医療機器については、主に人に対する侵襲性が高い医療系機器が輸入に依存していることといった課題も指摘されているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした点につきまして、革新的な医薬品、医療機器の実用化を推進するため、研究開発から実用化に至るまでの各ステージへの途切れることのない支援といたしまして、研究開発に係る税制上の優遇措置、臨床研究中核病院の整備、PMDAにおける薬事戦略相談の拡充などを行ってきているところでございます。
#184
○秋野公造君 もうちょっと細かく伺いたいと思いますが、製造立地、それから医薬品、医療機器、個別の課題の御説明でありましたけれども、これについて、厚労省としてそれぞれどのように解決をしていくおつもりかということを重ねて伺いたいと思います。
#185
○政府参考人(神田裕二君) 製造立地の御指摘についてでございますけれども、国際競争力の維持強化を図るという観点からは、グローバルの視点で日本の医薬品、医療機器市場の相対的な魅力を向上させていくことが結果的に製造拠点の国内誘致に結び付くものというふうに考えてございます。医薬品、医療機器の開発に関しましては、大学研究機関等における我が国の優れた研究成果を確実に企業における医薬品としての実用化につなげていくことが重要であるというふうに考えておりまして、その支援のための取組を強化することが必要だというふうに考えております。
 具体的には、基礎から実用化まで一貫した研究開発を推進することとなります日本医療研究開発推進機構の管理、支援の下で、特に厚生労働省といたしましては、先ほど申しましたような国際水準の臨床研究や医師主導治験のための複数病院から成る大規模ネットワークの中心的な役割を担える医療機関等の臨床研究中核病院の整備を進めるといったことですとか、有望なシーズを持つ大学研究機関、ベンチャー企業等を主な対象として、開発初期から治験までの指導、助言を行います薬事戦略相談の体制の拡充、また、研究開発拠点の立地と併せて、製造拠点の誘致を促す意味での税制上の措置等を行っていくということで立地の魅力を高めていく取組をしてまいりたいというふうに考えております。
#186
○秋野公造君 確認ですが、それで貿易収支の改善を図るということでよろしいでしょうか。
#187
○政府参考人(神田裕二君) こうした取組と併せまして、研究開発そのものの強化ということと併せて、貿易収支の改善等に取り組んでいく必要があろうかというふうに考えております。
#188
○秋野公造君 それでは、一つ一つ個別に聞きたいと思いますが、まず臨床研究を効果的に推進するために複数病院から成る大規模ネットワークの臨床研究を行うということであります。ちょっと詳しくお聞きをしたいと思いますが、臨床研究中核病院の体制整備について伺いたいと思います。
#189
○政府参考人(神田裕二君) 臨床研究中核病院につきましては、国際的な水準の臨床研究や医師主導治験のための複数病院から成る大規模ネットワークの中心的な役割を担える医療機関として考えております。また、世界に先駆けて人に初めて新規の薬物等を投与する臨床研究試験を担える医療機関といたしまして、早期・探索臨床試験拠点を整備しているところでございます。臨床研究中核病院については二十四年度から十か所を整備をしております。それから、早期・探索臨床試験拠点については二十三年度から現在五か所を整備しているところでございます。
 こうした医療機関につきましては、二十五年度の補正予算又は二十六年度の当初予算におきまして、臨床研究に用います機器等の整備でございますとか臨床研究に従事いたします医師、それから生物統計家、データマネジャー等の人件費などの支援を行っているところでございます。
#190
○秋野公造君 臨床研究中核病院ができるということで受皿ができるということは理解をいたしましたが、研究の公募に応じていただかない限りはこれは進まないということになりますが、この医療分野の研究開発について、この二法案が成立することでそれがどのように改善されるのか、ちょっと詳しめに御説明いただきたいと思います。
#191
○政府参考人(中垣英明君) 課題の解消についてのお尋ねをいただきました。
 例えば、現在は文部科学省、厚生労働省及び経済産業省並びに各省が所管する独立行政法人のそれぞれが個別に研究費の支援を行っておるということでございますので、例えば研究費の申請に関しまして、申請窓口がそれぞれ異なるということだけではなくて、申請時期でありますとか申請書類のフォーマットが統一されていないといった、研究者それぞれのそういった様式でありますとかを習熟する必要があるとともに、今事務負担が大きくなっているというような指摘がございます。
 今回、日本医療研究開発機構に研究費の配分等の事務が集約されて言わばワンストップサービス化されるということでございますので、これで基礎から実用化まで切れ目なく研究支援が実現されるとともに、研究費の申請等に係る研究者側の事務負担が軽減されることになると考えております。
 また、研究開発の成果を実用化につなげるためには知的財産権の取得の支援でありますとか企業とのマッチングの促進などのサポートが必要となりますが、同機構にはそういった問題につきまして専門的な知見を有する方を配置いたしまして、これらの支援をこれまで以上に充実していきたいと考えておるところでございます。具体的には、特許等の知的財産を戦略的に取得、活用するための専門的な助言でありますとか具体の研究開発の成果の積極的な売り込み、医薬品医療機器総合機構における薬事戦略相談との連携の促進といったことを想定しておるところでございます。
#192
○秋野公造君 私もかつて文部科学省の科学研究費を何度かいただいたことがありますけれども、確かに他省庁への研究申請を行うようなところまで思いも至らず、お願いもできなかったことを覚えておりますので、こういった形で広がってほしいと思います。
 そして、これが進んだ場合、医師主導治験等も進んでいくことになることを期待するわけですけれども、審査をする側についても伺いたいと思います。
 先ほど議論もありましたので、改めて伺いたいと思いますが、PMDAの審査体制の強化、人員確保、審査スキルの向上といった点、PMDA自体も変わらないといけないと思います。ここについて伺っておきたいと思います。
#193
○政府参考人(成田昌稔君) 日本発の革新的な医薬品、医療機器の実用化を進めることは成長戦略の重要な柱でございます。日本再興戦略でもPMDAの審査体制の充実強化等に取り組むこととされております。
 具体的には、日本再興戦略を踏まえまして、高度な医療機器の実用化を促進するための規制の見直し等を盛り込んだ改正薬事法の適切な施行、開発初期からの明確なロードマップ相談を実施するための薬事戦略相談の充実、PMDA関西支部の設置などに取り組んでいるところでございます。さらに、審査、相談の質の高度化に向けた新しい審査方式として、PMDA自らが臨床試験データ等を活用した解析を実施する仕組みの導入など、今後積極的に研究等を進めていくこととしております。
 これらの取組を通じまして、審査、相談の迅速化と質の向上を図り、我が国の優れた基礎研究の成果を世界に先駆けて実用化につなげたいと考えております。
#194
○秋野公造君 臨床研究が行われ、PMDAで審査が促進するわけでありますが、薬が開発されるといったときに、薬を扱う方の資質向上も併せて行っておく必要があるとの思いから伺いたいと思います。
 まずは、高齢化の進展あるいは医療の高度化によって、地域における在宅医療、こういった分野でも薬剤師の方の役割というのはどんどん高まってくると思いますけれども、この点も含めまして薬剤師の資質向上についての取組を確認しておきたいと思います。
#195
○政府参考人(成田昌稔君) 御指摘いただきましたとおり、高齢化の進行や医療の高度化によりまして、病院でのチーム医療や地域での在宅医療等の分野で薬剤師の役割がますます重要になってきております。こうしたニーズに対応して、チーム医療や在宅医療等での実践的な能力を発揮できる薬剤師を確保するため、平成十八年度より六年制の薬学教育が導入されたところでございます。
 具体的には、患者とのコミュニケーション能力や問題発見・課題解決能力、医療現場で通用する実践力を身に付けるため、薬局や医療機関における長期実務実習の導入、疾病や身体の状態に対応した薬の作用等を学ぶ医療薬学の教育課程の充実を行い、薬学教育の修得をする薬学的知識、技能を大幅に充実したところでございます。
 引き続き、六年制の薬学教育の定着を進めまして、医療の高度化に対応した薬剤師の資質の向上に取り組んでいきたいと考えております。
#196
○秋野公造君 薬剤師だけではなくて、登録販売者あるいは配置従事者も薬を扱っているということになりますが、薬剤師と同様にそういった方々の資質の向上も必要であると考えます。
 厚労省におきまして、これまで登録販売者あるいは配置従事者の資質の向上についてどのような取組が行われてきたのかを確認しておきたいと思います。
#197
○政府参考人(成田昌稔君) 薬局、店舗販売業、配置販売業に従事する登録販売者と配置員は、薬剤師と同様、医薬品を取り扱っております。国民の安全の確保の観点から継続的な資質の向上が必要と認識しております。
 医薬品の販売業者は、法令上、従事者への研修の実施が求められており、医薬品の適正使用と安全対策、薬事に関する法規と制度、主な医薬品とその作用など、国民の安全の確保に必要な研修を行っております。また、厚生労働省では、研修の方法や内容に関するガイドラインを定めるなど、各販売業者が行う研修が適切に実施されるよう指導してきたところでございます。
#198
○秋野公造君 今御答弁では、登録販売者又は配置従事者の方々に対しても資質向上の支援の取組をしてきたということでありますけれども、セルフメディケーションの推進をする必要性でありますとか、あるいは患者のニーズも多様化をしておりまして、そして六月の十二日には一般用医薬品のインターネット販売が認められるようになるなど、こういった薬を取り巻く環境というのは大きく変わってきます。
 登録販売者や配置従事者も取り巻く環境も大きく変わってくるということが見込まれる中で、もうちょっと深掘りしたいと思いますが、登録販売者、配置従業者の資質の向上については私は更なる取組が必要なのではないかと思っています。訪問販売などの観点なども学んでおく必要があるんじゃないかと思いますが、今後どのように進めていくのかということをお伺いしたいと思います。
#199
○政府参考人(成田昌稔君) 御指摘いただきましたとおり、登録販売者や配置員を取り巻く環境は大きく変わってきております。こうした環境の変化の中で、ただいまの御意見いただきましたように、登録販売者や配置員の資質の向上については、セルフメディケーションの推進や国民の健康ニーズへの対応、ネット販売の施行など、販売環境の変化に対応して様々な御意見があるものと承知しております。
 今後、登録販売者や配置員の資質の更なる向上のためにどのようなことができるのか、関係の方々から様々な御意見を伺いながらしっかり対応してまいりたいと考えております。
#200
○秋野公造君 資質の向上は大変重要でありますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 難病の治療、研究開発について伺いたいと思います。
 平成二十六年度のこの新独法の対象経費に難病克服プロジェクト九十三億円が計上されているということを高く評価をしたいと思いますが、衆議院の議論においては、難病は患者の数が少ないのでそのまま産業に結び付くものではないが、難病の治療方法の研究開発にもしっかり取り組むべきであるという意見がありました。本法とは別に難病に関する法律案も今国会で提出をされておりますけれども、患者団体を中心としまして、この難病克服プロジェクトが新独法に行ったら難病研究がなくなってしまうのではないかという懸念があるのも一方では事実だろうと思います。
 まず、機構設立後、現在の厚生労働科学研究費における難病に関する研究と機構の研究、どこの部分がどのように担い合うのかということを伺いたいと思います。
#201
○政府参考人(高島泉君) 厚生労働科学研究費におけます難病に関する研究につきましては、今年度から大きく言って二つに分けたところでございます。一つは、難治性疾患の実用化研究事業ということでございまして、これは難病の病態解明を行い、新規治療薬、医療機器等の開発につなげるための研究を更に推進するためのものでございます。それからもう一つのものが、難治性疾患の政策研究事業でございます。こちらは医療費助成の対象となります指定難病の選定、見直しのための疾患ごとの患者数の把握、それから診断基準、重症度分類、診療ガイドライン等の確立、改正、普及に関する研究をするものでございます。
 今後、日本医療研究開発推進機構が設立されましたら、この実用化研究事業の方につきましては機構が総合調整を行い、政策研究事業の方につきましては引き続き厚生労働省で実施していく考えでございます。
 いずれにしましても、難病法案におきまして難病の発病の機構、それから診断、治療方法に関する調査研究につきましては国が推進するということを規定しておりますので、厚生労働省としては、必要な予算を確保しながら、機構と連携しながら、より戦略的に難病の克服に向けた研究開発を推進していきたいと考えております。
#202
