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2014/06/12 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 内閣委員会 第22号
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2014/06/12 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 内閣委員会 第22号

#1
第186回国会 内閣委員会 第22号
平成二十六年六月十二日(木曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十日
    辞任         補欠選任
     石田 昌宏君     山崎  力君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     滝波 宏文君
     江口 克彦君     水野 賢一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水岡 俊一君
    理 事
                上月 良祐君
                松下 新平君
                芝  博一君
                山下 芳生君
    委 員
                岡田  広君
                鴻池 祥肇君
                佐藤ゆかり君
                山東 昭子君
                滝波 宏文君
                福岡 資麿君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                大野 元裕君
                神本美恵子君
                蓮   舫君
                秋野 公造君
                水野 賢一君
                浜田 和幸君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    山本 一太君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       上野 通子君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       由木 文彦君
       内閣官房日本経
       済再生総合事務
       局次長      赤石 浩一君
       内閣府政策統括
       官        倉持 隆雄君
       原子力委員会委
       員長       岡  芳明君
       文部科学大臣官
       房審議官     田中 正朗君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      高橋 泰三君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房原子力
       安全技術総括官  竹内 大二君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       放射線防護対策
       部長       黒木 慶英君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○原子力委員会設置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石田昌宏君、江口克彦君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として山崎力君、水野賢一君及び滝波宏文君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(水岡俊一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官由木文彦君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(水岡俊一君) 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選出の滝波宏文でございます。
 私の地元福井県は、御案内のとおり、商用炉十三基、「もんじゅ」を含めますと十四基原子力発電所を抱えます全国最大の集積地であります。所属委員会としても、ふだんは経済産業委員会、原子力問題特別委員会と、エネルギーに力を入れさせていただいておりまして、今回、原子力委員会改正法案ということで、こちら内閣委員会の方にお邪魔して質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、同改正案は、原子力委員会の委員を五人から三人に減らす等の内容となってございます。内閣府には、以前より申し上げているように、現在、原子力は国民の大きな議論の渦中にあって、その荒波の中を進んでいくのは容易なことではありません。原子力委員会は、エネルギーの世界、すなわち原子力発電だけでなく、病院での放射能治療ですとか農業での品種改良における放射能利用など、その他もろもろの研究開発等々におきまして、原子力利用一般について平和利用という大方針を貫く役割を担っていると承知しております。
 従前より、その原子力平和利用の守護神としての役割を果たすためにちゃんと力を発揮できるようにしていただきたい、そうすべきだというふうなことを申し上げておりますけれども、どうにもちょっと、法案の内容ですとか説明資料を見ておりますと行革の思想にとどまっているような懸念がございます。委員の数はともかく、本来ですと今こそ人材を原子力利用のために、平和利用のために集めて力を発揮すべきときだと考えますけれども、法案審査の説明時には、内閣府の方からまさにそういう思いなんですというふうなお話もございましたが、今回、この国会の場で、そのように単なる行革ではないという話、積極的にやるんだということをしっかり御説明いただきたい、そして、今回の改正で原子力委員会が原子力の平和利用に対してどのような戦力たり得るのかということを御説明願いたいと思います。よろしくお願いします。
#7
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 今回の改正は、昨今の福島第一原子力発電所事故等の原子力をめぐる環境変化や、一昨年の原子力委員会の不適切な運営によりまして国民の皆様の信頼を損ねる状況となったこと等から、昨年、原子力委員会の在り方の見直しを行った有識者会議の検討結果を踏まえまして、原子力委員会として果たすべき機能に重点化して、形骸化している所掌事務等を廃止、縮小し、委員数を減少するという内容でございます。
 法改正後の原子力委員会におきましては、我が国のプルトニウム利用、管理の透明性の向上のための取組やその対外的な発信といった我が国の原子力の平和利用の確保や、放射性廃棄物の処理処分の評価等といった重要な課題への対応に重点化し、しっかりと役割を果たしていくものと考えております。
 また、引き続き原子力政策全体を包含する基本的考え方を示す役割は重要と考えられておりまして、エネルギーに関する原子力利用、研究開発、あるいは放射線利用等の幅広い分野を対象といたしまして基本的な考え方を策定することとしております。
 この基本的考え方に基づきまして、原子力委員会は、関係各省における施策の実施状況を確認し、今後の取組等に関する考え方を示すことで関係各省の施策に積極的に関わっていくものと考えております。
#8
○滝波宏文君 積極的にとのことですが、荒波に立ち向かう気力を振り絞っていただきたいと思います。逃げ腰では押し流される、そういう状況であるということをよく理解して頑張っていただきたいと思います。
 さて、経済産業委員会等々でも述べさせていただいておるところですけれども、立地地域から見た場合に、三・一一で分かったことは、従前、立地地域というのは思っていた以上のリスクを抱えながら安定、安価な電力を消費地に供給してきた、そういうことであります。そのことについて感謝されるべきところでありますが、にもかかわらず、むしろ放り出されるような状態になっている、そのことについての心痛と怨嗟の声を地元でよく聞きます。
 こういったことにつきまして、受益と負担のバランス、都会と地方の支え合い、そういった議論をさせていただいたところ、さきの経済産業委員会での質疑の際には、経済産業省からは答弁として、原子力政策を進めるに当たりまして、立地自治体の御理解と御協力というのは何より大切なものと考えてございます、その役割は大変重要でありまして、これまで長年にわたりまして国の原子力政策に貢献いただいた立地自治体に対しましては、改めて敬意と感謝の意を表したいと考えてございますというふうなお答えをいただきました。
 この場におきましては、原子力委員会委員長及び原子力規制委員会委員長に、国の原子力政策に対するこういった立地地域の貢献についての御見解と、それぞれの職責の中でどのようにそれに報いていくおつもりかを伺いたいと思います。
#9
○政府参考人(岡芳明君) 原子力委員会委員長、岡でございます。
 立地地域それから住民の皆様の御理解と御協力は、原子力政策を進める上で非常に重要であります。その貢献がエネルギー安定供給へ貢献してきたというふうに認識してございます。
 原子力委員会におきましては、これまで、市民参加の拡大を通じまして国民の理解を一層促進をするということ、それから、政策にも御意見を取り入れるという形で、平成十四年から地域市民懇談会、平成二十一年まで合計十八回開催してございます。さらに、原子力長期計画策定というのをやっておりましたけれども、その準備作業としてご意見を聴く会を二十一回開催してございます。さらに、原子力政策大綱の策定というのを平成十七年に行いましたけれど、これに対してご意見を聴く会を五回開催しております。合計約五十回弱、平成十四年から開催してございます。
 改正後の原子力委員会におきましても、平和利用の確保、放射性廃棄物の処理処分といった重要な政策課題がございます。それを進めていく中で、国民の理解を得るということは最も重要だと考えておりまして、国民の意見を聴く会のようなものを検討してまいりたいと存じます。
 これらによって、より良い政策の在り方、考え方をつくって、地域の皆様の思いに報いたいと存じます。
#10
○政府特別補佐人(田中俊一君) お答え申し上げます。
 私も、現場にいた者の経験からまずお話ししたいと思いますが、私は長い間茨城県東海村の日本原子力研究所に勤めておりました。そこで、副所長、所長というようなマネジメントもやらせていただきまして、その間にジェー・シー・オー事故という非常に大きな重大な事故にも遭遇いたしました。
 研究所ですけれども、その運営に当たっては、毎年地元の方々の御理解を得るために説明を何度もきちっとするとか、そういうことで、基本的には立地地域の方の理解なくしては原子力施設は成り立たないというふうに認識しております。
 その一方で、今回の福島原子力発電所事故以降、原子力施設の安全性については、地元の方に大変な御心配と御迷惑をお掛けしてしまったというふうに感じています。
 原子力規制委員会としては、この福島原子力発電所事故の反省を踏まえまして設置された組織でありますので、原子力施設の安全性を科学的、技術的見地から中立的に判断して地域の安全と安心を守るということが最大の任務だと思っています。原子力委員会の任務をしっかりと果たすことで立地地域の方の心配を払拭することにつながるものというふうに考えています。
#11
○滝波宏文君 立地地域の視点からということでございますけれども、現在、新規制基準の適合性審査、福井において大飯三、四号機、高浜三、四号機、進められておりますけれども、この中で、今年三月一日に、規制委員会全体として専門性を高めるという意味で、原子力安全基盤機構、いわゆるJNESを規制庁に統合ということになりましたが、この統合に先立ち、今年一月末に、現地で安全確保に重要な役割を果たしてきたJNES福井事務所が廃止されております。
 JNES福井事務所は、平成十六年八月に美浜三号機二次系配管損傷事故を踏まえまして福井県が現地の検査業務の充実強化を要請したことを受けて、当時の中川経済産業大臣が、現場の安全規制をより効果的なものとし、二重三重の安全対策をより充実したものにしていくとして平成十七年十月に設置されたものであります。これは、言わば現地の安全確保に関する国と立地地域の約束でもあります。
 しかし、今回のJNESと規制庁の統合により、規制庁の人員は倍増、五百人から千人規模に倍増したわけですけれども、福井県の安全規制に関わる職員というのは、JNES福井事務所があったときから比べて十一人、約三〇%減員されております。
 現地の安全管理に関わる職員を減らしたというのは、事故やトラブルが現場で起きる、そういうことを理解していないんじゃないか、これは単に規制庁の人員配置の問題だけでなくて、原子力の安全確保に深く関わる国の姿勢の問題なんだと思います。
 立地地域、地元では、国のそういった認識が低下して現場の安全を軽視しているんじゃないかと、そういったことを心配する声を聞きますけれども、規制委員会はこうした懸念に対してどのように受け止めて、今後どのように対応されるのか、委員長の決意をお伺いします。
#12
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように、原子力安全基盤機構、JNESはこの度私どもと統合しまして、福井事務所が廃止されたということは事実でございます。
