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2013/11/27 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 消費者問題に関する特別委員会 第4号
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2013/11/27 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 消費者問題に関する特別委員会 第4号

#1
第185回国会 消費者問題に関する特別委員会 第4号
平成二十五年十一月二十七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     徳永 エリ君     斎藤 嘉隆君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     礒崎 哲史君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     礒崎 哲史君     森本 真治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         寺田 典城君
    理 事
                青木 一彦君
                猪口 邦子君
                鶴保 庸介君
                金子 洋一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                尾辻 秀久君
                太田 房江君
                金子原二郎君
                島田 三郎君
                三木  亨君
                山田 修路君
                礒崎 哲史君
                江崎  孝君
                加藤 敏幸君
                斎藤 嘉隆君
                森本 真治君
               佐々木さやか君
                山田 太郎君
                大門実紀史君
                清水 貴之君
                福島みずほ君
                主濱  了君
                谷  亮子君
   衆議院議員
       修正案提出者   郡  和子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        森 まさこ君
   副大臣
       内閣府副大臣   岡田  広君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        福岡 資麿君
       文部科学大臣政
       務官       上野 通子君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  永野 厚郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
   政府参考人
       消費者庁次長   山崎 史郎君
       消費者庁審議官  川口 康裕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○消費者の財産的被害の集団的な回復のための民
 事の裁判手続の特例に関する法律案(第百八十
 三回国会内閣提出、第百八十五回国会衆議院送
 付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(寺田典城君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、徳永エリ君及び森本真治君が委員を辞任され、その補欠として斎藤嘉隆君及び礒崎哲史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(寺田典城君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁次長山崎史郎君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(寺田典城君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(寺田典城君) 消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。森内閣府特命担当大臣。
#6
○国務大臣(森まさこ君) ただいま議題となりました消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 消費者の市場に対する信頼を通じた消費の拡大は、経済の成長を促すものであり、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展を図るための施策を講じることが求められております。
 特に、消費者契約に関して相当多数の消費者に生じた財産的被害については、消費者と事業者との間の情報の質、量並びに交渉力の格差により、消費者が自らその回復を図ることは困難を伴うことがあるため、その被害回復の実効性を確保することが積年の課題となっていたところです。
 こうした認識の下、制度の濫用等によって経済活動に悪影響を与えないよう措置を講じつつ、消費者の財産的被害を集団的に回復するため、内閣総理大臣の認定を受けた特定適格消費者団体が、訴えを提起して事業者がこれらの消費者に対して金銭を支払う義務を負うべきことを確認した後に、これを前提として消費者の財産的被害の回復のために事業者に請求を行うことを可能とする民事の裁判手続の特例を定めるとともに、特定適格消費者団体の認定及び監督等について所要の規定を整備する必要があることから、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、消費者契約に関して相当多数の消費者に生じた財産的被害について、事業者が、これらの消費者に対し共通する事実上及び法律上の原因に基づき、金銭を支払う義務を負うべきことについて、特定適格消費者団体が共通義務確認の訴えを提起することができることとしております。
 第二に、当該特定適格消費者団体は、消費者に対し共通義務確認訴訟の確定判決の内容等を通知、公告し、共通義務確認の訴えの結果を前提として、個々の消費者から授権を受けて具体的な請求を行い、相手方の認否により、個々の債権の内容を確定することとしております。
 第三に、特定適格消費者団体は、相当多数の消費者の債権の実現を保全するため、仮差押命令の申立てをすることができることとしております。
 第四に、内閣総理大臣は、消費者契約法上の適格消費者団体の中から一定の要件を満たした団体を、その申請に基づき、特定適格消費者団体として認定することができることとするとともに、その監督等について所要の規定を設けることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(寺田典城君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員郡和子君から説明を聴取いたします。郡和子君。
#8
○衆議院議員(郡和子君) ただいま議題となりました消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明を申し上げます。
 修正の趣旨は、以下の検討等に関する規定を附則に追加するものです。
 第一に、政府は、特定適格消費者団体がその権限を濫用して事業者の事業活動に不当な影響を及ぼさないようにするための方策について、事業者、消費者等の意見を踏まえて、速やかに検討を加え、必要な措置を講ずること。
 第二に、政府は、被害回復関係業務の適正な遂行に必要な資金の確保、情報の提供その他の特定適格消費者団体に対する支援の在り方について、速やかに検討を加え、必要な措置を講ずること。
 第三に、政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況等を勘案し、その被害回復関係業務の適正な遂行を確保するための措置並びに共通義務確認の訴えを提起することができる金銭の支払義務に係る請求及び損害の範囲を含め、この法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずること。
 第四は追加規定ではありませんが、第三に定める事項のほか、この法律の施行の状況についての検討の年限を施行後五年から施行後三年に改めることとしております。
 第五に、政府は、この法律が適用されない請求に係る金銭の支払義務に関し、当該請求に係る消費者の財産的被害が適切に回復されるよう、重要消費者紛争解決手続等の裁判外紛争解決手続の利用の促進その他の必要な措置を講ずること。
 第六に、政府は、この法律の円滑な施行のため、この法律の趣旨及び内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解と協力を得るよう努めること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#9
○委員長(寺田典城君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次発言をお願いします。
#10
○猪口邦子君 委員長、ありがとうございます。
 言うまでもなくこの法案、大変重要なものでありまして、本日は、委員長、森大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
 言うまでもなく、消費者被害に係る法制度を整備しまして、消費者被害を救済し、また被害を未然に防止することは、国民生活の向上や国民経済の健全な発展に不可欠なものでございます。
 今趣旨説明にありましたとおりでございますが、この法案は、消費者契約で多数の消費者に生じた財産的被害を集団的に回復するため、内閣総理大臣の認定を受けた特定適格消費者団体が、訴えを提起して事業者がこれらの消費者に対して金銭を支払う義務を負うべきことを確認した後に、これを前提として消費者の財産的被害の回復のために事業者に請求を行うことを可能にする民事裁判手続の特例を定めるものであります。
 森大臣の提案理由説明でその重要性は十分に語られているわけでございますけれども、大臣のこの法案に対する思いと、改めてこの法案の大切さをよろしく説明いただきたく思います。
#11
○国務大臣(森まさこ君) 猪口元大臣の消費者問題に対する日ごろの御尽力に感謝を申し上げます。
 そして、本法案の大変な重要性、今、猪口委員からも御指摘いただきましたけれども、本日この法案を御審議いただくことに対して、寺田委員長及び理事の皆様方、そして各党の委員の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 さて、最近の消費者被害、件数を見ますと、全国の消費生活センター等に寄せられる消費生活相談の件数は、平成二十四年度で約八十五万件と高い水準で推移をしておりまして、また同種の被害が拡散的に多発するなどの状況にございます。また、高齢者が被害に遭うケースが非常に多く、さらに、その被害金額がトップであること、また、同じ被害者が何度も被害に遭うこと等が報告をされております。
 一方、消費者と事業者との情報の質及び量並びに交渉力の格差や、被害を回復するために要する費用や労力との兼ね合いから、多くの消費者が被害回復を断念してしまうという、いわゆる泣き寝入りの問題が生じております。一消費者が消費者被害に遭ったときに、簡単に弁護士さんを雇ったり裁判を起こしたりすることができないわけです。
 こうした状況に鑑みますと、消費者の被害回復の実効性を確保することが積年の課題とされておりましたし、OECD等からも勧告を受けてまいりました。本法律案により、消費者の被害回復に要する時間、費用、労力等が低減されて、消費者が訴訟手続を使うことをためらって泣き寝入りすることが回避されるようになり、これまで回復されにくかった消費者被害を回復することができるようになると考えております。
 以上のようにして、消費者の市場への信頼を高めるということは、消費が拡大し、ひいては経済成長につながるものであり、経済の成長戦略と消費者政策は車の両輪として同時に推進していくべきものであり、本法案はその意味でも重要な役割を果たしていると考えております。
#12
○猪口邦子君 森大臣、ありがとうございます。
 私は、思い出してみますと、平成十七年の十月から十八年の九月まで第三次小泉改造内閣の内閣府特命大臣として、まさにこの消費者政策を担当する中で、平成十八年の百六十四回国会に消費者契約法の一部改正する法案、これを提出して担当いたしましたが、当時は、この適格消費者団体という制度をまずつくって発展させる、これによって被害の未然防止と拡大防止図っていく、そして事業者の不当な行為に対する差止め請求権、これを行使する適格性を有する、そういう認定を総理大臣にやっていただく。そして、その消費者団体が消費者全体の利益擁護のために差止め請求を行うという、こういう制度で一歩を踏み出すという、そのことの努力をいたしました。
 事務方でも結構なんですけれども、その後、この適格消費者団体、今十一できたということでございますし、差止め訴訟も三十一件に上ると、また、訴訟外でのいろいろな申入れでの改善というようなことも見られているというふうには聞いておりますけれども、どういう評価をこの適格消費者団体の発展に今この段階で当局として与えることができるのか。
 また、思い出しますと、当時は差止め請求だけが可能で損害賠償まで行くことは非常に難しかったということを思い出しますので、やはりこの森大臣の下で、今回、更に一歩損害賠償のところまで行くことができるということは非常に大きな発展であると考えております。その基本となります、今回は特定適格消費者団体を認定するわけですけれども、まず、その適格消費者団体になって発展していかなければならないという大前提があります。ですから、そこの評価についてまずお伺いしたいと思いますが、事務方でも結構でございます。
#13
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 消費者団体訴訟制度は、平成十八年の消費者契約法の改正によって導入されまして、十九年六月の改正法の施行により運用が開始されているものでございます。十一団体が適格消費者団体として認定されまして、消費者の利益擁護のための活動を行っているところでございます。訴えが提起されたのは三十一件ございまして、その他訴訟に至らなくても裁判外における差止め請求権の行使により、事業者が任意に改善をした、解決をした例は多数ございます。
 このように、消費者団体訴訟制度は、被害救済ができないという限界はあるものの、行政ではない消費者団体ならではの柔軟かつ機動的な活動により、不特定多数の消費者の被害の発生又は拡大の防止という所期の成果が得られているというふうに考えているところでございます。
#14
○猪口邦子君 大臣も一言、もしよろしければこの評価をお願いいたします。
#15
○国務大臣(森まさこ君) ありがとうございます。
 当時の猪口大臣の御尽力により、この制度ができたんです。消費者団体訴訟制度でございます。私、ちょうど弁護士をやって十数年たったところでございました。それまではこの制度さえもなかったということで、消費者が本当にどこに頼っていいかということでした。私、消費者問題専門ですが、弁護士会の中でも消費者問題を専門とする弁護士は本当に僅かでありまして、そこまでたどり着く方は僅かなんでございます。そういう意味で、本当に多くの方を救えないという、私たちは限界を感じていました。そのような中で、まず消費者契約法ができ、そして猪口大臣のときにこの改正で団体訴訟制度ができ、適格消費者団体というのが認定されたということは、大きな一歩であったというふうに考えております。
 現在も、本当に任意に改善して解決した例がたくさん報告をされております。さらに、もっと先に進むために被害救済を実際にしていくところまで、そのステージまでできるようにしていくことを目標としたいと思っております。
#16
○猪口邦子君 森大臣は専門たくさんありますが、まさにこの消費者の被害の救済ということも弁護士としても御専門でいらっしゃいます。やはりこの消費者の安心、安全、非常に多くの市民の安心、安全、これ文明社会の基本であると思いますが、しかし、一気に非常に高水準の法整備を進めるということは大変困難だと。一つの法改正をやって、それで附帯決議、そして附帯決議を重く受け止める政府があって、それで次の法改正へとつながっていくと。その十八年の当時の消費者契約法の改正にもこの附帯決議があって、そこに、まさにそのとき私は残念に思って、自分はできなかったなと思った、その損害賠償等を請求する制度の検討が必要でありますよという、そういう附帯決議をまさに議会から自分も受け取って、今後それが課題だと思って、そういう連続的な努力というのが非常に重要だと思います。
 それについて、今後どういう課題があるのか事務方から一言いただいて、また大臣もどういう課題があると認識されているか、お伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(川口康裕君) 御指摘のように、消費者の利益の擁護のための法制度は、それぞれの法案の採決の際に付された附帯決議、修正に基づき付された附則に基づいて真摯な検討を行う中で着実に整備されてきたものでございます。
 今後の検討課題としては、先ほど御紹介がございました本法案に付されました衆議院での修正により付された附則の内容に基づいた検討を行うほか、引き続き消費者庁及び消費者委員会設置法の附則あるいは附帯決議に掲げられている諸課題のほか、昨年成立した改正消費者安全法などの国会審議の附帯決議等の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
#18
○国務大臣(森まさこ君) 猪口大臣がおっしゃったように、一つの改正をして、そこに附帯決議が付く、その後の運用を見ながら、社会情勢の変化に対応しながら、また新たな課題を解決すべく法改正を重ねていくことがとても重要だと思っておりますので、今事務方が述べたようなことがまさに課題となって、それを検討していくというふうになると思っております。
#19
○猪口邦子君 ありがとうございます。不断の努力、これを継続していく政治の決意、この中で消費者問題の解決は一層進むと感じております。
 それで、この法案なんですけれども、比較法的な検討をしますと非常に興味深い点もたくさんございます。つまり、消費者被害の救済というのは諸外国共通の課題であるわけですね。大臣、今提案説明でもおっしゃいましたとおり、OECD理事会勧告、これ二〇〇七年にございまして、まさに大臣もおっしゃったような、情報量の質、量、そして交渉力の違いという、どの国にも共通の問題があって、やっぱり集団的な訴訟制度、この導入が必要だという指摘がOECDからあって、ヨーロッパ各国はいろいろな形でこの類似の制度を創設した、あるいはしつつあると思いますけれども、比較法の観点から、今審議していますこの法案の立ち位置といいますかね、その特徴的なものも含めてありますれば、ちょっとお伺いしたいんです。
 特に、この法案、二段階方式と一般的に言っておりまして、そのようなちょっと特徴的なところがあります。つまり、一段目としては事業者の共通義務の確認訴訟、それで二段目として、誰に幾らの被害回復を行うかという対象消費者の個別の債権確定手続という、この二段階方式になっていて、ちょっと特徴的だと思うんですね。広く見られる方式では必ずしもないかもしれないと思うんですが、まずそういうことも含めまして、このOECD勧告を受け各国で努力している類似の制度との比較の中での我が国のこの法案の立ち位置、御説明いただければと思います。事務方と、もし大臣からコメントがあれば、お願いしたく思います。
#20
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 EUにおきましては、本年六月、欧州委員会からEU加盟国二十八か国に対しまして、二年以内に集団的救済制度をEU全体の共通の原則に準拠するよう措置することを勧告しているところでございます。欧州諸国におきましては既に、例えばフランス、イギリス、ドイツ、スウェーデン等におきまして、本法案と同様に消費者団体を主体とするオプトイン方式による訴訟制度が設けられているところでございます。
 また、ただいま御指摘がありました二段階型の制度につきましては、既に制度化されたものとしてはブラジルにございますほか、フランスにおきましては本法律案と類似した、認可された消費者団体が主体となる二段階型のオプトインの制度を消費者法典に導入する改正案が現在議会に提出され、審議に付されているところと承知しているところでございます。
#21