○秋野公造君 私は、難病の数は極めて多いんですが、難病を研究する研究者の数はそう多くもなく、そういった意味では限られた人材を例えば政策的研究、疫学とか基礎というんでしょうか、それと臨床、開発の方に分けてしまうということが不効率じゃないかというような懸念を持っているわけですけれども、難病に関する研究を機構と厚労省で分かれて実施をするという御答弁でありますが、この研究の実施、推進に支障が生じないかという懸念についてお答えをいただきたいと思います。
#203
○政府参考人(高島泉君) 御指摘のとおり、厚生労働省におきましては政策の推進のための評価に関する研究を引き続きやるということでございまして、機構におきましては、我が国の優れた基礎研究の成果を確実に医薬品等の実用化につなげるということができますように、各省庁がそれぞれ行ってきた医療分野の研究開発を集約して行うということで、基礎から実用化までの一貫した支援を行うということを考えております。
 このように、両者の研究の趣旨、目的というのは異なっておりますので、研究の実施に支障はないと、こういうふうに考えておりますけれども、やはりこの両者が相まって疾患の克服を目指していくという必要がございますので、これから取りまとめます公募要領におきましては連携の必要性を明記し、必要に応じて合同で研究班会議を開催するなど、両研究事業の連携を図る取組を推進し、効果的に疾患の克服を目指してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#204
○秋野公造君 そうはいっても、なかなか懸念というのは消えないものであります。
 官房長官に伺いたいと思います。
 難病に係る研究の開発というのは、これ総理も大変重要視しているものであります。その難病に係る研究開発の推進については何らかの形で明確に位置付けるべきではないかと思いますが、官房長官の見解を伺いたいと思います。
#205
○国務大臣(菅義偉君) 今まず委員の御指摘された懸念というものを十分に考慮しながら、これは対応していきたいというふうに思います。
 医療分野のこの研究開発予算の中で、平成二十六年度に、機構の設立に先立ちまして、九つの各省連携プロジェクトを立ち上げて重点化を図っているところであります。その中の一つに難病克服プロジェクト、このことを位置付けをいたしまして、九十三億円の予算額を計上をいたしております。
 本法案に基づいてこれから策定することになります健康・医療戦略及びこの医療分野研究開発推進計画においても、難病等に係る研究の重要性、ここをしっかりと位置付けをしまして、克服のために邁進をしてまいりたいというふうに思います。
#206
○秋野公造君 よろしくお願いをしたいと思います。
 今の官房長官の御答弁を踏まえまして、厚労省だけでなく、関係各府省が実施している医療分野の研究開発関連事業についても新独法に移管後も着実に実施をすること、継続することができるのかということ、確認をしておきたいと思います。
#207
○政府参考人(中垣英明君) 機構へ事業を移管することによりまして、現在継続しております医療分野の研究開発に支障を来すことがないように取り組む必要があると、非常に重要なものだというふうに考えております。
 具体的には、現在それぞれの研究開発関連事業で実施中の継続課題につきましては、法案の成立後、機構の業務開始とともに円滑に移管できるよう必要な準備を進めていきたいと思っております。
 また、一方で、機構には移管されず引き続き各府省において実施するような、例えば行政事務の遂行に必要な調査等、そういったものがあるということは承知いたしておるところでございます。この機構法が成立した後には、医療分野の研究開発につきましては全てこの機構に移管されることになるわけでございますけれども、引き続き円滑に研究開発というものを推進するためには、こうした各府省に残る調査等の事業につきましても必要に応じて十分な連携を図るといったことが必要であると思っておりますので、十分取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#208
○秋野公造君 新独法で研究費の配分の在り方あるいは交付先を決めるのはどなたになりますでしょうか。
#209
○政府参考人(中垣英明君) 例えば大きな分野、再生医療とか、がんといった、そういったどの研究領域に重点的に配分を行うか等の資源配分の基本的な方針につきましては、内閣に置かれます健康・医療戦略推進本部が有識者の意見も聞きながら決定することとしておるところでございます。
 具体的には、例えば平成二十六年度予算におきましては九つの各省連携プロジェクトを取りまとめるなどの重点化を図っておりますけれども、こういった重点化の方針というものは本部において決定することといたしております。この本部の方針を踏まえまして、個別の研究課題につきましては、日本医療研究開発機構におきまして本部が作成する医療分野研究開発推進計画に基づきまして、同機構に置かれる研究マネジメントに秀でたプログラムディレクターやプログラムオフィサーの下で専門家の評価も得ながら採否を決定して、研究費の配分を行っていきたいと思っておるところでございます。
#210
○秋野公造君 先ほど難病は数が多くて研究する人が少ないということで、非常に幅が広いわけであります。
 プログラムディレクターや今ありましたプログラムオフィサー、特定の分野、専門分野に精通をしている方がほかの分野を本当にきっちりカバーをすることができるのか、あるいは、たくさんいる患者団体との調整などの、そういったことの人間関係も含めながら対応することができるのかということは非常に懸念もされるところであります。
 私は、PDあるいはPOというのは、特定の専門分野に精通するというよりは幅広い分野をカバーする能力が求められるのではないかと思いますが、伺っておきたいと思います。
#211
○政府参考人(中垣英明君) 例えばPDといたしましては、研究現場の第一線で活躍されて、研究成果でありますとか研究プロジェクトのマネジメントに十分な実績と経験のある方に就いていただくのがふさわしいというふうに考えております。
 また、POといたしましては、PDの下で個別の研究課題を管理することとなりますので、具体的には、その個別の研究課題の選定でありますとか評価の実務、研究予算執行の進捗管理等に経験と実績のある方に就いていただくのがふさわしいと考えておるところでございます。
 こういった職務の内容に鑑みますと、御指摘のとおり、担当分野全般をカバーするようなバランス感覚を有しているということも非常に重要な資質ではないかと認識しておるところでございます。こういったPDやPOに求められる資質も踏まえながら、ふさわしい人材を幅広く様々な分野から登用していくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
#212
○秋野公造君 改めて、例えば患者団体等の調整などは非常に大変なことだと思います。研究の能力だけで測れない部分というのはたくさんあるんだと思いますので、どうかPD、POは本当にふさわしい人を堂々と選んでいただきますようにお願いをしたいと思います。
 終わります。
#213
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。
 世界に冠たる長寿国であると同時に、最も高齢化の著しい我が国におきましては、あらゆる国民が健康な人生を全うできる社会の形成というものは全国民が共有する望みではないだろうかというふうに思います。そのためにも、健康・医療に関する研究開発を推進するに当たっては国を挙げて推進していくということがやはり重要なことではないかということを踏まえて、菅官房長官にいろいろと御質問させていただきます。
 まず、健康・医療戦略の推進に当たっては、医療分野の研究開発に関係するもの、すなわち国であるとか地方公共団体とか大学、あるいはまた研究機関、医療機関、事業者などの連携協力が必要であると思います。そのためにも、国が率先してまずは省庁間の連携協力を強化していく必要があるのではないだろうかというふうに思います。二法案の所管が内閣官房であるというのは調整、取りまとめの機能を果たすためであろうと思いますけれども、実際に施策を推進するのは各省庁であるわけであります。
 そこで、政府内において省庁間の連携協力をどのように強化していくのか、抽象的な言葉ではなく、具体的な方針とか取組をお話しいただけたらと思います。
#214
○国務大臣(菅義偉君) 委員から御指摘をいただきましたように、この健康・医療戦略推進に当たっては、各府省庁これは連携をして、また協力をしていくというのは極めて大事だというふうに今政府も認識をいたしておりまして、まさにそのために、この医療分野の司令塔機能として、今回、内閣に全閣僚で構成する健康・医療の戦略推進本部、ここを設置をして、健康・医療及びこの医療分野研究開発推進計画、こうしたことを策定をするなど、各府省間の連携協力を図って医療分野の研究開発を戦略的に推進していきたいというふうに思っております。
 また、個別の研究開発事業の実施に当たっては、新たに設立をするいわゆる日本医療研究開発機構、ここにおいて、国が戦略的に行う研究費等の配分機能等をここに集約をしまして、同機構が一体的に研究管理、また実行することができるようにしたいというふうに思っています。
#215
○江口克彦君 ありがとうございました。是非そういう取組を進めていただくようにお願いしたいと思います。
 次に、世界最高水準の医療の提供に資する研究開発を支援するためには、やはり十分な財源が必要ではないかというふうに思っているわけであります。健康・医療戦略推進法案には、国は必要な財政上の措置を講ずると規定されているわけでありますけれども、この規定は実際に財源保障の担保になるのかどうかということ、そして、まずは国において研究開発に必要な財源をしっかり確保することが肝要ではないかと私は思うんでありますけれども、その覚悟のほどを官房長官、お伺いしたいと思います。
#216
○国務大臣(菅義偉君) まさにこの医療の研究開発について中期的な方針を定めた医療分野研究開発推進計画に基づいて戦略的に推進をしていこうというふうに考えております。そのためにも、必要な予算の確保、ここは全力を挙げて取り組んでまいります。
 例えば、平成二十六年度の予算におきましても、この機構の設立に先立ちまして、同機構への集約対象となる予算として対前年比四割増しの約一千四百億円を確保するなど、施策の充実強化に現在も努めているところであります。
#217
○江口克彦君 ありがとうございました。
 それでは次に、医薬品や医療機器の研究開発というものは今後の成長可能性が非常に私は大きい分野だというふうに思っているわけです。
 健康・医療戦略推進法の中でも医療分野の研究開発の成果の企業化を図るとしていますけれども、世界で五百二十兆円とも言われるこの市場に我が国が積極的に打って出るということは、我が国経済のためにも重要となるのではないだろうかというふうに思うんです。技術大国日本というふうに言われて実に久しいわけでありますけれども、医療機器や医薬品分野にはその技術力を生かし切れていないのではないかというふうにも思うわけです。
 医療分野では、世界の中ではまだまだ日本は劣っているのが現状でありますけれども、資源がなくとも知恵を発揮することにより成長、発展ができるものである、私は経営者の経験からもそういうふうなことを思うわけであります。この際、医療立国を目指して国を挙げて医療産業の育成に取り組んでいくべきではないだろうかと。恐らく、この医療産業、医療分野は国際社会においても非常に大きく貢献する、人類にも非常に大きく貢献するのではないか、そういう意味で、日本の国の外交戦略においても極めて重要な役割を果たすことにもなるのではないだろうかというふうに思うんであります。
 この新産業の創出につなげるためにどのような取組を行っていくのか、具体的な施策について菅官房長官のお考えをお聞きしたいと思います。
#218
○国務大臣(菅義偉君) まさにこの医薬品や医療機器などの産業は、今後我が国の成長産業の一つとして国が、国を挙げて育成すべきものであるというふうに考えております。その中で、欧米諸国と比較をして新薬が出にくいだとか、あるいは医薬品、医療機器で約二兆二千億円に上る、これは多額の貿易赤字が生じているところが、これ、現在の実態であります。そういう中にあって、今回の法案では政府が一体となって強力な推進体制を構築をする、そしてこの健康・医療推進のための機構を設立をすると、そういうことであります。
 そういう中にあって、再生医療等製品や医療機器開発に係る薬事法体制の見直し、さらに基礎研究の成果を実用化につなげるための創薬支援ネットワークの構築、さらに臨床研究の中心的な役割を担う臨床研究中核病院の整備、さらにPMDAにおける審査体制の強化など、研究開発から実用化に至るまでその支援に際しまして様々な施策を展開をしているところであります。
 今後とも、この法案を皆さんの御理解をいただいて成立をさせていただき、我が国の医薬品、医療機器開発、そうしたものが切れ目なく一層強化されていくように、関係省庁が一丸となって取り組めるような体制を何としてもつくり上げていきたいと思っています。
#219
○江口克彦君 それでは次に、主な製造業の生産拠点がどんどんどんどん海外に移されて、産業の空洞化が叫ばれて久しいわけであります。これらの製造拠点を何とか国内にとどめる政策が必要ではないかと思うんでありますけれども、同時に、新たな産業分野を国内で育成していくということも必要ではないかと思います。医薬品や医療機器は、国内需要はもとより世界的に見込まれるものであり、その開発、製造など医療分野は国内産業の新たな中心になり得るのではないだろうかと思うわけであります。