 このJNESの福井事務所はこれまでどういったことを行っていたかと申し上げますと、施設の検査業務を委託を受けて行っていたということでございます。施設検査は施設の性能を定期的に検査、確認するものであるということで、事前に検査時期を特定することは可能であります。このため、東京から出張してでも、これまでJNESの福井事務所が行っていた機能、役割は十分に発揮できるというふうに考えています。
 また、検査官として、現場対応能力の確保、向上については日常的に検査官が一堂に会してそれぞれの経験を交換し共有することが極めて有効であると考えています。特に今般の新しい新規制基準では検査について大変重要視しておりまして、先般も当委員会で、検査の基本的な在り方として、これまではともすれば見逃されてきました安全に対する基本的な取組姿勢、いわゆる安全文化、そういったところまで踏み込んで見ることが必要であるということを申し上げたところでございます。
 こういったことを踏まえまして、今後とも現場の検査業務については充実を図っていきたいというふうに思っておりますし、万が一にも発電所の現場での事故、トラブル対応についておろそかになってはならないと、そのように強く認識しているところでございます。
 発電所の事故やトラブル対応については、従前、JNESの福井事務所でなく原子力規制事務所が現在まとめて担っております。引き続きこの体制を維持して、今年四月からは、一応福井事務所一名は増加しました。先生がおっしゃるように、確かに絶対数としては常駐する人間は少し減っておりますけれども、そういった状況です。
 先ほど申し上げましたとおり、検査については大変重要視しておりますので、今後ともそういった点に留意しながら原子力規制委員会としては活動してまいりたいと思っています。
#13
○滝波宏文君 立地地域のやっぱり気持ちというのをよく踏まえていただきたいんだと思います。いろんな体制、今まさに、新規制基準の適合性審査、そういったこともある中で大変だというのもよく分かるんですけれども、多分、昨年十一月にお伺いしたときに、田中委員長、まだ福井に足を運んだことがない、委員長として、という話がありました。その後入ったという話も聞いてございません。やっぱりそこの、出張で済むんだとかそういうふうな機能的な話だけじゃなくて、やはりそこに住む人たちが心で、ああ、自分たちはちゃんとケアされているんだな、そういうことがどう伝わるかということが非常に重要なんだと思います。
 そういったことも踏まえて、是非規制委員会には立地地域の人たちの気持ちを酌んだ対応をしっかり考えていただきたい。やはり社会のためにリスクを取った人に対してきちんと報いる、そういうふうな仕組みがなければ社会が成り立っていかない、そのことを改めて申し上げたいと思います。
 それで、原子力委員会に話を戻させていただきます。
 衆議院の当改正法案の審議の結果、附帯決議が出されております。そして、その二につきまして、ちょっと時間がないのでまとめてまいりますが、「エネルギー基本計画を踏まえ、原子力委員会は、原子力損害賠償制度の見直しや、高レベル放射性廃棄物の最終処分を含む核燃料サイクル政策の在り方など、原子力政策全体について早急に検討すること。」というふうな附帯決議が出てございます。
 原子力賠償制度というのは、我が国の原子力の安全な利用を進めるための根幹となる制度でありますし、過去においても原子力委員会の下で検討されたというふうに承知してございます。また、放射性廃棄物の処理処分に関する業務、これも原子力委員会がこれまでやってきておりまして、これは今回の改正案でも変更されてないと承知してございます。
 こういった附帯決議、また今回の改正法案、また、原子力損害賠償制度については原子力損賠支援機構の附則六条においても、できるだけ早期に検討を加える、こういったこともございます。こういった附則や附帯決議等々を踏まえまして、今後どのようにそれぞれ原子力損害賠償制度の見直し及び高レベル放射性廃棄物の最終処分を含む核燃料サイクル政策、こういったところに原子力委員会がどう主体的に、かつ中心となって進めていくのか、お伺いしたいと思います。
#14
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 原子力損害の賠償に関する法律を含めました原子力損害賠償制度、これは法律を所管しております文部科学省を始めといたしまして、経済産業省、内閣府等が関係しております。政府におきましては、これまでも機構法附則を踏まえまして様々な取組が行われてきたと承知しております。
 御指摘の原賠制度の更なる見直しについてでございますけれども、本年四月に閣議決定したエネルギー基本計画において、本計画で決定する原子力の位置付け等を含めたエネルギー政策を勘案しつつ、現在進行中の福島の賠償の実情等を踏まえ総合的に検討を進めることとしておりまして、今後、当計画を踏まえまして、関係府省による取組が行われるものと考えています。
 原子力委員会といたしましては、附帯決議、十分認識しております。まずは、こうした政府の取組について注視しつつ、必要に応じた検討を行うものというふうに考えております。
 また、高レベルの放射性廃棄物の問題についての御質問もいただきました。昨年のこの原子力委員会の在り方見直しのための有識者会議の報告書では、省庁横断的な課題や長期的な取組となる放射性廃棄物の処理処分を中心とした核燃料サイクル政策等については、関係省庁との役割分担の下で、見直し後の原子力委員会が実施に責任を持つ省庁とは異なる立場で技術オプションの評価等を行う意義があるというふうな見解が示されているところでございます。
 この放射性廃棄物の処理処分を中心とした核燃料サイクル政策等につきましては引き続き重要な課題であると認識しておりまして、原子力委員会といたしましては、附帯決議の趣旨を十分に尊重しつつ、関係省庁における検討状況を注視し、省庁横断的な課題や長期的な取組について必要な取組を検討していくことになるというふうに考えております。
 さらに、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律第三条第三項及び第四条第三項におきまして、特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針や特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画を定める際には経済産業大臣が原子力委員会の意見を聴かねばならないという規定がございます。これも踏まえまして、今後、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づきまして意見を求められる場合に備え、原子力委員会として必要な対応を検討していくものと考えております。
#15
○滝波宏文君 時間もありますので、済みません、科学技術イノベーション総合戦略、そして日本再興戦略での原子力の位置付けについても質問したかったんですが、時間の関係ございますので委員会の外でさせていただきたいと思います。内閣官房の方には、わざわざ来ていただいて空振りになって申し訳ございません。いずれにせよ、原子力委員会、積極的、主体的な対応をよろしくお願いいたします。
 私の質問を終わります。ありがとうございました。
#16
○神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 今日は、ちょっと法案の質疑に入る前に、お手元に今資料をお配りさせていただいておりますが、就学援助について、まず文科省にお伺いをしたいと思います。
 これは、就学援助というのは、もう言うまでもないことですけれども、憲法や教育基本法、学校教育法、そして就学援助法という法的な根拠を持つ、全ての子供たちが親の経済的な理由で学ぶことの権利が奪われないようにというためにつくられた制度でございます。
 ただ、この就学援助が、自治体の単独事業になっておりますので、基準が各自治体によってばらばらになっている。今回、昨年の八月に生活保護基準が引き下げられた。そのことによって、生活保護基準を基に、それよりも一・三倍ぐらいの収入とか一・五倍ぐらいの収入というふうな基準を定めている自治体が多くて、その影響が出るのではないかということで、昨年から何度も厚労委員会や文教委員会などで、また本会議等でも質問が出されていたんですけれども、厚労省も力を入れて事務次官通知を三回も出して、影響が出ないようにと、生活保護基準が下がってもこの就学援助はきちっとこれまでのようにできるようにという取組がされたにもかかわらず、また安倍首相も、できる限り影響がないように対応を検討すると答弁をされたりしていたんですけれども、文科省のつい二、三日前にまとめられた結果によりますと、「就学援助七十一自治体縮小」、例えばこの東京新聞の調べによると、中野区では二百人が対象から外れてしまっているというような報道がなされております。この新聞記事、私も調査結果見せていただいたんですけれども、文科省としてこれどう受け止めてどう対応されたのか、まずお聞きしたいと思います。
#17
○大臣政務官(上野通子君) 今回の件で文科省では、従来実施している就学援助実施状況調査の内容の一部を前倒しして四月十七日に調査を開始し、四月の三十日締切りで千七百六十八教育委員会全て調査を実施して、政府の対応方針を踏まえた各自治体における対応等を確認したところであり、先生の御指摘にもありましたように、全体の千六百九十七自治体、九六%では生活扶助基準の見直しによる影響は生じていないという結果がありましたが、一方で、経済的に困窮している児童生徒に対する取組などの様々な対応を行っているものの、生活扶助基準の見直しに伴う就学援助制度の影響への対応を直接は行っていないと回答をした自治体は七十一自治体、四%であり、全体の、これらの自治体の自治体名も含めて六月九日に文科省として調査結果を公表したところでございます。
 文科省としましては、この調査結果を各市町村教育委員会に対し情報を提供し、引き続き、生活扶助基準の見直しに伴い他制度に生じる影響についての政府の対応方針に基づき各自治体において適切に御判断いただけるよう依頼したところでございます。
#18
○神本美恵子君 いや、各自治体にこの結果を報告するだけではなくて、情報提供ではなくて、実際に、例えば一つの、中野区ではもう二百人がこの対象から外れていると。七十一自治体で、じゃ何人ぐらいこの対象から外れて実際に就学が困難になっているのか。就学は、授業料は徴収しないから学校には行っていますけれども、学用品や給食費や修学旅行費や様々なそういう教育に掛かる費用が払えなくて、この就学援助に頼ってきた家庭が頼れなくなってどうなっているのかということを早急に、私はまず人数を調べてそれに対する対応を考えるべきだと思います。
 もう時間がないので次に行きますが、続いてまた来年同じことが起きるおそれがあるんですね。来年また生活保護基準が下げられると、もっとこの対象が広がるかもしれないというおそれがあるんですけれども、文科省としては早急に対策すべきだと思いますが、どう考えていらっしゃいますか。
#19
○大臣政務官(上野通子君) 新聞に出た記事ですが、実は、文科省としては、生活扶助基準の見直しに伴う影響への対応を直接的には行っていないと回答した自治体のうち、就学援助制度以外の経済的に困窮している児童生徒に対する取組などを対応としている自治体のアンケートとしての調査の回答により、この中野区は福祉指導部局との連携をした取組は行っているという回答もございましたので、引き続き調査はしていきたいと思います。
 また、文科省として、来年度以降についても、引き続き、生活扶助基準の見直しに伴い他制度に生じる影響についての政府の対応方針に基づき各自治体において適切に御判断いただけるような働きかけは強くしていきたいとしておりますし、また、今般、子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、国及び地方公共団体は貧困対策を実施する責務を有することとされていることも踏まえた上で、今後は、市町村の就学援助の実況、状況を定期的に把握、公表し子供の貧困対策にも役立ててまいりたいと思っております。
#20
○神本美恵子君 そういう靴の外から、隔靴掻痒といいますか、かくような取組ではなくて、中野区が福祉と連携するとかアンケートを取られたのを私読みましたよ。でも、スクールソーシャルワーカーから情報提供するとかそんな問題ではなくて、実際に保護基準が下げられて認定基準が下げられたことによって対象から外れて学用品が買えないというような子供が今出てきているんです。また、来年もっと増えるかもしれない。それに対してどうするのかということをお聞きしたんですが、その痛みが文科省には伝わっていないということがはっきりいたしました。
 私は、この新聞記事でも吉永花園大学教授もおっしゃっているように、結局、これは自治体の持ち出しが増えるために財政力でなかなかできないんですよ。横浜でさえ、この担当の方が、じゃ生活保護基準に連動させなければ何を基準に決めているのかという話になるんだからいいじゃないかと、いいじゃないかとはおっしゃっていませんけれども、仕方がないんだと、多分、恐らくそういう思いだと思います。
 多くの自治体が、私も連休の合間に福岡に行って、自分の地元の教育委員会に話を聞いてきました。国の補助は就学援助全体の一七%しか占めていない、あとは全部市費持ち出しなので大変厳しいんだと、この上この生活保護基準が下がるともっと大変になるという悲鳴が聞こえてきているんですね。
 私は、この大学の先生がおっしゃっているように、国がきちっと責任を持ってやるために全国共通の認定基準を決めるとか、そのためには今の法制度ではできないんですね、地方単独事業になっていますから、だからその法制度そのものを見直すというところからやるぐらいの気概を持たないと、ますます、貧困対策やっていますと言ったって実効が上がらないということを申し上げておきたいと思います。
 早急に、この対象から外れている子供への対策は、アンケートを取るだけではなくて、情報提供ではなくてしっかりとした対応を取っていただきたいということを申し上げて、この問題は終わりたいと思います。
 次に、原子力委員会設置法の改正案について質疑を行います。