○国務大臣(森まさこ君) 諸外国、様々ありまして、オプトイン型とオプトアウト型。オプトアウト型というのは授権とか届出を要せずに、一人の人がほかの消費者を、被害者を代表して裁判を起こしたら、その方のその以外の方にこれは裁判の結果が有利にも不利にも及ぶということで、そこから除外したいですと、アウトしたいですというふうな申出をしない限り、及んでしまいます。
 オプトインの場合には、最初に授権とか届出を要求しますので、今回日本はこちらの方を取ったということで、諸外国にはオプトインもオプトアウトもあり、様々メリット、デメリットが議論をされています。特に、フランスは今回、日本とほとんど類似の制度を国会で今同時に審議をしておりますが、フランスは、実はその前に制度を導入をしたんですが、それが全く使われていないという反省の上で、今回オプトインの二段階型を出したということで、様々ないろんな、乱訴の危険とかいろんな懸念がある中で、そういったものに全て配慮をした良い案なのではないかなと私は思っております。
#22
○猪口邦子君 大臣から非常に丁寧な御説明、知見をお伝えいただきまして、ありがとうございます。
 今回、非常に大きな一歩なんですけれども、やはり訴訟の対象となる請求が限定されているというところが、これも今後の課題なのかなというふうに思うんですね。特に、人身損害あるいは慰謝料のような、こういうことにかかわる請求というのはできないということですよね。金銭の支払義務、例えば不当利得に係る請求だとか、あるいは契約上の債務不履行の賠償請求だとか、あるいは瑕疵担保責任に基づく損害賠償、そういうことに限定されるんですよね。その限定の理由、そこも、もし簡単に御説明いただければと、お願いしたいと思います。
 また、続けて、最後の質問になるんですけれども、大臣には、適格消費者団体の中から特定適格消費者団体が選ばれるわけですけれども、まだその適格消費者団体の発展過程に今ありますので、引き続き、適格消費者団体全体に対する支援の推進ということが非常に大事であります。また、そのほかにも消費者問題に取り組む様々な活動や団体がありまして、そのことが全体として日本におきます消費者マインドを高めまして、消費者教育の充実にもつながりまして、また事業者の意識向上にもつながって、被害の未然防止ということになりますので、この分野全般の推進のそのリード役を、今回こういう法案審議をして法案を通すことによって更に進めるという考えもありますので、その辺についてお伺いして、私の質問はここまでといたしますが、じゃ、前半の部分は事務から、あと後半、大臣からお願いします。
#23
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 本制度は、一段階目の手続において事業者が相当多数の消費者に対して共通義務を負うか否かについて確認をいたしまして、この判決の効力を後から二段階目の手続に加入した消費者にも及ぼそうとするものでございます。民事訴訟法におきまして、他の分野にも例のない特例を定めるものでございます。
 このため、本制度の対象となる請求については二つの要件を考えておりまして、一つ目は、二段階目の手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であるとは言えない請求、これは支配性のあるものと申しております。それから、二つ目でございますが、二段階目の手続の審理におきまして、被告事業者が二段階目の手続で争われる消費者の被害額についておおよその見通しを把握できる請求であること、これは係争利益が把握可能であるものと申しております。
 これらを踏まえまして、消費者の事業者に対する消費者契約に関する契約上の債務の履行の請求、不当利得に係る請求などの金銭の支払を目的とする請求、これらが本制度にふさわしいものとして、対象としたところでございます。
 また、同様の趣旨から、除くものといたしまして、いわゆる拡大損害、逸失利益、人身損害、慰謝料について損害賠償請求を除くというふうにしたものでございます。
#24
○国務大臣(森まさこ君) 適格消費者団体の支援についてですけれども、当初予算で地方消費者行政活性化基金、この基金は補正予算でしか今まで積まれてこなかったんですが、私になりまして、何とか頑張って当初予算に付けまして、これを裏負担なしというふうにしまして、地方自治体がインセンティブを持って適格消費者団体の育成又はその支援に取り組めるようにいたしました。これにこたえて、今幾つかの自治体で、適格消費者団体を目指す団体への補助でありますとか適格消費者団体を考えるシンポジウム開催費などに使われております。
 また、この法案の御審議を通して、またこの法案が成立しました後の広報活動も通じて、より適格消費者団体に支援をする契機にしてまいりたいと思います。
#25
○猪口邦子君 ありがとうございました。終わります。
#26
○金子洋一君 お疲れさまでございます。民主党の金子洋一でございます。
 先ほどの大臣からの御説明の中にもございましたが、消費者と事業者の間に情報の格差があると、そういったことが非常にこういった消費者問題で悪さをするんだと、平たく申しますと、そういった御説明があったと思います。全くそのとおりだと思っておりますが、ただ、事業者の中にも、言わば大企業というような法務部門がきちんとした事業者もあれば、あるいは、特に食品メーカーなんかにありますけれども、中小企業で余り法務部門がちゃんとしていない、法務部門を充実させればいいということが分かっていても、やはり企業のサイズからいってなかなかそういったことができないというような事業者もございます。
 となりますと、いろんな先生方がいろんな側面から御質問をなさっておられますので、今回はそういった中小の事業者にちょっとスポットライトを当てて御質問をさせていただきたいと思っております。
 私も昔、経済企画庁におりまして、今でいうと消費者庁の中に移管をされているところにかなり長い間勤務をしておりました。そのときにも痛感をいたしましたけれども、難しい法理論ですとか経済理論を振りかざしても、やはり一般の消費者の方あるいは一般の事業者の方にはなかなか分かっていただけないというところがありますので、言わば消費者庁の中でそういった一般の皆さんにも分かりやすいような行政を進めていく必要があるんだろうと思っております。
 最近、人員拡充をなさっていて、その中で弁護士の資格を持っておられる皆さんを大勢採用をされて、かなりの数採用をされておられる、あるいは消費者保護について専門の知識を持っておられる方を採用されておられるというふうに承っております。
 もちろん、こうした方々を増やすということは大変歓迎すべきことでどんどんやっていただきたいと思うんですが、また同時に、先ほど申し上げましたような考え方からいたしますと、事業者の心も分かる、事業の現場というものも分かる方を、これもまた消費者庁の中にかなりの数でいていただきたいというふうに思うわけであります。
 昨日、事前レクのときに、合計二百七十名、今消費者庁が職員がおいでになって、他省庁から二百六名で、消費者庁設立後の採用職員が四名だということを承りました。ほかに地方公共団体、国民生活センター、そういったところからの出向者という方もおいでだということであります。
 そういった方が悪いと言うつもりは毛頭ございませんけれども、やはり公務員の皆さんですとかあるいは弁護士の皆さんというのは基本的にはビジネスというのを御存じない。となりますと、これ民主党の政権のときにも私何回も申し上げていたんですが、アンチビジネスに政策がなってはいけないと思うんです。
 そういった意味で、ビジネスの現場を理解をされる方々の採用というものに消費者庁としても今後一層力を入れていかれるべきではないかと思うんですが、大臣、どうお考えでしょうか。
#27
○国務大臣(森まさこ君) 私も、企業の現場が分かる方に来ていただいて、現場の現状もそれは教えていただかないといけませんし、逆に企業の方にも消費者目線を身に付けていただくという点でも重要だと思っておりまして、現在、弁護士も十六名いるんですが、民間企業の方も十六名ということで採用をし、その能力を発揮してもらっているところです。
 さらに、消費者庁の職員も企業の方に出かけていくという人事交流もしておりまして、例えばお客様相談室などに行ってそこの現場を体験してくるということもしております。
#28
○金子洋一君 ありがとうございます。そういった形で、人員的にまだまだ厳しいという制約はあると思いますけれども、是非ともその人数を増やすということも併せてお願いをしたいと思います。
 さて、法案の内容に直接入らせていただきますけれども、この法案の目的ということで、相当多数の消費者に生じた財産的被害について、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するということで規定をされております。
 こういった趣旨に立ち返ってまいりますと、元々望ましい国民経済の在り方というのは、財産被害が生じるようなことになる前に未然に防ぐ、あるいは被害が最小限である時点で行政や司法が事態を把握して早期の救済手段を提供するということになろうと思います。こうした制度から見てまいりますと、この法案が可決、成立をしてこの制度が導入をされたからといって、それで安心をしていてはいけないんだろうと思います。
 これまでの適格消費者団体による差止め請求制度の拡張と先ほどお話があったと思いますけれども、そういったことに併せまして、早期の被害の把握、介入の仕組みの構築、あるいは再犯や類似犯の防止といったこと、そういった幾多の対策が今後必要になってくると思うんです。
 これを、非常に喫緊の課題だと思うんですが、今後こうしたことをやっていかれるおつもりがあるのかどうか、また、あるんでしたらどんなスケジュールでなさっていこうとお考えになっているんでしょうか。大臣にお尋ねします。
#29
○国務大臣(森まさこ君) 消費者被害の防止、大変重要であると思っております。これは様々な施策を組み合わせて対応していく必要があると思っております。
 まず一つには、適格消費者団体による差止め請求でございますけれども、これまで特定商取引法の訪問購入に関する一定の不当な行為及び食品表示上の食品に関する一定の不当な表示について差止め対象を拡大をしてきたところでございます。また、消費者契約法における不当勧誘、不当条項規制の在り方の検討と併せて、今後この制度も検討してまいりたいと思っております。
 次に、その適格消費者団体に対してですけれども、現在、国民生活センター及び消費生活センターからいわゆるPIO―NET情報の提供を行っておりますけれども、このPIO―NETの端末を適格消費者団体に配備をすることも検討を進めております。
 次に、今般の食品表示の問題を受けまして、不適正な表示の是正の徹底、景品表示法の分かりやすいガイドライン等の早期策定のほか、事業者の表示に対する意識改革や表示の監視指導体制の強化などについて、法的措置を含めた実効性のある方策の検討もしております。
 さらに、高齢者等の消費者被害、非常に深刻化しておりますので、その早期発見、防止に向けて、地域のネットワークによる消費者の安全・安心確保のための地域体制の在り方に関する意見交換会、今まである、既存の様々な見守りのグループですね、この意見交換会を開催して、ネットワークで高齢者を守り、消費者被害を防止していこうということについても検討を進めております。
 このような様々な課題の中で、検討が進んだものから早期に実現をしてまいりたいと思っております。
#30
○金子洋一君 ありがとうございます。
 特にこれ経済団体あるいは財界からの御意見に多かったんですけれども、この法律の制度というのは、健全な事業者ではなくて、いわゆる悪質な事業者、消費者をだまそうとする事業者によって引き起こされる消費者被害に対しては、その被害からの回復とか防止といったことが目的になっているにもかかわらず、ちょっとその辺については弱いんではないかという指摘がなされてまいりました。
 特に実態として、最初からだまそうというような悪徳事業者が実際にだますようなことをなさったと。その後に、じゃ、その会社の中に弁済をするだけの、消費者に弁済をするだけのお金を残しておられるのかというと、これは、隠匿と申しますか、隠さずにそういう形で持っているということは少なくとも考えにくいんじゃないかという指摘がありました。私もその点全く同感であります。
 そこで、これは大変難しいことかもしれませんけれども、こういった本制度の仮差押えでも対応困難な悪質業者による財産の隠匿あるいは散逸に対応するために、行政機関による財産保全策について具体的な検討を今後進めていくべきじゃないかと思うんですが、大臣のお考えをお尋ねいたします。
#31
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、悪質事業者による財産の隠匿、散逸、これを防止するために行政機関が行う財産保全策、これが必要ではないかという御意見がございまして、消費者庁の下に置かれた消費者の財産被害に係る行政手法研究会が報告書を取りまとめております。財産の保全・凍結命令制度、供託命令制度や行政庁による破産手続開始申立て制度などが検討をされ、様々な観点から課題が指摘をされました。私がこの報告書を受け取りました。
 消費者庁では、これらの指摘を踏まえて、関連する法制度の更なる調査研究を行うなどして検討を進めているところでございます。引き続き必要な検討を行い、課題を一つ一つ解決してまいりたいと思います。
#32
○金子洋一君 ありがとうございます。
 これまで大臣から御説明のありましたような内容について、方向性としてもちろんそういった方向で進んでいただきたいんですが、やはり早くやらないと何ともならないというところがあります。さはさりながら、人員二百七十名でどのくらい早くできるのかというところについて大変心配をするところがございまして、その点はやはり与党の中で何とか働いていただきまして、人員を増やしていただけるようにしていただければと思います。
 続きまして、次の質問に移らせていただきます。
 よく日本版クラスアクションというような呼ばれ方がこの法案に対してなされまして、ただ、そういうふうな日本版クラスアクションというような言い方は望ましくないと、米国のクラスアクションとは全くこれは違うんだというふうに、これは重ねて御指摘をいただいているところだと思います。
 ただ、やはり中小の事業者から見ると、じゃ、どこが違うのということになると、かなり心もとないところがあるんだろうと思います。つまり、本制度の対象となる事案がまだ明確にされていないということがありますので、何が起こるか分からないということに対して、何というんでしょう、警戒心を持つのは、やはり社員を持つ経営者からすると当然のことなんだろうと思っております。
 最近、社会的にも大変問題になっております食品の虚偽表示の問題などについても、私ども民主党では海江田代表をトップに据えまして対策本部を置かせていただいて、様々な方々からヒアリングをさせていただいたりしております。
 こうしたホテルチェーンとか大手の有名なお店でのメニュー表示にかかわる問題などがこれは本制度の対象になるというふうに衆議院での質疑の中で、これは消費者庁からでしょうか、あったと思うんです。こういった景表法にかかわるような部分というのは、非常にまだ疑問点というのはたくさんあると思うんですね。特に、食品表示については消費者庁の方の検討がまだまだ進んでいないというところ、これ前回の質疑でも申し上げて、重ねてで恐縮なんですけれども、そういう部分もやはり不安が残ってくるところじゃないかと思っております。
 これまでの議論を聞いておりますと、この制度では、形式的な要件を満たしていれば特定適格消費者団体による提訴はこれは妨げないんだと、そして審査に当たって、裁判所がどのような手続でどのような判断基準の下でこの案件を取り扱うのかについて、これは必ずしも明確になっていないというふうに私は受け止めております。
 となりますと、この点につきまして、消費者庁として、できるだけ速やかにこうした中小の事業者も分かるような形で、ガイドラインですとかコンメンタールですとか、そういったようなものを作っていただいて公表していただくべきだと思うんですが、この点、大臣、いかがお考えでしょうか。
#33
○国務大臣(森まさこ君) おっしゃるとおり、本制度の対象となる事案として認められるための要件、多様性、共通性、支配性等でございますけれども、この解釈を事業者の皆様にも分かりやすくパブリックコメント等に対する回答としてこれまでも示してきましたけれども、今後、国会での御審議、また委員の今の御提案も踏まえつつ、コンメンタール等において具体的に示してまいりたいというふうに思います。
#34
○金子洋一君 ありがとうございます。
 やはりこうした表示の問題というのは、特に食品メーカーですと中小企業が多いというところもありますので、しかも、そういう中小企業にとって訴訟を継続するというのは、評判においてもダメージを受けるし、金銭的にもダメージを受ける、人員的にも難しいというところがありますので、是非ともそういったところに対する心配りはよろしくお願いをしたいと思います。
 そして、そういったガイドラインを明確にしていただいて、日本の裁判所でも、アメリカの裁判所で行われているように荒唐無稽なものについてはもう直ちに却下されるんだということが分かるというような形に是非持っていっていただきたいと思います。
 それで、あと、パブリックコメントについて今大臣が言及をなさいました。そのパブリックコメントについてお尋ねをしたいと思うんですが、民主党政権の時代、本法案は私どもの政権の下でも作業が行われておりまして、パブリックコメントが何回も募集をされてまいりました。ところが、なかなかそのパブリックコメントに対する御回答というのが早く出てこないという御不満、これはもう消費者側からも事業者側からもございました。特に最後の公表のときには、閣議決定のタイミングまでパブリックコメントに対する、何というんでしょう、取りまとめ結果が公表されなかったわけであります。これはなぜなんでしょうか。
#35
○大臣政務官(福岡資麿君) 本法案は我が国の民事訴訟制度の大きな例外の手続を創設しようというものでありまして、事業者、消費者にも影響が大きく、また我が国の社会経済制度に適合したものとするため、慎重に検討を行う必要がございました。そのため、今委員御指摘ございましたように、民主党政権下でも四度のパブリックコメントを実施していただいておりますが、事業者を含めた様々な関係者から、パブリックコメントを含め広く御意見を聞いてきたところであります。
 こうしたパブリックコメントでいただいた御意見を踏まえて法律案を策定するとともに、いただいた御意見に対して消費者庁としての考え方を法律案と併せてお示しすることが重要と考え、本年四月十九日の閣議決定の同日に、パブリックコメントの取りまとめとして主な意見の概要と意見に対する考え方を整理した上で、結果を公表したものでございます。
#36
○金子洋一君 やはり、意見を述べたというか投じた方の側からいたしますと、なるべく早くお答えをいただきたいというのが、消費者の方も事業者の方もおっしゃっていますので、今後パブリックコメントをなさるときは是非とも早めにやっていただければと思います。
 そういった形でいろんな意見を入れていただきたいと思うんですが、衆議院の修正案の中で、附則に、第一項に、政府は、特定適格消費者団体がその権限を濫用して事業者の事業活動に不当な影響を及ぼさないようにするための方策について、事業者、消費者等の意見を踏まえて、速やかに検討を加え、必要な措置を講ずることとございます。事業者、消費者からきちんと意見を聞くんだということで、そういったガイドラインのようなものを作っていく中で詳細な制度をつくっていかれるんだろうと思いますけれども、その中で、もちろん消費者の声を聞くことというのはこれは当然のことでありますけれども、また中小企業の声も是非とも入れていただきたいと思うんですが、その辺り具体的にどういう御対応をいただけるんでしょうか。
#37
○国務大臣(森まさこ君) 例えば特定適格消費者団体の認定、監督の指針、ガイドラインを策定してまいりますが、その際に、有識者により構成される検討会を開催します。そこに事業者の方に入っていただく、特に中小企業関係者に入っていただくことを考えております。また、パブリックコメントを行う等により、そこにおいても事業者の皆様の御意見を、消費者の皆さんの御意見をいただくと同時に、できる限り多くの方の御意見をいただいて反映をさせてまいりたいと思っております。
 委員の御指摘のとおり、日本の企業の大多数を占める中小企業関係者からの御意見、これは重要だと思っておりますので、今のガイドライン検討の場への参画、それから、そのほかにでも中小企業の団体等に対して地域の説明会を行うなど、これはきめ細かく対応をしてまいりたいと思います。
 なお、ガイドラインの策定に当たっては、法施行前までに策定し、施行日までに十分な周知活動を行うことが可能となるような期間を確保するとともに、法施行後もガイドラインに関して引き続き消費者、事業者などからの御意見を伺ってまいりたいと思っております。
#38
○金子洋一君 ありがとうございます。
 では、最後のお尋ねなんですけれども、一段階目で共通義務が認められた事案については、どういった意味でこれがいけないことなのかということを、特に中小事業者を対象に周知をすべきではないかと思うんです。もちろん、消費者に対してもそういったことを知っていただくということは大事だろうと思います。そういった方向での取組はお考えになっていないでしょうか。
#39
