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2013/11/20 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 国家安全保障に関する特別委員会 第5号
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2013/11/20 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 国家安全保障に関する特別委員会 第5号

#1
第185回国会 国家安全保障に関する特別委員会 第5号
平成二十五年十一月二十日(水曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     石田 昌宏君     江島  潔君
     高野光二郎君     北村 経夫君
     石上 俊雄君     白  眞勲君
     大野 元裕君     安井美沙子君
     藤末 健三君     小川 敏夫君
     牧山ひろえ君     加藤 敏幸君
     河野 義博君     山本 香苗君
     寺田 典城君     和田 政宗君
     山下 芳生君     仁比 聡平君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     加藤 敏幸君     藤末 健三君
     白  眞勲君     増子 輝彦君
     安井美沙子君     大野 元裕君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 雅治君
    理 事
                佐藤 正久君
                島尻安伊子君
                西田 昌司君
                芝  博一君
                福山 哲郎君
                石川 博崇君
    委 員
                猪口 邦子君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                江島  潔君
                北村 経夫君
                上月 良祐君
                佐藤ゆかり君
                二之湯武史君
                三宅 伸吾君
                小川 敏夫君
                大野 元裕君
                加藤 敏幸君
                神本美恵子君
                藤末 健三君
                増子 輝彦君
                安井美沙子君
                矢倉 克夫君
                山本 香苗君
                小野 次郎君
                和田 政宗君
                井上 哲士君
                仁比 聡平君
                中山 恭子君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       修正案提出者   後藤 祐一君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       法務大臣     谷垣 禎一君
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣     森 まさこ君
   副大臣
       内閣府副大臣   岡田  広君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       北崎 秀一君
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       内閣官房内閣審
       議官       能化 正樹君
       内閣官房内閣情
       報調査室内閣審
       議官       鈴木 良之君
       外務大臣官房審
       議官       金杉 憲治君
       防衛省防衛政策
       局長       徳地 秀士君
       防衛省運用企画
       局長       中島 明彦君
       防衛省地方協力
       局次長      岡  真臣君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案
 (第百八十三回国会内閣提出、第百八十五回国
 会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中川雅治君) ただいまから国家安全保障に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、石上俊雄君、寺田典城君、河野義博君、山下芳生君、石田昌宏君、高野光二郎君、大野元裕君、藤末健三君及び牧山ひろえ君が委員を辞任され、その補欠として増子輝彦君、和田政宗君、山本香苗君、仁比聡平君、江島潔君、北村経夫君、安井美沙子君、小川敏夫君及び加藤敏幸君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(中川雅治君) 委員会の開会は一時を予定しておりましたが、鈴木内閣審議官が政府参考人として呼ばれておりましたが遅刻をしておりましたので、委員会の開会が遅れました。誠に遺憾であり、こうしたことのないように今後とも強く求めます。
 まず、鈴木内閣審議官より本日の遅刻の理由について釈明をしてください。鈴木内閣審議官。
#4
○政府参考人(鈴木良之君) この度、政府の連絡ミスによりまして、一時から出席すべきところを遅刻いたしまして、申し訳ありませんでした。
#5
○委員長(中川雅治君) 誠にこれは委員会として遺憾に思います。
 官房長官より釈明をお願いいたします。菅内閣官房長官。
#6
○国務大臣(菅義偉君) 参考人の遅れで委員会の審議進行に大変な御迷惑をお掛けしましたことを、政府を代表して心からおわびを申し上げる次第でございます。
 以後、このようなことがないようにしっかりと対応してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
#7
○委員長(中川雅治君) 安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。気持ちを切り替えていきたいというふうに思っております。
 国家安全保障会議設置法案につきましては、六年前の第一次安倍内閣でも同じような法案が提案をされていたわけであります。残念ながら、このときは審議に入ることなく廃案となっております。今回は、衆議院において、自民、公明のほか、民主、みんな、それから維新の賛同を得て衆議院を通過して、参議院に送られてまいりました。
 まだこの法案の行方は予断を許さないわけでありますけれども、この法案に対する総理の思い、そして成立した場合の運用についてどのようにお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国家安全保障会議は、外交・安全保障に関する諸課題について、総理大臣を中心として関係閣僚が平素から戦略的観点を持って審議を行い、そして政治が強力なリーダーシップを発揮をして、政府として国家安全保障政策を機動的、戦略的に進めていくために設置をするものであります。我が国をめぐる安全保障環境が悪化する中において、国家国民の安全を守るためなくてはならない組織であると、是非とも早急に設置をしていただきたいと思います。
 会議発足後は審議が活発に行われることが重要でありまして、特に中核となる四大臣会合は、外交・安全保障に関する諸課題について、私、官房長官、外務大臣、防衛大臣が月二回程度、定例的に、また必要に応じて機動的に審議を行っていくことにしております。つまり、少人数において、常に同じ認識を持ちながら、課題について頭の中でブレーンストーミングをしているということになるわけでありまして、何か起こったときに共通の認識の下に対応していくことができると、また意思疎通が常々図られているということにもなるわけであります。
#10
○島尻安伊子君 この法案のポイントというのは四大臣会合の新設ということだというふうに思っております。この四大臣会合について、総理は御答弁の中で、外交・安全保障に関する諸課題について、関係閣僚から平素から審議を行い、今まさに御答弁があったわけでありますけれども、外交・防衛政策の司令塔として機能し、戦略的な観点から基本的な方向性を示しますというふうにおっしゃっておられます。
 この四大臣会合のテーマについては、在日米軍再編、我が国の領土をめぐる諸課題なども挙げておられますけれども、沖縄の基地問題、尖閣をめぐる問題について、四大臣会合を中心にどのように進めていこうと考えておられるのか、お伺いをいたします。
#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国家安全保障会議においては、その時々の安全保障にかかわる重要な課題について議論をしていくことになります。今委員が御指摘をされました沖縄における米軍基地の問題、そして尖閣諸島をめぐる問題、我が国の安全保障の根幹に影響する極めて重要、重大な問題であると、このように考えておりますので、当然、国家安全保障会議において審議を行っていきたいと、このように思います。
 審議の具体的な進め方や内容についてはお答えすることは控えさせていただきたいと思いますが、こうした課題も含めて、日本の安全を守るためにしっかりと議論し、そして備えておくこと、適切に判断、対応してきたいと、このように考えております。
#12
○島尻安伊子君 また、本法案において、議長たる総理は、議案を限って必要があると認めるメンバー以外の国務大臣を臨時に会議に参加させることができるというふうになっております。在日米軍再編などについて四大臣会合で審議する際、当該四大臣のほか、どのような国務大臣が議論に参加することがあり得ると考えられるのか、お伺いをしたいと思います。
#13
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 四大臣については、先ほど申し上げましたように、私と官房長官と防衛大臣と、そして外務大臣でありますが、必要があると認めるときには関係のある国務大臣を会議に出席させ、意見を述べさせることができると、こうなっておりますが、例えば、在日米軍再編の問題の審議に当たっては、特に沖縄における米軍基地について議論する場合など、必要に応じて沖縄北方担当大臣等の関係閣僚を議員として参加させることを考えております。
#14
○島尻安伊子君 ちょっと話題を変えたいというふうに思います。
 本日、お昼の時間に総理はケネディ新大使とお会いになったというふうにお聞きをしておりますが、実は以前に、我々の仲間の沖縄一区の國場幸之助衆議院議員が、実はケネディ大統領が沖縄に来たことがあるんだということをおっしゃっていまして、国会図書館で調べてもらいました。文献が三冊とネット上での記載を見付けたんですけれども、一九五一年の十月に、当時まだ下院議員だったケネディ大統領、大統領になる前ですね、日本を含めてアジア諸国への視察旅行に出た、そのときに、高熱に襲われて危篤状態に陥ったと。急遽、まだ当時アメリカの統治下にあった沖縄の海軍病院に運ばれて九死に一生を得たという話がございます。お体が余り丈夫ではなかったということも同じように書いてあったわけでありますけれども、大変に縁のある沖縄には、ケネディ大使に早くいらしていただければなというふうに思っております。
 今回の大使の日本への、数日前に来られたわけですけれども、いろんな報道を通じて、大変に熱意とそれから覚悟を感じる、私はそういうふうに感じるんですけれども、総理、今日お会いになって、第一印象といいますか、第一印象ではなくて、過去にお会いになっているかもしれませんけれども、大使としてお会いになったのは多分初めてなのではないかと思いますけれども、印象をお聞かせいただければと思います。
#15
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどケネディ新大使とお目にかかりまして、昼食を共にしたところでございます。冒頭、オバマ大統領の親書をいただいたわけでございますが、お話をしてみて、私、初めてお目にかかったのでありますけれども、日米同盟の重要性について十分に認識をしておられ、また同時に、日米の様々な課題、沖縄の米軍再編の問題等についてもよく認識をしておられると、このように感じたところでありまして、間違いなくいい大使になっていただけるんだろうと、このように期待をしております。
#16
○島尻安伊子君 ありがとうございます。
 本当に縁があるというふうに思っているので、沖縄にとっても、なので、この辺のところを是非、今後また総理、あるいは防衛大臣、外務大臣、あるいはほかの閣僚の皆様方には、どこかに入れておいていただければいいかなというふうに思っております。
 本当に、私、この日米同盟はとても大事なものだというふうに思っておりまして、今回のこの国家安全保障会議の法案成立によって、またいろいろな意味で強化、進める素地ができるというふうに思っております。
 また、現在、在日米軍再編問題に関して、いわゆる日米の2プラス2でございます外務省と国務省のルート及び防衛省と国防総省とのルートが既に存在をしております。今回の日本版NSCの設置によって米国のNSCとのルートも開かれるものというふうに思われますけれども、この在日米軍再編問題に関して、国家安全保障会議としてどのように外務省、防衛省、その他関係省庁の間の調整を行って、米国との関係を整理していくのか、また、この既存の外交・防衛当局間のルートがそのまま維持されるとするならば、国家安全保障会議はどのような役割を担うのか、総理にお伺いしたいと思います。
#17
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 在日米軍再編については国家安全保障会議で議論されることもあり得ると考えますが、その場合、防衛省や外務省、四大臣会合での審議を踏まえて、各々の米国のカウンターパートとの日常的な協議も含め自らの行政事務を遂行していくことになるわけでありまして、国家安全保障局は、外務省や防衛省が四大臣会合の審議を踏まえて各々の行政事務をしっかりと遂行していくよう、幹事会の場等を通じフォローアップをしていくことになります。また、必要に応じて、国家安全保障局の担当局員が外務省、防衛省が参加する日米協議に同席することもあり得ると、このように思います。
 NSCが設立をされたことによって、言わばこうした外交・安全保障の課題について総理大臣の下に一つの方向性をみんなで共有して、その共有された方向性の下についてしっかりそれぞれの役所の役割を果たしていくし、その中においてそれぞれが交渉等を進めていく、またそれがちゃんと言わば進んでいくということにおいて、場合によってはNSCの局員もこれは参加をすると、同席をするということになっていくと思います。
#18
○島尻安伊子君 外務大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、この在日米軍再編に関する情報というのは特定秘密になるのでしょうか。
#19
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、平素から秘密指定のされていない関連情報及び秘密とされる情報のうち真に必要と判断される情報につきましては、必要な手続を経て開示、説明するよう努めてきております。在日米軍再編に係る情報についても、同様にこの開示、説明の努力をしなければならないと認識をしております。
 そして、この在日米軍再編に係る情報の秘密指定につきましては、個別にその内容等を踏まえて行うものですから、当該情報が特定秘密に当たるかどうかにつき一概に申し上げること、これは困難ではありますが、特定秘密保護法が成立した後、特定秘密に指定されることが想定される情報は、現行の法令において秘密とされる情報のうち特に秘匿度の高いごく一部の情報であると認識をしております。
 先ほど申し上げました全体の政府としての開示、説明努力、この点については変化がないと認識をしております。
#20
○島尻安伊子君 是非、全国民にとってもそうですが、特に今沖縄県民にとって、この在日米軍再編に関しての情報というのは大変重要なというか、ものになってきますので、大臣おっしゃったように、この開示、説明の努力というのは是非お願いしたいというふうに思います。
 外務大臣に続けてお伺いをします。
 日米両政府は十月の三日、去った十月三日でありますけれども、日米2プラス2においてグアム移転協定の改定議定書に署名をしております。
 この改定議定書に関する承認案件の国会提出についてなんですけれども、これ次期常会となるのか、ちょっと外務大臣からお答えをいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(岸田文雄君) グアム協定につきましては、昨年四月の2プラス2共同発表におきまして、在日米軍再編計画の調整を受け、現行のグアム協定に関してとるべき措置、協議を続けてきました。結果、このグアム協定を改正するということについて合意を行うこととして、先ほど御指摘がありましたように、十月三日、日米2プラス2の機会にグアム協定改正議定書の署名を行った次第であります。
 次期通常国会に提出する条約については、今後、適切なタイミング、政府として判断するということになると思いますが、今申し上げましたような経緯を考えますときに、政府としてはできるだけ早期に締結を目指していきたいと考えております。
#22
○島尻安伊子君 是非、この提出及びこれを通過させるということを、我々としても一生懸命、政府とともに頑張っていきたいというふうに思っております。
 最後になりますけれども、嘉手納以南の統合計画について防衛大臣にお聞きをしたいと思っております。
 この計画、統合計画を本年四月、日米両政府によって示されたわけでありますけれども、問題は、これをきちんと実行しないといけないというふうに思います。意味がないというふうに思っております。
 どう実行していくのか、あるいは防衛大臣のきちんとやるんだという意気込みを、(発言する者あり)意気込みということを後ろから言われましたけれども、それを是非お聞かせいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(小野寺五典君) 国土面積の〇・六%の沖縄に全国の七四%の米軍基地が集中しているということであります。政府を挙げて沖縄の負担軽減、これに全力で取り組んでまいります。
#24
○島尻安伊子君 ありがとうございました。
#25
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 今日は、NSC法案について総理に対する時間をいただきまして、ありがとうございます。時間がないので、早速用件に行きたいと思います。
 実は、お手元にお配りをした資料、テレビを御覧いただいた皆さんにはこちらの資料でございますが、(資料提示)NSC法案、民主党も修正案を提出をいたしまして、政府に二つは要望をのんでいただきました。我々は、このNSC、我々の時代の防衛大綱にも創設をうたっておりましたので、決して反対ではありません。そして、四つ我々が要望した部分に対して二つだけのんでいただいて、二つ残っております。それがこの表にあるものでございますが、今日は、二つ目のNSC会議の議事録の作成を義務付けるという修正の問題について、総理を中心にお話をさせていただきたいというふうに思っております。
 総理に大変失礼だとは思いますが、総理もよく御案内のように、一九六二年の十月の十六日から二十八日までキューバ危機がございました。これは、まさに米ソが核戦争を起こすかもしれないというような状況の中での非常に緊張した、世界が緊張した数日間でした。私、学生時代に若干このことを勉強した経験があったので、このキューバ危機のときはアメリカのいわゆるNSCがケネディ大統領、まさに昨日、駐日の大使として着任をいただいたケネディ大使のお父様ですが、そのケネディ大統領を含めたやり取りがどうなのかということをちょっと調べてみました。
 お手元にお配りをした資料を見てください。これ小さい字で恐縮なんですけど、何と、一九六二年の十月の二十七日、JFK、ちゃんとプレジデント・ジョン・F・ケネディ、マクナマラ国防長官、そしてその横には何と、JFKがどういうことを、大統領が当時どんなことを言ったかも全部これ今残っております。
 次のページを見てください。これは、キューバのミサイルミーティングのサマリーというものがありまして、左側でございますが、これはまさにNSCの最高執行会議でのサマリーが残っております。そして、右側が、私びっくりしたんですけど、これテレビを御覧いただいた方は見にくいと思いますが、これは何とそのミーティング、NSCのミーティングの際のケネディ大統領の走り書きのメモまで残っているんです。これはやっぱりすごいんですね。あの世界が震撼したキューバ危機の最中にアメリカはこうやったものを残している。
 私はすごいなと思っておりまして、そして、実はこれ猪口先生が御専門だと思いますが、グレアム・アリソンという方の「決定の本質」、まさに政策決定過程のバイブルと言われている学術書なんですけど、これを見ると、何と、本書で述べられているミサイル危機の三つの分析は全く公文書に基づくものであると書かれているんです。つまり、公文書があって、関係者のヒアリングがあって、こうやって歴史の検証に堪え得る、五十年前にアメリカはこれだけのものを残しているんです。
 私はやはり、すぐに公開しろとは申し上げません。しかし、日本の、総理が言われるように、国家の戦略を考えるNSCの例えば四大臣会合、そこでの議論は少なくとも議事録、議事概要でこのレベルでは残すべきだと私は思いますが、総理、いかが思われますか。
#26
