くにさくロゴ
2014/04/18 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 本会議 第18号
姉妹サイト
 
2014/04/18 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 本会議 第18号

#1
第186回国会 本会議 第18号
平成二十六年四月十八日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十八号
  平成二十六年四月十八日
   午前十時開議
 第一 原子力の平和的利用における協力のため
  の日本国政府とアラブ首長国連邦政府との間
  の協定の締結について承認を求めるの件(第
  百八十五回国会内閣提出、第百八十六回国会
  衆議院送付)
 第二 平和的目的のための原子力の利用におけ
  る協力のための日本国政府とトルコ共和国政
  府との間の協定の締結について承認を求める
  の件(第百八十五回国会内閣提出、第百八十
  六回国会衆議院送付)
 第三 中心市街地の活性化に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 外国弁護士による法律事務の取扱いに関
  する特別措置法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、原子力損害賠償支援機構法の一部を改正す
  る法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 高野光二郎君から来る二十五日から九日間、中曽根弘文君から来る二十七日から十日間、矢倉克夫君から来る二十七日から九日間、それぞれ海外渡航のため請暇の申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国務大臣茂木敏充君。
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(茂木敏充君) ただいま議題となりました原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故炉について、溶融燃料の取り出しや汚染水の処理など、その廃炉に向けた取組は、完了までに長い期間を要する極めて困難な事業であることから、国内外の英知を結集し、予防的かつ重層的に取組を進めることが必要です。
 具体的には、東電任せにするのではなく、国が前面に出て、汚染水の処理を含めた廃炉に関する研究開発、技術的指導や、必要な監視機能を強化する新たな体制の構築に取り組む必要があります。その際、廃炉と賠償の関連性も考慮し、東電に対して賠償円滑化のための資金援助を行い、その経営全体を監督している原子力損害賠償支援機構が、福島第一原発の廃炉に関する技術支援等を総合的に行うことが適切です。このため、原子力損害賠償支援機構を改組して事故炉の廃炉関係業務を追加すること等により、福島第一原発の廃炉を着実に進める体制を構築することを目的として、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、廃炉関係業務の追加に伴い、組織の名称を原子力損害賠償・廃炉等支援機構に変更し、機構の目的に廃炉等の適切かつ着実な実施を追加します。また、事故炉の廃炉に関する重要事項を審議するため、機構に廃炉等技術委員会を設置します。
 第二に、事故炉の廃炉に関する研究開発を着実に推進するため、機構の業務に廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究開発を追加します。
 第三に、機構が、事故炉の廃炉の状況、課題を把握し、技術的観点から適切な助言、指導等を行えるよう、業務に廃炉等の適切かつ着実な実施の確保のための助言、指導、勧告を追加します。
 第四に、事故炉の廃炉に関する資金、人員等を十分に確保する観点から、事業者の廃炉の実施状況や実施体制等について、主務大臣による確認、監視を確保し、不十分な場合には是正命令を行えるよう、機構が東電と共同して作成する特別事業計画の記載事項に、事故炉の廃炉の実施状況や実施体制等に係る事項を追加します。また、毎事業年度、機構が主務大臣に対して廃炉業務の報告を行い、それを主務大臣が公表する規定を追加いたします。
 その他、廃炉業務を通じて得られた最新技術等の知見、情報を国内外へ提供する業務を追加する等、所要の規定を整備します。
 以上が本法律案の要旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。浜野喜史君。
   〔浜野喜史君登壇、拍手〕
#9
○浜野喜史君 民主党・新緑風会の浜野喜史です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 本法律案は、原子力損害賠償支援機構を改組し、業務に廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発を追加することを主な内容としております。政府は、こうした取組により国が前面に立って支援体制を強化すると強調しておりますが、認可法人にすぎない原賠機構に業務を追加することが、どうして国が前面に立つことになるのでしょうか。国がこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的責任を自負するのであれば、喫緊の課題である廃炉・汚染水対策に国自らが乗り出してもよいはずです。なぜ原賠機構を改組することとしたのか、その理由を、茂木大臣、お答えください。
 本法律案に対して我が党は、本年二月二十四日に茂木大臣に、同二十六日には官房長官に対し申入れを行いました。衆議院の審議において、その申入れに対するお考えについていろいろと明らかにされてまいりましたが、まだ確認が不十分と思われる点について茂木大臣に伺います。
 申入れの中に、廃炉費用の明確化、透明性確保というものがございます。まず、この点について、本法律案の中でどのように担保されているのか、御説明ください。
 次に、国と東電の費用分担の明確化について伺います。
 これまで国費投入の基準として、技術的難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要があるものについて財政措置を講じることとされてきました。しかし、技術的難易度の高さも国が前面に立つ必要性も客観的なものとは言えません。客観的な基準の作成と国費投入に至る過程の透明性を確保すべきではないでしょうか。御所見を伺います。
 また、要賠償額により資金援助の可否が決まる現行制度の見直しを検討することという点に対するお考えについても御説明ください。
 次に、一般負担金について茂木大臣に伺います。
 申入れでは、事業者が負う一般負担金の額については、賠償や廃炉支援のための体制整備の観点のほか、電力の安定供給や安全対策の着実な実施の観点から、慎重に検討を行うこととしています。
 各原子力事業者は、機構の業務に要する費用に充てるため、一般負担金を納付しなければならないこととされています。この一般負担金の額は、平成二十五年度には一千六百三十億円となっています。一方、原子力事業者の経営は、原子力発電所が停止していることを受けて大きく悪化し、平成二十六年三月期の第三・四半期までの連結決算では、六社が赤字、うち四社は通期でも三期連続の赤字が見込まれるなど、危機的な状態にあります。
 原賠機構法第三十九条第二項第二号では、一般負担金の要件について、各原子力事業者の収支の状況に照らし、電気の安定供給その他の原子炉運転等に係る事業の円滑な運営に支障を来し、又は当該事業の利用者に著しい負担を及ぼすおそれのないものにすることとされていますが、一般負担金の水準について御見解を伺います。
 衆議院の審議の中で、費用の増加が一般負担金の増加につながらないようにしていくことが重要と御説明があったと伺っています。しかし、一般負担金の額が増えなければよいというものではありません。何よりも優先されるべきは賠償です。それ以外の用途に多額の負担金が使われれば、賠償のための資金積立てが遅れることになります。
 現在、機構の四人の理事のうち三人は退職公務員です。改正案では、役員として副理事長一人、理事二人を更に追加することとしており、よもや退職公務員がこれ以上増えることはないと考えますが、政府の考えを確認させていただきます。
 また、本件は役員に限りません。機構の職員の人件費等についても負担金から充当されることになります。小さく産んで大きく育てるのは優秀な官僚の常識とも聞きます。定員の上限や業務の限定等、何らかの歯止めが必要と考えますが、御見解を伺います。
