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2014/02/05 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 予算委員会 第2号
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2014/02/05 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 予算委員会 第2号

#1
第186回国会 予算委員会 第2号
平成二十六年二月五日(水曜日)
   午前九時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     石橋 通宏君
 二月三日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     柘植 芳文君
 二月四日
    辞任         補欠選任
     柘植 芳文君     大野 泰正君
     三宅 伸吾君     脇  雅史君
     山下 雄平君     島尻安伊子君
     石上 俊雄君     前田 武志君
     金子 洋一君     羽田雄一郎君
     牧山ひろえ君     有田 芳生君
     片山虎之助君     清水 貴之君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
 二月五日
    辞任         補欠選任
     有田 芳生君     牧山ひろえ君
     前田 武志君     石上 俊雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  力君
    理 事
                青木 一彦君
                宇都 隆史君
                大家 敏志君
                片山さつき君
               北川イッセイ君
                大塚 耕平君
                那谷屋正義君
                秋野 公造君
                中西 健治君
    委 員
                石井 正弘君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                佐藤ゆかり君
                島尻安伊子君
                中西 祐介君
                二之湯 智君
                堀井  巌君
                丸川 珠代君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                山田 俊男君
                脇  雅史君
                渡辺 猛之君
                有田 芳生君
                石上 俊雄君
                石橋 通宏君
                大野 元裕君
                田中 直紀君
                羽田雄一郎君
                福山 哲郎君
                前田 武志君
                牧山ひろえ君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                若松 謙維君
                松沢 成文君
                松田 公太君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                東   徹君
                清水 貴之君
                吉田 忠智君
                平野 達男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域、地
       方分権改革))  新藤 義孝君
       法務大臣     谷垣 禎一君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   下村 博文君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     石原 伸晃君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   根本  匠君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    山本 一太君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   副大臣
       財務副大臣
       復興副大臣    愛知 治郎君
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  藤川 政人君
       外務大臣政務官  牧野たかお君
       防衛大臣政務官  木原  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       由木 文彦君
       内閣官房内閣審
       議官       武藤 義哉君
       内閣官房内閣審
       議官       北村 博文君
       内閣官房202
       0年オリンピッ
       ク・パラリンピ
       ック東京大会推
       進室室長代理
       兼文部科学省ス
       ポーツ・青少年
       局長       久保 公人君
       消費者庁次長   山崎 史郎君
       総務省情報流通
       行政局長     福岡  徹君
       総務省統計局長  須江 雅彦君
       法務省刑事局長  林  眞琴君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      加藤 洋一君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       中小企業庁長官  北川 慎介君
       国土交通省都市
       局長       石井喜三郎君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
       環境省地球環境
       局長       関 荘一郎君
       環境省自然環境
       局長       星野 一昭君
   参考人
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十五年度一般会計補正予算(第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成二十五年度特別会計補正予算(特第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
○平成二十五年度政府関係機関補正予算(機第1
 号)(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十五年度補正予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#4
○委員長(山崎力君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十五年度補正予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(山崎力君) 平成二十五年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は三百五十五分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党百五分、民主党・新緑風会百一分、公明党三十六分、みんなの党三十五分、日本共産党二十五分、日本維新の会二十五分、社会民主党・護憲連合十四分、新党改革・無所属の会十四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#7
○委員長(山崎力君) 平成二十五年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。羽田雄一郎君。
#8
○羽田雄一郎君 おはようございます。民主党参議院幹事長を務めさせていただいております羽田雄一郎でございます。会派を代表して質問をさせていただきます。
 まず冒頭、海上自衛隊輸送艦「おおすみ」と小型船の衝突事故によって亡くなられた方の御冥福をお祈りし、お見舞いを申し上げます。
 あってはならないことがまた起きてしまいました。その都度、再発防止対策が取られてきたはずなのにどうなっているのか、本来どのような監視の下で航行していなければならないのか、事故が起こる前はどのような状況だったのか、小野寺防衛大臣にまずお聞きいたします。
#9
○国務大臣(小野寺五典君) 今委員が御指摘ありました本件でありますが、輸送艦「おおすみ」が、本年一月十五日早朝、五年に一度の定期検査のため海上自衛隊呉基地を出港しまして三井造船玉野事業所に向け回航中、同日午前八時頃、広島県阿多田島沖におきまして小型船と衝突し、小型船が転覆、小型船の乗員四名のうち二名の方が亡くなられたものであります。防衛省・自衛隊の責任者として、お亡くなりになられました方々の御冥福を心からお祈りを申し上げたいと思っております。
 一般論として、海上自衛隊の艦船は、艦橋付近等に見張り員を配置し、かつレーダー等の利用に努め、艦外に対する見張り、警戒を怠らないように注意して航行することとなっております。当該監視態勢は定期検査のための回航の際にも同様であります。
 今回の事故につきましては、事故発生直後の本年一月十五日午前九時に艦艇事故調査委員会を防衛省として設置をし、海上保安庁における一定の捜査が進んだ同月二十五日に当該委員会の長を含む三名を現地に派遣したところでありますが、現在、海上保安庁並びに国土交通省における運輸安全委員会による調査が行われておりますので、その調査について私どもとして全面的に協力をしていきたいと思います。
 繰り返しになりますが、このような事故が今後とも発生しないよう全力を挙げてまいりたいと思っております。
#10
○羽田雄一郎君 二〇〇八年に「あたご」と漁船の衝突事故がありました。この事故後、防衛省から艦船事故調査委員会による調査結果が出されました。その中には、再発防止策として見張り及び報告・通報態勢の強化等五項目が挙げられております。これらはしっかりと現場で守られてきたのか、お答えください。
#11
○国務大臣(小野寺五典君) 護衛艦「あたご」の衝突事案を受けて、艦船事故調査委員会の報告書に挙げられました委員御指摘の五項目の再発防止策に対して、海上自衛隊としては、まず一番として、見張り及び報告・通報態勢の強化のため、航海シミュレーション装置を使用して安全運航のための訓練を実施するとともに、見張り検定を導入しました。
 二番として、運航安全に関わるチームワークの強化のため、航海シミュレーション装置を使用してチームワーク態勢を強化してまいりました。
 三番として、航行関係者の能力向上による運航態勢の強化のため、艦長が航行関係者の能力を定期的に査定するとともに、艦艇長に補職される者に対して実施していた従来の艦艇長講習を水上艦艇指揮課程として課程教育化をいたしました。
 四番目としまして、隊司令による指導の徹底のため、艦長の上位者であります隊司令による指導の実施や護衛艦司令部の安全管理態勢の強化をいたしました。
 そして、その他としまして、簡易型、簡易型でありますが、艦橋音響等記録装置を艦橋に設置するなどの対策を取っております。今回の艦船におきましてもこの記録装置が付いております。
 また、一般論として申し上げれば、護衛艦においては航行安全のための見張りを艦全体で実施しておりまして、艦橋左右及び後部に配置された見張り専門員等による目視見張りやレーダー員によるレーダー見張り等が、艦長等の指揮統率の下、常時適切に情報交換を行いながら周囲の状況を把握をしております。
 さきに述べた措置を通じ、「あたご」の衝突事案に関する再発防止策については、このように現場においてその徹底を図ってきております。
 今回の「おおすみ」の事案につきましては、現在、海上保安庁及び国土交通省運輸安全委員会が調査しておりますので、その内容について私どもとして全面的に協力をさせていただいております。
#12
○羽田雄一郎君 今大臣が言われたように、五項目にわたる安全対策が取られているというふうに聞いておりますけれども、それでもなぜ今回事故が起きたのか。これ以上の安全管理、また再発防止策が何かあるのか、お答えをいただきたいと思います。総理も、あってはならないと、そして再発防止に努めるというお話をしておりましたけれども、これ以上の安全対策、再発防止策を今防衛省としてどのようなことが考えられるのか、お答えください。
#13
○国務大臣(小野寺五典君) 平成二十年二月に発生しました「あたご」の衝突事故、また今回の「おおすみ」の事故等がございました。あってはならないことが繰り返されたということは、防衛省・自衛隊を指揮する私として、改めて身を引き締めて今後の対応に当たっていきたいと思っております。
 なお、今回の「おおすみ」衝突事案を受けまして、海上自衛隊の全艦艇部隊に対して航行の安全の再確認と万全を期すための指示を直ちに出させていただきました。
 今後のことにつきましては、今回の事案の調査結果が出た中でまたしっかりと対応していきたいと思っております。
#14
○羽田雄一郎君 しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 現在、海上保安庁が捜査中と承知しておりますけれども、衝突の状況、原因について、太田国土交通大臣にお聞きします。
#15
○国務大臣(太田昭宏君) この衝突事案につきまして、海上保安庁において、業務上過失往来危険及び業務上過失致死の容疑で関係者からの事情聴取、また両船の見分等、鋭意捜査を実施しているものと承知しております。
 両船の衝突の状況及び原因につきましては、今後の捜査、今捜査中でありますものですから、明らかにされるものと承知をしていると、これ以上申し上げることができない状況でございます。
#16
○羽田雄一郎君 今捜査中であるから、これ以上のことは申し上げられないというお話でございます。もう既に事故から三週間がたっております。詳細について明らかにいまだにされていないのが状況であります。
 二〇〇八年の二月に千葉県沖で起きたイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故のときに、事故をめぐる発表が二転三転した経緯がありました。今回、発表を控えているというふうな指摘もあるわけですけれども、いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省・自衛隊は、今回、この事故の当事者でもあります。私どもとしては、現在、海上保安庁、国土交通省が調査をされておりますので、それに全面協力をするということで、情報はそこに全て一元化をさせていただいております。
#18
○羽田雄一郎君 しっかりと捜査に協力をしていただいて、今後このようなことがないように是非していただきたいというふうに思います。
 事故の調査結果、また原因については、御遺族また関係者、そして国民への説明を丁寧に行っていただきたいということを強く求めさせていただきます。どうですか。
#19
○委員長(山崎力君) 要望じゃなく質問ですね。
#20
○羽田雄一郎君 はい。
#21
○国務大臣(小野寺五典君) 事故の状況が明確になり次第、私どもとしても丁寧に説明をさせていただきたいと思っております。
#22
○羽田雄一郎君 しっかりとお願いをしたいと思います。
 続いて、総理にお話を伺っていきたいというふうに思います。
 昨年十二月二十六日午前、唐突に靖国神社参拝をされました。どんな思いを持って参拝されたのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
#23
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一昨年の十二月二十六日に総理に就任し、一年間国政を預かったわけでございます。その一年を期しまして、その報告という気持ちも込めまして、国のために戦い、お亡くなりになられた方々に対して尊崇の念を表し、そして御霊安かれなれと御冥福をお祈りをしたところでございます。
 国のために戦った方々に対し手を合わせ御冥福をお祈りする、これはリーダーとしては当然のことだろうと私は考えております。そして、それは世界各国のリーダーの共通の姿勢ではないかと、このように思うところでございます。
 また、その際、靖国神社にございます鎮霊社にも参拝をいたしました。鎮霊社は世界各地の戦没者全ての霊を慰める社でございますが、ここでも手を合わせまして、二度と再び戦禍で人々の苦しむことのない時代をつくっていくという決意を込めて不戦の誓いをしたところでございます。
 日本は、戦後、自由で民主的な国をつくり、そして基本的人権を守る、そういう国をつくってきたわけであります。今後とも、その平和の歩みはいささかも変わらないということでございます。
#24
○羽田雄一郎君 私も、思いは共有をさせていただきたいと思います。
 また、鎮霊社にお参りをしていただいたということ、これは世界の平和も含めて日本からしっかりと発信していくという思いで行っていただいたというふうに思っておりまして、そういう意味では、私はこの思いというものはしっかりと受け止めていかなければならない、日本の国民の一人としてそう思っております。
 私も幼少の頃から、父、羽田孜に連れられて靖国神社の参拝をしてまいりました。大人になってからも正月の一日から参拝をし、議員になってからは、父が自民党時代から入っていた、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会にも入れていただき、春、秋の大祭、八月十五日、終戦記念日に参拝を、そして御遺族の皆様との参拝、また正月一日、元旦参拝を今も続けさせていただいております。野田内閣では自粛要請があったので、公用車も使わずに、議員の会の皆さんと一緒に一議員として、また副会長を拝命しておりますので副会長として、羽田雄一郎と名を記し、参拝をさせていただきました。
 日本にも、もちろん傷つき、また悲しみを持った御遺族を始めとする人々がいるのと同じで、近隣諸国にも、御遺族もいれば、傷つき、悲しんでいる多くの人がいるということを我々は忘れてはならないと、こういうふうに思います。
 自分自身の反省も込めてでありますけれども、まだまだ理解が深まっていない今日、日本国の総理大臣、そして女房役とされている官房長官、また外交をつかさどる外務大臣、私は、この三人は自粛をする、また配慮をするべきだと、こういうふうに考えているものであります。また、A級戦犯についてもまだまだ理解が得られている状況ではありません。そういう意味では、別にしていく、こういうことも考えていかなければならないというふうに私は考えております。
 私の父、羽田孜も、総理のときは配慮をして、就任前そして退任直後、参拝をしております。私は大臣を拝命していたとき私的参拝をさせていただきましたけれども、実は中国、韓国両国には、どんな思いを持って私が参拝をするのか、しっかりと伝えてから参拝をしております。思いは理解をしたという答えもいただきましたし、本国にもしっかりとそのことを伝えるという話もいただいたところであります。
 我々日本人の思い、日本の平和のみならず世界の平和を目指す思いを伝えていく努力をしなければならないと考えますけれども、いかがでしょうか。
#25
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は小泉政権下において官房副長官を務めておりました。その際、何回も当時の小泉総理の参拝について、中国側にも韓国側にもその意味について説明してきたつもりであります。
 しかし、なかなかこの考え方、思いというのは、言わば政治的、外交的な問題になる中においては非常に通じにくいというそういう課題があるわけでありますが、しかし、今まで戦後六十回以上参拝が行われてきたわけでございますが、その間二十回はいわゆるA級戦犯が合祀された後でございます。
 私も、中国あるいは韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは全くありません。それは歴代戦後参拝をした総理と全く同じであり、何といっても日本というのは、繰り返しになりますが、自由と民主主義、そして平和を尊ぶ国をつくり、何といっても法の支配、これを確立をするために努力をしてきた国であります。多くの国際貢献もしてきた国であります。こうしたことを今後とも礼儀正しく、そして誠意を持って説明を続けていきたいと、このように思っております。
#26
○羽田雄一郎君 今、中国と韓国の国のお名前を挙げられましたけれども、中国と韓国、この二国との首脳会談が総理就任後一度も開かれていない状態での総理の参拝は、幾ら対話のドアが常に開いているといっても、ドアの前に安倍総理が仁王立ちをしている、こんな絵しか浮かんでこないんではないかなというふうに考えます。
 父が大切にしていた歌があります。パネルを御覧をいただきたいと思いますけれども、(資料提示)残念ながら、今年の一月十五日、八十七歳で亡くなられましたが、吉野弘さんの「祝婚歌」であります。めいごさんの結婚のときに贈った歌でありますけれども、御本人から父は許可を得て、このように今、色紙をパネルにしておりますけれども、色紙に書いて結婚される方に贈っております。
 それだけではなくて、実はこれは日本人の心だといって外交交渉のときなどにも、皆様にもお配りしていると思いますけれども、英語、フランス語、ドイツ語、中国語等に訳したものを外交交渉にも持っていっておりました。これを総理に是非私は贈りたいというふうに思います。
 特に下段のところにあります、「正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい 正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい」ということ、そしてもう一つは、上段の最後の三行でありますけれども、「互いに非難することがあっても 非難できる資格が自分にあったかどうか あとで 疑わしくなるほうがいい」。
 是非総理、このことを是非心に留めていただきたいと思いますし、総理にはもう一つ贈りたいのが、この正しいことを言うときにはの後の「立派でありたいとか」いう「無理な緊張には 色目を使わず ゆったり ゆたかに 光を浴びているほうがいい」、このような余裕を持って総理大臣として当たっていただきたいなと。
 今年は日本国総理大臣として、総理、二年目であります。ねじれを解消し、大与党に支えられた総理として、ゆったり豊かに、自民党大会で採択をされた運動方針、常に謙虚で丁寧な政治姿勢、これを総理自ら進んで実行していただければと考えます。いかがでしょうか。
#27
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その詩は、私、結婚式のときにその詩を贈られまして、常にそういう態度で妻に接しているわけでございます。
 その上において、基本的に、我が党はさきの参議院選挙で参議院においても過半数を得たわけでございますが、そういうときにこそ謙虚にならなければならないと、これは我々が野党時代に学んだことでございます。だからこそ、NSC法案、特定秘密もそうなんですが、特区法案もそうですが、全て重要法案は修正して成立をさせているわけでございます。今後とも謙虚にいきたい。
 私もゆったりしたいわけでありますが、ゆったりしたいんですが、今日も八時間予算委員会がございまして、なかなかゆったりはできませんが、その中で気持ちだけはゆったりしたいと、できればですね、このように思っているところでございます。
#28
○羽田雄一郎君 奥様にそのような態度でということでありますけれども、私の父親はこれは日本人の心だという思いで外交交渉にも持っていっておりました。是非、日本国総理大臣として国民一人一人に対してそういうような思いを持って是非いただきたいなと、こういうふうに思っております。
 私は、日本国総理大臣が中国、韓国を始めとする各国首脳と一緒に肩を並べて靖国参拝ができることがあってほしいと、そして、そのような努力をしていかなければならないというふうに考えております。
 次の質問に移らせていただきたいと思います。集団的自衛権の行使についてであります。
 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会、この中で議論中ということでありますけれども、賛成派ばかりを集めた会議体であって、出てくる結論は初めから明らかではないかなというふうに思っております。
 そうではないということであれば、集団的自衛権の行使のデメリットについてもきちんと議論がされているんだというふうに思っております。負の側面としてどのような点が挙がっているのか、是非お答えをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#29
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この安保法制懇は、現実的な議論をできる、そして国際情勢をしっかりと認識をしている専門家によって、深い専門的な詳細な議論をいただいているところであります。
 そして、デメリットということでございますが、我々、これは基本的に、今ないことによるデメリットに直面をしていると私は考えているわけでありますが、その中において、国民の生命を守る、安全を守り、領土、領海を守る上において課題はないかという議論をしているわけでございまして、それと、誤解があるんですが、いわゆる集団的自衛権の行使というのは、これはやらなければいけないということではないわけでありまして、それは選択肢が増えるという、権利として持つことによって政策的な選択肢を持つ、そして、その政策的な選択肢を持つ上においては法的な裏付けがなければいけない。つまり、三段階あるんですね。つまり、憲法上の解釈によってそれを権利として持てるか、そして、その上においてそれを行使する法的な根拠をつくるかどうか、そしてさらには、その上で政策的な判断をするかどうかということであるということでございます。
#30
○羽田雄一郎君 ないことによるデメリットというお話がございましたけれども、ないことによるメリットも是非考えていただきたいと思います。
 総理が集団的自衛権行使を容認すべきとの立場だということは承知をしております。どこまで踏み込むおつもりか、政府として結論を出すのはいつ頃か、スケジュール感はどう考えているか、総理、お答えください。
#31
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに安保法制懇において今しっかりと議論がなされているところでございまして、あらかじめ私が期限を切るのではなくて、この安保法制懇において、集団的自衛権に関わること、あるいは集団安全保障上の様々な課題、海外での武器の行使もそうであります、あるいはいわゆるマイナー自衛権と言われている課題、そうしたものをシームレスに行うことができるかどうかと、こういうことでございまして、あらかじめ期限を決めているということではないと、しっかりと深い議論をした末に結論を出していただきたいと、このように思っているところでございます。
#32
○羽田雄一郎君 あらかじめ決めてはいないというお話ですが、礒崎首相補佐官は、四月にも報告書が出るのを受けて、原案をまとめ、与党と協議し、今国会中に閣議決定を目指すべきで、国会閉会中にこそこそやるべきものではないと、こういうこともはっきり言われているわけでありまして、四月にも報告書が出てきて、与党でまた閣議決定も含めてまとめていくんではないかなというふうに私は推測をしているわけでございます。
 しっかりと国会で議論をする時間を取っていただきたいというふうに思いますし、太田国土交通大臣にもこのことについてお聞きをさせていただきたいと思います。
#33
○国務大臣(太田昭宏君) この件につきましては、公明党は公明党の考え方というものが、山口代表を始めとして現段階の評価をしているところでありますが、安保法制懇の論議というものが更に深化されて、そしてその後、与党間、また国会においてもやがては論議される段階が来ると思いますが、しっかり論議がされるということを見守っていかなくてはならないというふうに思っております。
#34
○羽田雄一郎君 今、太田国土交通大臣が言われました。この懇談会から報告が出れば与党の協議がしっかりとされるであろうと、そして国会でも議論をされるというお話がございました。是非、国会で議論ができるように内閣の中でも御協力をいただきたいというふうに思います。
 憲法の条文改正と解釈改憲ではどこが異なるというふうに考えるのか、また、その差異を踏まえた上で、なぜあえて解釈改憲で集団的自衛権を認めようとするのか、条文改正によらない積極的な理由は何なのか、お答えをいただきたいと思います。総理、お願いします。
#35
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも憲法には個別的自衛権や集団的自衛権についての明文の規定はないわけでございまして、これは御承知のとおりなんだろうと思いますが、集団的自衛権の行使が認められるという判断も政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘は、これは必ずしも当たらないと我々は考えているところでございます。
#36
○羽田雄一郎君 まあ、今のはちょっとよく分からないわけでありますけれども。
 東日本大震災での活躍が示すとおり、自衛官は国民の生命、財産を守るためなら文字どおり命を懸けて使命を全うしようとしてくれております。しかし、そうした自衛官の責任感の強さを逆手に取るような形で、日本とは直接関係ない同盟国の始めた戦争に自衛隊を送り自衛官を危険にさらすことが、そもそも派遣することができるようにすることが国益上正しい判断であると考えるかどうか、総理、お答えください。
#37
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 羽田さんね、この議論はやっぱり正確にちゃんと議論する必要があるんだろうと思いますね。何を議論しているのかということをちゃんと把握をしなければいけません。議論していないこと、あるいはやることを、想定していないことをやることとして議論そのものを私はねじ曲げてはいけないんだろうと、このように思います。
 こうした安全保障の議論こそ、正確に正しく冷静に議論していくことが求められているんだろうと、こう思うわけでありますが、アジア太平洋地域の安全保障環境は厳しさを増しているわけでありますし、今世界の中で自国のみで自国の安全を完全に守れる国はないわけでございます。その中において、国際協調を大切にしながらお互いに平和と安定を協力して守っていくことが求められている、そういう今世界なんだという時代認識を持つ必要があるんだろうと、こう思うわけでございます。
 その中で、我々は、抽象的な概念ではなく個別的な事象に応じて、果たしてそのままでいいのかどうかということを議論しているわけでございますし、先ほど答弁いたしましたのも、自衛隊の存在自体が憲法には明記されていないわけでございますが、言わば砂川判決によって、言わば個別的自衛権については、言わば自衛権について明確にこれは合法とされた、合憲とされたわけでございまして、つまり、こうした解釈を進めていく中で様々な現実に対応できるようになってきたと言ってもいいんだろうと、こう思うわけでございます。
 ですから、私たちが今進めていることは、例えばミサイルが発射されるかもしれないという情勢がある中、警戒活動に当たっている米国のイージス艦について、近傍のイージス艦がそれを守ることができなくていいのかどうかということについての議論も深めているところでございます。
#38
○羽田雄一郎君 このことについては、四月以降、ますます大きな議論になると思いますけれども、国会を始めとして国民的議論をしっかりされるようにお願いをしておきたいと、こういうふうに考えます。
 それでは、時間も過ぎていきますので、次の質問をさせていただきたいと思います。
 総理は、消費税を五%から八%に四月から引き上げることを決定をされました。そして、平成二十六年度税制改正において、軽自動車税の標準課税が引上げに加えて十三年を経過した経年車に対する重課を導入するという、二重の増税を導入することを決めました。
 そもそも、自動車に関する税制が複雑で大変重い課税になっていることから、これを簡素化する方向で見直しを行ってきたはずなのに、軽自動車税増税という結果になっているわけであります。消費税増税に加えて軽自動車増税という非常に重い負担を求められることになったことについて、安倍総理、どう受け止めていらっしゃるか、お答えをいただきたいと思います。
#39
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 軽自動車については、公共交通機関が不十分な地域などではまさに生活の足として使われている、私の地元なんかもそうなんですが、それは十分に理解をしております。
 他方、地方においては自動車に関連する道路や橋梁の整備や維持管理などの財政需要も大きく、また軽自動車と小型自動車について税負担の均衡を欠くのではないかといった指摘もあるのも事実でございまして、今回の軽自動車税の税率の引上げは、以上のような事情を踏まえまして負担軽減にも十分配慮した上で行うものでありまして、引き続き国民の皆様の御理解を求めていきたいと考えています。
#40
○羽田雄一郎君 今総理が言われたとおりでありまして、言うまでもなく、公共交通機関の乏しい地方においては、軽自動車はまさに生活の足であり、既に一家に一台を超え、一人一台と言っても過言ではなく、軽自動車増税は地方生活者にとって重大な負担というふうになります。物価が上がり、消費税が上がり、更に軽自動車税を引き上げる理由は何か、総務大臣、お答えください。
#41
○国務大臣(新藤義孝君) この自動車関係の税制につきましては、自動車取得税を廃止する、そしてその代替財源、これをどうするかということで、二十六年度の税制改正、この中で大きな課題になったわけでございます。
 そして、私ども総務省とすれば、これは地方財政審議会でこのことをお諮りをいたしました。検討会を設けていただいたわけでございまして、その車体課税全体についての幅広い検討があったということであります。そして、この地財審の報告書におきましても、代替財源は、まず車体課税の負担の不均衡の是正による税収確保、これを考えようではないかということであります。そしてさらには、自動車税でございますけれども、営業車と自家用車との営自格差、こういったことにも検討を加えさせていただきました。さらに軽自動車税の見直しと、こういったものを検討したわけであります。この軽自動車税が、大型化、高性能化が図られているわけでありますけれども、昭和五十九年以来の税率据置き、そして小型自動車と軽との税率は四倍以上の差があると、こういう現状があります。
 ですから、こういったものの問題提起がございまして、これらを踏まえて与党の税調での議論がございました。さらには、そこに地方団体等の要望等、こういったものもいただいた上で、経年車の重課、こういったものも導入しながら、もろもろの、グリーン化も含めて検討してこの結果になったということでございます。
#42
○羽田雄一郎君 今回の増税について地方の自治体等、理解が得られていると、こういうふうに総務大臣は考えているということでしょうか。
#43
○国務大臣(新藤義孝君) ただいま地方団体からのいろいろな御意見もいただきましたと申し上げました。
 全国市長会からは、自動車税と負担水準の適正化等を図る観点から、本会の長年の懸案であった軽自動車税の税率が引き上げられ、市町村の独自財源の充実確保が図られたことは評価できると、これが市長会からの評価であります。それから、全国知事会からは、将来、平年度化した時点で、自動車取得税の減収分が軽自動車税の増税等で確保できる仕組みとされたことは評価したいと、このようにいただいております。また、これは市長会ですね、全国市長会、市議会議長会、町村会、こういったところからは、この課税の強化について検討をいただきたいと、こういう御意見を頂戴しておるところでございます。
#44
○羽田雄一郎君 私も長野県の選出の議員でありますので長野県全県を歩いておりますけれども、とても理解をされているというふうには思いません。やはり今、冬を越す中で灯油は上がり、またガソリンも値上がりをしている。そして消費税が上がって、そして公共交通機関が本当にない中で軽自動車に頼る。一家に一台ではなくて一人一台の時代を迎えている地方において、この課税というのは、地方の財源になるとはいえ、ほかからそれは持ってきてくれという声が大変多くあるというふうに考えております。
 政府の説明は、概略、軽自動車の性能が上がり小型自動車との差異がなくなる中で税負担の公平性を高めるためということでありますけれども、そもそも軽自動車というカテゴリーを設けたのは政府であり、また、メーカーはそのために技術開発に多額な投資を行い、その結果、軽自動車の性能が高まったわけであります。だからといって軽自動車の税負担を小型自動車に近づけるのでは、企業の技術開発に対する意欲をそぐのではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(新藤義孝君) 先ほど総理から冒頭にお話がございましたが、ですから、そういった負担の急激な変化を避けるために、新車において、平成二十七年度以降に購入する新車から税率を変えていくと。それは、軽自動車税というのは四月一日時点で課税されますから、ですから、平成二十七年の四月の二日以降に買われた方は二十八年度の課税になるということでありますから、激変緩和というか、こういったものも配慮したということであります。
 そして、今の御質問でありますが、やはりこれからの車の開発をするに当たっては、環境や燃費などのグリーン化の研究開発、これを促進する税制であるべきであると、こういう議論は税調の中でありました。
 これは、環境性能の高い車を安くしていくんだと、エンジンの排気量の小さい部分で今までは着目してまいりましたけれども、委員も御案内だと思いますが、軽自動車という設定しているのは国際的には日本以外余りないわけであります。ですから、こういう国際競争力のある技術の開発という観点からしても、そういう海外実績、軽自動車ってないんですよね。ですから、同じ軽を造っている会社も海外に出ると同じ車体で排気量を上げて売ったりしているわけでありますから、ですからこういうところを考える。いろいろな、軽、小型車そして中型車、こういうバランスを考えながらの税制というものが必要であると、これ税調の中で様々な議論をいただいているわけであります。
 したがいまして、今後、グリーン化を進めながら経年車の重課を導入する、そして軽課についても今後検討すると、こういう内容となった大綱になっております。様々な議論がありますからしっかりと先を見据えたそういう検討が必要ではないかと、このように考えております。
#46
○羽田雄一郎君 この軽自動車の関係でありますけれども、TPPの交渉と並行して日米間で行われている日米並行交渉では、自動車対コメ、こういうふうになっていて、自動車貿易、これが重要な議題となっております。
 私が国土交通大臣を務めているときにも、アメリカ、米国より自動車に関連して様々な要請がございました。当時の民主党政権では、交渉に入るために入場料を支払うことはしないと、こういう方針の下、これらの要請を拒否をしてまいりました。ところが、安倍内閣では一転し、交渉に入る前に自動車に関わる関税に譲歩を行っているというふうに考えます。安倍総理は守るべきものは守ると繰り返されておりますけれども、日米の自動車交渉を見る限り、本当にこれを実現できるのか、大変疑問に思うところであります。
 そこで、この軽自動車税でありますけれども、アメリカからは軽自動車についても様々な要求があることは承知しておりますけれども、今回の軽自動車増税は米国の要求に応える意味もあるのではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
#47
○国務大臣(茂木敏充君) TPP、日米の自動車交渉、日本はアメリカに対して関税ありません。ですから、一方的に攻めるんです、これは。攻めているわけであります。
 それから、国内の税につきましては、TORの範囲の外でありますから交渉の対象とはなっておりません。
#48
○羽田雄一郎君 お二人、まだ手を挙げていました。
#49
○委員長(山崎力君) いや、手を挙げているのはこちらの方で差配させていただきますが、もう一人の方、必要だったら御質問ください。
#50
○羽田雄一郎君 それでは、せっかく手を挙げていただいているのですから、総務大臣もお願いします。
#51
○国務大臣(新藤義孝君) 今、TPPに関することにつきましては経産大臣の言うとおりでございます。そして、私どもは、先ほど申し上げました様々な観点から議論しているわけでございます。
#52
○羽田雄一郎君 先ほど新藤大臣は激変緩和のこともお話をされておりました。そういう意味では、日本に特別にあるこの軽自動車というカテゴリーのお話も大臣はされたわけでありまして、日米並行交渉とは関係ないというお話ですけれども、今回の軽自動車税の見直しは方向性としてはアメリカの要求に沿う方向であると考えますけれども、岸田外務大臣、いかがでしょうか。
#53
○国務大臣(岸田文雄君) 米国の要求についての御質問ですが、御指摘の日米並行交渉につきましては現在交渉中であります。そして、自動車分野のこの並行交渉につきましては、最終的にTPP本体に組み込まれるということになっておりますので、現時点でこの並行交渉の中身について私から申し上げるのは控えなければならないと思いますが、いずれにしましても、御指摘の軽自動車税の引上げ案、この見直し案につきましては、国内において様々な議論が行われ、そして特に与党税制調査会において今後の車体課税の在り方について議論を行い、様々な議論を行った結果、負担均衡を図る観点等から決定されたものと承知をしております。
 これは、あくまでも国内において議論を行い、その結果であると私は承知しております。
#54
○羽田雄一郎君 この軽自動車税の増税のみならず、日本郵政と外資生保の提携、米の減反廃止など、一歩一歩、激変緩和なのかなと思えるように米国に譲っているという印象が否めないわけであります。
 パネルを御覧をいただきたいと思います。自民党が政権に復帰したあの総選挙のポスター、黄色の方でありますけれども、「TPPへの交渉参加に反対!」というふうに書いてあります。まあ小さく、車からは絶対に見えないような小さくでありますけれども、「「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します。」ということは書いてありますけれども、もう一方の白い方ですけれども、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」と、こういうことでありまして、既にもう交渉参加をしているというのが今の現状であります。これ、自民党が政権復帰したあの総選挙のポスターであります。
 改めて総理に伺います。TPP本体交渉のみならず、日米交渉においても、守るべきものは守る、取るべきものは取ると断言できますか。
#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々が公約をたがえることはありません。
 その上で、今委員がおっしゃったように、攻めるべきものは攻め、守るべきものはしっかりと守り、国益を守る最善の道を目指してまいります。
#56
○羽田雄一郎君 もう一回パネルを見ていただきたいと思います。
 これは、黄色い方は、小さく「「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します。」というふうに書いてあります。しかし、もう一方は、どう考えても、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」と。そして、今全国で農協さん、JAが断固反対ということで大会等をやっております。自民党の国会議員の皆さんも、皆さん参加して断固反対と拳を上げております。
 こういう中で、政府として、本当に与党としてこの交渉しっかりと守れるのか、私は心配でなりません。日本にとって十分なメリットがある結果を日米交渉においても勝ち取れると言えるのか、もう一度、総理、お答えください。
#57
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、選挙戦を通じて自民党の公約をずっと述べてきたわけでありますし、TPP断固反対と言ったことはもちろん一回もございません。(発言する者あり)今、後ろからうそだという声がございましたが、是非、吉野さんの詩を後ろの方にお渡しいただきたいと、このように思うところでございます。
 そこで、我々はしっかりと農水委員会の決議も踏まえまして交渉を行っていく決意でございます。
#58
○羽田雄一郎君 やじには余り、総理、反応しない方がいいんではないかと思います。今のやじはお一人が言っただけで、わっと何にも聞こえないようなやじではないわけで、やじは議会の華であるというふうにも言いますので、もうちょっとおおらかに是非気持ちを持っていただければというふうに思います。
 我々民主党は、余りにも情報がない中で、TPPについて国会で議論する場を設置していただきたいということを述べてまいりました。是非、野党時代は自民党さんも言ってきたわけでありますから、衆参にTPP特別委員会を設置するように求めておきたいというふうに思います。(発言する者あり)
#59
○委員長(山崎力君) 傍聴議員に申し上げます。質疑の妨げとなりますから、御静粛に願います。
#60
○羽田雄一郎君 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。(発言する者あり)
#61
○委員長(山崎力君) 今の声は傍聴議員でございました。確認しています。
#62
○羽田雄一郎君 よろしいでしょうか、委員長、進めても。いいですか。
 昨年の臨時国会で、安倍総理は成長戦略実行国会と銘打ったはずであります。しかし、強引な議会運営を重ね、特定秘密保護法案を強行採決、成立させるための国会にしてしまいました。議会制民主主義を否定するようなことになってしまったのは大変残念であります。