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が指摘をされたように、ケネディ大統領は特にそうした記録を残すことに熱心に取り組んでおられました。最近も世界文化社から本として、彼がレコードに吹き込んだもの、あるいは会談の際にテープで取ったもの等が公開されているわけであります。電話等も記録として、大統領同士、元大統領との電話ですね、キューバ・ミサイル危機が終わった後、それぞれ、アイゼンハワー等に電話をして、そうしたものも全部残っているわけでございます。
 そうした我々も努力をしていくことも、後において歴史として検証する、あるいは政策判断の参考に資するということにおいては大切なことではないだろうかと、このように思うわけでありまして、近年のNSCにおいては、会議の結論について簡潔にまとめた文書が作成されました事後にこれが公開されているということもあるということも承知はしておりますが、同時に、この詳細な議事録は基本的には作成はしていないということになっているわけでございまして、今後、我々、言わば資料としてどう残していくかということについて、今、福山委員が指摘をされたような観点も留意をしながら検討していきたいと、このように思っております。
#27
○福山哲郎君 その総理の御発言だと、この委員会で官房長官や官房副長官からいただいた御発言と変わらないんです、御答弁と。それならこの委員会に総理に来ていただく意味がないんです。逆に言うと、アメリカのNSCは、当然我々もお手本にするというか、参考にしたものだと思います。その中で、これだけのものが現実に残っている状況で、なぜ総理が残そうと、議事録取るべきだと言えないんですか。それがリーダーシップじゃないんですか。
 私は、翻って申し上げます。我々の政権のときに原子力対策本部の議事録が取られてませんでした。今思っても、非常に反省をします。自民党の厳しい御批判をいただいて、継ぎはぎでメモを作って、その中で議事録なりのものを作りましたが、それでも私は足りなかったと思っています。原子力の防災対策本部も当然国民の安全にかかわるものでした。そこのことを反省した上で、当時、自民党の先生がどういうことを言われていたか、御覧いただければと思います。
 中曽根弘文議員、議事録がなければ、当時の政府の事故対応が適切であったかどうかの検証ができなくなり、政府の責任は極めて重いものがあります。町村信孝議員、自民党です、この無責任体質、隠蔽体質が国民の政治不信を呼ぶんですよ、一体いかなる対応を取るか。そして、このお二人は外務大臣経験者なんです。外交に携わって、外交文書がどれほど機密かということをよくお分かりいただいている自民党の本当に経験の深い先生方がこういったことを発言されている。これ、僅か一年前です。
 そして、何と自民党は、齋藤健議員が、当時のキューバ危機、同じようなことを言っておられまして、キューバ危機は一九六二年のことで、五十年前のアメリカにできて日本にできないことはないと思います。次なんです。これからどの政党が政権を取ろうとも、現在に生きる政治家が歴史に対してきちんとしたものを残していくということは、すぐ公にするかどうかは別にしまして、極めて大事なことだと思いますので、世界に遜色のない記録の取り方というものをつくり上げていっていただきたいと思います。
 これ、自民党の議員が我々に向かって言われたんです。全くその言葉を総理にお願いしたい。やっと日本でNSCができる、そのときに議事録を、自民党の先生方は、まさか与党になった途端、野党のときに言っていたことは知らぬという話ではないと思います。これだけのことを自民党の議員も言われ、我々も反省をして議事録を作りました。NSCの四大臣会合について議事録を作ることについて、是非この委員会の中で修正をさせていただきたい。御決意をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が、原発事故にどう対応したかと外国との関係も含めた安全保障の政策を議論することを混同された、私、それはおかしいと思いますよ。
 原発の事故についてどう対応していくか、これ残すのは当たり前じゃないですか。我が党の議員がそう指摘したことは全く正しいと思いますし、その指摘は今でも当然のことだろうと。我々は、もしそういう同じ事態になれば、どう対応したかということはちゃんと記録に残さなければならないと、このように思っているわけであります。
 それが全く記録がないということ自体が私は異常であったと、このように思うわけでありますが、他方、安全保障にかかわることについてどのような記録の残し方があるかということについて検討しなければならないわけでありまして、米国のNSCについても基本的にはサマリーとしてそれは出すわけでありまして、一方これは、他国に対してどういう認識をしながらどう対応していくべきかという判断について、あるいは考え方、意見について、それは議論をし合うわけでございまして、そうした議論について、それを、全てこれを公表するかどうかということについて、これはよく検討がなされるべきなんだろうと、このように思うわけでありまして、つまり、第三国についての、あるいは他国についての議論そのものが安全保障の根幹にかかわるわけでもありますし、また、他国との外交関係を毀損する可能性もあるわけでありますし、そしてまた、その議論のベースとなるものが、さらに、さらにですね、例えば同盟……(発言する者あり)済みません、ちょっと後ろからやじをされると考え方が混乱されるので、また最初から説明させていただきますと、最初から説明させていただきますと、つまり……(発言する者あり)そういうふうに間を切られると、私もしゃべるときに混乱しますので、また最初から言わなければいけないと思いますよね。
 じゃ、よろしいですか、もう一度説明。よろしいですか、後ろの方も。話をさせていただきたいと思いますが、つまり……(発言する者あり)このように途中で遮られますと、非常に答弁……(発言する者あり)
#29
○委員長(中川雅治君) 静粛にしてください。答弁続けてください。
#30
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。
 つまり、この議事録というのはそういう性格があるということを私は今説明をしているわけでありまして、それは、ある国が同盟国である日本に対して出してきてくれた情報であるわけであります。それを基に、そういう情報を基に議論を行うこともあるわけでありますから、そこで、そういう情報を基にする議論について、これを、情報を公開をするということを前提であれば、それは何らかそういう提供も難しいし、そういう議論もある種これはそこであるべき議論がなされないという可能性もあるわけでありまして、そうしたことも含めてよく検討する必要があるんだろうと、こう考えているところでございます。
#31
○福山哲郎君 いや、私は原子力のことだけ申し上げたわけではないですよ。だからこそ、キューバ危機のことも申し上げましたし、齋藤議員がこの同じキューバ危機のことでアメリカがやったものが日本にできないわけがないとおっしゃった。
 じゃ、外務大臣、外交文書は三十年原則公開ですね。私は、岡田外務大臣のときにその公文書管理法の改正について携わりました。外交文書は三十年原則公開ですよね。それでよろしいですね。イエスかノーかで答えてください。
#32
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省におきましては、内部規則によりまして三十年で原則公開、この原則を踏襲しております。
#33
○福山哲郎君 外交文書も他国との関係のそれこそ首脳間のやり取りというのは全部入っています。今の総理の話は完全に崩れています。
 もう一個申し上げます。私は四大臣会合は重要だと思っています。私も官邸におりました。例えばです、北朝鮮の例えばミサイルに対して何らかの動きがあったかどうか、これは非常に機微な情報です。情報を四大臣でやる。それは僕は一定分かります。尖閣に対して領海侵犯、領空侵犯があったときにどういう対応をするのかを四大臣を始めとして、まあシミュレーションするのか、どういう状況を想定するのか分からないけど、いろんなことを事前に準備しておく。非常に私は重要なことだと思っています。そのことは全く否定をしておりません。しかし、私はすぐに公開しろと言っているわけではない。そのときに、どういう情報があり、どの大臣がどういう発言をして、そしてそれによってアウトプットとしての政策がどういう形で日本の安全保障に生かされてきたのかが実は今の状況だと全く検証できないんです。
 もっと言います。四大臣会合、月二回定例的にやると言われている。定例的にやるということは、これは平時もあり得ます。非常事態じゃないかもしれない、緊急事態じゃないかもしれないからこそ、逆にいろんなシミュレーションやいろんな議論があってしかるべきだと思います。そのしかるべき議論にどんな情報があり、誰がどういう発言をし、それが結果として防衛省や外務省に指示が行ってこういう政策になってきました。今のままだったら全然検証できないじゃないですか。
 ましてや、これ、森大臣、四大臣会合で議論されることに特定秘密は含まれますか。
#34
○国務大臣(森まさこ君) 場合によっては含まれる場合もあり得ます。
#35
○福山哲郎君 そのとおりなんです。特定秘密も含まれるんです。
 そうすると、これ例えば、四大臣集まりました、定期会合ですと。役人に対して人払いする、今日はいいと、そこに抵抗できる役人はほとんどいないはずです。人払いして特定秘密も含めてやって議事録も出てこなかったら、将来、この四大臣会合はまるでブラックボックスですよ、何にも分からない。だって、何が特定秘密かも分からないし、その四大臣会合で誰が何をしゃべっていたか、何の議題かも分からない。
 これは非常に問題で、私は、この四大臣会合については、必要なものだと思いますけれども、議事録、これは残すべきだと思いますが、総理、どうぞ決断をしてください。
#36
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既に何回も答弁しているように、我々は、それは残すべきでないということを言っているのでは全くありません。
 そこで、事の性格上、先ほどは例えば一般の外交機密との関係で話をされましたが、これはまさに様々な機会に開催されるわけでありまして、委員が御指摘になったように、定期的に行うものでありますから、事があってやるということだけではなくて、定期的に意思を疎通をしているということも当然あるわけでありまして、その場にはもちろん全く言わば特定秘密にかかわるものについて議論をしないし、その特定秘密に当たるもの、書類等について議論をしないということは当然あり得ますが、しかし、そこの中での話の中身については、それは第三国との関係に当たる場合もあるし、それは様々想定がされるわけでありますが、これは、特定秘密とのかかわりとはまた別に、この記録にどう残すかという観点からこれは議論していくに値するだろうと、このように思うわけでありまして、ですから、我々は検討しようということになっているわけであります。
#37
○福山哲郎君 いや、先ほどから申し上げている、第三国の話はもちろん私は理解をしています。外務大臣も、先ほど外交文書の中も特定秘密が入る、四大臣会合も特定秘密が入るかもしれないというから、分かっています、それは。だけれども、原則公開のための議事録を作っておけばいいじゃないですかと。僕は別にあした公開しろと申し上げているわけじゃありません、歴史の検証に堪え得るようにやるべきだと。これ例えばキューバ危機のときの問題ですけど、これ画像情報まで実は残っています。これは非常に重要です。
 我々は、そういった観点も含めてこの修正案に議事録を義務化するようにということを我々は求めました。修正提案者が今日来ていただいていますので、後藤議員からその思いについてお答えいただけますか。
#38
○衆議院議員(後藤祐一君) お答え申し上げます。
 NSCの会議の議事録を残しておくことは、二つ意味があると思います。一つは、すぐオープンにするわけではなくて、政府部内の方が果たしてあのときどういう議論がなされてこの決定に至ったんだろうかということを政府部内できちんと検証するようにすること。それと、これはもう少し将来時間がたってからだと思いますが、国民がこれを検証できるように情報公開をして歴史の検証にさらす。
 この二つをすることで、国民に堂々と説明できるような質の高い政策決定を緊張感を持ちながら政府においてはしていただきたいと、そういった大きな意義があると思いますし、これによって、国の持っている情報というのは本来国民のものであるという国民主権の理念、また、国民の知る権利の保障にもつながるものだと考えます。
 衆議院での議論の中で、これについては検討するという附帯決議が付されたところでございますが、今の総理の答弁を聞いても検討にちょっと時間が掛かりそうでございますので、我々は、このNSCも含めた、閣議、閣僚会議も含めた議事録を義務付ける公文書管理法の改正案というものを昨日国会に提出いたしました。これと、さらには情報公開法の改正案、この特定秘密法案の対案であります特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律案、そして第三者機関を設置する情報適正管理委員会の設置法案、そして、こういった行政の秘密を国会に提出するときのルールをむしろ国会主導で決めようという国会法の改正案、五点を行政の情報に関する適正管理の五点セットの法案として提出させていただいたところでありますので、これについても審議をしていきたいと思っております。
#39
○福山哲郎君 総理、今のが我々が議事録を何とか義務化してほしいという願いなんですね。それは、与党の議員もずっと言っておられるんですよ、野党の時代に。
 逆に、総理がおっしゃるように、このNSCはいろんな問題に対して、緊急事態も含めてです。私は、三・一一の東日本大震災も向き合いました、天安号も延坪島の事件も向き合いました。官邸の本当に危機管理の機能って大変なんです、重要なんです。そのときに総理のリーダーシップは求められる、だから準備が必要だ、分かります。だからこそ、その準備の過程をちゃんと残しておくことが私は政府としての責任だと思います。緊急事態の意思決定って厳しいです。それは、東電の撤退を止めたことも、浜岡原発を止めたことも厳しい決断でした。でも、それは政府・与党の責任だと思います。総理は今まさにその立場にいます。
 議事録を残しておこうとここで言うことなどというのは、総理の決断一つじゃないですか。官房長官と副長官の答弁と同じ答弁しているんだったら、総理、ここに来ていただく必要ないんですよ。ここでやろうと、ここでやろうと、ここでやろうと言っていただければ、今すぐにでも自民党の理事とこの委員会の後に修正協議をしたらまとまるんです。決して、足らない法律を数の力で押し込むためにねじれを解消したと国民は思っておられるわけではないと思いますよ。熟議の民主主義というのは、必要なものはちゃんとお互いがいい法律にしていけばいいと私は思っていますので、どうか、総理、決断をお願いします。
#40
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まで何回も答弁させていただいているわけでありますが、これは政府と与党の間においてしっかりと議論をしながら作った法律でもあるわけでありまして、まあNSCについては第一次安倍政権のときからこの法律について我々はずっと勉強を積み重ねてきたわけでありまして、先ほど申し上げましたように、米国においても、NSCにおいては基本的にサマリーについて発表しているわけでありますが、我々もそうしたやり取りを残していく歴史的価値、あるいはまた、その後の指導者あるいはその後のNSCのメンバーがそうしたものを参考にするという意義を否定しているわけではもちろんありませんし、意義は私はあるんだろうと、こう思っているわけでありますが、しかし、様々な観点からよく協議をしていく必要はあるだろうと、検討していく必要があるんだろうと、こう考えているところであります。
 いずれにせよ、NSCを、この法律を作ったからこの形でずっといくというわけではなくて、常に進化させていくと、国民的なニーズあるいは機能的なニーズにおいて対応していくということが大切ではないのかなと、このように思うわけであります。
#41
○福山哲郎君 随分歯切れが悪い答弁だと思います。実は、今の議事録一つにしても、そういった答弁を総理がされるから、特定秘密に対して国民の不安が広がっているんです。
 我々、先ほど後藤議員が言われた特定秘密五法案を出させていただきました。この五法案は、まず二番目ですけれども、政府が違法行為や過失を隠蔽しよう、ある省庁が過失を隠蔽して、これは都合が悪い、大臣、隠しておこうと、例えばそういった大臣が出てきて、部下に向かってこれは特定秘密にしておけと言ったら、これ分からないんですよ。だって、何が特定秘密なのか、その恣意性に皆さん非常に疑問を持っているんです。
 このことについて、そういったことはないというのは、どうして総理、担保できますか。
#42
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは特定秘密のための委員会ではありません、NSCのための委員会でありますが。
 そこで、この委員会の目的とは違いますが、あえてお答えをさせていただくところでございますが、恣意的にはそれは決められないような仕組みになっているわけでございまして、まず、専門家の人々がその指定解除についてのルールを決めるわけでございますし、そして長が、機関の長が、大臣がその基準に従って、限定列挙された事項にのっとってそれは指定をするわけでありまして、大臣が、俺がこれは指定するんだから指定できるという性格のものでは全くないということははっきりと申し上げておきたいと、このように思うところでございます。
#43
○福山哲郎君 今総理の答弁、間違いがありました。解除は第三者がやるんじゃありません、行政機関の長がやるんです。行政機関の長が解除をするので、その権限は行政機関の長、いわゆる大臣に委ねられていることで、別に第三者がやるわけではありません。──ちょっと待って。質問してません。質問してません。指名もありません。
#44
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、今、私の黙って聞かなきゃ。
 私が答えたのは、基準について、解除と指定の基準について専門家が決める、基準について決めるということを私は述べたわけでありまして、それは後で議事録見ていただければよく分かることであります。
#45
○福山哲郎君 この法案では、とにかく秘密を漏らした人に対する罰則が強化をされること、それから、物理的、人的に管理を強化する法で、逆に、国民の知る権利である、その特定秘密なり秘密の管理とかそれを解除する手続とかが全く法律に立て付けがないんですね。これが非常に問題だと思っているわけです。
 森大臣、例えば先ほど、大臣がこれ自分の省庁に都合悪いから特定秘密にしておけと言われたときに、役人はどう判断しますか。
#46
○国務大臣(森まさこ君) まず、特定秘密の解除や管理の手続が書かれていないという御指摘ですけれども、条文の中に書かれておりますことを御理解ください。
 特定秘密保護法案におきましては、この特定秘密というのは国家の安全保障、つまり国民の生命や国家の存立、これを守るため、その漏えいが我が国の国家安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるものを法案に限定列挙しております。この限定列挙したものに限って指定することになっておりますので、御指摘の違法な事項について指定しても、その指定は無効になります。
 そして、御質問の上司が部下に違法な事項を、これを特定秘密に指定しなさいというふうに命令したとしても、国家公務員法第九十八条の上司の命令服従義務というのは、職務命令に明白かつ重大な瑕疵がある場合には、部下はこれに従う必要がないとされております。したがって、違法な情報を大臣が仮に特定秘密にと、そういうことがあったとしても、部下は従う必要がないわけであります。
#47
○福山哲郎君 その特定秘密が何であるか、どこで指定されたか、誰に指示をしたのかも全く国民からは見えないんですよ。それが違法でやったのかやらないのか、部下がそれに対して拒否をしたのかしなかったのかって誰が分かるんですか、今の仕組みで。
#48
○国務大臣(森まさこ君) 今御説明しましたとおり、法律に限定列挙をしてある事項しか指定できないという仕組みになっております。それ以外のものを特定秘密に指定しても、その指定は無効であります。そういったことを上司が部下に指示をしたときにどうなるのかという御質問でございますから、これは国家公務員法の命令服従義務に当たらないということを申し上げたんです。(発言する者あり)
#49
○委員長(中川雅治君) 委員長として申し上げます。
 議事の妨げになりますので、発言者以外の方は御静粛に願います。
#50
○福山哲郎君 先ほどの無効って誰が判断するんですか。無効って誰が判断するのか、それをチェックする機関もないんですよ。
 もう一個、申し上げます。これ、三十年後、我々は公開原則をしました。公開してくれれば、極端な話、どんなものが特定秘密になるかどうか結果としては分かりますが、それも分からないんです。今はそういった違法行為が行われるかどうかも誰もチェックできない。これが我々は危ないというふうに思っています。
 それと、もう一つ、今大臣が言われたように、限定列挙をしているから大丈夫だとおっしゃった。じゃ、逆に言うと、これを秘密に規定してはいけませんと禁止事項を付けたらどうですか。省庁に対する、例えば瑕疵情報や省庁に対して都合の悪い情報については特定秘密にはしちゃいけませんよって禁止事項を付けたらいいじゃないですか。
#51
○国務大臣(森まさこ君) 行政機関において、違法な行為を行政権の発動としてしないことは当然のことでございます。本法案では、特定秘密の範囲を限定するために、諸外国の法令に比べてでも一番限定的に事項を列挙しております。
 そして、福山委員が今ほど何もチェックする仕組みがないとおっしゃいましたけれども、法案十条によって国会の秘密会に提供するということもできます。それから、民事裁判、刑事裁判のインカメラ手続もございます。情報公開法の適用もございます。そして、公文書管理法の適用も、これは他の行政文書と同じようにあるわけでございます。このように、様々なチェックをする仕組みを重層的に設けてございます。
#52
