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2014/05/29 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 内閣委員会 第18号
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2014/05/29 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 内閣委員会 第18号

#1
第186回国会 内閣委員会 第18号
平成二十六年五月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     世耕 弘成君
     大野 元裕君     前川 清成君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     佐藤ゆかり君     宮本 周司君
     世耕 弘成君     古川 俊治君
     前川 清成君     大野 元裕君
     荒井 広幸君     浜田 和幸君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     古川 俊治君     山下 雄平君
     大野 元裕君     藤田 幸久君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水岡 俊一君
    理 事
                上月 良祐君
                松下 新平君
                芝  博一君
                山下 芳生君
    委 員
                岡田  広君
                鴻池 祥肇君
                山東 昭子君
                福岡 資麿君
                古川 俊治君
                宮本 周司君
                山崎  力君
                山下 雄平君
                山谷えり子君
                大野 元裕君
                神本美恵子君
                藤田 幸久君
                蓮   舫君
                秋野 公造君
                江口 克彦君
                浜田 和幸君
                山本 太郎君
   衆議院議員
       修正案提出者   近藤 洋介君
   国務大臣
       国務大臣     稲田 朋美君
   副大臣
       内閣府副大臣   後藤田正純君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  松本 文明君
       国土交通大臣政
       務官       坂井  学君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房行政改
       革推進本部事務
       局次長      長屋  聡君
       内閣官房行政改
       革推進本部事務
       局次長      市川 健太君
       総務大臣官房審
       議官       讃岐  建君
       外務大臣官房審
       議官       廣瀬 行成君
       厚生労働大臣官
       房審議官     成田 昌稔君
       厚生労働省健康
       局長       佐藤 敏信君
       国土交通省航空
       局安全部長    島村  淳君
   参考人
       独立行政法人日
       本学生支援機構
       理事       甲野 正道君
       独立行政法人放
       射線医学総合研
       究所理事     明石 真言君
       独立行政法人医
       薬品医療機器総
       合機構理事長   近藤 達也君
       独立行政法人新
       エネルギー・産
       業技術総合開発
       機構理事長    古川 一夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施
 行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋克法君、佐藤ゆかり君及び荒井広幸君が委員を辞任され、その補欠として古川俊治君、宮本周司君及び浜田和幸君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(水岡俊一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房行政改革推進本部事務局次長長屋聡君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(水岡俊一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人日本学生支援機構理事甲野正道君、独立行政法人放射線医学総合研究所理事明石真言君、独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長近藤達也君及び独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長古川一夫君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(水岡俊一君) 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。稲田国務大臣。
#8
○国務大臣(稲田朋美君) ただいま議題となりました独立行政法人通則法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 独立行政法人制度については、その本来の趣旨にのっとり、主務大臣から指示される明確な目標の下、独立行政法人が、自主性及び自律性を発揮した業務運営と適切な組織規律により、その期待される政策実施機能を最大限に発揮できるようにするとともに、肥大化防止、スリム化も図るため、法人の分類や目標、評価の在り方等にも踏み込んだ抜本的な改革を行うことが急務であります。
 このような観点から、法人の事務及び事業の特性に応じた法人の分類を設け、各分類に則した目標管理の仕組みを導入するとともに、監事の機能強化と主務大臣による事後的な是正措置を導入することなどにより業務運営の改善を図る仕組みを設ける等の所要の措置を講ずるため、本法律案を提出する次第であります。
 以下、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、独立行政法人を事務及び事業の特性に照らし三つに分類し、国民の需要に的確に対応した多様で良質なサービスの提供を通じた公共の利益の増進を推進することを目的とする法人を中期目標管理法人として、我が国の科学技術水準の向上を通じた国民経済の健全な発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的とする法人を国立研究開発法人として、また、国の行政事務と密接に関連して行われる国の指示その他の国の相当な関与の下に事務及び事業を正確かつ確実に執行することを目的とする法人を行政執行法人として、それぞれ個別法で定めることとしております。
 第二に、独立行政法人の業務運営は各分類に応じ、中期目標管理法人は三年から五年の中期的な目標管理によるものとし、国立研究開発法人は五年から七年の中長期的な目標管理により、研究開発に関する審議会が業績評価等に関与するものとし、行政執行法人は単年度の目標管理によることとしております。
 第三に、政策実施機関としての独立行政法人の役割が的確に果たされるよう、主務大臣による実効性、一貫性のある目標設定及び評価の仕組みとするため、これまで各府省に設けられていた評価委員会に代わり、主務大臣が法人の業績評価を行うこととしております。
 また、総務大臣が目標設定及び業績評価に関する指針を策定することとし、このうち、研究開発の事務及び事業に関する指針案は総合科学技術・イノベーション会議が作成することとしております。この総務大臣が策定する指針に基づき、主務大臣は目標設定及び業績評価を行うこととしております。
 第四に、総務省に第三者機関として独立行政法人評価制度委員会を設置し、中期目標の設定、中期目標期間の業績評価、中期目標期間の終了時の見直し内容について主務大臣に意見を述べることとしております。
 第五に、独立行政法人の監事及び会計監査人は、法人の業務及び財産の調査を行うことができることを明確化し、その職務権限を強化するとともに、役員に損害賠償責任を導入するなど、役員の義務及び責任を明らかにすることとしております。
 第六に、独立行政法人に対する主務大臣の関与の在り方を見直し、中期目標管理法人及び国立研究開発法人については業績評価の結果に基づく法人の業務運営の改善命令及び違法行為等の是正命令を、行政執行法人については特に必要があると認めるときにその業務に関し監督上必要な命令をすることができることとしております。
 以上が本法律案の提案理由及び内容の概要でございます。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において修正が行われております。
 次に、独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本法律案は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴い、個別法に各独立行政法人を中期目標管理法人、国立研究開発法人又は行政執行法人のいずれかとする規定を追加する等、関係法律の規定の整備を行うものであります。
 以上が本法律案の提案理由及び内容の概要でございます。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において修正が行われております。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
 以上でございます。
#9
○委員長(水岡俊一君) この際、両案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員近藤洋介君から説明を聴取いたします。近藤洋介君。
#10
○衆議院議員(近藤洋介君) ただいま議題となりました両法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。
 まず、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について申し上げます。
 主務大臣は、独立行政法人の長又は監事を任命しようとするときは、必要に応じ、公募の活用に努めなければならないものとすることとし、公募によらない場合であっても、透明性を確保しつつ、候補者の推薦の求めその他の適任と認める者を任命するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとすることとしております。
 次に、独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の衆議院における修正部分について申し上げます。
 第一に、法務大臣は、日本司法支援センターの理事長又は監事を任命しようとするときは、必要に応じ、公募の活用に努めなければならないものとすることとし、公募によらない場合であっても、透明性を確保しつつ、候補者の推薦の求めその他の適任と認める者を任命するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとすることとしております。
 第二に、文部科学大臣は、日本私立学校振興・共済事業団の理事長又は監事を任命しようとするときは、必要に応じ、公募の活用に努めなければならないものとすることとし、公募によらない場合であっても、透明性を確保しつつ、候補者の推薦の求めその他の適任と認める者を任命するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとすることとしております。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#11
○委員長(水岡俊一君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 近藤議員は御退席いただいて結構でございます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○松下新平君 自民党の松下新平です。
 日頃は自民党の理事として、水岡委員長、そして芝、山下両理事を始め委員の皆様にいろいろ御指導、御協力をいただいておりまして、厚く御礼申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。
 ただいま、早速ですけれども、議題となりました独立行政法人通則法の一部を改正する法律案並びに同整備法案について質問をさせていただきます。
 本法案は、昨日、参議院の本会議におきまして稲田大臣から趣旨説明をいただいた後に、それに対する代表質問を行いました。そして、本日からこの内閣委員会で趣旨説明をいただきまして質疑が始まるわけでございます。衆議院では与党に加えて民主、そしてみんなも修正を経て賛同をいただいた法案でございますが、この法案は国民に身近な法案でもありますし、また大きな期待も寄せられておりますので、参議院ならではの審議を期待したいというふうに思います。
 冒頭に、通告についてちょっと申し上げたいんですけれども、この質問通告に当たりましてはこれまでもいろいろ議論されておりました。余りにも遅い通告で、役所の方の対応にいろいろ支障があるということもございました。一方では、駆け引きと申しますか、その中で有益だということもありますし、急を要するものもございます。それに対して、自由民主党は特に子育て対策に力を入れていると、これは国の重要な施策の一つでもありますけれども、役所にも子育て世代の皆さん、たくさんいらっしゃいます。そういった意味で、前々日の夕刻までの通告を原則としてスタートいたしました。これ衆参でですけれども、是非率先して隗より始めろということで取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私は、この委員会の最初の質問者でありますので、全体の議論を深める上でも、これまでの背景でありますとか、これまでのいろんな与野党の考え方の違い、そして修正に至った経緯、総論についてお伺いしたいというふうに思っております。
 まず初めにですけれども、現行の独法制度の趣旨、評価についてお伺いしたいと思います。
 昨日の参議院本会議におきまして、稲田大臣から、いろいろあったけれども、集大成であると、力強く意気込み、そしてこの法案に懸ける思いを述べていただきました。それは議場で伝わってまいりました。
 行革の一環として平成十三年度から制度が開始されたわけです。十三年前ですから、改めて当時の独法制度、これを導入された経緯について確認をしたいことが一点と、また、この制度開始から十三年たっております。この間の評価を併せて大臣にお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(稲田朋美君) 独法制度が導入をされてから十三年が経過をいたしました。この独立行政法人制度は、行政における企画立案部分とその実行、実施部分を分離をして企画立案部分の能力を向上させるとともに、その実施部門に独立の法人格を与えることで業務の効率性と質の向上を図るというのが制度の趣旨でございます。その独法の制度の趣旨、そして意義は今も変わるところがないというふうに思っております。
 また、この十三年間、効率的で質の高い行政の実現に大きく貢献したことも事実ではありますけれども、十三年たって、やはり一律の制度運用で政策実施機能が十分発揮されていないのではないか、また、目標、評価の適切なPDCAサイクルが十分に機能をしていないのではないか、また、業務運営の適正性が自律的に十分行われていない、やはりガバナンスの強化というのは必要ではないかというところが指摘をされてきました。
 これらの指摘を踏まえて、与党とも十分協議し、今般、この独法制度自体は維持をして、制度本来の趣旨にのっとって、法人の政策実施機能の最大化、官の肥大化防止、スリム化を図るという観点から、制度、組織両面で抜本的に見直そうということが今回の法案の趣旨でございます。
 独法改革は第一次安倍内閣以来の課題でありまして、今まで二度にわたって法案が廃案になっていることから、今回の法案の成立に向けて全力に取り組んで、改革の集大成としていきたいというふうに考えております。
#14
○松下新平君 十三年前、御答弁いただいたとおり、民間の経営手法を活用をして国の施策を効率的、効果的に実施するということが目標でございました。
 今御答弁いただいたとおり、現行制度における課題、問題点も浮き彫りになってまいりました。ガバナンスの問題でありますとか独法の予算、これは交付金制度ですけれども、評価体制、情報公開など課題もありました。しかし、今回の改正に集大成として大きな期待が寄せられているところであります。
 次に、この集大成に至るまでに、これまで平成二十年と平成二十四年、自民党そして民主党からそれぞれ法案が出されております。それぞれその当時の立場も踏まえて法案が提出されておりますが、今回は、そのそれぞれの思いを乗り越えて修正案として賛同していただいたわけですが、その前に、それぞれ自民党、民主党がどのような特徴を持っていたか、それを押さえていく必要があると思いますので、端的に御答弁をいただきたいと思います。
#15
○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 まず、平成二十年に提出された独法通則法改正案でございますが、現在、各府省に置かれています評価委員会、それから二次評価として行っている総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会、この評価機能を一元化いたしまして、強力な権限を持つ独立行政法人評価委員会というものを新設すると、これが大きな特徴であったと認識しております。
 それから、平成二十四年に提出された独法通則法改正案につきましては、独立行政法人制度を廃止いたしまして行政法人制度に移行させるということや、役員報酬の上限を法定化するなど、厳格な措置を講ずることが特徴であったと認識しております。
 今般の独法改革でございますが、これまでの検討の優れた面は取り入れ、見直すべきは見直すという考え方に立ちまして、これまでの議論を改めて総括、点検し、独法改革の集大成として提出させていただいているところでございます。
#16
○松下新平君 それぞれ思いが強いわけですけれども、それを乗り越えて修正合意されたということで、関係各位に敬意を表したいと思います。
 続きまして、法人の類型化についてお伺いしたいと思います。
 本法案の目玉の一つでもございます現在九十八ある独立行政法人を三つに分類するということでございます。先ほど趣旨説明でもございましたが、改めて、これからの議論の中で大変重要になってまいりますので、三類型に分類する理由、その基準についてお伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 今回の独法制度見直しにおきましては、一律に同じ規律、共通ルールを適用するということを改めまして、法人の業務の特性を踏まえまして、最適な目標管理の期間の違いに着目した目標管理の仕組みを導入してございます。
 大きく三分類にしてございます。
 第一としまして、中期目標管理法人と称しておりますが、国民向けの様々なサービスを提供する法人につきましては、高い自主性、裁量を発揮した業務運営により高い成果を上げるため、目標期間につきましては、三年から五年の目標管理を行う法人として位置付けております。
 第二に、国立研究開発法人でございますが、研究開発を主要な業務とする法人につきましては、研究開発の成果を最大化するために、研究開発の長期性、専門性などの特性を踏まえまして、五年から七年の中長期的な目標管理を行う法人として位置付けております。
 第三に、行政執行法人でございますが、国の業務と密接に関連した業務を担う法人につきましては、国の相当な関与の下、正確かつ確実な業務執行を実現するため、国の単年度予算管理と合わせた単年度の目標管理を行う法人として位置付けてございます。
 この三つに分類してございまして、このような目標期間に応じて三つに分類することで法人の政策実施機能が向上されることが期待されるものでございます。
#18
○松下新平君 次に、評価の仕組みについてお伺いいたします。
 昨日の本会議でも指摘されておりますが、修正案を担保する意味でもこの評価の仕組みがポイントになろうかと思いますので、それについてお伺いしたいと思います。
 これまで、主務大臣は目標を指示するのみで評価に関与していなかったわけですが、今回の改正により、各省の独立行政法人評価委員会による評価をやめ、主務大臣が自ら業績を評価することとしています。内輪での評価に対して、お手盛りになるのではないかとの懸念がございます。明確にこのような懸念を払拭していただきたいと思います。
 現行独法の業績評価においては、まず主務省に置かれる独立行政法人評価委員会が一次評価を行って、その次に総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が二次評価を行っておりましたが、本改正案では、毎年度の評価については主務大臣が実施し、総務省の第三者機関である独立行政法人評価制度委員会は中期目標期間の業績評価をチェックし、基本的には毎年度の評価には関与しないとしております。これにより、いわゆる評価疲れを解消するとともに適正な評価が期待されるわけですけれども、これについての見解をよろしくお願いします。
#19
○副大臣(後藤田正純君) 今回の法改正は、まさに先ほど大臣から趣旨説明あったとおり、国民に資する独法たり得るように政策実施機能の最大化を図る、これを大きな目標にしておりますので、独法のそういう側面も大変重要だということを尊重しながらも、一方では、やはりガバナンスの問題、国民への説明責任、これを両立するということが最大のテーマの一つだと思います。
 その中で、今回、今お話ございました評価疲れという御視点でございますが、現行制度は、目標設定、中期目標期間終了時の見直し、これは主務大臣がやっておりまして、また、業績評価につきましても、各府省に評価委員会があり、そしてまた、いわゆる政独委、政策評価・独立行政法人評価委員会という第三者機関があった。これを今回、目標設定、中期目標期間終了時の見直し、業績評価は主務大臣にお願いするということでございまして、総務省に新たに置かれる独法評価制度委員会は毎年度の評価には基本的に関与しないという仕組みとしております。
 ただ、今御指摘のありますとおり、ガバナンスという点におきまして主務大臣の適正な評価を担保するためにはどうするかということでございますが、これには新たにその第三者機関において、業績評価に関する基本的なルールを、まさにその第三者委員会の意見を聴いた上で総務大臣が指針として策定するという、その根っこの部分をしっかり担保するということで、主務大臣はその指針に基づいて評価を行うということとしております。
 また、第三者委員会が主務大臣の中期目標期間の業務評価結果につきましてしっかりチェックをするとともに、毎年度の評価が著しく不適正な場合には委員会が意見を述べることが可能と、このようになっております。さらに、第三者委員会以外におきまして、総務省の行政評価・監視の対象に独法を新たに追加することとしております。そしてまた、独法評価制度委員会がその調査結果を活用するなど、行政評価機能との連携によりまして一層実効性のあるガバナンス、チェックが可能となっております。
 こうした仕組みによりまして、まさに価値の最大化、そして同時にガバナンスというこの両立に向けまして、主務大臣が適正な評価を担保できると我々は認識をしております。
#20
○松下新平君 是非主務大臣のリーダーシップに期待したいと思いますし、またPDCAサイクル、これまでも行ってまいりましたけれども、更にこの法改正によってバージョンアップして取り組んでいただきたいというふうに思います。
 もう時間も限られておりますので、質問をちょっと飛ばすことになりますが、御了承いただきたいと思います。
 次に、ガバナンスの強化について改めてお伺いしたいと思います。
 現行通則法では第十九条に監事の規定がございますが、独法の業務を監査することと、監査の結果に基づき法人の長又は主務大臣に意見を提出することができることが規定されているのみであって、監事の権限が不明確でした。
