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2014/05/20 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 総務委員会 第20号
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2014/05/20 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 総務委員会 第20号

#1
第186回国会 総務委員会 第20号
平成二十六年五月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     東   徹君     片山虎之助君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     石上 俊雄君     前川 清成君
     藤末 健三君     那谷屋正義君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     那谷屋正義君     藤末 健三君
     前川 清成君     石上 俊雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 香苗君
    理 事
                二之湯 智君
                丸川 珠代君
                吉川 沙織君
                若松 謙維君
               渡辺美知太郎君
    委 員
                井原  巧君
                石井 正弘君
                礒崎 陽輔君
                小泉 昭男君
                島田 三郎君
                関口 昌一君
                柘植 芳文君
                堂故  茂君
                藤川 政人君
                石上 俊雄君
                江崎  孝君
                那谷屋正義君
                難波 奨二君
                林 久美子君
                藤末 健三君
                前川 清成君
                片山虎之助君
                寺田 典城君
                吉良よし子君
                又市 征治君
                主濱  了君
   国務大臣
       総務大臣     新藤 義孝君
   副大臣
       総務副大臣    関口 昌一君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  伊藤 忠彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  関  博之君
       総務省自治行政
       局長       門山 泰明君
       厚生労働大臣官
       房審議官     高島  泉君
   参考人
       明治大学法科大
       学院教授     碓井 光明君
       奈良県知事    荒井 正吾君
       大阪大学大学院
       法学研究科教授  北村  亘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(山本香苗君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、東徹君、藤末健三君及び石上俊雄君が委員を辞任され、その補欠として片山虎之助君、那谷屋正義君及び前川清成君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山本香苗君) 地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 本日御出席いただいております参考人は、明治大学法科大学院教授碓井光明君、奈良県知事荒井正吾君及び大阪大学大学院法学研究科教授北村亘君でございます。
 この際、参考人の方々に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十五分程度で、碓井参考人、荒井参考人、北村参考人の順に御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おき願いたいと思います。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず碓井参考人にお願いいたします。碓井参考人。
#4
○参考人(碓井光明君) 私は、明治大学法科大学院にて行政法を担当しております碓井光明と申します。
 縁ありまして、第三十次地方制度調査会の専門小委員会委員長を務め、また、先般諮問のございました第三十一次地方制度調査会の副会長を仰せ付かりました。このような立場から、第三十次地方制度調査会答申の内容を踏まえまして、今回の改正法案についての所見を述べたいと存じます。
 第三十次地方制度調査会に対する諮問事項は三つございました。
 第一に、議会の在り方を始めとする住民自治の在り方であり、これについては、平成二十三年十二月に地方自治法改正案に関する意見として取りまとめられまして、平成二十四年の地方自治法改正に結実しております。
 第二に、我が国の社会経済、地域社会などの変容に対応した大都市制度の在り方でございまして、これについては、平成二十四年一月から議論をして、同年十二月に大都市制度についての専門小委員会中間報告を取りまとめました。
 第三に、東日本大震災を踏まえた基礎自治体の担うべき役割や行政体制の在り方でございました。このことについては、平成二十五年一月以降、議論をいたしました。
 第三十次地方制度調査会は、約二年間で、五回の総会と三十六回の専門小委員会におきまして、関係団体からの意見聴取を含めまして調査審議を行いました。おおむね月二回のペースで開催したことになります。これらの議論を踏まえまして、最終的には、平成二十五年六月に大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申を内閣総理大臣に提出いたしました。
 この答申は、我が国が人口減少社会となったことは否定できないという現状認識からスタートしているものでございます。
 今後、一層の人口減少が進む中におきましても、集落の数自体の減少は人口の急激な減少ほどではなく、人々は国土に点在して住み続け、単独世帯が増大いたします。人々の暮らしを支える対人サービスの重要性はますます高まってまいります。このように、人口が収縮していく中で、都市構造や土地利用の在り方の見直しについても基礎自治体が適切に役割を果たしていくことが求められております。
 答申は、こうした中で、人々の暮らしを支え経済を牽引していく核となる都市やその圏域を戦略的に形成して、その上で、全国の基礎自治体が人々の暮らしを支える対人サービスの提供を持続可能にする仕組みが必要である、このような認識に立っております。人口減少社会における基礎自治体の行政サービス提供体制をどのように構築していくのか、この非常に重要な課題につきまして精力的に調査審議を行いました。
 まず、基礎自治体の行政サービス提供体制を構築する一つの方法としては、市町村合併というものがあります。平成の大合併につきまして、短期的には行財政の効率化や広域的な町づくりの推進などの成果があり、専門職員の配置などの組織体制の充実も見られたところでございます。一方で、合併後も人口規模が小さな市町村においては、専門職員が依然として不足しているとか、行政区域の広域化に伴いまして住民の声の行政への適切な反映などについての課題も残されております。したがって、市町村合併については長期的に判断していく必要があるだろうと考えております。
 そのような中で、人口減少社会における基礎自治体の行政サービスの提供体制を考えたときに、自主的な合併も一つの手段でありましょうが、市町村間の広域連携、都道府県による補完などの多様な手法がもっとあってもいいのではないか、そして多様な手法の中から各市町村が最も適したものを自ら選択できるようにする必要があると考えたところでございます。多様な手法と選択の視点ということになります。そのためにどのようなことが必要なのかを検討するためには、それぞれの市町村が置かれている状況を踏まえる必要があります。
 答申におきましては、地方圏と三大都市圏とに分けて考えることといたしました。地方圏の方は、三大都市圏に先行して高齢化、人口減少といった問題に直面してまいりました。三大都市圏から地方圏への人の流れをつくるためにも、地域を支える拠点の構築が課題であると考えられます。答申は、その拠点を地方中枢拠点都市と位置付けました。これは、指定都市、中核市、特例市のうち、地域の中枢的な役割を果たすべき都市のことでございます。この都市を核といたしまして、市町村と連携して都市機能の集約とネットワーク化を図っていくことが重要と考えます。
 具体的な分野につきましては、地方におきまして様々な工夫がされるでありましょう。答申におきましては、産業振興、雇用確保、広域観光、高度救急医療、介護、障害者福祉、広域防災、人材育成等として例示してございます。
 集約とネットワーク化の考え方は、全く新しい概念というわけではなく、平成二十一年度に定住自立圏施策が進められたときに考えられた概念でありまして、今回もその概念を受け継いでおります。しかし、指定都市や中核市等の人口規模の大きな都市におきましてはこの集約とネットワーク化が進んでいない状況にございます。これは財政的な支援が十分ではなかったことにもよっていると考えられます。答申は、人口規模の大きな都市を核とする都市圏を形成することを狙いとしております。強力な財政支援を含め、政府全体の取組を期待しているところでございます。
 一方、地方中枢拠点都市や定住自立圏の中心市から相当距離がある小規模市町村については、基礎自治体間の広域連携のみで課題を解決することは困難と思われます。答申は、市町村を包括する都道府県が地域の実情に応じて市町村の事務を代わりに処理することも必要であるとしました。市町村の自主性を尊重しながら、補完的な役割をより柔軟に果たしていくことが求められます。
 三大都市圏につきましては、地方圏に比べてこれまで高齢化の進行が緩やかでありましたが、これからは団塊の世代を中心に急速に高齢化が進行していくために、極めて短期間のうちに対策を講じる必要があります。同時に、三大都市圏には若い世代が比較的多いことから、少子化対策においても果たすべき役割が大きいと考えられます。家族やコミュニティー機能の低下など、暮らしを支える対人サービスが必要な状況にございます。
 さらに、高度経済成長期に整備いたしました社会資本は一斉に更新時期に来ております。山積する課題に対応するために、効率的で効果的な行政体制を整備する必要があります。
 三大都市圏は、現在、規模、能力が一定以上あるものの、面積が、あるけれども、狭い、そういう都市が圏域内に数多くあります。したがいまして、地方圏における核となる都市と近隣都市、近隣市町村との集約とネットワーク化を進める方策をそのままに三大都市圏に応用することはできません。そこで、三大都市圏におきましては、各都市の間で水平・相互補完的な、双務的な役割分担を担うことを促進すべきだとしております。
 以上の検討を踏まえまして、広域連携を進める上で、現行の共同処理方式は活用されていないわけではありませんが、迅速な意思決定やガバナンスの面で課題もございます。そのため、答申は、現行の事務の共同処理方式に加えて、地方公共団体間における柔軟な連携を可能とする新たな広域連携の仕組みを制度化すべきであるといたしました。もう一つは、市町村間の広域連携を促すための方策といたしまして、都道府県の補完をしやすくすることも考えたわけであります。
 柔軟な連携の詳細な仕組みにつきましては、答申段階では具体化されておりませんでしたが、答申を受けた法制化作業の中で具体化された結果が改正法案となっております。答申の趣旨を生かすために、精力的に法制化の作業をなされたことに敬意を表したいと存じます。
 改正法案に盛り込まれております連携協約は、市町村間の広域連携を促すことを念頭に法制化しようとするものであります。柔軟な連携を考えるときに、事務分担だけでなく、政策面の連携も含めて地域の実情に応じた連携を可能にする、組合や協議会のような別組織をつくらない、より簡素で効率的な相互協力が可能になる、そして、広域連携は法人格のある主体同士の関係であることから、安定的、継続的な仕組みが存在することが重要でございます。連携協約はこのようなコンセプトを満たすものとなっておりまして、高く評価したいと考えております。
 改正法案には、事務の代替執行が盛り込まれております。都道府県による補完をしやすくするということを念頭に法制化されたものと思われます。
 都道府県が補完をするという場合に、補完される市町村の自立性を保つこと、それからさらに、組合や協議会のように別組織をつくらないで、より簡素で効率的な相互協力が可能であることが重要であります。事務の代替執行は、事務委託とは異なりまして、事務・権限が補完する都道府県に移らないわけでありまして、補完する側の都道府県に事務を任せきりにするのではなく、補完される市町村の意思や監視が担保される工夫された仕組みであり、活用が期待されます。
 以上に加えて、今回の答申は、中核となる都市の形成のため、大都市制度の見直しも求めております。二重行政や住民自治の課題がある指定都市につきまして、昭和三十一年の制度創設以来の制度見直しや更なる権限移譲のため、中核市制度と特例市制度との統合を求めております。答申におきまして必ずしも固まっておりませんでした事柄も含めまして、答申の趣旨が今回の改正法案に盛り込まれており、この点を評価したいと存じます。
 人口減少化は待ったなしの極めて大きな国家的課題でございます。その中で、基礎自治体がいかにして持続可能な行政サービスを提供するのかという問題意識の下に、第三十次地方制度調査会は審議を重ねました。市町村が基礎自治体として包括的に事務を処理する役割を担う、これが大原則でございます。この原則の下に、人口減少社会という現実の前に、その役割をどのように果たすのか、果たせるようにするのか、これを考えないといけないわけであります。
 答申は、そのような人口減少社会への対応策として、単独の市町村があらゆる公共施設を維持し全ての行政サービスを提供するという発想ではなく、地方公共団体が連携、協力して集約とネットワーク化を進める必要があるといたしました。まずは現実的なものを提示したものでございますが、この対応策で十分であるのかどうかにつきましては引き続き検討する必要があると思われます。答申におきましても、例えば、三大都市圏は交通施策や防災対策など都道府県の区域を超えて調整が必要な課題もありますが、今回の答申におきましては、引き続き検討とされているところであります。先般始まりました第三十一次地方制度調査会におきましても、人口減少社会に的確に対応する三大都市圏及び地方圏の地方行政体制の在り方、地方公共団体のガバナンスとチェック機能の強化を図るための方策が諮問されたところでございます。
 人々が安心して暮らせる社会を地方制度の面からいかにして支えるか、これが人口減少社会への対応を念頭に置いてこれから幅広く検討されなければならない事柄と考えております。
 どうもありがとうございました。
#5
○委員長(山本香苗君) ありがとうございました。
 次に、荒井参考人にお願いいたします。荒井参考人。
#6
○参考人(荒井正吾君) 今日はお呼びいただきまして、ありがとうございました。十分説明できるかどうか分かりませんが、参議院時代いろいろ教えをいただきましたことを思い出しながら陳述させていただきます。
 お手元の資料がございますが、一ページ目を開いていただきますと、今般の自治法へは賛意を表します。とりわけ連携協約制度の創設は時宜を得た制度だと思います。その御努力につきまして敬意を表し、その方向性について強い賛意を表するものでございます。本日の私の陳述は、今後のこの方向での展開で参考になればという思いで述べさせていただきます。
 地方公共団体の連携の必要性についても、この今回の法改正は私どもと共通する認識があるように思いますので、その点を確認の意味で述べさせていただきます。
 二ページ目でございますが、連携の必要性につきましてでございますが、全国同じでございますけれども、人口減少と高齢化比率の増加でございます。旧来にないシステムの改革が要求されているように感じております。
 左の方の図が将来人口の減でございます。右の方は、赤い方が奈良県ですが、高齢者人口比率が増えるという、平均よりも多くなるということでございますが、人口の増減を見ますと、明治以降百年で、四十万人の人口が八十万人に百年間でなりました。その後三十年間で八十万人が六十万人増えて百四十万人になりました。百年で四十万人増え、三十年で六十万人増えた、人口が急増いたしましたが、それは社会増でございます。ほかの都市周辺と同じように社会増でございます。ニュータウン現象で急速に高齢化比率が高まる、ニュータウン現象が襲う地域であるというのが基本的な認識でございます。
 その必要性の認識のもう一つの点は、市町村合併はこれ以上進まないように思います。また、合併市においても市政の運営の停滞が見受けられます。合併による地方行政効率化は限界を迎えているように感じました。異なる手法による地方行政効率化が必要ではないかというのがもう一つの動機でございます。
 市町村数の変化がございます。明治大合併、昭和大合併、平成の大合併でございますが、その図を、ちょっと見にくいので恐縮でございますが、見ていただきますと、明治の大合併が大きく町村の数を減らしております。平成の大合併も減っておりますが、明治から平成を通じますと、奈良県と全国は全く同じ削減率でございます。平成の大合併のときには合併が進まなかった県でございますが、明治以降はこのような状況でございますが、合併についても限界があるのではないかというふうに感じているところでございます。
 もう一つは、四ページ目になりますが、大都市に人口が集中いたしまして、いろんな力の脆弱な公共団体が多く存在いたします。弱い者同士の合併では地方行政力が強化されない、県との連携が必要だということがもう一つの必要性の認識でございます。
 そのような発想から、五ページ目になりますが、合併という形態ではない地方行政組織の強化の必要性を感じておりましたので、それは県と市町村間の連携を積極的に推進するということでございましたので、今回の地方自治法改正の賛意の動機ということにもなるわけでございます。
 その基本的認識として感じたことを幾つか挙げさせていただきますが、一つ目は、県と市町村は、それぞれは同列の地方自治体であり、一方が他方を支配する関係ではない、対等だ、支配、服従の関係でないというのが出発の認識でございます。二つ目は、県と市町村は、憲法と国の法律、国法が禁止しない限り、それぞれの地方議会の承認を得て、他の公共団体と自由な立場で連携、協働を進められるというのが原則ではないかと思います。そういたしますと、組織の強化よりも業務効率化、合理化を目指すという方向に感じたわけでございます。
 三つ目でございますが、六ページ目を開いていただきますと、県の役割はどのように思ってきたかということでございますが、県は、市町村と異なる広域的な行政、地理的な行政分野がありますので、市町村と異なる視野が持ち得る、異なる役割分担もできるということを念頭に、積極的に連携、協働を努めるべきと考えまして、サッカーに例えますと、県はピッチの外からピッチ内の市町村の選手の動きを観察して、よく動いている選手とサボっている選手がよく分かるわけでございます。ピッチに入れば、国がディフェンスで市町村がフォワード、住民がゴールといたしますとミッドフィールダーだと、こう職員に言っておりました。とりわけ、ボランチとしてよく働けば良い統治構造ができる。オシムさんが言っておられましたが、良いミッドフィールダーは賢く考え、よく走ると言っておられましたので、県の役割は、よく考え、賢く考え、よく走るべしというふうに職員に言っておりました。
 もう一つ、この作戦を浸透するためには統計の積極的な活用だと思いまして、統計重視でございますが、エビデンスベースドのニュー・パブリック・マネジメントということを標榜してやってまいりました。
 どのようにしたかということでございますが、七ページからでございますが、平成二十年から、第一期の当選の次の年から、知事と市町村長全員で奈良県・市町村長サミット会議を開始いたしました。同会議においては、地方では先進的な取組が随所に見られますので、ここに挙げました市長さんなどを招いて感銘を与えました。本当にすばらしい市長さんがたくさんおられました。県からは、各テーマごとの統計処理をした分析資料を提示いたしまして、市町村を刺激をいたしました。
 その刺激した例を、八ページ目以下に少しありますが、ちょっと見にくい資料で恐縮でございますが、八ページ目は、左の方が市町村の経常収支比率の比較ですが、上の方、人間ドックの指標みたいでございますが、経常収支の上の方が改善した分野、下の方が悪化した分野。左の方が平均より悪い人たち、右の方がいい人たち、左の方が要治療の人たち、右の方が健康ということで、一番悪いのが要治療の人が更に悪化させているというので糖尿病みたいなものでございますが、このような指標を毎年市町村ごとに出して刺激をしております。右の方は徴税率でございますが、同じように平均より上の人が右、下の人が左、改善した人が上、悪化した人が下ということで、この徴税率の表を出し始めましてから随分その改善が進んだものでございます。
 二つ目の例は九ページ目でございますが、健康寿命と健康努力というのを指標化いたしました。上の方の横軸は行動指標、インプット指標でございますが、スポーツをするとか栄養があるとかがん検診が多いとかという市町村のランクと健康寿命の結果指標を並べますと、なかなか関連はいたしませんが、上の方でいいところはいい、悪いところは悪いというふうに分かれてくるのが分かってきております。これをできるだけいいインプットをするようにという努力をしております。
 十ページ目でございますが、これは健康寿命と医療費と介護保険料の比較でございます。健康寿命は各市町村ごとに違うわけでございますが、健康寿命の短い、低い方の市町村には介護保険料も高くて治療費も多いという傾向が見られております。このような資料を出しながらということでございます。
 これまでの進め方でございますが、平成二十年からサミットを始めましたが、二年ほどしまして、二十二年三月には七十三の業務を協働、連携の候補者として挙げました。その一つが十一ページ目でございます。これまで具体的な成果が出ているものとまだそうでないものがございますが、成果の出ているものは十二ページ目に書いてあるようなものでございます。また、新しく出てきたものは、原発問題が出ましたので、エネルギー問題でございますとか人事の問題、交通サービスの問題などに新しく連携の対象として取り組む検討を始めております。
 また、地域ごとの懇話会も発生させました。十五ページ目になりますが、この連携の基本的な考え方でございますが、まず、広域の水平連携を県が支援するという形でございます。積極的な垂直連携の参加という形でございます。
 もう一つのパターンは十六ページになりますが、市町村からの権限を逆移譲してもらって県が代替執行すると。今度の法案の中にもその一のパターン、二のパターンが入っておりますので心強く思っているところでございます。
 三つ目のパターンは十七ページ目でございますが、県の事務委任を地域を選んですると。
 この三つのパターンで出発をいたしましたが、その後の発想が展開いたしまして、十八ページ目になりますが、マネジメントということで発想いたしました。人的資源、財政的資源、又はファシリティーなどを県と市町村がそれぞれ融通し合おうという発想でございます。
 十九ページ目になりますが、県の土木部を県土マネジメント部というふうに改称いたしました、気分の問題ですが。また、総務部にファシリティマネジメント室というのを創設いたしました。マネジメントという発想を植え付けるということでございます。
 二十ページ以降は取組事例の御紹介でございます。ざっと申し上げますが、二十一ページ目は道路橋梁の維持管理で、県では、町村で土木職員が一人もいない町村が九つございますので、それを県が代行するといったような発想から、このように点検から維持管理の代替執行が進んできております。
 二つ目は、二十二ページでございますが、徴税強化でございますが、町村の徴税は、町のボスが、おい、俺からどうして税金取るんだと町長のところに言われますと、町長が、そうだな、ちょっと猶予しようかというようなのも、奈良県だけじゃないと思いますが、時々ありますので、県が代わって、おいこらと言いに行くというようなことをやり始めますと、結構税金はちゃんと払うようになりましたでございます。
 二十三ページ目は自治体クラウドでございます。これは、関係の町村が集まってクラウドを導入されまして、県は、CIOという電算の得意な人を派遣してマネージするという人材派遣をいたしておりました。
 二十四ページ目は水道の連携でございますが、県営水道から県域水道ということを標語にいたしまして、県は卸売でございますが、市町村の小売に対しまして、県水を選ぶか地下水を選ぶか、新しい投資のときに選択してください、合理的な方を選んでくださいという、県の支援はどうぞ御利用くださいといったやり方で、水道の連携又はメーターの共同検針などのアウトソーシング、共同アウトソーシングにも取り組んでおります。