○福山哲郎君 先ほど行政機関がそんな違法なことをするわけがないような旨を言われましたけれども、その行政職員が漏らすことを罰則する法律なんじゃないんですか、これは。その行政の職員が違法行為で漏らすことに対して罰則を強くしようという法律じゃないですか。
 じゃ、逆に言ったら、特定秘密を、これを特定秘密といって、違うものを無理やり上司言うことだってあり得るでしょうと。だから、逆に行政府がそのことについて絶対に特定秘密にしちゃいけないよというような禁止事項を付けるべきではないかと申し上げているんです。
#53
○国務大臣(森まさこ君) 行政権の行使である特定秘密の指定について、違法な条項を指定することを予定しておりませんということを申し上げました。
 本法案の目的は、諸外国とトップシークレットの漏えいについて同様の保全システムを設けて、この複雑な国際情勢の中で国家の存立と国民の命を守ることが喫緊の課題であることから、同じような同程度の保全措置を設けないと諸外国から情報も入手できない、情報を共有できない、そのことによって国民を守れない、そういう目的で情報の漏えいを防止する法律でございます。
#54
○福山哲郎君 だからこそ、管理と手続をしないと片方の国民の知る権利が守られないと私は申し上げているんです。
 例えば、今回特定秘密に加わる防衛秘密は、何と二〇〇七年から二〇一一年に三万四千件も廃棄されています。これ、森大臣、総理も、これ廃棄のガイドラインというか基準ぐらいは作らなきゃいけないんじゃないですか。それも我々は法律の中で新たに対案として提出をさせていただきました。このことについてはどう思われますか。
#55
○国務大臣(小野寺五典君) 事実関係だけお話をしますと、三万四千件の廃棄のうち約三万件は民主党政権下の時代に行われたというふうに承知をしております。
 それから、私、防衛大臣になりまして、今回このような審議を行われておりますので、現在、この廃棄については大臣の通達により止めております。
#56
○福山哲郎君 防衛秘密はそうやって大臣の通達が出た。しかし、ほかの省庁は出ていないんですよ。だからこそ、廃棄のガイドラインが必要ではないかということを我々は申し上げて、そのことに対して対案を出させていただいているんです。
 総理、足りないものはやっぱりいいものにしていかなきゃいけないんです。これ完全に秘密の管理、手続の部分はすぽっと抜け落ちているんです。その部分が国民にとって不安なんです。そのことについては我々対案を示しています。必要なことがたくさんあると思います。第三者機関でしっかり対応していこうと。
 申し訳ありませんが、みんなの党が修正で協議された大臣が第三者的機関だなんというのは、全く私は詭弁だと思います。総理はだって行政機関の長の長なんですから、第三者的と第三者というのは全く違います。そのことも含めて、この特定秘密の問題については、本当に慎重な審議が必要だというふうに申し上げたいと思います。
 総理、もう一回言います。NSC法案はこの特定秘密にも関係します、四大臣会合で特定秘密を扱うわけですから。この四大臣会合の議事録の義務付けを、もう一度聞きますが、御決断いただけませんか。
#57
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどから申し上げておりますように、事柄の性格上、重要性は十分に認識をしておりますが、しっかりと検討していきたいと、このように思います。
#58
○福山哲郎君 これで終わります。ありがとうございました。
#59
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。十八分しかございませんので、早速質問に入ります。
 我が国を取り巻く情勢が悪化しています。そうした中で、国家国民を守るために、省庁の壁を越えて情報が一気に集まって一元化されて、それを政治が迅速に意思決定をする仕組みというものが必要です。それがまさに今日審議されている国家安全保障会議の設置でありまして、今これが創設される意義は、私は大変大きいと思っております。
 しかし、有効に機能するかどうか、ここが問題でありまして、各省がきちんと情報を上げてくるかどうかということなんです。法案の中では情報提供が各省に義務付けされました。しかし、法律で義務付けされたからといって上がってくるものではありません。私は、やっぱりここは、価値ある必要な情報は何なのか、これを政治の意思としてはっきり示す、そういった国家戦略上の目標みたいなものを明確に設定する必要があるんだと思います。その目標を設定して、その目標達成するために貢献できる、役立つ情報が価値ある情報だ、そのようにはっきりと設定しておけば、一々指示しなくったって上がってくると思うんです。
 総理、この国家安全保障会議を創設するに当たってそのような国家戦略目標を設定するお考えはございますか。
#60
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が指摘をされたように、NSCをつくって日本の国益、国民の生命、財産、国土、領海をしっかりと守っていく、この中において、NSCを機能させていく上においては、今御指摘になったような国家安全保障上の戦略目標、目的が明確になっていることは極めて有意義であり、それは私は必要不可欠ではないかと、このように思うわけでありまして、国家安全保障政策について我が国の国益を長期的視点から見定めた上で取り組んでいく必要があるとの考え方の下で、安倍内閣では初めて我が国で国家安全保障に関する基本方針として外交政策及び防衛政策を中心とした国家安全保障戦略を策定することといたしました。
 我が国の安全保障に関する基本方針を明らかにし、これは内外に明らかにしていくわけでありますが、国家安全保障に関する政策を戦略的、体系的なものとすることによって、国家安全保障会議から情報コミュニティーに対する情報の発注もより明確なものとなると、このように確信をしております。また、情報コミュニティーの活動もより活発化、言わば、より目標がはっきりし、そうした使命感を持って活発化していくのではないかと、このように期待をしております。
#61
○山本香苗君 そもそも、情報が上がる前に情報がなければ話になりません。一九九九年に中央アジアのキルギス共和国で邦人人質事件が発生をいたしました。当時、私は隣の国のカザフスタンで大使館勤務をしておりまして、キルギスの現地対策本部の報道担当として派遣をされておりました。当時、大使館もなくて、情報収集もままならない状況で約二か月間続きました。全員無事解放となったわけでありますけれども、情報収集の重要性と必要性というものを身をもって学びました。
 今年の一月、アルジェリアの事件が起き、日本人の方十名を含む多数の方が犠牲になりました。そして、官房長官の下で取りまとめられました検証報告書、その中には、現地の情報収集体制の不備が指摘されて、そして情報収集体制の強化ということが提言されております。
 このように、事件が起きるたびに教訓として情報収集体制の強化ということがうたわれています。しかし、現実はどうなのか。情報収集関連の体制強化のための予算というのは年々減っています、現状維持という形で増えてはおりません。外務省においても、防衛省においても、内閣情報調査室においてもそうでございます。そしてまた、今申し上げたような予算は各省が各省の判断で進めています。内閣の統一した方針がないんです。
 そこで、総理にお願いしたいわけでありますが、来年度概算要求の状況においても各省のこの対応ぶりはまちまちです。是非とも、この情報収集体制の強化に必要な予算は内閣で統一した方針の下で確保していただきたい、そして総理のリーダーシップで抜本的な体制強化を図っていただきたい、この二点を明確に御答弁いただきたいと思います。
#62
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になったように、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しているわけでありまして、その中において、政府全体の情報収集・分析能力の向上を図っていくことは不可欠であろうと、このように思います。この観点から、各省の海外情報収集、分析に必要な予算の確保に努めてきたところでありますが、より一層、NSCもいよいよできることでありますから、その確保に努めていきたいと、このように思います。
 また、予算の要求の在り方でありますが、確かにそれはばらばらな予算の要求ということでありますが、今後、今御指摘の点も含めまして、これから政策側が発注を、情報についてこういう発注ということを、今までもやってきましたが、より明確に発注をしていくことが多くなっていくんだろうと思いますね。ですから、その発注について、どこの役所ということではこれは基本的にないわけでありますから、そうしたこともNSCができることによって一つの課題として検討が進んでいくのではないかと、このように思います。
#63
○山本香苗君 せんだって同じ質問を官房長官にもさせていただきましたが、官房長官、責任持って対応すると明言していただきましたので、是非この点お忘れなく、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 外交官は外交官同士、警察官は警察官同士、軍人は軍人同士、対外情報機関は対外情報機関同士で情報のやり取りというのが行われております。しかし、我が国には厳密な意味では独立した対外情報機関はございません。各国の情報機関の関係者と意見交換をする人材というものも十分育っていないと伺っております。
 こうした中で、今、即戦力をつくろうとすれば、警察から出向して海外勤務をしている外事警察官二十四人、防衛駐在官四十九人に内閣情報官を兼務発令し、外交官、警察・防衛駐在官、そして内閣情報官の三枚看板を与えて堂々と各国情報機関にリエゾンを申し込ませ、その協力関係を政府答弁で堂々と正式に認めたらどうか、このようなことを初代内閣安全保障室長の佐々淳行さんが月刊誌の論文の中で提案をされておりました。私は検討に値する御提案だと思いますが、総理はどうでしょうか。
#64
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初におっしゃった、言及されたように、警察は警察、軍人は軍人と、自分と同じ雰囲気を醸し出す人にしか情報は渡っていかない、お互いに情報を出して、また、それはギブ・アンド・テークの世界でもありますから、そういう世界もあります。その中において、日本に言わばプロの情報の専門家、海外の専門家と対応できる人がいるのかどうかという、そういう指摘もあると思いますが、これは意外と我が国にも海外のそうした情報機関と信頼関係をつくっている人々はたくさんおりまして、これはかなり個人の努力によってそうなっているんだろうと思います。
 そこで、既にそういう能力を持っている、しかも海外での経験を積んでいる人たちの活用ですね、活用については、これはまさに、ある種せっかく経験を積んだ人々は財産なんだろうと思います。その財産の使い方について今まで十分だったかといえば、そうでない点もあると思いますので、よく研究をしていきたいと、このように思います。
#65
○山本香苗君 是非御検討していただきたいと思いますが、世界中でテロが頻発して日本人が巻き込まれるという可能性も高まっている中で、海外の対外情報機関とのやり取りということがおぼつかないというこの現実をこのまま放置していいのかと、真剣に考えなくてはいけない問題だと考えております。
 安倍総理は以前、日本にもこのような対外情報機関が必要ではないかというような御認識を示していたと記憶しておりますが、将来このようなものをおつくりになるというお考えをお持ちなんでしょうか。
#66
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の安全保障や国民の安全に直接かかわる情報の収集は喫緊の課題であると思います。とりわけ、国際テロ、大量破壊兵器拡散等について、関係する国や組織の内部情報の収集は極めて重要であります。
 一方で、それらの国や組織は閉鎖的であるため、情報収集活動は相当な困難が伴うわけでありまして、このような認識の下、より専門的、組織的な対外人的情報収集の手段、方法及び体制の在り方について研究を今深めているところでございまして、今後、更に質の高い対外人的情報収集を実現するために、どのような手段、方法及び体制の在り方が求められるか更に研究を深めているところでございまして、その方向性について現段階ですぐにお答えはできないわけでありますが、そうした現在の目下の情勢、日本をめぐる国際情勢にどう対応していくかというこの喫緊の課題にこたえていくべく研究を更に進めていきたいと思っております。
#67
○山本香苗君 この点につきましては機会を改めてじっくり議論させていただきたいと思います。
 次に、日韓関係についてお伺いします。
 韓国は、歴史的にも経済、文化などの各分野において我が国と最も密接な関係を有してきた隣国の一つであります。また、地政学的な観点からも我が国の安全保障上極めて重要な国です。しかし、朴槿恵大統領が就任されて一年近くたとうとしておりますが、まだ日韓首脳会談は行われていません。
 総理は、今の日韓関係の現状をどう認識されておられますか。
#68
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 韓国は日本にとって最も大切な隣国でありますし、経済上も安全保障上も極めて重要な国でありまして、経済面では活発な交流が行われておりますし、人的交流においても相互訪問は五百五十万人を突破しているわけでありますし、日本を訪問する最も多い外国人は韓国人であり、韓国を訪問する最も多い外国人は日本からと、このようになっているわけでありますが、残念ながら、政治面においては、今年私は電話では朴槿恵大統領とお話をすることができましたが、残念ながらまだ首脳会談には至っていないわけでありまして、朴槿恵大統領は私と大体同世代でございますし、以前は食事を共にしたこともございますので、また非常に優れた私は指導者であろうと、このように思っております。
 残念ながら今の段階ではそういう状況ではありますが、一つの課題があるからといってやはり両国のそうした対話を閉じてはならないわけでありまして、むしろ様々な課題があるからこそ対話を進めていきたいと、このように考えているところでございます。
#69
○山本香苗君 東北アジア国際戦略研究所の研究員の武貞秀士さんが著書の中で、現在の韓国の対日批判や日本バッシングならぬ日本パッシング、つまり日本たたきならぬ日本外しに対して、中国寄りを鮮明にし中国と胸襟を開いて対話をして中韓関係を発展させれば、韓国の経済、外交、安保、南北対話はうまくいくという戦略が見えると指摘しています。
 この指摘について総理はどういう御見解をお持ちでしょうか。同様の認識をお持ちなんでしょうか。
#70
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 韓国は、先ほど申し上げましたように、安全保障上も、また経済においても極めて日本にとって重要な国であります。そして、両国とも自由民主主義、基本的人権、価値を共有するわけでございます。
 そうした認識に立って言わば関係を発展させていくべきだろうと、両国の関係を発展させていくことは、経済においてもこれは大きな意義、意味があるだろうと、こう思うわけでございまして、それはお互いがお互いを無視し合っていればいいということではないと、このように考えております。
#71
○山本香苗君 ちょっと質問とずれた感じがするんですが、今引用した韓国の国家戦略というものについての総理の御認識をお伺いしたいと思います。
#72
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国家戦略ということについて言えば、私は余りこの国家戦略を論評する立場にはないんだろうと、こう思うわけでございまして、先ほど申し上げましたように、これは、そうした戦略の上に立つということは、つまり日中韓において、朝鮮半島、例えば北朝鮮の様々な課題に対しても対応していく必要というのは大きな意義があるわけでありますし、そして、それとともに、朝鮮半島で何か出来事があったときには言わば日米同盟の中における在日米軍の支援というのも重要な要素でもあるわけでございますから、そうした認識、お互いがお互いを必要としているという認識を持ち合うことが大変大切ではないかと、このように思います。
#73
○山本香苗君 総理は、日韓関係を今後どのように展開していこうとお考えですか。
#74
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、外務大臣レベルにおける対話は行われているわけでありますが、残念ながら首脳レベルの対話がないという状況になっております。これは大変残念なことでございます。ですから、こちら側からは常にドアは開いているわけでありますし、対話を呼びかけていきたいと、このように思います。
#75
○山本香苗君 いろいろありますけれども、日韓関係は大事です。私は今の総理の御対応でいいと思っています。対話のドアは常にオープンという形で静観をしていただいて、一々相手の言うことにあれこれ反応しない、日本の主張を原則を譲らないで堂々と淡々と言い切っていただきたいと思います。そうした冷静な対応で日韓関係の改善に粘り強く取り組んでいただきたいと思います。
 ちょうど時間が参りましたので、終わります。
#76
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 今日は森大臣にもお越しいただきましたけれども、これまでの審議を踏まえて主に総理にお尋ねしたいと思いますが、私は、この今かかっているNSC法、そして既に公表されて衆議院の方で審議している秘密保護法、一対のものだというふうに説明、総理もされて、政府もしていますので、この二つがうまく機能するのかどうかということを、マッチングするのかどうかということを私は実務経験があるだけに考えてきました。NSC法が言わば入れ物というかボディーだとすれば、その神経に当たるものが秘密保護法なんだろうと私は思っています。その二つがうまく機能するかどうかという視点でいろいろ問題点を挙げてまいりました。また同時に、地元に帰ったりするたびに直接耳にするのは、多くの国民にこの特に秘密保護法については意義も必要性も理解が進んでいないということも実感として感じています。
 ただ、厳しいことだけ申し上げるんじゃなくて、総理は一貫して、私は国民には丁寧に説明したいということをいろんな場でおっしゃっておられることも評価していますし、また、我が党を含めいろんな修正の提案にも真摯に対応したいということをおっしゃっておられる。一国の首相として極めて殊勝な態度だと思っておりますが、それは最後までリップサービスじゃなくてそのお考えで通されるおつもりかどうか、もう一遍確認したいと思います。
#77
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、このNSC法案、これは国民の生命と財産を守るための機能でありますから、その新しい設置についてはしっかりと国民の皆様に丁寧に説明をしていかなければならないわけでありますし、そして、それに伴う、今、小野委員が指摘をされました、これに伴う形での特定秘密保全法については、これは言わば国民の皆様の知る権利、あるいは報道の自由ともかかわるわけでありますから、当然丁寧に説明をしていくことが大切だろうと、このように思っております。
#78
○小野次郎君 我が党も指摘しておりますし、またほかの修正の提案をしている党も同じことを言っているのは、それ以外の政党あるいは国民も同じことを、ほぼ同じ、一番重要な点として問題になっているのが、この秘密指定の対象となる情報の範囲が恣意的に拡大することがあってはならないということだと思うんです。
 その意味で、総理にお伺いしますが、私も含めて、海外からの情報、これを国際信用を維持するためにも厳密に管理しなきゃいけないと分かるんですが、国内での情報収集活動による情報について、その指定対象が広がっていくというのは非常に国民生活との関係でも不安を大きくさせるわけですけれども、その国内情報収集活動による情報について、指定対象を厳格に制限する方法というのを総理からその御認識なり方針なりをお聞きしたいと思います。
#79
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防衛に関する事項、外交に関する事項のほか、諜報活動の特定有害活動の防止に関する事項やテロリズムの防止に関する事項に関する情報のうち特に秘匿を要するものについては、常に海外、外国等による漏えいの脅威にさらされており、我が国及び国民の安全を確保するためにはその保護が必要であるというふうに考えるわけでありまして、他方、特定秘密保護法案においては、特定秘密は法律の別表に列挙した事項に従って大臣が指定し、また指定等については、先ほど福山議員に対して答えさせていただきましたように、外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて行うこととするなど、重層的な仕組みによって真に保護すべき特定秘密を適切に指摘できるようにしているわけでありまして、その意味において、今委員が質問されました、もう海外とはかかわりなくて、国内の言わば警察活動的なこと、これは小野委員の後輩の皆さんが一生懸命やっているわけでございますが、それも言わばテロにかかわること等においてはあり得るのではないかとも考えるわけであります、例えばですね。
#80
○小野次郎君 別に警察だけじゃないですよ。防衛省の調査隊だとかありますし、公安調査庁もあるし、そういう活動をしている役所はたくさんあると思いますが、それは国民生活との密接なんですね。だからこそ、それらについて対象がどの範囲なのかというのが厳格に制限されることにならないと多くの国民は大変不安を持っているということを指摘させていただいて、まだ時間がございますので、なおその方向で検討いただきたいと思います。
 二つ目は、実はこれ倫理規範の話、行動規範の話ですが、是非、この秘密保護法を今審議していますけれども、それが、まあ出口が分かりませんけど、いずれにしてもそれが施行されるという時点の前には、大臣など特別職と一般職を含めて、両方について、情報収集及び情報管理に従事する公務員の倫理規範、さらには合法的で適正な情報収集活動を担保するための情報活動のガイドライン、そういうものを政府として整備するお考えをお持ちかどうか、総理にお伺いしたいと思います。森大臣からは、十月二十四日そして十一月十三日と、重ねて検討するという答弁をいただいていますが、その結果が分からないので、今度は総理に政治的な立場で御判断、御決断をお伺いしたいと思います。
