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2014/06/18 第186回国会 参議院 参議院会議録情報 第186回国会 本会議 第32号
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2014/06/18 第186回国会 参議院

参議院会議録情報 第186回国会 本会議 第32号

#1
第186回国会 本会議 第32号
平成二十六年六月十八日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十二号
  平成二十六年六月十八日
   午前十時開議
 第一 地域自然資産区域における自然環境の保
  全及び持続可能な利用の推進に関する法律案
  (衆議院提出)
 第二 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処
  罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改
  正する法律案(衆議院提出)
 第三 マンションの建替えの円滑化等に関する
  法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第四 宅地建物取引業法の一部を改正する法律
  案(衆議院提出)
 第五 特定農林水産物等の名称の保護に関する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 地域における医療及び介護の総合的な確
  保を推進するための関係法律の整備等に関す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 日程第一 地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長佐藤信秋君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤信秋君登壇、拍手〕
#4
○佐藤信秋君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院環境委員長の提出に係るものであります。その内容は、地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関し、基本方針の策定、地域計画の作成等について定め、地域計画に基づく事業又は活動の実施について自然公園法等の特例措置等を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案の対象となる地域及び団体、入域料の徴収に関する課題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の市田理事より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#6
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#7
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百二十五  
  反対              十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#8
○議長(山崎正昭君) 日程第二 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長荒木清寛君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔荒木清寛君登壇、拍手〕
#9
○荒木清寛君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院法務委員長提出によるものでありまして、児童ポルノの定義を明確化し、児童ポルノをみだりに所持すること等を一般的に禁止するとともに、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持等を処罰する罰則を設け、あわせて、心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の推進及びインターネットの利用に係る事業者の努力義務に関する規定を整備しようとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院法務委員長代理遠山清彦君より趣旨説明を聴取した後、今回の改正の趣旨と国際社会の要請、児童に対する性的搾取及び性的虐待を防止するために必要な施策、児童ポルノの所持を一般的に禁止した趣旨、児童ポルノの単純所持罪の構成要件の明確性、自己の性的好奇心を満たす目的についての捜査及び立証の在り方、インターネット上の児童ポルノへの閲覧防止措置等の対応策、漫画、アニメ等の実在しない児童の描写物に係る対応、本法の用語としての児童ポルノという呼称の妥当性等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して仁比委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#11
