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2013/12/06 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 経済産業委員会 第9号
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2013/12/06 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 経済産業委員会 第9号

#1
第185回国会 経済産業委員会 第9号
平成二十五年十二月六日(金曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員長の異動
 十二月五日大久保勉君委員長解任につき、その
 補欠として北川イッセイ君を議院において委員
 長に選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     藤巻 健史君     中野 正志君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     青木 一彦君
     滝波 宏文君    北川イッセイ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        北川イッセイ君
    理 事
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
                倉林 明子君
    委 員
                青木 一彦君
                磯崎 仁彦君
                高野光二郎君
                宮本 周司君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                杉  久武君
                谷合 正明君
                行田 邦子君
                中野 正志君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣)     稲田 朋美君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      中島 秀夫君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   原  敏弘君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小川 秀樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(第百八十三回国会
 内閣提出、第百八十五回国会衆議院送付)
○福島第一原子力発電所の地下水・汚染水の海へ
 の放出反対に関する請願(第二七号外一〇件)
○事業者間取引において消費税の適正な価格転嫁
 を受けられない小零細事業者の保護に関する請
 願(第六〇号外一〇件)
○原発ゼロを直ちに決断することに関する請願(
 第八八号)
○原発の再稼働を許さず、原発のない日本を実現
 することに関する請願(第九一号外三件)
○即時原発ゼロに関する請願(第一六〇号外六件
 )
○原発の縮小、廃止への政策転換に関する請願(
 第一六一号)
○原発からの撤退に関する請願(第一六二号外六
 件)
○全ての原発から直ちに撤退する決断を行うこと
 に関する請願(第一六三号外五件)
○浜岡原発の永久停止・廃炉に関する請願(第一
 六四号)
○原発からの撤退を求めることに関する請願(第
 一六五号)
○浜岡原子力発電所の運転を再開させず、全ての
 原発から直ちに撤退する決断を行うことに関す
 る請願(第一六六号)
○原発再稼働を許さず、再生可能エネルギー政策
 へ転換することに関する請願(第三三三号外一
 〇件)
○女川原発を再稼働させず、原発からの撤退を進
 めることに関する請願(第七一七号)
○原発推進をやめ、再生可能エネルギーを抜本的
 に普及させることに関する請願(第七一八号)
○中小企業支援予算を拡大し、大企業による中小
 企業への一方的な下請単価切下げをやめさせる
 ことに関する請願(第九一一号)
○直ちに原発ゼロを実現することに関する請願(
 第九三八号)
○原発からの撤退とエネルギー政策の抜本的転換
 に関する請願(第一〇六二号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤巻健史君、有村治子君及び滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として中野正志君、青木一彦君及び私、北川イッセイが選任されました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(北川イッセイ君) それでは、速記を起こしてください。
    ─────────────
#4
○委員長(北川イッセイ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局長中島秀夫君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(北川イッセイ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(北川イッセイ君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。稲田内閣府特命担当大臣。
#7
○国務大臣(稲田朋美君) ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法については、平成二十一年に成立した一部改正法の附則第二十条第一項において、審判手続に係る規定について、全面にわたって見直すものとし、平成二十一年度中に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとするとされております。
 また、同法案に係る衆議院及び参議院の経済産業委員会の附帯決議においては、審判手続に係る規定については、本法附則において、全面にわたって見直すものとし、平成二十一年度中に行う検討の結果所要の措置を講ずることとされているが、検討の結果として、現行の審判制度を現状のまま存続することや、平成十七年改正以前の事前審判制度へ戻すことのないよう、審判制度の抜本的な制度変更を行うこととされております。
 今回は、これらの附則等を踏まえ、公正取引委員会が行う審判制度を廃止する等の所要の改正を行うため、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案について、その主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、独占禁止法違反に対する排除措置命令等について、公正取引委員会が行う審判制度を廃止するとともに、審決に係る抗告訴訟等の第一審裁判権が東京高等裁判所に属するとの規定を廃止します。
 第二に、裁判所における専門性の確保等を図る観点から、独占禁止法違反に対する排除措置命令等に係る抗告訴訟等については、東京地方裁判所の専属管轄とするとともに、東京地方裁判所においては、三人又は五人の裁判官の合議体により審理及び裁判を行うこととしております。また、その控訴審である東京高等裁判所においては、五人の裁判官の合議体により審理及び裁判を行うことができることとしております。
 第三に、適正手続の確保の観点から、排除措置命令等に係る意見聴取手続について、その主宰者、予定される排除措置命令の内容等の説明、公正取引委員会の認定した事実を立証する証拠の閲覧及び謄写に係る規定等の整備を行うこととしております。
 なお、これらの改正は、一部を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
#8
○委員長(北川イッセイ君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○高野光二郎君 おはようございます。自由民主党の高野光二郎と申します。
 それでは、順次質問をさせていただきます。
 まず、この独禁法の説明を再度私の方からもお話をさせていただきたいと思います。
