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2013/11/07 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 厚生労働委員会 第3号
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2013/11/07 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 厚生労働委員会 第3号

#1
第185回国会 厚生労働委員会 第3号
平成二十五年十一月七日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                古川 俊治君
                山本 順三君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                大家 敏志君
                木村 義雄君
                島村  大君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                羽生田 俊君
                足立 信也君
                相原久美子君
                小西 洋之君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                浜田 昌良君
                川田 龍平君
               薬師寺みちよ君
                小池  晃君
                東   徹君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高鳥 修一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       平嶋 彰英君
       文部科学大臣官
       房審議官     藤原  誠君
       厚生労働省労働
       基準局長     中野 雅之君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       石井 淳子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    岡田 太造君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○生活保護法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
○生活困窮者自立支援法案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長岡田太造君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(石井みどり君) 生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 法案に対する質問に入る前に、一点だけ別件で質問させていただきます。
 二か月前の九月の四日に、私は、NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会の皆様に議員会館の事務所でお会いをいたしました。この筋痛性脳脊髄炎は、慢性疲労症候群と呼ばれることもありますが、慢性疲労という言葉の持つイメージとは比較にならないほど重篤な病状に苦しむ患者が多数いらっしゃいます。本日もその患者の会の代表の篠原さんが傍聴席にいらっしゃいます。大臣も前、お会いをされたと思いますけれども、寝たきりになられているわけでございます。
 WHOの国際疾病分類では神経系疾患というふうに分類されておりまして、日本国内における患者数はおよそ二十四万から三十万人というふうに推定をされております。田村大臣は野党時代からこの問題については御理解をされているというふうにお伺いをしておりますし、先月の十月の八日に大臣としてNPOの皆様と面会をされたというふうに聞いております。ありがとうございました。
 大臣に改めて申し上げるまでもないんですが、大変この患者の方々は深刻な苦しみを味わっているわけでございます。一つは、病気そのものです。二つ目は、世間のなかなか理解が得られないという問題。そして三つ目が、残念ながら行政の施策の枠外に置かれているという、この三つの三重苦に遭われているわけでございます。
 御案内のとおり、改正障害者基本法では、障害者に慢性疾患に伴う機能障害が含まれるということになったわけでございます。この二条には、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態という文言があるわけでありますが、この筋痛性脳脊髄炎の患者の約二五%は、寝たきりに近いかほとんど家から出ることのできない重症患者であるという学会報告もあるわけでございます。しかし、今年の四月から施行されましたこの障害者総合支援法では支援の対象とならなかったということで、この病気の患者は、まさに今いろいろ言われている制度の谷間そのもので苦しんでおられるわけでございます。日常生活を送る上でも大変困窮状態を余儀なくされているということでございます。
 私もこの障害者総合支援法の制定にかかわった一人であります。したがって、この制度の谷間をいかになくしていくかということが大変重要な課題であるということを強く認識をしておる一人でございます。
 ここで、この病気に理解をいただいている大臣、お願いをしたいと思います。
 日常生活に著しく支障を来し、介護や就労支援を必要とするこの筋痛性脳脊髄炎の患者に関し、障害者総合支援法の福祉サービスの対象としていただくことの検討、まあ検討というのはいろんなふうに理解をされておりますが、まさに検討を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#6
○国務大臣(田村憲久君) 筋痛性脳脊髄炎患者の会の皆様方、この間、十月八日でありましたけれども、私もお会いをさせていただきまして、本当に日々の生活、大変御苦労をいただいておるということを改めて感じさせていただきました。
 今委員がおっしゃられました総合支援法のサービスが受けられる、福祉サービスが受けられるということでありますが、これはもう御承知のとおりでありまして、大幅に難病の方に枠を広げたわけであります。現制度で百三十疾患、この疾患に関して総合支援法の対象になるということになった、この四月からでありますけれども、なったわけでありますけれども、まず、今委員があえておっしゃられました慢性疲労症候群、この名前が非常に誤解を招いておるというか、本来この名前じゃなくて、この筋痛性脳脊髄炎、脳脊髄炎という名前ならばもう少し違った印象なんですけれども、慢性疲労症候群という名前の中でどうもいろんな誤解もあるようでございまして、そのような御苦労もお聞かせをいただきました。
 一方で、やっぱり客観的な診断基準というものがなければならないわけでございまして、これに関しましては厚生科学研究で今研究をしていただいておりまして、何とかこの客観的な診断基準というものをつくり上げていくというような努力もいただいております。
 その上においてでありますけれども、今ちょうど難病対策の見直し、これをやっておりまして、一つは医療援助ですね。この医療費の援助に関しての対象範囲というものを見直しておりますが、それに伴って、この福祉サービス、総合支援法の対象百三十疾患もこれも見直しておるわけでございまして、これ併せてこれからいろんな検討を進めてまいりたいというふうに思います。
#7
○津田弥太郎君 大臣から検討していくんだというお言葉をいただきました。お願いとしては、患者はもう首を長くして待っておりますので、是非その検討期間をできるだけ早く進めていただくことを要望したいと思います。
 さて、本案についての質問に入らせていただきたいと思います。
 さきの通常国会における衆議院の修正部分も盛り込む形で、今国会で政府から再びこの二法案が提出をされたということについては一定の評価をしたいというふうに思います。ただし、通常国会でも各党から多くの問題点、懸念点が示されましたし、常会閉会後の四か月間、各団体からも懸念の声が一部続いているということも事実であります。是非、各党の質問に対して丁寧かつ明確な答弁を行って、そういう懸念を払拭していただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。
 社会保障審議会特別部会の第一回会合が行われたのが昨年の四月、私もそのときは担当政務官をさせていただいておりました。今回の法案について、途中段階ではありますけれども、共に作ってきたという思いもございます。
 そもそも、この本法改正において何が期待をされているか、これ大変肝のところでございます。この点については、与党も野党も、さらには国民の大部分も恐らくは一致している。それは、不正受給は厳しく取り締まらなければならないが、真に生活保護が必要な人、援助が必要な人にはしっかりと援助をしなければならない、これがこの肝のところでございます。
 御案内のように、不正受給については、アルバイトなどで得た収入の申告漏れなどが、実際にはかなり少額な、軽微な事案が大部分を占めているようでございますが、それでも一部の悪質な事案により生活保護制度に対する国民の信頼が揺らいでしまうということも事実ですから、ここをしっかりやることには異存はありません。しかし、不正受給を恐れる余り、最後のセーフティーネットである生活保護が必要な人に行き渡らないようでは、これ本末転倒になるわけでございます。
 そうした観点で今回の改正案を見たときに、不正受給対策については、自治体の調査権限の強化、罰則の引上げ、不正受給に係る返還金への加算、これなど実効性のある対策が盛り込まれているわけでありまして、これ確実に前進すると思われます。一方で、援助が必要な人に間違いなく援助が行われる、このことが非常に重要になってくるわけであります。
 通常国会では、いわゆる水際作戦の問題が議論の焦点になったわけでございます。これまで厚労省は、申請権の侵害があってはならない、申請権の侵害とみなされるような行為も厳に慎むようにと再三再四通知を出されているわけでございます。残念ながら、それがきちっと守られているかというところが問題であるわけでございます。
 このような状況を踏まえますと、私は、通常国会において我が党の石橋議員や共産党の田村議員が指摘をしましたように、福祉事務所に相談に行きながら生活保護の申請につながらなかった事例についての調査を行う、こういうことが不可欠ではないかというふうに思うわけでございます。これによって今後の様々な対策につなげることも可能となる。物理的な問題があるならば、一定のサンプル調査でも私はいいんではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#8
○国務大臣(田村憲久君) 今、サンプル調査のお話もございましたけれども、現在もそれぞれ国や都道府県が監査を行うときに、直近三か月、この三か月におきましての福祉事務所での面接記録、これをしっかりと確認をさせていただいております。
 その中で全国的な把握をしておるわけでありますが、二十四年度でいいますと、国が監査を行ったのが福祉事務所は四十九件、それぞれで約三百二十件ずつでありますから、一万五千件ぐらいの確認を国だけでさせていただいております。その中においては、あらかじめその制度を知っておきたかったということで窓口に行かれたでありますとか、窓口に行って相談をする中において、収入があったりでありますとか、そのような理由においてそもそも適用の要件に当たらなかったというような方々もおられるようでありますけれども、全部というのは、全国で五十万件ぐらいありますから、これはなかなか難しいわけでありますが、これからの国等の監査のときに更にこれを徹底をいたしまして、このときの面接記録票、この点検時に、生活保護の申請に至らなかった、こういうような理由をしっかりと明記するようにしていただきながら、サンプル調査というわけではないわけでありますけれども、しっかり、どのような理由でこれが申請に至らなかったのかということも含めて調査ができるような形を取り入れてまいりたいというふうに思います。
#9
○津田弥太郎君 サンプル調査ではないけれども、サンプル調査に限りなく近いものをやろうということであります。
 私は、本当にこれ、水際作戦という非常に嫌な言葉でございます。このことをそうではないということを明確にするためにも、厚生労働省の姿勢を明確にするためにも、しっかりした、どういう実態にあるのか、どうしてその方は保護に至らなかったのかということをきちっと調査で明らかにさせていくということは大変重要なことでありますので、サンプルではないけれどもサンプルに近い調査をしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 続いて、援助が必要な人に間違いなく援助が行われる、この観点から、保護の申請書あるいは生活保護制度の説明資料、これを保護の相談窓口に常時配備するということが私は極めて重要であるというふうに考えます。
 支援団体の作成した資料によりますと、今年の四月一日現在で、全国千二百五十一か所ある福祉事務所のうち、相談者が手に取れる場所に申請書を備え付けているのは数か所しかないという、これはあくまでも支援団体の調査でありますから正確かどうかは分かりませんが、しかし、もしそうだとすれば、これは話にならない。これ、まさに水際作戦などと呼ばれる大きな原因になっているんではないでしょうか。
 特に、今回の改正案では、先ほども言いましたけれども、保護の申請については原則として申請書の提出を明文で義務付けるわけですね、提出を。ですから、一方で申請書を窓口に置かないということになれば、これは極めてバランスを失する、こういうことになるわけであります。一般の行政手続の申請書というのは当然窓口に置かれている。住民票の申請だとか印鑑証明の申請だとか、そういうものでございます。なぜあえて生活保護の申請書だけ置かないのかという疑問が生ずるわけでございます。
 通常国会の参考人質疑に出席されました釧路市の佐藤参考人の話を伺って、私どもは大変新鮮な驚きを持ったわけでございます。担当者が、福祉事務所の、やりがいを持って仕事をしている、生活保護の受給者の増加をマイナスとは受け止めていない、こういうふうにおっしゃっているわけでございます。そして、当然に窓口には保護の申請書が置かれていて、水際作戦なんてとんでもないというふうにおっしゃっていたわけでございます。これ、釧路市でちゃんとできていて、なぜ他の市町村ではこれができないのか。
 大臣、保護の申請書と制度の説明資料等の窓口への常時配備というのは、申請漏れを防ぐように、これしっかりやっていただけませんでしょうか。
#10
○国務大臣(田村憲久君) 福祉事務所の相談窓口で、相談に来られた方が、要は、申請の意思があるのに申請書が手に入らないというようなことがあってはならないわけでありまして、そのような意味では、そのような福祉事務所があればこれは問題だというふうに認識をいたしております。
 一方で、相談に来られる方々はいろんな相談があるわけで、福祉事務所に来られていろいろと話を聞くうちに、一つは、他の福祉政策で、これは生活保護に至らなくても他の福祉政策で自立して生活ができるという方々もおられますし、相談の中において、収入がある等々、資産があるという中において、そもそも要件に適用されないということで申請の意思を示さないという方もおられるわけでございますので、すぐにといいますか、窓口に行ってまず申請書をとにかく持って、持っていって申請をしてから相談するというような形になりますと、逆に本来生活保護を受けなければならない方々が窓口の混雑のために遅れてしまうということもあります。他の福祉サービス等々にアクセスするのが遅れてしまうということもあります。
 今の状況ですと、これはだから駄目だと言われる方もおられますが、窓口に来られて、それから申請に行かれる方々が約五〇%ということであります。逆に、申請されれば約九割近くは、そのまま申請されて、それがそのまま受理されていくわけでありますから、そういう意味からいたしますと、やはり申請と生活保護というものの認定というもの、それと、一方で窓口に行って申請に至るというもの、これはなかなか、中身をちゃんと精査して、水際対策などというようなものがないようにしなければなりませんが、全ての方がいきなり申請という話になりますと、逆にサービスが遅れる方々もおられますので、窓口でいろいろと状況をお聞きをさせていただいて申請の意思があるかどうかということを確認をした上で、申請の意思があれば確実に申請書をお渡しする、若しくは手に入るような形で対応するというような形にするのが窓口対応として一番適しているのではないのかなと、このように認識をいたしております。
#11
○津田弥太郎君 申請書を窓口に常時配備して、そんなに困ることというか、問題になることはあるんでしょうか。いや、だって、これ、申請書をもらっていって、そして実際に、九割とおっしゃったんだけれども、その内容が本当に正確で正しいもので、これは生活保護として認定するかどうかというのは後から判断するわけですよ。申請書をたくさんの人が持っていって何も問題ないじゃないですか。どうですか。
#12
○国務大臣(田村憲久君) 常時配備してある、なかったら問題なんですよ、窓口に。窓口に常時配備してあることが、これがもう条件でありますので、常備配置していなければこれはもう大問題であります。必ず申請意思を示された方が申請書を手にできなければこれはもう大問題でありますから、そこはそうなっているはずでありますから、必ず窓口に配備していただくように、これは我々としてもしっかりと伝えてまいりたいと、各自治体には伝えてまいりたいというふうに思います。
#13
○津田弥太郎君 私は、恐らく窓口で申請書をいただきたいという方は複雑な思い、いろんなケースがたくさんあるだろうと思うんです。窓口の担当者も、どんな状況ですかということを聞くのは当然私はあると思う。住民票をくださいと行くのとは違うと思う。だから、そこに会話があるのは当然だと思うんですよ。
 その上で、最終的に申請をするかどうかというのは、本人も様々な形で悩むんだろうと思うんです。そこの窓口のところだけで決定をするわけではないと思うんですね。その申請書を持ち帰って、窓口の担当者から話を聞いて、そして、中身を見ながら、どうしようか、何とか働けないかどうか、いややっぱり病気があるから無理だとか、いろんなことを考えながら、もう一回じゃ行ってみようかとか、ためらいながらいろんなやり取りがあるだろうと思うんです。
 私は、そういう意味で、行って申請書がもらえないということはあり得ないと今田村大臣はおっしゃった。それは申請の意思がある人だというふうにおっしゃるんだけれども、その申請の意思があるかどうかというのは、これは正確に把握することは不可能なんですよ。生活保護の申請の意思があるかどうかということを、申請書をもらった後、見ながら考える人もいるわけですよ。ですよね。それは人によっていろいろあるじゃないですか。そこのところはやっぱりちゃんと見た上で、欲しいという方には差し上げるというのは、これは窓口、釧路市ではまさにそういうふうにやっているわけですから、そこのところどうですか、もう一回。
#14
○国務大臣(田村憲久君) 釧路市が、配備といいますか、窓口に置いてあるというか、もっと言うと、相談しに来た方がみんな申請書を持って相談しに来るという形になると、これは申請意思があるのかどうかという話にまず確認から入らなきゃいけないという話になって、仮に、相談することイコール申請意思があるというようなことになりますと、今度は窓口が大混乱になると思います。
 なぜかというと、申請意思を示しているから申請書を出してしまうと、当然のごとくそれから生活保護に向かっての手続が、交付して、来たものはそれからの手続に入らなきゃいけないわけでありますから、その方の資産だ何だかんだをやはり調べていかなきゃいけない、対応していかなきゃならないと。すると、後から聞いて、いや実は収入があったんだなんて話になったら、それまでのいろんな手続という部分が逆に、無駄とは言いませんけれども、相談の中であらかじめ、実は私、収入これだけあるんですという話が分かれば、その時点であなたは要件に当たりませんよということで、申請手続にのっとらなくても済むわけですよね。
 その部分だけ先に走ってしまうと、他の方々との関係もありますから、だから、まず、意思としてあるのかどうかということを確認する前に、御本人が来たときに、相談で来られるんですから、その話をいろいろと聞いていただくという話の中において、ああ、それならば分かりましたという話の中で私、申請しますといって紙を出された方が、私は、現場等々、他の福祉のいろんなサービスを受けられる方々にとっても非常に効率的になるのではないかというような話でございまして、常時配備はしていなきゃいけないということは大前提でありますから、欲しい人、申請を出したい方が手に入らないということがあってはこれはもう大問題でありますから、そこは大前提でありますけれども、これなかなか難しい話でありますけれども、まずは、相談に来られるんですから、その相談をしっかりと窓口で聞いていただくというのが、私はそちらの方がいいのではないかというふうに思いますけれども。
#15
○津田弥太郎君 私も、窓口で当事者の皆さんと福祉事務所の皆さんが会話をすることは大事なことだと思うんです、それは当然必要なことです。その上で、おっしゃるように、生活保護になるかどうかというのは、これは様々なケースがあるだろうと思うんです。その場合に、やっぱり申請書を見ながら、あるいは説明資料を見ながら説明するわけですよ、当然のことながら。だから、それはある面では、あなたは該当しないから渡しませんというような態度を示すことは非常に良くないので、そこは大臣も分かっているわけなんで、何か、同じような思いでいるんだけれども、ちょっと話し方が違うんではないかと思うので、そこは私流の理解をさせていただきます。
 続けて、水際作戦のホットラインというのをつくったらどうかというのが実はございます。
 九月一日に労働基準局がブラック企業対策の電話相談をやったんですが、九月の一日、一日で千四十二件の相談が寄せられた。あるいは、日弁連は全国一斉生活保護水際作戦ホットラインというのを実施しておりまして、取り組んでいるわけでございます。
 これ、厚生労働省としても、今回の法改正が真に国民の視点で実りあるものとなるように、不服のある相談者等が相談できる分かりやすい機関あるいは窓口といったものを是非とも設置すべきというふうに考えますが、いかがでしょう。
#16
○国務大臣(田村憲久君) まず、相談窓口、そもそも福祉事務所等々の窓口ではもちろん丁寧な対応をするということは大前提で、我々、各自治体に対してもいろいろと指導していっているわけでありますけれども、監査においても、その面接の対応、これに対してどういうものがあるかということも含めてしっかりと国や都道府県でチェックをいたしております。その上で、それで不服があられるという場合もありますから、そういう場合は、審査請求等々、都道府県にやっていただくということになりますけれども。
 そういう方法もありますが、一方で、その不服に対して何らかの相談できるような他の窓口がないかというお話でありますが、一つありますのは、国、地方自治体に設置されています行政相談窓口というのがこれは委員も御承知のとおりあるわけでありまして、例えば、これ国でありますと、それぞれのブロックごとに管区行政評価局というのがありまして、ここでそのような相談を受けて、電話もここに常備をされておりますので、そちらの方に御連絡いただきますと、やっぱり年間かなりの生活保護の相談も来ておると、不服に対するいろんな相談も来ておるということでございます。また、都道府県にも行政評価事務所、これが置かれているわけでございまして、ここにも窓口がございますので、そのような形で御利用、御活用をいただくというのが一番であるかというふうに思います。
#17
○津田弥太郎君 これ、水際作戦の問題が非常に指摘をされているからこそ、厚生労働省としてそういうことはないようにしっかりやるんですよという姿勢を示す意味では、一般の行政相談というよりも、労働基準局がやっているブラック対策みたいなことをやっぱりやった方が私はいいと思うんです。是非検討していただきたいというふうに思います。
 次に、扶養義務者の範囲の問題でございます。
 実際に、運用においてはかなり限定した対応をされているというふうに聞いております。三親等ということでありますけれども。実際には限定した対応を行っているということであるならば、それはもう限定した対応に変えればいいじゃないのと。私は、実際に、民法で言う八百七十七条の直系血族及び兄弟姉妹、これが参考になっているんですが、直系血族というのは、ひ孫だろうがやしゃごだろうが、その次何と言うかちょっと分からないんだけど、まあ何でもあり、直系であればと。そんなこと無理に決まっているわけですね。
 だから、常識的に見れば、今の社会通念、常識からすれば、親、子、兄弟、祖父母、孫、この辺はやっぱり何とか助けてやってくださいという話が行くのは、私はおかしくないと思う。そのぐらいが多分実際の現場でもそんな対応をされているとすれば、この扶養義務者の範囲を将来的には縮小することを検討されたらどうかと思うんですが、大臣、いかがですか。
#18
○国務大臣(田村憲久君) もうこれも前国会でも委員といろいろと御質問いただいてやり取りをさせていただいたので、もう御理解、御十分にあられると思いますが。
 そもそも三親等と言っておりますけれども、やはり実態がないことにはそれは扶養照会するわけではないわけでありまして、そういうような実態を把握しながら対応するという形でありますし、逆に、三親等といえども、その方々に照会すること自体が要保護者の自立に欠けるというような状況ならば、それはそういうことはしないということでございますから、その前提で、それならばもうちょっと書きっぷりがあるだろうという話なんですが、今回の生活保護法では、これ、民法に定める扶養義務者による扶養保護に優先して行うこととしておるわけでありまして、そう書いてある以上、今のところ民法とのバランスというものがあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、そのような中において慎重な検討が必要ではありますが、委員のそういう御意見もございますので、慎重な検討をさせていただきたいというふうに思います。
#19
○津田弥太郎君 慎重でも何でもいいですから、検討してください。
 次に、医療扶助の問題でございます。
 受給者の八割が医療扶助を受けている、費用的には生活保護費全体の五割を占めているということであります。残念ながら一部の医療機関で不正事案が発生しているということでございます。
 今回の法改正では、この指定医療機関制度の見直しとして、指定医療機関の指定要件及び指定取消し要件の明確化、さらには指定の六年ごとの更新というのが盛り込まれたわけでございます。これ遅過ぎたくらいなんですが、これはやるべきであったというふうに思います。
 私が政務官時代の省内の検討では、生活保護指定医療機関において悪質な不正受給等の事案が発覚し、その指定が取り消された場合は、健康保険上の指定も連動して、ここ重要なんです、連動して取り消すという方向で議論を行ったわけです。私はそこにいましたからよく承知をしております。
 この点、今回の見直しにおいては、この健康保険上の指定取消しも検討すべきというふうに考えるわけでありますけれども、佐藤副大臣、いかがでしょう。これ併せて当該医療機関の公表も当然行うべきだと考えるんですが、二点、どうでしょう。
#20
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、津田委員御指摘の点、大変重要な点だと思っております。
 ただ、今回の法改正では、最終的にこの健康保険法の保険医療機関の指定取消しについては、生活保護の被保護者だけではなくて、その地域の多くの被保険者や地域医療に大きな影響を及ぼす観点もございまして、ですから、保険診療に関して不正等があるかどうか、慎重に確認する必要があると。そのために、この生活保護法の指定医療機関の指定が取り消された場合でも、別途、保険医療に関する不正等を確認する必要があるわけでございますが、その際、健康保険法の取消し要件に該当すると疑われたときには、都道府県の知事から厚生労働大臣に対して通報をいただくことになっておりまして、その通報に基づいて、国は指導監査等で事実確認した上で都道府県と連携しながら適切に対応していくと、そういうことにしてまいりたいと思っております。
 なお、津田委員から二番目にありました公表の件でございますが、これは実は現行法においても、厚生労働大臣又は都道府県知事が指定を取り消した場合にはその旨を告示しなければならないと、そういうふうになっておりまして、現行法でもそういう告示ということになっておりまして、改正案においてもこの規定には変更ありませんので、そのままオープンになるということでございます。
#21
○津田弥太郎君 連動して取り消すということについて、恐らく日本医師会さんも決して反対はされないというふうに思うんですよね。そこは今後の検討に是非加えていただきたいと思います。
 高鳥政務官にお聞きをいたしたいと思います。
 これ、電子レセプトのシステムの機能強化を行って、頻回受診とか長期入院、組織的に問題のある医療機関を容易に抽出できるようになったと、狙いを定めて指導に入ることができるようになったという答弁があるわけです。これは通常国会でございました。では、医療機関に対してそのような指導をこれまで何回行ったのか、そしてその結果、どのような効果が生じたのか、お答えください。
#22
○大臣政務官(高鳥修一君) 津田委員にお答えを申し上げます。
 生活保護の電子レセプトにつきましては、特定の診療や検査が多く行われている医療機関やレセプト一件当たりの請求金額が高い医療機関など請求が他に比べて特徴がある医療機関など、適正化の対象となり得るものを容易に抽出できるよう、機能を本年三月に追加したところでございます。
 三月に導入したばかりということもございまして、現時点ではその活用状況は把握をいたしておりません。しかし、システムの運用が定着すると考えられる導入から一年を目途に活用状況について把握をいたしまして、それを踏まえて更なる改善に努めてまいりたいと考えております。
#23
○津田弥太郎君 じゃ、少なくとも来年の通常国会ではもう一回聞きますので、報告できるようにしておいていただきたいというふうに思います。