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#12
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成           二百二十三  
  反対              十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#13
○議長(山崎正昭君) 日程第三 マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第四 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長藤本祐司君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔藤本祐司君登壇、拍手〕
#14
○藤本祐司君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を報告いたします。
 まず、マンション建替え円滑化法改正案についてです。
 この法律案は、地震に対する安全性が確保されていないマンションの建て替え等の円滑化を図るため、マンション及びその敷地を多数決により売却することを可能とする制度を創設する等の措置を講じようとするものです。
 委員会におきましては、マンション敷地売却制度の創設理由、区分所有者等の居住の安定の確保、容積率の緩和特例の在り方等について質疑が行われました。その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して辰已委員より反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されています。
 次に、宅地建物取引業法改正案についてです。
 この法律案は、宅地建物取引業の業務を適正に実施するため、宅地建物取引主任者の名称を宅地建物取引士に改めるものです。その上で、宅地建物取引士の業務処理の原則、宅地建物取引業者による従業員の教育、宅地建物取引業の免許等に係る欠格事由として暴力団員であることを追加する等について定めるものです。
 委員会におきましては、提出者衆議院国土交通委員長より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、報告いたします。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 まず、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#16
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#17
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十一  
  賛成           二百二十九  
  反対              十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#18
○議長(山崎正昭君) 次に、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#21
○議長(山崎正昭君) 日程第五 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長野村哲郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔野村哲郎君登壇、拍手〕
#22
○野村哲郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年における農林水産物・食品の名称の保護をめぐる国内外の動向に鑑み、農林水産物・食品のうち、品質その他の特性が生産地に主として結び付いているものについて、その名称を地理的表示として国に登録し、知的財産として保護する制度を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、地理的表示保護制度導入の意義と効果、地域団体商標制度との相違点、国内外における不正使用防止対策、制度の普及と実施体制の整備を進める必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十七  
  反対               一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#26
○議長(山崎正昭君) 日程第六 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長石井みどり君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔石井みどり君登壇、拍手〕
#27