 独禁法の目的は、企業又は事業活動の公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動ができるようにするとして、市場メカニズムが正しく機能していれば、事業者は創意工夫により、より安く優れた商品の提供、また、消費者はニーズに合った商品が選択することができるといたしております。これらを妨げる不正な私的独占、例えば談合、カルテル及び一定の不正な違反行為をした者に対して、その違反行為を除くために排除措置、課徴金が課されます。この独禁法の改正案は、公正かつ自由な競争の下で行える経済活動を担保するために、国際水準に合わせ、市場が適切に機能するために非常に意義がある、アベノミクス、成長戦略にとっても大変大事なものだと認識をいたしております。
 独禁法は、二〇〇五年以前は、企業が処分の先延ばしを狙いに裁判を通じて時間稼ぎが問題化しておりました。二〇〇五年の法改正により、処分手続は円滑となった一方、企業が処分を不服として審判に至る比率は以前の二〇%から一〇%に減ってしまいました。
 初めに、本改正案のこの肝でもある審判制度の廃止に関連してお尋ねさせていただきます。
 現行の審判制度において、公正取引委員会の命令が争われる割合は、平成二十四年度では一六%だとお伺いをいたしております。また、その中で争われる件数は年間、二十四年度でございますが、四十七件、これは公正取引委員会の資料で読み取れます。
 では、現行の審判制度のこれまでの実績として、公正取引委員会の命令が取り消されたり課徴金が減額された例はどの程度あるのか、お尋ねさせていただきます。
#10
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘の平成十七年、二〇〇五年の改正法施行、これが平成十八年一月でございますが、このときから平成二十五年度上半期、今年度の上半期でございますが、この期間におきまして、平成十七年改正後の独占禁止法に基づきまして四十五件の審決が出されたところでございます。そのうち、四十四件につきましては審決において原処分が維持され、一件については原処分が覆されたというのが実績でございます。
#11
○高野光二郎君 ありがとうございます。
 次に、公正取引委員会が罪を追及する側、いわゆる検察側と、判断を下す側、裁判側を兼ねるという姿は、企業側、業界から見て公正の外観を欠くという不満や批判があったわけですが、審判制度を廃止することで、不服を申し立てるスタートから司法に委ねるという制度自体の大きな変更により、この問題は解消されたと私は考えます。
 改正法では、不服申立ての第一審は東京地方裁判所に管轄を集中させています。つまり、東京地方裁判所のみがこの公正取引委員会の命令に対する不服を受け付けて審判するということになっております。独禁法の処分に不服がある場合、地方の企業でも東京地裁まで自ら足を運ばなければいけない、そういった仕組みになっております。しかし、東京だけだと、全国津々浦々、九州、四国、北海道、東北、様々なそういった違反をした業者が東京に来るといったようなことになれば、いろんな費用の負担なんかにも当然つながってきます。
 そういった面についてお伺いをさせていただきたいんですが、例えば、今後、大阪とか福岡とか北海道とか東北とか四国に窓口を増やすような予定はあるのかどうなのか、お伺いをさせてください。
#12
○政府特別補佐人(杉本和行君) 今回の法律改正におきまして、公正取引委員会による排除措置命令の訴訟に係る裁判管轄については、東京地方裁判所に管轄を集中することとされております。
 この理由でございますが、これは、一つには、裁判所におきましても専門的な判断を確保する必要性が非常に高いこと、それからカルテル、入札談合のように複数の企業が違反事業者となる事案がございますが、こうした事案においては、同じ裁判所により判断がされることによりまして、判断の統一性、合一性が確保される、そういった必要性が高いこと、それから、これまで第一審機能を果たしておりましたのが公正取引委員会におけます審判手続でございますが、公正取引委員会は東京にございまして、基本的にはこの東京にございます公正取引委員会の審判廷におきましてこの審判が行われておりましたので、東京地方裁判所に管轄を集中いたしましても、事業者にとっては現在よりも利便は低下することにはならないと考えられることでございます。
 御指摘のように、地方におきましても、地方の方々の利便を考える必要があるということでございますので、今回の東京地方裁判所における審理におきましても、地方在住者の方の訴訟追行の便宜に配慮した審理の在り方として、例えば争点整理手続の期日は電話会議システムを利用するとか、それから証拠調べの期日の実施につきましてはテレビ会議システムを利用するとか、必要に応じて当事者の関係者が東京地方裁判所に出頭することなく審理を行うこともあり得ると考えております。
 また、将来的な裁判の管轄の問題につきましては、改正法の施行状況を踏まえまして、必要に応じ検討してまいりたいと考えているところでございます。
#13
○高野光二郎君 ありがとうございます。
 今、その証拠といったものが出ました。ちょっと実例を申し上げさせていただきたいと思うんですが、例えば公共事業の談合についてちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。
 というのが、我が高知県でも昨年大きな談合がございまして、様々な機関が聴取をして、実際に多大な課徴金が支払われ、そして高知県内のいわゆる公共事業が、不正を働いた、指名停止そして営業停止ということを、たくさんそういった企業が出てしまいまして、工事が遅延をした、そういった実情なんかもございます。
 そういったときのまずちょっと証拠を御紹介させていただきたいんですが、証拠というのは、例えば公共事業の入札が出たときに、その入札前に、いわゆる発注者である国とか地方自治体の積算金額、これは資材とか機械とか技術者、こういったものを発注者が出すわけでございます。そういったものを事前に入手をするといったものが文書化して残っているもの、つまり、それが一〇〇%の金額として、一〇〇%を一%でも超えればそれは受注ができないといったようなことのようでございます。その中で九十何%に抑えていくか、これが一つの基準だというふうに聞いております。
 また、もう一つでは、入札に応募する各企業のリストを持っていると。つまり、一〇〇%をどうやって調整をするか、どの会社がこの入札に参加をしているか。これも通常なら出てくる資料ではありませんが、それを事前にある企業が入手をして談合に使っているといったようなことでございます。
 また、これが、経営者だけではなくて、いわゆる会社の従業員さんなんかのやり取りがやられているケースもあるというふうにお伺いをさせていただいております。こういった証拠の面でお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の制度改正で、特にコピーできる自社の証拠には自社従業員の供述調書なども考えられていますが、談合やカルテルの内部告発をした者の保護や身分保障についてどのように考えられているのか、お伺いをさせていただきます。
#14
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 改正法案では、排除措置命令等の名あて人となるべき者は公正取引委員会が認定した事実を立証する証拠の閲覧を求めることができまして、閲覧の対象となる証拠のうち、自社が提出した物証や自社従業員の供述調書については謄写を求めることもできることとされておりますが、公正取引委員会は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときにはその閲覧又は謄写を拒むことができるとされております。
 この規定の趣旨は、第三者、すなわち当該事業者以外の者の利益を保護しようとするものでございまして、この第三者の中には名あて人となるべき者の従業員も含まれると考えております。このため、名あて人となるべき者が、公正取引委員会の認定した事実を立証する証拠のうち、自社の証拠を閲覧又は謄写しようとする場合におきましては、当該事業者の従業員個人のプライバシーに係る事項につきましては、公正取引委員会はその規定を根拠に当該事業者に対しその閲覧又は謄写を拒むことができると考えております。したがいまして、内部告発の事実やプライバシーなど、従業員の利益の保護には適切な配慮がなされるものと考えているところでございます。
#15
