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2014/03/27 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 農林水産委員会 第5号
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2014/03/27 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第186回国会 農林水産委員会 第5号
平成二十六年三月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                猪口 邦子君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                紙  智子君
    委 員
                金子原二郎君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                郡司  彰君
                徳永 エリ君
                羽田雄一郎君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                横山 信一君
                山田 太郎君
                儀間 光男君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       農林水産副大臣  吉川 貴盛君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       横山 信一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      木下 賢志君
       農林水産省食料
       産業局長     山下 正行君
       農林水産省生産
       局長       佐藤 一雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官木下賢志君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(野村哲郎君) 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#5
○馬場成志君 おはようございます。熊本県選出、自由民主党の馬場成志でございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思いますが、この特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきますが、その前に、今朝の農業新聞には写真入りでロブ貿易相との林大臣の会談風景が載ってございました。質問通告はしておりませんけれども、その会談内容についてお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(林芳正君) 日豪EPAにつきましては、二〇〇七年にこの交渉を開始して以来、双方に利益になる協定を実現すべく、公式会合に加えて、各分野様々なレベルで協議を重ねてきているところでございます。
 昨日、日本農業新聞には写真入りだったということですが、ロブ貿易・投資大臣と会談を行いました。日豪EPA交渉における農産品の市場アクセスについても率直な意見交換を行わせていただきました。引き続き協議を継続するということになりました。
 農林水産省としては、TPPもそうですが、日豪EPAについても、この農林水産委員会あるいは衆議院の農林水産委員会での国会決議というものがございますので、これを踏まえて、交渉期限を定めずに粘り強く真摯に交渉に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
#7
○馬場成志君 全く内容には触れておられませんけれども、これまでも国益を守り抜くということを答弁なさっておられますし、今もそういう答弁でございましたので、本日は通告もしておりませんので、それを改めてお願いを申し上げて、本来の質問に入らせていただきたいというふうに存じます。
 今回の農産加工業の延長法でありますけれども、農産物を原料として国民への食料提供、農産物の安定的な販売のためにも地域農業と密接である加工業でありますが、この法律につきましては、農産物等の輸入自由化の影響を被る農産加工業者に対して支援措置を講ずるために平成元年に五年間の臨時措置法として制定されたと承知をいたしております。
 これまで四回の法改正により期限の延長が行われ、制定から二十五年が経過しておりますが、政府は本法を延長する理由において、特定農産加工業の経営改善に一定の成果を上げてきているとの認識をされておると伺っておりますが、改めて本法が制定された経緯と有効期限を延長する理由につきましてお尋ねしたいと思います。
#8
○国務大臣(林芳正君) この特定農産加工法は、昭和六十三年の日米協議に基づく、牛肉、かんきつ、農産物十二品目に係る自由化等の国境措置の変更によりまして、農産加工品の輸入の増加等々に対応するために五年間の臨時措置法として平成元年に制定されまして、今、馬場委員からお話がありましたように、四回にわたって延長されてきたところであります。
 平成二十一年に前回延長をいたしましたが、それ以降の農産加工業を取り巻く輸入に係る情勢を見ますと、法の活用をしていただくことによって特定農産加工業者の経営改善に一定の成果を上げてきているということですが、依然としてやはり、既に発効又は妥結している経済連携交渉等により、今後も農産加工品の国境措置の変更が段階的に実施されると、決まったやつがだんだん効いてくるやつがあるわけですね。そういうことで、農産加工品の輸入に係る事情の著しい変化はまだ継続しておると、こういうことでございます。
 さらに、農産加工品について、輸入量が直近五か年では増加をしておりまして、国内市場における輸入品のシェアも増加傾向にあると、こういうことでございますので、国境措置の変更の影響が依然として見られると、こういうことが更にございます。それから、原材料価格が高騰しておりますが、これが製品価格へなかなか転嫁が進まないと、こういうことで経営が非常に厳しい状況にあると。
 こういう状況に対処するために、特定農産加工業者の経営改善への取組に対する支援措置、これを本法で定めておりますが、この支援措置が大変有効であるということで今年の六月三十日までになっている法の有効期限を延長しようと、こういうことにしたわけでございます。
 特定農産加工業者は、この本法による支援措置を利用していただいて経営改善に取り組みまして売上高、経常利益の改善というような効果が上がってきているところでありますが、安価な輸入競合品との差別化をやはり進めるためにも、引き続き、本法によって国産の農産物や地域の農産物、これを特色とする商品を生産するための設備投資を促進し、経営基盤の強化を図ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
#9
○馬場成志君 ありがとうございました。
 さらに、これまでの実績について、具体的事例についてお伺いしたいと思います。
#10
○政府参考人(山下正行君) 実績なり具体的な効果についてでございますけれども、特定農産加工法による支援措置の具体的なその効果として、日本政策金融公庫が事業実施五年後の状況を調査した直近の結果で見てみますと、売上高が約四・五%、それから経常利益が約三三・一%増加するとともに、売上高当期利益率につきましても、事業効果が発現、出てくるに従いまして食品製造業全体の平均を上回って推移しているという状況でございます。また、農産加工品の原料であります国産農産物の取扱量は二五・六%増加している、さらに従業員数につきましても三二・三%増加していると、そういう状況にございます。
 また、具体的な事例につきましても、例えば北海道の乳製品製造業者では、地場生乳を使用したバターそれからチーズの新商品の製造設備を導入した結果、売上高が約三〇%増加するとともに、地場産生乳の年間調達量も約二五%増加し、また、そこでの従業員の数も三七・五%増加していると。また、例えば熊本県の牛肉・豚肉調製品製造業者では、急速冷凍庫の整備によりまして冷凍処理スピードが増しまして生産能力が向上するとともに、国産の牛肉調達量が約三〇%増加するといったような事例がございます。
 このようなことから、本措置が特定農産加工業者の経営改善につながっているとともに、地域農業の振興に寄与していると考えているところでございます。
#11
○馬場成志君 今後ともしっかりと成果を出していただきたいというふうに思っておりますが、先ほど大臣の方からも話がありましたように、全体的には国産品のシェアが低下しているような状況もあるわけであります。そういった中で、改めて本法が果たしてきた役割についてお尋ねしたいと思います。
#12
○政府参考人(山下正行君) 先生御指摘のとおり、特定農産加工業に係る農産加工品の国産シェアというのは低下してきているところでございますけれども、本法による金融、税制の支援措置によりまして、特定農産加工業者は新商品の開発ですとか新技術の導入などの経営基盤の強化を図るための設備投資を実施してきているところでございます。その成果といたしまして、先ほど申し上げましたけれども、実施先では売上高当期利益率がほかに比べて改善しているとか、地域農産物の取引量の増加や新たな雇用の創出が生まれているところでございます。
 このように、この特定農産加工法は、その制定以来、特定農産加工業の経営改善による生産の下支え効果があったものと考えているところでございます。
#13
○馬場成志君 各製造業における国産原料の使用比率は全体として上がってきているように見えます。ただ、その中でも、農林漁業金融公庫及びまた日本政策金融公庫が融資した企業からの聞き取り調査によると、使用比率の推移の中で、特にこの平成二十年から二十四年でありますが、トマトについては使用量が極端に少ないように見えますが、これについてお答えいただきたいと思います。
#14
○大臣政務官(横山信一君) 日本政策金融公庫が平成二十年度から二十四年度までの間に、公庫から融資を受けた特定農産加工業者に対し国産農産物の利用状況について聞き取り調査を行ったところ、国産農産物の使用比率は約九割となっているところでございます。業種別に見ますと、かんきつ果汁、非かんきつ果汁、コンニャク粉、カンショでん粉、バレイショ粉、米加工品、乳製品などはほぼ一〇〇%に近い使用割合となっております。
 一方、御指摘のありましたトマト加工品につきましては、七%と国産農産物使用比率が低い状況になっております。これにつきましては、加工に適した国産の原料用トマトが少ない中で安価な輸入原料を使用して生産せざるを得ない、そのような面もあります。また、本法に基づく支援を受けた事業者の中には、地元産原料の使用をアピールした製品、例えばパスタソース等でございますが、このようなものを開発する事例も見られ、今後とも国産の使用比率が高まり、地域農業の振興に資する支援を行っていくことが必要であるというふうに考えております。
 本法に基づく計画の承認を受けるに当たりましては地域農業の健全な発展に資するものであることが必要とされておりますので、今回の延長に当たりましては、地域の農産物の利用の促進や地域農産物を特色とする農産加工品の生産に資するものであることを計画の承認基準に位置付け、施策誘導効果を一層発揮していきたいと考えているところでございます。
#15
○馬場成志君 本来の制度の趣旨を考えた場合、今お答えいただきましたような方向でしっかりとお考えいただきたいというふうに思います。
 ただ、私もちょっと数字だけでは不思議に思いましたので詳しくお話を聞いておりましたら、トマトだけではなくていろんな加工品を扱っておるようなところで、その中での多角的に経営を強くしていくというような意味ではやっぱり国産農産物の需要拡大にしっかりと役に立っておるというふうな理解はいたしておるところであります。ただし、本法の趣旨、これからそれを延長するに当たりまして、またしっかりとその効果を最大限発揮できるようによろしく御指導いただきたいというふうに思っておるところであります。
 次に、飼料米でありますとか、ちょっと話は本法から外れてしまいますけれども、米粉用米の普及促進について、先日の質問でも少しお尋ねをいたしたところでありますが、主食用米の需要減少に伴う転換を図るために飼料用米だけではなくて米粉用米の普及促進も忘れてはならないというふうに思っておりますので、お尋ねをしたいと思います。
 地方自治体では、小麦パンとの価格差を支援したりもしながら普及促進に努めておるところであります。コスト削減が課題であることはもう農林水産省よくお分かりのところだというふうに思っておりますが、今の現状ではなかなか難しい部分があります。それについては効果的な支援がないかということを先日も軽くお話ししたところでありますが、改めてお尋ねしたいと思います。
#16
○政府参考人(佐藤一雄君) 馬場先生の御質問にお答えいたします。
 今先生御指摘いただきましたように、米粉用米でございますが、この生産につきましては、水田の有効活用の面に加えまして食料自給率の向上等に非常に重要でございますので、これまで直接支払交付金の交付の対象としてきたところでございます。
 現在、米粉につきましては学校給食でも使われておりまして、学校給食の中で米粉パンを導入した学校数は、平成十七年度には六千校でしたものが二十四年度には一万八千校というところまで来ておりまして、着実に増加しております。しかしながら、原料である米粉用米の生産の拡大の方が消費より大きかったというようなことから、平成二十四年産以降、一部で在庫調整が行われることによりまして生産量は伸び悩んでおりまして、二十年では〇・一万トンであったものが二十三年には四万トンまで伸びましたけれども、二十五年産については二・一万トンという状況になっております。
 この原因といたしましては、今先生の方からお話ございましたように、米粉の製粉コストといったものが小麦粉よりも高いということで、小麦粉がキログラム当たり百円に対しまして米粉はこの二、三倍のコストになるというような状況になっておるところでございます。
 このため、農水省といたしましては、先ほどの直接支払交付金のほかに、税制制度あるいは米粉倶楽部を通じた米の普及活動、そして二十五年度からは製粉コストの低減技術の開発と、こういったものについて現在努めているところでございます。
#17