○国務大臣(森まさこ君) 本制度においては、二段階目の手続が開始された場合、団体が一段階目の判決の内容等の事項を公告するものとされております。また、内閣総理大臣も、インターネットの利用等の方法により、速やかに一段階目の確定判決の概要等の事項を公表するものとしています。さらに、消費者庁としては、報道機関への情報提供を積極的に行うなどして、情報が周知されるように努めてまいります。
 これに加えて、本法案が成立すれば速やかに消費者庁として各種の業界団体と連携をいたしまして、当該業界団体に加盟する主に中小企業に対するセミナー等の機会を利用するなどして、本制度の対象として想定される事案について、適用されることが考えられる消費者契約法、特定商取引に関する法律等の制度内容及び裁判例等の説明も併せて膝詰めで行ってまいりたいと考えております。さらに、本法案施行後に一段階目の判決が出された後は、その内容も盛り込んでこのような説明会も行ってまいりたいと思っております。
#40
○金子洋一君 是非、経済産業省辺りと知恵を出し合って取り組んでいただければと思います。また、施行後三年で本法案見直される、三年以内でということでありますので、その際にもまた、今日取り上げましたようなパブリックコメントについての様々な問題を踏まえて、関係者の、消費者、事業者の意見をきちんと取り入れた形でまとめていただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
#41
○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆であります。
 この法案については、私は通常国会の折にも、五月だったと思いますけれども、御質問をさせていただきました。消費者契約法で言及されてもうこれで七年がたつ、もう七年越しの法案でもありますし、早期に是非採決をしてということで、当時理事としてもお役目をいただいておりましたので、随分そのことに腐心をした記憶があります。それ以来もう半年が過ぎて、遅ればせながらやっとこのような機会がやってまいりました。
 その質問の折にもいろんなことを大臣含めて皆さんにお聞きをしましたので、その後の進捗状況を中心にちょっといろいろ御質問をさせていただきたいと思っています。
 まず一点目。今出たのかもしれませんけれども、この特定適格消費者団体に対する財政的な支援の在り方について、これはこれまでもかなり多面的に議論されてきたものだというように思います。私、五月の時点で、是非、基金制度のようなものが必要ではないかということを御提案をさせていただきました。森大臣からは、幅広く関係者から意見を伺って、特定適格消費者団体に対する必要な支援について引き続き検討を行っていくというようなお答えをいただいたところでありますけれども、この財政的な支援の在り方について、仕組みについて、その後の検討状況というのはどのようになっているのでしょうか。
#42
○国務大臣(森まさこ君) 特定適格消費者団体に対しては、その認定要件として一定の経理的基礎を求めておりまして、この経理的基礎を基にして自立した活動をすることが基本になります。
 消費者庁においては、適格消費者団体に対し、認定NPO法人制度の活用による寄附金の受入れ促進、地方自治体による適格消費者団体を含む消費者団体への補助金支出等を可能とする地方消費者行政活性化基金事業の整備ということで、さっき猪口委員にお答えをした内容で予算付けをいたしたところでございますが、適格消費者団体から認定される特定適格消費者団体は、被害回復業務において消費者から報酬及び費用の支払を受けることが認められておりますけれども、やはり差押え等をするに当たって一定程度の財政の支援が必要だという委員の御指摘もあったところでございますので、必要な支援について私なりに検討をしているところでございます。
 この内容について、今まだ報告をできるところまでまとまってはおりませんけれども、法案成立後、私の方で検討しました案も含めて、法律家、それから会計の専門家、それから事業者、消費者団体等の有識者の御意見を聞く、そういう機会を設けまして、そしてしっかりと検討して結論を出してまいりたいと思っております。
#43
○斎藤嘉隆君 今まさに大臣からお触れをいただきましたけれども、仮差押えの際の担保の問題、課題についてなんですけれども、これ、通常の民事保全の場合なんかよりももっと低額にという、そういう議論もたしかあったかと思います。集団的な被害の場合というのは、もう当然のことではありますけれども、極めて担保金自体が高額になることが予想をされます。可能性が高いんじゃないかなと思いますけれども、今のお話で、それは特定適格消費者団体が自身の財務的能力をもってそれに対応していくということが一義的にはあろうかと思いますけれども、本当に可能なのかどうか。このことがこの法案が実効性あるものになっていく上での障害になってはやっぱりいけない、そのように思っています。
 今まさに大臣から、財政的な支援の方向性について検討をしているということで、まだ申し上げる段階にはないということでしたけれども、本来はですよ、法を定める段階で僕は明確な見通しをこういったことについても持つべきだと、それが本来あるべき姿だと思います。
 もう一回ちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、検討の、何といいますか、スケジュール的な、アウトラインで結構ですけれども、何か具体的に今お考えのことがありましたら、是非お知らせをいただけませんか。
#44
○国務大臣(森まさこ君) スケジュール的なことについては、施行までにはしっかりと見通しを示してまいりたいというふうに思っております。
#45
○斎藤嘉隆君 先に先に送られてしまうと、肝心要の施行の段階でまだ具体像が見えないということを大変恐れておりますので、是非早め早めの対応、検討をお願いをしたいというように思います。
 次、二点目でありますけれども、これもかなり話題になったことであろうと思います。通知、公告に対する、そのことについてのどのような、財政的な面だけではなくて、具体的に支援をしていくかということであります。
 対象の消費者が手続の状況を知って訴訟に加入することが、ある意味、この法律を実効性あるものにしていく上で一番大切なことだと思っています。一般的には、インターネット、ウエブサイトなどで周知をしていくということが想定をされるわけでありますけれども、これは消費者団体も恐らく多くがまずはその方法でということをお考えだと思いますけれども、私は十分だとはやっぱり思えません。特に、高齢の皆さんを中心に、なかなかこういったウエブなんかに余りなじみのない方もいらっしゃるわけで、そこをどのように広く周知をしていくか、大きな課題だと思っています。
 消費者が相談に、いろんな相談機関を訪れるわけですね。こういった相談機関などに情報の提供や説明、手続の手助けだとか紹介などをする、そういう役割も求められるんではないかなと思います。国センとか消費者センター、法テラス、あるいは弁護士会、こういったところが相談機関として考えられるわけですけれども、こういったところとの消費者庁として連携強化を図っていくための、あるいはこういったところと消費者団体とが連携を図っていくための環境整備のようなものについては、何かお考えが現段階であるんでしょうか。
#46
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、本制度につきましては、判決が出た際にその内容をしかるべく対象となる消費者に伝えていく、ここが大変肝になるわけでございまして、通常ですと、特定適格消費者団体あるいは相手方の事業者がしっかり通知する、あるいは公告していくということでございますが、消費者庁におきましても、この九十条でしっかりその内容を公告するということが定められておりまして、この際、国民生活センターあるいは消費生活センターを通じまして、実際どのような内容の判決が出たかということを地域の皆様にそれぞれ周知していくということを考えているところでございます。
 既に御審議の中で、衆議院の御審議の中で御指摘もいただいておりますが、インターネットあるいはメール等ではなかなかつながらない人たちへの、どういうふうに伝えていくかということも検討しているところでございまして、先ほど大臣から地域の見守りネットワークを活用していくという検討課題を御説明したところでございますけれども、そうしたものの充実を通じまして消費生活センターとその見守りとをつないでいくと、そういうことも検討しているところでございます。
 以上でございます。
#47
○斎藤嘉隆君 是非、消費者団体と今申し上げたような関係機関との連携というところについても、消費者庁が間に入って是非強化をしていっていただきたいと思います。
 そういった意味からいって、もう一点ちょっとこれに関してお伺いをしたいと思いますけれども、消費者団体の活動の支援の一つとして、これも以前から議論になっているかと思いますが、PIO―NETの端末を適格消費者団体に配備をしていくと、そのことも極めて有効だという声も多々あろうかと思います。
 国センの情報提供といった点で、このことについては何らか検討は今進められているんでしょうか。
#48
○政府参考人(川口康裕君) 適格消費者団体にしっかり情報を伝えていくということは、その団体が多くの消費者の被害を背景に必要な訴訟を起こしていくという上でも大変重要なことだというふうに考えております。
 ただ、一方、PIO―NET、直接その端末を配備するということにつきましては、入力する側の地方公共団体あるいは消費生活センターの方で非常に注意をすべき情報であるので、それについて直接消費生活相談を担当しないところが共有することはいかがなものかという懸念もあるところでございます。
 そういう中で、この懸念を払拭できるような方策につきまして引き続き検討をしまして、是非とも現在の適格消費者団体以上にこのPIO―NETの情報につきまして特定適格消費者団体が容易にアクセスできる、利用できるような方策を法律の施行までに見出し実現していきたいと、そういう方向で現在検討をしておるところでございます。
#49
○斎藤嘉隆君 是非お願いします。それができるからこそ特定適格消費者団体なんだろうというようにも思いますので、是非御検討の方、引き続いてお願いをしたいと思います。
 ちょっと、そもそも論に立ち返ってしまいますけれども、この通知や公告に関する費用について、この法律案では、これまでも随分話合いをしてきましたけれども、例外なくこの消費者団体の方が負担をするということになっています。これ、適格消費者団体が負担をするということは、要するに、最終的には対象消費者の負担になってしまうというように思います。
 訴訟の中身によっては極めて低額な被害の事案での救済というのもあろうかと思いますけれども、こういったものが、このような負担が生じることによってちょっと困難になるおそれがあるんじゃないかなというのは前々からかなり危惧をしているところでもあります。
 通知、公告に要する費用について、原則として事業者が負担をするべきものだという議論もあったかと思いますけれども、もう一回ちょっと確認で、このことについてどう考えていらっしゃるのか、なぜ今回そのような措置がとられないのか、ちょっとこれ確認で考え方を教えていただきたいと思います。
#50
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のような考え方も踏まえまして検討した結果でございますが、現時点でどのように考えているかということでございます。
 通知、公告は二段階目の手続に消費者の加入を促すための準備行為でございまして、消費者の被害回復のために本制度が特別に設けた手続でございます。また、通知、公告の方法については、団体が一定の範囲内で自ら判断して行うことができるようにしております。したがいまして、その方法及び金額は定型的ではなく、そこに掛かる費用は一定額に収まるものではない、上限等も定められていないということでございます。
 通知、公告がこのような性質を有するため、それに要する費用については、事業者の義務が最終的に確定していない通知、公告の段階はもちろん、二段階目の手続で事業者が敗訴したとしても、そのことを根拠に事業者に負担させることは難しいと、そういう結論に至ったところでございます。
#51
○斎藤嘉隆君 その立て付けについて今の段階でどうこうと言うつもりはありませんけれども、いずれにしましても、通知、公告についても今後具体的に検討されてくるだろうと思いますので、是非消費者の立場あるいは団体の立場に立った検討をお願いをしたいと思います。
 続いて、ちょっと視点を変えまして、今日は文科省の政務官にお越しをいただいていますので、これも先般の委員会の折に私から御質問させていただいた消費者教育について少しお聞きをしたいと思っています。
 消費者教育の重要性というのは言うまでもありません。新法の下でも学校教育において消費者教育を推進をしていくということにされています。どのような施策が策定されて変わっていくのか、またその後の検討状況はどうなっているのかというのは非常に気になるところですので、そこの今の段階での状況をお聞かせをいただきたいと思います。
#52
○大臣政務官(上野通子君) 斎藤委員の御質問にお答えします。
 五月十日、当委員会で義家政務官がお答えしたと思いますが、その後の文科省としての取組についてお話しさせていただきます。
 文科省では、消費者教育推進法に基づいて、本年六月に策定された消費者教育推進基本方針について、七月に各教育委員会の担当者を集めた会議におきまして、例えば小中高別、各段階別、教科別の部会を開くなどして周知をしております。そして、学校教育における消費者教育の推進を更に図っているところでございます。
 また、文科省としては、学校教育における消費者教育の推進を図るために教育委員会などに委託して実施している調査研究事業においても、学校における環境教育や法教育と連携して、例えば中学校段階で技術・家庭科の授業の中で環境教育と連携して、例えば草木染の体験を基に化学染料が環境に与える影響や商品選択等の環境への配慮について学習する授業を実施したり、また高校段階では、高校の社会科の政治・経済の授業の中で法教育とも連携しまして、弁護士を招いて契約時に起こりやすい事例を基に生徒同士が討論を行う授業を実践したりなどのことをしております。
 このようにして、消費者教育の在り方についての研究を進めていますし、さらに、この本調査研究においては、教科横断的なカリキュラムの在り方についても研究しているところでございます。
 そしてまた、こうした調査研究の成果については、消費者庁との協力を得て、本年度、十二月から一月にかけて、十二月の五日には北海道の札幌で、来年の一月の十七日には名古屋市で、そして一月の三十、三十一日には千葉の会場にて、三会場で消費者教育フェスタなどにおいて、教員を始めとする学校教育関係者や社会教育関係者などに対しての普及を図ることとしております。
 今後とも、各学校で消費者教育推進法の趣旨を踏まえた消費者教育が円滑に実施されますよう、支援に努めてまいりたいと思います。
#53
○斎藤嘉隆君 五月のときにもお話をしましたけれども、消費者教育は重要です、重要です。ただ、今学校教育の中でもうこういったメニューがすごく増えて、消費者教育、上野政務官は誰よりも御存じだと思いますけれども、食育があったり環境教育があったり、もうおなかいっぱいの状況なんですね。ですから、何らかの配慮が必要じゃないんでしょうかということを義家政務官に申し上げて、政務官からは、教育現場に対する必要な配慮、そういったことも踏まえてやっていくと、それが必要なんだという御答弁をいただいたところであります。
 確かに、今政務官おっしゃったような様々な取組というのは効果的なものもあろうかと思いますけれども、根本的にこういう消費者教育を推進していこうとすると、やっぱりそれ相応の、例えば人的な配置も含めて対応がやっぱり必要になってくる。消費者教育だけについて人を増員してどうのこうのというのを、まさかそこまでのことを望むつもりはないですけれども、是非文科省さんにおいても、こういったメニューを学校教育の中に持ち込まれるわけですから、その辺りの本当に真に現場にとってプラスになるような配慮を改めてお願いをしたいと思います。
 その上でもう一点、これ、消費者教育というとどうも学校が主体になってやる、子供を対象にやるということになってしまう。今ちょっと社会人教育についても少し言及されましたけれども、私は、むしろ年配の皆さんも含めた社会人の皆さん、一般の皆さんにどのようにこの消費者教育というのを進めていくかというのが非常に重要な課題ではないかなと思っています。そのために多様ないろんな主体となる団体とか事業者と消費者庁が中心になって具体的な連携をしていくということが必要だと思いますが、この辺りは何か進捗しているようなものはあるんでしょうか。
#54
○国務大臣(森まさこ君) 社会人への消費者教育ですけれども、消費者教育推進法に基づいて、六月に消費者教育の推進に関する基本方針というのを閣議決定をいたしました。その中で、消費者教育をする対象者として、子供だけではなく大人もということで、若者、成人一般、高齢者ということで社会人への消費者教育というものも目的にしております。
 そして、消費者庁においては、本年度から地方消費者行政活性化交付金に計上をいたしました国と地方とのコラボレーションによる先駆的プログラムとして、地方の裏負担をなしにして私から五つのテーマを示しまして、そのテーマについて積極的に取り組んでいただくということを促してきたんですが、このテーマの中の一つがこの消費者教育でございまして、社会人に対する消費者教育としては、例えば徳島県や山口県柳井市によって教育講座等を実施をしてきていただいているところでございます。
 今後、これらの検討及び先駆的な事例を踏まえまして、多様な主体と連携を図りながら、社会人に対する消費者教育を推進してまいりたいと思います。
#55
○斎藤嘉隆君 是非お願いします。大臣、本当に御専門なので非常に詳しく、特定秘密とは違って非常に詳しく御答弁いただきました。是非そういった方向でお願いをしたいと思います。
 最後に、もう時間ですので一点だけ、今後の課題ということでお聞かせをいただきたいと思います。
 慰謝料とか製品事故、食中毒など人身に及ぶ被害の賠償、こういったものについては、これも随分議論は重ねてまいりましたけれども、今回そういったものは入っていない。将来的に含めるように、当然ですけれども検討をしていくべきだと思います。
 これは見直し規定に、被害者団体等の特定適格消費者団体以外にもこの手続主体を拡大すること、そういったことを検討すべきでないかというふうに私自身思っておりますけれども、ここのところ、将来的な拡大というか方向性について何かお考えの点があれば最後にお聞きをして、質問を終わりたいと思います。
#56
○副大臣(岡田広君) お答えいたします。
 本制度の対象案件は、その性質上、一つには、二段階目の手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であるとは言えない案件、二つ目に、一段階目の手続の審理において被告事業者が二段階目の手続で争われる消費者の被害額についておおよそその見通しを把握でき、十分な攻撃防御ができる案件である必要があります。このため、委員御指摘がありましたが、拡大損害、人身損害あるいは逸失利益及び慰謝料についてはこれに当てはまらないことから、対象外としております。
 本制度においては、制度の安定的かつ円滑な運用を確保する観点から、手続追行主体を特定適格消費者団体に限定し、これに対して制度の濫用を禁止する規定を設けて行政監督を及ぼすなどとしているわけであります。
 この法律の施行後三年を経過した場合においては、速やかに検討の場を設け、消費者の財産的被害の発生又は拡大の状況、特定適格消費者団体による被害回復業務の遂行の状況その他この法律の施行の状況等を勘案し、その被害回復関係業務の適正な遂行を確保するための措置並びに共通義務確認の訴えを提起することができる金銭の支払義務に係る請求及び損害の範囲を含め、この法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすることが附則第五条でも規定されておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#57
○斎藤嘉隆君 終わります。
#58
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。消費者問題特別委員会では初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 本法案は、これまで泣き寝入りとなってしまうことの多かった消費者被害の集団的な回復を可能にするものでございます。対象になる請求が限定されてしまったことで、消費者被害のうち一部の限られた部分についてのみ被害回復ができるにすぎないという点は残念に思っておりますけれども、しかしながら、消費者被害の救済のために大変画期的な制度でございます。是非早期に成立することが必要であると私も考えております。
 私の方からは、本制度が十分に機能をして消費者の被害が適切に回復されるようにという観点から質問をさせていただきます。