 さらに、附則の第二条、これ、大臣、五年後の見直し規定というのが入っているわけでございます。
 大臣は常会のときに、生活保護受給者数、人口比の受給率の動向、生活保護申請率の動向、生活保護開始率の動向、また餓死、孤立死等々の問題事例の動向を把握し、次の見直しに勘案したいし、見直しが行われなくてもそれぞれ自治体に指導もしていかなければならないという答弁を行われているわけでございます。これ、こういう答弁をされるのは当然のことだというふうに思うんですが、当然これらの点については毎年の担当課長会議において限りなく可能な限り意識をして集約、公表を行うという理解でいいんでしょうか。
#24
○国務大臣(田村憲久君) 私が常会でお答えしましたように、生活保護の受給者数でありますとか、また保護率、さらには新法の施行でどういうような状況になっておるかということも含めて、やはり随時それぞれそのような数字を我々しっかり把握した上で各自治体にお伝えをしていく必要があろうというふうに思っておりますので、全国会議等々、担当者の、こういう場を通じまして、しっかりと定期的にお示しをしてまいりたいというふうに思っております。
#25
○津田弥太郎君 それから、援助が必要な人に援助が間違いなく行われるという観点ですが、さっきからずっとその点こだわっているんですけれども、何回も言いますけれども、釧路市の佐藤参考人の発言にありましたように、当事者が生活保護でなく今回の困窮者支援制度による支援、これを使いたい、選択したいという、こういうケースもあるわけでございます。
 この困窮者支援法になるわけでございますが、これ、今、福祉事務所設置自治体の事業を必須事業と任意事業というふうに二つに分かれているわけであります。一つは、なぜこのような区分けが行われたか。二つ目は、自分の住んでいる自治体ではその制度が実施されていない場合に、他の自治体で受けることは可能なのでしょうか。佐藤副大臣、いかがでしょう。
#26
○副大臣(佐藤茂樹君) 二点、今、津田委員、御質問いただきました。
 今回のこの新たな生活困窮者支援制度については、地方分権の考え方の中で地域の実情に応じた事業実施を可能とするために、かなり協議を重ねて地方自治体と調整を行った結果、今委員が質問の中で言われました自立相談支援事業と住居確保給付金については必須事業として、その他の事業については任意事業としたものでございます。
 特に、自立相談支援事業は、各事業を行う前のこの各事業の総合調整を行う中核的な事業であるという点、また、住居確保給付金は、住居が就職に不可欠であることや個人への現金給付であることから必須事業としたものでございまして、その他の事業については、地方分権の考え方の中で地域の実情に応じた事業実施をやっていただきたいということでございます。
 その上で、各事業にはそれぞれ自治体の負担部分があることから、ある自治体が任意事業を実施しない場合、その自治体の居住者が別の自治体の事業を利用することは現実的には難しいと考えております。ただ、都道府県が広域的に事業を実施することはあり得るわけでございますが、一義的には基礎自治体において事業実施について検討をしていくべきでありまして、そのために、今後できる限り多くの自治体で取り組んでいただけるように、まず総務省と調整をして地方交付税措置についてもしっかりと確保するということとともに、今行っておりますモデル事業を踏まえて事業の実施方法等を作成し、好事例を自治体に紹介することなどによりまして自治体にこの重要性を御理解いただきたいと、そのように考えております。
#27
○津田弥太郎君 埼玉県では県で、学習支援事業を県内全体でやっているわけです。そういう形で、埼玉県で生活保護世帯の子供たちが勉強できる機会がつくられていると。自分の住んでいる市にはなくてもそういう形で対応できるというふうになれば非常にいいわけでありまして、是非そういう取組を全国的に広げていただきたいと思います。
 次に、住居確保給付金、これ私、絵にかいたもちにならないように是非お願いをしたいなというふうに思うんですけれども、この法案の第二条第三項に住居確保給付金の定義が書かれているんです。経済的な困窮に加え、就職を容易にするため住居を確保する必要があると認められるものというふうに文言があるわけです。この「必要があると認められる」というのは誰がどのような判断を行うか、これ大変重要であります。まずこの点についてお伺いをしたいと思います。
 二つ目。これ、どうしてもこういう判断基準というのは、予算とかいろんな要素が入ってきて恣意的なものになる可能性があるんではないかというおそれがあるので、これはやっぱり国として明確な判断基準を示すべきではないかと思うんですが、この二点について、佐藤副大臣、いかがでしょう。
#28
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、まず必要があると認められるかどうかというのは福祉事務所設置自治体が判断することになるんですが、そもそも住居確保給付金は、御案内のとおり、離職等により住宅を失った又はそのおそれのある者に対して本給付金を支給することにより、これらの者の住宅及び就労機会の確保に向けた支援を行うものでございます。
 これは、現在、同様の目的で基金事業として実施している住宅支援給付を制度化するものでございまして、現行の住宅支援給付においても、年齢や離職期間のほか、資産や収入が一定水準以下であることなどを支給要件として設けているわけでございます。現行も、就職を容易にするための住居であるか否かといった点について具体的な基準を定めているものではございません。ですから、今回の法改正でもそこについては特に新たな基準を設けるという、そういう観点は余りございません。
 今回、住居確保給付金の対象者は、住宅支援給付を基に具体的な要件を省令等において定めることとしており、現在の住宅支援給付と比べ大きく対象者が減じるということは現段階では想定しておりません。
 厚生労働省としても、就職活動に際して、その基盤となる居住の場を確保することは極めて重要であると認識しておりまして、この法の趣旨に則した住宅確保給付金が支給されるように、適切な要件を省令等において規定するということをしっかりとやってまいりたいし、実施機関に対しまして周知、指導を徹底してまいりたいと、そのように考えております。
#29
○津田弥太郎君 省令で要件をしっかり書かれるということでございます。またそれができましたらしっかり検討していきたいと思います。
 さらに、就労準備支援事業、高鳥政務官にお聞きをしたいというふうに思います。
 この就労準備支援事業を実際に実施するのはどのような団体になるのかというのが一点。二つ目は、自治体からの委託先の要件というのが決まっているんだったらこれ教えていただきたいというふうに思うんです。この事業に関する住民への情報公開とか自治体への報告の義務付け等についても、政務官、お答えいただきたいと思います。
#30
○大臣政務官(高鳥修一君) お答えをいたします。
 就労準備支援事業は、私も、ちょっとケースは違うんですけれども、政務官に就任いたしましてから、ニートの方を対象にいたしました事業を、地域若者サポートステーションというところを視察をいたしてまいりまして、現場の声を聞いてきたところでございます。生活のリズムが崩れている、いわゆる昼夜が逆転をしているとか他者とのコミュニケーションが図れない、人前でお茶を飲むことも恥ずかしくてできない、こういう方も実際におられるそうでございまして、基礎的な部分に課題がある方を対象に、一般就労に向けて日常生活や社会生活にかかわる支援を実施する事業でございます。本案に盛り込まれている多くの事業と同様に、民間事業者への委託が可能であると考えております。
 今年度から、モデル事業実施に当たって作成をいたしましたガイドラインにおきまして、事業が適切に行われるように段階ごとの支援の方法を定めておりまして、個人ごとの支援プログラムを作成することなどを盛り込むとともに、労働者保護のために配慮すべき事項等を含め就労体験における留意事項を記載し、モデル事業実施自治体に示したところでございます。
 本ガイドラインにつきまして、新制度の施行に向け、モデル事業の実施状況も踏まえながら今後更に検討を行うことといたしております。就労準備支援事業が適切な事業者に委託され、真に生活困窮者の自立に資するものとなるよう、御指摘の点も踏まえて進めてまいりたいと思います。
 なお、自治体への報告につきましては、委託契約の中に盛り込むことにより、適切な実施を確保できることができるものと考えております。
#31
○津田弥太郎君 次に、中間的就労という新たな概念で盛り込まれました就労支援事業についてお尋ねをいたします。
 佐藤副大臣、この中間的就労の定義あるいは中間的就労において労働法規が適用されるのか否かについてお答えください。
#32
○副大臣(佐藤茂樹君) まず、中間的就労の定義でございますが、この就労訓練事業、いわゆる中間的就労というのは、社会福祉法人、NPO、民間企業等の自主事業として、直ちに一般就労に就くことが困難な者を対象に支援付きの就労訓練の機会を提供するものであり、対象者の就労能力の向上に合わせ、非雇用型から雇用型へ、さらには一般就労へとステップアップしていくことを想定しております。
 ステップが、いろんな段階がございますので、二番目の御質問にも関連するんですが、労働法規の適用の有無との関係では、まず最初のステップの段階の非雇用型の対象者については、個々の状況に応じた就労支援プログラムに基づく就労訓練として実施されるものでありますので、あくまでも訓練でございますので、労働基準法や最低賃金法等の労働基準関係法令は適用されないことになります。また、所定の作業日、作業時間に作業に従事するかは労働者の自由であり、対象者に対し、作業時間の延長や作業日以外の日における作業指示を行うことはできない等の取扱いとすることにしております。
 他方、もう少し、ワンステップ上がりまして雇用型の対象者については、労働基準法上の労働者であることから、労働基準法や最低賃金法等の労働基準関係法令が適用されることになります。
#33
○津田弥太郎君 問題はこの非雇用型です。いわゆる貧困ビジネスが入り込みやすい可能性があるわけでございます。
 私は、ここで、この事業について、都道府県知事、政令市長、中核市長が一定の基準に該当する事業であることを認定するというふうになっているわけでありますが、この一定の基準ということについて、例えば安全衛生の確保であるとか、情報公開であるとか、報告の義務、こういうことを基準に含めるべきというふうに考えるんですが、いかがでしょう。それから、不正や不当な行為があった場合の対策というのはどういうふうになるでしょうか、佐藤副大臣。
#34
○副大臣(佐藤茂樹君) 今御指摘いただきましたように、この事業が適切に行われる環境を整備することというのはこの事業の普及に当たって必要不可欠であると。間違っても御指摘にありましたような貧困ビジネスがはびこるというようなことは避けなければいけないと、そのように考えております。今御指摘いただきましたように、今回の法案においては、そういうことから考えて都道府県知事等がこの事業者の認定を行うと、そういうようにしております。
 今、今年度からモデル事業実施に当たって作成したガイドラインにおいても、就労支援の在り方や対象者の就労条件に関する留意点について記載しているわけでございますが、そのほかに労働関係法令が適用される雇用型はもとより、非雇用型の対象者についても、今ありました安全衛生、災害補償についても一般労働者の取扱いも踏まえた適切な配慮を行うこと、また、事業の利用状況等をホームページで公開することを記載しております。また、不適切な事案が発見された場合には新法に基づく報告徴収が可能であり、さらに、認定基準に適合しなくなったと判断される場合には認定の取消しが可能である、そういう仕組みになっております。
 御指摘のこの認定基準についても、今行っておりますモデル事業の運営状況も踏まえながら、ガイドラインの検証を行いつつ今後検討をしてまいりたいと考えております。
#35
○津田弥太郎君 ちょっとここで話を変えて、先月の下旬に大阪の河内長野市で市の職員による生活保護費の着服事件が発生したわけであります。この容疑者、不正に引き出した金額が約二億六千万、二年間以上にわたり千三百二十六回の不正な引き出しがあったということでございます。
 何でこんな長期間、まあ一義的には河内長野市の問題ではありますけれども、これ厚労省も気が付かなかったのか。これどういう、この仕組みの問題も含めて、高鳥政務官、どういう状況なんですか。
#36
○大臣政務官(高鳥修一君) お答えをいたします。
 現時点で判明している原因といたしましては、当該職員は本来別々に行うべき経理事務担当と電算システム担当の業務を兼務していたということでございます。当時の管理職がシステム上の決定処理を全面的に当該職員に任せており、組織としてのチェック体制が全く機能していなかったこと、当該職員は領収書を偽造する等、不正を取り繕おうとしていたことなどが挙げられるという報告を受けております。
 今後とも大阪府等と連携を取りながら事実関係を確認するとともに、再発防止に努めてまいりたいと考えております。
#37
○津田弥太郎君 生活保護の利用者は、不正受給を徹底的に取り締まるんですね。今度は支給する側のこんな手合いがあったんじゃ、これ何だということになるわけで、大臣、こういうことについて、これ河内長野市は氷山の一角かもしれない、したがって、これはしっかりしたチェック体制をしいていく必要があると思うんですが、いかがですか。
#38
○国務大臣(田村憲久君) これが氷山の一角だったら大変なことになるわけで、私もこのニュースを見てびっくりいたしまして、これはどうなっているんだと。
 つまり、保護担当者が一方で、言うなれば経理も担当をして、しかも決裁者がちゃんとこれをチェックできていないということですから、勝手に何もかも自分でやっちゃったから、二億というような巨額な金額をばれずに自分の懐に入れられたと。もうとんでもない話でありまして、生活保護行政のこれはもう信頼、国民の皆様方の信頼を全く失うような大変なひどい案件だというふうに思っております。でありますから、早速、各自治体にしっかりとこういうことのないように注意喚起をするための通知を、十月二十五日でありますけれども、行ったところであります。
 あわせて、これ詳細が判明してまいりましたら、どのような手口というのかやり方であったのか、どういう部分が問題があったのか、そういうことも含めて更に周知徹底をしてまいりたいと思いますが、常識的には、普通の自治体の対応としては、こんなことを一人に委ねておったというのは考えられないわけでありまして、こんなことが絶対ないように、現場の自治体の方にはしっかりと指導をしてまいりたいというふうに思っております。
#39
○津田弥太郎君 氷山の一角でないことを願うわけです。
 最後に、今年の八月から生活保護基準の引下げが行われました。私どもとしては、このゆがみ分ということについては一定の理解をしております。一方で、デフレ分と称される大幅な引下げ、これは問題だというふうに認識しているわけですが、もう既に始まっている。
 しからば、アベノミクスでこれからインフレをどんどん進めていくんだということで、物価を上げていくんだということでありますが、生活扶助基準については、物価が上昇する一体いつの段階でこの引上げを行うのか。時間軸の概念でも構いませんし、物価が何%上がったらという数字でも構いません。大臣、いかがでしょう。
#40
○国務大臣(田村憲久君) これ三年間、経過期間を置きながら、激変緩和ということで三年間掛けて適正化をしていくということで、今委員が言われたとおり、一つはゆがみの部分と、それからもう一つは今まで物価等々の変化、これに対応する部分ということで、一般の低所得者の方々との公平感も含めて適正化をしている最中であります。
 一方で、今おっしゃられましたとおり、消費税を引き上げることが決まりました。消費税が引き上がるということになれば、他の要因もありますから、物価の上昇も見込まれるわけでありまして、年末に最終民間消費支出というものの見通し、来年度の見通しというものがこれは出てまいります。これを勘案しながら、予算編成時に対応をしっかりと決めてまいりたいというふうに思っております。
#41
○津田弥太郎君 是非、下げることばかりに精力を注がないで、やはり上げるタイミングもしっかりタイムリーにやっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
#42
○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。
 一年ぶりに厚生労働委員会に戻ってまいりまして、今日は大変緊張した中で、大臣含め厚生労働省に対して質問をさせていただきたいと思います。
 百八十三回の通常国会の中でも様々な法案審議されてきたことは十分認識しており、また数々の議事録や、また中継などで拝見してまいりましたが、今回はやはりちょっと改めての確認と、それから今回の改正内容についての一体どうなっているのかと聞きたい部分、それから後半は残された課題につきましてちょっとお尋ねを申し上げたいと思います。
 まず、今、津田委員が申し上げましたように、いわゆる基準の見直し後の状況ということについてお尋ねしたいんですが、八月の見直しに伴って保護がいわゆる停止や廃止になるのは、収入が生活扶助だけではなくて諸扶助も含めた最低生活費を上回る場合であり、そうした者は仮にいるとしても極めて少数であるという認識だというふうに前回のとき聞いておりますが、現在、八月を過ぎて今の十一月の段階で、結果的に本当に極めて少数だったのかどうか、そのところの状況についてお知らせいただきたいと思います。
#43
○政府参考人(岡田太造君) 生活保護の停廃止の状況につきましては、現在、八月分の全国の被保護者調査を取りまとめているところでございます。
 しかし、取りまとめている内容は、生活保護を停止した数がどれだけあるか、それから廃止した数があるか、新しく生活保護を開始をされた方がどれだけあるかということで調査結果を取りまとめているところでございますけれども、生活保護の停止、廃止の理由はいろんな様々な理由がございますので、現時点で、委員御指摘のように、今回の基準の改定によって直接廃止になるというようなケースをちょっと見通すのは現状では非常に難しい状況ではございます。
#44
○西村まさみ君 何か全く数字がないと。把握できていないというか。全て、トータルの数字でもいいんですが、極めて少数というのは極めて少数のままなのか、思っていたよりどうなのかとか、何かその辺の数字的なものはないんですか。
#45
○政府参考人(岡田太造君) 現時点で数字をお示しするのは難しい状況でございますが、今回の生活保護基準、扶助基準の見直しは、先ほど大臣から答弁申し上げましたように、三年間にわたって激変緩和という形で行われているということで、段階的にやっているということもありまして、生活扶助の基準と、それから実際にその方が得ている収入とか、いろんな扶養、親族から仕送りしてもらうというような額を丈比べして、基準が下がって収入の方が上がった場合に、理論的にはそれは保護の廃止になるというケースがございますが、現場の感覚でいきますと、そういった状態にあるケースというのは余り、数は少ないというのが実感ということで、先ほど、今回の基準の影響だけで廃止になるというのはそんなに数は多くないんじゃないかというふうに認識しているというところでございます。
#46
○西村まさみ君 是非、極めて少なくても、もしかしたらその中にということもあるわけですから、しっかり把握を今後していっていただきたいと思います。
 また、その基準の見直しに伴って、ほかの制度に対する影響、例えば対応方針、二〇一三年、本年の二月五日の関係閣僚懇談会のときに、個人住民税の非課税の限度額の取扱い、医療保険等の自己負担限度額の軽減など、非課税限度額を参照する他制度との取扱いは二十六年度以降の税制改正において対応するとされていましたが、その対応状況はいかがなのかということ。それと同時に、その他の生活扶助基準の見直しに直接影響を受けている国の制度だとか、例えば地方の単独事業などがありましたら教えてください。
#47
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、西村委員御指摘のとおり、本年の二月五日に生活扶助基準の見直しに伴い他制度に生じる影響についての対応方針というものが全閣僚の申合せによりまして決定されたわけでございます。
 その中で、今御指摘のありましたように、税をどうするのか、また国の制度をどうしていくのか、もう一点は地方単独事業についてどうしていくのかということでございまして、まず税について申し上げますと、確かに個人住民税の非課税限度額等について影響が出てくるわけでございますが、今年度は影響はございません。それは、前年度の基準に基づいて、来年、ですから今年度この見直しによって来年度以降どうするかという、そういう影響が出てくるということでございますので、これについては、今後、平成二十六年度以降の税制改正の議論、要するに年末ですね、年末にどういうことにしていくのかということを対応することとしておりまして、今後与党の税制調査会で十分に御議論をいただくものであると、そのように考えております。
 国の制度の話でございますが、生活扶助基準の見直しに直接影響を受け得る国の制度については、制度の趣旨、目的、実態を十分に考慮しながら、できる限りその影響が及ばないよう対応することが基本的な考え方としておりまして、これを踏まえて現在も対応しているところでございます。
 地方単独事業についても、この閣僚申合せを踏まえて、今年度の予算の成立の段階、五月十六日でございましたけれども、その段階と、平成二十六年度の概算要求を取りまとめた九月の段階で、それぞれにおいて、自治体に対しまして政府の対応方針の趣旨を理解した上で御判断をいただくようにお願いしたところでございまして、今後とも関係省庁また自治体等で連携を図りながらしっかりと対応してまいりたいと考えております。
#48
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 是非よく連携を取っていただきまして、なるべく影響が少ないような形でお願いをしたいと思います。
 物価上昇についての対応は先ほど津田委員が質問させていただきましたので、生活困窮者の支援法関連についてちょっとお尋ねを申し上げたいと思います。
 いわゆる保護の前段階、最低限度の生活が守られなくなりそうな皆さんを助けるという意味では大変必要な法律だと思うんですが、例えば就労支援だとか住居確保、貸付け、家計相談、子供、若者への学習支援、教育支援など手厚い支援をすること、今までも様々予算事業として取り組まれてきた経緯があると思います。
 関係者の御努力で全国様々な有益な取組が行われてきたということも十分に承知していますが、新法を法定化して一部は必須事業化、メニュー事業化することで、厚生労働省の法案説明でもこれまでの事業について指摘されている課題があると。例えば、一部の自治体のみの実施じゃないかとか、各分野をばらばらに実施するんではないかとか、早期の支援につなぐ仕組みがちょっと足りないんじゃないかとか、そういった課題があると思うんですが、どのように解決されて機能していくことになるのか。
 また、相談支援体制の充実には、やっぱり何よりも人材の確保、それに対する人員の体制というものが非常に必要だと思うんですが、その辺、各種様々な相談に応じる人の質と量と、双方から充実をどのように進めていくおつもりなのか、お知らせいただきたいと思います。
#49
○副大臣(佐藤茂樹君) 今回の生活困窮者自立支援法におきまして、まず必須事業として自立相談支援事業及び住居確保給付金の支援事業、これを必須事業といたしました。これを、福祉事務所を設置している全ての自治体、全国で約九百自治体ございますけれども、ここに実施を義務付けることとしております。
 また、その自立相談支援事業というのは、生活困窮者が抱える様々な問題、複合的な課題、抱えておられるわけでございますが、その問題に対し、課題に対して包括的に支援するためのまずワンストップの相談窓口としてこの事業を機能させる。そこで相談を受けて、その本人の状況に応じて、今ございました住居支援、就労支援、家計相談などの様々な支援が最適な形で提供できるようになるという、そういう事業でございます。
 この事業では、単に来られる方を待ちの姿勢で待つということではなくて、生活困窮者を早期に把握できるように、必要に応じて、いわゆるアウトリーチ、訪問支援などを行うという、そういうことを今回の事業として考えているわけでございます。
 二点目に、人材の確保の点について御質問いただきました。
 まさに、このような支援を適切に実施できるようにするためには質の高い人材をしっかりとそろえるということが大事でございまして、そういう質の高い相談支援員を確保するために、当分の間は国においてその養成研修を行いつつ、いずれ都道府県単位での養成も実施していくことを想定しているわけでございます。今後、専門的かつ実践的なカリキュラムを、またテキストを作成するなど、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。
#50
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 生活保護のケースワーカーも同様だと思うんですが、それぞれのその個々の実態を把握して、それぞれに適応したことをきちっとやっていく。そして、それをできるだけ素早く対応するためには、やはり人材の確保というのが非常に重要なポイントとなると思いますし、今、副大臣、当分の間は国でしっかりやって、いずれは都道府県へと言いましたが、その当分の間の間に、きっちりとその相談員の人材の、質の高い相談員の数の確保ということも国である程度しっかりおやりになってから都道府県へと移行させていってほしいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、生活福祉資金の貸付制度についてちょっとお尋ねしたいと思います。
 低所得対策として、社会手当制度と並んで生活資金貸付制度というのは政策的にも大変重要な問題であって、これまで生活福祉資金貸付制度とは、利用者に使いやすく利用価値がある制度であったわけですが、これまでの運用状況についてどのように総括して評価されているのか、また、相談事業とか家計相談など新法事業との連携でより有効に機能させていかなければならないと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
#51
○政府参考人(岡田太造君) 生活福祉資金貸付制度は、全国の各都道府県の社会福祉協議会にお願いをしているものでございますが、低所得者世帯などを対象にして、世帯の自立に向けて、資金の貸付けと併せて必要な相談支援を行う形で実施していただいているところでございます。
 現状、この貸付制度ですが、就労支援であるとか居住支援を行う関係団体との連携が必ずしも十分でなく、結果として、借入れを受けたんだけれども一般就労に結び付かなくて返済が困難になっているケースがあるなどの課題があるというふうに考えております。
 こうした状況の中で、今回、生活困窮者の新しい法律が施行されますと、自立相談支援事業におきまして生活困窮者が抱える課題を適切に評価分析することによりまして、より貸付けという支援が適切な方に、対象者に振り分けが可能だというふうになってくるんだろうということに一つは考えております。
 それから、就労準備支援事業などを通じまして就労支援機能が強化されて、一般就労につながりやすくなることによって貸付金の返済可能性が高まるんではないかと。
 それから、家計相談支援事業というのがございますが、これにつきまして、適切な家計管理が可能になることによりまして、貸付金の適切な活用、それから円滑な返還などが図られるというようなことが期待されるところでございます。
 これら各事業と生活福祉資金貸付制度との密接な連携を確保することを通じまして、貸付制度そのものにつきましてもより機能するよう、制度の施行に向けまして、運用、連携の詳細を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#52
○西村まさみ君 生活保護になる前にその状態から抜け出せるという意味ではこの事業というのは非常に、この制度というものは非常に重要なポイントですから、是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 不動産担保貸付けについてちょっとお尋ねします。
 二〇〇六年、国より、要保護者において自宅を保有している者については不動産担保貸付けを利用した貸付けを優先させるとする要保護者向け長期生活支援資金制度の創設の提案、実施、そして、一九八一年に全国で初めて自宅担保の高齢者生活資金貸付制度を導入した武蔵野市が地価下落によって貸付金未回収の事例など、言わばそういったことも踏まえた制度の見直し、そして、いわゆる不動産担保貸付けに関して、生活資金の貸付けのみではなくて、介護費用の自己負担分への利用などについても言及されていると思いますが、悪く言えば、不動産価値が右肩上がりを前提としたいわゆるサブプライムローン的な発想であって、厚生労働省はいかにその辺のところは現状認識していらっしゃるか、教えていただけますでしょうか。
#53
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘のリーバースモーゲージ、不動産担保型の生活資金貸付制度でございますが、これは低所得の高齢者世帯を対象にいたしまして、一定の資産価値を有します居住用不動産を担保に生活資金を貸し付け、貸し付けた後にその居住用の不動産にそのまま住んでいただくという形にいたしまして、借受人の死亡時に担保不動産を売却することによって貸付金を精算するという仕組みでございます。
 この制度は、一定のやっぱり居住用の資産をお持ちでそこに住み続けたいというような高齢者にとって、その高齢期におきます資産を活用して所得を確保する有用なツールの一つだというふうに考えているところでございますが、先生御指摘のように、不動産価格が下落した場合に貸付けの回収が困難になるおそれがあるようなこと、それから、借受人が長生きした場合に長期間の貸付金の回収がなかなか難しくなるんじゃないかというようなこと、それから、不動産を子供に相続したい意向を有する高齢者はこの制度を利用できないというような課題があるというようなことでございます。
 これについて、具体的な運用上の問題として、例えば不動産価格の下落につきましては、三年に一度不動産鑑定士によります不動産評価の見直しを行って、貸付けの上限額をその都度変更するというようなことで制度的なリスクを減らすというような努力をしているというようなところでございます。
