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2013/11/28 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 国土交通委員会 第9号
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2013/11/28 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 国土交通委員会 第9号

#1
第185回国会 国土交通委員会 第9号
平成二十五年十一月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     島田 三郎君     野上浩太郎君
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     辰已孝太郎君     紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤本 祐司君
    理 事
                赤池 誠章君
                渡辺 猛之君
                田城  郁君
                広田  一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                森屋  宏君
                田中 直紀君
                野田 国義君
                前田 武志君
                山口那津男君
                藤巻 幸夫君
                和田 政宗君
                紙  智子君
                室井 邦彦君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       国土交通副大臣  高木  毅君
       国土交通副大臣  野上浩太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       土井  亨君
       国土交通大臣政
       務官       中原 八一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       国土交通省鉄道
       局長       瀧口 敬二君
       運輸安全委員会
       事務局長     室谷 正裕君
   参考人
       北海道旅客鉄道
       株式会社代表取
       締役社長     野島  誠君
       北海道旅客鉄道
       株式会社常務取
       締役総合企画本
       部長       小山 俊幸君
       北海道旅客鉄道
       株式会社取締役
       鉄道事業本部工
       務部長      笠島 雅之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (鉄道運行の安全に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、島田三郎君、辰已孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として野上浩太郎君、紙智子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤本祐司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省鉄道局長瀧口敬二君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤本祐司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に北海道旅客鉄道株式会社代表取締役社長野島誠君、北海道旅客鉄道株式会社常務取締役総合企画本部長小山俊幸君及び北海道旅客鉄道株式会社取締役鉄道事業本部工務部長笠島雅之君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(藤本祐司君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、鉄道運行の安全に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○赤池誠章君 自民党の赤池誠章でございます。
 本日は、JR北海道、一連の問題に関しまして参議院の国土交通委員会で集中的審議ということで、本日、野島社長さん始めJR北海道の幹部の方々、いらっしゃっておりますので、直接質問をさせていただきたいと思います。
 端的に、今回の一連の問題につきまして、国土交通省が十月四日、特別保安監査によって次のように指摘をしております。本社の安全管理体制、本社において各部門の現場の把握ができておらず、安全統括管理者により統括管理する体制が不十分と、この指摘に対しまして、野島社長さん、その原因をどのように認識なさっていますか。
#9
○参考人(野島誠君) おはようございます。
 当社は、平成二十三年五月に石勝線におきまして列車脱線火災事故を発生させ、同年九月に安全性向上のための行動計画を策定するとともに、この行動計画を計画的に、あるいは具体的に実行するための安全基本計画、これを平成二十四年十一月に策定いたし、安全性向上の取組を進めてきたところでございます。
 しかしながら、今年度に入りましても車両からの出火などの車両故障が相次ぎ、九月には函館線大沼駅構内で貨物列車の脱線事故が発生し、その後、レール検査記録を緊急点検いたしましたところ、会社で決めたルールどおりに線路補修作業をしていなかったことが判明をいたしました。さらに、軌道変位データを改ざんするという鉄道事業者にあってはならない事象も発生させました。
 これらの事故、トラブル等の発生によりまして、多くの方々に御迷惑と御心配をお掛けしておりますことを心よりおわび申し上げます。申し訳ございません。
 九月から実施されております国土交通省の特別保安監査を受査し、十月四日及び二十五日に保安監査の結果による当面の改善指示を受けるに至りました。このことを大変厳粛に受け止めており、重大な事態を発生させたと認識をいたしております。
 ただいま委員の御質問にございました件でございますが、本社の現場に対する指導が、いわゆる文書による指導など形式的になりがちで、本社から現場に直接出向く機会が限られ、また、本社が現場の状況を把握し輸送の安全に係る問題点について共有化できていなかったことが原因と認識をしてございます。
 この認識の下、本社におきまして現場の状況を的確に把握するとともに、現場における問題点等を各部門の部長は安全統括管理者、鉄道事業本部長でございますが、安全統括管理者へ速やかに報告し、安全統括管理者は必要な指示を行うということといたしました。また、毎週一回、安全統括管理者と各部門の部長が参加いたします安全統括管理者ミーティングを実施いたし、事故、輸送障害の対策の方向性を検討し、安全施策のトレース、こういったものもきちっと行っております。
 またさらに、十一月一日からは、JR東日本から当社に派遣いただきました方々を交え、安全統括管理者が各部門を確実に統括管理するための業務体制の更なる改善策等につきまして検討しておるところでございます。
 以上でございます。
#10
○赤池誠章君 続きまして、国土交通省は次のようにも指摘をしているわけであります。軌道部門、保守管理体制ということで、本社が現場の保守管理体制の構築を指示しておらず、また現場の状況を把握していない、会社全体を通じて、また現場において検査結果や作業の完了をチェックする体制が欠落をしていると。この指摘に対して、JR北海道のその原因、どのように認識しているか、お聞かせください。
#11
○参考人(笠島雅之君) 私ども、ロングレールというレールのものがございますが、こういったものですとか、遊間管理といったような技術的な指導が必要な指導管理というものにつきましては、本社が現場の方に赴きまして指導等をやってきておりますが、今回指摘いただきました軌道変位等の管理につきましては、日々変化しますレールの状況に即応するため、管理室等の中で行うルールということにしておりました。
 こうした状況でございましたので、本社並びに管理室等と、この一つ上の機関になりますが、保線所等も、保線管理室等で検修、検査修繕がなされていたものと考えておりまして、しかも、ルール上もこれら上位機関がチェックする体制にはなっておりませんでした。
 今回、軌道変位管理体制の強化を図るため、軌道変位検査におきます検査結果、補修計画、補修実施の各段階で保線所長等への報告を義務付けまして、ダブルチェックを行うよう文書で指導したところでございます。
#12
○赤池誠章君 国土交通省が二度目の特別保安監査に入って、予算についても、本社において、予算編成において各主管部が現場の状況を十分に把握しておらず、安全確保に関する現場からの要望等を十分に考慮されていなかったとも指摘をされております。これについても、その原因についてどのように認識しているか、お聞かせください。
#13
○参考人(野島誠君) ただいま委員御指摘のとおり、平成二十五年十月二十五日の改善指示におきまして、予算編成に当たりまして主管部が現場の状況を十分に把握していないというような御指摘をいただいたところでございます。
 当社では、これまで安全に対しまして長期的な視点が希薄であり、安全に関する予算につきましても、部門やあるいは現場の意見を聴取し積み上げるというやり方ではなく、前年比較や施策に付随して措置するという傾向にございました。また、厳しい経営状況の中でも安全に対して必要な予算を確保するよう努めてまいりましたが、今回生じた事象等に鑑みこれまでを振り返りますと、結果といたしまして各分野に予算が十分行き渡らない状況が生じていたと考えております。
 このような反省に立ち、平成二十六年度の予算編成から、本社において現場からの提案を十分に聞き取った上で、安全を確保する上での優先度を考慮しつつ、講ずべき施策が着実に実施できるよう取り組んでいくこととしたところでございます。
#14
○赤池誠章君 同様の国土交通省の指摘は、安全推進委員会というものを組織なさっていたということでありますが、それが報告のみ、実質的な議論、審議、そういったものがなされていなかった、十分機能していなかったと指摘をされているわけでありますが、この指摘に対しても、その原因、一体どこにあるのか、どのように認識していらっしゃいますか、お聞かせください。
#15
○参考人(野島誠君) 当社におけます安全推進委員会につきましては毎月一回開催しておりますが、安全推進委員会における調査審議の課題につきましては、毎回定例的に報告する事項のような、長年の慣習により選択しているものが多く、これまでは安全推進委員会開催時期に生じましたトラブルが議題とならないという場合もございました。
 今後につきましては、私が委員長を務めておりますが、安全推進委員会の委員長、私の意向を受けて、安全統括管理者、鉄道事業本部長でございます、と各部門の部長にて、鉄道運転事故防止の観点から安全推進委員会で討議すべきトラブルを選び出し、その原因、背後要因、対策について議論した後に、安全推進委員会で再度審議をするということといたしました。
 また、従来の月一回の定例開催を改め、必要に応じて安全推進委員会を開催することといたしました。この取組は既に実施しております。今月十一月につきましても、二十二日、二十四日に発生いたしましたトラブルにつきまして二十五日に安全推進委員会を開催し、再発防止の検討を行ったところでございます。
#16
○赤池誠章君 四点ほど、原因認識をどのようになさっているかということをお聞かせいただきました。
 平成二十三年五月の石勝線事故以来、また今年度の一連の不祥事、事故、その報に接するたびに、先ほど野島社長さんおっしゃいましたが、平成二十三年の行動計画、昨年の制定した安全基本計画、そして今具体的に国交省の指導を踏まえる中で様々な施策を既に実施をしているということなんですが、言ってみれば、紙や言葉、そういったプランですね、そのプランをJR北海道は本当に実施できているのか、ドゥーできているのかと。このガバナンスが問われているわけであります。先ほど安全推進委員会のお話も聞かせていただき、また毎週一回ミーティングをしてトレースをしているとおっしゃっていますが、それが本当に実質機能しているか、それが根幹ではないかというふうに感じているわけであります。
 それができていれば、今年度になって様々な不祥事、事故が起こるはずがないじゃないですか。なぜ何度も何度も起こるのか。その認識が、国交省に言われたから、様々なマスコミに注目されているからではなく、自律的に、今日お越しをいただいた役員の方々がどのように認識しているか、それができなければまた同じことになりますよ。
 改めて、プランをしたことがなぜドゥーできなかったのか、本当にやっているということが実質機能しているのか、もう一度、野島社長さんの御見解をお聞かせください。
#17
○参考人(野島誠君) ただいま委員御指摘のとおり、私どもも、先ほど御説明させていただきました安全性向上のための行動計画あるいは安全基本計画を策定し、その取組を進めておったところでございますが、やはり今年度に入りましてもトラブルが続発をいたしております。まさにその事象を深く反省をいたし、先ほど述べさせていただいたような具体的な取組を既に始めたところでございます。まさに、これは私ども、私を筆頭とします経営陣が一体となって、そして全社員一体となって安全に取り組むということを今まさに確認し始めたというところでございます。
 数々の具体的な施策も計画をいたしております。コンクリート枕木化の推進等も計画をいたします。また、気動車の新製取替え等も計画をいたしました。これらを着実に進めることによりまして安全な鉄道を築き上げていくという覚悟で取り組み始めたところでございます。
#18
○赤池誠章君 野島社長さん始め、今始めているということでありますが、解決に向けて具体的に幾つかポイントがあるのではないかというふうに感じております。
 一つは、九月七日に自動列車停止装置、ATS装置を故意に破壊した社員の懲戒処分の問題であります。
 この問題は衆議院でも取り上げられ、そのときの答えは聞いております。処分決定、十五日間の停職。いわゆる解職に次いで重いものだということでありますが、この処分、国鉄一家、それが分割・民営化されてJR北海道として、一つの家族としての一体感、一家意識というのは大変大事なポイントだとは思います。まさに母親のように社員を守っていくと。その一方で、覚醒剤の事案のとおり、法を犯した者に関してはやはり父親のように毅然と処罰をすると。それがなければガバナンスというのは利いてこないわけであります。
 この温情処分、顧問弁護士に相談をして懲戒委員会にかけて適切な手続を踏んでいると衆議院ではお話をいただきましたが、このことそのものが会社のガバナンスをこの程度かというふうに世間に知らしめているんじゃないですか。
 社長もかかわって、今日いらっしゃった役員の方々も全部了解、納得の下で決めた処分ですね。見直す考えはありませんか。
#19
○参考人(小山俊幸君) お答えを申し上げます。
 ATSという重要な保安装置をミスを隠すために運転士自らが破損するという極めて重大な違反行為であり、お客様を始め多くの皆様に大きな不安を与えたことをおわび申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、懲戒処分の決定に当たりましては、当社の顧問弁護士とも相談した上、社長を委員長とする賞罰審査委員会を開催をいたしまして、破損させた客観的事実と懲戒の基準に照らし、解雇に次ぐ重い処分であります出勤停止といたしまして、期間を十五日間にいたしました。
 ガバナンスの問題等々の御指摘もございましたけれども、弊社といたしましては弊社のそうした委員会に諮った上で厳正に対処したというふうに考えてございまして、この処分について見直す考えはございません。
 以上でございます。
#20
○赤池誠章君 それが安全に対するJR北海道の不信感を招いているんじゃないですか。厳正に処分したとおっしゃっていますけれども、なぜ刑事告訴しないんですか。
#21
○参考人(小山俊幸君) お答え申し上げます。
 本件につきましては、破壊行為には計画性がなかったこと、また破損が軽微でありすぐに修理できたこと、そして本人も深く反省しており反省の度合いが強いことから刑事告訴はしてございません。
 以上でございます。
#22
○赤池誠章君 同じ事案が出たら同じ処分をするということですか。もう一度お願いします。
#23
○参考人(小山俊幸君) その事案の状況に照らして厳正に対処してまいりたいと考えております。
#24
○赤池誠章君 社長、世間は、今聞いている我々やマスコミを通じて知っている北海道の方々、誰も厳正に処分していると思っていませんよ。見直す考えがないということでありますけれども、様々な施策を実質一生懸命なさっていることは分かりますけれども、この一点のみで、本当に安全に対してJR北海道は真摯に取り組んでいるのか、一事が万事しょせんその程度だろうと思われているんじゃないですか。
 もう一度聞きます、社長に聞きます。見直すお考えはありませんか。
#25
○参考人(野島誠君) 先ほど小山からも御説明させていただきましたが、私どもとしては、今回は解雇に次ぐ重い処分であります出勤停止としたということでございます。
#26
○赤池誠章君 警察とは相談しましたか。
#27
○参考人(小山俊幸君) お答えを申し上げます。
 警察に対しましては、ATSが破損されたという事象があったことは通報いたしましたが、その後、本人から会社に対し自分が破損した旨の申告がございましたので、被害の届出はしないこととしてございます。
 以上でございます。
#28
○赤池誠章君 警察とは相談をしましたか。していないのか、しているのか、お答えください、もう一度。
#29
○参考人(小山俊幸君) 事件発生時点で、一応事柄だけ通報させていただきました。
#30
○赤池誠章君 社員は大事ですが、ATSは、お分かりでしょう、どういう装置か。安全に直結する装置じゃないですか。それを自ら破壊した行為をした社員を十五日間停職、一時期同じ整備に回し、それでも批判があったからといって今は雪かき等に回しているそうですが、同じ部署じゃないですか。そのそのものがJR北海道の管理職の皆様方の安全に対する意識ができていないということの証明じゃないですか。
 再度、社長に聞きます。見直すお考えありませんか。
#31
○参考人(野島誠君) 本件につきましては、先ほども申し上げましたが、一度当社の委員会で決定したものでございます。この出勤停止十五日間という処分といたします。
#32
○赤池誠章君 今まで安全推進委員会で形式化した議論、懲戒委員会も同じじゃないですか。
 本当に実質的にJR北海道の全体を考え、御利用しているお客様のことを考えて安全第一優先で、ATSという、それを故意に破壊して、軽微、本人が反省している、それだけで重い処分だと言い張って、JR北海道がそれで再生できるとお思いですか。
 もう一度聞きます。見直すお考えありませんか。
#33
○参考人(野島誠君) お答えさせていただきます。
 先ほど申し上げましたとおり、当社の委員会におきまして決定した処分でございます。この出勤停止十五日間ということといたします。
#34
○赤池誠章君 そこが本当に再生に向かって管理職の方々が考えていらっしゃるか。先ほど原因の認識をお伺いをして、今始まっていますと。でも、プランが本当にドゥーできるのか。そこがそこに出ているんですよ。残念ながら、これで本当に安全確保ができるか、疑念を拭えません。
 さらに、各種報道によるとJRの一連の問題について組合問題が指摘されておりますが、それは事実でしょうか。あわせて、労務対策についてもお聞かせください。
#35
○参考人(小山俊幸君) お答えをいたします。
 一連の事故、事象等に関し、労働組合に起因する問題が関係しているとの認識は持ってございません。
 当社には四つの労働組合があり、これまで会社と各労働組合との間においては、労働協約に定める労使間ルールにのっとりまして、経営協議会ですとか団体交渉などを通じて、安全問題を始めとして様々な問題、課題などについて真摯な議論、協議を行いながら、健全でかつ良好な労使関係を築いているというふうに考えてございます。
#36
○赤池誠章君 あわせて、安全第一の社風、社内風土を確立するために、役員の方々が社員と直接対話する膝詰め対話を実施したというふうに聞いております。また、お客様からも年間四千件以上の声をいただいているというふうに安全関係の年間報告書にも掲上されておりました。その内容について、概要について、そしてその改善成果についてお聞かせください。
#37
○参考人(野島誠君) 当社は、二十三年五月、石勝線の列車脱線火災事故を発生させ、この反省といたしまして、危機意識を社員の間に醸成するといった目的、お客様の安全を最優先とします企業風土を社内に醸成するということを目的といたしまして、私ども会社幹部と現場社員が諸課題について直接語り合う対話の場、社内では今委員御指摘のとおり膝詰め対話と呼んでおりますが、この取組を事故の半年後、二十三年十一月以降、これまで繰り返し行ってきております。
 実績といたしましては、鉄道という業務の性格上、各職場の社員を一堂に集めるということは、これはできません。しかしながら、これまで延べ四千八百名の社員が参加をしております。この膝詰め対話、私も参加しておるわけでございますが、会社幹部の思いを直接社員へ伝えるとともに、現場での悩みも直接私どもに入ってまいります。大変有益な場と思っております。企業風土の改革にはなお時間を要することとは思いますが、お客様の安全を最優先とする企業風土定着のために、この膝詰め対話、今後も続けてまいりたいと考えておるところでございます。
 また、お客様の声でございますが、当社には、昨年度、平成二十四年度の実績で四千百件のお客様のお声をちょうだいいたしました。内容につきましては、社員の接遇に関することでありますとか、あるいは事故が発生したときの輸送障害、列車が乱れたことに関しますお叱り、あるいは切符に関します要望、あるいは駅等の設備の改善意見、さらにはダイヤに関する意見等をいただいております。これらお客様からちょうだいします貴重なお声は、関係各部にきちっと伝達し、必要な措置を講ずるとともに、私を始め会社内で情報を共有化してございます。ちょうだいした意見全てを御要望どおり改善するのは難しいところでございますが、一つでも多くのお声にこたえるべく、継続して改善に取り組んでまいりたいと考えてございます。
#38
○委員長(藤本祐司君) 赤池誠章君、申合せの時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
#39
○赤池誠章君 はい。
 経営者として、会社として、やっぱり会社というのは、組織は何でもそうですが、トップで決まるというふうに認識をしております。すばらしい安全基本計画、十年計画、毎年毎年、第一期が平成二十六年、三年間というふうに聞いています。それに、実際既にこのような問題が引き起こされているわけでありまして、やったやったというのはよく分かりましたが、経営者として成果を出してください。最後の決意をお聞かせください。覚悟を聞かせてください。
#40
○委員長(藤本祐司君) 野島参考人、簡潔にお願いします。
#41
○参考人(野島誠君) 当社、今まさに、会社発足以来、国鉄改革からJRになり二十六年が経過したところでございますが、会社発足以来の危機的な状況にあると認識をしてございます。
 石勝線の列車脱線火災事故後に急逝された故中島社長の遺志でありますお客様の安全のためにという言葉を全社員がもう一度しっかりと心に刻み、鉄道を利用していただいているお客様のためにも、何としてもこの私たちの手でその信頼を取り戻さなければならないと決意をしているところでございます。
 この危機的状況を全社員が共有し、北海道鉄道の再生の最後のチャンスであると認識をいたしまして、私も不退転の決意で取り組み、JR北海道の再生を果たすことが私の責務と考えてございます。
 以上でございます。
#42
○赤池誠章君 以上で終わります。
#43
○江島潔君 それでは、引き続き、JR北海道の件に関しまして質問をさせていただきます。