 二十五ページ目は、過疎地の南和病院が、公立三病院がございましたが、一つの広域医療拠点にいたしまして、過疎債で造りまして、過疎債の地元負担の六割を県が負担するというやり方で新しい病院群を造りました。
 二十六ページ目は広域消防でございますが、九十万人の広域消防の組合が設立されまして、県は全面的に支援をするというふうにしております。
 二十七ページ目は、現在進行中でございますが、バスが、コミュバスと路線バス、また県、国の支援がございますが、それをどのようにするかという協議会を始めております。協議会で決めてそのようにバスを走らせようということを今具体的な路線ごとの協議に入っております。
 ごみ処理は、二十八ページ目でございますが、これ、市町村ごとのごみ焼却場、なかなか問題でございますので、共同処理ができないかということを模索されている町村がございますので、県はそのような町村を助けるということをして、循環型社会推進モデルプロジェクトとして予算を取っております。
 最後に、健康寿命日本一でございますが、健康寿命を良くすると医療費が抑制されたり介護費が抑制されたりするわけでございますが、どのようにすればいいのか。それぞれ市町村でばらばらにやっていてはなかなか効果がないので、県は、一緒にやりましょうと。例えばがん検診の受診率向上と、その一つのアイテムでございますが、そのようなことを協働化してやりましょうというようなことをやっております。
 このような広域連携また代替措置など、今回の地方自治法の中に入っておりますようなことを、必要に迫られて、奈良はいろんな面で遅れてきておったところでございますので、何か新しいチャレンジをしなきゃこれからは地方行政もたないという思いでいろいろ取り組んできたものでございますが、今回の地方自治法改正はそのような仕組みを大変力強く後押ししていただけるような制度だというふうに思えるわけでございます。是非積極的な採決をお願い申し上げる次第でございます。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(山本香苗君) ありがとうございました。
 次に、北村参考人にお願いいたします。北村参考人。
#8
○参考人(北村亘君) おはようございます。大阪大学の北村と申します。本日はこのような機会を与えていただき、どうもありがとうございます。
 私の発表は、今までの流れからしますと、碓井先生が全体的な答申を受けての法律の改正についてお話しになり、荒井知事からは実際にもう実践されていたことが法律になっていくというプロセスについてお話しいただき、そして私が何を話すかといいますと、一枚めくっていただきまして、政令指定都市を中心とした大都市圏の制度設計についてお話をさせていただくということで、これで十五分間程度いただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 おさらいはもう結構かと思います。大都市制度、政令指定都市というのは、申請を出された五十万人以上の市が政令で指定を受けるわけでありまして、これ、中核市、特例市というのと、結局今は政令でいずれも指定を受けるわけでして、そういう意味ではよく似た決定の手続になっているわけでありますが、ただ、およそ道府県の七割から八割ぐらいの権限があり、区による行政ですね、行政区で事務を行うというのが自治法に書いてある特徴でございます。いろんな財政的な措置が講じられているわけでございまして、現在では多くの基礎自治体がこれに移行したいというふうに思っておられるというふうにも言われているわけでございます。
 ただ、この政令指定都市制度というのは課題もございまして、そもそも一九五六年に創設されたときも道府県と旧五大市との間でやはり対立があった。旧五大市の方は、自分で当然税源を使いたいという、そういう欲求がございます。他方で、周辺の残部、周辺のところからすれば、それは再分配に回してほしい、当然そこだけで全部完結しているわけじゃないじゃないか。それを受けて、道府県というのは、当然のことながら再分配をすることに、当然調整をすることに存在意義があるわけであります。どうしても道府県と旧五大市というのが対立をしていたわけで、そこで一九五六年にこの現在のようなシステムができ上がったわけでございます。
 ただ、その後、いろんな政策目的が混入してきます。本当に大都市というのは、この法案に出てくるような地域中枢拠点都市のように、この地域の中核をつくろうということももちろん目的としてあったと思うんですが、やはり国家の全国経済ですね、全国経済を牽引する、そういう役割を担う大都市であってほしいという思いも他方であったわけでして、ただ、そうなると、五つの町というのはよく分かるんですが、現在では二十市あります、政令市は二十市あります。私が小学生の頃習ったときは百万都市というふうに覚えろというふうに学校の先生に教わったんですが、現在、百万都市を超えているところは幾つあるかというと、かなり少ない部類に入ってきているんじゃないか、半分ぐらいになっているんじゃないかというような認識がございます。そういう意味では、少し膨張し過ぎたという印象はあるわけです。
 フランスでしたらパリ、リヨン、マルセイユ、三大都市、イギリスでしたら六大都市圏というふうにもうぱっと出てくるわけですが、日本で普通の街角で聞いたときに二十政令市を言えるというのは、なかなかクイズ番組に出るような方じゃないと無理だと思うんですね。そういう意味では非常に難しい。
 これはなぜ増えたかといいますと、市町村合併のためのインセンティブに二〇〇〇年代使われたということは、やはり少し大都市をどうするかということではない目的が入ってしまったというのが私の考えるところでございます。そういう意味では分散投資になってしまった。これが意図した結果だったら私はよかったと思うんですが、意図せざる結果としてそうなったというのが問題ではないかというふうに思うわけです。そもそもの政令指定都市制度が曖昧な位置付けになったということが一つ目の問題でございます。
 あと、制度固有の問題ですね。行政区で行政をしなさいということは、これも大都市であるがゆえに住民の意向が少しでも反映するようにというこれ配慮だというふうに思われるんですが、当然その行政区でやるということは非常に効率性の観点からいうと実は余りよろしくないわけですね。小さな単位でやればやるほどコストは掛かってしまうわけであります。
 しかも、そこで行われていることを、じゃ合併してやればいいのかというと、そういう単純な問題でもなく、実は総務部門で使っている費用、区レベルで使っている費用は大阪でも十数%、横浜では一〇%以下というふうになっておりますので、合区しても余り実は歳出削減効果というのはない。もちろんやった方がいいのかもしれませんが、やったところで抜本的に何か良くなるということではないわけであります。
 また、府県レベルで政令市がどのぐらいの人口を占めているのかというのは実は大きな問題でして、府県というのは基本的にやはり地域振興とか大きなレベルでの経済、その地域経済を担っているわけであります。そこにどの程度大都市の意向が反映しているのか、又は大都市以外の地域の意向が反映しているのかというのも実は重要な問題です。
 実は、大阪という町、私、大阪から参っておりますが、大阪は堺市と大阪市合わせましても大阪府の人口の半分以下でございます。つまり、府議会で代表を出すという観点からいいますと、大都市の意向が余り反映されない可能性があるわけです。他方で、京都府、私が生まれたところですが、京都府というのは京都市が京都府の人口の半分以上を占めております。つまり、京都市中心に京都府の行政が、例えば道路計画であったりいろんなものが、地域振興計画が動いてしまう可能性があるということであります。こういうようなものをウエストロジアン問題、日本型ウエストロジアン問題というふうに言うわけでありますが、非常にこれも問題である。
 あと、景気に左右される税制、基本的に基礎自治体というのは固定資産税等々で余り景気に左右されないということが教科書的にも言われているわけですが、実際のところ、大都市の場合は法人市民税であったり固定資産税も地価の変動というのの影響を受けますので、非常に大都市の歳入というのは景気に左右されてしまうというところもございます。あと、大都市で上がっている税収のうちのそこで使えるお金というのは実は半分にも満たないわけでございまして、これが一部の大都市には負担になってしまっているわけであります。
 私は、全ての大都市で全部大都市自由に使えという立場ではございませんが、ただ、数を絞ってお金を使う、自分で成功も失敗も味わっていただくような大都市、そうじゃないと活力は生まれないというふうにも思っているわけでして、この低い還元率を一律に押し付けているというのは非常に問題ではないかというふうに思っております。
 あと、権能として、先ほど府県の七割から八割できるというふうになっておりますが、実際のところ、財政的に措置されている部分というのは僅かでございます。基本的に持ち出しでやっているわけですね、大都市が。ということになりますと、景気のいいときはいいんですが、景気が悪くなった瞬間にそれが一気に負担になってしまうということで、非常にこれも難しいところではないかと思っています。
 あと、大都市というのは基本的に、例えば昭和三十年代に橋は全部鉄筋になり、小学校等もコンクリート化、一気に進めました。これが一気に当然更新年数を迎える。これはもう碓井先生もおっしゃっていたことでありますが、公共施設、そのほかにもたくさん一気に更新を迎えております。これが非常に重い負担になっているわけですね。大都市であるがゆえに基本的にそういうようなもの多うございますので、非常に問題になっているわけでございます。
 あと、社会経済環境の制約というのも非常に大きゅうございます。大阪市の場合、人口二百六十万に対してお昼間にいる人口が三百五十万人おります。つまり、お昼間に九十万人周辺から流入してきているわけであります。奈良県もそうですし、三重県もそうですし、私は滋賀県に住んでおりますが、滋賀県から大阪に流入している一人であります。そういう意味では、後で資料を御覧いただければと思うんですが、大阪市の地下鉄でほとんどの人、使っている人は市民以外です。しかし、維持しているのは市でありまして、このギャップですね、母都市機能というふうに言いますが、これも非常に一部の大都市を苦しめているわけであります。
 少子高齢化も全国よりも厳しいペースで進んでいるところもあります。
 生活保護に関しましても、生活保護をもらう低所得な方も非常に多うございます。ただ、もちろん不正受給は許されませんが、もらっている方の内訳、大都市で見てみますと、独身男性単身世帯という、そういう方が多うございます。つまり、関西でいいますと、日雇労働で大阪万博や高速道路なんかを造っておられたときに活躍された方がちょうど今七十歳前後になっておられるということで、非常にこの方々、今から働けといってもそれはちょっと酷な話でして、認知症なんかを発症されておられて、これを見回るだけでもかなりのコストになっているわけでございます。
 そういう意味では、政令指定都市というのは、制度固有が持っている問題と社会経済環境の変化によって発生した問題というのがありまして、一概に制度を変えれば全てがうまくいくとか、そういう制度決定論的なことも言えない。ただ、座視して放置しておいていいのかというと、そういう問題でもないんだということを是非とも御理解いただければというふうに思っております。
 そこで、そもそも大都市とはという話に入っていきたいわけでございますが、基本的に、大きな単位、日本でいいますと府県ですし、小さな単位、それはここでは大都市のことですが、この利益をそれぞれどのように調整するのかというのは非常に大きな問題でございます。いずれも民意を反映した首長と議会を抱えているわけでして、当然のごとく、その地域の利益を最大限、自分の選出された地域の利益を最大限に考えるのは当然のことでございます。これをどのように調整するのかというのが非常に問題です。
 先ほど、奈良県のお話というのは大変興味深いお話でして、こういうようなものを調整会議という形で大都市で導入していくというのは非常に意義のあることではないか。もちろん、調整会議ができたからといって全てがうまくいくとかそういうことを言っているのではなくて、少なくともそういう箱ができる、形ができるということは意味があることだというふうに思っております。
 基本的に、小さな単位になればなるほど非常に、言葉はよろしくないんですが、エゴイスティックなところが出てまいります。福祉を例えばある町で充実させると何が起こるかといいますと、福祉の磁石効果、ウエルフェア・マグネット・エフェクトというふうに書いておりますが、近隣から低所得の人がその自治体に集まってまいります。国境と違いまして市の境には検問所はございません。たくさん、福祉の充実した、受給を求めて集まってこられるわけです。その結果、その自治体はパンクいたします。財政的にはパンクいたします。これを避けるために福祉というのは小さな単位ではやらないというのが外国でよく言われていることで、日本でも国保の都道府県単位化とか言われている流れというのもそれの一つだというふうに思うわけであります。
 いずれにいたしましても、小さな単位で福祉をやったりサービスをやるということにはいい点もあります。住民の意向が反映する、住民自治の観点からは大変よろしいものだという反面、そのように財政的に厳しくなることもあるんだということも是非とも御理解いただければというふうに思っております。
 じゃ、連携してやればいいじゃないかという御議論もありますが、これも非常に実は難しいところがありまして、皆さん、平成の大合併のときに地方で何が起こったかといいますと、お互い身体検査をしたわけですね、高齢人口はどれぐらいか、財政負担は。要するに、この人たちは債務はどれぐらい持っているんだというふうにお互い調べ合って、非常に難しいところがあったというふうに聞いております。同じようなことが起こらないとも限らないわけでございます。小さな単位でやると、合併と逆のことをやりますから行政コストは上がります。上がると同時に、そのような難しい問題を抱えているんだということでございます。
 そういう観点からしますと、今回の法改正というのは、現行法制内で最大限の改革をなされたのではないか。ただ、これがもちろん全て解決する万能の処方箋か、そういうことを言っているのではなくて、やはり何もしないよりは絶対何かした方がいい、そういう意味では一歩進み出したわけでございます。
 問題は、これから、大都市の問題いろいろございますが、先ほど申し上げた課題を解決していくときに、短期的な対応をすべきもの、中長期的な対応をすべきものというのをやはり切り分けた方がいいと思うんですね。いきなりもう大都市制度をがらっと変えてしまうというのは、中長期的には重要なことかもしれませんが、短期的に現行法制内の改正でできることというのをまずはやってみようということですね。それも、抜本的に変える、新規立法で変えるのかそうでないのかというのが非常に重要な点であると思います。つまり、軸は、漸進的な改革か抜本的な新規立法か、そして短期的か中期的かという、この二軸で考えてみるということが必要ではないかと思っております。
 そして最後に、ある地域が特定の地方制度を取りたいと言ったときに、どこまで皆さんが、国会が、又は中央政府が認めるかということもやはり憲法的に考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。例えば、大阪が大阪で何かをしたいというときにどのように対応するのか、それは、国が法律の中にメニューを五つぐらい例えば提示して住民投票で選ぶようにするというのも一つの手でしょう。これはイングランドでやっていることですね。そういうようなこととかも含めて、どこまで法律で許容していくのか、憲法的にも許容していくのかというのはお考えいただければというふうに思っております。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
#9
○委員長(山本香苗君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○島田三郎君 本日は、参考人の方々、大変貴重な御意見、ありがとうございました。まずもって御礼申し上げます。ありがとうございました。
 実は、我が島根県は、昭和三十年は九十二万の人口でした。先日、平成二十六年四月の人口が発表され、国勢調査が始まって以来初めて七十万人を下回りました。近年は、毎年自然減で四千人、社会減で千人、合わせて五千人程度が減少する傾向であり、将来のことを考えますとちょっと憂鬱になってくるわけであります。
 第三十次地方制度調査会で指摘があったように、地方圏は大都市圏に比べ早くに人口減少を経験しています。中でも島根県は今後日本の各地で経験する人口減少を先駆けて経験をしておるわけでありまして、いつも私はこの委員会で質問するときに、前向きに捉えれば最先端の地域などと申し上げております。
 そして、島根県では、基礎的自治体がどのように持続的に行政サービスを提供していくのかということは、どこよりも早く実は問題意識として持っておりました。例えば、第三十次地方制度調査会の集約とネットワーク化の基となった定住自立圏の取組をいち早く実施しているところでもあります。平成二十一年に中海を取り囲む形で中海圏定住自立圏が形成されております。これは、島根県の松江市、それから私の出身地であります安来市、また鳥取県の米子市、境港市で構成されております。この特徴は、実は中海という湖を取り囲んで、そして県境を越えた定住自立圏でございます。
 このような取組が進んだのは、元々歴史的な背景もございます。例えば、私個人申し上げますと、私の母親は鳥取県の米子市の出身でございます。それで母親の父は実は境港市、また私の家内は松江市でございます。要するに、この中海を通じまして非常に行き来が盛んであるわけであります。ですから、そういう中で平成六年に中海圏域の四市連絡会議というものが成立いたしました。関係団体が集まって平成十九年には中海市長会が結成をされました。中海を取り囲む中で同じ圏域という意識が醸成されてきたということ等が実は背景にあるわけであります。
 この中海圏定住自立圏では、産業振興を始め、医療、福祉、教育などの生活機能の強化、地域公共交通などのネットワークの強化などを県境を越えて取り組んでおります。実は県境だけではなく国境も越えておりまして、この圏域は、境港市なんですけれども、ロシアや韓国など北東アジアのゲートウエーとしてのポテンシャルを持っております。単独の市町村では困難でありますが、圏域として定期貨物船の支援を行ったり、ロシアの企業とのビジネスマッチングなどを行っている状況でございます。市町村は自ら海外に売り込みを掛け、産業を活性化し、活路を見出そうとしております。ある意味ではせっぱ詰まっておるということも言えると思います。
 そこで、碓井先生にお伺いいたします。
 そのような地元を抱えておる一人として、単独の市町村が住民に身近な行政サービスを全て担うというのは困難であることは明らかであります。集約とネットワーク化という考え方やフルセット型の行政からの脱却という考え方は、非常に私どもといたしましては理解ができるところであります。一方、そもそも伝統的に市町村は総合行政主体として包括的な行政サービスを提供するという役割があるとされてきたはずであります。だからこそ、市町村合併も推進されてきたはずだと思っております。
 総合行政主体である市町村がフルセット型の行政から脱却することについて、理念的にはどのように整理をすればいいのか、教えていただきたいと思っております。
#11
○参考人(碓井光明君) 議員御指摘のように、基礎自治体である市町村、これは総合的な行政サービスの提供主体としての役割を基本的に担うべきものでございます。地域における連携を強化するという考え方も、その原点に立ちつつ、どうやって協力し合って連携していったら強まるかということを考えているわけでございまして、決して総合行政主体としての基礎自治体の役割を放棄しようとか、それを捨て去るというものではございません。特に、人口減少社会におきましては、相互に補完し合うことによって強力な体制ができるのではないかと期待しております。
#12
○島田三郎君 市町村がフルセット型の行政から脱却するということになれば、当然、単独の市町村ができない部分を誰がやるか、このことが問題となってくると思っております。それでは、県の補完というものを進めていくという考え方が生まれてくると思いますが、ただこれは、どちらかというと県の補完は抑制的であるべきであると感じております。
 そこで、碓井先生にお伺いいたします。
 どうしても市町村間連携ができないということの見極めは大変僕は難しいものと思っております。答申のように、抑制的に県の補完を進めるべきだというスタンスならば、少し距離を持って市町村の取組を観察して、市町村が難しいという場合にサポートに入るというやり方もあると思います。しかし、一方では、むしろ県が積極的に働きかけ、県の補完を進めていくというやり方もあると思っております。無論、市町村間連携が進み、業務が縮小した県が何とか活路を求めて積極的に補完を始め、本来は市町村連携ができることなのに県が補完をしてしまうというやはり懸念も生まれてきます。しかしながら、都市部では、都市部に近い県では僕は当てはまると思っておりますが、過疎地を抱える県にとっては、やはり積極的な県の補完の方が現実的であると私は思っております。
 先生は、積極的な県の補完について、人口減少社会における地方制度の在り方を見据え、どのような所感をお持ちか、教えていただきたいと思っております。
#13
○参考人(碓井光明君) 私は、今日においては、道府県と市町村との関係、これは基本的にパートナーシップ関係にあるべきだと、こういうふうに考えております。ですから、市町村のことを抜きにした、積極的に道府県が市町村に切り込むということは考えられないわけでありまして、何事につけても協議ないしは協調が基礎になるものと考えております。その際に、当然、道府県の側は市町村間連携で大丈夫であるかどうかということは広域的観点から確認する必要がございますが、それを超えた積極攻勢ということは考えにくいところでございまして、要するに、まずは市町村はどうやって自分たちの地域の行政サービスを提供するかと、そこを基礎にして協議、協調によっていくべきものであるというふうに考えます。
#14
○島田三郎君 ありがとうございました。
#15
○前川清成君 おはようございます。前川清成でございます。
 まず、荒井参考人にお尋ねを申し上げたいと思います。
 荒井知事におかれましては、御多忙の中、日程も御調整いただき、あるいは短期間の間に資料も御用意いただきましたことを感謝申し上げたいと思います。
 私と知事とは、知事が二〇〇一年、私が二〇〇四年、参議院奈良県選挙区でそれぞれ初当選をさせていただきまして、自民党と民主党、政党は異なるんですけれども、裏表としてお付き合いをいただきました。その後も親しく御指導を賜っておりますこと、感謝申し上げたいと思います。
 今日、知事がこの総務委員会に参考人として出席されることは、日曜日の奈良新聞の一面のトップ記事でもございます。県民の期待も高まっている中の御発言でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、碓井先生も人口減少は待ったなしの国家的課題だと、こういうふうにおっしゃいました。また、過日、増田元岩手県知事を座長とする日本創成会議の人口減少に関する極点社会というふうな報告、これも奈良県下、とりわけ吉野郡の町村にとっては改めて衝撃的な内容でございました。今日は、この人口減少を座標軸にいろいろお尋ねしたいと思っています。
 まずは職場の問題でありますけれども、現実の問題として、吉野の地域で生まれた子供たちが、ふるさとで小学校や中学校に通うことができても、既に十五歳、高校に入学する際には親元を離れなければならないという現実があります。高校を卒業し、あるいは大学を卒業し、ふるさとに帰ろうと思っても、仕事がありません。進展する過疎を食い止めるためには就職先、働く場所を増やさなければならないと思いますけれども、土地の利用に関しては様々な規制があります。
 私の知り合いの会社、中南和の田んぼの真ん中に工場があるんですけれども、その田んぼの真ん中の工場を拡張しようといたしましたら、その辺りが農振地域のために、建設に大変時間が掛かってしまいました。奈良盆地、その多くが農振地域に指定されておりますけれども、田んぼよりも工場の方がはるかに多くの雇用を生み出します。私は、土地の利用に関しても、既に役割を終えているものや現実の経済を阻害しているものというのも多くあるように思っています。
 この土地利用の規制に関して知事はどのように考えておられるのか、さらには、より幅広く中山間地域の雇用を増やす方法、中山間地域で定住人口を増やす方策、実行しておられるものあるいはアイデアとして温めておられるものあればお聞かせをいただきたいと思います。
#16
○参考人(荒井正吾君) 御質問ありがとうございます。
 前川先生は民主党で私は自民党、参議院の、今日は民主党さん招致の参考人として出させていただきます、光栄でございます。また、前川先生は地元でも永田町でも評判、私よりいいように認識しております、御同慶の至りでございますが。
 今日、御質問にお答えいたしますが、人口減少に対してどう対応するかというのが基本問題でございますが、私は、人口の減少自身は問題じゃなくて、人口の構成のバランスがより問題だ、人口で、労働人口など貢献できる人と受益する人のバランスが高齢化によって崩れてきている、特に過疎地において崩れてきているというのが課題かと思います。人口が少なくても大変GDPが、GNPが多い地域、スイスのようなところもあるわけでございますので、日本は人口が減少しても活力のある社会ということは築くことは可能だと思いますが。