○高野光二郎君 先ほど、お話にちょっと戻らさせていただきたいんですが、いわゆる今回、その審理、審判をする際に、そういった各都道府県の事例なんかも含めて、その審理、審判をされる方に地域性もある程度理解をしていただきたいということが実はあるんです。そういった内容でちょっと質問をさせていただきます。
 様々な証拠を扱い、地域性や専門性のある独禁法に精通する裁判官の育成が必要だと思います。改正法八十六条で、審理が偏らないように、一人でも可能な審理に三人以上の合議制を構成して扱う仕組みになっておりますけれども、その一方で、第二項では、五人の裁判官の合議制で審理、裁判することができるようになっております。この場合、企業側が五人の合議制でしてくださいといったようなことの要求ができるかどうなのか、そういったことをお伺いさせていただきたいです。
#16
○政府特別補佐人(杉本和行君) 今回の改正法案におきましては、東京地方裁判所は、排除措置命令等に係る抗告訴訟につきましては、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができるとされております。したがいまして、五人の合議体で審理、裁判するかどうかは、あくまでも当該合議体、裁判所の側の判断においてなされるものと考えております。
 どういう場合に五人になるかということは、あくまでも合議体、裁判所の判断だと思いますが、その判断に当たりましては、個々の事案ごとの事案の複雑さ、専門性の高さ、それから判断が企業活動及び経済社会に与える影響の大きさ、こういったものが考慮されることになるのではないかと考えているところでございます。
#17
○高野光二郎君 ありがとうございました。
 質問まだちょっと用意しておったんですが、時間の都合があるため、これで質問を終わらさせていただきます。
 最後に、今国会、自民党と公明党、政府・与党が非常に強権であるとか横暴であるとか、若しくはおごりであるとかいうことを言われていますけど、今日、実際、民主党の議員さん、この委員会にもこの審議にも出席をしていただいておりません。そして、今回のこのたくさんある法案の中で、実は十本も民主党の議員さんは本会議の採決に対して棄権をしている、そういった状況もございます。私たちは、こういった無責任な行動、言動はせずに、しっかり政権政党といたしまして政府と一体になって頑張ってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#18
○杉久武君 おはようございます。公明党の杉久武でございます。
 本日は、独禁法改正の質疑でありますが、質疑に先立ちまして一言申し上げたいと思います。
 私は、当選後僅か今四か月の新人議員でございますが、国会における様々なことを今から一つ一つ覚えていかなければなりません。例えば、国会の権威や権能、また職責について一つ一つ教えていただいております。その中で、委員長の職責については、委員長とは国会の役員であると教わりました。また、ハウスの役員であるがゆえに、高い権威と委員会運営に関する大きな権能が付与されている、そうである以上、委員長は公正な議会運営を行う責任があると教えてくださいました。
 この経済産業委員会におきましても、十月二十九日に行われました委員会の冒頭、前委員長から公正円満な委員会運営に努めるとの御挨拶がございました。しかし、残念なことに、その御挨拶とは異なる委員会運営の結果、昨日未明の本会議におきまして委員長としての資質が厳しく問われたのでございます。
 本日審議されます独占禁止法改正案につきましては、平成二十一年の独禁法改正時に附帯決議されました審判制度の抜本的改正という要請を踏まえ、足掛け四年にわたる歳月の末に本日、委員会で審議される運びとなりましたが、中でも、民主党の皆様には、この法案に熱心に取り組んでこられたと伺いました。私ども公明党も、与党の一員としてこの法案の成立に強い決意で臨んでおります。また、国民の皆様も早期の成立を強く望んでおられる法案であります。では、与野党対決と全く無縁のこの法案を審議しないというのはいかなる理由によるものだったのでしょうか。本法案より優先すべきものが当委員会には要請されていたとは思えません。
 どうか北川イッセイ新委員長におかれましては、委員長の名にふさわしい職責を十分に発揮していただきまして、公正円満な委員会運営を強くお願い申し上げます。
 では、質問の方に入らせていただきます。
 まず初めに、この法案は長きにわたり審議をされておりました法案でございますので、ここで改めて、確認の意味を込めて本案の沿革と概要についてお伺いしたいと思います。またあわせて、今回の独禁法改正の狙いについてもお答えいただければと思います。
#19
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 本改正法律案の概要は、以下の三点でございます。
 第一点は、公正取引委員会が行います審判制度を廃止するとともに、公正取引委員会が行う審決に係る取消し訴訟の第一審裁判権が東京高等裁判所に属するとの規定を廃止することでございます。
 第二点は、裁判所における専門性の確保等を図る観点から、独占禁止法違反に対する排除措置命令等に係る取消し訴訟につきましては東京地方裁判所の専属管轄とするとともに、東京地方裁判所においては、三人又は五人の裁判官の合議体により審理、裁判を行うこととするということでございます。
 三点目でございますが、処分前手続の一層の充実の観点から、排除措置命令等に係る意見聴取手続につきまして、その主宰者、予定される排除措置命令の内容等の説明、公正取引委員会が認定した事実を立証する証拠の閲覧、謄写に係る規定等の整備を行うというものでございます。
 本法律案の沿革それから狙いは、以下のとおりでございます。
 公正取引委員会は、従来から公正中立な審判制度の運用に努めてまいりましたが、平成十七年の独占禁止法改正で公正取引委員会の執行が強化されたことを背景といたしまして、同年の法改正によりまして不服審査型審判制度へ移行した審判制度の公正さの外観に対する経済界等の批判、すなわち、行政処分を、公正取引委員会自らの処分の適否を判断する仕組みになっている、言わば検察官役と裁判官役が兼ねているんではないかという批判が強まることとなったわけでございます。
 さらに、平成二十一年、独占禁止法改正法の附帯決議におきましては、現行の審判制度を現状のまま存続することや平成十七年の改正以前の事前審判制度に戻すことのないよう審判制度の抜本的な制度改正を行うこととされたことによりまして、制度変更の現実的な選択肢が限定されたわけでございます。
 これらの状況の下、今回の独占禁止法改正は、手続の公正さの外観に対する批判を解消する観点から、公正取引委員会が行う審判制度を廃止しまして、公正取引委員会が行う行政処分に対する不服審査を裁判所に委ねるとともに、公正取引委員会が行政処分を行うに当たっての事前手続についてより一層の充実、透明化を図ることを狙いとするものでございます。
#20
○杉久武君 ありがとうございます。
 ただいま御説明いただきましたように、本改正の眼目といたしましてはこの審判制度の廃止がございますが、現在行われている不服審判制度では、公正取引委員会から発せられる命令に対してはまず公正取引委員会による審判を経なければならないというようになっておりまして、これに不服があった場合に初めて裁判所、すなわち東京高裁に提訴できるという仕組みになっているわけでございます。まさに公正取引委員会の審判は、事実上第一審としての機能を果たしてきたわけでございます。
 独占禁止法に関する問題、なかんずく訴訟については、極めて高度の専門性が要求されますので、裁判官でさえも難しい部分があると伺っております。そのような点からすれば、高い専門性を持っていらっしゃいます公正取引委員会が下した判断をまずは尊重するという現行制度も、その妥当性は十分にあるというように考えております。
 しかし、命令を受けた企業から見れば、今の民主主義の時代においては、裁判官と検察官が一緒では中立性は担保されているとは思えないという疑念を抱くのはもっともであり、いずれにしましても、対象となった企業に対しては適正な審判手続が十分保障されることは必要なことであると考えております。
 その上で、審判制度の廃止については、一部専門家から、公取という独立行政委員会としての機能を失わせてしまうのではないかとか、公正かつ中立な処分ができなくなるのではないかといった懸念も従来から指摘されているところでございます。これらの指摘についてどうお考えか、お伺いしたいと思います。
#21
○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員御指摘のとおり、一部の専門家、学者の先生等を含めまして、審判制度の廃止が独立行政委員会の独立性、中立性を失わせるのではないかという指摘があることは私ども承知しているところでございます。