 本改正案により、監査報告書の作成の義務付け、役員の不正行為の報告義務付けを新設して監事の権限強化を図っていますが、その背景と理由についてここで改めてお伺いします。
#21
○副大臣(後藤田正純君) 第一次安倍政権で始まりました独法改革におきまして、当時、例えば緑資源機構の官製談合問題を背景にいたしまして、監事の機能強化による法人のガバナンス強化を図ることとし、平成二十年に通則法改正法案を提出していたところでございます。
 今般の独法改革におきましても、行政改革推進会議等におきまして、今委員御指摘の、監事の権限が不明確であり、法律上明確にするべきである、また、法人の長の独任制である独法制度におきまして、法人の長を牽制する機能、これを有する監事の機能を強化する必要がある、こういった議論がなされたところでございます。
 これを踏まえまして、現行法では監事は法人の業務を監査する旨のみの規定であったところでございますが、監事は法人の役職員や子会社に対して報告を求め、調査をすることができること、また、法人から主務大臣への提出書類について監事が調査を行うこと、法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を役員が発見したときには監事に報告させること、役員の不正行為等は法人の長のみならず主務大臣にも報告すること、今までは役員につきましては法人の長であったわけでございますが、それも主務大臣にも報告するといったような規定を設けることといたしまして、運用上の取組と併せて監査機能の実効性を向上させることとしております。
#22
○松下新平君 ありがとうございました。
 質問予定しておりましたけれども、時間が参りましたので、答弁を用意された方、申し訳ないと思います。
 稲田大臣、集大成としてこの法案を提出していただきましたけれども、不断のチェック機能が大前提でありますし、答弁の中でもありましたが、徹底した情報公開、そして国民に分かりやすさ、これを徹底すること、これが信頼を勝ち得る唯一の方法であるということを共有いたしました。これから参議院内閣委員会において審議を深めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#23
○古川俊治君 続きまして、出張いたしましてこの内閣委員会で質問させていただきます。
 今、松下筆頭の大変骨太な質問から、ちょっと痩せっぽちが大変けちな質問をいたしますけれども、私が思うのは、この独法改革で、確かに改革しなきゃいけなかった部分もあるんですけれども、結構無理やり多くの法人、いろんな種類のものを一つに押し込めて類型化していったために、ちょっととばっちりを受けた部分があるというふうに感じているんですね。それが一番大きいのがやっぱり研究開発法人なんですよ。だから、今日は、これ大変私懸念がございまして、与党ではございますけれども、少しけちな質問をしますので、しっかりとお答えいただきたいと思っております。
 今回の法案の二条の一項では、効果的かつ効率的に行わせるために設立されるものを独法とするということを定義するとともに、三項で、国立研究開発法人というのは研究開発の最大化を確保することを目的とすると、こういう独法であるというふうに定義しているんですね。
 研究開発の場合は、やはり最大の成果を求めるということは、当然ハイリスク・ハイリターンな研究にこれは懸けなきゃいけないわけですね。今までやはり成果の大きい研究というと、なかなかその研究成果というのは取れるのが難しい、大変リスクの高いものに挑戦しなきゃいけないというわけであります。日本の今までの独法では、評価されるのが多くの場合論文の数ですとかあるいは特許の数ということで評価されてきましたから、どうしても余り評価の高くない論文を積み重ねたり、ほとんど利用されないような特許を積み重ねたりと、こういうことがずっと繰り返されてきたわけですね。
 我々も研究の場にいますと、やっぱりどうなるか分からない、だけどこういう仮説に基づき成果として大きいものを狙っていくというのが研究の本質なんですけれども、私が思いますのは、この効果的かつ効率的に行わせるという設立の定義と、それから研究開発の最大化の成果を確保するという目的が実は矛盾しているんじゃないか、そういう懸念があるんですけれども、その点について政府の見解をお聞きしたいと思っております。
#24
○政府参考人(市川健太君) 御答弁申し上げます。
 通則法第二条第一項に定める効果的かつ効率的な事務の実施は、三分類された独法全てに適用される共通ルールでございまして、これは、的確な業務運営を通じて政策効果を最大化すべきこと、多くが税金を財源としていることを踏まえ無駄な経費使用を避けることなど、公法人の業務運営の在り方として当然の考え方を示したものでございます。
 うち、効率的という文言について、一部に、これは経費削減を意味する文言であり成果重視の研究開発法人にはそぐわないという批判があったことは承知しておりますが、効率性は、インプットを減らすだけではなく、一定のインプットに対するアウトプットを高めることでも効率性は達成できるものであり、懸念は当たらないものと考えております。
 このように、研究開発成果の最大限の成果の確保は、効果的かつ効率的な業務運営と矛盾するものではなく、むしろ後者と相まって実現するものと考えております。
#25
○古川俊治君 全体で見て成果が生まれれば恐らく効率的だったという結果が後付けで言えるんだと思いますけれども、先が分からないで頑張っていくのがこれは研究開発の本質でございますから、その意味ではどういったプロセスで研究を行ってきたか、それは、結果を求めずそのプロセスをよく見ていただきたいと、そこにおいて無駄があったかどうか、そういう検証をしていただきたいというふうに思っております。
 今、実はこの国立研究開発法人とともに、報道によりますと、この上に特定という名前が付いたいわゆる特定国立研究開発法人というものが政府において議論をされたというふうに承知しております。この特定研究開発法人というのはどういう今検討状況になっているんでしょうか。あるいは、この国立研究開発法人と特定の付いた国立研究開発法人との違いはどういうところにあるんでしょうか。
#26
○副大臣(後藤田正純君) ただいま御指摘ございました特定国立研究開発法人制度でございますが、これは、これまで政府そして総合科学技術会議等、関係者との間で濃密な議論を重ねてきた上で方向性を打ち出したものでございまして、科学技術イノベーションにより成長戦略を推進していく上での中核的なものと位置付けられ、極めて重要と私どもは考えております。
 特定国立研究開発法人に係る法案の成立につきましては、何よりも国民の理解を得る必要があるという観点から、我々、科学技術会議の中で対象法人候補として決めました、当時、理化学研究所におきまして、今回STAP論文に関わる研究不正の調査、また再発防止等の検討につきまして丁寧かつ厳正に進められることが不可欠という観点、まさにその組織としての規律、そしてまた研究者としての規範、こういったものをしっかりともう一度見極める時期が必要だと、このような形で、当初の考えから一回ちょっと待ってみようという状況でございますが。
 ただ、この理研の対応を今後見極めつつ、来年度からの制度のスタートに間に合うように我々は準備をしておりますし、引き続き検討してまいりたいと思っておりますし、産総研の問題につきましても、これはもう委員御承知のとおり、より応用に近い部分と理研のようにより基礎に近い部分、これはやっぱり両方しっかり、これは国家戦略として特定という名の付く国立研発は進めていくというのが政府全体の方向性でございますので、そういう点で理研の問題をしっかり国民に説明することができた上で、改めて応用のまさにトップ、そしてまた基礎のトップとしてこれをしっかり国家戦略の中で位置付けていきたいと、このように考えております。
#27
○古川俊治君 具体的に、今制度設計をお考えになっている特定国立研究開発法人と国立研究開発法人の違いをお答えいただきたいんですけれども。
#28
○政府参考人(市川健太君) 御答弁申し上げます。
 特定国立研究開発法人は国立研究開発法人の一部でございまして、この目的として研究開発の最大限の成果を確保する目的を有しているという点では共通でございます。
 その上で、特定国立研究開発法人制度を設ける趣旨は、現在の科学技術イノベーションの激しい国際競争の中で世界トップレベルの成果を創出しながらしのぎを削っている特定の国立研究開発法人については、国家戦略の観点から、主務大臣や総合科学技術・イノベーション会議のより緊密な関与を確保するとともに、国際競争を可能とする制度運用の緩和を図り、これを後押しすることが不可欠と認識されるためでございます。
 この同制度の対象法人につきましては、総合科学技術会議が三月に取りまとめた考え方においては、世界に対する影響の大きい我が国を代表する総合的な研究機関を選定すべきとされており、世界トップレベルを標榜するにふさわしい極力少数の法人に限られることとなっております。
 このように、特定国立研究開発法人は、国家戦略等の観点から、特別の取扱いを必要とする国立研究開発法人を対象に更なる特則を規定するものでございまして、その一部の研究開発法人を対象とする制度でございます。
#29
○古川俊治君 今おっしゃいました、国際的に非常にまた競争が激しい部分で本当に日本の核になるものをつくるんだと、そして、それは規制緩和をもっとしていくという話がございましたけれども、一般の国立研究開発法人もこれは非常に大事な研究をやっているんですよ。そして、これはやっぱり最大限の研究成果を確保しようとしたら、当然みんな特定の国立研究開発と同様に規制緩和をしていった方がいいわけでしょう。それは最大限に確保するためにという、一般の国立研究開発法人も、これは同レベルにしたらいいじゃないですか。違いがあるということ自体がもう論理矛盾じゃないですか。
#30
○政府参考人(市川健太君) 特定国立研究開発法人制度の、これは現在制度設計中でございますが、その要素といたしましては、制度運用の緩和をするというだけではございませんで、国家戦略の観点から、主務大臣や総合科学技術・イノベーション会議の関与をより深くするという要素がございます。
 そして、この後者の部分が特に必要な法人というものを今特定いたしまして対象法人とするという流れになっているところでございます。
#31
○古川俊治君 ですから、一般の国立研究開発法人についても制度運用の緩和をして、そして総合科学技術・イノベーション会議の関与とそして主務大臣の関与をしっかりしていただくと、これが大事なわけですね、研究開発を進める上では。だから、それは余り差を持って扱わないでいただきたいということをよく認識してください。これは法律に書いてあるわけだから、成果の最大化するということをですね。
 それからもう一つ、これはもし副大臣にお答えいただけたらと思うんですが、ちょっと市川次長は答えられないと思いますけれども、この特定研究開発法人、先ほど伺いましたけれども、今理研とそれから産総研が候補に挙がっているということでございますけれども、将来、これは今研究開発を行っている国際競争の中でいろんな分野があって、これ以外にも、かなり国際的にしのぎを削っている分野で国の成長に必ずや役立つ、そういう分野があるわけですけれども、他の国立研究開発法人も将来的にはその特定の類型に入れる余地があるんだというふうに考えるんですが、この点について、副大臣、どうお考えになるんでしょうか。
#32
○副大臣(後藤田正純君) 御指摘の点でございますが、これは総合科学技術会議でもそのような議論もさせていただいておりまして、創設に当たって、まず、先ほど来お話ししております、科学技術に関する総合的な研究機関であって、現時点で世界トップレベルを標榜するにふさわしい実質、実績を備えるもの、これが特定研発の対象となり得るという考え方でございます。
 その下で、総合科学技術会議の決定した基準に基づきまして理研と産総研が候補とされたわけでございますが、やはり総合的な研究機関としまして広範な分野で基礎から実用化までの研究開発を行っているということで、いわゆる日本のフラッグシップのような形でその二つということでございましたが、国際的なイノベーションハブとして位置付ける、また、総合科学技術・イノベーション会議が直接目標設定や評価について国家戦略の観点から関与することによって、幅広い分野で自在に異分野の融合を図ることが可能であるというこの二つであったわけでございますが、今後につきまして、今後の選定に当たって考慮すべき要素、また、それに基づき選定される対象法人につきましては、社会経済情勢、また科学技術イノベーション政策の動向、また研究成果及び活動状況その他の法の施行状況等を踏まえて今後必要に応じて見直しを行うこととしたいと考えておりますが、これはやっぱり法律が必要でございますので、先ほど来のお話で、研究成果の最大化も国民に対する使命でありますが、やはりガバナンスということも、国民への説明責任、これも両方私どもは負っているわけでございますので、それはしっかり法律で定める、しかし新しいものが出てくることについては否定をしておりません。
#33
○古川俊治君 独法がたくさんある中で理研と産総研だけが特別視されるというのは、ほかの独法にいる研究者の大変に意識を阻害するので、是非お考えいただきたいと思っております。
 この本法の二十八条の二の第二項、そして二十八条の三では、総務大臣が中長期目標や評価に関する指針を定める際に、総合科学技術・イノベーション会議が作成する研究開発の指針の案、これを適切に反映する、それとともに、委員の意見を聴くことになっておりますけれども、この適切に反映するというのは具体的にどういうことなんでしょうか。
 私がちょっと懸念しておりますのは、総務大臣がこの総合科学技術・イノベーション会議の案と違う指針を作成することがあるのかどうか、適切に反映するという文章で。それで、それはどういうような場合に両者が違ってくるのか、それを具体的に御説明いただきたいと思います。
#34
○国務大臣(稲田朋美君) 昨年末の改革の基本方針の閣議決定を踏まえ、本法律案においては、研究開発の事務及び事業に関しては、その特殊性、専門性を鑑みつつ、独法制度の枠組みの中で位置付けるために、総合科学技術・イノベーション会議が作成する指針案の内容を総務大臣が定める指針に適切に反映させる旨を規定をいたしております。御指摘の二十八条の三でございます。
 具体的には、総合科学技術・イノベーション会議が、イノベーションの創出や産業競争力の強化、国際水準等の観点を踏まえ、指針案を検討することとなるというふうに承知をいたしております。
 総務大臣は、当該指針案に研究開発業務以外の要素も含めて、独立行政法人全体としての指針を策定することといたしております。
 そして、どのように反映させるかということでございますけれども、総合科学技術・イノベーション会議により作成された目標、評価の指針案の内容は、研究開発の専門性の観点からは当然尊重されることとなるというふうに思っておりまして、総務大臣と総合科学技術・イノベーション会議が共に相互の考え方への理解を深め、そごのない状態としていくということになろうかというふうに考えております。
#35
○古川俊治君 もう一度だけ伺います。
 そごがないということは、一致するということですね。だから、総合科学技術会議の案がそのままその中に取り入れられるということでよろしいでしょうか。
#36
○国務大臣(稲田朋美君) 総務大臣がこれを組み入れて独法全体としての指針を作る上では、独法通則法や昨年末の改革の基本方針の閣議決定との整合性など、総合的な検討が必要になると考えられます。総合科学技術・イノベーション会議により作成された指針の内容は、研究開発の専門性の観点から当然尊重されることになろうかというふうに思います。
 全く一致するかどうかということに関しては、全く一致するとまでは言うことはできない。しかし、相互に理解を含め、そごのない状態としていくことが望ましいというふうに考えております。
#37
○古川俊治君 ちょっと与党なのでこれ以上は質問いたしませんけれども、やっぱりこの点が非常に懸念されるわけですね。どういうふうに評価されるか、これは専門性を持ったところが指針を作っていくということであれば、研究の実態を分かっている、そういう組織がやっぱり研究開発については見ていくというのがある意味正しい見方だと思います。
 同様に、実は、三十五の四や三十五条の六においては、主務大臣が、研究開発に関する審議会の専門的な意見を聴いた上で、国立研究開発法人の中長期目標を定めたり、行政評価を行ったりすることになっていますけれども、それで、主務大臣が作るもの、専門的な意見を聴いて作るものを総務省のこの評価制度委員会が点検することになっているんですね。これも、やっぱり専門的に、主務大臣が専門家の意見を聴いて評価しているというものを、これを点検するのが実は総務省の評価制度委員会がやるということで、こちらの専門性については大変疑わしいと思っているんですけれども、この点はいかがなんでしょうか。
#38
○国務大臣(稲田朋美君) 主務大臣が行う目標設定、業績評価は、総務省が定める指針を踏まえ、専門的知見を活用しつつ法人が行うべき目標を適切に指示するとともに、業績評価を行うことに主眼が置かれております。
 他方、総務省に置かれる独立行政法人評価制度委員会は、いわゆるお手盛りを防止して、目標設定、評価の客観性を確保するという観点から行うものであって、法人が行った実績を一から評価し直すというものではありません。目標、評価に係る指針は、総合科学技術・イノベーション会議が定める指針案を適切に反映するというふうにされておりまして、御指摘のような危険性は生じないものというふうに考えております。
 なお、指針と評価結果の整合性を点検するに当たっては、専門的な知見が必要であるというのは御指摘のとおりだというふうに思っております。この場合、独法評価制度委員会は、臨時委員、また専門委員を活用して適切に調査審議をすることが期待をされているというふうに考えます。
#39
○古川俊治君 これは大きな指針にその事例が合っているかどうかという個別の適用を見ていくところですね。ですから、その作業というのは専門性を持ってやらないと分からないはずですから、下部の実務でやってくださる専門委員というのをこれはしっかり活用していただくということが大事だと思いますので、いたずらにお金の面での効率性を考えたような評価にならないように是非お願いをしたいと思っています。
 それから、この独法の再就職依頼の問題、これは大変国民にも大きな問題になったことでございますし、厳に、厳しく取り組んでいただくべきと、こういうふうに思っておりますけれども、実は研究者の世界は特殊でございまして、人事交流というのが非常に大事なんですね。まさに研究者の適材適所というのが、これは国の重要な成長戦略と私考えているんですね。特に研究というのは狭い世界で、その同じような業務をやっているのってほとんどいないという世界で、若い研究者にすればやっぱりトップにいる指導者の推薦状というのがないとなかなかいいところに就職できない実態があるわけですね。
 本法にある五十条の四の再就職依頼の規定については、やっぱり研究者の人事交流を妨げない、そういう制度運用が望まれると思うんですけれども、今この除外が一つ基礎研究というところに限定されているんですが、なぜ応用研究だと駄目なんでしょうか。基礎研究なら除外なんだけれども、このあっせん依頼規定の、なぜ応用研究は駄目なのか。あるいは、任期付きの研究者は規制除外なんですけれども、任期付きでない無期限に雇われている研究者だと駄目だと。これは事情はみんな同じで、少しでも自分に合った研究室に行きたいわけですよ。この差というのは、私は大変研究者にとっては不合理な差だと思うんですけれども、この点についていかがでしょうか。
#40
○政府参考人(市川健太君) 御答弁申し上げます。
 五十条の四ではいわゆる再就職あっせん規制を規定しておりますが、同条第二項第一号においては、政令で定める円滑な再就職に特に配慮を要する業務に従事する役職員は再就職あっせん規制の適用除外としております。本号の規定においては基礎研究というものが挙げられているわけでございますが、これはあくまでも例示でございまして、政令により個別具体の業務を規定する際には、この再就職あっせん禁止の法律の趣旨や研究開発業務の特性や実態等を踏まえて判断していくものと考えております。
 なお、ここで基礎研究というものを例示として使ったことは、これまでの科学技術基本計画などにおいて、特に基礎研究の抜本的強化の必要性、それから人材の交流確保ということがうたわれていたために、これを一つの例示として使ったものでございます。
#41
○古川俊治君 それでは、基礎研究と応用研究の考え方、その範囲というのはよく実態を見て、それでしっかり考えていただきたいと思っております。
 同時に、このあっせん、再就職依頼が禁止されている密接関係法人というやつですね。これには今明確な規定がないんですけれども、もちろん私企業はその中に入っている、これは明らかなんですが、例えば国立大学法人とか学校法人である私立大学なんというのは含まれるんでしょうか。
#42
○政府参考人(市川健太君) 恐れ入ります。先ほどの御答弁の中で任期付研究者の話をちょっと御説明漏れてしまいました。
 この五十条の四第二項第三号は任期付研究者を適用除外というふうにしておるわけでございますが、やはりこの任期付きという性格に鑑み、キャリアパス形成の促進を積極的に図るという必要性が高いということから、この任期付研究者は無条件で二項三号で除外しているものでございます。
 任期付きでない研究者につきましては、一号に戻りまして、円滑な再就職に特に配慮を要する業務として政令で定める業務に従事しているというふうに分類されれば、そこでこの再就職あっせん規制の適用除外となるものでございます。
 それから……
#43
○古川俊治君 大学。
#44
○政府参考人(市川健太君) 大学、失礼しました。
 五十条の四第三項に密接関係法人等の定義があるわけでございますが、これは幅広い概念になっておりまして、営利企業等、これは営利企業及び営利企業以外の法人であって、国、国際機関、地方公共団体、行政執行法人及び特定地方独立行政法人を除くというものでございまして、そのうち、資本関係、取引関係等において密接な関係を有するとして政令で定めるものを密接関係法人等としていく予定でございます。このうち前段の営利企業等のところでございますが、これは御指摘のとおり広範な定義でございますので、私立大学、国立大学、ここに一旦含まれるということになるわけでございます。
#45
○古川俊治君 もう一度。私も学校法人は営利企業ではないというふうに思いますけれども、私の質問は、国立大学法人と私立大学がその密接関係法人に含まれるのかどうかということをお聞きしているんですけれども。
#46
○政府参考人(市川健太君) 営利企業等は営利企業以外の法人というものも含まれますので、そちらの方に含まれてきてしまいますということでございます。
 それで、密接関係法人等というのは、そうした広範な定義である営利企業等のうち、資本関係、取引関係等において密接な関係を有するものとして政令で定めるものというふうになりますので、そこの政令で定めるところでどういう制約が掛かってくるかということでございます。
#47
○古川俊治君 いずれにしても、任期のない研究者で応用研究をやっている人が独法にいて私立大学、国立大学に行けないという制度だと日本の研究開発の人事交流って終わっちゃいますよ、本当に。ですから、その点は、この法律にかかわらず、できるような運用を必ずしていただきたいというように思います。
 元々、この再就職の依頼等というところでございますけれども、まさに、例えば主務の研究者の推薦状というのが依頼に当たるのかどうか、その辺も考えてもらわないと、ただこの人を推薦しますという書き方なんですけど、そこをよく運用上は緩和をしていただきたいというように思います。
 最後に、この法律の三条に、三項ですけれども、本法の運用に当たっては、独法の事務の事業の特性に十分配慮しろと書いてあるんですね。研究開発というのは不確実性で、大変専門的で長期的なビジョンを持たないとできないという特性があるんですけれども、特にその専門性というところがほかの事務とはかなり違っていると思っております。
 今現在、実は調達で非常に難しいことがあって、やっぱり非常に専門性の高い物品の調達ということになりますと、もうそこをやっているのがずっと長年付き合いある一社しかできなくて、同じようなものであっても違う会社が作ると研究がなかなか進まないなんという実態があるんですけれども、現在、国立大学法人では一千万円までの調達がこれ随意契約でできるんですけれども、独法では実は百六十万円でしかできないんですよね。百六十万円というと、本当に細かい機材までこれは一般競争入札にしなきゃいけないということで、これは大変研究にちょっと支障が出ちゃうところが多いと思うんですけれども、この点は研究開発の特性に応じた運用というのはできないんでしょうか。
#48
○政府参考人(市川健太君) 御指摘の点は、昨年末、閣議決定を政府内で検討する際に非常に大きな論点になったところでございます。
