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2013/11/28 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 厚生労働委員会 第8号
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2013/11/28 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 厚生労働委員会 第8号

#1
第185回国会 厚生労働委員会 第8号
平成二十五年十一月二十八日(木曜日)
   午前十時十四分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                古川 俊治君
                山本 順三君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                羽生田 俊君
                浜田 昌良君
                小池  晃君
                東   徹君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       赤石 清美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省保険
       局長       木倉 敬之君
       厚生労働省年金
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省政策
       統括官      唐澤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○持続可能な社会保障制度の確立を図るための改
 革の推進に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 この際、申し上げます。
 民主党・新緑風会、みんなの党及び社会民主党・護憲連合所属委員の出席が得られておりませんので、出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔午前十時十五分速記中止〕
   〔午前十時三十分速記開始〕
#3
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
 民主党・新緑風会、みんなの党及び社会民主党・護憲連合所属委員に対して出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(石井みどり君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省政策統括官唐澤剛君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(石井みどり君) 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○武見敬三君 それでは、同法案に対して賛成の立場から質問をさせていただきたいと思います。
 この法案の中で、これからの保険、医療、福祉にかかわる非常に大きな改革のプログラムが示されています。このプログラムの求めるところというものは、言うなれば、二十一世紀のこの高齢化社会の中で改めて、持続可能で、そしてまた社会の活力を確実に復活させることを大きな課題として、その具体的な政策についての方針が組み立てられているものと私は理解をしています。
 その上で大臣にお聞きしたいのでありますけれども、大きな時間軸で今日の時代状況というものを見たときに、大変大きな課題、すなわち国の国家目標というものが大きく組み替えられていく歴史的な転換期にあるということを私は認識をしております。
 それはどういうことかといえば、おおよそ我が国の政策、諸政策というのを見ていったときに、戦後の荒廃から改めて日本の社会を再構築するときに、おおよそ一九六〇年前後、岸内閣のときと池田内閣のときに新しい社会づくりのための政策パッケージというのが組み立てられている。
 例えば、この当時の経済十か年計画というものを見てみても、従来の経済成長だけがその目的であったものが、国民所得を倍増するということも含めてその経済政策としての政策対象を拡大をしている。それからまた、同時に、一九五八年には健康保険法の改正や国民健康保険法の改正、これによって国民皆保険制度が一九六一年に達成をされる。そして、この五八年には同じく国民年金法の改正もして、一九六一年に国民皆年金制度が達成される。さらには、この時期の税制というものの改正も確実に行われて、所得税の累進課税率も七五%まで最高税率高められて、そして全体として、ある種日本の社会として求められる姿というものは、言うなれば健康で教育レベルの高い中産階級社会を拡大していくということが大きな国家目標として設定をされて、そしてそれを実現するためにこういった様々な政策というものが組み立てられて、それらの政策効果が収れんして戦後の健康で教育レベルの高い中産階級社会ができ上がった。
 ところが、その形というものが、今、今日その歴史的役割を終えて持続可能性を失ってきている。そして、今まさにこの安倍内閣の下で、二十一世紀の新しいこうした政治、経済、社会状況の変化の中で、新しい国家目標を設定して、そしてそれを実現するための新しい政策パッケージをもう一度つくり直すということをしなければならないというまさに時代状況に入っている。
 その中で、じゃ、今二十一世紀の我が国において、どういう新しい社会像というものをおおよそ多くの関係者が持ち、それを実現させるための政策パッケージをつくればいいかという、まずそのあるべき姿についての共通目標というものをきちんと示さなきゃならない。私は、それがまさにアベノミクスとも連携した形での経済的に活力のある健康長寿社会の実現というのがこれからの二十一世紀の我が国の社会の在り方を考えたときの大きな目標になってくるだろうという、そういう認識を持っているんですよ。今回のプログラム法というのも、そうした大きな国家目標を実現するための政策パッケージの一つとして位置付けられるべきだと、こういう考え方を持っています。
 したがって、大臣におかれましても、今回のこうしたプログラム法を推進するに当たって、どのようなこうした認識をお持ちの上でこの法律というものを策定し実行されようとしているのか、どのような日本の社会をつくることをお考えの上でこうした制度改革を進められようとしているのか、そうしたことにかかわるまず基本認識をお伺いしてみたいと思います。
#10
○国務大臣(田村憲久君) おはようございます。
 非常に武見先生から崇高な御高邁なお話をいただきまして、どうお答えしていいのかと、難しい御質問であるわけでありますけれども、今お話をいただきましたベースからさせていただくとすれば、確かに一九五〇年代後半から六〇年代にかけて日本の今の言うなればベースができ上がってきたんであろうというふうに思います。当時はまだ高齢者の人口比率六%そこそこだったと思います。
 七〇年に入って七%を超えて、高齢化社会にもう当時から国際標準でいくと入ってきたわけでありますが、七%ですと、まだそれほど危機感がない時代でありますから、当時の国の形、システムというものが余り変わってこなかった。そういう中において、一九七三年ですか、福祉元年と言われて、まあ国民皆年金・国民皆保険制度、これ自体を更に強化をした年でありましたから、意識はしながら、しかし一方で全体の仕組みはまだ若い人たち中心の仕組みであったことは間違いがないと思います。
 それが今言われた、まあ非常に幅の広いといいますか、厚みのある中間層といいますか、そういうものを育てながら日本の国の経済を活力あるものにしていこうという流れであったわけであろうと思うわけでありますが、一九九〇年に、たしか九〇年だったと思いますけれども、一・五七ショックというものを経験して、これはもういよいよ少子化、大変なことになってくるということでありますから、まあエンゼルプランでありますとかいろんな準備に入り、介護保険制度がスタートしていくという二〇〇〇年、そしてその後、二〇〇四年ですか、年金の方を百年というものを一つ目安見ながら財政検証していくというような、そういう年金制度にしたと。後期高齢者医療制度も一九九六年、いろんな議論をして、お叱りをいただきながら導入に入ってきたわけであります。
 そういうことをしていく中において、徐々には高齢化社会、いや、もうその当時は、もう一九九四年には高齢社会に入り、二〇〇七年には超高齢社会に入っておるわけでありますから、そのような意味からすれば、当然のごとく徐々にそのような方向には変えてきておるわけでありますけれども、しかし、二〇二五年というもの、これは団塊世代が七十五歳以上に到達する年限でありますが、これに向かって更に大変な状況を迎える準備を我々はもう早急にやらなきゃいけないというのが今般のプログラム法の一つの趣旨であり、また国民会議でそのような御議論をいただいてきたわけであります。
 しからばどういう社会かと言われれば、若い方々も女性も高齢者も、やはり元気で健康で、そして働きたいという思いのある方々はみんな社会に参加していただくと。こういう社会をつくっていかないと、ただでさえ少子高齢化の中においてどうするんだという話の中で、経済の成長ということも含めて動いていかないわけですね。
 こう考えたときに、労働力が減っていくということになれば、やはり働きたい方々が働ける社会をつくると。そのためには、今、平均寿命は確かに世界最高峰に来ておりますけれども、併せて健康寿命というものをどう延ばしていくか。この差が男性で九歳、女性で、どうでしょう、十三歳ぐらいあるんですかね、これをどう縮めていくかということをやらないことには、これはなかなか、平均寿命が延びているだけではこの国は支えられないと。そのために、やはり健康づくりというものをしっかりやらなきゃいけない。予防もやらなきゃいけない。自己の健康管理もやらなきゃいけない。そういう意味で、やはり自助というもの、これは大変重要でありまして、自助と共助がうまくバランスを取れ、そしてもちろん公助というものがそこにあるわけであります。
 共助とは何物ぞというのに、共助とは自助の共同化という言葉が国民会議の中の報告書に出ておりますが、私はあえて言えば、共助というのは自助の共同化を国全体で支える制度だというふうに思っておりまして、だからかなりの税金が入っているというふうに思っておるわけでありますが、こういうものを組み合わせる中において、やはりしっかりと自立して、元気な、それこそ自己の持つ能力を最大限発揮いただきながら、社会の活力、これを維持できるような、そんな社会をつくるための社会保障制度改革というものが今般の基本理念としてあるのではないかというふうに思っております。
 なかなか、言うことは言えますけれども実現するのが大変でございますので、是非ともお力添えをいただきますようによろしくお願いいたします。
#11
○武見敬三君 大変きちんとした組立てで御答弁をいただきました。そのお考えは私も全く大賛成であります。その中で、健康寿命の延伸、そして、働ける人は男女共に、また全ての世代にわたる形で働いていただいてその労働生産性というものを各世代にわたってきちんと高めていくこと、それが改めてこの我が国の経済的な活力を支える社会の活力源となる、そのことはもうまさに共通認識として確認されなければならないことだろうというふうに思います。
 アベノミクスというのは確かに経済の活力を活性化させる重要な柱になることは明らかでありますけれども、高齢化社会の中で社会の活力をきちんと回復させる政策が組み立てられない限り、我が国の全体としての国の活力というのは復活をいたしません。そして、その社会の活力というものを回復させる主要な役割というのは、こうした社会保障制度やあるいは雇用制度といった労働政策にかかわる分野が大変多うございます。そこを主管する厚生労働大臣というのは、まさに社会の活力を回復させる主要なやはり役割を担う立場になると思いますので、是非歴史に残る仕事をおやりいただきたいというふうに私は思います。
 そして、その上でもう少し具体的な話に入っていきます。
 平成二十六年度までは、協会けんぽへの国庫補助率にかかわる特例措置が延長されております。これは一三%から一六・四%という形で延長されていますが、平成二十七年度以降は定められておりません。したがって、この協会けんぽ、雇用者保険の方に関しての、改めてその在り方を、単に協会けんぽだけじゃなくて、組合健保、共済組合含めて雇用者保険というものを全体としてどのような形にしていくかということをおおよそ平成二十六年までに考えなければならないだろうというふうに思っておりますが、この点についてのお考えをいただきたい。
 その上で、実は同法案の中におきましても、平成二十七年度に国会に、国民健康保険というものの保険者をおおよそ都道府県ごとに統合していくという考え方が組み込まれております。したがって、これを実行しようとすると、その具体的措置を平成二十六年度までに整えておかなければいけないだろうということになります。
 そうすると、平成二十六年というのは、まさに雇用者保険にかかわる全体的な組立てを進めていくことと、それから地域保険である国民健康保険というものの在り方を非常に大きく変えていくことを同時並行的に進めなければならない年になるはずです。したがって、その年において、雇用者保険そして地域保険含めて、我が国の公的な医療保険というものを将来的にどういう形で持続可能なものにして、そしてその中身は一体どういうものになっていくのかということが議論されていくことになります。
 この点に関する大臣のお考えも今お聞かせいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(田村憲久君) また非常に難しい御質問をいただきました。
 ちょっと先ほど私、年限間違えておりまして、二〇〇四年が年金法改正、二〇〇六年が後期高齢者医療制度改正でございまして、十年ちょっと、一九〇〇年代のことを言っておりましたので、間違えておりましたので訂正させていただきますけれども。
 被用者保険、医療保険でありますが、これに関していいますと、協会けんぽが本則二〇%国庫負担という原則でありながら一三%であったものを、特例で一六・四という形だったと思いますけれども、パーセンテージ、先般、法改正でこれをあと数年間延ばすという形になってまいってきておるわけであります。
 そういう意味からいたしますと、被用者保険という形からすれば、この協会けんぽの財政の脆弱性と、一方で組合健保、ここも中は様々でございまして、いいところから悪いところまでございますけれども、比較的大きな企業等々を中心にして財政力のあるところ、こことどう調整していくのかということがあるわけでありまして、現在も総報酬割を一部導入をしてきておるわけでありますが、これの全面導入をすることに関してそれぞれの御意見がありますから、どう調整をしていくかという問題があります。
 仮にこれ全面導入すると二千数百億円ぐらい財政的には国費として余力ができるわけでありますが、これの使い方というもの、うまく使わないとそれぞれの持続可能性というものに資せないわけでありますし、当然のごとく、健保組合からしてみれば自分のところがその分だけ一定程度負担を強いるわけでありますから、それに対する御納得というものもいただかなければならないわけであります。
 このような形で、被用者保険グループの方々がどのような形で持続可能性というものを担保しながらお互いの負担感というものを共有して制度を維持するかという大きな一つの問題点とともに、今言われた国民健康保険という更に財政力の弱い、これもそれぞれの自治体が中心でありますから財政力それぞれ違うわけでありますけれども、今足らず前を各自治体が三千五百億円ぐらい持ち出しをしておるというふうに思いますけれども、その部分も含めてどう対応していくのかということを考えなければならないと思います。
 この国民会議で、やはり各自治体で保険者を担っていただいておること自体なかなか厳しい状況があるというようなお声がある中において、都道府県単位で財政という意味からすれば責任を持っていただく、保険主体となっていただくというような御提案をいただき、これも各自治体で都道府県と市町村を含めていろいろとこれから御協議をいただくわけでありますけれども、これをやることになれば、一つ、都道府県単位という形で財政的にはある程度ばらつきというものは解決できるのでありますが、そもそもそれでも三千億からのこれ穴が空いて都道府県に持ってくるわけでありますから、都道府県はそれ全部引き受けるよということはなかなか言っていただけないわけでありまして、ある程度、国にそこは面倒を見てもらわないことには我々だってうんとは言えないよと。
 じゃ、その財源どうするんだと。今、消費税の中において一定程度これを入れようという話はございます。低所得者の多い国保には一千七百億円というような数字が前政権で上がってきておったわけでありまして、こういうものを入れるにしてもまだ足らないと。それに関して、国民会議では先ほど言った総報酬割の部分をある一定程度持ってくる必要があるのではないかという御意見ありますが、一方ではやはり協会けんぽの方も厳しいということもありますし、健保組合の方々はこれは前期高齢者医療の方に入れるべきであるという御意見もあるわけでございまして、それぞれのいろんな御意見をこれから調整をしていかなければなりません。