 もとより、独占禁止法は経済活動の基本的なルールを定めたものでございまして、その執行、運用は法律及び経済に関する高度の専門的な知識に基づきまして公正かつ中立的に、また継続性、一貫性を持って行う必要があるところでございます。
 また、独占禁止法違反の行為につきましては、排除措置命令、課徴金納付命令といった措置が命ぜられることになりますことから、行政執行上も中立性、独立性が必要とされるところだと考えております。
 公正取引委員会が合議制の独立行政委員会として設立されるとともに、独占禁止法二十八条におきまして委員長及び委員は独立してその職権を行うこととされているのはこのような公正取引委員会の職務の特質に由来しておりまして、この職務の特質は審判制度の廃止によっても変わらないところだと思っておるところでございます。
#22
○杉久武君 ありがとうございます。
 現行の審判制度では、弁護士を依頼した場合の報酬等を除けば被処分者にはほとんど費用が掛からないようでございますが、審判制度が廃止されますと、被処分者にとっては、第一審となります東京地方裁判所での審理から訴訟費用を負担しなければならなくなると聞いております。
 もし訴訟費用が高額になりますと、例えば中小企業者が被処分者であった場合、訴訟費用に耐えられず訴訟提起に二の足を踏んでしまうという可能性もあると思いますが、その点についての御答弁をお願いいたします。
#23
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 現在の審判制度におきましても、事業者は代理人として弁護士を参加させるというのが一般的でございまして、弁護士費用が発生しているものと考えられますので、弁護士費用が発生するという観点からは、東京地方裁判所での審理となった場合でも基本的には大きく変わることはないと考えております。
 他方、取消し訴訟におきましては、民事訴訟費用等にかかわる法律に基づき申立て手数料が発生することになります。審判においては当該手数料を徴収していなかったことから、その部分については負担が増加することになると考えられます。排除措置命令の取消し訴訟につきましては一万三千円、それから課徴金納付命令につきましては課徴金の額に従いまして費用が発生して、例えば一億円の訴額の場合は三十二万円の費用が発生する、こういうことがございます。
 なお、弁護士費用を含む訴訟に関する費用の全体が審判制度廃止後においてどのように変動するかについては、個別事案における弁護士との契約内容や裁判における当事者の訴訟活動の態様によっても異なるため、一概に申し上げることは困難でございます。
#24
○杉久武君 ありがとうございます。
 今度は公正取引委員会の側からこの審判制度の廃止について考えたいのですが、審判制度が廃止になりますと公正取引委員会の負担が減ると思いましたら、どうも逆のようでして、これまで以上に事実関係の証拠収集が裁判所から求められたりして、公取の負担が増加するのではないかという指摘もございました。
 この指摘についてのお考えをお尋ねするとともに、これらに対応するための増員や体制整備についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
#25
○政府特別補佐人(杉本和行君) 公正取引委員会では、地方の有識者に独占禁止法行政についての意見を伺うということで、独占禁止政策協力委員というものをお願いしております。今年度の上期におきまして、この独占禁止政策協力委員から寄せられました意見におきまして、審判制度が廃止になるとこれまで以上に事実関係の証拠収集が求められ、公正取引委員会の負担が増えるのではないかという意見が寄せられたところでございます。
 ただ、公正取引委員会におきましては、これまでも証拠に基づいた事実認定等を通じて厳正な法執行を行っているところでございますので、審判制度が廃止されることに伴いまして証拠収集の負担が変わるということはないのではないかと考えております。
 私どもといたしましては、引き続き、価格カルテルや入札談合事案への厳正な対処、中小企業に不当に不利益をもたらす事案への積極的な監視、取締りを行っていくことが重要と考えております。これらの課題に取り組んでいくためには、今後とも、関係各方面の理解を得つつ、必要に応じて公正取引委員会の体制の強化充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#26
○杉久武君 ありがとうございます。
 本来は訴訟手続について一問通告をさせていただいておりましたが、先ほどの高野議員の質問とも重複する部分がございますし、ちょっと時間もございませんので、一つ飛ばさせていただきます。
 続きまして、行政調査手続に係る検討について大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の法案では公布後一年をめどに行政調査手続に係る検討条項が付いてございますが、今後早急に検討会などを設置して検討すべきと考えております。政府としてどのようにお考えでしょうか、大臣の御答弁をお願いいたします。
#27
○国務大臣(稲田朋美君) 今回の改正法案について、行政調査手続の在り方について、附則十六条において、「公布後一年を目途に結論を得て、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるもの」とされております。各界から、事件関係人の防御権の確保等からの要望、論点が出ていることも承知をいたしております。
 政府として、具体的な検討方法は改正法成立後に決定することになりますけれども、例えば学識者や関係団体からの有識者を構成員とする検討会議を設置の上、一年程度掛けて検討を進めていくことになろうかと思います。
#28
○杉久武君 ありがとうございます。
 最後の質問になりますが、本法案は、日本経済の回復から拡大へと向かわせる道筋を示す重要な法案でございます。冒頭に申し上げましたとおり、国民各界から成立が望まれている法案でございます。本法案成立後、新制度が迅速かつ円滑に機能し、そして成長戦略を強力に後押しできるよう、大臣の御決意をお伺いいたしまして、私の質問といたします。
#29
○国務大臣(稲田朋美君) 今回、審判制度を廃止することによって、外観上の公正性ということも担保できることになりました。そして、そういったことにより、公正自由な競争環境の整備をすることにより独禁法、ひいては公正取引委員会への信頼を確保し、経済における基本的なルールを制定することによって経済成長に資するものだと考えております。
 公正取引委員会において、新制度の施行に向けた準備が万全に行われるよう、公正取引委員会の事務担当大臣として万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#30
○杉久武君 ありがとうございます。
 以上で質問を終わります。
#31
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 会期末になりまして、大久保前委員長が解任されるという残念な結果となりました。大久保前委員長は、これまでも当委員会の円滑な委員会運営に努めてこられたと承知をしておりますし、そしてまた、この度の国会運営につきまして、野党の立場として様々、私自身思うところはありますけれども、こうして北川新委員長の下、経済産業委員会、当委員会がこれまで以上に更に一層、経済産業の様々な諸問題について議論を深めて、また円滑な委員会運営がなされることを期待を申し上げまして、質問に移りたいと思います。
 この法案でありますけれども、足掛け四年という年月でようやく審議に入ることができました。これまでの質問と若干重複するかもしれませんけれども、御了承いただきたいと思います。
 まず初めに、この現行制度の前の審判制度について質問させていただきたいと思います。
 平成十七年に改正がなされまして現行の審判制度は続いているわけでありますけれども、この平成十七年の改正以前の事前審判制度なんですが、これが事前審判制度は不服審査型に変わったわけでありますけれども、そのときに事前審判制度のどういった点が問題とされたのでしょうか。
#32
