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2014/03/31 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 決算委員会 第2号
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2014/03/31 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 決算委員会 第2号

#1
第186回国会 決算委員会 第2号
平成二十六年三月三十一日(月曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     山谷えり子君     岩井 茂樹君
     相原久美子君     尾立 源幸君
     江崎  孝君     安井美沙子君
     小西 洋之君     斎藤 嘉隆君
     山下 芳生君     倉林 明子君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     倉林 明子君     紙  智子君
     柴田  巧君     川田 龍平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子原二郎君
    理 事
                井原  巧君
                江島  潔君
                熊谷  大君
                神本美恵子君
                西村まさみ君
                杉  久武君
    委 員
                岩井 茂樹君
                島村  大君
                滝波 宏文君
                馬場 成志君
                古川 俊治君
                堀内 恒夫君
                舞立 昇治君
                柳本 卓治君
                吉川ゆうみ君
                若林 健太君
                尾立 源幸君
                風間 直樹君
                斎藤 嘉隆君
                難波 奨二君
                安井美沙子君
                平木 大作君
                山口 和之君
                山田 太郎君
                紙  智子君
                倉林 明子君
                田村 智子君
                藤巻 健史君
                川田 龍平君
                又市 征治君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域、地
       方分権改革))  新藤 義孝君
       法務大臣     谷垣 禎一君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     石原 伸晃君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   根本  匠君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    山本 一太君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   副大臣
       財務副大臣    愛知 治郎君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  小松 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡  拓君
   政府参考人
       内閣官房内閣審議
       官        菱山  豊君
       内閣法制局総務
       主幹       高橋 康文君
       内閣法制局第一
       部長       近藤 正春君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       経済産業大臣官
       房総括審議官   糟谷 敏秀君
       経済産業大臣官
       房審議官     鍜治 克彦君
       経済産業省商務
       情報政策局長   富田 健介君
       中小企業庁長官  北川 慎介君
       国土交通省道路
       局長       徳山日出男君
       防衛省経理装備
       局長       伊藤 盛夫君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     川滝  豊君
       会計検査院事務
       総局事務総長官
       房審議官     桜田  桂君
       会計検査院事務
       総局第二局長   藤崎 健一君
       会計検査院事務
       総局第三局長   堀部  貢君
       会計検査院事務
       総局第四局長   田代 政司君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本放送協会経
       営委員会委員長  浜田健一郎君
       日本放送協会経
       営委員会委員(
       監査委員)    上田 良一君
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十四年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十四年度特別会計歳入歳出決算、平成二十四年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十四
 年度政府関係機関決算書(第百八十五回国会内
 閣提出)
○平成二十四年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百八十五回国会内閣提出)
○平成二十四年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百八十五回国会内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 去る二十八日、山谷えり子君、山下芳生君、江崎孝君、小西洋之君及び相原久美子君が委員を辞任され、その補欠として岩井茂樹君、倉林明子君、安井美沙子君、斎藤嘉隆君及び尾立源幸君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金子原二郎君) 平成二十四年度決算外二件を議題として、本日は全般質疑を行います。
 まず、私が決算委員長として質疑をいたします。
 国会の決算審査は、その結果を次の予算編成に反映させる重要な役割を担うものであります。参議院ではこれまで、決算の早期審査や充実した審査の在り方について議長の諮問機関等で度々協議を行うなど、院として決算審査を重視してきました。
 本委員会においてもこれまで、決算重視の参議院の名に恥じぬよう、政府の協力も求めながら、精力的に決算審査を進め、常会中にその審査を終えることで、その役割を果たしてまいりました。しかしながら、平成二十三年度の決算の審査は一年以上遅れており、現在、本委員会には二年度分の決算が付託されているという近年では例を見ない状況であります。
 昨年二月、決算参照書類に多数の誤りが見付かり、その訂正に時間が掛かったこと等により、本委員会は昨年一年間で二回しか質疑を行うことができず、このような事態になったことは誠に遺憾であります。今後はこのようなことがないように、決算委員会としても、与野党を超えて協力し、精力的に決算審査を進めてまいりますが、政府におかれましても、これまで以上に本委員会の迅速な決算審査に協力するように求めます。
 総理の見解をお伺いします。
#4
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会における決算の審議は、執行された予算が所期の目的を果たしているか等について御審議いただき予算へと反映させていくものであり、極めて重要なものと認識しています。参議院においてこれまでも決算審議の充実に取り組まれてきたことに改めて敬意を表するとともに、政府として、参議院における決算審議に当たり最大限協力してまいりたいと思います。
#5
○委員長(金子原二郎君) 以上で私の質疑を終わります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○岩井茂樹君 自由民主党の岩井茂樹でございます。
 冒頭ではございますけれども、今回、沖ノ鳥島周辺で作業船におきまして事故がございまして、五名の方々が命を失うということになりました。心から御冥福をお祈りいたします。
 公共事業ということで、今回はそれについて中心的に質問させていただきたいんですけれども、まずは、本日は決算委員会の質問ということでありますので、我が国の社会資本の維持管理に関わる諸問題を中心に、効率的な行政の実現の観点を踏まえまして、質問をさせていただきたいと思います。
 昨年十一月に提出をされました平成二十四年決算の審査がようやく本日始まることになりました。決算審査の充実を目指してきたものの、ここ数年それが滞っていたことに関しまして、そのようなことを念頭に置きながら質問をまずはさせていただきたいと思います。
 二十四年度決算検査報告では、六百三十件、額にいたしまして四千九百七億円が指摘をされました。これ、過去三番目に多い金額となっております。個別案件では、東日本大震災からの復興に向けた施策等に関するもので、復旧復興事業における入札不調の問題や被災地での災害公営住宅の整備の遅れなどを挙げられておりまして、平成二十三、二十四両年度の震災復興事業の執行率は七七%と報告をされました。また、国民生活の安全性の確保に関するものでは、橋梁等の維持管理、そしてなかなか進まない公共建築物の耐震化などが指摘をされております。
 なぜこのような建設関連の問題事項が多く指摘されるのか、私は、ここの大きな原因というのはやはり公共事業、その事業費が削減をされていることにあるのではないかなと、こう感じております。グラフをお願いいたします。(資料提示)
 公共事業予算は、平成で見ますと、補正も含めて平成十年、ちょうどこれピークになっているところでありますけれども、十四・九兆円ということでピークになっておりますけれども、御覧のとおり、その額というのは年々減少が続いておりまして、現在では平成十年の半分以下の額というふうになっております。
 無駄な公共事業説というのは以前からありましたけれども、必要な公共事業というのはやはりやらなければ私はいけないと思っております。必要以上の予算削減をされているのではないか。それによって建設業が衰退をして、その建設業を担う労働者の数も減ってきているのではないでしょうか。その結果、復興事業の遅延や老朽化、耐震化のその対策が対応できなくなっているのが現状ではないかと、こう思っております。
 被災者の生活、国民の安全を守っていくには、指摘された事項を今後の対策に資するべく精査をしていくことが参議院の決算委員会の職責であります。
 決算検査報告で指摘された公共事業の現状に関して、まず認識、財務大臣、麻生大臣の認識をお伺いいたします。
#7
○国務大臣(麻生太郎君) これは、岩井先生御指摘のとおり、会計検査院の二十四年度の決算報告書におきまして、被災地におきます復興予算の執行の遅れ、それから高速道路をまたぐ陸橋の点検状況の把握等々について指摘をされているところであります。これらに対しましては、復興庁、また国土交通省を中心に適切に対応していただくことが必要であろうと考えております。
 その上で、一昨年十二月の笹子のトンネルの事故を契機に、老朽化が進んでおりますインフラの安全性に対する国民の不安が高まっておるんだと考えておりまして、高度成長期以前、東京オリンピック以前と言った方がいいのか、に整備されたいわゆる社会資本の老朽化というのは五十年を経て進んでおります。今後とも必要な社会資本の機能と安全性を確保するということは、これは極めて重要な課題であろうと考えております。
 したがいまして、平成二十五年度の予算におきまして、引き続きまた二十六年度の予算におきましても、社会資本の老朽化対策、それから防災・減災も含めまして、真に必要な公共事業関係費六兆円を計上させていただいております。今後とも、これ極めて大事な問題でありますので、必要な事業を重点化しながら社会資本整備というものを進めていくことが重要であろうと考えております。
#8
○岩井茂樹君 ありがとうございます。
 老朽化対策というのは、すぐやろうとしても、ただいま申し上げましたように、例えば働く方自体がいなくなっているという状況であると、これはもういかんともし難いというところになります。当然、予算的な措置というのはしっかりしていただかなければいけないんですけれども、やはり担い手の確保等、場合によれば発注者もその辺を意識をしっかりして、その辺を当たっていかなければいけないのではないかなと思っております。
 次に、総理に伺います。
 私は、新生安倍政権が誕生してから日本は再生に向けて再び力強く歩み始めたと思っております。安倍総理は、日本を取り戻すと、そう宣言をされて、まずは金融面で、二十年に及ぶデフレから脱却するために大規模な金融の緩和を行いまして、本当に成果を出されてきているのではないかなと、こう感じているところであります。
 しかし、安倍総理が取り戻そうとしている日本というのは、私は、経済面だけでは当然ないと、こうも思っております。教育の再生もあるでしょうし、何といっても、東日本大震災を経験した私たちにとって、我が国日本の安心、安全、それを取り戻すということは本当に重要な、大切な課題だと私は思っております。
 総理は、今年の施政方針演説の中で、災害から人命を守り、社会の機能を維持するため、危機管理を徹底するとともに、大規模建築の耐震改修や、治水対策、避難計画の作成や防災教育など、ハードとソフトの両面から、事前防災・減災、老朽化対策に取り組み、優先順位を付けながら国土強靱化を進めますと、こう述べられております。
 まさに、事前防災・減災、老朽化対策というのは、人の命を守り、社会を守る切り札になってまいります。特に老朽化対策は、高度成長期を経験し、それから五十数年が経過し、その抜本的な対策を突き付けられているわけでありまして、喫緊の課題となっております。一般的にコンクリート構造物の耐用年数というのも五十数年と言われておりまして、今まさに当時建設された社会資本が更新の時期を迎えております。
 その辺りを踏まえ、今後の社会資本の在り方について、総理の御見解をお聞かせください。
#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東日本大震災が発生をしました。そして、首都直下型地震や南海トラフ地震の発生が懸念される中におきまして、今委員が御指摘になったような事前防災そして減災の考え方によって災害に強い国づくりを目指す国土強靱化は、我が国にとってまさに焦眉の急と言ってもいいと思います。施政方針演説においてもそうした問題意識を指摘させていただきました。
 また、高度成長期以降に整備したインフラが急速に老朽化をしているのは事実でございまして、長期間にわたって社会インフラが適切に機能を発揮するためには維持管理・更新にもしっかり取り組んでいく必要があります。実際に、平成二十六年度予算においても、トンネルや橋梁といった既存インフラの老朽化対策や耐震化等の防災・減災対策など、国民の命と暮らしを守る事業などを中心に重点化してきたところでございます。
 こうした公共事業といいますと、ただただコンクリートを使って無駄な公共事業をしているのではないか、そういうイメージが振りまかれてきたわけでございますが、我々はあの大震災の経験から、まさにこうした防災対策こそ国民の命を守り、国民の生活を守るものだということを再認識したはずであります。今後とも、社会資本の整備に当たっては、こうした必要性、緊急性の高いものに重点化をした上で真に必要な事業を着実に進めていく考えであります。
#10
○岩井茂樹君 ありがとうございます。
 ひととき、本当に公共事業に対するバッシングといいますか、いわれのない言い方をされ、やるべきことができていなかったのではないかなと思っております。東日本大震災、これ契機になりましたけれども、もう一度我が国日本の安心、安全をしっかりと考えていく、これは政治家としてやらなければいけない義務だと思っております。
 さて、少し具体的な話に移りたいと思います。
 総務省より平成二十四年二月に公表されました社会資本の維持管理及び更新に関する行政評価・監視において、その調査結果に基づく勧告がなされております。ポイント幾つかあるんですけれども、例えば、高度成長期に集中的に整備された社会資本の維持管理・更新、これしっかりやっていかなければいけないということ。また、既存の社会資本に対しては、適切な維持管理・更新をやらなければいけない。また、新たな社会資本の整備に関しては、より効率的、計画的な整備、維持管理のための長寿命化対策等も検討をしていかなければならない。また、ライフサイクルコストの縮減に向けた効果的かつ効率的な維持管理を推進する、これもしっかりやっていかなければいけない等々指摘をされております。
 実は、私、以前に決算委員会や行政監視委員会でもこの社会資本の老朽化対策、維持管理・更新の話について質問をさせていただいておりますけれども、さきに述べましたように、この老朽化対策というのは我が国日本にとって本当に喫緊の課題となっております。社会資本が老朽化するということは、先ほど財務大臣の御答弁の中にもありましたけれども、平成二十四年に発生をした笹子トンネルの事故で九名の方々が犠牲になりました。老朽化は、人、そして社会の安心、安全を脅かすものであります。また、これは老朽化と少し違うんですけれども、先日の首都高速道路三号渋谷線の火災が発生した件において、首都高速道路が通行止めになりました。体で例えれば血管である道路が滞ることによって、経済に与えるインパクトというのは非常に大きなものがあります。
 さて、そのような問題意識を持ちつつ、先日、首都高速道路の老朽化の状況を確認するために、参議院自民党の地域づくりと道路整備に関する勉強会というのが実はありまして、現地に視察に行ってまいりました。私も片手にカメラを持って、実際にこのフリップの中の何枚かは私自身が撮った写真なんですけれども。
 まず、左上の写真を御覧ください。これは、首都高速道路を横方向から撮影した写真なんですけれども、支持桁と橋脚の中心、センターが少しずれているのがお分かりになるでしょうか。私、実は土木屋でございまして、これを見た瞬間にちょっとどきっとしたんですが、ただ、これに対する対策はしっかりと取られているとは思うんですけれども、現状がこのような状況です。
 さて、左下、また右上の写真を御覧ください。この周辺というのは海水面が近いということで、大変過酷な浸食環境にあるということで非常に老朽化が進行をしております。この写真は、自動車の荷重を直接受ける床版というところの裏側なんですけれども、コンクリートが御覧のように剥離をいたしまして、鉄筋自体も腐食をしております。これ、このまま老朽化が進んでいくとかなり強度にも問題が出てくるのではないかなと、こういうふうに率直に思います。
 そして、右側の一番下の写真を御覧ください。これは現場、ちょっと引きの写真なんですけれども、少し分かりにくいんですけれども、奥側に首都高があります。そして、手前側にモノレールが走っておりまして、近接してこのように構造物が造られております。ということは、これから維持管理やるために、又は更新、場合によったら古いものを取り壊して新しいものにしていくというときに、恐らく施工面で非常に難しいところが出てくるのではないかなと、このような感想を持っているところであります。
 現在の首都高速道路は、一部でありますけれどもこのような状態となっております。この上の道路を毎日実は八万台以上の車が通過をしております。恐らく、そこを通過する方々でこの下の状況を心配しながら通っている方というのはいないのではないかなと思います。ほとんど意識されていないのが私は現状だと思っております。
 さて、ここで質問ですけれども、老朽化対策にはいろいろなフェーズがあると思うんですけれども、まずは緊急性を要するもの、そして、少し余裕はあるけれどもなるべく早く対応をした方がいいというもの、又は十分余裕があるのでそこには戦略的な対策を持って臨んでいった方がいいもの等々、やはり段階があると思います。
 恐らく、先ほど示した写真というのは老朽化対策ということでは緊急性を要するということだと思うんですけれども、しっかりとした対応が図られているとは思うんですけれども、ここで確認の意味も込めまして、高速道路の現状の問題点は何か、そしてどのような対策をしているかを、国交大臣、よろしいでしょうか。
#11
○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘の点に全て私は尽きていると思うんですが、高速道路ということからいきますと、大体、桁のところと橋脚との間の継ぎ目のいわゆる支承という、専門用語で言いますと、その部分が一番心配だということと、こうした海風が、かなり潮風が吹いてくるというようなことや、水に、クラックが入って、そして鉄筋がさびる、それがまたクラックを呼ぶというようなことが一番の問題であろうと思います。
 東京オリンピックに合わせて首都高速はかなり急ピッチで建設をしたということもありますし、それから五十年が経過しているということからいきまして、弱点となる部分を総点検をした上で、今緊急の修繕すべきところをしているということでございます。
 いろんな段階が御指摘のようにありますから、首都高はその辺はよく踏まえて、全体的には約六千三百億円の更新事業が必要であるという試算をしているところでありますけれども、更にそうした段階に応じて対応をしていかなくてはいけないというふうに思っているところでございますし、またそれに向かって今首都高としてはやっているというふうに承知しています。
#12
○岩井茂樹君 ありがとうございます。いろいろ段階に応じてのやり方というお話がありましたけれども、例えばアセットマネジメントのような、対策をする時期をなるべく平準化していくようなやり方もあろうかと思っております。
 先ほど答弁の中にも少しオリンピックという言葉があったかと思います。少しその時代背景に触れながら質問をさせていただきたいと思います。
 我が国の社会資本というのは高度成長期に集中的に整備をされました。その契機は昭和三十九年の東京オリンピックであったというのはこれ間違いないと思うんですけれども、昭和三十四年に実はその東京オリンピックを開催するということが決定をいたしました。五年後の開催に向けて、高速道路や新幹線に象徴される社会資本の整備が急速にこれ進みました。本格的なモータリゼーション、これが、その時代が到来したんではないかなと思うんですけれども、同時に、これによって高度経済成長というのは加速をしたと私は思っております。
 しかし、オリンピックの開催まで僅か五年という限られた期間の中で、工事は、先ほど大臣のお話にもありましたように、かなり急ピッチであったという、私もそれを存じております。特に首都高速道路は、用地買収などの関係で川の上や堀の上をうまく使おうということで、そこを埋め立ててその上に造ったために、現状どうなっているかというと、急カーブが連続をして交差橋梁の橋脚と首都高の橋脚が近接している部分がありまして、大変維持管理をやる場合になかなか難しいという問題があるという現場の話を伺ってまいりました。
 昭和のオリンピックは、戦後復興の機運が高まる中での開催となり、完成まで猶予期間というのが五年ありました。一方、現在、東日本大震災からの復興が進む中で、二〇二〇年の開催、平成三十二年になるんですけれども、平成のオリンピックまであと六年であります。オリンピックという国家的一大事業を数年後に控えているという、その中で社会資本整備をやらなければいけないという意味では、大変当時と現在の状況、似ているのかなというふうに感じております。時代は繰り返されるというふうなものが直感であります。
 ただ、昭和と平成で違うものは、例えば首都高速道路でいえば、前回は、用地の問題があったにしても、河川や堀を埋め立てることによって、行け行けどんどんという形で突貫工事で高速道路を造ることができました。しかし、今回は、既存のインフラの維持補修、場合によっては古いインフラを取り壊して同時に新しいインフラを造っていかなければなりません。作業量の面でも技術的な面でも前回よりもかなり困難な厳しいものを要求されるのではないかなと思っております。
 そこで、一つお尋ねをいたします。
 今回、あと六年で東京オリンピックが開催をされますが、前回のオリンピックと同程度の時間的余裕しかない中、前回の社会資本の整備とその後の状況から、これからの社会資本の整備に当たり、何を教訓とし、そして何を変えて、何を更に良くしてやっていこうと政府は考えているのか、御答弁をよろしくお願いいたします。
#13
○国務大臣(太田昭宏君) 時代には、それぞれ、そこで対応していかなくてはならないという時間的な制約というのは当然あると思います。
 しかし、今五十年を東京オリンピックから経まして、そして次のオリンピック、二〇二〇年、そしてプラスパラリンピックというのがあると。そこでの整備というのは、基本的に、これだけをターゲットにしてというのではなくて、日常的に、今圏央道を始めとするそうした首都環状三道路を造っているわけでありますけれども、それは日常的に、その二〇二〇年というものをゴールにしようとしているわけではありません。
 そうした、常にこの大きな都市東京をどうするかという観点で今までも整備をしてきたということを、延長線上にあると捉えると同時に、常にそこに、二〇二〇年は、一つは二〇二〇年の構造物をゴールにしてはならないと、その後も非常に質の高い整備というものが行われて、一旦造ったならばなかなか修繕というのは確かに難しいということからいきまして、質の高い構造物を造り上げる。そしてまた、パラリンピックということがあるということを、逆にそれを大事なチャンスと捉えて、バリアフリーのまちづくりということも併せてそこで展開する。新しく獲得すべき質というものは、安全という面の質とともに、それを使うということにおいてのまた重要な質という両面を獲得するという作業が必要だというふうに思っています。
 ましてや、首都直下地震が切迫をしているということを十分踏まえて今構造物を造るということをやっていかなくてはならない、プラスして防災・減災という角度を常に踏まえてこれからの公共事業というものはやっていかなくてはならないということが大事な教訓であろうというふうに思います。
#14
○岩井茂樹君 ありがとうございます。
 二〇二〇年をもうゴールにしないで、継続的にやらなきゃいけないことをやっていくというお話だったんですが、ただ、私は今度のオリンピックというのは我が国日本にとって再生の大きな大きな原動力になってくるのではないかと思っております。世界中から様々な方がこの日本にやってきて、日本のすばらしいものに触れて、日本の良さを多分体感をされるすごく良い機会だと思っております。当然、インフラがそのときにしっかりと整っていないようでは、私はどうかなと思うんです。優先順位というお話が総理のお話の中にもありましたけれども、そこはしっかりと、東京オリンピックの成功が我が国日本のしっかりとした契機になるということを少し頭の片隅に置いていただいて、なおかつ日本全国やらなければいけないことをしっかりやっていくというスタンスで是非よろしくお願いをいたします。
 それでは、続きまして、社会資本の維持管理・更新なんですけれども、財源を少し絡めてその観点について御質問したいと思います。
 新聞報道では、一三年度に三・六兆円だった道路や下水道などの十分野の維持管理・更新費用は十年後には五・一兆円、これ最大なんですけれども、膨らむと試算をされております。
 首都高速道路の更新、修繕を行うに当たって、料金収入の徴収期間を最大十五年延長し、それを財源として充てる計画があると聞いておりますけれども、これは、更新、修繕費を短期的に調達するのではなくて、最大十五年を掛けて調達するということでありまして、これは平準化、つまり、一年当たり必要とされる工事の工期を延ばすことにより掛かる費用の山を少しなだらかにしていくという方策だと思います。このように維持管理・更新費を平準化するということは大変重要だと私は思っておりますし、今後もほかの事業でこのような手法を是非取り入れていただきたいと思っております。
 さらに、財源の話に絡むんですけれども、防災・減災の視点から、今、立体道路制度の既存の高速道路への適用拡大ということが考えられているというお話を伺いました。
 現在、首都高速道路更新計画として概算事業費というのは、先ほどお話にもありましたけれども、六千三百億円見積もられておりますけれども、この更新財源を捻出する手法として立体道路制度の改正法案が今国会に提出をされております。この手法は、首都高速道路築地川区間をモデルケースとしまして、半地下の首都高速道路の上部を人工地盤で覆い、地上を造り出した新しい土地の空中権を周辺のビルの持ち主の方々に売却をするというものであります。この制度は、国や地方の財源が足りない中、民間の資金を活用して事業を進めることができて、また、諸外国でも実は一般的に行われているものでありまして、大変効果的な手法だと私自身は思っております。
 ただ、半地下の道路の上に蓋をしてしまうということになるので、事故や災害が起こった際の救助や消火、煙対策といった点や、津波やゲリラ豪雨によって道路が冠水してしまうのではないかというような点について、新しい空間を考えていくときにはやはり新しいリスクを伴うという念頭に立って、どのようにその対策について考えているか、政府の御見解をお聞かせください。
#15
○政府参考人(徳山日出男君) 首都高速道路の老朽化対策を進めるに当たりまして、立体道路の制度を使いまして道路の空間を有効活用すると、これは道路側にも都市側にもメリットがあると思いますが、先生御指摘のとおり、蓋を掛けるという人工地盤を造る可能性が出てまいります。
 築地川区間に蓋をする場合には、これはトンネルと全く同様の安全対策を講じたいと考えております。つまり、その延長に応じまして、トンネル非常用施設に関する基準に従いまして消火設備等の非常用施設を設置することになります。また、津波の場合はその想定に応じた対策、あるいは集中豪雨時の排水対策などを考慮して、安全が確保されるように設計することになると考えております。
#16
○岩井茂樹君 ありがとうございます。事前にしっかりとした対策を取っていただいて、そのような災害が起こらないように対応していただきたいと思っております。
 続きまして、経済産業分野について一問お伺いしたいと思います。
 この国会に問われているのは経済の好循環の実現であります、景気回復の実感を全国津々浦々にまで、皆さん、届けようではありませんかというふうに、総理も施政方針演説の中でこう問いかけられておりました。実際、我が国の経済も、三本の矢によって長く続いたデフレで失われた自信を取り戻しつつあるということは、どなたも異論のないところではないでしょうか。四四半期連続でプラス成長、そしてGDPが五百兆円の回復も視野に入ってまいりました。有効求人倍率は一・〇四倍、昨年末のボーナスも上がったと聞いておりますし、また、春闘の結果も大企業を中心にベア、アップを勝ち取って、定期昇給と合わせて相当額の賃上げがなされたという報道も至る所で私は見てまいりました。中小企業でいえば、昨年十月から十二月期の経常利益が前年比一五%増しとなり、業況判断も、中小企業製造業が一〇ポイント、非製造業が五ポイントの改善となっております。安倍内閣発足以来の二十五年度の予算、二十五年度の補正予算、そして戦後三番目の速さで成立をいたしました二十六年度予算の切れ目ない施策の効果が少しずつ現れてきているものと確信をしております。
 政府では、三月二十八日の閣議で、二月に成立した二十五年度補正予算の総額五・五兆円のうち三・四兆円について、六月末までに七割以上、そして九月末までに九割の契約など、また二十六年度の予算については、九月末までに六割以上の契約を終えるなどの予算執行の目標を設け、金額では六月末までに四割以上を使うことを目標とすることを確認をされ、各大臣に指示がなされたと伺っております。
 継続した予算の執行が景気の下支えをしていくと私は思っておりますけれども、例えば中小企業でいえば、補正で拡充されたものづくり補助金など、先ほど触れました春闘の結果賃上げをした企業には優先して配分をするなど、少し工夫をしてもいいのかななどと思っておりますけれども、長らく日本の技術を担ってきた中小企業のある意味これは応援にもなるのかなと思っております。
 そのようなことも踏まえながら、先日閣議決定されたいわゆる予算執行のノルマについて、経産大臣のお考えをお聞かせください。
#17
○国務大臣(茂木敏充君) 岩井委員御指摘のように、明らかに、業況、これは中小企業も含めて改善傾向にある。御指摘いただいた製造業で六年ぶり、非製造業においては二十一年十か月ぶりの改善ということでありまして、こういった流れを本格化させていくと。まさにこの国会、安倍政権として好循環実現国会と位置付けまして、予算の成立もお願いいたしました。そして、これからは速やかな執行を行っていくということによりまして景気回復の実感を全国津々浦々に速やかにお届けすると、このことが何よりも重要だと考えておりまして、平成二十六年度の当初予算につきましては、岩井委員今御指摘のように、六月末までに四割以上、そして九月末までに六割以上実施済みとなるように、これは公共事業だけではなくて、やはり経済効果の高い様々な事業について目標、予算執行の目標が設定されたところであります。
 経済産業省といたしましては、経済の好循環を実現してアベノミクスの成果を全国津々浦々に届けるために、既に執行中の平成二十五年度の補正予算に加えまして、二十六年度の当初予算におきましても、特に中小企業対策、これはものづくり補助金につきましては額も一千七億円から一千四百億円に拡大をいたしまして、賃上げ等処遇改善に取り組んでいる企業、こういった案件を積極的に採択をしていくと、こういう仕組みもつくらさせていただきましたが、そういった中小企業対策、さらには設備投資の促進、さらにイノベーションの加速化、こういった分野を中心にしながら、今の六月末の目標、九月末の目標、それを更に前倒しをする、上回る早期の執行に努めてまいりたいと考えております。
#18
○岩井茂樹君 ありがとうございます。今回の閣議決定で、予算執行のノルマをしなさいということで各大臣にその指示が行ったということ自体が、実は我が国経済に対して、また我が国日本に対しての良いメッセージになっているのではないかなと、こう感じております。
 時間もないので最後の質問とさせていただきます。最後に、決算審査の予算への反映について御質問をいたします。
 今日から二十四年度決算審査が実質的に始まりました。来週からは決算委員会において、二十三年度そして二十四年度の決算、各省の審査が始まりまして、通常国会内に決算審査を終えるように努めていかなければならないと感じております。参議院は、参議院の決算審査は、ここ数年、残念ながら遅れてまいりましたが、先輩方が与野党の垣根を越えて御努力をされ確立させてきた参議院の決算審査のそのサイクルを今国会において復活をさせなければいけないと、こう実は思っております。
 そこで、政府には、是非とも参議院の決算審査の内容を翌年度の予算概算要求等に反映をさせていただきたい。総理の御決意を伺います。
#19
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会における決算の審議は、執行された予算が所期の目的を果たしているかどうか御審議をいただき、そしてその後の予算に反映をさせていく極めて重要なものであると認識をしているわけでございまして、政府としては、従来より、国会での審議内容や決算結果等を踏まえて予算編成を行ってきたところでありますが、引き続き翌年度の予算案に適切に反映するよう努めてまいる考えであります。
#20
○委員長(金子原二郎君) 岩井君、時間が来ております。
#21
○岩井茂樹君 はい。時間が参りましたので終わりますが、しっかりとよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#22
○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、柴田巧君が委員を辞任され、その補欠として川田龍平君が選任されました。
    ─────────────
#23
○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立でございます。