 まず、後段の随意契約ができる限度額から申し上げますが、これは、平成十九年六月の参議院決算委員会決議において、随意契約の限度額を国の基準よりも高くしている法人が数多く見受けられるということから、百一独立行政法人全てを対象に見直しを行うというふうに決議されたことを受けまして、独立行政法人整理合理化計画において、独立行政法人の限度額の基準を国と同額に設定するよう措置したところでございます。随契限度額についてはこのような背景があることから、今回の改革でも引き続き同額を維持することとしております。
 しかしながら、前段で委員御指摘になりました、随契が本来可能であるにもかかわらず一般競争入札となり、円滑な事務の実施に支障を来しているという問題について解決を図っていかなければなりません。現在、現状を見ますと、独法を含む公共調達全般については随意契約をより競争性の高い契約へ移行する取組が進められてきておりまして、これは今後とも続けてまいります。
 しかしながら、特殊な機器等で調達先が限定される場合や緊急的な場合など、国の調達手続では随意契約を行うことが認められている場合であっても独法では一般競争入札が行われ、結果として国際競争上のマイナス要因になっているとの指摘があったところでございます。
 このため、昨年末の改革の基本方針の閣議決定では……
#49
○委員長(水岡俊一君) 時間ですので、お答えを簡単にしてください。
#50
○政府参考人(市川健太君) はい。
 総務省が随意契約が可能なケースを具体的に示し、各法人が随意契約によることができる事由を会計規程等において明確化するという方針を示しておりまして、これによって公正性、透明性を確保しながら調達の合理化を図るという見直しを行ってまいりたいと思います。
#51
○古川俊治君 どうもありがとうございます。以上で質問を終了します。
#52
○蓮舫君 民主党の蓮舫でございます。
 今回の独法の改正案、政府は、制度本来の趣旨にのっとって法人の政策実施機能の最大化を図り、官の肥大化を防止、スリム化を図る観点から抜本的に見直すと説明。これは私たちが行ってきた行革の姿勢と全く重なりますので、賛成します。
 ただ、我々の政権のときに、当時、制度創設から独法は十年たっていて、組織の在り方、業務運営の両面で相当綻びが出ていて、それを改善しようと、まずは制度そのものを改正する前に全ての独法の事務事業を事業仕分等を使って洗い出して、公開で整理をした。その結果、政権交代前に比べて独法への政府からの支出、一割削減をした、あるいはため込んでいた埋蔵金二兆円も国庫にお戻しをいただきました。その上で、組織の統廃合、新たなガバナンスの構築、新しい制度の提案を行ってきました。
 今回、政府は制度の在り方の見直しが前面に出ていますが、大臣の言うスリム化とは国からの財政支出の削減も併せて実現する意味でしょうか。
#53
○国務大臣(稲田朋美君) 民主党法案の中のものは、引き継げるものは全て引き継いでおります。そして、抜本的な改革というところでは一致をしております。ただ、今回の法案では、独法制度自体は意義のあるものであるということで、独法制度自体は廃止をせずに残して、本来の趣旨に戻るということでございます。
 それで、今御指摘のとおり、本来の趣旨に戻って、法人の政策実施機能の最大化、官の肥大化防止、スリム化を図るという観点から、制度、組織、両面で抜本的に見直すこととしたものであります。本法案でも、運営費交付金を適切かつ効率的に使用する責務を課すこと、また、中期目標期間終了時に主務大臣が行う業務、組織の見直しについて第三者機関が厳格にチェックすることなどを盛り込んでおりまして、これは独立行政法人の肥大化防止、スリム化を図っていくものでございます。
 このスリム化に国からの財政支出削減が含まれるかどうかというお尋ねでございますが、これは、業績評価に基づく業務改善、中期目標期間終了時の業務、組織の見直しなどを通じて、結果的に国からの財政支出が削減するということはあるというふうに考えております。
#54
○蓮舫君 財政支出削減だけが目的になってはいけないと思うんですね。今回の独法の改革を得ることによって、国が行うよりも独立行政法人が行った方が効率的、最大効果を発揮するとなった場合には、結果として独法に多くの事務事業を委託した方が国の支出を小さくして最大効果が出るので、相対的に財政支出が大きくなるということも私はあると思うんです。
 いずれにせよ、独法がちゃんと国よりも機能する、これを目的にしっかりと見ていただきたいと思うんですが、確認しますが、現独法通則法における独法の定義というのはどうなっていますか。
#55
○国務大臣(稲田朋美君) 現通則法においては、二条において定義が規定をされております。そして、その定義を申し上げますと、独立行政法人とは、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的、効果的に行わせることを目的とするというふうに定義がされているところでございます。
#56
○蓮舫君 ありがとうございます。
 今の目的は、「効率的かつ効果的に行わせること」となっているんですね。ただ、改正案を見ますと、効果的、効率的に行わせるためとなって、そこから目的が離れました。そして、新たに類型化される三類型の独法の種類によって新たな目的がそれぞれ定義をされた。
 それぞれの目的を簡単に教えてください。
#57
○国務大臣(稲田朋美君) 改正法における三類型の目的という御質問だというふうに伺います。そして、三類型、中期目標管理法人、そして国立研究開発法人、行政執行法人の三類型でございます。
 中期目標管理法人は、公共上の事務及び事業を中期的な目標、計画に基づき行うことにより、国民の需要に的確に対応した多様で良質なサービスの提供を通じて公共の利益の増進を推進することを目的といたしております。
 国立研究開発法人は、研究開発を主要な業務とし、中長期的な目標、計画に基づき行うことにより、我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全な発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的といたしております。
 行政執行法人は、国の行政事務と密接に関連した国の相当な関与の下に確実に執行することが求められる公共上の事務及び事業を単年度ごとの目標、計画に基づき行うことにより、正確かつ確実に執行することを目的といたしております。
#58
○蓮舫君 三類型それぞれに新たな目的が定義をされました。我々は、中期目標行政法人と同じような法案の類型化を提案したんですが、我々の法案では、その定義そのものに、「一定の自主性及び自律性を発揮しつつ中期的な視点に立って効果的に執行することが求められるものを行うことを目的とする法人であって、」と、定義そのものに効果的執行というのを目的として入れ込みました。現政府案ではこれが削除されました。
 確認ですが、全ての三類型の独立行政法人は、その目的規定の上に、効果的かつ効率的な執行、二条にある前文は係るんでしょうか。
#59
○国務大臣(稲田朋美君) 二条の前文は全ての独法に係る目的でございますので、今委員御指摘の効果的かつ効率的という目的は係るというふうに考えます。
#60
○蓮舫君 私たちが政権にいたときに作った法案と現政府の法案、あるいは今回の政府案と民主党とみんなの党の政府案の違い、あるいは現政権下の行革推進会議がまとめた方針と現在政権下の閣議決定の違いを全部精査をしました。
 まず、確認をしていきますが、これまでの独法改革においても、いわゆる埋蔵金というんでしょうか、不要資産をため込んでしまうというのをどうやって改善させるかという議論がありました。どんなに法人内部でこれまでは行革を行ったとしても、そのことによって予算縮減を実現したとしても、翌年度の運営費交付金の減額にそれが直結されたんですね。だから、どんなに自己収入を上げても、行革をして削減しても、それが運営費交付金で切られてしまうとインセンティブがなかなか行革において働かなかった、それを今回、法案ではどのようにしようとしていますか。
#61
○国務大臣(稲田朋美君) 大変重要な指摘だというふうに思います。幾ら頑張ってもそれが運営費交付金から削除されるのであれば、頑張ろうとか効果的にやろうとかいうのは働かないというふうに思います。
 そして、今回は、改革の基本方針の閣議決定において、自己収入の増加が見込まれる場合には、運営費交付金の要求時に自己収入の増加見込額を充てて行う新規事業の経費も要求できるとして、運営費交付金の要求に当たってその分を減額しなくても済むように等の弾力化を図ることといたしております。
 これは、独法の運営費交付金が想定される自己収入額では賄えない費用を手当てするという性格なものであるため、従来の硬直的な取扱いでは自己収入増加が交付金の減額要因ともなって、先ほど委員が御指摘になったインセンティブに欠けるという批判があったことに対応して、自己収入増加が見込まれる場合に運営費交付金を減額要求することなく、自己収入の増加見込み分を新規の業務に充てて事業規模を増やすことが可能となるという工夫をしたところでございます。
#62
○蓮舫君 賛成です。法人努力で自己収入を増やして、それまでの業務に充てていた運営費交付金が減額されないとなると、新たな利益分を新しい事業に投資をしていく、経営側の裁量が広がるんですね。この新規業務が効果を発揮して、更に自己収入の増加につながっていく場合、それまでの法人内での過去の事務事業というのは整理をされていきますし、新陳代謝が働いて、結果、国からの交付金の減額にも自然とつながっていく姿を私は支持したいと思います。
 ただ、法案の条文にはないので、これは何をもって担保しますか。
#63
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘の何をもって担保をするかということですが、これは昨年末の改革の基本方針で決定をしておりまして、政府として意思決定をした閣議決定で担保をされているというふうに考えております。
#64
○蓮舫君 今回の独法の改正、政府案の方針を決めた閣議決定は平成二十五年十二月二十四日です。その四日前の十二月二十日、行革推進会議が「独立行政法人改革等に関する基本的な方針について」をまとめています。行革推進会議の議長は総理ですから、この方針を受けて、政府として独立行政法人改革等に関する基本的な方針を閣議決定。
 これ読み比べたんですが、一点、行革推進会議がまとめたものの文章から閣議決定になったときに文章が抜け落ちている箇所がありますが、御存じですか、大臣。
#65
○国務大臣(稲田朋美君) 今御指摘の十二月二十日の基本方針と閣議決定のもの、私は基本的には同一だというふうに認識をいたしております。
#66
○蓮舫君 よく読んでいただきたかったとこれは思うんですが、行革推進会議は、経営努力促進として、自己収入増加見込額を充てて行う新規業務の経費を見込んで要求できるものとし、これにより、当該経費に充てる額を運営費交付金の要求額の算定に当たり減額しないこととする、これ今確認しました。ところが、同時に、その後、後段にこう書かれていたんです。なお、実際の自己収入の額が見込みの額より減った場合には、法人の業務に対する国民のニーズが減少している可能性もあり、その原因を分析し、事務事業の見直しなど必要な経営改善を行うことは言うまでもないと。これが丸々カットされています。
 つまり、行革推進会議と閣議決定を比較して削除したのはここだけなんですね。自己収入が減った場合の手当てをどうするか、何でこれ削除したんですか。
#67
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘の点については、今委員がお読みになったことを聞いて、私は、それは当然のことだということで盛り込まなかったのではないかというふうに考えます。
#68
○蓮舫君 当然と思うことは、閣議決定や法律条文で担保しないと骨抜きになるんです。行革大臣はそこをしっかりチェックしなければいけない。細部は本当に細かいところに宿っちゃうんですよ。
 つまり、自己収入が増えたときには運営費交付金を削減しないけれども、経営努力をしても経営努力をしなかったとしても自己収入が増えなかった場合には法人内部で見直してくださいねというのは、これ当然のことは、是非今運用面で担保をする努力をしていただけませんか。これ簡単です。行革推進会議でいま一度上書きすればいいと思いますが、お願いできますか。
#69
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員の御指摘の点をもう一度私もチェックをして、検討してまいりたいと思います。
#70
○蓮舫君 ありがとうございます。
 次に、役員の任命について伺います。
 ここは現政権と民主党と本当に大きく違う。今回衆議院で修正されて送付をされてきましたが、法人の長、監事の任命について、私たちの法案は原則公募としました。政府は原則公募を撤回した。
 修正前の政府案ではどうなっていますか。
#71
○国務大臣(稲田朋美君) 主務大臣は、前二項の規定により法人の長又は監事を任命しようとするときは、必要に応じ公募、当該法人の長又は監事の権限の内容、勤務条件その他必要な事項を公示して行う候補者の募集をいう、候補者の推薦の求め、その他の適任と認める者を任命するため必要な措置を講ずるよう努めなければならないというふうになっておりました。
#72
○蓮舫君 つまり、必要に応じ公募、候補者の推薦の求め、適任と認める者を任命と、並列になっちゃったんですね、公募が。今回の衆議院の修正でも公募の活用に努めなければならないということで、やはり並列になっているのには実は変わらないんです。これ、なぜ原則公募にしなかったんでしょうか。
#73
○国務大臣(稲田朋美君) 公募の良さというのはあると思います。幅広くから募ることができるという意味、そして、その手続が非常に透明性が担保されていて国民がどう選んだかということが分かるという意味でいい面があると思います。
 ただ、一方で、公募を実施したものの応募者に適任者が不在で再公募の追加措置を要した場合が約一割あり、書類や面接による選考では必ずしも十分に適格性を事前に把握できなかったという事例もございます。また、公募という方法では任命者は基本的に応募者の中からしか選ぶことができず、任命者自らの発意で主導的な人事になじみにくいという面もあります。
 役員の任命に当たって最も重要なことは、主務大臣から与えられている政策目標の実現に向けて最適な人材を登用することであって、その方法には公募、推薦、多様な方法があり、その中で適材適所、最適な人材を確保するという選択は任命権者の責任で行われるべきものであるという、そういう考えで、法人運営による重要な職である法人の長及び監事の任命に当たっては、原則公募という義務付けはせず適任者を得るための選択肢の一つと位置付けたということでございます。
#74
○蓮舫君 例外一割のために原則を外すというのは、やはり今の説明では私は納得できない。
 今回、独法の自主、自律性、裁量を広めます、自由度を広めます。そうなると、大事なのはやはり情報公開ということになってきますので、透明性を担保させるというのが何よりも大事なんですね。
 今大臣おっしゃった公募がなかなか応募者に適任者がいなかったという場合、これ、私が大臣のときもよくありました。再公募という話で、それは手間暇が掛かります。ただ、結果として、多様な人材の中から透明性を確保して適格者を見付けるという、この手段は私はやっぱり有効性がとても高いと思っているんですね。やり方だと思います。原則公募にしておいて、応募者に適任者がいない場合には候補者の推薦を求めるとか、あるいは適任と認められる者を複数公募に推薦して、そしてそこからもう一度選んでいく。つまり、原則公募にしておけば運用面でいろんなことが可能になってくるんです。
 政府案では、今、公募の手段を経ずに大臣の判断だけで任命が可能になるんです。大臣に近い、大臣に長く仕えた人が再就職先として独法の長、監事に任命されたんではないかと臆測を呼ばない仕組みはやっぱり要るんじゃないですか。
#75
○国務大臣(稲田朋美君) 適材適所、本当に能力のある人になってもらうというのはすごく重要なことだと思います。そして、その選び方で公募の良さもあるし、大臣自らという場合もあろうかと思います。ただ、今御指摘になった、それを国民にきちんと説明して透明性を確保していくということはとても重要なことだというふうに思います。
 ですから、公募によれば透明性もおのずと確保されているわけでございますので、公募によらない場合、そういった、どうやって透明性を確保していくかについては国会でも、衆議院でも御議論がありましたが、国会での御審議を通じて検討していきたいというふうに思います。
#76
○蓮舫君 説明責任はもちろんなんですけれども、制度として透明性を担保するというのを外しては絶対いけないと思うんです。
 私たちの法案では、法人の長、監事の任命は内閣の承認を得て主務大臣が任命としました。公募を得た上で主務大臣が決めたとしても内閣のチェックが入る。でも、現政権ではこの内閣の承認を得てを削除しました。なぜですか。
#77
○国務大臣(稲田朋美君) やはり、それは主務大臣の政策目標を達成するためにどのような人材が必要かと、そしてその長、監事に適任者を確保する責任者は誰か、また権限者は誰かといいますと、やはり政策責任者である主務大臣にあるというふうに思います。そのため、主務大臣の人事権を尊重して、内閣の意思決定である内閣承認を得ることはしないとしたものでございます。
 ただ、現在も行っている法人の長の任命に係る閣議口頭了解というのは、それを各大臣にお知らせするという意味では必要ではないかと思います。
#78
○蓮舫君 大臣が全て行革の意識があって立派な方だったらいいんですよ。だけど、大臣によっては、時として善かれと思って決めた人事が第三者あるいは国民から見たらお友達人事じゃないか、あるいは近い人の情実人事じゃないかと映ることがある。だから、閣議口頭だけでは、閣議口頭というのは、閣議でその場でそれできませんと口はなかなか出せないんです、制度として。だから、内閣の承認を得ると私たちの法案では定義付けたんです。そのことによって、行革担当大臣が、それは国民から見たら理解得られませんよと、そこで歯止めを掛けるようにしたんですね。
 是非、これ、もう法案変えられないでしょうから、運用でこういうふうに行革担当大臣がどこかで関われるように、私たちは運用でそれをやってきました。大臣が決めた人事に対して行革担当大臣が、本当にこれは公募で適正なのか、大事なのか、国民から誤解を呼ばないかという運用をしてきました。それは考えていただけますか。
#79
○国務大臣(稲田朋美君) そういう観点からのチェックは今もやっておりますし、それは行革担当大臣としてこれからもチェックすべきだというふうに思います。
#80
○蓮舫君 次に、法案では公募が「必要に応じ、」と、これ冠が付いていますね。この必要に応じは、平成二十一年九月二十九日の民主党政権下の閣議決定「独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針について」、この方針によるものでよろしいでしょうか。
#81
○国務大臣(稲田朋美君) そういうことでございます。
#82
○蓮舫君 この対応方針というのは、国民の天下りに対する厳しい批判を受けまして、公正で透明な人事にするために公募を導入し、公募で公務員OBが選ばれた場合は問題としないとする内容です。それを引き継いで法案の必要に応じに当てはめてくださっているんですね。
 ただ、その後、政権が替わったり、担当大臣が替わったり、あるいは考え方がその政権によって変わることによって、必要に応じに当てはまる閣議決定が新たにされた場合には、これは上書きされてしまいますよね。
#83
○国務大臣(稲田朋美君) 現時点で、この法案における必要に応じの必要があるというふうに認識をいたしております。ただ、今後、政権交代等があって、また社会情勢の変化によってこの扱いを変えることがないのかというと、それはあり得るというふうに思いますが、ただ、一旦閣議決定をしてずっとやってきているものを変えるには、それなりの国民に対する説明責任がなければならないというふうに思います。
#84
○蓮舫君 国民に対する説明責任があるという前提ならそれは変えられるということを考えると、この必要に応じの民主党政権の考え方が今後変わる可能性があるから、その確実性を私はどこかでやっぱり担保してもらいたいと思うんです。
 我々のときに公募を導入することによって、独法役員に占める退職公務員の比率は政権交代前の三割から七%に低下をしました。ここは堂々と優秀な国家公務員OBも就任をされているんですね。だから、やっぱり手段を透明にするということは大事なことで、それが、法律に書いてあるものが不確実性があるのであれば、是非これは現政権の姿勢として、もう一度閣議決定してもらって担保をしてもらうということも考えていただけますか。
#85
○国務大臣(稲田朋美君) 私は、その必要性に応じの必要性の……
#86
○蓮舫君 必要に応じ。
#87
○国務大臣(稲田朋美君) 必要に応じの必要に民主党政権における閣議決定が当たるというふうに考えておりますし、その閣議決定を変えるということはしておりませんので、当然引き継いだというふうに認識をいたしております。
#88
○蓮舫君 大臣は引き継いでくださって有り難いんですが、大臣がずっと行革担当大臣、おられるという保証もないので、やはりそれはしっかりと私は何らかの政府決定で担保をしてもらいたいというのを、これは是非どこかでもう一度考えていただきたいと思います。
 次に、役員報酬。自民党政権下です。平成十九年十二月二十四日の閣議決定、独法整理合理化計画で法人の長の報酬は国家公務員の事務次官以下とする。法人における一律の上限を定めてきました。これ、我々も引き継いだ。私たちの政権のときにも、平成二十二年の十二月七日に独法の事務・事業の見直しの基本方針を閣議決定して、給与水準を国家公務員と同等となるように努めてきました。今回、これ上限撤廃します。なぜでしょうか。
#89
○国務大臣(稲田朋美君) 独法法人の役員報酬については、これまで独立行政法人整理合理化計画において法人の長の報酬は事務次官以下とするとされて、これが各法人一律の上限となってきました。
 しかし、先ほど来、研究開発法人の問題など、一律の上限を設けていることによって、かえって法人が必要な人材を確保できないおそれがあるのではないか、独立行政法人の業務内容、法人規模など、それぞれの異なる特性から必要な人材を確保できないおそれがあるという指摘がなされてきました。
 このため、昨年末の改革の基本方針では、現在の硬直的な仕組みを改め、法人の事務、業務の効率的、効果的な実施に必要な場合には、法人及び主務大臣が説明責任を果たした上で、法人の長の報酬を事務次官以上とすることも可能とするよう見直すということにいたしました。これを踏まえて、必要に応じて報酬を柔軟に設定できるよう、役員報酬の上限に関する規定を通則法上置かないということにしたものでございます。
#90
○蓮舫君 私たちの法律案では、内閣総理大臣が定める額を超えてはならないと上限設定を求めたんです。それはなぜかというと、たった一つ、独法の役員というのは公益を追求する立場です。かつ、税金でその運営がカバーされているので、国家公務員の給与を大きく超える支給が国民の理解を得るのはやっぱり難しいと思います。
 ただ、今大臣も指摘したように、研究開発とかその法人の特殊性から、高額で優秀な方を招聘することによって業務の効率化、効果的運営を実現できて、それが結果として国の行う事務事業より費用対効果が高くなる場合もある、スリム化が行われる、それは否定をしません。ただ、そうした特殊事例の場合は、国民に納得いただける説明、情報公開をすれば事足りますので、むしろ原則上限を設定をして、特殊事例の場合だけ上限撤廃を別途設けるのをやればよかったんじゃないですか。
#91
○国務大臣(稲田朋美君) 意図しているところは同じです。ただ、今回は、報酬の上限を法定するのではなくて、昨年末の改革の基本方針に基づいて、法人及び主務大臣が説明責任をしっかり果たすという前提で報酬を柔軟に設定することが適当というふうに考えたところでございます。
#92
○蓮舫君 柔軟な給与決定権というのは分かるんですが、じゃ、例えば、国会法で一般職の公務員は国会議員の歳費以下との上限規定があります。つまり、次官は国会議員よりも給与が低いことが定められている。行政執行法人、今回新たに設ける行政執行法人の役員の身分は、特別職だけれども公務員です。そうなると、行政執行法人の役員給与はやはり国会議員よりも低いという上限設定を求めるべきではないでしょうか。
#93
○国務大臣(稲田朋美君) 行政執行法人の役職員の報酬については、公務員型の独立行政法人である行政執行法人についても、その事務事業は多様であり、役職員の報酬、給与を一律的に上限を設けるような画一的な取扱いを行うことは適当ではないというふうに考えておりますが、ただし、高い水準を設定しようとする法人は、高い報酬、給与を支給する必要性について十分な説明責任を果たす必要があります。
 なお、行政執行法人は、国の相当な関与の下に確実に執行することが求められる事務事業を行う法人でありますので、報酬、給与は国家公務員の給与を参酌して定めなければならないということになっております。参酌という言葉から、事務次官よりも高い報酬や国家公務員より高い給与水準について、国民の納得が得られるような必要性は現実的には想定しにくいというふうに考えております。