○馬場成志君 その開発支援の中でもう既に随分なコスト削減の効果が出ているというふうには聞いておりますけれども、それでもまだまだ価格差が大きいということであります。
 開発支援の中でこれから、三年間の計画の中で今年二年目に入るというふうに、差しかかったところだと思いますけれども、どれぐらいのコスト削減が可能と考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#18
○政府参考人(佐藤一雄君) 今、馬場先生御指摘いただきました製粉コストの削減が非常に鍵となるところでございまして、農水省といたしましては、二十五年度から大豆・麦・飼料用米等生産拡大支援事業の中で民間企業の製粉コストの低減技術の開発、実証も支援しているところでございます。
 本事業におきましては、製粉コストを三年間で三割以上削減することを目的としておりまして、実際にこの事業に取り組んでいただいています米粉製造事業者からは、これまでの試験研究の成果といたしまして、現状、キログラム当たり二百五十円のものになっておったわけですが、その製品価格が百五十円まで引き下げることができたとの報告をこれまで受けておりまして、目標年度でございます三年後には更なる削減が可能ではないかと考えておりまして、二十六年度におきましても引き続き製粉コスト低減技術の開発、実証を進めるとともに、得られた成果の公表等を通じまして製粉コストの削減技術の普及に努めてまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。
#19
○馬場成志君 今後のその効果に本当に期待したいと思いますので、しっかりとサポートしていただきますようによろしくお願い申し上げます。
 それから、特定農産品加工の延長のことでございますけれども、今いろいろとお話を伺う中で、長年やってきた制度であります。そういった中で、まだこれから、農政改革元年と言われながらいろんな環境の変化がある中でしっかりと出口をつくっていく、そして、しっかりとした消費を促していくという中で欠かせないことだろうというふうに思っております。しかし、それでもまた、スタートしてもなかなかうまい具合にいかないところもあるのではないかというふうに思っております。その辺は、それから先のことに関してはもう商売の話になっていくかというふうに思いますけれども、それにつきましても今後できるだけのバックアップをまた農林水産省にお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#20
○徳永エリ君 皆さんお疲れさまでございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。
 今日は特定農産加工法について御質問させていただきますが、その前に、私の地元北海道の農業、農村に大きな影響が出る日豪EPAについてお伺いをしたいと思います。
 昨日、林大臣は、ロブ貿易相と約一時間ぐらいですか、会談をなさったということが今日農業新聞に載っておりまして、拝見させていただきました。
 ロブ大臣は、訪日に先駆けて国内メディアのインタビューに応じて、米や穀物、乳製品、砂糖、牛肉の五品目で大きな進展がない限り協定は結ばないと、いわゆる農産物の重要五品目について譲歩を求めていると。特に牛肉の三八・五%の関税を半分以下に引下げを要求しているということであります。さらに、オーストラリアの農業団体は全ての農産物の市場開放を求めていて、例外をもし認めればこのEPAを支持しないと言っているということも聞こえてきております。
 昨日会談をなさって、大変に厳しい状況だったということも聞こえてきておりますけれども、林大臣の御感想といいますか、感触を伺いたいと思います。お願い申し上げます。
#21
○国務大臣(林芳正君) 先ほど馬場委員にもお答えしたとおりでございますが、この七年、二〇〇七年ですからちょうど七年やってきたことでございまして、くしくも安倍第一次政権のときに始まっておるわけでございますが、申し上げたように、双方に利益となる協定ということを目指してずっとこの間やってきたところでございまして、私も昨年の五月にパリで、当時の、ロブさんの前任者のエマーソン大臣とも話合いをさせていただいたところでございます。
 昨日は、元々の予定が大体一時間弱の予定でございましたので、大体予定どおりの時間だったわけでございますが、会談を行いました。農産品市場アクセスについても率直な意見交換を行いましたが、引き続き協議を継続しようということになったわけでございます。
 これはもう繰り返して言うべきことだと思いますので繰り返させていただきますが、衆参農林水産委員会の国会決議を踏まえて、交渉期限を定めずに粘り強く真摯に交渉してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#22
○徳永エリ君 頑張っていただきたいと、粘り強く。前回も申し上げましたけれども、焦らず、譲らず、ゆっくりとやっていただきたいと思います。
 やはり、北海道の畜産だけではなくて、ホルスタインの雄牛に大変に影響が出るというお話をさせていただきましたけれども、ぬれ子を畜産業者に売っているということでは酪農の方々にも大変に大きな影響が出ます。これも前回申し上げましたけれども、今非常に北海道の農村地帯は暗いムードが漂っておりまして、いろんな意味でマインドが低下しておりますので、これ以上離農をさせない、食い止めるためにも、しっかりと農業、農村地帯を守るという強い思いで交渉に臨んでいただきたいというふうに思います。是非とも国会決議をしっかり守っていただきたいということを重ねてお願い申し上げたいと思います。
 さてそれでは、今日は特定農産加工法ということでありますので御質問をさせていただきたいと思います。
 今回で五回目の改正となるわけですけれども、この法律が平成元年に制定されるまでの経緯と目的、また概要について、改めて伺いたいと思います。お願い申し上げます。
#23
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 特定農産加工法は昭和六十三年の日米協議に基づく、牛肉、かんきつ、それから農産物十二品目に係る自由化等の国境措置の変更による農産加工品の輸入の増加等に対応するため、五年間の臨時措置法として平成元年に制定されまして、以後、四回にわたり延長されてきたものでございます。
 この法律の目的といたしましては、農産加工品等の輸入に係る事情の著しい変化に対処して、特定農産加工業者の経営の改善を促進するための措置を講ずることによりまして、農業及び農産加工業者の健全な発展に資するというものでございます。
 法律の具体的な仕組みでございますけれども、特定農産加工業者、これは現在、省令で十二業種指定されておりますが、これが経営改善計画又は事業提携計画を作成し、都道府県知事の承認を受けた場合に、日本政策金融公庫からの長期低利融資ですとか、それから法人税、所得税に係る特別償却制度、それから事業所税の課税標準の特例、こういった支援を受けることができるというものでございます。
#24
○徳永エリ君 これまでの貿易協定といいますか自由化等によって、特定農産加工対象品目の輸入がどのくらい増えたのか、また国内農業や農産加工業に具体的にどんな影響があったかについてもお伺いしたいと思います。
#25
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 特定農産加工業に係る加工品の輸入量についてでございますけれども、平成元年以降、一貫して増加傾向にございまして、平成元年の三百七十二万トンから平成二十四年の六百十一万トンに増加しているところでございます。この間の状況を例えばかんきつ果汁加工業について見ますと、オレンジ果汁の輸入量が一万九千トンから九万二千トンに増加しているとか、それから国内原料となる温州ミカンの生産量が約二百万トンから約八十五万トン、関係農家が約十九万戸から約六万戸というふうになっています。加工工場が百五十から百十に減少していると。こういった状況は、平成四年に輸入数量制限が撤廃されまして安価な果汁の輸入が急増したと、構造的に生産過剰であった温州ミカンの廃作等の影響が要因だと考えております。
 このように、加工品の輸入が増大すれば国産の加工品はシェアが奪われることになりまして、ひいては、それを使う、何といいますか、使われる国産原料となる農産物を生産している国内農業にも深刻な影響を与えるものと考えているところでございます。
#26
○徳永エリ君 今、影響についてお話をいただきましたけれども、私の手元にも資料があります。幾つかちょっと挙げてみたいんですけれども、例えば麦の加工品でいいますと、昭和六十三年には三十三万八千戸あった農家が平成二十四年には六万戸まで減少しています。それから、乳製品で見てみますと、これが七万一千戸あったところが平成二十四年には二万戸。そして、牛肉の調製品で見てみますと、二十六万戸あった農家が六万五千戸まで減っていると。大変に大きな影響を受けるわけですね。
 今までは、自由化等といいましても、やっぱり国内で守りたいものに関しては高い関税でしっかり守っていたわけでありまして、今交渉されている高いレベルの経済連携は関税撤廃、ゼロということでありますから、今までのように特定農産加工法の支援があれば何とか生き残ってこられましたけれども、これからはなかなかそうはいかないと。ますます、これは万が一関税撤廃ということになると大変に厳しい状況になりますし、影響ももう計り知れないものがあると思いますので、その辺りもしっかりと意識をしながら、またちょっと話は戻りますけれども、経済協定の方も交渉をしていただきたいというふうに改めて申し上げたいと思います。
 そして、今、影響についてお話を伺いました。この影響に関して林大臣はどのようにお考えなのかということと、また、今後、TPPやEPAなどの交渉の状況によっては特定加工業種の追加指定の可能性も考えられると思います。その可能性と特定農産加工業種の選定基準について伺います。
#27
○国務大臣(林芳正君) まず、今回の法律の延長はTPPや特定のEPA交渉を前提としておらないということを申し上げておきたいと思います。
 また、TPPについては、内閣官房の方で影響試算をまとめたときに、あれはもう即時撤廃という極端な前提を置いておりまして、そういうふうにならないようにしっかりと決議を踏まえてやっていくということは申し上げておきたいと思いますが、お尋ねでございますので、一般論として、加工食品の関税がもし、万が一とおっしゃっていただいて、万が一撤廃された場合には、申し上げるまでもないことですが、食品価格が低下をする、そうすると国内の物が輸入品に代替をすると、そして、食品製造業、それを原料として供給していた地域農業のところに影響を与えるということになります。
 特にこの特定農産加工業ですが、二、三倍の内外価格差というものが存在をしておりますので、やはり安い輸入品に対してどうやって差別化していくかと、これが大事なところでございまして、これができない場合はやはり国内市場が、国産品が輸入品へ代替する可能性が高くなってしまうと、こういうことでございます。
 この対象業種の基準でございますが、農産加工品又はこれと競争関係にある農産加工品等の輸入に係る事情の著しい変化によりまして、相当数の事業者の事業活動に支障を生じ、又は生ずるおそれがあると認められる業種と、こういうふうに法律で定めておりまして、この基準の下に現在御案内のような十二業種、かんきつ果汁製造業を始めとした十二業種が農林水産省令で指定をされておられます。
 前回、二十一年に延長した後について見ますと、スイス、それからベトナム、ペルーとEPAを締結をしております。そういう意味で加工品の国境措置が変更されております。既に指定されている品目以外の品目で輸入に係る事情の著しい変化を生じる内容では今の三つはなかったということで、今回の延長に当たっては対象業種の追加、見直しということは行わないことにしております。
 今やっているものがどうなるかというのは、まさにこれはなかなか難しいことでございますので、その結果どうなるかということについては、まさに冒頭申し上げましたように、この二条二項、すなわち著しい変化があって支障を生じて、又は生ずるおそれがあると認められる業種ということによって判断をしていくと、こういうことになろうかと思っております。
#28
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 平成六年、平成十一年、平成十六年、平成二十一年と、五年ごとに四回の改正が行われました。本法に基づく金融・税制支援措置等の活用により特定農産加工業者の経営改善に努めてきたわけでありますが、まずこれまでの実績について伺いたいと思います。
#29
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 直近五年間、平成二十年から二十四年でございますけれども、この計画承認件数が二百十三件、年平均で四十三件でございますが、日本政策金融公庫からの融資実績は七百十億円、年平均百四十二億円でございます。税制の特例の利用実績につきましては、機械、装置の特別償却が六十五件、年平均十三件。それから、事業所税の課税標準の特例が、これが百二十二件、年平均二十四件でございます。これらの支援措置によりまして、特定農産加工業者は計画に従いまして新商品の開発ですとか新技術の導入などの経営基盤の強化をする設備投資を実施してきているところでございます。
 また、その成果として、事業実施先は売上高当期利益率がほかに比べて改善し、経営状況が改善するとともに、地域農産物の取引量の増加や新たな雇用の創出が見られ、本法による支援により特定農産加工業の経営改善に効果があったと認識しているところでございます。
#30
○徳永エリ君 支援措置によって改善が見られたということでありますが、本法が対象とする特定農産加工品の輸入量、輸入割合はこの五年間でどのように推移しているでしょうか。本法が制定された平成元年と比べると何%増になっているのか、伺います。
#31
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 特定農産加工業の農産加工品につきましては、平成元年以降、国内生産量が横ばいで推移している一方、その輸入量は先生おっしゃいましたように増加傾向にございまして、輸入シェアが一貫して増加基調になっております。
 この五年間で見ましてもこの傾向が続いておりまして、国内生産量は平成二十年九百九十八万トンだったものが平成二十四年で九百八十八万トン、十万トン減になっております。これに対しまして、輸入量は五百三十四万トンから六百十一万トン、七十七万トン増加して、輸入割合も三五%から三八%に高まっていると、そういう状況にございます。
#32
