くにさくロゴ
2014/05/29 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 農林水産委員会 第14号
姉妹サイト
 
2014/05/29 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 農林水産委員会 第14号

#1
第186回国会 農林水産委員会 第14号
平成二十六年五月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     野田 国義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                猪口 邦子君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                紙  智子君
    委 員
                金子原二郎君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                郡司  彰君
                徳永 エリ君
                野田 国義君
                羽田雄一郎君
                平木 大作君
                横山 信一君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       外務副大臣    岸  信夫君
       農林水産副大臣  吉川 貴盛君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        福岡 資麿君
       農林水産大臣政
       務官       横山 信一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       内閣府規制改革
       推進室長     滝本 純生君
       法務大臣官房審
       議官       杵渕 正巳君
       農林水産省消費
       ・安全局長    小林 裕幸君
       農林水産省生産
       局長       佐藤 一雄君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       農林水産省農村
       振興局長     三浦  進君
       環境省自然環境
       局長       星野 一昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告
○農業の担い手に対する経営安定のための交付金
 の交付に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案及び農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(野村哲郎君) 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案及び農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 去る二十六日及び二十七日に行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。山田俊男君。
#6
○山田俊男君 委員派遣の御報告を申し上げます。
 野村哲郎委員長、猪口邦子理事、小川勝也理事、紙智子理事、古賀友一郎委員、馬場成志委員、堀井巌委員、郡司彰委員、徳永エリ委員、平木大作委員、儀間光男委員、山田太郎委員及び私、山田俊男の十三名は、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案外一案の審査に資するため、島根県に派遣され、去る二十七日、出雲市において地方公聴会を開催し、四名の公述人から意見を聴取した後、質疑を行いました。なお、舞立昇治委員が現地参加されました。
 公述の要旨について申し上げます。
 最初に、出雲市長の長岡秀人公述人からは、農政は、農家の立場に立てば一貫した政策が必要であること、多面的機能支払について新たに取組を始めようとする主体にとって取り組みやすいものとし、地域に混乱が生じないようにする必要があること等の意見が述べられました。
 次に、いずも農業協同組合常務理事の岡田達文公述人からは、飼料用米について長期的に安定した販売先の確保が必要なこと、生産調整の見直しについて国が引き続き需給と価格の安定に向けて取り組むべきであること等の意見が述べられました。
 次に、有限会社グリーンワーク代表取締役の山本友義公述人からは、米の直接支払交付金が半減・廃止されるが、継続を見込んで行った設備投資の負債がまだ残っていること、中山間地域等直接支払制度では、負担の大きな草刈り作業に対し支援を行うことが営農継続に必要であること等の意見が述べられました。
 最後に、農事組合法人小松地営農倶楽部理事・美郷町副町長の樋ケ司公述人からは、中山間地域においては、農業生産に加えて、教育、人づくり、保養の場として強化充実を図る施策を行うこと、農家への交付金は、生産性向上と経営安定化に結び付くものでなければならないこと等の意見が述べられました。
 これらの公述人の意見に対し、派遣委員より、ゲタ・ナラシ対策における規模要件撤廃の効果、新しい農政改革の方向性に対する評価、産地交付金において重点的に取り組んでいる作物、条件不利地と平地との生産費格差の現状、飼料用米販売の県外展開の可能性、中山間地域の農業を守るために取るべき施策、兼業農家の離農により地域に人が住まなくなる可能性など広範多岐にわたる質疑が行われました。
 以上が概要であります。
 会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
 なお、地方公聴会に先立ち、二十六日には、飯南町において、中山間地域等直接支払に係る宇山集落協定の取組について、また、出雲市において、多面的機能支払に係る窪田ふるさと会の取組について視察し、二十七日には、出雲市において、飼料用米の圃場や肥育牛への給餌を行う藤増牧場等を視察いたしました。
 最後に、今回の委員派遣におきましては、公述人及び関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。
 以上、御報告申し上げます。
#7
○委員長(野村哲郎君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、地方公聴会速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。
    ─────────────
#8
○委員長(野村哲郎君) 両案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○舞立昇治君 自由民主党鳥取県選挙区の舞立昇治でございます。本日は質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 早速、先々週に続きまして、私からも質問させていただきたいと思います。
 今日、資料を、規制改革会議の農業改革の意見とその意見を提出するに当たってのヒアリングの実施状況の、資料一、資料二と付けておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
 まず最初に、二法案の関連について質問していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、中山間の直払いの関係でございます。
 この制度につきましては、現行制度のまま新たな日本型直接支払制度に組み入れられて、また、先々週でもありましたように、今年度は第三期対策の最終年度ということで第四期に向けて鋭意検討中であるということでございました。そして、今年度から開始した多面的機能支払につきましては、今現場においてまさに中山間地域への活用の促進等が協議が始まっているところでございます。
 しかし、高齢化した集落で制度を活用する場合、事業の補助金事務をこなす人材がなかなかいないというのが課題の一つであるところでございます。この農地維持支払、資源向上支払の二類型、そして直払い、そして環境保全型直接支援と、複数の違う制度に参加しようとすると更に事務が煩雑になって大変だという声がいまだにあるところでございます。
 この点、本年に入りまして、新農政のレクを農水省の担当者の方から受けた際には、新しい日本型直接支払、従来の農地・水保全管理支払とのつながりも重視して、二重の手続にならないよう極力事務手続、事務負担は軽減しておりますというような説明も受けているところでありますけれども、そこで一つ質問したいと思いますが、せっかく一つ日本型直接支払として制度がまとまった利点を発揮する観点からは、各制度の事務手続そして作成書類をばらばらではなくて一体化して、高齢化率の高い集落でも取り組みやすいものにすべきと考えます。現在の手続の簡素化の状況について伺いますとともに、今後、作成書類の一体化等、更なる事務負担の軽減に向けて見直しを行う考えはないか、伺いたいと思います。
#10
○政府参考人(三浦進君) 日本型直接支払を取り組みやすい制度とする観点から、事務手続の簡素化を図ることは重要であると考えております。このため、現場からの御意見、御要望等も踏まえまして、新たに創設いたしました多面的機能支払の実施に必要な事務手続につきましては、従来、農地・水保全管理支払では二つルートがございました交付ルート、これを一本化して交付金の交付手続、書類の簡素化を図るということ、あるいは、書類作成のひな形を示しまして、できるだけ該当項目をチェックすればよいという様式を取り入れること、それから、実施状況の確認に必要な活動組織からの提出書類を簡素化するといった簡素化を行っているところでございます。
 二十七年度からは法制化するということを考えてございますので、その際、多面的機能支払、それから中山間直接支払、環境保全型直接支援を一つの事業計画の下で組み合わせて実施することができるようになるということでございます。その際に、活動組織等が作成する事業計画についてひな形を示したり、あるいは市町村による事業計画の認定に際して必要な書類につきましても現行の様式との連続性に配慮するといったことなどを検討いたしまして、事務手続の更なる簡素化に十分留意してまいりたいと考えております。
#11
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 平成二十七年から法制化、一つの事業計画にしていく、ひな形を示して必要な書類につきましては連動性を持たせるようにするといった答弁がございました。是非、地元で取り組みやすい制度に向けて更なる改善を図っていただきますように、よろしくお願いいたします。
 続いてでございますが、中間管理事業の関係についてでございます。
 今年度から新農政の大きな柱の一つである農地中間管理事業が始まりましたが、今、県や各市町村で具体的な取組が始まって、先行するモデルをまずはつくろうと鋭意努力されているところでございます。
 その際、貸し手と借り手のマッチングだけでなくて、受け手となる担い手が農地を引き受けるに当たりまして、併せて農業水利施設等の簡易な整備が必要となる場合がございます。この点、受け手となることを検討されている担い手農家、そして生産法人の方々の中には、既に区画が整備されている農地につきまして畦畔除去による区画の拡大や暗渠排水等、簡易な整備を安価に迅速に実施できれば、もうすぐにでも引き受けたい、引き受けられるというふうに考える方が多いところでございます。
 この中間管理事業と連携した農業の基盤整備につきましては、国の農業基盤整備促進事業の対象が拡充されて、整備済みの農地の簡易な整備に対しましても中間管理機構にも定額助成できる制度が設けられておりますけれども、今年度は、機構が事業主体に加わっただけで、この事業につきましては機構へ配分されることのないまま既に予算配分が全部終わってしまっているというふうに伺っているところでございます。
 そこで、この簡易な整備につきましては、基本的に中間管理事業でやるような場合には、農業、農村の土地改良事業じゃなくて、こういった簡易な整備でやっていくというような説明を受けておりましたが、実際はその事業に着手していくための予算が今ないというような現状でございまして、必要な予算が確保されていないことについて、ちょっとどう考えているのか、見解をお聞きしたいというふうに思います。
 そして、こういった中間管理事業で円滑な事業を進めていくためにも、この事業の中に枠予算を設けるなどの必要な対応があったんではないかと思います。そして、いつも従前の公共事業と同じ事業執行のフレームでは迅速な対応もなかなか難しいと思います。今後、実施フレームの見直しも含めて見直しが必要になると思いますが、見解をお聞かせいただければと思います。
#12
○副大臣(吉川貴盛君) 簡易な基盤整備のことで御質問を頂戴いたしました。
 舞立委員が御指摘をいただきましたように、平成二十六年度の予算に関しましては、農地中間管理機構の設立が準備途上にあったことから、今年度の予算編成検討の過程で機構の実施を想定した簡易な基盤整備のニーズを十分に織り込めなかったものでもございます。
 この簡易な基盤整備につきましては、農業基盤整備促進事業等と連携をしまして実施することといたしておりますけれども、必ずしも機構が事業実施主体となる必要もございませんで、例えば、市町村や土地改良区等が事業実施主体となりまして、機構は事業の参加資格者として参画することも実施が可能でございます。
 農山漁村地域整備交付金におきましても、機構が事業実施主体となりまして簡易な基盤整備を行うことが可能であります。さらには、この当該交付金は県等の裁量で弾力的に予算を活用することができるものでありますことから、地元のニーズに沿った対応が可能と考えているところでもございます。
 初年度におきまして御不自由をお掛けをすることとなったところでもありまするけれども、御指摘もいただきましたので、今後、機構の業務が本格化をしていくことから、それと連携をした整備ニーズの把握をしっかり行いまして、必要な予算の確保に努めて事業の適切な推進を図ってまいりたいと存じております。
#13
○舞立昇治君 ありがとうございます。是非、その方向で、必要な予算の獲得に向けて頑張っていただくようにお願いいたします。
 先ほど、必ずしも事業主体となる必要はないとか農山漁村地域整備交付金の話をされましたが、この農山漁村地域整備交付金も今全く足りないという話は地元でもよく聞くところでございまして、本当に、民主党政権で農業農村整備関係の公共事業関係の予算が激減したという中で今非常に足りないという状況を是非是非よく認識していただいて、事業執行に努めていただければと思います。
 次にですが、飼料用米の関係につきましては、前回、やはり流通経費の平準化とか配合飼料工場や専用のカントリーエレベーター建設等への異次元の支援が必要じゃないかというふうに提案したところでございますが、今日はそういった異次元というわけではなくて、ちょっときめ細かい対策という点でちょっと言いたいと思いますけれども、飼料用米の生産拡大への対応のためには、カントリー等での共同乾燥調製施設での効率的な集出荷体制の整備が不可欠でございます。飼料用米はくず米を含め全量を出荷する必要がございまして、選別機を通さない迂回ラインを増設することで対応できるんじゃないかと合理的な提案も地元からなされているところでございますが。
 そこで伺います。
 カントリーエレベーターなどで選別機を通さない迂回ラインの増設を行うことは、既存施設を集約する取組でないことなどから、昨年度補正の攻めの農業実践緊急対策の要件を満たさないほか、事業規模が小さいということから強い農業づくり交付金の要件も満たさないということで、なかなか今支援対象がないというところでございますが、しかしながら、これは地元でそういうことで対応可能ということであれば低コストで非常に現実的なやり方だと思うところでございまして、是非これは支援対象に加えるべきではないかと考えておりますが、見解をお聞かせいただければと思います。
#14
○政府参考人(佐藤一雄君) 舞立先生の御質問にお答えします。
 今先生の方から御指摘ございました攻めの農業実践緊急対策でございますが、この事業におきましては、施設の統廃合だけではなくして、例えば、従来二つの施設で行っていたお米の乾燥調製機能のうち飼料用米に係る機能のみを一つの施設に集約して、作業の効率化を図るために専用ラインを増設するといったようなときに、複数施設の機能集約を行う場合には支援対象としているところでございます。
 また、機能集約を行わずに単独の施設の機能向上を図る場合には、強い農業づくり交付金を活用することが可能でございます。その際、原則として、この強い農業づくり交付金におきましては総事業費が五千万円以上であることを要件としているわけでございますが、事業費が少額でありましても、費用対効果分析を実施し、都道府県知事が特に必要と認める場合には支援対象とすることが可能でございます。
 いずれにいたしましても、飼料米の生産拡大に必要な集出荷体制が円滑に構築されますよう、鳥取県を始めとする都道府県関係者とよく連携を密にしまして適切な情報提供や助言を行ってまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。
#15
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 知事特認で対応可能だということをお聞かせいただきました。ありがとうございます。是非、その特認の関係、そして前回から私も言っていますように、異次元の対策、飼料用米の生産を本気で増やすという取組が生きがいがあるということであれば、是非そういった、今支援措置の拡充といった点も留意して取り組んでいただければと思います。
 続きまして、ちょっと話題は変わりますが、外国人技能実習生の関係について私からも一つ質問したいと思います。
 先日、郡司委員からも説明があったところでございますが、外国人技能実習制度につきまして、今、昨年の十一月から、法務大臣の私的懇談会の分科会において制度の見直しについて検討中ということを伺っております。六月の成長戦略の改訂等に向けまして、技能実習期間の延長、そして再技能実習の認可等が議論されていると承知しておりますけれども、改めて、この外国人技能実習制度の本来の意義、目的について説明していただきたいと思います。
#16
○政府参考人(杵渕正巳君) お答えいたします。
 技能実習制度は、我が国で培われました技能、技術、知識の開発途上国への移転を図り、開発途上国の経済発展を担う人づくりに寄与するということを目的とするものでございます。
#17
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 意義、目的はそういったようなことで、農業分野につきましては、今、平成二十三年度の新規で約一万人ということで、出身国は中国からの実習生が大勢を占めているというところでございます。
 この農業の成長戦略では、輸出戦略が大きな柱、その一環として、日本型農業の経営ノウハウの普及も大変重要だと考えております。この技能実習生の方は、まさにこうしたノウハウを持ち帰っていただいて、それぞれの母国の食料供給そして食の安全、安心確保対策等に貢献していただきたいと私も願っているところでございます。
 そして、この制度につきましては、現場の農業生産法人などからは、やはり在留期間に制限があるため、技能を習得しても継続して雇用できない、出入国を繰り返し行うことができないので農繁期等の限定雇用など柔軟な活用ができない等々、いろんな意見があるところでございます。私の地元でも意見を聞いているところでございます。
 この点、技能実習生に限らず、外国人労働者の関係につきましては慎重な意見を持つ方も多くて、ただでさえ求人が少ないのに外国人を入れるなんてとんでもないと、なかなか現場を理解していない、各職場のことを理解していない、業務を理解していないというような、ともするとそういった意見とか、外国人は日本のことがよく分かっていないので、例えば、家の近くに住んでいる研修生、外国人労働者とかが届け物をしてきたときにお礼に野菜をお裾分けした際に、おばあちゃんが親切で、もううちの畑のものは何でも取っていっていいからと冗談交じりに言ったらしいですけれども、翌日、畑のものがごっそりなくなっていたとか、そういったような、外国人は何するか分からないといったような懸念をする声もあるところで、なかなか、その地域地域によって意見は様々あると思います。
 しかしながら、私にとりましては、外国人実習生、地域で責任持って受け入れる体制がきちんとできている、そして、農業生産法人、担い手農家さん等に、生産の拡大そして生産性の向上にも寄与する上で、この実習生の存在を必要としているというところには柔軟に対応してもいいんじゃないかと考えているところでございます。
 そこで、海外からの農業実習生の受入れにつきまして、六月の成長戦略の改訂に向けて現在見直しを検討中だと思いますが、農水省として、この制度の拡充に向けた課題をどう認識し、その課題解決に向けて今どのように取り組んでいくつもりなのか、お聞かせいただければと思います。
#18
○国務大臣(林芳正君) この技能実習制度の趣旨につきましては先ほど法務省から答弁があったとおりでありますが、現在、法務大臣の私的懇談会であります出入国管理政策懇談会の中の分科会におきまして、制度の見直しに向けた検討が行われているというふうに承知をしております。
 本制度ですが、やっぱり現場からは、今お話がちょっとありましたように、在留期間に制限があるのでせっかく技術や技能を身に付けても継続した雇用はできない、それから、出入国を繰り返して行うことはできませんので、農繁期等の期間限定の雇用といった柔軟な活用、これができない、それから、職種、作業項目、農家、法人ごとの受入れ人数等に制約があると、こういう雇用サイドからの指摘があります。一方で、国内外の人権団体等からの人権擁護の観点からの問題も指摘をされているところであると、こういうふうに承知をしております。
 農林水産省としても、実習生の人権に配慮しながら現場のニーズにも応えられるようにしていくことが望ましいと、こういうふうに考えておりますが、入国管理の根幹に関わる問題でありますので、法務省等関係府省と連携しながら検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#19
○舞立昇治君 ありがとうございました。入国管理上の問題とか様々な問題があると思いますが、是非、少しでも制度の改善につながるよう、そういった視点で検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、今日の本題でございます規制改革会議の関係について移りたいと思います。
 配付資料は、今日配っておりますけれども、先日、農業ワーキング、規制改革会議から農業改革の意見が出ました。これを見て本当に私は、地方から東京はよく見えるんですけれども、東京から地方は見えていないんだなというふうに感じた次第でございます。
 これが六月上旬にも政府に本答申を行って、六月中に政府の成長戦略とか活力創造プランに反映されていくというようなことで、今まさに農水省と規制改革会議の方で調整中だということでございますが、TPPと同様、地方の現場に非常に不安感、心配掛けているところでございまして、今回対応を誤れば、それこそ新農政はうまくいかなくなって、むしろ現状より悪い事態を招くんじゃないかと私は懸念しているところでございます。現場主義に基づく理解ある改革主義と私は思っておりますけれども、やはりこの規制改革会議での議論を見ていますと、非常に農業にはなじまない市場原理最優先主義の意見が多く見られるところで、そういったところはしっかりと問いただしていきたいと思います。
 とはいえ、今回のワーキングの意見、農業委員会の体制の強化、報酬の改善など、ごく一部、いいところも書かれているところでございます。でも、全体的には、現場の実態を丁寧に見ようとしないままに、制度いじり、組織いじりに走っている印象が強く見受けられます。やはり、地方の農業関係者にやる気とプライドを傷つけるような案に見えてしまうわけでございます。説明が下手ということでは済まされない問題だと思います。現場重視の自民党のこれまでの議論の積み重ねを無視したような意見もあるところでございまして、その辺、いろいろと問いただしていきたいと思います。
 まず初めに、農業委員会等の見直しでございますが、農業委員会制度はこれまでも改革してきたわけでございますが、まずはその改革の推移について説明をお願いするとともに、現行制度の評価を伺いたいと思います。これまで何を改革して、何が良くなり、何がまだ課題と考えられているんでしょうか。
#20
○政府参考人(奥原正明君) 農業委員会の関係でございます。
 農業委員会は、農業委員会等に関する法律に基づきまして設立をされております市町村の独立行政委員会でございます。原則として市町村ごとに一つ設置をされまして、農地法に基づく許可事務、それから農地のあっせん、農業及び農民に関する行政庁への建議等の事務を行っているところでございます。
 この制度につきましては、昭和二十六年の法律制定以降、逐次見直しを行ってきたところでございまして、平成十六年の改正におきましては、市町村の自主性を高めて地域の実情に応じた組織運営が可能となるように、農業委員会の必置面積基準の引上げですとか、選挙委員の下限数の撤廃を行ったところでございます。
 それから、平成二十一年の農地法の改正それから昨年の農地法の改正によりまして、従来からの農地法に基づく許可事務といった受け身の業務に加えまして、毎年一回行う地域の農地利用状況の調査、それから、その調査の結果、遊休農地であるということが分かった場合に、その農地の所有者等に対する利用の意向調査、それから農地の所有者の氏名あるいは農地を借りている方などを記載をした農地台帳をきちんと作成をしてインターネットで公表すると、こういった地域の農業振興に積極的に関与する能動的な業務を法令業務として追加をしたところでございます。
 このように、農業委員会の制度につきましては必要な見直しを行ってきたところでございますけれども、この農業委員会の活動状況を見ていますと、地域によってかなり区々になっております。よくやっていただいているところもございますし、なかなか評判がよろしくないところもございまして、農林水産省が平成二十四年に実施をしたアンケート調査によりますと、農業委員会の活動は総じて農業者の方から余り評価されているとは言い難い状況も見られるところでございます。
 アンケートでは、よく活動しているという回答が三割、それから活動しているけれども内容に不満があるが二割、それから活動が低調あるいは見えないという評価が五割となっておりまして、この評価ができない理由といたしましては、農地の集積などの農家への働きかけが非常に形式的であるということ、あるいは遊休農地等の是正措置をきちんと講じないといったことがアンケートでは指摘をされているところでございます。
 こういった点を含めまして、農業委員会が農業者、特に担い手の農業者から見てきちんと評価を受ける、地域の農業の発展を支える組織となるようにしていくことが非常に重要であるというふうに考えているところでございます。
#21
○委員長(野村哲郎君) 舞立昇治君、ちょっと待ってください。法務大臣官房の杵渕審議官に対する質問、まだありますか。
#22
○舞立昇治君 ないです。済みません。
#23
○委員長(野村哲郎君) なければ、杵渕審議官は退席していただいて結構です。
#24
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 農業委員会制度は、これまで累次、逐次見直してきたと、いまだにやはり問題はあるというようなことで、確かに地域によってばらつきがあるということはあると思います。私の地元ではそんなことはないわけでございますが。あと、やはりアンケートでの遊休農地対策がなかなか不十分じゃないかと。それは、やはり体制が不十分であったり、報酬が三万程度といったような問題とか、いろいろと問題があると思いまして、そういったところをしっかりと直していけばいいと思いまして、それだからといって一足飛びに選挙制度廃止だとか推薦制度廃止だとか、本当、全国団体、都道府県団体廃止するだとか、そういった議論ではないんだと思います。
 この点、今日もヒアリングの状況を資料二で配らせていただいておりますが、その辺の議事概要を見ていても、こういった選挙・選任方法の見直しですとか、都道府県会議、全国農業会議所の廃止、権利移動の届出制への移行、意見の公表、建議機能の法的位置付けからの除外など、専門委員の皆さんからは問題意識の表明とかあったようでございますが、ヒアリング先からはあの点について問題提起、要望、基本的になかったんじゃないかと思います。これは、本当にその現場をよく見もしない委員の方々の一方的な持論であって、本当、最初から結論ありきだったんじゃないかと思われるところでございます。
 そこで、また今、国家戦略特区の方では、新潟市だとかそして養父市だとか、いろいろと農業委員会の関係につきましても、許認可業務につきましては農業委員会から市町村に移すといったような要望の下でそういうことをやられるというような話を聞いておりますが、今回、この規制改革会議の意見にあるような内容につきましてはほとんどそういったような提案はないわけでございまして、このヒアリング団体、見ると、基本的に農水省とか農業関係団体とかは入っておりますけれども、そもそもこの農業委員会は地方団体に設置されている独立行政委員会でございまして、地方団体からのヒアリングが全くない、これは問題じゃないかと思います。
 さらに、今回、この意見に基づく見直しをすれば、地方団体からの責任や負担も増えていくということが予想されるわけでございますが、なぜこの地方団体からのヒアリングをしなかったのか、まずはそれを聞きたいと思います。
#25
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 提言におきます農業委員会の見直しに係る部分につきましては、農業委員会の独立行政委員会としての位置付けそのものを変えるという議論はございませんでして、当然、今の独立行政委員会を前提に委員の在り方でありますとか構成あるいは機能の見直しを提言したものであるために、地方公共団体からのヒアリングは行われなかったものと、そのように考えております。
 ただ、農業委員会には、提言の中で、その職務にふさわしい報酬を支払うこと、あるいは複数の市町村による事務の共同設置といった事務局体制の強化といったようなことも含まれておりますので、今後、政府におきまして、具体的に農業委員会の見直しを進めていく中で、当然、必要に応じまして市町村部局から御意見をお聞きしなければならないと、そのように考えております。
#26
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 位置付けそのものを変えるものではなかったからしなかったということでございますが、市町村の業務に少なからず多大な影響を与えるものでございまして、これは私はやるべきじゃなかったかと。今後調整していくということでございますが、その辺はよくよく市町村、地方団体の意見を聞いていただければと思います。
 今年は、三年に一度の農業委員会の統一選挙の年でございます。女性や認定農業者などの担い手を農業委員会に登用しようとする積極的な取組も広がっているところでございます。農業委員会の方が農家の代表として地域の農地の保護、有効利用のために一生懸命頑張っておられる姿を見てきた私といたしましては、是非、事務局の体制の強化や報酬の引上げは実現していただきたい。そして、なかなか遊休農地対策まで手が回っていない、大変だというようなことはその辺の問題にもつながっていくことと思いますので、その辺の体制の強化は是非やっていただきたいと思います。
 そして、市町村長による任命制の話が出ておりますけれども、これは国家戦略特区にも挙げられておりませんし、農振地域での農地の除外申請を首長が安易に認める可能性もあるところでございまして、むしろ公平性、独立性が担保されないおそれもあると考えております。慎重に考える必要があると思います。経営の専門家など有識者、そして第三者が入る意義はそれなりに私も認めるところでございまして、最もコアな選挙制度、これは本当にプライドに関わるもの、公平性に関わるものでございますので、統一選を控えている今、市町村の意見も聞いていない現状、そして、市町村の多くは反対だと思いますけれども、そういった現状では私は変えるべきではないというふうに考えております。
 また、組織の三段階のネットワーク、これは広域化する農地の権利移動や農地の相続問題への対応などなど、様々な業務を行っている都道府県組織、全国組織、これは非常に重要だと思いますので、農業委員会の自主性、主体性を強化する観点から、この一言でばっさりと切って捨てるような類いのものじゃございません。現場からの要請もない、薄っぺらの理屈しかないものに農水省さんが真面目に対応するとは思えませんが、あえて追及はしませんが、ゆめゆめ改悪しないようにお願いしたいと思います。
 そして、本当に現場の生の意見を農政の現場に伝えて反映する建議機能、これも、ワーキングの金丸座長は記者会見のとき、これは余計な仕事だからと。本当にこれは現場は怒っていますよ。理由も全く説明されていない状況の中で、これも是非配慮をお願いいたします。
 この農業委員会の見直しに当たりましては、是非、今回、中間管理機構ができて農地の流動化、集積を進めていくということを取り組んでいるわけでございますので、是非そうした観点で、県や市町村、この地方団体と現場を知っている農業委員会、そして農協とうまく連携、調整できる視点での見直しをお願いしたいと思います。
 次に移りたいと思います。
 次に、生産法人の関係でございますが、この関係につきましても、ワーキングにおいて専門委員の方だけの意見があって、ヒアリング先から今回いろいろと挙げられておりますような問題提起等はほとんどなかったんじゃないかと思います。これも結論ありきだったんじゃないかと思われるところでございます。
 これにつきましても、事業要件、役員要件、構成員要件の三要件の見直しの推移について説明をお願いしますとともに、現行制度の評価、何が良くなり、何がまだ課題と考えているのか、これについてもお聞かせください。
#27
○政府参考人(奥原正明君) 農業生産法人の関係でございます。
 農業生産法人は、農地を所有できる法人の要件を定めたものでございます。これにつきましては、企業による農地の所有をどう考えるかということでございまして、参入した企業が農業から撤退した場合に、その企業の所有する農地が耕作放棄地あるいは産廃置場になってしまうのではないかと、こういった農業、農村の現場の懸念がございます。そういう意味では、農業を継続的に真剣に取り組んでいくことが担保される農業生産法人要件を満たす方、これは事業要件、構成員要件、役員要件とございますが、これを満たす法人に限って農地の権利の取得を認めてきたと、こういう制度でございます。
 この制度は、昭和三十七年の農地法の改正によって設けられたものでございまして、この法人要件を満たさなければ農地を利用して農業を行うことができないというものでございました。その後、農業経営の法人化を推進するという観点から逐次改正が行われておりまして、平成五年の改正におきましては、この法人の事業の内容につきまして、農産物の販売、加工、これが追加をされております。それから、生産法人の構成員の要件といたしまして、加工販売業者等の取引先も追加をすると、こういうことになっております。
 それから、平成十二年の改正におきましては、事業要件を緩和いたしまして、農業以外の仕事も行えるということにするとともに、役員の農作業の従事要件、これを緩和いたしました。従来、役員の過半が農作業に従事ということになっておりましたが、四分の一超が農作業に従事をすればいいという形に緩和をしております。
 それから、平成二十一年の改正におきましては、農業者以外の構成員の一事業者当たりの議決権の制限、これまでは十分の一以下というのがございましたけれども、これを廃止するという改正をしているところでございます。
 さらに、昨年の臨時国会におきましては、国家戦略特区の関係でございますけれども、農業生産法人の六次産業化、これを図る観点から、役員の農作業の従事要件については更に緩和いたしまして、この特区におきましては農作業を従事する役員が一人いればいいという形になっているところでございます。
 このように、農業生産法人の制度につきましては、生産現場のニーズを踏まえまして、地域農業の発展を図る観点から逐次見直しを行ってきておるところでございます。この要件につきまして、法人の六次産業化あるいは農業の成長産業化に資するというものにつきましてはきちんと検討を行っていく必要があるものと考えておりますが、一方で、企業の農地所有に直結をする、産廃置場になるのではないかといった現場の懸念があるものにつきましては慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
#28
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 本当にまともな、まともなというか、すばらしい答弁だと思います。是非そのような方向で、今日はちょっと時間がかなり超過しそうなので、次の福岡政務官のは飛ばしたいと思いますけれども。
 本当に、この生産法人の関係につきましても、自民党の方でもすごく議論を積み重ねてきた問題でございまして、先ほども御指摘があったように、利益につながらなければすぐに撤退する、産廃の仮面をかぶっている企業が入ってくるかもしれないと、様々ないろんな問題点の下に、しっかりと所有から利用へという理念の下で、リースであればもう五十年誰でも参入できるといったような非常にもう抜本的な改革案、実行しているわけでございまして、そこは慎重に議論して、見直しを進めていただきたいと思います。
 次に、農協の関係について移りたいと思います。
 ちょっと時間の関係上飛ばしますけれども、中央会の廃止というものをうたわれているところでございまして、私としては、単協への指導、助言、単協間の調整、そして農業振興のための様々な調整業務等、非常に中央会頑張っておられると思いますけれども、なかなか一般の農家の方にはこの組織は分かりにくいというところも感じるところでございます。中央会の機能、役割、しっかりと認識していく必要があると思いますし、まずはその上で、今後、新農政の推進に当たりまして、林大臣、中央会に期待することは何か、お聞かせいただければと思います。
#29
○国務大臣(林芳正君) 農協は、もう言うまでもないことですが、農業者の協同組織であります。担い手農業者のニーズに的確に応えて、有利販売、農産物の有利販売ですね、それから資材の有利調達、こういうものを適切に行って農業者の所得を向上させて地域農業を発展させていくということが何よりも重要だと思っております。
 中央会については、昭和二十九年にこの農協中央会制度がスタートいたしましたが、その当時は一万を超える農協が存在をしていたということで、個々の農協の経営管理体制、弱かったところもありまして、これを指導する農協中央会の役割が大きかったわけですが、その後、皆さんの御努力もあって、合併等によって農協の経営基盤、財政内容が強化されて、農協の経営管理体制が整備をされたということ。それから、農産物販売の強化。これは地域性が非常に強いものですから、農協自ら地域の特性を生かして創意工夫をするということが必要であることなど、状況が変化をしてきております。
 したがって、農協が創意工夫によって農産物の販売等を適切に行っていく、この上で農協をサポートする中央会の役割、その在り方について真剣に検討していく必要があると、こういうふうに思っております。
 我々としては、今後、規制改革会議の意見、また産業競争力会議の課題別会合でも、安倍総理からは、農協の在り方について、地域の農協が主役となり、それぞれの独自性を発揮して農業の成長産業化に全力投入できるように抜本的に見直していきたいと、こういう御発言もいただいております。与党としっかりと協議をしながら、農業者、中でも担い手農業者から評価をされて、農業の成長産業化に資する改革案、これを早期に検討したいと思っております。
#30
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 重要性があるという考えとともに、やはり、昔と比べると非常に単協の数も減ってきて、それなりの見直しが必要だということもよく分かりました。しかしながら、単協が減ったということから、それをもって、全国一律、この中央会を廃止すればいいといったような類いのものではございませんので、是非、乱暴な議論にはならないように留意をお願いいたしたいと思います。
 この農協改革につきましても、これまでの改革の推移、信用事業、共済事業、経済事業ごとに説明をお願いしますとともに、現行制度の評価について伺いたいと思います。
#31
○政府参考人(奥原正明君) 農協改革でございますが、まず信用事業につきましては、平成八年、それから平成十三年の農協改革法によりまして、農協、信連それから農林中金が全体として一つの金融機関として機能するJAバンクシステム、これが構築をされております。これによりまして、健全性の確保が図られるとともに、銀行等と同レベルの規制を措置をしているところでございます。
 それから、共済事業につきましては、今度は平成十六年の農協改革法でございますが、それまでは通達あるいは行政指導を中心に監督をしておりましたけれども、これを法令レベルの規制にきちんと格上げをいたしました。ディスクロージャーですとか顧客への重要事項の説明などの契約者の保護の充実、それからソルベンシーマージン比率のような共済金等の支払能力の基準、こういった経営の健全性判断の基準を保険会社と全く同レベルの規制として措置をしたところでございます。
 一方で、経済事業につきましては、これは民間の事業者の方も特段規制を受けておりませんので、これと同様でございますので、数次にわたる農林水産省の農協改革の検討会等におきまして、販売力の強化ですとかあるいは資材コストの削減といった方向性を提起をして自己改革を促してきたということでございます。
 これまでの改革によりまして、信用事業、共済事業につきましては現在健全な運営を確保していく仕組みが機能しているというふうに考えておりますけれども、金融関係につきましては、国際的にも国内的にも規制が厳しくなる中で、今後とも金融情勢を的確に見極めて、農協金融の健全な運営を維持していくことが極めて重要であるというふうに認識をしております。
 一方で、経済事業につきましては、これまでも自己改革を促すようなことはいろいろやってまいりましたが、現時点でも、農産物の販売価格が低いですとか、生産資材の価格が高いですとか、農業者、特に担い手農業者の期待に十分応えていないという指摘が根強く出されております。
 そういう意味では、農業者の所得を向上させて農業を成長産業としていくためにも、農協が農産物の販売に最重点を置いて積極的に取り組むにはどうしたらいいか、それからそれぞれの農協が自分の創意工夫で経済事業を展開するにはどうしたらいいか、それから農協をサポートする連合会、中央会がどうあるべきか、こういったことを真剣に検討して確実に実行していく必要があるものと考えております。
#32
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 信用事業、共済事業、ほぼ他の金融機関と同様の制度になっているという話、そして経済事業、民間にも規制ないので自己改革を基本といったような話を伺いました。是非、これまでの累次にわたる検討会に基づく改革、この歴史、積み重ねというものをしっかりと踏まえた上で今回の改革に臨んでいただきたいと思います。
 そこで質問しますが、昨年の一月の三十一日の通常国会で、所信表明演説に対する質疑の中で、渡辺喜美議員が安倍総理に質問した農協改革の関係で、安倍総理は、「農協は、農家組合員の選択により事業範囲を決めており、多くの農協は、組合員が必要とするサービスを総合的に提供する観点から、経済事業、信用事業、共済事業を総合的に行っております。 このため、農協が自主的に事業範囲を決める現在の仕組みを見直す必要はないと考えておりますが、農協は、農業者の所得向上に向けて努力することが重要と考えております。」といった答弁をされております。
 これについての農水省と内閣府の感想をお聞きしたいと思います。
#33
○国務大臣(林芳正君) それでは、まず私からお答えいたしますが、総理が御答弁されたように、農協というのは農協法に定める事業というのがあって、その中から組合員の選択によって事業範囲を決めております。したがって、多くの農協は、組合員の利便性を考えて組合員が必要とするサービスを総合的に提供する観点から、経済事業、信用事業、共済事業、これを総合的に行っているというふうに認識しております。
 一方で、農業者の協同組織でありますから、先ほども申し上げましたように、担い手農業者のニーズに的確に応えて、農産物の販売等を適切に行って農業者の所得を向上させて地域農業を発展させていくということが非常に大事だと、こういうふうに思っております。したがって、農協が、まず、農産物販売等に最重点を置いて積極的に取り組むにはどうしたらよいか、それから自らの創意工夫で経済事業を展開するにはどうしたらよいか、そういうときに農協をサポートする連合会や中央会はどうしたらよいかということを検討する必要があると、こういうふうに思っております。
 先ほど申し上げましたように、総理からは課題別会合、産業競争力会議の会合の場でこの発言があったところでございます。したがって、与党とよく協議をしながら最終的な結論というものを得てまいりたいと、こういうふうに思っております。
#34
○大臣政務官(福岡資麿君) 今、大臣がお答えいただきましたとおり、農協が自主的に事業範囲を決め、農業者の所得向上に向けて努力することが重要であるということは総理答弁のとおりでございます。各農協が主役となって自主的に地域農業の発展に取り組めるという観点から農業改革を推進する必要があると考えております。
#35
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 福岡政務官の方からも、自主的に事業範囲を決め、総理の答弁を踏まえるというようなことでございました。ということからすると、規制改革会議で信用、共済事業を分離する、この意見は無視するというようなことが伺えましたので、次の質問は飛ばしたいと思います。
 それで、一応、その信用、共済事業の分離の関係は、総理答弁の方でしっかりとそれを踏まえて、今なお必要な改革は何かということを議論していただければいいと思いますけれども、今度は、全農の株式会社化の関係につきまして、これも三類型の事業と同様に、その法人の形態についても組合員の選択によるものと考えられます。ワーキングが提案している株式会社化、法的にどのような手続を想定しているのか、いまいちちょっとよく分からないので、説明していただければと思います。現行の農業協同組合法には株式会社への組織転換に関する条文はないと理解しますが、この点についてもお聞かせいただければと思います。
#36
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 全農の株式会社化に関する法的手続につきましては、株式会社化が政府の方針として決定されれば、その後に具体的に検討して定めていくものだと、そのように考えております。
#37
○政府参考人(奥原正明君) 農協法に組織変更の規定があるかどうかということでございますけれども、中小企業団体の組織に関する法律というものがございまして、この中では、事業協同組合等はその組織を変更し、株式会社となることができるといった規定が置かれておりますが、現在の農業協同組合法にはこういった農協連合会の組織変更に関する規定は置かれておりません。
#38
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 これにつきましては、今何かあるというわけではなくて、もしも本当に何かやろうとすれば法的措置が必要になるんじゃないかというようなお話だったと思います。仮に全農の株式会社化が法的拘束力をもって措置された場合、漁協や生活協同組合連合会など、他の協同組合にも影響が考えられると思いますけれども、その辺、内閣府、どう考えておられますか。
#39
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 今回の意見におきましては、全農以外の協同組合に関する提言はなされていないところでございます。ですから、この提案をどう受け止めて今後の協同組合の在り方をどうするかということにつきましては、まずもって各協同組合の所管省庁において判断されるべき問題だと考えております。
#40
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 最後、総括でございますけれども、やはりこの農協改革の関係につきましては、昨年の総理答弁、これを前提に是非慎重に進めていただきたいということ。そして、今、活力創造プランで所得倍増の計画を立てているところでございます。この農協改革、自己改革が基本でございます。その中でしっかりと、農協につきましても、全農は経済団体と連携して、所得倍増というか、輸出倍増のみならず輸出を十倍に増やすといったような大きな目標も掲げているところでございます。やはりその自己改革を主体に、是非その辺を後押しするということで進めていただきたいと思います。
 結局のところ、先ほどからも話がございましたが、やはり農家が担い手の方も含めて農協に期待するところは、販売力の強化のほか、販売やカントリーエレベーター使用などに対する手数料の引下げ、生産資材価格の引下げ、これが一番大きいと思います。今回の見直し案では組織いじりに焦点が当たり過ぎていて、組織をいじったからこれらの問題が解決するという問題ではございません。信用事業、共済事業、単協から引き揚げて、しっかりとそこで利益をこれまで手数料の引下げとか資材価格の引下げに用いていたものがなおさらできなくなるというようなことで、むしろ本当に農家のためにならない改革案が多く見受けられます。
 郵便局と同様に、地域のユニバーサルサービスの最後のとりででございますこの農協、本当に郵便局と同様、これは重要な存在でございますので、その組織がしっかりとやる気になるように見直し案を考えていただきたいと思います。本当に、日本の農業の将来にとって着実にプラスになる、混乱をできるだけ避けて着実に前に進むという観点で、この農業委員会にしても生産法人にしても農協の改革にしても慎重に進めていただきたいと、自民党の方に、そして公明党、与党の方にもしっかりと慎重に相談していただきたいということをお願いいたしまして、私からの質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#41
○中泉松司君 おはようございます。自由民主党の秋田県選挙区選出の中泉松司でございます。
 先週も法案の質疑に立たせていただきました。また再び貴重な機会をいただきまして大変有り難いなと思っておりますけれども、今回は、先週の質疑も踏まえて、そしてまた参考人質疑等々がありましたので、そういった中で皆さんからいただいた御意見を踏まえて自分の思いを述べてみたいなというふうに思って考えておりましたし、また確認すべき点について種々確認させていただこうと思ったんですが、先ほど舞立先生から気合の入った質問がありまして、私もお伺いをしたいところと大分重複する部分もあったかもしれませんが、そういった点も踏まえて御質問させていただければと思っております。
 初めに、最近ちょっと気になる点についてというところから質問させていただきたいと思っておりますが、一昨日の五月二十七日、秋田県でまた十例目となるPED、豚流行性下痢の発生が確認をされております。とどまるところを知らないものでして、これで秋田県では十例目、十農場で三千八百二十七頭で発症が確認をされ、二百四十四頭の死亡が確認をされております。全国的に見るともう二十万頭程度の子豚が死亡しているということだと思いますので、本当に甚大な被害が出ていると思います。
 そこで、初めに、改めて、今回の米国を中心とする発生というのが大きい発端の一つでもあったとは思うんですけれども、海外の状況も含めて、現在のこのPED、豚流行性下痢の発生状況についてお知らせをいただければと思います。
#42
○政府参考人(小林裕幸君) 豚流行性下痢、PEDでございますが、今回の流行につきましては、平成二十五年十月に沖縄県で初めて発生が確認され、五月二十八日時点で三十八道県、七百二十戸で発生が確認されております。また、発生頭数は七十四万頭、死亡頭数は約二十万頭という数字になっております。
 また、海外の状況でございますが、このPEDは昨年四月からアメリカでも発生しておりまして、五月十一日時点で三十州で発生が確認されており、陽性の件数は六千八百件というふうに承知しております。
#43
○中泉松司君 済みません、ちなみに、日本では七年ぶりの大規模な発生ということになろうかと思いますけれども、七年前の日本での、国内での発症数そして死亡数というのを、もし今ありましたらお知らせをいただきたいんですけれども、ありますでしょうか。
#44
○政府参考人(小林裕幸君) 七年前は実は大規模な発生ではございませんで、香川県で一件発生いたしまして、発生頭数は三頭という形になっております。
#45
○中泉松司君 済みません、以前大規模に発生したというのは七年前よりももっと前だったと思うんですが、以前、鹿児島等を中心に大規模に発生した際の数字というものがもしありましたら、大変申し訳ありません、事前に言っておけばよかったんですが、お答えをいただければ有り難いと思います。
#46
○政府参考人(小林裕幸君) 鹿児島等では、平成八年に四万頭死亡したというふうに承知しております。
#47
○中泉松司君 大規模な発生というのはしばらくぶりのことだと思うんですが、今回は二十万頭程度が死亡しているということで、本当に非常に甚大な被害が出ているということが言えるんだと思います。
 また、アメリカでは、昨年の四月から発生が確認されたということでありますけれども、調べたところ、アメリカの豚の総数で六千数百万頭いるはずなんですが、そのうちの七百万頭が死亡しているというような話もありまして、これはちょっと、いわゆる私もネット等で調べましたので正式な数字かどうかは分かりませんが、一割程度の豚が死んでいるというような数字も出ているようでありまして、本当にとてつもない被害が出ているんだなというのを改めて感じさせていただいております。
 これまでに感染経路に関しては様々な検証が進められたと思います。私も以前質問で取り上げさせていただいた際に、その感染経路の特定に関しても質問をさせていただきましたし、現在我が党でも部会等で議論がされていますけれども、いかにして感染が広まっているのかということがなかなか不明な中で、どのようにしてそれを防いでいくかということが非常に大きい課題であるというふうに認識をされているところでありまして、それらに関して、いわゆる海外産の飼料の原料に関する検証であったり、あと、昨年の沖縄で初めて発生したというふうに言われていますけれども、それ以前に関してウイルスの侵入があったのかなかったのか等について検証されているやに伺っておりますけれども、現在判明をしている検証の結果というものについてお知らせをいただければと思います。
#48
○政府参考人(小林裕幸君) 感染経路についてのお尋ねでございます。
 この感染経路、海外からどうやって入ってきたのかという問題と、国内でどう伝播したのかという、二つステージがあろうかと思います。
 まず最初に、海外から国内にどうやって入ってきたのかということでございますが、まず結論から申し上げますと、現時点では明確な究明には至っておりません。ただ、これまでいろいろと調査、検査をしておりますので、幾つか分かっている点もございます。
 例えば、輸入飼料でありますトウモロコシなど、こういったものにくっついて入ってきたのではないかという可能性はまずございますので、そこのところについて検証いたしました。その結果、製造工程で加熱処理がされておりますし、長期間掛けて我が国に輸送される、そういったことを勘案いたしますと、輸入の餌に付きましてそれが感染源になったとは考えにくいというふうに考えております。