 次に、廃炉支援業務について伺います。
 本法律案では、廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発が新たな業務として加えられています。本法律案が閣議決定された後の我が党への内容説明では、機構はあくまで研究開発の企画、推進に特化し、研究開発費について機構の運営費から支出することはない旨の御説明があったと伺っております。仮に研究開発そのものを機構が手掛けることとなれば、各原子力事業者が負担する負担金の増加に歯止めが掛かりません。JAEAやIRIDなど関連組織との重複も生じます。
 廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発とは、あくまで研究開発の企画を指し、委託を含む研究開発自体の費用は負担金から拠出されないことをここで明らかにしていただきたいと思います。
 また、同様に新たに業務として加えられる廃炉等に関する情報の提供について伺います。
 廃炉等に関する情報提供とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。悪名高き私のしごと館は、若年者のキャリア形成についての意識向上という広報目的で整備されたと伺っています。間違っても第二の私のしごと館のようにならないよう、本機構の目的たる事業者間の相互扶助目的に限定されるべきと考えますが、茂木大臣の御見解を伺います。
 機構法制定時の附則第六条第一項において、政府は、できるだけ早期に、原子力の賠償に係る制度における国の責任の在り方、原子力発電所の事故が生じた場合におけるその収束等に係る国の関与及び責任の在り方等について検討を加え、その結果に基づき、賠償法の改正等の抜本的な見直しを始めとする必要な措置を講ずることとされました。
 衆議院での質疑において、政府は、この規定に基づく措置として、いわゆるADRセンターの整備や時効特例法の制定、今般の機構法改正案の提出を挙げていますが、附則に明記された肝腎の賠償法の改正は今日まで図られていません。
 機構法第二条において、「国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っている」とし、閣議決定されたエネルギー基本計画において原子力発電を重要なベースロード電源と位置付けるのであれば、原子力事業者の賠償責任の基本原則を定める原賠法を早期に改正する必要があると考えますが、いつから、どのように検討を開始されるのか、政府の認識を下村大臣に伺います。
 また、政府が掲げる電力システム改革は、小売参入の全面自由化等によって電気事業者間の自由な競争を促進することとしています。この自由な競争を行うに当たっては、公平な競争環境の整備が当然の前提となります。一方、原賠法は、民法の特例法として、原子力事業者が事故を起こした場合の無過失・無限責任、責任集中の原則を定めています。そのため、原子力事業者は、事故を起こした場合に、幾らになるか分からないリスクを過失の有無にかかわらず自ら負っており、今回の東京電力福島第一原子力発電所事故はまさにそのリスクが顕在化したものと言えます。
 現状のルールでは、電力システム改革の中では、国策民営で行ってきた原子力事業者の負担がなおさら増加する懸念があります。特に、原子力事業者が負う無過失・無限責任は、信用不安として原子力事業者の資金調達に大きな影響を与えるものと考えられます。
 このように、無過失・無限責任、責任集中の原則と、電力システム改革を踏まえた自由な競争との両立は困難と思われます。電力システム改革を推進するに当たっては何らかの手だてが必要であると考えますが、政府の認識と今後の対応について茂木大臣に伺います。
 原子力損害賠償支援機構は、原子力事業に係る巨額の損害賠償が生じる可能性を踏まえ、原子力事業者による相互扶助の考えに基づき、将来にわたって原子力損害賠償の支払等に対応できる支援組織として設立されたものです。
 これと類似した相互扶助組織として、金融機関が破綻した場合に一定額の預金等の保護を行う預金保険機構があります。預金保険機構の運営委員会における委員は、金融に関して専門的な知識と経験を有する者の中から、理事長が内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて任命することとなっており、産業界、学界等の代表者のほか、保険料を納める者の代表として、全銀協会長など金融業界からも任命されています。
 一方、原賠機構の運営委員は、電気事業、経済、金融、法律又は会計に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから、理事長が主務大臣の認可を受けて任命することとされていますが、現在の委員には、出資金の半額を拠出し、負担金を納付する原子力事業者の代表者がいません。
 一般負担金の拠出者の代表を本法律案で新設することとしている廃炉等技術委員会に参加させることについてどのようにお考えか、茂木大臣に政府の見解を伺います。
 最後にお尋ねいたします。
 どのような枠組みをつくろうと、実際に事に当たるのは現場の人です。現場の実態を踏まえず、今ある何かを変える、新しい枠組みをつくるといったことだけを目的化することは決して許されることではありません。この三年間、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策に関わった従事者、全ての関係者の尽力に対する認識と、本法律案の成立により、廃炉に携わる全ての方々にどのような影響があるのかについて茂木大臣の御所見を伺って、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(茂木敏充君) 浜野議員にお答えをいたします。
 最初に、なぜ原賠機構を改組するかとの御質問でありますが、福島第一原発事故の廃炉については、事故直後からの緊急的、臨時的な体制を転換し、事業の困難性に鑑み、国が前面に出て、持続的な体制によって東電の取組を支援しつつ、廃炉・汚染水対策を適正かつ着実に推進することとしました。
 具体的には、特別事業計画を通じて、東電の経営全体を監督している原賠機構の機能を拡充して、実効ある廃炉対策の実施と監督を行うための改正であります。
 次に、廃炉費用の明確化、透明性確保の措置についてでありますが、今回の法案の改正において、特別事業計画への記載事項に廃炉等の実施に必要な経費の見通しを追加しており、これにより、廃炉に係る経費の見通しを明確に確認することといたしております。
 廃炉・汚染水対策の財政措置に係る基準と透明性についてでありますが、財政措置については、国費投入の具体的な基準は設けておりませんが、外部の有識者から成る汚染水処理対策委員会等において、技術の実現性や効果などに関して客観的な意見を伺いながら、事業ごとに国費投入の必要性を適切に判断してきており、今後もこのような客観的かつ透明なプロセスを踏んでまいります。
 また、要賠償額により資金援助が決まるスキームの見直しの検討についてでありますが、今後の事故炉の廃炉を目的とした新たな資金援助スキームの必要性についても俎上にのせて検討は行いましたが、対応を行うべきか否か、対応する場合の方法等については、個々のケースについて様々な状況が考えられることから、現時点であらかじめ措置することは適切ではないと判断をいたしました。
 次に、厳しい経営環境下で一般負担金の水準をどうするかとのお尋ねでありますが、一般負担金の総額は、原子力損害賠償支援機構法で定められた基準に基づき、各原子力事業者の収支状況等を踏まえて、機構が、全ての原子力事業者、消費者団体、経済団体等に意見聴取を行った上で、運営委員会において議決をしております。平成二十五年度の一般負担金総額について議決された一千六百三十億円についても、機構法の基準等に鑑みて適正であることから認可したものであります。今後も、各原子力事業者の収支状況等を踏まえて適切に定められるものと考えております。
 さらに、機構の理事の人選についてでありますが、事故炉の廃炉支援という重要かつ高度な役割を担う組織の役員にふさわしい専門性、マネジメント能力等を備えた人材が確保されるよう適切な人選に努めてまいります。
 加えて、機構の職員の人件費等についてでありますが、機構の職員の人件費等を含め、機構予算については、機構法に基づき、毎事業年度、主務大臣が認可に際して、業務の最大限の効率化を図っているか等をしっかりと確認して決定をしてまいります。
 次に、機構の研究開発関連業務と費用負担の関係についてでありますが、本法案の成立後、新機構は廃炉に関する研究開発の総合的な企画を行うことになります。一方、具体的な廃炉の研究開発は、新機構のこの総合的な企画の下で、JAEAやIRID等がそれぞれの役割に応じて実施する予定であります。