○徳永エリ君 事業は改善はされたんですけれども、輸入量は増えていて、逆に国内はちょっと減っているというような形でありますけれども、輸入額の推移を見ても、例えば農産加工品、畜産加工品においては、平成二十年の二千百四十八億円、二千二百二十六億円から、平成二十四年の二千四百四十億円、二千七百六十六億円、農産加工品が一四%増で畜産加工品が二一%増となっているんですね。しかし、今も御説明がありましたように、国産加工品の生産量は横ばいで、シェアは減少傾向で推移しているということであります。
 本法による支援措置を行っているのにもかかわらず、生産量が増えない、国産シェアが伸びない、この状況について、大臣、どのように受け止めておられますでしょうか。
#33
○副大臣(吉川貴盛君) 大臣に御指名をいただきましたけれども、私の方から御説明を申し上げさせていただきたいと思います。
 今、徳永先生から御指摘をいただきましたように、シェアは低下をいたしておるところでございまして、この特定農産加工業に関しましては、農業にとって安定的な販路となるものであるとともに、地域の雇用確保等を通じた地域経済の活性化に大きく貢献をしておると考えております。地域における基幹産業としての重要な役割を果たしているということであろうかと思います。
 今も御指摘をいただきましたように、国産シェアが減少傾向で推移をいたしておりますけれども、このような中にありましても、特定農産加工業が引き続き地域の農業や経済に貢献していくためには、競合する輸入品のシェアに負けないように安定的に生産を続けていくことが最も必要なことではないかと考えております。
#34
○徳永エリ君 その安定的な生産を続けていくということなんですけれども、具体的には国内シェアを伸ばしていくためにどういう取組が必要だとお考えでしょうか。
#35
○副大臣(吉川貴盛君) このシェアを上げていくためには、まず一つ目には、製造コストを下げるということ、そして、競争力を可能な限り高めていくことはもちろんではありますけれども、二つ目には、外国産との単純な価格競争に陥らないようにするために商品の差別化をしっかりと進めていくことが重要であると考えております。
 具体的に申し上げますが、消費者の国産志向に応じられるような国産や地域産を特色とした商品づくり。例えば、健康志向、簡便化志向に代表されますように、多様化する消費者ニーズを捉えた商品の生産を高めていくことが必要であろうかと思っております。
 健康志向ということを今申し上げましたけれども、具体的に、例えば温州ミカンで、アシタノカラダという、ミカンを三個凝縮をしたジュースがございます。これ、ベータクリプトキサンチンでありますけれども、これは実は農林水産省の独法機関であります農研機構果樹研究所の研究成果でもありまして、肝臓にいいんだそうでございます。
 そういったことが今出回っておりまして、本法による支援措置も活用しまして、新商品や新技術の開発などによって輸入品の、先ほど申し上げましたように差別化をしっかり図っていくことに加えまして、地産地消、さらには農商工連携の施策と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
#36
○徳永エリ君 ここにいる多くの方が肝臓にいいというのを聞いて反応なさったと思いますけれども、そういうことをしっかりとやっぱりアピールしていくこともすごく大事なことだと思います。
 製造コストを下げるというお話がありましたけれども、原材料のコストを下げるということも多くの恐らく加工業者はしておられるのではないかと思います。この特定農産加工に関しては、先ほど九割が国産原材料を使っているということで、非常に割合高いんだなと思ってちょっと感心をしたんですけれども、例えば六次産業化における生産者、農業経営体の加工への取組状況を見ると、原材料はかなり高い割合で国産地場農産品を使っているということになっていますが、でも、その割合は五一%、半分ぐらいなんですね。やっぱりコストが掛かるというところで、どうしても、使いたくても使えないというような状況になっているのではないかというふうに思います。
 加工食品全体で見ても、恐らく国産原材料を使っている割合は低いのではないかと思いますけれども、その辺りはいかがでしょうか。
#37
○副大臣(吉川貴盛君) 御指摘のとおりでございまして、国産農産物の利用拡大、農業者の所得向上を図るためには、農業者が自ら生産した農産物を加工、販売する、今六次化ということも御指摘をいただきましたけれども、六次産業化の推進がとても大切なこと、重要であると考えております。
 そのために、農林水産省におきましては、このような農業者が主体となって行う加工、販売の取組に対しまして、補助事業や農林漁業成長産業化ファンドによる出資等によりまして支援をしているところでもございます。六次産業化で農業者が行う加工の取組が特定農産加工十二業種に属する場合におきましては、特定農産加工法による金融税制上の支援もしっかりと行ってまいりますし、この対象としているところでもあります。
 今後とも、この六次産業化の取組、支援と併せまして、加工事業に取り組む農業者の方々に対して特定農産加工法の活用を促進して支援をしっかりとしていきたいと考えております。
#38
○徳永エリ君 今御説明をいただきましたけれども、国産原材料をなるべく使っていただくということは、ひいては農家の所得がアップするということにもつながるわけで、しっかりとそこは取り組んでいただきたいんですけれども、原料コストが高くても国産農産物、原材料として使用する特定農産加工業者、それから地元の農産物にこだわっている、加工しているブランド化の取組などをしている特定農産加工業者と、あと国産農産物を全く使用していないという、いわゆる輸入原材料を使っている加工業者との、こういう表現が適切かどうか分からないんですけれども、差別化というのも必要なんじゃないかなと実は私は思います。
 安全でおいしくて品質の高い国産農産物、特に私の地元北海道などでは、やっぱり北海道ブランドというのはすごく人気があるわけですよね。ですから、北海道の原材料を使いたいと思うんですけれども、コスト削減のためには輸入原材料を使わざるを得ないというところもあると思います。
 この国産原材料の利用促進に何かインセンティブを付けなければいけないのではないかというふうに考えるんですが、先ほど支援もいろいろしていくというお話もありましたが、この辺りはいかがでしょうか。
#39
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃいましたように、この特定農産加工業の原料として国産農産物の利用向上を促していくことは重要だと考えております。
 本法の経営改善計画の承認に当たっては、地域の農業の健全な発展に資するものであることというのを要件にしておりますので、先生おっしゃいましたように、全く国産を使わずに輸入ばかり使っているというのはそもそも対象にならないというように考えております。
 この国産原料の使用に関しましては、例えば、大規模な工場で、国産原料使用比率が低いものの、使用するその地域農産物の絶対量が大きくて地域農業に貢献している、貢献度が高いという、そういうケースですとか、それから、農産物の季節性による生産量の変動がある中で工場の操業率を確保し、経営を維持するために国産農産物と外国産農産物を組み合わせて使用しているケースというのもあると承知しておりまして、一概に国産原料の使用率とか使用量によりましてインセンティブといいますか、その支援内容に差を設けるというようなことは適当ではないと考えております。
 ただ、このような中にありましても、従来以上に国産の原材料の使用を促すということにつながるよう、今回の援助に当たりまして、地域の農産物の利用の促進や、それから地域農産物を特色とする農産加工品の生産に資するものであるということを計画の承認基準に位置付けまして、政策誘導効果を一層発揮してまいりたいと考えております。
#40
○徳永エリ君 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 ここで、特定農産加工品において同じ製品で輸入品と国産品を比較した場合の、先ほどもちょっと大臣からお話がありましたが、価格差はどのくらいなのか、具体的な数字を挙げていただけますか。
#41
○政府参考人(山下正行君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、おおむね二倍から三倍の差がございます。
#42
○徳永エリ君 二倍から三倍ぐらいというお話がありましたけれども、今年の一月に日本政策金融公庫が実施した消費者動向調査によりますと、輸入品よりも価格が高くても国産品の方を選ぶと答えた方の割合が六一・七%ということでありまして、調査は二〇〇八年から行っているんですけれども、割高でも国産食品を選ぶという人の割合が年々増えているということであります。さらに、三割高を超える価格であっても国産品を選ぶという回答もあったということでありますので、先ほど差別化というお話がありましたけれども、価格が高くてもおいしくて魅力的な加工食品であればそちらを選びたいという国民の思いが強いということの表われなのではないかというふうに思います。
 そこで、より魅力的な加工品を作っていかなければいけない。今あるものもブラッシュアップしていかなければいけない。それから、これから海外にもどんどん輸出していきたいという戦略もあるわけですから、より良い物を作っていくためには、加工食品の安全性とかおいしさ、新鮮さ、それから産地などの原材料への信頼感、そして加工食品としての、何というんですか、おいしさとそれから差別化というものも大事だと思いますし、それから商品を売っていくためにはアピールをちゃんとしなきゃいけない。先ほど肝臓にいいというお話もありましたけれども、マーケティングですとか、企画ですとか、それからレシピ、パッケージ、ラベル制作、販路の開拓など、その分野の私は専門家との連携がすごく必要だと実は思っているんですね。
 民主党が六次産業化を打ち出したときにさんざんこの委員会の中でも議論しましたけれども、六次産業化プランナーとかコーディネーターとか、そういう人たちの存在が肝になりますよと。実際に、そういう仕事をしている専門家がいて、今までも魅力的な加工品や製品を作ってきた経験のある方にきちんとペイをしてアドバイスをしてもらうことが必要なのではないかと。結構なアドバイス料というかプロデュース料というのが掛かるんですね、そこの支援も必要なんじゃないかというお話も随分させていただきましたけれども、なかなかそこがうまくマッチングができていないということで、現場を回りますと、やっぱり頼みたくてもお金がなくて頼めないんだとか、あるいはどこにそういう人がいるのかよく分からないと、情報が欲しいというような話も聞こえてきます。
 そこで、今、その六次産業化プランナーなる存在はどのようになっているのか、ちゃんと活用はされているのか、あるいは必要なところに必要な人材のマッチングが行われているのかということを確認させていただきたいと思います。
#43
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、六次産業化の取組に当たっては、農林漁業者等が自らの知識や経験だけではなかなか困難で限界があるというふうに考えております。ということで、経営、加工、販売など多様な分野において、それぞれ専門的な知見を有する六次産業化プランナーが農林漁業者等に対してアドバイスを行うことが重要であると、先生おっしゃるとおりでございます。
 このため、全国に六次産業化サポートセンターを設置いたしまして、計約千六百人の六次産業化プランナーが案件の発掘から事業計画の策定などのきめ細かな支援を行う体制を整備しているところでございます。その六次産業化プランナーの活動につきましては、国が必要な補助をしているほか、農林漁業者等が自ら専門的な知見を有する者に依頼して新商品の開発や販路開拓の取組を行う場合についても支援を行っているところでございます。
#44
○徳永エリ君 この特定農産加工法でも、こういったプランナーあるいはプロデューサーみたいな方に対してペイをする場合の支援といいますか融資を求めることはできるんでしょうか。
#45
○政府参考人(山下正行君) この特定農産加工法につきましては、その支援につきましては施設整備のための融資でございますので、このプランナーへの直接の、何といいますか、謝金なりとかそういったものは対象にならないんですけれども、もちろん、特定農産加工業者が六次化と併せて行う場合、そういった場合はこのプランナーというのが活用できますので、その場合には、例えばこのプランナーの活動に必要な旅費とか謝金につきましては国からの支出が可能ということになってございます。
#46
○徳永エリ君 例えば、パッケージとかラベルのデザインなんということになると、いろいろ人気商品を作ってきた専門家の方に依頼したいとなると、これ相当経費掛かるんですね。ある北海道のワイナリーがワインのラベルのデザインを本州のデザイナーに頼むのに五百万掛かったそうなんです。そんなにお金掛けたのかと思ってびっくりしたんですけれども、やっぱりフランス・ワインに匹敵するぐらいの魅力的なビジュアルも作りたいということでお金を掛けた、それが非常にうまくいっているというケースもありまして、思った以上にやっぱりそのソフトの部分にお金が掛かるんですね。
 ですから、より魅力的な差別化を図った商品を作ろうということにおいては、そういったものにもかなりお金が掛かるんだということもちょっと意識をしていただいて、そこにもしっかりと支援をしていただくようなことを考えていっていただきたいと思います。
 そして、これはちょっといろいろと問題があるので今日は余り深く突っ込みませんけれども、内閣府の取組なんですが、食の六次産業化プロデューサー、食プロという方々を育成して認定をするというようなシステムがあるんですけれども、この食プロについて御説明を、どういう制度なのか、していただきたいと思います。
#47
○政府参考人(木下賢志君) ただいま委員御指摘の食の六次産業化プロデューサー制度ということでございますけれども、平成二十二年六月に閣議決定されました新成長戦略に位置付けられた実践キャリア・アップ戦略の一環として実施しておりますものでございます。成長分野におきます実践的な職業能力の評価あるいは認定制度ということを構築をしておりまして、特に個人に対しまして、その分野につきまして分かるという知識レベル、それからできるということ、能力ですね、両面から評価を行い、レベル1から段階的に食のレベルを認定する制度でございます。今の六次産業化のプロデューサーと併せて、介護ですとかエネルギー分野も併せて行っておりまして、内閣府におきまして、平成二十四年度から二十六年度の三年間を立ち上げの期間といたしまして国庫補助を行い、実施しております。