 多くの国民の不安を払拭できないままに、NHKの籾井会長のように、通っちゃったんだから仕方がないと諦めるわけにはいきません。法案成立の翌日、安倍総理が嵐が過ぎ去った感じがしたと述べた後、もっと嵐を起こそうと立ち上がった十代の若者たちもいます。廃止や改正を求める声も日増しに増しているのが現状だというふうに考えます。
 総理、まだ時はあります。法施行まで一年、国民の不安を取り除き、より良いものにする努力をするつもりはありませんか、お答えください。総理に伺っています。
#63
○委員長(山崎力君) それでは、森まさこ担当大臣。(発言する者あり)
#64
○国務大臣(森まさこ君) まず、経緯について、担当大臣の私から御説明をいたしたいと思います。委員長に指名をされましたので、答弁をしたいと思います。
 この特定秘密保護法については、国会審議を通じて与野党で幅広い御議論をいただき、この結果、十二の論点について法案修正がなされました。国民の皆様方に丁寧に説明をするために政府からQアンドAを出し、私も政府インターネットテレビで国民の皆様の御懸念について御説明をしております。これは今でも政府ホームページにおいて御覧になることができます。また、日本記者クラブ、外国人記者クラブでも記者会見をし質疑応答しておりますので、今後も国民の皆様に丁寧に説明を重ねるとともに、その適正かつ効果的な運用が図られるように施行準備を進めてまいりたいと思います。(発言する者あり)
#65
○委員長(山崎力君) 御静粛に願います、御静粛に願います。
 担当大臣、早口で結構な部分もございますけれども、もう少し質問者の趣旨に沿った御答弁願えればと思います。
 それから、時間稼ぎをするなというやじに関しては、当予算委員会は答弁者側の時間は時間稼ぎになりません。そういう基本的なことを踏まえた上で御発言願えたらと存じます。
 それでは、もう一度。
#66
○羽田雄一郎君 私は、経緯とかそういうことを聞いているわけではありません。まだ施行まで一年あると、是非より良いものにする努力を共にしていきましょうと、そういうお話をさせていただいているわけでありまして、総理、どうですか。
#67
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 秘密の指定、解除等については、言わば、まさに羽田委員がおっしゃっているように、国民の生命と財産、そしてまた国益を守るため、もちろん知る権利との関係においてもより良いものをつくるために、情報保全諮問会議において真摯な議論が行われているところでございます。
#68
○羽田雄一郎君 私は、安全保障また外交案件等、国が必要最低限の秘密を扱うこと、これはやむを得ないと、こういうふうに思っております。しかし、それは、国民主権の国家日本において情報は国民のものであるということ、これが大前提になければならないと、こういうふうに考えます。
 我々民主党は、国民の知る権利、報道の自由を守るために、対案五法案を用意を昨年のときからさせていただいております。特に、海江田代表も言われたように、情報公開法改正案、また、これは国民の知る権利確立への内容を充実する改正でありますけれども、こういうものをしっかりとやった方がいい、また公文書管理法の改正案、これは公文書の意図的廃棄や秘密の永久化は許さないという思いで、これを是非今国会でしっかりと議論をして、そして成案を得る、これぐらいのことは国民の信頼を回復するためにも今国会で是非やっていただきたいというふうに思いますけれども、総理、いかがですか。総理。
#69
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議員立法でございますから、議員間、政党間でよく議論をしていただければと思います。
#70
○羽田雄一郎君 是非、総理、しっかりと受け止めていただいて、成案を得る、そのことによって国民の信頼を高めていく、こういうことを努力をしていただきたいと思います。NSCの特別委員会、これがなくなってしまったということは大変残念だというふうに考えるところであります。
 時間がだんだんなくなってまいりました。
 我々民主党は、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入し、チャレンジすることを宣言をしております。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが決定しました。国民の一人としてうれしく思っています。そして、それを成功させなければならないと考えます。
 この決定の決め手の一つに、昨年一月、招致委員会がIOCに提出した立候補ファイルがあります。ここでは、既存の配電システムで東京大会で発生する追加需要に対応できると断言をしております。東日本大震災で原子力発電所などが停止したけれども、火力発電所などの復旧により五千七百八十六万キロワットまで回復した、一二年の七月、八月の最大電力需要が五千七十八万キロワットで七百八万キロワットの予備力があると、原発抜きでも開催が可能だと強調しております。
 地方議会でも四百五十五の地方議会が脱原発を求める意見書を可決、福島県の南相馬、桜井市長さんは、脱原発で人に優しい町づくりを実現し、世界に発信したい、南相馬で生き続け、復興することは価値があると述べられ、今週末投開票の東京都知事選挙で、脱原発の都政は福島を復興させる観点からも重要だと述べられております。
 私も、日本一、いや世界一と言っても過言ではない電力消費地である東京、東京都民の皆さんがエネルギー政策をしっかりと考えていただくことは大切であり、週末投開票を迎える東京都知事選挙の大きな争点であると考えますけれども……
#71
○委員長(山崎力君) そろそろおまとめください。
#72
○羽田雄一郎君 安倍総理、最後にお答えをいただきたいと思います。
#73
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 時間がなくなりましたので簡単にお答えいたしますが、まさに東京は大消費地でございます。この大消費地の東京こそ世界一のエネルギー効率を誇る都市としていく、これは大変有意義なことだと思います。
#74
○委員長(山崎力君) よろしゅうございますね。
#75
○羽田雄一郎君 ありがとうございました。
#76
○委員長(山崎力君) 以上で羽田雄一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#77
○委員長(山崎力君) 次に、前田武志君の質疑を行います。前田武志君。
#78
○前田武志君 前田武志でございます。
 久しぶりの予算委員会に登場をさせていただきました。
 まず、総理に御質問をいたします。
 本国会において責任野党論というのが総理の投げかけで起こっておりますが、総理が考えておられる責任野党とはどういうものなのか、国民一般に分かりやすく御説明をください。
#79
○内閣総理大臣(安倍晋三君) イギリスにおいては長く二大政党が定着をしていたわけでございますが、野党も女王陛下の野党と、こう言われていたわけでありまして、与党も野党も両方ともイギリスという国家に対して責任を持つということではなかったのかなと、このように思います。野党は、ただ単に政権を取ることのみにきゅうきゅうとして、政局をつくっていくことだけを考え、政策的な建設的な議論をおろそかにしてはならないと、こう思うところでございます。
 我が党も野党時代に、まさに消費税を上げていくという判断、税と社会保障の一体改革、これは当時、まさに谷垣総裁の下に一糸乱れずそういう判断をしたわけでございます。これこそ責任野党ではないのかなと、こんなようにも思うところでございます。
#80
○前田武志君 確かに、自民党、三年三か月の野党の間に謙虚に鍛え直したと、そして、先ほど総理もおっしゃっておられた謙虚に丁寧に議会で説明をしていくという趣旨なんだろうと思いますが、という意味において、与党と政策を共有するところが責任野党だというような考え方はいかがかなと思いますが、どうでございましょうか。
#81
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも私はそういう考えではございません。建設的に議論をしようという野党はまさに、政策議論をしようというところはこれはまさに責任野党なんだろうと、このように思うわけでございます。
#82
○前田武志君 先ほどから総理の答弁ぶりを聞いておりまして、謙虚に、こう言っておられますが、確かに今、安倍総理は非常に高い支持率、そして短いこの一年数か月の間に世界もお回りになって外交も進めておられる、私も評価いたします。
 しかし、総理もおっしゃるように、日本の政治の仕組みというのは議会民主制です。野党があっての議会なんですよね。多数派は内閣をつくるわけでございますから、政府をつくるわけでございますから、野党があって、この議会における丁寧な真摯な議論があって初めてその政策の実施に過ちなきを得るわけでございます。
 そういう意味においては、いささか総理のおっしゃっているのは、政策を前向きに一緒に検討してくれるのが、あるいは進めてくれるのが健全野党だと、責任野党だと、こういうふうに聞こえるんですが、いかがですか。
#83
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もしそういうふうに聞こえているとすると私の不徳の致すところでございますが、私が申し上げているのは、まさに建設的な政策議論をしていただけるところは責任野党だろうと、こういうことでございますし、我が党はまさに野党時代にそうありたいと心掛け、そしてそうであったと、このように確信しているからこそ我が党は与党に戻れることができたんだろうと、このように思います。
#84
○前田武志君 先ほどの羽田議員の質疑等を聞いておりまして、確かに昨年のあの特定秘密保護法、あの参議院における審議というのは、通常であれば国の命運を左右するような重要法案です。この政策を議論するには、通常の審議時間、去年の参議院のあの臨時国会における審議時間の多分三倍ぐらいは必要だろうと思うんですね。(発言する者あり)二十二時間と言っておりましたが、百時間ぐらいは通常なされているんですよ、首をかしげておられますが。
 ということにおいて、総理があの当時、もちろんこの重要政策というのを進めていきたい、よく分かります、我々もその重要性というものは、幾つか提案もしているぐらいですから。なぜ丁寧に謙虚に議論を進めなかったのか。お答え願います。
#85
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに我々は、十二だったかな、論点について修正に応じているわけでございます。
 質問時間等々審議時間においても、日本の国会というのは世界のスタンダードから見れば圧倒的な審議時間を使っているわけでございます。私も今日も八時間の審議に応じるわけでございますが、これは世界においてもかなり異例なことであるということは申し上げておきたいと、こう思うところでございます。その中で私たちは真摯に議論を進めているところでございます。
#86
○前田武志君 今のは余り真摯に、謙虚には見えないんですがね。
 要するに、総理、笑っておられますがね、本当に政府に対峙するような野党がなくなれば、これは大政翼賛会になるんですよ。翼賛政治になるんですよ。これは、多分、私は戦争を辛うじて知っている世代ですよ。空襲も受けました。そういう世代から見ると、物心付いたときは確かに暗かった。あの軍部政権がどんどん進めていったというのは、議会がその機能を失ったからですよ。翼賛政治になったんです。
 しかも、総理のおじい様の安倍寛先生、昭和十七年のあの翼賛選挙、政党は全部、政府がやる、軍事政権が進めていくことに対して拍手をして賛成していくという、そういうような議会の機能を失った中で、敢然として無所属で戦われた。国会レファレンスからちょっとこの安倍寛先生のを取り寄せて見たんですね。そうしたら、特高に狙われて、付きまとわれて随分選挙妨害を受けたにもかかわらず、無所属で当選されている。大津郡の御出身ですよね。大津聖人と言われたと。とにかく翼賛は駄目だということで政党政治家として筋を通された。私は、総理にそのDNAが流れていると期待をしているんですね。もう一度お答えください。
#87
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変お褒めの言葉をいただきまして私も恐縮をしているところでございますが、先ほど……(発言する者あり)その血が流れているということを言っていただいたわけでありますから、もう一度それは繰り返させていただきたいと思うところでございますが。
 そこで、先ほど私申し上げましたように、我々野党であった時代、まさにあの自民党こそ責任野党なんですね。あの自民党こそ責任野党。あの状況が翼賛体制状況であったかといえば、まさにそんなことはないわけでありまして、責任野党の自民党の存在を国民は頼もしく思って自民党に政権を託したんですよ。
 これが、与党と野党が切磋琢磨して政治をつくっていく、この緊張感こそが私は、緊張感がなくなればいいとは私は一回も言ったこともございません。まさに政策論争をやっていく。最初から審議拒否を決めていて、そのために審議を進めていくということであってはならないと、こういうことではないかと思うところでございます。
#88
○前田武志君 審議拒否は総理の方でして、要するに、去年のあの特定秘密法、これは、もちろん、安保に関わる法的枠組みを検討する会議ですか、審議会ですか、法制懇、安保法制懇ですか、そういうところで進められているという御答弁でしたが、これだけ重要なものは、やはり議会で、それこそ謙虚に丁寧にしっかり議論をしていくべきなんですよ。そのことだけは申し上げておきましょう。
 更に申し上げれば、今国会開会の式辞、これは伊吹文明議長が両院を代表されて式辞を述べておられます。大体、この開会に当たっての式辞というのは、内外非常に多難な情勢に対して議会は責任持って議論をしていこうというそういうパターンなんですが、特に今回は、「憲法の規定に基づき、国会は内閣総理大臣の指名により行政権を創出し、内閣は内政、外交を処理する行政権の行使について、主権者たる国民の負託を受けた国会に対し連帯して責任を負っています。」ということを述べておられるんですね。今まで何度か私、国会開会式出ておりますが、特に今回、両院を代表してこういうふうに、これはまさしく両院を代表しての話ですから、このことを含めて、総理は深く受け止めておいていただきたいということだけは申し上げます。
 次に、MRAということについて、これは稲田大臣がお答えいただけるのかな、よろしくお願いします。稲田大臣に。
#89
○委員長(山崎力君) MRAについてという質問ですね。
#90
○前田武志君 そうですね、はい。
#91
○国務大臣(稲田朋美君) MRAについてのお尋ねでございます。
 現在は公益社団法人国際IC日本協会ということでございますが、その国際IC日本協会は、アメリカのフランク・ブックマン博士が提唱した、軍備の再武装でなく道義と精神の再武装、いわゆるMRAの精神に基づき、各種社会教育を通じて個人と家庭、社会と国の健全な発展や世界平和を実現するため国際会議、講演会、研修、交流等の事業を実施している法人と承知をいたしております。
#92
○前田武志君 MRAというのはモラルリアーマメントですか、稲田大臣から言われたように道徳再武装という運動で、あの占領下にあった日本、さらにはサンフランシスコ講和条約で復帰を果たしてからというあの時代に、日本でも非常に左右が荒れた時代があります。特にコミンテルン等の指令というようなものがあった時代ですからね。そういう中で、日本の政治家あるいは経済人あるいは労働組合、本当に何が正しいかというモラルを再構築していこうということで随分大きな成果を上げた団体だと承知をしております。自民党の国会議員、先輩の方々、随分関わられましたよね。今でも、羽田孜さんが会長をしていたんですが、河村建夫先生が副会長をされているというふうに聞いております。
 そこで、ここに資料を配っております。非常に見にくいと思いますが、ちょっとこれ参考にしてほしいんですが、昭和三十二年四月三十日、参議院におけるこれは議事録なんですね。加藤シヅエ参議院議員が時の岸総理に対するこれ質疑でございます。ちょうど、三十二年といいますと、その前の年に鳩山総理が辞任され、そして石橋湛山内閣ができたんですが御病気になられて、二月に岸内閣ができたときです。
 この中で、こんなのは読むつもりはないんですけれども、加藤シヅエさんがこのMRAの、フィリピンのバギオで第一回のそのアジアの会議があった、そこに出席してきたことを報告しているんですね。日本からは星島二郎、その直後に議長になられますが、星島二郎先生と社会党の加藤シヅエ先生が出ておられた。
 そして、その中で、今だから想像付かないんですが、日本は講和は成ったんですが、実は、周りの国々は全部日本に対してひどい目に遭ったということで講和がなかなか個別には進まなかった。条約ができなかった時代ですね、韓国、中国、フィリピン、オーストラリア、それからミャンマー、当時のビルマですが。そういう中で、バギオに集まったその会議で、星島二郎先生と加藤シヅエ先生が韓国の議員と交流をして率直な話合いをやって心の氷が解けたといったようなことがこの中に入っているんです。
 そして、総理に対して、今デッドロックに乗り上げている、当時、これは余り私の方で話をすると時間がなくなるんで余り申し上げませんが、大きな障害になっていたある外交官の発言、よく今でも聞きます。要するに、日本は韓国においていいことをやってきたじゃないかというようなことを大使が発言をした。久保田大使ですか。それからまた、財産権の問題。韓国に随分日本の民間あるいは私が財産を残してきた、これをどうするんだというような問題。こういうことについて、率直な、当然、役所側、政府側はなかなか難しいことを言ったんですけれど、実は、この議会で岸総理が、これを乗り越えようと、率直な私は判断をするということを言われて進み始めた、そういうこの機会なんですね。
 ということで、実はここに持ってきているわけでございますが、その次のページを見ていただいたらいいです。これを含めて、その秋に岸、時の総理がアジアを訪問されているわけです。
 ちなみに、総理、この一年ちょっとの間に総理は何か国訪問されましたか。いいですよ、アバウトで。
#93
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三十か国以上だと思います。
#94
○前田武志君 国でいうと三十か国ぐらいでしょうか、ということなんですが、実はこの議事録の後に、第二回のバギオの会議が秋にあったんですね。
 そういうことを前提にしながら、実は、当時、星島自民党の後の議長、それから社会党のこの加藤シヅエ代議士を始め、ちゃんと議会を通じてこういう議論をしながらも、それこそあの当時日本が置かれた状況なんというのは今とは比べ物にならない厳しいものであったわけです。それをどう打開するかということで、岸総理は、そのお話をそれこそ謙虚に聞かれて、それでアジアの歴訪に立たれるわけです、三十二年の秋です。まずマニラで、そしてオーストラリアで、さらにはミャンマーで。多分尊敬するおじい様のことですからよく承知されておりますが、非常に率直なお話をされるんですね。そこで、相手国も日本に対する信頼を回復して、そこで各国との講和、そして賠償問題も進んでいったという経緯があります。
 その辺のことを記したのが二ページ目のこれなんですね。これは昭和三十二年十二月二十八日のワシントン・イブニング・スター紙ですが、一国の指導者としては前代未聞の歴訪を終えた岸首相は東京に戻ってきた。過去三週間にわたり彼は日本が占領したり侵略の脅威を与えた九か国を訪問した。そして、彼はこれら各国において戦争中の日本の行動について公に謝罪した。これはワシントン・イブニング・スターですね。
 そして、この第二回のバギオ会議に岸首相がメッセージを送っているんです。これは一九五八年ですから昭和三十三年になりますか、三月十八日からあったんですが、このメッセージ。
 ここ一年の間に、私は今回の会議に参加されている多くの国々を訪問するという光栄に恵まれた。分裂した民族の間に融和を築くというこのMRAの働きに私は感銘を受けました。私自身、過去の傷を癒やす正直な謝罪の力を体験しました。健全で平和な人類社会を築くために謙虚な心のステーツマンシップが必要とされております。
 謙虚な心のステーツマンシップが必要とされております、是非このことを肝に銘じておいてください。
 それでは、政策の話に移ります。
 まず、総理の第一の矢、第二の矢、今日辺り、昨日辺りは随分株は下落しておりますが、そういう第一の矢、第二の矢だけではなかなか長くもちません。したがって、第三の矢です。総理自身も、この成長戦略というものに一番重点を置いておられると思いますが、そのお考えのコアのところを総理のお口で述べてください。
#95
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大胆な金融政策、金融緩和と、そして機動的な財政政策と、そして民間の投資を喚起する成長戦略であります。確かに委員がおっしゃったように、一本目の矢、二本目の矢だけでは持続的な安定的な経済成長は望まれないわけでありますから、しっかりと日本人の力が引き出される、そして、あるいは海外からも投資が行われると、そういう日本をつくっていきたい、そのためには成長戦略を実行していくことが必要であるということでございます。
#96
○前田武志君 総理の言われる成長戦略の具体的なものは日本再興戦略の中にも随分書かれております。私もそれを随分と見せていただいております。
 しかし、その中で、各省庁横断的に関わる政策というのは、どうしても一つ統合して焦点を当てて進めるというのが難しい分野ですね。そんな中で、一つ申し上げたいことがあるんですね。それは、住宅、建物、町づくり、民生の関係ですね。この関係は、エネルギーの消費量というのが随分多くて、またなかなか削減されていない分野です。ここを徹底的な省エネ等をやれば、もちろんCO2も削減、更に言うと、エネルギー政策でも劇的な効果が上がると思います。
 そこで、各分野ごとの最終エネルギー消費の構成比について御説明を願います。これは経産大臣ですか。
#97
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国におけます最終エネルギー消費量を部門別に見ますと、二〇一二年の実績で、産業部門が四三・三%、業務部門が一九・三%、家庭部門が一四・二%、運輸部門が二三・二%となっております。これを一九七三年と比較いたしますと、産業部門では〇・九倍と消費量が減っておりますが、これに対しまして、御指摘にもありました家庭部門では二・一倍に増えるなど、民生部門では大きな伸びが見られます。
#98
○前田武志君 次に、炭酸ガスの排出量の方について各分野ごとの御説明を願います。環境大臣ですか。
#99
○政府参考人(関荘一郎君) 二〇一二年度の我が国のCO2の排出量で見ますと、産業部門は三四%、運輸部門一八%、業務部門二〇%、家庭部門一六%でございまして、これは温暖化対策の基準年で比較しますと、一九九〇年と比べますと、絶対量で見ますと、業務部門は五八%の増加、家庭部門は六〇%の増加と、このようになってございます。
#100
○前田武志君 このパネルに示しておりますが、お手元に資料があります。(資料提示)エネルギーの消費と炭酸ガスの排出量。そのとおりでございまして、民生部門が非常に大きい。これは二〇一一年度ですから、多分相当節約が入った年なんだろうと思いますが、それでも民生部門が大きいですね。
 その次の、お手元には資料として、このパネルにはありませんが資料として入っているのは、部門別エネルギー消費の推移、今のはある年度だったわけですが、時間軸、年度的にどうなったか、ドイツと日本を比較しております。
 ドイツ、一九九〇年から今、二〇一〇年辺りですね。もちろん、産業部門は随分省エネ、ドイツもやっています。しかし、業務系と家庭系も随分省エネやっているんですね。家庭系に至っては、二十年前よりも少し省エネされております。一方、日本の方、特徴は、産業部門は確かに横ばいからこのエネルギー、節約をしておりますが、業務系と家庭系というのは随分増えているんですね。二十年前に比べて、業務系は四〇%以上、家庭系でも二五%から三〇%ぐらい増えています。ここに問題があると思います。
 ということで、次に申し上げたいのは、今、日本各地で、ここにおられる各先生方も、大抵自分の府県には大きなニュータウンがあるはずです。言ってみれば、高度成長期にニュータウン等でその地域がどんどん元気を出して発展してきた。それが今、オールドタウン。さらに、これがこのまま推移するとゴーストタウンになるおそれがあるんですね。もう、私どもも地元に帰ると、周りに空き家がどんどん増えております。これを放置するわけにはいきません。ここを今まさしくコンパクト化していって、地域包括ケアも入れて、安心して住めるような町づくりをやっていくべきだと思うんですね。そうすれば、そこで大変な雇用も起こることになっております、全国各地で町の再生をやるわけですから。
 そういったことも含めまして、総理から見て、こういった町づくり、これは単に自治体であったり国交省であったり、あるいはエネルギー関係の経産省であったりということのみならず、各省全て、厚生省も含めて関わる問題でございます。第三の矢の中にどういうような総理は位置付けをされておられますか。
#101
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この町づくりということについては、省エネの観点からも、あるいは同時に日本は様々な課題を抱えているわけでございまして、少子高齢化が進んでいる、そういう意味における課題先進国でもあるわけでございまして、こうした課題を解決をしていくということはむしろピンチをチャンスに変えていくことにつながっていくんだろうと、このように思うところでございますが。
 先月、地域活性化の推進に関する関係閣僚会合を開催をいたしまして、成長戦略の改訂に向けて、持続可能な都市、地域の形成や地域産業の成長と雇用の維持、創出について政府一体となって取り組むこととしているわけでございます。同時に、今委員が御指摘になられたように、しっかりと省エネを進めていくという観点からも様々な取組を行っていきたいと、こう思っているところでございます。
#102
○前田武志君 次に、ここにゼロエネ建築の海外動向と書いておりますが、特にEUなんかは、もう十年以上前から将来は建物、住宅も含めて躯体の熱性能を格段に上げようということで、ゼロエネルギー建築をやろうというぐらいのことを目指しているんですね。日本におけるこの面での政策、これをお聞きいたします。国土交通大臣でしょうか。
#103
○国務大臣(太田昭宏君) 今、ゴーストタウン化するということについて総理に質問があり、コンパクトシティーということを言われましたが、一つ一つの個別の住宅・建築物、これを先生も大変進めてきてくださっておりますけれども、ゼロエネルギー住宅・建築物というものを造るということは極めて重要な課題であり、直ちに進めていかなくてはならないことだというふうに思っています。
 建物の断熱化や設備の高能率化による省エネルギー、太陽光発電等による創エネルギー、蓄電池等を活用した蓄エネルギーということを合わせて、年間のエネルギー消費量が正味でおおむねゼロになる住宅・建築物ということを推進することが必要だというふうに思っているところでございます。
 二〇二〇年までに、日本再興戦略におきましては、ゼロエネルギーハウスを標準的な新築住宅とするという目標を掲げておりますが、これを具体的に進めていくというのが我々政府の課題であるというふうに認識しております。
#104
○前田武志君 次のパネルを見ていただきます。こういう資料が入っております。
 実は、ゼロエネルギー化を進めて断熱をやっていくと、室内の温度環境が非常に良くなります、ヒートショックがなくなります。ここに挙がっておりますのは、室温低下に伴う血圧上昇、慶応大学の伊香賀先生なんかが現地で調べられたもので、特に六十代、七十代以上になりますと、十度の温度差があると血圧がどれだけ上がるかというようなことがデータとして出ているんですね。実はこのデータ、長門市なんかで随分と克明に調べたデータなんですね。長門市、それから土佐市、檮原町ですね。
 その下に書いてありますのは、代表的な疾患というのはどうしても血圧だとか心臓系、あるいは脳、循環系ですね、こういったものが劇的に良くなるというふうに言われております。
 こういった面で、厚生労働省、今日は大臣はおられないようでございますが、国内において、この室内環境、特に温度差と疾病の関係、調査をされたことがありますか。
#105
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、前田委員が御指摘の、室内の気温差が健康にどれだけ影響を与えるのかということについては、厚生労働省としても非常に重要な問題意識を持っております。
 室内の気温差が高血圧を経て脳卒中の発症に寄与することについては、少なくとも五十年以上前から研究とその対策が各地域で行われてまいりました。今御指摘のあった室内の気温差が循環器疾患に与える影響についても、今現在、厚生労働科学研究事業において入浴関連事故に関する研究を行っているところでございます。
 さらに、厚生労働省としては、室内の気温差を含む生活環境は生活習慣病の発症と深く関わっていることから、こうした研究を更に推進する必要があると、そのように考えております。
 このため、来年度は、住環境を含めた生活環境や生活習慣の改善に関する研究を実施することとしておりまして、現在、ちょうどこの一月三十一日から二月二十八日の期間でございますが、その公募を行っているところでございまして、是非積極的な応募をお願いしたいと、そのように考えております。
#106
○前田武志君 ここに一つ資料を入れてあるんですが、要するにヒートショックなんですが、我々、帰って田舎の家におりますと、布団の中は三十度以上ですよ。で、夜中、トイレに立つ。部屋の中がせいぜい十度ぐらいです。便所に行けば随分低いですよね。ヒートショックといいますか熱の差というのが、十度どころか二十度、三十度にもなりかねない。これが一番大きな原因なんですね。
 ということで、厚労省にはお願いしておきますが、やはり個別の家の温度環境と疾病の関係、これをしっかりと調査をして政策に反映できるように、町づくりに、お願いをいたします。
 更に申し上げれば、次は、個別のことでいうと、耐震の方について、耐震については、去年、特別措置法だったですか、促進法を改正もいたしました。今の状況どうなっているか、国交大臣にお聞きします。
#107
○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘をいただきましたように、昨年、耐震改修促進法というのを作らせていただきました。日本全体で申し上げますと、住宅が五千万戸ほどありまして、そのうち五十六年新耐震以前のものが千五十万戸あるという状況で、これを防災・減災という観点からもやっていかなくてはならないというふうに思っているところです。
 耐震改修促進法におきましては、不特定多数の方が利用するホテル、旅館等を始めとして、大規模な建築物等に対する耐震診断の義務付け、そして耐震改修ということについても補助制度をつくり、あわせて、地方自治体からもその補助の支援をしていただくという仕組みをつくっておりまして、現在、地方自治体と国と力を合わせて、これが促進できるようにという体制を取らせていただいているというのが現状でございます。
#108
○前田武志君 もう一つ、日独の建設投資という資料を入れているわけなんですが、これを見ていただくと、ドイツ、約三十兆円の建設投資、そのうちの四分の三以上が既設の住宅、建物の改修で起きている建設投資なんですね、断熱改修であったり一般のリフォームであったり。一方、日本の方は三分の二ぐらいが新築なんですよ、まだ。そして、今御説明をいただいたように、実は個々の家ということについては、断熱改修、耐震改修、健康にもいいということで、実は相当の大きなメリットがあるわけです。
 したがって、そちらの方に政策がシフトしていくべきだと思いますが、日本再興戦略の中にもそういうことが書いてあったと思いますが、国交大臣、いかがですか。
#109
○国務大臣(太田昭宏君) 先生御指摘のそうした方向にということで、日本再生戦略におきましてもそうした方向を打ち出しているところでございまして、また日本の場合は、既存の住宅ということが、一つは新築志向というものが今までございました。しかし、そこを断熱等を施すということにおいて、それを変えていくというようなベクトルの変更というものがこれから必要かというふうに思っておりまして、あわせてまた中古市場の活性化というような方向も取っていかなくてはいけないと。
 いずれにしても、ゼロエネルギーの住宅、そして耐震化の住宅、そしてまた健康にいいというウエルネス住宅、先生御指摘のような方向にシフトをしていくということが大事だというふうに認識しております。
#110
○前田武志君 ということで、その住宅の価値を上げるということが重要だと思うんですが、今、日本における、これは住宅に限ってで結構ですが、住宅の戸数、その現在価値がどうなっているのか、教えてください。
#111
○国務大臣(太田昭宏君) 住宅のストック数は、先ほど五千万戸ほどと言いましたが、五千七百六十万戸ございまして、総世帯数は約五千万世帯ということになります。つまり、差の七百六十万戸が空き室になるというのが現状でございます。
 また、住宅のストックの現在価値は、内閣府の計算によりますと、日本の住宅ストックを金額換算した資産額は、二〇一一年度現在で約三百四十四兆円ということになっております。
#112
○前田武志君 政府において、今あるこういうストックを断熱改修、耐震改修をやるとどの程度値打ちが上がるかという、そういう試算はやったことがございますか、お聞きします。
#113
○国務大臣(太田昭宏君) どれだけ上がるかという十分な試算はございません。ございませんが、日本と他国を比較してみますと、日本は資産として投下したものよりはるかに低い、先ほど三百四十四兆円というふうに申し上げましたが、造った投資の額に比べて非常に低いというのが価値になっております。
 木造はほとんど二十年で価値はゼロというような形になっておりまして、そこのところを先生御指摘のように様々な措置をとり、ウエルネス住宅であるとかスマート住宅であるとか、そうしたことをやることによって間違いなく価値は上がっていくという状況だと思います。
#114
○前田武志君 個別の今住宅、建物の話をしたんですが、それを集合として新しい町づくりに持っていく、町全体の省エネもやる、安全を確保する、地域包括ケアが入るということで町の価値が上がっていきます。スマートシティーになる、さらにその先は環境未来都市ということになると思いますが、この環境未来都市の今政策の中身と方向について、担当大臣からお聞きします。
#115
○国務大臣(新藤義孝君) 環境未来都市につきましては、これは平成二十三年に、少子高齢化対応、そして環境対応の取組に優れた都市、これが今十一都市が選定されておるわけであります。
 私、この担当大臣に就任いたしまして、この環境未来都市とそれから環境モデル都市と、こういう二つの事業があります。これを一つのものにパッケージいたしまして、そして段階を踏んできれいなピラミッドができるような組立てをしております。新たに今そういったものに対する都市の応募もいただいているところでございまして、今委員が先ほどからおっしゃっているような包括的な取組が必要だと思います。そして、地域を活性化するためのいろんな手段を複合的にそろえて、そして対応していくこと、それに我々も支援をしていきたいと、このように考えております。
#116
○前田武志君 東北の復興において、特区の制度を利用しているのかよく知りませんが、環境未来都市を具体的にやっているというふうに承知をしておりまして、どういう状況なのか、そして分かりやすく、一つの例でも示していただければ有り難いと思います。
#117
○国務大臣(新藤義孝君) この被災地域にございましては、福島県の南相馬市の例がございます。再生可能エネルギーを活用した水耕栽培による植物工場ですね。これを、南相馬のソーラー・アグリパークというもので、津波の浸水エリアに平成二十五年三月に整備をして、そして農業の振興を図っていると、このような事例がございます。
#118
○前田武志君 復興大臣、いかがですか。
#119
○国務大臣(根本匠君) 環境未来都市については、今、新藤大臣からお話がありました。環境未来都市構想では、環境だけではなくて人口減少や超高齢化社会に対応する取組、これも含まれております。
 今、復興大臣ということでお答えすれば、被災地もこのような課題が顕著でありますので、我々、復興に当たって、単なる元に戻すのではなくて、復興を契機にこれらの問題を解決して、新しい我が国の、あるいは世界のモデルとなる新しい東北をつくろうと、こういう取組をやっております。
 先生の今の御指摘でありますが、例えば気仙地域の取組、これについては、「新しい東北」先導モデル事業、このモデル事業によりまして、地域包括ケアの実現に向けた多職種の連携基盤の構築、これを支援しております。
#120
○前田武志君 こういう町づくり、地域づくり、地域復興をやっていく、非常に多方面の分野が関わるわけでございますから、これを統合してやっていく手段としてPPPという概念があります。特に、総理のこの成長戦略の中にもコンセッションということをうたっておりますが、これの中身、そして今の状況というのを担当大臣からまず御説明を願います。
#121
○国務大臣(甘利明君) 高度成長期に整備をしたインフラが次第に耐用年数を迎えます。これを公費で全て賄うと財政的にもちません。それで、民間資金をどう活用していくか、これがPPP、PFIの発想でございます。
 現在、アクションプランを策定をいたしまして、これ昨年六月にいたしました。いわゆるコンセッション方式を活用した事業あるいは収益施設を活用したPFI事業、公的不動産の有効活用等々、民間の提案を生かしたPPP、PFI事業を重点的に推進しているところでございまして、今コンセッション方式を活用した具体の事業の設計であるとか関連法案の提出準備がなされるなど、推進に向けた取組が進んでいると認識をいたしております。
 官民インフラファンドとしてPFI推進機構を昨年十月に設立をいたしました。インフラファンドが、例えばGPIFを含む幅広い主体の投資対象となるようにしっかり取り組んでいきたいと思っております。
#122
○前田武志君 時間が余りないので最後の質問になるかと思いますが、今のそのコンセッション、要するに、公共施設等の運営権を民間に渡して、そこに民間がチームを組んで関連のチームでやっていくと。特に、ファイナンス、税金だけでやるのではなしに、収益の上がる公的な事業であると民間の資本を呼び込む。特にこういったコンセッションというのは、安定して、ただしそんな高い利益ではありませんが、安定して利益が入るということで、年金ファンドですか、年金なんかはこの非常にいい対象になるようでございます。伊藤教授もそのように指摘をされておりますね。
 私も、昨年、おととしと実はフランスに行く機会があって、去年はフランスの高速道路のコンセッションを見ました、ジュネーブに至る高速道路ですが。このコンセッション、既に五十年の期間の運営権を得て建設をして運営をしておりますね。そこに真っ先に金融機関が入ってきたというんですね。これは、少なくとも安定して五、六%以上の利回りがあるということのようであります。そのほか、おととしは大学都市のコンセッションを見ました。
#123
○委員長(山崎力君) そろそろおまとめ願います。
#124
○前田武志君 というように、日本においてこの分野というのはまだ始まったばかりであります。しかし、総理が指摘されるように、民間の活力、成長戦略に民間の活力を取り込むという意味においては非常に大きな可能性があります。
 最後に総理に、第三の矢の具体的なイメージを含めてこのコンセッションあるいは町の再生、そういったことに対する総理の御見解をお伺いして、質問を終わります。
#125
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地域の活性化については、今委員が御指摘のように、様々な活力、知恵、人材を生かしていく必要があるんだろうと、このように思っております。地域の活性化、そして町づくり、あるべき町づくりに向けて、今議員が御提案になったことも含めてしっかりと検討していきたいと考えております。
#126
○前田武志君 終わります。
#127
○委員長(山崎力君) 以上で前田武志君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#128
○委員長(山崎力君) 次に、有田芳生君の質疑を行います。有田芳生君。
#129
○有田芳生君 有田芳生です。
 一九九三年に朝日新聞の社内で野村秋介さん、右翼団体の幹部ですが、拳銃で自殺をしました。そういう事件、記憶におありの方もいらっしゃると思いますけれども、今朝の毎日新聞に、「新聞社拳銃自殺事件」、「NHK経営委員が礼賛 対メディア圧力黙認」と、新聞社に対する暴力行為、それに対してNHKの経営委員が礼賛していると、そういう大きな記事が出ております。
 経営委員長の浜田健一郎さんはいらしていますか。いらしていないですね。場内協議でも是非呼んでくださいということをお願いしていたんですが、委員長、是非この問題が議論できるようにお願いできないでしょうか。
#130
○委員長(山崎力君) この問題につきましては、この始まる前の理事会のところで場内協議というところには正直いっておりませんので、今新たな御提案があったということで、後刻理事会で協議することといたしたいと思います。
#131
○有田芳生君 この拳銃自殺事件についてNHK経営委員が礼賛した、このことについて総理それから会長、どのように認識されておりますか。
#132
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問通告もございませんし、読んでおりませんから答えようがございません。
#133
○参考人(籾井勝人君) この度NHKの会長に就任しました籾井勝人でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今の御質問にお答えする前に、一言、私の方から申させていただきたいと思います。
 一月二十五日、私、会長就任の日でございますが、この日にありました公式会見の場で個人的な見解を発言したことは不適切であり、大変申し訳なく思っております。その場で取り消させていただきましたが、誤解を招いてしまったことについて、改めて深くおわび申し上げます。
 御質問にお答えいたします。
 ただいまの御質問については、私は今お答えする立場にないというふうに認識しております。
#134
○有田芳生君 会長が経営委員の発言について責任がない、発言する責任がないというのはどういう意味でしょうか。
#135
○参考人(籾井勝人君) 経営委員会の方々についてのコメントを私がすることは、する立場にないということでございます。
#136
○有田芳生君 編集権を持った会長というのは、言わば、これまで三井のお仕事とか日本ユニシスのお仕事とは違って、今やもはや編集権を持っているというのはジャーナリズム精神でやはり発言しなきゃいけないんですよ。感想、どうですか。感想だったら言えるでしょう。
#137
○参考人(籾井勝人君) 繰り返しになって恐縮でございますが、私は経営委員のことについてコメントする立場にありません。
#138
○有田芳生君 ジャーナリズム精神を持ったお仕事をする人が感想も述べられないと。恥ずかしいことだと思われませんか。
#139
○参考人(籾井勝人君) 感想も述べることはないと思います。(発言する者あり)
#140
○委員長(山崎力君) 場内、特に後席の方、お静かに願います。
#141
○有田芳生君 長谷川三千子経営委員だけではありません。新聞報道も一部ありますけれども、百田尚樹経営委員も、選挙の応援に来られて、南京大虐殺はなかったとか慰安婦問題は大うそだと。それはまあいろんな議論はあるでしょう。
 しかし、見過ごすことができない発言を、有楽町、こう語っております。都知事選の候補者について語っているんですが、ええ、残り厄介な三人くらいおります、ええ、どいつもこいつも人間のくずです。あるいは、秋葉原での演説。本当に何人か重要な候補と言われている人間ですが、私から見れば人間のくずみたいなものです。百田経営委員がこういう発言している。
 この人間のくずと言われた人は、元首相、元厚生労働大臣、そして元日弁連会長ですよ。総理、いかがですか。こういうことを言っていいんですか。
#142
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はそこで聞いていたわけではございませんし、我が党が応援している候補は舛添候補であるわけであります。
#143
○有田芳生君 会長、いかがですか。経営委員の発言ですよ。人間のくずと言っている。
#144
○参考人(籾井勝人君) 何回も申しておりますように、経営委員の発言について発言する立場にはございません。
#145
○委員長(山崎力君) 有田ヨシオ君。
#146
○有田芳生君 ヨシオじゃなくてヨシフですが。
 総理、放送法三十一条には、経営委員会委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命されている、そういうことを言っている。だけど、元総理や元厚生労働大臣や元日弁連会長を人間のくずだと言うような経営委員を総理はどういう立場で、放送法第三十一条の立場できっちりと対応する必要があるんじゃないですか。
#147
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経営委員においては、両院の同意を得て総理大臣が指名するものであります。
#148
○有田芳生君 総理、人間のくずと公の立派な仕事をされた人に対して罵倒することが公共の福祉に関して公正な判断ができる人なんですか。
#149
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも私はそれを聞いておりませんので、基本的に……(発言する者あり)いや、後ろの方で、場外でああいう大声を出されますと、審議、私、今聞いていることもよく聞けない状況でございますので、冷静な、品位を守った委員会にしていただきたいと思います。
#150
○有田芳生君 感想ぐらい述べていただいても一国の首相としていいとは思うんですが、いかがですか。(発言する者あり)
#151
○委員長(山崎力君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#152
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
#153