 消費者の被害の回復と、そのためには手続が、被害回復のための手続が迅速に行われるという点も重要であると思います。本制度では、第一段階として共通義務確認訴訟が行われます。通常の裁判ですと、訴訟代理人が付いて、また証人尋問なども行われますと、なかなか一年で終わるというのは難しい、控訴また上告というところまで行きますと、判決が確定するまで二、三年ぐらいすぐにたってしまうわけでございますけれども、本制度におきましては、第一段階の共通義務確認訴訟、ここでは裁判の迅速化という観点からはどのような工夫がされているのか、この点について教えていただきたいと思います。
#59
○政府参考人(川口康裕君) 御指摘ございましたように、被害者の早期の救済ということは大変重要なことでございまして、この制度をつくる際にもそういう観点からいろいろ議論したところでございます。ただ、本制度でも、相当多数の消費者の事業者に対する請求の有無及び支払金額などを判断するというものでございますので、紛争が最終的に解決するには一定の時間を要するということはやむを得ないものというふうに考えております。
 ただ、その中で、検討したことでございますが、本制度では、まず一つ目といたしまして、訴えることができる事案につきまして個々の消費者ごとの審理が複雑にならないような事案に限定をしているということでございます。それから二つ目でございますが、共通義務に関する審理手続、これと個別争点の審理手続を分離した段階的な審理を制度化しておりまして、これによりまして計画的な審理が制度的に担保されているということでございます。それから三点目でございますが、共通義務の設定に当たりましては、特定適格消費者団体が情報の効率的な収集及び専門的知識、経験を生かした分析、検討等を踏まえて適切な訴訟追行を行うことが期待できると、こういう制度を担うにふさわしい団体を特定適格消費者団体として制度の担い手としているということでございます。さらに、第二段階目の手続につきましても、個々の消費者が加入することとなる二段階目の手続におきまして簡易な手続を工夫したところでございます。
 こうしたことにより、制度全体としての審理の迅速化を図ったところでございます。
 以上でございます。
#60
○佐々木さやか君 御説明ありがとうございます。
 この制度におきましては、二段階目の手続で対象消費者の多くの方々が参加してくださるということが重要でございます。そうでなければ被害の回復も図れませんし、また、訴訟を提起しました特定適格消費者団体も費用なども回収することができません。ですから、私はこの制度においては消費者への通知、公告手続というものが非常に重要であると思っております。
 消費者被害ですとか、また事故、そうしたことが起こったときには報道がなされますけれども、そもそもその団体が訴訟を提起するまでにも一定の時間が掛かりますし、それから、先ほどお話ありましたように、第一段階の手続が終了するまでも数年掛かるということも予想がされるわけでございます。そう考えますと、この通知、公告手続におきましては消費者の方々に場合によっては何年か前の取引や被害について思い出していただいて参加をしていただくと、そういう必要がございますので、十分になされることが必要であると思います。
 そこで、お伺いいたしますけれども、この第一段階の手続が終わりまして、また第二段階の手続が開始をして、消費者に対する通知、公告がなされてから消費者の方々が団体に対して授権をするまでの期間、要するに消費者の方々への周知期間と申しましょうか、この期間というのは大体どの程度になる見込みなのでしょうか、教えていただきたいと思います。
#61
○政府参考人(川口康裕君) まず、この団体の立場に立ちますと、団体はできるだけ多くの消費者から授権を受けられるよう努力をするということだと思っております。ただ、これを制度に定めた際には、関連の制度を申し上げますと、本制度では、まず簡易確定手続を申し立てた団体につきましては、二段階目の手続の開始決定がされたときは、原則として遅くとも、遅くともということでございますが、届出期間の末日の一か月前までに通知、公告をしなければならないというふうにしたところでございます。
 この届出期間でございますが、これは裁判所が事案に即して定めるものでございまして、対象消費者の人数など具体的な事案の規模等によって様々でございます。それに対応して、消費者が授権するまでの期間も、これは一概には申し上げられないものでございますが、団体の通知、公告から消費者が団体に授権するまでの期間につきましては、届出期間の中でできるだけ多くの消費者が授権できるよう団体の方で対応していただけるものと期待しているところでございます。
#62
○佐々木さやか君 御説明ありがとうございます。少なくとも一か月は確保されているという理解でよろしいかと思いますけれども、一か月というのは余り長いとは言えないとは思います。
 この消費者に対する通知、公告に関連しましては、消費者庁による確定判決の公表という制度もございます。これは主にインターネット上で行われるというふうに理解をしておりますけれども、先ほども少しお話が出ました、やはり高齢者の方々といいますのはなかなかインターネットを使って自分で情報収集をするということは難しいかと思います。また、高齢者でなくてもその一か月の周知期間の間にインターネットを検索をしてその情報にたどり着けるかどうかというところも少し心配がございます。
 ですので、是非消費者庁におきましては、その判決確定時だけではなくて被害の把握時点から、その消費者被害の情報ですとかその後の訴訟の進行状況などについて、是非継続的にまた分かりやすく周知をしていっていただきたいというふうに思っております。
 もちろん現在も消費者被害については情報提供をしてくださっていると思いますけれども、例えば美白化粧品また健康食品などの被害について最近はニュースも減ってしまったと、インターネットで見ているけれども、消費者庁また厚労省、国民生活センターなど、情報発信元も分かれているので分かりにくいと、そういう声もございます。国民生活センターは国の機関として消費者庁と一体化してほしいとか、そうしたなかなか分かりにくいという声も私も実際に伺っております。
 是非消費者に分かりやすい、かつ継続的な情報発信をお願いしたいと思いますけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。
#63
○国務大臣(森まさこ君) 本制度においては、特定適格消費者団体が二段階目の手続が開始されたときに団体に授権をするために必要な情報を知れている対象消費者に対して書面等により個別に通知をすることとしていることに加えまして、インターネットのウエブサイトなど、これインターネットだけではなくて相当な方法による公告ということで、その事案によって、確かに高齢者の方は余りインターネットを利用なさらないと思いますので、高齢者でしたらば先ほどの高齢者の見守りネットワークを使って、地域の老人会でありますとか福祉施設でありますとかそういうところと連携をしていこうと思っているんですが、そういう様々な場合に応じたそういう公告。それから、事業者にも公表義務も課しておりますし、事業者は特定適格消費者団体が申し出た場合には顧客名簿などの情報開示義務というのも課されているわけでございます。このような取組で通知の実効性を確保することとしております。
 消費者庁としても、ホームページを活用するだけではなく報道機関への情報提供を積極的に行うなど、対象消費者に対する周知の実効性を高めるための環境整備を図ることを検討してまいりたいというふうに思っています。
 なお、本法律案におきましては、内閣総理大臣は、訴え提起の段階でその概要等を公表すること等の措置は講じておりません。委員の指摘のとおりでございます。この理由は、判決が出ていない段階で行政が公表するということをしますと、これは、訴えられている事業者が、まだ判決が出ていないにもかかわらず違法、不当行為を行っているという誤った印象等、風評被害等を消費者に与えるおそれがあるということに配慮をしておりますので、どうか御理解いただきたいと思います。
#64
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 先ほどお話にも出ました適格消費者団体からの個別の通知でございます。これは、事業者から提出されます対象消費者に関する情報が記載された文書、この開示の制度に頼ることになるわけですけれども、これは第二段階に入りましてからの手続でございますので、第一段階の手続の間にそうした文書が破棄されてしまったりとか、それから散逸というおそれもあるかと思います。
 そういうことを考えますと、できればやはり早い段階でのそうした名簿ですとか文書の保全ということが必要なのではないかと思うんですけれども、消費者団体としてはどういった手続を利用ができるのか、御説明をお願いいたします。
#65
○政府参考人(川口康裕君) ただいまの御質問は第一段階の手続の間にどのような手続が利用できるのかということと理解申し上げましたが、その点について申し上げます。
 情報開示義務、これは二段階目の義務ということでございまして、これは一段階目の手続の結果、事業者が対象消費者に対して共通義務を負うことが認められたことを根拠に、本制度が事業者に新たに課す義務でございます。共通義務を負うことが認められていない一段階目の手続の段階では、名簿等の保全をするための仕組みは設けていないところでございます。
 ただ、事業者が不当に名簿等を破棄したということによりまして、簡易確定手続申立団体、これは特定適格消費者団体でございますが、これが、通知、公告費用が増大したということになったような場合には、これは事業者に不法行為に基づく損害賠償責任が認められることもあり得るというふうに考えております。
 なお、本制度では、情報開示義務の対象は対象消費者の氏名及び住所等が記載された文書というふうに定めておりまして、必ずしも顧客名簿ということには限定していないところでございます。仮に事業者が名簿を破棄したとしても、その基となった契約書等が存在するのであれば、それが二段階目の情報開示の対象となるというふうに考えているところでございます。
#66
○佐々木さやか君 事業者の方で、顧客名簿に限りませんけれども、消費者を特定するような文書を開示していただけない場合には、やはり実際問題、個別の通知というのは困難になってしまうかと思います。ですので、そうした文書を、例えば名簿、そういったものをきちんと保存をする、また破棄をしたりしないようにする、それから、もちろんきちんと提出をしていただくと。この提出については三十万円の罰則がございますけれども、やはりなかなか被害金額がそれより大きいという場合が多く予想されますので、実効性というところについても心配がございます。
 ですので、是非、行政による監督指導ということがなされていただきたいなと思っております。監督官庁ということもあると思いますけれども、縦割りの弊害を打破をして消費者の利益を守るという役割を担う消費者庁において、是非リーダーシップをこの点取っていただきたいなと思っておりますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#67
○国務大臣(森まさこ君) 重要な御指摘だと思います。
 本当にこれ、業者さんが名簿を捨てちゃったりすると大変なんですよね。ああ、これはやられるなんと思ってシュレッダーに掛けちゃったり、大変なんですけれども、この文書の保管については、業法によっては、業務の適正な運営の確保などの観点から、保存の必要性のある文書について一定期間の保存を義務付けております。その場合、顧客情報を勝手に破棄すると業法違反になります。
 ですから、監督官庁が事業者に対して、この点、監督や指導を行っていくべきという委員の御指摘、大変重要な御指摘だと思いましたので、消費者庁としても、各監督官庁に対してこういったことを、本制度の趣旨を説明して、各業法に従ってしっかりとこれを勝手に破棄したりしないようなことを徹底をさせていただくようにしてまいりたいというふうに思います。
 また、消費者庁としても、事業者に対して本制度の御説明等をするときに、この本制度の情報開示等を通じてこれは紛争の一回的解決を図ることができるんだと、これはメリットでもあるんだということを事業者の皆さんに御説明をして、本制度の理解、それから協力を求めてまいりたいと思います。
#68
○佐々木さやか君 ありがとうございます。是非よろしくお願いを申し上げます。
 この開示の対象になる文書でございますけれども、二十八条一項を見ますと、対象消費者の氏名及び住所又は連絡先が記載された文書、これが開示対象となっております。しかしながら、これだけではちょっと狭過ぎるのではないかと私は感じておりまして、例えば、Aという文書には氏名と会員番号が書いてある、Bという文書には会員番号とそれから住所、連絡先というものが記載されているなどといった場合のように、二つ以上の文書を併せて読むことで消費者を特定できるという場合もあるかと思います。そうした場合は開示の対象になるのかどうか。
 それから、ちょっと時間が迫っておりますのでもう一問併せて御質問したいと思いますけれども、この消費者の氏名、住所、連絡先以外にも、例えば、契約年月日ですとか、いつからいつまでにこの事業者と契約をした人は届け出てくださいとか、また、何番から何番の製造番号の商品を事業者から購入した人は届け出てくださいというように、氏名、住所、連絡先以外にも消費者を特定する情報というのはあるかと思います。そういうことを考えますと、こういった情報も広く事業者に開示をさせるべきようにも感じております。
 だから、今その情報を持っている場合には開示をするというだけではなくて、広くそうした特定に役立つ情報を開示をし、また特定のために協力をする義務を広く負わせるべきではないかというふうにも感じておりますけれども、この点についてお伺いをしたいと思います。
#69
○政府参考人(川口康裕君) 二点御質問いただきましたので、順次御説明をいたします。
 まず、氏名及び住所又は連絡先でございますが、氏名に加えまして住所又は連絡先の記載を必要とした趣旨でございますが、氏名だけでは通知することができないということでございまして、二十八条第一項の文言といたしまして、対象消費者の氏名それから住所又は連絡先、これが一個の文書に記載があることを基本的に想定しているものでございます。
 仮に、個別具体的な文書の記載状況等によりましては、氏名と住所又は連絡先が複数の文書に分かれて記載されているような場合も情報開示義務の対象となり得るとの解釈をするとしても、その場合には文書の照合作業を伴うことになりますので、二十八条第一項ただし書との関係で、不相当な費用又は時間を要する場合ではないということが必要となると考えております。
 ただし、そもそもどこまでを一個の文書とするかにつきましては、これは諸事情を踏まえまして個別具体的に判断されるべきものでございまして、別々に作成された文書であっても、文書の保管態様やそれぞれの作成目的等から、二個の文書ではなく両者を併せて一個の文書と認められる場合もあり得るのではないかというふうに考えております。
 続きまして、契約年月日、製造番号等についてのお尋ねでございますが、第一段階目の手続におきましては、対象消費者の範囲をどのように特定するかという場合に、御指摘のように契約年月日等で特定するということは十分あり得るものというふうに考えております。
 ただし、第二段階目の情報開示でございますが、これは、その特定された対象消費者の範囲を前提といたしまして、対象消費者の氏名及び住所又は連絡先が記載された文書について求めるものでございます。
 事業者といたしましては、対象消費者の範囲に含まれていると考える消費者についての氏名等が記載された文書が事業者から提出されれば消費者に通知をすることができますので、個々の消費者について契約年月日を開示させる必要性は必ずしもないものと考えまして条文を作成したところでございます。
#70
○佐々木さやか君 以上で終わります。ありがとうございました。
#71
○山田太郎君 みんなの党、山田太郎でございます。
 本日は、消費者の財産的被害回復法に関する質疑ということで、森大臣、それから修正案を出していただきました提出者の郡議員、その他関係者の皆様に対して質疑をさせていただきたいと思います。
 本日の法案、誠に消費者団体、もう本当に待ち焦がれて七年越し、今回の国会でもどうなるか分からないということで、滑り込み、あと十日を残して審議入りを、参議院に回ってきたということで、ぎりぎりのところでやっているわけでございます。
 そういった意味で、今回、寺田委員長を始めとして、特に理事会が並々ならない意思で、本件審議して何とか今回の国会で成立の運びに行けるようにと、衆議院段階では全会派一致しての賛成をしておりますので、そういった形でやるということで、私もそういう決意でもって今日は質疑に入っていきたい、こう思っております。
 特に、質疑の内容は、この法案が正しくしかもスピーディーに執行されるという観点について少し質疑させていただきたいんでございますけれども、まず、衆議院段階で修正が行われた附則の部分について少しお伺いしていきたいと思います。
 初めに、附則の第三条でございますけれども、消費者団体による訴訟、乱訴が起きないようにするためにも必要な措置をすることを政府に義務付けている規定ということでありまして、先ほど金子議員の方からもありましたけれども、アンチビジネスというふうにならないようにというようなところ、我が党としても大変評価しているところでございます。
 そこで、まず本件に関して法案提出者にこの規定の趣旨について御説明いただきたいと思います。
#72
○衆議院議員(郡和子君) 山田委員御指摘のように、この附則の第三条では、政府は、特定適格消費者団体がその権限を濫用して事業者の事業活動に不当な影響を及ぼさないようにするための方策について、事業者、そしてまた消費者等の意見を踏まえ、速やかに検討を加えて、必要な措置を講ずることとしております。これは、衆議院においても審議の中で論点の一つでございました乱訴の懸念が示されておりましたので、政府答弁でもございましたガイドラインによる監督、それから基準等の明確化を法律上に明記することにしたものでございます。
 なお、ガイドラインの作成に当たっては、消費者それからまた事業者双方の意見を十分に聞き、検討されることが重要であると考えまして、その点についても明記をしたところでございます。
#73
○山田太郎君 ありがとうございます。
 では、この規則、規定の実施に当たる消費者庁にお伺いしますが、関係者の意見を聞くというのは、これ、例えば消費者委員会なんというのも当たるんでしょうか。また、速やかにということですけれども、検討はいつから取りかかるか、大臣、御答弁いただけますでしょうか。
#74
○国務大臣(森まさこ君) 今の附則第三条の説明をしていただきました趣旨のとおり、認定、監督の指針、すなわちガイドラインを策定をいたしまして、その内容を明確化するということを考えております。具体的には、法律の成立後速やかに検討の場を設けたいと思います。そして、そこには消費者団体関係者、事業者団体関係者、学識経験者等をお呼びをしてしっかりと検討をしてまいり、さらに、パブリックコメント等も行った上で策定をしてまいりたいというふうに思っています。
 お尋ねの消費者委員会については、消費者委員会の場で検討ということは今の段階では考えておりませんが、いずれにせよ、この特定消費者団体の認定、監督の指針については消費者委員会と連携し、その御意見を伺いながら検討してまいりたいと思っています。
#75
○山田太郎君 是非、速やかにというところは、これ七年越しでございます、施行も、もし何年掛かるか分からないということでは、まず最初のスタートが肝心だと思いますので、明確にどれぐらいでということをもう一度御答弁いただけないでしょうか。
#76
○国務大臣(森まさこ君) できる限り速やかに検討の場を設置をいたします。
#77
○山田太郎君 ちょっとこれ以上は仕方がないと思いますので、まさに速やかに、それこそもう半年、三か月以内という勢いでどんどん進めていただければと思います。
 さて、次に附則四条の方ですが、政府に消費者団体への支援の在り方について検討を義務付けるという規定でございます。先ほど斎藤議員の方からも少しその辺を触れた質問があったかと思いますが、法案提出者にこの規定の趣旨について御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
#78
○衆議院議員(郡和子君) 御質問ありがとうございます。
 まさに、この法律の追行主体であります特定適格消費者団体に対して支援をしていかねばならないということが重要なことであろうというのは、この間、衆議院における審議においても確認をされたことでございました。本制度の実効性を確保するために、その制度の担い手となる適格消費者団体に対する支援、情報面それから資金面双方の支援が必要であるということから、これを速やかにその支援の在り方について検討を加えて、必要な措置を講ずることというふうにしたものでございます。
#79
○山田太郎君 関連の答弁が先ほどあったかもしれませんが、もう一度、消費者その他の意見というのをどのように聞いていかれるのか、また速やかというのはどれぐらいなのか、是非この辺も、大臣、御答弁いただけますでしょうか。
#80
○国務大臣(森まさこ君) 今の修正の趣旨をしっかりと踏まえまして、特定適格消費者団体に必要な支援について、法案成立後速やかに、法律家、それから会計の専門家、事業者、消費者団体等の有識者の意見を聞きながら検討してまいりたいと思っております。
#81
○山田太郎君 次に、附則七条でございます。これについても提出者の方に趣旨を御説明いただければと思います。
#82