 武見先生がおっしゃっておられるのは、更に一歩進んで、全ての保険者を統合したらどうだというような御提案だというふうに思います。なかなか、国保というものは、保険料が所得割、資産割、世帯割、さらには人数割というふうな、被用者保険とは違う保険料の集め方しておりますから、そこの部分をどうするんだという大きな問題はありますが、将来に向かってそういう御議論もあるということは我々も認識をいたしておりまして、なかなか今ここで答弁するのは難しいわけでありますが、理想としてそういう問題を我々も頭の中にひとつ念頭には置いておかなければならないのかなというような認識は持っております。
 いずれにいたしましても、国民健康保険というものがあるからこそ日本の医療保険制度が成り立っているわけでありまして、このセーフティーネットがなくなれば当然皆保険制度は壊れるということで、ここの大切さということは十分に念頭に置きながら、その持続可能性というものをしっかりと我々は実現をしていかなければならぬわけでございまして、その点、またお力添えをいただきますように心からお願い申し上げます。
#13
○武見敬三君 先ほども申し上げたように、今我が国の置かれている時代状況というのは国家目標を組み替える大変大きな歴史的な転換期だという認識を持つとすれば、やはりかなり大胆な改革をしなければならないという共通認識が出てくるはずであります。是非そうした点における大きなイニシアチブを私は厚生労働大臣に持っていただきたいというふうに思います。
 さらに、このような形で地域保険である国民健康保険を都道府県ごとに統合していく。それから、協会けんぽはもう大体都道府県ごとの形が整えられてきていますよね。そして、医療の提供体制から見れば、この同法案の中で改めて、各病床区分というものを再度設計をし直した上で、それを各都道府県の首長に報告する義務を負わせる形になります。これによって今度は首長の役割というのが医療提供体制の中で更により強化されていくことになっていきます。総じて言えば、医療法に基づく各地域医療計画の策定の責任者である各首長という立場が、今までは形だけのものであったものが、より具体的なそうした役割を各都道府県の首長に医療の提供体制を整えていく上で担っていただくということが実はこのプログラム法案の中には私は書き込まれているというふうに思います。
 そうすると、医療保険の保険者としての責任を負う立場にだんだんだんだん都道府県の首長はなっていくとともに、医療の提供体制を各都道府県の中のニーズに合わせて確実に整備していく責任もこの首長に求められてくる形になる。そうすると、首長は、医療にかかわるファイナンスする方も、それからサービスを提供する方も、両方きちんと管理する立場になって、全体として効率的な運営ができるような、そういうポジションを持つことになると、私はそう理解をしておるのでありますけれども、この理解でよろしゅうございますでしょうか。
#14
○国務大臣(田村憲久君) 今おっしゃられましたとおり、病床機能の報告義務というものが各医療機関に課せられ、地域医療ビジョンを作った上で地域医療計画を都道府県で作っていただくと。あわせて、国保の保険者が都道府県になってくる。さらには、介護は、当然都道府県は介護支援計画を作るわけでありますけれども、介護もこれ、大体計画の方、三年に一回というものと、医療計画、五年に一回というものを例えば六年に一回という形にすれば、これ三年、三年で、実のところ中間報告みたいな形で医療と介護の計画も三年、三年で見直していけると。もちろん、介護は市町村が保険者でございますから、保険者全体は県というわけではありませんけれども、しかし、一方で、やっぱり県というものが支援計画を作る中において一つそれはしっかり計画の中に組み込めるわけでありますから、介護と医療とのある意味計画作りというのもできていけるわけでございまして、そこではある程度、都道府県の長に責任といいますか、逆に言うと権限も持っていただくということも我々考えていかなければならないということでございまして、医療計画、そして国民健康保険の保険者、さらには介護の一定の関与、こういうものも含めて地域の医療、介護のビジョンというもの、これをしっかりとお作りをいただけるということでございますから、今まさに武見先生がおっしゃられたようなそういう理想を我々も追い求めながら今般の新しい制度改革を進めてまいりたいと、このように思っております。
#15
○武見敬三君 まさにそういう方向に進めるとすれば、当然に各都道府県の県のガバナビリティー、行政能力というものを強化していかなければならなくなります。その点に関する施策もきちんと同時に行っていただいてこの大きな組立てが着実に実行されるように、是非御配慮いただきたいというふうに思います。
 また、知事会の中では、こうした意見についてまだきちんとした共通認識ができているわけではないというふうに私は思いますので、その点はやはり粘り強くこうした各知事との間でも合意が形成されるよう御努力されることを期待いたします。
 その上で、今度は土屋副大臣に伺いたいというふうに思います。
 今度のこの法案の中では、改めて地域包括ケアということが強く打ち出されておるわけであります。これは改めて、地域完結型ということで、それぞれ医療、介護、福祉全般にわたってその地域の中で完結できる仕組みをつくろうということで、特に在宅支援といったようなことも強化されるということになると理解をしています。
 この点についてこうした意見を述べたときに、逆にある意味で、多くの家庭にいらっしゃる女性の皆さん方から大変大きな誤解を今受ける傾向があります。言うなれば、何だ、在宅かと。施設ではなくて在宅というところに、そこまでシフトされてしまいますと、ただでさえ高齢者を自宅で介護しなければならない、そういう家庭内の女性の立場というものが、更に負担が増えて、そしてそれによって自分たちは余計な更なる負担をこの政策の結果として引き受けなきゃならなくなるんじゃないかと、そういうことに対する懸念を非常に強く持っている、そういう方々に私はお目にかかる機会がございまして、これはやはり大変大きな誤解であると。
 この点、この地域包括ケアの考え方というのは、むしろそうした家庭における負担というものを抑制していくことを考えながらこうした支援体制を組み込んでいくんだということを御理解いただかなければならないということを非常に強く認識しているわけでありますけれども、土屋副大臣のお考えを伺わせてください。
#16
○副大臣(土屋品子君) ただいま武見先生がおっしゃったように、私も地域に行きますと、そのような意見をたくさん聞いております。今回の改正で非常に、家庭の中での介護ということを押し付けられるんじゃないかという声まで聞いておりますけれども、これは大変な誤解もあるかと思っています。
 介護保険制度も施行からもう十三年がたって非常に定着してきていると思いますし、また反面、本当に助かっているという声も聞いておりますし、これはしっかりと継続していくということでございます。
 その中で、今回の地域包括ケア、医療の、地域包括医療ケアですね、これについてはまだまだ市町村の市長さん、また町長さん、また議員の皆様も手探り状態で、どういうふうになるんだという意見もたくさん聞いておりまして、また厚労省といたしましても、今年の十一月の二十一日に初めて地方の部局長会議というのを開いて発表したばかりでございまして、まだまだ広報が足りない部分もたくさんあると思っております。
 私、父を在宅で介護して、まあ見送りましたけれども、やはりその人の一生の中で何が一番幸せなのかというのをまさに痛切に感じさせられた一時期でございました。そういうときに、やはり本人はとても家にいたがっておりまして、病院へは行きたくないという思い、それを何とか実現させてあげたいと、そういうことも大事だと思っております。
 しかし、介護の負担は大変なことだということも私、現実的に肌で感じたところでございますけれども、その部分は、二十四時間対応サービスや、あと小規模多機能型の居宅介護の普及促進を、大分多くなってまいりましたけれどもまだまだ足りない部分がありますので、そういう施設を整備するとともに、やはりいろんな形で地域の皆様と力を合わせて、医療者だけではなくて、自治体とか、それから若い人たちとか、本当に地域の小さなコミュニティーをしっかりつくって地域医療包括ケアを進めていきたいと考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
#17
○武見敬三君 次に、赤石政務官にお伺いしたいと思います。
 改めて日本版NIHをつくるということで、独立行政法人を設立をして、そして改めてこのイノベーションを推進するための財源配分をするということと伺っております。ただ、実際にそういう財源配分をする仕組みというものは、やはりきちんとした研究組織のバックアップがあってこそ初めてその機能が果たせるというふうに私は思いますが、そちらについては、まだきちんとした考え方や整理がされて政策として打ち出されてきているということは伺っておりません。
 したがって、この点にかかわることを考えると、厚生労働省は、実際には、保健医療科学院とか、あるいは社会・人口問題研究所だとか、それから感染研だとか、あるいは国際医療研究センターだとか、いろんなものを実は持っておられていて、それらが残念ながらそういう大きな形できちんとネットワークとして実はつながって運営されてきていないということもございますので、この際、日本版NIHという考えの中で、そうした各厚生省が管轄している研究組織、機関というものを再整理統合していったらいいんじゃないかというふうに私は思うのでありますけれども、赤石政務官のお考えを伺わせていただけますか。
#18
○大臣政務官(赤石清美君) 御質問ありがとうございます。
 私ももう先生と全く同じ考えを持っておりまして、中に入ってみて、国立衛生研究所、感染研究所、あと様々な研究機関が厚労省に持っておりますけれども、一貫して戦略的な構想で動いているかというと必ずしもそうじゃない部分がありまして、私もアメリカのNIHに何度かお邪魔したことがありますけれども、やっぱり政治と同じで、研究は結果を出すことが最大の要因だろうというふうに思いますので、これからしっかりと、関係省庁含めて連携しながらしっかりとバックアップをしていきたいと、このように思っております。
#19
○委員長(石井みどり君) 武見敬三君、時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
#20
○武見敬三君 はい。
 それでは、あと一問本当は残っておったのでありますけれども、是非、この大きな歴史の転換期の中で、大臣、副大臣、政務官におかれましてはその大きな歴史の役割をしっかりと果たしていただけることを期待をいたしまして、私の質問を終わります。
#21
○大家敏志君 自由民主党の大家敏志です。
 けんか太郎ならぬけんか敬三と思っておりましたけれども、国家目標を組み替える歴史的転換点という観点からの格調高い質問の後を継いで、私も今回のプログラム法案について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 少子高齢化が進展して、また医療技術が高度化する、結果として現在の我が国の社会保障給付は百兆を超えるという現状になっている。何だかそのことが少し悲観的にとらえられる向きもあるんですけれども、今回のこの国民会議の二十回に及ぶ議論の後の報告書の冒頭メッセージの中では、やっぱり我々の悲願であった長寿を実現して、生活水準も高まってきた、これはひとえに我が国の世界に冠たる社会保障制度のおかげであるということが書かれている。全く私はそのとおりだと思っています。
 先ほどの議論の中でもありますけれども、昭和三十六年、一九六一年ですから、私が生まれるちょうど六年前に皆保険・皆年金制度というのがきちんとでき上がって、同時にその時期に様々なものも整備されてきた。しかし、当時は、高度経済成長の入口で、経済成長はもう一〇%に届くような勢いであった。しかし、現在の経済状況は御承知のとおりであります。特に、この十五年間というのは、デフレ不況、円高、特に、我々自由民主党は、もちろんいいこともたくさんやってきたんですけれども、このことには有効な手だてを打つことができなかった。結果として三年四か月間の野党生活ということになって、その中の大いなる反省から昨年の十二月二十六日に第二次安倍内閣の発足ということになったんだと思います。
 これまでのことをきちんと見直して、金融政策と財政政策を本当に百八十度転換するようなことでやってきて、結果として株価だけを見れば八千六百円が一万五千円になって、我々の年金の基金の運用は昨年度で十一兆を超すという水準になってきた。成長局面を迎えているという状況にはありますけれども、やっぱり持続可能な制度をつくり上げなければならないというのが我々の共通の認識の中で今日はいろんな質問をさせていただきたいんですが、今回のこのプログラム法案をわざわざ法律の形にしなくてもいいじゃないかという指摘があって、改革スケジュールで整理できたのではないかという指摘もありますけれども、私はやっぱり違うと思って、こういう法律の形でしっかり出てきたからこそ国民的議論が深まる。今日ちょっと出席が少ないのが若干気掛かりではありますけれども。
 そこで、今回、こうやって法律の形で出したことの意義、先ほどの武見先生の御指摘とも重なると思いますけれども、大臣の所見をお伺いしたいというふうに思います。
#22
○国務大臣(田村憲久君) まず、これは、法律上といいますか、社会保障制度改革推進法の中に法制上の措置ということが書かれておりますから、法律上は何らかの法制上の措置をとらなきゃいけないということでございまして、今般の法律がこのようにお願いをさせていただいておるわけでありますが、しかし、実際は何が法制化する上において我々の狙いであったかといいますと、今も委員おっしゃられましたとおり、日本の国が大きく国の形が変わりつつある中において、その国の一番根底を占める社会保障というものも大きく変わっていかなければならない、そういう状況であります。
 持続可能性と申し上げますが、一方で、少子高齢化、低成長、確かにデフレ脱却して、マイナス成長からは今アベノミクスでこれを脱却してプラス成長に持っていこう、こういう話でございますから、過去十数年とは違う局面を迎えるわけであって、こうならないことには幾ら消費税を上げても社会保障は成り立たない。働く方の給料が上がって初めて社会保険料自体が増えるわけでありますし、税収も上がってくるわけでありますから、これが大前提なんですけれども、しかし、そういうような正常な経済状態に戻ったといたしましても、人口構成の変化等々で社会保障は非常に厳しい局面にあることは間違いありません。でありますから、消費税のお願いをさせていただいたと。
 そのときに、じゃ、社会保障全体どう考えるんだという場合に、今まで高齢者に主に中心だというふうに思われている社会保障制度を、これを全世代型に変えるということで、今般、子育て等々にも一定の消費税の財源を振り分けようということをお願いをさせていただいておるわけでありまして、社会保障というのは、決して高齢者だけじゃなくて、全ての世代に対してのものですよというメッセージがあります。
 あわせて、今まで高齢者というのはどちらかというと受益側だというようなイメージがあったんですが、負担能力に応じた負担というものをこれもお願いをしていかなきゃならないな、高齢者の方々であっても収入のある方々に関しては一定程度の御負担というものはお願いをしていこうというような、そんな考え方がこの中に入っておりますから、例の七十歳から七十四歳という、こういうものに関しても段階的に経過措置を置いてお願いをさせていただかなきゃならぬなという声が今上がってきておるわけでございます。
 そして、何よりも、医療、介護という生活の部分から考えれば、病院完結型の医療から地域完結型の医療、介護というような考え方があるわけでございまして、様々、ほかにもいろいろと負担と給付のバランスでありますとかいろんな考え方があるんですが、そういうような、今までとはまた違ったというわけではありませんが、今までのいろんな考え方を進化させてきた考え方をやはりこの社会保障制度改革の中においてさせていただきたいと思っておるものでありますから、これを国民の方々にやっぱりしっかりと御理解をいただかなきゃいけない。
 そのためには、一つ一つの法案ではなくて、そもそもこういう考え方があるんですよということを、項目といいますか、今回の消費税を上げる中においてこういうことをやっていきたいという項目をお示しをさせていただく、あわせて、その実施時期は大体どれぐらいかなというようなことを、目安を示させていただく、法律もこういうような段取りで出したいなと、必ず出すというわけじゃなくて、これは国会の状況によって変わってくるわけでございますから、大体こういうことを目標に置いておりますよということをお示しをさせていただくということを国民の方々に周知をさせていただくという意味では、この法律の意味というのは大変重いのではないか。
 そして、こうやって国会で議論をさせていただくことによって、それぞれの個別の中身に関してもある程度国民の皆様方に方向性はお示しをさせていただくわけでございまして、この法律案の私は意義というのは大変重いのではないのかなというふうに思っておりますので、どうかひとつ御理解をいただきますようによろしくお願いいたします。
#23
○大家敏志君 御答弁いただきました。
 まさしく、やっぱりこの議論を経て国民にどう理解をしていただくかだと思うんですね。持続可能にする、言葉は簡単ですけれども、限られた財源、それと経済状況を考えて持続可能にするということは、今までの水準よりやっぱり落ちる部分が出てくる。そして、今言ったように、負担の能力に応じて負担をしていただくということになれば、今まで以上に多く負担をしていただく人たち、みんなやっぱり不満に思うんですよね。幾らいろんなことを言って理解してほしいと言っても、今までより水準が落ちる人、やっぱりそういう方々は不満を持ってしまう。そういうことを含めて、今回は、このプログラム法案の議論というのは本当に大きな意味があるというふうに思っています。