 このように、本法案における研究開発とは、基本的に研究開発の企画を想定しているため、現時点で委託を含む具体的な研究開発の実施に必要な費用を負担金から支出することは想定しておりません。
 さらに、機構の情報提供業務についてでありますが、新機構が得ることになる廃炉に関する様々な知見、技術、ノウハウは、国内外への正確な情報発信や原子力事業者が取り組む廃炉にとって有益なものであり、国内外へ広く提供することを想定しております。これは民主党の申入れにも記載をされている内容であります。
 なお、今回の法改正では、毎事業年度、廃炉業務の実施状況について主務大臣への報告規定が設けられており、情報提供、管理等に関して御指摘のような不適切な運用がなされないよう、機構をしっかりと監督してまいります。
 次に、機構法と電力システム改革の両立についてでありますが、新たなエネルギー基本計画にも盛り込んだように、電力システム改革に取り組む中で、原子力事業者が健全に資金調達ができ、円滑な廃炉や、迅速かつ最善の安全対策、安定的な電力供給等の課題に対応できるよう、海外の事例も参考にしつつ、事業環境の在り方について検討を行い、着実な改革を進めてまいります。
 さらに、廃炉等技術委員会への原子力事業者の代表者の参加についてでありますが、委員会の委員については、団体等の代表というより、原子力工学、土木工学、その他、廃炉等を実施するために必要な技術に関して専門的な知識と経験を有する者から具体的な人選が進められるものと認識をいたしております。
 最後に、廃炉・汚染水対策の関係者のこれまでの取組に対する認識と今回の法改正後についてでありますが、今回の廃炉・汚染水対策は、世界にも前例のない困難な事業であり、現場の作業員の方々はもちろん、国内外の多くの関係者の方々の御尽力により進められてきたものであり、この場をお借りしまして、全ての関係者に対して改めて敬意を表する次第であります。今回の法改正により、廃炉・汚染水対策の支援体制が強化されることで、多くの関係者の御尽力により進められている福島第一原発の廃炉が、より一層着実かつ円滑に進むものと期待をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(下村博文君) 浜野議員から、原子力損害賠償法の見直しについてお尋ねがありました。
 福島第一原発事故への対応では、これまでも原子力損害賠償紛争解決センターの整備や時効特例法の制定などの所要の措置を行ってきたところであります。また、昨年末の福島復興に係る閣議決定等も踏まえ、国がしっかりと前面に出て、果たすべき責任を果たし、被害者の救済及び事故収束に万全を期すこととしております。これらも、機構法附則で検討すべきと定められた事項の一環として位置付けられている取組であります。
 原子力損害賠償制度等の更なる見直しについては、エネルギー基本計画において、原子力の位置付け等を含めたエネルギー政策を勘案しつつ、現在進行中の福島の賠償の実情等を踏まえ、総合的に検討を進めるとされており、本計画に従い、引き続き関係省庁とも十分連携して対応してまいります。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(山崎正昭君) 竹谷とし子君。
   〔竹谷とし子君登壇、拍手〕
#13
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
 ただいま議案となりました原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案に対し、自民党、公明党を代表して質問いたします。
 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から三年が経過しました。被災者の方々の生活支援や被災地の復旧・復興は、全ての国会議員共通の思いであります。この一点については、与野党の違いを超えて、あらゆる面で協力を重ねて取り組んできましたが、原発災害からの復旧・復興は他の地域に比べて遅れているという現状を打開するためには、更に知恵を出し合いながら進めていかなければならないと考えます。
 自民党と公明党は、昨年十一月、「原子力事故災害からの復興加速化に向けて 全ては被災者と被災地の再生のために」と題する提言を政府に提出いたしました。この中で、汚染水・廃炉問題に対し、国がより前面に出るための関与の在り方について提言いたしました。それは、発災以前に制定された原子力事故災害に関わる法律と、発災以後に制定された法律の枠組みだけでは、原発災害からの復興を進めることができないという問題意識からであります。それを受け、今回の法改正案において、廃炉等に関する原子力損害賠償支援機構を活用した国の支援の枠組みが示されたものと理解しています。
 東京電力に対する支援の枠組みに関する議論は政府の中でどのような経緯でなされたか、また、電気事業者に対し強い監督権限を有する政府が直接行わず、機構を通じて支援を行うこととした趣旨、さらに、本改正によって廃炉・汚染水対策をいかに着実に進めることができるようになるのか、機構担当大臣にお伺いします。
 原発災害は、東京電力や機構から支払われる賠償金額には表れない、物心両面にわたる大きな社会的損失を今ももたらしています。
 原発災害は、地域を、家族を分断しました。同じ地域に住み、暮らしていたのに、放射線量によって、帰れる地域といまだ立入りも許されない地域があります。また、東京電力から賠償金が支払われる人とそうでない人がいます。一つの家族が、故郷に戻りたいという高齢世代と、将来を考えて戻ることをちゅうちょする若い世代とで気持ちが離れたと悩む声も聞きます。
 政府は、四月十一日に閣議決定したエネルギー基本計画の中で、東京電力福島第一原子力発電所事故で被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、寄り添い、福島の復興・再生を全力で成し遂げる、震災前に描いてきたエネルギー基本戦略は白紙から見直し、原発依存度を可能な限り低減する、ここがエネルギー政策を再構築するための出発点であるとしています。
 原発依存度を低減することは当然として、廃棄物という負の遺産を背負わされる将来世代に対して、私たちは、環境を持続可能なものとする新しいエネルギー社会を構築し、それを財産として残していくべきであります。
 世界的な脅威となっている気候変動問題のため、化石燃料にはこれ以上依存できないことを考えれば、政府が今最も力を入れるべきエネルギー政策の選択肢は、再生可能エネルギーを基幹エネルギーへ育てていくことと、省エネルギーへの挑戦しかないということは明らかです。そして、その政策の中心を福島に置くべきであります。エネルギー問題で最も苦しみを受けた福島が、今後、再エネ、省エネが最も進んだ地域として復興を成し遂げて、日本中、そして世界中から多くの人が視察に訪れる、それを実現するよう政策を総動員するべきと考えますが、経済産業大臣のお考えを伺います。
 福島の中で、再生可能エネルギーに立ち上がる人々が出てきています。土湯温泉では、地震と風評被害で旅館が半減しましたが、地域の方が主体となって温泉発電と小水力発電のプロジェクトを立ち上げ、来年の稼働に向けて進んでいます。また、南相馬市では、津波で家も畑も流された沿岸部の土地で、地元の方々がバイオガス発電を計画しています。生ごみや下水などの廃棄物や植物などを微生物で発酵させてメタンガスを作るバイオガス発電は、発電量が安定しており、ガスを作った後の残りかすは栄養豊富な有機肥料として利用できることから、循環型社会にふさわしい地産地消エネルギーとしてヨーロッパでは定着しています。
 土湯でも南相馬でも、いずれも、若い世代が戻れる町にするため新しい産業と雇用をつくろうとの思いで、地元の高齢の方々が中心となって取り組んでいます。家族を津波で亡くし筆舌に尽くし難い苦しみを負った方も、この事業を通して本当の復興を成し遂げていこうと立ち上がり始めています。
 公明党は、心の復興を目指しています。福島の将来に希望を持って再エネ事業に取り組むことは、まさに心の復興につながっていくに違いありません。一方、福島では、セシウムの問題といったほかの地域にはない障害もあり、それらを乗り越えるためには、再エネ事業についてほかより厚い支援が必要と考えます。経済産業大臣のお考えを伺います。
 専門家ではない地域の人々が再エネ事業に取り組むには大変なハードルがあります。しかし、そういう人々が参加できるようにならなければ、再エネ導入を加速化させることはできないでしょう。再エネ先進国のドイツなどでは、農業者などが取り組めるように規制や制度を柔軟に対応させていることと比較すると、日本で再エネがなかなか進まない大きな原因は、省庁がばらばらで制度が複雑であることと、課題を一元的に解決する仕組みがないことだったと考えます。