 まず私が問いたいのが、やはりこの問題は、JR北海道の経営の体質もさることながら、やはり各社の中で最も厳しい自然条件、そして経営環境の中での民間会社としてのスタートなわけですから、当然のごとく、国交省というものはしっかりこの経営全般にわたっての管理監督責任というのは大変に大きいものがあるというふうにとらえて、また、前回質問させていただいたときにも明らかにさせていただいたんですけれども、やはり根幹にあるのは、厳しい財政状況から安全管理等への投資がどうしても少なくなってしまった、それが結果的にこの一連の近年の事件、事故につながったのではないかというふうに考えているところであります。
 先般も申し上げたんですが、一例を挙げますと、まず六十二年のこの民営化発足当時には高規格幹線道路が北海道で百六十七キロであったと、延長の長さがですね。それが平成二十四年度末現在では千十五キロメートルと六倍以上にも延びているわけです。当然、これはJRと様々な分野において競合するところがありますので、この分の経営環境の厳しさというのは、当然これは国交省としても把握をしているわけであります。
 もう一つの運営のための大変大事なエネルギー源であります基金運用益でありますけれども、これも、昭和六十二年当時に約五百億あったこの運用益が、様々な要因があります、低金利時代あるいはリーマン・ショック等もあるんですけれども、近年ではこれが半分以下になっていると。もうはっきりとこの厳しい環境を乗り越えていくための財源が少なくなっているというのも、当然これは国としては把握をしていたわけでございます。
 しかるに、それに対する積極的ないろんな形の支援があったのはよく私も理解をしていますけれども、それ以上踏み込んだ安全対策等へのかかわり合いというのが私は薄かったのではないかなと。結果として、JR北海道はもうまさに生身の、骨を削るような、そういうような社員の削減や、あるいは様々な、場合によっては安全をないがしろにせざるを得ないような形での身を切る形を通じて営業損失を縮小していったと。つまり、得られる運用益で何とかバランスが取れるような経営を維持してきたというふうに私としては考えているんですけれども、まず、このような厳しい事態、そして、いろんな事件が連続して起こるまでこれを言わば看過をしていた国土交通省としての見解を、まず、こういう状況になるということを見越せなかったのか。これだけ厳しい財政状況になるまでこれを、言わば見ていただけの状態に近いと私は思います。これに関しましてはどういうふうに国交省としては見解をお持ちですか。
#44
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、JR北海道の経営状態というのは非常に厳しい状況にあるというのは事実でございます。これは、実はJR北海道の発足に当たっては、こういった厳しい経営状況というのは当初から想定されていたということでございます。このために、国鉄改革時に委員御指摘の経営安定基金というものを設置いたしまして、その運用益によりまして経営基盤を強化をするという基本的なスキームでございました。この経営安定基金、JR発足時には六千八百二十二億円という額でございました。当時の高金利で約五百億円弱といった運用益が確保されておりまして、この経営基盤を安定化させるということでございました。
 一方、当時のJR北海道の経営上の赤というものはやはり五百億円規模であったわけでございます。国鉄改革では、言うまでもなく、民営化したJR自身の自助努力によりまして健全な経営を維持するということも求められていたところでございます。こういったことによりまして、JR北海道の営業赤字というのは、民営化当時は五百億円規模であったものが、例えば平成二十四年度は三百億円規模まで実は減少をしていると、これも一つは経営努力というものがあるのではないかというふうに考えております。
 一方、経営安定基金の運用益というのは金利によって変動するわけでございます。このために、昨今の低金利の下では、この運用益というものも当初の半分程度になっているというのは事実でございますが、国土交通省といたしましては、このような状況を踏まえまして、平成二十三年度にはJR北海道に対する実質的な経営安定基金の積み増しということを行いました。これによりまして、年間五十五億円が新たに経営基盤の強化のために使えるということになっております。足下の数字として平成二十四年度の数字を御紹介いたしますと、単体で九億円、連結で七十三億円の経常利益を計上しているというものがまず基本的な経営基盤の状況でございます。
 一方、これが実は北海道だけこういったような状況なのかということを考えてみますと、同じような状況にございます三島会社、ほかにJR四国とJR九州もございます。こういったところも同じような状況下で発足をし、それぞれが国鉄改革の趣旨に沿いまして自助努力を重ねてきたということがございます。JR北海道自体、一体どういう問題があるのか、こういったことにつきまして私ども問題意識を持っておりまして、特別保安監査の中でもそういった問題意識を持って、現在、整理、分析を行っているところでございます。
 さらにもう一点、以上のような経営基盤の問題と同時に、老朽化施設の更新という問題があるだろうということでございまして、そのためには、この経営基盤の問題とは別個に、二十三年度から十年間で総額六百億円の支援も行っていると、こういったようなことも行っております。こういったものを有効活用しながら、必要な老朽化した施設の更新ということが期待されているところでございます。
#45
○江島潔君 しかし、結果として、やはり財政不足による様々な事件、事故が起きてしまったわけであります。
 続いて、JR北海道にお伺いしたいんですが、先般の衆議院における質疑において、このレール検査の改ざん等についての報告、私も議事録を拝読させていただきました。ほとんどが、いわゆる改ざんという行為そのものについてはまだ全力で調査中であるというような御報告であったかと思いますが、その後、約一週間たったわけでありますけれども、その後の恐らく土日も抜きで調査をされていらっしゃると思いますけれども、何かその調査に関する、いわゆる改ざんデータという、非常にこれも国民からすると悪質な行為と思わざるを得ないわけでありますが、それに関しまして何か調査の進展がありましたでしょうか。
#46
○参考人(笠島雅之君) 改ざんにつきまして、直近のデータの照合と併せまして社員の聞き取り調査によりまして、衆議院でも御報告を申し上げましたが、改ざんが判明した九保線管理室、ここの管理室につきまして、その後、本社から社員を派遣をいたしまして聞き取りによります調査を実施をいたしました。現在引き続き実施中ではございますけれども、この九保線管理室のうち四か所の管理室で過去から改ざんが行われていたということが分かっております。
 なお、残りの管理室を含めまして、引き続き聞き取り調査を進めていく考えでございます。
#47
○江島潔君 過去から行われていたということは、つまりもう、ちょっと体質的なものになっていたということが分かったということで、これはやはり北海道としての大いなる、今後生まれ変わらなければいけない項目の一つではないかというふうに思っています。
 続いて、JR北海道にお伺いします。
 先ほど、赤池議員からも質問がありましたんですが、いわゆる明らかな、ATSを破壊するというような反社会的行為を行った社員に対するその処罰の問題であります。
 皆さん御記憶だと思いますが、二〇〇六年に福岡の市役所の職員が飲酒の事故を起こして追突を車にした結果、その追突された車の子供が三人死亡するという事故がありました。これを受けて、私は当時は下関の市長をしておりましたんですけれども、公務員に対する飲酒というものを徹底的に厳しくしようということを行いました。これは下関市だけではなくて全国で多くの自治体が取り組んだことだと思うんですが、いわゆる飲酒運転をした結果、それが分かったら、事故を起こす起こさないは関係なく、飲酒運転をした、それから結果として検挙されたらもう即刻首にするということをルールにしました。
 これはもう弁護士に相談するのでも何でもありません。もういわゆる庁内ルールとして決めて、職員に全部誓約書を書かせて、私は飲酒運転をして発覚をしたら首になることに対してもう異論はありませんという、そういう誓約書を書かせて、職員とやり取りをしました。中には何人か反発して書かないというのもいましたけれども、それぐらいこの飲酒運転というものに対しては厳しくやったわけですよ。なぜかというと、公務員に対する信頼が揺らいでいたからであります。
 結果として、その後どうなったかというと、ほかの他市の事例では、飲酒運転を起こして首にしたけれども裁判ざたになって、結果的に飲酒で事故を起こしたレベルでは首にはできないというのが今の判例でありますので、ですから、当時のそういうことはやり過ぎだったということが今の時点では判例としてもう定まっているんですけれども、ただ、私が何を申し上げたいかというと、この処分をする際に、事前に弁護士と相談をされて、つまり、恐らく裁判になっても負けない対策というのは取られたんだと思うんですけれども、ただ、安全とか安心に対する国民の目というのは、恐らくその判例以上に厳しいということなんですね。ですから、もうこれを今更、私、会社としての方針を変えろということを申し上げているのではありません。ただ、私が申し上げたかったのは、もし首にするということをして、裁判に訴えられて、そうすると多分会社が負けるんだろうと思います、弁護士と相談した結果としてであれば。
 ですから、その辺に民意と判例の差はあるんだろうと思いますが、ただ、裁判所がそういう方針を決定するんであれば国民は納得するんですね。ところが、社内でそれを決めて、裁判にかけても負けないレベルでの判断というのは非常に国民に不満があるということだけは、是非JR北海道さんにも御理解をいただきたいんですが、その辺の、いわゆる社内でのルールといわゆる世間、世論の一般、民意のギャップというのに対しましてどういうふうにお考えで、そして、これをどういうふうに埋めていく努力を今後されるかということをお伺いしたいと思います。
#48
○参考人(小山俊幸君) お答えを申し上げます。
 委員の御指摘でございますが、当社といたしましては、これまで懲戒処分の決定に当たりましては厳正に対処してまいったというふうに考えております。最近の事例で申し上げますと、覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕された社員を懲戒解雇というふうにしてございます。
 当社の考えでは、刑事事件により禁錮以上の刑に処せられたとき、あるいは公金を横領したときなどについて、これまでも懲戒解雇としておりますが、本件については当該基準に該当しないことから懲戒解雇とはせず、解雇に次ぐ重い処分である出勤停止としたものでございます。
#49
○江島潔君 是非、御社には引き続き、世間の認識とのギャップを埋めていただくための努力をお願いをしたいと思います。
 一連のこのデータ改ざん等、あるいは事件、事故等が相次いだわけでありますけれども、私は野島社長には大いに御期待を申し上げるわけであります。いろんなところで、いろんな分野で、経営責任はどうなっているんだというような質問、問いもあるかと思いますけれども、私は今、野島社長にとって最も大事な経営責任は、これらの一連の事件、事故によって揺らいでしまったJRの安全性に対する信頼をもう一度取り戻して、そして回復をして、やっぱり北海道もJRグループの一員だなと、同じぐらいにやはり世界一のレベルの安全、安心の運行をする鉄道会社だなというところにまで引き上げていただく。ここまで絶対に、どんなにつらくても、どんなに厳しくても、歯を食いしばって、この経営のトップに立ってやっていただきたいというふうに私は是非お願いをしているわけであります。
 野島社長は、先般の委員会でもちょっと申し上げたんですが、私の父も国鉄職員で、まさに国鉄の土木の技術屋でありましたので、よく子供のころその父が言っていた言葉を思い出すんですけれども、何でおやじは国鉄に入ったのかと言うと、そのときに対しては、鉄道建設というのは日本の背骨、骨格を造っていく、そういう仕事だと、それにやりがいを感じて国鉄マンになったんだということを言っておりました。父は元々は海軍の軍人を目指しておりまして、終戦になって軍人にはなれなかったもので、新たな道をこの鉄道建設というものに見出したわけであります。
 私自身もこの鉄道が走るということ、新幹線が建設をされるということが、ずっと自分の成長期を通じて、日本が力強く前進をしていく、そのあかしの一つとして実感をしておりますので、これからJR北海道に新幹線が通っていくということは、私から更に今度は次の日本の世代に向けての大いなる夢になるというふうに信じてやまないわけであります。
 しかるに、今は大変に厳しい状況にあるのは、これはもう私が申し上げるまでもありません。是非、この経営のトップに立たれる野島社長としては、一連のこの衆議院の質疑応答等も通じて、もう社長からの本当に今までの諸案件に関するいろいろな陳謝のお言葉はたくさん私も議事録を通じて拝読いたしましたので、是非この場は前向きな、今後のJR北海道をどういうような方策を通じて解消して前進をさせていくかという前向きな、国民が安心できるお言葉を是非聞かせていただきたいと思います。
#50
○参考人(野島誠君) 今、江島委員からいろいろな御質問をいただきましたが、現在の当社の置かれております状況については、これまでも御説明をさせていただいたような状況であります。私は、この状況を一刻も早く改善し、お客様の信頼を勝ち得るために先頭に立って頑張りたいと考えておるところでございます。
 具体的には、例えば今問題になってございます軌道の管理に対しますハードの対策といたしまして、まだ当社、木の枕木が多く残ってございますが、これをコンクリートの枕木に進めるといった工事を前倒しでどんどん進めていきたいというふうに考えております。
 具体的には、特急が走っております線区、札幌から釧路、あるいは札幌から函館、これは当初二十六年からの計画をもう既に本年度から着手をいたし、工期も一年繰り上げ、全長九十四キロをコンクリート枕木化をする。これによりまして軌道の狂いも抑えられます。また、そういったことによりまして、現在残念ながら起きております軌道データに基づく修繕の放置といったようなことも防ぐことができるというふうに考えております。こういったことによりまして、地上設備の強化というものを積極的に進めていきたい。
 また、一部のローカル線等につきましてもコンクリート枕木を入れると、全線というわけにはいきませんが、危険のある曲線等につきましてはコンクリート枕木化を進めるといったようなこともやっていく計画を立てております。
 また、車両のトラブルも多発をいたしました。このため、特急列車につきましても今新製いたす準備もいたしております。また、既存の特急列車につきましても、エンジン等の重要部品の取替え、これも計画をいたしております。そのほか、札幌圏におきます電車につきましても、六十両ほどの電車の新製といったことも計画をしております。
 こういったことで、もちろん社員の安全意識を高めるということもそうでございますが、ハード面でお客様に御安心いただけるような軌道の強化あるいは車両の新製といったことも併せて進めていくということを決めておるところでございます。
#51
○江島潔君 積極的なこの計画を前倒しという答弁がありましたので、非常に私も心強く思っております。
 JR北海道は、今この事故、事件が前面に出てしまって、なかなか持っている技術力のすばらしさというのは表に出てこないわけでありますけれども、例えばデュアル・モード・ビークルという鉄道と陸路を一緒に、鉄道から道路にすっと移れるような、そういう車両の開発、水陸両用じゃなくて鉄陸両用車、こういうものも他社に先駆けて様々な研究をしております。
 これなんか、山口でこの間豪雨災害があって、今山陰線が何本か切れちゃっているんですけれども、こういうところを走ったら、鉄道から道路に行って、また鉄道に乗ってと、寸断されてもすぐさま通常運転できるなと、こんなの西日本にもあったらいいなとちょっと羨ましくも思ったんですけれども。
 それとか、例えばトレイン・オン・トレイン・システムというような、やはり北海道はいろいろな農産物の産業地ですから、こういうものを、貨物車両を新幹線の車両の中にそっくり乗せて時速二百キロで運ぶような、そういうようなシステムを他社に先駆けて、このいわゆる貨物新幹線というものの研究もされていらっしゃると。
 非常にこれはまた将来の日本の物流を変えるようになるのではないかなと、こういうものが全国を走れば、飛行機に負けない、速くて安いというような輸送体系もできるんじゃないかなと、たくさん期待もするところであります。是非ともそういう技術力がまたこの北海道から全JRに、更に言えば世界中の鉄道技術システムに展開をされるような、そんなことも期待をしております。
 最後に、是非国交大臣にお伺いをしたいと思います。
 非常にこの厳しい中で、今前向きな北海道の取組を聞かれたわけであります。何といっても、それに裏打ちが必要なものは財源であります。今、この鉄道というのは既に、ただ運ぶという時代から、楽しく運ぶ、あるいは速く運ぶということを目指さなければいけないわけであります。こういう楽しく運ぶとか速く運ぶという、こういうものはきちんと年次計画を立てて、何年か計画で、アメニティーを向上するとか、あるいは高速網を造るということは、これは財源もありますので当然だと思います。
 ただ、安全に運ぶということ、これだけは、毎日今列車が動いているわけですから、何年か計画で安全度を高めますというような、これはもう全くユーザーには通用しないことではないかと思います。極端な話を言えば、今夜徹夜してでもあしたの朝までに安全性はもう一定のレベルまで上げるというぐらいの意気込みを見せないと、私はなかなかこの信頼回復はできないというふうに思います。
 そこで、先般も申し上げましたが、この枕木がまだ他社レベルに上げるためには九十万本のPC枕木への変更が必要という点、それから特急気動車のディーゼル車、これがまだ国鉄時代から七十両も三十年以上の古い車両が走っていると。一両二両なら、わあ、これはレトロ車だなと言えますけれども、七十両以上も走っていると、三本に一本がレトロな車両だというんでは、これはもうレトロ車両だということで集めるというよりか、大丈夫かなという不安の方が先に立ってしまいます。
 これらの車両更新や枕木更新に対しまして、改めて最大限の早期、喫緊の課題としての財政支援策、大臣としてどういうふうにお考えか、お考えをお聞かせいただければと思います。
#52
○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘のとおり、全く私も同感です。
 毎日毎日の安全をもう何が何でも確保していかなくちゃならないということを十月四日に指示を出しまして、毎日夜も徹底的に保線管理を行って、朝報告をいただいて、そしてJR北海道から国交省に、今日も安全でスタートをさせていただきますということをずっと十月四日以降やらさせていただいているという状況にあります。
 財源の問題、枕木とか車両の問題ございます。二十三年度から十年間で総額六百億円の支援と、これ十年間で二十三年度からですからまだまだこれあるわけです。それらも含めて前倒しをして、例えば枕木なら枕木ということを、また技術的に、私の聞くところでは、五本に一本PCにすればかなり安定度を増すというようなこともありまして、一遍にやるとか、あるいはそういう安定度を増すためにどうするかということはJR北海道の技術陣に任せたいというふうに思いますけれども、いずれにしても、枕木を含めて、予算を前倒ししてやるべきものはやるということを指示し、そしてJR北海道も今そうしたことに力を注いでいるということは事実のことだと思います。
 更にしっかり指示をし、また連携を取りたいと思っております。
#53
○江島潔君 JR北海道の再生を限りなく願いまして、質問を終わります。
#54
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 まずもって、野島社長さん始めJR北海道の幹部の皆さん、わざわざ御出席を賜りまして、心から感謝を申し上げます。
 また、去る十月二十一日、我々民主党の調査団が札幌のJR北海道の本社に調査にお伺いをさせてもらいました。急な要請でございましたけれども、対応をしていただくとともに、その後、大沼の貨物の脱線事故の現場を視察をさせてもらったところでございますが、これは夜になってしまいました。大変暗い中でございましたけれども、現場の職員の皆さん、本当に誠意ある対応を取っていただいたというふうに思います。改めまして、この場で厚く御礼を申し上げます。
 さきの委員会でも申し上げましたけれども、JR北海道、北海道道民にとりましてはなくてはならない鉄路でございます。先ほど申し上げたとおり、札幌から大沼まで約三時間、特急列車に揺られて参りました。その間、各駅において通勤帰りの方、また学生さん、列車を待っている姿を見たときに、本当にJR北海道は道民にとってなくてはならない鉄道である、このことを改めて実感をしたところでございます。ですから、段々のお話がございましたように、この再生、必ず図っていかなければならない、このように思うわけでございます。
 そのためには、まず事実を事実として明らかにすること、そして共通の認識を得ること、このことが非常に大事だろうというふうに思いますし、野島社長を始めとする経営陣の覚悟というものも問われるんだろうというふうに思います。
 こういったことを踏まえて、以下、質問をさせていただきます。
 まず、先ほども出ましたけれども、レール数値のデータ改ざんについてお伺いをいたします。
 先ほど、これまでに九か所データ改ざんがあり、そのうち四か所が過去からの改ざんであったというふうに御答弁がございましたけれども、具体的にその四か所は一体どこなのか、示していただきたいと思います。
#55
○参考人(笠島雅之君) 四か所の保線管理室ですが、富良野管理室、それから室蘭管理室、伊達紋別管理室、上川管理室、以上の四か所の保線管理室でございます。
#56
○広田一君 そして次に、これまで九か所改ざんが見付かったということでございますけれども、これまでの調査の中で、その後新しく発覚したような箇所はあるのかどうか。そしてさらに、その九か所の管理室で一体何か所のデータ改ざんがあったのか。併せてお伺いしたいと思います。
#57
○参考人(笠島雅之君) そのほかの管理室等々につきましては今現在調査中でございます。
 また、その中身につきましても、これも今聞き取り調査中ということでございまして、先ほど申しましたとおり、現在分かっておりますのは、この四管理室で過去から改ざんが行われていたということでございます。
#58
○広田一君 そうすると、まだ現時点でも一体何か所のデータ改ざんがあったのか、これは判明をしていないということでしょうか。
#59
○参考人(笠島雅之君) 今後も引き続き、箇所数が非常に多いものですから時間も掛かるということもございまして、今引き続き調査を進めているということでございます。
#60
○広田一君 それはいつまでに、これ判明させるおつもりでしょうか。
#61
○参考人(笠島雅之君) 調査の方につきましては、十二月中旬ぐらいをめどに調査を終えたいと思ってございます。また、それらの取りまとめにつきましても、年内には何とか取りまとめたいというふうに考えているところでございます。
#62
○広田一君 年内ということでございますけれども、事柄の性質上、より一層スピード感を持って取り組んでいただきたいと思いますし、国交省におかれても、まだ何か所のデータ改ざんがあったのか明らかにできないということは、これはゆゆしき問題だというふうに思いますので、しっかりとチェック、指導監督するように強く要請をしたいというふうに思います。
 それでは次に、このデータ改ざんのポイントでありますけれども、これは組織的であったかどうか、このことが一つポイントだというふうに思うところでございます。
 九か所の管理室、それぞれ、最初に改ざんを指示をしたのはどこの誰なんでしょうか。
#63
○参考人(笠島雅之君) 改ざんの指示につきましても、細かな状況につきまして今調査をしておるところでございます。現在調査中でございまして、はっきりとした指示といったことも今のところ確認できておらない状況でございます。
#64
○広田一君 確認はできていないということでございますけれども、少なくとも関係者の方々には全員聞き取り調査をしたという、まずはこういう理解でよろしいんでしょうか。
#65
○参考人(笠島雅之君) 函館保線管理室につきましては全員聞き取りを終わりましたが、他の八か所の保線管理室につきましてはまだ途中段階でございます。
#66
○広田一君 じゃ、調査が終わった函館管理室についてお伺いしますけれども、この函館保線管理室、相当数の方がこの改ざんに関与したということが明らかになっているところでございますけれども、ここの管理室長、助役等々、この方々にももちろん聞き取り調査をしたというふうに思います。