 続いて、このプログラム法の第二条の規定の、先ほども少しあったと思いますが、自助自立のための環境整備についてお尋ねをします。
 国民皆が健康に長生きし、年齢に関係なく希望する人は働く、また持てる力を最大限に発揮する社会をつくらなければならない、これもまた共通認識だと思うんですが、よく言われる健康寿命、調べてみると、私の福岡県は、男性が四十位、女性は四十四位、本当かいなという思いもありますけれども、実際に数字が出ていますから、やっぱり関心を持たずにはいられない。もちろん、いろんな裏の状況は後からまたいろいろ教えていただこうと思いますけれども、そんな中で、今回の自助自立を進めるべきという考え方について、社会保障の切捨てだと、また国民に費用負担を押し付けるものだといった反対意見が見られるんですけれども、果たしてそうかなと。やっぱり持てる力を最大限に発揮していただくためのものであって、私は困っている方を見捨てるというような趣旨ではないというふうに考えています。
 病気にかかったときに安心して医療が受けられるということは、これはもちろん大切なことでありますけれども、やっぱり医療を受けずに健康で生活していけることがより望ましいわけですから、これはどなたでしょうか、この自助自立の考え方について改めてお伺いをしたいと思います。
#24
○政府参考人(唐澤剛君) ありがとうございます。自助自立に対する御指摘は、私どもも先生と全く同様の認識でございます。
 プログラム法案の中で自助自立の環境整備を規定をさせていただきましたのは、御指摘のように、高齢者の方も若者も、健康で希望する方は働くことができる、持てる力を最大限発揮することができるような環境こそが活力ある長寿社会につながるという、そういう考え方に基づくものでございます。これは、社会保障の切捨てでございますとか、あるいは国民に費用負担を押し付けるものとか、そういうものではございませんで、できるだけ健康で生活していただけることが望ましい、誰もに納得していただけることであろうという考え方で示されたものでございます。
 具体的には、事業主あるいは保険者、自治体等の皆様のところで創意工夫を凝らして行っている予防等の取組を支援をすることなどを念頭に置いたものでございますけれども、自助自立に共助と公助というものを適切に組み合わせて、弱い立場の方にはしっかりと援助の手を差し伸べることを基本として社会保障政策を推進をしてまいりたいと考えております。
#25
○大家敏志君 先ほど大臣から病院完結型の医療から地域完結型の医療へのその転換が必要なんだということがありましたけれども、それにやっぱり大事なことは、患者のニーズに沿った体制づくりだというふうに思います。
 今回の第四条第四項第一号イに、病床機能報告制度というのが規定されています。もちろん、この制度は医療機関がその有する病床において担っている医療機能の現状と今後の方向を選択して、病棟単位で都道府県に報告するものであり、適切な体制の構築のために有効に活用されることが期待をされています。この病床機能報告制度の具体的な制度設計に当たっては、それこそ地域の実情に合わせてその実態が具体的に把握できるようにすることが重要だと考えています。
 まず、今回の病床機能報告制度でどのようなことを報告させようとしているのか、その目的と内容とスケジュールについてお答えをいただきたいと思います。
#26
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 病床機能報告制度につきましては、医療機関がその有する病床の医療機能の現状と今後の方向性を都道府県に報告していただきまして、病床機能の分化、また連携を進めていく前提としての地域医療の実態というものを把握すると、これが大きな目的でございます。
 具体的な報告内容としましては、これまでの社会保障審議会医療部会や検討会で議論を行ってまいりましたが、一般病床及び療養病床につきましては、高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期機能の四つの医療機能に分けて、病棟がそれぞれ担う機能をいずれか一つ選択して報告することはどうかと。また、実際の病棟には様々な病期、ステージの患者さんが入院しておりますので、提供している医療内容を更にもう少し明らかにしていく必要がありますので、具体的な報告事項について更に詳しく検討を今後していくと、このようになっております。
 この報告制度につきましては、来年の通常国会に提出を目指している法案の中で、平成二十六年度中には報告がいただけるような形を考えていきたいと思っております。
#27
○大家敏志君 この報告制度の情報を活用して、その後に二次医療圏ごとに地域医療ビジョン、これを策定するということになっていますよね。それに関してもですけれども、やっぱり地域の実情に応じた体制の構築が必要です。
 都道府県の現行の医療計画は平成二十九年度までとなっているようですが、どうやらこの二十七年度に前倒しすることが検討されているようです。もちろん速やかに行うことがベストだと思うんですけれども、都道府県によってはそれぞれ実情が違うと思います。
 そこでお尋ねしますけれども、この地域医療ビジョンを作ることのメリット及び都道府県に対しての策定支援、スケジュール感、これについてお伺いをしたいと思います。
#28
○政府参考人(原徳壽君) 地域医療ビジョンにつきましては、都道府県が、先ほどお答えいたしました病床機能報告制度により把握されます地域の医療機能の現状、それと地域の医療需要の将来推計をまず作ります。
 この医療需要の将来推計は、今のところ、当面、二〇二五年、平成三十七年度ごろの医療需要を推計しようと考えております。その現在の状況と将来の姿、これをつなげるところがまさしく計画になっていくわけでありますが、更にその将来の医療需要、すなわち病気がどれだけ出てくるかというものに対して医療機能としてどういうものが必要になるか、これを二次医療圏などごとに推計をしていくと。したがって、患者が将来どうなるかという姿を描きながら、それに対して医療の提供をどういう機能に振り分けていくのかと、そういうことをこのビジョンで示していただこうということにしております。
 この地域医療ビジョンを策定するメリットとしましては、地域の住民が地域の医療提供体制が将来どうなっていくかを把握することができるようになること、また、地域医療ビジョンに従って地域の医療提供体制が再構築されることによりまして、地域のそれぞれの実情に応じバランスの取れた医療機能の分化、連携などが推進され、それぞれの疾病ごとの状態に合った適切な医療やリハビリを受けることができるようになるというふうに考えております。
 また、この地域医療ビジョンの策定スケジュールに関しましては、先ほど申し上げましたように、平成三十七年度を将来の取りあえずの目標の地点としておりますので、国民会議の中でも次期の医療計画で平成三十年度からの医療計画を待たずに前倒しをして策定することが望ましいとされておりますので、報告制度を先ほども申し上げましたように二十六年度中にいただく、それを基にその次のステップとしてビジョンを作っていただく、そのためにはそのガイドラインというものを私どもの方で作らせていただきまして都道府県の方にお示しをしていくと、こういうことを考えておりますので、地域医療ビジョンそのものは平成二十四年度の半ば以降に都道府県で策定していただくというような作業スケジュールになります。
 また、それに対する支援につきましては、今言いましたように、ビジョンをどうやって作るのかというガイドラインをはっきり提示することや、あるいはそれぞれどのような機能が必要かなどについてもその中で示したいと考えております。また、都道府県職員に対する研修も実施していきたいと考えておりまして、都道府県がその役割を適切に果たしていただけるような必要な支援を行っていきたいと考えております。
#29
○大家敏志君 やっぱりエビデンスに基づいてきちんと慎重に、もちろんスピード感は大事なんですけれども、やっていただきたいというふうに思います。
 今後、地域医療の中で病床機能の分化、連携を行い、急性期から慢性期、回復期、在宅医療と切れ目のない医療、介護を患者に提供するためには、都道府県による地域医療ビジョンというマクロの面だけではなくて、実際の現場で患者に寄り添い、身近な健康相談先としていわゆるかかりつけ医の役割が重要であると私は常々考えています。かかりつけ医がこの地域包括ケアの中核になるべきだと考えていますが、厚労省の見解をお尋ねしたいと思います。
#30
○政府参考人(原徳壽君) お答えを申し上げます。
 先ほどの答弁で医療ビジョンの策定のところですけれども、ガイドラインを二十六年度中に策定して、その後二十七年度半ば以降に都道府県に作っていただくという、二十七年度半ば以降ということでございます。二十四年と聞こえましたらちょっと訂正をお願いしたいと思います。
 今のいわゆるかかりつけ医についてでございます。
 国民が身近な地域で日常的な医療を受けたりあるいは健康の相談ができるという医師として、いわゆるかかりつけ医の普及、定着を図ることはもちろん重要であると考えております。また、今後の高齢化の進展の中で介護との連携や、あるいは様々な身近な地域医療の提供体制を構築していく上でも、このかかりつけ医が非常に重要な役割だというふうに認識をしております。
 このかかりつけ医の定着を図るという観点から、引き続き診療所などの主治医機能の強化を図るための診療報酬上の評価の在り方について検討するとともに、大きな病院への患者の集中を避ける観点からは、紹介状のない患者さんへの一定の自己負担の在り方、また特定機能病院の承認要件における紹介率というものがございますが、これを引き上げるということなどを検討しておりまして、大きな病院だけでなくてこの身近なかかりつけ医を十分に活用していただくという方向を考えております。
#31
○大家敏志君 ありがとうございます。
 次に、医師の偏在についてお尋ねしたいと思うんですが、医師の数は増えているけれども地域によって偏在がある、それが医療崩壊の大きな要因であるとずっと言われてきましたけれども、これまでの取組、今後の取組について厚労省の見解をただしたいと思います。
#32
○政府参考人(原徳壽君) 御指摘のとおり、医師の地域別の偏在については大きな課題であるというふうに考えております。このため、医師の全体の数を確保するというために、平成二十年度から文部科学省と連携をいたしまして医学部定員を千四百十六人増員してきておりまして、平成二十五年度は過去最大の九千四十一名の入学定員となっております。
 また、平成二十二年度からは、特定の地域での勤務を条件付けることができるいわゆる地域枠を活用した医学部入学定員の増員を行っておりまして、平成二十五年度は地域枠入学定員が四百七十六名となっております。平成二十六年度も引き続きこの地域枠を活用した定員増を行うこととしているわけでございまして、将来的にはこういう方々がそれぞれ出身の都道府県に帰って働いていただけるということを考えております。
 さらに、こういう医師たちをしっかりと育てていくためにも、またさらにそういう医師を医師不足病院の医師確保のためにも応援していく、応援させるというためにも、都道府県の中に地域医療支援センターの設置を進めているところでございます。この支援センターでは、それぞれ抱えている医師を不足病院に派遣する、あるいは若い医師であれば更に研修を積ませてあげる、そういうようなローテーションを組みながら育てて、かつ派遣をしていくと、そういうような仕組みを考えているところでありまして、現在は、今年度は都道府県でいきますと三十か所の都道府県に国庫補助をしているところでございますが、二十六年度の概算要求では四十二か所まで増やしていきたいと考えております。
 引き続き、これらの医師確保対策の充実に努めていきたいと考えております。
#33
○大家敏志君 大事な点ですから、しっかりやっていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、プログラム法案の第四条第四項にも書かれていますが、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築と今後の高齢化の進展に対応した地域包括ケアシステムの構築は一体として進める必要があり、医療、介護の連携はより一層行っていかなければならないと、病床の機能分化を進めていく中で、退院患者の受入れを整備する観点から、在宅医療の充実とともに介護の充実についても一体で進める必要があると思います。
 社会保障制度改革国民会議の報告書で、「「医療から介護へ」、「病院・施設から地域・在宅へ」という流れを本気で進めようとすれば、医療の見直しと介護の見直しは、文字どおり一体となって行わなければならない。」と提言されています。医療と介護の改革を一連のものとして行うことが今回の制度改革の最も重要な点ではないかと思います。この点についての見解をお聞かせください。
#34
○副大臣(土屋品子君) 委員がおっしゃるように、まさに高度急性期から在宅医療、在宅介護までの一連のサービスを効果的、効率的に提供する体制を構築することが大変重要であろうと考えております。
 法案においても、地域の医療ニーズに対応するため、効率的かつ質の高い医療提供体制や今後の高齢化の進展に対応した地域包括ケアシステムを構築することを通じて、病床機能の分化、連携と在宅医療、在宅介護の推進を併せて検討する旨が規定されているところでございます。
 議員御指摘のとおり、医療と介護の提供体制の改革は、地域における医療、介護を包括的に確保する観点から一体的に行う必要がありまして、次期通常国会への法案提出を目指してしっかりと議論してまいりたいと考えております。
#35
○大家敏志君 終わります。ありがとうございました。
#36
○羽生田俊君 自民党の羽生田でございます。
 質問の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。
 私、御存じのように、現場という中での今までの活動でございましたので、現場感覚からの質問をどうしてもさせていただきたいというふうに思っているところでございますので、今の新しくできます持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律ということについて、この必要性ということは、まさにこれからの高齢化社会を迎えるに当たっては絶対に必要なものであるというふうに考えているところでございます。
 ただ、現場からいろいろと見たときに、この法案の基になっているいわゆる社会保障国民会議からの報告書というものがこの法案のかなりの骨子を占めているということでございまして、我々から見たときに、この国民会議の日本の医療をどう見ているかというところを見たときに、かなり現場からずれているのかなというふうに思うところがあるものですから、その辺をちょっと最初にお聞きをしたいと思っております。
 一つは、この報告書の中で、日本の医療提供体制が民間が主体であるということ、公的なものが一四%ほどしかないというようなところの中で、そういうためにいろいろな国で行うべき政策が大変しづらい、難しかったということが書かれているわけですね。
 ただ、我々現場から見たときに、特にヨーロッパと体制が全く違うもので簡単に比較できるものではございませんけれども、いろんな面で比較したときに、日本の医療の方が結果として、まあ一番早い結果はいわゆる日本の長寿社会、これは国民が長生きができるという方向にしっかりと動いてきた。これはやはり医療の提供体制というものが非常に大きな役割を果たしてきたというふうに思うわけで、これがじゃ本当に公的な医療機関が逆で八割、九割を公的な医療機関が占めていたら今の長寿社会ができたのかというと、これも私どもとしては非常に疑問を持つ点でございまして、よく前からの経済財政諮問会議でも、医療に市場原理を入れるという、いわゆる競争がないというようなことを指摘されてきたわけでございますけれども、民間はそれぞれ、いかに自分の医療機関をしっかり守り、地域に根差して医療を提供できるかというためには、元々競争があってこれだけの体制ができてきたということであろうというふうに思っているところでございまして、いわゆる今の長寿社会が築かれたことについて、この民間が主体であるということについて今の厚労省としてはいかにお考えなのかというところをまず初めに大臣に質問させていただきたいので、よろしくお願いいたします。
#37
○国務大臣(田村憲久君) 国民会議の報告書の中で、確かに、病院数等々、公立は一四%、病床数でいくと二二%しかないというような書き方だったというふうに思います。それが、今般、医療提供体制を見直す中においてどのような形でこれをやっていくかというところにつながっていくんだろうと思いますが、この民間の医療機関が日本は多いという特徴は、まさに、私、今先生がおっしゃられましたとおり、非常に日本の国の医療の質を向上するのに意味があったというふうに思っております。
 なかなか、公立となりますと、財政的にも病院を建てるにも硬直的な財政の中でこれをつくっていかなきゃいけないわけでありまして、またその後の人件費の問題もありますから、これは全体のそれぞれの公セクターの財政計画にもかかわってくるんですね。ですから、ここに病院欲しいなと思ってもそう簡単にできないわけでありますが、民間が中心でありますからこそ自らがファイナンスしてそこに医療機関をつくっていっていただいたわけであります。だから、全国津々浦々、私は医療機能というものが整備されてきたんであろうな、このように思っておるわけでありますし、いろんな公立の病院と民間病院と、一概には言えませんけれども、どちらがより効率的かと言われれば、まあ民間の方が御努力されている部分は多いんであろうなというのが私の個人的な認識であります。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
 ですから、そういう意味からいたしますと、非常に、今の医療費、GDP当たりの医療費、これOECD諸国で比べても、日本は高齢化がこれだけ進んでいる中でこの程度で収まっているというのは、これは画期的なこと、実はこれ国民会議の報告書にも書かれているんですね、ここが。評価はしておるわけでありまして、そういう意味からいたしますと、本当にぎりぎりのところで医療機関の皆様方が、特に民間の方々が頑張っていただいておるというところが私はこのパフォーマンスを生んでおるところだというふうに思っておりまして、世界に比して日本のこの保険制度を含めたユニバーサル・ヘルス・カバレッジというものが評価を受けておるのも民間の医療機関が非常に多いというところだと思います。
 それを、いよいよ医療提供機能を見直す、病床機能の分化、連携、強化、こういうことをやっていくわけでありますから、このときには、公ならばえいやっていうんである程度変われってやれるんでしょうけれども、それをやりゃまたいいかというと、そんなことよりは、地域医療の実情に即してなけりゃ医療崩壊が起こるわけでありますから、そこを地域の医療機関や自治体の方々と話合いをしながら、どのような形で適正に、住民の方々のニーズに合わせて新しい形に変えていくかということを進めていくことが私は必要であろうと思っておりまして、そのためには、診療報酬でありますとか財政的な支援でありますとか、そういうことも含めてこれからそれを実現をしていかなければならないと。そのときには民間の医療機関の方々にも是非とも御協力をいただきたいということでございます。
#38
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 大臣が言われることはもう本当にそのとおりで、非常に大臣は今の日本の医療というものを大変よく分かっておいででございますので、本当に一言一言が重い御回答ということで大変頼もしく思っておりますし、また、民間の医療機関の今までの苦労というものを大変御理解いただいているということは、日本の民間の医療機関にとっては非常に有り難い、やってきたかいがあったなというふうに思うところでございますので、大変ありがとうございます。
 今回の質問の中にちょっと入れていなかったんですけれども、実は新聞で、これは経済財政諮問会議の民間議員の方の発言で、後発医薬品を使わないと減点をするべきだというような意見が出ているということでございますけれども、これこそいわゆる民間議員の方々が医療というものを知らずに発言をしているとしか思えないことでございまして、この発言一つ取りましても非常に問題が多いというふうに我々としては考える。
 医療をする場合には、当然、後発医薬品を使っていこうという意識はあるわけですけれども、現実にこの後発医薬品が本当に先発品と同じ効果、効能であるかという点は非常に判断が難しい。結果的に、後発医薬品で効能が同じであるからということで使ってみた結果、全くこれは効かないという薬も現実にあって、飲んだカプセルがそのまま出てくるというようなことも現実にあるわけですね。そういったことを実際に診療上経験をした上で、この薬は使えるというものが今どんどんどんどんと広がってきている。ですから、それだけ後発品の使用量が、増えてはいるけれども非常に徐々であるという原因はそこにあるというふうに思っているんですけれども。
 これは特に回答を求めるものではございませんけれども、医療を知らない方々の、この民間議員という方々の発言というのは、国民会議も含めて、こういった法律に非常に大きな影響を与えるといいますか、これが基本で法律ができてくるというときに、こういった方々がほとんどが経済中心で医療についても物を発言をしているというところが非常に問題であるというふうに思っておりまして、これはこういう場面で言うべきことではないかもしれませんけれども、これは聞きおいてくだされば結構なんですが、私は前から思っているのは、大臣になったときに今資産公開が義務付けられていますね。この民間議員の方々はこれだけ発言をしているのになぜ資産公開がないのだと、私は義務付けるべきであると。
 どれだけの年収のある方が年収百万だ、二百万という方の国民のことを考えて発言しているのかということを私は非常に強く思っておりまして、これはもう今ここで言っても結論が出る話ではございませんので、回答は求めません。ただ、私がかねてから思っていることをここでちょっと発言をさせていただいたということで、私はそれが非常に問題であって、今の経済財政諮問会議など、まるで自分の会社がもうかるためだけしか物を言っていないというようなことが実際に法律になってしまうというようなことが起きているということは非常に問題であると、私はそのように常々思っておりましたものですから、この機会にちょっと言わせていただきました。これは回答は要りませんけれども、是非こういった意見があるということを心に留めておいていただければというふうに思っているところでございます。
 また、報告書でもありまして、今回の法律の中にも書かれております、医療法人ができる限り合併しやすいような体制にしていくという話がありますけれども、これも、今でも小さな医療法人が非常に経営が苦しいときに、ある意味、吸収をされ吸収合併をしていくということは既にいろいろ起こっているわけでございますけれども、医療法人がそういった形で巨大化していくということをむしろ進めているようにも読めるわけでございまして、この点は非常に問題があるのかなと。最近では、最悪の例、田村大臣も大変迷惑をしているところが巨大医療法人というものにあるわけですけれども、こういったものが巨大化したときに、やはりこの例につきましては各地域で訴訟が起きている。これは、その医療法人が病院を小さな町に造ったときに、そこの国保は破綻をしてしまう。それだけのことがあって、あるからこそ、行政とその医療機関との訴訟が起きているということもあるわけで、巨大化するという、ある意味必要な部分もあるんですけれども、非常にこれが悪影響を及ぼす部分も非常に大きいということが非常に私は心配をするところでございまして、医療法人どんどんどんどん吸収合併していけばいいんだというようにどうしても読めてしまうところが私にとっては非常に気になるところでございまして、やはりそういった巨大病院が少数でありながら医療費のかなりの部分を使っているというのも現実に事実でございますので、その医療法人の合併について少し、原局長でも結構でございますので、その辺ちょっと御回答いただければというふうに思います。
#39
○政府参考人(原徳壽君) 医療法人の合併の規定でございますが、プログラム法案の第四条第四項第一号において、病床の機能の分化及び連携等を推進するために必要な事項について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされておりまして、その検討すべき事項の一つとして医療法人間の合併及び権利の移転に関する制度等の見直しという事項が掲げられております。
 そもそも、この見直しの規定につきましては、中小規模の医療法人を大規模集約化するという目的のために行うのではなく、医療法人間の横の連携を強化し、病床の機能の分化及び連携など、地域医療提供体制の再構築を進めるという観点から、この医療法人制度について見直すべき点があるかどうかという視点で検討することとしております。
 具体的には、現在、医療法人の事業展開等に関する検討会を設置しておりまして、来月の会ではこの医療法人間の合併及び権利の移転に関する制度等の見直しに関する論点について議論をしていただくこととしておりますが、その際も、プログラム法案に明記されているこうした観点に立って検討を進めていきたいと考えております。
#40
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 特に、やはり医療提供体制というものがしっかりしていてこそ国民が安心して医療を受けられるということにつながるわけでございまして、医療法人の問題一つ取りましても、やはり小さな医療法人が地域に存在しているからこそ近くの医療機関ということで国民の方々は非常に安心をしてそこに住めるということがあるわけですから、決してそういう医療機関がなくなっていかないように、是非その点は十分注意をされて法律の運用をしていただければというふうに思っているところでございます。
 それから、先ほどかかりつけ医の問題が出ましたけれども、実は、今の小さな医療法人も非常にかかりつけ医の方々が多いわけでございまして、かかりつけ医の存在というのはこれから地域包括ケアにおいても非常に大きな地位を占めると、非常に中心的な存在になるであろうというふうに思っているわけですけれども、法律の中にこのかかりつけ医という言葉が書き込めないのかなというふうに思うんですけれども、医政局長、いかがでしょうか。
#41
○政府参考人(原徳壽君) 従来からも、そのかかりつけ医という言葉につきましては、いわゆるという言葉を付して使ってきております。様々な定義がありますし、またよく似た使い方をしている言葉もございますので、ちょっと法律上ここになかなか書き込めないということは御理解をいただきたいと思います。
#42
○羽生田俊君 確かに、かかりつけ医というものがはっきりした定義が、我々の中でも定義が非常に長くて一言で言えないような定義を言っているものですから余りそれを強く言う立場でもないんですけれども、やはりこういった地域医療をどうしていこうかという法案の中で、そのかかりつけ医というものがしっかりと存在というものを、これは医療法の中にどう書き込むかということになると思うんですけれども、その存在というものを法律上しっかりと位置付けてこそそれを中心とした医療提供体制を組んでいくその基になるんであろうというふうに思っているところであります。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
 我々の調査で、医療に対しての国民の満足度というものを調査をさせていただきました。これは過去四回したんですけれども、満足度は徐々に上がっていて、今全体でも八割近くの国民の方が今の日本の医療に満足をしているという回答をいただくまでに満足度が上がってきていると。初めは五〇%をちょっと超えた程度でございましたので、非常によかったなということですし、あるいは我々の努力も理解されてきたのかなというところでございますけれども。
 実は、その満足されているという方々を、その中を調査したときに、実際に医療を受けた方と受けていない方とではこの満足度が違う。そして、医療を受けた方は八三%ぐらいの満足度、受けていない方というのはやはりそれよりも下になってしまうわけで、平均が八〇ぐらいですから。そういったことでございますけれども、その医療を受けた方の中で満足度が非常に高い、それをまた分析をいたしますと、このかかりつけ医がいて医療を受けた方の医療満足度とかかりつけ医がなく医療を受けた方の医療満足度、これは約一二ポイントぐらい差があるんですね。やはりかかりつけ医がいる方が医療満足度が圧倒的に高い、これは九三%を超す医療満足度ということが得られているわけですから、そういう意味におきましても、このかかりつけ医というものをいかに位置付けていわゆる地域医療の中心にしていくかということを十分に今後の議論の中で考えていただきたいということをひとつお願いするところでございます。
 かかりつけ医というものをしっかりと地域に根差していっていただく、あるいは中小病院、もちろん大病院でもでございますけれども、それぞれの機能があることはよく分かっておりますけれども、それぞれがやはりきっちりとその地域に根差して、病院あるいは医療機関、診療所等々、有床診療所が存在するというためには、その運営を支えるのはやはりその原資になるということで、民間の医療機関においてはこの原資は診療報酬以外にはありません。
 公的病院というのは、病院を建てるときには建物の金額が全然別なところから出たり、赤字が出ればその市町村なりの本会から補助まで出て運営がされているということでございましたら、そういった中で民間の医療機関も診療報酬という点では全く同じ、同じ土俵だと言われるわけですね。だから、土俵の上を見ると、はっけよい残ったというときに、民間の医療機関は徳俵に足を掛けた状態ではっけよい残ったという相撲が始まるというような状態で相撲を取らなければならないという、ちょっと表現が、例えが悪いかもしれませんけれども、そんなように感じるところでございまして。
 今回の法律の中でも、雑則の中で財源の確保ということがはっきりうたわれている。今回の消費税については、これは全てを社会保障に使うということが明記をされているわけで、これは法律上そう決められたわけですね。ところが、いろんな形で使うべきだというほかの意見も最近聞かれるわけで、大変心配しているところでございますけれども、この「必要な財源を確保し」という言葉がしっかりと法律の中に書かれている。これは民間にとっては、いわゆる診療報酬でしっかりと財源を手当てしてもらえるということが、その地域にそのまま存続をする、あるいは安心した医療を提供できる、医療機器であるとか設備であるとかというものの原資として非常に大きなものなわけでございまして、そういった意味での消費税の使用方法、あるいは、ほかの問題になりますけれども、消費税の医療機関の負担の問題等々が非常にこの運営に影響を与えるということでございまして、やはりその点について今後どのように考えていくかということもお尋ねしたいんですけれども。
 その前に一つ、有床診療所というものが今後の地域医療包括ケアの中で大きな存在であるというのは私どもも考えているところでございますが、今回、福岡県で有床診療所の火災ということがあって十人の方がお亡くなりになってしまったという大変悲惨な事故がございました。ちょうどあの日私も福岡におりましたものですから、朝のニュースでびっくりしたところでございますけれども。
 そういったことも、いわゆる原資という、いわゆる病院のあるいは診療所の運営という点でそれがどのように手当てをされているかということは非常に大きな問題になっていくということでございますので、この有床診療所というものを今後の地域包括ケアを含めて今後どのように育てていくのか、あるいは、今ここ十年で三分の一ぐらいになってしまったわけですけれども、こういったもの、この有床診療所について厚労省としてどのようにまずは考えているか、その点をまずお聞かせいただければというふうに思います。
#43
○国務大臣(田村憲久君) 済みません、ちょっと後の診療報酬の話も含めてさせていただきたいというふうに思います。
 まず、先ほど羽生田先生の顔を見ておりまして民間病院に心がぐぐっと行っちゃったんですが、公的病院も役割はちゃんとありますから、それも必要なところでございますから、公的病院もしっかり頑張っていただきたいということをまず申し上げた上で。
 まず、今、有床診のお話が出ました。本当に痛ましい事故が起こったわけでありまして、心からお亡くなりになられた方々には御冥福をお祈りを申し上げるわけでありますが、有床診の場合、幾つかの役割というものを今議論をしておるわけでありまして、やはり急性期等々からの受皿という役割があるわけでありますし、そもそも地域の在宅においての急変期の受皿という役割もあります。そして、在宅医療のやはり拠点であることは間違いないわけでありますし、それぞれが専門的な医療を提供いただく主体になっていただいておると、こういうような役割もあります。
 こういうことも含めて、これから中医協の中でいろんな御議論をいただきながらこれから診療報酬改定に向かっていくわけでありまして、そこはやはり重要な役割を担っていただいておるということをしっかりと評価をいただかなければならないというふうに思います。
 それから一方で、スプリンクラーの話がよくされておられるわけでありますが、これに関してはやはり一定の財政的な支援ということも視野に入れていかなければならないなということでございまして、これはこれでまた政府の中で検討をしていかなければいけない大きな課題であるというふうに認識いたしております。
 栄養管理加算の問題もございます。これ、入院基本料の中に入れちゃったものでありますから、ちゃんと栄養士等々を配置できないと対応できないというような問題がございます。こういう問題に関しましても、今大きな課題でございますので、これも中医協でしっかり議論をいただきながら方向性をお出しをいただきたいというふうに思っております。
 様々な論点ありますけれども、やはりこれからは在宅医療ということが中心になってくる。地域包括ケアの中で、医療、介護、それから予防、生活、さらには住まいというような部分が入ってくるわけでありまして、その中において、やはり医療を中心に有床診の役割というものは非常に大きいというふうに我々認識をいたしておりますので、そのような位置付けの下、有床診の在り方というものをしっかりと我々は考えていかなければならないと、このように思っております。