 医療分野の研究開発に積極的な企業を後押しするための税制上の支援策や、大学等の研究機関に対する助成などの支援策について、具体的な方策、あるいはまた具体的なお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#220
○国務大臣(菅義偉君) この医薬品、医療機器産業というのは、国民の保健医療水準の向上に資するとともに、高付加価値あるいは知識集約型産業であって、資源の乏しい日本にとっては今後の経済成長を担う重要な産業というふうに位置付けをいたしております。
 国際競争力の維持強化を図っていくためには、大学研究機関等における優れた研究成果を確実に実用化につなげていくための支援強化というものが重要であるというふうに思います。このため、この研究開発に係る税制上の優遇措置、ここを今日までも適宜拡充をしてきたところでありますけれども、今般、日本医療研究開発機構を設立をして、研究者の視点に立って基礎から実用化まで切れ目のない支援を行うとともに、平成二十六年度予算で大幅に研究費の拡充を図ってきたところであります。
 今後とも、この医薬品、医療機器産業が引き続き国際競争力を維持し、また強化をしていくために適切な支援というものをしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
#221
○江口克彦君 ありがとうございました。是非よろしくお願いします。
 次に、健康・医療戦略を推進するためには、健康・医療に関する先端的研究技術開発や新産業創出に携わる人材の育成が必要だと思うんです。結局、人なんですね、人の問題になってくる。そのためには、若い研究者が安心して研究に取り組める環境づくりが必要と考えるんですが、若手研究者の育成についてどのような方針を持っておられるのか、お考えになっておられるのか、具体的なプランがある、お持ちならばお話をいただきたいと思います。
#222
○国務大臣(菅義偉君) 今推進法案の第十六条において、人材の確保というものを基本的施策の一つとして位置付けをいたしております。専門的知識を有する人材の確保、養成及び資質の向上に必要な施策を講じる、こうしたことを規定をいたしておりますので、政府はここに向かって全力で取り組んでいきたいというふうに思います。
 そして、今委員から御指摘のありました若手研究者の育成でありますけれども、大学におけるこの臨床研究に関する教育の充実や、医学系及び生命科学系の若手研究者への持続的な支援等によって、基礎から臨床研究、治験まで精通をし、世界をリードする学術的な実績が上がり、強力な指導力を発揮できる人材というものを育成をしていきたいというふうに思っております。
#223
○江口克彦君 オランダにフィリップスという電機メーカーがあるわけですけれども、これが一時非常に凋落をするわけでありますけれども、この頃また大いに業績を伸ばしておるということであります。
 それで、今の社長ですかね、前の社長だったと思いますけれども、フィリップスの売りは何ですかと、フィリップスのセールスポイントは何ですかという質問に対して、社員ですというふうに答えているわけですね。要するに、やっぱりこういう企業経営あるいはまたこうした推進をしていくことは、いろいろと技術的なこと、そういうようなものの開発能力ということもありますけれども、それをするのは結局人材になってくるわけですから、是非、人材の育成ということを常に頭に置いていただいて取り組んでいただきたいなと。是非、今御説明いただいたそういう方向で力強く推進をしていただきたいなというふうに思っております。
 次に、健康・医療戦略を国家プロジェクトとして推進していく上では、総花的にはならずに、例えば国民病とも言われるがんや、それからこの頃非常にうつがもうどんどんどんどん多くなってきていますね。それから、痴呆などの精神疾患の治療など、これはもう喫緊の課題でありまして、また、ニーズの高い分野により重点を置いて財源を配分し研究開発をしていくということは、極めて私は重要だというふうに思っております。
 菅官房長官御自身、健康・医療戦略の推進には特別に思い入れが深いというふうに伺っておりますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
#224
○国務大臣(菅義偉君) これだけ日本は世界に冠たる高齢化社会を迎えているわけであります。そういう中にあって、やはり医療の充実というのは国民皆さんの願いでもあると思うんですね。さらに、日本だけでなくて世界それぞれがこうした少子高齢化社会というものを今進んできているわけでありますから、そういう意味の中において、日本で世界で最も最高水準のそうした医療の体制をつくり上げていくことは極めて大事だというふうに思いますし、日本の、先ほど来御指摘のありますその技術を活用した医療機器、そうしたことも海外に展開していくというのも大事だというふうに思っております。
 そういう中にあって、この医療戦略、この推進に当たっては、有識者の皆さんの意見を聞きながら、がんあるいは精神・神経疾患、こうしたものを、どの研究分野を重点的に行うかということを、この資源配分というものをそこで、推進本部で決定をして戦略的に研究開発を進めていきたいというふうに思っております。平成二十六年度予算におきましても、医薬品創出あるいは医療機器開発、再生医療やがんなどの分野、この九つの分野にプロジェクトを立ち上げて重点化を今図ってきているところであります。
#225
○江口克彦君 それに関連して、これは私の不勉強かもしれませんけれども、がんの患者さんあるいはまた痴呆の方々の介護、それは、介護士の方々に対しては対応を十分にいろいろと考えておられると思いますけれども、家族が介護するときには、介護する家族は仕事を辞めなきゃいけないというか、家にはまり込んでいかなきゃいけないということになるわけですね。そうすると、家族が介護する場合には家族に対する支援というものもこれは考える必要があるんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、これはまた後で、また改めて次の機会にいろいろとお尋ねしたいと思います。
 それから次に、我が国はWTOからの世界一というふうに評価される医療保険制度を持っているわけであります。これまで、新しい医療技術や新薬というのは一定の手続を経て保険制度に取り組まれて、それから保険給付の対象にすることにより医療水準の向上に役立ってきていると思います。
 健康・医療戦略を推進する際、その成果や実績を保険の対象にするか否かは保険財政の行く末を大きく左右するものになると言っても私は過言ではないというふうに考えております。保険に取り組んでいくことが前提であれば、我が国の医療保険は相当膨らんで、公費負担、保険料負担が更に増加します。一方、保険に取り組まず私的負担でカバーするのであれば、所得状況に応じて利用されることになります。すなわち、高所得者は恩恵を受けられますけれども、低所得者は恩恵を受けにくくなると。
 このように、健康・医療戦略の成果や実績をどのようにファイナンスするかが極めて重要なポイントになるというふうに思うのでありますけれども、菅官房長官はどうあるべきだというお考えになっているのか、御所見をお伺いしたいと思います。
#226
○国務大臣(菅義偉君) まず、この健康・医療戦略の成果また実績については、国民の皆さんに還元されるべきものであるというふうにまず第一義的に考えます。国民皆保険制度の下、我が国は、患者が必要でまた適切な医療を迅速に保険診療で受けられる、そのことが基本であります。
 その中で、費用の掛かる高度な医療技術が増加することによって、医療保険財政への影響に関しては、新しい医療技術の費用対効果、その評価の在り方について現在中医協で議論を行っているところであります。その結果を踏まえまして、厚生労働省の方で次期診療報酬改定に向けて検討を進めていくというふうに考えています。
#227
○江口克彦君 ありがとうございました。
 それでは、最後の御質問とさせていただきますけれども、我が国の世界に誇るべき長寿社会も健康な状態を維持した上で長生きしてこそその価値はより高まるというふうに、誰でもそんなことは考えていることだと思いますけれども、そのためにも健康・医療戦略を進めていくということが極めて重要かつ必要であるというふうに思うのでありますけれども、この分野は日本経済の成長を牽引する大きな可能性を持った成長産業でもありますし、国民の福祉の向上と経済成長のまさに一石二鳥の効果が私は大いに期待できると思います。
 ただ、本気で取り組まないとアブ蜂取らずという結果に終わってしまう懸念も出てくるのではないかというふうに心配しているわけでありますが、法律を作って終わりではなくて、これを新たなスタートとして取り組まなければならないというふうに思うんですが、菅官房長官の御決意をお伺いしたいと思います。
#228
○国務大臣(菅義偉君) まず、国民の皆さんにとって健康で長生きをできる社会をつくること、さらに世界最高水準のそのために医療の体制をつくっていくこと、このことは極めて大事だというふうに思っています。さらに、この健康・医療に関わる産業を戦略産業として育成していくこと、このことも我が国の実態を考えたときに極めて成長分野としても大事だというふうに思っています。
 そういう中で、官房長官というのは政府全体の調整役ということでありますし、いろんな仕事、雑用が集まってくるわけでありますけれども、特に健康・医療戦略の問題に関しては府省横断型のやはり強力な実施体制を構築することが大事だというふうに思いまして、私自身この法案の担当大臣を今させていただいているところであります。
 そして、総理を本部長とする推進本部を設置して、その本部で決定した方向に基づいて、まさにこの研究開発機構、これが推進体制が構築されることになりますので、政府として、国民の期待に応えられるような成果をこの法案を成立させていただいて実現できるように取り組んでいきたいというふうに思います。
#229
○江口克彦君 医療あるいはまた治療というか健康問題は、まさに国民全員が大きな期待を持つ、あるいはまた大きく前進を望んでいるものでありますから、それだけに力強く進めていただくと、政府が中心になって進めていただくということを心からお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#230
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 健康・医療戦略推進法案及び日本医療研究開発機構法案は、昨年閣議決定された日本再興戦略の具体化とされています。この日本再興戦略では、戦略市場創造プランに医療分野を位置付けて、「我が国発の優れた革新的医療技術の核となる医薬品・医療機器・再生医療製品等を世界に先駆けて開発し、素早い承認を経て導入し、同時に世界に輸出することで、日本の革新的医療技術の更なる発展につながる好循環が形成されている社会を目指す。」とあります。
 これの具体化ということは、本法案は、医薬、医療機器産業を輸出産業として振興していくためにも医学などのライフサイエンス分野の研究費を実用化につながるものに重点化するためというものになるのではないでしょうか。
#231
○政府参考人(中垣英明君) この健康・医療戦略推進法案におきましては、まず一つには、国民が健康な生活及び長寿を享受することのできる社会を形成するため、医療分野の研究開発を戦略的に推進し、世界最高水準の医療を実現していくということと、もう一つ、健康・医療分野については世界的にも今後の成長が大いに見込まれており、我が国としても健康・医療に関わる産業を戦略産業として育成していくことが重要であるという認識の下に、その戦略的な推進に必要な体制を整備するべく提出させていただいたところでございます。
 本法案によりまして内閣に設置される健康・医療戦略推進本部は、医療分野研究開発推進計画を策定し、おおむね五年間の計画として再生医療やがんといった重点的、戦略的に推進すべき領域などを定めることとしておりますけれども、その際には、学識経験者などの専門家を始めとして、関係各層から幅広く意見を伺った上で決定することになるところでございます。
 また、医療分野の研究開発の推進につきましては、健康・医療戦略推進法第十条の基本的施策におきまして規定するように、世界最高水準の医療の提供に必要な医療分野の研究開発を推進いたしまして、その成果を国民、患者に届けるために実施するというものでございます。
#232
○田村智子君 衆議院の審議の中でも、今私たちの国は輸入超過であると、もっと輸出しなくちゃいけないという議論が大分行われていたようです。
 推進法案の二条、基本理念には、基礎から実用化までの一貫した研究開発の推進とその成果の実用化、健康長寿社会の形成に資する新たな産業活動の創出及びその海外における展開の促進その他の活性化を目指すとあります。これ、実用化、産業化ということが大変に強調されているわけです。
 推進本部はこの基本理念を具体化をして先ほど御説明のあった医療分野研究開発推進計画を作成する、国立の研究所や独法の研究所での研究についてその方向性を決める、また、新たに設置される機構はこの計画に基づいて大学や研究機関に対して研究費の配分を行うということになります。
 これ、極論をすれば、市場にとって魅力的な売れる薬、産業力の強い薬、そういう薬や医療機器、その技術開発を目標に置かなければ研究費の配分が受けにくくなるということにつながっていかないか、官房長官に見解をお聞きします。