○衆議院議員(郡和子君) 今、附則七条の趣旨についての御質問でございました。
 附則七条は、政府は、この法律の円滑な施行のために、この法律の趣旨それから内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図って、その理解と協力を得るよう努めることというふうにしております。
 これは、同じように衆議院の審議の中でも、制度の実効性を確保していくということのためには、消費者、事業者を含め、国民の各層に対する十分な周知が必要であるとの議論がなされたことを受けまして、それを法律上に明記をいたしまして、政府に十分な広報活動を求めたものでございます。
#83
○山田太郎君 ありがとうございます。
 ここで、郡議員、退席いただいて結構です。どうもありがとうございました。
 さて、この件に関してなんですけれども、消費者庁はこの規定に基づいてどんな広報活動をされるのかということで昨日レクの方をさせていただきましたら、百人ぐらいのセミナーを九か所でやるよということだったんですが、これじゃ合計しても九百名ということで、広く周知徹底されたとはなかなか言い難いと思っております。
 そういった意味で、来年度はどんなことを予定されているのか、是非具体的に教えていただければと思います。
#84
○国務大臣(森まさこ君) 今の附則七条の趣旨にありますとおり、消費者に理解をしてもらうとともに、事業者等に対しても十分な周知をすることが重要だと考えております。
 そのため、施行までの間において、例えば、一般消費者、事業者を対象としたシンポジウムを開催するほか、消費者庁職員が全都道府県に出向き、適格消費者団体、消費者団体や事業者団体、都道府県の担当者向けに説明会を開催するとともに、業界を所管している官公庁の担当者に対する説明会を開催又は政府広報の活用などを行うこととしております。
 また、該当する業界団体と連携をいたしたいと思っておりまして、業界団体に加盟する主に中小企業に対して消費者庁職員自らがセミナー等を開催し、本制度に対して事業者がどのように対応すべきか等、制度に関する説明をするなど、きめ細やかに対応してまいる予定でございます。
 さらに、実際に地域での消費者の相談を受けている法テラス、全国にある消費者センター等や相談窓口、市町村の相談窓口の相談員等に対しても十分な説明をすることとしておりまして、このような周知活動を通じて、一般消費者及び事業者に対して制度の普及が複層的に行われることを期待しています。
 いずれにしても、法案成立後、速やかに関係機関と連携し、最大限、周知啓発に努めてまいりたいと思います。
#85
○山田太郎君 計画も大事ですけれども、多分、今消費者庁の人数、体制も非常にまだ脆弱だということでございますので、それも併せて整備していただければなというふうに思います。
 さて、法案の本体についても少し触れさせていただきます。これも斎藤議員、佐々木議員の方から随分質疑されましたので重なるところがあるかと思いますが、いわゆる届出期間等の話でございます。
 二十一条の、裁判所が定める届出期間、それから三十一条で、被害を受けた消費者が消費者団体に授権手続を行う必要、この手続等をし損なってしまいますと、結局救済は図られないということになってしまいます。個別のいわゆる紛争解決手続ということになるわけでありまして、まさにこの本法が生きるかどうかは、先ほどから複数の議員が指摘しているように、私自身もこの部分だというふうに考えております。
 ただ、考えてみれば、まさにインターネットで周知するとかという議論もありましたし、それでは老人はどうなるのかとか、それから、この周知期間が一か月程度であれば、過去、何年かたってからの話として本当にその情報をキャッチできるのかということで、非常に分かりにくいところもあります。まさに、消費者全員が消費者団体に入っているわけでもありません。そういった意味で、もうちょっとこの辺をどういうふうにしていくのかが、この法律が本当に生きてくるかどうかということの問題意識は、私も我が党も考えているところでございます。
 そういった意味で、まず一つ、適宜情報を、例えば独立行政法人の国民センターをうまく活用していくということも考えられるかというふうに思っています。
 ちょうどお配りした資料でございますが、森大臣の肝煎りで消費者行政の体制整備のための意見交換というものがございまして、今年の前半に開催されて中間整理ということがされているということを聞いております。その中でも、大臣のリーダーシップで、消費者庁、それから消費者委員会、国民生活センターの三者が緊密な連携を取るということが記述としてもされているわけです。
 そこで、消費者庁に集約されました訴訟に関する届出期間などの重要な情報をできるだけ消費者に積極的に提供できるよう、大臣の方から、例えば国民生活センターに通知のような形でしっかりと指示していただくと、こういったこと。それから、先ほどから議論もありましたPIO―NET等を通じて、ここには元々そういった苦情、そういった情報も入っているでしょうから、こういった情報もうまく活用していくと、この辺り、具体的にどのように通知していくのか。特に、国民生活センターの活用についてどうしていくのか、この辺り、大臣の方に御答弁いただければと思います。
#86
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、一段階目の判決の内容など、必要な情報を消費者に周知をすることは重要でございます。そこで本法では、一段階目の判決の概要や団体及び相手方の事業者の名称等を公表する業務を国民生活センターに行わせることができるというふうにしております。さらに、国民生活センターに相談があった際、消費者に対し一段階目の判決の内容等の情報提供をすることについては、適切な手続を経た上でこれを促してまいりたいと思います。
 すなわち、ちょっと分かりにくい言い方であったんですが、実はこの国民生活センターと消費者庁、そして消費者委員会のこの三者の関係というのは、国民生活センターが独立行政法人ということで消費者庁から独立している立場にございますので、私から上下関係で通知を出すということは独立性を尊重する上で望ましくないですし、国民生活センターが独立にその業務をしていることによって消費者に対しても一定のメリットがあるわけでございます。
 ですが、この国民生活センターと消費者庁は常に、常日ごろから連携をしておりまして、先ほど御指摘のような意見交換会にも毎回理事長が出席をしてくださいまして、緊密に情報、連絡をしております。ですので、この訴訟についても、この本制度についても、しっかりと緊密に連絡を取り、消費者にも必要な情報が、周知をさせるように図ってまいりたいと思います。
#87
○山田太郎君 是非よろしくお願いします。
 中間整理の中でも、問題意識として、国民センターの機能が低下しておりというのがありますので、この辺り、今後この独立行政法人そのものをどうするのかという議論にもなるかと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 さて、この法案、急いで施行させるということも政治の力では非常に重要だというふうに思っております。法案の施行は公布から三年以内というふうになっていますが、もういいかげん、七年掛かって待ち焦がれ、ここで三年たったんでは施行が十年掛かったということになります。何としてでも、いち早く救うべき消費者の被害回復というふうにこの法案を持っていきたいと思っておりますが、そこで大臣にお伺いしたいんですけれども、この法案の施行にはまだ作業としてどんなことが残っているのか、この辺りを少し教えていただけますでしょうか。
#88
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、本制度は消費者被害を回復するために創設をする制度でおりまして、そうした観点からはできる限り早期に施行することが望ましいと考えます。
 もっとも、本法案に基づく政令、内閣府令、それから認定、監督の指針、つまりガイドラインの策定に当たって、衆議院、そして今ほどのこの委員会でも様々な御意見等もいただいており、また衆議院等では修正もされました。こういったことについて、事業者の団体、消費者の団体、学識経験者等によって構成される検討会を開催をし、しっかりと内容を決めていきたいと思います。
 その上で、またパブリックコメント等も実施をし、広く各層からの御意見を反映をさせていきたいというふうに思っています。
 ですので、ある程度の期間はいただきたいとは思っておりますけれども、いずれにせよ、この三年を超えない範囲内において早期に施行することができるように、迅速かつ適切に作業を進めてまいりたいと思います。
#89
○山田太郎君 是非、消費者問題に詳しい弁護士さんも少ないという中で大切な大臣になられたんで、是非森大臣の任期中には施行の日を見るようにお願いしたいと思っていまして、そこで質問なんですが、内閣府令の制定で、これはもう消費者庁のまず作業を急ぐということだと思います。これ、三年後ではありません、三年以内なんですから、別に来年施行したっていいわけでありまして、三年掛かるところを二年又は一年半に短縮してでも急いでいただけないかどうか。これはもう大臣の意気込み次第だと思いますので、是非明確な答弁いただけないでしょうか。
#90
○国務大臣(森まさこ君) 今申し上げましたとおり、政令、内閣府令、そしてガイドラインの制定と同時に、裁判手続に関する最高裁判所規則の制定、それから裁判所、適格消費者団体、弁護士会との間において制度の運用に関する実務的な協議、調整などが必要となってまいりまして、これはある一定程度の期間の作業を要すると思っております。
 また、その上で、本制度が円滑かつ実効的に利用されるためには、下位法令を含めた制度の全体像について、消費者、事業者に対し趣旨や内容を十分周知、広報することが重要でございまして、そういったしっかりとした周知、広報を的確に実施をし、三年を超えない範囲において迅速に適切な時期に施行をしてまいりたいと思っております。
#91
○山田太郎君 三年以内といいますと、事務方の方は三年でやればいいんだという思いがありありになってしまいますので、是非これは森大臣、私の任期中に何とか施行すると、こういう御答弁がいただけないかなと思って、後でまた聞きたいと思いますが、もう一方、今お触れになられました法案の六十四条の最高裁判所規則というものもやっぱり厄介でございまして、これに時間が掛かっていては施行が遅れてしまうということであります。
 今日は、最高裁の方もお呼びしております。最高裁判所規則も、是非、突貫工事と言うと怒られるかもしれませんけれども、法律のプロでしょうから、この辺りは急いで頑張っていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
#92
○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君) お答えいたします。
 最高裁としましては、法の施行日が定められれば、それを前提に最高裁判所規則の制定作業を行うこととなります。まだ法案が成立しておりませんので、具体的なスケジュールにつきまして確定的に申し上げることはできませんけれども、法案が成立した場合には、国民への周知や裁判の現場の準備期間といったものも考慮して、法の円滑な実施、運用に遺漏のないように、できる限り迅速かつ適正に規則の制定作業を進めてまいりたいと考えております。
#93
○山田太郎君 最高裁判所も、多分、大臣の方がこれぐらいにやろうというふうに言っていただければそれに合わせて作業するというような答弁だったと思いますので、後でもう一度最後に大臣の所信をお伺いしたいと思っています。
 さて、もう一つ。今回の法案、大変審議に時間が掛かりました。ちまたでは、大臣が特定秘密保護法の方の担当大臣になられていたということもあるということやも聞いております。ただ、これ大変大事な法案なのにどうしてここまで遅れてしまったのか。一つ、我々国会並びに行政、政治の責任もあるかと思っています。その辺り、是非ちょっとコメントを大臣の方からもいただきたいんですけど、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(森まさこ君) この法案については、私の方も大変重要な法案というふうに思っておりまして、早期の成立を目指してまいりました。そして、国会での審議についても、私の方から迅速な審議をしてくださいということを各所にお願いをしてまいったところでございます。
 国会での審議の在り方については、その上で国会の御判断によりなされているものと承知をしておりますが、今日こうやって御審議に至っていただけたことに改めて感謝を申し上げますとともに、しっかりと審議をしていただいて、成立に向けてお願いをしてまいりたいと思います。
#95
○山田太郎君 これ以上消費者行政が滞らないように、特定秘密保護法がもし成立しましたらば、担当の大臣は退いていただいて、是非消費者行政に専念すべきかと。立法は行政に対して余り口を出すことじゃないのかもしれませんけれども、何かその辺の御決意、今質疑していますように、まだまだやることはたくさんあって時間が掛かると思うんですね。その意味では、もうこれに専念していただきたいと思いますけれども、その辺、大臣のお考え、いただけないでしょうか。
#96
○国務大臣(森まさこ君) 私、担当が消費者だけではございませんで、消費者以外にも男女共同参画また共生の問題も共に担当しております。任命をするのは総理でございますので、任命された職務をしっかりと全うしてまいりたいと思っております。
#97
○山田太郎君 先日の決算委員会でも、私の方が安倍総理に本件、質問されましたら、ちょっと言葉を濁した感じでございましたので、是非その辺はよく相談していただいて、こちらの消費者行政、重視していただければなと思っております。
 さて、次に国民生活センターについての御質問、質疑に移りたいと思っておりますが、国民生活センターに関しては、民主党政権時代に独立行政法人から国の機関へ移行することが決定しておりますが、昨年十二月に自民党政権になりまして凍結されています。この凍結の経緯とか考え方について、簡単に御説明していただけますでしょうか。
#98
○国務大臣(森まさこ君) 民主党政権の下で独立行政法人における天下りやわたり、予算の無駄があるという観点で独立行政法人改革が行われ、国民生活センターについても平成二十二年十二月の閣議決定で法人を廃止することを含めた検討が決定をされました。しかし、昨年末に自公政権になりまして、独立行政法人本来の趣旨にのっとり、これを維持することを前提として独法改革を進めることが基本方針とされました。したがって、国民生活センターの在り方についても、消費者庁創設時の理念に立ち返りつつ、しかるべき時間を掛けて引き続き検討をしていくことが必要と判断をいたしました。
 このことから、平成二十五年度については独立行政法人として活躍していただくこととする一方で、平成二十六年度以降について国民生活センターの機能を更に維持、充実させていくとの方針の下、国への移行を含めてあらゆる選択肢を排除せず、引き続き検討をしていくこととしたものでございます。
#99
○山田太郎君 この国民生活センターの今後の在り方ということを触れられたんですが、森大臣の下で消費者行政の体制整備のための意見交換会という、先ほどお配りしました、見ていただいた、中間整理というものをまとめていらっしゃいます。この中間整理については、衆議院の方の審議で、これ十月三十一日の委員会だったと思いますが、郡委員の方からの質問に対して、国センに天下りがあったんだろうか、わたりがあったんだろうか、予算の無駄があったんだろうか、国民のための仕事をしていないんだろうか、そういうことをしっかり議論しながら中間報告をさせていただきましたという御答弁をいただいております。かなり内容、その御答弁からすると充実した検討をされたという御様子ですが、出していただいた中間整理のペーパー、たった一枚ということでございまして、もしかしたら、ここに公表されていないそれぞれ様々な検討をされていたんではないかと、こういうふうにも思っております。
 そこで、この国民生活センターへの天下りの状況ですとか、過去どのような実態があって、それをどのように改めようとされているのか、御意見等をお答えいただければと思います。
#100
○国務大臣(森まさこ君) この検討会、あっ、意見交換会でございます、中間整理を出した、私の下で設置しました消費者行政の体制整備のための意見交換会でございますが、フルオープンで行っておりまして、議論の内容は傍聴者の方にも全て御覧をいただいているところでございますし、私、大臣になりましてから全ての会議、冒頭から終了まで全て出席をして議論に加わっているところでございます。
 そして、国民生活センターの役員、人事ですね、天下りがあったのかどうかということですけれども、これまでも適材適所を目指して行われてきたものなんでしょうけれども、肩書を見ますと、歴代理事長を始めとして、多くの理事ポストを経済企画庁等のOBが占めてきたことは事実でございます。
 国民生活センターは消費者行政の中核的な実施機関であり、その役員はその重要な任務を担うに足りる優秀な人材を取りそろえる必要がございますので、一定の肩書を有する退職公務員を、その能力いかんにかかわらず、いわゆる天下り的に高額の報酬をもって継続的に指定ポストに受け入れるようなことはあってはならないと私は考えております。
 なお、現在は、国民生活センターの役員には官庁OBは一人も就いておりません。
#101
○山田太郎君 資料で天下りの状況というのをいただいたんですが、もうほとんどこれは天下りポストのためにつくったようなセンターではないかというぐらい、常習的に理事さん、理事長さん、監事さんが就いていたと。
 もう一度言明していただきたいんですが、これ非常に今後、先ほどから議論があるように、とても大切な消費者向けの機関になると思っております。これは天下りさせないということを森大臣の方からも御答弁いただきたいんですけど、もう一度確認のため、よろしくお願いします。
#102
○国務大臣(森まさこ君) 天下りはさせないようにいたしたいと思います。
 実際に、見かけが形式的に官僚OBの方がいなくても、実は、報道等でも大分騒ぎになりましたけれども、別の形を使って入っていたということがありました。そのようなこともあってはならないと思います。逆に、私が一時弁護士で国民生活センターでお仕事をさせていただいたときにも官僚OBの方が理事長でありましたけれども、個人としての方は大変これは優秀な方で、消費者行政に精緻しておられ、この国民生活センターとしての役割を十分に果たしておられました。
 ですので、私は、やはりその形式だけを見ていくとか、形式が民間だけれども潜りのような形で入っているとかいうことはあってはならないんですけれども、最初に山田委員が御指摘をくださったように、しっかり国民のために仕事をするセンターのような在り方でなくてはならないというふうに思います。
#103
○山田太郎君 時間が来ましたので最後の質問になりますけれども、今後、この国民生活センター、独法がどういう形になるのか。安倍総理の方は、年末までには政府全体の独法改革の内容が決定されると、こんなふうにも伺っています。もうそろそろ年末ですので、それでは、このいわゆる消費者庁等にも関係する国民生活センターがどういう方向で改革されていくのか、何らかの方向性でも大臣の方に伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#104
○国務大臣(森まさこ君) この国民生活センターの在り方、この在り方だけではないんですが、在り方を含めた消費者行政の体制整備について意見交換会、ずっと行ってまいりまして、だんだん方向性が見えてきて、記者さんもいる中でフルオープンでやる中でもお話をしていただいているところでございますが、最後、また委員だけでの御意見も伺ったりして、今、政府全体の独法改革の中で結論を得るべく努力しているところでございます。年末までに方向性を出したいと思っております。
#105
○山田太郎君 最後に、先ほどから申し上げているこのいわゆる消費者の財産的被害の集団的回復のための法案、何としてでも森大臣のときに成立させて、そして施行まで面倒を見たと、森大臣がやったのは秘密保護法成立だけではないと、こういうふうにした方が国民からの今後の受けもあるでしょうから、是非その辺もお願いしたいと思っております。
 今日は最高裁の方も来ていただいて、みんなで手をつなげば、必ず政治主導で一年半、いや一年以内にできるのではないかと、こういうふうに思っていますので、力強い大臣の最後御答弁をいただきたいと思って、それで終わりにしたいと思います。是非よろしくお願いします。
#106
○国務大臣(森まさこ君) この委員会におきまして、本法案だけでなく、食品表示一元化法など幾つか法案も成立をさせていただきました。この本法案も是非皆様の御協力を得て成立をさせてまいりたいと思います。
 施行に向けては、しっかりと皆様に周知をして、しっかりワークできるような仕組みにして、適切な時期に施行をしてまいりたいと思います。
#107