 さて、土地の利用ということでございますが、農振の地域の土地利用を職、雇用が発生するように工場転換できないかという御発想もあろうかと思います。
 奈良県は、実は農業放棄地が二〇%ぐらいあって、近畿で一番多い方でございます。田んぼは、田畑はあっても働く人がいないということでございます。特に、山の近く、里山に多いということでございます。したがって、比較いたしますと、神奈川県と経営面積は同じでございますが、耕作放棄地が多い結果、農業産出額は神奈川の方が倍あるということでございます。奈良県は四百三十七億しか農業産出額はございませんで、東京、大阪に次いで農業生産高が低いという県でございます。これはひとえに人が農業をしなくなったということでございますので、都市問題以前に人問題ということが課題になると思います。
 ところで、耕作放棄地をどう活用するかということが課題でございます。農業放棄地がある一方、農振地域として農業以外のことに土地転用するのに強い反対があるというのが課題だというふうに思っております。また、雇用をその農村地域に発生させるためには、やはり兼業農家を前提にした雇用、あるいは、とりわけ女性の雇用が発生するには近くに雇用がないといけないというふうに思っております。
#17
○前川清成君 今年四月二十三日の朝日新聞の社説の孫引きなんですけれども、この五年間で八千キロのバス路線が廃止され、バス停が五百メートル以内、駅が一キロ以内に存在しないエリアは日本の可住地域のおよそ三割を占めているということでございます。これは国土交通省の調査だそうです。きっと奈良県ではこの三割以上の割合だろうというふうに思います。
 しかも、人口減少と二〇〇〇年代以降の規制緩和に伴う過当競争、鉄道、バス事業者のおよそ七、八割が赤字だというふうにも言われています。しかし、バスがなくなってしまったら、公共交通がなくなってしまったら、子供たちが学校に通ったりお年寄りが病院に通ったりすることはできません。あるいは、私のように車の運転免許がない者もいますので、仕事やあるいは買物の足にも困ってしまいます。
 そんな中、今日の資料二十七ページでお示しをいただきましたけれども、奈良県では全国に先駆けて奈良県公共交通条例というのを施行されました。この公共交通条例の狙い、意図あるいは効果、どのような効果を期待しておられるのか。この辺りについてお聞かせをいただけたらと思います。
#18
○参考人(荒井正吾君) 地方のバス路線の維持というのは大事なんですが、走っていないバス路線まで維持するかどうかという課題があります。奈良県は奈良交通中心に百億円の売上げがありますが、そのうち八億円が公共団体の補助金でございます。八億円使うなら走っているバスに使うべしということをこの協議会のメーンテーマにしております。走らない、お客の乗らないバスまで維持するかどうかというのが一つの仕分の内容でございます。
 もう一つは、田舎におきましては、スクールバスあるいは施設バスがあるがために、子供の体力が落ちています。昔は里山を走っておりましたが、今体力が落ちているのは田舎の子でございます。一番体力があるのは都心の子で、階段、地下鉄、階段ばたばた上るので、自衛隊員は都心出身の方が体力があるというような時代でございますので、さてどうするかというのは課題で、これは別の課題でございますが、そのバスの世界でいいますと、路線バスの国の補助制度を中心にしたバスと、コミュバスと市町村のバスの間のつなぎの協議がなかったと。コミュバスと路線バスをどう組み合わすかというのもこの協議会のテーマでございます。コミュバスがどんどん遠くまで行ってもいいじゃないかというようなことを検討対象にしています。
 もう一つ、さっき言ったみたいに、人の乗らないバスを補助金出してまで乗せるかどうかというのが課題。調査いたしますと、一人乗るのに二千円補助金出している路線バスもあるわけでございますが、そういうことは知らなかったわけですが、それを目の前に置くと、さてこのバス路線を維持するかどうかということは行政課題ということになりますので、そのようなことを資料を突き詰めながら判断していこうというのが基本的課題になっております。
#19
○前川清成君 ありがとうございました。
#20
○若松謙維君 公明党の若松謙維と申します。
 参考人の先生方、大変御苦労さまでございます。
 私、東北、北海道を特に担当しておりますので、いわゆる地方圏という観点から人口減少、高齢化自治体についての課題についてお伺いいたします。
 特に秋田、青森はいわゆる高齢化先進県とも言われるわけでありまして、特に人口減少、高齢化自治体の各自治体における経営改革のちょっとポイントについてお聞きしたいんですが、特に財政的な質問になるんですけれども、これはちょっと直接法案と関わらないかもしれないんですが、御存じのように、人口減少だとやはり固定費、いわゆるインフラですか、これは一人当たりの住民の負担が高くなるということで何とかしなくちゃいけない。反対に、変動費というんでしょうか、例えば教育費は人口減少で減っていく、老人福祉費は増えていくと、そういう流れの中で、どういうふうに各自治体がこの経営改革というものを持っていくかどうか。これについては碓井参考人と荒井参考人にお聞きしたいんですが。
#21
○参考人(碓井光明君) 確たる自信のあるお答えをすることはできないわけでございますが、経営改革というときに、当然のことながら、どれだけ収入を上げるか、逆にまた他方で経費を削減するかということになりますが、そのような人口動態の中では多分経費の削減ということは難しい。そうすると、どうやって収入を上げるかということになります。この点については、議員も御承知のとおり、現在ふるさと納税というのが進んでおりますし、また法人に対する特別の税を設けまして再配分をしております。そういうのも一つの方向かと思います。
 これは全く私個人の考え方で、今後のまさに抜本的な改革につながり得るかどうか分かりませんが、より一層、都市で、特に大都市で働いている人と、それから地域で、特に過疎の村で過ごしておられる方々との協力関係を重視した税制の仕組みが考えられないかということを私は模索したいと思っております。経営改革ということにはつながらないかもしれませんが、そのように考えております。
#22
○参考人(荒井正吾君) 地方自治体、とりわけ市町村の経営改革ということでございますが、マネジメントという発想がどう入るか、とりわけ財政マネジメントというのをどうするかというような課題かと思いますが。
 それで、奈良は、市町村財政は悪い方、全国ワーストワンだったんです。市町村財政の経常収支比率ワーストワンだったんですが、それが今ワースト五ぐらいになったんです。徴税率と経常収支比率は反相関いたしますですね。ちゃんと徴税しない市町村はガバナンスが悪いということが分かって、悪い市町村は君のところだということを明確に出すようにしたらちょっとずつ良くなってきたというのを、資料を示すということが一つ大事なことであります。
 市町村の中で情報が回らないということは立ち位置が分からないということで、県が立ち位置を分からすというのが一つの県の役割と思っております。君はよく走っていないよ、もっと走るべきだということを資料で、エビデンスで示すということを指標でしております。
 それで、財政の改革、財政が悪い原因として分かりますのは人件費と公債費ですね。公債費は、かつてのばらまき首長がいた後始末で四苦八苦されていますので、大体、今大きなばらまきをする人はいませんが、福祉のこれはばらまきでなくても膨張圧力があります。
 もう一つは人件費ですが、人件費は単価、ラスパイレスで見れるのと定数ですが、ラスパイレスは奈良県低いんですが、定数が多いですね。昔、地方の議員さんが押し込んだ職員がまだたくさん残っております、奈良だけではないと私は思いますが。その人を働かせるというのは首長の大きな仕事ですが、すぐに要らないよと言えないというのでありますので、県と市町村と一緒になって定数管理を徹底できないか、人材育成を徹底できないかというのは経営改革の基本だというふうに思っております。
#23
○若松謙維君 先ほど碓井参考人がおっしゃった都市と地方交流、これは是非、観光ですね、力を入れて、やはり都会の方が必ず田舎に帰って顔を見せると、これをもっとやらなくちゃいけないという、そういう話だと思いますし、また、財政ガバナンスのお話でありますが、荒井知事にちょっとお聞きしますが、いわゆるCFOという言葉がございますね。これ、日本の地方自治制度には出ておりません。いわゆる財政管理責任者というんですか、これは企業では当たり前のごとくなんですが、ここが非常に日本の自治制度、国もそうなんです、曖昧というところで、このCFO制度を、例えば水道事業等ですね、じゃ、それに対して資金調達どうしたらいいのか、従来方式でやるのか、市場にした方がいいんだか、それをしっかり見る専門家というんですかね、それが組み込まれていないということなんですけど、これについて何か改善というか、お考えはございますか。
#24
○参考人(荒井正吾君) CFOを置くというのも一つの手だと思いますが、何よりもCFOに情報が行かないとCFOの力の発揮のしようがありません。情報は分析して公開するというのを、やはり大事かと思います。悪い市町村ほど情報を隠すというふうに思っていても間違いないというふうに思っております。
#25
○若松謙維君 分かりました。非常に悪い自治体ほどですね。肝に銘じてこれからも検討したいと思います。
 次に、これも碓井参考人と荒井参考人にお聞きしますが、連携とネットワークというお話をされました。特に、条件不利地域の事務というんですか、ということになりますと県の補完が必要になってくるわけでありますけれども、特に今問題になっているのはやはり医療ですか、特に市町村というか自治体病院というか、これがなかなか機能していないということで、いわゆる自治体の補助制度、補助金ですか、これは継続的でかつ稼働率も良くないと、そんな傾向が起きているわけでありますが、先ほど、南和地域ですか、そちらでは非常に改善がされたということでありますが、ちょっとそれ具体的に、県の補完とそれぞれの連携、特に医療についてどんなふうにしたら良くなるのかというのをちょっとお聞きしたいと思います。
#26
○参考人(碓井光明君) 残念ながら、医療のことについては詳しくありませんので適切なお答えができないかと存じますけれども、問題は、私の耳に入ってきている情報では、地方ほど実は医師を確保するのにもお金が掛かるということらしいのですね。それはいろいろな理由があるらしいんです。ですから、地域におきまして医療体制を組もうというときに、都会よりもお金の掛かる病院を維持していかなければならないということですから、そういう意味では、やむを得ないことでありますが、例えば市町村立の病院がありましたら、そこには県が当然応援するという体制があってもよろしいかと思います。
 それ以上に私お答えする能力を持っておりません。
#27
○参考人(荒井正吾君) 医療、特に医療過疎地の医療をどうするかということ、今回、医療・介護改正法が出ておりますが、社会保障審議会の医療部会に知事会代表して出ておりました。医師会と真っ向にぶつかって議論をしたんですけれども、医師会に任せろと、こう医師会代表が言うわけですけれども、医政局はガバナンスが要ると、地域の医療はその地域でやってもらいたい、病院完結型から地域完結型医療というふうに発想が変わりました。
 そのとき感じましたのは、国の一律じゃなしに、医療環境は全く多様でございます。地域ごとに違うということが大前提だということが分かりました。地域ごとに違うのを国の一律の制度のフレームでどのように多様な医療の向上を図るかということが課題だと思いますが、それで、都道府県がその医療のビジョンを作りなさい、地域医療のビジョンを作りなさいというのが法改正でございまして、医師会は反対でございましたが、医療部会では改正が成りました。
 そのときに、多様だということを前提にして、もう一つは、この委員会にも関係いたしますが、分権をする場合に、個別分権じゃなしに固まった分権が必要だと。医療法の分権だけじゃなしに、介護法の分権も、保険法の分権も、その地域の医療、介護、包括在宅医療も、法律がたくさんありますので、それをまとまって個別法で分権をするという手法が今度の医療法等の改正でされましたので、フレームとしてはそのような分権改革が望ましいというふうに感じたところでございます。
#28
○若松謙維君 ありがとうございました。
    ─────────────
#29
○委員長(山本香苗君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、前川清成君が委員を辞任され、その補欠として石上俊雄君が選任されました。
    ─────────────
#30
○寺田典城君 維新・結いの会派の寺田でございます。よろしくお願いいたします。
 碓井参考人にお聞きしたいんですが、今般の地方自治法の改正案で、政令市において総合区制度というものを設けようということにしましたけれども、その総合区長が、議会の同意だから特別職になるわけなんですが、それから市長によって解任もできるという制度なんですが、私は、やはり人口百五十万とか二百万超えるんだったら、区長の公選制がいいと思うんですよ。なぜかというと、やはり画一的な政治、大都市は。だから、中核市みたいな、特例市みたいに二十万、三十万クラスに市がなってお互いに競い合えば、いろんなことが、住民にとっても幸せなことだと思いますし、それをどう思いますかということを碓井参考人さんとそれから北村さんに一言ずつお願いしたいと思います。
#31
○参考人(碓井光明君) ただいまの議員御指摘の点は、地方制度調査会におきましても大分議論のあったところでございます。行政区においてその地域の一定の事務を執行していくというときに、区長を直接公選して住民自治を全うすべきだ、住民自治に基礎を置くべきだと、こういう考え方がもちろんありましたが、最終的に今回結実しているのは、そのようにした場合には市としての一体性というものが確保できない、市の政策とのミスマッチが生ずることがあるということでこのようになった次第でありまして、今議員御指摘のように、私も、例えば地域間における競争、地域というのはこの際は行政区ですが、行政区間における競争というのはこれから必然的なことでございまして、この今回提案されております総合区が発足した場合にもそういうことが志向されていると思います。しかし、そういう際に、一体性を保ちつつも、それぞれの総合区の区長が責任ある執行をしていくということでその辺の調和を図ろうとしているものと受け止めております。
#32
○参考人(北村亘君) ありがとうございます。
 基本的に、短期的な対応としては現在の特別職で総合区の区長を置くというのは私はあり得ると思いますが、中長期的には寺田先生がおっしゃるような当然対応もあるとは思います。
 ただ、その場合に、中長期と私が申し上げたのには理由がございまして、やはり、公選区長になりますと、自分の区のこと、総合区のことを考えられるのは当然のことであります。そういたしますと、全体の現在の市域の利益というよりは、できればその総合区の利益を優先してしまうという懸念がある。そこをどう解消していくかという仕組みをやっぱりつくっておかないと、例えば、NIMBYといいますが、私のところには来てほしくない施設というのができる、例えばごみの焼却施設とか、大都会ではやはり大きな問題になりますので、それはうちは嫌だ、こちらも嫌だといったときに、どのように調整するメカニズムを埋め込むのかというのがやはり大都市制度を運営していく上で重要である。大きな人数、たくさんの人が住んでいるわけですから、当然たくさんのいろんな利害が絡むわけでございます。そこをどのように調整していくのかという仕組みをやはり埋め込んでおかないといけないのかなというふうに思ったところでございます。
 お答えになっているかどうか分かりませんが、私からは以上でございます。
#33
○寺田典城君 住民に身近なところで意思決定されるというのは、これからますます特徴のある行政やる場合には私は必要になってくるんじゃないかなと、率直にそう思います。
 それと、何というか、総務省はこういう法律を、自治法の改正を小出しに出すというのは、自分でわざわざ仕事をつくっているのかなと思ったりもするんですよ。ということは、何というんですか、中核市とか特例市には権限移譲しますということなんです。ところが、都道府県は事務処理制度を使えば中核市並みの権限移譲できるんですよ。現に私は秋田県でそれを全部しましたけれども、できるんです。例えば、保健所を除けば。農地転用だって、それからパスポートだって、何だってみんなできるんですよ。ところが、それが、そうしたら中核市という意味は何なんだということになってくると思うんですよ。そこを荒井現職の知事の方からお聞きしたいと思います。
 もう一つ、あと、私は、地方分権推進一括法が二〇〇〇年で、二〇〇五年が町村合併特例法で、二〇〇五年は、平成十七年ですね、三千二百から千七百幾らまで合併しましたね。ところが、これから二〇四〇年に向けて人口は二割、三割減る地域がたくさんありますね。そうなると、町村合併によって自分の財政力以上の資産を持ち過ぎている地域がたくさん出てくると思うんです。それに対してどう対処するのか。
 それと、余りにも日本の国はこういう分権だとか道州制だとか、こういうものが遅過ぎるんじゃないかなと思うんです。その辺を荒井さんは現職の知事としてどう考えておられますか。
#34
○参考人(荒井正吾君) 忌憚なく言えば、私は道州制は反対なんです。大きな行政組織つくっても末端までいい行政が行かない。道州制でも地方行政だと考えれば、末端まで行く行政というのは住民自治が基本だと。町村ができたときも、町村合併で日本の統治機構つくったわけですけれども、モッセというドイツの人は、小さな単位で連携して地方自治を基本にすると。
 自分で差はあっても生きるのか、差はないように国が補填するのか。これ、国の形を大きくします。国の補填によって格差が少なくなってきますが、国が全部の地域が同じ給料になるという保証はできないわけであります。有効求人倍率が同じという保証はできないわけです。差はあってもこれでいいんだというのは地方自治の中でしか完結しないというのが、意味のない不合理な差は許すべきじゃない、しかし努力をしない差は許容すべきだというのが地方自治の基準だと思いますが、スイスのことだと思いますが。
 そのようなことからすると、組織を大きくするというのは余り意味がないというのが基本なんですけど、組織をいじる、だから合併はもう限界かな、地方でも限界かなと思っておりますので、ちょっと組織で解決する分野は非常に少なくなってきているんじゃないかという感想の延長でございます。
 大変失礼いたしました。
#35
○寺田典城君 私は、スケールのメリットをということで、二〇〇五年の町村合併が終わってから、もうはっきり言って二〇一〇年には道州制が進むんだろうというぐらいまで北東北三県は考えておりました。そういうことで、道筋としてですね。
 それと、もう一つは、事務処理の特例制度について碓井さんから、あと一分しかないですけど。
#36
○参考人(碓井光明君) 条例による事務処理特例でございますが、これについても地方制度調査会におきましていろいろな御意見をいただきました。必ずしも歓迎しないのに条例による事務処理特例で事務が下りてきていると、こういうところもございましたし、いやいや、十分な実質的に協議を経て合意の上でやっているのだと、こういうこともございました。
 ですから、条例による事務処理特例が全く機能していないというわけではなくて、多くの成功例もございます。しかし、それだけではうまくいかないところがあるわけでございまして、そういう意味では、いろいろなメニューを用意しておくということは地方制度として重要なことかなと思っております。
#37
○寺田典城君 どうもありがとうございました。時間でございますので。
#38
○渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎です。
 碓井先生、荒井知事、北村先生、今日は本当に貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
 まず、荒井知事に伺いたいのですが、先ほど私も実はちょっと道州制の話を聞きたいなと思ったんですけど、先ほどの寺田委員の質問に大変貴重な御返答をいただきましてありがとうございました。
 ちょっと方向変えたいなと思っていまして、先ほど地方公務員のお話をなさっていました。先日、総務委員会でも地方公務員法等の一部を改正する法律案というのを審議いたしまして、その法案では、わたりについては規制は入ったのですが、天下り、あっせんについてなどは自治体に任せるといった内容になっております。
 あと、私は総務委員会で、例えば国家公務員並みに厳しくしろとは申し上げませんでしたが、私の実は地元も非常な田舎でして、結局、役場の人というのは大体顔見知り合いなわけですよ。そこで、悪いけどちょっとうちの息子を預かってくんねえかなとか言われたときになかなか断りづらいと。ただ、そこにその法律があった場合に、いや、悪いけどこういった法律があっからできねえんだといったふうに、言わば法律を盾に断ることができるんじゃないかという話をしまして、今回の地方公務員法、もう一歩踏み込んでもよかったんじゃないのかなという個人的な気はするんですが、そういった公務員のあっせんなどについて知事はどのようにお考えか、御意見賜りたいと思います。
#39
○参考人(荒井正吾君) 職員の定数管理とともに、定員管理、人事管理というのは重要だと思います。県でも市町村でも国家でも大事だと思いますが、国家はさておきまして、地方の県と市町村で、まず、わたりとおっしゃいましたので、退職後の再就職ですが、奈良県の例だとほとんど再就職の例はございませんで、再就職される、まあ公益法人社福協みたいなポストはあるんですけれども、年収が三百万ぐらいで再就職をしております。大変低い額だと思います。いわゆる天下りというほどではないんじゃないかなという印象を持っております。市町村でも同じようなことじゃないかと思います。
 ところで、一方、現職の採用あるいは登用というのに外部圧力があるかどうかということは、市町村長に聞いて、昔の痕跡は多少ある、それは今許されないので排除しているという人ばかりでございますし、実際はそのようにできないし、今どきはうわさが飛びますので、あいつのバックは何々先生だなんていうと逆に悪くなりますので、そういうのは排除されておるように思います。それが法的に排除できるか、法的にも排除できると思う。これは人事でございますので理事者の権限でございますが、理事者の意識というのが極めて大事だというふうに思っております。徴税でも人事でも、理事者、すなわち首長の意識がしっかりしていれば排除できるというふうに思います。
#40
○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。
 次に碓井先生にお聞きしたいんですが、先ほど前川委員がちょっと質問されていて、先生は人口減少社会においての大都市の役割などをおっしゃっておりましたが、ちょっと見方をじゃ変えまして、一方で、今後、外国人移民などの労働者が増えてくるのではないのかなと思っておるのですが、そういった、地方自治において、外国人労働者、定住者がこれから人口減少に代わって増えていくかと思うんですが、外国人が増えることによってどのような影響があるか、ちょっとお聞きしたいなと思います。
#41
○参考人(碓井光明君) 現に外国から入っている人たちがたくさん住んでおられる地方公共団体もあるというふうに聞いております。そういうときにそれなりの御苦労があったかと思いますけれども、何といっても、そのような人たちが地域に溶け込んで一緒に共同体を形成していくことができるかどうかということが最大の問題になります。そういう包容力のある自治体になり得るかどうかという、そのためには用意しなければならない事柄がたくさんあります。
 そのような場合に、私は、自治体に全てを期待するということはやはり無理かと思います。何といっても、住民の意識がそのような受け入れられる体制になっていかなければならない、そういう意味では、住民の、何といいますか、自らを高めていく、そういう努力が求められていくのではないかと思っております。
#42
○渡辺美知太郎君 ありがとうございました。
 つまり、自治体ではちょっといかんともし難いということなのでしょうか。
#43
○参考人(碓井光明君) 自治体がもちろんできることはございます。それは当然のことですが、それを前提にした上で、しかし、それだけではうまくいかないであろうというのが私の考え方でございます。
#44
○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。私も、ちょっとこれ、今後見守っていきたいなと思っております。
 私は栃木県におるんですけれども、県北などは全然外国人労働者というのはいらっしゃらないんですが、県南は、やっぱり工場地帯があるものですから、どんどん大きくなってきてしまっているんですね。お隣の例えば太田市などではもうブラジル人の町があるというので、いつか外国人の方が増えてくる。そういうときにどういったトラブルが起きてくるのかと、そういったことはしっかり検証していきたいなと思っております。
 北村先生にちょっとお聞きしたいのは、先ほどNIMBYのお話されていました、ごみ処理処分場の。私、ごみ処理よりはちょっと特殊なケースなんですけれども、放射性指定廃棄物最終処分場の話を私いろんな委員会で取り上げていまして、この事例はなかなか特殊な事例ではあるんですけれども、そういったやっぱり誰もが来てほしくないなと思うような施設の受入れとかに関して、今時点では住民説明会をやるとかリスクコミュニケーションみたいなことをやっていると思うんですけれども、何か新しい可能性がある、そういった誰もが嫌がる施設の受入れについて、どういうことを住民の方にすればよろしいのか、ちょっとお知恵を拝借したく、お尋ねします。