 二〇一一年の三月以降、東京電力福島原子力発電所の事故、この事故を受けて、国民はもちろん、世界中が注目する問題となっております。この事故をめぐる対応については、今後日本の在り方そのものを決めると言っても過言ではなく、日本全体で事故収束、汚染水対策にとどまらず、これからこの国のエネルギー政策もどうするのかということ、国の在り方に影響する大きな問題だというふうに捉えております。
 一方で、この事故が起きた翌年の二〇一二年五月に、核燃サイクル政策見直しに関して原子力委員会で出てきた問題、いわゆる秘密会議の問題でありますけれども、これは電力業界や経産省など原子力政策推進側の関係者だけで下打合せ、非公式会合を行ったという問題が発覚をいたしまして、国民に対して原子力事故だけではなくて不信感を抱かせる要因ともなっております。これを受けて民主党政権においては、この原子力委員会について抜本的に見直しを行うということで検討を開始しましたが、残念ながら政権交代になりましてこの抜本的見直しの論議が途中になって、その後、今の政権に引き継がれて検討が行われ、今回の改正につながったんだと認識しております。
 私は、この間の経緯を見まして最も大切なことは、この失われた原子力行政に対する国民の信頼を回復すること、それからこれから何十年も掛かる福島原発事故の収束。私もその一時期、政務官でおりまして担当しておりましたので、この事故収束がどんなに大変なことか、何十年も掛かるということは素人ながら勉強させていただきました。事故収束や廃炉措置、この厳しい現実と、今回新たに改組される原子力委員会がどう向き合って、果たすべき役割は何なのかという立場から質問を行かさせていただきたいと思います。
 政府は、新たな原子力委員会の機能について、原子力の平和利用、放射性廃棄物の処理処分問題などの重要事項の審議、調査に重点化させるというふうにレクでお伺いをしております。
 しかし、今回のその法律の改正の内容には、条文を何回読んでも、どこにもその言葉は出てこないんですね。この原子力の平和利用、放射性廃棄物の処理処分問題というようなことが出てこないんですけれども、新たな原子力委員会が今後どのような役割を果たしていくのかということを国民の目から見ても分かりやすく示す必要があると思うんですけれども、それについて大臣の明快な答弁を求めたいと思います。
#21
○委員長(水岡俊一君) 上野政務官、御退席いただいて結構です。
#22
○国務大臣(山本一太君) 今回の原子力委員会の見直しは、今委員がおっしゃったように、あの民主党政権における原子力委員会見直しのための有識者会議の報告書もございましたが、この流れもある意味でいうと引き継いで、この政権の下で更にこの原子力委員会の改革について、見直しについて議論をしたという経緯でございますが、内閣官房に有識者会議を設置をいたしまして、原子力委員会が必要なのか、関係各省で担うことができない本当に必要な機能は何かについて検討させていただきました。
 有識者会議の結論としては、我が国の原子力利用が平和目的に限って行われていることを確保するために、利用目的のないプルトニウムは持たないという原則を厳格に確認する等、プルトニウム利用、管理の透明性の向上のための取組は今後とも重要な事務の一つであるということから原子力委員会は存続をさせる、そしてこのような平和利用の確保等の重要な事務に絞り込むべきだという方針が示されました。
 こうした有識者会議の報告、結論等を踏まえて、内閣府においても検討を重ねた結果、法改正後の原子力委員会においては、平和利用の確保、放射性廃棄物の処理処分等といった重要な政策課題を中心に、引き続き具体的な施策の推進を促す役割を果たす、同時に、これもこれまでの原子力委員会が果たしてきた役割ですが、国際会議等で専門家として我が国の立場を発信していく、こういうことをやはりやるべきであろうと、こういうことになったわけでございます。
#23
○神本美恵子君 ですから、レクでそれをお聞きしたんですけれども、それが条文の目的に、例えば今おっしゃったようなことが規定の中に明文化されていれば国民にも、原子力委員会はこういう仕事を、こういう機能を果たす必要があるので、そういう役割があるから、改廃も含めて検討された結果、今回また改組してやるんだということが分かるんですけれども、一条の目的規定に、今のような機能、存在理由、明示されなかった何か理由がありますか。
#24
○国務大臣(山本一太君) 全体としては、また新たな原子力委員会が平和利用等々の問題について、これを中心に据えてやるということはこの条文の中から理解をしていただけるんではないかというふうに思っておりまして、原子力利用に関する政策という中で、これまでやはり原子力委員会が既にやってきたこの平和利用等々についての、平和利用の確保等々についての業務を読み込んでいただくという趣旨でございます。
#25
○神本美恵子君 明示しなかった何か理由があるんですかと聞いているんです。
#26
○国務大臣(山本一太君) 明示しなかったというのは、目的規定のことでございますか。
 原子力委員会は、昭和三十一年に設立して以降、時代に応じてその役割が見直されてまいりました。今回の法改正は、そうした原子力をめぐる環境の変化等を踏まえて、原子力委員会の所掌事務の見直し等を行うものだという位置付けでございます。法改正後の原子力委員会においても、民主的な運営を図るために、引き続き合議体であるいわゆる八条機関の組織と同意人事制度を維持することとしております。
 また、原子力の研究、開発及び利用に関しては、幅広い分野を対象として基本的考え方を示しつつ、関係各省の施策の実施状況に応じて法改正後の原子力委員会も積極的に関わるということとしておりまして、そういう趣旨から法第一条の設置目的自体を変更する必要はないというふうに考えております。
#27
○神本美恵子君 ちょっとよく分からないんですけれども、ちょっともう時間がないのでこのくらいにしますが、私は、やっぱり国民に分かりやすくするためには、この法律の目的規定に、今回こういうふうな役割に特化してやるんですよということが法律の中に書かれないと、こういうふうにやりますというふうに言われても分からないということを申し上げておきたいと思います。
 条文の改正を見ますと、原子力委員会の所掌事務が定められている二条のうちから、二条の三号から六号を削除するということですけれども、これは今後一切行わなくなるということですか。
#28
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 三号事務でございますけれども、これは関係機関の原子力予算の見積り及び配分計画というものに関するものでございますが、これは、原子力委員会の設立当初は原子力の推進政策を行う上で重要な意義を持っておりましたけれども、近年はその見積りを取り巻く意義ということは薄れておりまして、また自ら配分計画を決めるということはもう既にやっておりません。したがいまして、この三号は削除することとしております。ただ、予算等に関する調査につきましては、引き続き調査業務でやりたいというふうに考えております。
 四号事務につきましては、かつては原子炉等規制法におきまして、原子炉の設置等の許可に際しまして、計画性や経理的基礎等について原子力委員会に対する意見聴取規定というのがございました。近年、原子炉等規制法に基づく意見聴取規定が大幅に縮小したことや、原子力規制委員会の発足により全ての安全規制が原子力規制委員会に一元化されたことから、第四号は削除するということにいたしました。
 なお、原子炉等規制法に基づき、原子力委員会に対して意見を聴く規定として残る内容がございます。これにつきましては、改正後の第四号業務に移動して実施をしていくということを考えております。
 法第二条第五号あるいは第二条第六号の業務でございますけれども、これにつきましても、原子力委員会設立当初は、原子力委員会自ら原子炉関連設備の建設等を国内技術で行うための計画型の助成を行っていたり、研究者、技術者の計画型の育成を自ら実施しておりましたけれども、その後、昨今では各省でそれぞれ助成を実施している、取組を行っている状況になってございまして、原子力委員会が自らそういったことに触れるという意義はなくなっているということで、この号を削除することとしております。
 ただし、原子力の人材に関わる政策は大変重要でございますので、法改正後の原子力委員会におきましても、引き続き第一号の事務といたしまして人材養成の実施を担う関係省庁の調整機能は維持することとしているところでございます。
#29
○神本美恵子君 一切行われなくなるという、自ら行わないけれども調整をするという、一言で言えばそういうことですかね。
 同じく、二条の第一号、原子力利用に関する政策に関することと、第二号、関係行政機関の事務の調整に関することについて、これはそのまま残っておりますけれども、現行の制度でこれらの規定にのっとって行われてきた事務として原子力政策大綱の作成がありましたけれども、新しい委員会ではこれは引き続き行われるのですか。
#30
○政府参考人(倉持隆雄君) 御質問のとおり、これまで原子力委員会におきましては、原子力政策全体を見渡した、見通した網羅的かつ詳細な長期計画や原子力政策大綱を作成してきております。ただ、こういったものはエネルギー基本計画と内容に重なる部分が多いこと等から、法改正後の原子力委員会におきましては、このような網羅的かつ詳細な原子力政策大綱は作成しないというふうに考えております。
 一方、法改正後の原子力委員会におきましては、引き続き、原子力政策全体を包含する基本的な考え方を示す役割は重要と考えられておりまして、エネルギーに関する原子力利用あるいは研究開発あるいは放射線利用等の幅広い分野を対象とした基本的な考え方を策定する、これは一号業務として実施していきたいと考えておりますし、それに必要な調整というものについて二号業務として実施をしていきたいというふうに考えております。
 そして、このような基本的な考え方に基づきまして、繰り返しになりますが、平和利用であるとか放射性廃棄物の処理処分等といった重要な政策課題を中心に原子力委員会が関係各省における施策の実施状況を聴取し、必要に応じて今後の取組に関する考え方を示すことにより、具体的な施策の推進を促すことで求められる責任を果たしていく、そういうふうに考えております。
#31
○神本美恵子君 原子力政策大綱は作らないけれども基本的考え方は示す、どうもこの二条の一号、二号を残して、しかし原子力政策全体を見通す網羅的な大綱は作らない、基本的考え方にする。
 その前の削除された条項がありますよね。原子力委員会というのは、先ほどから言っていますように、目的に原子力の平和的利用と、それから放射性廃棄物の処理処分問題というような特化したところで、これに役割を果たすと言いながら全体を俯瞰した政策大綱も作らないし、それは基本的考え方に今度は変えるということですけれども、何か印象からして非常に役割が縮小して、それが特化して、しっかりとした原子力政策全体を見渡す役割は依然としてあるんだということであればいいんですけれども、大綱を作らないで基本的考え方にするというのは、基本的考え方というのは、これも大綱と同じレベルの閣議決定物になるんですか。これはちょっと通告していませんけれども。
#32
○国務大臣(山本一太君) 原子力大綱は、先ほども御答弁で申し上げましたけれども、今までのような形のエネルギー大綱ですと閣議決定をされたエネルギー基本計画と内容としてかなりダブっている部分がございます。一言で言うと、原子力政策大綱、原子力政策全体を見通した網羅的かつ詳細な長期計画ということで、もうその時点でエネルギー基本計画と内容に重なっているんですけれども、基本的考え方というのは、原子力利用に当たっての理念、依然として新しい原子力委員会でも調整事務というものは残しているわけですので、その分野横断的な事項を取りまとめたものを作りたいと。
 中身についてはこれからまたいろいろと検討させていただきたいと思いますが、どういう位置付けにするかというものは、例えば尊重義務を含めた、閣議決定等も含めて少しその選択肢を考えていきたいと思っています。
#33
○神本美恵子君 その辺がもう本当に、最初から私、問題意識として、今、この事故収束と廃棄物、廃炉、もう様々な課題がある、原子力委員会を残すべきか、それともどこか別のところで担うべきかと、国民は大変関心を持っているわけですよね。そんな中で原子力委員会、残すのであれば、こういう特化した事項について、全体的に見て、八条委員会として原子力基本法を受けた原子力委員会は残して、こういう機能を果たすんだということが明確にならないと、この改正設置法、改正案では、その辺が、これから基本的考え方は示すけれども位置付けはこれからだというのでは、ちょっと明確にならないというふうに思います。
 政策大綱を作成しないとなると、原子力を利用する政府の基本的な姿勢として、例えば原子力利用の倫理性、あるいは経済合理性などというもの、これは非常に重要なことだと思うんですね。例えば、人間社会にとって本当にこの原子力利用というのは役立つのかと、リスク等考えた場合にどうなのかというようなことを、政府そのものではなくてちょっと独立した専門家を入れた原子力委員会というところから、全体を俯瞰して考えるというテーマとしてこの倫理性や経済的合理性というのは非常に重要だと思うんですけれども、国がそうした判断をする場合にどこに求めていくのか。
 これは通告しておりませんけれども、今日、岡委員長にもおいでいただいておりますので、もしお考えがあれば、通告しておりませんので申し訳ありませんけれども、お答えいただければ、両方、山本大臣と岡委員長にお答えをお願いしたいと思います。
#34
○国務大臣(山本一太君) 東京電力福島第一原子力発電所の事故では、いわゆる安全神話に陥った、被災者の皆様を始めとする国民の皆様に多大な困難を強いる事態を招いてしまった、これを受け、国民の間に原子力に対する不安感、不信感が高まっている、これはエネ基の表現そのものですが、このことを踏まえてエネルギー政策を進めていく必要があるというふうに考えております。
 さらに、事故の経験から得られた教訓を国際社会と共有することで、世界の原子力安全の向上とか原子力の平和利用に貢献していくことが我が国の責務であるというふうに考えております。