#233
○国務大臣(菅義偉君) 今の委員からの指摘は、私は必ずしも当たらないというふうに思っています。それは、今度のこの法案は、まさに多くの国民の皆さんが健康で長生きをすることのできる社会をつくる、そして世界最高水準の医療体制をつくるということ、そこが今の委員の御指摘の中で欠けていたというふうに思っています。もちろん、医薬品や医療機器の技術もこれはこの中に入っていますけれども、まず何といっても国民の皆さんの健康で長生きをつくる社会のためにこの法案が、そういう趣旨があるということをまず御理解をいただきたいというふうに思います。
 そして、この法案におきましては、総理を本部長とする推進本部、そこにおいて関係各層から幅広く意見を伺った上で、平成二十六年度、機構の設立に先立って九つのプロジェクトを立ち上げています。その中に、患者数の少ない難病の克服プロジェクト、こうしたことも位置付けをいたしておりますので、こうしたことを見ていただければ、売上げの観点で重点領域が決定されるようなことはないということを私ははっきり申し上げたいと思います。
#234
○田村智子君 これは私が危惧しているだけではなくて、日本再興戦略が応用及び実用化を重視する日本版NIH構想を打ち出した際に、日本生化学学会などライフサイエンス関係の学会から基礎的研究費が大幅に減るのではないかという危惧の声を上げていたわけです。こうした声を受けて、文科省所管の科研費は機構には吸収されなかったと。それ以外の厚生労働科研費などライフサイエンス関係の競争的研究費は機構が配分するということになりました。
 ノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進博士は、文科省の科研費が二〇一四年度予算では機構の枠組みには移らないということを承知の上で、次のように述べられているんです。今後も科研費がなくなるようなことがあってはならないと思うから声を大にして問題だと言っている、ライフサイエンス分野では重要な医療や薬の基は非常に基礎的な研究だと。これは、利根川博士のこういう見解は杞憂とは言えない指摘だと私は思うんです。
 国策として実用化、産業化を重視する、もう一方で国の財政難ということも非常に強調されている。そうすると、結果として、文科省の科研費など基礎的研究分野の予算が今後じりじりと減らされていくということにならないのかどうか、これも官房長官にお聞きします。
#235
○国務大臣(菅義偉君) 基礎研究というのは、人類の新たな知の資産を創出するとともに、世界共通の課題を克服する鍵となるものであって、科学技術イノベーション総合戦略において、大学あるいは研究機関において独創的で多様な世界トップレベルの基礎研究を推進の国として一層強化をすることが必要であると、そういうふうに位置付けるなど、基礎研究の推進というのは図ることにいたしております。こうした点も踏まえまして、今御指摘をいただきました科学研究費補助事業については、平成二十六年度助成額でほぼ前年と同水準の二千三百億円を確保をいたしております。
 政府としても、今後、中長期的な観点に立って、優れた基礎研究の推進、ここに努めてまいりたいと思います。
#236
○田村智子君 衆議院の議論では、機構の成否はプログラムディレクターに懸かっているなど、研究についての目利きが重要だということも大変に強調されていました。研究が実用化につながるかどうかを見極めるということに重きが置かれた議論だと思います。
 利根川博士は、トップダウンで研究の方向が決められて予算配分されることについて、アメリカのプロジェクトは研究の方向性だけを示して具体的なテーマは大学などから募集する、トップダウンでこれをやるんだというふうに決めるのは違うという指摘もされています。
 説明のとおり、研究の実用化ということに弱点があって強化が必要だということは私も否定しません。そこが弱点と言うならば、その弱い部分について別組みの予算を付ければいい、別の体制を取ればいいというふうに思うんです。現行の予算の枠はそのままにする、そして実用化重視だと変えてしまう、日本の基礎的研究の強みが逆に失われていくことになるんじゃないだろうかと。文科省の科研費以外の競争的資金が機構に集約をされていく、トップダウンで研究が実用化、産業化に駆り立てられていく、そうすると自由な発想での基礎的研究というのがやりにくくなるということはないんでしょうか。官房長官、お願いします。
#237
○国務大臣(菅義偉君) 今回の法案で、日本医療研究開発機構が集約をして配分する予算というのが、国が定めた戦略に基づくトップダウンの研究を行うために研究者や研究機関に配分される研究費等に係るものであります。
 一方、将来における学術的な新知見やイノベーションの芽を絶え間なく育んでいくためには、研究者の自由な発想に基づくボトムアップ型の基礎研究、その重要性というのは理解をいたしております。
 こうした観点から、文部科学省の科学研究費助成事業という従来の仕組みは維持をして必要な予算の確保も図っているところでありますから、御懸念は当たらないというふうに思います。
#238
○田村智子君 今の厚労省の科研費も基礎的研究というのは行われていたはずですから、そこが集約されていくのですから、これは、やはりこういう危惧というのは声が上がるのは当然だというふうに思うんです。
 利根川博士は免疫学の権威であられて、御自分のこの研究ががんや関節リウマチの薬につながっていった、これ見ておられます。でも、利根川博士自身ががんや関節リウマチの薬になるんだと分かって免疫学の研究をやっていたわけではないわけですよね。
 安倍総理も、そういう日本の医療分野の研究については、基礎的分野の強みということがあるということを強調されておられました。ところが、これからは、今度トランスレーショナルリサーチ、実用化への橋渡しということもこれは研究者に求められていくことになるわけですね。
 利根川博士が指摘されておられることは、政府が研究投資の見返りを求めるのならば、基礎研究をする大学や研究機関にそうした実用化への橋渡しをやれと言うべきではないと、これ役割が違うという指摘なんですよ。研究の成果がどのように実用化につながるのか。それは基礎研究とは別の分野で進めるべきであって、より産業の側の役割だという指摘で、これは大変うなずける指摘だと私は思います。
 予算の拡充をして実用化への橋渡しを担う体制というのも、新たにつくるということだったらまだ分かります、そこが弱いんだから新たにつくるんだ。ところが、基礎的研究をも巻き込んで現行水準の予算のまま応用、実用化、産業化という評価軸でその研究費の予算を割り振ってしまう、こういうことになると、これまでの強みと言われてきた大学や研究機関での基礎的研究が弱体化していくんじゃないか。私は、この指摘というのは決して当たらないなんていう簡単な言葉では済まされないものだと思います。
 もう一度、官房長官、お願いします。
#239
○国務大臣(菅義偉君) 利根川博士のあの研究開発は、残念ながら我が国では実用化することができなかったんです。我が国においてそうした体制ができていないということも、これは事実じゃないでしょうか。
 そういう中で、今回のこの法案というのは、まさに基礎研究から実用化までシームレスに行うことができる、そうしたことを目指しての法案であるということも御理解をいただきたいと思います。
 また、我が国では、この医療分野の研究開発については、基礎研究においては世界的に優れた成果が出ているものの、そのものが実用化されていないと、そういう反省の上に立って今取り組んでいるところであります。
 このために、基礎研究は大学、実用化は産業界と、こういった役割を固定化するだけでなくて、関係者が協力をして、基礎からまさに実用化までの切れ目のない研究を行っていくと、このことが極めて重要だというふうに思っています。こうした状況の中に、医療分野の研究開発を政府が一体として進めるために司令塔としての本部を設置をし、その本部の戦略に基づいて基礎から実用化までの切れ目のない研究管理の実務を担う独立行政法人を今回は設立させようということであります。
 この新たな体制によって、研究成果をいち早く実用化をし、世界最高水準の医療の提供につなげるとともに、同時に、この医薬品、医療機器の関連産業の国際競争力の強化、これにつなげていきたい、そうした趣旨であります。
#240
○田村智子君 その利根川博士自身がこのような政府のやり方に対して異論を唱えているということはこれは重く受け止めるべきですし、基礎的研究を出口で縛るべきではないということは強く申し上げておきたいと思います。
 次に、日本再興戦略は、医療関連産業の活性化のために、医療分野の研究開発の司令塔の創設とともに医薬品、医療機器開発、再生医療研究を加速させる規制・制度改革、医療の国際展開を掲げ、医療の産業化、国際展開のための施策として先進医療の拡大を挙げています。この規制緩和の問題について取り上げます。
 産業競争力会議の分科会でも、中長期的な成長を実現するための課題として先進医療など保険外併用療養制度の拡大が議論されています。さらに、経済財政諮問会議で、安倍総理自らが保険外併用療養費制度の仕組みを大きく変えるための制度改革について関係大臣で協力して案をまとめるよう指示を出されました。
 これらは、成長戦略のためにも保険外併用療養制度の仕組みを大きく変えていこうということではないでしょうか。小泉政務官、お願いします。
#241
○大臣政務官(小泉進次郎君) 田村先生御指摘のとおり、これは四月に総理からも指示がありまして、今関係大臣等で検討を深めているところであります。
 この選択療養、これ、仮の名前でありますけれども、そういった中で、まず原則としてしっかり国民皆保険制度の理念を踏まえた上で検討を進めております。その中で大事なことは、困難な病気に打ちかつために頑張っている、そういった患者さんが今の制度の中で十分な選択肢を与えられないような、そういった環境を変えていかなければいけないと、そういった発想の下、不安のあるような、安心、安全、これはしっかりと配慮した上での制度をつくることができないか、鋭意検討を深めている段階であります。
#242
○田村智子君 この保険外併用療養制度については政府内で議論が行われていて、規制改革会議が選択療養という制度を提案されました。今御説明があったとおりです。これは、医師と患者が合意をすれば保険外の治療を保険医療とともに受けられるようにしようというもので、混合診療の全面解禁につながるとしてマスコミでも大きく取り上げられています。
 安倍総理はこの指示を出すときに、今お話があったとおり、困難な病気と闘う患者さんが未承認の医薬品等を迅速に使用できるようにというふうに述べられていた。これは私も拝見いたしました。しかし、昨年七月、政府の規制改革プログラムに先進医療の対象範囲を大幅に拡大する方針が盛り込まれたことに対して、日本難病・疾病団体協議会は、混合診療のなし崩し的な解禁に反対するという声明を発表しています。
 今回の選択療養についても、患者の選択による自由診療が公認されることになり、事実上の混合診療解禁となると指摘をして、改めて選択療養制度には反対であるという声明を出されておられるわけです。原因も分からない、治療法も分からない、本当に困難な難病と闘っておられる患者の皆さんの団体が、これは強い懸念と反対の声を上げているということです。
 私はこういう声しか聞いていないんですけれども、政府の下にはこれとは別に、難病やがんなどの患者団体から選択療養やってくれと、導入に賛成という声が寄せられているということなんでしょうか。
#243
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 団体や組織から選択療養に賛成する趣旨の具体的な要望等は届いておりません。ただ、規制改革会議の岡議長がいつも申しておるんですが、自分の周りの方で保険外できないから別の病院に出ていってくれというようなことを言われて非常に困惑したというような周りの方の意見があったというようなことは度々言われているところでございます。
 それからまた、現行の評価療養では評価の対象となる患者の条件に該当しない場合に治療を諦めるケースがあるとか、あるいは手術なども含めて一連の診療全てに保険が適用されなくなって患者に高額な負担を求められるケースがあるとか、あるいは患者が希望する保険外の治療を行うためには別の医療機関に受診してもらわざるを得ないとか、そういったことは一般的にも聞かれますし、先般の規制改革会議でもお医者さんの委員の方からそういった趣旨のお話もございました。
#244
○田村智子君 様々な難病患者の皆さんの要望をまとめている団体からはそんな声は上がっていないということなんですよ。当事者は保険外併用療養制度の抜本的な見直しや選択療養には強く反対をしている、これが事実です。そうすると、これは誰のための見直しということになるんでしょうか。稲田大臣、お願いします。
#245
○国務大臣(稲田朋美君) まず、規制改革会議が提案いたしておりますこの選択療養、呼び名は仮の名でございますけれども、これは患者と医師が同意をすれば何でも認める、混合診療の全面解禁というものではなくて、国民皆保険制度の維持を前提に現行の保険外併用療養制度の枠の中で保険診療に係る経済的負担が治療の妨げにならない環境を整えようとする改革案でございます。