○石井みどり君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地域において効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、必要な医療及び介護の総合的な確保を推進するため、医療法、介護保険法等の関係法律の所要の整備等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、公聴会を開催したほか、要支援者に対する訪問・通所介護の地域支援事業移行による影響、一定以上所得者に係る介護保険の利用者負担引上げの妥当性、新たな基金制度の在り方、地域医療構想実現に向けた具体的支援策、医療事故調査制度に係る課題、特定行為に係る看護師の研修制度の在り方等について、安倍内閣総理大臣にも出席を求め質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑終局を採決で決した後、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して森本真治委員より反対、日本維新の会・結いの党を代表して東徹委員より反対、みんなの党を代表して山口和之委員より反対、日本共産党を代表して小池晃委員より反対、社会民主党・護憲連合を代表して福島みずほ委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(山崎正昭君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。津田弥太郎君。
   〔津田弥太郎君登壇、拍手〕
#29
○津田弥太郎君 民主党・新緑風会の津田弥太郎です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に対し、断固反対の立場から討論を行います。
 冒頭、本法案については、個々の条文以前の問題として、性格の決定的に異なる十九本もの法案を無理やりに一括提出するという、政府のこれはまさに暴挙に対し、改めて強く強く抗議をする次第であります。
 厚生労働委員会におきましては、委員長や与党理事の一定の理解も得て、中央公聴会を開催するなど、本法案について審議に工夫を凝らしてまいりました。しかし、そのような現場の必死の努力にもかかわらず、絶対的な審議時間の不足をカバーすることは到底できませんでした。
 この点に関し、今週月曜日の中央公聴会に出席された公述人からも、十九本もの法案を束ねた本法案の拙速な審議には警鐘が鳴らされ、このような不十分な審議のまま見切り発車となれば、将来に禍根を残すとまでの意見陳述が行われたわけでございます。
 にもかかわらず、それから僅か一日しかたっていない昨日の委員会において、次回定例日に審議を継続すべきとの全野党の声を完全無視し、数の力で採決が行われたわけであります。
 そもそも、十九本もの法案の一括提出という暴挙も、さらには本法案に関する本会議趣旨説明資料の誤りについても、厚生労働省の国会軽視の姿勢が形となって表れているものであります。
 私が愛した厚生労働省はどこに行ったんだ。
 内容的にも多くの問題があります。しかし、この場で与えられた時間は十分、たったの。十九本もの法案を討論するとすれば、掛ける十で百九十分要るわけです。本来ならそのぐらいの討論が必要であるわけでございますが、断腸の思いで持ち時間の範囲内で反対討論を続けます。
 さて、本法案については、評価できる内容がほんの一部含まれていることは確かです。しかし、法案にはその根幹部分の思想において決定的な誤りがあるのです。
 安倍総理は、六月二日の趣旨説明、質疑の際、社会保障制度の改革に当たっては、自助自立を第一に、共助と公助を組み合わせと明言をされたわけであります。私は皆様に問いかけを行いたいと思います。本当にそれでいいですか。
 国家や社会の基本が自助である、あるいは自立である、それは分からなくもありません。しかし、社会保障というものは、そうした自助自立による生活が困難な方に対し、その命を守り、人としての尊厳ある生活を実現させていく、そのためのものであります。その社会保障が、自助が第一であってよいわけがありません。
 旧厚生官僚出身で、上智大学の教授をされていた堀勝洋先生の「社会保障法総論」、この中に以下が明確に書かれています。よく聞いてくださいよ。社会保障とは、生活上の様々な困難に直面した国民に対し、その生活を健やかで安心できるものにするため、国家の責任で生活保障の給付を行う制度である。
 まさに、社会保障においては、国は財政面を理由にして逃げることは許されず、あくまでも公助、共助、自助の順でその充実が求められるところであります。自助が第一で、公助が二の次の安倍政権の姿勢は、今回の法案において、いわゆる要支援切りの問題として具現化されることになりました。
 議場内の皆様に簡単な質問をいたします。国民はなぜ真面目に介護保険料を支払っているのでしょうか。答えられますか。答えは、将来、給付が受けられるようにですよね。
 今回の法案では、これまで介護保険の給付として行われてきた要支援者への通所介護、訪問介護が市町村事業に移行されることとなりました。
 考えてください。要介護状態に進んでなりたい国民は一人もいません。今回、給付から外されようとしている要支援者への支援は、要介護状態に陥ることを防ぐ重要な役割を果たすものであります。まさに、専門職によるサービスを受ける権利が、保険料を真面目に支払ってきた国民に対して認められるべきものなのです。
 全野党が法案に反対する中で、自公両党が一方的に給付の範囲を縮小することは断じて許されるものではなく、保険原理からいっても、まさに国家的詐欺と言っても過言ではありません。
 また、一定以上の所得がある方に対し、介護保険の利用者負担を現行の一割から二割に引き上げる点について一言申し上げます。
 私は、その理念的趣旨を理解いたしますものの、厚労省の提案内容は余りにもずさんなものでありました。結果として、法案提出前の審議会や衆議院での委員会審議で行ってきた説明を、本院における委員会審議で何と撤回せざるを得なくなったわけであります。
 介護保険の財政が厳しいという理由のみで、十分な検討を行わないまま、安易に利用者の負担増を求めるやり方は、国民の介護保険に対する信頼を失墜させるのみなんです。安倍政権の自助第一の姿勢、公助軽視の姿勢が、これらの介護軽視を生じさせているのであります。
 消費税率の引上げによる今年度の増収は約五兆円です。このうち、介護の充実分は何とたった四十三億円、〇・〇九%にすぎないわけであります。一%のそのまた十分の一にも満たない。これ以上政府が介護をないがしろにしていれば、間違いなく介護分野の人材不足にも拍車が掛かるでしょう。我々はそうした状態を見過ごすわけにはいきません。
 この際、連立与党の一角、公明党の皆様に申し上げたいと思います。
 御党は、結党以来、福祉の党を標榜されてきました。御党の考える福祉は、自助第一で行われるものですか。
 我が国の外交防衛の根幹を揺るがす集団自衛権の解釈改憲に対し、御党が安倍総理の横暴に歯止めを掛けようとしていることは大変結構なことです。是非、頑張っていただきたい。しかし同時に、足下の社会保障、国民生活の根幹を支える社会保障が今まさに大きく揺らいでいるのだという事実にもどうか目を向けていただきたい。私、津田弥太郎からの心からのお願いでございます。
 本法案には、このほか多くの懸念材料がありますが、時間の関係上、割愛せざるを得ません。
 社会保障の維持、充実を信じ、消費税の引上げをやむなく認めた多くの国民にとって、本法案の成立はまさに国会による重大な裏切り行為であることを指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#30
○議長(山崎正昭君) 高階恵美子君。
   〔高階恵美子君登壇、拍手〕
#31
○高階恵美子君 自由民主党の高階恵美子です。
 私は、自由民主党、公明党を代表し、ただいま議題となっております地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 本法案は、個人の努力では対応困難な生活上の困窮リスクを公的に救済する社会保険の中で、特に疾病や障害に対する医療、介護を地域の実情に応じて提供できるよう一体的に見直し、体系化しています。
 都市部への人口集積の結果、地域ごとの人口構成比には大きな差異が生じ、家族の生活形態も変化しています。公的な医療、介護に期待されることは、そこに暮らす人々の年齢構成や健康状態に応じて、必要な診断、治療、療養上の世話、介護支援を利用可能な形で安定的かつ適正に提供することであります。
 救急医療や高度急性期医療を行う治療施設、回復を目指す療養施設、要介護状態に対応する施設は、いずれも利用者の立場でいえば一時的な生活の場です。また、地域の在宅ケアが不足しているために治療を終えても自宅へ帰れないという制約や、施設を移るたびにサービスが分断されるなどの不具合は一刻も早く解消しなければなりません。
 こうした観点に立ち、医療、介護の課題解決のために、提供するサービスの種類と量、提供体制、配置する人材の確保を地域ごとに構造化して見極め、計画的に整えていく仕組みとして、本法案では消費税財源を活用した基金が都道府県ごとに創設されることとなっております。
 年齢別の受療率や一人当たり医療費の伸びに象徴されるように、加齢とともに医療の必要性は増してきます。しかし、高齢化率の高い地域には医療資源が乏しく、診療科も偏るなど、十分な医療提供体制となっていないのが実態であります。まさしく、今この問題を改善しなければ、いずれ我が国の公的医療・介護が国民の求める医療・介護需要にふさわしいサービスを提供できなくなることは明白です。
 本法案によって、都道府県にはこれまで以上に重要な役割が求められることとなりますが、それは将来にわたって地域住民の命と暮らしを守るという自治体の責務を一層明確にすることでもあります。その点において、国と都道府県が一丸となって改革に取り組み、持続可能な医療・介護制度の基盤強化につなげていくことが肝要と考えます。
 また、医療、介護を利用するときに最も重要な要素の一つは、サービス提供に当たる人材の技術水準と層の厚さです。この点では、従来の地域医療支援センター事業を法定化し、地域医療に従事する人材を確保することや、未就業の有資格者を把握して再就業に結び付けること等により、看護職などの医療・介護・福祉分野への就業を積極的に後押しする工夫が盛り込まれました。
 さらに、コメディカルの学術基盤の醸成と技術水準の向上を踏まえ、看護職や診療放射線技師などの専門性を有効活用する取組が行われ、これからは各地で多様なチーム医療が展開されると期待されます。
 参議院厚生労働委員会は常に丁寧な審議を旨としておりますが、中でも本法案については、参考人質疑、公聴会、総理質疑を含め、衆議院に匹敵する時間を掛けた熟議を行いました。
 特に、医療事故調査の仕組みは大きな論点でした。患者御遺族始め医療関係者の御努力により、医療事故の再発を防止し、医療に対する信頼性及び医療安全確保を推進するための第一歩としてこの度の法案をおまとめいただきましたので、まずはこれを実現させ、次なる医療の質の向上に導くことが政治の責任と考えます。
 また、介護予防給付の地域支援事業への移行については、地域性、高齢者の個性や暮らし方、近隣との結び付きも様々であることから、必要な専門的サービスは従来どおりに維持した上で、多様な主体によるサービスも提供可能としています。これは、高齢者にとって身近な地域での支え合いをより充実させ、一人一人にふさわしい支援を地域内に育てようとする、言わば規制緩和策とも言えるものであります。
 本法案により、地域ごとに充実した医療提供体制が整備され、地域包括ケアシステム構築を進めることは、持続可能な社会保障制度を確立し、次世代に受け継いでいくために是非とも必要であることを強調し、自由民主党、公明党を代表しての賛成討論を終わります。(拍手)
#32
○議長(山崎正昭君) 東徹君。
   〔東徹君登壇、拍手〕
#33
○東徹君 日本維新の会・結いの党の東徹です。
 会派を代表いたしまして、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案について、反対の立場から討論を行います。
 本法律案は、効率的かつ質の高い医療提供体制や、地域包括ケアシステムの構築を通じて医療と介護の連携を進めるなど、団塊の世代が七十五歳以上を迎える二〇二五年を控え、我が国における超高齢化社会の進展への対応策が盛り込まれていることについて、一定の評価はしております。
 しかし、残念ながら、少なくとも以下の三点について、本法案には問題があると考えます。
 まず一点目は、医療事故調査制度です。
 これは、予期せぬ死亡又は死産が生じたときに、それを医療機関の管理者が医療事故であると判断する場合に限って調査、報告の対象とする制度です。
 厚生労働委員会の審議の中で、厚生労働大臣は、責任を追及することを目的とする制度ではないから、医療機関の管理者において適切に医療事故かどうか判断がなされることになると答弁されました。しかし、これでは医療事故かどうかの判断すら微妙であり、むしろ、調査すべき死亡事案について、医療機関の管理者の判断によって調査対象外とされてしまいます。これでは、結局、医療事故の原因究明と再発の防止というこの制度の目的にそぐわない結果を招いてしまいます。少なくとも、患者の遺族の方から医療事故調査・支援センターに対して調査を依頼できる仕組みに変更すべきであります。
 この医療事故調査制度についてだけでも、この法案の内容は非常に不十分であり、もう一度見直すべきと考えます。
 次に二点目は、今回の法案の新たな財政支援制度である新しい基金です。
 この基金は、消費税増税分を活用して設立されるもので、今回の法案にある在宅医療の推進や医師、看護師確保のための事業などに用いられるものです。しかしながら、これらの事業の多くは、平成二十一年度に設けられた地域医療再生基金により既に実施してきた事業と内容が重複をしております。
 地域医療再生基金は、今まで約五千億円もの多額の税金をつぎ込んでおり、行われた事業の結果や費用対効果など、しっかりとした検証を行う必要があります。しかし、十分な検証はなされないまま、今回新たな基金がまた創設され、今後一千億円ずつ税金が毎年使われようとされ、その成果を適正に判定する事業実施後の数量的な評価の仕組みも不十分です。国民に消費税の引上げという新たな負担をお願いしておきながら、それを用いる各事業の効果などを見極めないまま漫然と費消することになり、国民に対して不誠実であります。
 最後に三点目は、この法案の提出の仕方であります。
 今まで何度も指摘されているところでありますが、今回の法案では、十九本もの法案審議と採決が一本化されています。そもそも、社会保障改革プログラム法案では、医療と介護は別の条に規定されており、一括法として提出することは求められておりません。その上、今回、臨床研究中核病院の医療法への位置付けなど、医療と介護の連携とは直接関係のない内容も多く含まれています。
 このようなやり方は、国会のチェック機能をないがしろにするものであり、二度と行うことのないよう強く要請をいたします。自民、公明の皆さんも、野党であれば到底このような手法を許すとは思えません。
 本法案への代表質問の際、私は、与党の皆様に対しても、何でも一本化して審議するような手法をただ許すのではなく、与党は単なる役所の追認機関とやゆされないよう、しっかりと審議していただきたいことをお願い申し上げました。