#94
○蓮舫君 いや、上限を求めていて、法人会計によって例外規定を設けるなら分かりやすいんですが、参酌というところでもうそこは自由に説明責任さえ果たせば高く報酬を設定することも可能になるんですね。
 例えば、行政執行法人でいうと造幣局なんかもあります。これは、純正画一で偽造されない貨幣を合理的な価格で安定的かつ確実に供給する、これ確実な執行を求められますよ。だけど、造幣局の最近の仕事を見ていると、随分と頑張っておられるんです。貨幣セット、金属工芸品の販売、国内外に販売できる丁寧な営業も行っていて、理事長の取組次第では自己収入を飛躍的に伸ばすことも可能なんですね、ここ。そうすると、そういう能力の高い人材を就任させて、財務省の事務次官よりも高い報酬設定が可能になるんですよ。公益を追求すると特段規定をされた行政執行法人の理事長が、こういうことも可能になる。だから、行政執行法人、国立研究開発法人、中期目標管理法人、線引きをして細やかに私は対応するべきだと思います。
 今回の独法の改革、先ほど来、大臣何度も言っていますけれども、業務内容を法人規模によって一律の規制を見直して特性に着目をしたと言うんだけれども、報酬に関しては一律の上限撤廃を取ってしまうというのは、私はこれむしろ矛盾をしていると思いますが、いかがですか。
#95
○国務大臣(稲田朋美君) ただ、先ほど申しましたように、行政執行法人については、報酬、給与は国家公務員の給与を参酌という言葉を使っております。この意味するところは、やはり事務次官よりも高い給料を設定するというのは国民の納得は得られないというのが前提ということを想定をしているわけでございます。
 なお、各主務大臣において十分な検証等が行われるようにするために、各法人の報酬、給与水準の公表様式等を総務省において統一的に整備する予定であり、きちんとした説明責任を果たす必要があるというふうに考えております。
#96
○蓮舫君 大臣の言う前提の想定というのは私も理解はするんですけれども、それは法律の条文に書き込むとか閣議決定に書き込まないと、なし崩し的に運用されるおそれがあるから、先ほど来こだわって私は指摘をしているんです。
 今日、資料を付けさせていただきましたが、私たちと現政権の独法改革の違い、我々は平成二十四年一月二十日に独法の制度及び組織の見直しの基本方針を閣議決定しました。その十一か月後の平成二十五年十二月二十四日に現政権が新たな基本的な方針を閣議決定、それを受けて今回の法案ができているんですが、我々の改革の方向として、独法の特性に着目をした類型化とか、あるいはガバナンスの強化、国の関与の強化、一貫性、実効性のある目標、評価の仕組みの構築、大きく変えたい部分はほとんど引き継いでいただきました。ありがとうございます。評価をします。ただ、記述そのものが削除されている項目も実は多い。
 不要財産はどのように考えていますか。
#97
○国務大臣(稲田朋美君) 不要財産の処分については、民主党政権下で改正をされました通則法八条第三項に従うということでございます。
#98
○蓮舫君 通則法八条三項は、独法が主体的に積極的に業務見直しを行い、将来にわたりと、かなり広い時間軸で事務事業、業務実施の上で必要ないと独法が認めた場合に限って不要財産を処分と規定、そして不要財産は遅滞なく国庫納付と規定をされているんですが、これだと独法が自ら長い時間軸の中で不要と認めないと返さなくても済むんですよ。そうやって運用されてきてしまった。だから、仕分を行ったときにフォローアップを行って、独法にたまっていた二兆円もの埋蔵金を国庫にお戻しをいただいたんです。
 外部の客観的視点を入れないと独法の自主的判断では国からの交付金、税金由来の財源をためてしまうという実態を改善するためにも、我々の閣議決定では法人内部における不要資産の留保を防止する仕組みを構築するとしたんです。なぜ削除するんですか。
#99
○国務大臣(稲田朋美君) もちろん、その運営費交付金で不要なもの、それは削減すべきだというふうに考えます。
 それをどうやってチェックするかということでありますけれども、それは、例えば行政事業レビューなどもそうでしょうし、そういう対応するということは私は当然だろうというふうに思います。
#100
○蓮舫君 行政事業レビューで二重、三重にチェックをするのは当たり前なんですよ。独法の改革を行うのであれば、その改革を行う閣議決定の基本方針に、なぜ不要財産をため込まない仕組みをつくると我々が書いたものを削除をしたのか。これ、大きな私たちとの考え方の違いだと思います。
 じゃ、もう一つ、不適切な支出をチェックする必要性はどうでしょうか。
#101
○国務大臣(稲田朋美君) 平成二十四年一月の独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針の閣議決定において、今御指摘の不適切な支出をチェックするという記述があったことは承知をいたしております。独立行政法人が支出する会費等契約によらない支出については、政権交代後も、平成二十四年三月の独立行政法人が支出する会費の見直しについて等に基づいて、各法人、所管府省における見直し、点検や、各法人における支出の公表を引き続き実施をしているところでございます。
 今後とも、各法人、所管府省において、会費の支出を含めた独立行政法人の不適切な支出については適切に見直しが図られることが重要であるというふうに考えております。
#102
○蓮舫君 独法自体が見直しを図らせるためにも閣議決定に書き込んでおかなければいけなかった項目を現政権は削除をしました。
 なぜ私たちがそれを書いたかというと、例えば原子力村、人、金の持ちつ持たれつの構造が国民から大きな批判が起きました。日本原子力研究開発機構、独法の機構の職員が、関係省庁の国家公務員OBが再就職している公益法人等に、機構から、契約によらない、契約以外の金銭交付支出が判明しました。平成二十一年度半期だけで約二億です。これ、何に使われたか。支出内容は、独法や国からの天下り先がいる法人等への賛助会員の年会費ですよ。一か月で四百万円会費を払っている事例もありました。その会費が天下りの人件費に回っていると疑われました。
 だから、税金が独法を通じて天下り団体に会費で流れるなんということがあってはいけないとして、私たちは、不要、過大な会費の支出を含め不適切な支出をチェックし、公表する仕組みを構築すると閣議決定したんです。何でそれを削除したんですか。
#103
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほど申し上げましたとおり、平成二十四年三月の独立行政法人が支出する会費の見直しについて等に基づいて、各法人、所管府省における見直し、点検や、各法人における支出の公表を引き続き実施をしているところでございまして、閣議決定では言及されていないものの、引き続き実施をするということでございます。
#104
○蓮舫君 民主党政権時代に決めたことを守っているからいいだろうというのは、それは一義的にはいいかなと思えるんですけど、担保されなきゃ駄目なんですよ、閣議決定なりなんなりで。わざわざ基本方針で担保される閣議決定内容から削除をしているのが私は全く理解できないし、それが現政権の行革に対する非常に甘い、緩い姿勢だと指摘せざるを得ないんです。
 公務員OBの再就職先との取引状況はなぜ削除したんでしょうか。
#105
○国務大臣(稲田朋美君) 公務員OBの再就職先との取引状況については、既に総務省における退職幹部公務員の再就職先の公表、各法人による契約金額や契約先等の情報公表が行われており、これらを参照して公務員OBの再就職先との取引状況を把握可能であることもあり、また法人の事務負担も考慮して開示の義務付けまでは見送ったところでございます。
 ただ、本件については衆議院の附帯決議もございます。関連法人の取引状況について、どのような取引状況の開示の方法が適当であるか、総務省と連携をして検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#106
○蓮舫君 大臣、これ、もう一度ちょっと調べていただきたいと思います。
 前々の問合せで事務方から聞いていますが、大臣が答弁している、既に公表されている情報で把握可能なので義務付けを見送ったと。把握可能じゃありません、把握できません。つまり、再就職先、再就職者がいる法人と独立行政法人の取引の内容は、相当緻密に調べないと、情報公開前提で、分かりません。
 JAEAの原子力村、これも納税者の理解は得られませんでしたが、都市再生機構、URの人、金のもたれ合いもこれもひどかった。我々が政権を担った直後、平成二十年度末の情報を調べました。URの出資等でできた会社など、特定関連会社、関連会社、関連公益法人、それとURとの取引、UR関連法人全ての総売上高に占めるURに係る売上高は四九%、もう半分もたれ合っちゃっているんです。
 随契の割合は五割、額にして七百二十五億、役員への再就職者数は百二十一人、職員への再就職者数は百九十六人、税金が国から機構に流れた、機構から天下りのいる法人に流れた、お互い持ちつ持たれつの還流、随契で民間が参入できない仕組みになって、我々はこれを洗ってきた、この経緯は御存じですか。
#107
○国務大臣(稲田朋美君) URに関しては、自公政権においても、平成十九年の独立行政法人整理合理化計画の閣議決定を踏まえて、関連会社との随意契約を平成二十五年までに原則全て競争性のある契約方式へ移行させるとしたほか、平成二十一年には関係会社の剰余金の返納に着手しております。
 今御指摘の民主党政権でございますけれども、平成二十一年の十一月の独立行政法人の契約状況の点検・見直しについての閣議決定を踏まえ、URにおける競争性のある契約方式への移行を二十二年度に前倒しで完了させることとしたほか、平成二十二年の十二月の独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針の閣議決定を踏まえ、URに対し、関係会社利益剰余金百四十億円をURに返納させるように要請をされたところでございます。
 この結果、平成二十四年度には関連会社との関係の競争性のない随意契約は、URが事務所として建物を賃貸借する契約六件一億円に限定され、また平成二十五年にはさきの百四十億円の利益剰余金の返納が実施されたところでございます。
#108
○蓮舫君 資料二枚目に付けました。今どうなっているか調べました。
 機構からの再就職者が減ったというんですが、特定関連会社の役員に占める天下りの割合、依然三七%です。関連会社へは四人に一人がまだ天下り。再就職だけならまだしも、併せて随意契約、今大臣が堂々と答弁をされた平成二十年度末四九・五から〇・一%へ大きく下がって、一見すると競争入札、企画競争へと改革が進んだかのように見えるんですが、特定関連会社、関連会社、関連公益法人全体の総売上高に占めるURに係る売上高割合、URへの依存率は四九・一%から、直近で五一・四%に上がっているんですよ。これ、どういうふうに見ますか。
#109
○国務大臣(稲田朋美君) まず、再就職の状況については、平成二十年二月の衆議院予算委員会での冬柴国交大臣の国会答弁を受け、現在、機構から関係会社の再就職のあっせんは行っておりません。
 この結果、機構の役職員であった者の関係会社に再就職している役員数は、平成十八年度末、三百六人、二十八社から、二十四年度末、七十六人、二十五社に大きく減少しているところであります。
 また、今回のUR改革において、昨年末の改革の基本方針の閣議決定において、URの契約の在り方について整理した上で平成三十年度までにその数を半減することといたしております。
#110
○蓮舫君 全く違う答弁するのやめてください。
 随契がなくなって競争に移ったけれども、URの関連団体がURへの依存率が高まっているのは何でなんですかというと、改革を骨抜きにされている可能性があるんですよ。
 いいですか。専門性の高い業種であれば、随契から一般競争入札にしても、元々請け負っていた専門性を持っている法人が請けるのは、これは理解ができます。じゃ、でもどういう業務をこの関連法人が持っていたかと調べると、団地の清掃業務、管理業務、駐車場管理、同業他社が多いような、いわゆる替わってもおかしくないような業務内容ばかりなんですよ。それをまだ引き続き天下りがいる法人が請け負っているということは、例えば競争入札、企画入札にしたとしても、特定の条件を入れているんじゃないですか。過去にこの事業を請け負った者だけが入札に参加できるとか、そういうところまで見ていかないと、実は改革の中身というのはチェックできないんです。
 それを今回、私は、法律の改正でどういうふうに担保できるか、大臣、何か答えがありますか。
#111
○国務大臣(稲田朋美君) 割合が上昇しているというところは、やはり一者応札のところだと思います。そして、競争入札しても、結果、一者応札となってしまっているということだというふうに思います。
 ただ、今委員が御指摘になったように、なぜ一者応札になっているかという点については厳しくチェックをしていかなければならないと思います。
#112
○蓮舫君 これも我々の政権時に書いてあったものが現政権の閣議決定では削除されているんですが、是非これ、今検討するということなので、どうすればいいか。
 それは、今回、法人、いわゆる調達改革によって現政権は、随意契約によることができる場合を明確化するとしたんですが、そこに足してください。我々がやってきた閣議決定、二十一年十一月、これは、競争入札が実質的な競争が確保されているかの検証もというのを加えているんです、私たちは。それを現政権はカットしているんです。是非それ加えていただけませんか。そうしたら簡単にチェックができるようになります。
#113
○国務大臣(稲田朋美君) 今、随意契約によることができる具体的なケースを総務省が示して、各法人が会計規程等において明確化することによって調達に係る公正性、透明性を確保しつつ、調達の合理化を図るという見直しを行うことといたしたところでございます。
#114
○蓮舫君 もう一度後で議事録よく見ていただいて考えてください。全てを削除しちゃっているんですよ、大事なところが。
 いいですか、先ほど埋蔵金の話ししました。この税金由来で独法経由で関連会社に流れたお金で、関連会社の中でたまり金が我々が政権取ったときにもあったから、それを戻させました。今、それを戻させていると堂々と言いました。確かに、これを見ていると、七十六億円はこれからも戻すというふうになっているんですが、それを含めてもまだ四百四億円たまっているんです。だから、私たちは独法改革の基本方針の閣議決定の文言で、関連会社等との契約の透明性を高め、多額の不要額が認められる場合には返納させる取組を強化と書き込んだんですよ。それを現政権はこれも削除しています。いいんですか、削除して。
#115
○国務大臣(稲田朋美君) 削除はしておりますけれども、当然のことだと思います。
#116
○蓮舫君 それが行革への姿勢と受け止めました。
 削除させちゃ駄目なんですよ。今までやってきた様々なうみ、様々な問題、様々なトラブルを、せっかく行革を進めて法律を変えるんであれば、担保される閣議決定の内容には魂を入れなきゃいけないでしょう。行革というのは細かいところに宿るんです。それを全部削除して、今までの方針を恐らく踏襲してくれるから大丈夫であろうという、そんな甘さで行革を担当するのは非常に残念です、私は。
 何でURにここまでこだわったかというと、URは十三兆円もの負債を持っているんですよ。そんな借金を持っているのに返す計画がまだ具体的に立てられなくて、関連法人に、天下りがいるところに税金をばんばん流して金をためさせて、随意契約をなくしたと言いながらも依存率を高める、これは明らかにおかしいと思うんですが、これも政府の独法の基本方針を見ると、私たちが各独法について講ずべき措置としてURには、住宅・都市再生の事業による収益が本法人の有する多額の負債の返済に充てられる仕組みとするとわざわざ記載をしたんです。大変な戦いでした、これ書かせるのも。でも、現政権の独法の基本方針では、これ削除されました。何で削除するんですか。
#117
○国務大臣(稲田朋美君) URに関しては、私が引き継いだときに、岡田行革担当大臣の基本的な方針というものがありました。しかし、それは大変現実的に難しい、法律的にも問題を含んでおりました。
 今回、URに関しては、今おっしゃったように十三兆円もの有利子負債を抱える財務構造の健全化の問題、また民間との競合が否定視される都市のタワーマンションの民業補完の徹底を両立させて、金利上昇等のリスクが顕在化しても、URが今後真に担うべき役割を果たしていけるような改革を目指したんです。これは、平成二十四年の改革案とも基本的には共通をしているというふうに思います。
 ただ、岡田さんのときになさったあの改革案は、非常に住民の反発もある、また、法律的にも果たして実現が可能であったか、非常に不確かなものだったわけであります。
 今回、私の独法の改革では、UR改革について特出しをして、ワーキンググループを設けて、過去の改革案を全て検証して、改革の趣旨が確実に実行されるように丁寧に検討を行いました。その結果、今回の改革では、都心のマンション等はサブリースにより民間事業者に運営を委ねた上、最終的な処分までの道筋を示し、それ以外の郊外の団地も、関係会社が担う管理業務のコストの大幅削減、収益性の低い団地の積極的な統廃合等により収支を大幅に改善させる、関係会社……
#118
○委員長(水岡俊一君) 大臣、おまとめください。
#119
○国務大臣(稲田朋美君) はい。
 私が言いたいのは、そういう大きな改革の方向性を示して改革を着実に実行していくことがURの改革にとって非常に重要であって、今回はURも国交省も最後のチャンスであるということで今改革に取り組んでいるということを申し上げたかったということでございます。
#120
○蓮舫君 最後の改革といっても、この負債をつくったのは自民党政権じゃないですか。ずっとつくっていたものを我々の政権で洗おうって戦ったんですよ。
 その上で、今大臣、岡田大臣から引き継いで道筋を示したと堂々と胸を張られるんであれば、本筋である独法改革の閣議決定の基本的方針から十三兆の債務に対する記述をばっさり落としたのは何でなんですか。道筋を示したというんだったら、堂々と書き込めばいいじゃないですか。そしたら、どんなに大臣が替わろうと、どんなに内閣が替わろうと、それは担保されます。思っている、やっている、だから理解してくれというのは、政府の仕事はどこかで形にしないと引き継がれないんです。甘いなと改めて思わざるを得ない。
 もう一つ確認します。
 第二十八条、業務方法書を今回の法案では新たに作成をする内容で、役員の職務の執行が法令に適合することを確保する体制整備、その他の事項を記載とあります。
 今までいろいろ私は指摘をしてきました。様々な問題はここに記載されると理解をしてもよろしいですか。
#121
○国務大臣(稲田朋美君) 二十八条の業務方法書は内からのガバナンス強化でありまして、法令遵守と内部体制の構築の義務が書かれております。そして、その中では、適正を確保するための体制の整備に関する事項その他主務省令で定める事項を記載しなければならない。その上で、その独法個々人の特性に合わせた業務方法書というものが作られるというふうに考えます。
#122
○蓮舫君 確認ですが、最近起こった厚労省所管のJEED、高齢・障害・求職者雇用支援機構の問題なんですが、これは、今言った業務方法書の中でこういう官製談合が起きないように規定していただけますか。
#123
○国務大臣(稲田朋美君) 今、抽象的な御提言でありますけれども、当たり前のことだというふうに考えます。
#124
○蓮舫君 じゃ、具体的に指摘します。
 安倍内閣の補正予算、使い切れなかったんですよ、じゃぶじゃぶ組んで。だけれども、厚労省としては、それはしっかり使わないとやはり政権の意思に反することになるから、無理やりやっぱり企画立案をするんです。無理やり企画立案をすると、その事務事業を担う人が手を挙げなくなる、不落になる可能性があって、それを避けるために官製談合まがいのことが堂々と行われた。
 短期集中特別訓練事業、天下り特殊法人に基金を組みました。その事業を誰も手を挙げないと困るので、JEEDに落としてくださいと、厚労省の職員がJEEDまで行って、額の入った仕様書を渡して落としてくださいと話をして、そしてその後、食事会、二次会にも行っている。これは補正予算が組まれる前日ですよ。こんなことをやって、それでさらに、実際に公募をするときには、厚労省の企画競争入札のインターネットの公示に全省庁統一資格というのが先に入っていた。これが入っているとJEEDは落とせないんです。JEEDから電話があった、そうしたら、一旦出した公募を厚労省は削除をして、全省庁統一資格という要件を切って、そしてさらに公告をしている。こういう問題はなくなりますね。
#125
○国務大臣(稲田朋美君) それは、今御指摘になった点は、委員も御質問ですし、私、厚労省での玉木委員の御質疑もずっと聞いておりました。聞きながら、本当に同じような怒りを共有しております。言わば、違法行為まがいのことをやらない、これは当然のことだというふうに考えております。
#126
○蓮舫君 怒りを覚えているんだったら、形にしてくださいよ。形にしないで、思っている、やっていると自己主張をされても、私は信頼したいんですけれども、それは人間関係の信頼であって、政権の担保にはならないんですね。
 今回、独立行政法人の自由度、裁量度を高めて経営努力をしていただいて、そしてスリム化を進めていくというんですが、それが他方で、やはり私は独法の気の緩みにならないかというのは、これはまだ私の中で疑念は消えていません。
 法人の業務運営あるいは財務状況等の透明性を高めると言っているんですが、改革の基本方針で、法人は国民に対し説明という記述があるのが実に限られているんです。給与水準を高くした場合に国民の納得を得られる説明、予算見積りと執行実績の乖離が著しい場合の理由、この二つだけなんですよ。それ以外は、法人のいわゆる裁量、情報公開の思いによる部分がすごく多いんですね。
 私たちは、細かいかもしれないけど、今までの過去の実績から問題があることをしっかり担保をして、独法にそれは守ってくださいねとつくったものは、現政権はほとんどそれを削除している。例えば、役員年齢を引き上げるとか、公募は行わないとか、随意契約は横行できるとか、不要財産がため込まれるとか、関連会社や公務員OBが再就職する法人との不透明な契約が復活することが私は一番懸念をします。
 民主党政権から改革を引き続き行うと、これは大臣が何度も答弁していますが、是非それは行革推進会議でもう一度御議論いただいて、我々の方向から現政権の閣議決定で落ちた部分はもう一回担保する必要がないのかを御議論をいただいて、その結果もう一度閣議決定をしていただくことがこの独法改革の更なる飛躍につながると思いますので、約束していただけませんか。
#127
○国務大臣(稲田朋美君) 今日、様々な観点から御指摘をいただいたこと、それを仕組みとして担保するということも検討していきたいというふうに考えます。
#128
○蓮舫君 ありがとうございました。終わります。
#129
○委員長(水岡俊一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#130
○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、古川俊治君及び大野元裕君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君及び藤田幸久君が選任されました。
    ─────────────
#131
○委員長(水岡俊一君) 休憩前に引き続き、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#132
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
 お役に立てますよう質疑したいと思います。
 総務省に伺います。国立病院機構について、平成十六年度の設立時、また第一期中期目標期間終了後の平成二十一年度においても、中期目標の下、公務員型とされた理由について伺いたいと思います。
#133
○政府参考人(讃岐建君) お答えいたします。
 国立病院機構につきましては、難病、重症心身障害、筋ジストロフィー等、地方や民間では十分な対応が困難な患者の治療、処遇、また大規模災害など国家の危機管理の際の職員の派遣を確実に実施する必要があることから、現行の独立行政法人通則法第二条第二項に言う「その業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるもの」として特定独立行政法人とすることを認めたものであり、平成二十一年度においてもその状況に変化はなかったものと承知しております。
#134
○秋野公造君 確認でありますが、ほかの特定独立行政法人についても同様の考え方により公務員型としたのでしょうか。
#135
○政府参考人(讃岐建君) お答えいたします。