#45
○参考人(北村亘君) ありがとうございます。
 実は、先回り、お答えをしますと、特効薬はないというのが残念なところでございます。確かに大きな問題でございます。ただ、これは実は私が、ごみ処分場とか、あとは又は共同で、例えば大都市の場合だけじゃなくてこれは地方圏でもそうだと思うんですが、水道管をどうするかとか、そういうような問題というのは結局いろんな地域の利害というのは必ず入ってくるわけであります。それをどう調整するのか。小さな単位での意思決定が適切な分野もありますが、大きな単位で意思決定をした方がいいという分野もあるわけです。
 例えば、今の最終処分場であったりごみの処理施設であったり、そういうようなものというのは、小さな単位でやると、うちのところは嫌だというのが必ず出てきます。これは大きな単位でやっぱり決定をする。もちろん、そのときには少数の例えば人が嫌な思いをする可能性は高まります。高まりますが、それをどのように調整していくのかというのがまた政治の役割であり、どのように仕組みを入れていくのか。その人たちへの代替補償であったり十分な説明であったり、インフォームド・コンセントみたいなものですが、そういうようなものをどういうふうな仕組みを入れていくのかというのは、大きな単位で決定はするんだけれども、きめ細やかな配慮は必要だという、その仕組みを作っていくということ以外には今のところはないのではないかというふうに思っております。
 以上でございます。
#46
○渡辺美知太郎君 お三方とも本当に現実的なお答えと御指導をいただきまして、本当に感謝しております。どうも本当にありがとうございました。
 終わります。
#47
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 参考人の皆さん、本日はお忙しい中お越しいただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、まず荒井参考人にお伺いしたいと思います。
 参考人が県知事となられて始められた奈良モデルにおいて、県と市町村、市町村間の連携が必要として、消防や水道、税の徴収などでの実践を進められておられるというお話、御紹介いただきました。また、その中で、県と市町村は対等な立場に立っているというお考えの下でやられているというお話でしたけれども、それぞれの自治体の議会とそして県との関係はどうなっているかということを伺いたく、例えば、市町村側がそれぞれの議会の意見を反映して県と意見が対立してしまった場合などはどのように話合いの場を設けたり若しくは調整の手だてを取っていらっしゃるのかということを伺いたいのですが、お願いします。
#48
○参考人(荒井正吾君) 県と市町村の関係、連携の障害になっていないかどうかという、現実にいろんなケースであります。一番大きなのは人的関係ですね。あいつの言うことは気に食わぬということから大体うまくいかないことが多いです。その中で、議会で、この人の言うことには必ず反対しようという人が必ずいます、まあ民主主義ですからそういうのは必要だと思うんですけれども。
 それは、調整ということは、フォーマットの標準調整はないと思いますが、一つは、大事なのになぜ反対するんですか、反対の理由は何ですかということを、合理的に突っ込むのを積み重ねると。合理的に言っても非合理的に反対する人はもうしようがないですよね、それは心理的なものに原因しているところが多いので。
 それともう一つは、県が連携を持ち出したら何か威張っているんじゃないかという昔のメンタリティーがずっとあります。私の人格のせいかもしれませんが、威張って言っているつもりはないんだけれども、何かタカビーに見えるかもしれないというふうに気にはしているんですが。そうじゃないんですよと言っても言っても言っても、何か昔の知事は威張っておったし、おまえもそうやろうと、こういうような感じはありますので、これはフラットな関係だということを心理的に認識されるまでに、まだかもしれませんが、随分時間が掛かって、それが一番大きな障壁だったように思います。
#49
○吉良よし子君 ありがとうございます。合理的に説明するために頑張っておられているというお話でした。
 次に、また引き続き伺いたいんですけれども、先ほどのお話の中で道州制についての御意見伺いましたけれども、それについて補足があればということと、もう一つは、奈良県は、この間、関西広域連合には正式には入られていないと思うんですが、その理由について伺えればと思います。
#50
○参考人(荒井正吾君) 奈良県の共産党議員の人は大体私の政策に反対なんですが、広域連合に入らないということだけは賛成していただきました。それは、広域の行政よりも地域の細かい自治行政を助ける方が県としては大事だと思っているところを、その面だけは賛成していただいたというふうに思います。
 広域連合と道州制、ちょっと話長くなるので短く短くいたしますが、要はガバナンスがはっきりしないと、広域連合と道州制を比べたら。まあ正直言って道州制は広域組織をつくるよりも個別の地方自治の強化の方がいいと思いますが、広域連合と道州制を比べると、道州制の方がガバナンスがはっきりしている面はあろうかと思います。広域連合の方は寄ってたかって持ち寄り行政でございますので、道路を造ったりヘリコプターを飛ばしたときの、事故が起こったときの責任主体といったような形のケースにうまく応えられない状況です。一丁前のまだ自治体にはなり切っていないと。
 それともう一つは、連携でいけるんじゃないかと。なぜ議会もつくって特別地方公共団体にせないかぬのかということがちょっとまだ不明だったので入らなかったという、簡単に言えばそのようなことでございます。
#51
○吉良よし子君 ありがとうございます。
 それでは、碓井参考人にも伺いたいと思うんですけれども、参考人が委員を務めておられた第三十次地方制度調査会において、平成の大合併、同じくですけれども、経緯と現状について議論されておりますが、では、参考人御自身はあの平成の大合併についてどのように評価されているか、お聞かせください。
#52
○参考人(碓井光明君) 平成の大合併、大変な合併が進行しまして、市町村数が極端に減少して現在に至っているわけでございます。その合併に至る経緯もそれぞれの地域によって事情が異なります。ですから、私は、全てが成功だったとは言い切れないと、これは率直に申し上げてそのように思います。
 ですから、こういう制度改革のときに、合併特例債を使っていろいろな施設を造るとか、そういうことがこれからじわじわとマイナス面で生じてくる、そういう市等もあるかと思います。ですから、私は、全て良しというわけにはいかないのですが、しかしまた、他方で相当程度成果を上げているところもあると思っています。
 そこで積み残されている課題が、大都市に、つまり政令指定市になっている、大合併によって政令指定市になっているところでございまして、そういうところでは言わば都市内分権という考え方でこれから問題を解決していく必要があろうかと思っています。
#53
○吉良よし子君 ありがとうございます。
 それでは、多分最後になると思うんですけれども、碓井参考人、荒井参考人、北村参考人、お三方に伺いたいんですけれども、昨年六月に出された第三十次地制調の答申では、都市機能の集約とネットワーク化、フルセットの行政からの脱却、掲げておりますが、私は、長引く経済不況の下、やはり住民の福祉増進のために地域のあらゆる問題の解決に日夜奮闘する基礎自治体の存在意義というのは高くなっているし、その役割は増してきているのではないかと思っているのですが、それぞれの参考人の皆さんの、今の日本社会における基礎自治体の存在意義、そしてその役割についてどのように感じておられるか、ちょっと最後で時間が短くて申し訳ないのですが、それぞれ一言ずつお願いいたします。
#54
○参考人(碓井光明君) 私ども地制調が述べました集約とネットワーク化でございますが、これはまさに行政サービスを提供する基礎自治体の体力を強化するための方策であるというふうに考えております。
#55
○参考人(荒井正吾君) 基礎自治体なしに国は存在しない、成り立たない、統治機構は成り立たないと思いますが、完全な基礎自治体というのはないわけでありますので、それを補完するのは、合併による補完か、上位といいますか、垂直補完と呼ばれる広域的な行政団体か、連携か、あるいは違う方策かということであればもっと違う、鉄道だけは別の行政組織にしようというふうに、ヨーロッパで違う個別のテーマごとの行政組織をつくって、それは議会の議長が鉄道会社の社長に順番になっているわけなんですね。恒常的な業務はそのようなやり方でできるわけでございます、ガバナンスの道筋が分かればできると。そのような多様な工夫がまだ日本の地方自治には必要なことじゃないかというふうに思います。
#56
○参考人(北村亘君) 確かに基礎自治体というのは役割は重要だということは私も全く同じ意見でございますが、ただ同時に、基礎自治体が最近、エゴイスティックと言ったらちょっと語弊がありますが、自分のところだけはきれいにしたいということをおっしゃることも多々あって、それをどのように調整していくのかというのがまず第一の問題だと思います。
 もう一つは、基礎自治体が例えば先ほど言いましたように本当にやった方がいいのか、住民情報はたくさん持っていますが、同時に、住民情報を持っているからといって福祉をやりたいというふうになるかというのはまた別問題でして、財政的ないろんな措置などをこれから講じていくということも必要だと思いますので、中長期的な課題として基礎自治体の在り方というのを考えていくということが必要だと思っております。
 以上でございます。
#57
○吉良よし子君 ありがとうございます。終わります。
#58
○又市征治君 社民党の又市です。
 今日は先生方どうもありがとうございます。
 一番初めに碓井先生に平成の大合併の功罪を聞こうと思ったら、もう吉良さん聞かれましたから、そこは飛ばしていきます。
 そこで、第三十次調査会の答申の取りまとめに大変御努力をいただいたことは敬意を表したいと思うんですが、今回のこの自治法一部改正案は、答申も踏まえて、一面では自治体の広域連携であるとかあるいは三大都市圏の市町村間の水平的役割分担を強調する一方で、都道府県による一部自治体の事務の補完もこれ規定をしておりますね。見方によっては、自治体の広域連携により都道府県の役割が低下をする反面、都道府県の補完的役割によってその役割が増す部分も出てくるということだろうと思うんです。
 今後の地方自治体の在り方を検討するに当たって、この都道府県の役割をどのように位置付けるのが妥当だというふうにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#59
○参考人(碓井光明君) 補完性の原則というようなことが言われますけれども、そういう意味では、行政サービスの第一次的な責任が基礎自治体である市町村にある、その市町村がうまくいくように支えていくのが道府県であると、またうまくいかないときにはそれを補完すると、こういう考え方に立っていると思います。
 そういう意味では、今回の法案にも入っております道府県の役割というのはその位置付けの一環というふうに受け止めておりまして、そういう意味では、決して道府県が強い立場に立つとかそういうものではなくて、あくまで基礎自治体を助けると、こういう位置付けというふうに理解しております。
#60
○又市征治君 次に、荒井知事にお伺いをしたいと思います。
 大変なアイデアや、いろんな資料を駆使して大変な御努力をなさっておって、なおかつ国政にまで、せんだってからいろんなところにおいでいただいておることに敬意を表したいと思います。
 そこで、一つは、平成の合併についての知事自身の現場からの御認識、これ一つお聞かせいただきたいのと、もう一つ、先ほどの、奈良県の市町村の徴税率が低く市町村のパフォーマンスが悪い、しかし合併という形で財政が良くなるとは思えなかったとおっしゃっているわけですが、それはなぜなのかということを、そもそも合併によってそういうことになっているのか、そこのところをもう少し御説明いただきたいなと。
#61
○参考人(荒井正吾君) 合併は、三ページ目の資料にあるんですが、明治からの合併の意味というのをもう少し総務省の人に教えていただきたい面があるんですが、明治の前は、江戸で村請制であって、村で年貢を納めると。病気の家があったら、おまえのところはいいよというのがおさが決めていた。それから領主で土地を持っていれば納めるべしというふうになって、個人主義になって近代になったわけですけれども、その関係を合併で統治をしようと、中央政府で。中央政府の中央集権になったのは奈良時代と明治以降だけなんですね、日本では。それは、兵隊を出すことだったわけなんですけれども、中央集権でないと海外派兵できないからと、地方で稲作だけしていれば兵隊になれないからというのが大きな理由だったと思うんですけれども。
 地方自治を、今、改めて、グローバル化の中で地方自治に根っこを下ろすのは合併というのがいいのか、モッセが言ったような地方自治の、住民自治の根幹をもう一回問い直すべきじゃないかと。地方自治の本当の根幹で、昔の、字の地方自治、村落自治が残っている地域と全くない地域、都市の方がもちろん残らないわけですが、その差があります。どちらがいいのかちょっと分からないんですけれども、日本的な地方自治というのは改めて模索してほしいなというふうに感じながら、いろんな、多様な市町村の実態に向かってどういう役目を果たせばいいのかというのを模索しておりますので、いろんな感想はありますけれども、こうあるべきというところまでまだアイデアが固まってきておりません、正直申しまして。
#62
○又市征治君 ありがとうございます。
 今のお話とダブるのかもしれませんが、知事は、この日本の従来型の発展モデルというのは少子高齢化、経済のグローバル化の進展の中で限界になってきていると一方でもおっしゃっておりますね。そして、自立、連携、分散を基本理念とする発展モデルになるべきであると、こういうふうに御主張されて、それは、多様な地域が連携して、それぞれの地域が経済自立を志向して、企業、雇用、所得の分散が図られる発展モデルではないかと、こう説明されております。同時に、このモデルは市場万能主義の経済政策、中央主導の産業振興政策や巨大技術の振興には批判的と、こういうふうに御指摘されていると思うんですが、この点、もう少し実情に即して御説明いただければと思います。
#63
○参考人(荒井正吾君) 地方独自の経済発展、バランスの取れた地域というのは幾つかモデルにしているところがあります。先生の御地元の富山も一つでございますし、福井、石川、もう北陸三県大変立派だと、ほかに、近所に行く大都市がなかった、行くなら東京だということで。
 日本の明治以来、大都市が栄えたら日本が栄える雁行型の発展モデルは大変成功いたしましたが、さてこれからどうなのか。グローバル化に雁行モデルが対抗できるのかどうか。中国が今まねているような感じがいたしますが、地方地方でのそれぞれの形は違っても多様な幸せパターンがあるんじゃないかというのをどのように模索すればいいのかという、GNPだけじゃなしに、いろんな発展モデル、地方の繁栄モデルはあるんじゃないか。しかし、必要なのは雇用だと、所得がないと若者が定住しないというようなことでございますので、モデルとしては、先生の御地元の富山とか石川、福井などはすばらしいなと思って、それをフォローしております。
 奈良県は大阪に就職口がありましたので、大阪に行って稼ぐ、三割が大阪勤務者でございますので、その住民税が非常にありますが、これからは、退職すると一挙に所得はなくなるので、その危機感におびえているという実態で、大都市が栄えれば栄える、しかも大阪がなかなか栄えなくなってきたら共連れになるといったような感じを持って、さてどうすればというのは、まだ今格闘中ということでございます。
#64
○又市征治君 どうも、大変示唆に富んだお話、ありがとうございました。
 終わります。
#65
○主濱了君 生活の党の主濱了であります。
 本日は、貴重な御意見、大変ありがとうございました。
 早速質問させていただきたいんですが、私、大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス供給体制に関する答申、これを基本に質問をいたします。特に、比較的人口の少ない市町村に関する施策について伺いたいと、このように思います。
 これは碓井参考人と荒井参考人に最初に伺いたいんですが、まず、広域連携制度に関する質問であります。
 平成五十二年、二十六年後ですけれども、全ての都道府県で平成二十二年の人口を下回ると、こういうように予想されているところであります。このような中で、連携協約制度は、広域連合あるいは一部事務組合とはもう全く違う、法人格を有してがっちり構えているのが今申し上げた制度でありますけれども、それとはちょっと違って、必要に応じて臨機応変にまさに連携することができるので、圏域の活性化を図るための適時的確な手段として大いに期待をすると、こういうふうに私は思っております。
 中でも、人口減少や少子高齢化に直面している地方圏あるいは条件不利地、こういったようなところで地方の活性化を図る観点から、連携協約制度の活用について御意見があればまず伺いたいなというふうに思います。
#66
○参考人(碓井光明君) まさに連携協約というのは普通地方公共団体の相互間の協力関係でございまして、その際に役割分担を踏まえて柔軟に対処すると、こういうことでありますから、それぞれの基礎自治体がどのような状況に置かれているかというのは地域の実情によって異なるかと思います。ですから、一律にどのような形態があり得るかとは申し上げにくい、例示もしておりますが、どのような分野で連携が可能なのかということも地域の実態に応じてそれぞれ選択される問題であろうかと思います。ですから、まずは、それぞれの地域自らが自らの地域をじっくり眺めていただいて選択していただくと、こういうことになろうかと思います。
#67
○参考人(荒井正吾君) 人口が少ない町村は基礎自治体に頼りますが、基礎自治体が不完全だというのはもう常態になってきておるわけで、不完全基礎自治体が常態だと。だから、それを完全にそれぞれするというのはこれも不可能だと思いますが、欠けた鍋、何か欠けたもの同士が連携しよう、うまくいけばいいというような気がいたしますが。
 その広域連携の一つパターンで、みんなうまくいかないんですが、一つできるのは、合同イベント、活気付けるとおっしゃいましたので、元気付けるのは、お祭りをしようと。人も楽しんで来る、お年寄りが閉じこもって独居で家の中にずっといるのがもう大変なことで、とにかくお年寄りに出てきてもらえれば村は活気付く、また健康になられるというのが一つのパターンとしてありますので、それは、一つ一つの村じゃなしに、二つの村が一緒になって二回しようとか、村落のいわれを、昔は大げんかしたな、水で大げんかしたなと、その記念のお祭りをしようでもいいわけでございますので、そのような合同イベントをするのを県は奨励しております。合同イベントをするときは県が補助するよといったような広域連携のサポートというのも、単純でございますが、元気付けの一例としてしております。
#68
○主濱了君 ありがとうございました。
 次に、都道府県による補完について伺いたいと思います。これはもう現場で活躍されている荒井参考人に伺いたいと思います。
 やはり、人口減少社会あるいは高齢化社会、これがもう念頭にあるわけですが、こういったような地域にある小規模市町村の住民サービスの確保のための手段の一つであろうというふうに思っております。ただ、運用に当たりましては、やはり市町村を包括している県が補完してあげるということであってはいけないと。それから、一方において、小規模市町村においても当然に県に補完をしてもらえるということもないだろうと、こういうふうに思っております。やはり市町村の側には、例えば人口減少あるいは高齢化に立ち向かうという意思がなければこの制度というのは生きてこないのではないかなというふうに思うわけであります。
 この都道府県による補完制度の意義及びどういったような活用方法があるのか、この辺について御所見を伺いたいなと思います。
#69
○参考人(荒井正吾君) 補完制度の一方、市町村としての基本的義務、矜持がやはり要ると、根性がないといかぬというふうにおっしゃった面があると思います。そのとおりだと思います。
 それが、昔の知事では、選挙で票を出したところ余計補助金やるわというような知事もおられたように聞きますが、これは絶対いかぬことだと思います。そういう補完じゃなしに、矜持を持ってやるべきことはやってもらう、補完するということで、奈良県で、その要求、困っておられる町村長さん、愚痴も含めておっしゃるんですけれども、怒って反論するのは、一つは出しゃばっちゃいけないなということと、もう一つ、二つですが、仕事はせぬけど金だけくれと言われるのは断っています。もう一つは、俺の仕事だけれどもおまえやれという代替措置は断っています。あんたの仕事じゃないかと、いや、かくかくの事情でできないけれども、それは協定でしようと、平等な立場ですべきと考えるのはするからと、こういうやり方をしておりますので、やはり自負と矜持は私は基礎自治体が幾ら弱っても必ず要るというふうに思っております。
#70
○主濱了君 ありがとうございました。
 北村参考人に一点だけ伺いたいと思うんですが、この資料の中ほどに、人口一万人当たりの職員数の昼夜間人口当たりの違いというのがあります。これを見ますと、大阪市は夜間人口一人当たりの職員数が多い、昼の方が少ないと。これは逆に言うと、割り算ですからちょうど逆になりますよね、夜間人口が少なくなって昼間人口が多いという。横浜市はその逆になっております。
 ここで、この資料を掲げられたその趣旨をお聞かせいただければ幸いであります。
#71
○参考人(北村亘君) ありがとうございます。
 これを掲げたのは、いわゆる大阪とか関西、厚遇問題とかいろいろあるところあります。政令市でたくさんの職員を抱えているという問題、当然それは無駄な部分は削っていくべきだというのは大前提であるんですが、しかし、無駄というのは何をもって言うのかというのは実は非常に難しい問題だということを示したかったわけでございます。
 つまり、本当の人口に対しては確かにたくさんいる、比率、横浜よりも大阪の方が多いかもしれない。しかしながら、大阪に昼間流入してくる九十万から百万人ぐらいの人口に対応した行政サービスを提供するのであればこれぐらいの数は必要で、むしろ横浜はお昼間三百万のうちの百万人近くが東京に行っておられるわけですから、それは全然、行政職員を抱えるということの意味が少し違う。極端な例ではありますが、このような地域が地方にもたくさんあると思うんですね。昼夜間の人口比というものでもう少し職員の在り方というものの配置とかを考えていただければという意味でこの図表は挙げさせていただきました。
 以上でございます。
#72
○主濱了君 ありがとうございます。終わります。
#73
○委員長(山本香苗君) 参考人に対する質疑はこの程度といたします。
 参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 それでは、午後一時まで休憩といたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#74
○委員長(山本香苗君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りします。
 地方自治法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房地域力創造審議官関博之君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#76
○委員長(山本香苗君) 休憩前に引き続き、地方自治法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎です。午後初トップバッターということで質問いたします。
 通常、この地方自治の問題、大体人口が大きいところから処理をしていくと思うんですけど、私はちょっと定住圏とか想定人口の少ないところから質問をしていこうかなと思います。
 この定住自立圏構想は、うちの地元でも非常に話題になっているものでして、是非広めていただきたいなと思っております。
 今回、改正されて、包括的財政措置として、中心市に年間八千五百万、周辺市町村について年間千五百万を上限として財政措置をとっております。この八千五百万で、新しい公共事業としてのICT、総合病院との連携、ショッピングセンターと周辺商店、農場との連携とありますが、金額としてはそんなに大きくないので、具体的にはどのような連携を想定されているのでしょうか、伺いたいと思います。
#78
○政府参考人(関博之君) お答えいたします。
 今御案内の定住自立圏の財政措置でございますが、昨年の六月に閣議決定されましたいわゆる骨太の方針におきまして、定住自立圏の取組を強力に進めていくため、圏域において各地方自治体が果たすべき役割に応じた適切な財政措置の在り方を検討するということで、私どもの方も研究会を設けて検討を進めてまいりました。
 その結果、今お話がございましたように、中心市一団体当たり、包括的にでございますけれども、八千五百万円程度、近隣の市町村一団体当たり千五百万円程度を上限とするということで設定をさせていただきました。
 この拡充に当たりましての考え方でございますが、定住自立圏の実際の状況を見ますと、一つの中心市に対して周辺の町村が当初は三団体程度と想定しておりましたのが、平均しますと五団体は行っているという、一つはエリアが広いという面、それからもう一つは、各地域にもアンケートも取りまして分析いたしましたけれども、特に医療、福祉、公共交通、それから産業や雇用などの経済の活性化、この辺りに更に重点を置いて取り組みたいということで財政需要がかなり高まっているということになりましたので、そういう面で上限を引き上げさせていただいて、主にこれはソフト的な取組になると思いますが進めていただこうということで考えているところでございます。