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 委員御指摘のように、二〇〇五年、平成十七年の改正以前は、審判制度は事前審査型審判方式でございまして、その措置を命ずる前に審判制度があるという形でございました。この事前審査型審判方式につきましては、審判審決が出るまで排除措置命令を命じられないことから、早期に競争状態を回復できないこと、審判手続を経て課徴金の納付が命じられることから、課徴金の納付を先送りするために審判手続で争うという誘因が生じること、さらには、入札談合事案の場合におきましては、公正取引委員会の処分に伴って発注官庁による指名停止が行われることが多い状況におきまして、審判手続を経て処分がなされることになりますことから、指名停止を受ける時期をこういった形でコントロールするために審判手続において争うという、こういった誘因も生じるという問題が指摘されておりました。
 こうした問題を踏まえまして、二〇〇五年、平成十七年の改正におきましては、不服審査型審判方式へ変更を行ったというふうに考えております。
#33
○行田邦子君 事前審判制度から不服型の現行制度に変わって、そして、先ほどの御答弁で事前審判制度の問題点、主に二つ、二点御指摘がありましたけれども、一つは早期の競争状態の回復がなかなか難しかったということ、それからまた、談合案件などについては、意図的に引き延ばしのための審判が行われるといった問題点であったと思いますけれども、こうした点について、現行の審判制度で一定程度解消されたという認識でよろしいかどうか、その点。
 そしてまた、もう一つ併せてお答えいただきたいんですけれども、本改正案によって処分前手続が充実されることとなります。例えば、証拠の閲覧ができたり、また自社証拠の謄写、コピーができたりと。それからまた、意見申述は現行制度では原則書面でありますけれども、それが口頭になって、また、質問もできるといった充実がなされるわけでありますけれども、このことによって、逆に処分の迅速性というのが保たれないのではないかといった懸念もありますが、その点、いかがでしょうか。
#34
○政府特別補佐人(杉本和行君) 二〇〇五年、平成十七年の独占禁止法の改正におきましては、審判手続、審判制度を今申し上げましたように不服審査型に見直したものでございます。これによりまして、先ほど申しましたいろいろな問題点のうち、処分の早期化、審判制度を経ずに処分ができるということで処分の早期化が図られましたし、さらには、審判開始比率の減少、審判開始比率が旧制度におきましては約二〇%でございましたのが、これが一〇%ぐらいにまで減少しております。そういった審判開始比率の減少、こういうことが見られまして、当該法改正時に期待された一定の成果は上がったものと考えております。
 それから、意見聴取手続の件でございますが、本改正法案におけます意見聴取手続は、今般の審判制度の廃止に伴いまして、従来は審決において示していた公正取引委員会による最終的な判断が排除措置命令等において示されること、及び適正な手続の確保の観点、こういったことから、処分前に相手方の事業者の主張を一層よく聴いた上で適切に排除措置命令、課徴金納付命令等を行うため、新たな処分前の手続として整備しようというものでございます。
 一方、競争状態の早期回復という、こうした公益の観点からは、意見聴取手続を迅速に進めていく必要がございますため、実際の運用に当たっては、処分の迅速性の要求に十分配慮しつつ、意見聴取手続が適正に行われ、不要に長期化しないようには努めていく必要があると思っておりまして、そういった努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#35
○行田邦子君 ありがとうございます。
 この独禁法は、平成二十一年にも改正がなされていますけれども、そのときには審判制度については改正がなされませんでした、見送られました。一方で、その平成二十一年の改正の際には、附則の二十条第一項、そしてまた、衆参での委員会で附帯決議といったものがなされました。この国会への意思を踏まえまして本法案の提出となったと承知をしておりますけれども、そのときにどのような点が問題とされたのでしょうか、どのような問題意識が指摘されたのでしょうか。
#36
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 公正取引委員会では、従来から公平中立な事前審査型審判制度の運用に努めてきたところでございますが、平成十七年、二〇〇五年の独占禁止法改正で、独占禁止法の執行力が強化されました。各種の課徴金の増額だとか、それから課徴金減免制度の導入とかがございましたが、こういうことを背景に、同年の法改正によりまして、不服審査型審判方式へ移行した審判制度の公正さの外観に対する経済界等の批判が強まることになったものと考えております。
 また、平成二十一年、二〇〇九年の独占禁止法改正法の附則第二十条第一項におきましては、審判手続に係る規定につきまして全面にわたって見直すものとされまして、さらに、この改正法の附帯決議におきまして、現行の審判制度を現状のまま存続することや、平成十七年改正以前の事前審判制度に戻すことのないよう、審判制度の抜本的な制度改正を行うこととされたことによりまして、制度変更の現実的な選択肢は限定されたところでございます。
 こうした状況の下で公正取引委員会の審判制度が存置される限り、審判制度の公正さの外観に対する経済界等の不信感を払拭することは困難な状況であると考えられたため、審判制度廃止の判断に至ったものでございます。
#37
○行田邦子君 今御説明いただきましたけれども、現行の審判制度というのは公正取引委員会が検察官と裁判官を兼ねる不公正であるといった指摘がなされていますけれども、一方で、この現行制度の良い点というのもあるかと思います。
 その点、公正取引委員会としてはどのように認識されていますでしょうか。
#38
○政府特別補佐人(杉本和行君) 公正取引委員会が検察官役と裁判官役を兼ねておりまして、公正さの外観を欠いているという批判は、平成十七年の独占禁止法改正により公正取引委員会が行った行政処分に不服のある場合に行う不服審査手続として導入された不服審査型審判方式、いわゆる事後審判方式についてなされているものでございます。
 この事後審判方式は、平成十七年改正前の事前審査型の審判方式、いわゆる事前審判制度におきまして処分の遅延や制度の趣旨に伴わない審判の生じる誘因がありまして、審判件数の増加により違反行為に対する十分な抑止力の確保に支障を来すことが懸念されたことを踏まえて導入されたものでございます。これは先ほど御答弁させていただいたとおりでございます。
 すなわち、現行事後審判制度は、公正取引委員会の調査の結果、独占禁止法違反行為があると認める場合、事前手続を経て審判を経ずに排除措置を命ずることから、早期に競争状態を回復することができます。さらに、入札談合事案の場合に、公正取引委員会の処分に伴って発注官庁による指名停止が行われることが多い状況におきましては、審判前に処分がなされることから、指名停止を受ける時期をコントロールするために審判を行うという誘因が生じない、こういうメリットがあると考えられるわけでございます。
 実際、事後審判制度導入後には、早期に処分がなされるとともに、先ほど申しましたように、審判の件数が減少するなど一定の成果があったと評価されているところもございまして、そういう点が事後審判制度のメリットであったと考えておるところでございます。
#39
○行田邦子君 これまで、二〇〇五年から、平成十七年から不服型の現行の審判制度を重ねていくことによりまして、公正取引委員会においては専門的知見が蓄積されているというふうに思います。
 今回の法改正が成立すれば、現行の審判制度が廃止されて、そして東京地方裁判所に直接取消し訴訟を提起する方式になるわけでありますけれども、ここで私が確認させていただきたいのは、それでは、これまで公正取引委員会におきまして蓄積された専門的な様々な知見を東京地裁によってどのように蓄えていくのか、そしてまたどのような体制を整備していくのか、お答えいただけますでしょうか。
#40
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
 今回の改正法案が成立しました場合には、東京地方裁判所において、第一審の裁判管轄を東京地方裁判所に集中させて専門的知見の蓄積を図るというこの改正法の趣旨を踏まえまして、その施行までの間、これは裁判所を構成する単位でございます部のうちの特定の部に事件を集中的に割り当てるなどし、当該部のみが公正取引委員会の処分に対する抗告訴訟などを審理することを検討するなど、専門的な処理体制の確保に努めますとともに、独占禁止法事案の審理の在り方についても検討していくものと承知しております。
#41
○行田邦子君 是非、公正でまた適切、そして迅速な手続が行われるように期待をしたいと思います。