 政府は、公明党の主張を受けて、再生可能エネルギー等関係閣僚会議を設置しました。第一回会合では、政府が一丸となって再生可能エネルギーの最大限導入を実現していくこと、局長級の関係省庁連絡会議を創設することが決定されましたが、迅速に対応が始まったことを評価いたします。
 今後、この会議が再エネ導入を加速するエンジンの役割を果たすために、会議で決定された再生可能エネルギーの最大限導入に向け、具体的にどのように取り組むのか、経済産業大臣にお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(茂木敏充君) 竹谷議員にお答えをいたします。
 最初に、これまでの政府内の議論、そして原賠機構を通じた支援を行う趣旨、今後の廃炉・汚染水対策についてでありますが、昨年十一月に自民党及び公明党から提出いただいた「原子力事故災害からの復興加速化に向けて 全ては被災者と被災地の再生のために」を真摯に受け止め、昨年十二月の閣議決定「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」において、内外の専門人材を結集し、廃炉・汚染水対策の支援体制を強化することとしました。
 東電福島第一原発の廃炉については、事故直後からの緊急的、臨時的な体制を転換し、事業の困難性に鑑み、国が前面に出て、持続的な体制によって東電の取組を支援しつつ、廃炉・汚染水対策を適正かつ着実に推進することとしました。具体的には、特別事業計画を通じて東電の経営全体を監督している原賠機構の機能を拡充することにより、実効ある廃炉対策の実施と監督が可能になると考えております。
 次に、福島の復興・再生を全力で成し遂げる上での福島県の再生可能エネルギー、省エネルギーの世界のモデル化についてでありますが、福島県の復興は最重要の課題であり、政府としても、福島県を再生可能エネルギー先駆けの地とすべく、重点的に支援を行っております。
 具体的には、再生可能エネルギー専門の本格的な研究所である産総研福島再生可能エネルギー研究所を四月一日に開所するとともに、世界初の本格的事業化を目指した浮体式洋上風力発電の実証事業を福島県沖で展開するなど、世界の最先端を行く研究開発を福島で集中的に展開してまいります。また、省エネルギーの最先端の地域とすることも目指して、福島県において、ディマンドリスポンス、すなわち、経済的なポイントの付与によって電力消費パターンを変化させる取組を東北電力管内で初めて実施すべく準備を進めております。
 次に、福島における再生可能エネルギー導入のための支援策を手厚くすべきとの御指摘でありますが、再生可能エネルギーについては、最先端の研究開発を福島で行うとともに、その導入拡大に向け、固定価格買取り制度とも併用が可能な補助制度を被災地限定で設けており、これをしっかりと運用してまいります。
 また、議員御提案のように、この補助制度について、福島県の避難解除区域等を対象に、平成二十六年度予算において、固定価格買取り制度の売電収入を住民帰還やふるさと再建に役立てることを条件に補助率を引き上げた制度を創設をしたところであります。
 最後に、再生可能エネルギー等関係閣僚会議の取組についてでありますが、再生可能エネルギーの導入加速においては、例えばバイオマス資源の有効活用や環境アセスメントの迅速化など、関係府省が連携して取り組むべき重要なテーマが多く存在をいたしております。今後、再生可能エネルギー等関係閣僚会議が各府省連携の司令塔、メーンエンジンとなることで、政府が一丸となって取組を進めてまいります。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(山崎正昭君) 松田公太君。
   〔松田公太君登壇、拍手〕
#16
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 みんなの党を代表して、質問をさせていただきます。
 東日本大震災、そして東京電力福島原発の事故から三年と一か月が経過しました。原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案の審議を始めるに当たり、何よりもまず、原発事故の被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げますとともに、国会議員としての職責の重大さに改めて身が引き締まる思いでございます。
 いまだに故郷に帰れない原発避難者は十三万人もいます。避難者の中には、父親が仕事の関係で福島を離れることができず、母親と子供だけが県外に避難する母子避難の家庭も多く存在します。また、以前と同等の収入が得られず生活が困窮したり、子供に希望どおりの教育を受けさせることができなかったり、御夫婦の考え方が擦れ違いを起こし、家庭内が崩壊し、いわゆる原発離婚に至ってしまうようなケースも増えてきています。何よりもつらいのは、それによって一番苦しむのはお子様や御老人の弱者だということです。
 このように、原発事故は、何万人単位で人々の生活を基盤から崩してしまう、まさに破壊的なものなのであります。本来、私たち国会議員は、二度とこのような思いをする国民を出さないように、新しい未来をつくっていかなければならない立場にあります。
 しかし、四月十一日に閣議決定された新しいエネルギー基本計画は、核燃料サイクルを維持し、「もんじゅ」を温存するなど、残念ながら新しい未来へ進もうという気概も目標も感じられない内容のものでした。
 本日は、今後委員会で行われる原子力損害賠償支援機構法の議論に先立って、基本的かつ根本的な質問を中心にさせていただきたいと思います。
 福島原発事故の収束のために、我々国会議員も政府も、この三年間で相当な時間、労力、そして国費を投下し、賠償、除染、汚染水、核のごみ処理、そして廃炉について話合いを行ってきました。しかし、最終的な解決まで何年掛かるか、先も見えない状況が続いています。
 現在申請中の原発の再稼働が一部実現したとして、このような厳しい状況下で南海トラフなどの大地震が発生し、別の原発が大事故を起こしてしまったとなれば、想像も付かないような最悪の状況に陥ってしまいます。例えば、浜岡原発が放射性物質を拡散してしまい、静岡が福島と同じような状況になってしまったらどうなるでしょうか。まさかそんなことがあるわけないだろうと思った議員がいたとしたら、その方はまた盲目的な安全神話のとりこになってしまっていると言わざるを得ません。
 そのような事態になったら、現閣僚の皆様は、今後十年間、日本はその影響によってどのような状況に陥ってしまうとお考えでしょうか。安倍政権下で必死に推進されている日本経済の回復は実現可能になると思われますか。財政は改善すると思われますか。以上三点を官房長官、経産大臣及び復興大臣に伺います。
 現在、原子力規制委員会に申請され、十原発の再稼働審査が進められています。福島第二原発の申請は出されておりませんが、仮に申請され審査を通ったとしたら、四十年廃炉ルールの下でも今後八年間は運転可能となります。
 そこで、根本復興大臣にお聞きします。
 福島第二原発再稼働の申請があり、審査を通ったとした場合、再稼働への福島県民の理解は得られるようになると思いますか。もし得られないと思われるならば、可及的速やかに同原発を廃炉にすることを発表し、ほかの事業者の協力を得てでもその作業を進めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。二点、お答えいただければと思います。
 さて、原子力損害賠償支援機構法は、東京電力が福島第一原発事故の全責任を負うことを前提としています。つまり、原子力損害賠償法三条一項ただし書の、異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じた損害ではなく、あくまで同項本文が適用されているとの解釈です。
 平成二十三年五月、当時の民主党枝野官房長官は、「国会等でもこうした大きな津波によってこうした事故に陥る可能性について指摘もされておりましたし、また、大変巨大な地震ではございましたが、人類も過去に経験をしている地震でございます。そうした意味では、このただし書に当たる可能性はない、したがって上限はない」と答弁されています。
 そこで、菅官房長官に四点の質問があります。
 まず一点目は、現政府も同じ考え、つまり、福島第一原発の事故は異常に巨大な天災地変によって生じた損害ではないとのお考えだと理解してよろしいでしょうか。もしイエスならば、福島第一原発の事故は政府においても予見ができたということかと思います。