 ほかの独立行政法人についても同様に独立行政法人通則法第二条第二項に規定する「その業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるもの」等の要件に該当するため、公務員型とされているものと認識しております。
#136
○秋野公造君 ありがとうございます。
 国立病院機構は、二五%の病棟を民間ではできない政策医療に充て、不採算部門を抱えながらも収益を上げ、その収益を中期目標の中で医療機器の更新や建て替えなど医療の向上に充てながら借金を減らしつつ、国民生活に大きな影響を及ぼす仕事をしてきました。今日はこれを前提に質疑をしたいと思います。
 内閣官房に伺います。今回の独法改革で法人を三つに分類するとしておりますが、その理由と考え方について伺いたいと思います。
#137
○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 今回の独法制度見直しにおきましては、一律に同じ規律、共通ルールを適用することを改めまして、法人の業務の特性を踏まえ、最適な目標管理の期間の違いに着目した目標管理の仕組みを導入しております。法人を大きく三つに分類してございます。
 まず第一に、中期目標管理法人でございますが、国民向けの様々なサービスを提供する法人として高い自主性、裁量を発揮した業務運営により高い成果を上げるため、三年から五年の目標管理を行う法人として位置付けております。
 次に、国立研究開発法人でございますが、研究開発を主要な業務とする法人として研究開発の成果を最大化するため、研究開発の長期性、専門性等の特性を踏まえ、五年から七年の中長期的な目標管理を行う法人として位置付けております。
 それから、行政執行法人でございますが、国の業務と密接に関連した業務を担う法人として、国の相当な関与の下、正確かつ確実な業務執行を実現するため、国の単年度予算管理と合わせた単年度の目標管理を行う法人として位置付けております。
 以上の三つに分類しているところでございます。
#138
○秋野公造君 今のは業務と期間の関係について御説明いただいたんだと思いますが、では、なぜ法人の分類において中期目標管理法人は役職員の身分を非公務員としたのか。非公務員型と中期目標管理型がセットになっている理由について伺いたいと思います。
#139
○政府参考人(長屋聡君) 中期目標管理法人につきましては、主に国民向けにサービスを提供する業務を担いまして、三年から五年の中期的な期間において法人に一定の裁量権を与え、自主性を発揮した業務運営を行わせることで高い成果を上げることを目的としておるものでございます。
 このように、法人が自主性と裁量を遺憾なく発揮した柔軟な業務運営を行うには、国の関与や法令上の制約を極力少なくし、財務、会計面における運用と同様、人事・給与面での柔軟かつ弾力的な運用を確保し、国民向けサービスの質の向上、成果の最大化といった政策実施機能の向上を図ることが必要でございます。このため、中期目標管理法人の役職員の身分を非公務員とするものでございます。
#140
○秋野公造君 私は、国家公務員という身分が制約であると決め付けて、国の関与を外して一定の裁量を与えたら成果を最大化されると決め付けること自体、一律に応えること自体が立法趣旨と少し離れているのではないかと思っています。
 法人の分類においてでは、行政執行法人が公務員、そして単年度の目標管理をセットとした理由について伺いたいと思います。
#141
○政府参考人(長屋聡君) 独法の中には、裁量を発揮して高い業績を上げることよりも、国の相当な関与の下に国の行政事務と密接に関連した業務を正確、確実に執行することにより重きを置くべき法人が存在するところでございます。
 これが行政執行法人でございますが、こうした正確、確実な業務の執行が求められ、その業務の停滞が国民生活や社会経済への安定に著しい支障を及ぼす業務を担う法人につきましては、国の予算管理と合わせた単年度の目標管理の枠組みの中、主務大臣からの指示、監督上の命令などの国の相当な関与の下に業務を正確かつ確実に執行することが必要であります。このため、行政執行法人につきましては、業務が争議行為により停滞することを回避し、正確かつ確実な業務の執行を確保するため、その役職員を厳しい服務規律が適用される国家公務員とするものとしているところでございます。
#142
○秋野公造君 今の御説明の中で、行政執行法人に対する国の相当な関与という言葉がありました。そうであれば、今回の独法改革の中で法人を廃止して業務を国に戻したものはありますでしょうか。
#143
○政府参考人(長屋聡君) 昨年末の独法改革の基本方針の中では、法人を廃止して国に業務を移管するとしたものはございません。
 ちなみに、国の相当な関与と申し上げましたが、これにつきましては、行政執行法人が行う個々の事務事業の内容や細部についての具体的な指示、具体の日時や場所を示した上での立入検査の指示、年度目標達成のための業務改善の命令などの監督上の命令などが挙げられるところでございます。
#144
○秋野公造君 公務員型の行政執行法人は、単年度と一律に串を通されたことによって運営交付金のメリットがなくなってしまうのではないでしょうか。
#145
○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 独立行政法人の運営費交付金につきましては二点のメリットがあろうかと思います。まず一点は、国から使途が特定されることなく法人が柔軟に執行できること、二つ目が、中期目標期間内であれば複数年度にわたって使用できることであろうかと思います。一方、中期目標期間終了時には個別法において使い残した運営費交付金も含めて精算し、次期目標期間に繰り越す額を除いて原則として国庫納付することとされております。
 行政執行法人につきましては、単年度の目標管理を行うこととしているため、運営費交付金につきましても毎年度精算するということになります。したがいまして、行政執行法人の運営費交付金は目標期間が一年となりますので、従来の中期目標期間内であれば複数年度にわたって使用できると、この点のメリットについては失われることになりますが、国から使途が特定されることなく柔軟な予算執行ができるという点でのメリットは維持されることになります。
 なお、新制度の運用におきましては、合理的な理由がある場合には繰越しを認めるということとしておりますので、複数年度にわたって使用することができなくなるというデメリットにつきましても緩和されるものと考えております。
#146
○秋野公造君 合理的な理由がある場合は繰越しができるということをするのであれば、中期目標管理のままでもいいんじゃないかと私は思います。
 公務員型の行政法人にして、その運営交付金を複数年度にわたって使用できるという自由をなくしてまで得られるメリットとは一体何でしょうか。
#147
○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 国の業務と密接に関連した業務を国の相当な関与の下、正確かつ確実に執行することを目的とする法人につきましては、財務規律の観点から、法人の自律的な裁量に乏しいことから単年度の財政措置とすることが適当であると、これまでの独法改革に関する有識者会議の中でも検討がなされてきたものでございます。
 なお、現行制度において原則非公務員型とする中、今回の独法改革で法人に三つの分類を設けることになりまして、行政執行法人となる法人につきましては、財政規律、人事管理の面で制約を受けますけれども、引き続きその役職員につきましては国家公務員の身分を維持して、公務員型の独法として公的な業務に携わる位置付けを有すると、こういった意味合いを持つということで、これも一つのメリットと言えるのではないかと思います。
#148
○秋野公造君 公務員身分を残したことがメリットであるならば、ますます特定独立行政法人の仕組みのまま運用すればよかったんじゃないかと私は思います。
 どうして法人分類の検討に際して公務員型と中期目標管理をセットにしたこれまでの特定独立行政法人の分類を設けなかったのか、お答えをいただきたいと思います。
#149
○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 説明は先ほどのものと重複するかもしれませんが、独法制度の基本的な考え方につきましては、法人の高い自主性、裁量を発揮した業務運営によりまして、国民向けサービスの質の向上、成果の最大化を図るために、人事・給与面においても柔軟かつ弾力的な運用ができるよう、役職員は可能な限り非公務員としてきたところでございます。これまでの累次の閣議決定、総務省に置かれております政独委の指摘などにも基づいて進めてきたところでございます。
 こうした方針につきましては今回の独法改革でも踏襲いたしまして、法人が自主性と裁量を遺憾なく発揮した柔軟な業務運営を行い、国民向けサービスの質の向上といった政策実施機能の向上を図る上で、国の関与や法令上の制約を極力少なくし、例えば民間、大学との人事交流の円滑化ですとか、柔軟な勤務形態や給与形態の採用といった人事・給与面での柔軟かつ弾力的な運用を確保するために、中期目標管理を行う法人につきましては非公務員型としているところでございます。
#150
○秋野公造君 しかしながら、その業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるものは、これまでも特定独立行政法人として仕組みがあったわけであります。これをわざわざなくしてまでこのような改革を行ったというのはなかなか理解ができないところではありますが。
 今答弁の中に、公務員型の独法では民間や大学との人事交流は難しいとお話がありました。これ本当でしょうか。国の関与や法令の制約が減るとはどういうことか、教えていただきたいと思います。
#151
○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 国家公務員を民間企業などに派遣する場合には、国と民間企業との間の人事交流に関する法律ですとか人事院規則など関係する法令に基づくことが必要となり、その面で一つの制約となり得るものでございます。
 例えば、国と民間企業との間の人事交流に関する法律に基づく場合には、派遣先や公募に応募した企業に限られ、また、派遣前二年間に所管関係にある企業とか一定以上の契約のある企業への派遣はできないなどのいわゆる制約がございます。また、一度退職して一定期間民間企業に出向する場合には、退職手当の計算上不利になり得る場合もございます。
 非公務員型の独法につきましては、人事交流に関するルールは法人において決定することができます。国の関与や法令の制約がその点から減るということになろうかと思います。
#152
○秋野公造君 国家公務員法の質疑では、民間交流をどんどん進めていくという話だったと思います。そういう意味では、少し説得力がないようにも感じましたが。
 今回の独法通則法の改正で主務大臣の権限を強化するということになっておりますが、この法人を三つに類型化したことによってどのように主務大臣の権限強化につながるのかをお答えいただきたいと思います。
#153
○政府参考人(長屋聡君) 申し上げます。
 中期目標管理法人、国立研究開発法人につきましては、法人の自主性に配慮いたしまして、主務大臣の関与は独法制度の中ではその自主性に配慮した上で限定するという基本的な考え方はございますけれども、今回の改革の中では、業績評価結果に基づく業務改善命令、違法行為等があった場合における是正改善命令などを行い得るようにしてございます。
 行政執行法人につきましては、単年度管理の下、国の業務と密接に関連した業務を正確かつ確実に執行することを基本としております関係上、主務大臣は年度目標の達成、あるいはその他通則法又は個別法の施行のために特に必要があると認めるときは監督上の命令として行うことができるとなっておりまして、中期目標管理法人などと比べますと広範に命令を行うことが可能となっております。
#154
○秋野公造君 これは類型化が直接関わって大臣の権限が強化されるということではなくて、全体の話だと思います。
 大臣に伺いたいと思います。
 私は、今回の法改正で、現行の特定独立行政法人の中で国立病院機構だけが中期目標管理型と整理された結果、職員の身分が非公務員型となってしまうということ、国立病院機構が筋ジストロフィー、あるいは、ほかの設置主体ではなかなか提供が困難なセーフティーネット系の医療の提供を担ってきたという背景から考えると、特定独立行政法人の枠組みは残しておいてもよかったのではないかと思っています。
 大臣に伺いたいと思いますが、この国立病院機構についてどのような認識をお持ちか、お答えいただきたいと思います。
#155
○国務大臣(稲田朋美君) 秋野委員御指摘のとおり、国立病院機構は、他の設置主体では必ずしも実施されないおそれがある筋ジストロフィー、重症心身障害など、セーフティーネット分野に関する専門的医療の確実な提供、災害や新興感染症の発生時にその全国ネットワークを生かして必要な災害医療を提供するなど、我が国の医療政策の実施や医療水準の向上に極めて重要な役割を果たしているというふうに認識をいたしております。
#156
○秋野公造君 そういった意味では、先ほどの総務省の御答弁と余り変わらないところだと思いますが、まさか大臣は、国立病院機構が国民の生活に重大な影響を及ぼす業務ではないと御認識されたのではないということを確認しておきたいと思います。
#157
○国務大臣(稲田朋美君) 国立病院機構が担っているセーフティーネット系の医療に関して、例えば先ほども言いました筋ジストロフィー患者については全国の病床数の九五%以上を機構が担っているなど、他の設置主体による代替性が低いことから、それらが機構において確実に停滞なく提供されなくなると国民に対して大きな影響を及ぼすというふうに認識をいたしております。
#158
○秋野公造君 そういった意味では、何か問題があったから特定独立行政法人から移したのではなくて、やっぱり類型を三つに定めてしまったところから無理やり当てはめた部分もあったのじゃないかと私は思います。
 大臣にお約束をしていただきたいと思います。職員の非公務員化後においても、国立病院機構がこれまでと同様に、セーフティーネット系の医療の提供などの役割を引き続き確実に果たしていくことが担保されるということが必要であると思いますが、御見解を伺いたいと思います。
#159
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のように、国立病院機構が担っているセーフティーネット系の医療の提供などの役割は、今後とも確実に実施されることが必要であるというふうに認識をいたしております。
 本年度から、機構の第三期中期計画においても引き続きセーフティーネット分野の医療を確実に提供するとともに、災害時の医療体制の整備を行っていくことが明記されており、厚生労働大臣においては毎年度その実施状況を適切に評価されるものというふうに承知をいたしております。また、今後、厚生労働省において、機構に対し、今回の非公務員化後においても、政策医療や災害時医療の実施を万全に期す必要がある旨、周知徹底するとともに、非公務員化に当たって必要な対応が適切に行われるよう指導していくというふうに聞いております。
 行革事務局といたしましても、セーフティーネット系医療を始めとする質の高い政策医療を提供するという国立病院機構の目的が円滑に達成されますよう、今後の取組もフォローアップしていきたいというふうに考えております。
#160
○秋野公造君 国立病院機構のようなものは、もう二度とつくれないと思います。そういった意味では、セーフティーネットをしていただいているということ、あるいは、災害や様々な緊急のときにも、危機的なときにも様々な役割をこれまで果たしてきたものが、民間では絶対に役割を果たせないものがこれまでも役割を果たすことができるようにするということが重要だと思います。私も、この法改正をして本当に良かったと思える結果になるように力を尽くしてまいりたいと思います。
 終わります。
#161
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
 独立行政法人制度は、導入して以来もう十三年も経過しているということになるわけでありますけれども、これまでに課題を解決すべく多大な時間と努力を掛けて、また労力を掛けて検討された改革法案が二回国会提出されてきたものの、政治の波に巻き込まれてというか、ほとんど実質的な審査もなくいずれも廃案となりました。今回はその経緯を踏まえた集大成となるものでありますけれども、独法制度の本来の機能をより発揮できるものとなるように期待を込めて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、独立行政法人制度は、イギリスのエージェンシーを参考に、ニュー・パブリック・マネジメント、NPMの観点から創設されたわけですね。すなわちNPMというのは、一つは徹底した競争原理の導入、それから二つ目は業績による評価、それから三つ目は政策の企画立案と実施、執行の分離を目指すものであり、また今般の改革も独法制度においてその趣旨を貫徹しようとするものであるというふうに私は理解しております。
 これまでの独法制度の変遷を振り返りまして、NPMの観点から見てどのような点で機能が不十分であったのか、そしてそれを改善する必要があったとお考えなのか。その点について、大臣、お伺いしたいと思います。
#162
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員が御指摘になったように、独法制度はNPMの手法を取り入れて、英国のエージェンシーを参考につくられたものであります。したがいまして、その思想は今も続いております。
 ただ、十三年の間に、そういった当初の制度の趣旨とは違った問題点も指摘をされております。例えば、一律の制度適用によって政策実施機能が十分発揮されていない、また本来、自主的にPDCAサイクルを回して自律的に政策実施機能を強化していくという仕組みが必ずしも確立できていない、また法人の主体的な経営努力を促進するための自己収入の増加や経費節約へのインセンティブという機能が必ずしも果たされていないという問題点が指摘をされているところでございます。
 これらを踏まえて、制度本来の趣旨に立ち戻って、主務大臣の政策のPDCAサイクルが機能し、そして、企業的な、民間的な手法を活用したインセンティブの導入、研究開発法人など業務の特性を踏まえた法人の新たな分類を取り入れるなど、各法人が自主性、自律性を最大限発揮してより質の高い行政サービスを提供することを目指しているところでございます。
#163
○江口克彦君 どうもありがとうございました。
 それでは、競争原理の徹底ということについて、また大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
 独法の統廃合を進めるに際しても、NPMの効果を最大限に、それを主眼とすべきではないかというふうに思います。削減数ありきではなくて政策実施の機能の強化を重視したと、そういうふうなお話をされたと伺っておりますけれども、NPMにおいては第一に競争原理を徹底するということは極めて私は重要だというふうに思っておりますけれども、実際に前回の自民党政権においては、一つは官から民への原則、それから二つ目は競争原理、それから三つ目は整合性原則の三原則に基づいて策定された、いわゆる独法整理合理化計画によって改革が進められたということでありました。
 今般の改革においてもこうした要素は十分に考慮されなければならないというふうに思うんですけれども、それはもう十分に考慮していただいたというふうに認識をしてよろしいでしょうか。
#164
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のとおりだと思います。
 平成十九年の独法整理合理化計画の策定に当たっては、官から民へ、民間に委ねた場合には実施されないおそれがある法人及び事務事業に限定する、また競争原則、法人の業務独占は民間開放できない法人及び事務事業に限定する、あと整合性の原則からは公務員制度改革との整合性を確保するというような原則が掲げられて改革が進められたものです。
 今回の見直しにおいても、独法制度本来の趣旨にのっとって各法人の担う政策実施機能を向上させるとともに、民でできることは民でという原則の下、民間能力を最大限活用して官の肥大化防止、スリム化を図ることを目的として、数合わせではなく統廃合等を行うことといたしております。また、各法人の個々の事務事業についても同様の考え方にのっとって、外部委託の活用などでスリム化など適切な見直しを図ることといたしております。
#165
○江口克彦君 それでは次に、NPMの徹底に向けた不断の検証が必要ではないかという観点から御質問をさせていただきます。
 今般の独法改革法案や昨年末の閣議決定に基づく独法の統廃合をもって今般の独法改革も一段落付くことになりますけれども、巨額の財政赤字を抱える我が国において、小さな政府の実現を図るための改革というものは不断に行っていくべきことではないかというふうに思うわけであります。
 今後も、NPMをより進めるべく、常に社会情勢や国民のニーズも踏まえて独法制度の見直しを継続的に行っていくということが大事だと思うんですけど、またそういうことを視野に入れて考えて取り組んでいくべきだと思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
#166
○国務大臣(稲田朋美君) 行政改革そしてこの独法改革について、不断の改革、そして見直しが必要であるということは重要な視点だというふうに思います。
 今回の通則法でそれがどこに生かせているかということですが、中期目標管理法人及び研究開発法人について、中期目標期間の終了時までに、主務大臣が業務の継続や組織の存続の必要性など業務及び組織全般にわたる見直しをすることにいたしております。
 さらに、主務大臣による見直しの結果は、独法評価制度委員会が点検をし、主要な事務事業の改廃の勧告ができることといたしております。
 また、社会情勢、国民のニーズの変化など、独法を取り巻く環境の変化に合わせて改革も進めていくべきであるという御指摘ですが、それについても、中期目標期間の最終年度を待たずに主務大臣の政策判断の下で、目標の変更の指示による業務の追加、法人の個別法改正による業務の見直しや組織の変更を適切に行っていく、そして不断の改革を社会情勢に合わせてやっていくということが重要であろうかというふうに考えております。
#167
○江口克彦君 見直しの継続的な取組、そして不断の取組を是非強くお願いしておきたいというふうに思います。
 次に、二法案、二つの法案によりまして、独法の業績評価が従来の各府省評価委員会による評価から主務大臣による評価へと変更されたわけですね。そして、主務大臣に業務改善命令権が与えられて、そして評価結果のフィードバック機能が強化されたということは、私は大いに期待できるのではないかというふうに思っておりますが、一方で、重要なのは実際にどれだけ厳格な運用ができるかであると思います。
 実際、大臣による評価とは、つまり独法の担当官僚による評価にほかならないのではないだろうかと思うわけであります。身内意識からお手盛りの評価が生じることがあらかじめ想定されるような制度設計では、私は心もとないのではないかというふうに思うんですけれども。
 そこで、制度官庁である総務省は、第三者の立場から各省庁を厳しくチェックする必要が私はあると思うんですけれども、他省庁に遠慮することなく厳格な運用がなされることを大いに期待していますけれども、総務省の見解をお聞きしたいというふうに思います。
#168
○大臣政務官(松本文明君) 今回の改正で、先生御指摘のとおり、個々の独立行政法人の業績評価を主務大臣が行うということになりました。総務省は、各主務大臣の業績評価などを点検をする第三者機関、第三者機関である評価制度委員会の事務局を担うことになりました。御指摘のとおり、この委員会が各省庁を厳しくチェックすべきであると、こういう認識であります。
 総務省、事務局として、この委員会の皆様の精力的な調査審議をしっかり事務方として支えてまいりたいと考えております。
#169
○江口克彦君 今厳しくチェックしていきたいという、厳しくチェックしていただきたい、分かりました、厳しくチェックしますと言われるんですけれども、ちょっともう具体的にどういうふうに厳しくチェックされようとしているのか、お伺いしたいと思います。
#170
○大臣政務官(松本文明君) 第三者機関、これは十人から成る総理大臣の指名による独立行政法人評価制度委員会というのが総務省の中に立ち上がります。この評価制度委員会の皆さんにチェックをお願いをするということであって、あくまでも総務省は事務方、その委員会の皆さんの、委員の皆さんの活動をしっかり支えるということでありますから、それを、何というんでしょうか、事務方として委員の皆さんに、ああせいこうせいと言う権限はどこにもないんです。ないんですけれども、事務方が豊富な資料と豊富な情報を提供することによって、活発な委員の先生方の活動を支えたい、こう考えております。
#171