 今後とも高齢化が進展する中で、やはり自分の今住んでいるところに住み続けながらそれをうまく活用するということを御希望される高齢者の方は増えることも見込まれますので、本制度の趣旨について周知を図って適正な運営を進めるように努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#54
○西村まさみ君 今おっしゃったように、高齢者の方が自分のうちでずっと住み続けたいと、これ当然の思いだと思います。ですから、なるべくその方々に負担が掛かることがないよう様々な状況に対応できるようにお願いをしたいと思います。
 次に、いわゆる困窮者支援法関連のものと求職者支援法との関係性についてお尋ねをしたいと思います。
 制度的には、保護の前の段階での支援に該当する困窮者支援関連施策と求職者支援法との関係というのは、法案説明のときのポンチ絵では、困窮者支援法関連施策がより広範で、その上の部分に求職者支援法が上乗せされているイメージで書かれているんですが、どのような整理をされているのか教えていただけますでしょうか。
#55
○政府参考人(岡田太造君) 今回の生活困窮者に係ります新しい法律に基づく事業と求職者支援制度はいずれも第二のセーフティーネットという形で考えていますが、雇用を通じた支援であります第一のセーフティーネットと、それから生活保護という第三の最後のセーフティーネットの間に位置して機能するということで、両者はどちらかといえば並立しているというのが我々の考え方でございます。
 求職者支援制度は、就労への意欲と基礎的能力のある者に対しまして職業能力の開発、向上のための職業訓練の実施や給付金の支給などにより、より実践的な就職支援を実施するというようなものでございます。
 一方、新たな生活困窮者支援制度は、求職者支援制度の対象には達していない層、例えば求職活動を行うために必要な生活習慣が十分できていない、それから社会参加能力の形成から就労意欲が十分でない、そういうような、むしろ生活習慣をきちっとし、社会参加能力を高めてもらう、それから就労意欲を高めてもらうというような方々に対して、より個別的な日常生活や社会生活に対する支援を含めて就労支援を実施するということで考えているところでございます。
 生活困窮者の支援をするためには、これらの施策がその方の状況に応じて適切な役割分担の中で適切な支援が受けられるということにしていくことが必要だと思いますし、生活困窮者の個々の段階に応じまして連続的に行われていくということも必要だというふうに考えておりますので、新法の運用に当たりましては、自立相談支援機関とハローワークなどの関係機関が適切に連携するように努めてまいりたいというふうに考えております。
#56
○西村まさみ君 その最後の保護の前の段階では、やっぱり働くという意欲を持って人々が暮らせるように、働くという気持ちを持って、働くことの喜びということを知るためには様々な取組が必要だと思いますので、是非、やっぱり働いてから、働くからこそ生活が安定するんだということも含めまして、様々な対策を引き続きお願いをしたいと思います。
 次に、生活保護法改正等を中心にした制度改正についてちょっとお尋ねしたいと思います。
 先ほど口頭申請、申請時の必要書類等、津田委員も御指摘されていましたが、やっぱり一番心配なのは、口頭申請というもの、厳格化されるんじゃないかという、そんな心配をやはり多くの方からいただきます。そもそも書類を準備することが困難である人ですとか、例えばそれを記載することが困難である方とかやはりいるわけですから、口頭申請の運用を変えないということはよく理解をしますけれども、特別の事情がある場合の申請書類の作成とか添付の留保、それはもう間違いなく今までと同じようで運用ができるというふうな認識で構わないんですよね。ちょっと確認させてください。
#57
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、西村委員御指摘の点は、さきの通常国会でも種々御議論がありまして、最終段階でこの点についてはよりその趣旨が明確となるように、通常国会に法案を提出した際に衆議院の審議で修正いただいたところでありまして、政府としてもこの修正を真摯に受け止めて反映させた形の今回再提出となっているわけでございまして、その趣旨は、今言われましたように、現行の運用の取扱いを変えるものではありませんし、質問の中で言われました、現在事情がある方について認められている口頭申請についても、例えば障害があって字を書くことができないというような方について口頭申請を認めるということについて、その運用を変えることはなく、申請方法がこれまでよりも厳格化されるということは全くございません。
#58
○西村まさみ君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ、いわゆるその申請をする方、保護申請の例えば申請書の交付、申請手続とかの助言とか、不備をもって受理をしないと、様々ないわゆる、申請拒否とは言わないですが、受理しないというのは、法律上認められた申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると疑われるような行為自体はもうそもそも慎むべきだということは当然ですが、改正後も何らそれも変わらないという認識で構いませんよね。ちょっと教えていただけますか。
#59
○政府参考人(岡田太造君) 生活保護の相談に当たりましては、相談者の申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎み、適切な窓口対応に努めるよう全国の地方自治体に通知しているところでございます。また、相談の有無にかかわらず、申請の意思が示されたら速やかに申請書を交付するとともに、必要な調査などを行い、保護の要否決定を行うということにしているところでございます。
 支援な人に確実に保護を実施するという制度の基本は、今回の法改正においても一切変わるものではございません。今後とも、地方自治体に対しまして、面接相談時におきます適切な対応につきまして指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。
#60
○西村まさみ君 ここは人権にかかわる非常に大きな問題でありますから、窓口でそういったことの規制があるようなことは絶対ないようにお願いをしたいと思います。
 そうであるにもかかわらず、やっぱり保護申請書の未交付とか申請拒否というものがあったり、その事例に直面してしまったときに、またそれを疑ったときも誰にも相談できないという申請者がやっぱり出てくる可能性があるわけですが、そういったことにならないためにも、やはり国の責任で、先ほどちょっとお話もありましたし、以前も同僚の石橋委員が大臣にもう何度も質問、お願いをしていると思います。ワンストップの電話相談窓口、直結のというものをやはりつくるということは、制度の信頼を担保する上でもまた検討に値するというお答えをちょうだいしたと思うんですが、あの通常国会から三か月たちました。その間の検討状況はいかがなのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
#61
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども津田委員に御回答させていただきました。まず、そのようなことがないように、面接等々の相談、これがちゃんと行われているかどうかということを指導監査をする、これは国、都道府県の役割でございますから、それをやることは前提。
 その上で、何かあったときには当然のごとく、都道府県等々、不満がある場合には審査請求ができるわけでありますが、それ以外にすぐに相談窓口みたいなもので相談できないかというお話でございますが、先ほど申し上げましたけれども、都道府県にも行政評価事務所というのがありますし、また一方で、国としましては、総務省でありますけれども、管区に行政評価局というのがあるわけでありまして、ここで電話窓口を持っておりまして、〇五七〇―〇九〇一一〇番と、お困りなら苦情一一〇番という何かごろ合わせらしいんですけれども、ここの窓口がございまして、かなり生活保護の相談もここに来ておるようであります。
 こういうものがありますので、有効に活用していくということが我々としてもまず一番なのかなというふうに思っておりまして、この周知徹底、まだ余り知られておりませんので、こういうものがあるということをしっかり周知徹底をしていくということに努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#62
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 これ、津田委員も私も、石橋委員も申し上げたように、やっぱりどうしても直結の番号というのは、番号というか窓口は必要なんだなと思う。それと同時に、今大臣も、そのせっかくある番号も空で言えないということは、やっぱり周知徹底は足りていないということは十分に、私も含めて認識しなきゃいけないんだなと思って、やはり必要な人がすぐ、あっ、そうだと思えるような場所にそれを、決して覚えている必要はないとしても、窓口の近くにあるとか、何か常に目に付くようなところにその番号があるということも非常に重要なことだと思いますから、是非お願いしたいと思います。
 また、次の扶養義務者の範囲とか様々な就労については先ほど津田委員がお尋ねしたと思いますから、私からは、やはり子を持つ一人の母親として、進学費用を目的とした保護費のやりくりについての預貯金についてちょっとお尋ねしたいと思うんですが、これ、就労に資する資格取得のための専修学校等への進学支援と、専修学校とか各種学校を前提とした制度と見えるんですが、大学進学も含めた制度設計となっているんでしょうか。教えていただけますか。
#63
○政府参考人(岡田太造君) この制度につきましては、専修学校だけではなくて大学も含めまして、大学や専修学校などに進学することによって就労に資する資格を取得することによって就労につながりやすいというような、本人の自立とか貧困の連鎖の防止に有効だというようなことで、制度設計で考えているところでございます。
 具体的には、本年度から新たに、生活保護世帯の高校生が卒業後、大学進学も含めました専修学校などへの進学を希望する場合に、具体的な就労、自立に関する本人の希望や意思が明らかであること、大学などに就学することで就労に資する資格を取得することができるなど、就労の機会を得ることが見込まれる場合には、本人のアルバイト収入であるとか保護費を含む世帯全体の収入のやりくりにおきまして入学金などに充てるために預貯金をすることを認めることによって、保護世帯の高校生の大学などへの就学を支援するということにしているところでございます。
#64
○西村まさみ君 今あったように、貧困の連鎖というものを断ち切るためにも、やはり本人が専門的に何かを学びたいという専修学校、専門学校での学びと同時に、やはりまだ、働きたいし、これから先いろんな可能性を持っている若者たちが大学というところでひとつ自分の将来を見付けるという意味では、大学の進学制度にも是非とも使っていける制度となっているということが確認できただけでも大変有り難いなと思います。
 次に、ここからは健康に着目した点について、いわゆる専門分野としてお尋ねしたいと思うんですが、受給者の多くは単身の独居生活の方であって、周囲から非常に孤立していたり支援が得られにくい状況にあると思います。
 特に、例えば就労など全ての受給者自立助長にまずやっぱり健康ということは非常に重要であるということ、そして何よりも健康に着目した支援の充実、要請というのが当然であって、福祉事務所における健康面に関する支援体制の整備とか健康管理指導とか、受給者の健康管理の支援に向けた取組強化のための法改正とか予算措置について、やっているのかやっていないのか、やっているのであればどの程度のことをやっていらっしゃるのか、教えてください。
#65
○大臣政務官(高鳥修一君) 西村委員にお答えを申し上げます。
 生活保護受給者は、単身での生活により周囲から支援を得られにくい状況にある方が多く、また、糖尿病や肝炎患者など重症化すると完治が難しい傷病を患っている方も多いことから、制度の目的でございます自立助長を図るために、健康管理についても、委員御指摘のとおり、この支援は大変重要であるとともに、同時に自らも意識を持っていただくということが重要であると考えております。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
 このため、改正法案におきましては、受給者が自らの健康の保持及び増進に努めることを明確化するとともに、福祉事務所の調査権限を強化いたしまして、効果的な支援を行えるよう健康診査結果等を入手可能にすることといたしております。また、福祉事務所において健康面に関する専門的な支援を行う体制を強化できるよう、平成二十五年度予算で地方交付税措置を行ったところでございます。
 こうした取組により、健康管理を必要とする方に対する支援の強化をしてまいる考えでございます。
#66
○西村まさみ君 健診結果を入手することが可能になるということは非常に大きなことだと思うんですね。いわゆる個人情報保護の観点からもなかなか難しい。でも、せっかく入手したのであれば、それを、大変重要なものですから、確実にきちっと把握をして、分析をして、どのようなことが必要かということを引き続きお願いしたいということと、二十八条に基づいて報告という言葉が入りました、「報告、調査及び検診」と。いわゆる検診命令に基づく検診の全般的な運用状況というのはいかがなのかということと、もしその検診命令の円滑な実施のために制度を改正しなければならないのであれば、どのような方向に持っていきたいのかについて教えていただけますでしょうか。
#67
○政府参考人(岡田太造君) 法二十八条に基づきます検査命令につきましては、生活保護受給者の稼働能力の有無であるとか、受給者の健康状態や医療の継続性について確認をする必要がある場合に、福祉事務所が指定した医療機関などの検診を受けるよう受給者に指示をするということができる規定でございます。
 検査命令の活用状況については詳細には把握しておりませんが、自治体からは、これまで検診を受けるべき旨を命ずる場合に公的医療機関に勤務する医師などに検診を依頼することとされていましたが、地域によっては公的医療機関が少ないなどの事情によってなかなかこの検査命令を活用しづらいというような自治体からの御意見もございましたことから、本年四月から、局長通知を改正いたしまして、検診命令がより円滑に実施できるよう、検診を行う医師などの範囲につきまして、公的医療機関に限らず選定できることを明確にさせていただいて、より活用できるように工夫をさせていただいているところでございます。
#68
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 今なかなか公的な医療機関がないところも、いわゆる身近な医療機関としっかり連携を組んだり福祉事務所と連携を組むということは自らの健康を守るためにも非常に必要なことだと思います。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
 子供の貧困とか、高齢者のいわゆる全身疾患の問題と同時に、子供の貧困の連鎖ということで、以前も私、厚生労働委員会で質問させていただきました。
 私は歯科医師ですから、歯科の検診事業というもの、子供の歯科検診を行うと、ネグレクトを疑うことは非常に、簡単とは申しませんが、ある程度の段階で見付けることができます。例えば、口の中の状況で、生活状況ですとかその子の栄養状況ですとか、そういったことの一部も見付けることができるということがあって、私、実は今でも歯科医師として歯科の校医をしておりますので、先月も小学校の検診に行ってきました。一年生から三年生まで、今子供が少ない都内の学校ですから僅か百名ちょっとでしたが、明らかにネグレクトを疑われるという子供が二名、それから、もしかしたらそうなんではないかという子が一名と。そういったところでも、なかなか、私たちが学校健診の場で養護の先生とかにこの子はという話をしても、やはり生活保護世帯であったり、非常に生活が苦しい母子家庭であったり父子家庭であったりと、それぞれ家庭のいろいろな環境を持っていました。
 その中でも、私の歯科医師として言うことだけではなくて、例えば学童クラブでの体の跡とか様々な要因が重ならないと、なかなかその子供たちを助けてあげることができなかった経緯があるだけに、やはりしっかりと、そういった貧困の連鎖だとか子供たちの虐待を抑えるためですとか、例えば早く生活保護世帯から抜け出るためには子供たちの食事の問題、栄養の問題ということもよく考えていかなければならないと思っています。
 ですから、その連携、学校健診等の、例えば児童福祉、母子保健とか、福祉事務所との連携というものは確実にしていかなければならないと思うんですが、その辺についてはどう厚生労働省としてはお考えでしょうか。
#69
○政府参考人(石井淳子君) 虐待の予防とかあるいは早期発見などを図るために、児童虐待対応を行います児童相談所や、あるいは市町村の児童福祉・母子保健部局などが学校と適切に連携をして情報を共有していくことは大変重要だと思っております。
 このため、従前から市町村の要保護児童対策協議会、これを活用して学校との連携を促してきております。この協議会には今ほとんど市町村で設置いただいておりまして、その中において学校の参画も非常に進んでいるところでございます。最近におきましても、実は児童福祉部門と学校との連携に関する好事例の提供を行ったり、あるいは支援を必要とする児童生徒に関して、学校から市町村又は児童相談所に定期的に情報提供が行われるための指針の策定などに取り組んできたところでございます。
 とりわけ、御指摘のとおり、歯科検診を通して得られた情報を有効に活用をして虐待の早期対応を図ることは大変重要だと思っておりまして、実は文部科学省が、昨年ですが、歯科検診を含む健康診断などの機会をとらえて、児童虐待を見逃さず、学校からの速やかな通告などを推進する通知が発出されておりまして、それを踏まえて、厚生労働省からも、その通知を付けた上で児童福祉部門が学校とか教育委員会と一層の連携強化を図るように要請をしているところでございます。
 学校での歯科検診を含む健康診断を通じて虐待の通告が行われた具体的件数までは把握できておりませんけれども、学校から児童相談所やあるいは市町村に対する通告件数は、これは徐々に増加しているところでございます。
 今後とも、歯科検診など学校での健康診断が虐待発見あるいは様々な子供が抱える問題の発見の重要な契機となることを踏まえまして、児童福祉あるいは母子保健部局と学校との連携強化を図ってまいりたいと考えております。
#70
○西村まさみ君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 ここからは残された課題についての認識と今後の検討についてお尋ねしたいんですが、財政制度審議会の残された課題というのは、短期的な給付削減とか地方団体の問題意識からは、稼働世帯に対する有期保護制度、非稼働世帯、いわゆる高齢者のための新制度、国と地方自治体の財政負担の見直しなどがあります。
 私自身は、性的役割分業に基づいて、正規労働者、住民登録や安定した住居を持つ定住者、日本国籍を有する者等を前提とした制度設計、家族、企業による制度のいわゆる代替補完を前提とした制度設計自体の制度疲労なんという問題が、生活保護制度に限らず最大の課題となっているのではないかと思うんですが、田村厚生労働大臣は、この残された課題と、これからの、今後どのように検討していったらいいかとお考えなのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
#71
○国務大臣(田村憲久君) 生活保護制度、これ六十年ぶりの大改革になるわけでありまして、そのような意味からいたしますと、今般のこの法改正の趣旨といいますか目的、一つは、やはり就労等々、自立を促進をしていくということ、それから、不正というものが非常に生活保護制度の国民の信頼性というものをやはり低めているということがございますから、これに厳正に対処していくということ、さらには、医療扶助が非常に伸びておりますので、この医療扶助の適正化を図るということ、まずはこれをしっかりと、この法改正を行うことによって運用していきたいというふうに思っております。
 附則第二条に、五年を目途に見直すというような項目があるわけでありまして、新しい制度の下でしっかりと生活保護施策を進める中において、必要に応じて見直しをしていかなければならないというふうに思っておるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、これ生活扶助の適正化も三年を掛けて段階的にやっていくわけであります。それ以外の各種扶助、さらに加算、こういうものに関して財政審の方からいろんな御意見をいただいておるわけでありますけれども、引き続き基準部会の方で御検討をいただくわけでございまして、その検討の結果を見守らさせていただきながら、どのような形にしていくか、見直しの時期と併せて判断をしてまいりたい、このように思っております。
#72
○西村まさみ君 今後のいわゆる残された課題とこれからの検討というものは非常にやっぱり大切ですし、決して不正を許すというふうなことがあってはならないと思います。様々な世の中の仕組みが変われば、その中を何とかこうやって不正をやる人たちがいることもこれは残念ながら現実でありますから、何とか不正は正して、でも必要な人には必要な保護ができるような、支援ができるような仕組みというものを今後の課題として更にお願いをしたいと思います。
 次に、やっぱりどうしても生活が苦しいという家庭の中には母子家庭というものが非常に多いと私は思っています。残念ながら、やはりなかなか減ることがない。子供とお母さんと共に死亡した後に発見されるケースですとか、逆に子供に御飯を食べさせてあげることができなかったと、残念なケースもたくさんあることも承知しています。特に、今ニュース等でなっているように、大阪の事例の前に、二〇〇二年の九月辺りで、いわゆるお母さんが栄養失調で子供に食事を与えられなくて子供が餓死したと、十一歳の女の子です。
 私も十一歳の娘を持つ母親として、やっぱり自分より何よりも子供というのが母親の気持ち。でも、そこに、何とかしてあげることもできない、しかし生活保護をどのように申請したらいいのかが分からないということがまだまだあるので、先ほど来お話があると思いますが、何とかそういう、これからの、将来、日本の宝である子供たちの命と、またそこを育てているお父さん、お母さん、その保護をしている人たちに対しての手厚いやはり支援と周知と、そして、できるだけ、おかしいなと思ったときには周りに相談できるような地域の仕組みというものをつくっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 実に、今、いわゆる居所不明の子供たち、児童というものが非常に増えていまして、ちょっと調べただけで、もう大体、今まで年間約三百名ぐらいはどこに行っているか分からない。学校に来ていたはず、若しくは生まれているはずなのに今どこにいるか分からない子は、平成二十三年には何と実に四倍も増えて千二百名もいるんだそうです。
 是非ちょっと、文科省に今日おいでいただきましてお尋ねしたいのは、この居所不明児童生徒に関する調査というものを二十四年の五月、昨年の五月にされたと思いますので、是非その対応についての調査の結果というものと対応について教えていただきたいと思います。
#73
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 就学機会の確保の観点から、居所不明児童生徒の実態を把握するために、文部科学省といたしましては、市町村教育委員会を対象に、昨年度、居所不明児童生徒に関する実態調査を実施いたしました。
 この調査におきましては、居所不明であることを把握したのはいつの時点からか、あるいは居所不明である期間はどのくらいか、居所不明となった主たる理由は何か、教育委員会と関係機関との連携状況はどうなっているかなどについて調査をいたしました。その結果、居所不明児童生徒の全体の件数につきましては千四百九十一件、このうち居所不明である期間が一年以上については九百七十六件となっております。
 居所不明の主たる理由といたしましては、配偶者からのDVを受けた保護者とその子供がこれまでの学校や教育委員会に何ら届けもせずに転居する場合、あるいは転居届を出さずに海外転居する場合、こういったものが挙げられております。
 文部科学省といたしましては、この調査結果を受けまして、居所不明者について、学校や教育委員会が児童福祉関係機関や入国管理局などと連携して情報を共有することなどによって適切に対応するよう、平成二十五年三月の通知で教育委員会などに指導をしております。
 文部科学省といたしましては、今後とも関係省庁と連携しながら、例えば児童虐待防止対策協議会など各種会議、それからホームページなどあらゆる機会を活用して通知の趣旨を周知するとともに、あわせて、教育委員会などに対して、関係機関との連携や情報共有に関して徹底を図るよう指導してまいりたいと思っております。
#74
○西村まさみ君 文科省、ありがとうございました。
 驚くべき数字なんですよ。びっくりする。しかも、その理由を聞くと、今お答えいただいたみたいに、債務から逃れたりDVだったりとか親の都合なんですね。子供の都合じゃない。そこのところはやっぱり何とかしていかなければならない非常に大きな問題であって、是非とも、自治体の現場でも省庁間でも、どうしても縦割りだとそういったところの抜け穴に落ちていってしまう子供たちがいるということで、そこのところを何とか排除して、連携をしっかり持って取り組む必要が、これは学校ともあるでしょうし、文科省と厚生労働省ともあるでしょうし、各自治体でもあるでしょうし、これはもう是非必要だと思っておりますので、何とかそこの部分、よろしくお願いしたいと思っています。
 中には、非常に長期間にわたっていなくなった子供を捜してきて、十年たって初めて見付かったなんというケースも、東京の大田区の幼児遺棄ケースなんかであるんです。児童相談所との連携がたまたまうまく取れている。でも、子供の命というのはたまたまでは困るわけですから、是非ともここのところは、いい事例はやはり生かして、また人材が足りないのであれば、そこに人材の確保をしっかりと国として取り組むということも重要だと思っています。
 情報管理ですとか情報の共有、それから本当に多くの機関との連携は徹底的に強化して、将来の日本の宝である子供たちの命を守ること、また、調査でも明らかなとおり、DVだとか虐待だとか多重債務だとか、親の複雑な事情を抱えた対象者との間の信頼関係というもの、これは絶対構築していかなければならないと思うんですが、大変難しい課題だと思いますが、田村厚生労働大臣はこの点についていかがお考えか、教えてください。
#75
○国務大臣(田村憲久君) まあいろんな事情があるんだと思うんですけれども、例えば生活困窮者の方々の中でそういう事例がある場合には、今回法律の中で書いておりますけれども、自立支援相談事業というのがあるわけで、ここで窓口、事業者がおるわけでありますね。こういうところの方々も、やはりいろんな例えば地域の自治体の方々と連携をする、場合によっては地域でいろんな福祉活動をやられているNPO団体とも連携するということがあってもいいと思います。そういう中においていろんな情報を得ていただく。行政でいけば、行政といいますか、行政ではありませんけれども、公共サービスでいけば、ガスだとか電気だとか水道だとか、そういうものの未納等々、こういう問題も含めて、やはり待っているだけじゃなくてアウトリーチで、何かどうもあそこ住んでいるのかいないのか、よく分からないなというような状況があれば、そこに出向いていっていろんな相談に乗るということも含めて対応していく必要があろうというふうに思います。
 ただ、いずれにいたしましても、かなりそういうような、丁寧にその場合にはいろんな話を聞かなきゃなりませんし、聞いた上でいろんな判断を、つないでいくための相談に対しての対応もしていかなきゃならぬわけでありますから、相談を受ける側の能力という部分も非常に必要になってくるわけでありまして、ここは人材育成という意味では国もしっかりと対応していかなきゃならぬなというふうに思いますし、いろんな意味での運営指針等々についても国が一定程度関与をしていかなきゃならぬというふうに思っております。
 ほかにもいろんな対応の仕方があると思うんですけれども、少なくとも生活困窮者の方々に対しての今のような案件に関しては、やはりこの自立相談支援という事業が一つ大きな役割を担っていくのではないかと、このように思っております。
#76
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 何度も言いますが、大切な子供の命、またそこを何とかしたいという親の気持ち、共にやはり考えるということ、大事なことだと思うんですが、その一方で、やはり子供たちだけではなくて高齢の方々も今、先ほどちょっとお話ししたように、独居で住んでいらして、いわゆる孤独死、無縁死という方で、その方々も、どの段階で生活保護を申請していいのか分からなかったとか、やはり今まで生きてきた様々な思いがあって、御自身のプライドだとか見えだとか、そういったものもあってなかなか申請できなくて、残念ながら誰とも接することなく何年も過ごし、そしてある日、異臭に気付いて周りからということが、これは人間としては大変残念な、無残な最期を迎えなければならない。そこのところにもやはり光を当てていかなければならないと思っています。
 度々言いますし、大臣はもう耳にたこかと思いますが、私、歯科医師でありまして、警察歯科医というものの役目が非常に大きくなっていて、孤独死でやはり異臭を放ったとき、でも、高齢の皆さんは大体近くの歯科医院で入れ歯を作っていたり歯の治療をしたり。呼ばれていって鑑定をして、ああ、うちの患者さんの何々さん、私たちは保険証で診療しますから、間違いなくその方のそれなりの身元なりなんなりがはっきり分かるわけですから、そういったことのお手伝いをさせていただいています。
 やっぱり生前のできるだけの、もちろん生きている限りいつまでも健康でいることは当然必要なことであって、健康を保つための努力、これを、先ほどから言っているように、自己の努力と周りの努力と、そして国の政策と全部が一つになってからこそ初めて健康というもの、健康長寿というものができると思います。
 大臣にお尋ねしたいんですが、時間がないので一つにまとめてお話を聞かせていただきたいんですが、例えば今言ったような生活や健康面で多少でも問題を抱えたときに、やはり気楽に相談できる窓口が厚生労働省に直結してあってほしいなというお願いについて。そして、それを地域展開をしていくためには、先ほど自治体との、行政の窓口の電話はあるけれどもと言いましたが、そことはどのように厚生労働省は連携をしっかり取っていくのかということについてお尋ねするのと、最後に、私はこの間、総理にも代表質問で言いました。