 そうであるならば、なぜこのような事故を防ぐことができなかったのか、なぜ大事故が起きた場合の政府や事業者などの責任について法制上の備えをしてこなかったのか、これが二点目の質問です。
 そして、三点目は、このような措置をせずに原子力政策を推し進めてきた自民党政権はどのように責任を取るべきだと思われるか。
 そして、最後の四点目は、もし責任を取るべきだと思われるなら、原発政策をドラスチックに変え、脱原発の政策を進めることこそが正しい責任の取り方だと思いますが、そのような考え方を持ち合わせてはないのでしょうか。
 これらは、本法案を再度根本から議論していく上での大前提となりますので、官房長官のお考えをお聞かせいただければと思います。
 原子力損害賠償支援機構は、電力の安定供給の必要性と被害者への賠償を滞りなく行うという観点から、東電を債務超過にさせない目的も持って設置されたものでした。
 我々みんなの党は、国民に負担を押し付けることによって同社を救済するようなことは資本主義のルールに反するし、本来であれば責任を取らなくてはいけない経営陣、株主、そして大手金融機関を単純に救済するものだとして最後まで反対を続けました。
 そこで、茂木大臣にお聞きします。
 大臣は東電のBS・PL財務諸表をしっかりと確認されていると思いますが、本機構が設置されず、国からの支援がなかったとすれば、東電は二〇一一年当時、債務超過に陥っていたと思われますか。現在、もし本機構が支援を引き揚げて立替金の回収をするとなったらいかがでしょうか。現状でも東電は債務超過に陥ってしまうと思われますでしょうか。
 原子力損害賠償支援機構法の改正においては、附則六条について再確認する必要があると思っています。
 御存じのとおり、附則六条一項は、原賠法の改正等の抜本的な見直しを含めた措置を、二項は、この支援機構法の施行状況を検討して必要な措置を講ずることをそれぞれ定めています。そして、参議院で、一項については一年、二項については二年を目途とする旨の附帯決議が行われました。私も当時、本法案に反対しながらも、この附則と附帯を最後の頼みの綱として考えていました。
 では、これまでこの附則に基づいた措置はとられてきたのでしょうか。附則六条一項に基づく抜本的な改正というならば、まずは、原子力損害賠償補償契約に基づく補償金千二百億円の額を見直すべきだと思います。また、いまだに異なる解釈が示されている賠償法十六条。原子力事業者の賠償額が賠償措置額を超えた場合に行われる必要な援助は事業者の破綻処理をマストにするなど、改正すべきポイントは多々あると思います。
 今回の改正は、同機構設立の趣旨にも反する必要のない部分に爪を伸ばした改正でしかなく、必要不可欠なものには目をつぶったままとなっております。
 下村大臣にお聞きします。政府は、附則六条一項に基づいた抜本的な改正を行うつもりはあるのでしょうか。行うつもりがあるとするならば、いつ頃の予定でしょうか。
 附則六条二項においては、国民負担を最小化する観点から改正等を検討することとなっております。しかし、今回の改正は、国民負担について真剣に検討したとは思えません。むしろ、国と東電の責任が曖昧な中で、廃炉と汚染水対策の機能が付加されることにより、今後は国民負担が増える可能性の方が高いとさえ危惧されます。
 同項の精神から、政府は、今回の改正案が、汚染水や廃炉にかこつけて、国が前面に立つという名の下に、国民負担を増やすような流れには決してしないとお約束していただくことはできるでしょうか。茂木大臣、お願いいたします。
 さきの質問と同じ部分ですが、同項を読むと、当該資金援助を受ける原子力事業者の株主その他の利害関係者の負担の在り方等を含め、国民負担を最小化する観点から、この法律の施行状況に検討を加えとあります。どう解釈しても、東電の法的整理を除外しているものではないと私は認識しておりますが、政府のお考えはいかがでしょうか。
 最後に、本日この後の議題でもあります原子力協定に関連する質問をさせていただきます。
 昨日の外交防衛委員会で、我が党中西委員の質問に対し、原発関連の輸出に公的輸出信用を与える際の安全確認手続は、経産省が実施することについては否定されるものではないと考えておりますとの政府答弁がありました。これでは、福島原発事故以前のように、推進する部門が安全性を確認することとなり、何のために原子力安全・保安院を解体し、環境省の外局として原子力規制委員会を立ち上げたのかが分かりません。本当に経産省に安全を確認させる可能性を残してもよいとお考えなのでしょうか。経産大臣、お答えください。
 みんなの党は、現在、原発を国有化し、汚染水対策と廃炉処理も完全に国の責任下で行う原発国有化法案を今国会で提出するための準備をしております。これが導入されれば、国と東電の責任の曖昧さがなくなり、賠償は被害者の立場で滞りなく実現し、株主や経営陣の責任は明確になり、事故処理に当たっている現場の責任者たちのモチベーションは上がり、所有権分離が実現され、新規参入が促されることによって、世界で最も高い日本の電気料金を大幅に下げることも可能になります。
 同法案の提出や、様々な対案、提案を通じ、引き続き、我々は真の電力自由化を推進し、日本の英知を結集した再生可能エネルギーの大幅な増加と原発からの完全撤退を目指していくことをお誓い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(茂木敏充君) 松田議員にお答えをいたします。
 まず、福島原発の処理が終わっていない中で、別の原子力発電所で事故が発生した場合の影響についてでありますが、原発については、いかなる事情よりも安全性を最優先し、その安全性については、独立した原子力規制委員会が世界で最も厳しい新規制基準の下で判断をしていくこととしております。
 福島第一原発事故の反省と教訓も踏まえ、関係者が一丸となって、安全性をより高める努力を継続的に行っていくことが何よりも大切であると考えております。
 万が一事故が起きた場合には、原子力損害賠償法に基づき、原子力事業者が原子力損害の賠償責任を負うことになっており、原子力損害賠償支援機構が資金援助を行うことができることとされておりますので、このスキームの下で迅速かつ適切な賠償が実施されることとなっております。
 仮定のことについてお答えはできませんが、日本経済の再生と財政の健全化については、内外の様々な変動要因がある中でも、政府として引き続き最優先の課題として取り組んでまいります。
 次に、二〇一一年当時や、機構による賠償支援がない場合の東電の財務状況についてでありますが、まず、震災直後の五月に、前政権において、内閣官房に東京電力に関する経営・財務調査委員会が設置をされ、東電の財務状況が調査されました。その結果、当時、賠償総額は会計上債務認識ができるような具体的な額としては把握できず、二〇一一年当時の東電が債務超過であったとの認識はなされなかったものと認識をいたしております。
 また、機構のスキームであるかどうかはともかく、議員も御案内のとおり、そもそも、原賠法第十六条に基づき、国により賠償支援のための必要な援助が行われることとなっておりました。したがって、そもそも、機構が賠償支援を行わない、支援を引き揚げるといった仮定自体が成り立たないと考えております。
 さらに、今回の法改正と国民負担の関係についてでありますが、今回の法改正は、国からの新たな資金援助スキームを設けるものではありません。よって、今回の法改正によって、多額の国費投入を行い、国民負担が増えるというものではございません。
 次に、機構法附則第六条二項に基づく見直しについてでありますが、特定の見直しの方向性があらかじめ除外されるものとは承知はいたしておりませんが、仮に法的整理を行うとした場合、電気事業法に基づき、内外の機関投資家などが保有する電力債が優先弁済される一方で、福島の住民など被害者の方々の賠償債権や、現場で困難な事故収束作業に必死で当たっている関係企業の取引債権が十分支払われないおそれなどがあり、適切ではないと考えております。
 最後に、原発関連の輸出に公的信用を付与する場合の安全確保等の配慮の確認についてでありますが、従来、原子力安全・保安院が行ってきた確認は、公的信用付与の際に、輸出相手国の原子力安全規制体制などの事実確認のみを行ってきたものであり、安全規制に基づく審査として原発の安全そのものを確認してきたわけではございません。こうしたことも踏まえ、原子力規制委員会設置後の手続や実施体制については、現在まさに検討を行っているところであります。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(菅義偉君) 原発で事故が発生した場合の影響についてのお尋ねがございました。