#79
○渡辺美知太郎君 今ちょっとお話がありました。最初の想定が三、四か所ぐらいだったと思うんですけど、地元でも、本当に中心市を、周辺というか、その隣接している都市だけでやったりとか、あるいは、例えば栃木県の北部で中心市になった場合、福島県の南部も巻き込んでやろうじゃないかみたいな話があって、非常に、何でしょうね、大きさに差が出てくるようになってきたんですよ。
 研究会と今おっしゃいましたが、想定している規模としてどこまでを、上限じゃないですけど、どこまでを想定しているのか、そして、あと、財源のその金額は大体マックスとしてどのぐらいまで考えておられますか。例えば、今、ソフト中心だとおっしゃっていましたけど、例えば、うまくいったらハード、まあ箱物は私は余り言うつもりはないですけど、ハード面にもある程度援助をしていくのか、それとも、この定住自立圏そのものについてはやっぱりソフト面を重点的にやるのか、ある程度決まっているのであれば是非ちょっと伺いたいなと思います。
#80
○政府参考人(関博之君) ソフト的なところと申し上げました点について先に申し上げますと、ハード事業を進める場合には、地域活性化の事業債ということで別のメニューを用意してございまして、こちらで対応していただくこととしておりまして、そういう起債の活用でない場合のもろもろの財源について、それぞれの団体から調査をして御提示いただきまして、該当のものを私どもの方で対応していくという、そういう仕組みにさせていただいているところでございます。
 圏域のエリアの大きさでございますが、これは地域の状況によって様々でございまして、日本全国見ますと、やはり十を超えるような地域をまとめて、昔からつながりを持って取り組んできたものが定住自立圏に深化して進めていただいている、長野県の例えば飯田市さんとか、それから多いところでは北海道の帯広市さんも周辺が非常に多くの市町村と圏域をつくっております。
 そうでなくて、やはり二つ、三つで取り組んでいる場合もございまして、それは私ども、地域のそれぞれの状況、自主性、そこの地域の判断を尊重しているところでございます。
#81
○渡辺美知太郎君 じゃ、結構大きな集団ができても驚くことはないということですね。
 今、地域活性化事業債の話がありました。これ、ちょっと私も聞こうかなと思ったんですけど、今の地域活性化事業債、この発行状況をちょっと教えていただけますか。
#82
○政府参考人(関博之君) 地域活性化事業債、これは様々なものが含まれるわけでございますが、その中で、定住自立圏推進事業ということで活用されている実績でございますが、私どものこの起債の同意等予定額として申し上げますと、平成二十四年度で約十六・三億円、二十五年度で約四十一・七億円ということで、徐々に増加しているという状況にございます。
#83
○渡辺美知太郎君 これ、充当率九割、交付税算入率三割ということで、自治体の直接負担額の事業費、何割程度になりますかね。
#84
○政府参考人(関博之君) 今お話ございましたように充当率九割でございまして、その九割の元利償還金、その起債の元利償還金の三割につきまして交付税措置をすることになっておりますので、全体で見ますと、地方負担分の七三%は自治体の直接的な負担になるということでございます。ただ、この事業債を活用する際に国庫補助金などを使っている例もございます。社会資本整備総合交付金などを使いますと、その部分、地元の自治体の負担は減っていくということでございます。
#85
○渡辺美知太郎君 私も、人口がそんなに大きくない地域に選択が増えるということはいいことだなとは思っております。
 しかし同時に、今、地域の借金ですが、臨財債を始め合併特例債、それから地域活性化、今言った事業債とか、非常にいろんな借金が、借金というか、債務が多いと思うんですけど、これ下手するとまた借金漬けの自治体が出てくるかどうかというのをちょっと懸念しているんですけど、どうですかね。
#86
○政府参考人(関博之君) 私ども、臨時財政対策債、合併特例債、地域活性化事業債などいろいろ起債の種類ございますけれども、それぞれ元利償還金につきましては地方財政計画の策定あるいは交付税の算定を通じて対応しているところでございます。
 その中で、自治体の例えば財政運営の指標といたしまして実質公債費比率という比率がございまして、これで我々、黄信号、赤信号とかいうことを申し上げながら警鐘を鳴らしている部分がございますが、その指標を見ていくときに、例えば臨時財政対策債はその指標に影響はないわけでございますが、今の地域活性化事業債ですと元利償還金の三割の以外の部分につきましてはこの率にも反映されますので、各自治体におかれては、そういうところの数字、指標を見ながら、どこまで起債ができるかということをそれぞれお考えいただいて、また議会でも予算の審議などを通じて明らかにされて健全性を保たれていくと、こういう形になるものと思っております。
#87
○渡辺美知太郎君 選択はやはり地元の首長の責任ですから、余り厳しくはというのはあるんでしょうけど、是非、誤った方向に行かないように、総務省からも指導していただきたいなと思います。
 ちょっと質問の方向を変えます。
 この定住自立圏構想にある民間への融資等を行うファンド形成に関する財政措置として、ビジョンに基づく取組の推進に資する事業を支援するため、公益法人等に出資して圏域全体で一つのファンドを形成し、民間事業者等に出資又は貸付けを行う場合に、公益法人への出資に要する経費に一般単独事業債を充当とありますが、この公益法人というのはどういうものを想定していますか。
#88
○国務大臣(新藤義孝君) 渡辺委員、是非地元の首長の皆さん、自治体の皆さんにも委員にリーダーシップを発揮してもらいたいと思うんですけれども、これを認めてもらうためにどうしたらいいかとか何のお金が出るのかということから発想するのではなくて、何をやりたいのかと。そしてそれは自分の町プラスどことどこの町の機能を合わせると自分たちの町で特徴ある、また持続可能な仕事ができるか、まずその計画を作ることが重要なんですよ。
 それで、今、定住自立圏構想に入ったから、今御質問いただいているのは、じゃ定住自立圏の中で使える制度としては何ですかという御質問があるからうちの審議官が答えているんですけど、定住自立圏の構想の策定費をまずじゃここでつくりましょうと。でも、それに別途、総務省だって地域イノベーションサイクルの別途事業で交付金出すこともできます。それから、農水省や国交省やその他の仕事でそれぞれあるんですよ。そういうのを組合せしてブレンドすればいいわけなんです。
 今までの発想というのは、何か国が制度をつくると、それに、認めてもらうためにはどうしたらいいかと、それに合わせた、みんな型にはまった仕事しか、それはそれで効果があったときもあるんです、公共資本を整備しようというときはそれでよかったんですけど、町づくりは結局国が考えるんじゃなくて自分たちが考えないと成功することはできないし、かつ、お金の融資は採算性があってお金が返してもらえると思えば民間で貸してくれるんですよ。その継続性も見えない、採算も見えない中で、それは国の補助金だけもらってその仕事をすれば、後が焦げ付く心配が出てくるのはこれは言わずもがなのことなんですから、そういう事業に人が増えるとは思えないし。
 だから、私たちはメニューとして定住自立圏をつくりました。いろんな制度がございます。中枢都市圏構想の中にもあります。それから、そんなことをしなくたって、自治体間の連携協約を結ぶ中で、仕事の事務分担をしながらそこに町づくりの別途事業をすることもできると。是非、自分たちの町で何をやりたいのかを、そして、これならば続けていける、民間からお金借りても返していける、だからその部分の初動に国がお手伝いをして資金の提供をいたしますと、こういうふうに地元で考えられないだろうかと。それを是非委員が地元でリーダーシップを発揮していただきたいと。
 何%くれるから、ここで金をもらえるからやろうじゃないかといったって、それはそのお金が途切れたときににっちもさっちもいかなくなっちゃった例は、全国で出てくる場合もございます。もちろんそうでないように我々は期待するんですけど、是非そこの発想をもう少し膨らまして、何にでもできるようになっている、こういうふうにしなければ町づくりは成功しないんだというのが今総務省が強力に出しているメッセージなのでありまして、是非御理解いただきたいと思います。
#89
○政府参考人(関博之君) お尋ねのファンドの形成の法人でございますが、私ども、公益法人等ということで、公益法人をまず想定しておりますのはやはり公益性があるところで、そこで進めていただこう、そこから地域の民間への融資などを進めていただこうと思っておりますので、公益法人、今でいうと公益財団法人が一番主流になるかとは思っておりますが、しかし、公益性のある事業を進める法人ということでありますと、ほかにも、地方立行政法人ですとか、いろいろなパターンがあると思います。そういうところも差し支えないという意味で等を付けさせていただいているところでございます。
#90
○渡辺美知太郎君 大臣から今御答弁いただいて、私もおっしゃるとおりだと思います。
 私は、もし誤解されていたらちょっと弁明したいんですけど、私は別にこの定住自立圏構想にけちを付けるわけでもないですし、地元にもっとお金をまけという話ではないです。実際、この間も私、合併について質問いたしましたが、合併というのも、確かに選挙で当選した首長の方が、特例債、要は、たくさん使っちゃってにっちもさっちもいかなかったというわけで、国がやっぱりそこを今のところ面倒見ていたけれども、なかなかこれからそういうわけにいかないと。みんなで知恵を出し合って頑張ってくれということについては私もそう思っていますし、午前中の奈良県知事からもお話しいただきましたけれども、やっぱり知事も自立しない自治体には援助をしないと厳しいことをおっしゃっていました。
 これからは、私も、国の援助を当てにするのではなくて、やっぱり自治体で知恵を出し合っていきたいなと思っていまして、そういう意味では、この定住自立圏構想、何かの役に立つかもしれないと思って、私も非常に期待をしておるところであります。
 では、質問を変えまして、今度は地方中核拠点都市に求められる問題についてちょっと質問をしたいなと思っております。
 政府は、今回の改正案に導入されている連携協約制度を活用して地方中枢拠点都市圏の形成を目指すこととしています。この担うべき役割として、圏域全体の経済成長の牽引や都市機能の集積、あるいは圏域全体の生活関連機能サービスの向上を考えられるとしておりますが、この経済成長の牽引や都市機能の集積、それから生活関連機能のサービスの向上と、それぞれの機能に応じて、具体的にはどういう取組が求められるのでしょうか。ちょっと総務省の見解を伺いたいと思います。
#91
○政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。
 地方中枢拠点都市におきます具体的な取組でありますけれども、まず、圏域全体の経済成長の牽引ということに関しましては、例えば、地域の産学金官民が一体となったプラットフォームを形成していただきまして、まずその圏域全体の成長戦略をつくっていくというようなことが考えられると思います。それからまた、更に具体的には、産業クラスターをつくっていくとか、あるいは様々な消費者ニーズにどうやってマッチしたものをつくるかというのは重要でございますので、首都圏などの消費者ニーズにマッチした市場で受け入れられる商品の開発、それから農林水産物関係では六次産業化ですとか地域ブランドづくりと、こういったようなことに取り組むことも想定されると思います。
 加えまして、研究会の中でも強い指摘があったんですが、やはり観光というものも重視すべきだと。観光というのはその圏域全体の総合産業だというふうに捉えて、国際会議ですとか国際見本市、誘致ございますけれども、こういったものを誘致した上で、圏域内の企業とのビジネスマッチングですとか、あるいは圏域内の観光に波及させていくというようなことで、例えばその際に、近隣市町村の日常の風景とか自然といった、そういった地域の資源、これを活用していくと、こういった視点も大事だというようなことは研究会でも指摘を受けております。
 それから、高次都市機能の集積に関しましては、高度医療の提供体制、あるいは大学等の高等教育機関の整備といったことが想定されますし、基礎的な圏域全体の生活関連サービス機能の向上につきましては、日常的な地域医療ですとか障害者福祉の充実、子育て支援、あるいは交通面での足の確保といったようなニーズに対応できる取組と、こういったものが想定されると思っております。
#92
○渡辺美知太郎君 今、観光とおっしゃっていました。実は、意外に思われるかもしれないけれども、大学、私はアートマネジメントを専攻していまして、美術で町おこしをしていこうと。直島とかあるいは新潟の芸術祭とか、そういうところをいろいろ行かせてもらって、やはり日本の確かに観光資源というのはたくさんあるんですよね。それがやっぱり点と点であるだけで、一か所行ったら隣の町の観光資源には行かないというか、知らないので、一か所行って帰ってきちゃう、非常にもったいないなと思っていまして、そういう意味でも、やっぱりその圏域全体で回って、その地元を回って満喫してもらって帰ってもらうというのがいいなと思っております。
 こうした役割に応じた財政措置の必要性というのは当然指摘されているのですが、どのような財政措置を行っていくのか、ちょっと対応を伺いたいなと思います。
#93
○政府参考人(門山泰明君) 財政措置につきましては、地方交付税措置が中心になると考えておりますけれども、今年度、国費によりまして、まず先行的なモデルの構築のための事業、委託調査を行いたいと考えております。この委託調査を通じまして、本格的な地方交付税措置につきましては平成二十七年度からということで、できるだけ、実際どういうことをやっていただけるのか、中心的な都市が周りの市町村のためにどんなことをやろうという意欲を持っておられるのか、そのために実際に掛かるお金はどのぐらいになってくるのかという辺りをきちっと把握した上で財政措置を組み立てていくというふうにしたいと考えております。
#94
○渡辺美知太郎君 これも先ほど大臣がおっしゃっていた計画ありきで、まず計画を出してどういう効果があるのかということになるんでしょうね。もちろんこれソフト面になると思うんですが、大体規模としてはどのぐらいになりそうですかね。まだ決まっていないですか。
#95
○政府参考人(門山泰明君) まだ規模はこれからでございますけれども、先ほど先生から御質問ありました定住自立圏が中心市に対する財政措置、今回四千万から八千五百万に引き上げられたという事情ですとか、あるいは、これまで政令指定都市、中核市といったところが余り積極的に取り組んでいただけなかった要因として、財政措置がやや弱かったんではないかといった声もございますので、そういった点を考慮してこれから決めていくということになろうかと存じます。
#96
○渡辺美知太郎君 この計画ありきのは非常にいいと思うんですけど、こういうのってやっぱり地域によって申し訳ないですけど構想力に差が出てくると思うんですよ。やっぱり、もちろんアイデアマンが多い地域はもう放っておいてもどんどんどんどん町おこしをしていくと思うんですね。もうお任せしちゃってもいいぐらい、こっちが聞いてもいいぐらい。一方で、なかなかやっぱり道路を造ってくれとかそういった発想から脱却できない地域というのもあると思うんですけど、そこら辺について、総務省では何か対策などは考えておられるでしょうか。
#97
○国務大臣(新藤義孝君) まさにそこがポイントだと思うんですね。
 ですから、第一に必要なことは成功例をつくることなんです。ああ、あの町でできたの、どうやってやったんだろうという中で、それは町にアイデアマンがいればいいですよ、役場に。でも、そうでなくたってその町にはいろんな人が本来ならいるはずなんです。でも、行政は役場がやることだからで接点がない場合、そういう人たちを、じゃ今町の中にいる人で探そう。それから、うちの町おこし共同体のように、目的意識を持って、高い専門性を持った人間が町の役場の職員になって、派遣させているんですよ、今。そういう人たちが地域で会社をつくってみたり、自分たちの派遣期間三年間やって、それ終わった後はそこに自分たちで仕事をつくって定住しようと、そういう人たちが新しい仕事を、観光も含めて産業開発している、こういう場合もあります。
 ですから、やり方は様々だと思うんですが、まず地域がやる気になって、自分たちにノウハウがあるなら使う、なければ外から連れてくる若しくは縁のある人を探す、幾らでも世の中にはそういったものがあると思うし、必ずその地域の特徴が、自分たちで持っているわけなんですから、そういったものをうまく応援できるような形をしたいと。やはり、そこに自治体が中心になって、やる気があるかないかというのはすごく違うと思います。ですから、その自治体に対する支援を我々が様々な形でできるようなメニューをそろえてと、こういう状態でございます。
#98
○渡辺美知太郎君 今おっしゃっていたやる気のある職員の方を派遣するところもありますし、あと民間人の登用とかになるんですかね、あとメセナ事業みたいな感じで企業を誘致するとか、そういった形で是非、これからはやっぱりお金はばらまけないですから、知恵をばらまいていくというか、やっぱりそういったことにシフトせざるを得ないなと思います。
 次の質問なんですけど、次は、基礎自治体による行政サービス提供に関する研究会報告で、中枢拠点都市の近隣市町村の住民は、これから自らの住む市町村と異なる自治の単位からいろんな行政サービスを受けるということになるので、やっぱり行政サービスの提供主体である中枢拠点都市に対して要望を伝えて、民主的なコントロールを及ぼせるようにすることも課題であると指摘をされています。
 こうした民主的コントロールの必要性について政府の認識を伺うとともに、この民主的コントロールを確保するために連携協定を結ぶ自治体にどういう取組が必要なのか、ちょっと伺いたいなと思います。
#99
○政府参考人(門山泰明君) 地方中枢拠点都市圏の取組でございますけれども、これは、地方中枢拠点都市となります圏域の中心都市、ここに住んでいる方々にとってはもちろんでございますけれども、近隣市町村の住民の方々が引き続き今のところで住み続けることができる、生活し続けることができるというように圏域全体の地域経済活性化していこう、あるいは利便性を維持向上していこうということでございますので、御指摘ございましたように、近隣市町村に住んでおられる住民の方々の意向を圏域全体の施策に反映させるためのいわゆる民主的コントロールが必要だということはまさにおっしゃるとおりでございます。
 そのため、具体的な方策でございますが、今回の改正案におきましては、まず一つには、連携協約を締結するに際しましては、中心市はもちろんでございますが、近隣市町村の議会の議決を必要としております。住民の代表であります議会の議決を経るということがまず一つ。さらに、地方中枢拠点都市の首長さんと近隣市町村の首長さんがこれは定期的に協議していただくということはやはり一番基本だろうと思いますので、そういったことを連携協約に記載していただければきちっと協議についても仕組みとして担保できるということでございますので、こういったことにつきまして地方自治体に対しまして周知していきたいというふうに考えております。
#100
○渡辺美知太郎君 最後の質問になるかと思うんですけれども、さっきソフト面でもいろいろと考えてやってほしいと質問がありましたが、では、済みません、中核市の話をしようと思います。
 今この中核市となる要件を満たしている都市があるんですけれども、中核市になかなかならないというのがありまして、これ何でならないのかちょっと認識を問うのと、何か対策があるのか、ちょっと聞きたいなと思います。
#101
○政府参考人(門山泰明君) 中核市に関するお尋ねでございます。
 現在の制度での中核市の要件、人口三十万人以上ということでございますけれども、これを満たしているけれども中核市の指定を受けていない市というのは十二市ございます。このうち七つの市は特例市の指定を受けているというのが現状でございます。
 それで、中核市になるかならないか、この選択はまさに地域で自主的にお決めいただくということでございまして、地域の実情ですとか政策の優先順位を踏まえまして、専門的な人材の確保ですとか財政状況、もろもろの観点を踏まえてそれぞれの自治体で御判断された結果、中核市になろうという申出はしないという判断を取っておられるんだと思います。
 今回の地方自治法改正に伴います特例市から中核市への移行でございますけれども、これは今事務的に調査したところでは、今の特例市四十のうちの十二市がもう具体的な移行を希望しておりますし、移行検討中と言っているところも二十一市ということで、大体多くのところが移行を検討しているんですけれども、これに加えまして、今特例市になっていない、もちろん中核市にもなっていないけれども、制度が改正されたら中核市への移行を検討したいというふうにおっしゃっている市が六市あるという状況にございます。
#102
○渡辺美知太郎君 ちょっと、中核市、時間が中途半端なんで、終わります。今日の質問はこれで終わります。
 ありがとうございました。
#103
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。本改正案の内容に沿って伺います。
 昨年六月に出された第三十次地方制度調査会の大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申では、基礎自治体について、人口減少下でも人々の暮らしを支えるサービスを持続可能に提供することが問われているとし、三大都市圏においては、経済の成熟化など構造的転換期を迎える中でも経済を牽引する役割。指定都市、中核市など地域の中枢的な役割を果たすべき地方中枢拠点都市を核とする圏域では、地方中枢拠点都市を中心とする広域連携を進め、三大都市圏と並んで経済を牽引する役割。この圏域以外では、中心市と近隣の自治体との間で都市機能の集約とネットワーク化を進めることで安心して生活できる基盤の維持を述べています。
 そこで伺いますが、この答申を本改正案でどのように具体化したのでしょうか、お答えください。
#104
○政府参考人(門山泰明君) 具体的には、それぞれ中心的な都市あるいは地方圏、大都市圏というふうに分けまして、広域連携の仕組みというのを入れるということにいたしております。具体的には、連携協約という制度を設けるということ、それから事務の代替執行という仕組みを設けることということで、いわゆる制度的な対応としてはこの二つが柱でございます。
#105
○吉良よし子君 既に市町村では一部事務組合、広域連合などの方法で広域連携をしていますけれども、この新たな広域連携制度というのはこれらの連携とどのように違うのか、お答えください。
#106
○政府参考人(門山泰明君) 既存の事務の共同処理方式、例えば事務の委託ですとか一部事務組合、広域連合など、幾つかの形がございます。これらも様々な形で実際に活用されているわけでございますけれども、今回設けようとしております連携協約と従来からの共同処理、事務処理制度との違いといたしましては、連携協約の場合、通常のいわゆる事務の分担だけではなくて基本的な方針ですとか政策面での役割を定めることができるというのが一つ、それから、紛争が起きないのが望ましいわけでありますが、将来的に紛争が起きないとも限りませんので、連携協約締結の時点であらかじめ紛争解決の手続をビルトインしておくというのが二つ目、それから三つ目には、特に共同処理方式について問題点として指摘されることが多いんですが、別組織をつくった場合になかなか簡素で効率的な仕組みであり続けることが難しいということから、別の組織をあえてつくらなくても可能な連携の仕組みという、この主に三つの点をこれまでの方式との違いとしようとしているところでございます。
 今回の改正案によりまして、地方自治体からいたしますと、今までの共同処理の方式も含めまして、多様な手続、多様な手法の中から地域の実情に即して最も適した連携の在り方を自ら選択していただけると、こういうことが可能になるというふうに考えております。
#107
○吉良よし子君 幾つか挙げていただきましたが、事務分担だけではなく、政策面での役割分担などについても自由に盛り込めるようにした連携協約も作っていくと。つまり、今まで行われてきた広域連携の制度は全国どの自治体であっても必要とされるサービスを提供することを前提として行われてきたもののはずですが、本改正案の新たな広域連携では今までの広域連携とは違うものになってしまうということなのじゃないかと思うんです。
 新たな広域連携の在り方とされている定住自立圏は既に全国で進んでいますが、中心市に都市機能などが集約されることから、一対一の対等な協定を結んだにもかかわらず、周辺自治体と中心市との人口格差や圏域内の市町村の温度差などの弊害があると指摘がされています。
 私は、本法案で地方中枢拠点都市圏を進めるということになれば、規模も自治体として持っている力も全く違う自治体と一対一の対等な関係で協約を結んだとしても、都市機能の集約とネットワーク化の名の下で住民サービスや自治体機能そのもののスリム化が進んでしまい、格差が広がって、新たな市町村再編につながっていくのではないかと思うのですが、そうならないと言えるのでしょうか、大臣、お願いします。
#108