 まず、冒頭、今日、委員長が二十三年度決算の遅れについて政府に、総理に質問をされました。
 確かに、二十三年度決算が遅れた大きな理由は、財務諸表に、決算書にたくさんの誤りがあった。ただ、これは通常国会で解消されております。五月の二十四日には本会議で質疑が行われ、その後、委員会に実は付されておるんです。その後、与野党筆頭理事の皆さんを中心に、この委員会、委員長も含めて、早期の決算審査をすべくいろいろ政府に申し上げてきたところですけれども、総理の外遊日程を優先する余り、結局この質疑が行われたのが十一月の二十五日、臨時国会も終盤になってのことだということを改めて申し上げ、この姿勢に対して抗議をしたいと思います。
 次に、今日は決算ということで、大まか三点のことについて質疑をさせていただきたいと思います。一つは小松法制局長官の問題、そして二つ目がNHK籾井会長の問題、さらには、今自民党の方からお話がございましたが、私もインフラの老朽化問題、どのようにこれに対応していくのかと、この三つについて質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、小松長官の件でございますが、本来ならばこの場に来て集団的自衛権をめぐる憲法解釈や憲法改正について議論をしたいところだったんですけれども、毎週月曜日は病気治療のために国会に出てこれないと、このような異常な状態になっております。私は、病気の治療ということであるならば、もちろん人道上の問題があります、しっかり御休養いただき、治していただく、これは大事なんです。しかしながら、今、総理が任命されたこの小松法制局長官、こういう決算委員会に出てきて職責を果たすことができないという、そういう事態になっております。これは体力の問題、お体の問題です。
 二つ目は、この委員会、様々な委員会答弁をされておりますけれども、その中で、小松長官、これまで外務省の条約課長や国際局長をされているということで、その分野では非常にお詳しいんでしょうけれども、度重なる憲法の条文等の言い間違いがあるんです。
 これは法制局にお聞きいたします。どのような間違いがあったのか、お答えください。
#24
○政府参考人(高橋康文君) お答えします。
 どのような箇所かというお尋ねでございましたので、例えば、対象とすると答弁した箇所を対象となると、あるいは、装ってと答弁した箇所を装うなどと訂正する申出を行っております。また、条文に関しては、憲法第十五条と答弁した箇所を厳密に憲法第十五条第二項と訂正する申出を行っております。
#25
○尾立源幸君 法の番人、まさに内閣法制局長官の世間の評価です。このような基本的なことを間違う。私は、能力的にも問題があると、そのように思っています。
 最後は、性格の問題、キャラクターの問題、申し上げます。これまた、参議院の場外で同僚の共産党大門議員と口論になりました。謝りに行ってもまた追い返される。さらには、携帯電話を委員会中に見ながら答弁をするという。かっとなる性格やルールを守れない性格、本当にいいんでしょうか。
 総理、私は、体力の問題、能力の問題、性格の問題、今申し上げました。どのように評価されますか。
#26
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この委員会は決算委員会だというふうに伺っております。今、尾立委員も、二十三年度の予算、ずっと決算が先延ばされてきたことは残念だと。しかし、これは私たちだけの責任ではございません。二十三年度予算というのはそもそも民主党政権のときに作られたこれは予算であり、執行したものでありまして、それはもっと早くもちろん審議されてしかるべきものだったのだろうと、このように思いますし、今委員が御発言されたことは、今ここで、この委員会で審議している……(発言する者あり)
#27
○委員長(金子原二郎君) お静かに。
#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今大切なところを私は指摘をしているつもりですよ。
 決算委員会というのは、その年の決算についてどういう問題があったか、その予算が所期の目標に……(発言する者あり)
#29
○委員長(金子原二郎君) お静かに。
#30
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 所期の目標を達成しているかどうか、それを審議する委員会のはずであります。ですから、我々全閣僚がこうして出席をしているわけであります。つまり、その決算について、所期の目標であったかどうかに今の委員の質問が果たして関わりがあるのかどうか。私は、大変、大変……(発言する者あり)では、あるのであれば、今……
#31
○委員長(金子原二郎君) 静かに、お静かに。答弁が聞こえませんので、お静かにお願いします。
#32
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、場外から、場外からこのようにどんどんやじられたんでは、冷静に、冷静に議論ができません。今、後ろの方々、どんどんやじをしていましたね。私が指摘したのは、この委員会に関係がないではないか……(発言する者あり)あるという今やじが飛びました。では、あるのであれば、今、なぜあるかどうか、ここで、なぜあるかどうか、ここで尾立委員には証明していただきたいと思います。
#33
○尾立源幸君 何を言っているんですか。(発言する者あり)
#34
○委員長(金子原二郎君) お静かにお願いします。お静かに。
#35
○尾立源幸君 何を総理言っているんですか。
 内閣法制局の予算も決算の中に入っているでしょう。入っているでしょう。どうなんですか。答えてください。
#36
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは二十四年度の決算ですよ。二十三年度の決算が遅れたといってあなたは指摘をされた。今しているのは、行っているのは二十四年度の決算であります。二十六年度の予算ではありません。それはもう終わったんですよ。二十四年度の決算についてどうかということを議論しておるわけであります。(発言する者あり)
#37
○尾立源幸君 二十三年度決算に入っているんだろう。
 時計止めてくださいよ、質問の時間がないんだから。
#38
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#39
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#40
○尾立源幸君 二十三年度、二十四年度の決算の中には内閣法制局の決算数値も入っているんですよ。何で聞いちゃいけないんですか。(発言する者あり)
#41
○委員長(金子原二郎君) お静かに。
#42
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、今、今あなたは随分激高して質問しておられますが、二十四年度の予算には、確かに決算には入っていると思いますよ。では、その決算の中の何が問題なのかということを指摘していただかなければ答えようがないということであります。
#43
○尾立源幸君 質問通告をしたら、答えられないから、今日いないから、取り消してくれというふうに政府から言ってきたんですよ。(発言する者あり)私たちの時間じゃないですよ。私たちの時間に来れないじゃないですか。そういう職務を全うできないような人が政府の大事な大事なポジションにいていいんですかと言っているんですよ。
#44
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、先ほど申し上げましたように、言わば、小松長官は、言わば決算においても、もちろんそれは問われれば、問われれば責任を持って答えますよ。しかし、しかし同時に、それは、今は、この後の言わば三時過ぎには出るということになっているわけでございますし……(発言する者あり)
#45
○委員長(金子原二郎君) お静かに。答弁中です。
#46
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それと、それとですね、それと、言わばこの決算に係ることでは様々なことがあるわけでありますよ。今、尾立委員は決算、決算が延びたことは大変遺憾であると、こういうふうにおっしゃっておられました。決算の問題であれば様々なそれは課題があるんだろうと、このように思うわけでございます。そしてまた、今、尾立委員が指摘されましたが、それは予算委員会においては様々な事象について議論をするわけでございますし、当然予算委員会の場においても議論はなされるんだろうと、事実、今まで議論はなされてきたわけでございまして……(発言する者あり)
#47
○委員長(金子原二郎君) お静かに。答弁中ですので、お静かに。
#48
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、当然その中において、その中においても様々な議論がなされてきているわけでありますから、私は、この決算委員会においてはその決算について具体的な議論がなされることが適切ではないかと、このように申し上げているところでございます。
#49
○尾立源幸君 いや、今、我々参議院の決算委員会の存在意義が問われるような発言をされていますよ。
 委員長、私、お聞きしたいんです。この内閣法制局の問題を決算委員会で聞いちゃいけないんですか。
#50
○委員長(金子原二郎君) 内閣総理大臣。
#51
○尾立源幸君 委員長、委員長ですよ。委員長ですよ、委員長ですよ。委員長に聞いている。
#52
○委員長(金子原二郎君) 従来からは、関連した法案ということでそういった内容のいろいろな質問についてもお答えをしていただくようになっております。決算委員会といたしましては、全般的なものの質疑についても従来からずっと認めているということになっておりますので、そこは是非御理解をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
#53
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん全般については委員長のおっしゃるとおりでございますが、しかし、今委員は二十三年度の決算についてこれが遅れたことは遺憾だという、そういう御指摘があったわけでありますし、それと、予算委員会があり決算委員会があるという、その機能の区分は確かにあるはずでございまして、決算委員会というのは、先ほど岩井議員から質問がございましてお答えをいたしましたように、まさに決算において所期の予算の目的が果たされているかどうかについて議論を行い、そして次の予算に反映をさせていくものだと、このようにお答えをしたわけでございまして、そして、尾立委員がおっしゃったのは、憲法の解釈変更と憲法改正の違いについて法制局長官に聞きたいというふうに言われたのは間違いないわけでありまして、それについて、それについて……(発言する者あり)
#54
○委員長(金子原二郎君) お静かにお願いします。答弁中です、お静かに。
#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これが決算とどのような関係があるのかどうかということについて、先ほど、先ほど……(発言する者あり)今ちょっと答弁中でございますから最後まで聞いていただきたいと思いますよ。先ほど申し上げましたように、尾立委員は、尾立委員は憲法の解釈変更と憲法改正の違いについて法制局長官に伺いたいというふうに聞いたということでございましたから、私の感想としてそれが決算とどう関わりがあるかということを申し上げたわけであります。
#56
○尾立源幸君 とにかく都合の悪いことは聞くなというこの態度。国民の皆さん、今の政権のこの態度なんですよ。だからこそ、五月二十四日の本会議が終わってから委員会を開くまで、十一月二十五日、できるだけこの委員会を開きたくないんですよ、政府は、特に総理は。違いますか。
 次に移ります。
 これで、まさにこんなことで時間を費やしてはいけませんので先に行きますけれども、これまた、国会にもう何度も何度も、もう勤務されているかと思わんばかりのNHK籾井会長、この問題について質疑をさせていただきたいと思います。
 総理始め閣僚の皆さん、自民党の皆さん、また国民の皆さんも、何でここまでしつこくこの問題をやるのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、これは看過できない。多くの世の中の人たちは、なぜけじめが付けられないのか、非常に不思議がっているんですよ。
 私は、ノーブレスオブリージュという言葉が好きです。高貴なる者の義務というような意味になりますけれども、私は、それなりの立場にある人はしっかりと自分で判断をし、しっかり責任を取る、義務を果たす、こういうことが私は大事だと思っております。
 その意味で、まず、NHK籾井会長、今日は多くの視聴者の方が聞かれていらっしゃると思います。あなたの放送局を通じて聞いているんです、いいですか。まず、あなたの待遇についてお答えください。報酬、そして交際費、さらには秘書の数、さらには車があるのかないのか、どんな部屋に今勤めているのか。どうぞ。
#57
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 私の給料は、ちゃんと公表されておりますので見ていただければ分かりますが、三千九十二万、年俸でございます。それから、会長室の広さという御質問がありましたが、百十平米で、これは五十年来そこに会長室として存在しております。あとの福利厚生につきましては、一般職員と同じように、健康保険組合に加入しております。そのほか、人間ドックやインフルエンザの予防接種の助成等々も受けております。それから、全国三か所の健保直営保養所やJTB契約ホテルの利用などができます。さらに、交際費の御質問がありましたが、我々役員十二名で年間二千三百万余りでございます。
 以上でございます。
#58
○尾立源幸君 秘書と車についてお答えください。
#59
○参考人(籾井勝人君) 失礼いたしました。
 車は、一台あてがわれております。秘書は、専属秘書は一名でございます。あと、事務員がおります。その他、秘書室長等々、全役員の面倒を見るスタッフがおります。
#60
○尾立源幸君 会長室に四名の秘書がいらっしゃるというふうに事前にNHKから聞いておりますけれども。
 まず、明日から消費税が上がります。当然、受信料も上がるわけです。そして、貴重な皆さんに納めていただいた税金も使ってこのNHKの経営は成り立っています。そういう意味で、今ざっと計算をいたしますと、籾井会長の処遇をするためには約一億円年間掛かっているというふうに私は思っております。そういう非常に貴重な税金や受信料を使ってのあなたの職責があるということをまず自覚をいただきたい。
 その上で、辞表の預かり問題について質問をしたいと思います。
 私は、理事全員から辞表を預かる問題、ゆゆしき問題だと思っております。まだ日本でこんなことが行われるのか、行われていたのか。私は、過去にもないと思うんですけれども、世界に間違ったメッセージが送られております。大きく国益を損なっております。私は、税理士、会計士という仕事でガバナンスのことを一生懸命やってまいりました。こんな前近代的なリーダーシップの取り方、私はあきれて物が言えない。
 そういう意味で、改めて籾井会長にお聞きしたい。あなたは、何のためにこの辞表を預かったんですか。
#61
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 就任時に日付を書かない辞任願の提出を求めたのは、私及び役員が新しい体制のスタートに当たり役員一同が一丸となって職務に取り組んでもらいたいということ、さらに、役員には緊張感を持って仕事をしてもらいたいという私の強い希望で皆さんに応じてもらいました。
#62
○尾立源幸君 一月の二十五日、あなたの就任直後にこの辞表を預かったということなんですけれども、それでは二月の十二日に新しく就任された堂元副会長についてはいかがですか。
#63
○参考人(籾井勝人君) 堂元副会長につきましては、二月に就任したばかりで、そこから三年という日にちがございました。したがいまして、私としては、ある意味では一緒に仕事をしていくということで、副会長からは辞表をいただきませんでした。
#64
○尾立源幸君 あなたはさきの答弁で、役員一同同じ気持ちで緊張感を持ってとおっしゃいました。じゃ、堂元副会長は役員一同でないんですか、緊張感は持たなくていいんですか。
#65
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 堂元副会長は副会長であります。通常の理事とは違います。そういう意味におきまして、言わなくても私と一緒に一心同体でやるという立場にございます。(発言する者あり)
#66
○委員長(金子原二郎君) お静かに。
#67
○尾立源幸君 じゃ、役員じゃないんでしょうか。
#68
○参考人(籾井勝人君) 当然、役員でございます。しかし、副会長でございます。
#69
○尾立源幸君 あなたのこの、何というの、言行不一致、でたらめ答弁にはもうあきれるわけなんですけれども、一つ、こういう形ででしか、辞表を預かるという形でしかリーダーシップを発揮できないあなた、それは自分の能力のなさを象徴しているんですよ。違いますか。
 それでは、今お配りを皆さん方にしております資料を見てください。あなたは一般社会ではよくあることだとおっしゃいました。じゃ、どこにあるのか。
 これは三月七日の東京新聞でございますが、緊急に五十社に、上場企業、アンケート調査しております。こんな形で辞表を預かっているのはゼロ、またあなた自身お勤めになった三井物産、社長をされた日本ユニシス、ここも聞いたことがないと。さらに、我々の同僚の質問で、西室社長や、また商工会議所の会頭、同友会の代表等々にも聞いておりますけれども、そんなことは聞いたことがない、おっしゃっています。それでもありますか。
#70
○参考人(籾井勝人君) まず、報道の内容については私はコメントを差し控えますが、いろんな方がいろんなことをおっしゃっていますが、それはそれぞれその人のいわゆる経歴とか経験とか、そういうことに基づくものだと私は思っております。何も、そういう方たちのコメントに対して私がまたコメントするという、こういうつもりはございませんが、やはりそれぞれの会社は百年、今となってはそれ以上、相当の歴史があるわけです。今おっしゃいましたいろんな会社の名前というのは、それぞれ恐らく最低五十年以上、多くの会社は百年以上の歴史があるわけです。その中でそういうふうな辞表を出させたことがなかったとは言い切れないのではないかと思いますし、現実に幾つかの会社はあるわけでございます。
#71
○尾立源幸君 あなたの改めて詭弁には驚きます。まるで、こういった方々が知らない世界があって、俺は知っているんだとばかりのことを今おっしゃっているわけですよ。
 それでは、お聞きします。
 あなたはビジネスの世界であると言われました。あなたの今おっしゃった経歴、経験、どこで経験したのか、教えてください。
#72
○参考人(籾井勝人君) 私が申し上げたかったのは、民間企業や団体などそれぞれの組織では、運営の在り方や置かれた環境、企業風土によって経営の手法がそれぞれ違います。それぞれ適切な方法があるのではないかということでございます。
#73
○尾立源幸君 あなたは先ほどの答弁で、それぞれの会社の経歴や歴史の中で辞表を預かるようなことがあるんではないかとおっしゃったわけですよ。
 だから、あなたは、どこなんですか、どこでそれを経験して、どこで知ったんですか。具体的に教えてください。答えなければ答弁としては認めません。
#74
○参考人(籾井勝人君) お答えします。
 具体的な事例はありますが、私はここでは差し控えさせていただきたいと思います。
#75
○尾立源幸君 具体的な例を出してください。そうでないと、今NHKを見ていらっしゃる国民の皆さん、我々、誰も納得しないんですよ、あなたの言っていることが。くるくるくるくる言うことが変わる。
#76
○参考人(籾井勝人君) 具体的に個別の名前を言うことは、私は差し控えたいと思います。
 それから、私が申し上げたかったのは、民間企業や団体などそれぞれの組織では、運営の在り方や置かれた環境、企業風土によって経営の手法がそれぞれ違います。それぞれの適切な方法があるのではないかということでございます。(発言する者あり)
#77
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#78
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。(発言する者あり)
 お静かに、お静かに、お静かに、お静かに。
#79
○尾立源幸君 じゃ、個別の企業名が……(発言する者あり)
#80
○委員長(金子原二郎君) お静かに。質問中です。
#81
○尾立源幸君 個別の企業名が言えないということであるならば、じゃ、あなたはそういう例を何例知っているんですか、教えてください。それで、いつの時代にそういうことがされていたのか、教えてください。個別企業名は結構です。
#82
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 私が申し上げたかったのは、やはり民間企業とか団体などでは、それぞれの組織でやはり運営の在り方とかそういうものは違うわけでございます。それぞれがやっぱり適切な方法でやるということでございます。
#83
○尾立源幸君 いや、私は、あなたが個別企業名は言えないから、百歩譲って、じゃ、どのような例を何回見たのか、いつのそれは時代のことだったのかということを聞いているんですよ。早く言ってください。
#84
○参考人(籾井勝人君) お答えを控えさせていただきます。
#85
○委員長(金子原二郎君) 籾井参考人、もう一度お答えください。
#86
○参考人(籾井勝人君) 済みません、お答えいたします。
 今の御質問にはお答えしかねます。(発言する者あり)
#87
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#88
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
 籾井参考人。
#89
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 何度も同じ答えで申し訳ないんですが、やはり個々の企業の問題に関してお答えするわけにはまいりませんので、それは是非お答えを控えさせていただきたいというふうに思います。
#90
○尾立源幸君 あなたはどんどんどんどん自分でどつぼに入っていくような方ですよね。
 委員長、私は、個別企業名については、こういう場ですから、控えるというのは分かりました。
 しかしながら、公共放送のトップである、まさに、後で言おうと思っておりましたけれども、会長の資格というのがあるんですよ。言いましょう。NHKの公共放送としての使命を十分に理解している。人格高潔であり、広く国民から信頼を得られる。政治的に中立である。構想力、リーダーシップが豊かである。社会環境の変化、新しい時代の要請に対し、的確に対応できる経営的センスを有する。業務遂行力があり、説明力がある。この六項目です。
 委員長、この点からして、私はどうもこのNHK籾井会長の今の答弁には納得できない。恐らく国民の皆さんも、この基準から見ると適格性があるかどうか非常に疑わしいと思っているんですよ。
 あなた、皆さんに、国民の皆さんに説明するとも言いましたよね。今説明してくださいよ。もう一度答弁を求めます。
#91
○参考人(籾井勝人君) 私は、今回のいろんな一月二十五日から起こっていることについて御説明申し上げると申しましたが、私の適格性については御説明するとは申しておりません。
#92
○尾立源幸君 改めてお伺いします。
 辞表を預かるという、そういう会社をあなたは御存じだとおっしゃっております。何社知っているのかということと、いつそういうことをやっていたのかということを教えてください。
#93
○参考人(籾井勝人君) 何度もそういう御質問をいただいているんですが、私が他社のことについてコメントをすることは差し控えたいと思います。(発言する者あり)
#94
○委員長(金子原二郎君) 籾井参考人、質問の趣旨は、企業名はおっしゃらなくて、要らない。ただ、今までどういった経験が何回ぐらいあるかと、そういった話です。大体いつ頃かという。だから、いつ頃大体そういう話があったということを答弁していただければいいと思います。
#95
○参考人(籾井勝人君) 改めて申し上げます。
 いつ頃かということについても、私はコメントを差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
#96
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#97
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#98
○尾立源幸君 委員長に今すばらしいフォローの質問をしていただいたにもかかわらず、NHK籾井会長、この態度でございます。
 そこで、総理にお伺いしたいと思います。
 あなたの感想、このやり取り見ていて、本当にNHKの業務執行の最高責任者、会長としてふさわしいと思いますか。
#99
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 会長は、放送法の規定にのっとり、経営委員会の議決により適切に選任されたところであります。
 NHKは、公共の福祉のために、豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行うとともに、国際親善の増進等に資する国際放送を行うという社会的使命を担っています。(発言する者あり)
#100
○委員長(金子原二郎君) 答弁中でございますので、お静かにお願いします。
#101
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。
 NHKについては、その信頼を更に向上させるよう、このような社会的使命を担う公共放送として、会長以下職員が力を合わせ、自主自律の下、その責務を遂行していただくことを期待をしております。
#102
○尾立源幸君 一般の国民の皆様が御覧になっていて本当に分からないと思います、この方が適任なのかどうか。総理は、本当に心の底からこの方が今おっしゃったような立場を担うにふさわしいと、そのように思われるわけですか。改めてお聞きします。
#103
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、NHKについては、その責任を更に向上させるよう、このような社会的責務を、そして使命を担う公共放送として会長以下役職員が力を合わせて、自主自律の下、その責務を遂行していただくことを私としては期待をしていると、このように申し上げたとおりでございます。
#104
○尾立源幸君 私、人間誰しも、私も含めて、過ちはあると思うんですよ。だから、過ったなと思ったときは素直に過ちを認めて再出発する、それが私は成長の源であり、また責任ある者の立場だと思っております。やはりこういうことは、国会中継を通じて日本全国の皆さん、子供までも私は見ていると思います。やっぱりけじめを付けることの大事さ、過ちを過ちと認めることの大事さ、私はそれが大事だと思っております。
 そこで、この問題の多いNHK籾井会長を選任した経営委員長、お聞きしたいと思います。
 当初、面接をされ、合格点を出されたわけなんですけれども、改めて、今のこのやり取りも含めて、この二か月間の国会での答弁も含めて、どのように感想をお持ちでしょうか。
#105
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会は、会長任命の職責の重さを深く受け止め、十分な時間を掛け、内規に従って自律的に検討を行い、委員全員の賛成で籾井会長を任命いたしました。
 しかし、経営委員長として会長に二度の注意を行うこととなったことは、経営委員会の総意としても誠に遺憾であると考えております。籾井会長は放送法を遵守すると繰り返し明言しており、反省の上に立ち、会長としての職務を執行していただけるものと期待をしております。
#106
○尾立源幸君 その選考過程、議事録も私、拝見させていただきましたけれども、そんな長い時間掛けたわけじゃないんですね、実は。だからこそ、今新たな事実が御本人の適格性について出てきたわけですから、先ほど申し上げていますように、過ちを過ちと認めて、経営委員会でやり直すべきじゃないんですか。委員長、どうですか。
#107
○参考人(浜田健一郎君) 会長は、再三再四、放送法を遵守して業務の遂行を行うというふうに申しております。私ども経営委員会としては、しっかりと監督をしてまいり、その業務遂行に期待をしておるところでございます。
#108
○尾立源幸君 あわせて、監査委員の上田さんにお聞きしたいと思います。
 経営委員会は、まさに会長以下の業務執行をしっかり監督するということになっておりますが、監査委員も業務執行の調査や様々な監督をすることになっております。
 同じ質問をしたいと思います。
 あなたも経営委員会のメンバーですよね。で、監査委員を併任をされている。今このやり取り、これまでの国会でのやり取りを聞いて、どのようにNHK籾井会長には評価を持っていらっしゃいますか。
#109
○参考人(上田良一君) お答えさせていただきます。
 監査委員会といたしましても、現在、会長の発言等について厳しい御意見が各方面から寄せられていることは真摯に受け止めております。この問題につきましては、就任会見における会長発言の直後から経営委員会が自ら継続して真摯に取り組んでおります。監査委員会といたしましても真摯に取り組んでまいる所存でありまして、引き続き一連の事態と経営委員会による対応を注視していきたいと考えております。
#110
○尾立源幸君 一つこの組織のガバナンスの利かせ方で非常に問題があるということを指摘したいと思います。
 実は、今お答えになった上田さん、この方は経営委員会の常勤の経営委員でございます。その方及び他の二名の経営委員が経営委員会から任命される形で監査委員会というものを構成をしております。
 一方、監査委員会の役割としては、業務執行、ちゃんと見るよと。一方、経営委員会のチェックもすることになっております。私は、自分の元々の本籍のところから今の監査委員会に移って、そこで本籍のところを監査する、又は自分たちが選んだ会長を、自分たちで選んでおきながらですよ、監査委員として業務をチェックすると。私は、これは非常に利害が相反する、矛盾のある仕組みじゃないかと思うんですけれども、総務省、この監査委員会を独立させるべきだと思いますが、いかがですか。
#111
○国務大臣(新藤義孝君) この監査委員会の制度でありますけれども、平成十九年の放送法改正でNHKのガバナンスを強化するための意図として設置されました。そして、これは委員会設置会社における監査委員会と同様のものをNHKの中に位置付けたわけであります。それは、委員会設置会社における監査委員は、これは取締役の中から選任する、そしてその過半数を社外取締役が占めるというようなことで、執行部の意向に影響されずに執行役及び取締役の職務執行の監査を行うこととされているわけなんであります。済みません、もうちょっとで終わりますから。
 結局のところ、NHKが、経営委員を兼ねる監査委員が経営委員を監査するということは、これは委員会設置会社において取締役を兼ねる監査委員が取締役の職務執行を監査することと同じということでありまして、NHKのみが特別なこういったルールを持っているわけではないということで御理解いただきたいと思います。
#112
○尾立源幸君 私は、るる説明されているんですけれども、非常に問題がある。というのは、この監査委員としての報酬は、実は上田さんに関して言うならば、全部経営委員会の常勤委員としての報酬で賄われているんです。他の二名の方については、これは公表されておりますので申し上げますと、五百万の報酬があるんですけれども、経営委員を兼ねると二百万アップして七百万になると。私は、こういう外形的な独立性というのはガバナンスを利かせる上でも大事だと思っているんです。
 そういう意味で、総務大臣、ここは非常に問題のあるところですので、総務省の方でも是非検討していただきたいと思います。答弁は結構でございます。では、どうぞ。
#113
○国務大臣(新藤義孝君) この経営委員の中から監査委員を任命されていること、これは、経営委員としての職務執行を通じて得た知見を監査に生かすことができる、そのことによって、より実のある監査ができるということであります。そして、経営委員会はNHK全般のことを見ます。監査委員会というのは、今度はNHKの役員ですとか個人の職務の執行についてチェックをするということにおいて、やはり役割の分担があると、このように御理解いただきたいと思います。
#114
○尾立源幸君 経営委員会のメンバーであれば業務のことがよく分かるというのであれば、監査委員として経営委員会に陪席すればいいじゃないですか、出席すれば。それは詭弁ですから、しっかり直してください。
 では、いよいよ本論に入りたいと思います。
 まず、NHK会長、籾井会長、あなたは国会にこれまで何回呼ばれて、何時間ここで費やしていますか。
#115
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 就任以来、今日を除きまして、三月二十八日までの勤務日数は四十八日間、このうち国会での審議に対応したのは二十四日間。勤務時間につきましては、会長として所定の勤務時間というものは拘束という意味ではございませんが、一日八時間で計算しますと、約三百八十四時間でございます。国会審議について参考人として対応した時間の合計はおよそ四十五時間でございます。
#116
○尾立源幸君 今日の質疑でも、籾井会長の資質について非常に問題があるということが明らかになりました。その一方で、これだけあなたは国会に来て様々な形で追及をされる。一つは、NHK本体にとっても良くない。また、我々国会議員にとっても、あなたのことだけで大事なこの時間を費やしてしまうのはもったいない。そういう意味で、即刻辞任されることを私は申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 さて、それでは会計検査院指摘によるインフラの問題点でございます。これは、自民党の岩井議員からも先ほどございました。私も一点取り上げたいと思います。(資料提示)
 これは、高速道路における跨道橋といいます。この管理が今大変ずさんになっておるというところを指摘したいと思います。
 この道路、皆さんよく目に入れられると思うんですけれども、元々は高速道路会社がこれを設置をします。これは、地元でやっぱりいろんな農作業の道だとか水道とかがあったので、高速道路を架けた代わりにこれを造り直します。そして、できた暁には、地元自治体と管理協定を結び、その後、管理協定が結ばれれば地元自治体が管理をすることになっております。
 そこで、会計検査院に伺います。
 この跨道橋は全国で幾つあるのか、そして管理協定が結ばれているものは幾つあるのか、お答えください。
#117
○説明員(堀部貢君) お答えいたします。
 会計検査院は、先般検査いたしました中では、高速道路の本線上に架設されております地方公共団体等が管理する跨道橋四千四百八十四橋を対象として検査いたしましたところでございます。
 その中で、六高速道路会社と跨道橋の管理者との管理協定の締結につきましては、三百五十橋につきまして締結されておらない状況になってございました。
#118
○尾立源幸君 三百五十橋、七・八%が管理協定未締結ということです。
 次に、これらの跨道橋の点検状況についてお伺いをしたいと思います。点検の実施状況はどうなっているのか。四千四百八十四のうち点検されているのが幾つかをお答えください。
#119
○説明員(堀部貢君) お答えいたします。
 管理者による点検状況につきましては、点検を実施していないものが六百三十五橋、点検を実施しているかどうか不明であるものが五百四十八橋となっていたところでございます。
#120
○尾立源幸君 点検をしているのは約七割ちょっと、点検されていないものが三割弱ということになるわけですけれども、さらに、この中で十年以上点検をしていないものは四百三十六もあるわけです。跨道橋全体の一割が十年間一度も点検をしていないということになります。
 私は大阪の出身ですけれども、南海トラフ地震等々ということも想定されております。本当にこの高速道路に架かっている跨道橋がそういう万が一のときに安全なのかどうか、私は今非常に心配になっておるわけです。なかなか日の当たらないところに私は会計検査院はよく日を当ててもらったと思っておりますけれども。
 それで、国土交通大臣にお聞きします。通常、橋など、こういうインフラの点検はどのぐらいの頻度で行うものなのでしょうか。
#121
○国務大臣(太田昭宏君) 頻度ですか。
#122
○尾立源幸君 点検の頻度。
#123