 やっぱり総理自体も成長戦略の柱に挙げていますいわゆる健康寿命の延伸というもの、これはもう大切な課題であって、どんな状況でもやはり最後の最後まで自分で自分のことがある程度できて幸せだったと人生の幕を閉じるということが、これは理想の形であり、それは理想から現実にしていかなければならないと思っています。
 やはり超高齢社会の中で健康であるためには、この間も言いました、非常に七十から七十四歳という年齢というものは大きなターニングポイントです。歯の数だけではなくて、やはり口で物を食べる、しゃべる、そして健康な体でいるということの連携をしっかり取っていくためにも、やはり私は、健康寿命が今十年も平均寿命との間があるところを埋めていくためには、今非常に手薄になっている歯科検診の充実というものを併せてお願いをしたいと思いますし、また、それをすることで最終的には健康な人が増えていくわけですから、医療費の削減にも大きくつながると、そう思っていまして、できましたら、七十から七十四の問題もこれからまたプログラム法で出てくるかと思いますが、できるだけ六十歳代のうちに全国で統一した歯科検診の充実、また節目検診というものの受診勧奨というものをお願いしたいと。
 前段と後段とちょっと離れたところでありますが、二つほど大臣に質問させていただきたいと思います。
#77
○国務大臣(田村憲久君) 前段の高齢者の問題でありますけれども、高齢者が安心して生活できるという意味では、地域包括ケアという、これを今進めておるわけでありまして、地域包括支援センターの中においていろんな相談ができるような形になっております。
 あわせて、社会福祉協議会の中で民生委員等と協力をして行います心配ごと相談事業というのがあるわけでありまして、こういうものを活用していただきながら、また一方で、やはり自治会等々の役割も大きいですし、地域のコミュニティーというものがしっかりしているということがまず大前提でありますけれども、何かあったときに、あっ、あそこのおじいちゃんおばあちゃん最近顔を見ないねというような形で、やはり声を掛ける、そのような活動が必要であろうと思いますから、厚生労働行政もそういうものにしっかりと後押しをさせていただきたいというふうに思います。
 後段の部分でありますけれども、歯科口腔保健法というものを、私もちょっと関与させていただきながら、そうですね、今、足立先生も一緒になってやらさせていただいた思いが、先生もそう、ここに関係者たくさんおられますので、名前を言い出すと数え切れないぐらいの方々がおられるわけでありますけれども、この中において、平成二十四年七月から基本的指針というもの、これを作りまして今進めておるわけでありまして、歯科検診の目標設定、それからそれを具体的に進めていくための計画、こういうものを定めておるわけでありますし、あわせて、今言われたような障害者でありますとか高齢者、なかなか歯科検診が受けられない、困難な方々、こういう方々は抜き出して、目標でありますとか行動計画といいますか、計画ですね、こういうものを併せて作っておるところであります。
 二十五年度、今年度の事業の中において併せて歯科検診を含む口腔保健推進事業、これも創設をしたところでございまして、是非とも関係者の皆様方の御協力を得まして、これからも歯科口腔保健、これを推進してまいりたいというふうに思っております。
 ありがとうございます。
#78
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 是非よろしくお願いしたいと思います。
 時間になりましたので、これで質問を終えたいと思います。ありがとうございました。
#79
○委員長(石井みどり君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#80
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。先般行われました参議院選挙青森選挙区で当選をさせていただきました。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは、質疑を行います。
 我が国の社会保障制度は、社会経済の状況の大きな変化を受けております。現役世代を含めた生活困窮者の増加がリーマン・ショック以降に加速し、生活保護受給者の数も増大し、平成二十三年七月には、制度創設以降過去最高を記録しております。このような状況の中、生活保護受給者を含む生活困窮者の喫緊の課題に対応するため、生活困窮者自立支援法案、生活保護法の一部改正法案がさきの通常国会に提出されました。
 衆議院では可決され、さらに参議院であと一歩というところまで来ていたと承知しております。総理に対する問責決議案が可決された影響を受け、残念ながら廃案となりました。この法案の意義を考えれば、これは大変残念だったと私は思います。この臨時国会においては、是非とも可決成立をさせるべきであると思うのであります。
 そこで、まず生活困窮者自立支援法案について伺います。
 日本社会の基盤をよみがえらせるためには、生活保護制度の見直しだけでは当然足りません。より大きく政策を見直すことが必要だと私は考えます。もちろん、保護が必要な人には確実に保護を適用するべきでございます。その前提に立ちながらも、問題が複雑化し、生活保護に至ると脱却が難しいとの指摘にどうこたえていくのか、知恵を絞っていくことが必要でございます。
 そこで、まず初めに一点として、生活困窮者自立支援法案の趣旨とその効果についてまずは伺います。
#82
○国務大臣(田村憲久君) 御質問ありがとうございます。
 やはり社会の変化の中で、非正規雇用労働者が増えてきておるというような実態があります。その中において、よくワーキングプアとも言われておりますけれども、年収二百万円ないような方々、そういう方々の割合も増えてきておると。一方で、やはり核家族化が進んできておりますから、家族全体で支え合うという、そういうような家族形態も変わってきておるという、そういう背景もあります。
 さらに申し上げれば、地域全体でのつながりというものが希薄になってきている。昔はといいますか今でも、地方では地域でいろんなつながりがあって助け合っている部分がありますけれども、都会中心になかなかそういうつながりが持ちづらい、コミュニティーをつくりづらいというような地域も出てきておるわけでありまして、そういう中において、本当に貧困の連鎖ということが言われておりまして、例えば生活保護を受給されている世帯の世帯主、この方々の四分の一が実は自分も生活保護家庭の中で育ってきたと、こういうような実態もあるわけでございまして、こういうものを全体として連鎖を断ち切っていかなきゃいけないというようなこともございましたので、このような生活困窮者自立支援法でありますとか生活保護法の改正、さらには子供の貧困に対する法律も、これは議員立法でございましたけれども、前国会で成立を見たわけであります。
 こういうのを一つ一つ見てまいりますと、この生活困窮者自立支援法というのは、様々な重層的な複雑な事情を抱えながら貧困で苦しんでおられる方々、こういう方々にやはり丁寧に対応していく中でいろんなメニューを用意をして、何とか生活保護の手前で自立をしていただきたい、このような思いで、例えば、今ほど来もいろいろと話が出ておりましたけれども、まずは自立支援相談事業、きめの細かい事業、多様的な相談に乗っていこう、こういうような問題、それから就労準備支援事業、さらには住宅確保、これがあることによって実は働けるということもありますから、住宅確保給付金事業、さらには家計相談支援事業でありますとか、それからまた学習支援等々、いろんな事業に関してこれは対応していかなければならないということでございます。
 そういうことを一つ一つ見ていくときに、やはりいろんな意味で、地域のコミュニティー等々、ここと協力をしていく、もちろん行政とも協力していかなきゃなりませんけれども、自治会でありますとかいろんなところと多様的に結び付いていくことによって、そういう方々を早期にやはり対応できる、まず発見できるといいますか、相談に乗れるような状況をつくっていかなきゃならぬわけでありまして、場合によっては、ただ単に待っているだけではなくて、出張っていってアウトリーチで対応していくということも含めて、しっかりとこれからこの法律にのっとって、成立し次第、各自治体に準備をしていただいて実施をしていただきたい、このような思いでございます。
#83
○滝沢求君 ただいま大臣の答弁の中にもございましたが、貧困の連鎖の防止、このことについて次に伺います。
 貧困は更なる貧困につながり、教育格差や孤立などの様々な問題へと波及する根本的な課題でもございます。現に、生活保護受給者世帯の世帯主の約二五%は生活保護受給世帯出身ということであり、また学校進学率についても、一般世帯では九八・四%でありますが、生活保護世帯では八九・九%と、一〇ポイント近くの差がございます。親の貧困によって子供のスタートラインが最初から異なるという事態は、できる限りの方策を用いてこれを避けるべきだと私は思うのであります。
 さきの通常国会では、子供の貧困対策の推進に関する法律が成立いたしました。その趣旨を踏まえ具体的な施策を講じるという意味においても、貧困の連鎖を断ち切るための子供への学習支援や、生活保護に至る前の、先ほども答弁にございましたが、生活困窮者に対しての適切な支援を行っていくことは喫緊の課題だと思うのであります。
 そこで二点目お伺いをいたします。貧困連鎖の防止について新法が果たす役割について伺いたいと思います。
#84
○政府参考人(岡田太造君) 生活保護受給世帯の子供が大人になって再び生活保護を受給するなど、いわゆる貧困の連鎖を防止することは非常に重要だというふうに考えております。
 このため、従来より、この貧困の連鎖の防止に取り組む自治体に対しまして国としても積極的に財政的な支援を含めて支援をしているところでございまして、具体的には、中学校三年生を対象にして学習支援、高校進学を目指す生活保護世帯の子供さんに学習支援を行うなどの取組をしてきたところでございますが、平成二十五年からは更に、従来中学校三年生を対象に実施してきていました学習支援の範囲を中学一年までに拡大するというようなことをやってきております。また、高校中退を防止するためにやっぱり個別相談をする、そういうような相談を強化するような取組をする。
 そのほか、生活保護世帯で御両親が何らかの形で働いていないということで、働くことによって得られる生きがいとかいうことを実感できないという面があるんじゃないかということで、働く大人像の実体験のための合宿や就労体験の場を提供するなどの支援の充実を更に図っているところでございます。
 多くの自治体にこういうような取組を更に進めていただけるように、今後とも働きかけていきたいというふうに思っているところでございます。
 また、今般再提出させていただきました生活困窮者自立支援法におきましては、包括的な支援策を講ずることによりまして生活困窮者家庭の自立を支援するということにしておりまして、特に中でも子供の学習支援事業を制度化して、生活保護受給世帯の子供さんを含めまして新たに生活困窮家庭の子供さんも支援の対象にすると。併せて今回法律に位置付け、恒久的な財源支出の枠組みを設けることによりまして、自治体においては安定的、継続的な事業の実施が可能になるものというふうに考えておりまして、今後、制度化を踏まえまして取組を全国的に普及していくように努めていきたいというふうに思っております。
 こうした対策を総合的に進めることによりまして、生活保護受給世帯を含む生活困窮者の世帯の子供さんの自立に向けて支援を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#85
○滝沢求君 次に、生活保護制度の見直しについて伺います。
 生活保護制度は、厳しい雇用状況の中、昨今の社会経済情勢の変化を踏まえた対応が必要になっているほか、日々報道等で不正受給事案の発生が後を絶たないなど、国民の信頼を得る制度にするためには対策が必要な状況にあると言えます。これらの状況を踏まえれば、不正受給対策の強化を盛り込んでいる今般の生活保護法改正案は意義のある改正であると考えております。
 しかし、こうした不正受給の対応への強化が必要である一方で、真に保護が必要な方にはしっかりと支援をしていくことは、当たり前ですが、この制度の原則であり、これを忘れてはいけないと思います。これに対して生活保護法改正案については、さきの通常国会に提出していた際、厚生労働委員会での法案審議において保護の申請権の問題、すなわち保護の申請の法定化されることが大きく議論されたところであります。
 そこで、この保護の申請の法定化について伺いたいと思います。
 生活保護法改正案において、保護の申請の際に必要な書類を添付して書面を提出する規定を法律上新たに設けることとなっております。しかしながら、生活保護を申請する方の中には、そもそも書類を準備することが困難な方や書類に必要な事項を記載することが困難な方もいらっしゃいます。現在、このような方々については口頭申請が認められているなど柔軟な運用が行われているところでありますが、保護の申請手続を法律で規定することに伴い申請が厳格化されるのではないかという懸念の声も出ているのもこれまたあります。
 この懸念について、この声について、さきの通常国会の審議の場では、厚生労働省からは、大臣を始め、現行の運用は変えないとしっかりと答弁され、そのことを踏まえて衆議院においてその趣旨を明快にするための修正が行われました。そして参議院に送られたものと承知しております。その後、会期末に廃案となったわけでございますが、今国会に再提出された法案にはそのときの修正が反映された形となっており、更にしっかりと現行の運用は変えないとの意思を明確に表明したものと私は考えているのであります。
 ただ一方で、厚生労働省では運用は変えないと幾ら言っても、現場まで厚労省の考えが浸透するか分からないじゃないかという指摘もあろうかと思います。
 そこで伺いますが、厚生労働省として、保護の申請に関し、現行の運用は変えないということをどのように現場に伝えていくのか、伺います。
#86
○大臣政務官(高鳥修一君) 滝沢委員にお答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、今般の第二十四条の改正で申請に必要な書類を添付して書面を提出する規定を法律上設けることにしたのは、法制的な観点から規定することとしたものでございまして、申請事項や申請書の様式も含めて現行の運用の取扱いを変えるものではございません。これが第一点であります。
 この点は、よりその趣旨が明確となるように、さきの通常国会に法案を提出した際に衆議院の審議で修正をいただいたところでありまして、といいますか、私も当時自民党の修正の担当者としてかかわったんですが、政府といたしましてもこの修正を真摯に受け止め、反映した上で再提出をさせていただいたということでございます。
 そこで、地方自治体に対しましては、保護の相談に当たっては相談者の申請権を侵害しないことなど適切な窓口対応に努めるように通知をしております。国や都道府県等の監査において、面接相談の対応が適切に行われているか、実際の個別ケースについて検証を行うなど確認し、指導しているところでございます。
 今回の改正についても、現行の取扱いを変えるものではないことについて既に数回にわたり全国の自治体向けの会議において説明をしており、周知徹底を図っているところでございます。引き続き、地方自治体に対しまして必要な指導を行うとともに、法改正後も適切な窓口対応に努めるよう徹底してまいりたいと考えております。
#87
○滝沢求君 次に、生活保護を受給される方の自立支援について伺います。
 今回、生活保護の手前の層である生活困窮者の支援対策として生活困窮者自立支援法を制定しようとしているわけでございますが、一方で、最後のセーフティーネットである生活保護を受ける方々においても、自身が社会に役立っている実感や、将来に展望を持ち、意欲を持って働くことで手ごたえを感じて生活を向上させていけるよう必要な対策を講じることが必要だと私は考えております。
 そこで伺いますが、生活保護を受給される方についてどのような自立支援を進めていくのか、見解を伺います。
#88
○政府参考人(岡田太造君) 働く能力のある生活保護を受けられている方が就労して自立できるよう支援していくことは大変重要な課題だというふうに認識しております。
 今年度から生活保護受給者に対する就労・自立支援の運用を見直しまして、働ける方の早期脱却に向けて、保護開始直後から脱却に至るまで切れ目なく就労インセンティブを促すように運用を見直しているところでございます。
 具体的には、就労、自立が見込まれる方につきましては、原則六か月以内に就労することを目指して、本人の納得を得た集中的な支援を実施することをまず明確にさせていただいております。
 それから二番目としまして、就労活動を行っても就労のめどが立たない場合には、本人の意思を尊重しつつ、職種、就労場所などを広げ、短時間、低額であっても一旦就労に向け支援する方針を明確にさせていただいております。
 また、自ら積極的に就労活動に取り組んでいる者に対しまして就労活動促進費というのを支給するという取組もしております。さらに、就労した場合に対象となります勤労控除の全額控除となる額の引上げや控除率を見直すということで就労に向けたインセンティブを高めるような取組を行ってきているところでございます。
 さらに、今回の生活保護法の改正法案の中で、生活保護脱却後に税、社会保険料などの負担が生じることを念頭に置きまして、就労自立給付金という新たな給付金を創設することにしておりまして、こういうものを通じまして、全体として生活保護受給者の就労、自立に向けたインセンティブを高め、それを促していきたいというふうに考えているところでございます。
#89
○滝沢求君 ありがとうございます。
 これで私の質疑を終わります。
#90
○羽生田俊君 参議院議員の羽生田俊でございます。七月の参議院議員選挙全国比例区におきまして当選をさせていただきまして、本日初めての質問をさせていただくということでございます。
 立場上、この十二年間は質問を受ける、質問に答える立場できたものですから、質問に慣れておりませんので、その点は御容赦いただきたいというふうに思います。
 生活保護法も含めて社会保障ということがあるわけでございますけれども、社会保障は非常に大きな問題といいますか、非常に広い範囲を含めている言葉でございますけれども、社会保障という一言で済まされているということ、これはまあ言葉としてはこれで良いと思うんでございますけれども、今、政府の方向性とするとやはり自立ということを非常に大切に思っておりまして、これはいわゆる自助、共助、公助という順序で物事が進められるのかなというふうに思うところでございますけれども、社会保障に関しては私は順序が逆であって、公助、共助、自助ということによって自立を促すというのが社会保障の根幹ではないかなというふうに思っているところでございまして、その辺は、社会保障というもの全般で、この会議が中心、委員会が中心でございますから、是非そういったことで御議論を賜りたいというふうに思うところでございます。
 こういった中で、実はよく、これは社会保障に限らず、受益者負担という言葉がよくよく聞かれるわけで、例えば医療においては、受益という、医療保険を使って診療を受けるということを受益、受益者であるというふうに表現されるわけでございますけれども、誰も自分がなりたくて病気になった人はいない、これは受益者ではなくて受難者と言うべきものであるということ。これは、生活保護においても、自分から自ら生活保護に、受けるような状況になりたいと思って受けるわけではないわけで、これもまさに受益者ではなくて受難者であって、こういった社会保障の支援を受けるということにつながるんであろうというふうに思っております。
 ただ、今回六十年ぶりの法改正ということで、これは現在の社会情勢等々を六十年前と比較してもほとんど同じ部分はないぐらい変わっているわけでございますから、もうこれは必然的なものであって、できる限り早くに改正をしていく必要があろうというふうに私も思っているところであります。
 今回、特に多くこの法案の中で取り上げられているものが、不正受給対策ということが非常に大きく取り上げられておりますけれども、これはマスコミ等でも騒がれた不正受給の問題であって、これも当然必要でありますが、ほかにも大きな問題としては、医療機関に対してのいろんな問題が後々出てくるということでございまして、その辺のこともちょっとお聞きをしたいというふうに思っているところでございますけれども。
 先ほど滝沢委員の方から、不正受給ということには厳正に取り組まなければいけないけれども、やはり本当に必要としている人たちが外れてしまうような対策は絶対にしてはならぬという御意見がありましたけれども、私もそのとおりであり、こういった原則をしっかりと見極めた上で不正受給対策というものを強化していかなければいけないというふうに思っているところでございますけれども、この社会保障ということについて、大臣のお考え、大変大きな話で申し訳ないんですけれども、お答えいただければ有り難いというふうに思います。
#91
○国務大臣(田村憲久君) 御質問ありがとうございます。非常に大きな話でどうお答えしていいのか難しいですが。
 受難者というようなお言葉もございました。社会保障というのは、国民の皆様方がこの社会で生活する中において、安心してというのはなかなか一概に言いづらいんです。例えば、病気にかかる、その病気もなかなか治る見込みがないとしても、少しでも不安を和らげるという意味もあるんだというふうに思います。そういうようないろんな心配、不安というものをある程度和らげる、そういう役割というものが社会保障にあるんであろうなと。年金の受給者の方々が受難者かというと、それはまた違うような気もいたすわけでありますが、しかし、加齢に伴って仕事がなかなかできなくなってくる中において、それでも老後の生活というものに対しての一定の不安感を、これをなくしていくといいますか和らげていく、こういう役割も社会保障にあるんであろうなというふうに思います。
 今、共助と公助で自助を促すんだと、なかなか含蓄のある言葉だなというふうに思いました。
 社会保障の役割の中には、当然自助を支援する役割もあると思います。そして、みんなで助け合うという共助というもの、これは大変大きな役割を社会保障の中に、我が国においては位置していると思います。そして何よりも、地方政府であれ国家であれ、公的な扶助という形で、本当に困ったときにはそこが出動していって本当の不安を何とか和らげていくというような役割があるわけでありまして、そのような、自助、共助、公助なのか、共助、公助、自助なのか難しいですけれども、そこが重層的に国民の生活を支えるというものが私は社会保障であろうというふうに認識をいたしております。
#92
○羽生田俊君 大変ありがとうございました。
 自助、共助、公助の順番は場面場面によっても変わりますけれども、今非常に私が期待しておりますと申しますか、私の理解と大臣の理解がほとんど同じであるということに本当に大変有り難く、感謝申し上げます。ありがとうございました。
 先ほど申し上げましたように、今回の法案の中で、いわゆる医療機関に対してのいろいろな問題が挙がってきております。この改正について、いわゆる不正受給という問題は生活保護の対象者そのものにあるわけでございますけれども、医療に関して項目もそれ以上に多く書かれておりまして、いわゆる問題がある医療機関というのがマスコミ等で騒がれた。これは確かにあった事実でございますから大変問題であると思いますけれども、これはもうほんの一部というか数件の話であって、これが全ての医療機関で行われているかのような報道がされるということは非常に私としては心外なことであるわけでございますけれども、何かと報道されると、同じ職種の人が皆同じようなことをしているのではないかと思われる。非常に残念なことがあるわけでございます。
 今回の改正を見ましたときに、医療扶助を行う指定医療機関の指定要件、指定取消し要件、こういったものの導入、そして六年ごとの更新制の導入ということがはっきりと書かれておるわけでございますけれども、生活保護の指定医療機関というのはほとんど一〇〇%が保険医療の指定機関でございまして、元々、保険医療機関としての指定を受けるための条件というものがいろいろあるわけでございますし、保険診療についても、保険診療の規則にのっとった形で診療するということが基本でございまして、そういった意味では当たり前の話なんですけれども、これが改めてこういった形で書かれると、生活保護に限ってより強固な要件であり、指導を受けるというようなふうに取れるということを大変心配しているわけでございまして、こういったことによってほとんどの医療機関、真面目に真摯に患者さんと対応し、患者さんに診察をし、治療しているということでございますので、そういったところにまで影響があっては困るということを大変心配するところでございますので、その点を是非御考慮いただきたいというふうに思っております。
 今回の言葉の中に、地方自治体だけでは不十分で、国が直接、報告徴収や立入検査を可能とするという言葉がある。これはもちろん保険医療の場合にもあるわけでございますけれども、そこに行くまでの前段階というものがあってそういったことになるわけですけれども、これがいきなりこういったことで国が入ってくるということになりますと、いろんな意味で医療機関に対する影響あるいは医療そのものに対しての影響、いわゆる萎縮医療というようなものにつながるような危険が非常にあるということで、こういったことがないことを是非お願いするわけでございますけれども。
 実は、医療機関に生活保護の患者さんが来るのは、生活保護の受療証を持ってこられるわけで、その方が生活保護であるかないかというのは、いわゆる地方自治体が生活保護として認めたということであって、それ以外、医療機関としては判断する材料は全くない、生活保護としての診療を行うということになるわけですから、その辺を是非お忘れなく。是非、まずスタートの入り口の時点で、生活保護者、最初の項目にあるいわゆる不正受給というものをなくすためにしっかりと厳粛、厳正な審査をして、しっかりと本当に必要な人に生活保護を適用するというところに是非力を注いでいただきまして、不正受給がないようにしていただきたいというふうに思っているところでございますけれども。
 医療機関にいろいろな適正化という話が出ておりますので、この辺について厚生労働省の見解をちょっとお聞かせいただければというふうに思います。
#93
○政府参考人(岡田太造君) 生活保護費の約半数が実は医療扶助でございまして、医療扶助の適正化を図るということは、国民の生活保護に関する信頼を確保する上でも非常に重要だというふうに考えております。そういう意味で、医療機関などによる不正事案についても厳正に対処する必要があるという考えでございます。このため、改正法案におきましては、指定医療機関制度につきまして、従来明確でなかった指定要件の明確化、それから指定の有効期間の導入などの見直しを行っているところでございます。
 これは健康保険法の取扱いと同程度の要件を課すものでありまして、生活保護法の指定医療機関に対して過度な規制を導入するものではないというふうに考えているところでございます。また、都道府県知事が指定いたしました医療機関などで重大な不正が行われるおそれがあり、地方自治体だけでは迅速かつ十分な対応が取れないなど緊急に対処する必要がある場合に、国による指導も可能にするという取扱いもさせていただいているところでございます。
 ただし、その際には、例えば地方自治体と密な情報交換を行うことによりまして、指導対象となります医療機関を選定するに当たりましては、一律機械的な選定を行うのではなく、そういうような配慮をすることによりまして、多くの真面目な医療機関に対して無用の影響を与えることがないように十分に留意してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#94
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 過度にならない、あるいは行き過ぎないことを是非よろしくお願いを申し上げる次第であります。
 続いて、今回の法案の中に、実は後発医薬品の使用促進という言葉が入っているんですけれども、一つお聞きしたいんですが、後発医薬品のそういったことが法律上書かれた文言というのはほかの法律にございますでしょうか。御存じだったら。
#95
○政府参考人(岡田太造君) 法律の中で後発医薬品というのを規定したのは今回の生活保護法が初めてだというふうに承知しております。
#96
○羽生田俊君 なぜ今回この生活保護法に限って後発医薬品の促進という言葉が入ったのか、その理由をもし分かればお聞かせいただきたいんですが。
#97
○政府参考人(岡田太造君) 後発医薬品の使用、普及につきましては、これは国全体で後発医薬品の普及を取り組んでいるところでございますが、その中で、生活保護につきましては、その普及が医療保険全体に比べて遅れているという事情がございます。
 具体的に申しますと、後発品の金額のシェアを平成二十三年度の調査で見ますと、医療保険全体で八・五%が後発品なのに対しまして、生活保護の医療扶助では七・五%ということで、一般に比べまして一%程度使用の割合が低いというようなことがございまして、そういう観点から、より一層の使用促進が必要だというようなことで今回改正法でこうした位置付けをさせていただいているところでございます。
 今回の改正法では、医師が後発品の使用を認めている場合に限りまして、医療関係者などが受給者に対して可能な限り使用を促していくということを規定しているところでございます。これは、後発品の処方を行う医療機関で、患者との信頼関係を基に、個々の状況に応じて専門的な知見に基づいた丁寧な説明を行い、理解を促していくことが患者に服用を促す意味でも効果があると考えたものでございます。
#98
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 私の知る限り、この後発医薬品という言葉が出てきている法律はないだろうというふうに思っておりますけれども、それが生活保護法の中に出てきているということがちょっと引っかかってしまうということで御質問をさせていただいたということでございますけれども。
 実は、健康保険においてもいわゆる後発医薬品の使用促進ということは多く言われているわけですけれども、まず、後発医薬品と先発医薬品とが同じであるというふうに厚労省ではお考えでしょうか。その辺ちょっとお伺いしたい。
#99