○有田芳生君 人間のくずだという発言を、選挙のときだとおっしゃいますけれども、れっきとしたNHKの経営委員が語っている。事実確認できないと言うけれども、これは有楽町と秋葉原、二か所で確実に言っていることなんですよ。そのことについて総理に、何も責めているわけではなくて、こういう事実があることについてどのようにお考えになりますかと、そういう感想を伺っているんです。
#154
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は聞いていないんですから、答えようがない。有田さんのことを信用しないわけではありませんが、しかし、それが事実かどうか確認していない限り総理大臣としてコメントできないというのはごく当たり前のことじゃないですか。
 それで、延々とこれを補正予算の場でやるつもりですか。
#155
○有田芳生君 会長、これは御存じですか。
#156
○参考人(籾井勝人君) 新聞では見ておりますが、実際には存じ上げませんが、繰り返しで申し訳ございませんけれども、私の立場からいってこのことについてコメントする立場にはないし、私の感想もこの場では控えさせていただきたいと思います。
#157
○有田芳生君 会長、これは経営委員として適切な発言ですか。れっきとした人に対して人間のくずだと言うことは、会長としてどうなんですか。
#158
○参考人(籾井勝人君) 本当に、何回も申しておりますが、繰り返しで申し訳ございませんけれども、コメントする立場にございません。
#159
○委員長(山崎力君) 有田芳生君。(発言する者あり)発音が悪くて申し訳ない。
#160
○有田芳生君 難しい名前ですから申し訳ありませんが。
 会長の責任というのは非常に重いものがあるんですが、やはり経営委員がこういうとんでもない発言しているんですから、感想もないというのはそれはあり得ないでしょう。いかがですか。
#161
○参考人(籾井勝人君) 本当に何度も繰り返しで申し訳ございませんが、私は経営委員のことについてコメントする立場にはございません。
#162
○有田芳生君 総理も事実確認ができていないとおっしゃいますけれども、私は事実確認しておりますので、是非確認をしていただいて、更にこれから追及をしていきたいというふうに思います。
 会長、伺いたいんですけれども、会長発言が様々な社会問題、海外でも報道されておりますけれども、NHKに寄せられた意見、その内訳を詳しく教えていただけますか。
#163
○参考人(籾井勝人君) 一月二十五日に記者会見を行いましたときから昨日まで寄せられた意見は、およそ一万二千七百件となっております。(発言する者あり)
#164
○委員長(山崎力君) 改めて御質問願います。
#165
○有田芳生君 昨日通告したとおりなんですよ。何件意見が来て、その内訳、賛成、反対、どのぐらいの割合ですか、特徴的な意見は何ですか、それをお答えください。
#166
○参考人(籾井勝人君) 内訳につきましては、大ざっぱに、批判的な意見が七千五百件、それから肯定的な意見がおよそ三千五百件となっております。
#167
○有田芳生君 先ほど会長は反省をしていると冒頭に述べられましたけれども、具体的に何を反省されているんですか。
#168
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 公式の会見の場におきまして、私は個人的な意見を避けるべく努めましたが、何回も執拗に質問されたために個人的見解を述べたことについて、誠に申し訳ないというふうに思っております。
#169
○有田芳生君 この記者会見、全文読ませていただきましたけれども、これを全部否定されるんですか。
#170
○参考人(籾井勝人君) 個人的な見解を述べた部分について、改めまして全て取り消させていただきたいと思います。
#171
○有田芳生君 これ全文読みますと、記者からの質問で、今のところですけれどもと、これ慰安婦問題ですけれども、そこのところは全部取り消しますと。あとの秘密保護法であるとか靖国であるとか、ほかの問題は取り消してないんじゃないですか。
#172
○参考人(籾井勝人君) 個人的な見解を述べました部分については、全て取り消させていただいております。
#173
○有田芳生君 どこが個人的見解ですか。具体的にお話しください。
#174
○参考人(籾井勝人君) 会見の際に、個人的な見解と断って申しましたが、具体的にと言われれば、特定秘密保護法案であるとか靖国参拝について私が言及したこと、これも個人的な見解でございます。
#175
○有田芳生君 全文読みますと、マスコミにも言葉の一部を使ってそれが拡大されて誤解されているところも確かにあると思うんです。そういうマスコミの問題もありますけれども、しかし、やはり見過ごすことができないのは、例えば特定秘密保護法について、一応通っちゃったんですねと、もう言ってもしようがないんではないかと思うんだけれども、だけど、必要とあればやりますよと。
 これまで、「クローズアップ現代」であるとかNスペとか、そこで秘密保護法は取り上げられましたか。
#176
○参考人(籾井勝人君) まず、今の問題についても個人的な見解を述べた部分につきましては改めて全て取り消させていただきますと同時に、NHKとしましては、特定の番組でどうこうというよりは、いろんな番組において、特別秘密保護法案についても、日々のニュースも含めて報道してきたと理解しております。
#177
○有田芳生君 放送法第四条一項四号、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
 だから、この会長の一連の発言から見ると、今後、特定秘密保護法についても取り上げることはあると理解していいんですね。
#178
○参考人(籾井勝人君) 私の個人的見解は先ほど全部取り消させていただきましたが、今後も必要に応じてその都度適切に報道してまいりたいと思います。
#179
○有田芳生君 あと、総務大臣による要請放送については、これはどのように理解されていますか。
#180
○参考人(籾井勝人君) 要請放送につきましては放送法で決められておりますが、まず、総務大臣は、要請をする場合に、NHKの放送番組の編集の自由に配慮しなければならないとされております。それからまた、NHKは、総務大臣から要請があったときは、これに応じるように努めるものとすると規定されており、その法の趣旨に沿って対応してまいりたいと思います。
#181
○有田芳生君 衆議院の予算委員会で原口一博委員に対して会長は、要請放送につきましては、我々は、いろいろ吟味した上でお受けする義務といいましょうか、必要があると思っております、こう発言されておりますが、間違いないですね。
#182
○参考人(籾井勝人君) この項は努力規定でございますので、我々としては、それに、要請に基づいていろいろ検討した上で要請を受けるか受けないかということを決めるわけでございます。
#183
○有田芳生君 そうすると、衆議院のこの発言は間違いだったということですね。
#184
○参考人(籾井勝人君) 間違いではありません。同じ趣旨で申し上げたと思います。
#185
○有田芳生君 違うじゃないですか。義務だと言っているじゃないですか。
#186
○参考人(籾井勝人君) 言葉はどうかは別として、いろいろ吟味してと答えたはずでございます。(発言する者あり)
#187
○委員長(山崎力君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#188
○委員長(山崎力君) それでは、速記を起こしてください。
#189
○有田芳生君 政府が右と言ったことを左と言えないという発言があるわけですから、そうすると、NHKの立場として、公平中立な番組作りというものをおやりになる気持ちはありますか。
#190
○参考人(籾井勝人君) 放送法の規定に従いやっていく所存でございます。
#191
○有田芳生君 NHKの中を取材しますと、今、会長の発言をめぐって様々な不安が起きているんですよ。具体的に幾つか言いますけれども、もうこれは報道もされましたけれども、「ラジオあさいちばん」で脱原発を語ろうとした教授が、それはしゃべらないでくれということが報じられましたけれども、これは事実ですか。
#192
○参考人(籾井勝人君) 一月三十日に放送する予定でありましたが、この問題については、今回は選挙期間中でもあり、テーマの変更を求めたもので、コメントそのものを修正するような注文はしておりません。
#193
○有田芳生君 現場というのはいろいろ起きていまして、例えば、ピーター・バラカンさんが一月二十日のあるラジオ番組で語っております、二つの放送局から都知事選挙が終わるまで原発に触れるなということを言われたと。バラカンさんは具体的な番組名は言っていませんけれども、ピーター・バラカンさんが担当している番組というのは、一つはNHK・FMなんですよね。こういうことは御存じですか。
#194
○参考人(籾井勝人君) その方そのものは私ちょっと存じ上げなくて申し訳ないんですが、放送法は、政治的に公平であること、意見が対立している問題にはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることを定めております。
 都知事選では、御承知のとおり原発問題が争点の一つとなっており、期間中の番組はより公平性を期する必要性があり、いろいろ検討した結果、出演が取りやめられたということでございます。
#195
○有田芳生君 演劇とか音楽の評論家は、選挙期間中、ある特定の支持者を推薦したりしているとNHK出られないんですよ。音楽の話もできないんですよ。演劇の話もできないんですよ。原発の話するわけじゃないんですよ。ところが、経営委員の百田さんとかはとんでもない発言しているわけでしょう。これはつじつま合わないじゃないですか。
#196
○参考人(籾井勝人君) この方たちは番組に出演されたわけではございません。
#197
○有田芳生君 つまり、二〇〇五年以前の海老沢勝二体制が復活するのではないかという、そういう危惧をNHKの人たちはいっぱい持っているんですよ。いわゆるおもんばかり体質、こういうことをやると会長からいろいろ言われるんじゃないかな、それが上から下までずっと浸透したのが海老沢勝二体制の二〇〇五年以前なんですよ。だから、現場で既にこういう言わば自主規制みたいなものが起きているとこれからの公共放送としてやはり不安が起きるというのは、NHK内部だけじゃなくて国民も多く感じているから先ほどのように多くの批判が来ていると思うんですよ。いかがですか。
#198
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 海老沢会長時代のことについては私は新聞以外は知りませんが、今なぜそういうことが起こっているかということは、また私そのものを全く知らないでの風評で、誰がそういうふうに言っているか分かりませんが、私は生来、経営というものは自由闊達ということをモットーにしておりますので、今からその線で進めていきたいというふうに思っております。
#199
○有田芳生君 要するに、会長の発言をきっかけにして国際的にも様々な問題、BBCなんかも非常に遺憾の意を発しておりますけれども、そういうことが順々にNHKの中にも浸透していって、空気として自主規制、萎縮効果が現れているんですよ。だからこそ、放送法に違反し、しかも、会長の立場でいえば役員の服務準則の信用失墜行為やっていると思われませんか。
#200
○参考人(籾井勝人君) 私の私的見解の発言によりいろんな方に御心配と御迷惑を掛けたということは、私は冒頭に陳謝したとおりでございます。今後は、放送法にのっとり、NHKというものを健全に経営していく覚悟であります。
#201
○有田芳生君 まだまだお聞きしたいことはあるんですが、国民にとって非常に大事な東京オリンピックの問題についてもお聞きをしなければいけませんので、今からそっちの方向について話を伺います。
 まず総理に伺いたいんですけれども、二〇二〇年の東京オリンピックについて東京都は、コンパクトなオリンピック、あるいはソーラーパネルや低公害車を使ったエコロジカルなオリンピックというふうに何度も言っております。総理も最終プレゼンの中でスポーツを通じて世界をより良い場所にしていこうと思うと語っておりましたけれども、二〇二〇年オリンピックをどのようなものにつくっていくのか、イメージとして国民に伝わるような説明をお願いします。
#202
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、昨年のIOC総会において、スポーツを通じて世界をより良い場所にしていこうと、そのためにIOC委員の皆さんと一緒に働いていきたいということを申し上げたわけでございますが、これは、オリンピック精神、すなわち、スポーツによる人類の調和の取れた発達と平和な社会の推進という考え方を世界に広げていくということとともに、我が国がそのことについて積極的に貢献をしていく決意を述べたわけでございます。
 二〇二〇年の東京大会は、東京のみならず日本全体の祭典でありまして、我が国全体が活力を取り戻す弾みとしていきたいと思います。とともに、オリンピック精神を世界に広げていく契機としていくように、東京都や大会組織委員会とも連携して取り組んでいく考えであります。
 なお、今御指摘がございましたように、コンパクト、エコロジカルなオリンピックについては、東京都がIOCに提出をいたしました立候補ファイルにおいて、半径八キロ圏内に八五%の競技会場を配置するコンパクトな会場配置、そして二酸化炭素の排出の縮小、都市の緑化の促進等、環境に配慮した大会運営を行うことが記載されているところでございます。
 同時に、パラリンピックでもございますから、世界の方々が日本にやってきて、障害者の皆さんにとって東京という町はバリアのない、行きやすい、そして障害者の皆さんにとってもチャンスのある町だということを理解をしていただけるような大会にしていきたいと考えております。
#203
○有田芳生君 文科省にお聞きします。
 一三年度補正予算において、東京オリンピック・パラリンピック関連の予算、内容はどのようになっていますか、具体的にお示しください。
#204
○政府参考人(久保公人君) 平成二十五年度補正予算案では、オリンピック、パラリンピックに関係する経費としまして二百八億円を計上しております。具体的には、二〇二〇年東京大会のメーンスタジアムとなります国立霞ケ丘競技場の改築に向けて、現在の国立競技場の解体工事費やJSC本部の事務所等の移転準備などの改築関連事業費二百億円、さらに、トップレベルのアスリートが利用しますナショナルトレーニングセンター等におきまして、パラリンピック選手等の利便性向上を図るための自動ドア設置工事等のための経費となっております。
#205
○有田芳生君 今パネルで見ていただきますけれども、(資料提示)新国立競技場、こういうデザインが出ておりますけれども、これに基づいて、下村大臣、いらっしゃいますか、具体的に規模とか予算とか、そういうものをお示しいただけますか。
#206
○国務大臣(下村博文君) 国立競技場の改築については、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会やその後の国際競技大会の主会場を担うスタジアムとして活用できるとともに、時にはイベント等の文化的な活動においても利用できるよう必要な機能を備える必要があると考えております。このことを踏まえ、建設規模については、観客収容約八万人、延べ床面積約二十二万平米としております。
 また、改築に係る工事費については、競技場本体の建設費一千三百八十八億円、解体費六十七億円、周辺整備費二百三十七億円の合計一千六百九十二億円を上限としております。
#207
○有田芳生君 収容人員八万人とおっしゃいました。このスタジアム造るのは、日産スタジアムあるいはロンドンのスタジアムを参考にしたと聞いておりますけれども、いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(下村博文君) IOCに対して、JOCあるいは東京都からの一つの約束として、また、このような国際的な競技大会を開く一つの目安としての八万人、それを規模として考えて設計をしております。
#209
○有田芳生君 日産スタジアムの予算は幾らでした、造るのに幾ら掛かりましたか。
#210
○政府参考人(久保公人君) 日産スタジアムの場合は、本体工事費で約七百億と承知しております。
#211
○有田芳生君 日産スタジアムと同時に、ロンドンのスタジアムも参考にしていますけれども、ロンドンは幾らでした。
#212
○政府参考人(久保公人君) ロンドンにつきましては、ちょっと今手元に数字がございませんのでお答えすることはできないということでございます。
#213
○有田芳生君 ロンドンは約八百億円です。日産スタジアムは六百億強ですけれども、それに比べて、日産スタジアム、七万一千人ですよ。今度の東京オリンピックの会場は八万人にするというんだけれども、先ほど大臣が説明されたように、千三百八十八億円掛かる。何でそんなお金が掛かるんですか。
#214
○政府参考人(久保公人君) 日産スタジアムの本体工事費、今六百億、それから周辺整備百億で合わせて七百億でございますけれども、新しい新国立競技場につきましても、本体の工事費自体には、地下駐車場ですとか、それから映像システムがございますので、それを差引きしますと日産スタジアムと二百億ぐらいの差になると思います。国立競技場の場合にはそれに加えまして、開閉式屋根ですとか可動席、それからオリンピック関係の観客に資するための空調あるいはLED等が加算しましてこういう数字になっているわけでございます。
#215
○有田芳生君 新国立競技場八万人は常設の座席ですか。
#216
○政府参考人(久保公人君) 常設でございます。
#217
○有田芳生君 ロンドンはいかがですか。
#218
○政府参考人(久保公人君) ロンドンの場合は一部仮設で、オリンピック終了後縮小した形になっております。
#219
○有田芳生君 ロンドンは五万五千の座席で、三分の二が仮設なんですよ。圧倒的に少ないんですよ。そうじゃないですか。
#220
○政府参考人(久保公人君) 規模的には今おっしゃられたとおりですけれども、ロンドンの場合は日本と違いまして、ほかにラグビー専用の競技場あるいはサッカー専用の競技場がいずれも八万人規模でございます。日本には八万人規模の競技場は一つもないという意味で、決定的な違いがあるかと思っております。
#221
○有田芳生君 この見ていただいているデザインというのは本当に流線形で、ザハ・ハディッドさんという、イラク出身でイギリス人なんですけれども、デザイナーが造ったもので、昨日の夜のニュースなんかでもこの映像の、上からずうっと報じられているんだけれども、これはいつも上から見た映像なんですよね。
 ところが、人間の視点で見たらどうなるのか。次に、ちょっとパネルをお示しください。そこを歩く人間の目で見たらどうなるのか。簡単に説明します。上が東京体育館前をJR千駄ケ谷駅前から見たものです。左側にある建物がこれは東京体育館です。今度の建物ができると東京体育館がもう小屋のように見える、こうなってしまう。
 あるいは、下にあるのが明治公園前。明治公園というのは今、休みになるとフリーマーケットなどで本当ににぎわっておりますけれども、今度の建設によって一部移転をする。言ってしまえば、明治公園はなくなる。その後にどうなるかというと、こういうすごいコンクリートの建物ができるんですよ。
 あるいは、二枚目お示しください。上が日本青年館前です。日本青年館というのは今でもコンサートが行われておりますし、総理なんかも覚えていらっしゃいますでしょうけれども、テレビのドリフの番組なんかが公開収録された場所なんですけれども、そこもなくなるんですよね。どうなるかというと、右見てください、すごいものができる。
 さらに、下が首都高速の外苑インターチェンジ入口付近。ここは今でもお年寄りから若い人たちから散歩のコースになっているけれども、今度この新国立競技場ができるとすごい壁が出てくる。
 下村大臣、いかがですか、こういうことを知っていましたか。
#222
○国務大臣(下村博文君) まず、ロンドンとの違いですけれども、先ほど局長が答弁をしましたように、ロンドンには既に他の八万人規模のいろんな施設があると、しかし東京はないということの中で、今回はオリンピック、パラリンピックだけでなく、二〇一九年にはラグビーのワールドカップがあると。それから、国際競技等については八万人規模が、これが国際水準となっている中で、IOCに対する、この八万人規模についても約束事であるという前提がまずあります。
 その中で、御指摘のように、しかし新しい競技場については、当初の計画からは八万人規模というのは維持しながら縮小しようということで、延べ床面積を大幅に縮小し、そして約二十二万平米としたところでございます。このことによって、当初の設計デザインに比べますと、相当圧迫感を与えない規模に縮小できたのではないかと思っております。
#223
○有田芳生君 パネルを御覧ください。今ある国立競技場と新国立競技場ができた場合の規模と敷地の比較です。敷地はほぼ一緒なんですけれども、そこにできる建物がずうっと巨大なものになっている。この下で様々な周辺に問題が出ているんですけれども、まずこの神宮外苑の地域の歴史的経過について御説明ください。
#224
○委員長(山崎力君) どなたに。
#225
○有田芳生君 文科省。
#226
○政府参考人(久保公人君) この辺りの地域の歴史的な背景といたしましては、まずこの地域は明治神宮内外苑の周辺でございます。この付近は大正期に整備されまして、神宮に奉納された樹林等の豊かな自然環境を有しておりまして、大正十五年に風致地区に指定されているという経緯がございます。この地区は、そういう意味では、森林などの自然環境等都市の風致を維持するために、都市計画法に基づいて地方公共団体が指定する地域となっているところでございます。
#227
○有田芳生君 明治神宮内外苑というのはもう百年の歴史があり、緑が育ってきて、今でも休みになれば、若い人からお年寄りから、そしてタクシーの運転手さんが昼寝をする場所とか、本当に都民の憩いの場所になっているんですよね。それが、こういうでっかい建物ができることによって様々な問題が出てくる。
 今お話しになったように、東京都の風致地区の第一号ですよね。それでよろしいですか。
#228
○政府参考人(久保公人君) 済みません、その事実関係については承知しておりません。
#229
○有田芳生君 大正に風致地区の第一号になっているんですが。
 じゃ、高さ制限、容積率の変化はどのようなものですか。つまり、具体的に分かりやすく言っていただくために、今ある国立競技場の高さはどのぐらいですか、それが新しくなればどのぐらいの高さになりますか。あるいは、左右の幅、何メートルが何メートルの広さになりますか。具体的にお示しください。
#230
○政府参考人(久保公人君) 高さにつきましては、今の国立競技場は三十・六メートル、これが改築後は七十五メートルの予定でございます。建築面積につきましては、三万三千七百十六平米が七万九千百平米。土地面積は、七万一千平米が十一万三千平米。土地面積だけで一・六倍という感じでございます。
#231
○有田芳生君 つまり、分かりやすく言えば、今三十メートルぐらいなのが、新しいのができると七十五メートルの高さが、さっき見ていただいたようにずっとできてくる。しかも、今の国立競技場は、左右という言い方をすれば約二百二十メートルなのが今度四百メートル、二倍になるんですよ。だから、物すごく敷地を圧迫する。そのことでいろんな問題が出てきているのは御承知ですか。文科省にお聞きします。
#232
○政府参考人(久保公人君) 様々な緑の量の問題、あるいは人の交通の問題等いろいろございます。これにつきましては、最初デザインをコンクールするときから設置者である日本スポーツ振興センターにおきましても十分考えておりましたし、今後、具体的な設計、施工に当たるに至る段階でいろいろと考えながら、あるいは工夫していきたいと考えているところでございます。
#233
○有田芳生君 時間があればお聞きしますけれども、このコンペにも様々な問題があって、結局、さっき示したような本当に巨大な建物ができる。そのデザイン案ができてから都市計画変わっていませんか。先にデザインありき、七十五メートルありきで、その後に、デザインの後に七十五メートルにしたんじゃないですか。
#234
○政府参考人(久保公人君) 今回行われました国際デザインコンクールは、具体的な基本設計なり実施設計の設計コンペとは異なりますので、具体的な形がこうなると詳しく決めたものではございません。
 他方で、都市計画を変更するためには、こういう施設にしておかないと、こういう形状のものでないと、だから都市計画変更してほしいと、提案者の具体的な内容が必要でございますので、それが必要な限度でデザインを先に考えたというわけでございます。
#235
○有田芳生君 普通は、都市計画を考えて、その後にコンペをやるのが順番じゃないですか。逆じゃないですか。
#236
○政府参考人(久保公人君) そういう意味では、具体的な基本設計、実施設計は都市計画変更の後にやるわけでございまして、全体のデザインをどうするかというのを先にやったというだけの話でございます。
#237
○有田芳生君 だけの話ではないんじゃないですか。先にばかでかいものを造るということが決まって、それで予算が千三百億から一時三千億になって、それでこれじゃ規模が、掛かり過ぎるなといってまた縮小してきたんだけれども、初めから三千億掛かるようなデザインを選んだじゃないですか。違いますか。
#238
○政府参考人(久保公人君) あくまで国際デザインコンクールを行いましたのはデザインの形を決めるものでございまして、その後、具体的な都市の様々な規制に合わせて具体的な基本設計を行っていくと。それはあくまでも都なり区のいろんな規制を踏まえてのものになるという意味でございますので、先にデザインを行ったというのが順序が逆転しているということではないというふうに考えております。
#239
○有田芳生君 デザインコンクールでザハ・ハディッドさんから模型の提出はありましたか。
#240
○政府参考人(久保公人君) 模型の提出は求めておりませんので、特にございません。
#241
○有田芳生君 これは異常なんですね。やはりそういうものがあるのが普通だというのが、これは国際的な建築家の槇文彦さんたち、昨日、日本外国特派員協会でも記者会見をやっておりますけれども、そういう当たり前の道筋を通らずに、先に七十メートルから七十五メートルを造るということを決めて、その後に都市計画を変更している。これはおかしいんですよ。おかしくないですか。
#242
○政府参考人(久保公人君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、国際デザインコンクールにつきましては、具体的な基本設計、実施設計でない、全体の形をどういうデザインにするかというコンクールでございますので、その形を決めて、それをこういう形でやりますよということを踏まえて提案を都にいたしまして、都はそれを受けて都市計画の変更が必要があるからということで手続を踏んでいただいたわけでございます。
#243
○有田芳生君 おかしな選考経過なんですが、ザハ・ハディッドさんへの謝礼は幾らですか。
#244
○政府参考人(久保公人君) 賞金が二千万円と、あと監修料が三億円と聞いております。
#245
○有田芳生君 これから監修料などを含めて十三億お払いになるんじゃないですか。
#246
○政府参考人(久保公人君) それにつきましては、まだ決まっておりません。
#247
○有田芳生君 さっき示したような上からだけのデザインコンクールをやって、そこに賞金二千万円、さらに今後監修料として十三億払うと。これは、自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトにそう返答されているんですよ。
 大臣、いかがですか。ちょっと普通の金額じゃないんではないかと思いますけれども、どうお考えですか。
#248
○国務大臣(下村博文君) このデザインが選ばれたということで、このデザインを基本ですが、デザインどおりの設計ではなくて、これは当初の案よりも相当縮小してコンパクトにしております。ですから、コンパクトな中での設計でのことですので、今局長から答弁がありましたが、金額そのものも変更あり得る話だと思います。
#249
○有田芳生君 東京都が専門家もいない都市計画審議会の中で議論もなく決めてしまって、現地である渋谷や新宿区の例えば都市計画審議会などでは、これは問題だと、何とかしてほしいという意見が出ているんですよ。それはやはり、自然を守らなければいけないというだけではなくて、人間を守らなければいけないんですよ。
 文科大臣、いかがですか。周辺住民への影響をどうお考えですか。
#250
○国務大臣(下村博文君) 風致地区ということもございまして、できるだけ周辺の方々の意見を聞きながら配慮していきたいと思います。
 一方で、八万人規模というのは、先ほどから申し上げていますが、国際的な競技スポーツの基準としてはこれは目安でございますので、やっぱりどうしてもその規模の施設を造るということは、これは必要なことでありますし、つまり、これはオリンピックだけではなく、二〇一九年のワールドラグビーもありますし、それ以降についても国際的な競技等を是非招致するためには受皿が必要であります。
 ですから、そういう両方のバランスの中で地元の理解を得られるようにしながら配慮していきたいと思います。
#251
○有田芳生君 オリンピックは成功させなければいけませんけれども、しかし、人間をじゅうりんするような形ではまずいと思うんですよね。
 私は、現地の住民たちにもお話を伺いました。例えば、今ある国立競技場でコンサートが行われると物すごい音響が響いてくる。年に一、二回だから我慢をされているけれども、例えば中にコンサートの観客が五万人いても、ファンたちがその周りに三万人ぐらい来るんですよね。そして、ダフ屋もいたり、大変な混乱がある。音楽は聞こえてくる。
 ところが、今度新しい競技場ができると、さっき示しましたけれども、目の前に、今だったら七十メートル先に歩行デッキがあるからそこを人が歩いているのが見えるんだけれども、今度は自分の家のマンションの目の前に人がずっと、何万人もの人たちが歩いていくわけですよ。そういう影響を考えていらっしゃいますか。
#252
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、音楽等のコンサートについては、そのようなことから年に一回程度しか開催しないということがこれまでの国立競技場の在り方でありました。
 しかし、今回、新たな国立競技場においては収益性も是非確保する必要があると。そのために、大規模なコンサートについても年一回ということではなく、市場調査した中、少なくとも年十回ぐらいは可能であろうと。しかし、その場合には騒音等の問題がありますので、これを開閉式で屋根を付けると。ですから、コンサートのときにはその屋根を付けますので、そのような騒音等で周辺に迷惑を掛けないような形でコンサートができるような配慮を考えています。
#253
○有田芳生君 文科省、今お話にあった年間維持費と収益、その予測をお示しください。
#254
○政府参考人(久保公人君) この競技場の収支見込みでございますけれども、日本スポーツ振興センターにおいて試算した額では、収入が年間約五十億円、支出が維持管理費が約四十六億円で、収支につきましては約四億円の黒字と試算しているところでございます。
#255
○有田芳生君 捕らぬタヌキとは言いたくないんですけれども、これから少子高齢化時代において、コンサートで本当に、五万でも八万でも、それだけの人が集まるか。
 例えば、日産スタジアムだったら七万一千人の観客だけれども、そこがいっぱいになるのはサザンオールスターズのコンサートだけなんですよ。あとは、スポーツのときなんかは観客席減らしているんですよ。
 そういう現状があるのにかかわらず、これからの収益見通しというのは非常に甘いんじゃないですか、音楽コンサートをやるにしても。
#256
○政府参考人(久保公人君) これにつきましては更に詳細な検証を行うこととしておりますが、ただ、基本的には、五万人であっても八万人であっても使用料というのは一定額でいただくことになりますし、それから、現在いろんなところに、プロモーターに聞いたところによれば、かなり日本全体で、そういうコンサートをやりたいところがあるんだけれども、量的な問題があって十分でき切れていないところもあると。したがいまして、十分に新しい競技場を造りましても回数はこなせるんじゃないかと、今のところは考えております。
#257
○有田芳生君 時間も来ますので急ぎますけれども、先ほど大臣から屋根の話が出ました。屋根を造ることによってかなり予算が拡大したということはありませんか。
#258
○国務大臣(下村博文君) 日産スタジアムの話がまずありましたので、東京ドームでは、これは五万人規模ですけれども、年間三十回以上しております。ですから、東京でやる場合に、世界からアーティストも呼べるということも含めて、十回というのは決して難しい数字ではないということでございます。
 それから、当然、開閉式の屋根を造るということで、その部分は費用が掛かります。しかし、年一回が年十回程度のコンサート等収益事業ができるということで、結果的には運営費は赤字にならないと、そういう試算であります。
#259
○有田芳生君 文科省、開閉の費用は一回動かすのに幾ら掛かりますか。
#260
○政府参考人(久保公人君) 屋根を一回動かすに当たって、今の見込み、大体で一回一万円の感じになっております。
#261
○有田芳生君 一万円で動くんですか。
#262
○政府参考人(久保公人君) もちろんそれは電気代だけでございますので、仮にそれのために人件費が要るとしたら、それはまた別計算にはなることになります。電気代だけで一万円ということでございます。
#263
○有田芳生君 開閉式の屋根を造る予算、幾らですか。
#264
○政府参考人(久保公人君) 開閉式の屋根の工事費につきまして、現在約百二十億円と見込んでおります。
#265
○有田芳生君 百四十八億と言っていたのが減ってきたわけですから、それはいいことですけれども、しかし、例えばモントリオールのオリンピックで初めて屋根が付くんですけれども、実際にはオリンピックに間に合わずに何年もたってから完成するんだけれども、結果的に八十八回開いただけでもうひびが入ってきたりして大変なことになっているんですが、そういうことは御存じですか。
#266
○政府参考人(久保公人君) 技術的にもいろいろ工夫する余地があるということは承知しておりますけれども、この屋根を付けました場合と付けない場合とでは収支が、付けた場合ですと四億先ほど黒字と申し上げましたが、付けない場合は約六億近くの赤字になりますので、差引き十億の差が出ると。これは、百二十億ですと、十二年ぐらいで元が取れるというふうに考えているところでございます。
#267
○有田芳生君 強風、あるいは雪が降ったときは屋根はどうされますか。
#268
○政府参考人(久保公人君) 今回の開閉式の屋根につきましては、基本的に競技場ですので、芝生を養生するために開けておくのが基本になっておりますけれども、雪あるいは暴風雨がどの程度のものかによると思いまして、現実には、具体的に運営するに当たって、その強度、屋根の強度と、あとは暴風雨の強さに応じて適切な判断をしていくことになると思います。
#269
○有田芳生君 これまでは強風だったり雪が降ったらもう開けてイベントは中止するんだという説明がありましたけれども、違うんですか。
#270
○政府参考人(久保公人君) 屋根を開けておくというのは主としてサッカー、陸上とかスポーツの場合でございまして、イベントのときには雨が降ると基本的に閉めて雨にぬれないようにするというために開閉式にしているということもございます。
#271
○有田芳生君 二〇二〇年オリンピックの開会式、八万人入るわけですけれども、そのときの冷房費用なんかはもう検討されていますか。
#272
○政府参考人(久保公人君) オリンピックだけでいきますと、このコストは十八日間で約八百万円程度と試算しているところでございます。
#273
○有田芳生君 要するに、何が言いたいかというと、やはり余りにも大き過ぎる、それをやはりもっともっとお金も規模も少なくしていく必要がある。
 あるいは、じゃ、お笑いですけれども、大臣に聞きますけれども、国際オリンピック委員会のオリンピックムーブメンツアジェンダ21、施設についてはどういう評価をされていますか。
#274
○政府参考人(久保公人君) お尋ねのオリンピックムーブメンツアジェンダ21におきましては、競技施設につきまして、土地利用計画に従って、自然か人工かを問わず、地域状況に調和して溶け込むように建築、改装されるべきであるとされております。また、新規施設の建築及び建築地所につきましては、地域にある制限条項に従わなければならず、また、周りの自然や景観を損なうことなく設計されなければならないと定められております。
#275
○有田芳生君 防災のことなどについてもお聞きをしたいんですけれども、時間の関係もありますので、最後にパネルで北京の鳥の巣とそれから今度新しくできる新国立競技場を比較してもらったら分かるんですけれども、新しいスタジアムと北京の鳥の巣は大体同じ大きさなんですよ。ただ、敷地が、見ていただいたら分かるように、二倍あるんですよ。だから、周りの住民なんかに対しても、余り環境問題も含めて影響がない。ところが、日本は本当に狭いところに大きいものを造ろうとしますから、やはりこれからでも、例えば八万席を常設にせずに仮設にするとか様々な工夫をしてやはりお金を減らしていってもらう、そして環境についても優しいものを是非とも造ってもらいたいというふうに思います。
 総理、今まで流れ聞いていらして、どんな印象を持たれますか。
#276
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、有田委員が指摘された論点は大切な論点だと私も思います。
 その意味において、これは大切な、これは都のお金であれ国費であれ税金で賄うものでありますから、できる限りコンパクトなもので、他方、これは競技に必要な要求もございますから、この要求を満たしながら、景観を余り悪くしないように努力を重ねながら更に検討をしていく必要があるだろうと思っております。
#277
○有田芳生君 次に、葛西臨海公園のカヌー会場についてお聞きをしたいと思います。
 まず、国交省にお聞きします。臨海公園の歴史的成り立ちを御説明ください。
#278
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。
 葛西臨海公園は、地盤沈下により水没した土地の復元と新たな土地の造成を目的に昭和四十七年から平成七年にかけて東京都が実施をいたしました葛西沖開発土地区画整理事業、約三百八十ヘクタールの造成地内において、東京都が都市公園として整備及び管理を行っているものでございます。
 同公園は、昭和六十年から整備に着手、平成元年に一部供用を開始、平成八年におおむね全園を供用しているところでございます。
#279
○有田芳生君 今図で示したところにカヌースラロームの競技場が造られる予定なんですけれども、しかし、ここには絶滅危惧種も含めて非常に多くの野鳥あるいは植物、昆虫などが、物すごい子供たちが喜ぶような場所になっている、これまた市民の憩いの場所なんですよね。
 環境省にお聞きをしますけれども、ラムサール条約の条約湿地登録の基準に当てはまる場所はありませんか。
#280
○政府参考人(星野一昭君) ラムサール条約に登録されるための条件の一つといたしまして、九つの国際的な基準のいずれかに該当する必要があるという基準がございます。
 葛西臨海公園及びその南側の浅瀬には多くの水鳥が飛来しておりまして、環境省の調査では、年によって変動がありますけれども、平均してスズガモが一万羽以上、カンムリカイツブリが一千羽以上飛来しているということでございます。
 ラムサール条約登録の国際基準には、水鳥の種の個体群の総数、これの一%以上を支える湿地であるという基準もございます。したがいまして、葛西臨海公園とその南側の浅瀬につきましてはこうした基準を満たしている可能性があると環境省の調査でも評価されているところでございます。
 なお、ラムサール条約に登録されるためには、この国際的な基準に該当することのほかに、国の法律により将来にわたって自然環境の保全が図られることや、地元自治体などから登録への賛意が得られることが必要となっております。
#281
○有田芳生君 今、見ていただきたいんですけれども、例えばスズガモがこのぐらいいつも飛んでいる、六万五千羽ぐらい集まってくるときがある、こういうことがしばしば見受けられる場所で、日本野鳥の会東京の調べでは野鳥だけでも六十種類以上この場所にいる。そこに新しい競技施設ができることによって自然環境が破壊される可能性が非常に高い。
 カヌー会場は汐風の広場に造られますけれども、その広さ、高さ、水量などについてはどうなっておりますか。文科省、お答えください。
#282
○政府参考人(久保公人君) カヌー競技会場の具体的な中身につきましては、現在、御指摘のこの葛西臨海公園内で、国際競技団体が求める施設基準あるいは選手村からの近さ、大会後に都民が水辺に親しめる施設とするための利便性等を考慮して決定されたと承知しておりまして、具体的にはこの公園の西側の一帯に設置される予定でございますけれども、広さ、高さ、水量につきましては今後の設計いかんということでございまして、現時点ではまだ未定ということでございます。
 競技に必要な水量を循環させる技術も必要でございますけれども、これはロンドン大会などの例を参考にしながら、今後必要な仕組みを確保していきたいとしているところでございます。
#283
○有田芳生君 水量については、日本野鳥の会の東京などに対して説明があって、一秒間に十三トンの水を流さなきゃいけないんですよ。十三トンですよ。小学校のプール十個ぐらい一秒間に流す、そういう施設を造るというんですが、その先に、見ていただいたら、ちょっと分かりにくいかも分かりませんけれども、先に貯水池というのを造る。そこにコンクリートの深いものを造って、そこに水がざあっと流れていって、ポンプで循環させて、とにかく一秒間に十三トンぐらいの水を流さなければこの競技はできないんですよ。そうしたことが環境に影響するその割合というのは評価されているんでしょうか。
#284
○委員長(山崎力君) 久保室長代理、簡潔にお願いいたします。
#285
○政府参考人(久保公人君) 東京都によりますれば、この具体的な環境への配慮につきましては、詳細な環境影響評価に着手しておりますとともに、地元の江戸川区や日本野鳥の会などとも協議を行いまして具体的な検討を進めていると伺っているところでございます。
#286
○有田芳生君 結論のところで大事なんだけれども、残り短いですけれども、午後に回させていただきます。
#287
○委員長(山崎力君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩といたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#288
○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十五年度補正予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。
 先立ちまして、私の言葉が不十分だということで、改めて明確に指名したいと思います。有田芳生君。よろしくお願いいたします。
#289
○有田芳生君 有田芳生です。
 午前中は、東京オリンピック・パラリンピックを成功させるために、しかし、なるべく無駄のない競技施設を造るために新国立競技場はどうあるべきか、あるいは自然環境を破壊しないために、葛西臨海公園に造られる予定のカヌーの競技場、そこはどうあるべきかということをお聞きしました。
 まず最初に文科省にお聞きをしたいんですけれども、カヌー会場では、先ほど最後に私が発言しましたけれども、一秒間に十トン、多い場合には十六トンもの水を流さなければいけないような会場、その先に貯水池ができるわけですけれども、どういう自然環境かを教えてください。
#290
○政府参考人(久保公人君) カヌー競技会場の予定地でありますのは都立葛西臨海公園でございまして、自然豊かな都民の憩いの場でございます。したがいまして、競技会場の整備に当たっては環境の保全に配慮する必要があると、そういうような地であるというふうに承知いたしております。
#291
○有田芳生君 午前中にもパネルでお示しをしましたけれども、このように、その競技会場の近くではスズガモが多いときには二万、三万、六万を超えて飛んでいるところ、六十四種類以上の野鳥がいるということを日本野鳥の会の東京は調べております。そのほかにも、午前中でお聞きしましたけれども、絶滅危惧種の鳥もいればクモもいる、そういう自然環境がいいところで、小学校たちが自然学級などでしばしばやってくるところです。その自然豊かな場所が、この競技会場ができることによって、例えば芦ケ池、これはなくなってしまうわけですね。文科省、お答えください。
#292
○政府参考人(久保公人君) そこの詳細については現時点ちょっと資料がなくて承知しておりませんが、御指摘のとおりなのではないかというふうに推測いたします。
#293
○有田芳生君 最後に、この競技会場建設整備予定地、見てください。赤く囲まれたところですけれども、ここにカヌースラローム会場ができると、高さ七十メートルの観客席一万二千が入りますと、その横にある公園からは富士山が見えなくなるということを含めて、憩いの場が大きく変貌してしまいます。
 下村大臣、こういう自然環境にかなり大きな影響を与える可能性があるこの会場、場所を変えるということは不可能でしょうか。
#294
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、このカヌー競技会場の予定地である都立の葛西臨海公園は、野鳥も大変多い、自然豊かな都民の憩いの場であるということでありまして、競技会場の整備に当たってはその環境の保全に十分配慮する必要があるというふうに私も思います。
 会場の整備主体である東京都においては、詳細な環境影響評価に着手、既にしているというふうに聞いておりますし、また、地元の江戸川区、それからお話がありました日本野鳥の会とも協議をし、具体的な検討を既に進めているというふうに承知をしております。
 こうした中で、会場整備による生態系への影響をできるだけ最小限にし、都の絶滅危惧種が消滅することがないように東京都において適切な配慮がなされていくものであるというふうに思いますが、必要があればサポートさせていただきたいと思います。
#295
○有田芳生君 そこを見ていただきたいんですが、その赤く囲った下に実は第二駐車場という敷地があるんですよ。現地に行ってみれば分かりますけれども、十分このカヌー会場を造ることができるんです。これは、実は自民党の方々も、これいいじゃないかとおっしゃっている方がいるんですよ。しかも、ここに造れば、自然環境を破壊されないだけではなくて、やはりIOCも、場所を変更するわけでもありませんし、江戸川区も賛成、日本野鳥の会も、ああ、これは助かるということになるわけで、是非ともこれを検討していただきたいというふうに思います。