 そして、最後の質問になります。大臣にお伺いします。これまで経済団体などから指摘をされていることでありますけれども、行政調査の適正性の改善についてであります。
 被調査者の防御権を確保するという観点から、立入検査やまた供述調査等の調査において弁護士の立会い権、そしてまた弁護士と依頼者間の秘匿特権についてなんですけれども、こうしたものを確保するべきであるといった指摘がなされていますけれども、今回の改正案にはそういった規定が盛り込まれませんでした。あくまでも検討規定ということでありますけれども、今後どのようにこの点について検討していくのか、お答えいただけますでしょうか。
#42
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のとおり、経済界また弁護士会等から、被調査者の防御権の確保、手続保障という点から立入検査等の要望が出ております。
 今回の改正案では、附則において、附則十六条の規定で本法案の成立後検討を行うというふうにいたしております。もちろん、その被調査者の防御権の確保は非常に重要ですけれども、他の行政調査手続との関連ですとか、また我が国の司法制度全般の考え方等も関連する問題であり、また公正取引委員会の実態の調査権といいますか、真実を解明するという問題、能力についても関連がするかと思っております。この検討の場については、公正取引委員会の実態解明の機能の確保、被処分者の防御権の確保のバランスを勘案しながら十分に検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#43
○行田邦子君 終わります。
#44
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 独禁法一部改正案について質問をさせていただきます。
 この改正案を審議するに当たって、私、非常に公取の果たしてきた役割ということで押さえる大事な視点があるかと思っております。それは、市場の番人として企業への、経済発展の公正なルールを守るという役割を果たすと同時に、消費者にとっては本当に頼りになる存在でもあろうかというふうに思っているわけです。消費者、国民の利益をしっかり守るという役割が後退することがあってはならないという立場から質問をしたいと思います。
 そこで、昨日の報道でも談合の問題が取り上げられておりました。東京電力、関西電力等が発注しております送電線工事で大規模な談合が長年繰り返されていたという報道でございます。課徴金納付命令を出す方針だということで報道されておりましたけれども、現状で説明いただける範囲で結構ですので、どういう状況になっているのか、御説明を求めたいと思います。
#45
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。
 委員御指摘の東京電力及び関西電力がそれぞれ発注いたします鉄塔を通じる送電事業を行っております、架空送電工事と申しておりますが、この工事、それから地中ケーブルによります送電を行います地中送電工事、これらの工事に関する独占禁止法違反被疑事件につきましては、独占禁止法の規定に基づきまして審査を行ってきたところでございます。
 これらにつきましては、既に報道されておりますように、相手方事業者に対しまして、予定される排除措置命令、それから課徴金納付命令の内容等を書面で通知し、相手方事業者がそれに対し意見を述べ、又は証拠を提出することができるという、いわゆる今は事前手続の段階にあるということは事実でございます。
 具体的に、相手方事業者に通知した書面の内容、今後の見通しについて申し述べることは、個別事案にかかわることでございますので差し控えさせていただきますが、公正取引委員会としては、今後、相手方事業者から提出された意見等の内容を検討した上で本件に関する判断を行っていくということになろうかと考えているところでございます。
#46
○倉林明子君 当然ながら厳正な対応をお願いをしておきたいと思いますが、この談合事件で発注者となっておりました東京電力に関連してですが、二〇一二年、昨年の三月に、山梨県のスーパー、消費者団体等が公正取引委員会に是正措置を求めました。電力の値上げに関連してですが、この対応の内容はどうなっていたでしょうか。
#47
○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員御指摘の件は、東京電力が自由化対象需要者の間で締結している契約上、あらかじめ合意がなければ契約途中で電気料金の引上げが行うことができないにもかかわらず、平成二十四年四月一日以降に使用する電気料金の一斉の引上げを行うこととする、当該需要家のうち契約電力が五百キロワット未満の需要家に対しては、当該需要家から異議の連絡のない場合には電気料金の引上げに合意したこととみなすとした書面によりまして電気料金の引上げの要請を行っていたという件ではないかと思います。
 この件につきましては、こうした事実が認められたものでございまして、この行為は独占禁止法の規定する優越的地位の濫用に該当し、独占禁止法の規定に違反する行為につながるおそれがあるといったことでございましたので、公正取引委員会といたしましては、東京電力に対しまして、自由化対象需要家向け電力取引について独占禁止法違反となるような行為を行うことのないよう、昨年六月二十二日に注意を行ったところでございます。
#48
○倉林明子君 この件でいいますと、大きな社会問題にもなりまして、同様のことで川口の商工会議所からも公取に対しての申告があったということでした。
 私、こうした例は、東京電力等本当に大きな企業に対しても、小さな消費者あるいはスーパー、こういったところが公正なルールを守ってほしいということで訴えることができる、つまり消費者利益を確保するという観点からも公取の果たしている役割というのは本当に大きいものがあるというふうに思っているわけです。
 そこで、改めて、今回の改定ですが、肝となる、独禁法の根幹でもあるこの審判制度を廃止するということが提起されているわけです。先ほど来議論ありましたように、経済界から要請があって外観上の問題を是正する必要があるということでの説明がありました。しかし、外観上の問題はさておき、実態としての機能はどう担保されていたのかと、ここの評価が非常に大事な点ではないかと思います。
 そこで、二〇〇七年の六月発表されました独占禁止法基本問題懇談会報告書、これは三十回を超えるような審議を通じてまとめ上げられたもので、審判制度を設けることが適当だということが結論になっていたかと思うんです。その適当だとされた結論について、まとめて御説明をいただきたい。
#49
○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員御指摘の独占禁止法基本問題懇談会、ここではお話がありましたように審議を重ねていただきまして、平成十九年六月二十六日に報告書を出していただいております。
 その報告書におきましては、平成十七年改正後の独占禁止法で採用されている不服審査型審判方式は、改正前の事前審査型審判方式においては、処分の遅延や制度の趣旨に沿わない審判の生ずる誘因があり、審判件数の増加により違反行為に対する十分な抑止力の確保に支障を来すことが懸念されたこと、それから違反行為が後を絶たない中で迅速な処分、実効的な法執行が求められること、こうしたことを踏まえまして導入されたものでございまして、導入後、早期に処分がなされるとともに、審判の件数が減少していると評価ができ、一定の成果を上げていると考えられることとしております。さらに、その導入後一年余りしかたっていない段階で再度制度変更を行うことにより実務的な混乱を生じさせる可能性にも言及しております。また、不服審査型審判方式が直ちに憲法の要請する手続に反するとも言えないこと、こうしたことを理由といたしまして、当面は不服審査型審判制度を維持することが適当ということで結論付けられた報告書の内容になっていると理解しております。
#50
○倉林明子君 二〇〇七年の報告書のところでは適当だということで、第一次安倍内閣の官房長官の下に設置された懇談会での結論だったというものです。当面ということで、その後、経過があります。
 そこで、二十五年度の公正取引委員会実績評価書が総務省の政策評価で取りまとめられております。公取が取りまとめたものですが、二〇一二年度、平成二十四年度までのところの実績の分析を行っているわけですが、この中で、二〇〇四年から二〇一二年までの八年間のデータが出ております。この合計で、審決取消し訴訟提起件数、つまり審決が出た後に取消し訴訟を提起した、これは一体何件に、総数で結構ですので、何件になっているか。そして、そのうち取り消された審決件数は何件になっているでしょうか。