 しかしながら、参議院本会議での配付資料の記載ミスなど、厚生労働省の不手際があり、審議の開始が大幅に遅れることによって、本法案は非常に重要な内容であるにもかかわらず、会期末に慌てて審議を行わざるを得なくなりました。本来、このような重要な法案は、会期を延長してでも審議すべき内容です。
 このような重要な法案を今の国会の仕組みでは十九本も束ねて審議するしか方法がないということであれば、衆議院と参議院を一院制にして、通年国会にするなど、国会の仕組みを早く見直すべきであります。
 以上の三点から、この法案には反対し、真に将来世代への責任ある抜本的な社会保障制度改革こそが何よりも必要であることを申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)
#34
○議長(山崎正昭君) 薬師寺みちよ君。
   〔薬師寺みちよ君登壇、拍手〕
#35
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 私は、みんなの党を代表いたしまして、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。
 本法案では、従来の病院完結型から地域完結型の医療、介護への転換を図り、医療、介護の川上に位置する病院の機能分化の政策と、退院患者の受入れ体制の整備という川下の政策に一体で着手したことについては評価できます。しかし、日本の医療提供体制が抱えている真の問題は置き去りのままなのです。
 日本の人口当たりの医師数、看護師数は欧米諸国と比較しても大差はありませんが、病院数、病床数が多過ぎるため、病床当たりの人手が非常に不足し、過剰労働が常態化いたしております。このことが医療事故のリスクを高め、一人一人の患者への十分な対応を阻んでおります。これらの要因を解決できねば、本法案の目的でもある持続可能な医療・介護制度の確立は不可能です。
 我が国の医療システムの長所は、フリーアクセス、開業自由の原則、出来高払による支払方式だと言われてまいりました。しかし、持続可能な医療・介護制度の確立のためには、この長所もいま一度考え直す時期に来たのではないでしょうか。
 フリーアクセスが、大病院志向のみならず、かかりやすさが災いして、簡単に医療機関に行くというモラルハザードを助長いたしております。また、開業自由の原則も、医師や医療機関の量的な拡大に貢献してきた反面、無秩序に行われてきたため、医師や病院の地域的偏在という弊害を引き起こしてしまいました。そして、出来高払方式も、薬漬け、検査漬けと呼ばれる過剰診療をもたらしたと言わざるを得ません。
 本法案では、これら諸問題については全く手が着けられぬまま、老朽化した基礎の上に地域包括ケアという巨大な二階部分を建て増してしまいました。消費税増税という国民に痛みを伴う改革を押し付けておきながら、核心部分には一切触れず、いつ壊れてもおかしくない医療、介護の一体改革を行うこと自体が本法案の一番の問題なのです。既に、医療、介護が抱える諸問題は、単に予算を増額しても抜本的に改革につながらないことに誰しもが気付いているはずです。
 病院を建築しても地域医療の問題は解決せず、政策的医療という名の下、地方自治体病院は赤字を垂れ流し、さらに、診療報酬や介護報酬に加算項目を設けても勤務医の労働環境は改善せず、介護職の待遇改善も図られてはおりません。
 財務省は、医療費増加の根本的な問題を直視せず、相変わらず官僚統制的な手法に終始しています。患者の視点からの医療サービスの合理化を通じて、医療費の適正化を図ることこそが求められているのです。
 そして、今、日本は、二〇二五年という亡霊に取りつかれてしまったようです。あと十年しか残されていないという恐怖心と超高齢化社会に対する不安に満ちあふれ、政治家も官僚も、改革のラストチャンスだ、改革を先延ばしにはできないと声高に叫んでおります。
 果たして本当にそうなのでしょうか。二〇二五年という爆弾が爆発した途端、急激に何かが変化するわけではないのです。もう少し冷静になり、足下の改革から始めていかなければ、医療、介護における抜本的な問題の解決にはつながりません。
 また、健康長寿国、日本の医療、介護は、医療、介護者の善意の上に成り立っていることを我々は忘れてはなりません。残念なことに、医療者、介護者各々の努力にもかかわらず、結果として提供されている医療、介護の総体が不十分で非効率なものになっています。
 問題の根源は、個々のサービスの提供者にあるのではない以上、今のシステムのままでは、当事者が努力し続けても抱える問題を克服することは困難です。過労死水準を超え勤務している医療者を守るためにも、介護従事者の処遇改善を図るためにも、今こそ医療・介護提供体制の構造的な改革を断行しなければなりません。
 さらに、高齢化社会では、複数の病気を持つ高齢者の増加に対応するために、プライマリーケアの充実が必要となります。従来の診療科別の開業医だけではなく、患者の身体と精神面を総合的に診療し、基礎的な治療を行い、必要に応じて専門医に紹介するとともに、地域住民の健康増進や予防の役割も担う家庭医が不可欠なのです。家庭医がゲートキーパー役となり、専門医に紹介するシステムが構築されれば、患者にとっての質の高い医療サービスが提供できるとともに、検査や投薬の重複など、医療費の無駄を省くための切り札ともなり得ます。