#81
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の御質問は、情報収集活動をする上においてしっかりと倫理的な、倫理にのっとって行動しているかどうかということなんだろうと思いますが、この情報収集活動については法令を遵守して適正に行うことは当然でございまして、情報収集を行う各機関は常日ごろからその点を踏まえて情報収集に当たっていると、こう思うわけでありますが、情報収集活動に従事する者に対する規範の整備については、今後、情報機能強化の在り方を検討していく中で、情報収集活動の適正な、情報収集活動の適正の確保がより一層図られるよう対応を行っていく必要があると、こう認識をしております。
#82
○小野次郎君 大事なところでかまないで読んでいただきたいと思いますが、しっかりと作っていただきたいと思います。
 次の質問に移りますけれども、先ほども同僚議員、質問しましたけど、私はというか、私も政府が違法行為そのものを指定するということは想定していないんですけれども、ただ、情報という分野は違法な収集方法によって得た情報というのが非常に貴重なものがあるということは事実なんですね。そういうもの、あるいはそれ以外にも、人違いだったりあるいは政府の失態が明らかになるような情報を、そのことがゆえに秘密指定にする、若しくは秘密指定がそのゆえに用済みになっているんだけれども解除できないというようなことがあってはならないと思うので、私もこの指定禁止事項的なものを何か担保する必要があると思うんですが、何らかの形で明確にしておくべきではないかと思いますけれども、森大臣、お考えありますか。
#83
○国務大臣(森まさこ君) 小野委員の警察の御経験等を踏まえた様々な建設的な御議論に感謝を申し上げます。
 御指摘の違法な情報収集による情報でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、違法な情報収集によって得られた情報でございましても、それは違法なものというふうになりますので、それを行政機関の長が特定秘密として指定することはできません。もし万が一指定したとしても、その指定は無効でございます。そのことをしっかりと申し上げておきたいと思います。
#84
○小野次郎君 できないとか無効だというんだったら、明確にそれを明文で書いたらいいんじゃないかと私は思いますよ。
 次の問いに移りますが、これはまた総理にお伺いしますが、総理、十月二十四日に、内閣や大臣が替わったたびにこの秘密の指定を継続するか解除するか政治家として判断をその都度すべきじゃないかと私が質問したら、何か、政権交代があって小野さんが大臣になったらやればいいじゃないですかみたいなことをおっしゃっていましたけど、それをやればいいとかやれるとかという問題じゃなくて、民主的なコントロールを、政治の責任で民主的コントロールの下でこの制度を運用していくんだったら、きちんと、内閣交代、そして大臣の交代の際にはその都度秘密の継続又は解除の判断を行う仕組みにすべきだと思いますが、総理、そうお考えになりませんか。
#85
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 特定秘密は、その法律の別表に限定された事項にのっとって、該当するものに限って大臣等の行政機関の長が指定をするわけでありまして、指定後、秘匿の必要性がなくなったものは速やかに指定を解除すべきこととなっておりますが、こうした特定秘密の指定と解除は外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて行うことであるということは先ほど申し上げたとおりでありますが、これにより統一性、一貫性を持って運用が行われるものと思うわけでございます。
 そして、今お話にあったように、これは、政権が替わるあるいは大臣が交代する中において、当然これは新しい仕組みができていく中においてその項目について確認をするということはあり得るだろうと、このように思います。
#86
○小野次郎君 この前もあり得るだろうとおっしゃったんで、あり得るじゃなくてすべきだというふうに、仕組みにすべきじゃないですかと聞いているんですけど。
#87
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこは、今お話をさせていただきましたように、基本的に、政権が替わる中において、今これは問題意識として我々は共有をしているわけでありますから、総理大臣が、これは例えば官邸で持っているものもあるわけでありまして、そこは、それに対してどうなっているんだということについてもう一度それは検証をするということは当然あるんだろうなと、こう思うわけでございまして、つまり、新たな内閣の長あるいは総理大臣がもう一度それは確認をするということは考え得ると、このように思います。
#88
○小野次郎君 考え得るんじゃなくて、今の制度は、五年以内の期間を定めて、その期限が来たらまた延長するか解除するか決めるんだと思いますが、そういう役所任せに時間で区切っていくんじゃなくて、政権交代や大臣交代があったたびに自己の責任において継続するのか解除するのか政治家が判断すべきじゃないかと、そういう仕組みにすべきだと申し上げているんですが、総理、そういう仕組みにすべきだと思いませんか。
#89
○国務大臣(森まさこ君) この特定秘密については、有識者会議に特定秘密の件数や有効期限、そして解除の件数というものを定期的に報告することになっています。ですので、政権交代が行われたり大臣が替わったときにもその報告というのはしなければなりませんので、当然に大臣やその時々の内閣がチェックをするようになると思いますし、すべきだというふうに思われます。それを政治責任を持ってしっかりとやっていくべきだというふうに思っています。
#90
○小野次郎君 大臣の見識は僕はいいと思いますよ。だったらそれをしっかりと、明文なのか政府の統一見解なのか附則なのか、何かの形で明確にすべきだということを私は指摘しておきたいと思います。
 時間がないので次の質問に移りますが、総理にお伺いします。
 この二つの法律、うまくマッチするのかと、私の原点ですけれども。安全保障上特に重要な情報であれば速やかに総理、官房長官、内閣官房に各省庁から上がらなきゃいけないんだけれども、この秘密保護法の方ではそんな仕組みになっていませんよね。総理も単なる一大臣という扱いですけど、こんな秘密保護法の仕組みで、まさにさっき言った、NSCがボディーだ、マシンだといって、マシン動きますかね、情報が入ってこなくて。総理に聞いているんです。
#91
○国務大臣(森まさこ君) 小野委員と先日御議論した第六条のことをおっしゃっているんだと思いますけれども、第六条は、行政機関同士が特定秘密を共有するためにそれぞれ保全措置をもって提供するというふうになっています。
 その行政機関、それぞれ組織がございますが、この六条は、並列のときだけではなくて、行政機関はもちろん上下の関係に立つときもありますし、それは具体的事項によって、所掌の省庁が上に立って見る場合もあるし、内閣総理大臣は憲法七十二条で内閣を指揮監督するわけでございますから、それは上下の関係にあるときにもそれぞれの行政機関が六条の要件を満たさなければならないと定めているだけであって、これは当然に円滑に情報は上がるし共有されるというふうに思っております。
#92
○小野次郎君 そこに私は不安を持っています。
 もう一つ、総理にお伺いしますが、自衛隊法八十一条、治安出動なんかは、知事が総理のカウンターパートとして間接侵略なんかの判断の際に相談しなきゃいけないんですが、この秘密保護法では、地方自治体といえども知事は安全に対して責任持っているんです、その地域について。その方々がカウンターパートとして入っていないんですよ、この法律には。それ、どうお考えですか。
#93
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、御指摘のあった避難のための措置については、これは国民保護法制にのっとって、避難のための措置については、重要でありますが、これは秘密の対象ではないということでありますが、同時に、都道府県知事が特定秘密を利用する場合が、特定する必要がある場合には、特定秘密が提供できる場合について定めた本法案第十条第一項第一号の公益上特に必要があると認められる業務において特定秘密を利用する場合として、必要な保護措置を講じた上で国の行政機関等から特定秘密が提供されることになると考えられると思います。
#94
○小野次郎君 多くの人間にはそうはとても読めないと思います。
 私、最後に総理に申し上げておきますが、有事立法というのは御存じですか。二〇〇二年から二〇〇四年にありました。そのときには、時の総理が、国会をまたがってでもしっかりと多くの会派、多くの国民の理解を得るべきだという意見を言われて、自公保以外に民主党、自由党の理解も得て次の国会で成立させたということがあります。時間の問題じゃないと私は思います。しっかりと国民の多くの方に理解してもらい、また多くの会派の修正提案にも真摯に取り組んでいただくようお願い申し上げて、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。
#95
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 安倍総理は、日本版国家安全保障会議と特定秘密保護法案は一体となって機能すると述べてこられました。例えばイラク戦争への自衛隊派兵に多くの国民が反対の声を上げたように、国際情勢が緊迫したときに、国民や報道機関、また国会議員が政府の方針に疑問を抱いて、外交交渉や軍事的判断の根拠を明らかにすべきだと迫ることは民主主義社会において当然のことです。報道やインターネットを通じて、沖縄の米軍基地はどうなっているのかとか、知り合いの子供がいる自衛隊はどうなるのかとか、基地や部隊の運用を知ろうとすることもあるでしょう。
 ところが、特定秘密保護法案によって懲役十年以下の重罰の対象とされるのは、限られた公務員の殊更な漏えい行為だけではありません。一般の国民も、特定秘密を保有する者の管理を害する行為により特定秘密を取得したとされるなら、たとえ秘密が漏えいされなくても、未遂、共謀、教唆、扇動と広く処罰をされるわけです。
 そこで、総理にお尋ねしたい。
 森担当大臣は、一般の国民が特定秘密と知らずに情報に接したりその内容を知ろうとしたりしたとしても一切処罰の対象になりませんと国会で答弁をされていますが、国民が特定秘密に近づこうとしたという疑いを掛けられたときに、特定秘密であると知っていたかどうか、これを最終的に判断するのは刑事裁判ですね。
#96
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一般論として申し上げますと、本法違反の行為があった場合、その行為者に故意が認められるか否かについては、捜査段階においては捜査機関により判断されるべき事柄であり、公判段階においては裁判所により判断されるべき事柄であるというふうに承知をしております。
#97
○仁比聡平君 総理もお認めになったとおり、つまり刑事事件として捜査や起訴あるいは裁判にさらされる危険を国民が負うことになるわけですよね。これがどれだけ深刻なことかと。国民にとっては何が秘密かも秘密なのですが、秘密指定されているかもしれないが秘密ではないはずだというつもりで行動しても、刑罰上は知っていたというふうにされます。しかも、人が何かを知って行ったか知らずにやったか、このことは、密室の取調べ室で本人の自白や関係者の供述を取ることによって認定してきたのが我が国の刑事裁判の現実なんですね。
 そこで、谷垣法務大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、この特定秘密保護法案が仮に成立をしたとして、この罰則として定められている刑罰法規の違反の容疑があり、その事件において必要であるなら、逮捕、勾留をして取り調べたり、必要な捜索、差押えを行うことはあり得ますね。
#98
○国務大臣(谷垣禎一君) 強制捜査の必要性は個別的な事案で判断しなければなりませんので一概には申し上げることはできませんが、あえて一般論として申し上げれば、現在の刑事訴訟法上、捜査機関は、罪が犯されたと、犯したと疑うに足りる相当な理由がある場合には、もちろん裁判官の発する令状、逮捕状を取得して被疑者を逮捕することはあり得ますし、また被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があって、かつ罪証隠滅等のおそれがある場合には、裁判官の発する勾留状を発して被疑者を勾留することもあります。それから、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、同様に裁判官の発する令状によって捜索、差押えをする場合があると。これはあくまで一般論でございます。
#99
○仁比聡平君 これまでも、乱暴な強制捜査が行われて、冤罪も後を絶たないということが現実なわけですね。
 そこで、総理、何が秘密かも分からないのにそのまま被疑者扱いされ、最終的には刑事裁判で無罪とならなければ処罰の対象となるかどうか分からないと。そんな重罰法規が作られれば、それだけで民主社会の基礎である知る権利、言論、表現の自由は萎縮させられ、取り返しの付かない傷を負うことになるのではありませんか。
#100
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど一般国民がというお話をされましたが、まず、一般国民の方が、特定秘密、我々がこれから指定をしていく特定秘密を知るということは、これはまずあり得ないわけでございまして、全く一般国民はですね。もちろん、例えばミサイルの軌道計算等を民間にこれはやってもらうということはありますよ。しかし、それは、その段階でそれが特定秘密になるということが明らかになって、何が秘密か秘密でないかということが明らかでないということをなくすというのがこの法律の趣旨でもあるわけでありますから、そこで特定されていくわけでありまして、当然それはそのことを念頭にその人々は仕事をしていく、そして、そこには守秘義務が掛かってくるということになるわけでありまして、一般の方々が突然何か特定秘密の保護にかかわる事態に巻き込まれるということは、それは通常なかなかこれは考えられないのではないかと、このように思います。
#101
○仁比聡平君 何が秘密かというのを指定するのは、行政機関の保有している情報の中から行政機関の長が定めるんでしょう。国民は分からないんですよ。これは秘密には当たらないだろうなと思っていてもそれが秘密であるという場合、そうかもしれないなと思っていたら故意が認められるというのが日本の刑罰法規です。その下でこんな広範な処罰規定を作るなら、恣意的濫用を許すことになるんですよね。まして、一件でも現実に立件をされる、適用されるなら、その萎縮効果というのは極めて重大なものになるではありませんか。そうした深刻な教訓に立って人権保障を徹底したのが我々の憲法です。
 この重罰の対象とされる秘密を取り扱う者も、公務員だけではありません。法案は、秘密を取り扱う者には秘密取扱いの適性評価も行うとしていますが、それは、家族、父母、子、兄弟姉妹、配偶者の父母、子、同居人の氏名、生年月日、国籍、住所に始まって、犯罪、懲戒の経歴、薬物の影響、精神疾患、果ては飲酒の節度とか借金などの信用状態まで、プライバシーを根こそぎ調べ上げるものになっているわけです。
 総理、その対象には、公務員のほか、例えば国からの事業の発注を受け特定秘密の提供を受けた民間企業やその下請で働く労働者、派遣労働者も含まれますね。
 いや、総理、総理。総理、立とうとしているじゃないですか。総理の認識を聞いているんですよ。
#102
○国務大臣(森まさこ君) 事実関係だけ御説明申し上げます。
 今、仁比委員が飲酒についての節度や精神疾患などのプライバシーに関する条項も調査の対象に入るという御指摘がございましたが、これは取扱者本人だけでございます。家族等については……(発言する者あり)ええ、住所等の、ここに限定されている事項に限ります。
 そして、今御質問の下請企業の従業員やこれらの企業に派遣される派遣労働者も、特定秘密を、取扱いの業務を行うことが見込まれることとなったときには適性評価の対象となります。
#103
○仁比聡平君 結局入るわけですよ。広く労働者がその対象とされるということを私は申し上げている。
 武器の開発だとか製造の発注を受けた軍需産業、あるいはその関連企業はその典型です。例えば、大田区とか東大阪市などのように、そこで作られるバルブ一本、これ一つなかったらロケットも飛ばないというような高い技術を持っている町工場で働く人たちも対象にされ得るでしょう。基地建設にかかわる建設労働者だってそうではありませんか。嫌でもそうした適性評価に同意をしてプライバシーをさらけ出すか、断って仕事を奪われるか、そうした理不尽な二者択一を迫られることになるのではありませんかね。
 原発の情報はどうか。森担当大臣は、原発の警備の実施状況は特定秘密たり得ると答弁をされました。今でも、原発の構内に入って構内の建屋にカメラを向けますと、我々国会議員でも核防護のためといって制止をされるわけですね。
 総理、テロ防止のための警備ということであるなら、当然、テロリストにとって効果的な攻撃や破壊対象となり得る原発構内の脆弱なところや侵入しやすいところ、破壊対象に最短距離のルートなど、テロリストが知れば資する情報は特定秘密とされることになるのではありませんか。
 総理、総理。テロ防止、総理でしょう。NSCやるんじゃないんですか。
#104
○国務大臣(森まさこ君) 今御指摘の事項は特定秘密に指定されません。
#105
○仁比聡平君 されない。されないとは驚きですよね。どうやってテロ防止をやるんですか、そうしたら、総理。
#106
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば、原発の中の、発電所の中の地図があったとすると、これは特定秘密ではありません。しかし、そのときに、テロに対してどういう警備配置をするかということを、例えば警察官の人員の配備を書き入れたものは、これは秘密になり得るわけでございまして、つまり、例としてはそういう例を挙げさせていただきましたが、そういう言わばこれは認識で我々は対応するべきだろうと、このように思っております。また、対応することになっているということであります。
#107
○仁比聡平君 なり得るじゃありませんか。
 警備の編成、体制というのは、何を守るのかということが前提になって組まれるわけでしょう。それがないまま、単に何人どこに配置するなんというようなことを決めるわけがないじゃないですか。だから、原発の構内の情報も、そういうテロリストが知れば資する情報というのは特定秘密になるでしょう。
#108
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既にこれは大臣から答弁しているように、特定秘密にはなりません。一方、これは、別の例えば会社において、別の定めによって秘密になることはあると思いますよ。しかし、これは特定秘密ではないと、こういうことであります。
#109
○仁比聡平君 内閣審議官、それでいいんですか。
#110
○政府参考人(鈴木良之君) お答えします。
 原子力発電所の中の見取図等の内部構造については特定秘密の対象でございません。
#111
○仁比聡平君 あなたの下におられる法案説明の担当者が、今のような情報は特定秘密たり得ると私に昨日説明をしましたが、一体あなた方の見解というのはどうなっているんですか。
#112
○政府参考人(鈴木良之君) お答えします。
 原発の警察の警備等に関する情報はなり得ますが、原発の施設等の情報は特定秘密の対象になりません。
#113
○仁比聡平君 施設の様子にかかわる情報がなかったら警備の体制組めないでしょう。違いますか。
#114
○政府参考人(鈴木良之君) 施設に関する情報は慎重に取り扱われる必要はございますが、特定秘密の対象ではございません。
#115
○仁比聡平君 驚くべき話です。こんなでたらめな説明と審議で何でこんなことをやれるのかと。それでテロ防止できるんですかね、本当に。どうなんです。そこまで原発情報についてテロ防止のためでも特定秘密にならないと言い張るわけですか。おかしな政府だと。総理。
#116
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたとおり、言わば原子力発電所の機能あるいはその配置状況ということについては、これは特定秘密にはならないということは明確であります。しかし、他方、テロに対してどういう体制で臨むのかということについては、それは特定秘密になり得るということであります。
#117
○仁比聡平君 例えば福島第一で四号機の使用済核燃料のプールだとか、そういうのを守らなきゃいけないじゃないですか。それを守らなきゃいけないでしょう。それを、どんなふうな状態になっているかということをどうするのか。今御覧いただいている方々にとってみても、政府の答弁信じられないということだと思いますよ。
 国民の皆さんの普通の仕事や生活の日常に洗いざらいの監視が入り込み、家族でもうっかり秘密を漏らしたり、原発の不安から当然の疑問を明らかにしようということが処罰対象とされかねない、そんな人権侵害法案を断じて許すわけにはいかない。少々の修正で今国会強行なんてあり得ないと断固として申し上げて、私の質問を終わります。
#118
○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。
 今日、国家安全保障会議の設置は、戦略的な外交・安全保障政策を展開していく上で欠かせないものでございまして、審議が今日深まっていることを喜ばしいと思っております。
 先ほど山本先生からお話がありましたが、十数年前、ウズベキスタン特命全権大使をしておりましたとき、日本人鉱山技師四人が人質になりまして、人質の救出に当たりました。おかげさまで、ウズベキスタン大使館の中にいました職員が非常にこのイスラム原理主義グループに近い人々と連絡を取れる、そういった情報を持っておりまして、おかげさまでこの鉱山技師四人とキルギスの人々をタジキスタンで救出することができました。その当時、まさにこういった人的情報をいかに取るのか、それを持っていることが日本の国民を守るためにどれほど重要なことか、そのとき日本にそういった組織がないということを非常に残念に思った思いがございます。