 原発については、福島の事故の教訓を踏まえ、いかなる事情よりも安全性を最優先をし、その安全性については、独立した原子力規制委員会が世界で最も厳しい新規制基準の下で判断していくことといたしております。
 仮定の事態にお答えすることはできませんが、政府としては、経済再生と財政再建、両立こそが進むべき道と考えており、引き続き、三本の矢を軸とする経済財政運営を力強く進めてまいります。
 原賠法の解釈と自民党の責任についてお尋ねがございました。
 御指摘の異常に巨大な天災地変については、昭和三十六年の原賠法提出時の国会審議において、人類の予想していないような大きなもの、全く想像を絶するような事態などと説明をされております。このような中で、東日本大震災について、当時の政権は三条一項ただし書に当たらないと判断したと考えております。
 一方、原賠法では、三条一項ただし書が適用されない場合は、原子力事業者が無過失、無限の賠償責任を負う旨規定をいたしております。その上で、原子力事業者には損害賠償を行うための措置を義務付けるとともに、損害賠償措置の額を超え、必要があると認めるときは、政府が必要な援助を行うものと規定しており、本機構法の制定など適切な対応を行ってきております。
 なお、福島第一原発事故について、長年にわたり政権与党としての自民党も、その責任を逃れることはできないと考えております。被災者の皆さんを始めとする国民の皆さんに多大な御労苦をお掛けしていることに対し、心からおわびを申し上げてきたところであります。
 福島の再生を必ずや成し遂げるために、妥協することなく、たゆまぬ安全性、信頼性、その向上を図り、原子力安全の文化を確立するため、政府、自民党が連携して、全力を挙げて取り組んできているところであります。
 いずれにしろ、原発については、安全性の確保を大前提とし、徹底した省エネルギー社会の実現と再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、原発依存度は可能な限り低減してまいります。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(根本匠君) 福島以外の原発事故についての御質問がございました。
 本件については、私の所管ではありませんが、先般閣議決定したエネルギー基本計画にあるとおり、いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められない限りは再稼働はないものと承知をしております。
 また、その中で、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて、そのリスクを最小限にするため、万全の対策を尽くし、その上で、万が一事故が起きた場合には、国は関係法令に基づき、責任を持って対処するということが政府の方針であると承知をしております。
 次に、福島第二原発の再稼働に対する福島県民の理解についての御質問がございました。
 例えば、双葉郡八町村の議会において、県内原発の全基廃炉を求める意見書が採択されていることは承知しております。私も福島県民の一人として、発災以来、県内の様々な厳しい現状を見てきた立場から、こうした意見については十分理解できます。
 福島県内の原発問題については、このような福島県民の様々な思いを受け止めながら進めていくべきものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(下村博文君) 松田議員から、原子力損害賠償法の見直しについてのお尋ねがありました。
 福島第一原発事故への対応では、昨年末の福島復興に係る閣議決定等も踏まえまして、国がしっかりと前面に出て、果たすべき責任を果たし、被害者の救済及び事故収束に万全を期すこととしております。また、これまでも原子力損害賠償紛争解決センターの整備や時効特例法の制定などの所要の措置を行ってきたところであります。これらも、機構法附則で検討すべきと定められた事項の一環として位置付けられている取組でございます。
 原子力損害賠償制度等の更なる見直しについては、エネルギー基本計画において、原子力の位置付け等を含めたエネルギー政策を勘案しつつ、現在進行中の福島の賠償の実情等を踏まえ、総合的に検討を進めるとされており、本計画に従い、引き続き関係省庁とも十分連携して対応してまいります。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(山崎正昭君) 倉林明子君。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕
#22
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表し、原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案について質問します。
 家も土地も仕事も、家族や地域のつながりも、ふるさとを丸ごと奪ったのが福島第一原発事故です。原子力損害賠償法では東電に対して無過失、無限の賠償を求めていますが、この甚大な被害に対する賠償は現在どうなっているでしょうか。
 原発事故から三年が過ぎても、家は仮設、家族、地域は分断され、なりわいも奪われたままという実態に、福島県民は見捨てられてしまったとの思いを強めています。そこに、昨年末に確定した新たな線引きによる賠償の格差が県民の怒りと分断を広げています。帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域と分断してきました。
 政府は一方的に線引きし、避難を強要し、賠償の格差が住民に深刻な亀裂を生んでいます。福島で住民からふるさとを奪った責任を明らかにして、完全賠償を行うべきです。政府の見解を求めます。
 東電の損害賠償に対する姿勢は不誠実極まりないと言わざるを得ません。東電は、避難区域外の人々の精神的損害は、妊婦や子供を除くと、原発事故が起こった日から四十三日間しか認めていないなど、事故の加害者である東電が賠償の枠組みを定め、それを被害者に押し付けてきました。
 事故当時、妊娠していた母親が、仕事を抱え、ガソリンもなく、避難できずに感じた不安、また、乳児を抱えた母親が、事故から二か月、家族ばらばらになった苦しみを想像できるでしょうか。こうした損害の事実に即した賠償とすべきです。いかがですか。
 政府が被曝を前提に帰還を促進していることも重大な問題です。避難指示解除準備区域は、年間の被曝線量を二十ミリシーベルト以下としました。一ミリシーベルトまで引き下げる除染はしなくてもよいというのでしょうか。
 地元住民が除染を求めた裁判で、東電は、除染は費用が掛かり過ぎ、一企業での実現は不可能と開き直っています。先月には、福島県民の被曝線量は年間二十ミリシーベルト以下であり、喫煙や肥満などより発がんリスクは低いとし、住民の法的権利が侵害されたと評価することは困難とまで言っています。事故を起こした当事者でありながら開き直るなど、到底許されるものではありません。
 東電は、なりわいを返せ、地域を返せ、元の生活を返せと求める全ての原発事故被害者の声に真摯に応えるべきです。国は、完全賠償の責任を東電に果たさせるべきです。
 賠償も除染も汚染水対策さえ行き詰まる中、政府は、今月十一日、エネルギー基本計画を閣議決定しました。原発を「重要なベースロード電源」と位置付けたこの計画は、原発の再稼働を固定化し、新増設さえも可能とするもので、原発推進政策への大転換です。
 事故はなかったかのような方針の転換は到底認めることはできません。県内原発十基全てを廃炉にすることが、オール福島、県民の総意です。全基廃炉の決断こそ福島復興につながる帰還への道ではないでしょうか。経産大臣、復興大臣の答弁を求めます。
 政府は、本法案の提案の前に、支援機構法の定めと国会との約束を果たす義務があります。附則第六条一項では、原子力損害賠償法の抜本的な見直しを求めており、衆参の附帯決議は、この実施の目途を一年としています。
 原賠法は、被害者救済と原子力事業者の健全な発達の両方を目的にしていますが、今回の福島事故の教訓を踏まえるなら、過酷事故を起こした東電を健全に発達させてよいはずがありません。原賠法の目的を被害者救済に限定すべきです。
 また、原賠法では、原子力に伴う損害賠償は事業者が無過失、無限の責任を負うとの原則を定めています。損害賠償措置を超える損害について国の援助で行うとして、仮に賠償責任に上限を設けることは、事故を起こしても最後は国が面倒を見てくれるということになり、原発事業者のモラルハザードを誘発することになりかねません。いかがですか。