 そのレベル認定を想定している対象者でございますけれども、特に、今御議論があります農林水産物を高付加価値化する事業の企画に携わったり、あるいは市場の開拓を目指しておられます農林漁業者あるいは商工業者、あるいは六次産業化を支援するアドバイザー、あるいは将来的にこういった分野を目指します農業高校の学生様などを広く対象としております。
 これまでの成果、実績でございますけれども、昨年三月から実際に認定を始めておりますけれども、プロレベルでありますレベル4認定者二十二名を含めましておおむね約百三名が認定をされまして、キャリアアップに役立っているとの評価をいただいております。
 今後、六次産業化の現場において特にこの食プロというものが十分認識され、活躍していただくことが重要であると認識しておりまして、農林水産省を含めた関係省庁とも十分連携を図り、制度の普及、定着を図ってまいりたいと思っております。
#48
○徳永エリ君 三年間の事業で、二十四年度は五・八億円、二十五年度は三・四億円、二十六年度は二・六億円も予算が付いているんですね。これだけ掛けて百三人という話でありますから、人材育成も大変に重要なことでありますけれども、やっぱり専門家の活用というところにしっかりお金を使った方がいいんじゃないかと思います。
 やっぱり、経験とノウハウというものはそう簡単に培われるものではありませんから、認定を受けて名刺に食プロと付いているからといって、じゃ、その方に仕事を頼むかというと、これはなかなか難しい、時間が掛かると思いますので、この辺もしっかりと考えていただきたいと思いますし、それと、農林水産業との連携、食プロということですからしっかりやっていただきたいんですけれども、今、その連携というのはうまくできているんでしょうか。
#49
○国務大臣(林芳正君) 内閣府から今お話があったように、内閣府の方で食プロ、食の六次産業化プロデューサーというのをやっていただいております。我々の方は先ほどお話しいただいたように六次産業化プランナー、これは中央段階で今年の三月末で五百四十四名、それから都道府県段階で千九十四名が選定、登録されているものに加えまして、ボランタリー・プランナーというものもやっております。
 これをやはり、何といいますか、縦割りにならないように、結局ニーズがあるのは地域の現場の方でございますので、地域センター、各地方農政局それぞれに六次産業化推進企画委員会と、こういうものをつくりまして、そこできちっとニーズの把握をしてサポートするということを地域地域できめ細かくやっていこうと、こういうことをやっておるところでございます。
 したがって、今委員が御指摘になったそういうことを通じながら、マーケティングとかブランディングというところにどう意を用いていくか、これは非常に大事なことだと、こういうふうに思っておりますが、特定の商品のブランディングとかポスターを作るところを全部、どこまで税金でやるのかと、こういう問題が最後あるんだろうと、こういうふうに思っておりまして、その人の知的財産になっていく商品そのものでございますので、そういう意味ではA―FIVEで出資をして新しい会社をつくって、そこがその中でやっていくと、こういうことをどうこのプランナーたちがサポートできるのかと、こういうことが非常に大事になってくるのではないかと、こういうふうに思っておりますので、今回の作らせていただいたプランも、その供給体制をしっかりつくるとともに需要に応じたものをやると、マーケットインということをしっかりと二本目の柱として踏まえて、そういうことに対して積極的に取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
#50
○徳永エリ君 農林水産省に伺いましたら、この六次産業化の取組に対して必要な人材を御紹介するようなサイトもあるということでありますけれども、私もまだちょっとチェックしていないんですが、本当にそのプロデューサーだとかプランナーだとかデザイナーだとか、そういった仕事をやっている方は非常にたくさんいて、皆さん大変に能力が高いんですけれども、今非常に経済的に厳しい状況にあったりとか、企業も広告だとかあるいはデザインだとかそういったものをちょっと経費を削るというような傾向にありまして、実はこういう専門家の方々も今なかなか仕事がないという状況にあったり、かつてはそれなりに自分の専門能力を認められてそれに合ったギャラをいただいていたものが、たたかれ、たたかれ、生活やっとしていけるような状況で仕事をしているという方もたくさんいます。
 そういう意味では、そういった専門家の方々を伸ばしていく、あるいは活躍してもらうということと、それと、加工食品の差別化、魅力をアップする、ブラッシュアップしていくという意味でもうまいマッチングの方法を考えていただいて、それぞれの力がうまくミックスして海外にどんどんとこのすばらしい日本の魅力を発信していけるようなそういう取組を、本当に省庁の壁を超えてしっかりとやっていただきたいということを重ねてお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#51
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 私の方からは、先ほど来の御議論を受けましてちょっと通告の順序と変えまして、先に各論の方、金融支援について中心にまずお伺いをしていきたいというふうに思っております。
 この特定農産加工法、支援の柱の一つがこの金融支援であるというふうに考えておりまして、この長期低利融資、貸付条件を拝見したときに、これ市中の金融機関から借り入れる、そういった場合と比べて、本当に期間の面でも、そして金利の面でも破格の条件になっているというふうに思っております。一般の製造業向けの支援策と比べてもやはりかなり手厚い、そういった状況であると思います。金利についても二億七千万円までは〇・六五%から今ですと〇・八五%、貸付期間も十年から十五年ということで、現在の日本国債の十年物、指標銘柄の利回りが〇・六二五%ぐらいですから、日本国の信用と同じぐらいの条件で借りられるという本当にすばらしい制度であるというふうに思っております。
 言うまでもないことですけれども、いわゆる経営状況が余り良くない中小企業にとって資金調達をどうするのかというのは本当に最大の悩みでありまして、これはもう聞いてみるまでもなく、利用者からの評価が高いのは明らかであるというふうに思っております。
 しかしながら、この融資を、この融資を使う側の中小企業の経営者の側から考えてみますと、これどう考えても、この条件で借り続けたいですとか、借り続けるにはどうしたらいいのかというやっぱり発想に現場の経営者というのはなると思うんですね。こういうとき、要は、実際に市中で借りようと思いましたら、これ、中小企業、個々の企業によって当然違うわけですけれども、例えば二年以上のいわゆる長期の借入れというのは本当に銀行からするのはまず難しい、担保もなしでここまでできるかという話がありまして、また二年物であっても今みたいな金利ではとても借りられない、基準金利に一%とか一・五%とか乗って初めて借りられると。もう借入条件も全然違ってしまうわけであります。
 ここまでのことを結局ちょっと総合して考えますと、結果として、いわゆる融資を受けられる条件に合わせて企業行動をもし取ってしまうと、これ、本制度のそもそもの趣旨である、経営を改善して競争が厳しくなる市場環境の中で競争力を付けよう、規模を大きくしてどんどんビジネスを伸ばしていこうという方向とある意味逆のインセンティブに働いてしまう可能性はないかなというのを正直に思います。
 例えば、これ貸付けの条件が中小企業であることというふうになっているわけですけれども、製造業の場合ですと、中小企業、従業員規模、例えば三百名以下じゃなきゃいけないわけですけれども、企業の体力を付けよう、競争力を付けようということで合併したり従業員を増やしたりということをやっていくと、この条件から外れてしまうわけですね。そうして、こういういわゆる余りにもいい条件、市中と懸け離れた条件を出すことによって、実際に制度の当初の目的と趣旨と逆のマイナスのインセンティブが働いてしまう、こういう懸念というのはないんでしょうか、御見解をお願いいたします。
#52
○大臣政務官(横山信一君) 平成十八年の政策金融改革の方針を踏まえまして、日本政策金融公庫の発足に伴い、平成二十年十月以降、従来、旧農林漁業金融公庫が行ってきました食品産業向けの融資は、中小企業者に対する償還期限が十年を超える資金の貸付けに限定をされているところでございます。これは、国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに対応するという政策金融の目的に沿ったものです。
 本法に基づく金融上の支援措置等によりまして、特定農産加工業者は新商品の開発や新技術の導入など経営基盤を強化する設備投資を実施し、その成果として売上高や経常利益が改善し、原料となる地域農産物の取引量が増加するとともに、新たな雇用を創出をしてきているという事実がございます。こうしたニーズは政策金融改革の前後で変わるものではないと、対象を中小企業に限定した平成二十年以降も融資件数で大きな変化は見られなかったというところでございます。
 また、融資決定時点におきまして中小企業でありましたが、その後の経営改善により中小企業の要件に該当しなくなった場合においても、繰上償還等を求めないということになっております。
 近年では、安価な輸入品に対抗するための新商品、新技術の開発や高品質な生産体制の整備のための資金需要が強く、中小企業においても一定の経営改善効果が出るものとして取り組まれているため、本法による事業が多くの事業者で実施されるよう支援の継続をしつつ、全体としての底上げを図ってまいりたいと考えております。
#53
○平木大作君 今の御答弁を受けますと、実態としてそういう懸念に当たることは起きていないということであったのかなというふうに理解するんですけれども、ちょっとここに続けてお伺いしたいんですけれども、やはり返済期限ですね、これ、十年超十五年というのがかなりやっぱり長い。これ、そもそも制度の趣旨としてなぜこの非常に長い期間で設定されているのかをちょっとまずお伺いしたい。
 要するに、大企業の感覚だったらこれは分かるわけですけれども、中小企業の経営のスパンからするとかなり借入れのこの返済期間は長いですので、この趣旨を説明いただきたいということと、ちょっと併せて御回答いただきたいので続けますが、この返済期限の長さに注目したときにやっぱりもう一つ気になるのは、この返済期限とマッチするはずの経営改善措置に関する計画との整合性の問題であります。
 これ、この計画の内容については法文の中でもしっかり列記されているわけでありますけれども、例えば新製品、新技術の開発、こういったことであれば、これは長期にわたって安定的に資金が必要なんだな、いわゆる長期で調達をした資金を振り向ける先として非常に合っているなというのはよく分かるんですけれども、例えば事業の合理化その他経営の改善を図るための措置ということが書いてありまして、これ、具体的に何ですかと問いますと、販路の開拓、こういったものも入りますということでありました。
 そうなってしまうと、これはいわゆるメニューが広いというのは使い手にとってやっぱり使いやすいわけですけれども、一方で、大分、目的としてちゃんと長期にわたってやらなければいけないことと、これは短期でできるんじゃないかということと混ぜこぜになっているような気がいたします。借りる側からすると、要は、これ、販路の開拓に使えますとやって十年、十五年という資金を調達できたら、割と日々のいわゆる運転資金のようなものに使われてしまう、そんな懸念もあるんじゃないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
#54
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 日本政策金融公庫による食品製造業者に対する貸付けでございますけれども、これにつきましては、平成十八年の政策金融改革の中で、民間金融機関では対応し難い業務に特化する観点から、償還期限が十年を超える資金に限定するとされたところでございます。これを受けまして、本法に基づく融資でございます特定農産加工資金につきましては、融資対象となる施設等の耐用年数を勘案いたしまして、償還期限を十年超十五年以内としているところでございます。
 また、先生お話ございました特定農産加工資金の融資対象につきましては、事業の目的のいかんにかかわらず、償還期限が十年を超える施設の取得、それから設備の導入等とそれに付随する費用としておりまして、いわゆる運転資金、短期の運転資金のようなものは融資の対象としていないところでございます。
#55
○平木大作君 ありがとうございます。
 これ、稟議書に運転資金と書いたら、当然これは計画自体が通らない話だと思うんですね。今御答弁お伺いしていましたら、結局、こういういわゆる販路の開拓というのは計画の中の一部には入っていてもいいけれども、これだけで単独で要はやるものではないというふうに今趣旨としては御理解させていただきたいというふうに思います。
 最初の答弁の中に、十年から十五年、結局、民間で対応できないところという仕切りの中で十年超というようなお話が出てきたというふうに今あったわけでありますけれども、実際問題、中小企業が銀行に行って貸付けしてくださいとやったときに、二年から十年までの間というのも結構実は大きな空白があるんじゃないかなというふうに思います。
 私が今まず金融支援についてお伺いした趣旨というのが、いわゆる条件良過ぎるからやめろという話ではなくて、むしろ逆でございまして、非常に本当にいい条件で借入れができる、支援策として本当にすばらしいなと思うんですけれども、同時に、政策として支援している部分とそれから市中に行って借り入れる部分とのギャップが大き過ぎるので、その間をある意味埋めるような制度というのがもっと本当はないといけないんじゃないかなというのが関心としてございます。この二年超十年までのところですね。
 例えば、先ほども、中小企業であるところを制度の趣旨にのっとって卒業されて事業を伸ばしていかれたところについても繰上げ返済を求めないということでありましたけれども、そういったいわゆる政策の目指しているところと同じように、実際に事業を頑張っていただいたところが今度使える、いきなり市中の金融機関へ行ったときに、今まで十年で借りていたのが急に一年までしか借りられませんとなってしまうとやっぱりそこで終わってしまうわけで、この間を、もしここに民間がまだ対応できていないようなところあったら是非柔軟にちょっと支援策を広げて考えていただくというのも一つの方向性じゃないかなと。取りあえず御指摘だけさせていただきたいというふうに思います。
 この金融支援策について、もう一つ関連でお伺いしたいんですけれども、先ほど来、全体として経営改善というのは進んできているんじゃないかという御評価でありました。一方で、やはりこれ個々の企業の努力の問題もあります。また、業界ごとに当然競争環境が違いますのでうまくいかなかったケースというのもあるかと思うんですが、具体的に、いわゆる融資の返済が滞ってしまったり倒産した件数、金額、これ、どの程度あるのか。また、日本政策金融公庫等の融資の中で、いわゆる本施策の対象案件の遅延率、あるいは不良債権比率等その他のもの、何か際立った特徴がもしあれば教えていただけますでしょうか。
#56
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 特定農産加工業は厳しい経営環境にあるため、設備投資を行ったものの予定どおりに売上げの確保や事業の進捗が進まず、借入金の償還が円滑に進んでいない、そういった業者が少数ではありますが存在しているところでございます。
 日本政策金融公庫によりますと、平成二十四年度末までの累計で、回収不能となった事例が三十一件ございます。そのうち四件は平成二十年度以降に回収不能になった事例でございます。その主な要因は、販売単価の下落ですとか販売先との取引の解消、さらには原材料費の高騰等によって収益の悪化になったというふうに聞いております。
 一方、平成二十四年度末時点におきまして、本法に基づく融資のリスク管理債権比率でございますけれども、これは三・七七%でございまして、日本政策金融公庫農林水産事業全体のリスク管理債権は四・八五%でございまして、これと比較しまして低い水準にあるというふうに理解しております。
#57
○平木大作君 ありがとうございます。
 特に、このいわゆる特定農産加工業者について何か不良債権率が高くなっているですとか、そういった特徴は大きなものはないということでございました。
 これ、経営の改善を見ていく上でいろんな指標があると思うんですね。農水省にまずお伺いしますと、利益率が上がっていますですとか、そういったお話をいただきます。これはこれで非常に大事な指標であるというふうに思っているんですけれども、いわゆるこういう利益に関する数字というもの自体は、経営者の、例えばどれだけ引き当てるかですとか、そういった経営判断によっても決算の数字ですので変わってきてしまったりする部分がございます。
 やはり、いろいろ企業の経営状況を見る上で先行指標として一番一つ役に立つのは、やはり、返済の遅延ですとかそういうキャッシュフロー、お金の動きがどうなっているのかというところを見ていくというのはやっぱり非常に大事だなというふうに思っておりまして、今は金融支援策、そして税に関しても支援策はあるわけですけれども、よりきめ細やかに、これから特に市場環境はますます厳しくなってくることを考えると、個々の企業の経営状況というのはどうなのかということ、ここをしっかり政策金融公庫等と連携して見ていっていただきたい、こういう資金の動き等から何か業界におかしなことが起きていないのか、大変なことが起きていないのかといったところにもしっかり目配りをしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 金融支援の話は以上でございまして、続きまして、ちょっと前後しちゃうんですが、まず全体論として、先ほど来、質問の中にもございました。平成元年からいわゆる時限措置としてこの制度ずっと始まってきて、繰り返して今回も延長という形で組まれるわけでございますけれども、この二十五年間、もう大分長きにわたって取り組んできたわけですので、ひとつここはこの二十五年間の成果について総括をいただきたいのと、これだけ長い間繰り返し繰り返し延長してきているということは、結局これいい制度であるということであると思うので、であれば、もうちょっと支援策を中身自体を拡充する、あるいは、これはもう制度を恒久化してしまう、こういったことも検討すべきなんじゃないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
#58
○国務大臣(林芳正君) この平成元年から二十五年ということでございまして、平成二十四年度までの数字でございますが、千四百十六件、計画が承認をされております。低利融資、それから機械、装置の特償等の税制特例、こういうもので経営改善にそれぞれ取り組まれてきたところでありまして、先ほど返済の方で見るという指標をお示しいただきましたが、さらに売上高、経常利益等で改善の指標も出ておることは先ほど来御答弁をさせていただいたとおりでございまして、国産農産物の取引量三割増加と、こういうことも出てきておりまして、新たな雇用も創出できているという効果が出てきていると思っております。
 この現行法の枠組みの下で、関係業界からも枠組みの延長が要望されておるということで期待があるということが分かるわけでございます。これに、この本法の措置、低利融資、それから税制ですが、それに加えて、別の政策で、先ほどちょっと徳永委員のときにもありましたが、六次産業化事業、それからさらに強い農業づくり交付金など、特定農産加工業者がこの今の法律に基づくメニューと併せて利用できる補助事業、こういうものもございますので、こういうものを組み合わせることによって更に経営改善の効果を高めていくということをやっていかなければならないと思っております。
 そこで、恒久化ということでございますが、この法律の目的、趣旨ということが、スタート地点でこの始まったところを先ほどお話ししましたように輸入事情の変化への対応と、こういうことでございます。したがって、有効期限を迎えるごとに、特定農産加工業をめぐる情勢の変化等を踏まえてその都度やはり存続することに対する必要性というものを検討して、そして必要性があれば延長していくと、こういうことが望ましいと、こういうふうに考えておりまして、今回もそういった意味で期限の延長ということをお願いしているところでございます。
#59
○平木大作君 ありがとうございます。
 残り少なくなってきましたので、もう一問お伺いしたいというふうに思います。
 やはりこの厳しい環境の中で守りを固めるといったところも大事なわけですけれども、その中で、やはり攻めに転じる、そういったところも、業者にも出てきていただきたいというふうに思っているわけであります。
 政府が今、二〇二〇年までに農林水産物、食品の輸出額一兆円に倍増させるということで目指されている。その中で、いわゆる国別、品目別の輸出戦略作られたわけでありますけれども、この中も、この品目見ていきますと、加工食品が実際に輸出戦略の一翼を担う産品として位置付けられております。
 現時点で分かっている範囲で、この特定農産加工法の支援対象者、業者について、販路拡大の実際に取組の一環として輸出の促進、こういったことを計画の中に位置付けて取り組まれているところ、これ、どのくらいあるんでしょうか。
#60
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 平成二十年度以降に計画承認された特定農産加工業者について見ますと、計画の中に輸出促進の取組を明示的に位置付けているものはございません。しかしながら、この本法に基づく支援を受けた特定農産加工業者の中には製造した商品の輸出に積極的に取り組んでいるものもあると承知しておりまして、具体的には、例えば、北海道の牛肉調製品製造業者は本資金を活用して建て替えた新工場において製造された牛肉コロッケといったものを韓国等に輸出しているとか、それから、長野県の非かんきつ果汁製造業者につきましては本資金を活用して導入した設備で製造したジャム等を香港の日系デパートで商品販売を行うといった、県主催の商談会を活用し、輸出促進に取り組んでいると、そういった事例もあるところでございます。
 また、特定農産加工業に関連する品目の中でも、日本の高度な製造技術を生かした包装米飯や、米のお菓子、米菓ですね、それから乳製品は、先生がおっしゃいましたような国別、品目別の輸出戦略においても重点品目ということで位置付けられているところでありまして、こういった品目については、今後輸出の増大が見込まれるというふうに考えておるところでございます。
#61
○平木大作君 ありがとうございます。
 時間来てしまいましたので、本当、今日お伺いしている中で、やはりまだまだ、この制度自体は今回大きく変えて何か伸ばしていくというわけではないわけですけれども、金融支援の面についてもまだちょっといわゆるケアされていない部分、先ほどの融資の期間等もございますけれども、あると思っております。また、よりこれから競争環境厳しくなってくる中で、従来の制度をそのまま単純に継続していくということだけでなくて、農水省としても、この一つ一つの業者の経営の状況をどう伸ばしていくのかというところを一緒になって考えて是非御支援いただきたいというようにお願いして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#62
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 今日は、この法案に関してと、関連するまたちょっと農協についても少し質疑させていただきたいと思っています。
 まず、本件、この法案から参りたいんですけれども、今、平木議員の方からもいろいろ内容については詳しい指摘がありまして、まさに二十五年間ずっと延長されているということでありまして、私どもは、やっぱりこの法律の役割変わってきているんじゃないかと、こんな立場から質疑させていただきたいと思っています。
 お手元の方に資料があります。今回、本件の法案に関して説明をいただいた資料の一つでありますけれども、まず、この法案の提出理由とか現状についてということで農水省さんがお配りしている資料です。
 その中に、丸の二番目なんですが、各業種ごとの農産加工品の国産シェアは減少傾向で推移しており、近年でも減少が続いているというふうになっていますが、その右下の資料を見ていただきたいんですが、ところで、トマトの加工品ですとか、米の加工品ですとか、麦の加工品は九〇%前後のシェアを実は維持しているんですね。
 農水省さんからいただいた資料、平成二十四年度になりますが、によりますと、トマト加工工場は二十三か所なんですけれども、米の加工工場は三千七百五か所、それから麦の加工工場は二百六十八か所。工場全体は六千百五十七か所ということでありますから、この三つで三千九百九十六か所ということになりまして、実に三分の二が国内シェア九〇%を維持していると、こういうことになるわけであります。
 そこで、大臣にお伺いしたいと思っているんですけれども、法案の提出理由、現状認識で、特に、ここに書いてあります、各業種ごとの農産加工品の国産シェアは減少傾向で推移しており、近年でも減少が続いているというくだりは間違っているんではないかなと、こんなふうにも思うわけであります。
 特に、全体の三分の二を占める経営環境が厳しくないところに対してまでこの制度を充てるというのはどういう意味があるのかと。平木委員の方も今質問がありましたけれども、ちょっと私もそこをやろうと思っていたんで、そこはもう平木委員の方の質問に譲りたいと思いますが、物すごく有利な制度、私も経営ずっと長くやっておりますので、こんな制度があったら私自身もすぐ借りたいというぐらいのものでありまして、イコールフッティングの観点からいってもやや問題があるのではないかと、こういうふうに思っていますが、大臣、いかがでしょうか。
#63
○国務大臣(林芳正君) この十二業種全体で見ますと、国内生産量横ばいで、輸入量が一貫して増加傾向ということでございます。
 一方、今、山田先生おっしゃったように、米加工品、麦加工品、トマト加工品、これは制定当初から全体の国内シェアが減少傾向の中でもおおむね維持をできているわけでございますが、国内で生産する品目と輸入競合品目の間に品質格差がなかなか出にくい一方で、先ほどこれは徳永先生のときだったと思いますが、二、三倍の内外価格差というものが現実に存在しております。この制度も御利用いただきながら、製造コストを下げるとか、新しい商品や新技術の開発、さらにはブランド化といったような商品の差別化を行っていかないと、輸入競合品の急増がこれちょっとしたことで容易に起こるということは見込まれるわけでございます。
 そういうことで、本法に基づく支援措置を利用した事業者が経営改善の効果が見られておりまして、この国内生産の下支えをしているというふうに考えておりまして、そういった意味でも、このお配りいただいた、これ元々農水省の資料でございますが、どんどんどんどん増えていって一〇〇%に近づいているということでもないわけでございまして、きちっとこの下支えという意味でこの米、麦、トマト加工品についても延長して支援をしていく必要があると、こういうふうに考えております。
#64
○山田太郎君 実は、私も今まだ大学の教官なんかもやっておるんですけれども、統計の資料を見てこういうふうに書かれるとちょっとバツでございまして、ちゃんと、ある業種によってはというふうにしっかり書いていただかないと国会議員も惑ってしまいますので、そういう意味でしっかりとした資料、指示、お願いをしたいと思っております。
 一方、逆パターンもありなんですけれども、パイナップルとかでん粉などのいわゆる業種は国内シェアが逆にどんどん下がっているんですね。資料をちょっと一枚めくっていただきますと、業種別に国産農産物使用比率というものをまとめた資料があります。特に星印のところでございますが、トマト加工品は七%、麦加工品は二六%、牛肉調製品が五四%ということで、国産農産物使用率が低いものということは、実はこの法案の対策を講じても更に輸入原料の消費が拡大するだけで、このままでは国内農家の保護にならないんじゃないかと、こういう懸念もあるかと思っています。
 そういった意味で、今度逆に、トマト、麦、牛肉などの国産農産物使用率の低い業種に対する制度の必要性といったところについてどのように考えているのか、御答弁いただけますでしょうか。
#65
○国務大臣(林芳正君) 特定農産加工業に関連する農産加工品の国産品シェアは十二業種で減少していると先ほどお話ししたとおりでございますが、済みません、一つ飛ばしておりました。
 トマト、麦、牛肉ですね、今御指摘があったものは国産農産物使用比率が低いと、こういうことでございましたが、政策金融公庫で二十年から二十四年度に公庫から融資を受けた特定農産加工業者に対して国産農産物の利用状況について聞き取り調査を行ったところ、農産物の使用比率は約九割と、こういうふうになっておるのは今お示しいただいたとおりでございます。一〇〇%に近い、かんきつ果汁を始めとしたものがあるということで、その平均九割ですが、一方で国産原料が元々少ないということがあって、今お示しいただいた牛肉、それから麦は、牛肉が五割、麦加工品二六%、トマト加工品七%と、そういう低い業種もあるわけでございますが、それぞれの事業者で見ますと国産原料の使用量は増えておるということでございます。
 国産農産物を特色とする商品を生産していくということが、先ほどどなたかの御質問にあったように、地域農業の振興にとって非常に重要であるということであるとともに、単なるやはり価格競争に陥らずに輸入品との差別化を進めるということが大変重要だと、こういうふうに思っておりまして、そういう意味で、地域農産物の利用の促進、それから地域農産物を特色とする農産加工品の生産に資するというものであることを今回本法に基づく計画の承認基準に位置付けて政策誘導効果を発揮していきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
#66
○山田太郎君 まさにこの制度は国産農産物をできるだけ使うようにということで法律の措置がされていますので、何とかそういった政策的な目的に合うようなものにしたいと思うんですが、先ほど、今大臣の答弁の中にも触れていましたし、徳永議員の中から、ちょっと山下食料産業局長が微妙なことをおっしゃっておりましたけれども、まさに国内原料に対するインセンティブであるとか、あるいは計画承認の段階において特に国内原材料を使って加工するものというものを是非入れていただきたいなと私も実は思っておるわけでありまして、ただ、そうなってきますと、例えばガットとかWTOの違反に当たるんではないかという懸念も出てきます。
 そういう意味では、アイデアとして逆に、であれば、この加工業者さん、国産をこれぐらい使っていますという表示だけでも随分違ってくるんではないかと。何らかの知恵を使って、できる限りこの国産農産物の使用量を上げるためのいわゆる加工業に対する支援であるというふうにしっかりやっていただきたいと思うんですけれども、その辺り、もう一度答弁いただけますでしょうか。
#67
○国務大臣(林芳正君) 先ほど局長から答弁があったときに実はそこまで申し上げませんでしたが、今、山田委員がおっしゃったように、WTO上のルールがあって、正面切って国産品だったらこれぐらいということはなかなか政策として仕組みにくいというのは今委員がおっしゃったとおりでありますが、最終的には、やはり消費者がそれを選択してもらうということが一番大事なことの一つであろうと、こういうふうに思っておりまして、それをどうやって表示するか、表示したものを選んでいただくかと。
 それに加えて、やはりただ表示するだけではなくてブランド化をして、なるほど、おいしくて安全でいいものですねと、こういうふうに思ってもらえるかと、そこが非常に大事なポイントだと、こういうふうに認識をしておるわけでございまして、この国会で実はGI法案というものも出したいと、こういうふうに思って準備を進めているところでございますが、こういうものと相まって、やはりこのWTOルールの中でできることをしっかりとやっていきたいと、こういうふうに思っております。
#68
○山田太郎君 やっぱり、この法案だけを見てみますと、制度の必要性とか効果については疑問を持たざるを得ないところが非常に多いと思っています。二十五年たった制度です、やっぱりしっかり見直しをしていただいた方がいいんじゃないかなというふうに考えております。
 さて次に、農協問題の方に少し移っていきたいと思いますが、まさに本法案も関連して農協の存在というのは大きいということで、シリーズで少しやらせていただいていて今日は四回目ということです。今日は農協の子会社について少し触れていきたいと思います。
 まさに農協の子会社、農協が五〇%以上の出資をしているという会社でありますが、全国レベル、都道府県レベル、個別の総合農協レベルに分けて、どれぐらい子会社というものがあるのか、教えていただけますでしょうか。
#69
○大臣政務官(横山信一君) 平成二十三事業年度の総合農協の子会社は六百七十六社となっております。県レベルの連合会の子会社は、平成二十三事業年度で、各都道府県信連の子会社が合計十八社、各道県経済連の子会社が合計五十五社となっております。また、全国レベルの連合会等の子会社は、農林中央金庫の子会社が平成二十六年一月三十一日現在で八社、全農の子会社が平成二十五年八月一日現在で百十五社、全共連の子会社が平成二十五年三月三十一日現在で四十四社となっております。
#70
○山田太郎君 随分たくさんの子会社があるなという感想でありますが、こうした農協の子会社の経営指標などは、実は総合農協等の監督指針によって、各農協さんから都道府県に資料が提出されて、都道府県を通じて農水省の経営局に集約されているということだと思います。
 多分、農水省には資料が来ていると思いますが、その経営指標など、全国的に見てどのようになっているか教えていただけないものでしょうか。
#71
○国務大臣(林芳正君) 農林水産省では、総合農協に関する基礎的なデータということで、毎年度、総合農協統計表というのを公表しております。これによりますと、平成二十三事業年度の総合農協の子会社六百七十六社のうち、黒字の子会社、これが五百七十二社で八四・六%です。赤字の子会社が百二社で一五・一%で、足し算が合いませんが、残り二社が損益ゼロと、こういうことになっております。
 総合農協の子会社の総数に占める赤字会社の割合でございますが、十年前には二〇%を超えていたわけですが、平成二十三事業年度、先ほど申し上げたように一五・一%まで減少しておりまして、近年減少傾向にあるということでございます。
#72
○山田太郎君 もう一つ、この農協の子会社に関して、特にまず農協自体に関しては、法律上、員外利用というのが制限されているんですが、子会社には掛からないんですね。こうなってきますと、言い方は悪いですけれども、農協の員外利用規則の言わば抜け穴としても子会社が使われてしまうおそれがあるのではないかと、こういうふうにも書いてあります。
 実は、農水省さんが出した指針の中では、この子会社に対しては、きちっと組合活動の一環であると定義されているわけですね。そして、もう一歩農水省さんが踏み込んで、組合員の利用が主となることが望ましいと、こういうことを書いてあるわけであります。誰のための農協、まさに誰のための農協グループなのかということにもなりかねません。
 そういった意味で、農協の子会社に関しても員外利用の規制が及ぶようなある程度の制度の見直しですとか、そういったことはできないものなんでしょうか。
#73
○国務大臣(林芳正君) まず、農協を含む協同組合ですが、これは何度かお答えしているように、組合員の相互援助組織ということで、組合員の利用を原則としております。したがって、員外利用制限の規制があるという一方で法人税率の軽減措置、独占禁止法の適用除外といった特例が認められているということでございます。
 農協の子会社ですが、農協が出資はしておりますが、これは協同組合法ではなくて会社法に基づいて設立された株式会社ということでございまして、先ほど申し上げた法人税の軽減税率とか独禁法の適用除外という特例が認められておりません。員外利用制限も掛からないと、こういうセットでございます。
 農協が子会社に出資した経緯から見て、組合員の利用を中心としたいということはあるというふうに思います。各農協及びその子会社において、それはもう出資者ですから、何といいますか、株主ということですから、個別にそれぞれ判断すべき事項であると、こういうふうに考えておりまして、法令上一律に員外利用制限を掛けることは適当ではないと、こういうふうに考えております。
#74
○山田太郎君 そういうことであれば、一定の情報をオープンにしていくということも一つありではないかな、特に農協の子会社の経営指標なんかを出していくということもできるんではないかなというふうに思っています。
 実は、この監督指針の方ですね、農水省が出された監督指針の方に、農協の子会社等がその目的が不明確なもの、多額の赤字を抱え組合本体の経営に重要な影響を及ぼす例が見られると、実際、農水省さん自身が書かれているわけですね。先ほど大臣の方からも、確かに赤字の会社があるということであります。極端なことを言いますと、では、子会社と連鎖倒産したり組合が立ち行かなくなるということがあってはならないというふうにも思うわけであります。
 管理の適正化ということもしっかり農水省さんの指針に出ているわけですから、この辺りの情報をもうちょっと積極的に開示していただくということは今後できないものでしょうか。
#75
○国務大臣(林芳正君) このディスクロについて、農協も会社と同様の民間組織と、こういうことでございますので、原則はやはり農協自らが情報公開を行うということが基本であるというふうに考えております。
 その上で、信用事業を行ういわゆる総合農協については、これも銀行や信用金庫などほかの金融機関と同様に、農協の場合は農協法に基づいて業務及び財産の状況を記載した説明書類、ディスクロ誌を作成して公表することが義務付けられております、農協法五十四条の三ということですが。このディスクロージャー誌において、農協の財務諸表、それから自己資本の充実の状況、いわゆる自己資本比率等はもちろんでございますが、当該農協が子会社等を保有する場合には、その子会社等の名称、事業の内容、農協とその子会社等の連結財務諸表、それから連結自己資本比率の記載を義務付けておるところでございまして、総合農協にも他の金融機関と同等の情報開示が法令で義務付けられておりますので、これに更に上乗せして何か行政が監督上知り得た情報を公開しなければいけないということは考えておらないところでございます。
#76
○山田太郎君 指針の中にはもう一つ、管理の適正化ということで、分析を基にその内容を都道府県等に対してもフィードバックをするということになっているようですが、その辺り、どんなフィードバックをされたかということについても少し教えていただけないでしょうか。
#77
○国務大臣(林芳正君) これは監督上知り得た情報について必要があればいろいろなフィードバックをするということでございまして、まさに政策上やっていることでございますので、このディスクロージャーしている部分でないところについて監督上知り得たお話をここでするというのは差し控えたいと、こういうふうに思います。
#78
○山田太郎君 是非、信頼の得られる農協運営、それから子会社の在り方ということに関しても今後しっかり考えていきたいというふうに思っていますし、そうすることによってやっぱり現場の農家についても農協に対する信頼が高まってくると、こういうことにもなるかと思っています。
 かつて農協さん、いろんな金融上の問題を起こしたり不祥事の問題もあったかと思いますが、そういったものの信頼を取り戻すためにも、こういったところに関してきちっと見ていくという必要が政府を含めてあるのかなというふうに思っております。
 法律も、先ほど申し上げましたが、やっぱり見直しに入っているということで、こういった二十数年もたった、特にオレンジと牛肉の自由化を前提としたときに作られたもの、それから、長く農協さんもこれまでやってきたもの、今回は農政の大改革の元年だとおっしゃられるわけでありますから、一つ一つ見直していくということを政府とともに一緒にやっていきたいと、こういうふうに思っております。
 ありがとうございました。
#79
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 初めに、特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正するこの法律案について、輸入農産加工品の量、シェアの増加が継続をしている中で、国産農産物を活用しながら経営努力を続ける中小零細農産加工業への支援というのは、これは継続する必要があるというふうに思いますので、五年間延長するということを決める法案について賛成であります。
 その上に立って、今日は、主に日豪のEPA問題を中心にちょっと議論をしたいと思います。
 日豪のEPAは、二〇〇七年の第一次安倍政権下で交渉が開始をされました。このEPAで仮に牛肉と乳製品が関税自由化とされたならば日本の酪農、畜産に深刻な打撃を受けるということで、当委員会でも委員会決議を採択をしたわけです。当然御存じのことだと思いますけれども。
 決議では、一つは、米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの農林水産物の重要品目が除外又は再協議の対象となるよう、政府一体となって全力を挙げて交渉すると。二つ目は、現在進行中の、当時でいいますとWTO交渉や米国、カナダ等との間の農林水産物貿易に与える影響について十分留意すること。三つ目は、交渉に当たっては、交渉期限を定めず粘り強く交渉すること。万一我が国の重要品目の柔軟性について十分な配慮が得られないときは、政府は交渉の継続について中断も含め厳しい判断をもって臨むことというふうになっています。
 まず、この決議に対する林大臣の認識を伺いたいと思います。
#80
○国務大臣(林芳正君) 御指摘のとおり、日豪EPAについては、平成十八年十二月に衆参両院の農林水産委員会での決議をいただいておりまして、農林水産省としては、この衆参両院での決議を踏まえて真摯に交渉に取り組んでいるところでございます。
#81
○紙智子君 今回、TPP交渉の米国政府の譲歩を引き出すために日豪EPAを利用しようとしているんじゃないかという指摘がされています。牛肉関税を一定程度引き下げて合意できれば、TPPで関税撤廃を要求している米国政府の譲歩を引き出せるんじゃないかというような大変危険な動きが指摘をされています。そのために、日豪EPAに前のめりになって、西川自民党TPP対策委員長がわざわざオーストラリアを訪問して、オーストラリアのジョイス農相やアボット首相との交渉を進めているということも言われている。
 日本が譲歩するのではないかと、こういう情報ももうオーストラリアの中では広がっていて、オーストラリア国内では牛肉関税の撤廃や大幅な引下げを求める世論が形成されつつあるということも言われている。報道によりますと、日豪EPA特別委員会のハート委員長が、政府はオーストラリア産牛肉の関税を撤廃する枠組みを確保しなければならないという声明を発表したとされています。
 林大臣は、昨日、ロブ貿易相との一対一のバイ会談をしたとされていますけれども、ロブ貿易相からはどのような要求がされたのか、それに対してあなたがどのような対応をしたのか、明らかにしてください。
#82
○国務大臣(林芳正君) 先ほど馬場委員、徳永委員からも御質問いただいてお答えしたとおりでございますが、昨日十一時過ぎから豪州のロブ貿易・投資大臣と会談を行いまして、会談では日豪EPAを含む二国間経済関係について議論を行わせていただいたところであります。
 日豪EPA交渉における農産品市場アクセスについても意見交換を行いましたが、引き続き協議を継続しようということになりました。具体的な協議内容については、交渉は継続中でございますから、ここで申し上げることは控えさせていただきたいと思っております。