○国務大臣(太田昭宏君) 今まで現実には、そうした頻度、どの程度のものという決まりはございません。そして、笹子トンネルのそうした天井板落下を始めとして老朽化対策が大事であるということが指摘をされ、また会計検査院からもこうした具体的なことがあったゆえに、それを現在、この一年間で緊急点検をしまして、最初にトンネルを緊急点検やりまして、そして今日までにほぼ全てのものについての緊急点検をすると。
 これからは、そうした上で、修理、修繕をするものと同時に、台帳を作ったりということが非常に大事でありますので、そうしたことを五年に一回は近接目視をしっかりするようにというのが今の現状でございます。
#124
○尾立源幸君 はっきりした決まりが今までなかったということなんでしょうけれども。
 それでは、この検査の中には、普通、先ほどのパネルにもございましたが、コンクリート片などの剥落対策というものがありまして、またそれを実施したかどうかも検査院は調べておりますが、三十年を経過したもののうち対策が取られていないものは幾つありましたでしょうか。会計検査院、お願いします。
#125
○説明員(堀部貢君) お答えいたします。
 コンクリート片等剥落対策につきましては、供用開始後の経過年数が三十年以上の千八百八十二橋のうち九百六十八橋について対策が取られていなかったところでございます。
#126
○尾立源幸君 四分の一弱が取られていないということですので、本当にいつ何どき何が起こるか分からない、そんな危険な状態であるということ、この跨道橋の管理の問題が非常に今までおろそかにされてきたということは分かっていただけたかと思います。
 それで、国交大臣も先ほどおっしゃったように、これから頑張っていくんだということではございますが、今年度の、二十六年、成立した予算の中で、このインフラの老朽化対策の予算が幾らあるのか、二十五年度補正、二十六年度当初予算について、公共事業関係費全体の額とインフラ老朽化対策の額をそれぞれお答えいただきたいと思います。
#127
○国務大臣(太田昭宏君) 老朽化対策というそうした項目では予算を立てておりませんが、しかし、防災・減災、老朽化対策ということにどの程度予算を立てるかということにしています。
 具体的に公共事業関係費のうちに、二十五年度、今日までの、二十五年度予算では、この防災・減災、老朽化対策に占める比率を四七%、今までよりもかなり多く立てました。そして、この二月に成立しました今年度補正予算では五七%、そして二十六年度予算では五三%に当たる約二・四兆円を防災・減災、老朽化対策に充てているというのが現状でございます。
#128
○尾立源幸君 今お話にありました部分をちょっと表にまとめました。二十五年度補正で公共事業関係が七千四百八十一億、そのうち防災・減災、老朽化が四千二百四十三、平成二十六年度当初で四兆五千五百八十、防災・減災、老朽化に二兆四千百九十五億ということになっているんですけれども、今国交大臣が大事なことをおっしゃったんです。防災・減災、老朽化対策、この中には新規も当然含まれていますよね。一方、老朽化対策のように修繕や更新ということも含まれていますが、その内訳は分からないとおっしゃったんです。私もこれは何度も質問の前に聞きましたけれども、国交省も分かりませんと。本当にこれで大丈夫なんですか、大臣。
#129
○国務大臣(太田昭宏君) 一つのものを、維持更新というふうにいいますが、した場合に、防災・減災、老朽化対策ということでどれだけということを申し上げたんですが、例えば一つの防潮堤というものを考えると、これは防災とあるいは減災ということと老朽化対策というのが一体となってということにもなります。そうしたことで、なかなか切り分けはできませんが、しかし、老朽化対策としてその中でやるものは当然かなりの部分を占めてくるということでございまして、その防災・減災、老朽化対策という角度で必要なものをやる、そして、老朽化対策でも必要なことはやるという構成になっているところでございます。
#130
○尾立源幸君 跨道橋は、日本全国に四千四百八十四あると言いました。そのうち、更新やまたコンクリートの剥落対策に幾らこの中で、今年度、また補正で使われるかが分からないんです。だからこそ私は大丈夫なんですかと聞いているわけです。
 これは何となく全体で確保しているからいいんだというような話では終わらせていただきたくないし、ちなみに、さっきの国交省の調査、我々政権の時代からやりましたが、日本全国に二メートル以上の橋は六十九万九千橋あるんです。そのうち約三十万橋が建設年不明、更にトンネルは一万三百本、うち約二百五十本が建設年不明。非常にこれ管理する上でリスクのある資料が出てきていると思うんですよ。
 だからこそ私は、しっかりとこの国のインフラについて改めて調査をして、そしてもう一つ最後に提案したいのは、なぜ、こういうずさんな、いいかげんな管理になっているのかというと、まさに国の会計が現金主義、単式簿記だったからなんです。だから我々は、野党時代から含めて、こういうことをしっかりと明らかにするような公会計が必要だと、これは国も地方もでございます。この公会計を導入することで、資産や負債の状況がしっかり把握できるようになる、また、更新に必要な減価償却費なども分かる、予算や執行結果について十分な検証や見直しができる等々、いいことだらけなんですよ。是非、この発生主義、複式簿記による公会計制度というものを私は導入すべきだと思います。
 最後に総理の御見解をお聞き……(発言する者あり)そちらですか、新藤さん。いや、国もありますので、総理の御見解。じゃ、地方で、国でお願いします。
#131
○国務大臣(新藤義孝君) とても大切な御指摘いただいたと思うんです。まさにそのために、地方公共団体の会計制度、これは新しい基準を作って、そして全国統一したものにしていこうではないかと、このように思っています。
 そして、地方公共団体が持っている社会資本というのは極めて大きいんです。これから、二〇三五年の時点で、全国の橋の中で五十年経過したものは七割、それからトンネルの五割は五十年経過をすると。ですから、こういったものをきちんと管理するための公共施設等の管理計画というものを定めて、国交省が進めるインフラ長寿命化計画の下でそういったことをやっていくと。それは、地方も国も同じ形でこういったものを管理して、ある部分は長寿命化しましょう、ある部分は改修しましょう、ここは廃止して新しくしましょう、このきちんと仕分をして予算を組み立てなければいけないと、このように考えておるわけでございます。
#132
○国務大臣(麻生太郎君) 公会計の話、もうしょっちゅうやっていますので、よくお分かりのとおりなので、なるべく短くやれと多分言われるんだろうと思いますが、これは見ていられる方の、観客が違いますので、是非その点も御理解いただきたいと思います。
 国の財務状況に関する説明責任の向上とか、また予算執行の効率化、適正化につながる財務情報の提供などを目的とした複式簿記とか、いわゆる発生主義とかいった企業会計の考え方、手法というものを活用して平成十五年度の決算分から財務書類というのを作成をして、もう既にこれは公表しております。
 この財務書類では、道路などの個々の施設の資産価額までは把握をしておりません。なぜしていないかといえば、これは大昔からずっとというふうになりますと、これ幾らで取得したかなんて資料が全然ありませんので、これは基本的には難しいんですが、多様なインフラ資産に関する個々の評価を設定することなどによって、そのために評価方法の設定や自治体の評価の作業は膨大に及びますので、費用対効果の観点からこれはちょっと慎重な対応が必要なんだと思っておりますが、いずれにいたしましても、価額評価まで行ってコストを掛けるということと、日々の点検というものをしっかり行って必要な修繕を行うということというものを考えました場合、これ日々の修繕の方が基本的には物すごく大事なんだと、私どもにはそう見えます。
#133
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま財務大臣がお答えをさせていただきましたように、既に十五年度の決算分よりそうした対応を取っておりますが、老朽化したインフラの安全性の確保という観点からは、価額評価というよりも、むしろ国土交通省などにおいてインフラの点検等をしっかりと行い、長寿命化に向けた計画を策定していくといった取組を着実に進めてまいりたいと思っておりますが、もちろん公会計を通じて、今委員がおっしゃったように、国民の皆様に国の財政状況を分かりやすくお示しをしていくことは大変重要であるというふうに認識をしておりますので、引き続き国の財務書類等の有効活用に取り組んでいく考えであります。
#134
○尾立源幸君 これは後々、また議論をしていきたいと思います。
 最後に改めて、小松法制局長官には御治療に専念していただくこと、またさらに籾井会長には即刻辞任をしていただくことを求めて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#135
○委員長(金子原二郎君) 関連質疑を許します。斎藤嘉隆君。
#136
○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆であります。
 私も、今の尾立議員の関連質問ということで、本当は御質問をどうさせていただこうか迷っておったんですが、通告で小松長官、今日、私も来ていただくようにお願いをいたしました。これは、決算の審議をする上で、後ほど議論させていただきますけれども、地方交付税法とか、憲法の集団的自衛権ではない部分での解釈の問題についていろいろ御意見を伺いたい、そんな思いもあって今日お呼びをさせていただいたんですが、今、尾立議員からもあったように、通院のために今日は来れないということでありました。そのことについては私自身も納得をしたつもりであります。
 ただ、昨今の小松長官の様々な言動、これは多くのテレビを見ていらっしゃる皆さんも御存じだと思いますけれども、私はちょっと常軌を逸しているなともう言わざるを得ません。先般の私どもの外交防衛委員会、先ほどもありましたけれども、答弁席で、携帯電話を片手に持ってですよ、携帯電話の画面を見ながら答弁をするという、まあ私に言わせれば奇行ですよ、このようなことをされたわけであります。今日ここに大勢の国会議員、それから閣僚の皆さん、官僚の皆さんいらっしゃいますけれども、答弁をするときや質問をするときに片手に携帯電話を持って答弁をする、質問をする、そんな議員も閣僚も一人もいないと思います。一人もいないと思います。現実にそういう行動をされる方が、やはりこの長官という、閣議にも陪席を許されるこのような重責を担っていらっしゃるということ、本当にこのままでいいんでしょうか。
 私は、国民の多くの皆さんがこのことについてやはり不安に思っていらっしゃる、先ほども尾立議員からもあったように、この方についてはやはり即刻療養をしていただくべきだというように思いますけれども、あるいは内閣として総理御自身が辞職を促す、このようなことをされるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
#137
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの携帯電話を見ながらという御発言でございますが、これは、まさに携帯電話を電話機能あるいはメール機能として使うということは院の権威を汚すということであろうと思います。委員の指摘もごもっともでございますが、ただ、小松委員が使った形は、他の政府委員のところにその答弁に関わることについての言わば連絡があり、そして、それを言わば渡されてその中身をそのまま読んだということであったんだろうと、こう思うわけでございますが、今後、例えば紙を、ペーパーレスを進めていく中においてパソコン等を活用していくという議論もあるわけでありますが、しかし、今、それを理由に私は免責をしようというわけではございません。今後注意をしていくということでございまして、小松長官には今までの見識を生かして法制局長官としてしっかりとその職責を果たしていただきたいと、このように考えているところでございます。
#138
○斎藤嘉隆君 総理、今総理の御答弁をお聞きをしていると、携帯電話を手に持って答弁に立ったということ自体がそんな大したことではないんじゃないかと、そのような受け止めもできるわけであります。
 私、そのようなことを聞いているんではなくて、答弁席で携帯電話を、今持込みは禁止されているんです、原則。そのような場に持って入ってそれを見ながら答弁をするという行動自体が、行動自体がもう常識では考えられないんじゃないか、非常識ではないか、このような行動をする方をこのような重責を担わせることはもはや難しいんではないか、このようなことを聞いているんですが、いかがですか。非常識だと思いませんか、総理。
#139
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初申し上げたとおり、最初申し上げたとおり、言わば委員会席において携帯電話をする、受ける、これは今までも何回か指摘があったところだろうと思います。その中において、やはりそれは委員会の権威を汚すという考え方であります。
 他方、私はファクトとして申し上げたのは、これは小松長官の携帯電話ではなくて言わば横にいた他の委員のところに入ったものを、その電話を……(発言する者あり)これは言わば小松委員に対する指摘でございますから、それはファクトとして、小松委員のところ、小松委員が携帯電話を持っていてそこに送られたメールによる情報をそのまま紹介したのではなくて、他の委員のところに送られたものを紹介したということを……(発言する者あり)今、後ろから支離滅裂というやじが飛びましたが……(発言する者あり)そこで小松法制局長官が答える際、他にいたほかの委員が、ほかの委員のところに入ったメールに、メールに対してそれを法制局長官に渡したと。つまり、法制局長官が持っていた携帯をそのまま読んで……(発言する者あり)済みません、後ろからやじられると非常に答弁しにくいものですから注意していただけないでしょうか。(発言する者あり)場外からこのようにやじが飛ぶということですね。
#140
○委員長(金子原二郎君) お静かにお願いします。お静かに。いいですか。
#141
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。
#142
○委員長(金子原二郎君) はい。
#143
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうすると、もう一度答弁させていただきますと、言わば、言わば小松長官のところに入ったメールというのは、小松長官が持っていたわけではなくて、言わば横にいた委員のところに入ったものを小松長官が渡されて、それを読んだというふうに私は承知をしているということを……(発言する者あり)
#144
○委員長(金子原二郎君) お静かに。
#145
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 紹介させていただいた次第でございまして、いずれにいたしましても、小松長官が培った経験とそして見識を生かして、しっかりと法制局長官としての役職を果たしていただきたいと、このように思うところでございます。
#146
○斎藤嘉隆君 誰の携帯電話であっても、それを見ながら私は答弁に立つということ、これはもう普通に考えてやっぱり常識外れだと思います。常軌を逸していると思いますから、このことはやはり十分そのことを受け止めるべきだと思います。
 もう一点、総理に、この小松長官についてお聞きをしたいと思います。
 今、更に重責を果たしてほしいということをおっしゃられましたけれども、本当に、本当にですよ、今現状、小松長官がこの職責に堪えられるかどうか、このことについて総理は一点の不安もないのか、不安はあるけれども、更に続けてやってほしいという希望でおっしゃっているのか、いずれですか。
#147
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私、先ほど答弁いたしましたのは、誤解を与えてはいけないということで申し上げたわけでありまして、言わば、この委員会に例えば携帯を持ち込んで、委員会と関係のない会話を果たしたり、あるいはメールを打ったりメールを見たりということは、これは明らかに委員会の権威をこれは汚すことであり、そして、それはやってはいけないということになっているわけでございまして、しかし、それと言わば近い行為をしたということで注意を受けた、それは当然反省をしなければならないところだろうと、小松長官はですね。
 しかし、しかし、今、ファクトとして、それは小松長官の携帯そのものに入ったわけではなくて、この委員会の質問に関わる、答弁に関わることについて、言わば書類ではなくて、一緒にいた人のところに入ったメールについて……(発言する者あり)
#148
○委員長(金子原二郎君) お静かに。答弁中です。
#149
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それを紹介をしたということでありまして、それを紹介をさせていただいた次第でございます。
 ですから、最初に申し上げましたのは、今後、今後、将来、例えばiPad等を活用した方が、言わば、言わば議論において、活性化されるということも議論としてはあるかもしれないということは別途、別途申し上げたわけでございます。(発言する者あり)
#150
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#151
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こします。
#152
○斎藤嘉隆君 もう一度お聞きします。
 簡単なんです。総理は、小松長官の更なる起用について不安を持っていらっしゃるのか、一抹の不安もないのか、どちらですか。
#153
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、私は先ほど申し上げましたように、今までの経験と見識を生かしていただいて、しっかりと職責を果たしていただきたいと答弁したとおりであります。
#154
○斎藤嘉隆君 いや、この問題をいつまでもやる気はないんです。もう早く終わらせて、次の決算の話題にしたいんですけれども、総理がお答えいただけないものですから、どうしても、いつまでもこんなこと、繰り返しになってしまいます。いいですか。もうテレビの放送も終わってしまうんですよ。どうしたらいいんですか、これ。(発言する者あり)
#155
○委員長(金子原二郎君) 斎藤君、質問を続けてください。質問を続けて、質問を続けてください。(発言する者あり)
#156
○斎藤嘉隆君 聞こえません。
#157
○委員長(金子原二郎君) 質問続けてください。(発言する者あり)
 速記を止めます。
   〔速記中止〕
#158
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#159
○斎藤嘉隆君 じゃ、もうこの続きはちょっと午後に、委員長、改めてさせていただきたいと思いますので、おさばきをお願いします。
#160
○委員長(金子原二郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#161
○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十四年度決算外二件を議題とし、全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#162
○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆であります。午前中に引き続いて質問させていただきたいと思います。
 小松長官の件についてはいろいろ議論をさせていただきましたけれども、最後に確認だけさせていただきたいと思います。
 小松長官のまさに主任大臣は安倍総理であって、総理には小松長官に対する任命責任がある、このことを是非いま一度深く御認識をいただきたいと思います。度重なる常識的とは言えないような言動、このことについては、私も職責を全うできるかどうか疑わざるを得ませんので、是非、総理にはこの点を十分御認識をいただいて今後の対応を確認をしていただきたい、そのように思います。
 それでは、次の話題に移らさせていただきたいと思います。
 私、今の日本社会の抱える様々な課題の中で、最も緊急的で、そして重視をしなければならない、解決をしなければならない課題として、当然でありますけれども少子化対策、また人口減への対応、こういったものがあると思います。
 菅官房長官の本日の記者会見、先ほどニュースで見させていただきました。明日から消費増税が始まるということで、特に子育て支援について多くの国民の皆さんに御理解をいただけるように努めていくという旨の発言をされておりましたけれども、まさにこの若い世代への支援、子育て世代への支援というのをこれから国としてどのように進めていくか、このことが大変重要だと思っています。
 パネルの方をちょっと御覧をいただきたいと思います。(資料提示)このパネルは、主要国、幾つかの国の家族関係支出、いわゆる家族手当ですとか出産・育児休業給付等々の子育てに係る支援についての国別の状況のグラフでございます。左側が、これはOECDからいただいた最新の、今分かる限り最新の数字でありますけれども、これを見ていただいても分かるように、アメリカあるいは日本という国はGDPに占める家族関係の支出が極めて低いということが分かっていただけるかと思います。日本に至っては、この二〇〇九年、一%にも満たないという状況であります。
 この後、民主党政権の下で、いろいろ言われましたけれども、子ども手当を実施をし、この一%という数字が一・三五まで実は上がってきています。そして、来年度からは消費増税によってこの子育て支援に一定の予算が回されるということで、この数字がまた一・五ほどに上がろうかということでありますけれども、それでも諸外国と比較をして非常に少ないということが分かっていただけると思います。
 右のグラフは、その社会保障給付費の内訳を示させていただいたグラフであります。日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスということでありますけれども、この数字、特にこのうちの青い部分が家族関係支出の割合でありますけれども、日本は一〇〇のうち四・三%ということで極めて低いということがこの数字を見ても分かっていただけるのではないかなと。それに比較をして、高齢者への給付あるいは医療費、こういったものとの比較においても大変非常に家族関係支出が少ないということが分かっていただけると思います。
 我が国の、先ほど申し上げましたように、克服すべき課題としてやはり少子化というものがある以上、現状のままこの状況をほかっておけば、五十年後には我が国の人口も九千万人を割り込むのではないか、あるいは百年後には四千万人、こんな数字も出ているわけです。この子育て世代への家族関係給付、こういったものの増大がひいては日本の国力維持あるいは総理のおっしゃる経済活性、こういったことにも直結をする必要不可欠なことではないかと私は考えますが、総理、いかがお考えでしょうか。
#163
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障費の中のそれぞれの割合でございますが、少子高齢化が進む中において、対象である高齢者の数が増え、そして子供の数が減少する中においてのそうした結果になってはいるわけでございますが、しかし、子ども・子育て支援は、全ての子供たちの健やかな成長のみならず、社会保障の持続可能性や経済成長を確かなものとする上でも重要であります。全ての世代に夢と希望を与える日本社会の未来への投資であると、こう認識をしております。
 こうした観点から、社会保障と税の一体改革では、従来の高齢者三経費、年金、高齢者医療と介護でありますが、に加えまして子ども・子育て支援にも消費税収を充てることといたしまして、平成二十六年度予算においても、待機児童解消加速化プランを始め、子育て支援を大幅に拡充をしております。引き続きまして、子ども・子育て支援に力を入れていきたいと考えております。
#164
○斎藤嘉隆君 それでは、子育てについて少子化担当大臣に少し状況をお伺いをしたいと思います。
 私は、よく当委員会あるいは予算委員会なんかでも議論をされてきましたけれども、結婚をしたい若い世代が結婚ができる、あるいは、二人目、三人目あるいは四人目と子供を持ちたい御夫婦がその数だけ子供を持つことができる、このことだけでいいんですよ、このことだけで出生率というのは随分改善をすると思いますし、人口の減も随分緩やかなものになると。これは内閣府でも随分議論をされているというふうに思います。
 そこで、お伺いをしたいんですが、結婚したい方が結婚できない、あるいは二人目、三人目とお子さんを持ちたい方が持つことができない、それぞれの最大の理由というのは今何なんでしょうか。
#165
○国務大臣(森まさこ君) 内閣府で行っておりますアンケート調査によりますと、結婚をしたいのに結婚をできない若者の挙げている理由として、大きなものとして、一つは出会いがないということ、もう一つは経済的な安定性がないこと、この二つが挙げられます。
#166
○斎藤嘉隆君 国立社会保障・人口問題研究所、これ最新の出生動向調査というのが実は出ておりまして、先ほど僕が申し上げた二点について、その理由がアンケート調査がされております。圧倒的に、結婚したいけどできない、その理由に挙げられている最大の理由は結婚資金の不足なんです。お金がないから結婚できない。それから、子育て、二人目、三人目の子供を持つことがなかなか難しい。この理由も、教育費負担が非常に大きいということ、あるいは子育て支援、子育てに関して大変大きなお金が必要だということであります。
 そこで、この教育の問題に今日はちょっと特化をして、国の支援の在り方について少し議論をさせていただきたいと思います。
 総理、突然で済みません、恐縮でありますけれども、国立大学の授業料、総理、今幾らぐらいか、年間、御存じですか。
#167
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国立大学は、文系で五十万であろうと思います。(発言する者あり)五十四万か。
#168
○斎藤嘉隆君 よく御存じでいらっしゃいますが……
#169
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 聞いたんです、今。
#170
○斎藤嘉隆君 そうですか、分かりました。今おっしゃったとおり五十四万、下村大臣が何かおっしゃられたみたいですけれども、年間それだけの授業料が掛かります。私学だと七十三万とか七十四万という数字であります。
 私、昭和五十六年に国立大学に入学をしましたけれども、当時の授業料は十八万、年間、でした。半年で九万円ずつ納めていたのを明確に覚えています。総理の時代は、もうちょっとさきですけれども、私立大学でも年間九万円ぐらいが授業料として必要だったのではないかなと思います。これ、今のいわゆる物価と勘案をしていろいろ考え合わせると、それでも大体三倍ぐらいの負担が今必要だということであります。
 もう一枚ちょっとパネルを用意をしましたので、資料の方を御覧をいただきたいと思います。
 これは、日本政策金融公庫が昨年の七月に行った調査、十二月に発表をされています。高校入学から大学卒業までに必要な費用ということで、これは授業料とか入学金、教材費、通塾費用、いわゆる学習に必要なお金を足したものなんです。
 見ていただくと分かりますように、昨年度それがどれぐらい必要かというと、七年間で子供一人につき一千五十五万円という数字が出ています。これ、食費とか下宿に掛かる費用はこれとは別なんですね、実は。いかに各家庭が多額の費用を教育に掛けているか、そしてこのことが少子化につながっているということを分かっていただけるのではないかなと思います。
 なぜこんなに各家庭に教育費が、今現状、我が国は掛かるんですか。
#171
○国務大臣(下村博文君) 先ほど委員が御指摘のように、国立大学や私立大学の授業料、入学諸経費がどんどん増えている一方で、公財政支出がその分少ないことにより、結果的に家庭費の負担になっているところが大きいと思います。
#172
○斎藤嘉隆君 大臣とは本当にここのところだけは、本当に共有できるんです、認識を。簡単に言えば、我が国が公財政ということで教育については支出をしない、伝統的に教育というのは家庭が行うべきものだと、そういう認識の下で進められてきた、様々な施策が。私はそこに一番大きな原因があるのではないかなというように思います。
 これを、麻生大臣お見えですけれども、財政審の議論なんかを見ていると、必ずしもこのような議論には実はなっていません。我が国の各家計への公的な支援というのは諸外国と比べてもかなり脆弱でありますけれども、いろんな理由を付けて決してそうではないというような議論が財政審の場ではされているわけです。
 もう一枚ちょっと資料を。次々と済みません。次のグラフは、これは大学教育などに対する国による支援、家計に対する支援です、を公財政教育支出に占める割合ということで示させていただきました。これもOECDの調査結果から作らせていただいたものであります。
 これ何が問題かというと、各家計への支援というのは、我が国財政において非常に少ないということは分かっていただけると思いますけれども、この表を見る限りはOECD平均よりは高いわけです。財政審の議論なんかでは、この数字をもって決して諸外国と比べて遜色がないということを言われておるわけですが、ちょっと色別のものを見ていただきたいんですが、青い部分、この青い部分というのは、実は財務省の皆さんが国として大変支出をしていますよという奨学金に当たる部分です。青の部分はいわゆるローン型の奨学金、貸してやるからいつか返しなさいという形のものがこの青の部分です。濃い赤の部分が返済不要の奨学金であります、もう渡し切りの奨学金。
 見ていただいて分かるように、日本だけが各家計への支出の中でこの貸付型の、ローン型の奨学金が大変多いということが分かっていただけるのではないかなと思います。これを公的な支援に組み入れるというのは、私は正しい考え方とは言えないんではないかなと思うんですが、この奨学金の予算というのは今一年間どれぐらいなんでしょうか。
#173
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、このことだけは委員と全く共有する部分がございますが、一兆円超えます。
#174
○斎藤嘉隆君 かなり大きな額のお金が投入をされている。そして、先ほど申し上げましたけれども、ローン型の奨学金がメーンですから、貸して、返ってきて、また貸してというサイクルの中でお金が動いているということであります。
 一般会計で、この奨学金に新たに毎年追加として投入する予算というのは大体一千億円であります。政府の貸付金が七百億円弱ぐらいということでありますけれども、この奨学金、さっきから何度も申し上げていますけれども、ローンなんです。二十年掛けて返さなければいけないローン。
 私が冒頭申し上げましたように、今、若い世代が、例えば非正規雇用者などを中心に、奨学金の返済に大変苦慮をしているという実態があります。私ども民主党政権の下で所得連動型の奨学金ということで導入をさせていただきましたけれども、それでもこの負担というのが非常に大きくのしかかっていて、このことが、先ほど申し上げた結婚できない若い世代、子供を持ちたくても持てない、そんな若者につながっているのではないか。
 なぜこんなに我が国は若い世代に冷たいんでしょうか。私たちは本当に、政権にあったときにここのところを改善をしたかったんです。そして、いろんな形で、先ほど申し上げたような所得連動型の奨学金の在り方とか、このことを議論をしてまいりました。これ、教育改革が安倍政権のメーンでありますから、是非こういったことに、口を出すけど金は出さないということではなくて、是非きちんと必要な予算を充てていただく、この教育に関してですね、と思いますけれども、総理、いかがですか。
#175
○国務大臣(麻生太郎君) 予算の関係なんで私の方から。
 御提案の、いわゆる、イギリスなんかもそうかもしれませんが、給付型の奨学金というのがかなり比率が、まあアメリカなんかも高いんですが、日本で就職をして一定の収入を得るというふうになった人でも返済を求めないということが、それで公平かと、これ無利子ですから、それが一点。金利は無利子というより低金利が正しいと思います。
 それから、現行の奨学金事業というのは、今御自分でも述べられましたように、これは今まで貸している人からの返済金を財源とすることでより多くの希望者に貸与できるというシステムになっているんだと思いますので、これは財源が減りますので、貸与人員は現行に比べてこれは減らざるを得ないということになろうと思いますので、こういった意味で、学生などの状況に応じて対応は今後必要になってくるんだと、私どもはそう思っている、学生の数が減ってくるという前提で。
 その上で、二十四年度から、それでも一定の収入を得るまでは返済を猶予するという所得連動返済型の無利子奨学金制度というのを導入させていただいておりますけれども、低所得世帯の学生の将来の返済負担懸念というものにこれは当然配慮しておく必要があるのではないかということで、授業料減免も拡充をさせていただいておりますけれども、例えば、返していないので延滞金が掛かるじゃないかと、延滞金利も付いていますから。その延滞金利はたしか一〇%、おまえ今どき一〇%か、高過ぎだろうというので五%に今度減らしております。これでもまだ高いというお説もありましたけれども、そういった形で一応半分に減らさせていただいております。
 また、返済期限というものが、今まで五年だったものをこれを十年に延長させていただいたりしておりますので、いろんな意味で、御指摘のありました点も考えながら、私どもとしてはそれなりの対応をさせていただいておるところであります。
#176
○斎藤嘉隆君 今大臣からいろいろるる御説明をいただきましたけれども、例えば、何も今すぐこれを給付型の奨学金、渡し切りのものにしてほしいと言っているのではないんです。どういう見通しを持って将来に向けてこの学生たち、もちろんやる気のある学生たちですよ、学ぶ意欲のある学生たちの学びをどう支援をしていくか、そして、そのことが結果としてもし少子化の改善につながっていくのであれば、今まさに方向性を定める時期だということを申し上げているのであります。
 今、奨学金の金利のこともおっしゃられましたけれども、有利子奨学金がやはり圧倒的に多いわけですね。利子を取っているんですよ、この奨学金から。低利息です、確かに、おっしゃるとおり。最大は三%まで行くんだろうと思いますけれども、その利子を、例えば利子を取っている有利子の奨学金を、これせめて無利子にするとか、あるいは何年かのうちに段階的に給付型に変えていくとか、こういったことは今から計画立ててできるんじゃないですか。下村大臣、どうですか。
#177
○国務大臣(下村博文君) このことについては斎藤委員のおっしゃるとおりであるというふうに思っておりまして、やはり我が国が少子化、これを改善する一つの手だてとして教育費負担軽減を図るということは大変重要なことだというふうに思います。
 そのために、御指摘ありましたが、大学の奨学金について、今、有利子奨学金、これをできるだけ数を減らしていこうということで、今年は、二十六年度九十五万七千人で、減らし、その分を無利子奨学金を増やしていこうということで、これは四十五万二千人に対象を増やし、やっぱり将来的には、奨学金というよりは率直に言ってこれは学生ローンだと思うんですね。ですから、金利のある奨学金を無利子にしていくということは、是非これは流れとして、していくべき方向性はそのとおりだと私も思います。
 さらに、二十七年度からは、大学における給付型奨学金についても文部科学省では是非検討したいと思っております。高校はこの四月からスタートいたしましたが、大学においてもできるだけ、かつて実際、給付型奨学金はあったわけでありまして、私も給付型奨学金があったおかげで高校、大学進学できましたから、それを再び戻していくような政策は是非我が国においてこれから必要だというふうに思います。
#178
○斎藤嘉隆君 下村大臣、いつまで文科大臣されるか存じませんけれども、是非このことを一歩踏み出していただく、何か再来年度予算で踏み出していただくということを是非お願いをしたいと思います。
 財政規律も当然必要ですから、無尽蔵に教育費にあるいは子育て支援にお金を入れるということはなかなか難しいと思います。多くの国民の方が理解を私していただけるんではないかなと思いますけれども、教育目的、子育て目的の何か新たな税財源も含めて私は検討する時期が、日本の将来を長いスパンで見たときに今もう必要だと、そのように思っておりますので、是非御検討いただきたいと思います。
 もう一点、ちょっと違う話題を。資料を御覧をください。これは、まさに今決算で議論をしている二十四年度の義務教育費国庫負担金の交付状況を示した各都道府県別の資料であります。赤三角付いている道府県が十一道府県あります。