 それをすれば、一体最初にどこから改ざん指示が来たのかはこれは当然明らかになるはずでございます。この点について明確に答えていただきたい。調査中だから答えられないということでなくて、もう既に把握をしているけれども今の段階で述べることができないのか、その辺の立ち位置もはっきりさせながら御答弁を願いたいと思います。
#67
○参考人(笠島雅之君) 各社員の方に聞き取り調査を今実施しておりますが、非常に中身が、内容が各それぞれの社員の話が食い違っているところもございまして、それらの確認、整理に時間を要しております。再度、今、函館保線管理室につきましてももう一度詳細な聞き取り調査をやる考えでございまして、中身について断定的なことが今は言えないというのが状況でございます。
#68
○広田一君 この函館管理室の責任者の方、その方は改ざんの指示があったかどうか、どのように述べているんでしょうか。
#69
○参考人(笠島雅之君) 現段階では、明確に指示をしたというような事実が確認できておりません。
#70
○広田一君 それは、指示をその責任者が例えば保線所なり支社なりから受けた、そういう事実も確認できていないということですか。
#71
○参考人(笠島雅之君) 今、ちょっと御確認ですが、更に上位の方からのという御質問でしょうか。ということでございましたら、その辺のところも事実は今確認できておりません。
#72
○広田一君 済みません、確認ができていないという意味なんですけれども、聞き取り調査をしてそれぞれから、もちろんどこからの指示があったのかということは聞いているわけですよね。聞いた上で答えを拒否をされているのか、それとも、一定程度の答えはあったけれどもそれはまだ公表する段階にないというふうに判断をしているのか、一体どっちなんでしょうか。
#73
○参考人(笠島雅之君) 調査を今継続しておりますので、今のところ、上部組織であります保線所ですとかあるいは本社の関与は確認されていないと、こういうことでございます。
#74
○広田一君 確認がされていないということでありますけれども、ちょっと私の質問に答えていないのが、その責任者に対してどこからか誰からか改ざんの指示があったかどうかということについては調査をしているわけでありますよね。まずこの点について確認をしたいと思います。
#75
○参考人(笠島雅之君) このことにつきましても上位の責任者等々には……(発言する者あり)聞いております。聞いておりますが、確認ができていないというところでございます。
#76
○広田一君 聞いているのに確認ができていないというのは私は理解できません。聞いた結果、どのような返事があったんでしょうか。
#77
○参考人(笠島雅之君) 関与は確認できていないということでございます。
#78
○広田一君 聞いた結果、どのようなお答えがあったんでしょうか。それをつまびらかにお示しください。
#79
○参考人(笠島雅之君) 指示していない、関与していないというふうに今述べているということでございます。現段階では、本社あるいは保線所の人間、上位の人間が指示したということは、関与していないということを言っているということでございます。
#80
○広田一君 そうすると、この函館管理室の改ざんは管理室の独断でやったということでしょうか。
#81
○参考人(笠島雅之君) 現段階の調査では、今はそういう状況だということでございます。
#82
○広田一君 国交省にお伺いしたいんですけれども、このやり取り聞いてどのように感じられるでしょうか。
#83
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘の函館の保線管理室というのは、この改ざん問題が非常に疑われたという最初の部署でございまして、私どもも非常に関心を持って立入調査、それから関係者からの聞き取りを行っているところでございます。
 そしてまた、上部の組織という函館保線所というところが関与の可能性はないのかということを私どもも問題意識を持っておりまして、この函館保線所にも立ち入って関係者から今聞き取り調査を行っていると、こういうような状況でございます。
 私ども、どういったような改ざん、函館保線管理室については既に改ざんがあったことを確認をいたしておりますが、さらにどういったような背景があったのか、どのような動機だったのかということを私ども非常に問題意識を持っておりまして、こういったことを今現在こういった関係の現場に入りまして調査をしている最中でございます。
#84
○広田一君 背景、この後もお聞きをしたいと思いますけど、背景の前に、どういった手口、やり方、経緯でこの改ざんがなされたのか、その最初に指示をしたのがどこなのか、これを特定しないと背景も何もあったものじゃないというふうに思います。
 今の御答弁だと、これ函館管理室の単独でやったというふうなことになってしまいますけれども、これ非常に考えにくい私はことではないかなというふうに思うところでございます。今この御答弁を当委員会でされたことと違う事実が出てきた場合は非常にゆゆしきことだというふうに思います。
 再度お伺いしますけれども、この函館管理室の改ざんについて、これは管理室の単独でやったというのが今の御認識というふうなことで本当によろしいんでしょうか。
#85
○参考人(笠島雅之君) 現段階のところでは、上部組織であります保線所あるいは本社の関与は確認されておりません。なお、引き続き私どもとしましても調査の方は進めてまいりたいというふうに考えております。
#86
○広田一君 この改ざんにつきまして組織的な関与があったのかどうか、これは国交省、非常に注意深くまた見ていただきたいなというふうに思います。
 そこで、何をもって組織的な改ざんなのか、これ考えていかなければなりません。函館管理室、何名かの職員が改ざんにかかわった、これは組織的な改ざんというふうに認識できるんでしょうか。
#87
○委員長(藤本祐司君) どなたに質問ですか。
#88
○広田一君 国交省。
#89
○委員長(藤本祐司君) 国土交通省、お答えください。
#90
○政府参考人(瀧口敬二君) 私ども、組織的であるかどうかというよりは、どういったような背景なのか、動機なのかと、ここに問題意識を持っております。それはまた、それは一体どうやったらこういったことが再発防止できるのかというような問題意識で現在調査を行っている最中でございます。
#91
○広田一君 つまり、動機が問題であって、どこがやったのかというのは余り関係がないということなんでしょうか。私はそうではないというふうに思います。例えば、支社が関与した、また本社が関与していた、そうするとこれは明らかに組織的な改ざんだというふうに私は思いますけれども、違うんでしょうか。
#92
○政府参考人(瀧口敬二君) 仮定のお話でございますが、仮に函館保線所から何らかの指示があったということが背景であるということになれば、そういったような問題意識を持って私どもはこの問題に対処しなきゃならぬと、こういうふうに考えております。
#93
○広田一君 確認ですが、その場合は組織的な改ざんがあったというふうに認識をするということですね。
#94
○政府参考人(瀧口敬二君) これはあくまでも仮定の問題でございますけれども、上部組織から何らかの指示なり何らかの関与があって改ざんを行ったということを私どもは確認をいたします。
#95
○広田一君 そうすると、そういった組織的な改ざんが認められた場合、監査妨害などとして厳正な対応を取るべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#96
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どもといたしましては、現時点において、背景、動機、そしてまた、委員御指摘のように、その前提となるどのようなデータがどのように改ざんされたのかというような事実関係、これは当然のことでございますが、そういった事実関係をしっかり確認をするということがまず私どもやるべきことだというふうに考えております。
#97
○広田一君 事実確認をしっかりすること、これは当たり前のことでございます。
 しかしながら、先ほどのJR北海道のお話でございますと、これは十二月中旬ぐらいにははっきりさせるというふうな話もございました。今、特別保安監査も入っている状況でございます。
 じゃ、現時点では、そういった上層部からの改ざんの指示があったということは国交省としては把握をしていないということでよろしいんでしょうか。
#98
○政府参考人(瀧口敬二君) 現時点で私ども、函館につきましては保線所と保線管理室、いずれも入っておりますけれども、そういったようなことがあったということを確認していると申し上げる段階には至っていないということでございます。
#99
○広田一君 申し上げる段階には至っていないということでございますけれども、そうすると、そのような事実があるということについては把握をしているという理解でよろしいんでしょうか、それとも全く把握をしていないのか。いかがでしょうか。
#100
○政府参考人(瀧口敬二君) 繰り返しになりますが、私ども、上部の組織であります保線所の関与の可能性ということについては問題意識を十分持っておりまして、そういったような可能性を踏まえながら、現在の立入調査あるいは関係者からの聞き取りということを行っております。
#101
○広田一君 そうなると、先ほどJR北海道が答弁したことと食い違いが生じているというふうに思います。ないというふうに言っているんです。けど、国交省はその可能性がある、高いというふうに思って今調査を進めているということでございますけれども、その辺の事実確認、もうちょっとしっかりとやってもらいたいんですけれども、これ、どちらが正しいんでしょうか。
#102
○国務大臣(太田昭宏君) 私が答弁するのもなんですが、JR北海道は北海道で調査をしていると。先ほどの答弁を聞いておりますと、ないということを断定しているのではなくて、そこを調査している、まだ途上であるというふうに私は聞いたところです。
 それとは別に私たちは、国交省はJR北海道の調査の状況をそのままうのみにするというわけにはいかない。独自で調査をさせていただいていて、鉄道局長が言っているような今の段階であると。なおそうしたことの可能性というものを排除できないので、そこは今調査をしているというのが現状でございます。
#103
○広田一君 今大臣の方から御答弁があったわけでございますけれども、引き続き、双方それぞれが緊張感を持って、冒頭申し上げたように、事実は事実として明らかにしていただきますように強く要請をしたいと思います。
 そして、今回の改ざんのポイントの二つ目が、先ほど来お話がございますように、その動機であります。これにつきまして野島社長は、衆議院での質疑で、改ざんが相次いだ原因として人手不足や技術不足など様々な問題が絡んでいるという趣旨の御答弁をされているわけでございますけれども、これは、言ってみれば多数に上るレールの異常放置を隠すためにこれまで改ざんをやってきた、そういう意味なんでしょうか。
#104
○参考人(野島誠君) 先ほど笠島の方からもお答えをさせていただいておりますが、今どうしてそういう改ざんということをやったのかということについて調査しておるところでございますが、今委員御指摘のように、作業が大変だからデータを直したとか、そういったことについても今現在調査中でございます。
 ただ、背景としては、前回申し上げましたように、人手不足であるとか、あるいは要員、若手の社員が増えているという中で技術力が追い付いていないといったようなこともあるのではないかと推察をしているということを前回申し上げたところでございます。
#105
○広田一君 済みません、推察ということなんですが、それは現時点での推察なんでしょうか。調査が進んで、これは非常に大きな原因というふうに社長自身強く思っていらっしゃるということではなくて、あくまで推察ということなんでしょうか。
#106
○参考人(野島誠君) 現段階、私としてもこれがデータ改ざんの原因だというところまで突き詰めてできているかというと、そういう段階にはございません。そういう前提での発言ということでございます。
#107
○広田一君 そうした場合に、先ほど、過去から改ざんがあった四か所の御報告がございました。これには、先ほど来議論になっております函館保線管理室は入っておりません。これ、過去からはやっていないということでございますので、そういたしますと、今回の函館保線管理室の改ざんは、私は国交省の特別保安監査逃れというふうに考えるのが自然ではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#108
○参考人(笠島雅之君) 今、議員の御発言でありました、函館保線管理室につきまして過去からの事柄はないというふうにお話を伺いましたけれども、函館保線管理室についてはまだ調査中でございまして、まだそこら辺の結論は出ておらないということでございます。
 先ほど申しましたとおり、過去からの改ざんが分かったところが四か所と、こういう意味でございます。
#109
○広田一君 先ほどの答弁で、函館保線管理室につきましてはかなり調査が進んでいるというふうな趣旨の御答弁をされていたはずであります。にもかかわらず、じゃ、この過去からの改ざんがあったかどうかについて、函館管理室についてもまだ調べているという、そういう理解をさせていただきたいと思いますけれども、しかしながら、特別保安監査逃れということは否定できないわけでございますので、この点についても問題意識を持って調査をしてもらいたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#110
○参考人(笠島雅之君) 私どもの函館保線管理室の調査につきましては、保安監査のございましたその前後の状況につきまして、これまで全社員の聞き取り調査等々を進めてございまして、その段階での今状況でございます。過去についての調査についてはこれからというところでございます。
#111
○広田一君 以上、レールの改ざん問題について何点か御質問をさせていただきました。非常にこの調査状況、膨大な量、そして聞き取り調査しなければならない人数が多いこと、十分に承知をするわけでございますけれども、しかしながら、私の質問、別に専門的な質問でもなく、当然こういったことは多くの皆さんが疑問に思って、そしてこの点についてはまず明らかにしてほしい、私の質問はそういう観点からさせていただいたところでございます。
 それがいまだに明らかにできない、調査中である、これは非常にゆゆしき問題であり、先ほど来のお話に出たように、まさしく経営陣の皆さんの覚悟のほど、これが問われかねない状況だというふうに思いますので、この点を十分に認識をしていただいて、今回の改ざんについての原因究明、そして背景、動機についても調べていただきますように強く要望をしたいというふうに思っております。
 次に、これに関連するというわけではありませんけれども、経営幹部の皆さんの危機意識についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど安全推進委員会についてもお話があったわけでございますけれども、野島社長、この安全推進委員会に社長に就任をされる前から経営幹部として出席をされていたんでしょうか。
#112
○参考人(野島誠君) 社長の前は鉄道事業本部長を一年してございました。その前は総合企画本部長等をやっておりましたが、経営企画部長という職に就いたときから安全推進委員会には出席をしておりました。
#113
○広田一君 そのときに、今回の特別保安監査等で国交省から指摘をされた、言ってしまえば形骸化ですよね、これについて、当時、野島社長自身、問題意識がなかったんでしょうか。
#114
○参考人(野島誠君) 先ほどもお答えさせていただきましたが、安全推進委員会というものは、当社の規程の中でも月一回定例という形で決めて進めておりまして、そのような形式の中でやってきたということで、現段階で顧みますれば、やはり安全に対する審議のやり方というのが形式的で、毎月の統計の説明でありますとか、あるいは、もちろん事故事例等の検討も行っておりましたが、発生した直後に適切な時期に討議を行うとか、そういった点が欠けていたということを現段階ではそのように反省をしてございます。
#115
○広田一君 現段階では反省をしているということでございますけれども、ほかのJR各社、この安全推進委員会の運用状況、私は、ほかのJRは、月一回これは定例にしているということでございますけれども、事故の発生状況において臨機応変に開催をしている、こういうふうに理解しておりますけれども、いかがでしょうか。
#116
○政府参考人(瀧口敬二君) 他のJRの安全推進委員会の開催状況でございますが、開催頻度が必ずしも各社同一というわけではございません。またそれぞれ、社長をヘッドとするもの、あるいは鉄道事業本部長をヘッドとするものといったような二重構造でこういった問題について検討をしているというところもございます。
 むしろ、頻度というよりは検討の中身ということであろうかと実は思っておりまして、例えば一例を挙げさせていただきますと、JR四国でございますが、四国では、社長の下で月一回のペースで開催されております。そして、各分野の現場長を安全推進委員会に参加させるということもやっております。現場での対応状況や今後の取組について現場長一人一人に発言を求めまして、本社幹部と現場長の意思疎通を図っていくといったようなことも実は行われているということでございまして、私どもとしては、安全対策を進める上で、事故を踏まえて十分な現場との意思疎通あるいは問題意識の共有ということが必要であろうというふうに考えております。
#117
○広田一君 野島社長、先ほど瀧口局長の方から御答弁がございましたように、やはりその中身の在り方だと思います。この安全推進委員会をより一層実効性を高めるためには、やはり現場に近い方々の意見なり考え方なり、これをタイムリーに取り入れるべきだというふうに思います。今回の御紹介があったJR四国のような取組。北海道、非常に広うございます、なかなか集まるところ、物理的な問題等あろうかというふうに思いますけれども、現場に近い方々を安全推進委員会に入れる、こういった改革、是非進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#118
○参考人(野島誠君) 私どものJR北海道におきましては、本社で私が委員長を務めております安全推進委員会、これには本社の各関係する役員あるいは鉄道事業本部ラインの部長、さらには各支社長も出席をさせてございます。そのほかに、私どもは安全推進委員会地方部会と称するもう一つの部会を設定してございます。こちらは、例えば札幌管内で申しますと、鉄道事業本部長が委員長になり、支社管内では支社長が委員長になり、そこに全現場長、並びに本社におきましては鉄道業務に関連しますグループ会社の事故防止担当、安全担当者も出席をいただき、そういった形で、現場を入れた、地方部会という名前でございますが、これは月一回開催をしてきているところでございます。
#119
○広田一君 そういったことも含めてこれまでなかなか機能しなかったというふうなことが指摘をされているわけでございますので、そこに、段々の議論がございますけれども、魂を入れて実効性があるように是非運営をしてもらいたいというふうに強く要請をいたします。
 次に、労使関係についてお伺いをいたします。
 安全性向上のための行動計画には、安全に対する労使の取組を課題の一つとして取り上げているところでございます。労使の建設的な意見交換を図るとの記載がなされているわけです。
 JR北海道には、大小四つの組合が存在をします。関係者以外の方から見ますと、一つの会社に何で四つも組合があるのか、こういうふうに思われる方、多いと思います。これは言い換えれば、国鉄改革、これは非常に筆舌に尽くし難い歴史的な経緯があったんだろうというふうに思います。よって、それぞれの組合の方々、現場現場では切磋琢磨と申しますか、厳しい対立等々もしていること、私自身も承知をしている一人でございます。
 一方で、事、鉄道の運行の安全につきましては、組合とか経営側とか、そういったものは関係なく、逆に、組合側そして経営側、車の両輪となって取り組んでいかなければならないというふうに思います。一方の輪である組合側が今四つあるわけでございます。衆議院の議論を見てみますと、それぞれについて、先ほども御答弁ありましたけれども、労働協約等に基づいて協議をしている、団体交渉等も行っているので云々というふうなお話がございました。これは、平時であればそれでいいのかもしれません。しかしながら、今はJR北海道にとっては非常事態であります。
 私は、やはり会社側、経営側と四つの組合の皆さんが一堂に会して同じテーブルで鉄道の運行の安全について協議をする、議論をする、そういう場をつくっていかなければならない、このように思いますけれども、御所見をお伺いします。
#120
○参考人(野島誠君) 今委員の御指摘のとおり、当社ではこれまで、安全問題や事故防止に関する事柄などにつきましては、各労働組合との労働協約に基づき個別に団体交渉等で協議をしてきており、これまで特に問題はないと考えております。
 しかしながら、昨今の一連の事故、事象を契機といたしまして、当社は現在、御利用されるお客様を始め各方面の方々から当社の安全確立に向けた取組に対しまして多くの不安あるいは疑問を示されるといったような御意見、御批判をいただいているところであります。
 この度、こうした状況を謙虚に受け止めまして、安全は、今委員おっしゃられましたとおり、労使の垣根を越えて一致協力して取り組むべきテーマであることから、今回新たに、会社といたしまして、安全問題について四つの労働組合と一堂に会して忌憚のない意見交換を行う場を設けてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
#121
○広田一君 是非ともその取組、早期に実現をしていただいて、今何が問題なのか、率直な意見交換、協議をしていただきたいと思います。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 次に、JR北海道に対する支援の考え方についてお伺いをいたします。
 段々の議論、お話がございましたように、JR北海道には様々な制約がございます。冬季期間での工務作業における制約、作業計画を冬季以外に組まざるを得ないという制約、雪による枕木の劣化、車両における耐雪のための特殊部品の発注、修繕作業の実施など、地域特性による様々な制約があること、これは承知をいたしております。また、札幌―函館間はJR貨物が数多く運行をいたしております。貨物列車が相当線路を、何といいますか、傷めてきた、こういったことも要因だろうと思います。さらには、JR北海道は閑散線区を数多く抱えておりまして、大部分が赤字路線、こういう厳しい現実もございます。そして、折しも低金利というものがございまして、経営安定基金の運用益が発足当初より半減している状態で、必要な修繕になかなかお金を回すことができない、そういった困難性があることも理解をいたしております。
 しかしながら、その一方で、同じ経営環境でございますJR四国であるとかJR九州、今回のようなレールの異常放置といったものは発生をいたしておりません。厳しいながらも、維持、修繕、取り組んでいるところでございます。保線を行っております。
 したがって、このことを考えた場合に、脆弱な経営環境だから、財務状況だからゆえに今回のような事案が発生をしたとして、JR北海道のみに何らかの支援策、これを講じれば、私はモラルハザードになってしまう危険性があるのではないか、このように思いますけれども、この点に関する御所見をお伺いしたいと思います。
#122
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、JR三島会社というのはいずれもが経営の厳しい中で国鉄民営化を迎えたわけでございます。それぞれの営業規模に応じまして経営安定基金を設定いたしまして、当初の予定では同じような経営結果になるというような想定の下で経営安定基金が設定されたということでございます。御指摘のように、その中で二十六年たちまして、JR四国、九州それぞれも引き続き厳しい状況にはございますが、鉄道事業というものをしっかり取り組んでいると。その中で、北海道は現在このようなトラブルがあるというような問題を抱えております。
 委員御指摘のように、十年間で六百億円という実は維持更新費を北海道と四国には認めております。こういったものをどのように有効活用するのかというのが、まず最初の私どもが考えなければならない問題だと思っております。その中で、委員御指摘のモラルハザードの問題についても念頭に置きながら、こういった問題について整理、分析を進めたいと思っております。