 近年、医療はますます高度化し、専門性も幅広くなっております。このような状況下においては、一人の医師が全てをカバーするのではなく、チームでそれぞれの役割を担っていくことが時代の要請です。現在の日本のチーム医療はグループ医療の域を脱せず、チーム医療後進国とも呼ばれております。グローバルスタンダードのチーム医療とは、医師や看護師のみならず、チームに関わる全ての職種がフラットな関係性を保つことによってシームレスな医療提供を行うことなのです。
 本法案の特定行為に係る看護師の研修制度は、専門性を高めた新たな職種の導入について、医療機関等の要望や実態等を踏まえ、五年にわたる検討が行われてまいりました。しかし、その出口は、当初想定されていた特定看護師という国家資格の創設どころか、研修も義務化されず、業務独占、名称独占でもありません。看護師が医学を学ばず医業を患者に提供する制度となったことで、安全な医療が担保されなくなったと言っても過言ではありません。
 さらに、本法案における医療事故に係る調査の仕組みでは、今後作成されるガイドライン次第で病院の自己防衛に偏った仕組みになるのではないかと危惧されております。過去に起こった医療事故で病院の隠蔽体質に傷つけられた御遺族の皆様方が納得できる公平性、中立性、透明性が担保された調査制度でなくてはならないはずです。
 しかし、残念なことに、本法案では、遺族が院内調査を発議できず、遺族への報告書の提出も義務付けられてはおりません。医療事故に真摯に向き合い、原因究明と再発防止に資する医療事故調査制度の構築に向け、本法案を一里塚とし、今後も不断の見直しを図らなければなりません。
 これまで、抜本的改革の必要性と特定行為に係る研修の仕組み、医療事故調査制度について反対の理由を述べさせていただきました。
 しかし、本法案が国会に提出された時点で既に間違っていたのです。本法案は、少しでも関連性があれば全てが許されると言わんばかりに、十九本にも及ぶ法改正を一括したものです。十九本の一つ一つが、国民の大切な命を守り、生活に密接に関わる法改正なのです。せめて、医療、介護、看護師の特定行為に係る研修制度、医療事故調査制度の四項目に分け、丁寧な法案質疑をすべきだったのではないでしょうか。国会にあしき前例を残すこのような乱暴な法案提出を二度と行わないことを政府は肝に銘じ、国民に謝罪すべきです。
 最後に、地域の人々が望む医療や介護制度を確立するためには、業界団体の声で政策を決定するのではなく、政府は、国民の声と真摯に向き合い、耳を傾け、真に何が必要なのかをゼロベースで検討しなければならない時期に来たということを強く申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
#36
○議長(山崎正昭君) 小池晃君。
   〔小池晃君登壇、拍手〕
#37
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、医療・介護の総合的確保を推進する法案について、反対討論を行います。
 反対の理由の第一は、介護保険利用料二割負担の根拠が完全に崩壊したにもかかわらず、政府がこれを撤回しようとしないことであります。
 政府は、年金収入二百八十万円の世帯では、平均的な消費支出をしても年間六十万円が余るので、介護利用料の二割負担は可能だということを唯一の論拠にしていました。しかし、参議院での質疑で、その説明は完全に崩壊し、六十万円余るという説明は撤回され、大臣は反省していると述べました。昨年の介護保険部会でこの説明に疑問を投げかけていた委員は、参考人質疑で、驚きと怒りを覚える、介護保険部会に差し戻すべきだと述べられました。このような法案をこのまま採決にかけるなど、国会の自殺行為というべきであり、法案は断固として撤回すべきであります。
 第二に、要支援者への訪問・通所介護を保険給付から外し、市町村の地域支援事業に置き換えることが受給権の剥奪にほかならないからであります。
 これもまた、参議院での審議の中で、地域支援事業に移行した場合の専門的サービスは、多くとも現状維持であり、二〇二五年度には五割程度になるという試算が示されました。これでは、新たに要支援と認定された人にはボランティアなどのサービスしか提供されなくなるおそれがあります。
 政府の試算では、要支援者の伸びを抑制するとしています。もちろん、介護予防の充実で状態が改善して非該当と認定されるならば大いに歓迎すべきことですが、実際にモデル事業が行われている地域では、行政が関与した地域ケア会議によって介護保険からの卒業が強要され、サービスが打ち切られる例が多数報告されています。これは卒業とは程遠い強制退学にほかなりません。
 政府は、地域支援事業になっても適切なサービスが維持されると弁解しますが、今回の制度改変により、要支援者への給付費の伸び率五・六%を三・七%に抑制することになります。その結果、二〇三五年度での給付抑制は二千六百億円に上ります。大規模な給付費削減がサービス単価や人件費の切下げ、利用者の負担増につながり、介護サービスを量、質共に低下させることは明白ではありませんか。