 ちょっと説明をいたしますと、義務教育費国庫負担金というのは、三分の一、これは公立小中学校の先生方の給与に充てるお金でありますけれども、この給与のうちの三分の一を我が国の場合は義務教育費国庫負担金という形で各都道府県に渡していると。そして、残りの三分の二は交付税措置ということで交付税に加算をされて、それが交付されているということであります。これ、十一道府県でおおよそ六十三億円ほどが限度額まで使われていません。ということは、六十三億円ほどがこれは国庫に残る、戻るということであろうと思います。まあ、このことはいいです、いろいろ行革の努力もされたんだろうというふうに思いますけれども。
 ただ、私は、これは三分の一の話であって、この三分の二の交付税措置をされている分、もちろんこれは交付税ですから使用目的を問わないということは当然でありますけれども、六十三億円国庫にここで戻っているということは、この倍の百二十七億円が各都道府県に、十一道府県に配られているにもかかわらず教職員の人件費としては使われていない、そういう認識でいいんでしょうか。
#179
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、平成二十四年度において、教職員給与費の実支出額が義務教育費国庫負担金の最高限度額まで達していない県、十一県あるわけでございます。これは、近年の厳しい財政状況から、教員以外の一般行政職も含め、各県が独自に給与抑制措置を行っているため実支出額が縮減されているということが主な原因でございます。
 これは、教職員だけでなく、それぞれの地方公務員全体の給与カットしたと、この影響が七県、それからあとは、都道府県の財政事情が厳しいため、義務教育標準法に基づく標準定数を下回る措置となっていて実支出額が縮減されている県が三県、それから、給与の低い非正規教員の割合が高いためというのが一県ございますが、文科省としては、教職員給与費として確保されている予算が有効に活用されることが望ましいと考えております。
#180
○斎藤嘉隆君 これは、例えば、個別に都道府県のことを言うのはあれなんですけれども、最も多いのは大阪府であります。三十三億円余りが支出をされていない。これは、恐らく先ほど言われた公務員の給与カットがかなり激しく行われているんだろうというように拝察をいたします。
 これ、私、何を問題にしているかというと、ここは三分の一であって、この三分の二の部分が、先ほどから申し上げているように、本来、教育諸条件整備に使われるべきお金がそこに使われていなくてほかのものに使われている。もちろん、各都道府県が財政的に非常に厳しい、そのことは十分認識をした上でこのようなことを申し上げておるんですが、これ、厳しい中にあっても多くの県では限度額以上に支出をしているわけです。反面、そうではなくて、大きく下回る形でしか支出をしていない、そのような県もある。非常に教育条件、教育環境に大きな格差が私は生じているんではないかなと思います。
 これは、憲法二十六条で言うところの教育の機会均等も含めて、あるいは教育権、こういった理念からも憲法の要請からも外れるんではないか、そのように思いますが、いかがでしょうか。
#181
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、都道府県によってかなり差があるわけでありますが、斎藤委員からも御指摘がありましたように、これは教職員の給与だけカットしたということよりは、大半は地方公務員の給与そのものを縮減したということの中での教職員への影響もありますので、これはそれぞれの都道府県の財政事情によるところが大きいというふうに思います。
 ただ、先ほど申し上げましたように、文部科学省としては、それは当然教職員給与として確保されている予算でありますから、それは当然教育費関係として有効に是非活用していただきたいというのは、我々としては当然の思いでございます。
#182
○斎藤嘉隆君 このお金を全て、教員でも何でもいいですよ、人件費に回せば、どれぐらいかちょっと今にわかには申し上げられませんけれども、数千人、三千人とか二千五百人という方の雇用、また教員を雇えるんじゃないでしょうか。
 私、問題としているのは、各県ごとに教育条件にやっぱり差がある、生まれた地域によってこれだけ大きな差が出てしまう。このことについては、やはり義務教育というものに対する憲法上の要請を考えた場合に、これ、地方交付税法の第二十条の二でも勧告権というのも明記をされているわけです。こういう道府県に対して何らかの指導なり指示なりすることは可能なんでしょうか、あるいはそういうおつもりはないんでしょうか。これ文科大臣がされることだと思いますが、いかがですか。
#183
○国務大臣(下村博文君) この最高限度額まで使い切れなかった都道府県が十一県ある中で一つ、給与の低い非正規教員の割合が高い県が一県あります。これはやはり、非正規教員をできるだけ正規に変えてもらいたいということは、これは当然国が言うべきことでありますし、またそのような形で指導してまいりたいと思います。
 ほかの県は、財政事情が厳しいということで、これは地方公務員まで含めて同率にカットしたという、そういう経緯がございますので、なかなか勧告権というのはこれは難しいことだというふうに思います。
#184
○斎藤嘉隆君 勧告までは難しいということでありますけれども、義務教育に関わることですから、このことについてやはり極力格差というものはなくしていく必要があるだろうというように思っていますから、是非是正に向けて御努力をいただきたいということと、そもそもこの義務教育費国庫負担金というものが、私は、憲法二十六条を見ても、本来、三分の一のこういうような形で措置をされるものではなくて、かつては二分の一であったと思いますけれども、でき得れば全額補助金という形でこのことについては、このことについてはですよ、出してもいいんではないか。そうすれば、恐らくこのように各県で状況に差が出るということはないと思いますが、いかがでしょうか。
#185
○国務大臣(下村博文君) このことだけについても委員とは全く意見が同じでございまして、本来、二分の一が三分の一になってしまったわけですね。しかし、これは、義務教育についてはやっぱり国が責任を負うべきものでありますから、私は、本来、国が一〇〇%この義務教育についての教員についても見るべきことがあるべきことではないかというふうに思いますし、これは自民党の文教部会の中ではそのように提案がされているところでございますが、これは政府全体としてはまた別の判断になってくるわけでありますが、あるべき形としてはそういう形だと思います。
#186
○斎藤嘉隆君 本当にこのことについては思いを共有しますので、是非御努力をいただきたいと思います。
 今、教員の非正規の問題が出ました。ちょっと、教員に限らず、非正規雇用の問題について少し触れたいと思います。またこれも資料の方を。
 また議論が元に戻ってしまいますけれども、先ほどの少子化対策ということで、若い皆さんの賃金をやっぱり増やしていかないと、子供を産み育てるということがなかなか困難な今環境にあるということは認識を同じにするところだと思います。
 このグラフを見ていただきますと、この左側、正規・非正規の推移ということで、八五年以降ですね、示させていただきました。これは、いろんなところでこの数字は出ておりますけれども、一二年まで少しずつ少しずつ正規雇用者が減って、非正規雇用者が増えています。この増えている非正規雇用者の内訳を見ると、これ右側のグラフになりますけれども、圧倒的に十五歳から二十四歳、あるいは二十五歳から三十四歳という若い世代の非正規雇用率というのが上昇しています。十五から二十四歳はもう三倍になっていますし、二十五歳から三十四歳に至っても倍ほどまでになっています。
 私、今政府が、厚労省が進めようとしている例えば労働者派遣法の見直し、これ一個取っても、私はこの非正規雇用者をますます増やすことにつながるんではないかと、そのような危惧を持っています。言い換えると、非正規雇用者というのは正規雇用者の収入の大体六〇%程度でありますから、若い人たちの賃金を下げるための法改正を今まさに考えていらっしゃるんではないか、そういうことにつながるんではないかということで我が党内でもこのことについては大変な議論に今なっているんですが、そういう法改正ではないんですか、厚労大臣。
#187
○国務大臣(田村憲久君) まず、非正規でいきますと、派遣労働者の割合というのは大体六%前後ぐらいだと思います。契約社員、アルバイト、これが二〇%ぐらいずつございますので、全体としては非正規の中では低い割合であります。その中において、今般の労働者派遣法の見直しでありますけれども、例えば派遣元に、これは計画的なといいますか定期的な教育訓練、こういうものを課しておる、義務付けておるわけでありますし、キャリアコンサルティングもやってください、つまり、正規に向かってのいろんな働き方、それに向かっての派遣元の責任というものも一定程度掛けております。
 派遣元に関しましては、今まで届出制でもよかったんですが、許可制というもの一本にしようということで、そのような意味からいたしますと、質の悪い派遣業者に関しましてはこれは退出も願えるということでございまして、そのような意味からいたしますと、派遣業者の質も向上しながら、一方で、その中において若い方を含めて派遣労働者の方々がキャリアアップをしていくような、そんな仕組みもこの中に入れさせていただいております。
 併せて申し上げれば、派遣先に対しましても、例えば賃金でありますとか福利厚生、教育訓練、こういうものに対してやはり配慮義務をちゃんと、均衡待遇等々でありますけど、配慮義務をお願いをしておると同時に、派遣元に関しましては、今までその均衡待遇の確保というものに対して一応やることになっておるんですが、これ説明義務を掛けさせまして、どういうことをやっているか、こういうふうにいたしまして、派遣労働者の方々がより安定した、そういうような職に就いていただけるようないろいろな仕組みも入れさせていただいておる次第であります。
#188
○斎藤嘉隆君 派遣を常用代替とするような、そういう固定化につながるんではないかという懸念を私たちはしているわけです。もちろん、派遣労働者というのは非正規のうちの確かにおっしゃるようにごく一部かもしれませんけれども、このごく一部でも今回の法改正によってこの方々が、今までのこの推移が改善をして増えていくスピードが逆に減っていくと、そういうことにつながって、若い世代の賃金アップにこれはつながるんですか。そこのところをちょっと端的に。
#189
○国務大臣(田村憲久君) やはり派遣は臨時的、一時的なものでございますので、常用代替というわけではありません。そこは変わっておりません。ですから、三年間の期間制限を設けておるわけでありまして、三年たって同じところで働き続けることはこれは基本的にはできない、無期の派遣労働者の場合はできますけれども、そういうことになっております。
 そういう意味からいたしますと、非正規同士でのいろんな移動はあるかも分かりません。ただ、企業にとってみれば契約社員よりかは派遣の方が高い、割高になるわけでございまして、そこは企業がどのような御判断をされるのかというのはあるかも分かりませんが、いずれにいたしましても、その節目節目、例えば三年で期間制限が来たときに、更にそのときにその方が正規を目指すというのであるならば、そこでキャリアアップのためのいろんな教育訓練等々を派遣元がやっていくということでありまして、是非とも今委員がおっしゃられたような方向に行くように、この労働者派遣法、これは成立させていただければ運用してまいりたい、このように考えております。
#190
○委員長(金子原二郎君) 斎藤君、時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
#191
○斎藤嘉隆君 はい。
 いずれにしても、若者の働き方とか教育支援について是非これからも御検討いただきたいと思います。
 以上です。
#192
○杉久武君 公明党の杉久武です。
 本日は平成二十四年度決算審査の全般的質疑でございますが、明日から新年度を迎えるに当たりまして、冒頭一言申し上げたいと思います。
 東日本大震災から四年を迎えました。改めて、震災支援の原点としては、あの三・一一、あの日を忘れないということに尽きるのだと痛感をしております。私も昨年夏の初当選以来、被災地に何度となく足を運ばせていただきました。現地で多くの方々とお会いをさせていただきました。今月も石巻の方にも伺いまして、確かにインフラの復旧は進んでおりますが、まだまだ多くの方々が仮設住宅にお住まいで、大変御苦労な生活をされていることを身をもって痛感をしたところでございます。
 総理も御存じのとおり、今なお約二十七万人の方が避難生活の中で言い知れぬ思いを抱えながら毎日必死に生き抜いておられます。しかし一方で、風化と風評というこの二つの風にはその勢いを増しているように感じられてなりません。私は、被災された全ての皆様の苦難と挑戦の歩みに思いをはせまして、この震災の風化と風評という二つの風に闘いながら復興に全力を尽くすことをお誓い申し上げまして、質問に移らせていただきたいと思います。
 まず最初に、平成二十四年度決算審査報告の内容について質問をさせていただきます。
 私は昨年初当選させていただきましたが、それまでは公認会計士として日本とアメリカで民間企業の財務諸表監査、これをやってまいりました。財務諸表の監査と申しますと、これは民間企業が公表する決算書、これが適切かどうかという点において独立的また第三者的な立場から意見を表明して、この決算書は間違いがないという形で保証することであります。私は、このような役割を果たしているのは、国においては会計検査院であるべきというように考えております。
 まず、一枚目のパネルの方を御覧いただきたいと思います。(資料提示)これは先ほど来何度か出てきておる数字でございますが、平成二十四年度の検査報告、こちらでは指摘された件数が六百三十件、そして指摘金額が四千九百七億円という形になっております。会計検査院の皆様による地道な調査のおかげで、このような不適正な事案が明らかになっております。財政の番人として日々奮闘されておられます会計検査院に、まず感謝を申し上げたいと思います。
 続いて、このパネルのグラフを御覧いただきたいと思います。このグラフは、指摘された件数の省庁別の数字に当たります。今回のこの六百三十件のうち最も多かったのが、全体の四五%を占める厚生労働省ということになっております。
 そして、この二百七十九件の様々な指摘の中に、例えばこういったものが挙がっております。国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所、また国立保健医療科学院などの機関で管理すべき五十万円以上の資産、機械や器具について、その所在が確認できないといった管理の適正を欠いたものが全部で二千五百三十五物品、金額にしますと五十四億二千六百十一万円という形で指摘をされております。これ単純に割り返しますと、一つ当たり二百万円以上もするという価値の高い品物の所在が分からないという形で、これは本当にかなり管理としてはひどい状況であるのではないかというように思います。
 私自身は、監査という仕事をやってきた中で、やはり物品の管理をするというのは業務の基本中の基本でありまして、本来、これらのものについてはその省庁内での内部統制でしっかり管理をされて、会計検査院から指摘をされるような私はレベルの問題ではないんじゃないかというように思っております。
 今回の対象は平成二十四年度ということで、前政権の期間も含まれておりますので一概に今の大臣に全て責任を伺うわけにもいきませんが、やはりこれは行政の問題として、しっかりと全閣僚が緊張感を持って、やはり税金の無駄遣い、使い道については厳しく監督をしていただきたいと思います。
 それを踏まえて、この指摘件数の多さと、物品管理という基本的な問題について指摘を受けている点について、田村厚生労働大臣にお伺いします。
#193
○国務大臣(田村憲久君) 確かに、件数二百七十九件、これ一位、ワーストワンであります。それから、金額がこれワースト四位ということであります。
 件数が多いのは、これは対象が地方公共団体、地方自治体が入っておりまして、この割合が八四%で二百三十四件であります。主に、例えば国民健康保険の補助金等々に関する事務、こういうものに対して対象になったということがございまして、自治体が増えておったというのも一つは件数が増えたそのような要因になっております。
 金額は、おっしゃられますとおり、試験研究機関等々に対して、重要な設備等々がありますけれども、そういうような機械等々が、本来はこれもう破棄されているのに帳簿上破棄されていないというようなことがあるわけでございまして、おっしゃられる点、ずさんな事務をやっておるわけでございますから、こういうところに関しましては、事務処理マニュアル、これを徹底をする中において、継続的にやはり研修というものをやっていって適正化を図ってまいりたいと思っておりますし、関係部局長には、しっかりとこのようなものに関しては効率的に執行するように、また適正にと、予防も含めて、我々伝えるとともに、地方自治体の皆様方にもしっかりと御協力をいただくようにこれからも要請をしてまいりたい、このように考えております。
#194
○杉久武君 是非、やはり様々要因はあると思うんですけれども、今申し上げたような資産を管理するとか、そういった基本的な指摘がもう二度と検査院の指摘で上がらないように、全力を尽くしていただきたいと思います。
 続いて、今も申し上げました指摘金額、この四千九百七億円について確認をさせていただきたいと思います。
 この数字というのは会計検査院が指摘をした六百三十件の影響額を合計をしたものということになっておりますが、実は、この数字の中には、例えば同種の指摘がもしほかの省庁である場合、その可能性について追跡調査を全てやって影響額を試算したというわけではないと、あくまで会計検査院が直接検査を行った部分、それについてのみの金額を集計をしているということであります。
 私は、これについてはやはり国民の期待と比べて差があるのではないかと、国民の期待としては、会計検査院の指摘によって不適切な事案が全容解明をされるということがやはり非常に国民の皆様から期待をされているところではないかというように思っております。したがいまして、今のこの影響額の試算というのはやはりどうしても中途半端と言わざるを得ないという思いをしておりますが、その点につきまして、やはりそういった同種の指摘があれば全ての全省庁で横断的に評価をしてその全容解明をするという、そういった点について是非とも国民の期待に応えて会計検査院の方にやっていただきたいと思いますが、会計検査院の見解をお伺いいたします。
#195
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院といたしましては、指摘した事態と同種の事態が他の検査対象機関においても見られるようなことがあれば、まずは検査対象機関自らが是正に向けて取り組んでいただくことが重要であると認識しております。
 そこで、他の検査対象機関でも同種の事態が生じる可能性のある事項につきましては、各府省や政府出資法人、都道府県の職員を対象とした検査報告説明会などの際に特に周知徹底に努めるなどしてきておりまして、他の検査対象機関におきましても同種事態の防止に役立てていただくよう期待しているところでございます。
 その上で、会計検査院としても、会計検査の基本方針に基づきまして、委員御指摘のような複数の府省等に共通又は関連する事項につきましては、他の検査対象機関における同種の事態についても是正が図られるような必要な検査を行っているところでございます。
#196
○杉久武君 やはり是非それを定量化していく、全省庁的に影響額がどれぐらいあるかということをやはり国民に開示していくことの方が大切であると思いますので、その点についても御検討いただければと思います。
 続きまして、次のパネルを御覧いただきたいと思います。
 次のパネルは、過去十年間の今申し上げました指摘件数と指摘金額、それの推移をグラフにしたものであります。
 このグラフを御覧いただければ分かると思いますが、指摘件数、指摘金額についても大きくアップダウン、増減をしているということで、傾向性がよく分からないというのが実態であると思います。本当にこの税金の無駄遣いが減らされていっているのか、これであると本当によく実態がつかめていないのではないかというように思います。本来期待されるところは、こういった件数や金額がどんどん低減をしていくのが本来望ましい形であると思います。
 その点について、次の三枚目のパネルを御覧いただきたいと思います。
 これは少し古い資料にはなりますが、平成十七年に内閣府の国政モニター調査で、会計検査院がその役割をちゃんと果たしているかどうかということについて国民の皆様にアンケートを取った結果になります。
 この円グラフを見ていただければお分かりになると思いますが、約半数の方がある程度果たしていると、逆にまた半数がほとんど役割を果たしていない又は余り役割を果たしていないという、意見が二分するような形での結果になっております。
 そして、私が注目をさせていただきたいのは、この余り役割を果たしていないというところで、一番大きなその理由として挙げられているのが税金の無駄遣いの報道が後を絶たないためということで、やはり会計検査院に逆に、これを逆説的に捉えれば、会計検査院に期待されている役割というのは、やはり税金の無駄遣いをなくしてほしいということが本当の願いであるのではないかというように思っております。この点につきまして、本当にこれが私自身は国民の強い願いではないかというように感じております。
 一方で、会計検査院も限られた予算また人材の中で一生懸命検査をしていただくということもありますが、やはりこれは税金の無駄をなくしていくことが最終的にまた指摘事項をゼロにしていく、そういった方向性が国民からの期待であると思いますが、その点について総理の御見解をいただければと思います。
#197
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十四年度決算報告において、数多くの不当事項等の指摘を受けたことは誠に遺憾であります。検査報告を受け、直ちに各大臣に対して事務事業の在り方の見直しや適正な会計処理の徹底など、検査報告事項について確実に改善するよう指示を行ったところでございます。
 政府としては、国民の行政への信頼を確保していくためにも、この検査報告を真摯に受け止め、そして予算の不適切な使用等が生じることのないように、特に検査報告において同種の指摘を再び受けることがないよう今後とも予算執行の適正化にしっかりと努めてまいりたいと、このように思います。
#198
○杉久武君 是非とも会計検査院においては、今の総理がおっしゃられた点についてしっかり連携を取って進めていただきたいというように考えております。
 続きまして、再び会計検査院にお伺いをさせていただきます。
 今、会計検査院が指摘をされている事項についても報告書という形で、今回も六百三十件、四千億という規模での報告書が上がっておりますが、実はそれは指摘があった部分がどこかというところの報告でありまして、私が一つ今日提案として申し上げたいのは、逆に、検査をした結果、適切に行われていた、ここは問題がなかったという部分についてもやはり私は積極的に情報発信をしていくべきではないかというように考えております。
 今の会計検査院の役割ですと、やはり指摘をして問題があったところを報告はしますけれども、検査をして重点的に、例えば今年はここを検査をしようということで重点的に検査をした結果、ここは問題がなかったという、これもやはり国民にとっても私は有用な情報であると思います。
 そこで、私は、御提案したいのは、やはり指摘型の検査手法からこういった、ここは問題がなかったという保証型の検査手法、こういった点についても考慮を入れていくべきではないかというように考えております。
 一方で、保証をするということは、私も会計士で監査をしてまいりましたので、それなりにやっぱり責任が、やはりこれは問題がないということに対してお墨付きを与えるというのは相当な責任であることも十分承知をしておりますが、国民からの期待に応えるという意味で是非とも保証型の検査の導入について御検討いただきたいと思います。
 会計検査院に伺います。
#199
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院法によりますと、「会計検査院は、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。」とされております。この使命を果たすために、同法に基づきまして、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点その他会計検査上必要な観点から検査を行っているところでございます。
 会計検査院といたしましては、現行の憲法及び会計検査院法に基づいて検査を実施しているところでございますが、国の会計制度については、国による財政の確実なコントロールや国民にとっての分かりやすさという観点から、確実性、客観性、透明性に優れた現金主義を取っておりますことから、御提案の内容につきましては、国の会計制度の在り方も含めて検討する必要があり、高度な立法政策に関わる問題と考えております。
 国の会計制度の在り方の見直しも含め、仮に御提案の内容が実施された場合には、会計検査院が行う検査の在り方、検査体制の見直しや必要な検査要員の確保等についても検討する必要があると考えられますが、いずれにいたしましても、会計検査院といたしましては、法令に基づき今後とも厳正な検査を行い、その使命を果たしてまいりたいと考えております。
#200
○杉久武君 様々導入するには課題があることも私も重々承知をしておりますが、やはり国民に対してしっかり説明責任を果たすという観点で、是非とも導入に向けて私も尽力してまいりたいというように考えております。
 続いて、現状の検査の中で、じゃ、どこまで今の仕組みの中でできるかという点におきまして、保証型の検査の導入というのはすぐにはできないとは思うんですが、今の検査のアプローチの中でももう少しやはり国民に対して、会計検査院が何をやっているのかという点について具体的な説明が必要であるんではないかというように考えております。
 今、会計検査院が検査をされるに当たっては、様々な計画、例えば会計検査の基本方針、また検査計画策定及び検査実施の留意事項、さらに各検査課を対象とする検査計画というものが作成をされておりますが、実は今国民に対して公開をされているのは会計検査の基本方針という本当に大方針の資料だけが公表をされております。しかも、その資料も平成十一年から公開が始まっておりまして、その他の二つの、基本方針以外の検査計画の策定とか留意事項、こういったものについては国民に対しては開示をされていないという今実情があります。したがいまして、私が思いますには、やはり検査の対象が適切に選定をされているのかどうか、そこに対して国民のチェックが今入らない仕組みになっているんではないかと思います。
 一方、海外に目を向けますと、例えばイギリスの会計検査院におきましては、業績検査のテーマに選定するに当たってスコアリングシステムということで、候補のテーマを例えば決算委員会やマスコミの関心度、あと検査の実施期間と実施コストの見込み、こういったいろいろな要素を項目別に評価をして点数を付けて、どれを優先的にやるか、そういったことについても透明性を高める手法として採用されております。
 そういった観点で、私は、日本の会計検査院におかれましても、やはり例えば事前に検査計画とかアプローチを公表すると、何というんでしょう、検査上の問題が出てまいりますので、事後でもいいので、やはり検査のそういった透明性、説明性を果たすために、アプローチ等またそういった検査計画の公表をすべきだと思いますが、その点について会計検査院の見解を伺います。
#201
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院といたしましても、検査活動の状況や検査結果を適切に公表して、検査活動の透明性を確保することは重要であると考えております。
 検査テーマの具体的内容等を明らかにすることは、検査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、検査後にも公表することは適当ではないと考えておりますが、検査テーマを策定するための基礎となる会計検査の基本方針はホームページに掲載するなどして公表しているところでございます。また、個別の指摘事項等におきまして検査の観点、着眼点、対象及び方法を記述しておりまして、より分かりやすい検査報告となるよう努めているところでございます。
 会計検査院といたしましては、引き続きこのような検査活動の透明性を確保するための取組を進めてまいりたいと考えております。
#202
○杉久武君 基本方針は今開示をされておりますけれども、私はもう一歩踏み込んで、是非開示をされることを御検討いただきたいというように思います。
 では、続いて、明日から消費税が上がります、消費税の引上げについて幾つか御質問させていただきたいと思います。
 まず、転嫁対策について伺います。
 公正取引委員会と中小企業庁においては、この三月から四月にかけて消費税転嫁対策の強化月間と位置付けられまして、既に八百五十三件の事業者への指導を行っておりますが、その指導事例の中で、地方公共団体が設置する病院における買いたたきの事例、こういったものが挙がっておりました。優位な立場を利用して納入業者の価格を据え置くようなことが、そういったことがよく起き得るんですけれども、その中で公的機関において、私は、やはり先頭に立って襟を正して、透明性、公平性を担保して、消費税の転嫁が容易にできる環境を自ら率先して整えていくことが必要であると思います。
 また、独立行政法人や国公立大学法人など、そういった公的な機関の中でも長期契約を結んでいるようなケースもありまして、今回のこの四月のタイミングでどう転嫁をしていくのかという問題もあると思います。
 そういった面も含めて、やはり公的機関は民間企業よりも更に厳しく指導を行い、もし違反があれば実名公表等も含めて厳格な対応をすべきだと思っておりますが、この点について、政府一丸となって徹底した対策をお願いしたいと思いますが、甘利大臣、いかがでしょうか。
#203
○国務大臣(甘利明君) 明日から消費税が上がるわけであります。適正な転嫁を率先垂範して行うべき公的機関が納入業者を買いたたいたというような事実があったということであります。言語道断であります。
 そこで、関係省庁に対しまして、それぞれが所管している公的機関、例えば独法のようなところに対して、適切な消費税の転嫁をしっかり行う、これは法律にのっとっているわけでありますが、法律にのっとってきちんと遵守するように指導を行っているわけであります。同様の要請を地方公共団体にもしているところであります。
 あわせて、この転嫁円滑化法は事業を行っている団体に対しての法律的な縛りでありますから、単に調達をしているだけというのはこの法律の外でありますから、そこに対してもきちんと指導をしているところであります。
 政府一丸となって、御指摘のような事態が以後発生しないように取り組んでいきたいと思います。
#204
○杉久武君 是非厳格な対応をよろしくお願いいたします。
 続いて、昨今発表されました日経新聞とテレビ東京による世論調査におきましては、明日からの消費税八%への引上げ後、家計の支出をどうするかというアンケート調査の結果、変わらないと答えた方が五一%、減らすという方が四四%という形で発表をされました。
 このように、今回の消費税引上げは、我が国の置かれている社会保障の問題等、どうしても越えなければいけない問題を解決するためにも、国民の皆様にもある程度理解をしていただきながら今回の増税になったと思いますが、逆にその皆様の期待、その思いに、裏切ることのないように、不正な行為については断固とした態度で臨んでいただきたいと思います。
 その点について、今度は逆に、四月以降、やはり便乗値上げという問題が問題になってくると思います。この点について、消費者庁においてどのように対応されているのか、森大臣にお伺いいたします。
#205
○国務大臣(森まさこ君) お答えします。
 消費税率の引上げに伴って、本来の税率の上昇以上の値上げを合理的な理由がないにも行うといういわゆる便乗値上げ、これが発生をいたさないように、消費者庁では便乗値上げ情報・相談窓口を昨年十月に開設し、消費者からの情報及び事業者からの相談に対し適切かつ丁寧に対応をしているところでございます。また、消費税率引上げ前後に物価モニター調査を行いまして、消費者に身近な生活関連物資等に係る価格動向の監視を行うこととしております。
 こうした便乗値上げ防止に向けた取組をしっかりと進めてまいります。
#206
○杉久武君 是非とも便乗値上げに対しても十分な対応をお願いしたいと思います。
 明日から八%、今日切替えで、今日三月三十一日、たくさんの方がこの今回の消費税の引上げの切替えで、事務的にも、また商品の名札の貼り替え等、様々な方が今日一日掛けて対応されていくと思いますが、今回、私の下にも様々現場からいろんなお声をいただいております。特に、やはりこの消費税の切替えのときの経過措置等を含めた様々な対応について具体的なお問合せもいただくこともあります。国においても、今国税当局を始め様々なパンフレット等で周知徹底をされていると思いますが、前回の消費税の増税が十七年前ということでかなりもう期間もたっておりまして、前回の経験もなかなか生かすことができないという今状況であるかと思います。
 明日からの新税率移行におきまして、経過措置等も含めて、現場で混乱が起きないよう、明日以降もいま一度しっかりとした対策ができるよう、丁寧な周知、説明をいただきたいと思いますが、これらの点について、麻生財務大臣にお伺いいたします。
#207
○国務大臣(麻生太郎君) これは主に私どもより消費者庁等々の方が主な担当をされることが多いんだと思いますが、国税庁の所管する立場におきましては、これは事業者が適正な申告とか申請とかいうのを含めまして納付が行えるように、そして消費者の皆様の御理解が得られるようにということが一番肝腎なところで、これだけ消費税が話題になっておりますので、明日からということに関して、皆さんそれなりに上がるんだわという知識だけはお持ちなんだと思いますが。
 同じものでも、例えば四月一日より前であります新聞を本年四月一日以降にというように販売する場合は、これは消費税率は五%のままでいいんですよとか、また、払う方の立場に立てばそういうことだと思いますし、大きなものでいえば、住宅で言わせていただければ、住宅では、例えば去年の九月三十日以前に発注したものですが、でき上がるのは今年の五月になりますとかいうそういうものに関してもいわゆる税金は五%でいいんですよというような、いろいろな条件というものに関しては、これは広く行き渡るようにする努力をしようと思って、いろいろ広報、周知に取り組んでおるところであります。
   〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕
#208
○杉久武君 是非とも継続した周知徹底をお願いしたいと思います。
 続きまして、中小企業の景気回復と賃上げについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 昨今の春闘を受けて新たな賃上げの機運は高まっておりますが、一方で、まだまだやっぱり中小企業までには及んでいないのが現状であるかと思います。一方で、原材料価格や電気料金の上昇、また元請からの単価の引下げ等、従業員の賃上げがなかなか中小企業だとできないという声も様々いただいております。一方で、中小企業の経営者としても、苦楽を共にしてきた従業員の給与を上げたいという思いは持たれていると思います。
 先ほど申し上げた日経新聞とテレビ東京の世論調査では、こういったデータも出てきております。春闘の賃上げに動く企業が増えましたが、今後世帯の所得が増えると期待できるとされたのは一二%で、八三%が期待できないということで、まだまだ、やはり中小企業まで賃上げの機運がまだまだ行き届いていないんではないかということを思います。
 それで、今回、大手企業が安倍総理の異次元的な政労使の合意によって賃上げが行われました。そして、賃上げに向けての様々な体制も、所得拡大促進税制や新ものづくり補助金等、様々な政策は打たれてはおりますが、景気回復の果実が大手企業のみならず中小企業、また下請企業や地方にも行くよう、政府におかれましては一層強い意思を持って声を上げていかなければならないと思います。この点につきまして、茂木経済産業大臣にお伺いをいたします。
#209
○国務大臣(茂木敏充君) 大変重要な御指摘だと思っております。
 景気の好循環、経済の好循環を実現していくためには、全国三百八十五万に及びます中小企業、そして小規模企業の業績が改善する、こういったことが極めて重要だと思っておりまして、委員御指摘の二点ですね。一つは、下請取引の適正化の話でありますが、御紹介いただきましたように、政労使の会議、これを重ねてまいりました。
 経済産業省としても、経済界に対しまして、賃上げの要請とともに、取引をしている中小企業であったりとか、また小規模企業との取引条件の改善に取り組んでほしい、こういう要請もしてきておりまして、特に昨年の十一月には全ての親事業者、全国で二十万社になりますが、ここに対しまして、下請代金法の法令遵守はもとよりとしまして、収益の改善を適正な下請取引という形で下請中小企業に還元するよう文書でも要請をしているところであります。また、下請代金の減額、買いたたき、あってはならないことでありますので、下請代金法の違反行為に対して厳正に監視、対処をしてまいりたいと考えております。
   〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕
 もう一点、委員御指摘のように、中小企業や小規模事業者が賃上げできる状況をつくっていくということが極めて重要でありまして、全体のマクロでの経済の回復というのが一番大事でありますが、具体的な施策も打ってまいりたいと思っておりまして、委員の方から御指摘いただきましたように、所得拡大促進税制、これにつきましても内容を充実させていただきましたし、中小企業の投資促進税制につきましても、よりインセンティブが高い、これまでの七%を一〇%にしました。さらには、より広い範囲をカバーする、こういう制度にさせていただきました。ものづくり補助金にしましても、額を増やし、そして対象をサービスや流通にも広げ、さらには、単に試作品だけではなくて、設備等々についても対象を広げ、そしてまた、審査、採用に当たりましては、賃上げを実施している、人材育成に取り組んでいる企業を積極的に採択をしよう、こういった取組も進めております。
 様々こういった取組を進めることによりまして、まさに景気回復の実感、これが全国津々浦々に行き届く、こういった状況を一日も早くつくってまいりたいと考えております。
#210
○杉久武君 今大臣から様々御説明いただいた施策の中で、設備投資促進税制、今回大幅に拡充、また拡大をするということが行われました。今、経済産業省を中心としてパンフレット等で周知徹底を図られております。
 この税制は、先ほど御説明いただいたように、企業にとっては一定額の税額控除又は即時償却という形で設備投資を促すという税制であります。税額控除をすれば、その分税金そのものが減額をされますし、即時償却という形で一括で先に償却をすれば、課税を繰り延べるという効果がございます。そのためにも、やはり私は、この制度の、この新しい拡大された税制について多くの企業に是非とも利用をしていただきたいというように考えておりますが。
 その中で、私はある中小企業の方からこういったお話を伺いました。今回の税制によって即時償却ができますよということを御案内したところ、私の会社は赤字にできないので、それはやっぱりできないというようなコメントがありました。この答えの理由としては、即時償却をするには経理上も当然費用として全額、経理上も費用として損にしないといけないということになりますので、即時償却をするということは、買った設備の代金そのものを費用計上するという、大きな額になります。したがって、そういったことができないというようなコメントをいただきました。
 ただ、御存じのように、実際はそうではなくて、特別償却準備金制度を利用すれば、これは経理上費用としなくても、法人税法また税法上だけで損金経理が、損金処理ができるという処理がありますが、実はこれが意外と知られていないということを今日御説明したいと思います。
 次のパネルを御覧いただきたいと思います。これは、平成二十四年度の特別償却制度の重立ったもの三つの合計を取りました。エネルギー関係の二つの特別償却制度と、あと、最も利用率が高かった中小企業等の特別償却、今回これが拡充をされたわけですけれども、この三つの平成二十四年度における適用件数というのは二万九千百十七件でありますが、そのうち特別償却準備金制度を利用したのは僅か千五百九十二件、全体の五%にすぎないというのが実態であります。やはり中小企業、特に中小企業の現場においては会計イコール税務という実務がなっておりまして、実は企業会計からいうと、特別償却準備金ではなくて、特別償却をそのまま経理上も費用処理とすることは企業会計ルールからは逸脱をする処理になりますので、上場企業は当然そういったことはしていないんですが、なかなか中小企業まではそこまで浸透していないというのが私は現状ではないかというように考えております。
 したがって、やはりこの税制をしっかりと使っていただくためには、こういうふうに会計経理上費用としなくても、税務上だけで即時償却と同じ効果を得られる特別償却準備金制度という経理処理があるということを私はもっともっと周知徹底をすべきであるというように考えておりますが、その点について茂木経済産業大臣にお伺いいたします。
#211
○国務大臣(茂木敏充君) さすがに経理の専門家の杉先生からの御指摘だな、テレビを御覧の国民の皆さん、中小企業の経営者の皆さんも、本当にいい審議をようやく聞くことができたな、こんなふうに思っているところじゃないかなと思っておりますけれども。
 委員御指摘のように、この税制の即時償却を利用した場合には、設備投資の全額を企業会計上の費用として計上することになりまして、見た目の利益、これを大きく減らすことになるため、企業にとっては税制を利用することをちゅうちょする、こういう事例もあるんだろうと考えております。
 ただ、実際のところでいいますと、委員御指摘のように、本税制の利用に当たりましては、特別償却準備金制度、これを活用して、通常の償却費、これを超える部分については特別償却として費用に計上しないようにすることができるわけでありまして、本税制を使わない場合と同様の企業会計上の利益を確保することができるようになっております。
 こういった点も含めて、まだ利用が五%ということでありまして、これ、ミラサポであったりとか様々な周知も行っておりますが、一層の周知をすることによって税制というのは使っていただく、これで効果が出るわけでありますから、一層努めてまいりたいと考えております。
#212
○杉久武君 是非とも周知徹底をお願いしたいと思います。
 本来は、最後に最低賃金についても触れさせていただきたかったんですけれども、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#213
○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、倉林明子君が委員を辞任され、その補欠として紙智子君が選任されました。
    ─────────────
#214
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 最初に、袴田事件の件、ちょっと質疑の順番を変えまして、これ、即時抗告されるかどうかという際どいところでございますので、少しその辺りもお話し、質疑したいと思っております。
 検察庁、今回の再審の決定に対して即時抗告を主張されています。本日がその期限ということでありまして、私自身は、しっかり議論するべきだと、再審そのものを阻止するような即時抗告をやめて堂々と再審を受け入れるべきなんじゃないかなと、実はこういうふうに考えております。
 今回、検察又は警察の捜査の在り方ということでも問題になっている当事者でもありますから、是非そういった意味ではきちっと再審を受け入れるべきではないか。また、それについて、これは谷垣法務大臣の方にお伺いしたいんですが、国民目線で、人の命が今懸かっております、また国の正義が懸かっておりますので、これは例えば検事総長に指揮権発動してでも何か指示をしていただけないかどうか。ここで、時間がありませんから、携帯電話を使っていただこうと私の質疑の後で退席していただこうと、対応していただければと思っておりますが、いかがでしょうか。
#215
○国務大臣(谷垣禎一君) 指揮権を発動せよということでございますが、これはやはり個別の事件でございます。それで、基本的な制度の立て方として、まず、検察がどうするか、これは法と証拠に基づいて判断する。それで、私は、もちろん今おっしゃったように指揮権というものも最終的に持っているわけでありますが、指揮権をどうするというようなことは私は今議論するつもりはございません。これは、するとかしないとかいうことではなくて、検察のまず法と証拠に基づいた判断をまず第一義に考えていると、こういうことであります。
#216
○山田太郎君 まだ間に合います。実は谷垣法務大臣は私の高校の先輩でございまして、大変、人権人道派だということも承知しておりますので、期待しておりますので、よろしくお願いします。
 さて、もう一つ法務大臣にお伺いしたいんですが、死刑判決が確定した死刑囚からの再審請求は現在どれぐらいあるか、教えていただけますでしょうか。
#217
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっとお待ちください。──今、三月二十七日現在でございますが、法務省で把握しておりますのは、死刑判決確定者人数が百三十一名、そのうち再審請求中の人数は九十名であります。
#218
○山田太郎君 そうなんですね。この辺りも実は御感想をいただきたいと思うんですが、これまで死刑から無罪になった案件は免田事件、財田川事件、それから島田事件、松山事件ともう四例がございます。今日も一つ、飯塚事件の件もありまして、これは再審は棄却されたということでありますが、この百三十一名の死刑確定者に対して九十件の再審請求に関しての数というのか内容というのか、是非、法務大臣の方から御感想でもいただきたいと思います。
#219
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、再審請求される方は様々な、何というんでしょうか、思いあるいは様々なことからされるんだと思いますが、個別のそれをどう論評するかは差し控えたいと思います。
 それで、もちろんこういう再審請求、多分次の御質問、先に飛び越えちゃうかもしれませんが、この頃よく寄せられますのは、再審請求をしている以上執行すべきではないのではないか、差し控えろという、こういう御意見はしばしば伺うところでございます。これは、法文上、法務大臣が死刑執行の、死刑の執行停止を命ずる事由には当たらないものとされておりますが、しかし、一般論として申し上げれば、死刑執行に関しては、まず関係記録を十分に吟味しなきゃなりません、そして、その中で刑の執行停止あるいは再審事由の有無等についても慎重に検討して、これらの事由等がないと認めた場合に初めて執行命令を発するということになっております。
#220
○山田太郎君 是非、死刑が確定したにもかかわらず再審で四件も無罪になったという事実を重く受け止めて、是非対応していただければというふうに思っております。
 この件、実は総理にもお伺いしたいんですが、四十八年間という長きにわたって刑務所に閉じ込められてきました袴田さんに対して、死の恐怖にもさらされてきたと思います。何かおっしゃることですとか掛けられる言葉とか、ないでしょうか。
#221
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど法務大臣からもお答えをさせていただいたことでございますが、個別の事件における裁判所の判断について、内閣総理大臣として所感を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
#222
○山田太郎君 もうちょっと、一政治家ですから、少し国民目線で御発言いただきたかったなと、こういうふうに思いますが、残念であります。
 さて、もう一つ、ちょっと質疑順を変えさせていただきまして、北朝鮮のミサイル問題。今、日朝の政府間協議をやっております。
 先週、二十六日未明に北朝鮮から放されましたミサイル、日本海に落ちたということでありますが、これをアメリカと韓国はノドンのミサイルだというふうに断定しております。我が国の政府の方はいまだ分析中で分からないと、こういうふうな発言いただいております。もう発射されて六日たつんですが、何かこのミサイルの分析というのは分かりましたでしょうか。これは防衛大臣。
#223
○国務大臣(小野寺五典君) 委員が今御指摘ありましたが、三月二十六日水曜日、北朝鮮による弾道ミサイル発射による自衛隊の具体的な対応については、これは今様々な対応を取らせていただいておりますが、御案内のとおり、実は今回の飛んだ状況については把握をしております。ただ、少し具体的にお話をすると、例えば飛んだ距離というのは、スカッドの改良型の場合も考えられますし、またノドンの途中で燃料をカットした場合も考えられるということでありますので、あくまでも断定という形のことにつきましては精査が必要だというふうに承知をしております。
 現在、我が方としてもしっかりとした警戒監視に留意をしていきたいと思っておりますし、一部報道出ておりますが、今日昼頃、北の方から砲撃があり、南の方がこれに対しての対応をするというような状況も緊迫をしております。私どもとしては、今現在も起きている内容でありますので、しっかりと警戒監視を続けていきたいと思っております。
#224
○山田太郎君 いよいよ脅威が現実的なものになってきたんだと思っています。このミサイルの問題、日本の防衛においても非常に大切な問題だと思っておりまして、もう一つ突っ込んでお伺いしたいんですが、これは日本海にそもそも予定どおりに落下されたものなのか、それとも日本を狙ったものなのか、あるいは、これは日本に届いて、いわゆる命中するはずのものだったのか、その辺に関しての見解、分析は、防衛大臣、いかがでしょうか。
#225
○国務大臣(小野寺五典君) 三月三日にも北は発射をいたしました。今回のことにつきましても、私どもとしては、速やかに情報収集そしてまた公表をさせていただくという対応を取らせていただきました。
 北の意図につきましては、私どもとして明確には判断する場合ではありませんが、少なくとも、今回の発射した内容、状況につきましては、これは我が国の直接的な脅威に直ちになるというものではないという判断ではあります。
 ただ、発射した方向その他を勘案しますと、これは決して看過される内容ではないということで、国際社会を通じて、これは日本だけではなくて関係諸国もそうですが、今回の北朝鮮のミサイル発射につきましては外交的にしっかりとした抗議をしているということを承知をしております。
#226
○山田太郎君 もしあのミサイルが日本まで届いたとしたらばこれは迎撃できたのかどうか、この辺りも是非教えてください。
#227
○国務大臣(小野寺五典君) 私どもとしては、様々な情報収集をしながら、しっかりとした対応をこれからもしていきたいと思っております。
#228
○山田太郎君 やっぱり国民の皆さんは、日本の防衛力というものがどの程度なのか、これは決算でもありますが、お金を使ってここまで防衛力を強化してきたんだと思いますけれども、実際にあのミサイルは日本の今の国防能力で落とせたのか落とせなかったのか、もう一度答弁お願いします。
#229
○国務大臣(小野寺五典君) どのような形でどう対応しということにつきましては、私ども自衛隊の具体的な対応ということになりますので、我が方の手のうちを明らかにするということは差し控えさせていただきたいと思いますが、少なくとも、ミサイル事案が発生して直後に私どもの方には様々な情報も入っておりますし、私の方から警戒監視をしっかりするようにという対応もさせていただいております。これからも万全の体制を取っていきたいと思っております。
#230
○山田太郎君 是非、きちっと迎撃できますというふうに力強く国民の前に言っていただきたかったと思いますが。
 もう一つ、仮に、これに対する対応が当時どうだったかということもお伺いする必要がありますが、これをもし迎撃する場合には自衛隊法の八十二条の三のミサイル破壊措置命令というものが必要だと思っておりますが、今回はその命令が出ていたんでしょうか。
#231
○国務大臣(小野寺五典君) 破壊措置命令を出したか出さないかということにつきましても、これは我が方の手のうちを明らかにすることでありますので、お答えは差し控えさせていただきます。
#232
○山田太郎君 ちょっとその件、総理にもお伺いしたいと思うんですけれども、今、集団的自衛権の議論もされています。その話は非常に重要だと思いますが、こういう個別具体的な事案に対して、国民に対する安心というものをどうやって防衛力として考えていくのか、このことがまず前提として極めて重要だと思っております。
 今防衛大臣の御答弁のように、手のうちを明かす、分からない、結果としてもどうだったかというようでは、集団的自衛権の複雑な事案に関して結局国民は分からないという猜疑心のまま進んでいってしまうんではないかと。具体的にどういうふうに、じゃ、集団的自衛権が議論され、それが使われということが結局はこういう有事の際に曖昧になってしまうんではないかと、こういう危惧さえあるわけであります。
 そういった意味で、こういったことが起こった後、是非、総理としても、どう考えて、特に今東アジアを取り巻く有事について検討されているのか、是非御答弁いただきたいと思います。
#233
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま防衛大臣からは、個別の案件でありますから、我々がこの個別の案件にどう具体的に対応しているかということについては、まさに我が方の手のうちでありますから答弁を控えさせていただいたわけでございますが、一般論として、ノドン型のミサイル攻撃につきましては、これを迎撃するために海上発射のSM3というものをイージス艦から発射するわけでございまして、現在我が方には六隻のイージス艦があるわけでございますが、この四隻から迎撃のミサイルを発射できるわけでございますが、将来これを六隻ともこれは迎撃可能にしていこうということであります。さらに、ここで撃ち漏らしたものにつきましては、PAC3、地上発射のものでこれを撃ち落としていくわけでございます。
 そして、その際、こうした情報につきましては、まずは、発射したという情報につきましては、これは早期警戒衛星、これは米国のものでありますが、そこから我々に対しまして情報が入り、そしてさらに軌道計算等々をしながら対応していくわけでございますが、その間においても、これは日米で緊密に連携なしにはこのミサイル防衛システムは動いていかないわけでございます。そして、そういう状況が事前にある程度把握をされている状況におきましては、米国もイージス艦を配備をしているわけでございます。
 そこで、集団的自衛権の話に今議論が及んだのでございますが、集団的自衛権に関しましては、例えば日本海側に配備されている米国のイージス艦と連携して対応するということが可能になってくる上においては、つまり、我が方はイージス艦全部で六隻で、対応能力があるのは四隻でありますが、米国は全部で七十隻を持っていて、その半分ぐらいは、例えば太平洋であれば、そしてその中の何割かが迎撃可能なイージス艦ということになってくるわけでございますが、その一部を日本海側に配備をしていく。
 つまり、これ、いつ撃つか分からないけれども、ある程度それをあらかじめ配備をしているということであれば、これはPAC3で、SM3で対応できるわけでございますが、その際、十分なこれは連携が可能となっていれば、米国がこの迎撃に当たると。しかし、迎撃に当たる際は艦の周りに対するイージス機能は手薄になるわけでございますので、その手薄になったところを我が方の自衛艦がそれをカバーできるのであればより一層我が方の守りは堅くなると、こういうことになるわけでありまして、それは抑止力の向上につながり、結果としてそれを打ち破ろうとする国はそうしたことをしない可能性が高まってくると、こういうことではないかと、このように思います。
#234
○山田太郎君 防衛大臣よりもはるかに詳しい御説明をいただきまして、結構いつも私がこういう委員会で総理に質問するとかわされちゃったりするんですけれども、かなり突っ込んだ具体的な話をいただきました。
 今総理の方からもお話がありました日米の間の情報協約というか、あるんですが、一方で日韓の間の日韓秘密情報保護協定というものについても少し触れたいと思っています。
 パネルの方を用意しておるんですけれども、(資料提示)ミサイル防衛に大きな効果があるというのは、情報戦でありますので、この日韓秘密情報保護協定ということだと思います。今、韓国とアメリカの間、それから日本とアメリカの間には軍事情報をやり取りするための協定がありますが、残念ながら、日本と今韓国の間にはその協定がありません。そうすると、北朝鮮のミサイルの情報なんかはアメリカ経由で日本に来るだけでありまして、韓国がその情報を捉えたとしても間接的にしか聞けないということになるかと思っています。
 この協定、実は一昨年前に署名寸前まで行ったんですが、韓国側の都合で延期されたということで、もう二年たっております。こういった協定を通じて東アジアの軍事事情に対応していく、特に日米韓の足並みをそろえていく必要があるだろうと。
 先日も、総理、韓国の大統領とうまくコミュニケーションされていたようですから、一刻も早く署名が進むよう、韓国とうまくやっていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
#235
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮問題を始めとするこの東アジアの厳しい安全保障環境を考えますときに、日米韓、この三国の安全保障分野における連携が重要であるということ、言うまでもありません。そして、御指摘の先日行われましたハーグでの日米韓首脳会談におきましても、緊密に連携していくことで一致をしております。
 そういった観点から、御指摘のこの日韓秘密情報保護協定ですが、これは適切なタイミングで署名できることが望ましいと我が国は考えております。是非、引き続きまして韓国と協議をしていきたいと考えています。
#236
○山田太郎君 時間もありませんので、ちょっと決算委員会らしい質疑に私も戻って、次は、消費税の前にやるべきことがあるだろうということで、貿易保険関係の隠れ借金の問題、それから目的税の目的外使用の実態という辺りについて少し質疑させていただきたいと思います。
 これもパネルを使って御説明したいと思いますけれども、貿易保険のまず隠れ借金といったところを少しやっていきたいと思います。
 貿易保険に関しては、お茶の間の皆さん、余りおなじみがない方も多いかもしれませんが、日本企業が海外に対して輸出したり、海外で工場を建てたり、プラントを造ったりする場合に、現地でテロだとか火災、戦争が起こった場合にそれを補填していく保険だということでありまして、今これは政府が運営している一種の損害保険みたいなものであります。大変重要な、我が国貿易を輸出する、海外でプラントを造っていくという意味においては大切な制度だというふうに思っております。
 この保険、現在、独立行政法人の日本貿易保険が日本企業との契約、保険の販売というのをやっておりまして、この独法に払った保険料は、経済産業省さんが所轄する貿易再保険特別会計に対して再保険という形で契約され、この特別会計に入るわけですね。
 最近、独法とか特別会計とかいう言葉が出てきますと、例のJEED、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の不正入札の件なんといって、何かにおってきたなとか怪しいんじゃないかということもお茶の間の皆さんはお感じ始めた頃なんじゃないかなというように思っておりますけれども、まさにこの独法、例えば相手国の政府、問題を起こした現地の企業なんかに一定の割合を請求すると、こういう仕組みになってお金を回収するということでありますが、保険でありますから、災害とかテロ、戦争のリスクなんかを関係者みんなで分かち合ってやっていこうと、こういうものなんですね。
 ただ、ここに政府間交渉というのが入りますと、回収する場合の債権がODA債権という形に変わってきます。このODAの債権の件なんですが、平成十一年にケルン・サミットというのをやっておりまして、イラクとかナイジェリア、当時の最貧国というふうに言われたところの途上国を救済しようという目的で、言わばこのODA債権を放棄するという形になっていますね。簡単に言うと、借金をチャラにしたということだと思います。
 その金額がどれぐらいになっているかといいますと、今回これが初めてになるんですが、昨年九月現在で何と九千六十六億円にもなります。この九千六十六億円のうち、算定式がありまして、八九%を国民の負担で穴埋めをするということになっておりまして、その金額はまさに八千六十九億円と、こういう債権がたまっているわけであります。これまで、実は何回かにわたって一般会計からこれについての補填がされておりまして、平成二十五年までで二千五百十七億円が補填されました。つまり、国民の税金がこの貿易保険の損失の穴埋めに使われてきたと、こういうことであります。
 そもそも、この貿易保険の仕組みは、貿易や国際投資のリスクを貿易や投資に関わる関係者間で分かち合う制度だと、こういうふうに認識しておりますので、そうしますと、貿易に関係ない一般国民の税金で貿易保険の損失穴埋めをするのはどうかという議論もあるかと思っております。そういった意味で、この穴埋めに関して、どうして税金で穴埋めをしてきたのか、この辺りも教えていただけますでしょうか。
#237
○国務大臣(茂木敏充君) お示しいただきましたパネル、隠れ借金とか表に出さない借金とかいうと、何かいかがわしいような感じはいろんな事例でするかもしれませんけれど、本件については全くそんなことはございません。
 まず、重い債務を背負います国に対する貿易保険関係の債権の放棄につきましては、国の援助政策の一環として国際合意に基づいて行っております。この債権放棄につきましては、独立採算で運営されている貿易保険に影響を及ぼさないよう、一般会計から御指摘のように繰入れを行ってきているところであります。
 これまで放棄しました金額の累計、御指摘のように九千六十六億円でありますが、貿易保険に対します削減相当額、これあくまで推計という形になりまして、過去の回収実績を勘案して計算する、発生率というよりも回収率であります、そこから計算をしますと八千億円程度と、こういった形で見込んでおります。
 他方で、貿易保険の財務基盤、これを考えてみますと、貿易再保険特別会計及び日本貿易保険には現在合計で一兆二千億円の積立金がありますので、直ちに一般会計から繰入れを行わなければその運営に支障が生じるような状況ではございません。
 いずれにせよ、国の援助政策に基づく負担を貿易保険の利用者に背負わせないようにすると、こういう基本的な考え方の下、今後の具体的な繰入れにつきましては、貿易保険また一般会計の財政事情等を踏まえて、毎年の予算編成過程において決定をしてまいりたいと考えております。
#238
○山田太郎君 今、経産大臣からは隠れ借金でもないし隠してはいないという御答弁だったんですが、ただ、そうであれば、この税金を補填に投入するに当たって国民なり国会なりにきちっと御説明いただけていたのかなと、こういうことは残っているかと思っております。
 国会に提出される予算書とか決算書には一応毎年の会計年度からの繰入れ金額というのが書いてあるわけなんですが、実はどういうお金なのか詳細については詳しく書いてないんですね。これでは分からない。しかも、残額が債権債務含めてどれぐらいあるか分からないという状態になっています。特別会計法でも、もちろん貿易保険に関する債権で国際約束で放棄したために必要なお金を一般会計から繰り入れられると、こういうふうには書いてありますけれども、実はそのまま二千五百十七億円を繰り入れてよいとは書いてないんですね。そんな決議もこれまであったわけではありません。
 国民が負担する、まだまだこの穴埋めに対してお金を負担しなければいけないということであれば、国会又はもしかしたらこの決算委員会、これ債権債務の話でもありますから、きちっと説明するべきだったんじゃないかなと。今回初めて貿易保険の損失が国民の税金で穴埋めされていると明らかになったということでもありますので、その辺りはいかがなんでしょうか。
#239
○国務大臣(茂木敏充君) 全体の構図につきましては先ほど私の方から答弁をさせていただきましたが、例えば何億円借りてそれを何回で返すとか約束したのに返していないという問題とはこの問題というのは違うと、そういうふうに考えておりまして、国の援助政策の一環として国際合意に基づいて行った債権放棄、これにつきまして推計的に幾ら貿易保険の削減相当額が出てくると。
 ただ一方で、この貿易保険の財務基盤そのものにつきましては、直ちに繰入れを行わなければならないような状況にないという中で、この貿易保険と一般会計の財政事情を勘案して毎年の予算編成の中で決定していくということであります。
#240
○山田太郎君 そうすると、これももう少し突っ込んでお伺いしたいんですけれども、先ほどの八千億円に対して二千五百億円ぐらい返したということですから差引き五千五百億円は残っているということなんですけれども、問題はこれをどうしていくのかということだと思っております。
 まさにこれが毎年毎年幾ら返されるのか、どれぐらいの本来債権債務として残っているのかが分からない状況の中で、これ全額をここに繰り入れて一般会計からまさに国民の税金で返していくという方針なのか、それとも、今経産大臣がおっしゃられましたけれども、この保険自身が実はそんなに危機的な状況にあるわけではないと、十分な積立てもあるということであれば、この繰入れをやめて新たな考え方を取るのかどうか、その辺り、いかがでしょうか。
#241
○国務大臣(茂木敏充君) 貿易保険、保険をお支払いいただきます方の保険料によって成り立っておりまして、これは民間ではなかなかカバーのできない大きなポリティカルリスク、さらには信用リスク、これに対応していくための制度として堅持をしてまいりたい。それに必要な健全な財政基盤をつくっていくということは必要でありまして、そのために一般会計の方から繰入れを行うと、こういう仕組みを取っているところであります。
 ただ、現在の財政基盤そのものが危ういということではございませんので、毎年度の予算編成過程におきまして、この貿易保険並びに一般会計の財政状況等を勘案しながら、繰入れの額、具体的に決定をしてまいりたいと考えております。
#242
○山田太郎君 今私が質問しましたのは、この残った五千五百億円を総額全部返していくのかどうか、それとも返さずに途中でやめるのか、その辺り、いかがなんでしょうか。
#243
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども答弁をさせていただきましたが、全体の額につきましては九千六十六億円であります。
 そこの中で、貿易保険としての削減相当額、これはどういった推計をするかによって変わってまいります。過去の回収率、これが八九%、こういう前提に立ちますと八千億円程度ということでありまして、そこで、委員の場合は、これまでにその額について一般会計から繰り入れた残額を引いて、その分についてがあたかも隠れ借金であると、こういう表現をされておりますけれど、そこの部分は冒頭申し上げましたように適切な表現ではない、このように考えておりまして、ただ、この貿易保険としての財務基盤を健全に保つ、さらには保険者の皆さんにとって更なる負担が増えないと、こういう観点からの検討も必要でありまして、そういった観点から、貿易保険並びに一般会計の財政状況等々を勘案しながら、毎年度の予算編成過程におきまして決定をしてまいりたいと考えております。
#244
○山田太郎君 何でこんなにしつこく聞くかというと、実は、この特会が二十八年度末までに廃止されるということが実は決まっているんですね。これは日本貿易保険、NEXIに統合されまして、日本貿易保険という独法はNTTとかJTさんと同じように民営化されちゃうということなわけであります。そうなった場合に、その民営化された会社に対して、日本国が決算として債務がどれぐらい残っているのか残っていないのかということは、これは大事な決算委員会ですから、確定しておく必要があるではないかと、こういうふうに考えているわけであります。
 そういった意味で、もしこれが債務として確定していれば、この新たにつくられる民間法人に対して、我が国は一般の皆さんの税金でもって五千五百億円をこれから返していかなければいけないと、こういうことになりますし、いや、そうではないと、保険の趣旨からいって、ある程度積み立てられていたお金の中で采配を振るうということであれば、まあこれぐらい返して積立金状況を見ながら決断をしようと、こういうふうにもなるわけでありまして、しかもこれ、予算措置から考えると、多分今年の夏ぐらいまでに政府としては考えなきゃいけないので、もう検討する時間が四か月ぐらいしかないと。この決算委員会やっている段階を過ぎてしまいますと、国民的な議論というのができないままに政府の中でこのお金がどういう形で処理されるのかということが密室で決まりかねないと、こういうふうな問題意識を持って質問をさせていただいております。
 さらに、突っ込んで言わせていただければ、この現在の独法の日本貿易保険なんですけれども、理事長さんも代々経産省の天下りの方なんですね。二人いる理事のうち一人はずっと経産省の天下りだということであります。そして、これは職員の給料も、総務省さんの調査でも平成二十四で百三ある独法から見て上から二番目と、こういう水準のものなわけであります。
 経営内容もいいですし、政府の保証付き、天下り付き、給与最高水準の独法を民間化するのに、あとまた我々の血税を五千五百億円負担して追加していく必要があるのかないのか、この辺り、しっかり御答弁いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#245
○国務大臣(茂木敏充君) まず、正確を期ささせていただきたいと思うんですが、この日本貿易保険、現在の独立行政法人から、今後、政府全額出資の特殊会社、これに移行することが定められております。
 恐らく、担っております業務からしまして、民間では引き受けられないような極めてハイリスクな保険の引受けを行うということでありますから、純粋な民間会社になるということではないということはまず御理解いただきたいと思っております。
 また、特会については廃止をいたしまして、この資産、負債を日本貿易保険、これが継承することになるわけですが、これらの大きな二点の変更によりましても、貿易保険を独立採算で運営するということは変わりません。また、国の援助政策の一環として行われてきた債権放棄の影響を貿易保険の利用者に負わせるべきではない、また貿易保険の財務基盤の健全性を確保する、こういった基本的な考え方は変わっておりません。
 その上で、委員、今年の夏までにと、こういう表現を使われておりますけれど、こういった新しい形態への移行、また特会の貿易保険への継承、これの必要条件としてこの額を定めなければならない、このような形にはならないと、それは、先ほどからるる答弁申し上げておりますような今の貿易保険の財務基盤の状況等々を考えてもそのような状況ではないというふうに考えております。
#246
○山田太郎君 いや、国のこういう会計というのは確かに公会計じゃなきゃまずいなというのは今日明らかに分かるんですけど、バランスシート上、つまり、将来にわたってこの五千五百億円が返すべき金なのか返すべき金じゃないか分からないというのが今日の質疑の内容だったかなと思っておりまして、私もちょっと決算委員会残念だなというふうに思っていますが、引き続きこれはまた改めてやらせていただきたいと思います。
 いずれにしても、ODA債権の問題、今後もいろいろあると思います。前回、米債権の問題でも追及させていただきまして、借金、これは五百七十七億円に対して利子が百四十四億円付いたということで大臣が陳謝するなんてケースもありましたが、今後こういうことがないように、是非しっかり対応していただきたいと思っております。
 さて、時間がなくなってきましたが、目的税のいわゆる流用という話について、少し話を変えていきたいと思います。
 パネルにあるんですが、今目的税いろいろある中で、例えば電源開発促進税、石油石炭税、牛肉等関税、電波利用料、こんなものが例えば挙げられています。電源開発促進税は電力会社さんから、石油石炭税はそれを販売する業者さん、牛肉等の関税は牛肉を輸入する業者さんから、電波利用料は携帯電話とか放送会社さんから徴収される税金、賦課金でございます。最終的には、賦課金といっても電気料や電話代に対して国民に転嫁されているわけでありますから、最終的に国民が負担するといった税金であると言っても間違いがないのかなというふうに思っております。
 ところが、これも今回初めて国民の皆さんに御覧いただくんですが、国会に提出されている予算、決算の帳簿とは別に、もしかしたらないしょの帳簿が財務省にあるんじゃないかなと。これを留保金額という形で記録されているということであります。
 この留保金額なんですけれども、これまでに国会に対して明らかにしてきたことがあるんでしょうか。財務大臣、お答えください。
#247
○国務大臣(麻生太郎君) 目的税、特定財源について、収入に合わせてということで各年度の支出を決めるという硬直的な運用ということを行えば無駄な歳出を生じさせかねないということなんだと、これまでの経緯はそうなんだと思いますが、今、目的税として電源開発とか、何ですかね、石炭とか石油かな、今大きいのは、そういった税収は一般会計で受け入れるという一方で、これは特別会計においてエネルギー対策特別会計のいわゆる歳出というものを精査いたしますので、その上で財源として必要な額のみを一般会計から特別会計に繰り入れる仕組みとされております。