#123
○広田一君 是非そういった視点を持ちながら、一方で緊急にしなければならないこと、これもあるわけでございますので、その点についてはめり張りのある対応をしていただきたいというふうに思います。
 最後に、そういったことを受けて、まず今やるべきことは一体何なのかということでございます。
 私は、現場は安全に対する意識は高いと、そう信じております。安全確保のために必要な資材であるとか、現場作業量に資する適正な人員配置を現場から要求しても、なかなかそれにこたえてくれない現状があります。枕木三百本欲しいけれども、いや百本しかないよというふうに言われてしまう。要求の数の三〇から五〇%しか措置をされない、そういった報告もあります。一方で、少ない部材でやりくりして、旅客列車が走行する本線をまず優先的に維持管理するといった緊急避難的な措置を強いられている、そういった意見も多数ございます。こういった中で現場の皆さんは、石勝線の事故が発生し、こういった状況が少しでも改善されるんじゃないか、こう期待したわけでありますけれども、一向にこれは変わらない。こういった現状を目の当たりにして、一層士気が低下をしたのではないかというふうに思うわけであります。
 職場が陥っている人材不足、またそれに起因する技術力の低下、予算の不足、こういった課題などを本社、支社、しっかりとこれから酌み取っていただきたいというふうに思います。何を言っても無駄だと、そういった気風が今現場では蔓延しておりますので、この気風を変える覚悟を持って、是非、野島社長、頑張っていただきたいと思います。
 その上で、今回JR北海道は国交省から三回目の特別保安監査を受ける、こういった事態に陥りました。また、今の安全基本計画、私この内容、本当すばらしいと思います。これが実現できればJR北海道は生まれ変わることができるというふうに思いますが、ただ、安全基盤の強化策として保線に対する視点がございません。ですから、安全基本計画にこの保線の強化を加えて、まずはJR北海道としてできる努力をする、修繕を始めとする予算配分を見直して、外注を含めた業務執行体制を再構築すること、これをスピード感を持ってやっていただきたいというふうに思いますが、最後に、これらを含めた野島社長の決意をお伺いしたいと思います。
#124
○委員長(藤本祐司君) 野島参考人、時間が来ておりますので端的にお願いいたします。
#125
○参考人(野島誠君) はい。
 今委員御指摘の上で、安全基本計画に今着手したところでございますが、現下の状況に鑑み、先ほどもお話しさせていただきましたが、特に軌道強化といたしまして木枕木をコンクリート枕木化するという工事、これをなるべく早期にやりたい、前倒しでやりたいということで、先ほどもお話しいたしました札幌から釧路、札幌から函館というまずこの特急区間を優先的に工事に着手し、必要な場合には工事のための間合いの確保といったようなことも行いながらまず軌道に関してはこの強化取り組んでまいりたいということで、今計画を固めているところでございます。
#126
○広田一君 どうもありがとうございました。
#127
○野田国義君 引き続きまして、民主党・新緑風会の野田国義でございます。よろしくお願いしたいと思います。
 太田大臣を始め国交省の皆さん、そして野島社長を始めJR北海道の皆さん、お疲れさまでございます。私は、是非ともJR北海道が再生できるようにという思いで質問をしたいと思っておるところでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず、安全は運送業、輸送業の最大の使命であるということであろうと思っております。しかしながら、今、道民の信頼、国民の信頼、そして利用者の信頼が失われている。JR北海道の事故が続いているから怖くて鉄道には乗れないと、そういう声も聞こえてくるわけであります。私は、月曜日の夜、福岡から新幹線で岡山まで、岡山からサンライズ出雲に乗りまして東京駅に参りました。やはりこの事件、事故が起こってから、非常に信頼、それと安全というもの、怖いということが私自身も感じたところでございます。ですから、早くこの信頼を取り戻す努力をしていかなくてはならないと思っているところでございます。命を預けるということであります。
 そこで、一連のこういったいろいろなことが起こってまいりましたけれども、野島社長、今の心境を述べていただきたいと思います。
#128
○参考人(野島誠君) お答え申し上げます。
 国鉄改革からJR北海道発足いたしまして、二十六年経過をいたしました。
 今委員御指摘のとおり、安全は輸送業務の最大の使命であるということでございます。鉄道の基本であります安全にかかわるところで様々なトラブルを発生させ、お客様に御迷惑をお掛けし、また多くの方から鉄道に対する信頼を損なうということになりましたこと、またさらに、北海道の鉄道の役割を果たしていないということにつきまして、深く反省をしております。おわび申し上げます。
 当社、今まさに、会社発足以来、危機的な状況にあるというふうに認識をしております。お客様の安全を最優先にということを全社員がもう一度しっかりと心に刻み、鉄道を利用していただいているお客様のために、何としても私たちの手でお客様からの信頼、今、命をお預かりしているというお言葉もありました、このお客様からの信頼を取り戻していかなければならないと決意をしているところでございます。この現在の危機的状況をまさに全社員が共有し、北海道鉄道の再生の最後のチャンスであるという認識を持ち、スピード感を持って、必ずやJR北海道を再生させるんだという信念を持って安全性の向上に取り組んでまいる所存でございます。
 今後、抜本的な安全性向上に向けた具体的な対策といたしまして、先ほどもお話しさせていただきましたが、特急線区のコンクリート枕木化、あるいは気動車、古くなっておる気動車もございます、特急の気動車の新製、さらには札幌圏の電車の新製、こういった施策を促進いたしまして、お客様に安心して御利用いただける鉄道を目指して安全基盤の強化を全力で進めてまいりたいと思います。
 またさらに、先ほどもお話ありました膝詰め対話等を通して、社員一人一人に、先ほど言いましたお客様の安全を最優先という気持ちが根付くよう取り組んでまいるということを覚悟しておるところでございます。何とか全社員が気持ちを一つに結束して取り組み、鉄道の信頼を取り戻すために全力を尽くしたいと考えてございます。
#129
○野田国義君 しっかり頑張っていただきたいと思いますけれども、先ほどもちょっと出ましたけれども、野島社長、六月に社長に就任されたんですか、それもJR北海道の期待を背負って恐らく社長に就任されたと思います。
 リーダー、トップというのは本当に孤独です。私も三十四歳のときに、大変恐縮でございますけれども、市長になりました。本当に苦しいことばかりでした。しかしながら、市民に選んでいただいたんだ、しっかりと頑張らなくちゃいけないと、自分と闘いながらも頑張ってまいりました。がんにもなりました。そしてまた、妻も安倍総理と同じような病気にもなりましたけれども、しかしながら、リーダー、是非とも道民の期待にこたえる、頑張っていただきたいと思います。
 私もいろいろなことで、いろいろな本も読みました。そこで、私はこれ、稲盛会長の本でございますけれども、「生き方」という本でございます。もう大分色あせておりますけれども、一つのバイブルとして読ませていただいているところなんですけれども、本当に単純に書かれているんですね。しかしながら、それが心を打つというか。私の成功に理由を求めるとすれば、たったそれだけのことなのかもしれません。つまり、私には才能は不足していたかもしれないが、人間にとって正しいことを追求するという単純な、しかし、力強い指針があったということですと。いろいろ書かれておりますけれども、私はまさしくこの正しいことを追求するということが大切なことではないのかなと思っております。JR北海道でいえば安全というところではないでしょうか。安全を追求する、このことでしっかり今後やっていただきたいと思います。
 そこで、まず、石勝線の事故後の対応でございますけれども、数年におけるJR北海道の最も大きな事故であったわけであります。脱線炎上と、死者はゼロでございましたけれども、ちょっと間違えばあわや大惨事という事故ではなかったかと思います。
 安全性向上のための行動計画が策定をされ、その中で反省と教訓とすべく、様々な課題が挙げられている。しかし、今回の一連の問題は、この計画の実効性を疑わせるものであります。JR北海道として行動計画に基づきどのような対策を講じられてきたのか。また、行動計画の実効性が結果的に上がらなかったことについてどのように認識をされているのか。さらに、石勝線事故後の対策の実効性が上がらなかったとして、この度の一連の問題への対策がそれと似たようなものであっては、同様の問題を繰り返すことになります。
 そのため、実効性が上がらなかった原因を検証すべきであると思います。安全対策に使うべき予算が、車両の高速向上やビル開発等など目先の利益を上げる事業に回されていなかったのか、鉄道事業に必要な緊張感が欠けていたのではないか、組織改革や社員の意識改革にどのように取り組んでこられたか、検証する必要があると思いますけれども、野島社長、どうお考えになっておりますでしょうか。
#130
○参考人(野島誠君) 今委員御指摘のとおり、私どもは平成二十三年五月二十七日、石勝線で列車脱線火災事故を発生させました。この列車には二百四十八名のお客様に御利用いただき、七十八名のお客様がおけがをされるという、JR発足以来の大きな事故でございます。
 この事故を反省いたし、安全性向上のための行動計画を策定し、また、この計画を具体的に実行するための長期計画であります安全基本計画、今委員の方から御紹介いただきました安全基本計画を策定し、実質二十五年度を初年度としてその実行に着手したところでございました。
 この安全基本計画は、計画期間を十年としておるところでございます。こういったことから、各年度の具体的な取組につきましては、年度ごとの安全推進計画というものを策定し、その実施状況を管理するということといたしております。
 しかしながら、現下の状況におきましては、この実質的に着手した二十五年度においてもトラブルが発生しておるということで、まだこの安全基本計画に基づく対策が功を奏していないということを深く反省をしておるところでございます。
 一連の事象に伴いまして、国土交通省より保安監査をいただき、また改善指示をいただいておるところでございます。この中でも、特に私どもの現場の実態把握が不十分であるというような御指摘をいただいております。まさに鉄道の安全というのは、現場の社員一人一人の作業と申しますか、一人一人の業務で支えられているところでございます。私ども本社あるいは経営陣といたしましても、この現場の声をきちっとつかまえて、お客様に安心して御利用いただける鉄道会社となるべく、まず安全基本計画を軌道に乗せる取組を全社一丸となって進めなければならないと考えております。
 また、そういった中での直近の取組といたしまして、先ほど御紹介させていただきましたコンクリート枕木化等も進めるところでございますが、実はこの十一月一日から、私ども特急列車の減速減便というダイヤ改正をさせていただきました。
 本来、列車は、都市間を結ぶ列車でございますから、高速化をして時間短縮を図る、あるいはフリークエンシー、本数を増やしてお客様の利便性を図るというのが鉄道の本来の方向性でございます。私どもの会社も、六十二年発足以来その方向で進めてまいりましたが、ここはひとつ、安全を確保したいという観点から最高速度を下げて車両に対するダメージを軽減する、またあるいは列車の本数を減らすことによりまして検修に充てられる車両、車両の修繕に充てられる車両をきちっと確保する、こういったダイヤ修正もこの十一月一日、安全のために、お客様に一部御迷惑もお掛けしますが、こういったことも既に取り組んだところでございます。
 様々な施策、安全のための施策を一つずつ進めながら、現在の状況を打開し、お客様からの信頼回復を図りたいというふうに考えておるところでございます。
#131
○野田国義君 現場重視ということで、転換されて、現場の社員の皆さんといろいろ意見交換もしたということ、こういうことは非常に必要なことだと思います。
 しかしながら、どうもこのことを、ずっとJR北海道の一連のいろいろな事件、事故を見ておりますと、どうも経営者と社員とのなれ合い的な部分も慣習としてあったんじゃないのかなと、そういう気がするところでございまして、やっぱりそういうところを断ち切るところはしっかりと断ち切って強く出ていくということも大切なことではなかろうかなと、そのように思っているところでございます。
 それから、レールの異常放置問題でございますけれども、レール幅の異常が放置され、列車脱線事故につながり、ひいては乗客の生命にかかわる極めて重大な問題でありますけれども、幸いなことにこれまで列車脱線による死亡事故は発生しておりませんけれども、レール幅の異常が放置され続ければいずれはそうした事故が発生しかねないということで、JR北海道としてレール幅異常の問題の原因をどのように考えているのか。
 また、これまで講じてきた応急的な対策及び中長期を見据えた再発防止についてお伺いをしたいと思っておりますが、そこで一つよく言われておりますのが、新幹線の工事が今もう始まっておるということでありまして、どうもそこにかなりの人員が取られているんじゃないかと。これは社長、しっかりと言うべきことは言っていただきたいと思います。そこでしっかりと対策を講じていかなくちゃいけないじゃないですか。
 それから、言われていますのはもう一つ、技術継承という問題ですね。これも非常に、もちろん国鉄から民営化された中での人員削減の問題もあるのかも分かりません。しかしながら、やはり技術職を持った方をどう育てていくかということも非常にこれは会社にとって大切なことであると思います。
 この点についてお願いしたいと思います。
#132
○参考人(笠島雅之君) レール幅異常放置問題の原因と再発防止策につきましてですけれども、原因につきましては、業務体制の不備というものと他の業務を優先してきたということが原因であろうと考えております。
 体制の不備につきましては、現場において検査担当者と補修担当者との間の連携が取れていなかったこと、また、それを確認する仕組みがなく、実際に確認されておらなかったことが認められております。また、本社部門におきましても、現場に対して、さきに申し上げました保守管理体制の構築のための指示が十分できていないということがあったと認識してございます。
 他の業務を優先したということにつきましては、本線の補修を優先する意識が高かったこと、また、検査周期を守ろうと検査業務を優先したこと、災害、高温時の特別巡回といった緊急の業務が入ったことによりまして補修が実施されなかったということでございます。
 今後の確実な軌道管理に向けましては、まず現行ルールの徹底が必要であると考えております。当社として、早急に自主的な対策を講じる必要があるという考え方から、軌道の補修を期限内に行うよう周知徹底いたしました。また、保線管理室の検修と補修の業務につきまして、当面、確実に実施されているかどうかを保線所が、これ上位の機関でございますけれども、確認する手順を定めまして、既に指示、実施しているところでございます。
 さらに、現場実態を確実に把握するため、本社に業務支援室という室を設置をいたしましたほか、トラックマスターという検測機械の増備、軌道変位検査データの処理の自動化、あるいは使用頻度の少ない副本線の使用停止などの対策も進めているということでございます。
 また、先ほど来社長からもお話がありますが、軌道強化としまして、今、木枕木のPC枕木化を進めようということで計画をしているところでございます。
 PC枕木化を進めますと、木枕木に比べまして、やはり軌道変位が発生しにくくなるということがございます。その結果としまして、基準値を超えた軌道が放置される蓋然性、あるいは検査データを改ざんするというような誘因を格段に小さくすることができるというふうに考えてございます。まずは札幌―釧路間、札幌―函館間のPC化工事を前倒し実施、そして期間も短縮して実施をしたいというふうに考えてございます。またさらに、副本線、ローカル線の曲線部分につきましてPC化を進めるということを柱にしまして進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、新幹線のことにつきましては、新幹線の方にやはり軌道工ということで専門の作業員がどうしても必要になりますので、そちらの方にどうしても必要ということではございますけれども、私どもとしては、実施当初からこちらについては一定の計画を持って新幹線工事も人員を配置し進めようということで進めているところでございます。ただ、実態として、今問題があるかどうかにつきましては、そういう議員の今指摘もございましたので、早急にこれにつきましては調べてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、技術継承につきましてですけれども、これも現在、三十代、四十代の技術職が非常に少ないという現状にございまして、当社につきましても、これはかねてからの大きな課題ということで認識をしておりまして、早い時期にキャリアパスということで若い社員をきっちり養成しようということで、五年計画あるいは十年計画といった今計画を持って養成に当たっているところでございますけれども、これにつきましても、現状がどうなのかということにつきましては、もう一度検証してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#133
○野田国義君 太田大臣、是非とも、今、新幹線の問題指摘しましたけれども、そういうことも現実はあるんじゃないのかなと思いますので、ひとつその辺りのところをまたよろしくお願いをしたいと思います。
 当然、他のJRから応援に来てもらうとか、あるいは一つの私の提案ですけれども、熟練労働者の活用、六十歳、六十五歳と言われるような方々、まだまだしっかり働ける体力持っていらっしゃる方も多数いらっしゃると思いますので、そういう方々を活用をしていただくというようなことでお願いできたらと思っているところであります。
 それから、データ改ざん問題でございますけれども、先ほどからもいろいろ話があっております。そして、私もいろいろと聞く中で、どうもここも問題は、いわゆる会社側と社員、大目に見るというような暗黙のなれ合い、これも何かそういったものが見え隠れをするということでございまして、是非ともここはしっかりと勇気を持って対応を、社長、していくべきではないかと、本当に命懸けでやるべきではないかということを思っております。
 野帳ですか、そういうものまで破棄されているということでしょう。これ、本当モラルハザードと申しますか、あってはならないことですよ、証拠を隠すとか。そうでしょう。だから、こういうところはどうですか、社長。
#134
○参考人(野島誠君) 今委員御指摘のとおり、レールに関しましてきちっとその状態を管理し、レールが狂っている場合にはそれを補修するというのは安全の基本でございます。これをまたきちっと徹底をしてまいりたい。全道の保線社員、きちっと徹底してまいりたいと考えているところでございます。
 また、その野帳というものにつきましては、これまで当社といたしましては、現場で測定いたしましたものを通常、野帳という名前で呼んでいる場所もございますが、それを帳面に写し取り、それをコンピューターの中に入力する。で、入力したものを当社の規程上は正式のデータとして保管するよう決められております。このため、この野帳というものの管理についていま一つはっきりしていない部分がございました。この度、これは現場の測定の記録でございますから、この野帳というものもきちっと保管するように本社から指示を出したところでございます。
#135
○野田国義君 私はどう見てもこれは常態化というか、しておったんじゃなかろうかと、そのように思いますので、改善よろしくお願いしたいと思います。
 それから、一番これが肝心な問題でございますけれども、JR北海道の厳しい経営状況と改善策についてということであります。
 経営というのは、もう簡単な話、入るを量り出るを制すということをやっていかなくてはなりません。そして、お金がないなら知恵を出せという言葉がよくありますけれども、しっかりとやっていかなくてはなりません。しかしながら、北海道の置かれた立場というのは、先ほどからも話あっておりますように、非常に厳しい状況にあるということもよく分かります。
 皆様方にもお配りしておるかと、各委員にも、思いますけれども、これがJR三島、それからJR東海の収支一覧、まとめてみました。北海道、九州、四国、それと一番稼ぎ頭と言われておりますJR東海を比較をしてみました。
 これ見ても、鉄道事業、八〇%、民間は赤字だとよく言われておりますけれども、まさしく本当に鉄道事業というのは厳しいんだなということを改めてこの数字を見て思いました。北海道においては三百三十五億ですか、赤字になっていると。そして、今頑張っているとよく、私の地元でございますけれども、ななつ星とかいろいろなアイデアを出しながらやられているJR九州。JR九州においても、やっぱり博多周辺は人口が密集しておりますので黒字なんでしょうけれども、他のローカル線、これがやっぱり赤字。ほとんどが赤字になって、百十七億からの赤字に鉄道部門なっておるということ。それに比べて、やっぱりJR東海、すごいですね。四千億からこの鉄道事業のみで黒字になっておるということであります。
 そしてまた、関連事業、先ほど私もビル開発とかの指摘をいたしました。そこで、安全がおろそかになっているんじゃないか。あるいは、こういう考え方もあったのかも分かりませんね、どうせもう鉄道でもうからぬからほかの分野でもうからにゃしようがないと、そういう安易な考え方もあったのかも分かりません。しかしながら、ここに数字が並んでおりますように、いろいろどこも頑張っているということであります。
 それから、全事業の経営利益、こう見てみますと、JR北海道が極端に悪いということになります。しかしながら、基金運用収入とか、鉄道・運輸の支援機構特別債券利息ですか、それから設備投資の助成金などをいたしますと、JR北海道も黒字になっておると、十三億ほどの黒字になっておるということであります。
 ですから、これが何を意味しているかというと、当然、支援策も講じてきたということであります。しかしながら、どうも数年後に株式上場しなくちゃいけないというような、そういうものがあって、そういうまた数字に、黒の数字にせざるを得ないというようなこともあったんではなかろうかなということが推測をされるということでございまして、本当に労使一体となって頑張っていかなくてはならないと思っているところでございます。
 そういう中にあって、国交省でございますけれども、JR北海道の今後の経営改善でございますけれども、国有化あるいは統合化、他のJRと統合するとかいろいろなこと、この間、森元総理ですか、どっかと統合したらいいんだとか発言があったわけでありますけれども、この点についてはどのようにお考えになっておるか、太田大臣、お願いしたいと思います。
#136
○政府参考人(瀧口敬二君) 国鉄改革というものは、昭和六十二年の段階で、国鉄事業の破綻の原因が公社制度による全国一元的な経営にあるという考え方に基づきまして、分割・民営化により効率的で地域の実情に即し、かつ経営責任を明確化した経営形態とすることにより従来国鉄が行ってきました鉄道事業の再生を図ろうということでございます。
 そしてまた、この分割の考え方でございますが、北海道、四国、九州の三島につきましては、旅客流動の地域内完結度というものがこの三島内で非常に高い、九〇%、九五%ぐらいあったということでございまして、こういったことを踏まえ、一つのまとまった地域における鉄道ネットワークとして一つの会社の経営の下に置くことが妥当だろうということで、こういったような分割が行われたという経緯がございます。
 国鉄改革につきましては、JR各社頑張っております。先ほど委員御指摘のように、各社やや傾向は異なっておりますけれども、一般的に申しますとJR各社とも非常に頑張ってきておりまして、例えば駅員の対応であるとか、あるいは各種サービスの水準であるとか、こういったものは従来の国鉄に比べますと格段に良くなってきているというふうに考えておるところでございます。
 その中で、今回のトラブルが多発するというJR北海道の状況でございますが、あくまでも地域公共交通を担う責任ある企業といたしまして、輸送の安全を確保し利用者の信頼を取り戻すということが何よりも重要だろうと思っております。そのために、私どもとしても、JR北海道自身の努力を前提といたしまして、安全を確保し信頼を取り戻すために頑張ってまいりたいと思っております。
#137
○野田国義君 もちろんJR北海道が自己改革をしながら再生に向けて努力をしていただかなくてはなりません。しかしながら、なかなか、今、経営状況を明らかにさせていただきましたけれども、厳しい点も多々多いということでございます。その点を国土交通省としても、そしてまた政府としてもしっかりと御認識をいただき、支援の方も併せてお願いをしておきたいと思っているところでございます。
 そこで、太田大臣に、本当に日ごろから、公共交通にとって最も重要なことは安心、安全の確保であると常日ごろからおっしゃっております。この度のJR北海道の一連の問題は遺憾の極みであると心中をお察しするわけでありますけれども、最後に、JR北海道再生に向けた太田大臣の御決意をお伺いをしたいと思います。
#138
○国務大臣(太田昭宏君) 時間軸で申し上げますと、私は、毎日毎日運行しているということで、それが事故なくきちっと安全で運行できるというところに何が何でも持っていかなくてはならないと。毎日報告をいただいておりますけれども、そこに不安があってはならないということのところにまず持っていく。そして同時に、企業の風土とか、あるいは今ありました財政の問題とか、あるいは四十代の技術者がいないんだとか、いろんな構造的な問題があります。これはある意味では、直ちにというよりは時間を掛けて、来年も含めてやっていかなくてはならない問題で、そこまでは何が何でもやっていかなくちゃいけない、こういう順番を立てて考えているところです。
 まず直近の、安全で運行できるということからいきますと、どうも現場とそして企業の中枢との連携が極めて悪かったり、その悪いのは一体何かというと、今までさんざんいろんなことで、安全でこういうことをやってもらいたい、こういうことをやってもらいたいと、こういう声がなかなか伝わっていかないと、そのうちに諦めというものができてきているというようなことだと思います。
 直ちにということからいきまして、十一月一日から減便減速と。鉄道会社にとりまして減便をするとか減速をするというような例はほとんどないんですが、そこの決断をして、安全ということが大事だというところに踏み込んでいくようになった。
 それから、例えばレールとか車両とか、この委員会でも言われたことについて、私は委員会で言われた国会の先生方の意見というものはきちっと形にしてやらなくては駄目だということを言ってきまして、前倒ししても、レールの問題、そして車両の問題。そしてまた、安全体制ということはどこの会議でそれがなされるかというようなことが目に見える形でということを言ってきまして、そこの形が今やっとできてきているというふうに私は思っております。
 現場等の声を聞きに行っても駄目なんだと、私はこう言っています。聞いて、そんなことやって組織できちっとするわけじゃない、声が伝わるようになったという実際を示して初めて、現場の声を聞いてもこういう危機管理はできないと。現場の声を聞くんじゃなくて現場の心をつかまなければならないということを言ってきまして、それには、今までとは違って、言ったことが安全という面で変わってきたということを見せることが、私は一体化ができるんだというふうに思っています。
 非常に大事なJR北海道であると、また、北海道にとりましても全国におきましても、ましてやインバウンド一千万というところに、また二千万というふうに持っていく中で、北海道の位置付け、その中でのJR北海道の位置というのは極めて重要であるというふうに考えておりまして、あらゆる面で、具体的にどう手を打つかということについて私も今力を注いでいるところでありますけれども、実行という一点に懸けて、JR北海道は、いい計画とかペーパーがどうだとかいうことじゃなくて、実行を具体的に、今日、あした、あさって、一つ一つ意見を聞いたならば直ちに実行するということで大きく私は変わっていただかなくちゃならぬと、こういう気持ちで取り組んでいるところでございます。
#139
○野田国義君 最後になりますが、野島社長、本当に死に物狂いで頑張っていただきたいと思いますが、ちょっと最後に提言をさせていただきたいと。
 恐らく、なかなか今、JR北海道、いろいろなしがらみがあるのではないかなという気がいたします。ですから、このJR北海道を再生するには、内部の人間じゃなくて、私は、外部の改革者が大なたを振るうべきではなかろうかなと、経験からもそう思います。私はこのことも一つの方法だと思いますので、しっかり国土交通省、考えていただければと思っているところであります。
 終わります。
#140
○委員長(藤本祐司君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#141
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、鉄道運行の安全に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#142
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 JR北海道の参考人の皆様、御苦労さまでございます。野島参考人には、今年の六月に社長に就任されたということで、十数年ぶりの技術畑出身だと。今まで何か副業中心のような、そういう人事であったようでございますけれども、JR北海道に安全と信頼を取り戻すと、そういうことを期待されて社長に就任されたものと思っております。
 しかし、その後七月にこの二件の車両火災事故、トラブル、また続発したところでございまして、本年九月のこのインタビュー記事の中でもまた御自身も述べられているわけでございますが、会社発足以来最大の危機に直面していると認識しておりますと、こういうような記載があったところでございますが、昨今のこの秋からのレール異常の放置問題、あるいはレール幅の改ざん問題、この一連の経緯を社長として、先ほどもございましたが、率直な現在の心境をお伺いをしたいと思います。
 私は、かつて、皆さんも御覧になったと思うんでございますが、この間何か鉄道員という映画があったように思っておりまして、非常に過酷な自然環境の中で必死になって鉄道を支えている、その家族の在り方みたいなものを感動を持って、あと本当に幸いな中で支えていただいているんだなと、そんな、見ているだけで感謝の思いがしてくるわけでございますが、その鉄道員の精神というのは今でもJR北海道の中にあるのか、現場にも経営陣にも。それがあるかないかが私はこのJR北海道の再生の鍵ではないのかと。
 ある違うJRの経営の方と話をしたときに、ああ、それがなくなったらもう終わりですよと、こういうふうに言われてしまいました。今のその点も含めて、現在の心境というものをお聞かせをいただきたいと思います。
#143
○参考人(野島誠君) お答え申し上げます。
 弊社は、昨年十一月に取りまとめました安全基本計画に基づきまして安全性の向上に全社を挙げて取り組んできたところでございます。
 ところが、本年九月、貨物列車の脱線事故が大沼でございました。その後、線路検査記録を緊急点検いたしましたところ、多数の箇所におきまして会社で定めましたルールどおりに線路の補修がなされていなかったことが判明いたしました。さらには、軌道変位のデータの改ざんという鉄道事業者にあってはならない事象を発生させました。
 これらの事故、不祥事によりまして、御利用のお客様始め地域の皆様あるいは多くの皆様に御心配、御迷惑をお掛けしておりますこと、心よりおわびを申し上げます。九月から三度にわたる国土交通省の特別保安監査を受査いたしまして、十月には二度の改善指示を受けるという事態に至ったことにつきまして、大変厳粛に受け止め、かつ改めて重大な事態を発生したと深く反省をしておるところでございます。
 多くの方々に御心配をお掛けしております軌道の状況でございますが、九月十九日の脱線事故を受けまして、全道全区間の本線、副本線の軌道変位の検査結果につきまして緊急点検を実施をいたしました。緊急点検の結果判明いたしました補修が必要な箇所につきましては、まさに判明直後、整備をいたしました。やはり安全第一というところではすぐに整備をしたところでございます。
 その後判明いたしました軌道の検査データの改ざんでございますが、主に特急等が走行する本線につきましては、高速の軌道検測車で検査を行っており、データの信頼性が確認されております。また、それ以外の方法で検測した副本線等については、問題のないことが確認されるまでの間、安全第一という観点から減速する等措置を講じておりました。現在、全てのデータの確認と補修を終了したところでございます。
 今、まさに鉄道員というお話がございました。私も、元々鉄道の技術屋でございます。特に保線というものも、ふだんはお客様の目に付かないところで、特に夜間の仕事、あるいは北海道は、先生の御指摘にもございましたが、やはり気候も厳しい条件の中で屋外で線路の保守という作業に当たっております。
 いろいろお話も出ておりますが、保線の社員の若返りも今進んでいるところでございますが、一人一人の若い社員見ますと、やはり線路を守るということに一生懸命取り組んでいるというところは私も感じておるところでございます。残念ながら、今このような事態にありますが、本来の保線屋のあるべき姿、こういったものを若い私どもの社員にきちっと身に付けさせるといいますか、そういう魂を引き継がせるということが何よりも大事だというふうに思っています。
 その鉄道員といいますか、鉄道魂の根本はやはり安全だというふうに考えております。いま一度そういった鉄道屋の原点、安全ということを、全社員にきちっと身に付くように取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。ここなくしては、委員御指摘のとおり、鉄道の再生はあり得ないと思っています。安全ということを第一に考えられる鉄道屋を育てるべく取り組んでいきたいと考えてございます。
#144
○魚住裕一郎君 もう是非そういう思いで取り組んでいただきたいと思いますし、またJR職員も気概を持って取り組めるようにしていただきたいと思っております。
 午前からお話ございますが、やっぱりデータの改ざんというのは非常に重い事態だなと思っておりますが、これはもう常態化しているというふうに考えていいんですか。そして、このデータの改ざんの原因、背景をどのように経営者としてとらまえているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#145
○参考人(笠島雅之君) 常態化しているのかどうかということにつきましては、先ほどのお話しさせていただきましたところと重なりますが、九保線管理室で改ざんが判明したという中で、今回本社から社員を派遣し聞き取り調査を行ったところ、現在まだ実施中ではございますけれども、四か所の管理室におきまして過去から改ざんが行われたということが今現在分かったということでございますので、ほかの箇所等々につきましてこれが恒常的に行われていたかどうかということにつきましても今後の調査の中で明らかに、あるかどうかも含めてそれについては調べてまいりたいというふうに考えてございます。
 いずれにしましても、データを故意に書き換えるということは決して許されるものではございません。背後要因といたしましては、業務のふくそうによる人手の不足、あるいは若手社員が増えたことによる技術力の不足といったような様々な問題が絡んでいるということは推察されますけれども、これらにつきましても今後の調査の中で明らかにしてまいりたいというふうに考えてございます。
#146
○魚住裕一郎君 JR北海道のこの件も含めまして、最近企業の不祥事が相次いでいるといいますか、コンプライアンスが本当にどうなっているんだろうかという、そういうことが続いているわけですね。化粧品の問題であるとか、あるいは食品の表示の問題でありますとか、あるいは暴力団へ融資したりだとか、そういうことが相次いでおりまして、このJR北海道の件も別に同じような、同列で扱われているということでございまして、この企業の経営の倫理という点で大きな問題になっているんではないのか。
 日本経営倫理学会というのがあって、そこの副会長をやっております駿河台大学の水尾順一先生という方がおいでになりますが、その先生の言によれば、不祥事を起こす企業には共通して三つの要素があると。一つ目は、業績重視を大義名分に掲げた虚偽の忠誠心だと、業績が優先だと。二つ目は、疑問に思っても、自分が責められないよう見て見ぬふりをする自己保身。三つ目が、この程度なら隠し通せるといった倫理観の欠如だと。そういうようなことを指摘しているわけでございますが、その例として食品業界あるいはJR北海道というふうに言っているわけでございますが。
 やはり、経営陣もまた現場も、こういう意識を本当に払拭をしていかなきゃいけない、そういうふうに思うわけでございますが、そういう意識を社員に浸透させていく、定着させていく。多分、そのために膝詰め対話という言い方だと思いますが、しかし膝詰めであっても、上に物が言えなければ意味ないわけでございまして、あるいはいろんな、現場長が入っている会合をやっているといっても、物が言えなければいけないわけであって、やはり困ったことがあったら何でも言ってもらいたいという、そういうサポートの体制というか、そんなものが必要だなと。
 アメリカには、社員がいつでも相談できるヘルプラインという窓口があるようでございまして、日本は企業内でいったらそれは内部告発みたいなやり方になっちゃうんだけれども、そうじゃなくて、職場の環境を良くしたい、問題をきちっと処理したいと、そういうような窓口があるということでございますが、この点について、先ほど現場力ということも言っておいでになるわけでございますが、その辺の改善について、経営者としてどのようにお考えでしょうか。
#147
○参考人(小山俊幸君) お答えを申し上げます。
 弊社におきましては、平成十八年度からJR北海道グループ企業行動指針というものを作成をいたしまして、これを各人に配付をいたしまして、委員おっしゃるようなコンプライアンスの徹底、指導を行っております。
 その一環といたしまして、今社内に内部通報の窓口も設置してございます。また、その後、社内の内部通報窓口だけでは不十分ということもございましたので、弁護士事務所とも相談をいたしまして、外部にそういった通報の窓口も設置し、そういった社員のそういう通報を受け付けるような体制をしいておるところでございます。
 以上でございます。
#148
○魚住裕一郎君 だから、今言ったように、内部通報というと何か告発しているように聞こえるわけですよね。ヘルプラインと違うでしょう。何か経営者に悪いような形で通報するよ、それで外部にも言うよと。そうじゃなくて、現場がこれだけ困っているんだから助けてよという窓口ですよ、ヘルプラインというのは。もう一度答弁お願いします。
#149
○参考人(小山俊幸君) もちろん日々の業務の中でそういう問題があれば、まず直属の上司に相談する、またそこで拾い切れない話等につきましては、今、膝詰め対話ということで、私どもも現場に出ていっていろいろ社員から意見を聞く、そのような機会を設けてきておりますし、今後ともいろんな形でそういう意見を聞くような場を設けてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#150
○魚住裕一郎君 次に、国土交通省にお聞きしたいんですが、今回の事態を受けて三回目の特別保安監査という状況でございますが、今の状況、それからこれが無期限となったという、この理由をお示しください。
#151
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、現在三回目の特別保安監査を実施いたしております。
 今回、データの改ざんがございましたので、この関係を中心にその他の事項についても調査を行っておりますが、データの改ざんについて申し上げますと、JR北海道自身の調査において、現時点までに九保線管理室などで改ざんが認められたというような調査結果が出たことを承知いたしております。
 国土交通省では、先ほど大臣から御説明申し上げましたように、国土交通省としての問題意識を持って、このデータ改ざん問題についても現在立入調査を行っているところでございますが、昨日までの監査を通じまして、計七か所の保線管理室等において改ざんが行われたということを私どもの監査員が直接確認をいたしております。
 具体的な地点といたしましては、七か所の地点といたしましては、函館保線所管内の函館保線管理室、そしてまた大沼保線管理室、岩見沢保線所管内の滝川保線管理室、富良野保線管理室、室蘭保線所管内の室蘭保線管理室、伊達紋別保線管理室、そして北見工務所管内の北見管理室と、以上七か所でございます。引き続き、行っている監査におきまして、改ざんが行われた背景、動機などにつきまして鋭意調査を行いたいというのが現在の状況でございます。
 それから、今回の特別保安監査、十四日から入ったわけでございますが、当初十七日までというような予定で入っておりましたけれども、その後、監査期限を設定せずに監査をするということで、延長するということでやらせていただいております。
 こういったような背景でございますけれども、データの改ざんにつきましては、より詳細かつ多数の事項について調査をしなければならない。事実関係を把握するためには、JR本社が行っておりますデータの突合作業の結果、不一致があったといったようなものにつきましては、私ども、これを現場に入りまして、生データと管理をするためのデータというものがございますので、こういったものが一体どのように違っているのかと、どういった過程で改ざんがあったのかなかったのかと、こういったことをやらせていただいております。
 また、改ざんの背景や動機を把握するためには、直接改ざんをしたというような可能性のある方、あるいはそれ以外の関係者、こういった方々、幅広く聞き取り調査を実は行っていると、こういったことでございまして、こういった詳細かつ多数の多くの事項にわたる調査を行っているためになお時間を要するということでございまして、現時点においていつまでということについては申し上げられる段階になっておりません。
#152
○魚住裕一郎君 この集中の質疑は今回二回目でございますけれども、前回も監査の体制が、人員がちょっと足りないんではないのかという観点で質問をさせていただきましたが、今までの監査の入り方というのはやはりその書類とかデータとかそういうチェックをすると。大臣の指示で現場歩けというようなこともあるようでございますけれども、やっぱりその基となるデータがこういう状況でありますと、やはり監査の在り方を抜本的に改めていく必要があるんではなかろうかなと。
 信頼が大前提であったと思うわけでございますが、その信頼の基がこのような形で、どこかで似たようなことがあったなと思って、そういえば昔、耐震偽装みたいなことがあって、本当に国土交通省の根幹を揺るがすようなことがあったわけでございますけれども、やはり今回のデータの改ざんというのは本当に監査の手法まで考え抜かなきゃいけないと思いますが、この点いかがお考えでしょうか。
#153
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どもが行っております保安監査でございますが、監査対象とする事項につきまして、その関係の書類上の監査ということ、それから従来からも現場において必要な調査というものは行ってきております。ただし、これらの特にまた書類あるいは現場の調査というのは、いわゆる全数調査ではございませんで、サンプル調査という形でやらせてきていただいております。
 現場における例えばサンプル調査のこれまでのやり方でございますが、例えば軌道関係で申し上げますと、現場において正しく計測がなされているかといったこと、あるいはその結果がどのように記録されているのかと、こういったようなことについてサンプリング調査を行います。このようなサンプリング調査の箇所数でございますが、もちろん状況によって異なるわけでございますけれども、一つの現場事務所に入った場合に数か所程度こういった軌道関係の計測につきまして監査をしてきたということでございますが、こういったやり方が今回のJR北海道の件に見ましたときに果たして効果があったのかなかったのかというような問題意識は実は持っております。
 今回、先ほどもお話がございましたように、期限を設定せずにということでやらせていただいておりますが、現在入っております第三回を含めまして、過去二回の特別保安監査を含め、JR北海道の抱えている問題に対してこのような特別保安監査がどのような調査、実態の把握のために効果を発揮したかというような問題意識も持って、今後の保安監査の在り方について検討してまいりたいと思っております。
#154
○魚住裕一郎君 無期限でという形になっているわけでございますが、前の二回の監査が終わって、それぞれ改善指示等が、対応が出されていたわけでございますけれども、これずっと期限がないとなると、途中でやっぱり改善指示とか出すのでしょうか。その対応はどのようにお考えでしょうか。
#155
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、現在行っているもので第三回ということでございます。
 こういったような三回の特別保安監査を通じてJR北海道の問題というものを洗い出すということでやっておりますが、別途、大臣からは、利用者の安全を確保するためには直ちに実施すべき事項を時機を逸することなく改善指示なりを出せと、こういうような指示が私どもの方にございます。
 御案内のように、過去に二回、改善指示を実は出させていただいたところでございます。引き続き、JR北海道の全体の問題の整理、分析というものは進めてまいりますが、現在行っております第三回の特別保安監査の結果といいますか、その状況にかかわらず、過去二回の保安監査を実はやっております。また、間もなく十二月ということで年末年始の多客期を迎えるわけでございますので、そういったことを念頭に置きながら追加の改善指示ということも検討してまいりたいというふうに考えております。
#156
○魚住裕一郎君 次に、参考人にお聞きしたいんでございますが、午前中からもありました、安全確保のために思い切った予算を取るべきであるということでございますが、いろんな経済的な財政的な事情もあるかと思いますが、やはり安全対策に投じるこの予算というのは非常に大事だと思っております。
 石勝線事故前後で大幅にこの予算規模というのが増加しているということは承知をしているわけでございますが、しかし、ピーク時、平成十七年の水準に戻った、その程度にすぎないという見方もできるわけでございまして、この際、これまでにないような規模の予算の措置を集中的に投じるべきではないのか。そのために、原資が不足しているというのであれば、安全運行とは関係ない予算を縮小してでも安全確保のための予算を確保すべきと考えますけれども、お考えはいかがですか。
#157
○参考人(野島誠君) 先ほど来お話に出ておりますが、これまでの修繕計画等の策定に当たりましては、私ども本社部門が現場の実態把握が不十分であったというような反省に立ち、これからは現場の本音をきちっと聞き出し、予算を組み立ててまいりたいと考えておるところでございます。
 こうした反省に立ちまして、今回、改善指示もちょうだいしておりますが、平成二十六年度の予算編成におきましては、現場からの提案を十分聞き取った上で、安全を確保する上での優先度を付け、講ずべき施策を着実に取り組んでまいります。
 また、あわせまして、安全対策に力を入れるべきという観点から、まずは軌道強化ということでは、午前中もお話しさせていただきましたが、札幌から釧路まで、あるいは札幌から函館までの特急の走っておりますこの二区間のうちのコンクリート枕木化、これに取り組んでまいりたい、これは前倒ししてやっていきたい。さらに、車両の安全性向上のために、特急気動車あるいは札幌圏の電車の新製車両の投入、こういったこと、さらには、現在あります特急気動車のエンジン等の重要部品の取替え、こういったものを集中的に今やっていこうというふうに考えています。
 現在、六百億円の設備投資に対する補助のフレームもつくっていただいております。また、経営安定基金の積み増しということで、実質五十五億円の安定基金運用益の支援をいただいております。これらを活用いたしまして、設備投資あるいは修繕、こういったものを積極的に実行し、委員御指摘のように、安全ということを最優先にした計画を組み、精力的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#158
○魚住裕一郎君 次に、運輸安全委員会にお聞きしたいと思いますが、現在、国土交通省、特別保安監査の調査があるわけでございますが、運輸安全委員会も、例のレール幅の異常放置問題の発端となった貨物列車脱線事故、その調査中だと承知しておるわけでございます。