 繰り返しになりますが、衆参農林水産委員会の国会決議を踏まえて真摯に交渉に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
#83
○紙智子君 ロブ貿易相と、どういうふうに要求されたのか。新聞報道では一部出されているわけですけれども、EPAは、これはTPPと違うから秘密交渉じゃないと思うんですよね。なぜ中身を言えないのか、これはおかしいと思うんですけれども。明らかにすべきじゃないですか。
#84
○国務大臣(林芳正君) これは外交の一般的な常識だというふうに思っておりますが、具体的な協議内容、相手があるところでございます。それからもう一つは、交渉が継続中ということでございますから、そういう意味で、ここの場で申し上げることは控えたいというふうに思っております。
#85
○紙智子君 それでは納得できないわけですね。
 TPPは秘密交渉だということを理由にして、実際には国内に大変影響があることも出さずにやっているわけですよ。EPAは別に秘密交渉でも何でもないわけで、これまでだってやられたことが新聞報道もされているということもあるわけで、やっぱりこのことによってどういうふうなことが影響があるのかということを考えれば、今の段階での交渉していることは明らかにすべきだと思いますけれども。
#86
○国務大臣(林芳正君) 繰り返しになりますが、これ外交の場合は、従来のFTA交渉も同様だったと思いますけれども、またFTAにとどまらず、外交上の交渉というのはそういうものだと思いますけれども、相手方との間で信頼関係で交渉をやるということでございますので、そういう意味では中身を一方的に申し上げるということは控えたいと、こういうふうに思っております。
#87
○紙智子君 非常に重大だというように思うんですね。やっぱり、交渉している途中だから明らかにしないということで、決まったときには大変な大きな影響を受けることになり得るということになったら、本当に国民の利益を守ることができるのかと、できないんじゃないかということになるわけで、この問題は引き続き取り組んでいきたいと思いますけれども。
 結局、確認しますけれども、ロブ貿易相とのバイ会議では、これは牛肉の関税の半減提案に同意はしていないということですよね、それはちょっと確認したいと思います。
#88
○国務大臣(林芳正君) これはまさに、相手がどうおっしゃった、私がどう申し上げたということはまさに協議の内容そのものでございますので具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、先ほど申し上げたとおり、EPA交渉における農産品市場アクセスについても意見交換を行ったということは申し上げたとおりでございます。
#89
○紙智子君 新聞報道で見ますと、仮に牛肉関税が現行の三八・五%から豪州が求めている一九・二五%、あるいは報道されているように二〇%台の半減になったとしたら一体どうなるのかと。オーストラリア産の牛肉と競合するのは日本や北海道などのホルスタインの雄の牛肉です。牛肉関税が半分に減ったら、この乳牛の雄ですね、乳雄の牛肉は市場でのオーストラリア産の牛肉との価格競争にこれは負けることになると、大変大きな打撃を受けることは必至なわけです。
 そうなると、酪農生産者から見ますと重要な副産物収入である乳雄、乳牛の雄が売れなくなると、酪農経営に深刻な打撃を与えることになるわけです。それから、乳雄を肥育している肥育農家は経営が成り立たなくなると。共に北海道にとってはこれは農業の柱になっているわけで、北海道農業に深刻な打撃を与えることになるわけです。そのことに対する大臣の御認識はあるでしょうか。
#90
○国務大臣(林芳正君) まさに今委員がお話しになられましたように、北海道は、バレイショ、それから生乳、てん菜、小麦、全国一位でございます。また、米、肉用牛も全国有数の生産地でありまして、我が国農業産出額の全体の一割、一二%ですが、を占める大食料供給基地でございます。
 日豪EPA交渉に当たっては、北海道を始めとして我が国の農林水産業に与える影響に留意しながら、衆参両院での決議を踏まえて真摯に交渉に取り組んでまいりたいと思っております。
#91
○紙智子君 現に、北海道のホルスタインを肥育している農家は、関税が下がって枝肉価格が下がり続けるというのが一番不安だというふうに言っているわけですね。そして、乳雄のような低価格帯の牛肉価格が下がれば、高い方の肉もこれはだるま落としのように価格が下がっていくということを懸念しているわけです。
 これは現に、かつて九一年のときに、一九九一年ですね、関税率で七〇%で自由化されて、段階的に引き下げられていったわけだけれども、二〇〇〇年のときには現行の三八・五%まで下がったと。自由化される前と比較すると国産の牛肉の枝肉の価格は大幅に下落したという事実があるわけですよ。だから、やっぱり非常にみんな不安に思っているし、もしそうなったときには続かないなと。それなのにもかかわらず、やっぱり、今交渉中だからといって、それでこの落としどころを探っているなんというのは本当に黙っていられないですよ。
 もう一つ新聞報道がありますけれども、三八・五%から二〇%に半減するようにオーストラリアの側が求めてきたら、日本側は主に外食・加工用に使われる冷凍牛肉の関税を二〇%台に引き下げる一方で、主に家庭向けの冷蔵牛肉の関税は三〇%台に維持する姿勢にとどめたために主張は平行線に終わったと書いてあるわけですよ。
 今後、この牛肉の関税をめぐって最終調整が行われて、ロブ氏が四月上旬に再来日する案も浮上しているということが書いてあるんですけれども、これ、そうなんですか。
#92
○国務大臣(林芳正君) いろんな報道は私も一応目を通しておりますが、報道について一々コメントすることは差し控えたいと思いますし、中身については、先ほどから繰り返しになって恐縮でございますが、この協議の内容については申し上げることは控えさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
 なお、さらに、私とロブさんの間でお会いしてお話をするかということについては、まだ決まっておらない状況でございます。
#93
○紙智子君 オーストラリアの方は、車の関係で、それで要するに日本としてはオーストラリアに車を売り出せるんだと。だけれども、そもそも切るカードが向こうの方はそんなに痛まないわけですよね、日本の側はあと残されたカードということでは非常に危険な状況に置かれているわけで。そういうことでやりながら、結局これがTPPにも影響を与えていくということは、本当にこれ重大だと思うんですよ。
 結局、日本の側は、いろいろそのオーストラリアとの関係で交渉して、そして一定程度譲歩させたと、それを見て、例えばアメリカが、じゃ、完全に撤廃させるわけにはいかないなとなって、そこそこ譲歩するというふうになったら、一応それで申し開きができるというような理屈を立てているのではないかという臆測もあるわけですけれども、そんなことになったらとんでもないことだと。
 日本のやっぱり利益を守ると、この間、国益を守るということを繰り返し言ってきたわけだけれども、オーストラリアと日本との関係でいえば、まずはその合意に至らないというか、結ぶこと自体もずっと懸念されてきたわけで、それが第一次安倍政権のときにそこに入ったと、しかし、なかなかその間については日本のやっぱり産業をめぐって多大な影響があるということでずっと来たわけで、それがここに来て、もうTPPとの関わりで、ここで、アメリカの譲歩なんて言っているけれども、実際上狙っているところは違うんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですね。そんなことに絶対してはいけないわけですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(林芳正君) 先ほどから申し上げているとおり、今委員がおっしゃったようなことが報道で書いてあって、そういう臆測があると、こういうことをおっしゃっておられましたが、まさに臆測ということであろうかなと、こういうふうにお聞かせいただきましたけれども。
 大変に大事なこの農業をどうやって守っていくのかという今の御意見について、その御意見も踏まえて決議が示されているものと、こういうふうに思っておりますので、先ほども申し上げましたように、この農林水産委員会での決議を踏まえてしっかりと真摯に交渉に取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
#95
○紙智子君 北海道では、TPPよりもずっと以前から、日豪EPA、これについてその影響について試算も行っていて、日豪EPAに対してはもう本当に警戒をしてきたわけです。もろに北海道の酪農や畜産、畑作も含めて、これは大打撃を受けるということで警戒をしてきたと。
 そういう事態を招くようなオーストラリア政府との牛肉関税の引下げ要求を受け入れることはないですよね、もう一度確認をします。
#96
○国務大臣(林芳正君) これはもう何度も同じ答えになって恐縮でございますが、今委員がおっしゃったような趣旨のことがしっかりとこの農林水産委員会の決議に書かれていると、こういうふうに私も理解をしておりますので、この国会決議を踏まえて真摯に交渉に取り組んでまいりたいと思っております。
#97
○紙智子君 現在のオーストラリア政権は、前の労働党政権ではなくて、保守連合政権です。その支持基盤の一つが農業団体だと。その代表的な農業団体、オーストラリア全国農業者連盟の要求というのは、日豪EPAは全ての農業者に良い結果をもたらさなければならない、全分野の市場アクセスが改善されなければならないと、牛肉だけでなくて、米、穀物、砂糖、乳製品、豚肉の日本の市場開放を求めているわけです。
 そういう中で、昨日のロブ貿易相に続いて来月上旬にはアボット首相が来日をすると。日豪EPAの決着を付けようとしているわけです。まさに正念場というときだと思います。林大臣、決議を踏まえてということなんですけれども、遵守をして、交渉の中断を含めて厳しい判断をもって臨むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありましたアボット豪首相ですが、四月に訪日をする方向で調整中であるというふうに承知をしております。
 冒頭申し上げましたように、日豪EPAについては、双方にとり利益となる協定を実現するように早期妥結を目指して交渉に取り組んでいるわけでございますが、具体的な交渉妥結の期限について決めているわけではないわけであります。これはあらゆる交渉はそうですが、こちらが一方的にそれは期限を切れば相手が足下を見てくると、こういうことになるわけでございますので、そういうことではなくて、しっかりと決議を踏まえて真摯に交渉に取り組んでまいりたいと思っております。
#99
○紙智子君 農業関係者の間だけじゃないですけれども、特に農業関係者の間では、牛肉はいつの時代も市場開放の突破口にされてきたと、またかという憤りもあるけれども、厳しい要求に屈せずに、国民との約束、国会決議を守ってほしいと、こういう声がありますので、是非裏切らないように、そのことを強く求めて、私の質問を終わります。
#100
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 本日、本委員会は特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案の審議でありますから、それに関する質問から、さらに、それて別の題材も扱わせていただきたいと思います。
 さて、我が国の食生活は大きな変化を遂げてまいりました。いわゆる日本食、和食から洋風化などを含め、多種多様な食を楽しむようになりました。そのため、食の材料は生鮮産品から加工品に至るまで消費者のニーズを多様化したことは間違いありません。さらに、我が国の食料自給率は一部を除き低下傾向が顕著で、農産物を含めて多くの食料品を輸入に依存しているのが現状であります。政府においても自給率の向上は重要課題の一つであると強い危機感を持っているというふうに認識をしているところであります。
 そこで、食品関係の輸入の現状に、公益財団法人日本輸入食品安全推進協会の資料に目をやりますと、平成二十三年度、農産加工食品として輸入された数量は実に三百四十二万四千二百六十五トン、農産食品として輸入された数量は千九百三十五万八千九十九トンとなっており、いかに食材、食料を海外に依存しているか、如実に示した数字だと思います。そのため、外国の安価な野菜や農産加工品が我が国の市場に様々な影響を与えていることは私がここで申し上げることもありません。自給率の向上、食料の安全保障的な観点からも、政府の責任において適切な政策的支援を行うことは当然だと理解をいたしております。
 私は、まあ協議の結果とはいえ、野村委員長から二十分しかいただいておりません。したがって、狭い中でじたばたやりますけれど、至らぬところもたくさんありますけど、お付き合いを願いたいと思います。
 先ほども数字で申し上げたように、特定農産加工品の品目ごとには質疑はできませんが、先ほど数字で示したように、財務省の貿易月表を見てみますというと、農産加工品の輸入量は右肩上がりに伸びており、今後とも相当量の農産加工の輸入が続くものだと、総量が増していくものだと判断をいたしておるところであります。
 かかる環境の中で、農産加工業者は現状に甘えることなく日々経営改善に汗を流していると思っておりますが、さらにその上に政府の支援が不可欠であり、そのことが本法の本旨であると認識いたしております。したがって、賛意を表し、評価をするところでありますが、政府の迅速かつ適正な政策を実現していただくことを願い、質問に入りたいと思います。簡潔にお答えいただきたいと思います。
 一番目に、特定農産加工法関係でございます。
 我が国の農業は、TPP、あるいは今話題にありましたEPA、FTAなどの交渉が進むことにより、特定農産物の輸入が増加し、日本の農業に影響を及ぼすことは必定でありますが、しかし、このことは、逆に言えば、私に言わせれば逆にチャンスでもあると。海外市場をこじ開けるチャンスでもあると思っております。
 生鮮産品の輸出は制度やコスト面から極めて困難でありますが、加工品の輸出は積極的に展開すべきであり、外国から入るのであれば、今申し上げたように、逆に外国へ乗り込んでいくということ等もやっていかなければならないのであります。つまり、外国に我が国の産品の市場、マーケットを求めていくということが大事だと思いますが、その展開について政府の御見解、大臣の御見解を承りたいと思います。
   〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕
#101
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 この特定農産加工法は、輸出に向けた生産量の増加を直接の目的とするものではございませんけれども、本法による支援措置を利用した特定農産加工業者については売上高が伸び、地域農産物の取引量も増加しているところでございまして、生産量の増加に貢献しているものと考えているところでございます。
 この資金を利用した事業者の中には、製造した商品の輸出にも積極的に取り組んでいるものもいるというふうに承知しております。具体的に、例えば、北海道の牛肉調製品製造業者は本資金を活用して建て替えた新工場において製造された牛肉コロッケ等を韓国の方に輸出しているとか、それから、長野県の非かんきつ果汁製造業者につきましては本資金を活用して導入した設備で製造したジャム等を香港の日系デパートで商品販売を行う県主催の商談会を活用して輸出促進に取り組んでいると、こういったような事例もございます。
 昨年八月に策定されました国別・品目別輸出戦略におきましては、加工食品の輸出額を二〇二〇年までに五千億円に伸ばしていくという、そういう目的を設定しているとともに、包装米飯、それから米菓、お米のお菓子ですが、これを含めた米加工品の輸出も伸ばしていくこととしております。
 そういった本法に基づく支援によりまして、新商品、新技術の開発を行い、外国製品との差別化を図ることを通じまして輸出にも取り組める環境整備を図ってまいりたいと考えております。
#102
○儀間光男君 我が国、我が国民、我が政府の癖というか、よく分かりませんが、常に国内市場ばかり見る癖があるんですよ。外に大きなマーケットがあるのであるが、それがないようなごときの理論を構成してくるんですね。つまり、外国から安いものが入って大変だ、大変だ、一億三千万の市場に外国からたくさん入る。いつかも申し上げたんですが、私たちは、それならば隣の九億、十億おるマーケットにいかにして乗り込んでいくか、これが大事だと思うんですね。TPPもEPAもFTAも、それへの足掛かりとしての交渉をしていかなければならないと思います。
   〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕
 先ほどから紙委員の質問に対して、交渉の手のうちは明かさないんだと大臣はおっしゃるんですが、明かせる部分で今私の言うことを答えていただきたいと思います。
#103
○国務大臣(林芳正君) 手のうちでございますので、明かせる部分というのはないわけでございますが。
 まさに委員がおっしゃっていただいたように、TPPにしてもEPAにしても、昔のFTAと言葉が違ってきておりますのは、フリートレードと言っていたわけです、FTAはですね。EPAというのはエコノミックパートナーシップということで、単に物品の貿易にとどまらずにいろんな分野で幅広く連携をしていくということで、域内の経済の交流そのもの全体を活発化させると、こういうことがその言葉に込められているんではないかと、こういうふうに思っておりまして、そういう意味で一般的にこういうものを進めていくというのが大事であると、こういうことになるんだと思いますが、まさに今委員がおっしゃっていただいたように、一億三千万の市場が逆にあるものですから、なかなか、その中である程度の規模が確保できてしまうと、こういうことはよく言われるところでございます。
 私も、もう三十年前になりますが商社におりまして、なかなか、これを輸出しましょうといっても、多少、輸出するために仕様を変えたりしなければいけないということで、国内市場がある程度あるところから更に設備投資なりいろんな投資をして更にやっていこうというところに少しハードルがあるなということは常々感じておったところでございまして、そういうところ、今回は昨年の八月にこの戦略を作らせていただいて、四千五百億円の輸出を倍にしようと、一兆円という目標を立てさせていただいて、それぞれの品目についても細かく戦略を決めたところでございます。
 いろんなこと、そういう戦略を作ったということも相まって、また円安ということもあったんだと思いますけれども、昨年は一昨年に比べて既に過去最高の五千五百億まで輸出が伸びてきていると、こういうことでございますので、まさに委員がおっしゃっていただいたようなことをしっかりと推進することによって、国の中だけではなくて国の内外の需要をしっかりとつかんでいきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
#104
○儀間光男君 ありがとうございました。
 我が国の農林水産業、本当に強いんですよ。なぜ外国を恐れるのか。技術といい、安全性といい、あるいは促成栽培の導入といい、実に他国に全然負けないぐらい我が国の農林水産業は強いんですよ。山田先生には叱られそうですが、守り過ぎる。あちらにおられます、大好きな先輩ですが。この先輩は大体似ているんです。大好きな山田先輩、日頃僕はにらまれてびっくりするんですが。そのことが農林水産業を更に発展させる要因になるんです。
 明かしていいかどうか分かりませんが、東洋経済という週刊誌があって、この二月八日号、大臣も載っております、「コメの減反はやめ 攻めの農業に変える」。これが多くの日本の二十代、三十代の農業青年者、しかも米作農業、野菜の農業者が日本が狭過ぎて外へ出ていくということですね、タイやベトナムやフィリピン辺りへ行って、日本の米を持っていって作って大いにエンジョイしているんですね。日本のブランド米をタイやベトナム、フィリピンで広大な田んぼで作っているんです。
 タイの私の友人に聞いたら、日本のお米はおいしいけれど高い。日本人が、若者がタイへ来て作った日本の米、日本米ほどはおいしくはないけれどまあまあ我慢はできると、したがって、このタイで日本人が作った日本のお米を買って食べていますと。これを聞いたときに、裏を返せば、我が国の農業はますます外国へ出づらくなる。日本人が日本の品種を持っていって外国で作って売り出すと、逆に言うと、日本の市場を日本人が、日本の名産が、作柄が抑え込んでしまっているというようなことさえこれから読み取れるんですね。
 そういうことに危機感があるんですが、大臣、どういう御所見か、賜りたいと思います。
#105
○国務大臣(林芳正君) 必ずしも御質問の趣旨を正確に捉えているかどうか分かりませんが、日本のいろんな方が海外で生産をするようになると。たしかカリフォルニアでワインを作っているところが、ナパバレーというところがあったと思いますが、あそこをもう随分前に訪れたときに、もう既に日本酒の工場ができていたというのを見て、ああ、なるほどなと、こういうふうに思いましたけれども。
 やはり世界的に需要があるものであればいろんなところに出かけていってそれを作っていくと、こういうことに当然なっていくわけでございまして、そういうものとどうやって競争していくか。今日、御質疑の中にもあったように、差別化をどう図っていくかということも含めてやっていく必要があるわけでございますし、当然、よく農政の場合はゲタとナラシと、こういうふうによく言いますが、天候が相手のものでございますのでナラシというものがあるのと同時に、やはり生産条件の格差の是正という意味でゲタというものが当然あると。こういうものを組み合わせていって、先ほど冒頭おっしゃられたように、国内の需要というのをいろんな、先ほどのベータクリプトキサンチンですとか介護食品ですとかということで開発していくとともに、ボリュームということも考えますと、やはり人口が減っていく国内だけではなくて、人口、所得ともに伸びていく世界の市場をきちっと捉えていくと、このことが回り回って日本の農林水産業にとってプラスになると、こういう方向を目指していく、これが大事だというふうに考えておるところでございます。
#106
○儀間光男君 今日、欲張ってたくさん通告したのでできそうにありませんが、あと一つお聞きしたいと思います。残された通告は、準備した方には申し訳ないんですが、また次の機会ということでやりたいと思いますが。
 今のことも関連しまして、種苗、種、苗、これについて少し議論をしてみたいと思います。
 そもそも戦後の我が国に種苗産業なる産業があるかどうかはよく分かりませんが、種を持つということは万物の、生物の源を持つということになります。したがって、この種産業、種苗産業は、今ないかどうか分かりませんが、戦前はあったんですよ。だから、種苗産業がないとするなら、いま一度促進、育成すべきだと考えております。
 その前提で申し上げるんですが、我が国は戦前は種苗王国、種王国と言われた。世界でも五本の指に入ると、こう言われているんですね。日本の農業、水産業、林業、畜産業、全て新しい技術を加えながら新しい品種を作って、それをあるいは世界のパテントにして外国に売ってきたものですよ。種苗王国として鳴らした我が国の歴史があります。
 戦後、重工業に変わって、こういう有機物に対する認識がちょっと低下してきて斜陽産業になっているような状況がありますけれど、ここはやはり私は、それ行けどんどんの戦略産業も大事ですが、水こぼれを起こさないような、水漏れを起こさないような斜陽産業の底止まりと拡大を図っていかなければならない、これが政府の、我が国の農業文化、食文化に対する責任だと思っておりまして、この種苗関係についてお尋ねをしたいと思います。
 大臣、種をどう作るか、お考えいただきたいと思いますが。
#107
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘だと、こういうふうに思っております。
 まさに、一昔前までは種苗産業というものが大きかったと、こういうことでございますが、現在、世界の主要な種苗会社の売上高ベースで見ますと、ベストテンにまだ二社入っております。モンサントが一位、デュポンが二位、シンジェンタが三位と、こういうことでございますが、八位にサカタのタネ、それから十位にタキイ種苗ということでこの一角を占めているわけでございますが、近年、特にこの種苗産業において世界的な企業買収、こういうものが大変活発化しておりまして、この巨大企業グループと独立系種苗会社というのは二極化をする傾向にございまして、一九九六年には上位十社のマーケットシェアというのは一六%しかなかったわけですが、これが二〇〇八年には何と六七%になっていると、こういう大きな変化があるわけでございます。
 したがって、種苗産業については、この間、昨年決めた日本再興戦略、いわゆる成長戦略ですが、ここでも、新品種、新技術の開発普及や知的財産の保護と積極的な活用により、強みのある農畜産物の開発、保護、普及の方針を策定、公表する、また、海外での遺伝資源獲得の円滑化や知的財産権の侵害対策等、我が国の種苗産業の共通課題の解消を総合的に推進するための取組体制を整備すると、こういうふうにしておるところでございまして、これに基づいて、主要な市場である東アジア諸国で我々の新品種の育成者権、これが適切に保護されるように、ASEANと日中韓の、いわゆるASEANプラス3ということですが、十三か国から成る東アジア植物品種保護フォーラム、こういうものを設置しまして、ほかの国の品種保護のレベルを国際標準まで引き上げるというための支援を実施するということをやると同時に、種苗輸出大国のオランダの取組を参考にしまして、平成二十六年度予算においては、輸出に必要となる種苗の汎用的な病害検査手法の確立、海外市場の需要や輸入規制に関する情報提供、こういうことを実施していくことにしておりまして、しっかりと取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
#108
○儀間光男君 終わりますから、もう一度指名してください。
#109
○委員長(野村哲郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#110
○儀間光男君 ありがとうございました。
 委員長からあと五分いただけたらきちっと締めができたんですが、ままなりません。また次にすることにして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。委員長、ありがとうございました。
#111
○委員長(野村哲郎君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(野村哲郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小川勝也君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
#113
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  農産加工業は、国民に対して食料を安定的に供給する上で、農業と並ぶ両輪として重要な役割を果たしている。農産加工品の輸入自由化に対応するため、農産加工業の経営改善に向けた措置が講じられてきたが、農産加工品の輸入量の増加や国内市場の縮小など、農産加工業は厳しい経営環境に置かれている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 農産加工業の厳しい経営環境に対処し、その経営体質の強化を図るため、農産加工業の振興に努めること。
   また、地域農業の発展に資するため、特定農産加工業において国産農産物の使用が一層促進されるよう、経営改善計画の承認等において必要な指導を行うこと。
 二 本制度の運用に当たっては、EPA・FTA等の進捗に即応して対象業種を追加指定するなど、適切かつ弾力的に対処すること。
 三 農業生産者と農産加工業者による六次産業化や農商工連携の取組を促進するためにも、新商品・新技術の研究開発の促進、専門家による支援体制の充実、低利融資等、必要な措置を講ずること。
 四 東日本大震災の被災地において農産加工業の振興を図ることにより、地域農業の復興や雇用の維持・拡大に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#114
○委員長(野村哲郎君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(野村哲郎君) 多数と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、林農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林農林水産大臣。
#116
○国務大臣(林芳正君) ただいまは法案を可決いただきまして、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#117
○委員長(野村哲郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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