○国務大臣(新藤義孝君) 私たちはそういうことは全く想定をしていないわけです。格差が出るのではなくて、そもそも昼夜間人口比率が一以上の都市が中心になるわけでありますから、最初にそういうもうそもそもの人口の移動の形態があるわけです。そういう中で、中枢の町とそれからその周辺の町で圏域をつくりましょうと。どこかに全てを持ってくるのではなくて、この地域で役割分担しながら、どんなふうにお互いにいい状態をつくっていけるか、そこで望む項目について連携協約を結びましょうと、こういうことなんです。ですから、自治体同士で望むものについての協約を結べばいいのだし、またその場合に事務の代替を頼むことによって空いた仕事量を別のものに差し向けるとか、そういった中でそこの地域の行政サービスを維持、充実させると、こういったことも可能になると思います。
 ですから、要は、どのようにするかは地元の自治体のお考えなんです。制度をもって何かの形をつくらせようとしているのではなくて、自治体がおやりになりたいことを柔軟に対応して応援できるようなメニューをそろえたというふうにお考えいただければ、もし今委員が御心配のような、何か合併をしようと、合併をさせて格差をつくりつつ、最終的にはそれを吸い取ろうなどという人が、人というか、そういう地域があったとすれば、それを応援する住民が、よし、そういうふうにしてくださいという人がいるならば仕方ありませんが、地域の住民はそういうふうには思わないと思いますから、あくまで自治体次第だと、どのようにでもできるんじゃないかなと私たちは期待をしているわけであります。
#109
○吉良よし子君 自治体次第だということですけれども、今回のやり方では、自治体が住民に提供するサービス、施設は集約とネットワーク化していく一方で、そこに住む一人一人の住民の生活がどうなるかというところが欠けているのではないかと疑問があるわけです。そうやってサービスや施設が集約化されてしまえば、おのずとその圏域で暮らす住民の暮らしそのものも集約化されていく危険性もあり、それが例えば人口の格差という弊害につながるのではないかという疑問を持っている点を指摘しまして、次に、市町村間の広域連携が困難な地域における都道府県における補完について確認しておきたいと思います。
 具体的にはどのような分野で都道府県による補完が必要と想定しているのか、総務省、お答えください。
#110
○政府参考人(門山泰明君) 都道府県による補完というお尋ねでございますので、事務の代替執行についてのお尋ねかと存じます。
 事務の代替執行によります都道府県と市町村との連携の対象になります事務でございますけれども、まず、これは法律の中ではこういうものに限るとかそういう限定は何も置いておりません。どういうものでもできるということでございますけれども、具体的にニーズがあるだろうということで想定されますのは、例えば介護保険ですとか地域包括ケアシステムなどの社会福祉関連業務のうち非常に専門性が要求される分野、特に専門人材が必要であるといったような分野などがございます。こういった分野ですとか、それから、午前中の参考人質疑でもお話出ていたようでございますけれども、インフラの維持管理ということで、道路ですとか橋梁、水道といったものの点検ですね、こういった事務につきましても相当専門的な技術を持った方々が限られているということがございます。こういった業務などが一義的に考えられるものかと思いますが、さらに地域振興的な、企画的な分野についても活用の余地はあるかなというふうに考えております。
#111
○吉良よし子君 福祉の分野や若しくはインフラ整備等々ということでしたけれども、全国町村会が出した町村の現状とその事務執行の確保方策に関するアンケートでは、都道府県における補完の必要性があると答えた町村が六七・五%あります。具体的な事務ごとに見ると、確かに国保や介護、後期高齢者の事務作業を挙げた町村が多く、補完が必要と答えた町村の三分の二を超えています。
 しかし、その国保や介護などの保険分野については、そもそも自公政権や民主党政権時代も含めて国が率先して市町村への補助を削減し、市町村単独で維持していくことが困難となる状況をつくり出してきたのではないでしょうか。都道府県内の市町村との広域化が進められてきたのもそうした背景があったからです。以前、私も本委員会で東松島市の国保の問題を取り上げましたけれども、国保加入者一人一人の命と健康を守るという最も大切な行政サービス、何とかしようと市町村は懸命の努力を続けています。補完という選択肢を取りたくて取るのではない、取らなければやっていけないということなのではないでしょうか。
 補完という言葉には、不十分なものを補い完全にするという意味があります。政府の悪政によって不十分にさせられたものは都道府県ではなく国が補完するのが当然だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#112
○国務大臣(新藤義孝君) 物事の見方というのはいろいろな見方があるわけでございまして、勧善懲悪の中で見ればそういうような、今のような仮説というのがあるのかもしれません。しかし、少なくとも、どこに住んでいる人、これは政党やそういったものを超えて、誰もが自分の町に誇りを思い、自分の町を良くしたいと、それから公務員も一生懸命仕事をしてみんなに喜んでもらいたいと思っているし、そういう中で、しかしなかなか人間のやることですからうまくいかないところがあって、それをどう直していこうかということで様々な工夫をするわけであります。国政が、悪政を目的とした国政というものが私は国民の理解を得て政権ができるとは思っておりません。ですから、ただ足りないところや直さなければいけないところがあるのは、それは人間のやることですから、反省とともに、日々改善をしなくてはいけないと。
 今回のことが、何か国のやってきたことのツケを地方に回すというような発想は一切ございません。元々から地方自治というのは自らの意思を持って住民自治、団体自治を確立させることなんですから、それのために、かといって、じゃ、地方がやることだから、国は国のことだけやりますからどうぞではないんですね。一緒にやっていきましょうと、そのために国の方はこれからも引き続き御支援をさせていただかなければならないと、このように思っているわけですから、そこは、もし具体的に何か不都合があるならば、それは私たちも耳を傾けて適切な対応をしていきたいと、このように思います。
#113
○吉良よし子君 仮説とおっしゃいましたけれども、仮説じゃなくてやっぱり事実だと思うんですね。この間、やはり介護保険というものはどんどん削られてきています。そういう市町村が困難となる原因を作ってきたのがやっぱり国だと思うんです。
 現在も審議中の医療・介護総合法案、これでも、介護保険で要支援と認定された高齢者を介護保険から切り離して、見守りや配食などの代替サービスの提供を市町村に行わせたり、給付費の削減までも市町村に義務付けたり、改悪を進めようとしているのではないでしょうか。
 先ほど紹介した全国町村会のアンケートでは、補充の調査を行い、小規模の町村での専門職員の確保の実態を調べています。その実地補足調査で得た知見には、資格を持っている職員がそろっていなければならないというのは大きな市の発想であり、町村の実態はそれとは相当に違っている。町村では、複数の業務の兼任は当たり前で、専門職でも、自分の専門性を追求するばかりではなく、現場に即したゼネラリストの素質を持った職員を必要としている。ある町では、県から土木の技術職員を派遣してもらったが、一年目は土木で使って、二年目は保健の分野に回ってもらっている。道路を造る仕事をするといっても、住民の暮らしをよく知った上で道路を造ることが町村職員には求められているとあります。
 さらに、総括で、町村における職員には、地域全体を視野に入れ、価値ある暮らし場所をつくるために、人々の暮らしと施策が合致するような総合的な判断ができる総合性発揮の発想と能力が強く求められているのではないか。全ての町村にフルセットの事務体制を想定して、それが難しければ都道府県の新たな補完が必要だという発想は極めて短絡的で、町村の実態を軽視するものと言わざるを得ないとして、都道府県の任務は基礎自治体である市町村との支援協力関係を築いていくことと指摘しています。
 本改正案による都道府県との間での補完は、対等な一対一での支援協力関係の範囲内で行われるものとなるようにしていかなければならないと考えますけれども、ここで総務省の考えを確認させてください。(発言する者あり)寝ないでお答えください。
#114
○政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。
 専門職員の不足の問題、例にお挙げになりましたけれども、実態として、これもたしか午前中も出ていたと思いますが、土木技師さんが一人もいらっしゃらない町村ですとか、建築技師がおられない町村というのは実際かなりの数ございます。あるいは看護師さんがおられないとか保健師さんがおられないと。やはり専門職、どうしても必要な分野というのはあるというのは合併の一つの要因になったという点があろうかと存じます、これは補足でございますが。
 それで、都道府県が今回事務を補完する形での代替執行というような仕組みを入れようとしているわけでございますが、これは基本的な考え方は、基礎自治体ができないところを広域自治体、広域自治体ができないものを中央政府が補完するという、補完性の原理と言われている考え方がまず基礎にあると思います。
 その前に、役割分担はきちっと、基礎自治体の仕事、広域自治体の仕事、国の仕事、この役割分担がきちっと整理されているのが前提だと思いますが、そういった役割分担をした上で、基礎自治体ができない部分について、しかも基礎自治体の意向、住民の意向に基づいて補完すべきものを補完すると、こういうことが今回行おうとしている内容でございます。
#115
○吉良よし子君 補完していくものを補完するということですけど、あくまでもやっぱり対等な一対一での範囲内で行われるものと。いきなり突っ込んでいって、これをやりなさい、あれをやりなさいじゃなくて、やっぱり住民の意思や自主性、自治体の自治機能が相互に尊重され発揮されるようになってこそ広域連携ができます。政府がすべきことは、そういう地方自治の本旨を発揮できるよう自治体の自治機能を支援すること、強化することであり、新たな地域再編などを強制することなどないように強く求めて、次に、調整会議について伺おうと思います。
 この自治法の改正で、新たに都道府県と指定都市との間に調整会議を設けることとし、必要な場合には総務大臣の勧告を行うようにしています。そこで伺いますが、現在、指定都市と都道府県との間では、今でも様々な問題についての協議機関が設置されているのではないでしょうか。お答えください。
#116
○政府参考人(門山泰明君) 指定都市とその指定都市を包括しております都道府県が行います協議の場の状況でございますが、これは地方制度調査会の審議の過程で、平成二十四年の七月時点で調べたものがございます。これによりますと、継続的な協議の場というのを設けていないというところが四市ございます。それから、その他の十六の都市におきましては、何らかの形で都道府県と政令市の間で継続的に協議する場を設けているということでございますけれども、その対応については様々でありまして、例えば、構成員として、首長さんと知事さんという形ではなくて、部局長級の協議の場で置いていますとおっしゃっているところですとか、協議の内容につきましても、二重行政をどうするというようなことではなくて、今後の大都市制度の在り方について協議していますとか、あるいは、開催の頻度でございますけれども、年に一回から年に二十数回といったものまで、非常に幅があるというのが実態でございます。
#117
○吉良よし子君 少なくとも十六市ではそういう協議機関があるというお話でした。
 都道府県と政令市との間にはそういう場が設けられているにもかかわらず、なぜ今回法律で調整のための会議というものを設けなくてはならないのかという点が私は理解に苦しむわけですけれども、自主的に設けられた協議機関では解決の付かないような問題が今具体的にどの都道府県でどの政令市との間で持ち上がっているのか、あれば簡潔にお答えください。
#118
○政府参考人(門山泰明君) 今回、調整の場を設けようという趣旨の主たる目的は、二重行政と言われています問題を解消していこうということでございますし、そのほとんどのものは当事者の間で真摯な協議を進めることによって解決すると考えられますけれども、じゃ、具体的に今どんなものがあるのかと言われますと、そもそも二重行政の問題について協議すら行われていないケースもあろうかと思いますし、協議が暗礁に乗り上げていて動いていないというケースもあるかもしれませんので、それについて今勧告しなければならないような事例が具体的にあるかと言われましても、そこは把握のしようがないと思っております。
#119
○吉良よし子君 かもしれないということで、現実に今大変な事態というのは今のところ見当たらないということですけれども、確かに、二重行政の解消という中で、中には二重行政で問題があるものもあるでしょうけれども、何が二重行政によって問題なのかを判断するのはあくまでもそこに住む住民であり、住民の意思で最終的に決められるものだと思います。
 ところが、今度新たに設けられる調整会議というのは、いずれか一方の自治体の申出があればもう一方はその協議に応じることが義務付けられている、しかも協議が調わなかった場合にはいずれかの一方の要請で総務大臣に勧告を求めることができることとされており、その手続も定められていると。例えば、県庁所在地の政令市に市民図書館があって、同じ区域内に県民図書館があるから二重行政だ、どちらか一方を整理、統廃合しようなどということに勝手に総務大臣が口を出す制度を設けるということになると、地方のことは地方が決めるという地方自治の趣旨からいってもそれは余計なことになってしまうのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(新藤義孝君) そうならないようにしなくちゃいけないですよね。
 そもそも、今回の調整会議というのは、任意に今まで自治体間であるものについてはそれをそのまま活用していただけばいいと思うんですよ。ただ、構成要員として、まず首長がそこに就くことになっておりますから、今までは首長ではなくて担当の方で事務的な打合せの済んでいたものもあると思うんですね。ですから、それは、今までのものは柔軟に活用していただけばいいと思うんです。
 しかし、今回は、四次一括法で、都道府県と指定都市の間で事務・権限の移譲が確実にあるわけですから、ですから、今までは任意で、起きていた場合には適宜行われたものが、今回は事務・権限の移譲がある程度のまとまったものであるから、それを前提にして調整をするための機関をつくりますということなのであります。
 それから、この総務大臣の勧告というのは、勧告を受けるための議決をその自治体が自分たちの議会で可決して勧告を申入れをすると、こういう仕組みで、その地域の決定によって、意思によって、総務省に調整が付かないからということになって来るわけであります。私は、そうした例というのはなかなかないのではないかなと、このように思います。そこまで行かなくても、知恵を使って調整をしていただければいいということだと思っております。
#121
○吉良よし子君 勧告というものはほとんどないはずだとおっしゃっていますけれども、三十次地制調の報告では、協議が調わない事項が生じた場合には、現行制度上、自治紛争処理委員による調停を利用することが可能である、しかしながら、調停は全ての当事者が受諾することが必要であるため、それでも解決が見られない場合を想定した何らかの新しい裁定の仕組みを設けることを検討すべきであるとしていると。
 今回の改正案における勧告というのはこの指摘を踏まえたものだと思いますが、だとするならば、これは地方に対して一定の見解を押し付ける仕組みになるのではないかと懸念せざるを得ないと思うんですが、改めて総務省に聞きますが、総務大臣による地方自治体に対する勧告というものにはどういうものがあるか。できるだけ、時間が迫っていますので、簡潔にお願いします。
#122
○政府参考人(門山泰明君) 勧告といいますのは、地方自治体に対する国の関与の一類型でございます。いわゆる非権力的関与というものでございますので、法律に根拠がなければならないということでございます。
 地方自治法の例、具体的に申し上げます。二百四十五条の四に基づきまして、各大臣は、その担任する事務に関して、地方自治体の事務の運営等について適切と認められる技術的な助言、勧告をすることができると、こういう一般的な規定が一つございます。
 あと、各論的なものといたしましては、普通地方公共団体の協議会を設けるべきであるという旨の勧告というのが二百五十二条の二にございます。それから、組織及び運営の合理化に関する勧告というのが二百五十二条の十七の五。それから、特別区財政調整交付金に係る勧告というのが二百八十二条にございます。
 このほか、地方自治法以外にも法律で勧告を規定しているものは幾つか例はございます。
#123
○吉良よし子君 基本的に、現行法上で御紹介いただきました総務大臣の勧告という場合は、それはやはり基本的に法令の遵守に係るものに限られていると思うんです。ところが、今回の調整会議で扱われる問題というのは、都道府県と政令市双方の行政運営の政策に係る問題であり、それぞれがどういう政策を取るかについて、どちらかの自治体の要請を前提にしているといったとしても、総務大臣に勧告の権限を与えるというのは、地方のことは地方で決めるという自治体の在り方として違うんじゃないかと思います。
 この勧告というのは、地方の政策に国が介入することにつながるのではないかと思うんですが、勧告が出されたとしても、それを受けるかどうかという議会の意思はあくまでも尊重されると言えるのでしょうか。大臣、お願いします。
#124
○政府参考人(門山泰明君) 法律的な点、先に御説明をさせていただきます。
 これらの勧告でございますが、地方自治体は勧告を尊重しなければならない義務というのを負います。負いますが、法律上勧告に従うべき義務を負うものではないということにつきましては、これまで現在の制度として存在する勧告につきましても同様でございます。新しく設けようとしているものも同様でございます。
 それから、勧告の発動要件でございますが、これはそれぞれの法律の趣旨を達成するために必要に応じて個々に定められているものでございまして、必ずしも違法性の問題、事務の処理が違法であるという場合に限定して勧告の制度が設けられているということはございません。
#125
○吉良よし子君 私がこの問題にこだわらざるを得ないというのは、調整会議をより強権的に運用するように求める意見があるからなんです。
 大阪では、いわゆる大阪都構想によって強引に進められようとした大阪府立大学と大阪市立大学の統合する案が、議会の同意が得られず先送りされました。私は、住民自治、民主主義が機能した結果だと受け止めておりますが、先月開かれた衆議院総務委員会で参考人として出席した橋下大阪市長はこのことを例に挙げて、調整会議で決まったことがそれぞれの府県や政令市の議会をどの程度拘束できるか規定がない、調整会議で決まったことも府議会、市議会で否決されて元のもくあみなどという見解を述べています。一見、政府案を否定しているように、批判しているようにも見えますが、橋下氏が言っているのが、調整会議を通じた決定や勧告には議会は口出ししないようにしようと、できないようにせよということです。その意味では、そういう発想がこの法案にも通底しているのではないかという懸念があるんですが、大臣、その点はいかがでしょう。
#126
○国務大臣(新藤義孝君) 私は、何にしても形式主義に陥っては駄目だと。それから、何かにかこつけて、形をつくったことで話合いや民主主義のルールを無視して強権発動のようなものになってしまってはいけないというのは、これは常に心掛けているところであります。
 今回の総務大臣の勧告というのは、地方自治法において、まず都道府県と市町村は相互に競合しないようにしなければならないと、それから、住民福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと、こういう法律の規定があるんですね。ですから、その精神にのっとって必要な勧告を行おう。地方自治法に定められたものをきちんと達成してくださいねということに関してうまく調整が付かない場合には勧告をすると。それはしかも、勧告を受けたい人たちの発意によって、議決によって申出を受けて私どもはそれをやると、こういう民主主義のルールになっているんです。
 ですから、それをきちんと守っていくことが非常に重要であって、性悪説といいますか、何かそれを悪用しようとする人がいるならば、それを止めるのも政治の役割だと思いますね。
#127
○吉良よし子君 悪政に利用する人がいるとすれば、それを止めるのも政治の役割とおっしゃいました。是非そういう役割を果たしていただきたいと思うんですけれども、やはり、でも、受けたい人のその民主主義はあったとしても、受けたくない側という意味の住民意思というものもあるわけですから、そういう点はしっかり見ていただきたいですし、二重行政をなくすことを理由にして自治体からの申出で設置されるという形になっている調整会議が、結局のところ、政府主導で自治体の仕事のリストラを促すための装置として今回わざわざ法定してしまうのではないかという懸念がやっぱり拭えないということもここで申し上げておいて、私の質問を終わらせていただきます。
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#128
○委員長(山本香苗君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、那谷屋正義君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。
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#129
○又市征治君 又市です。
 私の方まで回ってくると大分ダブったりなんかするんですが、再確認の意味含めて幾つかお伺いをしてまいりたいと思います。
 今回の地方自治法の一部改正案では、指定都市制度の見直しが一つの大きな柱ということだと思います。その中でも区の役割の拡充が大きな特徴になっております。それは、区が住民に身近であり、住民に密着した行政サービスを行うためだと説明をされているわけですが、具体的には、区の事務所が分掌する事務を条例で定め、そして市長の権限に属する事務のうち主として総合区の区域内に関するものを処理させるために、区に代えて総合区を設け、議会の同意を得て選任される総合区長を置くことができる、このようになっているわけですね。総合区長は職員任命権あるいは予算意見陳述権を持ち、身分も特別職、こういうことにされています。
 このように見ると、いかにも総合区が地域密着型になり、分権の進展の印象を持ちますが、実際に指定都市でどのくらいの市長が総合区の設置あるいは総合区長を選任することになるのか。この二月に発表された改正案に対する指定都市市長会のコメントを見ますと、これは一定の評価をしつつも、今後の指定都市の根幹に関わるような地方自治法の改正に際しては、地方の実態を踏まえたものとなるよう指定都市の意見を十分に聴取しながら進めていただきたい、こんな注文が付いていますね。そんなことも含めて一部新聞は、新制度を積極的に広げようとの声は国からも政令市からも聞こえないと、こんなふうに報道されています。
 そこで伺うんですが、総務省は、自治法を改正をしてまで制定をしようとする総合区なり総合区長制度を設置するように指定都市に積極的に助言をしていくという、こういう考え方なのかどうか、また、指定都市の新制度についての対応はどのようになるというふうに見通して今おられるのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
#130
○副大臣(関口昌一君) 今回の総合区の導入の意義というのは、今、又市委員の方から御説明がありましたので、こちらの答弁は省略をさせていただきたいと思います。
 政令市がこの総合区の導入を、いろんな考え方がある。二十の政令市があるわけでありまして、人口規模でも七十一万の静岡とか三百八十六万の横浜とか、さらに、特別区の数でいくと静岡の三区とか大阪の二十四区ですか、もう面積からそして規模、そして沿革等、多様であるということであります。そうした中で、総合区は、それぞれの指定都市が地域の実情に応じて導入するかどうか柔軟に対応されるだろうということを大臣の方からも石井委員の質問に対して答弁しているところであります。
 これは、積極的に総合区の導入に導いていくのかという説明がございましたけど、あくまでも地域が実情に沿って考えていただいて、総務省としては制度の趣旨を指定都市にしっかりと説明させていただくとともに、総合区の導入について指定都市から相談に応じるなど、必要な情報提供や助言を行っていきたいと思いますが、あくまでも地域がしっかりと考えていただいて、我々はそれを導くというような状況で考えております。
#131
○又市征治君 どんどんやりなさいというわけで、推進をしていくというわけではないと、それぞれがそうしたものを自主的に判断をしてということですね。
 そこで、次に中核市と特例市との統合について伺いますが、改正案によると、中核市の指定の要件は人口三十万人以上だったものを二十万人以上に引き下げるということになりますが、中核市には引き続き保健所の設置が義務付けられることになります。そこで、厚労省見えていますね、厚労省にお伺いしますが、この人口要件が二十万人以上ということで十万人引き下げられるわけですけれども、保健所を必置とする理由、その意義というのはどんなところにあるんでしょうか。
#132
○政府参考人(高島泉君) お答えいたします。
 保健所は、感染症などの疾病予防に関する事業とか衛生上の試験及び検査に関する事業など、地域住民の健康の保持、それから増進に関する事業を行っております。地域保健に関する広域的、専門的かつ技術的拠点として重要な役割を果たす機関として位置付けられております。