 そもそも、国土交通省と運輸安全委員会、それぞれによる調査分析、目的、内容においてどういうような違いや役割分担がなされているのか。また、運輸安全委員会の行動指針には、組織問題といった事故の背景にまで深く掘り下げつつ、責任追及から分離された科学的、客観的な事故調査を実施と、そういう指針があるというふうにされているわけでございますが、このJR北海道につきましては、いろんな報道等も、組織の在り方も問題があるというふうに言われているわけでございますが、運輸委員会としても、組織の問題まで言及した報告書が作成されたことがあるのか、また、作成する必要があるのではないかと思うが、御見解をお示しいただきたいと思います。
#159
○政府参考人(室谷正裕君) お答えを申し上げます。
 まず、本件事故に対して、国土交通省鉄道局の現在行われております保安監査と私ども運輸安全委員会の調査との役割分担ということでありますが、我々の運輸安全委員会におきましては、事故の、今委員が御指摘いただきましたように、多角的、科学的、客観的に原因究明をするということ、そのことを通じて得られたことを基に再発防止の提言をしていくというのが当委員会のミッションだというふうに思っております。
 その上で、現在どういうことをやっているかということについてお話をさせていただきたいと思います。
 本件事故につきましては、これまでのところ、レールあるいは枕木の脱線後の痕跡の調査分析、あるいは脱線した車両に関する調査分析、そして列車の当日の運転状況がどうであったかといったことについて調査分析をしているところであります。また、軌道の検査及び修繕の体制につきましては、現状把握のために、現場そして本社の関係者から、管理手法その他につきまして現在聞き取り調査を行っているということであります。
 今後、これまでに収集をいたしましたデータあるいは聞き取りをした内容を分析をし、科学的な原因究明を進める中で、必要に応じ当該事故に関連する背景要因も含めて引き続き所要の調査を行ってまいりたい、かように考えております。
#160
○魚住裕一郎君 次に、野島参考人にお聞きしたいと思いますけれども、二十七年度末に新幹線ですわね。一部で本当に大丈夫なのかという声があろうかと思いますけれども、この新幹線開業に向けた安全運行の取組、あるいはJR北海道の意気込み、こういったものをちょっとお示しをください。
#161
○参考人(野島誠君) 北海道新幹線につきましては、今委員御指摘のとおり平成二十七年度末、新函館、仮称でございますが、開業を目指して今工事が進められておるところでございます。当社は、一つには、共用区間の工事を鉄道・運輸機構から受託をして工事をしてございます。まず、その工事の安全な完成に向けて取り組んでいくということ。さらには、函館まで開業いたしますと、私どもが新幹線の営業主体となります。この新幹線の運行、当社にとって初めてのことでございます。もう既にJR東日本さんの御協力もいただきながら、関係の要員の養成等も進めております。さらに、新製車両の準備でございますとか保守用の機械の準備ですとか、そういったようなことも今着々と進めておるところでございます。
 何としても二十七年末、新幹線の安全な開業、これを成し遂げるべく、一つずつの準備を進めておるという状況でございます。
#162
○魚住裕一郎君 もう時間でございますので終わりたいと思いますが、非常に気候が過酷な北海道にとって、鉄道というものは欠かせないものだというふうによく承知しておりますし、JR北海道がどう再生していけるのか、本当に北海道全体の価値にも懸かってくると思っておりまして、このJR北海道再生に向けた大臣と野島社長のそれぞれ決意を簡略に伺って、私の質問は終わります。
#163
○国務大臣(太田昭宏君) 何としてでも再建をして、とにかく安全ということについての信頼性を獲得させなくてはならないと強く思っております。石勝線、二十三年五月二十七日以来、累次にわたっていろんな計画あるいは方針、そして社内の体制というのを何回もやってきた経過がございます。しかし、最終的にそれが、立派な計画が実行されているかどうかというところが非常に大事で、私は、この一つ一つ、何を今やって手を打って、どうしようとしているのかということが、国民の目から見て、ああ、やり始めてきているなということが見えないと、そこもまた信頼性の問題であろうというふうに思います。
 四十代の技術者がどうだとか、あるいはお金が赤字体質でないんだ、いろんなことが山ほどあって、複合要因によって今回起きてきていると思います。一つ一つを潰していくということも大事でしょうし、その経過をよく見える形でしていくと、そこもまた私はJR北海道がちょっと足りないなということを思っています。
 これをやりました、こうやります、何日までどうですという方針を明確に出して、そしてそれが実行しているという姿を社内でもあるいは国民の間でも見えるような形にしていくこと、そしてそれが現実に結果として結実しているという姿を見せていくという中にしか信頼性というものは得られないと私は思っておりまして、努力をしたいと思います。
#164
○参考人(野島誠君) 今大臣のお言葉にもありましたが、一つ一つ安全に向けた施策をスピード感を持って実施し、信頼というものはお客様に安心を感じていただかないと持っていただくことができません。私どもは、安全というものを一つ一つ目に見える形でつくり上げ、この北海道の鉄道を何としても再生したいと考えておるところでございます。
#165
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗でございます。
 前回の集中審議の際にも申しましたけれども、私は前職のNHK時代に帯広放送局にいたこともありまして、炎上火災を起こした特急スーパーおおぞらを始めJR、よく利用しておりました。JRは北海道民にとってなくてはならない交通手段であり、皆さんが切にJR北海道の健全化を願っています。私もそうです。何とか再生を果たしてほしいという観点から質問をしていきます。
 まず、社内の健全化を図る上で重要な労使間の関係について聞きます。
 これも集中審議で取り上げましたが、健全な労働組合であれば職場の環境改善に寄与するはずです。しかし、JR北海道では最大労組のJR北海道労組、通称北鉄労について様々な問題が指摘されています。
 経営陣に聞きます。今年九月、ミスを隠すために特急運転席のATSを壊した社員の所属する労組はどこでしょうか。
#166
○参考人(小山俊幸君) お答えを申し上げます。
 北海道旅客鉄道労働組合、略称JR北海道労組の所属でございます。
#167
○和田政宗君 では、今年七月に覚醒剤を使用したとして逮捕された運転士の所属労組はどこでしょうか。
#168
○参考人(小山俊幸君) 北海道旅客鉄道労働組合、略称JR北海道労組であります。
#169
○和田政宗君 なぜJR北海道は全運転士の薬物検査を行わないんでしょうか。
#170
○参考人(小山俊幸君) 当社では、これまでも乗務前点呼で運転士の心身の状態を確認し、安全な運転ができる状態であることを確認しております。また、社員に対しましては、薬物使用防止のための啓蒙をするなどの取組を行ってきたところでございます。
 しかしながら、今回の覚せい剤取締法違反での逮捕を受けまして、これまでの取組を継続するとともに、薬物防止のための社員教育、啓蒙セミナーの開催、禁止薬物の使用を防止するためのパンフレットの作成、配付など、新たな再発防止策を徹底してまいったところでございます。
#171
○和田政宗君 これはまた起きてしまったらもう取り返しの付かないことになりますので、前回の集中審議でも人権に配慮すればできるんではないかというような政府答弁もありました。これ、やるべきだというふうに私は思うんですけれども、これ、JR北海道労組、北鉄労が拒否しているんじゃないですか。
#172
○参考人(小山俊幸君) 労働組合の関係ではなく、会社としてこういった薬物使用の防止のための啓蒙をするということが大切であるというふうに考えてございます。
#173
○和田政宗君 JR北海道の社員に実際に話を聞きますと、JR北海道の役員と北鉄労の幹部が癒着しているという話がまことしやかに会社内で言われているということなんですね。役員と北鉄労との公式会合は、どのようなものがあって、どのくらいの頻度でしょうか。
#174
○参考人(小山俊幸君) 会社と労働組合との間では労働協約を締結しておりまして、その中で、労使間制度の一つとして経営協議会という機関を設置しております。この経営協議会は、基本的に年四回、定期的に開催をしております。また、労使双方の合意の下、臨時に開催する場合もございます。
#175
○和田政宗君 役員と北鉄労の幹部の会食の回数、これは一年に何回ほどでしょうか。
#176
○参考人(小山俊幸君) 六月に私が労務担当役員に就任して以降でございますが、会食が一度ございました。
#177
○和田政宗君 会食の際はどんな話をするんでしょうか。
#178
○参考人(小山俊幸君) 会食でございますから、もろもろ会社の状況、置かれている状況、その他、いろんな話題になります。
 以上です。
#179
○和田政宗君 そのほか非公式に、例えば喫茶店でお茶を飲むですとか会議室で打合せをするなどの接触というのはあるんでしょうか。
#180
○参考人(小山俊幸君) 当然、労使間でございますので、公式、非公式、いろんな場で労使間でのいろんなそういう折衝なりはございます。
#181
○和田政宗君 そうしますと、北鉄労、政府の答弁によりますと、極左暴力集団革マル派が浸透しているJR総連の傘下にあるわけです。北鉄労への革マル派の浸透については経営陣はどのように認識していますでしょうか。これは社長、お答えできるようでしたらお願いします。
#182
○参考人(野島誠君) 革マル派が浸透しているとの事実は会社として把握しておりません。そのようなことはないと考えております。
#183
○和田政宗君 ないということですけど、これ、あった場合はどうしますか。
#184
○参考人(野島誠君) 私ども、先ほど申し上げましたとおり、そのような事実は会社として把握しておりません。仮定の上でのお答えは差し控えさせていただきます。また、そのようなことはないと考えております。
#185
○和田政宗君 JR北海道労組、北鉄労の問題点にはこんな事例があります。
 北鉄労に所属する人物が結婚式を開くに当たって別の労組に所属する友人を呼んだところ、北鉄労の幹部から別の労組の幹部に、招待状は発送したけれども参加するなということを言っているんですね。本人たちの頭を飛び越えてやっているわけです。私はその映像を実際に見ております。その際、北鉄労の幹部は結婚式の招待状のやり取りについて、友達じゃないでしょう、組合違うんだからと言っているんですね。これでは国交大臣の改善指示である社内の確実な意思の疎通の実施を達成することは不可能なんではないですか。これ、社長、どうですか。
#186
○参考人(野島誠君) お答え申し上げます。
 ごく一部の職場でそういった事象があるということは聞いておりますが、会社としては、業務遂行上問題になる事象はないと考えてございます。
#187
○和田政宗君 今の社長の回答ですけれども、これ、衆議院の参考人招致でもおっしゃっていますけれども、そのときは、JR北海道労組、北鉄労が特有の運動方針を掲げて、ごく一部の職場でそうした事象があるとの発言をしています。そうした事象というのは、ほかの組合員と話もしちゃいけないというふうに北鉄労が組合員に指示を出していることに関して言及したものです。
 社長の認識として、北鉄労の運動方針による職場でのあつれき、具体的にどのようなものがあるでしょうか。
#188
○参考人(野島誠君) 私自身、具体的な事例を把握しておりませんが、労務担当セクションからの報告などを聞いた限りにおきましては、今ありました結婚式に呼ぶ呼ばないといったようなことがあるというようなこともありますが、これにつきましては、会社としては社員のプライベートに関する事柄でありますので、介入する考えはございません。また、こういったようなことで職場でのあつれきになっているとは考えてございません。
#189
○和田政宗君 あくまで一部の状態だということでしょうか。
#190
○参考人(野島誠君) 労務担当セクションから報告を受けますと、そういった一部のことだというふうに聞いております。
#191
○和田政宗君 では、前回の参考人招致で、野島社長、労使間では意見の対立などをするところもあるとのお答えがありましたけれども、具体的に、労使間、どんな意見の対立があるんでしょうか。
#192
○参考人(野島誠君) 労使の間でございますから、労働条件あるいは賃金などにおきまして立場の違いから意見や主張の違いはございますが、いかなる場合においても真摯な対話を通じて信頼関係をつくり上げていきます。
#193
○和田政宗君 HTB、北海道テレビの報道によりますと、経営幹部と現場社員との膝詰め対話の際に、組合員である職場の上司から現場社員に模範回答例というプリントが配られまして、職場で困っていることはありますかと聞かれたら、特にありませんと答えるようにですとか、風通しが良いということを強調してくださいという指示が出ていたということですけれども、これは事実でしょうか。
#194
○参考人(小山俊幸君) お答え申し上げます。
 当方では、そのような事実は把握してございません。
#195
○和田政宗君 これは北海道テレビのドキュメント番組で放送されまして、これ多くの視聴者が見たと思うんですけれども、経営陣、どなたかこれ御覧になりましたか。
#196
○参考人(小山俊幸君) 申し訳ございません、私は拝見してございません。
#197
○和田政宗君 そうしたら、ちょっと社内の組織体制について聞いていきたいと思うんですけれども、例えば中小の駅の駅長さんは管理職ではなくて一般の組合員だというふうに聞いています。これでは、何か不祥事があっても組合員である仲間を守るということが起きかねないというふうに思っております。管理者的な立場の社員、管理職にすべきではないかと思うんですが、社長、これどうでしょうか。
#198
○参考人(野島誠君) 中小駅の駅長が労働組合の組合員であるという理由で委員が御指摘するような問題が発生することはないと考えておりますので、管理者全員を管理職にするという考えはございません。
#199
○和田政宗君 では、今回データの改ざんが発覚した函館保線管理室にはどれだけの人数の管理職がいるんでしょうか。
#200
○参考人(小山俊幸君) 函館保線管理室には、そういう意味での管理職社員、これはおりません。
#201
○和田政宗君 そうすると、仲間を守るですとか、そういったことで仲間内で改ざんが行われていたという可能性があるというふうに思うんですけれども、これについてJRの見解いかがでしょうか。
#202
○参考人(小山俊幸君) これにつきましては、あくまでも会社の組織として管理ができているというふうに考えておりますので、そういう意味での仲間内云々ということにはならないと考えております。
#203
○和田政宗君 改ざんが行われているのに管理ができているというのは、もうこれはとてもおかしな話で、これはそういったところに管理職を置いてしっかり経営体制として目を光らせるといいますか、責任を取れる人間がその場で指示をするということにならないんでしょうか。これ、社長、どうでしょうか。
#204
○参考人(野島誠君) 今、小山の方から回答を差し上げましたが、函館保線管理室にはいわゆる管理職社員という者はおりませんが、一般職社員ではございますが、管理室の責任者としての所長代理、この社員を配置し、管理をしているところでございます。
#205
○和田政宗君 普通の会社でありましたら、管理職は様々な権限を持っていて給与も高いというようなところで、いざというときはその責任を取るというようなことですけれども、その組合員のいわゆる管理者というような形でそれで責任取れるんですか、経営側は強く言えるんでしょうか。いかがでしょうか。
#206
○参考人(小山俊幸君) あくまでも会社の管理を実行する上で、その職にある者が管理職か一般の社員かということに大きな違いはないというふうに考えております。
#207
○和田政宗君 ちょっとこれ聞いていてもそういうようなお答えになりますので、では次に、安全運行にかかわる保守点検について聞きます。
 衆議院の参考人招致で笠島工務部長、枕木については、損傷、劣化、減耗等などの状況を把握しているところで、交換までの日数については定めを明確にしていない、必要に応じて交換をすると発言しています。交換までの日数、明確にしていないということですが、一年間でどれくらいの枕木の交換が必要かですとか、そのために必要な経費について想定、算出というのはなされていないんでしょうか、また、そのための予算も確保されていないんでしょうか、いかがでしょうか。
#208
○参考人(笠島雅之君) 冒頭の前回の衆議院での答弁につきましては、今お話しいただいたとおりでございます。内容につきましてもそのとおりでございます。
 また、枕木交換の今状況でございますけれども、現在、近年では年間枕木交換本数はおおむね二万本程度で実施しております。これに伴います経費、予算は、おおむね二万本の規模でございますけれども、確保して進めておるということでございます。
#209
○和田政宗君 おおむね二万本ということで枕木についても様々な問題点というのが起きているわけですけれども、これ二万本で足りているというような認識でしょうか、いかがでしょうか。
#210
○参考人(笠島雅之君) これまでは現場とのいろいろな状況把握ということで情報交換をしながら必要数量を決めてまいりまして、おおむね二万本ということが適正であろうかということで進めてまいりましたけれども、昨今の監査も踏まえまして、今これらの本数が十分だったかどうかということにつきましても再度見直しを検討しておるところでございます。
#211
○和田政宗君 十月二十五日の記者会見でJR北海道は、枕木についての交換基準などのマニュアルがこれまでなく、現場で取扱いが違っていたと発言して、対策については保安監査中なのでと具体的には言及しませんでした。一か月たった現在においても交換基準は作られていないんでしょうか。
#212
○参考人(笠島雅之君) 今現在検討中でございまして、おおむね今年中には取りまとめて周知徹底を図りたいと思ってございます。
#213
○和田政宗君 安全確保という面では、今も危険な枕木の上が列車が走っているんではないかなという懸念される事例があります。
 お手元に皆様も資料あると思いますけれども、まず資料一御覧ください。レールを枕木に固定する部品が取れて転がっています。そして、資料の二ですけれども、これコンクリート製の枕木だと思うんですが、その枕木の周りの砂利が流出して枕木が浮いているような状態になっています。これはいずれも札幌近郊を走る札沼線の石狩太美と石狩当別の間の線路で、先週、今月の二十一日に撮影されたものです。この区間、一日におよそ七十本の列車が走るんです。このまま運行していて大丈夫なんでしょうか。JR、お願いします。
#214
○参考人(笠島雅之君) 資料の一つ目につきましては、これは継ぎ目部といって、レールとレールをつなぐ部分のこれタイプレートの上にこの継ぎ目がありましてレールを締結している部分でございます。御覧のとおり、ここに、写真にありますが、四角い穴がありますが、これが下に、バネとボルトが付いたものがこの丸印のところに外れて落ちておりますが、ここにボルトがはまってこのバネでこの締結装置のところを留めると、こういう構造になっておりまして、これについてはやはり問題のある事柄だというふうに思います。
 ただし、御覧のとおり、タイプレートがしっかり締結されていること、レールもタイプレートにきっちり収まっておりますので、これが一つ取れたからといって直ちに事故につながるということではないというふうに考えております。しかしながら、これにつきましては、私どもの定期的な徒歩巡回の中でこの問題を発見して直ちに措置すべきものというふうに考えます。
 二つ目につきましては、これは噴泥という事柄でございまして、長年、これバラストとその下にあります路盤との間との関係がありますが、さらに水との関係がありまして、ここに水がたまるとか、あるいは水道ができるというようなことがなってきますと、このバラストがだんだんだんだん路盤の中に潜り込んでいって中の土がこういったように流動化して出てくるというようなことが起きる現象でございまして、これも、ここの部分だけで直ちにということじゃないんですが、こういう状態は好ましいものではございません。
 したがいまして、通常管理する中で、軌道の変位等々を見ながら、あるいは列車の動揺等を見ながら、大きな変位が出てきたり問題があれば、これについては措置をするということになろうかというふうに考えております。
#215
○和田政宗君 この写真見せられると、私もJR利用するときに本当にこれ大丈夫なのかというふうに思ってしまいますけれども、国交省、これ、鉄道局長、御覧になっていかがですか。
#216
○政府参考人(瀧口敬二君) いずれも本来あるべき軌道の管理からすると、その安全性が確保されていない状況だろうと思います。
 二点目のいわゆる噴泥ということでございますが、私ども、過去、ほとんど毎年というペースでJR北海道の方に監査に入っておりますが、二十一年の九月に監査に入りまして、こういった、これは別の区間でございますけれども、この噴泥が実は確認されておりまして、この噴泥については改善をすべきであると、あるいは、これを通じて本社と現場との間の管理体制の連携がうまくいっていないということも実は確認されましたので、こういったことについても改善を求めるということで改善の指導をしたということがございます。
#217
○和田政宗君 安全運行の面ではまだまだ懸念される事項があります。
 まず、国交省に聞きます。線路同士をつなぐつなぎ目のボルトですとか標識、フェンスに関しては国交省から改善指示が出ておりませんが、これはなぜでしょうか。
#218
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どもも監査に入りました際に、先ほども申し上げましたように、現場に入りまして、レールの状況、こういった軌道の状況などについて監査を行っておりますが、今までのところそういったことについて確認が実はされておりません。
 一例を実は申し上げますと、これ、大臣の指示がございまして、JR北海道の最近の保線の管理状況は一体どうなんだろうかということを徹底的に確認するようにということで、私どもの地方機関でございます北海道運輸局に対しまして一つの駅間を徹底的に調べるようにということをやりました。具体的には、十月の下旬、二十八日から入ったわけでございますが、札幌近郊の千歳線の上野幌から北広島、この駅間は約八キロでございます。八キロにつきまして、線路構造物について全て本来あるべき状態にあるかどうかということでございます。これは、JR北海道の実施基準の条文数でいいますと約八十条にわたるものでございますが、この八十条につきまして、全ての条文に則してきちっとした管理が行われているかどうかということをチェックをいたしました。
 この結果、当然のことながら夜間、列車の走っていない夜間にこれは調査しなきゃならぬということもありますので、結果的にこの八キロのある意味では全数調査をしたところ、二十八日から十一月四日までの八日間掛かったということをやりまして、この区間については特に問題のあるものはなかったということを確認しておりますが、そういったことをやったところでも今御指摘のあったようなレールのつなぎ目のボルトの問題とかいうことについては確認できておりません。
 したがって、現在、現時点において、こういった点について具体的に改善指示を出したということはございませんけれども、いずれにしても、レールの基盤が本来あるべき姿に維持されるということは非常に重要でございますので、今後、JR北海道全体の問題を考える中で必要な対策というものを検討してまいりたいと思っております。
#219
○和田政宗君 それでは、ちょっと資料の方を御覧いただきたいんですけれども、資料の三、これ、勾配標という標識ですが、本来垂直に立っているべきものが傾いちゃっているんですね。数字が書いてある羽根の部分、水平より上に向いているべきなのに下に垂れ下がっちゃっています。これも札幌近郊を走る札沼線の石狩太美と石狩当別の間の線路で今月二十一日に撮影されたものです。
 そして、資料四、小樽駅の近くで二十二日に撮影された写真ですけれども、フェンスが線路側に傾いて倒れたまま放置をされています。そのほかにも、今申しましたように、レールの継ぎ目のボルト、脱落しているという写真も私、手に入れております。これ、石狩太美と石狩当別の間であります。
 このまま列車の運行をして本当に大丈夫なんでしょうか。JR、お願いします。
#220
○参考人(笠島雅之君) 継ぎ目ボルトですとか、今御指摘の標識あるいはフェンスなどの材料につきましては定期的に点検をするというルールになってございますが、こういった事態が現段階であるということは、今、資料で承知したところでございます。日常に行われています徒歩巡回ですとかあるいは列車巡回に併せてこういったものは直ちに発見をし、必要な措置をとるというルールになってございますが、残念ながら、こういったことがあるということは事実だということでございます。
 標識につきましては、議員がおっしゃるとおり、これはやはり垂直に立って、また斜めにこの軸がきちっと収まって勾配を標示するものだということでございますが、これは主に列車運行という、あるいは軌道の、線路の管理ということで使う標でございますけれども、これで直ちに速度をコントロールするとか、そういったものではございませんので、これはもう望ましいことではないんですけれども、これも直ちに事故につながるとか、そういうことではないと、ないのかなというふうに考えております。
 それから、柵につきましても、これもやはり人が侵入しないようにということが大原則の柵だというふうに思いますが、周辺の状況を見ますと、これはなかなか人が立ち入れる状況じゃないということがあって恐らく現場では後回しにしたのではないかと推察されますけれども、いずれにしても、こういったことについてはできるだけ早く手を打つということが基本になろうかと思います。
#221
○和田政宗君 今日、札幌近郊、雪が降ったという話も聞いております、十センチほど降ったと。そうすると、もうこれ、点検これからするといっても、大分困難な状況になっていくということがあると思います。
 そして、フェンスなんですけれども、例えばこれ、大風が吹いたりすると剥がれて例えば軌道上に倒れ込むとか、そういったことがあるというふうに思うんですけれども、これ鉄道局長、改善の指示出していないということですけれども、この資料を御覧になって、改めていかがですか。
#222
○政府参考人(瀧口敬二君) いずれにしても、安全運行というのは極めて重要な問題だというふうに考えております。
 こういったような問題を含めて、どういったような対応を北海道に求めていくのかということについては十分検討してまいりたいと思います。
#223
○和田政宗君 問題なのは、こうした線路のつなぎ目のボルトですとか標識やフェンスに関しては、JR北海道の回答によりますと、各現場での帳簿というのが唯一の記録であって、その数を統計的に集計していないということなんですね。どこでどんな点検、補修をしたのかというのを組織全体として把握していないということになると思うんですが、これJR、いかがでしょうか。
#224
○参考人(笠島雅之君) 基本的には、こういう設備につきましては各保線所という単位でこれらのものを管理するというルールになってございまして、本社の方ではその数量等を細かく把握しているということではございません。基本的には、現地が適宜に必要なものについて対応するということで進めておるところでございます。
#225
○和田政宗君 これ、そうしますと、例えば本社ですとか、そういったところで把握していないということになりますが、鉄道局長、これについてはいかがですか。
#226
○政府参考人(瀧口敬二君) 基本的に、こういったような問題というのは通常の保線で巡回をしておるわけでございます。そういった中で把握されて、そしてしかるべき対応が取られるということ、そういった体制が取られるということが必要なんだろうと思っております。
 そういった体制が取られていないということであれば、そういったことも含めてどういった対応をしなければならないかということは私どもの検討課題だろうと思っております。
#227
○和田政宗君 建前論というか、やるべきこととしては分かるんですけれども、結局、調べただけでもこのような状況が放置されているということなんですけれども、ちょっともう時間も来ましたのであれですが、一つ、ちょっとこれも懸念されるような声をJRの社員から聞きました。
 経営陣とJR北海道労組、北鉄労にはやみ協定や暗黙の取引といったものがうわさされていますけれども、こうしたものは存在するんでしょうか、経営陣。
#228
○参考人(小山俊幸君) 御指摘のようなやみ協定ですとか暗黙の取引といったものは存在してございません。
#229
○和田政宗君 もう時間も来ましたので最後になりますけれども、JR北海道の再生を願って申し上げます。
 JR北海道の再生を北海道の友人たち誰に聞いても願っておりますし、私も心から願っております。列車や線路の保守点検も本当に大変だと思います。真冬の点検、氷点下二十度にも三十度にもなります。いてつく寒さです。私はその姿をNHK時代に大みそかの「ゆく年くる年」でも中継いたしました。そうした現場で頑張っている社員に報いるためにも、経営陣が頑張って、全社で頑張ってお客様に安心して乗っていただく、そうした再生が成ることを切に願いまして、私の質問を終わります。
#230
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私も北海道の人間ですので、JRは頻繁に利用させていただいている一人であります。
 それで、二〇一一年の五月のあの石勝線事故の直後に私も現地に調査に行きました。それで、非常に無残な車両の姿を見て衝撃を受けました。乗客自らの判断で避難をしたので、けがをする人は出ましたけれども、しかし命を奪われるということはなかったわけです。しかし、もし逃げ遅れていたならば、本当に大変なことになっていたということを痛感をいたしました。
 JR北海道は、現場と経営陣の意思疎通の悪さを問われて、そのとき、現場と膝詰めの対話を行っていくんだと、安全最優先の鉄道会社に生まれ変わるんだというふうに言って、安全基本計画を作成をされたわけです。北海道民はもちろん、多くの国民がこれを機に本当に安全第一の会社に変わってほしいと期待をしたわけです。
 この間の一連のトラブル、とりわけレール点検の改ざん問題というのが発覚をしまして、これは本当に驚き、そして怒りを感じているわけです。改ざんというのは、これ鉄道事業法に違反する行為で、国民を欺く悪質な行為だと、到底許せるものではないというふうに思います。国民の命を乗せて走っている、そういう鉄道事業者の資格が問われている問題だというふうに思います。
 衆議院で行われた参考人質疑でもっと事実を明らかにされるのかと期待しましたけれども、逆に道民、国民は失望したと。北海道新聞の社説で、「JR国会招致 信頼さらに失墜させた」と書かれております。
 まず、このレール検査のデータの改ざん問題についてお聞きいたします。
 改ざんは、十一月十一日の報道で明らかになりました。しかも、それは外部からの告発によるものです。JR北海道が自ら明らかにしたものではなくて、この告発があってその後調べたということであります。その後の調査で、一か所ではなくて九か所であったというふうに聞いて、これはもう言葉を失いました。JR北海道の信頼を回復する上で、この参考人質疑でやっぱり事実を隠さず明らかにするということがこれからの対策を考えるためには本当に大事なことだと思います。
 それで、最初に、九か所、それぞれ誰の指示で行われたんでしょうか。
#231
○委員長(藤本祐司君) 笠島参考人。
#232
○紙智子君 社長に、社長に質問。
#233
○委員長(藤本祐司君) 社長に質問ですか。社長、お答えになられますか。
#234
○参考人(野島誠君) 九か所の保線管理室におきましてデータの改ざんが確認されたということは、先般の衆議院の国土交通委員会で私から御報告させていただいたところでありますが、どのような仕組みといいますか、誰の指示でどのようにやったかということは、午前中も笠島から御回答させていただきましたが、まだ現在調査中であります。その実態については私どももまだ完全に、調査中にあるということで、御説明は今まだできないということでございます。
#235
○紙智子君 新聞報道で、これは読売の十一月二十三日ですけれども、ここに、取材して書かれているんだろうと思いますが、上部組織の函館保線所長だったことが同社関係者の取材で分かったというふうに書かれていますけれども、これは事実なんですか。
#236
○参考人(野島誠君) 午前中、笠島からも回答させていただきましたが、私どもの調査の中で函館保線所長が関与しているという事実は確認されておりません。
#237
○紙智子君 それでは、その検査ですけれども、本線、副本線、側線、分岐器、それぞれのやり方が違うというふうに聞いています。この四つのうち、どの箇所の検査データが改ざんされたのかということを明らかにしてください。社長、お願いいたします。
#238
○委員長(藤本祐司君) いいですか。笠島参考人、どうぞ。
#239
○参考人(笠島雅之君) 函館保線管理室につきましては、分岐器それから副本線での改ざん、データの不一致があったと記憶してございます。
#240
○紙智子君 そのことも新聞報道で書かれている中身でありますよ。
 それで、もう調査しているということがずっと専ら、先週、衆議院の質問のときからも今調査中でという回答になっているんですけれども、私は本当に事の重大さを分かっているのかなというふうに言わざるを得ないんですね。外部からのこれ告発がなければ、このレールの改ざん問題というのは表に出なかったわけですよ。つまり、JR北海道は不都合な情報は隠蔽しているんじゃないのかと、隠しているんじゃないかというふうに思われているわけですよ、世間には。
 発覚してからもう二週間たったわけですね。そういう中で、難しいことを、特別専門的な立ち入ったことを聞いているわけじゃなくて、どこの場所で、実際あったのかどうかということはいろいろ聞き取りしている中で分かってきているところもあるんだと思うんですよ。なぜそれを言わないのかということなんですが、いかがでしょうか。
#241
○参考人(笠島雅之君) 九月十九日の脱線事故につきましては、今、運輸安全委員会で調査中でございますが、分岐器手前の曲線部で発生したと私どもも推察しておるところでございまして、本線、副本線の一般軌道を優先して調査、確認をいたしたところでございます。また、今回、当社として現在の線路状況がお客様にとって安全かという観点から、分岐器を含めました本線それから副本線における直近の軌道変位検査データを確認いたしまして、改ざんが明らかになった箇所、又は元データ、野帳と言われておりますけれども、これを破棄したためデータの信憑性が確認できなかった箇所といったところにつきましては再測定を行いまして、整備基準値を超過していた箇所については早急に整備を行ってきたということでございます。
 今後は、定められたルールにのっとりまして確実に検査修繕を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 なお、衆議院国土交通委員会で穀田議員の御質問がありました側線、車庫に入る線あるいは留置線といったものの部分の線路でございますけれども、ここにつきましては定期的な検査を実施しておりますが、今回、今申しましたような事象に鑑みた特別な調査ということは実施しておりません。
#242
○紙智子君 今、側線と分岐器のところという話もあったわけですけれども、その前の聞いた上部からの指示があったのかということも含めて午前中もずっと議論ありましたよ。だけど、それについては明らかにしていないと。だけど、私は、これ私だけじゃなくて多くの国民、道民の皆さんは、勝手にそれぞれのところでやっているとは思わないわけですね。やっぱりどこかの指示があってやられていたんじゃないのかと、これは。組織的なそういうこともあるんじゃないのかということをみんなが感じているわけですよ。
 もしそうだとする場合に、そういうこともその範囲の中に入れてどういう対処をするかということは考えておられるんでしょうか。
#243
○参考人(笠島雅之君) 現在明らかになっている以上のことはこれからも引き続き調査をしていくということでございまして、どういう事柄になるのかはちょっと私も全く予想が付かない今状況でございますので、今議員がおっしゃったような指示というようなことで、現段階では私ども確認できておりませんので、ちょっと何ともお答えできないというのが現状でございます。
#244
○紙智子君 やはり聞き取りは実際にやっているわけで、その証言がどうなのかということは非常に大事なことで、決して曖昧にできないことですから、そこのところはこれからも注目をしたいと思います。
 それで、経営陣の責任が問われる事態だというふうに思うんですね。この問題は、国が、特別保安監査に入ったわけですけれども、見抜くことができなかった問題でもあるわけです。それで、安全統括管理者を置いてこの間やってきているはずなんですけれども、安全に直結する重大な問題が見過ごしにされたと。つまり、国土交通省の対応もこれ問題になっているわけです。国土交通省は元々、監査というふうにいっても、これ事業者の提出書類や説明をチェックする方法で行ってきたわけです。しかし、改ざんが発覚すると、日時や場所を事前に伝える立入検査を切り替えて抜き打ちに変えたわけですね。対応はこれ、後手に回ったということも指摘されているわけです。
 そもそも、今のこの監査方法が安全を確保する、そういうことになっているのかということで、これは大臣の御認識をお伺いしたいと思います、大臣に。
#245
○委員長(藤本祐司君) まず、土井国土交通政務官どうぞ。
#246
○大臣政務官(土井亨君) 保安監査につきましては、できるだけ現場に入ること、鉄道事業者の問題に応じて対応することが大変重要であると考えております。現在、第三回目の特別保安監査におきましても、できるだけ現場に入って事実関係や問題の背景を徹底的に把握をし、また、データ改ざんという問題に対処するため、無通告で本社や現場に入り、期限を設定せずに事実解明をすることといたしております。
#247
○紙智子君 元々、通告のときにここは大臣に答えていただきますと言ってありましたので、大臣政務官の出席については、大臣が答えるんだったらいいですよというふうに言っていましたので、そこは守っていただきたいと思います。
 大臣、それじゃお願いします。
#248
○国務大臣(太田昭宏君) 保安監査の在り方については、九月の第一回目から、従来これは五、六人でやっているということが多いんです。人数を増やしてやるというところから始まりまして、従来にない監査体制、現在一つ一つの、函館も含めて、現場に入ってとか抜き打ちとかいうこと自体は今までにないことをやっておりまして、現在もまた監査に入っているメンバーに、その背景というようなことについての調べ方、そういうところまで私が指示している状況でございます。
#249
○紙智子君 前回のこの委員会で我が党の辰已議員も質問しましたけれども、やっぱり見逃してはいけないわけですよね。そういう点で、やっぱり監査の仕方も会社任せにしないで、国自身がしっかりかかわってやるべきだという話をされていると思うんですけれども、命にかかわる安全の問題ですから、そういう意味では、事実上、事業者任せにしていたところが今本当に問われているというふうに思います。
 それで、次に行きますけれども、会社の姿勢の問題についてお聞きしたいと思います。
 会社経営が危機に直面したときに、やっぱり社長の姿勢というのは非常に鋭く問われる問題だと思うんですね。
 東日本大震災のときに津波で八つの工場が全壊した水産会社の社長さんが、八百人の従業員を一人も解雇せずに、雇用を維持しながら工場の再建を目指しました。この社長さんは、解雇すると地域での糸が切れて外に出ていってしまうと、それでは町の復興にはならないというふうに考えたんだというふうに言われて、その社長の発言を、従業員の皆さんがそれを聞いて、よし、本当にそういうことであれば復興に向けて頑張ろうという意欲が広がって、地域ではやっぱりそういう頑張りが見えて、みんなで支えようと、応援しようというふうに広がったというふうに聞きます。三陸鉄道でも同じような話を聞きました。
 そういう危機に直面したときに、そのときこそやっぱり会社が一丸になって会社の再建や、道民に信頼される、愛される、そういう鉄道会社に生まれ変わるということが大事なんじゃないかと思いますけれども、野島社長、いかがでしょうか。
#250
○参考人(野島誠君) 今委員御指摘のとおり、先ほど来私もお話ししておりますが、二十三年の石勝線の列車脱線事故以降、今年に入りましても車両のトラブルあるいは線路関係のトラブル、さらにはレールデータの改ざんといったような事象を発生させ、当社に対しますお客様からの信頼、これが今なくなっているというような状況で、先ほど来お話ししておりますが、会社発足以来の最大の危機にあるというふうに考えてございます。
 私も、このことを、社員全員とこの危機感を共有いたし、何としても北海道の鉄道の再建に向けて私が責任を持って先頭に立って取り進めていくという覚悟でございます。
#251
○紙智子君 そういうやっぱり会社が一丸となって本当に変えていこうというところで、国自身もそこをしっかり指導するということを求められていると思うんですけど、一言、大臣、お願いいたします。
#252
○国務大臣(太田昭宏君) とにかく安全ということが確保できるように、いろいろ考えて指示をさせていただいているところです。石勝線の事故以来二年半経過しますが、今日も何回か申し上げたんですが、本当に立派な全体計画、あるときには大変分厚いものが出たりしています。それが現実には実行されない。そういうことについて、どうすればこのJR北海道が実行という段階に入るのかということも含めて、厳しく指導していきたいというように思っています。
#253
○紙智子君 冒頭で北海道新聞の社説を紹介しましたけれども、会社が一丸になるという姿勢がなかなか伝わっていかないということがあります。衆議院の参考人の質疑で社長の発言をとらえて、道新の社説は、「JR国会招致 信頼さらに失墜させた」と書いたということも紹介しました。道民のみならず国民はこの社長の発言を聞いてがっかりしたという話も出ているわけです。
 全社一丸になって取り組むというのであれば、やはりJR西日本があの尼崎の事故を経て行ったように、全社を挙げた労使会議を行わないのかと。石勝線事故以降、膝詰めの対話が行われたというふうに言われているわけですけれども、結局その後も事故は防がれていなかったわけですね。やっぱり立場の違いを超えて本当に一丸となるという点で、この間も議論が少しありましたけれども、やっぱりその姿を本当に国民に示すことが今ほど求められているときはないと思います。会社と社員そして組合が一堂に会する労使安全会議、これを設置すべきだということ、これ衆議院のときに我が党の穀田議員も提起をしましたけれども、これについてはいかがですか。
#254
○参考人(野島誠君) 当社ではこれまで、安全問題や事故防止に関します事柄について、各労働組合との労働協約に基づき、各組合と個別に団体交渉等で協議をしてきておりました。しかしながら、一連の事故、事象を契機といたしまして、当社は現在、御利用されるお客様を始め各方面の方々から当社の安全確立に向けた取組に対して多くの御意見また御批判もいただいているところであります。こうした状況を謙虚に受け止めまして、安全は労使の垣根を越えて一致協力して取り組むべきテーマであるという考えに立ち、今回新たに、会社として安全問題について四つの労働組合と一堂に会して意見交換を行う場を設けてまいりたいと考えておるところでございます。
#255
○紙智子君 先週、衆議院で穀田議員がこのことを提起したときには、それはやるつもりないという答弁だったんですが、この一週間で変わったということになりますけれども、その変わった心境といいますか、どういうことがあってそういうふうに改められたんでしょうか。
#256
○参考人(野島誠君) 今お話しさせていただいたところでございますが、安全ということについて労使の垣根を越えて一致協力して取り組むべきだというふうに考えを致しまして、今回、四組合と交換を行う場を設けたいと考えた次第でございます。
#257
○紙智子君 それはいつからおやりになるかと、もう十二月からということになるんでしょうか。
#258
○参考人(野島誠君) 今、これから準備をいたし、なるべく早く実施したいと考えておるところでございます。
#259
○紙智子君 やはり形だけこういうふうにやりますということじゃなくて、その中身が本当に実質が伴うものでなきゃいけないというように思うんですよ。そういう意味でいいますと、JR西日本でやったときには、それこそ各職種ごとの専門委員会というのをつくって、やっぱり本当にきめ細かく、どうやって打開するかということも含めて、それも随時やられているということも紹介されていると思うんですけれども、そういうことなんかも含めておやりになるおつもりでしょうか。
#260
○参考人(小山俊幸君) 具体的な中身につきましては、これから検討の上、各組合の方にお話をしたいと考えてございます。
#261
○紙智子君 これから各組合に呼びかけをしてやっていくということになるんですか。社長、今の点について、社長の方から。
#262
○委員長(藤本祐司君) 野島参考人、申合せの時間が来ていますので、簡潔にお願いいたします。
#263
○参考人(野島誠君) はい。
 これから各組合に話しかけていきたいと考えております。
#264
○紙智子君 是非、実のあるものとして、本当にそれが改善に向かうようにしていただきたいということを心から言いたいと思います。
 もう時間になりましたので、やっぱり人の安全や命にかかわる、そういう問題で情報隠しをするということが不信を広げることになるわけですから、そのことをしっかり自覚していただきたいと思います。
 一連のトラブルを受けて、JR北海道に対する不信というのが広がって、やっぱり鉄道離れにつながってはいけないわけですよね。多くの人がもうこれからは自動車にしようとか、そういう話も出ている中で、やっぱりしっかりと道民、国民が応援したくなるような、そういう会社として再生されるように、そのことを心から申し上げまして、私の質問を終わります。
#265
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦でございます。よろしくお願い申し上げます。
 また、野島社長様始め役員の方々には、遠いところからお越しをいただきまして、御礼を申し上げます。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 私も質問を七つほど用意しているんですが、各議員のそれぞれ疑問点、質問点、いろいろと聞いておりますと、まず、これ常識範囲で答えられることだと思いますので、JRの皆さん方には通告はしておりませんが、お答えをいただきたいんですが、国土交通委員会委員のメンバーからこのような質問がありました。赤池先生でしたか、ATSの破損の話でありますけれども、ATSというのはどういう代物ですか。JRの社長、どなたでも結構です。ATR。(発言する者あり)あっ、ATS、ごめんなさい。失礼いたしました。ATS。
#266
○参考人(笠島雅之君) オートマチック・トラフィック・ストップだと記憶しておりますが、ある地点の制限速度を超えて列車が進入した場合等々、列車に自動的に信号を与え、列車の速度を落とすという装置というふうに記憶してございます。
#267
○室井邦彦君 ありがとうございます。そういうことですよね。
 人の命を守る。これは、私も尼崎でありますから、福知山線でしっかりと一番最初に現場に駆け付けた人間。遺体を白、黒と言いながらどんどん運ばれていく姿、とうとう国会に行けずに一日いました。
 経営する側にしても、保線の方にしても、現場に働く方にしても、このATS、これは本当に人の命を守る大切なものであるということですよね。事故が起きないように、人の命を守るようにということでありますが、このATSを運転者が破損をした、これは確かなことなんでしょうか。JRのどなたからでも結構です。
#268
○参考人(小山俊幸君) お答え申し上げます。
 経緯を簡単に申し上げれば、当該運転士がATSを破損した経緯につきましては、札幌運転所というところからこの機関車が出区する際にこのATSが作動して非常停止をいたしました。その後、検修社員が当該列車に到着する前に、本人が当該列車を点検しました。その際に、前から二両目の機関車の後ろ側のATS、これは本来、切にしておくべきところを忘れていたことに気付きました。その後、運転士は検修社員が到着する前にATSのスイッチを切に戻しましたけれども、検修社員が到着した際にその旨を伝えておりませんでした。そのため、検修社員が到着し点検をしましたが、この異常が発見できませんでした。その後、機関車の一両目と二両目を組み替える作業を行いました。その後、本人がATSの切り忘れというミスを隠そうとしてスイッチをハンマーでたたいて車両故障に見せかけたということが後の調査で判明をいたしました。
 以上でございます。
#269