 また、豚の血液を加工した血漿というものを餌にするということも行われておりまして、米国からそういったものも輸入しております。そういったものにつきましてもどうかということを検証いたしました。これも実は加熱処理をされておりますので、ウイルスが生きている可能性はまずほとんどないであろう。それから、さらに加えまして、今年の三月から四月にかけまして米国から輸入された豚血漿につきましては、実際に感染実験をやってみましたが、その場合でも豚は病気にはなっておりませんということは分かっております。
 それから、先ほど私も沖縄県が今回の流行の初発であるというふうに申し上げましたが、今先生御指摘のとおり、可能性として、もしかすると我々が気付いていないだけで以前に発生していた可能性はないのかという、そういったこともいろいろと私ども、疑いを持ちつつ検証しておりますが、この十月以前に全国で保管をされておりました豚のふん便のサンプルというのを全国から集めました。延べ二十五都府県から百一検体を集めましたが、いずれからもPEDウイルスは検出はされておりません。
 それから、国内の感染経路につきましては、これも全て一律に同じ感染のルートでは恐らくないと思います。感染した農場によって事情は違うと思いますけれども、発生農場からの豚の出荷とか、あるいは農場への関係者の出入り、こういったときに病原体が広がったという可能性が高いというふうに思っておりますが、個々のルートにつきまして全て解明できるという状況にはまだ至っておりません。
 引き続き、しっかり調査をして解明に努めていきたい、その際には専門家の意見もしっかり聞いていきたいというふうに考えております。
#49
○中泉松司君 御丁寧にありがとうございます。
 先ほど御答弁いただいたとおり、今回の事例を受けまして、アメリカ産の動物性加工たんぱくの遺伝子検査が行われた、また沖縄の初発以前にそういった事例がなかったかというものを保管していたふん便を調査して検査をされたという話であります。
 その中で、遺伝子検査の結果、血漿に関しては陽性が出たというような話もあったやに伺っておりますけれども、実際、先ほどお話がありましたとおり、豚を使ってした実験によると感染はしなかった、つまり、今回の輸入の飼料に関しては、実験したものに関してはそういった可能性が極めて低いということが確認をされた。これは、伺ったところによると、カナダ等でも同じような実験をされておるようでありまして、そちらの方でも同様の結果が出ているということでありますので、そういうことなんだろうというふうに思います。
 また、最初に確認された沖縄県以前のふん便を検査した結果もいずれも陰性という結果が出ておりまして、この結果、我が国に関して今回の大規模な流行に関しては沖縄が初発であったということが確認されたということが言えるんだろうと思います。
 以前、感染経路そして感染源に関して養豚業者の方々から伺ってみますと、消毒を徹底しているつもりでも入ってきているということは、我々が考えられないようなところから入ってきているとしかもう本当に思えない、そういった中ではやっぱり養豚が盛んな外国から入ってくる飼料であったり、飼料の箱であったり資材であったり、そういったものから感染しているんじゃないかというふうに疑わざるを得ないというような養豚業者の声も紹介をさせていただいたことがありますが、そういったことが考えづらいということが言えるんだというふうに思います。
 予断を許さずに検証するというふうに農水省の方でも言われておりまして、これからも感染源の特定、また感染経路の、いわゆるこんなに気を遣っている中でも広がっているというこの経路に関して調べていかなければいけないんだというふうに思いますが、今回の検証結果を踏まえて、今後、感染経路の調査、じゃ、どういった可能性が考えられるのかというのは本当に非常に皆さんも頭を悩ませているところだと思いますけれども、今後の感染経路の調査をどのようにして進めていかれるおつもりなのか、お考えを伺います。
#50
○政府参考人(小林裕幸君) 今先生御指摘いただきましたとおり、実は口蹄疫だとか鳥インフルエンザの場合もそうなんですが、感染経路を完全に究明するというのは実に難しい問題でございます。多くの場合は、考え得る可能性を全て並べ上げて、そのうち一つずつこれは可能性は低い、これは可能性は低いという形で消去法で消していきまして、あるとすればこれとこれの可能性が高いのではないかというのが感染経路の究明の現実のある姿でございます。
 これにつきまして、今回のPEDの場合におきましては、各県で農場のデータも取っていただいております。私どももデータ収集しております。それから、その農場の出入りにどういう事業者の方が入っておられるのか、どこに豚を出荷しているのか、そういったこともできるだけ今調べつつございます。まず、そういった全体の統計的な処理もございます。それから、個別の今お話ありましたような科学的な分析もございます。そういったものを複合して総合的に専門家の意見を聞いて、専門家に集まっていただいて御議論をしていただくということもやっていく必要があるというふうに考えております。
#51
○中泉松司君 秋田県でも、畜産が盛んな地域というのは、他県に比べると少ないとは思いますし、規模も小さいんですが、ございます。そういった中で、秋田県の例で恐縮なんですが、比較的業者が少ない分、発生をすると、公表の在り方というのはこの後ちょっとお話を、私も御意見をさせていただければと思っているんですが、特定をされるような公表のされ方をしなくても、比較的業者、農家が少ない分、特定ができる、業者間ではあそこで発生したよということが実際のところ分かるというところが我が県の実情だというふうに伺っておりまして、そういった中で、あそこで発生したということはどういう対策を取るべきなのかという話を農場間でした上で、一生懸命今まで以上に、そして考えられ得る消毒の体制を整えて絶対に入れないんだという思いを持ってやっていたけれども、いつの間にか入っていた、そして自分の農場も感染して発生してしまったというようなお話も実際に伺いました。
 それはお話でありますし、私も実際にその農場の中に入れていただいてどういう状況だったのかということを見たわけでもありませんし、極端な言い方をすれば、見たところで、私は専門家ではありませんので、それが正しいのかどうかというところまでの判断はできないのでありますけれども、いずれにせよ、最善の努力をした上でも感染をさせてしまった、そういった状況がまた発生すると、ほかの農場の方々も、じゃ、うちはどうしたらいいんだろうというふうな不安な気持ちというものをお持ちになるのは、これ当然なことなんだろうというふうに思います。
 なかなか感染源の特定も難しいと思いますし、感染経路の特定というものも非常に難しい、様々各県でも取組をされているというふうなことも伺っておりますが、そんな中で、何としてもいわゆる養豚に関わる方々が安心してこれからも経営を続けられるように、できるだけ早期に原因の究明というものを図っていかなければいけないんだと思っております。
 また、これは今年だけ、今シーズンだけの問題ということで終わるのであれば、これは特にそこまで目くじらを立てる必要はないのかもしれませんが、今後どうなるのかというのは決して我々には予想が付かないところでありますし、アメリカでも実際大流行をして収まるのかどうかということもありますけれども、非常に予断を許さない状況が続いているんだと思います。そういった意味では、原因究明、一日も早い究明は絶対に必要なことであると思いますし、農家は非常に不安な思いを持ち続けておりますので、何とぞ善処、御努力をいただきますようにお願いを申し上げる次第です。
 そして、今回発生したPEDの状況を受け、自民党内、我が党内でも今後の対策に向け政府に提言をすべく、党内の意見集約を図るために今盛んに議論がなされているところであります。
 私も参画をさせていただいておりますけれども、今まで議論を拝見していますと、例えば、現在政府が行っている消毒の費用を交付税支援できないか、獣医師の診断を仰ぐべきケースをもっとはっきり明確化した方がいいのではないか、そうしないと、自分たちが発生してしまったというふうに知られるのが怖くてですとかそういったことも考えられるので、しっかりそういった基準を明確にすべきではないか、また、ワクチンの不足時に備えてあらかじめある程度必要な量は常に確保しておくべきなのではないか等々といった点に関して意見が交わされておりまして、必要な行政支援に関して非常に有意義な議論が交わされているなというふうに敬意を持って拝見をしているところであります。
 その中で、特に発生農場の公表ということに関しては意見が分かれているところでありまして、ちなみに、この点に関して私の個人的な思いというものを述べさせていただければ、先ほど申し上げたとおり、私のような地域といいますか、畜産が盛んでない地域では、そういった公表をする必要がないような地域もあるのかもしれませんし、実際にあうんの呼吸で対応ができるというところもあるのかもしれませんが、非常に密集している地域であったり、又は県境であったり、今、県境部分であれば、どこそこ県の県南地域で発生といったときに、それがどのくらい隣の県に近いのかということまではよく分からない、そういったこともあります。そういったところがまた蔓延の原因になってしまっては非常に困ると思いますので、これはしっかりと生産団体、養豚協会等々になるのかもしれませんが、そういったところと話合いをした上で是非公表をするというような手続を進めるべきだと私は個人的に思っております。
 そういった私の意見はともかくとしまして、今盛んに議論がなされているところであります。もう間もなく取りまとめがされるのかと思いますけれども、私の意見は意見として、党内では今盛んな議論がされており、重要な点を取りまとめられてくるのだと思います。その際には、これをしっかりと政府の方で受け止めていただいて、今後の施策に反映させるべきだと考えておりますけれども、御見解をお伺いできればと思います。
#52
○副大臣(吉川貴盛君) 中泉委員から御指摘をいただきましたように、自民党の畜酪小委の中で鋭意検討をされて、ただいま御発言をいただきましたような論点整理をされましたことは承知をいたしております。
 これらはいずれも本病の発生予防及び蔓延防止のために極めて重要な問題と私どもは認識をいたしておりますので、自民党としての対策が取りまとめられると同時に、農林水産省といたしましても、速やかに必要な対策を講じることによりまして本病対策に万全を期するように取り組んでまいりますことを申し上げたいと思います。
#53
○中泉松司君 前向きな御答弁をいただきましてありがとうございます。
 このPEDに関しては、冒頭申し上げましたとおり、今まででは考えられないような大きい被害となっております。鳥インフルエンザでもそうでありますし、様々なこういう畜産関係の病気というものは、日々いわゆる進化との闘いといいますか、完全なる防護策というものはないものだと思いますので、そういった中にあって、しっかりそれぞれの農家の皆さんが経営を続けられるような対策というものが求められているのだと思います。
 これだけの被害が出て、これ今後収まってくれればいいのでありますけれども、しっかりと経緯を注視していただいた上でやっぱり必要な対策というものは取っていくべきだと思っておりますので、そういった点も踏まえて、今後、是非とも注視した上で対策を取っていただけますようにお願いを申し上げて、この項を終わらせていただきます。
 次に、先週の質問でも若干取り上げさせていただきましたけれども、規制改革会議の農業ワーキンググループの意見に関してお伺いをいたします。
 先ほど、舞立委員の方から非常に有意義な御質問があったと思いますし、確認すべきところは確認していただいたと思いますので、重複する点はあるかもしれませんが、私の思いみたいなものを述べさせていただければと思っておりますので、御理解をいただければと思います。
 今回の意見では、農協、農業生産法人、農業委員会といった点について述べられているのは、これは皆さん御承知のとおりであります。先日の質疑では内閣府の方からお越しをいただいて様々確認をさせていただきましたが、今日は農水省の皆さんに御所見、御見解を伺った上でお話ができればと思っております。
 初めに、農協の中央会制度についてお伺いをいたします。
 改めて、今回のワーキンググループの意見の中にある農協中央会制度の廃止について、農水省としての御見解、評価を伺えればと思います。
#54
○国務大臣(林芳正君) この中央会、先ほども申し上げましたように、農業協同組合法に基づきまして、農協それから農協連合会の健全な発達を図る、これを目的として農協の経営指導等の事業を行っております。
 昭和二十九年の発足当時、農協は一万を超えていたわけでございますが、経営が著しく悪化するところもあって経営指導を行う中央会の役割が大きかったわけですが、合併等によって経営基盤、財務内容が強化されて経営管理体制が整備された、それから、地域の特性を生かして農協自ら創意工夫をして販売を強化していくというような状況の変化もありまして、この状況の変化に合わせて農協をサポートする中央会の在り方についても真剣に検討していく必要があると、こういうふうに考えております。
 今、規制改革会議においては、委員が御指摘があったように、中央会制度の廃止、これが提言されていることは承知をしておりますけれども、具体的にどうするか、これについては、今後、まさに与党とも協議しながら、農業者、中でも担い手の農業者に評価をされる案というものをしっかりと作ってまいりたいと思っております。
#55
○中泉松司君 御評価をいただいているというふうに感じました。
 様々役割があると思いますし、特にこれから全国的に農政改革を進めていく中で中央会の果たす役割というものは大きいんだと私は思っております。各地域間の調整もそうでありますし、様々役割はあると思いますが、農協法ではこの中央会の役割というものについて第七十三条の中で記しているんだと思いますが、中央会の目標を達成するために掲げる事業として、組織、事業及び経営の指導、組合の監査、組合に関する教育及び情報の提供、挙げればもうちょっとあるんですが、といった事業が挙げられております。これは、なくなればどうなるのかということを考えなければいけないと思っております。
 お話を伺うと、監査であったり指導であったり、そういったところというのは、一言で言うと嫌な役割という、嫌な役どころというものをやられているんだというふうに思います。目の上のたんこぶみたいなふうに取る人もいるのかもしれません。そういった意味で、一般の農協の組合員の人たちにはその存在というものが余り認識をされないというのも事実だと思います。
 ただ、指導であったり監査であったり、そういった役割というのは、嫌なことだけれども、誰かが担って組織を良くするためにやっていかなければいけないことであるんだというふうに思います。そして、その中で、その役割というものがしっかり担保されているから、嫌なことでも聞かなければいけない、経営を良くするためにこういうふうにしていかなければいけない、そういった話になるのでありまして、これが仮に中央会制度というものが廃止をされてシンクタンク的なものになって、まあシンクタンクというのがどういうものを意味するのかよく分かりませんが、仮に研究所みたいなものになって、指導や監査する、そういった強制力、実効力を持たずに提言をする、こういうふうにするべきですよと言ったところで、それが実際にどのような実効性を持つものなのかというところがちょっと私にはよく分からないところがございます。
 そこで、仮にこの中央会制度が廃止された場合、こういった役割というのは担保されることになるのか、そこら辺の考え方についてお伺いをできればと思っております。
#56
○政府参考人(奥原正明君) この中央会の在り方でございますが、先ほど大臣からもございましたけれども、農協をサポートする中央会の今後の役割あるいはその在り方、これにつきましては与党と御相談をしながら現在検討を進めているところでございます。
 したがって、廃止をするという結論を我々は持っているわけでもございませんので、現時点でこの廃止を前提とする御質問にお答えするのは適切ではないと考えております。
#57
○中泉松司君 お答え的にはそういうふうになるのだと思います。けれども、ここでお答えをいただけるとも思っておりませんが、ただ、申し上げたとおり、しっかりとした役割というものがあって、そしてそれを担保するルールというものがあって、その上で機能してきて組織の強化等々が図ってこられたという、そういう経緯があるんだと思います。
 そういった背景を無視して、外から見た感じで、これを廃止すれば良くなるのではないのかという短絡的な議論、皆さんにこれを言ってもしようがないんですが、そういうふうな話がされているというのも私の受け止め方としては感じさせていただいておりますので、そういったところは是非、先ほどの舞立委員からも指摘も様々ありましたし、今我が党内でも議論をしております。そういった意見、議論というものの結果というものをしっかりと受け止めていただいて、是非、鋭意前向きな御判断をいただければというふうに思っておりますし、御評価をいただければと思っております。
 次に、農業会議所に関して伺いたいと思います。
 農業会議所自体の廃止や委員の公選制の廃止について等、これに関してもワーキンググループから意見が出されております。
 農業会議所に関する意見全体に関する、改めて御見解といいますか、御所見をお伺いできればと思います。
#58
○国務大臣(林芳正君) 全国農業会議所でありますが、農業委員会等に関する法律に基づいて全国に一つに限り設立をされ、農業委員への講習等を行っている都道府県農業会議をサポートする役割を担っております。同法の五十九条であります。このほか、法律上の業務としては明記をされておりませんが、実態としては、法人化の支援、それから新規就農や企業の農業参入の相談窓口業務を行うなど、担い手の育成や確保に向けて積極的にお取組をしていただいていると、こういうふうに思っております。
 全国農業会議所は民間団体でありまして、市町村の独立行政委員会である農業委員会とはそもそもの性格が異なると、こういうことでありますが、農業委員会の在り方の見直しと併せて、全国農業会議所の在り方についても真剣に検討していく必要があると考えております。具体的な内容はまさに与党と協議しながら詰めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#59
○中泉松司君 ありがとうございます。
 それで、農業委員会の制度について感じるところをちょっとお話しさせていただければと思っております。
 最近、農業委員会の制度に関して、公選制の廃止だとかいう話を、地域に帰っていろいろお話も伺いますと、非常に地域の方々からは、私の地域では否定的な意見をいただきます。これは是非堅持すべきだというふうなお声もいただいております。これは農業委員の皆さんだけではなくて、農業に関わる皆さんからそういった声をいただいているというのは、私の地域に関してはそうであります。
 先ほどの質疑の中で、やっぱりなかなか機能しない地域もあるよというようなお話もありました。確かにそれはそうなんだろうというふうに思いますし、そこは改善をしなければいけないんだと思います。だからといって、それすなわち農業委員会の委員の制度を思い切り変えればいいんだ、公選制を廃止して指名制にすればいいんだといったことではないんだというふうに私は思います。
 そういった話をすると、よく、大体九割の地域で無投票になっているので、だから機能していないんだよみたいな話をされる方がいらっしゃいます。実際、九割無投票と言われればそうなのかもしれませんけれども、その内容に関して見てみると、果たして、じゃ、それはやる気がないからですとか、そういったところで無投票になっているかといえば、決して私はそういうことではないんだというふうに思います。
 例えば、一期目の市長で無投票で当選する人なんというのはなかなかいないと思いますけれども、二期目の市長で、その市長の方が皆さんから信任をされて、成果が認められて、対立候補も立たず信任をされて無投票で当選されるなんということはよくある話でありますし、それが、じゃ、無投票だったからその人は駄目なのかといったら、決してそういうことはないと思います。そんなことを言ったら失礼な話になると思いますし。また、何といいますか、実際、地域の田畑を守るためにみんなが知恵を出し合って、無投票にならないように、いい人を選ぶべく様々な努力をした上で無投票になっているという例もあるんだと思います。
 また、例えば、まあどの地域というふうに言うとまたあれなんですけれども、過去の経緯を見てみると、例えば農業委員会の委員の選挙で選挙違反であったり何であったりという、金が飛んだりみたいな話は、まあ大昔にあったような話であるんでしょうけれども、そういったところがあって、そしてまた、その選挙というもので非常に大きい争いをして決めたということがまた今度その地域のあつれきを生んでしまうというような、そういったこともあったんだろうかなというふうに思っておりまして、そういった過ちといいますか、そういったことを繰り返さないためにも、地域の中で様々知恵を絞って出された結果というものがそういうふうな結果に結び付いているという面もあるのではないかなと私は思っております。そういった背景を無視して議論をしていくというのは、決して私はしてはいけないんではないかなというふうに思っております。
 これを例えば公選ではなくして、意見では首長による指名制というような話、指名といいますか選任というか、そういう話になっているんでありましょうけれども、それをうのみにしてそれをやった場合にどうなるのかということを考えると、先ほど舞立委員の方からもちょっとありましたけれども、例えば農振の除外一つ取っても、現実の政治の中では首長さんに対して企業であったり様々な方が農振のお話をしてお願いするということになるんでしょうけれども、その場合に、公選された農業委員の皆さんが判断するんですよということで、安易な除外というものを防ぐことができたりですとか、そういった恣意的な思いが働かないということにつながっているんだというふうに思いますし、そこが公平だよという話になるんだというふうに思います。ですけれども、これが首長さん、例えば市長さんが指名をした方が農業委員としてやるんですよということになると、あなたが指名した人なんだからそれはできるだろうというような話にもつながるのではないかなというふうに危惧をしております。
 また、そもそも選任をするということであれば、選挙の際に、私を応援してくれたらあなたを農業委員にしますよなんという話はないんだろうと思いますけれども、そういったことが実際に起こる起こらないは、どうかは別にして、実際に私はそういうことは現実的に考えなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 そうすると逆に、選ばれるべき人というのは選挙をして本来は選ぶべきなんでしょうけれども、先ほど言ったような経緯があって、選ばれるべき人ではなくて、地域の信頼を得られるような人ではなくて、そういった選挙に振り回されるような人が選ばれることになっては、逆に、地域のいわゆる農地、田畑をいかにして守り、いかにして活用していくかという役割を担うということが、人間の社会ですから、なかなかうまくいかないということが起こり得るんだろうというふうに私は思っております。
 一昨日、林大臣も、農業委員の皆様も多くいらっしゃった、農業委員会会長が一堂に会した全国大会に御出席をいただきました。私もその日、秋田県から来た多くの委員の皆様や関係者の皆さんと意見交換をさせていただいて様々思いを伺うことができました。出席をされた林大臣はこういった懸念に対する全国の委員の皆さん、全国の関係者の皆さんの思いを感じられたことだというふうに思っております。農業会議所も、これ農協もでありますけれども、様々自己改革案も示しておりまして、特に農業委員会の農業委員の公選制の堅持に関しては、これは絶対に守りたいという強い要望があるというふうに感じております。
 全国大会の空気を林大臣は肌で感じられたと思っておりますので、そういった上での林大臣の御所見を伺えればと思っております。
#60
○国務大臣(林芳正君) この二十七日に日比谷公会堂で全国農業委員会会長大会、盛大に開催されまして、私もお招きをいただいて、お集まりいただいた全国の農業委員会の会長の皆様に、日頃から農政、中でも農地制度の円滑な運用に多大な御尽力をいただいていることに感謝を申し上げ、また二田会長から熱のこもった御挨拶もいただいたところでございまして、この空気というものをしっかりと感じさせていただいたところでございます。
 農業委員会は、昭和二十六年に、農地解放によって農地の売渡しを行った農地委員会、それから農業者から食料の供出を行った農業調整委員会、それから農業者への技術指導を行った農業改良委員会、この三つの委員会を統合して設立された組織でありまして、農業全般にわたる問題は農業者が自主的に解決していくために地方自治体の組織として設置をしたと、こういう歴史的な経緯がございます。
 農地改革が二十一年から二十五年でございまして、その直後であったということで、ほとんどどの農家の方も〇・八ヘクタールというような同じ経営規模の農業者であったということ、それから、今申し上げた農地委員会と農業調整委員会、三つのうちの二つですが、これが選挙制を取っていたということで、農業委員の選出に当たって選挙制を採用したところであります。
 歴史のことを少し申し上げますと、その後、実は昭和三十一年には内閣提出法案としてこの選挙制を首長の任命制とする法案、これ第二十四回国会に出されておりますが、当時の社会党の反対によってこの法律は成立しなかったと、こういう歴史もあるところでございます。
 農地に関する市町村の独立行政委員会ということで農業委員会はありますので、担い手への農地利用の集積、集約化、それから新規参入の促進、耕作放棄地の発生防止、解消、これが積極的に進められていくことが何よりも重要である、こういうふうに思っておりまして、農業委員の選出の在り方についてもこういう観点から考えていく必要がある、こういうふうに考えておりますが、具体的な内容についてはまさに与党としっかりと協議をして検討していきたいと、こういうふうに思っております。
#61
○中泉松司君 ありがとうございます。
 今回、規制改革会議農業ワーキンググループで示された検討項目というものがありまして、今日の質問で取り上げたのは、そのうちの農協の在り方、農地の利活用・保全における農業委員会の在り方、そして農業委員会の機能と組織、農業者・消費者に貢献する農業協同組合の在り方といったところに当たるんだというふうに思います。
 これらに対する改革、改善の必要性というものは、これはそれぞれの団体も、そしてまた行政も、そしてまた我々政治家も多くの方が感じているところでありまして、そんな中で、問題意識を持って、農協そして農業委員会の制度についても様々自己改革案みたいなものが出されており、そんな中で、与党内でも今後の在り方に関して盛んに議論がされているところであります。
 農協の関係者というか農協の皆さん、そしてまた農業会議所の皆さんとこの間お話をさせていただいていろいろ御指導をいただいたんですが、お話を伺っていて、笑えない笑い話だなと思ったのは、農協の人たちが、我々、中央会制度が廃止されれば大変だ、たまったものじゃないというふうな話をされたら、農業会議所の方が、いや、あなたのところは廃止して何とでも残るんだからいいよと、うちはもうなくなると言われているんだからねと、じゃ、我々、なくなってどうやって飯食わせていけばいいんだというような話にまでなっておりまして、非常に何か後ろ向きな議論だなというふうに思っております。
 今回のその意見というものは、これは課題解決のための議論の提起、議論をするための、議論を喚起するための刺激剤としては非常に大きい意味があるんだというふうに思っておりますけれども、その意見というのがそのままストレートに課題解決につながるものなのかといえば、甚だ疑問に感じております。
 そういったところをお酌み取りをいただきまして、現在、我が党でも近々改革案を示すというような話もありますけれども、我が党でも今議論を盛んにされておりますので、その結論、そしてまた本委員会での様々な意見が出ておりますが、そういった点を踏まえて今後の方向性を示していきたいし、示していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 最後に、先週の委員会において参考人質疑が行われましたけれども、そのときに感じた点についてちょっとお話をさせていただければと思っております。
 先週は、東京大学の大学院農学生命科学研究科准教授の安藤光義さん、また株式会社勝部農産代表取締役勝部喜政さん、北海道農民連盟書記長の山居忠彰さん、愛媛大学客員教授の村田武さんの四名にお越しをいただいております。それぞれに対する質疑は、今回の法案並びに今後の農政を考える上で非常に貴重なやり取りであったというふうに感じております。
 そのやり取りの中で、ちょっといろいろ考えさせられたなというふうに私が思ったのは、人口減少といわゆる農地の集積、集約化との関係についてであります。基本的には、集積、集約化を図ると、その一方で、地方に本来残るべき担い手が、担い手になる可能性を持った方が残れなくなる、そしてまた戻ってこれなくなる、そういったことが更に人口減少に拍車を掛けていくのではないかというような問題意識の表れ、そういう意味での課題提起だったというふうに感じておりますし、その視点は非常に重要な点なんだというふうに思います。
 ただ、私は、人口減少の問題というのと、今後行われるべき農地の集積、集約化、効率化というものは、これは分けて考えなければいけないのではないかなと個人的に考えております。集積が進んだから帰れないのか、帰らないから集積を進めるしかないのか。じゃ、集積をさせなければ出ていかないのか、若しくは集積させなければ帰ってくるのか。そういった考えというのは様々あるというふうに思いますし、これは、実際やってみるとどうなるかというのはパラレルワールドな世界でありますので何とも言えることではないと思うんですが、それぞれの地域の状況、また家庭の環境、教育の環境であったり農業に対する意識の持たせ方であったり、そういったところが関わってくる話なんだと思います。
 ですけれども、そんな中で、やっぱり農政が人口減少に更に拍車を掛けているんだというような考え方ではなくて、私は、社会全体の問題として人口減少が進んでいく、そういう問題がある中で、どのようにして地域の農業を維持していくために担い手を確保して現実と向かい合っていくのかということをやはり優先して考えなければいけないんではないかなと思っております。
 勝部農産の勝部さん、その人口減少についてどう考えるかという際に、自分も非常に複雑な思いがあるというような旨のお話をされておりました。地域でやれない人が出てくる、やれない人が出てくると任してくれというふうに全部引き受けるんだよという一方で、それが結果的に人口減少につながっているんだなという思いを持たないわけではないというような、そういった旨のお答えをいただいたんだと思いますけれども、非常に複雑な気持ちがあるんだなということを感じさせていただきました。
 ただ、それが突き進んでいって変な方向に行きますと、いわゆる担い手のプライドもなくなってしまうというか、しっかりと地域に誇りを持って、我々が地域を担っていくんだというふうな思いを持っている皆さんに対して、私たちが、私がやっていることがその地域の人口減少に拍車を掛けているんだというふうな意識を持たれてしまうと、それこそ、その方々ももたなくなってくる、そういうことにつながりかねないなというふうに非常に考えさせられました。
 そういった中にあって、現実に向き合っていく中では、特に勝部さんの例の場合は、法人化をして実際に雇用をして家族二人プラスの五人で七人というふうな御説明をいただいたと思っておりますけれども、そういった中にあって、人を雇って、これからどういうふうにして地域を守っていくんだという話をされておりました。
 法人化をして雇う、株式会社が参入するのではなくて、地域の農業を熟知している人間がそれを引き受けてやっていく、そんな中にあって、その雇われている若い子たち、写真を見たら、すごく若くて生きのいい感じの子だったんでありますけれども、そういった若い子たちがまた農業のノウハウというものを身に付けていく。
 実際、農業の担い手としてノウハウを身に付けるという意味では、私も地域に戻れば担い手の可能性を持つ者の一人なんでありますけれども、それが一朝一夕でやれるものではありませんし、また、特に水稲や大豆なんというのは、雪が降る地域であれば一年に一回しかその知識を身に付ける、経験をしていくというチャンスはワンクールしかないわけでありますので、それが簡単に担い手になれるものだというふうには全然思っておりません。
 そういった中で、やっぱり出ていった人が帰ってきて、じゃ、それですぐに担い手になり得るかというと、なかなか難しい現状の中で、どのように現実と折り合いを付けていくか。そういった中にあっては、法人化された営農組織の中で若い人間がノウハウを身に付けていく、そしてまた、そのノウハウを身に付けた人間が自分の地元に帰るであったり、その法人を継ぐであったり、別の地域に行って独立するであったり、そういったことをしていって、ノウハウを持っている人間が農業、農政のバトンを渡していくということが必要なのではないかなというふうに私は感じております。
 そこで、参考人質疑の話をここでしても、皆さんいらっしゃらなかったので何ともならないんですけれども、そういった考え方を持った上で、人口減少と農業がどのように向き合っていくのかということは非常に大きなテーマであるというふうに参考人質疑で感じさせていただきました。人口減少と農業、農政の在り方の関係性についての大臣の御認識、御所見と、今後どのようにして人口減少社会に向き合った農業を構築していくべきなのか、是非、大臣から御指導をいただければと思っております。
#62
○国務大臣(林芳正君) 大変深い、また的確な問題意識を設定していただいたと、こういうふうに思っております。
 農村地域は、都市に先駆けて高齢化、人口減少が進行しておりまして、集落機能の低下などといった厳しい問題に直面をしているわけでございます。今の勝部さんのお話は非常に具体的で分かりやすかったなと、こういうふうに思いますが、私も地元でそういう方とお話をしておりまして、同じような会話をしたことがございますが、そういう時には努めて、もしあなたがいなかったらどうなっていたかということを考えてみて、あなたの果たしている役割をしっかりと認識をしてもらったらいいんではないかと、こういうことをよく申し上げております。
 日本全体で人口が減っていると、残念なことでありますがそれが現実でありますので、その現実の中でどこまでいろんなことをやるかと、これが大変大事なことであると、こういうふうに思っておりまして、そういった意味では、これは民主党政権に始めていただいて、人と農地プランというのがありますけれども、これを地域地域でやっていくことによって、その地域でこういう例があるからほかの地域でもそれがうまくいくかといえば様々であろうかと、こういうふうに思いますので、我々としては、いろんな方がいろんな形で知恵や工夫を出していただくということをサポートしていただけるようなメニューというのをきちっとそろえて、それを組み合わせて使っていただきたいと、こういうことが基本であろうと、こういうふうに思っておりまして、結果として、食料の安定供給とか多面的機能の維持の発揮というものがなされるように担い手の確保と集落の維持を図っていく、これが大事であろうと、こういうふうに思っております。
 したがって、車の両輪とよく言っておりますが、多面的機能というものは集落の共同活動に対してお支払いをするという形で地域政策としてやっていくわけですが、一方で、担い手が集積をしていくに当たって周りの人のものを引き受けるんですけれども、そこに付随する共同活動、草刈りですとか泥上げというものは引き続きその集落でやっていただけると。したがって、担い手に耕作自体は集中しても共同活動は皆さんでやっていけるということに対して別々に車の両輪が効いていくと、こういう仕組みにいたしたわけでございまして、そういうことをうまくそれぞれの地域で活用していただくということと、それから、農地中間管理機構でも、まずそこにいらっしゃる方が担い手になってもらうというのが一番でございますが、そういう方が見付からない場合は、近くの地域若しくはもう少し遠くからでも担い手、法人等に入ってきていただく、こういうことを通じてやっていこうと、こういうことにしておるわけでございまして、こういった多面的機能支払に併せて、さらに六次産業化に取り組む環境を整備する、こういうことによってしっかりと持続的な農業、農村の発展ということを推進してまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
#63
○中泉松司君 非常に貴重な御指導、ありがとうございました。
 時間ですので終わります。もう一問用意していたんですが、決意について伺おうかと思ったんですが、今、その決意の一端をお述べいただいたと思いますので、これで終わりたいと思いますが、その担い手たる人間がしっかりとプライドを持って、後ろ向きな思いを持たないで、せっかく責任を持ってやっていただいているわけですから、その後ろ向きな思いを持たずにやっていただけるように是非していただきたいというふうに思っております。
 非常にこれ難しい話だと思いまして、私も今回質問を出す際に、ちょっと今回慌ただしかったものですから、ばっと手書きで書いて質問の要旨をそちらに出して、自分で後で昨日の夜中から朝方にかけて改めてパソコンで打ってみたら、何のことかよう分からぬなと自分で見ても思いました。そんな文章を皆さんにお渡しし、また大変申し訳なかったんですが、そういう意味では、これからも共にいろいろ御指導をいただきながらいい方向を見出していただければと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#64
○委員長(野村哲郎君) 午後零時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
     ─────・─────
   午後零時四十分開会
#65
○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案及び農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#66
○野田国義君 民主党の野田国義であります。参議院の農水委員会では初めての質問でございますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思っております。
 私自身も福岡の県南の農家、専業農家でございますけれども、長男に生まれまして育ちました。そして、市長を四期やらせていただきました。その中で、経験も踏まえて、今回の改革二法中心に話をさせていただきたいと思うところでございます。
 先ほど自民党の議員さんの方からも人口減少の話があっておりましたけれども、これは非常にこれからの日本の進むべき道あるいは地方、町づくり、人づくりにとっても大切なことではないかな、ある意味じゃ産業面、この農業も含めて、そういう意味からしても非常に重要なことではなかろうかなと思って、私もこの人口の問題、しっかり捉えていかなくちゃいけないなと以前から、本当に二十一、二年前でしょうか、市長になったときから、やっぱりこれからは人口が減るんだと、そこを見据えてどういう町づくりをやっていかなくちゃいけないのかということを考えてやらせていただいてきたつもりです。そういう意味からすると、ちょっと私は、今の政権、そういう地域のことを含めて人口減対策という政策的なものが欠けているんではなかろうかなと、私はそのように思っております。
 もう御案内のとおり、東京の一極集中が更に更にこれは進んでいくということは、もう私からも言うまでもなく、この間、私、尊敬しております増田先生の方から、極点社会、新たな人口減少クライシスと、消滅可能性都市八百九十六自治体ですか、実名挙げて発表されておりました。恐らく今日御出席いただいておる農水委員会の委員の皆さんの地元も多く入っているんじゃなかろうかなと、私の地元もたくさん入っておるということでございまして。そういう意味からして、私は、農業の果たす役割ということは非常に大きいものがあると思っているところでございまして、しっかりと質問させていただきますので、大臣を始め、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず、何人も聞いておられるかと思いますが、TPPの問題ですが、十九日と二十日にシンガポールで閣僚の会合があって、終了したということです。今日はちょっとお昼のニュースで大江さんがワシントンに行くところが放映されておりましたけれども、どういう結果になったのかということをまずお聞きしたいと思います。
#67
○政府参考人(澁谷和久君) お答えいたします。
 五月の十九日、二十日、シンガポールでTPPの閣僚会合が開催されました。先月の日米協議の進展を踏まえまして、各国間の二国間の交渉を加速し、また閣僚間で交渉全体の進捗を評価するということを目指して、様々な残された論点について交渉が前進するよう全体会合で議論を行ったものでございます。
 その結果、今後の作業につきましては、分野ごとに事務レベルで決着すべき論点、閣僚レベルで決断すべき政治的課題に仕分をいたしまして、交渉官にしっかりとマンデートを与えて交渉させる、その結果、その結果を踏まえて七月に首席交渉官会合、まだ日程、場所は未定でございますけれども、開催するという指示が出たところでございます。
 また、バイの会談、それから全体会合の場で甘利大臣から、各国ともルールの分野も含めて様々なセンシティブな分野というのを抱えているんだと、交渉の最終局面ではその点を認識して、お互いにそれを認め合いながら収れんに向かう努力をすることが大切だということを何度か発言をされて、それについては多くの国から賛同をいただいたというところでございます。
 それから、日米でございますけれども、甘利大臣とフロマン代表が全体会合が始まる前に一時間ほど会談を行いました。閣僚会合の進め方などについての議論があったわけですけれども、日米の課題については引き続き事務レベルで折衝を行うということになりまして、先生御指摘のとおり、先ほど大江代理がワシントンに向かって行きました。現地時間の木曜日、金曜日とカトラー次席と交渉するということでございます。
 以上でございます。
#68
○野田国義君 今話がありましたように、七月の首席交渉官会合を行うということだったのか、それだけだったのかというようなことが非常に気になるところでございますけれども。
 それで、お手元に資料一といたしましていろいろなマスコミの報道をお配りをさせていただいているところでございますけれども、どれが本当なのかということがよく分からないわけでありますけれども、これもこの委員会で徳永委員からも指摘がされておりますように、情報が一定のところに漏れているんじゃないかと疑わざるを得ないような内容も載っているところでございますけれども。
 ここで、豚の問題が非常に大きな問題と、豚肉の問題が言われておるところでございますけれども、この差額関税制度ですね、この問題が、現在一キロ四百八十二円ですか、これを関税を三十円程度に引き下げるようとアメリカが非常に強く求めていると、あるいは一桁とかそういう話もあるわけでありますけれども、ここがどうなっているのか、ちょっと詳しくお聞きしたいなと思っております。
 それでは、このTPPの問題ですね、当然これは交渉事でありますけれども、私、どうしても、自動車のカードですか、あれをちょっと早く切り過ぎたんじゃないのかなと、そういう気がしてならないところでございますけれども、御答弁の方、よろしくお願いしたいと思います。
#69
○政府参考人(澁谷和久君) 報道ぶりについてはこの委員会でも何度も御質問をいただいておりますが、豚肉、例えば昨日は三十円ですか、という報道がなされました。いずれも事実と全く違うものでございます。
 最近は誤報というだけではインパクトがないので、かつてないほどの誤報だとか世紀の大誤報だとかいろいろ言い方は気を付けておりますけれども、いずれも、豚肉に関する報道、牛肉も含めて、日米に関してはまだ合意がされておりませんので、まさに今協議中ということでございまして、決まっていることは何もないし、また方向性についても、政府がこういう方向性でと政府を主語にしないと何か記事にならないといって勝手に書くわけですけれども、そういう事実は全くないということでございます。
#70
○野田国義君 それじゃ、もう一度聞きますけれども、この差額関税制度は維持されるということでいいんでしょうか。
#71
○政府参考人(澁谷和久君) 私どもは、この農水委員会の決議、これに沿った形でいい方向にまとめたいということで交渉をしているということでございます。
#72
○野田国義君 しっかり交渉をお願いしたいと思います。
 それから、この豚の問題ですね、先日から養豚業界からのヒアリングを民主党の方でもさせていただきました。それで、自給率も五三%ですか、私も地元の養豚業をやっておられる方の施設なんかをたまに見せていただくんですが、本当に効率化が進んでいるというか、大規模化も進んでおります。わあ、すごいねというぐらいですね。だから、ある意味じゃ優等生だと思うんですね。そういう中にあって業界の方々は非常にこれ不安がっておられるということでございますので、このTPPに関する情報を国民や国会にもっともっと提供をしていかなくちゃいけないと思いますけれども、そのことについていかがでしょうか。
#73
○政府参考人(澁谷和久君) 情報提供、情報を提供するという一方的な話だけではなくて、国民や関係の団体の方々とのコミュニケーションを図るということは、交渉を行っていく上で非常に重要なことだというふうに認識をしております。
 交渉参加国、我が国だけではなくて皆その点は悩んでいるようでございまして、先般のシンガポールの閣僚会議の場でも話題になりまして、それぞれの、各国がいろんな形でこのコミュニケーションをいろいろ工夫をされております、そういうグッドプラクティスをお互いに持ち合いながらどんどん工夫をしていこうというような議論がなされたところでございまして、今後とも、情報提供、コミュニケーションの充実に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。
#74
○野田国義君 御案内のとおり、民主党を始め野党でこの情報公開の、開示を促進する法律案を野党共同で出させていただいているところでもありますし、恐らくまた与党の皆さんもそうだと思うんですよ、この情報開示、是非ともしてほしいと。私、記憶しているところによると、逆の立場のときですよね、我々が与党のときなんか、特別委員会をつくってやろうじゃないかとか、反対するんなら離党してからそんなこと言えとか、大分私も地元の集会などでも言われましたけれども、恐らく与党の皆さんも同じではなかろうかなと思っております。
 また、私は韓国にも行きましたけれども、韓国でも結局FTAを締結した後に大騒動になったというようなこともありますので、是非とも、その辺りのところをしっかりと情報公開ということでお願いしたいと思っているところであります。
 それから次に、TPPに関しては、与党の公約といたしまして、国益を損じれば脱退すると、撤退するというようなことを再三申されてきたとこれまでも思いますけれども、日本の農業を守るためにはそういう考えで変わらないかどうか、その辺りのところをお願いしたいと思います。
#75
○政府参考人(澁谷和久君) 今御指摘いただいたような中身は決議にもしっかりと明記されているところでございまして、そうした内容も含んだ決議を常に念頭に置いて交渉をしているところでございます。
#76
○野田国義君 安心な安全な食料を守るために、国益を損じるおそれがないように、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 それから、ちょっとこれに関連することでございますけれども、これもいろいろ論議はあっておったかと思います。また、本会議でも私、述べさせていただいたところでありますけれども、飼料用米の問題でございますけれども、仮に豚肉や牛肉の関税が引き下げられれば輸入が増えることはもうこれ当たり前の話でありまして、他方、政府は、御案内のとおり、今回盛り込まれている水田フル活用として飼料用米の転作を誘導しているということでございまして、日本の畜産数量が減ると予想される中での畜産の飼料用米を増やすというのは、誰が考えてもちぐはぐ、あべこべミクスになっているんですよね。
 そう思いますけれども、その回答は、輸入飼料穀物や粗飼料の価格が高騰しているから畜産経営安定のために国内飼料を増産すると言っておられるわけでありますけれども、そもそも畜産の生産が減る中でこの政策ということでございますけれども、このことについて林大臣の再度見解をお聞きしたいなと思います。
#77
○国務大臣(林芳正君) 国際交渉の結果、畜産の再生産の前提条件、もし変わることがあれば飼料用米の増産が困難になると、可能性は否定はいたしませんものの、まず日豪EPAについては、国内畜産業の存立、健全な発展を図っていくことができる合意内容と考えております。また、TPPについても、今内閣官房からお話がありましたように、衆参両院の農林水産委員会決議を踏まえて、しっかりと国益を守り抜くように我々も全力を尽くす考えであります。
 畜産の方は、先ほど、規模がもうかなり大きくなっているというお話が先生からございました。また、衆議院でも篠原委員だったと思いますが、表を示されて、ほかの国との比較でもうここまで来ているんだと、しからば、あとは何をするかといえば、まさに餌をどうするか、こういうことになろうかと、こういうことでございまして、まさに今、輸入飼料穀物、粗飼料、価格が高騰する中で、やはり国産の飼料ということをどう取り組んでいくかというのが喫緊の課題であろうと、こういうふうに思っておりまして、そういう意味で、水田のフル活用をしながら、需要に見合って飼料用米を始めとする国産飼料を増産して、飼料基盤、しっかりとしたものに立脚した足腰の強い畜産経営の実現をやってまいりたいと思っております。
 今御案内のとおりでございますが、飼料用米は、トウモロコシが大体一千万トンぐらい輸入をされておりまして、飼料用米はこれと同等の大体栄養価というふうに評価をされております。したがって、この輸入トウモロコシと遜色ない価格で供給ができれば、今のいろんな研究によります潜在的な可能性ということでいいますと、大体四百五十万トン程度の需要量があると、こういうふうに思っておりまして、現在、餌米の生産量十八万トンでございますので、かなり大きな数量が潜在的にあるということで、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
#78
○野田国義君 飼料米については分かりましたけれども、ほかに、この畜産業界、いろいろな支援の方法があろうかと思いますけれども、今どういう支援をしようとお考えになっておられるかも併せてお聞きしたいと思いますが。
#79
○副大臣(吉川貴盛君) 今回の合意内容でありますけれども、今大臣も答弁を申し上げましたように、豪州側より一定の柔軟性を得ることができた結果、我が国酪農、畜産業の存立及び健全な発展が図っていけるような内容であると考えておりまして、そこで、今後とも、現場の不安を払拭するためには、丁寧に説明をしてまいりますとともに、新マル緊などの現行のセーフティーネット対策によりましてしっかりと対応をしてまいりたいと思っております。また、さらには、その影響に留意しつつ、必要に応じて新たな対応も検討をしてまいりたいと考えております。
#80
○野田国義君 しっかりとした支援を今後ともよろしくお願いをしたいと思います。
 それで、資料の方をお配りしておるかと思いますけれども、資料二を御参照いただきたいと思いますけれども、この飼料米の増産でありますけれども、供給先の確保、本当にできているんだろうか。この間、養豚業界、おいでいただいておりましたが、ここに書いてありますように、あと百万トン近くは受入れが大丈夫だろうというような話でございましたけれども、果たして、ここに利用可能量ということで一覧表をお手元にお配りしておりますけれども、本当にこれで大丈夫なのか、この予測で。大臣、どうお考えになっておりますでしょうか。
#81
○副大臣(吉川貴盛君) 私からお答えをさせていただきたいと思いますけれども、御承知のように、飼料用米は、輸入トウモロコシと遜色のない価格での供給ができますれば、潜在的には四百五十万トン程度の需要があると見込まれております。
 それで、国内で生産される飼料用米のうち、地域の耕種農家と畜産農家の連携による直接供給につきましては、国そして都道府県、市町村段階の関係機関が連携し、両者のマッチングを今推進中でもございます。また、配合飼料メーカーを通じまして、広域供給につきましては、全国の生産者団体が地域の飼料用米を集荷をいたしまして、配合飼料原料として飼料工場へ広域的に供給する仕組みが確立をされているところでもございます。
 配合飼料メーカーの団体からも、今四十一万トン、中長期的には約二百万トンの利用希望がもう既に発表されたところでございまして、引き続き、この飼料用米の供給先の確保と、耕種農家と畜産農家の連携をしっかりと推進をしてまいりたいと思っております。
#82
○野田国義君 ここで問題になりますのは、地元を回っていてもよく聞くわけでありますけれども、工場の問題ですね。
 工場、本当にそこに投資していいかどうか今迷っているんだと、また猫の目農政で変わっちゃったら、投資した後どうするんだと。また後でちょっと触れますけれども、戸別所得補償でせっかく投資しておったけど、またこれが変えられちゃったというようなことで、また猫の目農政が始まったのかというようなことで非常に不安がっておられます。
 だから、工場の問題と輸送体制、どう運び込むのかと、畜産農家に。このところをちょっとお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いします。
#83
○政府参考人(佐藤一雄君) 野田先生の御質問にお答えいたします。
 今先生の方から御指摘ございました工場の関係でございますが、配合飼料工場につきましては、これは原料の多くをアメリカといった北米等からの受入れをしておるものですから、そういうことが容易であるようにする必要があること、また、畜産農家に低価格で提供するために効率的に製造、配送することによってコストを抑える必要があるということから、経済的な合理的な理由に基づきまして畜産主産地に近い太平洋側の港湾地域で集約されておるといったような実情がございます。
 他方、先ほど吉川副大臣の方からお話ございましたように、飼料米についてはできるだけ近くで地域で直接供給してほしいといったような畜産農家の希望がございまして、これが、二十六年産米につきまして希望としては七万三千トンの利用希望が寄せられておりまして、まずはこういう近場での消費ができるように、我々といたしましては、農水省あるいは県の関係の皆さんと一緒になりまして、生産要望のある耕種農家とのマッチング活動を現在積極的に推進しているところでございます。
 それと、先ほど副大臣の方からも御答弁させていただきましたように、なかなか近場では間に合わないというものにつきまして配合飼料工場を通じて供給する場合があるわけでございますが、全国の生産者団体が地域の飼料米を集荷しまして配合飼料原料として飼料工場へ広域的に供給する仕組みが現在確立されておりまして、配合飼料メーカーと調整しつつ、受入れ体制が今整ってきているところであるところでございます。
 そうした中、先週の五月二十三日でございますが、やはり配合飼料メーカーの団体からも、幾たびかのトウモロコシの高騰によりまして非常に畜産経営打撃を受けておりまして、配合飼料メーカーも原料調達といったものをしっかりやっていくということで、先ほどお話ありましたように、二十六年産で四十一万トンの飼料米を使いたいと、中長期的には二百万トンの希望が寄せられているというような状況になっておりまして、これも含めましてマッチング活動を行っているところでございます。
 そうした中で、条件整備でございますが、まずやはり耕種側における乾燥調製貯蔵施設の整備、あるいは畜産側で、受入れ側で必要となる加工保管施設の整備、あるいは粉砕機、混合機等の機械導入などにつきまして耕畜双方にわたりまして現在支援を行っていると、こういうふうな状況でございます。
#84
○委員長(野村哲郎君) 野田委員、内閣府の澁谷参考人に対する質問、まだありますか。
#85
○野田国義君 もう結構です。
#86
○委員長(野村哲郎君) それじゃ、退席していただいて結構です。
#87
○野田国義君 じゃ、しっかりお願いしたいと思います。
 そこで、当然、燃油の問題なども、運ぶということになりますと要るわけでありますので、この対策も考えていただかなくちゃいけない。
 それから、これは十倍にすると、この資料を見て分かるように、そうしますと、種子、種の問題が出てくると思いますけれども、この種子の問題はちゃんと手当てができているんでしょうか。
#88
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生から御指摘ございました種の問題でございまして、やはり飼料米の一層の生産拡大を図るためにはできるだけ多収性の品種の導入といったものが必要かというふうに思っているところでございまして、このため、当座、二十六年産の多収性専用品種の種の確保に向けまして、国、都道府県あるいは関係機関が連携しまして、多収性品種の種子の供給可能量等の情報共有を行ってきたところでございます。
 こうした中、四月末現在でございますが、今年の一月に希望を取りましたところ、一月に多収性専用品種や知事特認品種による取組の意向が示されました面積が、これが約一万五千ヘクタールあったわけでございますが、そのうち、八割に当たる約一万二千ヘクタールにつきまして、多収性品種やあるいは知事特認といった、主食用のものでございますが、多収性の種子の供給が行われているというふうな状況になっておりまして、残りにつきましては、こうした多収性品種あるいは知事特認品種以外ではございますが、収量の高い、多いものが主食用途にも生産されている品種がございまして、こうしたものが充てられているといったような状況というふうに聞いておるところでございます。
 二十六年産につきましては田植がそろそろ終わりになるわけでございますが、来年の二十七年産に向けてしっかりと、多収性専用品種による取組拡大が想定されますことから、現場で飼料用米生産が円滑にいきますよう、都道府県、関係機関と連携しまして、必要な多収性品種の確保に向けて万全を期していきたいと、このように考えているところでございます。
#89
○野田国義君 しっかりと準備対策をお願いしておきたいと思います。
 それで、この飼料用米と飼料用作物の価格差を補填するということでございますけれども、これ大体何年ぐらい続けていくんですか。かなりの金額になりゃせぬかなと思いますが。それで、私思うのは、今ちょっと触れられましたけれども、これ、トウモロコシ辺りへの転作ですか、そういったところの方が私は、トウモロコシはもう御承知のとおり関税もゼロということになっておるわけでありますのでスムーズにできるんじゃなかろうかなと思いますけれども、このことについていかがでしょうか。
#90
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、今先生の方から御指摘ありましたトウモロコシの問題からお答えさせていただきますが、確かにおっしゃるようにアメリカからトウモロコシを輸入しているわけでございますが、実は我が国で餌用のトウモロコシの生産を行う場合には、やはりどうしても秋の長雨あるいは台風、こういうことによりまして収穫時期に非常に雨が多いということのため、粒にカビ等が発生しまして品質が低下しやすいということ、また、稲に比べまして耐湿性に劣りまして、排水が徹底されていない水田での活用というのがなかなかこれは難しいということ、また、収穫あるいは乾燥調製のための機械、施設といった追加的投資といったものが必要となるといったような問題がございまして、実態のところは余り餌用の、飼料用のトウモロコシの生産というのは、粒の生産というようなものは行われていない状況にございます。幾つか例外はございますが、一般的には行われていないという状況にございます。
 しかしながら、トウモロコシ、粒の生産は余り進められませんが、作期が短くて収穫期の湿害を回避しやすくて、また収量、品質も期待できるいわゆる青刈りトウモロコシというものがございまして、この利用を推進しているところでございまして、例えば北海道東部でも作付け可能な新品種のたちぴりかといったものがございまして、この開発とその普及を今進めているほか、粒とトウモロコシの芯を丸ごと利用するイアコーンサイレージというものがございまして、これについても栽培、調製技術、あるいは牛、豚への給与技術の今開発を行っているところでございまして、こうしたことによりまして現在青刈りトウモロコシの生産の振興を行っているわけでございますが、こうしたものを水田で行う場合につきましては、先ほど申し上げましたが、丸粒であれ青刈りであれ、一反当たり三・五万円の交付金が農業者に直接交付されているところでございまして、こうした結果、青刈りトウモロコシの今作付面積は、平成十八年が約八万四千ヘクタールであったものが平成二十五年産につきましては九万三千ヘクタールということで、増加の傾向をたどっているところでございます。
#91
○野田国義君 今回の政策、法律案は、余りにも飼料用米に軸足を置いた政策ではなかろうかなと思います。今、私述べてきましたように非常に問題があるということでございまして、この飼料用米の拡大と定着、本当にできるんだろうかと、そういう不安を持っている方々も多いんではないかと思っているところでございます。
 これを見直す考えはないのか、大臣にお考えお聞きしたいなと改めて思いますけれども。
#92
○国務大臣(林芳正君) 我が国では食生活が変化をいたしまして、昭和三十七年のピーク時の百十八キロ、年間の米の消費量でございます、一人当たりの、これが今大体五十六キロ、平成二十四年ということで半分になっておりまして、主食の米が大変、消費がある意味では非常に短い期間で少なくなったと。
 一方で、水田は非常にいろんな多面的機能も有した貴重な生産装置でございます。したがって、水田を有効にフル活用しながら、この変わっていく需要にどう対応するかという中で餌米、加工用米といった多様な米の生産振興を図ると。
 それから、小麦の自給率が一二%、大豆の自給率が八%と、それぞれ平成二十四年度でございますが、非常に固定的な国産需要がありながら、多くを海外から輸入、依存しているものがございますので、こういうものを作付けを拡大していくと、こういう政策が必要であると思っております。
 平成二十年産以降、水稲の作付面積は、主食用米の需要の減少に伴う作付面積の減少分が飼料用米を始めとした非主食用米の作付け拡大で補われてきていると、こういうことでほぼ一定の百六十四万ヘクタールでとどまっていると、こういうことでございます。
 先ほど畜産の話もございましたけれども、やはり、飼料の自給率が今二六%ということですから、飼料の安定供給という意味でもこの餌米は大変重要だと、こういうふうに思っておりますのと、先ほどトウモロコシのお話もございましたけれども、比較しまして、米と同様の栽培方法、農業機械等で生産できるというメリットがございまして、やはりこれを拡大していくということで食料自給率、自給力等を向上させていくということにつながっていくものと、こういうふうに考えておりますので、今の直接支払交付金の見直しをいたしまして、単収向上への取組へのインセンティブとしての数量払いの導入、また、それに更に加えて、これは餌米に限ったということではないかもしれませんが、産地交付金を充実する、こういうことで地方公共団体で検討、工夫をしていただきながら本予算を活用して魅力的な産品の産地づくり、こういうものを進めていきたいと、こういうふうに考えております。
#93
○野田国義君 米粉が非常に生産力が減ったというようなことでございまして、こういう二の舞にならないように、また猫の目にならないようにしっかりとお願いをしておきたいと思います。
 それから、次に移りますけれども、戸別所得補償、民主党、衆議院の方でいろいろ論議もされたかと思いますけれども、その中でも出たと思いますが、私は、まず集落営農数が増加をし、規模も拡大が進んできた、それから過剰作付面積も減少したということですよね。さらに、農家の所得も確実に上昇したということでありましたし、またそこに参加している農家、約七五%が評価をしているというような仕組み、制度であったわけでありますけれども、この評価というのはどうお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
#94
○国務大臣(林芳正君) これは今委員がおっしゃっていただきましたように衆議院でも多くの議論がなされたところでございますが、今般の農政改革において、いわゆる米の直接支払交付金についてでございますが、米は麦、大豆と違いまして十分な国境措置があるということでありまして諸外国との生産条件の格差から生ずる不利がないということ、それから、全ての販売農家を対象とするということで農地の流動化のペースを遅らせる面があるということ、また、主食用米の需要減少、先ほど申し上げたとおりですが、このことによりまして潜在的生産力が需要を上回っている状況にある、こういう政策的な課題があったということで廃止をすることといたしたわけでございます。
 しかしながら、この交付金を前提にいろんな投資を行ってこられた農業者もいらっしゃるということも踏まえまして、二十六年産から単価を削減した上で二十九年産までの時限措置と、こういうふうにしたところでございます。
#95
○野田国義君 それで、今回は直接支払交付金それから米価変動補填交付金ですか、これも廃止になっていくという中で、本当に、何といいますか、所得が、農家にとっての所得が保障されるのか。そしてまた、今回ゲタ、ナラシ対策で面積規模は設けないと言っておりますけれども、農業経営改善計画を作成をしなくてはいけないということになりますと、我々はやっぱり日本の農業というのは兼業農家も支えているところが非常に大きいんだということで仕組みをつくったところでございますけれども、もう小規模農家あるいは高齢者農家、非常に私は日本の農業というのを支えている役割というのは大きいと思うんですね。だから、これはもう農業を諦めなさいということで切り捨てられるのかどうかということをちょっとお聞きしたいと思います。
#96
○国務大臣(林芳正君) 今般の改革で、米の直接支払交付金が、まず一万五千円から七千五百円に減額と、こういうことでございますが、一方で、餌米、米粉用米等の新規需要米に転換して単収を上げる努力をしていただく、それから不作付け地を解消して水田をフル活用する、こういう御努力をいただいた場合に現行より所得が上がる仕組みを同時に設けております。さらに、日本型直接支払というものを新たに創設をいたしまして、地域の共同活動に充当することで従来農家御自身でやっていただいていた負担が軽減される、それから、共同活動に参加していただければ農家の収入となっていく道が開かれるということで、農家の実質的な手取りの向上につながるというふうに考えております。また、中間管理機構を活用して、担い手への農地利用の集積、集約化、これを図っていくことによってコストを削減し農家の所得を確保していく、こういうことも可能になるわけでございます。
 こういうことに加えまして、販売、加工への取組、それから輸出の促進、観光、医療等の他産業との連携、六次産業化、こういうことを進めることによって農業、農村の所得全体を増大させていきたいと、こういうふうに思っております。
 小さな方のお話が今ございましたけれども、今回は、経営所得安定対策の見直しで、対象農業者について、認定農業者と集落営農に加えまして認定新規就農者を対象といたしました。それから、面積規模要件も外すということにいたしましたので、今委員がお触れいただきましたように、計画を作って将来に向けて農業で生計を立てていく意欲と能力のある方であれば幅広く対策に加入できることにいたしました。
 一方で、経営所得安定対策に加入できない方についても、農業生産を継続していただいて地域の直売所等において販売する、こういうやり方もあると思いますが、中間管理機構を活用して担い手への農地集積、集約化を進めていただく、出し手になっていただくということ。そして、午前中の質疑でもございましたように、この出し手になった方が集落に引き続きとどまっていただいて担い手を応援するということの要素もあって共同活動をしていただく、そのための日本型直接支払制度、こういうことをやりましたので、そういう形での地域活動に参加していただく、こういうこともあろうかと、こういうふうに思っておりまして、いろんな形で地域全体の農業、農村の発展に貢献をしていただければと、こういうふうに考えておるところでございます。
#97
○野田国義君 要は、弱者切捨てにならないように、その辺りの政策もしっかりと対策も打っていただきたいと思いますし、また肝要なのは農家所得が維持されるということだと思うんですね。そして営農が続けられるということだと思いますので、それに関連しまして、この多面的機能促進法案の方なんですが、どう見てもこれで、例えば集落営農の組織に払われるわけでありますけれども、農業者には直接は全く行かないと。よく聞いてみますと、何か日当みたいな形で日当八千円とか一万円とか、それを払うのでいいんですとか、そういう説明を聞いたところでございますけれども、果たしてこんなことで経営安定になるのかということでございますけれども、どうでしょうかね、私はちょっとならないと思いますけど。
#98
○大臣政務官(横山信一君) 私の方からお答えをさせていただきます。
 多面的機能支払は、農業者のみならず地域住民等も含めて地域全体で水路、農道等の地域資源の管理を支える共同活動に対して支援を行うものでございます。また、この制度は農業者等による活動組織に支払われるものでありますので、その交付金の使途につきましては、従来の農地・水保全管理支払と同様に、地域における話合いを通じて定めることとしております。個人が出役した場合の日当として個人に支払うことができるほか、資材の購入等、活動の実施に必要な様々な経費に充当されるということが考えられます。
 このように、多面的機能支払の交付金の使途につきましては、地域の共同活動の円滑な実施を期するため、地域の自主性を生かした弾力的な運用が可能になる仕組みとしているところでございます。
#99
○野田国義君 私は、恐らくならないんじゃないのかなと、経営安定にはつながらないんじゃないかなということを申し上げたいと思います。現場の本当に声をもっと生かしたものにしていただきたいなと思っております。
 それから、次に、ちょっと法律とは関係ありませんけれども、いわゆる園芸の方ですね。私が市長をやっておりましたところは非常にお茶、花が盛んなところでございました。それで、これ輸出、これから成長戦略ということをよく言われるわけでありますけれども、非常にそういう意味からすると有望な作物ではないかと。私も当然、市長時代、一生懸命どうやったら輸出できるだろうかというような取組もしてまいりましたけれども、その辺りのところをちょっとお伺いをさせていただきたいと思っております。
 お茶につきましては、おられますけれども、山田先生を始め御協力をいただきまして、平成二十三年ですか、お茶振興法が成立をいたしました。と同時に、同年度、改植事業という形での支援をいただくようになりました。それで本当に生産者の皆さんは非常に喜んでいただきました。工場とか、そういう支援策はございましたけれども、直接生産者に対しての、そういった農家に対しての支援策ということで非常に喜んでいただいたと思っているところでございます。
 ただ、この間、ちょっと私のところに陳情というか要望がございまして、その方は工場をやっておられるんですけれども、いわゆる部会に入っていないとこういったお金は出せないというようなことで断られたけれども、どうかならないものかと。結構生産をし、茶商、工場を持ってやっていらっしゃるというような方でございましたけれども、やっぱりこういう方にもちゃんと行き渡るようにこれはしていかなくちゃいけないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#100
○政府参考人(佐藤一雄君) 今、野田先生御指摘いただきました、お茶の改植事業、茶改植等支援事業でございますが、これは茶農家の共通の課題でございます茶園の老園化に対応しまして、優良品種への転換によりまして消費者ニーズへの的確な対応を図るといった観点から、平成二十三年度から茶の改植及びその際の未収益期間に対する支援を行っているところでございます。
 この事業でございますが、改植等は一定程度でまとまって取り組むことがこれが非常に有効であるというような観点から、荒茶工場を単位とした取組を支援するということにしておるところでございます。このため、家族経営で荒茶工場を所有している場合も支援の対象とするなど、茶農家の多様な経営形態に即して柔軟に対応しているところでございます。
 また、平成二十六年度からは経営規模の拡大のための新植についても支援対象とするなど事業メニューの拡充を図ってきたところでございまして、今後とも、今御指摘いただきましたけれども、これらの対策が生産現場において円滑に活用されるよう、農水省としましてしっかりPR、助言に努めていきたいと、このように考えているところでございます。
#101
○野田国義君 皆さんも御案内のとおり、お茶はがんの予防にもなると、それからこの間発表されておりましたのは、認知症の予防にもなるというような研究の成果も発表になっておったところでございますので、これからも支援の方をよろしくお願いをしたいと思っております。
 それから、花の方でございますけれども、本当に燃油がどんどん、皆さんのお手元に資料三として配付させていただいておりますが、今百円を超えておるということでございます。
 それで、二十四年度の補正予算で施設園芸用の燃油価格高騰緊急対策で予算措置をしていただきまして、農家はほっとしたわけでありますけれども、これ昨年の十一月頃からもう百円を超えるということでございまして、園芸農家の皆さんはちょっと、私、市長時代よく入札していましたけれども、十数年前は三十円台でやっていましたね、数字入れていました。それで、なかなか競争がないのでこれはもっと競争させろみたいなことを言っていましたけれども、それがもう百円台というと、これは本当たまらないということだと思いますけれども、是非とも、これ、二十六年度で終わるんじゃなくて二十七年度以降も続けていただきたいということでございますので、この燃油問題、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
#102
○政府参考人(佐藤一雄君) 今御指摘いただきました燃油の価格でございますが、施設園芸に用いるA重油の一リットル当たりの価格ですが、高騰前の平成二十三年一月でございますが、一リットル当たり七十八・二円でありましたけれども、二十六年一月では百三円ということで、三割程度高騰しておりまして、これが経営費に占める燃料費の割合が高い施設園芸の経営に大きな圧迫要因となっていることは承知しているところでございます。
 このため、先ほど御紹介していただきましたように、二十四年度から、燃油価格高騰緊急対策ということで、二十四年度の補正で四百二十五億円を計上いたしましてこの緊急対策を実施しているところでございますが、これまで全国で約一万八千戸の施設園芸農家を対象にいたしまして、ヒートポンプ等の省エネ施設の導入支援として四十七億円、セーフティーネット措置である燃油価格の高騰分の一部の補填として六十億円を交付してきているところでございます。
 この対策につきましては、今先生の方から御指摘がありましたように、生産現場からは、平成二十六年度末までということになっているわけでございますが、その実施期間の延長の要請が極めて強いという状況になっておりますが、今後とも、燃油価格の動向あるいは事業実施の進捗状況等を十分把握した上で対策の円滑な実施に努めていきたいと、このように考えているところでございます。
#103
○野田国義君 この燃油問題は本当に大きな問題だと思いますので、二十七年度以降も何とぞ支援のほどをよろしくお願いをしておきたいと思います。
 それから、バイオマスですね。省エネということで、私も市長時代、バイオマスに取り組みました。そこは温泉だったんですけれども、燃料が一千万円ぐらい年間削減できたということで、グリーンピアの方でも今度は二基目のそのバイオマス施設を導入したというようなことであります。
 ですから、私は前から思っておるんですが、こういった施設園芸等でもやっぱりしっかりと木質バイオマスをやっていくということがこれからの時代必要なことではないかなと思っておりますので、こちらの方もしっかり研究をしながら、開発をしながら、これはどうしても北欧辺りにそういったボイラーの技術があって、日本ではまだまだ開発されていない部分もあるということでございますので、よろしくお願いをしたいと思っているところであります。
 それで、もう時間もありませんけれども、衆議院の附帯決議、そしてまた我々も政権時代、この戸別所得補償、それは完璧な制度じゃないと、仕組みじゃないと、だから、いろいろ改善これからしていかなくちゃいけないということを論議してまいりました。その中で出ておったのが収入保険制度なんですね。これ、米だけじゃなくて、ほかの畑作等にも広げて、また果樹なんかにも広げていくというようなことでやっていくのが一番ベター、ベストではなかろうかというようなことをしっかりと検討をしてきたいきさつがあるということで、今回、附帯決議の方にも盛り込まれておるということでございますけれども、大臣、これはどういう形で推進に向けて取り組んでいかれるのか、お聞きしたいと思います。
#104
○国務大臣(林芳正君) 今委員が御指摘いただいたように、今の農業共済制度、これは自然災害による収穫量の減少が対象となっておりまして、価格の低下がまだ対象になっていないと。それから、まさに御指摘があったように、この対象品目が収穫量の把握ができるものに限定をされておりまして、加入単位も品目ごとに今なっておりますので農業経営全体という意味ではカバーされていないと、こういうことであります。
 したがって、全ての農作物を対象にして、農業経営全体の収入に着目した収入保険の導入について調査検討を進めていく必要があると、こういうふうに我々も考えておりまして、二十六年度の当初予算で既に調査費を三億二千百万ほどいただいておるところでございますが、この調査をやりまして、これを踏まえて制度設計を行うわけでございます。したがって、二十七年産につきまして、作付け前の加入から納税申告まで、すなわち、二十六年中に加入をして、二十七年に作付けして、二十八年に納税申告をすると、三年一サイクルのフィージビリティースタディーを実施した上で制度を固めていきたいと、こういうふうに考えております。
 今後の調査結果、いろいろあると思いますので、現段階で確たることとして申し上げるわけではございませんけれども、調査検討が順調に進みますと平成二十九年の通常国会に関連法案を提出することになるものと、こういうふうに考えております。
#105
○野田国義君 それでは、最後でございますけれども、本当にこの法案が農山村や地域社会の崩壊にならぬように、そしてまた猫の目農政だったとならぬように、ひとつよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#106
○徳永エリ君 皆様お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。
 先ほど山田理事から御報告がありましたけれども、月曜日、火曜日と島根県の出雲市に行ってまいりました。月曜日は中山間地域に行きまして、集落営農組織、大変糖度の高いサツマイモを作っておられまして、農福連携、農業と福祉の連携ということで六次産業化にも積極的に取り組んでおられました。また、七つの協議会が協力して作業をしているという大規模農業組織も見せていただきまして、まさに中山間地域のお手本というようなところを視察させていただきました。
 ただ、そこでつくづく思いましたのは、今回の農政改革についても、私たち北海道の人間が感じている問題意識、危機感というのは全くあそこにはないなというふうに思いました。
 私たちは、この農政転換によって、果たして経営は続けていけるんだろうか、借金は返せるんだろうか、あるいは企業参入によって農地、農村、もしかしたら乗っ取られるんじゃないだろうかとか、あるいは農村で働く人たちも、今ある地域の姿ではなくて、これからTPPやEPA、先ほど外国人技能研修制度の話などもありましたけれども、外国人労働者がどんどん入ってくるんではないだろうかとか、それから産業競争力会議の委員の方々のいろんなところで話しているものなどを見たり聞いたりしますと、優良な農地からどんどん入っていくというような話があったりとかして、やはり北海道は、世界的にも大変に安心、安全、品質も良い農作物を作っている、環境もすばらしいということで評価が高いわけでありまして、ある意味、言葉は悪いかもしれませんけれども、ターゲットになっているんじゃないかというような、そういう危機感が物すごくあるんですね。
 多分、そういう気持ちというのは、恐らくあののどかな中山間地域の方々には分からないだろうなと思いながら、北海道の我々は、チーム北海道、党派を超えて、しっかりこの北海道の不安感を繰り返し繰り返し訴えていかなければいけないなと。そうならなければいいんですから、うまくいけばそれにこしたことはないんですけれども、いや、もしかしたらこうなるんじゃないか、ああなるんじゃないかと。
 やはり、一気に農政改革ということを行うと、今までも大胆な構造改革の中でいろんな問題が起きてきたということは過去に経験してきているわけですから、この農政改革においてもそういったことにならないようにと、慎重にも慎重な姿勢で臨むというのがこれは当たり前のことだと思っておりますので、繰り返し北海道の立場、農業者の思いというのをお伝えさせていただきたいと思います。
 そういう中で、今回の審議も、農政の二法案だけではなくて、いろんな角度からこの農政改革全体について委員の皆さんと一緒に議論をしてまいりました。その中で、そろそろまとめの時期にも来たわけでございますけれども、北海道では、いろいろ御意見はありましたけれども、経営所得安定対策、民主党時代の農業者戸別所得補償制度、この米の直接支払交付金、十アール一万五千円によって専業農家の所得の確保とそれから経営の安定につながったという声が大きいことは、これは間違いないわけですね。
 中長期的な営農の計画も立てられるようになって、本当に、この委員会でも何度も申し上げましたけれども、いや、もう年取ったからやめてしまおうかな、もうからないからもうやめてしまおうかなと思っていたけれども、先が見えるようになってきたので、これは都会に出てもいろいろきついことばっかりだし、息子に帰ってこいと、農家続けていたら何とか食えるから一緒にやっていこうよというようなことで、後継者もどんどん増えてきているんだという声もいろんなところで聞いていたんですね。それに伴って意欲的に規模拡大もする、農地を借りたり買ったりする、それから規模が大きくなったことに伴って今度は農業機械も更新していくということで、もう本当に大きな借金を抱えてしまった、負債を抱えてしまっているわけですね。
 それで、政権が替わっても一年間この経営所得安定対策というのが続いたものですから、ちょっと考えが甘かったのかもしれませんけれども、農家の皆さんに聞きますと、これはまだまだ続くんじゃないかというふうに思っていたと。だから、昨年末の稲作農政の転換ということはもう大変にショックだったということを非常に多く聞きます。
 政府に本当にこの米の直接支払交付金を廃止してしまっていいのかというふうに尋ねますと、激変緩和ということもあって五年間の措置をとったんだと、半額の七千五百円ではありますけれども、五年間あるんだからその間に対応してもらいたいということですけれども、五年後にどんなことが起きているか分からないわけですよ。私たちが危惧しているようなことが農村地域で起きているかもしれないし、米価も上がっているのか下がっているのかも分からないし、生産コストも皆さんがおっしゃっているように下げられるのかどうかも分からないと。そして、為替の影響もどうなっているのか分からない、TPPだってどうなっているのか分からない。
 そういう中で、三十年から廃止ということは決まっていますけれども、五年後に一度しっかりと生産者の調査をしていただいて、果たしてしっかりこの後も農業を続けていけるのかどうか、続けていけないというのであればどこが問題なのか、そこに何とか支援はしていけるのか、そこをしっかりと五年後に一度御検討をいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#107
○国務大臣(林芳正君) まず、御視察に行かれて、北海道の状況と行かれた出雲の状況は大分違うということでございまして、うちの地元はどちらかというと出雲の方に近いような状況ですので、この仕事になってつくづく思いますのは、日本は広いなと。ですから、農政をやるに当たっては、いろんな地域のいろんな方の現場の声というものを踏まえてトータルでどうしていくかと、なるべく選択肢を増やしながらやっていくということが私も常々大事だと、こう思っておるところでございますが。
 お尋ねの直接支払交付金でございますけれども、先ほども御答弁させていただいたように、麦、大豆と違って十分な国境措置があるということで生産条件の格差から生じる不利がないということと、全ての販売農家に交付をするということで農地流動化のペースを遅らせる面があったと。
 それから、需要でございます。まあ、五年後ですから何があるかなかなか分からないと、おっしゃるとおりだと思いますが、この五十年間の間にこの日本の米の消費、主食用米の需要というものがトレンドとしてずっと下がってきていて、ライフスタイルの変化の要因というのは今からそれほど、この五十年ほど大きなものがあるかどうか分かりませんけれども、一方で人口が残念ながら減少をしていく、そして高齢化が進んでいるということで、同じライフスタイルであったとしても量が減っていくと、こういうことで、今の予測ですと毎年八万トンということで減っていくだろうと。
 これは五年後もそう大きな変化がなかなか残念ながらないのではないかと、こういうふうなことでございまして、やはり五年後、その先の十年後、二十年後と、そういうところまで持続的に、結局誰かが買ってくださらなければいけないわけでございますので、需要に見合ったものを貴重な生産装置である水田をフル活用しながらどうやってやっていくかということで、今回の農政改革をつくらせていただいたところでございます。
 したがって、削減をして、そして五年後に廃止ということは決定いたしましたけれども、今まさにおっしゃっていただいたように、この交付金を前提に機械、施設の投資を行ってこられた農業者もいらっしゃるということでございますので、今申し上げたような、半減した上で二十九年産までは時限措置を講じようと、こういうことにしたところでございます。
#108
○徳永エリ君 額に汗して積極的に取り組んできた人たちが農政の転換によって経営ができなくなる、制度の転換による犠牲で営農が続けられなくなるということがないようにしっかりと対応していただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。
 それから、担い手経営安定法案についても、主食用米がゲタ対策から除外されています。先ほどの御説明にもありましたけれども、米は高い関税で守られているからということですけれども、TPPによる関税の削減や輸入枠の拡大、それから米価の下落など、どうなるか分からないということでありますから、将来不安が生産意欲を低減させることにももう今からつながっていきかねないということで、標準的な販売価格と生産費との差額を補填する生産条件不利補正対策、ゲタの対策に主食米を加えていただけないかということをお願い申し上げたいと思います。
 せめて、新たな収入保険制度ができるまででも、稲作農家の方の安心のためにも主食用米をゲタの対象にするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#109
○副大臣(吉川貴盛君) 同じ北海道でありますからいいお答えをしたいとは思うのでありまするけれども、お聞きいただければと存じますが、徳永委員御承知のとおりでございますので、この担い手経営安定法の対象農産物に関しての説明は申し上げませんけれども、ゲタ対策の対象でありますが、一つは、我が国における標準的な生産費が標準的な販売価格を超えると認められるもの、二つ目に、十分な水準の国境措置が講じられておらずに、政府として我が国と外国における生産条件の格差から生じる不利を補正する必要があるものとしておりまして、米につきましては現在十分な国境措置がありまして諸外国との生産条件の格差から生じる不利はないために、ゲタ対策の対象としてはなっていないところでございます。
#110
○徳永エリ君 万が一、これからTPP等で十分な国境措置がなくなったときには御検討いただけますでしょうか。
#111
○国務大臣(林芳正君) 仮定の質問でございます。今TPP交渉中でございますから、具体的にどうこうということは申し上げられないと思いますが、一般論としては、国境措置とゲタ対策、こういうことでございますので、もし国境措置が、全部即時撤廃の試算を出して、あんなことにならないようにしっかり交渉するということですが、万が一ああいうことになった場合は、このゲタ対策というのは当然、国境措置の代わりに検討しなければならないと、こういうふうに思っております。
#112
○徳永エリ君 ありがとうございます。ちょっと安心をいたしました。
 また、現行のナラシ対策では、対象作物の全ての加入が義務化され、支払も加入作物間で相殺され、十分な補填金を受け取れないなどの問題も抱えています。
 北海道の基幹作物であるてん菜やでん原バレイショは、干ばつや湿害など天候の影響で、減収や、それからてん菜は糖度が上がらないことなど収入の減少が十分に補填されないということで作付けがどんどん減っているんですね。てん菜の作付けが減ると、前回の委員会でもお話をいたしましたが、製糖工場や地域の関連産業にも影響が出る。また、自給率も大きく低下します。
 作付け意欲を低下させないためにも、ナラシ対策において単品での加入と支払が可能にできるよう、制度の拡充強化が必要だと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
#113
○副大臣(吉川貴盛君) 担い手経営安定法に基づくナラシ対策でありますけれども、農家拠出を伴う経営全体に着目したセーフティーネットといたしまして、農業収入全体の減少による影響を緩和するための対策でございます。
 このために品目間の相殺を行うことといたしておるところでございますけれども、仮に品目間の相殺をしなかった場合、農家経営全体で黒字になっているにもかかわらずに、ある品目の収入が減少したためにその部分を別途補填をするということは、他の産業の方を含めた国民の理解がなかなか得られないのではないかと、こう思っておりまして、適当ではないと考えております。
 農業収入全体に着目した対策といたしまして、先ほども議論になりました収入保険制度の導入に向けた調査も今年度行っているところでありまして、この収入保険は農業者の農業経営全体の収入の減少を補填するものでありまして、収入保険への連続性を考えましても品間相殺は行うべきものと今は考えております。
#114
○徳永エリ君 てん菜の作付けがどんどん減少しているということで、何とかこれ以上減少しないように、やはりその労力も非常に負担が大きいということで、高齢者の方にはこのてん菜の作付けというのは大きな負担になっているみたいなんですね。民主党時代もいろいろとこの点に関しては勉強させていただいて取組をさせていただきましたけれども、是非とも、ナラシだけではなくて、てん菜の作付けがきちんとできるように、この点もいろいろと御検討いただきたいと思います。
 それから、農地維持支払交付金と、既存の農地・水保全管理支払交付金を組み替え、名称を変更した資源向上支払の二つの交付金の支払単価は、地域と地目に応じて設定されていますけれども、なぜ地域において北海道だけ単価が安いのかというところを御説明いただきたいと思います。
#115
○政府参考人(三浦進君) お答え申し上げます。
 御指摘の単価につきましては、水路や農道等の保全活動に要するコストに着目をして設定をしているものでございます。この多面的機能支払の方の単価について申しますと、具体的には、平成二十五年度に調査をいたしまして、農地・水保全管理支払に取り組んでいる活動組織につきまして、全国から五百十八の地区を抽出いたしまして、その共同活動の活動実績を整理、分析いたしまして、基礎的な保全活動の活動量を整理をして、それを基に単価を設定しております。
 北海道は、府県に比較いたしまして総じて農地の区画が大きくて単位面積当たりの水路や農道の延長が短いということになりますので、単位面積当たりの共同活動量ということで見ますと、府県に比較すると小さくなります。このため、特に区分をして単価を設定することが適当と考えられたということでございます。
 また、今先生のお話にもありましたように、従来の農地・水保全管理支払におきましても、北海道、都府県に同じような考えで区分をして設定をしていたということ、これを踏まえたということでございまして、そういったことから、北海道、都府県とに区分をして交付単価を設定したものでございます。
#116
○徳永エリ君 調査をして活動量の実態に即して設定したということですが、北海道の農家はほとんど専業農家なんですね。五十町歩を家族三人で作業するような農業のプロ中のプロですから、平地の草刈りなどは効率よく簡単にできちゃうわけですよ。面積は広いわけですし、北海道は観光地ですから、景観づくりに並々ならぬ思いと苦労があるんですね。植栽活動なども、忙しい農作業の合間に力を入れて取り組んでいるところもあります。活動量や活動時間にも地域の事情がありますから、そこもしっかりと考慮していただきまして、何とか北海道の単価はほかと一緒、一律にしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
#117
○国務大臣(林芳正君) 今局長からどういうふうな根拠でこういう単価になっているかということの説明をさせていただきましたけれども、まさに共同活動量、単位面積当たりは、いろんな方が上手下手というのはあろうかと思いますが、やはりほかの府県と比較して一般的に区画が大きくて単位面積当たりの水路、農道の延長が短いということで、共同活動量として見ますと府県と比較して小さいと、こういうことになっておりまして、こういうふうにして算定をされております。
 なお、観光というお話もありました。観光でしっかりと農外収入も得ていただくように、それも支援してまいりたい、こういうふうに思っております。
#118
○徳永エリ君 北海道の富良野とか美瑛辺りは、いい季節には本当にアジアの方もたくさんいらっしゃっていて、本当植栽には気を遣うそうです、写真を撮られる方がたくさんいますから。あと、農家の方に聞くと、七十町歩ぐらいのところを一人でトラクターで作業しているお父さんなんかもいて、ちょっとお手洗いに行きたくなっても、人目があるものですから、簡易トイレを用意しなきゃいけなくなったりとか、それからつなぎも、今日はちょっと汚いつなぎ着ていけないなと思ってきれいなつなぎを着て作業をやったりとか、相当気も遣っているようですので、そういうところも是非とも御配慮をいただきたいと思います。
 また、五年後に支払の効果や取組の定着状況を第三者委員会によって検証し、施策に反映するということですけれども、だとすれば、五年以上継続している地域について七五%単価と決めてしまうのではなくて、評価の結果によって更なる取組成果が期待される場合は単価一〇〇%継続でもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#119
○政府参考人(三浦進君) お答えいたします。
 多面的機能支払のうちの資源向上支払でございますけれども、ここで地域資源の質的な向上を図る共同活動の取組を五年以上継続した地区につきましては、今先生御指摘がありましたように、七五%の単価、基本単価の七五%を交付するという仕組みとしております。これは、五年以上継続した地区につきましては、地域住民を含めた農村環境保全活動などの活動がその制度を活用して定着をして効率的な実施が可能となっているということを踏まえたものでございます。これは資源向上支払についてでございますけれども、これまでやはり実施してまいりました農地・水保全管理支払におきましても、五年以上取組を継続した地区の交付単価の取扱いを同様の考え方に立って措置しておりましたので、これを引き継いだというものでございます。
 一方、今回、多面的機能支払の創設に当たりまして、農地維持支払を新しく設けました。こちらにつきましては、活動の定着に伴って効率化が図られるというような性格のものではないと、非常に基礎的な保全活動ということでございますので、そういったことを考慮いたしまして、こちらは基本単価の七五%とするといったことは行わないということとしたところでございます。
#120
○徳永エリ君 本当は、成果の出たところは一〇〇%どころか何か上乗せしてもいいんじゃないかというぐらいの気持ちなんですけれども、その方が意欲的にも取り組めますし、共同作業をしていても成果が評価につながるということは大変にうれしいことですので、できれば御検討いただけないかなと思います。
 それから、この多面的機能払い法案について私の意見を申し上げさせていただきたいんですけれども、この法案は農道や水路の維持管理などで、ちょっとこの多面的機能払いという名称と実態が懸け離れているような気が私はしているんですね。本来、多面的機能というのは、農家を守り、水田を維持する、つまり米作りを続けることによって副次的に多面的機能が守られるということで、そこを固定払いにしようというのが自民党が野党時代に提出した多面的機能支払の法案だったんだと思うんですね。その意味では、まず第一に水田に水を張り続けることが必要で、多面的機能を守るということは稲作農家を守るということだと申し上げておきたいと思います。
 となると、話は元に戻りますけれども、やはり米の直接支払交付金は廃止するべきではないと申し上げたいと思います。いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(林芳正君) 多面的機能支払は、もちろん水田、非常に貴重な生産装置であると申し上げたところでございますが、水田だけが果たしているというわけではなくて、畑地も草地も相まって、また森林等も相まって多面的機能というのが果たされていると、こういうふうに考えておりまして、そういった意味で、先ほど申し上げましたように、全ての販売農家で主食用の米だけということではなくて、この多面的機能支払というのは、農地を維持していただいているそれぞれのことについて、何を作るかによって全くもらえる人ともらえない人が出てくるということではなくて、広く多面的機能を維持してくださる方に、単価はそれぞれ今御議論いただいたようなところがございますけれども、これをサポートしていこうと、こういう考え方になっておるところでございます。
   〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕
#122
○徳永エリ君 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 先ほど、午前中、私の言いたいことは舞立委員と中泉委員が全て言ってくださいましたのでちょっと重複してしまいますけれども、北海道でも大変に不安が広がっている規制改革会議がまとめた農政改革に関する意見について伺いたいと思います。
 農政改革の三つの柱、第一に農業委員会、第二に農業生産法人、第三に農業協同組合の三つをセットにした見直しの提言がありました。産業競争力会議、また政府も方向性は一致しており、安倍総理からも、今が農政転換のラストチャンスとの認識の下、改革を実行していただきたいという指示もありました。
 与党の取りまとめが六月六日と聞いています。規制改革会議からの答申が六月十三日ということですが、農協、全国農業会議所、農業、農村の現場から、また与党内からも規制改革会議のこの意見には強い反発の声が上がっているようですけれども、この状況を受けて政府としてどう対応していかれるのか、大臣にお伺いいたします。
#123
○国務大臣(林芳正君) この規制改革会議は、今委員からお話がありましたように、五月二十二日に農業改革に関する意見、これを取りまとめられましたが、この改革を取りまとめる過程においては、先ほどどなたかのお話にもあったように、農業ワーキンググループにおいて農協や農業委員会、農業者等からのヒアリングが行われたと、こういうふうに聞いておりまして、一方、四月八日には全中が決定、発表した自己改革案についてもヒアリングが実施をされておると、こういうふうなことでございます。
 我々としては、農協や農業委員会等の改革、これは農業者、特に担い手農業者から評価をされて、農業が成長産業化していく、こういうものに資するものでなくてはならないと、こういうふうに思っております。そういった意味で、今与党と協議をしながらこの問題意識をきちっと踏まえて改革案を早急に検討したいと、こういうふうに考えております。
#124
○徳永エリ君 本当に時間がないので、この短い時間の中でしっかりと御検討いただきたいと思います。
 農業委員会の見直しについて伺いますが、公選制を廃止し選任委員に一元化するということです。しかも、これまで選挙委員の選挙権、被選挙権は、耕作の業務を営む者、またその配偶者などで耕作に従事している者、農業生産法人の構成員で耕作に従事している者でした。それが、選任委員は、農業者の創意工夫を最大限に引き出すことに優れた識見を有する者とされています。これはどういう人のことを指すんでしょうか。これまでの地域の農業者の代表、農業者ではないということなのか。そして、必ずしも地域に居住する者でなくてもよいというふうにも読めるんですが、いかがでしょうか。
#125
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 規制改革会議では、今御指摘ありましたように、農業委員のほとんどが無投票で当選されているということで、事実上形骸化しているのではないかと。専門委員等の指摘では、地域によっては持ち回りでなされているようなところもあるんではないかとか、あるいは名誉職となっているんではないかとか、あるいは兼業農家が多いのではないか、そういう指摘がありました。こうした指摘を踏まえまして、これから農業委員会が転用対策でありますとか耕作放棄地対策に力を入れていくためには、もっと実務的に機能する者を採用すべきではないかということで、選任委員に一元化してはどうかということで提案に至ったものだと受け止めております。
 この提案では、農地法の公正な運用、それから農地の監視、改善指導などの実務に精通した者、あるいは農業者の創意工夫を最大限引き出してNPOとかほかの団体ともうまく連携している人で識見を有する者ということになっております。ですから、必ずしも域内の人には限らないとは思います。ただ、全て、何というんですか、域外の人たちでうまく機能するかというと、それもまた問題だと思いますので、そういう具体的な話というのは今後農水省あるいは関係者とよく話をしながら詰めていくべき課題だと、そのように思っております。
#126
○徳永エリ君 先ほどもお話がありましたけれども、公選制は形骸化されているということですけれども、九割が無投票で決まるといっても、それは地域の人がその人でいいと思っているから決まるわけであって、持ち回りも決して悪くはないと思うんですよ。やはり地域のことをよく分かっていて、みんなに信頼されているからこそ、お願いします、やってくださいという話になるわけですから、それが理由にはちょっとならないんじゃないかなというふうに私は思います。
 これも先ほどもありましたけれども、首長選挙だって議会議員選挙だって無投票ということはよくあることですから、小さな町では本当によくあることですから、それを問題だというふうに私たちは思いませんし、それから地域外の人が入ってくるというのはやっぱりこれ問題だと思いますよ。いろんな問題を乗り越えていかなきゃいけないし、相談を受けるわけですから、地域のことを分かっていない人が入ってきて、それぞれ人に言えないようなことも相談したりするわけですよ、本音で語らなきゃいけない部分もあって。それをNPOの方々にじゃ本音で語ってくださいって言ってもなかなかそうはいかないと思いますので、そこはやっぱりしっかり考えた方がいいと思います。
   〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕
 それから、逆に市町村長の選任制にした場合に、農業者の意向や関わりに関係なく、首長の恣意的な選任が行われるのではないかということがすごく心配なんですね。いろんなところで首長に権限をという動きが今出てきていますけれども、何かやっぱり、ちょっと国が関わったりとか何か政治や政党が関わるというのは決して地域にとっては良くないことだと思いますので、その辺りは大丈夫なんでしょうか。確認させてください。
#127
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の点は重要な問題だと認識しております。
 公正中立な農業委員会の業務の執行というものを確保するためには、提案では市町村長が選任、任命するという形にしておりますけれども、それで全てコンクリートに決め切っているわけではございませんで、例えば議会の同意に係らしめるとか、いろんな手続というものを考えるべきだと思います。
 いずれにしましても、この提案が具体化されていく場合に委員御指摘の御懸念が解消されるように、その手続をどのようにするかというのは重要な検討課題として関係者でよく協議すべき問題だと思っております。
#128
○徳永エリ君 そして、農地利用推進員を設置し法制化するということなんですが、一、二名を新規参入サポーターとしてその連絡先を公表し、新規就農者が容易にコンタクトできるワンストップサービスを実現させるということですけれども、これ、農業委員会だって、新規参入したいという方の相談に乗ってきたり、あるいは企業の参入に関してだって今までも相談に乗ってきたわけですよね。
 なぜ、これ農業委員じゃ駄目なんですか。わざわざこの農地利用推進員を設置する必要があって、それを法制化しなければいけないのか。全くイメージが湧かないんですけれども、御説明いただけますか。
#129
○政府参考人(滝本純生君) お答えいたします。
 これは先ほどの、農業委員がどのようにして選ばれているかという、その実態をどう評価するかということとも絡む問題だと受け止めております。
 今の農業委員は、農業委員会での決裁事項と、それから地元で自分たちの担当してやっている地区の監視といいますか、それを両方されていると思うんですけれども、会議の議論の中で、それを切り離して、地元で耕作放棄地対策と遊休地対策を見回ったりする人たちはそれ専属でやっていただいて、それで農業委員会で議論する際の前提となる情報収集に当たっていただいた方がいいんではないかと。具体的には、農地の利用状況調査ですとか利用意向調査などの実務をこの新たな推進員に担っていただいたらいいんではないかということで、それが中心的な考え方でございます。
 今御指摘になられましたサポーターというのは、何も新規参入のサポーターだけをするために推進員を置くわけではありませんで、その地区で一、二名、新たに新規参入してくる人たちのお手伝いをする、そういう役割を担って、これまでの農業委員会での決裁と地元の活動というものを一度切り離して今後進めていった方がいいんではないかということで、こんな提案になっております。
#130
○徳永エリ君 どういう人がなるのか、あるいは有償なのか、それともボランティア的なものなのか、この辺りも御説明いただけますか。
#131
○政府参考人(滝本純生君) 具体的にどういう人たちがなるのかというところまでは立ち入った深い検討はされておりませんけれども、意見の中で出ていたのは、今全国で三万六千人ぐらいの農業委員おられると思うんですけれども、一方で、この提案では、その農業委員、平均は今二十名ぐらいだと思いますけれども、それを半分から四分の一に、少数精鋭で、そっちの方はしっかり報酬も支払うべきではないかと。そうすると、今の農業委員約三万、四万人近くいたら、その半分ないしは四分の一になるわけなので、総量的には今農業委員されているような方を推進員の方に回すことも可能だろうなというような話はありましたけれども、個別具体にどういう人たちという、今の農業委員を替わってもらうべきだとか、そういうところまでは話は至っておりません。
 それから、報酬をどうするかというような議論も若干ありました。それで、イメージ的には民生委員的な形でされたらどうかというような意見もありましたけれども、無報酬でというわけにもなかなかいかないだろうというような意見もありましたので、この辺は具体的に今後詰めていくべき問題だと思います。
#132
○徳永エリ君 そして、農業委員会の自主性、主体性を強化する観点から、都道府県農業会議、全国農業会議所制度を廃止するということですが、なぜ廃止しなければならないんでしょうか。産業競争力会議の課題別会合の中でも金丸座長からそのことについての詳しい説明がありませんでしたので、御説明いただきたいと思います。
#133
○政府参考人(滝本純生君) 今回の提案では、先ほど申しましたが、農業委員会には実務的な機能を強化して、遊休農地対策でありますとか転用違反対策、積極的展開を図っていくべきだ、こういうことが求められているという認識の下に、やはり農協の議論と並行的な感じがいたしますけれども、やっぱり自主的、主体的に責任を持ってやっていくことが基本ではないかという考え方が基本的なところではあると思います。
 それからもう一つは、議論の中で出ましたのは、転用に当たっての意見具申など農業委員会からの意見も聞くし、知事は今度、県の農業会議の意見も聞くというようなことで、それは重複しているのではないかというような意見もございまして、やはり基本的には農業委員会が主体的責任を持ってやっていくべきで、法律に基づく組織といいますか、制度としては廃止してよいのではないかと。ただ、各農業委員会の主体的な判断で県農業会議あるいは全国農業会議所に代わるようなものが必要だと判断すれば、それは農業委員会の判断として任意に新たな制度をつくられてはどうかと、そういう考え方でこの提案になっているものと事務局としては受け止めております。
#134
○徳永エリ君 そして、二〇〇九年の農地法の改正では、市町村、都道府県、全国を双方向で結ぶ組織的なネットワークが形成されている公的な農業機関、農業会議、全国農業会議所とは農地を農地として使うことを監視し、そして農地を守り、農家戸数を守る、つまり農村を守るんだという立場からの御意見をいただきながら、現場の意見を盛り込んだ農地法の改正がされました。
 行政庁への建議等の業務を見直すということですが、行政庁の農業政策の推進に当たっては、全国の農業者の代表として農業会議、農業会議所が意見することは重要な役割だと思います。農業生産法人制度の創設、農業者年金制度の創設、認定農業者制度の創設、それから青年就農給付金事業の実施など、政策提言をしていただき、実現した制度や政策も数多くあります。
 農業会議所は、小規模農家、平均的な日本の家族経営農業者の声を行政に届けるためにはなくてはならない公的な機関だと考えますが、大臣、この辺り、いかがでしょうか。お伺いしたいと思います。
#135
○国務大臣(林芳正君) 全国農業会議所は、今委員からも触れていただきましたように、農業委員会等に関する法律に基づきまして全国に一つ設立をされると。農業及び農民に関する意見公表、行政庁への建議、それから都道府県農業会議の業務に対する指導、連絡、農業及び農民に関する調査及び研究、情報提供、こういうものを行うということが農業委員会等に関する法律の五十九条に定めてあるところでございます。
 全国農業会議所の意見公表や建議の実績ですが、平成二十二年から二十四年の三年間の平均ですけれども、意見公表については八件、建議については二件行われておりまして、ほかの農業者や農業者団体の御意見とともに現場の実態を踏まえた農業政策の推進に役立っていると、こういうふうに考えております。
 全国農業会議所というのは民間団体でございまして、市町村の独立行政委員会である農業委員会とは性格が異なっておりますが、農業委員会の在り方の見直しと併せて全国農業会議所の在り方についても真剣に検討していく必要があると思っております。具体的な内容については与党とも協議をしながら検討していきたいと、こういうふうに思っております。
#136
○徳永エリ君 しっかりとお願いしたいと思います。商工業者の代表の機能として商工会議所法に基づく商工会議所と日本商工会議所が存在するわけで、経済界の都合で農政が改革が進められているというような感覚の中で、農業者の代表機能としての農業会議、全国農業会議所は大変に必要だと思いますので、是非ともしっかりと御検討いただきたいと思います。
 それから、農地の権利移動についての許可は、農地として利用される場合については法人に権利移動がされる場合を除き原則届出とするということですが、農地法の三条の農地の権利移動の許認可制を届出制にすることは、農地を農地として利用するかどうかの調査、検証をしないということで転用規制の抜け道になる可能性があるのではないかと大変に心配です。この辺についてどうお考えでしょうか。
#137
○政府参考人(奥原正明君) 農地の権利移動の許可の問題でございます。
 今現在の農地法の三条のところにこの権利移動の許可制は書いてございまして、これは、不耕作目的の権利取得等を排除をする、それから農地を効率的に利用する者による権利取得を促進するという観点から、この権利移動につきまして農業委員会の許可制になっているわけでございます。
 この許可を行う際の基本的な要件といたしましては、取得後の農地の全てを効率的に利用すること、それから取得後の経営面積が一定規模以上に達すること、それから周辺の農地利用に支障がないこと、こういったことが定められております。
 この農地法の三条、権利移動の許可制は、ある意味、農地制度の一番基礎的な条項でございます。ここの部分を届出制にした場合に本当に農地制度はどういうふうになるかということもございますので、これは与党とも御相談しながら慎重に検討を進めたいと考えております。
#138
○徳永エリ君 慎重にお願いをしたいと思います。
 さらに、農振地域等における植物工場、販売、加工施設などの転用基準の緩和など、制度の運用の見直しを行うということもありまして、農地が農地として正しく使われるためには、やはり届出制にするべきではない、許可制にするべきだと思います。しっかりと検証する必要があるということを申し上げたいと思います。こういうことをやってしまっては都市と農業地帯とのゾーニングが壊れてしまうことにもなりかねませんので、しっかりと慎重に御検討いただきたいと思います。
 それから、農業協同組合の見直しについてお伺いをしたいと思います。なぜ農協の見直しが必要なのでしょうか、改めて御説明ください。
#139
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 農業者の組織として活動してきました農協でございますが、時代の変化の中でかなり発足当時とは大きく異なる形態に変容を遂げてきたということが一つございます。つまり、少数の担い手組合員と多数の兼業組合員によって構成される割合が非常に大きくなってきたとか、あるいは准組合員あるいは非農業者が増加している、あるいは信用事業が拡大してきた、そういうようなことで、発足当時とは大きく変わってきたので、その面からの一つ要請があるという議論がございました。
 他方、そういう中で、農業者に最大限の奉仕をする組合組織という農協法の理念に立ち返って、農業者の所得の向上をさせていく、農村を豊かにしていく、そのお取組のやはり中心にこの地域農協、単協が主役とならなければならないと、それで独自の活動をしていただく。そういう二つの面から農協改革が必要ではないかということで今般の提案に至っているものと、このように理解しております。
#140
○徳永エリ君 そもそも、民間の組織に対して規制改革会議がここまで踏み込んでいいのかということも私には理解できないんですけれども、全中の制度は無条件で廃止、全農は株式会社化、規制改革会議の中でそこまでに至る経緯を御説明いただきたいと思います。
#141
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 規制改革会議の農業ワーキンググループにおきましては、まず、ヒアリングをいたしました。全中、それから全農、それから全共連、それからホクレンとか、あと八つの単位農協、この中には一県一農協のところも、佐賀と奈良でございますが、含まれておりますけれども、そういう多くの農業関係者からヒアリングを実施したところでございます。それからまた、全中からは、四月に発表された自己改革プランについて説明を受けました。その中で、委員からは具体性に欠けるんではないかといったような意見が出されました。それからまた、ホクレン等からは経済事業についての取組などについていろいろ説明を受けたところでございます。
 そういう中で、今回、中央会制度の廃止という提案に至っているわけでございますが、これについては、今申し上げたようないろんな方の話を聞き議論をするということと同時に、それから、やはり農協の統合が進んで規模や環境が非常に多様化している、そういう中で各単協がそれぞれの地域でいろいろ個別に独自の取組をしていかなければならないということになると、やはり中央会によって全国一律あるいは地域一律的な指示や指導というものを法律で定める必要もないのではないか、そういうことで農協法の制度としては中央会制度というものは要らないのではないかと。各その地域農協で必要であれば、先ほどの農業委員会とも関連しますけれども、任意に新たな組織をつくられてはどうかと。そういうことで、各系統を再構築してはどうかということ、そういう考え方に至って今回の提案になりました。
#142
○徳永エリ君 私の地元北海道では、単位農協は独自性はもう十分に発揮しています。ある単位農協へお邪魔すると、組合長さんしかいなくて、昼間誰もいないんですよ。どうしたんですかと言ったら、地域の農業者がみんな高齢化しているので手伝いに行っていますと言うんですね。特に女性の職員は人気があって、電話が掛かってきて、今日は誰々さんに来てもらいたいななんということもあって、楽しく話をしながら作業ができるということで大変に評判がいいんだということで一緒に農業者と汗をかいているというところもありますし、それから北海道の川西農協なんかナガイモで有名ですよね、HACCPを取得して台湾にどんどん輸出していって地域の雇用を生んでいるわけですよ。いろんな個性があって、別にそんな、中央会があったって農協の組織があったって、単協は自分たちの独自性を阻害されているわけではないと思いますよ。
 また、北海道の場合ですけれども、准組合員の事業利用は正組合員の事業利用の二分の一を超えてはならないということもありましたけれども、北海道では町に役場と郵便局、農協しかないというようなところがたくさんあるんですね。そういうところでは、地域のライフラインとしての事業運営を行っているんです。その結果、北海道では正組合員数が約七万人、准組合員数が二十七万人、八〇%が准組合員数なんです。准組合員は事業利用を目的に加入していて、准組合員の権利である事業の利用権を制限することは地域社会の崩壊にもつながりかねないと思います。
 金融機関の店舗がないとか、それから生命保険の代理店がないとか、あるいはJA以外のガソリンスタンドが一つもないとか、そういうところもありますし……(発言する者あり)はい。Aコープしかないというところもあって、採算を度外視して地域のために続けている事業もあって、これが経済事業とそれから信用事業、総合事業の中で一体的に運営されているからこそ成り立っているということをしっかりと御理解いただきたいと思います。
 それと、医療や介護にも大きな影響があるんです。医療過疎が問題になっている北海道では、道内に十二の厚生連の病院がありまして、二つのクリニックもあるんです。十四あるわけです。ここも運営が厳しいので自治体から補助金も入ってやっているわけなんですね。そのうち八病院が人口五万人未満の市町村に立地していて、農村地域の医療の確保に貢献しているんです。これを例えば社会医療法人に転換するとなると、このうち五つしか残れないということなんです。もう地域の病院がなくなってしまうんですね。それから、大学病院から医師の派遣をしてもらえないということも起きてきます。さらには、特別養護老人ホームを運営しているんですけれども、こんなところ、そもそも採算合わないんですよ。だから、農業をやっている間、おじいちゃん、おばあちゃん預かっているというようなこともできなくなる。そういう施設もなくなってしまうということなんです。
 規制改革会議の農政改革に関する意見のとおりに改革を進めていくことは、弱者切捨て、地方切捨てにつながりかねないと思っています。もうとにかく一部の人たちの都合のいい意見を聞くだけではなくて、もっともっといろんな地域の方々の声をしっかりと時間を掛けて聞いていただいて、きめ細やかな対応をしていただきたい。経済界に偏らない議論の中で農業委員会や農協の自らの改革案にも耳を傾けながら、しっかりと小規模農業者や地方の暮らしにとってもより良い改革となるように丁寧に議論をしていただきたいというふうに思います。
 時間になりますので、内閣府、それから林大臣にも農家、農村の立場に立って御発言をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#143
○政府参考人(滝本純生君) 今後、規制改革会議としましては答申にまとめていかないといけませんし、それから政府としては、規制改革推進室として規制改革実施計画というものを作ってそれを閣議決定していかなければいけませんので、これから農水省と十分に協議をいたしまして、しっかりしたものを作ってまいりたいと思います。
#144
○国務大臣(林芳正君) これは実は、昨年十二月に農林水産業・地域の活力創造プラン、これを決めさせていただきましたが、販売事業等を行う農協の果たすべき役割は極めて重要であります。したがって、自己改革を促すとともに、本年六月までに農協の在り方について結論を得ると。そのときに、実は農協のことや農業委員会のことだけが十二月には決まっていなくて、六月までにやろうと、こういうことに実はなっておったわけでございます。そういう中で、全中が四月三日に自己改革案、これを決定、公表したところでございまして、これを受けて四月八日には規制改革会議の農業ワーキンググループも全中からヒアリングもされたと、こういうふうに聞いております。
 我々としては、やはり先ほど申し上げましたように、成長産業化に農協が貢献するために、農協がまず農産物販売等に最重点を置いて積極的に取り組むにはどうしたらよいか、今、いいナガイモの例も出していただきましたけれども、それから、自らの創意工夫で経済事業を展開するためにはどうしたらよいかということに併せて、そのサポートをする連合会や中央会はどうしたらよいかということをこういう問題意識で真剣に検討していかなければいけないと思っておりまして、具体的な内容については今後、与党とも協議をしながら検討をしたいと思っております。
 私は、常々会見でも申し上げておりますように、農協は農業者が自主的に設立した民間機関でございますから自己改革が基本であると、こういうふうに思っております。必要な場合には法改正等により自己改革の加速化を求めることもあり得ると、こういう姿勢でしっかりと検討してまいりたいと思っております。
#145
○徳永エリ君 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
#146
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 この農政改革関連法案二法案、今日で委員会質疑は三回目になりますでしょうか、ひとしきり議論をさせていただきまして、またその後に先週から参考人質疑、また現地の視察、そして地方公聴会と議論した後に、もう一度現場に行ってみて、改めて様々、どきっとする指摘ですとか、あるいは新たな発見、そういったものもございました。今日は、そういった一つ一ついただいた、外部の有識者の皆様からいただいた視座というものをちょっと起点にしまして、幾つか引き続き議論詰めていきたいというふうに思っております。
 まず、最初のテーマでありますけれども、農業の構造改革、これについて少しお伺いをしていきたいというふうに思っております。
 議論のスタートとしてこの進捗度合いについてお伺いしたいんですけれども、これ先日の参考人質疑の中でも御指摘がありまして、いわゆる平地部に限ったとしても、経営の大規模化ですとか農地の集約、これがかなり進んでいるところとそうでないところというのは大分差が出てきているんじゃないかという御指摘がありました。北海道のようなところはもう既にほぼ完了していると。一方で、東北、北陸、北九州、東海とこういったところは進んでいるんですけれども、逆に言うと、それ以外のところがかなり遅れているということがございました。
 これは、農水省として現状の進捗度合いというのはどう認識されているのか。今後十年間で担い手に農地を八割集約していくんだ、こういった目標が一つあるわけですけれども、こういうスケールで見たときに、現状どこにいるのか。それと、その要因、これだけ差が付いてきてしまっているのであれば、その原因をどうお考えになっているのか、御答弁いただけますでしょうか。
#147
○国務大臣(林芳正君) 先ほど徳永先生のときにちょっと申し上げたように、御視察に行かれた島根、私の山口はその隣でございますが、北海道と大分違うという、多分私が北海道へ行くと、北海道はやっぱり違うんだなと思うのと同じだと思いますが、全国大変にいろんな差があるということでございます。
 今委員がおっしゃられたように、流動化の結果でこの十年間で担い手の面積の割合が三割から五割まで来ておりますが、今後十年間でこの割合を八割まで拡大させようということを目標にしております。
 都道府県ごとの農地の集積率は精査が必要で、まだ公表できる状況に至っておりませんが、先ほど申し上げたように地域ごとにかなり差がありまして、北海道では約九割に既に達しておりますが、関東地方それから近畿地方、中国・四国地方、約二割にまだとどまっているということでございまして、地域の差があるということでございます。
 集積が進んでいない要因ということですが、これは地域の事情で一律になかなかこうだと言うことが難しいところもありますが、一般的にはやはり出し手が不足しているということと受け手が不足していることと、それから、私の地元を振り返っても、中山間地が多いということで面的な集積が限りがある、集積しようにも、農地と農地の間に山があったりして、なかなか一つの農地になっていかないというところ結構あるわけでございまして、こういう要因が主に挙げられるのではないかというふうに考えております。
#148
○平木大作君 様々あると、まだ公表できない部分もある、集計中であるというようなお答えでもございました。これまで、例えば全国一律の制度としての農地中間管理機構の整備ですとか様々今まで進めてきたわけでありまして、ここでやっぱり差を一旦見極めて、この段に至っては全国一律の制度を当然更に整備していくとともに、しっかりと各地の地域の実情に応じたやっぱり施策を細やかに打っていかないとなかなかゴールには至らないんじゃないかなということを改めて思っておりますので、集計中のデータも含めて引き続き精査いただいて、是非また結果分かったときに御公表いただきたいというふうにお願いをいたします。
 今回、視察ですとか参考人の皆様にいろいろお話を伺う中で、これ一貫して出てきた、多分一番多かったんじゃないかなと思うのが、いわゆるこれうまく集約がいっていますよというところもそうじゃないところも、皆様一律に米価について、米の価格が結局心配ですということをおっしゃっておりました。これ、結局規模を大きくしてコストを下げていけばいいのかという、単純にそれだけの話ではやっぱりありませんで、米価がどんどんどこまで下落していくのか分からない、そういう不安感の中では、結局経営を幾ら強くして大きくしていっても最終的に不安で、次の世代には引き継ぐことがなかなか自信を持ってできない、こんなお話がございました。
 こういう中で、今の農政の一つの方向性としては、これまで国が一律に、行政が一律に生産調整を行っていたところから、時間を掛けて、行政の方はしっかり情報を出す、それを受けて現場の生産者、経営者の皆様が生産量についてもこれから判断を行っていくようにするんだ、このような方針が今まで示されてきたわけであります。
 ちょうど今年の三月末から、米穀の取引に関する報告、この中において報告として出てくる情報が少し細かくなりました。今日、資料として配付しようかどうしようか悩んだんですけれども、余り大きく変わっていないので簡単に口頭で申し上げますと、一つは、産地ごとのお米の銘柄の種類が少し増えたということ、そしてもう一つは、これまで価格情報のみであったところにいわゆる数量の情報といったものが加わって今発表になっております。
 現時点、いわゆる少し情報量を増やしてきた米穀の取引に関する報告について、生産ですとか流通ですとかそういった現場の方から、変わってどうだったのかと、もし反応があったら教えていただきたいということと、あわせて、多分今回はそんなに、まだまだ第一歩目であったにしかすぎないんじゃないかなというふうに思っておりまして、今後、この情報の中身ですとか発信の頻度、これどういうふうに充実させていく方針なのか、御答弁いただけますでしょうか。
#149
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今回の米政策の見直しにおきましては、五年後を目途に、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行われるよう各般の環境整備を進めるということにしておりまして、その環境整備の一環といたしまして、ただいま御指摘ありましたように、本年三月末から国が提出する米の需給・価格情報等を大幅に拡充しまして、具体的に申し上げますと、価格公表の銘柄を倍増ということで約百銘柄にしたところでございまして、また、県別あるいは主要銘柄別の販売あるいは契約の進捗状況、これを毎月新たに公表するといったようなことにしているところでございます。
 これにつきましての評価でございますが、本年三月に内閣官房が生産者の皆さんを対象に実施したアンケート調査がございまして、その中で、生産数量目標の配分に頼らない生産に移行するために必要な環境整備として、きめ細かい需給・価格情報、販売進捗・在庫情報の提供との回答が最も多く、必要な情報の種類として、やはり各都道府県ごとの契約、販売の進捗状況との回答が最も多かったところでございます。今回の情報提供の拡充は、このような現場の要望に一つは沿ったものというふうに考えているところでございます。また、一部の新聞報道によりますと、流通業者からはこれまで見えなかった情報が分かるようになり、取引の判断材料になるといったような記事が掲載されておるところでございます。
 私どもといたしましては、米について、生産者の主体的な経営判断、あるいは集荷業者・団体の販売戦略が的確に行われることが可能となりますよう、よりきめ細かい情報をしっかり提供していくことが重要と考えておりまして、毎月のホームページでの公表に加えまして、メールマガジンの発刊などによりまして幅広く情報提供を行っていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。
#150
○平木大作君 現場の要望に沿った形で今情報を拡充している、更に今後も進めていくという御答弁でございました。
 一方で、これはまず第一歩にすぎないというのはよくよく分かるんですけれども、私もよくこれじっと見てみても、やっぱりこれ正直どう使っていいのか分からない。例えば、北海道のななつぼしという、一番上に書いてあるわけですけれども、数量が一万二千三百十六トンでした、今月ですね、これは対前年比で七九三%でしたと、例えばこんなふうにあるわけですけれども、これを見たときに一体どういう判断をしていいのか。もっと言うと、いわゆる一農家の視点から見たときに、やっぱりこれで果たして有用な情報なのかというと、まだまだ正直どう使っていいのか分からないというところであるのかなというふうに思っております。
 実際に、このゴールとするいわゆる需要に応じた生産、生産者がどう使っていくのかというところ、ここにおいて、今出されている情報、数量ですとか価格、あるいは在庫情報もこれからということでありましたけれども、こういったものというのは具体的にどう活用されていく想定なのか。少なくとも、こういったいわゆる情報を多分ローデータで出すだけだとやっぱりきついなというふうに思っておりまして、これをこういうふうに読み解いて生産のいわゆる意思決定に使っていきましょうというマニュアルのようなもの、せめてそういったものがないと使えないんじゃないかなと思うんですが、この点、御見解いかがでしょうか。
#151
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生の方から御指摘いただきましたように、まずは確かに第一歩だというふうに思っております。やはり、この情報につきましては、考えておりますのは、念頭に置いておりますのは、現場段階で使っていただくと。生産者が自ら作っている銘柄の米の売行きが良くないので少し生産を抑えようとか、価格が上昇しているので逆にこの売り込みをしよう、生産を増やそうといったような判断を、主体的な判断をしていただくといったことが可能となるように取り組んでいくことが必要かというふうに思っておるところでございまして、やはりより分かりやすい形で提供していくことが必要かというふうに考えておりまして、工夫できるものは工夫していきたいというふうに思っておりまして、その中で、国が米の売行きについて断定的な評価、分析、これを行うことはこれはなかなか難しいわけでございますが、先ほど申し上げましたように、できるだけいろんな方の意見も聞きながら、工夫できるものはどんどん工夫していきたいと、こんなふうに考えているところでございます。
#152
○平木大作君 是非とも、こここそ現場の生産者の皆様とキャッチボールをしていただいて、これどうすれば一番皆さんに有用な情報になるのか、経営判断の手助けになるのか、こういったところから今後引き続きブラッシュアップをお願いしたいというふうに思います。
 また、生産者の皆様ですとかあるいは参考人の皆様からお話をいただく中で、割とあった指摘として、いわゆる規模拡大、経営の規模の拡大ですとか農地の面的集約、これを進めるだけでは単純にコストの低減ですとかいわゆる生産の効率化にはつながらないんだ、そう簡単ではないと、広げていけばいくなりのやっぱり悩みがいろいろありますということでありまして、特に、どんどんどんどん大きくなっていきますと、それに応じて例えば大型の農機に更新をしていかなければいけない、あるいはそもそも作り方自体を変えていかなければいけない、こんな話もあって、それに対応していくのが本当に大変だということでございました。
 私たちも視察において、お米のいわゆる鉄コーティングをした直まきのやり方、そういった現場も見させていただきました。やっぱりすごく革新的で、ああ、大分これで負担軽くなるのかなと思うわけですけれども、田んぼの前にはその鉄コーティングするためのいわゆる新しい農機がずらずらずらと並んでいて値段表が付いていると。
 それで、一番効率的なのはどうも無人のヘリコプターでまくというのが効率的らしいんですけれども、私、後で値段を調べてみましたら、無人のヘリコプター一台千三百万するということでありまして、これ本当に、何も自分でやっていっているんだから仕方ないという見方もあるわけですけれども、先ほどもございましたけれども、実態としては、もうこの地域で自分は営農していけない、だからこの地域の農業を守ってほしい、頼むと言われて、断れずにどんどんどんどんいわゆる農地を引き受けて今規模が集積してきたと。参考人の方の言葉を使いますと、農家戸数の減少を起点とした農地の集約と、こういう指摘もされていたわけでありまして、これやはり担い手にはどんどんどんどん今負担が大きくなってきております。こういう中で、次々と設備投資を今ある意味強いられるような状況になっている方たちに対して何かやはり支援策を是非取っていくべきだと思いますが、この点いかがでしょうか。
#153
○政府参考人(奥原正明君) 担い手の方が農地の規模を拡大していく、あるいは集約化をしていくということになりますと、当然、これに伴いまして機械その他の設備投資、これが必要になってくることは当然ございます。
 そのときの支援といたしまして、一つは、日本政策金融公庫、ここのスーパーL資金という資金がございます。これは認定農業者に対する制度でございますが、認定農業者になっていただきますと資金の使途ですとかそういうものの制限が非常に緩くなっておりまして、使いやすい資金として準備をされております。それから、農業法人の場合ですと出資というものが使えますので、アグリビジネス投資育成株式会社、これができておりまして、ここからの出資を受けるという方法もございます。それから、補助の制度といたしましては、人・農地プランに位置付けられた中心経営体の方にということになりますけれども、経営体育成支援事業、これによりまして機械等の補助を出すということもございますので、こういったものによりまして担い手の方々の設備投資を支援していきたいというふうに考えております。
#154
○平木大作君 この課題になりつつある設備投資に対してはいわゆる担い手をしっかり支えていくと、今御紹介幾つかいただきましたけれども、ここを更に充実させていくのはもとより、もう一方、いわゆる農機具のメーカー、これも日本には大変優れた技術を持ったところがたくさんあるわけでありまして、こういったところとまた更に密にコミュニケーションを取っていくと。今一番現場で必要なのは一体どんなものなのか、こういったところに焦点を合わせてやはり供給をいただくということが必要なのかなというふうに思っております。
 この点は、実は先日の私の質問の中で、大幅なコスト削減についてお伺いしたときに、国内の農機具メーカーさんがいわゆるこれまで輸出に出していたもの、それを国内に振り向けることで二、三割コスト削減が図れますといった御答弁をいただきまして、私もよくよくここを後で議事録読んでみて、やっぱりちょっと意味が分かりませんでした。
 ちょっとこの点も含めて、農機具メーカーさんとのいわゆるコミュニケーションの中でどういう今施策が考えられるのか、今後またお取りになるつもりなのか、こういった点について御答弁いただけますでしょうか。
#155
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 まず、海外向けの機械の関係でございますが、これにつきましては、私ども、昨年の夏辺りから、担い手の農家の皆さん、そして農機具メーカーの皆さんに集まっていただきまして、今いろいろと担い手が求めているものをいろいろと議論させていただいている中で、特に低価格な、先ほども出てまいりましたが、農業用機械が欲しいといった声に対しまして、よくよく考えてみたら、海外向けに輸出している機械がございまして、これについてはかなり機能を絞り込んでおるものですから、先ほど申し上げましたようなことで二割から三割国内のものより安いという低価格モデルのものがあるので、これをまず国内展開する道があるんじゃないかというようなことでこの前御答弁申し上げたところでございます。
 実はこれ以外にも担い手農家からいろいろと要望といいますかニーズがございまして、一つは、やはり国内メーカーと農家との間で求める機械の機能に非常にずれがあるといったこと。それともう一つは、担い手農家が農繁期に機械を使うわけでございますが、非常に故障が多く出るわけでございますが、そのときに部品の供給が遅れることによりまして非常に時間的なロスというものが出てくるということで、これを回避したい、あるいは耐久性を向上してほしいといったような意見が出たところでございまして、こうしたいろんな意見につきましてメーカー側の方にも伝えまして、どのようなことができるかといったようなことで今いろいろな意見交換を逐次やっておるところでございますが、例えば、具体的な例でございますが、こうした先ほどの故障時の扱いでございますが、これからは通信衛星を用いて機械の故障状況をすぐに把握、メーカーがしまして即時にメンテナンスを提供するといったようなサービスを今回始めているといったような事例もございまして、多々ますます弁ずの世界ではございますが、いろいろな工夫をしていきたいというふうに思っているところでございます。
 それと、さらに、やはり試験研究といったものが大事かと思いまして、これは独立行政法人農研機構というのがございますが、そこと農業機械メーカーが共同して研究開発を行います農業機械等緊急開発事業といったものがございまして、ここの中で、先ほど申し上げました耐久性やメンテナンス性を向上させたようなコンバイン、あるいは省力化の要望が強い畦畔等の除草機の開発、こういうものを行っているところでございまして、今後とも現場の声を丁寧に伺いながら、しっかり担い手のニーズに対応した機械の開発、供給を推進してまいりたいと、このように考えているところでございます。
#156
○平木大作君 ありがとうございます。
 通信衛星を使った取組ですとか様々、今新しいもの、そして現場が本当に求めているものの開発、是非引き続きコミュニケーションを取っていただきたいというふうに思います。
 私も、いわゆる農業の話をするときに、農地、そして担い手、大事なわけですけれども、やっぱり使う道具、農機具についても本当に大事だというふうに思っております。
 この質問をしようと思ったときに、じゃ、今、日本の農機具メーカーって一体どういう状況なんだろうというふうに思いまして、ちょうど二十六年三月期の決算出そろっている時期ですので、決算の概要ですとかあるいは経営者のインタビュー、ざっと読んでみました。各社ともに、実は大変今好調なんですね。増収増益を果たしているようなところが多くて、非常に好決算であります。
 ただ、読んでいると、実は大分不安になりました。というのも、結局、今好決算で、このいわゆるいい流れというのはどんどん外に出ていこうということでございまして、これちょっとインタビュー、若干引用させていただきたいんですけれども、ある農機具メーカーの経営者の方ですね。稲作は世界の耕作面積の四分の一しか占めていないんです、しかも、今後はそんなに伸びないと。今は農機関連の社員の九割が米に携わっているけれども、一部の社員を集めて、おい、畑に行くぞと今呼びかけていると。これからはとにかく畑作の機器に力を入れていくんだということで今世界中で買収等も行っているということでありまして、この収益をしっかり国内の農業を強くするためにまた還元していただくということは非常に大事だと思うんですけれども、どうもこの農機具メーカーさんの経営の視点としては、稲作ではなくてこれからは畑作なんだ、また海外の市場に出ていくんだというところにどうしても目が向いているということのようでございまして、これはこれでしっかり更に収益力を高めていただくのは大事なんですけれども、ここについても、いわゆるコミュニケーションの中で、まさに今必要とされる農機具自体が日本国内でも変わりつつあるという状況はあると思います。
 実際に、面的集約を進めて、日本のトラクターでは出力少な過ぎて海外のものに切り替えた、そんな話もいただいているわけでありまして、是非とも、日本で今一番何が必要なのか、こういったところを引き続きお伝えいただきたいというふうにお願いします。
 少し話がそれるんですけれども、農機具メーカーの中には面白い取組をしているところもありまして、これは皆さん御存じだと思います。昨年、フェラーリですとかそういったものをデザイン手掛けていらした世界的に有名な工業デザイナーが農機具メーカーの社外取締役に就かれて、今トラクターですとかそういったものをデザインを手掛けていらっしゃると。今年の東京モーターショーにも近未来的なコンセプトトラクターを出展したということで、私、行けなくて本当に悔しいんですけれども。
 でも、多分、こういう農政を考える、まさに委員会の議論で幾らやっても、格好いいトラクター作ろうみたいな結論というのは絶対出てこないわけですね。ある意味全然違う畑というか分野で活躍されてきた方が農業の問題に取り組んで、こういう一つの方向性を見出されていると。本当にこういった、あの格好いいトラクターに乗りたいとか、ああいうトラクターに憧れるということで例えば若い方が農業に関心を持ったりということも本当に大いにあり得るわけでありまして、こういったところとも是非連携して、引き続き、いわゆる農機具についても更により使い勝手のいいもの、生産者が必要なものを作っていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 設備投資への支援というところの流れで、もう一つだけ一応お伺いしておきたいのが、これ、先ほど来も御質問の中にありました。いわゆる現場の皆様の中には戸別所得補償制度の継続というものを見込んで実際に借入れを起こして農機具買ってしまったとかいう方が実際にいらして、今回の現場の視察の中ですとか質疑の中でもそういった声を直接いただきました。
 農水省として、実際に、いわゆるこれまでの補助金ですとか戸別所得補償制度といったものを前提にして経営計画を立てて借入れを起こしたり設備投資を行ったがゆえに今行き詰まってしまった、こういうところというのは実際どの程度あるのかという把握ってされているんでしょうか。特に、返済が滞ってしまったような場合というのは当然何らかの救済措置みたいなことも検討すべきじゃないかと考えるんですが、この点、いかがでしょうか。
#157
○政府参考人(奥原正明君) これまで予算措置で行われてきました米の直接支払交付金につきましては、政策的な課題がありますために廃止することになったわけでございますが、この交付金を前提として機械、施設の投資を行ってきた農業者の方もおられると承知をしております。数字でもって把握をしているわけではございませんが、我々は農業者の方との意見交換を相当頻繁にやっておりまして、その中ではそういう方々がいらっしゃることを我々も承知をしております。そのことも踏まえまして、いきなりこの交付金をなくす、ゼロにするというわけにはまいりませんので、経過措置として、二十六年産から単価を半減した上で二十九年までの時限措置として実施をすると、こういうことになったわけでございます。
 それから、今回の制度見直しによりまして、仮に農家の方が債務の返済に支障を生ずるということになった場合には、これは既に日本政策金融公庫、ここの経営体育成強化資金ですとか借換えの資金が用意をされておりますので、そういったものを使いまして経営に支障が生じないようにきちんと支援をしていきたいというふうに考えております。
#158
○平木大作君 ありがとうございます。
 是非、特にこういう声が上がっているときにしっかり、例えば借入れの状況ですとかそういったものに関しては金融機関と連携取っていくことで把握できる部分も多々あるかと思いますので、是非とも迅速な対応、もし何かありましたらお願いしたいというふうに思います。
 構造改革関連に関しては、もう一つだけ最後にお伺いしたいと思います。
 この点についても参考人質疑の中で御指摘をいただいた点なんですけれども、担い手にとって地代が高いことというのが農業経営の一つの負担になっているんじゃないかという御指摘をいただきました。いわゆるかつてあった地代調整の仕組み、標準小作料制度が今はないわけでありまして、それに代わるもの、適正な地代水準に誘導していくような何か新たな施策、取組、こういったものを検討すべきじゃないかと考えるんですが、この点、いかがでしょうか。
#159
○政府参考人(奥原正明君) 個々の農地の地代につきましては、農地の地理的な条件ですとか基盤整備の状況、あるいは栽培される作物などの諸条件、こういったものを踏まえまして、所有者と借り手の交渉によって決められるということが基本でございます。
 平成二十一年の農地法の改正以前は、農業委員会が標準的な小作料を決めるというものがございました。これは、地域における平均的な農業経営における粗収益あるいは生産コスト等を基に標準小作料を算出をいたしまして、これを目安としてお示しをするということがございました。この標準小作料と比較をして著しく高額な小作料については減額の勧告を農業委員会が行うという制度もあったところでございます。しかしながら、実際には減額の勧告、これはほとんど行われておりませんで、事実上、小作料の目安を与えるという機能のみを果たしてきたことから、二十一年の農地法の改正に際しまして、この標準小作料の制度は廃止をされております。農業委員会が地域内の地代の動向を収集をして、作物ですとか地理的な条件、基盤整備の状況、こういったことの区分ごとに賃借料の水準を情報提供する制度、これに改めたところでございます。
 今年からは、各都道府県に設置が進んでおります農地中間管理機構、ここのところが所有者から農地を借りて担い手の方に転貸をするということになります。この場合には、賃料の水準につきましては、その地域の大体整備状況が同じところの農地であればどのくらいの水準であるかといったことを基本にして決めていくことになりますので、機構を通して転貸をすることによって、ある意味地代の水準が相場として一つ形成をされてくると、こういうことにもなるものというふうに思っております。
#160
○平木大作君 ちょっと時間が押してまいりましたので、次のテーマに移らせていただきます。
 次は、もう一つは、中山間地域の農村振興についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 今回もこの視察、お伺いする中で、本当に現地の皆様と有意義な意見交換をいろいろさせていただきました。その中でやはり一つ痛感したのは、例えば今回は我々農水委員会として行っているわけですのでその政策についていろいろお伺いするんですけれども、現地の方は、ああ、今そういえば総務省はこういう取組やっていますよねとか、あるいは国交省はこういうのをやっていますよねみたいな形で、やはり受け止める側というのは、別にこちらが農水省だろうがどうだろうが、農水委員会だろうがということは余り関係ないわけですね。一つの課題として、省庁を超えてこの地域をどうやって元気にしていくのかという視点が、やっぱりなかなか横串がまだまだ通っていないのかなというのを正直に実感いたしました。
 この点について、農林水産業・地域の活力創造プラン、この中においては、国土保全といった多面的機能を発揮するための地域政策についても関係省庁が連携して内閣を挙げて取り組むんだと、こう書いてあるわけでありまして、実際に営農自体がなかなかもう継続も厳しいみたいなところもたくさん出てきているわけですけれども、こういった中山間地域の振興策について、省庁横断的に今後どのような方針で取り組まれるのか、御答弁をお願いいたします。
#161
○国務大臣(林芳正君) まず、農林水産省においては、今御議論いただいております中山間地域等直接支払制度を含む日本型直接支払制度、これを創設するわけですが、このほかにも、簡易な圃場整備や農地の集約化、それから地域資源を活用した六次産業化、それから交流人口の増加を目指すための都市と農村の交流、こういう施策も併せて推進をしているところでございます。
 また、今お触れいただきましたように、昨年十二月に取りまとめた農林水産業・地域の活力創造プランでは、我が省の事業の施策のほかに、日常生活に不可欠な施設等の基幹集落への集約とその基幹集落と周辺集落とのアクセスの手段の確保、それから、生活交通の確保、維持を図るなど、快適で安全な公共交通、これの構築、それから、家事援助、配食、食材配達など多様な主体による生活支援サービスの充実、こういった関係省庁の施策を連携して実施をすることによって地域コミュニティーの活性化を総合的に推進していくということにしておりまして、まさに現場におかれては、どこの省の施策であろうと、国であろうと県であろうと市町村であろうといいわけでございますから、現場の目線で総合的に施策を推進していくということが大事なことであろうと、こういうふうに思っておりまして、今後とも関係省庁と連携して中山間地域の振興を総合的に支援していきたいと思っております。
#162
○平木大作君 ありがとうございます。
 農政として行っていくわけですから、当然その地域の農業をしっかり支えていくという視点、これが真ん中にあるわけでありますけれども、今御答弁いただいたように、地域のアクセスですとか、生活を支えるというもう一つ大きな視点からやはり政策取り組んでいただかないとなかなか現場が動きづらいのかなというふうに実感いたしますので、是非今後とも、いわゆる省庁の壁取り払って地域振興策取り組んでいただきたいということをお願いいたします。
 こういう農業の振興だけではなくて、いわゆる農村の振興という少し視野を一段上げたところからの施策として私、今大変注目しているのが、最近選出されました、ディスカバー農山漁村の宝、農山漁村と書いてムラと読む農山漁村の宝、全国から先日ちょうど二十三地区が選出されたというのを受けまして、私も結果見て、主に私が動いている関東甲信越からはたったの二か所しか入っていなくてちょっと残念な思いだったんですけれども。農村振興において、この取組、一体どういった意義があるのか、また今後どのような展開を考えていらっしゃるのか、御答弁お願いいたします。
#163
○政府参考人(三浦進君) ディスカバー農山漁村の宝でございますけれども、これは強い農林水産業、美しく活力ある農山漁村の実現に向けて、農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより地域の活性化に取り組んでいる優良事例を選定し、全国へ発信するということを通じて、ほかの地域への横展開を図るということを目的とした取組でございます。これは、昨年十二月に決定されました農林水産業・地域の活力創造本部決定の活力創造プランを踏まえたものでございます。
 先生のお話にありましたとおり、今般、全国から公募をしたところ二百五十一件の応募がございまして、これは有識者の懇談会によって選定をするということで、二十三地区が選定されたということでございます。選定地区の決定と併せてロゴマークも決定するということをいたしております。
 今後、これらの地区につきまして、地域活性化に関する先進的なモデル地区として各種の広報誌ですとかメディアなどで取り上げられるように私どもとしても働きかけてまいりますほか、各種イベントなどへの参加といったことも促進いたしまして、そういったことを通じてこの選定地区の取組を全国に発信していくということに努めてまいりたいと考えております。
#164
○平木大作君 この二十三の事例、一つずつ拝見すると、やはりこれ農山漁村の振興ということでありますので中心的な施策はやっぱり基本的に農業だったり漁業だったりなわけですけれども、そうじゃないものもやっぱり含まれている。こういう地域の発展にとって何がキーになるのかというのはやっぱり地域ごとに違うわけでありますし、農業、林業、漁業みたいなものにこだわり過ぎるとやっぱり逆に出てこなくなってしまう可能性もあるのかなと思いまして、大変これ本当に有意義な取組であるというふうに思っております。
 一つお願いしたいのは、こういう二十三のすばらしい例が出てきて、成功例を横展開していくというのは本当に大事なことだなというふうに思っているんですけれども、多分、成功例の横展開というのはある意味一つの在り方、きれいなやり方ではあるんですけれども、まだまだもっともっと実はこのプロジェクトは活用できるんじゃないかと正直思います。
 先ほども、二百五十一件全国から応募があったということでありましたけれども、やっぱり応募してくるだけのこういうアイデアですとか意欲がある地域がまずこれだけあると。もうその一つ一つが恐らくぎりぎりで選に漏れているわけでありますけれども、いろんな可能性を持っているんだというふうに思います。このアイデアをやっぱり生かさない手はない。
 この間、視察、皆さんで一緒に委員会で行かせていただいたときも、現場でいろいろ試行錯誤している。何でですかと聞くわけですね。何でお米をやっていたところでサツマイモなんですかとか、水はけ悪いのに何であえてここでまたそういうことをやっているんですかと聞くと、割と、いや偶然ですよとか、いろいろやってみたらこうなったんですという話なんですけれども、よくよくお伺いすると、やっぱり地域間の交流とかで、こういうものを入れると土壌改良できるよとか、水はけ良くなるよみたいなアドバイスを一言もらったことがきっかけとなって、ああ、やっぱりサツマイモなんだということでどんどん進化が進んだみたいな話もありました。
 やっぱりこういう一つ一つのアイデアを持った地域をどんどんどんどん交流を活発にして結び付けていく。こういうことで、二十三の事例を横に展開するだけではなくて、より何か展開が広がってくるんじゃないかなというふうに思いますので、こういったこと、今回選に漏れてしまった地域についても是非今後ともフォローしていただいて、また次の交流につなげていただきたいことをお願いいたします。
 ちょっと時間が押してきましたので、今日、環境省にも来ていただいております。鳥獣害対策についても大分声をいただいたので、最後にそれについてお伺いしたいというふうに思っております。
 猟師の皆さんが減少してきてしまっていて高齢化も進んでいるという中で、本当にこの鳥獣害、中山間地域であればあるほど大きな問題であるという御指摘をいただきました。
 そんな中で、先日報道で見付け、おっと思ったんですけれども、この新たな狩猟の担い手として今狩りガールが大変注目を集めているという記事でありました。山ガールから今度は狩りガールかという展開なんですけれども。
 これ、ちょっと現状についてまず教えていただきたいんですが、現状、女性の狩猟免許取得者というのはどのくらいいらっしゃるのか、また今後どのくらい増やしていくおつもりなのかということとともに、推進施策としてどのようなことをされるのか、御答弁をお願いいたします。
#165
○政府参考人(星野一昭君) 狩猟者の減少と高齢化が進む中、鳥獣による生態系や農林水産業等への被害を防止するためには捕獲の担い手の育成、確保が極めて重要と認識しております。
 平成二十三年度の女性の狩猟免許所持者は千九百十二人、狩猟者全体の約一%を占めている状況でございます。女性の狩猟免許取得者が増加することで狩猟のイメージがより向上し、捕獲の担い手が増加することを環境省としても期待しているところでございます。
 このため、環境省では、鳥獣の捕獲が社会的意義を有すること等について国民に普及啓発を行うとともに、主に若者を対象として狩猟免許取得を促すイベントを各地で開催しており、若い女性も参加しております。引き続き、こうした取組を通じて鳥獣捕獲等の担い手の育成、確保に一層努めてまいりたいと考えております。
#166
○平木大作君 ありがとうございます。
 大変面白い取組だなというふうに思っておりまして、ちょっと何かイメージとギャップがあったんですけれども、これ、新聞で紹介されていた中にも声として、例えば自然の中で自分で捕ったものを料理して食べてみたいとか、そういうちょっと男性とはまた違った視点でこの狩猟に取り組まれていたりするという声もありました。また、広報を担当されている方からの声として、いわゆる男性は動物を捕るところまでは頑張るんだけれども、その後に解体をどうもやりたがらないと、一方で、女性は最初遠慮するんだけれども、実は積極的にそういった解体も含めて割とちゅうちょせずに最後までやり切る方がいらっしゃるということでありまして、何かやっぱり今の日本は男性よりも女性の方が元気でチャレンジ精神にあふれているのかなということも感じた次第であります。
 やっぱりいろいろ、日本においてはなかなかこの狩猟、担い手が大変少なくなってしまっているわけでありますけれども、ヨーロッパでは文化として非常に普及している、スポーツハンティングみたいなことも若い方も含めてすごく取り組むということもありますし、何がきっかけでまたこの広がりがあるのか分からないなというふうに思っております。
 記事でもやはり御紹介ありましたけれども、女性が狩猟に入っていく上で一つ背中を押したのがいわゆる猟具の軽量化ですとかGPS付きのスマホが普及した、こういう環境が整ってきたことに背中を押されて実際に、じゃ、やってみようかとなったと。こういう話もあるわけでありますので、こういったいわゆる環境整備ですとか猟具、引き続き、女性にちょっと興味を持ってもらえるようなものですとか、そういったものも含めて取組を今後引き続き進めていただきたいということをお願い申し上げます。
 時間が参りましたので、以上で私の質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。
#167
○儀間光男君 日本維新の会・結いの党の儀間でございます。
 こう言えるのもいつまで続くか、よく見通しが利かなくて不安定のままに今立っておりますが、どうぞ御了解をいただきたいと思います。
 今日は、引き続き、担い手経営安定交付金やあるいは多面的発揮の促進等二法案でございますが、関連して質問をするわけですけれども、それに入る前に、私も委員の皆さんと一緒に二十六、七日、島根県出雲地方を視察をしてまいりました。その前には雪害で長野、群馬を行ってきましたけれども、今お話が出るように、日本の南北、正確には南北じゃないんですが、南北の長さをつくづくと思うんですね。
 そういうことを見ながら感じたのは、南北が長くて気温、気候も違う。温帯から寒帯から亜熱帯まで続く日本列島の中で、大臣、何で法律ばかりは金太郎あめなのかなと思うんですね。どこへ行っても、まあそうじゃない法律もあるんですが、例えば農業で捉えていうと、長野へ行ったとき、あの雪害を見て、思わず私はびっくりして、おおっという声を上げたんですよ。ところが、被害に、雪害に対するおおっじゃなしに、雪のすばらしさにおおっと言ってしまったんです。それぐらい、沖縄地方、南の地方の雪のないところは雪に感動してしまって、やがて不謹慎なことになりおったんですが、それぐらい違うんですね。
 ここで、農政が違うのは、金太郎あめだと私言っているのは、向こうへ行って感じたことは、雪害、雪のある地域の農業材ですね、例えばビニールハウスのパイプとかそういうものは、上から雪の重みに耐えられる、つまり重圧に耐えられる強度が必要なんですね、材料が必要なんです。ところが、沖縄や台風常襲地へ行きますと、重力は関係ないんです。横っ払いが大事なんですね、台風が入りますから。横に払われる、これに強い強度を持つ資材が必要なんですが、現状はほぼみんな同じ法律で処理されるということで、どこまで金太郎あめなんだろうなと、こういうふうに思いましてね。
 したがって、作目別にやるのもいい配慮ですが、先ほどから出ていますように、地域ごとにその風土、環境に合ったものを、法律を準備することも大事なことではないかと思うんですね。それでは、南北に分けて事足りるかというとそうでもないので、これもやっぱり寒冷地あるいは温暖な地方と中がありますから、これも含めて検討されて調査されて、こういうことを開発して農家の栽培に手伝いをしていただきたいなと、そういうふうなことを改めて感じておりましたからお願いをしておきたいと、こう思います。
 質問に行きますけれども、農業は知ってのとおり、人類の、国民はもちろんですが、人類の食料を供給する、担う大きな役目を、社会的責任を持っているわけでございます。また、地域の基幹産業としての地域経済にも大きく貢献するなど、農業が担うものは大きなものがあり、また期待されております。
 これも、もう言い古された話ですが、農業従事者の高齢化、後継者問題、あるいは耕作放棄地の拡大などなどは、これは構造的な問題を抱えていることも確かではありますが、将来に向けて、これらの課題をどうしても解決を見なければなりませんが、そのための特効薬がなかなか見付かってこない。いろんな面を政府も検討されているんですが、抜本的な改革をするという特効薬が見付かっていない。これらは喫緊の課題でもあるわけです。農業の競争力向上と成長産業化していくにもこの課題は避けては通れないわけであります。
 お分かりのように、戦前の農業は、あるいは戦後の間もない頃の農業は食糧難を克服するのが農政の柱でありました。その目的が達成されて以降は、国民の嗜好や社会のニーズに応えて様々な取組で多種多様の農業、必要になってきたわけであります。
 したがって、前々から私が指摘してまいりましたけれども、我が国の農産物の消費は、また繰り返しになりますが、農業生産は、よって立つところ、内向き、国内向きの議論ばかりされるんですね。量産をして増産をして自給率を余らせて、それを農協辺りで、農産物、水産物、林産物などなど、関係の団体が全国から集めて海外展開をするんだという発想になぜならないのか。これをずっと指摘してきたわけであります。安い物が入って市場が荒らされたらどうしようと。それじゃ、安いのが入って荒らされるなら、我々だって外へ出る機会であるわけでありますから、量産を図る中で全国ベースで物を集めて海外展開をする、またそれを手伝う農政があっても、法律があってもよいのではないかと、このように思えてなりません。
 また、我が国はそういう状態ですから、海外市場の開拓は常に後手に回っていきまして、外圧による貿易の自由化等が惹起するたびに、先ほどから言われている猫の目というか、右往左往というか、農家の保護に奔走する。農家の保護は大事ではありますけれども、常に対症療法的な政策が展開されてきたとの印象を私は持つんです。私一人だけではないと思いますけれども、そういうような印象があってならないんですね。
 この頃では経済がグローバル化していきますから、もちろん農産物もグローバル化していかなければなりません。関税障壁の撤廃が世界の趨勢になっているわけです。そういう状況の中で、世界経済の動向にも的確に対応し得る農業政策を策定し、農業の振興を図る必要があると常々申し上げてきて、繰り返しておるところであります。
 かかる環境の中で、政府は農業を成長産業に転換するんだということを打ち出しておりまして、それだけでは、言葉だけではイメージがよく湧いてこないんですね。ですから、さっき言ったような環境の整備、法の整備、仕組みの整備などをやっていかなければなりませんが、今後、農業を成長産業へと発展させるためには、いかなるそういうプロセスをもって行おうとしているのか、制度や仕組みの整備を含め、また達成目標年度やその数値をTPPやEPA、FTAとの関わりの中でどのようにしていこうとしているのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。
#168
○副大臣(吉川貴盛君) まず、私の方から、現在行われている取組などを御説明を申し上げさせていただきたいと思います。その時点で仮に不足がございましたらば大臣にお伺いをしていただければと、こう思っておりますけれども。
 今、儀間委員が御指摘いただきましたように、農政を改革をしまして農業の成長産業化を図っていくことは、もう待ったなしの課題であると認識をいたしております。このために、昨年、大臣がもう何度もこの場でもお答えをいたしておりますように、農林水産業・地域の活力創造プランとして取りまとめをいたしました。それが四つございます。一つは、農地中間管理機構の創設や米政策の改革などの生産現場を強化する取組であります。さらには、需要拡大の取組として、輸出促進でございます。そして、三つ目でありますけれども、需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築の取組でありまして、これは六次産業化でございます。そして、農業、農村の持つ多面的機能の維持、発揮を図る取組でございまして、これらの四つの柱を軸にいたしまして政策を再構築し、具体的な数値目標を挙げて施策を展開をしているところでもございます。
 具体的な成果目標の例といたしまして、今後十年間で担い手の農地利用が全農地の八割を占めるように農業構造の確立を図っていきたいと思っております。さらに、二〇二〇年までに農林水産物・食品の輸出額を一兆円に倍増をしていきたいと思います。ちなみに、二十五年度では五千五百億円に達しました。二〇二〇年までに六次産業化の市場規模を十兆円に増加することも数値目標として挙げさせていただきました。
 さらに、様々なことを申し上げたいと思いまするけれども、今後とも施策の進捗状況を的確にフォローアップしつつ、現場で実効あるものになりますように、地域の視点に立って必要な見直しを行いながら、改革を着実に今申し上げましたようなことを実行しながら、農業の成長産業化につなげてまいりたいと思っております。
#169
○儀間光男君 今のお話は、この四つの政策あるいは数値目標は毎回聞いて知っております。ところが、具体的に何年度は幾らだの、産量は幾ら、価格は幾らというようなことを前からお願いをするんですが、何か聞きますというと、農産部、数値を出すのは余り好みじゃないと、目標を切って年度ごとの数値を出していくのは余り興味がないから、おまえ程度の質問力では出てこないぞと、こういうようなことを言われてしつこくやっているんですが、例えば二年目にはどの産物は幾らぐらいやりますよ、三年目はどの産業幾らぐらいやりますと。
 ただ、もう一つ聞きたいのは、同じところなんですが、こういうことをするには関税、二国間あるいはTPP、関税をきちっとすることで、この関税を幾らにするんだということでやってこないと、海外のマーケットは開かないんですね。それには、個々のマーケットも開ける必要があって、今はTPPの話があるんだろうと思いますが。だから、ずっと言い続けたように、TPPにかかわらず、そういうことをしなければ一兆円産業というのはなかなか到達しませんよと。個別ごとに、品目ごとに関税がいろいろ外国とあるわけですから、そういうことも法律的に整備をして手当てをしていかなければならないですよと、それをお願いして聞いておるんですが、時間も余りないことから、常に聞き逃してしまう。
 今日は大臣にこれを聞くつもりはなかったんですが、いかがでしょうか。
#170
○国務大臣(林芳正君) この一兆円の目標まで、一昨年のベースの四千五百億円ということを倍増ということで目標を作りましたけれども、既に今、副大臣から触れていただきましたように、去年は、三・一一のいろんなことによっていろんな規制があったのが外れてきたということと、それからもう一つは円安ということもあったと思いますが、既に五千五百億円まで来ております。
 二〇二〇年一兆円という目標が、今、具体的に品目別の数字も全部作ったところでございますが、当面、まだあと四年、五年、六年ございますので、二〇一六年を中間目標として、七千億円、この中間目標として置こうということでやらせていただいておるところでございます。
 まさに今委員からお話がありましたように、関税、当然ございますが、例えば、よくTPPの議論のときに、TPPに入っている国で農産物の関税が残っている国というのはもうほぼないということがよく議論になりますが、まだそれ以外の国でいろいろ残っているところもあると思いますけれども、この関税とともに大事なのは、検疫ですとか、それから中東向けには、例えば食肉を出すときにはハラール処理をするですとか、それからヨーロッパに水産物を出すときにはEU・HACCPを取っていなくてはならないと。いろんなGツーG、すなわち政府ベースで解決をしなければならない問題がございますので、こういうものをトータルとして取り組むことによって、まず委員がおっしゃるように窓を開けるということをやらなきゃいけないと思っております。
 これは、手間も掛かることですので、全世界の国に対して、全ての品目についてこれをやっているとなかなからちが明きませんので、したがって、対象の国、対象の品目を絞って、この品目についてはこの国の窓を開けていこうということで、この間お話しした品目別の戦略をまとめさせていただいたところでございまして、それに基づいて詳細に工程表を作っておるところでございます。
 窓が開いたらそれでいいかというと、窓が開いたのはスタートでございまして、そこからまさに商流をつくっていくためにビジネスの出番ということになりますが、そのビジネスの活動をきちっとサポートするために、ジェトロと全面提携をして、見本市の開催ですとかマッチングですとかいろんな、輸出をする人の発掘ですとか、そういうことをきめ細かく取り組んでいっておるところでございます。
 例えば、青森のリンゴの例がよく出ますけれども、県で既にかなりの実績があるところ、これを今度はジャパン・ブランドとしてどう確立していくかということで、品目別に全国協議会をつくって、例えばフランスワインにしても、まずフランスワインとして全体として売り込んで、入ってきてもらった方には、中にはボルドーもあるし、シャンパーニュもあるしと、こういうことになっていくわけでございますので、そういった重層的な取組をしっかりやっていくということで、最終的な一兆円の目標、その手前の二〇一六年の七千という中間目標、しっかりと目指して努力を続けていきたいと思っております。
#171
○儀間光男君 ありがとうございました。
 自己矛盾を感じながら答弁を聞いておりますが、まあいいですよ、こういうことを皆やっていかぬと窓が開きませんから。是非頑張っていただきたいと思います。
 質問を進めますけれども、もう一つ課題なのは、後継者とか担い手とか、そういってこれが言い古されて古くなって、対策も一生懸命やっています、あるいは予算措置もして法律も措置してやっていますと言うんですが、なかなか解消されない。原因はいろいろあるだろうと思いますけれども、これ、農林水産業に限ったことではなしに、全てにおいて担い手が不足していく、しかも国民が減少していく中で更にそれが増えていくんだろうと、こういうふうに予想、容易にできるわけでございますが。
 この原因について、なかなか決着はできないんですが、どうなんでしょうね、これ、未来永劫にこの状態が続いていくものなんでしょうかね。その辺の見通しと対策をいま一度、こういう対策をするけどこれは未来永劫に決着のできない問題なんだというふうにお思いなのかどうか、いかがでしょうか。
#172
○政府参考人(奥原正明君) 後継者対策の問題でございますけれども、未来永劫解決できないかどうかというのは非常に難しい問いでございますが、現在の基幹的農業従事者、この数は百七十四万人おりますけれども、このうちで六十五歳以上の方が約六割、それから四十代以下の方が約一割、非常に年齢バランス、世代間バランスが崩れた状態になっております。
 そういう意味では、持続可能な力強い農業にしていくためには、このバランスはきちんと取っていく必要があるというふうに思っておりますので、現在、力を入れてやっておりますのは、青年新規就農者、若い方の就農を、現在定着ベースで大体一万人ぐらいでございますが、これを二万人程度に拡大をしていくということに力点を置いて仕事をしております。
 二十四年度からは、青年就農給付金といたしまして、就農準備段階の研修中の方それから経営開始直後の方、この方々に対して青年就農給付金を給付するという制度、それから農の雇用事業としまして、農業法人等に雇用される形で就農する方に対する支援、こういったものを実施をしているところでございます。
 それと、若い方だけで本当に大丈夫なのかという御議論もあるかと思います。特に、年齢バランスのことを考えますと若い方に重点を置くことになりますが、例えば商工業その他、他産業でもって長年従事をされて経営のノウハウを培われた方、この方々が例えば定年になった後で農業経営にチャレンジをするということも考えられるところでございます。この場合、世代間バランスの回復にはつながりませんけれども、その方のノウハウを生かして地域の活性化に資するということは当然あり得るわけでございまして、このような方々の場合には貯蓄等の資産を持っておられるケースもあるかと思いますが、施設、機械等の投資が必要な場合には日本政策金融公庫の青年等就農資金、これは六十五歳未満の方であれば融資の対象になるということでございますので、こういうものも使いまして、若い方を増やしていくことを軸にしながら、それ以外、他産業のノウハウを持った方を含めて、担い手、後継者の方々をできるだけ増やして安定した農業構造にしていきたいというふうに考えております。
#173
○儀間光男君 未来永劫に課題が残ると、今の状態ではそういうことを言ったっていいと思うんですね。どうしても、担い手育成していくには、マーケットを確実に広げて、農業をやってもうかるんだ、幸せいっぱいなんだというような法の整備、環境、そういうものをつくっていかぬというと、これは頑張ったって頑張ったってなかなか見通しが利かないというような状況で、未来永劫の課題としたいと、こう思います。それで、解決方法があるかないかを追求していくということにしたいと思います。
 質問を少し変えますが、政府は平成二十三年十月に、我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針、先ほどもお話ありましたが、その行動計画を取りまとめて、規模の拡大や新規就農を通じた持続可能な力強い農業の実現、六次産業化、農業成長産業化など七つの戦略を挙げておりました。今さっきもお答えしておられましたけど。これらの項目の実現に向けて五年間で集中的に施策を展開するとの方針が示されましたが、その方針、特に土地利用型農業に関しての明確な進捗状況をお聞きいたしたいと思います。
#174
○政府参考人(佐藤一雄君) 現在、食料・農業・農村基本法に基づきまして五年ごとに食料・農業・農村基本計画を策定いたしまして、その中で、食料自給率の向上を図るために、米でありますとか麦でありますとか大豆などの品目別の生産数量目標を定めまして必要な施策を展開しているところであるわけでございますが、現行の食料・農業・農村基本計画につきましては、本年一月二十八日に食料・農業・農村政策審議会に対しましてその見直しを諮問しまして、現在、現行の生産数量目標等の検証を行っているところでございまして、先般、その検証の中におきまして、特に麦あるいは大豆等につきまして目標から生産量が下回っているといったような指摘を受けているところでございます。
 この指摘の原因でございますが、小麦につきましては、関東以西の水田における二毛作の大幅な拡大を前提とした目標設定だったわけですが、やはりそれが過大であったということ、それと、天候不順によりまして、不作に加えまして水田での排水性向上等の取組が不十分であったということ。大豆につきましては、生産条件が不利な耕作放棄地での大幅な作付け拡大を前提とした目標設定が過大であったということと、やはりこれも水田での排水の向上等の取組が不十分だといったような分析がなされているところでございまして、今後の生産数量目標の設定に当たりましては、このような検証結果を十分踏まえながら、農業者や消費者の取組による実現可能性や生産性、消費面の課題とこれに対応する政策等も含め、しっかりと検討してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#175
○儀間光男君 ありがとうございました。
 次に行きますけれど、これも言い古されてまいりましたけれど、農業経営の法人化、これはもう避けては通れない。たくさんの農業生産法人ができておって、株式会社化されてきておって、地方での生産に力を入れていて、なかなか成功例も多く見ております。
 今手元に持っている資料によりますと、リース方式の企業の農業参入については、平成二十一年の農地法の改正によってほぼ自由化されております。一般企業の農業参入事例は、平成二十五年の時点で千三百九十二法人の参入があったと二十七日に閣議決定された農業白書が伝えております。
 こういう状況を見てみますというと、我が国の農業は将来明るい兆しがあるのかなと、いわゆる総ぐるみで農業、水産業、あるいは林業等々に取組ができるのかなというような思いをかすかにするんですけれど、現在のこの数値が大体どのような状況で伸び切っていくのか、まだ伸び代があるのかどうか、あるいは、できたら地域のバランスが聞けたらいいなと思っております。
#176
○国務大臣(林芳正君) 企業の農業参入については、今先生がおっしゃっていただいたように、平成二十一年の農地法改正でリース方式での参入が自由化されたところでございます。二十一年の農地法改正後の四年間で改正前の五倍のペースで参入が進みまして、千三百九十二法人が参入し農業経営を続けている一方で、まあ九%ではありますが、百四十三法人撤退をしておられます。撤退する場合に、リース契約を解除して、ほとんどのケースでは新たな権利移転先で農地が適正に管理、利用されているということでございます。
 農村地域においても、農水省が平成二十四年に行ったアンケート調査によりますと、企業参入について、参入前は周辺農業者の五割以上から否定的に捉えられていたということですが、参入後はそういう見方が一割以下となっているということで、周りの方とうまくお付き合いしていただいているという様子が受けて取れるわけでございます。
 このようなことで、リース方式での企業参入というのは農業界、産業界が連携して前向きに推進していける状況でございまして、農地中間管理機構等の活用によって更に増加していくものと考えておりますが、具体的な数値目標というのを設けているわけではございません。
 地域地域の農業の担い手になり得るこの参入企業でございますので、特に担い手の不足する地域、これは中間管理機構の質疑のときにもお話があったように、その地域で担い手がいらっしゃれば一番いいわけですが、いらっしゃらない場合にほかの地域から法人等の担い手に入っていただくということも期待をしているところでございます。
#177
○儀間光男君 また、総理は、農林水産業の成長産業化に向けた改革についての議論を行った際に、こういうことをおっしゃっています。ちょっと読みますから。
 日本の農業の付加価値を高め、その市場を大きく広げていきたいと思います。そのために、次の三点に取り組みたいと思います。まず、六次産業化を加速するため、農林水産業成長化ファンドを使いやすくし、そして企業のノウハウを積極的に導入し、酪農家が創意工夫を生かし、付加価値の高いビジネスができるように、指定団体との取引の見直しなどを通じて取引の多様化を図っていきます。そして最後には、国際規格認証体制の強化を行うとともに、品目別輸出団体を整備をしてオールジャパン体制でブランド強化を図り、農水産品の輸出拡大を実現していきます。
 これを是非是非やっていただきたいと思いますし、また、見ますというと、大臣に直接指示があります。
 林農林水産大臣には、今が農政転換のラストチャンスとの認識の下、以上の改革について官房長官と調整して頑張れと、実行していただきたいと思いますとあるんですが、どのような印象で、あるいはどう実行するか、お聞かせいただけたら有り難いと思います。
#178
○国務大臣(林芳正君) これは、産業競争力会議の課題別会合で総理からそのような御発言、御指示があったところでございますので、しっかりと御指示を踏まえてやってまいりたいと、こう思っております。
 先ほど申し上げましたように、十二月に活力創造プランというのを作りまして幾つか柱を定めてやってまいったところでございまして、先ほどちょっと申し上げたように、今回の農協、農業委員会等のものもそのときに六月までに検討するということになったところで、まさに今検討を進めているところでございます。
 今委員が冒頭お触れいただいた、六次産業化が非常に付加価値を増していくためにも大事だと、こういうふうに思っております。いろんな意味があると思っておりますが、一つはやはり生産者が消費者に直接触れる、生産、加工、それから販売までやることによって、消費者と直接触れることによって消費者の動向、生産現場にフィードバックをさせると。
 仙台の農家レストランのお話をあるいはここでしたことがあると思いますけれども、何を作れば一番消費者が買ってくれるかということを経営マインドとして持っていただいて生産現場でやっていただくということと、それから、言うまでもないことでございますが、農産品として出荷するという価格と、それから加工したものの価格、あるいは加工したものも使って三次産業、すなわちレストラン等で販売する価格、これを比較すれば、その地域に売上げとして落ちる金額という意味では最後までやった場合の方が多いわけでございまして、こういったところで農業、農村の所得倍増ということにも大きく寄与するものと、こういうふうに思っておるところでございまして、この六次産業化をしっかりと進めていかなければならないと思っております。
 総合化事業計画の認定は二十六年の三月末現在で全国で千八百十一件でございますので、二十三年の五月の二百五十一件から順調に増加をしてきております。認定計画の過半が野菜と果樹でございまして、北海道、九州、近畿、一位が北海道百一件、二位が兵庫県七十九件、三位長野県七十八件ということで、お地元の沖縄県も五十三件で十三位と大変健闘されておるわけでございますので、しっかりと都道府県段階で整備された推進体制をベースとして、情報の共有を図りながら、各地でそれぞれの地域の特性を生かした六次産業化の取組が展開されるように推進をしっかりとやってまいりたいと、こういうふうに思っております。
#179
○儀間光男君 ありがとうございました。
 六次産業については過日行った出雲市でも見させていただきましたが、こう言っていましたね。農林水産物については赤字です、これをカバーしているのが他の事業ですと。だから、農業改革でいろいろ言われているところを先々に言っておられましたけれども、非常に六次産業は順調であるというようなお話でありました。
 さて、こういうことをやってまいりますと、農業経営の大規模化や多角化、あるいは六次産業の直売店等々をやり出すというと、自動車の駐車場や資材置場や事務所や加工施設や簡易の直売所やといろいろ施設が不可欠になっていきます。これがなかなか許認可の段階でうまくいかないという声を私、この前聞きましたが、多分に農地転用の行政手続の問題だと理解をいたしましたが、農業への企業参入を容易にするには手続の簡素化や迅速化は必要だと思います。その辺について、どう改善されているか。もちろん、大事なのは農地を確保するということでありますから、これが無制限にやっていいはずはありません。そういうことでのバランスの中でどの程度簡素化、スピード化されているか、お聞かせいただきたいと思います。
#180
○政府参考人(三浦進君) 六次産業化の推進は重要な課題でございますけれども、一方で、優良農地の確保というのもまた農業の振興にとりまして基本的な重要課題でございます。
 これを双方成り立たせていくために、農地法、農振法のルールに基づきまして農地の利用調整を行うということが土地利用調整に当たっての基本的な枠組みでございます。
 これにつきましては、国家戦略特区の関係で、いわゆる農家レストランの関係の規制を一部緩和するということをつい最近講じたところでございまして、また、そのほかの六次産業化に関連する施設についても取扱いを明確化するということを通知によって措置をするということを行いまして、こういった冒頭申し上げましたような課題に適切に応えていくという努力をしているところでございます。
#181
○儀間光男君 時間も押してまいってちょっと駆け足せぬといけませんから、途中質問を抜いて、どうしても聞きたかったことについて伺いたいと思います。
 五月十四日、例の規制改革会議でございますが、農業改革に関する意見が公表された後の五月二十三日、全国農業新聞には、今回の意見書は明らかに農業委員会の解体を目指している、図っている、これは実に明白であると言っている。農業、農村現場の実態を無視した暴論と位置付けております。出雲でもそういう話を拝聴いたしました。
 さらに、去る十九日に開かれた政府の産業競争力会議において、安倍総理はこうも言っておられます。農業委員会の見直し、農地を所有する法人の要件見直しについて具体化を図っていきたいと思います、農業協同組合の在り方について、地域の農協が主役となり、それぞれの独自性を発揮していただきたいと、この三つを三点セットとして改革をしていくんだというようなお話も出ていて、これも林農林水産大臣、共通の認識として取り組んでいきたいとおっしゃっていましたけれども、地方は決してそうではないというような状況は今他の委員からも報告がありましたが、いつも言うように、現場と法律を書く側に対話の欠如があるんではないのか。聞くたびに、ちゃんとコミュニケーション豊かにやっていますよということでありますが、実際、現場では手厳しいですよ。
 そういうことをひとつ、もう一回、平木委員からもあって聞いたんですが、もう一度決意のほどをお聞きしたいと思います。
#182
○国務大臣(林芳正君) 今お触れになっていただきましたように、五月十九日の産業競争力会議課題別会合の場で、安倍総理から、農業委員会の見直し、それから農地を所有できる法人の要件見直しについて具体化を図っていきたい、また、農業協同組合の在り方について、地域の農協が主役となり、それぞれの独自性を発揮して農業の成長産業化に全力投入できるように抜本的に見直していきたい、以上の三点の改革をセットで断行していくと、こういう旨の御発言があったところであります。
 規制改革会議の今お触れになっていただいた改革案を作るに当たっても、先ほど来御議論がありますように、いろんなヒアリングをしたということであります。
 私としては、今後、与党と協議をしながら、与党の先生方はまさに毎週お地元に帰られて、いろんな現場のお話を聞いておられるわけでございますので、与党と協議をするという意味はそういう現場の声をしっかりと踏まえて御議論いただくということになろうかと、こういうふうに思っておりますが、農業者、特に担い手の農業者から評価をされて、農業の成長産業化に資する改革案というものを早急に検討したいと、こういうふうに考えております。
#183
○儀間光男君 ありがとうございました。
 あと一つ、最後に聞かせていただきますが、改革に痛みが伴うのはいつの時代も当然であります。だけれど、現場等をどのように集約するかが課題であります。
 六月末に策定する新たな成長戦略にこのことを盛り込みたいとの意向を示しておられますが、それまでに農業改革に関する意見を最終的に決定するお考えなのか、政府の方針を聞かせていただきたいと思います。
#184
○国務大臣(林芳正君) 先ほども申し上げましたが、十二月のプラン、これを六月に改定をしようということで、既に十二月にそういう書きぶりになっておりますので、今回の諸々の改革の議論についても六月に官邸のプランの改定という形で決めたいと、こういうふうに思っておりますので、その中の該当部分については当然政府全体の成長プランなるものに反映をされるだろうと、こういうふうに思っております。
#185
○委員長(野村哲郎君) 儀間光男委員、時間が来ておりますので、まとめてください。
#186
○儀間光男君 終わります。どうぞ頑張ってください。ありがとうございました。
#187
○山田太郎君 みんなの党、山田太郎でございます。よろしくお願いします。
 四時間から五時間待っておりますと、聞きたいことがどんどん変わったりとか、皆さんが聞いちゃったりとかいろいろありまして、メモはだんだん私の手元でぐちゃぐちゃになっておりますが、頑張ってやっていきたいと思っております。
 本当にこの数日間、私も、ここにいらっしゃる委員もそうだと思いますし、もちろん農林水産大臣始めとして農水省の皆さん、農業のことばかり考えている時間が長いというふうに思っております。一方で、党の方に帰ると、今、集団的自衛権のような話がかなりやっておりまして、何か同じ国会なのかなという、非常に平和と言うと怒られちゃいますけれども、そんな雰囲気で進めればと思っています。ただ、農政にとっては非常に重要な局面でありますので、頑張ってやっていきたいと思っております。
 さて、まず今日、TPP、今日からですか、日米の実務者協議が始まるということなので、そこのところを少し最初に触れて質疑させていただきたいと思います。
 お手元に英語の資料を配らせていただいています。農水省から実はいただいたんですが、大臣用には和訳はするけれども委員会には出せないということなので、済みません、農水省からいただいたんですけど、英語原文で、逆に大臣は英語ぺらぺらですので本当は和文は要らないんじゃないかとも思っているんですけれども、いずれにしても、こういう文書が出ております。
 これ、一言で言うと何かといいますと、去る二十三日に、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの牛肉生産者団体が発表した声明文であります。簡単に言うと、要は、この四か国の牛肉生産者が牛肉関税を全て撤廃するべきだと、こういうふうに声明を出しているわけですね。どういうことかといいますと、報道によるとなんですけれども、日米が関税を撤廃するのではなくて関税を維持しつつ税率を引き下げるという方向なので、妥協するべきではないと、こういうような声がこの四か国で上がってきているということでありまして、何となく、交渉最終局面という言葉が随分躍って実はもう何か月も何年もたっておるんですけれども、徐々に交渉は進んでいるどころか厳しくなっているんではないかなと、こんなふうにも思うわけであります。
 そこで、外務省にもお伺いしたいんですけれども、アメリカの畜産団体の政治力というのは大変大きいというふうに思うんですが、どんな感じなのかと。報道だと、アメリカの畜産業界は日本に比べると桁違いの生産数であり、資金力も豊富だということですが、外務省の見立てというか、この辺りのことを御意見聞かせていただけますでしょうか。
#188
○副大臣(岸信夫君) お答えをいたします。
 まず、この声明でございますけれども、このことは内容は承知をしているところでございますけれども、これ自体は生産者団体の発出したものでありますので、政府としてこれがTPPにどのように影響するかということにつきましてはコメントは差し控えたいと考えておるところでございます。
 ただ一方で、確かに委員おっしゃるとおり、生産者団体は大変政治力でも非常に強いということを今委員からも御指摘ございましたところでございます。アメリカの国内の情勢について我々が評価をしたり、あるいは個別の品目の交渉状況について御説明することは今の段階では差し控えたいと思いますけれども、TPP交渉につきましては、先般の日米首脳会談及び閣僚協議を通じて、日米の重要な問題について解決の道筋が見えたところということで、TPP交渉における重要な節目となっておるところであります。
 日米交渉、新たな段階に入ったものと、こういうふうに承知をしております。我が国として早期妥結に向けて、引き続き、関係国とともに最大限努力をしてまいりたいと思います。
#189
○山田太郎君 今外務省から少し御意見いただきましたけれども、アメリカ畜産団体の場合は、地元選出の議員にかなり働きかけている、多分TPA法案が採択されない原因もこんなところにあるんではないかと。そうなってくると、日米交渉ではアメリカは強硬姿勢を取らざるを得ない、こういうような見方も出ているわけであります。
 そうなってくると、今日から始まる日米の実務者協議は、牛肉、豚肉の関税について日本側が大幅に譲歩しないと進まないんではないかと。何となく澁谷審議官のいつもポーカーフェイスを見ていると、何となくいつもまとまりそうなような感じもしますが、内情はどうも違うんではないかと日々感じるところでもあります。
 その辺り、内閣府副大臣、いろいろ教えていただけないでしょうか。
#190
○副大臣(西村康稔君) 先週、シンガポールで、甘利大臣、フロマン代表、日米間での会談も全体会合、閣僚会合の前に行いまして、全体会合をどう進めていくか、あるいは、今後、日米協力どういうふうに進めていくのか、そうしたことについて話し合ったところでありまして、事務レベルでもこの閣僚会合の開催中に一定程度の議論は行ったところであります。
 今回、そうした大臣同士の話も受けて、二十九日から、今日ですね、時差がありますけれども、ワシントンで大江首席交渉官代理とカトラーUSTR代表代行との間で事務折衝を行う予定であるというところであります。相当間合いは詰まってきておりますけれども、まあ八合目とかという言い方もしておりますけれども、そこから先、最後の本当に厳しいところに来ていますので、どれだけその間合いを狭められるか、そういうところに今来ていると思いますので、この二日間でどれだけ詰めて議論ができるかという状況だと思います。
 報道はいろんな報道が特に臆測で書かれていますので、それを見て、またステークホルダーの皆さんは心配するということだと思いますので、いずれにしても、そうした周りの動きももちろん目を向けながらでありますけれども、我々としては日本の守るべきところは守り、攻めるべきは攻めるという基本方針に、引き続き全力で交渉していくということでございます。
#191
○山田太郎君 我々、TPPは推進という立場でありますが、是非崖崩れに遭っておっこっちゃわないようにしっかり登っていただきたいと思いますが、ただ、これからもしつこく情報開示については求めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 これで外務省、内閣府副大臣は退席していただいていいと思います。
#192
○委員長(野村哲郎君) じゃ、岸外務副大臣、西村内閣府副大臣は、もう質問はないそうでございますので、御退席、結構でございます。
#193
○山田太郎君 ありがとうございます。
 次に、法案の中身、担い手法案について少し入っていきたいと思います。いわゆるゲタというところですね、ゲタ対策に行きたいと思っています。
 平成二十四年度のゲタ対策の決算額が一千七百八十一億円ということであります。ちょっと内容を少し飛ばしてやりますので、お手元の資料を、三枚目を見ながら行きたいんですが、実際に支払が生じていない項目について支払っている金額というのがありまして、これが八百二十九億円、全体の四七%あるということであります。まず、ちょっとこの資料を確認したいんですが、農水省さん、これで間違いないでしょうか。
#194
○国務大臣(林芳正君) これは、我が省から出したものでお作りになっていただいたものということでございますので、これで結構じゃないかと、こういうふうに思っております。
#195
○山田太郎君 そこで、実際に支払が生じていない項目というのにはどんなものがあるかということなんですが、合計で八百二十九億円というのがあるようであります。家族労働費が四百三十三億円、自作地地代が二百八十九億円、自己資本利子が八十四億円だということであります。
 それぞれの金額は、家族が働いた分の賃金、それから自分の土地を借地した場合の借地料、建物、機械などの自己資本を借りたとみなした場合の利子の金額と、こういったものを一定の金額で評価したというふうに聞いております。こうした支払がない費用も生産費に全算入して税金の補填をするというのはどうなのかなという一つ議論もあるかと思っておりまして、機会費用だからという御説明を昨日のレクの方で受けました。
 ただ、これ、その他の例えば農作物での補助金とか、その他の、例えば工業等、商業でもそうですけれども、観点から考えた場合に、イコールフッティングというんですかね、そういったところでは問題があるのではないかなと。税金でお給料がもらえる、ゲタのゲタということになりはしないかと、こういう問題意識を持っております。
 もう一つ、全算入ということを認めてしまうと、多分構造改革は進まないと。全て補償されるということにもなりますし、逆に言うと、その家族費用等を含めて利益についてもコントロールされているというふうに逆の見方もできるわけですから、このゲタ対策が結局構造転換を生まないんではないかと、こういう嫌いも感じているわけでありまして、この辺り、政策的にどう考えればいいのか、御意見いただけないですか。
#196
○国務大臣(林芳正君) 実は、これは衆議院で林委員、当時はみんなの党だったと思いますが、からも同じ問題意識で御議論したところでございますが、諸外国との生産条件の格差から生ずる不利があってコスト割れとなっている麦、大豆等の農産物について、生産コストと販売額の差に相当する額を補填するゲタ対策、これは当該農産物の生産の維持、拡大につなげる必要がある、それから、これまでの価格政策、経営安定政策との連続性を考慮する必要があると、こういうふうに考えております。
 そもそも、戦後、米が不足していた時代に食管法に基づいて米の増産意欲を喚起するために機会費用を入れた全算入生産費というものが採用されて、ずっとそれがいろんな場面で活用されてきたと、こういう経緯があるわけでございます。したがって、このゲタ対策の単価については家族労働費、自作地地代などを考慮する、いわゆる先生おっしゃったように機会費用ということも考慮するということが現時点で最もこういった観点から合理的な方法であると、こういうふうに考えております。
 実際にも、麦、大豆等の生産の維持もこうして算定された補填単価、こういうもので図られてきたと、こういうことだと考えております。
#197
○山田太郎君 もう一つ、多面的機能の方も少し質疑していきたいんですが、先ほど徳永委員の方からも少しありました。この多面的機能とよく似た制度に、土地改良施設維持管理適正化事業というのがありまして、農業用水路の補修などに毎年三十三億円の公共事業費が投入されているということであります。泥上げとか草刈りは土地改良区の農家が賦課金を出し合って業者に委託して行っているということなんですね。
 これと多面的支払とどう役割分担するかということを昨日お伺いしましたら、全国に四十万キロある水路のうち、五万キロの基幹的水路はこの土地改良施設維持管理適正化事業で行って、残りの細かい水路等については多面的機能支払で手入れをするという大まかな役割分担があると、こういうことをお伺いしました。
 そうなると、基幹的な大きな重要な水路の泥上げや草刈りという手入れは農家の賦課金で行って、みんなでお金を出し合ってやっている、末端の細かい水路の手入れは国がお金を出してやると、こういうことになるわけであります。何となく逆さなんじゃないかなというような気もしていまして、どんな考えでもってこういう形になったのか、その辺りを是非教えていただきたいと思います。
#198
○国務大臣(林芳正君) 水路等の管理でございますが、比較的規模の大きい水路等は、土地改良法に基づいて農業者によって設立される土地改良区、これが同法に基づいて組合員からの賦課金を徴収して維持管理を行ってまいりました。
 一方、末端の農地周りの水路等の維持は、従来からの慣習に従って地域の集落の自主的な共同活動として無償で行われてきたということでございます。しかしながら、地域の共同活動で支えられてきた末端の農地周りの水路等の維持が、近年、農業者の高齢化等によって困難を来すようになってきておるということでございます。
 したがって、このようなことから、多面的機能支払によって、農業者のみならず、地域住民等も含めて地域全体で水路等の地域資源の管理を支える共同活動、これに対して支援を行うということで、多面的機能、これは広く国民がその利益を享受しているわけですが、この適切な発揮を促進すると、こういうことにしたわけでございます。
#199
○山田太郎君 もう一つ、多面的機能支払に関して、地方公聴会の方でも意見があったんですけれども、この多面的機能支払は面積払いが前提になりますので、例えば区画整理された大区画の水田は水路やあぜ道が少ない、畦畔の数も少ないということですから労力の割に支払が多くなる、いびつな形の水田とか傾斜のある地形では仕事が大変で割に合わないという、こんなことも意見聞きました。
 その面積一律の制度設計に問題があるんではないかというふうにも考えております。今日の委員会の中でも、北は北海道から南は沖縄までであったりとか、山間地であったり平野であったり、そういったことを一律で考えるような制度、実はかなり無理があるんではないかなというふうにも思っておりますが、この辺り、特にこの多面的機能支払の面積による支払に対する考え方、どうなのか、これも御意見いただけますでしょうか。
#200
○国務大臣(林芳正君) これは北海道の単価について先ほど徳永先生からもお話があったところでございますが、そのときも局長から答弁いたしましたように、この多面的機能支払の交付単価の算定基礎となる水路それから農道等の保全活動に要する活動量、地域間においても、また活動の対象となる農地や施設の種類、また先ほど御指摘があったようにその方がどれだけ修練されておられるかということもあるいは関わってきて差が生じ得るというものだと思います。
 このような観点から、細かく作業量等に着目して交付単価の細分化、これを行うということになる場合は、制度設計をするに当たり調査分析等の手間がかなり大きくなるということと、それから、制度が複雑となって、現場においてその作業量とか修練度とか農地の種類とか細かく確認をするというような作業も含めて大幅に増大すると、こういうことも一方であるわけでございます。
 また、単価が区々になりますと、いろんなところでなぜうちの単価はこういうことになるのかという声もたくさん上がるということも可能性としてあるわけでございまして、そういった意味で、やはり現場において活用しやすい制度ということに着目しまして、活動量に大きな差異の見られる地目、すなわち田、畑、草地、それから都府県と北海道という大まかな地域別に区分して平均的な作業量に基づいて十アール当たり単価を設定をしたところでございます。
#201
○山田太郎君 地域地域で使いやすいように、できれば地元というか地域で判断ができるようなもうちょっと農政策であるべきかなと、こういうふうにも思うわけでありまして、是非その辺も考慮して、一律の、日本も広うございますから、農政ではないということ、今日も委員会ではかなり多くの議員が言っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 さて、もう一つ、今日も話題になっております飼料用米に関して、かなり政府の大きな目玉なのかなということで、ただ、突っ込みもすごく多いような領域でありますけれども、平成三十二年に飼料用米の生産量を七十万トンにするという目標を食料・農業・農村基本計画で立てられています。最大四百五十万トンぐらい行くんではないかなんという話も聞きますが、ただ、現在、国産の飼料用米は九万トンしか使われていないと、こういうことであります。
 これが広がっていくためには、なぜ九万トンなのかという辺りの原因と理由というもののまず把握をする必要もあると思いますが、その辺りはどう考えていらっしゃいますでしょうか。
#202
○国務大臣(林芳正君) 今の現状ということでございますが、これまで輸入トウモロコシというものが一千万トン近く輸入をされてきたわけでございまして、それを配合飼料等々で使って畜産の方がやってこられた、こういうことでございます。したがって、これに遜色のない価格でやっていくということをしっかりとやっていくということで、今回、この政策の転換というか強化をしたわけでございます。
 やはり、飼料用米については単収が低い、主食用米五百三十キロに対して四百八十二キロと、これ二十四年産ですが。したがって、これのために数量払いを導入して、八万円プラスマイナス二・五万円ということにいたしました。
 また、多収性専用品種の導入に対して十アール当たり一万二千円の産地交付金を追加配分するような仕組みをして、さらに、先ほど日本は広いからというお話でありましたけれども、産地交付金というものも地域の実情に応じて支援を行えるようなことにいたしました。
 またさらに、飼料用米のわら利用に対する耕畜連携助成、こういうものも継続をするようにいたしたわけでございまして、裏を返せば、今までここまでのことを絞ってやってきたかというと、そうでなかったこともあるということもあって、今後こういう政策でしっかりと展開をしていきたいと思っております。
#203
○山田太郎君 一昨日の地方公聴会では、実はこの飼料用米についても意見が出まして、実はある公述人からは、飼料米を作らないでくれと農協から言われましたと。理由は、カントリーエレベーター等の保管倉庫が整っていない、それからどれぐらい売れるか分からないと、こういう率直な意見が出まして、これは私も農協にはいつも厳しくやっていますが、多分農協も理があることを言っておりまして、つまり、幾ら生産者に政策誘導して作れ作れと言っても、実際はその使う側で、特にいわゆる畜産業の方でこの飼料用米を例えば使う、それが価格としてトウモロコシ等を含めて見合うのかという議論、それから途中の流通過程がどうなのか、これもセットでないとなかなか進まないんではないかと。
   〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕
 ただ、今回、水田活用の直接支払交付金二千七百七十億円の予算の中の目玉の政策でもありますから、もうちょっと丁寧にこの中身の政策をしっかりやらないと企画倒れになる可能性が高いなと思って、大変危惧をして現場で話を聞いてまいりました。
 そういうような話を受けて、是非、大臣、この辺りしっかりやっていただきたいんですけれども、御意見いただけますか。
#204
○国務大臣(林芳正君) これは、やはりしっかりと取り組んでいかなければならないと思っておりまして、先ほど申し上げたように、生産現場を強化するということに加えて、需要先の確保というのをしっかりやる、そして、そのマッチングをしっかりやるということは、これはあらゆる産業政策の基本であると、こういうふうに思っておりますので、まず畜産農家からの直接の要望、これは七万三千トンございます。この生産要望のある耕種農家とのマッチング活動、これをしっかりとやりたいと思います。
 また、日本飼料工業会から平成二十六年産で四十一万トン、中長期的には約二百万トンの使用が可能という発表がつい先日あったわけでございまして、こういった配合飼料メーカーからの要望も寄せられておりますので、農林水産省としてもこれらのマッチング活動を推進していきたいと、こういうふうに思っております。
 円滑な流通体制のために、二十五年度の補正で攻めの農業実践緊急対策、それから畜産収益力向上緊急支援リース事業、それから二十五年度補正と二十六年度予算での強い農業づくり交付金、こういうものを措置しまして、耕種側における乾燥調製貯蔵施設の整備、これが先ほどの農協さんのお話につながってくると思いますが、それから畜産側で必要となる加工保管施設の整備、粉砕機、混合機等の機械導入への支援、こういうものを行うこととしております。
 それから、太平洋側にしかというお話が時々ありますが、配合飼料工場が遠隔地にあっても、全国生産者団体が地域の飼料用米を集荷して配合飼料原料として飼料工場へ広域的に供給する仕組み、これがございますので、この仕組みを活用していくということと、配合飼料工場での長期的、計画的な利用のための情報交換、こういうものをしっかりと行っていきたいと思っております。
#205
○山田太郎君 まさに今日一日、農政のこの辺の在り方、自民党さん、民主党さんの意見も我々三極なので冷静に聞いていまして、何となく政策コンテストみたいなところがあって、だんだん分かってきましたのは、戸別所得補償制度はどちらかというと構造的に減らしていきましょうと。確かに戸別に配っているように見えるんですが、一旦線を引くことによって規模が大きいところが有利ということで集約されていくと、こんな感じの制度でありまして、一方、自民党の今回出してきた制度は、人工的に中間管理で土地を集めたりとか政策誘導でもって飼料用米を作ったりということでありまして、最後は担い手の構造を変えていこうというゴールは同じなんですが、随分手段が違うという中で、どちらがうまくいくのかなということは非常に重要なことだというふうにも思っています。
 その辺、まだまだ審議、次回もありますので、引き続き残していきたいと思いますが、ただ、私は一つここで申し上げたいのは、やっぱり猫の目農政という形でもって一旦始めたものをどんどん変えて、これもやってみる、あれもやってみると実験されても、生きた人間が、産業をやっているのは現場でありますから、まずそのことをしっかり踏まえた上で、一度始めた戸別所得補償制度を本当はどうしていくのかということを含めて、自民党、政権が替わったとはいえ引き取る必要があったのかなと、こういうふうにも思っております。
 さて、次に農協改革の話、少し入っていきたいと思っております。
 農協は民間団体であるというような声もありましたが、私としては、税制面でも公益法人、それから独占禁止法の除外団体であること、それから他の協同組合よりも有利な側面を法律で保障されている以上、やはりしっかり法律的立て付けとして国会で農協の在り方を議論するというのは私は当然だと思っておりますので、是非少し踏み込んで議論をする必要はあるかというふうに思っています。
 まず、規制改革会議の農業改革案の中で、農協の事業について准組合員と正組合員の比率の話が出てまいりました。准組合員の事業利用は正組合員の事業利用の二分の一を越えてはならないという記述があります。そうなると、正組合員の半分ということですから、全体では准組合員は三分の一以下という立て付けになると思いますが、この辺りの趣旨、内閣府の方からお答えいただけますでしょうか。
#206
○大臣政務官(福岡資麿君) 今御指摘いただきましたように、農業協同組合法の制定当時に想定された姿とは現在の姿、大きく異なる形態に変容を遂げてきているというふうに承知をしております。
 規制改革会議が平成二十五年十一月に公表いたしました、今後の農業の改革の方向についてでは、農業者の組織として活動してきた農業協同組合が、時代の変化の中で少数の担い手組合員と多数の兼業組合員によって構成されるようになるとともに、准組合員や非農業者の増加、信用事業の拡大など、そういった形で変容を遂げてきていることを指摘をしております。
 そういったことを踏まえて、農業者の所得向上という各農協に期待される役割を踏まえて、農業者に最大の奉仕をする組合組織という農協法の理念に立ち返り、今回の提案の規制が盛り込まれたものというふうに承知をしております。
   〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕
#207
○山田太郎君 そこで、大臣に、農協事業の員外利用について少しお伺いしたいと思っております。
 農協法十条の十七項の員外規制の規定でございますけれども、残念ながら全国的な集計は今のところないということです。ただ、農協から都道府県への報告はしっかり数字が出ているようだということであります。これからいろんな指摘を受けて改革、改善をしていくということになりますので、是非都道府県から資料を取り寄せて員外利用の状況に関する全国集計を作っていただきたいというふうに思っておるんですけど、いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(林芳正君) 各農協から監督行政庁であります都道府県、これに毎年提出することが義務付けられております業務報告書において信用事業、共済事業等の各事業ごとに員外利用割合の比率を記載することとされております。農協の員外利用の状況については、この業務報告書が各農協から提出されることによって、監督行政庁である都道府県において把握することとしておるところでございます。
 我々としては、監督指針に明記して、農協の監督行政庁である都道府県に対しまして、毎年度農協から提出を受ける業務報告書等によって員外利用の状況を把握しまして、その上で違反が確認された場合には、農協法に基づく報告徴求命令により違反の改善に向けた計画の提出を命ずることなどによって個別に違反を解消させる旨を徹底をさせてきたところでございます。
 こうしたように、農協の監督行政庁である都道府県に指導を徹底させる中で違反が確認された場合は個別に解消する仕組みを構築をしておりまして、農林水産省においてこの違反があった農協の数などを集計するということは行っていないところでございます。
#209
○山田太郎君 ちょうどその農協改革が員外利用も含めて准組合員、正組合員の問題で議論になるわけでありますから、是非その辺りの情報を国会に対しても報告していただきたいと思って、集計していただきたいんですが、いかがですか。
#210
○国務大臣(林芳正君) 農協の組合員については、農協法上、農業者のみが正組合員となりまして、それ以外の者であっても地区内の住所を有する個人等は准組合員となることができます。
 この正組合員と准組合員を比較しますと、総会における議決権など組合の運営に参画する権利は正組合員のみに認められて准組合員には認められていないといった違いがありますが、組合の事業利用の面においては共にひとしく組合員として扱われて両者に差が設けられていないということから、我が省として各農協の正組合員、准組合員別の利用状況、これを把握することは行っておらないわけでございます。
 規制改革会議では意見が取りまとめられて、准組合員の事業利用制限が提言されていることは今御案内のとおりでありますが、具体的にこれをどうしていくかは今後は与党と協議しながら検討してまいりたいと思っております。
#211
○山田太郎君 それでは、その員外利用に関する違反が確認された場合には徹底指導するということになっているわけですが、実際、じゃ、違反がどれぐらいあって、これまで徹底指導したケースはあったのか、その辺を農水省としては把握しているのかどうか、そこを教えていただけますか。
#212
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、仕組みを構築していると。すなわち、都道府県に指導を徹底する、その都道府県というのは農協の監督行政庁でございますから、違反が確認された場合は個別に解消する仕組みを構築をしておりまして、違反があった農協の数などを農水省において集計をすることは行っていないということでございます。
#213
○山田太郎君 多分、これ以上やっても出してくれないということだと思いますので、ちょっと次に移りたいと思うんですけれども。
 もう一つ、規制改革会議の案の中に、准組合員の事業利用は正組合員の二分の一を越えてはならないという記述の中で、基準になる指標というのが多分必要だと思っております。これ、利用者数なのか、事業利用分量ないし金額になるのか、内閣府、お答えいただけますでしょうか。
#214
○大臣政務官(福岡資麿君) 准組合員の事業利用規制に関する制度設計の在り方につきましては、規制改革会議の提言も踏まえて、今後、政府部内において具体化されていくものと承知しております。
#215
○山田太郎君 それでは、農水大臣にお伺いしたいんですが、この准組合員の事業利用の在り方について大臣はどうお考えでしょうか。
#216
○国務大臣(林芳正君) 先ほどちょっと御説明させていただいたように、住所があると准組合員になれると、こういうことでございます。
 事業利用の面においてはこの両者に差が設けられていないということで、各農協に対して正組合員と准組合員を区別してそれぞれの事業利用分量を把握することは求めておらないところでございます。各農協が区別を把握しているのか、把握していればどういう方法で確認しているかということはちょっと承知をしておらないところでございます。
 規制改革会議で、今内閣府から御答弁があったところでございますが、今のような御提言がありました。したがって、今後、与党とも協議しながら具体的にどうするか検討してまいりたいと思っております。
 農協は農業者の協同組織でございますので、農協の事業利用についても正組合員たる農業者が主になるというのが自然な姿であると、こういうふうに考えておりますが、一方で、過疎化が進む農村において、今日もいろいろ御議論がございましたけれども、地域住民の生活のインフラとしての役割を果たしている、こういう実態もございまして、こういう点も踏まえて今後検討したいと思っております。
#217
○山田太郎君 私も、地域の農協の役割というのは非常に重要だということも理解しております。ただ、その場合はあくまでも地域協同組合のような形で、しっかり改組というか立て付けを変えていく必要もあるんではないかなと思っておりますが、これはまた引き続きやらせていただきたいと思います。
 さて、残った時間でWTOとの関係、少しだけ触れていきたいと思います。毎回先送りしちゃってやれなかったので、少し聞きたいと思いますが。
 担い手法案なんですけれども、これ、現行のWTO、緑の貿易歪曲性がないという政策を黄色の最も貿易歪曲的な国内助成に変更するという法改正だということは伺っております。
 そこで、我が国の農業政策とWTOとの関係なんですけれども、平成二十四年に黄色の政策、AMSとカウントされる補助金は、これは資料の二枚目になりますが、お手元の資料のように六千八十九億円ということになります。そのほとんどの内訳は牛肉、豚肉ということであります。問題は、この牛肉や豚肉のどんな政策それから対策がこの六千億円に含まれるのか、幾つか教えていただけないでしょうか。
#218
○大臣政務官(横山信一君) WTO国内支持通報におきまして、二〇一二年度のAMSは、砂糖が百六十九億円、でん粉が三十三億円、生乳が二百七十億円、牛肉二千三百三億円、ここに書かれてあるとおりですね、豚肉三千三百十五億円であるというふうにWTOに通報しております。
#219
○山田太郎君 もう一度質問しますが、この政策の六千億に、どんな対策、政策が含まれるのか。中身の数字の内訳ではなくて、多分その黄色の政策と言われた中身についてということでありますので、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
#220
○国務大臣(林芳正君) 国内支持通報でございますが、AMS、黄色の政策に該当する事業ごとの補助金の名称、その金額については通報の対象になっておりませんので、お答えするのは差し控えたいと思います。
#221
○山田太郎君 ただ、もう黄色だと我が国が認めているわけですから、これ以上の問題は起きないかというふうにも思うわけであります。
 もう一つ、WTOの最も貿易歪曲的な国内助成に当たる国内助成策が何であるかどうかということについては、条約との関係をしっかり国会で審議する意味においても多分非常に重要だというふうに思います。なぜならば、憲法の九十八条の中で、我が国が締結した条約は誠実に遵守する必要があると、こういう条文があるからでありまして、その辺り、もしWTOの条約の趣旨に合わないいわゆる補助金、政策があるとするとなると、それはどんなものなのか。これは是非国会に示していただきたいんですが、いかがでしょうか。
#222
○国務大臣(林芳正君) まず、このWTOは、先ほど委員が日本も南北に長いのでそれぞれの地域に応じたということがありますように、WTOのルールもいろんな区分をした上で、それぞれの国でいろんなことがあるからということで決めをやっておるわけでございまして、そういった意味で、現行のWTOのルールで許容されている水準というのがあるわけでございます。日本でいうと約束水準四兆円ということでございまして、そういった意味でこの黄色の政策、先ほどのお話がありましたように六千億程度でございまして、相当の余裕がありまして、いろんな政策的な自由度がこの中であると、こういうことであろうかと、こういうふうにも考えておるところでございます。
 ある年度の国内補助金のWTOルール上の位置付けについては、当該年度の農業生産額等を基に政府としてWTO通報を行う際に正式に決めるということでございますので、今回の制度改正後のゲタ対策のそれぞれがどういう位置付けになるかということを現時点で明らかにするというのは難しいということでございます。
#223
○山田太郎君 日本はEPA、FTAを含めた国際通商を全面的にリードしていく、こういう国であってもらいたいと思いますので、もちろん枠組みの中に入っているからということで出さないというよりも、積極的にこのWTOの枠組みをしっかり世界に推し進めていくという立場で、是非、農政政策も胸を張って国際的に訴えていった方がいいのではないかなというふうに思って質疑させていただきました。
 いずれにしても、この農政政策、民主党案、自民党案もそれぞれ審議されて、次回辺り大詰めということになるかと思っております。実は私も、今回いろいろ審議それから現場の公聴会を通じて、意見も揺れながらいろいろ考えてまいりました。非常に重要な局面でありますから、是非、委員の皆さんと、いい日本の農政、どうあるべきか、これを一緒に考えていければ幸いだと思っております。
 ありがとうございました。
#224
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。最後になりますので、ちょっとお疲れですけれども、頑張っていきたいと思います。
 先週五月二十二日に農政改革二法案の参考人質疑、そして今週の二十六日から二十七日まで島根県で中山間地域の調査、地方公聴会ということで意見を聞いてきたわけです。
 それで、二十六日ですね、一日目に、飯南町の宇山集落というところで中山間地域等の直接支払の実情をお聞きをしました。意見交換もして、十六戸が加入し、営農、生活、交流活動を行っていたと。それから、出雲市の南部の中山間地域の窪田ふるさと会というところを訪ねました。ここは、四百八十戸全体で七つの振興協議会をつくって、農地の荒廃を防いで地域の振興に取り組んでいるということでした。
 どちらも経営上、運営上どちらかというとうまくいっている、最もうまくいっているところなのかもしれませんけれども、そういうところですけれども、意見交換の中で出されたことは、私たちのところは恵まれた環境にある、でも、一つ山を越えた隣は今のままでは存続できなくなってしまいかねない状況がある、そこに日の当たる政策をお願いしたい、私たちの集落だけが元気でも駄目でやっぱり地域間で差が出ないようにしてほしいと、こういう率直な意見が出ました。
 そこで、まず地域政策についてお聞きをしたいと思います。
 農林水産業・地域の活力創造プランというのがありますが、これは、活力を取り戻すために、農林水産業を産業としていく産業政策と国土保全といった多面的機能を発揮するための地域政策を車の両輪として政策を検討するとしています。
 そこで、お聞きしますけれども、地域政策といっても抽象的で分かりづらいと。地域政策とは一体何をいうのか、多面的機能を維持することが地域政策なのかどうか、まずお答え願いたいと思います。
#225
○政府参考人(三浦進君) 今回の農政改革において、この法案の提案理由説明で大臣が申し上げたとおり、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立し、農業を足腰の強い産業としていくための産業政策と、地域の共同活動等を通じて農業の有する多面的機能の維持、発揮を促進する地域政策を車の両輪として推進していくこととしているということでございまして、産業の振興に着目して講ずる産業政策と対比させて、地域の振興に着目した政策として地域政策というふうに称しているのではないかと考えております。
 今の部分でございますけれども、農業の有する多面的機能の維持、発揮を促進するために必要な地域の共同活動等に対して支援を行う政策について地域政策に当たるという考え方を表しているものであって、その多面的機能を維持するための政策がすなわち地域政策であるということを言っているものではないと考えております。
#226
○紙智子君 共同活動を支援するということですか。共同活動を支援して、要するに地域を成り立たせていくということなんですか。
#227
○政府参考人(三浦進君) 先生おっしゃるとおり、御提案しているこの法律に基づいて支援対象となっている事柄は、地域の共同活動等を通じて農業の有する多面的機能の維持、発揮を促進するものでありまして、それはその地域のということに着目して講じられる地域政策に該当するということであると考えております。
#228
○紙智子君 ちょっとなかなか分かりづらいんですけれども。
 それで、農村地域を回りますと、農業の生産活動が縮小すると、これは空き家が増える、耕作放棄地や鳥獣被害が増えて廃棄物が不法に投棄されたりすることが大問題になります。それから、災害が発生した場合にその影響が下流域に及ぶこともあると。過疎化が進んで限界集落というのが今地域でいうと問題になっているわけですけれども、この農水省が言っているところの地域政策で、今言ったような問題や過疎化、限界集落に歯止めが掛かるんでしょうか。
#229
○国務大臣(林芳正君) 今日もその部分については何度か御議論をいただいたところでございますが、先ほど局長から答弁いたしましたように、地域政策というのは広い概念でございますので、多面的機能をやるための政策はその中の一つであると、こういう整理をしておるわけでございまして、これ以外に地域政策がないのかといえば、当然そうではなくて、先ほどどなたかの質疑でお答えさせていただきましたように、他省庁のもの、それから県や市町村がおやりになっていることも併せてやっていくということが大変大事なことであるというふうに思っております。
 農村地域は、御案内のように高齢化、人口減少が都市に先駆けて進行しておりますので、集落機能の著しい低下、今お話がありましたように、ここはいいんだけれども山越えた向こうのところは大変なんだと、私も地元でよくそういうお話を聞くわけでございますが、往々にして、そっちへ行くと、やっぱり隣の方が大変なんでうちは大丈夫だと、こういう美しい助け合いもあるというふうに私は思っておりますが。
 したがって、先ほども少し申し上げましたように、基幹集落というのを決めて、そこと周辺集落とどうきちっと位置付けてトータルとしてやっていくのかということが全体としては大事なことだと、こういうふうに思っておりまして、多面的機能の支払もその中の一つとして、農村における地域の共同活動を支援していこうということで、よってもって維持、活性化にも貢献していくということでございますが、これに加えて、地域資源を活用した地場産業の振興ですとか、これは他省庁にもわたりますが、日常生活機能、定住環境の確保等への取組、それから日常生活に不可欠な医療等、福祉等、施設等の基幹集落への集約と周辺集落とのアクセスの手段の確保、先ほど申し上げたとおりでございますが、こういうものを各省庁と連携して総合的に対応してまいりたいと思っております。
#230
○紙智子君 今、各省庁と連携してもっと幅広くやらなきゃいけないんだというお話をされました。地域で生活するには、今お話もあったように、医療とかそれから福祉政策も含めて充実をさせていかなきゃいけないんだと思います。
 今回視察をした島根県の飯南町の宇山振興組合では、農福連携の取組ということで努力をしていて、お米のほかに、これは先ほど徳永さんもおっしゃいましたけれども、サツマイモの栽培を行って、障害者施設でこれを加工したり商品化して販売するというようなことなんかも努力をされていました。
 それから、地方公聴会のときにも、やっぱりそこに住み、生活できる総合対策が必要なんだという意見が出されました。多面的機能のための地域政策ということではなくて、やっぱり地域資源である第一次産業で生活できる政策が必要なんじゃないかというふうに思うんですね。
 活力創造プランで、担い手の農地利用が全農地の八割を占める農業構造の確立というふうにしていますけれども、残り二割の農地の生産活動というのは一体誰が行うのでしょうか。販売農家が生産を行うことになるのか、また支援策はあるのか、これについていかがでしょうか、大臣に。
#231
○国務大臣(林芳正君) 担い手が利用している農地面積の割合、この十年間で三割から五割まで来たわけでございますが、成長産業としていくために更に集約化を加速するということが必要でございまして、十年間で五割から八割まで拡大するということを目標としております。そうしますと残りが二割と、こういうことでございまして、この農地については担い手以外の小規模零細な農家が野菜、果物等の生産を継続する、直売所で販売をされたり、それから自分のところで消費をされる、これ結構あると思いますが、米の生産をされたりすると、こういうことがあると思っております。そうした方々を含めて、この日本型直接支払制度を活用して地域活動に参加をしていただくということが大変に大事だと思っております。
 小規模零細な農家の方々も地域の一員でございます。地域における人・農地プランの作成、見直しに向けた話合いの中で、それぞれの地域に合ったやり方というものをこの人・農地プランの作成、見直しの中で紡ぎ出していっていただければと、こういうふうに思っておるところでございます。
#232
○紙智子君 今お話あったように、全国的には八割を担い手に集中する、その残り二割なんですけれども、島根県の場合でいうと、現在が大体三割のところに担い手が利用しているという話ですよね、これを十年後には六七%まで集積する計画を持っているわけです。しかし、国民への食料の供給とか自給率の向上ということから見ると、この二割、三割の農地の生産活動も非常に重要な役割を果たしているということを私は強調したいというふうに思うんですね。
 それから、島根県では中山間地域に六一%の方が住んでいると。住んでいる人の六一%は中山間地、県全体の面積の九一%が中山間地域と。島根県ってすごい、だからほとんど中山間地域でできていて、それで六一%の人が住んでいるというわけですよね。だから、やっぱり中山間地域の支援も大事なテーマだと。そういうことをも踏まえて多面的機能の促進法についてお聞きしたいと思います。
 それで、多面的機能促進法案は構造改革を後押しするものだというふうに言われているんですけれども、なぜこれ構造改革を促進することになるのでしょうか、説明をお願いします。
#233
○国務大臣(林芳正君) 島根県のお話が今出ましたが、私の山口県も、まあ瀬戸内海側は少し違いますけれども、日本海側は同じような状況でございますので、先ほど徳永委員がおっしゃったように、北海道から来られると随分違うんだろうなと、我々は逆に北海道へ行くとそういう思いをいつもして、羨ましいなと思って見ておるわけでございますが。
 構造改革がどういうふうに促進されるかと、こういうことでございますが、地域の共同活動で、先ほど申し上げましたように、水路、農道等の維持管理、これが今までずっとみんなでやってきたわけですが、農業者の方が高齢化する、リタイアされるということで、なかなか今までどおりできなくなっているということでございます。一方、担い手に農地を更に集積していくということになりますと、担い手の人は、じゃ、その共同作業を全部自分でやる、こういうことになるのかということを考えますと、なかなかそういった施設を単独で維持、管理する負担の増大ということがネックとなって、拡大を進めるというところに歩を踏み出していくということがなかなかできない、こういうこともございまして、そういった意味で、農業者のみならず、土地持ち非農家、地域住民も含めて、地域全体で水路、農道等の地域資源の管理を支える共同活動に対して支援を行うと、こういう仕組みにしておりますので、それがよってもって多面的機能の維持増進に働くというのが主目的でありますけど、結果として、集積した後もみんなでやれるという見通しを通じて担い手は規模拡大を推進しやすくなるということで構造改革を後押しをする効果も持っていると、こういうふうに考えております。
#234
○紙智子君 今の説明でも分かりますけれども、やっぱり担い手にもっともっと集積をしてもっと拡大していくためには、いろいろ手間が掛かる周辺の管理というか、そういうことを地域で支えてもらおうというようなことなわけですよね。
 それで、島根県でお聞きして、やっぱり公聴会の中でも、長年にわたってやっぱり集落の成り立ちがどうであったかという話がありました。地域コミュニティーを維持する重要性がこもごも語られたというふうに思います。
 担い手に農地を集積をして兼業農家が農業から切り離されるということになると、地域に住む意味がなくなってしまって離農や転居することにもなるんじゃないかと。そうすると、動ける人は転居してしまって、動けないお年寄りだけになる危険性がますます高くなる可能性があるんじゃないかと思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。
#235
○政府参考人(三浦進君) 担い手に農地が集積されて兼業農家等が離農したりするということでございますけれども、今大臣から御答弁申し上げましたように、そうして農業から離れたりした場合でも、その地域の共同の取組に参画していただいて、地域全体としての共同活動に加わっていただくということを後押しするというのがこの制度の趣旨でございます。
 こういったことは今まで予算措置で、農地・水管理支払でも支援してきたわけでございますけれども、今回これを法制化していただければ、法制化されてそれに基づいて支援が行われていくんだということが明確になることによって、こういった取組についての現場での後押しということが一段と強くなるというふうに考えておりまして、そういったこの制度の趣旨を浸透することによりまして地域における取組を継続していただいて、そういう中で、農業を離れてもそこにとどまっていただいて一定の役割を果たしていただく。発展すれば六次産業化とかそういったこと、地域の資源を生かした地域内での産業化といったことの力にもなっていくというようなことも考えられまして、そういったことを狙いとして今回のこの制度化を図っているものでございます。
#236
○紙智子君 政策をつくっている方の都合からいえばそうなってほしいということで出しているものだと思うんですけど、私はこれはやっぱり上から目線じゃないかなというふうに思うんですね。
 二十二日の参考人質疑でも、ここでやった質疑でも、勝部農産の勝部さんが、農地集積の拡大に伴って農家数が減少したと、逆に言えば土地持ち非農家が増加した結果、農業を支えてきた集落や地域の社会的なつながりが希薄化したということをその課題の中に書いてあるわけですよね。それで、農地の集積が進めばコミュニティーの維持が困難になるという問題も提起をされたと。
 農家がいなくなってしまったら、これ農村地域が成り立つのかというふうに問題意識を持つんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#237
○国務大臣(林芳正君) 勝部さんのお話は先ほどあったところでございまして、確かにそういう御意見があるということも承知をしているところでございます。
 これは、最終的にといいましょうか、中長期的にどう見ていくかという視点というのがあって、確かに今のまま、規模が小さい方がずっとそのままでやっていかれれば当面は集落がそれぞれ営農されるということで維持されるということですが、それをずっとやってきて今平均年齢六十六歳、耕作放棄地が滋賀県並みと、こういう現状もあるわけでございますので、そこに、じゃ、次の世代を担う方がIターンなりUターンなりで帰ってこられるかということも含めて考えていきますと、やはり担い手に集積をしていくことによって規模の効率化もできるところがきっちり各都市でできていく、そこに新しい担い手も入ってきてくれるということと、集落の維持というもので、それをみんなで、耕作自体はその方に集約したとしても集落に残っていくと、この両立をさせるために今回のパッケージをつくらせていただいたということでございますので、そういう方向にきちっとなっていくように、これは上から目線、下から目線ということでなくて、キャッチボールということでしっかりとやってまいりたいと、こういうふうに思っております。
#238
○紙智子君 参考人で来られた方もそうだし、私たち地方公聴会で聞いた方もそうなんですけど、やっぱり地域で何とかしようということで、もう高齢化になってできない人たちの農地を頼むと言われて引き受けて、やっぱり断れないで引き受けてきてだんだん大きな規模になって、そういう形で何とかやっていこうとか、あるいは集落を何とか維持しようということで、元々地元の中でつながりをつくりながらやってきているところで、そういう形になってみんなで支えようというのは分かるんですよ。
 ただ、そうとばかり言えるのかというのもあって、二十七日の地方公聴会で発言された方、法人の方、現地の方いましたけれども、これまで自分たちがつくってきた集落を維持するためにどうするのかと、もう懸命に考えておられるということがよく分かりました。企業に入ってもらう考えは特に出てこなかったんですよね。
 しかし、農地中間管理機構が設立をされて、これは公募方式で企業は外から参入することが可能になるわけですよね。通常、企業だったら自分の水路などの管理のメンテナンスとかは自分でやると思うんですけれども、企業の営業活動を地域の集落がサポートをすることが求められていくと。そうすると、地域の方が企業をサポートするというふうな気持ちでモチベーションが続くのかどうかというのはちょっと思うわけですよね。
 それから、同じ世代でもってやってきているのであればそのつながりでやろうと思うんだけど、世代交代していったときに、しばらく離れていた人が戻ってきて、果たしてそういうふうになっていくのかということを考えると、なかなかこれ大変な難しい問題も含むんじゃないのかとか、あるいは、もうやめたと、もっと便利なところに移っちゃおうということで離れていったときに、頑張ってとにかく引き受けてやってきたところが、今度は担い手の人がそれを存続できなくなるというか、大変な困難に立ち至るということもあるんじゃないかというふうに思うんですけど、この辺のところはいかがでしょうか。
#239
○国務大臣(林芳正君) まさに、先ほども申し上げましたように、今のままいくとどうなるかと、それぞれ同じ世代の方がということで、今の規模のままでいく中でどうなるのかと、それをそのまま見ているかということと比べてどうなのかと、こういう視点も必要ではないかと、こういうふうに思いますし、今委員が幾つか例をお出しになっていただいたように、それぞれの地域で様々な御事情がおありになるということで、人と農地プランというのを作っていただいて、なるべく集落集落でそういう具体的なお話をしていただくと。
 実は、農地中間管理機構というのも、その人と農地プランの中でこういうものがあればいいなというところから出てきたアイデアでもあるわけでございまして、そういうものをしっかりと活用をしていただくと。これは、これができたので何か企業がそれを使って入ってくるのでそれに協力しろと、こういう形というよりは、農地中間管理機構の審議のときにもお答えしたように、まずは人と農地プランで、その地区で担い手、地域内でこういうふうにしていこうということが一番望ましいわけでございますので、それがどうしても中山間地等で見付からない場合にどうするかということで、ほかの地区の方にやっていただくとか企業がリース方式で参入するということも、しっかりと農地中間管理機構においてはそういう引受手のストックをして持っておくということが大事だろうと、こういうことを申し上げたと思いますけれども、そういうことで、それぞれの地域に合ったいいやり方をしっかりと人と農地プランを中心につくっていただく、それをいろんなメニューで支援をしていくと、こういうふうに取り組んでいきたいと思っております。
#240
○紙智子君 地域で共同活動に参加する人が少なくなった場合、建設業者に草刈りや水路なども頼まざるを得ないということもあるわけで、これは現に参考人質疑の中で勝部参考人が、草刈りを建設業者に依頼しているという話も出ました。それで、建設業者が作業を行う場合も、これ多面的機能支払が支払われるんですよね。ちょっと確認をします。
#241
○政府参考人(三浦進君) 多面的機能支払で地域の共同活動を支援するということでございますが、その際、活動によっては地域で担い切れない作業を建設業者等の方に委託をして行うといったことも可能でございます。
#242
○紙智子君 それはそれとしていいと思うんですけれども、それで、地域共同で多面的機能を維持するというふうに言っているわけですけれども、農地中間管理機構の一般公募に応じて参入した企業が農業経営も建設業もやっているとした場合に、その企業がやっぱり農業は採算に合わないなというふうになって撤退するということだってあり得るわけですよね。その撤退したときは一体どうするのかと、誰が責任を持つのかということなんですけれども、いかがでしょうか。
#243
○政府参考人(三浦進君) まず、中間管理機構の方の仕組みの方からお答え申し上げますけれども、中間管理機構の受け手の募集に応募して外部から参入した企業が仮に撤退をしたような場合、機構は出し手から借り受けて、また新たな受け手に貸すということをすることとしております。それによりまして、機構が改めて農地利用の集積、集約化に最も資する受け手を選定するということでございまして、撤退企業が耕作していた農地を新たな担い手に円滑に結び付けるということを考えているという仕組みでございます。
 ただ、今回のこの多面的機能支払によって地域の共同活動を支援するという、そういう活動の中に参入企業も入っていただいて、先ほど儀間先生の質疑の際に大臣からお答え申し上げましたように、リース方式で参入してきた企業についても、参入前は否定的に捉えられていたところが、そのような見方が減っているという趣旨のお答えがあったと思いますけれども、そういった形で地域に参入された企業が地域の住民、農家の方々と一緒に共同活動をしていただくと、それを国としても法制度に基づいて支援措置で後押しをするという中でやっていただくということを通じて、企業にいろいろ御都合、御事情等もあろうと思いますけれども、できるだけその地域でその企業に活躍していただく、活動していただくといったことも期待できるというふうに考えているところでございます。
#244
○紙智子君 私は、やっぱり地域で本当に話し合いながらいろいろなことを進めるということが基本だと思うんですね。
 それで、確かに真面目に頑張るところもあるんだと思うんですけど、そうじゃない場合もあるわけで、もう責任取らずに撤退してしまうということもあるわけで、やっぱり地域で共同して作業する、コミュニティーを大切にする上で、やっぱり兼業農家も含めて生産活動に携わって生産活動と一体になってこそこの多面的機能が発揮されるんじゃないかと思うんですけど、大臣、この点、いかがですか。
#245
○国務大臣(林芳正君) 先ほどからここは御議論になっておるところでございますし、いろんな考え方があると、こういうふうに思いますが、やはり現状、耕作放棄地がどんどん増えていく、また農業者の平均年齢がどんどん上がっていくということを踏まえますと、今のままで集積をせずに今の方がそのまま耕作を続けていくということだけではなかなか中長期的なやっぱり集落の維持ということに結び付いていかないのではないかということで、今回の日本型直接支払を含めた農政の改革のパッケージをつくらせていただいたところでございます。
 したがって、これは何かこうしなきゃいけないということではございませんので、今委員がおっしゃったように、人と農地プランの中で、みんな若くて元気なんだから、まあ若くてというのは結構お年がいっていてもという意味も含めてですが、頑張ろうじゃないかということでずっとやっていくということであれば、別にそれを否定するものではないと。これはあくまで選択肢でございますので、あいつに集めていこうぜというときに、これをこういうふうに使ってやっていただくことが構造改革の後押しになると、こういうことでございまして、まさに基本は地域においての話合いと、こういうことであろうかというふうに思います。
#246
○紙智子君 やっぱり構造改革を後押しする多面的機能支払、これはやっぱり農業、農村地域に混乱を持ち込む、そして農業の持続的な再生産が困難になる可能性があるというふうに思うんです。構造改革を後押しするものではなくて、農業生産と地域コミュニティーを持続的に発展させる政策が必要なんだと、とりわけ再生産を保障する政策が必要だというふうに思います。
 次に、中山間地域についてお聞きします。
 中山間地域の直接支払についてですけれども、この中山間地域で耕作放棄地が増えているというふうに思いますけれども、平成七年、十二年、十七年、二十二年の耕作放棄地率の推移を説明してください。
#247
○政府参考人(三浦進君) 中山間地域の耕作放棄地の面積、それから耕作放棄地率の推移でございますけれども、農林業センサスの組替え集計によりますと、平成七年では面積で十三万二千ヘクタール、耕作放棄地率で五・六%でございます。それから、平成十二年は十八万八千ヘクタール、耕作放棄地率は八・一%でございます。平成十七年は二十万八千ヘクタール、耕作放棄地率は九・七%でございます。平成二十二年は二十一万五千ヘクタール、耕作放棄地率は一〇・六%。失礼しました。申し訳ございません。ちょっと訂正いたします。申し訳ございませんでした。
 面積は、今申し上げましたように、十三万二千ヘクタール、十八万八千ヘクタール、二十万八千ヘクタール、二十一万五千ヘクタールでございますが、耕作放棄地率は、言い直します、申し訳ございません。平成七年は七・七%、それから平成十二年は一一・二%、平成十七年は一三・三%、平成二十二年は一四・五%でございます。
 申し訳ございませんでした。
#248
○紙智子君 ですから、今聞いたように、平成七年が七・七、次十二年が一一・二、十七年が一三・三、二十二年が一四・五%ということで増えていっているわけですよね。
 中山間地直接支払制度を導入しながら、なぜこれ耕作放棄地が増えているんでしょうか。
#249
○政府参考人(三浦進君) まず、中山間地域直接支払制度の効果として耕作放棄地の発生が未然に防止されているということは、この制度の第二期対策の第三者委員会による評価でも示されておりまして、平成十七年から二十一年度の第二期対策の期間で全国で約三万三千ヘクタールの耕作放棄地の発生が未然に防止されたということはそのように報告されております。一方で、やはり中山間地域は、地理的条件が悪く生産条件が不利だということ、過疎化、高齢化の進行が他の地域よりも早いということもありまして、耕作放棄地がやはり引き続き増加しているという現状にあるということでございます。
 なお、先ほど御説明申し上げましたように、依然増加はしておりますので、それはそのとおりなのでございますけれども、その増加の度合いというのは、この中山間地域直接支払の導入前である平成七年から平成十二年の増加の度合いというところと導入後の増加の度合いということを比べると、そこはなだらかになってきているということは見て取れるかと思います。
#250
○紙智子君 耕作放棄地が増える率は少し低くなっているんだという話だったと思うんですけれども。
 それにしても、今いろいろお話あったわけですけれども、実際に現地で島根で話をしたときに、耕作放棄地を出していない、集落協定を締結してやっている集落の方ですけれども、この間頑張って耕作放棄地出していないというところ、窪田ふるさと会のところなんかはそういう話だったわけですよね。ただ、実情を聞きますと、営農活動にこの七年間で六千五百八十五万円の交付金を受けたと言っているんですよね。七年間で六千五百八十五万円だったと。それは一戸当たりにすると大体二十八万円だと、七年間ですからね。このほとんどが、水路を直したりとか、あと鳥獣被害、イノシシの被害対策だとかこういうので消えてしまっているので、本当に何というか、それに膨大なあれがつぎ込まれたというよりも、それもなかったら大変だったというか、だから、何とか耕作放棄地出さないできた地域でももうとんとんというか、そういう形で来ていたんだというふうに思うんですね。
 それで一方、出雲市の美郷町の農事組合法人小松地営農倶楽部、公聴会のときに見えていたんですけれども、この方は、平成十八年に設立をして十四名で農業後継者で始めてきた、米とソバとトルコキキョウで頑張ってきたと。毎年、面積の一%から二%で耕作できずにギブアップということで耕作放棄地が防ぎ切れていないという発言も現地では実際されたわけです。
 それで、中山間地域の直接支払制度というのは、やっぱり書類の申請もなかなか大変だったり、あるいは対象地域を広げてほしいという話も依然として出ていますし、もっとこの要件を緩和すべきではないかという要求が出ているんですけれども、この点、いかがでしょうか。
#251
○国務大臣(林芳正君) 中山間地域等直接支払制度は、多面的機能の低下が特に懸念をされる中山間地域等について、農地の傾斜等、地理的条件から生じる平地との生産コスト格差、これを補正するという位置付けであります。平成十二年度の創設以来、先ほど局長から説明がありましたように、耕作放棄地の発生の伸び率を鈍化させると、こういう効果を上げてきまして、多くの市町村や集落が制度の継続を求めておられるところであります。今委員が御指摘になったとおりであります。
 制度の見直しについては、本制度、五年間を一つの対策期間と、こういうふうに設定をしておりますので、基本的には対策期間が切り替わる際に現場での活用実績等を踏まえた見直しを行ってきたところでございますので、本制度については今年度が第三期対策の最終年度でございますので、現在、今期対策の評価等の作業を行っておりまして、現場の実態をよく踏まえながら次期対策の検討を進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#252
○紙智子君 是非やっぱり続けていただきたいというふうに思います。
 それから、中山間地域は全国の水田面積の四割を占めていると。参考人質疑でも安藤参考人が、中山間地域では主業農家も集落営農もない、構造改革は現実的でない、中山間地域等直接支払制度を主軸に据えつつ別の政策目標を掲げるべきではないかということを言われていました。島根では、やっぱり自由度のある使い勝手のいい支援も欲しいということも出ていました。中山間地域の支援策をやっぱりこの際きっちりと強化すべきではないかと。これ、大臣、いかがですか。
#253
○国務大臣(林芳正君) 応援をいただいたと思っておりますが、しっかりといろんな対策を打っていく必要があると常々思っておりますし、この支払制度の見直しも今年ということでございますので、いろんな対策を含めて、今回、多面的機能支払も水田に限らずに畑地、草地ということでこの対象にいたしましたし、中山間地域等に加えて多面的機能が出ると、こういうことでもございます。そういうことも併せて、しっかりとその地域地域に合ったいろんなやり方が、いい知恵が出てくる、こういうことも後押ししながらやっていきたいと思っております。
 御案内のように、コシヒカリ、魚沼産というのは棚田から一番おいしい米ができると、こういうこともよく聞かされるところでございまして、そういういい取組が出てくるようなしっかりとした対策というのもしっかりと検討してまいりたいと思っております。
#254
○紙智子君 しっかりと対策をやっていただきたいんですが。
 それで、二十二日の参考人の御意見をいろいろお聞きする中で非常に印象に残ったのがありまして、愛媛大学の村田参考人の発言で、我が国は先進国で最低の食料自給率だ、したがって我が国の食料の安全保障問題をないがしろにして強い輸出農業を目指すことにはならないんだ、強い輸出農業づくりを農業構造改革だとして零細兼業農家を追い出すことに熱中する農政、あるいは交付金の交付対象農業者を限定しなければ構造改革に逆行するなどという認識はEUもアメリカもなかったんだということを指摘されていました。
 私は、最後になりますけれども、食料自給率をやっぱり向上させていくということをしっかりと据えてやっていく上でも、この中山間地域の農業、農村を持続的にやっぱり網羅して発展させるための支援を一層強く求められているんだということを最後に強調して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#255
○委員長(野村哲郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
     ─────・─────
   〔参照〕
   出雲地方公聴会速記録
 期日 平成二十六年五月二十七日(火曜日)
 場所 出雲市 出雲ロイヤルホテル
   派遣委員
    団長 委員長      野村 哲郎君
       理 事      猪口 邦子君
       理 事      山田 俊男君
       理 事      小川 勝也君
       理 事      紙  智子君
                古賀友一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                郡司  彰君
                徳永 エリ君
                平木 大作君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   現地参加議員
       議員       舞立 昇治君
   公述人
       出雲市長     長岡 秀人君
       いずも農業協同
       組合常務理事   岡田 達文君
       有限会社グリー
       ンワーク代表取
       締役       山本 友義君
       農事組合法人小
       松地営農倶楽部
       理事
       美郷町副町長   樋ケ  司君
    ─────────────
   〔午後一時三十分開会〕
#256
○団長(野村哲郎君) ただいまから参議院農林水産委員会出雲地方公聴会を開会いたします。
 私は、本日の会議を主宰いたします農林水産委員長の野村哲郎でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、本日の地方公聴会に参加しております委員を紹介させていただきます。
 私の右隣から、自由民主党の山田俊男理事でございます。
 同じく猪口邦子理事でございます。
 同じく馬場成志委員でございます。
 同じく堀井巌委員でございます。
 同じく古賀友一郎委員でございます。
 同じく舞立昇治委員でございます。舞立委員は現地参加をいただいているところでございます。お隣の鳥取選出でございます。
 次に、私の左隣から、民主党・新緑風会の小川勝也理事でございます。
 日本共産党の紙智子理事でございます。
 民主党・新緑風会の郡司彰委員でございます。
 同じく徳永エリ委員でございます。
 公明党の平木大作委員でございます。
 次に、日本維新の会・結いの党の儀間光男委員でございます。
 みんなの党の山田太郎委員でございます。
 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。
 出雲市長の長岡秀人公述人でございます。
 いずも農業協同組合常務理事の岡田達文公述人でございます。
 有限会社グリーンワーク代表取締役の山本友義公述人でございます。
 農事組合法人小松地営農倶楽部理事・美郷町副町長の樋ケ司公述人でございます。
 以上の四名の方々でございます。
 この際、公述人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 皆様方には、大変お忙しい中、御多忙の中、御出席をいただきまして、心から御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
 参議院農林水産委員会におきましては、現在、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案及び農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案の両案について審査を行っているところでございます。本日は、両案につきまして皆様方から貴重な御意見を賜るために、当地出雲市におきまして地方公聴会を開会することになった次第でございます。
 皆様方から忌憚のない御意見を拝聴しまして、今後の委員会審査の参考にいたしたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方につきまして申し上げます。
 まず、公述人の方々からお一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いをいたします。また、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。
 まず、長岡公述人からお願いいたします。長岡公述人。
#257
○公述人(長岡秀人君) 皆様、ようこそ神話のふるさと出雲へお越しいただきました。私は、出雲市長の長岡秀人でございます。
 本日は、参議院農林水産委員会の地方公聴会における意見陳述という貴重な機会を与えていただき、心から感謝を申し上げたいと思います。
 意見は、お手元にお配りしているレジュメに従って述べさせていただきます。あわせて、関係のデータも添付しておりますので御覧をいただきたいと思います。
 最初に、出雲市の農業概要について御紹介をさせていただきます。
 本市は、平成二十三年十月に斐川町との平成二度目となる合併を経て、人口が約十七万五千人、市全体の面積が六百二十四平方キロ、面積は東京都二十三区とほぼ同じ面積でございます。
 農地につきましては、耕地面積が八千四十ヘクタールとなっています。農家戸数は約八千百戸、うち販売農家数が約四千八百戸、主業農家数が約五百戸と兼業農家が多数を占めていますが、集落営農の結成や法人化により農地集積も進んでおります。
 本市の農業産出額は百四十二億円を超え、県内全体の四分の一近くを産出する島根県農業の中心地となっております。
 土地利用型農業としては、県内最大の穀倉地帯であります出雲平野での水稲を中心に、麦、大豆などとの作型が多く行われております。こうした出雲平野の水田が、築地松、防風林でございますが、出雲地方特有の景観を形成をしているところでございます。
 水稲では、コシヒカリ、きぬむすめのほか、近年の高温に負けない品種、つや姫の栽培も広がりつつある状況でございます。また、転作作物として飼料用米にも積極的に取り組んでおります。地元産の飼料用米を配合した飼料を鶏や牛に与え、こめたまご、まい米牛など、今日御覧になった取組をしているところでございます、新たなブランド化にもつながっております。
 また、比較的海岸に近い砂地地域では、ハウス栽培によるデラウエアを中心としたブドウ栽培が盛んで、大阪、名古屋市場を中心に出荷をされております。このほか、柿、イチジクといった果樹、ブロッコリーやネギなどの野菜、そして中山間地域での畜産など、それぞれの気候や土地条件に応じた多様な農業が展開されております。
 最近では、島根県オリジナル品種の観賞用アジサイ、万華鏡という新品種がコンテスト、ジャパンフラワーセレクション二〇一二―二〇一三の鉢物部門において最優秀賞を受賞いたしました。先日の母の日には予約注文が殺到し、品不足という状況になっている、明るい話題もあるところでございます。ちなみに、このアジサイの花言葉は元気な女性ということでございます。
 また、島根県では全国に先駆けて集落営農の取組が推進され、本市にも多くの集落営農組織がございます。近年は、さらに組織基盤強化を図るための法人化が進んでおります。平成二十五年度末の集落営農に係る農業生産法人は三十九法人となっております。
 本市独自の取組としては、国内で四か所しかない特別天然記念物のトキの分散飼育に取り組んでおります。現在、佐渡トキ保護センターから三ペアを借り受け、繁殖に取り組んでおりまして、成長したトキを佐渡に移送しております。出雲生まれのトキは繁殖成績が極めて良く、最近でも、出雲生まれのトキがペアとなって、野生下で第三世代が誕生したことが報道されました。出雲市生まれのトキは、異性に好まれ、子づくりも上手なようでございまして、まさに縁結びの町の面目躍如といったところでございます。
 続いて、出雲市農業の課題について少しお話をさせていただきます。
 この出雲市においても、全国的な傾向と同じでございまして、農業者の高齢化が極めて深刻な状況でございます。農業従事者の高齢化率は全国平均を上回る約七〇%となっております。農地の集積は進みつつありますが、担い手の高齢化、新規就農者の確保が最大の課題でございます。
 新規就農者確保対策として、市独自でアグリビジネススクール事業というのに取り組んでいます。平成十八年から昨年まで続けておりますし、今年ももちろん展開しておりますが、その辺のところは資料の四ページの方に書いておりますが、成果は上がりつつございますけれども、まだまだ足りない状況でございます。
 これに加えまして、農作物の価格低迷、資材の高騰、加えて世界的な気象変動の影響や景気の低迷など、農業者の不安や心配は尽きないところでございます。本市の一番の特産でございますブドウにあっても、近年の燃油・資材費の高止まり、あるいは風雪害などの災害の影響もございまして、栽培面積、生産者数共に減少傾向にあり、産地の維持発展のための対策が急務と思っております。
 こうした状況を背景として、耕作条件の悪い土地などを中心に遊休農地も増加しております。耕作放棄地対策も重要な課題となっております。
 農業経営の大規模化への適切な対応、土地利用型農業の取組が困難な地域における特産振興、そして、これら農産品の付加価値を高め、地域経済との連関を実現する六次産業化の取組が求められているところでございます。
 今回、農林水産業・地域の活力創造プランを踏まえ、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案並びに農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案が検討されているところでございますが、地方自治体の首長という立場から、次の四点について意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず一点目、産業政策に対する意見として、一点目は担い手への農地集積についてでございます。
 農業の基本であります農地集積についての意見でございますが、アベノミクスの第三の矢である成長戦略、日本再興戦略には、農業・農村所得倍増への挑戦として、今後十年間で全農地面積の八割が、能力ある多様な主体が参加する担い手によって利用されることを想定されております。その中で、農地中間管理機構制度は、農地をより集約的に、よりまとまりよく担い手に集積することを目指して制度設計がなされておりますが、今回の制度改正によりまして地域集積協力金が新設され、集落営農の結成促進あるいは法人化に活用できることなどは評価できる点だと思っております。
 市全体の農地集積状況については、平成二十四年度で四七・三%ですが、平成三十二年度にはおおむね六二%を目標に集積に取り組んでいるところでございます。特に、今回の国の制度改正に際し一つの参考としていただいた斐川地域、これは二十三年十月に合併した、斐伊川という一級河川の南側に位置する地域でございますが、現在、人・農地プラン中心経営体、百二十五経営体への農地集積率が七割に近づいております。農地利用集積円滑化団体である斐川町農業公社が農地の貸し借りの中心的な役割を担い、担い手に集積された農地のほぼ全域が面的に集約され、規模拡大が進んでいる状況で、一町一農場構想の実現に向け、着実に農地流動化が進みつつあります。
 しかし、現在の状況になるには構想から十年の時間と労力が費やされております。農地集積で重要なのは、こうした仕組みを安定的かつ継続的に続けられるかどうか、そこに懸かっているということでございます。そのためにも、貸し借りの制度が複雑化しないよう、現場実態を把握しながら、農家にとってメリットがあるシンプルかつ効果的な仕組みを整備していくことが肝要だと考えておるところでございます。
 地域内の農地を担い手に面的に集積することで担い手の効率的な農業経営が促進されておりますが、農地集積はあくまで手段であって目標ではございません。農業が持続可能な産業となるには、担い手が規模拡大した農地でいかに効率的かつ収益性の高い農業を営んでいくかを総合的に支援していくことが重要と考えております。
 続いて、二点目の担い手の経営所得の安定について申し述べさせていただきます。
 畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタ対策と、米、畑作物の収入減少影響緩和対策、ナラシ対策、これは、これまでより規模要件が緩和されたものの、対象を認定農業者、集落営農、認定就農者に限定するものとなっております。
 また、米の直接支払交付金については三十年産米から廃止となりました。生産調整についても、三十年産からは自らの経営判断で需要に応じた作物を生産する体制づくりとなってまいります。これから四年掛けて体制を構築することとなっておりますけれども、農家側からは、需給動向に対して適切な判断ができるのかどうか、また結果的に米価への影響が生じないかなどの不安の声が寄せられております。
 こうした中、現場の担い手は国の助成体系を踏まえて中期的な経営目標を立て設備投資などを行うため、将来を見据えることができる一貫した政策であることが重要であり、そういった意味で今回の法制化は望ましい姿だと評価をしているところでございます。
 経営感覚を持った農業者の育成のためにも、またこれから経営者になる方が報われるよう、政党間でできる限りの議論を尽くしていただき、ぶれない政策を展開していただくことを期待をしております。
 次に、地域政策に対する意見を述べさせていただきます。
 三点目として、多面的機能支払制度についての意見を述べさせていただきます。
 これまでこの出雲市においては、六十九地域、四千九百五十ヘクタールで農地・水保全管理支払交付金に取り組んでまいりました。今年度から多面的機能支払制度が始まり、これまで取り組まれていた地域だけでなく、新しい地域からも多くの質問が寄せられており、関心の高い事業となっております。
 この事業では、地域で結成された組織が水路、農道等の管理をすることや、水路などの地域資源の質的向上を図るための共同作業や長寿命化のための補修、更新等の活動に対して支援されております。本市も市域全体として老朽化が進んでおり、あちらこちら補修が必要なところが出てきております。農業生産性の維持のため、施設の軽微な修繕は地域の人材でも行える体制づくりを国の補助事業を活用してこれまでも実施してまいりました。
 多くの地域が多面的機能支払制度を活用し、施設の長寿命化を図ることができれば、水田、農地が持つ水の一時貯留機能、排水機能が高まり、洪水等の被害の減少に効果が期待できるなど、地域の防災にも有効な手段の一つとなると認識しております。この事業を確実に普及拡大していくためにも、市町村や生産現場のマンパワーの実態を理解していただき、事業主体が中山間地域等直接支払、環境保全農業直接支援との関連も踏まえて取り組みやすく、地域で混乱が生じないような制度にしていただきたいと思います。
 四点目、中山間地域等直接支払交付金についてのお話をさせていただきたいと思いますが、時間がちょっと近づいてまいりましたので、少しまとめの話にさせていただきますが、中山間地域に貢献できる次世代の担い手が将来にわたって安心感を持って農業生産活動ができるよう引き続き実施していただきたい、様々な取組を引き続きやってまいりたいと考えております。
 共通して申し上げたいことは、現在検討されている理念を是非とも継続していただき、生産現場にも、また個々の政策を一人一人の生産者に伝える役割を果たす行政現場にも安心感を持って取り組める農業政策としていただけるようお願いをしたいと思います。
 最後に、私の思いを少しお話しさせていただきますが、議員の皆様方には是非、農村に生まれ、根差し、農地や農業を守っている人々の汗や笑顔、心意気に思いをはせていただきたい。地域にとっての農業は、生業、生きがいであると同時に、地域の人間関係を形成する重要な舞台となっております。農業、農地を守る活動を通じて様々な連帯が生まれ、地域のリーダーや地域を誇り、守る心を育ててまいりました。是非、その辺をしっかりと認識していただいて、すばらしい制度を残していただきたいと思います。
 現在、出雲市においては、縁結びで有名な出雲大社に県内外からたくさんの皆さんをお迎えしております。市民一同おもてなしの心でお迎えをしておりますが、本市において公聴会が開催されましたこと、そしてまた、今日、高円宮典子様、そして千家国麿様の婚約が発表されたその日にこの公聴会が開催されたと、これも大きな御縁だろうと思っております。限られた時間であると思いますが、出雲の豊かな自然や歴史、文化にも触れていただき、おいでになって良かったと、また来てみたいと思っていただけるように感じていただければ幸いに存じます。
 以上、私の意見とさせていただきます。
 本日の開催に向けて御尽力いただきました関係者の皆様に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
#258
○団長(野村哲郎君) ありがとうございました。
 次に、岡田公述人にお願いいたします。岡田公述人。
#259
○公述人(岡田達文君) ただいま御紹介いただきましたJAいずもの岡田でございます。
 今日は、農林水産委員の先生方には、JAいずも管内、現地を視察していただきました。ありがとうございました。
 JAいずもにおける飼料用米の取組について報告をさせていただきます。
 二ページ目のところでございます。まず、JAいずもの位置図でございますけれども、県東部に位置をしております。中国山地を源とする斐伊川、神戸川の集積地、出雲平野を中心としたところにございます。転作率は、平野部で四八%、山間地や中山間地で三七%となっております。当地域は水田地帯であって水稲の単作地帯であるということから、飼料用米なら天候に左右されず既存の機械が利用できる点に着目し、取組を進めてまいりました。
 三ページ目のところでございます。出雲市には、JAいずもと斐川町の二JAがございます。JAいずも管内、人口は十四万六千人余り、正組合員一万三千人ほどでありまして、准組合員五万三千人、合わせて六万六千名が組合員であるということでございます。出雲市の世帯数、JA管内五万一千世帯くらいあるわけですけれども、このことから見ても、ほとんどの人が、かなりの人がJAいずもの組合員であるというふうに思っているところでございます。
 四ページ目のところ、JAいずもの事業概況のところを出させていただいております。JAいずもの事業概況、平成二十五年度、農業の生産額、平成二十年来初めて、のところで八十一億円というところになりました。平成八年に合併した頃には百億という取扱額もあったわけでありますけれども、今、ああして転作も進む中、あるいは米の下落、あるいは、先ほど話がございますように、デラウエア、これ最高では三十億くらいございましたけれども、今は半分の十五億程度しかないというようなことで、非常に苦慮をしているという状況でございます。
 五番目のところでございますけれども、JAいずもの主要農産物というのは、ここのページに書いてございますけれども、JAいずもを五つのブロックに分けております。ここで事業運営を行っております。そのブロックごとに営農センターを設置し、地域の特性に合った営農指導活動を行っております。平野部では、水稲、ソバに加えて、菌床シイタケ、ブロッコリー、青ネギ、アスパラというのをやっておりますし、国引き神話、大社を中心とするところ、ここで加温デラウエアというものを作っているところでございます。
 六ページ目のところ、JAいずもの水田営農面積状況というところでございますけれども、JAいずも管内の水田経営面積は四千七百二十七ヘクタールございます。御覧のとおり、農業法人、特定農業団体、協業経営型の任意組合、作業受託・共同利用型の組合、認定農業者、中核農家、あるいは水田の担い手と位置付けております。その担い手の農地の集積面積は二千四百七ヘクタールで、担い手の集積率五〇・九%となっているところでございます。
 七ページ目のところに、飼料用米の普及拡大の目的と意義についてでございますけれども、生産者は、生産資材や農機具がそのまま使えるということ、また水田機能が維持できること、国の支援により経営的にも主食用米並みになっている、また堆肥等を利用することによって耕畜連携、循環型農業、稲わらの生産の推進にもなります。畜産側にとっては、ほとんどが輸入飼料であることを考えれば、安全な国産穀物飼料が確保できることによって大きなメリットがあります。飼料用米を利用することで、今まで海外に払っていた飼料代が地元に落ちることになります。本県の全家畜の一割を代替することとしても、八億から十億円程度がこの収益になるというふうに思っております。この経済効果は非常に大きいものがございます。消費者側にとっても、地元の農畜産物の安全、安心の確保につながるということでございます。
 次のページでございますけれども、JAいずもでの取組の始まりというところでございますけれども、JAいずもにおける取組ですが、管内の飼料用米の取組は、平成十九年の試験栽培十アールから取組を開始しております。当時の狙いとしては、転作面積増加に伴う耕作放棄地の解消が課題でありましたが、乾田化できない圃場や、麦作等の別途機械投資が必要な品目が、こういうことによって、栽培が困難な生産者が既存の機械で生産できる、転作できるという可能な品目として、飼料の高騰対策も考慮してこの飼料用米の取組をしたところでございます。
 次のところでございます。平成二十年には国の農業政策の方針に追随し、県と連携して管内で六・六ヘクタールの栽培に着手をいたしました。養鶏農家への最初は玄米という格好で給餌を実施し、栽培の実証や流通方法、生産コストの削減を模索をいたしました。平成二十一年度において、養鶏部会の要望に応じて、国の水田等有効活用促進交付金の支援を受けて飼料用米生産を強力に推進いたしました。その結果、養鶏農家の十万羽に対して、一〇%程度のもみ米配合という、必要な六十ヘクタールの作付面積に至りました。平成二十二年度においては、国の戸別所得補償モデル事業の効果もあって大幅に面積が拡大し、前年の三倍となりました。平成二十三年には、戸別所得補償制度が本格実施され、二十一年度より栽培面積が五倍まで拡大をしたところでございます。また、本年度、二十六年度では、三百五十ヘクタールの作付けが予定をされているところでございます。
 次のページのところでございますけれども、この飼料用米の支援対策というものもしております。品代が安いわけでありまして、JAいずも管内では、今も転作作物助成の基金をつくっております。以前あったように、地域共補償制度というのを今も存続をしております。生産者の方から拠出されるもの一億五千万円、出雲市さんから頂戴をする一千万円、JAが拠出する一千万円。一億七千万円で、いろいろなところで支援をしているところでございます。ここにも書いてございますように、飼料用米の団地でやっていくと、一ヘクタール、反当七千円を出しますよと。あるいは、これはA、Bとありまして、中山間地はなかなか一ヘクタールがまとまらないならば、五反くらいのところでやれば反当五千円出しますよというようなところでやったり、あるいは飼料用米の数量払い、我々は平成二十三年度から、余りにも飼料用米が安いものでありまして、キロ当たり十三円を交付をしているところでございます。
 また、もう一つの基金として、JAいずも管内、農業FFF事業という補助事業をしております。これは、出雲市さんから七千万円、JAいずもから七千万円を拠出していって一億四千万円を、農産振興に四千五百万円、特産振興に四千五百万円、畜産振興に四千万円、それから多様な担い手への支援として一千万円、この一億四千万円、補助金ベースというところでいろんな農業の補助を打っているところであります。
 この中に、FFF事業で飼料用米を使っていただける方に、今度は実需者側の方に飼料用米一トン当たり六千円を出しておりますし、WCS、ホールクロップサイレージ、これも推進をしているところでありまして、これも一本当たり五百円、酪農家に使っていただければ一本当たり五百円を補助をしているということでございますし、また、WCSは生産者側にも補填をしております。WCSを作っている側に一本八百円というものを拠出しながらやっているところでございます。
 十一ページのところに、本県のこの仕組みでは、保管、流通をJAグループが担っております。飼料用米は全てカントリーエレベーターで集約保管を行っています。実需者の要望に応じたフレコン出荷への対応、あるいは主食用米との隔離保管を行うためのライン改修を行いました。
 また、五月からは麦の集荷もあり、カントリーから排出する必要に迫られていることから、また主食用米とのコンタミ防止をするために、管内三か所のカントリーエレベーターを市、国の補助金を利用して改修を行いました。十二ページのところに三か所の要項は書いてございます。三か所で最大乾もみ重量二千四百トンの貯蔵が可能となっております。県内でも最大となっております。
 次のページ、十三ページのところに、この流通体制では生産者、利用者に保管等の負担を掛けない仕組みにしております。また、生産者も利用者とマッチングに困らないという点があり、県下全体での取組が可能となっているところでございます。
 課題の面でございますけれども、十四ページ、飼料用米が出雲地域の活性化に果たす役割は非常に大きいものがあります。飼料用米は、飼料自給率の向上、地域資源の循環、安全、安心な農畜産物の提供、地域農業の維持発展、地域にお金が落ちる仕組みづくりとして非常に重要な戦略作物です。しかしながら、今後この飼料用米を安定的に生産するためには幾つかの課題があります。
 一つは、長期的に安定した販売先の確保ということであります。これは全国に四百五十万トンの可能なものがあるというふうに言われておりますけれども、これがどこにあるのかということもまだ不明でありますし、これを運んでいくときの品代が余りにも安いわけでありまして、これを、運賃辺りをどうしていくのかというようなところの問題がございます。作っても売れなくてはどうしようもありません。そのためには、安定した販売価格を形成していくために、流通コスト、価格の低減支援、あるいは飼料用米の品代支援が必要になるんじゃないかというふうに思っております。
 また、利用拡大では、配合飼料等、今日も御覧いただきましたけれども、養鶏農家のところへは飼料会社へもみ米を持っていって完全飼料ができているわけでありますけれども、肥育農家のところはまだこれを自家配という格好でやっているということですから、この方式もこれから改善がなされれば更なる利用者の拡大も考えられるというふうに思っております。
 二番目として、保管施設の整備でございます。面積拡大を図る上で飼料用米を保管する施設整備も必要になってきます。
 三番目、飼料用米の拡大定着では、水田活用の直接支払交付金の長期安定化、今日、視察していただいた低コスト生産技術の多収技術の確立の普及だと思っております。この飼料用米の取組は食料自給率向上、環境保全に貢献していることを消費者の皆さん方にも理解していただいて、支持を得られるようにしていきたいというふうに思っているところであります。
 生産調整の方向性について、非常に我々は不安視をしております。
 生産調整の見直し等の報道によって、末端では、五年後を目途に、行政による配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等を踏まえつつ、生産者や各団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行われるよう各般の環境整備を求めるとしていますが、食糧法において、国は我が国の主食である米の需給と価格の安定を図るとされていることから、引き続き国は米の需給と価格の安定に向けた対応に責任を持って取り組むべきであるというふうに考えるところでございます。
 規制改革会議より五月十四日に発表された農業改革に向けた提言は、JAが協同組合として、利用者、農業者の自主的な結集、運営により、利用者である組合員に最大の奉仕をする民間の組織であることは歴史的経過からも分かっておるところでございます。JAの経営事業や地域の実態と懸け離れた内容になっているというふうに我々は思っているところでございます。
 見直しに当たっては、中山間地域の実態、実情等を配慮いただき、農業者、農業団体、地域住民の意見を十分に踏まえて検討していただくようにお願いをいたします。
 ありがとうございました。
#260
○団長(野村哲郎君) ありがとうございました。
 次に、山本公述人にお願いいたします。山本公述人。
#261
○公述人(山本友義君) 有限会社グリーンワーク代表をいたしております山本友義と申します。
 今日は、このような機会を与えていただきまして、一山間地の営農組織、大変光栄に思っているところでございます。限られた時間ですので、要点二点をお話しさせていただきますればと思っております。
 その前に、若干、会社の概要を御説明申し上げたいと思っております。昨日視察いただきました窪田ふるさと会の同じエリアでございまして、そこの営農組織として参画をいたしております。農地・水の中では、大変に大きなメリットをいただいているというふうに思っておりますし、二十六年度以降、また振替等で移行するということでございますので、我々も大変その点は心強く感じているところでございます。
 そうした中、山間地における集落営農、いかなる事情があるかというところをまずお話しさせていただきたいと思っておりますけれども、まず最初に、農が廃れば地域が廃るというのを理念に置いておりまして、地域のために地域とともにというスローガンを掲げて、あの窪田ふるさと会、御覧いただきました地において二十ヘクを集積をいたしております。くぼ数でいいますと二百四十くぼ、二十ヘクタールで二百四十くぼございます。筆数でいうと、約三百筆になります。
 出雲にも平野部がございまして、出雲平野、中には大型農家がございまして、再々圃場をした田んぼもございますが、そうした何町くぼ、四町、五町くぼから見ると、四、五枚の田で終わる田んぼ、これを我々は二百四十くぼをくぼ数にして耕して耕作を続けているという、この地の利の不利のリスクを負いながら日々やっているということでございます。
 今日も午前中、代かきをしてきましたが、大体田植が終わりまして、最後にWCS、ホールクロップサイレージの田植の準備、今月末に行いますけれども、それをもちまして二十六年度の春作業が終わるということでございます。
 しかし、地の利は大変厳しくて、リスクも負った農業をするわけでございますが、一番のそうした流れの中で、今日、問題は、日本全国で共有いたします高齢化と担い手不足、我々のところ、そうしたところをいかにカバーしていくかというところで、うちの会社は有限会社、会社方式でございますので、それを最大限に利用していこうということで、攻めの農業ということから、農業以外の分野での活動をやっていこうということで実践を行っております。それによって年間雇用を図っていくと。今、六名の雇用を図って、Uターン、Iターンを含めて、社員として働いていただいております。これは年間雇用を実現するためには、農業、半年間の作業しかございませんが、あとの半年を農業以外の分野で行っていく、カバーしていくんだということのシステムを構築して今やっているところでございます。
 おかげさまで、そうした出雲市なりJAいずもなりの団体からの委託が主でございますけれども、そうした行政なり民間団体からの業務委託、受委託をすることによって、そうした事業計画を立てて今日を迎えているところでございます。
 そこで、まず最初に、経営所得安定対策の中で米の直接支払交付金、これが削減をすると、一万五千円を七千五百円にするんだと、ひいては廃止するということが決定がなされるようでございます。
 我々にとりまして、二十二年に戸別所得補償、一万五千円、これで山間地頑張れということでございまして、また日本の農業頑張れということでできたわけでございまして、果たして、できた当分、我々も、こんなことができるのかなという、予算措置は大丈夫なのかなというふうに思っておりましたし、また、政党間でも、いや、ばらまきだ、いや、どうのこうのだと、いろんなお話が出てまいりましたが、しかし四年間続いたわけでございまして、その間、私どもも設備投資を行ったわけでございます。これはもう一〇〇%当てにして、今後続くという判断の下に設備投資を行い、そして事業拡大を図ったということがございまして、今日、リース事業で用いたわけなんですが、まだまだ返済が残っているという中において、廃止というのは、我々にとって大きな事業の計画変更を余儀なくされるということでございます。
 昨年の決算が、約二十三万赤字決算を出したところでございますが、これは大型の施設投資をした償却が要因でございますけれども、しかし、二十六年度から一万五千円が七千五百円になる、その七千五百円が、十五ヘク主食用米があるとすれば、約二百二十五万入るのが百十万しか入らない。その百十万がまともにこたえるということでございまして、その百十万の赤字はどこからどういうふうに補填していくのかという、本当に厳しい経営・運営状況の中で、その捻出というのは我々にとっては死活問題であるというふうに捉えております。
 これを説明資料の中では、まず交付金の、そうした全国には我々のような組織が多いだろうということで、振替拡充を図っていくんだと、ほかの施策でこれをカバーしてあげましょうということであるわけですが、そのカバーが、農地・水保全、新日本型農業の振替、いわゆる多面的機能、これをやればそうした面でカバーしてあげましょうということだと思うんですが、それは地域全体での施策、加入すればこうだよということでございまして、一農業法人のグリーンワークにそれの七千五百円が入ってくるというわけではないわけでございます。
 そうした点、私も何とかリース事業が終わるまで戸別所得補償制度が続けばなと願っておったのが、中途半分でなくなるということでございますから、じゃ、それをどういうふうにしていくかというこの大きな問題を捉えてみますと、農業の政策が、いろんな事情があるにせよ、簡単に軽々に変わるということが一つにはいかがなことかと。よく言われる猫の目政策、農業政策ではいかがかなということを今回ほど強く感じたことはございません。こうした拡充を図るというのであれば、もっと違う観点からもっと新しい施策を是非とも取り入れていただきたいと思うところでございます。
 もう一点には、多面的機能の中で、今回、現行制度を維持していくんだという中山間直払い制度、これについても、我々は中山間の中の中山間でございますので、この恩恵は大きく受けております。急斜地がございますので、ほとんどそうでございますので、大体二十五年度実績は百七十万ぐらいの事業費をいただいておりまして、これが我々の生活の糧になっているのは事実でございます。
 これの中で、私どもの中でも、法人でやっているんですが、法人の中でも今一番大変なのは農作業、草刈りが一番大変なんです。大体、機械化がなされまして軽作業になってきましたが、重労働である草刈り作業、これができなくて農家をリタイアされるということでございます。年老いて一番できないのが草刈り作業、草刈り作業ができないがゆえに、好むと好まざるにかかわらずリタイアしなければならないということでございます。
 じゃ、その草刈り作業を、いかなる方法でどういうふうにすれば年いっても農業をすることができるかということ、これを考えていく施策を打つことが必要ではないかなと思っております。
 田回り、水管理するのはつえをついてでもできるんですが、草刈り機だけは、つえをついて草刈り機は持てません。年四回行うこの草刈り作業、なかなか我々の年代でも大変、四十代、三十代でも重労働というこの作業を今やっているのは農地を持った農民の七十代までなんです。八十歳になると草刈り機が持てないというこの農作業の厳しさ、これを何とか施策を打つことによってクリアすることができないかということで、この中山間地直払いの中で今救済的な展開ができないかという御提案でございます。
 我々の営農組合も、おのずと採算ラインがございます。今一番大変なのは機械の更新、この更新期を迎え、そして草刈り作業を片や抱えながらやるということは、事業の拡大、そして規模拡大というのは地元の我々であるからできるわけでして、企業の参入なり、また平たん地からの協力、そのようなことはまず望めないというふうに思ってもおります。
 どうか、この山間地の事情を御推察いただきまして、まず農地の管理、これについての施策を是非ともこの中山間地なり多面的機能なりの中で、多面的機能の中に若干ございますが、それとは別の新しい施策を是非とも御考慮いただけますればというふうに思うところでございます。
 時間が参りましたので、中山間地の事情、思うように話せませんでしたけれども、厳しい中において携わる全国の中山間地の農業、もう一歩踏み出した施策を是非ともお願いを申し上げまして、私の意見とさせていただきます。
 終わります。
#262
○団長(野村哲郎君) ありがとうございました。
 それでは次に、樋ケ公述人にお願いいたします。樋ケ公述人。
#263
○公述人(樋ケ司君) 私は、農事組合法人小松地営農倶楽部の理事をしております樋ケと申します。よろしくお願いをいたします。
 本日は、意見陳述という貴重な機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。感謝申し上げます。
 まず、本日お配りをいたしております資料四ページから六ページまでにかけまして私がお話しする内容をお示ししておりますので、それを御覧いただきながらお聞きいただければと思います。
 まず、私どもの農事組合法人の現状につきまして申し上げます。
 私どもが農業を営んでおります地域は、島根県の中央部、内陸寄りの山間地域で、農家平均の耕作面積が一ヘクタール未満の零細農家ばかりの地域でございます。高齢化、過疎化が深刻な地域でもございます。このような状況下で、私どもは何とか継続の仕組みをつくるために、集落営農組合を一歩進めまして、平成十八年に集落十四戸全戸が参加いたしまして農事組合法人小松地営農倶楽部という法人をつくりました。昨年の暮れには八回目の決算を終えたところでございます。現在の資本金は九百八十万円、農地集積十二ヘクタールでございます。
 営農内容は、水田十ヘクタールでございますけれども、作付面積七ヘクタール、三ヘクタールは畦畔でございます。それに、ソバ一ヘクタール、切り花二千七百平米でございます。水稲につきましては、参加農家の働くことができます二十五人の構成員がそれぞれできる範囲で役割を分担するという方式で、時間給千円で運営をいたしております。労働者の平均年齢は六十五歳でございます。
 水稲の収入は八百万円、反収は五百七キロ、金額に換算いたしまして十一万七千円の収入となっております。一方、支出は、生産経費と出荷経費を加えると反当たり十三万九千円で、収支で二万二千円の反当たりの赤字がございます。なぜ赤字かと申しますと、山間地域農業は傾斜地が多いために、畦畔の草刈り、水管理に加えまして、イノシシや猿の獣害が著しいために、基幹作業以外の管理時間が、平たん地の六時間に対して我々の地域では二十四時間も掛かってしまいまして、実に四倍の時間を要することに起因しております。また、反当たりの総合労働時間の比較をしても、平たん地の直まき栽培では一反当たり十四時間で済むところ、我々の地域では五十一時間の時間が掛かってしまいます。四倍近くの非効率な時間と経費が掛かっております。これを補完しておりますのが、中山間地域等直接支払交付金制度と旧戸別所得補償制度でありました。この二つの交付金によりまして、私どもの法人は百六十万円の補填を受け、収支がやっとゼロという状態でございました。これが私どもの米に関する農事組合の現状でございます。
 次に、農政の流れと制度改革に対する意見を申し述べます。
 人間は変化に適応する能力に非常にたけております。交付金や補助金漬けの日々を送っておりますと、それが当たり前と感じるようになってまいります。その結果、付加価値生産性の低い農業、農村が数多く出てきてしまったのが事実でございます。
 経済活動の大原則は自由競争だと思います。産業政策としての農業の使命は、安全でおいしい食料を安定して安価で供給することだと理解しております。日本の農業は国際競争力のあるものに変わらなければならないと思います。資金力や人材力、情報力にたけた企業の力を借りながら、TPP交渉を始めとする国際化の荒波を乗り越えていただきたいというふうに思っております。
 次に、農業の多面的機能発揮促進法に対する意見を述べさせていただきます。地域政策としての農業について意見を述べさせていただきます。
 私ども法人で農業に携わっております人の平均年齢は六十五歳でございます。新規定住者、新たな担い手確保がなかった場合、あと十年ほどすれば法人は自然消滅いたします。これは特殊な事例ではございません。島根県の中山間地域の典型的な事例でございます。
 島根県には集落営農組織が四百八十余り存在しておりまして、そのうちの三分の一に当たります約百七十が農業法人又は農事組合法人としての会社組織による農業経営を行っております。先進的な取組をしている農業法人であっても、半数の法人では高齢化による将来不安を抱えております。
 法人の組織化がなされていない地域を合わせますと、八割近くの農業集落が崩壊の危機にある状況でございます。反当たり三千円の農地維持支払交付金を新設していただいたとしても、高齢者による農地の維持管理、高齢者によるコミュニティーの活動で農村を維持していくことはかなり困難だというふうに思います。
 しかし、近年、子育ては自然が豊かな中山間地域で行いたいということで、私どもの美郷町でも定住相談が結構ございます。また、島根県中山間センターの研究資料によりますと、コミュニティーの努力によりまして、毎年、二十代の若者一人と三十代の子供のいる世帯一組を誘致すれば、高齢化の問題と人口減少の問題を一気に解決できるという研究もございます。
 農業、農村を長期的な見地で、生産の場に加えまして、教育、人づくりの場、保養、癒やしの空間として強化充実していただく方策をセットで推進されると、均衡ある国土形成、中山間地農業の存続に結び付いていくんではないかと考えております。
 次に、農業の担い手に対する経営安定のための法律案に対する意見を述べさせていただきます。
 耕種農業は天候に大きく左右され、豊作の年もあれば不作の年もございます。麦、大豆等の安定供給の面でも、農家の経営所得安定の面でも、畑作直接支払交付金制度、通称ゲタ対策、そして収入減少影響緩和対策、通称ナラシ対策につきましては、今後とも継続的な存続が必要だと考えます。
 この度の法改正の一番の関心事であります米の直接支払交付金について考えを申し述べます。
 そもそも交付金は、生産性向上、経営安定化に結び付くものでなければならないと私は考えております。努力することもなく、米を作るというだけでいただく交付金は、神様からの贈物なら有り難いものでございますけれども、貴重な国民の税金の一部だとすれば不条理を感じられる国民が非常に多いかと思っております。
 私ども山間地の米作りは、生産条件の面では平野部に比べて四倍の経費と時間が掛かります。生産性の面では劣っておりますけれども、唯一勝っているものが、冷たい水、寒暖差の多い気象条件の中で育つ米は、苦労しながら育った分、非常においしいことです。私が担当する田んぼで取れるコシヒカリにつきましても、食味値八五で、新潟県魚沼地方のコシヒカリと比べても決して引けを取りません。
 しかし、営業力、宣伝力が劣っておりますので、高く販売することができない状況にあります。赤字でも誇りを持って農業生産に取り組み、日本らしさの象徴であります農村文化コミュニティーを支えております私ども山間農業法人等に、大いに役立っております中山間地等直接支払制度の充実によりましてハンディーを補っていただきますよう切にお願いを申し上げます。
 最後に、岐路に立っております私ども小松地営農倶楽部について申し上げます。
 さきの法人紹介でも申し上げましたとおり、私どもの法人小松地営農倶楽部は、構成員が高齢化しております。継続への仕組みづくりを一生懸命考えまして、担い手の確保と付加価値の高い農業を目指して、U・Iターン青年を二人採用しております。平成二十四年から花卉栽培、具体的にはトルコギキョウ、ストック、シンテッポウユリ、ハナカイドウの花苗の栽培を新たに始めております。加えまして、今年の夏からは花の摘み取り直接販売に取り組もうとしております。いわゆる六次産業の取組でございます。
 農産物販売の現状は、JAを介しての市場出荷であるため、自分が作った農産物の価格決定ができない、自らのメッセージを消費者に伝えられない、生産物に対する消費者の評価、反応が分からないなど、納得のいかないことが余りにも多過ぎると思います。したがいまして、これからは六次産業へとかじを切らなければならないと思っております。
 しかし、高齢化した構成員は方向転換に前向きではございません。変化する者しか生きられないということを分かっていながら、リスクを背負うことに非常に消極的です。コミュニティーで毎年一名の若者と一組の子供連れの世帯を誘致しなければ存続できないというジレンマの中で、今重要な選択をしようとしております。
 もし前向きな選択をして、生産、加工、販売までを地域の力を借りながら一貫して行う選択を我々法人がした場合には、農水省の補助金制度を活用していくことが必要になりますので、本日お出かけの先生方のアドバイス並びにバックアップをよろしくお願いを申し上げます。
 以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#264
○団長(野村哲郎君) ありがとうございました。
 以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 これより公述人に対する質疑を行います。
 質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
#265
○猪口邦子君 ありがとうございます。自由民主党の猪口邦子でございます。
 四人の公述人の皆様からは自治体の取組や生産現場の直接の声をお聞かせいただき、大変参考になりました。本当にありがとうございました。
 私は千葉県選出の参議院議員でありまして、千葉県も非常に活発な大きな農業県であります。都市近郊農業ですので、苦労や課題は皆様と若干違うかもしれませんけれども、しかしながら、やはり国家の未来あるいは地域の発展というのは農業にこそあるんだという、こういう思いは本当に共通なんだなという感じがいたします。
 この度は、政府から提出されています、既に述べていただきました農業改革二法案、これは担い手の経営を支援する産業政策的なものと、あるいは農業の有する多面的機能、これを維持発展させるという地域政策的なもの、これを両輪として農業の維持発展を進めていこうという、こういう考えで国会で審議をしているところでございます。
 例えば中山間地域等直接支払あるいは環境保全型農業直接支援、優れた政策、実際に生かしていただいているということを昨日の視察を通じてもよく分かったんですけれども、やはり具体的な法律をもって政策を進めるということが今後どれほど強いことになるのかというこの決意の下でしっかりとした法制化をしなければならないと、一層その思いを私は強くしているところで、そのさなかにありまして、この地方公聴会、重要な御意見をたくさんいただきました。
 昨日も、まさに中山間地であります飯南町宇山地区、あるいは出雲市の窪田地区、窪田ふるさと会、これを視察させていただきまして、今のお話の一部にもそれが含まれていました。
 また、今日午前中は、新しい農業におきます革新的技術といいますかイノベーションといいますか、例えば鉄コーティング直播によります飼料米のコストを低減させるとか、あるいは今お話にもたくさんありました、飼料用米をどうミックスして、おいしい、そして飼料の輸入減にもつながるような努力をするか、そういう問題解決型の様々な努力がなされているということが分かりました。
 私がまず感じました感想を一言述べますと、やはり傑出したリーダーがいる、地域にいるんだと、これが全ての解決につながっているんだという感じがいたしました。やはりリーダーを中心にまとまり、折り合いを付けていく、それが地域の本当に賢い判断なんだと。いろんな問題もあるでしょうけれども、そうやって断固として発展し、生き延び、次世代がその地域を魅力的であると思ってくれるという、やはりこういう決意というのは本当の見識かなというふうに思いました。
 それからもう一つは、やはり技術による突破力、今、問題解決型のエンジニアリングのようなものを含めてなんですけれども、やはりそういう技術立国としての日本が農業にも、この局面にも立派にあるなという感じがいたしました。
 本日、長岡公述人からはたくさん重要な意見をいただきましたけれども、農政一貫してほしいという意見、ほかの公述人もおっしゃいました。トキがすめるという、それは本当に人間にとってすばらしい環境であるという象徴でもあるので、そういう全般的な思いを込めて象徴的な政策としてやっていらっしゃることに敬意を表します。また、中間管理機構についても御意見がありましたので、またそれについてもお伺いしたいと思います。
 岡田公述人からは、飼料用米をたくさん作る、そして、それがどこで必要とされているのか、まさに情報と、そういう意味での国民市場、そこを形成していくことが課題なのではないかなと、そういうことについてはきっと解決策があるかなという感じがいたしました。
 それから、山本公述人からは、草刈りなど高齢化したときに本当に大変であり、この多面的機能の法律の中にそのような部分がたくさん入っていますけれども、更なる充実が大切であるというお話もいただいたと思います。
 また、樋ケ副町長からは、人口減少に対する非常に具体的な、そして、努力すれば必ず達成できるであろう突破力といいますか、そこを議論していただき、非常に啓発的だったと思います。ありがとうございます。
 今年は国連が定めます国際家族農業年でありまして、日本のみならず、主としてヨーロッパで、また多くの地域で、やはり農業は家族農業からこれを守って発展させ、その先に地域農業あるいは会社経営型のもの、しかし、家族農業が核となってそういう発展するんですよという、こういう、何といいますかしら、国連が定めるそういう年で今年ございますので、公述人の御意見それぞれ、その文脈においても世界の思いにつながるものがあると思いました。
 質問といたしましては、御意見の中でも述べていただきましたけれども、長岡公述人、また樋ケ公述人に対しましては、いわゆるゲタ・ナラシ対策なんでございますけれども、この規模要件の撤廃、これをこの度の法律におきまして、担い手経営安定化法案の改正におきましてやろうとしているわけでございます。認定農業者あるいは集落営農あるいは認定新規の就農者、交付金は規模にかかわらず受けることができると。特に長岡公述人、これは市町村長が認定農業者と認めればこの交付金を受けられるという仕組みになっております。もちろん全体のこの改正案についての御意見もお述べいただきたいんですけれども、特に、この規模要件撤廃するということが地域農業にどういう影響を与えるのか、これをお話しいただければと思います。
 あと、続きまして、岡田公述人あるいは山本公述人からは、この多面的機能の法案について、先ほど申し上げましたとおり、これは中山間地域等直接支払あるいは環境保全型農業直接支援、これを法制化するという面もございまして、確固たる力強いものに発展させなければならないと思っております。そのような法制化の努力ということにつきましてどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
 また、一ラウンドそれでお話を伺いまして、最後の方で、私は男女共同参画初代専任大臣を務めましたし、また少子化の初代専任大臣を務め、そのときに併せて食育の初代専任大臣を務め、第一次食育基本計画を策定した大臣の経験を持つものなんですけれども、やはり農村におきます女性の活用、これは安倍内閣の女性の活用の大きな流れがありますが、どのような条件がそこに必要なのか。また、樋ケ様がおっしゃったように、多くの若者が、新しいライフスタイルといいますか、そこに自分の居場所があるというようなことを求めて農村に帰ってくる場合もあると思うんですけれども、そういうことを受け止められるような政策といいますか、女性に優しい政策というのはどういうものか、これを二ラウンド目にお伺いしたいと思います。
 それでは、第一ラウンド目の先ほどお伺いしましたことを長岡公述人からお願いいたしたいと思いますが、委員長、よろしくお願いします。
#266
○団長(野村哲郎君) 猪口委員、これは全ての公述人に対する質問ですか。
#267
○猪口邦子君 最初の質問……
#268
○団長(野村哲郎君) 規模要件の廃止は、長岡公述人と岡田公述人。
#269
○猪口邦子君 そうです。あっ、樋ケ公述人です。
#270
○団長(野村哲郎君) 樋ケ公述人、お三名ですね。
#271
○猪口邦子君 いや、二人です。長岡公述人と……
#272
○団長(野村哲郎君) 樋ケ公述人。
 それでは、一番最初に質問のありました猪口委員の規模要件の廃止につきましての御感想といいますか、お答えいただきたいと思います。
#273
○公述人(長岡秀人君) ただいま御質問がありました猪口委員の規模要件の撤廃が現場ではどういう影響があるかというお話でございますが、基本的には好ましい話だろうと思いますが、ただ、現在の冒頭説明いたしました出雲市の現状からいいますと、認定農業者あるいは特定の方に限定した対象というところについては、私どもの兼業農家が多い地域においては幾らかその現場では戸惑いもあろうかと思っております。
 基本的に、規模要件の撤廃については私どももいい方向に行くなという気はいたしておりますが、現場においては恐らくいろんな考え方があろうかと心配をしているところもございます。
#274
○公述人(樋ケ司君) 規模要件の撤廃についてでありますけれども、この度、私が一番有り難いというふうに感じているのは、若者とかが多い新規就農者を対象とされるということが新たに加わったことだというふうに聞いておりますので、これは非常にいいことだと思います。
 本当言うと、全ての農業者が対象になる方が望ましいんでしょうけれども、私は、やっぱり企業活動というものは、枕言葉として、意欲あるというふうな枕言葉が付かなきゃならないというふうに思っておりまして、そういう意味では、この度の三者ということに限定されての撤廃要件ですね、それは妥当だというふうに考えます。
#275
○猪口邦子君 ありがとうございます。
#276
○団長(野村哲郎君) ありがとうございました。
 それから、二つ目の質問で、これは中山間地の法制化の問題ですね。
#277
○猪口邦子君 はい、そうですね。
#278
○団長(野村哲郎君) これは、岡田公述人と山本公述人ですか。
#279
○猪口邦子君 はい。
#280
○団長(野村哲郎君) それでは、順次お願いいたします。
#281
○公述人(岡田達文君) 多面的機能を発揮する法案の話ですけれども、最初に、民主党政権のときに、戸別所得補償制度、水稲、主食用米一万五千円というものを一反当たり出しますよというものが七千五百円に半減されたと。これをどこで補填するかというと、この多面的機能のところでやりますよという話だというふうに我々は思っています。
 これにしたって、この上において結局農地・水のものがあるわけでして、その上にまたこれを上に乗せてこういうところで払うということは、今まではこの一万五千円部分というのは赤字部分だから払うんだよというふうに我々は教えられました、民主党政権のとき。ああ、そうなんだと。これから畜産もやりますよ、畑作もやりますよというふうに聞いておって、これはいい考え方だと。何でもやっぱり作っていけば赤字部分が出るんだけれども、それを一生懸命頑張ってやっていく人にはきちっと戸別補償という格好でやりますよということだから、ああ、いいんだと思っていました。これがどこでどう間違ったのかは知りませんけれども、七千五百円に減額されたというのは、私はJAいずもの中でも話しましたし、県選出の国会議員の先生にも話しましたけれども、いつ生産原価が下がったんですかといって聞きました。これはおかしい、今までと一貫性がないというところに思っています。
 こういうところにしたってやっぱり、もう一つ言いますと、この多面的機能のところは、一つの団体でないと払えませんよといっているのは、こんな小さい、自分一人で、私は農業というのは、今JAいずももそうですけれども、一生懸命になってなりわいとしてやっていく人と、もう一つは、自分は、帰農者みたいな感じですね、結局、もうある程度生活は十分にやっていけるので、ここで一ヘクタールの田んぼを自分たちで作っていくんだという人もいるわけですよ。そういう方々から田んぼを取り上げてここの方へ付けようという考え方がちょっと見え過ぎておるんじゃないかというふうに私は思っています。
 この辺からいったって、やっぱり個々を大事にしていかないと、先ほど猪口先生言われたように、今年は国際家族農業年だそうです。日本の農業というのはやっぱり世襲で受け継いできていて、家族という単位で最初はやっとったんですよね。そこのところへいくと、少し、担い手という名前にしていって、農業の収益というものを五百万から八百万くらいはやらぬといかぬのだと。そのためにはどうしたらいいかということを一生懸命模索されたんだけれども、そこに行き着かなかったんですよね。
 それで、今度はいよいよ中間管理機構みたいなものをつくって、ばっと集めて誰かやる人があったら公募してやりましょうという話ですから、私は少し行き過ぎておるんではないかと。もう少し農業者に選択の場を設けてほしいなというふうに思っておって、農業が多面的機能を持っているということは、いろんなところで今からもう十年前から言っておられたのが少し形になったということは認めますけれども、少しやっぱりやり方がどうなのかなというふうには思っています。
 以上です。
#282
○公述人(山本友義君) 組織、営農組合の現状の中で一番重要視されるのが決算状況だと思っています。中でも、うちの決算一部報告いたしますと、大体一千万が赤字になるんですね。一千万赤字をどうするかというと、その他の事業、いわゆる補助金で一千万入るんです。一千百万あれば百万が利益と、九百万あれば百万の赤字決算ということです。
 これはどこの営農組合もそうだと思うんですけれども、自活、自己努力でプラスが出るというまず営農組合はないと思うんです。そういうふうなシステムになっているんですね、農業というのは。もうかる事業ではないんですね。
 しかし、農業は、私はもうからなくていいと思っています。現状維持で、地域が維持されて、農地が維持されればいいわけですから。ここに一般の企業と経営の違いがあるというふうに思っています。せめてものその思いの願いが、いわゆる直払い中山間地であったり、多面機能の維持をするためにこういうことをやったらこうだよということで我々は、全世界の国々がやっているように、農業施策というのはそこに重きを置いてやるわけなんです。日本もそうした形で先生方、努力をしていただいていると思っています。
#283
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 それじゃ、委員長、女性の活躍と、必要な若い世代を呼び込んでくる政策についてどうお考えか、お一人お一人にお尋ねします。
#284
○団長(野村哲郎君) どなた。
#285
○猪口邦子君 じゃ、長岡公述人からお願いします。
#286
○公述人(長岡秀人君) 農業現場、現実には女性が支えていると言っても過言じゃないと思います。それぞれの集落営農を始め、いろんなところでやっぱり女性がしっかりと現場へ出て頑張っていらっしゃる集落というのはしっかりした力を発揮できる、そういう気がいたしておりますので、特に先ほどお話しの、女性が頑張れるような新たな何か制度があれば更に励みになるし、それが結果として集落全体、農業集落の力につながるんじゃないかという気がいたします。是非そういった面での御検討をお願いしたいと思います。
#287
○猪口邦子君 分かりました。
 少子化対策としても小規模保育など新たな法制化が来年度からなされますので、首長におかれましてはよろしくお願いします。
 それでは、樋ケ公述人、今のことについていかがですか。
#288
○公述人(樋ケ司君) 女性の取り込みは不可欠だというふうに思っております。特に、私どもも考えておりますけれども、これからは六次産業化に向けて、いわゆる米でもうからない部分をどこでそれじゃもうけるかというと、納得のいく価格を付けて自分たちが直接消費者に販売していく方法というのを取っていくのが一番いいと思います。その際に、やっぱり担い手となるのは男性じゃなくて女性だというふうに思います。また、アイデアの出し手も女性だと思っていますので、六次産業の担い手を女性という位置付けの中で進めていくということは非常に重要なことだと思います。
#289
○猪口邦子君 分かりました。
#290
○団長(野村哲郎君) ありがとうございました。
 時間が参りましたので、猪口委員の質問は終わらさせていただきます。
#291
○猪口邦子君 ありがとうございました。
#292
○徳永エリ君 先ほども御挨拶させていただきましたが、北海道の参議院議員、徳永エリでございます。
 今日は、四名の公述人の皆さん、大変貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。よく島根県、出雲の農業の事情が分かりました。
 先ほど市長さんからは、是非また来たいという気持ちになっていただきたいというお話がありましたが、私、この度初めて島根にお邪魔させていただきましたが、本当に美しいところで、温かい雰囲気で、また是非ゆっくりお邪魔したいなというふうに思いました。
 また、昨日も宇山の集落営農、それから窪田のふるさと会、視察をさせていただきまして、中山間という大変厳しい環境の中でそれぞれ皆さん必死に取組をしておられる姿を見て大変に感銘をいたしましたし、ともすると、今、日本からなくなってしまうかもしれないという、本当に日本人として大事なものが地域にたくさんあるなということを改めて感じ、こういう農業、農村をしっかり守っていくのも私たちの役割だということを強く感じさせていただきました。
 そういう中で、先ほど山本公述人からグリーンワークのお話をされる際に、法人設立の動機の中に、農が廃れば地域が廃る、こういうお話がありました。まさにこのことを私は今大変に危惧をいたしております。
 といいますのは、今回の農業改革の方向性ですけれども、総理大臣の諮問機関であります産業競争力会議、それから審議機関である規制改革会議、こういったところが政策を主導しているという印象が大変強くあります。そういう中で、農業を強くするということは大変必要なことかもしれません。競争力強化も必要かもしれません。しかし、やはり地域がしっかり守っていけなくなってしまっては、果たして日本の農業として本当にそれでいいんだろうかということを大変に不安に思っております。
 そういう意味では、昨年の臨時国会で決まった農地の中間管理機構、農地バンク、そして経営所得安定対策の米の直接支払交付金、これが七千五百円になって三十年から廃止になると。そして、生産調整の見直し、さらには農業委員会、あるいは農業生産法人の要件の緩和、それから農協の見直し、中央会の廃止等々、本当に不安なことだらけで、五年先、十年先の農業のビジョンというのが私にははっきり見えてこないんですね。
 大変にばくっとしていますけれども、今いろいろ聞こえてくる中で、これからの新しい農政改革の方向性について、それぞれ今どんなお気持ちを抱いておられるのか、不安なのか、それとも期待をしているのか、希望を持っておられるのか、それぞれの思いをお聞かせいただきたいと思います。
 まずは、お願い申し上げます。
#293
○団長(野村哲郎君) これは全ての公述人に……
#294
○徳永エリ君 それぞれにお伺いいたします。
#295
○団長(野村哲郎君) それでは、長岡公述人から順次御発言いただきたいと思います。
#296
○公述人(長岡秀人君) 農政改革の方向性についての感想というお尋ねでございますが、先ほどの意見陳述の中でも申し上げましたように、過去様々な、定着しないまま新しい制度が導入され、またそれがいつの間にか姿を変え、その繰り返しがあった中で、十年先をしっかりと見据えた、本当の意味での地に足の付いた、安定した、継続的な改革というのを、方向性をしっかりと見出していただきたいという思いはございます。
 今、いろんな議論の中で様々取り沙汰されている中で一つ気掛かりなのは、農業協同組合に対するいろんな御意見があるようでございますが、私どもの地域は、かねてから行政とJAさんとは言わば一心同体、地域を支えるという方向に向けて共に手を携えて取り組んできた。それから、現在の農業振興についても一緒に様々な取組をしている。そういう中で、少しその方向がぐらつくということは、先行きが変わっていくということについては、農家の皆さんも含めて大いに懸念しているところでございます。私ども行政としてもその辺を少し心配をしているというのが率直な感想でございます。
#297
○公述人(岡田達文君) 今度の農政改革というのは余りにも唐突過ぎるというふうに思っています。
 やっぱり農業者は、先ほど山本公述人言っておられましたけれども、農業でそんなにもうけるという必要は私は余りないんじゃないかなと思っています。やっぱり農村コミュニティーというものだと思っています。結局、この地域で、私が若い頃というのは、本当に農業のことだけを話して、そこに集落でみんなで住んでいろんな話をしながら、子供を育てていきながら、非常に楽しい地域だったんですが、今なかなか、そういうことができる状態でないと思っています。
 やっぱりここで本当に農業を、今、例えば一つの集落、一集落四十軒ほどありまして、全てが農家です。そこの農家から分家した人も二、三人いらっしゃいますけれども、よそから入ってきた人はいません。ここで集落営農組織をつくって法人化にしていって、みんなが出役をしながらやっているんですね。
 それで、今は米も安いですし、例えば山陽筋みたいに、今行くと麦秋、麦がすごいいい色をして、麦が枯れている、今頃刈られる状態だと思っていますけれども、これが済むと売っていって、今度は水稲を作っていってということですね。
 我々の、今ここでそんなことができるかというと、できないんですね。麦をまくときには、十一月頃雨がざあざあざあざあ降って湿害でほとんど生えない、刈るようになれば、畑地でもないですから非常に取りにくい。
 こういうところから今やらせていただいておるんですけれども、これ、いよいよもって、米というものに頼ってきたという面はあると思いますけれども、やっぱりそこに職はなくなって、例えば四十ほどあって、うち今七十ヘクタールほどありますけれども、ここが三人だけに例えばなりますよとか、二人になりますよといったときに、ほんならそこの畦畔は誰が刈るのと、あるいは川掃除は誰がするんですか。農村、農業者というのは、自分のところの地先にある閑地だってみんな掃除もしますし、草刈りもするんですよ。二人ほどでやってしまえば、我々はもう知らぬといったときに誰がやるのかと。そんな一つの大きく改革をすることによって農村集落というものは私は壊れるんではないかというふうに危惧はしています。
 というように、転作を廃止してしまって自由に作れと。やっぱり弱い者は出ますし、格差が出てきます、これから。それは一生懸命やる人間はいいんですよ。でも、集落が壊れたときにどうするかということは非常に危惧をしています。
 ですから、我々は我々で一生懸命に努力もしなけりゃいけんですけれども、やっぱり国が余りにも大きくかじを切るということは私は少しおかしいというふうに思っています。
 以上です。
#298
○公述人(山本友義君) 農政改革は、ある意味である程度は必要だと思っています。いつ、どういう形で、どのような規模でやるかということだと思っております。世界に通用する農業というのは日本も痛手を負うというふうに思っておりますし、よもやこのまま世界を相手に農業をする中で改革抜きではできるとは思ってはいません。
 しかし、私は、農業生産法人、これは改革は必要だと思っております。また、全国農業会議所ですか、これについてもいろいろと言われておりますけれども、私は、農業委員の皆さん、そしていろんな農の雇用とかいろいろとお世話になっていますが、それはそれなりの意義があって今日行っていますので、そう簡単に改革と、改良というわけにも、廃止というわけにもいかないんじゃないかなというふうな思いがいたしております。
 それから、農協の改革で、以前から言われておりますけれども、我々一農家、そして我々のような集落営農、やはりそうした集合体は、農協という一つの組織をつくって、その中で日本の農業、また農業の持つ意味、意義をどういうふうに存続させていくかということは、やはり農協を通し、我々の組織である農協、これを中心とした形で行っているわけですから、一般の国がこれまでやってきた国有を私有するというふうなものとは意味合いが違うというふうに思っております。改革も必要でしょうが、余りにも唐突な思いの改革は危険を伴うというふうに思っております。
 以上です。
#299
○公述人(樋ケ司君) 私は、国際競争というのがこの度のいわゆる大きな農政改革の一つの出発点だったというふうに思いますので、国際競争に打ち勝っていく農業を打ち立てていくということについては絶対必要なことだというふうに思います。そのことによって農業は栄えました。しかし、皆さん方がおっしゃっているように、そのことによって農村が滅びましたということになったら、これは何のための改革か分からなくなってしまいます。
 ですから、いわゆる政治に携わっておられる、特に国会議員の皆様方は国の方向性を変えるというふうな立場に立っておられるわけでありますから、いわゆる農民、農村の立場にやっぱり立っていただいて、その抱えている問題をしっかり御理解いただいて、温かい心で、日本の農村が滅ばないような政策というのをやっぱり重点的に、片っ方で改革、片っ方で守っていくという方針を打ち立てていただきたいなというふうに思います。政治の力というのはそういうところで必要になってくるのではないかというふうに強く感じております。
 それと、あと、私、先ほどの意見陳述の中でも申し上げましたけれども、中山間研究センターの研究論文でありますけれども、過疎地域であっても、若者一人と、小学生以下の子供のいる世帯を一組、何とかして毎年、百人、二百人程度のコミュニティーの中で人を増やしていく、若者を増やしていけば、何とかその地域の過疎化には歯止めが掛けられるというふうな研究論文ありますので、是非そういったものを参考にしていただいて、これからの過疎地域の守り方というのをやっぱりお考えいただきたいというふうに思います。
 そういうことと農業とを一緒に考えてみますと、若者が働いてみたいというような農業をやっぱり我々はこれから先目指していくべきだなというふうに思っています。ですから、私どもの法人でも、今まで米作りというふうなことでもう何十年とやってきたわけですけれども、それがこの度の農業政策転換に合わせて、やっぱり新しい農業というのを模索していかなきゃいけないというような形の中でいろんなことを考えております。
 ですから、これはなぜこういうことになってきたかというと、私どもの町では、総務省がやっております地域おこし協力隊制度を活用いたしまして、現在十九人の若者を美郷町で受け入れています。彼らの考え方をやっぱり聞きながら、このままでは過疎地域に住んでみようとは思わないというようなことを彼らも言いますから、それじゃ、どうしたら過疎地域に若者たちが住めるようになっていくのかと。
 様々な意見出ますので、そういったようなものをやっぱり取り入れてまとめ上げて、その中から地域でできることを一つ一つ積み上げていくというふうなことをしていかないと、やっぱり明るい地域社会というのはできてこないんじゃないかなというふうに思います。時間は掛かりますけれども、やっぱりそういうよそ者の、特によそ者の若者の考え方というのを取り入れていく努力をしていけば世の中は必ず明るい方向に向かっていくのではないかなというふうに考えております。
#300
○徳永エリ君 どうもありがとうございました。
 もう時間がありませんので、いろいろまとめてこの改革についてお伺いさせていただきましたけれども、やはり北海道から沖縄まで、農業といっても本当に多様な農業があって、事情もそれぞれ違いますので、やっぱりもっとじっくりじっくりそれぞれの農業を検証して議論をしていく必要があると思っています。
 今回のこの新しい農業改革の中でも、私たちも委員会の中でできるだけ多くの議論をして、日本の農業が明るいものになっていくように努力をしてまいりたいと思いますので、これからもまたいろいろとアドバイスをいただきたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。終わります。
#301
○団長(野村哲郎君) 郡司委員、民主党の持ち時間が短くなっておりますので、五分以内でおまとめください。
#302
○郡司彰君 はい、聞いております。
 民主党の郡司でございます。今日は四人の公述人の方の御意見、貴重な問題点を惹起をしていただいたなと思って感謝をしております。時間が非常に短くなっているようでありますので、大変恐縮でございますけれども、長岡市長さんと山本公述人に、お二人にだけお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず市長さんでございますけれども、独自のアグリビジネススクール、五十一名が就農をされているということで、成果が上がっているなというふうに思いますけれども、五十一名の方の内訳、市の内外の方、どういう比率なのか、それから特色としてどういうことが出ているのか、もしお分かりになれば。
 それともう一つ、簡単で結構でございますけれども、産地づくり交付金で特に重点的にされている作物等が分かりましたらば教えていただければと思います。
 山本公述人、どうもありがとうございました。
 新規に農業関係七名、それから福祉関係で五名ぐらいの雇用を生み出しているということで、大変すばらしい取組だというふうに思いますが、一方で、農の収入というものは一定の時期に、例えば出来秋のときに入ってくる、ところが日常の支払というものは毎月毎月あるわけでありまして、そこのところは大変、法人を運営する、あるいは株式会社、有限会社にするというときには悩むことなんだろうというふうに思っています。今現在どのような形で日常の運営費を賄っていらっしゃるのか、又は、施策としてこういう仕組みがあればもっとやりやすいというような形で法人、有限会社等が大きくなるような要素をお感じになっていたら教えていただきたいと思います。
#303
○団長(野村哲郎君) それでは、今、郡司委員の御質問、長岡公述人に対して二つ、山本公述人に一つでございます。
#304
○郡司彰君 簡単で結構です。
#305
○団長(野村哲郎君) 簡単で結構でございますのでお答えください。
#306
○公述人(長岡秀人君) アグリビジネススクールのその五十一人の新規就農のそれぞれの内訳でございますが、ちょっと正確な数字は分かりませんけど、U・Iターン者含めてその五十一人中二十人近くは他所からというケースだろうと思います。
 それから、それぞれのどういう作物をというお話でございますが、ブドウが、先ほど来、産地でございまして、そこへ就農された方がほとんどでございますが、あと、柿ですね、柿、パーシモンの方、これが数人いらっしゃいますし、それから野菜の方へ行かれた方もいらっしゃいます。それから花卉栽培、それぞれ自分が実習した農家でいろんなつながりが出てその方向を生かしていくという形だと思います。
 二点目の御質問でございますが、再生協議会で交付金の単価等のお尋ねでございますが、昨年度までは十アール当たり一万一千円とか、野菜、花卉、果樹その他交付単価を出しておりましたけれども、二十六年度からソバその他少しずつその品目も変えたり、金額も若干、交付金額、単価も変わっておりますが、できるだけ広く実情に合った形で拡大をしていきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。
#307
○公述人(山本友義君) 運転資金、日常の資金がどうなっているかということでございますけれども、確かに秋でないと米代が入ってこないと、じゃその間どうするかということで、任意の営農組合のときには、役員が判こを押して金融機関でお金を借りて、米代が入ったら米代で返すというのを繰り返しておったんですが、ステップアップをして農業法人にしてからは、特にうちの場合は農外部門、農業以外の分野での収入がございますので、それをあてがっているということで、それまでは借入れを起こしては返しておったのが、農外部門の事業をすることによって定期的に月々入ってくる資金を運転資金として給料なり資材費を払っていくということで、一年間辛抱すれば二年目からはローテーになりますので順繰り回していくことができるというシステムを構築してからは、近年は借入れを起こしてまた秋に返すということはなくなったということです。
#308
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 本日は、貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございます。重ねて御礼を申し上げます。
 今日、行政の側から、またJAの側、生産者の側、立場は違うわけでありますけれども、皆様からお話しいただく中で、一つは農政においてやっぱり一貫性というものがいかに大事かということ、ここは本当に皆様強調されていたなというふうに実感をいたしました。
 また、もう一方で、今後の農政において、いわゆる地域政策、コミュニティーをどう維持していくのか、こういったところで一工夫、二工夫ないとなかなか、今後十年後、二十年後、将来が見えてこないんだ、こんなようなお話もいただいたというふうに今思っております。その中でも、特に担い手、どうやって来ていただくのか、帰ってきていただくのか、また育てていくのか、こんなところも大きなテーマなんだということを今日は教えていただいたというふうに思っております。
 そこで、私の方からお伺いをしたいんですけれども、まず長岡公述人には、一つは、今、出雲市内において八千戸ぐらい農家があると、この中で三千三百戸はいわゆる販売農家ではない、自給的な農家だということでありました。私も割といろいろ農家をお伺いしていても、販売されていない農家の声というのが実は一番耳に届かないというか、聞かないという状況がございます。この市の中で、市政において、いわゆるこういう自給的農家の方の声としてこういったものがあるといったものがもし御存じでしたら御紹介をいただきたいというのが一点。
 それから、私も、アグリビジネススクールについてまたお伺いしたいんですけれども、これ大変すばらしい取組だなというふうに思っております。一方で、修了された方のうち大体五分の一から四分の一ぐらいまでしか就農はされないと。この研修を受けた後に、結局、まだ多くても四人に一人というぐらいしか就農されないということでありますけれども、逆に言うと、就農されなかった方というのは、どういう目的で来られていたのか、またほかにどういう進路を取られたのかということと、あと、これ既存の、いわゆるもう既に就農されている方にも門戸が開かれているという紹介が書いてありましたけれども、ここについて、どういった方がいらしていて実際に活用されているのか、こんな点を御紹介いただきたいというふうに思います。
 続きまして、岡田公述人にお伺いしたいんですけれども、今日お話の中でも、飼料用米の生産振興に大変力を入れて取り組んでいただいているということでございました。ある意味、国の政策にも先駆けて、助成金ですとか団地形成ですとか、そういったところも一生懸命されていると。また、生産者の方が困らないようにということで、結局、販路の開拓ですとか、あるいは保管、流通、こういったところもJAの方で一手にある意味担って、リスクを取って要は生産者を支援されているというふうにお伺いをいたしました。
 こうしていくとやはり、先ほど図でも見せていただきましたけれども、作付面積がどんどんどんどん年々上がっていくという中で、それにある意味マッチングさせる形で、比例する形で、この流通ですとか保管ですとか、そういったところを全部合わせていかなければいけないと、ここのバランスってちょっとどう取られているのか、是非御紹介をいただきたいというふうに思います。
 続きまして、生産者の山本公述人、そして樋ケ公述人にお伺いしたいんですけれども、お二人のお話を伺っておりまして、やはり経営の多角化がどうしても必要なんだと。例えば、高齢者の見送りですとかそういったところ、福祉に関連するような事業に取り組まれていたり、あるいは、農業の中でも稲を作っていたものから徐々にいわゆる花卉栽培ですとか、そういったところに広げていったりという御紹介も今いただきました。
 結局、これ条件不利地を多く抱えているというところも多々あると思うんですけれども、こういう地域において、出雲のような場所において、農業の一つの方向性であるいわゆる集約とか多角化、これ一本でいくというのはやっぱり採算的にもう難しいという結論に達せられたのかどうか、ここについてもう少し詳しくお伺いしたいということと、あと、お二人の事前にいただいた資料の中で大変印象深い言葉がございます。山本公述人の方からは、営農活動は経済活動であることを明確化すると。ここに込められた思いですとか、あるいは、御自分の今後営農されていく上での、いわゆる具体的にこういうことを構想されている、考えているということがあれば教えていただきたい。
 樋ケ公述人に関しましては、採算の取れる農業ですとか、あるいはTPP時代を生き抜く農業という形で、これも大変力強いこと、ステートメントがあるわけですけれども、ここについてもどんな思いなのか、また御自身の営農において今後どういう方針で取り組まれるのか、御紹介いただけますでしょうか。
 以上であります。
#309
○団長(野村哲郎君) それでは、まずは長岡公述人にお答えをいただきたいと思います。
#310
○公述人(長岡秀人君) 先ほどの御質問、二点あったかと思いますが、自給農家の声というのをお尋ねでございますが、ほとんどは、この出雲地域においては米、稲作が主体でございまして、それはなぜかと申しますと、ほかの仕事を持ちながら、年間就農時間が極めて短時間であるというところがございまして、先祖伝来の農地をしっかりと守るためには一番効率のいい作物としては稲作だということであろうかと思います。そういった皆さんからは特別、いろんな声、要望というのは聞く機会が余りないわけですが、やはり米が主体だというところをしっかりと守っていただきたいというところではなかろうかと思います。
 それから、アグリビジネススクールの多くの皆さんの進路といいますか、就農しない皆さんのお尋ねでございますが、元々アグリビジネススクール、相当その門戸は広く開いておりまして、定年退職を契機に、元々農家だけど、農業技術といいますか、栽培技術を習得したいという方もいらっしゃいますし、また、明らかに新規に就農チャレンジしていきたいという方もいらっしゃいます。
 そういう多くの皆さんを受け入れている中で、必ずしも全員が就農できない。四人に一人が講座を受けた中で就農という機会を持つわけですが、一つには農地を取得若しくは借入れがなかなかしにくい、それができなかったから断念したというケースもございますし、それ以外にもいろんな理由がございますけれども、私は逆に、四人に一人が就農しているという方が相当高い評価を受けるんじゃないかという気がいたしております。
 それから、既に先ほど申し上げました兼業農家の話も一緒ですが、元々農家だけれど、その後継者がいよいよ少し本気で農業にというときに、この講座へ入って、様々な体験、学習をしていくというケースが多かろうと思います。
 以上でございます。
#311
○公述人(岡田達文君) 飼料用米のお尋ねと思っています。
 島根県の今管内で、島根県全体で作っているものは島根県で皆消費をしているということです。これも、全農しまねによる共同計算方式というものをやっていまして、各県内の畜産農家にどれだけ必要ですかという実需の量をきちっと把握して、大体、平成二十六年、今年が六千五百トンくらいのもみ換算で必要だということを聞いております。これに対して、今うちが三百五十ヘクタール少しでありまして、全体で七百ヘクから八百ヘクタールというところは県だということになっています。この関係からいうと、まだ少し余裕があるということでございます。
 ただ、うちが今心配しているのは、これからどんどんこの飼料用米というものが多くなっていくと、隔離せないけない。結局、主食用米と飼料用米というのはきちっと分けないけないということがあって、言いますように、乾燥施設あるいは貯蔵施設というものが非常に足らなくなっているという現状があって、なかなか、国のそういう補助金があるのかと探しましたけれども、なかなかそこへたどり着いていけないというのが現状でありまして、その辺のところも少しお考えをいただければというふうに思っております。
#312
○公述人(山本友義君) まず一点目の、経営の多角化はどう捉えるかということだと思っておりますが、今、外出支援なり弁当の配食サービス事業、これ出雲市さんからの委託になりますけれども、そうしたことをやらせていただいております。
 これの主な目的は、それによって雇用を生み出すことができるということと、安定的な、安定した収益につながってくるということであるというふうに思っております。もう一点には、福祉的な事業でございますので、地域のために貢献することができるということで、我々のような法人なのかNPOさんなのか、そうしたある程度自由が利く事業体でないとなかなかそうした福祉的なことが受入れができないのではないかなというふうに思っておりまして、その一助となればという思いもございますし、我々にとりましてもそうしたメリットが出てくるということでございます。
 また、経営の多角化をすることによりまして、先ほど来申しておりますIターン、Uターンの雇用をすることによって定住が生まれてきますし、夫婦世帯であれば子供さんもそれに付随してくるということで人口の増につながるわけでございます。そうしたメリットを生かしながらの事業でございます。
 島根県、これを今、経営の多角化なりやっている組織、支援をしようということで、地域貢献型営農ということで今目を掛けていただいておりまして、いろんな面で指導をいただいているということでもございまして、そうしたことも今後やって、続けていきたいというふうに思っておりますし、今、一千二百万ぐらいが農業以外の分野でのそうしたものの売上高になっているということでございます。
 もう一点目には、営農活動は経済活動であるということでございます。互助会でもないし、仲よしグループでもないということで、やはり利益を追求し経済を追っていくということで、そうしないと長続きがしないということでございますし、真に地域に貢献し、地域の農地を維持管理していこうと思うと、やはりそこは経済的な観念で信念を持ってやらなければ長続きが当然しないということであります。
 が、片や、地域の担い手として、受皿として経済活動の中でこの組織を動かすというのもいかがかと。いわゆる救済的な農業も必要になってくるというふうに思っております。そこに地域貢献という貢献型農業を営むには両方のはざまに立った考えが生まれてくるということでございますが、まずは経済は追求していくということを理念に置いておるということでございます。
 以上です。
#313
○公述人(樋ケ司君) 私が採算の取れる農業について考えていることでありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、若者が携わりたいと思うような農業というのを目指していかなきゃいけないというふうに私はずっと思っておりますので、そういう意味で、本日お配りした資料、六の三というのがございますけれども、若者の意見、いろんなことを聞いていて、あと特色を持たせるためにという形で、この度、今私たちがまとめ上げつつあるものというのは赤にこだわるというふうなもので、六次産業化計画というのを考えております。名前はどういうふうになるか分かりませんけれども、今現在のところ、紅フロンティアということで、赤にこだわった農産物を生産して加工して販売していこうという戦略でございます。これ、全部できないかもしれませんけれども、この半分でもできれば、若者の働き場が少しでもできてくるんじゃないかなということを考えております。
 それで、それじゃどういうふうに売っていくかということが付いていないといけないんですけれども、私たちの地域というのは、世界遺産に登録されました石見銀山の町から車で五分のところにあります。現在、石見銀山には約四十万人の観光客が訪れておりますので、私たちの目標としては、その四十万人の十分の一あるいは二十分の一のお客さんを取り込んでみようという戦略を今立てているところでございます。
 それともう一つの戦略は、私たちの町、美郷町では、現在、みさとカレッジという産業おこしの学習活動というんですか、それを行っております。その中で、ミツバチプロジェクトというのもありまして、蜜蜂を飼おうというプロジェクトでありますけれども、これで非常に仲よくなって講師も務めていただいているのが、銀座ミツバチというのを皆さん方は御存じだと思いますけれども、そこの田中社長と非常に懇意にしております。田中社長、しょっちゅう私たちの町にも来られるんですが、そのときに、今こういうのが求められているんだよというふうなお話を聞きます。ですから、私たちが作ろうとしているもの、いわゆる日本の最も高級な商品が売られている銀座で通用するようなものを田中社長のアイデアを聞きながら作り出していこうというふうなことを今考えております。
 そういったような二つの戦略を持って、売れることも考えていこうと、つくることと売れること両面で考えていこうということで今進めております。こういうことをしないとなかなか、いわゆる六次産業、口で言うのは簡単ですけれども実現というのはなかなか難しいというふうに言われていますけれども、我々は何としても来年あるいは再来年には必ず実現をして、数万人の方が訪れるような農村コミュニティーをつくっていこうというふうなことで今計画を進めております。これの実現、やってみたいと思っております。
#314
○団長(野村哲郎君) 平木大作君、時間が迫っておりますので、短めにお願いします。
#315
○平木大作君 はい。
 じゃ、一、二分ありますので、もう一問だけ、ちょっと細かい質問になりますが、させていただきたいと思います。
 同じく山本公述人、樋ケ公述人にもしあればお伺いしたいんですけれども、今のこの多面的機能支払、いわゆるこれから補助金として支給される額が妥当なのかどうなのかというところが一つポイントとしてあるのかなというふうに思っております。先ほどのお話の中でも、例えば生産条件の悪いところに四倍の経費が掛かっている、あるいは四倍の時間が掛かっている、こんな御紹介もありましたし、あるいは草刈りというのはどれぐらい大変なのかとか、イノシシとか猿の鳥獣害が多いと。ここに対してやっぱり具体的にどのくらいの今経費を掛けてやっているかということが一つ算定の根拠になるべきだなというふうに思っておりまして。
 今回の法制においては、これまでの制度を取りあえずは法制化する、まず法律に書き込むというところが主眼になっているわけでありますけれども、今後見直しがあるとして、こういったところ、具体的に今特に中山間地域、条件不利地域においてこれだけのいわゆる手が掛かっている、あるいは時間が掛かっているというところをもし具体的に紹介していただけるものがあれば教えていただきたいんですが。
#316
○団長(野村哲郎君) それでは、山本公述人に対する御質問でございますので、お願いします。
#317
○平木大作君 もしあればで結構です。済みません。
#318
○公述人(山本友義君) よくお話しするんですが、機会があるんですが、いわゆる平野部の方の営農組合と一献交わしながら議論するんですけれども、大体反当一時間で、荒起こしから田植まで、稲刈りまで終わると。我々のところが、先ほど美郷町もおっしゃっていましたけど、四倍掛かるという論は、我々が大体三時間半から四時間掛かるんです、十アール。ということは、簸川平野、出雲平野と呼んでいますけれども、荒起こしが五分から十分、十分ぐらい単位でやるんですね、田植も十分あれば十アールやってしまう。それは、五ヘクタールとか六ヘクタールとか、そういう大きな水田だから。
 我々は、さっき言ったように、四ヘクタールの田んぼというと五、六十くぼあるわけです。それが一時間になるわけじゃないですかね、それが四倍掛かるわけなんです。それにプラス、平野部ではあぜ一本が境界ですから、あぜ一本、草を刈れば刈ったでよし、刈らぬにゃ刈らぬでよしというところ。だから、我々は、それにのりが付いていますから、田舎ではげし、げしと言っていますけれども、げしが付いていますから、そのげしの草刈りが水田面積より多いわけなんです。それを管理してやる時間はまた別の作業工程になる。したがって、まず、今TPPで大きな問題になっていますが、我々は既に平野部と山間部のTPPの問題をやっているわけなんです、日々。コストが全然違うんです。
 しかし、米の単価は全国同じですから、じゃ付加価値を付けて売るといっても、魚沼産の三倍、四倍までが限度でして、我々が、じゃ十倍で、その四倍掛かった、十倍で売れるかといったら、それは十倍で売れないわけです、消費者買ってくれないわけ。したがって、そういう手間暇が掛かった分だけどういうふうにコストを削減していくかという大きな問題になってくると。
 我々が今しのいでいるのは、米に付加価値を付けてやることと、中山間地なり農地・水で金をいただいた分を有り難く上手にうまく切り回してやっているという、多角経営をしてしのぐということを支援として今やっているということだと思っておりますので、是非とも、先生おっしゃるような機能的も大事ですが、中山間の農地の私が言っている草刈り、これを何とかやっていただければ私はしばらくはもつというふうに思っています。これで日本は崩れると思っています。
#319
○団長(野村哲郎君) ありがとうございました。
 時間オーバー。
#320
○平木大作君 そうですね。ありがとうございます。
#321
○儀間光男君 日本維新の会・結いの党の儀間でございます。
 四名の先生方には卓話いただき、大変示唆に富んだお話を下さいまして、ありがとうございました。感謝を申し上げます。
 さて、私、実は沖縄県出身でありまして、先ほど徳永委員からありましたように、北海道から沖縄、日本長いですから、気候風土が全く違って、農業をするにも環境条件がまるっきり違っていて、沖縄農業で語れない部分がたくさんあって戸惑いもあるんですけれど、少しまとめさせていただいて、それぞれの先生方に質問させていただきます。
 まず、長岡市長様でありますが、これ、三人目になって恐縮です。郡司委員が言ったし、今、公明党の委員がもう言いましたけど、私もそのアグリビジネススクール、これ実は私は、去った二月まで、沖縄県浦添市といいまして、那覇市のすぐ北隣ですが、そこで二月まで三期市長をさせていただきました。それで、七月に参議院に来たんですが、私が市長をした町は急激な都市化現象が起こりまして、那覇のマンパワーがあふれてきて、農業委員会もなくなってしまったぐらい農地が宅地に変化していったんですよ。
 そういう町で何ができるんだろうということで、しかも米軍基地も面積の一四%持っていますから、何ができるのかということでいろいろ考えあぐねて、国からは、まず情報特区と観光特区、今沖縄県全体観光特区になったんですが、この観光特区を取ったときに、一番肝腎なのは、これ人材をつくらなきゃならぬ、全ての産業が担い手、人材を育成しないと持続していかないわけですから、ここも観光をやるには人材が必要、これに一番言語が必要であるということで、英語と北京語の市立の学校をつくったんです、二年制を。定員二十名で二年制、年間七十三課程、カリキュラムちゃんとやって、現地への研修も含めて一人当たり百五十万掛かるんですが、もう今度は二年生が来て、来年一期生が卒業します。
 そういうことで、このアグリビジネスというのを、私は農業文化といつも言っていまして、農業は文化であるということでして、英語でアグリカルチャーという、皆さん達者な人がおって恐縮ですが、このカルチャーというのは耕す意味もあって文化という意味もある。だから、土地の文化、土の文化を耕すなどということからきまして、このアグリビジネススクールというのを非常に興味を持って見ておるんですが、ほかの委員も聞かれていたんですが、年齢の制限、あるいは、就農者もできるということでありますからそれはいいんですが、一人頭大体予算どの程度掛かって、それからどういう教育、受講内容にしているかを簡単にお聞かせいただければ有り難いと思います。
#322
○団長(野村哲郎君) それでは、長岡公述人、よろしいですか。
#323
○公述人(長岡秀人君) アグリビジネススクール、名称がビジネスというのが入っているのが少し奇異に捉えられるかもしれません。これを開講した頃は、少し農業者の皆さんにも経営感覚を身に付けてもらいたいと。例えば経理の仕方とか、そういうことまで講座の中ではやっておりました。ところが、だんだん続けていきますと、もうそんなことより実践的な農業の勉強をしたいという声がだんだん増えまして、今、ブドウ、柿、イチジク、野菜の四つの学科があって、それぞれ希望のところへ入っていただく。年齢制限等はございません。意欲があって是非やりたいという方は受入れをさせていただいております。
 経費としては、多くの皆さんのボランティアで支えられているところがありまして、年間百四十万ぐらい、実際の経費はですね。それで、実習をしていただく農家の皆さんには本当に気持ちだけのお礼で受入れをしていただいて、これが現在まで続いているということでございます。
#324
○儀間光男君 ありがとうございました。ここから多くの農業者が育って、ビジネスまでできることを期待をしたいと思います。
 次に、岡田陳述人にお尋ねしますけれど、持論でもありましたように、物を作れば売らなきゃならない。したがって、マーケット活動も大変大事ですね。ということで、今、作目転換して飼料米、これをお作りになって、水田、作目転換して盛んになっておるんですが、飼料米をお作りになって市内の需要には全部応えられているのかどうか。あるいは、自給率をどんどん高めていって、一〇〇を超えて、隣の市、隣の県、全国、はたまた外国市場を狙うというような将来展望もあるんだろうと思うんでございますけれど、その辺、今現状どういう状況にあるのかをお尋ねしたいと思います。
#325
○公述人(岡田達文君) 飼料米のお話ですけれども、JAいずもの管内には、養鶏農家、今日も二名の方いらっしゃいますし、肥育農家も六、七軒あります。その中でも、まだきちっとした、こめたまごは、米の分に関しては、先ほどもちょっと言いましたけれども、もみ米をきちっと飼料メーカーへ持っていって、本来はトウモロコシを添加していくところを、トウモロコシを二割引いたところへもみ米を入れていくというので完全の飼料ができていますけれども、肥育農家はできていないという点からも、まだ少しその利用におっくうな農家の方もいらっしゃるのも事実です。
 この辺からいっても、やっぱりここのところをきちっと確立をしていかなきゃならないと思っていますし、この先進的な技術というものも、島根県に畜産技術センターというのがありまして、ここできちっと肥育の関係で、何割やるとこういうふうになりますよ、何割添加をするとこういうふうになりますよというものをやりながら、我々はこれを求評会といって、できたものを食べながら、脂肪の感じがどうなったのかというところもやりながらやっておりますけれども、今のところはまだまだよそに打って出るというところのほどのものでもございませんし、ただ、余り飼料米が高くなると、それならトウモロコシの方がいいという方もいらっしゃるので、なかなかそこまで行かないのが現実です。
 それというように、どこかへ持っていけば、例えば、委員長さん、鹿児島だということですから、九州の方、すごい牛いっぱいいて、私どもも菊池の方に、飼料米作っているところも行ってみましたけれども、あそこまで運んでいけと言われたって、誰がその運賃を見るということになってならないので、まだまだよそまで打って出るというほどの余力もないというのが現実であって、その辺も含めて、大きく入口ほどは、これだけ需要がありますよということは国の農政は言っていただいているんですけれども、それがどこでどういうふうに使っていくかというところの出口対策が一つもなされていないというところに我々も二の足を踏んでいるというのも間違いないところであります。
 以上です。
#326
○儀間光男君 ありがとうございます。
 確かに、これ全国一律に適用される法律ですから、一斉にスタートするんですね、飼料米の生産を上げようということで。一斉に飼料米に作付けを換えていくわけですよ、作目を。全国そうなっていくんですよ。
#327
○公述人(岡田達文君) 全国。
#328
○儀間光男君 全国、農家。
 それで、個別の法人や単独の市町村ではそういうことはできませんから、私は、JA辺り頑張って、全国で生産をうんとさせて、海外市場を求めるんだというぐらいの力を市町村、都道府県、国、JA辺り入れて農家を手伝ってほしいと、こういう願いがあっての質問でありましたから、どうぞひとつ御理解を賜りたいと思います。
 それから、岡田さん、あれですか、鉄のコーティングも今日見ましたけれど、高田地区はどうなったんですかね、鉄コーティングの方、もみ。これ、今日しっかり見させていただきましたけれども、大変有望のように思えてなりません。したがって、これが餌米だけじゃなしに主食米にもその作付け方法がいってもいいんではないかと思うんですね。点まきをされておりましたが、一面直播と点まきの違い、あるいは成長具合、その辺どういう状況にあるか、比較をされたならばそれも少し伺ってみたいと、こう思うんですけれども。
#329
○公述人(岡田達文君) この方式は平成二十年度から取り入れておりまして、最初にはやっぱり主食用米を主体としてやり始めました。現在は主食用米二十五ヘクタール、きぬむすめという品種です。コシヒカリも今年は二・四ヘクタールほどやっておりますし、飼料米が十八ヘクタールほどということです。
 これは、これから恐らく、今日も現場で話したというふうに思っていますけれども、労働力も非常に少なくて済むわけですし、重いものを持って歩くこともないし、いろんな面で非常にいいやり方だと。技術が年々年々確立をされながら、また農機具も毎年毎年改良されていきながらやっていくので、非常にいい方法です。
 ただ、やっぱり移植に比べていけないのは雑草が生えやすいという点です。この点を、我々、今指導員を中心にやっているのは、均平に、平らにならしておいて、細かく細かく、代をしていくと言いますけれども、どろどろ状態で平らにしたところへやっていくように、どうしても新しい技術をやると手抜きだという感じになって、出来の悪いところからずっと技術が浸透していくと、最初はいいなと思ってみんながずっとやるんですけれども、ああ、やっぱり草が生えてきちゃったわという話になって落ちますけれども、これがもう一回上がったのが落ちたんですけど、ここ、今回復しかけています。これは何かというと、先ほど言うように、ノウハウがきちっと確立されて、マニュアルができかけましたので、恐らくこれから進んでいく、右肩上がりのようになってくるんじゃないかというふうに思っています。
#330
○儀間光男君 ありがとうございました。
 山本公述人にお伺いしたいんですが、農福関係、多角経営、これのもたらす好影響を今聞きましたからそれでいいんですが、先ほどからおっしゃっている戸別補償方式、民主党時代にやった、戸別の補償制度がありましたよね、戸別補償。その制度が五年後になくなって、いわゆる一万五千円から七千五百円に落ちて五年後になくなっていくというような議論してきたわけですけれども、このことによって、例えばの話で恐縮ですが、来年の新卒とか、あるいは既に就農している、あるいはIターン組で山本さんのところへ行って、グリーンワークへ行って、あるいは窪田会へ行っていろいろ働こうと思っていたけれども、こういう状況では、どうも法律が串を定めずぐるぐる変わって、不安であるから就農するのをやめたという人が出そうな気配はこの五年間にありますか。どう予想されますか。ちょっと妙な質問ですけれども。
#331
○公述人(山本友義君) まあ、それは特にないとは思いますけれども、ただ、我々は、我々の計画、五か年計画を立てるんですよね。それで、二十二年頃というと、第二次五か年計画をグリーンワークはグリーンワークで立ててやって、それに基づいて着々と事業を展開するわけです。その中での見直し、行政、時の政権によって見直すということの痛手の方が私は大きいと。そのことによるうちの経営、そして周りの状況が変わるということは、今のところはないと思っています。
#332
○儀間光男君 そうですか。ありがとうございました。
 いや、そのことによって担い手が断念したなどとなると、これは政府は大変な責任だなと思ったりしたものですから聞かせていただきました。
 それから、樋ケ公述人に伺いたいんですが、非常にいいことをおっしゃっていて、おっしゃるとおりだと思うんです。先ほど、作れば売らなきゃならない。ところが、国内需要が満たされて、国内も、仕入れ商品等もいろいろあって、更に販路を拡大していかなければならない、国際競争力を付けていかなきゃならない。このことは国際市場に出ないと競争できないわけですから、だから、TPPが今進行中ですが、これがどう決着するか分かりませんが、仮に決着が付いたにしても、関税を、今要求されているように、下げて決着が付くにしても付かないにしても、いずれもうかる農業をやるには、国内マーケットはだんだん減ってきますから、国民は減っていきますから、どうしてもここは海外市場を狙って農家は進んでいかざるを得ないと思うんですね。
 そういう意味で、TPPと関係なしに、あるいは二国間EPAとかFTAなんかで二国間で関税の議論をして、米なら米、リンゴならリンゴ、農林水産物全てにおいて関税の議論をして、それに合うような形で海外へ出なきゃこれから農家はかえって大変だよと、そういうような思いがしてならないんでありますが、大体見解伺って公述人の方向は見えた感じがするんですが、いま一度その辺を伺わせていただけませんか、聞かせていただけますか。
#333
○公述人(樋ケ司君) 私どもの農事組合法人は、小規模なものですし、人的体制も整っておりませんので、国際社会に打って出るようなことは毛頭考えておりませんけれども、この度の農政改革論議の中で企業の参入ということがよく言われております。中でも、大企業が参入をしてくるということになると、人的にも情報力も人材力も、あらゆる面で体制は整っているわけですから、国際競争に打ち勝っていく可能性というのは高いと思っています。
 ですから、もう私はそういう国際競争の中で戦っていく組織は大企業でいいというふうに思っています。我々みたいな小さなところはどちらかというと六次化を目指すのでありますけれども、地産地消というふうな形の中での六次化というのを考えていくべきだと思いますから、それでなおかつ、私たちの商品がいいねと言ってくれるような人が都会におった場合には、その皆さん方と商取引をすることによって売上げを伸ばしていこうというふうな考え方でおりますので、TPPとかFTAとかという問題についてはもう少し力のある企業にお任せをして解決をしてもらいたいというふうに考えております。
#334
○団長(野村哲郎君) 儀間光男君、時間が参っております。
#335
○儀間光男君 終わります。ありがとうございました。
#336
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。公述人の皆さん、本当に今回はありがとうございます。
 私も、出雲には実は出雲大社を含めてよく来たんですが、中山間地域に入ったのは初めてでございまして、また、党の方の農業委員の責任者でもありまして、各地ですね、全国区比例の議員でもありますので、北海道それから四国が担当で、沖縄等も最近行って回ってきたんですが、全く確かに地域によって実情が違うということで、これは大変だなと思って、今日拝見させていただきました。
 今日、私が御質問等をさせていただきたいのは、攻めの部分と守りの部分が農業はあると思っておりまして、多分、お立場によって、農業を攻めの部分から公述される点、それから守りの部分から公述される点があるかと思います。ただ、中山間地域の問題はどうやって守っていくのかということが相当重要な問題であるという認識も今回させていただきまして、その辺り集中的にお話を伺えればと思っております。
 プラス、実は今、国では農政が大変な転換期にあります。是非、公述人の皆さんは、ちょっと私の質問に関係なくても言いたいことがあれば言っていただいて、ないとどんどん法律は国会で通ってしまいますので、それもこの機会を捉えて是非御発言いただければと思っております。
 さて、まず山本公述人からお話をお伺いしたいと思うんですが、中山間地域の問題で、もうこれ、ぶっちゃけ言って、農業というのは採算が合わないものだというような観点に立つのか、だからこそ、とはいえ、佐田でもお話しいただいたと思うんですが、農業を足掛かりとして地域を守るんだ、こういう意見もあり、かつ、法人も進めて、多角化、農福連携とかですね、やられているということでもあります。
 そういったところから少しお伺いしていきたいんですが、まず、中山間地域を守っていこうという観点では、今回の法律ですね、多面的機能、例えばナラシ、ゲタもプラスアルファということになると思うんですが、果たして、今の中山間地域、それからナラシ、ゲタのような経済安定政策、有効なのかどうか。もしかしたら、反当たりの値段を上げればそれでいいのか、又は、前回、民主党政権からつくってきた戸別所得政策の方が優秀だったのか。
 私、両方の立場の政党じゃありませんので、ここは非常に今、農政の重要な転換期だと思いますので御発言いただきたいなと思っておりまして、特に中山間地域を守るという観点からの御発言をいただきたいと思います。
 二点目、山本公述人にお伺いしたいのは、法人の在り方というところであります。
 先ほど郡司委員の方からも少しありましたが、キャッシュフローの問題というんですか、農業は非常に設備型産業であるということも私、認識しておりまして、収穫以降でないとお金が入らないということでありますから、土地改良等も含めて、設備も含めて、もちろん、のり面等の作業はその都度発生するでしょう、そうなってくると、やっぱり非常にお金が重要だということになってまいります。
 そうなってくると、やっぱり法人というのは、確かにひとつもう家族経営ということでは規模も維持もできないという中でもしかしたら法人経営というのは現れたと思うんですが、ただ、今の農業法人の立て付けは非常に中途半端というか自由度がないというのも事実で、これはまた農業法人の組立てとしてはよく言われているところだと思います。
 特に、農福連携をするとなると、これ、飯南町の方の株式会社あゆみさんから御指摘があったんですが、社会福祉法人とのバッティングがあったり等して自由度が低いというようなところも訴えていらっしゃいました。その辺り、農業法人の在り方というんですか、このままでいいのか。そこについても何らかの、こういうところがやりにくいので例えば規制緩和等も含めてあった方がいいのか。
 その辺り、是非、中山間地域、法人で一生懸命多角化をやられて施設型園芸までこれからやっていこうという山本公述人なので、御発言いただければなと思います。まず、二点伺えますでしょうか。
#337
○公述人(山本友義君) 農業は元々採算が合わないということだと思っておりますが、経営いかんでは採算は合うと思うんです。しかし、地域全体で潤って地域の農地を維持管理していって守ろうとすると無理があるということだと思っています。したがって、利便性のいい土地でコストの掛からない農業、これはそれで私は経営は成り立っていくんだろうというふうに思っております。採算ラインは三十町歩なのか四十町歩なのか、若干の地の利によって違うとは思うんですけれども、今の工夫では私はなるというふうに思っておりますが、山間地では、悲しいかな、リスクが大き過ぎるということでなかなかできないのが現状だと思っております。
 じゃ、ナラシとゲタで、これのやり方ではどうかということですけれども、私は、ゲタ政策は、畑は、山間地では、まあ私のところでは皆無なんですよね。新しくじゃ菜種作ったりすればということですけれども、いや、菜種はできないわ、ソバもなかなか品代が取れないわということで、三日に一回雨が降る、また湿田が多い我々の地域では麦もなかなかできないというところにおいて、果たしてゲタ政策がどれだけ効力を発揮するかということだと思っています。じゃ、ナラシで今回法案にということでございますけれども、確かにナラシでやっていただくと、単価的には私は、まあ若干低いっちゃ低いんですが、採算ベースには合っていくんではないかなというふうに思っております。
 しかし、そうした多面的機能の施策はあくまでも私は面的なことである、基本的な解決には私はならないというふうに、まあいろんな理由はあるんですが、時間で言えないんですが、そういう思いではおります。
 もう一点のキャッシュフローですけれども、先般述べましたような形で、大体人件費が、我々のところが約二千万の人件費になります。春と秋の作業が一番多いんですけれども、二千万をどういうふうに捻出していくかということになります。米代が大体二千万ぐらいです。米代と人件費が行って来いという形になっております。
 したがって、米代は大概が年に一回ですので、その間のつなぎ資金が先ほど言った農外部門で補っていっているということですけれども、じゃ、中山間地農業の営農組合はどうなるか、そうした面をクリアしていくことができるのかということだと思うんですが、やはりこれからの営農組合、後継者問題とかいろんな問題はありますが、やはり自立して自らが企業家に、真の企業家になって地域を守りながら、農地を守りながらやるという新しいスタイルの組織、これに変革しないと、これまでのようなみんなでやっていこうねという、機械も一緒に使っていこうやというふうな理念だけの営農組合では私はもたないというふうに思っておりまして、攻めの農業と言われますような農業をやっていかなければならない。そして、それにはやはり新しいアイデアと、そしてやる気のあるスタッフをそろえて、地域の皆さん方の御理解と、そしてやはり地域のためになるような、地域の皆さん方と一緒になってできるような営農組合をつくっていくと。これが生き残るこれからの組織だと、そうしていかなければならないというふうに強く感じております。
#338
○山田太郎君 次に、樋ケ公述人にお伺いしたいと思っています。
 ペーパーいただきまして、水田フル活用対策の中で、直接支払交付金に関して、食用に限らず飼料用米もということですが、全体ではどちらかというと付加価値をつくっていこうということ、中山間地域の厳しい農業であるという観点の中から本当に飼料用米が成り立つのかどうか。それでなくても飼料用米、非常に安い可能性がありますし、もちろんこれで補助が付いて転作されるということでありますが、実際この付加価値を付けて、不利地なところであったとしても何とかやっていこうという皆さんの意思に、この飼料用米を主食じゃなくて作っていこうということが果たして、食べる物を作るプライドも持っているでしょう、本当に成り立つのかどうか、ちょっと心配はしておりまして、これがうまくいかないと政策もスムーズにいかないと思っていますが、その点是非お伺いしたいというふうに思っています。
 二点目なんですが、もう一つペーパーの中で、JAさんに対して、販売についていろいろ御意見があります。是非JAさんへの要望というか、その辺り、どんなところを例えばもうちょっとやっていただけるといいのか。済みません、JA関係者の方もいて言いにくいかもしれませんが、私自身は、これから農業協同組合としてのJAさんは、まさに売っていくためには非常に重要な組織になると思っております。一方で、JA改革等も政府の方では言われているんですが、現場の方からどうあるべきかという御意見をいただければというふうに思っています。
 二点です。お願いします。
#339
○公述人(樋ケ司君) まず、一点目の飼料用米についてでありますけれども、農政改革の農水省のパンフレットをいただきまして、私もすぐJAと話をしました。我々のJAというのはJA島根おおちというJAでありますけれども、そうしたら、返ってきた言葉が、飼料米作りは大変申し訳ないけれどもやめてもらえないかという回答でした。その理由は、売り先が、先ほど来出ておりましたけれども、長期輸送すれば全く採算取れないわけですから、どちらかというと地産地消という考え方の中で進めていかなきゃいけないけれども、作ってもらっても今の段階ではまだちょっと売り先をつかんでいないという問題が一つ。もう一つは、飼料米作っていただいても、保管施設が必要だけれども保管施設がないんだという二点の理由で、残念ながら作ってもらってもよう受け入れられないよという回答が返ってきました。だから、したがいまして、我々も、制度はあってもなかなか使い切れないなということが、飼料米に関してはそういう理解をしております。
 二点目でありますけれども、JAさんに対する要望でありますけれども、私たちが新しく花卉に取り組む、花作りに取り組むということを平成二十四年からやっているわけでありますけれども、その際、いわゆるハウス建設をいたしまして、ハウス資材が大体千七百万ぐらい掛かりました。それをJAさんを通じてやってくださいというふうなことがありましたので、直接、県内にはそういう私たちが欲しいハウスを取り扱っている業者はいたんですけれども、その業者さんと話をすると、取引はJAさんを通してやってくださいませんか、特に補助事業に関してはそうしていただけませんかということで、JAを通じて資材を買わせていただきました。どちらかというと、資材、農薬、肥料を仲介することでJAの経営は成り立っているんじゃないかなと。
 私たちが一番期待しているのは、これから取り組もうとしている花作りに関しての営農指導が本当は一番お願いしたいところなんですけれども、花作りに関しての専門家もいないわけでありまして、そこの辺が、もう私が一番望むけど、残念ながら不足していると。JAさんに対するこれからの要望として、やっぱり専門家を育てていただいて、営農指導をしっかりしていただきたいというのが私の願いです。
#340
○山田太郎君 ありがとうございました。
 それを受けて、せっかく今日JAさん来ていらっしゃいますんで、岡田さんの方にお伺いしたいと思います。
 JAさんには、逆に攻めの農業というんですか、やっぱりしっかり売っていただいたり、協同事業としてやっていただきたいと思っておりまして、幾つかお伺いしたいと思います。
 ラピタの方で農業販売所を直接見させていただいて、大変心強い事業だと。これこそ、協同組合さん、直接農家から買って直接売るということを積極的にやっていらっしゃるということで大変心強いんですが、逆にJAさんとしては、今ちょっといろいろな声もありましたけれども、どの辺を出雲の農業のために伸ばしていこうとされているのか。取組というか、あるいはもう課題も含めて、強くするための農業の在り方、地域農業を強くするための在り方、是非何点か教えていただきたいのと、もう一つ、先ほど私申し上げましたが、国政の方ではJA改革みたいなことも言われています。現場のJAとしてはどう捉えられているのか。もし、国政改革のいろんな意見において間違っていること、あるいは、これはこうだよというのがあれば是非、いい機会でありますので、御発言いただければなというふうに思っております。
#341
○公述人(岡田達文君) 待っていたような話でありまして、その話も非常にしたいわけですけれども、余り農政改革と関係ないのかなと思っておったので、時間をいただきましたので、ありがとうございました。
 JAいずもとして、どういうふうに攻めていくかという話です。
 先ほど樋ケ公述人からありましたように、うちも今、国の事業を使って五ヘクタールのブドウ団地を県、市、国の援助をいただきながら造りかけています。平成二十五年度に、八十六アールほどのところ、一棟一反歩建てると、大体一千五、六百万掛かります。これを、国の事業ももらったり、あるいは市からもらったり県からもらったりして、農家が最低、年間の利用、リース事業ですから、幾ら払えばなるかなんという、この逆算方式です。これによって、農家はここまでなら払うことが、年間のリース料がここまでならブドウを作っていって採算が取れますよということをずっとプロジェクトチームつくってやっていって、それで今やっているところです。今年第二期目で、第三期目、できれば一、二、二ヘクタールで五ヘクタールをやろうと思っています。
 市長さんにもお願いをしたら、なかなか大変な財政のところをお世話になったり、県も利用料としてリース料を頑張って、ブドウを作るとなかなか初年度からできません。ですから、五年くらいは無報酬だということになりますから、ここの利用料というのは農協と県とで出し合おうとか、いろんなところでタッグを組んでやらせていただいていますので、そこのところは進めたいというふうに思っております。
 今度のJA改革のところの大きく違っているというのは、農協は、先ほども少し言いましたけれども、利益集団ではないということです。今日のラピタも御覧いただきましたけれども、ラピタで本当に組合員の皆さん方が来て御利用をいただいていますけれども、ラピタ、一店舗ではございません、九店舗持っております。あとの八店舗はやっぱり赤字。昨日佐田に行かれたと言われましたけれども、佐田の方にも一店舗ありますし、こちらでいうと湖陵があったり多伎があったりというところにもあります。ここらは完全なる赤字です。
 しかしながら、これは何かというと、総合力を持っていってそこをやっているんですね。ATMだって、本当にそこに組合員さんがいらっしゃるなら、そこにATMを置いています。大体一か月に一千二百件くらいの利用がないといけないんですけれども、五百件でも置いておるんです。地銀だったら、まあ地銀の方がいらっしゃるかどうか分かりませんが、だったら撤収してさっさと帰ります。それは石油、ガソリンスタンドもしかりです。組合員さんがそこにいらっしゃるならば、そこにスタンドもあります。
 これは何でやっているかというと、やっぱり信用、共済のところで少しもうけさせてもらって、これを、例えば農業、さっき営農指導してくれと言われましたけれども、営農指導では一銭ももらっていません、農家の方々から。販売手数料としてもらっているのはおおむね三%です。三%で販売ができるかというと、できやしません。大体、今、試算すると、六%、七%、販売手数料もらわにゃなりません。結局、信用、共済でもうけてもらったところで、少し営農指導員の給料を出しながら、いろんなものをやりながら、総合力があるからなんですよ。
 こんなものを一生懸命、国の皆さん方は、いや、これからは農協は農業に特化してやっていかないけんやないかと言われますけど、そうすると、我々農協の職員もいろいろいますから、農協の職員の給料を出すときどうするかということを考えないかぬようになります。そうすると、販売手数料をほんならやっぱりまず六%にしようじゃないかといって、ほんなら営農指導員が来たら、今日は営農指導に来ました、はい、三十分指導しました、済みません、今日は時間幾ら幾らをもらいますと、そんなことが農協にあるわけないでしょう。
 いろんな面から農協潰しというのは、それは確かに、皆さん方が御覧になっている、都市の近郊の不動産を管理して運用しているところもあるかもしれません。全国七百ありますから、その中には幾らかあるかもしれません。しかしながら、北海道でありましたら、北海道だって、今、小さくて本当に一生懸命になっている農協はたくさんあります。こんなところへ、やっぱりこれは農家そのものがもう潰れるんですね、そんなことをしたら。
 総合的に、我々は生活バスみたいなバスも出しています。やっぱりそこに支店があって、ここに買物難民がいらっしゃるのならば、ここにいらっしゃれば、週に二回、こういう時間帯に地方のラピタに連れていきますよと、ATMのところまでは連れていきますよと、こんなこともやっているのは、これは農協が総合力を持っているからなんですね。こんなもんを、それは、信用、共済を分離してしまって、やってしまって、独立採算制でやれなどと言われたらかなわしません。
 そういう面からいっても、我々は一生懸命になってやっているということをやっぱり分かってほしいということをよろしくお願いをしたいというふうに思います。
#342
○山田太郎君 ありがとうございました。
 時間になりましたので、長岡市長にも聞きたかったんですが、今度の機会にしたいと思います。ありがとうございました。
#343
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。最後になりますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、長岡市長さんにお聞きしたいと思います。
 先ほどの公述の中で、今度の出されている法案が日本再興戦略に位置付けられて、十年間で今後、全農地の面積の八割を担い手にと、そして生産コストを全国平均比で四割削減をして、法人経営体数を今の二万五千から五万にするという方向ですよね。それで、端的に言えば、これからでいうと、企業参入の加速化と、企業経営ノウハウの徹底した活用をやって、六次産業化、それから輸出拡大を通じて付加価値の向上と、若者も参入しやすくと、そういう農業の実現を目指して大胆な構造改革を進めるということが書かれているわけですよね。
 それに基づく今回の法案ということで、この担い手の方の法案でいうと、そこで提起されている中身というのは、一つは、今までの交付金でいうと、戸別所得補償制度のときには販売農家全てを対象にということで交付されていたわけですけど、今回のやつは限定すると。だから、ゲタ、ナラシの話もさっきありましたけれども、これもそれぞれ担い手、交付する対象は認定農業者と集落営農と認定就農者ということに限定と、絞り込むということですよね。先ほど、面積要件はなくすんだからということで話あったんだけど、面積要件なくしても絞り込むという本質は変わらないんだというふうに私は思っています。
 それからもう一つの中身として言えば、交付基準が変わるということですよね。つまり、今まででいうと、面積と品質、七対三の割合で面積と品質ということで交付する基準にしていたわけですけれども、これを数量払いを基本にするということになっているわけですよね。
 そうすると、私は、やっぱりその数量払いということを基本にした場合に、特に中山間地域というか条件不利地域、こういうところを多く抱えている島根県のようなところというのは、これ、数量でいうと、そういう条件の悪いところというのは収量を上げるというのはなかなか大変なことだというふうに思うんですね。そうすると、今までよりももっと交付額が減らされるということもあるんじゃないんだろうかということを思って、その点での受け止めというのはどうなのかなということが一つあるわけです。
 そこでなんですけれども、今、島根県全体でいうと、現在、担い手が利用している面積が二九%だと、それを十年後には六七%まで集積する計画だというふうに言われているわけですよね。
 それで、一つは、ここ、出雲市なので、市長さんいらっしゃるので、出雲市では担い手への農地の集積目標をどういうふうに決められているのかということです。
 それから二つ目に、担い手以外に担う農地、つまり、約七割近くをこれから集積していこうということなんだけれども、じゃ、それ以外の三割ぐらいのところが出てくるんだけれども、ここはどうするのかということなんです。それで、国民への食料自給率を上げるということでいうと、やっぱり本来担い手がどんどん減っていって、耕作面積が増えればいいんですけれども、それがちゃんとなるのかということですね。その点でどうなのかということが二つ目。
 三つ目は、兼業農家が農業から切り離されるということになった場合に、地域に住む意味がなくなって離農したり転居することになる可能性も出てくるんじゃないのかなという点でどうですかということを市長さんにお聞きしたいということです。
 それからもう一つ、岡田公述人にお聞きしたいんですけれども、島根においてはやっぱり農地をいかに維持するかという話も、昨日も何度も聞きましたし、地域経済の維持と、それから生活支援や福祉、環境保全などの生活維持を目的にした地域貢献型集落営農を推進するんだということを目指しているというふうにお聞きしたんですね。その場合、そのことをやろうとしたときに、今回の言ってみれば構造改革と言われている中身がどういうふうに影響するんだろうかというところをお聞きしたいんですね。
 それで、今回の多面的機能も充実させようという法律も出ているんですけれども、一般論で言うと、多面的機能を充実させるという、これはもう誰も反対しないと思うんです、大事ですから。一般論ではそうなんだけれども、私は、今回、これセットで出されているというところに何か腑に落ちないところがあるわけですよね。それはさっき岡田さんも言っておられたんですけれども、今の情勢が厳しい中で、法人経営など担い手に施策を集中すればするほど個別の農業経営というのは解体していって、兼業農家が農業から切り離されたら地域に居住できなくなるんじゃないか、そうすると、やっぱり動きが取れない高齢者の方が残ることになるんじゃないか、その辺のところはどうなんだろうかというところをちょっとお聞きをしたいと。
 まず最初に、お二人にお願いします。
#344
○団長(野村哲郎君) それでは、まずは長岡公述人からお願いいたします。
#345
○公述人(長岡秀人君) 先ほどの、最初の第一点目の質問については、出雲市としての集積目標、二十四年度の集積率が四七・三%を平成三十二年度には六二%を目標にしているところでございます。
 それから二点目の、七割とすれば残りの三割、農地がどうなるかという話ですが、これはなかなか難しい話でして、そのまま維持されるケースもあろうと思いますし、そうでないケースも。ただ、五年後、十年後の状況というのは、恐らく最終的にはやむを得ずその集積の方へ向かうケースがもっと増えるんじゃないかという気がいたしております。
 それから、兼業農家の、これも同じような話でございますが、先ほど来お話をしておりますけれども、出雲市にとっての農業というのは、単なる産業としての農業だけではなくて、やはり地域をしっかりと守っていただくその中心となる文字どおりの基幹産業という捉え方をしております。そういった中では、専業、兼業問わず、やはり農村地域にあって、それを支えていただく大きな力を持った皆さんでございまして、兼業農家もいずれは専業に転ずることもありますし、この地域にとってはいろんな意味でセーフティーネットのような役割もしているのが農業でございます。地域全体のためには、やはり専業農家の皆さんもしっかりと自覚を持って農業が続けられるような形を守っていくのが私の務めではないかと思っているところです。
 以上です。
#346
○公述人(岡田達文君) 御質問の農地の維持という話ですけれども、今から二十数年前、まあ三十年くらい前までは、各農家が個人的に農業をしとったんですね。少数の四、五人ぐらいのグループでいろんな農機具を持って、各個人的に三百万くらいの負債を抱えながらというか設備投資をしていって、十二月の二十五日というのは近代化資金の償還日ですから、ここに自分が稼いできた、ほかで稼いできたお金をそこへつぎ込んでいって農地を維持していたんです。これが現実だったんです。
 それから、だんだんだんだん農地というものを、転作になってくる、あるいは集団転作をするとこういうふうにしますよとか、これをするとこうなりますよというようなところで、少し言葉は悪いわけですけど、ニンジンをぶら下げながらしてもらって、農地を集積していって集落営農組織をつくったり、認定農業者をつくったり。この集落営農組織と認定農業者というのがおおむねのこの担い手というふうに位置付けています。
 集落営農組織というのは、集落そのもので、私も集落営農組織を立ち上げた男ですから。二十数年前までは、六十、七十のおじいさんとおふくろさんが二人して田んぼへ行って、日曜日だと、若い人が、苗は出すんだけれども知らぬ顔しとったんですね。それが、集落営農組織をつくると、若い三十歳ぐらいから四十歳くらいの人が、今までコンバインも乗ったことがないとかトラクターも乗ったことないという若い人間が出てくるんですね。僕乗ったことがないけんて言うが、少々曲がっとろうが何しようが曲がった米はできせんと言って乗せるわけですよね。
 集落営農組織というのは、集落を守っていきながらやっていくんですよね。その代わり、そんなにすごい収益が上がりません。四百万、五百万ももらえるわけじゃないです。まあ年間百万とか、自分のところのできた米代と、自分が出した従事分配当みたいなものもらうだけです。米ほどはただでいって、自分もその集落出ていって、縦のつながりをつくっていきながらコミュニケーションをしていくと。こういうやり方をしていきながらやっていくんですね。
 集落営農組織には、担い手というのは、たまにことんって亡くなられる方がいらっしゃるんですね。そうすると、農協大変です。どこどこの誰さんが入院されたと。もうできらんようになったらどげするだっていう話ですよね。で、一生懸命になって、ほんなら誰々さんに作ってもらおうじゃねえかとか、まだ分からないのは、例えば死んでしまうと、どこのを受け取っとられたか分からぬだったみたいな話ですよね。もう大変なんですよね。ところが、そういうことからいうと、集落営農組織というのは、わしが入院さがしながあ、まあそれはみんなのチームワークでやっていることだからやるんですね。そういうコミュニティーというところがやっぱり農村部にはあるんだと。これをなくしてしまうとどうしようもない。
 そこで、聞こえがいいように今頃皆さん方というか国が言っているのは、強い農業をつくるんだとか、強い農業者をつくると。何か、聞こえが本当にいいですね。ああ、国はやってくれるんだなとか何か思うんですけどね。国際競争力を付けてと、そんなもんが付いとるならもうとっくに付いていますよ。そこなんですね。そういうところのきれいな、環境保全がどうだとかいって、そんなものは我々は黙っとったって今までやっとったんですよね、無報酬でやっていたんですよ。そこのところを、やっぱりもう少し現場が分かってほしいなと。
 私、もうそろそろ終わりますから、一つほど言っておきたいのが、わし、地方にずっと住んでいますから。
 誰だとは言いませんけれども、いつだったかの東京都知事さんの方が、東京が潤えば日本全国の経済は潤うんだと言った方がいらっしゃるし、プロ野球のオーナーですけどね、何とか読売とか何とかいうところの人が、読売ジャイアンツほど強ければ日本の野球は面白いんだと言っている人がいたんだというふうに聞いたときに、我々は何なのと。我々は地方に住んで、地方は地方で一生懸命やっているんだけれども、なぜかしら都会の方の考え方を押し付けられてしまって、我々は黙って、もうこんなことになるからみんなが選挙にも行かないし、やるならやれ、おまえたちやってみれ、我々は我々で自分だけしか守る手はないという気持ちにならないようにしてほしいなというふうに思っているんですね。
 もう少し我々の意見が霞が関の方に届くようにやっぱりしてほしいなというふうに思います。済みません。
#347
○紙智子君 ありがとうございました。
 やっぱり生産活動が縮小していったら、結局その地域は本当に守れなくなってきて、鳥獣被害も増えてくるし、災害も起きるしということだと思うんですね。そうすると、多面的機能、多面的機能といっても果たせなくなっていくんだと思うんですよ。
 やっぱり生産活動と切り離した形でやっていくということはどうなのかなというのは、いや、そうせざるを得なかったり、実際にもう年取ってあとやる人がいないから、土地はお任せしますから、その分自分がいろいろ手伝えるところで周辺でやりますという人はいるかもしれないけど、それは自覚的にいるかもしれないけど、上から押し付けていても、それはやっぱりもたないんじゃないかという気が私はしています。そういう点では、ちゃんと生産活動を位置付けるということを法律の中でもやる必要があるんじゃないかということを思っているということが一つです。
 それと、あと時間の中では山本公述人と樋ケ公述人にお聞きしたいんですけれども、法人をつくってやってくる、ここまで来るというのは本当に御苦労があったというふうに思うし、やっぱりそうせざるを得なかったという面もあると思うんですけれども、やっぱり中山間地域で立ち上げてこれから先進めていくということでいうと、私はもっともっと、例えば中山間地域の直接支払なんかも使い勝手が良くなるようにしてほしいとか、充実してほしいということがあるんじゃないかと思うんですよね。その辺りの点で要望というか是非言っておきたいということがあったら、お願いしたいと思います。
#348
○公述人(山本友義君) 使い勝手のいい補助事業が一番いいと思っていますけれども、民主党さんがいらっしゃいますけれども、当時、何でもいいけん、いいよという事業あったわけですけれども、リース事業もそうでしたね。いいよと、条件は付けないから欲しいもの買えということがあった、更新だろうと新規だろうと構わぬと。
 願わくば、全国の、さっき話があるように、都会地の人間も田舎の人間もお互いに批判するんじゃなくて、私も大阪の方にずっと生活をしていましたけれども、そのときに悔しい思いが、休憩時間になると、何で農業だけがそうしたふうに特別に予算措置、いわゆる過保護をするんだということを、都会地のみんなは日常茶飯事にそういうふうに茶飲み話に話すわけなんですよね。
 私は農家出身ですから、農家は農家の苦労があるということが分からないんだなという思いで、悔しい思いで横で聞いておったんですけれども、やはり地方に帰ってそのことを思うときに、自分らの農業、中山間で農業を張ってやっていくということがどれだけ大事なことでどれだけ必要なことかということをやはり分かっていただきたいと。これは、国会議員の皆さん方にも是非ともお願いしたいというふうに思っております。
 使い勝手のいいのは、やはり我々も、直払いにしてもそうですし、煩雑な事務、これは今年度、二十六年度からは見直すということでございますけれども、補助金もらうために一人事務員が要るぐらいに書類が要るんですよね。ただでもらうんだから仕方ないと思いつつも、その事務量に耐えながら申請、そして後の五年間の報告等々を出さなきゃならない煩わしさ等がございますので、その点は今年の改革、載っていましたけれども、簡単にするということでございますので、是非ともそれを実現をしていただきたいというふうに思っています。
#349
○公述人(樋ケ司君) 私の考え方をちょっと申し述べますけれども、私どもの美郷町、合併を十年前にしておるんですけれども、三十年ぐらい前の農地の面積と現在の農地の面積を比較した場合に、三分の一ぐらいになっているんですよ。米を作る面積です。米を作る農地の面積、三分の一ぐらいまで減っています。大体、一年に全農地の一%ないし二%が荒廃しています。
 去年一年間取ってみても、もう田んぼの管理をできなかったから私の土地を何とか管理してくださいと言う人が、全体の、今米作っている面積、たった二百三十ヘクタールしかないんですけれども、去年一年間でもうギブアップと言った人が十ヘクタールあるんです。
 ですから、すごい勢いで高齢化が進んでいて、すごい勢いで耕作放棄が行われている。何とかしてやろうという人が、リーダーがおる地域については集落営農組合でそれをカバーするんでありますけれども、そういう人がいないところはどんどんやっぱり耕作放棄が出てくる。これは、一ヘクタールないし二ヘクタールがそういうふうにして出てきているんですよね。
 農業政策の中で、様々なこの三十年間を見ても農業政策打ってこられたわけでありますけれども、残念なことに、私どもの町の場合にはそれを防ぎ切れていないというのが現実なんです。私は、これはやっぱり本当に農業政策だけで何とかなるのかなというふうなちょっと気持ちがありまして、過疎問題の権威であります明治大学の小田切先生なんかが言っておられますけれども、空洞化の進み方というようなお話をよくされるんでありますけれども、まず人から始まって、土地に行って、そして村に行って、最後に誇りを失ってしまって村は崩壊するというふうに言われています。
 今、もう村の崩壊と誇りの崩壊のぎりぎりのところまで来ているわけでありまして、本当に農水省さんだけでこの問題が解決するのかなというところがあって、私は、むしろ農水省の守備範囲じゃなくてもうちょっと超党派の総合的な、内閣総理大臣さんのリーダーシップによって全省庁が力を合わせて日本の村を守るんだというぐらいの施策を打っていただかないと、ちょっとやっぱり問題解決できないんじゃないかなというふうに思っております。
 ですから、ひょっとしたら、コミュニティーを守っていこうというような、むしろ総務省さんが強力な対策を講じられるとかいうようなことが、農水省さんだけじゃなくて併せて必要になってくるんじゃないかなということを今感じております。
#350
○団長(野村哲郎君) 時間が来ております。
#351
○紙智子君 ありがとうございました。終わります。
#352
○団長(野村哲郎君) 以上をもちまして公述人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、公述人の皆様方に一言御礼を申し上げます。
 皆様方には、長時間にわたりまして大変有益な御意見をいただきました。心から御礼を申し上げる次第でございます。私ども、この地方公聴会の皆さん方の御意見を踏まえながら、今後の審議に生かしていただかさせていただきたいと思っております。
 また、この地方公聴会を開くに当たりまして、いろんな関係者の皆さん方に大変御協力、御尽力をいただきましたことにつきましても、この場を借りまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。(拍手)
 これにて参議院農林水産委員会出雲地方公聴会を閉会いたします。
   〔午後四時四十四分閉会〕
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト