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2013/11/20 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
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2013/11/20 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号

#1
第185回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
平成二十五年十一月二十日(水曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     岩井 茂樹君
     伊達 忠一君     山谷えり子君
     松田 公太君     山口 和之君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君    渡辺美知太郎君
   アントニオ猪木君     室井 邦彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                木村 義雄君
                中西 祐介君
                松山 政司君
                石橋 通宏君
                大野 元裕君
                谷合 正明君
    委 員
                岩井 茂樹君
                大沼みずほ君
                島村  大君
                高橋 克法君
                中曽根弘文君
                藤川 政人君
                水落 敏栄君
                山谷えり子君
                大久保 勉君
                斎藤 嘉隆君
                津田弥太郎君
                西村まさみ君
                柳澤 光美君
                平木 大作君
                中西 健治君
                山口 和之君
               渡辺美知太郎君
                辰已孝太郎君
                室井 邦彦君
                又市 征治君
                浜田 和幸君
   副大臣
       外務副大臣    岸  信夫君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        宇佐美正行君
   政府参考人
       外務省国際協力
       局長       梅田 邦夫君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        田中 明彦君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  植澤 利次君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
 (参議院政府開発援助調査に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、石井準一君、伊達忠一君及び松田公太君が委員を辞任され、その補欠として岩井茂樹君、山谷えり子君及び山口和之君が選任されました。
 また、本日、アントニオ猪木君及び山田太郎君が委員を辞任され、その補欠として室井邦彦君及び渡辺美知太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 議事に先立ち、委員会を代表して、委員長より一言申し上げます。
 先日、フィリピン共和国を襲った台風第三十号は、史上まれに見る極めて甚大な被害をもたらしました。犠牲となられた方々とその御家族に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、今なお厳しい避難生活を余儀なくされている被災者の方々に対し、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 被災地の一日も早い復旧復興を心から祈念するとともに、我が国が派遣している国際緊急援助隊医療チームや自衛隊部隊等の活動、さらには緊急無償資金協力や緊急物資供与を始めとする我が国の支援が復旧復興に少しでもお役に立てるよう期待を申し上げ、お祈りしております。
    ─────────────
#4
○委員長(岸宏一君) それでは次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務省国際協力局長梅田邦夫君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人国際協力機構理事長田中明彦君及び同理事植澤利次君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(岸宏一君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。
 本日は、平成二十五年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、八十分程度委員間の意見交換を行いたいと思います。
 御意見を表明していただくのは、第一班のエチオピア連邦民主共和国、ウガンダ共和国、ケニア共和国については水落敏栄君、第二班のガーナ共和国、ブルキナファソ、フランス共和国については中西祐介君、第三班のブータン王国、ミャンマー連邦共和国、スリランカ民主社会主義共和国については山谷えり子さん、第四班の東ティモール民主共和国、インドネシア共和国、フィリピン共和国については藤川政人君です。
 なお、御意見を表明される際は着席のままで結構です。
 それでは、まず、第一班の水落敏栄君からお願いします。水落敏栄君。
#9
○水落敏栄君 ODA調査第一班について御報告をいたします。
 当班は、本年九月五日から十五日までの十一日間、エチオピア連邦民主共和国、ウガンダ共和国、ケニア共和国に派遣されました。派遣議員は、岩井茂樹議員、大久保勉議員、そして私、団長を務めさせていただきました水落敏栄の三名でございます。
 第一班は、訪問した各国において、政府、国際関係機関、青年海外協力隊員、NGO関係者などの方々と率直な意見交換を行い、また、我が国のODA案件の実情を調査いたしました。
 以下、調査の内容及び調査を通じて認識を深めることになりました点につきまして、主な項目ごとに概要を報告させていただきます。
 まず、農業、農村に対する支援の強化であります。
 派遣団が訪問した三か国の基幹産業は農業で、農業部門におけるGDPや労働人口の占める割合が高い地域です。しかしながら、我が国は農業、農村を重点分野の一つとして支援を続けておりますが、いまだ食糧援助が必要な国もあり、食料安全保障の確立や貧困撲滅の観点から、農業振興、農村開発を通じて、生産の安定確保や農民層の所得向上を図ることは喫緊の課題であると考えます。
 派遣団は、ウガンダにおいて我が国の無償資金協力で整備した稲研究・研修センターを訪問いたしました。我が国は、このセンターを拠点にコメ振興プロジェクトとしてネリカ米という収量が高く味の良い品種の研究や研修等を通じた普及活動を行っており、派遣団は稲栽培の様子などを視察いたしました。JICA専門家の方々や財務大臣とも意見交換を行いましたが、米の生産性の向上のための人材育成、機械化を含めた農業技術の改良や気象予報システムの構築など、我が国の持つ技術、ノウハウを生かすことで、現地のニーズに沿った支援が可能な余地が十分に残されている分野ではないかとの認識を持ちました。
 次に、インフラ整備についてであります。
 今回の派遣では、各国政府要人からインフラ整備に関する我が国の支援に対する高い評価、謝意と支援継続への期待が述べられました。派遣団としましても、インフラ整備支援の重要性に鑑み、物流ルートの整備状況、都市交通環境、発電所・送電網整備の現状等を視察いたしました。
 東アフリカ地域の国際幹線道路の一つである北部回廊は、港湾機能を有するケニアから内陸国であるウガンダなどを結ぶ重要な物流ルートとして位置付けられているものの、長年にわたり適切な維持管理がなされず、また老朽化が進み、放置すれば物流が寸断されるおそれがあります。派遣団は、東アフリカ最大のゲートウエーであるケニア・モンバサ港の開発事業、周辺道路整備事業や、ウガンダのナイル架橋建設計画地の視察を行いました。事業を開始しているモンバサについては、現地日本企業などの努力により順調に事業が進捗し、現地から高い評価を得ております。道路、橋梁、港湾という我が国が得意とする分野での高度な技術を生かした支援が引き続き求められるものと考えます。
 また、訪問国の都市部においては、交通渋滞の常態化、路面の劣化が深刻な問題になっております。交通の円滑化を図るはずの信号機やラウンドアバウトはその機能が十分に発揮されず、派遣団の移動中も身動きが取れない経験をし、抜本的な解決を図る必要性を感じました。ウガンダにおいては、我が国の支援により信号機を設置しているものの渋滞の解消になかなかつながらないことから、より効果的な対策を講ずるため立体交差整備に向けた取組に着手しておりますが、このように各国における実情に応じて案件形成を行っていく必要があると考えます。
 電力につきましても、経済成長に伴い供給が追い付かず、需給が逼迫する状況にあるとともに、地方に至っては著しく電化の遅れが生じ、経済発展の阻害要因となっております。派遣団も滞在中何度か停電に遭遇し、安定的な電力供給がいまだ実現されていないことを実感いたしました。派遣においては、ウガンダで、新設されたブジャガリ水力発電所で発電された電力を首都カンパラまで送電するための送電網施設を、ケニアで、再生可能エネルギーを利用した新たな電源開発の取組であるオルカリア地熱発電所を視察いたしましたが、発電所や送電網に関し十分な経験と技術を備えている我が国は、国民生活や産業振興の根幹を成す電力安定供給のため、引き続き支援を行っていくべきと考えます。
 次に、人材育成と教育の充実であります。
 今回訪問したエチオピアにおいては、カイゼンの普及のためのプロジェクトが進められております。カイゼンとは、トヨタ生産方式などに代表される日本式の品質・生産性向上の手法で、5S活動、整理、整頓、清掃、清潔、しつけをスローガンとする、従業員の参加によるボトムアップ型の取組であります。我が国はカイゼンの民間企業への普及を図っており、派遣においてはMARU社という製造業を営む企業を視察いたしました。同社では整理整頓された工場内の様子を拝見しましたが、安全性、生産性の向上が図られているとのことで、日本企業と遜色のない運用が図られている印象を受けました。
 このほか、ケニアにおいては、我が国が二十年以上にわたり設立を含め支援を行い、同国の有数の国立大学へと成長したジョモ・ケニヤッタ農工大学や、自らの企業のみならず社会貢献活動として広くケニア社会における人材開発を行っているトヨタ・ケニア社を訪問いたしました。
 アフリカ地域における経済発展、貧困削減などの目標を実現するためには、インフラ整備に加え、人材育成は不可欠な取組であります。我が国としても、引き続き教育機関や民間セクターにおける教育、研修を通じた支援に取り組んでいくべきと考えます。
 次に、直接投資促進に向けた取組についてであります。
 今回の派遣における各国政府、AU本部、世界銀行関係者との意見交換では、我が国に対し、ODAによる支援のほか、直接的な投資を歓迎する旨の見解が述べられました。
 日本企業が後れを取ることなく、また安心して事業ができるよう環境整備を図ることは、アフリカ地域における経済成長にも裨益するものと考えられます。しかしながら、政治的、社会的安定性への懸念を始め、現地国の行政機関の窓口対応のばらつき、煩雑かつ時間を要する手続といった法令等の整備、運用面の問題、電力、通信の安定性など、日本企業がアフリカにおいて事業を展開するに当たっての諸課題が指摘されているところであり、日本企業関係者との意見交換でも事業展開に当たっての懸念を伺いました。