 時間ですので、最後、総理、一言だけ、人間と自然に優しいオリンピックを是非とも成功させる、そのお気持ちをお聞かせください。
#296
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま有田議員からいろいろと有意義な御指摘をいただいたと、このように思います。そうした御指摘も踏まえながらしっかりと検討していただきたいと思います。
#297
○有田芳生君 終わります。
#298
○委員長(山崎力君) 以上で有田芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#299
○委員長(山崎力君) 次に、安井美沙子君の質疑を行います。安井美沙子君。
#300
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。
 午前中の審議もなかなか充実した内容でございましたけれども、途中、麻生大臣から補正予算やろうというお声もありました。私、しっかりやらせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、復興特別法人税の一年前倒し廃止についてお伺いします。
 私は、今回の税制改正におけるこの判断については、財政金融委員会でも麻生大臣に質問させていただきましたけれども、いまだに納得できないでおりまして、しつこい女と思われるかもしれませんけれども、今日はとことん聞かせていただきます。
 復興特別法人税の前倒し廃止について、安倍総理を始め政府のどなたからも逡巡やちゅうちょ、ためらいですね、を示されないことに違和感すら覚えております。平成二十三年末に、三党合意の下、可決、成立した復興財源確保法の大事なエッセンスだと思うんですけれども、これをどうしてそんなにいとも簡単にほごにしてしまえるのか。日本は法治国家ですし、復興財源については国民全体に関係することですから、廃止の経過と理由については丁寧に説明をしていただかなくてはなりません。
 復興特別税は、個人、法人を問わず、押しなべて国民全体できずなを強めて被災地を復興していこうという理念の下に、四種類の税がセットで法制化されたものです。パネルをお示しいたしまして、手元にも資料がございます。(資料提示)
 できれば、通告していなくて恐縮なんですけれども、麻生大臣の方から、この四つの税の理念と体系を分かりやすく御説明いただければと思います。恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
#301
○国務大臣(麻生太郎君) 委員お尋ねのこの復興特別法人税というのは、これを廃止するか否かにつきましては、これは党内また閣内ではいろいろ御意見のあったところでもあります。その上で決定をさせていただいておりますが、この廃止によって復興特別会計の歳入が減少するというのは平成二十六年度以降のことになりますので、それに伴ういわゆる財源の補填ということが、約八千億円というものを、これも平成二十六年度の本予算になってからでもよいのではないか等々、いろいろこれはもうたくさんの御意見があるところだと存じますが、いずれにいたしましても、こういった、今この期間で書いてありますけれども、この復興特別法人税と住民税、個人の方ということになるんだと思いますけれども、この法人税を、何というの、一年前倒しするけれども、片っ方の方はそのまま二十五年残るではないかということに関しての御意見を言われたいところなんだと思います。比較をしておられるんで、そっちが御質問の趣旨なんだと存じますが。
 私どもといたしましては、復興法人特別税を前倒しする代わりに賃上げをすることをお願いをいたしておりますので、そういった意味で、被災地を含む日本経済の再生のためにこれはしかるべき役割を果たすように求めたということでありまして、今回の取扱いは、個人と法人というのをどちらを大事にするのかといったことではなくて、企業の収益改善を個人の所得拡大やらまた消費の拡大につなげて経済の自律的な好循環というものにつなげていく、実現を目指すという点で、個人も法人ということも裨益することではないということだと思っておりますので、産業界への賃上げ等々につきましては、今後とも要請を行っていき、賃上げを実現して景気回復の実感を全国各地にお届けしたいものだと考えております。
#302
○安井美沙子君 今は復興特別法人税をなぜ前倒しするかという御説明を先んじてしていただいてしまったんですけれども、私、この税体系について、元々の理念と体系を含めて御説明をいただきたかったわけなんです。
 私の方から普通に説明させていただきますと、この四つありますよね、いや、麻生大臣に説明していただいた方が大変分かりやすいかと思ったんですけれども。法人に対しては課税標準額の一〇%を三年間。そして、個人に対しては所得税、基準所得税額の二・一%を二十五年間。そして、住民税の均等割への五百円加算を十年間課税。さらに、退職所得控除の廃止と。こういうことになっているわけですね。これはもうかつてねじれ国会の中で与野党かんかんがくがくの議論の中でたどり着いた結論でございます。
 今回の一年前倒し廃止の検討に当たっては、閣議決定で、十月一日ですけれども、ある三つの条件を前提にすると、こういうふうにされています。この閣議決定について、どなたかこの三つの前提を御説明いただければと思うんですけれども。
#303
○国務大臣(甘利明君) 委員御指摘の点は与党内でもいろいろ議論がございました。そして、閣議決定で三つの要件をしっかり手当てせよということでありまして、一つは、復興財源をしっかり確保せよということ、それからもう一点は、国民の理解、中でも被災地の皆様の理解をちゃんと取りなさいということ、三点目が、これが好循環につながるように、つまり企業収益が賃金上昇につながるように、その道筋をしっかりと示すようにと、こういう条件が付いたわけであります。
#304
○安井美沙子君 甘利大臣、御丁寧にありがとうございました、通告もしていなかったんですが。
 この三ついただいた一つ目の代替財源について伺いたいと思います。
 先ほど麻生大臣もお示しいただいたんですけれども、八千億円が復興財源から毀損されるということで、今回の平成二十五年補正予算で八千億円が補填をされています。来年度の予算の歳入として対処されるべきだと考えるのが本来なんですけれども、なぜ前もってこの補正で補填されるのかを御説明お願いいたします。
#305
○国務大臣(麻生太郎君) 今、先ほど申し上げましたけれども、復興財源の補填が約八千億円になりますけれども、それは来年度でもいいのではないかという御質問なんだと思いますが、これは特に被災地の御理解を得るということを、一番大事なところなんですが、これは一刻も早くきちんと復興財源というものを確保したという姿をきちんとお見せしておかぬと、削られるんじゃないかという御不信なり御不安を持たれないということが一つ。
 それから、二十五年度中に繰り入れておきますと、復興債の償還とか、減額を早く行える分だけいわゆる利払い費が抑えられるということもありますので、そういった事情を踏まえまして、平成二十六年度の予算を待たずに、平成二十五年度の補正予算で一般会計から復興特別会計に速やかに補填財源を繰り入れることが適切と私ども考えた次第です。
#306
○安井美沙子君 その説明は分からなくもありませんが、財政規律、財政法からすると何でもありなのかなという印象もございます。
 今、一般会計から繰り入れるというふうにおっしゃっていますけれども、お金には色が付いていないものですから、一般財源から補填するということになりますと、またこれ、広くあまねく国民のお財布から補填したということになるわけです。ということは、法人税を廃止する一方で、復興税を払い続ける個人への負担が相対的に増えるように思うんですが、いかがでしょうか。
#307
○国務大臣(麻生太郎君) したがいまして、私どもはその八千億というものに関しましては、是非とも企業からいわゆる賃金とかいろんな形で、個人、勤めておられる方々ということになりましょうか、そういった方々で賃金に充てていただく。また、それが結果として景気回復の好循環に資することになれば、それは全体として景気を押し上げることになりますので、その分だけ個人のいわゆる払える、そういった意味での可処分所得も増える、そういったものを追求して、景気を回復していくことによってということを考えておりますので、私どもとしては、極めていろいろな意味で、企業に対して給料を上げろというようなことを介入するのはいかがなものかという説もいっぱいありましたけれども、私どもとしては、是非その点は曲げて、国全体でやっておりますので、景気好循環になっていきませんとなかなかそういったことができにくくなりますので、是非ということをお願いさせていただいておる次第です。
#308
○安井美沙子君 このパネルにも復興基本法の精神、理念が書いてありますけれども、相互扶助と連帯の精神に基づいてということもありますし、税の公平の原則というのもございますので、もし復興法人税をいじるならば個人の所得税も併せて調整するということもあり得たのではないかというふうに思います。
 元々、民主党は復興特別所得税については十年が適当であるというふうに主張していました。自民党さんはそのとき六十年、建設国債並みに六十年とおっしゃいまして、二十五年で折り合ったという経緯があるんですけれども、復興の基本方針に今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うというのがありますから、二十五年ということになりますと、震災の発災時に生まれてもいなかった世代が納税をするということになってしまいます。
 この期間、私は課税期間は元々長過ぎると思っているんですけれども、もし復興法人所得税をいじるのであれば、この機会に、公平の原則からして、この期間を短縮することということも併せて検討はできないのかと思いました。例えば一年前倒し廃止したら税収減は二千九百億円です。いかがでしょうか。
#309
○国務大臣(麻生太郎君) 今御説明のございました、仮に二十五年間にわたります復興特別所得税の課税期間を短くするということになりますと、まあ最後の何年間といったことになろうかと思いますが、将来年度に減税が生ずるだけで直近のプラス効果というものは期待し難いというところがございますので、こうした対応は行わなかったということでございます。
#310
○安井美沙子君 それでは、税率を下げるということは検討に値するかどうかお聞きします。
 例えば二・一%ですけれども、このうちの〇・一%引き下げるとしたら税収減は約三千五百億円です。先ほど、賃金を上げる原資に向けることを狙って法人税を廃止するとおっしゃいましたけれども、個人への減税により可処分所得を上げる方がよっぽど手っ取り早いのではないですか。
#311
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、私どもとしては、経済が、いわゆる政府の財政支出によって景気が良くなっていくというのを永久に続けるということはできません。したがいまして、一日でも早く自律的な経済回復ということにまたねばなりませんので、私どもとしては、その意味におきましても、是非景気をまずは良くするというところからスタートさせていただければというのが基本的な考え方でありまして、仮にこれ〇・一下げたからといってそれがというのは、私どもとしては、それより早くきちっと対応させていただくということの方が効果があるのではないかと考えております。
#312
○安井美沙子君 それは考え方の違いかもしれませんが、消費税増税に当たっての景気対策ということであれば、手っ取り早いということも大事な側面かなとは思っています。後ほど賃金上げることについてもお伺いしますけれども、今、消費税増税のほかにも、電気料金の値上げ、年金支給額〇・七%切下げ、医療費の窓口負担増、食品や燃料代の値上げなどで家計が圧迫されていますから、このときに復興税の税率を下げるということは一抹の安堵感というか、そういうことにはつながるのではないかというふうに思っています。
 個人の負担について、おまけでといいますか、ちょっと確認したいことがございまして、これも通告していなくて申し訳ないんですけれども、平成二十三年十二月に施行された財源確保法附則第十三条、これに、平成二十三年度から三十四年度までの間に二兆円に相当する金額の償還費用の財源に充てる収入を確保するために、日本たばこ等の株式の処分の可能性について検討すべきとあります。これは、少しでも復興税による国民の負担を減らそうという趣旨だったと思いますけれども、これはどうなりましたでしょうか。
#313
○委員長(山崎力君) 財務大臣でよろしいですか。
#314
○安井美沙子君 はい。
#315
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと、今の御質問、あらかじめいただいていなかったので、どうなっておりますでしょうか、後で調べて御返事申し上げます。
#316
○安井美沙子君 分かりました。失礼いたしました。
 次に、二つ目の前提であります国民の理解についてお伺いします、国民の理解。
 昨年十月に行われた共同通信の世論調査によれば、東北地方では復興特別法人税廃止の前倒しに八割近くが反対していました。
 その後、国民の理解を得られたという確証が何かあるのでしょうか。甘利担当大臣、お願いいたします。
#317
○国務大臣(甘利明君) 前提要件の中に、国民の理解、とりわけ被災地の方々の御理解ということが付いております。
 国民の理解に関しましては、総理や私が会見でその都度、こういう目的を持って行いますということをお話をさせていただきました。
 あわせて、被災地の方々への理解に関しましては、内閣府と復興庁とそれから経産省から、副大臣、政務官を中心に事務方を同道いたしまして、それぞれ、被災県三県、岩手、福島、宮城で説明会を開きまして、多くの意見もいただきました。
 多くの意見は、きちんと財源は確保してくれますねと、それから、予定されていた施策については遅滞なく実行していただけますねというふうなことが多くて、けしからぬから取りやめろという話は私のところには報告はいただいておりませんから、丁寧に説明をさせていただいて御理解をいただけたものというふうに承知をいたしております。
#318
○安井美沙子君 それでは、三番目の前提となっています賃金上昇につなげる方策と見通し、これについて伺います。
 復興特別法人税を支払っている黒字企業、これはどのくらいあるのでしょうか。茂木大臣にお伺いします。
#319
○国務大臣(茂木敏充君) 通告いただいておりませんので分かりませんが、全体で企業数が四百万ぐらいあります。その中の半分近いものだと思います。
#320
○安井美沙子君 私の手元にございます資料ですと、全法人数二百五十七万社のうち黒字企業は七十一万社ということになっております。
 これは通告してありますけれども、このうちのどのくらいの企業が法人税の廃止を契機に賃金上昇に踏み切ると見込んでいらっしゃいますでしょうか。また、その企業の従業員というのは全体の何割ぐらいに当たるとお考えでしょうか。
#321
○国務大臣(茂木敏充君) 数字の問題は通告していただいた方が建設的な議論ができまして、ちゃんと聞いております。
 例えば、電気料金の値上げについても、さらっとおっしゃいましたけれど、三・一一以降、皆さんの時代には、電気料金、電気事業者から値上げの申請が来ると切り込み一%でしたよ。我々のときは二%以上やっているんですよ、きちんとそういったことも。
 その上で、我々は資本主義でありますけれど、安井先生もそういう資本主義、信奉していただいていると思いますが、強制的に企業にやらせることはできません。しかし、政労使の場等々を通じて、この企業収益の改善、これを賃上げにつなげるという要請を行っておりまして、その結果、昨年十一月二十二日の政労使会議の場におきましては、経団連及び連合より賃上げに向けた決意が表明をされたところであります。
 また、経団連が行いました昨年末の賞与、一時金の調査でも高い伸び率が出、東京商工会議所が行ったアンケート調査におきましても、中小企業でも既に賃上げの動き、こういったものが起こっております。
 また、先月は、経済界が労使交渉に臨みます基本的な方針を示します経団連の経営労働政策委員会報告も六年ぶりにベースアップを容認するということ、例年にない取組を行っておりますし、実際の動きとしても、先日、一月の二十七日に発表されましたNHKの調査においても、主要大手企業だけではなくて中小企業においても約七割が賃上げを検討している、こういう結果が出ております。
#322
○安井美沙子君 先ほどの企業の数字、七十一万社というのが二七・七%の企業に当たるわけですけれども、このうちの、法人税前倒し廃止によって賃金、それも一時金ですね、一時金を上げるとしても、まあせいぜい半数じゃないかなというふうに私は思います。これだけで、せいぜい、よく見積もってと思っていますけれども、それでもって賃金上昇の見通しを得たというのはかなり無理があるんじゃないかと思います。
 それにいたしましても、対象企業が実際に賃金を上げたかどうかというのは、事後的に何らかの形で確認をする予定はあるのでしょうか。
#323
○委員長(山崎力君) 茂木経産大臣でよろしいですか。
#324
○安井美沙子君 はい。
#325
○国務大臣(茂木敏充君) チェックをいたします。そして、できる限り適切な形で公表もしたいと思っております。
#326
○安井美沙子君 私は、賃金上昇への効果がごく限定的あるいは不明なままで法人税を廃止することには賛同しかねます。
 ただ、百歩譲って、景気の腰折れを防ぐためだというならば、国民の皆様に広く御負担いただいている復興特別所得税の減税も併せて検討しなければ、復興特別税のそもそもの理念に反すると思います。実質的な可処分所得の切下げに苦しんでいる家計の一助となる所得税の減税についても併せて検討をお願いいたしまして、次の質問に移ります。
 話題変わりまして、食品偽装表示についてお伺いいたします。
 さきの臨時国会のさなかに、全国のホテル、レストラン、百貨店において食品の偽装表示が次々と明るみに出ました。現在までのところ、全国で三百件以上になりました。幸い健康被害こそ出ませんでしたけれども、国民の食への信頼を裏切ったという意味ではゆゆしき問題だと思っております。
 しかしながら、政府は、当時、目の前で起こっている食品偽装表示について迅速かつ十分に対応しようとせず、明らかにこの問題を軽視していました。本件の担当は森まさこ消費者担当大臣ですが、特定秘密保護法の担当大臣でもあります。政府として特定秘密保護法の可決、成立を最優先にした結果として、食品偽装表示問題にしわ寄せが及んだと理解しています。目の前で食に対する不安に陥っている国民を放置し、国会で迅速な対応、十分な説明をしなかったことについては、政府に猛省を促したいと思います。
 その間、政府は、景品表示法に基づき当該業者への立入検査を行うなど粛々と対処してきたことと思います。現在に至るまでの経過と今後の対策について、現場の陣頭指揮を執っていらした阿南消費者庁長官から国民に分かりやすく説明をしてください。
#327
○委員長(山崎力君) 消費者庁次長山崎史郎君。(発言する者あり)
 じゃ、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#328
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
#329
○安井美沙子君 私は、消費者庁長官、阿南さんを指名して質問させていただくつもりでしたけれども、今日はお越しいただけないということ、全く理由が理解できませんので、大変遺憾ではございますけれども、今日は、じゃ事務方の方に今の答弁をお願いいたします。
#330
○委員長(山崎力君) それでは、改めまして、消費者庁次長山崎史郎君。
#331
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の食品表示をめぐる問題の経緯でございますが、この問題は、昨年十月二十二日でございますが、阪急阪神ホテルズがメニュー表示と異なった食材を使用していたことを公表したということに端を発しております。その後、十一月にかけまして、複数のホテルやデパートなどで同様の事例が明らかになりました。
 このため、消費者庁としましては、十一月八日でございますが、森大臣がホテル、デパート業界団体に対しまして直接再発防止等を求めるなどの対応を取り、さらに、十一月十一日でございますが、森大臣の下に食品表示等問題関係府省庁等会議を設置しまして、関係省庁による対応方針を決定したところでございます。
 その後、十二月九日に、この同じ会議でございますが、三つの柱とします対策パッケージ、一つは、この個別事案に対します厳正な措置、二つ目は、関係業界におきます表示適正化とルール遵守の徹底、三つ目は、国、地方の監視指導体制の強化などを内容とします景品表示法の改正を含みます対応と、この対策を取りまとめたところでございます。
 その後、これを踏まえまして、消費者庁としましては、まず景品表示法の改正の検討を進めているほか、課徴金制度の導入等に関しまして消費者委員会への諮問、さらに、阪急阪神ホテルズ等三社に対しまして景品表示法に基づきます措置命令、これを実施してございます。さらに、あわせまして、この景品表示法の分かりやすい事例等を含めたガイドラインの作成を行っているところでございます。
 また、農林水産省の協力を得まして、食品表示Gメン等につきまして、一定期間消費者庁への一時的な併任発令を行い、景品表示法に基づきます監視業務を実施していただくための準備を進めているところでございます。
 以上でございます。
#332
○安井美沙子君 消費者庁がかたくなに消費者庁長官を出さない理由はどこにあるんですか。森大臣にお伺いします。
#333
○国務大臣(森まさこ君) 食品偽装表示の問題でございますけれども、事件の経緯につきましては事務方からきちっと説明がなされると思います。消費者庁長官、事務次官レベルでございますので、大臣の私が予算委員会に来ておりますので、両方呼んでしまいますとなかなか仕事も回りませんので、そのように今までもこの予算委員会では決まっておったというふうに承知しております。
 そして、この食品偽装問題でございますけれども、消費者庁ができて四年半がたちました。最初の三年半は民主党政権下でございます。十七件の食品偽装表示がございました。例えば、台湾産のウナギを国産と表示する。それから、牛脂を注入したものをステーキと表示したものもありました。それから、これは韓国産のサザエを島根県産と表示。十七件実にございましたけれども、現行法の適正な迅速な運用さえもされておりませんでした。
 この十七件は半年や一年たってから行政命令が打たれておりましたけど、私は、今回の事件が起きて、とにかく現行法でできることは迅速にやることということで指示をいたしまして、翌月には弁明の機会、そして二か月以内に今までで一番早く行政命令を出しました。それと同時に、現行法に問題があるのならそれを改正しなければならないということで、消費者庁だけではなく、関係省庁、これは初めてこの食品偽装問題で、官房長官に相談しまして、官房長官の下で官邸に集めまして対応を協議し、二回開いて、二回目に今申し上げたような全般的な改正案、これを作ったということでございます。
#334
○安井美沙子君 森大臣が大変優秀でタフでいらっしゃるということはよく分かっておりますけれども、皆さん、十月二十二日ですよ、この食品表示偽装問題出たのが。この十月二十二日から年末までの国会、森大臣がどんなに秘密保護法の方に邁進していらしたか、皆さん覚えていらっしゃいますよね。どんなにタフで優秀でも、頭の九九%をそちらが占めていて、国民の不安に応えることができるのか、私、それは超人的なこと、無理だと思います。
 今次官の方から今後の、今の対応の仕方について御答弁いただきましたけれども、まず……(発言する者あり)ごめんなさい、次長にお伺いしましたけれども、併任発令による調査ということをおっしゃいました。今まで食品小売でやっていたような抜き打ち検査を、これをレストランや百貨店まで広げるとなりますと相当大変だと思いますけれども、どんな体制で調査をしてどこの範囲までカバーして、調査結果をどのように生かそうとしていらっしゃるのか、教えてください。
#335
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 これにつきましては、現在農水省とも協議を進めてございますが、全体としまして、この併任辞令の対象としまして約二百人の方を今想定してございます。
 この方々に関しまして、ホテル等の巡回調査等を行う中でこの食品表示等に関しましても調査を行っていただくわけでございますが、実際のメニューと伝票等の入荷状況の整合性のチェック等につきまして、調査の結果を仮に疑義が確認された場合には消費者庁に報告をいただくという形で対応してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#336
○安井美沙子君 ちょっとパネルを見ていただきたいんですけれども、外食とそれから今回対象になっていますお弁当やお総菜などを指す中食ですね、これに関わる事業所は外食店と百貨店やスーパー、さらに旅館、ホテルなどを合わせて約四十四万軒あります。この中には小さな単独店から数百店舗を抱えるチェーン店まで様々です。ここから調査対象を適切にサンプリングすること自体が大変なことだと思っています。
 さっきの二百人の体制でこれをカバーする、あるいは適切に選定すること自体大変だと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
#337
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 全部を調査するのは確かに難しい面がございますが、私どもとしまして、やっぱり主要なホテル、高級レストラン、百貨店等、これはひとつ絞りながらやってまいりたいと思っています。その上で、二百名の方をお願いしますと、二名で一組、これで大体毎月最大限で二千店舗程度は巡回できるというような、そういう見込みを立ててございます。
 いずれにいたしましても、全体はできませんが、そういう形で絞りながら、加えて、こういう調査を行うということ自体がいろんな面で効果を及ぼすものでございますので、そういう形で効果を上げていきたいと、このように考えている次第でございます。
#338
○安井美沙子君 このパネル見ていただきますと分かるんですけれども、首都圏と関西圏を合わせますと、一般飲食店で四六%、半数近く。百貨店、スーパーだと四一%になります。これを適切に調査するためには調査員の配置も考えなければいけないと思うんですけれども、今、どのように配置する予定ですか。
#339
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 現在、具体的にどういう形でこれ配置するかにつきましても、これは私どもと農水省の方で今から相談してまいりたいと考えてございます。いろんな面で、全般にわたっていかに効果が上がるかと、全体を見ながらこれを、配置を考えていきたいと、このように考えている次第でございます。
#340
○安井美沙子君 実際のところは余りまだ進んでいないのかなという印象を持ちました。
 今回の調査は半年の特別体制というふうに理解していますけれども、その後、継続的にどのような調査をしていくお考えか、森大臣にお伺いします。
#341
○国務大臣(森まさこ君) 私も検査官を金融庁でしておりましたけれども、全てのところに検査に入って監視をしていればこのような事件が起きないかというと、そうではないんですね。
 今回、官邸の方で、省庁間会議で決定いたしましたのは、業者の中にも表示責任者を置いていく、そして消費者モニターも使っていく、そしてこのGメンも使って、あらゆる角度からこの食品の偽装をなくしていこうとしています。
 このGメンでございますが、緊急でございますので法改正の前にまず併任を掛けておりますけれども、これから法改正をしていく中でこの半年後の体制は検討していきたいと思います。運用を見守っていきたいと思います。
#342
○安井美沙子君 調査については、今回の六か月の特別体制もまだ具体的な設計ができていないということで、大変不安を覚えます。この調査を経て、本格的な継続的な調査体制をしっかり確立していただきたいと思います。
 それから、全部を調査しろとは言っておりませんで、適切に調査対象を選ぶ、その方法が大事だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、表示についてお伺いします。
 今回の事件を受けて消費者庁が作った外食、中食における表示のガイドラインございますけれども、そこにある三十五例の中から話題になった幾つかを抜粋してみました。パネルを御覧ください。
 牛の成形肉をステーキと表示しては駄目、バナメイエビをシバエビとしては駄目、トビウオの卵をレッドキャビアとするのは三角になっていますけど、高級感をイメージさせるような表現を加えてチョウザメの卵を連想させる場合は駄目といった微妙なものもあります。また、回転ずしでサーモントラウトを使った場合、サーモンと表示しては駄目なので、ガイドラインに従ってニジマスと表記した場合、お店側にもお客さんにも余りうれしくないという声も出ています。
 このガイドライン、三十五個あるんですけれども、どう見ても駄目に決まっているだろうと言いたくなるような明らかなものが半分ぐらいを占めています。実際には九条ネギを使っていないのだけど九条ネギと書いていいか、そんなの聞くまでもありません。実際に有機野菜を使っていないのに有機野菜と書いていいか、駄目に決まっています。
 こういう、これ以外にも現場では異論が出ているものもあります。決して体系的とは言えない、場当たり的に事例を増やし、改定していく、このやり方はいかがなものでしょうか。森大臣に伺います。
#343
○国務大臣(森まさこ君) この例は、パブリックコメントにかけまして、皆さんの御意見をいただいたものでございます。この参考になっているのは、先ほど申しました民主党政権下で下されました十七件の行政処分の例も参考に、これまでの例と不公平性がないように例を出しておりまして、それに対していろいろな御意見をいただいておりますので、今、検討しまして、皆さんの納得のいくようなガイドラインを作ります。
 いずれにしても、今までガイドラインさえなかったわけでございますので、ここは現場の業者さんが混乱しないように、しっかりとガイドラインを示していくことが重要であると思っております。
#344
○安井美沙子君 今ガイドラインさえないとおっしゃいましたけれども、食品表示の基準については、既に農水省所管のJAS法、厚労省所管の健康増進法及び食品衛生法があります。複数のルールがあると消費者にも事業者にも煩雑で分かりにくいということで、昨年の通常国会で食品表示法に一元化されることが決まり、現在、来年の施行に向けて基準作りが進められています。
 せっかく食品表示が一元化されるのに、外食、中食について、別途景品表示法で外食、中食の表示ガイドラインを作るということは一元化の流れに反すると思いますが、森大臣、いかがでしょうか。
#345
○国務大臣(森まさこ君) その二つの法律は全く目的と趣旨が違います。
 食品表示法というのは、食品の表示、どんな項目を表示してもらいたいですかということが決まっておりまして、これは食品だけでなくて、家庭用品の表示法もあります。例えば、靴が革なのか合皮なのか、服が綿一〇〇%なのかどうか、その項目を表示してくださいという法律はほかにもあります。景品表示法は、それら全てに横串を通して、その表示の中身がうそであってはならない、偽装表示の場合の処分を決めたものであって、別の法律なんですね。食品表示についてはきちっと一元化してまいります。
#346
○安井美沙子君 このガイドラインが私は問題があると申しておりまして、むしろ食品表示法の中に外食、中食については虚偽の表示をすることだけを禁止するような規定を追加すればいいのではないかというふうに思っておりますが、これについてはまた別途提案させていただきます。
 今、和食がユネスコの無形文化遺産として登録されまして、非常にうれしいことでございますけれども、昨年は海外からの観光客が初めて一千万人を超えまして、二〇二〇年には東京オリンピックで更に多くの方々が世界中から日本へ訪れることになります。安心して和食を味わっていただくことがおもてなしの基本だと思います。日本では偽装表示が横行しているという評判が海外へ広まってしまっては、和食のブランドは取り返しの付かない傷を負いかねません。そういった事態を避けるためにも、偽装表示を根絶し、信頼を取り戻さなければいけません。安倍総理の決意をお伺いします。
#347
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま森担当大臣からお答えをさせていただいたように、うその表示は駄目だという意味における立法的な措置と、そしてガイドラインによって、そうしたものをしっかりと払拭をしていきたいと。日本に対して、日本の食、この和食に間違っても疑問が投げかけることのないようにしていきたいと、このように思っております。
#348
○安井美沙子君 それから、この前起こった冷凍食品への農薬混入事件、これは全く性質の違うものではありますけれども、日本の食の安全、安心を脅かすものには違いありません。今回の事件の容疑者は非正規社員で、待遇に不満を持っていたと報道されています。この点は二〇〇七年の中国毒ギョーザ事件と酷似しています。
 お手元の資料、パネルはないんですけれども、最後のページを御覧ください。
 安倍政権になってから非正規雇用がぐんと増えています。この状況、たしか厚労副大臣が陪席を希望されておりましたので、もしよろしければ現状を説明していただけないでしょうか。
#349
○副大臣(佐藤茂樹君) 非正規雇用者の現状ということでよろしいでしょうか。
 今、直近では、一三年の十二月現在で千九百六十七万人で、雇用者全体に対する割合は三七・五%となっております。
#350
○安井美沙子君 このグラフ見ていただきますと、過去五年二%前後で推移していたものが、二十五年に入ってから七%前年比で非正規雇用が増えたわけですね。
 今、成長戦略の一環として、派遣の業種制限や期間制限を撤廃する方向で今国会に法案が提出される予定と聞いております。世界で一番企業が活動しやすい国を目指して労働の規制緩和を進めるお考えかと思いますけれども、今回の事件を受けて、この方向に見直しが必要とはお思いになりませんか。
#351
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一般に、契約社員などの非正規雇用については正規雇用に比べて賃金が低いなどの課題があります。その雇用の安定や処遇の改善に取り組むことが重要であると考えておりますので、安倍内閣としては、全ての人が生きがいを持って働くことができるように、何度でもチャンスが与えられる環境をつくっていくことが重要であると考えています。キャリアアップ助成金の拡充などにより、非正規雇用の方々の雇用の安定や処遇の改善を進めていく考えであります。
 そしてまた、今後、今私たちが進めている三本の矢の政策によって、雇用、明らかに改善をしているわけでありまして、有効求人倍率も、リーマン・ショック後は〇・四二倍であったものが一倍を超えたわけでございます。こういう中において、労働環境等々についても向上、改善していくものと期待をしたいと思います。
#352
○安井美沙子君 それからもう一点は、食品業界なんですけれども、非常に厳しい現状があるということを国はもう少し理解しなければいけないというふうに思っています。ただでさえ収益率も低い、給与も相対的に低めで、大変きつい職場です。そして、今、時代の風がアゲンストでございまして、円安による原燃料の値上げ、そして、値上げも少し始まっていますけれども、今後消費税が上がっても食品はなかなか値上げしにくいという悩みも抱えています。さらに、TPPが妥結して条約が発効すれば、輸入食品との一層熾烈な価格競争も待っています。
 この食品製造業及び流通業も含めてですけれども、農林水産委員会でも経済産業委員会でもなかなか取り上げられることがありません。この食品業界にもう少しスポットライトを当てる、このことで日本の食を守っていただきたいと思うんですが、林農林水産大臣、御所見をお願いいたします。
#353
○国務大臣(林芳正君) 委員おっしゃるように、食品産業は中小零細企業が九割以上を占めておりまして、今おっしゃっていただいたように、価格競争等、非常に厳しい経営環境に置かれております。
 国内農水産物の三分の二、これを加工原料として受け入れられているという意味で、農林水産業の大需要先であるということと、それから、やっぱり地方においては地場産業として大きなウエートを有しておりまして、就業者数でも一割強の八百万人の雇用ということ、大事でおりますので、農林水産省としても、消費者を基点とした食の安全、安心の確保、これが重要だと考えておりまして、食品の衛生、品質管理の高度化、コンプライアンスの徹底等に努めてきたところでございますが、今後も食品産業がその役割を果たしていけるように、その技術力やノウハウ、これを生かしてもらいながら、農商工連携による六次産業化、また輸出を始めとした今後倍増が見込まれる海外への食市場の進出、こういうものの取組をしっかりと支援していくことで食品産業振興を図っていきたいと、こういうふうに考えております。
#354
○委員長(山崎力君) 安井美沙子君、おまとめください。
#355
○安井美沙子君 是非よろしくお願いいたします。
 これで質問を終わります。
#356
○委員長(山崎力君) 以上で安井美沙子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#357
○委員長(山崎力君) 次に、脇雅史君の質疑を行います。脇雅史君。
#358
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 今日は、政府の情報管理、そして外交姿勢、憲法等につきまして御質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、情報管理ということでお尋ねいたしますが、特定秘密情報管理法ができましたけれども、これまで一体政府は秘密情報についてどんな管理をされていたのか、その概要をお尋ねしたいと思います。
#359
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 秘密文書等の取扱いにつきましては、昭和四十年四月の事務次官等会議申合せ「秘密文書等の取扱いについて」におきまして、原則として秘密文書の区分を極秘と秘の二種類とすることや取扱責任者を指定することなどを定めているところでございます。この申合せを受けまして、各府省がそれぞれの内部規則を定めて管理を行っております。
 また、平成二十一年四月からは、カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本指針に基づきまして、各府省において内部規則を定め、国の安全上、外交上の秘密その他国の重大な利益に関する事項であって、公になっていないもののうち、特に秘匿することが必要なものという基準を満たします情報を特別管理秘密ということで指定をいたしまして、より厳格な保全措置を講じているところでございます。
#360
○脇雅史君 お話によりますと、事務次官の申合せというのが、昭和四十年ですから五十年ほど前ですね。大分前の規則でおやりになっていたと。その後、特別管理情報ということで少し追加をされたようでありますが、基本的にはそのときの申合せが生きてきた。そして、その実態として、秘それから極秘ですね、秘と極秘ということについて誰が判断されてきたんでしょうか。
#361
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 先ほど申し上げました事務次官等会議申合せにおきまして、極秘につきましては当該各省庁の官房長、局長又はこれらに準ずる者が、秘につきましては当該府省の課長又はそれらに準ずる者がそれぞれ指定を行うということになっております。
#362
○脇雅史君 そういたしますと、秘とされるものは課長クラスがお決めになる、極秘というものはこれは官房長クラス、局長クラスがお決めになるということで、ここに大臣おられますが、大臣はその状況は知り得ないと言っては変ですが、直接的には回ってこないということになっていたんでしょうか。
#363
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 今申し上げました極秘それから秘については、それぞれ局長級、課長級の指定でございますので、特に大臣の方に御了解をいただくということにはなっておりません。
 先ほど更に申し上げました特別管理秘密でございますが、こちらの方は、先ほど申し上げました基本方針に基づきまして各行政機関の長が指定を行うということになっておりますので、これは各大臣が御指定されるという仕組みになっているところでございます。
#364
○脇雅史君 今の情報、現在の情報といいますのは、必ずしも紙だけではなくて、電子情報といったようなものがたくさんありますが、コンピューター関係の扱いについては何か決まっているんでしょうか。
#365
○政府参考人(由木文彦君) 電子情報につきましても、それぞれ各府省で取扱いの方針を定めておりまして、それぞれ機密情報の分類を機密情報一、二、三というような形でするという取扱いになっております。
#366
○脇雅史君 そういう情報管理がこれまでなされてきたわけで、この間からの国会で随分話題になっておりましたけれども、役人だけが情報管理をするとみんな隠してしまうのではないか、あるいは恣意的な運用がなされるのではないかという心配が提起されてきましたけれども、まさにこれまでの我が国の情報管理は役人だけでやっていたんですね。国会も関与しない、法律も関与をしないということなので、これが適正な情報管理の仕方だったのだろうかという観点からすれば、これをきちんと法制化するということはごく当たり前のことで、法制化すること自体がおかしいという議論は私は成り立たないと思います。国民の代表である私たち国会議員がしっかりとその中身について議論をし、適正な管理がなされるようにすることこそが情報管理の在り方だと思っています。
 これまで役人だけでやっていたので全くめちゃくちゃに情報が秘密になされていたのか。そして、そういうことは大変な問題だということは、これだけ大きな社会的な動きになってきた、報道機関等から余りにも秘密が多過ぎるじゃないかといったような指摘はこれまであったんでしょうか。
#367
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 先ほど申し上げておりますように、各府省がそれぞれの内部規律、内部規則を定めて適切に管理をしておりますところでございます。また一方で、平成十三年度からは情報公開制度が導入をされまして、法律上不開示情報とされているもの以外のものにつきましては開示をされているところでもございます。
 こういったことも相まって、御指摘のような、必要以上に何でも秘密にしてしまうというようなことは行っていないものというふうに認識しておりますし、また、特にそのような御指摘を受けたということもないものというふうに承知しております。
#368
○脇雅史君 ですから、余り役人にやらせるとめちゃくちゃなことが行われるという心配をして、しっかり監視することは大事ですけれども、実態はそんなことはないというのがこれまでの我が国の現実の姿だったのではないかなと私も思っています。
 そこで、ちょっとケーススタディーをしてみたいんですが、中国漁船がぶつかった事件がございましたね。あれは、あれで得られた情報というものは、非常に特殊な部分もあるんですけれども、それがどういう管理、政府のどういう方針でどういう処置がなされてきたのかということについてお尋ねしたいと思うんですが、あのときの事件で得られた情報については、まあ海上保安庁ですかね、どんな処置をされてきたんでしょうか。
#369
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。
 刑事訴訟法第四十七条におきまして、訴訟に関する書類を原則公にしてはならないこととされておりまして、海上保安庁といたしましては、中国漁船の衝突事件の映像記録は訴訟に関する書類に該当し、それが公にされることにより業務遂行に支障を生じさせるものであるとして、当時の判断として非公開とすることといたしました。
 他方、海上保安庁では、国会からの要請を受けまして、映像記録を国会に提出し、視聴していただきました。これらの映像記録につきましては、当時の判断として、刑事訴訟法第四十七条ただし書の規定に基づき、国会からの要請、海上保安庁の取締り活動への支障や映像に記録された関係者の名誉、人権への配慮などについてその都度考慮した上で公開することといたしました。
#370
○委員長(山崎力君) それでは、谷垣法務大臣。
#371
○国務大臣(谷垣禎一君) 海上保安庁もそうでございますが、私どもも検察であの事件には関与しております。
 そこで、今海上保安庁長官からお話がありましたように、我々も刑事訴訟法の下で仕事をしておりますので、原則として四十七条の縛りが掛かっております。
 しかし、当時の衆議院議長から検察当局に対して映像記録の提出要求がありました。それを受けて、検察当局、この場合、那覇地検とそれから福岡高検、最高検との間で協議をした、最終的には協議をして決めたわけでございますが、記録提出要求に基づく公益上の要求というものが一つ必要性がございます。
 それから、今も長官からお話がありましたけれども、海上保安庁における海上警備や取締り活動に支障を生じさせるようなことがあってはならない、それから関係者の名誉等の保護ということもございます。そういうものを総合考慮して、衆議院議長に提出するのが適当だと認められる部分をDVDに編集しまして提出をしたと、こういう報告を私は受けております。
#372
○脇雅史君 聞いておられる国民の皆様方は分かりにくいかもしれませんが、刑事訴訟法の四十七条では裁判に関する書類は公開してはならないという規定がありまして、それはまさにそのとおりなんですね。
 しかし、先ほど来御説明がありました、政府として情報が出たときにそれを極秘にするのか秘にするのか特定管理秘密にするのか、それは刑事訴訟法とは関係なしに判断されるべきことなんではないでしょうか。それはされていたんですか。
#373
○委員長(山崎力君) どなたが答弁されますか。
#374
○脇雅史君 海上保安庁。
#375
○政府参考人(佐藤雄二君) これらの映像記録につきましては、当時、海上保安庁といたしましては捜査を行っておりました関係で、刑事訴訟法第四十七条ただし書の規定に基づきまして、国会からの要請、海上保安庁の取締り活動への支障や映像に記録された関係者の名誉、人権への配慮などについて、公益上の、それぞれの公益についての比較考量をした上で、海上保安庁においてその映像記録を国会に提出し、視聴していただくことを判断いたしたところでございます。