○室井邦彦君 運転者、鉄道マンとしてはこれはあってはならないことで、これは刑事告発していないということでありますけれども、この損害賠償、その破損した人から損害賠償を内々でやられたんですか、お聞きをします。
#270
○参考人(小山俊幸君) 損害額は二万円ほどでございましたが、損害賠償はしてございません。
#271
○室井邦彦君 いや、その辺が、私も現場で、私もトラック運転手をしていましたから、現場で汗を流して働くという現場のつらさというのも、現場で厳しい季節の中で、冬の中で頑張っておられる方々の気持ちもよく分かるんですけど、プロとして、それをハンマーでたたき潰す、そして最終的には人の命につながる、そして単なる十五日の休職。私は、これは政治の世界で生きていますから、告示前にポスターを剥がされたり落書きされると、これは、何だったかな、罪になるんですよね。もちろん公職選挙法にも触れますけれども。また、告示中にポスターにマジックで落書きすると、これは現場を押さえられたら逮捕されるんですよね。ポスターに落書きするだけでそういうことなんですよ。
 これはもう本当に人の命にかかわることで、その処分が非常に甘いというか、常識で考えられない。もう私、くどいようでありますけれども、JRの脱線で、百七名でしたか、人が亡くなり、五百数名、七十何名の方が負傷されて、まだ車椅子やらそういう形で生きておられる方々のことを想像したり考えたりしておりますと、ちょっとその辺のいわゆる経営者と現場で働く方々の貸し借りというか、ここに中島社長の書き置きの内容を私、コピーしてきたんですけれども、中島社長さんは命と引換えにお客様の安全を優先するようにというような遺言を書かれて亡くなっておられますし、もう一つは、時間外や休日労働についての労使協定である三六協定に長期間にわたって違反する事態が発生し、社員の皆さんに大変御迷惑をお掛けしたということも書いておられる。そして、一方では、お客様の安全を最優先にということで命と引換えに亡くなられたと、自殺されたと。以降、またこういう出来事が繰り返されているということ。
 私も、こういう立場でどのように質問して、どういうふうに改めてもらったらいいのかも分からないような状態なんですよね。社長のお言葉には、本社から指示、通達を出しましたとか、こういうことはいけないから本社から通達を出しました。まあ、出すのは結構なんだけれども、現場がそれを本当に真剣に受け止めて受け入れているのかなというと、ほとんどが空振りじゃないのかなという危惧があるんですけれども、その点はいかがですか。
#272
○参考人(野島誠君) 先ほどもお答えさせていただきましたが、これまで、ともしますと本社は、今委員御指摘のとおり、文書で指導する、徹底するというようなこと、形式的な現業機関への指導ということになりがちでございました。今後につきましては、現場の声、先ほども大臣からもお話がありましたが、そういったものをきちっとくみ上げ、事業を推進していかなければならないと考えておるところでございます。
#273
○室井邦彦君 是非お願い申し上げます。
 経営者側と現場で働く方々の、まあ労働組合という表現がいいのか、何かその間にお互いがしっかりと、しっかりというか、思い切ったことが言えないというようなわだかまり、そのようなものを今も感じておりますし、それぞれ各委員の先生方の質問をお聞きしておりますと、どうも答弁者の側からでも何かそのようなものが、我々第三者じゃ理解のできないそういうものがあるのかなと、これは少し治療してもできるのかなと、こんな不安を持っております。
 それは、やはり私もJR北海道に非常に期待を掛けている者の一人でありますし、今度、もうお聞きのように、JR、新幹線が北海道に開業が二年半後であると。その経営、運営をしていくのがJR北海道だと。おいおい、ちょっと待ってくれよ、これはちょっとという不安があるんですね。だからといって、大臣もおっしゃいましたけれども、インバウンド、日本の国、観光立国として頑張っておるところにそういうプロとしての鉄道マンがこういう次元の低い事件を起こしているということは、もう非常に私は恥ずかしい。
 というのは、私、国土交通大臣政務官を拝命したときに運輸大臣会議に出席しまして、もちろん代理でありますけれども、そのときにEU諸国のそれぞれの国々からこういうことを言われて責め立てられたんですよね。日本の安全基準は高過ぎるんだと、だからイギリスに日本の高速鉄道が決定したと。フランスにしてもドイツにしろ、優秀な高速鉄道はあるんですよね。だけど、非常にやっかみで、我々も日本にそういう輸出をしたいんだけれども日本の安全基準が余りにも高い、もっとこの安全基準を、安全注釈を削減するようにと要求されたんですよ。そういうこともあった。
 しかし、この事件、事故を見ておりますと、中国の新幹線が脱線して、それを隠そうとしてブルドーザーでその新幹線を埋めようとするようなことをする国もあれば、私もこれはもう諸外国に包み隠したいなというような思いがあるんです。それは、あなた方に期待をしているから思うんですよ。
 そういう気持ちでありまして、この事故は大きく日本の利益を損なっていると、私はそう思っている。単に北海道だけのことじゃなくて、日本の信頼性を経営者側と現場に働く人たちが潰してしまった、私はこう思うんですけれども、いかがお思いですか。
#274
○参考人(野島誠君) 今委員御指摘のとおり、単に私どもJR北海道だけでなく、全国のJRグループあるいは日本の鉄道というものに対します信頼にも当社のこういった事象が影響を与えているということも十分自覚をし、安全の確立に努めてまいりたいというふうに考えております。
#275
○室井邦彦君 まあ、ひとつ頑張ってくださいと言うしかありません。現場の方も来ておられるようでありますので、やはりしっかりと、一つの会社に四つの労働組合があり、その四つの労働組合が仲よくやっておられるのかどうなのかも私も分かりません。その点は勉強しておりません。しかし、いずれにせよ、うまくいっているようには思えませんし、経営者側とのコミュニケーションもうまくいっているとは思っていません。だから、こういう初歩的な理解のできないことが起きていくと、こう私は感じております。そういう中でも、ともかく頑張ってください、頑張ってくれやというのが率直な私の気持ちであります。
 全く予定外の質問をしてしまいまして。それでは、もう一点。もう社長を責め立てるようで申し訳ないんだけれども、私は、JR北海道をもうこれが最後のチャンスだと思っておると言われておりますけれども、くどいようでありますけれども、この鉄道事故というのはJRだけじゃなくて、鉄道マンとして、福知山の大きな事故からずっと続いてきました。余りにも事故が多発過ぎる、こういう思いでもあります。
 ただ、一点、これは運輸省の方にお答えしていただければいいのか、質問がちょっと……(発言する者あり)運輸省じゃない、ごめん、国土交通省なのか、少しちょっと分かりませんが、このJR三島、これを同じ同等な扱いで国が手を入れているようでありますけれども、北海道、まあ対等ではない、いろいろとあるんでしょうけれども、北海道だけ切り離してまた特別な改革をされようという考え方がないのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいということと、もう一点は、いろいろとJR北海道も運輸以外に物品販売業、不動産賃貸業、ホテル業などを行っておられますが、それぞれ分離して手を入れるというような考え方、そういう考え方があるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#276
○政府参考人(瀧口敬二君) まず、いわゆるJR、国鉄改革のときに、いわゆる三島会社ということで北海道、四国、九州というのがございまして、それぞれ厳しい経営状況の下で経営安定基金等の支援策が講じられてやっておるということでございます。
 その中で、現下の状況の中でJR北海道だけ特別扱いする必要があるかどうかというまず問題でございますが、まずこの我々二回の特別監査、そして現在三回目の特別保安監査をやっておりますが、その原因が一体何なんだと、背景は一体何なんだと、こういったような問題を解決するためにはどういったような対策を講じたらいいのかということを今整理、分析をしております。単純に経営基盤だけの問題なのか、いろいろほかの問題はないのかというようなこともございますので、JR北海道だけ別の会社形態なり経営形態というようなことが、果たしてそれが問題の解決になるかどうかということについては更に検討が必要ではないかというふうに思っております。
 それから、JR北海道、御案内のように、グループ会社でございます。これ、鉄道事業以外に、委員御指摘のように、物品の販売業や不動産の賃貸業、ホテル業などが実はございます。グループ全体で見ますと、平成二十四年度の連結決算では営業収益が千七百九十六億円に対して経常利益七十三億円ということでございますが、一方、北海道旅客鉄道株式会社、これ単体で見てみますと、基本的には営業収益八百四十三億円のうち鉄道事業が九二%、それから費用は九六%ということで、単体で見ますと基本的にはこれもう鉄道会社そのものであるということでございます。むしろ、それ以外の不動産賃貸業なりホテル業などを行うことによって、グループ全体としてはむしろ経営基盤を強化する方に働いているというような状況にございます。
 したがいまして、この北海道単体、もうほとんどこれ鉄道事業者というものでございますので、この鉄道事業をどのように安全を確保し、信頼を確保するのかと、こういったような問題意識で今後とも検討を進めてまいりたいと思っております。
#277
○室井邦彦君 五十一分まで質問時間がございますので、最後に、こういう事故、いろいろと起きてきた中で私が心配なのは、青函トンネルの維持管理をJR北海道がされておると。これも、最近、老朽化しているそういう高速道路にしろトンネルにしろ、いろいろと事故があります。こういうことを想像してはいけないんでしょうけれども、この管理をJR北海道でやっていくことができるのか、そういう不安も出てきているんです。そして、もちろん新幹線が乗り入れをする。
 こういう中で、この管理体制に対して再検討するような、ちょっと重複しておりますけれども、あるのかどうかお聞きをして、質問を終わらせていただきます。
#278
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、青函トンネルというのは、五十四キロ、津軽海峡の下を走っているという海底トンネルでございます。
 現在の管理形態でございますが、保有自体は鉄道・運輸機構が保有いたしておりまして、これをJR北海道に貸し付けるという形になっております。
 当然のことながら、これ海底トンネルでございますので、海水が湧いて出るといったような問題等々がございます。こういった青函トンネルの維持管理につきましては、排水ポンプが実は海底に置かれておりまして、トンネルの更に下に置かれておりまして、この排水ポンプで実は海水をくみ上げるといったようなこと、その他構造的な施設が実はございまして、こういった構造的な施設の更新などにつきましては鉄道・運輸機構が行うということになっておりまして、国がこれに対して三分の二の助成をするということになっております。二十四年度の予算現額といいますか、補正予算なども含めた予算措置を見ますと、国から十五億円規模の補助金が実は出ているといったようなことでございます。
 それ以外の通常のトンネルと同様な維持管理というのは基本的にはJR北海道が行っているということでございますので、こういった特殊性に応じた国も関与した維持管理体制が取られているという状況でございます。
#279
○室井邦彦君 終わります。ありがとうございました。
#280
○吉田忠智君 トリを務めます社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 JR北海道の集中審議は今日で二回目でありますが、前回、社長始め経営陣の皆さん、来ていただくことを期待をしておりましたが、残念ながら来ていただけませんでした。本当は会社に聞きたいことを事前にもう大臣を始め国交省の皆さんに私も前回聞きましたので、今日は、どうしても必要なときは国交省にお伺いしますが、JR北海道経営陣に質問をしたいと思っています。JR北海道は、安全を最優先とすべき公共交通でありますし、実態上も鉄道・運輸機構が一〇〇%株主の子会社で、しかも社長人事は閣議了解事項であります。是非真摯な答弁をお願いしたいと思います。
 まず、軌道の検査データ改ざん問題についてであります。
 十月三十日に、JR北海道の担当者が、外部の第三者から軌道の検査データの改ざん情報が寄せられたと国交省に電話で連絡をした。その後、十一月十一日に改ざん問題が報道され、会社から国交省に改ざんを確認した旨の報告をした。翌十二日に豊田常務が会見で函館保線管理室で改ざんを認めたとされますが、事実ですか。
#281
○参考人(笠島雅之君) 軌道の検査データの改ざんの問題につきましては、今議員のおっしゃったとおり、十月下旬に、ある保線管理室で軌道検測データについて基準値を超過しているのに基準値以内に収まるよう改ざんしているという部外からの情報提供がございました。さらに、十一月上旬、本社で保管しております函館保線管理室の検査データと函館保線管理室に保管しておりましたデータに不一致が認められました。これを受けまして、本社社員が、十一月六日以降、函館保線管理室に赴きまして、データ不一致の事実を示しながら一部の社員に確認したところ、複数の社員からデータの一部を書き換えたということを認めたという経緯でございまして、今一連の議員のお話は事実というふうに認識しております。
#282
○吉田忠智君 十月三十日の国交省からの返答はどのようなものだったでしょうか。また、十月三十日から十一月十一日まで、国交省とはいつ、どのようなやり取りをしましたか。
#283
○参考人(笠島雅之君) 国交省にいつ報告したのかということでございますけれども、今国交省では特別保安監査中ということで保安監査がずっと続いておりまして、私も逐一いろんな事柄が起きますと国交省の方に適時適切に報告しておりまして、申し訳ございませんが、今の事柄、いつというのはちょっとはっきりと今記憶しておらないところでございます。
#284
○吉田忠智君 国交省に今日は聞くつもりはなかったんですけど、ちょっとどうしても聞く必要が生じたんですが、電話で指示しただけで二週間近く事業者任せということだったんでしょうか。
 鉄道局長、通告はないですけど。
#285
○委員長(藤本祐司君) 通告はありませんけれども、瀧口鉄道局長、お答えになりますか。(発言する者あり)
#286
○吉田忠智君 分かりました。じゃ、後日またお伺いします。
 いずれにしても、はっきり会社の方から言っていただけないのは残念であります。
 十一月二十二日の衆議院での集中審議で、計九か所の保線管理室で改ざんを認められております。保線管理室は全部で四十四か所であります。四十四か所中九か所というのは非常に高い割合だと思います。
 改ざんを確認するためには、手作業で計測した数値を記録する野帳と呼ばれる書類とコンピューターに入力された数値を照合する必要があるわけでありますが、この野帳が廃棄されている実態も報告されております。
 全四十四か所で調査が終了したとのことでありますが、何か所で野帳の廃棄があったのでしょうか。
#287
○参考人(笠島雅之君) これまで分岐器の検査データを記録する、今、野帳ということで、我々は元データとも申しておりますけれども、これにつきましては保管義務は今のところございませんでした。しかしながら、今回の調査で現場を確認しましたところ、野帳は八割方の分岐器で保管をされておったということを確認してございます。
 野帳の保管義務はありませんで、所定の、今委員のお話もありましたけれども、現地に行って数値を記録してそれをシステムに入力できれば、システムに入力したものが正規なものということにルール上しておりますので、野帳というものを破棄することは社内規程違反ではございません。しかしながら、現地でもやはり大事なものということで、八割方の分岐器で野帳、手書きのデータは保管されておったということでございます。
 なお、今回の一連の事象を受けまして、私どもとしましては、野帳は破棄せずに保管するよう指示したところでございます。
#288
○吉田忠智君 おおむね二割が廃棄されていたというふうに理解をしました。
 それで、この九か所での改ざんという事実を国交省に報告したのはいつですか。
#289
○参考人(笠島雅之君) 判明した後、直ちに報告をしたと記憶、済みません、ちょっと今、日にちまでちょっと、申し訳ございません、思い出せないのでございますが、適宜、先ほど申しましたとおり報告しておりますので、判明した時点で報告したということだったと記憶しております。
#290
○吉田忠智君 先ほどの質問と重なるところがありますが、改めてお伺いします。
 データの改ざんや野帳の廃棄などは常態的に、また組織ぐるみに実行されていたのではありませんか。
#291
○参考人(笠島雅之君) 先ほどもお話し申しましたとおり、現在、九管理室の中身について調査をしていましたところ、現時点では四か所のところで以前から改ざんというようなことをやっておったということが現時点で分かったということでございます。
 また、現在のところ、上位の人間の、組織だとか人の指示があったということは確認されておりません。
#292
○吉田忠智君 十一月二十二日の公表を受けて、国交省は、二十四日に大沼、滝川の二か所、二十六日に室蘭保線管理室での改ざんを確認をしました。国交省の確認が後手後手に回っている印象は拭えません。改ざんや原簿の廃棄という監査を妨害するような行為は国交省も想定していない事態で、鉄道事業法第七十条第一項第十六号に該当する可能性も高いと考えます。国交省としても、適切な対応をお願いをしておきたいと思います。
 次に、いわゆる技術断層について質問します。
 さきの集中審議でも申し上げましたが、分割・民営化の際の大量解雇とそれに引き続く採用抑制の結果、JR北海道では四十代の職員が全体の一割しかおらず、技術の継承が困難になっています。また、新規採用して保線職場で育成しても二、三年で現場から離れていく状況もあります。要員不足のため、再雇用された六十歳以上のエルダースタッフ社員が見張り業務などの実際の作業に携わることも多く、技術力の継承、教育に専念できる体制にはなっておりません。エルダースタッフ社員を担務から外して技術教育に専念できる体制をつくることが必要だと考えますが、いかがですか。
#293
○参考人(小山俊幸君) お答え申し上げます。
 当社は、発足当初多くの余剰人員を抱えていたことなどもございまして、会社発足前後、通算で約十年間採用がほとんどない期間が続いたことから、現在四十歳代の社員が極端に少ない年齢構成となってございます。この結果、若い社員が十分に配属されていないこととなりまして、近年採用数を増やして要員配置を進めてはおりますけれども、現状ではまだ経験年数が浅いということで、ベテラン社員の技術レベルに達していないといったような状況にございます。
 今後は、六十歳で定年退職し雇用延長となっている今委員御指摘のエルダースタッフ、これを活用いたしまして、技術継承、また体制の強化の要員として活躍してもらうとともに、中途採用数を増加させるほか、既に退職したOBを講師に招くなど各種取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、専任できる体制につきましては、現在六十歳で定年退職し雇用延長となっているエルダースタッフにつきましては、技術継承のみならず体制強化の要員としても活躍しておりますので、全員を担務業務から外して教育に専念させるという考えはございません。
#294
○吉田忠智君 是非、担務から外して専念できる体制をつくっていただきたいと思います。
 技術の継承、技術断層の問題の解決に向けてどのようにこれから取り組んでいかれますか。
#295
○参考人(小山俊幸君) 今も申し上げましたが、一つはこのエルダースタッフを活用して技術継承を図ってまいりますとともに、中途採用なども増加させるほか、既に退職したOB等も活用して技術継承に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
#296
○吉田忠智君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 労使安全会議、今日何人かの委員の方から御質問、提案もございましたが、私もさきの集中審議において国交大臣にもお伺いをして、その議論はお伝えいただいて、また衆議院の集中審議でも議論いただいて、今日先ほど社長から、四つの組合の皆さんが一堂に会して安全についての議論をする場をつくるという明言をいただきました。
 社長としては、これからどのようにそういう労使安全会議を進めていかれるお考えか、大体、お聞きをしたいと思います。
#297
○参考人(野島誠君) 先ほどもお話し申し上げましたが、安全ということにつきましては労使の垣根を越えて、今当社の状況、労働組合の皆さんもう十分承知いただいていると思います、この状況からお客様の信頼を取り戻すにはどういうようなことをしたらいいかというようなことについて意見交換を行いたいと考えてございます。
#298
○吉田忠智君 どのくらいの周期でどういう形でやろうとお考えですか。
#299
○参考人(野島誠君) まず関係の四つの組合にお声掛けをし、それからその進め方等についてもこれからいろいろ決めてまいりたいと考えてございます。
#300
○吉田忠智君 是非、風通しの良い民主的な運営を心掛けていただきたいと思います。
 次に、従来の経営自立の再考という点で質問をさせていただきます。
 JR北海道は、申すまでもなく人口密度の低い広大な地域をカバーをして、積雪、寒冷などのコストも掛かるという鉄道事業単体では利益を出すことが極めて難しい経営環境にあります。これまで人材や資材への投資を削減をして、言い換えれば、鉄道の安全と働く人々の生活を犠牲にして何とか利益を上げようと努力してきたのではないかと思います。こうした経営方針が一連の改ざんや相次ぐ事故を招いていたのは明らかであります。もちろん意識を変えなければなりません、経営の体質も変えなければなりません。これまで御議論があったとおりであります。
 それはやっぱり厳しく、社長としても経営陣の皆さんも戒めていただきたいと思いますが、いずれにしても、私もいろいろ資料を読ませていただきましたが、もちろん北海道には大変貴重な観光資源もありますし、魅力的な資源もあります。食材も多くございます。ただしかし、安全確保に必要な人材や資材への投資を行いながら、従来どおりの経営自立を目指すというのは非常に私は難しいんじゃないかと思います、率直に申し上げて。やっぱりこの間の分割・民営化の総括もきちっとやるべきだと思っています。
 そこで、社長に最後にお伺いしますが、利用者、国民の声を反映をしつつ、独立採算制ではなくて国費による運営費の補填を実施していくことでしか、私は北海道の鉄道事業、道民の皆さんの貴重な移動手段を守る、そういうすべはないのではないかと思いますが、社長のお考えをお伺いします。
#301
○参考人(野島誠君) 当社、国鉄改革で発足をいたしました。もとより北海道の経営環境は大変厳しいという中でスタートをし、先ほど委員のお話にもございましたが、管内鉄道事業は赤字ということでございます。そのために経営安定基金という措置を講じていただいたり、あるいは、これまでも税制の特例措置を講じていただいたりというような国の御支援をいただきながら北海道の鉄道運営ということに努めてまいりました。この間、様々な効率化等も進めながらやってまいりました。近年、経営安定基金が当初の予定よりも運用益が確保できないということも踏まえていただき、平成二十三年度からは新たに二千二百億の積み増し、効果にいたしますと年間五十五億という運用益をいただける支援もいただき、また六百億の設備投資のフレームを作っていただいたところでございます。
 私どもといたしまして、まずその措置していただいた支援を十分有効に活用させていただき、何としても安全な鉄道を築き上げ、今委員のお話にもございました、やはり北海道、観光というものも北海道にとって大きな産業といいますか、でございます。当社鉄道輸送という面を通して、その一翼を担えるように努力してまいりたいと考えておるところでございます。
#302
○吉田忠智君 社長を始め経営陣の皆さん、そして社員の皆さん一丸となったJR北海道の再生に向けて御尽力をされますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#303
○委員長(藤本祐司君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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