 またさらに、その後、隣国アフガニスタンで勢力を増しましたタリバーンやアルカイーダに関してそれぞれの情報を得る機会がありましたが、残念ながら、日本側にそういった国際情報を受け取る組織がありませんで、みすみす無にしてしまった、日本は何と情けない国になってしまったのだろうと、非常に無念な思いをしたことを今思い出しております。
 厳しい情勢の中で、これらの国々はいかにしっかりした正確な情報を取ろうと必死で今動いておりますし、ウズベキスタンなどは非常に大事な、正確な、有効な情報を持っております。二〇〇一年のアメリカ・ワールド・トレード・センタービルのテロの後には、オルブライト国務長官、さらにパウエル国務長官なども中央アジアに来て、アフガニスタン情報についていろいろと動いていたという経緯がございます。
 質問通告しておりませんが、総理、是非こういった中央アジアの国々をできるだけ早い段階でお訪ねいただけたらと思います。経済的な問題だけではなくて、政治面、そしてこういった情報面で非常に有効な御訪問になるかと思いますが、いかがでしょうか。
#119
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員が大使としておられたウズベキスタンを始め、中央アジアの国々には日本が必要としている様々な資源があるわけでございます。そして、日本に対する期待も中央アジアの国々は大きなものがあるわけでありますし、そしてまた地理的にも非常に戦略的な意味において訪問することは意義があると、このように考えております。
 私もできるだけ早い機会をとらえて訪問したいと、このように考えております。
#120
○中山恭子君 非常に親日的な人々が多く住んでいるところでございますので、是非お考えいただきたいと思います。
 その後、町村信孝外務大臣のときに、二〇〇四年でしょうか、外務省内に国際情報統括官組織が設置され、外交面では情報収集・分析機能が抜本的に強化されたと承知しております。
 平和を維持していくためには、総理の下に最も正確な情報が収集され、分析され、政策に反映されることが必須でございます。今回、内閣官房に日本版NSCが設置されるということは、待ちに待ったものでございますので、うれしいと思っておりますが、まだ緒に就いたばかりで、今後いろいろな面で改善していっていただかないといけないと考えております。
 自ら情報を収集する機能をこの国家安全保障会議は持っておりません。国際情報の世界の中で、そのような組織を他の情報関係者がまともに相手にするとは到底思えませんので、是非この後、情報収集についても、それから国家安全保障局長のポストの在り方についても、官邸機能を強化することをお考えいただきたいと思っております。しばらく時間が掛かるのかもしれませんが、是非御尽力いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#121
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 情報収集、NSCは、情報を分析をし、そしてまたそれを政策の立案に役立てていくわけでありますし、様々な危機に対応したときにそうした情報を分析をしておくことは極めて有意義だろうと、こう思うわけでありますが、情報を収集する上においても、今回、秘密の保全が必要であり、この秘密保護のための法律もお願いすることになるわけでありますが、同時に、今委員が御指摘になったように、海外から情報を取ってくる場合は、海外というか、海外の情報機関から情報を譲り受ける場合、これはずっと一方的に譲り受け続けることは困難なわけでありまして、大体がこれはギブ・アンド・テークになっておりまして、こちらが出してこちらがいただくという、そういう関係になるわけでございます。写真等もそうでございますが。
 そういう上においては、我々としては、言わば更に情報収集又は情報を日本に集めてくる上においても、こちらも情報収集能力を高めていくことは喫緊の課題であろうと、このように考えております。
#122
○中山恭子君 お手元に、米国大統領府の組織図と、それから日本の今回の組織図を配付しております。この組織図を見ましても相当に違いがありまして、アメリカにおける国家安全保障問題担当大統領補佐官というものの権限の強さというものが見て取れるわけでございまして、そういったことについてもいずれ是非御検討いただきたいと思っております。
 北朝鮮による拉致問題についてお伺いいたします。
 十一月十五日、めぐみさんが拉致されてから三十六年が過ぎました。なぜ日本は他国の工作員が日本に侵入するのを防げなかったんだろうか、なぜ日本は北朝鮮の工作員が日本人を拉致することを防げなかったのだろうか、なぜ日本は拉致された日本人被害者を長年の間放置してしまったのだろうか、こういったことを考えますとき、非常に無念な思いが込み上げてまいります。
 五人が戻りましたけれども、五人が戻りましてからはや十一年たちます。当時の状況を思い出しましても、総理はよく御存じでいらっしゃいますが、幾つもの問題を抱えておりました。北朝鮮に残されている被害者の無事を祈らずにはおられません。拉致問題に対する総理の思いをお聞かせください。
#123
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になったように、一九七七年の十一月にめぐみさんが拉致をされたわけでありまして、その年に久米裕さんが拉致をされ、そして実行犯の一人は逮捕することができたわけでありまして、そしてそれは、その際、家宅捜査等によって乱数表も入手をしていたわけでございます。ただ、それをしっかりと北朝鮮が拉致というオペレーションをやっているんだということを政府全体で認識できなかったところに大きな問題があって、もし認識ができていたのであれば、私は、めぐみさんは今でも日本で幸せに暮らしている可能性はあるのだろうと、こう思うわけであります。
 その上においても、情報を収集すると同時にそれを政府で共有し、言わば能力を合わす形において総合的にそれを分析をして対応していくことが大切だろうと、このように思いますし、安倍政権の間に必ずこの問題を解決をしていくという決意で取り組んでいきたいと思います。
#124
○中山恭子君 済みません、時間が来てしまいましたけれども、四大臣会合の中で是非、この組織ができましたらまず第一にこの問題を四大臣会議の中で取り上げていただいて進めていただきたいと思っております。
 ありがとうございました。
#125
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 イラク戦争のとき、小泉首相は本会議で、米国が大量破壊兵器廃棄という国際社会の大義に従って大きな犠牲を払おうとしている今、我が国が同盟国として支援を行うことは日本の当然の責務であると明言し、イラク戦争を支持し、イラク特措法を作りました。
 NSC法と秘密保護法、とりわけNSC法を議論する際に、アメリカの誤った情報、場合によってはうその情報を日本が信じて、これから緊密な関係、とりわけ軍事情報を共有するとなれば、アメリカの誤った情報、うその情報にのっとって、アメリカの世界戦略にのっとって日本が軍事的な判断をしていく、より過ちが強化をされるという危険性があると思いますが、いかがですか。
#126
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このイラクの件については、この問題の本質については、累次の国連決議に違反をし続け、そして自ら大量破壊兵器がないということを証明する機会があったにもかかわらずそれをしなかったというところに問題の核心はあると、このように思います。一方、大量破壊兵器があったという情報が間違っていたという事実については、これは我々も今後の参考にしなければならないと、こう考えているわけでございます。
 今後、情報を得る上においても、その情報が正しいかどうかということを更に判断する力を磨いていく必要もあるのだろうと、このように思います。
#127
○福島みずほ君 総理がはっきり大量破壊兵器があるということで支持をした、間違った判断をしたわけです。その検証も日本政府はやっていません。
 NSC法で緊密な関係を取る、情報を共有する中で、日本が誤った戦争にコミットしていくのではないか、その危険がある。国民に対しては秘密保護法という形で国会議員も国民も情報をブロックする、しかし一方でアメリカと情報を共有する、そのことが、誤った戦争や誤った判断をするのではないかということを指摘させていただきます。
 総理は、二〇〇六年三月十三日、参議院の予算委員会で、当時官房長官として、沖縄返還密約は一切ありません、密約は一切存在しないと答弁しています。それは今も維持していますか。
#128
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる密約問題については、民主党政権当時、外務省が徹底した調査を行い、平成二十二年三月にその結果を「いわゆる「密約」問題に関する調査報告書」として発表しています。御指摘の官房長官の答弁は、現政権として同報告書の内容を踏襲しているとの趣旨であります。
 外務省による徹底した調査は、四つのいわゆる密約とされたものを対象として行われたものであります。当該調査の結果は、これら四つのそれぞれについて平成二十二年三月に公表された報告書に記載されたとおりであり、現政権としてこの報告書の内容を踏襲しているということであります。
#129
○福島みずほ君 当時、安倍官房長官は、密約は一切ないと言ったんですよ。じゃ、それは虚偽答弁だったんですか。違っていたんですか。
#130
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおり、これは平成二十二年三月に公表された記載のとおり、現政権としてこの報告書の内容を踏襲しているわけでありますが、御指摘の官房長官の答弁は、同報告書のそのときの政府としての考え方を述べたものであると、こういうことでございます。
#131
○福島みずほ君 当時、虚偽答弁したんですよ、うそついたんですよ。だって、当時はアメリカから公文書がちゃんと出てきた、吉野文六さんが自分が書いたものだとはっきり言ったんですよ。全部そろっていたにもかかわらず、当時、自民党政権、官房長官、安倍官房長官は密約は一切ないって言ったんですよ。こんなでたらめがありますか。誰が考えても密約があるのに、ないと強弁した、強弁し続けたんですよ。そんな政府が秘密指定をする、それを信用するわけにはいきません。
 当時、うそついたんでしょう。
#132
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時の政府の考え方を述べたものであるということでございます。
 先ほど申し上げましたように、政府として四つの項目についてそれは調査がなされたということでございまして、安倍政権としては、民主党政権時代の政府の考え方を踏襲をしているということでございます。
#133
○福島みずほ君 民主党政権が密約認めなかったら、自民党政権は密約、存在否定していますよ。ずっとやみからやみで黙っていますよ。誰が突き付けても密約があるにもかかわらず、証拠があるにもかかわらず、うそついてきたんですよ。一切密約がないなんて、どこでそんなことが言えるんですか。うそついてきたことを謝罪すべきです。
 次に、秘密保護法の根本的な問題点についてお聞きをいたします。
 ツワネ原則をちょっと見てください。(資料提示)秘密保護法案は、情報保全法制に求められる国際水準を認めていない。秘密保護法、何が秘密か、それは秘密です。秘密の中身が分からない。そして、秘密指定は無期限であってはならない。何を秘密としてはならないかが明確となっていない。
 総理、お聞きします。
 違法に盗聴していると内部告発をした。違法に盗聴していると、政府が。例えば、仮にそれを内部告発をした、暴いた人間は秘密保護法によって処罰されるんですか。
#134
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後言わば特定秘密に指定されるものについては、今まで累次答弁をしているように、限定列挙された事項にのっとって行政機関の長がそれは指定をするわけでございまして、そうした指定の基準あるいは解除の基準については専門家の方々の意見を反映された基準にしていくわけでございまして、こうした重層的な形で恣意的な指定がなされないようになっておりまして、そのものにのっとって今後定められていくということでございまして、今、福島委員がおっしゃっているものについては、それは実際に当たるかどうかということについては、これからまさに限定列挙されたものの中において、基準にのっとって定められていくということになるんだろうと思います。
#135
○福島みずほ君 じゃ、違法に盗聴していると暴いて、秘密保護法に当たる場合があるわけですね、今の答弁で。それはおかしいじゃないですか。
 もし、そういうふうに違法なことは処罰しないんだというんだったら、条文に書くべきじゃないですか。この秘密保護法は全くそんな条文になっていませんよ。書くべきじゃないですか。
#136
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども森大臣が答弁しているように、そもそも、今私が基準についてはお話をさせていただきましたが、同時に、違法なものについては、それは当然、違法に取ったものについては、これは処罰の対象にはならないということでございます。
#137
○福島みずほ君 だとしたら、それ条文に書いてくださいよ。
 ツワネ原則の中では、何を秘密とするか、あるいは秘密にしてはならないというのを明確に言っています。公開するのが望ましいと強く推定される情報又は公開による利益が大きい情報のカテゴリーとして八つ挙げております。例えば、公衆衛生、市民の安全、環境、人権侵害についてのことは秘密指定しちゃいけないと、除外せよと言っているんです。でも、この秘密保護法は何にもそんなこと書いていないじゃないですか。
 次に、秘密指定は無期限であってはならないというのがツワネ原則です。この秘密指定なんですが、無期限ですよ。つまり、この今提案されている衆議院で議論中の秘密保護法案は、内閣が承認をすれば三十年を超えても秘密指定が可能なんです。いつまでもいつまでもいつまでも秘密指定が可能ですよ、内閣が承認すれば。おかしいですよ。こういうのを変えるべきじゃないですか。
 何が秘密か、それは秘密です。そして、廃棄をするときに、今〇・七%しか公文書館に行っておりません。九二・五%は内閣総理大臣の同意で廃棄しています。秘密指定して廃棄をする、やみからやみへじゃないですか。こんなこと、第三者のチェックができない、チェック機能がない、そして情報公開が機能しない、これだと情報統制の下のすさまじい社会になりますよ。
#138
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはNSC法でありまして、これは秘密保護のときにしっかりとやっていただきたいと思いますが、廃棄をしているというのは、それは一般の行政文書も全部含めて委員は述べておられるんだろうと、このように思います。また、このツワネ原則も、これは特定の民間団体が示した一つの参考意見としては存在するのだろうと、このように思います。
 我々は、政府としては、先ほど申し上げましたように、恣意的な指定もなされないし、そして秘密についてむしろしっかりとルール作りをして明確化していくものであろうと、このように考えているところでございます。
#139
○福島みずほ君 条文では全くそういうふうになっていません。秘密の限定もないし、この法律は修正では駄目で、根本的にやり直すべきだということを申し上げ、質問を終わります。
#140
○委員長(中川雅治君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
#141
○委員長(中川雅治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、加藤敏幸君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。
    ─────────────
#142
○委員長(中川雅治君) 引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#143
○藤末健三君 民主党の藤末でございます。
 本日、私は、このNSC法案につきまして二つのポイントから御質問したいと思います。一つは、人間の安全保障という、ヒューマンセキュリティーという個人個人の人の安全をどう守っていくかという観点。そしてもう一つございますのは、余り議事録を見ていると議論されなかったんですが、情報システムにおける、サイバーにおけるセキュリティー、サイバーセキュリティー。この二つを議論させていただきたいと思っています。
 まず、人間の安全保障でございますが、菅官房長官は、この参議院国家安全保障に関する特別委員会におきまして、日本版NSCは軍縮や核不拡散そして国際社会への情報発信などのテーマも審議するというふうにお答えいただいておりますが、具体的な軍縮そして核不拡散のテーマというのはどのようにお考えでしょうか。お願いします。
#144
○国務大臣(菅義偉君) まず、国家安全保障会議というのは、国家安全保障に関する重要事項について審議を行うと、その中でも外交、防衛を中心にという話を今までさせていただいています。そういう中で、総理大臣が大所高所から、国家の安全保障にかかわることであれば総理大臣がそこを指定してその議論をすることが可能であるということであります。
   〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
 その中で、今委員から御発言がありました人間の安全保障ということでありますけれども、例えばアフガニスタンでの難民支援だとか、あるいは今年の六月だったと思いますけれども、アフリカ会議、そこで行われた民生支援、こうしたものもやはり安全保障の中で、総理自身が目指すまさに世界の平和と安定というものを掲げて積極的平和外交を今展開をしているわけでありますから、そうしたものも、今例示として挙げさせていただきましたけれども、そうしたものも全体としては私は入ってくるだろうというふうに考えています。
#145
○藤末健三君 是非、核不拡散・軍縮は取り組んでいただきたいと思っております、このNSCで。
 なぜかと申しますと、二〇一五年に核不拡散条約、NPTの総合会議、五年に一回の会議が二〇一五年に行われる。その中で、我々、NPDI、軍縮・核不拡散イニシアティブということで日本政府が主導して今議論を進めている中で、NSCの中においてその軍縮・核不拡散ということをイニシアティブを取り、そして二〇一五年の核不拡散条約会合において是非とも唯一の被爆国としてのプレゼンスを高めていただきたいと思います。
 そしてまた、官房長官がお答えいただきました国際社会への情報の発信を、これを議論していくというふうにおっしゃっていただいたわけでございますけれど、例えば我が国の国際貢献、ワクチンの問題、私取り組んでおりますけれど、例えば天然痘は日本が撲滅しています。そして、今ポリオという小児麻痺、日本がいろんな協力をしまして、昨年インドが撲滅宣言をし、そして今ナイジェリアに対する支援を始めようとしています。そして、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタン、残り三か国を撲滅できれば世界からポリオ、小児麻痺はなくなるような状況になっている。そしてまた、ATTと言われている武器貿易条約、武器の輸出を管理しましょうという条約も我が国が二〇〇六年にイギリスと一緒に提案をし、もうこれは執行されている状況になる。
   〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
 そして、私が特にNSC、きちんと平和の面でのNSCに期待したいのは、今韓国や中国の問題、いろいろ非常に悪い状況になっているというふうによく言われますけれど、実際に中国と韓国を訪問して分かることは何かというと、我が国が、平和憲法、九条、戦争をしない、軍隊を持たない、侵略のための軍隊を持たない、また憲法の前文であり、平和主義を唱えていることをほとんどの韓国や中国の方は御存じないんですよ。そういう我が国の平和主義という、憲法に基づく平和主義というものを是非情報発信していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#146
○国務大臣(菅義偉君) この法案の審議の中でも、我が国から海外に対しての情報発信が余りにも少な過ぎる、情報発信についてもっと政府として予算もという話もこの議論の中であります。日本自身は、まさに戦後七十年の中で平和国家というのを築き上げてきたわけであります。そしてまた、民主国家として世界各地にも様々な貢献もしているということも事実であります。そうしたことをもっと積極的に内閣として一元的に海外に広報を戦略的に行っていくと、このことも極めて大事だというふうに考えております。
#147
○藤末健三君 今議論されている中で見ていきますと、このNSC、当初は六十人体制ぐらいで情報を収集して分析して政策をつくるというところが舞台となりますけれど、是非、情報の発信、これを一元的に行うというのをやっていただきたいんですね。
 なぜかと申しますと、例えば、先ほどワクチンの話を申し上げましたけれど、私たちの日本がずっとお金を国際機関へ出して、そして我々のお金で作ったワクチンを海外に出しているんですよ。ところが、どうなっているかというと、私、八月にインドネシアに行ってきました、ユニセフのアジア代表の人と回ってきたんですけれど、何が起きているかというと、ユニセフがやっていると、日本の顔が全く見えていないんですね、現地において。
 ですから、そこにはやっぱり日本、余り国のエゴを出すべきではないと思いますけど、厚労省、外務省、いろんな関係役所がありますので、JICAもありますので、そういう役所を統合して情報をきちんと発信することもやっていただきたいと思いますし、また同時に、私たちの平和憲法の話を申し上げますと、私、九月ですかね、中国に行ってきて、中国の大学生との議論をしてきました。それは、国際関係の研究機関の学生で、PhDコースの博士号を取ろうとしている人、彼は何を言うかというと、日本国は核武装をするんですかと真面目に聞いてくるんですよ。我々は平和憲法があり、唯一の被爆国として核武装など絶対あり得ないという説明をしてはいるものの、実際に国際問題を研究している人が真顔でそういうことを言っているという状況。是非、情報の発信はきちんと特に僕は中国や韓国に対してやっていただきたいと思いますので、その体制もつくるということを、ちょっと決意をお聞かせいただけますでしょうか。
#148
○国務大臣(菅義偉君) 総理は就任してから二十五か国を訪問いたしました。訪問先々で我が国の安全保障、また平和、経済に対しての様々な考え方を伝えてきております。訪問した二十五か国においては、全ての国でこの我が国の方針というものに理解を示していただいたということにもなっております。
 そういう中で、今、韓国、中国の話が出たわけですけれども、確かに近いがゆえに様々な問題があることも事実でありますけれども、そこは私たちも粘り強く我が国の基本的な平和と繁栄、そして安定という、そうしたものをしっかりと発信できるように政府としては取り組んでまいりますけれども、政府だけでなくて、やはり経済界だとかあるいは自治体だとか、そうした草の根の運動も含めてこれからは必要だというふうに考えております。
#149
○藤末健三君 是非進めていただきたいと思います。
 特に気になるのは何かと申しますと、中国、韓国においていろんな情報が流れる中で、既存のメディアよりも恐らくネットの方が影響力が大きいような気がするんですよ、特に若い方々には。
 何が起きているかというと、恐らくネットの中でどういうことが日本について書かれているかということをウオッチしながら、これは多分NSCの情報収集機関はやってくれると思います。ただ、それだけではなく、間違った情報が流れていたらカウンター情報を流すということまでやって、やはり日本の平和主義というのを徹底的に中国、韓国の若い人たち、ネットを通じてやるべきだと思いますので、そこは是非お願いしたいと思います。
 特に人間の安全保障という観点につきましては、実際にこのNSCの資料の中にも書いていただいているわけでございますけれど、これはちょっと事務方の方にお聞きしたいんですが、法文の条文上、この人間の安全保障というのはどの条文から引かれるかということをちょっと教えていただけませんでしょうか。お願いします。
#150
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。
 第二条、所掌事務のうちの十一号に当たると考えてございます。
#151
○藤末健三君 せっかくなので、条文をちょっと読み上げていただいてよろしいでしょうか。
#152
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。
 第二条第十一号でございます。「その他国家安全保障に関する重要事項」ということに当たると承知しております。
#153
○藤末健三君 御覧のように、条文を読むとなかなか読み込めないところがございます、正直申し上げて。重要事項という中で人間の安全保障ということを話をしているわけでございますけれど、実際にこの人間の安全保障という議論、これは国連で議論が九〇年代に起きまして、国土の安全を守るという一般的な安全保障から一人一人の人間の安全を守っていこうという観点に、一人一人の人間という観点に変わってきていると。
 実際に国連等で採択された文書を見ますと、人間の安全保障というのは大きな二つのポイントがございまして、一つは、人が欠乏から免れるということ。病院に行けない、食事ができない、水が飲めない、そして学校に行けないという欠乏の脅威から守られるということ。そしてもう一つございますのは、恐怖から免れるという、戦争であり、暴力であり、そういう恐怖から免れるという二つのポイントになっています。
 これは何かと申しますと、まさしく日本国憲法の前文にございます「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と。我々日本人は、全世界の国民がひとしく戦争や暴力といった恐怖から免れ、そして欠乏、学校に行けない、病院に行けない、食事ができない、水が飲めないという欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認するというこの憲法の条文がございますので、是非ともその憲法との関係等も明確にしていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでございましょうか。
#154
○国務大臣(菅義偉君) 安倍政権としては、人間の安全保障というのは外交の重要な柱の一つであるということの中で、総理、国連総会だとか様々な場でそこはしっかり訴えてきましたし、これからも日本は平和と繁栄、そして民主主義という、基本的人権ですか、そうしたものをしっかり行う国であるということと同時に、人間の安全保障に対しては積極的に貢献をしていく国だということをありとあらゆる機会にこれはしっかり訴えていきたいというふうに考えています。
#155
○藤末健三君 是非訴えていただくとともに、やはりきちんと文書として作って構築していただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。
 そして、具体的にこの人間の安全保障を、議論を行うということを官房長官おっしゃっていただいたわけでございますけれど、具体的にどういう体制で行われるかということ、そしてまた、多分専門家委員会などをつくられるということになると思いますけど、そういう専門家の意見などをどのように吸い上げるかという、そういう体制とか含めて、制度を含めて、仕組みを含めて教えていただければ幸いですけど、お願いします。
#156
○国務大臣(菅義偉君) 現在も外務省でこの人間の安全保障に対してホームページなどにもしっかり記載して配信をしておるわけでありますけれども、更にそうしたものを充実させると同時に、やはり政府としてもそこはしっかり取り組んでいきたいと思います。
#157
○藤末健三君 是非専門家を集めて議論をしていただきたいと思います。調べてみますと、この人間の安全保障に関する研究機関というのは幾つかございまして、割と専門家の方が育っているという状況でございますので、そういう方々の専門的な意見を集め、国際的にどのように日本が貢献し、かつ発信していくかということをこのNSCで是非やっていただきたいと思います。
 そしてまた、NSCの活動の中に、この説明資料を読まさせていただきますと、国連外交の強化をやっていくと、NSCをつくることによってとございますが、具体的にどのようなことを考えておられるかということを教えていただきたいと思います。
 日本の外交の路線は国連中心主義ということで、我々、日本の外交の環境に対する貢献、そして経済開発に対する貢献、先ほど申し上げた軍縮、難民問題、そして女性の地位向上などでいろいろ活動したわけでございますが、その国連外交の強化、具体的な中身を教えていただきたいと思います。
#158
○国務大臣(菅義偉君) 例えば安全保障と防衛力に関する懇談会の中で、いわゆる有識者の皆さんから議論の整理をされたその報告の中にも、我が国が取るべき国家安全保障上の戦略的アプローチの中に、国連外交の強化ということがこれはっきりとうたわれております。こうした議論を踏まえて、この法案が成立をした後には、まさに国際社会において、国連においての強化策というものを取り組んでいきたいというふうに思います。
 その中には、例えばイランとか、あるいは北朝鮮の核問題とかシリアの問題とか難民の問題、いろんな問題があるわけでありますけれども、我が国としては、そうした国連を通じてしっかり対応していきたいと思っています。
#159
○藤末健三君 是非、国連との連携はきちんと進めていただきたいと思っております。
 特に今の国連の安保理の非常任理事国というのが二〇一五年に選挙がございますので、我が国がそこで安保理における非常任理事国になるような動きを是非やっていただきたいと。そのときに私が思いますのは、先ほど申し上げましたように、我が国がどれだけ平和に貢献したかということをきちんと発信することがこの国連の非常任理事国の選挙に向けての大きなメッセージとなりますので、是非ともNSCにおいて、国連との外交を進めるのであれば、二〇一五年、非常任理事国の選挙がございますので、それに向けて情報発信をきちんとやっていっていただくということを是非、決意を官房長官、お聞かせいただきたいと思います。
#160
○国務大臣(菅義偉君) 今まで首脳外交が少な過ぎたと思います。つい先般、総理が訪問したカンボジア、ラオス、首脳は十三年ぶりでした。さらに、その前のマレーシア、シンガポール、そして今大変な台風の被害に遭っているフィリピン、それぞれ六年、六年、十一年ぶりだったというふうに思います。
 今年十一か月で二十五か国訪問する中で、そうした遅れを取り戻すとともに、我が国のまさに平和、安全保障に対しての考え方、そして国際貢献、そうしたものをしっかりとその機会に説明をさせていただいているところでありますし、総理を先頭にそこはしっかりと私たち政府一丸となって取り組んでいきたいというふうに思います。
#161
○藤末健三君 是非人間の安全保障、これ我が国の外交の一つの柱でございまして、二〇〇〇年には国連に人間安全保障基金をつくり、そしてまた人間の安全保障という中で様々なカンファレンスをつくったり、あと人間の安全保障フレンドシップみたいなものをつくったり、様々な国際活動をしていますので、それをNSCを中心に統合して進めていただきたいと思います。
 続きまして、サイバーセキュリティーに話を移らさせていただきたいと思います。
 サイバーセキュリティーといいますと、よくパソコンにウイルスが入ってパソコンは困ったという話になりがちでございますが、今、国際的なサイバーセキュリティーの議論を見ますと、国の重要インフラを止められる、例えば金融のシステム、電力のシステム、鉄道そして水のシステムなどが止められるというようなことが起きております。
 今、サイバーセキュリティーにつきましては安全保障の観点からも大きな変化になっていまして、もう防衛省でも議論がなされていますけれども、一番大きな観点は何かというと、昔の戦争というのは陸と海であった、ところが、そこに戦闘機が出て新しい概念に変わってしまうのと同じぐらいにこのサイバーという空間、新しい安全保障の空間というのは重要であるというのが今大きな動きでございます。
 アメリカもこの数年においていろんなサイバーセキュリティー、サイバーの攻撃に対するディフェンスの体制をつくっているところでございますが、私が政府にお聞きしたいのは、今年の三月の二十日に韓国において大規模なサイバー攻撃がございました。このときに、放送局のテレビ画面などが全部止まり、また銀行のATM、銀行も攻撃されATMが動かなくなったという状況で、これは韓国政府の発表によりますと、北朝鮮のサイバーソルジャー、軍団が韓国を攻撃したと言われております。
 韓国のレポートを読んでいますと、これは手を抜いていると書いてあるんですね。本当はもっと攻撃できるのにわざと途中でやめているような形になっているということでございまして、韓国のサイバーの攻撃の情報、日本政府としてどれだけ集めているかということを教えていただけないでしょうか。お願いします。
#162
○政府参考人(谷脇康彦君) 委員御指摘のとおり、本年三月二十日でございますけれども、韓国の金融、放送分野におきまして大規模なシステム障害が発生しております。これがサイバー攻撃である旨韓国政府から発表があったという件については承知をしております。
 政府としても情報収集を行っているところでございますけれども、情報収集に関する詳細につきましては、事案の性質上、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#163
○藤末健三君 情報を集めていただいているならばそれでいいとは思いますが、ただ、二〇〇七年、これはエストニアですか、あとシリアに対する攻撃などがあったときに何があったかというと、爆撃をする前に停電させるんですよね、その地域を全部、サイバー攻撃で。ですから、今新しい安全保障と考えたときに、一番初めの攻撃は何かというとサイバーじゃないかという、いかにサイバー上で守っていくか、防衛していくかというのが非常に重要になっているということでございますが。
 現在の我が国の法規におきまして、テロではなく、個人的なものではなく、他国からのサイバーアタックはどのように法律上定義しているかと。そしてまた、法律上の定義がない場合に、このサイバー攻撃の定義をどのようにしなきゃいけないかということにつきまして、官房長官ですか。じゃ、事務方、見解をお聞かせください。
#164
○政府参考人(谷脇康彦君) いわゆるサイバー攻撃でございますけれども、一般的には、情報通信ネットワークや情報システムを利用して行われます不正侵入、あるいはデータの窃取、破壊、不正プログラムの実行、DDoS攻撃などを指すものと考えられるわけでございますけれども、現段階におきましては、国内法上も国際法上も確立した定義があるわけではございません。また、サイバー攻撃の主体につきまして、他人のコンピューターを踏み台にして発信元を容易に偽装できることなどから、実際の攻撃主体が国家によるものであるかを特定することは必ずしも容易ではないといったような性質もございます。
 したがいまして、お尋ねの他国からのサイバー攻撃につきまして法律で定義付けることは、現時点では困難であるというふうに考えております。
 なお、政府におきましては、サイバー攻撃に対して迅速かつ的確に対処するため、閣議決定等に基づきまして、各府省庁が業務において得たサイバー攻撃に係る情報を内閣官房に集約をいたしまして適時適切な情報の共有を図るとともに、認知したサイバー攻撃の規模等に応じまして政府一体となった初動対処体制を取るなど、必要な措置をとることとしております。
 政府といたしましては、情報セキュリティーの確保は国家の安全保障や国民の社会経済活動にとって重要な課題であると認識をしておりまして、これまでも必要な法整備等に努めてきたところでございますけれども、引き続き必要な対策を進めてまいりたいと考えております。
#165
○藤末健三君 官房長官、今の回答を聞いていただきましたでしょうか。法的な枠組みがないんですよ。
 私は、昨年九月にオーストラリアに行ってきました。オーストラリアにおいては、緊急事態対処法の中にサイバーの防御みたいな形が書いてあるんですね、法律に、実は。私は実際に見て、ああ、これは日本にも必要だなと思って、対応が必要だということでいろいろ研究はしているものの、やはり条約の問題とか国内法の問題でなかなかできないところではございますが、このサイバーというものに対する法律の定義をどこかでしなきゃいけないというふうに考えております。それについて見解をちょっといただいてよろしいですか。
#166
○国務大臣(菅義偉君) 政府として情報セキュリティーの確保は国家の安全保障や国民の社会経済活動にとって極めて重要だと、そういうことの認識の中で、今までは一部、刑法の改正等は行ってきましたけれども、今委員の御指摘のとおり、現時点においては内閣総理大臣決定で行っておるところでありますので、それに基づいてこの設置を、対策を今行っているところであります。
 今委員から法律でという御指摘もいただきました。政府としてもここは極めて大事だというふうに思っておりまして、例えば総理大臣決定によって、NISCにおいては、情報セキュリティー政策に係る基本戦略の立案その他官民における統一的、横断的情報セキュリティー対策の推進に係る企画及び立案並びに総合調整を行う、この非常に長い対応策ですけれども、こういうものを設置をして、関係省庁と連携をしながら政府機関の情報インフラ、これの水準向上だとかサイバー攻撃に対しての対処、処理、そうしたものをここを中心に行っておりますし、本年六月には、サイバーセキュリティ戦略において、政府機関に対しての、二十四時間体制でのこの攻撃に対しての監視を強化するなど、このNISCの強化策を通じながら懸命に今努力をしているところであります。
 委員の指摘の下に、私どもも組織的位置付け、こうしたものもこれから検討していきたいというふうに考えます。
#167
○藤末健三君 是非検討していただきたいと思います。
 私は、今集団的自衛権の行使につく研究をされていますけど、サイバーセキュリティーの方の研究の方が先だと思います、正直申し上げて、現実性が高いという意味ではですね。
 今の状況で御説明しますと、法律がないというふうに申し上げましたけれども、今NISC、内閣官房情報セキュリティセンターが中心となってガイドラインが作られているんですよ、各省庁が合わさった。ただ、ガイドラインを読んでいると、どこまで法的な担保ができるかという、恐らく各省庁の枠内でしか動けない状況なんですね。ですから、やっぱり統合的に法律で権限を付与し、明確なルールを作らなければ、実際の問題が起きたときに私はガイドラインがなかなか動かないのではないかというふうに思っています。
 と同時に、このサイバーのセキュリティー、アタックに関する法的な枠組みがない、定義がないという状況の中でもう一つ問題なのは何かと申しますと、今御答弁いただきました、政府の報告もございますが、内閣官房情報セキュリティセンター、NISCというのが今官房長官の下に設置されていると。しかし、この内閣官房情報セキュリティセンターは法的な位置付けがございません。法的な位置付けがない。
 どうなっているかというと、法的な位置付けがないがゆえにまず予算が取れないです、正式には。かき集めになっている、ほかの省庁のを。そしてもう一つ、定員が十分に満たすことができない。あえて申し上げますと、今ビルも間借りですよ。本当に国家の情報セキュリティーを担うようなオフィスかというと、多分行かれたことがあられると思いますけれど、私、やっぱりあれは非常に外国のサイバーセキュリティーを担当している人間が来たら、私は驚くと思いますよ、あの状況は。
 ですから、是非ともその基盤である内閣官房情報セキュリティセンターの法的な位置付けをきちんとし、そして予算をきちんと付け、定員を付けるということをやるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
#168
○国務大臣(菅義偉君) 今いろいろ委員から御指摘をいただきました。
 センター長に官房副長官補を据えて、いわゆる協力五省庁と言われる警察、総務、外務、経産、防衛省、こうしたものの協力を得ながら、まさに我が国のこの重要インフラ、それぞれの所管庁の対応をしているわけでありますけれども、委員の御指摘というものを私は真摯に受け止めて対応していきたいというふうに考えます。
#169
○藤末健三君 これは恐らく時間がないと思うんですね。冒頭に韓国が北朝鮮から攻撃されたという話を申し上げましたけれども、あれは北朝鮮本土からじゃないんですね、攻撃は。中国にある、十人ぐらいだと思うんですけれども、の人数がパソコンを持っていって、それで攻撃して放送を止め、金融システムを止めたんですよ、実は。その矛先が我が国に向かう可能性はなきにしもあらずと私は思いますので、そこは是非、至急このNSCの議論、何が大事かという優先順位を考えていただき、対応策を作っていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 このサイバーセキュリティーの問題につきましては、今官房長官が政府全体の取りまとめという位置付けになり、NISCが副官房長官がやっていただくということで、関係大臣連絡会というのがございます。その関係大臣連絡会においてサイバーセキュリティーの政策の議論が行われることになるわけでございますが、NSCが設置されたときにこのサイバーセキュリティーの議論の体制はどのようになるかということを教えていただけますか。
#170
○国務大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘のありましたこの関係大臣連絡会議というのは、多分、情報セキュリティ政策会議のことだというふうに思います。これについては、私が議長であって、官民における統一的また横断的な情報セキュリティ対策の推進を図るためにサイバーセキュリティ戦略を決定をし推進をしているところであります。
 一方、この安全保障会議の意義は、総理を中心に関係閣僚が平素から戦略的視点を持ってこの審議を行って、外交、防衛を中心とした司令塔という立場でありますけれども、この国家安全保障会議が設置をされた時点において、やはり今言われましたこの連絡会議とこの安全保障会議というのは必要に応じて連携を取りながらしっかりやっていきたいというふうに考えています。
#171
○藤末健三君 是非強力な体制をつくっていただきたいと思います。
 なぜかと申しますと、このサイバーセキュリティーの関係省庁はどこがあるかというと、まず防衛省がある。防衛省は何をやっているかというと、自衛隊の情報システムの防御なんですね、自衛隊の。先ほど申し上げたように、鉄道であったり水道や電力システム、金融システムの防御じゃございません。あと、その一方で警察があります。じゃ、警察は何をやるかというと、サイバー犯罪です、これは。他国からのアタックではない。犯罪になる。そして総務省があります。総務省は何をやっているかというと、情報通信のセキュリティーなんですよ。パソコンの中に、コンピューターの中に入っちゃったらどこかというと、経済産業省。通信は総務省、コンピューターシステムになったら経済産業省と、ばらばらなんですね、今。
 実際に、具体的に統合されているかというと、私の見た感じでは統合されてございません。なぜかというと、NISC、内閣の官房情報セキュリティセンターが法的な位置付けがないですから。それは是非NSCでカバーをしていただきたいと思いますし、同時に、サイバーセキュリティーのこのNISCは私は法定で設置するべきだと考えております。
 最後でございますが、NSCを学術的に支えるための体制というのを是非つくるべきではないかということを御提案させていただきたいと思います。
 学術的、特に大学などにおきまして、この安全保障、先ほど申し上げました平和の政策などについての研究を行う機関が非常に我が国はやっぱり少ないという状況であります。特に安全保障については大学で議論するのは非常にタブーとされているというのがずっと続いてきたわけでございますが、私はやはりNSCの議論を行う中で専門的な学術的な分析に基づいた活動が必要だと思いますし、あと、大学が何がいいかと申しますと、国境を越えやすい情報交換ができます。例えば、我が国の大学若しくは研究機関、独立の研究機関がこういうセキュリティーの問題、安全保障の問題を研究し、それが例えば、韓国であり中国でありアメリカであり、いろんな国々との交流を進めることによってより安定した情報交換ができるのではないかと。アメリカの、例えば衆議院の参考人質疑なんか見ますと、MIT、マサチューセッツ工科大学はそのような活動をしているんですね、実際に。
 ですから、そのような仕組みを是非つくるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
#172
○国務大臣(菅義偉君) まず、この国家安全保障会議を設置をさせていただいて、委員御指摘のような研究拠点を大学等に新設との考え方は、現時点においてはまだ私ども考えておりませんけれども、有識者会議においては、民間人からも有能な人材を登用すべきである、そうした指摘もいただいていますし、国家安全保障局として、まさにそういう研究者だとか、そうした現実に対応できる能力のある方をそこは登用をし、活用をしていきたいというふうに考えておりますけれども、今委員から大学の設置という提案もありました。現在、政府としてもこの対策は極めて大事だというように私たち考えておりますので、そこも前向きに私は受け止めさせて、このセキュリティ対策というものはやはりしっかりやっていかなければならないというふうに思っています。
#173
○藤末健三君 是非進めていただきたいと思います。
 今やっぱりNSCの誤解みたいなのがありまして、非常に国防的なことだけをするんじゃないかというような私は誤解があると思いますので、是非、人間の安全保障であり、また学術的な広がりを持たせるということをやっていただきたいと思います。
 そして最後に、これはもう御提案だけ申し上げたいと思うんですが、つい数日前のファイナンシャル・タイムズという新聞に日本と中国がNSCをつくろうとしているという記事が載っていました。御存じですね、官房長官。
 日本も国家安全保障会議をつくる、中国も国家安全委員会をつくる、似たような組織をつくっていると。逆に、これがぶつかり合うことにならないかと。ちょうど、ファイナンシャル・タイムズに書いてあったことは何かというと、その二つの組織にホットラインをつくるべきじゃないかと書いてあるんですね。私は、今非常になかなか進みにくい状況ではあるかもしれませんけど、一つの案だと思います。これ、ちょっと登録はしていませんけれども、いかがお考えですか、官房長官。
#174
○国務大臣(菅義偉君) そもそも日本のNSCをつくる中で、日本には、例えば同盟国の間でもなかなか連携する組織がなかったということもこれ事実であります。そういう中で、このNSCの組織、私どもつくって、今委員から提案がありましたけれども、そこも一つの考え方だろうというふうに考えます。
#175
○藤末健三君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 いかにNSCが国防だけでなく幅広く平和を、安定をつくるかということを進めていただきたいことをお願いしまして、質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#176
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗でございます。
 近年、我が国周辺の海域においては、中国の軍事活動の急速な拡大が見られます。我が国の護衛艦を威嚇するようなゆゆしき事態ですとか、領海侵犯事件も発生しております。そこで、中国を始めとする外国の軍艦や潜水艦による領海侵犯事件が発生したときに、本法案によってどのような対処を行っていくのかを具体的に聞いてまいります。
 まず、過去の領海侵犯における自衛隊の海上警備行動の実例から聞きます。
 二〇〇四年の十一月のことになりますが、中国の原子力潜水艦が石垣島周辺の領海を潜航したまま領海侵犯する事件が発生しました。このときに自衛隊に海上警備行動が発令されたものの、発令は潜水艦が領海を通過してからでした。このとき、発令が領海を通過した後になった原因は何でしょうか。
#177
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の二〇〇四年十一月に生起しました中国原子力潜水艦による我が国領海内潜没航行事案に対しては、平成八年の閣議決定「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」に基づいて海上警備行動を発令し、自衛隊が対処したところであります。
 しかしながら、当時は、本事案が閣議決定に定める海上における治安の維持のため必要との要件に該当するか否か等について政府部内で認識を統一する等の必要があり、結果的に見れば、潜水艦の領海侵入情報に接してから海上警備行動の発令に至るまでに相当の時間を要することになりました。このため、当該潜水艦が海上警備行動の発令時点で領海外に所在していたことは御指摘のとおりであります。
 一方で、当該潜水艦の行動によっては再び領海に入る可能性もあったということでありますので、総合的に判断し海上警備行動を発令したということは、一概に間に合わなかったとは言えないものと考えております。
#178
○和田政宗君 とはいいますが、みすみす領海を侵犯して通過するのを許してしまったわけですけれども、潜水艦の発見からこれ海上警備行動が発令されるまで、およそ三時間掛かっているんですけれども、いろいろな各種調整ですとか問合せということがありましたけれども、どの部分に時間が掛かったんでしょうか。
#179
○国務大臣(小野寺五典君) この二〇〇四年十一月に発生しました中国原子力潜水艦による領海内潜没航行事案でありますが、御指摘のどの部分に時間が掛かったかということですが、これは、この閣議決定に定める海上における治安の維持のため必要との要件に該当するか否か等について政府部内で認識を統一する等の必要があるというところに時間が掛かったと考えております。
#180
○和田政宗君 この二〇〇四年の事例では領海侵犯を許してしまったわけですけれども、今年の五月に国籍不明の潜水艦が領海に近づく事案が相次いだときには、防衛大臣は、領海に入ったら海上警備行動を取ってしかるべき対応を取る手順を予定していたと発言して、領海に入った場合には安倍総理の承認を経て、直ちに海上警備行動を取ることを決めていたと報道等で報じられています。
 先ほど大臣おっしゃられたように、一九九六年に安全保障会議及び閣議で決定された「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」では、海上警備行動について、個々の事案発生時に、改めて個別の閣議決定を経ることなく、総理の判断で発令できるとしています。先ほどの五月の事案の大臣の発言、これを踏まえたものでしょうか。
#181
○国務大臣(小野寺五典君) 委員御指摘の私の発言は、本年五月二日と十二日及び十三日に、南西諸島周辺の我が国接続水域内において潜没航行する国籍不明の潜水艦を確認したことに基づき、同月十三日に対外公表を実施した際のものであります。
 この発言は、「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」は、海上保安庁では発見する能力がない等十分な対応が困難であることから、防衛大臣が、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊法第八十二条の海上警備行動を自衛隊の部下に下令することにより対処することとされる旨を説明したものであります。
 すなわち、議員御指摘のように、潜没潜水艦への対処については、こうした個別の事案が発生した場合に、先ほど御指摘がありました平成八年の閣議決定に基づき、改めて閣議にかけることなく、総理の承認により海上警備行動を発令できるということになっております。
#182
○和田政宗君 確認ですが、今回はそうすると速やかに対処する準備ができていたというふうに考えますけれども、二〇〇四年の領海侵犯事件においては、この一九九六年の閣議決定の外国潜水艦への対処についてに基づいた対処がなされたと考えてよろしいんでしょうか。
#183
○国務大臣(小野寺五典君) 今年の事案につきましては、接続水域内ということで、事前に領海に入る前に私どもの方としてそのような事案があるということを対外公表させていただき、言ってみれば警告に資するような役割が果たせたんではないかと思っております。
 委員が御指摘の二〇〇四年でありますが、このときも既に平成八年に閣議決定をされておりました。ただ、この際、最終的に海上における治安の維持のために必要かどうかの要件を議論する中で政府内での認識の統一する一定の時間が必要だったということだと思っております。
#184
○和田政宗君 これも確認ですけれども、そうすると、外国の潜水艦や軍艦が領海を侵犯しても必ずしも海上警備行動を発令しないということでしょうか。
#185
○国務大臣(小野寺五典君) 一般的に、外国の艦船が例えば領海内を無害通航するような場合には海上警備等の対象にはなりませんが、少なくとも、この間発生しました潜没航行をしている潜水艦に関しては海上警備行動を下令するということ、総理の承認を得てですが、こういう対応を取ることが必要だと私は思っております。
#186
○和田政宗君 浮上航行して領海侵犯をする軍艦についてはいかがでしょうか。同じような対応でしょうか。
#187
○国務大臣(小野寺五典君) 一般的に、潜水艦が浮上し、国旗を掲げ、そして一般的な航行をする場合には無害通航に当たると思いますので、その場合には海上警備行動を発令する場合には至らないと思っております。
#188
○和田政宗君 潜水艦についてはそうだと思うんですけれども、浮上して航行する例えば護衛艦であるとか戦艦であるとか空母だとか、そういった艦船の領海侵犯については海上警備行動を領海侵犯したら取るということでしょうか。
#189
○国務大臣(小野寺五典君) 今言った軍艦のような艦船についても、通常、一般的には、特異な行動を取らずに無害通航という形での領海侵犯の場合には、いわゆる無害通航ということが認められておりますので海上警備行動を取らないということではありますが、一般的なことをお話をしますと、私どもとして、例えば周辺海域の中でたとえ領海を通航しない場合でも、例えば海峡をこのような軍の艦船が航行しましたということは特異な事例ということで、その都度公表するような体制を取らせていただいております。
#190
○和田政宗君 では、これまでの答弁を踏まえて、ここからは本法案について聞いてまいります。
 本法案において、内閣官房が示した資料でありますあらかじめ内閣総理大臣により指定された国務大臣のイメージという資料によりますと、領海侵犯事件については、総理、官房長官、加えて法務、外務、国交、防衛、国家公安の各大臣による緊急会合ということになっております。先ほどの答弁では、潜没潜水艦の領海侵犯においては閣議を経ることなく海上警備行動が発令できるとのことですけれども、では、こうした事案の場合、国家安全保障会議との関係というのはどうなっているんでしょうか。
#191
○国務大臣(菅義偉君) 我が国領海内において外国潜水艦による潜没航行事案への対応でありますけれども、この国家安全保障会議設置後も従来からの情報伝達や意思決定過程に変更はなく、総理大臣は、既存の閣議決定に基づいて、国家安全保障会議や会議を開催することなく緊急な場合は海上警備行動の発令に係る承認をすることができるということになっております。
 その他の事案についても、海上警備行動の発令に係る内閣総理大臣の承認等のためにこの国家安全保障会議及び会議を開催する必要はありますけれども、緊急な判断を必要とするときは、国務大臣が、今言われた大臣が参集して速やかな会議の開催、それが困難な場合は電話等で連絡をしながら、そして了解を取って必要な決定を行っていくと。
 いずれにしろ、政府としては、こうした事案が発生をしたときには、まさに厳正で、そして迅速に対応できる体制というものをしっかりと取っておるというところで御理解いただきたいと思います。
#192
○和田政宗君 そうしますと、無害通航でない浮上航行している軍艦の領海侵犯事件で海上警備行動を発令する場合には、国家安全保障会議の関与というのはどういったことなんでしょうか。
#193
○国務大臣(菅義偉君) 基本的には国家安全保障会議が必要でありますけれども、ただ、緊急の場合については今申し上げたとおりであります。
#194
○国務大臣(小野寺五典君) 無害通航等の場合には、もちろん無害通航ですので海上警備行動等の問題はないんですが、ただ、委員が多分御指摘の中で、不審船事案等があった場合、この場合には、まず、不審船事案でありますのでそれなりのやはり手続が必要だと思っております。
 いずれにしても、私どもとしてしっかりとした対応は取らせていただきたいと思っております。
#195
○和田政宗君 そうしますと、いわゆる不審船であるとか軍艦等による領海侵犯事件に対しては、これまでは閣議を経て海上警備行動の発令というのが行われていたというふうに思うんですけれども、そこに今回の仕組みで四大臣会合ですとか九大臣会合、緊急事態大臣会合、そして閣議となると、余計複雑になっているように見えるんですけれども、これ、発令が後手後手になるということはないんでしょうか。
#196
○国務大臣(小野寺五典君) 例えば潜没潜水艦が領海内へ侵入した場合、この場合には、私、防衛大臣が内閣総理大臣の承認を得て海上警備行動を発令するということになります。ただ、いずれにしても、その先どのような対応を取るかということが必要になりますので、その中には、今回のNSCの中で同時並行的に議論をすると。まず初めに海上警備行動でその場で対処するということが大切だと思っています。
 また、不審船等の事案に関しては、これは基本的には海上保安庁が対応しますが、その海保の対応が困難な場合には、安保会議等の諮問を受け、その際閣議決定を行い、その後、その中で最終的に海上警備行動の下令を防衛大臣が行うということになります。
 それぞれのケースで、潜没潜水艦の場合あるいは不審船の場合ということがありますし、また、無害通航の場合には、あくまでも無害通航ということですので海上警備行動は取らないということになります。
#197
○和田政宗君 今大臣おっしゃられたように、潜水艦、沈んだ形の潜没潜水艦の領海侵犯については、一九九六年の決定以降、速やかに海上警備行動が発令できる仕組みができたということですけれども、ただ、二〇〇四年の事件については、様々な要素があったとはいえ、海上警備行動の発令というのは発見から三時間ほど掛かっているというような状況です。
 本法案によって、潜水艦や軍艦の領海侵犯事件に対して海上警備行動の発令というのは速やかになるんでしょうか。速やかになるとすれば、具体的にどのような部分が改善されるんでしょうか。
#198
○国務大臣(小野寺五典君) まず、海上警備行動について、潜没潜水艦に関しての対応については、まず初めに総理の承認を得て、そして防衛大臣として海上警備行動を取るということになります。
 ただ、例えば、様々、その場合、明確に判断できるか分からないようないろんな事案がございます。このときにはどのような判断をしたらいいかということ、これは、防衛大臣だけではなくて、外交面の問題あるいは政府全体での考え方ということの議論も必要だと思いますので、当然、速やかにNSCの中で議論することも併せて行われることは想定されると思っています。このような、どのような判断をしたらいいか分からない事案についての速やかな判断というのは、当然、新しくNSCが設置されれば有効に機能するものと私どもは考えております。
#199
○和田政宗君 そうしますと、ちょっとこれも確認ですけれども、現場の事案については今までの仕組みで現場でオペレーションでもうどんどんどんどん進んでいって、国家安全保障会議はそれに関して、事態がずっと進んでいくときには関与をしない場合もあるということですか。事後の方策について考えるということなんでしょうか。
#200
○国務大臣(小野寺五典君) 一般的には個別の事案でどう対応するかということになると思いますので、ただ、一般論としてお話をすれば、例えば潜没潜水艦がいてそれが領海内に入ってきました。総理の承認を得て防衛大臣が海上警備行動の発令を行います。ただ、いずれにしても、これはどこかの潜水艦ですから、国の船でありますし、またこれを浮上することを要請するなり外交ルートで働きかけるなり、多くのことが同時並行で進まなければいけません。そういう中でこのNSCは有効に機能していくものと思っております。
#201
○和田政宗君 最後にですが、我が国の国防体制が総合的に高まることを希求しまして、質問を終わります。
    ─────────────
#202
○委員長(中川雅治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、安井美沙子君が委員を辞任され、その補欠として大野元裕君が選任されました。
    ─────────────
#203
○仁比聡平君 先ほどの総理質疑に続きまして質問させていただきたいと思います。
 まずは、谷垣大臣、おいでいただいて今日はありがとうございました。
 そこで、先ほど御答弁いただいたテーマと少し近いんですけれども、特定秘密保護法案の二十一条で報道又は取材の自由への配慮などの規定があるわけですが、この報道機関についての捜査のありようをお尋ねしたいんです。
 政府は、知る権利や報道、取材の自由に配慮するというふうにおっしゃるんですが、これ、捜査機関が自ら配慮したと言えば言わばそれだけのことといいますか、法的に捜査機関を縛るような効果を何らかの要件の下に持っているのかというと、そうではないのではないかなという感じをちょっと持っているんですが、大臣、いかがでしょう。
#204
○国務大臣(谷垣禎一君) 検察の捜査に対してどういうイメージを持っておられるかによっても違うと思うんですが、現実に、今まで検察の捜査で報道機関に強制捜査に入るということは、私の記憶する限りほとんどないですね。それはこの法案では二十一条に表現されておりますが、昭和四十四年だったと思います、博多駅事件等々の判決で報道の自由等に対する配慮を求めている最高裁判決がございまして、そういうものを検察の実務としては十分に踏まえながらやってきたというふうに私は理解しております。
 加えまして、これはもう一般的なことでございますが、それぞれ令状主義等々の要件、つまりいわゆる刑事訴訟法の要件の下で適法に行動をしなければならない、これは当然のことだろうと思います。
#205
○仁比聡平君 今も、できるだけ任意で、あるいは令状主義という下で、少なくとも後から振り返れば違法な捜査が行われ、私はそうした乱暴な強制捜査が行われてきたというのが現実なのではないかという認識ではあるわけですが、この配慮というのが、今大臣がおっしゃったような意味での範疇を超える法的な縛りというものではないのかなと思うんですね。
 そこで、取材がこの法案の二項に言う正当な業務による行為、これは、専ら公益を図る目的で、法令違反や著しく不当な方法によるものと認められるか否かという判断になると思いますが、この判断をするのも、まずは特定秘密を保有して管理をしている行政機関が、この取材はちょっと行き過ぎだとか、それを捜査機関に告発するとか、あるいは捜査機関が別の端緒でそうした違法な取材というものをつかむかというような辺りが端緒になって最終的には裁判所において判断されるということになるんだと思うんですが、いかがでしょう。
#206
○国務大臣(谷垣禎一君) もちろん捜査の端緒が何であったかというのはそれぞれの場合によると思いますが、捜査段階において正当な業務行為であるかどうかは捜査機関が判断しながら進めていきますし、最終的には裁判所で正当業務行為に当たるかどうかを判断するということになると思います。
#207
○仁比聡平君 国会での論点になっているので重ねて大臣に伺うんですが、そうした捜査に必要となれば、報道機関を始めとして、その取材者である例えば記者の関係先に対して捜索、差押えを含む強制捜査というのは、これは個別の事件において必要があればあり得ますよね。
#208
○国務大臣(谷垣禎一君) あくまでこれは個別の判断になりますけれども、一般論として申し上げれば、令状主義の下で逮捕、勾留あるいは捜索、押収ということはあり得るわけです。
 もちろん、これはもう釈迦に説法でございますが念のために付け加えれば、それは決して被疑者のところだけに行くとは限りません。場合によっては被害者のところに必要な捜索、押収で証拠を集めるということもございます。だけど、一般論として、個別の判断に最終的にはなるんだろうと思います。
#209
○仁比聡平君 そこで、もう一点、法案では、正当な業務による行為と認められる可能性があるのは出版又は報道の業務に従事する者の取材行為でなければならないとされているわけですが、その意味というのは、森大臣、いかがでしょう。
#210
○国務大臣(森まさこ君) 出版又は報道の業務に従事する者とは、不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることや、これに基づいて意見又は見解を述べることを職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う者をいいます。具体的には、放送機関、新聞社、通信社、雑誌社の記者に限られず、個人のフリーランスの記者も含まれると解しております。
#211
○仁比聡平君 社会生活上の地位に基づいて継続してというような意義であると法案担当者としての御説明なんですけれども、実際に、政党機関紙やフリーの記者、あるいはインターネット上やミニコミといいますか、そういうものでの発信、発表を前提に市民団体や学者、研究者が行う調査、こうしたものがその出版又は報道の業務に従事する者か否かということをこれは判断するのは、これ、個別の事案に応じて、捜査機関、そして最終的には裁判所が判断するものだと思いますが、法務大臣、いかがでしょう。
#212
○国務大臣(谷垣禎一君) 一般論として申し上げれば、おっしゃるとおり、捜査段階では捜査機関、公判段階では裁判所ということになりますが、また繰り返しになりますが、先ほど申し上げたようなこの二十一条の縛り、あるいは昭和四十四年の博多駅事件の判決等々の先例をやはり尊重しながら行われると思います。
#213