○山田太郎君 くどいんですけれども、時間がまだ余っていますので、是非、これ三年ではなくて二年又は一年半、何とかここで御答弁いただけないでしょうか。安倍政権が幾ら長期政権になるかもしれないといっても、やはりこれは思い入れのある森大臣だからこそ施行までして見届けられるというふうにも思っていますので、力強い御答弁いただきたいんですが、いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(森まさこ君) 本日、様々な皆様の御意見もいただきました。事業者の皆さんの不安も払拭しなければいけません。そして、消費者の皆さんも制度を周知していかなければなりません。それから、特定適格消費者団体の皆様の御支援の制度もしっかり検討してまいりたい。そういったことをしっかりした上で、施行を迅速にしてまいりたいというふうに思います。
#109
○山田太郎君 以上です。
#110
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私も、ほかの委員の皆さんがおっしゃっていますように、この法案というのはもう多くの被害者を救うと、そして悪質な業者に対する抑止力になると思っておりますので、大変重要な法案で、速やかにという思いであります。
 そういった思いも込めまして、私、選挙区が兵庫県なんですけれども、兵庫県にはひょうご消費者ネットという適格消費者団体があります。そこに行って話を聞いてまいりました。ひょうご消費者ネットは、決して人員的に、そして財政的にも十分という中では活動はしていないんですけれども、それでも、これまでにも幾つか裁判を起こしたりとか、そういった申入れを悪質業者に対して行ったりということで結果は出してきている、非常に一生懸命地に足を付けて地元のために頑張ってくれている、そういった団体になります。
 私、これから質問をさせていただきますけれども、この法案ができた後にでも、やっぱりここがもうちょっと変わってくれたらいいのになとか、もうちょっとうまいこと、法律せっかくできたんだから運用されたらいいのになという、そういった思いも込めまして私質問しますが、現場の声を聞いてきましたので、現場の皆さんのこれ声でもあるという思いで是非お聞きいただければなというふうに思っております。
 まず最初の質問なんですけれども、現在、日本全国に十一適格消費者団体あるかと思います。これがある一定の要件を満たすと特定適格消費者団体になると、で、今回のこの法案、訴訟を扱うことができるということなんですが、この認定の要件なんですけれども、六十五条にありまして、これ見ますと、差止め請求関係業務を相当期間にわたり継続して行っているとか、業務規程とか経理的基礎等が十分であるとか、こういった要件があります。
 これまたちょっと分かりにくい部分もありまして、相当期間とか経理的基礎などとか、実際、じゃどれぐらいの要件を満たしていたら適格消費者団体からまずは特定適格消費者団体になることができるのか、この辺り、その団体の皆さんは疑問に思っているところでもありますので、この辺りの認定要件、認定基準についてお聞かせいただけますでしょうか。お願いします。
#111
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 特定適格消費者団体、この団体がこの制度の担い手、原告となるということでございます。この団体でございますが、これは今までの適格消費者団体の中から新たな要件を満たすものを内閣総理大臣が認定するということでございます。
 適格消費者団体につきましては、被害回復関係業務、本法で定めますそういう業務を現在行っていない、差止めのみを行っているということでございますので、被害回復関係業務を適切に遂行するための要件、これを付加するという考え方でございます。
 その主な要件は六十五条に書かれているところでございますけれども、まず、差止め請求関係業務を相当期間にわたり継続して適正に行っていると、これは実際の差止め請求の実績を要件としております。それから、体制といたしまして、弁護士理事を選任するということ、体制がしっかりしている。それから、業務規程、経理的基礎等が被害回復関係業務を適正に遂行するに足りることということでございます。それから、授権契約の内容を業務規程の記載事項といたしまして、監督の対象とすることで業務を適正化するということ。それから、報酬又は費用、これは今までは、現時点では報酬又は費用をもらうことができないというふうになっておりますので、報酬又は費用がある場合については、その内容につきまして必要な事項を定めており、消費者の利益の擁護の見地から不当なものでないことということを要件に定めているものでございます。
 しっかりした団体が申請をしていただきまして、この要件を満たせば認定をしていくということでございます。
#112
○清水貴之君 その要件なんですけれども、例えば財産的規模とかその辺りというのは、ある一定の、例えば額を決めるとか、弁護士がどうこうという話がありましたけれども、人数を決めるとか、そういった基準で決めていくのか。それとも一つ一つの団体を個別具体的に見ていって、例えば話をしながら足りていない部分があったらここをもうちょっと改善したらいいですよというような話合いをしながらそうやって認定を進めていくのか。その辺りというのはどのような認定になるんでしょうか。
#113
○政府参考人(川口康裕君) 認定の要件の内容でございます。
 これは条文だけでは必ずしもよく分からないということを適格消費者団体の方からも御指摘をいただいているところでございますので、特定認定の、適格消費者団体を更に認定する特定認定ということでございますが、特定認定の要件の内容につきましてはできる限り客観的に明らかになることが望ましいということから、その内容につきましては、法律の中に定められている政令あるいは内閣府令を定めるとともに、これに加えまして、認定、監督の指針、ガイドラインを策定いたしまして、一般に公開することを予定いたしております。そして、ガイドラインを策定する際には、有識者により構成される検討会を開催するとともにパブリックコメント等を行って、各界の意見を反映したいというふうに思っております。
 ですから、具体的には、相対で御説明するということはございますが、客観的な基準をしっかり定めるということでございます。
 先ほど、私、申し上げましたような、例えば報酬又は費用についての消費者の利益の擁護の見地から不当なものでないこと、これは一体どういう意味なのかと、そういうことももっと具体的に定めるということでありまして、団体の方からしますと、これを満たすか満たさないかということを、満たすためにはどうしたらいいかということが客観的によく分かると、そういうものを出していきまして、後はそれに満たしたという証拠の書類を用意していただいて、認定を個別にしていくということでございます。
#114
○清水貴之君 今お話ありましたように、やはり客観的というのが非常に大事だなと思っております。団体の方々からしたら、何を目標に、どこを目標に向かって進んでいったらいいのかというのがはっきりしないというのは、日々の活動をどうしていいのかということにもつながると思いますので、はっきりして、是非、客観的な基準、ガイドラインを策定していただきたいなと思うんですが、もし、現時点でその構想があったらでいいんですけれども、いつごろこれは特定適格消費者団体、この認定をいつごろしていくつもりがあるんでしょうか。時期の質問なんですけれども。
#115
○政府参考人(川口康裕君) 時期の点でございますが、基本的には法律が施行された後ということになります。それから、これは基本的には申請があってから審査をするということでありまして、現在ある団体を申請にかかわらず消費者庁の方で認定していくというものではありません。
 したがいまして、現在、団体の方がどのような検討をしているかということにつきましてもできるだけ把握したいと思っておりますが、一応、適格消費者団体となっている十一団体は、それぞれ特定認定を受けるかどうかについては関心を持って検討をしているものというふうに承知しております。
 ただ、具体的にどの団体が申請を行うか、また、どの団体が特定認定の要件を満たすかについては定かではございませんが、今後、先ほど申し上げましたような政令、内閣府令、認定、監督の指針等の内容を明らかにして制度の周知を行っていくのに伴いまして、団体としても、制度の全体の詳細を含めて総合的に検討の上、実際に特定認定の申請を行うかどうか、これを判断していただけるものと考えております。
 そして、特定認定の申請があり次第、消費者庁としてはできる限り速やかに審査を行って、要件を満たしたものがあれば特定認定をしていくということでございます。
#116
○清水貴之君 ということは、申請があってからの審査になると思いますので、時期などもばらつきが出てくるのかなというふうに今のお話から理解をしたわけなんですが。
 現在十一団体というのが大都市に集中しがちではあるんですよね。地域の偏在の問題ですけれども、四国にもない、東北地方にもないといった状況の中でやっぱり地域格差が生まれてしまっていると、生まれてしまうということになるかと思うんですけれども、この辺りについて、認識、対策、お聞かせいただけますでしょうか。
#117
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、全国に十一の適格消費者団体がありますが、東北、北陸、四国にありませんで、地域格差が存在しております。
 そうしたことに対する対策としまして、私の方で、地方消費者行政活性化基金、これが今までは補正で積み増しをされてきたんですけれども、補正でも積みましたが、更に当初予算でも私の方で初めて付けさせていただきまして、そして、これを地方の裏負担なしというふうな非常に思い切った取組をさせていただきまして、地方自治体のモチベーションを持っていただいて、この適格消費者団体の設立促進事業を推進してまいりました。その結果、現在七県で取組が行われております。
 こうした支援事業によって、各地で活動をしている消費者団体が適格消費者団体となり、空白地域が解消されていくようにというふうに考えております。そして、その適格消費者団体の中から特定適格消費者団体というふうになってまいるものと思っております。
#118
○清水貴之君 今予算のお話が出ましたのでその辺りもお聞きしたいと思うんですけれども、今予算が自治体の方に入っているという話だったんですけれども、これは自治体がそういった育成事業をやるための予算ということでよろしいんですかね。
 私が聞きたいのは、直接、やはり先ほどから財政的な支援が必要だという話も度々出てきているわけなんですが、自治体の育成事業への支援なのか、それとも直接適格消費者団体若しくは消費者団体に対する補助事業なのか、その辺り、お聞かせください。
#119
○政府参考人(川口康裕君) ただいま大臣から御答弁申し上げました制度のスキームでございますが、消費者庁の方から都道府県の方に交付をいたしまして、それを必要に応じて更に市町村等にも交付していくというようなスキームの中で、その中で更に適格消費者団体に一定のお金を交付するというものでございます。
 ですから、直接適格消費者団体に行うというものは別のスキームではございますが、補助という性格のものではございません。
#120
○清水貴之君 消費者団体の方に聞きますと、事業として発注があって、実際は事業をやることによってお金が入ってきて、幾ばくかのお金で、でも、それでも非常に本当に、私が行ったひょうご消費者ネットというのは年間の収入というのが百三十万円で今活動をしていると。常勤の職員の方もいらっしゃらないんですね。ボランティアの方が月水金の午後だけ来ていて、あとは弁護士さんとかが何か動きがあったときだけぐっと集まって、力は非常にあるんですけれども、やっぱり常勤の職員、大体話を聞きますと、一人か二人は常勤の職員がいないと、今後この法案が通って集団訴訟をやる場合に人は回らないんじゃないかなという見込みを示しておりました。
 やはり百三十万円というのは非常に、寄附と事業収入で成り立っているんですけれども、大変少ないと思うので、その辺り、今後どういうふうな財政的支援していくつもりなのか。これまでも質問出ていますが、もう一度お聞かせいただけますでしょうか。
#121
○国務大臣(森まさこ君) 私が説明したものは基金でございまして、地方自治体の方に行きますが、その受け取った地方自治体が適格消費者団体に補助金支出することはできるとなっております。
 また詳しくは事務方から補足させます。
#122
○政府参考人(川口康裕君) やや一般的な御質問かと思いますが、適格消費者団体の財政的基盤に対する支援一般について御説明を申し上げます。
 消費者庁におきましては、まず、適格消費者団体に対しましては、認定NPO法人制度の活用による寄附金の受入れを促進するということを方針の一つとしております。地方自治体による適格消費者団体を含む消費者団体への補助金支出等を可能とする地方消費者行政活性化基金事業を整備すると、これが先ほど御説明したことでございます。こういった支援を行っており、今後ともこのような支援を促進してまいりたいということでございます。
 特定適格消費者団体につきましては、この認定NPO法人制度の活用による寄附金の受入れを進めること。あるいは、新たな訴訟制度に関する業務で消費者から報酬及び費用の支払を受けること、これは特定適格になりますと報酬及び費用の支払を受けることができます。さらには、国や自治体からの委託事業を受けること、これはですから直接の補助ではございませんが、国から委託事業を行うという際に競争の中で受注していただくと、これは可能でございます。こういうことにより、財政基盤を強化していくことが期待されるところでございます。
#123
○清水貴之君 今の消費者団体の皆さんというのは、決してもちろん金銭目当てでやっているわけではなくて、少しでも多くの消費者を救おうという思いでやっていらっしゃいまして、ただやはり、とはいうものの、日ごろの活動にしろ、例えば訴訟になった場合にしろ、最低限の費用というのは必要ですので、その辺りの手当てというのは是非しっかりと今後も考えていただきたいなと思っております。
 ごめんなさい、さっきの質問にちょっと戻ってしまうんですけれども、今後の消費者団体、適格消費者団体若しくは特定適格消費者団体、今後育成して増やしていくという話でしたけれども、大体いつごろまでどれぐらいの数にしていく、若しくは空白県、空白地域をいつごろまでになくしていこうなど、具体的な目標をお持ちでしょうか。
#124
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 空白地域があるということ自体は望ましいことではございませんので、いろんな努力をしていきたいということでございますが、具体的な数字、目標期限というものを特に定めているものではございません。また、適格消費者団体及び特定適格消費者団体についてはそれぞれ要件が定められておりますので、要件の認定について、それを安易に行うとか緩めるとか、そういうことは考えていないわけでございまして、法律に定められました要件をしっかり満たすような団体が育っていくように、地方自治体の御協力もいただきまして御支援をしていくということでございます。
#125
○清水貴之君 あと、要望がその団体からありましたのが、先ほどもこれ質問出たものなんですけれども、やはり行政との連携という部分です。消費生活センターや国民生活センターとの連携という部分です。
 やっぱり今、適格消費者団体に入ってきている情報というのは決して多いものではないと。適格消費者団体自体が、申し訳ないですけれども、それほど世の中で認知されているわけではないと思うんですね。やはり、消費生活センターである、国民生活センターである、こちらの名前の方が相当浸透していると思いますので、消費者が何か困ったことがあるときにまず電話をする、連絡をするというのはそういった場所になると思うんですが、そこで情報が止まってしまっていては適格消費者団体が次のステップになかなか動き出せないんだと思うんです。
 この辺りの連携なんですけれども、今後どうしていくつもりか、お聞かせください。
#126
○政府参考人(川口康裕君) 全国の消費生活センターで、これは現在把握している数字で七百二十四か所ございますが、ここで消費生活相談をしております。この情報を国民生活センターが集約いたしまして、適格消費者団体あるいは特定適格消費者団体が共有すると。こういうことが進みますと、団体の事案の選定など適切な被害回復業務を通じまして、消費者利益の擁護、増進に資するものというふうに考えております。
 現在の適格消費者団体に係る運用といたしましては、消費者契約法四十条、これは既に成立している法律でございますが、これに基づきまして、適格消費者団体から行われた申請に対して、国民生活センター及び地方公共団体から、いわゆるPIO―NET情報ということで提供をしているところでございます。その際、国民生活センターから提供される情報には、運用上の措置として適格消費者団体が当該情報について直接照会することが可能となるよう、当該情報に関する相談を受け付けた消費生活センターが明示されているところでございます。
 また、地方公共団体の中では、東京都あるいは京都府のように、具体的に協定等を結びまして特定の団体との連携を深めているところがございます。
 以上のような消費生活センター、国民生活センターなど、適格消費者団体の情報共有の取組を更に促進してまいりたいと思っております。
 なお、先ほど御質問ございましたが、PIO―NET端末を適格消費者団体に配備する、あるいは特定適格消費者団体で更に利用しやすくするということにつきましても、併せて検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
#127
○清水貴之君 是非その辺りの連携を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#128
○委員長(寺田典城君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、礒崎哲史君が委員を辞任され、その補欠として森本真治君が選任されました。
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#129
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、経済団体から懸念が出されている乱訴の問題について質問をいたします。
 今回の法改正が違法な企業の行動をなくすことにつながりますと、逆に真面目に頑張っている企業にとってはプラスになる、業界の健全な発展にもなると、ですから、今回の法案はむしろ経済界に歓迎されるべきものだというふうに思ってきております。ところが、経済団体の一部とか、あるいはビジネススクールの学者の方などから執拗にこの法案に対する乱訴の懸念が示されております。何度もこの委員会でも乱訴などあり得ないということを指摘してまいりましたけれども、それで改めてお伺いしておきたいと思います。
 乱訴を懸念される方々は、そもそも基本的な考え方がちょっと私たちとは違うのかなと思いますけれど、企業活動を何か消費者よりも上に置いていらっしゃるのではないかという懸念があります。
 といいますのは、この前、新幹線によくあります、ウェッジという雑誌がありますけれど、それを読んでいましたら、提訴によって企業の体力が消耗すれば日本経済全体にとってマイナスだとか、消費者の救済を目指すはずのこの集団訴訟制度が回り回って消費者の懐を冷やす結果になるとか、名前を出して申し訳ありませんけど、慶應大学の岩本隆先生なんかは、企業を守ることと消費者を守ることは対立概念でとらえられがちだが、企業を守ることで雇用が守られて、ひいては消費者が守られているんだと、だから企業の活動というのは消費者とは連動していると。もう少し言うと、企業あっての世の中みたいな、少々のことは泣き寝入りしろと言わんばかりのようなことをおっしゃっております。
 もとより私たちも、企業と消費者、対立するものなどとは思っておりませんで、この法案もまともな企業の経済活動を阻害することは目的ではないと思うんですよね。企業が不当、不正行為を起こした場合に今まで救われなかった消費者を救おうという、まあそれだけの法案と言えばそれだけの法案でございますので、まだこういう、何といいますか、懸念があるんですけれど、森大臣、改めてそういう法案ではないということを一言お願いしたいと思います。
#130
○国務大臣(森まさこ君) 本制度は、既存の制度では消費者がその権利を行使して被害を回復することが困難であることに鑑み、その権利行使の実効性を確保する観点から創設するものでありますから、そもそも法遵守を徹底し適法な事業を行っている良質な事業者においては、本制度が導入されたとしても特段の対応は必要ないはずです。むしろ、本制度によって被害の回復が容易となり、事業者が法律に違反して得た不当な利益を返還させることは、事業者による不当な行為の抑止にもつながり、悪質な事業者を市場から退出させることになります。
 その結果、消費者が安心して経済活動を行えますので、良質な事業者が消費者と取引するチャンスが広がるということで、市場の活性化、そして消費の活性化、健全な事業の発展や公正な競争につながることとなり、良質な事業者にとってはメリットが大きいというふうに考えております。
 以上のように、本制度の目的は、法律案第一条に規定されておりますとおり、「消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与すること」であります。また、米国のクラスアクションと異なるオプトイン制度等の様々な制度を整備しておりますので、乱訴の懸念はございません。
#131