○政府参考人(岡田太造君) 後発医薬品は、先発医薬品と品質、有効性、安全性が同等であるものとして承認を受けているというふうに理解しているところでございます。
#100
○羽生田俊君 そのようにいつも厚労省からの回答があるわけでございますけれども、後発医薬品の促進が非常にゆっくりでしか増加していないというのは事実でございまして、この理由が、医療機関で後発医薬品を使っているわけですけれども、実は、後発医薬品には本当に先発品と同等の効果、効能があると考えられる医薬品もたくさんございますけれども、実は、患者さんに出したときに患者さんの方からこの薬効かないから変えてくれというふうに言ってくることも多々あるわけでございまして、これはいわゆるその薬に使っている添加物であるとか、あるいはカプセルやコーティングの溶け方が違う、あるいは溶けた後の吸収の程度、度合いが違うというようなことで血中濃度の上がり方も違うというようなことが多々ありまして、現実にそういったことを、医師が使ってみたけどこれは駄目だというものはやはりもう二度と使わないとするしかないわけですね。
 そういったことで、きちっと使える後発品だということを医師自身が判定をした後発医薬品は使用が促進されていくので、本当に徐々ではありますけれども増えてきているというのが事実でございますけれども、そういった理由があるわけでございますね。
 ですから、そういった品質の問題や効果、安全面、こういった面、あるいはその安定供給の面で非常に不安の残る後発品というもの、これが厚生労働省がはっきりと同じものであると言っていいのかどうかということを非常に私は疑問に思っているわけで、やはり先発品と後発品というのはそれだけの違いがあるということも認めなくちゃいけないのではないかなというふうに思っているところでございます。
 そういったことで、法律にそれが書かれて、促進するという、その言っている意味はよく分かりますよ。ただ、法律にこの後発医薬品という言葉が入って、それを使用促進をするということが書かれているということは少し考えた方がいいのではないかというふうに私自身、医師という立場、医療をずっとしてきた立場としてはそのように考えるわけですけれども、その辺をどのようにお考えになりますか。
#101
○政府参考人(岡田太造君) 先ほどお答えしましたように、後発医薬品は先発医薬品と品質、有効性、安全性が同等であるというもので承認を受けているというものだというふうに理解しております。しかし、実際に患者さんにどのような薬を使うのかということにつきましては、これは医師が患者さんの個々の状況に応じてその診察をした上で適切な処方を行うというようなことが行われていることだろうというふうに考えているところでございます。
 このため、今回改正を予定しています生活保護法におきましても、医師が専門的な判断により後発医薬品の使用を認めている場合に限り服用することを求めていくという旨の規定を置いているところでございまして、一律機械的に服用を求めているというものではないというような状況でございます。このように、生活保護を受けられている方の個々の状況に応じまして、その担当されているお医者さんの医学的判断を尊重した上で、受給者の理解を得ながら無理なく後発品の使用を促していくというようなことで努めていきたいと考えているところでございます。
#102
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 書かれている理由は私もよく分かっておりますけれども、全ての方に平等な医療を提供するということが基本でございますので、そういった意味をしっかりと把握した上でこの法律の運用の面で十分な対応をお願いするところでございます。大変ありがとうございました。
 今回の法律の改正というものは私ども非常に大切なものであって、それによって新しい時代に合わせていくということは大変必要であるというふうに思いますけれども、今私が質問をさせていただいたようなことをしっかりと今後のこの法律の運用に当たって熟慮していただきまして、今後の社会保障を考える上できちっと取り組んでいただければということをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#103
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 今、生活保護法の一部を改正する法律案と生活困窮者自立支援法の質疑ということで、ちょっと冒頭、大ざっぱですけれども、この二本がやっぱりセットでこうやって審議をされる、この国会に出て審議されるということは大変意義のあることだというふうに思います。生活保護法の改正案は、ある意味初めてと言っていい抜本的な改正になります。しかし、そこにこの困窮者自立支援法案をセットにすることによりましてセーフティーネットをある意味非常に現代的に強化をすることができたという意味で、大変大きな効果、意義があるというふうに思っております。
 大変私事で恐縮なんですけれども、私も五歳のときに病気で父親を失いまして、いわゆる母子家庭で育ちました。男ばかり四人、育ち盛りの男の子を四人抱えて母親は一時路頭に迷ったんだというふうに思います。小学校のころに担任の先生が我が家へ家庭訪問に来まして、保護を受けたらどうかと、こういうふうに母親に言ったことも何となく記憶で覚えております。
 しかし、母親は大変体は弱かったですけれども頑張り屋であったということ、それから上の兄二人が早く働きに出てくれたということ、また地域の方々の、周りの方々の様々な支えがあったということで、兄弟四人の中で私だけ大学に進学をさせていただいたというようなことがあります。しかし、その過程、途中の中では、行政上の支援を受けずにこれたんですけれども、その途中の中では、引っ越しをせざるを得なくなるとか、あるいはやはり母親が、当時女性でありながら仕事を探すということはもう大変な苦労であったというようなこともあります。
 したがって、保護を受ける人、そして受ける手前で頑張っている人、こういう人たちに対する様々な支援策が今回の困窮者自立支援法の中でも盛り込まれているというようなことは、私は大変大きな意義があるというふうに思っております。
 さらに、この法律が成立をして、より効果のある改定をしていくこと、これを期待をして、何点か確認の質問をさせていただきたいというふうに思います。
 今日はずっと質疑の中でも重ねて何度も確認をされていますのでちょっと質問削りますけれども、生活保護法の二十四条について、先ほど来何度も確認をされておりますので、この修正されたことによって申請方法が厳格化されるというようなことはない、口頭による申請が認められなくなるというようなことはない、今までどおりであるということを改めて確認をさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
#104
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、長沢委員がおっしゃったとおりでございまして、結論から申しますと、今までどおりであると。そのことを、趣旨が明確となるように、さきの通常国会に法案提出をした際に衆議院の審議で修正をいただいたところでございまして、政府としても、この修正を真摯に受け止め、反映させた形で再提出をさせていただいたところでございまして、運用については今までと何ら変わるところはありません。
#105
○長沢広明君 では、今までどおりということであれば、これも今までの質疑の中のちょっと角度を変えた確認でございます。
 であれば、二十四条の修正した趣旨を政府としてはどのようにとらえているかということです。なぜ修正したということをどう政府としてはとらえているかということを分かりやすく示していただくと同時に、条文の中で、申請書類を作成することができない特別の事情、あるいは当該書類を添付することができない特別の事情と、こう書かれておりますが、この「特別の事情」というのは例えばどのようなことを想定しているのか、お答えいただきたいと思います。
#106
○副大臣(佐藤茂樹君) 今般のこの第二十四条の改正でございますが、これは申請時に必要な書類を添付して書面を提出する規定を法律上設けることとしております。これは、法律に基づいて調査を実施するのであれば、申請事項についても法律に位置付ける必要があるという法整備上の観点から規定したものでございます。ですから、申請事項や申請時の様式も含め、現行の運用の取扱いを変えるものではございません。
 また、お尋ねの二十四条のただし書の部分でございますが、申請書類を作成することができない特別の事情の「特別の事情」については、例えば障害等で文字を書くことができない場合等が該当すると考えられます。さらに、二十四条の二号のただし書、書類を添付することができない特別の事情の「特別の事情」については、これはさきの国会での議員立法の段階での提案者も答弁をされていたんですけれども、例えばDV被害を受けて体一つで逃げてきた場合、あるいは野宿をしていて証明するものを持たない場合、あるいは非識字の人などのケースを含め、隠匿等の意図もなく、書類を紛失した等の場合が該当するものと考えておりますけれども、施行に当たっての省令等できちっと示すことと、そのようにしたいと思っております。
#107
○長沢広明君 次に、就労支援について確認をしたいというふうに思います。
 今回の改正では、従来からの勤労控除とは別に、就労自立給付金制度の創設、あるいは就労のインセンティブというものが強化されているというふうに思っております。生活保護から早期脱却するためには就労対策が非常に重要であるということは論をまたないと思います。
 一方で、生活保護受給開始直後の被保護者の中には、それまで長い貧困、貧困状態という表現がいいのかどうか分かりませんけれども、そういう状態の中で、あるいは健康上の問題を抱えて、働こうという就労の意欲というのが著しく低下している場合があると思います。受給者本人の納得ということによる集中支援ということになりますけれども、時にはケースワーカーとの十分な意思疎通ができないまま支援がうまく進まないという場合も想定できるというふうに思います。早く就労しなければいけないということだけを言われると、逆に働く意欲がそがれてしまうということもないとは言えません。一方で、さきの通常国会で、衆議院の厚生労働委員会では我が党の古屋議員が質問の中で訴えたと思いますが、生活保護受給者が増えていく中で現場のケースワーカーの方の負担も非常に大きくなっているという問題もございます。
 そこで、この法律で改正をした後、就労支援について現場にどのような注意喚起をしていくおつもりか、周知徹底をしていくか、この運用についてのどのような配慮をされているかを伺いたいということ、また、ケースワーカーの増員とか福祉事務所の体制の強化について現状どのように考えているか、また来年度の予算の中でどう取り組んでいかれるか、お伺いしたいと思います。
#108
○副大臣(佐藤茂樹君) 大きく二点御質問いただいたと思うんですが、一つは就労支援をどのように運用していくのかということだと思いますが、この就労支援を行うに当たっては、原則はやっぱり生活保護受給者自らの希望を尊重した支援を行っていくということが大変重要になってくると思っております。
 確かに、おっしゃられたように、今年度から運用を見直して、働く能力がある者には原則六か月以内の一定期間のうちに就労による保護脱却を目指した集中的な就労支援を行っているところではありますけれども、こうした取組を行うに際しても、大事なことは、まず御本人の納得を得た上で支援をしているという、このことが非常に大事なわけでございまして、御本人とケースワーカーあるいは就労支援員、こういう関係者の皆さんがしっかりと協議をして、御本人が納得をしていただくということがまず重要になってくると思います。仮にも本人の納得がなくて就労活動を強要するなど不適切な事例がありましたら、指導監査を通じて指導をしていきたいと、そのように考えているところでございます。
 もう一点は、福祉事務所等の体制の強化の話がございました。
 こういう就労支援を円滑に適切に行うために、平成二十五年度、今年度からケースワーカーの増員、大体、例えば都道府県プラス三名、あるいは市プラス二名というような増員、あるいは保健指導を行う職員を配置できるようにするなどの、そういう交付税措置で福祉事務所の体制強化を図っているところでございます。また、制度改正が本格施行される平成二十六年度以降についても更なるケースワーカーの増員等必要な支援が行われる、そういう人員の体制というものを確保する方策について今後関係省庁と調整をしてまいりたいと考えております。
#109
○長沢広明君 是非、現場の中で必要なものをきちんと国から応援できるような体制を組んでいただきたいというふうに思います。
 それから、生活困窮者自立支援法案について伺います。
 この中にある自立相談支援事業について、条文では、当該事業の事務の全部又は一部を当該都道府県等以外の厚生労働省令で定める者に委託することができると、こう書いてあります。自立相談支援事業、大変重要な事業で、この生活困窮者自立支援法の要ともなる部分だと思います。
 この要となる部分をしっかりとある意味では効果的にする、実効性を高めるということが非常に重要だと思っておりまして、その意味では、この委託先というのをどういうところに委託をするのかと。この委託先について、具体的にその委託先の条件あるいは委託先の職員の資質、条件、こういうようなもので何か想定をしているか。例えば、専門性の高い、社会福祉士等の専門性の高い職員の配置というものを想定するのか、あるいはそうした資質を向上させる手段をもっていくのか、その辺についてどうお考えなのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
#110
○国務大臣(田村憲久君) 自立相談支援事業でありますけれども、これ大変重要な役割であるというふうに思います。先ほど来お話が出ておりますとおり、複合的ないろんな問題に対して包括的に対応していかなきゃならない。その入口でありますから、ここが機能しないと後のいろんな事業につながっていかないわけであります。
 今委員がおっしゃられましたとおり、一定の要件がないことには、誰でもやれるという話じゃないわけであります。しかも、その中で、どのような方々が実際問題対応するかというところが一番重要なところでございまして、社会福祉士の方々が望ましいというふうには思いますが、ただ、やっぱり地域によってかなり事情もございますので、全てこの社会福祉士じゃなければならないという要件を掛けますと、なかなかこれまたなり手も限られてくるわけでございますので、それはなかなか難しいところがあるんであろうと思います。
 そこで、一定程度の能力、知識を身に付けていただくために、国がやはりそこは関与しながら養成をしていかなきゃならないな、このように思っておりますし、そのためのカリキュラム、こういうものも作っていかなければならないなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、これから細かいところをいろいろと詰めていかなきゃならぬわけでありますけれども、実際動き出したときにちゃんと対応できるような、そのような窓口にならなければならないわけでございまして、その点、しっかりと今のうちから意識を持って対応できるように進めてまいりたいというふうに思います。
#111
○長沢広明君 大臣、今そういう問題意識を持っていただいているということで、大変有り難く思います。
 ケースワーカーの皆さんもそうですし、現場で大変、直接御苦労されている方の負担を軽くするということも含め、しかし人手さえあればいいということでもない。今ある既存のいわゆる行政組織の最前線の組織の中でも更に資質を向上し、人材をそろえていかなければならないという面もある。そういう意味では、元々高い専門性を持っている社会福祉士をどう活用するかとかいうことも、ある程度促進策の一つとして視野に入れていく必要があるのではないかというふうに思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それからさらに、生活困窮者自立支援制度について、地方への財源措置に関しまして、我が党も要望させていただいたことを踏まえて、必須事業として実施される自立相談支援事業、住居確保給付金、これについては国庫負担四分の三、また任意事業として実施される就労準備支援事業については三分の二の補助を行うということになったということで、これは大変評価をさせていただいております。しかし、その他の任意事業である家計相談支援事業、学習支援事業については二分の一補助にとどまっております。
 地方自治体の負担が大きいこの任意事業については、全ての自治体で、この負担によって全てで実施していけるのかどうか、やや不明なところがあるというふうに思います。大変そこが不安といえば不安でございます。この支援が全国的に実効ある形で実施できるようにするために、この財源の確保ということも含め厚生労働省としてどう取り組むのか、大臣にお考えを伺いたいと思います。
#112
○国務大臣(田村憲久君) これ実際問題いろんな形で対応をいただくその主体というのは、やはり福祉事務所のある各九百ぐらいの自治体ですかね、ということになるというふうに思います。
 ここに合わせてどう財政措置をしていくかというのは、今言われたような一応公費負担といいますか、国庫負担あるわけでありますけれども、どれぐらい掛かるかというのは、今ちょうど、今年度からモデル事業をやっておるわけでありまして、このモデル事業のある程度結果を見ながら二十七年度のスタートに向かっての予算の編成過程において要求をしてまいりたいというふうに思っております。
 一方で、今言われた、裏負担という言い方をしていいのかどうか分かりませんけれども、地方の負担部分、ここも確保できないと、幾ら国の負担部分があったとしても、これは付いてこれないわけでございます。これは地財計画の中に位置付けていただくということにいたしておりまして、そういう状況の下で、地方交付税措置というもの、これは関係省庁、主に総務省でありますけれども、総務省としっかりと話合いをさせていただきながら、実際この事業を行うのに支障を来さないような形にしていかなければならないと思っておりますので、地方の財政というものもしっかりと念頭に置きながら予算の確保というものに努めてまいりたい、このように思っております。
#113
○長沢広明君 この財源確保、大変な課題だと思いますが、是非大臣に頑張っていただきたいというふうに思います。
 最後に、済みません、一点だけ。
 この質問で最後にしたいというふうに思いますが、今日の質問の中で津田先生も指摘をされていました就労訓練事業のいわゆる中間的就労について、とちぎボランティアネットワークのワーキングスクールプログラムとか、そういうかなり一生懸命やっているところもありますが、都道府県が事業者を認定していくという仕組みですけれども、中には、やはり訓練を受けている方々が不当な取扱いを受けるおそれというものが考えられます。その場合はこの認定を取り消すというようなこともあり得るという御答弁ありましたけれども、必ずしもそれで抑止効果として十分かどうかということも心配もございます。
 こういうモデル事業を通じてどういうことが課題になるか、そういうことをきちんと検討しつつ、やはりこの事業が全国に利用しやすいものに普及をさせていくという観点で取り組んでもらいたいと思いますが、お考えがあれば伺いたいと思います。
#114
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、長沢委員御指摘のとおりでございます。やっぱり今年度からモデル事業の実施に当たって、この事業に関するガイドラインを現段階で作成してやっておりますけれども、モデル事業の運営状況も踏まえながら具体的な認定基準をしっかりと検討することとしてまいりたいと思いますし、これを全国的に普及していくということについては、やはり事業開始に必要な経費への支援であるとか、あるいは経営ノウハウの提供等を予定しておりまして、税制優遇であるとか、あるいは公共発注における優先的取扱いの対象とすることについても検討が必要でありますし、そういう検討を踏まえてしっかりと全国的に普及できるように図ってまいりたいと、そのように考えております。
#115
○長沢広明君 ありがとうございました。
 終わります。
#116
○薬師寺みちよ君 みんなの党、薬師寺みちよでございます。
 本日は質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。滝沢委員、羽生田委員と同様、私も今日がデビュー戦でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、生活保護法の一部改正案に関連いたしまして御質問をさせていただきます。
 生活保護法は昭和二十一年に施行されたと聞いております。それから現在まで七十年余りが経過をいたしております。七十年という時間はあらゆる価値観の変化ももちろんもたらすものだと思います。生活保護法の前提でもある日本国憲法第二十五条第一項には、全ての国民、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると定められております。国民の皆様方に生活保護の制度の理解を得るためには、まずこの前提を正しく理解する必要があると考えております。
 そこで、御質問でございます。
 健康で文化的な最低限の暮らしとは一体どのような暮らしであるのか、具体的にお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#117
○国務大臣(田村憲久君) 憲法二十五条、健康で文化的な最低限度の生活という話でありますが、これを具体化している、つまり、これが可能であるというのが生活保護制度という形で担保されているわけでありますから、生活保護制度での生活というものはこれをクリアをしているということになるんであろうと思います。
 具体的にどういうような水準なのかというのはなかなか難しいんですが、生活保護制度の設定基準みたいなものが、設定というのは基本的には国民の所得でありますとか国民の生活水準でありますとか国民感情も入ってくるんだと思います。それから、時の予算の制約というのも当然生活保護をやる上においてはあるわけでありまして、そういうものを勘案しながら厚生労働大臣の裁量でこれは決めるということが一応、これ裁判では一応そういうような最高裁の判例が出ておるわけでございますから、これを言ってもなかなか、何なんだという話でございます。
 正直言いまして、具体的にどうなんだと言われますと、厚生労働省だけで果たしてこれはしっかりとしたものを出せるのかどうなのかというのは、これは国民的な議論をしていただくということが必要なのかなという気もいたします。
 いずれにいたしましても、そのときそのときの経済的な側面でありますとか、また一方で文化的な発展度でありますとか、そういうものと照らし合わせて決まってくるものであろうなというふうに思いますが、ただ、そういう中において、先ほども言いましたけれども、生活保護制度の水準というものがそれを少なくともクリアしていなければならないであろうというふうに認識をいたしております。
#118
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 次に、生活保護費の支給額と一般低所得者の収入のバランスについてお尋ねをさせていただきます。
 現在の生活保護費の支給額はケースに応じて様々だと思います。しかし、一般低所得者と生活保護受給者の収入の逆転現象が起きているのではないかと一部に報じられております。一般の低所得者層にとって、労働賃金よりも生活保護支給額が多く支給されている現状なのであれば、労働意欲を失う可能性もございます。また一方で、生活保護受給者が就業できたとしても、現在の生活保護受給額を下回る賃金しか得られないとすれば、就業に関しての気後れにつながると考えております。
 生活保護費が最低賃金の目安になる現状を踏まえ、最低賃金と生活保護費の現在のバランスについて、現状とそして今後のバランスの在り方についてのお考えを併せてお答えください。
#119
○政府参考人(中野雅之君) 最低賃金は全ての労働者に適用される賃金のセーフティーネットでございまして、その水準が生活保護の水準を下回っていることは、労働者の最低限度の生活を保障する観点やモラルハザードの観点から問題であると考えております。
 平成十九年の法改正で盛り込まれました最低賃金法九条三項の生活保護に係る施策との整合性に配慮するとの規定はこのような趣旨を踏まえたものでございまして、これに基づき、最低賃金と生活保護水準の逆転現象が発生した都道府県につきましては、最低賃金の引上げによりまして計画的にその解消に取り組んでいるところでございます。今年度につきましては、改定前に逆転現象が生じていた十一都道府県のうち北海道を除く十都府県におきまして、最低賃金の引上げによりましてその逆転が解消されたところでございます。
 今後とも、中小企業への支援を実施しつつ、労使と丁寧に調整するなどの対応を取りまして、最低賃金の引上げと逆転現象の解消に向けて努めてまいる所存でございます。
#120
○薬師寺みちよ君 生活保護者の就労することのモチベーションを更に高めて就労するインセンティブを確保するためにも、是非このバランス感覚というものを今後とも大切に、見失わないようにお願いしたいと思っております。
 次に、生活保護制度において現在国民の多くが関心を持っております不正受給について御質問をいたします。
 平成二十三年、生活保護法施行事務監査の報告によれば、不正受給の内容は稼働収入の無申告が四五・一%と最も多く、端的に言えば、働いていることを隠しながら更に生活保護費を受給するというものでした。自立支援を行う政策を幾ら考えたとしても、実際は就労しながら更に就労無申告というこの現状であれば、その政策効果は極めて低いと言わざるを得ません。
 不正受給は生活保護受給者全体の二・四%だと聞いております。しかし、認知件数と潜在件数の乖離は全件調査を行わない限り判然とはいたしません。今回、不正受給対策を強化するため、福祉事務所の調査権限の拡大も本法案に盛り込まれております。
 今後、不正受給を防止するためには、どのような調査を行い、どのような対策を講じていくのか。信頼ある生活保護制度を実施していくための大臣の決意を併せてお答えください。
#121
○国務大臣(田村憲久君) 生活保護制度の信頼というものを回復していくためには、やはり不正受給という問題、これに厳しく対応していかなきゃならぬというふうに思っております。
 そういう意味で、一つは課税調査等々によりまして稼働収入というもの、これしっかりと把握をしていくこと、それから、年金調査によって年金収入、これもしっかりと把握していく中において不正受給というものを防いでいくと。
 具体的には、調査権限というものを、今言われましたとおり、自治体にこれを強化をしていただきまして、例えば過去受給者の方々に対しても調査ができるようにすること。それから、官公署に対して調査義務、回答義務といいますか、必ず答えなきゃならないというような義務を課すというようなことをしながら、調査しやすい、そういう環境をつくること。さらには、不正受給者に関しましては罰則を厳しくしながら、返還金に関しまして上乗せというような形を取らせていただきまして、そういうようなことをした場合には大変なことになるよということを改めて御認識をいただく中において、しっかりこのような不正受給というものを減らしていくというような対応をしてまいりたいと思います。
 なお、先ほど不正受給件数、全体の二・四%、三万六千件というお話がございました。受給金額が百七十三億円で、これは全体のうちの〇・五%でありますけれども、あくまでもおっしゃるとおりこれは確認ができたものでございまして、潜在的にどこまであるかというのはなかなか我々としても把握しておらない、こういう状況でございます。
#122
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 次に、不正受給に係る返還金について御質問させていただきます。
 まず、生活保護の理念を考えたときに、余剰金ないし不正受給はあり得ないという前提であります。しかし、不正受給が発生してしまった際に保護費と相殺するということも本法案に盛り込まれております。
 そこで、二点併せて質問をさせていただきます。
 そもそも、最低生活費を算出している、支出している状況からどのように返還金の原資を捻出するかという問題がございます。返還金として保護費と相殺を行えるということは、最低生活費算出時から余剰金が含まれているということなんでしょうか。
 次に、生活保護受給者の中には当然、返済不能債務や返済継続中債務、若しくは税金の未払や延滞金の未払もあると推認いたします。全ての債務の中で保護費の返還が優先して扱われるのかどうかもお答えください。
#123
○政府参考人(岡田太造君) まず、生活保護基準の関係の御質問でございますが、生活保護法第八条におきまして、生活保護基準は最低限度の生活の需要を満たすものに十分なものであって、かつ、これを超えないものでなければならないということでございまして、基準の算定に当たりまして一定の余剰金が出るということを想定して基準を定めているものではございません。
 ただ、一方で、最高裁の判例などにおきまして、給付されます保護金品などを要保護者の需要に完全に合致させることは事柄の性質上困難、生活保護法は世帯主などに当該世帯の家計の合理的運営を委ねているものと解するのが相当であって、支出の節約の努力などによって貯蓄に回すことの可能な金品が生じることも考えられないではなく、同法も保護金品などを一定の期間内に使い切ることまでは要求しないものというべきだというような判例が示されていることがありまして、この判例の趣旨を踏まえまして、今回の改正におきましては、まず、効果の及ぶ範囲でございますが、あくまで不正受給に係る徴収金が未返済である場合ということでございまして、かつ自ら申出をした生活保護受給者に限定をしているということでございます。こうした方から確実に費用を徴収することは、全額公費で賄われている生活保護の不正受給対策の一環として必要不可欠であるというふうに考えております。
 また、保護費から差し引く金額につきましても、保護の実施機関などが最低限度の生活の保障に支障がないかを個別に判断して、支障がないことが判断された場合に限定するという形にさせていただいているところでございます。
 また、当該処分に不服がある場合には行政訴訟が可能であるというようなことでございますので、問題はないものだというふうに考えているところでございます。
