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2014/04/24 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 総務委員会 第17号
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2014/04/24 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 総務委員会 第17号

#1
第186回国会 総務委員会 第17号
平成二十六年四月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     難波 奨二君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 香苗君
    理 事
                二之湯 智君
                丸川 珠代君
                吉川 沙織君
                若松 謙維君
               渡辺美知太郎君
    委 員
                井原  巧君
                石井 正弘君
                礒崎 陽輔君
                小泉 昭男君
                島田 三郎君
                関口 昌一君
                柘植 芳文君
                堂故  茂君
                藤川 政人君
                石上 俊雄君
                江崎  孝君
                難波 奨二君
                林 久美子君
                藤末 健三君
                吉良よし子君
                片山虎之助君
                寺田 典城君
                又市 征治君
                主濱  了君
   国務大臣
       総務大臣     新藤 義孝君
   副大臣
       総務副大臣    関口 昌一君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  伊藤 忠彦君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       内閣官房行政改
       革推進本部事務
       局次長      藤城  眞君
       人事院事務総局
       給与局長     古屋 浩明君
       消費者庁審議官  川口 康裕君
       総務省人事・恩
       給局長      笹島 誉行君
       総務省自治行政
       局公務員部長   三輪 和夫君
       総務省自治財政
       局長       佐藤 文俊君
       総務省総合通信
       基盤局長     吉良 裕臣君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山本香苗君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、安井美沙子さんが委員を辞任され、その補欠として難波奨二君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山本香苗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房行政改革推進本部事務局次長藤城眞君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山本香苗君) 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○堂故茂君 おはようございます。早速幾つか質問させていただきたいと思います。
 能力評価と業績評価から成る人事評価制度については、国家公務員に対して実施されてからもう七年となりますが、地方公務員への導入が現在に至った理由、この時間差についてちょっとお聞きしたいと思います。また、総務省が各省庁から約三万人を抽出して行った人事評価によりますと、二〇一一年から一二年実施の五段階能力評価で、特に優秀のS評価は五・八%、優秀のA評価が五三・八%、通常のBの評価が三九・八%、Cランクは〇・五%、Dランクは〇・一%となっておりまして、普通以上の評価が九九・四%となっております。
 幾ら優秀な職員がそろっている省庁職員とはいえ、どう考えても甘過ぎるとの評価もあるようであります、批判もあるようですが、これまで国家公務員に対して実施してきた現状を踏まえまして、どのように地方公務員の人事評価制度を、これまでの結果を生かそうとしているのか、まずお伺いしたいと思います。
#7
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 まず、地方公務員への導入が現在に至った理由というお尋ねでございます。
 政府といたしましては、平成十九年の国家公務員法の改正に併せまして地方公務員法の改正案も国会に提出をいたしましたけれども、継続審議となりまして、平成二十一年の衆議院の解散に伴いまして審議未了、廃案ということになったわけでございます。その後、平成二十四年にも改正案を提出いたしましたけれども、同じく衆議院解散に伴い廃案となったものでございまして、今回改めて国会に提出をさせていただいているということでございます。
 次に、国の人事評価の現状を踏まえてこれをどう生かすかというお尋ねでございます。
 国の人事評価制度におきましては、人事評価は、他の職員との比較ではなく、職員一人一人の職務遂行能力や勤務実績をできる限り客観的に把握して適切に評価をすると、そういう仕組みとする必要があるという観点から絶対評価によって行うということとされております。したがいまして、適当な分布というものが決まっているというわけではありませんけれども、運用状況の検証、改善を図るために開催をされました人事評価に関する検討会、この報告書におきまして、現在の絶対評価を前提に評語区分の趣旨の明確化等の提言がなされておりまして、今後、必要な改善措置を講じていくということとされております。
 地方における制度運用に当たりましても、国の検証結果や改善措置が参考になると考えておりまして、総務省といたしましても、地方公共団体が人事評価制度を円滑に導入、実施できますように必要な情報提供や助言などを行ってまいりたいと、このように考えております。
#8
○堂故茂君 分かりました。
 続きまして、国として地方公共団体に導入を義務付けるに当たり、それぞれの地方公共団体における人事評価制度の制度設計や運用に係る裁量を確保することによって、志の高い首長のリーダーシップが発揮できる仕組みでなければならないと思います。と同時に、ここに首長経験者何人もそろっているんですけれども、国会へ出てきてから、国会議員の皆さんから、最近の首長は変な人が多いという厳しい評価もいただいております。私らのせいではないと思いますけれども、首長の恣意的な人事を抑制する制度でもなければならないと思うわけであります。
 つまり、自主性を尊重しつつも客観性の確保が求められると思いますが、これをどう担保していくのか、伺いたいと思います。
#9
○副大臣(関口昌一君) 今回の改正法案においては、人事評価の具体的な基準や方法などは各任命権者が定めるということにしておりまして、地方公共団体においては、当該団体の実情に沿って評価項目の設定など人事評価の仕組みを整備することが適切であると考えておりまして、地方の自主性もしっかり尊重させていただいております。
 また、国の人事評価制度においては、人事評価の客観性を担保するために、評価者、調整者、実施権者による重層的な評価の仕組みを取るとともに、評価者訓練の実施や評価基準等の公表、評価結果の開示、苦情処理体制の整備などの取組が行われているところでありまして、地方公共団体においても、このような取組を参考にしていただきながら、法の趣旨にのっとり、人事評価の客観性を担保するための措置が講じられるように、総務省としても適切に指導してまいりたいと思います。しっかりとした御意見を反映させていただきたいと思います。
#10
○堂故茂君 よろしくお願いします。
 二点ほど別の角度からちょっとお聞きしたいと思いますが、自治体の仕事では企業誘致といった地域振興施策などの仕事があるわけですが、中長期的な視点で業務をこのように行っている部署も少なくありません。業績評価として半年ごとに評価され結果を求められるということになると、職員も短期的に結果が出るものを重視していくと、こういうことになってしまうのではないかというおそれもあります。
 本来のそれぞれの自治体の目標、目的に向かって仕事に支障が出るのではないかと、そんな心配もするわけでありますが、お考えを伺いたいと思います。
#11
○政府参考人(三輪和夫君) 国家公務員の人事評価におきましては、最終的な事業の完成までに複数年を要するような業務など短期で成果が出ない業務につきましても、中長期的な成果や目的というものを意識した評価期間における到達目標を中間段階における目標と、こういう形で設定をするということにいたしております。例えば、来年度に何々事業の見直しができるように何月末までに現行何々事業の評価資料を作成をし課題を洗い出すと、このようにいたしまして、現行事業の評価及び課題抽出を中間目標として設定すると、このようにされているところでございます。
 また、総務省として設置をいたしました有識者等による研究会が平成十六年に出した報告書におきましては、短期的な視点のみから安易な目標を設定するのではなく、困難な目標であっても中長期的な視点から意欲的に取り組むことができるように評価システムは設計されるべきであると、こういった旨の御報告もいただいているところでございます。
 地方公共団体におきましては、こういった報告あるいは先ほど申しました国の取組、こういったものを参考に、当該団体の実情に沿った人事評価制度というものを整備をしていただくということが適切であると考えております。
 総務省といたしましても、必要な助言などを行いますとともに、国の人事評価制度に関する情報提供あるいは人事評価に係る専門家の派遣などを積極的に行いまして、人事評価制度の円滑な導入や運用が行われるように取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#12
○堂故茂君 地方自治体の仕事、中長期的な視点での仕事あるいは目立たないルーチンワークに大事な要素があると思いますので、是非配慮をいただきたいと思います。
 それから、民間企業では企業業績が良くなれば収益が増えるわけでありまして、人件費を増やすことが可能となります。貢献した評価の高い職員が増えても勤勉手当などへの反映が可能なわけでありますが、公務員の場合、評価の高い職員が増えたとしても、勤勉手当等の支給総額が決められている中では、幾ら評価が高い職員でも処遇に反映できなくなり、結果的には相対評価にならざるを得ないのではないかと思います。職員の意欲を喪失させるおそれもこういった中で出てくるのではないかと危惧いたしますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(三輪和夫君) 御指摘のように、人事評価の具体の任用や給与への反映につきましては、一定の定数あるいは分布率、こういったものがありますことから、その範囲内でより評価の高い者から適用されることになると、このように認識をいたしております。
 一方で、人事評価制度は、従来の勤務評定と比べまして客観性、透明性をより高めるものでありまして、真に能力本位の人事管理が行われるということによりまして一層の公務能率の向上を目指すというものでございます。
 総務省における有識者による研究会の報告書におきましても、公正、客観的な人事評価の実施は、評価結果を任用や給与などの処遇、人材育成などに生かすことによって職員のモチベーションを高めて組織の士気や公務能率を向上させる効果があると考えられると、こういった御指摘もいただいているところでございます。
 総務省といたしましても、御指摘のような、意欲の低下を招くことがなく人事評価制度の導入趣旨を実現できるように、その円滑な実施に向けて取組を進めてまいりたいと、このように考えております。
#14
○堂故茂君 最後の質問、大臣にさせていただきたいと思いますが、首長を経験させていただいて課題に直面したときに、特に、職員があと一〇%ぐらい力を発揮してくれたらなと、もう一頑張りしてくれたらなと、もう一歩踏み込んで仕事をしてくれたらいろんなことがうまくいくし目標達成できるのになと、そんなことも思ったことが度々ありました。
 地方公務員のモチベーションが上がり、全体の奉仕者として職務に全力で取り組んでいただくことができるような、今回、人事評価制度にしてもらいたいなと、工夫してもらいたいなと。もちろん、この法案は出ているわけですが、運用の面でしてもらいたいなと思うわけでありますが、大臣の所見をお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#15
○国務大臣(新藤義孝君) 公務員が何をもって達成感を感じるか。それは、やはり高い志とそれから愛郷心、こういう下で精いっぱいに仕事をする、その仕事に対して地域住民の方々から喜んでもらう、これが何よりも公務員にとっての張りになるというふうに思うのであります。
 ですから、そういう良い仕事をした方を客観的に能力や成果、こういったものを評価をする、それによってそれが人事に反映される、こういう制度にしていくべきであって、今回のものは、能力主義、実績重視の、そういったものをよりきちんと把握できるようにしようと、その中から適切な人事が行われるという期待を持って制度化されたわけであります。
 この有識者による研究会の報告書によりましても、そういった処遇や人材育成がしっかりできていることが職員のモチベーションや士気の向上につながると、これは当たり前のことだと思いますけれども、そういう御指摘もいただいております。
 我々とすれば、何よりも良い仕事をして、それが地域の皆さんに喜んでもらえる、それをまた上司が評価できると、特に有能な市長の下でそういう市全体がそんなような雰囲気が盛り上がっていくこと、これが一番大事なことではないかなと、そうした中でこの制度を適切に運用していただきたいと、このように私は願っております。
#16
○堂故茂君 地方自治体においていい人事が行われることを期待して、質問を終わらせていただきます。
 以上です。
#17
○江崎孝君 済みません、私、この法案の質問に入る前に、前回の交付税法のときにどうしても最後質問できなかった部分がございまして、そのことが気掛かりになっておりましたので、この機会にちょっと質問をさせていただいて、総務省、大臣の所見をお伺いをしたいと思いますが。
 まずは、別枠加算の問題です。
 御承知のとおり、別枠加算は、毎年巨額の財源不足が発生をし、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の確保が重要となる中で、法定率の引上げで対応できないため講じられてきた措置と理解をしています。地方の財源不足については国と地方の折半ルールに基づいた対応がなされておりますけれども、別枠加算によって折半対象財源不足が減るために、臨時財政対策債を減少させるという効果があります。
 交付税財源の質という点では非常に重要な意義を持っているものと理解しておりますけれども、この理解でよろしいでしょうか。
#18
○政府参考人(佐藤文俊君) 御指摘のとおりだと思います。
 地方交付税の別枠加算ですが、これは、歳出総額が一定だとしました場合には、折半対象財源不足を減少させる効果があります。したがって、別枠加算をした額の二分の一が赤字地方債、臨時財政対策債が減るということであり、二分の一が交付税の臨時財政対策加算が減るということになります。
 これは、逆の方から見ますと、例えば別枠加算を一千億円減らしたらどうなるんだということになりますと、折半対象財源不足が一千億円増加いたしますから、地方交付税を五百億円増やし、臨時財政対策債を五百億円増やさなければならないということになります。
 これを全体として見ますと、交付税が五百億円減って臨時財政対策債が五百億円増えるという結果になりますから、この別枠加算の意味は一般財源の質を高めるということだろうと思います。
#19
○江崎孝君 今おっしゃったとおり、地方にとっては非常に重要な財源になっているわけですけれども、平成二十六年度の別枠加算額、財源は、二十六年度の地方財政計画では六千百億円、前年度の九千九百億円から約三千八百億円減少されたと説明されていますが、間違いございませんか。
#20
○政府参考人(佐藤文俊君) 二十五年度九千九百億円ありました別枠加算は、リーマン・ショック後の景気低迷によって税収が大きく減少したということがありまして、その状態がなお続いているということから、これまで継続されてきたものでございます。二十六年度においても、収支を見積もりましたときに、地方税収はそれなりに回復するだろうという見通しでありましたが、まだリーマン・ショック以前の水準にまでは戻らないということであって、引き続き大きな財源不足が生ずるということが見込まれました。
 したがって、別枠加算の扱いについては、これは国の財政当局との間で随分議論をいたしましたが、リーマン・ショックによって大幅に落ち込んだ地方税収の回復の程度を勘案して、一部を縮減した上で必要な額、六千百億円を確保するということにしたところでございます。
#21
○江崎孝君 今おっしゃったとおり、九千九百億円から六千百億円になったということですけれども、お手元に平成二十三年度の地方財政計画の概要を資料としてお付けしていると思いますけれども、ちょっと少し複雑な話になって大変申し訳ないんですが、平成二十三年度の地方財政計画の概要によると、二つ目の地方交付税の増額の確保を見ていただきたいと思うんですが、ここでは別枠加算は一兆二千六百五十億円となっているんですね。その内訳が下の方に付けてありまして、まずは、地方の財源不足の状況等を踏まえた別枠加算の仕組みは税制抜本改革時までの継続ということで一兆五百億円、その下、地域活性化・雇用等対策費の上乗せ分に対応した別枠加算二千百五十億円、一兆五百億円と二千百五十億円を足して一兆二千六百五十億円に実はなっています。
 この二千百五十億円は法人税減税の影響分もあるということで、三年間同額で継続をするというふうになっていました。
 ところが、次のページを、済みません、資料をもう一つ付けています。「平成二十五年度の地方財政の見通し・その他留意事項について」という、そこから抜粋をしています。つまり、今局長が説明になった別枠財源というのは、その資料の真ん中ほど、(イ)地方の財源不足の状況を踏まえた別枠の加算の交付税特別会計への繰入れ、これは九千九百億円なんですね。これは間違いないと思います。これは九千九百億円の話なんですが、平成二十三年度の地方財政計画では一兆二千六百五十億円になった分の二千百五十億円、これが実はどこに紛れ込んでいるかというと、(ア)の八千二百三十一億円。これは、平成二十四年度以前の地方財政対策等に基づき地方交付税法の定めるところにより平成二十五年度に加算することとされている既往法定分というところなんですけれども、これが八千二百三十一億円ありまして、その内訳がその下に書いてあります。@国の一般会計からの既往法定分等の加算額八千二百三十一億円の内訳は云々として、地域活性化・雇用等対策費の上乗せ分に対応した加算額、つまり二千百五十億円。