○大門実紀史君 配付資料を用意しましたけれども、まず指摘しなきゃいけないのは、経済界、そういう懸念を示されるような一部の経済団体に知ってもらいたいのは、日本は先進国の中で遅れているということなんですね。こういう損害賠償など金銭に係る集団訴訟制度、先進国、EUの各国では当たり前で、もう九〇年代から二〇〇〇年代にかけて既にできているわけでございまして、日本のような経済活動の活発な国では、ない方がおかしいという国際的な認識を持ってもらいたいと思いますし、二枚目の資料以降は適格消費者団体の活動状況を消費者庁に作ってもらいました。
 これは何を示しているかといいますと、二〇〇六年の消費者契約法改正で適格消費者団体による差止め請求権が認められたわけですけれども、そのときの審議でもやはり乱訴を懸念する声が出されたわけですけれども、これ見てもらったら分かるとおり、乱訴など起きておりません。衆議院の参考人質疑でも消費者団体の方々から、やみくもに訴訟を起こすということ自体、当事者の消費者団体そのものが想像もできない、乱訴どころではないというような話もあったところでございます。
 具体的に、衆議院の議論が終わっても、さらに、皆さんのところにも来たと思いますが、参議院の特別委員会のメンバーに具体的にさらにまた、衆議院であれだけの修正もあったにもかかわらず要望を出されているのが新経済連盟でございます。
 もうこの機会ですので、きちっとこういう懸念に対して消費者庁として見解を、懸念はないということを示されたらどうかと思いますので、私が代わりに質問するのも変ですけど、これに基づいて聞きたいと思います。
 まず、本制度における乱訴というのは、乱訴の定義というのはどういうものなのか、ちょっと説明してくれますか。
#132
○政府参考人(川口康裕君) 御説明申し上げます。
 本法案の七十五条第二項におきまして、制度の担い手であります団体の行為規範といたしまして、不当な目的でみだりに共通義務確認の訴えを提起することを禁止しているところでございます。この内容でございますが、主張が根拠を欠いていたことを単に知っていた、あるいは知り得たということにとどまらず、自ら第三者の利益を図り、又は相手方を害する目的などの不当な目的が必要と考えております。いかなる場合に「不当な目的でみだり」に当たるかにつきましては、本制度の趣旨から定められるべきものでありますが、民事訴訟一般における訴えの提起が違法となる場合とは必ずしも一致するものではないというふうに考えております。
 なお、この具体的内容につきましては、先ほど来大臣から御答弁しておりますが、法公布後にガイドラインを策定する際に具体的に議論をし、世の中一般に公表したいというふうに考えているところでございます。
#133
○大門実紀史君 まあ分かりやすく言えば、これから具体化、そういうのがあるかも分かりませんが、不当にみだりにやるようなことが乱訴でありまして、そういうことはあり得ないという概念だと私は思っておりますし、実は、この新経済連盟の方々と一時間以上、私、じっくり話をしました。その上でお聞きをしております。
 その要望書の中身でいきますと、まず一番目のところですけれど、消費者団体が第一段階のところで消費者の授権を要しないで訴訟の提起が可能だと。これは全く授権をしないで訴訟を提起するのは、何といいますかね、幾ら何でも行き過ぎじゃないかと、一定数は必要じゃないかというようなことをおっしゃっておりますけれども、これも前回、私、聞いたような気がいたしますが、角度を変えて聞きますけれども、もしも第一段階から消費者の授権を必要とするとした場合、逆にこの制度、どういうデメリットが生じるんでしょうか。
#134
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 本制度では、訴訟の帰趨が不明な段階で消費者が授権をすることは、費用、解決に掛かる時間及び訴訟に関与することによる種々の負担等から困難であると。このため、第一段階目の手続においては消費者からの授権を要しないということにしているところでございます。
 一段階目の手続におきまして、消費者からの授権を必要とするとした場合でございますが、訴訟に関与することによる種々の負担等を引き受けて授権をする消費者が一定数現れない場合には、本来取り上げられるべき事案も取り上げられないこととなりますので、本制度創設の趣旨と相入れないものであって適当でないと考えているところでございます。
 また、特定適格消費者団体につきましては、授権をした消費者の意向に沿って訴訟追行しなければならなくなります。消費者全体の利益のために訴訟を追行する義務を特定適格消費者団体に負わせたことと相入れず、消費者全体の被害の回復を図りつつ紛争の一回的解決を図るという政策目的が達成できなくなるおそれがあるというふうに考えているところでございます。
 なお、ほかの点も幾つか不都合がございますが、その一端を御紹介いたしました。
#135
○大門実紀史君 次の懸念されている部分ですけれども、(2)ですけれども、要するに、訴訟の対象となる外延が不明確。つまり、現行法案の勧誘を助長する者、これがどこまで入るのかということを懸念されているわけでございます。この勧誘を助長する者というのはどういう者を想定されているのか、伺いたいと思います。
#136
○政府参考人(川口康裕君) 本法案の三条第三項第二号に「勧誘を助長する」という表現がございます。これにつきましては、勧誘を容易ならしめる行為をいいまして、例えば個別の消費者に対する勧誘のために必要な物品を提供し、当該勧誘の手法を教示することなど、これは助長に当たるというふうに考えております。
 ただ、例えばテレビのコマーシャルということを例に挙げますと、これにつきましては、一般大衆に対して商品を宣伝するものでございまして、意思形成に個別の働きかけを行っているものではなく、小売店に対しても個別の消費者に対する勧誘の手法を教示するものではございませんので、そういうものであればテレビCMをしたというだけで直ちに勧誘を助長しているということには当たらないというふうに考えているところでございます。
 なお、共通義務確認の訴え、この第一段階目の訴えでございますが、被告が共通義務を負うべきことの確認を求めるものでございますので、被告が不法行為をしたことを主張する必要がございまして、勧誘を助長したと、これに当たる場合におきましても、勧誘を助長したことが不法行為である旨を原告の方で主張する必要があるということでございます。
#137
○大門実紀史君 そうですね。例えばテレビCMで、ある商品が後で大規模な被害を起こしたと、それはテレビでCMで宣伝されていたと、そういうケースの場合ですけれども、これは一般的にはテレビCMの広告会社とかテレビ局がこの助長した対象にはならないと。ただ、故意に、故意にといいますか、分かっていて宣伝しちゃったとかいう場合は、もちろんこれはなるというふうに思いますし、むしろこれは集団訴訟の範囲というよりも一般的訴訟の範囲に該当していくんだと思います。
 この新経済連盟は、全部じゃないんですけれども、ネット販売をやられるようなベンチャーの方々がおられる。まあ三木谷さんがそうですけれども。そこまでおっしゃっていただくならば聞いておきたいんですけれども、ネット販売で、楽天なら楽天市場というのがありますけれども、通信販売、通販ですね。
 一般的に、そこで販売した、手数料を取るわけですが、紹介して販売した商品が後から何らかの被害を生んだと。これは、テレビCMと同じ考えでいきますと、テレビCMの先ほどの見解と同じことでいきますと、ただネットで紹介して販売の仲介をしただけではこの助長したということにはならないと思うんですよね、一般論で言うと。一般的にはならないと。ただし、そういう被害が出ているのを知りながら引き続きネットで紹介して販売したという場合はなるかも分かりませんが、これ、いずれにせよ、集団訴訟というよりもそもそもの訴訟の対象になるというようなことになるかと思いますが、一般的に言えば、ただネットで紹介、販売しただけではテレビと同じようにこの助長する者の対象にならないということでよろしいですか。
#138
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 ネットにおきまして単なる紹介をした場合には、この勧誘を助長したというものには当たらないというふうに考えております。
#139
○大門実紀史君 そこのところが、この新経済連盟が一番この法案に反対も含めて懸念されていたところだと思いますので、割と彼らもすっきりしたのではないかというふうに思います。
 この要望書の三番目なんかになると、乱訴したらペナルティーを付けろというのは、これはもう過剰反応だと思います。
 (4)のところなんですけれど、これはかなり誤解があるんじゃないかと私は思うんですけれども、つまり、そういう特定適格消費者団体が受け取る報酬、報酬という言葉に何か勘違いを彼らはされているんじゃないかと。何といいますか、何かもうけると、これによってもうけるみたいなね。これはそういう意味の一般的にとらえられる報酬という意味ではないと、もっと実費が含まれたそういう概念だと思うんですが、ここはちょっと丁寧にこの報酬の意味を説明してもらえますか。
#140
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 第七十六条におきまして、特定適格消費者団体は、授権した者との簡易確定手続授権契約又は訴訟授権契約で定めるところにより、被害回復関係業務を行うことに関し、報酬を受けることができると規定していることでございますが、本制度におきまして特定適格消費者団体が受け取る被害回復関係業務の報酬でございますが、これは一定の事務を処理するための労務に対する対価でございまして、その実質は人件費等相当額の費用、費用に近い性質のものであると考えております。
 そして、特定適格消費者団体が被害回復関係業務を遂行するに当たりまして人件費等一定の支出が不可避的に生ずるところ、被害回復関係業務において生ずる支出について、制度の持続性を確保するために、団体に対する認定、監督によって適正性を確保しつつ、消費者の利益の擁護の見地から、不当なものではない範囲におきまして被害回復関係業務において生じた支出を回収できるようにすると、こういう趣旨から七十六条を定めたところでございます。
 また、その内容につきましては、特定認定要件の内容にかかわりますので、ガイドラインの中で具体的に示していきたいというふうに思っているところでございます。
#141
○大門実紀史君 よく分かりました。つまり、こういう消費者団体がこの仕組みでもうかると、もうかるとどんどん乱訴しちゃうんじゃないかという誤解と不信感があってこういう項目になっているわけですが、今の説明が伝われば誤解は解けるんではないかというふうに思います。
 もうこの要望書全て、今日の川口さんの話で、そんな懸念することじゃないというのが新経済連盟の方々もお分かりになったんではないかというふうに思います。
 今日はこれで終わります。
#142
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 この集団的消費者被害回復訴訟制度をつくるに当たって、関係団体の皆さん、消費者庁の皆さん、本当に頑張ってこられて、できるだけ早く、しかも今国会中何としても成立させ、大きな一歩を進むことができるよう、社民党としても努力をしていきたいと思っております。
 この法案が衆議院を通過して約一か月、この間、参議院での審議ができませんでした。森大臣は元々消費者事件をやってこられた弁護士であり、社民党は、秘密保護法ではなく、この担当の消費者行政に是非もっと時間を掛けていただきたいと思っておりますが、消費者の法案の審議が遅れたのは、なかなか大臣がこの時間を割けなかったのではないでしょうか。
 また、食品偽装問題なども起きていることに対しても、大臣としてどのような指揮命令を出して対応していらっしゃるのか、教えてください。
#143
○国務大臣(森まさこ君) 元消費者大臣である福島みずほ先生に、野党筆頭時代、同じような質問をしたような記憶がございますけれども。国会での審議の在り方については、国会の御判断によりなされているものと承知をしておりますが、私は、これまで泣き寝入りをしてきた消費者の被害の回復を可能とする本制度の創設は、積年の課題であり、消費者団体の皆様の長年の悲願でありますので、私としては関係各所に対して一日も早い御審議をお願いしてまいりました。
 内閣府特命担当大臣というのは、福島大臣時代もそうだったと思うんですが、幾つも担当がございまして、消費者も担当でございますが、様々な担当がございます。前国会でも、その様々な担当それぞれに法案があり、四つの法案を、あちこちの委員会を掛け持ちしながら四つの法律を成立をさせていただきました。今国会では二つの法案が出ておりますけれども、国会のつかさつかさの委員の皆様にお願いをして、一日も早い審議、そして成立をお願いをしているところでございます。
 そして、食品表示の偽装問題に関して御質問がございました。
 これは消費者の利益を第一とし、消費者の信頼回復を図るため、政府を挙げての迅速な対応に努めてまいりました。消費者長官とはまた別の機会に私からも直接、大臣室にホテル、百貨店等の業界団体にお越しをいただきまして、再発防止策を求め、また私が関係省庁の局長等を招集して開催した食品表示等問題関係府省庁会議において今後の対処方針を決定をいたしまして、関係業界への表示適正化を求めるなど、様々な取組を進めてまいりました。この関係省庁会議も次の第二回を近々開くこととなっておりまして、そこにおきましてまた新たな検討した項目を決定をしていきたいと思います。
 例えば、私が過去の経験から消費者庁の行政処分の執行体制を見ましたところ、歴代大臣のときは、私十二代目でございますけれども、事件が起きてから行政処分が打たれるまで半年ぐらい掛かっております。これは、本当に相当に遅く、そして消費者の皆様はその間ずっと不安にさらされているわけでございます。それを私の方で、実際にショートカットできるような手続をしっかりと、その業者の方の対応もしっかりしながら消費者の不安を払拭するための行政処分の迅速化ということを指示をいたしましたので、今回の食品表示についても従来よりも早い行政処分の動きが、報道等になされているような動きが出ているわけでございます。
 また、事業者向けの過去の処分例を、これを全て作成いたしまして配付もいたしたところでございます。実は、これについては、過去の処分例というのは法規集になって業界団体は持っております。しかも、そこに対して消費者庁が説明もしているんです。それを見れば、類似の例については、もうしっかりとその法規範を認識をしていなければいけないところでございますが、やはりまだまだそれが徹底していなかったということで、新たに事例集を作りました。
 さらに、事業者向けの食品表示問題相談窓口の設置もいたしましたし、食品表示問題相談員の配置、食品表示問題に関するウエブサイトの開設を行ったほか、行政の監視指導体制の強化等について景品表示法の改正に向けた検討も着手したところでございます。
 引き続き、委員の御指摘も踏まえて、消費者担当大臣として、食品表示の問題に対して迅速かつ厳正に対処し、職責を果たしてまいりたいと思います。
#144
○福島みずほ君 社民党としても、私個人としても、秘密保護法ではなく、消費者保護、消費者行政で是非頑張っていただきたいと思います。
 今回の法案は、消費者がこれまで泣き寝入りしてきた被害を救済するものですが、トラブルの対象が五類型になっております。例えば、欠陥商品を使ってけがをした場合でも、治療費や医療費、慰謝料についてこの法案は対象外としております。残念で、私はこれは入れるべきではないかと思いますが、なぜ対象外なんでしょうか。
#145
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 本制度は二段階の手続を取っております。一段階目で共通義務確認をしまして、その段階では原告でなかった消費者が後から、一度判決が出てから消費者が授権を行いまして自分の被害を回復できるという仕組みでございます。こういう仕組みは、民事訴訟法のほかの分野でも例がない、大きな特例ということでございますので、この制度を使うことにふさわしいものに対象を絞ったということでございます。具体的には、二段階目の手続におきまして対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であるとは言えない案件、これは共通争点の支配性のある案件としております。
 それから二つ目といたしましては、一段階目の手続の審理におきまして、被告事業者が二段階目の手続で争われる消費者の被害額についておおよその見通しを把握でき、十分な攻撃防御ができる案件、これは係争利益がおおむね把握可能であるものということでございます。
 この二つの考え方から、人身損害あるいは拡大損害につきましては、因果関係や損害の認定において個別性が高く、類型的に支配性の要件を欠くものということから対象外としております。
 併せて申し上げますと、慰謝料につきましても一種の拡大損害ということでございまして、どれほどの額の慰謝料の支払を求められるか、これは事業者の方から見ると、あらかじめ想定をするのが難しいということでございまして、係争利益をおおむね把握できるとは言えないと、こういうことから本制度の対象外としたところでございます。
#146
○福島みずほ君 先ほど同僚委員からもありましたが、日本はやはり実は遅れていると。懲罰的慰謝料やいろんなものも認められている国もあるわけですから、必要がある、是非三年後の見直しで検討をよろしくお願いします。
 この法案の施行は二〇一六年と、三年以内としているのは遅過ぎるんじゃないでしょうか。せっかく法律を施行するわけですから、周知、広報に時間が掛かるにしても、積極的な対応を期待したい。いかがでしょうか。
#147
○政府参考人(川口康裕君) 本法案でございますが、特別な民事裁判手続を新たに設けるものでございますので、その施行までには、裁判手続に関する最高裁判所規則の制定、それから団体の認定要件等に関する政令、内閣府令、さらには認定、監督の指針、これはガイドラインでございますが、これを消費者庁の方で制定すると。それからさらに、三番目でございますが、裁判所、適格消費者団体、弁護士会等との間で制度の運用に関する実務的な協議、調整などが必要となるということで、相当の期間を、作業を要するということでございます。
 さらに、それに加えまして、十分な周知、広報が必要だというふうに考えておりますし、衆議院においても本委員会でも御指摘をいただいているところでございますが、本制度が円滑かつ実効的に利用されるためには、法や最高裁判所規則を始めとする制度の全体像につきまして、消費者、事業者に対し、趣旨や内容等を十分周知、広報することが重要ということを考えております。
 これらを踏まえまして、本法案の施行につきましては、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日としているところでございます。
#148
○福島みずほ君 その間に発生する問題の場合は裁判が提訴できないわけですから、三年以内とありますので、できるだけ迅速に取り組んでくださるようお願いいたします。
 衆議院での修正で、附則の権利の濫用の規定が入っております。特定適格消費者団体による権利の濫用なきよう必要な措置をとるということですが、私もこういう濫用というのは恐れる必要はないんではないか、特定適格消費者団体というのはきちっと選ばれてやっておりますので、権利の濫用のおそれはないというふうにも思います。
 具体的には、認定、監督のガイドラインにどのような規定を想定しているんでしょうか。
#149
○衆議院議員(郡和子君) 濫用はないのではないかとは考えるがというふうな御意見でございましたけれども、今回、更に濫用なきようにガイドラインを規定をするということを書き込ませていただいたわけでございます。
 そのガイドラインの具体的な中身でございますけれども、まず認定についてでございます。特定適格消費者団体の認定に関しては、現行の適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン、これを参考にしまして、活動実績、業務の体制、それから経理的基礎などの具体的な判断基準、また被害回復関係業務に関して支払を受ける報酬又は費用がある場合についてのその額又は算定方法、支払方法などの基準、業務規程に記載すべき事項の詳細などについて定められることになると想定をしております。
 また、監督につきましては、帳簿書類でありますとか財務諸表、それから調査、不利益処分、特に共通義務確認の訴えが不当な目的でみだりに提起されたものに当たる場合の明確化を想定するなどについて定められるものと想定しています。
#150
○福島みずほ君 先ほども同僚委員の方から、対象となる事業者の外延の問題についての私も要望書をいただきました。その中に、例えば勝訴の率とかそういうものも考えたらどうかという、提訴の件数とか。私はそれでちょっとびっくりしてしまって、勝訴率を上げようと思えば負けそうな事件は引き受けないというふうにすればいいというようなおかしな形になるわけですし、また提訴の数とか、それはもうケース・バイ・ケースですし、困難でも提訴した方がいい場合もあるわけですので、乱訴のメルクマールにこういうことを考えるのは間違っていると思っておりますが、それでよろしいですね。
#151