○江口克彦君 支えることは当然だと思いますけれども、やっぱり厳しいチェックというのはとても重要ですし、またやっていかなきゃいけないことです。それは国民の皆さんに対する対応だというふうにも思いますので、事務方だ事務方だということだけではなくて、やっぱりチェックの仕方ということについては政務官としてそれなりのアドバイスなり、あるいはまた助言を是非していただいて、この厳しいチェック、必ず実行していただきたいというふうにお願いしておきます。
 それから次に、官製談合事件や天下りなど独法における不祥事が後を絶たない、資料はともかくといたしまして、それは単なる一部法人の特殊事例ではなくて、ガバナンスが有効に利いていない、働かない独法制度そのものに要因があるのではないだろうかというふうに私は思うんですけれども。
 政府は独法において不祥事が生じる要因をどのように分析しておられるのか、大臣、お伺いしたいと思います。
#172
○国務大臣(稲田朋美君) 独法における不祥事、官製談合から不適切な契約など様々ありますが、今御指摘になったように、それぞれの独法個々の問題だけでなくて、制度としてガバナンスを、内からもそれから外からの監視の目も、内部からも外部からも制度として強化をする必要性があるというふうに分析をいたしております。
 その上で、今回の法改正において、例えば監事の権限強化という意味におきましては、監事の権限を法律上明確化をし、役員の不正行為等を監事から主務大臣及び法人の長への報告を義務付けております。また、中からのガバナンスという意味からは、業務方法書に法令遵守等内部統制の体制整備の記載を法律上義務付けております。また、役員に職務忠実義務及び任務懈怠に対する損害賠償責任も導入をいたしております。また、非公務員型の法人にも役職員の再就職の規制を導入するということを法定しております。
 それらのことにより、不祥事の未然防止に資するよう、法人内部のガバナンス強化を制度として図ることといたしております。
#173
○江口克彦君 今のお答えは私が次に御質問しようとしたことで、もう私の質問は要らないということですか。
 私がお聞きしたのは、独法において不祥事が生じる要因は何ですかという、その次に不祥事の予防措置についてお伺いしますという、それを事前に通知をさせていただいたんですけど、その次の私の質問を先答えられたら、私はどうしたらいいんでしょうか、大臣。
#174
○国務大臣(稲田朋美君) 失礼いたしました。
 要因の分析は、今申しましたように、単に法人の問題だけでなくて制度の問題もあるというふうに分析をしているところでございます。
#175
○江口克彦君 蓮舫先生のように厳しく鋭く御質問を私させていただいているわけではないので、非常に丁寧に、また蓮舫委員とは別の角度からお尋ねをしているわけでございますから、その点は大臣、ちゃんとやっぱり見て、質問を聞いていただいて、後ろから回ってくるペーパーを見て次々お答えになるんじゃなくて、私の質問をお聞きになってから是非お答えいただきたいというふうに思います。私は大臣をつるし上げようなんという気はございませんので。
 先ほど不祥事の予防措置についてはお話を伺いましたので、その次ですよ、見ておいてくださいね。事前に出してある御質問のその次ですから。再就職規制の徹底というのはお分かりになりますか。大丈夫ですか。それについて御質問しますよ。大丈夫ですね。それでは、そのことについて大臣、御質問させていただきます。準備はよろしいでしょうか。
 官製談合の事件などの不祥事の背景には、OBの再就職との関係もあるというふうに指摘されているわけですよ。そのOBの再就職先、それから密接な関係にある企業等との取引など、不透明な運営があってはならないわけです。今般の法案により、ようやく非国家公務員型の独立行政法人にも再就職規制が課せられることとなるわけでありますけれども、早急に対応する必要があるのではないだろうかというふうに思うわけであります。再就職規制の徹底を図る必要がありますが、十分な規制となっているのかどうか、大臣、お伺いさせていただきます。
#176
○国務大臣(稲田朋美君) 再就職規制についてのお尋ねでございます。
 今回、五十条の四で再就職規制について導入をいたしております。過去において、独法のOBが再就職した企業と独法との間で談合が発生したことも踏まえ、非公務員型の独法に再就職規制を導入をすることにいたしております。
 五十条の四でございますが、具体的には、再就職規制として、独法の役職員の退職者の再就職を資本関係や一定の規模の取引などがある営利企業等に対しあっせんすることを原則禁止、独法の役職員、退職者の再就職を法令法人の内規への違反行為への見返りとして広く営利企業等に対しあっせんすることを禁止することといたしております。また、五十条の五で、法令内規への違反行為の見返りとして、広く営利企業等に対し自己の求職活動を行うことを禁止をいたしております。
 このような規定の導入により、法人の業務運営の公正性、適法性、透明性を高めることが可能であるというふうに考えております。
#177
○江口克彦君 急ぎます。
 国立研究開発法人は、研究成果の最大化を目的とするものでありまして、世界に冠たる科学技術立国としての地位を牽引するものとして、私はその役割には大いに期待を寄せておるものであります。研究成果の最大化という目的を達成するためには、他の類例にはない柔軟な運用ができる仕組み、例えば優秀な研究者の登用促進のために報酬の設定を自由化するなど、法人の長の裁量の領域を広げる必要があるのではないだろうかというふうに思うんです。
 そういう意味で、法制度上のそのような運用は可能となっているのかどうか、お伺いしたいというふうに思います。
#178
○国務大臣(稲田朋美君) 法人の裁量の幅を広げ、説明責任を果たすことを前提に、柔軟な運用を可能とすることといたしております。昨年末の閣議決定で、役職員の報酬、給与について、運用上これまで一律に法人の長の報酬は事務次官以下、職員の給与水準は国家公務員並みとしてきたものを、法人の研究開発業務の効果的、効率的な実施に必要な場合には、法人及び主務大臣が説明責任を果たした上で、法人の長の報酬を事務次官以上とすることや職員の給与水準を国家公務員以上とすることも可能といたしております。
 そして、そのような運用が的確に行われるよう通則法の改正も行い、具体的には、新たに国立研究開発法人を類型化して中期目標期間を長期化するなど、研究開発の特性を踏まえた独自の規律を設ける、また、法の運用に当たって事務事業の特性に配慮すべきことを明記する、また、職員の給与の支給基準について職務の特性や雇用形態を考慮事項として新たに明確化をいたしております。こうした見直しによって必要な人材を確保することができるというふうに考えております。
#179
○江口克彦君 最後に、国立研究開発独法のガバメントの在り方について質問させていただきます、大臣に。
 理化学研究所のSTAP細胞事案によりまして、研究開発独法に対して厳しい視線が向けられることになりました。研究開発成果を追求する余り、組織のガバナンスが緩くなっては元も子もないわけであります。法人運営については、裁量を持たせつつ、適切なガバナンスが利く仕組みを構築する必要があると思いますけれども、そのような法制上の担保はなされているのかどうか、大臣にお伺いして、私の質問を終わります。
#180
○国務大臣(稲田朋美君) 今回、独法全体に共通する規律、ガバナンスという意味から、業務方法書に内部統制の体制整備についての記載を義務付ける一方で、監事の権限や役員の責任を強化するほか、主務大臣に業務改善命令の権限を付与する等の規定を設けております。これにより、法人の中からも外からもガバナンスを強化することといたしております。また、研究開発法人や研究開発業務に係る特則も措置をしておりまして、例えば総合科学技術・イノベーション会議が作成する指針案の中で研究開発業務の適正確保等の観点が盛り込まれることが重要だというふうに考えております。
 このように、研究開発業務を含め独法の業務を適正に実施する体制については、目標、評価指針等でルール化し、その遵守をチェックする仕組みを整備したところであります。運用を柔軟とすると同時に、ガバナンスの強化ということも重要であると考えております。
#181
○江口克彦君 どうもありがとうございました。
#182
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 独立行政法人制度がスタートして十年余りがたちました。この制度は、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがある事業を効率的、効果的に行うとされてきました。
 私も、それぞれの独立行政法人は、安全、安心の基準の研究ですとか医療や雇用など国民の命に関わる事業など、全体として大事な役割を担っていると、そう思っております。にもかかわらず、様々な業務、事業を行っているそれぞれの独法を十把一からげにしたルールで管理しようとして一律に目標と計画を押し付け、人件費削減を強いるなど、評価でがんじがらめにしてきたのではないかという批判が強いものとなっております。これは私たちが言っているだけではなくて、昨年末に閣議決定された独法改革基本方針にも、自主性、自律性を最大限機能させるべきだとか、一律、硬直的な運用は見直すべきだという指摘がされております。
 通告にはなかったんですが、まず基本的な問題ですので、大臣に、今後独法の運営に当たっては自主性、自律性を大事にすること、一律、硬直的な運用はしないということでよろしいですか。
#183
○国務大臣(稲田朋美君) まさに今回なぜ法改正をしたかといいますと、分類がなくて一律的な硬直的な運用がされていたと。今回、PDCAサイクルをきちんと回すことによって自律性、自主性を確保するということでございますので、御指摘のとおりだというふうに思います。
#184
○山下芳生君 そこで、お聞きしたいんですが、法案は独法を今言われたように中期目標管理法人、それから国立研究開発法人、そして行政執行法人の三つに分類をしております。そして、その上で、総務大臣が目標、評価の指針を決める、そしてそれぞれの主務大臣が具体的な目標を決め、毎年の業績評価を行い、組織の見直しを進めるというふうになっております。
 私は、問題は、この総務大臣などが決める評価指針の中身だと思うんです。といいますのは、特殊法人が独法化される際に、平成十五年四月十八日、行政改革推進事務局が独立行政法人の中期目標等の策定指針という指針を出しております。その中には独立行政法人の中期目標等の具体的な記載例というものがありまして、ちょっと紹介しますと、各事業年度の経費総額を対前年度比で平均○%抑制するとか、人件費の割合を平成○年度と比較して○%とするとか、期初の常勤職員数○○○人を期末までに○○○人とするとか、外部委託の推進により○○事業における○○経費を○%削減するとか、研修生等の養成期間を現行の○年○か月から○年○か月に短縮するとか、学理及び技術の教授に関する業務に関し非常勤講師を活用すること等により教育時間当たりのコストを○%削減するなど、もう空欄にしてあとは全部埋めてもらえばどんな独法だってこれが目標になるんだという、しかも、これみんな人件費削減とか非正規化とか、そういうリストラに関わるようなことがずらっと一々こういうふうに数値目標書きなさいよということがひな形みたいにあって、押し付けられているんですね。
 私は、一律の運用しないというのであれば、もうこんな指針は今後金輪際やめるべきだ、そう思いますが、大臣、いかがですか。
#185
○国務大臣(稲田朋美君) 総務大臣が指針を策定するその指針は、やはり事後的に評価が適正に行われるよう目標設定に際して具体的、明確に設定して、可能な限り定量的に設定すべき旨が盛り込まれることが必要であろうかというふうに思います。ただ、一方で、この指針の策定、運用に当たって、法人の業務の特性を踏まえた目標設定、業績評価となるよう柔軟、弾力的な対応が可能となるべきであろうかというふうに考えております。
 また、昨年末の改革の基本方針の閣議決定において、主務大臣が指示する効率化目標については、画一的で硬直的な目標ではなく、法人ごとに適切な目標を設定するよう定めることとしており、一律で硬直的な目標にはならないのではないかというふうに考えております。
#186
○山下芳生君 ですから、一律的、硬直的な目標にしないためにも、こんなひな形を一々○%と空けておいてここに書き込めなんというのは、もうまさに一律的、硬直的だと思うんですよ。こういうことはもうやらないということで確認してよろしいですか。
#187
○国務大臣(稲田朋美君) 総務大臣の指針でございますので、そこはある程度具体的、明確に書かなければならないというふうには思いますけれども、それがどのような形ですべきか。また、いずれにいたしましても、主務大臣の目標設定、業績評価が柔軟で弾力性のあるようにすべきであるというふうに考えております。
#188
○山下芳生君 なかなかしないとおっしゃらないところが私、非常に危惧するわけですよ。こんなことを繰り返していたら、幾ら口で一律にしないと言っても、もうこれ官僚が作るんだと思いますけれども、そうなっちゃいますよ。ここはよく目を光らせる必要があると思うんですね。こんなことをやっていたら、いつまでたっても自主的、自律的な独法の良さが、それぞれに応じたやはり仕事をしているんですからそれぞれに応じた評価があってしかるべきなのに、こんな一々同じような数値目標を当てはめて目標にしろというもし基準が出てきたら、これはもう何も変わらないということですから。それはよろしいですね。
#189
○国務大臣(稲田朋美君) そのとおりだと思います。
#190
○山下芳生君 次に、研究開発法人や研究業務に関わっては、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が目標と評価の基準案を作るとなっております、法案では。この総合科学技術・イノベーション会議というのは、先日、私、当委員会でも取り上げたんですが、科学技術政策や予算配分を検討する行政機関でありますが、同会議のメンバーには経団連幹部でもある三菱電機、日立製作所、トヨタ自動車の経営者らが任命されておりまして、経団連の要求に基づいて政府が予算化した研究費についても、この具体的三社の利益に直結するような課題が選ばれているということを前回指摘させていただきました。
 国民の税金で特定企業の利益に直結する研究開発を支援するこの総合科学技術・イノベーション会議が国立研究開発法人の目標と評価の基準案作りに関与することは、私は、日本の研究開発の在り方をゆがめ、本来の改革に逆行することになっちゃうんじゃないかと思いますが、この点いかがですか。
#191
○副大臣(後藤田正純君) 今、稲田大臣の下で独法も担当させていただいておりますが、山本大臣の下でも科学技術を担当させていただいている立場でお答えをいたします。
 まず、先ほど来御意見ございますが、一律管理ではなくて、今回三分類いたしました中での研究開発につきましては、総務大臣がその特性について知見がない場合に、総務大臣の求めに応じて総合科学技術・イノベーション会議が、研究開発の特性や国際的な水準等を踏まえまして、研究開発の事務及び事業に関する事項に係る指針の案を作成することとされているところでございます。
 それと同時に、今個別企業の利益に資するというようなお話がございましたが、これは私どもはまた異なる見解でございます。先ほど委員もお話ありましたように、総合科学技術会議のまさに機能というのは内閣総理大臣及び内閣を補佐する知恵の場ということでございまして、平成十三年一月に内閣府設置法に基づいて重要政策に関する会議の一つとして設置されたものでございまして、先ほどお示しになった方は確かにおられますが、やはり国際競争に向かってしっかり成長戦略を成し遂げていく、そしてまた国民生活の向上のためにしっかりとした技術革新を生んでいく中では、やはり基礎、そしてまた応用、そして産業化という、そういうプロセスをしっかりやっていかなきゃいけません。
 その中において、産業界では確かに日立、トヨタ、三菱の方がおられますが、それと同時に、日本学術会議の大西会長もおられる、そしてまた東北大学の今、小谷先生というのが、いわゆる分子材料の専門家もおられます。また、元東北大学教授である原山優子さんが常勤でおられるだとか、また大阪大学の総長であられる平野議員もおられる。そういう意味では、私どもは、しっかりと基礎研究、応用、そして産業化というバランスを取りながら、目的は国民生活にしっかりと直結する、また国際競争でしっかり戦える体制を助言する場ということでございますので、先ほどの個別企業の利益に資する課題という御指摘は当たらないと考えております。
#192
○山下芳生君 もう委員会で、前回ですから、終わった話ですけど、残念ながら個別企業の利益に資するような課題が設定されてスタッフも選ばれているという事実がありますから、そのことをもう一度、それが今回、独法の目標や基準に関わってくるということで危惧したわけです。
 ある研究独法で働く研究者の方、こう言っておられます。同じように高くてもスカイツリーと富士山は違うんだと、富士山の高さは裾野の広がりにあると。これ、さっき副大臣言われたことと共通することかもしれません。研究の種、シーズが様々、種々あることによって先端の、先進の成果が生み出されるということだと思います。産業化だけを前のめりに走っても、やっぱり高い成果というのはなかなか出てこないだろうということですから、そういう産業界の、まさに個々の企業のトップがもうかなりのウエートを占めているこの会議がそういう役割を担うというのは、大変危惧されるということを指摘しておきたいと思います。
 ちょっと時間が過ぎております。一問飛ばしたいと思います。具体的な独法の問題について聞きます。
 まず、国立大学法人についてですが、現行制度では、政策・独立行政法人評価委員会による勧告について、各大学の大学本体や学部等の具体的な組織の改廃、個々の教育研究活動については言及しないということになっております。
 これは、発足に当たって、参議院文教科学委員会の附帯決議、その趣旨の大臣答弁などがあってこういうことになっているんですが、今回、整備法案では、事務及び事業の改廃に関して委員会が文部科学大臣への勧告ができ、内容を公表し、大臣が講じた措置について報告を求めることができるとされておりますが、この法案が通った後、評価委員会の勧告について、これまでと同様に各大学の大学本体や学部等の具体的な組織の改廃、個々の教育研究活動については言及しないということでよろしいんでしょうか。
#193
○国務大臣(稲田朋美君) 委員御指摘のとおり、平成十五年度国立大学法人法に係る参議院文教科学委員会の附帯決議において、国立大学法人については、国立大学の教育研究の特性に十分配慮されることが決議をされて、これに沿った運用が行われているというふうに承知をいたしております。
 本法案成立後も、国立大学法人に係る参議院の附帯決議の趣旨に沿った運用が引き続きなされるべきものと考えております。
#194
○山下芳生君 私は、学問の自由、大学の自治という観点からこれは当然だと思うんですが、大学法人に対してそうであるように、教育研究に関わる独法全体にも本来私はそういう配慮がされてしかるべきではないかと、こう思います。
 中期目標管理法人に仕分された独法の中には、国民にとって大事な安全のための教育をする法人も少なくありません。効率性優先では安全は確保できないと思っております。
 具体的に聞きますが、昨年末の独法改革の基本的方針の閣議決定で、航空大学校について、民間におけるパイロット養成の規模拡大及び能力の向上を図り、将来的に民間において十分なパイロット養成が可能となった段階で、より多くの部分を民間に委ねていくなどとされております。
 国交省に聞きますが、二つ聞きたいと思うんですが、一つは、航空大学校が果たしている役割についてどう評価されているか。二つ目に、パイロットの養成のより多くの部分をなぜ民間に委ねようとしているのか、お答えください。
#195
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
 航空会社のパイロットは民間事業者が事業を展開するために必要な人材であることに鑑み、可能な限り民間の能力を活用することは望ましいものの、安定的な供給の確保の観点から民間だけでは十分に対応できないため、航空大学校を通じた供給が行われております。
 昨年の閣議決定において、航空大学校については、将来的に民間の養成状況を踏まえた上でより多くの部分を民間に委ねるとしたものであり、一方的に航空大学校の規模を縮小することを決定したものではございません。
 今後のパイロット需要の拡大に対しまして、引き続き航空大学校は我が国のパイロット養成の中心的な役割を担うものと認識をしております。
#196
○山下芳生君 一方的に縮小というわけではないですよということなんですが。
 ただ、この独法改革議論の中でこんな議論があったというように聞いたんです。高給取りのパイロットをなぜ国のお金で養成しなければならないのか。これはいかがなものかと。今や航空輸送というのは国民の必要な足と言ってもいいと思います。しかも、もう最も高い安全性が確保されなければならない。高給取りのパイロットを何で民間でやらないんだというような感じの議論を安易にして、それで民間に任せたらいいんだというのは、本来国民の安全に対する国の責任という点から見て、こんな議論は看過できないのではないかと私は思いました。
 それから、航空大学校は、毎年七十二人の定数で学生を養成していると聞きました。平均毎年五十六人、安定的に操縦士を供給しております。日本の大手航空会社を始め、試験を行う査察機長、それから航空行政に関わる人材も航空大学校が多く輩出をしております。
 そこで、聞きますが、パイロット養成を民間に委ねるといいますが、今民間の年間の養成状況はどうなっているでしょうか。
#197
○政府参考人(島村淳君) 民間におきましては、各社の自社養成と私立大学において養成がされております。
 自社養成につきましては、大手の航空会社においてのみ実施されており、平成二十二年度以降、その規模は年間数十人規模となっておりますが、その養成規模は景気動向に左右されやすいという特徴を持っております。
 私立大学については年々その規模を拡大しておりますが、年間六十人から七十名程度の養成が行われております。今後、量の拡大と質の確保を図っていくことが課題と考えております。
#198
○山下芳生君 資料の三枚目に今の御答弁をグラフ化されたものがありますので、配付しておきました。
 自社養成というのが全日空、JALなどで自分の社内でパイロットを養成する数字ですけれども、今もお話があったように、凸凹があるわけですね、年によって。当然これ経営状況によって大きく変動しております。安定的な供給とは言えません。特に、一九八〇年代はほぼゼロになっております。
 それから、二〇一〇年、JALの経営破綻が起こる中で、会社の放漫経営に厳しく物を言ってきた労働組合の幹部、組合員などを狙い撃ちにした整理解雇がされたわけですが、その整理解雇を合法化するために、もうこれ以上パイロットは要らないんだというために、わざわざ副操縦士も含めて三百人以上のパイロットの訓練生の訓練が中止されるということもありまして、二〇一〇年以降、JALの養成はゼロというふうになっております。
 一方、私立学校、右上ですけれども、パイロット養成学科を持つところがごくごく最近四校できたわけですが、これ学費が非常に高いんですね。四年間で一千三百万円から二千六百万円の学費が掛かる。したがって、これ余りにも高過ぎて定員割れがあるということも聞きました。航空大学校は二年間で二百五十万円なんです。大学の教養課程二年修了した者に入学資格があるということですが、それまでの学費というのもばかにはなりませんが、それでも二年間で二百五十万円。四年間で二千万円ぐらい掛かる民間の養成学校とは全く違う経済的な負担でパイロットになれるわけですね。
 パイロットというのは、瞬時に冷静な判断ができる能力、それから人格も求められます。操縦技術の素質なども求められます。お金のない人はもう元々パイロットは志せないんだということでは、こういう適格な資質を持った人材の確保が危ぶまれるということにもなりかねません。
 そういう点では、やはり航空大学校の今の果たしている役割というのは非常に大事だと。そういう中で、七年から十年パイロットの養成には掛かるというふうに言われておりますが、これ民間に委ねて本当にそれが賄えると、そんなことが現実に可能なのか、いかがでしょうか。
#199
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
 現状においても先ほど申し上げました自社養成や私立大学で一定数のパイロットは養成されておりますが、質、量両面で我が国のパイロットの需要を十分に賄える状況とはなっておりません。そのため、航空大学校は今後とも我が国のパイロット養成の中心的な役割を担うものであり、直ちに全てを民間に委ねられるとは考えておりません。
 将来的により多くの部分を民間に委ねる時期、範囲等の検討を行うに当たっては、今後、パイロットの需要増大を踏まえ、私立大学等からパイロットの供給量が大幅に増加し、需給を安定的に、かつ十分満たすだけの供給量が確保されていることや、私立大学等の出身者が機長や指導層のパイロットに任命される状況が安定的に継続していることなどを前提として、その時期や範囲の検討を行っていく必要があると認識しております。