#376
○脇雅史君 ちょっとそれは私はおかしいと思うんですが、まず情報が得られれば、当時の政府の情報管理としては、事務次官の申合せに基づいてこれはどういう区分の秘密にするか決める。そこで、秘密であって、そして刑事訴訟法上出せないということが重なっても別に構いません。しかし、その情報はどういう扱いをすべきかということは、刑事訴訟法にかかわらず、役所として判断すべきなんじゃないでしょうか。
 そして、そうであれば、訴訟が終わった段階で、秘にするのか極秘にするのか、あるいは公開するのかということがあらかじめ決まるわけであって、当初のその判断を、刑事訴訟法で出さないんだからいいんだというだけで済ますというのは少し私は間違いではないかという気がするんですが、いかがでしょうか。
 これは、海上保安庁はそうしなかったんで、どなたか、内閣の方、当時の話ですから、今の内閣ではありませんが。
#377
○国務大臣(谷垣禎一君) 海上保安庁と検察庁と扱いは違うのかもしれません。私、海上保安庁の方はよく存じませんが、検察の場合は、基本的に捜査活動、つまり裁判上の資料として行うものでございますから、先ほど来御議論の秘あるいは極秘というような分け方とは別として、原則としてこれは訴訟に関係する書類である、刑事訴訟法四十七条の規定の下で処理をしているということだろうと存じます。
#378
○委員長(山崎力君) よろしいですか。
#379
○脇雅史君 あと、一般論としてどなたか。
#380
○委員長(山崎力君) それでは、森国務大臣。
#381
○国務大臣(森まさこ君) 特定秘密保護法は当時ございませんでしたけれども、特管秘という現行法上の制度はありまして、この……(発言する者あり)現行法でですね、秘密に、秘密文書になるかというと、これは結論としてならないというふうに思います。
 当時、私、自民党副幹事長でありまして、そのとき幹事長が石原伸晃幹事長であったんですが、調査をすべきという命を受けて、私、調査に行ってまいりまして、那覇地検検事正、次席検事、それから石垣島、海上保安庁の実際中国船長を逮捕したその海上保安官にも会ってまいりましたけれども、このビデオが出る出ないというのは、行政上の秘密文書だからという理由ではないということは明確であります。
#382
○脇雅史君 ちょっとそれはまた違うのであって、行政上も出してはいけない文書の部分があるんですね。先ほど言われた海上保安庁の取締りの状況を一般に知られてしまうことは良くないからそれは隠そうではないかという判断をしたわけですから、それは極秘なのか秘なのか分かりませんけれども、そういう判断をすべきなんですよ、役所としてですね。
 そして、その次に刑事訴訟法が来まして、刑事訴訟法もただし書があって、公益に資する場合は出せと書いてあるんですね。
 その公益というのは何かというと、当時の我が国と中国の非常にAPECを控えた微妙な時期にああいうことが起きたと。それで、いろいろ盛り上がりましたね。中国側は自分は正しいことをしているというような報道がありましたが、我が国は明らかに漁船がぶつかってきたのではないかという話が出ていて、実態がどうか、国民の皆さんは非常に知りたがっていました。
 私たち、当時、野党自民党として、私はこれは公開すべきだろうというふうに思っていました。ところが、実際には公開されなかったんですが、最後はそのただし書、刑事訴訟法のただし書を使って公開、一部ですけれども公開されたんですね。要は、それでも全部は公開してはならないという論理があったと。それは刑事訴訟法というよりは、むしろ国の情報管理として出すべきではないという判断があったのだろうと。ですから、これは仮に裁判が終わったとしても、海上保安庁としては出せないものは出せないという部分があったんだと思うんですね。
 余り当時のことを蒸し返しても仕方がないんですが、要するに、情報管理というときの考え方が少し整理がされ切っていなかったのかなという思いがいたしまして、ですから、私は今回、特定秘密の法案、法律が出てきて、こういう議論が皆さんで非常にしっかりなされるということになって良かったと思うんですね。
 当時、また蒸し返して恐縮ですけれども、刑事訴訟法のただし書を使う公益であるかどうかということの判断というのは極めて難しいので、これは一地検で行われるような判断でもないし、そしてどこかの海上保安庁だけで判断できないんですね。これはむしろ政府全体として国益を考えて、刑事訴訟法のただし書で公開するのか、どうするのかということを最終的に判断すべきだったんですよ。
 私はそれが適切になされてきたとは思えないということで、これからしっかりやっていくべきではないかと。その意味で、今回、特定秘密保護法ができましたので、これをしっかり運用していくということが一番大事なことなのではないかと思っています。
 それから、今回の法律は秘密の中の非常に限定された部分ですが、その周辺は依然として今までの規則が残っているんですね。特別管理秘密というものと、極秘って、本当は極秘の中に機密という区分もあるんですよ。そういう区分との関係も定かではないので、私は、この特定秘密保護法だけではなくて、その周辺の様々な秘密情報をこの際、法律にするかどうかは別にして、もう一回しっかり見直して政府としての情報管理の適正化を図るべきだと思うんですが、いかがでございましょうか。
#383
○国務大臣(菅義偉君) 今委員の質疑でこの問題点が明らかになってきたわけであります。そういう中で、特定秘密保護法が成立をし、この共通ルールの下、政府内において管理体制というのが確立できることになったんですけれども、今その周辺の問題についても、これ、今それぞれ府省庁でこれルールを作ってやっているというふうに思っていますので、この機会に全体として統一ルールというものを前向きに検討していきたいと思います。
#384
○脇雅史君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 それから、審議を通じて様々な心配事がなされました。特定秘密保護法ができますと映画撮れなくなっちゃうぞとか、オスプレイの写真撮ったら捕まっちゃうぞとか、私から思うと荒唐無稽に思うんですが、現実にそういう心配なされている方もいないわけではない。ですから、そういうことについては丁寧に対応していかなくてはいけませんので、私たちも与党として治安維持法みたいな世界に絶対してはならないと思っていますし、誰もそういうことは思っていないと思いますね。与党自民党、公明党も、政府も多分思っていないだろう。しかし、そういう様々な疑問を抱かれている以上、注意深く進めていかなくてはなりません。
 そして、現実にこの法律が施行されたらどうなるか。決して私はそういう変な事態は起こらないと思っています。しかし、それは注意深く見ていかなければなりませんので、是非毎年毎年レビューして、悪かったら私たちも改正案を出しますよ。政府の方もしっかりレビューしていただいて、国民の皆様方が今心配されているようなことはありませんと。
 総理は再三そういうことはないんだとおっしゃっていますが、そのないということが、次の日の新聞を見ると、総理はそう言っているけれども油断してはいけないと、きっと危なくなるんだと、そういう報道がなされるわけで、私はこの際申し上げておきたいんですが、報道機関もレビューしてほしい。去年からずっとやってきましたね、それぞれ毎日、毎日というと何か新聞みたいですけど、ずっとその報道がなされてきて、ある新聞では一面に有名人を出してそういうことをずっと言わせてきたんです。有名人がどこまでその中身に責任を取られるか分かりませんが、是非三年後にもう一回その人たちに聞いてほしい、どうなったか、本当に映画が撮れなくなったのかどうか。
 私たちは必ずしも全て正しいことをやっているわけではないかもしれません。やったことをしっかりレビューしながら、悪かったら直すと、十分可能なんですから。是非報道機関も、報道したことが全て正しいかどうか分からないんですから、三年後にはもう一回しっかり見直そうではありませんか。どうでしょうか。
#385
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までの議論が、決め付けの議論が果たしてどれぐらい正しかったかということは、はっきりとこれは検証するべきだと思いますね。是非例えば二年後に、飛んでいくオスプレイを写メで撮って、それを友人に送ったら懲役五年とかいう議論があったんですから、実際誰かそれやってくださいよ、そうなるかどうかと確かめてみたら私はいいんだろうと思いますよ。岩国に飛んできたときにそばで撮って、みんな友達に送ればいいんだろうと、このように思いますが、全くそんなことは起こらないんですから、そういうことを言った人はやはり責任取っていただきたいと思うわけでありますが。
 今、脇委員が御指摘のように、これはしっかりと状況が、運用状況がどうなっていくかということを確かめることは極めて重要であります。今まで、今、脇委員が御指摘になった様々な、外交秘密もそうですが、特別管理秘密もそうですし防衛秘密もそうですが、そういう管理はなされていなかったわけでありますが、特定秘密については、これは内閣総理大臣が毎年特定秘密の指定、解除や適性評価の実施状況について有識者に報告するとともに、その意見を付して国会に報告をし、公表することとしておりまして、国会が定期的に本法の運用状況をチェックできる仕組みになっております。
 そういう意味においては、しっかりと国会でチェックをしていくことになるわけでありますし、果たしてこの数か月間行われてきた言辞が正しかったかどうか、どういう人がどういう意見を言っていて、それが正しかったかどうかというのを三年後にしっかりと検証するということは、これは政府がやることではないと思いますが、党でやっていただければ極めて有意義ではないのかなと、このように思います。
#386
○脇雅史君 ありがとうございました。
 政府として得られた情報、基本的には全て国民のものですけれども、国益という大きな観点から、あるものは秘す必要があるんですね。それが的確になされるように、これからも国会としても与党としても我々しっかりと見守っていきたいと思っておりますし、政府も、今総理の御答弁にありましたようにしっかりとした運営を図っていただきたいとお願いをしておきます。
 それでは次に、外交姿勢と憲法ということでお伺いしたいんですが、これまでの国防の基本方針というものに代えて国家安全保障戦略というのを閣議決定されたわけですね、十二月十七日でしたか。これはなぜこの時期にこういうことになったのか、御説明をいただけますでしょうか。
#387
○国務大臣(菅義偉君) 我が国を取り巻く安全保障の環境が一段と厳しさを増す中で、我が国の国益を長期的視点から目指した上で国家安全保障のための方策を取り組んでいく必要があると。そうした考えの下に、我が国の取るべき国家安全保障上のアプローチを示す国家安全保障の基本方針として、関係国に対し透明性が確保する形で国家安全保障戦略を作成したわけであります。
 そして一方、従来、国防の基本方針、これは昭和三十二年に策定されたものでありますけれども、与党の方から、やはり時代の流れ、環境の厳しさの中で国家安全保障会議が策定する国家安全保障戦略への一本化を検討する旨が必要だと、そういう提言もいただきました。そうしたものを踏まえた中で、国防の基本方針そのものを引き継ぎながら国家安全保障戦略、これに発展的に改組されたと、そのようなことであります。
#388
○脇雅史君 そのとおりで、誠に時宜を得たものだと思うんですが、国家保障戦略が立てられたことで、私も、恥ずかしい話ですが、国防の基本方針というのを改めて見ることになりました。
 極めて分かりやすくできているなと実は感心をしたんですが、こちらの方に少し興味が行ってしまいまして、昭和三十二年ですからもう五十六年間、我が国はこの国防の基本方針に基づいてやってきたんですね。これ、資料一でお配りしておりますが、これに目を通していただくといいんですが、ちょっと時間の関係で、私がしゃべると時間を取られちゃうので、誠に恐縮でございますが、外務大臣、ちょっとこれを読んでいただけませんでしょうか。済みません。申し訳ございません。
#389
○国務大臣(岸田文雄君) それでは読ませていただきます。
 国防の基本方針、閣議決定。国防の目的は、直接及び間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われるときはこれを排除し、もって民主主義を基調とするわが国の独立と平和を守ることにある。この目的を達成するための基本方針を次のように定める。(1)国際連合の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。(2)民生を安定し、愛国心を高揚し、国家の安全を保障する必要な基盤を確立する。(3)国力国情に応じ自衛のため必要な限度において、効率的な防衛力を漸進的に整備する。(4)外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。
 以上です。
#390
○脇雅史君 誠に恐縮でございまして、ありがとうございました。
 改めてこれを見て、先ほど官房長官も言われましたが、この四項目は基本的には変わっていませんよね。
#391
○国務大臣(菅義偉君) この四項目については、この戦略の中でしっかりと引き継いでおるところであります。
#392
○脇雅史君 そこで、この四番なんですが、外部からの侵略に対して、国連に期待するというのは、これはちょっと夢物語かもしれませんので省くとして、基本的に米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。つまり、我が国は米国にその安全を委ねてきた、これは誰もが知っている話ですが、こういう明快な基本方針の下に去年まで、いや、去年を過ぎても、今もそうなんですね。
 昭和三十二年という年がどんな年だったか。サンフランシスコ講和条約ができて五年ぐらい、まさに我が国は自らの国は自ら守るということではなくて、アメリカに依存しますという戦後やむを得ない選択で、それしかなかったわけですね。敗戦国として、サンフランシスコ講和条約の結果、こういうことを受け入れて、それを前提にして私たちは日本の国を戦後つくってきたんですね。それを今も続いているんです。つまり、戦後が全く終わっていませんということを国民全体がもう一回きちんと改めてこれを見なければいけない。
 これからどうするかって非常に難しいことですね。アメリカと我が国はこれからもずっと仲よくやっていくと思いますし、そうすべきだと思っています。しかし、安全を守るのにこのままでいいのかということはこれから本当に議論しなければいけませんね。改めてこの国防の基本方針を見てそう思うんです、これから本当に国民全体として考えていかねばならない課題だと。それはまさに憲法の課題にもつながっていくんですね。それが今私たちに課せられたことなんだと思うんです。
 この新しくできた戦略を見ますと、国際協調主義に基づく積極的平和主義という言葉が随所にありまして、まさにこの積極的平和主義というのが今後の戦略の基本理念ですよということを言っているんですが、私もこれ読ませてもらいまして、実はそれが基本的な理念なんですよということがこの戦略の中で書かれているんですね。そして、それはここで説明すると書いているんですが、意味は大体分かるんです。大体分かるんですが、それほど明快にこういうことですよという概念規定みたいなことにはなっていない、意味は読み取れるんですが。
 そこで、この言葉が意味することは本当はどうなのかということを分かりやすくお話しいただけませんでしょうか。
#393
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この積極的平和主義については、まず時代認識を明確にしているわけでございまして、この時代認識が極めて重要なんだろうと思います。この国防の基本方針が決定された時代は昭和三十二年、これは岸内閣のときにこの国防の基本方針が決定され、その後、安保条約が改定されていくわけでございますが、この積極的平和主義におきましては、時代認識として、我が国を取り巻く安全保障環境が大変厳しさを増している。
 つまり、ある意味では米ソ冷戦構造時代が終わった中において、これは米ソ冷戦構造時代には米国とソビエト連邦というスーパーパワーが世界を二分をしていたわけでありまして、日本は西側陣営に属していたわけでございますが、その中で日本はむしろ積極的な役割を担っていくというよりも、これは基本的にこの自由世界のリーダーである米国とともにというか、米国にある程度、の方針に沿っていくという側面も強かったんだろうと、こう思うわけでありますが、現在のアジア太平洋地域をめぐる環境は大きく変わってきているわけでございまして、大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威は深刻度を増しているわけでございます。
 また、サイバー攻撃のような国境を越える、簡単に国境を越える脅威も増大をしている中において、どの国も自国のみにおいて自国を守ることはできないという状況でありますし、そして経済のグローバル化がますます進む中において、日本人の多くも海外で仕事、活動していますし、邦人企業もたくさんあるわけでありまして、そういう邦人、外国における日本の企業の安全な活動も守らなければいけない。
 そして、例えば海や空、これはまさに日本や世界が発展していく上においての公共財なんだろうと思います。この公共財の自由な活用、そしてそれは法の支配を尊ぶことがとっても大切であります。法の支配によって自由な海の航行そして空の飛行が担保されることによってそれぞれの国が発展をしていくわけでございまして、そういう中におきまして、我が国の平和を守るためには国際社会と協力をしてこういう公共財を守っていくということも大切でありますし、地域や世界の平和を確保していくことが大切であると。
 ですから、その意味において、日本は今まで以上に国際社会とともに世界の平和と安定のために貢献をしていく必要があるだろうと、こう考えているところでございます。
 例えば具体的には、先般、フィリピンの台風被害に対して千二百名の自衛隊員、かなり大規模な自衛隊員の派遣を行いました。かつてはやはりこれは、しかもレイテ島でありますから様々な観点からちゅうちょすることがあったわけでございますが、今回はまさにそういう意味において、しっかりと説明する中において自衛隊を派遣をいたしました。現地では米軍と共同の作業もあったわけでございますし、あるいはまたシリアでの化学兵器の廃棄そのものに対する協力ということも含めて、そうした積極的な協力を進めていきたいと、これこそが積極的平和主義の観念とそして行動ではないかと、このように思っているところでございます。
#394
○脇雅史君 我が国は現憲法を持っているわけで、現憲法下で許されるあらゆる手段を通じて前向きに、積極的にやっていくという意味だろうと思うんですが、全く私もそれに同感するわけですが、しかし、今我が国にはそういうときに、自民党は戦争をしたがっているとか、安倍総理は戦争をしたがっているとか、そういう国にしたいんだ、明らかな誤解でありますが、そういうことを言う方々がおられるんですね。
 それを受けて、中国や韓国もそれに近いことを言われているような気がいたしまして、私ちょっと気になったんですが、この積極的平和主義といったときに、この積極的という意味が武力を使ってでも平和を達成するんだというようなことに思われやしないだろうかと。これは、総理の説明から私はそんなニュアンスは全く感じないんですが、例えば中国や韓国がどのように訳してこの言葉を使っているんだろうか。これ、変に使われると武力も辞さないというふうに取られかねないので、これはまさに国際的な話ですから、自分たちがこうだと思っていても違う訳語でされていたら話になりませんので、中国や韓国は国内報道で実際にどんなことをされているのか、これは外務省だと思うんですが、いかがでございましょうか。
#395
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の積極的平和主義ですが、内容につきましては先ほど総理から御説明させていただいたとおりでございます。そして、これにつきましては、今のところ、インドネシア、シンガポールを始めとするASEAN諸国、あるいは米国、英国、フランス、ドイツ、EU、豪州を始めとする各国からこの我が国の積極的平和主義、歓迎し支持するという反応をいただいております。
 そして、御質問の積極的平和主義、中国や韓国でどのように訳されているかということでありますが、この積極的という単語、これは中国語及び韓国語においても日本語と同じ意味で使われております。例えば、中国語においては、この積極という言葉は肯定的である、プラス評価の、あるいは積極的である、熱心である、こういった意味で使われておりまして、実際、この我が国の積極的平和主義という言葉につきましては積極和平主義という訳が中国では使われております。また、韓国におきましてもこの積極的は日本語と同じ意味で使われておりまして、韓国におきましては、積極的平和主義について、同じく積極的平和主義という単語を使って訳しております。このように、両国におきましても否定的な意味に訳されているとは承知をしておりません。
 いずれにしましても、積極的平和主義、これ積極的に武力の行使を容認するなどということではないこと、これは当然のことでありますし、我が国の平和国家としての根幹、これは全く変わっておりません。是非引き続きまして近隣諸国にしっかり説明を続けたいと存じます。
#396
○脇雅史君 ありがとうございました。
 この保障戦略を読みますと、我が国は一貫して戦後七十年間、一発の弾も撃っていませんし、平和そのものに徹してきたんですね。そのことは評価も受けているし、引き続きこれをより確固たるものにしなければならないと明快に言っているんです。引き続きこの方針を堅持しようと。
 ですから、これを読む限り、積極的平和主義が武力を使う方向に行くんだというふうには全く読み取れないと思うんですが、外国のことを心配している場合じゃないですね、我が国の中でそれを言う人たちがいるわけですよ。どういう読み方をするんだろうかと。
 そこで、実は資料の二で社説を。「安倍政権の安保戦略 平和主義を取り違えるな」と書いているんですね。この上から二段落目の右側の方に、これは私が読みますが、「安保戦略が強調しているのが、安倍首相が唱え始めた「積極的平和主義」というキーワードである。」、ここは正しいです。「憲法九条による縛りを解き、日本の軍事的な役割を拡大していく考え方のことだ。」、こう言っているんですよ。断定しているんです。もう一つ、一番最後の下の真ん中辺ですが、「逆に、「我が国と郷土を愛する心を養う」という一文が盛り込まれた。過剰な愛国心教育につながる危うさをはらむ。 ナショナリズムをあおって国策を推し進めるような、息苦しい社会に導くのは誤りだ。」と。
 ところが、さっき誠に恐縮で外務大臣に読んでいただきましたが、昔から、愛国心を高揚しと五十六年間も入っているんですよ。これ読む限り、何か新たに追加したように見えますが、全くそういうことではないんです。しかし、そのことはこの朝日新聞も御存じで、別の記事には、この愛国心を入れたのは岸さんで問題だと言わんばかりの記事を書いていますから、誠に変な話なんですが。
 私は、新聞が意見を述べるのはいいと思うんです。しかし、これだけ明快に事実と違うことを書いて政府がこれを放置すると、外国から見ていれば、何も言っていないんだから半ば認めているのかと、きっと内心思っているんじゃないかと、そう思われる心配もありますので、事実が余りに違う場合は、これは間違っていますよと、私が言っている、私というのは総理ですよ、その私が言っていること、積極的平和主義というのはこういう意味ではありませんと、こうなんですということを明快に世間に言うべきではないでしょうか。これ、朝日新聞だけ読まれている方は、なるほどそうかと、やっぱり右寄りだなというふうに思っちゃうんですよね。
 ですから、私はこれはおいておいてはいけないと思うんですが、いかがでございましょうか。
#397
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、新聞社というのは自分の意見をくっきりと明確に主張されるのは、これは大変いいことですし、どんどん批判していただきたいと、こう思っているわけでありますが、しかし、その批判に対しては、こうではないということは明確に述べていかなければいけないのかなと、こんなようにも思います。
 かつて評論家の三宅久之さんから聞いた話でありますが、朝日新聞の幹部が安倍政権打倒は朝日の社是であると。これは、社是であるのは私は全く結構だと思います。しかし、それはそういう新聞なんだなと思って私も読むわけでありますが、この中で、我が国と郷土を愛する心を養う、これは事実上、教育基本法に書かれたことをここに持ってきたわけでございまして、そういう表現を使わさせていただいたということでございまして、ナショナリズムをあおって国策を、我々はあおることはしません、あおる人、あるいはあおる新聞社というのはあるかもしれませんが、我々はそういうことは慎まなければならない。
 つまり、私たちは、しっかりとファクトと責任感で対応していきたいし、しっかりと真実を礼儀正しく、静かに国民の皆様に分かりやすく伝えていきたいと、このように考えているところでございます。
#398
○脇雅史君 意見とか評価というのはいいんですが、これは事実を、まさにキーワードの積極的平和主義そのものを取り違えて間違ったイメージを与えることですから、これは単なる意見ではないんですね。事実の違いとして明快に、今総理言われませんでしたが、これは明快に正しておくべきだと私は思います。そうしないと誤解を受けるんです。ただでさえ右傾化とか自民党が戦争をしたがっているという評価をしたい人がたくさん、たくさんはいないとは思いますが、おられるわけですから、そのことはやっぱり慎重に、決して報道の自由を侵すわけでもなし、言論の自由を侵すわけでもありませんが、事実が違えば指摘をすることは許されるのではないかと。これ、多分、共通一次か何かで、これを読んで、平和主義って何ですかって、こう書いたら零点ですよ。やっぱりそれは許されることではないと私は思っております。
 そこで、今度は憲法九条についてお伺いするんですが、これはなかなか微妙な話で、変なことを言うとまた私も言われちゃうかもしれないんですが、我が国はこの現行の憲法で「戦力は、これを保持しない。」と、こう九条で書いてあるわけで、そうすると自衛隊は持てなくなっちゃうじゃないかということなんですが、先ほどの三十二年のこの国防の基本方針でも効率的な防衛力をつくっていくと言っているんですから、いわゆる自分の国を守るということは、自衛権というものは許されているんですよという前提で、自衛のためのものはこれは戦力ではあっても当然に持つべきだという解釈をして我が国はやってきています。私はそのことについては全くそうだと思っております。そうする以外に道はないのでそうであるべきだと思っている人間なんですが、これもまた外国から見てみようかと。
 例えば、韓国や中国がまさかこれを韓国語、中国語に訳して見ていられるかどうか分かりませんが、仮に正確に訳して日本という国を外から見ると、戦力を保持しないと書いてあるじゃないかと。何だと、うそだろうと。国防の基本方針、国家の基本方針が憲法と少し、読めばそごがあるんじゃないですかと。
 我々は国内で解釈をして、それでいいんだと思ってそうするほかはないと思っていますが、外国から見たら日本というのは不誠実な国に見られはしないだろうかという心配を実は私はしています。私たちは、自衛はするんだ、自衛力はあるんだと、そう言っているわけですから、そのことは明快に私は憲法に書くべきだと思っています。それが正しい誠実な姿だろう。もしそうでないのであれば、自衛隊を持ちませんと言っておられた昔の社会党のような姿がそれはそれで論理が立っているのであって、それはきっちりと変えるべきだと。
 その意味で、憲法九条こそ私は国家の誠実という意味で変えるべきだと思うんですが、いかがでしょう。
#399
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の質問にお答えする前に、先ほどの社説の中で、ファクトとは違うという意味においては、一点だけこれははっきりと申し上げておいた方が誤解を解くのかなと思うんですが、軍事偏重の動きは近隣諸国への敵対的なメッセージにもなる、軍拡が軍拡を呼ぶ安全保障のジレンマに陥ればかえって地域の安全を損なうといって批判をしているわけでありますが、防衛費の伸びについて恐らく述べているんだろうと思います。
 確かに二・八%伸びたんですが、二%は公務員費、公務員の給与について七・八%引き上げた分であります。そして、あとは消費税の分でありまして、事実上〇・数%しか伸びていないわけでありまして、一〇%強伸びている国に対して〇・数%でしか対応していない国に対して軍拡対軍拡というのは、これは新聞社として、あなた、事実見る力あるんですかという心配にむしろなってくるわけであります。
 そこで、本来の質問に戻らさせていただきたいと思うわけであります。
 この憲法につきましては、政府としては従来から、憲法第九条は、外部からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされるような場合にこれを排除するために必要最小限度の範囲で実力を行使することまでは禁じていないと解してきたところでありまして、昭和三十四年のいわゆる砂川事件最高裁判決においても、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないとされているところでありまして、ということでございます。
 そして、我が党は既に憲法改正草案を出しているわけでございますが、その中におきましては、言わば現状の自衛隊の存在、これは名称を変えておりますが明記して、シビリアンコントロールの大切さも、そうした明記して分かりやすくしていくことの必要性というのも極めてこれは重要であろうという観点から自民党案が出されているものと承知をしております。
#400
○脇雅史君 まさにそのとおりでございまして、我が党が作った案というのも、今現実に我が国がやっていることを素直に書こうということであって、決して戦争をしたい、戦争をする国にするということではありませんね、自衛に限っているわけで。
 しかし、ただし、国際的協調主義、そういうことに基づく自衛隊の出動、例えばPKFですね、そういうことについては、これはどうするんだろうか。やはり各国と協調して派遣できるようにした方がいいのではないかという議論があって、そのことはできるような書き方を自民党の改正案では書いているわけで、これをもって戦争をしたいとか右傾化だとかと言われるのは全く心外でありまして、しっかり読んでもああいう答え出す方々ですから、なかなか読めば分かるだろうと言っても分かってもらえないんですが、少なくとも国民の皆様方には、私たちはそんな戦争をしたい国に決してしたいのではありませんということは明確に常に言っておかなければいけないのだろうと思っています。
 そして、それから、自衛権のお話が今ありましたが、集団的自衛権、これはまだ議論は先になるのかもしれませんが、せっかくの機会ですのでちょっと集団的自衛権について話をしてみたいんですが、集団的自衛権は何かということについて、定義といいますか考え方をどなたか御説明していただけませんでしょうか。これは通告しておりませんので。
#401
○政府参考人(武藤義哉君) 集団的自衛権ということでございますけれども、我が国と密接な関係のある国に対して武力攻撃が行われたときに、我が国に対して武力攻撃がなくてもこれを実力をもって阻止する、そういう権利というふうに理解してございます。
#402
○脇雅史君 ちょっと違うんじゃない。密接な関係ではなくて、軍事同盟を結んだ国ということなんだと思うんですが。
 そのときに、個別の自衛権というのがありますね、それぞれの国に。その個別の自衛権は、その範囲は集団的自衛権ということになると広がることはあり得るんですか。
#403
○委員長(山崎力君) よろしいですか。手を挙げてください、もし答弁されるなら。
#404
○政府参考人(武藤義哉君) 個別的自衛権から、済みません、ちょっと質問を再度お願いいたします。
#405
○脇雅史君 個別の自衛権というのは我が国にありますよね。それは、軍事同盟を結ぼうと結ぶまいと自衛権というのは確としてある。これはもう当然範囲は決まっています。片一方で、例えばアメリカでしたら、アメリカにも自衛権がありますね。これは同盟を結ぼうと結ぶまいと自衛権はあります。集団的自衛権を軍事同盟で日本とアメリカが結んだときに、この範囲が変わることはあるのですかという質問です。
#406
○政府参考人(武藤義哉君) 個別的自衛権に関しましては、それぞれの国が武力攻撃を受けたときにこれを守るということでございます。
 それで、集団的自衛権に関しましては、必ずしも軍事同盟を結ぶとか集団的自衛権を結ぶということではありませんで、先ほど申し上げましたように、自国と密接な関係のある国が武力攻撃を受けた、自国は武力攻撃を受けていないというときでも他国を守ると、こういう権利を集団的自衛権と申しております。そういう意味で、個別的自衛権と集団的自衛権は別でございます。
 範囲としては、個別的自衛権では自国が武力攻撃を受けたときしか行使できませんので、他国が武力攻撃を受けたときに守るという意味では、集団的自衛権の方が個別的自衛権を超えるといいますか、範囲が違うということはございます。
#407
○脇雅史君 ちょっと意味を正確に聞いてほしいんですが、それぞれの国には自衛権があります。しかし、ただ単に仲がいいから行こうなんという話はないのであって、必ず同盟を結ぶと思うんですね。それがどういう同盟か分かりませんが、協定を結んで、おたくが攻められたらうちも助けに行きますよ、うちが攻められたらおたくも助けに来てくださいねという意味で、それぞれに自衛権があるのを、その両方を自分の自衛権と思うというのが集団的自衛権なんじゃないんでしょうか。
#408
○委員長(山崎力君) という質問。よろしいですか。
#409
○政府参考人(武藤義哉君) 他国が、自国と密接な関係にある他国、これが武力攻撃を受けたというときに、自国が直接攻撃をされていないにもかかわらずこれを実力をもって阻止をするということでございますので、そういうものとして、自国は武力攻撃を受けていないけれども他国が武力攻撃を受けたときにこれを守ると、そういうものが集団的自衛権でございます。
#410
○委員長(山崎力君) ちょっと済みません。
 脇さん、満足できる、今の答弁。
#411
○脇雅史君 いやいや、だから、ちょっと満足できないんで、これは余り深入りするのはやめましょう。今日はきちんと通告もしておりませんので、これが政府の統一見解かと言われると問題があるかもしれませんので、これはまたこれから、今、委員会つくってやっているところですから、その結果が出てからでもいいんですが。
 私個人の意見では、自衛権というのはそもそもそれぞれの国にありますから、集団的自衛権だからといってそれが広がることは多分ないんだろうと思うんです。
 そして、この自衛権というのはかなり抑制的であって限定的でないと、自衛権の名の下に何でもできちゃう。ちょっと語弊があるかもしれませんが、物すごく分かりやすい例で言うと、例えば昔の真珠湾攻撃が、あれをやらないと我が国は危なくなるから自衛権の行使だったんだとへ理屈を言えば言えるかもしれない。しかし、それは許されないのであって、現在の我が国の自衛権というのは、まさに我が国の領土、領海、領空を侵そうとする者が、相手が出てきたと、そのときに発動するべきものであって、主体的に発動するものではないですね。あくまでも受け身であって、我が国の国民の生命、財産、そういったものが危なくなる、あるいは領土が危なくなる、そのときには毅然として対抗しますよというのが自衛権なのであって、それを広げるということはあってはならないのではないかなと私は思いますが、これは今日は議論はいたしませんが、御意見ありましたらどうぞ。
#412
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、自衛権ということについての概念の中において、国連において個別的そして集団的自衛権が各国には存在するということが明確になっているわけでありますが、その際、この自衛権の概念ができるときに、南米、中南米の諸国が、自分たち一国ではこれ守ることできないと、つまり共同してこれは防衛するということも自衛権だという、そういう主張もあり、この個別的そして集団的自衛権という概念が確立したわけでありますが、しかし、各国は全て大体基本的にこの権利を持って、また権利があれば行使ができるという考え方でありますから、そうしますと、それはつまり概念としての自衛権全体が、更にこれは我々がそれを広げていくということはもちろんないわけでありますが、同時に、我が国の場合は、これは憲法九条における、先ほども紹介をさせていただきましたが、必要最小限の範囲で実力の行使をするというものが掛かっているという考え方の下に個別的自衛権においてもこうした制限が掛かっているわけでありまして、つまり、その中において、我々は言わば権限としては持って、今でも持っている。これが行使できないのが果たしてどこまで行使できないのかどうかと、こういうことでありまして、それについてまさに今、安保法制懇において議論を進めているということでございます。
#413
○脇雅史君 この問題は通告もしておりませんので、またの機会に譲りたいと思いますが、総理、ありがとうございました。
 そして、関連することでございますので、沖縄の基地問題ということがございます。
 日本がアメリカに守ってもらっているという先ほどの国防の基本方針の中で、アメリカの戦略として沖縄に基地を置くことは極めて大事だという判断が多分ある。そして、アメリカの国益上もその方がいいという判断が多分ある。そんな中で、私たちは沖縄にだけそれを、負担を押し付けるわけにはいきません。できる限り負担を軽減しなくちゃいけない。これは非常に難しい話、国防の基本方針あるいは憲法なんかとも絡んでくると思うんですが、それだけに、政府を挙げてこれから普天間の移転の問題と沖縄の基地負担の軽減ということについて取り組んでいかなければならないので、これは是非一歩でも進めていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。何か答弁がありましたら。
#414
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま脇委員が御指摘になられたように、国土面積の約〇・六%しかない沖縄県内に全国の約七四%の在日米軍専用施設・区域が依然として集中をしているわけでありまして、このような沖縄の基地負担を軽減するため、安倍政権としては日本政府としてできることは全て行うとの姿勢で取り組んでいく考えであります。
 具体的には、地元の皆様の目に見える形で負担を軽減することが重要であると考えておりまして、そのためには、沖縄県外におけるそれに向けた努力を十二分に行うべきであると考えています。仲井眞知事からは普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む御要望をいただいております。これは沖縄県民全体の思いとしてしっかりと受け止め、米国を始め、これは相手があることではありますが、政府を挙げてその実現に向けて全力で取り組んでまいる考えであります。
 そして、具体的な取組といたしましては、現在、普天間飛行場に所在する空中給油機、KC130でありますが、十五機については本年六月から九月の間に全機、これは全てでありますが、岩国飛行場への移駐を進めてまいります。そして、オスプレイについては、まずはその訓練等の約半分を県外で行うこととしました。また、牧港補給地区については返還までの期間を最大限短縮をいたします。このため、防衛副大臣をヘッドとする沖縄基地負担軽減推進委員会を設置をして、具体化に向けた作業を現在精力的に進めているところであります。
 また、これは環境に関してでございますが、これは日米地位協定を補足する新たな政府間協定を作成するため日米交渉を開始することで米側と合意をしたところでございまして、これは日米のこの地位協定発効後初めてのことになるわけでございます。しっかりとこの取組においても結果を出していきたいと考えておりますし、負担軽減に向けて政府一丸となって取り組んでまいります。
#415
○脇雅史君 大変積極的に具体的な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 ここで少し話題を変えますが、エネルギー政策、原発問題に入りたいんですが、今、我が国は原発なしで一応動いていまして、動いているから大丈夫だということを言われる方もいますが、その実、大変危ないわけで、原発のリスクもありますが、そのリスクがどれくらいあるか。今、原発なしで、運転している火力発電所が何かあったときのリスクと比べてどうなのかといったようなことも現実の問題としてしっかり検討していかなければなりませんし、また、燃料代として毎年三兆円とか四兆円とかというお金が出ていく。そして、もし仮に再稼働をしないとして廃炉にするとしますと、廃炉のための費用も必要ですね。今ある老朽な火力発電所も更に改築しなければいけないとか、本当に多くのお金が必要になります。そんなことが本当に可能なのかということを現実の問題としてしっかり考えていかなければならない。
 あれだけ大変な事故が起こって、そのことについてきちっと整理もできないでただ先へ行けばいいという話ではもちろんないわけで、しっかりとした対応を考えながら、我が国の将来のエネルギー政策を本当に地に足を付けて考えていかなければいけないということで、その辺の問題点について茂木大臣にお伺いします。
#416
○国務大臣(茂木敏充君) 日本は現在、三・一一以降の脇議員おっしゃるような新たなエネルギー制約に直面をしているわけでありまして、原発停止をしております。しかし、その一方で、相当老朽化した火力もたき増しをする、さらには定期点検も延期をする、こういった中で火力、化石燃料に対する依存度が上がっております。さらには、原発停止によりまして化石燃料費、これが増加をしておりまして、二〇一三年で申し上げますと、大体三・六兆円増加をする見通し、国民一人当たり三万円海外に多くお金を払わなければいけない、こういった状態であります。
 電気料金につきましても、東電の管内の平均的な家庭で六千三百円から七千九百円ということですから、二割ぐらい電気料が上がる、こういう状況でありますし、CO2の排出量、これも二〇一〇年と比べますと九%増加ということでありまして、決して楽観できる状況ではない、こんなふうに考えておりまして、現実的な代替案なしに例えば二〇三〇年代に原発はゼロにするんだとか、我々は無責任にこういったことは言えないと、こんなふうに思っております。
 もちろん、それぞれのエネルギー源を見てみますと、例えば安定供給、コストも大切、環境負荷を少なくする、安全性を高める、全てにおいて優れたエネルギー源ではないということでありますから、現実的でバランスの取れたエネルギー政策、こういったものを我々は組み立てていきたい、そこの中で省エネは徹底的に進めると。また、これから再生可能エネルギー、今後三年間、更にその先に向けて最大限の導入を図っていく。火力につきましても、高効率化等々によりましてできるだけ燃費を使わないようにしていくと。
 様々なことによりまして原発の依存度、これは低減をさせていくと、こういう方針で取り組みたいと思っております。
#417
○脇雅史君 ありがとうございました。
 話題としては取り上げない、取り上げられないことがたくさんまだあるわけでございますが、まさに、本当に戦後、今の時点で我が国が解決すべき課題というのは極めて多いし、大事な問題が多いと思っています。安倍内閣でしっかりとその問題を一つずつ解決していただきますように、そして我々与党としてそれをしっかり支えていきたいということを申し上げて、終わります。
#418
○委員長(山崎力君) 以上で脇雅史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#419
○委員長(山崎力君) 次に、佐藤正久君の質疑を行います。佐藤正久君。
#420
○佐藤正久君 私は、自由民主党、元自衛官、福島県出身の佐藤正久です。
 まず、海外における日本人の安全確保について伺います。
 十年前の一月十六日、私はイラクへ先遣隊長として派遣されました。派遣直前には奥大使や井ノ上一等書記官が凶弾に倒れ、派遣間には四人の日本人が命を落としました。
 昨年の一月十六日、アルジェリアで事件が発生し、日本人十名も犠牲になりましたが、当時はなかなか一次情報が入ってきませんでした。情報とはギブ・アンド・テークの関係になります。情報を与えるギブと情報を得るテークのためには、情報を受ける受皿、国家安全保障会議と、その情報が漏えいしないためのしっかりした仕組み、特定秘密保護法は必要です。情報漏えいを防止するためのしっかりした装置がなければ、情報はなかなか入ってきません。
 アルジェリア人質事件で陣頭指揮に当たられた総理の経験を踏まえて、海外の日本人の命を守るその決意と、在外邦人を守るその観点から、国家安全保障会議と特定秘密保護法の必要性、これを説明願います。
#421
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は高度経済成長時代から多くの日本人が海外で活躍をし、そして日本の成長を支えてきていただいたわけでございます。海外における邦人の保護は政府の重要な責務であります。在アルジェリア邦人に対するテロ事件の尊い犠牲を無駄にしないため、海外において邦人、企業が安心して活動ができるよう、政府一丸となって取り組んでいるところであります。
 海外における邦人の保護が必要な場合において、国家安全保障会議は、政治による強力なリーダーシップの下、外交・安全保障政策の司令塔として現地情報を集約、分析をし、そして内閣として機動的、戦略的に対応を検討することにより、国民の生命、財産をより一層確実に守ることが可能になるものと考えています。つまり、日本版のNSCをつくり、ここに全ての省庁が持っている情報を集中するわけでございまして、その情報を分析をしていく。
 さらに、特定秘密保護法が成立をしたことによって、アメリカの情報責任者も明確に語っているように、日本に対して情報が、これを提出しやすくなるという状況になりましたから、より国民の命、海外で活躍をしている邦人の命を守るための情報は入ってきやすくなってくることは間違いないと、こう思うところでございます。
 そうした中において我々は、先ほど申し上げましたように、海外で活躍している日本人、もう指一本触れさせることがないという決意を持って努力をしていきたいと、このように思っております。
#422
○佐藤正久君 奥大使の御遺体は自衛官が引取りに行きました。テロで犠牲になった御遺体と相対する御遺族の気持ちは、言葉では言い尽くせません。