○衆議院議員(郡和子君) 今お話ございましたけれども、例えば敗訴したことだけをもって共通義務確認の訴えが不当な目的でみだりに提起されたと判断されるわけではないですよね。ですから、勝訴率を監督要件とするということは現時点では私どもも適当ではないのではないかと考えているところです。
#152
○福島みずほ君 ありがとうございます。弁護士も勝訴率を上げるために勝たない事件は引き受けないとなったらおかしいことになりますので、是非よろしくお願いします。
 本制度には仮差押えの規定があり、これを活用することで継続的に事業を営む意思がないような悪質な事案についても一定の被害回復が図られることが期待されております。しかし、本制度を含めた民事訴訟ではどうしても被害回復が困難な場合、例えばやったけれどももう財産が散逸しているとか隠しているという場合もありますので、消費者庁では、このような事案への対応を念頭に、学識者、経済団体、消費者団体等による消費者の財産被害に係る行政手法研究会を開催し、本年六月には取りまとめを報告されていらっしゃいます。
 その報告では、事業者の財産を保全するための方法として、供託命令制度や消費者庁による破産手続申立て制度が議論をされております。行政権限により悪質性の高い事業者の財産保全を早期に行い、民事的手続と併せて被害救済に結び付けるといった、このような構想は早急に具体化が必要と考えますが、いかがでしょうか。是非実現をしていただきたい。消費者庁、いかがでしょうか。
#153
○政府参考人(川口康裕君) まず、本制度でございますが、本制度はいろいろ工夫をいたしまして、本制度自体として悪質商法事案にも有効に機能するように工夫したところでございます。ただ、やはり民事の制度でございますので限界があるという点もあるわけでございますので、別途並行して検討しております、ただいま御説明のございました消費者の財産被害に係る行政手法研究会、この報告書が出たところでございますので、手法の指摘もございますが、様々な観点からの課題も指摘されたところでございます。
 消費者庁といたしましては、これらの指摘を踏まえまして、関連する法制度の更なる調査研究を行うなどして検討を進めているところでございます。引き続き必要な検討を行い、そこで示されました課題を一つ一つ解決してまいりたいと考えているところでございます。
#154
○福島みずほ君 財産保全がきちっとできるように是非検討、また大臣も是非よろしくお願いいたします。
 この集団的訴訟の制度については、もちろん通常の民事裁判でも被害者が事業者を訴えることはできるけれども、一人当たりの被害額が多くなければ裁判費用や労力に見合わず、多くの場合、泣き寝入りしてしまうという現実を受けた措置です。この制度ができることで、消費者被害で泣く、泣き寝入りをする人がやっぱり救済される、憲法の裁判を受ける権利の実現化、現実化だと本当に思っております。この制度をきちっと生かしてやっていくという消費者庁の決意をお願いします。
#155
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、消費者は事業者に比べて情報の質、量等が劣っている中で、やはり被害に遭ったときに裁判ができなくて泣き寝入りをするということが指摘されてまいりました。そういった消費者を一人でも少なくするためにこの法案は大変大切だと思いますので、成立に向けて頑張ってまいりたいと思いますので、委員の皆様方の御協力もよろしくお願いを申し上げます。
#156
○福島みずほ君 十一月六日、ネオニコチノイドについて御質問をいたしました。このクロチアニジンの残留基準緩和問題について質問したところ、森大臣は、御指摘の数値についてはしっかりと調査をして検討してまいりたいと思いますと答弁してくださいました。厚生労働省との間でどのような交渉を行い、どのような結果、対策を取っていらっしゃるでしょうか。
#157
○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘を受けて勉強させていただきました。
 厚生労働省に確認したところ、残留農薬の基準の設定は、毎日一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響はないと推定される一日当たりの摂取量、ADIでございますけど、これを食品安全委員会が設定し、ADIを超えないように食品ごとの基準を厚労省の方で設定をするという仕組みになっています。
 このADI設定の考え方は国際的に共通をしております。しかし、食品ごとの基準についてはまた各国で違ったり、また食品の品目ごとに定めますので、これはまた野菜ごとに変わったりしております。なぜこれが変わってくるかというと、やっぱり各国の気候風土が、高温多湿の程度等によって害虫の種類やそういったものが違ってくる。また、使用される農薬が、一つそのネオニコチノイド系農薬だけを使うのか、そのほかのものと組み合わせて使うのかなどと、そういう農薬の種類や方法が違うため、基準値は各国ごとに、また品目ごとに異なっているわけでございます。
 そこで、この御指摘のネオニコチノイド系農薬について調べてみたところ、各国間でほぼ共通でございますけれども、違っているものもございます。例えばこのネオニコチノイド系農薬には幾つか種類があるんですが、例えばアセタミプリドという農薬でございますけれども、野菜の種類ごとにそれぞれいろいろありまして、例えば白菜やカリフラワーについては日本の基準は米国より厳しくなっていたり、それからミカンやホウレンソウについては日本の基準はEUよりも緩くなっていたりします。
 そして、御質問の中で数百倍基準が厳しいと指摘されておられたのはネギとかチンゲンサイでございますけれども……
#158
○委員長(寺田典城君) 時間が過ぎております。答弁は短く簡潔にお願いします。
#159
○国務大臣(森まさこ君) はい、分かりました。
 そこで、日本と諸外国の基準のどちらが厳しいと一概に、あっ、失礼いたしました、ミカンやホウレンソウはEUより厳しくなっております。したがって、そのどちらが厳しいと一概に言うことは難しいわけでございますけれども、消費者庁としては、現時点においてこの農薬における、残留農薬によって消費者の体に危害を及ぼしたという事例は確認できませんでした。
 いずれにせよ、委員の御指摘もございますので、消費者庁としては、残留農薬の基準値の設定において消費者の被害の実態を踏まえて議論を行うことが重要であると考えておりますので、今後とも残留農薬の基準値の設定に関する厚生労働省からの協議に関してしっかりと対処してまいりたいと思います。
#160
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。
#161
○主濱了君 生活の党の主濱了であります。
 早速質問に入ります。
 まず、二段階型の訴訟制度についてということでお伺いをいたします。
 本制度は、第一段階で多数の消費者被害について事業者に責任、共通の義務ですよね、共通の義務があることを明確にした上で、第二段階で消費者各々の被害額を確定させていくと、こういった画期的な制度であるというふうに思っております。
 この二段階訴訟とした場合と通常の訴訟とを比べて、消費者のメリット、事業者のメリットを具体的にお示しをいただきたいと思います。
#162
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 本制度の導入によりまして、消費者は、特定適格消費者団体による一段階目の訴訟追行の結果を踏まえまして、二段階目の手続に加入することができることとなります。また、実際の二段階目の手続は特定適格消費者団体に授権して行うということになりますので、被害回復に要する時間、費用、労力等が低減されまして、消費者が訴訟手続を使うことをためらわなくなると、これまで回復されにくかった消費者被害を回復することができるというメリットがあると考えられます。
 また、事業者にとってもメリットがあると考えておりまして、個別の訴訟が提起された場合に比べまして、紛争をまとめて解決する、いわゆる一回的解決を図ることができるということでございます。応訴負担の軽減につながるメリットがあると考えております。
#163
○主濱了君 適格消費者団体によるその差止め請求、従来のですね、今行われております差止め請求訴訟は、平成十九年スタートして現在までに三十一件が提起されていると、年平均にしますと五件程度ということであります。
 それで、本法の新たな被害回復訴訟が年間何件ぐらい提起されると予想しているのか、それから、差止め訴訟とこの被害回復訴訟ではどちらが多くなると見込んでおるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#164
○国務大臣(森まさこ君) 本制度は相当多数の消費者に被害が生じている等の要件を満たすものについて特定適格消費者団体により訴訟が提起されるものであり、現時点で訴訟の件数を見積もることは非常に困難であります。差止め請求訴訟と比較してどちらが多くなるか予測することも困難であります。
 また、被害回復関係業務は既に生じてしまった消費者の財産的被害の回復を図ることにより、差止め関係業務は消費者被害の未然防止、拡大防止を図ることにより、その観点から消費者の利益を擁護するものであります。特定適格消費者団体には双方の業務を適正に実施をするという責務がございまして、双方の業務を通じて消費者の利益の擁護を図るために適切に活動することができる者について特定認定を行ってまいりたいと思います。
#165
○主濱了君 実は、画期的な制度というふうに言ったのは、もう本当に利用しやすくて非常にいいのではないだろうかと、こういう思いで申し上げたつもりなんですが、相当の利用があるというふうに予想していたんですが、答弁については残念であります。
 じゃ、次に、目的についてお伺いいたします。
 目的、第一条関係ですけれども、相当多数とは数十人程度と説明されております。例えば、個々の被害額が五十万円程度を超えたといたしますと、数十人程度まで行かなくても、例えば二十人いる、五十万円の二十人超、こういうことでありますと、もう被害額は一千万を超えちゃうと、こういうことになると思うんですよね。そうすると、訴訟に値するレベルに達するのではないかというふうに思うわけであります。
 相当多数の判断基準は、数十人程度という人数だけじゃなくて、被害総額もやはり考慮すべきと私は考えるんですが、いかがでしょうか。
#166
○国務大臣(森まさこ君) 本制度のそもそもの趣旨から、多数の消費者の被害を救済していくということから、二条四号において消費者が相当多数存在することというふうに訴訟要件を定めておりますので、被害金額が高額であることをもって直ちに本制度の活用が、審理の効率化に資するという本制度の目的に沿うかどうかということにはならず、多数性の要件の判断には影響しないというふうに考えております。
 相当多数の消費者かどうかについては、この人数について先ほど数十人というような御指摘もございましたけれども、個別の事案に即して、これは消費者被害の特徴や審理の効率性の観点を踏まえて、本制度の趣旨に照らして裁判所において適切に判断されることとなります。
#167
○主濱了君 相当多数と、こういう表現だけですので、この相当多数を弾力的に運用していただく、こういうことでいいのではないかなというふうに思うんですが、その辺はよろしくお願いをいたしたいと思います。
 次は、一つの財産的被害で複数の提起、これは可能だというふうに思われます。各地の裁判所でばらばらに提訴された場合は弁論の併合がなされると、第七条でこう言われているわけであります。
 このような場合に、関係する特定適格消費者団体間で事前にすり合わせた上で提訴されるのがいろいろな事件の共通性を探るに当たってもいいのではないか。ですから、法的に、あるいは事実上、事前に情報交換させる必要があるのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#168
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、それぞれ訴えを提起することができます。その一方で、特定適格消費者団体が相互に連携をすることで御指摘のように被害回復業務の適切性をより高めることもできますので、被害回復関係業務について他の特定適格消費者団体と相互に連携を図りながら協力するように努めるように七十五条三項で定めております。
 そのため、訴えの提起前において団体間で情報交換などがされることは望ましいと考えられますので、消費者庁としても必要な情報交換が行われるように環境整備に努めてまいりたいと思います。
#169
○主濱了君 次に、対象となる請求ということで、第三条の一項関係なんですけれども、本法の対象となる事案というのは、事業者が消費者に対して負う金銭の支払義務であって、消費者に関する四つほど、五つですか、五つあるわけですけれども、一つは契約上の債務不履行、二つ目が不当利得に係る請求、三つ目が契約上の債務の不履行による損害賠償、四つ目が瑕疵担保責任に基づく損害賠償、それから不法行為に基づく民法の規定による損害賠償の請求と、こういうことになっております。
 具体的な、要するに分かりやすい具体的な事例を示していただきたいと、このように思います。
#170
○副大臣(岡田広君) お答えいたします。
 本制度では、消費者と事業者との間に契約関係がある場合の一定の請求権が生じる事案を対象としております。これらの請求権について過去の消費者事件の例を挙げますと、次のようなものが考えられます。
 契約上の債務の履行の請求としては、理事会の決議により据置期間が延長されたとして返還を拒絶されたゴルフ会員権の預り金についてその返還を請求した事案。不当利得に係る請求としては、入学を辞退し、前払授業料の返還を求めましたが、不返還特約を理由に拒絶された学納金についてその返還を請求した事案。契約上の債務の不履行による損害賠償、瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求としては、マンションの分譲を受けた者が当該マンションが耐震基準を満たしていないとして修理費用等の損害賠償を請求した事案。不法行為に基づく民法の規定による損害賠償の請求としては、無登録業者から購入した経営実態の不明な会社の未公開株の代金等の損害賠償を請求した事案などであります。
 このような請求であって、多数性、共通性などの訴訟要件を満たす場合であれば対象となり得ると考えられます。
 以上です。
#171
○主濱了君 次は、今とちょうど逆のところで、対象外となっている損害もしっかりと明記されているわけですけれども、今度は第三条第二項関係ですね。ここでは、本法の対象外となる損害と、こういうことで、いわゆる拡大損害とか、逸失利益とか、それから人身損害であるとか、それから慰謝料、こういったようなものが対象外とされているんですが、理由とすれば、その共通性が少なくて定型化が困難というふうなことなんですが、できるだけ個別事案ごとに見て、共通化できるようなものであれば対象にすると、こういう考え方もあると思うんですよ。
 ずっとその事件をこう見て、共通化できる部分もある、共通化できる事件もある、こういうふうな場合には個別事案ごとに対象にすると、こういう考え方もあると思うんですが、いかがでしょうか。
#172
○副大臣(岡田広君) お答えいたします。
 本制度では、訴えることのできる案件は、一つに、二段階目の手続において、対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であるとは言えない案件、二つ目に、一段階目の手続の審理において、被告事業者が二段階目の手続で争われる消費者の被害額についておおよその見通しを把握でき、十分な攻撃防御ができる案件である必要があります。
 このため、本制度では、消費者にとっても事業者にとっても、ある事案が対象になるのか予測を立てやすくすること、二つ目に、制度の対象となるか否かの審理を迅速にすることに資することなどから、対象となる案件をできる限り類型的に規定することとしたものであります。
 なお、対象となる損害の範囲については、議員御指摘のように、施行後三年を経過した場合において、消費者の財産的被害の発生又は拡大の状況、特定適格消費者団体による被害回復関係業務の遂行の状況、その他この法律の施行の状況等を勘案して検討してまいりたいと考えております。
#173
○主濱了君 ちょっと先を急がせていただきます。
 次は、第一段階目の手続について六条以降ずっとこうあるわけですが、特定団体がその費用とか労力を出してまで共通義務確認訴訟を提起するインセンティブ、これは何だとお考えでしょうか。
 また、特定団体は共通義務確認の訴えを提起することができるとされていますが、いわゆるできる規定ですよね。その財産的な収入がない中で、想定どおり消費者の味方になって、的確に共通義務確認の訴えを起こすことを期待できるとお思いでしょうか。いかがでしょう。
#174
○国務大臣(森まさこ君) 特定適格消費者団体の前提となる適格消費者団体でございますが、私も幾つかの団体を存じ上げておりますが、消費者の救済、これがインセンティブでございまして、消費者の利益の擁護を図るための活動を行うことを主たる目的としておりまして、現にその活動を相当期間にわたり継続して適正に行っておられます。
 特定適格消費者団体は、適格消費者団体としてこのように差止め請求関係業務を相当期間にわたり継続して適正に行っていて、そして、本制度による被害回復関係業務の担い手となるべく自ら手を挙げた適格消費者団体の中から認定されるものであり、消費者の利益の擁護を図るための共通義務確認訴訟に係る業務についても同様に適正に実施することが期待できます。また、特定適格消費者団体に対しては、その認定要件として、継続的に被害関係業務を実施できるだけの一定の経理的基礎を求めておりまして、この経理的基礎を基にして自立した活動を行っていただきます。
 さらに、本制度において不可避的に生ずる支出については、合理的かつ適正な範囲内で回収できるよう、授権をした消費者から報酬及び費用の支払を受けることができることとしております。委員の御指摘もございますので、特定適格消費者団体のこういった財政支援についても、今後また検討してまいりたいと思います。
#175
○主濱了君 次は、この一段階目の手続の中での却下についてお伺いをしたいと思います。
 端的に言いますと、この却下というのはどのような場合に却下というケースが考えられるかと、こういうことであります。対象債権の存否あるいは内容を的確かつ迅速に判断することができない場合というふうにありますけれども、具体的にはどういうことを言っているのか、お示しをいただきたいと思います。
#176
○政府参考人(川口康裕君) お尋ねの三条四項でございます、訴えの全部又は一部を却下することができることを定めておりまして、対象債権の存否及び内容を一体のものとしてとらえて適切かつ迅速に判断することが困難か否か判断するということになると考えております。
 却下するようなケースでございますが、個々の消費者の損害や損失、因果関係の有無等を判断するのに、個々の消費者ごとに相当程度の審理を要する場合と考えられます。二段階にしておりますので、二段階目で相当程度の審理を要するということになる場合でございます。
 具体的な例でございますが、幾つか申し上げますと、まず一つといたしましては、ある商品の不具合が瑕疵に当たることを確認したとしても、個々の顧客の購入した商品に当該不具合があるかどうかの認定判断が困難な場合、これが一つ考えられます。また、過払い金返還請求におきましても、みなし弁済が成立しないことを確認したとしても、個々の消費者ごとの貸し借りの内容やどの範囲の取引を一体のものと見て充当計算するかについて認定判断が困難な場合などもこれに当たると思います。さらに、損害保険金不払の事案で保険事故が生じているかどうかの認定判断が困難な場合なども考えられるところでございます。
 以上でございます。
#177
○主濱了君 なかなか難しいお話で、なかなか理解できなかったんですが、いずれこの訴訟におきましては、訴訟とか判決に至る前に、事業者側の自主的な形での製品交換であるとか契約金の払戻し、これがなされれば、これは消費者にとってもそれから事業者にとっても非常にコストの掛からない簡便な解決方法であると、このように思うわけであります。この確認訴訟というのはその圧力になることはまず間違いない、期待されているものと、こういうふうに思うわけでございます。
 それで、これは質問にはいたしませんけれども、この自主回収とか返金とかあるいは和解、こういうふうなことで速やかな消費者被害の回復をできるだけ早く、しかも積極的に進める必要があると、こういうふうに思いますので、いずれこの点についてしっかり御検討をいただければ幸いです。
 以上で終わります。
#178
○委員長(寺田典城君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#179
○委員長(寺田典城君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#180
○委員長(寺田典城君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(寺田典城君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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