#200
○山下芳生君 そういう認識だったら、将来民間に委ねるみたいなことを安易に決める必要はないんじゃないかと私は思うんですが。
 もう御存じのとおり、四月二十八日、格安航空会社ピーチが、新石垣空港から離陸して那覇空港に進入する際に低空に異常になっちゃって、航空法で言うところの地表又は水面への衝突、接触を回避するための緊急操作を行った事態、重大インシデントとして運輸安全委員会が調査をしております。このときのパイロットは採用一年のアルゼンチン人の方でしたが、管制の指示を勘違いした、さらに、この直後にもきちんと会社に報告しないで別便で操縦し続けていたということが明らかになっております。
 ピーチやバニラなどいわゆる格安航空会社で今起こっているのは、パイロット不足による大幅減便であります。もうぎりぎりのそもそも人員しか配置していないことで、ほんの数人パイロットが病気になったり退職すれば、たちまち大きな影響が出るということが今明らかになっているわけですが、我が国の操縦士の需要予測ということを言われました。今どうなっているんですか。
#201
○政府参考人(島村淳君) 今後の航空需要の増大や退職者を考慮した我が国のパイロットの需要予測によりますと、二〇二二年には六千七百名から七千三百名のパイロットが必要となります。この場合、今後一年当たり約二百人から三百人の新規パイロットの採用が必要になると見込まれております。さらに、二〇三〇年頃には大量退職者が見込まれることから、年間約四百名程度の新規パイロットの採用が必要になると見込まれております。
 国土交通省では、パイロット不足への対応といたしまして、交通政策審議会の下に小委員会を設置して、パイロットの養成確保のための対策の検討を現在行っております。本年三月の中間取りまとめにおいて、航空大学校を安定的な供給源と確保しつつ、民間養成機関の供給能力の拡充等を図ることとしており、引き続き具体策の検討を進め、夏前までに取りまとめを行う予定としております。
#202
○山下芳生君 資料三枚目にその需要予測のグラフを載せておきました。あっ、二枚目かな、二枚目ですね。これから退職者がうんと増える。特に二〇三〇年、うんと増えて、それから航空需要もうんと増えると。両方で、これからパイロットの新規採用は今、年間二百人ぐらいですが、四百人ぐらい必要になるときが来るであろうと。ますますこれパイロットの養成は増えざるを得ないんですね。
 そういう中で、航空大学校の役割は、私はこれ、民間に委ねるどころじゃなくて、もっと頑張ってもらわなければならないというふうになるわけなんですが、ところが、航空大学校の運営交付金が年々削減をされております。二〇〇一年三十億円あったものが昨年度には二十億円を切っていると。急激に運営交付金が減らされておりまして、その分、学生の負担や航空会社からの寄附で穴を埋めようとされていると聞きました。
 この五年間だけでも、職員、教官が百十四人から十人減らされて百四人になったと。特に事務職員が減らされて、教官が様々な事務を担いながら学生の指導、搭乗訓練などを必死でこなしておられる。五分、十分のフライトの間の休憩時間にも電話機を握って、フライト前の学生へのブリーフィング、概要説明を行いながら午前も午後もフライトをされているというふうに聞きました。
 そういう中で、残念ながら航空大学校での事故も発生しておりますが、この十年間の事故の状況を報告してください。
#203
○政府参考人(島村淳君) 過去十年間に航空大学校においては三件の航空事故が発生しております。そのうち一件は死亡事故となっております。
#204
○山下芳生君 独法化になってからそういう重大な事故が三件起こっているということなんですが、これ、実際に教官の方に聞きました。予算が縮小され教官の確保も苦労しているけれども、しかし、山と海の迫る日本列島で、様々な気候変動のある日本の中で、航空大学校の役割をしっかり自覚して頑張る必要があるということで、ある教官は、訓練機では、学生の技量を見極めつつ、しかし教官がすぐに学生の操縦桿を取り上げたのでは訓練にならないので、ぎりぎりの難しい判断をしながら指導することになる。国の安全運輸を支えるという使命がなければ命懸けのこのような仕事はやっていけないと思う。全体の予算の縮小の中で教官の確保が難しくなって、年度当初、教員の欠員が出て、有期契約の教員もいるが、自分たちの仕事が航空の安全確保に必要な人材を育てているのだということが、自負があるから何とかやっていけているという言葉でありました。
 私、非常に大事な言葉だと思いますが、この個々の使命感と奮闘だけに委ねていたのでは、残念ながらまた事故が起こったり、必要な人材を、質の高い人材を供給するということの役割が細っていくのではないかと思います。
 国交副大臣にも来ていただいておりますが、これ、むやみやたらに民間に委ねる、予算を削るというのではなくて、逆にこれは、これからも日本再興戦略の中でも空港の機能強化、航空需要の増大というのを見ているわけですから、航空大学校の予算も人員体制も拡充すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#205
○大臣政務官(坂井学君) どこの組織や法人に対しても、当然のこと、お願いをすることでありますが、航空大学校につきましても業務の効率化をお願いをし、そしてまた行っていただきながら約年間七十人という養成規模を維持してきたところでございます。
 今後とも、これまでどおり、航空大学校はパイロットの安定的な供給源として中心的な役割を果たすとともに、私立大学などへの技術支援等も通じて、我が国全体のパイロット養成能力の拡充に寄与する必要があると認識をいたしております。大事だという、こういう認識の下、国土交通省といたしましても、今御指摘いただきましたような現状でありますとか今の状況等をいろいろとヒアリングをしたり適切につかみながら、業務の適正な運営のために必要な体制を確保するよう努めてまいりたいと考えております。
#206
○山下芳生君 時間参りましたので、最後に大臣に伺いたいと思います。
 独法改革に関する有識者懇談会でも、企画立案部門、主務省と、執行部門、独法が長く分離されると、行政としての責任の所在が曖昧になり、執行現場での問題点が政策に反映されにくくなると。独法にしたからといって、もうずっと各省庁が現場のことを知らないままでは、これは現場の政策を作る上でもまずいという指摘です。
 私は、今日は、航空大学校の現場が今どうなっているか、そこで教官が、職員がどういう思いで頑張っているか、こういうことを申し上げました。やっぱりこういうことを、今度の法案の中にはとにかく主務官庁の大臣がトップダウンで縦の管理を強めるんだということがいっぱい書かれていますけれども、現場の状況をボトムアップで吸い上げてそれを政策に生かしていくということが極めて弱いなと感じるんですが、そういうことが非常に大事であって、一律に硬直的に上から数値目標で削れ削れと言うんじゃなくて、むしろボトムアップで吸い上げることこそ本当の改革になると思いますが、先ほどの航空大学校の事例も踏まえて御所見いただきたいと思います。
#207
○国務大臣(稲田朋美君) 法人の業務内容や業務実態等を十分把握するために、法人と恒常的な意思疎通を行うことは当然だというふうに思います。
 今般の改革において、主務大臣の政策意図を法人にきちんと把握させるとともに、業務内容や業務実態を踏まえた目標設定を行う旨を明確化するため、年末の改革の基本方針の閣議決定において、主務大臣が中期目標を定める際に法人と十分に意思疎通を図る旨を明記をしたところでございます。
#208
○山下芳生君 終わります。
#209
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会の浜田です。
 今回の通則法、やっぱり一番大きなゴールというのは、日本が持っている様々な研究、そういうものの成果をどういう形で国内の成長産業につなげたり、あるいは世界の更なる発展のために提供するか、そのための効率の良い、そういう独法の在り方ということを目指して今様々な改革がなされようとしているんですけれども、方向は私はすばらしいことだと思うんですが、幾つか質問があるんですね。例えば、我が国は、科学技術立国、世界で一番イノベーションが行われる、そういう国を目指すということを総理も繰り返しおっしゃっています。
 そういう観点で、今回、独立行政法人の中で、特に国家戦略の観点から、世界と競う研究開発の推進ということで、二つの法人を特別に世界トップレベルの成果が期待されるということで、今回の法律とはまた別の法律で特別な措置を講ずると、こうなっているわけですね。
 これは、百近くいろんな法人があって、各々皆人材を鍛え様々な研究を積み重ねているんですが、その中で二つだけを選び出して、その二つ、選ばれたのが理化学研究所と産業技術総合研究所、この二つですよね。なぜ、たくさんある研究法人の中でこの二つの研究所だけを世界トップレベルの研究成果が期待されるという具合な判断になったのか。ほかの百近くの研究機関の人たちからすると、何だ、俺たちは全然そういう評価がされていないというか、低いのかということになって士気の問題にも関わってくると思うんですけれども、なぜこの二つだけが特別扱いされたのか。
 特別扱いになると恐らく、特別な措置を講ずるということですから、予算面ですとか様々な特典があると思うんですけれども、一体具体的な、どういうようなこの二つの法人に関しては特別な措置というものが考えられようとしているのか。
 山本大臣の下で後藤田副大臣がこの件は担当と聞いていますので、是非、副大臣の方から答弁をお願いしたいと思います。
#210
○副大臣(後藤田正純君) ありがとうございます。
 昨年の基本方針の閣議決定を受けまして、三月十二日に総合科学技術会議におきまして、特定研究開発法人として考慮すべき要素という中に、今まさに委員おっしゃった国家戦略上の重要性が高いことだとか、やはり相対的に国際的ないわゆる実績、例えば論文の引用数だとか、そういう客観基準が相当以上あるということと、あと同時に、私も最近いろんな研究機関の方とも実地で会うんですけど、もう委員も外国の経験長いんでお分かりですが、やはり海外はいわゆるコンペティティブというよりはコラボラティブ、要するに協調というか、いろんなところの交流とかそういうものがある。こういうものがいろんな触媒として化学反応を生むという、これが現状でございまして、総科の考え方としても、研究開発のハブとして組織の垣根を越えた取組の状況が優れていること、まさに産業界、大学また海外研究機関など多様なセクターとの共同研究の状況、また研究人材の流動性の状況、また人材育成、また共用可能な研究開発プラットフォーム、インフラの整備、運営の状況、あと人材の多様性、若手、女性、民間経験者、研究支援人材等、こういったことも踏まえて勘案したときに、そして同時に総合的な研究機関であるという。そして、その中の二つが、いわゆる基礎に近い理研、そして応用に近い産総研という形でまず候補に挙げられたということでございます。
 あまたある研究開発法人ございますが、大体三つぐらいに分かれると思います。一つには、研究開発を自ら実施する機関、例えば情報通信研究機構だとか、また一方で、ファンディング機能を有する機関として例えば新エネルギー・産業技術総合開発機構だとか、これは実際の技術開発は産学の研究機関に委託して実施するという、そういう機関でございますし、同時に、もう一つの分類としては、規制基準を策定する機関、これは建築研究所だとか土木研究所だとか、そのように研究開発法人の中でも三つぐらいに分かれる中でまず捉えていただきたいし、それぞれに特化した研究はしているんですが、繰り返しますが、総合的な研究機関として、また国際的に見た、相対的に見た実績、そして先ほどの総科の示した人材交流、こういうものをやれているのがこの二つであろうということで、候補の二つとして総科として決めさせていただいたという経緯でございます。
#211
○浜田和幸君 さっき私、二番目に、その二つ選ばれたところは、何というんですか、別の法律によって特別な措置ということが検討されているわけですよね。ですから、その特別な措置の中身、これ予算面なのか、あるいは何か特例で、どういうことが特別な措置を講ずるという形になっているのか、そこをもし御教示いただければと思いますが。
#212
○副大臣(後藤田正純君) おっしゃる点につきまして、いわゆる国立研発法人と特定研発法人の違いでございますが、今の段階で、まだ法案の段階ではございませんが検討しているところにつきましては、やはり世界的な、また技術力として国際貢献、先ほど委員もおっしゃった国内の産業にも国民生活にも、そういうことも大事なんですが、やはりガバナンスの強化という点も、例えばいわゆる体制整備等の基本方針の策定もしっかりしますと。また、中期目標の設定とか評価終了時の見直しについても総科がしっかり関与するということだとか、また法人の長も時には解任をするとか、また状況に応じて主務大臣による的確な指示と主務大臣の関与もしっかり強化するだとか、そういうマネジメントの問題もやりますが、一方で、裁量性の拡大という点で、国際的な頭脳循環に対応して国際競争力の高い研究者を獲得する、そういう環境を整備する措置も考えております。
 一方で、イノベーションの基盤となります世界最高水準の研究開発成果を目指すための研究開発等の特性への配慮を法定化するなど、そういう考え方を基にこれから新しい法律を考えていこうという、今はまだそういう状況でございます。
#213
○浜田和幸君 ということは、この今二つ、モデルケースで、理化学研究所と産業技術総合研究所、この潜在力、総合力、国際的な評価ということを総合的に判断して、更にもっともっと成果が得られるように、例えば海外の頭脳を呼び込む場合だって、特例的に厚遇、例えば研究者の待遇面でもこの二つに関しては国内の一般的な基準よりはるかに言ってみれば優遇というようなことも検討に値すると、こういう理解でよろしいんですね。
#214
○副大臣(後藤田正純君) おっしゃるとおりでございます。それで有為な人材をしっかり獲得して、またその人材を支持するそういう若手研究者も集まっていくと、こういう仕組みをつくれればと思っております。
#215
○浜田和幸君 分かりました。
 そうなると、私は、この二つの法人に限定するというのも一つの方向かもしれませんが、百近くの様々な組織があって、各々歴史があり、人材もあり、それなりの成果も上げているわけですから、まさに総合力ということを考えれば、こういった百の法人を、少し大きなテーマを国が指示をして、五十年後、百年後の日本や世界にどういう研究成果を提供できるのか、そういう道筋のために、この百の今の組織が様々やっているものをチーム・ジャパンとしてまとめ上げていく、そういうような発想が片っ方にないと、何か二つだけ選んで、こっちは優遇するけれどもほかはまあ適当にやれというようなことでは、研究者としてもやっぱりやる気がそがれたり、そういうせっかくの人材がもっともっと、おっしゃったシナジー効果とかそういうことを考えれば、もっと国が大きな方針の下で戦略を立てて、この百の組織の人たちをもっともっと有機的に、人材交流ができたり研究成果が交換できるような、そういう方向を最終的に目指すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#216
○副大臣(後藤田正純君) 委員おっしゃる指摘は大変重要な視点でございまして、先ほど、三月に特定研発の考え方を示しましたが、最近、五月の二十三日に、総科といたしまして、科学技術イノベーション総合戦略二〇一四、この原案を作らせていただきました。その中に、まさに委員が御指摘になった重要な点をしっかり明記させていただいております。
 最後の部分でございますが、大学や公的研究機関が我が国の研究力、人材力強化の中核的な拠点として必要な役割を果たすことができるよう、クロスアポイントメント制度、これは両方に責任を、例えば今東大、阪大でも、理研と東大、理研と阪大でそれぞれの業務割合を規定しながら相互に密接に関係性を持たせる、こういうことも既にやっておりますが、そういった活用を、セクターを超えた人材の活用と流動化の促進、また分野を超えた分野融合の推進、また魅力的なソフト、ハード両面での研究インフラの整備や国内外に開かれた施設、設備の共用等を進める、こういうことを、五月の、まさに総科の考え方として、委員がまさにおっしゃった指摘を明記をさせていただきました。
 同時に、大学等も、いわゆる公的機関以外の大学等ともしっかり連携していただきたいし、私も女子医大へお邪魔したことがあるんですが、そこでも早稲田の工学部の方とのまさに医療との融合があったり、そこに文科系である一橋の方が入ってまさに触媒となってキャタライズするというところも拝見しましたし、先般も種子島に、JAXAに行ってまいりましたら、やはりJAXAで使うロケットの塗装技術、また断熱技術を住宅に応用しようというようなお話もあって、これは物材機構と実はJAXAとがコラボできるんじゃないかと。やっぱりこういう環境を整えていくということを、委員のおっしゃるまさに御指摘を総合科学技術会議の五月の基本的な考え方にも盛り込みさせていただきましたので、あとそれをしっかり運用面で支えていきたいと思っております。
#217
○浜田和幸君 ありがとうございます。そういう方向は極めて重要だと思うんですね。
 それで、今検討されている組織の見直しの中で、法人の統合、これ今の案を見せていただくと、例えば項目別に、健康長寿社会の実現という項目で、国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所、これを一つにしますよとか、あるいは、攻めの農業の実現という項目の下で、農業・食品産業技術総合研究機構と農業生物資源研究所、農業環境技術研究所、種苗管理センター、四つを一つにするとか、水産業の健全な発展という項目で水産大学校と水産総合研究センターを一つにしますという、いろんなテーマを設けて、その中で既存の研究所、組織を統廃合する。
 ただ、私は思うんですね。この健康長寿というテーマだとか、水産業だとか、攻めの農業とか、ある意味ではみんな関わっていますよね、一つ根っこのところでは同じということ。逆に、さっき副大臣がおっしゃったようなシナジー効果ということを考えれば、これも項目を余り縦割りにしないで、やっぱりここだったら健康長寿、日本が世界に誇る健康長寿大国であれば、それを支える農業とか水産業、そういったところ、あるいは医療の分野、そういうものを、もっともっと大きなくくりの中でそのシナジー効果が得られるような方向を目指せば統廃合ももっともっとスムーズに有効的に進むんじゃないかと思うんですけれども、そういう発想はないんでしょうか。
#218
○国務大臣(稲田朋美君) 今回、統廃合は数合わせではなくて、やはり政策機能、独法のそれぞれの政策機能の強化という観点に着目をして統廃合を議論の上、決めてきたところです。また、委員が御指摘のシナジー効果、それぞれがいろんなくくりとか大きな目標の下で協力をしていくということは非常に重要な観点だというふうに思っております。それは、統廃合をやらない場合であっても、必要があれば所管府省の枠をも超えて法人間で業務の連携を深化させていくという、そういう方向性で考えていくべきではないかというふうに思います。
#219
○浜田和幸君 是非、既存の研究機関の間もお互いに情報交換したり人材交流するということは当然重要なことだと思いますけれども、一定の方向をきちんと国家戦略に基づいて示して、そこに人材を結集する、効果的な予算と人材の配分ということもこれからは極めて重要だと思うんですね。
 それとの関連で、PDCAサイクルの議論の中で、総務大臣が目標設定をして総合科学技術・イノベーション会議が指針を策定すると、そういった評価、研究に関する審議会を設けるということが述べられているんですけれども、その中に外国人の委員任命も可とするという部分があるんです。これはやっぱり日本が国際競争を勝ち抜くためには、海外でどういうような研究が行われていて、その進捗状況を照らして、日本が遅れているところはそれなりにキャッチアップ、しかし、もうこれだけ差が開いているのであれば、わざわざ日本がやるよりかはという判断もあると思うんですね。
 そういうような審議会の中において、外国人に、委員に任命も可と書いてあるんですけれども、どういう形で外国の委員を任命するのか、そのプロセス、その方法、海外からどういう形で人材を呼び込もうとしているのか、その辺りについての今の検討状況についてお聞かせいただければと思います。
#220
○政府参考人(長屋聡君) 運用面につきましては、これからまた施行に向けて具体的にそれぞれ、また任命権はそれぞれの主務大臣にもございますので、まず法律の中では五分の一を超えない範囲、さらにその代表者等にはさせないという枠を決めた上で、どのように運用していくかというのはこれから検討されていくものと考えております。
#221
○浜田和幸君 五分の一以下とか代表にはしないとか、やっぱり開かれた日本、研究とかイノベーションとか、やっぱりある意味で国際交流、これも必要だと思うんですよね。
 ですから、是非稲田大臣も、後藤田副大臣にも、そういう日本の持っている潜在的な力を海外と融合することでよりもっと大きな成果が得られるということだってあるでしょうから、海外での研究の動向に対しての情報収集、あるいは人材交流といったことについても是非前向きに御検討いただきたいと思います。
 次の質問は、業務ガバナンスについてですね。
 今回の提案の中で、法人の事務とか事業の特性に応じたガバナンスの高度化ということが指摘されていますよね。その中で法人が行う幾つかの業務が分類されていて、金融ですとか人材育成ですとか文化振興、公共事業、助成給付とかいろいろとあるんですけれども、こういうテーマというのは、別にそれを特化した組織でなくても、全て、何というか、百の法人がみんな各々、自分のところの組織を運営するに当たっては、金融的な発想も必要だし、文化的な面も、人材育成もみんな必要だと思うんですよね。ですから、何か全ての法人に対してやっぱり新たな刺激というか、新たな研究に向けての刺激を与える意味では、特定の業務だけじゃなくて、全てのこれは組織にとってこういう金融面ですとか人材育成の面とか、そういうものは生かすべきではないかと思うんですね。
 ですから、金融業務に関しては金融に直結するような法人にのみ何かそういうことを、ガバナンスを求めるというような立て付けになっているように見えるんですけれども、実際はどうなんでしょうか。是非とももっともっと広い観点で、全ての組織が、今は六つの観点からガバナンスの高度化ということが必要とされているわけですから、そういうことをもっともっと柔軟に生かす、あるいはそれを加速をさせるような、そういう指導というか対応が必要ではないかと思うんですけれども、稲田大臣、いかがでしょう。
#222
○国務大臣(稲田朋美君) 昨年末のこの基本方針の閣議決定において、今御指摘のとおり、六つの業務類型を示して、それぞれの特性に応じたガバナンスの制度、運用の見直しについて記載がされています。しかし、それは何もこれ以外の、金融に書かれていることがほかのところに適用されないというものでは決してなく、応用できるものも十分あろうかというふうに思っております。
 金融業務を行う法人などが実施するリスクの管理の手法を金融業務以外で資金運用を行っている法人にも適用ができるということもございますし、人材育成業務を行う法人が実施する就職率等の定量的な目標設定の手法を人材育成業務以外の業務を行っている法人の内部の職員研修で参考にできるとか、様々利用ができるかというふうに思います。他の業務を行う法人にも御指摘のとおり応用すべきだというふうに思いますし、各法人が法人の様々な取組を参考にしながら業務を改善していくことが重要であろうかというふうに考えます。
#223
○浜田和幸君 おっしゃるとおりだと思うんですけれども、それが今現状ではなかなか徹底していないがゆえに恐らくこういう個別の指摘がなされていると思うんですね。
 実際に、そういう観点で今の独立行政法人がきちんと期待された成果を上げているのかどうか。このPDCAサイクルの中で、第三者機関のチェックをこれから入れるということが、評価制度委員会を設置する、様々な目標がちゃんと達成されたかどうかというようなことを内閣総理大臣が指名した委員の下でチェックするということになっているんですが、どういう基準でもってこの第三者機関のチェック、また、第三者機関に想定されているチェックする人たちというものはどういう方法で選ばれるのか、その辺りについての現在の検討状況が分かれば、お教えください。
#224
○政府参考人(長屋聡君) これにつきましても、施行までの間の準備期間の中でやっていくことになりますけれども、その委員十名というものも、幅広く各法人のチェックをするということで、かつ客観性を持ちながら厳格にチェックできるような有能な人材を集める必要があるということで、また格の高い内閣総理大臣任命ということでもございますので、その任命権者の下で慎重かつきちっと人選を進めていくと、そういうことになろうかと思います。
#225