 主に想定しておりますのは、現行の評価療養に該当しない限り、治療中の病院では保険外診療を拒否されることがある、また手術なども含めて一連の診療全てに保険が適用されなくなり、高額な負担が必要になるケースがある、それを回避して希望する治療を受けるには別の医療機関を受診しなければならない、それができない場合にはその治療全体を諦めざるを得ないという、そういう患者にとって気の毒な状況を打開しようというものであります。
 また、評価療養は、国があらかじめ対象を定めて保険導入のための評価を行う制度であるため、医療機関の主導による試験を主眼としております。同制度については、将来、多くの患者に一般的に使われるために重要な仕組みではありますが、評価の対象となる患者の条件に該当しない場合があるなど、必ずしも個々の患者の希望に迅速に応えられていないケースがあるということでございます。このため、患者起点で対象を個別に決める、治療を主眼とする新たな選択療養制度を提案している次第でございます。
#246
○田村智子君 こういうのの具体的な例として、稲田大臣は規制改革会議の公開ディスカッションで、抗がん治療であるカフェイン併用化学療法は市場性がないために薬事承認が期待できないとして、こういう事例こそずっと併用して保険適用の分と自由診療の分と混合でずっと認めていいんじゃないかという発言をされました。
 厚生労働省にお聞きします。先進医療として行われていたカフェイン併用療法は今どうなっていますか。
#247
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘のカフェイン併用療法につきましては、金沢大学の附属病院から本年四月二十二日に、附属病院に設けられた倫理審査委員会の承認を得た試験期間が終了した後も新規の患者の治療を実施していたこと、患者が死亡した際にインシデントレポート以外に必要とされる報告が病院長になされていなかったことなどの公表があったところでございます。
 先進医療につきましては、臨床研究計画書に記載された試験期間で実施をし、重篤な有害事象が発生したときには直ちにその旨を臨床研究機関の長に通知しなければならないというふうにされているところでございます。
 現在、附属病院におきまして、外部の有識者が参画をしました調査委員会によって事実関係の究明等が行われているところであるというふうに承知をいたしております。
#248
○田村智子君 稲田大臣がディスカッションでずっと保険と保険外の医療の併用を認めてよいのではないかと、こう言っていたカフェイン併用療法は、実施していた金沢大学において倫理審査委員会に継続の手続を取らず、一年九か月もの間継続実施するという臨床研究倫理指針違反等が明らかになったため、中止という事態になっています。また、死亡例の必要な報告も欠いていたということも今報告があったとおりで、金沢大学の病院長が記者会見で謝罪するという事態になっています。
 これ以外にも、倫理指針違反が見付かって中止になったという先進医療があるんですよ。評価療養でもこうした問題が現に起きています。その評価療養より規制を大幅に緩和して、医療機関などの限定もしない、更に迅速な審査で実行するという選択療養で一番問題なのは、患者の安全が保証されるのかということだと思いますが、稲田大臣、どうですか。
#249
○国務大臣(稲田朋美君) 患者の安全というのは大前提でございます。
 また、先ほど御答弁いたしましたように、この選択療養は患者と医師が合意さえすれば何でも併用が認められるという制度では全くありません。合理的な根拠が疑わしい医療や患者負担を不当に拡大させる医療は除外する、診療計画にエビデンスを添付して申請し、その安全性、有効性や患者への不利益の有無について医療の専門家による確認がなされるなどの方向で検討しており、患者の安全に配慮したものとなっております。
 また、お尋ねの医療機関を限定するかどうかについてでございますが、四月十六日に規制改革会議から出された論点整理において、万一の健康被害への対応、他の医療機関との連携等について診療計画に記載をし申請することといたしております。仮にこの診療計画が適切なものでない場合、そういった場合には、その施設が当該診療の実施に堪え得ないという場合もございます。そういった診療計画の中で診療の施設が診療の実施に堪え得るかどうかの判断がなされるものというふうに認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、今御指摘の実施医療機関の在り方については、引き続き規制改革会議において議論が深められるものというふうに考えております。
#250
○田村智子君 今でも先進医療Bは、その治療の安全性や有効性、最低限担保するための審査というのは六か月で行っているんですよ。今後、三か月に短くするという方向だというんですよ。それよりも短くして、一体どうやって患者の安全性あるいは治療の有効性、それ保証することができるんでしょうか。
 この選択療養は、実績を積んで評価療養につなげるんだと。評価療養の前段階の制度だという説明もされています。しかし、選択療養は今のように実施の計画を出せばいいんですよ。しかも、やるに当たっては短期間で結論を出して実施することができると。様々な規制を受けなくて済むということですから、これは提供する側にとっては評価療養になってもらわない方が使いやすいと、選択療養のままの方がいいということにもなりかねないと思うんです。すると評価療養にもつながらない、保険導入にもつながらない、こういうことが起こり得るんじゃないでしょうか、ずっと選択療養のまま。どうですか、稲田大臣。
#251
○国務大臣(稲田朋美君) 繰り返しになりますけれども、この選択療養においては、患者の安全性ということを大前提に、合理的な根拠が疑わしい医療や患者負担を不当に拡大させる医療は除外する、また安全性、有効性や患者への不利益の有無について医療の専門家による確認がなされる、診療計画に記載された内容について、その施設が当該診療の実施に堪え得るかどうかの判断がされるなど、きちんと安全性については確認することにいたしております。そうした大前提を基に、現在の評価療養では必ずしも対応できない困難な病気と闘う患者の個別のニーズにできるだけ短期間で応えられる枠組みとして提案をしております。
 また、評価療養に値すると期待できる安全で有効な実績が集まれば評価療養につながるようにする方向で検討がなされているところでございます。評価療養に値すると期待されるものは評価療養につながるわけでありますので、安全で有効な医療が保険外にどんどんとたまっていく、保険外併用のままずっと行くということは想定はしておりません。
#252
○田村智子君 これ、安全で有効であることを実験するかのようにも聞こえるわけですよ。私、とんでもないことだと思います。
 患者と医師というのは、対等な立場で治療について話し合うということは相当に困難なんです。これは選択療養は医師と患者の合意によって行われると。何が有効な治療か分からないまま、医者の勧めに従うしかないということが広がりかねない。だから難病団体は、そういうことで薬の犠牲になった患者さんが現にこれまでも歴史的にあると、だから反対だということを言っているわけです。
 同時に、難病の団体の皆さんが反対しているもう一つの理由は、これでは保険外診療の部分が広がっていってしまって経済的負担から必要な治療が受けられなくなるんじゃないかと、このことが危惧されるからです。
 例えば、クリオピリン関連周期性症候群に対する画期的な治療薬というのがあるんですね。イラリスというものなんですが、これ、一瓶百四十四万円で、保険収載されるときの資料を見ると、年間の薬価負担というのは一千六百万円にもなっていたんです。当然、お金のある方しか使えないという状態だった。
 抗がん剤などの実証研究で全額自費と保険外併用の場合というのを比べてみると、結局、保険外部分の費用負担が大きいので、そんなに負担というのは差が出なくなっちゃっているんです、全額負担の場合と。保険収載がされなければ、皆保険が前提だといっても、そんなの名ばかりになってしまう。
 私もう一つ危惧しているのは、規制改革会議の提案では、こういう費用の問題というのは当然触れられていないんです。費用の問題、何にもない。その一方で、今民間の保険会社というのは、自費診療部分、先進医療の部分を全額カバーする現物給付型の医療保険というのを既に提供を始めています。そうなると、選択療養の自費部分というのは民間保険が担うようになって、これ命の格差、そういう保険に入れる人は選択療養を受けられるかもしれない。
 また、保険会社と病院との関係でいえば、自分のところの保険サービスはこの選択療養のサービスが受けられますよと、まさに入った保険によって受けられる治療が決まるアメリカ型の医療ということがこれどんどん拡大されるという危惧があると思うんです。
 命の格差が経済的な格差とつながっていく、こういうことになりませんか、稲田大臣。
#253
○国務大臣(稲田朋美君) 日本の国民皆保険制度、どんな人でも、どこへ行っても同じ治療が受けられるというこの国民皆保険制度は、世界に誇るべき制度として堅持をしなければならないと思います。
 一方で、この規制改革会議が提案しております選択医療は、患者の安全性を前提にした上で、でも評価療養では救われない困難な病気と闘っている患者に選択的に道を開くものであります。そして、評価療養に値すると期待されるものは評価療養につながる方向で議論をしておりまして、安全で有効な医療が保険外にどんどんたまっていくという状況は全く想定はいたしておりません。
 したがいまして、保険外診療の部分を民間保険会社がどんどんやって、そして御懸念のような患者負担がどんどん膨らんで格差が広がるということはならない、そのような方向で検討しているところでございます。
#254
○田村智子君 この日本再興戦略の方向というのは、本当に患者置き去り、あるいは基礎研究置き去りということになりかねない。これは見直しを求めて、質問を終わります。
#255
○荒井広幸君 新党改革の荒井でございます。
 命を救う、健康をつくるという目的のためにこうした法案が出ましたこと、そしてまた、官房長官が取りまとめとなって実行力があるものをつくっていこうということで歓迎をいたします。
   〔委員長退席、理事芝博一君着席〕
 私は、民主党政権時代に医療イノベーション推進室というのがございましたが、そのときの反省を踏まえ、また福島県のこの大変な被害がありましたので、高度な医療技術を集積するということの一環でBNCTという、まだ開発途上ですが治療方法、こういったものを導入することになりました。これらの事例を基に、ちょっと今回のこの戦略と機構の件についてお尋ねをしたいと思っております。
 民主党政権下において、医療分野の研究開発体制の必要性を民主党も認識されまして、これは高く評価しますが、二十三年一月に内閣官房に医療イノベーション推進室が設置されたわけです。このトップには中村祐輔先生、ヒトゲノムの世界的第一人者でありますし、同時にがんペプチドワクチンも推し進めていらっしゃる、東京大学、当時は医科学研究所の教授でありました。今日は自民党の松下新平筆頭理事もおりますが、一緒にも何度かお会いしたりして御意見を伺ったことがございました。
 中村先生はその就任当時、我が国は大学などの研究水準は世界的に見ても高いが、その成果を実用化に結び付ける国家戦略がない。その背景には省庁間の縦割りがある。基礎研究は文部科学省、臨床、治療、治験は厚生労働省、産業化は経済産業省とばらばらになっていて、実用化までに霞が関の谷間がある。これを解消して十数年先を見据えた国家全体の統一した計画を作る必要があると認識したからであるとおっしゃっていたんですが、残念ながら一年を経ずしてお辞めになりました。
 辞任の理由をどのように言っていたかといいますと、新聞等を拝借すれば、医療イノベーション推進室は司令塔のはずなのに、実際にできることは各省に政策の助言をするぐらいで、予算の権限もなく、予算権限を有する各省庁が自らの方針を主張するのみで、今までの縦割り構造は変わらなかった、こうおっしゃって辞任されております。
 私は解釈しておりますが、政治への不信により日本での研究開発に見切りを付けて、あるいは抗議してアメリカに渡ったんだと、こういうふうに理解をするんです。
 平成二十四年二月八日、予算委員会で私はこの点を指摘しておりました。それだけに、冒頭申し上げましたように歓迎を、官房長官、いたします、今回。問題は中身、実行力だと思うんですね。
 同時に、二十三年十二月七日の決算委員会で私は、福島県に世界最先端のがん治療拠点を構築するため、再発・進行がんを治療できるホウ素中性子捕捉療法、BNCTというふうに略称で呼ぶんだそうでございますが、エネルギーの低い中性子とホウ素化合物の反応を利用して治療する放射線がん治療の一種だそうでございます。これを福島県に基金を国がつくらせまして、その福島県の基金から出すということで、何と六十八億円の事業なんですね。福島県の復興と医療機器産業の振興に寄与するもの、うち四十三億円が補助金ですから、持ち出しは二十数億と、こういうことになりますが、いずれしてもこれは大変な数字なんですよ。
 当時、BNCT、これについては様々な御意見がありまして、国内では京大、筑波大において臨床研究段階にあり、国立がんセンターにおいては昨年になりましたが導入され、治験が始められていると聞いております。私はその前にも言っておりますけれども、これは二十三年十二月に決算委員会で私が指摘していることを繰り返しているんですが、東京大学では実用性が乏しいということで基礎研究段階に引き戻っているんですね。アメリカでは有効性がまだ十分ではないのではないかと言われている、こういう段階での決定だったんです。