 命を守るのが政治です。日本は秘密を漏らす可能性がある国と思われたら、やっぱり情報はなかなか入ってきません。仮に私が離婚問題で悩んでいて、Aさんに相談をしたとする。AさんがBさんに漏らしてしまったら、私は二度とAさんには情報は渡さないと思います。国と国の関係も全く同じです。今の日本、同じ秘密情報でも、防衛省と外務省では漏らした場合の罰則規定が違う。内閣情報官や大使や公使のような特別職の国家公務員に対しては罰則規定がない。これでは、やっぱり情報を渡してはいけないんじゃないかというふうに国が思っても仕方がないと思います。
 森大臣、国家公務員が国家や国民の安全を守るための秘密を漏えいするのを防止するのが今回の特定秘密保護法の一番大事な趣旨ではないかと思いますが、御認識を伺います。
#423
○国務大臣(森まさこ君) 佐藤正久委員にお答えします。
 御指摘のとおり、特定秘密保護法案の主目的は、特定秘密を持っている国家公務員がその秘密を漏らさないように、そのことによって国民の命と国家の安全を守る、その一点にあるわけでございます。
#424
○佐藤正久君 まさに国家公務員の秘密漏えいを防止するのがやっぱり主目的である。であれば、国家公務員が秘密を保護する法のイメージと秘密の漏えいを防止する法のイメージでは全く違います。しっかりとした広報をお願いしたいと思います。
 次いで、朝鮮半島の在外邦人の安全確保について伺います。
 朝鮮半島ではまだ戦争が終わっておりません。朝鮮戦争は終戦ではなくて休戦です。いまだ北と南がいがみ合って、お互いに徴兵制を取っている。時には銃撃等で緊迫もします。実際、二〇一〇年の三月には、北朝鮮の潜水艇が魚雷一発で韓国の哨戒艦を真っ二つにして、四十六名が犠牲になりました。同年の十一月には、延坪島が北朝鮮からの砲撃で四名の方が命を落としました。
 外務省にお伺いします。現在、韓国にいる在留邦人はどのぐらいでしょうか。また、アメリカやフィリピンなど、外国の方も多くいると聞いています。どのぐらいの数か、教えていただきたいと思います。
#425
○大臣政務官(牧野たかお君) お答えいたします。
 まずは韓国内の在留邦人の数でございますが、日本大使館及び総領事館の調査によりますと、おととし十月一日現在で韓国に在住する日本人の数は三万三千八百四十六人。加えて、短期滞在者の数でありますが、日本政府観光局の調査によりますと、観光客や出張者などの一人当たりの滞在期間を平均三日間といたしますと、おととし一年間の一日当たりの短期滞在者の数はおよそ二万九千人と考えられます。
 また、米国、フィリピン、ベトナムの各国民の韓国内の滞在者数の質問でございましたけれども、韓国法務部の統計年報によりますと、韓国に長期滞在する米国人の数は、在韓米軍を除いておよそ二万三千人、フィリピン人はおよそ三万三千人、そしてベトナム人はおよそ十一万四千人であると承知しております。
#426
○佐藤正久君 韓国は、隣国といっても海の向こうです。海の向こうから約六万人の邦人を日本に避難させるためには、相当数の船やあるいは飛行機が必要です。さらには、ペット同伴の方もいると思います。事態緊迫時にはアメリカやフィリピンの方も日本の方に避難をされると思います。自衛隊の航空機や艦船だけではもう非常に難しいと思います。そのためには事前に関係国のNSCから情報をいただき、緊密に連携しながら事前に避難をしていただくことが肝要だと思います。
 韓国に滞在している日本人の命を守るためにも、あるいはアメリカやフィリピン等の外国の方をスムーズに日本に受け入れるためにも、この国家安全保障会議と特定秘密保護法は極めて重要だと思います。外務大臣の御見解をお伺いします。
   〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕
#427
○国務大臣(岸田文雄君) 朝鮮半島で緊急事態が発生する可能性が高まった場合、関連情報を収集、分析し、在留邦人等を早期に退避させる、退避を促す、こういった点、大変重要な視点であります。
 具体的には、渡航情報の発出等により、まずは民間航空便による出国又は安全な地域への移動を進め、更に状況が悪化した場合にはチャーター便のアレンジ等、避難手段のアレンジも含め邦人の退避支援に最大限努めていく考えですが、その際に、御指摘のようにこの情報、大変重要な視点であります。
 特定秘密保護法によりまして秘密保護に関する共通ルールが確立され、我が国の情報保全の信頼性が高まることによりまして、外国の関係機関等から秘匿度の高い情報、質、量とも豊かな情報が適切な形で迅速に提供されること、大変重要な視点でありますし、国家安全保障会議を通じてこうした情報が政府内で共有される、こうしたことも期待されます。
 国家安全保障会議において政治主導で迅速な判断をする際にも、質、量とも豊かな情報の収集、大変重要な視点でありまして、御指摘のように国家安全保障会議あるいは特定秘密保護法の考え方、大変重要だと認識をいたします。
#428
○佐藤正久君 さらに、北朝鮮には拉致被害者がいます。
 昨年十二月には、金正恩第一書記は実質ナンバーツーと言われた張成沢氏を処刑。ただ、張氏は叔父さんです。儒教社会の北朝鮮において叔父を処刑するということは異例中の異例です。父親の金正日も、権力闘争はありましたが、身内を処刑することまではしませんでした。国民も相当な驚きと、あるいは恐怖を感じているという報道もございます。
 そういった中でも日本政府は拉致被害者を救う責任があります。実質ナンバーツーがいない、ナンバーツーをつくらないという指導体制の中で、北朝鮮の救出、この交渉、そういう中でもしっかりやっていかないといけないと思います。それについて拉致担当大臣はどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
 また、拉致被害者家族は高齢化が進んでおり、先日も松木薫さんのお母さんのスナヨさんがお亡くなりになりました。大臣も就任二年目、救出に向けての決意も併せて伺います。
#429
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、儒教の社会で身内を粛清する、あり得ないですよね。だから、普通の国じゃないという象徴なんですね。ですから我々は、想定外はない、ありとあらゆるケースを想定して今対応しています。
 安倍内閣になって、例えば、あらゆる手段をいろいろ今駆使していますけど、若干具体的に述べれば、例えば海外で北朝鮮と国交のある国々への積極的な働きかけ、あるいは首脳会談のとき必ず言及をする、共同コミュニケに入れる、あるいは海外でのシンポジウム、日本政府が主催してやる、あるいは海外要人が来たときには必ずこの問題を取り上げて協力要請をする、それから国内の啓蒙活動の徹底、そして国連への働きかけですね、COI、今度はもうすぐ報告書出ると思うんですが、こういった取組もしています。もちろん本部体制の強化もしていますね。
 それから、今言及のありました松木スナヨさん、お亡くなりになりました。本当に残念です。私も昨年お見舞いに行きましたけれども、残念でございます。
 一方では、我々は、この拉致問題で協力ができる政党は与野党問わずオールジャパンでやる。例えば前の政権でもこういう主張をしていただいた大臣がいらっしゃるんですね。それは、拉致被害者家族がいなくなってから拉致問題が解決しても、これは解決じゃないんだと。だから、時間のないのは日本も同じだけれども、北も同じなんだ。もうこれは勇気ある発言ですよ。私たちはそういう気持ちはしっかり共有をしていきたいと思う。
 そのほかにも、やはりインテリジェンスに関するもの、これはもう具体例は申し上げるわけにはいきません。もう佐藤委員はその辺はよく御存じだというふうに思います。
 そして、拉致対策本部ができましたのは第一次安倍内閣のときです。しかし、残念ながら、それ以来、毎年総理大臣替わったんですよ。ですから、せっかくいい線まで行きながら解決に至らなかったと。要するに、北朝鮮も我々の、日本の足下を見たんですね。しかし、一昨年の十二月に衆議院で勝利をして、昨年の七月には参議院でも勝利をさせていただいて、名実共にこの政権が安定した。そして、内閣総理大臣である安倍首相は、この問題で一番強い思い入れを持っている。そして、私も就任のときに、私が最後の拉致問題担当大臣になるんです、それぐらいの覚悟で頑張っていきたい、だからオールジャパンで政府で取り組んでいます。
 だから、現に、例えば北朝鮮の報道一つ取っても、去年の五、六月ぐらいまでは日本に対して厳しい言葉連発していましたよ、安倍一味とか、そういう言葉。しかし、ぱたっとなくなりましたね。私がそれを言ったら、意識的に今度は、いわゆる特定秘密保護法案ができたらそれと安倍一味をくっつけたり、ちょっと理屈の合わないようなことを言っている。極めて意識しているんですね。
 ですから、ある意味でこの拉致問題を解決する環境は整いつつあると思います。しっかり心して取り組んでいく、これに尽きると思います。あらゆる手段を尽くしていますから、結果を出す、被害者全員を取り戻す、これに尽きると思います。
#430
○佐藤正久君 ありがとうございます。やっぱり私も拉致担当大臣はころころ替わっては絶対にいけないと確信しております。
 安倍総理、拉致問題、時間がないという話もあります。決意を述べていただきたいと思います。
#431
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題は、我が国から十三歳の少女も含めて何の罪のない人たちが突然北朝鮮によってさらわれてしまったわけであります。まさに我が国の主権が侵害され、人権が侵害されたわけでありまして、日本は国家としてこの拉致をされた被害者を取り戻す大きな責任があると、こう思っております。
 だんだん時を経るたびに御家族は年を取っていかれるわけでありまして、この被害者の御家族の皆さんが自分自身の手で子供たちを抱き締めることができる日がやってくるまで私たちの責任は終わらないと、こう考えているところでございますが、新たな金正恩体制になった、体制の変化は様々なことが起こりますが、これを一つのチャンスとして我々は全力を尽くしていきたいと、こう考えているところでございます。
#432
○佐藤正久君 まさに結果を出していくのがやっぱり安倍内閣だと思います。
 海外の邦人の命を守るためにも、今回の二つの法案、成立したことは非常に大きな意義があると思っています。ただ、国民の中には、特定秘密保護法について恣意的な指定がなされるのではないか、いろんな懸念があります。それに対応するのは非常に大事ですが、より大事なことは、国家安全保障会議と特定秘密保護法をしっかり運用して国家の主権や国民の安全を守り切ると、これが大事だと思います。軸を間違えないしっかりした対応をお願いしたいと思います。
 次に、領土について伺っていきます。
 領土問題については、長年政権を担っていた自民党にも大いに責任があると思っています。私が七年前に国会議員になったときに驚いたことは、領土保全は国の専管事項であるにもかかわらず、自民党内にも衆議院にも参議院にも領土と名の付く委員会がありませんでした。領土担当大臣もいませんでした。その反省を踏まえて、自民党は野党になったときに、今、新藤大臣おられますけれども、自民党の中に領土特命委員会をつくり、いろんな提言をし、そして政権交代後は領土担当大臣をしっかりと総理が任命していただき、竹島の返還の大会にも政府代表として島尻安伊子当時の政務官を派遣していただきました。徐々にではありますが、体制も整えてきているというふうに思います。
   〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕
 山本領土担当大臣、過去の教訓や反省に立って今の領土政策があると思っています。政権交代後の一年の成果をポイントを踏まえて分かりやすく説明願います。
#433
○国務大臣(山本一太君) 佐藤委員のおかげで今国会初めて答弁に立てました。ありがとうございます。
 我が国の領土、主権をめぐる情勢は厳しさを増しておりますが、私は領土担当大臣として、国内外における我が国の立場に関する正確な理解が浸透していくよう、約一年にわたり鋭意努力をしてまいりました。
 具体的に言うと、昨年四月から領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会を開催をして、七月に取りまとめていただいた英語発信の強化とか重層的な発信等の提言の実現に関係府省庁と連携して取り組んできたところです。昨年六月から七月には、竹島及び尖閣諸島に関する国民の意識を把握すべく政府として初めての世論調査を実施をして、有益な結果が得られました。昨年十一月には、領土、主権をめぐる内外発信の更なる強化を図ることを目的として、領土・主権をめぐる内外発信の強化に向けたイニシアティブを作成をいたしました。これを受け、独自のウエブサイトを立ち上げるとともに、経済界等国内各界との対話も実施しました。また、ASEAN諸国などへの海外出張の機会を活用して、各国の外務大臣等との会談、海外の有力なシンクタンクにおける講演など、領土担当大臣として、領土、主権をめぐる情勢に関する我が国の立場を発信し、諸外国における正確な理解の浸透に努めてまいりました。
 今後とも、安倍総理の外交戦略の下で、外交政策等との整合性は確保しつつ、自民党の領土に関する特命委員会の御提言も踏まえながら、領土、主権をめぐる冷静かつ論理的な内外発信の一層の強化に向けて、関係府省庁と緊密に連携しつつ適切に対応してまいりたいと思います。
#434
○佐藤正久君 御説明ありがとうございました。
 でも、まだまだやっぱり道半ばだと思っています。その一つの課題は、政府間の縦割りを排して官邸が司令塔となって領土政策を行っていく、これだと思っています。
 その第一が国内教育です。数年前、日本青年会議所が日本の高校生四百名に、北方領土、竹島、尖閣諸島の位置がどこにあるか、アンケートを取りました。正解は四百名中たった七名。理由を聞くと、学校で習っていませんと、そういう答えでした。
 資料一を見てください。(資料提示)
 これは日本の東西南北の端の島です。日本の一番北は択捉島と答える若者はごく僅かであり、肝腎の大人ですら稚内と答えてしまう。沖ノ鳥島と南鳥島はどっちがどっちか分からない。学校では、国は主権、領土、国民から成るというふうに教えていますが、領土がどこからどこまでかはなかなか教えていない。日本の領土面積は全世界で六十一番目ですが、島が六千八百五十二あるため、排他的経済水域は全世界で六番目の広さを持つ海洋国家ということも余り教えておりません。
 文科大臣、この地理の教育状況について御所見をお願いしたいと思います。
#435
○国務大臣(下村博文君) 佐藤委員御指摘のように、我が国の将来を担う子供たちが自国の領土を正しく理解することは極めて重要なことであるというふうに考えております。しかし、日本青年会議所、JCのアンケートは本当に愕然たる結果で、それだけ、実際のところは小学校の社会科や中学校の社会科できちっと教えることになっていますが、十二分に教えていないというその結果であるというふうに思います。
 そのために、JCが領土に関する教材を作られました。私のところにも持ってきていただきました。これをできるだけ全国の教育委員会で活用するように文部科学省も働きかけをしていきたいと思いますし、それから、今年の四月から今度土曜授業が、省令改正をして、今まで特別な理由がない限りできなかった、これを教育委員会が認めればできるようになった。その中で是非、JCメンバーにその教材を使って領土教育を是非やっていただきたいということを全国のJCにも働きかけておりますが、文部科学省としても、今後、各学校において、学習指導要領を踏まえ、地理に関する教育がしっかり行われるように指導してまいりたいと思います。
#436
○佐藤正久君 ただ、私は、地図にもその原因の一端があると思っているんですよ。北海道、本州、九州、四国を真ん中に置いて、北方領土や小笠原、沖縄を切って違うところに貼り付けているんです。これではなかなか広がりが分からないし、そもそも小笠原や沖縄の方に失礼だと私は思います。地図は各国により違います。オーストラリアに行くと、上が南で下が北です。
 この資料一の地図を見てください。しっかりと第一列島線、第二列島線も入っていますし、地政学上の日本の価値も分かりやすい。いかに日本列島が大陸側にとって障害となっているのか。ロシアの太平洋艦隊が太平洋に出るためには宗谷、津軽、対馬の海峡を抜けないと行けないとか、あるいは、中国の海軍が太平洋に出るためには沖縄を含む南西諸島が邪魔で、そして押し出し拠点としての尖閣の重要性も非常に分かります。
 やはり日本の広がりを教えるような地図も私は必要だと思います。文科大臣の所見をお伺いします。
#437
○国務大臣(下村博文君) 今御指摘のように、地図の効果的な活用は大変重要なことであるというふうに思います。各学校においては、地理等の学習の際に地図帳を活用しているところもありますが、これに加えて、例えば日本の東西南北の最端を明記し、日本の領域全体が表記された地図を県立高等学校等の全学級数分配布し、教室への掲示や教科書指導等への活用、利用している例、それから、来年度から、これは岐阜県ですが、県地図、日本地図や他国で使用されている世界地図等を全県立高等学校に配布する予定というような自治体の取組も行われつつあるというふうに聞いております。
 地図を含めた個別の教材の具体的な活用方法は各学校や教育委員会において決定するものでありますが、文科省として、現場の創意工夫ある取組について適切に指導、情報提供をしながら、子供たちの日本の領域についての理解が深まるように対応してまいりたいと思います。
#438
○佐藤正久君 地理は非常に大事だと思います。私もよく選挙関係で動くと、出身が福島県と言うと、ああ金沢の隣ですねと言われますから、福井県と福島県がごっちゃになっている人が結構いますから、いろんなことをしっかりやっていただきたいと思います。
 さらに、天気予報は領土教育あるいは国内啓発上も私は重要だと思っています。
 外務省に伺います。ロシアや韓国、中国の、北方領土、尖閣あるいは竹島における天気予報について説明をお願いします。
#439
○大臣政務官(牧野たかお君) お答えいたします。
 まず、ロシアにおいての北方領土についての天気予報の状況でありますが、全国放送のテレビ局では放送しておらず、サハリン州のローカルテレビ局が北方領土の天気予報を放送していると承知しております。
 次に、韓国においての竹島についての天気予報については、全国放送のテレビ局が国営、民放を問わず毎日放送をしております。
 また、中国においての尖閣諸島の天気予報についても、国営の全国放送のテレビ局で放送されているほか、福建省の気象台がインターネット上で漁場の情報として天気予報を出していると承知しております。
 以上です。
#440
○佐藤正久君 このように、関係国はしっかり天気予報をやっています。でも、肝腎の日本はそれをやっていません。
 資料二を見てください。
 このように、今日の国後の天気は雪、竹島は雨、尖閣は晴れとか、毎日天気予報マークを地図上に置いておけばその位置は一目瞭然で、その位置を知る日本人はかなり増えると思います。竹島や尖閣がどこにあるか国民が分からなければ、返還も保全も非常に難しいと思います。関係国はやっていても、日本はやらない。
 国交大臣、国内啓発上、天気予報、非常に有効ですので、やってみませんか、いかがですか。
#441
○国務大臣(太田昭宏君) 北方四島、竹島、尖閣、気象、天気予報につきましては、気象庁において、それぞれ根室地方、隠岐、石垣島地方に含めて発表しているという状況でございます。領土、領海の観点から個別に北方四島等のこれらの天気予報を発表することにつきましては、政府全体として検討いただくべき問題だというふうに承知しています。
#442
○佐藤正久君 今言ったように、やっぱりやっていないんですよ。要は、私、これは議員になった七年前からこれ持論として言っているんですけれども、この縦割り行政のはざまでなかなか動かない。これは総務省だ、これは国交省だと押し付け合っているんですよ。
 山本領土担当大臣、天気予報は領土教育上、極めて有効です。縦割りを排して、司令塔、調整をするのが山本大臣の仕事だと思っています。担当大臣として、国交省や総務省、テレビや新聞に働きかけをしてみてはいかがでしょうか。また、政府が政府広報の一環として天気予報のスポンサーになるとか、また、政府が竹島や尖閣の天気予報をホームページ上でやるとか、アイデアはいろいろあると思います。担当大臣の所見をお伺いします。
#443
○国務大臣(山本一太君) 御指摘の北方領土や竹島の天気予報については、実際にどういうことが可能なのか、政府内の関係府省庁、例えば総務省、外務省、国土交通省からよくお話を聞いてまいりたいというふうに思います。
 領土担当大臣としては、領土、主権をめぐる情勢に関する我が国の立場について正確な理解が浸透していくよう、国内啓発及び対外発信に鋭意取り組んでいきたいと。その際、政府が一丸となって取り組んでいくことが極めて重要だと認識をしておりますし、その今おっしゃった横串を刺せと、この指摘もしっかり踏まえて、総理の考え方をしっかり踏襲をしながら適切に対応させていただきたいと思います。
#444
○佐藤正久君 いつも歯切れがいい山本大臣らしからぬ発言ですけれども、しっかり調整役をお願いします。
 また、学校教育でも課題があります。
 まず、中学、高校教育で教科書に領土に関する記載が非常に少ない。文科省では改善に向けて地理、公民、歴史の一部解説書の改訂方針を決めたようですが、その概要を説明願います。
#445
○国務大臣(下村博文君) 日本人としてのアイデンティティーを備え、グローバルに活躍できる人材を育成していくことが求められる中、我が国の将来を担う子供たちが自国の領土を正しく理解できるようにすることは極めて重要なことだと考えております。
 これまでも各学校において領土に関する教育が行われてきたところでありますが、先ほどから御指摘のように不十分でありまして、その一層の推進を図るため、本年一月二十八日付けで中学校及び高等学校の地理、歴史、公民の学習指導要領解説を改訂し、特に竹島、尖閣諸島についてより明確に記述することにいたしました。例えば、竹島については、我が国の固有の領土であることなどについて明確化するとともに、尖閣諸島については、従来、学習指導要領に記述がありませんでしたが、今回、我が国の固有の領土であり、解決すべき領有権の問題は存在していないなどを記述をすることにいたしました。
 教科書との関係では、今回改訂された学習指導要領解説を参照して作成された教科書が教科書検定を経て、中学校では平成二十八年度から、高等学校では平成二十九年度から使用されることとなります。
 また同時に、佐藤委員、自衛隊出身でございますが、例えば東日本大震災の復旧復興でも、自衛隊や消防や警察がどんなふうに貢献をしたかというのは今の中学生には全く教えられておりません。これもしっかりと災害復旧で貢献をしているということを明記するようにということも併せて今回の中に入れさせていただきました。
 文科省としては、今後、今回の改訂の趣旨の周知等に努めていくとともに、各学校における指導の充実を図ってまいります。
#446
○佐藤正久君 一歩前進だと思います。
 今回、学習指導要領ではなくて解説書を改訂する理由、これを御説明願いたいと思います。
#447
○国務大臣(下村博文君) 今回、学校現場における領土に関する教育等の重要性にかんがえまして、できるだけ早く、速やかに指導の充実を図る観点から、まず可能な対応として学習指導要領解説の改訂を行うことといたしました。このことによりまして、教科書について、通常の学習指導要領改訂のサイクルによるよりも五年ほど早いタイミングで改訂が図れるということになるわけでございます。
 一方、学習指導要領本体については、来年度のしかるべき時期に中央教育審議会に諮問して、教育課程全体の見直しに関する検討を開始したいと考えており、この中でも領土に関する記述の充実について検討を進めてまいりたいと思いますが、学校現場に配布するという意味では五年近く早くこれによって現場で指導ができるということで、このように判断いたしました。
#448
○佐藤正久君 しっかり対応をお願いします。ただ、今回は小学校の教科書の指導要領は改訂をされません。
 資料三を見てください。
 これは韓国の小学校教科書の竹島に関する記述です。日本にもしっかり言及をしております。他方、日本の小学校の教科書の解説書には、北方領土、これに関する記述はありますが、竹島はありません。表現ぶりはともかく、小学校の高学年で教えないというのはどうかと思いますが、文科大臣、今後の改訂で小学校の高学年での教育、これに踏み込む考えはございますか。
#449
○国務大臣(下村博文君) 現行の学習指導要領では、小学校において我が国の位置と領土を学ぶこととし、領土の範囲を理解することを主眼としており、領域をめぐる問題について主に中学校以上で扱うこととされております。このため、小学校の学習指導要領解説においては、領土の北の端を学ぶ観点から北方領土を扱い、併せて北方領土の問題も取り上げておりますが、竹島、尖閣諸島については記述をしていないというのは御指摘のとおりでございます。
 今回は、現行の学習指導要領を踏まえ、中学校と高校の学習指導要領解説の改訂を行ったところでありますが、御指摘のように、今後の小学校における領土に関する教育の充実についても、次期学習指導要領に係る検討の中でしっかりと議論を進めてまいりたいと考えております。
#450
○佐藤正久君 さらに、教育の中身も大事です。
 資料四を見てください。
 これは韓国の中学校の社会の教科書です。びっくりしました、中身を見て。まさに考えさせる教育をもうやっている、どうしたら守ることができるのかと。しかも、情報戦の考え方も教え込んでいると。領土に関する事実、その日本政府の考え方は最低限私は教育すべきだと思いますし、できれば中国、韓国の主張、その誤り部分も教育すべきだと思います。
 総理、これまでの議論をお聞きになって、日本の領土を守る最高責任者として、領土に関する地理や歴史教育の改善についての総理のお考えをお聞かせください。
#451
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま佐藤委員が指摘をされましたように、この韓国の中学の教科書については、これはどのように戦略的に国際社会において自分たちの主張を通していこうかということを考えさせる教科書でもあるわけであります。
 一方、我が方の教科書の書きぶりは、今までの書きぶりについては下村文科大臣から答弁させていただいたとおりでございますが、今般、学習指導要領を変えていく中においてしっかりと明記をしていくということは極めて重要であろうと、歴史的にも国際法的にも我が国の固有の領土であるということを明確に書くことによって、海外において、もしその子供たちが論争したときにおいてもしっかりと日本の考え方を述べることができるということが重要ではないかと、このように思うところでございます。
#452
○佐藤正久君 ありがとうございます。しっかりお願いします。
 次いで、領土に関する情報発信について伺います。
 今般、外務省が竹島と尖閣におけるすばらしいビデオを作成し、外務省ホームページにアップしました。そのビデオの概要、予算規模、アクセス数、寄せられたコメント等を簡潔に説明願います。
#453
○大臣政務官(牧野たかお君) 広報ビデオ単独の予算としては計上してございませんが、ビラやパンフレット、動画などを合わせた領土保全に関する発信資料の制作費は今年度の予算でおよそ八千六百万円となっております。
 この広報ビデオは外務省及び各国における日本大使館などのホームページで閲覧できるようになっておりまして、今月四日現在で国内外から、竹島についてはおよそ百四万回、そして尖閣諸島については五十万回、合わせておよそ百五十万回のアクセスがございました。
 また、外国の方からは、ホームページに対して、事実関係がよく理解できたとのコメントが多く寄せられているほか、外国のメディアからも記事を書く際の参考にしたいとの声も寄せられていると承知しております。
#454
○佐藤正久君 百五十四万回、これは非常にすごい数字だというふうに思います。もっと中国や韓国の方に見ていただく仕掛けをまたよろしくお願いします。
 実は、自民党領土特命委員会では、外務省竹島のビデオのほかに、日本の高校生が作った竹島広報ビデオを閲覧しました。その違いは、外務省ビデオは日本の主張を一方的に述べているのに対して、高校生ビデオは日本の主張と韓国の主張を並べて発表し、そして韓国の主張が何が間違っているか、これを事実に基づいて説明している。見た議員の感想だと、高校生ビデオの方が説得力があるという意見もありました。
 ビデオはすぐに陳腐化して、アクセス数は減っていくと思います。日本の主張だけではなく相手国の主張との比較を行うなど、今年も新たな広報ビデオを作って情報発信をしていくことが必要だと考えますが、外務大臣、いかがでしょうか。
#455
○国務大臣(岸田文雄君) まず、自民党の領土特命委員会におきましては、佐藤委員も事務総長として貴重なアドバイスをいただいております。感謝を申し上げます。
 そして、このビデオ、動画につきましての御質問ですが、動画の目的、要は、関心を喚起するとかあるいは内容を詳しく説明するとか、目的によりましてこのビデオの長さも変わってきますので様々なケースが考えられますが、いずれにしましても、効果的な広報を行うために、これ不断に検討をしていかなければならないと考えております。
 来年度も予算をお願いしております。是非、了承いただきましたならば、このビデオにつきましても第二弾、第三弾、充実したものを検討していきたいと考えております。
#456
○佐藤正久君 よろしくお願いします。
 実は、外務大臣、このビデオは学校教育とか国内啓発でもいろいろ使えるんです。よろしくお願いします。
 また、国際社会への情報発信の有効な手段にはテレビやラジオの国際放送があります。放送法第十五条で、国際放送はNHKの本来業務と定められています。そして、その主要な役割として、国の重要な政策、国際問題に関する政府の見解などについて正しく外国に伝えることとされております。
 総務省に伺います。
 平成二十四年度には約三十四億円の国際放送用交付金がNHKに渡されていますが、二十五年度、二十六年度の交付金についてはどのような状況になっておりますか。また、平成二十五年度のNHKの全体の予算の規模はどのぐらいで、そのうち国際放送のテレビ、NHKワールド、そしてラジオはどのぐらいの予算規模となっているか、説明願います。
#457
○大臣政務官(藤川政人君) お答え申し上げます。
 平成二十五年度における国際放送の政府交付金額につきましては、平成二十四年度とほぼ同額であり、テレビ国際放送は約二十四・五億円、ラジオ国際放送は約九・五億円、合計約三十四億円となっております。さらに、平成二十五年度補正予算案におきまして、テレビ国際放送の政府交付金を追加することとし、約五億円を計上しているところであります。
 次に、平成二十六年度予算案における国際放送の政府交付金額につきましては、テレビ国際放送は約二十四・九億円、ラジオ国際放送は約九・六億円、合計約三十四・五億円を計上しているところでございます。
 また、予算規模、その割合につきましては、平成二十五年度におけるNHK予算総額は約六千四百七十九億円であり、そのうちテレビ国際放送の予算額は約百三十八・五億円、ラジオ国際放送は約六十二・二億円、合計約二百億円となっております。また、NHK予算総額に対するテレビ国際放送の予算額の割合は約二%、ラジオ国際放送の予算額の割合は約一%となっております。
 以上でございます。
#458
○佐藤正久君 総理、今説明があったように、NHKの国際放送のテレビは全体のたった二%で、ラジオは一%なんですよ。これで本当に国の重要な政策あるいは国際問題に関する政府の見解が正しく外国に伝えることができるかは甚だ疑問です。
 資料五を見てください。
 これはNHKワールドの番組表です。何と四時間枠の同じものを一日に六回繰り返す。四時間物を、同じものを六回繰り返すんです。国際放送ラジオは二十言語で八十五時間です。ちなみに、中国のラジオは六十一言語、千五百二十時間です。これではなかなか日本政府の見解が国際社会に伝わらないと思います。
 更に中国を見てみたいと思います。
 資料の六を見てください。
 中国のCCTVとCRIは、双方とも中国共産党の対外宣伝を行うテレビ局とラジオ局です。NHKワールドはたった一チャンネルですけれども、中国のCCTVは何と二十四チャンネル、国連の六公用語全てで中国の立場を発信しており、また、CCTVニュース、これはロスの辺りではFOXに迫るシェアだと。また、二〇一二年には、CCTVアメリカ、アフリカを設立し、キャスターも有名な米国人を採用し、中国の立場を宣伝しています。
 資料七を見てください。
 ラジオのCRIだけではなく、新華社通信は八言語で二十四時間世界に配信をし、また孔子学院等を海外教育機関の内部に設置し、中国語とともに中国の主張を教材を使いながら教えています。来年、二〇一五年までには海外拠点千五百か所、受講生百五十万人を目指すといいます。この前、総理が行かれたジブチ、日本に親日的ですけれども、ジブチ大学にも孔子学院の設置が今検討されているという状況です。
 それに比べて、日本の海外拠点、日本語学校、これは質、量共にやっぱり劣っています。このまま手をこまねいていては、中国の主張がうそでも通ってしまいます。日本の主張が伝わらず、中国の主張がどんどんどんどん広がる。中国や韓国のロビー活動もそうですけれども、この中国との情報発信格差、外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#459
○国務大臣(岸田文雄君) まず、CCTVあるいはCRIとの我が国のNHKとの比較ですが、それぞれ機関の役割ですとか、何よりも政府との関係が異なっておりますので一概に比較するのは難しいとは存じますが、中国の場合、これはもう政府と一体となった情報発信がしっかりと行われている、このように認識をしております。
 そして、今委員の方から御紹介いただいた事柄考えますときに、外務省としましても対外広報の強化、これは一段と強めていかなければいけない、強く認識いたしますし、何よりも政府全体でこの問題は取り組まないと、これは今のレベルをレベルアップすることは難しいのではないかと認識いたします。
 是非、関係省庁と連携しながら、関係機関とも連携しながら我が国の情報発信、強化していきたいと考えます。
#460
○佐藤正久君 昨年アフリカに出張しましたが、やっぱりCCTVの席巻ぶりは非常にすごかった。ホテルの方でCCTVがあります。これはホテル側がお金を払ってCCTVを流している、逆にNHKワールドはNHKがお金を払って放映してもらっている、そういう話も聞きました。しっかり対応しないといけないと思っています。
 先般作成した国家安全保障戦略においても、国際社会への情報発信の重要性は強調されておりました。当然、編成権はNHKにありますが、交付金を更に充当してNHK国際放送を強化すべきだと思います。NHKの国際放送を通じた情報発信強化について、総務大臣、御見解をお願いします。
#461
○国務大臣(新藤義孝君) まず、佐藤正久議員が、領土問題に関する情熱的な取組に敬意を表したいと思います。そしてまた、そういう思いを共有しながらそれぞれの役割を果たしていくべきだと、このように思っているわけであります。
 御案内のように、NHKの国際放送を充実させる、それは日本のプレゼンスを高めるとともに日本を好きになってもらう。それから、日本に関心を持っている人は実は我々が思っている以上にたくさんあるんですから、そういう人たちに私たちの国のスタンスというものを分かってもらう。これが国の発展と平和につながっていくと、このように思うわけであります。ですから、私も一層のこの充実強化をさせていただきたい。
 その意味でも、今回、この交付金の計上額に加えて補正で増やしました。これで何をやるかというと、重点的なPRをやるとともに、どうすればこの私たちのNHKの国際放送がより魅力的なものになるか調査分析もしてみたらどうだと、こういうものも費用の中には織り込ませていただいております。
 いずれにしても、やはり国民の声を聞いてNHKが役割をしっかり果たしていただくために私たちもお手伝いをしていきたいと、このように考えております。
#462
○佐藤正久君 総理、今まで議論がありましたけれども、中国や韓国は領土や歴史認識について独自の主張に基づいた宣伝活動を国益を懸けて積極的にやっております。その一例が総理の靖国参拝後の情報戦であり、米国での慰安婦像の設置やあるいは教科書への東海記載の動きです。
 過度に反応する必要はないと思いますが、日本の主張、立場が幾ら正しいとしても、それが国際社会に伝わらないと国益上大きな損失につながると思います。かなりの危機感を持たないといけないと私は思っています。官邸が、総理が先頭に立って、省庁の縦割りを排して戦略的に情報発信の計画を作って重点的に進めるべきだと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
#463
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、現在この国際社会において、領土問題についての自国の正当性についての主張あるいは国家イメージについて、こうした情報戦が繰り広げられているわけであります。
 日本は、今までどちらかといえば物静かに礼儀正しくという考え方で対応してきたわけでございますが、実態としてこうなっている以上、やはりこの私たちの主張が正しいということをそれぞれの国に伝えなければいけないわけでありまして、今まで黙々と汗を流しながら国際貢献をしてきたわけでございますが、しっかりと、そうした今までの日本が歩んできた道のりも含めてしっかりと発信をしていくように、効果的に、戦略的に、そして省庁横断で行っていきたいと、このように思っております。
#464
○佐藤正久君 よろしくお願いします。やっぱり大人の対応だけではなく、時には大人の対応と子供の対応を組み合わせるぐらいの覚悟が必要だと私は思います。よろしくお願いします。
 次に、東北の復興についてお伺いします。
 安倍内閣になって二年目、ふるさと福島においては目に見える進展というものを期待している方も多いです。その一つが昨年末に提示をされました中間貯蔵施設です。その用地は借地ではなく国有化するとしたことは国が前面に出る姿勢を明確にしたものと言えますが、そのまま最終処分場になるのではないかという懸念もあります。中間貯蔵施設の早期の設置に向けての政府の取組、促進化策について伺います。
#465
○国務大臣(石原伸晃君) 佐藤委員が地元福島で福島の復興に御尽力している姿、またお話というものは現地でよく聞かせていただいております。
 もう委員御承知のとおり、昨年の十二月十四日に、根本復興大臣とともに四町、立地四町と県知事のところに参りまして、本当に心苦しいということの気持ちでいっぱいであったのでございますけれども、全ての福島のことを考えると、この地に中間貯蔵施設を建設しないことにはこの仮置場に置いている除染で出たものの処分が進まなく、復興というものが目に見えて起こっているということを実感できない、こういうことをお願いを申し上げてきたところでございます。そんな中で、ただいま委員が御指摘されましたように、懸念として、最終処分場では決してないんでしょうね、これは知事の方からも強くお話が出たところでございます。
 かねてから、安倍内閣といたしましても、中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずると、このように明らかにさせていただいておりますし、まずは中間貯蔵施設の受入れということに地元の御理解を得られますように、政府一丸となってこれからも取り組ませていただきたいと考えております。
#466
○佐藤正久君 これしっかりしないと、もう三年が過ぎます。やっぱり安倍内閣二年目になって、期待が失望に変わり反感になっては絶対いけない。やっぱり復興は安倍内閣の旗頭としてしっかりやっていただきたいと思います。
 被災地では、ここに来て風化被害対策も出ております。やはり被災地でない都道府県からはどんどん忘れられていくのではないかという懸念があります。岩手も宮城も福島もまだまだ支援が必要です。高台移転もこれからが本番です。東京オリンピック・パラリンピックの準備やあるいは全国での国土強靱化が進めば土木作業員や除染作業員が確保できないのではないか、あるいは復興予算が減ってしまうのではないかという心配もあります。風化被害対策の意味でも、オリンピックなどの事前合宿を被災地で行うことも一案かと思います。
 根本復興大臣に、風化被害対策、今後の作業員や資材の確保、復興予算確保についての決意をお伺いします。
#467
○国務大臣(根本匠君) 委員御案内のように、御指摘のように、福島が直面している災害、これは、地震、津波に加えて原発事故、そしてそれに起因する災害、複合災害ですから、しっかりと対策も複合的に取り組まなければいけないと思います。佐藤委員には強力に情熱を持って取り組んでいただいておりまして、感謝を申し上げます。
 私が復興大臣に就任してからすぐに、いわゆる福島、東京二本社体制、福島復興再生総局を創設して現場主義を徹底しました。さらに、私と関係局長で構成するテーマ別のタスクフォース、これを開催して縦割りを乗り越えていく、横断的に取り組んでいく。そして、福島特有の問題に対応する福島ふるさと復活プロジェクトを創設し、避難解除区域への帰還加速のための取組、長期避難者の生活拠点となる災害公営住宅の整備、そして子供の運動機会の確保をスピード感を持って取り組んでまいりました。
 さらに、今回の補正予算で、長期避難者への支援から早期帰還のための生活拠点形成などの施策、これを一括して支援する福島再生加速化交付金、これは使い勝手のいい交付金、これを創設しました。
 今委員の御指摘の風化被害対策、私もなるほどそうだろうなと思います。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、福島を含む東北の地で聖火リレーや各国代表選手団の事前合宿などの様々なイベントが行われるように、東京都と政府、大会組織委員会がスクラムを組んで戦略的に物事を進めていきたいと思います。
 とにかく、東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて復興を加速する、明確に復興加速を国家目標にして取り組んでいく必要があると思います。
 また、資材、人員不足の対策、これについては関係省庁の協力を得て、建設技能労働者の不足状況あるいは資材の需給動向、この実態を把握した上で、私の下に設置した住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォース、そして、関係省庁、自治体、業界団体から成る復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会、しっかりと需給対策にも取り組んでまいりました。
 これからも、作業員や資材の確保、復興予算の確保など必要な措置を行って、震災の記憶を風化させることなく、福島を始めとする被災地の復興の加速にしっかりと取り組んでまいります。
#468
○佐藤正久君 しっかり結果を出していただきたいと思います。
 もう一つ大きな課題は、福島第一原発の廃炉です。
 先月、福島・国際研究産業都市構想研究会が設置されました。これは、福島県の浜通りの経済復興に向けた非常に重要な意義を有するものであります。廃炉に向けた安全かつ着実な研究の推進や、当該地域への関連産業の集積、あるいは雇用対策もしっかりしないといけないと思っております。そのために、政府は、福島県と連携しながらしっかり、予算の確保だけではなく、規制緩和やあるいは税制面での優遇措置なんかも必要と思います。
 経産大臣のお考えをお伺いします。
#469
○国務大臣(茂木敏充君) 浜通り地方の経済再生、そして将来の発展につながる拠点づくり、極めて重要だと思っておりまして、委員御指摘の福島・国際研究産業都市構想研究会、先月の二十一日に、現地対策本部長であります赤羽経済産業副大臣を座長にスタートをさせていただいたところであります。
 この研究会には、地元の首長さんを含みます産学官を構成者として、今年の六月をめどに地域経済の将来像、必要な取組等についての提言を取りまとめたいと、このように考えておりまして、そこの中で、放射線の物質分析センターを中心といたします廃炉の研究開発拠点、さらにはモックアップセンターを中心としますロボットの開発であったり実証拠点、こういった各種拠点の整備、さらには将来を見据えたロボットやエネルギー関連のプロジェクトについても議論を行っていきたいと考えております。
 予算だけではなくて、こういったプロジェクトを進める上での障害となりますもの一つ一つ取り払って、地元のニーズもしっかりくみ上げながら進めてまいりたいと、このように考えております。
#470
○佐藤正久君 これは非常に期待が大きいプロジェクトですので、しっかりお願いしたいと思います。
 総理、県民の福島帰還の一つの障害は、原発の安全への不安です。安全と安心は違います。幾ら政府が安全と言っても、避難した住民が安全と思わなければ帰還も進みません。その意味で、国が前面に立って汚染水対策や廃炉対策を進めることは非常に評価できますが、廃炉といっても、いまだに一号機から三号機の核燃料の棒がどうなっているかまだ分からない。原子炉内のウランの半減期は約七億年であり、プルトニウムは半減期が約二万年です。それらと向き合わないといけないのが廃炉作業であり、福島です。でも、福島県民はこれを乗り越える覚悟があります。以前よりも多くの笑顔、福島に生まれてよかった、また住むなら福島がいい、そういう福島をつくる覚悟です。
 総理の廃炉に向けての決意、福島県民への思い、これをお聞かせください。
#471
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 廃炉というのは、今、佐藤委員が御指摘のように、極めて困難な作業ではありますが、しかし、この廃炉、そして汚染水対策については、福島の被災者の方々に安心して生活を送っていただくためにも不可欠であります。東京電力任せにはせず、政府も前面に出てしっかりと取り組んでいく決意でございます。
 このような長期にわたる誰も経験したことのないような難題に対して、大事なことは国の方針をしっかりとお示しをすることであろうと思います。いつ一体、事態が解決に向かっていくのか、それも分からない状況であったわけでございますから、国がしっかりとまず方針を示していく。福島第一原発の廃炉に向けましては中長期ロードマップを定めて対応をしております。四号機からの燃料取り出しのように短期の取組から長期を見据えた取組まで全力を挙げて取り組んでいく考えでございます。
#472
○佐藤正久君 この廃炉は本当に大きなチャレンジだと思いますが、これ乗り越えないといけない、しっかり私も頑張ってまいりたいと思います。
 次に、南西諸島の防衛警備について議論をしていきたいと思います。
 二〇一二年の八月に香港の漁船が領海に侵入し、活動家が魚釣島に不法上陸をいたしました。これと同じことが漁船ではなく公船によって行われた場合の我が国の対応について議論をしていきたいと思っています。