 あわせて、診療報酬改定でありますが、まず消費税部分に関しましては、今般二千億というようなお話をいただいておりますけれども、この中でしっかりと、やはり消費税の掛かる部分に関しましては、これは我々は要求をしていかなければならないというふうに思っております。今までの消費税が、五%がどこに行ったのかという議論はここでは避けますけれども、今般の三%に限っては、これは入院基本料、さらには初診・再診料というような形で何とか見ていくというような話合いになっておるわけでございます。一〇%はまたちょっと別途の話でございますので、いろいろとこれからまた御議論をさせていただきたいと思いますが、今般の八%に関しては、この部分はしっかりと我々は求めていかなければならないと思っております。
 あわせて、実は消費税の部分で見ております医療機能の充実の部分、これは今般の一連の流れの中でいろいろと書かせていただいておりますメニュー、これは充実とそれから重点化、効率化の差額分でありますけれども、ここに関してはやはりしっかりと、これ何のための消費税だという話でございますので、我々は要求していかなきゃならぬと思っておりますが、あわせて、そこに載っていないメニューの部分、例えば、急性期でありますとか産科、周産期ですね、さらには小児、このような部分、ほかにもいろいろあります。こういう部分は、やはり薬価改定の中で出てくる部分、ここで今まで見てきたというような、そういうような歴史があるわけでございますので、ここもやはり何か、医療機能の充実といいながら、医療の充実といいながら、何かこちらの部分は弱体化しているんじゃないかと言われますと、何のためにこれ一体改革をやるのかという話になってまいりますので、この部分に関しましても薬価算定、この薬価改定の部分も含めて、我々は必要な部分はしっかりと要求していかなきゃならぬと思っております。
 あわせて、アベノミクスという形でございますから、医療人材のやはりこれから給与のアップということも含めて考えていかなきゃならぬわけでありまして、そういう部分も含めて、全体として適正な診療報酬というものを我々はしっかりと確保すべく努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#44
○羽生田俊君 大変心強い御回答……
#45
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
#46
○羽生田俊君 はい。
 ありがとうございました。もう私の質問以上にいろいろとお答えいただきまして、本当にありがとうございます。
 診療報酬と消費税というのは、やはりくっついているものですけれども、しっかりとどこにミシン目があるんだということをはっきりしていただきたいということ、本当にありがとうございます。
 それからもう一つは、今の地域医療の中で、かかりつけ医という位置付けでございますけれども、在宅医療を推進するという中で今の日本の情勢を見たときに、在宅医療に本当に持っていけるのかという心配が大きいわけでございまして、そういったときに、やはりそれに持っていく段階としてかかりつけ医そして有床診療所というものが非常に大きな役割を果たすということだろうというふうに思っておりますので、その点を是非お考えの上でこの法律を、個々の議論についてしっかりと議論していくというふうにお願いをいたします。
 ありがとうございました。
#47
○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。
 社会保障改革のプログラム法案についての質問をさせていただきます。
 今日は、質問のスタートが若干遅れておりまして、当初の所要の時間ですと十二時十五分までというふうに計算をしておりましたが、少し延ばさせていただきまして、途中で質問を一旦区切って、残余を午後に回すというような形を取らせていただこうかというふうに思っておりますので、御理解を賜りたいというふうに思います。
 まず、世界に例を見ない少子高齢化とそして人口減少という大きな課題を我が国は抱えております。その中では、やはり社会あるいは経済、あらゆる分野で発想を転換をして高齢化そして人口が減少していくということにどう対応するか、その変化に対応したビジョン、こういうようなものを、安心につながるビジョンということをどう提示するかというのは、これは大変大きな課題でございます。そして、そのビジョンを提示をして、その上でスピード感を持って改革を着実に進めていくと、これがなければいけないというふうに思います。これは社会保障においても大変大事な、同様の問題意識を私たちは持って進めてきてまいりました。
 日本は御案内のとおり世界一の長寿国、大変すばらしいことだというふうに思います。こういう長寿社会が実現できたことの背景には、長年にわたって、特に戦後ですね、私たちの先輩方が大変な知恵を絞り、また苦労して医療あるいは介護、年金という世界に誇る社会保障制度を着実に整備をされてきた、これが背景で日本はこうした世界一の長寿社会になれたということだというふうに思っております。
 この大切な社会保障制度を決して壊してはならないと。高齢化、人口減少あるいは財政の問題、こういうようなことをテーマにして、それによって社会保障制度が壊れてしまっては、未来の子供たちに安心の日本ということを残していくことはできない。持続可能な社会保障制度を残していくというのが今を生きる私たちの使命であり責任であると、こういうふうに確信をしております。
 その意味において、今般議題のこの社会保障制度改革プログラム法案は、今後持続可能な社会保障制度をつくっていくと、こういう点で、進めるべき改革の方向性と実施時期、これをきちっと明確にしていくというものだというふうに理解できます。将来にわたって社会保障制度を守るための改革を進めるステップであり、早急にこれは成立を図るべきであるというふうに考えております。このステップがこの国会で頓挫してしまうということは、これはすなわち社会保障の安心を崩してしまうことにつながりかねない。その意味では、私たちは充実した審議とともに、この国会で是非成立をさせるということを一つの責任として取り組んでいきたい、このように思っているところでございます。
 総論的な議論から少しさせていただきたいというふうに思っておりますが、冒頭、今私、幾つか指摘をさせていただきました。今日までの日本において社会保障制度が果たしてきた役割と意義というものをどうとらえるか、そしてその上で、このプログラム法案の目的、意義というものをどう位置付けるか。特に、様々な議論ありますが、プログラム規定というものを閣議決定ではなくてこうした法律案として提出をされたことの意義について、大臣の御見解を伺いたいというふうに思います。
#48
○大臣政務官(赤石清美君) 大変有意義な意見をありがとうございました。私も全くそのとおりで、ここで頓挫をさせてはいけないと、そういう思いで政府としてもしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 今の長沢委員の質問でありますが、我が国の社会保障は、昭和三十六年に国民皆保険・皆年金が実現をしました。それ以降、右肩上がりの経済成長や低失業率、長期雇用慣行などの下で国民生活を安定させるとともに、長寿世界一の実現に大きく寄与をいたしてきました。
 一方、急速な少子高齢化の進行、雇用慣行、家族形態の変容等に対応しつつ持続可能な社会保障制度を確立するためには、消費税率の引上げにより安定財源を確保しつつ、制度の充実と重点化、効率化を同時に進めていく必要があります。
 そうした中、本法案は、プログラム法案という形で改革の全体像、進め方など、道筋を明らかにするものであります。これにより、改革に向けた個別の課題について政府が必ず検討を行う法律上の義務を課し、改革の着実な実行を図るという点で大きな意義があると考えております。また、国民負担が増える中で国民の皆様の納得を得るためにも、改革の具体的な内容を明らかにすることが重要だと思っております。
 以上です。
#49
○長沢広明君 是非ともこの法案を成立をさせるというための、一つ一つこの議論の中でも積み上げていきたいというふうに思っております。
 昨年、社会保障制度改革推進法が成立をして、そこからこのプログラム法の議論につながってきているわけですけれども、この社会保障制度改革推進法の中に規定された法制上の措置という部分、これまで衆議院でも議論になりました。今日も議論になっています。この法制上の措置について確認をちょっとしたいと思います。
 昨年の民主、自民、公明三党から提出されたのがこの社会保障制度改革推進法でありました。そして成立をいたしました。その中には、社会保障制度改革を進めるための必要な法制上の措置について、この推進法が施行後一年以内、すなわち今年の八月二十一日までに国民会議での審議の結果等を踏まえて法制上の措置を講ずると、こういうふうに規定をされておりました。それを受けて、この八月二十一日にプログラム法案の骨子が閣議決定をされました。そして、それに基づいて法案になったものが十月の十五日にこの国会に提出をされたというのが事実の経過でございます。
 こういう経過を受けて、様々な議論が衆議院でも起きました。一つ挙げますと、衆議院でのこれは民主党の議員の方の意見ですが、この法案は中身が余りない、そもそも法案として出す必要があるのかというような議論がございました。社会保障制度改革推進法の中には法制上の措置というのが書いてありますけれども、これ議事録ですね、この法制上の措置というのが想定をしていたのは年金の改革であったりとか高齢者医療制度の改革なんです、今回のものはアリバイとして出てきたのがこの法案じゃないかなというふうに理解をしております、それは閣議決定等でやればいい話であって法律で出すようなものじゃないと、こういう議論が衆議院でされておりまして、私は、こういう御意見は御意見だと思います。ただ、そういう御意見の上の議論ですと、この法案の本当の意味というか意義というものがかなり損なわれてしまうというふうに思います。
 この法制上の措置ということについて、去年成立をした推進法については、施行された昨年の八月から本年八月までの一年間に、一つは国民会議で審議の結果を得るということ、もう一つはそれに基づいて法制上の措置を講じることと、この二つを規定しているわけですね。一年間に国民会議で審議の結果を得、法制上の措置を講じると、この僅か一年にということを考えますと、この期間内の現実的な作業というのを考えれば、元々この推進法に規定をされた法制上の措置というのはいわゆる今回のプログラム法案のような形を取ること、これは私は、この推進法を、規定を作った時点である程度想定していたものであったというふうに理解が十分できるというふうに思います。
 そこで、改めて政府に伺いますが、社会保障制度改革推進法における法制上の措置ということについて政府はどのような認識を持って提出するまで至ったのか、改めて見解を伺っておきたいと思います。
#50
○大臣政務官(赤石清美君) 長沢委員にお答えいたします。
 この社会保障制度改革推進法では、社会保障制度改革国民会議の審議の結果を踏まえ、改革に必要な法制上の措置を講ずるものと、委員がおっしゃられましたとおりであります、とされております。
 政府としては、社会保障制度改革国民会議の報告書において、時間軸に沿って、国民の合意を得ながら、目標に向けて着実に改革を進め、実現していくことが必要と提言されたこと等を受け、改革の全体像や進め方を明らかにするプログラム法案を法制上の措置として今国会に提出をしたものであります。
 今後、プログラム法案に基づき検討を行い、各制度の改革法案を次期通常国会から提出していることとしております。
 以上です。
#51
○長沢広明君 今お答えをいただいたとおりですし、この法案の中に規定をされている今後のプログラムのいわゆる重要性ということを考えれば、このプログラムというものがちゃんと法案として出されたことというのは大変大きな意味があるというふうに思っておりますので、この法制上の措置として、ある意味ではぎりぎりの、一年間の間に国民会議で様々な審議をしていただいて、それを受けてこの法制上の措置を検討するという意味では、こういう形になったということは私は元々想定されていた事態であったというふうに理解をしております。
 次に移りますけれども、このいわゆる社会保障制度改革の議論というのは、十年ぐらい前に年金改革の議論が大変沸騰した時期もございました。ある意味では、社会保障制度をきちんともう一度立て直して安心の社会をつくらなければいけないということは、これはもう与野党共通の認識であったからこそ議論が大きく沸騰した時期があったというふうに思います。
 例えば、社会保障改革に関する有識者検討会というのが民主党政権のときに設置をされておりました。この民主党政権のときの社会保障改革に関する有識者検討会というのは、これは報告書を出しているんですけれども、その報告書の中では、新しい社会保障の在り方をめぐる議論が以前の自公政権下の社会保障国民会議や安心社会実現会議などにおいても開始されており、それらの議論は多くの共通点があった、党派を超えて共有できる社会保障改革論の流れがある、こういう指摘が民主党政権のときに設置をされた有識者検討会の報告書の中にもそういう指摘があるわけです。
 つまり、その前の自公政権のときでも社会保障についてはすごい改革の議論があった、それは共通点があったんだと、そしてその改革の大きな流れというのはずっと共通の認識の下の流れが今もあるんだというのが民主党政権のときの有識者会議の報告書の一つの大きな認識だったわけですね。
 実際に政権交代が起きたという、自公政権から民主党政権に政権交代が起きた。起きた中においても、有識者からはあえてこういう指摘が、社会保障改革論の流れというのは党派を超えて共有できるものがあるんだと、こういうことがある、あえて認識として示されたということは、私は、社会保障改革の協議において、議論において、どの党が政権を担おうとも、安心してその議論を国民が見詰めることができる党派を超えた議論というものが必要であるということを示したものだというふうに思います。
 十年ぐらい前、年金改革のことが議論になったときに、私は当時衆議院に籍を置いておりましたけれども、そのときにも言わせていただきました。国民の暮らしを守るための社会保障の議論については、これを政争の具とするべきではない。政権交代というか、争われることがあった中でしたけれども、社会保障については政争の具にすべきではないということが、国際的にも、世界、ほかの国の中でもそういう議論があって進められてきたものであるというふうに思っております。
 社会保障改革に当たっては、批判のための批判ではなくて、現状の正確な共通認識というものを踏まえたより高次、高い次元の前向きな議論が必要だと、こういうふうに考えておりますが、この社会保障改革の議論の在り方について見解を伺いたいと思います。
#52
○国務大臣(田村憲久君) 長沢先生おっしゃられますとおり、これ、元は民主党政権のときに、今日、民主党さんがおられないんでしゃべりづらいところがあるんですけれども、やはり政権を握られた民主党さんもいろいろと悩まれたんだと思います。
 社会保障を持続可能なものにしていくためには、消費税というもの、これをやはり認めていかなければならない、必要であると、そういう認識の下に三党での協議が始まった。そこには、社会保障というものは国民生活の一番基盤になるものであるから、政権交代するたびにころころ変わっていったんではこれは困るという思いもあられたというふうに思います。
 そして、一方で、消費税という、これはどの党も余り言い出しにくいものでありますけれども、どうしても社会保障を支えようとなれば、それを国民の皆様方にお願いしていかなきゃならない。であるならば、与野党を超えてそこを共有できる政党同士が協力し合おうということで、当時、公明党さんも大変な御苦労があられたと思います。そんな中、一歩を前に踏み出されて、三党で議論をし、合意を得、そして推進法を作り、ということであったんですが、その後選挙があって、という流れの中で政権交代が起こったと。ただ、年金の部分と高齢者医療の部分は若干合意は得られませんでしたが、それは引き続き議論をしながら、やれるところからやっていこうというのがそのときの三党の思いであったというふうに思います。
 結果、今こうやってプログラム法をお願いをいたしておるわけでございますけれども、それぞれの政党の立場の中でこれに対して賛成、反対はあるのかも分かりません。ただ、社会保障を進めていくという中においては、やはり政権替わるたびにころころ変わっちゃ困るという流れの中でございますので、これからもこの三党の中において是非とも議論をお進めをいただきたいと思いますし、そこで合意が至るものがあれば、どんどん改革をお進めをいただくための協力体制というものをお組みをいただければ有り難いなというふうに我々は思っております。
#53
○長沢広明君 私も本当にそう思っておりますし、ある意味では、この十年あるいは十年以上の様々な社会保障に関する議論というのは、政権交代があり、与野党ある意味では、幾つかの会派だけかもしれませんが、政権を経験をして、あるいは、時には与党になり時には野党になりということを経験したその経験知に基づいて共通の認識で議論できることは、私は、土俵はそういう意味で非常に広がってきているというのは非常にいいことだと思いますし、税と社会保障の一体改革ということをさきの民主党政権の中から提起をされて、そしてそれに、民主党、自民党、公明党の三党ではありましたけれども、真摯な協議が行われたということは私は大変にすばらしいことであったと。
 それを受けて、今般こうしたプログラム法に基づいた、短期と中長期、ある意味では分かれたところがありますけれども、この改革のある意味では段階というものをきちんと明示をすることができたというのは、非常に長い歴史の上においても意義のあることだというふうに思っております。
 と同時に、大変すばらしいというか、まあすばらしいという言い方はどうかな、ある意味ではチャンスというか好機を迎えていると。これは衆議院の厚生労働委員会においても我が党の桝屋敬悟議員が、これまで十年以上改革の議論を続けてきたが、確かな財源が確保されて議論ができる得難いときを迎えているという発言がありました。もちろん、年金改革もそうですし、医療改革についてもそうですし、消費税の増税という一つのテーマがきっかけというか下敷きにあり、その増税分については社会保障の充実強化に全額振り向けると、こういうことで合意ができ、こうした議論ができるようになった。その意味では非常に大事な時期、今までの議論の積み重ねの上で非常にいい環境、いい環境かどうかは別として、時期としては非常に大事な時期を迎えていると。得難いときを迎えたというのはまさにそのとおりだというふうに思います。
 消費税率の引上げと社会保障改革という非常に政治的には難しい判断だったわけでありますけれども、これを判断し、議論の機運を大切にしながら、国民への説明も、誠実に誠実に説明に努めながら、理解を得ながら改革を着実に進めていかなければいけない大事な時期にこの国会は迎えたということだと思います。
 そこで、社会保障改革の機運の醸成について、そして国民の理解の促進に関して今後どういうふうに考えているか、御見解を伺っておきたいと思います。
#54
○国務大臣(田村憲久君) 今委員がおっしゃられましたことも含めて、このプログラム法というのは意義があると我々は思っております。
 今般の社会保障制度改革国民会議の報告書の中にもいろいろと盛り込まれておるんですけれども、要は、持続可能性という意味からすれば、消費税ということを国民の皆様方にお願いしていかなきゃならない。しかし、それは、ただ単に負担をお願いするだけではなくて、当然充実という部分も我々は挙げさせていただいております。あわせて、もちろん重点化、効率化ということもやっていかなきゃならない。そして、負担能力のある方々には負担をお願いする。代わりに、代わりにと言っていいか分かりませんが、負担能力が少ない方々、こういう方々に関しましては、例えば国民健康保険、後期高齢者医療制度、こういうものに関しましても、その負担という部分、軽減の枠をこれは広げていこう、こういうような、広げていこうというのは、要するにそういうような層を広げていこうということでありますけれども、そういうこともいろいろと議論をさせていただいておりますし、介護保険に関しましても、この軽減の厚みというものをどうすべきか考えていかなきゃならないなと、更に広げていくかどうかということを議論をいたしておるわけであります。ですから、そのような部分もやっておると。
 そして、更に言いますと、先ほども申し上げましたけれども、全ての世代、全世代型の社会保障ということでございますから、子育て世代、世帯の方々にも享受をいただくような部分も力を入れていかなきゃならないということで、今回やろうとしていること全体を、それは国民にとってはつらいこともありますけれども、しかし一方で、持続可能にしていくと同時に、弱いところには力を入れていくんだということも御理解をいただきながら、今般の改革の必要性というもの、これを国民の皆様方にしっかりと我々お伝えをさせていただきながら、それならばこれは必要なんだなということを国民の方々に御理解をいただく、こういうことに更に我々は力を入れてまいりたい、このように思っております。
#55
○長沢広明君 大臣、是非政府全体でそういう努力をいただきたいというふうに思います。
 社会保障制度改革国民会議の報告書、この報告書の中の一つの大きな特徴というのは、いわゆる社会保障制度のいわゆる視点の転換ということにあると思います。いわゆる年齢によっての社会保障の給付と負担ということではなくて、負担能力に応じてお互いに支え合うということを基本に置いて全世代型の社会保障と、こういう転換を目指していると今大臣も触れられましたけれども、この全世代型の社会保障への転換という基本的な考え方を新たに提起をした、これ非常に大きな転換だと思います。
 それをプログラム法案、この法案においても、第三条の二項において、全世代対応型の社会保障制度の構築を目指す中でと、こういう言葉が実際使われておりますが、この考え方は、全世代対応型という中で、具体的に言うと、この第三条は少子化対策を規定するところですので、少子化対策に限って全世代対応型ということになるのかというふうについ見えてしまうんですが、いわゆる全体貫いて、社会保障制度全体貫いて全世代対応型の社会保障への転換というのが大きな特徴だと思います。
 現役世代にとっては負担する一方ということではなく、現役世代の皆様にも納得できる土俵をつくるということが大事だということも含めて、この全世代対応型という意味がこの法案において表れている部分というのはどういうところにあるのか、どういう考え方なのか、説明をいただければと思います。
#56
○政府参考人(唐澤剛君) 御指摘をいただきましたように、この国民会議の報告書、それからこのプログラム法案におきましても、全世代対応型の社会保障制度の構築というのは大変重要な考え方でございます。
 国民会議の報告書におきましては、雇用慣行、家族形態の変化、そして急速な少子高齢化というようなことがございまして、一九七〇年代モデルの社会保障から二十一世紀の日本型の社会保障モデル、そういうものに転換をしていくということを指摘されているわけでございますけれども、政府といたしましても、この社会保障の考え方につきましては、ただいま御指摘をいただきましたように、まず第一には、高齢世代を給付の対象にする、そういうだけの考え方から、切れ目なく全世代を対象とする、これはもちろん少子化対策も含むわけでございますけれども、そういう社会保障への転換を目指すという点が第一点。そして第二点目には、世代内、世代間の公平を確保するという観点から、年齢というだけではなくて、負担能力に応じた負担とすることを目指したという考え方を取っているわけでございます。
 具体的な法案の中では、御指摘いただきましたように、少子化対策の充実といたしまして、子ども・子育て支援新制度の実施、待機児童解消加速化プランの推進、社会的養護の充実等を盛り込んでおります。それから、少子化対策の部分以外におきましては、医療・介護サービスを支える保険制度を持続可能なものとするために給付の重点化、利用者負担の在り方の見直しを進める一方で、あわせて、低所得の方につきましては保険料の更なる軽減の制度の充実を図ることとしております。具体的には、国民健康保険や後期高齢者医療、介護保険などの低所得の方の保険料負担の一層の軽減を図るための措置、低所得の方に関する高額療養費の限度額の引下げ、それから低所得の高齢者の方に対する年金生活者支援給付金の支給、こういうふうな規定を盛り込んでいるところでございます。
#57
○長沢広明君 いわゆる、ともすれば高齢者のみ優遇されていると、こういうふうに見れる部分を、全世代に向けてめり張りの付いた、全世代に手を差し伸べる社会保障へと、こういうことについても政府がより国民に分かりやすく説明をする努力をお願いをしたいというふうに思います。
 この社会保障制度改革国民会議の報告書では、改革の道筋について二つに大きく分けているというふうに理解できます。一つは、今般の一体改革で消費税増収が段階的に生じる期間内に行うある意味では短期の改革と、それからもう一つは、団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年、これを目指した改革ということの、短期と中長期の二段階というものが示されていると思います。
 これを受けて、プログラム法案では、法案提出を含める、短期においては二十九年度までにこういう法案を出すということが決められていると。
 では、この中期の方ですね、中長期の方、社会保障制度改革推進会議を新たに設置をして、二〇二五年、平成三十七年を展望しつつ、総合的に検討を行うこととされておりますが、この短期の改革と中長期の改革ということの中の、特にこの社会保障制度改革推進会議を設置して二〇二五年を展望して総合的に検討を行うというこの部分、この中長期の部分は何を検討課題としているか、どういう改革の検討、道筋というものがあるのか、これについて今、現段階で示せるものがあれば、分かりやすく説明いただきたいと思います。
#58
○政府参考人(唐澤剛君) 改革のスケジュールにつきましては、ただいま御指摘をいただいたとおりでございます。今後数年間の消費税の引上げに対応した集中的な社会保障制度改革、これが短期の改革でございますが、これにつきましては、今回の法案の中で措置という形で法案の提出を目指す時期を規定をしております。
 他方、この国民会議の報告書の中におきましても、具体的に措置を講ずるべき時期というようなものをなかなか明示できないけれども重要な課題として指摘しているものがございます。今回、新たにこの法案によって設置されることになると考えられるこの社会保障制度改革推進会議でございますが、こちらの会議におきましては、短期的にはこの本法案に定められている各分野の措置の実施状況、これをきちんと把握をする、検証するという作業、それからもう一つは、御指摘いただきました、中長期的に二〇二五年を展望しつつ、受益と負担の均衡の取れた持続可能な社会保障制度を確立するための改革について、社会保障制度改革推進法の基本的考え方等に基づいて総合的に検討を行うこととされております。
 具体的には、先ほど申しましたように、国民会議の報告書におきましても、例えば健康づくりを始めとする予防対策の推進でございますとか、あるいは人生の最終段階における医療の在り方でございますとか、こういうような中長期的な課題も指摘されております。
 具体的にどのような事柄を検討課題とされるかにつきましては、社会保障制度推進会議におきまして十分御議論をされ、設定されることになると考えております。
#59
○長沢広明君 これで午前の最後の質問にしたいと思いますが、公明党はかねてから、社会保障の分野で、待機児童の解消、それから高額療養費の見直し、それから難病対策の充実、抜本的な改革、それから年金においては低所得者への加算年金、こういうことを主張してまいりまして、これはこのプログラム法案においてもそれぞれ盛り込まれているものがあります。法律で既に規定されて、あとは施行、実行するだけというものもあり、これから法案にするものもあり、法案にしなくても予算事項として可能なものも含まれておりますが、この待機児童の解消、高額療養費制度の見直し、難病対策、それから年金加算、この対応状況と今後の見通しについて御報告いただきたいと思います。
#60
○大臣政務官(赤石清美君) 私も羽生田先生も団塊の世代でありまして、是非二〇二五年度を見据えた改革も進めていただきたいと、このように思っております。
 今、長沢先生から例示していただきました待機児童解消、高額療養費制度の見直し、難病対策の改革、そして低所得者の年金加算の充実、これらについてはいずれも重要な課題でありまして、公明党さんの支援も賜りながら着実に取組を進めているところであります。
 具体的には、待機児童の問題については、待機児童解消加速化プランの取組を進めており、保育ニーズのピークを迎える平成二十九年度末までに約四十万人分の保育の受皿を確保して待機児童ゼロを目指すということとし、全力を挙げて自治体の支援を行っているところであります。
 また、高額療養費制度の見直しについては、国民会議報告書等を踏まえ、所得区分を細分化し、所得が相対的に低い者の自己負担限度額を引き下げることなどを検討しておりまして、この年末の予算編成過程で決定したいと考えております。
 次に、難病対策の見直しにつきましては、現在、厚生科学審議会難病対策委員会において検討を行っておりまして、改革にかかわる議論の取りまとめに向けて多方面からの意見調整をしているところであります。引き続き予算編成過程において調整を行い、法制化に向けて年内に方針を取りまとめたいと考えております。
 また、低所得者の年金加算の充実につきましては、昨年の社会保障・税一体改革において三党の協議の結果、年金制度の枠外の福祉的な給付金として年金生活者支援給付金が創設されました。施行される平成二十七年十月からの着実な実施に努めたいと思っております。
 これらについては極めて重要な課題でありまして、引き続き真摯に取り組んでいきたいと思っております。
 以上です。
#61
○長沢広明君 ありがとうございます。
 ちょっと時間が半端になってしまいましたので、ここで一旦質問を区切らせていただきます。ありがとうございました。
#62
○委員長(石井みどり君) 午後一時四十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十五分開会
#63
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 この際、申し上げます。
 民主党・新緑風会、みんなの党及び社会民主党・護憲連合所属委員の出席が得られておりませんので、出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔午後一時四十五分速記中止〕
   〔午後二時速記開始〕
#64
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
 民主党・新緑風会、みんなの党及び社会民主党・護憲連合所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
 休憩前に引き続き、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○長沢広明君 午前に引き続きまして、残余の時間、質問をさせていただきたいというふうに思います。
 午前中は総論的な質問をさせていただきました。ここから少し具体的に入りまして、まず年金制度について質問させていただきたいというふうに思います。
 この社会保障改革プログラム法案では、昨年の税と社会保障の一体改革で三党合意に基づいて成立をしました年金四法、これに関連する施策についてはその着実な実施を求めると、こういうふうにされております。
 平成十六年の年金制度改正で、財政フレームに関して、基礎年金の国庫負担割合二分の一への引上げということを実現すると。これによって年金財政を安定化する、これはもうもちろんやらなければいけないことでございますが、これに加えて、年金受給資格が発生する期限、この受給資格の期間を十年に短縮するとか、あるいはそういう様々な無年金対策プラス低年金対策、特に年金生活者支援給付金の支給は低所得者対策としても不可欠な施策であり、着実な実施を求めていきたいと思います。
 そこで、改めて、低年金、無年金、低所得者対策、これをこのプログラム法に基づいて、年金改革というのは不断の改革が必要ですけれども、しっかりやっていくという政府の決意を改めて伺いたいと思います。
#66
○副大臣(佐藤茂樹君) まず、長沢委員、御配慮いただきましてありがとうございます。
 昨年の臨時国会での御論議を踏まえまして、今御指摘の、例えば将来の無年金、低年金の発生を防止するために、御主張ありましたように受給資格の短縮、二十五年から十年というものも決めさせていただきました。これをやはり税制抜本改革時の平成二十七年十月に着実に実施できるように努めてまいりたいと考えておりますし、また、年金生活者支援給付金制度、これも公明党の御支援をいただきましたけれども、三党協議の結果、年金制度の枠外の福祉的な給付金として創設されたものでありまして、低所得者対策の観点からも、同じように平成二十七年十月から着実に実施できるように努めてまいりたいと思っております。
 その上で、この国民会議の報告書でも検討課題として挙げられている短時間労働者の適用拡大について本法案においても検討事項として明記したところでございますし、さらには、新たに今検討しておりますのが、保険料の収納対策を強化する観点から、先般内閣官房副長官を中心に取りまとめられた論点整理の方向に沿って、現在厚生労働省において専門委員会を立ち上げ具体的な検討を進めており、可能なものから速やかに実施してまいりたいと思います。
 いずれにしましても、委員御指摘の低年金、無年金、さらには低所得者対策を厚生労働省としてしっかりと実施してまいる決意でございます。
#67
○長沢広明君 低年金、無年金、低所得者対策、これは私ども大変重要な施策だと思っておりますし、特に無年金の方を少なくするということが年金制度の信頼をより広げる意味でも大変重要な施策だと思いますので、全力で取り組んでいただきたいと思います。
 低年金、無年金、低所得者対策ということと絡みながら大事なことが、やっぱり年金制度のいわゆる保障機能をどう強化するかということでございます。
 この社会保障改革プログラム法案では、公的年金制度を長期的に持続可能な制度とするということと同時に、社会経済情勢の変化にも対応しつつ保障機能を強化すること、こういうふうにされております。
 この社会経済情勢の変化というものは、働き方が様々な変化をしておりますし、その中でどう年金としての保障機能を強化するかという点で、特に検討事項として、公的年金制度においては短時間労働者に対する厚生年金保険、健康保険の適用拡大と、これが今後の検討事項とされております。
 非正規労働者の割合は年々上昇しているということはもう皆さん御存じのとおりだと思います。今月発表された労働力調査の結果によりますと、非正規労働者は雇用者全体の三六・七%、過去最高の一千九百八万人が非正規として働いていると、こういう現実がある。こういう現実にどう対応するかということも、この年金の保障機能を強化するという意味で絶対に見逃せない部分でございます。より手厚い、そして安心できる老後保障ということを実現するためにも、短時間労働者への適用拡大というのは不可欠だと思います。非正規雇用の増大に応じては適用拡大の必要性は更に高まっているということでもございます。
 一方、この適用拡大に関しては、去年成立した年金強化法にも検討するという規定が定められておりまして、平成二十八年十月から三年以内に検討し必要な措置を講ずることとされています。この年金機能強化法にも検討規定が定められ、この社会保障改革プログラム法案においても同様に、検討して必要な措置を講ずるものと重ねて規定していると。こうして重ねて規定した意味はどこにあるのか、また、今後適用拡大にどう取り組んでいくか、政府の見解を示してもらいたいと思います。
#68
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、国民年金の中においては、元々は自営業中心であったわけでありますけれども、昨今は短時間で被用者性の高い方々がかなりおられるということでございまして、低年金、まあ無年金も含めてでありますけれども、これを対策していく中において、こういう方々を厚生年金の適用拡大でどうやって吸収していくかということが大変重要なところであるわけでありまして、昨年の三党合意に係る年金四法の中においてでも、この点に関して一定の合意を得て法律を改正したわけであります。
 問題は、そのときに中小零細企業に配慮をするということでございましたので、スタート時は小さく産んで大きく育てようということで比較的対象人数は少なかったわけでありますが、これをどう増やしていくかということは三党共通の課題であるというふうに認識いたしております。
 これは、民主党さんは民主党さんで、最低保障年金と年金の一元化、所得比例年金部分と併せて年金を一元化しようというお考えなんですが、ここは年金制度は違うんですけれども、ただ、この被用者性の高い短時間労働者の方々、この方々はどちらの制度でやったといたしましてもやはり一つの制度の中に取り込んでいかなければならぬわけでありまして、ここは同じ目標を定められるということでございますので、この点に関してはいろいろと三党でもこれからもいろんな御議論ができるのではないかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、年金の信頼性というものを高めていくためにも、この問題、やはりこれから真剣に取り組んでいかなければならないと我々も思っておりますので、どうか今後ともいろいろと御指導賜りますようによろしくお願いをいたします。
#69
○長沢広明君 まさしく今大臣おっしゃられたとおり、今の社会経済情勢の変化の中でこの部分というのは決して小さい問題ではないと思いますので、私たちも一緒に悩みながらしっかり決断すべきは決断していきたいというふうに思います。
 昨年成立したこの年金四法に関連するところでもう一点確認したいと思いますが、昨年の三党合意に基づいた年金機能強化法、成立した年金機能強化法については、産休期間中の社会保険料免除というのが盛り込まれました。労使双方について産前産後休業期間中の厚生年金、健康保険料の負担が免除されるということになっております。また、同法の附則においては、国民年金第一号被保険者に対する産前六週間、産後八週間の保険料免除措置についても検討することとされております。
 この保険料免除措置の検討規定については、このプログラム法に関連する社会保障制度改革国民会議、この報告書においては、次世代育成への配慮、これをしっかり強化するという意味でも対応が求められております。それが、この社会保障改革プログラム法案においては検討事項として具体的に列挙はされていないということでございまして、まさしく、ただ次世代育成についても必要な事項であるというふうに思いますので、国民年金一号被保険者に対する保険料免除措置について、今後の検討の方向性はどういうふうにとらえられるか、伺いたいと思います。
#70
○副大臣(佐藤茂樹君) まさに私どもも、長沢委員御指摘のとおり、国民年金第一号被保険者の出産前後の保険料免除についてはしっかりと検討していかなければいけない課題だと考えております。
 この問題については、八月六日の社会保障制度改革国民会議の報告書におきましても、年金制度における次世代育成への配慮を一層強化する観点からの対応が求められると、そういうように指摘をされているわけでございます。
 世代間扶養を基本として運営しているこの公的年金制度にとって、その前提となる経済や社会に働きかけることも課題でございまして、特に、御指摘のとおり、将来の支え手となる次世代育成支援の充実というのは極めて重要であると、そのように考えております。昨年の三党協議を踏まえて成立した、委員御指摘のとおり、年金機能強化法の附則第二条の四におきましても明示された課題でございますので、本法案に具体的に列挙されている課題と併せて、政府としてもしっかりと検討してまいりたいと、そのように考えております。
#71
○長沢広明君 何とぞお願いします。この法案について、具体的に挙げられてはいなくても必要な課題なのでしっかり取り組んで進めていくと、こういう明確な答弁をいただきました。ありがとうございます。
 また、関連をしまして、人口推計によりますと、平均余命がどんどん延びております。昭和六十一年にいわゆる基礎年金制度、これが導入されまして、国民共通の基礎年金制度が導入された。これは、例えば女性の年金権を確立するという意味でも非常に意味のあった大きな改革でございました。この当時は、六十五歳のときの平均余命を計算すると、今のものと比較しても、今はそれから余命が三年から五年延びているわけでございます。人口推計によりますと、二〇六〇年には現在よりも更に四年ほど延びるというふうにされております。
 平均寿命の延びを背景にして生涯現役社会、これをどうつくるかということは非常に大事なことでありますが、その際は高齢者の働き方と年金の受給の仕方と、こういうことの組合せというものを検討する必要があるということが課題になっております。
 社会保障プログラム法案では、高齢期における職業生活の多様性に応じて、一人一人の状況を踏まえた年金受給の在り方に関する検討ということが求められております。これは、働き方ですから、雇用と年金をどう接続するか、社会保障制度、ほかのものとの整合性をどう取るか、議論する幅はたくさんありますけれども、高齢期における職業生活の多様性を確保するために今後どのように取り組むつもりでいらっしゃるか、お示しいただきたいと思います。
#72
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、長沢委員御指摘の高齢者の働き方と年金受給の在り方というのは、この八月の国民会議報告書でも取り上げられた大きな課題であると認識しております。
 今後、本格的な高齢社会を迎えるに当たりまして、生涯現役社会の構築が極めて重要でございます。高齢期における年金受給の在り方についても、高齢者の方が働き続けることができる環境がある程度社会で確立していく中での課題であると、そのように受け止めております。
 また、平成十六年度の制度改正によりまして、保険料を固定して、そこから得られる財源を給付に充てるという、そういう制度設計になっております。そのため、例えば年金を受け取る年齢が遅くなれば、その分、元よりも高い年金の水準になるのでありまして、社会全体の状況、お一人お一人の状況も踏まえながら、高齢者の就業、働き方と年金受給のより良いバランスについて今後しっかりと検討してまいりたい、そのように考えております。
#73
○長沢広明君 ありがとうございます。
 年金に関する質問は以上でございますので、副大臣、これで質問終わりでございます。ありがとうございます。もしよろしければ退席いただいて結構です。
#74
○委員長(石井みどり君) 佐藤厚生労働副大臣、ありがとうございました。
#75
○長沢広明君 最後に、もう時間ですので一問だけ、ほかに幾つも質問を用意しておりましたが、ちょっと高齢者医療とか医療に関する問題を少し、一問だけ取り上げたいと思います。
 冒頭にも申し上げましたが、日本は長寿社会になりまして、いわゆる健康寿命は平均寿命よりも八歳、九歳、十歳低いという事態、これをどうとらえるかということでございます。そのためには、健康寿命を延ばすということを考えると、介護予防あるいは疾病予防、健康増進、こういうことに力を入れていくということでありますが、この法案の第二条一項には、健康寿命の延伸により長寿を実現することが重要であることを鑑み、社会保障制度を改革、推進するとともに、個人がその自助努力を喚起される仕組み及び個人が多様なサービスを選択することができる仕組みの導入と、こういうふうに明記をされています。
 二〇二五年度を目標に医療費、介護費を五兆円程度抑制したい、こういう方針で厚生労働省としても挙げて検討を始めたと、こういうふうに聞いておりますけれども、私は、医療費、介護費の抑制ということだけではなくて、本当、健康寿命とか生き方、働き方、そういうことに絡む問題でございます。住まいも絡みますし、いろんなことが絡んでまいります。そういう意味では、かつての高齢者保健福祉推進十か年戦略、こういうような政府全体挙げての総合的なプランの策定、こういうものが必要だというふうに思っているわけなんですが、大臣の御見解はどうか伺って、質問を終わりたいと思います。
#76
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、健康であればこれはもう国民の皆様方にとってもいいわけでありまして、五兆円、介護、医療で給付費を抑えるというような話を我々、今、私が本部長の下で推進本部をつくってやろうといたしておりますけれども、これは結果の話でありまして、要は、健康寿命の延伸を含め国民の皆様方がまず予防する中で重症化を予防していただく、病気にならなければ一番いいわけでありますけれども。あわせて、健康管理をしていただく中において元気に社会の中で御活躍をいただく、それはそのまま経済においても一つ労働という意味で大きな役割を果たしていただくわけでありますから、そういう社会をつくろうということでこれに取り組んでいるわけであります。
 でありますから、例えば高齢者の方々には高齢者のそれぞれの予防であるわけでありますけれども、若い方々、現役の世代の方々にもしっかりと特定健診や保健指導を受けていただき、日々それぞれ自分の健康管理をしていただく、こういうことの中におきまして言うなれば幸せな生活を営んでいただきたい、このような思いの中での我々の今般の動きでございますので、内閣全体を挙げてというお話もございました。内閣は内閣で健康寿命の延伸という形で大きくこの健康づくり挙げておりますから、そちらの方としっかりと協力をしながら、より健康で長生きできる、そういう社会の実現に向かってしっかりと頑張ってまいりたいというふうに思っております。
#77
○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
#78
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今回、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案についての質疑ということでずっと行われておりましたけれども、やはり私も、これまでこの社会保障の分野で課題になってきたことをようやく先送りせずにこれからしっかりと取り組んでいこうというようなことが出てきたんだろうというふうに思っておりますけれども、ただ、ちょっとやはり物足りない感じもいたしております。
 当初から質問の中でも、前々回もやらしていただきましたように、本当に今、安倍政権でアベノミクスということで言われておって、やっぱりそれをしっかりと着実に進めていかないといけないというのは私も思っております。
 そんな中で、やはり財政再建ということも大きな課題でありまして、今年の五月の内閣府の資料によりますと、我が国の社会保障給付費総額、自己負担を除いた金額は、二〇一二年度では百九・五兆円となって、これが二〇二五年度には百四十九兆円と推定をされています。二〇一二年度と比べると三六%増加するということで、国民総生産の増加率二七%を大きく上回るということが推定をされています。一方で、国の借金は、平成二十五年度末における見込みの国債及び借入金現在高でいきますと一千兆円を超えており、これ以上将来に負担を先送りすることができない現状になっております。
 厚生労働省の資料によりますと、消費税を仮に一〇%まで上げたとしても、社会保障の安定化に四%程度、社会保障の充実に一%向けられるということになっておりますが、それでも国と地方を合わせた社会保障費四経費との差額は十九・三兆円あるということです。
 今後、更に超高齢社会が進んでいく中で、当然医療、介護、年金は増額していくばかりでありまして、今回の法案の第一条、目的規定の中に持続可能なということがありますけれども、今回の改革で本当に持続可能になると考えておられるのか、またそれはいつまでのことを想定しておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
#79
○政府参考人(唐澤剛君) ただいま先生から御指摘いただきましたように、我が国の社会保障給付費、ほぼ百十兆円というような規模になっております。
 この法案におきましては、社会保障制度改革国民会議の報告書を踏まえまして、消費税の増収が段階的に生ずる期間内に集中的に実施すべき、こういうふうにされた改革の措置を中心といたしまして、現在予定されている消費税率一〇%までの引上げの時期を念頭に置いて、改革の検討項目それからその実施時期、関連法案の国会提出時期の目途を明らかにしたものでございます。
 もちろん、将来にわたっても引き続きこの制度を持続可能なものとしていくための改革、歳入歳出両面にわたる改革というものが必要だと考えられるわけでございますけれども、本法案により設けられることになります社会保障制度改革推進会議、こういう議論も踏まえながら改革については引き続き検討が行われていくものと考えております。
#80
○東徹君 ということは、一〇%に引き上げられる二〇一五年度までを想定して考えているということになるんでしょうか。
#81
○政府参考人(唐澤剛君) この法案で集中的に改革を実施をするというのは、この法案ではもうはっきりといつごろの何年度に法案を提出することを目指すというふうに書いてございますが、その時期は先生が今御指摘をいただきました、消費税の引上げに伴う集中的な改革期間というのを想定をしているということでございます。
#82
○東徹君 それでは、今回の法律案ができたとしても、予定されているいろんなこれからの改革が進んだとしても、まだまだ持続可能じゃないということでよろしいんでしょうか。
#83
○政府参考人(唐澤剛君) 日本の少子高齢化、かなりまだ続きます。二〇二五年度というのも一つのピークでございますけれども、実はその後は今度は人口が本当にかなり減少する社会というのを迎えてまいりますので、それは我が国は、大変ではございますけれども、継続した改革努力を続けていくということではないかというふうに考えております。
#84
○東徹君 二〇二五年度がピークということで、それでその後、人口が更にまだまだ減少していくということでありますから、というならば、もうちょっと先を見越した全体的な改革像というものを示さないといけないんではないのかなというふうに思うんですが、いかがですか。
#85
○国務大臣(田村憲久君) 今般のこの改革は、一つ、二〇二五年というのを目途に置いております。それはなぜかというと、急激な変化が起こるのは、団塊の世代という塊が七十五歳という後期高齢者、これは医療一つ取りましても、やはり七十五歳以上になりますと医療費年間九十万円以上になってきます。七十歳から七十四歳というのはそれよりまだかなり安いんですよね。そういうようなことを一つとっても、やっぱり七十五歳というのは一つ、医療にしても介護もそうでありますけれども、大きな年齢的な一つのターニングポイントであることは間違いない、平均取れば、個人によって違いますけれども。ということを考えれば、そこにこの団塊の世代の大きな塊が行かれるときに大変大きなここで転換点があるわけでありまして、そこに一つ目標を据えております。
 ただ、その後は後でやはりまだ高齢化率は高まっていく部分がございますので、そこはまたこれから継続していろんな方向性というものを示していかなきゃならぬというわけでありまして、まずは第一弾はその大きな大転換期に向かって今般の社会保障制度改革ということでいろんな制度の整備をしていこうというのが、今いろいろと御議論をいただいているプログラム法がそれが一つのプログラムを示しておるということであります。
#86
○東徹君 それでは、二〇二五年度までは今の年金、医療、介護の制度設計で行けるということでよろしいんでしょうか、今回の改革をしてですね。
#87
○国務大臣(田村憲久君) 中においては再度見直しをしなきゃいけないものもあるかも分かりません。今般、難病に関してもこの中におきまして見直すということでございますが、その後、難病を更に拡大をするということもあるのかも分かりません。
 ですから、個々に関してはそれぞれ見直しするものは時間の経過とともにあろうと思いますけれども、例えば医療ということを考えますと、今まで病院完結型だったのを地域完結型の医療と介護にしようと。これはまさに、二〇二五年を目指して、地域でしっかりと、地域包括ケアシステムという中において高齢者の方々が生活しやすい、そんな環境をつくろうということでございますから、そういう意味では、かなりの部分はそこを目指した形の中で今般の法律の提出になってくるというふうに考えております。
#88
○東徹君 本当に二〇二五年度を見据えたときに、じゃ、医療費がどうなるのか、介護がどうなるのか、年金がどうなるのか、これはもう恐らく厚労省であれば当然推計されておられるというふうにやっぱりそこは考えておりますので、やはり、そんな中で、負担をやっぱりきちっと国民にこうなっていくんですよということをしっかりと見せていかなかったら駄目なんじゃないだろうかなという思いをいたしております。
 本年十月の財務省の資料によりますと、先ほどもありましたが、二〇一一年度の国民医療費が三十七・八兆円で過去最高を更新し、二〇一三年度には四十兆円を突破する見込みであるというふうに言われております。国民医療費は三年連続で約一兆円増えて、国民一人当たり三十万円を超える見込みというようなことが言われています。一方、高額医療費の改革では、高所得者層の負担増を小幅にとどめる一方、低所得者層の負担軽減策を広げられるということが予定されているというふうにお聞きしております。そうなれば給付費は全体として更に膨らむことが想定もされます。
 さらに、診療報酬については、仮に一%増額されれば、国民の負担、税金、保険料、患者負担の合計が約四千億円増額されるということをお聞きいたします。今後、来年度予算編成において診療報酬の改定に関して増額要求が強まっているということもお聞きいたしますけれども、診療報酬の増額については行う考えなんでしょうか。
#89
○大臣政務官(赤石清美君) 午前にも少し議論ありましたけれども、先日の経済財政諮問会議で大臣から説明されたとおり、厚生労働省としては、これまでの診療報酬改定において、薬価改定財源について、救急、産科、小児科等の崩壊の危機にある分野等に重点的に振り向け、その改善を図ってきたところであります。これからも、平成二十六年度改定においても、社会保障・税一体改革を踏まえ、急性期病床の機能の明確化とともに、急性期後の受皿病床や在宅医療の充実等に取り組むため、薬価改定財源も活用しながら対応していく必要があると考えております。
 診療報酬改定について、物価、賃金の動向等を勘案して予算編成過程において改定率を決定することとされておりまして、平成二十六年度改定に向けて、今後、関係者と十分に調整を行い適切な対応をしていきたいと、このように考えております。
#90
○東徹君 小児医療とか非常にリスクの高いところに診療報酬を上げていくというところは、それは当然必要かなというふうに思っておりますけれども、それ以外のところは余り上げませんよというふうに聞こえるんですが、それでよろしいんでしょうかね。
#91
○国務大臣(田村憲久君) 診療報酬の改定というものと医療の総給付というものと、給付費ですね、こういったものがどのように連動するのかということを考えなきゃいけないんだと思うんです。例えば、消費税が上がった部分は、当然今回の診療報酬改定の中においては、初診、再診、入院基本料、こういうもので見ていきます。ですから、ここは基礎的なものでありますからやっぱり上がりますよね。それは消費税が上がるんですから仕方がない部分があるんだと思います。
 ただ、問題は、ある意味、今いろんなところに政策的に充実しなきゃいけないというものの仮に診療報酬の点数を上げるといたします。上げたといたしましても、本来その高い、例えば急性期のところに本来いなくてもいい患者の方々がその付け方によって本来いるべきところの点数を上げてそこに行かれた場合、そちらの方が点数を上げても急性期でおられるよりかは安いという話になりますよね。
 ですから、例えば急性期と療養病床を見た場合に、どちらにいた方が本来御本人にとっては適切な医療が受けられて医療費としては安いのかという判断もあるわけでありまして、医療提供体制を見直すための診療報酬改定の点数を付けたいわけであります。
 つまり、必要なところに必要な医療機関が移るためのインセンティブというような形での診療報酬の改定をすると、全体的に、本来いなくていいところから本来いなきゃいけないところの方に患者の方々が移れば、全体として、診療報酬のこちらを上げたとしても、高いところから低いところに移っていただければ給付の方は伸びないということになりますので、総給付費がどうなのかと。
 それから、御本人が本来受ける医療サービスで払う医療費と、それよりも高度なところで受けて要するに医療費を払う医療費と、これは当然違うわけでありまして、そういうところにも着目をしながら、我々といたしましては診療報酬の改定というものも一つ要望してまいりたいというふうに思っております。
#92
○東徹君 今の田村大臣のお話であれば、医療の適正化に振り向けていって、総額は変わらないようにするという御答弁ということでよろしいですか。
#93
○国務大臣(田村憲久君) 当然、医療は、診療報酬の伸びによって医療が伸びる部分というものよりも、高齢化と医療技術、この高度化、こちらの方が実は医療費の伸びの中で占める割合が圧倒的に多いわけでありまして、そちらの伸びがありますから、ですから、伸びないというふうには言えないわけでありますけれども、本来伸びるところをなるべく本来必要なところに患者の方々を誘導するような医療提供体制にしていくことによって抑制していくことはある程度可能であろうというふうに考えております。
#94
○東徹君 当然、これから高齢化がまだまだ進展していくわけですから、今でも毎年一兆円ずつ医療費が増えていっておりますので、それは医療費が総額増えていくのは当然だと思います。ただ、それ以上に増えることというのがないのかなという心配をしておりまして、そこをお聞きしたかったということであります。
 続きまして、七十歳から七十四歳の医療費自己負担についてでありますけれども、法律上二割負担になっているところでありますけれども、平成二十年度からは、毎年度約二千億円の予算措置によって一割負担に凍結されております。
 今後、法律上定められる二割負担へ引き上げるのか、また、引き上げる場合は、具体的には時期についてどのように考えているのか、今回プログラム法案に出ておりますので、是非お聞かせいただきたいと思います。
#95
○大臣政務官(赤石清美君) 今御指摘のありました七十歳から七十四歳の患者負担につきましては、平成二十年度以降法律上二割負担とされているところを、予算措置により一割負担に現在しております。これは世代間の公平の観点に立って見直すべき課題だというふうに考えております。
 見直しに当たっては、社会保障制度国民会議報告書を踏まえ、現在三割負担である六十九歳の方が七十歳に達するときから二割とし、一人一人で見れば負担は増えない、既に七十歳になっている方は一割で変わらないようにしていきたいというふうに考えております。高額療養費制度による負担上限額は、一般的な所得の場合、現役世代で月約八万円となっておりますけれども、高齢者では月四万四千円と低くなっており、これを据え置くことも含め検討してまいりたいと思っております。高齢者が安心して医療を受けられるような十分な配慮をしながら進めていきたいと思っております。
 具体的な実施時期については、プログラム法案の審議等を踏まえ、できる限り早く実施できるよう予算編成の過程で決めていきたいと、このように考えております。
#96
○東徹君 一つ、今回のプログラム法案でも、やはりさっき言いました、ちょっと物足りないなと感じるところは、実施時期につきましても二十六年から二十九年ということで、二十九年にもなれば相当時代がまたこれ変わっておりますから、非常に改革のスピードが遅いなというふうにも思いますし、そして、先ほどの話であれば、既に七十歳になっている方は変わらないようにするということでありますけれども、でも、七十歳にこれからなろうとする人はこれ二割負担になるわけですよね。だから、やっぱりそれが公平なのかどうかというのはちょっとよく分からないなというふうに思います。これは、本来なら平成二十年度から二割負担になるべきだったところのものをここまで先送りしてきたわけですから、もう早いこと実施していかなきゃならないんじゃないかなというふうに思います。
 続きまして、今回の法案では、公的年金制度について、現行制度を基に基礎年金の国庫負担割合の二分の一への恒久的な引上げをするというふうにありますけれども、今の年金制度でありますけれども、これも前々回お聞きしましたが、抜本的に改革していかなければ制度そのものが成り立たなくなっていくというふうに考えておりまして、よく、二〇〇四年度でしたかね、ありました、年金安心百年プランでしたですかね、これ、今もこの年金制度というのは百年安心プランというふうに考えているのかどうかお聞きしたいと思います。
#97
○国務大臣(田村憲久君) 厚生労働省として正式に百年安心と言ったことはないわけであります。これは言っておりません、厚生労働省では。ただ、そういうふうなことが喧伝されておったことはあるようでございますけれども、我が省としては言っておりません。
 その上で、何でそんな話になったかというと、百年を見越した上で負担と給付のバランスを財政上取っている制度でありますから、そういう意味では百年間安心だといいますか、百年間はもつ制度に、前提条件はありますけれども、なっております。ただ、じゃ百年先駄目になっちゃうのかというとそうではありませんでして、五年ごとに財政検証をやりますから、五年ごとに財政検証するたびに、その後百年後、財政が均衡するような見直しをするわけです。ということは、永遠に百年先百年先と五年ごとにやるわけでありますから、百年で終わりではなくて、延々とこれは財政均衡する、そういう制度になっておるわけでありまして、百年というよりかは、この世が続く限り一応計算上は均衡すると。
 ただ、問題は、その中において、一つは合計特殊出生率が我々が見越しておるのと比べてどうかということ、それから寿命の延び、これがどうかということ、この二つが主な問題点であります。
 合計特殊出生率は、前回の見直しよりも現行の方がいい数字が出ておりますので、この点はいい方向に動いております。もう一方で、寿命、平均寿命の延びは我々が思っていた以上に延びておりますから、これは年金財政上、いや、延びているのはいいことなんですけれども、年金財政上は余りよろしくない方向に動いておるということで、いい部分と悪い部分がそれぞれございます。
 ちなみに、積立金は、現在、前回の財政検証上仮定しておったところよりも多く積立金を持っておる状況でございますから、ここも問題はないということでありますけれども、一番懸念されるのは、この財政を均衡化するためにマクロ経済スライドというものを導入をしなきゃならないわけでありますが、これがまだ発動をされていないと、これは物価がデフレでマイナスでございましたので発動できていないというところが一番の問題点でございまして、次の検証もいよいよでございますけれども、ここでちゃんとマクロ経済スライドが発動できるような、そんな経済環境をつくるべく、今、安倍内閣を挙げて努力をさせていただいておるというところであります。
#98
○東徹君 年金スライドについては、それは是非やっていただきたいというふうに思いますけれども、今、田村大臣が言われたその前提条件ですよね。元々、百年、百年、言ったことなかったんですかね、ちょっと私も、百年、百年って、厚労大臣であった方からも何かそんな発言が、何か聞いたような記憶があったんですが。
 今回の前提、年金の前提条件ですけれども、二〇〇九年二月に行った年金のさっきも言われた財政検証ですよね。厚生労働省では、今後百年近い将来までの積立金の運用利回りとして四・一%の高利回りを想定しておるわけですね。そして、現在、四割を超える国民年金の保険料の未納率が二〇〇九年からは二割に激減するということが想定されておるわけですね。また、賃金の上昇率でありますけれども、これも二・一%から二・五%もの高率を想定されておるわけですね。だから、余りにも現実から乖離し過ぎているのではないのかというふうに思うわけであります。
 さらに、先ほども大臣からも言われましたが、厚生年金と国民年金の積立金についてでありますけれども、平成二十四年度の年金積立金運用報告書によれば、厚生年金基金の代行部分などを除いて、二〇〇六年度末時点ベースで百四十九・一兆円あった積立金は二〇一二年度末には時価ベースで百二十六兆円にまで取り崩されておるわけですね。僅か六年で二十三・一兆円もの巨大な金額が取り崩されております。
 今、確かに運用利回りがいいかもしれませんけれども、これが将来ずっと続いていくわけではないというふうに思っておりまして、これは、こんなことを考えていけば、非常に将来心配されることがあるというわけであります。
 また、今回のプログラム法第六条では、基礎年金の国庫負担割合、恒久的に二分の一に引き上げるものとされておりますけれども、二〇〇九年度までは国庫負担割合は三分の一でありました。このような状況を踏まえると、政府としては、現在の年金の給付水準を維持するために、今後の更に保険料を引き上げようということを想定しているかもしれませんが、そうなれば更に世代間格差、世代間不公平が拡大して、そのことが今の年金制度に対する国民の信頼をなくすということにつながるというふうに考えます。
 厚生労働省は年金の世代間の助け合いというふうに考えているかもしれませんが、果たして払っている側の人たちはそうではありません。一例を挙げれば、二〇一二年度における国民年金の年代別の未納率が最も多いのは二十五歳から二十九歳で、半分以上の五三・二一%が未納となっております。ここで深刻なことは、国民年金の未納者が将来無年金や低年金の状態に陥った際には生活保護に陥るという可能性が非常に高いということでありまして、そうなれば、生活保護は全額が国民の税金で賄われるという制度でありますから、全体としては国民の負担は更に大きくなります。
 厚生年金も国民年金も設立当初は積立方式だったかもしれませんが、今は賦課方式となっており、現在の賦課方式では将来成り立たなくなるというふうに考えておりまして、抜本的に見直して積立方式を是非一度検討すべきというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#99
○国務大臣(田村憲久君) 我々がちゃんとPRしていないところが悪いのかも分かりません。
 四・一%の運用利回り、そんなに稼げないじゃないかというお叱りいただいておりますが、年金、厚生年金は、要は賃金スライドが掛かりますので、賃金が上昇するとその分年金の支払が、給付が増えるわけであります。逆に、賃金が上がらなければ年金の給付は下がる。つまり、四・一という数字は二・五%の名目賃金上昇率との兼ね合いなんです。四・一%の利回り引く二・五%の名目賃金、この差額の一・六が純粋な実質運用利回りでありまして、これを稼げれば実はいいという制度でございますので、今般も一・六という数字ならば十分に運用利回り稼いできておりますから、年金の持続可能性というものは十分に担保できておるということであろうというふうに思います。PR不足で申し訳ありません。
 それと、積立制度の問題でありますけれども、積立制度は積立制度でいいところがあると思います。どういうところがいいか。少子化に強いです。積立制度もいろんなやり方がありますけれども、自分のものを自分で積み立てて運用していくならば、これは後世から負担してもらう必要がありませんので、要は自己責任の下においてやればいい話でございますから、少子化の問題は何もないと。しかし一方で、運用を失敗すれば、今般の厚生年金基金は、あれは積立方式であったわけでありますけれども、破綻をいたしておるところが多いわけでありまして、積立方式だから、いい部分も悪い部分もある。
 賦課方式は、逆に若干運用を失敗しても、賦課部分がありますから、ごめんなさい、完全賦課方式は積立金ありませんからそもそも失敗がありません。その代わりに少子化には弱いという部分があります。
 今般の制度は修正賦課方式で、賦課方式部分と積立方式を持っておる。これ、ハイブリッド型であるのが我が国の年金方式でありまして、少子化に若干弱いですけれども、しかし積立てがありますから、この積立金をうまく取り崩していけば少子化に十分対応できる。そして、積立金というものが仮に若干運用が失敗したといたしましても、賦課方式の部分で後世からの応援がありますから、その部分、完全に失敗して積立方式で毀損をするということがないわけでありまして、そういう意味からいたしますと、ハイブリッドという意味では両方のいい部分を取り入れさせていただいておるというのが実は現行の制度でございます。
#100
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、答弁を簡潔に願います。
#101
○国務大臣(田村憲久君) はい。
 またゆっくりと御説明をさせていただきたいというふうに思います。
#102
○東徹君 時間となりましたので、もう終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#103
○委員長(石井みどり君) この際、申し上げます。
 民主党・新緑風会、みんなの党及び社会民主党・護憲連合所属委員の出席がいまだ得られておりませんので、再度出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔午後二時四十七分速記中止〕
   〔午後三時二分速記開始〕
#104
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
 民主党・新緑風会、みんなの党及び社会民主党・護憲連合所属委員に対し再度出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでした。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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