 私はこれについて全く知りませんでしたから、厚生労働省に聞いたら、全く分からないと言うんです。えっ、こんなに多額だし、福島県につくるというのに知らない。文部科学省、知らない。どうしたか。これは経済産業省なんですと言うんです。私はびっくりしました。人間の命に関わるのに厚生労働省は知らない、研究なのに文科省は知らない、こういうことでありましたから、経済産業省がまあ実用化のそういう医療器具という扱いでやったんだろうと、こういうことではありますけれども、今後この戦略と機構ができるということによって、こうした知らないなんというのは少なくとも役所同士でないということでよろしいですか。
#256
○政府参考人(石川正樹君) ただいま御指摘ありました福島におけるBNCT事業でございますけれども、御指摘ありましたように、平成二十三年度の第三次補正予算におきまして、福島県における医療福祉機器などの開発拠点整備ということで、御指摘のとおり基金の事業として設定をさせていただいております。
 こちらにつきましては、当時の政府の東日本大震災からの復興の基本方針、また福島県が作りました復興ビジョンにおきまして、最先端の放射線医学の研究を推進するという方針が出されておりましたことも踏まえまして、医療機器開発と医工連携という観点から経済産業省の方に補正予算を計上させていただいているということでございます。
 御指摘の点、各省連携の問題につきましては、復興対策事業として当時も復興本部の下などで議論させていただいていたものではございますけれども、まさにおっしゃるとおりのところを踏まえまして、健康・医療戦略推進本部など、この法律に基づいての新しいスキームできました際には、私どもの経済産業省の方からも更に積極的に情報共有や事業の内容についても連携を取ってまいりたいというふうに考えております。
#257
○荒井広幸君 いわゆる中村先生が言う霞が関の谷間、文部科学省、そしてその次は厚労省、そして実用化で経済産業省、谷間どころじゃないですね。もう地割れしているわけですよ。知らないなんということが通るんですからね。
   〔理事芝博一君退席、委員長着席〕
 こういうことを考えていきますと、今度の日本医療研究開発機構は、例えば、そのときにも問題になったんですが、治験を行う場合、今日は医師会の会長もいらっしゃいますが、治験を行う場合は、周りの医師会の皆さんを含めて、民間病院の方から、やはりこういう場合だったらここの病院に行って、ちょっとまだ十分に実績はないけれども、今研究段階だけれども、行って相談されたらどうだと、こういうことになるわけですね。そういう形で、いわゆる患者さん方が集まらないと、もう様々な体格やら具合やら、どこが悪いかも含めて様々なデータを集めなきゃできないわけですよ。
 本当にそういう形で経済産業省が主導してやってそういう治験を集めるための患者さん方の御紹介をいただけるのかと、これは私は各大学病院やらがんセンターに行って随分言われましたよ。それでも民間病院に指定をしていったんですね。当初新聞で言われたところと同じところを指定したんですよ、公募だというような形で。だから、こういうことのないように、官房長官、していただきたいというふうに思うんですね。
 そこで、この日本医療研究開発機構、これQの三番目に行きますね。これは経済産業省が担当しているから経済産業省が答えるというふうになっているので、ここも私は違和感を覚えるんですけどね。
 日本医療研究開発機構になったらば、三年間の、いわゆる医師主導ですから、ずっと説明して、もう患者さんはわらをもつかむ、そういう気持ち、家族も、だから何とかと。じゃ、これに同意していただけますか、まだまだこれは未承認でこういう段階ですけれどよろしいですか。そして、きちんとそこでお互いに納得、契約をいたしましてその治療に行く。そのとき、医師主導ですから、お金は患者さんが持ち出しする必要ないわけです。
 じゃ、三年たった場合、この福島の場合、三年たった場合、そこまでしか予算付けていないはずです。四年後、まだ治験の段階にあったらどういうふうになりますか、その医師主導のお金というのはないわけですが。これは患者さんが負担するんですか。自由診療的にわらをもつかむ方を集めてくるんですか。それとも、日本医療研究開発機構というのが補助金を出す、こういう考え方になるんですか。今回の場合とは別ですが、そういう事例の場合はこの研究機構は出すのかどうかを聞いています。
#258
○政府参考人(中垣英明君) 私ども、日本医療研究開発機構は、健康・医療戦略推進本部が決定いたします健康・医療戦略でありますとか医療分野研究開発推進計画の下で医療研究分野の研究開発の予算を集約いたしまして、研究費の配分でありますとか評価、あるいは研究の支援等を行う組織でございます。したがって、今御指摘のようなそういった財政支援といったことを行う組織ではございません。
#259
○荒井広幸君 私はちょっと不勉強ですが、非常に無責任になりますよ。スピードを上げて、谷間を防ぐために研究から治験をして実用化する、これを急ぐという余りに、治験のところの段階で、わらをもすがる方々は、国家戦略で、そして機構が指定したからといってある一種の治験に入りますね。ところが、当初の成果が得られない。得られないで来たということになった場合に、これは医師主導等ではそれは患者さんに負担させるわけではありませんから、まだ実験段階ということですから、そうなった場合には、わらをもすがる方々は、国の医師主導でお金が出なくても、お金を何百万と出して、このBNCTは百万から二百万と言われています、それを出してまでそこに行きたいということになるんですよ。そうなると病院の売名行為になってくるんです、これは。こういう問題点も持っているということを御指摘させていただきます。
 ですから、ただ中核病院をつくる、指定すればいいというものではないんだろうと。そこをどのように今後、病院の売名行為にしない、そして同時に、そういったものについて患者さんの負担を低く抑えるか、こういったことがうんと重要なところになってくるということを申し上げておきたいと思います。
 それから、次に参りますが、時間がどんどん過ぎてまいりますから、官房長官、後になってまた是非一言いただきたいと思うのでじっくりお聞きいただきたいんですが、私が言っているところも飛び飛びですから誤解がある言い方もあるかと思うので、後でよくまた官房の方からまとめて聞いていただきたいと思いますが。
 こういうようなことになりますと、ある意味で、先ほどからもお話がありましたけど、私は大変これいいことだというふうに思うんですが、それをまた急いでやることによっていろいろなところに、患者さんというものが犠牲になりはしないかというところも心配をいたすところなんです。
 そこで、例えばこういう判断、今の事例申しましたね、民間病院に公募させるというのは後で形を作った話なんです、実際は。福島県の基金で福島県がやったというんだけど、目利きできませんから、結局は国が目利きしたんですよ、それは。どの病院がいいかと、一社しかありませんでしたけど、一病院しかなかったが。だから、目利きするのは結局国なんですよ。
 それが今度はこの機構がやるようになるのかなと思いますが、そのときに、私が思ったのは、こういうふうに思ったんですね。福島県のことを考えてもらうのは有り難いんですけれども、福島県はがんを治してもらうことを望んでいるわけですから、例えばです、例えば医療、福島県の拠点であったなぜ県立医大ではまずいのかな、そういう分析が一つあるだろうと思うんですね。
 二つ目に出てくる話は、京大や筑波、国立がんセンターが進めているんですから、そこに五千万か一億なんというお金出てないんです。官房長官、本当に五千万ぐらいのお金でずっと続けさせているんですよ。六十八億ですよ、このとき補助金で四十数億ですから。それだけのお金があったら、今やって研究しているところに上乗せ配分をしてやるということの選択肢もあったはずなんですよ。何も福島県って限る必要ないんです、福島県民も。
 そういう観点でこれを考えていくと、そういうような判断を、今度は日本医療研究開発機構というところでどのようにやるようになるんですか、そこは。今は経済産業省だけでしたけど、いやいや、厚生労働省としては実際は国立がんセンターでもやるような形になりますよと、それから文部科学省では京都大学でもやっていますよと。だから、それをやると、そこにお金をもらった方がもっと加速的に、その質的なものを含めて、患者さんも集めて、そして早く実用化に向けて進められるんじゃないか、こういう判断があったっていいんですが、そういう協議は今度はなされる、そういうイメージを持っていいですか。私はもう既に決まったところを言っているから前後おかしくなりますが、今のような様々なやり方でそのお金の配分をしていく、こういうやり方もあるという考え方でいいですかね。
#260
○政府参考人(菱山豊君) 今先生の御指摘はBNCTでございますが、私どもは日本医療研究開発機構と考えて、一般論としてお答えさせていただきたいと思います。
 日本医療研究開発機構で進める研究開発につきましては、PD、POがきちんとそのプロジェクトのマネージをしていくと、また課題をちゃんと外部の有識者も踏まえながら選択していくというような方向で進めていくことにしております。
#261
○荒井広幸君 今度は、省庁の予算が付いたからとか予算を付けたいからといって、そういうものが優先して物事を決めるということがなくなるということを期待いたします。患者さんのために早くそういったものが達成される方法を見付けてもらいたい、こういうことでございます。
 Qの七番に行かせてください。
 法案成立後も、従来どおり、今日も質疑にありましたが、予算要求、計上は各省ごとに行うということでよいですね、これは。ただ、もうまとめて戦略的に各省に割っていくみたいな話を言うんですけれども、少なくとも予算要求はしていくと、こういうことです。
 そうすると、やっぱりあっちの予算が増えてこっちの予算が減るということがあってはならないというのは、官房長官の当然、衆議院を含めてのお考えだと思うんですし、医療分野の研究開発で私は財務省に予算査定という形でやらせるというのはいかがかなといつも思っているんですよ。そういう人の命を関わるものですから、やっぱり本当にこの機構が研究開発という意味では、実用化に向けた橋渡しという意味ではきちんとそこを尊重してもらえるようにしたいと願っているんですが、各役所がやっぱりそれでも私は難しくなるんじゃないかなと、官房長官、思っているんです。
 そこで、この七番からの趣旨で八番に入りますけれども、だったら内閣人事局を活用したらどうかと思うんですね、これと抱き合わせして。私は、いいタイミングでこの内閣人事局ができたと思うんです。総理と官房長官が任免協議をして、官僚、これを、ヘッドハントも含めて省庁入替えできるわけですね。
 そうすると、例えば厚生労働省ならば、厚生労働省は経済産業省に、経済産業省は今度は文科省に、そういう形でこの機構に関する、戦略に関するところを思い切って人材を交流させて縦割りの弊害をなくして命や健康を守る、つくる、その観点においてみんなが統一できるような素地をつくっていく、これをモデルケースとしてやってみたらどうかなと、このように思っているんですが、これは八番、どなたがお答えいただけますでしょうか。
#262
○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。
 内閣の重要政策に対応した戦略的な人事配置、人材配置を実現し、縦割り行政の弊害を排除して各府省一体となった行政運営を確保していくということで、こうした観点から、国家公務員制度改革基本法の具体化として、先般、国家公務員法の改正を提案し、成立をいただいたところでございます。
 今、医療分野に関連した人事についてということで御質問いただきましたけれども、いずれの分野におきましても、省庁の枠にとらわれずに適材適所の人事を実現していくことが今般の国公法改正の理念だというふうに認識しております。
 府省横断的な人事につきましては、既に平成六年に閣議決定で「省庁間人事交流の推進について」ということで逐次推進してきておりますけれども、内閣人事局設置後は、今回の国公法の改正の趣旨を踏まえ、一層推進していく必要があるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今回の法改正により、国家公務員の人事管理に関する戦略的中枢機能を担う組織として内閣人事局が設置され、幹部職員人事の一元管理の導入、また幹部候補育成課程による職員の育成を行うこととしておりまして、これらを通じ、常に国家全体の視点で物事を考える真の国家公務員を養成していくことが重要というふうに考えております。
#263
○荒井広幸君 らちが明かない話を聞かせていただいたんですが、官房長官、最後に、今までの民主政権の試み、そして自民党が今ここまで持ってきた、自公政権が。同時に、内閣人事局制度というのも出てきた。相変わらず縦割りはあり、予算はそのまま要求する。その中で、先ほど事例を私申しましたけど、結局、自分のところがいいといったらいいものをやりたがるんですよ。どうやって谷間をつないでいくかだけじゃなくて、芽出しまでそれぞれが自分のことを言い張ったんではどうしようもない。こういうことを考えますと、やはり今までどおりの縦割りに戻ってしまうような話を懸念いたします。
 各省の権限を、きちんと政府が主導性を発揮して、統一した方向性、実用化までの一貫した体制でスピード感ある国民の命と健康を守っていく、こういう形で進めていただきたいというふうに思いますが、見解をお願いしたいと思います。