 また、原子力のエネルギー利用に関する経済的合理性も含めて様々な点を勘案し、本年四月に閣議決定されたエネルギー基本計画においては、原子力発電は重要なベースロード電源と位置付けられておりまして、こうした様々なエネルギー基本計画の方向性と整合性を取りつつ、法改正後の原子力委員会としては、エネルギーに関する原子力平和利用等を始めとする諸課題について必要な対応を行っていきたいというふうに考えております。
#35
○政府参考人(岡芳明君) 原子力の利用において、先生おっしゃるとおり、安全は最も重要なものだと思います。そういう意味で、原子力規制委員会規制庁ございますが、そこは行政を担当しておりますが、原子力委員会としても、もっと広い立場で安全をきちんと、問題があれば指摘をするというようなことは意識をしております。
 あと、いろんなチェック機能でございますが、見解を表明するとか評価をするとか、そういうことで今おっしゃっているようなことに対応していきたいと考えております。
#36
○神本美恵子君 エネルギー基本計画、閣議決定されて、ベースロード電源とするというような方針は分かるんですけれども、それが本当に倫理性から考えて、リスクを考えたときにどうなのかというようなことは、政府のそのものとはちょっと離れたところで専門的な立場から、私は、是非この原子力委員会がその基準を定めるとか、しっかりチェックをするというような役割を果たすためにこそこの存在意義があるというふうに思うんですけれども、過去の見解とか、原子力委員会が示された見解を見てみますと、本当に重要な、政治的な判断だけではなくて、ちょっと離れたところから、全体の国民に対してこういうふうに考えるべきだというようなことを示された見解を読ませていただいたんですけれども、そういう役割を私はこの原子力委員会が担うためには、大綱も作らないし、たくさん所掌事務が削除されたというような中では、それから基本的考え方の位置付けも明確ではないということでは、ちょっと心もとないという思いがいたします。
 もう時間があと一分しかありませんのでまた次回にやらせていただきたいと思うんですが、今日せっかく岡委員長に来ていただいていますので、途中飛ばしまして、原子力委員会の独立性についてお伺いをしたいと思います。
 利害関係者や実施官庁、省庁から分離されて距離を置くというだけではなくて、原子力委員会が各省庁に対して意見や提言を行うということは非常に重要な役割だと思っております。それが着実に実施されるような担保が必要と思いますけれども、これまでの委員会の活動において、委員会が答申してきた提言や意見、それに対してどのようなフォローを委員会として行ってこられたか、提言されたことがどのように実施されたかというフォローや評価について委員長にお伺いしたいと思います。
#37
○政府参考人(岡芳明君) いろんな提言や意見をいただきまして、それに対して、原子力政策大綱につきましては、政策評価部会を設置をしてフォローアップ、評価を行ってきておりました。
 それから、事故の後でございますが、人材育成、バックエンド対策、それから国民の信頼醸成、原子力政策に関する基本的な見解等として取りまとめて検討し、意見を聞いてフォローを行っております。
#38
○神本美恵子君 終わります。
#39
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。
 国家行政組織法の三条委員会とか八条委員会という言われ方がよくされるんですけれども、原子力委員会というのは内閣府に設置されているわけですよね。これは、内閣府は国家行政組織法の範疇外にあることになっているから、だから、これは今まで内閣府設置法の三十七条に基づく組織なんだというような説明がされていたわけですけれども、この部分は法改正によっても変わらないという理解でよろしいですか。
#40
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、原子力委員会は原子力基本法及び原子力委員会設置法に基づき設置されておりまして、内閣府設置法第三十七条において、別の法律に定めるところにより内閣府に置かれる審議会等として位置付けられているところでございます。
 今回の法改正によりましてこの位置付けが変わることはございません。
#41
○水野賢一君 とはいっても、実態としては、これは内閣府にあるから形式的には国家行政組織法とは離れているわけだけれども、形式論としてはそうなんだけれども、実態としては国家行政組織法の八条委員会と同じようなものだという説明もされていたんですけれども、ここも今回の法改正では変わらないという理解でよろしいですか。
#42
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、原子力委員会はいわゆる国家行政組織法の八条機関でございます。ただし、三条委員会に近い性質を持っておりまして、企画、審議、決定を行う組織として位置付けられております。そして、担当大臣を通じて内閣との関係を保つとともに、各省との関係では、受け身だけではなくて、企画等を行うことができることになっております。
 こうした位置付けにつきましては変更はございません。
#43
○水野賢一君 さて、今も議論の中で原子力政策大綱の話あったわけですね。これは最初は長期計画、長計というふうに言われていたのが、そういう形で昭和三十一年から作られていて、一番最新のものというのは、この原子力政策大綱に名前が変わって二〇〇五年に策定されているわけですよね。
 これ、大体五年置きぐらいに改定していたから、二〇〇五年から五年ぐらいたったのでそろそろ改定しようかというやさきに福島第一原発事故が起きたので、これはもう改定しないという話は、改定というか、そもそも今後策定しないんだという御説明はさっきあったんですが、いずれにせよ、しかし新しいものに取って代わっていないわけだから、じゃ、今日の時点ではあれなんですか、二〇〇五年に策定されたこの原子力政策大綱というのは有効だという、そういうことで理解していいんですか。
#44
○国務大臣(山本一太君) 今、水野委員からお話のあった原子力政策大綱の話ですが、二〇〇五年に策定された原子力政策大綱について言うと、エネルギーに関する原子力利用の基本的な方向性というものについては、本年四月に閣議決定されたエネルギー基本計画において新たな方針が示されているということだと思います。
 一方、それ以外の原子力利用、具体的に言うと放射線利用ということになると思いますが、これに関しては、この中身は現在でも有効であるというふうに考えております。
#45
○水野賢一君 今まであった長期計画にしても原子力政策大綱にしても、今までも別にこれ、原子力委員会設置法に明示的にこういうものを策定しろと書いていたわけじゃないんですよね。明示的に書いていたわけじゃないけど作ってきたんですね、これまでは。
 ということは、今回法改正で、あれですか、今後策定しないということをおっしゃっているのは、これは政治的な意思として分かりますけど、今までだって別に法的根拠はないけど作っていたわけだから、今後も法的には作ろうと思えば作れるという、そういう理解でよろしいんですか、これは。
#46
○政府参考人(倉持隆雄君) 原子力政策大綱であるとか原子力長期計画でございますけれども、これにつきましては、委員御指摘のように、法律上に所掌事務としてこういう計画を作れということで明示されていたものではございません。
 しかし、原子力委員会設置法第二条第一号の「原子力利用に関する政策に関すること。」に該当する事務の一つとして策定していたものでございます。
#47
○水野賢一君 その今おっしゃった二条のそこというのは、これは今回改正あったんですか。
#48
○政府参考人(倉持隆雄君) これまでの原子力委員会におきましては、原子力政策全体を見通した網羅的かつ詳細な長期計画や原子力政策大綱を作成しておりましたけれども、エネルギー基本計画と内容に重なる部分が多いこと等から、法改正後の原子力委員会においてはこのような網羅的かつ詳細な原子力政策大綱は作成しないということでございます。
#49
○水野賢一君 いやいや、今聞いたのは、今までの法律には明示的にはこういう大綱を作れとは書いてなかったわけでしょう。書いてなかったけれども、設置法の二条の所掌事務の中に読み込めるものがあるから、だから書いて作っていたということでしょう、そういうことでしょう、今まで。大綱を作れとは法律には書いてないけれども、所掌事務の中で、二条の中に書いてあることの中で読み込めなくもないから作っていたということですね。
 その所掌事務のところは、今回の法改正では変わったんですかということです。
#50
○政府参考人(倉持隆雄君) 大変失礼いたしました。
 その二条一号につきましてはそのまま維持させていただいております。
#51
○水野賢一君 ということは、今後も法理論上はそこは維持されるのであれば、今後も法理論上は作ることは妨げられるわけではない、やるつもりはないけれども妨げられるわけではないと、そういう理解でいいわけですか。
#52
○政府参考人(倉持隆雄君) 御指摘のとおりでございます。
#53
○水野賢一君 分かりました。
 近年の原子力委員会を見ていて一番恥ずべき事件というのは、原子力委員でいながら、委員でいながら同時に東京電力から顧問料をもらっていたという人間が原子力委員にいたということなんですよね。しかもこれは、あの福島第一原発事故の後、一年間も平然と顧問料をもらっていた。しかもその金額は、推定だけれども月百万円ぐらいですよ。これは考えられないことであって、これは山本大臣もよく御存じの尾本彰委員ですよね。さすがに最後は大臣も引導を渡されたのかもしれませんけれども。
 これ、こんな信じ難いような癒着があったわけですから、僕は、これ法改正をするならば、少なくともこういう業界関係者は委員になれないというような、せっかく法改正するんだから、就職禁止事由とか欠格事由をきちんと法律に書き込むべきだと思いますが、ちょっと事務方に確認しますが、今回の法改正でそういう就職禁止事由や欠格事由は法律に書き込んでありますか。
#54
○政府参考人(倉持隆雄君) 原子力委員会の罷免の発動要件につきましては、設置法第七条に、内閣総理大臣は、委員長若しくは委員が心身の故障のため……
#55
○水野賢一君 罷免じゃなくて、就任できるかどうかという、その欠格事由があるかということですよ。
#56
○政府参考人(倉持隆雄君) 申し訳ございません。
 そこは今回の改正では何ら手を入れておりません。
#57
○水野賢一君 入れていない。
#58
○政府参考人(倉持隆雄君) はい。
#59
○水野賢一君 だから、だから言っているんですよ。
 つまり、せっかく法改正をして、しかも過去にそういう業界の人が、いや、過去に業界にいたというんじゃないですよ、その業界にいて顧問料をもらっていながら原子力委員を務めているような人がいたという事例が直近あったんだから、せっかく法改正するんであれば、そのぐらいのことはちゃんとそこにメスを入れるべきじゃないかということを言っているんであって、大臣、これせっかくあの原発事故を受けて初めて本格的に法改正する以上、これはやっぱりそういう人間は委員に就任できないというのは、就職禁止事由というか欠格事由みたいなものを法律に書き込むべきだったんじゃないですか。
#60
○国務大臣(山本一太君) 水野委員からはいろんな委員会で同様の御指摘をいただいて、何度か質疑をさせていただきましたが、原子力事業者、原子炉を設置する者等には研究機関とか大学の有識者も含まれる可能性があるということでございまして、原子力委員会に求められる専門性を考慮すると、全て一律に任命できない規定を設けることはなかなか難しいというふうに考えています。
 いずれにせよ、現在の社会情勢を踏まえれば、電力会社等の出身者といった原子力委員会の公正性に対する疑念が生じるような方は、原則原子力委員会の委員長や委員としては適切ではないというふうに考えております。
 更に言うと、水野委員覚えていらっしゃると思いますが、電力会社の顧問であっても法律上は確かに原子力委員に選任されるということは禁じられておりません。しかしながら、先ほど申し上げたとおり、社会情勢を踏まえて国民の理解を得られるかどうかという視点がなければいけないということで、やはり電力会社等の出身者はこれはなかなか難しいということで、原則これはもう原子力委員会の委員長や委員として不適切であるというふうに考えておりまして、国会で同意が必要な委員長や委員としては候補者の選定段階で除外をすることとしております。
 なお、口頭でいろいろとこれまでも確認をし、調査をしてまいりましたけれども、水野委員の委員会の御指摘も踏まえて、私の方から書面も取るように指示をさせまして、それを新たな仕組みとして導入をさせていただきました。
#61
○水野賢一君 いや、だから、大臣の答弁を伺っていると、大臣も思いは同じだと思うんですよ。そういう人が原子力委員として適切じゃないとは思っている、不適切だと思っているということではあるわけでしょうから。ならば、それはそういうことにしっかりと留意は、それは山本大臣はされるかもしれませんよ、だけれども、これは常に任命権者とかというのはどういうふうに替わっていく、別に山本さんがずっとやるとは限らないわけですから、だから、そういう思いであれば、せっかく法律を改正するならば法律の中にこういう人はなれないというような条項を盛り込むべきなんじゃないですかと、思いが同じだということは分かりますけれども、というふうに、どうもそこら辺、法改正にせっかくだから盛り込むべきだったんじゃないですか。
#62
○国務大臣(山本一太君) 水野委員の御意見は、御趣旨は分かりますが、なかなか一律に任命できない規定を設けるということになると、先ほども、繰り返しになりますけれども、原子力事業者、原子炉を設置する者等、研究機関とか大学の有識者も含まれる可能性があるので、ここはなかなか難しいというふうに考えています。