○浜田和幸君 是非そういうきちんとチェックのできる人材、公平な立場、公正な立場からチェックできる人をしっかりと確保していただきたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いしたいんですけれども、安倍総理が日本を世界で最もイノベーションに適した国にするんだと、要するに、世界中の頭脳や企業や研究機関がもっともっと日本にやってきて、そういう研究がしやすい環境。その受皿として例えば連携する可能性がこの百の法人にあると思うんですね。
 要するに、彼らが単独でやってくるというよりかは、日本でこういう様々な独立行政法人がいろんな研究や対応をやっている、そういうところと一体化する、協力することによってイノベーションがもっともっと国際的に通用するようなものに発展していくと思うんですけれども、外国からのそういう投資とか企業がイノベーションということで入ってくるために、この百の法人をどういう形でもっともっと国際化させていくのか、その辺りについて基本的なお考えがあれば、是非お聞かせいただきたいと思います。
 実際には、特許の申請件数なんかを見ても、フランス、韓国、中国、ドイツ、アメリカ、その更に後塵を拝しているのが日本の状況なんですから、外国から見ると、何か日本ってまだまだそういった意味で研究のパートナーを組む相手としては心もとないんじゃないかという感じがするんですよね。
 ですから、イノベーション立国、世界で最もイノベーションが進んでいる国にするというのであれば、その辺りについても国としての大きな方針というものを示し、その方針の下でこの百の組織の有機的な統廃合や効率のいい研究支援策というものが必要になると思うんです。
 最後に、是非大臣のお考えをお聞かせください。
#226
○委員長(水岡俊一君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
#227
○国務大臣(稲田朋美君) 今おっしゃったとおり、総合科学イノベーション会議の本会議においても、我が国の成長戦略の重要な柱として科学技術イノベーション総合戦略二〇一四の策定に向けて原案を提示したところであります。その中でも、世界で最もイノベーションに適した国になることを目指して、我が国全体を俯瞰して科学技術イノベーションの仕組みを大きく変化することで科学技術イノベーションに適した環境を創出することといたしております。そういう意味において、研究開発法人がその大きな役割を果たすことを期待されているというふうに思います。
#228
○浜田和幸君 終わります。
#229
○山本太郎君 相変わらず政党要件を満たしておりません。新党ひとりひとり、山本太郎と申します。
 前回、少し時間切れで質問できませんでした日米間の協定つながりで、少しだけ日米原子力協定について質問させてください。外務省、お伺いします。
 現行の日米原子力協定第十六条で、発効の日から三十年間効力を有し、いずれ一方の当事国政府も、六か月前に他方の当事国政府に対して文書による通告を与えることにより、最初の三十年の期間の終わりに又はその後いつでもこの協定を終了させることができると書いてあります。
 現行協定の発効日は一九八八年七月十七日ですから、今から四年後、二〇一八年一月十六日以降、いつでも文書通告すれば、その六か月後、半年後に日米原子力協定は終了するということでよろしいですね。
#230
○政府参考人(廣瀬行成君) 今御指摘いただいたように、日米原子力協定は「六箇月前に他方の当事国政府に対して文書による通告を与えることにより、最初の三十年の期間の終わりに又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。」となっております。この有効期間は二〇一八年の七月十六日までとなっておりますので、その半年前以降は終了させるための通告を行うことができるというふうになっております。
#231
○山本太郎君 原子力協定を終了してしまうとどうなるんですか。協定が終了したら何ができなくなるのか、簡潔に説明してください。
#232
○政府参考人(廣瀬行成君) 日米原子力協定は、平和的利用、それから不拡散を法的に確保しつつ、両国間において幅広い分野において原子力協力を行うための枠組みでございます。この原子力協定の下で、両国間におきましては、濃縮ウランを始めとする核物質や原子力関連資機材の移転、研究開発分野における協力などが行われております。
 現時点におきまして、二〇一八年七月以降の原子力協定の扱いにつきまして、米国と協議を行っているものではありません。したがって、仮に日米原子力協定が終了した場合の具体的な影響について予断することは差し控えたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、日米原子力協定は、日米間の原子力協力のみならず我が国の原子力活動の基盤の一つとして重要であり、政府といたしましては、日米原子力協定を適切に運用し、この協定の下での協力を推進することなどを通じまして、今後とも日米間における円滑かつ緊密な原子力協力を確保すべく努めていきたいと考えているところでございます。
#233
○山本太郎君 本当にたっぷりと時間を使って差し控えるということを説明していただいて、ありがとうございました。
 では、本日の議題の方に移りたいと思います。
 独立行政法人通則法改正案なんですけれども、本日は四つの独立行政法人について質問させていただきますけれども、私の質疑のために四つの独立行政法人から責任者の方々に参考人としておいでいただきまして、誠にありがとうございます。また、水岡委員長、そして両筆頭理事を始め、理事の先輩方、また委員各位の先生方に御配慮いただきまして、本当にありがとうございます。
 まず、日本学生支援機構にお伺いしたいと思います。
 平成二十六年度予算では、無利子の奨学金が四十五万二千人、有利子の奨学金が九十五万七千人で、有利子奨学金が倍以上ということなんですけれども、私、奨学金は元々そうであったように、全て無利子とすべきじゃないのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#234
○参考人(甲野正道君) お答え申し上げます。
 奨学金は全て無利子で行うべきかというお尋ねかと思います。日本学生支援機構の有利子奨学金制度は、昭和五十九年度に無利子奨学金の補完措置として導入されたものでございます。
 私ども、日本学生支援機構といたしましては、無利子奨学金がより望ましいと考えているところでございます。
#235
○山本太郎君 奨学金の返還についてなんですけれども、元本に利息が付いて、遅れれば延滞金が請求される、間違いありませんか。
#236
○参考人(甲野正道君) はい。
 延滞が生じた場合でございますけれども、有利子奨学金につきましてはもちろん利息が付いているわけでございますけれども、延滞した場合の延滞金は、その元金に対しまして利息とともに延滞金が発生するということでございます。
#237
○山本太郎君 延滞金が発生した場合なんですけれども、それ以後の返還、支払は延滞金、利息、元本、この充当順序で間違いないですよね。
#238
○参考人(甲野正道君) お答えいたします。
 当機構の奨学金の返還金の充当順位についてのお尋ねかと思いますが、これにつきましては、民法四百九十一条に準じまして業務方法書において定めているところでございまして、先生がただいまおっしゃりましたとおり、延滞金、利息、そして元本の順で充当することとしております。
#239
○山本太郎君 民法第何条とか出てくると、ちょっと怖いですよね。延滞金、利息、元本。学生が教育を受けるためにお金を借りているのに、普通に借金するのと同じレベルで民法が適用されるというのがすごく不思議だなと思うんです。延滞金、利息、元本、この地獄の支払サイクルが奨学金を返還する者にとって元本を減らせない原因になっていると、奨学金返済の長期化につながっていると思います。払っても払っても元本に届かないんだよな、どんどん膨らんでいく。
 返還金は奨学金の原資になる、返してもらったお金が奨学金の原資になるんですよというふうに機構から説明受けたんですよ。平成二十四年の延滞金収入四十三億一千九百万円、すごいお金ですね、これ、延滞金の収入ですよ。これサービサーと呼ばれる債権回収会社に流れるんですよね、このお金。平成二十四年の利息収入三百十七億六千七百万円、これはすごいですね、金融機関に流れるんですね、これ。
 これ、学生って金融商品になっちゃっているんじゃないですかって言われてもしようがない。元本から返還していけるようにすべきだと思うんですけど、どう思われますか。
#240
○参考人(甲野正道君) 元本から返済すべきかどうか、返還金の充当の順位につきましては、現在、文部科学省におきまして、学生の経済的支援の充実を図るための検討が行われているところでございまして、真に困窮している奨学金の返還者への救済措置も充実すべく、より効果的な支援の在り方についての議論がそこで行われているというふうに承知をしているところでございまして、私どもも注視をしているところでございます。
#241
○山本太郎君 奨学金っていったら、何か給付されるものというイメージがあったんですよね。少なくとも無利子で借りられるんじゃないかというイメージだったんですけれども、日本の奨学金制度って学生ローンだったんだなということに気付いたんですよね。
 OECD加盟国三十四か国中三十二か国には返済必要がない給付型の奨学金があると、十七か国は授業料が無料だって。日本って先進国って言われていたんだけれども、教育の分野においてはどんな感じなんですかね、これって。教育を受けたい学生に学費を貸し付けて利子を取り、遅れれば延滞金も取り、払えなければ差押えまである、本人が無理なら保証人から取るから取りっぱぐれなしって、これ本当に学生支援じゃなくてサラ金じゃないかなって思っちゃうんですよね。
 確かに、学生支援機構……(発言する者あり)そうですかね、言い過ぎではないと思うんですけれども。確かに、学生支援機構、給与所得者に対して、本人年収が三百万円以下であれば五年間の支払猶予が与えられるという処置を学生支援機構はやってくれているんですね。この五年間の支払猶予というのを十年間まで猶予するよというふうに変えていただいたんですよ。これはすごく大きいんじゃないかなと思うんですよ。延長をしてくれるということは苦しんでいる若者にとって朗報じゃないかって。でも、これって根本的な解決とはなっていなかったらしいんですよね。
 例えば、年収三百万円以下であっても、十年まで猶予されたとしても、十一年目からは返済義務が発生しますよね。でも、十一年目になって年収三百万円以上になっていなきゃ今までどおりなんですよね。返還猶予の条件として年収三百万円以下というのが基準になっているということは、その年収は返還が困難であるから年間三百万円以下という設定になっているわけですよね。これ、非正規雇用というのが進む中で、低賃金、これ長期化している、労働の流動化も進むよ、労働の商品化が進むよ、加速していくよという中で、五年たっても十年たっても年収三百万円以下という現実、この中に生きる若者ってすごく多数いる、苦しんでいる現実というのを知っていただきたいんですね。
 返還の猶予だけ延長しても何ら解決にはならないと。五年、十年という年限ではなく、本人年収を返還猶予の基準とすることが合理的じゃないかなと思うんですけど、いかがでしょうか。
#242
○参考人(甲野正道君) 私どもの奨学金の取組の一つとして御紹介をさせていただきたいものがございますけれども、平成二十四年度からでございますが、貸与時におきまして低所得の世帯、年収三百万円以下の学生等につきましては、貸与が終了いたしまして、その後、収入が、所得金額が年収三百万円以上になるまでの間は、願い出により返還が無期限に猶予されます所得連動返還型無利子奨学金制度を導入したところでございます。
 したがいまして、この制度を適用していただきますと、十年という年限を超えましても、年収が三百万円以下ということでありましたら返還が猶予されるということになっております。
#243
○山本太郎君 すばらしい制度が始まったんですね。これ、じゃ、全員に適用されるんですよね、年収三百万以下であれば、希望すれば。だとしたら、もうここで質問終わりになります、救われる人が多くなるのであれば。
#244
○参考人(甲野正道君) 全員ということではございませんが、無利子の奨学金を貸与を受けた方のおおむねですけれども三割程度ということで考えているところでございます。
#245
○山本太郎君 分かりました、無利子の話ですね。有利子の話を僕、ごめんなさい、中心にやらせていただいていたんです。
 社会に出るときに何百万円という借金を背負っちゃったと。返済を考えるばかりに就職をちょっと焦っちゃった。挙げ句にブラック企業に就職しちゃって、低賃金で長時間労働だった。社会に出たのはいいけれども、でも異性と出会ったよ。でも、その異性も同じようなシチュエーションで、結婚なんて考えられるかって、出産なんて考えられるかなって、とても無理じゃないかと思うんですよね。まるで悪い冗談のような現実が今本当に多くの若者たちの間で広がっていっている。苦しんでいる人たちの声というのもたくさん聞きます。
 秋の臨時国会、二〇一三年十月十五日、所信表明演説において安倍総理、「若者が活躍し、女性が輝く社会をつくり上げること、これこそが私の成長戦略です。いよいよ日本の新しい成長の幕開けです。」、力強くおっしゃったんですけれども、このままでは若者の未来の幕、開きようがないんですよね。どうかどうか奨学金問題でがんじがらめの若者たちを本当の意味で支援する機構として機能していただきたいなと。無利子じゃなく、有利子で今首が回らなくなっている人たち、ここに対してもっと光を当てていただきたい。五年、十年という期限で区切るのではなく、その人の本人年収で考えていただきたいということをお願いしたいなと思います。
 済みません、ありがとうございました。
 続いて、医薬品医療機器総合機構、PMDAにお伺いいたします。
 子宮頸がん予防ワクチン、HPVワクチンの副反応被害の救済について、PMDAの取組状況について簡潔に説明いただけますか。
#246
○参考人(近藤達也君) 任意接種の子宮頸がんワクチンに関します救済給付につきまして、四月の末の段階で、請求者が子宮頸がんワクチンを原因として請求している件数は四十七件。支給、不支給の決定件数は二十二件。その内訳は、支給が十六件、不支給が六件であります。また、アナフィラキシーショック、それからギラン・バレー症候群、因果関係が明確なものにつきましては、かつ適正に使用され、入院相当の医療が実施されたものにつきましては支給決定をしておるところでございます。
#247
○山本太郎君 ありがとうございます。
 平成二十五年五月十日、厚生労働省医薬食品局安全対策課及び健康局結核感染症課が機構に対して、PMDAに対して依頼したHPVワクチンの安全性に関する調査についての平成二十五年十二月十日の調査結果報告書には、HPVワクチン接種後に広範囲にわたる疼痛を来した症例において、疼痛の発生する機序、病態ですね、が解明されていない部分が多い現状では、個別の症例におけるHPVワクチンとの因果関係をいずれの症例においても完全に否定することはできない。また、総合評価のところに、HPVワクチン接種後に広範囲にわたる疼痛を来した個々の症例について、多領域の専門家の判断の下実施された診断や診療の結果として収集される情報には、今後、特に注視し、得られた情報に基づいて、添付文書改訂等の安全対策の必要性について検討する必要があると書いてあります。それに間違いありませんか。
#248
○参考人(近藤達也君) まず、因果関係についてでございますけれども、HPVに関する昨年十二月の報告書では、国内の報告症例について、当時調査した情報からは広範囲にわたる疼痛とワクチン接種との因果関係に関して確定的な結論を導くことは困難と判断しているものであります。
 それから、安全対策の必要性並びにその対策についてでございますけれども、昨年十二月の報告書におきまして、接種後に広範囲の疼痛を来した一例一例の症例につきまして、複数領域の専門家の診断などの情報を注視いたしまして、得られた情報に基づいて添付文書改訂などの安全対策について検討する必要がある旨記載しておるところでございます。
 具体的には、この記載については、国内の報告症例において、疼痛については個別の症例のワクチン接種との因果関係に関して確定的な結論を導くことはできなかったこと、並びに海外を含む公表文献においても広範囲にわたる疼痛やそれを起こし得る疾患についてHPVワクチン接種によるリスク上昇がある結果を得られていないこと、これらを踏まえて総合的に判断したものでございます。
 PMDAといたしましては、このほか国内で新たに得られた臨床的な情報や内外の疫学調査で得られた情報など、今後とも追加的な情報に基づいて新たな評価を行うことが必要であると判断しております。さらに、PMDAは、今後ともHPVワクチンに関する内外の副反応報告を含む情報の収集、整理を担当する科学的に中立公正な評価機関という立場にあり、HPVワクチンの安全性確保には全力を挙げてまいりたいと思っております。
#249
○山本太郎君 ありがとうございます。
 厚生労働省健康局にお伺いします。この調査結果報告書に心身の反応という言葉は一切出てきていませんけれども、副反応検討部会では副反応の原因として心身の反応と言っています。厚生労働省、これはこのPMDAの報告書、無視したということですか。
#250
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。
 厚生労働省の厚生科学審議会の下に置かれております副反応検討部会でございますけれども、この副反応検討部会は、ただいま御質問のありましたPMDAの報告書はもとより、副反応検討部会として独自に調査をいたしまして、その過程ではいろんな方、医師などの参考人からの御発表をいただいたりということで、時間を掛けて議論いただいているというものでございます。
 因果関係のあるなしにかかわらず、一定の期間内に症状を来した方は二千三百二十例ということで集まっておりまして、そうした方の中から医学的に重篤と考えられるものないしは因果関係があるもの、こういった形で分類をしてやっていきますと、その中の一部には心身の反応と思われるものもあったというふうに理解するわけであります。
 つまり、PMDAで行われた調査とは別個にもう少し広めの調査をきちっとやって、その中には一部そういう方もいらっしゃるということでございますので、矛盾はしないし無視もしていないということになると思います。
#251
○山本太郎君 この調査報告書の意見、十分反映されたというふうにお感じになられますか。理事長の率直な意見、お聞かせください。
#252
○参考人(近藤達也君) 今、佐藤先生がお話しいただいたように、一例一例をよくよく見ることが重要でございまして、その内容が本当に影響を受けているかどうか見た上で、我々は見ているわけでございまして、直接私が見ているわけじゃないんですけれども、その中で、十分これはこれからまだまだ見ていかなきゃならないなと、我々とすれば、安全対策という意味でも、よく一人一人の患者さんのその後のことをしっかり見ていかなきゃいけないなと思っているところです。
#253
○山本太郎君 やはり、このワクチンを接種した三百万人を超える少女たちの追跡調査というのがすごく僕重要なんじゃないかなと思うんですけれども、参考人、どう思われますか。
#254
○参考人(近藤達也君) そういう情報はどんどん私どもの方に入れていただくようにしておりまして、それに基づいて安全対策を講じるわけで、臨床科の先生方にはしっかりとそれをフォローしていただきたいなと思っているところです。
#255
○山本太郎君 ありがとうございました。
 次に、放射線医学総合研究所にお伺いいたします。
 長期低線量被ばく影響プロジェクトというものが放医研にあるとお伺いしたんですけれども、内部被曝の研究も行われているということでしょうか。
#256
○参考人(明石真言君) ただいまのお尋ねの長期にわたる低線量影響プロジェクトでございますが、この中では内部被曝については調査研究を行っておりません。これでは、マウスとかラットに非常に低い線量率で連続的若しくは分割して照射をすることで外部被曝の影響を見ているというのがこのプロジェクトでございます。
 内部被曝につきましては、マウスにプルトニウムとかそれからウラン等を投与してその影響、それから、若しくはそれをどうやって体の外に排出するかというような研究を行ってございます。
#257
○山本太郎君 済みません、もう時間がちょっと迫ってきたので、ショートバージョンでちょっとお聞きしたいんですけれども、これ、放医研として、この長期の低線量被曝、人体には全く影響がない、そう言えますか。言える言えない、時間がないので、ごめんなさい、こんな勝手なこと言って、二択で言っていただけると非常に助かります。
#258
○参考人(明石真言君) 現在の状況では健康影響は見ることはできないだろうと私は考えております。
#259
○山本太郎君 影響はない。
#260
○参考人(明石真言君) ないと。
#261
○委員長(水岡俊一君) 明石参考人、もう一度。
#262
○参考人(明石真言君) 影響はないと考えております。
#263
○山本太郎君 放医研の見解としては人体には全く影響がない、低線量被曝はということですか。
#264
○参考人(明石真言君) 現在の環境等から観測される線量では影響はないというふうに考えております。
#265
○山本太郎君 お聞きしているのは内部被曝についてなんですけれども、内部被曝というのは個人差がありますよね。それぞれのライフスタイルによってどれぐらいのものを取り入れるのか分からない、どういう場所で空気を吸い込むか分からない。これ、食べることも、空気を吸うことも止めることできないですものね。
 内部被曝の調査をマウスで、プルトニウム、そのほかのもので少量でやっている。マウスに対してはほとんどが外部という形で実験をされている放医研、内部被曝に対しての研究はされていない。けれども、長期低線量被曝によって人体には影響がないということを宣言できてしまうんですか。
#266
○参考人(明石真言君) 現在、今そのデータを取っているところで、現在までの結果で影響は見られていないということでありまして、今後のまだデータの集積は必要だと考えております。
#267
○山本太郎君 直ちに影響はないということをお伝えしたかったということですか。それ、お願いします。どういうことですか。
#268
○参考人(明石真言君) 現在までの結果では直ちに影響は出ないということでございます。
#269
○山本太郎君 ありがとうございました。やっと意味が分かりました。
 ちょっと被曝の話とかいろいろなりますと、気分が皆さん落ち込んできますよね。次、明るい話題ですので、御心配しないでください。
 新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOにお伺いします。
 私、水素エネルギーに力を注ぐべきだということを自分自身の選挙でも訴えてまいりました。今回のエネルギー基本計画には原発再稼働が明記されていたので、そこはちょっと自分の中でお話にならなかったんですけれども、この中にも、エネルギー計画、一点いいところがあったんですよね。水素社会の実現というすばらしい提案が盛り込まれていました。
 NEDOの方にお伺いしたいんですけれども、どのような取組をしているのか。ごめんなさい、あと三十秒しかないです。三十秒でお願いします。申し訳ありません。
#270
○参考人(古川一夫君) 水素は様々なエネルギーからつくり出すことができる、利用段階におきましてCO2を排出しないということで、エネルギー供給源の多様化とか環境負荷を低減するということで有力なエネルギー源の一つだと考えております。
 私どもNEDOは、二〇〇〇年より固体高分子型の燃料電池の開発を取り組んでまいりまして、エネファームという家庭用の燃料コジェネシステムを実用化いたしまして、現在、七万五千台が導入されております。また、来年から一般販売されます燃料電池自動車につきましては、車両の低コスト化並びに水素を提供する水素ステーションにつきまして、機器の低コスト化や規制の見直し等、材料のデータの取得を始め、積極的に進めているところでございます。
 この四月に閣議決定されましたエネルギー基本計画において、水素社会を実現していくために技術的、コスト面、制度面、インフラ面での課題を克服する多様な技術開発や低コストを推進していくこととしており、NEDOとしても引き続き水素社会の実現に向けまして必要な技術開発を積極的に推進してまいります。
#271
○山本太郎君 ありがとうございました。皆さん、ありがとうございました。終わらせていただきます。
#272
○委員長(水岡俊一君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#273
○委員長(水岡俊一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#274
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#275
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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