#264
○国務大臣(菅義偉君) まず、内閣人事局でありますけれども、これが五月三十日からスタートするわけでありますけれども、そうした中において、やはり当然縦割りの排除、そして省益でなくて国益、そうしたことを考えてこれは人事を行っていくというのは当然のことだというふうに考えております。
 そして、今回の法案でありますけれども、内閣総理大臣を本部長とする推進本部をつくる、そして政府が集中的に、計画的に進めるべくことを策定をし、これに基づいて毎年度どの研究領域に重点的に配分を行うか、そこについては内閣官房が行うと、そういうことであります。そしてまた、この開発機構においては、本部方針に基づいてこの開発予算を集約化し、各省の枠を超えて基礎から実用まで一貫した研究マネジメントを行うこと、ここについてしっかりと行っていくということであります。
 先ほど委員から、前政権下での研究開発体制についての反省点など、様々な点について示唆に富む御指摘をいただきました。政権としては、まさに一体となって医療分野の研究開発を戦略的そして効率的に何としても進めていきたい、その思いでこの法案を提出をさせていただいているところであります。
#265
○荒井広幸君 御期待を申し上げたいと思います。
 そのときに、内閣人事局、任免協議というのは非常に大きなこれは試金石になるんじゃないかと見ております。
 問い九に、最後になりますが、今までもPMDAで随分この私も国会でやらせていただきましたけれども、もう治験の段階のみならず、例えば臨床治験を取れば、その段階から、もう少しこういうデータが欲しいよ、こういうのがないとやっぱり評価できないよということも含めた、臨床治験段階での効果や安全性での協議、そして、なあなあじゃなくて、そこのデータが欲しい、そういうことをやりながら、スピード感を持って承認されるようなところまで行こうじゃないかと。こういうことは既にこの一、二年で随分変わったはずなんですね。
 今回のこの戦略室と、そしてこの機構をつくることによって、更にどこがどう改善され、良い意味でどういうふうに変わっていくんでしょう、このPMDAとの絡みでいって。どうなんでしょうか。
#266
○政府参考人(成田昌稔君) 日本発の革新的医薬品等の実用化を推進することにつきましては、成長戦略の重要な柱の一つでございます。今回の健康・医療戦略推進法案や日本再興戦略を踏まえまして、PMDAの審査体制の充実強化等に取り組むこととしております。具体的には、審査ラグゼロの実現を目指しました審査体制の強化、それから開発ラグの解消に向けました薬事戦略相談等の大幅な拡充、革新的な医療機器への審査の重点化などに取り組むとともに、常勤職員数を現在の七百五十一名から平成三十年度末までに千六十五名に体制強化することとしております。
 これらの取組を通じまして、相談、審査の迅速化と質の向上を図りまして、我が国の優れた基礎研究の成果を世界に先駆けて実用化につなげていきたいと考えているところでございます。
#267
○荒井広幸君 直接のお答えはなかったようですが、どうぞ自分たちは専門家だということだけはもうやめていただきたい。原発でもう嫌になるぐらいなんですね。一般の人は分からない、自分たちは分かっているんだと。そういうことじゃなくて、患者は国民みんながなる可能性があります、病気は。みんなに分からなければ、これは全てのものが成り立たないということですから、どうぞ各省庁の皆さん、そういうことでこの法案を成立させて進めていただきたいと思います。
 終わります。
#268
○山本太郎君 ありがとうございます。政党要件いまだ全く満たせていない新党ひとりひとり、山本太郎と申します。よろしくお願いします。
 まず、健康・医療戦略推進法案について質問したいと思います。
 法案の第一条、目的の条文には、「先端的な科学技術を用いた医療、革新的な医療品等を用いた医療その他の世界最高水準の技術を用いた医療」ということが書かれています。「健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出に関し、基本理念、国等の責務、その推進を図るための基本的施策その他基本となる事項について定める」と書いてあります。
 また、第二条、基本理念の条文には、「健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出は、医療分野の研究開発における基礎的な研究開発から実用化のための研究開発までの一貫した研究開発の推進及びその成果の円滑な実用化により、世界最高水準の医療の提供に資するとともに、健康長寿社会の形成に資する新たな産業活動の創出及びその海外における展開の促進その他の活性化により、海外における医療の質の向上にも寄与しつつ、我が国経済の成長に資するものとなることを旨として、行われなければならない。」と書いてあります。もうここまでで疲れてしまいましたね、本当に。一気に読んでしまいました。済みません。
 我が国経済の成長に資するものとなることを旨として行わなければならない、これ基本理念なんですけれども、菅官房長官、聞かせてください。ということは、この法案、アベノミクスの成長戦略法案ということでよろしいでしょうか。
#269
○国務大臣(菅義偉君) この法案は、国民が健康な生活そして及び長寿を享受できることの社会を形成をする、そのために医療分野の研究開発を戦略的に推進をして世界最高水準の医療を実現していくことが一つ。さらには、健康・医療分野については世界的にも今後の成長が大いに見込まれるという、その中にあって、我が国としても健康・医療、これに関わる産業を戦略産業として育成していくという、この認識の下に戦略的な推進に必要な体制を構築すべき、提出をさせていただいたということであります。
#270
○山本太郎君 なるほど、成長戦略の武器の一つにもなり得るということでよろしいでしょうか。
#271
○国務大臣(菅義偉君) 成長の産業として育成していくということもその一つであることは間違いないわけでありますけれども、ただ、その前提として、やはり多くの国民の皆さんが健康で安心をして長生きをすることのできる社会を形成するということがその大前提としてあるわけであります。
#272
○山本太郎君 ありがとうございます。
 厚生労働省にお伺いします。
 厚生労働省が取り組む医療費適正化計画、これ医療費の抑制政策ですよね。この医療費抑制政策と今回のこの法案、ちょっと矛盾する部分があるんじゃないかなというふうにこの法案のことを考えたときに思ったんですけれども、厚生労働省の見解はいかがでしょうか。
#273
○政府参考人(神田裕二君) 健康・医療戦略の成果や実績につきましては国民に還元されるべきであるというふうに考えておりまして、研究の成果や実績の実用化を進めまして、国民皆保険の理念の下で、患者が必要かつ適切な医療を迅速に保険診療の下で受けられるようにすることが重要というふうに考えております。このような観点から、保険適用されていない先進医療については、一定の安全性、有効性を確認した上で保険診療との併用を認めまして将来的な保険収載につなげていくことが重要であり、そのため保険外併用療養制度について審査の更なる迅速化、効率化に取り組んでいくこととしております。
 また、費用の掛かります高度な医療技術が増加することによります保険財政への影響につきましては、新しい技術の費用対効果の評価の在り方について、現在、中央社会保険医療協議会において議論を行っているところでございまして、次の二十八年度の診療報酬改定に向けて検討を進めていきたいというふうに考えております。
 一方で、先進医療に要する費用と比べますと、生活習慣病に要する医療費というのは十兆円近くということで非常に大きいものがございます。厚生労働省としては、生活習慣病の予防ということに重点を置きまして健康づくりの推進を通じた医療費適正化対策を進めているというところでございますので、必要な医療を保険診療に取り込んでいくということと生活習慣病対策を進めていくという医療費適正化とは必ずしも矛盾するものではないというふうに考えております。
#274
○山本太郎君 続きまして、官房長官にお伺いしたいと思います。
 先ほど僕の質問に対して、成長戦略というよりも、これはもうまず最初に国民の命というもの、健康というものをまず最初に考えているんだよということをお答えいただいたので、今から僕が質問するものは少しちょっと疑い過ぎだろうというふうになってしまうかもしれないんですけれども、少しお付き合いください。
 健康・医療分野での企業利益追求を図るという部分があると思うんですね、経済の成長戦略という部分において。医療費を減らす政策を取りながら、一方で多くの人々の医療費の負担を増やしたり、必要な医療サービスを受けることを抑制するというのは、僕の中で、私の中で矛盾すると思ったんですけれども、菅官房長官にお伺いいたします。
 健康・医療の成長戦略と医療費抑制政策の整合性というものをどう取っていくのか、官房長官の考え方をお聞かせください。
#275
○国務大臣(菅義偉君) まず、今事務方から答弁がありましたけれども、この法案の中には、医療費の多くを占める生活習慣病の対策、そういうことを進めることによって医療費の適正化というものをこれ図っていくということであります。
 例えば、生活習慣病関連の医療費というのは九兆四千億円、先進医療費の総額というのは保険外診療分を含めて二百億円ですから、こういう中でこの政策を進めることによって生活習慣病の対策、こういうものに効果が出てくれば医療費の軽減にもなりますし、また先端の医療によって多くの方が救えるという、そういうことも可能になるわけでありますから、そういう意味では全く相反するものでもないというふうに思っております。
#276
○山本太郎君 ありがとうございました。
 次に、法案第十二条、医療分野の研究開発の公正かつ適正な実施の確保に必要な施策について質問いたします。
 まず、最近起きました医療分野での二つの重大不祥事件、ノバルティス社のディオバン問題と武田薬品工業のブロプレス問題の経緯、厚生労働省の対処方針について簡潔に説明していただけますか。
#277
○政府参考人(神田裕二君) ノバルティス社の不正事案につきましては、ノバルティス社の高血圧治療薬ディオバンに係る臨床研究におきまして、データの操作や研究者の利益相反行為等の問題が指摘されたところでございます。
 これにつきまして、厚生労働省といたしましては、昨年八月に検討会を設置いたしまして、状況の把握ですとか再発防止に努めてきたところでございます。この四月に再発防止策をまとめた報告書を取りまとめを行っておりますが、厚生労働省といたしましては、モニタリングや監査の規定あるいは利益相反に関する規定を新たに盛り込む形で臨床研究に関する倫理指針の見直しを行うこと、また臨床研究の在り方に関する検討会というものを新しく開催いたしまして、本年秋を目途に臨床研究に係る法制度の必要性を含めた検討を行っているところでございます。
 また、この問題につきましては、薬事法六十六条第一項の違反の疑いもあったことから、本年一月にノバルティス社及び同社の社員について刑事告発を行っているところでございます。
 一方、武田薬品工業の事案につきましては、同社が製造販売をしております高血圧治療薬ブロプレス錠について、その広告で、既存の高血圧治療薬との比較におきまして統計学的に有意差がないのに、心疾患系の疾患の発生に一定期間経過後には差があるかのような誤解を与えたことが問題ではないかということが指摘されております。
 これにつきましては、薬事法の虚偽又は誇大な広告に該当しないかどうか調査をしておりまして、それに基づきまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#278
○山本太郎君 この製薬協会に加盟している七十社、この七十社が、医療機関等への資金提供総額、これ約四千七百六十五億円、これ厚生労働省の資料に、二〇一二年度でありますよね、表に出ているだけでもこれだけだと。裏であるのかどうかは僕は知りませんけれども、表に出ている部分で四千七百六十五億円あると。資金提供の五二%は研究費、開発費等で、臨床試験費等も含まれると。そのほかにも、講師の謝礼金であったりとか、原稿の執筆料であったりとか、接待費などが含まれると。
 これ余談なんですけれども、知り合いの薬剤師が昔、一年生ぐらいのときですか、知り合いのドクターに付いていって製薬会社の接待を受けたらしいんですよ。もう高級料亭でおいしいものを食べさせていただいて、帰りには三万円ぐらいの箱詰めの佐藤錦までお土産にもらった。本当に羨ましい話だなとそのときは聞いていたんですけれども、今考えるととんでもない話ですね。製薬会社がお金をばらまけばばらまくほど、もらった方というのは、もちろん、やってもらった分だけ日頃お世話になっているんだから、製薬会社に対して恩返ししようと頑張っちゃいますよね。考えれば普通の話だと思うんです。
 例えば、製薬会社が望む臨床試験結果を発表することもひょっとしたらおやすい御用ということになるかもしれないし、例えばお世話になっている製薬会社の安全性が不確かなワクチンなど、新薬の承認に全力を尽くすなんて話があってもおかしくないんじゃないかなと思っちゃうんですよね。例えば、イレッサとかディオバンとか子宮頸がんワクチンなども、ひょっとしたらこういう体質から生み出された代物なんじゃないのと。医薬品会社との利益相反によって、この国って新薬の人体実験場にされているんじゃないかというふうに疑ってしまうという部分もあるんですよね。
 私は、この医療の研究開発分野での製薬企業と研究機関のあってはならない癒着を正すためには、日本製薬工業協会の透明性ガイドラインなど業界の自主的な取組に任せるんじゃなくて、きちんと法律で制定して透明性を確保すべきだと思うんですけれども。
 先ほども少しお話触れていましたよね。規定に盛り込むだとか、この先ではちょっと、何ですか、法律で作っていくべきなんじゃないかということをおっしゃっていたと思うんですけれども。もう一度、軽くざっくりとお話しいただいていいですか、短めに。ありがとうございます。
#279
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の透明性ガイドラインに基づきまして、日本製薬工業協会の企業につきまして、自主的に研究機関への資金提供について公開を始めているところでございます。これを法制化したらどうかということについてでございますが、これはまだ始まったところでございます。
 それから、諸外国におきましても、アメリカでは法制化されておりますけれども、EUの方ではまだ法制化されていない。ただ、開始をされたということでいうと、日本が最も早く開始をしているというところでございますので、まずはその取組を見守ってまいりたいというふうに考えております。
#280
○山本太郎君 ありがとうございます。
 官房長官、この法案第十二条の公正かつ適正な実施の確保、これどうやって確保すればいいのか。私は、先ほど申し上げたとおり、透明性確保のための法律、これ制定しなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、官房長官、いかがお考えですか。
#281
○国務大臣(菅義偉君) この機構については、自ら配分する研究費によって実施される研究に対して専門的分野、こういうものを設置をして公正で適正な実施の確保を図ってまいりたいというふうに思っております。
 今委員からいろいろ御指摘されましたノバルティス社の件等の中で、今厚生労働省の中においてこの制度の在り方に関する検討会、こうしたものを設置をして信頼回復に向けた立法措置を含めて対策の検討もされているというふうに私承知をいたしておりますので、ここは、あってはならないことでありますし、この研究不正によって我が国の研究の信頼性、これが低下するような事態というのは看過することができない、こう考えておりますので、政府として総力を挙げて不正がないようにしっかりと対策を講じてまいりたいと思います。
#282
○山本太郎君 官房長官からの本当に力強いお言葉をいただきました。
 次に、この透明性の確保の問題に関連いたしまして、子宮頸がん予防ワクチンについて質問したいと思います。
 四月二十八日、薬害オンブズパースン会議から子宮頸がん予防ワクチンの審議会の委員についての要望書が田村厚生労働大臣宛てに提出されています。
 まず、厚生労働省、この子宮頸がん予防ワクチンに関する審議会等の利益相反問題の現状について簡潔に説明していただけますか。
#283
○政府参考人(高島泉君) 厚生科学審議会の副反応検討部会、それから薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会の委員におきましては、審議会の出席に当たりまして、予防接種・ワクチン分科会参加規程又は薬事分科会審議参加規程に基づきまして調査審議されるワクチンの製造販売業者からの寄附金、契約金等の受取について自己申告をいただくということにしております。
 お問合せにもありました子宮頸がんの関係でございますが、グラクソ・スミスクライン社又はMSD社につきまして、部会の委員におきまして十名中八名、それから調査会の委員におきましては五名中三名がそれぞれ講演料を受け取っていたということが分かっております。
 なお、当部会それから調査会におきましては、寄附金なり契約金等の受取の受領額に従いまして議決とか会議への参加の可否を判断しているところでございます。
#284
○山本太郎君 何かこう細分化するとちょっとインパクトが欠ける話になるんですけれども、ざっくり言うと、委員の十五人中十一人、これ当該ワクチンメーカーであるグラクソとそれからMSD社から奨学寄附金、そしてあるいは講演料等を受け取っていたと、このうちの三名は議決に参加できないレベルの利益相反があったと。全体の四〇%に当たる六名の委員が本来申告すべきであった利益相反を適切に申告していなかったことが明らかになっていたという話ですよね。──はい、ありがとうございました。
 ということなんですけれども、とにかくこの子宮頸がん予防ワクチンのメーカーであるグラクソ・スミスクラインそしてMSD社の現在から過去十年間、これ医療機関及び医師等への寄附、講演料、原稿料、旅費、交通費等のあらゆる金銭の支払に関する情報を調査の上、その資料を提出していただきたいと思うんですけれども、厚生労働省、可能ですか。
#285
○政府参考人(神田裕二君) 先ほども申し上げましたけれども、ガイドラインにおきましては、平成二十四年度分の資金提供について二十五年度から公表するということになってございます。両社ともこのガイドラインに従いまして既に公表はされているところでございます。
 ただ、この提供に当たりましては、提供をしました研究機関側の了承を取って行われているということから、御指摘のような過去十年間分に遡って、個別の資金提供を受けるということになりますと、これは一般のルールを超えて、今御指摘のような点について公表するということについては別途の観点から個別に検討すべき問題だというふうに考えております。
#286
○山本太郎君 子宮頸がん予防ワクチンは去年四月から法定接種となりましたけれども、多くの重篤な副反応が明らかとなったと。そして、去年六月に勧奨中止となりました。しかし、この勧奨を再開しようじゃないかという強い動きがあると聞いています。一方で、本委員会の山谷えり子委員を始め、参議院の自民党の議員の方々の中にもそれに反対する方々も多いと聞いています。
 私は、まず、この約三百三十七万人の既にワクチンを接種された若い女性たち、この女性たち、中心は小学校六年生から高校一年生までの少女たちなんですけれども、この三百三十七万人全員の副反応追跡調査を早急に行って、被害者の救済に政府は全力を挙げるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#287
○政府参考人(高島泉君) HPVワクチンにつきましては、これまでに、昨年六月の厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において早急に調査すべきとされた事項等の調査を進めております。これは定期接種の勧奨をやめたときに、こういったことで調査を進めるようにという御指摘を受けております。
 調査に当たりましては、ワクチンの発売時期から平成二十五年九月までの期間におきまして、医療機関や企業からの副反応報告のみならず、保護者や被害者団体からの報告など、因果関係を問わず、また重篤なものに限ることなく、幅広く副反応事例を収集してまいりました。その数は二千三百二十例に及びまして、このほか、必要に応じて、カルテの収集とか、それから海外の文献の収集、審議会委員による実際の診療の立会いなど、丁寧に調査を行ってきたところでございます。
 このように、様々な方法で症例の把握に努めているところでありまして、改めて接種者全員の調査をすることは現在のところ考えておりませんが、副反応検討部会で得られたデータに基づきまして引き続きしっかりと検討していただきたいというふうに考えております。
#288
○山本太郎君 その吸い上げられたデータというのは、各地のドクターであったりとか、そしてメーカーからだったりとかということでよろしいですか。
#289
○政府参考人(高島泉君) そういった事例も入っておりますけれども、これ実際、定期勧奨を差し止めた際にも被害者団体からいろんな症例が挙げられております。そういった保護者とか被害者団体からの報告も踏まえて調査をしているところでございます。
#290
○山本太郎君 先ほどお話ししました、小学校六年生から高校生までの少女たちの子宮頸がんワクチンによる重篤な副反応は様々だと。例えば、ペットボトルのキャップが開けられなくなった、足の痛みで階段を上り下りできなくなった、自分自身の家の場所が分からなくなった、計算ができなくなった、頭痛が止まらない、けいれんが起きる、失神、意識喪失、このようなひどい症状に何年も苦しむ少女たち、これ全く救済されていないですよね。
 ギラン・バレー症候群、若しくはADEM、急性散在性脳脊髄炎、これらの病名が付かなければ、又は因果関係が証明されなければ救済されない。ワクチン接種後に明らかに体調がおかしくなっているのに、医者に行っても、あなたの心のせいだというふうに切り捨てられて、救済されない。こんな不条理にさらされた少女たちを放置したままでいいんでしょうか。
 ここに、読売新聞に、二〇一四年の三月十一日、薬害オンブズパースン会議、先ほども出てまいりました、そこの事務局長、弁護士さんですね、水口さんのコメントがあります。この子宮頸がんワクチンの話です。
 このワクチンには、使われたことのない新しいアジュバントが使われ、あるいはウイルスのDNAの断片が残留しており、未知の副作用が起きる可能性は否定できない。危険を示す兆候があるのに、科学的な証明を求めて対応が遅れるのは、スモンやエイズなど、過去の薬害事件で繰り返されてきたことだ。危険を示す被害の情報を安易に排斥するべきではない。厚労省が把握している副作用は企業や医療機関からの自主的な報告に基づくもので、氷山の一角にすぎない。ワクチンの副作用は多様で、接種から時間を経て発症することもあり、ワクチンとの関連に気付かずに報告されていないものもある。治療方法や治療体制も確立されておらず、被害者は有効な治療を求めて、医療機関を転々としている。このような状況らしいです。
 この水口さん、以前にも薬害エイズなどの薬害事件の原告側の代理人になったりとか、そして厚生労働省の薬害肝炎検証再発防止委員会の委員も務めた方ですね。その方がこのようにおっしゃっています。
 とにかくこの少女たちを何とか救う方法はないのか、この不条理にさらされた少女たちを放置したままで本当にいいのかと。
 ここで、皆さんにお願いをしたいんですよ。二〇一三年の三月二十九日、参議院の本会議での採決で予防接種法改正案に賛成された方、要は子宮頸がんワクチンの法定接種に賛成された先生方、是非力を貸していただきたいと思うんです。こんな危険性があるとはまさか思わずに賛成された方、多数いらっしゃると思うんですね。だからこそ、皆さんに力を貸していただきたいんです。この少女たちが救済されるように力を貸していただけませんか。
 まずは接種者の実態を徹底的に把握しなければ、何の結論も出せるはずないんですよ。追跡調査をやらないなんという話はあり得ないと思うんです。一部の企業であったりとか、そして報告を上げてきた医者だけの意見で、それで一体何を、副反応を調べるんだという話だと思うんです。
 大キャンペーンを張ってこれだけのワクチンをたくさんの少女たちに打たせようという動きがあったわけだから、これに副反応がひどいものが現れる可能性があるとするならば、それを収集するときにもやっぱり大キャンペーンというか、大きく網を張ってたくさんの人たちにそれを知らせる、そしてその情報を吸い上げるということが必要だと思うんです。(発言する者あり)間もなくです。ありがとうございます。
 最後に、菅官房長官に、この三百三十七万人の少女たちに全員の副反応追跡調査、そして被害者救済について、官房長官のお考えを聞かせていただきたいんですね。どちらかというと今、安倍政権というと何か弱い者を切り捨てるんじゃないかというような疑いも持たれている部分あると思うんですよ。でも、そうじゃないんだよと。この中枢にいる官房長官、菅さんが先頭を切って、是非この三百三十七万人の少女たちのヒーローになっていただきたいんです。
 この追跡調査と被害者救済について、お考えを伺わせていただけますか。済みません。
#291
○国務大臣(菅義偉君) まず、この子宮頸がんのワクチンの接種については、様々な問題の発生を受けて厚生労働省において積極的な接種勧奨を今差し控えをいたしています。調査や専門家による検討を進めているというふうに承知をいたしております。
 いずれにしろ、慎重に調査検討を進めて、厚生労働省の方で適切に対応していくと、このように考えています。
 委員の思いというのは、私も今受け止めさせていただきたいと思います。
#292
○山本太郎君 官房長官、ありがとうございました。一刻も早く少女たちが救済されることを、官房長官、先頭に立っていただいてやっていただけると本当に有り難いと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。終わらせていただきます。
#293
○委員長(水岡俊一君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#294
○委員長(水岡俊一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#295
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#296
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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