 事故を起こした福島第一原発の一から四号機は、GE、東芝、日立製です。現行の日米原子力協定では免責されていないものの、原賠法では原発プラントメーカーの製造責任を事実上認めていません。事故原因の徹底究明を行い、メーカーの賠償責任を問えるようすべきです。いかがですか。
 さらに、支援機構法の附則第六条二項では、東電、政府及び他の原発事業者との負担の在り方、東電の株主その他の利害関係者の負担の在り方を、国民負担を最小化する観点から検討を加えて見直すよう求め、本院の附帯決議では、二年を目途として実施するとしています。
 国民負担を最小化する観点から、どう検討されたのでしょうか。その内容を国会に示すべきです。損害賠償の負担の在り方を具体的にどう見直すのか、明確にお答えください。
 そもそも原賠支援機構法は、被害者の賠償を迅速かつ適切に確保することを目的の一つとして制定されました。東電を破綻させれば賠償ができなくなるとして、これまでも国費の投入を拡大してきました。福島復興指針において、機構法六十八条を根拠に、中間貯蔵施設の一・一兆円を国費負担するとしています。機構法制定当時の枝野経産大臣は、今回の東電福島事故においてはこの条文に該当することを想定していないと明確に答弁しています。機構法の規定を逸脱するもので、東電の負担を軽減する救済そのものではないでしょうか。
 さらに、電事法の規則改正で、既に廃炉費用については電気料金に転嫁してよいとの見直しも行っています。通常の廃炉分にとどまらず、東電の事故を起こした福島第一原発の廃炉分まで料金に転嫁し、事故の後始末まで国民に負担させるもので、国民の理解は得られないと考えますが、いかがですか。
 そもそも東電は、レベル3の汚染水漏れ事故に続き、その後も原子力を扱う事業者としてあってはならないミスや事故を相次いで引き起こし、汚染水をコントロールできる見通しは全く見えません。事故収束でも汚染水対策でも東電に当事者能力がないことは明らかであり、福島県民だけでなく、国民の信頼を大きく失っています。
 政府は、東電を破綻処理するのでなく、存続させながら賠償させる方法を選択しました。しかし、株式会社として存続する以上、利益優先となることは明らかで、賠償費用も事故処理費用も抑える効果を招いています。事故から三年の経過を見れば、このスキームでは被災者に対する賠償も汚染水対策も進まないことは明らかではありませんか。
 東電を破綻処理し、株主とメガバンクなどの債権者に負担を求め、東電の持てる資産を残らず吐き出させて、賠償責任を徹底的に果たさせるべきです。その上で、国は原発を国策として進めてきた責任を認め、賠償、事故収束のための費用負担をすべきであり、なし崩しに国民負担を最大化することは絶対に許されないことを強く指摘し、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(下村博文君) 倉林議員から、福島原発事故について完全賠償すべきとのお尋ねがありました。
 今回の事故により生じる原子力損害に関しては、事故との相当因果関係が認められるものは全て原子力損害賠償法に基づき東京電力より適切な賠償が行われることとなっております。
 文科省としては、原子力損害賠償紛争審査会において、被災自治体から御意見、御要望もお聞きしながら順次指針を策定し、今般の原子力損害全般に関して、類型化が可能で一律に賠償すべき損害の範囲や項目を示すことができる事項について、その損害賠償の目安を示してまいりました。
 特に、第四次追補においては、見通しの付かない長期間にわたって帰還不能となり、そこでの生活の断念を余儀なくされた精神的苦痛等に対する損害賠償の目安を示しました。
 また、指針において示されなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではなく、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められるものは賠償の対象となることも指針に明記されており、東京電力に対して合理的かつ柔軟な対応を行うよう求めてきたところであります。
 今後とも、被災者に寄り添い、公平かつ適切な賠償が迅速に行われるよう、関係省庁と連携して国として果たすべき役割を果たしてまいります。
 また、原子力損害賠償法の見直しについてのお尋ねでありますが、原子力損害賠償法は、原子力損害賠償に関する基本的制度を定めることにより、被害者の保護を図ることを大前提に、原子力事業の健全な発達に資することを目的としております。
 このような目的の下、原子力事業者が無過失かつ無限の賠償責任を負うこととし、この賠償責任を履行するため、原子力事業者に損害賠償を行うための保険等を義務付けるとともに、損害賠償措置の額を超え、必要があると認めるときは、政府は必要な援助を行うものとしております。これらを通じて、原子力事業者が損害賠償を迅速かつ適切に実施することを確保しております。
 原子力損害賠償制度等の更なる見直しについては、エネルギー基本計画において、原子力の位置付け等を含めたエネルギー政策を勘案しつつ、現在進行中の福島の賠償の実情等を踏まえ、総合的に検討を進めるとされており、本計画に従い、関係省庁とも十分連携して対応してまいります。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(茂木敏充君) 倉林議員にお答えをいたします。
 最初に、自主的避難等に対する賠償についてでありますが、東電は、原子力損害賠償紛争審査会が平成二十三年十二月に策定した中間指針追補を踏まえた賠償を行うほか、全住民を対象に、上乗せして四万円を賠償しているところであります。
 そのほかにも、原発事故との相当因果関係が認められる損害については東電が適切に賠償金の支払を行うべきものと考えており、東電に対し、それぞれの被害者の方々の実態等に沿った賠償を行うよう指導してまいります。
 次に、東電による完全賠償についての御質問でありますが、東電による賠償の基準となる原子力損害賠償紛争審査会の指針については、様々な御意見を踏まえつつ、これまで四次にわたり追補が策定されております。
 議員が何をもって完全賠償とおっしゃっているのか正確には分かりませんが、原発事故との相当因果関係のある原子力損害について適切な賠償を行うとの基本的な考え方に従い、被害の実態に沿った賠償を行うよう、引き続き東電を指導してまいります。
 次に、福島県内の原発の廃炉についてでありますが、福島第一原発の五号機、六号機については、事故処理に集中する現場体制を構築する観点から、昨年十二月に東電が廃炉を決定いたしました。
 福島第二原発については、今後のエネルギー政策の状況や新規制基準への対応、地元の様々な御意見等も総合的に勘案しながら事業者が判断を行うものと考えておりますが、現在の福島県の皆さんの心情を考えると、現時点において、適合性審査が行われている十原発十七基等、他の原発と同列に扱うことは難しいと認識をいたしております。
 次に、プラントメーカーの製造責任を問えるよう原賠法を見直すべきとの御指摘についてでありますが、原賠法の見直しについては、現在進行形の福島の賠償の実情をしっかりと踏まえ、また、今後のエネルギー政策における原子力の位置付け等も勘案しつつ、できるだけ早期に必要な措置の検討を進めてまいります。
 なお、現行法では原子力事業者に賠償責任が集中することとなっておりますが、これは事故の責任関係を明確化することで被害者救済の迅速化を図るためのものであります。こうした原子力事業者への責任集中の考え方は国際的にも確立されていると承知をいたしております。
 次に、機構法附則六条二項に基づく見直しについてでありますが、福島の復興を加速する上で、国と東電の役割分担を事業及び資金負担の両面で明らかにすることが極めて重要であり、こうした観点から、昨年末の閣議決定で、賠償、除染・中間貯蔵費用に関する政府としての方針を決定いたしました。
 その際、国民負担を抑制する観点から、東電には分社化など電力システム改革を先取りして企業価値を高めるよう求めております。また、金融機関に対しては、主要行を中心に、一般担保が付されている私募債方式についてできるだけ早期に見直していくこと、株主に対しては、株価の下落に加え、無配当の継続などの形で責任を求めることといたしております。
 次に、中間貯蔵施設費用相当分の国費投入、廃炉会計ルールの見直しについてでありますが、全て東電任せにしては福島の復興が進まないとの考えから、先ほど申し上げました昨年末の閣議決定で、国と東電の役割分担を明らかにする中で、中間貯蔵施設については国が早期に建設し、また責任を持って長期の事業期間にわたって安定的に管理していく必要があることも踏まえ、中間貯蔵施設費用相当分について、国がエネルギー特会から資金を交付することといたしました。