#51
○政府特別補佐人(杉本和行君) 御質問の平成十六年度、二〇〇四年度から平成二十四年度、二〇一二年度までの間でございますが、審決取消し訴訟は八十二件提起されております。このうち、東京高等裁判所において公正取引委員会の審決が覆された案件は一件でございまして、本件は岩手県の談合に関する関係だったと記憶しております。
#52
○倉林明子君 つまり、二〇〇七年のとき当面適当だという判断があって、その後、二〇一二年までのところを取りまとめた結果の中でも、この結果を見ますと、僅か八十二件のうち一件だけあったと、取り消されたということですから、極めてこの審判手続は有効に機能しているということが言えると思うんですけれども、その評価についての認識を伺いたい。
#53
○政府特別補佐人(杉本和行君) 審判制度につきましては、私どもも実質的証拠に基づきまして厳正にやっているところでございますので、そうした観点から、今申し上げましたように、審決取消し訴訟のうち、裁判所において、東京高等裁判所において取り消された、審決が覆されたものは極めて限られたものになっているということだと考えております。
 今回の法律改正は、そうした審判制度の公正さについて問題があるから提起したということではございませんでして、外観の公正さ、先ほどから御議論になっておりますような検察官役と裁判官役を公正取引委員会が兼ねることに対する外観の公正さに対する批判に対応するものでございまして、そういった観点から、抗告訴訟を裁判所にやっていただくというものでございます。
#54
○倉林明子君 先ほど紹介しました公正取引委員会が取りまとめた実績評価書、この中でも有効性そして効率性についても評価がきちっとされております。つまり、改正に向けて検討してきた結果でもこの審判制度は適当である、有効であるということが言われ、さらに、その後の経過を踏まえても中身は制度としては十分機能を発揮してきたということだと思うんです。
 それならば、なぜ今回この審判制度を廃止するのかということでいいますと、先ほど来御説明があるように、中身じゃなくて外観なんだということですよね。この外観の変更の要請を繰り返し行ってこられたのが、名立たる大企業が役員を務めておいでの経団連を中心とした経済界からの要請だった、これは事実間違いないと思うんです。
 そこで、この経済界の役員を務めておられる方々がどういった方かといいますと、新日鉄住金、トヨタ自動車、パナソニック、住友化学、日立製作所等々、本当に、言わばこの審判制度の下で独禁法違反を繰り返し行ってきた方々からの要請だということなんですね。こういう要請を受けて、公取の機能、独禁法が目指している公正ルールの確立ということでいえば、要は、犯罪者の意見を聞いて見直すのかというようなところが今回問われている問題でもあろうかと思います。
 私、やっぱり消費者利益の確保、こういった観点からしっかりその機能を果たせることこそ必要だし、公取としてはその役割発揮を引き続きしていただく必要がある、審判制度の見直しは必要ないということを申し上げまして、終わります。
#55
○中野正志君 日本維新の会の中野正志でございます。
 先ほど来話がありましたように、この経産委員会、定例日からいたしますと一日遅れということで、まさに臨時国会の最終日の審議ということになりました。国会の取り進めでありますからいろいろな事象事象が出てまいりますけれども、昨日は昨日まで、今日は新しい今日ということで審議に臨まなければなりませんのが私たち国会議員の役目だと思っておりますし、まして、付託された法案がある以上、賛否はどうあれできるだけ早く結論を付ける、こうであらなければならないと思うのでありますけれども、野党の第一党が欠席のまま開会しなければならない、審議しなければならない、大変残念無念であります。私たち日本維新の会は審議拒否はしない、これを基本にしながらこれからも頑張らさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それにつけても、あの稲田朋美さんが大臣として頑張っておられる、大変心強い限りだと思っております。というのも、あえてあのと申し上げましたけれども、私も自民党の衆議院議員時代、稲田さんとは同じ政策研究会に所属をいたしておりました。初当選のあの爽やかなデビューぶりが忘れられません。今、真の保守政治家として大変頑張ってこられて、今大臣として責任の重い仕事をやっておられる、先ほどから頼もしいなと、こう感じてもおります。
 ただ、あえて先輩の年代でありますから一言申し上げますけれども、自民党の一部でありますけれども、女性の議員の方々で大臣を経験されます、周りからよいしょされます、ちょっと高ピーだなと思われる人たちもそれなりにいらっしゃいますけれども、稲田さんは黙っていても華のある存在でありますから、着実にこれからも頑張っていただきますようにと期待をしながら、質問に入らせていただきたいと思います。
 今回、この審判制度の見直し、私も現職時代、同じ仕事に携わりましたからそれなりの意識は持たせていただいておりますけれども、二〇〇五年前後からずっと議論を続けてまいりました。そういう意味では長い歴史がありましたけれども、今回審判制度の廃止ということで、これまでにどのような問題点や課題がそういう意味では指摘をされて、それをどのようにして解決し、特にどういった点に考慮してこの改正案に取りまとめるに至ったのかについてお伺いをいたしたいと思います。
#56
○国務大臣(稲田朋美君) かつての派閥の大先輩である中野先生から大変なエールと、またアドバイスをいただいたことを心に留めて頑張っていきたいと思います。
 今お尋ねの、どのような問題点が指摘され、どのような改善が、改正がなされてきたかというお尋ねですが、平成十七年の改正、そして平成二十一年の改正、大きな改正があり、今回の改正案に至っております。
 平成十七年の改正では、いわゆる事前審判制度から事後審判制度に改められました。これは、審判の引き延ばし等、そういった問題点を解決をし、さらに執行力の強化も、様々な対象行為の拡大や課徴金の制度、減免制度を導入をしたりする、執行力の強化なども図られたところでございます。
 ただ、それは平成二十一年でもそうですけれども、ただ、事後審判制度、そして検察官役と裁判官役を兼ねているという批判がありました。これは先ほど来議論があり、決して公正取引委員会が公正さがなかったというのではなくて、公正かつ有効に審理をしていたわけですけれども、しかし、外観上の公正さを担保することによって、より公正取引委員会、また競争政策に対する信頼性の確保が必要であるという要請があったところであります。
 そこで、平成二十一年の独禁法改正の附帯決議において、現行の審判制度を現状のまま存続することや、平成十七年改正以前の事前審判制度へ戻すことのないよう、審判制度の抜本的な制度変更をすることと附帯決議がなされました。
 今回の改正において、手続の公正さの外観に関する批判を解消する観点から、公正取引委員会が行う審判制度を廃止をし、公正取引委員会が行う行政処分に対する不服審査を東京地方裁判所に委ねるとともに、公正取引委員会が行政処分を行うに当たっての事前手続についてより一層の充実、透明化を図ろうとするものでございます。
#57
○中野正志君 そういうことで、現行の審判制度を廃止して一気に東京地裁で不服審査が開始されるということになるわけですけれども、東京地裁に過度の負担が集中する、あるいは大増加するということはないのでございましょうか。
#58
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
 今回の改正法案におきましては、高度の専門性が要求されるとともに複雑な事案が多いという独占禁止法事案の特色に照らしまして、裁判所における専門的知見の蓄積を図るという観点から、東京地方裁判所に管轄を集中するということとされたものと認識しております。
 今回の改正法案が成立いたしました場合には、裁判所ではその施行までに、審判制度廃止後の抗告訴訟などにつき、特定の部に事件を集中的に割り当てることを検討するなど専門的処理体制の確保に努め、訴訟の対象とされる事案の性質や事件数などの実情を踏まえまして、適正かつ迅速な訴訟運営の確保に努めていくものと承知しております。
#59
○中野正志君 逆に言えば、この改正によって、行革の流れでありますけれども、公取の組織というのはスリム化されるんでありましょうか。
#60
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 今回、改正法案を提案されているわけでございますが、改正前の現行法下で行われた行政処分は引き続き審判制度の適用対象となりますため、改正法施行後、当面の間は審判官及び審判事務を扱う職員が必要でございますが、審判制度が廃止されました後におきましては審判手続を行う必要がなくなりますので、そうなった場合には審判官は不要になるということでございます。
 他方、今回、改正に当たりまして、意見聴取手続を導入することとされておりまして、独占禁止法違反事件処理におきましては、適正手続を確保するとともに、審判制度の廃止に伴います公正取引委員会による最終的な判断が排除措置命令等において示されることとなりますことから、処分前手続において相手方の事業者の主張を一層よく聴いた上で適切に排除措置命令等を行う必要がございます。こうした観点から意見聴取手続を設けていることでございますので、これに伴いまして、これを主宰する手続管理官等も必要となるところもございます。
 ただ、公正取引委員会としては、意見聴取手続の適切な遂行に努めるとともに、組織が肥大化することのないよう必要な体制整備を今後とも検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#61
○中野正志君 是非その答弁のように頑張っていただきたいと思います。
 これまで公取が行った排除措置命令そして課徴金納付命令にまで至った案件、これは平均して年間どれぐらいあるんだろうか。また、それがどれぐらい審判請求されているんだろうか。結局、年間どの程度の案件が東京地裁に移管されるということになるのであろうか。これらのことについてお答えをいただきたいと思います。
#62
○政府特別補佐人(杉本和行君) 平成十七年度に改正法が施行されまして、これが十八年一月から施行されております。この平成十八年一月から平成二十五年度上半期までにおきまして排除措置命令及び課徴金納付命令まで至った件数は、排除措置命令及び課徴金納付命令の名あて人の数を基準といたしまして計算いたしますと、平均して年間約二百七十件でございます。事件数にして計算しますと約十七件、それぞれ事件について名あて人が複数存在しているということでございます。
 また、これらの排除措置命令及び課徴金納付命令に対して審判請求された割合、すなわち審判開始比率と申しておりますが、これは排除措置命令、課徴金納付命令の名あて人数を基準として計算しますと、平均いたしまして年間約一〇%、一割でございます。
 他方、審判制度廃止後、年間どの程度が排除措置命令及び課徴金納付命令に対する取消し訴訟が東京地方裁判所に提起される見込みなのかについては、今回初めてのことでございますので、現時点では確たることは申し上げられないと思っております。
 なお、平成十七年改正後の排除措置命令及び課徴金納付命令に対する審判開始件数によりましては、年度によって異なるものの、排除措置命令及び課徴金納付命令の名あて人の数を基準として計算しますと、平均して約年間三十件でございますので、一つのこれは参考の数字になるのかもしれないと思っているところでございます。
#63
○中野正志君 事業者の立場に立てば、独禁法案件であったとしても、通常裁判のように各地域の地方裁判所で行われる方が実は効率的であり、また不服申立てをする側にとっても負担が少ないのではないか、そう思われます。
 また、全国のそういう経済事犯を始めとする裁判所のレベルアップを図るという、そういう観点からも、むしろ東京地裁に一点集中するということではなくて、通常裁判同様、第一審は地方裁判所に提起されれば足りるという考えもありますけれども、いかにお考えになりますか。
#64
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。
 今回の排除措置命令等の取消し訴訟に係る裁判管轄については、東京地方裁判所に管轄を集中することとしておりますが、その理由は、一つには、裁判所においても専門的な判断を確保する必要性がある、専門的知見を蓄積する必要があるということ、それから、カルテル、入札談合のように複数の企業が違反事件に関与する事案におきましては、同じ裁判所が判断することによりまして判断の統一性、合一性というものが確保されることになるんじゃないかということ、それから、これまで第一審機能を担ってきた公正取引委員会における審判手続は基本的には東京にございます公正取引委員会の審判廷で行われておりますので、東京地裁に管轄を集中するといたしましても、事業者にとりましては現在よりも利便性が低下することにはならないのではないかということでございます。
 一方、裁判所における審理の在り方につきましては、利用者の利便等の観点も踏まえまして、当該事件を担当する合議体において適切に判断されるものと承知しております。例えば、地方在住者の訴訟追行の便宜に配慮した審理の在り方といたしましては、電話会議システムを利用して争点整理手続の期日を実施したり、テレビ会議システムを利用して証拠調べの期日を実施したりするなど、必要に応じまして当事者の関係者が東京地方裁判所に自ら出頭することなく審理を行うことなどがあり得るものと承知しております。
 また、将来的には、裁判所の管轄の問題につきましては、本改正法案の施行状況を踏まえて、必要に応じて検討してまいりたいと考えているところでございます。
#65
○中野正志君 私たちは賛成をいたします。是非しっかりと頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
#66
○委員長(北川イッセイ君) 他に御発言もなければ、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べください。
#68
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、独占禁止法一部改正法案に対する反対討論を行います。
 本法案は、公正取引委員会の独立性と機能の核でもある審判制度を廃止するという重大な制度変更を行うものであるにもかかわらず、委員長職権での開催に加え、参考人質疑もなく、僅か二時間の質疑で採決という委員会の運営に対し、強く抗議の意思を改めて表明するものです。
 反対の理由の第一は、審判制度の廃止は、独立行政委員会としての公正取引委員会の独立性、そして権能を弱めることにつながるものだからです。
 審判制度は、談合やカルテルなどを摘発し、公正なルールを企業に守らせるという機能を果たしてきました。この制度の廃止は、独自に培ってきた調査力、指導力を弱めるものであり、市場の番人としての公正取引委員会の役割を後退させることになります。
 第二に、審判制度を廃止する必要性が国民の前には全く明らかにされていないからです。
 政府が設置した独占禁止法基本問題懇談会の結論は、審判制度を設けることが適当であるとしています。公正取引委員会の政策評価でも、審判制度は必要かつ有効であると評価されています。にもかかわらず、なぜ審判制度の廃止なのかについて納得のいく説明ではありませんでした。
 審判制度の廃止に加え、証拠に係る規定の廃止など、独占禁止法違反の名立たる大企業の要求にこたえる改正となっており、独禁法を骨抜きにするものだと指摘をしておきます。
 消費者の利益を守る市場の番人としてますますその役割の発揮が求められるとき、公正取引委員会の機能を後退させることになるものだと指摘をして、討論を終わります。
#69
○委員長(北川イッセイ君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#70
○委員長(北川イッセイ君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(北川イッセイ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#72
○委員長(北川イッセイ君) これより請願の審査を行います。
 第二七号福島第一原子力発電所の地下水・汚染水の海への放出反対に関する請願外六十六件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#74
○委員長(北川イッセイ君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#77
○委員長(北川イッセイ君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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