 外務大臣、某国の軍艦ではない公船が尖閣諸島への上陸を標榜し、海保の警告を振り切って領海内を魚釣島を目指して進んでいる、このような場合、当該外国公船の航行は無害航行ではないと国際法上言えるでしょうか。
#473
○国務大臣(岸田文雄君) まず、国際法上、一般に、領海には沿岸国の主権が及びます。一方で、全ての国の船舶は他国の領海において無害通航権を有しており、沿岸国は当該船舶の無害通航を妨害してはならない、このようにされております。そして、具体的にいかなる航行が国際法上無害通航に当たるのか否かにつきましては、国連海洋法条約の関連規定に基づいて個別具体的な状況に応じて判断する必要があります。
 例えば外国公船、この外国公船が尖閣諸島の領有権に関する独自の主張を背景に同諸島への不法な上陸の意図を明確にし、我が国当局による警告を無視して同諸島に向けて領海内を航行する場合、この場合には当該外国公船の航行、無害通航には当たらないと考えます。
#474
○佐藤正久君 では、海洋法条約第二十五条では、無害でない通航を防止するため、例えば、外国船舶を領海外に退去させるために自国の領海内で必要な措置をとることができると定められております。これは外国公船にも適用できるという解釈でよろしいでしょうか。また、とり得る措置の内容について条約上の制限はあるのでしょうか。お願いします。
#475
○国務大臣(岸田文雄君) 国連海洋法条約二十五条の一ですが、「沿岸国は、無害でない通航を防止するため、自国の領海内において必要な措置をとることができる。」旨規定しております。この規定は、まず外国公船にも適用されます。
 一方、国際法上、一般に公船は他国の領海においても旗国以外の国の管轄権からの免除を有しています。このため、沿岸国が無害通航には当たらない航行を行っている外国公船に対して国連海洋法条約に基づき必要な措置をとる場合、そのような措置は、当該外国公船の有する免除を侵害しない範囲で、かつ、当該公船による侵害行為との比例性が確保されたものとならなければならない、このように考えられます。
#476
○佐藤正久君 ありがとうございます。要は、対応は可能ということです。
 海上保安庁長官、外国公船に対して、主権が免除されており、警察権に基づいては何も対応できないと主張する方々もおられますが、そのような理解は正しいのでしょうか。
#477
○政府参考人(佐藤雄二君) 外国公船の活動に対しましては、国際法上許容される範囲内において、海上保安庁法等の国内法に基づく措置をとることは可能であると認識しております。
#478
○佐藤正久君 すなわち、無害通航ではない外国の公船が領海内に入ってきた場合、公船といえども海上保安庁が警察権で必要な措置をとることができると、今明確になりました。
 資料の八をお願いします。
 退去のための必要な措置を警察権の行使として行う。その根拠としては、公船退去のために必要な措置は、まず、私は自衛隊ではなく海上保安庁が適時適切に行うことが望ましいと考えておりますが、その根拠は、例えば海上保安庁法第十八条の第二項の「海上における公共の秩序が著しく乱されるおそれがあると認められる場合であつて、他に適当な手段がないと認められるとき」に該当する場合は、同項で定める措置や警職法第七条の規定に基づく武器使用をすることは可能と認識しておりますが、海上保安庁長官、よろしいでしょうか。
#479
○政府参考人(佐藤雄二君) 委員御指摘のとおり、庁法十八条の二項で対応することとしております。
#480
○佐藤正久君 つまり、警察権で対応できる場合もあると。これまでの議論では、外国公船には単なる警告だけで、警察権によっても何かできないという話がありましたけれども、今初めて海上保安庁長官が明言されたように、警察権によっても条件が整えばある程度の対応は可能ということが明言いただきました。警察権では何もできないといった一部の報道は誤りです。
 潜没潜水艦とか、あるいは偽装した武装漁民の上陸対処というようなマイナー自衛権も非常に大切ですけれども、警察権のこの運用と併せてシームレスな対応、これをやることが大事だと思っています。しっかり安保法制懇やあるいは政府の方でも検討いただきたいと思います。
 総理は、尖閣の海を守る海上保安官を石垣島で激励されました。現場はぎりぎりのところで、国のリーダーを信じて、領土、主権を守っています。領海内で無害でない通航を行う外国の公船に対しては、総理の強力なリーダーシップの下で毅然とした対応をお願いしたいと考えておりますが、総理の御決意をお願いします。
#481
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、昨年二月に沖縄本島、そして七月に石垣島、宮古島を訪問いたしまして、その際、我が国の領土、領海、領空を守る最前線で日々任務に精励している自衛隊、そして海上保安庁や警察の諸君を直接激励をいたしました。彼らは今この瞬間にも、強い意思と忍耐力で、そして誇り、強い誇りを持って任務を果たしているわけであります。私はまさに彼らを誇りに思いますし、彼らの御家族の皆さんに対しても感謝申し上げたいと思うところでございます。
 我が国南西地域においては、中国が一方的に防空識別区を設定し、そして尖閣諸島周辺では領海侵入が繰り返されているわけであります。我が国を取り巻く安全保障環境が大変厳しさを、一層厳しさを増す中、政府としては新たな防衛大綱の下、南西地域を始め我が国周辺海空域の安全を確保するため、海上優勢そして航空優勢の確実な維持に向けて防衛体制を強化していく考えであります。
 あわせて、日米防衛協力のための指針の見直しを始め幅広い分野で日米防衛協力を進め、そして日米同盟の抑止力と対処力を強化するとともに、沖縄の基地負担を軽減するための取組も進めていく考えでございますが、ただいま佐藤委員が御指摘になられたようにシームレスということが大変大切でありまして、警察力で対応する上においてもしっかりと、例えば上陸をするという危険性があった際には警察官をあらかじめ上陸をさせて、そして対処をすると。その際にも、しっかりとこれは対処をしながら、しかしそれが偶発的にエスカレートしないような、そういう対応をしていく必要もあるんだろうと、このように思うわけでありまして、様々な状況を我々、あらかじめシミュレーションをしながらシームレスに対応をしていくことが肝腎ではないかと、このように思っております。
#482
○佐藤正久君 まさにシームレスな対応を考えて作ったのが今回の新しい大綱、防衛力整備計画だと思っています。その一つの焦点がやっぱり南西諸島防衛です。
 資料九を見てください。
 これは現在の南西諸島における自衛隊の配備図です。このピンクの地形は本州ですけれども、南西諸島は本州がすっぽり入るほどの広さがあります。近年、中国を対象としたスクランブル発進が増えていますが、その概要を簡潔に御説明お願いします。
#483
○大臣政務官(木原稔君) 私の前任者であります佐藤正久委員にお答え申し上げます。
 中国機に対する緊急発進は増加傾向にあり、直近のデータで申し上げますと、平成二十五年四月一日から同年十二月三十一日までの合計では二百八十七回と、前年度の同期間と比較して百二十七回の大幅増加となりました。
 委員御承知のとおり、中国機の活動は活発なまま推移をしておりまして、中国軍の動向について引き続き注目していく必要があると考えております。
 以上です。
#484
○佐藤正久君 この前、沖縄に行ったときに空港の職員が言っていました。以前はF15は二機飛んでいったのに、最近はF15は四機まとめて飛んでいくと。そのぐらいやっぱり対象の航空機が増えているという証拠だと思います。
 また、那覇空港と尖閣諸島は約四百二十キロ離隔しており、また一番近い宮古島のレーダーからは二百十キロ。この地上レーダーを補足するためにAWACSやE2Cが上空から監視をしております。
 さらに、中国は東シナ海において防空識別区を更に設定をし、これにより、いずれ中国の戦闘機が南下をしたり、中国の空母がその中で訓練をすることも否定はできないと思います。
 以前にも増して南西諸島の空は緊迫しております。そのためにどのような防空体制をこれから中期防で取っていくのか、防衛大臣に説明願います。
#485
○国務大臣(小野寺五典君) 佐藤委員には大臣政務官として防衛大綱、中期防に積極的に取り組んでいただきました。ありがとうございます。
 今御指摘がありましたが、この南西地域の防衛体制、特に海上優勢、特に航空優勢の確実な維持、これは大変重要であります。
 今回、F15一個飛行隊を那覇基地に移動させます。また、F35Aを整備することとし、現在あるF15については近代化改修を行っていきます。
 今御指摘ありましたこの周辺空域の特に警戒監視については、早期警戒機E2Cの一個飛行隊を新たに新設をいたしますし、新たな早期警戒機を四機整備をいたします。また、空中給油機、輸送機三機を整備します。さらに、これはミサイル対応でございますが、現在のペトリオット、これはPAC3のMSE化にすることによりまして更なる能力向上を図っていきたいと思っております。
#486
○佐藤正久君 また、陸上自衛隊は、この絵で分かるように沖縄本島にしかいません。今度、与那国島に陸自部隊を配置しますが、それは監視部隊であり対処部隊ではありません。この広い南西諸島を見ると、薩南諸島あるいは先島にもそれなりの陸自基盤が必要だと思いますが、中期防ではどのような施策をお考えか、説明願います。
#487
○国務大臣(小野寺五典君) 初動を担任します警備部隊について、これは検討しておりまして、現在、陸上自衛隊の配備に空白が生じている島嶼部において、これは災害対策を含む各種事態が生起した場合には迅速な初動対応を行う上で必要最小限の態勢を整備する必要があると思っております。
 警備隊の具体的な部隊編成や規模については、現在、長崎県の対馬駐屯地に配備しております対馬警備隊が参考になると思っております。先般も訪問させていただきましたが、視察いたしましたが、今後の予算編成を通じまして、委員御指摘の問題についてはしっかり対応していきたいと思っております。
#488
○佐藤正久君 まさにこれからなんです。本当に空白なんですよ。
 一般に離島防衛は事前の部隊配置が基本です。継続的な兵たんも大事です。ところが、沖縄本島から魚釣島までは約四百二十キロ、海上自衛隊の護衛艦の一番近い基地は何と佐世保、千百キロ離れているんです。この距離をいかに埋めるか、これは非常に大きな課題で、統合機動防衛力の肝は輸送力とも言われております。
 防衛大臣、この輸送力の強化についての考えをお聞かせください。
#489
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘がありますように、特にこの南西地域を始め島嶼部への大規模な輸送展開能力が大変重要であります。今回の大綱におきましても、輸送能力や後方支援能力の向上、これが重要課題となっています。
 具体的には、新中期防におきまして、現有輸送艦の改修、あるいは水陸両用作戦における指揮統制、大規模輸送、航空運用能力を兼ねた多機能艦艇の在り方について検討を行います。また、民間の輸送力、この積極的な活動についても検討してまいりますし、輸送機、これはC2でありますが、その継続的な整備、このことを行いながら、統合機動防衛力の構築をしっかり進めてまいります。
#490
○佐藤正久君 まさに今回、大綱、中期防、本当に新たな挑戦だと思っています。しっかりと予算含め対応しないといけないと思っています。中国の挑発行為は年々外に外にと向かって、近年は東シナ海どころか沖縄を抜けて太平洋の方にまで出ております。
 総理、総理は沖縄の自衛隊も訪問し、激励をしていただきましたが、自衛隊による南西諸島防衛の強化は、新しい安全保障環境に加えて、在沖米軍再編上も極めて有意義だというふうに思っています。南西諸島防衛に対する総理の御決意をお伺いします。
#491
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの南西諸島の防衛、これが極めて重要でございまして、昨年、防衛大臣政務官として佐藤当時の政務官にまさに中心的に御尽力をいただきまして、我々は大綱、中期防をそれぞれまとめたところでございます。まさにこの最前線となるわけでありますが、同時にこれは抑止力となるわけでございまして、言わばこの抑止力によって、結果として地域の平和と安定を守ることにつながっていくんだろうと、このように思うわけでございます。
 先ほども答弁をさせていただいたわけでございますが、海上優勢、そして航空優勢の確実な維持向上に向けて防衛体制を強化していく所存でございます。あわせて、この日米防衛協力のための指針の見直しを始め、幅広い分野で日米協力を進めて、日米同盟の抑止力と対処能力を強化するとともに、先ほども申し上げましたが、沖縄の基地負担の軽減にも取り組んでまいりたいと、このように思う次第でございます。
#492
○佐藤正久君 南西諸島はやっぱり離島なんです。これは輸送力というものは、単に防衛、災害対処だけではなくて、有事における国民保護、やっぱり島から運ばないといけないということがあります。
 実は、この離島災害対処、これはいかに迅速に部隊を島に集中するかが課題になります。そのための島の空港、港湾のインフラ整備は、国が自治体と向き合わないといけません。大災害に見舞われた伊豆大島、これは人口約九千人弱ですけれども、滑走路は千八百メーターありました。よって、航空自衛隊のC1もC130も着陸できました。
 しかし一方、佐渡島は、人口が五万九千人です。ただし、佐渡空港は滑走路が八百九十メーターで圧も弱いために、航空自衛隊のC1どころか、CH47のヘリコプターも降りることができません。この佐渡の空港インフラ、これは防災上あるいは国民保護の観点からも死活問題だと思います。国土交通大臣の御見解をお伺いします。また、あわせて、離島災害対処の観点から、空港、港湾の整備についての考えもお願いします。
#493
○国務大臣(太田昭宏君) 一般論としては、佐渡空港や大島空港などの民間の航空会社が利用する空港は、航空輸送網を形成する上で必要な空港として、航空会社から徴収する着陸料やあるいは航空機燃料税等の状況を踏まえて、航空会社の利用実態に基づいた諸元の施設整備を実施していると。したがって、現在の空港整備の制度では航空会社のニーズに応じて滑走路延長等を実施するというのが、これが一般的ではあります。
 しかし、委員御指摘のように、この間の大島の例にもありますように、地震や津波あるいは台風、こうした災害に度々見舞われている我が国におきまして極めて重要な視点であるというふうに考えておりまして、関係省庁と連携を取って対応方策を取っていかなくてはならないと認識をしております。災害時に既存の空港施設を活用し、救援隊や緊急物資の輸送を早期に行うなどの緊急対応も、被災地救援のためには極めて重要であるという認識をしております。
 そのため、国交省としてこれまでも航空局関係職員の派遣もしておりますし、運用時間の延長等を実施してまいりましたが、引き続き被災地支援のために必要な最善の策を講じてまいります。
 また、離島、極めて重要な領土、領海。領海の話が、EEZの話もありましたが、四百四十七万平方キロという、いわゆる領土の十二倍を有していると。離島の位置付けはそうした面でも極めて重要であるとともに、災害対応というものが重要でありまして、港湾とかあるいは航空等の設備、そしてまたそうした需要に対応できるような体制を常に心掛けていかなくてはならないと認識しています。
#494
○佐藤正久君 麻生副総理兼財務大臣、実は、与那国島は千六百人の人口で滑走路二千メーターなんです。佐渡島は五万九千人もいて滑走路が八百九十メーターで、大型ヘリも降りられない。今の話だと、航空会社のニーズがなきゃいつまでたっても整備ができないんですよ。
 財務大臣、副総理として、この佐渡島の整備、お考えをお聞かせ願えればと思います。
#495
○国務大臣(麻生太郎君) いきなり振られても、国土交通大臣の答弁なんだと思っていますけれども。そういうことを考えてきちんとやるというような発想をしなかった国会議員が駄目なんだなと、誰だったっけなと思いながら、今一生懸命考えていたんですけれども。
 そういうことも考えてきちんとやるべきだというような発想というのは、やっぱり佐藤先生、僕は最近までなかったんだと思いますね。急にこの数年間、何となく拡張主義みたいなのが隣に出てくるとこちらの方もその対応を迫られるといって、やっぱりそれならきちんと対応をしないと、こちらの方として、常識に訴えたり、世界の良識に訴えるというような話ではとても対応できないというのはもう今あちらこちら世界中で起きている話なんで、私どもとしては、そういったことも改めて考えなければいかぬ事態が日本海で起きつつあるんだと認識しております。
#496
○佐藤正久君 終わります。
#497
○委員長(山崎力君) 以上で佐藤正久君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#498
○委員長(山崎力君) 次に、島尻安伊子君の質疑を行います。島尻安伊子君。
#499
○島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。
 今日は、大きく三つの質問をさせていただきたいと思います。
 一つは外交、今、安倍総理が外遊先で女性リーダーたちとの懇親を持たれていらっしゃるということを中心に、二つ目は、今日の議論の中に頻繁に出てきておりますけれども、沖縄の基地負担の軽減に関すること、そして三つ目は西普天間、今後、これが返還が決まっているところでありますけれども、その返還の後、跡地利用についての大きく三つの質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、今般のダボス会議あるいはインドの訪問時、安倍総理は女性リーダーたちと意見交換をなさっておられます。日本のこのアベノミクスはもう今や世界中に響き渡っておりまして、中でもこの女性の活躍というのを一本の柱に掲げているということ、これはどこの国でも特徴として取り上げているというふうに聞いております。
 以前、我々自民党の女性局、今日は三原じゅん子局長もおられますけれども、ウーマノミクスというものを推進しておりました。当時、谷垣総裁の下で、この政策を公募をして優秀作を表彰したりしていたわけでございます。
 このダボス会議、インドでの女性リーダーとの意見交換の印象や感想というものをまず総理にお聞きしたいというふうに思います。
#500
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ダボス会議に出席した際、またインドを訪問した際、著名な女性の経営者あるいは各界のリーダーとお目にかかる機会がございました。日本としても、女性というこの大きな活力を生かしていくことが日本の成長につながっていくと、このように考えているところでございますが、皆さんとお目にかかって、それぞれ様々な困難を抱える中、課題を抱える中、そうしたものを突破しながら皆さんのそれぞれの地位を築いてこられたわけでございますが、これは例えば社会や企業の意識改革、子育て支援や女性の職場復帰のための制度の整備の必要性等について、実体験に基づいていろんな有益なお話を伺うことができました。
 ダボスにおいては、クリントン政権で経済諮問会議の委員を務めたローラ・タイソン氏が、今UCバークレーの教授を務めておられますが、女性を活用することは、これはマクロ経済的にも結果として経済成長にプラスになるんだということを論理的にお話をされていたわけでございまして、クリントン元大統領というか元国務長官は、女性の活力を活用すれば日本は一六%成長が伸びていくという話をしておられたわけでございます。
 また、インドにおいては、インド最大、六百人の弁護士を擁する最大の弁護士事務所の代表は女性なんですね。その女性の方も、やはり子育てをしながら仕事ができる、その両立、やはり会社とそして社会全体の意識を変えていくことが重要であると、こんなお話をしておられました。
 我々もそうした意見を参考にしながら、日本を世界で一番女性が輝く国にしていきたいと、このように考えております。
#501
○島尻安伊子君 この女性の社会参画というのは、これまでは男女同権とか人権の問題として捉えられがちだったということなんだけれども、今回のこのアベノミクスでの捉え方は女性が経済成長の一端を担うという。で、ラガルド専務理事はマクロ経済の視点から日本が取組を進めていることを評価しているということも、あちこちでこれ見聞きするものでありますけれども、私は大変これを誇りに思います。女性としても大変誇りに思いますし、だからこそ、これからいろいろな政策を打つ中でこの日本の、特に日本の女性の活躍ということがすごく期待されるのではないかというふうに思う次第でございます。
 もう一つ、外遊先で女性との意見交換が大事だという理由があるというふうに私は思っております。その国のお国柄を知るという意味で大変参考になるのではないかというふうに思っています。国の文化やその習慣というものは母から子に継がれるというものだというふうに思っていまして、その国の女性が持つ価値観だとか子供を育てる上で何を重視をしていくのかとかなど、そういったことを知ることは大変大事だというふうに思っています。
 午前中の審議で、吉野弘さんのこの詩から、日本人の持つ謙虚さがすばらしいということが話題になっておりましたけれども、それはそれなんですけれども、国によっては、はっきり主張できるということ、これを優れている、優れた人物像とするところもあるわけですから、むしろ世界中を見たときにはそういう国の方が多いのではないかというふうに思いますけれども、日本人の美徳とするこの控えめということが全く理解されないことも残念ながらあるわけであります。
 個人的な理想とか好みとかということは別にしても、出過ぎるぐらいきっちりとした態度を取るということは外交を行う上で必要なときもあるのではないかというふうに思うんですけれども、総理の感想を、感想といいますか御意見をお聞きしたいと思います。
#502
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 外交においては、控えめで謙虚な姿勢、謙虚な姿勢というのは、この人はハンブルな人だなという、そういう評価を得ることもございますが、しかし、国益を懸けた交渉の上においては、これはほとんど意味を成さないんだろうと、こう思うわけでありまして、しっかりと、反論しないことはそれを事実上受け入れたことになってしまうわけでありますし、主張しなければ誰も振り向かないわけであります。
 我が国は、戦後、徳をずっと積んできたわけでございますが、しっかりと徳を積んできたことも、そしてその姿勢も我々はアピールしていかなければいけないわけでありますし、何といっても日本は民主主義の国でありますし、自由を尊ぶ国である、そして何よりも法の支配を尊重する国であります。そうした日本の姿、日本の美徳、守ってきた価値、これはしっかりとこれからも国際社会にアピールをしていかなければいけませんし、これから日本が何をやろうとしているかということについてもしっかりと発信をしていく必要があるんだろうと思います。
 その観点から、昨年は、国連の場において、あるいはイギリスにおいて、そしてまたダボス会議においてしっかりと発信をしてきたわけでございますし、これからも日本の考え方、主張を発信していきたいと考えております。
#503
○島尻安伊子君 総理、せっかくこの世界の女性たちとのネットワーク、つながりというのを開拓をされているわけですから、例えば世界の女性たちが一堂に会する場というのを東京につくって、例えば桜の季節に世界の女性たちが集まるというのは大変華やかでございますし、それだけでも明るい経済成長を予感させるのではないかというふうに思っておりまして、是非、総理のリーダーシップで、そういう東京会議といいますか、こんなものをつくられたらいかがかと思うんですが、いかがでしょうか。
#504
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変すばらしい御提案だと思いますし、私どもとしましても、日本を世界で一番女性が輝く国にしていく上においても、世界で活躍をしている女性の皆さん、あるいはこういう状況を大きく変えていきたいと思っておられる女性の皆さんに日本に集まっていただいて、そしてシンポジウムを開くことは有意義であろうと思っております。
 桜の咲く頃はちょっとまだ準備が整うかどうかは分からないわけでございますが、今年中に世界からそういう女性のリーダーの皆さんに日本に一堂に集まっていただきたいと、このように思うところでございますし、先般もダボス会議のときに女性の皆さんと懇談をした際にも、そういう機会をつくっていただければ是非自分たちも出席をしてお話をさせていただきたいと、こういうことでございます。
 かつてリーマン・ブラザーズが、リーマン・ブラザーズ・アンド・シスターズだったら破綻していなかったんではないかというこれは説もあるわけでございまして、つまり多様性を持つことによってより強くなる、企業もそうでありますが、国もそうではないかと、このように思っております。
#505
○島尻安伊子君 是非この実現に向けてよろしくお願いしたいというふうに思います。
 それでは、沖縄の基地負担軽減について質問をさせていただきたいと思います。
 昨年十二月、仲井眞知事が要望した基地負担軽減に関する四項目について、今日も総理の決意があったわけでありますけれども、改めてではございますけれども、米国との交渉をまとめていくという強い姿勢を示されておられます。
 この四項目、政府と沖縄県の約束でありまして、その早期の確実な実現に向けて、もう一度総理からこの意気込みをお聞きしたいと思います。
#506
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この知事からの四項目でございますが、普天間飛行場の五年以内の運用停止、早期返還、そしてキャンプ・キンザーの七年以内全面返還、そして日米地位協定の条項の追加等改定、そしてオスプレイ十二機程度を県外の拠点に配備、この四項目でございますが、昨年の十二月に仲井眞知事から負担の軽減に関する、今申し上げました四項目について御要望をいただきました。
 この御要望は沖縄県民全体の思いなんだろうと、このようにしっかりと受け止め、政府としてできることは全て行う、これが安倍政権の基本的な考え方でございます。具体的には、地元の皆様の目に見える形で基地負担を軽減することが重要であり、そのためには沖縄県外における、それに向けた努力を十二分に行うべきであると思います。
 今、島尻議員が御指摘になったように、米国を始め相手があることでございますが、日本政府としては、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む仲井眞知事からの御要望について、政府を挙げてその実現に取り組んでいく決意でございます。
#507
○島尻安伊子君 この四項目の中にございます日米地位協定についてお聞きをしたいと思います。
 世間では、この米軍の兵士たちは罪を犯してもほとんど罰せられることがないとか、米軍基地内は治外法権であり、環境保護の規定、そんな規定もなくて汚し放題だとか、あるいは米国が他国と結んでいる地位協定よりもこの日米の地位協定が劣っているんだという主張をする方もおられます。恐らくこれが日米地位協定に対する一般的な受け止め方ではないかというふうに思っております。
 特に、これまで様々な事件や事故を経験してきた沖縄県民にとっては、この地位協定があることによって不平等な立場に置かれているという気持ちがあるのではないかと思いますけれども、こうした意見について、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#508
○国務大臣(岸田文雄君) 日米地位協定ですが、我が国のこの安全保障に不可欠な役割を担う在日米軍の円滑な活動を確保するため、我が国における米軍の地位等を規定したものであり、そして日米安保条約とともにこの日米安保体制の基盤を構成する規定であります。
 御質問で、これが他国に比べて内容が劣っているのではないか、こういった指摘がある、こういった御質問をいただきましたが、この内容を見ますと、日米地位協定上、米軍人などの公務中の犯罪ということを考えた場合に、米側の第一次裁判権の下で処分などがなされますが、これは日米地位協定に特有のものではなくして、一般国際法に基づくものであります。現に、NATO地位協定なども同様の内容になっています。
 一方、公務外の犯罪につきましては、日本が第一次裁判権を有することに加え、凶悪な犯罪の場合は起訴前に日本側へ身柄の引渡しを可能とする枠組みをつくるなど、他国に例のない改善、我が国の場合は図ってまいりました。こういった点を踏まえますと、日米地位協定が他の国と米国との地位協定に比べて劣っている旨の指摘は当たらないと考えています。
 加えて、今般、安倍総理と仲井眞知事との間で確認されました新たな対応の中で、日米地位協定における環境の補足協定を作成する、こういったことを日米で合意し進めていく、こういったことが確認をされています。こういった改善、そして対応を積み重ねることによって、是非地元の皆様に理解いただける、こういった内容を実現していきたいと考えています。
#509
○島尻安伊子君 正直、この地位協定の運用の改善については、実は、見てみると、一九九七年以降は約一年に一つのタームというか、一年に一つは改善されているんですね。なかなかなぜか、地元の沖縄県民もそうなんですが、地位協定はもう日本全体の問題ですけれども、なかなかこの発信というか、されていない気がするんですね。
 先ほど脇先生の審議の中にマスコミの話がございましたけれども、やはりいろんな切り口から国民に向けて様々な発信をしていかなければならないんだと思います。正しい情報をどのように発信して、そしてそれをキャッチしてもらうかということを今後考えていただきたいというふうに思っております。
 今御答弁にございましたその環境の問題でありますけれども、これはもう基地の周辺に住む方々の生活に直接影響を及ぼすものでありまして、この日米地位協定に環境に関する規定を盛り込むということが沖縄の願いの一つであります。
 こうした問題意識を踏まえて、この間、この四項目の中に入って要請があったわけでありますけれども、これを受けて、昨年末、日米地位協定を環境面で補足する政府間協定の策定に向けた協議の立ち上げが発表されましたが、この補足協定の意義と今後の交渉に向けての決意、そしてこのスケジュール感というものも併せて外務大臣にお聞きしたいと思います。
#510
○国務大臣(岸田文雄君) 昨年の十二月二十五日に日米両政府は、この日米地位協定を環境面で補足する政府間協定の作成に向けた協議を立ち上げる、こういったことにつきまして合意をいたしました。現行の日米地位協定ですが、これ、この中には環境保護について明示的に言及した規定はありません。よって、この今回の日米地位協定の補足協定を作るということは、日米地位協定発効後五十数年たって初めて環境面の規定ができるという意味においても、またこの新たな補足協定を作るという意味においても、これは今までにないことであると認識をしております。
 こういった点におきまして、この今回の取組、これまでの取組とは異なる新たな意義を有すると考えております。是非この取組を進めて結果を出したいと考えております。今、これからアメリカと協議をするわけでありますが、私としましては、今月中には第一回の協議をスタートさせたいと思います。
#511
○島尻安伊子君 昨年の十月の2プラス2で合意したこの返還前の立入調査について、これも同じく、その次の月の昨年の十一月までに日米間でまとめる予定だというふうに聞いておりましたが、これまだの様子ですが、この協議どうなっているのか、外務大臣、お聞かせください。
#512
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、昨年十一月の日米2プラス2におきまして、この返還前の立入調査に関する枠組みについて昨年十一月までに合意をするということが確認をされておりました。そして、これに向けてこの作業を進めていく間に、先ほど答弁させていただきました日米地位協定の環境面における補足協定を作成しようということについて日米で合意が行われたわけであります。よって、この返還前の立入調査につきましても、より内容のある、そして良い枠組みをつくるという観点から環境面の補足協定を作るという枠組みの中に包含させる、こういったことで結果を出していこうと考えております。
 是非、返還前の立入調査につきましても、環境面の補足協定を作る、この取組の中でしっかり結果を出していきたいと考えております。
#513
○島尻安伊子君 PCBの問題も取り上げられておりますし、それから跡地利用に関して、その計画が早めに進むようにいろんな観点から返還前の立入調査というのは大変大事だと思っておりまして、この辺に関しての日米間で取りまとめる予定だというニュースのときにはやはり県民全体の期待が高まったということもありますので、今大臣がおっしゃるように補足協定の中に組み込んでということであれば、またスピード感を持ってこの取りまとめに是非御努力いただきたいというふうに思っております。
 それでは次に移りますが、普天間飛行場の五年以内の運用停止について、これ技術的には可能だというふうに聞いておりますけれども、まず何よりも政府の、あるいは総理の本気度が必要だというふうに思っておりまして、総理の意気込みもお聞きをしたいと思います。
 加えて、オスプレイの県外配備と拠点整備、そして加えてキャンプ・キンザーの早期返還について、既に武田副大臣を長とする負担軽減推進委員会を設置したとのことでございますけれども、現在の取組状況と今後の見通しについて、防衛大臣に説明をお願いしたいと思います。
 まず、総理からお願いします。
#514
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 普天間基地の早期返還につきましては、先ほど仲井眞知事の四項目の中の重要な項目であります。これはもちろん米国を始め相手があることでありますが、我々できることは全てやるという決意で進めていきたいと、こう考えております。
 空中給油機については、本年、岩国基地にこれは移転するわけでございます。そうしたことをしっかりと進めていく中において、できる限り御要望に応えるべく全力を尽くしていく決意でございます。
#515
○島尻安伊子君 じゃ、防衛大臣、お願いします。
#516
○国務大臣(小野寺五典君) ただいま総理からお話がありました。その命を受けまして防衛省としましては、沖縄における米軍施設・区域の早期返還及び訓練移転を含む負担軽減の推進に関する基本的な方針を検討し、当該方針に基づく施策の円滑かつ効果的な促進を図る目的で、一月二十二日、武田防衛副大臣を長とします沖縄基地負担軽減推進委員会というのを新たに設置しまして、同日、第一回目の会合を開催しております。
 この第一回目の会合におきましては、昨年末に沖縄県知事からいただきました牧港補給地区、普天間飛行場及びオスプレイに関する要請も踏まえまして、この推進委員会の下に設置した二つのチーム、牧港補給地区返還推進チームと普天間飛行場負担軽減推進チームでそれぞれ速やかにかつ精力的に作業を進め、一定の成果が得られ次第、その都度推進委員会に報告をし、また沖縄の皆様にも報告をしていきたい、そのように思っております。
 今後のスケジュールにつきましては現時点でまだ明確に確定できておりませんが、沖縄の負担軽減のためにもできることは全て行うという安倍政権の姿勢の下、精力的に作業を進めてまいりたいと思います。
#517
○島尻安伊子君 この五年以内の運用停止のためにも、やはり早めに辺野古への移設というのを図っていかなければならないんだというふうに私は思っております。
 沖縄県名護市の市長は、市長の権限で辺野古の埋立工事を阻止するというふうに繰り返し主張をなさっておられます。辺野古への移設は反対という御主張をされるのは、私は自由なんだろうなというふうには思うんですけれども、これではただ混乱が続くだけではないかというふうに思っています。
 行政事務は法令に従って行うべきということは、法治国家として当然のことだろうというふうに思います。市長が普天間飛行場の辺野古への移設には反対という政治目的から、行政の権限を濫用するということは地方自治法上問題であるというふうに考えておりますけれども、総務大臣の見解をいただきたいというふうに思います。また、こうした問題行為を阻止、是正するためにどのような方法があるのか、伺いたいと思います。
#518
○国務大臣(新藤義孝君) まず、今委員の御発言の中で権限が濫用されると、これはあってならないことであります。権限は適切に行使されなくてはいけないと、こういうことだと思うんです。
 その上で、工事に関しては関係法令に従って私は適切に処理が進められると、このように考えておるわけであります。また、その際には、まずは地元の皆様との話合いというのが非常に重要です。また、それを安倍政権としてもそういったことで進めていくと思っておりますから、まずきちんと話をした上で適切に進められるように、そして権限というものは適切な行使をしていただきたいと、このように考えております。
#519
○島尻安伊子君 今回の埋立工事に当たっては、平成十六年のボーリング調査の際に行われたような、海上での危険で違法な妨害活動をきちんと阻止しなければならないというふうに私は考えております。
 このため、警察とそれから海上での警察権を持つ海上保安庁の役割というのが極めて重要だというふうに考えております。これは工事業者そして反対活動家の双方に不慮の事故が起きないようにするためにも、海上保安庁、警察の積極的な対応が必要だというふうに考えておりますけれども、海上保安庁、御答弁いただきたいと思います。
#520
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。
 海上保安庁といたしましては、海上の安全及び治安を確保する観点から、所要の警備を実施することとしております。とりわけ、生命、身体への危険や悪質な違法行為が発生した場合には厳正に対処することとしております。
#521
○島尻安伊子君 同じ質問を国家公安の方にも聞きたいんですけれども、質問通告しております。
#522
○国務大臣(古屋圭司君) 島尻委員が今御指摘したような、そういった行為が行われるということは極めてゆゆしき事態ですね。もしそういった行き過ぎた違法行為、まあ妨害行為ですね、が行われるということであるならば、ちゅうちょすることなく警察は厳正に対処するよう沖縄県警察にしっかりと指示をしてまいりたいというふうに思います。
#523
○島尻安伊子君 今お二方から答弁をいただいたわけですけれども、悪質な違法行為が発生したら厳正に対処ということでございますけれども、これ、発生しなければ対応しないというふうにも受け止められるんですけれども、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
#524
○国務大臣(古屋圭司君) 警察は、やはり国民の、あるいは地域の住民の皆様の治安維持のために常に活動いたしております。そういう中にあって、法と証拠に基づいて、そういった違法行為が行われたということであるならば、私が今申し上げましたように、ちゅうちょすることなく厳正に速やかな対処をするように、私、国家公安委員長として沖縄県警察にもしっかり指示をしてまいりたいというふうに思います。
#525
○島尻安伊子君 同じ質問を国交大臣にもさせていただきたいというふうに思うんですけれども、やはりこの工事業者、反対活動家の双方に不慮の事故が起きないようにどうするかということでありまして、発生したら対処というのでは遅いのではないかとも思うんですけれども、いかがでしょうか。
#526
○国務大臣(太田昭宏君) 海上保安庁に対しまして、海上の安全及び保安を確保する観点から所要の警備を実施させることとしておりまして、とりわけ生命、身体への危険や悪質な違法行為が発生した場合には厳正に対処させることとしておりますが、今、海上における立場は国家公安委員長の立場と同じでございます。
#527
○島尻安伊子君 総理、やっぱりこれ、五年以内の運用停止、普天間飛行場の運用停止イコール一日も早いこの辺野古への移設だというふうに思っておりまして、この工事に関しては安全で早く進めるべきだと私は思います。
 その中で、やはり危険な行為が惹起しないというか、先んじて対策を打つというのが必要だと思いますし、これは政府を挙げて一丸となってやっていただかないといけないというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。
#528
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 普天間飛行場の危険性を除去をして沖縄の基地負担軽減の取組を進めていくためには、もちろんこの地元の皆様に丁寧に御説明をし、その理解を求めながら進めていくことが肝要でございますが、その上において、これは一日も早い移設を進めていく上においては、この移設を進める過程において危険な行為が引き起こされることがないようにすることが何より重要でございまして、関係機関や自治体とも協力をいたしまして、危険防止に万全を期していきたいという考えでございます。
#529
○島尻安伊子君 とっても大事なことだと思います。平成十六年のこのボーリング調査の際には、もう目も当てられないようなこともございました。ちょっと聞くと、外に出せないようなまたお話もあったやに聞いておりますけれども、やはり安全でかつ着実に進めるために、是非政府一丸となってお願いをしたいというふうに思います。
 それでは、西普天間の跡地利用についての質問をさせていただきたいと思います。
 この西普天間の跡地利用計画については、地元、この宜野湾市、そして沖縄県、そして地権者もこの地区を医療の集積地区にしたいという意向があるというふうに認識をしております。沖縄県は重粒子線の治療施設の設置計画をしております。
 我々自民党の沖縄振興調査会において、猪口邦子会長の下で、西普天間の基地跡地振興に関するワーキングチームを進めさせていただいております。今、そこで新薬の開発を促進するような、この医療データを集積させて、あるいはRアンドDとか人材教育などを目的とする沖縄メディカル・イノベーション・センター、OMICというふうに呼んでおりますけれども、この構想を検討しているところでございます。
 この跡地利用について是非政府として強力に進めていただきたいと思っておりまして、総理そして沖縄担当大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
#530
○国務大臣(山本一太君) 島尻委員とは、昨年、沖縄振興で担当チームを組ませていただいて、政務官を退官された後もいろいろ、沖縄振興についてアドバイスや有益なお考えをいろいろといただいていることを感謝申し上げたいと思います。
 今おっしゃった西普天間住宅地区の話ですが、現在、地元の宜野湾市において跡地利用の基本計画作りが進められております。住宅地や公園のほか、医療、観光等の分野の都市機能の導入が検討されています。
 同地区の跡地利用は非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、政府としても、沖縄県や宜野湾市の取組を支援するため、関係府省が連携して跡地利用について検討しているところです。
 御指摘のこの医療の分野について言うと、沖縄県においては同地区を重粒子線治療施設、今おっしゃいましたけれども、重粒子線治療施設の整備の候補地として掲げており、仮にこれが実現すれば、一つの医療の拠点になるものであるというふうに考えています。
 一方、自民党においても、委員もおっしゃったように、島尻議員が中心となって新薬の研究開発等について検討いただいているところだというふうに理解をしておりまして、政府としても沖縄県、宜野湾市の意向を踏まえながら事業の実施可能性について検討する必要があると考えております。
 いずれにしても、西普天間住宅地区の跡地利用の推進については、政府として関係府省が連携して積極的に取り組んでまいりたいと思います。
#531
○島尻安伊子君 前向きな答弁、ありがとうございます。
 製薬業というのは日本の重要産業であります。他方、中国や韓国、シンガポールなどは、昨今、製薬産業を国家的にてこ入れをしておりまして、規制緩和あるいは優遇税制を図って国内の製薬企業の競争力を強化するとともに、国外の製薬企業の拠点を誘致したりと、国家戦略として進めて外資企業からの外貨獲得に成功しているというふうに聞いております。
 これまで日本にいた外資企業は日本から撤退してしまったりとか、日本の企業も研究開発拠点をそのような海外に移転させている現状でございます。このままでは日本の製薬産業は衰退していくというのは明白だというふうに思います。厚労省はこの状況をどのように打開していくおつもりか、御答弁をいただきたいと思います。
#532
○副大臣(土屋品子君) 医薬品産業は、おっしゃるように、資源の乏しい日本にとって非常にこれからも重要な産業であると位置付けております。日本再興戦略においても健康長寿産業は戦略的分野の一つとされまして、これから革新的医薬品を世界に先駆けて開発、実用化していこうというところでございます。
 そういう中で、厚生労働省といたしましては、革新的な医薬品の実用化を推進するために、基礎研究から臨床研究、治験、承認審査を経て保険適用に至るまでの各ステージへの途切れることのない支援をしていこうということで、いろいろ施策を行っているところでございます。
 その中で、研究開発に係る税制上の優遇措置、それから臨床研究・治験環境の整備、それから審査を迅速にするための取組の強化などを行っています。特にドラッグラグについては、前から日本は非常に長い時間掛かって、そこで競争力がないと言われてまいりましたが、二十八か月掛かっていた、これは平成十八年度のことでございますけれども、ものを、現在、二十三年度から六か月で短縮して出せるようにしてまいりました。また、今後、日本発の医薬品の輸出を促進するためにも、我が国で承認された医薬品が新興国や途上国で迅速かつ簡素に認可を取得するための取組を行おうとしております。
 総理を中心に、諸外国との医療関係の取組もスタートしたところでございますけれども、これからも厚労省としてもしっかりと活動していきたいと思います。
#533
○島尻安伊子君 そういった点からも、この医療データの蓄積というものは不可欠だというふうに考えております。
 昨年、山本大臣の下で政務官務めさせていただきましたけれども、そのときに渡米をさせていただきました。米海軍の所有している医療データを沖縄の振興につながるのであれば利用してもいいと、開示してもいいと、こういうお話をいただいて、まとめることができました。加えて、医療関連の人材教育や研究開発、つまりアメリカのNIHやFDAとも連携をしていく可能性についても極めて前向きな議論ができました。
 もちろん、この米海軍の医療データと、そして沖縄を中心として、日本のしかるべき医療データをデータベース化して蓄積するというのは、これはもう世界で初めての試みでもございます。そうなると、製薬のみならず再生医療、あるいは最近はまた新しい細胞も見付かって話題になっているわけでありますけれども、この超ビッグデータの利活用で医療あるいは新薬開発の可能性がもうますます高くなるということでございます。