 日本企業が思い切ってアフリカへの投資を決断できるよう、企業だけでは解決が困難な問題について国が率先して相手国政府に対し強力な働きかけを行うなど、積極的な取組が求められると考えます。
 次に、人材についてであります。
 派遣団は、青年海外協力隊員、シニア海外ボランティア、JICA専門家、日本企業関係者、国際機関関係者、NGO関係者など現地で活躍する方々と活動の状況や今後の課題、展望について意見交換を行いました。各国での政府要人等との意見交換や我が国援助案件視察の際、現地在外公館やJICAを含め、これらの皆さんの支援、協力に対する謝意を受け、献身的な取組が我が国に対する信頼感の醸成に大きく寄与していることを実感いたしました。現地社会、人々への貢献という使命感と誇りを持って取り組んでおられることを改めて敬意を表したいと思います。
 在留邦人の方との意見交換の場では、青年海外協力隊員の方から、手当の減額、帰国後の再就職に対する不安やOB、OGの活用の在り方についての意見が寄せられました。これまでにも帰国後の隊員の再就職やキャリア形成のための施策が講じられてきたところではありますが、優秀で意欲的な人材の確保、貴重な体験の有効な活用の観点から、厳しい財政事情の中、予算面での措置を含めた積極的なサポートが求められると考えます。
 次に、アフリカ開発における新興国の存在についてであります。
 今回の派遣において危機意識を改めて持つことになりましたのは、中国を始めとする新興国のプレゼンスの大きさでありました。例えば、中国は豊富な資金力と迅速な意思決定を背景として、インフラ整備を中心に大規模な開発支援を展開しております。また、渡航中、トヨタ、ホンダなど日本の自動車製品の存在感は圧倒的でありました一方で、家電製品、携帯電話などについては韓国等の製品が流通し、日本メーカーの存在感が乏しい現実がうかがえました。現地日本企業関係者の方との意見交換でも、新興国の台頭が顕著となりビジネス機会を奪われてしまうことへの懸念も示されております。
 新興国がアフリカ開発に加わることで競争が熾烈なものとなりつつある中、我が国としても、時機を逸することなく、言わばオールジャパンで支援案件の獲得や日本企業のビジネス機会の確保、増大を図るべく、政府のより一層のリーダーシップの発揮を前提に、案件決定等の一連のプロセスについて可能な限り加速化を図るとともに、さきに述べたように、日本企業が海外展開を図るための政策的支援を戦略的に行っていくべきと考えます。
 以上が第一班の調査の概要と所見であります。
 アフリカ地域への支援に当たっては、経済成長のみならず、貧困の削減、所得、生活水準の向上など恩恵が広く国民に行き渡るよう、政府においては、本年六月に開かれた第五回アフリカ開発会議、TICADXで取りまとめられた横浜宣言二〇一三及びその行動計画を始めとした諸施策の着実な実現を図ることを望むものであります。
 最後になりますが、今回の調査に御協力いただきました訪問先の皆様、内外の関係機関の皆様に心から感謝を申し上げ、報告とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
#10
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、第二班の中西祐介君にお願いします。中西祐介君。
#11
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。
 ODA調査派遣第二班について御報告をいたします。
 当班は、去る九月七日から十七日までの十一日間、ガーナ共和国、ブルキナファソ及びフランス共和国に派遣をされました。派遣議員は、団長でございます藤井基之先生、そして筆頭理事の大野元裕先生、そして私、中西祐介の三名でございます。
 本日は、調査を通じて得られました所見につきましてその概要を御報告申し上げます。なお、お手元の参考資料を是非御覧いただきながらお聞き願いたいと思います。
 まず初めに、ガーナ共和国について申し上げます。
 ガーナの国別援助方針では、広く国民が受益する力強い経済成長の促進を基本方針とし、農業、経済インフラ、保健・理数科教育、行財政運営能力の強化を重点分野としております。今回の調査では、農業以外の主に三分野につきまして視察を行うことができました。
 まず、経済インフラですが、野口記念医学研究所を訪問いたしまして、再生可能エネルギーの普及促進のためのクリーンエネルギー導入計画の実施状況を視察をいたしました。本計画は太陽光発電によりまして同研究所の電力を賄うものでございまして、今後は余剰電力の売電も期待をされているところであります。また、ガーナでは、経済成長に伴う電力需要の急激な伸びに対しまして供給が追い付かない状況にありますが、環境のみならずエネルギー源の多様化の観点からも、クリーンエネルギーの導入を進める必要があると考えます。
 次に、保健分野でございますけれども、ガーナ由来薬用植物研究プロジェクト、離乳期における栄養強化食品事業、その準備調査などを視察をいたしました。
 ガーナ由来の薬用植物研究プロジェクトは、地球規模課題対応国際科学技術協力事業、SATREPS事業として、日本とガーナの研究機関が共同して薬用植物による感染症対策の研究を行うものであります。事業開始三年目にして国際特許の申請も検討されておりまして、安価で効果的な治療法へと結実することが期待をされておるところであります。
 また、離乳期栄養強化食品事業準備調査は、途上国の低所得層を対象にした味の素によりますBOPビジネス、ガーナ栄養改善プロジェクトを促進するための開発支援調査事業でございます。同プロジェクトは、乳幼児の栄養改善のための離乳食サプリメント、KOKOPlusの開発普及をJICAやあるいはガーナ政府、USAID、これはアメリカ国際開発庁等の連携によりまして行うものでございます。製品の開発等を行っている味の素株式会社からは、官民の連携がなければ活動の基盤のないガーナでは取組は困難であるとの説明を受けました。低所得層への普及には価格等々の問題がございますけれども、今後、アフリカ諸国への展開も期待をできるものでございます。
 続いて、行財政運営能力強化に関しましては、食糧農業省財務管理改善プロジェクトなどを視察をいたしました。本プロジェクトは、食糧農業省のマネジメントサイクルの改善を支援するものでございまして、ガーナの公共財政管理の改革につながるものであります。政府全体の財務管理と整合性が図れるよう、プロジェクト実施前からパートナー間で検討が行われておりまして、また、会計ルールの変更などにガーナ側が対応できるようワークショップや研修の取組が行われているなどの点で評価できるものでございました。
 我が国とガーナとの関係は、御案内のとおり野口英世博士やあるいはカカオ豆に象徴されますように、長きにわたりまして友好的であります。一九六三年に我が国が初めて援助を実施してから本年でちょうど五十年となります。二〇〇四年に拡大HIPC、重債務貧困国イニシアティブによりまして債務免除が行われましたけれども、無償資金協力や技術協力などは継続して行われているところであります。一方で、意見交換を行ったフォーソン財務副大臣からは、インフラ整備に必要な円借款の再開や民間投資を期待する発言がございました。
 ガーナは政治的にも社会的にも安定をしておりまして、西アフリカ地域の民主主義の牽引役とも評価をされております。こうしたことから、継続的かつ効果的なODAの実施が今後とも必要であるというふうに考えられたところでございます。
 続きまして、ブルキナファソについて申し上げます。
 ブルキナファソの国別援助方針では、成長の加速化と人的資本の強化を基本方針といたしまして、農業開発、教育の質の向上、域内経済統合の促進を重点分野といたしております。
 このうち、農業開発につきましては、国立環境・農業研究所ゴマ栽培試験サイトを視察をいたしました。ゴマは、当国にとって金や綿花に次ぐ輸出産品に成長しておりまして、我が国にも継続的に輸入が行われております。来年よりゴマ生産強化プロジェクトがJICAにより実施されることとなっておりまして、そのための調査が本年九月より行われておるところであります。
 ブルキナファソでは、就労人口の八割以上が農業に従事をしておりまして、また、ゴマは多くの農家で栽培をされておるところでございます。今後、油用ゴマの生産拡大に加えて、付加価値の高い食用ゴマの取組が行われ、これが国際市場への供給につながれば、より一層経済成長の加速に資するものになると認識をいたしたところでございます。
 次に、教育の質の向上に関しましては、学校運営委員会支援プロジェクトなどを視察をいたしました。学校運営委員会、COGESは、地元住民が保護者や教員とともに学校運営に参加することによりまして教育の質の向上を図ろうとするものでございます。視察したニオン・ワルビン小学校では、地元住民に就学の重要性が理解され、就学者数が増加したこと、あるいは補習や給食の支援、衛生の改善を地元住民が負担することなどによりまして教員のモチベーションが向上し、卒業試験の合格者数が増加したことなどが説明をされたところであります。今後、COGESは現在の中央プラトー州など三州から全国に展開されることとされております。教育の質の向上につながる学習環境の改善を図るため、こうした取組の継続が重要であると考えておるところでございます。
 ブルキナファソへの援助は、二〇〇六年のJICA事務所開設後に無償資金協力や技術協力が本格化いたしましたけれども、同国の貧困削減のためには、成長の加速化のための優先セクターと位置付けられている農業分野や、あるいは人的資本の活用となる教育分野への協力が引き続き必要であると考えられます。一方、ブルキナファソは西アフリカ経済通貨同盟、UEMOAの本部所在国であり、また、今回、UEMOAのJICA専門家と意見交換をすることができましたが、国境通関の効率化などは日本製品の域内取引にも資することから、こうした域内の経済統合に着目した援助もより一層進めていく必要性があると認識をしたところでございます。
 最後に、フランスにつきまして御報告を申し上げます。主には意見交換を行ってまいりました。
 まず、フランスの援助政策、アフリカへのODAの実施状況等について、クロケット開発担当大臣首席補佐官、AFD、フランス開発庁関係者とそれぞれ意見交換を行いました。オーランド政権になって四年ぶりに省庁間国際協力・開発委員会、CICIDが開催をされ、ODAの優先国を最貧国十六か国とすることや、ODAのための法的枠組みを法制化することが決まったとのことでございます。財政状況が厳しい中でODAをいかに効果的に行うかは我が国にも共通した課題であります。こうした観点から、オーランド政権の動向に注目をする必要があると認識をしたところでございます。
 また、OECDを訪問し、開発援助委員会、DACの事務局長であるロモイ開発協力局長と民間資金の重要性や新興ドナー国の問題などについて意見交換を行いました。ガーナでの調査でも認識をいたしましたが、民間資金を呼び込むには被援助国の政治的あるいは社会的な安定や民間セクターの活動基盤となるインフラ整備が重要でございまして、これには援助国などの役割が大きいというふうに言えると思います。また、新興ドナー国の問題につきましては、我々伝統ドナー国が彼らと同じテーブルに着いてお互いの知識と経験を共有する機会を持つことが今後の鍵となると考えられます。
 以上が第二班の所見の概要でございます。
 最後になりましたが、調査に御協力をいただいた訪問先の方々、内外の関係機関の方々に心から感謝を申し上げ、報告とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
#12
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、第三班の山谷えり子さんにお願いいたします。山谷えり子さん。
#13
○山谷えり子君 御報告いたします。
 当班は、九月十八日から同二十八日までの十一日間、ブータン、ミャンマー及びスリランカの三か国に派遣されました。派遣議員は、宇都隆史議員、斎藤嘉隆議員、竹谷とし子議員、真山勇一議員、そして、団長に御指名いただきました私、山谷えり子の五名でございます。なお、ブータンとスリランカは、ODA調査派遣団としては初めての訪問国です。
 以下では、調査を通じて得ました所見を中心に御報告いたします。
 初めに、ブータンについて申し述べます。
 ブータンは、急峻な地形のため耕地面積が狭く、農業の生産性も低いため、主食の米もインドなどからの輸入に依存しており、食料自給率の向上が開発計画における最優先課題となっています。
 我が国の対ブータンODAは、一九六四年に農業専門家の西岡京治氏を派遣したことに始まります。以来、農業・農村開発支援を中心とした援助を実施し、同国の農業開発の土台を築いたとして高い評価を得ております。
 ブータンは、国民総幸福量、GNHの最大化を開発の基本理念として掲げつつ、二〇二〇年までに被援助国から卒業する目標を定めています。しかし、二〇一三年から一四年予算では歳入の四割強を外国からの贈与に頼っており、対外依存率は深刻です。本年九月に決定した第十一次中期社会経済開発五か年計画についても、ブータン政府は、その実施に要する経費三十億ドルのうち四、五割を外国からの支援に期待しており、各閣僚からも我が国の支援に対する強い期待が述べられました。
 我が国としては、GNH最大化の基本的理念に配慮しつつ、同国の状況や条件を冷静に認識した上で対ブータンODA像を描くことが必要と考えます。
 まず、ブータンが直面している若者の農村、農業離れ、若年層の雇用機会の不足、農村部からの人口流出と農村コミュニティーの高齢化、都市部と農村コミュニティーの格差拡大などの大きな変化を指摘することができます。ブータンにとって、農業の衰退や縮小をいかにして回避するかは重大な問題です。また、産業の高次化に伴う技能労働力不足が深刻化する一方で、若者が単純労働を嫌うため、技能があり給料も安い外国人労働者が産業界の要請にこたえているという問題も深刻です。
 第二は、水力発電の潜在力をブータンの開発にどのように結び付けていくかということです。ブータンは、安い労働力を大量に抱えインフラ整備も進み、消費市場として将来性が見込まれるインド、バングラデシュといった周辺国と異なり、海外投資を呼び込んで成長につなげるという条件に恵まれていません。しかし、豊富な水資源を活用した発電が主要産業であり、電力は最大の輸出商品となっています。稼働中の発電プラントは、インドの財政的、技術的支援でインド企業が建設したもので、インド人の技術者及び労働者によって運転、維持、管理されており、現在建設予定のプラントもインドの支援によるものです。
 しかし、将来的な可能性に向けて、我が国として、水力発電プラント建設のための円借款、管理運転に係る重要技術習得の指導訓練、プラントの設計施工、環境影響評価などができる技術者の養成までも視野に入れた援助を想定の中に含めて検討してもよいと考えます。
 次に、ミャンマーについて申し述べます。
 ODA調査団のミャンマー訪問は二回目になりますので、一般的な政治経済事情については省略し、我が国との関係で、本年一月の麻生副総理兼財務大臣のミャンマー訪問において同国の延滞債務五千二十五億円の解消及び新規円借款の実施が表明されたこと、五月の安倍総理公式訪問時に円借款五百十億円と無償資金・技術協力四百億円の合計九百十億円を本年度末までに順次進める旨の表明がなされたことを指摘するにとどめ、幾つかの開発課題について述べることといたします。
 ミャンマーの開発にとって、民主化の促進、法の支配の確立、国民和解などの困難な課題は今も大きな問題として残っています。
 国民民主連盟の指導者アウン・サン・スー・チー下院議員は、現行憲法を非民主的と繰り返し批判しておりますが、改正には国会議員四分の三以上の賛成が必要であり、四分の一の議席が軍代表に配分されていることから、改正の可否、そしてそれが招く結果は現在のところ不透明、不確実です。
 少数民族との和解問題は楽観視できません。六十年に及ぶ国軍と少数民族武装勢力との戦闘は、数十万人の国外・国内避難民、国境周辺地域の荒廃、行政機能を担うべき人材やノウハウの喪失など、政権側にも少数民族側にも重い負の遺産を負わせています。我が国の対ミャンマーODAは、少数民族や貧困層支援、農業開発、地域開発を含む国民の生活向上のための支援を第一の基本方針としています。荒廃したコミュニティーの経済的再建とそのための生活インフラの整備、そして広範に埋設された大量の地雷の除去などを通じて、大量の避難民の一日も早い帰還と再定住に貢献できるような支援を優先すべきです。
 一方で、大統領及び政府要人からは、経済特区の開発、鉄道の近代化等の大規模プロジェクトに対する支援や投資が要請されました。これら大型プロジェクトが将来的成長と現政権の安定に寄与することについて異論はありません。
 問題は、支援の時期です。日本人商工会の役員等からは、ミャンマーの政策決定過程におけるガバナンスと透明化に関し、政策全体についても個別の政策についてもマスタープランがなく、国としてどこを目指しているのか、優先順位をどうするのか分からない、関係各省間に意思疎通がなく責任感に欠けている、総体的に人材不足が著しいなどの厳しい批判の意見が聞かれました。
 ミャンマー・ブームに惑わされずに情勢を冷静に観察し、大型案件や投資の是非は二〇一五年の総選挙の結果を見極めてから判断すべきでないかといった意見には傾聴すべきものがあると思います。また、競合する大規模プロジェクトや将来の採算が見通せない事業については、多角的な視点からの慎重な検討が必要と考えます。
 次に、スリランカについて所見を申し述べます。
 スリランカは、我が国にとって中東、アフリカに至る海上輸送路の確保という点において地政学的に極めて重要な国です。国際資金協力担当上級大臣は、中東から日本へのシーレーンの中ではマラッカ海峡とスリランカ南部ハンバントタの二か所が重要地点であり、ハンバントタの港湾及び空港開発に日本の協力を得たい旨、発言されました。
 ラージャパクサ政権は、二〇一六年までに一人当たりGDPを四千ドルに引き上げて中進国入りし、ワンダー・オブ・アジアとなることを目標としています。現在、投資はインフラ関連、ホテル建設などが中心で製造業分野では僅かですが、潜在的市場となり得る諸国を周辺に持つことから生産拠点としての魅力は備えており、政府の取り組み方次第で外国企業の進出が活発化すると期待できます。
 スリランカの第一の開発課題は、多数派シンハラ人と少数派タミル人との真の和解と融和の促進、そして、内戦で荒廃したタミル人が集住する北部、東部の生活再建とコミュニティーの開発です。
 政府軍とタミル人武装組織との二十六年に及ぶ内戦は二〇〇九年に終結しましたが、国内避難民の再定住促進のためには、農漁業インフラの復旧復興を含む地域社会の基礎的インフラの再建、そして百万発にも及ぶ地雷の除去を優先的に進めなければなりません。現地NGOによれば、いまだ手付かずの八十九平方キロメートルの土地は除去作業が極めて困難かつ危険度の高い場所となっているとのことであり、内戦が住民に残した負の遺産を解消するためには今後も十年規模の長い時間が必要と思われます。
 我が国は、スリランカの和平及び内戦終結後の平和構築に貢献してきた実績を持っており、今後もこの分野において先駆的、中核的な役割を果たしていくべきであると考えます。
 開発課題の第二は、国土の地理的条件や気候変動に起因する脆弱性の克服です。スリランカでは、サイクロンや豪雨による大規模な洪水・土砂災害、干ばつ等の災害が毎年のように発生しています。災害管理大臣からも、崖崩れ防止や洪水・干ばつ対策など、我が国の水管理に関する高い技術を学びたいとの期待が寄せられました。
 我が国にはこれまで培ってきた高度の防災技術があり、これらを積極的に活用して貢献していくべきと考えます。
 ブータンは、拮抗する中国とインド二大国に挟まれ、歴史的にインドに経済、外交、軍事の面で大きく依存してきましたが、近年、中国の浸透が、また文化的には韓国の浸透が急速に進んでいます。
 ミャンマーは、インドにとっては東南アジアへの入口、中国にとってはインド洋への出口という地政学的に重要な位置にあります。また、六千四百万の人口と豊かな資源に恵まれた将来性のある潜在的な製造工場、市場であり、我が国にとっても有望かつ有力な生産拠点となり得ます。
 また、スリランカは、これまでインドとの関係が深かったものの、内戦の終結後は中国の浸透が進んでいます。二〇〇九年以降、二国間での対スリランカ援助では中国が第一位となっています。ODAの戦略的活用を考えるに当たって、これらの事情に十分な考慮を払うべきと考えます。
 最後に、今回の調査に御協力いただいた訪問先国の方々と内外の関係機関の方々に対し、心からのお礼を申し上げ、報告を終わります。
 ありがとうございました。
#14
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、第四班の藤川政人君にお願いいたします。藤川政人君。
#15
○藤川政人君 それでは、報告に先立ちまして、冒頭、委員長からもお見舞いの言葉がありました、今回訪問させていただきましたフィリピンにおける台風第三十号の被害により亡くなられた方々及び御遺族に深い哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。また、被災された方々がこの困難を克服し、被災地の早急なる復旧に向けて再起されますことをお祈りをいたします。
 それでは、ODA調査第四班の調査の概要について御報告いたします。
 第四班は、去る九月九日から九月十九日までの十一日間、東ティモール、インドネシア及びフィリピンの三か国に派遣されました。派遣議員は、西村まさみ議員、田村智子議員、室井邦彦議員、そして私、団長を務めました藤川政人の四名でございます。
 第四班は、訪問した各国において、政府、議会の要人、在外公館、JICA事務所、NGO関係者などと率直な意見交換を行い、我が国ODA案件の現状と課題について調査をしてまいりました。
 まず、東ティモールは、ポルトガルの支配、インドネシアによる併合を経て、二〇〇二年五月に独立した若い国であります。独立に伴う混乱等によるインフラの破壊、人材の国外流出等により、平和構築、国づくりが独立後の当面の課題となっておりました。また、同国は石油資源からの収入がありますが、それを除きますとアジア太平洋地域の中で最貧国の一つとなっております。
 二〇〇二年の独立から十一年がたち、東ティモールの安定と発展にとって最大の課題は、石油資源収入に対する過度の依存から脱却し、持続可能な成長を実現するための環境を整えることであります。二〇一三年度の国家予算の八割以上が石油資源収入等で構成されております。石油資源収入に依存しない持続可能な成長を実現するためには、道路、港湾などのインフラ及び国家体制、法制度等の整備に加え、国づくりを担う人材の育成を進めていくことが必要であります。
 他方、同国では貧困層が国民の約四割を占めているため、雇用創出や国民の生計向上を図り、格差を是正していくことも重要な課題となっております。特に、人口の約七割が三十歳以下、平均年齢十七・三歳であります同国において、若者の雇用機会の創出は極めて重要であります。
 我が国政府は、独立前から東ティモールに対し、平和構築、国づくりへの積極的な取組を実施しており、二〇一二年には新たな対東ティモール国別援助方針を策定し、一、経済活動活性化のための基盤づくり、二、農業・農村開発、三、政府、公共セクターの能力向上を重点分野として支援することとしております。
 同国の主要産業は農業であり、就労人口の八割以上が農業に従事しておりますが、零細農業が主体となっております。そのため、我が国は農業・農村開発を支援の重要な柱の一つとしております。今回視察しましたマナツト県灌漑稲作プロジェクトは、独立の際の混乱により破壊されたかんがい施設を復旧し、JICA専門家の技術協力により、栽培方法に改良を加えるなどして、特別な機材や高価な化学肥料を必要としない持続可能なものでありました。今後更なる収穫量を上げるためには、米が収入源になるとの意識転換を行い、流通網の整備や政府による買上げ制度の導入など広範な支援が必要と思われます。
 主要産業の振興という意味では、農村活性化プロジェクトなどによって地域の地場産業育成の取組を推進することのほか、雇用機会を増大させる外国企業を誘致することも検討すべきであると考えます。そのための投資環境の整備などについて支援していくべきであると考えます。
 また、今回視察した自動車整備士養成事業は、若者の雇用機会の創出、人材育成の一環として日本のNGOと連携して行っているものであります。日本側の高いレベルの指導により、修了者の技術等に対し高い評価を得られているとのことでした。
 日本のNGOとの連携については、このほか小中一貫校での保健教育促進事業への支援も視察しましたが、この事業は同国政府から高い評価を受け、活動地域を拡大しております。きめ細かい活動を行っている日本のNGOとの連携は今後も充実させていくべきと考えております。
 次に、インドネシアは、二億四千万人を超える人口を抱え、六%台を誇る好調な経済成長を背景として、GDPは約八千八百億ドル、約八十八兆円の規模となっており、今後とも更なる発展を遂げていくものと思われます。その一方で、インドネシアにおける物流コストはGDPの二七%を占め、港湾における貨物の滞留、道路における渋滞がいかに深刻であるかを目の当たりにいたしました。
 こうしたインフラ整備の遅れについては、土地収用問題などの事情もあると思いますが、首都圏投資促進特別地域、MPAなど、物流改善に向けたインフラ整備を支援していくべきと考えます。
 国家開発企画庁のバンバン交通局長からは、タンジュンプリオク港やチラマヤ新港、道路整備について協力要請がありました。タンジュンプリオク港では許容量をはるかに上回るコンテナを取り扱っており、緊急リハビリ事業は一刻を争うものであります。また、チラマヤ新港については、進出日系企業から早期整備完成を期待する声も強く、これらの港湾整備は最重要課題として推進していくべきと考えております。
 また、国家開発企画庁のウィスマナ次官等から、有償資金協力による融資先を、政府だけではなく、国営・民営企業にも広げたい旨の提案がありました。インドネシア政府が借款に対する保証を行うのであれば、我が国としてもこの提案は検討に値するものと考えております。
 ウィスマナ次官からは、海外からの有償資金援助については、国民の生活に豊かさをもたらすためにインフラ整備とエネルギー開発という二分野への投資を重点的に実施している旨の発言がありました。この二分野については、インドネシア国会議員からも我が国の協力を期待する旨の発言がありました。
 インフラ整備分野においては、中国や韓国と我が国が競合しつつあるとされています。しかし、これまでのODAで示された我が国の技術力は高く評価され、技術協力を含めて引き続き存在感を示していくことは重要であると思われます。
 インドネシアでは、二〇一〇年には国民一人当たりGDPが三千ドルを超えるなど、既に一般無償資金援助対象国ではなくなっております。しかし、経済成長により貧富の差はむしろ拡大しております。国民全体が享受できる社会保険制度の導入も緒に就いたばかりです。同国では、衛生、医療、教育の分野で未発達な地域が多く、国民全体の底上げが必要となっております。これらの分野については、無償資金援助や海外青年協力隊員によるきめ細やかな支援も引き続き必要に思われます。こうした地道な活動がインドネシアとの友好関係を国民レベルで支えてくれるものと思われます。
 また、防災案件として、プルイット排水機場緊急改修計画とメラピ山・プロゴ川流域緊急防災事業を視察しました。特に、メラピ山における協力は、火山噴火予知精度の向上や砂防事業における協力体制の構築など、インドネシア側の防災能力を高め、両国が相互に協力できる形で進められ、そこで培われた技術が日本にフィードバックされております。大規模自然災害に対する知識や経験を共有するなど、今後とも防災分野のODAは継続、拡大していくべきであると考えております。
 九五%という日本車普及率、ちなみに我が国の日本車普及率は九〇%前後と言われておりますが、この驚異的な日本車普及率を始め、日本とインドネシアのこれまでの五十五年の友好関係の上には様々な成果が築かれておりますが、過去の成果に安住することなく、今後とも、政治、経済、文化、防災などあらゆる面での協力関係を進展させていくことが望まれております。
 次に、フィリピンは、海上交通路の要衝に位置し、地政学上、地域安全保障上重要な国であり、その持続的な発展は東アジア地域の安定と発展に資するものであります。
 フィリピンは、我が国と共通の価値観及び多くの戦略的利益を共有しております。また、多くの日本企業がフィリピンに進出し、同国が我が国にとって重要な経済活動の基盤となっており、フィリピンにとって我が国は最大の貿易相手国となっております。我が国のODAは一九六八年度から開始されており、現在では我が国が最大のODA供与国となっております。
 このように両国は様々な分野でより緊密な関係となっており、フィリピンに対して今後もODAを実施し二国間関係の強化を図ることは、我が国がアジアにおいてこれまで以上にプレゼンスを高める上でも意義が大きいものと考えております。
 二〇一二年四月に策定された対フィリピン国別援助方針では、戦略的パートナーシップを更に強化するため、包摂的成長実現に向けて経済協力を実施することとし、一、投資促進を通じた持続的経済成長、二、脆弱性の克服と生活・生産基盤の安定、三、ミンダナオにおける平和と開発の三つを重点分野としております。
 トゥンパラン国家経済開発庁次官は、我が国によるインフラ分野の支援、災害に対する支援、ミンダナオ和平支援について感謝の意を表されました。これは、上記三重点分野を策定するに当たりフィリピン側と緊密な対話を行った結果であり、我が国政府がフィリピン側のニーズの把握に努めていたことを物語るものであります。
 我が国のODAは、金額ベースで見るとインフラの整備を重点的に実施しておりますが、貧困削減のため、教育、医療、衛生に対する支援の更なる充実も求められております。
 また、マニラ首都圏の一極集中を是正する意味で、スービック港の利用促進や、貧困対策として地域の雇用促進を図るため地方産業の育成を図るべきと考えます。マニラ首都圏の道路は交通渋滞がひどく、一日二十四億ペソ、約四十八億円の経済損失が出ていると言われております。抜本的な対策として、タイやインドネシアでも計画が動き出している地下鉄の建設も選択肢の一つとして検討すべきものであると考えます。
 七月に同国を訪問された安倍内閣総理大臣が、同国沿岸警備隊に十隻の巡視艇の供与を約束されました。沿岸警備隊のアイソレナ司令官から、この巡視艇の供与、これまでの我が国が実施してきた船舶や器材の供与、人材教育、専門家派遣等に対し謝意が表明され、更なる協力要請がありました。海洋分野の協力は、安倍総理が同国訪問時に表明された対フィリピン外交の四つのイニシアチブの一つでもあり、今後も継続、拡大するべきものと考えます。
 今回訪問した三か国に限らず、東南アジア諸国は政治、経済、文化などあらゆる面において我が国と緊密な関係にあり、この地域の発展と安定は我が国の安全と繁栄にとって非常に重要であります。経済成長著しい国に対しては、順調な経済発展を継続しつつ、経済的な弱者への支援にも配慮し、政治的、社会的な安定を維持し得るよう支援していくべきものであると考えます。また、所得水準の低い国には、貧困削減に取り組むとともに、持続的な成長への取組を引き続き支援していくべきであると考えております。
 最後になりますが、今回の調査に御協力いただいた訪問国や視察先の皆さん、そして在外公館、JICAなどの内外の関係機関の皆様に心から感謝を申し上げます。
 以上で報告を終わります。
#16
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 以上で意見の聴取は終わりました。
 これより意見交換に入ります。
 本日は、外務省から岸外務副大臣及び梅田国際協力局長に、独立行政法人国際協力機構から田中理事長及び植澤理事に、それぞれ御同席をいただいております。発言に対して回答をお求めになる場合には、派遣に参加された委員に対してだけでなく、御同席をいただいている方々に対してお求めいただいても結構でございます。
 発言を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言ください。
 また、回答をされる方も挙手をお願いします。
 なお、発言は全て起立してお願いします。
 それでは、発言を希望される方は挙手をお願いします。
 浜田和幸君。
#17
○浜田和幸君 委員長、ありがとうございます。
 今、四つの派遣団の方々の報告を聞かせていただいて、大変共通の危機感というものが明らかになったと思います。
 水落議員の場合には、三枚目、危機意識を改めて持つことになった、その原因が中国ということですね。そして、中西委員の場合にも、これは四枚目ですか、新興国、特にこれは中国を意識してのことだと思いますけれども、伝統的ドナー国、それと新興ドナー国がどのような形で互いの知識や経験を共有する機会を持つことができるのか、これも中国がかなり意識されていると思います。山谷先生の場合にも、これは後ろから二ページ目、ブータンの場合で中国の浸透ということを問題提起されておりますし、最後に、藤川委員の場合も、三枚目、インフラ整備分野で中国との競合ということが述べられています。
 ですから、ODAに関しては日本が確かに先進国ですが、このところ中国が大変な勢いで中国的なODAということをアジア、アフリカで展開している。当然、日本との場合で競合することもあるんじゃないかと思います。特に、中国は世界最大のダムの輸出国、アフリカだけで百か所以上のダムを建設する計画があると言われています。また、メコン川流域で国際河川をめぐるダム、その水利権をめぐる争い、そういうことに対して、今回、現地に行かれた方々が中国の脅威というものに対して現地の方々とどういう問題意識を共有されてきたのか、それが一点伺いたいこと。
 そして、外務省、JICAに関しましても、これからODAを考えるときに、新興国、特に中国との場合によっては共通の取り組み方、中国と日本が協力して第三国に対するODAということを検討することが可能かどうか、その辺りを含めて、中国を意識した日本のODA戦略、これについて考えをお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
#18
○水落敏栄君 御指摘のとおりでございまして、何といっても日本のODAの協力と違うのは、中国は豊富な資金力を持っているということがまず一点ですね。それから、援助する意思決定がこれはもう迅速であると、この二つがやっぱり日本とは大きく異なることだと思います。したがいまして、現地の方々、各国の施設、例えば病院とかあるいは公的機関、そういうところのビルの建設を中国がやって、いわゆる国民受けするような援助の仕方をしているんですね。
 しかしながら、一方、入札をするにも大変な資金をもって入札をしておりますけれども、一方、技術者、作業員、そういう者は中国から連れていって現地の方々を雇用しない、こうした面もありまして、大変な資金力でもって援助をしている一方、今までの中国のそうしたやり方について疑問を持ち始めているということも現実であります。
 しかしながら、私、本当に感じたのは、トヨタとかホンダとか、そうした自動車は日本製が非常に多いんですけれども、他方、中国製品とか韓国の製品が多くて、その辺が非常にこれから、日本のメーカーの存在感が乏しいわけでありますので、その辺をいかに解決していくかということが大きな課題ではないかと、このように思っています。
#19
○中西祐介君 今ほど浜田委員から御質問をいただきました。まさに今、水落委員からお話があったとおり、まさに中国からの資金力とそして迅速性というものは本当に我が国のODA戦略にとって大変脅威的な側面があろうかというふうに思っております。
 その一方で、私は、日本のODAの質と、あとは人的あるいは広義の知的財産の側面での支援という意味では十分競争力があるし、これからODAの柱になっていかなきゃいけないんじゃないかなというふうな思いがしております。
 具体的な例で申し上げますが、先ほど御説明した例えばガーナのKOKOPlusというふうな製品、これはまさに民間の味の素株式会社さんと官がしっかりと組んで、その中で現地の職員やあるいは医療関係者を巻き込んだ栄養改善のプロジェクトでございまして、こうした質を伴った支援というものは今のところ日本以外では実施をすることができていないという状況であります。
 あるいは、学校支援の学校運営委員会プロジェクトのお話、これはブルキナファソの案件で申し上げましたが、まさにソフトの側面です。学校の箱物、建物を造るという今までありきのODAの形ではなくて、運営自体をどうしていくか、そこに日本独自のノウハウやあるいは組織のつくり方等といった、そうしたサポートの側面も含めたODAというのがいかに有効かということを痛感いたしましたので、これから、日本のODAの額もなかなか大幅に拡大をしていくことが難しいという展望である中で、いかに質を高めていくか、これは大きな側面であろうというふうに考えています。
#20
○山谷えり子君 本当に浜田委員の鋭い御指摘でございますけれども、まずブータンに関しましては、非常に長い国境線を中国と接しておりまして、地政学的に安全保障上の問題を抱えていると言われております。具体的には中国を意識した意見交換というのはしてきませんでしたけれども、ただ、グロス・ナショナル・ハピネスという、GNHというこの考え方を国の基本としていきたいと。つまり、自然が守られてあること、そして人々のチベット仏教を本とするその考え方というものを大事にしながら発展をさせていくんだという国の根本方針の中から、やはり文化、そして宗教、言語、この辺は何をしても守らなければならないという強い意識が感じられました。
 ちなみに、GNH、国民総幸福委員会というのは国王のお住まいになられる王宮の中に設置されておりまして、委員長は首相でありまして、百二十四項目のいろんな項目を二、三年に一度国民調査を掛けまして、その価値がどのぐらい守られているかというのを定点的にチェックをしているという状況でした。
 例えば、教育でいえば、木を植えたかとか、あるいは地元の植物や動物の名前をどのぐらい知っているかとか、子供たちは民話をどのぐらい知っているかとか、この一年間伝統的スポーツをどのぐらいやったかとか、そうした具体的なことを聞きながらやはり国柄というものを何としても守ろうというふうにしている。そしてまた、インドとの電力の関係あるいはお米の輸入等々を通じて、インドと非常に緊密な関係をつくっているということを感じました。
 それから、ミャンマーなんですが、ミャンマーはこれまで中国との関係が深かったわけですけれども、二〇一一年三月の民政移管後、新政権は、隣国で関係の深い中国、インドとの従来からの関係を踏まえながらも、同年九月、中国の投資によるミッソン水力発電所の建設計画を凍結する旨を発表するなど、外交面で欧米、そしてまた日本との関係を深めようとしているという状況にあるというふうに思います。それが、日本も今回、ODA、積極的にということに踏み込んだ一つの大きな理由でもあるというふうに思っています。
 スリランカに関しましてなんですけれども、海上輸送、シーレーンの非常に重要な要所であると。非常に重要なシーレーンを中国はいわゆる真珠の首飾りという形でアフリカの方まで点々と港を造りつつ、いざとなれば中国側にとって利用しやすい軍港にもなるというような真珠の首飾りをつくっていく中で、やはり我が国としては、シーレーンの安全を確保するためにも、港の建設を始めとして、そうした安全保障上の視点からもODAというものを活用していくことが大事ではないかと考えております。
#21
○藤川政人君 それでは、三国について簡単にお伝えができればと思いますが。
 やはり先生おっしゃるとおり、中国の、まあ皆さん、先生方も報告されたとおり、援助の仕方というのは日本と全く、まずもって東ティモールが最初の国で違うということを実感しました。それは何かというと、まず外務省、建物ごと建てちゃうわけですよね。それをプレゼントする。日本人の、日本の援助というのが、やはり食料がなければお米を作る技術を、魚を釣る技術を時間を掛けて丁寧に丁寧に、どうしてもそこから問題があれば、またそれも指導して、みんなでとにかく共存できる、お互いがやっぱり勝ち組になれるような、そういうことを本当に必死にやってみえるということは思いました。
 そして、中国大使館一つ見ても、もうほとんど仕事しているかどうか分からないけれども、日本大使館よりも山盛りの人がいるわけですよ。その建物を見ると、何か日本の大使館かわいそうだなと思いながらも、必死に頑張っている方々の姿を見て、本当に頑張っておみえになるということを思いました。
 やっぱり水、電力、全部足りません。そういう中で、やはり水を供給するシステムをすれば七割が盗水で水抜いていっちゃうわけですよ。それでもまた丁寧に丁寧にそれを補修して各家に水を提供する、電力をやっぱり供給するということを進めておみえになりましたが。
 ただ、中国が物で全て解決する、こういう援助の仕方じゃなくて、今申し上げたように極めて日本人的なやはりこの十年間の積み上げがあったと思って、やはり今までは無償で全てくれくれというこの東ティモールという国が、初めて円借款で借りてでも国道一号線を整備しようという、まさにその一月前に私は行ったものですから、東ティモールがそういう円借款でも何とか私の国のインフラ使いたいと、もらうだけじゃなくて、そういう意識改革もされたのがこの十年間以上にわたる努力だと思います。そういうような丁寧なやり方が東ティモールにおいても必要だなと。
 そして、インドネシアにおいては、やっぱり港ですね、海。それで、タンジュンプリオク港というのはシンジケートは中国がもうほとんど占めちゃっているわけですよ。その中で新たなチラマヤ新港、こちらについては工業団地がやはり日本の資本で本当に多くできていますので、そういうところでまたこれも共存できるように、新しいインフラに対してやはり日本的なやり方でまたいろんな援助が必要かなと、それをつくづく感じました。
 そして、フィリピンは、何をおいてもやっぱり今、山谷先生言われたシーレーンの問題が大きくて、アイソレナ司令官を始め幹部の方々と昼食を共にしたんですけれど、十五人ぐらい、全員日本で海上保安庁で知識をいただいたと。それから、大使館の人とお話ししていたら、説明をしてくれた人のプレゼン能力すごいだろうということを聞かれるんですよ。日本でやはり習得した技術を、フィリピンの沿岸警備隊の方が習得して戻って、そして今の東南アジアの海に接するシーレーンで問題を抱えているというところの人たちがみんなフィリピンに勉強に来るそうです。そうすると、彼はまさに自分が昔から知っていたように、日本から教えてもらった沿岸警備の技術を説明されると。だから、それをもう繰り返し繰り返しやられるから、すばらしいやはりプレゼン能力も彼らは持っていると。アイソレナ司令官が一言言われました。私は日本の、四隻しかまだ艦艇がないんですよ、巡視艇が、そのうちの日本からもらったのに乗っていたから司令官になれたと言われたときはやっぱりうれしかったですよ。
 そういうことを含めて、やはり日本の丁寧な丁寧な今までのお付き合いが、これからも中国との差別化を図る上でも大きいなと思うんですが、最後に一点だけ、弱点は何かというと、あらゆるところに華僑の人たちが政治や経済の中心にもう、浸透していると言っちゃ失礼かもしれませんが、そういう方々が非常に多いから、なかなか純粋に日本人としての付き合いというよりも、やっぱり血が入っているという、そういう弱点なりデメリットというのか、そういうマイナスポイントもあるなということは率直に感じました。
#22
○副大臣(岸信夫君) ありがとうございます。
 今、被援助国における中国のプレゼンスの大きさについてはまさに委員御指摘のとおりだと思いますし、報告者の皆様から御披露がございました。大変大きなものになっておると思います。
 中国、急速な経済台頭に裏打ちされまして豊富な資金がございます。そうしたところで大掛かりな援助を行うということについては、被援助国の特に指導者の皆さんにとっては大変魅力的なものだと思いますし、アフリカの国々においてもこうした中国の支援が実際に経済を活性化させている部分ももちろんございます。
 ただ、一方で、報告者の皆様からも御指摘がありましたけれども、そうした中国の支援の方法に対してのいろいろな懸念も出てきておるわけでございます。まず、その中身が非常に不透明であるということ、それから環境等への影響というものが大変心配される。いわゆるDAC等の国際ルールに基づいた支援が行われていないわけであります。そうした同じ土俵で日本が戦うということ自体でまず非常に不利な部分が出てきてしまいます。そうしたところで、中国に対してはそうしたルールに従った支援の場に乗ってほしいと、こういうことを我が国からは常に申し上げているわけでございます。
 中国と日本の協力に関しましては、国際協力局長からお話をさせていただきます。
#23
○政府参考人(梅田邦夫君) お答えさせていただきます。
 中国と日本の間、私のレベルで経済協力に関するダイアログというのをしております。
 また、四、五年前に、まだ日中関係が良いころでございますが、日本と中国が協力をしてアフリカであるとかメコンであるとかで何らかの共同のプロジェクトをできないかというようなことを模索したときがございました。でも、結局は、やはり余りにも考え方が違うということで結実はしておりません。ただ、現場では、大使館レベルでは情報交換はなるべくするようにしております。
 以上でございます。
#24
○参考人(田中明彦君) どうもありがとうございました。
 実施機関として一つだけ申し上げますが、今、副大臣、国際協力局長おっしゃったように、中国の援助のやり方については様々な見解がございますし、そこで一つやはり問題なのは、副大臣がお話しになったような、実際にどういうことをやっているのか、非常に莫大なことをやっていることはもう間違いないんですけれども、具体的にどういうことなのかというところがいささか不透明なので、私どもとしましては、JICA研究所で中国の援助が具体的にどこでどういうことをやっておるのかということは研究しておるところでございます。
 それからもう一つ、梅田国際協力局長がおっしゃっていただいたように、私ども実施機関としてみますと、情報交換をしたり、どういうことが望ましい国際協力の在り方かということを中国の私どものカウンターパートと話し合う用意は常にございます。ただ、中国は日本のJICAに当たるものはなくて、非常に多くの機関が関係しておるので、これもまた少しダイアログを進める面では工夫が必要かと思っております。
 いずれにしても、政府の方針に従って進めてまいりたいと思います。
#25
○委員長(岸宏一君) 又市君。
#26
○又市征治君 社民党の又市です。
 私は、大きく分けて二つ、第一班の報告に関連をしてということと、第三班の報告に関連をしてお聞きをしたいと思います。
 まず第一班の報告ですが、これはどちらかというと、調査団の方にお聞きするというよりも、政府あるいはJICAの皆さんにお聞きした方がいいと思うんですが、我が国のODAにかかわる人材育成、確保の取組についてですけれども、現地で活動されている日本人の皆さんから手当の減額であるとか帰国後の再就職に対する不安が出されたという御報告がございました。これは、私も以前にタイなりインドネシアをお伺いしましたが、そのときもやっぱり言われておったことなんですね、大分、もう数年も前。
 海外支援に当たって何といってもやっぱり優秀な人材が必要なわけでありまして、民間の人たちが海外で支援活動をする場合、どのような物質的なというか支援を受けているのか、また、現地で貴重な経験をし、ある意味では貴重なスキルを獲得した人たちが帰国後どういうふうに処遇されていくのか、ここら辺のところをどんなふうに改善をされてきたかという観点を含めて、政府側にこれは一つお聞きしておきたいと思います。
 二点目は、新興国のプレゼンスの増大への対応という項目がございますが、アフリカ地域への支援に当たっては、経済成長のみならず、貧困の削減、所得、生活水準の向上など恩恵が広く国民に行き渡るよう、横浜宣言二〇一三等の施策の着実な実施が必要だというふうに報告書でも指摘をなされております。
 今後のこともありますけれども、これまで日本が実施してきたアフリカであるとかアジアへのODA等の支援が具体的にどのように貧困の削減であるとか所得、生活水準の向上に寄与をしてきたかという、そのようなデータなどというのをお示しいただくと分かりやすいわけですが、これは言葉でなかなか言い表せないこともあるかもしれませんが、ここで御説明いただくところがあればいただきたいし、そういう資料を是非後日この委員会にもお出しをいただければと。こんなことが第一班に関係しての質問であります。
 第三班の問題についてお伺いいたしますが、一つは、ブータンは二〇二〇年までに被援助国から卒業する目標を掲げているというふうに報告されておりますね。しかし、現在、歳入の四割強が外国からの贈与に頼るという実態のようでありますから、結構大変な目標だろうと思うんです。ブータン政府はどのようなプロセスを経て被援助国から卒業という目標に到達するというふうに考えているのか、どのようにお聞きになっておいでになったか、これは調査団あるいは政府の側からもお示しいただきたい。また、日本の政府はそのような計画をどのように評価をされているのか、お聞きしておきたいと思うんです。
 第三班の二つ目ですが、ミャンマーも訪問されております。先ほども御報告ございました。御案内のとおり、ミャンマーはアウン・サン・スー・チー下院議員の政界への復帰によって、いわゆる民主化が始まり、全世界の注目を集めております。特に、市場としてミャンマーが多くの国、企業から期待をされているようでもあります。
 しかし、報告のトーンもそうですけれども、日本の関係者も二〇一五年の総選挙の結果を見守りたいという思いが強いんだろうと、こう感じるんですが、総選挙の結果というのは、言うまでもなくスー・チーさんが政権に入るのかどうかという問題に帰着するんではないかと、こう私は思うんですが、率直にお聞きしますけれども、彼女が政権に入ることによって報告に記載されている現在のミャンマーが抱える問題が、政策のマスタープランがないとか、縦割り行政、責任感に欠けるとか、人材不足等々というのが大きく改善をするというふうにお感じになっておいでになったかどうか。これもまた調査団と政府側はどのように思っておられるか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#27
○委員長(岸宏一君) じゃ、簡潔に御答弁を。
#28
○政府参考人(梅田邦夫君) まず、青年海外協力隊でございますが、従来、青年海外協力隊は海外に行っている間に積立金等を支給するシステムがございました。ただ、彼らのその積立金等の額につきましては、ODA予算が非常に厳しいというようなこと、それからまた事業仕分の中で様々な御指摘をいただいたということで国内手当を改定いたしまして、例えば、青年海外協力隊においては一五%から三五%の支給額の減、それからシニア海外ボランティアにおいては約四五%の減というものが発生をしております。
 それから、帰国隊員の進路についてでございますが、これはやはり我々、良い人材に行っていただくという観点からも非常に重視をしておりますが、これは、JICAと外務省が協力しまして、帰国時の就職、進学の相談であるとか、それから帰国隊員と企業をつなぐマッチングサイトをつくったり、それから実際に帰国された隊員の、外務省で外務大臣表彰をお渡しさせていただいていますけれども、感謝状でございますね、そのときに企業の方に来ていただいて話を聞いていただくとか、それから大学院に行かれる方もおられます。そういう方については大学の入学の優遇措置を講じていただくだとか、あと、地方自治体への採用もお願いをしたりしておりますし、それから最後になりますが、ハローワークにつきましても帰国隊員の特別の窓口を設けていただいたりということで、もうできるだけの支援をやらせていただいていますが、引き続きこの点は強力にJICAと協力をしながら実施していきたいと考えております。
#29
○委員長(岸宏一君) 簡潔に御答弁をお願いします。
#30
○参考人(田中明彦君) 今の人材育成でございますけれども、協力隊については局長からのお話のとおりでございますけれども、JICAとしましては、この人材、日本の国際協力に貢献していただく人材というのは民間企業にもいるし、地方自治体にもいるし、それからNGOにもいるし、大学にもいると。こういう様々な日本全体に存在する人材にJICA専門家として御参加いただいているということによって、先ほど来おっしゃっていただいているものが実現しております。
 ですから、JICAとしましても、日本国内の企業も大企業から中小企業まで、そしてNGO、それから大学、地方自治体、こういうところと連携を取りながら、日本が提供する人材の質を維持し向上させていきたいと思っております。
 それから、貧困削減にどのぐらい効果があったかということでございますが、これはなかなか難しいのは先生御案内のとおりですけれども、二〇〇〇年にできましたミレニアム・ディベロップメント・ゴールズというのがございまして、そのうちの一つが貧困削減で、一九九〇年から二〇一五年の間に一日当たり一・二五ドル以下で生活している人の数を半分にしようというのが国際社会の目標でありますが、この目標に関しては、世界全体でいうと二〇一〇年に達成されております。そして、その中で最も達成率の高いのが東アジアでございます。残念ながら、サブサハラのアフリカはなかなかそこまで行っておりません。ですが、東アジアにおいてこの貧困削減が劇的に実現したというのは、私は日本の国際協力も貢献しているところだと認識しております。
#31
○政府参考人(梅田邦夫君) 度々申し訳ございません。
 日本の援助の効果につきまして、TICADXのときに、今TICADXに入っておりますが、TICADWの援助で様々な指標は改善しておりますので、それはまた追って提出をさせていただきたいと思います。
 それから、ブータンでございますが、二〇二〇年の目標、これはブータンの非常に限定された非常に厳しい環境を考えますと、これは容易ではないと思います。ただ、彼らもそのことを分かった上で、やはり国内を励ます意味でも掲げておられる目標だと思いますが、我々は産業基盤、農業基盤をつくる協力をできるだけやらせていただきたいなと思っております。
 それから、ミャンマーにつきまして、山谷先生の御報告にもございましたけれども、スー・チーさんが本当に選挙に出られるのかどうかというところは、憲法改正があります。二つございます。一つは、親族に外国籍のいる人がなれないということ。それから、先ほど山谷先生から指摘がありました、四分の一の軍人がおられるというのは、それは非常に大きな、そこは今憲法改正の動きが進んでおりますが、どうなるのかは見通せないというところが正直だと思います。
 それから、もう一点、山谷先生の指摘であった人材不足であるとかそういうところは、スー・チーさんが大統領になられようがなられまいが同様の問題は続くと思います。ただ、我々は援助を円滑に進める意味で、今、JICAの御協力を得て三十人の日本の専門家を各省に送り込んでおります。様々な事業が円滑にできるように努めております。
 以上でございます。
#32
○山谷えり子君 短く申します。
 人口七十万人のブータンで、九五%の世帯が農業であります。ですから、農業の生産率を高くしていくことと、それから一村一品運動に非常に興味を持っておりまして、知恵を欲しいというようなことを言っておりました。また、二〇一一年に国王陛下が来日なさってから観光客が日本から四千人が七千人に増えたというようなことで、観光立国ということも考えているようであります。
 しかしながら、第十一次中期社会経済開発五か年計画を作ったり、その開発要求が民主化とともに上がってきているというのもまた確かでありまして、何とか二〇二〇年までに援助に慣れ過ぎないようにきちんと自立する国でありたいというその強い信念を感じましたけれども、なかなか難しいというふうにもまた同時に感じました。
 また、電力供給量の向上ということで、七つほど電力供給できる発電所を造っていきたいというようなことでございました。
#33
○委員長(岸宏一君) 次は、谷合正明君。
#34
○谷合正明君 公明党の谷合です。
 この度、各調査団の派遣メンバーの皆様、また今日報告していただきました皆様、大変お疲れさまでありました。
 私も、この委員会が平成十六年から設置されたときにメンバーにさせていただいていまして、委員会から離れたこともありますけれども、こういう長く続いているということでございまして、改めてこの特別委員会の重要性というのを感じております。
 今日は、各班の報告の中から、保健や、また防災とか貧困削減といったキーワードが出されてまいりました。私、ちょっと質問というか要望になるとは思うんですけれども、個別のところじゃなくて全体像として、日本のODAのやはり柱として人間の安全保障をしっかり強化すべきじゃないかということを今日は岸外務副大臣に訴えさせていただきたいと思っております。
 特に、国際保健と防災ということは、日本が経験また知見を有している分野でございます。発展途上国も今、いわゆる発展途上国の発展に伴いまして、従来のMDGsのゴールには入っていないような分野の課題というのも結構出てきているかと思っております。保健分野でも、例えば糖尿病とかそういった課題も、今日的な現代的な課題も増えてまいっております。むしろそういった疾病の方が多いというような国も増えてきております。さらに、冒頭フィリピンの話もございましたけれども、改めて、防災という観点もこれからの新しいMDGsには加えていかなければならないとも思っております。
 今後、二〇一五年で仙台で国連の防災会議ですか、またMDGsの達成期限も参りますし、また二〇一五年の十月には安保理の非常任理事国の選挙もございます。そして、二〇一六年には日本でのG8サミットの開催もありまして、それぞれの日本のやはりリーダーシップというのが求められていると思うんですが、多くの国が戦略的に予算を拡充している中で、やはり我が国の予算、ODA予算がなかなか伸び悩んでいると。
 しかしながら、安倍総理が国連総会でしっかり特に人間の安全保障について言及されているわけでありまして、この人間の安全保障の分野についてはしっかりと私は予算立てしなきゃならないと思っておりますが、しかしながら、円のレートの問題もあって、なかなかこの分野、予算がしっかり付いているとは言い難いのかなと。まだまだ不十分なところもありますし、国際機関や、あるいは世界基金といった基金に対しての拠出も不十分なものがあります。ですから、補正予算のみならず、いわゆる当初予算に対してもしっかりこの分野で政府として取り組んでいただくということがこのODA特別委員会にも資することだと思いますので、外務副大臣、端的に強い決意を聞かせていただきたいと思っております。
#35
○副大臣(岸信夫君) 谷合委員、大変ありがとうございます。委員御指摘のとおりでございます。
 人間の安全保障につきましては、国連でも我が国が提唱して以来、大変評価をされておりますし、また期待も高まっていることと思います。また、安倍総理の国連の演説におきましても、例えば女性の活用あるいはユニバーサル・ヘルス・カバレッジの問題、こうしたことに対しても非常に我々が、日本がこれから国際社会のために貢献できる分野というものも更に広がってきているんだと、こういうふうに思っておるわけでございます。
 予算につきましては、確かにODA、大変厳しい状況に今ずっと年々来ておるわけでございますけれども、是非先生方の御支援もいただきまして頑張ってまいりたいと思っております。
#36
○委員長(岸宏一君) 斎藤嘉隆君。
#37
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤です。
 せっかくの機会なので、一点だけお伺いをしたいと思います。
 私も山谷先生と一緒にブータン、ミャンマー、スリランカと今回視察に行ってまいりました。大変勉強になりましたし、それぞれの地域で青年海外協力隊の皆さんとか、それからJICAの専門家の皆さんとか大変御活躍で、特に女性がかなり御活躍だなというのを感じたところであります。
 今日ちょっと御質問をさせていただきたいのは、これはJICAの皆さんあるいは外務省の方にお伺いをしたいんですけれども、第二班の、今、中西先生の御報告の中でブルキナファソの農業の課題についていろいろるる述べられていて、この中でゴマの栽培について言及があったんですけれども、これ、先日何かを読んでおりましたら、例えばこのゴマという農産物一つ取っても、中国がもう既に今、かつては輸出国であったのが輸入国になって、中華料理などでもよく使うものですから大変需給が逼迫をしていると。そんな折、日本は当然輸入国なんですけれども、非常に高い品質を求めるということもあって国際市場の中で大変高い金額で輸入をしているというような報道だったか記事を読んだ記憶があるんです。
 そんな中、この国においてこのゴマというものに着目をして、特定のこういう農産物の栽培を積極的に進めているということだと思いますけれども、これは国際戦略上というか、あるいは我が国の国益にどうかなうかという点、それから現地での生産力をどう高めるかという点も含めて、このような今国際的に非常に付加価値の高いこういう農産物について、JICAなりで特定の生産プロジェクトというものがどういった国でどういったものがあるのかと、もし事例があれば是非お知らせをいただきたいと思います。
 私は、そういった意味でのある種一定の戦略的な取組というのもこれから必要になってくるのではないかな、特にこのODAの支援に関してはですね、そのように強く思うんですけれども、是非そんな方向で御検討いただきたいと思いますし、もう既に検討を進めていらっしゃるようなものがあれば、是非お知らせをいただきたいと思います。
#38
○参考人(田中明彦君) 農業支援はJICAがこれまでも伝統的に非常に一生懸命やってきたところでございます。それで、個別の生産物ということ、その国と日本ということのみならず、世界的な需給を安定化させるということが非常に重要だと思います。
 これは我が国の援助史上でいえば非常に有名な例でありますけれども、一九七四年の大豆危機をきっかけに日本とブラジルでセラードにおいて農業開発を技術協力として行って、それまでブラジルというのは大豆の輸出というのはほとんど行っていなかったわけですけれども、この日本とブラジルとの協力によってセラードが一大大豆生産地となって、今大豆生産というのは北米とブラジルが世界の二大供給地になっておるということでありますから、今までも日本の国際協力の中で、世界の食料安全保障にとって重要な産物の供給安定化ということはやってきたことでございます。
 現在、ブルキナファソ自体はもちろんゴマの生産、非常に有力でございますので、私どもとしても是非今後更に支援してまいりますけれども、それ以外のアフリカでは、TICADの、四回目のTICADですね、二〇〇八年にCARDという、コアリション・フォー・アフリカン・ライス・ディベロップメントというプロジェクトを始めまして、アフリカにおけるお米の生産を二〇〇八年から二〇一六年で倍増させるという計画を今やっておるところでございます。これは、ウガンダで御視察いただいたものもその一環ということであります。
 また、これ以外のものも資料を提供させていただければと思っております。
#39
○中西祐介君 斎藤委員からブルキナファソの案件で御質問をいただきましたが、今御説明のあったように、農業支援の直接的な農業に対する支援と同時に、技術的な支援と同時に、やはり現地に行きますと、広大な土地が、もう見渡す限り平地があってすばらしい土地なんですが、やはり私は、これから日本が支援をしていかなきゃいけないのは、かんがいの部分とか、あるいは土地改良のところであるとか、さらには、部族間で土地を持っていたりいまだにするものですから、途上国のその土地取引の在り方についてもこれから日本が応援をしていくべき分野じゃなかろうかなというふうな所感を持ったところであります。
#40
○委員長(岸宏一君) 次は、西村まさみさん。
#41
○西村まさみ君 民主党の西村まさみでございます。
 私からは、一つ質問と、そして一つの確認をさせていただきたいと思います。
 第二班のガーナの保健分野についてお尋ねしたいんですが、ここで離乳期の栄養強化食品事業というものをやっているという御報告をいただきました。これによって、私の記憶するところが間違いでなければ、ガーナは新生児の死亡率も乳幼児の死亡率も非常に高い地域の一つであると認識しています。この栄養改善によってどれだけの子供たちの死亡率、乳幼児死亡率、新生児死亡率が変わったか、もしお分かりでしたらお知らせいただきたいと思いますし、もう大変細かい数字ですから、お分かりでなければ後ほど教えていただければと思います。
 それと同時に、普及率、これ、その前の薬用の植物研究プロジェクトの方は三年目ということでありますが、こちらの方はどの程度の期間を経て、普及率はどの程度なのか。また、低所得者に対しては価格の問題があるという、価格というのは一体どの程度のことをお示しになっていらっしゃるのか、是非教えていただきたいのが一点。
 もう一つは、JICAの方にお尋ねするべきなのかもしれませんが、私は第四班でフィリピンに行ってまいりました。あのとき、JICAの皆様、そして海外協力隊の本当に若い皆さんがフィリピン国のために大きな力を、夢を持って子供たちに対していろいろなことをやっている姿を今でも思い出します。その青年協力隊の皆さんの今回のフィリピンでの様々な被害においての安否の確認というものはできているのかいないのかを教えていただけたらと思います。
 よろしくお願いします。
#42
○中西祐介君 御質問ありがとうございます。
 ガーナの栄養改善プロジェクトについてでございますが、ちょっと詳細なデータについては持ち合わせていないので別途報告をさせていただきたいと思います。
 その上で、このKOKOPlusという例えばネーミングを一つ取っても、いかに普及させるかということが、物すごく難しい壁がたくさんあるということを聞いてまいりました。KOKOというのは現地でのおかゆのような、コーンをすり潰したようなものなんですけれども、こういうものにプラスすると、実際、子供たちの体調が良くなる、あるいは脳の働きが良くなる、体の発育が変わってくるということをまず認知してもらうと。その上で、十一円なんだけれども買っていただいて、それを今度普及につなげていくという、大変もうゼロからのスタートですのでこれからいろんな展開があると思っておりますが、実際、三か月、これをモデルとして食べていただいたお子様方は全然体の発育が変わってきたと。学校にもちゃんと行って授業を受けられる、あるいは風邪を引かなくなったとか熱を出さなくなった。
 もうそういうのが実際出てきているということでございますので、いかに、資金的なバックアップよりも現地に根付く形で商品が流通することができるか、あるいは、この事業自体が資金回収に至るまでビジネスモデルとして確立するようにこれから長い期間を掛けながら応援するかというのが重要なポイントであろうというふうに思っております。
#43
○参考人(田中明彦君) 今先生からお話あったように、KOKOPlusについては、今後普及していく過程で効果が出ていくものだというふうに思っております。
 最近、国際協力の世界で非常に重要視されているのが、妊娠後千日間の栄養をちゃんとしたものを取るということが、その後の人々の発達、それからその後の教育、それから収入、そういうものにかけてもその最初の千日間というのが今非常に重視されておるところでございまして、ですから、このようなプロジェクトを進めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、薬用植物は、これは科学研究のSATREPSの一環でございまして、今特許を出すところまでですので、なかなかそこから実装というところまではまだもう少し時間が掛かるものだと思っております。
 それから、フィリピンにおける青年海外協力隊でございますが、レイテ島に五名おりましたけれども、全員安全が確認されております。
#44
○政府参考人(梅田邦夫君) ガーナの数字を少し御紹介させていただきますと、一九九〇年と比較しまして、最新年、二〇一一年でございますが、乳児死亡者数は千件当たりで七十六から五十二になっております。それから、五歳未満の乳児の死亡率は百二十一から七十七になっております。それから、妊産婦の方の死亡率は出生十万件当たり五百八十から三百五十になっております。
 以上でございます。
#45
○西村まさみ君 ありがとうございました。
#46
○委員長(岸宏一君) 石橋通宏君。
#47
○石橋通宏君 民主党の石橋通宏でございます。
 報告をいただいた皆さん、ありがとうございました。大変意義のある報告をいただいたと。この報告をいただいた様々な中身について、これからまた本委員会でしっかりと議論し、前に進めていきたいと思っておりますが。
 いろいろと本当はお聞きしたいんですけれども、お時間の関係もあるし、まだほかに御質問される向きもあるでしょうから、最初に一つミャンマーの案件に絞ってお伺いをさせていただいて、もし後ほど時間があればまたもう一回機会をいただければと思いますけれども。
 第三班、山谷団長から大変示唆に富む報告をいただいたと。とりわけ、先ほど又市先生からもお話がありましたけれども、特に大型案件、投資の是非は総選挙の結果を見極めてからというようなことも書かれております。
 そこで、これは副大臣に、そして外務省にお伺いしたいのは、一つは、現在、御存じのとおりミャンマーでは内戦が続いております。とりわけ、カチン州では現在まだ停戦合意がなされていませんので、現在もなお政府軍とKIO、KIAとの間で内戦が続いております。ホットな内戦が続いております。現在、現地では内戦の停戦に向けた努力が行われているわけでありますけれども、この点について、日本政府としてどのような役割、一刻も早くカチン州内戦を停戦に持っていき、そしてきちんとした和平の交渉が進むように、これ日本政府としてまさにODA復活をさせて様々な案件を今努力をいただいているわけですが、これを進めていくためにもまずはこの内戦、停戦に向けた努力が必要だと思いますが、この点について日本政府としてどのようないかなる努力をしていただいているのか、またこれからする予定であるのか。現地からは日本の役割にすごい期待があります。是非、この点について政府から、岸副大臣からお答えをいただきたいというふうに思います。
 もう一つは、これに関連しますが、カチンだけでなく、ほかの少数民族との停戦合意は一応の停戦合意はできているわけですが、和平交渉に向けた、ちゃんとした和平交渉は一向に進展していないと。このような状況の中で、カチンの先ほど申し上げた展開もあるので、ほかの少数民族も、カチンの展開いかんではこれは停戦協定を破棄するぐらいの勢いを言っているところもあります。ですから、少数民族全体で和平交渉の進展、これも日本の役割をしっかりと果たしていくべきだと思いますが、この点についても日本の取組、是非お考えをお聞かせください。
 最後に、少数民族地域に対する支援ということで、これは今外務省としてもJICAの方でも少数民族地域に対する支援も御検討をいただいていると、既に始まっている案件もあるやに聞いておりますけれども、一番のポイントは、国内避難民、IDPの皆さんに対するキャンプに、それぞれの少数民族地域で大勢の方々が避難民キャンプで生活をされて、さらには国境を越えてタイ若しくは中国で難民キャンプで何十万人もの方々が生活をされているという状況に対して、この大変厳しい状況にある方々に対する支援をこれはやっぱり日本政府としても積極的に、ODAの、先ほど第三班で触れて、大型案件どうのこうのより、まさに真っ先にこの人道的支援を展開をしていく、より強力に進めていくべきではないかというふうに思うわけですが。
 一点、その点で、少数民族地域の皆さんは、政府経由で、ピースセンター経由で来る案件というのは私たちは要らないんだと、是非日本には直接少数民族に対して支援をしていただきたいという、これまた強い要望があります。つまり、政府経由で行くと色が付いちゃうわけです。皆さん、今まさに和平交渉のテーブルにすら着いていないその中で政府経由で支援が来ても、結局、せっかくの日本からの支援なのに政府からの支援じゃないか、これはいただけないというのが少数民族の皆さんの生の声です。
 この点について、直接日本政府として、いろんな形があると思いますが、支援を実施をしていくその予定、計画なりお考えがあるかどうか、これは梅田局長でも田中理事長でも結構ですから、是非お聞かせください。
#48
○委員長(岸宏一君) 誰からお答えになりますか。副大臣から最初にやりますか。
#49
○副大臣(岸信夫君) 御質問ありがとうございます。
 我が国として、ミャンマーにおける改革の進展、これはまさに国民の和解が不可欠であると、こういう認識でおります。少数民族の地域の住民が停戦、和平や改革の具体的な果実を実感できるようにすることで政府と少数民族勢力との間で行われる和平に向けた努力を後押しすべく、少数民族地域の支援を積極的に実施をしておるところでございます。具体的には、中央政府や国際機関を通じた支援のほかに、NGO連携無償や草の根・人間の安全保障無償を通じて我が国や現地のNGOによる直接的な支援を実施しているところでございます。
#50
○政府参考人(梅田邦夫君) カチンも含めて補足説明をさせていただきます。
 今、副大臣が説明されました支援は、それは実際にしております。ただ、少数民族地域といったときに、政府軍が、政府が統治をしている地域と、それからいわゆる武装勢力と言われる地域がございます、武装勢力が統治している地域。恐らく石橋先生は武装勢力地域のことを言われていると思いますが、そこにつきましても停戦が合意した暁には直接的な支援ができないかということを今検討中でございます。
 それから、カチンでございますが、カチンについては、まさしく状況は石橋先生が言われたとおりですが、今、カチンも最終的にはいわゆる少数民族が一体となって政府と交渉するという枠組みの中に入りました、この十一月に。今後、恐らく今月から来月にかけて政府と少数民族との停戦に向けての協議が改めて行われると思いますので、そこの後押しを日本政府としてもやらせていただきたいと思います。特に、日本財団の会長、笹川陽平さんに少数民族問題に対する政府代表になっていただいていますので、笹川さんを中心に後押しをやらせていただきたいと思っております。
 以上です。
#51
○参考人(田中明彦君) 今、政府の方針は局長からのお話で、実施機関としてみますと、やはりこういう問題、大変難しい問題でございます。政府支配地域で何をするか、それから、停戦合意ができたときに、反政府、少数民族側で何をするか。これは、例えばJICAがずっと長くやっておりましたフィリピンのミンダナオでもその両地域に対してある程度の目配りをしながらやらなきゃいけないということで、慎重にやらなきゃいけないと思っております。
 この春に合意しました円借款のプロジェクトの貧困削減地方開発プロジェクトは、もうそろそろ実際の動きが始まるわけですけれども、これミャンマー全域で行いますが、これにおいてもできる限り和平というものを促進するような形で実施してまいりたいと思っております。
 それから、技術協力のプロジェクトで、少数民族のための南東部地域総合開発計画プロジェクトというのが今実施に動いておりまして、これは主にカレン族との関係でございますけれども、こういうものも、少数民族側の意向、またこれ、もちろん先ほど先生がおっしゃっていただいたような国内避難民、それから外に出ている人の帰還というようなことありますので、こういうものを注意深く実施してまいりたいと思っております。
#52
○委員長(岸宏一君) 派遣の皆さんからは特にありませんか。
#53
○山谷えり子君 ミャンマー少数民族、百三十五はございまして、実は派遣のときに、ラカイン民族、シャン民族、カチン、そしてチン民族、カレン、それからモン、アラカン州、意見交換を実はしてまいりました。それぞれの地域の特性、貧困の状況をいろいろ伺ってまいりました。
 今、石橋議員がおっしゃられるように、確かに、中央政府を通じての配分ではその援助国の名前が伝えられていないとか、州に直接ODAが渡るようにできないかとか、いろいろな意見もあったことも事実でございます。
 国としては、日本政府としては日本政府の立場があるというふうに考えておりますけれども、非常にやはり難しい。今、政府と停戦合意をした組織が十四、まだ合意していない組織が十六あるということで、非常にその辺をしっかりと見ながら適切なODAの貢献ということを考えていかなければならないと思っています。
#54
○石橋通宏君 済みません、ちょっと直接お答えをいただいていないので、簡潔にもう一回副大臣にお伺いしたいんです。
 カチン州の停戦、梅田局長から今後の展開、若干進展あると。もう一回、日本としてどのような主体的役割を果たすんですか。後押しなどというような言葉もありましたけど、今の段階で、私が理解するところ、カチン州の和平交渉、停戦に向けた交渉には一切日本のプレゼンスはありません。これ、かかわっていくのであれば、いかようにかかわっていく御予定なのか、そこを是非聞かせてください。日本に対する期待は物すごく現地にはあります、仲介者として交渉を是非日本もかかわってほしいと。それに対する日本の考え方を是非聞かせてください。
#55
○副大臣(岸信夫君) 委員おっしゃるとおり、現地の方からは日本に対して期待が高まっているということは事実だと思います。ただ一方で、そういった地域での停戦、和平を実現するためには、国際社会全体、ミャンマーを支えている周辺の諸国も含めてある意味では合意形成がなされないといけないと思うんですが、その部分がまだ十分に熟してきていないのではないかと、こういうような分析も一方であるわけでございます。
 いずれにいたしましても、我が国として、ミャンマーは大変重要な国でありますし、先ほど申しましたように、これから支援を進めていくに当たりまして、この和平、国民和解という大変重要な前提でありますので、その点につきましては我々も十分注意をしながら進めていきたいと、こういうふうに思っています。
#56
○委員長(岸宏一君) 中西健治君。
#57
○中西健治君 調査団の皆さん、お疲れさまでございます。
 私の方から手短に政府にお伺いしたいと思います。
 第四班のフィリピンの調査団の方々も、フィリピン側のニーズの把握に努めていたことが良かったということをおっしゃっておられましたけれども、被援助国のニーズを的確につかむ、しっかりとマッチングするということが大変重要だということだと思いますけれども、国の発展段階によっては、まあ初めのうちは何でも必要だというような状況かもしれませんが、勝負どころになったときには特にこれが必要なんだと、こんなようなことがあり得るんじゃないかと思いますけれども、国別援助方針を策定するに当たってそうしたニーズのマッチングをどのように精度を高めていくのかということについて、政府が今取り組んでいること、そしてこれから変えていくべきことがあるのかどうか、それについてお伺いしたいと思います。
#58
○政府参考人(梅田邦夫君) お答えさせていただきます。
 国別方針の作成に当たりましては、我々、案を作った段階でフィリピン政府とも調整をいたします。したがって、我々の基本的な方針はフィリピン政府の考えもきっちり反映したものになろうと思います。特に、今フィリピンが必要としていますのは都市の交通の整備だと考えております。インフラがやはりボトルネックになって成長の妨げになりつつあるというふうに理解をしております。
 以上でございます。
#59
○委員長(岸宏一君) 大沼みずほさん。
#60
○大沼みずほ君 委員の皆様、御報告ありがとうございました。
 一点だけ、政府に若しくはJICAの方に御質問をいたしたいと思います。
 各地域でやはりこれから日本の企業がグローバリゼーションの中で活躍する際に、行政機関の対応、窓口対応のばらつき等、いろいろな機関が動かないことによって活動ができないというようなところがあると思います。日本の例えば税関システム等がベトナムやミャンマー等にもこれから入ってくるというような話も聞いておりますが、こういう行政機関、またサービス、さらに、そうした窓口対応などの人材育成等のそういうソフト面についてODAの中ではどのようにとらえているのかということを一点お聞かせいただければと思います。
 ありがとうございます。
#61
○参考人(田中明彦君) 日本企業が開発途上国に行って活動するときに、今回の御報告でもあったように、行政機関の対応等は非常に問題だと思われます。
 これまでも行っておりますけれども、基本的にはこれは先方政府の対応を良くしていただくということで、具体的にどういうことを行っておるかといいますと、先方政府の行政機関に日本から技術協力という形で専門家に入っていただいて、それで先方の対応が国際的なものになるように内側から働きかけるということ、それから、そういうことによってその国々のJICA事務所とか大使館との先方政府との間の行政機関とのコミュニケーションも良くなるということでございます。
 それから、もうちょっと大規模になりますと、大沼先生おっしゃっていただいたように、関税システム、そういうものを全体としてその国のものを整備するという形で協力をする、それから法整備を支援するという、そういうような形の様々な技術協力を組み合わせて行っておるところでございます。
#62
○委員長(岸宏一君) 辰已孝太郎君。
#63
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎でございます。
 派遣団の皆さん、本当にお疲れさまでございました。また、関係者、JICAの皆さんもお疲れさまでございました。
 まず初めに、私は第二班のフランスに行かれた派遣団若しくはJICAの方に質問したいんですが、この報告書で、フランスがいわゆる援助対象を最貧国十六か国とすると、これを優先とするという報告がされておりますけれども、これをどういうふうに、十六か国というと少ないように思うんですが、JICAや政府としてはどのように見ておられるのかということが一点。
 それと、今いろいろ経済援助ということがありましたけれども、私は、ODAの基本といいますか、やはり慢性的な飢餓人口でいえば十億人、五歳未満で亡くなる子供の数というのは八百八十万人ということで、飢餓や貧困をなくしていくということが主眼に置かれるべきだというふうに思っておりまして、経済インフラ援助の偏重から食料や保健、教育などにやはり重点を置いていくべきだというふうに思っております。
 とりわけ、やはり貧困の大本には教育の不足というのが一つとしてあると思います。これは第一班への質問なんですが、その教育に関して、第一班でウガンダとエチオピアに関する教育支援がちょっと報告では余りなかったので、もちろんやっているとは思うんですけれども、それがどのようなものになっているのかということを詳しく分かれば教えていただければと思います。
 以上です。
#64
○参考人(田中明彦君) フランスが最貧国十六か国を重視するということに関しては、その本当の理由が何かというのは私どもまだ把握しておりません。ただ、一般的に言いますと、フランスにとって非常に重要なフランス語圏の国々の中には相当貧しい国も多くありますから、こういうところを重視していくというのは、フランスという国から考えてそれなりの合理性があろうかと思っております。
 先生おっしゃるように、貧困削減にとって教育、それから保健の面、そういうことを重視していくのは当然だと思っております。ただ、先ほど私申し上げましたように、MDGの絶対貧困層削減に最も著しい効果を出したのがアジア太平洋でございます。その際、やはり非常に今国際社会でも認識が進んできていると思うのですが、直接的な貧困削減のみならず、やはりインフラを整備するということ自体、それによって経済成長を達成し、それによって貧困を削減する効果というものが今大変評価されてきているところだと思っております。遠隔地における農村で非常に貧しいところの人たちにとって、もちろん食料がないというのは問題ですけれども、そこに行き着く道路がちゃんとしていないということが、そもそもその貧困状態、食料が届くことを妨げていたり、それから、病気になったときに病院までたどり着くための交通手段がないということがその状態を更に悪化させているということもございますので、私どもとしましては、インフラに対する支援というのも非常に重要だと思っておるところでございます。
 それから、最貧国以外のいわゆる中所得国においても貧困層はまだまだ問題がございます。ですから、中所得国における格差の改善ということも、やはり日本のような世界的に国際協力を行っている国にとっては依然として非常に重要な課題だというふうに認識しております。
#65
○委員長(岸宏一君) じゃ、派遣の方から、代表して水落敏栄君。
#66
○水落敏栄君 ウガンダという話が出ましたので、第一班、エチオピア、ウガンダ、ケニアに参りましたけれども、そうした中で、青年海外協力隊の皆さん、教育の面とか保健衛生の面とかで非常に活躍をして現地の方々に感謝されておることはもう御承知のとおりであります。
 そうした中で、ウガンダで一つだけ教育の面でちょっと実例がありますのでお話をしたいと思いますけれども、サブサハラ・アフリカ地域では約二千三百万人がHIV、エイズに感染をしておりまして、ウガンダでは総人口の一〇%に当たる百九十万人の子供が親を亡くしているんですね。したがいまして、親がいないものですから、学校にも行けない、中退して働く、こうした状況が生まれております。
 そうした中で、日本のNGOであります、あしながウガンダというNGOがございまして、エイズで親を亡くした孤児のために心の支援とか教育を行うために、これは二〇〇三年に活動拠点をここに、ウガンダに設立をして、エイズ孤児の方々のための施設を造り、これは施設を造ったのは草の根・人間の安全保障無償資金協力事業としてJICAがやったものですけれども、その施設を造ってそこで親を亡くした子供たちの教育を行っている、子供たちのですね。
 また、これは小学校低学年を対象にした孤児の教育なんですけれども、高等教育も重視しておりまして、日本の大学にもそのNGOのあしながウガンダの方々が、日本の早稲田等に留学をして、その費用も出しているという現状がございますので、御報告しておきたいと思います。
#67
○中西祐介君 フランスの優先国、十六か国に絞り込んだ話についてですが、先ほどの報告の中で、これからオーランド政権の動向について注視をしなきゃならないというふうなことを申し上げました。先ほど申し上げたように、今ODAに対するどういう政策を持つかということを、四年ぶりに今年その方針を決定する会合が開かれたということでありまして、今、オーランド政権、社会民主主義になってから税収が物すごく落ち込んでおります。さらには、経済的な不安定要素がある中で外に対する、吐けるお金が十分じゃないという内国的な事情があるというのが一番のテーマでありまして、まずフランス語圏、宗主国にかかわる国々に支援はしたいんだが十分そこに割ける金がないというところが大きなテーマでありますので、国全体の方針としてこれから注視をする必要があると思っております。
#68
○委員長(岸宏一君) それでは、予定の時間が近づいておりますので、これをもちまして意見交換を終了いたします。
 本日は限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から貴重な御意見をいただくとともに、本委員会として大変有意義な意見交換を行っていただき、誠にありがとうございました。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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