 ただ、今、水野委員がおっしゃったように、任命権者も替わるじゃないかというお話がありましたが、これはやはり法律上のことだけではなくて、水野委員が何度も指摘をされた国民の目から見てどうなのかと、こういう視点については官房長官からも総理からも答弁がありますので、これはしっかりと政権としてこの考え方を貫いていくと。国民の視点から見てどうかという点は、しっかりこれからも人選を決めていく上で配慮すべきだというふうに考えております。
#63
○水野賢一君 じゃ、原子力委員会についてもう一つちょっと問題を指摘したいと思うんですが、これ、原子力委員の任期というのは三年ですよね。三年なんですが、これ、実は福島第一原発事故が起きたときの委員というのは、当時は委員は五人だったんですね、今回の改正で委員の人数を三人にするんでしょうけれども。その五人は全員二〇一三年の、つまり去年の一月に任期切れになっていたんですが、その後も委員の座に居座り続けたんですよね。何でそんな任期切れの人が委員に居座り続けたかというと、後任を選ばなかったんですね。後任を選ばないと、これ確かに法律上は職務継続規定があるんですよ、後任がいないときには。
 ところが、私の理解では、職務継続規定というのは、例えば政府として国会同意人事、これ国会同意人事ですから、同意人事を政府として国会に提出したけれども国会で否決されちゃったと、だからそれで任期が切れちゃったとかというときに、しかし空席にするわけにいかないとかというときに職務継続というのは分かるけど、政府が最初から人事案を国会に提出しないで、それによって後任が決まらない、だから職務継続規定でいつまでも同じ人が、ずっと前に選ばれた人がやっているというのだったら、これはめちゃくちゃであって、これじゃ任期の意味がなくなっちゃうわけですよね。
 これ、じゃ、ちょっと事務方にまずお伺いしますけど、任期三年の人が最終的にこれは何年やったんですか、一体。
#64
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 職務継続規定により在任していた期間でございますけれども、最も長かった方で、平成二十四年十二月三十一日に任期が満了なさいました鈴木達治郎委員が、後任者である阿部信泰委員が任命される平成二十六年四月一日の前日まで職務継続規定により在任をなさっておられまして、その期間は四百五十五日でございました。
#65
○水野賢一君 だから、これ国会同意人事なわけですよね。国会同意人事というのは、例えばこの場合は任期三年だから、三年で国会は同意したのに、四百五十何日超過してやったということは、四年半ぐらいですよ、三年任期の人が平然と国会の同意もないまま、いや、国会の同意があれば別ですよ、ないままに居座ったというのはこれは明らかなルール違反であって、そういうことを政府としてされたのは事実なんですから、これは大臣、やっぱりこういうことになったというのは、これは国会とか国民に対して、だって任期三年で選んだ人を四年半ぐらい在職させたんですから、しかも、それは意図的に政府が後任を出さないことによってそうなったというのは、やっぱりこれは謝罪すべきことじゃないですか。
#66
○国務大臣(山本一太君) 水野委員はこの間の経緯、よく御存じだと思いますが、おととしの十二月に私が前任の大臣の方からこの原子力委員会の問題を引き継ぎました。当時、民主党の内閣の中で有識者会議を設けて、原子力委員会を、やはり時代の流れも考え、さらに不透明だという批判も踏まえて見直そうという動きになっておりまして、この根本的な流れを私も引き継ぎました。
 そこから、これも何度も水野委員との質疑で御答弁を申し上げましたが、やはり原子力委員会の方向性がなかなか決まらない、抜本的に改正をするというこの状況の中でなかなか後任が正直に言いますと見付けられなかったということで、職務継続規定をもってとどまっていただいたということでございます。様々難しい問題はありました。
 ただ、今、水野委員がおっしゃっていたように、職務継続規定があるからといって、やはりこれだけ長く原子力委員の方々がその職にいていただかなければならなかったということについては、私も相当努力したつもりですけれども、それがやはり大臣としての努力不足だったということを言われれば、これは反省しなければいけませんし、おわびも申し上げたいと思います。
 いずれにせよ、この状況が望ましいとは全く思っていませんし、こういうことがないように十二分にこれから気を付けたいというふうに思います。
#67
○水野賢一君 分かりました。
 ただ、私として申し上げれば、これは後任が決まりにくい状況があったというのであれば、少なくともその人たちを、これ原子力委員会の人は再任できるんですから、再任で国会に再提示をして国会の承認を受けるべきだったということは申し上げたいというふうに思います。
 さて、これ大臣でも事務方でもいいんですが、法律の七条を見ると、内閣総理大臣は委員長や委員を一定の場合には罷免できるということが書いてあるわけですね。これ、罷免の場合にも国会の同意が必要になるんですけれども、さっきの尾本彰委員のようなケースは、本来こんな人を任命するのがおかしいんだけれども、しかし、委員でありながら一方で東電マネーをもらっているということが分かれば、僕は罷免を発動すべきだったというふうに思っていますが、実はこの罷免規定というのは発動は全然されていないんですけど。
 ちょっとお伺いしたいのは、七条の罷免のケースというのは、具体的にはどういうケースのときにこれは発動を想定されるんでしょうか。
#68
○政府参考人(倉持隆雄君) 七条におきましては、内閣総理大臣は、委員長若しくは委員が心身の故障のために職務の執行ができないと認められる場合、あるいは委員長若しくは委員に職務上の義務違反がある場合、あるいはその他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められる場合、この場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができるとの規定が設けられているところでございます。
#69
○水野賢一君 いや、それは、あなた、七条を読んだだけであって、それは分かっているんです。七条の中に、例えば職務上の義務違反だとか、その他委員たるに適しない非行があるという場合に罷免できると、そんなことは書いてあるんですよ、法律に。だから、それを読んだってしようがないのであって、それが具体的にどういうケースを想定しているのかということを聞いているんですよ。
#70
○政府参考人(倉持隆雄君) 法律上はそれ以上の定めがございませんので、まさに個別の事例に応じて対応することになろうと考えております。
#71
○水野賢一君 いや、だから、法律には全部書けないだろうから、それは政府の意思としてどういう場合があり得るのかということを聞いているんですよ。
#72
○国務大臣(山本一太君) 今、事務方の方からお答えさせていただきましたが、具体的な要件についての定めはありません。ですから、これはもう個別の事例に応じて対応するということになりますので、やはりケースに応じて、さっき水野委員にもお答えしましたけれども、本当に、例えば法律上問題がなかったとしても国民の理解が得られるのかどうか、常識から考えてそういうことが通用するのかどうかと、こういう視点で個別のケースに応じてきちっと判断をしていくということだと思います。
#73
○水野賢一君 大臣のその言葉を信じたいというふうに思います。
 さて、原子力委員会では、二年ほど前、近藤委員長のときですけれども、秘密会合を重ねていたということが大きい問題になったんですね。しかも二十三回もですね。これで大問題になったんですが、これは、このとき、原子力委員会として疑念を抱かれないような方策は何か取ったのでしょうか。
#74
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 一昨年のいわゆる秘密会議との批判を受けた原子力委員会の不適切な運営を踏まえまして、委員会の中立性を確保するために、企画、審議、決定のプロセスについて、会議に向けた準備会合、あるいは会議資料の作成、準備する際の情報管理などのルールを定めまして、それに基づいて運営をしているところでございます。
 今後とも、こうしたルールに沿って厳正な運営を行い、委員会の中立性等に対する疑念が生じないように努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
#75
○水野賢一君 時間ですので最後の質問にしますけれども、今のことは、今、最後に、今後ともそういうふうにしていきたいというふうにおっしゃったのは、今後、この法改正後の新しい原子力委員会でもこの前のことを反省して打ち出した方針というのは堅持されるという、そういう理解でよろしいですか。
#76
○政府参考人(倉持隆雄君) 法改正後の委員会におきましても、ただいま申し上げましたような会議に向けた準備会合、あるいは会議資料を作成、準備する際のルール、そういったことにのっとりまして今後とも厳正な運営を行いまして、委員会の中立性等に対する疑念が生じないように努力していくとしております。
#77
○水野賢一君 終わります。
#78
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 山本大臣に質問したいと思います。
 一九五六年、原子力基本法、原子力委員会設置法が制定され、それ以来、原子力委員会は常に我が国の原子力政策行政の中核にあって、原発推進政策を担ってきたと思います。原発は安全だ、放射性物質が大量に放出されるような深刻な事故は起きないといったいわゆる原発安全神話を作り上げてきた組織の一つだと思います。
 今回、組織を見直すというのであれば、まずこの原発安全神話の醸成に深く関わってきたことへの反省が求められると思いますが、その点、大臣の認識、いかがでしょうか。
#79
○国務大臣(山本一太君) 東京電力福島第一原子力発電所の事故は過酷事故への対応策が欠如していたことを露呈しておりまして、いわゆる安全神話に陥ってしまったというふうに理解をしております。
 政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を防ぐことができなかったということを真摯に反省をし、事故の原因等を踏まえ、このような事故の再発の防止のための努力を続けていかなければいけない、そう考えております。
#80
○山下芳生君 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会、いわゆる国会事故調の委員長、黒川清さんは、想定できたはずの事故がなぜ起こったのか、その根本的な原因は日本が高度経済成長を遂げた頃にまで遡る、政界、官界、財界が一体となり、国策として共通の目標に向かって進む中、複雑に絡まった規制のとりこが生まれたと、先ほど水野委員の御質問にも絡んでくるようなことが指摘されております。
 その上で、こう国会事故調の報告書は述べております。「当委員会は、本事故の根源的原因は歴代の規制当局と東電との関係について、「規制する立場とされる立場が「逆転関係」となることによる原子力安全についての監視・監督機能の崩壊」が起きた点に求められると認識する。何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は「自然災害」ではなく明らかに「人災」である。」。
 要するに、規制する立場とされる立場の逆転関係ということが根本的原因だという指摘なんですが、これ、原子力行政に関わる際に非常に大事な観点だと思いますが、この教訓についてどのように今回生かされるんでしょうか。
#81
○国務大臣(山本一太君) 原子力委員会の見直しですけれども、一昨年、秘密会議という批判を受けました。こうした不適切な委員会の運営、それから、委員から御指摘のありました東京電力福島第一原子力発電所事故等による原子力をめぐる環境の変化等を踏まえて、内閣官房に設置された有識者会議において抜本的な見直しが行われました。
 その結果、中立性を確保しつつ、平和利用の確保とか放射性廃棄物の処理処分等に関する機能に重点化するとともに、今後は原子力利用の推進を担うのではなく、原子力に関する諸課題の管理、運営の視点から活動することが指摘をされました。
 こうした指摘も踏まえて、今回の法改正では、所掌事務の廃止、縮小等を行うとともに、法改正後の原子力委員会においても、企画、審議、決定のプロセスについて中立性等を確保するために、定めたルールにのっとり厳正な運営を行い、しっかりと役割を果たせるように努力をしてまいりたいと思います。
#82
○山下芳生君 ちょっと私の質問に正面から答えていただけてないんですが、要するに、規制する側とされる側が逆転していたという問題なんですね。
 この国会事故調の報告書は、「規制当局は原子力の安全に対する監視・監督機能を果たせなかった。専門性の欠如等の理由から規制当局が事業者の虜となり、規制の先送りや事業者の自主対応を許すことで、事業者の利益を図り、同時に自らは直接的責任を回避してきた。規制当局の、推進官庁、事業者からの独立性は形骸化しており、その能力においても専門性においても、また安全への徹底的なこだわりという点においても、国民の安全を守るには程遠いレベルだった。」と、極めて厳しい指摘がされております。
 要するに、専門性も責任感も欠如していたと、もう全部規制されるはずの側の電力会社等に委ねられていたと。こういうことをもう二度とこれ、原子力行政に携わる場合、この組織を改編する場合、この問題を深く生かさなければならないと思うんですが、その点の言及が余りなかったんですが、いかがでしょうか。
#83
○国務大臣(山本一太君) 今委員が御指摘された様々な点も踏まえて、ここは私の所掌ではありませんが、原子力規制委員会も設立をされたというふうに思っておりますので、過去の様々な反省を踏まえてしっかりと原子力委員会も運営をしていかなければいけないと、こう思っております。
#84
○山下芳生君 次に、衆議院の審議で山本大臣は、原子力委員会は、エネルギー基本計画と整合性を取りつつ、エネルギーに関する原子力利用などの基本的考え方を策定していくという答弁をされました。
 安倍内閣が四月に閣議決定されたエネルギー基本計画というのは、原発を重要なベースロード電源と位置付けて、要するに、今後も一定割合は必ず原発を使い続けるということを示すものになっておりますし、「もんじゅ」を始め核燃料サイクルの推進も明記をしております。事実上の原発永久化宣言というものになっている。
 私は、これは、今回の福島第一原発の事故を踏まえてこういう基本計画が閣議決定されたこと自体とんでもないと思いますが、本法案によって立ち上げる新しい原子力委員会がエネルギー基本計画推進のための組織ということになるんでしょうか。
#85
○国務大臣(山本一太君) 委員御存じのとおり、原子力政策を含む全体のエネルギー政策については、法律に基づいてエネルギー基本計画が閣議決定されることになっています。エネルギーに関する原子力政策についても、これは同計画において示されるものだというふうに考えています。
 原子力委員会においては、エネルギー基本計画の内容は踏まえつつ、平和利用の確保、放射性廃棄物の処理処分等といった重要な政策課題を中心に、関係各省における施策の実施状況を聴取し、必要に応じて今後の取組等に関する考え方を示すことで具体的な施策の進捗を促す役割を担っていると、こう考えております。
#86
○山下芳生君 エネルギー基本計画を踏まえつつとおっしゃいました。それから、整合性を取りつつというのも答弁としてあったんですが、私は、今回、福島第一原発事故の教訓を踏まえて抜本的に組織を見直すというんであれば、やっぱりこういう原発回帰の政策ではなくて、原子力委員会を本当にそこから根本的にその存立を見直す必要があると思うんですよ。
 今回は、残念ながら、既にやめている仕事、他組織に移って形骸化しているものを整理、廃止するだけで、有識者会議が新委員会は政権や大臣からの独立性に配慮すべきだとされた部分については見直されていないと思います。その最たるものが、大臣が繰り返しているエネルギー基本計画との整合性、それを踏まえてということにあると思うんですが。
 福島第一原発事故を目の当たりにして、多くの国民が原発ゼロの社会を求めております。これは世論調査を取ってもはっきりしていると思うんですね。例えば時事通信の五月の世論調査を見ますと、国内の原発をどうするべきかとの問いに、徐々に減らし、将来的にはなくすべきだが四九・三%、それから、なるべく早くなくすべきだが二四・七%、直ちになくすべきだが一〇・三%、合わせて八四・三%の方が原発ゼロを志向されております。
 こうした世論を無視していいのかと、原発ゼロ社会を望む八割超の国民の声に逆行する原発永久化宣言をしたエネルギー基本計画との整合性を取るような原子力委員会にすべきではないと思いますが、いかがですか。
#87
○国務大臣(山本一太君) 先ほども申し上げましたが、原子力政策を含む全体のエネルギー政策、これは法律に基づいてエネルギー基本計画が閣議決定されるということになっております。この閣議決定されるエネルギー基本計画と全く整合性のない、例えば基本的考え方を示せるかということについて言うと、それは難しいというふうに考えております。
#88
○山下芳生君 ということは、やはりこの福島第一原発事故を踏まえて国民がゼロを望んでいるということと残念ながら違う方向で今度の新組織を立ち上げようとしているにもかかわらず、そういう性格の原子力委員会にならざるを得ないということなんですよ。
 そこで、エネルギー基本計画での原発の位置付けについて山本大臣に基本的認識を伺いたいんですが、原発をベースロード電源としている、この意味について御説明いただきたいと思います。
#89
○国務大臣(山本一太君) エネルギー基本計画におけるこのベースロード電源というのは、発電あるいは運転コストが低廉で安定的に発電することができ、昼夜を問わず継続的に稼働できる電源と、このように位置付けられております。
#90
○山下芳生君 運転コストが低廉というんですが、何でそういうことが言えるのか、どこからそういう説明になるんですか。
#91
○国務大臣(山本一太君) これは、エネルギー基本計画を策定する中で様々な議論をした結果、そういう結論になったということでございます。
#92
○山下芳生君 要するに、事故対応費用を非常に低く見積もっているということがあるんですね。キロワット時当たり八・九円という数字がこのベースになっていると思います。しかし、それは二〇一一年の古い数字で、福島の事故対応費用が約五・八兆円と見込まれていた当時の額であります。しかし、もう既にどんどんどんどん増えておりまして、もう十一兆円とか十三兆円を超えていると、また、これからももっと増えるであろうということが言われております。ですから、そういうことをちゃんと含めれば、原発が低廉などということは言えるはずがない。世界では、少なくとも先進国では、原発というのは高コストで経済性が低いということは常識になっております。
 世界の原発の政策、エネルギー政策に詳しい富士通総研経済研究所の高橋洋主任研究員が週刊東洋経済でこう述べておられますが、イギリスでは原発に対してキロワット時当たり十五・七円の売電収入保証制度を導入したと。日本のこの八・九円と比べてみて倍ぐらいになるわけですが、これ一ポンド百七十円換算ですが、しかも、三十五年間の売電収入保証制度を導入しております。陸上の風力よりも価格が高く、保証期間は二倍以上長い。これ、原発はハイリスク・ハイリターンだから、そこまで保証しないと事業者は原発を運転してくれないと政府が認めたという指摘であります。
 実際に、民主党政権時代にコスト等検証委員会が設置されて、原発は下限値としてキロワット時当たり八・九円だということになっているんですが、そのときも事故対応費用が増えれば更に高くなるというふうになっておりました。
 ところが、今回のエネルギー基本計画の策定時においては、そういうことがきちっと議論されていない。計画案を審議する基本政策分科会で、委員としてもっとそういう真のコストについて議論すべきだ、検討すべきだと問題提起された京都大学植田和弘教授は、議論が深まらずに終わったのは非常に残念だというふうに話しておられます。
 既にこの八・九円の試算についてはもうその根拠が、事故対応費用がもう倍近くに膨らんでいるわけですから、これは非常に低廉だということの元々の根拠が崩れております。原発の真のコストが政府試算の八・九円の二倍近い十七円になる可能性は、日本経済研究センターも指摘されております。
 イギリスだって日本だって、いろいろ試算してみればこんな安いことはないということになっているので、運転コストが低廉だというのは、これ、いつまでもそんなこと言ってたら現実から乖離する、世界の流れからも乖離する、そういう認識ありませんか。
#93
○国務大臣(山本一太君) コストについては、今委員がおっしゃったように、様々な分析やいろんな考え方があると思います。これは政府内で様々な要素を総合的に検討し、与党内でも議論をし、安倍内閣の判断として低廉で安定的に発電することができるベースロード電源ということで位置付けたと、こういうことでございます。
#94
○山下芳生君 だから、その根拠を示してほしいと言っているんですが、示さずにそう位置付けたとしか答えがない。もう基本的な問題ですから、そこは本当にそれでベースロード電源にしていいのかと、この福島の事故を踏まえてもですね。
 それから、優れた安定供給性ということがありましたけれども、これはどういうことですか。
#95
○国務大臣(山本一太君) そのままだと思います。安定性があるという意味だと思います。
#96
○山下芳生君 基本的なことですから、もう少しちゃんと根拠を述べていただきたいのですが。
 先ほど昼夜問わずとおっしゃいましたけれども、しかし、今、日本にある全ての原発が稼働してないわけですね。安全性に問題があるからですよ。一旦トラブルがあって止まれば、これは安全確認、非常に時間が掛かるのが原発でありまして、三・一一以前も、実は故障や地震で度々停止してきたのが日本の原発であります。定期点検も十三か月に一度やらなければならないわけで、日本の原発の稼働率というのは、地震大国ということもあったわけですが、約七割です、海外の原発は約八割、決して安定供給できているわけではありません。現に今全部止まっております。
 これは、エネルギー経済研究所、永富悠さんなどによる原子力発電所の設備利用率及び原因別停止時間の各国比較を見ましても、日本の原発の設備利用率は、一九九五年七九・四%から二〇〇九年六四・七%というふうに下がっております。
 これは、決して安定供給性などということは言えないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#97
○国務大臣(山本一太君) 何度も同じ答弁で恐縮ですが、安倍内閣として政府内そして与党内、いろいろと議論をした結果、私たちはこういう結論に達したと、安定的に発電することができて昼夜を問わず継続的に稼働できる電源、ベースロード電源というふうに位置付けたと、こういうことでございます。
#98
○山下芳生君 本当に今の原発事故と今の現状を踏まえているのかなと言わざるを得ませんが。
 私が原発事故で一番現場に行って教訓にしなければならないと思ったのは、やっぱり福島の今を見よということなんですよ。
 参議院の復興特で、私もメンバーでしたけれども、原発事故後一年半たったときに、二〇一二年十月ですが、原発サイトの中に入りました。御存じのとおり、Jヴィレッジから福島第一原発まで大型バスで向かってまた帰ってきたわけですが、二十キロ離れているJヴィレッジから福島第一原発までの間の光景というのは、もう本当に今でも変わらないですが異様な光景でありました。二十キロ圏内の楢葉町は避難指示解除準備区域に当時なっておりましたけれども、より原発に近い富岡町、大熊町は警戒区域のままでありました。
 バスが走った国道六号線の両側には田んぼが広がっておりました。実りの秋でしたけれども、稲穂がこうべを垂れているようなシーンは一つもありませんでした。背の高い雑草、セイタカアワダチソウで一面覆い尽くされておりました。交差点という交差点は全部黄色の信号が点滅しておりました。結局、人が一人も住めていない、ですから信号はそういう状況に放置されているわけであります。
 要するに、三十分ぐらいバスノンストップで走りましたけど、それぐらいの広い範囲、しかも当時で一年半、現在もう三年三か月たっているにもかかわらず、たった一回の過酷事故が起これば、これだけの長期にわたり、これだけの広範囲にわたって作物を作ることもできなければ人が住むこともできない状況がずっと続いちゃう、こんな事故というのは原発事故以外にありません。原発事故にはほかの事故にはない異質の危険があるというふうに、本当にそこに行ってそのことの意味をまざまざと感じたことを覚えておりますけれども。
 山本大臣、その異質の危険、要するに、事故を幾ら起こさないように努力したとしても、今の人類の到達点、科学技術によって事故を絶対に起こさない原発を造ることは不可能です、今。だったら、一回でも事故を起こしたらこんなことになる原発と、私たち人類社会、人間社会との共存はできるのかということが今問われていると思うんですが、そういうことをしっかり考えるのが私は原子力政策全体を本当に考える上で一番の、福島の今を見よということを原点にしなければならないと思うんですが、そういう観点、異質の危険があるという点について大臣の認識を伺いたいと思います。
#99
○国務大臣(山本一太君) 山下委員とは、エネルギー政策、ベースロード電源の考え方等々、相当考え方違う点はあると思いますけれども、やはり福島原発事故の教訓を忘れてはならないというところについては共通認識を持っておりますし、これをしっかり踏まえた上でエネルギー政策を考えていかなければいけないというふうに考えております。
 いずれにせよ、新たな原子力委員会が発足をすれば、過去の教訓もしっかりと踏まえた上で原子力の平和利用等についてしっかりと原子力委員会が機能を果たしていけるように、担当大臣として全力を尽くしてまいりたいと思います。
#100
○山下芳生君 本当に教訓を踏まえるんだったら、原発を永久に運転し続ける、核燃サイクルまで明記する、こんなエネルギー基本計画自身が問われなければならないと私は思うんですね。
 それから、再生可能エネルギーについてもエネルギー基本計画については述べているんですけれども、私は、原発をベースロード電源にしてしまうことで、再生可能エネルギーの普及への取組が後景に追いやられるということについても、これは非常に重大な問題だと思っております。
 二〇一三年環境省の委託調査、二〇五〇年の再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書というものがありますが、ここで再生可能エネルギーの導入見込みの推計がされております。低位のケースで二〇三〇年に二千百七十三億キロワットアワー、これはエネルギー基本計画で欄外に示された目標二〇%と同水準でありますが、同時に、この環境省の調査では、高位のケースとして二〇三〇年の再生可能エネルギーの発電量三千二百二十七億キロワットアワー、低位ケースの一・五倍なんですね。環境省が再生可能エネルギーのポテンシャル調査を行って、最大限顕在化させることを目指して施策を強化する場合を想定したら、そのぐらいはすぐできるということが一方で試算がありました。
 ところが、エネルギー基本計画はそうではない低位の方を欄外で書くようになっております。具体的に、その保証というのは極めて心もとない状況ですが、なぜそうなっているか。やはり、原発をベースロード電源、再生可能エネルギーというのはそうではない極めて不安定なエネルギーなんだという位置付けをするから、本気で再生可能エネルギーの普及開発というものに力が入らないという位置付けになっている。
 だから、私は、ベースロード電源を、あの事故を踏まえても、原発に頼るということが、本来この事故から脱却して新しいエネルギーに向かうべき、再生可能エネルギーの開発普及を抑えるという計画そのものにもなっているというふうに思うんですが、この点、いかがでしょう。
#101
○国務大臣(山本一太君) エネルギー基本計画の表現についての細かい議論をするつもりはありませんけれども、原発をベースロード電源として位置付けるということと再生可能エネルギーを導入するということは矛盾をしていないというふうに私たちは考えております。
 更に一言言えば、私も科学技術イノベーション担当大臣ですけれども、やはり科学技術イノベーションの可能性というものもしっかりと踏まえていかなければいけないというふうに考えております。
#102
○山下芳生君 そういう、幾ら聞いても、私は、福島原発事故の教訓というものを、本当に国民の世論というものを踏まえたら、原発を永久的に使い続けるという基本計画というのはあり得ないと思っております。それを土台にした今度の原子力委員会というものの改編というのもやはり根本から見直すべきだというふうに思います。
 次回以降、また具体的に、特に今度は住民の避難の問題について議論させていただきたいと思います。
 今日は以上で終わります。ありがとうございました。
#103
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会の浜田です。
 山本大臣にいろいろと、新しい原子力委員会の使命というか、それに関わる質問をさせていただきたいと思うんですけれども、まず、平和利用ですよね、原子力の。これは、国際プルトニウム指針に今従って我が国のプルトニウム、この保有量というものは外務省経由でIAEAに報告、公表されることになっています。
 我が国は、余剰プルトニウムは持たないということを原則にしているわけですよね。プルトニウムの利用に関する透明性を維持する。我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方が平成十五年に決定されている。
 そういうことを踏まえて、今我が国のプルトニウムの保有量、これは国内が九トン、海外三十五トン、計四十四トンということが言われているんですけれども、この四十四トンというのは余剰プルトニウムを持たないという大原則の中でどういう位置付けになるのか。この四十四トンはどういう形で、保有しているということは何らかの目的で使うから保有していると思うんですね。その辺りについての認識をまずお聞かせください。
#104
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、日本には今御指摘の数字の分離プルトニウムの量というものがございます。これは、基本的に原子炉の中で燃やしていくという利用計画の下に保管されているものでございます。
#105
○浜田和幸君 そして、六ケ所の再処理工場、将来の操業に備えて電気事業者等に対してはプルトニウム利用の計画の公表を促していますよね。また、その利用目的が妥当かどうか、これを原子力委員会が確認しているということなんですけれども、今回の法案は、改正されることによって、いわゆる原子力の平和利用及び放射性廃棄物処理については重要事項としてこの原子力委員会が扱うことになっていますよね。
 そうなったときに、六ケ所村の再処理が行われた場合に八トンの新たなプルトニウムが生まれるということが言われております。そうしますと、今ある四十四トンと新たな八トン、これをもって、平和利用にしか使わないということなんですけれども、見方を変えれば、これは新しい軍事目的として核兵器、核弾頭に関しては今あるものだけで五千発以上は造れるということなので、このことに対して国際社会が本当に日本は大丈夫なのかということに対する疑念というか、特にお隣の中国からは大変厳しい指摘もあるんです。実際、今年の例の核セキュリティ・サミット、オランダで開かれた。あのときには国際社会からの圧力もあって日本はアメリカに返還すると、要するに、自ら行動を起こすんじゃなくて外から言われて返還するというようなプロセスをたどっているんですね。
 そうしますと、本当に今、日本が持っているプルトニウムが平和目的だけなのか、このことについて疑念を払拭するための取組も原子力委員会としてはやるべきだと思うんですけれども、そういうこともこの委員会としてはやるということになっているんでしょうか。
#106
○国務大臣(山本一太君) 今、浜田委員がおっしゃったことは、まさしく原子力委員会にとって非常に大事な責務の一つでしたし、これからも更にそこに力を入れていくということだと思います。
 原子力基本法において、我が国の原子力の研究、開発及び利用、これは平和の目的に限るということがもう定められておりまして、原子力委員会ではこれまでに、今委員の方から御指摘ありましたが、プルトニウムの利用、管理の透明性の向上のため、我が国のプルトニウム管理状況の公表を始めとした取組を行っております。現在もIAEAに対して国際プルトニウム指針に基づいて我が国のプルトニウム管理状況の報告を行っておりますけれども、先ほど申し上げたとおり、法改正後も引き続きこうした取組を行っていく、特に国際会議等で専門家として我が国の立場を発信していくということは、新たな改正後の原子力委員会にとっても非常に重要な役目だというふうに認識をしております。
#107
○浜田和幸君 今、山本大臣がおっしゃったように、国際会議等を通じて日本のこのプルトニウムというものがあくまで平和目的だということをしっかりとコミュニケーションしていく必要があると思うんですね。でなければ、やはり中国を始め日本に対して疑念を持っている国々は、あらゆる国際会議の場において、日本のこのプルトニウムの所有そのものが軍事大国化につながるものだという批判の材料に使っているわけですね。
 最近も、中国側の発言を見ますと、佐藤栄作元総理の発言にまで遡って、これは一九六〇年代ですけれども、やはりプルトニウムを所有するということは日本が将来核を保有するオプションを持つために必要なことで、民間の要するにプルトニウムをちゃんと国が将来利用するということを言っている。また、二〇〇二年には安倍現在の総理が、小規模であれば核兵器を持つということも日本国憲法には縛られないというようなことを堂々と発言されている。そういうことを踏まえると、外から見ると、日本は外向けには平和利用と言っているけれども本心の部分ではそういう隠された軍事転用の意図があるのではないかというようなことを、言ってみればどんどん世界に広めさせている状況があると思うんですね。
 具体的に、国際会議に出て日本のそういう平和利用を主張するとおっしゃっていますけれども、どういう場を使って、またそういう世界の不安感に対して応えるということを考えておられるのか、その辺り、大臣のお考えをお聞かせください。
#108
○国務大臣(山本一太君) 浜田委員は国際政治学者としても様々な国際会議にも足を運ばれる機会があると思うのでよくもう御存じだと思うんですが、日本が軍事目的でプルトニウムを使うという疑念を持っている国はほとんど私はないというふうに思っております。
 原子力委員会も、そういう意味でいうと、先ほど委員が御指摘をされたように、事業者のいわゆる利用計画も出させていますし、もう日本を始めとする九か国でしょうか、自発的に分離プルトニウムもしっかりとどのくらい持っているかということを公表もしておりますので、そういう疑念を持たれているとは思っておりませんけれども、引き続き、様々な国際会議、私も先般、昨年ですか、IAEAに政府代表として総会に出させていただきましたけれども、IAEA等のやはり機会を通じて、日本の平和利用の現状それから展望についてしっかりと訴えていくということは大変大事だというふうに考えております。
#109
○浜田和幸君 是非、そういう意味での国際社会に対する日本の信用というか、そういうことをきちんと確保するためにもアピールを続けていただきたいと思うんですね。
 山本大臣は宇宙開発も担当されていますよね。その観点でいくと、最近、中国が主張しているのは、日本の宇宙開発、特にロケット技術、このロケット技術とこのプルトニウムをベースにした核弾頭の開発が結び付けば、立ち所にアメリカやロシア、当然中国を凌駕するような巨大な、言ってみれば軍事大国に日本がなるんじゃないか、様々な針小棒大とも言えるような対外的な広報活動をやっているわけですね。
 おっしゃるように、日本の意図をそういう具合に曲解するような国は少ないとは思います。少ないとは思うんですが、現に中国の対外情報活動を見ていると、まさにそういう日本の点を追及する意味で様々な批判を繰り返します。そういう中国に対して、何らかの、今は政治的には話合いができない状況にあると思うんですけれども、改善するような、そういうエネルギー問題に対する、あるいは原子力の平和利用、あるいは、新しい原子力委員会のもう一つの目的である放射性廃棄物の処理、埋設について、日本の国内でそういう場所がなかなか確保できない、あるいは、将来的に完全に放射能を除去する技術がまだない段階であれば、国際的な共同の埋設処理場を造るだとか、あるいはそこに世界の英知を結集してこの問題に取り組むとか、そういうことも是非、日本が働きかけるという可能性はないんでしょうか。
#110
○国務大臣(山本一太君) 特定の国、国名を挙げて何かを申し上げるというつもりはありませんが、今も委員がおっしゃったように、日本が原子力を平和利用していく、これからも平和利用をやっていくということについて国際社会から疑念を持たれているという感覚は私は持っておりません。しかしながら、やはり引き続き、新たな原子力委員会、改正後の原子力委員会でも、日本の立場、日本のやはり平和利用に対する取組というものは積極的に発信していくべきだと思います。
 それと、原子力委員会では過去様々な意見や提言を出しておりますけれども、放射性廃棄物の特に処理の問題については、例えば経産省で基本的な方針を改定する場合には原子力委員会の意見を聴かなければいけないということになっておりますので、そういうところにつきましても、必要に応じてしっかり意見を出していくべきだというふうに考えております。
#111
○浜田和幸君 国際社会が日本に対して根拠なき不信感とかあるいは疑念を持っているということは少ないとは、私もそう思います。とはいえ、先ほど特定の国名をちょっと出しましたけれども、そういう国は日本の現状を正しく理解していない、あるいは理解していても意図的に日本の評価、これをおとしめるための情報発信を続けているわけですから、それに対してはやっぱり日本としてもしっかりとした反論をするとか、あるいは国際社会を通じて日本の立場がしっかりと理解できるような、そういう活動を続ける必要があると思うんですね。
 ですから、原子力の、先ほどの、から発生する高レベルの放射性廃棄物、これの問題についても今検討が進んでいるということですけれども、具体的にどのような形で今後処理されるのか。フィンランドのオンカロの場合は十万年の長きにわたって埋設をするんだというようなことが言われていますけれども、日本でも幌延等でそういう研究は進んでいますけれども、今、日本の現状はどうなっているのか、原子力委員会の役割、新しい高レベルの廃棄物の処理処分に関する原子力委員会としての関わり方はどういうことを考えておられるのか。
#112
○国務大臣(山本一太君) 昨年の原子力委員会の在り方見直しのための有識者会議の報告書では、省庁横断的な課題とか長期的な取組となる放射性廃棄物の処理処分等については、関係省庁との役割分担の下で、実施に責任を持つ省庁とは異なる立場での技術オプションの評価等を行う意義があると、こういう見解が示されております。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分については、実施官庁である経済産業省のみならず、研究開発を担当する文部科学省等も含めた省庁横断的な検討が必要であって、原子力委員会では、最終処分関係閣僚会議とか、あるいは各省における検討状況を注視しつつ、省庁横断的な課題、長期的な取組について必要な検討を行っていくというふうに考えております。
 なお、今後、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づく最終処分に関する基本方針とか最終処分に関する計画を改定する際には、先ほども申し上げましたが、これは法律で定められておりますので、引き続き原子力委員会として対応をしっかりと検討してまいりたいと思います。
#113
○浜田和幸君 是非、柔軟かつ長期的な対策を進めていただきたいと思うんですね。
 その中で、長期にわたって国内で高レベルの廃棄物の保管場所が決まらない、あるいは、完全に処理する技術が確立されないという場合も十分考えられるわけですね。そうした場合に、例えばアメリカでさえ国内で埋設できない部分は海外に持っていって、特定の国、今名前挙げませんけれども、国でもって保管し、処理してもらっている前例というか、事例があるんですね。
 日本でもそういうことを考える余地はあるのかどうか。もちろん日本の国内で出た核のごみを外国に持っていくということに対しては大変な抵抗はあると思うんですけれども、国内で処理できないのであれば海外へということも選択肢としてあり得るのかどうか。その場合、経産大臣の許可が要ると思うんですけれども、その辺りの対応についてはどうお考えでしょうか。
#114
○国務大臣(山本一太君) 今委員のおっしゃった方針についてここで私が何か申し上げることはいたしませんが、何度も申し上げているとおり、特定放射性廃棄物の最終処分については、やはり原子力委員会がこれまでも様々な意見を発信をしてきましたし、引き続き、改定後の原子力委員会でもこの問題についてはしっかり取り組んでまいりたいと、このことだけ申し上げておきたいと思います。
#115
○浜田和幸君 以上で終わります。
#116
○山本太郎君 政党要件を満たすまであと少し、あと四人でございます、新党ひとりひとりの山本太郎です。よろしくお願いします。
 原子力委員会設置法の一部改正案なんですけれども、私は、原発過酷事故の防災計画、避難計画の基になる放射性物質拡散シミュレーションについて質問したいと思います。
 本日は、原子力委員長にわざわざお越しいただいておりますので、規制庁の答弁、手短にお願いいたします。
 まず、お聞きしたいんですけれども、何のために放射性物質の拡散シミュレーションをするんですかと聞かれた場合、その答えなんですけれども、この国に生きる人々の生命、健康、財産を守るために、万が一過酷事故が起こったことを想定し、最悪の事態でも対処できるようにするため、シミュレーションをするということでよろしいでしょうか。