 これは御存じのように、これはたまり過ぎるとまた道路特定財源みたいなことになりかねぬということも考えられたんだと思いますが、結果的に税収が繰入額を上回る場合にはその分が一般会計に留保されるということになっております。逆に、税収減が生じたり歳出を増加させるような必要というものがあったりした場合は、その都度、税収だけでなく、必要額で賄えないという場合には、特別会計の規定に基づいて、過去に一般会計で留保していた金額もエネルギー対策特別会計の財源として用いるということになります。
 例えば、平成二十五年度の補正後の予算ベースで見ますと、エネルギー特別会計への繰入額に対して石油石炭税収が五百三十九億円不足をいたしておりますので、その分、過去に一般会計に留保した金額から繰り入れられたという例がございます。
#248
○山田太郎君 ちょっと説明が長くなっちゃって時間がなくなってきましたが、実は平成二十四年度の決算段階で一兆千百四十七億円もの巨額なお金があるんですね。これ、今どうなっているかというと、一般会計の中に戻されているのはいいんですが、目的税以外に使われてしまっている、まさに現金として取っておくわけじゃないと。私の考えとしては、これは目的税なんですから、実際には国民に返す、そもそも事業者に例えば返して電話代安くするとか、それから石油代とかガス代を安くするとか、こういう形に使われた方がいいのではないか、本来の目的税の趣旨に合うんではないかというふうに思っております。
 まさに、こういった問題、今回これで一兆円、先ほどの隠れ借金でも……
#249
○委員長(金子原二郎君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
#250
○山田太郎君 八千億円という大きなお金がたまっていますので、是非、こういった辺り、国民に返すのが筋じゃないかと思いますが、最後、財務大臣の方にこの方向性についてお伺いしたいと思います。
#251
○国務大臣(麻生太郎君) これは、ゼロゼロになって質問する方がちょっとそもそも無理なんで、あらかじめ時間を取っておいて聞いていただいたらきちんと御説明できると存じますので、次回にでも質問していただければお答えいたします。
#252
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
#253
○山田太郎君 残念ながら、これで質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#254
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 いよいよ明日から消費税が八%へ引き上げられようとしています。
 今月二十日、二〇一四年度予算案成立のときに安倍総理は記者会見で次のように述べられました。とにかく、消費税アップによる経済への悪影響を最小限に抑え、できるだけ速やかに景気が回復軌道に戻るよう万全を期してまいります、こう言われたんですね。これは、消費税増税が経済への悪影響、景気の後退をもたらすということを総理御自身がお認めになったということです。
 この八%への税率の引上げは、十七年前、一九九七年の三%から五%への引上げのとき、このときどころではない、はるかに大きな悪影響をもたらしてしまうだろうと、私はこのことを改めて直視すべきだと思います。
 パネルを御覧ください。(資料提示)平均賃金、これ一九九七年度当時は四百四十六万円、それから七十万円近く現時点では下がってきているわけですね。貯蓄なしの世帯はどうか。九七年当時も一割いた。これ自体重大だと思うんですが、今や三割を超えています。そして、年収二百万円以下の民間給与所得者、民間にお勤めの方だけを見ても、二百万円以下という方は一千万人を大きく超えてしまいました。
 一部のお金持ちを除いて、多くの国民の暮らしがより苦しい方に大きくスライドしてしまった。これはもう明らかだと思うんです。毎日の暮らしは今でもぎりぎりだと、こういう状態の方が膨れ上がっている。消費税の増税が国民の暮らしにもたらすその激痛は十七年前の比ではないと、そう思いますが、総理の認識を伺います。
#255
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権としては、これは自民党、公明党、民主党の三党合意にのっとって、消費税を五%から八%に引き上げていく。これは、伸びていく社会保障費に対応すること、そしてまた少子化対策にも使うための財源を得るためでございまして、我が国の世界に誇るべきこの社会保障制度を次の世代に引き渡していくためであります。
 一方、今委員が御指摘になったように、確かに消費税の引上げは景気、経済に打撃を与えるのは事実でございます。消費者にとってこれは可処分所得が三%分減っていくわけでございますし、また、それに向かって、そのことを予測して、例えば今日までの間に消費が進むことによって、その反動減が四月、五月、六月に顕在化することによって成長にも打撃があるわけでございます。それもあらかじめ我々は予測をしておりましたし、今パネルで示していただいたように、九七年の消費税引上げのときの反動減あるいは景気、成長に与えた影響等を勘案をいたしまして、今回、五・五兆円の経済対策と、そして一兆円の税制対策を打っているところでございます。
 四月、五月、六月における反動減の影響をなるべく緩和をしながら、七月から現在のこの成長軌道に戻れるように全力を尽くしていきたいと、このように思っているところでございます。
#256
○田村智子君 これは、成長軌道に乗せるためには、負担を上回るような所得の回復というのがどうしても必要になってくるわけですよね。でも、今ニュースで流れているベースアップというのを聞いてみても、これはもうほんの一部の大企業にとどまっている。安倍内閣、しかも、政策的に物価を二%アップさせるんだということをずっとやってきました。ここに消費税の増税が加わるとどうなってしまうのか。
 消費者物価は今年最大三・六%上昇するだろうと、今後三年間では六%から七%も上昇するだろうと、これが日銀の見通しになっているわけです。これ生鮮食品も除かれていて、生鮮品の値上げというのは既にもう家計を直撃しています。
 景気回復の軌道に乗せていくんだ、安倍総理おっしゃいますけれども、それでは、こうした今年最大で三・六%の物価上昇だと、これを上回るような賃上げができるんだと、それが可能だということなんでしょうか。
#257
○国務大臣(甘利明君) 今、三・六%とおっしゃいましたけど、これ、御自身おっしゃっているように最大値でありまして、中央値というのは、日銀が三・三であります、政府としては三・二。消費税の影響を除くと一・二です。消費税は三%上がりますけれども、カバー率が七割ぐらい。例えば、医療サービスには消費税が掛かっていないということを考えると……(発言する者あり)今お話しします。それを合わせると、二%ぐらいの影響。消費税というのはワンショットですから、一回上がりますと、次はいわゆる一般的な物価上昇を賃金が超えるかということであります。
 そこで、先般、千百八十七組合から回答がありました平均賃金改善率は月額で二・二三%です。実は、これは一時金は入っていません。例えば、トヨタのような企業は年収ベースでいうと八%ぐらい上がったということになります。もちろん、年収ベースですから、一時金は、企業がこれからも経営努力を続けて、いい業績が出れば同じようなプラスになっていくわけであります。
 私どもは、それは単年度で消費税の影響あるいは物価安定目標の影響を超えるような賃上げができればそれがベストだと思っておりますが、複数年掛けてそれを超えていくための努力をしているわけでありまして、先般、ベアの改定を始めとする賃金改善回答がありました。これは過去十年を見通しても最高値の改定があったわけでありますから、こういう好循環をしっかりと続けていって消費税並びに物価安定目標を超えるような賃上げが実現できるように努力をしていきたいと思います。
#258
○田村智子君 確かに、トヨタなど大企業の一部は上がっている、それはあるかもしれません。でも、今後三年間で六から七%も上昇するというのが日銀の見込みじゃありませんか。
 総理もお答えいただきたいんですよ。景気回復、軌道に乗せるんだと。それを上回るような賃上げが、これ中小企業も含めてできるということなんですか。
#259
○委員長(金子原二郎君) 甘利担当大臣。
#260
○田村智子君 いいですよ。もう時間ないから、総理でいいです。甘利さん、もう十分聞きました。
#261
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど甘利大臣から答弁させていただきましたように、政府は経済見通しにおきまして三・二%程度と、そのうち、消費税引上げによる影響を除くと一・二%でございます。
 先般も委員会で答弁させていただきましたように、二%、消費税は三%でありますが、物価へは二%程度であろうというふうに見込んでいるわけでございますが、基本的には、この消費税につきましては、先ほど申し上げましたようにこの社会保障制度を次の世代に引き渡していくために国民の皆様にその分御負担をいただく、しかし、そのことによって年金や医療や介護、そうした社会保障の給付は守られるわけでございます。言わばそのための引上げでございます。
 私どもがまず目指さなければいけないことは、この私たちの三本の矢の政策によって、一本目の矢で物価安定目標というものをしっかりと定めました。それに向けて日本銀行は異次元の金融緩和を行うわけでありますが、この二%上がっていく目標に向かって進んでいく中におきまして、しっかりとそれに賃金は追い付くようにしていくということでございますが、その中におきまして、先ほど甘利大臣から答弁をさせていただきましたように、連合が先日公表した集計値によると月例賃金において一人当たりの平均賃上げ額が二・二三%でありますから、それは上回っているわけでございます。
 その中におきまして、しっかりとそれがずっと続いていくことによって、しっかりとこの物価安定目標に追い付いていく、また、企業の収益が更に改善していく中においてしっかりとそれが賃金に結び付いていくことによって景気の好循環に結び付けていきたいと、このように考えているところでございます。
#262
○田村智子君 既にこれだけ所得が奪われていて、ちょっとばかり回復して、それで消費が増えるかって、ならないですよ。消費税の増税、物価の上昇、社会保障のためだと言うけど、この国会では介護保険も医療も負担を増やす方の法案が出されているじゃありませんか。こうやって可処分所得を減らしていく消費税増税、これ強行すれば、暮らしも日本経済も取り返しの付かないことになる。私たちは、改めてこんな増税はやめるべきだということを強く申し上げておきます。
 質問続けます。今重要なことは、国民の所得、賃金を上げることだと、これはもう共通の認識です。予算委員会の審議の中で、低賃金の要因となっている非正規雇用の問題、何度も議論されました。今日も議論がされました。
 その中で、総理の答弁見てみますと、なるべく多くの方々が正規の雇用の形態で仕事をすることが望ましい、非正規から正規へのキャリアアップを支援する、こういう答弁が繰り返されているんです。
 確認したいんですけれども、これは労働者全体の中で増え続けている非正規労働者を減らしていく、そのために正規化を支援するということでよろしいですね、総理。総理の答弁です。
#263
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど別の委員の答弁において田村大臣から答弁をさせていただきましたように、この非正規の中でパートが四八・七%、そしてアルバイトが二〇・六%、派遣が六・一%ということに、そして契約社員が二〇%ということになっているわけでございますが、今景気回復局面の中におきましてパートからスタートしようという人もおりますし、パートに対する需要が高まる中においてパート労働者の数が増えております。一般にこの非正規のまず労働者が増えていく中にあって、さらにその上においてしっかりと景気が更に回復していく中において、有効求人倍率も今一・〇五まで来ておりまして、一人分の求職者に対して一人分の職があるという状況以上になりつつあるわけでございまして、労働市場が逼迫していく中におきまして、だんだん賃上げにもつながっていくし、労働環境をこれ改善をしていくことにつながっていくんだろうと、こう期待をしているところでございますが、いずれにいたしましても、不本意な形で非正規労働者の立場にある方々に対してキャリアアップの支援をしながら、そして、正規に移りたい人が正規に移っていくことができる道をしっかりと広くしていきたいと考えているところでございます。
#264
○田村智子君 長く御答弁いただいたんですけど、聞いていることにお答えいただいていないんですよ。
 労働者全体の中で非正規の割合が増えていってしまうと、これでは社会全体の賃上げになんかつながらないんですよ。労働者全体の中で非正規増えていく、これやっぱり減らしていって正規の割合増やしていく、正規雇用を増やしていく、それが必要だということではないんですか。端的にお答えください。
#265
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しい答弁は厚労大臣の方が詳しく答弁できると思うんですが、現在、回復局面にあっては、勤労者の数は増えているんですが、職を得た方の数は増えているんですが、しかしそれがパートあるいは非正規の方がまず増えているわけでございまして、そして、そこからだんだん景気が本格的に回復していく中におきまして正規労働者の数も増えていくというふうに私たちは期待、予測をしているわけでございますし、さらにその中におきまして、様々な制度を活用する上において、様々な施策を取っていくことによってこの非正規の方々が正規に行く道をしっかりと広くしていきたいと。つまり、割合としては、この非正規の割合がどんどん増えていくということについては、それは好ましくないと、このように思っているところでございます。
#266
○委員長(金子原二郎君) 田村厚生大臣。
#267
○田村智子君 いいです、いいです。指名していないし、要求もしていないから、いいです、いいです。要らないです、要らないです。
#268
○委員長(金子原二郎君) いやいや、指名しております。ちょっとだけ。
#269
○国務大臣(田村憲久君) 簡単にお答えさせていただきますけれども、委員長の御指名でございますから。
 今、労働力調査、これ総務省の、出ました。今、非労働力人口が減っています。つまり、働き出している。その中で、女性の労働力人口が増えています。これは、新聞等々の分析見ましても、主婦の方々が働き出したという部分があります。こういう方々は元々正規を望んで働いているのか、それとも時間都合の合うような働き方、つまり非正規を望んでおるのか、ここの部分を分析しなければ分かりませんので、皆さんが働き出した場合には比率としてどうなるかというのは、これは分析の上でないとなかなか答えられないというふうに思います。
#270
○田村智子君 総理がもう正規の割合を増やすことが必要だって言ったんですから、田村大臣、出てくる必要ないですよ。そうだと、非正規の割合減らして正規の割合増やしていくことが必要だとお認めになったんですから。
 そこで取り上げたいのは、では公務の職場でどうかということなんです。これも資料を御覧いただきたいと思います。地方自治体の職員の中での正規の人数、非正規の人数を資料にいたしました。
 これを見ますと、政府の政策が直結する、直接影響する言わば足下の自治体公務の職場の中で、総理の言う非正規の正規化ではなくて、逆に正規の職の非正規化が激しく進んでいるんじゃないのかと、こういうふうに思えるんですけれども、総理、いかがでしょうか。
#271
○国務大臣(新藤義孝君) これは御指摘のとおりであります。この総務省が行った調査で、グラフにもありますが、平成二十年から二十四年にかけては臨時・非常勤職員が十万人増加している一方で、正規職員が約十三万人減少しているということであります。全体の数字から見れば、臨時・非常勤職員と正規職員が入れ替わっているといいますか、代替になっているんではないかという指摘があることは事実、承知しております。
 だけど、よく中身を見ますと、やはり個別の行政分野ごとに見ますと、早朝保育であるとか延長保育への対応、それから少人数学級の開設といった様々な行政ニーズが多様化、高度化する中で、臨時・非常勤職員の働く場がこれまで以上に広がっていると、こういう側面もあるのではないかと、このように思っております。
#272
○田村智子君 ここは、是非総理にも認識をお聞きしたいんです。
 やっぱり、非正規の正規化ということを総理が御自分の答弁で、この国会、何度も繰り返しをされておられるわけですね。この十年来、自治体の公務職場では約三分の一が非正規になってしまったという指摘もあります。その多くが年収二百万円にも満たないような働き方をしていると研究者の方からの指摘もあるわけです。
 こういう不安定な働き方を余儀なくされている非正規の職員が増大している、このことについて、個々の事例はおいておいて、全体がこうなっているということについて、総理の認識をお聞かせください。
#273
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、個々の事例はおいておいてというふうにおっしゃったんですが、これ個々の事例の積み重ねでもあるわけでございまして、言わば地方公共団体は最も住民に身近なところで行政を担っているわけでございまして、早朝の保育や延長保育への対応や少人数学級の開設など、その行政ニーズが多様化している状況の中にあってこうした形になっていると。地方公共団体がその職員の働き方についても多様な方法を用意するなど工夫を重ねてきている結果、臨時・非常勤職員の働く場がこれまで以上に広がっているというふうに私は理解をしているところでございます。
#274
○田村智子君 そういう不安定な働き方が増えちゃっているということについての認識、なかなかお述べいただけないんですけれども。
 私、そもそもこういう自治体の公務職場で非正規の職員が大幅に増えたのはなぜかと見たときに、自治体が勝手にやったことでは決してない。小泉内閣の三位一体の改革で、地方交付税などは三年間で約五兆円、それを上回って減額をいたしました。また、公立学校や先ほどの認可保育所、これ、クラス担任に非正規の方を充ててもいいというような規制緩和が、制度の改革がどんどんやられてしまったんですよ。こういう中で、非正規、今まで正規の職だったところがまさに非正規化している。これらが何をもたらしているかなんです。
 具体的な事例、確かに私も言います。例えば千葉県なんですよ。二〇一三年度の教員採用を見ますと、正規の採用は約千六百人なんです。これに対して、非正規での新たな任用は約千四百人にも上ると。異常な事態です。これ、年度初めから非常勤講師や臨時講師が学級担任をやると。こういうことが全国の公立学校の中で当たり前のように今行われているんです。
 こうした国の施策によって、正規の職の非正規化が進んでいるのではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
#275
○国務大臣(下村博文君) 地方自治体としては、多様なニーズに的確に対応するような体制を取っているのではないかと思いますが、文部科学省としては、教育現場はできるだけ正規雇用をしていくことが望ましいと思いますし、そのように地方自治体に対して指導しているところでございます。
#276
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私、先ほど少人数学級が増えているというお話をさせていただきました。言わば生徒の数が減っているのに対応して教職員の数は減らしているわけでございますが、しかし少人数学級化は進めているわけでございます。
 そしてまた、その中におきまして、子供と向き合う時間を増やしていく中において、担任はまさに正規の担任であり、もう一人その担任にプラスアルファで言わば非正規の教師を付けて二人で見ていくというケースも増えている中において非正規の教師が増えているという、私はそういうふうに承知をしているところでございます。
#277
○田村智子君 もう今、公立保育所の保育士は過半数が非正規なんですよ。こういう働き方にしてきたんです、国が。
 じゃ、具体的な事例を私も挙げていきます。非正規で働く方々の実態、私もお聞きをいたしました。驚いたのは、その細切れの働き方のひどさなんです。
 東京都のある自治体で学童の指導員として週五日勤務する方、勤務して六年になるんですけれども、時給は九百三十円、全く上がらない。月給に直せば七万二千円ほどにしかならない。それだけじゃないんです。一年の中で無給になる月が必ずある。この六年間、十一か月働くと任期を一旦終了して、一か月丸々空白として空けて、それからまた採用だと。こういう空白期間が置かれてしまっているんです。この一か月間というのはアルバイトでしのがなきゃいけない。学童保育の現場に行けば、子供たちには全く正規の方と同じように接しているのに、子供たちからも、先生はアルバイトなんだよねとか、アルバイトじゃ生活できないよねと、こうやって言われて本当につらいと。こういうお話をお聞きしました。
 また、関東地域の小学校の臨時の教員、まさに教員です。毎年採用試験を受けているけれども、自分が希望する中学校の社会科というのはほとんど新規採用がないので、四年間小学校の臨時教員のままという方がいます。この方は、学期ごとに任期を切られるんです。短期間で学校の異動もあると。夏休みになったり冬休みになったりすると、空白期間で給料がないので、早朝にパン屋さんでアルバイトをやったりダブルワークやったり、こうやってバイトでこなして生活を食いつないでいく。この臨時教員の方はクラス担任も経験をした、その中で子供たちとの人間関係築けて本当にやりがいも感じたと。だけど、臨時採用では同じ学校にはどんなに長くても一年しかいられない、卒業までは見届けられない、こういう悔しさも味わっているというんです。
 今、どこの自治体で聞いても、こういうふうに非正規の職員では空白期間を置くというやり方が当たり前になっています。これは、民間の企業でも大手製造企業などが、例えば三年ぐらい雇ったら六か月空けて、また雇うと。私たち、これも細切れでけしからぬということを言ってきましたが、でも、これほどの、一年の中に何度も空白期間を置くなんて、こんな細切れの雇われ方、聞いたことがありません。
 法律では、臨時職員というのは臨時的な仕事を担当する職員だと。だけど、実態は、クラス担任までもやるような、常勤職員と同じという働き方の人がいっぱいいます。こんな空白期間を置くというやり方は余りにひどいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
#278
○国務大臣(新藤義孝君) この地方公共団体の臨時・非常勤職員、それはそれぞれの自治体、団体において制度の趣旨と内容に応じてその適切な任用、また処遇が行われると、こういうことだと思います。そして、総務省といたしましては、平成二十一年度に通知を出しているわけであります。臨時・非常勤職員の任用の在り方についてということであります。
 御指摘の空白期間につきましては、昨年実施した調査において、都道府県、政令指定都市のほとんどが設定をしているということであります。その設定の理由は何なのかと、こういうことで調べますと、事実上の継続雇用と見られないようにするためといった意見が寄せられております。設定状況も、今御指摘のように職種間のばらつきがあるということであります。
 私どもとすれば、今後も地方公共団体と十分な意見交換を行った中で、二十一年通知の内容を周知徹底するとともに、実態の把握や課題の検証は進めていかなくてはならないと、このように考えております。
#279
○田村智子君 これ、臨時でもないのに臨時的とみなすためにわざわざ空白期間を置くと。こんなやり方で十年、二十年って働いている方、いっぱいいるんですよ。保育士とか教員、調理師、栄養士、図書館の司書、有資格者ですよ。
 総理にも是非お聞きしたいんです。
 例えば、こういう方々、能力ないかって、違いますよ。教員の方でいえば、三月末に、いきなり四月からはこの学校だよって言われて、そこで子供の名前を覚えて、その学校の行事がどうやってやっているのかというのも聞いて、それですぐに対応する。即戦力で対応する。こういうことを毎年毎年繰り返しているんです。こういう働き方でやっているんですよ。
 総理は、非正規の正規化を応援すると、正規になりたいのにそうなれない方を支援しなきゃいけないということを言われた。公務職場というのは、政治の政策によって改善することができる職場です。だったらここは、正規を望む方は、臨時教員の方、臨時職員の方、正規化、目指すことが必要なんじゃないですか。何らかの手だて、国として必要じゃないでしょうか。総理、お願いします。
#280
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘いただいている地方公共団体の臨時、そして非常勤職員については、それぞれの地方公共団体において、制度の趣旨、そして勤務の内容に応じて適切に任用と処遇が行われることが重要であろうと、こう考えているところでございますが、政府としては、政府の実態をよく把握しながら、今後とも必要な助言、働きかけを行っていきたいと思います。
#281
○田村智子君 非正規の正規化、言ったからにはその政策を本当に進めてもらわなきゃ困るんです。
 私、もうちょっと実態を見たいんです。この非正規の自治体の職員の多くが実は女性であると。先ほどのパネルの下の方をもう一度見てほしいんですけれども、これ、二〇一二年度、非正規の自治体職員に占める女性の割合、七四%以上です。この六十万三千人という非正規の方の七割なんですけれども、このうち任期が半年以内だとされている臨時的任用の職員は二十四万五千人。ここだけ見ると、その八割は、それ以上が女性になっています。
 総務大臣、この臨時的任用の職員は法律上育児休業を取得することはできますか。
#282
○国務大臣(新藤義孝君) この地方公務員の育児休業等に関する法律、これが改正されまして、引き続き一年以上任用されている非常勤職員は条例の定めるところにより育児休業を取得することができると、このように初めてこれ適用されるようになったんですね。こうした制度改正を踏まえまして、各地方公共団体において育児休業に係る条例を整備して、育児休業を取得しやすい環境の整備により一層取り組んでいただきたいと、このように考えております。
#283
○田村智子君 明確にお答えいただけないんです。臨時的任用というのは、どんなに長くても任期は半年です。そして、更新は一回なので、一年で切れるということが大前提です。この方々は、今言った地方公務員育児休業法の対象になるんですか。
#284
○国務大臣(新藤義孝君) この法律の適用は、再度任用が予定されている人ということでありますから、そうでない場合には適用にはなかなか難しいんではないかと、このように思いますね。
#285
○田村智子君 これは、法律上は適用外になってしまうんです。さっき言いましたけど、この臨時的任用で働いている方の八割以上が女性です。
 実は、各自治体はそれでは駄目だということで独自に条例などを作って、何とか臨時的任用であっても何年も働いている方がいらっしゃるんですね、実態としては。そういう方々に育児休業を保障しなくちゃいけないと、労働組合の運動などもあって、これ取り組まれてきました。しかし、昨年四月一日時点で条例を整備したのは四十七都道府県のうち三十四、一千七百四十二市区町村のうち僅か七百十六にとどまっているわけです。
 安倍総理、育児休業が取得しやすいようにする、このことをこの国会でも何度も掲げられました。ところが、常勤の職員と同じように働きながら育児休業を取ることが不可能だという女性たちが足下のこの公務職場の中に多数おられると。総理は、実態として継続して働いているそういう非正規の自治体職員に、これはやっぱり育児休業をどうやって保障していくのか、このこと是非検討が必要だと思うんですけど、いかがでしょうか。
#286
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁する前に、先ほど、政府としては、地方の実態をよく把握しながらと言うべきところを政府の実態というふうに答えたようでございますが、これは地方の実態に訂正をさせていただきます。
 そして、ただいまの御質問でございますが、政府としては、引き続き、地方公共団体に対して育児休業を取りやすい環境の整備などについてしっかりと助言をしていきたいと、こう考えております。
#287
○田村智子君 これは自治体任せにしていたらいけないんですよ。総理、これだけ育児休業のことを言ってきたじゃないですか、女性が働きやすいようにって。八割以上が女性なんですよ、臨時的任用の。なのに、法的に育児休業は認められていない。制度としてないんです。自治体の条例も進んでいないと。自治体任せにせずに、政府が挙げて育児休業を取得できるように取り組むべきではないんですか。もう一度お願いします。
#288
○国務大臣(新藤義孝君) これは、まず法律、制度の中に入っていないということであります。それは民間においても同じことが行われているわけでありまして、社会全体でのいろいろな御意見を踏まえた研究というのはあってしかるべきだと、このように思います。
 民間の場合には厚生労働大臣に聞いていただければ詳しく御紹介いただけると、このように思いますが、いずれにしても、今まだ制度としてはそこまで行っていないと、このことでありますから、委員の問題意識というものはしっかりと訴えていただいて結構だと思いますが、私どもとすれば、これは制度の運用をしっかりやっていく、各自治体にその趣旨にのっとって適用してもらいたいと、このように考えております。
#289
○委員長(金子原二郎君) 厚生大臣はいいですか。
#290
○田村智子君 いや、いいです。
 これ、公務の職場というのは、まさに政策でできるところなんです。臨時的任用といいながら臨時的でない働き方をしている方、この方々どうするのかということは、すぐにでも政府が挙げて取り組むべきだと思うんですよね。
 これ、総理、やっぱり御答弁いただきたいんですよ。育児休業を取得できるように、できるようにと、三年だとまで言ったんですよ、あなたは。制度がないって方々がいらっしゃる、何とかすべきだ。約束してください。
#291
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 非常勤につきましては、先ほど新藤大臣から答弁をさせていただきましたように取得できることになっているわけでございますが、臨時については法律上そうではないという状況でございますが、ここにつきましては、先ほど新藤大臣が答弁させていただきましたように、言わば民間の中において進んでいくこともよく平仄を合わせながら、臨時の方々にとってもそういう環境が生まれるような状況をつくっていくことについては、これは地方公共団体とも相談をしながらよく考えていきたいと、このように思っております。
#292
○田村智子君 実は、この臨時職員の方々は、育休にたどり着けないだけではなくて、事実上、産前産後の休業も取れないような、そういう方々もいらっしゃる、そういう働き方だと。大体任期が半年になっていますので、その間に妊娠が分かれば次の任用が切られてしまうという方は、これ何人もいらっしゃるわけです。現に起きているわけです。
 ある臨時教員の女性の方にお話をお聞きしました。結婚したということを校長先生に報告に行ったら、今年は子供をつくらないだろうねと言われたと。これはもう学校だけじゃなく、いろんなところで同じことを言われているんですね。そうやって言われちゃうと。妊娠が分かったときには、ひたすら今の任期が終わるまで無事でありますようにと願ったと。任期が終われば職場を去るしかなかった。これまで自分は何度も臨時教員ですから産休代替ということで産休の代わりに働いてきた、その自分が五年、十年と働こうとも産休さえ取れないのか。こういう声、起こるわけです。
 また、学校の栄養士として十年働いて、給食センターに異動して三年だと。妊娠が分かってセンター長に報告すると、九月末の任期切れで辞めてもらうと告げられた。出産予定は年末ぎりぎりだと、何とか更新してもらえるんじゃないかと思ったけれども、結局辞めざるを得なかった。これは妊娠したら次の任期はないと、あるいはさすがに胸が痛むのか、産休明けに空きがあったらまた来てもらうからねって言われると。でも、空きがあるなんという保証もないわけです。
 全国各地で自治体の職場の中でこういうことが当たり前に起こっているんです。産前産後休業というのは、母性保護のためにどんな職場であっても保障しなければならない女性の権利です。妊娠を理由に解雇、雇い止めすることは禁じられている。当然、公務の職場でこの女性の基本的な権利が保障されるべきだと思いますが、いかがですか。
#293
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、労働基準法に基づく産前産後休暇は、正規、非正規にかかわらず認められるべきものであり、各地方公共団体において法に基づき適切に対応がなされるよう引き続き助言をしていきたいと考えております。
 繰り返しになりますが、この産前産後の休暇は、当然これは正規、非正規にかかわらず認められるものでございます。しかしながら、育休につきましては先ほど答弁したとおりでございまして、臨時の場合は、基本的に育休を取っている正規の方の言わばピンチヒッターとして臨時にこの期間勤める方でございますから、その中でまた育休ということは想定されていないということもあったのかもしれないということでございますが、いずれにいたしましても、先ほど答弁をさせていただきましたように、女性が輝く社会をつくっていくために何ができるかということについてはしっかりと検討していきたいと考えております。
#294
○田村智子君 これは総務省も実態調査をやっていて、実際にその産前産後の休業を保障するようなそれぞれの規則とかあるいはそういう制度を自治体は持っていますかという調査をやっているんですよね。それで、二〇一二年の四月一日現在を見ると、そういうのを持っていないと答えるような都道府県や自治体が多数やっぱり出てくるわけですよ。都道府県でいえば四つ出てくるわけですよ。
 当然、労働基準法でどんな女性に対しても保障されなければならないものは、それが自治体、公務の職場の中で保障されていない。これは真っ先に解決をしなければならない問題で、是非とも自治体の協議というのにとどまらず、国がやっぱり自分たちの仕事として取り組んでいただきたいと思うんです。
 それで、総理に改めてお聞きをしたいんです。あなたは女性が輝く社会を目指すんだということをもうこの国会の冒頭でも高々と掲げられて、そういう演説を本会議の中でも繰り返しされました。先ほども言いましたけど、希望する女性は育休三年の取得もできるようにと、こういうふうにも述べられました。でも、それは非正規という働き方が増え続ける下では余りにも非現実的なんですよ。
 公務の職場の働き方の根本は法律です。国や自治体の予算です。公務の職場で、希望しても正規になれない、育休も取れない、事実上産休も取れない、こういう実態を変えていくためには、これは、必要な人員は正規で置くことができると、学級担任とか保育のクラスの担任とかを最初から非正規でいいよなんという置き方、これを進めていくような予算じゃないよと、そこまで踏み込んで正規化を進めていかなければならないと思うんですけれども、総理、どうですか。公務職場の非正規の正規化、必ず取り組むとお約束いただけますか。
#295
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは再三答弁をさせていただいておりますが、公務員につきましては住民あるいは国民の皆様の税金でこれを賄っている、人件費を賄っている中において、合理化は進めていかなければいけないと。そういう中におきまして、しかし、働いている方々が充実感を感じる、そういう働き方ができるようにもしていくことは当然留意をしなければならないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、様々な形でニーズがある中におきまして働き方が多様化しているという実態もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、そこで、公務員の世界におきましても非正規から正規に扉が開いていると、道があると、そしてさらにその道が広くなっていくようにすべく努力をしていきたいと、このように思います。
#296
○田村智子君 これは住民サービスの関係でも、本当は専門的な職場が臨時的任用だってころころ人替わるような、こういうやり方は決していいことではないんですよ。私たちは、民間でも三か月や半年の雇用契約何度も更新する、こんなこと駄目だということを言い続けてきました。
#297
○委員長(金子原二郎君) 時間が参っておりますので、おまとめください。
#298
○田村智子君 まして、非正規の労働者を増やすようなやり方には反対です。公務、民間とも正規が原則という、このルールを確立することを強く求めまして、質問を終わります。
#299
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻健史です。時間の関係上、質問通告とは順を変えて質問をさせていただきます。