 この保健所の設置につきましては、地域保健法によりまして、地域保健行政の担い手ということで、都道府県、指定都市、中核市その他政令で定める市又は特別区がこれを設置すると、こういうふうに定めております。
 今般、地方自治法の改正でございますが、今の中核都市におきましても、地方自治法に規定する事務のうち地域保健に関する事務をしっかりやっていくということでございますが、そのために住民に身近で利用頻度の高い保健、それから医療・福祉サービスを提供すると、こういう観点からは、その拠点としてやはり保健所の機能が必要不可欠であると、こういうふうに考えております。
 今回の改正によりましてその人口要件が三十万人から二十万人に緩和されるということでございますが、新たに中核市になられる自治体と、こういった自治体につきましては、地域保健行政の担い手と、こういうこととして認められるというものでございますので、保健所を設置して地域保健に関する事務を行っていただきたいと、こういうふうに考えております。
#133
○又市征治君 私も、もちろんのこと、これ健康維持、管理、これらの問題は極めて重要な問題ですから、当然のこととして必置であるべきだという思いでお伺いをしていますが、厚労省としても、それは地域任せということではなくて、その活動について積極的なやっぱり助言をしていくなり援助をしていくという努力を是非要望しておきたいと思うんです。
 さて、四月一日現在、四十市が特例市として指定をされていますが、これらの市、全てが保健所を設置することが可能だというふうに見ているのかどうかということですけれども、保健所を設置するためには、財政的に問題であるとか、あるいは人材の確保等の問題が付いて回ります。それは相当大きな課題になるわけでしょうから、そこで、中核市市長会は、第三十次地制調答申に対する意見の中で、現行制度の中核市に移行する要件を満たしながら移行しない市の理由として財政措置が不十分であることが挙げられている、こう指摘をされていますね。実際、資料によれば、人口三十万人以上で政令市、中核市の指定を受けていない市が十二市、人口二十万人以上三十万人未満で特例市の指定を受けていないのが七市あるわけですね、現実に。
 このような要望なり現状を踏まえて、国は一体、この保健所の設置はもとよりですが、中核市への移行についてどのように支援を行っていこうというお考えなのか、お伺いをします。
#134
○大臣政務官(伊藤忠彦君) お答えを申し上げたいと思います。
 中核市への円滑な移行のための事務移譲に伴う財政措置、人的支援に関しましては、第三十次地方制度調査会答申におきまして、適切な事務処理体制を構築するため、都道府県から市町村へ職員を派遣することや初期費用等を適切に見込んだ財政措置を行うなど、都道府県において地域の実情を踏まえた運用上の工夫を行う必要があると指摘を受けているところでございます。
 この答申の趣旨を踏まえまして、まずは都道府県と移行を目指す市との間で十分な調整が必要なんでございますけれども、財政措置につきましては、事務移譲に伴う増加経費を基準財政需要額に算入する形で地方交付税により適切に処置をしてまいるところでございますし、また、人的支援につきましても、総務省としては円滑な移行が進むよう先行事例の情報提供を始め必要な助言をしっかりと行ってまいりたい、こう考えているところでございます。
#135
○又市征治君 中核市になり、事務量も増大をしますし、財政需要も高まるわけですから、それに十分な財政措置が必要だということはもう当然のことで、それがやられなければ、さっき申し上げたように、現実には資格を持っているけれども移行しない、こういうことが現実問題としては起こっておるということでもあるわけでありますから、そういう意味で、権限と責任は一体であり、自治体もそれを自覚すべきだと思いますけれども、当然国としても、今ありましたように十分な、責任を押し付けるだけじゃなくて、積極的な支援というか、十分な支援を是非やっていただきたい、このように思います。
 そこで、また全国特例市長会は、この第三十次地制調答申に対する意見において、中核市と特例市の統合について、人口規模のみによる画一的な基準の適用を行わないこと、また保健所の設置のみを要件とするのではなく地域の実情に応じて権限を主体的に選択できる制度又は複数の権限の類型から選択できる柔軟な制度として設計してほしい、こういう旨の要望をしていますね。
 三月の本委員会における政府予算案の委嘱審査の際にも、合併算定替え終了以降の地方財政の安定化について大臣と少しやり取りをさせていただきましたが、平成の大合併もあり、自治体の姿も大きくこれは変貌してきているということはもう先ほど来からも、今日の午前中の話からも出ておりますが、この人口規模だけでは測り切れない財政需要も新たに検討されなきゃならなくなっている、これはもう事実だろうと思います。まさに地域の姿は多様、千差万別でありまして、それに応じた権限の移譲も必要かと思います。
 この全国特例市長会の要望についてどのように受け止めておられるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#136
○大臣政務官(伊藤忠彦君) ただいまの御質問でございますが、中核市と特例市の統合の意義はもうずっと御議論いただいてまいりましたが、地域の中心的な都市として地域を支える役割を担う人口規模が二十万人以上の市に対して一層の事務・権限の移譲を行うことによって、より住民に近いところで住民サービスに即した迅速な行政サービスを提供できる町づくりをしてまいりたいと、このことでございますが、両制度を統合することで一定の事務の特例市への移譲は法令で行われることとなりますけれども、中核市制度は一定の範囲の事務を一括して都道府県から移譲するものでございまして、特に今御議論にもございました保健所関連の事務は、中核市の事務において大きなウエートを占めていることからも一括して移譲すべきものだと考えておりますが、そのままの状況で地域の実情に応じた事務の移譲につきましてこれを望みたいと考えている場合は、例えば条例による事務処理特例制度を積極的に御活用もいただきたいものだというふうに考えているわけでございます。
 また、今後、新しいステージの地方分権の方向性ということを考えていく場合に、全国一律の先生おっしゃったように権限移譲が難しい場合につきましては、国が、都道府県から市町村に対して、希望する市町村が手挙げ方式によって移譲を受ける方式を導入することを検討しているところでございまして、これにより、個々の地方自治体の発意に応じて事務・権限が選択的に移譲されることも可能になるのではないかと考えているところでございます。
 今、こうしたことをいろいろ考えさせていただいているところでございます。
#137
○又市征治君 それじゃ、次に、連携協約制度の導入について伺ってまいります。
 行財政基盤の強化を目標に総務省が平成の大合併推進をされたわけですけれども、市町村数は、九九年三月三十一日時点では三千二百三十二、それが二〇一〇年三月三十一日では千七百二十七まで減少してまいりました。三十次地制調答申では、合併は進んだが依然として多くの小規模市町村が存在をし、今後合併が大きく進展する見込みがない中で、行政サービスの提供体制は、自主的市町村合併、あるいは市町村間の広域連携、あるいはまた都道府県による補完の中から選択するというようなニュアンスで書かれ、何か市町村合併をしたところは住民サービスに問題がないかのように受け取れるようなニュアンスにちょっとなっているように思うんですね。
 しかし、実際には、合併によって、総務省も認識されているように、住民のサービスの低下であるとか、声がますます届かなくなったとか、こういう問題が次々生まれているわけでありまして、つまり、合併イコール住民サービスが充実したとか、あるいはまた町村間の連携が不要になったとかという、こんなことはないわけですよね。
 今回の連携協約は、合併の進展が不十分だからということではなくて、市町村が行政サービスの拡充にやっぱり活用してほしい、こういう旨で提案をされているものだろうというふうに理解をするんですが、この点についてはいかがですか。
#138
○政府参考人(門山泰明君) 今お話ございましたように、既に合併をしたところと合併しないところを含めまして、新たな広域連携というものは必要性はそれぞれあるところにはあるということだろうと考えております。
 人口減少社会において、全国の市町村がとにかく持続可能な形で行政サービスを提供していくということが必要なわけでありますけれども、そのために、単独の地方自治体、これが活性化するということに加えまして、やはり近隣市町村と有機的な連携をして活性化していくと。さらに、必要な公共サービス維持、維持し向上させていくというようなことについては、これは連携というのが有効だというのがまず基本的な考え方でございます。
 そのような意味での市町村間の新しい広域連携、これを推進するために、地方自治法を改正して、言いますならば、市町村合併によらない新しい連携の仕組みとして連携協約制度を創設しようとしているわけでございます。したがいまして、この連携協約というのは、自治体が実情に応じて内容を自由に協議していただいて、使い勝手のいい制度になるのではないかということを期待しているわけでございます。
 今後でございますけれども、自主的な合併を含めまして、市町村間の広域連携もございますし、都道府県との間の連携もございます。多様な手法を用意して、その多様な手法の中で各市町村が最も適したものを選択できるようにして、これを地域の活性化につなげていくと、こういうことが重要だと認識しております。
#139
○又市征治君 これは時間のずれなんでしょうけれども、もっと早く連携協約みたいなものができておれば何も市町村合併までやらぬでもよかったわというような、それは一面そういう恨み節も聞こえてこないわけでもない、こういう感じがいたしますが、いずれにしても、行政サービス提供体制しっかりと拡充していくということが大事なわけですから、その点は是非しっかりとやっていただきたいと、こう思っています。
 そこで、自治体の連携事務の共同処理については、現行の地方自治法においても、自治体間での協議会としたもので法人の設立を必要としないもの、また一部事務組合のような新たな法人を設立するものといったように、幾つかの形態があるということになります。また、定住自立圏形成協定というものも存在をするわけで、さらには、地方自治法に基づかないで自治体間の自主的な連携も存在をしているわけですね。
 今回導入されるこの連携協約制度が、これらの従来の連携形態に対してどのような特色、特徴なり性格を持つものなのか。つまり、今回の連携協約制度は従来の事務の共同処理に代わる主要な形態になっていくのか、あるいは共同処理のメニューの一つの位置付けなのか、その場合、分野別にどのようなすみ分けというものを総務省は考えられているのか、ここらのところをもうちょっと説明してください。
#140
○政府参考人(門山泰明君) 従来の事務の共同処理方式との関係では、基本的にはメニューを追加しているということだというふうに考えております。
 具体的に、ではどのような形で従来の共同事務処理制度を用いてきたかという例でございますが、例えば事務の委託という制度がございます。これですと、公平委員会が処理します事務ですとかあるいは住民票の写しの交付といったような事務、こういったものを事務の委託ということで行っているケースが多うございます、多いケースということで御紹介でございます。
 それから、一部事務組合の場合ですと、ごみ処理ですとかし尿処理、さらに消防、救急といったまさに生活の基盤になるような事務について組合をつくって行うという形態が主流でございます。
 それから、広域連合という仕組みもございますが、これは後期高齢者医療ですとか介護保険、こういった制度につきまして、ほとんどの場合、一つの都道府県の中、全ての市町村が加入するような形で一緒になって事務を処理すると、こういうような形が代表的な従来型の共同事務処理制度でございます。
 それから、定住自立圏の協定ですとか、それ以外の法律に根拠を持たない、言ってみますと私法上の契約に基づくような連携というのもいろいろな形がございます。観光の交流ですとかあるいは災害の応援協定なども、そういったものもございます。
 これらはいろいろ種類はあるわけでございますが、総じて、これらのものとの違いを申し上げますと、今回の連携協約制度の場合には、一つは、従来の共同処理と違いまして、事務の分担だけではなくて基本的な方針とか政策面での役割分担も定められる、それから紛争解決の手続がビルトインされている、さらに、別の組織をつくらなくても簡素で効率的な仕組みとできるというのが一方の面でございます。
 もう一つは、定住自立圏の協定などのように法律に根拠を持たない協定との違いでございますけれども、今回、連携協約の場合は議会の議決を経て定めるということにいたしまして、例えば首長さんが替わったことによって急に方針転換でやめてしまったというようなことが起きないように、きちっと締結段階から恒常的にできるようにしていくといったようなことを違いとしているところでございます。
 いずれにしましても、地域が実情に応じて選べる仕組みを、メニューを用意していこうという考え方でございます。
#141
○又市征治君 大変丁寧な説明ありがとうございます。
 それじゃ次に、人口動向の推計についてお尋ねをしていきたいと思います。
 ごめんなさい、厚労省さん、忙しい中、もう質問はございませんので、退席していただいて結構です。済みません。
#142
○委員長(山本香苗君) 高島審議官、御退席いただいて結構でございます。
#143
○又市征治君 そこで、第三十次地制調答申でも二〇一二年の国立社会保障・人口問題研究所の推計が引用され、二〇四八年には人口が一億人を割り込むと推計されています。国土交通省も、人口問題研究所による人口動向推計を踏まえて、三月末に新たな国土のグランドデザインを公表しています。
 さらに、新聞等で報道されましたように、元総務大臣をなさった増田さんらが、先日、人口長期推計を公表されまして、それによりますと、二十歳から三十九歳の女性の人口動態の分析を基にして、現在の自治体の約半数、八百九十六自治体が二〇四〇年には消滅可能性都市になり、そのうち五百二十三の自治体では人口が一万人を割り込むと推計をされて、消滅の可能性が高い、こういうふうに発表されています。
 この推計は、都市部への人口流入が今後鈍るとの政府推計とは異なって、毎年六万から八万人流入するとの前提に立っており、その評価はいろいろとあるんだろうと思いますけれども、このような人口動向の推計、そこから推定をされる自治体消滅の危険性についての警鐘を、総務省としてもう検討されているのかどうかは知りませんが、ここのところはどのようにお受け止めになるんだろうか、伺いたいと思います。
#144
○政府参考人(門山泰明君) まず、人口推計の仕方といいますか、内容につきましての見解ということで御説明申し上げます。
 今御指摘ございましたように、地方制度調査会答申で用いました数字は国立社会保障・人口問題研究所の推計でございますが、この推計は、人口移動率が今後一定程度に収束していくと、こういうことを前提としております。
 この社会保障・人口問題研究所の人口推計を前提といたしました場合には、若年人口、特に若年の女性人口が二〇四〇年度までに五〇%以上減少する自治体というのは三百七十三という別の数字が出ているわけでございますが、一方、今回、日本創成会議の発表で用いられました数字は、地方におきます人口減少の最大の要因は何かということを捉えるに当たりまして、地方と大都市の経済格差、雇用格差から、地方から大都市に若者が流出していると、ここが最大の問題だという前提を置いて、したがって人口流出が将来にわたって収束しないという仮定を置いております。ここは大きく違っております。そして、再生産力を示します若年女性に注目いたしまして、五〇%以上減少する自治体の数を八百九十六という数字で表しているわけでございます。前提条件はいずれも異なりますけれども、それぞれ一定の合理性を持った推計であるというふうに考えております。
 これ以外、総務省が別の推計を行っていることはございません。
#145
○又市征治君 日本創成会議の人口推計は、一般的に人口減少を言っているだけではなくて、自治体が消滅する可能性が高いと名指しで指摘をしていますから、社会的影響は極めて大きいと思うんですね。これは、そういう意味では総務省としても、様々な統計はあるんでしょうけれども、正確に分析をし、その方向性というものを出していただきたいと思うんですが。
 そこで、最後に大臣にお伺いをしますが、増田元大臣らは、ストップ少子化・地方元気戦略として、若者・結婚子育て年収五百万円モデル、男性の育児参画、育休完全取得、定時退社促進、残業割増し率の引上げ等々を提言をされています。経済財政諮問会議の下に設置された「選択する未来」委員会でも、二〇六〇年代に人口一億人程度を維持するために集中的に対策を講じるとの中間報告をまとめられた、こういうふうに報道されていますね。また、国土交通省では、先ほど触れた新たな国土のグランドデザインで、人口減少に対する対策というか、基本戦略として、コンパクトな拠点とネットワークの構築、移動と交流・連携の促進、あるいは地域経済を支える産業の活性化等々の施策を打ち出しています。
 少子化対策そのものは総務省単独で打ち出せるというものではもちろんありませんけれども、政府全体の意思統一が非常に大事になってくると。しかし同時に、一般論としての人口減少ではなくて、消滅の危機ということを名指しをされて衝撃を受けている自治体もあるわけですし、その分野を担っている総務省としての役割というものも非常に大きいし、またこれをどうしていくか、戦略的な立場で、これまで言われてきた過疎であるとか限界集落であるとかという域を超えた大きな戦略的視点というのが必要になってくるんだろうと思うんですね。
 そういう意味で、単に事務的にどうのではなくて、どういう対策、ぽんぽんと打っていきますではなくて、そういう戦略的な視点で大臣はどのように対処されていこうとされているか、この点を伺っておきたいと思います。
#146
○国務大臣(新藤義孝君) まさに人口減少、少子高齢化社会をどのように克服し、また望ましい、また希望のある社会をつくっていくか、それが日本の国家的課題だと、このように思っています。
 今般の日本創成会議の発表は、これは非常にショッキングに受け止められたのは、今委員が御指摘ありましたように、マクロではなくて、まずどこの自治体からというところが分かってきて非常に反響が大きかったということであります。
 もとより、政府とすれば、こういったトレンドのことは十二分に承知をしているわけでありまして、これを何とか対策を打たなきゃいけないということであります。
 何よりも、人口減少をとどめるためには、それはやはり出生率を上げなければならないと。しかし、出生率を上げるためには、若い人たちが安心をして結婚をして、そしてまた子供をつくれる、つくっていこうと、そういう社会をつくらなければならないし、その前提として、やはり子供を産んだ後のケアというのがあります。それから、女性の社会進出、そして女性が子育てを安心してできる、こういう仕組みも必要だと思います。
 何よりも、男女共に働く場がきちんとあるかと、こういうことになっていって、仕事があるかということになります。その仕事がどこにあるのか、自分の町にあれば自分の町で就けるわけです。それが地方においてはない。ですから、人口減少社会で最も最初に打撃を被るのは規模の小さな自治体、そこから衰弱していくであろうと。
 であるならば、今私が申し上げたことの対症療法をしつつ、トータルとして、日本は技術やそれからコミュニティーを生かして、それぞれの町にそれぞれの暮らしがあるわけですから、地域ごとの活性化策を考えなければいけないというふうに行き着くわけであります。私はそのように考えているんです。
 既に何度か申し上げましたが、人口五万人以下の自治体が既に全体の七割でございます。私の川口は五十八万人でありますが、でも実際には五万人以下の市町村で全体の七割なんです。残りの三割の地域に八割の人口が住んでいると、こういう状態で、人口の都市部への流入が止まらないと。だから、それを、逆の、地域でとどまっていられるような、そういうためには、段階ごとに、過疎地にあっても元気にできる仕事を考えましょう、それは地域のイノベーションサイクルであり、過疎等の集落等への支援事業と。これは物すごい反響を得て、我々が用意した予算を数倍超える御要望をいただくような、そういう熱意が出ております。
 それから、人口規模に応じて、定住圏でもあり、中枢圏でもあり、それから全体を通して、一つの町の中でフルセット行政だけではなかなか立ち行かなくなっていると。ならば、地域の特性を生かして圏域をつくって、そこで自らの地域をもう少し広いエリアで役割分担しながら活性化や魅力付けができないだろうかと、こういうことがシティーリージョンという広域連携の考え方になっていくわけであります。
 加えて、これからやるべきことに、自治体の発意、それから、それぞれの町でそれぞれのやり方があるならば多様性を認めていきたいということで、一律の規制緩和ではなくて、それぞれのやる気のある自治体が、自分たちの地域ならこういうことができるんだと、そういうものを受け入れるための地方分権改革における提案募集方式というものを今回、今実施しています。もう既に募集をいただいて、審査に入るところであります。
 それから、手挙げ方式といいまして、規制は緩和する、権限は移譲するが、それは今までどおりの権限でやってもらいたいんだという市町村と、それから、いや、我々はそれを使いたいというところがあるわけです。ですから、最大公約数ではなくて、やる気のあるところにはそれを使っていただくような、従来の方式どおりの方はそれで結構ですと、やりたい方はどうぞお使いください、これが分権改革における手挙げ方式でありまして、いずれも今般私どもが提案をさせていただきました。
 地域の活性化とそれから分権改革をセットにして、それによってそれぞれの町に自治を、自立した自治と個性を確立させていこうと。これによって、私は、日本の国の、全国のそれぞれの町の言わば持続可能性を維持することで少子高齢化、人口減少社会にはストップが掛けられるんではないかと、また掛けていかなくてはいけないと思います。
 そこで、最後に必要なのは新しい取組です。日本にはすばらしい技術があって、そして中小企業のネットワークがございます。ですから、私ども総務省が持っているICT、それからいろいろな地デジのシステムも、実はあれはテレビを見るだけではなくて教育や医療に使えるんです。ですから、そういう新しい技術を取り込んだ中で地域の活性化が、我々の今までの蓄積と知恵と工夫によって、日本は世界で類例のないやり方で国をもう一回活性化できるんではないかと。その挑戦をしようと。もとより、総務省だけでできるわけはございませんから、全政府的にやるための地域活性化プラットフォームというものを今般形成をして、これもまた作業に入っていると、実務に入っています。
 ですから、私どもは、現実に仕事を実践とそれからスピード感を持って取り組むことで、長期の課題でありますが、今からやらなければ間に合わないと、こういう気持ちで今進めているわけでございます。
#147
○又市征治君 時間が過ぎておりますので、議論をまだしたいところですが、今日のところはこれで終わりたいと思います。
 引き続き議論させていただきます。
#148
○主濱了君 生活の党の主濱了であります。
 早速質問に入ります。
 今の又市委員の答弁と私の答弁は多分一緒だというふうに思いますが、そこは取捨選択をして御答弁をいただきます。
 人口減対策についてであります。日本はもう既に人口が減少し始めているわけであります。三月二十五日の当委員会で、このような中で過疎対策の概要を実は総務大臣に伺いました。そのときの答弁、イノベーションサイクル、あるいは分散エネルギープロジェクト、地方公共団体の連携協約、今日の提案されている内容でございますね、あるいは各省庁の事業の複合化、統合化と、こういったようなことが一つの対策として挙げられたわけであります。
 これも何回も申し上げているんですが、平成五十二年、二十六年後ですけれども、全ての都道府県でもう平成二十二年の人口を下回ると、こういうことが予想をされております。先ほどお話があったとおり、五月九日、日本創成会議が八百九十六自治体が消滅のおそれと、こういう試算をしておるわけであります。ただ、これはあくまで予想であって、私どもは、このとおり予想になってたまるかと、こういうことで一生懸命頑張るわけでありますけれども、いずれそういうふうな試算があると。
 はっきり申し上げて、今、日本の最大の課題はやはりこの人口減少対策であろうと私は考えております。合計特殊出生率の改善も含めて、積極的に人口減少対策を講ずる必要があると思っております。つきましては、総務省のこの人口減少対策に係る具体的な施策、あるいは総務大臣自身のお考えを伺いたいと思います。
#149
○国務大臣(新藤義孝君) ただいま又市議員にお答えしたものを除いて、というよりも、更に加えて申し上げれば、まず、人口減少社会が現実の問題であるというリアリティーを広く国民の皆さんに認識していただくことが重要だと思います。ですから、その意味において、今回の創成会議の発表はとてもショッキングであり、かつセンセーショナルだったということなんであります。
 私がいつも申し上げておりますのは、先のことではなくて、二〇二〇年の我々が目指すオリンピックの時点でもう三百万人人口が減るわけです。それから、二〇三〇年において今度は一千万人、東京都並みの人口がもう減ることが約束されてしまっているわけですね、現状のトレンドの中で。ですから、この問題をどう克服するかということをそれぞれの地域がもっと切実に感じようと。その上で、今、主濱委員がおっしゃいました、何もしなければこうなるんですから、このまま手をこまねいていていいわけがありませんから、対策を打とう、それは自らそれぞれのやり方で頑張らないといけないと、こういうことだと思うんです。