#117
○政府参考人(黒木慶英君) そのとおりでございます。
#118
○山本太郎君 私、山本太郎の選挙区は東京なんですけれども、出身は兵庫県なんです。本委員会の水岡委員長、そして鴻池祥肇委員の地元でもある兵庫県、このように多様な人材の宝庫でもあり、阪神大震災以降、防災について常に危機意識を持った兵庫県から発信された情報を基に進めていきたいと思います。
 まず、配付資料の一、御覧ください。
 今年四月二十五日の東京新聞朝刊の記事なんですけれども、兵庫県が、福井県にある原子力発電所で東京電力福島第一原発と同規模の事故が起きた場合、放射性物質の拡散予測を兵庫県独自に行って公表したという記事です。この公表された結果が配付資料の二になります。
 配付資料二の、兵庫県の発表によりますと、大飯原発から百二キロ離れた神戸市でも甲状腺被曝線量が約七十五ミリシーベルト、兵庫県全市町の七五%が五十ミリシーベルトを超えるということなんです。あの国際原子力機関、IAEAでさえも五十ミリシーベルトでは安定ヨウ素剤を予防服用する基準となっている数値です。
 兵庫県としては、原発から約三十キロ圏内の緊急防護措置区域、UPZの外でも放射性プルーム、放射能雲ですよね、放射性プルーム通過時の被曝を避けるための防護措置を実施する地域、PPAの対策早期導入を中心とする原子力防災対策への申入れを関西広域連合を通じて行ったということですけれども、国はこの申入れにどう対処したのか、原子力規制庁、簡潔に御説明ください。
#119
○政府参考人(黒木慶英君) 原子力規制委員会が出されました原子力災害対策指針におきまして、プルーム通過時の防護措置を実施する地域の具体的な範囲であるとか、あるいは防護措置の実施の判断の考え方につきまして、今後、原子力規制委員会において国際的議論の経過を踏まえつつ検討し、指針に記載をすることといたしております。
 プルームにつきましては、空間放射線量率の測定だけでは、通過時の防護措置の実施を判断することは困難であります。したがいまして、原子力施設の状況に応じた防護措置の実施の判断の考え方などについて、現在検討を行っているところでございます。いずれにしましても、できる限り早く原子力規制委員会で検討いたし、指針に記載できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 以上であります。
#120
○山本太郎君 できるだけ早くということなんですけれども、この放射性プルーム通過時の防護措置、PPA対策、できていないということを今お話しされていましたけれども、大体でいいんですけれども、いつまでにできますかね、これ。
#121
○政府参考人(黒木慶英君) 今、先ほど申し上げましたとおりでございまして、国際的な議論の経過を踏まえつつ、技術的な検討を行っているというところでございます。その結果を基に原子力規制委員会で検討を行うことになりますけれども、時期については現時点ではお示しすることはできません。先ほど申し述べましたように、できる限り早く原子力規制委員会で検討し、指針に記載できるよう取り組んでまいる所存でございます。
 以上であります。
#122
○山本太郎君 国際的議論とかという話なんですけれども、近々そのことについて話す機会というのは予定されていますか。あれば、いつ頃か教えていただければ助かります。
#123
○政府参考人(黒木慶英君) 国際的議論につきましては、IAEAの方で、このPPAという概念自体じゃありませんけれども、様々な検討を行っておりますので、そういう検討の中で何らかの知見を得ながら検討していきたいということでございます。
#124
○山本太郎君 東電福島第一原発事故、事故地点から約六十キロぐらい離れた福島県の中通りですよね、福島市、二本松市、郡山市などに、事故後の三月十五日午後に放射性プルームが通過したと思うんですけれども、原子力規制庁、これは事実でしょうか。
#125
○政府参考人(黒木慶英君) 福島市に関しましてはデータが残っておりますが、二本松市に関しましてはデータ、測定は行われておりませんけれども、福島市に関しましてはプルームの通過であろうと思っております。
 以上であります。
#126
○山本太郎君 中通り方面に放射性プルームが通過したというのは、もう当然の話なんですよね。事故後に、理化学研究所と高エネルギー加速器研究機構というのが合同チームで調査をしているんですよね。三月十五日の十五時頃、郡山の東インターチェンジでキセノン133を含む放射性プルームを観測したという調査報告もされています。当然です。二〇一一年の三月十二日、一号機爆発しましたよね。十四日の三号機、大爆発しましたよね。十五日の二号機も爆発しました。
 当時、東京に放射性プルームが来たというのはいつ頃だったかというのは御存じですか。ごめんなさい、これ通告にないですけど。
#127
○政府参考人(黒木慶英君) その点に関しては、今データは持っておりません。
#128
○山本太郎君 いついつに来たというのはなかなか通告していなかったので難しいと思いますけれども、東京にももちろん放射性プルームは来ていますよね。
#129
○政府参考人(黒木慶英君) プルームと言うかどうかは別ですけれども、放射性物質の拡散のために、周辺の都道府県におきまして一時的に放射性物質、放射線の量が増えたといった事実はございます。
#130
○山本太郎君 東京には来たんですか。周辺の都道府県、まあ都道府県と言われているから東京は含むんでしょうけれども、もちろん東京にも来ているはずなんですよ。じゃなかったら、ホットスポットというものが東葛地域にはできていないですからね、東京も当然汚染されているという事実は当たり前のことだったと思います。
 これ、東電福島原発事故の教訓という意味での話を続いてしたいと思うんですけれども、福島市、二本松市、郡山市など、先ほど、プルームが通過した、福島市しか私は知らないというようなこと、データではないんだというようなことをおっしゃっていましたけれども、この放射性プルーム通過時の防護措置、PPAとして、当時、屋内退避指示や安定ヨウ素剤の予防服用などを指示すべきだったと思うんですけれども、規制庁、いかがでしょうか。
#131
○政府参考人(黒木慶英君) 大変難しい質問でございます。
 一般的に、プルーム通過時の防護措置につきましては、屋内退避の実施が基本になると考えます。ただ、具体的に福島市、二本松市のそのときの状況を前提に質問ということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、まさにその点について検討中でございますので、その点について規制委員会として、あるいは規制庁としてこの場で答弁をすることは控えたいと思います。
#132
○山本太郎君 検討しているうちは、じゃ、再稼働なんてとんでもない話ですね。はい、分かりました。ありがとうございます。
 実は、原子力規制委員会は、先ほどの兵庫県の申入れに応えるどころか、兵庫県の拡散予測を否定するような試算結果、わざわざ五月二十八日に発表しましたよね。それが配付資料の三になります。この兵庫県のシミュレーションというのは間違っているんでしょうか。
#133
○政府参考人(黒木慶英君) シミュレーションというのは、様々な条件の下にそれぞれの計算コードに基づいて行います。それはある目的を持って計算するわけです。
 我々がやったシミュレーションと兵庫県がやったシミュレーションとが全く違う目的かもしれません。計算条件が全く違います。そういった中で、その両方を比べて矛盾するから片方が片方を否定すると、そういう関係ではありません。
 シミュレーションに関しましては、条件それから計算コード、何のためにやるかを含めて、結果においては相当異なるものであるということは周知のことだと思います。
 以上です。
#134
○山本太郎君 ありがとうございます。
 黒木さんおっしゃったとおりなんですよね。前提条件が違うんだよということですよね、規制庁がやったものとそして兵庫県がやったものと。
 規制庁の試算と兵庫県のシミュレーション、前提条件がいろいろ違っています。一番違っているのが何なのか、放出される放射性物質の量でございます。規制庁の試算、配付資料三の一ページから二ページに書いてあるように、セシウム137が五時間で百テラベクレル放出されたと仮定しています。一方、兵庫県のシミュレーションは、配付資料二の五ページの上段に書いてあります、セシウム137は一時間当たり四百テラベクレル、五時間換算なら二千テラベクレル。規制庁の百テラベクレルと兵庫県の二千テラベクレル、要するに規制庁の方が放出量、二十分の一少なく計算していますよね。
 規制庁の計算では、セシウム137は百テラベクレルですけれども、セシウム134、ヨウ素131の想定放出量、これ何ベクレルになりますか。
#135
○政府参考人(竹内大二君) 本年五月二十八日に公表しました試算におきましては、セシウム134については約百六十テラベクレル、ヨウ素131については約八百テラベクレル放出されるとの仮定で計算しております。
#136
○山本太郎君 ありがとうございます。
 配付資料三の一ページ目の中段、新規制基準で強化されたので、同様の事故だと百テラベクレル以下になるというふうに書いてあるんですね。これ、ちょっと見たときに僕びっくりしたんです。これ、新たなる安全神話、規制庁自らつくり出すつもりかと思ったんですけれども、その下にまたもう一つ書いてあったんですね。「なお、本試算はこれ以上の規模の事故が起こらないことを意味しているものではない。」というふうに書いてあったんです。ああ、非常に楽観的な想定で半端なシミュレーションをしたのかなというふうに思ってしまったんですけれども。
 私、規制庁のこの想定、話にならないと思うんですよ。危機管理の基本原則って何ですかと考えたときに、やっぱりプリペア・フォー・ザ・ワーストだと、最悪の事態に備えるということが当然のことだと思うんです、基本だと思うんです。少なくとも、東電福島原発と同量の放射性物質が放出されたということを前提に試算すべきだと思うんです。そのためのシミュレーションじゃないかと思うんです。
 兵庫県の考え方の方が危機管理として正しいんじゃないかなと思うんですけれども、東電福島原発の放出量、事故後放出されたもので試算しないのは何か不都合でもあるのかなと疑っちゃうんですけれども、この兵庫県のシミュレーションを踏まえて、最悪の場合五十ミリシーベルトの甲状腺被曝線量が試算される地域のPPA対策の早期検討と原子力災害対策指針への反映、対策の具体化を求める兵庫県の申入れに早急に対応することを約束していただきたいんですよ。
 規制庁、対応する、対応しない、二択でお答えいただけたりしますか。
#137
○政府参考人(黒木慶英君) 残念ながら、二択ではお答えできません。
 まず第一に、福島並みの試算をしていないというのは、それは事実ではございません。福島並みのシミュレーションは既に行われております。ですから、その点については御理解ください。
 二択については、当然のことながら、今まで答弁しましたように、今誠実に検討しております。当然、兵庫県の方も私のところに来ていろいろお話ししていますので、そういった中でのやり取りでございますので、それについて約束する、約束しないという話ではなくて、まさに我々やらなきゃいけない話であります。
 以上です。
#138
○山本太郎君 非常に力強いお答えをいただきました。二択じゃなくて、私たちがやらなきゃいけないことだというお答えをいただいたということでよろしいですか。ありがとうございます。
 最後に、原子力委員長にお伺いいたします。
 このおおむね五十キロというふうにされていますPPAなんですけれども、これ、おおむね五十キロ、まあ五十キロ以上もあるんでしょうけれども、基本は五十キロ、そこから出ることはあるだろうけれども、でも、この放射能プルームというのは、先ほどのずっとこの話の流れからもありましたとおり、五十キロではなく六十キロでもなく七十キロで止まったりとかするものじゃないですよね。東京まで二百五十キロ来たという話もあるわけですし、どれぐらいの広さまで行くか分からないという部分があると思うんですよね。
 もっと広い範囲でのPPA対策ができて、各道府県の地域防災計画が改定される、それまで原発再稼働とかできるはずもないと思うんですけれども、委員長の御見解いかがですか。
#139
○政府参考人(岡芳明君) 原子力発電所の再稼働の是非につきましては、原子力規制委員会の専門的な判断に法律的には委ねられております。それから、防護措置の要否についても、原子力規制委員会において判断していただけるものと理解しております。
 原子力委員会としては、その要否とか内容の妥当性について直接申し上げる立場にはございませんので、御理解いただきたいと思います。
#140
○山本太郎君 何といいますか、じゃ、この今話していますこの原子力規制委員会と、そして、もう一つ組織が存在する理由が出てくるのかなとかというふうに思っちゃうんですよね。ブレーキになるというか、正しいことは正しい、これはこうするべきだ、どうして、住民の命を守るため、健康を守るため、生命を守るため、財産を守るためというところに一役買ってくれるというような組織なのであれば絶対に存在するべきだというふうな気持ちになれるんですけれども、なかなかそう思えないというところが何か残念です。
 過酷事故が起こっても、国も電力会社も電機メーカーも責任取らないということはもう明らかなんですよ。何でそれが明らかだと言えるかといったら、だって東電には強制捜査も入っていないし、東電の首脳陣は逮捕もされていないんですよ、これだけの事故を巻き起こして。十三万人以上の人たちがふるさとに帰れないような状況で、そんなような状況で本気で再稼働したいというのなら、最低限、住民が自力でも逃げ出せるぐらいの最低限の誠意を見せていただきたいと、心からそう思います。
 終わらせていただきます。ありがとうございました。
#141
○委員長(水岡俊一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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