 平成二十三年度では地域活性化・雇用等対策費の上乗せ分に対応した別枠加算二千百五十億円がプラスされて一兆二千六百五十億円とされているんですけれども、これと同じように、平成二十五年度も実は九千九百億円プラス二千百五十億円が実は本当の別枠財源であったはずなんですね。そうすると、九千九百億円から六千百億円ではなくて、一兆二千五十億円であるとすると、恐らく別枠加算は平成二十五年度からすると半減したことになるんですよ。それでよろしいですか。
#22
○政府参考人(佐藤文俊君) 二十三年度に地域活性化・雇用対策費等に、今お話のありましたように、歳出の特別枠の上乗せということで二千百五十億円を乗せました。この地域活性化・雇用等対策費を増やしたわけでございまして、このときにこの二千百五十億円をその財源として交付税で加算したということです。
 これは、お配りになった資料にもありますように、初めから二十三年度から二十五年度までの三年間の期間の措置ということで決めたものでございました。これは、三年間となぜしたかといいますと、二十三年度の税制改正で法人関係税の実効税率の引下げがありまして、国税である法人税が引き下げられました。これが引き下げられますと、地方交付税の法定率分が減少いたします。したがって、そういうことも考えながら、その影響を緩和しようという趣旨で、三年間に限って臨時的にこの二千百五十億円を加算するということにされたものです。
 したがって、こうした経緯を踏まえて、二十六年度、一応検討いたしました。そうしますと、法人税を原資とする交付税の額については、これは法人税の交付税分ということですけれども、二十六年度は三・四兆円になり、法人税率引下げ前の二十二年度は二・〇兆円ということですから、これを大きく上回って回復しているということでありました。したがって、当初の定めどおり、三年間、二十五年度までで廃止するという判断をしたものでございます。
 一方、九千九百億円の方ですけれども、これは、先ほども申しましたように、リーマン・ショック後の景気低迷を受けて税収が大きく減少したということ、それが続いているという状況にありましたことからこれまで講じられてきたものであって、これは毎年度地方税収の状況を踏まえて検討するということになっておりました。
 したがって、この二つは同じく別枠の加算ということでいいと思いますけれども、その趣旨や経緯が違っているものですから、我々とすれば、それぞれ別に検討してきたということでございます。
#23
○江崎孝君 お手元に財政審の資料があると思うんですけれども、リーマン・ショック後の地方財政計画の地方交付税、財務省は、別枠財源の、ちょっと見にくいんですけど真ん中ほどに丸く括弧しているんですけれども、別枠加算等ってこれ一兆二千億円、九千九百億円プラス二千百五十億円がつまり別枠加算ですよということを明確に財務省は言っているわけですね。
 ところが、なぜ総務省の資料になると別枠加算額が九千九百億円になっちゃうんですか。平成二十三年度につくった制度でありますから、平成二十三年度の地方財政計画の概要では一兆五百億円プラス二千百五十億円で、明確に別枠加算は先ほど説明したとおり一兆二千六百五十億円と書いているのに、なぜ平成二十五年度は九千九百億円としたんですか。これは明確に地方に対する、何というかな、異様な操作にしか私は見えないんですね。
 一兆二千億円だったら、六千百億円に減らすということは、先ほど言った極めて重要な質である、地方財政計画の中では、別枠加算を半額に減らされているということなんですよ。そうすると、臨時財政対策債を増やさなきゃいけないんですよ。つまり、地方の借金増えるということなんですよ。何でこういう操作をするんですか。これ質問通告していませんけれども、もう一度答弁してください。
#24
○政府参考人(佐藤文俊君) お配りになった資料の二枚目に、これは我々の事務連絡ですから、二十五年度の地方財政の収支の見通しを解説したものであります。
 ここで、御指摘のとおり、(イ)のところは地方の財源不足の状況を踏まえた別枠の加算の交付税特別会計への繰入れ九千九百億円と、これは毎年度総務大臣と財務大臣が協議をして、その時々の経済情勢や地方税収の動向を見ながら決めていくということになっています。ところが(ア)の方は、これは二千百五十億円がこのうちに含まれておりますが、これは二十三年度に加算しましたときに三年間の措置ということで法律上これは書いてあります。
 したがって、法的な位置付けがこの二つは違うものですから、この(ア)と(イ)というふうに書き分けているというふうに御理解いただきたいと思いまして、ここに特段何か意図があるわけではございません。
#25
○江崎孝君 そうしたら、この制度をつくったときの平成二十三での地方財政計画の概要、ここには明確に一兆五百億円プラス二千百五十億円を足した額の別枠加算は一兆二千六百五十億円と書いているじゃないですか。それが平成二十四年度から書かなくなったんですね。そして、平成二十五年度は九千九百億円って、平成二十四年、二十五年度にこういうふうに書き換えているわけですよ。九千九百億円プラス二千百五十億円じゃなくて、二千百五十億は全く既往財源の中に入れ込ませて九千九百億にプラスしていないんですよ。こんなこそくなことをしていたら、地方、間違っちゃうじゃないですか。もう一回きちっと答弁してください。
#26
○政府参考人(佐藤文俊君) 二十三年度は、これは概要ということで分かりやすく説明した資料でございまして、これは我々は、私は否定していないんですが、二十三年度はこの二千百五十億円も、当時一兆五百億円だったと思いますが、これも共に別枠の加算という意味においては同じ性質を持っているというふうに思います。
 一方で、二枚目の資料を書き分けておりますのは、これは割と正確に法的な位置付けを踏まえて内訳を示しているということでございまして、既にさっきそれはお答えしたとおりでありまして、そういう趣旨で書いてあるものであって、特に何かを隠そうとか別の意図を持っているわけではございません。
#27
○江崎孝君 これ、いろいろ調べましたけれども、別枠加算で明確に一兆二千六百五十億円はこの一兆五百億円と二千百五十億円を足した分ですよときれいに概要の中で書いているのはこの二十三年度だけなんですよ。二十四年、二十五年度の概要にはそんなこと書いていない。つまり、ここまで細かく読まないと、私が出しているこの資料を読まないと分からないんですよ。だから、単純に九千九百億円から六千百億円引かれて三千八百億円の減額だ、実は半額になっているのにそういう状況になっている。これ、厳しく指摘をしておきます。こういうことをやっちゃ駄目ですよ。もっと分かりやすく説明資料を書かないと駄目だと僕は思いますが、そこで、先ほど答弁があった話なんです。
 戻りますけれども、歳出特別枠の上乗せ分の見合い分の別枠加算が三年とされたのは、二十三年度から二十五年度までの中期財政フレームに合わせただけなんですね。法人税率の引下げに伴う地方交付税法定率分の減少影響を考慮したと先ほど説明を受けました。それは今でも変わっていません、それは。法定率分の減少の影響は変わっていない。ちょっとややこしくて申し訳ないんですけれども、歳出特別枠は二十六年度も延長されていますね。平成二十五年度から二十六年度まで延長されている。その歳出特別枠に見合い分として増額された二千百五十億円だけカットされているんですよ。平成二十五年度で終わっているんです。
 法人税率の減少の影響が変わっていない状況と歳出特別枠も二十六年度まで維持されていることから考えると、二十六年度も歳出特別枠の上乗せ分の見合い分の別枠加算は、本来なら二千百五十億円も延長すべきだったんじゃないんでしょうか。その上で、平成二十六年度延長した上で来年度どうするかということを決めるべきだったんですよ、歳出特別枠というのを延長したんだったら。違いますか。
#28
○政府参考人(佐藤文俊君) 先ほども申し上げましたけれども、二千百五十億円の加算というのは、法人実効税率の引下げが法人税の減収、ひいては交付税の原資の縮小という形で地方財政に影響を及ぼしますためにこの影響を緩和しようということで設けられたものでありまして、本来ならば、例えば実質的な交付税の原資を維持するということであれば法定率の引上げというようなこともあり得たんだと思いますが、それがかなわないためにこういう形で三年間の臨時的な措置というふうにしたわけであります。
 もちろんそのときから法人税率というのは変わっていないわけですけれども、ただ、景気の回復に伴ってこれが地方財政に与える影響というところを見ますと、交付税の額は、二十六年度三・四兆円、それから二十二年度は二・〇兆円ということなので、相当程度法人税に係る交付税原資が回復してきたということから、三か年という最初から約束でありましたから、そのとおり廃止することが妥当という判断をしたものでございます。
#29
○江崎孝君 理屈はそういう理屈を立てていると思いますけれども、平成二十六年度の地方財政計画の概要では、地方交付税等の一般財源総額について、社会保障の充実分等を含め、平成二十五年度水準を相当程度上回る額を確保したとしていますし、歳出特別枠については、地域の元気創造事業への振替、これ僕は前回指摘しました。こういう事業をやっちゃいけない、二年も続けてやっちゃいけない。三千億円を含めて実質的に前年度水準を確保、交付税の別枠加算については、地方税収の状況を踏まえ、今言われたとおりですね、一部を縮小しつつ必要な額を確保したとしています。
 そこで、総額では前年度水準を確保したとしても、臨時財政対策債発行削減につながる別枠加算を大幅に縮小された地方にとっては負担増につながることは、これは間違いないわけです。その別枠加算をわざわざ削って、三千億円削ったわけですね。そして、昨年、人件費削減分でやった特例事業、政策誘導事業、地域の元気創造事業を、これを二年目継続するために、三千億円捻出するためにここから引っ張り上げていった。これは、まさに地方の固有の財源である地方交付税を国が操作をしているという批判免れないと私は考えます。これは大臣の所見を伺います。
#30
○国務大臣(新藤義孝君) まず、これ私たちの努力というものを是非感じていただきたいと思います。
 国の方は、これは別枠加算は廃止すべし、歳出特別枠もなしだと、こういう中で財務省との厳しい折衝を行ったわけであります。我々は、法律、制度に基づいて、この法人税の実効税率の引下げ分につきましては、これはこの制度に合わせてそのとおりにいたしました。そして、この別途の別枠加算につきましては、これは地方の法人税収の推移、リーマン・ショック後のその前と後の推移の状況に合わせて機械的に計算しようではないかと、こういうことで、私、財務大臣と直接これは掛け合いまして、そしてこのような額を維持したということでございます。
 それから、この元気事業につきましては、これはかねてより地方の皆さんから、行革努力やそれから地域の活性化の努力、こういったものを是非勘案した、そういった意見をたくさんいただいておりました。そういったものを踏まえて、私とすれば、これは減らすのではなくて、元気を出そうとして努力している団体に対する上乗せ分として、また、全団体でそういった事業が行われることを期待をして私どもとしてはこのような制度をやったわけでありまして、恣意的に国が何かを誘導しようとしているわけではございません。
#31
○江崎孝君 この論議をし出すとまた話をすることになるわけですけれども、それはおいておいて。
 私は、前回の地方交付税のときの最後に、やっぱりパッチワーク的になってしまっているんじゃないかと、地方財政計画含めて、こういう指摘もさせていただきました。二〇〇七年度が頑張る地方応援プログラム、二〇〇八年度が地方再生対策費、二〇〇九年度が別枠財源や歳出特別枠、そして地域の元気創造事業費、こういうもろもろのやつがいろんなことで、例えば先ほど大臣おっしゃった財務省との折衝ということでいろんな知恵を出さなきゃいけない、これ十分分かります。その結果がこういう様々なパッチワーク的な話になっているということも、これも十分承知しています。だけれども、やっぱりこういう、今私が指摘したようなことをやっぱりやらざるを得ないような状況になっていく、どんどんどんどんそういう状況になっていくとすれば、やはり本来の地方交付税の算定の大枠となる地方財政計画においても、少なくともやはり普遍的な、昔に戻る、地方税や地方譲与税、地方交付税など、地方財政の全体を俯瞰をしてやっぱりもう一度しっかり考えていかないと、やっぱり僕、財務省と対応できないと思いますよ。だからこそ、やっぱり本筋をしっかり持って来年度以降頑張っていただきたいと、このように思います。そのことをお伝えをして、次の質問に移らせていただきます。
 それでは、法案の話ですけれども、まず、この法案の提出された必要性について、提案理由説明ありましたけれども、改めてお聞きしたいと思います。
#32
○国務大臣(新藤義孝君) この人事評価制度の導入、それから退職管理の適正のための措置、これは、平成十九年の法改正によって国家公務員は既に導入されているわけであります。そして、同じ時期に地方公務員に対しましてもその措置を提案したわけでありますが、残念ながら、これまで国会の審議の中で成案を見ることができなかったわけであります。
 私どもといたしましては、地方公務員について、公務能率の一層の向上と公務に対する住民の信頼の確保、この観点から、是非、喫緊の課題として、今回この人事制度を、きちんと人事評価制度を導入したいと、こういう提案をさせていただいたわけでありまして、これによって、国家公務員と同様に、そして政府が元々より求めておりました公務員制度の評価というものが向上するのではないかと、このように考えております。
#33
○江崎孝君 今大臣おっしゃったとおり、平成十九年、二〇〇七年の国公法改正案が先に先行して、その後、地公法の改正案が解散等々で、まあこれは部長のお話もありました、そうなったんですね。ですから、まず国公法が成立をしたときの状況をいま一度振り返ってみる必要が私はあると思います。
 なぜこの能力・実績主義、人事評価制度が入ってきたかというと、二〇〇一年の十二月に公務員制度改革大綱が閣議決定されます。ちょっと古くなって申し訳ない、もう十数年前です。そこで初めてですけれども、能力等級制度を基礎とする能力・実績主義の新たな人事制度の構築というのが、これは公務員制度改革大綱の中に入ったんですね。ところが、労働基本権については全く今のままというか、その当時のままだったんです。
 ですから、これは労働団体が怒りました。連合を中心として、能力・実績主義だけ入って、労使関係というのは、ILOから指摘されるように、協約締結権も含めて剥奪されたままでいいのかと、こういう非常に問題のある公務員制度改革大綱は駄目だということで、連合がILOの結社の自由委員会に提訴するわけですね。そして、当時、一千万という署名も集めました。
 で、様々な議論をされて、この当時の二〇〇三年の七月に同じような法案を自民党出すんですね。ところがこれ、断念をせざるを得なくなった。それだけ労働団体との非常にトラブルが起きたから。だから、労働基本権の自律的労使関係という話が後から出てくるんですけれども、やはりILOから言われているようなことも含めて労使関係もきちっとパッケージでやった上で、この人事評価制度、能力・実績主義を入れなきゃいけないと、こういう議論だったんです。それで、二〇〇三年も国公法改正は断念された。二〇〇四年も断念されています。ただ、二〇〇三年の断念されたときに、御党である自民党は、能力等級制の具体化作業を進めるとともに、人事院、職員団体等の十分な意見を聞いて調整を進めなさいと言っているわけですね、政府に。つまり、それぐらいシビアな問題だったんです、この能力・実績主義を入れるということと労使関係の関係というのは。
 二〇〇四年の十二月にも次期通常国会への国公法改正案を提出を断念をしています。それぐらいに非常に問題だったのが動き出していくのは何かというと、二〇〇六年三月に公務員制度改革等に関する政府と連合の協議ということで、労働基本権を付与する公務員の範囲について検討する場の設置について合意していくわけです。
 つまり、能力・実績主義だけの問題ではなくて、片方の労使関係の問題もやっぱり同じテーブルで議論しましょうよということになって、実は、二〇〇七年の先ほど大臣がおっしゃった平成十九年法案、これが成立をしていくわけですね。それはなぜかというと、二〇〇七年の七月に公務員制度の総合的な改革に関する懇談会というのが出て、事実上動き出していきます。そして、同年の十月に、いわゆる協約締結権を新たに付与するとともに第三者機関の勧告制度を廃止するという専門調査会の報告が出るんですね。つまり、こういう流れがあって初めて国家公務員に能力・実績主義、つまり人事評価制度が二〇〇七年、平成十九年法案で成立をする、そして今七年ぐらいたっていると、こういう状況になっています。
 ここはまず押さえておいていただきたいんですが、しかし、残念ながらこの国公法改正案は通った、しかし、その後の自律的労使関係をどうするかというのはずっと置き去りにされて現在全く動いていない、まあ附則が付きましたけれども、それが国公の状態です。
 さて、そういう中で、地方にこの法案ができるということは、本当に地方にとってもシビアな話です。労使関係というのは全く今のままですから、国家公務員法改正案ができたときに連合と当時の政府で本当に大議論だった、そして三年、四年、五年掛かって国公法改正案が出てきた、それが通過をした。その背景には、自律的労使関係を何とか確立しようという政労のやっぱり考え方があったわけですね。そういうのが全部、片方は置いていかれて、この法案だけが今出てきている。
 そこで、質問なんですけれども、そういう状況を是非大臣は御理解をいただいて、自治体における人事評価制度の導入に当たり重要なことは、規模の相違はもとより、個々の職員の業績評価の根本となる自治体の政策目標についての多様性への配慮、いっぱい自治体ありますから、自治体が自主的、主体的に自らの自治体にふさわしい人事評価制度を作成することにあると私は考えます。
 その意味で、総務省に期待される役割、大臣、どういうふうにお考えになっていますか、お伺いします。
#34
○政府参考人(三輪和夫君) 人事評価制度を導入するに当たりまして、総務省どういった役割が期待をされるのかと、こういう御趣旨でございます。
 今回の改正法案におきましては、人事評価の具体的な基準や方法などはそれぞれの自治体の各任命権者において定めるということとされております。
 国家公務員の人事評価制度におきましては、評価項目、評価基準の明示、あるいは職員自らの達成状況等の申告、面談の実施、評価者訓練、こういった仕組みが取り入れられているところでありまして、地方公共団体におきましても、こういった国の仕組みを参考にして、法の趣旨にのっとってそれぞれの団体の実情を踏まえた人事評価制度というものを整備するということが適切であると考えております。
 総務省といたしましても、必要な助言などを行いますとともに、国の人事評価制度や先行団体に関する情報提供、説明会の開催、人事評価に係る専門家の派遣などを積極的に行いまして、人事評価制度の円滑な導入や運用が行われるように取り組んでまいりたいと考えておりますし、そういった役割が私どもには期待をされていると、このように認識をしております。
#35