 厚労省に再度お聞きをいたしますけれども、この超ビッグデータの必要性あるいは可能性についてお聞かせいただければというふうに思います。
#534
○副大臣(土屋品子君) ビッグデータについては、非常に今後の医療分野の開発、拡大において重要な問題だと思っております。
 データ利活用により医療サービスの維持向上、研究開発の振興を図っていくことが可能となると考えておりまして、日々の診療行為や診療結果等を一元的に蓄積、分析、活用する関係学会等の取組の支援を行っていきたいと思います。
 それから、レセプト、特定健診等、情報の全国規模のデータベースを活用した分析、研究の推進、それから医薬品の安全対策に資する医療情報データベースの構築などの取組を進めていくこととしております。特にレセプトのデータベース化は、五、六年前からもう既にスタートしておりまして、だんだんこれが使えるようになってきていると思います。これはもっともっと加速していかなければならないと思っております。それから、PMDAに医療情報データベースを一つにまとめるということも大事ですので、そこに構築していくということを進めていっているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、今後とも関係省庁と密に連携を図りながら医療分野のICT化に努めてまいりたいと思います。
#535
○島尻安伊子君 山本大臣、これについて答えてくださいという通告はしていないんですけれども、IT担当大臣として、今回のこのOMIC構想、今申し上げたように、いろんなデータを蓄積してそれを活用していくということなんですけれども、もちろんやはりこれ機密性という点からも新たにいわゆるサイバーテロ対策とかいろいろなものを講じていくべきものだというふうに思いますし、これまで日本が遅れていたというふうに言われるIT政策、もう一気に世界に向けて、まあどや顔といいますか、ができるこれいいチャンスなんじゃないかなというふうに思いますけれども、IT担当大臣としての見解をお聞かせいただけますでしょうか。
#536
○国務大臣(山本一太君) 私はおととしの十二月末に総理から沖縄振興担当大臣に任命をされまして、沖縄はやはり将来は日本の経済のフロントランナーになる可能性があると、東アジアの中心的な位置にあるということもありますけれども、そう信じておりまして、その沖縄を発展させるための一つの鍵はIT産業だというふうに思っております。沖縄にIT産業の拠点をつくるという構想はずっと今までもありましたし、そういった意味でいうと、島尻委員のおっしゃったことは、やはり沖縄をIT拠点として発展させていく上では一つの切り口だと思いますし、そこはIT担当大臣としても、その切り口からしっかり検討させていただきたいと思っています。
#537
○島尻安伊子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 最後に総理にお聞きをいたしますけれども、私はこの今お話ししたようなOMICの構想での日米協力をもっともっと強調していきたいなというふうに思っています。日米同盟は何も軍事だけではなくて、医療などのこのソフトパワーアライアンスというふうにも言っていいと思うんですけれども、この新しい連携、シナジーというものが、これから我々日本とアメリカと、これを他国にもこの同盟関係を強調していくべきなのではないかというふうに思っております。実際にアメリカ大使館の方とも意見交換しましたけれども、今申し上げたようなこのビッグデータの交換で新しい産業を創造していくということは是非やっていきましょうというお話もさせていただいたところでございます。これはもう、ひいては総理の積極的平和主義にもうまさに合致するものではないかというふうにも思っているわけでございます。
 このOMIC構想、総理も先般行かれました沖縄科学技術大学院大学、OISTですね、そして琉球大学、そして様々な企業が沖縄で展開される医療の知的クラスターとして世界に貢献すると、そういう新しい構想を成功させたいと私は思っておりまして、是非、総理にも是非応援するよという一言をいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#538
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このOMIC構想でありますが、これはそもそも昨年、日米が交渉を続けてきた結果、大変厳しい交渉ではあったんですが、嘉手納以南の土地の返還、その中の第一号がこの西普天間住宅地区でありまして、この地区はこれは結構大きいんですが、残念ながらパネルじゃないんですが、これでは見にくいかもしれませんが、これはかなり大きな地域でありますし、これは中心部でもあります。なかなかこういう地域が返ってくるんだということが沖縄で報道されていないのは極めて残念なことでありますが、まさにここをしっかりと活用していくことこそ、沖縄の基地負担を軽減していくことが目に見える形で進んでいくということになっていくんだろうと、こう思うわけでございます。
 そこで、今委員が御指摘されたOMIC構想でございますが、米海軍のビッグデータを活用する、これは同盟関係がなければまさにできない話でありますし、沖縄ならではのこれは協力なんだろうと、私もそう思うところでございます。
 沖縄には琉球大学の大学病院や、あるいはまた沖縄科学技術大学院大学、これは相当トップレベルの科学者が集まっているところでございますから、そうした言わば拠点を生かしていくということは大変有意義であろうと思いますし、今、島尻委員の御提案も一つの見識として受け止めさせていただきまして、こうした研究拠点を活用することによって沖縄が日本のフロントランナーとして二十一世紀の成長モデルとなっていく、日本経済の活性化の牽引役となっていく可能性があると、このように思いながらお話を伺っていたところでございまして、政府としても、そうした御提案も含めて、この返還される西普天間住宅地区の活用についてしっかりと検討を進めていきたいと、このように思っております。
#539
○島尻安伊子君 是非是非、これは沖縄の発展だけではなくて、日本全体あるいはアジア全体の経済発展あるいは医療の向上というところにつながっていくものでございますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#540
○委員長(山崎力君) 以上で島尻安伊子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#541
○委員長(山崎力君) 次に、大家敏志君の質疑を行います。大家敏志君。
#542
○大家敏志君 自由民主党の大家敏志です。
 当初の予定でありましたら日をまたいで二日間の質問の予定でしたが、どうも早く進行しておりまして、今日一日のテレビ出演ということになりそうであります。
 それでは、感謝を申し上げて、質問をさせていただきます。
 ノーアウト満塁だとか、崖っ縁、たそがれ、表現の方法は様々でありますけれども、政権交代前の日本の状況を指す言葉であります。しかしながら、このように厳しい日本の状況をつくったのは何も民主党だけの責任ではないというふうに思っています。最大の責任は我が自由民主党にあるのだと思います。
 先ほど、我が党の脇幹事長からも御指摘がありましたけれども、たくさんの厳しい状況があります。例えば、防衛の面で大幅に依存をする米国と国益を懸けてぎりぎりの交渉をしなくてはならない。また、デフレ不況から脱却するために財政出動する、加えて消費増税を国民の皆様方にお願いをしなければならない。言わば二律背反する多くの問題にいかに折り合いを付けるか、まさしくぎりぎりの状態での政権発足だったと思っています。
 小川榮太郎さんは奇跡だと言った九月二十六日の総裁選挙での勝利から三か月後の十二月二十六日に政権が発足をいたしました。安倍総理は、優先順位の一番に経済の再生、これを掲げて全力でこの一年間取り組んでこられました。パネルをお願いいたします。(資料提示)数々の経済指標は、間違いなく成果が出ていることを表しています。
 ダボス会議での総理の講演、そしてまた今国会での施政方針、私が感じたのは、いわゆる世界の常識、少子化・高齢化社会は活力をなくすんだと、これを何としてでも覆すという総理の力強い決意であります。
 そこで、本日は、コストは掛かるけれども世界に冠たる社会保障は断固として守り抜く、また、物づくりのDNAを守り抜く、もう一点は伝統文化を守り抜く、こういう気持ちで総理に質問をさせていただきたいと思います。
 ところで、総理、先日、NHK、朝番組を見ておりましたら、ファッションのことがやっていました。ビビッドカラー、鮮やかなカラーの洋服であったり小物であったりというのが大変売れるようになった。中でも真っ赤な口紅、これ資生堂、もちろん市場調査をした上でそういう販売に臨むんだそうですけれども、二倍以上に跳ね返った。これはまさしく景気が良くなったあかしだと言われています。また、いいか悪いかは別としても、バブルのときと同じような売れ筋だというふうな報道でありました。
 そこで、総理、この一年間、アベノミクスの最大の成果は何だったか、総理の口から、何度も尋ねられていると思いますが、お尋ねを申し上げます。
#543
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大家委員から口紅の例が挙げられたわけでありますが、これ景気回復において、男性用の衣料品、実はこれは、一番最後にこれ衣料品が売れてくるそうでございまして、これは男性かわいそうなんですが、やっぱり男性が買う衣料品については一番最後にお金が使われるということでございます。
 アベノミクスの成果ということでございますが、一番のかつての問題は、十五年間デフレが続いてきた中において日本人は自信を失ってしまったということではないかと思います。私が子供の頃は、どんどん日本のGDPがこれ膨れていくわけでありまして、世界第何位になった、第何位になったと、こういうことが報道されていく中において、例えば造船業が世界一になったといって大変誇らしく思ったわけでございます。そういう中において、一九六四年の東京オリンピック・パラリンピックがありました。十歳の頃でございますが、わくわくしながら毎日を送っていたのでございます。
 しかし、残念ながら、その後、長いデフレ、経済の低迷の中において、日本の地位はどんどん低下をしていくという状況の中で、やっぱりこれは無理なのかなと、少子高齢化が進んでいく中においてもう日本は難しいのかなと、こういう雰囲気が蔓延していた。
 この効果として、最大の効果は、その中から私たちが、再びやればできるんではないかという自信を取り戻すことができた、取り戻しつつあると、これが私は最大の成果ではなかったかと思っているところでございます。
#544
○大家敏志君 ありがとうございます。
 間違いなく、一点突破で突っ走ってきたこの一年間はすばらしい成果を上げているというふうに思います。これから慎重に我々は政権運営をしていくべきだというふうに思っています。
 次に、麻生財務大臣にお尋ねを申し上げます。
 政権発足から年明け間もなく、政府、日銀の共同声明がありました。私はすばらしいタイミングだったというふうに思います。あれからデフレ脱却に向けて全力を挙げてこられたんだと思いますし、今も総理のお話にありましたが、成果は着々と出ている。
 ですが、ちょっと話を戻して、元々デフレのどこが悪いのか、デフレの問題点について麻生大臣の口から説明をしていただきたいというふうに思います。
#545
○国務大臣(麻生太郎君) デフレが悪いわけではないんで、デフレ不況が悪い。インフレがいいんではなくて、インフレ好況はいいですけど、インフレ不況になれば同じことですので、デフレ、インフレではなくて、デフレ不況、インフレ不況が問題なんだと、まず、そこのところはよく間違われて使われますけど、まずそこが第一点。
 二つ目は、デフレ不況というものを何が問題かといえば、少なくとも、町で一本百円だったスーパーで買った大根が翌週行ったら九十七円に行った。あら、三円下がったわって。翌々週行ったら九十五円になった。あら、また二円下がったわって。使い前、可処分所得が増えるわけですから、それは決して主婦にとっては悪い話じゃなかったはずであります。だから別にいいじゃないのかという話になるんですが、これは回り回ってよく見てみれば、それを売っている農家の農業所得が減り、その農家がスーパーに売った、スーパーの、今度は店の単価が下がりますから、回り回って亭主の給料が減るという話で、まあ人間でいえば体温が三十六度五分だったやつが三十六度になり三十五度になり、何となく下がっていいわねと思っていたら気が付いたら冷たくなっていたという話で、これは余り、程度が問題なんで、どれくらいのところでというところがなかなか難しいところなんだと思いますね。
 したがって、少なくとも五百二、三十兆円のGDPだったものが約一割以上この二十年近くで下がっておりますし、株だって今上がったとはいえ、かつては三万八千九百円ありましたのが九〇年からはどんと下がっていますし、そういった意味では、いわゆる資産、株という名の動産が、また土地も同じように坪百万円が坪十五、六万まで六大市街化地域の平均土地が落ちましたので、そういった意味では、皆、資産がやっぱり四分の一になったというのがこの二十年間の実績ですから、加えて、必要以上の円高というのが重なりましたので、やっぱり労働競争力の点においても、これは明らかに日本の場合は労働賃金が国際比較で極端に高くなったというようなものが全部重なって結果として悪くなったんであって、これはデフレだから悪いんじゃなくて、デフレ不況のスパイラルにずっと陥っていったというところが問題なんだと思います。
 したがって、これを、どうしてこんな長くなったのかといえば、それはもう簡単な理屈であって、先ほど言われましたように、これは自民党も悪い、日銀も悪い、財務省も悪い、もちろん政権担当したのはもう間違いなく責任は皆負わないかぬところだと思いますが、一番の問題はデフレというのをやった経験者はゼロです。戦後、世界中一つもないんですから。したがって、デフレ対策が打てるはずがない、経験がないんですから。
 したがって、我々は政権を奪還するに当たっては、自民党の安倍執行部としては、これはどう考えてもデフレ不況からの脱却を優先順位の一番にしないと、政権奪還は単なる手段であって、目的はデフレ不況からの脱却、そして、日本を取り戻す、日本の活気を取り戻すというところが一番の主目的でしたので、私どもとしては、それをやった経験というのは、戦前、一九三一年十二月から、あれは犬養毅内閣のときにスタートしました高橋是清大蔵大臣率いるあの対策が、最近のデフレ不況対策をやって成功した例はあれだと思いましたので、あれをよく勉強させていただいて今回の対策に使わせていただいたということだと思っております。
#546
○大家敏志君 麻生節をお聞かせいただきまして、ありがとうございます。
 今の大臣のお話からしても、手段は今のところうまくいっているんだというふうに思います。ただしかし、物価は若干上昇しつつありますけれども、やはり私の地元福岡でもそうですけれども、皆さんも選挙区に帰ったらそうだと思うんですが、まだまだという声はあちらこちらであることはもうこれは事実であります。
 そこで、やっぱり賃金、死語になりつつあるベア、やっぱり今年一年は賃金がどうやって上昇できるか、それを実現するかということだと思います。その取組について、まずお尋ねを申し上げます。
#547
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにそこが大切なところでございまして、我々の三本の矢の政策によって国民の皆さんが景気回復の実感を持っていただくのは、経営者の多くの方は実感を持っておられるわけでありまして、先ほど示していただいた表で、日銀の短観によっても、大企業はもちろんでありますが、中小企業、非製造業においても景況感が二十一年と十か月ぶりにプラスになったわけでございます。ただ、一般の皆さんにとってはやはり収入が増えなければならない、そして収入が増えていかなければ消費がもっと増えていかない、そしてそれによって企業の収益が改善をして、さらにそれが設備投資や更なる賃金の上昇につながっていくという景気の好循環を生み出さないわけでございます。
 そこで、昨年、政労使の懇談会を開催をいたしまして、これは再三副総理が申し上げていることでございますが、日本は市場主義経済、資本主義経済でございますから、政府が企業に対して賃金を上げろと言うことは極めて異例でございまして、基本的には労使間で決めていくことでございますが、しかし、このずっと続いてきたデフレから脱却した、こんな長い間続いてきたデフレから脱却した国というのはないんですから、これは初めてのことをやらなければいけない、そのときはやはりそれぞれができることをやらなければいけないということであります。
 午前中議論になりましたが、復興特別法人税を一年前倒しをするということについて、私たちがそれをやることによってそれをきっかけとして、経営者たちに対しても、私たちはやるべきことをやったんだからあなたたちも賃金を上げていくことで応えてもらいたいと、こういう申入れをしたわけでございます。結果として、異例なことではございましたが、経営者の皆さんにもそれに今応えていただいているということであります。
 そして、その中で、ベースアップについてはなかなかちゅうちょする企業もあるとは思いますが、しかしその中でもちらほらベースアップをやろうという企業も出てきているわけでございます。
 私の地元の銀行、山口銀行というところでございますが、そこも、山口県なんだから頑張ろうということで、ベースアップをするということを決断をしました。ところが、このベースアップをするためのソフトを見たら、ないんですね。これ十数年やっていないからないんですよ。で、新たにベースアップのためのソフトを作ったということでありまして、これはこういう変化が全く出ていなかったんですから、これがやっと出てきたということでありまして、昨日もお目にかかった企業の社長さんは、これはやっぱり日本というのは、そういう企業が出てくると従業員からうちはどうなっているんだということになってくるんで、だんだんこの輪は間違いなく広がっていくということでありました。たまたま昨日会った企業の社長さんは三年育休についても一年から三年に延ばしたと、こういうことでございました。
#548
○大家敏志君 やっぱり異例の状態に異例の対応でということ、しっかりやって実現させなければならないというふうに思っています。
 その中でも特に、給与所得の統計を見てみたんですけれども、随分低いところに介護職員、保育士というのが張り付いていまして、特にこの分野は公定料金ですから、経営者が努力をする、努力次第というわけにはいかないんだというふうに思うんですよね。異例の形で産業界には要請をしたということでありますから、この介護職員であったり保育士の給与についても何がしかの今以上の対応が必要だと思いますけれども、答弁を願います。
#549
○副大臣(土屋品子君) 介護の職員の問題、保育士の問題は、確保の面でも賃金の問題でなかなか難しい状況にあると思います。
 そういう中で、厚労省といたしましては、介護従事者の処遇改善に重点を置いた平成二十一年度介護報酬改定をいたしました。そして、平成二十一年度十月からの介護職員処遇改善交付金の実施もいたしました。そして、その後、時限措置の処遇改善交付金から、安定的な効果を継続させるために介護職員処遇改善加算を新設しました。それは平成二十四年度介護報酬改定において実施したわけでございます。
 そういった施策等を行ってきたところでありまして、その結果、平成二十一年度以降、介護職員の給与を約三万円相当引き上げる効果があったということでございます。
 しかし、今先生がちょっとお顔をしかめましたんですけれども、実態はまだ厳しいよということだと思います。私どももそれをしっかり受け止めまして、今後、社会保障と税の一体改革の中で必要な財源を確保いたしまして更なる処遇改善に取り組むとともに、処遇改善といいましても、キャリアパスの確立に向けた取組を進めることも大変必要だと思っておりますので、今後しっかりと努力していきたいと思います。
 それから、保育士の方でございますけれども、保育士の処遇改善に向けても、中身といたしましては、職員の平均勤続年数とか、何ですか、その人の働き方によってやっぱりある程度賃金の上乗せというのも考えてあげなければいけないと思っています。例えば、保育士は約八千円程度、主任保育士は一万円程度これは上げるということで取り組んでおりますけど、平成二十六年度予算案においても平成二十五年度と同様の処遇改善を継続して実施できるよう、必要な予算計上をしてまいります。
 早ければ二十七年度から施行される子ども・子育て支援新制度の公定価格について、子ども・子育て会議で御議論をいただいているところでありますけれども、今後、こうした議論等を踏まえ、保育士の処遇改善に引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
#550
○大家敏志君 土屋副大臣、答弁をいただきました。役所に聞くとしっかりやっていると言う、現場に聞くと全然と言う。間に入る我々は非常に厳しいんですけれども、やっぱり問題意識を持ってきちんと対応していかなければ、大事な職場ですから、田村厚労大臣にも、御自愛を是非いただいて、取り組んでいただきたいと思います。
 次に、景気回復、今給与の話でありましたけれども、やっぱり大都市や大企業だけではなくて中小・小規模事業者、全国津々浦々まで拡大しなければならない、それはもう共通の認識で、先ほどからずっと一貫した指摘なんですけれども、先日の共同通信の世論調査で、これ結果を見ると、景気の実感、もう地方に行くほど確実に下がっているという数値が出ていました。
 フリップをお願いしたいんですけれども、タクシーの運送収入で比較をしてみました。私の選挙区は福岡県ですから、二つの政令市、百五十万の福岡と百万の北九州、それと東京の比較です。もう一目瞭然なんですけれども、大都市、全部大都市なんですけれども、福岡市、九州の中心の福岡まではプラスになっているけれども、百万都市である北九州はまだという状況であります。
 そこで、とにかくやっぱり地方が元気になる、いろんな手だてはあるんだと思いますけれども、地方が元気になるべき施策について、財務大臣、お答えください。
#551
○国務大臣(麻生太郎君) 似たような選挙区にいますので。
 福岡、去年の一月から十二月までの月平均で前年同月を下回ったことは一回もない、これは福岡のタクシー業者の答えです。逆は北九州、ほとんど変わっておらぬ、若しくは下がっておるというのが北九州。まあ商業都市と工業都市とかいろいろな、同じ百万都市でも大分状況が違うとはいえ、福岡の方がはるかに元気があるということは確かだと思っております。
 いずれにいたしましても、地域に格差がありますので、百万あります北九州市でもそうですから、人口の少ないところにおきましては更なる過疎化が進んだり、いろんな形で波及効果が届いていないというのは間違いない事実だと思っております。
 したがいまして、いわゆる二十五年度の補正予算並びに二十六年度の当初予算においても、これはやっぱり地域の成長力というのを上げるようなことを考えないととてもうまくいきませんので、社会資本整備の総合交付金というような形で、補正で一千三百十億円、また二十六年度の当初予算でも九千百二十四億円をそこに予算を計上させていただいたり、また、中小企業とか、やっぱり中小企業の中でも物づくりにやっていただいている方々等々を含めまして、補正予算で一千四百億円。また、今、林大臣のところでやっておられます農地の集約化事業というようなものも、これに補正予算で八百五十二億円等々。
 地域の活性化につながらないと、これは大都市だけ人がどんどんどんどん、政令都市だけ人が集まって残りは過疎だけですというような国の構成自体は極めてゆがんだ形になろうと思いますので、この狭い国土に更に狭く住むことはありませんので、なるべく広く住んでいただいた方がいい。通えるところは、むしろ地方にいても、通える体力のある若者が郊外であっても、歩くのが大変等々のことになった高齢者の方が都心部にというような、コンパクトシティーとかいろんな試み世界中でしておられますけれども、そういったものを含めていろいろなことをやらせていただきますが。
 やっぱり消費の拡大が起きないと、今、企業がもうけた金を少なくとも配当しない、設備投資はしない、賃金を上げないという状況がずっと続いた結果、昨年の九月でしたか、企業の内部留保金、合計三百二兆円という膨大な内部留保金がたまっておる。したがって、企業は金利がゼロでも設備投資をしないというような前提で経済学というのはできておりませんので、我々は過去の経済学にないことを今やらざるを得ないという状況になってきております。
 したがって、企業が金を使いたくなるようにするために、いわゆる今払えば給料はこういった形になりますとか、今設備投資をしていただければ設備投資の償却は、即時償却は認めますとか、いろんな形でインセンティブをつくったり、また、交際費課税を昨年は中小企業は外させていただきましたけれども、大企業につきましても来年度から半分外しますという形にさせていただいたり、いろんな形でそういったものが、少しずつ少しずつやらせていただきつつあるのですが。
 とにかく、地方の元気をいかにして取り戻すかというのは、先ほど沖縄の話も出ていましたけれども、地域で、やっぱりそこで何かをしようという意欲のある企業、意欲のある首長、そういったものが出てきたときにそれに支援をするということにしないと、これをやれとかあれをやれといったって、それは地方に合わないものは全然合いませんから、そういった数々の失敗は我々はしてきましたので。
 是非そういった形で、地方のリーダーを選ぶときにも、しかるべきそういったものが出せるリーダーを選んでいった方が俺の地域のためになるというような意識を持っていただくということも長期的には必要なんであって、我々としては、今後、初めての、世界で初めての、本当、少なくともさきの戦争が終わってから初めてのことを我々やっておるわけですから、そういった意味では、まだまだ、紆余曲折をやって二十年たちましたけれども、いよいよこれだという方向へ踏み切って、少なくとも去年一年間は曲がりなりにも今いただいたような数字で転がってきておりますので、これを更に、転がってきたのは昨年までが悪過ぎたからそうなったんであって、これをずっと継続して伸ばしていくという方向に何があと必要かということは我々として真剣にいろいろ考えなければならぬことなんだと思っております。
#552
○大家敏志君 丁寧に答弁いただきましてありがとうございました。やっぱり政策総動員でやっていただく。甘利大臣からもございますか。ありがとうございます。
 昨年六月に閣議決定された日本再興戦略では、中小・小規模企業は世界に誇るべき基盤産業であり、その革新こそが国際競争力を底上げするとされています。
 私の地元北九州、まさに物づくりの町なんですけれども、一九〇一年、官営八幡製鉄所ができました。今の新日鉄住金であります。以来、二十四時間三交代、ひたすらに物づくりで日本の近代化を支えてきました。いろんな栄枯盛衰もありました。実は、この国会議事堂、我々が今いる国会議事堂の鉄骨九千八百十トン、鉄筋五千五百二十二トン、全て八幡製鉄所で造られたということであります。もっと調べたら、ちなみに正面玄関の灰色がかった石が山口産の黒髪石というものだそうであります。山口、黒い髪、黒髪石というんだそうでありますけれども。
 その八幡の物づくりのDNAは脈々と受け継がれていまして、鉄冷えとか何だとかいろいろあったんですけれども、時々に立派なリーダー、谷伍平という市長が現れたり末吉興一という市長が現れたりして、とにかく、公害を克服し、ずっと、素材型から知識集約型、いろいろ変化はありましたけれども、今でも物づくりがずっとやれています。世界に冠たる新日鉄住金、ウォシュレットのTOTO、また産業ロボットの安川電機というのもあったり……(発言する者あり)そうですね、地図のゼンリンとか。
 今日はそれを話したいんではなくて、実は高城さんという本当に元気な一代で築いた社長が、今は千人規模の会社にまで、浄水器で、片仮名でタカギという会社があるんですけれども、この会社が、今年度、経産省のものづくり日本大賞特別賞というのを受賞したんです。僕もそう詳しくなかったんですけど、浄水器、逆浸透膜というのを使うのが大体主流だそうですけれども、えらく高い。コストをとにかく抑えるために、詳しいことは分からないんですが、新しい技術でコストを半分に抑えて、なおかつ、それが東南アジアの重金属を含む水を浄水するのに非常に適している。安くて、そして東南アジアの多くの人が喜ぶ、そういうことで大賞を受賞したんですけれども。
 全国には、こういうやっぱりアイデア、知恵出して頑張っている企業、第二の、第三のタカギというのはたくさんあるんだと思うんです。でも、やっぱり資金難であったりマンパワーのことであったり、いろんな壁に阻まれて頭打ち、いろんなところで苦しんでおられる。そういう現状について、経産大臣に、やっぱり頑張っている企業をもっと応援する施策について答弁をいただきたいと思います。
#553
○国務大臣(茂木敏充君) ものづくり日本大賞、総理と一緒に表彰式に出席をしまして、そういったすばらしい作品見ました。人工の心臓であったりとか、本当に自分の形に成形をできる。日本の物づくりの技術は本当にすばらしいなと思っておりまして。
 先ほど麻生財務大臣の方からものづくり補助金の話がありました。平成二十四年度の予算で一千億計上して、非常に好評だったんです。今回、二十五年度の補正では一千四百といった形で、全国の町工場の技術、これの試作品に光が当たるように、こんなふうに思っております。
 同時に、小規模事業者、こういったものをもっともっと元気にしていかなければならない。全国三百八十五万の中小企業の九割が小規模事業者ですから、やはり景気回復の実感、アベノミクスの成果、こういったものを全国の津々浦々まで届けていくためにはこの活性化が必要だと思っておりまして、去年は、小規模企業の活性化法、八本の関連法案を一遍で一括して改正いたしましたが、今回は振興の基本法と、国会の方に提出をして、しっかりした対策取ってまいりたいと考えております。
#554
○大家敏志君 先日も、商工会連合会の皆さんと一緒に小規模事業者の基本法のことについてこのかいわい回らせていただきましたけれども、しっかりやっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、二〇二〇年度までに黒字中小・小規模事業者の数を七十万から百四十万にするとこの再興戦略の中に書かれているんですけれども、その取組についてもお答えいただきたいと思います。
#555
○国務大臣(茂木敏充君) 日本再興戦略におきましては、中小企業・小規模事業者の関係で、今お話ありましたように、この黒字企業の数を倍増していくと、七十万から百四十万にしていく。同時に、今、日本の場合は、起業、廃業、起こす人、それから業を替える人、これが四・五%ぐらいなんですけれど、アメリカやイギリスはこれが一〇%を超えていると、そのレベルまで持っていこう。同時に、海外に展開する中小企業・小規模企業、これを一万社と。こういう大きな三つの目標を目指して、先ほど申し上げたような国としての補助金の問題、さらには制度の問題、そして税も効きます、設備投資減税につきましては、特に資本金三千万以下の中小企業についてはこの深掘りを図るといった形で、様々な観点から、チャレンジする中小企業・小規模企業応援して、目標の達成図ってまいりたいと考えております。
#556
○大家敏志君 ありがとうございました。しっかりお願いしたいと思います。
 次に、総理もずっと言われているいわゆる再チャレンジについて少しお尋ねをしたいと思います。
 再び成長軌道に乗っていくためには、もう今ずっと言っていますけれども、中小企業、特に物つくりの会社が元気になることが不可欠だと。そこで、若い人が自分のアイデアを生かして新しい事業を起こしていく、そして、たとえ失敗しても再チャレンジ、再々チャレンジができるような仕組みをつくることが重要だと思うんですけれども、茂木大臣の見解をお尋ねします。済みません、稲田大臣。
#557
○国務大臣(稲田朋美君) なぜ日本で若者が、また働き盛りの人が起業をするということが少ないのかということについて、私、先日シリコンバレーに行きまして異口同音に言われたのが、日本では失敗したことがプラスであるというふうに評価するということが非常に少ないという指摘がありました。何度でも失敗しても多様な機会が与えられてチャレンジする、そういった仕組みをつくっていくということは安倍内閣の重要課題と考えています。
 こういった観点からどういう取組をしてきたかということですが、若者・女性活躍推進フォーラムを開催しました。中央だけでなくて、広島、また委員の御地元である福岡でも開催して、その提言を日本再興戦略に盛り込んで関係施策を推進しております。
 主なものとして、起業を目指す若者への支援策としてビジネスコンテスト等も活用した起業の促進を図る取組を行う、また、一度事業に失敗した方が再チャレンジしやすい環境の整備として再チャレンジ支援融資を拡充する、経営者保証に関するガイドラインの活用を通じ個人保証の偏重の慣行を改めていくということもやっております。
 国民の意識の変化のために再チャレンジ懇談会を開催して経験談などをお聞きして、関係府省、関連府省一丸となって再チャレンジ政策を推進していく所存でございます。
#558
○大家敏志君 稲田大臣、ありがとうございました。
 物づくり立国、物づくり大国を取り戻すためにも、やはり再チャレンジ、重要なことだと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 冒頭に申し上げましたけれども、社会保障について議論を移させていただきたいと思います。
 高齢化社会だから活気がないというこの常識を覆したい、そういう思いでも、やはり世界に冠たる社会保障制度、ちょうど私の生まれる六年前になるんだと思うんですが、昭和三十六年、もう随分とたつんですけれども、この制度をやっぱり、国民皆保険制度ですね、含めて、社会保障制度をきちんと持続可能、壊さないでいくということは本当に大事なことだと思います。
 しかし、これが、言うはやすく、しかし本当に難しい状態で、今国会にも大変ボリュームのある法案が出されているんですけれども、そういう議論の中で増税ということも国民の皆様方にお願いをするということになりました。それでもなお十五兆円不足するということ、そしてまた、社会保障を何とか充実させようと、そのために予算をといってもそれは五千億円しか充てられていないというようなこと、そういうことを含めて、社会保障制度を維持していくということがどれほど大変かということを、今、私も当選以来四年目、厚生労働委員をやらせていただいているんですけれども、痛感をしているような次第であります。だからこそ、大胆な改革が必要なことは自明であります。
 その中で、無駄を省く、効率化をすると一般論で語ることは簡単ですけれども、具体的に整理するとなると容易ではありません。地域には地域の事情がありますし、また病院には病院の事情がある。私も参議院の介護と福祉の議連の事務局長をさせていただいていますので、いろんな地域の事情についてはそれなりに知っているつもりであります。
 我が党でも物すごく議論があった、今言ったボリュームのある法律というのは、これまた名前も長いんですけれども、医療・介護総合確保推進法、短くしてこういう感じですけれども、それによって、医療提供体制、とにかく持続可能とするために様々な改革をするというんですけれども、その中で、僕が少し、与党が何の指摘だとおっしゃる向きもあると思いますけれども、疑問に思う点があるので、今日は質問させていただきたいと思っています。
 それは、病床機能の改革というところであります。これ私の理解では、聞いている国民の皆さんからすると、病床機能の改革、何となく分かるような分からないようなことだと思うんですけれども、病院と言ったらいけんのかと厚労省に聞いたら、いや、有床診療所もありますからと、こう言うんですけれども、私の理解でいえば、どこの病院でどんな治療をするか、また、どれだけのベッドが必要か、機能や機材やベッドを交換したり分担したりしてより効率的にしようということだと思うんですけれども。
 自分なりに例え話を考えてみたんですが、例えば、いろんなものを売っている、食料品と雑貨を売っているコンビニエンスストアがあるとする。まあ怒られないと思うのでローソンとセブンイレブンとします。しかし、その地域の事情、いろんな事情で、ローソンは食料だけに特化した方がいい、セブンイレブンは雑貨だけに特化した方がいいと、こう双方がいいと思う。しかし、そう簡単にいくかという話なんです。
 少し話が戻りますけれども、百六十万床と言われている、精神入れて百六十万床。そのうちの病床は七割が民間、そして三割が公立。法人というか、施設でいうと八、二だそうですけれども。公立なら簡単に機能分担、交換する、分担するということは号令一下できるでしょう。しかし、公立と民間があるんですよ。先ほどの例えばローソンの話、セブンイレブンの話に移すとしたら、まずは資本が違う、経営が違う。それぞれに借入金があるかもしれない。オーナーがいれば個人保証もあるかもしれない。そういうときに簡単に入れ替えれるのかということです。
 この法律をどういうふうに進めていくのかと厚労省に聞いたら、まずは病院から報告をさせると、そして、その報告を基に都道府県が計画を立てる、そういう中で、どこまで話しましたっけ。
 まず、では、その長い法律、医療・介護総合確保推進法案どう進めていくつもりか、まず総論について、副大臣、お答えください。
#559
○副大臣(土屋品子君) 先生の熱い思いを今聞かせていただきまして、お答えするわけですけれども、まさに先生がおっしゃっているように、医療・介護総合確保推進法案、これを今回国会に提出してまいります。これからいろんな議論になると思いますけれども、まさに国だけではとてもこれはできる問題ではありません。これはこの間も知事会、それから市長会、それから町村会、代表の方に集まっていただきまして、いろいろお話をさせていただいております。そういうきちっとした連携を取っていくことが重要だと思います。
 それから、心配されている民間の病院に関しましても、これはきちっと、いろいろな経営の大変な状況のところもあると思いますので、そういうことも含めてしっかりと連携を取ってつくっていきたいと。まずスタートは大変厳しいと思いますけれども、しっかりと頑張っていきたいと思います。
#560
○大家敏志君 決意は聞きましたけれども、先ほどの話に少し戻りますけれども、民間で例えば借入金があったらどうするんだという話。それで、例えば医療機関が規模を縮小した方がいいと判断するとする。しかし簡単に縮小できませんよ。借入金があったら銀行が嫌がるんですよ、縮小したらそれだけ収入が減るわけですから。経営やっていたら必ず分かると思うんです。それから、独立行政法人で福祉医療機構というのがあるんですけれども、ここから融資を受けようとしたら理事長の個人保証が要るんですよ。
 そういうもろもろのことを含めて、もちろん機能化、効率化、そして持続可能にするために整理していくこと、大事ですよね。それはみんな同じ考え方だと思います。しかし、どうやって実効性を担保するのかということだと思うんですよ。
 大臣はいませんけれども、副大臣、その決意というよりも、そういう財務のことを含めて具体的にもう少し答弁を願いたいと思います。
#561
○副大臣(土屋品子君) 先生の御意見をしっかり今受け止めまして、今後、厚労省の中でもこの問題についてしっかり議論してまいりたいと思います。(発言する者あり)
#562
○大家敏志君 いや、そんなに冷たい先生ではないと思うんですけれども。
 副大臣、まだ厚生労働委員会もあります。私自身も委員でありますし、しっかりとした議論をしていきたいというふうに思います。
 それでは次に、総理にお尋ねをします。
 難病、小児慢性特定疾患への対応について三百億円が配分されています。施政方針演説でも言及されていましたが、総理のお気持ちをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#563
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、難病については、その病気になぜなったのか、あるいはどうやれば治療できるのかということが分かっていないものが難病でありまして、その症状を抑えることができるわけでありますが、基本的に完治ができない、あるいは完治は極めて困難だと言われているものが難病であります。
 ですから、難病に指定された病気にかかった方はみんな一様に大きなショックを受けるわけでありまして、つまり、それは事実上根治することはないという中においてその病気と付き合っていかなければいけないわけでありますし、病気においては臓器の機能がだんだん衰弱をしていくというものもあるわけでありますし、家族の人にとっても大変でありますし、仕事を続けていくことも大変な困難も伴ってくるということでございます。私自身は潰瘍性大腸炎という病気であったわけでありますが、難病においてはなかなか周囲の理解が得られないものであります。
 今回、この難病対策におきましては、難病及び小児慢性特定疾患対策について、まず消費税収を財源として大幅に予算を拡充いたしました。医療費助成の対象を、大人は今まで五十六疾患だけに限られていたわけでございますが、これを一気に三百疾患に増やしました。そして、小児のものにつきましては六百疾患へと大幅に拡大をしたところでございます。
 そして、公平で安定的な医療費助成の制度を確立することとしているわけでございますし、そして同時に、やはり難病患者の皆さんの多くはその病気の原因の究明とその根治するための薬の開発をみんな待っているわけであります。このスピードによっては自分の命も助かるかもしれないと思っている方々もたくさんおられるわけでございますので、新薬の開発など疾患の克服に向けた治療研究を推進するとともに、ホームヘルプなどの福祉サービスを利用できる患者の方々の範囲を広げるなど総合的な対策を推進していきたいと、こう考えております。
 私の場合も、大変よく効く薬が、これが開発をされたわけでございます。残念ながらこれは日本ではなくて外国のものであったわけでございますが、このように、こうした分野にしっかりと力を入れていくことによって、難病を抱えている皆さんにとってもこの日本という国はチャンスが出てくる国であると、そして難病を克服して再び社会で活躍できる国であるということ、そういう国になるように全力を尽くしていきたいと、このように思っております。
#564
○大家敏志君 ありがとうございました。
 次に、我が党の溝手会長が代表質問でも質問させていただいたんですけれども、歴史も大事です、道徳も大事です、しかし、今日は文化という話をさせていただきたいと思うんです。フリップをお願いします。
 子供に節分って何と聞かれて、答えられませんでした。本当に情けない思いでありましたけれども、しっかりと日本文化を教えていく、自戒の意味を込めて。やっぱり根なし草の日本人をつくってはならないということを思います。そこで、下村大臣に取組についてお尋ねをいたします。
#565
○国務大臣(下村博文君) グローバル化が進行する中、日本人としてのアイデンティティー、日本の伝統や文化に対する深い教養を備えた人材を育成するということは今まで以上に重要になってきていると思います。
 改正教育基本法等を踏まえて改訂した学習指導要領において、例えば小学校では国語科における古典の学習や社会科における文化遺産に関する学習、中学校では音楽科における民謡や長唄、また家庭科においては和装の扱い等を充実し、我が国の伝統や文化に関する内容の充実を図ってまいりました。また、来年から全国の小中学生に新しく道徳教育用の教材として「私たちの道徳」、これを新たに配布することにいたしまして、この中で日本の文化に関する内容の充実を図っておりまして、具体的に、そのパネルでもございますが、小学校用では初めて年中行事での節分、それから月見、それから日本の伝統的な文化で華道とか茶道、武道、こういうことに関する読み物などを新たに盛り込むことにいたしました。
 引き続き、我が国の伝統や文化に関する教育の指導、充実を図ってまいります。
#566
○大家敏志君 ちなみに、パネルですけれども、豆まきの豆は魔を滅するという説もあるんだそうです。京都の鞍馬に鬼が出たときに、大豆を鬼の目に投げ付けて退治したことに由来するなどと言われていますけれども、これは僕もスマホで調べたわけではないんですけれども。
 今大臣おっしゃいましたけれども、道徳にけちを付けるつもりは全くありません、絶対に大事であります。しかし、やっぱり文化という教材も作っていただけたらということを指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、デフレ・円高不況を脱却して、そして何としてでも社会保障をきちんと守り抜いて、二〇二〇年の東京オリンピックを迎え、その先にどういう日本を目指すか。私は、物つくり、これを中心とした東京オリンピック・パラリンピック、その後に見える日本の形、総理の思う日本の形について最後お話をいただければというふうに思います。
#567
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、一九六四年の東京オリンピック・パラリンピックはまだ大家議員は生まれておられなかったということでございますが、まさにあの時代、新幹線ができて高速道路ができると、大変わくわくする時代でありました。
 そして、日本の物づくりは世界一になっていく、そんな予感をみんな感じていたわけでございますが、この物づくりということにおいては、先般、先々月にお伺いをいたしました墨田区の従業員九人の小さな町工場、メッキ工場なんですが、ここは、先代は従業員を大切にせよと、この教えを、この先代の教えを忠実に守った若い社長さんは、中学を卒業して、あるいは高校を中退して入ってくる若い人たちを定時制工業高校に通わせまして、卒業するまでしっかりと支援をしたんですね。リーマン・ショック後も決してリストラすることなく彼らの職場を守ったと。この社長さんの思いに応えようと、その後一生懸命頑張って、ラインの工夫をし、工程過程に工夫を加えて生産性を高めて、営業努力を重ねて、技術を磨いて、今のこの景気回復の波に乗ってボーナスを倍にしたということであります。この力こそ日本の私は力なんだろうと、こう思うわけでございます。
 そういう意味においても、日本はしっかりと物づくりを大切にする、富を右から左に動かして利益を得るのではなくて、富を生み出す国として若い人たちの未来をつくっていきたいと、このように思います。
#568
○大家敏志君 終わります。ありがとうございました。
#569
○委員長(山崎力君) 以上で大家敏志君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は明六日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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