 二〇一二年度の状況はもちろん、二〇一四年度も財政危機が深刻化しています。このような財政状況の下で巨大な歳出予算を組み、決算をするのは非常に危険ではないかと私は思っておりますので、その観点を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、総理に質問ですが、日銀の役割についてお聞きいたします。
 私は、日銀とは、宴たけなわのときにそろそろお開きをしましょうねと言い出すのが仕事だと思っておりました。人々が好景気に酔っているときに、行き過ぎると判断をすれば、憎まれ役を買ってでも景気過熱を防いだのです。奴雁の役、すなわち、群れの中で首を上げて危機が迫っていないかを見張る一羽のガンの役をしていたということです。すなわち、選挙を気にしてどうしても短視眼的になる政治に立ち向かい、大所高所から冷静に経済を分析し、人に蹴られても断固として信じる政策を実行する、それが日本中央銀行の役目、日本経済の最後のとりでだと思っていたわけです。
 ところが、今や日銀はアベノミクスの第一の矢の役割を果たし、先頭に立って音頭を取っています。おもし役がはやし立て役になったとき、人々は日銀を信じるでしょうか、信頼するでしょうか。中央銀行とはおもし役なのか、それともはやし立て役なのか、どちらなのでしょうか。総理、お答えください。
#300
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中央銀行の仕事は、日本銀行法にあるとおり、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することであると考えているわけでございます。そして、日本においては、戦後、インフレがあり、そのインフレに悩まされたわけでございまして、日本銀行の神経はまさにこのインフレを退治することにあったわけでございますが、しかし、その後、十五年以上にわたってデフレが続いてきたわけでございますが、このデフレから脱却をするということについては有効な手段を打つことができなかったわけでございまして、その中で日本のGDPは縮小してきた、当然収入も縮小する中において日本の地位が低下をしてきたのは事実でございます。
 デフレ局面におきましては、残念ながら財政再建もこれはできない、税収は減っていくんですから財政再建もできないという中において、日本銀行の役割として、今申し上げましたように、物価の安定というのは、ただインフレを恐れるだけではなくて、デフレから脱却するための仕事もちゃんとしてもらいたいと、こう考えたわけでございまして、その中におきまして、日本銀行との間におきまして二%の物価安定目標ということを、日本銀行が自ら設定したわけでございますが、その実現のために量的・質的緩和を推進をしてきているわけでございますが、そもそも昨年の二月に日本銀行とそういう協定を交わしたわけでございます、覚書を交わしたわけでございますが。
 さらに、黒田総裁になってから、異次元の金融緩和を行い、今、物価安定目標二%に向かって着実に歩みを進めている状況にあるわけでありまして、もはやデフレでは、デフレ脱却はしておりませんが、デフレという状況ではなくなりつつあるのは事実でありまして、間違いなく政策は効果を上げていると、こう思うわけでございまして、日本銀行の仕事というのは、しっかりと、この物価安定目標と同時に国民経済の健全な発展でございますから、しっかりと雇用の情勢についても注視、目配りをしながら政策を進めていただきたいと、このように思っております。
#301
○藤巻健史君 私は、やはり日本経済を鼓舞するのは政治の役割であって、日本銀行というのはおもし役であるべきだと思っております。政策としても、日本の構造改革を進めて、円高是正を図っていければ、日本経済は回復していくんだろうと私は思っています。
 次に、先週金曜日の本会議でも述べましたけれども、日本の財政は極めて厳しい状況にあるのだと思っております。プライマリーバランスとは、そのときにも説明いたしましたけれども、国債の償還額と支払金利を除いた数字ですから、財政再建の指標としては気休めにもなりません。単年度決算が黒字化して累積赤字が減ってこそ、初めて財政再建ができると言ってもいいと思います。
 先週金曜日の本会議で、私が累積赤字が減る時期と道筋を聞いたのにもかかわらず、総理の御回答は、私が気休めにもならないと強調しているプライマリーバランスに関してのみでした。要は、このままでは財政再建などどだい無理なのだという回答だったと理解しております。
 三月十三日の参議院予算委員会公聴会で早稲田大学の原田教授は、社会保障の上昇を全部消費税で担うとなると、二〇六〇年までに消費税率を三六・六%に上げなければならないとおっしゃっていました。また、十二月十一日の日経新聞の経済教室のタイトルは、「財政は持続可能か、消費税率、五三%の可能性も」というものでした。この論文は、本稿で示した意見は筆者の個人的意見であって、アメリカ連邦準備制度の意見ではないと断ってはいますけれども、アトランタ連銀上級政策顧問であるR・アントン・ブラウン氏の意見です。れっきとした識者の意見だということが言えます。しかも、この消費税率五三%という数字は、債務残高の対GDP比を中期的に二〇〇%に保つための数字なのです。単年度決算を黒字化するためにはもっと過激な消費税率を上げることが必要だと彼は言っているわけです。残念ながら、日本の財政状況は消費税率を過激に上げないともたないところまで来ていると私も思わざるを得ません。幾らつらくとも、事実は事実として受け入れざるを得ないと思うのです。
 それでは、過激な消費税率上げか、それとも過激な歳出カットを国民が受け入れないとなると財政破綻は不可避かというと、もう一つの選択肢があります。すさまじいインフレを起こすということです。千十八兆円の借金も、累積赤字も、ちょっと極端な例で申し訳ないんですけれども、分かりやすくするために、タクシー初乗りが一兆円になれば千十八兆円の借金というのは実質なきに等しくなります。巨額な借金を実質意味のないものにしておくというのがハイパーインフレです。ハイパーインフレは究極の財政政策なのです。日本最大の借金王、日本国は助かりますが、国民は地獄を味わいます。債権者である国民の財産を借金王の国が吸い上げるという構図は大増税と同じだと思っています。
 そこで、総理にお聞きいたします。
 安倍政権は二〇一四年においても史上最大規模の歳出予算を組んでいます。もちろん、二〇一二年も巨大歳出予算でありました。この厳しい財政状況の中で、私はとても信じられません。
 先週金曜日の本会議で私が、史上最大の歳出規模の二〇一四年度予算は、今年は国民を喜ばしておくけれども、財政破綻による国民の将来の地獄を考えていない、今日だけ良ければよいというポピュリズム予算、大衆迎合予算ではないかと問うたのに対し、総理は、歳出の中には未来への投資も入っているからポピュリズム予算、大衆迎合予算ではないと回答されました。
 しかし、財政にそんな余裕があるのでしょうか。大借金をしている人に、少し臨時のお金が入った、借金の返済に充てる代わりに未来への投資と称して自己投資に充てる、そんなことが可能なのでしょうか。その前に自己破産してしまうのではないかと私は危惧します。史上最大規模の歳出の予算を組んだということは、今年はお金をばらまき国民にいい思いをさせてやる、しかしばらまきのために借金を増やしても国は痛くもかゆくもない、なぜならば、いずれハイパーインフレにしてその借金を実質なくしてしまおうという甘い考えをお持ちでないでしょうか。総理、お答えください。
#302
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議論のために藤巻委員も大分極端な例を出されているんだろうと、このように思うわけでございますが、ハイパーインフレというのは、例えば戦後のドイツのように、戦争によって生産施設を破壊された中において紙幣を発行すれば、これは物ができないんですから、当然ハイパーインフレになるということになるわけでございますが、先進国においてハイパーインフレになった国はどこもないんだろうと、このように思うわけでございますし、我々はそもそもハイパーインフレにしようなんということはつゆほども考えていないということは申し上げておきたいと、このように思います。
 そしてまた、財政の状況でありますが、累積債務がこのようにかさんでいることにつきましては、我々もこれは深刻に受け止めているわけでございます。そのために我々はまさに明日から消費税を引き上げ、伸びていく社会保障費に対応していくことを決めたところでございます。一方、米国との比較でございますが、米国と日本を比べた場合、言わばグロスにおきましては確かに我々の累積債務は相当大きなことになっているわけでございますが、資産を入れたネットについてはそれほど実は変わらないというのが現実、事実なんだろうと、こう思うところでございます。
 そしてまた、プライマリーバランスについても、全く役に立たないというお話でございますが、プライマリーバランスの黒字化を経なければ財政の健全化にはたどり着かないわけでございまして、まずはこのプライマリーバランスの黒字化を目指して、今年度の予算におきましても、当初の四兆円という目標を上回る五・二兆円の改善を実現したところでございますし、新規の国債発行を一・六兆円減額をしたわけでございまして、そして、二〇二〇年の黒字化の達成に向けて、中期財政計画で示された道筋に沿って歳出歳入両面の取組を更に進めていく考えでございます。
 そして、財政出動についての御意見の御紹介がございましたが、何よりも、先ほど申し上げましたように、デフレから脱却ができなければ財政を健全化していくための税収が増えませんから、これは何といっても名目GDPの規模が縮小していくわけでありますから、名目GDPが縮小していけば税収は必ずこれは減少していく。そして、九八年以来ずっとこれは減ってきたわけでございまして、その中で、私たちのこの政策によって多くの企業の収益は改善し、そして法人税を払っていなかった多くの企業が今度は払うようになりました。そういう意味において税収が上昇をしているわけでございまして、五十兆円に今度は達したわけでございます。
 こうした形で私たちはしっかりと税収を増やしていく中におきまして、さらに、歳出については無駄遣いを厳に慎みながら、しっかりと財政再建の道を歩んでいきたいと、このように思っております。
#303
○藤巻健史君 税収が増えていくというふうにおっしゃいましたけれども、私の記憶では、一九九〇年の税収、消費税は三%だったですけれども、六十・一兆円にすぎません。ここまで借金が大きくなれば、税収増で金利支払を賄うというのは極めて危険ではないか、無理ではないかと私は思っております。
 それから、確かに首相のおっしゃったように、私は過激な例を申し上げました。タクシー初乗り一兆円というふうに申し上げましたけれども、総理がドイツの例を申し上げたので、ちょっと申し上げておくと、一九二三年、ドイツは、これ数字は、記憶は確かではありませんけれども、一月に二百五十マルクだったパン一個が十二月には三千九百九十億マルクになっています。これは、タクシーでいえば、七百円だったタクシー料金が十二月末には一兆二千億円になったということで、決して過激な例だったとは思いません。私も実際、今回の日本がこれほどのハイパーインフレになるとは思っておりませんけれども、別に決してむちゃくちゃに過激な例ではないというふうに思います。
 もう一つ、戦争だったからハイパーインフレになったと総理はおっしゃいましたけれども、そうではなくて、あれは戦争だったからハイパーインフレだったのではなくて、軍備を拡張するためにお金をじゃぶじゃぶにしたからハイパーインフレになったのであって、戦争というのは単なるお金をじゃぶじゃぶにするそのきっかけにすぎないというふうに私は思っております。
 もう一つ総理がおっしゃったことで、ネットで日本の資産はもっているというふうにおっしゃいましたけれども、ネット、あれは、日本国で持っている例えば年金運用資金、あれは私のお金でありトヨタのお金であって、国のお金と思っては困りますから、あれを使って国債返すんだったら私の年金なくなっちゃうので、それは、ネットの議論というのはおかしいと私は思います。
 今のはちょっと質問に外れていましたけれども、次に質問に参ります。
 黒田日銀総裁にお聞きいたします。アベノミクスの第一の矢である異次元の量的緩和は、このハイパーインフレのリスクを内蔵する、国民にとって極めて危険な政策だと思っております。日銀は、国民の犠牲の下に財政再建を達成させる究極の財政再建政策であるハイパーインフレの片棒を担いでいませんか。そうだとすると、中央銀行マンとしての矜持はどこへ行ってしまったのでしょうか。
 そこで、黒田日銀総裁にお聞きいたします。量的緩和に対して出口政策、すなわちブレーキはありますか。どういう方法でじゃぶじゃぶにしたお金を回収し、日銀のバランスシートを縮めていくのでしょうか。実際にやるかやらないかは別として、是非可能性のある方法を御教示いただきたいと思います。今、日銀はデフレ脱却を目指してブレーキのない車を思いっ切りアクセルを踏み込んでいるのだと思いますが、ブレーキの手段を是非教えていただきたいと思います。黒田日銀総裁、お願いします。
#304
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行は昨年の四月に量的・質的金融緩和を導入いたしました。これは十五年にわたるデフレから脱却するためのものでございます。その後、十二か月程度経過したわけでございますが、予想物価上昇率は全体として上昇している一方で、長期金利は低位で安定しております。したがいまして、実質金利は低下し民間需要を刺激している、貸出残高も前年比二%台半ばで増加しております。
 そうした中で、日本経済は生産、所得、支出という前向きの循環メカニズムを伴いながら緩やかな回復を続けております。物価面でも、御案内のとおり、昨年導入した頃はマイナス〇・五%ぐらいでしたけれども、現在は上昇品目の広がりを伴いながらプラス幅を拡大しておりまして、この二月にはプラス一・三%になっております。
 このように、量的・質的金融緩和は日本経済が持続的な成長を実現しデフレから脱却することに貢献していると思っております。
 出口戦略についてお尋ねがございましたが、従来から申し上げていますように、今の時点で出口戦略を議論するのは時期尚早であろうと。まさに、量的・質的金融緩和の政策の成功によって二%の物価安定目標が達成され、それが持続するという状況になります際には当然出口のことを具体的に議論しなければなりませんが、現時点で具体的に議論するのはやはり時期尚早で、やはりそのときそのときの経済金融情勢に対応して変わり得るわけでございますので、早い段階から具体的なイメージでお話しするということは、かえって市場との対話という観点からも混乱を招くおそれがあるということで、適当でないだろうというふうに考えております。
#305
○藤巻健史君 予想したとおりの、考えるのは時期尚早という回答でありましたけれども、本当は方法がないので時期尚早と言わざるを得ないと私は思っております。
 私は、三十年以上金融界におりまして、金融の現場のプロを自負しておりますし、大学でも半年間の金融の授業を十数年間においてやってまいりました。しかし、金融のプロと自負している私でも、私の頭の中では出口を思い付きません。私は頭が悪いのでしょう。(発言する者あり)そうかもしれませんが。
 ちなみに、その金融政策という、伝統的な金融政策のとき、これは金利を上げたり下げたりする政策のときに、その頃、私が例えば日銀総裁に、一年後にインフレが起こりそうだ、どういう政策が考えられますかと言ったときに、必ず日銀総裁は答えてくださったと思います。やるかやらないかは別としても、そうですね、例えば金利が上がるんだったら公定歩合を上げますよとか、売りオペをしますよとか、預金準備率を上げますよというふうに、必ず答えてくださったはずです。どうして今回だけ方法を教えてくださらないんでしょうか。出口戦略など特定秘密でも何でもないと思いますが、いかがでしょうか。
#306
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、いわゆる伝統的金融政策の下では、短期金利を上下するということが主たる政策手段でございました。ただ、現在は、欧米でも日本でもそうですが、言わば量的緩和というようなものを導入しておりまして、その場合は政策手段自体が多様化しておりますから、したがって、出口を議論する場合にもいろいろなオプションがあり得るということでございます。
 したがって、今の時点で具体的に議論するということは、先ほど申し上げたように、実際の経済や金融情勢がどういう状況になっているか、それに応じてどのようなオプションを組み合わせてやっていくかということは、そのときの状況を踏まえて申し上げないと、かえってマーケットに不測の影響を及ぼすおそれがあるということで、私どもは従来から、二%の物価安定の目標を達成し、それを安定的に持続できるようになるまで現在の量的・質的金融緩和を継続しますということを申し上げているわけでございます。
#307
○藤巻健史君 総裁が出口戦略をお答えにならないのなら、なぜ私が出口がないと思っているかということをちょっと御説明したいと思います。
 私が金融界にいた頃、日銀というのは、成長通貨といって経済の成長に必要なお金を供給する場合だけ、その場合にだけ長期国債を買っていたわけです。すなわち、回収する必要がないお金を市中に投入するときだけ長期国債を買っていたわけです。しかし、二〇〇一年に量的緩和をしてから、日銀は二年国債を買い始め、そしてたしか白川前総裁が辞められたときは三年債まで買い始めたと思いますけれども、現在では、日銀、十年国債を発行額の七割まで買うというように大量に買って、さらには三十年、四十年の国債を買っていらっしゃいます。
 これで図表を見ていただきたいんですが、今、日銀は民間金融機関から国債を買って資金を供給しております。(資料提示)これ、引締めにならなくちゃいけないとき、インフレが加速し始めたときは逆なことをしなくてはいけないんですが、これ、金利を上げたいということは国債の値段が下げたいときです。誰がそんなときにそんな国債を買うか。要するに、国債を売りたいときに民間金融機関は誰も買っていない、資金を吸収できないということです。
 それでは、満期待ちをするか。二〇〇一年以降の量的緩和のときの回収先で、あのときに分かったことというのは満期待ちしかないねという話だったんですが、私が現役のときは、短期国債を買っていませんから、すぐ満期が来てバランスシートは縮まったんです。今、白川さんの頃でも、二年、三年国債しか買っていないから、待っていればバランスシートはいずれは縮まったんです。今、二十年、三十年、四十年待たないとバランスシートは縮まらないんですよ。売っても回収できない、満期待ちもできないとなると、これはインフレが始まったときにブレーキは何にもないということが言えるかと思います。
 もう一つだけ言っちゃうと、ちょっとこれ難しいんですけれども、これ日銀のバランスシートですが、もう一つ学者の間で検討されているのは、負債サイドにある当座預金、今〇・一ですけれども、これを金利を上げればいいという話があります。しかし、今持っている国債、資産サイドの国債、十年国債、今〇・六とか〇・七です。もう大量に低金利の国債を買っているわけで、もし負債サイドの当座預金の金利を上げていったらば、日銀は損失の垂れ流しになって、逆ざやです。垂れ流しになってしまうわけです。
 こういうことを考えると、どう考えても私は出口政策がないと思うんですが、いかがでしょうか。
#308
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げましたとおり、現時点で欧米の中央銀行も実は大量に長期国債あるいは長期債券等を購入しております。したがいまして、かつての伝統的な金融政策が行われていたときとは違った状況になっているわけでございます。
 なぜそうなっているかと申しますと、当然ですけれども、短期金利がほとんどゼロのところに来てしまっていると。特に、日本の場合は十五年デフレが続いておりましたので、短期金利がほとんどゼロに近いところに来ていると。そうした下で、経済あるいは物価を勘案して金融緩和をしなければならないというときに、量的・質的金融緩和というものを行っているわけでございます。欧米の場合ですと、量的緩和でございまして、彼らも十年、二十年、三十年という国債を大量に購入しております。
 そうしたものを、出口ということを具体的に議論したときにどういうふうにしていくかということは、まさに現在米国のFEDがやっておりますやり方もあるでしょうし、またほかのやり方もあるかもしれません。それぞれの国の経済金融情勢に合った形で、当然、適切な出口戦略を検討し実行していくということになると思いますので、私はハイパーインフレーションをもたらすということは全く考えておりませんし、あり得ないし、そういうふうにするつもりも全くございません。
 したがいまして、適切な形で二%の物価安定目標を達成し、安定的に持続できるようになるまで現在の政策を続け、そういった状況になったときに、当然、適切な形で出口戦略を検討し実行していくということになろうと思っております。
#309
○藤巻健史君 ブレーキがなければ、アクセルを踏み込んでいるわけですから、いずれはハイパーインフレになるリスクがあるということは十分に考えておいていただきたいなというふうに思います。平和時においてお金をじゃぶじゃぶにしていた中央銀行って、日銀が二〇〇一年に初めてなんです。戦争中には、先ほど申しましたように、軍備拡大するためにお金をばらまいてハイパーインフレになったという事実、それを十分覚えておいていただければというふうに思います。
 あと、黒田総裁が欧米の中央銀行も長期国債を大量に買っているとおっしゃいましたけれども、アメリカの例えば十年国債、今二・七五です。〇・六という日銀の日本国債とは違う、べらぼうに高い金利のものを買っています。モーゲージバックセキュリティーも金利が高いです。先ほど申しましたように、準備預金を、負債サイドの当座預金の金利を上げる余地は十分あります。日銀にはありません。大きい問題だと思います。
 次の質問ですが、私は量的緩和というのは百害あって一利なしだと思っておりますが、これをいつまで続けるのかと。私はこの二十年来、ばかにされ続けながらも、マイナス金利政策をずっと主張していたんです。量的緩和などは、元々伝統的金融政策というのは金利を上げるか下げるかなんです。ゼロになったらば、なぜマイナスにしないのかと。なぜプラスの〇・〇〇一%がよくて、マイナスの〇・〇〇一%がいけないのかと。数直線はゼロで断絶しているわけではないです。続いているんです。なぜマイナスにしないのか。欧州中央銀行もマイナス金利政策を検討していると聞きます。私は、すぐにもハイパーインフレリスクのある量的緩和をやめてマイナス金利政策を取るべきだと思いますが、総裁、いかがでしょうか。
#310
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げましたとおり、日本経済は量的・質的金融緩和の下で二%の物価安定の目標の実現に向けた道筋を順調にたどっておりますので、日本銀行としては、引き続き量的・質的金融緩和を着実に実施していくことが重要であるというふうに考えております。
 御指摘のマイナス金利云々といったことにつきましては、先ほど申し上げたように、現在の政策を着実に実施していくことが重要だと考えておりますし、また、将来における金融政策のオプションについて何かコメントすることは適切でないというふうに思っております。
#311
○藤巻健史君 私も二十年来マイナス金利を主張しましてばかにされ続けてきましたので、またネグレクトされるのは慣れておりますけれども、是非マイナス金利は日銀としても検討していただきたいなというふうに思います。
 次に、麻生大臣にお聞きいたします。
 これほどまでに国債発行額が増えているのに国債価格が下落しない、すなわち金利が急騰しないのは、日銀が異次元の量的緩和で国債を買い進んでいるからだと思います。異次元の量的緩和で日銀は長期国債をこの二年間掛けて八十九兆円から百九十兆円まで買い増すということになっています。今年末にその目標が達成すると思いますが、その達成された後、誰が国債を買ってくれるのか。買ってくれなければ、当然のことながら国債は大暴落し、長期金利急騰で日本の財政は危機的状況になりかねないと思います。
 一方、日銀が更に目標値を増やすということになると、まさにマネタイゼーション、要するに政府のお金を日銀が紙幣を刷って渡しているということで、日銀券の信用は失墜し、大変なインフレになってしまうのではないかと思うのですが、誰が今後国債を買ってくれるのでしょう、御回答ください。
#312
○委員長(金子原二郎君) 麻生大臣、質問時間が終わっておりますので、簡潔に答弁をお願いいたします。
#313
○国務大臣(麻生太郎君) 答弁されるの困るとみんなゼロゼロで質問をされるのかなと、さっきの方にも嫌みをちょっと申し上げたんですが。
 金融のプロを自認しておられるようでしょうけど、ハイパーインフレの国に住まれたことはあるかと。私、住んでいました、ブラジルに。だから、どんなものだか、ハイパーインフレーションがどんなものかはあなたよりよっぽど詳しいと、私はそう思っています。実体験があるから、私の場合は。
 だから、そういった意味で、ハイパーインフレーションなんという言葉は簡単に使っていただく言葉じゃないんであって、私どもとしては、これはもう戦後でも、少なくとも一千何百%とか、ああいうようなことはなかったわけですから、そういった意味ではうかつに使っていただきたくないんで……
#314
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
#315
○国務大臣(麻生太郎君) あらかじめ、こういったようなことを質問していただくなら、ある程度時間をいただいて御質問いただければ丁寧にお答え申し上げます。
#316
○藤巻健史君 ありがとうございました。
#317
○川田龍平君 結いの党の川田龍平です。
 まず、質問させていただきます。
 STAP細胞の研究不正の疑惑が騒がれていますが、日本の医学、生命科学研究に対する信用は今や地に落ちた状態です。STAP細胞の研究には、理化学研究所に対する運営費交付金から一億円の研究予算が与えられています。文部科学省が率先して説明責任を果たし、不正がもしあったのなら、交付金の国庫返納や次期算定でペナルティーなど再発防止策を講じるべきではないでしょうか。文部科学大臣、いかがですか。
#318
○国務大臣(下村博文君) STAP細胞に係る論文については、様々な指摘等があることを受け、理化学研究所におきまして、外部の有識者を含む調査委員会を立ち上げ、専門的な見地から調査を行ってきております。
 文科省としては、理化学研究所に対し、できる限り早期に調査結果を取りまとめ、十分な説明責任を果たすことを求めてきたところでございますが、明日、STAP細胞に係る論文に関する調査の最終的な報告が行われることが本日公表されました。
 文科省としては、今回の事態を真摯に受け止めておりまして、調査結果を踏まえ、理化学研究所におきまして原因の究明や再発防止策等が確実に行われるよう、適切な指導をしてまいります。
#319
○川田龍平君 総理は、昨年末に、独法の運営費交付金見直しを閣議決定されています。透明性の拡大だけでなく、この国の厳しい財政に深く関わる独法による税金の無駄遣いをなくすためにも力を入れてください。よろしくお願いいたします。
 時間の関係上、ここからは臨床研究の法制化に絞って質問させていただきます。(資料提示)
 この厚生労働省の研究機関における不正経理が平成十七年、二十三年に続き、平成二十四年の決算でも会計検査院から指摘をされています。体制の不備が放置されている中で、このところ製薬業界と医師が癒着した臨床研究の大規模不正事件が次々に明るみに出てきました。
 まず、昨年大きく報道されたのが、高血圧症治療薬のディオバンの臨床研究に製造元のノバルティス社が多額の奨学寄附金を出し、社員が身分を隠して参加し、改ざんしたデータを使って広告宣伝を行っていたという事件です。高血圧症の薬は日本で最も服用されている薬で、国内では武田薬品のブロプレスがトップ、次がノバルティスのディオバン、どちらも売上げは年間一千億円を超えています。これは一社だけの問題ではありません。二月二十七日には、ディオバンに続き、武田薬品のブロプレスにも広告の臨床研究改ざんデータ使用が報道されました。
 厚労省はノバルティス社に対し刑事告発を行い、二月十九日から東京地検特捜部が捜査中ですが、武田薬品については刑事告発は行わないのでしょうか。
#320
○国務大臣(田村憲久君) 御指摘の武田薬品工業のブロプレス錠でありますけれども、これも高血圧症治療薬であります。一般名はカンデサルタンという薬でありますけれども、これに関しましては、平成十三年九月から平成十七年十二月まで、京都大学を中心に、脳卒中や狭心症、これに関して優位性があるかということで四千七百人対象に実施をしてまいりました。十八年の十月に、国際高血圧学会速報の内容、これを使って広告をしたわけでありますが、その後、平成二十年二月に新たな論文が発表されたわけでありますが、この発表以降もこのグラフを使っておったということでございまして、不適切ではないのかというような、そのような内容でありますが、現在調査中でございます。厚生労働省で調査しておりますので、今お聞きをなされた点に関しましては御回答を控えさせていただきます。
#321
○川田龍平君 国民医療費のうち公費の占める割合は三八・四%、言ってみれば、言わば年間九百億円の税金がこれらの薬に投入されているのです。薬効を否定しませんが、今回のように誇大広告によって必要以上に公費が使われている実態については、国として厳しい措置をとらなければなりません。ノバルティス社は、ディオバンだけではなく、白血病薬の臨床試験にも深く関与し、患者の個人情報漏えいまで明らかになっています。
 そもそも市販後の医師主導の臨床試験研究において、研究対象の医薬品を製造販売する企業が関与をしてもいいとお考えでしょうか。厚労大臣に。
#322
○国務大臣(田村憲久君) 今の御質問は、タシグナの話でございますか。
 これはノバルティス社の白血病薬でありますけれども、これに関しましてSIGN試験というものを東大でやっておられまして、その中において、ノバルティス社の社員が、本来、関連病院からの患者のアンケート、これをファクスで研究機関、東大に届けるものであったのを、ノバルティス社のMRがこれを代行しておったということ。それから、その過程において、被験者の方々の個人情報が全てノバルティス社の方に渡ってしまったということ。さらに、東大の中間報告を見ておりますと、例えば連絡用のメール、これに関してノバルティス社の社員がこれを実質的に作っておった、さらにはそれを教授名や講師名で発信しておったと。これは教授やまた講師からは許可は取っておったようでありますけれども、そのようなこと。さらに、事務局の事実上の代行をしておったというようなことが分かってきておるわけであります。
 本来、このような形の臨床研究というものは、やはり医者、研究者自体が自ら主導していくべきものでありますから、大変遺憾でございます。
 いずれにいたしましても、今、東大の方で最終報告をまとめておられると思います。これを見て、こちらといたしましても適切な対処をさせていただきたい、このように思っております。
#323
○川田龍平君 この研究開発税制で多額の税金を免除されていながら、製薬企業は公費が四割も入っている自社製品の臨床研究に奨学寄附金という不透明な資金提供をし、社員を関与させ、患者の個人データまで入手する、なのに刑事責任は問えず、些少な罰金だけで済んでしまうという、製薬企業にこれだけやりたい放題をさせているんですからこの国からは薬害がなくならないんです。医薬品は国民の命に関わる分野です。この岩盤規制を崩すことを進める前に、目の前の深刻な現実をしっかり検証してください。
 アルツハイマー病の治療法確立を目指す国家プロジェクト、J―ADNIでもデータ改ざんを指摘する内部告発がありました。五年間で二十四億円もの公費を投入し、全国の大学病院など参加するこのプロジェクトは、総理肝煎りで発足する日本版NIHの中核事業として期待されているそうです。ですが、実は、まだ最終論文も発表されていないうちに、二年前に第二弾のJ―ADNI2が開始されているのを総理は御存じでしょうか。
 この重大な内部告発に対し、厚労省は信じられない対応をしています。告発を受理しなかっただけではなく、告発者の個人情報を漏えいし、真相究明を当事者である東大に丸投げしたのです。その結果どうなったか。東大に出向中の製薬会社社員が既にデータを四百五十か所以上修正したそうです。周辺論文や報告書にも改ざんデータが含まれるという可能性があるとして、一部は取下げも検討されています。厚生省はなぜこんなことを放置しているのでしょうか。研究不正疑惑のもみ消しに加担していくことになるのではないでしょうか、いかがですか。
#324
○国務大臣(田村憲久君) これは、研究分担者が研究代表者に対して今、公開質問状さらには要請書、これを提出したというふうに聞いております。研究者で意見が割れておるわけでありまして、我が厚生労働省の方で、今言いました研究分担者の方がこちらの方にいろいろと申し上げられてこられたことに対して御本人の情報を流したことは、これは大変遺憾でございまして、国家公務員法にも問題があるわけでありますから、これはしっかり対応といいましょうか、処分をさせていただくわけでありますが。
 ただ、この研究の内容に関しましてはそれぞれ意見が異なっておるということもございます。今、東京大学の方でこれ外部の専門家も入っていただいて調査をしていただいております。やがてこの調査結果が出てまいると思いますから、これを我々はしっかりと検討しながら、どのような対応をするか考えさせていただきたいと、このように思っております。
#325
○川田龍平君 この調査結果で被験者数は百人以上減る可能性があり、七十本近く書かれている周辺論文や厚労省への報告書も改ざんデータが含まれている可能性もありますから、一部取下げが検討されています。二十四億円の税金投入に対する成果としては余りにもひどい内容です。
 文部科学省所管の科学技術振興機構では、この研究成果を公開データベースに本日までに接続予定だそうですが、データへの信頼が揺らいでいる現状でも決行するのでしょうか。文科省、お願いします。
#326
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省では、J―ADNI研究について直接的に研究経費を支出しているわけではございませんが、研究成果を広く共有することを目的として、本研究で得られたデータを他のプロジェクトのデータと併せ公開用データベースとして整備するための経費については支援しているところでございます。
 本研究チームのメンバーの一部からデータの改ざん等の疑いが指摘されていることから、本研究の代表者が所属する東京大学が厚生労働省の依頼を受けて調査中であるということは今、田村厚労大臣からお話がありました。文科省としては、その結果を踏まえましてデータベースの公開について改めて判断をしていきたいと思います。
#327
○川田龍平君 厚生労働省と経済産業省は、この状態で明日から始まる来年度もJ―ADNI2に予算をつぎ込むのでしょうか。
#328
○国務大臣(田村憲久君) これは、問題があるかどうか、これ研究者同士のいろんな考え方の違い、つまり調査の手法、研究の手法、ここでもいろいろ議論が分かれておるところでございますから、そこも含めて、東大にしっかりと調査を外部の専門家も入っていただきながらやっていただいておるということであります。
 結果が出るまでは、やはり我々としては、まだ予算を執行するわけにいきませんので、結果が出た上で判断をさせていただきたい、このように考えております。
#329
○国務大臣(茂木敏充君) J―ADNI2に関します経済産業省関連の平成二十六年度の予算、これはNEDOへの交付金の一部ということでありまして、二・八億円を計上しているところでありますが、当該予算の執行につきましては、これまでの事業実施に係ります調査結果を踏まえて判断すべきと考えておりまして、それまでは予算の執行を凍結するように既にNEDOの方に指導を行っております。
#330
○川田龍平君 医療と臨床研究の倫理を定めたヘルシンキ宣言を総理も御存じだと思いますが、このように研究不正天国とさえ言われている我が国の現状の打開策について、総理のお考えをお聞かせください。
#331
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ヘルシンキ宣言とは、一九六四年に世界医師会が定めた人間を対象とする医学研究の倫理的原則のことでございまして、臨床研究の実施に当たって、被験者保護等の観点から、必ず守られるべき倫理規範について定めたものであるというふうに理解をしております。ヘルシンキ宣言は、世界各国の政府において幅広く受け入れられているものでありまして、我が国としても、この原則を最大限尊重して各種施策を講じているところでございまして、重要な原則であると考えているわけでございます。