 さらに、トータルでいうと、国土審議会ですね、国土の長期展望においては、我が国の国土を一キロメッシュで切りますと、二〇五〇年までに無居住地域が二割増えると、こういうことも、もうそれは平成二十三年の時点で出ているんですよ。出ているけれども、なかなかそれが伝わってこないと。ですから、そういった意味で、脅かすことは必要ありませんが、やはり現実をどんどんと入れようということだと思います。
 私は、あえて加えて言うならば、少子化対策は生活対策と同じ、生きがい対策と同じ中にあって、子供を安心して、まず家庭をつくって、子供を育てて、そして教育をきちんと受けさせて、病気になったならば医者にかかれて、そしてみんなで楽しく暮らすことができる、そういうそれぞれの家庭をそれぞれの町でつくっていくことなんですから、それは地域活性化が最も実は大切な国の筆頭政策の一つになっていくと思っているわけです。
 それに、先ほどはICTという話ししましたからそれはもう重ねませんが、もう一つ大切なことは、これを誰の金でやるかということです。国がお金を配るだけで間に合うわけがありません。ましてや、生産人口が減るんですから、納税者が減っていくわけでありますから。
 したがって、私たちの国には地域にお金がまだたくさんあるんです。地域の資源もありますが、地域の資金がございます。信金、信組の預貸率は五〇%なんです。半分まだ金庫の中で眠ってしまっているお金があるわけでありますから、そういう地域のお金を使いながら、国のお金と一緒になって、私たちの今やっている、総務省がやっている地域の元気創造プランは、地域銀行、金融機関から融資を受けられることを前提として、その同額程度を国の交付金を出しますと。国のお金だけ出しません、持続可能性のある事業をきちんと考えていただいて、民間からも融資を受けられるような仕事であればそれに国が一緒にお手伝いしますよと。それは、金庫から借りたお金ですから返さなきゃいけないんです。利益を出して、事業体として、そしてお金を返済しても続けていける事業、そうした事業には雇用が発生するんです。地元産品からの調達が出てきます。そういった中でイノベーションサイクルを回していこうというのが私たちが具体的な仕事としてもう始めているということでございます。
#150
○主濱了君 これはもう現実の問題ですから、いずれ、今は結果を出すことですね、そのためで、人口減少に歯止めが掛かるのか、結果を出すことがまずは第一番だと思います。
 では、本案に関する質問に移ります。
 まず、小規模市町村の価値に関する認識についてお伺いをいたしたいと思います。
 我がふるさと岩手には結いっこの精神というのがあります。結いっこというのは、標準語で言いますと結いと言います。今日は寺田先生いらっしゃいます。結いという、岩手ではこれは結いっこと言うんですよ。馬は馬っこと言う、こういうふうなのと同じく結いっこと、地元ではこういうふうに言うんですね。
 岩手では、厳しい環境の中で昔からお互いが助け合って生きてきたわけであります。先人の生きる知恵として相互扶助の原点であるというふうに思っております。結いっこですけてもらう、手伝ってもらう。すけてもらうと言うんですけれども、すけてもらえば、NHKの「あまちゃん」流に申し上げますと、じぇじぇじぇと。じぇじぇじぇ、おもさげがんせ、ありがとがんすと、こういうふうに言うんですよ。あれあれ、申し訳ありません、ありがとうございますと、いろいろ結いで助けてもらうとそういう御礼の言葉になっていくと、こういうことであります。
 結いっこの精神のまずポイントは、相手の価値を認め合うことであるというふうに思っております。裕福な者、そうでない者、あるいは強い者、そうでない者、いろいろいるわけであります。そのような中で、それぞれの価値を認め合って、時には助け、そして時には助けられ、結いっこが成り立っていくと、こういうふうなことであります。
 広域連携も実は同様であろうと、こういうふうに思っております。中心市を中心に考えることはもちろんのことでありますけれども、その周辺の市町村、特に小規模町村、その圏域で果たしている役割を認めることが基本であろうと、こういうふうに思っているわけであります。中心市が経済や政策を牽引することはもちろんのことであります。それから、周りの小規模町村も、食料の供給とか資材の供給、あるいは豊かな自然環境の提供、さらには伝統文化、食文化の創造、もう果たしている役目は様々あって、その役割は大きいというふうに思うわけであります。
 このような中で、人口の少ない小規模町村をどのように考え、今後、国政の中でどのように位置付けて活用していくのか、この辺についてお考えをお伺いしたいと思います。
#151
○国務大臣(新藤義孝君) 結いっこというのは、グッドボーイとかという意味ですか。良いという意味、グッドという意味じゃないの。
#152
○主濱了君 連携ですね、連携。結い、まさに結い。
#153
○国務大臣(新藤義孝君) ああ、連携の方。後でよく教えていただきますから。
 それで、私は、志高く、仕事は大きくやらなきゃいけないんですが、でも、その小規模市町村や集落において大規模なプロジェクトなんというものがまずそもそも簡単には成り立たないんです。それよりも、やっぱり地道だけれども確実な仕事を増やしていくことが重要だと思っています。
 私が幾つか行った町で町づくりの成功例は、これはチェックすると必ずですが、過疎地でありますけれども人口の社会増になるんですね。それは、たまたまそこにいる人たちが引っ越さなくなることと、それから新たにその町に対して応援団が、またそこで自分が仕事したいと参加してくれる人たちが増えてきて、仲間が増えて、そこで人が増えていくわけであります。まずはその地域の人口減少を止めて一人でも二人でも増やしていく、またそういう来た人たちがそこで暮らしていけるような仕事をつくる、そこに私たち総務省もいろんな制度を応援したいと、このように思っています。その意味では、地域おこし協力隊というのはとても大きな成果を上げています。
 私、うれしい例なので、ちょっとだけお時間いただきますと、この間、対馬に行ったときに島おこし協力隊というのと仲よくなりました。そこにいる女の子は青森出身です。海洋環境学で大学院まで行った子。でも、町に行って、その島に行ってヤマネコの生態を保護しようと。それから、古民家再生しよう。究極、島おこし協力隊の任期が終わるときに、働く場をつくろうというので、エコツーリズムの会社つくって仲間と一緒に始めようと。そういう女の子が一人行ったんですけど、そこでUターンの島出身の人間だけれども漁師やっている人と知り合って、あなたが理想の女性だとかと言われたらしいんですけれども、それで結婚して、集落挙げて二十六年ぶりの婚姻だそうです。
 ですから、そういう話をそれぞれの地区できちんとつくっていくことが重要ではないかなと私は思っているわけでございます。
#154
○主濱了君 ありがとうございました。
 結いっこの第二のポイントは、これはお互いが自立していることであろうというふうに思っております。
 今回の改正案では、小規模町村に対して県が補完する役割を担うことが想定されているわけであります。大いに評価しております。ただ、県は市町村を包括している広域自治体であるがゆえに補完してあげると、こういう態度になりがちであります。それから、小規模町村も当然に県の補完を求める、こういうことになりがちなわけですが、こういったようなことは私は避けなければいけないなというふうに思っております。お互いが自立していることがやはり必要であろうというふうに思っております。
 このような観点から、今回の地方自治改正法案で想定している県が補完する小規模町村の事務の具体的なイメージ、これはどのようなものになっているのかということであります。決して自立を阻害するようなもの、これは補完するべきではないだろうと、こういうふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#155
○大臣政務官(伊藤忠彦君) お答えを申し上げたいと思います。
 連携協約や代替執行によって都道府県が補完する事務につきましては、先ほど来お話がございましたように、専門性の要求される介護保険や包括地域ケアシステムなど各種社会福祉関連業務や、道路、橋梁、水道などインフラ維持に関する業務、地域振興等の企画部門等業務が考えられるところでございます。
 実際に補完する事務は地域の実情に応じて都道府県と市町村とが十分協議することによって決められますけれども、実際に活用される代替執行においては、当該事務について市町村の責任と権限は維持されることとされておると私どもは考えております。
 安倍首相も新藤大臣も、地域の元気なくして、地域の自立なくして日本の元気なしとずっと申してまいったところでございますが、先生御指摘の小規模町村の自立性をできるだけ力強く支えることはございましても、阻害をするようなことがあってはならないものと考えているところでございます。
#156
○主濱了君 了解でございます。
 次、順序を変えまして五番の質問から入りたいなというふうに思います。より広域の連携と、こういう点であります。
 平成五年、二十一年前になりますけれども、平成五年、岩手県は近年まれな大冷害に見舞われたところであります。水稲の作況指数が三〇。これ、平年作の三〇%しか米が取れないと、こういったような状況であります。ちょうど私、この時期、岩手県で市町村の財政を担当しておりましたんですが、岩手県では翌年度の種もみすら確保できないと、こういったような非常に困難な状況に陥りました。皆さんも多分御記憶にあると思うんですが、ちょうどこの時期、海外から外国産米が輸入されて、それをお食べになったというのは多分この時期であります。
 このため、岩手県はどうしたかといいますと、残った種もみを実は二期作が行われている沖縄の石垣島に送って、要するに、ちょうど冬の時期、二期作やっていますので、岩手県の種もみを沖縄に送って、それで沖縄で増殖をして、春には種もみとしてあるいは苗として何とか岩手県に戻して、そしてその次の年の種もみあるいは苗を確保した、こういうふうなことでありました。
 実は、こういうことが縁となりまして、沖縄と岩手の交流が活発化したというところであります。岩手・沖縄かけはし交流会が設立されまして、農業はもちろんのことでありますけれども、スポーツとか教育とか、幅広い交流の輪が繰り広げられている、今でもそうであります。
 また、この度の東日本大震災の関係ですが、これは千年に一度の大災害と、こう言われておるわけですけれども、岩手県は全国、各地方公共団体から支援を受けております。現在、一生懸命復興に取り組んでいるところであります。今年の四月現在でも、岩手県あるいは県内市町村に全国から四百六十人の職員の応援をいただいていると、こういうことで非常に感謝をしております。もし全国の地方公共団体で同じようなことが起こったらば是非恩返ししたいと一同思っているところであります。
 このように、岩手と沖縄、沖縄と岩手、このように県境を越えた様々な取組があります。このような取組に今回地方自治改正法案で創設される連携協約、この連携協約を活用することができるのではないかと私は考えております。いずれ県境を越えた連携協約の締結は可能であるというふうに思いますが、この点について御見解を賜りたいと思います。
#157
○大臣政務官(伊藤忠彦君) ただいま委員から大変有り難いと申しましょうか、大変有り難い実情に基づいたより良い地域の交流についてのお話をいただきましたけれども、連携協約は、その内容は多岐にわたりまして、どのような地方自治体間においても締結が可能な仕組みとなっております。したがいまして、委員御指摘の県境を越えた地方自治体間でのそれぞれの内容を決めていただき、それが有意義なことであると考えれば締結することは可能でございます。是非お進めをいただきたいと思います。
#158
○主濱了君 それでは、また四の質問に戻りまして、今度、広域連携制度の趣旨ということでお伺いをいたします。
 結いっこの第三のポイントは、思いを共有することにあるというふうに考えております。結いっこは、厳しい環境の中でお互いが生きていくために農作業や日常生活の中でお互いが支え合って生きていくと、こういうものなわけですけれども、この共に生きていくという思い、これを共有している同士であるから、一言で言いますと損得を超えたきずなが成り立つものだというふうに思っているところであります。
 現在ある市町村というのは、昭和の大合併あるいは平成の市町村合併など、これまでの長い歴史を経て今各々の市町村として存立をしているわけであります。歴史的な経緯や政治的な状況、時にはライバル関係など、様々な要因が絡み合って、広域連携しなければならないと思いつつ広域連携に踏み切れないと、こういったような状況もあるというふうに思っております。
 広域連携を進めるためには、関係市町村の圏域としての目標を設定して、それを共有する必要があるというふうに思っております。ただ、広域連携制度が市町村の合併を進めるものであるとすれば、この思いの共有はまずできないわけだと思います。また、午前の参考人質疑で碓井参考人からは、実は合併は短期的には確かに効果的であった、しかし長期的に見ると課題もあると、こういうふうなことも言われておりました。このような観点から、今回の広域連携制度の導入は市町村合併を進めるためのものであってはいけないと私は思うわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
#159
○大臣政務官(伊藤忠彦君) お答えを申し上げます。
 人口減少社会においても全国の市町村が地方自治体として持続可能な形で行政サービスを提供していくためには、単独の自治体の活性化に加えまして、やはり近隣市町村との有機的な連携による活性化が重要であると私たちは認識をいたしております。あわせて、単独であらゆる公共施設を維持整備し、全ての行政サービスを提供するといういわゆるフルセットの行政の考え方から少しずつ脱却をしていくことも重要であるというふうに認識をしております。
 このような市町村間の新たな広域連携を推進していくために、今般、地方自治法を改正させていただきまして連携協約制度を創設することといたしております。まさに委員がおっしゃった人口減少社会にあって、互いに尊重して、そして共に生きていく力強い助け合いの制度を創設をしていこうと、こう考えているところでございます。
 以上です。
#160
○主濱了君 今の続きの質問をさせていただきたいんですが、広域連携制度にはまず前向きな目標が必要ではないかと、こういったようなことを思っているわけですけれども、先ほど来例に出されておりますが、増田前岩手県知事、元総務大臣、これ平成二十五年の十二月の中央公論に、二〇四〇年、地方消滅と、こういう衝撃的な記事を書かれているところであります。その中で、二〇四〇年、平成五十二年までに出産可能年齢の女性が五割以上減少する市町村は消滅すると、このように指摘をしているところであります。冒頭に述べましたが、先日の日本創成会議においても同様な指摘がなされていると、こういうことであります。このことはしっかりと受け止める必要がありますし、先ほど申し上げましたように、関係する市町村においては緊張感はもう当然高まります、そうなって本当にたまるかと死に物狂いで私は頑張るというふうに思います。そういう効果は確かにあります。
 ただ、問題点を指摘するだけではこれはもう解決策にはならない、逆に不安だけが残ってしまうと、こういうことにもなるわけであります。さきに述べた共有する思いというのは市町村合併にはふさわしくないと、これは先ほど御答弁いただいたとおりであります。また、市町村消滅という危機感だけでもやはり不十分である、一生懸命頑張ろうと、こういうふうなことだけでは不十分であるとも考えております。
 このようなことから、広域連携にはまさに希望を持てるような前向きな目標が是非私は必要であると、こういうふうに考えておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
#161
○国務大臣(新藤義孝君) 私は、いろいろと申し上げておりますけれども、やっぱり物事を進めるのには、一体何のためにやるのか、それからそのためにはどんな工夫を、そのミッションとビジョン、これをきちんと明確にしようじゃないかというふうに思っているんです。
 総務省も、ですからミッションというのをみんなでつくってみました。私は、この地域活性化のミッションというのは、これは、町の元気で日本を幸せにする、そのためにどうしたらいいかということを考えようというのをまず掲げました。それから、そのために地域の物や知恵を生かす、それから人や投資を呼び込む、そして新しい暮らしの土台をつくる、こういうものを定めまして、それに沿って政策をつくっていこうというのを今まで組み立ててきたんです。
 これからの日本の国家的課題である人口減少、これを、少子高齢化社会を克服するために必要なことは、地域の活性化とそれを可能にする分権改革の推進、この二つが両輪の輪となってそれぞれの町に自分たちの暮らしをつくっていこうと。それは、地域の資源を生かし、エネルギーも含めて、お金も資金も含めてやろうと、これが、産学金官民のラウンドテーブルをつくろうと。
 あえて、更に加えて言わせていただくと、この広域連携に今唯一まだ足りていないというか、完成していないのは、これは自治体の連携なんです。私は、これからやるのは行政と議会とそれから住民力だと思っているんです。今、行政同士の連携は取れるようになりました。それに付随して議会のチェックも入ります。
 加えて、シティーリージョンという考え方があります。これは、ヨーロッパの方で何か国かでやっていますけれども、まさに私が昨年見に行った、チェックしてきましたけれども、ドイツなどでは三州にまたがった市が一緒の圏域をつくっているんです。そこには議員はおりません。市民の皆さんで自分たちの地域をどのように活用していくかという合議体をつくって、それが市役所や市議会に提案をし、最終的に実践するのは、それは行政の仕組みなんです。でも、自分たちの町を考える上で学者だとか地域の住民だとかいろんな人が、デザイナーだとかそういうのが入って、住民が自分たちも一緒になって考えていこうと、そういう仕組みができていて、私はこのシティーリージョンをここで、日本で日本型シティーリージョンをつくろうということを提案させていただいているんですけれども、そういう中で我々は必ずできるんだと。
 かつ、それは、ICTを使うということは、上勝のおばちゃんたちが知らない間に何でタブレットで山の中で使えるかといえば、総務省が光ファイバーのネットワークを張り巡らしたからですから、結果、元気になった町は、高齢化率、徳島では一番なのに、一人当たりの個人医療費最低ですから、寝たきりほとんどいなくなっちゃうんですから、そういうような元気をそれぞれの町でつくることが、それの積み重ねが私はそれぞれの町の持続可能性を高めて、そして日本が元気になっていくんではないかと、そういう目標を立てたいと思っております。
#162
○主濱了君 本法律案に対する質問はこういうことで、おおむね私としては了解をしたところであります。
 ただ一点だけ、やはり今後進めなければならない問題の一つに地方分権というのがあります。地方分権改革というのがあります。この中には権限の移譲もありますし、もう一方では財政的な自立というのもあるはずであります。この点については大臣と私は対立しているところが一点ありますので、これについては機会を見てもう一回議論をさせていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#163
○委員長(山本香苗君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#164
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、地方自治法改正案に対する反対の討論を行います。
 本改正案は、特例市を廃止して、二十万以上に人口要件を引き下げた新中核市を新たな権限移譲の受皿とするものです。
 新中核市となれば、保健所だけでなく、これまで特例市に移譲されていなかった権限も移譲されることになります。人的、財政的な保障がない下での新中核市への権限移譲は、結局、住民福祉の後退につながるものであり、一律の権限移譲はやめるべきです。
 また、本法案では、新たな広域連携制度を創設しますが、新中核市などを中心に市町村を超えた連携区域でこれら権限移譲を受け入れさせようというものです。新たな地域再編に向けた動きにつなげていくものであり、認められません。
 本法案は、指定都市を持つ全ての都道府県に、二重行政を解消するとして、そのための指定都市都道府県調整会議を設置するものです。
 本法案では、市長か知事のどちらかが必要としたら必ず調整会議を開かねばならず、しかも、調整が付かなかったら、一方の議会の同意を経て、総務大臣の勧告を求めることができるとしています。しかし、住民の福祉の増進、暮らしや営業など、自治体の施策を進める上で大切なことは、住民が主人公を基本に据えることです。たとえ競合となる施設や施策があったとしても、その在り方は住民の意思によって決められなければなりません。既に、現行の地方自治法ではそのような場合でも指定都市と都道府県の両者による自主的な調整によって解決することを定めています。さらに、総務大臣の勧告は、もう一方の自治体、住民の意思を踏みにじるものになりかねず、容認することはできません。
 以上の点で本法案に反対することを述べて、討論とします。
#165
○委員長(山本香苗君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方自治法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#166
○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、吉川沙織さんから発言を求められておりますので、これを許します。吉川沙織さん。
#167
○吉川沙織君 私は、ただいま可決されました地方自治法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党、社会民主党・護憲連合及び生活の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方自治法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、急激な人口減少・少子高齢社会の進行等に対応して、住民の暮らしを支える対人サービスの重要性はますます高まっていくことを踏まえ、大都市を含めた基礎自治体によるサービス提供を持続可能なものとするなど、基礎自治体が適切な役割を果たしていくことができるよう、今後とも不断の見直しを行うこと。
 二、指定都市制度については、新しい区の位置付けを踏まえ、住民自治を強化するため、総合区長の公選など住民意思の行政運営への的確な反映や住民の行政参画を促進するための具体的方策を、引き続き検討すること。
 三、指定都市都道府県調整会議については、指定都市の市長及び指定都市を包括する都道府県知事が協議し、構成員を加えるに当たっては、二重行政の解消が立法化の趣旨であり、指定都市と都道府県のそれぞれの執行機関と議会が共に参画することが協議の実効性を高める上で重要であることを踏まえ、適宜・適正な運用が図られるよう、十分配意すること。
 四、中核市と特例市の統合については、現在の特例市が新たな中核市へ円滑に移行し、適切な事務処理体制を構築できるよう、事務移譲に伴う人的支援や財政措置について、特段の配慮を行うこと。
 五、連携協約を締結する地方中枢拠点都市圏については、地方中枢拠点都市と近隣市町村の双方が適切な役割分担を行うとともに、連携協約を締結した普通地方公共団体が、その便益を十分享受できるよう、協約締結団体に対応して必要となる財政措置等について、最大限の配慮を行うこと。
 六、事務の代替執行については、都道府県が小規模市町村と連携して補完する仕組みとして活用するに当たっては、市町村優先の原則など事務の共同処理に関する立法趣旨を踏まえつつ、各市町村の地理的条件や社会的条件が多様であることに鑑み、行政の効率化等にとらわれることなく、地域の実情を十分踏まえた運用が図られるよう、格段の配慮を行うこと。
 七、認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例については、証明等の事務を行う市町村長に過度な負担とならないようにするとともに、適切かつ円滑に活用できるよう、助言その他の支援を行うなど必要な措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#168
○委員長(山本香苗君) ただいま吉川沙織さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#169
○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、吉川沙織さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、新藤総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。新藤総務大臣。
#170
○国務大臣(新藤義孝君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#171
○委員長(山本香苗君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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