 国民の理解を得るために、東電自らの改革が大前提であることは先ほども申し上げたとおりであります。
 廃炉会計ルールの見直しについては、会計等の専門家による審議を踏まえて、運転終了となる原因が何であるかにかかわらず、発電と廃炉は一体の事業と整理すべきとの観点から、事故炉にも適用することとされたものであり、東電救済を目的としたものではありません。なお、東電の現在の料金原価には、今般の廃炉会計制度の見直しは反映されておりません。今後、仮に料金値上げ申請がなされることがあれば、専門小委員会における中立的、客観的な検討を踏まえ、厳正に審査を行ってまいります。
 最後に、機構法のスキームでは賠償も汚染水対策も進まず、まずは東電の破綻処理を進めるべきとの御指摘についてでありますが、現在の最優先課題は、廃炉・汚染水対策を確実に実施し、同時に、三・一一以降のエネルギー制約の下で電力需給の安定に万全を期すことであります。東電の組織体制についても、着実な事故収束と迅速な賠償をしっかりと進めていく体制を強化することが最優先であります。
 仮に東電の法的整理を行うとした場合、電気事業法に基づき、内外の機関投資家などが保有する電力債が優先弁済される一方で、福島の住民など被害者の方々の賠償債権や、現場で困難な事故収束作業に必死に当たっている関係企業の取引債権が十分に支払われないおそれがあります。東電には、電力システム改革を先取りした改革を通じて、企業価値を向上させる努力を求めつつ、特別事業計画を通じて、東電経営全体を監督している原賠機構を活用して、廃炉・汚染水対策の着実かつ円滑な実施を図ることといたしました。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(根本匠君) 福島県内の原発全基廃炉についての御質問がございました。
 例えば、双葉郡八町村の議会において、県内の原発の全基廃炉を求める意見書が採択されていることは承知しております。私も福島県民の一人として、発災以来、県内の様々な厳しい現状を見てきた立場から、こうした意見については十分理解できます。
 福島県内の原発の問題については、このような福島県民の様々な思いを受け止めながら進めていくべきものと考えております。(拍手)
#26
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#27
○議長(山崎正昭君) 日程第一 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とアラブ首長国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 平和的目的のための原子力の利用における協力のための日本国政府とトルコ共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
  (いずれも第百八十五回国会内閣提出、第百八十六回国会衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長末松信介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔末松信介君登壇、拍手〕
#28
○末松信介君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 アラブ首長国連邦及びトルコとの原子力協定は、いずれも我が国との間の原子力の平和的利用に関する協力のための法的枠組みを提供するものであり、核物質等の平和的非爆発目的利用、国際原子力機関による保障措置の適用、原子力安全関連条約に基づく措置の実施、核物質防護措置の実施等について定めるものであります。
 委員会におきましては、両件を一括して議題とし、原子力協定締結の意義と我が国政府の協定締結方針、原発輸出相手国における原子力安全と核セキュリティーの確保、原発建設をめぐるトルコの国内事情、トルコとの原子力協定における濃縮、再処理の規定に関する外務大臣の見解、原発輸出相手国の安全規制確認のための我が国国内における体制整備等について質疑が行われたほか、三名の参考人から意見を聴取いたしましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、みんなの党の中西委員、日本共産党の井上委員よりそれぞれ両件に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、両件はいずれも多数をもってそれぞれ承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(山崎正昭君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成            百八十一  
  反対             四十六  
 よって、両件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(山崎正昭君) 日程第三 中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長大久保勉君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大久保勉君登壇、拍手〕
#33
○大久保勉君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、中心市街地の一層の活性化を図るため、中心市街地への来訪者等の増加による経済活力の向上を目指して行う事業及び中心市街地の商業の活性化に資する事業の認定制度並びにこれに係る支援措置の創設、中心市街地に係る通訳案内士制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
 本法律案の審査に先立ち、静岡県静岡市におきまして中心市街地の実情調査を実施いたしました。
 委員会におきましては、中心市街地活性化法のこれまでの施行状況に関する評価、重点支援の認定に係る基準を明確化する必要性、新たな特例通訳案内士制度を創設する趣旨、中心市街地活性化基本計画の認定要件緩和による効果、関係府省が連携して中心市街地活性化に取り組む必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林理事より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#34
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成            二百十三  
  反対              十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#37
○議長(山崎正昭君) 日程第四 外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長荒木清寛君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔荒木清寛君登壇、拍手〕
#38
○荒木清寛君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、法律事務の国際化、専門化及び複雑多様化に、より的確に対応するため、外国法事務弁護士が社員となり、外国法に関する法律事務を行うことを目的とする法人の制度を創設しようとするものであります。
 委員会におきましては、外国法事務弁護士法人を認める意義、外国法事務弁護士の原資格国の状況と外国法事務弁護士に期待される役割、外国法事務弁護士に係る規制緩和、弁護士と外国法事務弁護士との共同法人制度が見送られた理由、中小企業の海外進出に対する法的サポートの必要性、日本の弁護士や法律事務所の活動領域の国際的展開、外国法事務弁護士の承認手続の迅速化等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#39
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#40
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#41
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#42
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト