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2013/11/07 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 国土交通委員会 第3号
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2013/11/07 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 国土交通委員会 第3号

#1
第185回国会 国土交通委員会 第3号
平成二十五年十一月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     森屋  宏君     井原  巧君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤本 祐司君
    理 事
                赤池 誠章君
                渡辺 猛之君
                田城  郁君
                広田  一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                青木 一彦君
                井原  巧君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                田中 直紀君
                野田 国義君
                前田 武志君
                山口那津男君
                藤巻 幸夫君
                和田 政宗君
                辰已孝太郎君
                室井 邦彦君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       国土交通副大臣  高木  毅君
       国土交通副大臣  野上浩太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       土井  亨君
       国土交通大臣政
       務官       中原 八一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       警察庁警備局長  高橋 清孝君
       法務省人権擁護
       局長       萩原 秀紀君
       国土交通省鉄道
       局長       瀧口 敬二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (鉄道運行の安全に関する件)
○海賊多発海域における日本船舶の警備に関する
 特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、森屋宏君が委員を辞任され、その補欠として井原巧君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤本祐司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁警備局長高橋清孝君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤本祐司君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、鉄道運行の安全に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○江島潔君 おはようございます。山口県選出の江島潔でございます。
 先般、太田大臣の御答弁、拝聴させていただきながら、大変に私も東京オリンピックのことを懐かしく思っておりました。太田大臣が当時大学一年生でいらっしゃったということで、大変印象に残るオリンピックだったということでございましたが、ちょうどそのときは私は小学校の一年でございまして、まさに自分のイベントとしての記憶がちょうど始まる年でございました。父親に連れられて、下関の出身の花原勉選手がレスリングでオリンピックの金メダルを取ったんですけれども、代々木体育館に見に行ったことなんかも、非常に自分の最初の記憶として残っているわけでありますけれども。
 もう一つ、この一九六四年というのは、このオリンピックに勝るとも劣らない強烈な思い出としてありますのが、十月一日にありました東海道新幹線の開通でございます。これは当時、時速二百十キロで世界最速の鉄道ということで、まさに当時の子供たちの全ての夢を託したものだったと、私自身、子供時代覚えているわけであります。私自身、実は国鉄職員の息子でありまして、生まれも育ちも国鉄アパートなんですけれども、決して、だからということではなくて、これはもう全ての子供たちにとっての夢が新幹線だったというふうに今でも記憶しているわけであります。
 その後、この国鉄も、一九八七年の分割・民営化を経まして今日の民間企業になっているわけでありますけれども、今日においても、リニア新幹線の建設とか、あるいは再来年に迫った北陸新幹線の開業とか、たくさん各社すばらしい夢を地域に与えているわけであります。九州でも今、ななつ星とか、あるいはJR九州新幹線の開通も大変にいいニュースとして地元には迎えられているわけでありますが、残念ながらこのJR北海道だけは相次ぐ事故やトラブル等でマイナスイメージ、これはひいては日本の鉄道事業の信頼が揺らぐような、そういうようなニュースであることは本当に私も残念でなりません。
 そこでまず、私は政府にお伺いをしたいと思いますんですが、まずこの一九八七年の国鉄の分割・民営化というものは現時点でどういうふうに評価をしていらっしゃるか。更に言いますと、北海道というエリアでの一社に分割をしてスタートしたということをどういうふうに評価していらっしゃるかということをまず政府にお伺いしたいと思います。
#7
○副大臣(高木毅君) おはようございます。
 八七年、分割・民営化、私は二十一歳だったかと思いますけど、私はこのJRの民営化というものを一定の評価をいたしております。現在も毎週、今お話ございました東海道新幹線、北陸線に乗って行き来しておりますけれども、例えば駅員だとか、あるいはまた車掌さんの対応など、それまでに比べて非常に良くなったというふうに思いますし、またいろんな企画などもしておりますし、あるいはまた車両の近代化なども図って、やはり相当快適になったというふうに思っております。
 また、いわゆる本州三社につきましてはしっかり経営もやっていただいているというふうにも思っておるところでございますけれども、なかなかこのいわゆる三島は経営厳しいような状況でございます。そこで、民営化したときに経営安定基金というのを設置して、さらに平成二十三年度にはJR北海道及びJR四国に対して自主的な経営安定基金の積み増しというような措置も行っておりまして、何とか三島会社についてもしっかりした経営をして、そしてやっぱり民営化して良かったなという形でサービス等も向上していただきたいと、そんな思いで国交省、これいるわけでございます。
 一方、今北海道に関してという話もございましたが、御案内のとおりでございまして、残念ながら、いろんな事故あるいはトラブルというのが発生しているのも事実であります。今、いわゆる特別保安監査を、先般もお話しのとおり二回行いまして、今それをしっかりと整理、分析を行っているところでございますけれども、まさにJR北海道が、北海道の道民にとってもやはり民営化して良かったと言われるような経営、そして運行、あるいはまたサービスの向上、そういったものがしっかり図られるように、会社もまさに血を流すような思いで改革を進めて今申し上げたようなところに資するような形でやっていただきたいと思いますし、やらせなきゃならないと私どもも思っておりますし、国交省としてもしっかりそういったことが図られるようにこれからもいろんな形で指導もし、あるいはまた国交省自身も努力をしていきたいと、そのように考えておるところでございます。
#8
○江島潔君 ありがとうございました。
 北海道という地域は、私なんかにとっては本当に羨ましい地域なんですね。といいますのは、民間調査機関等が実施をしております地域ブランド調査というものによりますと、都道府県別の魅力度ランキングというので現在北海道は五年連続で四十七都道府県のトップであるわけです。ですから、北海道というのは多くの日本人にとっては非常に魅力的な場所と映っているわけでございます。ちなみに、私の出身地の山口はまだまだ努力不足なんだなと思います。この調査で四十七都道府県中三十九位という、真ん中よりちょっと下というところであります。また、別の会社がまた調査をしているおいしい食べ物都道府県ランキングというのによりますと、これは北海道が沖縄に次いで第二位と。ですから、いろんな面からこの北海道というのは非常に魅力があるという地域と見られているわけでございます。
 また、非常に広い地域でありますので、これだけの魅力があるところを鉄道を使って移動するということは、これは本当に旅行というものを考えたときには魅力的に映るわけであります。また、もう申し上げるまでもなく、鉄道というのは最も二酸化炭素の排出量の少ない移動手段でありますので、本当にこういう事業というのは、この魅力と相まって鉄道というのはもっと活発になってしかるべきだなと思うんですけれども、どうも今までの状況を見る限り、必ずしも政府がJR北海道にというか鉄道に対して温かい支援策を取ってきたというふうには、今のところ結果として見えないというのが私の感じるところなんです。
 といいますのも、例えば分割・民営化当時の北海道のいわゆる高規格幹線道路、高速道でありますけれども、当時が供用延長が百六十七キロだったそうでありますが、昨年度末ですから今年の三月時点でこれが千十五キロと、六倍にこの間延長しております。ほとんどがこれは鉄道と並行して走っているという状況でありまして、かなり道路網に関しては充実整備をされている、その分、結局鉄道事業に非常に経営が負担になっているというところであります。
 もちろん、移動手段としては多様な手段があるわけでありますけれども、北海道における鉄道という交通手段を政府としてはどういうふうな位置付けで考えていらっしゃるのか、それをちょっとお伺いしたいと思います。いわゆる、もうこのまんま消えてなくなってもいいというふうに考えておられるのか、あるいはもっとしっかりと支えをしながら鉄道網もしっかり維持していくというお考えか、その辺をお聞かせください。
#9
○政府参考人(瀧口敬二君) JR北海道は、約二千五百キロの営業キロを運営いたしております。御案内のように、北は稚内、東は網走、根室、そしてまた青函トンネルといったようなこういったものも含めまして、全道にわたる非常に広大な鉄道ネットワークというものを運営をしてきております。
 委員御指摘のように、道内には他の交通機関の整備、発展というものはあったわけでございますが、そうした中で、JR北海道の輸送人キロというものを見てみますと、さらにまた北海道の人口が減少するといったような状況もあるんですが、最近二十年間ぐらいを見ますと、増減はあるんですけれども基本的には横ばいの状況にあると、こういったような傾向にございます。
 この背景を考えてみますと、JR北海道が運営いたします鉄道というのは、例えば札幌を中心とする近郊の路線というものがございます。こういった近郊の路線につきましては、札幌への通勤や通学、そしてまた新千歳空港へのアクセスといったような都市圏輸送の交通機関としての機能を持っているんだろうと思っております。
 また、北海道は当然のことながら豪雪地帯でもありますが、こういった雪が降る季節におきましても安定した地域の輸送あるいは北海道の都市間輸送を担うといった機能も併せ持っているというふうに考えております。
 さらに、先ほど委員御指摘のように、北海道というのは観光資源の非常に豊かなところでございます。このため、内外からの観光客がこの鉄道を利用しながら北海道を堪能するといったことがあるんだろうと思っております。
 こういったように、JR北海道が営んでおります鉄道というのは、北海道の社会経済にとって非常に重要なものだというふうに認識をしているところでございます。
 しかしながら、残念ながら現在様々なトラブルが明らかになっているところでございまして、引き続き、道民や観光客の皆様方に安心して利用できる鉄道というものをどのように実現していくのかということについて必要な対策を考えていきたいと思っております。
#10
○江島潔君 今お答えいただいたように、非常に厳しいということがだんだんこの事故、トラブルを通じて明らかになってきているんではないかと思います。
 JR北海道というのは、北海道のいわゆる会社全体で一日の売上げが一・九億円程度だというふうに聞いているんですけれども、東京駅一日の売上げが二・五億円あるんだそうで、つまり東京駅一駅の八掛けにしか満たないという現状だそうです。しかるに、スリムになったとはいってもまだJR北海道というのは七千百名の社員がいるのに対しまして、東京駅というのはたかだか数百名でやっているわけですから、いかに北海道がやはり長い路線を多い人数で維持しながら少ない売上げで頑張らなきゃいけないかということがこの数字で出ているんじゃないかというふうに思います。
 また、こういう状況を考えれば考えるほど、やはりこの会社の支え方というのは、交通機関として大事と認識するのであれば、もっと手厚くしなければやはりこれは立ち行かないというのはもう当然ではないかなという気がしております。
 また、この経営の厳しさと加えまして、よく巷間うわさされているのが、労働問題もこの会社が抱えている大きな課題ではないかと言われているところでありますけれども、JR北海道のこの一連のトラブル等を今現時点で政府としてはどういうふうにとらえているか、あるいは、そしてこれに対してどんなような支援策を講じているか、これを、簡潔で結構なんですが、お答えいただければと思います。
#11
○政府参考人(瀧口敬二君) 御案内のように様々なトラブルが発生いたしておりまして、国土交通省では九月と十月、二回にわたる特別保安監査というものを実施いたしております。一連のトラブルに対処するためには、JR北海道の問題点を洗い出しまして抜本的な対策を講じる必要があるだろうというふうに考えております。
 一方で、当面の安全対策を講じるために必要な事項については、このような抜本的な対策の前に直ちに対策を講じるようにという大臣から指示を受けておりまして、十月の四日と十月の二十五日に当面の改善措置ということで指示をいたしておりますが、その背景は、本社が現場を把握していないとか、現場において業務の関係者間の連携が取れていないといったようなこと、いろいろなトラブルの背景が実はございます。
 しかしながら、これらは全て一端のトラブルの背景だろうというふうに考えておりまして、引き続き、現在この二回の特別保安監査の結果を鋭意整理、分析を行っているところでございますが、現時点においてトラブルの原因についてこれだということを申し上げる段階には至っておりません。引き続き、そういったような問題意識を持ってこのJR北海道の抜本的な対策のために検討を進めてまいりたいと思っております。
#12
○江島潔君 対策分かりましたが、いろいろな財政的な支援策等を講じている点はありますでしょうか。
#13
○政府参考人(瀧口敬二君) 失礼いたしました。
 先ほど副大臣から冒頭お話し申し上げましたように、JR北海道の経営基盤が非常に脆弱であるということから、経営安定基金というものが国鉄改革時に六千八百二十二億円といった規模で設置されております。その後、いわゆる金利が下がってきたということがございましたので、二十三年度にこの経営安定基金の実質的な積み増しといったことが行われておりまして、これらによりまして、経営基盤を支えるものとして、年間約三百億円規模の運用益が現在確保されているという状況でございます。こういったことがございますので、単体で見ますと平成二十四年度では九億円の経常利益が出ていると、こういったような状況でございます。
 さらに、老朽化した設備の更新のために、これとは別枠といたしまして十年間で総額六百億円の助成あるいは無利子貸付けといったものを行っているところでございます。
#14
○江島潔君 幾つかの財政的な支援も取られているということでありますけれども、現実に、しかし、まだその財政難からくるたくさんのトラブルが解決をされていないわけでありますね。
 さらに、今喫緊に迫ったトラブルというのを考えてみますと、まず一つにはレールの調整等ができなかった問題、それから気動車が火を噴いてしまうような問題があったわけでありますが、これはもう本当に原因は簡単なわけです。簡単に言うと、いわゆる木の枕木というのにメンテナンスが非常に掛かるという点が一つ、それから古い気動車を使っているという、この二点に集約されるわけであります。
 なお、ちなみに、枕木というのは昔はみんな木だったわけですけれども、今はPC枕木というコンクリート製の枕木で、これはもう非常にがちっと安定していますのでメンテナンスが非常に簡単になるというものなんですけれども、これが他のJR、他社は大体、枕木に関して言いますと、木の枕木が大体三割未満に収まっているんですけれども、JRの方の北海道というのはまだ六割がこの木の枕木のままである。これはもう簡単に言うと、財政難から新しい枕木に替えられていないということがまず一つあります。ですからもうメンテも大変であるという点があります。
 それから、気動車に関して言いますと、まず北海道は電化率が非常に低いわけでありますので、結果的に気動車というものが多く走らなきゃいけないわけでありますけれども、これも財政難であるがゆえに、非常に古いやつをまだ引っ張っているというところがありまして、まず気動車の半分以上がもう二十年を既に経過していて、中には旧国鉄時代からの気動車をまだ引き継いでいる、これが三十年以上のもう古い車両なんですが、これがまだ七十両も残っているということであります。
 ですから、いろんな問題、たくさん多分問題はあると思うんですけれども、を片付けるためには、これをまず他のJRレベルにまで替えていけば相当トラブル等の発生は楽になると思うんですけれども、まずこの枕木を早く他社レベルにするということと、気動車を早くもうちょっと並のレベル、他社レベルに上げるということに関しまして、これは政府当局としてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#15
○政府参考人(瀧口敬二君) まず枕木でございますが、この二回の特別保安監査の中で、現場において一本ずつ管理をされていないといった問題が実は確認できております。このため、本社において枕木の管理に関して規程等で明確化すると同時に周知徹底を図るということで、しっかり管理を行うようにという改善指示を十月の二十五日に出したところでございますが、あわせて、PC枕木化を検討するようにということも併せて改善指示の中身として指示をいたしたところでございます。
 こういったような私どもも問題意識を持っておりますが、一方で、JR北海道に対しまして、先ほど御説明申し上げましたように、老朽化した施設の更新のための設備投資に対する支援として十年間で六百億円といった支援がなされているということを御説明申し上げました。これについては、この六百億円というものをつくりましたときに、当初のJR北海道の計画というものがございまして、それを見ますと、老朽化した枕木、これは木の枕木であるとか、あるいは老朽化したディーゼル機関車の一部につきまして、それぞれ更新をするといったような計画が盛り込まれているところでございます。
 現在、二回の特別保安監査について整理、分析を行っているところでございますが、このような投資が安全対策として十分であるかどうかといったようなことについても問題意識を持って対応しているところでございます。
#16
○江島潔君 たくさんの課題を今JR北海道は抱えているわけでありますけれども、その多くの要因が厳しい財政状況の中で出ているということはもう明らかではないかというふうに思うんですけれども、せっかく分割・民営化して、他社がいろいろな形で地域の特徴を出しながら、民営化は良かったなとそれぞれの地域でも見られている中で、この北海道だけ今もう脱落しかかっていると言ってもこれは過言じゃないと思います。
 安全対策に対しましてのJR東日本の人員も受け入れなければいけないというのは、非常に私はこれはまさに北海道にとってはもう屈辱であろうなというふうに思うんですけれども、それでもとにかくこれを、今この危機を乗り越えて鉄道という使命を果たすために必死に頑張っているところに、ちょっとずつちょっとずつ支援をするというんではなかなか私はいきめがいかないんじゃないかなと思います。
 本当に、端的に言って、一社でも駄目なところがもし出るとすると全体の分割・民営化が失敗だったと言われかねないような状況でありますので、是非ここは、この北海道の特殊性というものを考慮した上で支援というものを是非手厚くしていただいて、しっかりとしたレベルにまでこのJR北海道を引き上げていただきたいなと、今私は、もう是非政府にそれをお願いをしたいというふうに思っています。
 先ほども申し上げました枕木に関して言いますと、六割の木枕木を他社水準の三割まで下げるためには、ざっと約九十万本の枕木の更新が必要という感じになります。また、古い二十年以上というのはたくさんあるんですけれども、取りあえず旧国鉄時代から使っている気動車、これを更新をする、ということは、つまり七十両を早急に更新をすれば一つの水準をクリアをできるんではないかと思うんですけれども、この気動車というのは大体一両当たり三億円ぐらい掛かるそうでありますけれども。
 枕木の更新と、それからこの国鉄時代の古いやつを在庫を一掃する、これにどちらもざっくりと大体二百億円ずつ、ですから合計四百億円ほどの資金を必要とするわけでありますけれども、現在六百億の補助金あるいは無利子貸付けというところでありますけれども、これではまだこれが達成できないわけでありまして、是非、もうこのいきめをいかすためには、六百億円に対して更なる上増しをして一気にこの枕木と気動車の問題は解決をすれば、そうすれば本当にこのJRは必ず財政面からの厳しさを立ち直ってくれると私も信じているところであります。
 是非とも、この北海道の信頼回復というのは全体のJRの信頼回復に直結をしておりますので、太田大臣の北海道問題、そして全体の鉄道問題に対しての安全、安心を獲得していくためのその御決意をお聞かせいただければと思っております。
#17
○国務大臣(太田昭宏君) 非常に今日、大事な御指摘をいただいたというふうに思っています。
 環境条件は極めて厳しい、そして財政という点でも大変厳しいと。PCに例えばすれば、これ枕木は一本八千円だそうでありますけれども、PCにすると一万二千円と。これを先生は今九十万本という、直していけば他社並みになるというお話といい、私も確かにそれは大変大きな指摘であるというふうに思っています。
 何よりも輸送の安全の確保というのは公共交通機関の一番の大事であるとともに、北海道という魅力あるポテンシャルのある地域、ここに鉄道が安全でしかも安心して利用できるということは大変重要なことだと思います。南三陸鉄道が回復をしたのが今年四月にありました。両側に旗を持って大勢の人たちが振っているということで、道路ができたとき以上に、どれだけ鉄道というものは違う意味で大変感動を持って迎えられるものだなということを私は痛感をしているわけでありまして、JR北海道がポテンシャルのある北海道の一番の基軸として安全に安心で運行できるということに向けて努力をしたいというふうに思っています。
 大変今厳しい状況であって、プレッシャーもあって、また鉄道マンとしての誇りも失われているというような状況だと思います。いろんな点で総合的に一つ一つきめ細かく手を打って、何としてでもこのJR北海道が安全ということを確立できるように特別保安監査も二回やらせていただきまして、具体的な改善指示も二回にわたって出させていただきましたが、相手の体力というものをよく見て、的確な改善指示等を更に努めていきたいというふうに思っているところです。
#18
○江島潔君 財政支援の更なるここ一番のお願いをさせていただきまして、これで終わらせていただきます。
#19
○田城郁君 おはようございます。民主党の田城郁です。
 本日は鉄道運行の安全に関する集中審議ということで、JR北海道の連続した事故及び重大インシデントの真の原因を早急に特定し、適切な対策を打ち、JR北海道が利用者の皆さんからの一日も早い信頼を回復するために、安全で安心な鉄道の再構築を目指すという立場から質問をさせていただきます。
 私は、これから、JR北海道の置かれております特殊な現状の共通認識を図るためにお伺いをいたしますけれども、この条件があるからといって今回の事故が仕方がないのだと言うつもりは毛頭ございません。しかし、この特殊な背後要因を認識した上で原因究明と対策が打たれなければ、問題は解決せずに、ある時間を経て再び再発することは間違いないというふうに思いますので、あえて質問をさせていただきます。
 まず、北海道の厳しい自然環境という観点からの質問です。
 大臣もよく御存じでいらっしゃると思いますが、JR北海道の保線というのは、現場作業は過酷な環境下で作業をしております。JR北海道の問題を議論する際にはこの過酷な環境を念頭に置かなければならないと思っておりますので、まず私からその現状について簡単にお話をさせていただきます。
 御案内のとおり、北海道は極寒地であります。冬は氷点下二十度以下の寒さと吹雪の中、昼夜を問わず除雪に追われ、凍傷になることもあります。雪がふぶくと視界が悪くなる、走行音が雪に吸収をされるため人身事故の危険性も高まるということであります。また、北海道特有の現象として、地中の水分が凍って土が盛り上がりレールに凹凸が生じる凍上が生じるため、寒い日こそ保線作業が必要になります。さらに、道内百七十八か所のトンネルの約八割が、地下水が漏れてつららが下がるということで、この棒を毎日落とさなければならない。また、北海道は厳しい寒さだけではなく、夏は三十度以上にもなり、その寒暖の差もレールや車両にとって厳しい状況をもたらします。さらに、北海道では十二月中旬から根雪になり、三月まで雪に線路が埋もれ、レールの管理、補修ができない状態になり、保線作業に掛ける時間は実質七か月余りということであります。少ない人員で広いエリアをカバーするJR北海道の保線職場にとって、七か月は必ずしも十分な時間であるというふうには言えません。
 一方で、JR北海道発足後、社員数は約一万三千人からスタートをし、定年退職や要員の削減を行った結果、現在では七千人まで減少し、現場は人員不足の中での作業を強いられております。総体的な人員不足のため、保線に従事する現場作業員は、例えば営業や雑草、草刈りなど、保線とは関係のない業務も担っており、保線業務に専念できない状況にあります。
 まず、現場の作業員が直面しているこのような厳しい作業環境について、大臣の御認識、御所見をお伺いをいたします。
#20
○国務大臣(太田昭宏君) 今、田城先生が御指摘をいただいたように、非常に厳しい自然環境の中で保線等々の作業をしているということを認識をしています。
 凍上という話がありましたけれども、浮き上がってもう本当に凸凹になってしまうということで、バラストの部分も凍結をするために、そこに板を挟んで、挟み木というそうでありますけれども、そうした作業もほかの地域ではない作業だというふうに思います。つららが落ちてとか、先般ありましたけれども、盛土のところがちょっと弱体化しているという地形がありまして、本当に毎日毎日点検しないとそこの電柱が斜めになったりというようなことがあったりします。
 何としても、私はこの十一月は非常に大事だというふうに思っておりまして、JR東の技術陣にも入っていただいて、雪が本格的に降ったり吹雪になるという前に一定のめどというものを付けるということが何よりも大事であるという、そうした基本姿勢を持ってこれに臨んでいるところでございます。
 マイナス三十度を下回るという地域はありませんし、風も強いし、その中での作業員が、私、この間現場を、国交省の監査をするメンバーに、とにかく歩いて全部点検してくれと、こういうふうに言って、歩いたんですね。八キロ歩いて全部点検してその状況を見てもらいましたが、まあ、点検する項目がこんなに多いかと。私は、普通にずっと見て、凸凹というだけでなくて全部で百項目近いぐらいの点検項目というものを一つずつやって、これ八キロやるのに八日間掛かったというような状況でありまして、いかに過酷な中で作業をしているかということは十分実感をしているところでございます。
 しかし、安全ということについてはいささかも、これはいかに作業が大変でもおろそかにできませんものですから、その辺の意気軒高で鉄道マンであるという誇りが今までもあったと思いますが、更にそうした意気込みを持っていただくということもまた大事なことで、そうしたことも含めて、誇りを持って仕事ができるというところをしっかりバックアップしたり支えて、あるいは引き上げたりということに努力をしたいというふうに思っているところです。
#21
○田城郁君 現場第一主義の大臣のまさに本領を発揮したと。現場のことが本当に、私も現場に行ってまいりましたけれども、それ以上に大臣の思い、実践が伝わってまいりました。ありがとうございます。
 本線を優先する、本線でどんどん問題が起きる、本線を優先で工事をする、結果として副本線に手が回らない。外注化するにしても、函館新幹線の方に外注の社員が取られて、副本線が結果としておろそかになってしまった中で今回の脱線事故も起きてしまったということも含めて、もちろん、仕事の仕組みや監査で御指摘いただいているようなことをしっかりと克服をするということも含めて、それは大前提でありますが、やはり現状では物理的に手が回らないということも含めて手当てをしていかなければいけないのではないかと、そのようにも思っております。
 次に、JR北海道発足時のスキームの確認をしたいと思います。
 先ほども江島先生からお話ございましたが、私からはもう少し、私も国鉄改革の経験者ですから、細かい経緯について少し確認をさせていただきます。
 JR北海道は極寒地であるがゆえに線路や車両の傷みが早く、ランニングコストが他の鉄道事業者よりもかさみます。また、営業距離が二千五百キロのうち一日二千人未満の線区が、乗降数ですね、六〇%、四千人まで増やすとここが五%ですから、合わせれば六五%が一日四千人未満、要するに廃線対象、当時のですね、というところを頑張って今日まで維持をしているということであります。逆に、二万人以上の線区は五・七%、百四十二キロ、札幌周辺に集中しているということであります。このように、沿線の人口密度が極度に低いために鉄道事業の収益も上げにくいという状況でありまして、ちょっとおぼろげですけれども、マックスで八百億ぐらいの収入であったかと、それが今は五百億台に下がっているのではないかというふうにも聞いておりますけれども。
 つまり、支出と収入の両面で厳しい経営環境にあると言えますし、国鉄改革のスキームの策定時はこうした点が考慮され、JR北海道を維持するためには年間五百億円がショートすると。ここがまず五百億円ショートということがあって、その結果として、これを利息でカバーするためには、当時七・三%の利回りでしたから、そこから六千八百二十二億が、経営安定基金が必要だということでJR北海道に引き渡されたと、ここがポイントだと思います。五百億が必要だと、だから六千八百二十二億なんだと。六千八百二十二億ありきじゃないということであります。五百億ありきなんです。
 想定運用益は約五百億ですが、その後の低金利のために運用益は約二百五十億に半減をしました。平成二十三年度に実施された基金の二千二百億円という実質的な積み増しの分も含めて運用益は現在三百億であります。つまり、国鉄改革時の運用益で五百億がないと運営できないというJR北海道のスキームが既に崩れているのではないかと考えます。この点について鉄道局長の御認識をお伺いいたします。
#22
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、JR北海道を始めいわゆるJRの三島会社の発足に当たりましては、当初から非常に厳しい経営状況というものが想定されたわけでございます。このため、経営安定基金を設置いたしまして、その運用益が事業の運営に必要な費用に充てられるというように措置することにより健全な事業運営を確保しようというものが国鉄改革時の基本的なスキームでございました。
 ただいま御指摘のありましたように、JR北海道につきましては、立ち上げの段階で六千八百二十二億円という基金でございましたが、当時の高金利も反映いたしておりまして、年間約五百億円規模の運用益が確保されるということでございました。一方、当時、六十二年の営業損益を見てみますと五百三十八億円の赤ということでございますので、今御指摘がございましたように、この運用益を使いまして経常の赤を相殺をすると、こういったようなことが基本的な考え方だろうと思います。
 一方で、国鉄改革では同時に、民営化したJR各社の自助努力というものも期待いたしておりまして、これにより健全な経営を維持するということも求められておりました。基金の運用益というのは当然のことながら金利の変動により増減をするということになるわけでございますが、これにつきましてはJR三島各社が経営努力を講じまして、安定的な経営の維持確保に努めるということも期待されてきたところでありまして、数字で見ますと、JR北海道の場合には、先ほど申し上げましたように、単体ベースで申し上げますが、民営化当時は営業の損益が五百三十八億円だったものが二十四年度は三百九億円まで減っていると、こういったようなJR北海道としての経営努力というものが認められるのではないかというふうに考えております。
 先ほど申しましたように、これにつきましては、低金利ということで実質的な経営安定基金の積み増しであるとか、あるいはその更に外枠といたしまして、老朽化した施設に対します設備投資というものに対する支援なども行ってきております。こういったことを続けまして、健全な経営が続けられるようにといったような支援を行ってきたところでございます。
#23
○田城郁君 この間、国の支援なども手厚くされているという状況も含めて私は理解をしているつもりでございます。しかし、スキームそのものが当初の目的を達成していないという現実もあるということだろうと思います。
 ところで、一般の方々は、形が同じなので北海道でも電車が走っているというふうに思いがちですけれども、そこで、JR北海道の電化率はどのような比率になっているのでしょうか、局長にお伺いをいたします。
#24
○政府参考人(瀧口敬二君) JR北海道の線路延長というもの、これ電化を考えるときの線路延長ということで考えさせていただきますが、二千五百キロでございます。現在電化されている区間というのは二十四年度末で四百六十七キロということで、電化率は一八・七%ということでございます。電化されている区間というのは札幌を中心としたいわゆる札幌近郊路線ということで、札幌─小樽間であるとか札幌─旭川間、あるいは札幌─室蘭間といったような路線、それから函館から青函トンネルに向かう路線と、こういったような路線が電化をされているところでございます。
#25
○田城郁君 それでは、約一八・七ですから、そのほか約八〇%はディーゼルカーということで考えてよろしいということですよね。分かりました。
 では、そのディーゼルカーでありますけれども、当然、形は似ていますがディーゼルカーと、八〇%がディーゼルカーで北海道は走っていると。このディーゼルカーは当然エンジンで動いているというわけで、普通の電車の三倍もの重量があるということも含めて、これも線路を傷める北海道の特殊事情の一つであるというふうにも思いますし、また極寒の中で、高回転が苦手なディーゼルエンジンが百三十キロという高速高回転で、しかも広い北海道であるがゆえに六時間も連続運転をすると。ちなみに、JR四国ですと大体二時間ぐらいですね、連続運転は。北海道は六時間と。そういう違いの差もある。また、氷点下での運転ということも含めて、全く厳しい状況の中で運行がされているということであります。
 北海道以外、こういう特殊な状況というのは日本列島どこにもないということが分かると思いますが、ところで、ディーゼルカーを造っている会社は何社ぐらいあるでしょうか、御存じですか。
#26
○政府参考人(瀧口敬二君) いわゆるディーゼルカーの車両メーカーというのは、現在我が国に五社あるというふうに承知をいたしております。
#27
○田城郁君 今五社、ディーゼルカーを造っている。北海道が、この後も質問をいたしますけれども、ディーゼルカーを修理するときに使う部品などは、その五社は納入する力があるんでしょうか。
#28
○政府参考人(瀧口敬二君) 個々の部品についてまで詳細を把握しておるわけではございませんが、ただいま委員御指摘のディーゼルカーにとって心臓ともいうべきエンジンについて御説明申し上げますと、このディーゼル用のエンジンを現在製造しておりますのは、国内に二社というものがあるというふうに承知をいたしております。このディーゼルエンジンのメーカー、二社でございまして、JR北海道はまずエンジンを発注いたしまして、その発注したエンジンを車両メーカーの方に納入してもらうと、そうした上で、他の部品などとともに車両メーカーの方で全体の車両として製造していると、こういったような状況であるというふうに聞いております。
#29
○田城郁君 これも後で細かくお話ししますが、仮にその二社から同じ部品を取り寄せても、現物が合わないらしいですね。ですから、いろいろ工夫して取り付けるとか、そういうようなことが起きているようであります。後でまたこれは質問しますけれども。
 現在、北海道では新しい車両を何とかということで、平成二十三年度に川崎重工という会社にハイブリッドカーを発注をしておりまして、試作が完成するのが二十六年度。四年掛かるわけですね。それから、その特殊な条件下でハイブリッドカー、ディーゼルとモーターのハイブリッドカーですが、試験走行が約二年間しっかりとされると。そして、それが平成二十八年と。その後に量産を発注して、一年、最短でも一年後ですよね、一両目が造れるのが。平成二十九年度に初めて、それが量産に行けば新しい車両の一号車が入ると。そのような長いスパンの話になるということを是非共通認識として持ちたいというふうに思います。
 先ほど江島先生も御質問されておりましたが、私からも線路のことについても少しお聞きしたいと思います。
 それでは、JR北海道の線路の現状についてということで、コンクリートでできた、枕コンクリートと言った方がいいと思うんですけれども、枕木、コンクリートの枕木とコンクリートでできた道床、石ころではなくコンクリートで固められた道床、スラブ軌道といいますが、このコンビが最強であって、狂いが本当に少ないというような形式でありますけれども、このようなコンクリート枕木、PC枕木とスラブ軌道で整備をされている線路は北海道でどのぐらいの比率で存在するのかということについていかがですか。
#30
○政府参考人(瀧口敬二君) 先ほど、電化率のときには線路延長ということで二千五百という数字を申し上げましたが、レールの枕木の状況を見る場合には、複線だとかそういったものもございますので、実際の軌道の長さを示します軌道延長といったもので御紹介を申し上げたいと思います。
 JR北海道の軌道延長は三千百六キロということになっております。そのうち、木の枕木というのは長さでいいますと千六百九十と、これは二十二年度末の数字でございますが、千六百九十ということでございまして、全体の五四%、先ほど江島委員の方から六割ぐらいと、こういうことがございましたけれども、五四%というのが二十二年度の数字ということに実はなっております。
 この枕木のところは、木に替えて、今、田城委員コンクリートの枕木とおっしゃいましたが、いわゆるPC枕木と、いわゆるバラストの中にコンクリートの枕木を置くというやり方がございます。そして、バラストの代わりに、全面がいわゆるコンクリート板みたいなものがございまして、それに直接レールを締結をするというのが、これがスラブ軌道方式ということになっておりますが、そういったことで、残りのものも御紹介いたしますと、いわゆるコンクリートの枕木、PC枕木区間というのが千百七十九で三八%、そしてスラブ軌道の区間というのが二百二十七キロで七%ということになっております。
 それからもう一点、先ほど、古くなったディーゼル車両を更新するためには、それを発注してから実際に供用されるまで時間が掛かるということについては私どもも十分認識をいたしております。
 JR北海道において、先ほど、現在の六百億円の支援の使い方について一部入っているということを御紹介いたしましたが、そうしたことを念頭に置いた計画になっているわけでございます。
 しかしながら、一方で、新しい車両自体を導入するということになりますと、委員御指摘のように長い時間が掛かりますので、場合によってはエンジンを替えればディーゼル車両としては十分使えるといったこともございますので、必ずしも老朽化した場合に全部替えるという必要があるのかないのかといったような問題も、問題意識を持ちながら現在検討を進めているところでございます。
#31
○田城郁君 これ、ちょっと通告にないんですけれども、エンジンを替えるというと、まあ、それはそれで一つの方法であると思います。一方で、バリアフリーという視点、これを入れますと、エンジンが高い分、北海道の全体の車両というのは床面が高くなっていて、ホームとかなり段差があると。本州などでは大体もう当たり前のように平面になっておるわけですが、これを解消するというようなことも併せると、新しく新造車で合わせていくのか、あるいはディーゼルカーをそのままエンジンだけ替えるということでホームをかさ上げするのかと、こういうことも含めて併せて考えていくべきではないかというふうに思いますが、ちょっとこれ通告はありませんでしたが、いかがお考えですか。
#32
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どものバリアフリー基準では、新しく造るものについてはバリアフリーの基準に適合したものでなきゃならぬということになっております。したがいまして、新造車両を造る場合には、当然のことながら段差のない車両であるということが求められるわけでございます。
 しかしながら、既存のもののエンジンを替えるという場合には、これに該当するかどうか、ちょっとこれは検討を要しますけれども、これは新造ということになりませんので、したがって、その場合には既存の車両を使えるということも考えられるのではないかと思っております。
 ただ、問題は、私どもとしては、安全を確保しながら、利用者利便を考えますとバリアフリーを進めなきゃならぬと、こういったことを考えなきゃならぬということでございますので、そういったようなことも問題意識を持ちながら、まず安全を確保するためにどのような対策が考えられるのか、いろいろな方策はあろうと思いますので、そういったことについて問題意識を持って現在検討を進めているところでございます。
#33
○田城郁君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 次に、現場の声にしっかり耳を傾けることの重要性ということについてお伺いをいたします。
 太田大臣は、常日ごろ、現場第一主義を掲げて日々活動していらっしゃるというふうに思います。私も、答えは現場にあるという思いで、できるだけ現場に赴いて、目で見て肌で感じて事故の原因を見極めたいというふうにも思っております。今回も、広田筆頭理事始め民主党で現地調査と、あるいは私も個人的に二泊三日でしっかりと脱線現場やいろいろなところを見て回りました。
 そういうことを前提にしてお話をするんですが、それ以前に、やはり人に聞いたこと、あるいは物を読んだことなど間違った情報を基に雰囲気や勢い、感情や思い込みで原因を特定したとすれば、現実から必ずずれて間違った対策しか打ち出せないということであると思います。その結果、真の原因は特定されずに、問題発生の芽は温存されたまま同種の問題を繰り返すことになるというふうに思います。
 したがって、それ以上でも以下でもない事実を的確に把握をして、科学的かつ建設的な真の原因究明が必要であるというふうに私は思っております。それによって、現実とずれない確実な対策が打てるということにつながると思っております。私が真の原因究明に最も有効であると考える手法の一つに、現場の声をしっかり聞くということが言えるというふうに考えております。
 ここで、現場の声を拾い上げることの重要性を示す一つの例として、石勝線の事故を御紹介をいたします。
 皆様御存じだと思いますが、平成二十三年五月、JR北海道石勝線のトンネル内で、乗客七十八名及び乗務員一名が負傷する特急列車脱線車両火災事故が発生をいたし、大変道民の皆様、御利用者の皆様に御迷惑をお掛けしたということであります。
 運輸安全委員会の報告書によれば、脱線の直接の原因は、動力伝達装置、プロペラシャフトが垂下をして、垂下した装置がリードレールに接触したためであるとされております。そして、動力伝達装置の垂下を誘発したのが車輪踏面の剥離による列車の振動であるというふうにされております。
 ここで注目していただきたいのですが、苗穂工場の社員の皆さんが、職場の議論の積み上げの中で、今年の二月に事故の原因が車輪の踏面の剥離であることを突き止め、その防止のための対策を打つべきだとの提言をJR北海道の経営陣に対して申入れをしているという事実であります。五月に運輸安全委員会から同じ内容の報告書を提出をいただいておりますが、その三か月前に現場の社員は原因を特定をして、そして会社に発信をしていたということであります。
 ちなみに、車輪の踏面がなぜ剥離するのかということについても彼らは分析をしておりまして、まず車輪損傷は冬季に激しくなること、札幌から上って下る路線の石勝線や根室線は一日中、氷点下の中ということもあります。そういう中でブレーキを掛けると急激に高温になります。緩めると氷点下まで冷やされます。この繰り返しと、百三十キロという高速運転によって踏面が焼き入れと焼き戻しですね、刀鍛冶のときの、たたいて酸素を入れたりあれして鉄を硬くしたり軟らかくしたりというのが焼き入れ、焼き戻しということであると思いますが、そのような状態の繰り返しとなって熱劣化によって剥離をして車体に振動が起きます。無数の振動として伝わって、エンジンブロックを割ったり、あるいはプロペラシャフトを止めるピンを破壊をしたり、配電盤の接触器にアークを引き起こすというメカニズムであります。そして、車輪管理の強化や速度ダウンで運転するというような具体的な提言も会社にしておるということであります。
 鉄道局長、これらの事実を聞いて、少なくとも現場から会社には何も発信していないとか、風通しが悪いとか、そのような、少なくとも下から上に行く風が、この苗穂の例、あるいは大沼の場合は発信が小さかったのかもしれませんが、後で、社長、膝詰めで意見交換をしたら随分知らなかったことを勉強したというようなことをおっしゃっておりましたが、やはり小さいにしろ大きいにしろ現場は問題を発信しているということであります。
 こういうことから、やはり現場の意見をしっかりと耳を傾けるということの重要性というのが分かるというふうに私は思うんですけれども、局長の御認識、あるいは是非大臣にも一言何かあればお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#34
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘の現場の重要性というのは、ただいま御紹介をいただきました石勝線の後にJR北海道が作りました安全基本計画というものがございます。この中でも現場力の強化というのが大きな柱として掲げられておりますが、その中の一項目を読ませていただきますと、三現主義という言葉がございまして、安全の問題は常に現場で起こり、答えも現場にあるという認識の下、現地、現物、現人の三現主義を実践する視点というのが必要だということがうたわれております。
 しかしながら、残念ながら現在のJR北海道の状況は、現場についての把握というのが十分になされていないというところに大きな問題があるのではないかというふうに認識をいたしております。今回の件では特別保安監査を二回行っておりますが、本社において各部門の現場の把握ができていないということが確認されております。これを受けまして、十月四日に行いました当面の改善指示では、安全統括管理者が現場状況の掌握等本社機能の実効性を担保すること、そしてまた、本社の軌道部門が現場の状況を把握し、迅速に適切な対応を取るようにということを指示をいたしております。
 さらにまた、JR北海道の予算編成に当たっても、本社が現場の状況を十分に把握しておらず、安全に関する現場からの要望等が十分考慮されていないということが確認されております。このため、十月二十五日に出しました当面の改善指示におきましては、来年度の予算編成に向けて、本社において現場からの提案を十分聴取した上で、安全を確保するために適正な予算編成を行うようにといったことを指示したところでございます。
 度々申し上げておりますように、現在二回の特別保安監査の結果について整理、分析を行っておりますが、現場の声をよく把握するといった点も問題意識として十分持ちまして、こういった検討を進めてまいりたいと思っております。
#35
○国務大臣(太田昭宏君) 今鉄道局長からお話があったとおりですが、現場で、こういうことをしてもらいたい、これが心配だという、そうしたことが何度でも言ったり報告というものはこの十数年あったようです。しかし、だんだんだんだん、言っても返事がないとか、これどこの組織でもそうなんですが、そういうようなことがいろいろあったとも聞いています。
 これは、現場の声というのは一人の人の意見を聞いても現場の声にならないわけで、自ら現場に行って、そして本音の話を聞いたり、あるいは枕木のところを歩いたり、一つ一つそうした体感というものが非常に大事だというふうに思っておりますので、結論的には現場とよく連携を取るようにという言葉になるんですが、そこのところはJR北海道にとっては急所の問題だというふうに認識をしております。
#36
○田城郁君 ありがとうございます。
 これまでの改善指示の中には、安全統括管理者が現場の状況を掌握することや現場の意見を反映させた予算編成を行うなどが盛り込まれておりまして、国土交通省としても現場の声を拾い上げることが極めて重要であるとの認識は共有できているものというふうに考えております。
 先ほどの例以外にも、例えば石勝線の火災事故以降に重大インシデントが連続をして起きているというふうに一般的には認識をされておりますけれども、これについても分析をすると、まず、火災事故を受けて対策をした車両に不具合が発生をしているということです。
 例えば、先ほどもお話ししましたが、配電盤の発煙の事例では、接触器という部品が生産終了になったために、形状の似た少し違う端子を加工して無理して取り付けるなどをしてしのいでおります。そういう中で、剥離による、端子が少し開いてしまうという中からアークが発生をして発煙に至るというようなこと、あるいは振動ですね、先ほど言った車輪による振動がそのカップラーの間を離してしまってアークが出て発煙に至るということなど、現場の人間でなければ分からない多くの課題が私の耳には入っております。エンジンブロックの破損についても同様で、火災事故以降交換したエンジンの部品が、似たものを加工して無理して部品を付けて、それが振動によって破損に至るというようなことでトラブルに至っているというようなことであります。
 また、脱線事故のあった大沼の保線室でも、社長自ら、現場で膝詰めの意見交換しているという中から多くの課題があるということを学んだと感想を述べられておりました。
 こうした現場の声を拾い上げるための体制を構築するために、国交省自身の監査の仕方についても、現場主義に基づいて、現場でどのような状況にあるのか把握できるような監査の在り方を確立すべきだと思いますが、太田大臣、現場主義に基づいた監査手法の確立の重要性ということに関して御認識など、改善指示の着実な実行に向けた御決意などお伺いできればというふうに思います。よろしくお願いします。
#37
○国務大臣(太田昭宏君) どうしても聞き取りになると、部屋の中で話を聞いてと、あるいは書類をずうっと見るというような監査になりがちだというふうに私は思ったものですから、現場に行って、そして、レールの軌道が何ミリか広がっているとかいうことを指摘があるところはあるけどということをさせていただいて、今回の監査については、現場に行って、全部できるわけでは、人員の問題で、ありませんけれども、できるだけ現場に行って話をそこで見て聞くという、そしてまた本音で話をしてもらえるような、そうした監査というものをさせていただいているつもりです。
 ここは、何を見てきて、どういう監査であるかということは、机に座って話を聞き取って、そして書類を見てということにならないようにということについては、今回の監査ではお互いにそこは銘記してやっているところでございます。
#38
○田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。
 次に、民営化に向けてのコスト削減圧力とOJTについてということで、厳しい経営状況であることについては先ほど触れたとおりでありますが、技術継承が重要であると様々な方面から指摘を受けておりますが、JR北海道の現場では、若手社員の教育訓練、特に工務職場では最も重要なOJTの機会が激減をしております。
 この原因は、JR北海道が常に完全民営化を前提に求められる環境の下、収入は落ちる中で極めて強いコスト削減圧力が働いているというのが一つの原因になっていると思っております。確かにOJT等社内教育にはコストが掛かりますが、これらが不十分であれば鉄道の安全な運行は確保されないことも現状況で証明をされていると思います。JR北海道内での国鉄時代の旧基準と新基準が混同されていたものも、社内教育の不足が原因ではないかと思われます。
 国土交通省として、JR北海道に対して、OJTを中心とした社内教育の機会を確保するよう指導すべきだというふうに考えますが、局長、いかがでしょうか。
#39
○政府参考人(瀧口敬二君) 御指摘のように、JR北海道におきましては、分割・民営化以降の新規採用者の抑制といったことがございまして、職員全体に占めます四十歳代の割合というのは一割弱というような状況にあるというふうに承知をいたしております。
 なお、このような状況がJR北海道だけであるかというふうに申しますと、実はそうではございませんで、他のJR各社も基本的には一割弱のところが非常に多くなっておりまして、国鉄分割・民営化以降、各社とも同じような状況に直面をしていたのではないかというふうに考えております。
 一方、このようないわゆるいびつな年齢構成といったような問題がどのような影響があるのかと、安全確保のためにどのような影響があるかということにつきましては、これまでの二回の特別保安監査でも問題意識を持って対応しているところでございます。
 委員御指摘のように、こういったことがございますと、OJTということをやる、教育をする要員というのが不十分であるといったことから十分な技術伝承ができないのではないかといったようなことも指摘されておりますので、具体的にどのような影響を与えているのかということについて現在問題意識を持って分析しているところでございますが、一方で、同じような、いびつなと申してもいいと思いますが、年齢構成のございます他のJRでは何らかの技術伝承を行えているんだろうとも思っております。
 ということになりますと、他のJRではどのようなこういった年齢構成の問題を乗り越えて技術伝承が行われているのかと、こういったことについても私ども問題意識を持っていく必要があるのかなと実は考えておりまして、現在直ちにここは問題でありこうすべきだという答えはございませんが、二回の特別保安監査の結果について整理、分析を行っておりますけれども、この中でこの問題についても更に掘り下げて考えてみたいと思っております。
#40
○田城郁君 ちなみに私、JR東の出身なんですが、JR東の場合は保線は完全に外注化で、内部には若手が検査をするという立場で今働いていますが、自分は何も経験がないので現場に行くのが怖いと、そういうような状況があるということを付け加えさせていただきます。
 外注化が安全に及ぼす悪影響についてということでお伺いをいたします。
 技術継承がうまく進んでいないもう一つの原因として、JR北海道における業務の外注化が挙げられるというふうに言えます。確かに、業務の外注化はコストの削減につながり、安全投資のための原資を確保する上で一見有効なようにも思われます。しかし、一方で、業務の外注化は業務全般を総合的に熟知しているベテランの人間を分散させ、後進にOJTの機会を減らす一因であるという実態があります。
 また、ある業務を外注したとして、実際にその業務に当たるのは三次、四次の下請作業員である場合も多く、そのような作業員は業務知識に乏しいために安全上のリスクが高くなります。結果として、本体にも関連会社にも総合的に鉄道技術を熟知している人間が失われていくという悪循環に陥るわけです。業務の外注化イコール技術の分散化イコール時間がたてば技術の消滅と、そういうサイクルができ上がりつつあるというわけであります。
 これはJRに限ったことではなく、日本の産業構造そのものの問題でもあると思っておりますが、業務の外注化の安全に及ぼす悪影響について、局長、どのような御認識をお持ちでしょうか。
#41
○政府参考人(瀧口敬二君) 現実の問題といたしまして、先ほどお話し申し上げたように、いびつな年齢構成といったようなことは実はあるわけでございます。したがいまして、一般論としてまず申し上げますと、外注を活用することにより業務を効率的に、あるいは適切に遂行することができる場合には、外注を念頭に置いた業務体制を取るということは直ちに問題があるとは考えておりません。
 しかしながら、当然のことながら、ただいま委員御指摘のように、発注者サイドは業務を丸投げするというわけにはまいりません。当然のことながら、外注をした場合には、発注段階から最終的な竣工段階まで至るまで、それぞれの段階における外注業務を管理する能力というものが必要となるわけであります。したがって、現在、このような能力が発注サイドにあるのかといったような問題、あるいは受注サイドの技術力がどうなのかといったような問題がございます。一つは、発注サイドと受注サイドとの間の適切な連携なり情報交換なり、こういったことも必要なのかなと思っております。
 そういったような問題意識を実は持っておりますが、第二回目の特別保安監査、十月に行っておりますけれども、JR北海道の要員が減少する中で、今回初めて業務の委託を受けた者、いわゆる外注先についても立入検査というものを行わせていただきました。これは鉄道事業法に基づく権限として認められているものでございますが、こういったことを行いまして、この委託先を含めまして社全体の安全管理体制についての調査を行っているということでございます。
 外注については、いい面、悪い面が実はあろうかと思います。こういった面を踏まえながら、JR北海道の安全を確保するためにどのようなことを考えていくべきなのかと、こういったような問題意識を持って、現在二回の特別保安監査の結果について整理、分析を行っているところでございます。
#42
○田城郁君 私も外注化を全面否定するつもりはありません。ベストミックスがどこなのかということの問題であると思っております。
 最後の質問であります。JR北海道の信頼回復のための取組についてであります。
 今、JR北海道の信頼は大きく失われております。これから幾つかの対策が講じられ、たとえ客観的な安全が確保されたとしても、あっ、JR北海道は変わったなというふうに感じてもらうようなインパクトがなければ、利用者からの信頼はなかなか回復しないのではないかと考えます。先ほどのディーゼルカーの長いスパンの納車ということからしても、十年計画というのをじわじわ何げなく手当てしたのでは変化は分からないわけです。JR北海道の信頼を回復するためには、人、物、金を集中して対策の前倒しを行って利用客に対してアピールすることが必要なのではないかと考えます。
 また、六百億円は一時的なカンフル剤であると思います。当初の想定どおり、経営安定基金の積み増しによる五百億の利回りの確保ということをしなくては、構造的な問題は解決せずに早晩同じ状況が来るというふうにも考えられます。根治療法が必要だと思います。太田国交大臣の御所見をお伺いをいたします。
#43
○国務大臣(太田昭宏君) 今日御指摘をいただいたこと、いずれも一つ一つ具体化をどうするかという大きな課題をいただき、これからもこの委員会で昼過ぎまでそうした御提言をいただけるものだというふうに思っております。
 人、金、物、そして人心、組織の結束、そうしたことも含めて、誇りあるJR北海道が毅然として屹立した姿を見せていくことが大事だというふうに思います。
 毎日毎日、今日も安全で点検終わってスタートいたしますということを、十月四日以来、国交省に報告をして、そして朝、首脳が集まって会議を行ってスタートするという、そうした流れがずっとこの一か月やっておりますが、更にそうした姿をしっかり見せて事故があるいはトラブルが発生しないように、大変な状況であるということを十分認識した上でやっていただけるように、国交省としてもしっかり監視をし、指導もしてまいりたいと思っております。
#44
○田城郁君 ありがとうございます。
 質問を終わります。
#45
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 実は、昨日ある独立行政法人の理事長とお話しする機会がございまして、その中で、余りたたかれると、どこかの電力会社やどこかのJRみたいに現場の士気が極端に落ちるんですというような、そんな言葉がありまして、ああ、そういうふうに見ているんだなと思ったわけでございますが、今、JR北海道、本当に正念場にある状況にあるなと思っておりまして、ここにおける質疑も、何もたたくとか、そういうことではなくして、しっかりした社会インフラとしての使命を果たしてもらえるようにエンカレッジしていく、そんな思いで質問をさせていただきたいと思います。
 去る九月十九日、この函館線における貨物列車脱線事故を発端といたしまして、JR北海道において二百七十か所以上の箇所のレール幅の異常が放置されているということが発覚したわけでございます。現在、国交省において安全確保に向けた取組が進められていると思いますし、また特別保安監査、また改善指示、その保安監査の整理、分析中であるということでございますが、監査でございますけれども、鉄道の監査要員、応援職員を含めて全国で百八十人だというふうに伺っているわけでございますが、全国に鉄道事業者が約二百社存在するわけでございますね。何か人員不足ではないのかな。
 一方で、この大幅な人員の増加というのは行革の流れからしてみると現実的ではない。そして、今大臣の方からもお話ございましたけれども、監査も現場に即した監査をしっかりやっていこうと。そうなっていくと、本当に足りるんだろうか。現状のこの監査体制というものをどういうふうに御認識をしているのか、また、監査体制の充実策を講じる予定があるならばどのような内容を考えているのか、局長にお伺いをいたします。
#46
○政府参考人(瀧口敬二君) まず、私どもが行っております通常の保安監査でございますが、私どもの保安監査に入るときの前提といたしまして、鉄道事業者自身が法令に従い、またそれぞれの路線が敷設されております状況、これは自然状況であるとかそういったものを含めてでございますが、その状況に従って安全に列車を運行しているということを前提にしております。したがって、保安監査の場合には基本的に法令違反がないかと、こういったような視点で監査を行ってきております。このような監査においては、監査対象とする事項について、全数調査でございませんでサンプル調査ということで調査を行い、その中で法令違反がないか、こういったことについての確認を行ってきております。
 このようなやり方が直ちに問題があるというふうに現時点で思っているわけではございませんが、しかしながら、一方でJR北海道においてこれだけ様々なトラブルが起こっているということを考えてみますと、保安監査の具体的なやり方については、どの事業者も同じような画一的なやり方というのではなく、トラブルの発生状況であるとか、あるいはそれぞれの列車の運行状況だとか、そういったことに応じてもう少しめり張りを付けた監査をやっていく必要があるんじゃないかなというふうに考えております。
 例えば、監査で現場に入った場合、事故があってその直後に入るというのは特別保安監査ということをやることが多いわけでございますが、こういったような特別保安監査や、JR北海道、今回の例がその一例だろうと思いますけれども、トラブルが多発している鉄道事業者については従来よりもより多くサンプル数を、サンプル数を増やすといったようなそういった工夫、あるいは先ほど来御議論がございました現場の声を聞いてみるとか、そういった、これまでのようなやり方ではなくて様々な工夫をしていくといったような必要があるのではないかというふうに考えております。
 いずれにしても、今回、JR北海道の問題、二回の特別保安監査でいろいろな問題が実は出てくるというふうに考えておりまして、それについてどのように対応していくべきであるかという問題意識を持って、委員御指摘の問題についても検討を進めてまいりたいと思っております。
#47
○魚住裕一郎君 次に、改善指示ということがございました。十月四日に行われた一回目の改善指示、社内の情報共有あるいは意思疎通ということが中心のようでございますが、安全統括管理者が毎日の安全確認を行うことというような指示もあったわけでございますが、これある意味では一般的というか当たり前というか、当然の大前提というようなことをあえて改めてこの改善指示としてJR北海道に指示したその背景と意義というものにつきまして改めてお聞きしたいと思います。
#48
○政府参考人(瀧口敬二君) 安全統括管理者というのは、輸送の安全の状況を把握いたしまして、必要により社長等に対しまして輸送の安全の確保に関する意見を述べるといったようなことをやりまして全社の安全関係の業務を統括管理をすると、こういった責務を負っているわけでございます。
 ところが、今回、私どもが特別保安監査に入りました際に、JR北海道において安全統括管理者がどのような業務を行っているのかということを見ましたところ、本社において各部門の現場の把握ができていなかったと。また、安全統括管理者によって統括管理する体制が、これを安全統括管理者が一人でできるわけではございませんので、そうした体制が不十分であるということが確認されたために、今委員御指摘の業務体制の改善という指示をしたところでございます。
 この業務体制の改善に併せまして、安全統括管理者が日々その安全についてしっかり確認することを指示をいたしておりますが、これは、JR北海道というのは日々鉄道を当然運行しているわけでございまして、利用者の方々に安心して利用していただくためにこういったような安全確認を行うということがあえて必要だろうということで今回指示をさせていただきました。
 また、これにより安全統括管理者に、各部門を統括管理する際に当然不可欠な各部門の現場における毎日の安全輸送のための取組というものについて十分な認識をさせるということが必要だろうと思いまして、このためにも毎日改めて確認をさせるということをしたものでございます。
#49
○魚住裕一郎君 監査と改善指示以外の対応として、十月十五日に大臣からJR東日本に対して職員の派遣ということを要請したということでございます。
 JR北海道と同じように多くの寒冷地を営業エリアに持つJR東日本からの支援が有効であると私も思っておりますし、また資金面というよりは、もう民間企業ですから、人材による支援ということも非常にバランスの取れた支援策だなということで評価するところでございますが、国交省としてこの人材派遣にどのような効果を期待しているのか、また派遣されたJR東日本の職員は具体的にどのような役割を担うのか、御説明をいただきたいと思います。
#50
○政府参考人(瀧口敬二君) 御指摘のように、JR北海道から、安全対策を強化するためにJR東日本からの人材派遣を要請したいという意向が私どもの方に示されました。その旨をJR東日本に伝えたところでございます。両者間で調整の結果、十一月の一日から、JR東日本から八名の方がJR北海道の方に派遣されております。
 この八名の方のリーダーともいうべき方は、先ほど申し上げました安全統括管理者のサポート役というような役割を担っております。そしてまた、残りの方はそれぞれの主管部門の方に入りましてそれぞれの業務を行っておりますが、基本的にはJR北海道の社員と一緒になって、また現場の状況を十分把握しながら、何が問題なんだろうかということを考えていくというような役割であるというふうに考えております。
 こういったJR東日本の社員の方が派遣されておるわけでございますが、私どもが期待いたしておりますのは、十月四日の改善指示で安全統括管理者の業務体制の改善を求めておりますが、必要となる知見を有する人材を外部から招くということになりますので、こういったやり方は非常に有効だろうと思っております。また、東日本は、安全性の向上に向けて日々努力をしているという会社であるというふうに認識いたしておりまして、そうした観点からの知見が役立つんじゃないかというふうにも考えております。
 それから、当然のことでありますが、両者とも同じ旧国鉄から民営化された会社でございますので、現場での問題把握や改善の方策についても共通の経験を生かすことができるんじゃないかというふうに考えております。
 さらに、私ども二回の特別保安監査に入っておりますが、あくまでも行政という立場で入っております。一方、JR東日本は鉄道事業者でございますので、より現場に即した問題の発見であるとか、そのための改善であるとかいう面におきましてより実践的なノウハウというのがあるのではないかということも期待をしているところでございます。
#51
○魚住裕一郎君 次に、やはり安全確保のためには人員とともに予算というのが大事であるというふうに思うところでございますが、先行質問でもございました赤字体質といいますか、経営安定化基金の運用益とかいろんな特別債券の受取利息等々含めても、なかなかそういうような状況で支えないと回っていかないというような問題があって、逆に言えば副業が、JRタワーを含めて副業でもうけて経営改善していくみたいな、この副業重視派が社長を務めるような、そんな体質になっていたんではないのかなと。
 やはり、この予算、安全確保のための投資のための原資というのを安定的に確保できていなかったんではないのかということがあるわけでございますけれども、この点について、国土交通省、どのように認識しておいでになるのか、御説明ください。
#52
○政府参考人(瀧口敬二君) JR北海道の経営基盤のもろさといいますか脆弱性というものは十分認識しておりまして、国鉄改革時の六千八百二十二億円の経営安定基金、また、平成二十三年度におきます実質的な経営安定基金の積み増しということを行いまして、この脆弱な経営基盤を強化するということをやっております。この結果、数字だけ申し上げますと、平成二十四年度では単体で九億円、連結で七十三億円の経常利益を上げていると、こういった状況にございます。さらに、老朽化した施設の更新のための設備投資に対する支援ということで、十年間で総額六百億円という支援も行っているところでございます。
 こういったような各種の支援を行い、経営を安定しながらまた安全対策を進めていくということを期待しておるわけでございますが、こういったような支援策がどのような効果を持っているのか、今回の特別保安監査においても十分見極めたいというふうに考えているところでございます。それを踏まえまして、何らかの対策が必要かどうか検討してまいりたいというふうに考えております。
#53
○魚住裕一郎君 そういうような経営状況といいますか体質があったから、現場からそういう声が経営陣まで上がっていかないといいますか、そういうことになってしまったんではないのかなと思っておりまして、やはり、安定的な資金を確保しておくということが非常に大事ではないのかなというふうに思う次第でございます。
 やはり外部の目というのが次に大事になってくるんではないのかなと思っておりますが、ただ、二回目の改善指示の中にもありましたけれども、JR北海道内に設置されている安全推進委員会が十分に機能していなかったということでございます。
 一方で、飛行機の関係では、JALが平成十七年に事業改善命令を受けた後に安全アドバイザリーグループという外部有識者から成る組織を発足させて安全確保のための提言書が取りまとめられているわけでございますが、JR北海道でも、安全確保のため、工学あるいは組織運営等に明るい有識者による会議を設置させて抜本的な改善策を講ずる必要があると考えますが、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
#54
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、安全を確保するための外部の目と、あるいは有識者の目というものについては、幾つかの会社において取り入れられているところでございます。御指摘のJALにおいてもそうでございました。また、鉄道分野においてはJR西日本が、平成十七年の福知山線の脱線事故以降、数年にわたりまして外部の諮問委員会というものを設置いたしまして、安全風土の構築に取り組んできたといったような事例もございます。
 一方、JR北海道自身も、石勝線の後、私どもの方からの改善指示を踏まえまして全社的な安全管理体制の再構築ということに取り組んだわけでございますが、その際、二十三年の九月に安全性向上のための行動計画というものを作っておるわけでございますが、この策定に当たりましては、学識経験者、外部の諮問委員といった方の意見も伺いながらJR北海道が策定したという経緯がございます。また、それ以外の、幾つかJR北海道の中においても外部の方の意見を聞くというようなことがございますが、いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、二回の監査全体の整理、分析を通じたJR北海道の抜本的な対策の検討に当たりまして、JR北海道に対する第三者的な視点の反映をどのようにするのかといった点についても、他社やJR北海道のこれまでの取組を踏まえた上で、その必要性も含め検討してまいりたいというふうに考えております。
#55
○魚住裕一郎君 先行質問の中にもございましたけれども、非常に観光という面でも北海道は魅力の地であるわけでございますが、やはり全国あるいは世界からお客様をお招きして観光していただく。やはり大震災以降、安心、安全ということが重要性が認識されているわけでございますが、この一連の作業を通じて、いつかはといいますか必ずや、安心宣言みたいなことを、安全宣言みたいなことを発しなきゃいけないんではないのかなと。国民の皆様に安心して乗車していただけると、そういう取組が必要かと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
#56
○政府参考人(瀧口敬二君) 現在、私どもは二回の特別保安監査を実施いたしまして、全体を通じて整理、分析を行っているところでございますが、一方、大臣からは、利用者の安全を確保するために直ちに実施すべき事項がある場合には時機を逸することなく対策を講じるようにということで、これまで二回の改善指示を出しているところでございます。
 こういったものを受けまして、JR北海道に対して、今回の問題の発端ともいうべき基準値を超過したレールにつきまして全て直っているということを確認をいたしております。それから、確実な意思疎通、日々の安全確認など緊急に改善を要すると求められた事項につきましては改善指示を行ってきております。それから、老朽化した枕木の管理であるとか、あるいはATSブレーキのコックの問題であるとか、こういった問題についても、これは十月の二十五日の改善指示で対応いたしております。
 こういったような取組というのは、JR北海道が信頼性を損なってきた一つ一つの事案だろうと思っておりますが、それぞれについて一つ一つを確実に潰していくといったことを行いまして、また、先ほど委員からも御質問がございました日々の安全確認ということをしっかりやるというようなことをやってまいりたいと思っております。こうやって一歩一歩、利用者の方々、道民の方々の信頼性を回復するという取組を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#57
○魚住裕一郎君 いよいよJR北海道も初となる新幹線の開業も控えているわけでございまして、そんなところに新幹線任せられるのかということになってしまうと大変なことになるわけでございまして、やはりこの安全面における問題の抜本的解決というのが大事かと思いますが、それに向けての大臣の御決意をお伺いをして、質問を終わります。
#58
○国務大臣(太田昭宏君) 今、鉄道局長から経緯と今の状況についてはお話をさせていただいたとおりでありますが、最終的にはJR北海道自身が血のにじむような努力をしてこの解決に取り組んでいくという、内発的な力が盛り上がってこないと駄目だというふうに思います。一々一々いろんなことを指摘するという、指摘はさせていただきますけれども、一番大事なのは内発の力であろうというふうに思います。そうしたものが出るように、そして安全で安心な鉄道ということができているように、こういうところに何としてでも持っていきたい、抜本的な解決に向けて取り組みたいと決意をしているところです。
#59
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。
#60
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗でございます。
 私は、社会人になって北海道帯広に四年住んでいたこともありまして、JR北海道をよく利用しておりました。本当に地域の足であり、地元の方々のことを考えると事故やトラブルなく定時運行をしてほしいと思っておりますが、残念ながらそうなっておりません。
 お手元の資料を御覧いただければというふうに思うんですけれども、こんなにもたくさんの事故やトラブルがある、ほかのJRと比べても多いという状況になっています。実は、JR北海道の年間の施設・車両修繕費は鉄道事業収入に対する割合でJR旅客六社平均の二倍近い水準に上っています。なのになぜ事故が減らないんでしょうか。
#61
○政府参考人(瀧口敬二君) JR北海道は様々なトラブルが明らかになっております。今JR北海道に求められることは、安全を確保し、利用者の信頼性を確保する、回復するということであろうと思っております。
 なお、やや細かな点になりますが、JR北海道におけるいわゆるトラブルの発生状況というものを見てみますと、JR北海道では、列車の運転を休止しあるいは三十分以上の遅延を生じた場合に、私どもこれを輸送障害というふうに言っておりますが、このような輸送障害に関しましては、列車走行キロ当たりの件数を見ると他のJRと比べて高くなっている、特に最近、特に高くなっているというような傾向がございます。一方、列車の衝突、脱線、火災といったような鉄道運転事故について見てみますと、他のJRと比べましてむしろ相対的に低いといったような傾向がございます。ただ、だからといって安全というわけではございませんで、むしろ輸送障害を起こしているような原因というのは安全を支障するリスクでございますので、こういったものについても当然少なくなければならないというような問題意識を持っているところでございます。
 御案内のように、JR北海道の大きなトラブルというのは二十三年の五月の石勝線の列車事故でございまして、七十九人の方がおけがをされるといったような事故でございました。この際、私どもは、異常時対応のマニュアルの改善命令ということと併せまして社内安全管理体制の徹底的な見直しということを指示をいたしまして、その結果、先ほど御紹介いたしました行動計画であるとか安全基本計画であるとか、そういったものが作られてJR北海道において取組が進んでいるはずでございました。
 しかしながら、残念ながら今年に入ってもトラブルが多発をしているというような問題がございまして、その結果、九月十九日にはJR貨物の列車脱線事故が発生をし、これを契機として、整備値を超える軌道変位が放置されていた、これは軌道を管理しておりましたのはJR北海道の方でございますが、放置されていたということが判明したところでございます。
 この結果、私どもは直ちに特別保安監査に入り、二回の特別保安監査をし、そしてまた二回の改善指示をしたところでございますが、この二回の特別保安監査、現在その結果を整理、分析をしておりますが、現時点において、なぜこのようなトラブルが多いのかということについての理由であるとか背景などについて、現時点においてまだ申し上げることができるまでには至っておりません。
 引き続き、私どもといたしましては、この分析を進めまして、抜本的な対策は一体何なのかということを考えてまいりたいというふうに思っております。
#62
○和田政宗君 JR北海道では、社員の不祥事も多くあります。そこで、企業の体質を労使関係を含めて取り上げたいと思います。
 そもそも労働組合は健全であれば社内体質の改善に寄与すると思っておりますが、JR北海道の一部労組では問題が指摘されています。今年の九月になりますけれども、ミスを隠すために特急の運転席のATSを運転士がハンマーで破壊するという事件が起きていますけれども、この運転士が所属していた労組はどこですか。
#63
○政府参考人(瀧口敬二君) 当該事象につきましてはJR北海道から報告を受けておりますが、個々の運転士が所属している労働組合については把握するべき立場にないというふうに考えております。
#64
○和田政宗君 では、刑事事件となった案件について聞きます。今年の七月、覚醒剤使用で逮捕された運転士の所属労組はどこですか。
#65
○政府参考人(瀧口敬二君) 本件につきましても、当該事案についてはJR北海道から報告を受けておりますが、個々の運転士が所属する労働組合については把握する立場にはありません。
#66
○和田政宗君 これ、どういった要因で起きたかということを調べることというのは極めて重要だと思うんですけれども、調べてないというふうに認識しましたが、じゃ覚醒剤事件の後、運転士の薬物検査、いまだに拒否している労組があると聞いていますが、その労組はどこですか。
#67
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どもといたしましては、労働組合が薬物検査を拒否しているかどうかについては把握いたしておりません。
#68
○和田政宗君 これは組織体質を把握する上で重要な問題だというふうに思っているんですけれども、これらを起こしたのはJR北海道の最大労組である北海道旅客鉄道労働組合、通称北鉄労の組合員だと報道等では報じられています。この北鉄労は革マル派との関係が報道で取りざたされていますけれども、関係があるのかどうか、政府としてどう認識していますか。
#69
○政府参考人(高橋清孝君) お答えいたします。
 委員御指摘の北鉄労は現在の略称でJR北海道労組ということと私ども理解しておりますけれども、このJR北海道労組と革マル派との関係につきましては鋭意解明に努めているところでございます。
#70
○和田政宗君 鋭意解明に努めているということは、関係があると見て鋭意解明中でしょうか。
#71
○政府参考人(高橋清孝君) そういうことも含めて鋭意解明中でございます。
#72
○和田政宗君 平成二十二年と二十三年に出された質問主意書の回答で、政府の公式見解として、北鉄労の上部組織であるJR総連は極左暴力集団である革マル派の活動家が影響力を行使し得る立場に相当浸透していると回答しています。現在もそうですか。
#73
○政府参考人(高橋清孝君) お答えいたします。
 警察におきましては、平成八年以降、革マル派の非公然アジト二十六か所を摘発しまして、これらのアジトの一部から押収した資料を分析するなどした結果、JR総連内において革マル派活動家が影響力を行使し得る立場に相当浸透していると認識しておりまして、御指摘の答弁書で述べた見解に変わりはございません。
#74
○和田政宗君 そうしますと、北鉄労はJR総連の下部組織ですから、普通に考えれば全く革マル派の影響がないと考えることはできないと思います。この革マル派が関係する労組に所属する社員が鉄道の運行や保線にかかわっているのではないかという懸念があるわけですけれども、こうした場合に安全性は確保できるんでしょうか。
#75
○政府参考人(瀧口敬二君) 冒頭御説明申し上げましたように、JR北海道につきましては、基準を超える軌道変位が放置されていたとか、幾つかのトラブルが実は続いております。この結果、私どもといたしましては特別保安監査を行いまして、その結果、本社と現場との間の意思疎通や現場における連携体制の構築が不十分であったと、こういったような点を確認いたしまして、これを受けまして同社に対して二回改善指示を行っているところでございます。
 現在、二回の特別保安監査の結果については整理、分析を行っているところでございまして、安全輸送の確保という観点から私どもとしては必要な安全対策を講じていくというふうに考えております。
#76
○和田政宗君 先ほど述べた質問主意書では、JR東労組にも革マル派が相当浸透しているとの回答でしたけれども、現在もそうでしょうか。
#77
○政府参考人(高橋清孝君) JR東労組にも革マル派が相当浸透していると認識しておりまして、御指摘の答弁書で述べた見解に変わりはございません。
#78
○和田政宗君 では、JR東日本の安全性の確保、これは図れるんでしょうか。
#79
○政府参考人(瀧口敬二君) JR東日本におきましては、安全性の確保に向けて日々努力が行われておりまして、安全性が確保されているものというふうに認識をいたしております。
#80
○和田政宗君 そうしますと、ほかのJR総連傘下の労組と革マル派の関係についてはどうでしょうか。
#81
○政府参考人(高橋清孝君) JR東労組以外のJR総連に加盟する労働組合と革マル派の関係につきましては、鋭意解明に努めているところでございます。
#82
○和田政宗君 こう聞いたのは、北鉄労について調べますと、北鉄労はほかの労組との平和共存を否定しているということが明らかなんですね。こうした中で、国交省の、国交大臣の改善指示であります社内の確実な意思の疎通の実施というのがありますけれども、これ達成することが不可能なのではないかというふうに思います。これは大臣、いかがお考えですか。
#83
○国務大臣(太田昭宏君) 鉄道事業におきまして安全を確保するということは当然大事なことで、輸送の安全を支える業務の遂行に当たっては、職場における職員やチームの間での情報共有や意思疎通、これが円滑になされるということが重要です。こうした観点から、特別保安監査におきまして、円滑な情報共有や意思疎通等を実現する企業風土を含めた経営全般について問題意識を持って対応しているという状況にございます。
 私は、JR北海道の企業風土等に問題があることが確認されれば、それを是正し、円滑な情報共有や意思疎通が図られるよう適切にしていきたいというふうに思っています。
#84
○和田政宗君 報道等では、今年八月のことですけれども、国交省が抜本的再発防止策としてJR北海道に提案した全運転士の薬物検査、これをJR北海道は人権侵害だということで拒否したということですけれども、こうした薬物検査は人権侵害に当たるんでしょうか。
#85
○政府参考人(萩原秀紀君) 法務省の人権擁護機関では、被害者からの申告等に基づきまして人権侵犯事件として調査を開始し、その調査結果に基づきまして人権侵害に当たるか否かを判断するなどして適切な措置を講じているところでございます。
 したがいまして、ただいま委員の御質問にありました人権侵害に当たるか否かということですが、これは個別の事案ごとの具体的な状況を踏まえて法令等に基づいて判断しなければならないものでございますため、一般的にお答えすることは困難であることを御理解いただければと思います。
#86
○和田政宗君 ということは、十分に人権に配慮をして法令に違反をしない形で行えば人権侵害に当たらないということでしょうか。
#87
○政府参考人(萩原秀紀君) その点は、やはり先ほど申し上げましたとおり、まさに個々の事案ごとの具体的情報を踏まえて判断することになりますので、委員御指摘のような状況があるとしても、やはり個別の事案を離れて人権侵害に当たるかどうかをお答えすることは困難でございます。ですから、また、委員御指摘のとおり、薬物検査がどのような形で行われるかなどについて具体的な事情を踏まえて判断することになると思います。
#88
○和田政宗君 では、ここからは企業体質ということでさらに経済的な面で聞いていきたいというふうに思うんですけれども、JR北海道、営業キロ数ですとか社員数というのはJR九州と極めて似ています。民営化当時どちらも赤字体質だったものがここまで差が開いたというのはどういった理由が考えられるんでしょうか。
#89
○政府参考人(瀧口敬二君) JR九州におきましては、JR北海道と同様に鉄道事業としては営業損失を計上いたしておりますが、不動産事業などの関連事業を拡大をするということ、それからまた、非常にすばらしい車両デザインの新しい車両を導入いたしておりまして、最近ではクルーズトレーンのななつ星といったものを運行するといったようなこと、あるいはそういったような車両を活用しながら地元と連携した観光列車といったようなものを運行するといったようなことで、鉄道サービスに積極的に取り組んでいることが経営状況の差に表れてきているんじゃないかなと、このように実は認識しているところでございます。
 一方、残念ながら、現在、JR北海道におきましては様々な輸送トラブルが明らかになっておりまして、まず安全な鉄道輸送を確保し、そしてまた利用者の信頼を確保すると、回復するということが急務であるというふうに考えております。
 一方、JR北海道は、北海道自体は非常に魅力のある観光資源があるわけでございますので、好調な外国人観光客の利用促進など、北海道の特色を生かした新たな鉄道サービスの可能性も十分実はあるというふうに考えております。そういったことが実は期待されるわけでございますが、このためにもまず安全と安心を確保していくということが必要だろうというふうに考えておりまして、現在、二回の特別保安監査あるいは改善指示、あるいは抜本的な対策の検討といったことを進めているところでございます。
#90
○和田政宗君 これはJR九州の石原会長がある雑誌に書いたことなんですけれども、国鉄時代を反面教師として、国鉄のころやらなかったことを全てやってきた。国鉄時代はいつも労使問題に追われて、政治家とお役所ばかり見て、お客様の存在がほとんど視界に入っていなかったと。こういった反省の下、お客様のサービスを充実させたということなんですけれども、JR北海道に対してもそういったところを求められると思うんですが、その辺り、どうでしょうか。
#91
○政府参考人(瀧口敬二君) おっしゃるように、国鉄改革の一つの目的としてお客様のことを考えるということがありました。しかしながら、残念ながら現在のJR北海道の状況というのは、それよりも前にまず安全を確保し、利用者、道民から信頼される鉄道であるというふうに思われるということが必要だろうと思っております。まずそこの第一歩を固めた上で、委員御指摘のより良い鉄道サービスの提供といったことを考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。
#92
○和田政宗君 JR北海道が組織改善を図って安心して利用者が利用できることになることを希求しまして、私の質問を終わります。
#93
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 JR北海道は、公共交通機関、公共交通を担う鉄道事業者として利用者、国民の命と財産を安全に輸送する責任があります。JR北海道の安全を軽視した経営、そしてそれに続く一連の事故の一義的な責任はJR北海道の経営陣にあると考えます。したがって、今回、JR北海道の社長を参考人として招致し、改めて私は集中審議を行うべきだということを求めて、質問に入ります。
 太田国土交通大臣は、十一月の一日の衆議院の委員会でも、安全運行が持続されることが一番大事だと述べておられます。そして、今後の対応について、広範にわたって全体像をつかんだ上での対策が必要で、分析を鋭意行っていると、今後も安全確保のために必要なら改善を指示したいと、その上で問題全体の整理や分析を早急に行うとともに抜本的な対策の検討を進めていきたいと述べておられます。今後も安全上の問題があればその都度改善を指示していくと、これ非常に私も大事なことだと思います。
 そこで、大臣に質問をいたします。
 特別保安監査や追加監査、それに基づく改善指示などを継続し、そして国交省としてJR北海道の輸送の安全、安心が確保されるまでこの監督指導をより強化、徹底するということ、そしてその取組状況を利用者や国民に広く知らせることが私は不可欠だと思いますけれども、どうでしょうか。
#94
○国務大臣(太田昭宏君) 方法論はいろんなことがあろうと思います。しかし、最終的にJR北海道が国民の皆様に安全で安心だという走行が常にできるようにというところまで持っていくというのが目的でありますから、その間、保安監査あるいは改善指示、いろんな形があろうと思いますけれども、随時必要に応じて、判断をしたならば、そうしたことをやり続けたいというふうに思っています。
#95
○辰已孝太郎君 今後も強化していっていただけるものだと思っております。
 さて、私は国の監査の問題について質問をしたいと思います。
 国土交通省はJR北海道に対して、二〇一一年、この石勝線の脱線火災事故に対する業務改善命令始め改善指示、勧告などで行政指導を行ってきております。しかし、一向にJR北海道の安全軽視の経営は改善をされておりません。
 先日もNHKが報道しておりますけれども、JR北海道は、四年前から毎年、安全管理が現場任せだと国の監査で繰り返し指摘をされてきたということであります。四年前の平成二十一年の十月には、その前年に起きた信号システムのトラブルについても、概要を現場に送付するのみで、本社から特段の指示はなく、再発防止策を実施していなかったと、こういう指摘をされておりますけれども、毎年安全管理が現場任せだと指摘をしてこられたのはこれ事実でしょうか。
#96
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どもの保安監査というものは、先ほども御紹介を申し上げましたが、鉄道事業者が自らの法令に従いまして、それぞれの路線が敷設されている状況に従って安全に列車を運行しているということを前提にしております。そのために、基本的に法令違反がないかということを見るというのが主眼でございました。このような定期的な保安監査というのは、年度ごとの計画を定めまして、中小鉄道事業者につきましては数年に一回、また、JRにつきましては、規模が大きいことから路線や部門を選ぶということもございますけれども、原則毎年入ると、こういったような監査をやってきております。
 JR北海道に対する保安監査でございますが、過去五年間の平成二十年度から二十四年度までを見てみますと、毎年度この保安監査というものを何らかの形で実施をしていると。さらに、この間、四回文書で改善指導をいたしております。当然この中には個別の問題点もあったわけでございますが、本社が現場の状況を把握できていないというような状況がございましたので、平成二十二年二月の改善指導では全社的な安全管理体制の強化ということ、そして、ただいま御指摘のございました石勝線の事故を受けました平成二十三年六月の改善指導では技術管理体制の確立、強化ということと併せまして社内の安全管理体制の確立ということ、そしてまた最近では、二十四年六月の改善指導では全社にわたる安全管理体制の構築といったものを指導してきたところでございます。
#97
○辰已孝太郎君 要するに現場任せになっているということなんですね。
 ところが、この国の指摘は、例えば四年前であれば電気施設と運行管理、三年前が車両整備、また去年は土木分野と、個別の部門に問題点というのは、指摘というのは限られていたと。そのため、会社全体として抜本的な対策というのが取られないままだったと思います。
 この九月の貨物列車脱線事故後に発覚した補修が必要なレールがそのまま放置されていた問題でも、これ国交省は去年の十二月にJR北海道に対して通常の監査を行っていたのに、レールの安全管理は対象としていなかったために見抜けなかったということであります。つまり、監査に入っても肝心なところは見抜けずに、そして毎年同じような指摘をしても会社全体として改善をされない。これでは監査に入った私は意味がないと思うんですね。
 そこで、もう一度聞きたいんですが、なぜ見抜けなかったのか、そしてなぜ指摘されたことが改善されないのか。この点、国交省としてどう考えているのか、お聞かせください。
#98
○政府参考人(瀧口敬二君) まず一点確認を申し上げたいと思いますが、ただいま申し上げました三つの安全管理体制の問題というのは特定の分野だけの安全管理体制ということではございませんで、今委員御指摘の電気関係、車両関係あるいは土木関係といったところを主眼にして入ったわけでございますが、そういったところを通じて全社の問題として本社が現場を十分把握していないという問題意識で、全社の問題として改善措置を求めたものでございます。一部この辺りを誤解をした報道があったというふうにも承知しておりますが、まず事実関係としては、私どもは全社の安全管理体制を個別の分野の問題を取り上げながら指摘をしてきたというのが第一点でございます。
 しかしながら、委員御指摘のように、これだけ度々全社の安全管理体制を指摘しながら、なぜそれが改善されていなかったのかということが実は大きな問題だろうと思っております。
 特に、この中で一つが平成二十三年の石勝線の事故以降に入りました保安監査でございまして、このときには安全管理体制の徹底的な見直しという改善指示が出ておりまして、これを受けてJR北海道では行動計画をその年の九月に策定し、一年余り後、昨年の十一月に安全基本計画というものを策定いたしまして、非常に網羅的な安全管理体制の構築に向けた計画というものを作っているというような状況でございました。そして、私どもとしては、昨年十一月に策定されましたその安全基本計画が着実に取り組まれ推進されるだろうということを実は期待をしておったわけでございますが、残念ながら今年に入って多様なトラブルが発生してきておると、こういったような問題でございます。
 まさに、いろいろな私どもが指導をし、JR北海道も計画であるとかいろんな対策を講じてきているのですが、それが本当に実行されていたのか、こういったような問題意識を持っているところでございます。今回の特別保安監査におきましても、そういった点については十分問題意識を持っておりまして、二回の特別保安監査でもその点についていろいろな調査をし、現在、全社的な問題として分析を進めているところでございます。
 なお、個別の問題でございますが、今回の発端となりました九月十九日のJR貨物の脱線事故にかかわりまして、基準を超える軌道変位が放置されていたという問題がございました。これについては、御指摘のように、過去五年間でも毎年、実は毎年度入っておるわけでございますけれども、その中でこういった軌道変位のものをあったかといいますと、残念ながら見付け出すことはできておりません。ただ、軌道関係では、その軌道の下のバラストの状況が悪いといったような問題については指摘をしたことがございます。しかしながら、残念ながら軌道変位自体については指摘をしたということはございませんでした。これは、この私どもの行っております保安監査、これは定期だろうが、基本的には、特別保安監査であろうが、サンプリング調査というものを行うわけでございます。したがって、サンプリング調査でそういったものを見付け出すことができるかといったような問題であろうかと思っております。
 先ほど申し上げましたように、この辺りにつきましては監査のやり方というものにつきまして今後十分検討していく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
#99
○辰已孝太郎君 監査のやり方という、これやっぱり問題だと思うんですよ。今までは、監査に入っているけれども、それがきちんと指摘された問題が改善されたのかどうか、これチェックも何もしていないわけですよね。鉄道事業等監査規則第二条には、監査は、輸送の安全確保するための取組が適切であるかどうかについて監査することにより、輸送の安全を確保し、利用者の利益を保護すると、これしっかり書かれているわけで、私は、やっぱりここでの国のその監査の問題、責任の、指摘はするけれども後追いしていないと、ここをやっぱり指摘しておかなければならないと思います。
 最後に、国の責任についても少し質問をしたいと思います。
 自民党の石破茂幹事長が二日の札幌市内の講演で、株主としての責任をどこまで果たしたのかを国が問われなければならないと述べています。JR北海道の経営などにも国が責任を持つべきだという認識を石破幹事長は示したわけですけれども、この発言について大臣、どう思うかお聞かせください。大臣、大臣。
#100
○委員長(藤本祐司君) 大臣に答弁を求めていらっしゃいますが。
#101
○政府参考人(瀧口敬二君) 一点、前に。
#102
○委員長(藤本祐司君) まずは、じゃ、局長から。
#103
○政府参考人(瀧口敬二君) 今委員の方から、私どもが保安監査で行った結果についてチェック、フォローアップがなされていないのではないかという御指摘がございました。
 私ども、JR北海道については度々、過去五年間でも四回の改善措置を求めているわけでございますが、その後の監査の際に改善状況のフォローアップを行うということになっております。これら四回の文書による改善指導につきましては、それぞれその後の保安監査、あるいは今回も特別保安監査入っておりますけれども、そういった中で全てをフォローアップを行っております。
 例えば、一点御紹介申し上げますと、平成二十四年の六月の改善指導では、実はその前の二十三年六月の石勝線の際の安全管理体制の徹底的な見直しということを指示したわけでございますが、なおこういった問題があるということで、二十四年六月の改善指示といたしまして、安全性向上のための行動計画、これは石勝線を受けて策定したものでございますが、を策定している中、組織全体で事故防止に取り組む安全管理体制が不十分なので見直しなさいということをやっております。
 こういうことで、決して言いっ放しということではございませんで、それぞれの段階で必要な指示というものを行ってきたところでございます。
#104
○国務大臣(太田昭宏君) いろいろ指摘をしたこと、それについては今申し上げましたようにフォローをしていると。そして、国としては事業計画等の認可もしている。そして、その事業認可の中には、安全ということにもこうやります、ああやりますということが明確に書いてある。だけれども、物の本質は、そうした言ったこと、指摘したことがなぜできないのかということが大事なので、そこのところを我々としては保安監査等を行って指摘をさせていただいているということでございます。
#105
○辰已孝太郎君 先ほど局長からありましたけれども、監査をしても、これ結局サンプル調査でしょう、サンプルでやるわけですよ。それが結局、二百七十か所も後から分かるわけですけれども、監査そのものの人員体制も含めて不十分だということを私は言っているわけであります。
 最後ですけれども、石破幹事長についての発言、これどう思うかということを大臣にお聞きしたいので、よろしく。
#106
○国務大臣(太田昭宏君) 幹事長がどういう発言したのか、私は内容について十分承知をしておりません。
#107
○辰已孝太郎君 やはりこのJRの問題については、国の責任というのは免れないと私は思います。先ほど大臣からありましたけれども、いわゆるJR会社法第七条においては、JR各社がそれぞれ事業計画を毎年定めることになっていると。それを、その事業計画を認可するのは国土交通大臣ですよね。それで、会社の代表取締役の選任、解任、この決議の効力は誰の認可で生じるかということに関しても、これは国土交通大臣なんですね。ですから、もちろん一義的にはJR北海道の問題ありますが、国の責任というのは私はもう決して免れるものではないと考えます。
 最後に、今回の問題の大本には、国の責任を放棄して事業任せを推し進めた国鉄の分割・民営化と安全の規制緩和があります。JR北海道など三島、貨物会社は、発足当初から厳しい経営が想定をされていました。人員も半減し、輸送の安全確保に支障を来すことも懸念されていたわけです。完全民営化したJR東海など本州三社との格差やひずみも顕著になっております。
 鉄道事業を輸送の安全と国民の足を守る公共交通として再生させるためには、人口減少の現実化など社会情勢の急激な変化も踏まえて、国鉄分割・民営化と安全の規制緩和を改めて検証し、これ、国が直接経営を管理、運営することも含めて抜本的な見直しが必要であるということを述べて、私の質問を終わります。
#108
○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。
 早速質問に入りますが、いろいろと各委員の先生方のお話、また質問を聞いておりますと、私も、二年前ですか、二十三年の石勝線のあの事故の教訓が全く生かされていない。そしてまた、鉄道局長もしっかりと対応をしてくれているようであります。いろいろと力のある答弁をお聞きしまして、しかしこの原因が一体どこにあるのかと私もいろいろと考えておりますが、取りあえずこのJR北海道の事故防止のために安全推進委員会において、北斗一八三、そしてまたエンジンのトラブル、また白煙のトラブルを起こしたスーパーおおぞら二八三、こういう事故のトラブルは配電盤からの出火火災とかいろいろと原因はお聞きをしておりますが、この後の再発防止策について全く議論がなされていないという非常に理解し難いことが起きていると。
 また、このJR北海道においては、平成二十四年の輸送障害、また列車の運休、また旅客列車の場合は、局長がおっしゃっておられました三十分以上の遅延が発生したもの、これが一年間で百八十九件あるという、こういう数字をお聞きをしております。ということは、二日に一度こういうトラブルが生じていると。これはもう異常と言うしか表現がない、このように私は感じておりますが、しかし、今日も明日も北海道を列車が走っておりますから、非常に不安な思いをしているわけでありますけれども。
 そういう中で、この安全推進委員会において再発防止について全く議論されていなかったということについて、大臣、全く同じような質問をせざるを得ないんですが、どのようにこの状況を理解をしておられるのか。局長ですか、説明をしてください。
#109
○政府参考人(瀧口敬二君) この安全推進委員会というのは、JR西の福知山線の事故以降の各鉄道事業者を始めとする運輸事業者に対する安全管理体制の一環として設けられたものでございます。主たる業務といいますか責務というのは、各鉄道事業者が安全対策を講じる上で重要だと思われる事故、トラブルを選びまして、そして非常に高いレベルの経営陣が参画をし調査審議をするということであったわけでございます。
 ところが、残念ながら、今回、二回の特別保安監査に入ったところでは、委員御指摘のように、七月七日の、スライジングブロックという部品が実は壊れたんですが、この件について、過去二回同じ部品が壊れていながら、昨年の九月、今年の四月、壊れていながら、そのタイミングでは全く報告だけであって審議がされていない。そして、今年の七月の際には反省の弁だけが述べられていると、こういうことでございます。
 こういったことが一体なぜ起こっているのかということでございますが、直ちにこれは一体なぜ起こっているのかという原因について今の段階で明確に申し上げることができる段階ではございません。現在、二回にわたる特別保安監査を踏まえまして、その内容を整理、分析しているところでございますので、こういったことが一体なぜ起こるのかといったことも含めまして、整理、分析を急ぎまして抜本的な対策の検討ということに結び付けてまいりたいというふうに思っております。
#110
○室井邦彦君 是非しっかりとその検討をしていただかないといけないんですが、またまた、JRの福知山の事故もございました。これも私の地元の事故でありましたからいろいろと感ずることがあるんですが、全くそういうことで尊い人命がそのように失われておりながらそういう教訓を生かそうという努力が何か見えないというような、そういう思いであります。
 しっかりと、大変なことだと思いますし、しかし、人の命を預かる公共性のある大きな鉄道でありますから、ひとつ気を緩めずにお願いをしたいと、このように要望しておきます。
 また、十月の四日に、同じことのまた質問で非常に恐縮でありますけれども、一回目の改善指示を出されたと。十月の二十五日にまた二回目の改善指示を出されたと。国交省は一か月に二回も改善指示を出されているにもかかわらず、JR北海道から改善指示に対する実施結果の報告がなされていないと。
 こういう質問していても腹立たしい思いがするんですよ、私。で、お答えももう分かっておりますが、しかし、責務でありますから、しっかりと私も質問させていただきます。どのように理解をされておるのか。
#111
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、二回の特別保安監査を受け、十月四日と十月二十五日に当面の改善指示というものを出したところでございます。したがいまして、一回目の十月四日の指示からは一か月以上はたとうというふうになっております。
 過去のJR北海道に対する保安監査で過去五年間で四回文書による改善措置を求めたということを御紹介申し上げましたが、その際には、やや異なるものもございますが、おおむね三か月程度の期限を設けて改善措置を検討し報告するようにということを、その改善措置を求めた際にそういったことを期限を付けて指示をしたところでございます。
 今回の改善指示においては、実はこういった期限を設けておりません。と申しますのは、北海道のこれまでの対応というのは、計画を作る、こういった体制をつくりましたといった報告はありますが、それが実行されていなかったという面が実はございます。
 このために、今回はじっくりと、JR北海道として何ができるのか、何をしなければならないのかということを検討し、確実に実行し得る、そういった改善報告を求めたいというふうに思っておりますので、今回は期限を求めずに、じっくり検討し、自分で考え、何が必要なのかということを求めたいということで期限を設けなかったということでございますので、第一回から一月たっておりますが、現時点において報告がないからといってJR北海道が怠けているとか、そういうことはないというふうに考えているところでございます。
#112
○室井邦彦君 よく分かりました。
 しかし、局長の答弁を聞けば聞くほど情けないというか、何とも言えぬ思いにならざるを得ませんよね。しっかりと対応をお願いをしたいと。
 続いて、このJR北海道に対する問題の背景に深く、もちろんもう切り込んでいただいているんですが、経営刷新が図られるように毅然とした態度でもちろん挑む必要があります。国土交通省の改善指示などにいわゆる実効性の高い拘束力を持たせるようなことは工夫ができないのか、こういうふうな思いでありますけれども、お考えをお聞かせ願えませんか。
#113
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、いろいろな問題が実はあるということは特別保安監査の過程で我々も認識を始めておりますが、今回の特別保安監査というのは、従来の通常の保安監査の場合はいわゆる技術部門と言われるところを主体として行っておりましたが、経営改革ということも念頭に置きながら、経営体制を含む幅広い観点から、現在、特別保安監査を実施し、その結果を分析しておるところでございます。
 その結果が、二つの、当面の問題として対応しなければならないものが十月四日と十月二十五日に改善指示ということになっておるわけでございますが、これらはいわゆる鉄道事業法に基づきます事業改善命令というものではなく、行政指導として是正措置を求めるというものでございます。したがって、違反した場合の罰則による担保がないのではないかということであれば、法的にはおっしゃるとおりでございます。
 しかしながら、私自身がこの二回の改善指示をJR北海道の経営陣に手渡しました。そのときにJR北海道の方からは、全社一丸となって取り組んでまいりたいという、そういった意思が示されております。そしてまた、JR東日本からの人材派遣を要請したいという話がございまして、こういった意向がJR北海道から私どもの方に示され、その結果、十一月の一日からこの人材派遣というのが開始されておりますが、これも、十月四日の指示にございました安全統括管理者の業務体制の改善といったことをやる上で一つの手段として非常に重要なことではないかというふうに考えております。
 こういったことを見ましても、JR北海道において改善指示を踏まえた具体的な検討あるいは対策というのが進んでいるんだろうと思っております。したがって、法的拘束力有無にかかわらず、JR北海道がしっかり取り組んでいくということを今見守っているところでございます。
#114
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 続いて、時間もございませんので質問いたします。
 JR北海道では、経営の効率化を優先し現場の安全がおざなりになっていた、こういうことを申し上げても決して過言じゃない、このように言わざるを得ません。また、JR北海道の体質が変わらなければ今後も同様の事故が繰り返されると、このように危惧をしております。経営者の指導力、また社内のコミュニケーション、そして現場の技術力、こういうことについて徹底した意識改革をしていただかないといけない、このように私は感じております。
 公共交通としての役割を十分に果たしながら迅速にこの問題を改善していくために、その具体的な対応方策があるなら是非お聞かせください。
#115
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘の経営者の問題、あるいは社内のコミュニケーションの問題、あるいは技術力の問題、それぞれ非常に大きな問題であると考えております。
 今回は、抜本的に対策を講ずるようにという大臣の指示を受けまして、特別保安監査をやり、現在その結果を整理、分析しているところでございます。こういった問題について直ちにこういった対策があるということが出てくるものでは、なかなか難しいんじゃないかと思っておりますが、そういった問題意識を持ちながら、できるだけ速やかに整理、分析を進めてまいりたいというふうに考えております。
#116
○室井邦彦君 五番は飛ばしまして、大臣がお答えいただけるのは六番でしたか。(発言する者あり)五番ですか。じゃ、五番の、最後に時間もございませんので質問をさせていただきたいと思います。
 これはむちゃな注文なのかも分かりませんが、お聞きをしていただきたいと思います。このJR三島会社、JR、もちろん北海道、四国、九州でありますけれども、これまで財政基盤の安定化に向け、税制上の特例措置とか経営安定基金の積み増しとか、また設備投資への助成金、様々な対応が手厚く講じられてきたと、私はこのように思っております。
 JR北海道の経営の状況、これ先ほど来先生方がおっしゃっておられますが、この北海道は、気象現象、気象が非常に厳しく、極寒そして豪雪地帯という条件を考慮するならば、JR会社法からJR北海道だけを切り離し、抜本的な改革を断行しなければこの問題の解決は難しいんじゃないのかなと、このように私は思っておりまして、安心、安全な運行をしっかりと確保するため、国費や人材を投入して国が安全対策に積極的にかかわるべきだと考えておりますが、どうか国交大臣のお考えをお聞かせください。
#117
○国務大臣(太田昭宏君) これまでも質問の中にありましたが、財政と、赤字ということがかなり制約になっているということも指摘をされているところです。技術力もそうです。現状は、いろいろ工夫して積み増し等ほかしてきている。また、技術力においては、JR東からの応援もいただいて、十一月はもう既に動いているということがあります。
 その国費の点も含めてよく分析させていただいて、安全のためにそれが必要かどうかということを十分検討させていただかなくてはならないというふうに思っています。
#118
○室井邦彦君 終わります。
#119
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 五日にもJR北海道の問題について質問をさせていただきました。
 今日、実は衆議院よりも先に参議院で集中審議が行われるということでありまして、是非JR北海道の社長など経営陣にもおいでいただいて、また直接、状況、どのような今努力をされておられるのか、そういうこともお伺いをしたかったと思いますし、また決意もお聞きしたかったと思います。
 また、先ほどJR九州と北海道の比較の話もありましたけれども、室井委員からも今お話がありましたが、北海道は豪雪、寒冷の地というハンディがある中で、一方で大変魅力に富んだ地域でありまして、経営の可能性もある。そういう意味で激励もしたかったわけでありますけれども、今日、何か都合が付かなくておいでいただけなかったわけであります。
 国政調査権を持つ国会以上に重要などのような任務があるのか社長に直接私はお聞きしたいと思いますけれども、いずれにしても、委員長、先ほど理事会でも申し上げましたが、しかるべき時期に是非、社長始め経営陣、当委員会においでいただきたい、そのような取り計らいをしていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#120
○委員長(藤本祐司君) この件につきましては、理事会で協議をさせていただきます。
#121
○吉田忠智君 国土交通大臣も是非、側面的に御協力をいただきたいと思います。
 したがって、おとといの質問を踏まえて、また引き続き質問をさせていただきます。
 事はJR北海道の問題のみならず、私は、先ほど来議論がありますように、鉄道の安全を確保すべき国土交通省の監督責任もまた国民の厳しい目にさらされているということを是非自覚をしていただきたいと思います。
 まず特別保安監査についてでありますが、従来は、監査について国交省にお尋ねをしても、結論が出るまでは国交省としては監査の分析結果を待って所要の対応に努めたいという答弁ばかりで、ある日突然、改善命令や指示が出されて、以降はなかなか国会審議が深まらないということの繰り返しではなかったかと思います。
 二度にわたる特別保安監査の結果の公表について、従来のやり方を改善する必要があると思いますが、いかがですか。
#122
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どもが行っております監査というのは、それぞれの鉄道事業者がそれぞれの責任におきましてそれぞれの状況の下で安全に鉄道を運行しているということを前提にして、その上で法令違反がないかといったようなことを中心に監査をしているものでございます。
 したがいまして、私どもが行います監査の結果を、法令違反といったような問題があった場合にそれを改善する措置を求める、こういったような形で私どもの監査の結果というものを対外的に出させていただいております。
 このため、例えばJR北海道の石勝線の事故、あるいはJR西日本の福知山線の事故の際にも特別保安監査というものは行われておりますけれども、その出口と申しますか、それにつきましては報告書といったような形を取っておりません。鉄道事業者に対する改善指示、あるいは物によりましては改善命令といった是正措置を求める文書を出すことによって監査で得られた問題のある事項を改善することを求めると、こういったようなやり方をしているところでございます。
 一方、今回のJR北海道に対する特別監査というのは、従来はいわゆる技術四分野といったところを中心に監査が行われておりましたが、経営部門を含めた広範囲にわたる問題を洗い出すことを目的にいたしております。このため、監査の結果の取扱いにつきましては、従来の経緯にとらわれず、何らかの形で取りまとめを行うことも含めて検討する必要があるということが大臣からも指示が出ているところでございます。
 いずれにしても、現時点におきましては、二回の特別保安監査の結果を、現在、鋭意整理、分析中でございまして、こういったものを踏まえながらその取扱いについて検討してまいりたいというふうに考えております。
#123
○吉田忠智君 是非、国民的な議論の材料になるような、また当然のことですが、国会の議論が深まるような報告にしていただきたいと思っています。
 技術断層について、さきの委員会でも質問をさせていただきました。分割・民営化の際の大量解雇とそれに続く採用抑制によって、JR北海道では四十代の職員が全体の一割しかないといういびつな年齢構成になっています。これが結果的には技術力の低下につながっているということが指摘をされました。
 全般的に要員が不足しているために、六十歳以上のエルダースタッフ社員が実際の作業に携わることも多くて、技術力の継承、教育に専念できる体制にはなっておりません。このエルダースタッフ社員を担務から外して技術教育に専念できる体制をつくることが必要だと考えます。JR西日本などは既に実施をされていると聞いておりますが、その点についてはいかがですか。
#124
○政府参考人(瀧口敬二君) 御案内のように、JR北海道におきましては、特に教育を担当する職員となるべき四十代の人間が非常に少ないといった問題がございます。こういったような問題が安全の確保、特に技術の伝承に対してどのような影響を与えているのかということについては、私どもも問題意識を取っているところでございます。
 一方、外部から人を調達する場合、やはり実際の経験があり、つい先ごろまでこの仕事をしていたというような人間というのは極めて有用だろうと思っております。JR北海道においても、現時点では、六十歳で退職し雇用延長となっておりますいわゆるエルダースタッフという方が多く活躍をしておられます。もちろん、こういった方はこれまでの経歴を踏まえて教育要員としても活躍することが期待されておりますが、一方では、現場における体制ということの強化が求められておるところでございまして、こういった個々の方の能力、経験などを生かしながら、JR北海道においても教育要員あるいは現場の監督要員といったようなことで活用しているというふうに承知をいたしております。
#125
○吉田忠智君 いずれにしても、慢性的な要員不足がこういうエルダースタッフに現場の実務まで頼らざるを得ないという状況になっているわけでありまして、問題意識を持って対応していただきたいと思います。
 車両の検査修繕について特にでありますが、業務委託、外注化が進んでいます。雇用の側面から安全管理の責任の所在が曖昧になるなど様々な問題がありますが、安全輸送の観点からは外注先の技術水準の確保が大前提であります。
 国交省として外注の実態をどのように把握されておられますか、特に外注先の技術水準の確保にどのように今後取り組んでいかれるのか、今どのように取り組んでいるのかも含めて伺います。
#126
○政府参考人(瀧口敬二君) 一般論として申し上げますと、外注を活用することにより業務を的確に遂行することができる場合には外注を念頭に置いた業務体制を取るということになるだろうというふうに考えております。したがって、このような場合には、外注先においてしかるべきレベルの技術水準が確保されているということを前提に外注が行われるということになります。
 一方で、外注をせざるを得ないというような場合には、外注先の技術水準を逆に確保するという努力も併せてしなければならないという問題があるだろうというふうに考えております。JR北海道から必要な技術を移転するということ、あるいは人事交流をするといったようなこと、こういったような努力をすることにより外注先の技術水準を確保していくということを検討する必要があるのだろうというふうにも思いますが、これは他のJRも同じような状況にあるというふうに考えておりまして、他のJRの状況などを踏まえながら、どういったやり方が適切なのか検討をしていく必要があるだろうと思っております。
 今回の特別保安監査では、第二回目の特別保安監査で初めて鉄道事業法に基づきます立入検査として、委託を受けた者、いわゆる受注先についても今回立入検査に入っております。こういった立入検査の結果、委託先におけるこういった技術水準の問題なども含めまして、現在、特別保安監査の結果を整理、分析中でございまして、そういった問題意識を持ちながら今後とも検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#127
○吉田忠智君 よろしくお願いします。
 二〇一二年に会計検査院がJR北海道に対して行った検査では、多くの請負契約による車両の検査修繕において、示方書に基づく関連会社による検修調書、試験成績表等の報告書の作成、提出等が行われていないことが指摘をされております。
 この会計検査院の検査結果について国交省としてどのように考え、対応しておられるのか伺います。
#128
○政府参考人(瀧口敬二君) 御指摘のように、JR北海道が二十三年度に外注した車両部品の検査修繕の請負契約におきまして、会計検査院から、契約書ではJR北海道が定める示方書というふうにJR北海道では呼んでいるようでございますが、に従って、請負人がこの契約に定められておりました検修調書などの報告書を提出すべきとされていたところ、これらの書類が提出されていない契約があったというような指摘を受けたというように承知をいたしております。
 この背景には、定型的な契約様式というのがどうもあるようでございまして、その中で、具体的な部品だとか請負修繕の内容を問わずにその条項が適用されるといったようなことがあったようでございます。そこで、JR北海道においては、請負修繕の対象となる部品等に応じて、それぞれに応じまして適切な示方書になるように見直しを行ったというふうに承知をいたしております。
#129
○吉田忠智君 どうぞよろしくお願いします。
 次の質問に移ります。
 技術力低下の原因が全般的な要員不足にあることは間違いないわけでありますが、技術教育にOBを活用したり、いわゆるJR不採用問題千四十七名のうち希望者、適格者の短期雇用なども検討すべきではないかと考えますが、いかがですか。
#130
○政府参考人(瀧口敬二君) 先ほどエルダースタッフについて御説明を申し上げました。
 JR北海道においては、年齢構成がいびつであるということ、それからまた現場において業務執行体制があるのかといったような問題意識がございます。こういったことに対応するためにどのような方々を採用するのか、例えば教育要員として、あるいは現場における現場の監督者としてどのような方を採用するのかということにつきましては、これはJR北海道が判断すべき問題だというふうに考えております。
#131
○吉田忠智君 北海道任せにするだけじゃなくて、しっかり指導していただきたいと思います。
 二〇一一年九月にJR北海道が提出した安全性向上のための行動計画には、「九 安全に対する労使の取り組み」として、「安全風土の確立に向けて、労使間において、双方の信頼関係のもとに、建設的な対話等により十分なコミュニケーションを図ります。」と書いてあります。
 ところが、各組合との間で個別の団体交渉や経営協議会が開かれてはいるものの、実際には安全運行に関しては特定の一組合との間での安全推進会議しかありません。社内のコミュニケーションのためにも、JR北海道会社が社内に存在する四つの組合と同一テーブルで定期的に開催する労使安全会議を設置すべきではないかと考えますが、大臣の御見解を伺います。
#132
○国務大臣(太田昭宏君) 鉄道事業においては、特に輸送の安全を確保するということからいきまして、職場の職員の連携ということが極めて重要だというふうに思っています。
 具体的なお話をいただきましたが、経営者と個々の労働組合の関係、また労働組合間の関係ということについては、これは労使間の問題であって、私としてここでコメントする立場にはないと、このように考えています。
#133
○吉田忠智君 国交省として、委員会でそのようなやり取りがあったということは報告できますか。
#134
○委員長(藤本祐司君) 太田大臣、時間ですので簡潔にお願いいたします。
#135
○国務大臣(太田昭宏君) できると思います。
#136
○吉田忠智君 お願いします。
 以上、終わります。
#137
○委員長(藤本祐司君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#138
○委員長(藤本祐司君) 次に、海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。太田国土交通大臣。
#139
○国務大臣(太田昭宏君) ただいま議題となりました海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 四方を海に囲まれ、かつ、主要な資源の大部分を輸入に依存するなど外国貿易の重要度が高い我が国の経済社会及び国民生活にとって、海上輸送の安全を確保することは極めて重要であります。
 海上輸送の安全確保にとって重大な脅威となっている海賊事案については、二〇一二年に全世界で二百九十七件が発生しております。とりわけ、ソマリア海賊による被害の発生件数は近年急激に増加しており、また、その発生海域もインド洋やアラビア海にまで拡大する傾向を見せており、当該海域における船舶の航行に危険が生じているところです。
 こうした状況に対し、他の主要海運国においては、当該海域を航行する自国船舶に小銃を所持した民間警備員の乗船を認める措置を講じてきており、我が国においても、原油タンカー等の国民生活に不可欠な物資を輸送する日本船舶について同様の措置を講ずることがその航行の安全を確保する観点から強く求められております。
 このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、国土交通大臣は、海賊行為による被害を防止するために、政令で定める海賊多発海域において小銃を用いて実施される特定警備が、その目的の達成に必要な範囲内で適正に実施されることを確保するために、特定警備実施要領を策定することとしております。
 第二に、国民生活に不可欠な物資を輸送するなど一定の要件を満たす日本船舶の所有者は、特定警備に関する計画を作成し、国土交通大臣の認定を受けることができることとしております。
 第三に、小銃の取扱いに関する知識及び技能を有し、かつ、欠格事由に該当しないことについて国土交通大臣の確認を受けた者は、認定を受けた計画に基づく特定警備に従事するために、特定警備実施要領に従い、小銃を所持し、使用することができることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案を提案する理由です。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
#140
○委員長(藤本祐司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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