 また、返済継続中の債務があるような方だとか税の滞納をしている者がいるのではないかということでございますけれども、生活保護法第七十八条によりまして、不正受給に係る費用につきまして、その確実な徴収を行う観点から、あらかじめ保護費から徴収金を差し引いた上で保護を支給することができるというのを今回の改正で新しく入れたものでございます。これは徴収金の徴収方法の特例を規定したものでございまして、滞納している徴収金を強制的に徴収するという趣旨ではございません。そういう意味では、税の滞納とどっちが優先するかということとはちょっと直接、法的な問題とは少し質が違うかなというふうに思っていますが、いずれにしましても、その本人が事前に申出をしている場合で、保護の実施機関が最低限度の生活の維持に支障がないという範囲でこの相殺を行うという形でやっておりますので、そういう趣旨で運用されるように周知を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#124
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 次に、生活保護受給者の資産について御質問をいたします。
 生活保護受給者がいち早く生活保護から離脱することを考えたときに、まず第一が就労による自立の促進であると思います。
 就労の機会を考えたときに、都心部以外では圧倒的に自動車を保有している方が就労の機会を手に入れることができると思います。しかし、現状では、自動車の保有をケース・バイ・ケースで判断していると聞いております。その具体的なケース、すなわちどのケースで保有を認められるのか、また認められないのか、具体的な判断基準をお答えください。
#125
○政府参考人(岡田太造君) 生活保護制度におきましては、自動車の保有につきましては、一般世帯との均衡や自動車の維持費をどういうふうに捻出するかというような課題もありまして、原則としてその保有を認めていない取扱いをしているところでございます。しかし、通勤用や通院などのために自動車がどうしても不可欠だというような一定の要件の下でその保有を認めているところでございます。
 具体的には、公共交通機関を利用することが著しく困難であって、自動車による以外に通勤、通院などを行うことが極めて困難であるとか、自動車の維持に関する費用を確実に賄える見通しがあるとか、自動車の処分価値が小さくて、通勤、通院などに必要最低限のものであるというような具体的な要件をお示しして、その運用をお願いしているところでございます。
 しかしながら、現在の生活環境の変化であるとか、その当該必要性の地域差などもありますことから、現場の実情をよくお聞かせいただきながら、適宜要件の見直しを図ってきているところでございます。
 また、本年度から、保護開始時におきまして、失業や傷病により就労を中断している場合の通勤用自動車の保有につきまして、一定の要件を満たす場合には、従来は保護開始から六か月まで認めたところ、その期間を保護開始からおおむね一年の範囲に延長し、保有の要件を緩和したところでございます。
 今後とも、必要に応じて自動車の取扱いについて検討していきたいというふうに考えているところでございます。
#126
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 私のところにも、やはり通勤、通院のために自動車は必要だ、しかし自動車を持っているからこそ生活保護の申請ができないのではないかと多くの誤解が生じているケースもございますので、またこのような判断基準の周知徹底もお願いをしたいと思っております。
 次に、生活保護費の使途でございます。
 生活保護の趣旨を鑑みれば、その算出方法からしても余剰金は発生しないと思料されます。しかし、保護費から嗜好品、たばこ、アルコール、ギャンブルなどの遊興費が支出されていると一部で報道がなされております。このような支出が保護費の使途として適切か否か、またそういった支出が行われていることをどのようにお考えであるのか、お答えをください。
#127
○政府参考人(岡田太造君) 生活扶助費を社会常識の範囲内で娯楽に充てることはあり得るものだというふうに考えておりますが、生活保護を受けながらギャンブルなどをすることは好ましいことではないと、望ましいことではないというふうに考えております。
 これまでも法第六十条におきまして生活保護受給者自身の生活上の義務を定めておりまして、日常生活を自ら営んでいく際には適切な金銭管理が必要であるが、一部の受給者はそうした点に課題があるというふうに考えているところでございます。最低限の生活を支え、自立を助長していくためには、こうした点について自ら主体的に取り組んでいただくことが重要であることから、法六十条を改正いたしまして、生計の状況を適切に把握することを受給者の責務として具体的に規定することにしているところでございます。
 また、生活保護受給者が主体的に取り組んでいくことが重要でありますが、本規定の改正によりまして、保護の実施機関は、必要に応じ、効果的に助言、指導を行えるようになると考えているところでございます。
#128
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 後ほど精神疾患について質問もさせていただきたいと思いますが、このような皆様方の中に依存症として治療が必要である方々も含まれているということにも是非御注目いただき、御支援いただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、保護費の使途について関連して二点併せて御質問いたします。
 最高裁にて、二〇〇四年三月十六日、学資保険の積立金を容認すると判決が下されました。全面的な見直しが行われたと記憶されております。これは生活保護費の中から捻出をして積立てを行うものなのでしょうか。若しくは、貧困の連鎖を防ぐため、学資保険は最低生活費の中に組み込まれているものであり、どの保護世帯においても行うべきなのでしょうか。その見解をお答えください。
#129
○政府参考人(岡田太造君) 生活扶助の使途につきましては、特段の制限は、先ほどから申し上げておりますように制限はなく、世帯の家計の合理的な運営に委ねているものでございます。
 生活保護受給世帯が日々の保護費のやりくりの中で学資保険の保険料を捻出することは考えられるというふうに思っております。このため、全ての世帯が一律に学資保険の積立てを行うべきというものではなく、各世帯ごとに個別に御判断されているものだというふうに考えているところでございます。
 また、学資保険の積立てにつきましては、最低生活の保障というよりも世帯の自立支援という観点から、生活保護受給世帯が子供の進学のための費用を蓄える努力をするということは生活保護法の趣旨、目的に反するものではないとの判断から認められるものというふうに考えているところでございます。
#130
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 次に、生活保護受給者の状況について二点お伺いをいたします。
 まず、就労支援を行う前提として、稼働世帯における就労の可能性がある生活保護受給者は全体のどのくらいの割合なんでしょうか。また、これまでも様々な就労支援が行われてきたと聞いております。就労支援の実績と成果についてもお答えください。
#131
○政府参考人(岡田太造君) 二十歳から六十四歳までの稼働年齢にある者で未就労者のうち福祉事務所が就労支援が必要と判断した方は、平成二十三年度時点で約三十七万人いるというふうに見込んでいます。
 生活保護受給者に対します就労支援といたしましては、一つは、ハローワークと福祉事務所のチームとが連携して行いますチームの支援、それから、福祉事務所におきまして就労支援員を活用した就労支援などの事業を行っているところでございます。
 平成二十四年度におきましては、約十四万五千人に対して就労支援が行われまして、約六万八千人が就労、増収につながっているという現状でございます。
#132
○薬師寺みちよ君 以前も行われました就労支援、いわゆる教育機関、訓練機関の成果を問われなかったということもあり、教育が就労につながらなかったという事実も聞かれております。その中にも、なかなか再就職ができないために、就職活動中、心を病んでしまう方々も発生をいたしております。是非、精神的なフォローも併せまして就労支援、行っていただきたいと思っております。
 次に、就労の機会の可能性が多くある受給者のうち、生活保護受給者になった大きな要因として、うつ病、統合失調症やアルコール、ギャンブル依存などの精神疾患が存在するものと思料いたします。中には、自らが病を患っている自覚のない受給者もいると聞いております。
 今回の改正では、健康の保持及び増進を努めることを受給者の責務として位置付けることになっておりますが、今後、精神疾患を患っている、若しくは患っている可能性のある受給者に対しどのような支援、そして方策をお考えであるのか、お答えください。
#133
○政府参考人(岡田太造君) 精神障害の方、アルコール依存の方も含めまして、生活保護受給者の方の能力や、それを取り巻く環境、目指すべき自立の在り方は、その病状であるとか、そういうことで多様なものだというふうに考えております。
 福祉事務所におきましては、そうした受給者の方の個々の状況に着目し、その個人の状況であるとか自立阻害要因を十分把握した上で、自立支援プログラムを策定し、その自立を促すような取組を行っているところでございます。特に、精神疾患患者やその疑いのある方につきましては、これらの方がまず適切な医療にアクセスができるようにしていくということが重要だというふうに考えております。そのため、保健所や各都道府県などに設置されています精神保健福祉センターなどが行っているうつ病や依存症などの精神疾患に関する相談などを活用した支援を行っているところでございます。
 また、このような就労が困難でない者に対しまして、社会貢献活動や職場体験の場を提供するなど、NPOなどの民間活動と連携した支援も行っているところでございまして、引き続き受給者の状況に応じきめ細かく支援をしていきたいというふうに考えております。
#134
○薬師寺みちよ君 私も産業医といたしまして多くの企業の中で労働者の皆様方を現在も診続けております。本当に最近、精神疾患という皆様方も増加していることというものは肌身を通じて感じております。その中で、生涯に約十五人に一人、過去十二か月には約五十人に一人がうつ病を経験している。厚労省にもデータにもございます。また、二〇一一年、厚労省ではがん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の四大疾病に精神疾患を加え、五大疾病とするということも定義付けられております。このように、既に国民病である精神疾患でございます。
 しかし、うつ病の患者様の皆様方の四分の一しか実は医師を受診していない。残り四分の三は、症状に悩んでいたとしても病気であることさえにも気付いていないと、これは厚労省のリーフレットにも書いてあることです。ですので、うつ病は自殺にまずつながります。そして就労不能にもなってまいります。是非、この生活保護受給者の中でも精神疾患の皆様方、様々な取組の中で御支援をいただくよう、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
 次に、長期入院精神障害者の中に多くの生活保護受給者がいると推察をされます。どのくらいの割合の方々がいらっしゃるんでしょうか。また、退院可能な精神障害者の退院を促進し社会復帰を促すためにどのような施策、方策をお考えであるのか、お答えください。
#135
○政府参考人(岡田太造君) 長期に入院されている精神障害者の方に占める生活保護受給者の割合というのはちょっと把握していないという状況でございます。
 医療扶助費につきましては、保護費総額の半分を占めているという現状でございますけれども、その主な理由の一つに、医療の必要性が高い高齢者が多いことや、精神疾患など一般に長期の治療を必要とする患者さんが多いということが考えられるというようなことでございまして、例えば、生活保護の入院患者さんに占める割合は、入院患者に占める精神疾患の患者さんの割合が国民健康保険などでは二一%であるのに対して、生活保護では四八%というようなことでございまして、精神疾患など長期の治療を必要とする患者さんが多いというのは、医療扶助が多い理由の一つだろうというふうに考えているところでございます。
 このため、これまでも、入院期間が長期にわたる生活保護受給者の全員を対象に入院の必要性を調査し、入院の必要がないとされた人には退院促進支援を行うような取組を行ってきているところでございます。また、平成二十四年十月には、電子レセプトシステムに長期入院患者などを容易に抽出できる機能を追加するとともに、平成二十五年度予算では、福祉事務所で嘱託医手当の増額であるとかケースワーカーの増員ができるようにし、退院促進支援を含めました福祉事務所の機能強化も図っているところでございます。
 こうした取組を通じまして、生活保護受給者の退院促進に向けて支援を引き続き努力していきたいというふうに考えているところでございます。
#136
○薬師寺みちよ君 残念なことながら、一般的には、精神障害者イコール働けないというふうな固定概念も今この日本にあることは事実でございます。
 私も、そのような中で産業医として精神障害者の皆様方と接しながら就労支援をいたしておりますけれども、本当に皆様方よく働かれる、そして自分たちが障害者であることをまた一方ですごく引け目に感じながら就労していらっしゃるこの事実、このような皆様方をシームレスな社会の中で生かしていけるような、そういう制度を是非今回の中に盛り込んでいただけるよう、よろしくお願い申し上げます。
 以上、透明性の高い生活保護制度を行っていくためにも、今後国民の皆様方に丁寧な説明が行われますことをお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。本当にどうもありがとうございました。
#137
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今日資料でお配りをしておりますけれども、「生活保護法の改悪に反対する研究者の共同声明」というのが出されております。これは社会保障関係の研究者千百十八名が名を連ねているんですね。中には政府の審議会に参加しておられるような研究者もおられます。
 この声明の最後にはこう書かれています。「生活困窮者は少数であり、常に声を上げにくい当事者である。しかし、セーフティーネットは、現に生活に困窮している人々を救うためだけの制度ではない。それは自由な社会のなかで生きる人々が、様々なリスクを抱えつつも、幸福な暮らしを安心して追求していくことができるための必須の条件である。セーフティーネットを切り縮めることは、自由で民主的な社会の基盤を掘り崩すものといわざるを得ない。これは生活困窮者だけの問題ではなく総ての人々の生存権に対する深刻な攻撃である。」と、こういうふうに書いてあります。
 大臣に、まず、一千名以上という多数の研究者が自らの名前を明らかにして声を上げたことをどう受け止めていらっしゃいますか。
#138
○国務大臣(田村憲久君) 今いただきましたこの研究者の方々の声明、私もこれは承知をいたしております。水際作戦でありますとか扶養の親族の問題でありますとか、さらにはジェネリックの問題でありますとか、いろんなことを御指摘をいただいておるということでございます。
 それはそれで受け止めておりますけれども、一方で、六十年以上この生活保護制度、見直しが行われてこなかったわけでございまして、そのような意味からいたしまして、やはり今般、その生活保護受給者の方々に対して、一つは就労を含めた自立支援でありますとか、それからまた不正というような形で受給を受けておられる方々の対策、さらには医療扶助の問題というものに関して見直しをさせていただくべく、今般、国会に提出をさせていただいたということでございますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
#139
○小池晃君 私は、やはりこれだけの声が上がるというのは、かつてこういうのを私は見たことないですね。やっぱりこれは国会は受け止める必要があるというふうに思っておりますし、是非この法案については、これだけ危惧の念が上がっている中で徹底的な審議をするということをまず求めたいと、これは政府だけでなく委員会に対しても求めたいということをまず申し上げたいと思います。
 その上で、扶養義務者への調査の問題をちょっと今日は取り上げたい。
 この改正法の二十八条、二十九条は扶養義務者への調査強化を規定をしております。行政の裁量で扶養義務者に報告を求めて、官庁、銀行あるいは職場にまで調査できるようにすると。しかし、家族に頼れと言って窓口で言わば追い返すというのは、これは現行制度の下でも水際作戦の常套手段になっているわけですね。
 例えば、今年二月、さいたま地裁から判決が下りて確定をしました埼玉の三郷市の事例、どうでしょうか。これは二〇〇四年に、埼玉県三郷市に住む夫婦と子供二人の世帯が、夫が白血病になって、介護に追われている妻も精神を病んで、派遣労働者である長男の月十万円の月収しか収入がなくなるという中で生活保護を申請をしたわけです。妻は福祉事務所を十数回訪れて生活困窮を訴えたけれども、行政の側は、身内に援助を求めなさいと、それをしない限り受給できないかのような説明に終始をしたと。ようやく申請を認めて保護を開始したけれども、それも三か月で打ち切ったという経過です。
 これは母親が提訴をして、今年二月にさいたま地裁は原告側の訴えをほぼ全面的に認めています。本来、原告らに支払われるべきであった生活保護費相当額と賠償金の支払を命じる判決を下したわけですね。この判決文の中では、身内に援助を求めなさいと、求めないと生活保護が受けられないかのように述べた三郷市職員の発言は申請者を誤信させ、申請権を侵害する行為であると断じております。
 大臣、今回のこの二十八条、二十九条の法改定というのは、まさにこうした誤信を一層広げて、申請権の侵害を拡大するということになるんじゃないですか。
#140
○国務大臣(田村憲久君) 申請権自体は、実際問題、申請の意思があればそれを受けなければならないわけでございまして、その後審査が始まるわけでありますから、今回、今般の法改正が実態上、申請権を侵害しているというものには当たらないというふうに考えております。
#141
○小池晃君 現実に扶養義務者に対する調査というのが窓口で追い返す手段に使われているときに、それを更に強化するようなことをやったらますますそういう事態が広がるではないかと言っているわけですよ。
 局長に聞きますが、審議の中で、扶養義務者調査する事案は限定するというふうに答弁が行われていますけれども、法文上はその限定するということを担保する規定はどこかにありますか。
#142
○政府参考人(岡田太造君) 今回の扶養義務者に対する報告徴収、調査の規定でございますが、これは、生活保護を受給されている方を十分扶養できると思われる扶養義務者に対して何らの対応を行わないまま被保護者に保護費を支給することは国民の生活保護制度に対する信頼が失われることになりかねないと。このため、扶養可能と思われる扶養義務者にはその責任を果たしていただきたいということを考えているところでございまして、社会保障審議会の特別部会の指摘を踏まえまして、扶養義務者に対して報告を要求することを、できる規定を……
#143
○小池晃君 質問に答えてください。
#144
○政府参考人(岡田太造君) 済みません。
 具体的には、法律の第二十八条第二項の厚生省令でその対象を限定する旨の明記を行うという予定にしているところでございます。
#145
○小池晃君 法文上ないわけですよね、限定するという根拠は。結局、厚生省令でやるという話なわけですが。
 今までも私言っているように、保護要件でないのに、保護要件でないわけでしょう、保護要件でないわけですよね、扶養義務者は。それなのに、それを不当に求める事案が後を絶たなかったわけです。それをさらに法定化すればますますそういう傾向が強まるんではないかと言っているわけです。
 今日配っている資料、これは長野市で、最近、生活保護申請者に送られた扶養届書なんですよ。この方はタクシーの運転手だったんですが、脳梗塞で就労できなくなって保護申請をしたわけですね。この扶養届書を見ますと、世帯の状況について、勤務先、月収の記入だけじゃありません。これ、お姉さんのところに送られたわけです、この書類が。そのお姉さんの家族の全員の勤務先、月収の記入だけではなくて、資産の状況、負債の状況、欄外には記入上の注意として、「収入、負債の状況については、源泉徴収票、給与明細書、ローン返済予定表の写しなど、その状況が明らかになる書類を添付して下さい」と、こういうふうに書かれているわけですね。
 こういう同じような文書が、今、私ども確認しただけでも神奈川の厚木、岡山の倉敷市、千葉の柏市、東京の江東区などで同じようなこういう書類が送られているわけです。
 今日配っている資料、もう一枚実はありまして、それはお配りしてないんですが、そこには、長野市福祉事務所長の名前で、保護に当たっては、民法に定める扶養義務者の扶養(援助)を優先的に受けることが前提となっていますと、こう書かれているわけですよ。
 これ、局長、前提というのは、これは全くおかしなことになっているんじゃないですか。これは間違いではないですか。こういったことやられていいんでしょうか。
#146
○政府参考人(岡田太造君) 生活保護法第四条第二項では、扶養は保護に優先するということが規定されておりますが、御指摘のとおり、生活保護を受けるための前提であるとか要件ということで整理されているものではございません。
 御指摘の件につきましては、可及的速やかに事実関係を確認するとともに、必要に応じて指導などの対応を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#147
○小池晃君 現場ではこういうことが行われているわけですよ。申請者のお姉さんは、これ送り付けられて、これを見て、これはとても書けないと、自分は。で、弟さんに保護申請やめるようにというふうにお話をして、御本人も申請を諦めているというわけですね。
 大臣、現場ではこういうことがやられているわけです。それを──配ってないですから、それは。(発言する者あり)その一枚目の紙はね。でも、渡しましたよ。連絡室には持っていって、大臣に渡してくれと言ったんですけど。あっ、それそれそれ。それは違うでしょう。とにかく渡してありますから。ちゃんと渡して。前提と書いてあるわけです。そういうことが現場では、大臣、やられているわけで、大臣、ちょっと、聞いてくださいよ、そういうことになれば、これは、先ほどから言っているように、申請者を誤信させ、申請権侵害することになるじゃないですか。これが実態だと。
 そういうときに法律を変えて更に調査権限を強めたら、一体どういうことになるんですかと、こう言っているわけですよ。扶養は保護の要件ではないというふうに厚労省は答弁しているけど、これ、前提だと言っている。答弁と現場の実態は全然違うじゃないですか。こういう事態の中で法改正をしたらばますますひどくなりませんかと言っているんです。
#148
○国務大臣(田村憲久君) これ事実関係確認しますけれども、おっしゃるとおり前提ではないわけでありまして、既にもうこのような形で保護行政が進められているとすれば、それは我々としてもきちんと指導していかなきゃならぬというふうに思います。
 ただ、今回、このような形で、六十年以上たって生活保護制度を大幅に見直すわけでありますから、これをいい機会に、このようなことが行われないように、しっかりと我々としては各窓口の方に指導をしてまいりたいというふうに思っております。
#149
○小池晃君 いや、いい機会じゃないと思いますよ。逆だと思いますよ。これは、まさにこういうことを規定する法改定を先取りするような動きが現場では起こり始めていると、私、そういうことだと思いますよ。
 結局、こういうことをやられると、親族に対して身内に保護申請した人がいると知らされるだけじゃないわけです。親族の家計状況、プライバシーも全部調査されると。こういうことが配られたら、ますます家族の中の紛争、あつれき、深刻化する。何よりも、今日紹介した長野のケースのように、こういう書類を送られたら、もうやめてくれと、で、申請者は保護申請を取り下げると、こういう事態が起こるじゃないですか。
 私は、今回の二十八条、二十九条の扶養義務者の調査強化というのは、こういう形で実際現場では起こっていることが更に広がっていく中で、ますます受給権を脅かすことになるのは間違いないというふうに思っておりますし、これはやはりその調査権限の強化という法改定、撤回すべきじゃないですか。
#150
○国務大臣(田村憲久君) 結果、扶養ができるということであるならばそれは扶養していただくということでございますので、それはそれで生活保護者、申請者自体が扶養の中において生活をいただけるということでございますから、それ自体を否定するものではないわけでございまして、決して相矛盾する話ではないというふうに思っておりますけれども。
#151
○小池晃君 扶養できるんだったら扶養するんですよ。誰だって自分の家族、自分の親を支えたい、自分の子供を支えたいと思うわけですよ。それができない実態がある中で生活保護を申請するというのは、本当に追い込まれて、とにかくもうそれしかないということで申請するわけです。そのときにこういう文書が、限定するなんて言っているけれども、実際はこういうの、もう何の前提もなく送り付けているんですよ、現場の福祉事務所は。こういうことでいいんですか。
 そういう中で法律変えれば、ますます自治体の側は、ああもっともっと強化していいんだというふうにメッセージとして受け止めることは間違いないじゃないですか。これを機会に良くなる、そんなばかな話はないですよ。ますますひどい事態が起こりますよ。
 だから、私は、やっぱりこういう扶養義務者への調査権限を強めるということは、まさに申請者の人権を侵害することになるということを重ねて申し上げたいというふうに思います。
 さらに、本案は二十四条を改定すると。保護申請に当たって申請書の書類を提出を義務付けているわけですが、これは先ほどからあるように、今までと変わらないんだ、変わらないんだとおっしゃいますが、保護申請は口頭でも今まで認められてきた。それを法律上書面提出を義務付けたわけですから、局長、これは明らかに保護申請のハードルを高めることになるんじゃないですか。いかがですか。
#152
○政府参考人(岡田太造君) 今般の第二十四条の改正で、申請時に必要な書類を添付して書面を提出する旨を法律上規定いたしましたが、これは法制的な観点から規定したものであり、申請事項や申請時の様式も含め、現行の取扱いを変えるものではございません。
 この点につきましては、よりその趣旨が明確になるように、さきの通常国会におきまして衆議院で修正いただきましたところでありまして、政府としては、この修正を真摯に受け止めた上で反映をさせた上で再提出をさせていただいているところでございます。
 それから、法制的には先ほどの二十八条第二項でもございますが、厚生省令で具体的にどういう場合に留意すべき事項、この二十四条では口頭申請の問題であるとか、そういうものについて具体的に省令で決めることにしておりますし、先ほどの二十八条二項につきましても、その条文の適用が及ぶ範囲を具体的に省令で定めることにしておりますので、法律と省令で法律的にはその位置付けがそういうふうに限定されるということをむしろ明確にしたいというふうに思っております。その上で、そうしたものを地方自治体に対して適切な周知を図っていくということを十分留意してやっていきたいと思います。
 この二十四条につきましても、従来から、保護の相談に当たりましては申請権を侵害することがないなど適切な窓口対応に努めるように通知しておりますし、全国大会でも数次にわたりましてその周知を行っているところでございますので、今回の改正におきましても、法律的にきちっとした省令でそういう位置付けを行った上で、全体を整理した上で関係自治体に周知の徹底を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#153
○小池晃君 変わらないんだったら法律変える必要ないんですよ。何で変えるんですかという話になるわけですよ、運用を変えないというんだったら。しかも、従来からやっていますからって、その従来が問題なわけですよ。適切にやっていないわけですよ。
 例えば、これ私、直接この事案に接した人とお話聞きましたが、二〇一二年一月に札幌市白石区のアパートで四十歳代の姉妹が亡くなっているという事案がありました。これは最低気温は札幌ですからマイナス十度を下回るという日もあるわけですね。そういう中で、料金滞納でガスも電気も止められて、上着を重ね着した状態でお姉さんが病死されていて、妹さんは知的障害があって一人で家から出ちゃいけないと言われていたと。それを忠実に守っていたんじゃないかというんですね。妹さんも亡くなっていたというわけです。残された妹さんの携帯電話には一一一一一と打った跡があったと。一一〇番か一一九番か、どんな思いで打ち込んだのか。
 重大なのは、このお姉さんは生前三度も福祉事務所を訪れている。ところが、保護申請の書類渡されていないわけです。両親を亡くして頼れる人もいなかったそうです。お姉さんは、アパレル店とかホテルの皿洗い、必死に働いていたけれども妹の介護をしなければいけないということでなかなか思うように仕事ができないという中で、自らも体調不良になって、家賃の滞納なんかが積み重なっていったと。
 二〇一〇年の六月に、お姉さんは白石区の福祉事務所に相談しています。行政は、記録が残っていまして、懸命なる求職活動が保護の要件だと言って説明を終了したと書いてある。二〇一一年四月に二度目に訪れたときも、非常用のパンを一週間分渡しただけで帰しています。二〇一一年六月の最後の相談で行政側は何と書いているかというと、姉が必死の求職活動をしているが、妹の介護のこともあって職が決まらないと。生命保険も解約し活用可能な資産もないこと、妹の障害年金だけでは暮らせず手持ち金もほとんどないこと、これ全て把握しているんです。再び懸命なる求職活動を説いて帰しているわけです。そして、お二人が御遺体で発見された後で、その葬儀費用として初めて生活保護が支給されたんですね。こういうことが起こっているわけですよ。
 これまではちゃんとやっているからと、これまでの実態がこうなんです。これまでも口頭申請を認めているなんて言うけれども、口頭で幾ら深刻な実態を訴えても申請書すら渡さないという事柄が各地で起こっているわけですよ。ですから、そういう中で法文まで変えてしまったらば、ますますこのような事態が拡大するのではないかと。大臣、そういう懸念は私、当然生まれると思いますけれども、いかがですか。
#154
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど来申し上げておりますけれども、不正受給はこれは何としても防いでいかなきゃなりませんし、一方で、本来受ける資格のある方が受けられないということも防いでいかなきゃなりません。
 今までもこうだから、こんなの今度法律変えたらもっとひどくなるじゃないかとおっしゃられましたが、法律を変える中において、今全国中の窓口の職員の方々が注目されていますよね、どういうふうに変わるんだろうと。これ、ある意味、この生活保護行政がどのような形になるのかと、今、大変な各窓口の方々は意識を持っておられるんですよ。そのときに、このような、国会でいろんな議論をさせていただいて、これが本来あるべき姿ですよということを質疑の中でやっているわけですよね。これを基に厚生労働省として各窓口にこれから徹底をしていくわけでございます。
 でありますから、先ほど私がいい機会と言ったのは、制度が変わる中において、今まで誤った認識を持っておられた方がおられるかも分かりません。それは、いるかいないかは、これは私は直接確かめていませんけれども、そういう方々も含めて、今回、こういうふうな元々の考えがあって、それをこのような形で更に各自治体に徹底するんだなということが伝われば、そのこと自体は本来のあるべき姿に私は意識が徹底されるといういい機会であるんであろうと思いますので、是非ともそこのところを御理解をいただきながら、この制度改正というものを皆様方も御賛成をいただければ有り難いというふうに思います。
#155
○小池晃君 誤った認識を助長するのではないかと。誤った認識だとおっしゃったけれども、まさにこういう条文、二十四条を、これを変えれば、現場では誤った認識は更に拡大するんではないかと、こう申し上げているんですよ。
 これは、通常国会で修正案の提案者が、その二十四条の一、二項の削除を、本来削除すべきだと思うんです、誤解をなくすというのであれば。ところが、二十四条一、二項の削除ではなくてただし書修正に何でしたのかと、こう聞かれて、修正案の提案者はこう言っているんです。「今回の修正においては、既に閣法が提出されていることを踏まえ、閣法に対する必要最小限の手直しとして、ただし書きを加えるという形で対応をさせていただきました。」と。
 通常国会で廃案となって、もう一回閣法として出し直すことになったんですから、ならば、なぜただし書ではなくて、二十四条一、二項の削除としなかったんですか。それをやることが最も誤解を生まずに適切な生活保護行政を実現する道につながるんじゃないですか。なぜそうしなかったのか。
#156
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど来答弁をしておりますとおり、法律に調査のことが書いてあると。これとのバランスの意味でこれは書いてあるという話でありますが、これも含めて、修正をいただいた文言も今般この中に盛り込まさせていただいております。
 これがあることによって、逆に、これは一体何なんだと。いや、これはあるけれども、今までどおり、申請意思があれば、それは添付書類や書面提出、そんなものを前提として、その申請を重視しなきゃいけないんですよというふうに徹底するんですよ。
 ですから、かえって、今まで誤ったことをもしやっている方々がおられたとすれば、窓口で、そうだったのかと御理解をいただける話だと私は思います。
#157
○小池晃君 いや、もう理解できません。
 これは、こういう実態が、それがごくまれに起こっているわけじゃないんですよ。実態としてはそういったことがいろんな自治体で広がっているという中で、誤解があるからということでわざわざただし書を入れたんだったら、最も誤解を取り除く方向は、二十四条の一、二を削除すると、これが一番すっきりするじゃないかということですよ。
 私は、やはりこの法改正については重大な問題があるというふうに思いますし、二十四条については、ただし書ではなくて削除するということしかないというふうに思っております。
 続いて、生活困窮者自立支援法案についてお聞きしたいんですが、この生活困窮者に対して自立支援相談事業、就労準備支援事業などを実施して、保護受給に至る前に支援するというふうに言っているわけですが、これは、貧困者の支援団体、研究者などからは水際作戦の新たなツールになるんではないかという懸念の声も出されています。
 そこでお聞きしますが、局長、これらの事業、今私が紹介したような様々な事業は、生活保護法四条一項のその他あらゆるもの、同二項のその他の法律の扶助に含まれますか。
#158
○政府参考人(岡田太造君) 生活困窮者自立支援法におきます生活困窮者は、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者であり、生活保護の受給者、要保護者は含まれてないというものでございます。
 このため、新制度の各事業は、他法他施策を定めました規定におきます他の法律による扶助には含まれないものというふうに考えているところでございます。
#159
○小池晃君 これらの事業の適用を受けることは保護の要件とはならないということですね。
#160
○政府参考人(岡田太造君) 新制度ができましても、保護が必要な人には確実に保護を実施するという生活保護制度の基本は、その考え方を変えるというものではございません。生活保護の要件を満たしている方については、この制度に基づく支給を受けているかどうかにかかわらず、保護を申請し、受給することが可能であるということで考えています。
#161
○小池晃君 本法案の自立支援の仕組みというのは、二〇〇二年に施行されたホームレス支援特別措置法の枠組みに似ているわけであります。このホームレス支援特別措置法の枠組みができて十年以上たちますが、一体何が起こっているか。
 これ、例えば東京のホームレス支援事業では、宿泊施設の居住環境が余りに悪いということで、途中で退所する方が後を絶ちません。自立支援事業で自立ができるというのも看板倒れで、就業できたとしても多くは短期、非正規だと。住居が確保できずに結局ホームレスに戻ってしまうという方がほとんどという実態が言われております。
 しかも、重大なことは、この支援事業の利用を事実上生活保護の前提とする運用がなされているんですね、現場では。このホームレス支援特別措置法ができたときに、例えば衆議院の厚生労働委員会の附帯決議では、これによって不当に生活保護が不適用とされることがないように適切に運用するという附帯決議も付いているんですが、こういう懸念、当初からあったわけですよ。
 ところが、東京では住まいを失ったホームレスの方に対して、このホームレス自立支援事業を利用することが強制されて、これを利用しないで保護申請しても、他法他施策を利用していないといって保護を却下されるという運用が行われています。二〇〇八年に、東京都新宿区内でホームレス状態にあった当時五十代の男性が、生活保護受給を求めたに対して、福祉事務所がホームレス自立支援法の活用が優先であるということで申請を却下するということが起こって、これは行政訴訟を起こしました、新宿七夕訴訟。これに対して東京地裁は、ホームレス自立支援施策は生活保護法で言う他法他施策には当たらないという判定をして、自立支援施策の活用の有無が保護を拒否する要件には当たらないという判決を下しています。
 大臣、新しいこの支援事業でも自治体では既にこういったことが起こっている中で、保護開始の要件とするような運用が始まってしまうんじゃないですか。この点についてどうお答えになりますか。
#162
○国務大臣(田村憲久君) その点も、そうではないということを徹底をしてまいりたいと思います。
 重ねて申し上げれば、自立支援事業の方で、例えば自立支援相談事業でアウトリーチした場合に、そこで対象者と相談をいろいろとする中において、いや、あなたは生活保護の方に行くべきでありますよということも、逆に、これは適切な行政サービスにつなげるということもあるわけでございますから、水際作戦のような形で使われることがないよう、そこは徹底をしてまいりたいと思います。
#163
○小池晃君 ところが、既にこれ先取りする形でモデル事業をやっています。全国で六十八自治体がやっているというふうにお聞きをしました。そのうちの一つ、今年九月から、なら福祉・就労支援センターを開設した奈良市では、奈良市の仲川市長がこう言っているんです。この事業によって安易に生活保護を受給する方を水際で止めると、記者会見でそう言っているんですよ。まさに水際作戦に使うと、市長がこう言っているんですね。モデル事業を始めた自治体の中に既にこういう認識でいるところが出ているわけですね。
 これ、水際で止めると言うけれども、これは水際じゃないですよ、保護が必要な人を沖合で追い返すようなことになるわけですよ。こういうやり方が、全ての自治体でこの事業が広がっていけば、モデル事業の中で既にこれを水際で食い止めるために使うと言っているような中で、こういう制度の悪用、不適切な運用、こういったことが広がる、そういう危険性が広がっているんじゃないですか、いかがですか。
#164
○国務大臣(田村憲久君) どういう趣旨でおっしゃられているのか、ちょっと私、正確には分からないものでありますから、それに対してのコメントは避けますけれども。
 もちろん、生活保護に入られる前の方々をその前で自立を促して、生活保護に入る手前でそのまま自立に向かって立っていただくという形は、それはそれでいいわけでありますが、本来生活保護を受けなければならない方をこちらの方でという話は、それは本来の趣旨から外れておりますから、そのようなことがないようにということで徹底をしてまいるということであります。
#165
○小池晃君 今日の議論を通じても、水際作戦、水際で追い返す行為は違法だと、自治体を指導するというふうにおっしゃるんだけど、現実にはそういった事態が本当に広がっているわけですね。この場で起こらない、大丈夫なんですと幾ら答弁しても、現場はそういう、とにかくできるだけ門前払いするという動きになっているときに、この改定案が新たなチャンスだというふうになっていく危険性は極めて重大だと。
 だから社会保障の研究者もこれだけ声を上げているわけです。地方紙の社説を見ても、山陽新聞は安全網を弱体化させるな、北海道新聞は人権侵害のおそれがある、宮崎日日新聞は制度崩壊の危険をはらむ、こういう社説が地方紙ではあふれているわけですね。
 私は、この法案というのは、申請書類の義務付け、親族への調査、自立支援事業の押し付け、これによって保護申請のハードルを高めてしまって、餓死やあるいは孤立死、こういう悲惨な事態を拡大するものだというふうに言わざるを得ないと思いますし、これは撤回を求めて、質問を終わりたいというふうに思います。
 以上です。
#166
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 私は、前回も申させていただきましたが、大阪選出でありまして、大阪の中でも全国で最も生活保護が多いと言われている大阪市内に在住をいたしております。
 その中で、今大阪と全国と比べたときに、大阪市内は世帯数、生活保護の世帯数ですけれども、これが十一万八千四百六十二世帯。人数にしまして十五万一千四百九十七人。今全国では百五十八万二千六十六世帯、人員で二百十五万三千八百十六人。保護率でいいますと、大阪市内というのはもう全国の三・三倍になっているというような現状であります。一方、大阪市の生活保護の予算、一般会計に占める予算でありますけれども、これが約三千億円になっておりまして、一般会計を占める割合でいいますと一七・八%というような現状になってきております。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
 そういう現状があるわけですけれども、これは大阪市内だけの問題では全くなくて、これはもう本当に全国的にも、これからの高齢社会という中でどんどんと深刻化していくというような問題であるというふうに思っております。
 生活保護の負担金、これは国の事業費ベースでありますけれども、平成二十五年度予算では三・八兆円になっておるわけですね。
 先ほど薬師寺委員からも不正受給のことについて話がありましたが、平成二十三年度で、これも、生活保護法施行事務監査の実施結果報告の集計によりますと、不正受給というものが三万五千五百六十八件、金額にしまして百七十三億というような状況になっておるということで、やはり本当に生活に困窮して保護を必要とする人たちのための生活保護制度というものの信頼がだんだんと揺らいでいっているというのが現状であるというふうに思っております。年金のみで頑張って生活している人、最低賃金で頑張って生活している人、それとやっぱり保護費との不整合等によって市民の不公平感とか、そういうモラルハザードにつながっているんではないのかなというふうに思っております。
 午前中に津田委員からも御指摘いただきまして、大阪府の河内長野市では職員が生活保護費を横領するという本当に恥ずかしい事件も発覚いたしまして、こんなことではますます生活保護制度に対する信頼は損なわれていくばかりだというふうに思っておりまして、この生活保護改正案については本当に期待をいたしておりました。
 改正することになったことについて評価はさせていただいておるんですけれども、特にこの生活困窮者自立支援法案につきましては、本当にこういうものができることになれば、今は失業が生活保護につながっているというような、直結しているというような現状がありますので、やっぱり何とかそこを改正していくためにも必要だというふうに思っておりまして、そこは評価をさせていただいておるところであります。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
 ただ、生活保護法の一部を改正するところにつきましては、やはりちょっと不十分じゃないのかなというふうなところもありまして、その点について何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、福祉事務所の調査権限の拡大及び回答の義務化についてでありますけれども、官公署だけでなくて、例えば資産調査ということにつきましては、銀行にもやっぱり確認の上、回答を義務化できるような法律を改正すべきというふうに思っております。それはなぜかといいますと、私もよく聞かれることがあるんです、銀行にお金持っていたらこれ調べられるんですかとか、そして、娘名義の銀行口座でお金持っているんですけれども、こういうのはばれませんよねとか、そういうことを聞かれるようなことがありまして、こういった制度が必要ではないのかなというふうに思っておるんですが、いかがでしょうか。
#167
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられますとおり、とにかくいろんな、所得でありますとか資産等々を把握するために情報を集めていかなきゃならぬということでございまして、今般、今言われたとおり、官公署に対しては、これ回答義務というものをしっかりと入れさせていただいているわけであります。これは他の法令でもそのようなものは前例としてあるわけでありますから、今般法案の中に入れさせていただきました。
 一方で、民間の機関となると、これは税法を見ましても、網羅的にこのような形で、回答義務のような形で義務付けるというものは見当たらないわけでありまして、なかなかそこまで御理解をいただくのは難しいであろうと。自発的に名寄せをしていただいたりでありますとか、いろんな御協力はいただく部分は自発的にはあるわけでありますけれども、それを義務化するというのは、なかなかいろんな法律の前例を見ましてもそういうものがないわけでありまして、そこは今回は盛り込ませることができなかったということであります。
 なお、年金に関しましては、これは日本年金機構それから共済組合等々に御理解いただいて、義務という形で法律の中に入れさせていただいております。
#168
○東徹君 これはやっぱり税金を使って保護することになるわけですから、これ義務化ができなくても、義務でなくても任意でもいいと思うので、聞くことというのは、これはどうなんでしょうか。
#169
○国務大臣(田村憲久君) これは各金融機関等々、やはりそれぞれ自発的に出していただくということに関しては、やっぱり同意というものが必要でありますから、そういうことを確認の上で情報を出していただいておるということは今もありますし、我々としては、いただきたい情報に関しては出していただくべくお願いはさせていただきますけれども、ただ、そこはやはり銀行も個人情報を扱っているところでございますので、なかなかこちらからお願いしても必ず出していただけるというわけではない。同意というものも含めて、いろんな一応対応をされた上で情報を出していただいておるということでございます。
#170
○東徹君 私も銀行に口座作るときに、別に口座持ってますよとすぐ分かるんですよね。幾ら入ってますよとかということが、銀行で新しく口座作ると、自分がですよ、銀行へ行って口座作るときに、それだけやっぱり銀行というのはきちっとデータですぐに管理できるようになっているんですよね。だから、何とかそれを活用してやっぱり不正受給を防止していくべきじゃないのかなというふうに思っております。
 次に、不正・不適正受給対策の強化等についてですけれども、保護費と相殺してというふうにあるんですけれども、これはどれぐらいの金額を想定しているのか。先ほども質問ありましたけれども、具体的に金額はどれぐらいを考えておられるのかなというふうに思っておりまして、是非そこを教えていただきたいんですが。
#171
○大臣政務官(高鳥修一君) 東委員にお答えを申し上げます。
 徴収金の保護費との調整につきましては、本人の事前の申出を前提といたしまして、また、保護の実施機関が生活の維持に支障がないか個別に判断した場合に限定することといたしております。
 具体的には、保護の実施機関が当該生活保護受給者の陳述のみならず、領収書やレシートなど、家計状況について挙証資料等を基に個別に確認し判断することになっております。ただし、生活していけないような額を徴収するわけにはまいりませんので、今後、各地方自治体の判断の際の参考として、例えば徴収金を分割納付といたしまして、保護費と調整する場合の月々の徴収金額の上限の目安を別途定めることなどを考えております。具体的な内容については今後検討をさせていただくことといたしております。
#172
○東徹君 先ほど領収書、レシートを見てというふうな話もありましたけれども、領収書、レシート、全部これ出ない、集めていないですよね。特に、これ先ほども話がありましたが、ギャンブルに使ったお金なんて領収書なんて出るわけがないわけですから、これはなかなか非常に見るのも難しいのかなというふうに思っておりますし、そしてやっぱりこういう考え方があるということは、やっぱりどこか節約すればお金が出ていくんだということで間違いないですよね。
#173
○政府参考人(岡田太造君) 先ほども最高裁の判例を御説明した中で御説明しましたように、生活扶助費につきましてはその使途を限定しているわけではございませんので、その世帯の実質的なやりくりの中で一部を蓄えるというような形で運用をされている方も現実にいらっしゃると思いますし、それを容認しているところでございます。
#174
○東徹君 蓄えていこうと思えばいけるんじゃないのかなというふうに思っております。
 次に、医療扶助の適正化についてでありますけれども、指定取消しの係る要件を明確化するというふうにありますけれども、どのような要件を考えているのか、お願いいたします。
#175
○大臣政務官(高鳥修一君) お答えをいたします。
 御指摘の点についてですが、現行法では指定医療機関の指定及び指定取消しについて具体的な要件が規定されておらず、他の医療制度に比べ不適切な医療機関をチェックする機能が十分とは言えない状況にございます。このため、指定医療機関の指定等について、健康保険等の取扱いを参考にいたしましてその要件を規定することといたしております。
 具体的には、まず指定の要件といたしまして、健康保険法の保険医療機関等であること、それから、指定の取消しを受けてから少なくとも五年は経過していること。そして次に、指定取消しの要件といたしまして、診療報酬の請求に関し不正があったとき、不正の手段により指定を受けたときなどを規定することといたしております。併せて六年ごとの更新制を導入することといたしております。
#176
○東徹君 そうすると、これ保険医療機関等でなくなったとき、診療報酬の請求に関して不正があったときですけれども、診療報酬の請求に関して不正があったとき、これが分かっても、六年後に更新されるということですか、これは、更新の期間というのは。
#177
○政府参考人(岡田太造君) 診療報酬の請求に不正があったときは、それが確認された段階で指定の取消しになりますので、その時点で指定を取り消します。先ほどの指定の要件といたしまして、指定の取消しを受けてから少なくとも五年は経過しているということでございますので、その時点で取り消して五年間は新たな指定を受けられないというような制度になるということでございます。
#178
○東徹君 次に、医療扶助について質問をさせていただきます。
 これもう御存じのとおり、生活保護費の負担金の三・八兆円、このうちの実績額の約半分は医療扶助というふうに言われておりまして、この医療扶助の適正化というのも非常に大事な問題だというふうに思っております。医療扶助については現在無料でありますけれども、無料であると、やっぱり受診する必要がなくても過度に受診するというような現状も実際ありますし、そういったことがないように、多少の自己負担を検討してはどうなのかなというふうに思っております。
 年金生活者も自己負担しているというのも現状がありまして、そことの不公平感みたいなものもありまして、その辺についてはいかがでしょうか。
#179
○国務大臣(田村憲久君) 医療扶助が半分近く占める、その理由というのは幾つかあります。そもそも高齢者世帯の割合が一定程度多いということ、それからまた、精神科の疾患の方が多うございまして、長期入院、比較的されている方がおられるということ、種々の理由があって、医療扶助というもの、半分ぐらいを占めているわけでありますけれども。
 これ自己負担を取った方が無駄な医療扶助がなくなるんじゃないかという御意見はいろんなところからいただいておるのは事実であります。ただ一方で、やはり自己負担を取るということになれば受診抑制が掛かる。それが狙いなんだろうという話もあるのかも分かりませんが、本当に受けなければならない方まで受診抑制が掛かりますと、症状が悪化するということもございます。ですから、ここはなかなか、いろんな御意見があったんですけれども、今般の法律改正には入れられなかったというところでございます。
 しかし一方で、レセプトの抽出、これを強化をするということでおかしな診療に関してチェックを入れるということ、それから一方で、国の権限の強化等々、これ含めまして今般の改正法案の中に入れさせていただいておりまして、今言った指定医療機関の問題もそうでありますけれども、国の指導権限というものをしっかりと明記をいたしました。
 具体的には、地方厚生局からいろいろと指導に行くわけでありますけれども、そちらの方の増員の方もしっかり予算要望をしながら対応できるようにしてまいりたいというふうに思っております。
#180
○東徹君 田村大臣はそうおっしゃいますけれども、なかなか難しいのが現状じゃないのかなというふうに思っておりまして、医療機関等で窓口の自己負担がないということから、医師も患者も共に総医療費についての認識というものがやっぱり乏しくなっておったり、過剰診療、そしてまた過剰受診、そして重複調剤、こういったことに対する防止策がやっぱりないんではないのかなというふうに思っておるんですが、いかがでしょうか。繰り返しになるかもしれませんが。
#181
○国務大臣(田村憲久君) 私は、今般のこの法改正の中身でもかなり効果を発揮するのではないかと。今まで余りやられてこなかったことを今回は盛り込んでおりますので、これはかなり抑止力に私はなるんではないかと。抑止力という言い方がいいのかどうか分かりませんけれども、そういうような、悪いことをしようというようなそういう方々に対して、これはやったらばれちゃうかも分からないからやめておこうかというふうに、本来はそんな方々がおられては困るんですけれども、なるんではないかというふうに思っておりますから、今般のこの改正というものは一定の効果を示すものだというふうに認識しております。
#182
○東徹君 では次に、先ほども出ておりましたけれども、後発医薬品のことについて質問させていただきたいんですが。
 医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、受給者に対して後発医薬品の使用を促すことになっているというふうになっております。私も調剤薬局へ行って、ジェネリック、後発医薬品がありますけれどもどうしますかと聞かれると、いや後発医薬品の方でお願いしますと、大抵こう言うんですよね。先ほども効果も同等だというふうに話がありましたけれども、やはりここは促すのではなくて、やっぱり原則として後発医薬品というふうにすべきではないのかなというふうに思っております。
 日本は海外の国に比べて後発医薬品の使用が非常に遅れているという現状もありますし、なかなか後発医薬品とかジェネリックという言葉についてもまだまだなじみがない方もやっぱりたくさんおられるというふうに思っておりまして、その辺についてはいかがでしょうか。
#183
○大臣政務官(高鳥修一君) お答えいたします。
 御指摘の点でございますけれども、後発医薬品を継続的に服用することを促すためには、御本人に後発医薬品に関する理解を得ることが重要であると考えております。このため、強制するよりも、様々な手法により後発医薬品を使用するよう促していくことが効果的であると考えております。
 このような考え方に基づき、平成二十五年度より、医師が後発医薬品の使用を認めている場合に、薬局において後発医薬品を原則として服用することを求めていくことといたしております。また、今般の法改正により、医療機関も含む関係機関が生活保護受給者に対し後発医薬品の使用を促すことについて規定することといたしております。
 まずは本取組を着実に実施することにより、無理なく後発医薬品の使用を定着させていきたいと考えております。
#184
○東徹君 では確認ですけれども、そうしたら、医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、調剤薬局へ行けば、まずは後発医薬品がありますのでどうぞというふうな形になるという理解でよろしいんでしょうか。
#185
○政府参考人(岡田太造君) 医師が後発医薬品を容認するような形の処方箋を出された場合に、保険薬局では基本的原則としてその後発品を処方するような形で取り扱うように、今そういう事業を進めているところでございます。
#186
○東徹君 いや、もうちょっと分かりやすくお答えいただきたいんですが。
 医師が後発医薬品を認めている場合は、患者さんが調剤薬局へ行けば、まずはジェネリックの薬を、後発医薬品の薬をどうぞということになるんですね。
#187
○政府参考人(岡田太造君) 医師が後発品の使用を容認する処方箋を出された場合に、その処方箋を持って薬局に行った場合に、まず薬局の方から基本的には後発品を調剤するということで本人にお話をして、それでできるだけ納得してもらうという形にしているというようなことの取組をしています。
 ただ、そのときに生活保護受給者御自身がどうしても先発品でなきゃ駄目だというようなことを言われる場合もございますので、そのときには一旦その薬局では先発品を処方していただくということもできるようにしておりますが、その後、福祉事務所の指導という形でその被保護者のところに行って後発品の使用を促すというような取組を行うという形で、全体、後発品の使用を進めているところでございます。
#188
○東徹君 これは私の知り合いの薬剤師さんから聞いた話なんですけれども、私はもう大体ジェネリック、後発医薬品の方を使うことにしておるんですけれども、生活保護受給者の方って結構やっぱり後発医薬品は駄目という、頭から言う方が何か多いみたいで、やっぱりなかなかその辺のところはまだまだ理解が深まっていないのかなというふうにも感じておりまして、是非理解が深まるような取組をしていっていただきたいなというふうに思っております。
 それから、生活保護受給開始後のことになるんですけれども、生活保護受給開始後の就労支援の際に、就労できないことの証明について医師の診断が必要というふうにされているようでして、その証明書類を記載する際、最初は就労可と書いていたお医者さんも、何かこれを可と書くと御本人も、何で可なんだと、就労できないよとか、役所からも電話がじゃんじゃん掛かってきて、いや、これはそうなったころからもうずっと就労不可で書類を出しているんだというふうなことを聞くんですけれども、その辺の実態について御存じでしょうか。そしてまた、それに対してどのような見解をお持ちなのか、お教えいただきたいと思います。
#189
○政府参考人(岡田太造君) 就労できるかどうかということで、これは稼働能力を活用しているかどうかということでございますけれども、これについては、稼働能力がそもそもあるかどうか、これは身体的な問題とか医学的な判断としてそういうちゃんと働ける状態にあるかどうかというようなこと、そのほかに、具体的な稼働能力を前提としまして、その能力を活用する意思があるのかどうか、それから、実際にその能力を活用する場を得ることができるかという三つの段階に分けてその判断をするという形にしていただいているところでございまして、まずその稼働能力があるか否かの評価につきましては、これは年齢や医学的にその方が、例えば身体に障害を持っているから働けないとか、ちょっと精神的な疾患でなかなか働く状況にないというような医学的な判断のほかに、その方が有している資格であるとか生活歴、職歴などを総合的に勘案して、客観的、総合的に勘案して決めていくという形にさせていただいているところでございます。
 稼働能力の活用の判断につきましては、必要に応じまして、それぞれのケースの診断会議であるとか稼働能力判定会議などを開催いたしまして、医師のほか、実際のケースワーカー、それから福祉事務所で就労支援を行っています就労支援員などを含めて、そういう方が集まって組織的に検討を行うという体制もつくっていただくようにお願いしているというようなことでございますので、稼働能力の活用の判断は医師の診断だけで決まるというものではないというような状況でございます。
#190
○東徹君 分かりました。
 では、次に質問させていただきますけれども、生活保護世帯が多く住む、例えばですけど、サービス付き高齢者住宅などにおいて、よく医師が訪問診療、今もう訪問診療を一生懸命やっていただけるお医者さんが増えておりまして、それはそれで本当にいいことだというふうには思っておるんですけれども、効率がいいわけですよね、そういうサービス付き高齢者住宅とかですね。特に生活保護を受給されている方でそういうところにたくさん住んではる方のところに訪問診療に行くと効率がいいみたいでして、結構そういうところを紹介してほしいとかそういったところもあるとか、また診療報酬が不正に請求されているというような報道を見ることもあるんですが、こういったことについて是非御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#191
○国務大臣(田村憲久君) 保健事業で、保健事業といいますか、保険診療の中において、在宅に向かっての訪問診療というものを、定期的にこれを月二回なら二回受けていただければ一定の評価をする等々で、それぞれの高齢者の方々の健康管理も含めた定期的な診療を訪問診療というような形で進めていくということは、地域包括ケアの中においても大変重要なことでございますから、そういうことを厚生労働省としても推奨してきたところがあるんです。点数評価等々も含めてやってきたところでありますが、今言われたような案件が各自治体からも報告が上がってきておりますし、厚生労働省としても地方厚生局の中で把握をして、約二十件ぐらい、そういうようなところは案件として理解を我々もしております。
 中を見ておりますと、間に紹介者が入って紹介料を取っているという例があったりなんかするんですね。しかも、高齢者、特別養護老人ホームもそうなんですけれども、そういうところに入られて、認知症をお持ちの方々、入所者の方々ですと、本来、本当に訪問診療を同意をして受ける意思があったのかどうかも分からないと。軒並み全部そこを回って何十人か、それで診療報酬を得ておられるというような案件があるものでありますから、これはちょっともう少し制度を変えないと、不正が起こりつつあるのではないかという認識を我々も持っておりまして、一つは、これから診療報酬改定の中で、そういうものに対して、不適切なものに対しては対応できるような、そういうような点数の付け方をしなければならないなと、こういうふうに点数の水準等々、思っております。もちろん、算定の要件も含めてでありますけど。
 それからもう一つは、仲介して手数料を取っていること、これ自体は禁じようと、これは療担規則を変えて、これ自体はもう禁じようというふうに思っております。あわせて、訪問診療のガイドラインをこれはもう作って示さなきゃならないなと。例えば、御本人の同意を得るだとか何かしないと、高齢者で本当に認知症を患っておられる方々ですと分からないわけでありますから、何か考えなきゃいけないんで、どういう方法があるかということを今知恵を絞っておりますけれども、ガイドラインを作ってそれを示して、訪問診療のあるべき姿というものを我々としてちゃんと御理解をいただけるようにしてまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、問題意識、しっかり持っておりますので、不正と思われるようなもの、これが排除できるようにしっかり努力をしてまいりたいというふうに思います。
#192
○東徹君 今、田村大臣から本当に心強い御答弁をいただいて、本当に私も期待しておるところでございます。
 もうちょっと言えば、訪問診療、本当にやっぱり独り暮らしで在宅でいてはって、そういったところに訪問診療していく非常に大事な制度だというふうに思っております。ただ、一軒一軒行くときというのは、一軒行ってまた次一軒行くのにまた十五分かそこら、移動時間もあると思うんですね。それと、こういう、例えばの話ですけれども、サービス付き高齢者住宅とか、一軒のところに何人もおられるから隣に行くのもそんなに時間掛からないわけですよね。非常に効率がいいわけでして、これと同じように診療報酬が得られるというか、そこがきちっと制度の中で反映されていないというような状況にあるというふうに認識しているんですが、間違いないですよね。
#193
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので。
#194
○東徹君 あっ、時間、済みません。
 そうしたら、まとめさせていただきます。(発言する者あり)分かりました。
 じゃ、時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#195
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今年八月から再来年までの三年間に総額六百七十億円の段階的な引下げが予定されております。
 当初から、生活保護受給世帯のほとんど、九六%が影響を受け、とりわけ子どもの貧困対策法成立後だというのに、最も厳しい状況に置かれるのが都会のとりわけ子育て世代の生活保護受給世帯です。直撃をしています。生活保護受給世帯の子供の貧困を助長したのではないか。あるいは子育て世帯に対する引下げの影響について厚生労働省は把握をしているんでしょうか。
#196
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、生活扶助の基準を三年掛けて、激変緩和でありますけれども、現在適正化を行っておるわけでありまして、八月からスタートをいたしました。
 そのような意味からいたしますと、一般の低所得者の方々との不公平感といいますか公平感、こういうものの調整という意味もあります。それから、そもそも生活保護世帯でのゆがみというものも含めて、これをどう適正化していくかという問題もありました。いろんな問題点がある中において、物価等々を勘案する中において今回の大幅な適正化があったことは事実でございます。
 ただ一方で、学習支援等々を強化していこうということで、これは生活保護家庭だけではありませんけれども、生活困窮者家庭の方々にもそのような形で力を入れていこうということで今般法律を出しているわけでありますし、更に申し上げれば、教育扶助は今回削減はいたしておりません。
 ですから、そのような意味からいたしまして、子供たちの教育を含めて、しっかりと我々は、生活困窮者、生活保護者家庭のお子さんに対しても支援の輪を広げていかなければならないというふうに思っております。
#197
○福島みずほ君 消費税が来年四月に八%になると。物価は上がっています。でも、生活保護は、とりわけ子育て世帯は下がるんですね。だから、こんなの踏んだりけったりというか、生活が本当に厳しくなると思っています。
 一貫して厚生労働省に対して、生活扶助費削減の影響を知りたいと。例えば、どれだけ、生活扶助費削減によって生活保護が廃止になった世帯数、世帯類型別件数、都道府県別の件数、どれだけ実際に基準が下がったか、その世帯数などの資料要求をしておりますが、いずれも数字を把握していないと、基準引下げに伴い作成した統計資料はないという回答です。
 でも、極めて重要なことですので、この重大な統計を取らなければならないと思いますが、いかがですか。
#198
○国務大臣(田村憲久君) 今般、三回に分けて激変緩和で適正化をいたします。
 そのような意味からいたしますと、これ、今般の適正化で外れる方々というのは基本的にはそうはいないと我々思っているんです。なぜかというと、そこまでの収入をまず得ている方ですよね、その差額分の収入との丈比べで生活保護から外れる方々でありますから。あわせて、自治体にしてみれば、一旦若干の差で生活保護から脱却をされても、また数か月後に例えば病院にかかるなんというような理由でまたその基準に適合をすると、そこで手続をしなきゃならないので、そこは自治体も一定の幅を持って運用をいただいておるんだと思います。そういうことを考えますと、今般の八月の適正化で生活保護から脱却をされる方々というのは、家庭というのは、そんなに、ほとんど、どう我々も把握していいのか分からないというような、そういうような数だというふうに思います。
 あわせて、来年の四月以降の生活扶助費に関しては、先ほども質問にお答えしましたけれども、今年の予算編成過程でありますが、最終民間消費支出、この数字が見込みで出てまいりますから、これや消費税やいろんなことを勘案しながら、どうするかということを判断をさせていただくということになると思います。
#199
○福島みずほ君 さっき同僚議員からもありましたが、きちっと調査すべきです。また、来年四月に消費税が上がり、物価が上がる中で生活保護の引下げ。その結果、何が起きるかということについてしっかり是非調査をしていただきたいということを改めて申し上げます。
 法案の二十四条の八項で、前回も実は質問をしましたけれども、条文は、通知しなければならない、扶養義務者に通知しなければならないと、義務的になっております。生活保護法は、扶養義務を生活保護の要件としていないということでよろしいですね。
#200
○政府参考人(岡田太造君) 先ほども御説明しましたけど、生活保護法の四条二項で扶養は保護に優先するということでございますが、生活保護を受給するに当たっての前提であるとか要件にはなっていないということでございます。
#201
○福島みずほ君 だったら、この条文おかしいじゃないですか。というのは、生活保護は、四条で生活保護の補足性としています。実際、いろんな人から援助をもらっていたら、その分、生活保護下げますよというのは理解ができます。実際扶養されているんだったら下げる。でも、問題は、あたかも、通知する、あるいは扶養義務者に報告を求めるというのであれば、実際四条を壊しているじゃないですか。生活保護の要件とすることになりませんか。
#202
○国務大臣(田村憲久君) 要件ではないですよね、これはもう先ほど来申し上げておりますとおり。
 一方で、通知するというのは、誰でも通知するというわけではないわけでありまして、特に家裁の審判にかけるような、それぐらい可能性の高い方に関しての通知でございますから、そういう意味では、これがそのまま今言われたような御心配に当たるという話ではないというふうに思います。
#203
○福島みずほ君 前回もそうなんですが、条文と厚生労働省の答弁違うんですよ。条文は、あらかじめ、当該扶養義務者に対して書面をもって厚生労働省令で定める事項を通知をしなければならない。通知しなければならないと書いてあるんですよ。扶養義務者は民法の三親等内の姻族も含むというのが村木局長の答弁でした。限定的じゃないじゃないですか。どうやって限定的に見れるんですか。
#204
○政府参考人(岡田太造君) 具体的には、先ほど大臣からお答えしましたように、限定的に、家庭裁判所に審判を求めるようなケースに限定するということを省令できちっと位置付けるということを予定しているところでございます。
#205
○福島みずほ君 それは民法の二項でしょう。一項、直系血族及び兄弟姉妹、この件については、じゃ、全部通知するんですか。
#206
○政府参考人(岡田太造君) 今回、二十四条の八項で通知の規定を設けたところでございますが、これで、先ほど先生御指摘がありましたように、厚生省令で定めるところにより通知をするということでなっておりますが、その厚生省令のところで具体的にどういう範囲の方に対して通知をするかということにつきまして、先ほどから申し上げていますように、家庭裁判所での審判を求めるようなケースに限定するんだという趣旨のことを省令の中で規定しようということでございます。
#207
○福島みずほ君 駄目ですよ。だって、家裁の調停によって扶養義務を課すのは民法の二項、つまり姻族、三親等内の姻族じゃないですか。今の答弁だと、直系血族及び兄弟姉妹は家裁の審判経ることなく民法上は扶養義務がありますよ。今の答えで、そういう政省令書いたら必ず、じゃ、兄弟姉妹、親、直系血族、連絡するということになりますよ。全然限定的じゃないじゃないですか。あるいは、それの政省令やるんだったら、生活保護法四条を壊すということですよ。要件にするじゃないですか。
#208
○政府参考人(岡田太造君) 民法上のその規定とは別に生活保護法の中で、法律の第七十七条にこういう規定がございます。被保護者に対して民法の規定により保護の義務を履行しなければならない者があるときは、その義務の範囲内において、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の全部又は一部をその者から徴収することができると。前項の場合におきましては、扶養義務者の負担すべき額について、保護の実施責任と扶養義務者の間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、保護の実施機関の申立てにより家庭裁判所はこれを定めるという規定がございまして、今私どもが申し上げている家庭裁判所の審判というのは、この生活保護法七十七条で規定する家庭裁判所に申し立てて行われる審判のことを想定して申し上げているところです。
#209
○福島みずほ君 とすると、政省令には具体的にどう書くんですか。
#210
○政府参考人(岡田太造君) これはまだ、これから具体的に法令的にどういう表現がいいのかということを検討させていただきたいと思いますが、ここで言う第七十七条の費用徴収のことで家庭裁判所に申し立てるような形で費用徴収を行うことを想定するようなケースをこの省令の中で規定するということでございます。
#211
○福島みずほ君 ちょっと分からないんですよ。それだと、実際現場で本当に通知をしないのか。
 今朝の朝日新聞に、お母さんを殺したお父さんがいて、三十年間別居していて子供は児童養護施設でずっといた、妻にも子供たちにも一切家族のことは言わなかった、しかしお父さんが生活保護の申請をしたという通知が来たと。今回の法案でも扶養義務者に報告を求めることができるとあるじゃないですか。
 そういうふうに、親子関係でも、そういう事情でも、現場の窓口では扶養義務者ということでもう通知、実際出しているんですよ。DVのケースだって出しているケースありますよ。どうするんですか。
#212
○政府参考人(岡田太造君) 扶養が可能な方については、それはできるだけ扶養していただくというのが基本原則だというふうに思っています。
 御指摘のように、やはり親族の関係がもう長い間壊れているようなケースであるとかDVのケースであるとか、そういう方については、ここで言う、先ほどから申し上げています生活保護法七十七条で家庭裁判所の審判を求めるような状況にあるというようなことにはならないというふうに考えておりますので、そういうケースは外されるものだというふうに考えています。
#213
○福島みずほ君 今の話だと、ほとんど原則として扶養義務者に通知することになっちゃうじゃないですか。実際そうなりますよ。そうすると、扶養義務は補足性の問題であって生活保護の要件でないというのは壊れますよ。
 それともう一つ、この条文、通知をする、扶養義務者に調査することができる。あなた、お父さん扶養しなさいよ、いや、めいに対しておじさん扶養しなさいよということを例えば申請の段階で通知をするということで、これはだからさっき出た抑止力ですよ、本当に、抑止力。つまり窓口に……(発言する者あり)さっきの抑止力とは違いますが、抑止力。つまり、窓口に行けなくなっちゃいますよ、本当に。生活保護の申請に行ったら扶養義務者に通知が行くとなったらできないですよ。つまり、これは嫌がらせじゃないかと。嫌がらせ。生活保護を申請しないように嫌がらせをする。どうですか。
#214
○国務大臣(田村憲久君) そんな嫌がらせをする自治体や福祉事務所があったらこれは問題なので、そんなことはまずなくすということを前提で我々は考えなきゃならぬと思います。
 その上で、今おっしゃられたようなことも含めて、これ、いい議論をしていただいているんです。我々もこうやって議論をしていただいて、こういうケースがあるんじゃないですか、ああいうケースがあるんじゃないですかと、そういう御議論をいただいて、いよいよ法律を通していただければ、制度改正の説明会やるわけですよね。そのときに、こういうもの、ああいうものはやっちゃいけませんからよく認識してくださいねという説明をさせていただく、それによって徹底をさせていただきたいと思います。
 まさか、それまでやってもまだもっとこれを抑止力に使おうなんていうような、そういう自治体があったとすればそれは大問題でありますから、そんなことがないように、我々としては、信じておりますけれども、信じておるだけではございませんから、そういうことが起こらないように徹底をさせていただきたいというふうに思います。
#215
○福島みずほ君 個人的に嫌がらせをするのでなく、例えば私が、前回も質問しましたが、生活保護の申請に行く、そうしたら、みずほは東京に行ったと聞いていたけれどもどこどこで生活保護の申請したと親類縁者に通知が行くかもしれないと私が思ったら、何やってんだ、一族の恥さらしだ、帰ってこいなんて言われるかもしれなかったら、もう生活保護の申請なんか行けないんですよ。
 だから、個人が、自治体の職員が意地悪とか嫌がらせするというのではなく、通知をするということのこの条文そのものが生活保護を受けさせない、受けることをとても抑止するというふうに考えています。
 大臣、どうやって現場の暴走を止めるんですか、この条文化で。
#216
○国務大臣(田村憲久君) ですから、家族関係が壊れている、つまり、お知らせをすると逆に御本人の生活に問題が生じるというような場合は送らないということでございます。あくまでも、この方ならば扶養してもらえる、これ家裁の審判をするような案件ですから、そこまでの蓋然性が認められるものに対して通知をしていくということも含めて現場に徹底を説明会等々を通じてさせていただいて、御心配のようなことが起こらないように最善の努力を尽くしてまいりたいと思います。
#217
○福島みずほ君 そうしたら、私が申請に行って、この人とこの人とこの人、絶対、あるいは親族誰にも連絡しないでほしい、関係が壊れているし、こじれますと言ったら通知しないんですね。
#218
○国務大臣(田村憲久君) それは申請者本人が、まあうそをついているとは言いませんけれども、不正をやる方の中にはもしかしたらそうやってという方もおられますが、そこはやっぱりしっかりとある程度調査しなきゃいけないとは思いますけれども、しかし、基本的に、それほどまでに家族関係が壊れているとすれば、それはやはり通知はされないという話になるんだと思います。
#219
○福島みずほ君 でも、調査しないと壊れているかどうかも分からないじゃないですか。それから、通知することで壊れるということもありますよね、より。要するに、非常にこれは、家族の中において生活保護の申請を本人がしたということを通知することが物すごくやっぱり波及効果があるということなんですよ。しかも報告を求めることができる。
 でも、今の大臣の答弁で、私がうそをつかないということで、送らないでほしいと言えば送らないということでよろしいですね。
#220
○国務大臣(田村憲久君) まず、初めに扶養照会をいたしておりますので、その時点で通知の前に、そこは生活保護に向かっての一定の、申請が来ているということは、もう御理解はいただいているんだというふうに思います。
#221
○福島みずほ君 その扶養照会もまた問題だと思うんですけどね。
 次に、二十四条の一項の書面主義、口頭主義。この委員会、この審議の中で、口頭でもいいんですと、書面主義というのはそんなに厳格にはやりませんというふうに答弁していただいているんです。でも、改めてお聞きをします。
 大阪地裁の判決で、岸和田のケース、十月三十一日のケースなんですが、この判決は国家賠償請求も認めました。生活保護を支給しなかったのはおかしいという判決なんですが、保護の実施機関としては、そのような者が保護の対象から漏れることのないよう、相談者の言動、健康状態に十分注意を払い、必要に応じて相談者に対し適切な質問を行うことによって、その者が保護を必要としている者か否か、また保護の開始申請をする意思を有しているか否かを把握し、有している場合には保護の開始申請手続を援助することが求められるものと言えると指摘をしております。
 つまり、その人が窓口に来たら、寄り添って相談にちゃんと応じなさいよ、そして生活保護の支給をしなさいよということで、この二十四条は、条文を読むと提出しなければならないと言っているわけですが、この大阪地裁の判決ということでよろしいですね。
#222
○国務大臣(田村憲久君) この今言われた岸和田のケースの大阪地裁に関しては、これ二十四条のことを言っているわけではないわけでありまして、二点たしかあったと思いますが、そもそも申請の意思があったにもかかわらずその申請を受け付けなかったという部分がまず冒頭にあって、その後、申請を受け付けた後、要件にかなわずこれを却下しているという部分で争われたというふうに認識しておりまして、二十四条の部分とは直接関係はないというふうに認識しております。
#223
○福島みずほ君 ただ、判決文読みますと、ここの部分で、援助する、保護の開始申請手続を援助することが求められるという部分があるんですね。だとすると、必ずしも書面主義ではなく、口頭での段階でも援助するということでよろしいですね。
 そして、できれば、私は、二十四条はばっさり削除してもらいたいと、誤解を招くからと思っているんです。どうでしょうかね。二十四条一項も、これだったら書面主義になっちゃうので、どうですか、口頭主義でもいいということで、それを徹底できますか。
#224
○国務大臣(田村憲久君) 口頭で意思を示していただければ、そこから受理をして審査が始まるわけでありますから、そういう意味からしますと、もうそれはそのとおりでありまして、ここから削除をという話もありましたが、先ほど小池委員の質問にもお答えいたしましたけれども、そもそも今もちゃんとやっておられないじゃないかというような御意見もいただきました。それ自体が問題であるわけでございまして、今般のこれを機に、しっかりとそこのところを全国的に意思の統一をできるように、我々徹底をしてまいりたいというふうに思っております。
#225
○福島みずほ君 この委員会の中で、六月二十日の厚生労働委員会の質疑で、全国千二百五十一か所の福祉事務所、これは二〇一三年四月一日現在ですが、生活保護申請用紙が置いてあるかどうかは把握していないと当時副大臣は答弁をいたしました。
 その後、各福祉事務所に対して申請用紙を置くよう厚生労働省は働きかけたのでしょうか。
#226
○副大臣(佐藤茂樹君) 厚生労働省としては、生活保護の申請書を福祉事務所の窓口に必ず置くことは現在でも求めていないところでございます。
 福島委員が六月の時点でそういう御議論をされたのは私も承知しておりますけれども、窓口には置いていないんですけれども、朝方の議論でもありますけれども、申請書は常に常時配備しておりまして、まずは来所される方の相談を受けて、その窓口において来所された方々の相談に応じて、必要に応じて申請書等を提示して生活保護の手続に入ると、そういう今も現状で進めている状況でございます。
#227
○福島みずほ君 この申請用紙をもらえないというところが問題なので、是非窓口の中でなく窓口の外に置いていただくようによろしくお願いします。
 それで、この大阪地裁の判決なんですが、これは稼働能力ということが問題になって、所持金がほとんど全くなくて、にもかかわらず、真摯な努力が足りないとか、もっとどうにかなるんじゃないかということで、ずっと生活保護を認めなかったケースなんですね。
 これは局長通達がありまして、これが、稼働能力を活用する意思があるか否かの評価について、真摯に求職活動を行ったかどうかを踏まえて行うものとするという局長通知があります。しかし、真摯にやったかどうかって、やっぱり主観的で分からない。やっぱりその人に応じてやるべきではないでしょうか。
#228
○政府参考人(岡田太造君) 現行の局長通知、運用通知でございますが、まず、稼働能力の判断、能力があるかどうかの判断におきまして、年齢とか医学的な判断だけでなくて、その方の有している資格、生活歴、職歴などを把握、分析し、それらを客観的、総合的に勘案するという形で運用上通知でも示しているところでございます。
 それから、御指摘の、稼働能力を活用する意思があるかどうかの評価につきましては、御指摘のとおり、真摯に求職活動を行っているかどうかを踏まえてという形で表現をさせていただいていますが、これは具体的には、求職活動の実施状況を具体的に把握した上で、その者が実施機関において評価された稼働能力を前提として、その能力に応じた評価を行うものでありまして、申請者に対して実施機関が際限なく社会通念的にもう全く不可能だというような就業の努力を求めて不可能を強いているというものではない、指導運用上の通知はそういうものではないというふうに理解しているところでございます。
#229
○福島みずほ君 でも、真摯にって難しいじゃないですか。私、真摯に質問していますが、真摯に答弁していただいていると思いますが、真摯ってやっぱり上から目線というか、分からないですよ。この岸和田のケースも大阪のケースも、相手側の面接官の名前を覚えているか、その後どうしたかとか、物すごく高い要求をやっていて、真摯にやっていないというので出さないんですよ。もう所持金四百円みたいな世界でも真摯にやっていないと、こう言われるわけですね。
 ですから、真摯という主観的なものではなく、やっぱりこの判決にのっとって、その本人が稼働能力を活用する場としてどういうふうにしているかということに留意をするべきではないか。そのためにも、この真摯にというのは取っ払うべきではないか、通知を出し直すべきではないか。いかがでしょうか。
#230
○政府参考人(岡田太造君) 現状でも真摯にという言葉を使っておりますが、その方の個別の状況に着目して評価をするようにということで、指導通知ではそういう形に示しているというふうなことですので、実施機関が不可能を強いているというものではないというふうに考えているところでございます。
#231
○福島みずほ君 でも、この判決は、困窮状態を考慮して意思を判断すべきだという当然のことを言っているというふうに思っています。就職に行くためには交通費も要るし、この人、履歴書を書くお金もなかったわけですよね。ですから、今局長はそういうふうに答弁されましたが、実際は不可能なことを強いているんですよ。
 だから、これ、真摯というのをやめて、この判決の趣旨を生かすべきではないか。あるいはこの判決を厚労省は一体どう受け止めていますか。
#232
○政府参考人(岡田太造君) この稼働能力のところにつきましては、一律に御判断するのではなくて、やっぱりその方の状況をしっかりと把握した上で総合的に勘案すべきだということを判決は指摘されているんだろうというふうに思っているところでございます。
 そういう意味で、求められる努力の程度を一律に決めたりとか、年齢でそういうことを、この年齢はもう働ける年齢だからということで一律にそういうことをするんじゃなくて、やっぱりその方が置かれた資質、困窮の程度などを勘案するという形できちっと判断することが必要だということを指摘されているんだと思います。
 現行の運用通知におきましても同様の趣旨で、個別の状況をきちっと判断して行う旨、局長通知でも示しているところだということで理解しているところでございます。
#233
○福島みずほ君 厚労省の答弁はそうなんですが、実際は、いろんな事例を判決などで読むと、やっぱり行き過ぎ、この通知を間違ってか、やっぱり忠実に反映しているのか、問題ありというふうに思うんですね。そういうことをどうやってなくしていくのか。
 例えば、局長通知第四の四は、有効求人倍率や求人内容等の客観的な情報を踏まえて評価すべきとしています。これを根拠に岸和田市は、本件原告の保護申請を拒否し、原告を最低生活費以下の厳しい生活に追い込んでいます。裁判所も、原告夫婦は所持金三百円、預貯金四百七十七円しか有しておらず、ガスの供給も止められ、極めて厳しい生活状態であったと認定をしています。
 有効求人倍率などの数値を偏重する運用を改めるため通知の改正をすべきだと考えますが、いかがですか。
#234
○政府参考人(岡田太造君) 通知では、稼働能力を有している、稼働意欲はあるんだけど、その就労の場が得られるかどうかということについての判断の基準として、地域における有効求人倍率や求人内容などの客観的な情報、それから育児や介護の必要などその者の就労を阻害する要因を含めて行うことということにしておりますので、局長通知においても求人倍率のみをもって判断するということをしていないということでございますので、御指摘は当たらないというふうに考えております。
 なお、判決の中でも、今回、有効求人倍率を一つの判断材料とすることは否定しておらず、局長通知の趣旨につきましても、有効求人倍率などや求人内容などの客観的な情報やその者の就労を阻害する要因を踏まえて判断すべきと局長通知もしているのであって、そこに掲げる情報や要因のみによって判断すべきものとする趣旨とは認められないということで、この局長通知を否定しているものではないというふうに考えております。
#235
○福島みずほ君 でも、有効求人倍率がこうだから、あなたできるでしょう、あなた、こうだからできるでしょうと、こう言われても、本人、個別のケースではできない場合もあるんですよ。つまり、局長通知がやっぱり独り歩きして生活保護の受給を拒否している理由になっているという点は、是非この通知を見直していただくようにお願いいたします。
 基本方針では、就労・自立支援に向けての取組を保護の実施機関である福祉事務所と本人の間で確認するとしておりますが、就労支援にはハローワークとの連携が大変不可欠だと考えています。その点はいかがでしょうか。
#236
○大臣政務官(高鳥修一君) 御指摘のハローワークとの連携でございますけれども、この点は自治体の代表者の参画をいただいております社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会の報告書において、ハローワークと一体となった就労支援の抜本的強化が必要であるということを参考といたしております。
 また、この通知の制定に当たりましては、省内でも、生活保護制度を所管する社会・援護局とハローワークを所管する職業安定局とが協議を行ったところでございます。
 さらに、生活保護受給者に対する就労支援といたしましては、現在、ハローワークと自治体との協定に基づきまして、支援対象者の個々の状況に応じたきめ細やかな相談支援を実施している福祉事務所とのチーム支援、これは私も政務官に就任させていただきましてから現場の視察に行っておりまして、新宿の福祉事務所とハローワークが連携をいたしました就労支援の取組を視察をしてきたところでございます。福祉事務所における就労支援員を活用した就労支援等を行っております。平成二十四年度におきましては、約十四万五千人に対して就労支援が行われ、約六万八千人が就労、増収につながっております。
 御指摘のとおり、雇用のセーフティーネットを担うハローワークとの連携は重要と考えており、今後とも就労による自立支援に向けて支援を進めてまいりたいと考えております。
#237
○福島みずほ君 終わります。
#238
○委員長(石井みどり君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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