 第三に、特別養護老人ホームへの入所を要介護三以上に限定することにも、何の道理もないからであります。
 五十二万人の特養待機者のうち、十七万八千人は要介護一、二です。現在でもこうした方々は入所待ちの行列に並んでも後回しにされていますが、今後は行列に並ぶことすら許されなくなってしまいます。
 本法案では、これだけ多数の方々の特養入所の権利を奪いながら、それに代わる施設計画は一切示されておりません。大臣も特養待機者の増大の背景に低所得高齢者の増加があることを認めながら、低所得者には利用できない有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の建設を民間に依存するだけで、特養建設のための抜本的施策は示していません。このままでは、都市部を中心に介護難民化、老人漂流社会は一層深刻にならざるを得ないのであります。
 特養ホームの大幅増設ではなく、要介護一、二の人を待機者にカウントしないことで見せかけの待機者の数を減らすというのは、余りにもこそくなやり方ではありませんか。
 以上のように、本法案は、介護保険の根拠なき負担増を押し付け、給付範囲を大幅に狭めるなど、あらゆる面で制度の根幹を揺るがす歴史的大改悪であると断じざるを得ません。
 反対理由の第四は、上からの強権的な医療計画の押し付けで、国民の医療を受ける権利が侵害されるからです。
 医療法の改定により、都道府県主導で病床の再編、削減を推進する仕組みには与党議員からも懸念の声が出されました。厚労省は、都道府県の病床計画に病院が従わない場合、医療機関名の公表、各種補助金や融資対象からの除外などの制裁措置をとるとしていますが、中央公聴会では公述人から、医療機関同士の信頼関係を壊すものという指摘がありました。
 日本の国民皆保険制度を支えてきたのは、自由開業医制度と、フリーアクセスの原則の下での質の高い開業医と民間病院、公的病院の献身的な努力と自発的な連携でした。上からの強権的なベッド規制は、世界に冠たる国民皆保険制度の根幹を揺るがす危険をはらむものであり、到底容認できるものではありません。
 医療事故調査のための第三者機関についても、看護師による特定医行為の実施についても、様々な懸念が示されました。何よりも、これらは一つ一つが医療制度や国民の生命、健康にとって重大な制度改変であり、本来なら別々の法案として、十分な時間を掛けて慎重に審議すべきものでありました。
 政府が十九本もの法案を一括して提出したことは国会の審議権を奪うものであり、個々の問題についての審議は全く不十分だと言わざるを得ません。このままでは、国民に対する立法府としての責任を果たすことができず、本会議採決など言語道断であります。
 現在、経済財政諮問会議で検討されている骨太の方針二〇一四では、法人税減税に併せて社会保障の自然増抑制までうたわれています。まさに小泉政権時代の社会保障二千二百億円抑制路線が完全復活しつつあります。
 社会保障のためといって消費税を増税したのに社会保障の拡充には回さず、社会保障の拡充を求めると財源不足を口実に拒否し、舌の根も乾かないうちに法人税の減税に走り出し、その財源は社会保障の削減で賄う、これほど身勝手で無責任な政治が許されるはずがないではありませんか。
 本法案は、社会保障大削減路線を推進するものにほかなりません。このままでは、医療崩壊、介護難民という事態が一層大規模に進行することになるでしょう。しかし、この道は、かつて国民から厳しい批判を浴び、自民党政権の崩壊をもたらした道です。再び同じ道を進み始めた自民党に、いずれ国民から厳しい審判が下されることは間違いないと確信するものであります。
 働く人の犠牲を前提とした成長戦略、戦争する国に突き進む憲法破壊の集団的自衛権行使容認、福島の苦しみを置き去りにしたままの原発再稼働、TPP参加による日本農業や医療の破壊、こんな政治に未来はありません。
 日本共産党は、社会保障の充実、応能負担の原則に立った税財政の改革、国民の所得を増やす経済改革を一体に行う抜本的対案を掲げています。終わりの始まりを告げた自民党政治に代わる新しい政治、憲法二十五条の生存権保障を全面的に実現する改革の実現のために奮闘する決意を述べ、反対討論といたします。(拍手)
#38
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#39
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#40
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#41
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十一  
  賛成            百三十五  
  反対              百六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#42
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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