○江崎孝君 是非、先ほど申し上げましたとおり、あえて歴史的な話をしました。これは、人事評価制度というのは私は必要だと思います。しかし一方で、極めて限定的にしか付与されていない労働基本権、ここはやっぱり双方パラレルとして、あって当たり前の話であって、その意味でいくと、職員団体というのは非常に今断腸の思いで、職員の皆さんというのはそういう思いでこの議論の経過を見守っているというふうに私は肌で感じているところであります。
 そこで、先ほども堂故委員のお話にあったとおり、国は先行してやっていましたから、五年という経験を踏まえて、先般、二月七日に検討会の報告書がまとめられました。これは今の議論の中でもうお分かりのとおりです。
 そこで、今後の自治体における人事評価制度の導入について、国家公務員の中で、まあ規模も全然違うんですので、それが全ていくかどうか分かりませんけれども、それなりの知見が得られたと思うんですね。どのような知見が得られたのか、何が大事だったのか、何がやっぱり問題だったのか、そこを整理してお聞かせいただきたいと思います。
#36
○政府参考人(三輪和夫君) 国家公務員の人事評価に関する検討会報告書におきましては、現行の人事評価制度は円滑に実施されているとする一方で、評価者間で評語区分の理解へのばらつきがある可能性、また評価結果の人材育成等への一層の活用の必要性と、こういったことが指摘されたところでありまして、今後こういった点についての必要な改善措置を講じていくということとされておるところであります。
 こういった提言あるいは国の改善措置の取組といいますのは、今回の法改正により導入される地方公務員の人事評価制度の運用についても参考になるものと、このように考えているところでございます。
#37
○江崎孝君 今、少し詳細述べられましたけれども、大臣は衆議院の私たちの党の黄川田議員からの質問に対して、同じような国の報告書からどうするかという質問に対して、必要な改善措置を講ずるというふうに述べられていますけれども、しばらく時間たっていますし、今の話からして、大臣が今日の段階で必要な改善策というのは具体的に何か指摘されることございますか。大臣。
#38
○国務大臣(新藤義孝君) この評価区分が職員の士気に関係するんではないかと。そのS、A、B、Cという段階が、どうしてもBというとネガティブなイメージが付きまとうと。Bが標準で、Bというか、そこが標準なんですけれども、呼び方がいかがであると、こういうような議論がありまして、各省間での御議論もしてもらいました。
 その上で、今後、様々な意見を今調整中でありますけれども、より評価しやすくなるように、そして評価を受けた方も受け入れやすくなるような、そういう運用改善をしようということで今作業をしておるところであります。
#39
○江崎孝君 是非、先ほど言ったように、職員の側からすると、労働基本権が返ってこない中での人事評価制度ということですから非常にセンシティブになっていると思いますから、是非その辺の指導を含めて議論していただいて、より良い状況にしていただきたいと思うんですけれども。
 さて、問題なところなんですけれども、試行期間の問題です。
 国は、三年間、試行期間が設けられたと承知をしております。私は、こういう立場になる前に再三公務員部長と話をしたことがありますけれども、自治体も少なくとも国と同じような、同等あるいはそれ以上の試行期間を設けるべきだということは私の持論として既にずっと以前から話をしておりました。その点に関して考え方をお聞きします。
#40
○国務大臣(新藤義孝君) 国家公務員の人事評価制度は、平成十九年に導入される以前、平成十八年から試行を実施したと。そして、二十一年の十月から全府省で実施をされているところであります。今般、五年目を迎えましたから、それについての運用状況を検証して改善を図っていこうと、こういう状況になっているわけであります。
 地方公共団体に対しましても、平成十七年以降に、総務省より毎年人事評価制度の導入については助言をしているわけであります。そして、私どもの国側の人事評価制度の情報提供、それから専門家の自治体派遣、そして研修機関における自治体職員の研修、そういったものを取り組んでまいりました。ですから、人事評価制度の理解と普及については、これは一定程度のものが進んだのではないかと、このように思っておりますし、地方においても既に人事評価と同様の取組を導入している自治体もございます。
 ですから、そういう着実な取組に基づいて、今回の改正案につきましては、施行日を公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日と、このようにしているところでありまして、この国、地方の積み重ねを踏まえながら必要な助言、情報提供等を総務省として行いまして、この人事評価制度の円滑な導入が、また運用ができるように取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#41
○江崎孝君 少なくとも国と同等とかという、そういう意見は取り上げてもらえなかったんですけれども、貴重なそういう時間帯になりますから、先ほど言ったような趣旨に基づいて是非地方の思いを受け取っていただいてお願いをしたい、再度申し上げておきます。
 もう一つなんですけれども、検討会の報告書において注目すべき指摘としてですが、「人事評価制度については、運用実態を適切に把握した上で、活用面への影響も視野に入れて、不断の見直しを図っていく必要がある。」という記述があります。
 人事評価制度については、これは人が人を評価するわけですから非常に難しい。先ほどおっしゃったように、Bという表現だけでもいろんな思いがあるぐらいの世界ですから、これで完璧というわけじゃありません、国家公務員の場合も。言葉を換えれば、常に欠点を有するというわけですけれども、完璧というものはないということを前提にして大臣も含めて関係者が対応すべきと考えますけれども、見解をお伺いします。
#42
○国務大臣(新藤義孝君) 国の人事評価制度においては、評価者、それから調整者、そして実施権者と、こういう重層的な評価の仕組みを取ることにしているわけであります。そして、あわせて、評価者の訓練の実施、さらには評価基準表等の公表、評価結果の開示、そして苦情処理体制と、こういういろいろの制度を整えてまいりました。
 御指摘のように、これらはやはり運用していって、まずは円滑に導入をする、そしてその運用実績を見ながら、いろんな様々な御意見が出てくると思います、こういうものを踏まえての見直しというものは必要だろうと。まずは一定期間の実績を積むことが重要でありまして、国においても導入後五年を経て、今包括的なそういった見直しをしているということであります。
 今後も適宜適切に、そういった、まずは運用の充実を求めながら、必要に応じての検討というものは当然図られていくべきだと、このように考えております。
#43
○江崎孝君 是非お願いをいたします。
 国においても、ここまでの流れの中では職員団体との協議を相当やっています。私もその立場にいましたのでよく分かりますけれども、本当にいろいろやって、試行をやって今の段階に行き着いている、そしてなおかつ問題があるという、こういう状況にあります。
 そこで、当報告書においては、人事評価は、評価する側だけではなくて評価される側も制度の趣旨、目的を理解し、相互に協力しながら適切な運用に努めるべきものであることは言うまでもないと指摘をしています。当然ではありますけれども、重要なことです。
 そこで、評価される側の代表者である職員団体に対しても適切な運用のため協力が求められる、これは国がしたように、地方においてもこれは同じような立場で考えていかなければならない、私はそう考えますけれども、大臣のお考えをお聞きします。
#44
○国務大臣(新藤義孝君) この人事評価制度の導入に当たりましては、各地方公共団体において、評価の透明性、それから客観性、そして納得性を確保するための枠組み、これを適切に構築されたいと、このように考えております。もとより、それはそれぞれの地方公共団体の任命権者が構築、実施すべきものであります。したがって、その際に、職員を始めとして十分な周知と相互の理解、こういったものを是非進めていただきたいと、このように考えております。
#45
○江崎孝君 是非そういう思いで、やっぱり国と自治体は規模も違いますし、自治体は千差万別であります。百人ぐらいから、一万人もいるところもある。本当に小さな自治体で人事評価制度が成り立つかどうかというのは、私もそういう自治体におりましたので、本当に大変な問題だろうと思います。評価する側の問題もこれはありますので、是非慎重に慎重に、くれぐれも、自律的労使関係が措置されなかったということもありますので、是非慎重にお願いしたい。
 そこで、あえて問わせていただきますけれども、等級別基準職務表の条例化という問題があります。ちょっと専門的な話で申し訳ないんですけれども、国家公務員については同じような趣旨で級別標準職務表というのがあるんですが、これは実は人事院規則なんですね。人事院規則で定められておりますので、法令ではありません。地方自治体においても、本来ならば条例ではなくて規則で定めることが適切ではないかと、私は常々そう思っております。
 なぜ規則ではなくて条例とする必要があったのか。内容に関しても、各自治体の自主性を尊重し、国から細部にわたる指導、助言は行うべきではないと考えますけれども、先ほどからの議論の経過を踏まえて、大臣のお考えをお聞きします。
#46
○国務大臣(新藤義孝君) これは、今委員が言っていただきましたように、国における級別標準職務表は人事院規則で定められております。この人事院規則は、極めて広範な所管を国家公務員法の体系において持っているわけであります。しかし、地方公務員法体系においては、事の性質によって、法律、条例、人事委員会規則等、それぞれによって規定することにしているわけでありまして、国において人事院規則で定められているものであっても地方では条例で定められているべきそういった事項がほかにもございます。また、等級別の基準職務表は、個々の職務を給料表の各等級へ分類する際の具体的な基準となるものだと、こういうことであります。
 ですから、給料表と相まって職員の給与を決定するための基本的事項であることから、総務省としては、これまでも条例で定めることが適当であるという旨は助言してまいりました。能力、実績に基づく人事管理を徹底するという今回の法改正の趣旨からも、地方公共団体は給与条例に規定することを制度化したと、こういうことであります。結果として、これによって議会審議等を通じて民主的なチェック、それから住民への説明責任、これが強化され、地方公務員給与における職務給原則は一層徹底されるのではないかと、こういう効果も期待できるというふうに思います。
 さらに、等級別基準職務表の内容に関する助言ということでありますけれども、これにつきましては、御指摘のように、地方公共団体の規模それから組織構造に応じて異なってくるのは当然のことだと思います。したがいまして、地方公共団体においては、それぞれのそういった特性を踏まえて地方公務員法の趣旨に沿った適切な等級別基準職務表を自ら整備すべきものであって、総務省としてはそういった観点から必要な助言を行っていこうと、このように考えているわけであります。
#47
○江崎孝君 条例か規則かというのはもう昔からの長い長い、この問題だけではなくて、地方自治体においては長い長い問題だったんですね。だから、ここであえて、議論するとまた長くなりますから、我々は是非規則で定めるべきだということを主張しておきます。
 最後に、最後というか、この法案に関する最後なんですけれども、先ほどから申し上げている自律的労使関係についてです。
 自律的労使関係制度については、四月八日の国家公務員法等改正案の審議の中で、稲田大臣が、基本法第十二条の自律的労使関係制度については内閣人事局で所掌する、基本法第十二条については政府全体として検討する責務があるという答弁をしておられます。
 地方公務員の自律的労使関係制度についても、引き続き総務省で政府として責任を持って検討されるということでよろしいでしょうか、このことだけお聞きします。
#48
○国務大臣(新藤義孝君) 地方公務員の労働基本権につきましては、国家公務員制度改革基本法の附則の第二条において、国家公務員の労使関係制度に係る措置に併せて、これと整合性を持って検討するということにされているわけであります。
 国家公務員の自律的労使関係につきましては今お触れいただきましたけれども、担当の稲田大臣からも、これまでの経緯を踏まえ、多岐にわたる課題がありますと、いまだ国民の理解が得られるような段階にはない、引き続き慎重に検討する必要があると、こういうことを担当大臣が答弁をされております。
 私どもとすれば、地方公務員の労働基本権の在り方については、国家公務員制度を担当する部局とも協力しながら、そして様々な意見に耳を傾けながら対応してまいりたいと、このように考えております。
#49
○江崎孝君 ありがとうございます。
 これは質問じゃないんですけれども、あえて、この場に立たせていただいたので、自律的労使関係と、もう一つ大きな問題であった消防職員の団結権について考え方だけ申し上げておきます。
 地方公務員の労働基本権に関しては、その重要な課題である消防職員の団結権の付与について、四月十日の内閣委員会において、伊藤総務大臣政務官は、消防職員を含め、地方公務員の労働基本権の在り方につきましては、国家公務員制度改革の動向を踏まえながら慎重に検討していく必要があると答弁されています。是非、国際的な視点、観点と、何より当事者である消防職員の考えなど、広い視野で、かつ真摯な検討をしていただきたい、このように思います。
 そこで、内閣委員会の議論なんですけれども、非常に、何でこんな意見が出てくるか。団結権を与えると、職員間の考え方の相違による不和が生じる、上司と部下の対抗関係をもたらし、良好な服務規律の維持が困難になる、指揮命令系統や職場のチームワークにゆがみをもたらす、住民の消防に対する信頼に支障が生じる、消防団を始めとする関連機関との協働関係に支障が生じるといった、団結権を付与するともうこんな悪いことばっかりだと、こういう意見が出されております。
 仮に、消防職員に団結権を与えたとしても、このような事態が生じるということは実際あってはならないと思うんですね。しかし、どうでしょうか。これらは全て消防職員の職務、業務の問題なんですね、今言った意見は。組合を結成する団結権が来るということと全く異質な問題であるんですね。そのことを混同されているということ、これを改めて指摘をしておきます。
 住民の生命と財産を守るため、まさに命懸けで職務に従事している消防職員に他の職員とは異なる規律が必要なこと、消防職員が自らの命を守るためにもこれは必要なことだと考えます。他方、消防職員を含む公務員が憲法二十八条から規定する労働者であることは、これは確立された概念でありますから、そのことは、概念であるということは明らかになっているわけです。
 なお、先ほど申し上げた、反対意見が寄せられた総務省の消防職員の団結権のあり方に関する検討会、これは平成二十二年の十二月に報告書をまとめています。そこでは、諸外国の状況や本土復帰前の沖縄の状況を見る限りにおいて、団結権が認められていることにより消防業務に現実に支障が生じているかどうかまでは確認することができなかったというふうに報告書で述べているんです。はっきりこういうふうに述べています。
 また、この報告書においては、諸外国の消防行政の概要及び職業的消防職員の労働基本権の状況等について、二十一か国二十二地域に対し調査を行っています。その結果、団結権が認められていないのは、ブラジル、韓国及びタイの三か国だけなんです。なお、ブラジルについては、御承知のとおり消防職員は軍人です。軍人であるために団結権が認められていない。韓国及びタイについては、日本が批准をしているILO第八十七号条約を批准しておりません。つまり、日本以外の三か国については、いずれも団結権が認められないという当然の理由があるということであります。
 改めて、私は、消防職員の団結権を否認している現行制度は、先ほど言ったILOの第八十七号条約、結社の自由を否定した組合権の重大な侵害であり、まさに人権問題であると考えており、そして、ILOにおいても最も関心の高い問題であるということを改めてここで主張しておきます。その意味で、国際的な観点と、何より当事者である消防職員の考え方など、広い視野で、かつ真摯的な検討を求めておきます。これは質問いたしません。
 続いて、時間を利用して、自治体の非正規職員の問題について触れさせていただきます。
 まず、地方公務員の臨時・非常勤職員の問題については、自治体の公務運営という観点からたださせていただきたいんですけれども、まずは地方公務員法の目的について、組織法として人事機関に関するもの、地方公務員の人事行政に関するものという、直接の目的として大きな二つの根本基準があると私は認識をしております。そして、もって地方自治の本旨の実現に資すること、こういうことが目的だろうと思うんですけれども、つまり地方公務員である職員が職務に従事することによって成立する地方自治体の運営に関する法律という性格を有するものと考えているところです。
 そこで質問ですけれども、地方自治体が主体的、自律的に決定する権限を持ち、これは団体事務ですね、意思決定及びその遂行が住民によって行われる、これは住民自治、地方自治の本旨の実現に地方公務員法が果たしている役割をどのように認識されているのか、地方自治体の運営という観点から総務大臣の見解をお伺いします。
#50
○国務大臣(新藤義孝君) この地方公務員法は、地方公共団体の人事行政に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営を保障することによって地方自治の本旨の実現に資することを目的とすると、このように書いてあります。それは、いわゆる住民の声によく耳を傾ける、これは住民自治ですね、そしてそれを地方自治体が自律的に決定をしていく、それが結果的に自律とそして自治を維持するための地方自治につながっていくということであります。
 その大本で、この地方自治を運営していく担い手となる地方公務員がその期待される役割を果たされるように、例えば任用であるとか評価であるとかそして勤務条件等、そういったものを、安定的に仕事がしていけるような、それを定めたものがこの公務員法ではないかと、このように考えております。
#51
○江崎孝君 今おっしゃったとおり、地方自治体の運営という観点から、従事する地方公務員についての共通性、あるいは事に応じた統一性を確保するために基本的な事項を定めているのが地方公務員法なんです。
 そこで問題なんですけれども、自治体における公務運営について、常勤中心主義という概念が存在するものと私は思っております。実際そうなっているわけですけれども、この常勤中心主義というのは一体どういうものなのか、大臣の見解をお伺いします。
#52
○国務大臣(新藤義孝君) 地方公共団体の運営においては、公務の中立性の確保や職員の長期育成を基礎といたします。また、職員が職務に安んじて精励することを通じ、能率性を追求し、質を担保すると、こういう観点があると思います。したがって、任期の定めのない常勤職員が中心となることを原則にしているわけであります。
 一方で、近年、地方公共団体の現場においては、多様な行政サービスへの対応の必要性、それから、働く側からも様々な働き方へのニーズが高まっていること、そういったことも受けて、任期付職員制度の拡充を整備するなど、国としても制度的受皿の用意に努めているというところはあります。
 地方公共団体において、より良い行政運営のために、任期の定めのない常勤職員を中心とした公務運営を原則としつつ、任用・勤務形態の多様化に向けた様々な工夫が重ねられているのではないかと私は理解をしております。
#53
○江崎孝君 そうですね、常勤中心主義なんですけれども、今おっしゃったとおり、それにいろいろ組み合わさっていますけれども、常勤中心主義。
 常勤中心主義とは、公務において必要とされる官職、職務ですけれども、これを前提として、これに任用した者を公務員とする概念の下、国民主権の観点から、定員規制の下に置かれています。さらに、政治からの中立、営利従事の制限、身分保障という措置の下で、例外を除き恒常的に置く必要がある官職に充てるべき常勤の職員を任期を定めて任用してはならない、こういうふうにしています。
 そこで、お手元に資料は付けていますけれども、裁判の条文なんですが、判決文なんですけれども、昭和三十八年の四月二日に、最高裁の第三小法廷判決において、これは小学校の期限付任用が違法とされた事例なんです。恐らく、期限付任用に関する考え方については、この最高裁の判決がこれまでも引き継がれております。
 そこに書いていますとおり、下線引いています。地方公務員法の下において職員の期限付任用が許されるかどうかについては、問題なのは、法律に別段の規定がないというところを押さえた上で、職員の任用を無期限とするもの、下線の部分を抜粋して言いますと、職員の任用を無期限のものとするのが法の建前でありますけれども、しかし、職員の期限付任用も、それを必要とする特段の事由が存し、かつ、それが職員の身分を保障し、職員をして安んじて自己の職務に専念させる趣旨に反しない場合において許されるものと解するのが相当であると。これは、そこを読むとそう書いてあるんです。つまり限定的なんです。だけど、置いてもいいけど、職員の身分も保障し、職員をして安んじて自己の職務に専念させること、これが最高裁、これまでの判例の到達点なんです。
 そこで問題となるんですけれども、今日の地方自治体における臨時・非常勤職員の実態が、必要とする特段の事由にすべからく該当し、かつ、安んじて職務に専念できているのかどうか、これが問題になってくるわけです。これを検証するには、これは、総務省が出した資料があります。非常に重要な資料。平成二十四年四月一日に調査したもので、地方公務員の臨時・非常勤職員の実態を調査したものですが、まず調査結果の概要について報告お願いします。短くお願いします。
#54
○政府参考人(三輪和夫君) この調査は、都道府県、政令市、市町村等を対象にいたしまして、任用期間が六か月以上あるいは六か月以上となることが明らかであり、かつ一週間当たりの勤務時間が十九時間二十五分以上の職員という者について実施をしたものでございます。
 概要でございますけれども、まず臨時・非常勤職員の総数、これが約六十万人、前回調査の平成二十年四月一日時点と比較して二一・三%の増となっているということ。あるいは、主な職種別の職員数でありますけれども、一般事務職員が約十五万人、保育士等が約十万人、教員・講師が約八万人等となっております。また、任用根拠別の職員数として、特別職非常勤職員が約二十三万人、一般職の非常勤職員が約十三万人、臨時的任用職員が約二十四万人等々となっております。
 以上、概要でございます。
#55
○江崎孝君 今お話ししたとおり、六十万人なんですね。恐らく、これ実態をもっと細かく調査するともっと増えていると思います。
 六十万人が臨時・非常勤職員として任用されているという驚くべき実態があることが今明らかになったわけですけれども、更にこの調査は進めていまして、任用根拠別に臨時・非常勤職員を活用する理由について、自治体に対して十三の項目からの選択を求めています。これについてあえて質問をさせていただきます。具体的にどのようなものであったのかを明らかにしていただきたいと思います。
#56
○政府参考人(三輪和夫君) 任用根拠別の職務内容の区分の基本的考え方でございます。
 集計いたしまして、例えば都道府県の場合でございますけれども、特別職の非常勤職員は特定の経験、知識等を必要とする業務、あるいは一般職の非常勤職員は補助的、定型的な業務、臨時的任用職員は補助的、定型的な業務あるいは常勤職員が従事する業務と同種の本格的な業務、そういった回答がそれぞれ最も多いという状況でございまして、このことは政令市や市町村におきましてもおおむね同様の傾向が見て取れるというところでございます。
#57
○江崎孝君 今私が質問した任用根拠別の臨時・非常勤職員を活用する理由、先ほどは県の枠組みを引用されましたけれども、私、今資料を付けていますのは市町村です。市町村の十三項目を今付けておりますが、問題なのは先ほど説明をいたしました特段の事由があるかどうかという。
 そこで問題なんですけれども、見ていただきますとおり、人件費を削減をするため、これがオレンジですね、それぞれ三の三の三、十七、二十二とあります。細かくお聞きするのはまた次回に譲りますけれども、それぞれの任用根拠の中で実に十二番、人件費を削減するために臨時・非常勤を雇用しているんだということが非常に多い。あわせて、地方公務員法上の規制が除外されており弾力的な運用が可能であるため、あるいは人材が不足しており、右側の方を読んでいます、十番目、Iは、人材が不足しており常勤職員としての採用が困難である、あるいは職員の新たな配置が必要であるが常勤職員の定数枠が足りないという、こういう非常に問題の多い任用の理由として挙げています。
 今言った理由というのが、先ほど私が説明をした、最高裁の判例で言う、特段の事由が存し、かつ、それが職員の身分を保障し、職員をして安んじて自己の職務に専念させる趣旨に反しない場合において許されるものと解するのが相当であるという司法判断に照らして、私は極めて重要な問題が今既にずっと広がってきている、このように思います。
 そこで、最後にもう一つ質問をしますと、ちょっと飛ばさせていただきますけれども、これで本当はもう質問してお願いしようと思ったんですが、もう一つ市町村の資料を付けさせていただいていますけれども、これは、特別職の非常勤職員あるいは一般職の非常勤職員、臨時的任用職員というこの三つについてそれぞれの任用根拠を示したわけでありますけれども、これを回答していただく予定でしたけれども、時間がありませんので、あえて見ていただきたいと思います。
 最後になりますが、調査結果が示しているものは、職員の任用を無期限のものとするのが法の建前、つまり常勤中心主義の原則に対して現実の職員の配置実態との関係において重大な課題が存することを提起していると思います。この二つの資料だけからも分かりますし、最高裁の判例からも、いかに今自治体で矛盾した雇用が行われているか。そして問題は、裁判所が判示したように、地方公務員法の下において職員の期限付任用が許されるかどうかについては法律に別段の規定はない、ここが問題なんです。
 この法の建前としての、職員の任用の無期限のものとする、特別の規定がないから建前となっているという判断を招き、さらに、任用において常勤中心主義であるがゆえに、地方公務員全体の処遇が常勤中心というより常勤限定主義となっているのではないか。これらの問題に対する、ここまで今すさまじい状況になっているということ、自治体に対する、非常勤に対する手当の支給云々というよりも、こういう状態をそのまま放置しているということ、これに対して立法府としての国会の我々の責任は極めて重大だろうというふうに思います。
 今回は、済みません、質問をせずに、この問題を提起をして、また議論は次に譲りたいと思います。是非御検討をお願いします。
 以上です。
#58
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 地方公務員法の質疑を行う前に、国家公務員、ちょっとこれについて最初に質問させていただきます。
 平成二十五年十月に実施五年目を迎えました国家公務員の人事評価、これにつきましては、本年二月七日に人事評価に関する検討会報告書が公表されて、今後の対応の方向性が提言されております。
 この提言を踏まえまして、政府としては、人事管理の基礎としての観点からは、評語区分の趣旨、ちょっと言葉の説明もしていただきたいんですが、それと、レベル感の徹底についてどう取り組むのか、人事・恩給局長にお願いいたします。
#59
○政府参考人(笹島誉行君) お答え申し上げます。
 ただいまお話がありましたように、本年二月七日に人事評価に関する検討会の報告書が公表されたところでございます。この検討会報告書におきましては、現行の人事評価制度は円滑に実施されているとする一方で、評価者間で評語区分の理解へのばらつきがある可能性や、評価結果の人材育成等への一層の活用の必要性などが指摘されたところでございます。
 このため、この検討会からは、任用、給与等の人事管理の基礎としての機能をより一層果たすため、評語区分の趣旨の明確化及びその徹底、人材育成等に活用するための評価者訓練の充実等の御提言をいただいたところでございます。
 総務省といたしましては、この提言を踏まえまして、評語区分の趣旨の明確化及び徹底のため、人事評価マニュアルを改正し、評語のレベル感を端的に示す表現を新たに追加し、また、上位評価であるS及びA評価、下位評価であるC及びD評価とした場合には、その理由を所見欄に明記するようにするとともに、人事評価結果の人材育成等への一層の活用のため、コーチングの技法なども含めまして、面談での対応の仕方など被評価者への指導に役立つ評価者訓練を新たに実施するなど、今後必要な改善措置を講じまして、引き続き国家公務員の人事評価の適切な運用を図ってまいりたいと考えているところでございます。
#60
○若松謙維君 人事評価は非常に難しいんですよね、現実には。これは民間も公務員も同じだと思います。
 そういう中で、先ほどの評語区分ですか、いわゆる五段階評価ですね、そういうことですよね、それの徹底ということと、それぞれの区分のやっぱり評価する側の理解、またされる側の理解というのを徹底するというお話だと思いますが。
 ちょっとコーチングのお話も今いただきましたので、是非コーチングという、私も、御存じのように、こちらにいらっしゃる先生方皆さん、秘書さんを抱えていらっしゃる、公設、私設合わせて。なかなか本当にお互いの能力を生かす、はっきり言ってそれぞれの事務所でいろいろと課題があろうかと思います。
 そういう中で、このコーチングという制度、いわゆるコーチというのは、目指す、指導者という言い方していますけれども、引き出すというんですかね、これは非常に民間ではいろんな成功事例、特にキリンビールがこの制度を導入して、五百人ぐらいですか、このコーチングを導入して、そしてかなりレベルアップして、あのずっと一位だったスーパードライを抜いたと、こんなこともありました。
 これ、具体的にコーチングってどの程度公務員の世界で行われているか、答えられますか。
#61
○政府参考人(笹島誉行君) 人事評価制度の運用に当たりましては、単に上司が部下を一方的に評価するのではなくて、やはりコミュニケーションの中で目的を共有したり指導していくということが重要なんだろうと思います。そういった観点から申し上げますと、ただいま御指摘のようなコーチングの技法というのは重要な技法だろうと思いますけれども、まだまだ十分でない点があろうかと思います。
 そういった観点から、相手の話をよく聞くとか、いろいろ質問の仕方を工夫して相手の考えを引き出していくとか、こういった技法も評価者と被評価者の面談の中でこれから取り入れていくよう努力してまいりたいというふうに考えております。
#62
○若松謙維君 例えばマイクロソフトのビル・ゲイツとか、皆さん、世界の名立たる経営者もこのコーチングというのがいらっしゃると聞いておりますので、是非これ積極的に行政の世界でも活用していただきたいと思っております。
 次の質問に移りますが、今回のこの法律改正に先立ちまして、国と同様の人事評価制度を導入している、いわゆる先進自治体というんでしょうか、地方自治体ですね、都道府県が今八割、政令市が九割強、全自治体としては三割強となっているというふうに理解していますが、特にこの先進的な取組を行っている地方自治体の運用の実績と課題についてまずお尋ねいたします。
 あわせて、小規模自治体では、評価する側とされる側の顔が見えてしまう、いわゆる数十人、百人単位が庁舎内で毎日顔を合わせているわけですから、もう分かってしまうと。そういう中で、特に小規模自治体が円滑に人事評価制度を導入するためにいろいろと工夫が必要だと思うんですけれども、その二点についてお伺いいたします。
#63
○国務大臣(新藤義孝君) 現行の勤務評定制度の運用については、国と同様に能力評価と目標管理型の業績評価を行っている団体、そういったところが今御指摘のようにあるわけであります。そういった団体においては、この導入が管理職層への一部にとどまっている、それから任用や給与への反映が不十分であるという課題があるという意見がございます。また、評価者の評価能力が十分とは言えない場合もあるなどという指摘が出ているというふうにも聞いております。
 今回の法改正によりまして人事評価制度が法律に基づくものとして制度化をされるとするならば、これは、小規模な市町村も含めて適切な人事評価制度が整備、活用されるように、国の人事評価制度に関する情報提供、そして必要な助言を更に丁寧に行っていきたいと、このように思うわけであります。
 具体的には、各地域での説明会、人事評価に係る専門家を派遣する、また研修機関での研修内容の充実、こういったものを考えておりますし、折々の地方への会議においてこういった説明をさせていただいております。人事評価制度の円滑な導入や運用が実効性を上げていくように我々も取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#64
○若松謙維君 この人事評価制度ですけれども、これは局長でも結構ですので、具体的に、何というんですか、例えば民間手法をどう取り入れているとか、例えば御存じのアクセンチュアとかいろんなコンサルティング会社があるわけですけど、そういうやり取りというのはあるわけですか。もちろん有識者会議の皆さんその方自体が、何というんですか、専門家でありますので、そういった方々を通じていわゆる様々な民間なりのいい事例を導入しているのか、そこら辺の現場間のちょっとお話をしていただきたいんですけど。
#65
○政府参考人(三輪和夫君) 地方の先進自治体の取組における民間のいろんな知恵の導入等々のお話でございます。
 私ども、個別の団体の調査はそこまで詳細にはしておりませんけれども、例えば、私どもの専門家派遣事業ということで、人事評価制度の導入に向けて専門家を派遣をいたしまして、現場でのいろんな意見交換をしていただくというような事業も行っておりますけれども、こういう専門家の中に、そういった民間の専門的な知識をお持ちの方々、そういった方々にも入っていただいて事業をやっているというようなことはございます。
 また、当然、それぞれの地方団体の中で、いろいろ知見を集める中で、民間からのお話をお聞きになった上で導入を工夫をされているというような自治体もあろうかと、このように認識をしております。
#66
○若松謙維君 もし可能であれば、こういったところは非常に先進事例で評価制度を非常に参考にするべきだとか、そういう県なり自治体ってあったら、ちょっと二、三例紹介していただけますか。分かったらで結構ですから。
#67
○政府参考人(三輪和夫君) ちょっと今すぐ手元に具体のものございませんが、例えば、よく指摘をいただきます、小規模団体でなかなか導入が難しいということもございまして、今回私ども、この制度導入に当たりまして、そういったところとの意見交換などもさせていただいておりますけれども、本庁で五十人ぐらいしかいない非常に小さな組織というところにおきましても、非常にトップの方がそういった導入について意欲をお持ちになりまして、やはり小さな団体こそなれ合いになりがちであるので、きちんとした客観的なこういった制度を導入する必要があるという、そういう思いの下でいろいろと工夫をされまして制度を導入されておるというようなことを伺っている団体もございます。
 そういう意味で、非常にそれぞれの団体で意欲を持って独自の工夫をされているという団体は幾つも多くあると、このように認識をしております。
#68
○若松謙維君 分かりました。いろいろとありがとうございます。
 それでは、これも公務員部長でしょうかね、人事評価制度の導入後、当然、各団体が円滑かつ速やかに実行し、運用されるように政府がいろいろとフォローアップしていくと、そういう状況でありますけれども、今後どういうふうに、取りあえず二年間ということを法律的に明記しておりますが、どうフォローアップしていくのか、そこら辺ちょっと御説明いただけますか。
#69
○政府参考人(三輪和夫君) 私ども、地方公共団体に対しましては、平成十七年度以降、毎年、人事評価制度の導入について助言をしてまいりました。また、国の人事評価制度に関する情報提供、あるいはまた人事評価制度の運用に関する研究会、こういったものを開催をいたしまして、制度の導入や運用に当たりましての課題の整理、あるいはまたそういうものを踏まえた情報の提供なども行ってきたところでございます。
 また、地方公共団体における人事評価の実施状況につきましても適宜調査をしてきているところでございます。評価基準の公表でありますとか評価結果の開示、あるいは評価者訓練の実施など、そういう運用状況についての調査、あるいは昇任、昇格などの任用への活用状況、昇給、勤勉手当などの給与への反映状況、そういった取組状況、そしてまた課題の把握というものも行ってきているところでございます。
 引き続き、状況の把握あるいは課題の把握に努めますとともに、国や先進的な団体の事例などの取組の情報提供、人事評価に係る地方公共団体への専門家の派遣、あるいはまた地方公務員の研修機関の活用促進、こういったものに力を入れまして、人事評価制度の円滑な導入や運用が行われるようにしっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#70
○若松謙維君 先ほど江崎委員からもお話がございましたが、現在六十万人の方が非常勤職員ということで稼働されているということで、大変重要な戦力になっていると思います。この方々を、更にその能力を最大限に引き出すという観点から、この非常勤職員の方々に対しても、人事評価の対象として、そういう能力を引き出すというような工夫もすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#71
○政府参考人(三輪和夫君) 公務能率の向上のためには、職員一人一人のモチベーションの維持向上、そして人材の育成というものが大変重要でございます。
 今回導入いたします人事評価は、職員の能力や業績を的確に評価するということで、こういった課題に取り組もうとするものであります。このことは、臨時・非常勤職員にも当てはまるものでありまして、今回の法案におきまして、臨時・非常勤職員を人事評価の対象から除外するということとはしていないところでございます。
#72
○若松謙維君 是非検討していただきたいということを話をいたしまして、最後の質問ですけれども、いわゆる地方公務員の場合は定年まで勤める職員が多いので天下りってそんなにないと思うんですが、でも、入札企業への天下り、これは可能性としてありますので、入札に関わった企業に対しての天下りは、これはやっぱり規制すべきじゃないかと思うんですが、それはいかがでしょうか。
#73
○副大臣(関口昌一君) 若松委員の御指摘のとおりでございまして、今回の改正案においては、営利企業等に再就職をした元職員による現職員への働きかけに対する規制や罰則等を導入しております。これらの処置によって適正管理を確保して、ひいては職務の公正な執行、公務に対する住民の信頼を確保しようとするものであります。実際に入札企業等への再就職の規制している例としては、山梨県、愛知県、新潟市ではそうした要綱をして制限を行っているところであります。
 御指摘のとおり、入札企業への再就職のあっせん規制や現職職員による求職活動の規制については、各地方公共団体においてその実情に応じて適切に判断していただけるものと考えております。
#74
○若松謙維君 以上で終わります。
#75
○渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎です。
 地方公務員法、地方独立行政法人法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 申すまでもなく、公務員は行政運営の担い手であり、地方公務員、国家公務員にとって与えられた使命に違いはありません。しかし、国家公務員法に比べますと、これまで地方公務員法は人事評価や人事管理、それから天下りについての規定はなく、各自治体任せになっていました。地方公務員の天下り、有名なものでは東京メトロ、それからゆりかもめの運営会社といったものが報道されていたことを覚えています。国家公務員法については平成十九年に天下り規制が盛り込まれましたが、地方公務員については今回ようやくまともに審査をされるということになりました。
 まず、人事管理について質問いたします。
 今回の改正では、職務給原則の徹底について盛り込まれています。いわゆるわたり、役職は係長であるにもかかわらず給料は課長と同じレベルであると。地方自治体では、特に役職のポストが限られているため、今までよく見られたことであります。
 そこで質問です。現在もわたりの制度のある団体数はどのぐらいになりますでしょうか、総務省に伺います。
#76
○政府参考人(三輪和夫君) 地方公務員給与においてのわたり、いわゆるわたりでございます。
 これは、給与の決定に際しまして、級別の職務分類表、級別の標準職務表に適合しない級に格付を行うということ、あるいは、実質的にこれと同一の結果となります級別の職務分類表、級別の標準職務表又は給料表を定めること、こういったものをいわゆるわたりというふうに私ども呼びまして、そういったことにつきましての対応を従来やってきたわけでございます。
 その地方公務員給与のわたりにつきましては、平成二十一年に全国的に調査を行いまして以降、その団体数を把握しております。平成二十五年四月一日現在でわたりのある団体は、都道府県、政令指定都市では該当がございませんで、市町村では六十九団体となっているところでございます。
#77
○渡辺美知太郎君 このわたりの制度が全廃されていない理由としてどのようなものが考えられるか、今おっしゃったとおり、都道府県や政令都市ではないということでありますが、市町村において残っているのはどのような要因があるのか、総務省の見解を伺います。
#78
○政府参考人(三輪和夫君) 一部の市町村でわたりが残っているということにつきまして、例えば、解消を検討しているけれども、関係者の理解や給与制度の改正に一定の時間を要する、あるいは給与の独自カットを実施していたと、このような理由を挙げる団体があるというふうに承知をいたしております。
 いかなる理由にせよ、わたりは不適正な給与制度、運用であるものと私どもとしては考えておるところでございます。
#79
○渡辺美知太郎君 今回、このわたり対策として条文に盛り込まれましたが、今後このわたりの廃止が更に進むよう政府としてはどのような対策を取ることをお考えでしょうか、新藤総務大臣に伺います。
#80
○国務大臣(新藤義孝君) 地方公務員給与のわたりについては、「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」、地方公務員法の第二十四条第一項です。この職務給の原則に反するものというふうに私も考えております。
 総務省としては、このような不適正な給与制度、運用を速やかに見直すように助言をするとともに、わたりのある団体を毎年公表することでその是正を図ってまいりました。その数については、今局長から答えさせたところであります。
 今般の提出しておりますこの改正法案におきましては、等級別基準職務表の条例化とともに、等級ごと、職制上の段階ごとの職員数の公表制度の創設、これを予定しているわけでありまして、わたりのような不適正な給与制度、運用を是正、防止する効果も出てくるのではないかと思います。そして、議会や住民のチェックが改めて入るということであります。こういったことに加えまして、あらゆる機会を通じ必要な助言等を行い、給与の適正化には努めてまいりたいと、このように考えております。
#81
○渡辺美知太郎君 大臣から御答弁いただきました。
 次に、退職管理の適正の確保について伺います。
 今回の改正案は、OBによる働きかけの禁止は明記をされていますが、例えば、再就職のあっせん、それから現職員の求職活動規定については自治体任せとなっています。このように、国家公務員法と比べて違いがある理由をちょっと伺いたいと思います。
#82
○政府参考人(三輪和夫君) 再就職のあっせん及び現職職員による求職活動につきましては、国家公務員法のような一律の規制は行わず、それぞれの地方公共団体において、国家公務員法の中で退職管理に関する規定の趣旨及び当該地方公共団体の職員の離職後の就職の状況を勘案をして、退職管理の適正を確保するために必要と認められる措置を講ずると、このようにしているところでございます。
 これは、地方公務員は定年まで勤務する方の割合が高く、国のような早期の退職慣行というものが比較的少ないということ、また職員の再就職状況が地方公共団体ごとに異なるということから、各地方公共団体においてそれぞれの実情を踏まえて自主的に判断をしていただくと、このようにしたところでございます。
#83
○渡辺美知太郎君 自治体によって事情が違うというお話でありました。また、地方分権の観点からも確かに自治体に任せた方がいいのではないかという話は、私も一定の理解はできます。
 しかし、この公務員改革については自治体によって差があるのが現状であります。しっかりと公務員改革を行っている自治体も存在すれば、一方で、執行部となれ合いの関係、いわゆるオール与党化をしてしまって議会が機能していないと、そういった実情もあります。そのような観点からは、国が一定のハードルを設けるべきではないかという意見もあります。
 そして、今度はちょっと小さな自治体を想定いただきたいのですが、小さな自治体の場合は職員ほとんどが知り合いであります。しがらみも強く、例えばあっせんなどに関してなかなか断りづらいという意見もあります。そこで、法律でしっかり定めれば、法律を盾にして、そういった天下り、しっかりノーが言えるという意見もあります。
 このような観点から踏まえまして、天下り規定は国家公務員と同様にすべきではないのかという意見がありますが、それについて新藤総務大臣の見解を伺いたいと思います。
#84
○政府参考人(三輪和夫君) 今回の退職管理の規制につきましては、先ほど申しましたような事情から、また委員御指摘のようにそれぞれの団体の、分権といいますか、主体的な御判断と、こういうことも加味いたしまして、御提案しておりますような各自治体が判断をしていただくという、このような仕組みにしておるわけでございます。
 現行の制度の下におきましても、それぞれの団体が退職者の状況を公表する等々、そういった自主的な取組を進めていただいているところも多々ございます。また、私どもとしてもそういった対応を取るようにこれまで助言を重ねてきたところでございます。
 今回、法律の措置というものがきちっとできますれば、そういったことを踏まえて、それぞれの自治体において様々な、議会等を含めまして御議論がなされると、そういうきっかけになるものというふうに思っております。まさに法律の規定がございますように、それぞれの団体の職員の離職後の就職の状況を勘案をいたしまして、各地方公共団体が必要な措置を適切に判断をしていただくべきものでございます。そのことにつきまして住民の御理解が得られるように、そしてまた、それぞれの団体の説明責任というものが適切に果たされる必要があると、そのきっかけとしてこの地方公務員法の改正というものがしっかりと機能する、そのようになってほしいと、このように思っておるところでございます。
#85
○渡辺美知太郎君 今、きっかけとして法律を定めるというお話でしたが、政府としては、この天下りの改善を期待するに当たって、今おっしゃいましたが、条文に入れたと、法律化したので少しは議論してもらえるだろうという期待があるということでしたが、ほかに何かこれ対策とか考えていますでしょうか。単に法律を作ったからといって、私はやっぱり自治体によって差があるのではないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○政府参考人(三輪和夫君) まさに今回の法文の中で、国家公務員法の中で退職管理に関する規定の趣旨というものを勘案をしていただきたいというそのことが法文上明記をされているわけでございます。したがいまして、私どもとしては、この法案が成立をすれば、国家公務員法においてどういった取組がなされているのか、国においてどういった取組がなされているのかということについても当然周知を図ってまいりたいと思いますし、それから、従前からやってまいったことではありますけれども、それぞれが御判断をいただいて再就職の状況を公表する等々、そういった措置、先進的な団体でとられている措置、多々ございます。そういったものにつきましての紹介も含めまして、地方団体がそれぞれ、自主的御判断とはいえ、しっかりと適正な退職管理が行われるように、国の取組状況の紹介、あるいは先進的な団体の状況の御紹介等々、そういった助言を行ってまいりたいと、このように考えております。
#87
○渡辺美知太郎君 今御答弁いただきましたけど、大きな団体であればある程度それは期待ができると思います。しかし、小さな自治体に関してはなかなかやっぱり難しいのではないのかなというふうに思うんですね。先ほど若松先生もおっしゃっていました入札業者への再就職とか、そういった小さな自治体に関してもうちょっと具体的な対策はないのでしょうか、伺います。
#88
○政府参考人(三輪和夫君) 確かに、小規模な団体におきましては元々、離職後の再就職の状況というものが大きな団体に比べてさほどでもないというそういう状況にありまして、例えば都道府県、政令市ですと、定年退職をして辞めた方に対して再就職者がどれぐらいいるかというもの、この数字を見ますと、都道府県、政令市ですと大体二十数%程度、これが町村レベルになりますと大体その半分程度というような状況でございます。したがいまして、そういう状況を考えますと、比較的小さな規模の団体におきましては適正な退職管理ということに対する意識というものが大きな団体に比べますとやや薄くなりがちな、そういった懸念はあろうかというふうに思います。
 したがいまして、委員御指摘のようなことも踏まえまして、小規模団体も含めましてしっかりとした退職管理というものがその実情に応じた上でなされるように私どもとしてもしっかりと助言をしてまいりたいと、このように考えております。
#89
○渡辺美知太郎君 今御答弁いただきました。国家公務員六十四万人、地方公務員二百八十万人と、ほとんどの公務員が地方公務員であります。また、先ほど申し上げましたが、与えられた使命に差はありません。将来は、分権化が進んで、例えば道州制が導入されれば各州ごとに任せてもいいとは思いますが、やはり国が一定の今はレベルを示して、分権化に進んで法改正をすべきではないのかなと思います。
 また、今回の法改正、国家公務員法に比べ審議が遅れてしまったのは衆議院の解散が二度もあったことであります。政局によって重要な法案が犠牲にならないよう、私もしっかりと努めていきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#90
○又市征治君 社民党の又市です。質問の順番を変えていただいて、感謝申し上げます。
 まず、自律的労使関係制度の措置について伺いますが、先ほどもこの国家公務員制度改革基本法の成立の経過について江崎さんからお話がございました。その第十二条では、政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解の下、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとするという規定を受けて、附則第二条では、「政府は、地方公務員の労働基本権の在り方について、第十二条に規定する国家公務員の労使関係制度に係る措置に併せ、これと整合性をもって、検討する。」、こういうふうになっているわけですが、改めて、政府はというか、総務省としては、この間、関係部署と連携され、どのように検討されてきたのか、お伺いしたいと思います。
#91
○国務大臣(新藤義孝君) 今委員が御指摘いただきましたそういった条文に基づきまして、平成二十三年の六月には国家公務員に自律的労使関係制度を導入する法案が提出をされました。そして、地方公務員についても同様の法案が平成二十四年十一月に国会に提出されたところであります。これらの法案は衆議院の解散によって廃案になっておりますけれども、全国知事会を始めとする地方の六団体からは、まず、地方の特性や多様性が考慮されていないこと、そして、いまだ議論が尽くされていないこと等の見解が示されていたわけであります。
 国家公務員の自律的労使関係制度につきましては、担当の稲田大臣からも、これまでの経緯を踏まえれば、多岐にわたる課題があり、いまだ国民の理解が得られるような段階にはない、引き続き慎重に検討する必要があるという答弁がなされております。
 地方公務員につきましても、国家公務員制度改革の動向を踏まえて、様々な意見に耳を傾けながら、引き続き慎重に検討をしていく必要があるというふうに考えております。
#92
○又市征治君 自民党政権下、民主党政権の前のときに、先ほど申し上げたこの改革基本法ができたわけでありまして、そこの精神から見ても私は後退をしている、こういう感が拭えないな、こういうふうに思います。
 今回のこの改正案と、昨年、私どもも民主党さんと一緒に共同提案をしました地公法等の一部改正案の大きな違いというのは、やはりこの自律的労使関係制度がすっぽりとこれは抜け落ちているというところが大きな違いだろうと思います。
 私は、今回の主要な改正点である人事評価制度の導入であるとか、あるいは給与条例に等級別基準職務表を規定をし、等級別に職名ごとの職員数を公表するなどというこの規定というのは、自律的労使関係の確立と一体でなければこれは機能しない、むしろこれは逆効果をもたらす、こういうふうに私は思います。つまり、能力、実績に基づく人事管理の徹底を図ろうとすれば、公務員労働者の理解と合意を得ることなくして重要な労働条件を当局が一方的に決める、こういうおそれがあるわけでありまして、かえって有効な人事政策になり得ない、こういう面というものが危惧されるわけでありますが、この点についての認識はどうでしょうか。
#93
○国務大臣(新藤義孝君) この自律的労使関係制度の目的につきましては、かつて平成二十四年五月の地方公務員制度改革において、「今回の改革は、協約締結権を付与し、職員の勤務条件について、団体交渉を通じて自律的に勤務条件を決定し得る仕組みに変革し、時代の変化や新たな政策課題に対応し、主体的に人事・給与制度の改革に取り組むことができる仕組みとすることを目的としたものである。」と、このようになされております。
 一方で、今回の法改正は、人事評価を導入することによりまして、能力・実績主義の人事管理の徹底を図るということであります。この人事評価制度の円滑な運用のためには、それぞれの地方団体において、評価の透明性、客観性、納得性を確保するための枠組みを構築するとともに、職員への十分な周知と相互の理解を踏まえながら進めていくこと、これは重要だと、このように考えておるわけです。
#94
○又市征治君 具体的に伺いますが、人事評価制度の導入について、既にこれが導入されている国家公務員に関しても、人事院は昨年の職員の給与等に関する報告の中で、国家公務員の給与の在り方に関する懇話会では、「国家公務員の給与については、その能力・実績に応じてインセンティブを付与する仕組みとなっているが、能力・実績を過度に給与へ反映させることは、公務という職場には必ずしもなじまないことにも留意が必要である。」という意見が出されていると述べておりますし、さらに、昇給制度についても、「優秀な者の昇給の効果が標準者の二倍以上と大きく、結果としてチームで職務を遂行する環境に必ずしもなじまない面もあるのではないか」とも指摘されております。
 総務省の人事評価に関する検討会、ここで検証を行っておられるようですが、国家公務員よりも住民とより身近に接してチームとして仕事をすることがよっぽど多いこの地方公務員に、国家公務員に対してさえも今も申し上げたような問題点、こういうことが指摘されている能力・実績評価制度を機械的に私は導入するということはあってはならない。むしろこんなことが妥当だと思っているわけでもないんだろうと思うんですが、その点の認識を伺います。
#95
○政府参考人(三輪和夫君) 人事評価は、従来の勤務評定と比べまして、能力・実績主義を実現するための手段として客観性、透明性をより高めるものであると、こうした人事評価制度の導入によりまして真に能力本位の人事管理が行われて、一層の公務能率の向上が図られることとなると、そのように考えられるために地方公共団体においても導入をするというものでございます。
 改正法案におきましては、人事評価の具体的な基準や方法などは各任命権者が定めるということとしておりまして、各地方公共団体において法の趣旨にのっとった上で当該団体の実情を踏まえた人事評価制度を整備するということが適切であろうと考えておりまして、総務省といたしましても、このような観点から必要な助言などを行ってまいりたいと考えております。
#96
○又市征治君 改正案では人事評価は公正に行え、それは当たり前のことなんですが、不公正に行えなんというのはありっこないんですが、公正に行われる担保、保証がない中では、制度そのものに対するやっぱり職員の疑心であるとか不信感、こういうものが募り、人事評価制度が逆に労働意欲をそぐことになりかねない。この制度の運用に大きなやっぱり危惧が持たれると思うんですね。
 この人事評価における客観性、公平さというのはどう担保されるのか。少なくとも、やっぱり職員のしっかりとした理解と納得が不可欠ではないかと、こう思いますが、この点、どのようにお考えですか。
#97
○政府参考人(三輪和夫君) 国の人事評価制度におきましては、人事評価の客観性を担保いたしますために、評価者、調整者、実施権者による重層的な評価の仕組みを取りますとともに、評価者訓練の実施、評価基準等の公表、評価結果の開示、それから苦情処理体制の整備等々の取組が行われているところでございます。
 地方公共団体におきましても、このような国の取組を参考にしながら、法の趣旨にのっとり、人事評価の客観性を担保するための措置が講じられますように、総務省といたしましても必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
#98
○又市征治君 余り機械的な話ばっかりじゃ困るんでね。少なくとも、人事評価制度の中身そのものも重要な労働条件なわけですよ、これはね。そうすると、やはり地公法五十五条で少なくとも職員団体との交渉というのが保障されているわけだし、そういう意味では、現場できちっと職員団体とちゃんと話し合われるように、むしろそのことをしっかりと助言をしてもらうということが大事なんだろうと思います。
 昔、私は、逆に管理職を職員からみんなで逆勤評やろうやないかとやったら、まあ随分と管理職の勤評悪かったというのがありました。上からだけの目線じゃ駄目なんだ、これね、民主的にやらなきゃならぬというふうに思うんですが、まあそれは冗談ですけれども。
 次に、改正により職員の任用は受験成績あるいは人事評価その他の能力の実証に基づいて行うんでしょうけれども、これ再任用者にも適用されるのかどうか、まずこれ一つ。
 また、これとは別に、昨年三月に総務省は「地方公務員の雇用と年金の接続について」という文書を発出をされましたけれども、これは、定年退職する職員が公的年金の支給開始年齢に達するまでの間、再任用を希望すれば任用できるようにということなわけでしょうけれども、そこで、今回の地公法の改正によって再任用を希望する職員が基本的には任用されるというこの点に変化はないのかどうか、この点、二つお聞きをします。
#99
○政府参考人(三輪和夫君) 現行の再任用制度におきまして、地方公共団体は、定年退職者等を従前の勤務実績等に基づく選考により、再任用職員として採用することができるとしているわけでございます。今回の改正において導入されます人事評価制度は、再任用の際の従前の勤務実績等、この判断要素として活用されるものであると、このように認識をいたしております。
 また、今回の改正において導入される人事評価制度、今申しましたように、再任用の際の従前の勤務実績等、この判断要素として活用されるものでありますので、御指摘の平成二十五年三月に総務副大臣通知を発出をいたしました雇用と年金の接続の関係でございますけれども、この通知で述べておりますように、雇用と年金の接続を図るため、定年退職する職員が公的年金の支給開始年齢に達するまでの間、再任用を希望する職員については欠格事由又は分限免職事由に該当しない限り再任用するものとすること、こういった内容でございます。
 これを地方公共団体に要請をしたところでありますけれども、この要請の内容自体が勤務評価制度の導入によって変わるというものではないということでございます。
#100
○又市征治君 次に、今回の改正で自治体に等級別基準職務表の条例化を求めているわけですが、本来人事管理というのは各自治体、さっき自民党さんに首長経験者がたくさんおられるということでありますが、まさに各自治体の実態に基づいて、まあ規模なんかももう四十人、五十人の町役場から、それは県庁何万人というところもあるでしょう、様々あるわけで、それぞれの実態に基づいて自主的、主体的に行うものであって、条例化をしろとか、これは規則や要綱でいいとかということを一々、これは自治体の判断でやるべきものであって、一々箸の上げ下ろしまで国が指図するように見えるようなことは、私はやっぱり地方自治の観点からも問題だと、こういうふうに思いますが、このことはあくまでも条例化を求めていくんですか、どうなんですか。
#101
○副大臣(関口昌一君) 今回の法改正は、能力、実績に基づく人事管理を徹底するという観点から、個々の職務を給与表の各等級へ分類する際の具体的な基準となる等級別基準職務表を各地方公共団体が給与条例に規定することを制度化したものであります。等級別基準職務表に定められる基準職務の内容については、各地方公共団体がそれぞれの団体の規模や組織構造等を踏まえて地方公務員法の趣旨に沿って適切に整備されるものと考えております。
 このように、内容における各地方公共団体の主体性を確保しつつ、議会審議等を通じた民主的チェックや住民への説明責任を強化して、地方公務員給与における職務給原則を一層徹底させようとするものでありまして、今回の法改正が地方分権の趣旨に反するものとは考えておりません。
 総務省としては、引き続き、法改正の趣旨を踏まえて、この職務表が適切に整備されるよう必要な助言等を行ってまいりたいと思います。条例で対応してまいりたいと思います。
#102
○又市征治君 先ほどから申し上げましたように、基本的には、こうした重要な労働諸条件に当たる様々な制度の問題、人の評価の問題、こういった問題に関して言うならば、やはりそこに職員団体の関与というものも、労使交渉というものが必要だということがありますが、その点が欠けているがゆえに、余計に民主的にやる、余計に職員の理解と合意を得て行っていくという、こういう努力が必要なんだろうと思うわけでありまして、そういう意味で、今もありましたけれども、しゃくし定規に、この制度、何だろうとやれやれどんどんという話にならないように、この点については御配意いただきたいと思いますが、最後にこの点、大臣、御見解をいただきたいと思います。
#103
○国務大臣(新藤義孝君) 地方公務員法は、そもそも地方公共団体の人事行政の根本基準を確立することを目的にしているわけでありますから、細かな運用については、制度の趣旨に反しない限りにおいて、各自その団体の判断に委ねられているものであります。今回の法改正案におきましても、そういったそれぞれの公共団体の実情を踏まえた運用ができるように制度設計をさせていただいております。
 今後、この地方公共団体が法改正の趣旨にのっとって、それぞれの地域の実情に応じて適切に対応すべきものと考えておりまして、総務省としても必要な助言を、また対応をさせていただきたいと、このように考えております。
#104
○又市征治君 終わります。ありがとうございました。
#105
○委員長(山本香苗君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#106
○委員長(山本香苗君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#107
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 この法案は、地方公務員について、現行の勤務評定を廃止して、能力評価と業績評価を二本柱とする人事評価制度を地方公務員に適用するために法律を変えようというものです。しかし、私は、今法律を変えなければならない理由はないと考えます。なぜなら、現行法でも第四十条で勤務評定を定められており、総務省が全国人事課長・市町村担当課長会議に提出した資料でも、人事評価制度と勤務評定を比較して、職員の執務の状況を把握、記録するツールとしての性格は勤務評定と同様と述べているからです。実際、現行法上でも既に政府の意図している人事評価制度を導入している自治体もあります。
 総務省に伺います。現在、人事評価制度を導入している自治体の状況を述べてください。
#108
○政府参考人(三輪和夫君) 勤務評定の制度の運用といたしまして、国の人事評価制度と同様の取組、すなわち能力評価及び目標管理型の業績評価でありますけれども、これを行っております団体は、平成二十四年度では、都道府県で三十七団体、指定都市で十九団体、市区町村で五百六十三団体、全体で六百十九団体、これは全団体の三四・六%に相当いたしますが、そのような状況となっております。
#109
○吉良よし子君 全体で六百十九団体が導入しているという話であり、現行法の下でも制度導入はできるというのは明らかです。問題は、これがどのように導入されてきたかということです。
 人事評価制度が法律上導入されたのは、先ほどの議論の中でもありましたように、二〇〇七年、平成十九年の国家公務員法の改正ですが、それ以前、行政改革方針の閣議決定に基づいて、平成十七年、二〇〇五年には、総務事務次官通知において、地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針を示し、能力、実績を重視した人事評価制度の導入を地方公共団体に助言してきたと言います。
 しかし、実態は、助言などという穏やかなものではありません。例えば、昨年八月に開かれた全国人事課長・市町村担当課長会議では、勤務評定実施に関わる裁判例まで出して、勤務評定を行っていないことによる訴訟リスクは否定できないと市町村を脅すような言い方がなされています。こうした強圧的なやり方を更に強化し、法律であまねく自治体に強制しようというのが今回の法改定なのではないでしょうか。
 なお、こうした強圧的なやり方を取ってきても、この約十年、人事評価制度を導入した自治体が全体の三四・六%にとどまっているのが実態です。とりわけ市町村での導入が進んでいない、これはなぜか、その理由を総務省、お答えください。
#110
○政府参考人(三輪和夫君) 人事評価制度は、地方公務員につきましてはまだ法律上の位置付けがございませんで、助言等による普及に努めてきたところでございます。このため、特に市区町村におきまして十分な情報等が浸透をしておらず、人事評価制度に対する懸念や心配、あるいは地方公務員法の改正を待っての導入を想定をしていると、こういったような団体もあると考えております。
 例えば、小さな町では職員の顔が見えるので評価や開示が難しい、あるいは窓口などのルーチン業務における目標設定の方法が難しい、こういったような意見もあると承知をしておりますけれども、総務省におきましては、適切な運用方法について助言を行い普及に努めた結果、能力評価及び目標管理型の業績評価を行っております市区町村は、平成十七年の百八十四団体から平成二十四年時点で五百六十三団体、三百七十九団体の増加と、このような状況になってきているところでございます。
 今回の法改正を踏まえまして、人事評価制度の円滑な導入ができますように、総務省としても引き続き必要な助言などを行ってまいりたいと、このように考えております。
#111
○吉良よし子君 増えてきたと言いますけれども、実情を見れば市町村において普及が大変少ないと。それは、先ほどあったように、小さな団体では難しいという声があるということですが、地方自治体には職員数が数十人規模の小さな自治体もあると。現行法でも、実際にそうやって増えてきた、導入できる人事評価制度が、その助言という名の強制を行っても普及しなかったのは、制度がない、法律がないからではなく、その自治体の規模や実情に合わなかったからなのではないでしょうか。それを法律を変えてまで強制する必要はないと考えます。
 そもそも、いわゆる人事評価制度を導入するという公務員改革というのは、二〇〇一年に閣議決定された公務員制度改革大綱から始まります。これは、一九九〇年代に民間企業で急速に広がった成果主義賃金体系に追随したこと、新自由主義が席巻したイギリスなどの例なども参考にしたものだと言われております。
 では、その政府が参考にした民間企業での成果主義賃金体系のその後はどうなったのか。日本能率協会が二〇〇九年に行った調査では、成果主義を導入しても何らかの不具合があって見直しを行った企業は三八・八%に上り、導入予定がないところは一五・九%です。同じ年に日経ビジネスが行った調査では、あなたの会社が導入した成果主義は成功したかという問いに、成功したという企業は三一・一%だったのに対し、失敗だったと答えた企業は何と六八・五%に達しているのです。
 また、イギリスでは、職員全体を対象とするためにコストが掛かり過ぎる、評価基準を一貫させることが非常に困難であったこと、成果主義賃金が職員のやる気につながらず、むしろやる気を失わせたことなどを理由に、およそ十年前から廃止が始まっています。これらの事例を踏まえれば、今度の地方公務員制度改革は既にその有用性が否定された制度だとも言えます。
 ここでまた総務省に伺いますが、今回の法改定に当たって、こうしたイギリスや民間企業における人事評価制度についての否定的な評価も踏まえた検討をされたのでしょうか。
#112
○政府参考人(三輪和夫君) 国におきましては、昨年度、国家公務員の人事評価制度の運用状況を検証いたしました上で、制度運用の改善のための方策を検討するために、有識者による検討会を開催をしたところでございます。その中で、民間企業における人事評価の取組状況についても検討をされておりまして、その際の資料によりますと、目標管理による達成度判定を反映した考課体系、これが八割前後、成果につながる行動や業務遂行プロセスに着眼をした考課要素、項目の設定、これが七割台、こういった状況であるということでございます。検討会におきましては、こういったことも踏まえて、現行の人事評価制度を前提に運用改善の提言が行われているものというふうに理解をいたしております。
 また、地方公共団体の人事評価に関して行いました平成二十四年度の研究会等におきまして、ケーススタディーとして民間企業における試行錯誤も含めた取組事例を取り上げておりまして、その中では、人事評価制度を前提に、その運用上で生じた課題とその対応状況についても報告をされているところでございます。
 総務省といたしましては、人事評価制度は、従来の勤務評定に比べて客観性、透明性をより高め、能力本位の人事管理を行って一層の公務能率の向上を図るためのものとして導入が必要と考えているところでありまして、その上で、地方公共団体において適切に運用されるように助言等を行ってまいりたいと考えております。
#113
○吉良よし子君 検証されたということですけれども、でも実際には六八・五%が失敗だったと答えている、そういう調査もあるということです。そういうことを真面目に検討したのであれば、やはり、こうした全ての自治体にあまねくこういう制度を導入させる、強制するような今回の法改定にはならなかったのではないかと思うんです。何よりも、公務労働、とりわけ地方公務員の仕事には成果主義というのはなじまないと思います。
 研究者が公務員に向けて行った最もやる気が出たのはどんなときかというアンケート調査では、懸命に仕事をしたら市民から感謝された、仕事ぶりを褒められたなどの答えが半数を超したと報告されています。憲法にうたわれている全体の奉仕者である公務員の道を選択した人たちにとってみれば、市民からの感謝がモチベーションにつながるというのは当然の回答だと思います。
 市民の相談に丁寧に耳を傾け、時間は掛かっても一つ一つその問題を解決していくことを成果と見るか、それとも、数はこなすが市民からは冷たい窓口と言われる人がよいのか。五段階評価でできた、できないなどと上司によってランク分けされる職場では、上司の顔色ばかりうかがってしまうことになり、公務員の目が主権者である住民には向かなくなってしまうのではないでしょうか。大臣、いかがでしょう。
#114
○国務大臣(新藤義孝君) 私が知る限り、そういう態度で公務に携わっている公務員というのは見たことがございません。市民から、また国民からそういう評価を得ることが最大の喜びなんです、特別にそれによって昇給があるわけではありませんから。そのために一生懸命仕事をして、その一生懸命仕事をしたことが自分の評価につながって次なる仕事のチャンスを与えられる、そこにモチベーションが発生するわけです。ですから、人事の評価というのは市民の評価と連動しているものであって、しかも、いやしくも公務員たるものが、規模が大きいからやります、小さいからできません、私たちはそれは要らないんだというようなことを考えている公務員も私は見たことがございません。
 ですから、こういう制度をいかに有効に使うかが問題なのであって、きちんとした中で適切な運営を私は図っていただきたいと、このように期待をしております。
#115
○吉良よし子君 そうはいっても、今回の人事評価制度は給与や処遇に結び付けることになっているわけですから、やはり、自分の給与、処遇が関係するとなれば、市民の感謝、それが最大のモチベーションだったはずのところが転換してしまうおそれがあるんじゃないかと、そういうことを私は申し上げているわけです。
 その基準は絶対評価に基づくものとされていますけれども、公務員になっている人は、試験をくぐり抜けた、能力、人柄ともある意味その地方でもえりすぐりの人たちがほとんどだと思います。そういう人たちを絶対評価すれば、ほとんどの人がいわゆるよくできた、できたと評価されることになるのではないでしょうか。
 先ほどの質問でもありましたように、国家公務員の能力評価、業績評価でも、九割九分がS、A、B、そういう評価になっているという話もあります。結局、C、Dの評価は一%にも満たないというのが実情なんです、厳しい採用基準をくぐり抜けてきた人たちですから。
 人事院では、これでは昇給者ばかりが出ることにつながるからと、昇給の人員の上限枠をつくって、一番上位の区分に入る人は五%、二番目の区分については二〇%に制限することとしていますが、下位についても同じように一定の分布率を設けるつもりなのでしょうか。人事院、お答えください。
#116
○政府参考人(古屋浩明君) 今御質問にもございましたとおり、上位の区分につきましては、昇給に関して、その上位の昇給区分に集中するということではいけませんので、上限としての枠を設けているところでございます。
 御質問の下位の昇給区分でございますが、これにつきましては現在枠は設けておりません。これは、下位の昇給区分に一定の枠を設けるということとした場合には、人事評価が標準の者も下位の昇給区分に当てはめられるということも生じるということになりますので、職員の士気の維持、人事管理の観点から適切ではないという考え方によるものでございます。能力、実績に基づく給与という観点からは、職員の勤務実績が人事評価により的確に反映されることが肝要ということでございますので、下位の評語の付与を含め、人事評価が厳正に実施されることがともかく重要であると考えております。
#117
○吉良よし子君 下位については、そういう下に評価されてしまう、評価の引下げにもつながるから望ましくないということであり、それについてはそのとおりだと思います。
 実際、大阪府では、二〇一一年二月に職員基本条例が強行され、相対評価を導入しています。その中で、SやDの評価の職員は一%以下であるにもかかわらず、相対評価によって五%の枠が設定され、千人以上が下位評価落ちとなっています。職場からは、B評価なのに相対評価では第五区分、納得できないし働く意欲を失った、上司との信頼関係や同僚とのチームワークが維持できなくなるなどの声が上がっています。大阪府のアンケートでは、絶対評価の結果については納得できたという人が五四・六%あったのが、相対評価については三七・四%に落ち込んでいます。さらに、相対評価による人事評価について、昨年までの絶対評価による人事評価と比べて職員の資質、能力及び執務意欲の向上につながると思いますかと聞いたところ、評価者の七四・七%、被評価者の七〇・四%が思わないと答えています。評価される側のみならず、評価する側からもこうした批判が出ているわけです。
 こういう声を見れば、相対評価のようなやり方、このような人事評価制度を地方に無理やり押し付けることはやはり破綻しているし、反対です。下位評価落ちとなるような分布率の設定などは押し付けるべきではないと思いますし、何よりも地方公務員の評価や処遇については各地方自治体がその規模や実情に応じて柔軟に運営すべきであり、その自主性を尊重すべきだと思いますが、その点についての大臣の見解を最後にお伺いして、終わります。
#118
○委員長(山本香苗君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
#119
○国務大臣(新藤義孝君) 国家公務員におきましては、これは絶対評価で行わせております。それから、地方自治体においては、それぞれの団体のお考えがあると思いますから、それは適切に自らがお決めになればいいというふうに思いますが、いずれにしても、この人事評価がより良い地方自治行政に、そして住民サービスにつながるようなものにならなければいけないし、そのことを我々は期待をしておりますし、助言をしていきたいと思います。
#120
○吉良よし子君 終わります。
#121
○片山虎之助君 それじゃ、質問いたします。
 今回の改正案は三度目なんですよ。午前中指摘がありましたように、七年前なんですよ。私はその頃もう議員でございまして、自民党だったんだけれども、自民党の公務員制度改革本部長というのをやっておった。そのときに国家公務員法の改正と地方公務員法の改正を一緒に出した。国家公務員法だけ通って、これは継続審査で廃案ですよ。もう一遍出し直すんですよ。そのとき私いなかったんだけれども、それも継続審査で廃案なんですよね。七年前の法律ですよ。七年間法律がなかった。言わばこれは人事評価と退職管理なんですよ、大きい柱は。これが七年間なくて支障がなかったんですよ。七年ぶりに出して、七年間何の支障もなかった、皆さんが言うように。もう出さぬでいいんじゃないの。地方自治、地方分権だから、七年間自由にやってきたんだから、退職管理もあれも。
 しかも、皆さんの、皆さんと言うのはおかしいんだけれども、国家公務員法を見習って、例えば勤務評定があるから人事評価なんかやってきているんですよ。都道府県は三十七かな、政令市はほとんどやっているわね、横浜以外は、言っちゃいかぬかもしれぬが。市町村はまあ少ないけれども。
 私は、何でこんな出し遅れの古証文を今頃出して死に物狂いになるのか分からないんですが、大臣、いかが。
#122
○国務大臣(新藤義孝君) とてもそれをかつて御提出された方の御発言とは思えないわけでありますが、しかし、その法律がない中で総務省としては指導、助言を行って、そして、勤務評定ではありますが、人事評価の内容を取り入れたものが進められてきたと思います。そして、それは一定程度の自治体においてもう反映されてきているということであります。
 私どもとすれば、本来あるべき姿をきちんと定めて、そして、その上で条例においてそれぞれの自治体が適切に自らの制度として定着させていただけると、これは必ず前進になると思っておりますし、今までの蓄積がやはりこれをきちんと生かしたものになるんではないかと、このように考えております。
#123
○片山虎之助君 そうすると、この七年間は国と同じようにやれという指導、助言をしてきたわけですか。
#124
○政府参考人(三輪和夫君) 御指摘のように、国において導入されている人事評価の制度を十分参考にして、能力評価あるいは目標管理型の業績評価、これをするようにというような助言を重ねてまいったところでございます。
#125
○片山虎之助君 そこで、退職管理なんだけれども、退職管理は、国と同じ制度のところと、あとは自由にせいというところがあるのよ。かなり基本的なところを地方団体に任せているわけですよ。地方団体がやりたければ条例でやりなさいと。これは、むしろあなた方の言うようなことなら、全部国とそろえた方がいいんじゃないの。
 例えば、職員がほかの職員やOBの就職のあっせんをするとか、自分を営利企業等に、民間の企業に売り込むとかというものについては、これは規制していないんですよ、地方公務員は。国は規制していますよ。何でそういうことをしているの。
#126
○政府参考人(三輪和夫君) 国家公務員法におきましては、御指摘のように、退職した者が再就職をし、その方が一定の働きかけ等を行うことについて禁止をするという、法律上そういう措置を講じております。
 地方公務員につきましては、当然まだそういう法制がございませんから禁止の制度等ございませんけれども、その団体から離れた方の規制でございますから直接法律によって規制をする必要があろうということで、こういったことにつきましては私どもの法案にも入っております。
 逆に、その組織にまだ属しておられる方についての規制、これは国家公務員の場合は法律に規制ございますけれども、これはそれぞれの自治体の御判断にお任せをすると、こういう構成にしているものでございます。
#127
○片山虎之助君 関係のある営利企業に自分を売り込んだり、例えば私が仲間の職員の就職あっせんの口を利いたりOBの口を利いたり、それがいいとは思えないわね。それは任せると言うけど、地方団体にやれと言うんですか、やるなと言うんですか。公務員部長、どうなの。
#128
○政府参考人(三輪和夫君) これにつきましては、法律の規定でございますけれども、「国家公務員法中退職管理に関する規定の趣旨及び当該地方公共団体の職員の離職後の就職の状況を勘案し、退職管理の適正を確保するために必要と認められる措置を講ずる」ということでございまして、団体の御判断ということでございます。
 なお、在職中の職員の行動につきましては、当然、その団体に属している職員でございますから、そのことについて一定の制約等を課そうとすれば、これは法律でなくてもそれぞれの団体が職務命令等を発することによって規制等をすることは可能であろうかと、このように考えるところでございます。
#129
○片山虎之助君 都合の悪いところは団体の御判断、団体でやってくれと言って、そうでないところは国であれするというのは、ちょっとは考えた方がいいよ。
 それから、再就職した場合の報告を、国の場合に二年間ですよ。前の法律は二年間だったんだ、地方も。それを今回取っ払っているわね。どうぞ御自由にと、長くても短くてもいいよというのは、これはどうしてですか。これは前の法案と変わっているんだよ、今度の法案が。
#130
○政府参考人(三輪和夫君) 御指摘のとおり、以前、平成十九年の法案あるいは二十四年の法案として政府がお出しいたしました法案の中では、退職者の届出につきましては二年を上限というふうにしておったところでございます。これは、国家公務員の規定を参考にして、国家公務員が二年であるということを参考にしてそのような内容にしておったところでございます。
 今回、その二年の上限を外した内容にいたしておりますけれども、これは近年、主に要綱等でございますけれども、それぞれの団体で、三年間の届出をさせる、五年間の届出をさせるというような、そういう実例がいろいろ出てまいりまして、そういうことを踏まえますと、少し長めに退職者の管理というものを行いたいという、そういう自治体のお考えが少し増えてきているんではないかと、このように考えております。
 したがいまして、法律で二年を一切超えては駄目というところまでする必要もないのではないかと、こういう判断をいたしまして、御指摘のように二年上限というところは前回の法案と変えていると、こういうことでございます。
#131
○片山虎之助君 逆に国の二年が短いんじゃないの。地方団体がむしろ長めにやりたいと、三年なり五年なり、再就職のずっと後をフォローしたいと言っているんだから。国の二年を考えるべきではないの。
 まあ、そうか、あなたは地方の方の公務員部長だから。国の方は人事局長、いないわね。どうですか、大臣。
#132
○国務大臣(新藤義孝君) いずれにしても、それは実態を捉まえて、国の方は国の方で規定があってそれを今運用に努めているというところであります。地方は、今部長が答えましたように、そういった声があるからそれを対応できるようにということであって、国と同様でも結構ですし、それ以上でも大丈夫ですよと、こういうふうに柔軟な運用をし、自治体の判断を、これは自主性を尊重すると、こういう仕組みになっているというふうに御理解いただきたいと思います。
#133
○片山虎之助君 それからもう一つは、もう時間がないから言うけど、人事評価制度は私は小規模な町村までやらせるのは無理だと思うのよ。能力評価と業績評価でしょう、実績評価。この能力評価と実績評価はどう違うか、きちっと説明できませんよ、なかなか、似ているんだから大体。能力のある人が実績出すんだから。その能力も多面的、多元的ですよ。そんなもの、一概にぴしゃっとやれることはないんで、人事院や人事局が作る私は基準が間違いとは言わぬけれども、そんなもの、小さな町村まで押し付けて全部やれなんて、手間が大変じゃないの。それ、少し改める考えありませんか。
#134
○国務大臣(新藤義孝君) 私もこの人事評価の中身見ておりますが、かなり詳細ですよね。ですから、そういったものができるというのは、私はいいことだと思うし、評価をきちんと、制度を定着させるのにはいろいろと研修も必要でしょうし、また運用改善が必要だと思います。
 今お尋ねの小規模自治体に対してどのようにするかは、それはまさに小規模自治体が仕事ぶりに合わせてどのような評価をすべきなのか、そしてそれは能力と業績においてどのような分析をすべきかと。これは是非いろいろお考えをいただきたいと、このように思います。
 ただ、私どもとすれば、そういうふうに自分の仕事をいつも客観的に評価しながら、かつ、自治体というのは、売上げが何か上がってとか、そういうものではないんだから、だから仕事における何を評価とするかというものをいつも意識しながら職務をしていただくと。これは悪いことではないと思いますので、この規模に合わせた、そしてそれぞれの自治体の独自のいろんな判断をしていただきたいと、このように考えます。
#135
○片山虎之助君 いやいや、ところが結構厳しく指導しているのよ。だから、それは小規模な町村ですよ、まあ町村なんかが念頭にあるんだけれども、もっと緩めないと。規模も態様も在り方も違う自治体を一律の基準で、おまえら、その人事評価しろというのは無理ですよ。しかも、細かくやってね。大勢いないんだから、小規模な町村には。そこは相当弾力的にやるということを、大臣、約束してもらいたい。いかがですか。
#136
○国務大臣(新藤義孝君) これは、まず私どもはお願いをしています。ですから、その制度をまず導入していただいて、そういった運営の中で様々な意見というものには耳を傾けなければいけないと、このように思います。
#137
○片山虎之助君 大臣、先ほども質問あったけど、今までの勤務評定と人事評価というのは、そんな違わないんですよね。だから、これを、新しいのを押し付けるようなことも、これもやめてもらいたい。地方自治というのはそういうことから認めていかないと、市町村のばらばら、地方のばらばらを。多様性を認めるというのが地方自治なんです、何度も言うように。違いを認めるというのが地方自治なんで、画一はいけませんよ。是非そういうことをこの地方公務員制度からやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
#138
○国務大臣(新藤義孝君) 同じだとおっしゃいますが、だけれども、やはりこの勤務評定につきましては、評価項目というものがまず設定されておりませんですね、不明瞭です。そして、あらかじめ明示されていないわけであります。さらには、勤務評定は上司が一方的にやっているわけでありまして、結果が知らされることもないことの方が大半です。
 したがって、これは、今回の場合は能力と業績評価、それを、その評価基準というものを明らかにすると。それから、結果の本人への開示、こういったものがあって、これは合理的に、しかも透明性を高めて、その上で、この方をどのように任免していくか、処遇していくかと、こういうことを私は今までよりも更に客観的な評価ができるんではないかと、このように考えております。
#139
○片山虎之助君 やっぱり程度問題なんですよ。任命権者、特に首長さんが恣意的に人事をやってはいけませんよ。それじゃ今の内閣の人事が恣意的ではないかと、これも議論あるよ。まあそれはおいておきますけど。ある程度客観的、科学的に納得がいくことをやらにゃいかぬ。信賞必罰でやらなきゃいけませんよ。しかし、程度があるんですよ、それぞれ、規模や在り方によって。それを認めないと私はおかしいと思うんだけれども。
 今ちょっとあなたが言われた人事評定というのは勤務条件ですか、勤務条件ではないんですか、いわゆる。
#140
○政府参考人(三輪和夫君) 以前の高裁レベルの司法判断といたしまして、勤務評定そのものはいわゆる交渉の対象となる勤務条件ではないと、このような判断が出されているところでございまして、その後の、それを給与等に反映すると。給与の決め方については、これは勤務条件として扱われるべきものでございますけれども、そういう基になる勤務評定そのものにつきましては、そういったような判断が司法の中においても出されていると、こういう状況でございます。
#141
○片山虎之助君 勤務条件そのものじゃないんですよ、勤務評定は、人事評価も。ただ、勤務条件の前提になるものだわね。だって、何で評定するかといったら、処遇をどうする、給与をどうする、上げるか下げる、まあ下げるはないわね、新しい制度にしないと下げるはないけれども、そういうことの前提なんで、勤務条件では私もないと思う。しかし、勤務条件の前提になるということは十分きっちり押さえてきちっとやるということが私必要だと、こう思っているんですよ。
 七年遅れですけれども、ないよりある方がずっといいから、賛成します。
 終わります。
#142
○寺田典城君 結いの党の、この結いと使えるのも今回が最後かも分からないですけれども、寺田でございます。よろしくお願いします。
 吉良議員と片山議員とまた重複するようであれなんですが、何というんですか、この制度自体、国家公務員法の焼き直しみたいな形で、地方が国の下請みたいな形になっているような感じです。だから、地方の多様性というかダイバーシティーというか、これをどう認めるのかということもやっぱり公務員部の方では考えてもらいたいなと、率直にそう思います。
 それで質問に入るんですが、小さな町村は今回の人事評価制度を運用していけるのか、ちょっと心配しているんですよ、数十人しかいない組織で能力主義の人事評価制度というのは適正であるかと。その見解を、重複しますけれども、もう一度お伺いしたいと思います。
#143
○政府参考人(三輪和夫君) 小規模団体における評価制度でありますけれども、地方分権の推進に対応して政策形成能力の向上を図る必要がある、そのための人材をしっかりと育成をする必要がある、こういったことは小規模団体においても全く同様のことでございまして、また、小規模団体といいましても、評価においての恣意性の排除、公平性の確保等々につきまして強く求められているということでございまして、そういった議論が、あるいはそういったことを含めた必要性というものがこれまで人事評価に関するいろんな研究会等々でも議論がされてきたところでございます。そういった中には小規模団体にも実際にお入りをいただきまして、それぞれの取組の紹介等もしていただきました。
 また、私どもが直接小規模な団体とお話合いをしたり意見交換をした中で、全体の職員が六十名程度、本庁の職員ですと五十名程度で、一つの課が五人にも満たないというような、そういった団体の首長さんともいろいろとお話をさせていただいた中で、大変工夫をした中で人事評価制度、先進的に取り組んでいらっしゃると、こういう自治体もございますので、私どもとしては、そういったところも十分参考にしながら、しっかりと今後取り組んでいただけるようなきめ細かい助言等をしていきたいと、このように考えております。
#144
○寺田典城君 同じような答え返ってきたんですが。
 人口が五千人以下の町村が二百三十七あるという、国調の、平成二十二年なんですが、千七百ぐらいの市町村の中でですね。それを、人事評価制度というのは、ある程度の規模になると人事の透明性だとか公平性で必要だと思います。だけれども、無理押しする自体がやっぱり不安だということは事実です、これは、私自身も見て歩いて、現場も経験して歩いてですね。今までは勤務評定もあったりしてあれだったんですが、評価まで付けて、これだけの詳細な法律作るというのは、やはりもう一度考え直す必要があるんじゃないかなと、そのことを付け加えさせていただきたいと思います。
 それで、次に移りますけれども、改正案の三十八条の三では、再就職に関する規則違反の疑いがある場合は任命権者に人事委員会又は公平委員会への報告義務を課しております。この報告義務を怠った場合に何らかの罰則の適用がありますかということです。
#145
○政府参考人(三輪和夫君) 任命権者が人事委員会又は公平委員会への報告義務を怠った場合の罰則そのものは定められておりませんけれども、法律上の義務を怠ったと、地方公務員法違反ということになるわけでございまして、説明責任が果たされないと議会や住民の批判を受けるということとなるものでございます。
 なお、人事委員会、公平委員会は、任命権者からの報告のほかに、元職員からの働きかけを受けた職員からの届出、あるいはその他の者からの通報などによりまして、違反行為の疑いに係る情報を把握することも可能でございます。
 いずれにいたしましても、各地方公共団体において適切な運用がなされるように総務省としても助言等を行ってまいりたいと考えております。
#146
○寺田典城君 行政ですから、まして公務員も、それから自治体自体、団体自体もやはりコンプライアンスなりディスクロージャーなりしっかりしていかなきゃならぬというのは、それはあれなんで、法律に定められる以前の問題としてそういう基本的なマナーは持っていなきゃならぬでしょうが、任命権者に対する罰則の適用がないならば、意図的に情報を握り潰すなど緊張感欠ける行動、起こる可能性だってあり得るんでね、その辺はどう考えています、公務員部長。もし握り潰した場合とか、そういう場合ですよ。
#147
○政府参考人(三輪和夫君) 先ほど申しましたように、これは罰則そのものは規定はございませんけれども、そういった報告義務を怠ったということが明らかでありますと、先ほど申しましたように、そういう意味での地方公務員法に違反していると、こういう状況になるわけでございます。
 このことにつきましては、罰則はございませんけれども、そのことについての議会の御批判あるいは住民の御批判というものは当然あり得るわけでございまして、そういった意味で、地方公共団体においてはこの法の趣旨に沿って適切な対応をしていただくべきものであると、このように考えております。
#148
○寺田典城君 それこそ握り潰しが一番良くないですね、ディスクロージャーしないということが一番要するに行政の信頼を裏切ることですから、幾ら長でも任命権者であろうとも。職員には第六十条以降に罰則規定あるわけですから、これは設けるべきだと思うんですが、再度考え、どうなんですか。
#149
○政府参考人(三輪和夫君) るる申し上げましたとおり、これはその地方公共団体の説明責任をしっかり果たしていただくという趣旨でこういった規定も設けておりまして、そのことを直接罰則によって担保するのかどうかというところについてはいろんな御意見があろうかと思います。御指摘のような御意見も承りましたけれども、私どもといたしましては、これは罰則というよりは、それぞれの地方公共団体の説明責任、あるいは議会や住民での御批判、そういうものということで担保されるべきものというふうに考えておりまして、お示ししましたような内容でお願いをしたいと、このように考えているところでございます。
#150
○寺田典城君 今、再度答えていただいたんですが、私としては納得いかないと。また何かの機会で少し、私自身ももっと勉強しながら突っ込んでみたいなと思います。
 次に、公務員のリタイア後の生活の在り方なんですよ、リタイア後の公務員の。これ、なぜ人事院総裁にお聞きするかというと、これは、一つは、公務員の生活というのは、あと、そういう給与から見ているのは人事院の方ですし、地方自治法等の改正もなっていますから地方にも影響しますんでね。健康で文化的な生活はどのようなものであるべきか、公務員のですよ、リタイア後のですね、それをお答えいただきたいと思います。
#151
○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 国家公務員は、現役時代は全体の奉仕者として公務や公共のために尽くすという使命感の下、職務に専念し、与えられた仕事を全うするということが基本だと思います。私は、仙台高裁の長官を務めておりましたときに東日本大震災があり、被災地を回ったわけですけれども、そのときに復旧に取り組んでいる公務員の姿をたくさん見てまいりました。私は、多くの公務員は地域や国民のために一生懸命働いていると、そういう実感を持っております。そういう気持ちは公務員が退職した後も持ち続けてほしいというふうに思っております。
 リタイア後、公務を離れてから後の健康で文化的な生活とはどうあるべきかということは、その職員の置かれた環境等によって人それぞれ、多種多様なものにならざるを得ないというふうに思いますが、退職後、地域社会における活動、ボランティア活動や新たな職業生活等を通じて、公務員として培った知識、経験を生かし、社会に貢献するような生活をしている人もたくさんいらっしゃるというふうに認識しております。
 私は、公務員が、現役時代に誇りと使命感を持って仕事に邁進し、充実した職業生活を送ることができるということが退職後も退職前と同様の意欲を持ち続けて人生を健康に生き生きと送ることにつながるものと考えており、そのための環境整備を各般にわたって取り組んでいくことが人事院の重要な役割の一つであると考えております。
#152
○寺田典城君 私は人事院の総裁に一分程度でお答えいただきたいというお話ししたんですが、三分以上も四分もやっているんです。
 それで、引き続き奉仕者として頑張っていただきたいし、ボランティアだとか新たな道を開いていただきたいなんということなんですが、これでは答えにならぬですよ。
 私、なぜこういうことを聞くのかというと、公務員というのは、どちらかというと高い退職金もらえる、高い年金をもらえる、生活はある面では普通の人よりずっとそういう点では退職後も恵まれているんですよ。
 ところが、私、市長を五十歳から五十六歳まで務めたんですけれども、やはり退職した後崩れていく方々がたくさんいるんです。市町村の職員というのはどちらかというと市民と一緒になってやっているんだけれども、崩れていく方がいらっしゃるんですね。そして、県庁は五十六歳から六十八歳までおりましたけれども、それも見てみますと、やはり、なぜあの人が体壊したのとか、どうしたのということで、そういうことなんです。
 私は、そのことで、普通の人は、先ほど公務員部長がお話ししておったんですが、何というんですか、都道府県の退職した人方は二五%ぐらいが何か再就職すると、市町村は一三%とかと言っておりましたけれども、半分以上の方々は行くところがないんですね、あっさり。私、それで、あえて自分も、そういうこと気に掛かっておったものですから、一年間一切行くところない生活をさせていただきました。それで、本当に退職後が本当の人生始まるというのはそれで体感したんです、はっきり言って。
 だから、人事院はそういう、要するに、現役時代どのようなことを職員に教えていくのか、それから考え方を進めていくのか、これが、人事管理ばかりじゃなくて、一番大事なことなんですよ。社会の役に立ってもらわなきゃならぬ。生涯で医療費なんか二千四百万掛かると、これ何か新聞で出ておったんですけど、ほとんど六十過ぎから大半掛かっちゃうとかと昨日だかおとといだかの新聞にも書いておったんですけど。
 それこそ、だから現職時代、何というか、資格を取らせるとか何かをしていただくとか、そういうことをもう少し、具体的に何か考えを持っていますか。
#153
○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 省庁間の人事交流、官民交流、人事交流などによる幅広い業務経験の付与、幅広い視野を身に付けるための研修の充実、労働意欲や活力を確保する観点からのワーク・ライフ・バランスの実現などに取り組んでまいっておるところで、今後も引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#154
○寺田典城君 あのね、コンサル会社の講師を呼んでみて話聞いてみるといったって、ただ知識で物をしゃべっているだけ。それから、生きる知恵をどうやって教えることできるかということだと思うんですよ。
 だから、このことについては、やはりただ事じゃないので、そして、どちらかというと学校の先生、警察官、それから中央省庁の公務員は市町村の公務員よりちょっとやはり弱いかも分からぬ、精神的に、そういう、なった場合は。そういうことをどうやって教育するのか。そこを、公務員は全体の奉仕者であるとかこうだとかああだとかじゃなくて、その生きる知恵を少し一生懸命考えて、退職者辺りから物を聞くと、そういうことも含めて具体的に行動していただきたいなと思います。
 今日は、総合通信行政で来ていただいたんですが、誠に申し訳ないんですけれども、この次に、放送法のときとかなんかのときお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#155
○主濱了君 生活の党の主濱了であります。
 早速質問に入りたいわけですが、法案に関する質問に入る前に、靖国参拝について伺いたいと思います。
 新藤総務大臣は、四月二十二日午前、東京九段の靖国神社を参拝したと報道をされております。これは事実でしょうか。
#156
○国務大臣(新藤義孝君) 事実でございます。
#157
○主濱了君 今の御答弁を受けまして、一点だけ伺いたいと思います。
 家族を思い、ふるさとを思いながら戦地で亡くなられた方々を崇敬の念を持って参拝されることは、これは何ら問題はないというふうに思います。私も地元では参拝をしております。ただ、靖国神社は太平洋戦争後の極東軍事裁判で平和に対する罪で有罪とされた戦犯十四人が合祀をされていると、こういうことでございます。
 大臣、この十四人の戦犯についてどのようにお考えになっていますでしょうか。
#158
○国務大臣(新藤義孝君) 靖国神社は国家が管理する施設ではございません。そして、政府の権限の範囲外でございまして、昭和五十三年にいわゆるA級戦犯が合祀された際にも政府は関与をしているわけではありません。
 私は、今、政府の一員の立場として、これについてお答えする立場にないと、このように考えております。
#159
○主濱了君 一点だけと申し上げましたんで、一点にとどめておきます。
 以降、法案に関して伺います。
 いわゆる勤務評定、具体的には旧第十五条の勤務評定に関する規定と人事評価との違いは何でしょうか。結局、地方公共団体における職員の能力の実証、これは具体的にどう変わるんでしょうか。
#160
○大臣政務官(伊藤忠彦君) お答えを申し上げます。
 人事評価と勤務評定につきましては、任命権者が職員の執務の状況について定期的に評価を実施する等の基本的な性質は同様でございますけれども、従前の勤務評定は、評価項目が不明瞭であり、あらかじめ明示されていないですとか、上司から一方的に評価をされるのみで評価結果は部下に知らされないでございますとか、人事管理に十分活用されていないというような問題点がございまして、透明性の確保等において課題があると指摘をされてまいりました。これに対して人事評価は、評価の観点として、能力評価と業績評価の両面から評価して人事管理の基礎とすることを規定とするとともに、評価基準の明示や評価結果の本人への開示などの仕組みが想定されているものでございます。
 このように、人事評価は、従来の勤務評定に比べまして能力・実績主義を実現するためのツールでございまして、客観性、透明性をより高めるものであり、こうした人事評価制度の導入によりまして、これが任用や給与など人事管理に反映されることで能力本位の人事管理が行われ、一層公務能率の向上が図られることとなり、もって仕事がはかどり、地域が良くなるようにということを考えているわけでございます。
#161
○主濱了君 はっきり言ってよく分かりませんでした、具体的な違いというのは。
 的確な人事評価を実施するためには、人事評価をする側の研修が必要であります。これは本当に難しいことだというふうに思います。
 まず、国ではどうやっているのかということ、また、先ほど来いろいろ御質問ありましたけれども、地方公共団体には本当に規模のちっちゃいところもあるわけですが、ここに対しても国と同様の対応を求めようと考えているのか、伺いたいと思います。
#162
○国務大臣(新藤義孝君) 各府省の評価者を対象といたしまして、人事評価の手法等を身に付けてもらうための評価者講座というようなものを実施しております。これで、事前に与えられたケーススタディーについて検討した上でグループ討議を行って評価者自身の評価傾向を知ってもらうですとか、そういう適切な評価ができるように評価者側の訓練、そういった講座を設けているわけであります。それから、e―ラーニングといいまして、ネットでもそういったことができるようにとか、こういったことも考えて、失礼、ビデオですね、ビデオを作りまして、そういったもので御覧いただいていると、こういうようなものもあります。
 地方公務員につきましては、評価者を育成、訓練すること、これは国と同じように重要だと思います。これからいろいろな工夫をしていただくわけであります。かつ、それは基本的に各団体でやっていただくことになりますけれども、我々としても、国や小規模団体を含めた先進事例、そうした取組の紹介をするですとか情報提供を行う、さらには地方公共団体へ人事評価に係る専門家の派遣をするですとか、また地方公務員の研修機関の活用促進、こういった様々な工夫をしながら、各団体においての適切な人事評価が実施されるように努めてまいりたいと、このように考えております。
#163
○主濱了君 確かに評価というのは難しいと。逆評価という先ほどお話もありましたけれども、本当に評価は難しいということであります。
 そして、更に難しいのは評価された書類を読むこと、これも非常に難しい。これ、首長さん経験者いっぱいここにはいらっしゃいますけれども、評価された評価書を手渡され、それをどう読むか、これはもう大変な苦労があるというふうに思います。この辺も含めて的確な能力実証がなされることを期待をするものであります。
 次は、退職管理に関してなんですが、第三十八条の六の第一項で、地方公共団体は、中を飛ばしまして、国家公務員法中退職管理に関する規定の趣旨及び当該地方公共団体の離職後の就職の状況を勘案し、退職管理の適正を確保するために必要と認められる措置を講ずるものとすると、こういうふうなことなんでありまして、よく見ますと、ここは地方へ思い切った丸投げをしている、まさに地方主権の感がするわけであります。
 とはいえ、退職管理は重要であります。退職管理の適正を確保するために必要と認められる措置とは具体的に何を想定しているんでしょうか。地方公共団体には必須の項目、これだけは必ず入れてくださいといったような、そういうふうな必須の項目というのはあるんでしょうか。これらのことはどのように地方公共団体に示されて伝達されるのかも含めて伺いたいと思います。
#164
○大臣政務官(伊藤忠彦君) 退職管理の適正を確保するために必要と認められる措置は、各地方公共団体において判断をしていただくことでございまして、法律上、必須のものがあるわけではございません。例えば、国家公務員法に規定されている再就職あっせんの規制、在職中の求職活動の規制、再就職状況の公表などを想定しておるわけでございまして、今後、地方公共団体に対する通知や各種会議などで周知をすることを予定させていただいているところでございます。
#165
○主濱了君 本当にこの三十八条の六第一項、これはもうまさに地方公共団体への丸投げ、必要なものを定めてください、こういったような余り例のない規定であるというふうに思っておりまして、こういう規定が地方公共団体に対する法律に多く入れられれば、まさに地方主権、地方分権そのものであるというふうに思うわけであります。
 質問を続けます。地方公務員につきましては、他の職員又は自己の営利企業への再就職のあっせんは許されるかと、こういう問題であります。先ほど来質問のあったことなんですが、これははっきり言って許されるんですよね。その辺について、国家公務員との対比でお示しを願いたいと思います。
#166
○大臣政務官(伊藤忠彦君) 国家公務員につきましては、国家公務員法第百六条の二の第一項及び百六条の三第一項の規定に基づきまして、職員がほかの役職員の再就職をあっせんすること及び職員が在職中に利害関係企業への求職活動をすることが禁止をされております。
 一方、改正後の地方公務員法第三十八条の六第一項では、地方公共団体は、国家公務員法の退職管理に関する規定の趣旨等を勘案いたしまして、退職管理の適正を確保するために必要と認められる措置を講ずるものと規定をされております。したがいまして、地方公共団体が当該措置として再就職あっせんや在職中の求職活動規制を設けなければならない、設けなければこれらの行為を行うことは禁止されないわけでございます。なお、不正な行為をすること等を見返りに再就職あっせんや求職活動をした職員につきましては、国と同様に三年以下の懲役に処されることとなっているわけでございます。
 以上でございます。
#167
○主濱了君 まさに本当にすばらしいと。その選択も地方に任せられるわけですよね。まさに、営利企業へ自分も含めてあっせんできるかどうか、これも条例に盛るか盛らないかによって、これは地方に任せられていると、こういうふうな理解をいたしました。
 やはり、地方におきましては、地方公務員であった者の人材活用を大いに行うべきであると、私はそのように思っております。地方、様々な人材ありますけれども、そういうふうな行政関係とか、そういうふうな能力を持った人材というのはそんなに多くはないわけであります。そういう方々を私はどんどんどんどん活用するべきであると、こういう立場に立っておりますので、まさにこういう点はそれぞれの地方公共団体に選んでもらっていいのではないかと、こう思っているものでございます。
 ただ、待遇につきましては極めて問題が多いというふうに思っております。続いて、この件について質問をさせていただきたいんですが、地方公務員の再就職に当たっては、その再就職先の給料あるいは再就職先からもらう退職金、これについて、著しい厚遇について住民の批判が集まっているというふうに思われるわけでございます。この点について、地方公共団体に対して要請とかあるいは注意喚起をしているのかどうかということでございます。国家公務員の取扱い、国家公務員で問題になるのは、特には独法への、独立行政法人への再就職なんですけれども、それとの対比で御説明をいただければ幸いであります。
#168
○国務大臣(新藤義孝君) 国におきましては、今御指摘いただきました独立行政法人の役職員について、国家公務員の給与水準を十分考慮して、国民の理解が得られる適正な給与水準とするように厳しく見直しをしております。退職手当の二重取りの阻止等の観点から、平成十五年には役員出向を導入し、現在、役員に占める退職公務員の割合は大幅に減少をしております。平成二十五年十月一日時点で、かつて四八%であったものが今三%まで低減されていると、こういう状態であります。
 地方につきましては、第三セクターにおける人件費に関しまして、地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針といったものを平成十八年に示しております。お尋ねのような給与、退職金の取扱いにつきましても行政改革の取組の中で見直しが行われてまいりました。都道府県、政令指定都市においても、元職員が再就職した場合に、再就職先における退職金の支給制限を行っているのが五十三団体、報酬水準の制限を行っているのが三十五団体でございまして、各団体において一定の取組がなされているのではないかと、このように認識をしております。
#169
○主濱了君 終わります。ありがとうございました。
#170
○委員長(山本香苗君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#171
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案への反対討論を行います。
 本法案による人事管理制度は、住民に寄り添い問題の解決を図っていくという本来の地方自治の在り方、地方公務員の役割を大きくゆがめるものです。今回の法改正では、人事評価を任命権者が任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用するとし、分限免職にも適用するとしています。さらに、任命権者は、その裁量において標準職務遂行能力を定め、これを任用に適用するとしているのです。これは、地方公務員を首長を始めとする任命権者の言いなりにさせかねないやり方であり、その役割を大きく変質させるものです。
 地方公務員は、憲法にうたわれているとおり、全体の奉仕者として公正中立の立場に立ち、国民の権利と福祉の実現のためにこそその能力を発揮するべきです。また、こうした人事管理導入の徹底は、二〇〇五年の地方行革の新たな指針に盛り込まれた地方行革の取組であり、政府が推進してきた総人件費削減方針を進めるてことなるものです。
 人事評価制度の導入で下位評価落ちさせるなど、一層の人件費削減を進めるようなことは許されません。何より、一九九〇年代から民間で導入された成果主義賃金体系は、今ではその効用に疑問符が付き、見直しや廃止が相次いでいるものです。こうした成果主義賃金体系を地方公務員にまで適用することについては納得できません。
 総務省は、これまで人事評価制度の導入を地方自治体に求めてきました。しかし、都道府県、政令指定都市を除く市町村では、その導入は進んでいないのが実態です。こうした各地方自治体の規模や実情を無視し、自主性や自律性を上から押さえ込むやり方で人事評価制度の法定化を強要することは到底容認できないことを述べて、討論を終わります。
#172
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 以下、反対の理由を申し上げます。
 第一に、今回の一部改正案は、二〇〇七年に提案され廃案となってきた閣法とほぼ同じであり、民主党政権下の二〇一二年の閣法や、昨年に我が党と民主党が提出をした議員立法の内容から自律的労使関係制度を削除し、公務員労働者の労働基本権問題をないがしろにしており、到底認めることはできません。政府は、長年にわたるILO勧告、国際労働基準を一日も早く受け入れ、民主的な公務員制度改革に努めるべきです。
 第二に、昨年、我が党が民主党とともに提出した改正案にも人事管理制度、等級別基準職務表が含まれていますが、これは自律的労使関係の確立と一体のものであります。
 今回の改正案では、労働基本権の回復、少なくとも対等な労使交渉と合意がないまま、機械的に公務職場に能力・実績主義、人事評価制度が導入されることになりかねません。客観的な人事評価制度に不可欠である公平性、公正性、透明性、納得性、さらに労働組合の関与と参加等が担保されない以上、恣意的な人事評価制度が強行される可能性が極めて高く、職員の労働意欲と協力・協調関係を後退させ、労使関係の悪化をもたらしかねないと言わねばなりません。
 第三に、現在、多くの自治体では、等級別基準職務表は規則、要綱等で定められています。それは、自治体によって規模や組織構造、職制が大きく異なる以上当然のことであり、実情に即した合理的措置と言えます。しかし、本改正案では一律に条例化を求めています。これは人事管理における自治体の自主性、主体性を奪うものであり、地方自治の観点からも問題と言わざるを得ません。国から自治体への一方的押し付けは厳に慎むべきです。
 一日も早く自律的労使関係が確立され、職員が働きがいと誇りを持って公共サービスに邁進できる労働環境が整備されるよう強く求め、反対討論といたします。
#173
○委員長(山本香苗君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#174
○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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