 今後、今、川田委員が御指摘になったような治験等の現場においては、しっかりとこうした原則が守られていくことを期待をしているところでございます。
#332
○川田龍平君 私は、薬害被害者の当事者として、当選以来ずっと、命を守る被験者保護法の制定を訴え、取り組んできました。こんなにも大切な法律が、なぜ今まで検討されても指針の改定程度にしかならなかったのか。この最大の原因は、歴史に学ばず、そして検討会のメンバーに薬害肝炎、ハンセン病などの現実を正確に把握している、理解している委員がいなかったからです。
 四月から始まる法制化の検討会は、患者と被験者の権利について現実的議論をするためにも、メンバーに薬害被害者、利益相反に関する有識者、薬害や医事法制に詳しい法律家などを加えるべきです。そして、メンバーが製薬企業から受け取っている金額を申告させ公開し、それが多額であればメンバーから外すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、検討会は法制化を前提にその中身のみを検討する場であるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#333
○国務大臣(田村憲久君) 臨床研究に関する検討会、これノバルティス社のディオバンで、あの事件のときに立ち上げた検討会でありますが、この中間報告の中で、法制化を含めて考えるべきだという考え方もありました。一方で、それによって例えば費用が掛かるのではないか、また、専門家等々を集めるのは大変であると、このような御意見もあったわけでありまして、そういう意味からしますと、意見がそれぞれあったわけであります。
 そこで、この法制化をするかどうか、これも含めて検討会を立ち上げようということでこの四月から立ち上げるわけでありますが、この中には当然、医師、それからあと薬剤師、さらには法律家、こういう方々にも入っていただきますし、今言われました患者の代表の方々、患者団体の代表の方々、こういう方々も入っていただきます。生物統計学の専門家も入っていただこうと思っております。
 その中において、今、それでは各製薬会社からという話がありましたが、これはどこかの製薬会社の何かの薬というものを検討するわけではございませんので、あえてそこまでやる必要があるかどうかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、検討会を立ち上げるに当たって、我々もいろいろな部分を検討させていただきながらこれを立ち上げてまいりたい、このように考えております。
#334
○川田龍平君 たとえ被験者に直接健康被害がない監査請求であっても、データ改ざんを許していれば、医療財政も将来の患者である国民も大きな被害を受けることになります。ディオバン事件で厚労省が設けた検討会には調査権限もなく、問題の本質であるデータ改ざんは刑事告発すら問えない。内部告発者の個人情報は守られない。今のままのざる法では、今後再発を防ぐことはできません。
 不正告発の受理と調査権限を持つ機関を設置すべきだと思いますが、いかがでしょうか。昨年成立した再生医療新法を基に罰則を検討してはいかがでしょうか。
#335
○国務大臣(田村憲久君) 今、法制化の話と併せて、多分委員おっしゃられたのは、国からお金が出ている、そういうようなものに関しましては、これは権限があって対応できるわけでありますけれども、今般のディオバンのように公費が入っていない研究に関してはなかなかそこまでやれないではないかと、こういう話だったと思います。
 それも含めて、今、倫理指針の見直しもやっておりますし、また法律を作るかどうかという検討会、これも進めるわけでありますけれども、中間報告の中でいただきましたのは、やはり一つは、倫理審査委員会、これの強化、これが必要であろうと。それから、やっぱり研究責任者の方々の透明性といいますか責任の明確化ですね。それから教育でありますとか研修、これもしっかりやる必要がある。データ改ざんの防止策、これもちゃんと作らなきゃいけない。そもそも情報管理、これの体制をしっかりつくっていかなきゃならぬ。こういうような御議論をいただいております。
 そのようなことも踏まえながら、これから倫理指針も見直していくわけでありますし、それから検討会の中でいろんな御議論をいただこうと、このように考えております。委員のおっしゃったこともしっかりとこの中に、検討しながら議論を進めさせていただきたい、このように思います。
#336
○川田龍平君 日本における被験者保護や研究倫理の議論や法整備は、世界の中で余りにも貧弱です。安倍総理の推進しておられるイノベーション立国実現のためには、被験者保護と高い倫理を持つ国であることを世界に示していく必要があります。こうしたことはしっかりと法整備をすることで初めて推進され、国際的評価も高まることを、総理、どうか御理解ください。私は、このように人権保護に基づく法律は超党派で議論するべきだと考えていますので、政府の検討会と並行した超党派議員立法も視野に入れて取り組んでまいりたいと思います。
 相次ぐ不正の背景にある製薬企業と医師の利益相反問題を回避するために、米国では臨床試験登録の義務化と製薬企業から受け取った金銭の公開を医師に義務付けています。日本では二〇一二年に開始されましたが、義務ではなく任意のため、現場では医師たちが情報を隠蔽するケースが横行しています。私のところにも、今年十社が新薬を発売する糖尿病学会の医師について、実名入りの告発メールが届いていますが、医師側の隠蔽に加え、企業側からも札束の攻勢もすさまじいようです。このように、臨床試験の登録義務化や製薬企業からの資金提供の透明化は、業界の自主ルールではなく法律で義務化しなければ抜け穴だらけです。検討会でこうした法整備も是非検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#337
○国務大臣(田村憲久君) 臨床研究に関する倫理指針では、侵襲性が有すると考えられる臨床研究の計画内容については、あらかじめ公開のデータベース、これを登録しなければならないということになっておりますので、そういう意味では、ここで一定程度チェックができていく。これは公に公開されておりますので、誰でも見れるということでございますから、チェックできると思います。
 それから、先ほど言いました医師とそれから製薬メーカーの間のお金のやり取り、これは講演料でありますとか研究費でありますとか、いろんなパターンがあるわけでありますが、今委員がおっしゃられました企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン、これにのっとって今開示が進められておるわけでありまして、だんだんだんだん、何といいますか、一般の方々がこれはこのような形にしていただきたいという方向には進みつつあるわけでありますけど、言われるとおり、完全にオープンにやっているかというと、まだ使い勝手が悪い、見勝手が悪いというようなお話もございます。
 これからもしっかりとチェックができるようなそういう体制をこのガイドライン踏まえておつくりをいただきたい、このように思っております。
#338
○川田龍平君 ちょっと時間の関係で九番、十番を飛ばして、次に十一番の質問をさせていただきます。
 この安倍政権の下、昨年四月から定期接種が始まった子宮頸がんワクチンについて伺います。
 中学生が学校に通えなくなるほど重い副反応が全国で報告され、六月には早くも定期接種の積極推奨が一時差し控えられています。昨年十一月には全国市議会議長会が一時中止の議決を行い、参議院自民党でも再開は慎重にすべきとの申入れを田村大臣に行うやに聞いています。
 厚労省は、副反応の発生頻度などがより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまで積極的接種勧奨を控えるとしてきました。しかし、副反応発生頻度の調査は、分母が医療機関の納入数、分子が自発報告数で全く実態を反映しておらず、いまだに副反応発生頻度の正確な調査が行われたとは言えません。痛み研究班はできても、その半数は治癒しておらず、治療方法、治療体制、予後の見通しなどもいまだに十分な情報の提供ができていません。積極的接種勧奨を、推奨を一時差し控えた理由は今も解消されていないのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#339
○国務大臣(田村憲久君) これは、昨年の四月から定期接種化をした子宮頸がんワクチンの件でありますけれども、昨年の五月に被害者連絡会の方から幾つかの症例をいただきまして、それで、六月に厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会の副反応検討部会というところで御議論をいただきました。国民の皆様方に積極的にといいますか、適切な情報提供がまだできていない部分があるということで、新しい事案が来たものでありますから、そこで、積極的な勧奨、これは控えるという形にさせていただいたわけであります。
 その後、例えばこの治療をされておられる先生方でありますとかそういう方からもお話を聞かせていただきながら、専門家の間でいろいろと御議論、検討をいただきました。そこで、広範な疼痛、また運動障害、これに関しましては、専門家の先生方の間で一定の理解といいますか、認識の一致を見たところであります。
 その上で、これから最終報告に向かっていくわけでありますけれども、いずれにいたしましても、この最終報告が出れば、それを踏まえた上で、この積極的勧奨、これを再開するか、それとも控えたままにするかということは決定をさせていただきたい、このように考えております。
#340
○川田龍平君 これだけ社会的関心が高いにもかかわらず、なぜ予防接種部会、このワクチン分科会で被害者のヒアリングが行われないのでしょうか。早急に行うべきではないかと思いますが、いかがですか。
#341
○国務大臣(田村憲久君) この副反応検討部会のメンバーの方々に、先ほども言いましたけれども、今まで治療をされてこられた医師の方々からのヒアリングはいたしております。それから、実際問題、治療をしておる現場に行っていただいて、その治療の状況、これも確認をしていただいております。
 でありますから、そういう意味では、どのような症状で、どのような治療で、どのような問題があるかということはある程度やはり認識はされておられると思いますので、そういう意味ではヒアリングという形は取っていないということであります。
#342
○川田龍平君 この一部の参考人や委員の方が患者を見ているということと検討会がしっかり公開の場で被害者のヒアリングをするということは、その意味も質も全く違います。カルテを見れば被害が分かるというのも間違いです。
 これは同じことを身をもって経験した薬害エイズの被害者の一人として言わせていただきますが、被害の実態は、単にカルテを見た、医師から聞いたというだけでは決して分かりません。このままでは国民の納得を得られず、深刻な副作用についての解明もされないまま事態が深刻化していきかねません。検討会は被害者のヒアリングを早急に行うべきです。国民の命に関わる非常に重要な問題です。どうかもう一度検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#343
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども申し上げましたけれども、実態、その治療の現場にも行って、それをいろいろと状況を把握もさせていただいておるわけでありまして、治療をされた先生のヒアリングだけではないので、治療の現場にも行ってそれをいろいろと拝見もさせていただいておるということでございますので、一定程度ヒアリングと同じ効果があるのではないかと、このように思っております。
#344
○川田龍平君 是非ヒアリングをやっていただきたいと思います。これは患者の人たち、特に中学生で学校にも通えない、本当にそうした副反応が出ている少女たちの声をやっぱり是非聞いていただきたいと思います。
 それでは、先ほど飛ばした九番の質問に行きますが、日本学術会議では、日本版NIH、日本医療研究開発機構に臨床研究不正の監視部門、特に設置を求めていますが、僅か百人の定員の新独法はどのような人員体制で全国の臨床研究中核病院などの監視組織をつくるのでしょうか。新独法では、被験者の保護を目的とし、そうした予算措置や体制整備についてはどのように検討されているのでしょうか。
#345
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今国会で御議論をいただきます健康・医療戦略推進法案の第十二条には、研究機関がしっかり法令等を遵守し、また生命倫理等の適切な管理を行うということが定められております。ですから、委員御指摘のように、今度できます日本医療研究開発機構においては、この機構が配分をする研究費を受け取る研究に関しては、しっかり専門の部署を置いて、公正で適切な実施の確保を図っていきたいというふうに思っています。また、そういうことを繰り返していくことで、こういう不正防止策といったことがだんだんだんだんレベルアップをしていくんだろうというふうに思っております。
 具体的な人員、組織については、今ちょうど衆議院で御審議をいただいている最中でありまして、法案が成立をいたしましたら、来年四月一日から発足をする予定でありますので、発足後、理事長となるべき方がその在り方について検討して必要な体制の確保を図るということにされておりまして、また、機構の予算についても、機構が設立される平成二十七年度予算編成過程で検討することになるというふうに思っております。
#346
○委員長(金子原二郎君) 川田龍平君、時間がありません。
#347
○川田龍平君 はい。
 是非、この被験者を保護するという法律は、これは被験者保護だけではなく、公正なデータ、これをしっかりと確保して、日本の研究が世界にも通用するレベルにするためにも、研究者のためにもなる法律であるということを是非皆さんに御理解いただきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#348
○又市征治君 社民党の又市です。
 委員長、小松さん陪席されていますが、何か大変つらそうですから、私は質問する予定ありませんから、御都合よければ退席いただいて結構です。
#349
○委員長(金子原二郎君) どうぞ御退席していただいて結構でございますから。
#350
○又市征治君 答弁できないでしょう。
 冒頭、委員長からも指摘がされましたけれども、昨年、政府が決算委員会審査に協力的でなかったために、今回、平成二十三年度及び二十四年度の二年度分の決算を一括審査をする異例の事態を招いたことについては、まず強く抗議をしておきたいと思います。
 そこで、毎年会計検査院から不当事項と指摘される掲記件数、指摘金額に大きな改善がないことは誠に遺憾であります。平成二十四年度の掲記件数は前年度より百十七件増加をして六百三十件、指摘金額は若干減少しているものの四千九十七億円余、過去三番目の大きさであります。
 昨年十一月、平成二十三年度決算の全般的質疑の際、これをどう改善をしていくのか、私は総理に伺いましたが、総理は、事務事業の在り方の見直しや適正な会計処理の徹底など、検査報告事項について確実に改善するように指示を行い、あらゆる機会を捉えて、予算執行の適正化、内部監査の徹底、職員への研修指導の徹底などに努める、例年どおりの答弁でありました。こうした抽象的建前論を言っている限り、私なくならないと思う。そういう意味で、どんな具体策を安倍内閣で本当に講じられるのか、その点について改めて総理にこれは伺いたいと思います。
 あわせて、経産省は指摘金額では一番多く、厚労省は掲記件数では一番多かった、こういうことになっているんですが、このことを各大臣どのように受け止めて、具体的な改善策を図っておられるのか、それぞれ要点をお聞かせいただきたいと思います。
#351
○国務大臣(麻生太郎君) 昨年十一月の平成二十四年度の決算報告において会計検査院から、今御指摘のありましたように、六百三十件、四千九十七じゃなくて四千九百七億円が正確だと思いますが、四千九百七億円と数多くの指摘を受けたことは、もうこれは極めて遺憾であります。
 この検査報告を受けまして、私どもも各大臣に対して予算の厳正かつ効率的な執行と経理の適正な処理というものを努めるように要請を行って、二十六年度の予算編成時においても検査報告を適正に反映させていただきたいと思って、具体的には、検査報告書の中で、例えば一部の基金について使用見込みのない資金が滞留していることが指摘されておりますので、政府としては、使用見込みのなくなった資金を国庫に返納する、また、今年度から基金の執行状況などを示す基金シートを導入するなどの取組を行っているところであります。
 また、会計職員の不正経理などの対応として、国会の決議や会計検査院の検査報告の周知徹底は当然ですが、会計職員の責任の明確化、資質の向上、また内部牽制、内部監査の充実、また予算執行の透明性の確保などなど、より一層努力するよう各省庁に対して改めて要請を行っているところであります。
 いずれにいたしましても、財政当局としては、引き続き予算の適正かつ効率的な執行の取組を進めていかねばならぬと思っております。
#352
○国務大臣(茂木敏充君) 経済産業省の平成二十四年度の決算検査報告に関しましては、件数で八件、そして額で一千百五十三億円の指摘を受けております。
 この一千百五十三億円のうち一千百四十九億円につきましては二つの案件であります。これが大宗を占めるということでありまして、その一つは、平成二十年以降、歴代の政権において予算措置した基金の中に使用見込みのないものが四百四十九億円あると、こういう指摘を受けておりまして、これを安倍政権、現政権におきましては速やかに全額国庫に返納いたしました。この結果、決算検査報告におきましては、経済産業省において改善の処置を講じた事項、こういった形で報告されているところであります。
 もう一つの案件は、全国信用保証協会連合会から財務基盤の脆弱な信用保証協会に対しまして無利子貸付けを行う原資として計上した七百億円について運用改善の指摘を受けたところでありますが、これはリーマン・ショック後の中小企業・小規模事業者の資金繰りの円滑化のために計上されたものでありますが、前政権の下で中小企業金融円滑化法の施行等によりまして代位弁済の額が抑制されました結果、貸付けを受けた保証協会の大半においては貸付金を活用するほど財政状況が悪化するには至らなかったということでありまして、経済産業省としては、会計検査院の指摘に沿いまして、貸付けの対象を財務基盤がより脆弱な保証協会に絞り込むなど、既に制度の変更を行っているところであります。
 残りの四億についてもということでありましたら、またお答えをさせていただきます。
#353
○国務大臣(田村憲久君) 二十四年度の決算検査報告で、厚生労働省は、今御指摘のとおり、二百七十九件、ワーストワンの件数でございました。改善をしなきゃならぬというふうに強く思っております。
 その上で、その内容でいきますと、このうち二百三十四件が地方自治体の事務でございます。これが増えたのは、今までもこれ多いんですけれども、一つは国民健康保険の補助金、これの対象ケースが増えまして、それで件数としては増えてきておるというのが一つ要因であります。
 いずれにいたしましても、十一月の十八日でありますけれども、関係部局に、このような形はよろしくないので、再発防止と適正及びまた効率的な予算の執行、これについてということで通知をすると同時に、やはりこれ各地方自治体でございますので、各地方自治体にもしっかりとこの部分に関しまして要請をさせていただいて、再発防止、これに図っていきたい、このように考えております。
   〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕
#354
○又市征治君 いずれにしても、毎年こうやって件数、金額がきちっと明記されてくるわけですから、少なくとも最低限、来年はもう半分以下に減らすんだぐらいの決意でしっかりとやはりやっていただくことを強く求めておきたいと思うんです。
 次に、東日本大震災からの復旧復興事業の入札不調、工事遅延の問題についてでありますが、元々、市民の合意を得て復旧復興事業を立案することの困難さであるとか、また国からの資金の使い勝手の問題等で復興事業は遅れがちになっています。それに拍車を掛けるかのように、このアベノミクスによる機動的な財政出動の名目で全国的な公共事業の大盤振る舞いが行われて、資材の高騰あるいは人手不足が懸念をされておったわけですが、現実のものになっている、こういうことだと思うんです。
 会計検査院は、昨年七月に、「東日本大震災からの復旧・復興事業における入札不調について」の詳細な検査結果報告を提出をされたわけですが、検査院がこれを検査するに至った問題意識なり、調査結果の判明した実態、その原因等について要点を簡潔に御説明いただきたいと思います。
#355
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、東日本大震災により甚大な被害を受けた岩手県、宮城県、福島県における復旧復興事業に係る工事において入札不調が発生している状況の下、入札不調の発生を抑制し、速やかに復旧復興事業が実施されることが重要であることから検査を実施したものでございます。
 岩手、宮城、福島の三県におきまして、平成二十三年十月から二十四年九月までに入札に付すなどされた復旧復興事業等に係る工事四千五百三十八件における入札不調の発生割合は、直轄事業と補助事業を合わせまして件数で二一・一%となっておりました。
 入札不調の原因といたしましては、被災地域に存在する建設事業者数、技術者、技能者等の人数、資材を供給する生産設備の能力等が決まっておりまして、受注者側で一定の期間内に受注することが可能な工事の絶対量には限度があるのに対しまして、事業主体における発注量が東日本大震災前に比べて大幅に増加していることなどによるものと考えられます。
 以上でございます。
#356
○又市征治君 今ありましたように、二一%を超える、大変な話です。その後、今年度の、今日までは今年度ですが、補正予算が上がっている。この関係では公共事業関係は一兆一千億円。そして、来年度予算、これについて言うならば五兆九千六百八十五億円の公共事業が計上されているわけでありますから、これが更に資材費や人件費の高騰に拍車を掛けるんではないか。
 その上に、さらに今度は、今後も東京オリンピックに向けた新たな建設需要というのが出てくる。そのことによって、この被災地などの首長さん方四十二人中十九人が、これはもっと悪化をしていく、こういうふうに捉えているわけですね。
 こうした現状や検査院の報告も踏まえて、これ本当は国交省、農水省両省お聞きしたかったんですが、さっき長々と御答弁いただいたものですから、国交大臣、代表してひとつ、この入札不調、それによる工事遅延にどのような対策をなさっているのか。
#357
○国務大臣(太田昭宏君) とにかく、まず震災の復興、全国とちょっと違いまして、ここをまずしっかりやると、これが会計検査院の指摘でございます。
   〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕
 入札不調と、そして資材の高騰、そして人材不足、この三つだろうというふうに思います。
 入札不調につきましては、土木よりも建築、大きいところよりも小さいところ、国、県よりも地方自治体、こういうところに不調が目立つという状況でありますが、先般も私、直接行ってきまして、お話を行政にもそして地方自治体にも聞きましたけれども、一回目は確かにあるんです。しかし、二回目の発注でほぼ積み残しはないという状況まで来ました。
 人材の不足ということについては、労務単価が際立って低かったものですから、昨年の四月一日から労務単価を引き上げ、そして今年の二月一日から再度引き上げるという、十六年ぶりでありましたが、そうしたことをさせていただいたり、間接工事費を上げるということにしたり、あるいは、物品でいいますと、間接的なそうしたスライドとともに、資材の高騰に対するスライド条項というのを入れさせてもらったりしています。
 生コンがよく指摘をされているんですが、生コンを直接造るという、そうした意味では、宮古と釜石に今年の九月から、これ工事量が増えます、国で直轄してやります。この四月からは、宮城県が四基プラントを造るということでしのぐとともに、二次製品を使うと、もうブロックを造って運ぶというような措置をとらせていただいております。発注のロットを大幅に拡大するとかいうこと、様々な手を打っておりまして、この入札不調と資材の高騰、人材不足、その三つについてしっかりと注意をしていきたいというふうに思っているところです。
#358
○又市征治君 是非、農水省も同じようなお答えだろうと思いますが、しっかりと対応いただくように求めておきたいと思います。
 三番目に、年金記録問題についてお伺いをします。
 二〇〇七年にこの年金記録問題が発覚をして、既に七年が経過をしました。これまで、いわゆる宙に浮いた年金五千万件、そのうち二千九百八十万件余りが解明をされたけれども、残り二千十万件近くが未解明のようであります。
 今後、これをどういうふうに解明をしていくかということが大きく問われているわけでありますが、今年の一月に、「年金記録問題―正常化への軌跡と今後の課題」と題した社会保障審議会日本年金機構評価部会年金記録問題に関する特別委員会報告書というのが出されておりますが、報告書の初めには、この六年間の年金記録問題の内容や取組などを、隠さず、飾らずに整理したものであるというふうに述べられておりますけれども、今後の取組を検討するためにもこれまでの検証も必要なんだろうと思いますが、これまでの取組の要点を、厚労大臣、よろしくお願いしたいと思います。
#359
○国務大臣(田村憲久君) 年金記録問題、平成十九年七月に政府・与党で決定いたしました方針に基づきまして、未統合記録五千九十五万件あったわけでありますけれども、これを全ての方の記録と名寄せをするということでございまして、名寄せ特別便というものを送らさせていただきました。その後、加入履歴を、加入者それから受給者の方々、こういう方々と合わせなきゃいけないわけでありまして、それを皆さんにお送りするということで全員特別便というものを配送いたしました。さらには、定期便という形で定期的に記録をお送りをいたしております。また、紙台帳とコンピューター記録、これの突合をやっておりまして、ほぼ今年度これが終了しつつあるということであります。
 結果、未統合記録につきまして二千九百九十八万件、これが記録が解明をされたわけでございますが、一方で、二千九十七万件、これがまだ誰が持ち主かということが分からないわけでございまして、そこで、こういう記録をコンピューターで、ネットで検索できる、こういう仕組み、これをシステムをつくりまして、今現在稼働をさせていただいております。ねんきんネットという形でありますけれども、併せてねんきん定期便の方もしっかりとこれからも発送させていただく中において、やはりそれぞれ国民の皆様方の御協力というものがないとなかなか難しい部分もございます。そういう意味で、御協力を得ながら、一件でも多くの年金記録の解明、これからも進めてまいりたい、このように考えております。
#360
○又市征治君 改めて今説明がいろいろとありましたが、まだ二千万件余が残っているわけでありまして、先般の予算委員会でも、総理は、一人でも多くの方の記録回復につなげるために、今話があったようなインターネットの記録検索サービスの開始であるとかねんきん定期便、これは前からやっておるわけですが、続けたいというように述べられたわけですが、しかし、七年の歳月を経過してこれまでと同じことをやったんじゃ、これはもうなかなか解明ができないんではないかと思うので、総理、更に加えて、大変この問題には決意をお持ちでありますから、その点について、総理、いかがですか。
#361
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 対策については、第一次安倍政権のときに、このねんきん定期便等やれることは全てやっておりまして、これをずっと継続的にやっているわけでありますが、残念ながらまだ約二千百万件の記録が持ち主の手掛かりが得られないということで残っているわけでございまして、これはまさに、もしかしたら自分の記録はおかしいのではないかということで、消失しているのではないかということで申し出ていただければ、だんだん突合あるいは解決に進んでいくわけでございまして、御本人からの申出を促すために引き続きねんきん定期便などで国民の皆様に働きかけを行っていくわけでございます。
 さらに、年金記録の訂正手続については、これまで法的な手続として整備されていなかった、新たに訂正請求権を設け、訂正結果等に不服がある場合には不服申立てや司法手続に移行できるよう、関連法案を今国会に提出をしているところでございまして、また、インターネット上で自分の年金記録を確認できるねんきんネットについても本日からスマートフォン向けの画面の提供を開始したところでございまして、御自身の記録をより容易に確認できるように努めているところでございます。今日、この中継を御覧の皆様にも是非こうしたものを活用していただきたいと思います。
 一人でも多くの方々の記録の回復につながるように全力を尽くしていく決意でございます。
#362
○又市征治君 厚労大臣、もう一つお聞きしたいんですが、これまで取組に要してきた費用とその成果を検証する観点から、記録解明に向けて投入された費用と回復されてきた年金額の総額はどのくらいになっておるのか、また、費用と効果を考えた場合、両者の関係をどのように評価をされているのか、その点お聞きしておきます。
#363
○国務大臣(田村憲久君) 平成十九年度から平成二十四年度までの実績、それから平成二十五年度の予算でありますけれども、これを見ますと、掛かった費用が、経費でありますが、四千十三億円であります。一方で、記録が回復してどれぐらい年金額が増えたかということでありますけれども、調査を開始した平成二十年五月から二十五年十二月までに少なくとも年額一千九億円、これが回復されておると。今まで、生涯額でこれを見ますと約二・一兆円ぐらいになるのではないかということであります。
 そういうことを考えますと、一定程度の効果はやはりあるということでございまして、また、先ほど来言っております二千万件強の方々、この方々の記録回復に我々全力を傾けてまいりたい、このように考えております。
#364
○又市征治君 この年金記録問題発覚から七年で、今おっしゃっていただいた半分余りといいますか、六割近くですかね、何とかなったけれども、まだ時間が掛かりそうなわけで、これを解決するというのは、当然、解明されていない国民の皆さんの年金に対する権利を守るということの意味ももちろん重要なんですが、あわせて、年金制度に対する国民の信頼を回復するということからも極めて重要です。
 そこで、当然、厚労省始め総務省やあるいは日本年金機構において様々な取組がなされてきて、今御報告があったようなことなわけですけれども、別の意味でこの取組を第三者の立場からやはりしっかりと見詰め直して、これまでとられてきた措置の内容であるとか、それを実行するための人的な配置等々、必要かつ十分なものであったかどうかを私はこれ検証する必要があるんではないかと思うんですね。
 それによって初めて年金記録問題の解明、再発防止に向けた体制整備が図られるし、年金制度に対する国民の信頼回復することもできるんではないかと思うんで、そこで、委員長、私はこの観点から、決算委員会として会計検査院に対して、そうしたこれまでのとられてきている問題についての検査を要請してはどうかと、このように提起をいたしたいと思います。是非、理事会で検討いただきたいと思います。
#365
○委員長(金子原二郎君) 理事会で検討いたします。
#366
○又市征治君 それじゃ、四番目に、アメリカからの有償援助による役務の調達に関して伺います。
 まず、会計検査院にお尋ねをしますが、昨年十月十日付けで防衛大臣宛てに、有償援助による役務の調達に係る受領検査の実施等について改善措置を求められておりますね。その中で、このFMS中央調達における未精算額が平成二十四年度末時点で二千二百八十二億七千万円余になるというふうに指摘をされています。また、この文書には、平成九年度並びに十四年度決算検査報告においても、これを特に掲記を要すると認めた事項として掲記をしたとも述べられているわけでありまして、このような同じようなことを何度も繰り返して、今回で三度目ということになるんですが、指摘しなければならないことをどのようにお考えなのか、検査院、お答えいただきたいと思います。
#367
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院では、アメリカ合衆国政府の有償援助による防衛装備品及び役務の調達、いわゆるFMS調達につきまして、その前金、前払金額が多額に上っていることなどから、毎年度重点を置いて検査を行っているところでございます。
 そして、平成九年度決算検査報告におきまして、FMS中央調達におきまして調達品等の未納入等により未精算額が多額に上っているなどの事態について、また平成十四年度決算検査報告において、その後の改善の取組にもかかわらず未精算額がなお多額に上っており、価格の透明性が十分となっていないなどの事態につきまして、それぞれ特に掲記を要する事項として掲記しておるところでございます。
 また、FMS中央調達における未精算額が依然として多額に上っている状況であることなどから、平成二十四年度決算検査報告におきましては、役務の給付が完了しているにもかかわらず、防衛省において適時に検査指令が行われていないなどの事態につきまして、会計検査院法第三十六条の規定によりまして改善の処置要求を行っているところでございます。
 会計検査院といたしましては、FMS調達の実施につきまして、引き続き多角的な観点から検査していくこととしております。
#368
○又市征治君 それじゃ、防衛大臣にお伺いしますが、過去二回にわたって会計検査院に指摘を受けて、改善要求を受けながら改善がされていないのは一体なぜなのか。防衛省の単なる怠慢なのか、あるいは解決困難な他の原因があるのか。また、今回の検査院の求めに対してどのような対応を取られているのか。特に検査院は、精算のための事務的手続の改善を求めると同時に、防衛省に対して、アメリカ政府に対して更なる前払金の精算の促進を働きかけるように求められているわけですが、この点はアメリカ政府に対して働きかけをなさったのかどうかを含めて答弁願いたいと思います。
#369
○国務大臣(小野寺五典君) まず、FMS、これは有償資金援助調達ということですが、米国政府が武器輸出管理法に基づき、武器輸出適格国に対して防衛品を有償で提供するものということであります。言わば最新鋭の様々な装備についてはこのFMSによって日本に提供されるということであります。ただ、その調達は一般とは異なりまして、価格は見積り、出荷時期は予定ということ、あるいは支払は前払が原則ということ、米国政府は自国の国益により契約を解除する権利を留保するという、こういうような状況であります。
 ですから、先ほど御指摘がありました平成九年度については納入の遅延について、平成十四年度については価格の不透明性について、それぞれ御指摘がありました。これはこのFMSの言わば持った特性だと思っております。
 ただ、今般御指摘がありました平成二十四年度につきましては、これは、私どもは問題としては十分これは反省すべき内容だと思っております。特に二十四年度につきましては、受領検査の遅延につきましてそれぞれ未精算の問題とともにこれは会計検査で指摘をされておりましたので、私どもとしましては、今後役務が終了した場合には速やかに対応して、会計検査院の指摘にこれから対応できるようにしていきたいと思っておりますし、現場レベルにも徹底をしていきたいと思っております。
 さらに、平成二十五年の十一月に実施した米国との定期事務レベル協議におきまして、決算報告の指摘事項の説明を行うとともに、精算の促進についての申入れを行っております。この指摘について、私どもとしては、米側ともこれからもしっかり協議をしていきたいと思っております。
#370
○委員長(金子原二郎君) 又市君、あと一分しかありません。
#371
○又市征治君 時間がなくなりましたから、もう少し申し上げたいことあったんですが。
 事務手続の改善はこれまでも何回か行っておられるようですけれども、それ自体、手続自体に多くの不備があるということもあるんだろうと思います。ただ、いずれにしても、FMS協定の改定を含めた抜本的な解決を図っていかないと、毎年また会計検査院からこのことの指摘を受け続けるという、こんな事態を招く危険性があるわけでありますから、是非、防衛大臣、政府内でそのことを、改定を含めた努力をされるような御努力というものを強く求めておきたいと思います。
 時間がなくなりましたから、私はこれで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#372
○委員長(金子原二郎君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時散会
ソース: 国立国会図書館
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