○仁比聡平君 そうした捜査機関側からの配慮というのはあったとしても、強制捜査が行われ得るのだということがまず重大だと私は考えているんですね。つまり、知る権利を保障するための取材の自由や報道の自由という文脈においてそうしたことがあっていいのかということなんですけれども。
 そこに関係して防衛大臣にお尋ねしたいと思うんですが、自衛隊には既に情報保全隊が置かれております。これは繰り返し国会で議論になってきましたから一々申し上げませんけれど、イラク戦争の当時、自衛隊派兵について、駐屯地、具体的には青森の駐屯地の門前で任務を終えて帰宅をされる自衛隊員の皆さんに取材をして、それを基にした記事が大手の新聞に載りました。その門前で取材行為を行った女性新聞記者の行為を情報保全隊は反自衛隊活動というテーマというか角度といいますか、そうした視点で監視をして、詳細な報告書を関係各方面に回しているわけですね。
 こうした情報保全隊の活動が法律違反ではないかという裁判が、地方裁判所では法律違反であるという判決を経て、今高等裁判所で争われております。この夏の証人尋問において当時の情報保全隊長は、広報を通さずに行われるものは取材ではないという趣旨の証言をしておられます。つまり、駐屯地などで新聞記者が取材をするのであるならば、その部隊の広報担当のところにアポイントが行われて、それに従って行われるものが取材なのであって、その広報を通じないものは取材ではないという趣旨の証言をされているんです。
 これは、その駐屯地の門前で個々の隊員に意見や感想を聞くという取材においては広報を通していないわけですから、だから、その監視を行った情報保全隊の活動は違法ではないと、あるいは目的を達するためなのであると、そう主張したいのだろうと私は思うわけですけれども、この広報を通さない自衛隊員への取材というのは、情報保全上許されないということなんですか。
#214
○国務大臣(小野寺五典君) 機微な情報を数多く取り扱います防衛省・自衛隊においては、外国による諜報活動を始めとする外部の不当な働きかけから防衛省・自衛隊が保有する重要な情報を防御するため、カウンターインテリジェンス機能を強化することは極めて重要だと認識しております。
 このような観点から、事務次官通達で部外者から不自然な働きかけへの対応及び外国機関関係者等との接触要領についてを発出し、情報保全上の事故を未然防止するため、部外者からの不自然な働きかけについて職員から報告させるようにしております。また、防衛省としては、広報を通さないものは取材に当たらないとは考えておらず、広報を通さないものでも取材に当たると認識しております。
 いずれにしても、御指摘の広報を通さずに行われた取材行為を含め、記者による以上の取材行為については、不自然な働きかけに至らないものであることから、本報告の対象となることはないと思っております。
 また、今委員御指摘の元隊長の証言について公判記録を見ますと、委員が御指摘のような断定的な言い方はしていないと私は認識をしておりました。
#215
○仁比聡平君 証言の評価は裁判所がされることですから、大臣の御意見を今日伺ったんですけれども、認識を伺ったんですけれども、結局、そんなことはないんだと、広報を通さなくてもいいんだというようなお話なんだったらば、私はこれは保全隊の活動というのは違法なんだと思うんですよ。今の御答弁だと、この当該新聞記者の門前での取材行為というのは異常だとか不自然な働きかけというみたいなことになるのかと、だって報告書の中には反自衛隊活動となっているわけですからね。これが今現在の国、まあ今のお話は防衛省ですが、をめぐって争われている事実なのではないでしょうか。
 この保全隊の監視の実態というのは、私どもに内部告発があって、我が党として公表して初めて明らかとなったものです。法案で国会議員も重罰の対象にされ得るとなるなら、こうした内部告発や公表そのものも監視や処罰の対象とされかねないと。私はそんなことであっていいのかと思うんですよね。
 先ほどの質疑の中で森大臣の答弁が結局分からないままになりましたのでちょっとお尋ねしますが、十一月八日、衆議院の特別委員会で町村議員に対する答弁として、「テロリズムの防止のために警察等の警備をする、その実施状況、実施計画について、それを公表してしまったら、テロがそれを知ってしまうわけでございますから、それについては、別表に当たる場合には特定秘密に指定されるということになります。」と御答弁されています。
 十一月の十二日には、山田議員の質問に対して、「例えば、テロが行われるという情報があったとします。それが、ある特定の原発を狙っているというような情報があったとします。それに対する警備の計画であるとか配置であるとかいうことになりますと、別表に該当する場合もあるというふうに考えております。」というのが御答弁なんですよね。
 私がこの答弁を引用したらあなたは首をお振りになったんですが、総理も含めて先ほどの訳の分からない議論になったんですけれど、改めて伺いますけど、警備をするんだったら、その警備対象の脆弱なところとか、あるいはテロリストがその破壊対象に接近しやすいルートとか、こういう情報が前提にならなかったら警備なんてやりようがないでしょう。テロリストにとっては、そういう情報が入手できれば、そこから警備の体制というのは当然推認できるということになるじゃないですか。まさにテロリストに資する情報じゃないですか。違うんですか。
#216
○国務大臣(森まさこ君) 仁比委員が今御指摘をした議事録のとおり、私は、原発の状況につきましては、テロの警備状況については別表に該当する場合があると一貫して答弁しております。
 先ほどの御質問ですと、原発の状況等が特定秘密になりますかというような御質問でございましたので、私は、テロに限るということでこれまで御答弁をしておりますので、一般的に全て原発の内部の図面等が特定秘密になるものではないということを申し上げたわけでございます。
 そこで、今の御質問になりますけれども、前提として、原発の建物内の図面がなければテロの警備状況がつくれないのではないかというふうな御指摘でございますが、そうであっても、特定秘密に指定をされる文書というのは警備の状況が書き込まれたものになります。それ以外のものを特定秘密には指定をいたしません。
#217
○仁比聡平君 質問時間終わりましたから、なくなりましたからこれまでにしますけど、大臣、思い込みが激し過ぎますよ。私がいつ先ほどの質問の中で原発構内の図面なんて言いましたか。あなたの思い込みですよ。原発の情報はどうかとは聞きました。そこで原発の警備の実施状況は特定秘密たり得るというあなたの答弁を紹介しての議論ですよ。
 私が先ほど御紹介をした原発の脆弱性、あるいは侵入しやすいところなどの発言は内閣の担当者の言葉ですから、とんでもないと。私、こんなことで、本当にひどいということを申し上げておきます。
 終わります。
#218
○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。
 これまで、安全保障会議について、是非有効に働くものであってほしいという思いから、組織のことでいろいろと申し上げてまいりました。これを支えるのはやはりそこで働く職員であろうかと思っておりまして、官房長官のお話の中に、民間人を短期間雇う場合、それから関係省庁からの出向などが考えられるというお話が出てきておりました。
 この国家安全保障局、特にこの局でございますが、ここで働く人々が、民間からの期限付の職員やそれから出向者、通常は三年くらいで元の省庁に帰る出向者が中心になる可能性が強いと思うんですけれども、今の内調でも出向者の方が多いと思いますので、当初はそうなるかと思いますが、そういった職員が中心になった場合には大変脆弱な組織にならざるを得ないと思います。国家安全保障局に期待されている職務を遂行することは難しいことになろうかと思っております。
 その国家安全保障局が国家安全保障会議の企画立案、総合調整、そして情報の分析を行うのであれば、資料や情報を総合して整理する事務というだけではないのであれば、各省庁から経験豊かな職員を、出向ではなく出身省庁から離れた形で国家安全保障局に根を下ろす、生涯そこで働くという強い忠誠心を持った職員で組織をつくる必要があろうかと考えています。
 機能的で充実した組織をつくるためには、時間的に少し厳しいかもしれませんが、例えば、来年度からでも新規のプロパーの職員を採用するとか、親元から離れた職員を採用するとかいったことを考えてはいかがと思いますが、官房長官はいかがでしょうか。
#219
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど委員から提出いただきましたこの組織図、極めて分かりやすくできているなというふうに思っておりますし、また、この組織図にあるとおり、この国家安全保障局というのはまさにこの国家安全保障会議の要の極めて重要な役割を果たすところでありますので、当然ここがしっかり機能するということがこの国家安全保障会議が機能的に所期の目的を達成する意味で極めて大事なところであるというふうに私どもは認識をいたしております。
 そういう中で、この局長には特別職の国家公務員を充てて、そして二人の次長、それと、今、職員全体については約六十名ぐらいでスタートしたいと思いますけれども、その職員については、多様なバックグラウンドを持って優秀な人材を集めて、強力な政治のリーダーシップの下で、省庁の縦割りを排する強力な体制というものを私ども是非つくっていきたいというふうに思っています。そのためには、その期限付だとかいろんな、そこで十分に働くことの意欲が湧かないような組織であってはならないというふうに思っていますので、そこは十分に配慮しながら行っていきたいというふうに思います。
 民間の職員については、ここは公募でしっかりとした人を選んでいきたいというふうに思います。それは、研究者だとか、あるいは今まで経験のある方だとか、そういう方を選んでいきたいと思っていますし、女性も是非活用していきたいというふうに思います。
 そうした、当初、スタートにおいてはそのような状況でスタートをしたいというふうに思っております。スタートの際、必ずしも片道切符にこだわらないで、そこに来られた方をある意味でプロパーのような形に育てていくこともこれ極めて大事だというふうに思います。
 ここにおいては、内調室から情報を集約する、またほかの省庁の情報も集約をして、そこで総合的に設計というんですか、分析をした結果安全保障会議にかけていくという極めて大事な部署でありますので、委員の御指摘をしっかり受け止めていきたいと思います。
#220
○中山恭子君 ありがとうございます。
 この組織がしっかりしていない限り、海外の国際情報機関とのやり取りというのがまずできないと思います。その関係をつくっていくのには一朝一夕ではできませんので、しっかりした教育、育成というものもお考えいただきたいと思っています。
 今日、もう一つ、少し違った方向からのことをお話ししたいと思います。
 国防といいますと、大体すぐに軍事力の強化というような話になりますが、もちろんそれも大事でございますけれども、私自身は、特に日本にとりましては、平和を維持していく上で日本が持っている最強の力は文化の力であると考えております。特に、今回の国家安全保障会議では四大臣会合というのが新設されておりますけれども、その審議事項は、中長期的な国家安全保障戦略の策定を含め、基本的な方向性を定めるとありまして、そういった中長期的な日本の平和を維持するための基本的な方向性について審議をなさるものと考えております。
 二〇二〇年には東京でオリンピックが開催されます。オリンピック開催に当たりましては文化的なイベントも考えるようにというのがオリンピックの組織の中の規定にあります。私は、日本では、東京だけでなく、その訓練が各地で行われるというだけではなくて、できれば二〇一九年、一八年に日本各地で文化の祭典が開けないものかと考えております。こういった事柄、これが百年続くというような思いで開いていけば日本の平和維持にもつながるものと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
#221
○国務大臣(菅義偉君) 国家安全保障会議の審議事項というのは、我が国の安全保障にかかわる重要事項になっております。そういう中で、個別の一つ一つの例えの中ではこの国家安全保障の課題とは言い難いとは思いますけれども、ただ、委員の御指摘のとおり、我が国の将来を考えたときに、国際文化の発信というのは極めて大事なことだというふうに思っています。
 そして、二〇二〇年にオリンピックを招致することが、成功することができました。このオリンピックというのはある意味で日本の文化を世界に発信をすることのできる最高の舞台であるというふうに思っていますので、二〇年前後の国際交流等も含めて、ここは委員の御指摘のとおりしっかり対応していきたいというふうに思います。そして、このオリンピックはただ東京だけのオリンピックではなくて、日本全国のオリンピックにするのが政府の役割であるということも私ども認識して対応していきたいというふうに思います。
#222
○中山恭子君 文化関係のチームが動くとは思いますが、四大臣会合でもその方向性を審議していただいて、方向性を定めていただきたいと思っております。二十一世紀、日本の文化が国際貢献、国際的な中で平和のために大いに貢献するものと信じておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#223
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず初めに、谷垣大臣にお聞きをいたします。
 例えば、共謀を処罰する、秘密保護法で、外形立証によって可能だというのが森大臣の答弁です。そうすると、私とある国会議員が、これを暴こう、問題だ、特定秘密かもしれないが問題だといって共謀して、逮捕され起訴される。そのときに、何が秘密か具体的には分からない。これは、弁護士として大先輩でいらっしゃいますし、法務大臣として、罪刑法定主義の点から問題はないでしょうか。あるいは、実質秘を処罰するという最高裁の判決からすれば、外形立証だと実質秘が本当に明らかになるのか、いかがでしょうか。
#224
○国務大臣(谷垣禎一君) これは御担当の森大臣から御答弁いただくのが正しいんだろうと思います。私は自分の職務でないことを国会で余りしゃべるつもりはありませんが、まあ捜査に関連しますとお答えしないというわけにもまいりません。
 そこで、外形立証、いわゆる外形立証ということでありますが、これは、秘密の内容そのものじゃなく、秘密の種類、性質等々のほか、秘密にする実質的理由として、当該秘密文書等の立案、作成過程、あるいは秘、マル秘指定を相当とする具体的理由などを明らかにすることによって実質秘性を立証する方法を指すものというふうに私は理解しております。(発言する者あり)
 いやいや、それで、これまでも、例えばいわゆる外務省スパイ事件、東京高裁判決ですね、昭和四十四年の判決などでは、秘密とは、行政官庁により秘密扱いの指定、表示がなされたものであって、その実体が刑罰による保護に値するものをいうとし、秘密扱いとされたものが公開の法廷に顕出されることにより、それが公表され、一般人に了知されることによって秘密性を失うことになりかねない場合には、それが秘密扱いに指定、表示された必要性、相当性及び秘密扱いの実情などを調査検討して、なお、それが実体的真実発見の場である公判廷には顕出できない相当の理由があると認められるときは、中略しますが、ちょっと省きますが、それが刑罰による保護に値する実体を備えるものと認定することも許されるという判示がございます。
 それで、こういう、このように特定秘密の内容そのものを明らかにすることなく実質秘性を立証する方法が取られ得るとしても、検察官の側で秘密性を証明しなければならない、これは当然だと思います。したがいまして、被告人の防御権が侵されるものではないと思います。
#225
○福島みずほ君 だって公判廷に出てこないんだから、弁護人と当事者が攻撃、反撃できないじゃないですか。
 谷垣大臣、次の文章を聞いてください。
 たまたま手段が相当でなかった情報収集活動や過失による秘密漏示行為まで処罰しようとする。防衛秘密保持に障害となる可能性のある行為を次々と処罰の対象に取り込み、その余の部分にようやく国民の知る権利を認めようということになる。このような発想で作られた法案が、国家による情報統制法としての色彩を持つことは避けられないのではなかろうか。多くの人がこの法案の犯罪構成要件の縛りが十分でないと指摘しているのもこのことに関係する。このような批判に対しては、運用のよろしきと判例による縛りによってこの難点を解消できると言う人がある。しかし、どんな行為が処罰されるかは判決が出るまで分からないというのであれば、人は、やばいかもしれないと思った途端に、その行動を本来許されている行為かもしれないのにトーンダウンさせるであろう。このような萎縮効果の積み重ねこそが自由な社会にとって一番問題なのである。(発言する者あり)
 すばらしい文章ですね。一九八七年、「われら自民党議員「スパイ防止法案」に反対する」、谷垣禎一さんの文章です。そのとおりです。このとおりですね。これはそのとおりと思われますね。
#226
○国務大臣(谷垣禎一君) 私の若いころの稚拙な文章を力を入れて読んでいただきまして心から御礼申し上げます。
 そこに書いてありますことと、私もう一つ書いていると思います。構成要件の明確性ということはそこでそのように主張させていただいておりますが、同時に、情報公開なりそういうものがなければいけないということを言っております。私は、そういう情報公開、あるいは、今、公文書管理の法もございますね。そういうものによって、あるとないとではその構成要件の縛りの在り方というのはかなり違ってくるというふうに私は考えております。
#227
○福島みずほ君 情報公開法ができたから私は考え変えたっておっしゃりたいのかもしれないんですが、違いますよ。あなた自身が変わったんじゃないですか。
 これは、情報公開法があっても、現在、この秘密保護法は、廃棄の手続について、従前どおりというか、内閣総理大臣の同意があれば廃棄できるんです。情報公開で無限に、無期限で指定ができる。情報公開法があっても廃棄していれば出てこないじゃないですか。情報公開法があっても秘密保護法によってブロックされればできないですよ。そういう、情報公開法があればではないんですよ。
 この谷垣さんの文章はそのとおりです。我が国が自由と民主主義に基づく国家体制を前提とする限り、国民がこれにアクセスすることは自由であるのが原則なのだ。そして、この国政に関する情報に防衛情報が含まれることは論をまたない。そのとおりじゃないですか。まさにこのとおりですよ。あなたは変わったんですか。もったいないですよ。今こそ自由と民主主義をやるとき、今でしょう、どうですか。今でしょう。
#228
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、私は、繰り返し申し上げますが、当時は情報公開法も何もありません。それから公文書管理法もございません。そういう中における秘密保護法とそういうものがあるときの秘密保護体制の在り方は私は違うと思います。ですから、私が変わったとおっしゃいますが、私も日々に進化しております。
#229
○福島みずほ君 悪い変わり方ですよ。自由と民主主義が泣きますよ。
 では、聞きます。情報公開、市民が情報公開する、あるいは国会議員が資料要求する特定秘密について、これは情報出てきますか。
#230
○国務大臣(森まさこ君) 特定秘密保護法案が成立し施行されたとしても、情報公開法の適用はございますので、情報公開法の手続にのっとって公開請求をしていただきます。
 その際に、不開示事由が示されて不開示とされた場合には不服申立てをすることができます。審議会のインカメラ手続を経ることもできます。その中で、審議会の皆様が特定秘密の内容を見ることもできます。
#231
○福島みずほ君 いや、もう冗談じゃないですよ。だって、特定秘密を公務員がうっかり漏らしても十年間の懲役なんですよ。何でそれが情報公開されるんですか。どうして出てくるんですか。普通の人が情報公開して出てくるんですか。国会議員が資料要求して出てくるんですか。同時に、公務員がうっかり漏らしたら十年以下の懲役、そんなばかな話はないでしょう。何のために秘密指定するんですか。
#232
○国務大臣(森まさこ君) 国会における特定秘密の提供についても十条で規定をされておりまして、所定の要件が満たされた場合には国会に提供する、つまり開示されることになります。
#233
○福島みずほ君 秘密会に出すということですが、秘密会で知り得たその秘密、例えば、全て提供されるわけじゃないですよね。国会の秘密会に提供された秘密を、例えば私が秘書、ジャーナリスト、市民、これを秘密にするのはおかしいと論陣を張ったら、秘密保護法違反じゃないですか。私は自由にしゃべれるんですか、秘密会で知ったことを。
#234
○国務大臣(森まさこ君) 国会における保護措置の内容については、国会の自律権を尊重して国会でお決めになることというふうに考えますけれども、漏えい行為等に関しては、憲法の国会議員の免責特権、不逮捕特権が及びます。
#235
○福島みずほ君 いや、免責特権、不逮捕特権といったところで、私がその秘密会で知り得たことを、じゃ、外部に自由に言っていいんですか。
#236
○国務大臣(森まさこ君) 国会における特定秘密の保護措置の内容は、国会において定められるものと承知をしております。
#237
○福島みずほ君 いや、もうこんな答弁するから信用できないんですよ。秘密会だから言えないのは当然じゃないですか。秘密会のことをべらべらしゃべったら秘密会じゃないですよ。
 何が言いたいか。要するに、情報公開制度があります、秘密会で出します、そんなの何の役にも立たないんですよ。だってしゃべれないんだもの、論争できないんだもの。国会議員であれ市民であれ、情報をゲットしてこれがおかしいと言うのが私たちの仕事じゃないですか。秘密会でしか言えないんだったら、それは意味がないですよ。
 ということで、聞きたいことは山ほどあったんですが、谷垣さん、今こそ自由と民主主義じゃないですか。今こそ自由と民主主義ですよ。歴史の中で恥じない生き方をしようじゃないですか。
 終わります。
#238
○委員長(中川雅治君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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