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2013/12/03 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 厚生労働委員会 第10号
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2013/12/03 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 厚生労働委員会 第10号

#1
第185回国会 厚生労働委員会 第10号
平成二十五年十二月三日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     浜田 昌良君     若松 謙維君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     中西 祐介君
     若松 謙維君     浜田 昌良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                古川 俊治君
                山本 順三君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                中西 祐介君
                羽生田 俊君
                浜田 昌良君
                若松 謙維君
                川田 龍平君
               薬師寺みちよ君
                小池  晃君
                東   徹君
                福島みずほ君
       発議者      高階恵美子君
       発議者      川田 龍平君
       発議者      小池  晃君
       発議者      福島みずほ君
       発議者      古川 俊治君
       発議者      東   徹君
   委員以外の議員
       発議者      西田 実仁君
       発議者      尾辻 秀久君
       発議者     三原じゅん子君
       発議者      秋野 公造君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       赤石 清美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       少子化・青少年
       対策審議官    岩渕  豊君
       文部科学大臣官
       房審議官     義本 博司君
       文部科学大臣官
       房審議官     中岡  司君
       文部科学大臣官
       房審議官     永山 賀久君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省健康
       局長       佐藤 敏信君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  宮川  晃君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   杉浦 信平君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    岡田 太造君
       厚生労働省老健
       局長       原  勝則君
       厚生労働省保険
       局長       木倉 敬之君
       厚生労働省年金
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省政策
       統括官      唐澤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰
 国後の自立の支援に関する法律の一部を改正す
 る法律案(高階恵美子君外四名発議)
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (がん登録等に関する件)
○がん登録等の推進に関する法律案(尾辻秀久君
 外七名発議)
○薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○持続可能な社会保障制度の確立を図るための改
 革の推進に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、浜田昌良君が委員を辞任され、その補欠として若松謙維君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石井みどり君) この際、申し上げます。
 民主党・新緑風会所属委員の出席が得られておりませんので、出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔午前十時七分速記中止〕
   〔午前十時十八分速記開始〕
#4
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者の高階恵美子君から趣旨説明を聴取いたします。高階恵美子君。
#5
○高階恵美子君 ただいま議題となりました中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党、公明党、みんなの党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合を代表し、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 中国残留邦人等の配偶者は、残留邦人の祖国に帰りたいという願いを受け止め、日本に骨を埋める決意で、帰国する残留邦人と共に来日されました。帰国後も、言葉の壁や慣れない生活習慣の中、残留邦人と労苦を共にされてきました。その間、政府において、帰国後の定着促進のための日本語教育等の支援、平成六年の議員立法による中国残留邦人等支援法に基づく支援、さらに、平成十九年以降は、改正中国残留邦人等支援法に基づき、満額の老齢基礎年金の支給や生活保護の基準を満たさない世帯に対する支援給付の支給等の措置が講じられてきました。
 しかしながら、現行法では、残留邦人が亡くなった後の配偶者は、従前より少ない額の支援給付のみを支給されることとなり、残留邦人死亡後の配偶者の老後の生活の安定が切実な課題となっております。
 本案は、これらの点に鑑み、永住帰国する前からの配偶者について、その自立の支援を行うため、中国残留邦人等が亡くなった後、支援給付に加えて配偶者支援金を支給すること等、必要な事項を定めるものであります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、特定中国残留邦人等が永住帰国する前から継続して配偶者である者を特定配偶者といたします。
 第二に、法律の題名を中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律に改め、目的及び国等の責務の規定において特定配偶者の自立の支援を行うことを明確にいたします。
 第三に、特定中国残留邦人等が亡くなった後も支援給付を受給できる配偶者を特定配偶者に限定いたします。なお、経過措置により、この法律の施行の際に現に支援給付を受けている配偶者であって特定配偶者に該当しないものについては、引き続き、支援給付を行うことといたします。
 第四に、配偶者支援金の支給は、支援給付を受ける権利を有する特定配偶者に対して行い、その額は、老齢基礎年金満額の三分の二相当額といたします。また、配偶者支援金の財源は、全額国費で措置することといたしております。
 なお、この法律は、平成二十六年十月一日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(石井みどり君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本法律案に対する意見を聴取いたします。田村厚生労働大臣。
#7
○国務大臣(田村憲久君) 参議院議員高階恵美子君外四名提出の中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、政府としては異議ございません。
#8
○委員長(石井みどり君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(石井みどり君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#11
○委員長(石井みどり君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長佐藤敏信君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#13
○委員長(石井みどり君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、がん登録等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 まず、今回私は、国会がん患者と家族の会の一員として、尾辻議員、古川議員始め各会派の皆さんとともに、がん登録等の推進に関する法律案を参議院に提出させていただきました。このがん登録法の最大のポイントは、何といっても全数調査によるデータベースです。
 そこで、大臣にお尋ねしますが、子宮頸がんの発症率や生存率、予防や治療の向上、国民への情報提供にこの法案がどのような役割を果たすかについて、大臣の見解といいますか、御期待をお尋ねいたします。
#15
○国務大臣(田村憲久君) この法律案が成立いたしますと、医療機関、全数調査ということになるわけでありまして、全てのがんにつきまして、発症率でありますとか、また生存率の把握が可能になってくるわけであります。そのような情報を解析、分析することによりまして、がんの予防でありますとか、さらにはがん検診等々、このようなデータを得ることが可能になるわけでございまして、普及啓発、さらにはがん対策の推進、このようなものに大変役に立つわけでございます。本法により、一層がん対策というものが進んでいくことを我々も期待をいたしておるわけであります。
#16
○川田龍平君 この子宮頸がんについては、その予防ワクチンの定期接種化をめぐり、発症率や生存率などについて推進側とワクチン被害者側とで見解に違いがあるように思います。是非、全数調査で日本における子宮頸がんの実態が把握されるようになり、予防と検診、治療に役立つことを私も期待したいと思います。
 さて、その子宮頸がんワクチンですが、相次ぎ報道されている副反応については、九月から全国十七の大学病院での専門治療が始まっていますが、被害者や家族の声として、診療結果や通院アクセスの問題など、様々な課題が指摘されています。
 先日も、党の社会福祉部門会議で、他党に先立ちまして全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会から被害者の本当につらい体験、今の御苦労のお話を伺いました。副反応に対する学校の無理解から今月限りで高校をやめさせられるというお嬢さんからも直接お話を伺いました。車椅子の彼女は、学校はやめるけれども夢は捨てないで頑張る、だから早く治療法を見付けてほしいし、このように苦しむ人がこれ以上増えないでほしいと涙ながらに訴えてくれました。その姿はかつての自分に重なる思いがして、精いっぱい励ましの言葉を掛けさせていただきました。
 厚労省は、勧奨を再開するのか、最終判断を年内としていますが、現在どのような情報を収集、分析し、どのような検討を行っているのでしょうか。
#17
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。
 子宮頸がんワクチンについてでございますけれども、去る六月十四日に開催されました第二回の厚生科学審議会の副反応検討部会におきまして、三点について調査を進めるということになっております。一つは、今もお話がありましたように、広範な疼痛を訴える方、この当時は三十八症例だったんですけれども、この三十八症例を中心にいたしまして、その概要、内容を明らかにすること、それから二つ目は、二種類のワクチンがありますので、その二種類のワクチンの比較をすること、それから三点目は、海外においては既に使用実績がありましたので、その使用実績の中で疼痛症例がどういう状況であったかということを把握をすること、こういうことでございました。
 現在は、今も申し上げましたような視点に立って、ワクチンの有効性それからリスクについて専門家による議論ができるよう、資料の準備、整理に取り組んでいるところでございます。先ほど委員の御質問の中にもありましたように、今月中には改めて積極的な接種勧奨の再開の是非について専門家に御審議をいただきたいと考えておりまして、準備をしているところでございます。
#18
○川田龍平君 十月二十八日の厚生科学審議会の検討部会では、副反応の三割以上が意識消失や視力障害といった重篤な症例だったとして、接種の勧奨中止を当面継続すると決めています。これがひっくり返るようなことはないと思いますが、是非とも慎重な判断をお願いしたいと思います。
 私はかねてから、予防接種より検診、そして性感染症を含む性教育の必要性を訴えてきました。他国と比べても低い受診率の向上にこれまで以上に取り組んでいただけると思いますが、他方、これまで以上に性教育の推進が必要と考えます。小中学校では、子宮頸がんを含む性感染症について、一体何年生から教えているんでしょうか。
#19
○政府参考人(永山賀久君) 性感染症を含めました感染症につきましては、中学校の学習指導要領、それからその解説におきまして、その疾病概念ですとか感染経路及び予防方法等について理解できるようにするということにしてございますが、この内容につきましては、中学校第三学年において教えることとなってございます。
#20
○川田龍平君 これは中三の生徒に性感染症の教育を行っているということですが、子宮頸がんワクチンの定期接種の対象は小学校六年生からです。今この委員会の場にいる皆さんの中にも年ごろの娘さんやお孫さんをお持ちの方も多いと思いますが、是非、自分の娘さんやお孫さんにこの子宮頸がんワクチンのことについて接種を勧める前に、是非、娘さんやお孫さんに、性教育についても、性感染症についても、もう皆さんされていると思いますが、ここにいらっしゃる皆さんはされていると思いますが、是非、性感染症についての教育を学校でしていただけるように、文科省にもしっかりやっていただきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#21
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 がん登録は、がんの罹患状況や転帰などを把握、分析をしてがん対策の基礎になるデータを得るものであって、そのことを通じてがん患者に対して適切ながん医療を提供することに大きな意味があると思っております。そのためには、個人情報の保護を徹底しながら全国規模でデータを集めなければならず、その根拠となる法的な位置付けは必要だというふうに思うんです。
 個人情報の保護などの問題は別の議員からも多分確認の質問があると思いますので、私は財政の問題に絞ってお伺いしたいんですが、これは、やはり登録作業による医療機関などの事務負担に配慮をして財政上の措置を講じることが不可欠だというふうに思います。
 厚生労働省としては、がん登録制度の実施に当たって具体的にどのような財政措置をお考えなのか。医療機関にとってはもちろんがん登録によって適切ながん医療を提供するための情報も得られることは、もうこれは十分私も承知をしておりますし、その意義は極めて大きいというふうに思うんですが、同時に、国策としてがん登録を推進する以上は、やはり登録に要する費用の負担についての財政的な裏付けを行うことも不可欠だと思っております。
 健康局長、どのような措置をお考えなのかということについて、具体的な可能な限りでお答えいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(佐藤敏信君) がん登録推進法におきましては、全国がん登録の実施に関連して行われる事務のうち、病院等の届出に必要な経費について、国は体制の整備を図るために必要な財政上の措置その他の措置を講ずることになっておりまして、まず医療機関に対する財政措置として二つに分けまして、がん診療連携拠点病院に対するもの、それからそれ以外のものと、それぞれに対して支援をすることとしておりまして、その金額は十一億円余となっております。また、これ以外にも、国立がん研究センターなどの機器導入経費等のいわゆるイニシャルコスト、それからその運営に要するいわゆるランニングコストと呼ばれるもの、そういったような幅広く必要な経費を準備をして対応することとしております。
#23
○小池晃君 登録全件について、医療機関については手数料などの支援を行うという理解でよろしいですね。
#24
○政府参考人(佐藤敏信君) 恐らく今の御質問は拠点病院以外の医療機関や診療所に対してだと思いますけれども、いわゆる情報提供料的な内容として都道府県を経由して一億五千万円程度を補助することとしております。
#25
○小池晃君 これ、実施後の状況を見ながら、さらにやっぱり現場の実態を踏まえて、予算の増額であればきちんと対応していただきたいというふうに思うんです。
 大臣に最後に伺いますが、やはり医療現場、これをやはり前向きにとらえる私は課題だと思いますが、同時に、やはりいろんな事務負担の問題での不安等もあるかと思います。大臣に、がん登録制度の円滑な実施のために今後とも必要な財政措置を実現していくんだと、医療機関のそういったいろんな不安にもこたえていくんだという決意をお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(田村憲久君) 今局長が申し上げましたとおり、必要なものは確保していかなきゃならぬわけでありまして、医療機関に対する財政措置につきましては、やはりがん登録というものがこれが円滑に推進できるように、財務当局と相談をしながらでありますけれども、必要な部分はしっかりと確保するように努めてまいりたいというふうに思っております。
#27
○小池晃君 しっかりやっていただきたいと思います。
 終わります。
#28
○東徹君 日本維新の会の東でございます。
 まず、がん登録についてでありますけれども、がんの罹患率、生存率、早期発見率などを解析して、国民の患者に対してデータに基づく適切ながん対策を提供してがん医療の質の向上を図るということは大事だというふうに思います。ただ、実際、これまでがん登録に力を入れてきた自治体もあると思います。その成果は今どうなっているのか、お聞きしたいと思います。
#29
○政府参考人(佐藤敏信君) がん登録の成果というのは、一番大きいのは罹患率というものでございまして、例えば一次予防みたいな、例えば禁煙対策だとか様々な予防に資するような活動をするわけですが、その成果が罹患率の差として表れているか、そういう予防以外にも、そもそも例えば一部の地域で特定のがんが多いんじゃないかというようなことを理解するという意味で大変役立ちますし、またその結果としては、じゃ、どこに力を入れるんだ、罹患率の高いがんを一生懸命コントロールしていくのか、罹患率と今度は死亡率との差を見てその差をどう埋めていくかというような、行政施策の推進の上でも役立っているんじゃないかと思います。
#30
○東徹君 大阪は結構がん登録に力を入れている自治体というふうに私は思っておるんですけれども、大阪はちょっと前まではがん死亡率全国でワーストワン、今は三か五ぐらいだと思うんですが、その点の関係についてはどういうふうにお考えになられていますか。
#31
○大臣政務官(赤石清美君) 委員御指摘のように、大阪は幾つかの取組を行っておりまして、特に胃がんの検診の有効性を確かめるため地域がん登録を活用した研究が実施されて、胃がん検診によりまして胃がんの死亡が減少することが確認されております。特に七十五歳未満年齢調整死亡率が明らかに低下をしておりまして、私のふるさと青森県は全然低下していないんですけれども、大阪は明らかに低下しているデータが出ております。また、大阪府は、地域がん登録の活用により特に肝がんを発症する者の割合が高い地域を確認し、これらの地域ではC型肝炎ウイルスの保有率が高いことも分かってきております。住民健診にC型肝炎ウイルス抗体検査を導入したり、このように、地域がん登録が大阪府においてはがん対策に有効に活用されてきたと考えております。
 以上です。
#32
○東徹君 このがんの登録推進法に関連する予算として、導入当初としては予算見込額は六・九億円であり、また、実際に運用が開始される平成二十八年度の予算見込額は二十三・二億円というふうに聞いております。それぞれ内訳はどうなっているのか。そしてまた、従前より大阪ではがん登録の推進に力を入れてきましたけれども、この費用については地方交付税で一定程度対処されているというふうに聞いております。各自治体のがん登録に係る負担は、この法案が成立することによって、このことによって軽減されるのかどうか、お聞きしたいと思います。
#33
○大臣政務官(赤石清美君) お答えいたします。
 地域がん登録事業に係る経費については、地方交付税により財政措置をしているところであります。その具体的な支出金額及び使途については各自治体の判断に委ねられているため、詳細については把握しておりませんけれども、がん登録推進法案が成立、施行された場合には、生存確認情報の収集及び全国がん登録情報との突合について国が一元的に実施することになることから、これらにかかわる都道府県の労力については軽減されるものと考えております。
#34
○政府参考人(佐藤敏信君) 経費の内訳について御質問がございましたので、その部分をお答えをいたします。
 具体的には、まず国立がん研究センターの人件費などのランニングコストとして二億四千万円、都道府県による情報の整理等のための人件費として八・五億円、それから医療機関との調整あるいはデータ提供の審査に係る事業費として一億円、全国のがん診療連携拠点病院に対する支援として九・七億円、それから、これもお話ししましたけど、その他の病院及び診療所に対する支援として一・五億円を見込んでおります。
#35
○東徹君 今回、予算も伴うことでありますし、がんの治療の質の向上につながるかどうかというものをしっかりと検証していっていただきたいと思います。
 以上で終わらせていただきます。
#36
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私も国会の家族とがんのあの議員連盟に属しておりまして、親ががんで亡くなったり、最近も親類ががんで亡くなってしまったんですが、ここにいらっしゃる全ての皆さんも、多くの皆さんも、身近にがんで亡くなった家族がいるという方も多いと思います。ですから、こういうがん登録が推進されて、がんで苦しむ人たちへの支援が少しでも進むようにと思いますし、尾辻先生、古川先生始め大変努力をされていることにも心から敬意を表します。
 ところで、このがん登録に関しては、患者の皆さんたちが非常にやはり推進してほしいと頑張ってきたわけですが、懸念というか問題点も、非常に悪用されると問題点が生ずるということについてもチェックをやる必要があると私自身は思って、その観点からかかわってきました。というのは、ある個人ががんにかかっているか、どんながんにかかっているかという、それはとてもセンシティブ情報であって、万が一その個人情報が漏れればそれは非常に打撃になるわけですし、それから、製薬会社や生命保険会社に例えばとってみれば、誰ががんにかかっているかというセンシティブ情報は、一番欲しい情報というか、大変これは貴重な、最も実は取りたい情報というかになりかねない。
 ですから、がん登録された情報がプライバシー保護の観点からどのような対策が講じられるのか、それから、匿名あるいは顕名という問題がありますが、個人情報が悪用されないよう具体的な運用方針にどのようなものがあるかについて教えてください。
#37
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。
 そもそも、この全国がん登録情報でございますけれども、国、具体的には国立がん研究センターになりますけれども、このセンターにおいてデータが集約されてくるので、ここでの秘密が厳格に保持されるということが大変重要になってまいります。したがって、適切にシステム設計を行うとともに、この情報にアクセスできる職員の資格を厳格にする、こういうことによってまず大本での個人情報の保護を図ってまいるということになります。
 また、恐らくこの全国がん登録情報については一般の研究者による利用も行われると考えますけれども、ここでの情報の悪用なぞがないように、例えばがん医療の質の向上に関する研究実績が相当程度あることとか、漏えい防止その他情報の適切な管理のために必要な措置を講じている、こうした要件を踏まえた研究者、こういう方にのみ情報提供をするということで、厳格な要件が法案の中に取り込まれる予定と、こういうふうに聞いております。
#38
○福島みずほ君 がん登録は、一般的な、抽象的なというか、罹患率やどういう人がその後どうなってというデータも大事だと思うんですが、小児がんやあるいは数の少ない場合、例えば小児がんですと親御さんはやっぱり情報を取りたいと、どこにアクセスしたらいいかというような話などもよく聞くんですが、そういうサポートみたいなことはできるようになるんでしょうか。
#39
○政府参考人(佐藤敏信君) 一義的には、がん登録は、この全国がん登録情報につきましてはがんの罹患率を見るということになりますので、例えば御本人様が自分の情報はどうなのかなということで見るということは基本的にはできないことになっておりますが、それはそれといたしまして、小児がんとか希少がんについて、どういう形でデータを取りそれをサポートに結び付けていくかということはまた別途検討をしたいと考えております。
#40
○福島みずほ君 今、子供たちががんになったときに病院で勉強を受けられるようにとか、もっとそういう支援が本当に必要ではないかということを思っておりまして、是非厚生労働省としても文科省と連携してそういうことに取り組んでいただきたいと思います。
 時間ですので、これで終わります。
#41
○委員長(石井みどり君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#42
○委員長(石井みどり君) 次に、がん登録等の推進に関する法律案を議題といたします。
 まず、発議者の尾辻秀久君から趣旨説明を聴取いたします。尾辻秀久君。
#43
○委員以外の議員(尾辻秀久君) ただいま議題となりましたがん登録等の推進に関する法律案につきまして、自由民主党、公明党、みんなの党、日本共産党、日本維新の会及び社会民主党・護憲連合を代表し、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 がんは、国民の疾病による死亡の最大の原因となっているなど国民の生命及び健康にとって重大な問題となっております。
 こうした中、国民の生活習慣とがんとの相関関係を明らかにするため、健康増進法第十六条の努力義務規定に基づき、全ての都道府県において、地域がん登録事業が実施されているところです。しかしながら、各都道府県のがん登録の精度にばらつきがあり、全国の罹患率は二十五府県の、五年生存率は七府県の登録情報を用いて推計しているのが現状です。また、医療施設のがん診療評価を目的とした院内がん登録についても、更なる充実が求められております。
 そこで、本法律案は、平成十八年に成立したがん対策基本法の趣旨にのっとり、全国がん登録の実施、全国がん登録情報等の利用、提供、保護等のほか、院内がん登録等の推進に関する事項を定め、あわせて、がん登録等により得られた情報の活用について定めることにより、がん医療及びがん検診の質の向上、がんの予防の推進その他のがん対策の科学的知見に基づく実施を始め、がん対策の充実につなげようとするものであります。
 次に、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、病院及び都道府県知事により指定された診療所に対し、がんに関する情報についての都道府県知事に対する届出を義務付けることとしております。また、都道府県知事は、届け出られた情報を審査及び整理した後に、厚生労働大臣に提出し、厚生労働大臣は、これらの情報を審査及び整理した後に、全国がん登録データベースに記録することとしております。
 第二に、厚生労働大臣は、都道府県知事等を経由して市町村長から提出された死亡者情報票に基づき、生存確認情報等を全国がん登録データベースに記録することとしております。
 第三に、全国がん登録情報等の利用及び提供に当たっての要件及び手続を定めております。特に、全国がん登録情報等の提供に当たっては、厚生労働大臣及び都道府県知事は、あらかじめ、がん、がん医療等又はがんの予防に関する学識経験のある者及び個人情報の保護に関する学識経験のある者等で組織される審議会等の意見を聴かなければならないこととしております。
 第四に、全国がん登録情報等を厳格に保護するため、適切な管理、利用及び提供の制限、秘密保持義務等について定めるとともに、秘密漏示等に対する罰則を設けております。
 第五に、専門的ながん医療の提供を行う病院等の開設者及び管理者は、厚生労働大臣が定める指針に即して院内がん登録を実施するよう努めるものとしております。
 第六に、国、都道府県、市町村等が、全国がん登録等により得られた情報を活用し、がん対策の充実等に努めるものとしております。
 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が本法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#44
○委員長(石井みどり君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本法律案に対する意見を聴取いたします。田村厚生労働大臣。
#45
○国務大臣(田村憲久君) 参議院議員尾辻秀久君外七名提出のがん登録等の推進に関する法律案につきましては、政府としては異議はありません。
#46
○委員長(石井みどり君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 がん登録等の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#47
○委員長(石井みどり君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#49
○委員長(石井みどり君) 次に、薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。
#50
○国務大臣(田村憲久君) ただいま議題となりました薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 健康長寿社会の実現を目指すためには、医薬品の販売制度について、国民の利便性に配慮しつつ、安全性を十分に確保する必要があります。
 また、いわゆる脱法ドラッグについては、指定薬物の製造、販売等が禁止されて以降も、その使用に伴う幻覚等の発症や他者への危害行為等の事例が後を絶たず、更なる対策を講じる必要があります。
 今回の改正は、こうした観点から、本年一月の一般用医薬品のインターネット販売に関する最高裁判決、本年六月に閣議決定された日本再興戦略等を踏まえ、医薬品の販売方法に関する新たなルールの整備等を行うほか、指定薬物に関する規制を強化するなど、所要の措置を講ずるものです。
 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
 第一に、一般用医薬品のインターネット販売を認めることとし、その販売方法に関する遵守事項を定めるとともに、第一類医薬品については、その販売に際し、使用者の年齢、他の医薬品の使用状況等を確認することとするなど、一般用医薬品の販売に際してのルールの整備を行います。
 第二に、医療用医薬品から転用して一定の期間を経過していない医薬品や劇薬等については、他の一般用医薬品とは性質が異なるため、新たに要指導医薬品として区分し、その販売に際して薬剤師の対面による情報提供と指導を義務付けるなど、医療用医薬品に準じた形での慎重な販売や使用を促すための仕組みを設けます。
 第三に、指定薬物について、原則として所持、使用等を禁止し、違反した場合に罰則を科すこととしております。
 最後に、この法律案の施行期日は、公布の日から六月を超えない範囲内で政令で定める日としております。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
 以上です。
#51
○委員長(石井みどり君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとします。
    ─────────────
#52
○委員長(石井みどり君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省政策統括官唐澤剛君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#54
○委員長(石井みどり君) 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#55
○滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。
 これまでの委員会の質疑や参考人の方々のお話を伺って、少子化対策、医療制度、そして介護保険制度、さらには公的年金制度など、社会保障制度改革における本法案の持つ様々な意義、機能、そして改革の推進体制が明らかになってきたと思います。そこで、私は、今回、地方の視点で質問をさせていただきたいと思います。
 地方にとっては、医療の確保、充実が最大の重要課題の一つであります。例えば、私の地元青森では、今現在、ドクターヘリを二機導入して、青森、岩手、秋田、三県広域連携化を図りながら、そして救急医療の充実を図っておるわけであります。その経験からも、本プログラムの法案が地域資源を有効に活用することによって今後の我が国における効率的で質の高い医療提供体制の構築に大変重要な意味を持つと私は思うのであります。
 まずそこで、私は都道府県の立場について伺いたいと思うのであります。
 これまでも都道府県は、医療計画を作成するなど、多くの施策を通じて医療提供体制の整備に関与してきたと思います。そこで、本法案において示された医療提供体制及びそれに関連する分野での今後の都道府県の果たす役割についてまずお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(田村憲久君) 医療法第一条の三には、国と地方公共団体は、国民に対しまして良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を確保されるよう努めなければならないと、このように明記されているわけであります。国においてはその基本的な考え方、方針を定めるということでございまして、その国の基本的な方針、これにのっとって、都道府県がそれぞれ地域の実情をいろいろと勘案しながら都道府県の医療計画を作っていくわけであります。
 そのような形の中で地域の医療提供体制というものがしっかりと計画的に整備をされていくわけでありますけれども、今般の国民会議等々の御報告をいただいてこれから法律を改正をしていくわけでありますが、医療提供体制、例えば病床の機能の分化、連携等々を進めていかなければならないわけでありまして、国は財政的ないろんな支援、また技術的にもいろんな支援をしてまいりますけれども、国と都道府県がそれぞれ役割分担をしながらこれからの新しい医療の提供体制というものの整備に向かって進んでいかなければならないと思っておりまして、都道府県としっかりと協力しながら施策を進めてまいりたい、このように考えております。
#57
○滝沢求君 ただいま医療提供体制につきましては答弁をいただきました。
 それでは伺いますが、国保の保険者機能についてはいかがでしょうか。
#58
○国務大臣(田村憲久君) これも御承知のとおり、国民会議の中で、財政的な主体として都道府県、ここに役割を期待するというような御意見があったわけであります。保険者をどうするんだと、都道府県にするのかというような御議論があるわけでありますが、一方で、例えば市町村が担ってきた役割というものは当然あるわけでありまして、賦課徴収をしてきておるわけでありますが、このような作業をどのようにこれから市町村も責任を持って担っていただけるのかという問題、それから、保健事業、健康づくり事業、こういうものも市町村が担ってきた役割というのは非常に大きいわけでございまして、ここもやはり市町村にはこれからも期待されるところは大きいわけであります。でありますから、その財政的な主体としての都道府県の役割というものは当然のごとく期待をするわけでありますが、あわせて、今言ったような市町村の役割というもの、これも重要でございますので、これから体制をつくっていく中において、これは都道府県と市町村の間でもいろいろと御議論をいただいて、それぞれ相互調整をしながら新しい形というものを議論の中で考えてまいりたい、このように思っております。
#59
○滝沢求君 ありがとうございます。
 実際の医療現場では、先ほど私、ドクターヘリの話をいたしましたが、このドクターヘリに象徴される救急医療だけではなくて、一般医療そしてまた慢性医療等、様々な医療を必要とするまた病気の患者さんがおられます。そういった方々に適切な医療を、患者さんが住み慣れた地域で生活を送れることができる地域完結型、この言葉は昨日、島村委員や宮武教授の質疑にもございましたが、この地域完結型医療を提供していく必要があると思うんです。そのためには、患者さんにとって不利益にならないように配慮しつつ、先ほど病床機能の分化、連携を図ることが重要という話もございました。そこで、病床機能の分化や連携を進めるための具体的な方法について伺いたいと思います。
#60
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 病床の機能の分化、連携につきましては、まず医療機関が都道府県にそれぞれ持っている病床機能を報告する制度をまず設けます。これを受けまして、都道府県が把握された医療機能の現状等を活用して、地域ごとに、将来、その地域で必要な医療がどのようなものか、どのようになるべきかということを地域医療ビジョンとして策定することになっております。これに際しましては、医療機関の自主性を尊重しつつ、地域の医療ニーズを踏まえたバランスの取れた医療機能の分化、連携を進めていくこととしております。
 また、社会保障制度改革国民会議の報告書で、地域医療ビジョンの実現に向けて医療機能の分化と連携が適切に推進されることが中期的な医療計画と病床の適切な区分を始めとする実効的な手法によって裏付けられなければならないこととされております。
 したがいまして、こうした観点から、現在、社会保障審議会医療部会では、医療機関の自主的な取組と医療機関相互の協議により推進することをまず基本とすると。その上で、地域医療ビジョン実現のための実効的な手法についても御議論をいただいているところでございます。
 病床の機能分化、連携が促進されるよう適切な取組を行ってまいりたいと考えております。
#61
○滝沢求君 ありがとうございます。
 今後、地域における医療提供体制の整備を進めていくには、やはり地域の医療機能を、現状をしっかりと把握して医療の需要の将来の推計を行う必要があると思うんです。
 地域医療ビジョンでは、二〇二五年の医療需要と目指すべき医療提供体制を実現するための施策などがその具体的な内容として想定されておるわけでありますが、そういった意味で、本法案により示されることとなるこの地域医療のビジョンが今後の地域における地域体制の整備を進めていく上で非常に重要なポイントになると思うんであります。一方、これまで都道府県ごとに医療計画が示されており、様々な情報を手に入れることができたわけでございます。
 そこでまず、この新しい新たに作られる地域医療ビジョンのこのものが、地域ビジョンが住民にとってどのようなメリットをもたらすか、そしてまた、地域医療のビジョンを実現するための方策のうち、新たに創設する財政支援で対応可能なものは具体的にどういうものがあるのか、伺います。
#62
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、地域医療ビジョンにつきましては、都道府県が病床機能報告制度により把握される医療機能の現状、それから地域の医療需要の将来推計、これらを活用して二次医療圏等ごとに各医療機能の将来の必要量などを含む地域の医療提供体制の将来の構想を示すという考え方に基づいて検討を進めているところでございます。
 この上で、この地域医療ビジョンを策定するメリットに関しましては、地域の住民にとって、例えば地域の医療提供体制が将来どうなっていくかを把握することができること、また、地域医療ビジョンに従って地域の医療提供体制が再構築されることによって、地域の実情に応じたバランスの取れた医療機能の分化、連携が推進され、疾病等の状態に合った適切な医療やリハビリなどを受けることができるようになることなどが挙げられると思います。
 次に、地域医療ビジョンに係る財政支援についてのお尋ねでございますが、本法案第四条第四項第一号ハにおいて、地域医療ビジョンに基づく病床の機能の分化及び連携等を推進するため、新たな財政支援制度の創設について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされております。
 このため、現在、社会保障審議会医療部会において、新たな財政支援の仕組みは消費税増収分を活用して設けることとし、医療機関の施設や設備の整備だけでなく、地域における医療従事者の確保や病床の機能分化及び連携等に伴う介護サービスの充実なども対象とする柔軟なものとするか、そういうようなことについて検討を進めているところでございます。
 この結果等を踏まえつつ、都道府県などの取組に対する支援についても適切に行ってまいりたいと考えております。
#63
○滝沢求君 これまで伺いましたように、医療提供体制について検討を進める上では、やはり何といっても地方自治体などの役割が大きく、その理解をいただくことが非常に重要だと私は思うのであります。
 そこで伺いますが、全国知事会など地方団体との協議、調整はどのような状況になっているのか、伺います。
#64
○政府参考人(原徳壽君) 御指摘のとおり、地域での医療提供体制のお話でございますので、地方の団体との十分な話合いが非常に重要だというふうに認識しております。
 先ほどから申し上げております、この議論をしております社会保障審議会医療部会におきましては、全国知事会、全国市長会、全国町村会に所属する委員が構成員となっておられます。実際に実務を担う自治体の立場から建設的な御意見をいただき、議論をさせていただいております。また、都道府県とも緊密に協議を重ねてきているところでございます。
 現在御審議いただいている法案におきましても、病床の機能分化などの医療提供体制の改革につきましては、地方自治に重要な影響を及ぼすものでありますので、地方団体と十分に協議を行い、その理解を得ることを目指す旨を明示的に規定しているところでございます。地方団体の御意見を伺いながら、今後ともこの医療部会において具体的な改正内容を取りまとめていきたいと考えております。
#65
○滝沢求君 ありがとうございます。
 次に、地域における医師確保について伺いたいと思います。
 これも地元青森県でございますが、私どもの青森県では、医師が学ぶ環境、そして医師が働く環境、医師が学び、働く環境を整えるために、県と市町村、大学がそれぞれ連携と支援のネットワークを取り組んでいく、医師確保のためのグランドデザインを取り組んでまいりました。その地道な取組を進めてきているわけでございますが、しかしながら、平成二十二年の報告では、医療施設に従事する医師数について、人口十万対医師数でございますが、全国平均で二百十九人となっておりますが、青森県は百八十二・四人であります。地方の取組だけではどうしようもならない部分がございますし、本法案の一層の取組の推進が期待されるところであります。
 そこで伺いますが、地域における医師確保のため具体的にどのような措置を講じていくのか、伺います。
#66
○政府参考人(原徳壽君) 医師確保対策、非常に重要な課題だと思っております。
 委員の御出身の青森県ですけれども、今御指摘のように、平成二十二年度では人口十万対百八十二・四ということで、全国下から六番目でございます。さらに、その過去を遡りましても、常に四位とか五位とか非常に低いところで来ていると。ただ、実数としては六年前に比べまして人口十万対で二十程度は増えてはおりますが、順位的にはそのような状況になっております。
 医師確保対策につきましては、御承知のように、平成二十年度から文部科学省と連携いたしまして、医学部定員を現在まで千四百十六人増員してきております。平成二十五年度は過去最大の九千四十一人となっているところでございます。青森県におきます医学部としては、弘前大学の医学部のみでございますが、これが、従来百人の定員のところ、平成二十五年には百二十七名、二十七名の増員となっております。
 また、その中で、将来青森県で働いていただく、そのようなための枠として、地域枠として七名分が含まれているところでございます。この勤務を条件付けることができる地域枠につきましても、平成二十五年度では全国で四百七十六人となってきております。将来、このような方々が地元で活躍をしていただけることを期待しているところでございます。
 また一方、都道府県が行う医師確保対策に対する支援でございますが、地域医療再生基金などで支援を行っているところでございます。例えば、青森県におきましては、地域枠の医学生に対する修学資金の貸与、また弘前大学医学部に寄附講座を設置し、西北五地域の中核病院である、五所川原市にあります西北中央病院へ医師を派遣することなどの取組を行っていただいているところでございます。
 さらに、例えば地域枠などで卒業した方々の医師の育成ということも必要でありますので、専門医の取得など、キャリア形成の支援と一体的に地域の医師不足病院への医師派遣などの支援を行います地域医療支援センターの設置を進めております。青森県では平成二十三年四月に設置をしていただきまして、運営費に対する国庫補助も行っているところであります。
 青森県におきます地域医療支援センターの実績としまして、医師派遣といたしましては、県内医療機関に、実数としては六十三名でありますが、そのうち修学資金貸与者などを含めて派遣をしていると。そういう中で、引き続きこれらの医師確保対策の充実に努めていきたいと考えております。
#67
○滝沢求君 せっかくですから、青森県出身の赤石政務官、同じ医師確保を伺いたいと思いますが。
#68
○大臣政務官(赤石清美君) 私も滝沢委員と同じ思いでありまして、今、自治医大にある定数を県が拠出して、出しているわけですけれども、多分自治医大の卒業生でもやっぱりこの地域の偏在を防ぐことができないということになっておりまして、先日、東北に医学部を一校つくるということが文科省から発表されましたけれども、それらを厚労省としてはしっかりと支援して、ただ、医学部の医師だけでは駄目なので、やはりコメディカルのスタッフも養成するような、医療を総合的に育てる、そういうようなやっぱり医学部の設置が必要ではないかというふうに私は考えております。
 ということで、看護学部とかあるいは理学療法とか作業療法とか、そういうことを一体的にチームとして育てる、そういうふうな学部であってほしいと、このように思っております。
#69
○滝沢求君 政務官、ありがとうございます。
 次に、地域包括ケアシステム、これ、昨日の宮武教授、参考人の言葉を借りますと、地域ぐるみの支え合い、このシステムについて伺います。
 これも青森県でございますが、保健、医療、福祉サービスを切れ目なく適切に提供する包括ケアシステムの仕組みをつくることにいち早くから青森県は取り組んでまいりました。そして今回、この法案で地域包括ケアシステムという言葉が法律上初めて今回定義されたことは、私にとっては感無量なことであります。例えば、脳卒中で倒れた方が病院に入院し、リハビリを行い、そして退院し、自宅へ戻って在宅医療そして在宅介護を利用する、又は施設を利用するといった場面を考えましても、今後の高齢化の進展に対応した地域包括ケアシステムの構築は、やはり医療と介護が密接に連携していくことが最も重要であると私は考えます。
 そこで、医療と介護の連携を進めていく上での具体的な方策について伺います。
#70
○政府参考人(原徳壽君) 医療と介護の連携については非常に重要なことであると考えております。国民の方々が病気を抱えても、自宅などの住み慣れた生活の場で療養し自分らしい生活を続けられるためには、地域における医療、介護の関係機関が連携して包括的かつ継続的な在宅医療・介護の提供を行える体制を構築することが必要だと思います。
 このため、現在、医療・介護従事者の多職種協働による在宅チーム医療を担う人材を育成するための研修、また多職種が連携できるための体制の構築と実施拠点となる基盤の整備などを進めているところでございます。
 また、今後は、この医療・介護サービスを一体的に整備するために、都道府県が策定いたします医療計画と介護保険事業支援計画、これを一体的、強い整合性を持った形で策定していくこととしております。また、地域における医療と介護の連携の推進について、介護保険法の地域支援事業の包括的支援事業に位置付けて市町村が主体となり取り組むことなどについて現在検討を進めているところでございます。
 この医療と介護の連携を進めるに当たりまして、在宅医療を受ける患者の生活の場である日常生活圏域での整備が必要でありますことから、市町村が主体となって地区の医師会などと協働して推進していくことが重要であるとも指摘されているところでございます。
 この上で、都道府県の役割としては、地域包括ケアの主体となる市町村の取組を支援するために、人材育成の研修や広域における自治体や医療機関の調整などを担っていただくことが必要であると考えているところでございます。
#71
○滝沢求君 今回私は、現場目線、地方の視点で質問をいたしました。現場の声、地方の声をしっかりと酌んでいただき、この法案が地域の医療体制の構築に十分な役割を果たすことができますように、そしてしっかりと魂のこもったものにしていただきたいと、そう考えるものであります。
 そこで、最後に大臣の本法案への決意のほどを伺って、質問を終わりたいと思います。
#72
○国務大臣(田村憲久君) 今法案は、いずれにいたしましても、これから社会保障制度をいろんな部分で改革をしていかなければならないわけであります。国民会議の報告書の中で、今委員がおっしゃられましたとおり、病院完結型から地域完結型へと移り変わっていく、そこに地域包括ケアという新たな、法案に明記されたような考え方が入ってくる、すると、当然のごとく、医療だけではなくて介護、予防でありますとか、生活支援でありますから住まい、こういうことも考えていかなければならないわけでございまして、そのようなものをやはり国民の皆様方に御理解をまずいただくという意味からいたしますと、この部分だけではないんですけれども、今般のこの法律で一定の方向性をお示しをさせていただいて、それがどのようなプロセスで進んでいくかということをやはり御理解をいただくということは大変重要なことであろうというふうに思っております。
 是非ともこの法案、成立をさせていただいて、国民の方々に御理解をいただきますように我々は努めてまいりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
#73
○大沼みずほ君 自由民主党の大沼みずほでございます。本日は質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。
 今法案の質問に入らせていただく前に、最初にギャンブル依存症について、大臣からその取組について御見解をお聞かせいただければと思います。
 去る十一月二十九日、観光振興を目的とした特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案が自民党の総務会で了承されました。賛同する政党と共同で国会に提出することになりそうであります。この法案は、カジノを含む複合型リゾート施設の整備を政府に促すことになっております。このこと自体、私も、地域活性化のため、必ずしも反対という立場ではございませんが、一方で、これまでもギャンブル依存症による悲しい事件や事故がございました。アルコールや薬物依存と比べ、行政や医療機関の組織的、制度的な体制整備がまだまだ不十分であるように感じます。
 この法案の賛否に限らず、国を挙げてこのギャンブル依存症に苦しむ方々への取組を一層深めてまいるべきと思いますが、大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。
#74
○国務大臣(田村憲久君) 今ギャンブル依存症のお話がありましたけれども、全般的に、薬物やアルコールも含めて、依存症というものは適切に治療してまた支援していけばこれは回復可能であるわけでありますけれども、なかなかそのような体制が整っていないということでございますので、昨年十一月でありますけれども、有識者や当事者の方々に入っていただいた検討会、これを始めまして、本年三月に一定の方向性を示す報告書を提出をいただきました。
 報告書の中身は、一つは、やはり依存症の方々が気軽に相談できる、そういう体制をしっかりつくっていくということ、それから医療機関、さらには行政、そして自助団体、こういうところの連携体制をしっかり組んでいくということ、さらには依存症の方々が治療できる医療体制、こういうものの整備を進めていくということ、そしてまた回復プログラムなるものを整備をしていく、こういうことも重要であると、そしてまた家族や御本人がやはり支援をしていただけるようなそういうような体制、このような五つの柱を御提言をいただいたわけであります。
 もちろん、今議論をいろいろとやっていただいております議員立法に関しましては、これは我々といたしましては反対するものではないわけでございまして、いずれにいたしましても、これを注視をさせていただきながら、依存症対策というものはこれはしっかりとやっていかなければならないわけでありまして、いただきました報告書、これを基にこれからしっかりと対応策を考えてまいりたい、このように思っております。
#75
○大沼みずほ君 ありがとうございます。これからの経緯に私としても注視してまいりたいと思います。
 さて、この度の社会保障プログラム法案について質問に入らせていただきます。
 まず、今法案が、若者も子育て世代も働く世代も高齢者も、全ての世代が社会保障の恩恵を受けるという二十一世紀型の新しい社会保障の在り方を打ち出していることは非常に大切であり、大変評価すべき部分であると思います。こうした考え方を是非とも、社会保障の恩恵を受けていないんだとともすれば誤解している若い世代に積極的に政府としても広報いただければと思います。
 さて、この法案の中で最初に自助自立のための環境整備というものがうたわれております。特にこの上段で意図されておりますのは、人口の高齢化が急速に進展する中で、長寿を実現することが重要であることに鑑み、個人が自助努力を喚起される仕組み及び個人が多様なサービスを選択することができる仕組みの導入ということがうたわれております。
 若者の自助自立に関しましては、その他以下で、若者も、健康で年齢にかかわりなく働くことができ、持てる力を最大限に発揮して生きることができる環境の整備というふうにされております。国民会議の報告書においても、自助、共助、公助の概念のところに、私が読んだ限り、若者の自助自立という概念は強くは強調されていないのかなというふうに感じました。
 しかしながら、やはり持続可能な社会保障制度を確立していくためには、まずは若者、壮年層のしっかりと働くことのできる環境を整備していくことが最も肝要であると思いますが、大臣のお考えを伺わせていただければと思います。
#76
○国務大臣(田村憲久君) やはり若い方々が生き生きと社会で頑張る姿、そういう社会でなければ健全でないわけでありまして、特に新卒で就職につまずかれると、こういう方々自体がその後なかなか普通のルートに戻れないといいますか、非正規雇用として正規雇用になかなか入っていけないという今の現状があります。今、既卒三年までは新卒として扱っていただくように企業にもお願いをいたしておりまして、そういう意味で、新卒応援ハローワークというもの、これを今我々進めていっておりまして、全国に今五十七か所設置をいたしております。ここでジョブサポーターの方々にいろいろと若者に対して支援をしていただきながら、新卒者の方々が就職できるような、そんなお手伝いをいたしております。
 あわせて、フリーターの方々に対して、わかものハローワーク、それからわかもの支援コーナーというもの、これを展開いたしておりまして、わかものハローワークは全国に三か所、それから支援コーナーは全国に二百十一か所、これは支援窓口も含めてでありますけれども、このような整備をいたしながら、フリーターの方々が正規に勤められるようなことも含めて支援できるような形を取っております。
 さらに、地域若者サポートステーション、これはどちらかというと就職がうまくいかずに引きこもりのような状況になられた方々も含めて、例えば合宿形式というようなことも含めて、そういう方々にやはり働く意欲というものをもう一度持っていただきながら地域で頑張っていただける、このようなことも今進めておる最中でございます。
 いずれにいたしましても、若い方々が将来に希望を持って社会で活躍できるような、そんな我々は応援をしてまいりたいというふうに思っております。
#77
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 今まさに大臣の方からも、非正規雇用労働者としてやむを得ず働かなければならない若者が増えていることに対して様々な支援がある旨御答弁いただきましたけれども、平成十二年には千二百七十三万人だった非正規雇用者が平成二十四年には千七百五十六万人に増加しており、そのうち正社員になりたいとそう強く願っている方はおよそ三百四十万人おられます。四十五歳以下では二百五十万人という数字となっています。
 今大臣から御答弁いただいた以外に、もし政府の方で非正規雇用者に対して特に支援策があれば御説明いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#78
○政府参考人(宮川晃君) 非正規雇用労働者対策について御説明申し上げます。
 社会の入口で不本意に非正規雇用に陥らないような新卒者に対する支援を行うとともに、フリーター等の正規雇用化を進めることは非常に重要だと考えております。そのため、厚生労働省といたしましては、今大臣が申し述べましたとおり、新卒応援ハローワーク、あるいはわかものハローワークなどを通じまして、ジョブサポーターによるきめ細かな職業相談・紹介という形でそれぞれ実績を上げているところでございまして、平成二十四年度におきましては、新卒応援ハローワーク等で約十九万四千人の就職が、それからわかものハローワーク等におきましても約三十・二万人の正規雇用化を実現しているところでございます。
 また、フリーター、ニート等を主な対象といたしましたトライアル雇用奨励金の活用によりまして若者と企業とのマッチングの支援を行っておりまして、これも平成二十四年度におきまして約八割についてトライアル雇用後の常用雇用への移行を実現してきたところでございます。
 また、非正規雇用の労働者を正規雇用に転換するという取組、企業内でのキャリアアップを実施するという観点での事業主に対する助成措置として、今年度から新たにキャリアアップ助成金を創設いたしました。
 さらに、これに加えまして、公的な職業訓練制度ですとかジョブ・カード制度を活用いたしまして、こういう非正規の方々に対します実践的な職業訓練の機会の提供ということにも取り組んでいるところでございます。
 今後も引き続き、これらの総合的な対策を通じまして、若者の非正規労働者の経済的自立を促すための支援を実施していくこととしております。
#79
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
 本当に多くの事業が展開され、また、その多くが有効に活用されているという御答弁、本当に政府の方に頑張っていただいているなということを実感いたしました。
 一方で、非常に私自身残念だなと思いましたのは、行政事業レビューにおきまして、非正規労働者総合支援事業推進費という項目に関しまして、他省庁との重複がある、若しくは民間で無料でやっているとの指摘がなされております。政府としてはこの問題に関してどういう認識でおられるのか。
 また、若者や非正規、フリーター、様々なくくりで事業があるわけですが、こうした事業がある種たくさんあり過ぎてちょっと若者に伝わりにくいところもあるというふうにも思いますが、これを大枠で少し御説明いただければ幸いでございますが、どのようにお考えでしょうか。
#80
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、大沼委員御指摘の非正規労働者総合支援事業、いわゆるキャリアアップハローワークでございますけれども、これはいわゆるリーマン・ショック直後の非正規雇用の労働者の雇い止め、当時、派遣切り等が社会問題化いたしまして、その雇い止めに対応するために、平成二十年十二月に、当時補正予算でございましたけれども、ハローワークの附属施設として創設したものでございます。
 今委員が御指摘されました行政事業レビュー公開プロセス、六月二十一日だったと思うんですが、そこで外部有識者の方から御指摘いただきました点につきまして、特に求職者の多様性に対応できていないんじゃないのかと、そういう御指摘、我々も重く受け止めておりますが、ただ、現在のキャリアアップハローワークにおいても、単に非正規雇用の労働者や若者という一側面で判断をするんではなくて、私もそういうハローワークあるいは新設ハローワークも含めてキャリアアップハローワークも行かせていただきましたけれども、大事なのは、一人一人の実情に応じて対応できるために担当者制というものをしいておりまして、それは何も非正規労働者、若者という方々だけではなくて、中高年の方なんかにも、それぞれの求職者一人一人の状態や希望に応じて担当者制にしているがゆえにきめ細かい、そういう職業相談、職業紹介を実施しているというのが今の実情でございます。
 ですから、有識者会議の有識者の御指摘は御指摘として受け止めますけれども、是非その点も踏まえて、今後とも、ハローワークにおいてそういう個々の求職者に応じたそういうきめ細かい、そういう支援が充実していけるように引き続き努めてまいりたいと考えております。
#81
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 まさにこの担当者制というものはイギリス辺りでもたしか導入されていたと思いますが、より非正規雇用者が増えている中できめ細やかな対応が求められている時代において、今後とも是非とも推進していっていただきたいと思います。さらに、非正規雇用者は正社員に比べ結婚率が四割にとどまると。少子化対策とも密接な関係があります。政府としてより一層の御支援をお願いいたしたいと思います。
 さて、最近ではSNEPという概念が新しく生み出されております。ここにおいでの方も、私もちょっと調べてみて出てきた言葉ですので、新しいと感じる方もいらっしゃると思いますが、これは、ソリタリー・ノンエンプロイド・パーソンズという孤立無業者、つまり二十歳から五十九歳以下の在学中を除く未婚無業のうち、ふだんずっと一緒にいる人が家族以外いない人々のことを指す概念であります。こういった方々は、二〇一一年には百六十二万人に達していると。最近は若年層でのこうした方々の孤立も深刻化しており、こうした方々へ自立支援をしていく必要性があると思いますが、政府のお考えをお聞かせいただければと思います。
#82
○政府参考人(杉浦信平君) SNEPという概念でございますけれども、孤立無業者という方々を指すものとして、東京大学の玄田教授らが提唱されているものでございます。年齢層は二十から五十九歳ということで、いわゆるニートと呼ばれる若者の方々よりも広い一方で、単なる無業者ではなくて孤立をしているという点に着目した概念であるというふうに承知をしております。
 厚生労働省では、従来から、このニートと呼ばれる若者を対象としまして地域若者サポートステーションという施設を百六十か所設置をして、就労に向けた相談ですとかセミナー、それから職場体験など、幅広い支援を実施しているところでございます。実際、このサポートステーションを利用される方々のうち、三十代、四十代の方々も四分の一以上おられるという実態にございますし、中でも社会的自立に向けたコミュニケーションスキルの訓練なども実施をしておりますので、この事業によりまして相当数の方々がカバーされておるのではないかというふうに考えております。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
 いずれにしましても、こうした方々が社会的、経済的に自立し、我が国社会の支え手となっていただくということは大変重要だというふうに認識しておりますので、今後とも、この地域若者サポートステーション事業によりまして、こうした無業の方々の職業的自立支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
#83
○大沼みずほ君 ありがとうございます。この問題、先ほどのギャンブル依存症と同じように、やはり家族の方々にとっても非常に悩みが多い分野であると思います。家族を含めたそうした支援も考えていただければと思います。ありがとうございます。
 もう一つ新しい概念として、LITSという概念が最近言われております。これはリビング・トゥギャザー・シングルというものの略で、三十代、四十代で、これは仕事がある有職者でありますが、未婚で両親と同居している方々を指します。以前はパラサイトシングルと言われ少しネガティブなとらえ方をされてきましたが、最近のこのLITSというのは肯定的な意味で、子供、親にとって、双方にとってメリットがあるというふうに言われております。
 しかし、未婚者が親元にいるというのは非常に居心地が良く、私自身もそうでしたが、晩婚化の一つの要因になっているようにも感じます。すなわち、少子化にますます歯止めが掛からないという状況の一つの背景にもなっているんではないかと思います。
 法案にも、就職、結婚そして出産、そういった流れの中で切れ目のない支援をすべきというふうに述べられています。まあ結婚というのは個人の自由でございますので国がどうこうと言うことはないかもしれませんが、結婚は非常に重要であるというふうに思います。政府として、この結婚に対する取組等、もし何かあればお聞かせいただければと思います。
#84
○政府参考人(岩渕豊君) 少子化対策への取組につきましては、本年六月の少子化社会対策会議で決定されました少子化危機突破のための緊急対策におきましても、子育て支援、働き方改革の一層の強化に加えまして、結婚、妊娠、出産支援につきましても対策の柱として打ち出されているところでございます。
 結婚、妊娠、出産支援につきましては、緊急対策の趣旨を踏まえまして引き続き検討してまいりたいと存じます。
#85
○大沼みずほ君 ありがとうございます。様々なこれから新しい施策が出てくるものと御期待申し上げます。
 さて、子ども・子育て支援新制度に私自身大きな期待を持っていると同時に、子育てを家族だけではなく地域で支援していくことはこれからの日本社会を形成する上でも非常に重要だと感じています。乳幼児や小学生の児童を擁する子育て中の方々を会員として、児童の預かり等の援助を受けることを希望する者と援助を行うことを希望する者との相互援助活動を支えるものとして、ファミリー・サポート事業というものがございます。病児・病後児保育や冠婚葬祭などの際の子供の預かり、保育所への送迎など、子育てする親にとって非常に有り難い支援でございます。
 前回の質問で、病児・病後児保育を手厚くしていただきたい旨、質問いたしました。赤石政務官より予算額を大幅に増額しているという御答弁いただき、大変ありがとうございます。一方で、看護師等常駐させる必要のある、また施設的になかなかその普及難しいとの御答弁もございました。私自身も同感であります。
 このファミリー・サポート事業というのを今後も推進していくことがこうした病児・病後児保育を補完する意味でも非常に重要であると思いますが、なかなか周知徹底されていないような気がいたします。
 私自身、市役所で、出産後すぐに保健師さんから何か困ったことがあったらいつでも電話くださいという御案内はいただきましたが、このファミリー・サポート事業というのは、自分自身でネットで探して、ああ、こういう事業があるんだなというのを初めて知りました。窓口で、産んでからすぐですと、この登録というのもなかなか行けないお母さん方もたくさんいると思います。早い段階からこれを母子手帳と一緒に周知するとか、そういった工夫も必要かなと思いますが、政府の御見解をお聞かせいただければと思います。
#86
○副大臣(土屋品子君) ファミリー・サポート・センター事業、本当に今核家族の中で子育てが大変、そして、どっちかというと、本当にかゆいところに手が届くような、ちょっと買物に行くとき預かってもらうとか、短時間でも預かってもらう、こういうのが一番大事かなと私も思っております。
 そういう中で、今依頼会員数が三十八万人、これは平成二十三年度末の現在でございますけれども、それに、反対に提供者です、提供会員数が十三万人、両方の会員となっている者が四万人という、この数字から見ると差がありますから、やはりもう少し依頼に対して提供者が必要なのかなということを感じます。
 それから、今委員がおっしゃったように、子供を産んだ直後にこういう事業があるということが周知されていないということ、これは非常に重要なポイントだと思います。更に徹底して、やっぱり子育てをまさに始めようとするお母さんたちにこういうファミリー・サポート・センター事業を周知していくことを今後とも厚生労働省としてもいろんな側面から頑張っていきたいと思います。
 この事業の実施主体である各市町村において提供会員の確保に今努めていただいているわけですけれども、厚生労働省といたしましても、担い手である提供会員の確保は重要だと考えておりますので、リーフレットの配布等も更にしっかりと進めていきたいと思っております。
#87
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 私も、それまで余り市役所は行ったことがなかったわけですが、出産を契機に何度も通う、また病院でママさん学級なども受ける機会がありまして、そういったところに少しパンフレット等があるだけでも十分周知が徹底していくのかなと思っております。今後なお一層の取組の方をよろしくお願いいたします。
 さて、国では、認定こども園への移行を促していく方向性を目指しております。この移行期に認定こども園に就職される方、勤める方は保育士の資格だけで保育教諭となりますが、認定こども園でなくて保育園に勤める保育士はそのままの名称であります。この移行期に資格が同じなのに勤め先で名称が変わることで処遇の違いが生じることのないよう配慮が必要のように感じますが、この移行期五年間において、保育士の資格か幼稚園教諭かどちらか一方であっても保育教諭というふうな名称になることに関して、政府の御見解をお聞かせいただければと思います。
#88
○副大臣(土屋品子君) 保育所に勤務する保育士の処遇については、今後、幼保連携型認定こども園を創設することによって、両方の資格を、配置される職員は保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を有する保育教諭というのが位置付けられておりまして、現在両方の資格、免許の併有の促進を図っているところでございます。
 その移行期の中で、やはり保育士だけの資格を持っている方と差が出てくるということの中で、今後、保育士等の処遇改善については、平成二十四年度補正予算において臨時特例事業を実施したところでありますが、新制度においても処遇改善は大変重要な課題だと認識しております。子ども・子育て会議等で議論をしていただいておりますが、保育士等が意欲を持って働くことができる環境づくりに努めていきたいと思っております。
#89
○大沼みずほ君 ありがとうございます。免許が併用で持っている方は七割以上ということもございますし、これをもっと高めていく取組をなお一層進めていただければと思います。
 また、最近では、本当に正規保育士という立場で働く方が非常に少なくなり、統計上も三十万人の常勤、七万人の非常勤という統計だけで、この三十万人のうち、どのくらいの方が正規で、どのくらいの方が常勤であるが雇用形態は契約や臨時職員かというような数字が出ておりません。保育士不足は保育士の待遇が良くないことに起因して待機児童問題の足かせともなっております。今後なお一層の処遇改善に取り組んでいただければと思います。
 またさらに、保育園の運営費などについて、現場から、短時間利用の子供が多くなる保育所については、全体的に減収になり運営が不安定化するのではないかという声が出ております。こうした、利用時間によって、給付が直接になることによってなかなか事業運営がうまくいかないというような保育所が出てくると、結局はこの待機児童の問題も解消されないということになります。
 事業運営に支障がない給付設定が必要と考えますが、政府のお考えをお聞かせいただければと思います。
#90
○副大臣(土屋品子君) 子ども・子育て支援新制度については、本格施行に向け、内閣府に設置された子ども・子育て会議において各種の基準などについて精力的に検討いただいております。それと併せて、保育所など新制度の対象となる各種施設、事業の公定価格についても検討を進めているところでございます。ちょうど移行期ですので、皆さん大変、よく分からないので心配の声が出ていると思います。
 公定価格の具体的な金額については、最終的に平成二十七年度予算編成を経て決定していくことになっていますが、新制度への移行に際しては、消費税財源を充当することにより、保育の量の拡充を図るだけでなく、保育の質の改善を図ることとしております。
 国としては、新制度を円滑に施行するため、国の定める公定価格の骨格や仮単価を早期に固め、二十六年度の早い時期にお示しできるよう議論を進めていきたいと思っております。
 また、こうした子ども・子育て会議における議論の状況はインターネット動画配信を行っていますので、地方自治体に対しても繰り返し説明会を開催し、必要な情報を提供しているところであります。もし不安な方がいましたら、是非インターネットのこの動画配信を見ていただいて、最新の情報を聞いていただいて、しっかりとやっていくということをお伝えいただければと思います。
#91
○大沼みずほ君 ありがとうございます。私も地元に戻ってそのようにお伝えし、また政府の取組についてもしっかりと発信してまいりたいと思います。
 最後になりますが、年々、不妊治療に対し政府からの支給額が増大しています。それだけ国民のニーズが多いことの表れでもあると思います。一方で、制度的には、年齢制限を設けたりまた回数を増やすなど、その現場現場のニーズに合った取組が必要になってくると思います。
 今後のこの不妊治療に対する政府の取組をお聞かせいただければと思います。
#92
○副大臣(土屋品子君) 不妊治療を受ける方が増加する一方で、医学的には年齢が上がるほど妊娠、出産に伴うリスクは高くなることが最近明らかになってまいりました。そのため、今年度、検討会を設け、こうした医学的知見を踏まえて、より安心、安全な妊娠、出産に資する観点から、助成事業を含め適切な支援の在り方について検討したところでございます。
 検討会では、子供を産むのか産まないのか、いつ産むのかといった妊娠、出産に関することは当事者の意思で判断するものとの認識の下、助成対象者の範囲等について、対象年齢を四十三歳未満とする等の見直しの方向性を示しております。その実施時期について、より安心、安全な妊娠、出産に資するという見直しの趣旨を踏まえつつ、利用する方等に混乱を招かないよう適切な移行措置を講じることが必要とされております。
 厚生労働省としましては、これを踏まえ、対象年齢の見直しについては、現在治療を受けている方々に配慮いたしまして実施まで一定の期間を置く予定とする一方で、四十歳未満で新たに助成を受ける方については、来年度から前倒しで助成回数、助成期間の見直しを行い、本人の実情に応じた治療を可能とする方針としております。
 最大限に助成を受ける方たちが受けやすいような形にしていきたいと思います。
#93
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 政府の方としてこの不妊治療の問題に対して真摯に取り組まれていることを大変有り難く思います。また、この回数を増やすといったことに関しては是非とも早い段階から着手いただければと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#94
○委員長(石井みどり君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#95
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 この際、申し上げます。
 民主党・新緑風会所属委員の出席が得られておりませんので、出席を要請したいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔午後一時一分速記中止〕
   〔午後一時十二分速記開始〕
#96
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
 休憩前に引き続き、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#97
○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。
 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案、今日は、医療とそれから介護とそれから障害者福祉に関係して何点か質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず医療の問題ですが、高齢者医療制度に対する現在の認識を伺いたいと思います。
 民主党政権のときに後期高齢者医療制度を廃止するという政策を掲げて、民主党政権で高齢者医療制度改革会議という会議を設置をされました。そこで後期高齢者医療制度を廃止した後の新たな制度について最終の案が取りまとめられたのが平成二十二年の十二月、つまり今から三年前の十二月でございました。
 その後、民主党政権では、二十四年二月に閣議決定した、つまり去年の二月ですが、閣議決定した社会保障・税一体改革大綱の中で、平成二十四年通常国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出する、こうしておりましたが、今のこの高齢者医療制度そのものが随時様々な手直しをして積み重ねられてきているというものがあります。その積み重ねてきて定着してきたということもありまして、結局、民主党政権下では、高齢者医療制度改革の法案はついに提出されずじまいでございました。
 これだけの、三年以上掛けてその期間内に法案を出せなかったというのは、高齢者医療制度改革を法制化すべき、あるいは手直しすべきという主張と実態はなかなか一つにならなかったということでございます。
 そこで、政府に改めて伺っておきます。
 政府としては、現行の高齢者医療制度について、その改革の必要性も含めて、現在どのような認識を持っているか、示していただきたいと思います。
#98
○大臣政務官(赤石清美君) 長沢委員の御指摘のように、民主党政権時代、一体改革大綱に基づきまして、後期高齢者医療制度廃止に向けて検討、調整が行われたわけですけれども、全国知事会を始めとする関係者の合意が得られませんでした。ということで、なかなか実現しなかったということであります。
 現行の医療保険制度では、高齢者の医療費を社会全体で支える観点から、七十五歳以上の高齢者について現役世代からの支援金と公費で約九割を賄い、六十五歳から七十四歳の高齢者については被用者保険と国保の間で保険者間の財政調整を行うといった仕組みを取っております。
 社会保障制度改革国民会議報告書では、後期高齢者医療制度について、現在では十分定着していると考えられることから、現行制度を基本としながら必要な改善を行っていくことが適当とされております。
 このプログラム法案では、この考え方に立って、高齢者医療制度の在り方について、医療保険制度改正の実施状況等を踏まえ、必要に応じ見直しに向けた検討を行うとされており、関係方面の意見も勘案しながら、持続可能な医療保険制度の構築に向けて検討を行っていきたいと考えております。
 以上です。
#99
○長沢広明君 現行の制度を基準にして必要な手直しはしっかり議論をして進めていく、その考え方でいいと思います。高齢者医療制度については定着をしてきておりますし、ただ、現場の様々な課題は私たち政治家として一つ一つ酌み取りながら改革をしていくということが必要だというふうに思います。
 社会状況の変化に対応して医療提供体制を見直していくということはこれ非常に重要な課題でありまして、今回も議論になっておりますが、病床機能報告制度とか地域医療ビジョンの策定と、こういう課題がございます。特に、医療提供体制の主体的な役割を果たすのは都道府県ということになりますので、地域の医療機関の協力をきちんと確保できるような実効性のある手段を講ずるということが重要だと思います。国はそのための環境整備をきちんとすべきだと思います。
 さらに、患者本位の地域医療、こういうことを実現するためにも、打つべき手をきちんと打っていく必要があります。地域の医療機関のいろいろな協力を得ることも大事。そして、医療だけではなくて、様々な職種の方々にもサポートしてもらって在宅療養が継続できるような多職種協働チーム医療体制、こういうことを検討する必要があると思いますが、この点についての政府の見解を伺いたいと思います。
#100
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 患者本位の在宅医療を実現するためには、様々な専門職がチームとなって在宅療養患者やその家族を支援する体制を構築することが重要であると考えます。このため、平成二十四年度及び二十五年度において、都道府県の事業として多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業を行っているところでございます。
 具体的には、医師、歯科医師、薬剤師、看護職員、ケアマネジャーなどがお互いの専門的知識を生かしながら議論し理解を深めることにより医療と介護の連携を促進することで、多様なニーズを持つ在宅療養中の患者に対して質の高い在宅医療・介護を提供できる人材を育成する研修を実施しております。
 また、現在、社会保障審議会医療部会におきまして、都道府県が策定する医療計画と介護保険事業支援計画を一体的また強い整合性を持った形で策定することなど、医療と介護が一体となって地域包括ケアなどを充実させていく方策について検討されているところでございます。
 厚生労働省としましても、この検討などを踏まえた上で、多職種協働による在宅チーム医療の推進を図っていくための方策についても考えてまいりたいと思っております。
#101
○長沢広明君 しっかり進めていただきたいというふうに思います。どこまでも在宅で療養を受ける方々のために何ができるかということですね。それでしっかりチーム医療が進んでいくことを期待したいというふうに思います。
 次に、救命救急の問題、一つ指摘したいと思います。
 救命救急で、最近は特に救急出動件数それから搬送される人員数、共に増加の傾向にあります。特に高齢者においては、軽度で救急搬送されるとか、あるいは中程度でも救急搬送されるとか、高齢者の場合、非常に搬送人員数、出動件数が増えているという傾向にあります。
 このプログラム法案では、医療提供体制の充実ということをきちんと書いてありますけれども、高齢者の救命救急の在り方についても併せて検討すべきではないかというふうに思います。
 例えば、かかりつけ医ということで議論になっていますが、在宅で療養している高齢者の方の容体が急変した場合、救急医療機関への搬送だけではなくて、地域に密着したいわゆるかかりつけ医の病院に搬送するというようなことも検討する余地があるのではないかというふうに思います。
 救急搬送というのは、地域によって様々な工夫をしております。救急指定の病院の連携は、例えば東京でいうと、区の中だけではなくて、区を飛び越えていろんな病院と連携を取ったりして搬送できるような体制をあらかじめ組んでおくとかということがありますが、これは都会ではできますけれども、地域に密着して、日ごろかかりつけのお医者さんがいるということを把握した上で、いざというときにはかかりつけのお医者さんのところへ搬送するというようなことも検討する必要があるのじゃないかと思いますが、この点について考えはどうでしょうか。
#102
○政府参考人(原徳壽君) 御指摘のとおり、救急搬送患者につきましては近年増加しておりまして、年間約五百万件を超える状態になっております。とりわけ高齢者の軽症、中等症の搬送件数は、平成十二年の百十六万人から、直近でいきますと平成二十三年、二百二十八万人に、約二倍程度増加してきております。
 在宅療養者、特に高齢者の病状の急変時の対応が課題になっているところでございます。このため、救急搬送患者の受入れ体制の整備につきましては、これまで初期救急、それから入院を要する救急である二次救急、また救命救急である三次救急の三段階の救急医療体制を体系的に整備するとともに、最近、平成二十一年に改正されました消防法の規定に基づきまして、各都道府県において傷病者の状況に応じて適切な医療を提供できる医療機関のリストを策定するなど、そういうような内容とする実施基準を策定して適切な医療機関への救急患者の搬送を行うなどの取組が進んできたところでございます。
 現在、救急医療体制等のあり方に関する検討会を開催しておりまして、特に高齢者の救急患者の増加に対応した救急医療体制の在り方についても検討をしております。その中で、例えばかかりつけ医療機関名や既往症を記載した書類を救急隊員に分かりやすい場所に置いておく、救急医療情報キット、これなどを例えば冷蔵庫に入れておくとか、そういうような形を活用している例でありますとか、先ほど御指摘のありましたかかりつけ医とともに、緊急時の医療機関の受診方法、どこに行けばいいかというのを事前に検討して適切に医療が受けられるような準備をしているような例など、各地域で実際に行われている取組の例を紹介しながらこれらの普及をしていくことが必要だというふうに考えております。
 都道府県は医療計画に基づいて在宅医療を含む地域の医療提供体制を整備しているところですが、医療計画に係る国の指針においても、在宅医療を行う診療所等は在宅療養者の病状が急変したときに対応できるように、他の医療機関との連携体制を整えるよう求めているところでございます。
 いずれにしましても、高齢者を含む在宅療養者の病状急変時の対応について、在宅医療を進めていく中でも大きな課題であると考えておりますので、御指摘の点も踏まえまして、今後とも必要な体制の整備に努めていきたいと考えております。
#103
○長沢広明君 救急医療情報キット、これ地方自治体で一生懸命高齢者の方の家庭に配付するというようなことをされているところ随分あります。いろいろ声を聞きますと、それを受けて、ちゃんと書いて、冷蔵庫に入れておくというようなことをされて、非常に安心にもつながっておりますし、地方自治体としてはそのキットを各家庭に配る作業を一生懸命やっているわけですけれども、それプラス搬送のシステムとか、そういうことについてもやっぱり国もしっかり後押しをして、いざというときに安心してかかりつけのお医者さんに行けるように、搬送できるような体制をつくってもらいたいと思います。救急病院に一回運び込まれて処置をしたとしても、結局かかりつけのお医者さんのところへ毎回戻されるものですから、そこをしっかりしていくことが必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、難病患者の自己負担の問題をちょっと確認をしたいと思います。
 この法案の第四条十項それから十一項で、難病対策の新制度の確立のための法案が来年の通常国会に提出されるという見通しになっております。現在、厚生労働省の難病対策委員会で制度の詳細について詰めの議論がなされていて、この委員会でも様々な議論が行われております。新たな制度における医療費助成の自己負担上限額、これについて厚生労働省が先日この委員会でも具体的な額の案を示されましたが、当初の案が医療保険の高額療養費制度における高齢者の外来の限度額を参考にしたもので、世帯の年収に応じてゼロ円から最大四万四千四百円という三区分、これを、その後、所得区分を六区分とする案が示されました。
 ところが、これについても、高額な医療費が続く難病患者にとってはこの自己負担、非常に重いということ、あるいは、この上限額を決めるに当たって、医療保険ではなくて例えば障害者の自立支援、これを参考にすべきであるというような声も上がっております。
 この点について、先日、新聞報道にも出ておりますが、負担増を修正する、上限額を引き下げて最大で月二万円程度にするというような報道が出ております。十二月上旬に難病対策委員会が開かれるというふうに聞いておりますし、最終案が示されることについて難病患者の方々は固唾をのんで見守っているというふうに思います。
 現時点でこの自己負担上限額等についてどういう方針で臨んでいるのか、見解を伺いたいと思います。
#104
○大臣政務官(赤石清美君) 今の長沢先生御指摘の新たな難病の医療費助成制度の自己負担上限額については、患者団体や与党からの御意見を伺っているところであります。なかなか負担増が厳しいとの意見もいただいているところでございます。
 このため、自己負担上限額については、障害者の自立支援医療の水準も考慮して検討することとし、また、高額な治療を長期にわたり継続しなければならないような重症な患者や、軽症者であっても長期にわたって医療費が掛かる患者の方々については、一段の軽減策を検討していくことが必要ではないかと考えております。
 いずれにしても、自己負担上限額等については現在検討中であり、厚生労働省としては、難病対策委員会での御議論を踏まえ、予算編成過程において調整を行い、年内には方針を取りまとめたいと、このように考えております。
#105
○長沢広明君 難病患者等からも、いわゆる障害者の自立支援の枠組みに合わせた検討をしてくださいというような声が出ていることももちろん御存じだと思いますし、このいわゆる負担の上限額、負担についてやっぱり最大限の配慮をしっかりしてもらいたいというふうに思いますし、与党としても意見を言わせていただいているので、しっかりその意見も反映した検討をお願いしたいというふうに思います。
 次に、再生医療の製品に関する問題を確認したいと思います。
 先日、この委員会でも審議を行った薬事法の改正、あるいは再生医療等安全性確保法が無事成立をいたしまして、今後の再生医療に関連した技術の向上、あるいは製品化の促進ということが期待をされております。iPS細胞を始めとして再生医療には大きな可能性があり、期待が高まっているというのも事実でございます。
 今回の法改正においても、iPS細胞などを使用した再生医療等製品について新たな定義がなされて、製品化に向けたルールづくりが進められております。その一方で、再生医療等製品の副反応ということについてもあらかじめきちんと手を打っておく必要があるのではないかということです。
 そこで、再生医療等製品の副反応被害、現状どういうような把握をされているか。今後、この副反応の方向性について、再生医療等製品に係る副反応被害を救済するような制度をきちんと考えるべきであるという声もありますし、その方向性で考えているというような話も伺っておりますが、どういう取組をしていくつもりか、考えを示していただきたいと思います。
#106
○副大臣(土屋品子君) 再生医療等製品については、既に二品目が承認されております。一つは培養表皮製品、ジェイスと言われるもので、これまでに六十八件の不具合症例が報告されております。それからもう一つが培養軟骨製品、ジャック、これは現時点で不具合症例の報告はありません。
 今回の法改正を受けて、今後、再生医療等製品の実用化が促進されることが期待されておりますが、承認審査に当たっての安全性の確認や市販後の使用成績の収集と評価を行うための調査の実施など、安全対策にも徹底して取り組んでまいりたいと考えております。
 また、再生医療等製品による健康被害については、従来、医療機器であったものは副作用被害救済制度の対象外となっておりましたが、今回の法改正において、全ての製品について副作用被害救済制度と感染等被害救済制度の対象としてまいります。個別の事案の救済制度の適用については薬事・食品衛生審議会の判定を経て決定されることとなりますが、これらの制度の中でしっかりと対応してまいりたいと考えております。
#107
○長沢広明君 救済制度の対象としていくということですので、しっかりこの法律の成立に合わせて、また施行に合わせて進めていただきたいというふうに思います。
 次に、介護関係について確認をいたします。
 介護保険の関連ですが、地域包括ケアシステムを構築していくという非常に大きな課題に向けて前進をするわけですけれども、医療、介護の提供体制をどう整備していくかということが大きな課題になります。
 先日の参考人質疑のときにおきましても、医療と介護の連携について参考人の皆様方から御意見をちょうだいしたところであります。地域が主体になっていくということは医療と介護の連携について大事なことで当然のことですけれども、今、地域の特に介護の問題とかを見ると、自治体によってやっぱり高齢化率がまず違う、それから財政力が全く違う、元々受皿がないところにこれから受皿をつくらなきゃならないというところと今ある受皿で対応できるところと、様々な課題があります。自治体間で格差が存在している中で、これをそのままである意味じゃこの法律で急にかじを切っていくということになりますと、自治体間の格差をかえって広げてしまうことになるのではないかという懸念が生じます。また、予防給付を見直して地域支援事業に移行するということについては、要支援切りにつながるのではないかという懸念も指摘をされています。
 そういう意味では、地域間の格差が生じないように、また市町村における受皿の整備状況というのも十分に勘案しながら、市町村の意向も踏まえつつ慎重に見直しを進めていくという、進め方の一つの心構えですね、ここをしっかり持つ必要があるというふうに思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
#108
○国務大臣(田村憲久君) 地域包括ケアシステム、これは、今委員がおっしゃられたとおり、やはり地域がそれぞれ独自にそれぞれの状況を勘案していろんな体制を整えていかなきゃならないわけでありまして、そのような意味では、この法案でもいろいろ議論されております自助も大事でありますし、共助も大事でありますし、公助も大事でありますが、互助という考え方もそこに入れていく中においていろんな助け合いもしていかなければならないんであろうというふうに思います。
 今言われた地域支援事業の方にその予防給付を回していくということに関して、地域支援事業をこれは切るんじゃないかというような話をいただいております。これはもう財源は今までどおり介護保険から使うということでございますから財源の心配をしていただくということはないわけでありますけれども、一方で、それぞれの地域においてそれを地域支援事業に移していく中において、十分に対応できるところとできないところがあるのではないか、こういう御心配もいただいております。
 一方で、今の介護保険のメニューでいきますと、本来それぞれの地域事情がございますから、特に軽度な高齢者の方々に関しては、いろんな多様なサービスを本当は受けたいにもかかわらず介護保険のメニューの中で画一的なサービスしか受けられないというような不満があることも事実でございまして、そのような意味からいたしますと、我々といたしまして、まずガイドライン等々でどのような形で地域支援事業の中身を整備していくか、こういうものも示していかなければならないというふうに思っておりますし、もちろん移行期間が大切でございますから移行期間等々をしっかり取って、その中において既存の事業者等々も十分に対応していただけるような介護予防・生活支援サービス、こういうものを提供いただけるような体制を取っていただく必要もあろうというふうに思います。
 いずれにいたしましても、いろんな知恵が出てくると思っております。その中において、例えば体操の集いでありますとか、いろんなことをやる中において、今度はそのサービスを提供する主体も高齢者、元気な高齢者の方々がやっていただくというようなことになってくれば、それは今元気な方々も予防になっていくわけでございますから、サービスを受ける側、また提供する主体、それぞれが担う主体、それぞれがより高い意識を持っていただきながら、この地域支援事業という多様なサービスを提供していただく中において各自治体も協力をいただいていいサービスをつくっていただければ有り難い、このように思っております。
#109
○長沢広明君 今大臣のおっしゃったとおりですので、大臣のおっしゃったとおりのやり方を、やっぱり地域とよく話し合いながら、よく調整しながら進めていくようにお願いしたいんです。
 要するに、介護のことについて言えば、介護保険での市町村の役割というのは非常に大きいですし、その市町村の間に非常に格差も大きくなっていると。そこに見直し作業が、ちょっと表現きついかもしれませんが、国からの押し付けにならないようにしなきゃいけないと思うんですよ。もちろん、一番大事なことは、介護を受ける方々の暮らし、生活を安心にしていくということが大事なので、それに向けてやっぱり市町村ともよく話し合いながら、市町村あるいは都道府県ともよく話し合って進めていくことが必要だと思うんです。
 しっかり地方自治体と協議しながら理解の上で進めていくという意味では、この法案に、二十九条に、地方自治体との協議に関する規定がこの二十九条に置かれています。ただし、この二十九条の書きぶりを見ると、その協議事項が第四条に置かれているんです。この第四条には医療制度しか書かれていないんです。介護と書いていないんですね。つまり、介護の問題については市町村や地方自治体と協議できないのか、この二十九条と四条の関係で医療制度しか協議ができないのか、そういうことも含めて、こういう書きぶりについて、理由と併せて考え方をはっきり示してもらいたいと思います。
#110
○政府参考人(原徳壽君) 御指摘のとおり、地方にかかわる重要な政策課題について地方と連携して施策を推進していくことは大変重要だと認識しております。
 御指摘の病床の機能分化、あるいは医師等の確保及び国保の見直しに関する事項につきましては、地域医療ビジョンの策定や地域の医師不足病院の医師を確保するための支援策など、都道府県が新たに重要な役割を担うことを検討していること、また、国保の運営につきましては、財政運営を始めとして都道府県が担うことを基本としつつ、保険料の賦課徴収、保健事業の実施等に関する市町村の役割が積極的に果たされるよう、都道府県と市町村とで適切な役割分担を図ることを検討することとしていること、これらは地方自治に重要な影響を及ぼすものであって、地方団体と十分に協議を行い、その理解を得ることを目指す旨をこの法案で明示的に規定したところでございます。
 ただ、地方団体との協議規定の対象は、これらの明示されている事項に限られるものではなく、介護保険制度も含め地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる事項につきましても、御指摘の第二十九条の中に、その他第二章の措置のうち地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられるものを講ずるに当たってはということで、地方団体との協議を実施して地方の理解を得ることを目指すこととされているところでございます。
#111
○長沢広明君 今二十九条の中のその他に関連する部分で、四条に明示されているのは医療制度関係のみだけれども、この二十九条のその読み方によって医療以外の介護とかその他地域の事業を進めていく上で重要な事項については、国はちゃんと地方と話し合うということになっているというふうにちゃんと読めると、こういうふうに今答弁をいただきましたので、確認させていただきました。
 次に、低所得者の高齢者の住まい・生活支援事業について確認をさせていただきます。
 特養ホームの入所者を限定する場合、これまでであれば特養に入所していた軽度の方が在宅のまま生活を続けることができるような策を講じるとともに、場合によっては特養以外で生活する場を確保すると、こういうことが必要になってまいります。
 そこで、厚生労働省としては、軽度者への新たな選択肢として空き家を活用した低所得高齢者等住まい・生活支援事業、これを予定しているということでございますが、実際、これ対象とする軽度で住まいをちゃんと用意しなきゃならないと、こういう人の不安を払拭するために、この住まい・生活支援事業は具体的にどんな形を想定してどの程度の数の住まいを確保しようと当面しているのか、この目標を含めて明示をしていただきたいと思います。
#112
○政府参考人(原勝則君) 厚生労働省といたしましては、高齢者の方々が住み慣れた地域でいつまでも暮らしていけるような地域包括ケアシステムというものの構築を目指しております。
 そういう中で、医療や介護などの在宅サービスの充実に加えまして、御指摘のように高齢者の地域生活の基盤としての住まい、この確保に向けた取組等を進めていくことが大変重要であると考えているところでございます。このために、全国で今七百万戸を上回る空き家があると言われておりますが、そういう状況の中で、社会資源としての空き家を活用する議員御指摘の低所得高齢者等住まい・生活支援事業を二十六年度に向けまして予算要求をさせていただいているところでございます。
 これにつきましては、既存の空き家等を活用した低廉な家賃の住まいの確保の支援ということ等に加えまして、見守りや日常的な生活相談等の生活支援、これをやはり組み合わせて提供してあげるということが大変大事でございまして、こうしたサービスを社会福祉法人やNPO法人などがモデル的に実施をする事業ということで考えております。住まいの確保に向けた取組の一つとして大変有効ではないかと考えているところでございます。
 いずれにしましても、このモデル事業の具体的な内容等につきましては、現在財政当局と調整中でございまして、今後、予算編成過程を通じまして必要な予算の確保に努力していきたいと考えております。
#113
○長沢広明君 ちょっと質問の順番を変えて、障害者福祉の問題をちょっと一問お願いしたいと思います。
 グループホーム、特に障害者向けのグループホームをどう設置するかという課題がございます。グループホームとケアホームをグループホームに一元化するという方向で今人員配置も含めて検討されているというふうに聞いておりますが、戸建てのグループホームを造るに当たっては、建築基準法とか消防法の規制がございます。もちろん防災上の規制は必要だとは思いますけれども、これがために、例えば既にある戸建ての住宅を使った、既存の戸建て住宅を使ったグループホームに整備するとかいうことがやっぱりしにくくなっているんですね。
 グループホームは、国土交通省、これはもう国交省ですけれども、建築基準法上寄宿舎と定義をされています。寄宿舎というふうに定義をされて、既存の住宅を寄宿舎に転用する場合、防火対策が必要になり、通路は一・五メートル以上必要だとか手すりは一・一メートル以上必要だとかという、そういう寄宿舎としての基準が適用されるわけです。すると、既存の戸建ての住宅であっても改装しなきゃならないとかいうことで非常に費用がかさんで、結果的にグループホームにしにくくなっていくという状況が生まれています。
 これは、愛知県で大村知事が何か提案した案があります。これは、規制緩和で、寄宿舎並みの基準を適用するのではなくて、障害者向けのグループホームについては、広さにかかわらず、例えば個室に火災報知機を付けるとか、あるいは避難路を確保するとか避難誘導訓練をするとか、そういうことによって安全を確保する、それによって戸建ての既存の住宅をグループホームに使いやすくすると、こういう規制緩和の案を発表されています。
 もちろん、これは厚生労働省だけでできることではないというふうには思いますけれども、安全性を守ることは大事ですが、障害者福祉を充実させるために障害者向けのグループホームをどう増やしていくか、その拡大をするために、今のような規制を緩めるということも含めて厚生労働省としてこの課題にどう取り組むのか、その方針をお伺いしたいと思います。
#114
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、長沢委員が御指摘されました問題、私ども厚生労働省としても全く同じ問題意識を持っております。
 今質問の中でも述べられましたけれども、既存の一般住宅を障害者のグループホーム、ケアホームとして活用する際に、建築基準法や消防法の規制によりまして、例えば廊下幅の拡張、今御指摘ありましたように、居室の床面積二百平米以上の、超えるような、そういう階にするためには一・六メートル以上の廊下が必要であるということであるとか、あるいは部屋と部屋の間仕切り壁、これも準耐火構造にしないといけないというような、そういう大規模な改修が必要となってくるという、そういう大きな問題が生じているという声が関係団体等から聞かせていただいておりまして、グループホーム等の整備を進めていく上で少なからず影響があるものと厚生労働省としても考えております。
 一方で、この建築基準法や消防法による規制は建築物や入居者等の生命、安全を守る観点から行われているものという点も承知しておりまして、この兼ね合いをどうするのかということがこのグループホームの整備の推進とそして規制の在り方をどのように考えるのかという点で非常に難しい問題であると、そのように考えております。
 それで、厚生労働省としては、今御指摘ありましたように、従来からこのグループホーム等の防火安全等の在り方について、厚生労働省だけではなくて国土交通省や消防庁と継続的に意見交換を行っているところでございまして、今後とも、今議員が指摘されました愛知県、それ以外に既に福島県や鳥取県でも運用や条例によって先駆的な取組をされているところもございますので、そういうところも参考にしながら、国交省あるいは消防庁など関係する機関とも連携しながら必要な対応を検討してまいりたいと、そのように考えております。
#115
○長沢広明君 ありがとうございます。
 この愛知県のこともそうですけれども、地域でこういう工夫を、規制を緩和する策をもう知恵を絞って工夫をしているわけですね。それはなぜかというと、そこまでしてでもやっぱりグループホームが必要だとかというそのやっぱりニーズがあるわけです。その障害者福祉を前進させていくためのニーズ一つ一つを、地域は大変苦労してそこに知恵を出して、国土交通省なりどこなりというこのつくられた規制を突破するための知恵を一生懸命絞ってやっているわけですから、厚生労働省としてはそれを後押しできるような取組を是非全力でお願いをしたいというふうに思います。
 ちょっと質問の順番を変えて申し訳ございませんが、最後にもう一問だけ質問させていただきたいと思っています。これ、介護支援のボランティアポイント制度でございます。
 各地の自治体で、介護支援のボランティアをしていただく方にはポイントを付与すると、こういうことをしています。横浜とかそれから東京の稲城市とか、各地で結構広がっております。これは、地域の元気な高齢者が要介護の方の話し相手になったり、あるいは片付けの手伝いをしたり、そういうボランティアを行うとポイントがたまると。そのポイントを元に、交付金が支給されるという場合もあれば、別の形の自分へのサービスに返ってくるという場合もあります。それは地域でいろんなポイントをどう使うかといろんな工夫をしております。これは、ボランティアに参加する高齢者が増えるということと同時に、そこに参加した高齢者にとっては介護予防になるわけですね。健康寿命の延伸ということにつながっていくわけです。
 介護予防にも積極的に取り組むと、こういうようなことをこの法案でもしっかり書いていますので、これに関連して、介護支援ボランティア制度がまさに主体的な介護予防に資するものでありますので、より広い地域への普及が求められると思います。介護支援ボランティア制度の導入状況、そして国としては、こういう介護支援ボランティアポイント制度に国としてはどう取り組んでいく考えか確認をしたいと思います。
#116
○政府参考人(原勝則君) お答えいたします。
 ボランティア活動を始めとしまして、高齢者の方々の社会参加を進めていくことは介護予防にとっても大変重要なことであると考えております。
 六十五歳以上の方が介護ボランティア活動をした場合にポイントを付与するいわゆる介護支援ボランティアポイント制度でございますけれども、高齢者の社会参加を推進する手法の一つであり、現在、九十弱の地方自治体、平成二十四年度でございますけれども、九十弱の地方自治体で実施をされているものと承知をしております。御指摘にございましたように、この事業の実施に当たりましては、介護保険制度の地域支援事業交付金を活用することも可能となっております。
 また、介護支援ボランティア制度以外にも、例えば、市が中心となって高齢者を対象に介護サポーターの養成や活動拠点の整備を行い、住民が担い手として参加する介護予防教室や通いの場などをつくり出しているという地域もございます。
 このように、支援を必要とする高齢者を元気な高齢者が支え、その高齢者の介護予防にもつながるような地域づくりの全国展開を介護支援ボランティア制度なども活用しながら図ってまいりたいと考えております。
#117
○長沢広明君 じゃ、以上でこれで質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#118
○委員長(石井みどり君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、若松謙維君が委員を辞任され、その補欠として浜田昌良君が選任されました。
    ─────────────
#119
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 昨日に引き続き、社会保障制度改革プログラム法案に関連した事項について以下質問をいたします。
 時間に限りがありますので、ちょっと一番、二番を飛ばして三番目から、済みません、ちょっとお願いします。
 先月、私は、日本ホームヘルパー協会中部ブロック研修会にパネリストとして出席するために奈良県を訪れました。今、介護業界は深刻な人材不足に陥っています。中でも訪問介護は、ヘルパーさんが一人で利用者の方のお宅に行くために、特に若い人の間では、施設で勤務するのと比べると一人で行くのに責任が重く、怖いという意識も背景にあるようです。事業所の経営者の方にとっては、求人を出してもなかなか応募者が来ないという悩みもあります。その結果、ホームヘルパーの高齢化が進んでおり、担い手の確保が急務となっています。
 奈良県支部の皆さんからは、訪問介護の報酬の引上げや土日加算などの御意見、御要望をいただいてきましたが、報酬の引上げ以外にどのような方策で訪問介護の担い手確保を考えているのかをお尋ねいたします。
#120
○政府参考人(原勝則君) 介護サービスにつきましては、今後、御指摘のように量的拡充とそのための人材確保が大変重要であると考えておりまして、その中でも在宅介護を支える訪問介護員、ホームヘルパーの確保は重要な課題だと考えております。
 そのためには、介護報酬改定による介護職員の処遇改善ということも大事でございますけれども、それ以外に、一つは、福祉人材センターやハローワークによるきめ細かいマッチングの強化、あるいは介護のイメージアップ等による若年層へのアピールなどのいわゆる参入促進を進めるという対策が必要だと思います。
 また、介護の世界で生涯働き続けることができるという展望が持てるようなキャリアパスの確立や事業主のキャリアアップ支援による資質の向上ということも必要でございます。また、労働環境の改善などの環境改善ということを、そういったようなことを総合的に講じてきているところでございます。
 また、今後、地域包括ケアの推進のため二十四時間対応サービス等の在宅サービスの充実を図っていくことが重要だと考えておりますが、そうした中では常勤で働く訪問介護員を増やしていくことも重要と考えておりまして、引き続き必要な施策の実施に努めてまいりたいと考えております。
#121
○川田龍平君 今年の四月からサービス提供責任者がヘルパー一級の資格を持っていない事業所は一〇%の減算ということになっていますが、これでは奈良県内のほとんどの訪問介護事業所は倒産してしまうとの御意見をいただきました。訪問介護事業所のサービス提供責任者の資格の実態について、厚労省はどの程度把握していますでしょうか。
#122
○政府参考人(原勝則君) 今お尋ねがございましたサービス提供責任者といいますものは、専ら指定訪問介護に従事する者で、訪問介護計画の作成や他の訪問介護員の管理などを行う者であり、利用者四十人に対して一人以上配置すると、こういうルールになっております。その際、サービス提供責任者は、介護福祉士や訪問介護員一級課程修了者等を原則としております。
 この実態でございますけれども、サービス提供責任者の人数につきましては、平成二十三年度介護サービス施設・事業所調査の結果でございますが、常勤換算で四万七千五百四十四人従事されておりまして、そのうち、介護福祉士とかいろいろいらっしゃいますけれども、訪問介護員二級課程修了者につきましては八千二百九十八人という実情でございます。
#123
○川田龍平君 これ、実態をしっかり把握していただきたいと思いますが、そしてこのサービス提供責任者の要件を満たす事業所には加算をし、満たさない事業所は従来どおりペナルティーなしとすれば、要件を満たすサービス提供責任者には給与に手当を加えることが可能となり、頑張って資格を取ったヘルパーの労働意欲も高まるではないかとの意見もいただきました。この考えについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
#124
○国務大臣(田村憲久君) 今局長からも話ありましたけれども、サービス提供責任者は、基本的に指定訪問介護に従事する者で、計画の作成でありますとか人の管理をやるという、言うなれば中核的な仕事をされておられる方であります。これ、暫定的に二級の方に関してもその対象にしているわけでありますが、その場合には減算をしているわけでありまして、これを減算しなければ、逆に二級以上の方であればこれを加算にすればいいではないかと、これ、どう考えるかという話なんだろうと思いますが、一方で、やっぱりめり張りというか、これは重要だと思うんですね。
 やはりしっかりとある程度中核的な仕事が担える、そういう能力を持っておられる方々になっていただくということは前提であろうというふうに思いますので、今この暫定的にやっていること自体を当たり前とするというのは、やはりちょっと考え方としてはそぐっていないのかなというふうに思うわけでございまして、これからいろいろと介護報酬改定の見直しというものが、来年度その介護報酬改定の見直しに入っていくわけでありますけれども、そこでその介護従事者の方々の処遇の改善全体をどう考えるかという議論の中でいろいろとこれは考えていった方がいいのではないかというふうに思っております。
#125
○川田龍平君 今回、要支援者に対する訪問介護と通所介護サービスを全国一律の介護保険の対象から切り離し市町村事業に移すという案が示されています。サービスの種類や料金も市町村に委ねるとのことですが、市町村によって財政状況や取組方の相違、サービス提供事業者の多寡があり、地域間格差が拡大する懸念があります。サービスの質が下がってしまえば軽度の方が重症化しかねず、介護予防の実効性がなくなってしまうのではないでしょうか。
 市民福祉情報オフィス・ハスカップからも、今回の法案は要支援者への介護サービスを減らすとして、懸念や要望が全ての厚生労働委員の皆さんにも届いていると思います。全国レベルで一定の水準を確保するための実施体制をどのように構築していくのかを伺います。
#126
○政府参考人(原勝則君) 独り暮らしの高齢者の方やあるいは認知症高齢者の方が急速に増加をしている中で、特に軽度者の方を中心に生活支援ニーズが高まっているわけでございます。こうした中で、市町村が地域づくりに取り組み、高齢者自身が担い手として積極的にサービスに参加し、支援を要する高齢者を支えるなど、高齢者の多様なニーズに対応する多様なサービスが地域で提供されるよう推進することが大事だと考えております。
 このために、今回、要支援者の訪問介護、通所介護は、全国一律の定型的な予防給付から市町村が地域の実情に応じて実施する地域支援事業へと段階的に移行することを検討しているわけでございます。地域支援事業は介護保険制度の枠組みの中の制度であり、予防給付と同じ財源構成で市町村を支援するものであること、また市町村が円滑に事業を実施できるように、ガイドラインの策定や好事例の提供等を通じて市町村を中心とする地域づくりの取組を支援することを検討しております。
 さらに、移行に際しましては、市町村が地域の受皿確保に一定の時間が掛かるということも考えまして、既存の介護事業者も活用しながら体制整備することを検討しており、市町村が地域の実情に応じて事業へ移行できるように、よく市町村とも御相談をしながら円滑に進めていきたいと考えております。
#127
○川田龍平君 介護保険は法律と介護報酬の改定のたびに複雑になり、制度施行当初に語られた高齢当事者の自己決定、自己選択の仕組みから遠ざかっているとの市民福祉情報オフィス・ハスカップの意見に私は賛成です。来年の法改正と再来年の報酬改定に向け、こういった市民団体や最前線の現場で働かれている方々の声にもっと耳を傾けて制度改正を設計していただきたいというふうに思います。
 次に、在宅ALS療養者等に対するヘルパーによる医療的ケアについて伺います。
 在宅ALSの療養者のたんの吸引や経管栄養を行うことができるヘルパーを養成する喀たん吸引等研修事業、いわゆる第三号研修は、昨年の法改正により都道府県の事業として行われていますが、大臣、この在宅療養者の吸引や経管栄養等は、引き受けてくれるヘルパーの数は依然として足りていないのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#128
○国務大臣(田村憲久君) 平成二十五年四月一日現在、ALSの患者の皆様方たち、こういう方々の喀たん吸引、つまり特定行為を行うことができる介護職員ということでございまして、この方々が、まず一つは今言われた二十四年度からスタートした三号研修、これにおいて六千八百十五人、それからそれ以前にもうその作業を担われておられまして、その後暫定的に資格を持っているといいますか、やれる方々、こういう方々が、経過措置対象分の方々でありますが、六千八百五十八名ということで、合わせて一万三千六百七十三名おられます。それから併せて、これは特定の方々でありますけれども、不特定の方に関してこのような喀たん吸引等々ができる方々、これは一号、二号の研修修了者の方々でありますけれども、この方々が千五百八十四名ということでございまして、合わせると大体一万五千名ぐらいおられるんだというふうに思います。
 ALSの患者の皆様方が約九千人でございますから、そう見ると人数はある程度いるということではございますが、複数で介護をやっていただいておるという現状もございます。これから新たにこの特定行為業務従事者の方々の育成状況、これを注視しながら、これからもきめ細かく我々対応をしてまいりたいというふうに思っております。
#129
○川田龍平君 そうおっしゃるんですけれども、例えばこのALSの療養者が在宅療養を行うために一体何人くらいのヘルパーが必要と、大臣、認識していますでしょうか。済みません、通告していないで恐縮ですけれども、お願いします。
#130
○政府参考人(岡田太造君) 喀たん吸引を行う介護職員の養成につきましては、介護職員によるたんの吸引などを必要とする方や研修の受講を希望する介護職員などがどの程度いるか、それから登録研修機関が実施する研究状況を踏まえまして、それからALSの患者さんの状況によって、やっぱり各都道府県において実情をよく把握して養成を図っていただくことが必要だというふうに考えているところでございまして、国全体でそういうような計画を現状で持っているということではございません。
#131
○川田龍平君 何人ぐらいだと思いますかということでお聞きしたんですが。
#132
○政府参考人(岡田太造君) それはちょっと患者さんの状況にもよりますので、一概にちょっと私は現在答弁できるような資料を持っている状況じゃございません。
#133
○川田龍平君 これは十人ぐらい必要だと言われています。
 それで、先ほどのALS患者九千人の八割が在宅として、仮に一人のヘルパーが四、五人の療養者を見ているとしても、この第三号研修修了者、先ほどおっしゃっていただいた六千八百十五人と経過措置の認定者六千八百五十八人、それから一号、二号と合わせて一万五千人のヘルパーということを言いましたけれども、それでは足りないという計算になります。
 もちろん、この一号や二号の研修というのは、五十時間もの講義を受けたヘルパーさんが訪問介護サービスに携わっているということですけれども、大臣、これ一号、二号の研修を受けた人たちが今訪問介護サービスにかかわっていると、携わっているとお考えでしょうか。
#134
○国務大臣(田村憲久君) もちろん、全ての方々がALSの方々に対応されているというふうには思っておりませんし、先ほども、十人というのは非常に多い人数でありますけれども、複数のヘルパーの方々が対応されておりますのでこの人数では十分ではないということでありますが、それはよく分かっておるんですが、二十七年度から介護福祉士の国家試験の中にこの部分が盛り込まれてまいりますので、そこからはある一定程度の対応できる方々が誕生してくるんであろうというふうに思います。
 いずれにいたしましても、なかなかそういう人材を養成をしなければいけないという部分がございますので、ALSの方々の今の実態というものをよくよく我々も把握をさせていただきながら対応できるように努力をしてまいりたいというふうに思います。
#135
○川田龍平君 いわゆる第三号研修事業への国の支援というのは極めて不十分ではないかと思います。最も多い県で幾ら、最も少ない県で幾らの財政支援が行われ、それぞれ累積で何人の修了者が出ているのかを教えてください。
#136
○政府参考人(岡田太造君) 喀たん吸引などの研修事業のうち第三号研修につきまして、平成二十四年度の国庫補助実績額が最も多い都道府県は大阪府で約一千四百万でございます。一方、茨城県、栃木県、東京都、福井県、長野県、兵庫県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県及び沖縄県の十一都府県は、二十四年度の国庫補助実績がないというような状況でございます。
 研修を修了された方は、大阪府、先ほど二十四年度の補助実績が最も多かった大阪府で二百八十九人、一方、これ平成二十五年の四月現在の時点でございますが、茨城県と徳島県の二県では二十五年の四月現在でゼロというようなことでございましたが、この二県につきましても、二十五年四月以降、研修を修了している方がいるというふうな報告を受けておりまして、年度が終了した時点で改めて把握をしたいと思っています。
 この事業は、平成二十四年度から実施が始まっているところでございまして、各都道府県において研修体制の整備に時間が掛かっているというようなこともありますし、それから、補助を出していないところでも登録研修機関が実施して研修を修了されているというような、国庫補助になっていない登録研修機関が研修を行っていて登録をされているところもあるということでございますので、単純に国庫補助の多寡によって都道府県の実績の状況が変わってくるというような状況ではないというふうに思っています。
#137
○川田龍平君 これは秋田ですとか埼玉、富山、徳島も先ほど言いましたけれども、長崎なんかもゼロなんですよね。本当にこういった、その程度では極めてやっぱり不十分であり、かつ不適切、地域格差が大き過ぎると考えますので、この日本ALS協会では、以下のような相談を支部から受けています。
 研修に申し込んでも、人数制限があり受講できないのでケアに入れないですとか、患者の退院時期に合わせた研修を小規模でよいのでやってほしいが臨機応変に対応できる研修事業所が少ない、また通年で患者さんの退院に合わせて研修できると有り難いですとか、そのためには保健所が毎月研修を行うなど公的な対応が求められる、また行政の研修は無料だが数に限りがあり、登録研修事業者は有料で、料金はばらばらであるといった話があります。
 いわゆる第三号研修事業については、都道府県から求められた金額だけ補助するのではなく、国としても、今後どのくらいの人数を研修させるべきか、国全体の計画や地域ごとの目標を示すなどして自治体間の格差を縮めるような助言や支援を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#138
○政府参考人(岡田太造君) 喀たん吸引の職員の養成につきましては、介護職員などによる喀たん吸引を必要とする方、それから研修を希望する介護職員がどの程度いるのかとか、患者さんがどれくらいいらっしゃる、それから登録研修機関が実施する研修状況はどういうことであるかというようなことを踏まえて、やっぱり各都道府県で実情に応じて実施していただくことが必要だというふうに思っています。
 先ほど申し上げましたけれども、この事業そのものが平成二十四年度から始まっておりまして、現在、その実情を把握したのは二十五年の四月ということで、一年間の状況で今申し上げているところでございますので、まだ都道府県においては、二十四年度中になかなかすぐには研修体制が整備できなくて時間が掛かっているというようなところもありまして、そういうところでも二十四年度中に研修そのものは開始はされているようでございますので、そういった、制度が始まったところもあるというようなこともあろうかと思っていますが。
 いずれにしても、厚生労働省としては、こうした地域の取組を積極的に支援するというような観点から、その実施する研修に掛かる費用を補助することによりまして介護職員などを養成するための取組を促進するとともに、障害保健福祉関係主管課長会議などの全国会議におきまして、各都道府県に対しまして研修体制の整備、研修への積極的な取組についてお願いして、都道府県と連携して喀たん吸引制度などの一層の定着を、普及を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#139
○川田龍平君 それで、大臣、さきに御紹介したとおりに、在宅ALS療養者に対するヘルパーによる医療的ケアは進んでいないとの声が当事者から多数上がっていることは大臣も御理解いただけたかと思います。
 そこで、是非厚労省として実態調査を行っていただきたいと思いますが、消費増税、自己負担増に将来不安を感じている在宅ALS療養者の皆さんに大臣から前向きな答弁をお願いします。
#140
○国務大臣(田村憲久君) 自宅でALS療養者の方々でありますけれども、この医療ケアの実態、今お話がございました。これは、福祉医療機構からの助成で、ALS協会の方が二十三年度と二十四年度で調査をしていただいておりまして報告をいただいております。この中で、今言われた喀たん吸引、このような医療ケアは、微増はしていますが、しかしそれによって生活自体が改善をしておるところまでは行かないというような、そのような報告をいただいております。
 実際問題、この特定行為業務従事者の研修に関しましては、各自治体に対しましてどれぐらいやっているかということに対しては報告をしていただくようになっておるわけでありますけれども、我々このALS協会の調査というものをしっかりと分析した上で、これから、今まだまだ足らないという部分に対してどのような対応をしていくのかということも踏まえて、いろいろと検討してまいりたいというふうに思っております。
#141
○川田龍平君 大臣、一つ提案があります。やる気のあるヘルパーが社会で認められ、活躍できるようになるための提案です。
 第三号研修事業の修了者で例えば三年間で七人くらいのケアの実績を積んだ方は、第一号、第二号の研修の座学を免除し、学科試験の受験資格を認めてはいかがでしょうか。是非御検討いただければと思います。
 それで、最後に、発達障害者支援法におけるトゥレット症候群の位置付けについて伺います。
 チックと呼ばれる神経精神疾患群のうち、音声や行動の症状を主体とし慢性の経過をたどるものをトゥレット症候群といいます。激しい運動チックに音声チック、さらには卑わいな言葉や罵倒言語を繰り返す汚言症など、チックの症状は相手に誤解を生みやすく、周囲の理解がないと社会的に大変な不利益を被る神経障害です。医師が病名を知らずになかなか適切な治療を受けられなかったり、保健所や福祉事務所でも発達障害ではないと言われたり、学校では親のせいだなどと不当な差別を受けたり、数多くの御苦労の事例が私のところにも寄せられています。学校教育現場ではいまだに情緒障害の一つとして親のせいや家庭環境によるところが大きいと認識されているそうですが、文科省の初等中等教育局の見解を伺います。
#142
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 トゥレット症候群を含めましたいわゆる発達障害につきましては、一般的に先天的な脳機能の障害に原因があるとされているところでございまして、御指摘のような、親のせいや家庭環境に原因があるというふうな認識は誤解があると承知しているところでございます。
 文部科学省としましては、トゥレット症候群を含め発達障害のある児童生徒を始めとする特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応については極めて重要であると認識しておりまして、平成十九年度から一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かな指導を行うことができるよう特別支援教育を推進しているところでございます。
 今後とも、教育現場においてトゥレット症候群に関します正しい理解が、認識が進みますよう、文部科学省としましては、主催する教育関係者に対する各種会議などにおきまして、トゥレット症候群が発達障害の一つに含まれるということを明確にしつつ、発達障害に関する理解啓発を行うなど、環境の整備に努めてまいりたいと存じます。
#143
○川田龍平君 これは、大臣、トゥレット症候群は親のしつけや家庭環境が理由といまだにお考えでしょうか。
#144
○国務大臣(田村憲久君) いえ、そうは思っておりません。これは脳機能の障害であるというふうな認識であります。
#145
○川田龍平君 大臣、これは、深刻なのは専門家の誤解なんです。日本トゥレット協会の副会長、神戸市看護大学の服部教授の調査では、何と大学教育での臨床心理専門書の九割でトゥレット症候群は親のしつけや家庭環境が理由と誤った記載がいまだにそのままになっているとのことです。このことについて文科省はどのように考えているでしょうか。
#146
○政府参考人(中岡司君) 御指摘のトゥレット症候群も含めました発達障害に関しまして、大学における教員養成の段階も含めまして学校の教員の理解が進みますよう、関係する部局とも連携しながら周知等について検討してまいりたいと考えております。
#147
○川田龍平君 これは文科省としても是非、小中学校の現場では、教員の無知から誤解で苦しむ子供が、家族がいるのを重々承知していながら、先生の養成カリキュラムの誤りをやっぱり正していかないといけないということをやっぱり是非認識していただいて、近年のこの研究結果によると、トゥレット症候群は、虐待やしつけなどによる情緒障害ではなく、外傷や先天的な神経障害の一つとしてとらえ直すことが定着してきており、国際的には数年のうちには定義の変更があるやに聞いております。
 発達障害の一つとしての社会の認知が十分になされるように、発達障害者支援法の第二条の定義にトゥレット症候群も加えてほしいとの要望を私はかねてよりいただいてきました。先日も発達障害の議連でヒアリングを行っていただきましたが、この法律は議員立法で成立をされましたが、この第二条の発達障害の定義において、自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、そして注意欠陥多動性障害などだけが特記されている理由を政府はどのように考えておりますでしょうか。
#148
○政府参考人(岡田太造君) 一般論として、具体的な疾病などを法令で規定する場合には、医学的な進展による変更を想定いたしまして政令などに委任することが通常ではないかというふうに思います。その際、法律の対象となるものを定義を明確化する観点から、必要最小限の例示を行うということはよくあることだというふうに思っています。
 その例示をどういう範囲で行うかにつきましては、それぞれの立法過程で検討、調整が行われるものだというふうに考えているところでございますが、御指摘のトゥレット症候群を発達障害者支援法でどう扱うかということでございますが、この法律は先生御指摘のように議員立法で提案されたものでございますので、その過程でしかるべき検討が行われてそういう整理になったものだというふうに認識しているところでございます。
#149
○川田龍平君 厚生労働省では、地方自治体への説明や関係者への研修会などの場において、発達障害にはトゥレット症候群も含まれると特別に補足説明しているとのことですが、なぜそのようにトゥレット症候群だけ追加して説明する必要があるんでしょうか。大臣、お願いします。
#150
○国務大臣(田村憲久君) 発達障害者支援法等々のいろんな施行する立場において、御説明するときにやはりトゥレット症候群は主な例として挙げさせていただくわけでございまして、まだまだ、言われるとおり、医療関係者、福祉関係者にも十分認識されておられない方々もおられるというふうに我々も感じております。その中において、発達障害情報・支援センターのホームページでありますとか、あと、こちらの方でいろんなことを啓発していくために、ガイドブック等々そういうものでこのトゥレット症候群のことを紹介をさせていただきながらしっかりと啓発、普及を進めてまいりたい、このように考えております。
#151
○川田龍平君 これ、わざわざ補足説明をする必要があるなら、法の第二条に明記しておけば済む話だと思います。尾辻会長の下、私も議連の副会長としてこの改正問題に引き続き取り組んでいきたいと思いますので、大臣、委員長を始め委員各位の方の御理解、御協力を心よりお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#152
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、昨日質問させていただきました内容について追加質問をいたします。
 今回の制度改正は、ファイナンスとデリバリー両面からの改革です。特に医療についてはデリバリーの改革が大きな特徴だと考えております。旧態依然とした医療において、構造改革こそ持続可能な社会保障制度確立のためには欠かせないものになってまいります。しかし、現場にとっては死活問題なんです。昨日の参考人質疑の際にも申しましたとおりに、プロフェッショナルオートノミーというものに任せておいてはどれだけ待っても実現はできません。昨日の質問を一つ一つ確認をさせていただくことで、改革の基礎が本当にできているのかどうか、確認を再度させていただきたいと思います。
 では、質問に移ってまいります。
 医師不足、看護師不足について、対策、昨日お答えをいただきました。では、何年までに医師、看護師を何名養成しなければならないと試算されているのでしょうか、お答えください。
#153
○政府参考人(原徳壽君) 当面、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になってしまう二〇二五年を当面の目標といたしまして、平成二十四年度で医師の場合は二十九万人おります。これを二〇二五年度、平成三十七年度には三十二ないし三十三万人が必要とされているところでございます。また、同じこの社会保障・税一体改革に際して行った試算では、看護職員数について、同じく平成二十四年度は百四十五万人のところ、二〇二五年度、平成三十七年度には百九十六万人から二百六万人が必要とされております。差引きでいきますと、医師の場合は三ないし四万人更に増、それから看護師の場合は約五十万人強の増が必要だというふうになっております。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
#154
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 医師につきましては、医学部入学定員削減に関する経緯というものが文科省のホームページに載っております。昭和五十七年にも閣議決定で、そして平成九年度にも閣議決定で医学部定員の削減について取り組むとなされている。平成十八年度におきましても、総務、財務、文科、厚労の各大臣による確認書に、医学部の暫定的な定員増というものは医師不足が認められている都道府県に対して行う、しかし、引き続き医学部定員の削減等に取り組むとなされているんです。
 現在、私ども、今日も多くの委員の中の皆様方から質疑をいただきましたように、医学部の、まさに医師の不足に悩んでいる地域が多いと。今までのようなこのような迷走した政策では、将来に向かって新たな医療提供体制を描くことはできません。今回こそ、しっかりとした計画に基づき医師の養成をお願いしたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 昨日も外科医の過重労働について質問をさせていただきました。外科医の過重労働というのは社会的にも現在問題となっております。この過重労働、昨日も私説明させていただきましたとおりに医療事故にもつながり、今回のプログラム法案の後に控えている医療法の改正においても大きな議論を巻き起こすことでしょう。
 今でも勤務医の労働環境改善に様々な施策が行われております。例えば、二十二年度診療報酬改定では、手術、手技料の増額が行われました。そのために、大規模病院を中心とし、外科系診療科は大幅増収となってまいりました。しかし、昨日申しました調査におきましても、外科に特化した待遇改善を行った病院は一〇%にすぎません。病院全体の赤字の補填、あるいは外科医だけではなく医師全体の待遇改善に使用したという回答でございました。
 外科医の過重労働改善のためには一体何が必要であるのか、更に回答をお願いをいたします。
#155
○政府参考人(原徳壽君) 昨日、外科医を始めとした各医療機関における医師などの勤務環境改善に向けて診療報酬上の措置を講じてきたことなどに加えまして、医療法改正の検討の中で、勤務環境改善に向けた取組を行うための仕組みの創設であるとか、あるいは労務管理、医療分野などの医療機関の勤務環境改善活動に対する支援体制を構築することなどについて検討しているとお答えしたところでございます。
 具体的にさらにどうやっていくかといいますと、例えば看護職やその他のコメディカルスタッフなど職種間の役割分担の推進や、いわゆる医療クラークなどの活用、これは医師からその他の職種へ仕事を移していくということ、それから、例えば地域の医療機関の間の機能分担、これは病院間での仕事の分担といいますか、そういうようなこと、これなど、具体的な取組を個々の医療機関のニーズに応じて推進することでそれぞれの勤務医の負担軽減を進めていく必要があると考えております。
 このために、こうした医療機関の取組を支援するために、各都道府県に設置を検討しております、仮称でございますが、医療勤務環境支援センター、これなどを活用しながら、地域の医療関係者と連携した取組を進めていきたいと考えております。
 さらに、勤務医の負担軽減のためには医師の偏在解消ということも支援も必要となりますし、さらに、これらのためには地域の医師不足病院の医師確保等の支援を行う地域医療支援センターの設置、これなども活用していきたい、あるいは、診療科におきましては、新生児医療や産科などへの手当などの取組についても引き続き行っていきたいと思っております。
 いずれにしましても、外科医を含めた医療機関の勤務環境改善については様々な医療政策などを適切に組み合わせた取組が必要と考えておりまして、次期通常国会に提出を目指しております医療法等改正案においても、医療機関における勤務環境改善や、あるいは地域医療支援センターの先ほど申しました機能の法律上の位置付けなども含めまして、さらに新たな財政支援も活用した医師確保等なども含めまして、勤務環境の改善対策の強化について進めていきたいと考えております。
#156
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 昨日も御紹介いたしました日本外科学会の要望書にもありますように、外科医の人数を増やすのではなく、やはり中間職種の創設、養成というものが外科医の軽減負担になるのではないかという御意見ございました。現在も中間職種について、先ほども御答弁いただきましたように、検討を進めているということでございますが、検討状況を報告していただけますでしょうか、お願いいたします。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
#157
○政府参考人(原徳壽君) まず、御質問の中間職種というのは、恐らくアメリカなどにおきます医師の指示を受けないで単独で一定の医療行為を行っていくナースプラクティショナーであるとか、あるいは特に病院の中などで医師の監督の中で術前術後管理でありますとか縫合するようなフィジシャンアシスタントなどが考えられるところでございますが、チーム医療の一環としてどのようにしていくかということを検討を始めました。
 その中で、まずは看護師が資格法上行うことが可能な診療の補助の範囲内で従来よりも幅広い行為を行うことができるような枠組みについて、厚生労働省医政局内に設置した検討会であるチーム医療推進会議において、診療の補助のうちの実践的な理解力、思考力及び判断力を要し、かつ高度な専門知識及び技能をもって行う必要のある行為、これを特定行為として法令上明確化する、またこの特定行為について一定の手順に基づいて包括的な形で指示の下に看護師が行っていく、これがいわゆる医師が直接やる部分を看護師さんに一定程度やっていただける範囲を広げるという形で検討が進んできたと、そういう経緯がございます。
 この中で、日本外科学会の要望書にも術前術後の管理等におけるいろいろな看護師の活用についても御提案をいただいておりまして、それらも含めた形で十分に検討いたしまして、今回取り上げた特定行為の中にもその外科学会からの要望のある程度の部分は入っておりまして、そういう意味では外科医の負担軽減にもつながるのではないかというふうに考えております。
#158
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。今後も広く意見を求めながら、より良い医療制度確立のためにこのチーム医療推進協議会、是非ワーキンググループでも話合いを行っていただきたいと思っております。
 では、次の質問に移らせていただきます。病床の機能分化、連携を促進するという検討事項について質問をさせていただきます。
 今回の病床機能分化の実現のためには、病床の機能に合った医師の養成というものもポイントになってくると考えられます。プライマリーケアを行う医師と臓器別、疾患別の専門医というものをどのくらい育成していく必要があると試算されているんでしょうか、教えてください。
#159
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 初期臨床研修、卒後二年間の初期の臨床研修の後、多くの医師は専門医に付いて修練を積んでいるのが現状でございます。その後それぞれの専門医をというふうになっていくわけでありますが、この専門医制度について、質の一層の向上を図る観点から、いわゆるプロフェッショナルオートノミーを基盤としつつ、新たにそれぞれの学会から独立した中立的な第三者機関を設立して専門医の認定とその養成プログラムの評価、認定を統一的に行うこととしております。
 この専門医の基本領域として、十八の臓器別等の領域に加えて、御指摘のいわゆるプライマリーケアを担当するであろう総合診療専門医というものも位置付けられております。総合診療専門医は、定義としては、日常的に頻度が高く、幅広い領域の疾病と傷害等に対応する総合的な診療能力を有する医師の専門性ということで定義されているわけであります。
 この数をどうするかという問題でございますが、これは実は総合診療専門医のみならず、先ほど先生の御指摘の例えば外科にしても、どれぐらいの人数を育てていくか、実はこの専門医の中でどれぐらいの養成をするかという、そこが実は大きなポイントになってくると思います。
 そこの点につきましては、これからこの第三者機関においてそれぞれの必要性などを考えていただく、患者数や疾病頻度、それから実際にプログラムができる体制がどうか、それから専門医の現在の分布状況なども踏まえて総合的に養成するといいますか、専門医の枠をこの第三者機関に考えていただきたいというふうに考えているところでございます。
#160
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、現在行われている医師臨床研修はどのような医師像を目標として研修がなされているんでしょうか、お答えください。
#161
○政府参考人(原徳壽君) 現在の医師臨床研修制度は平成十六年度から開始されたわけであります。
 それ以前のいわゆる努力義務における臨床研修での問題点としては、臨床研修といいながら専門的な研修が中心となっている、したがっていわゆるプライマリーケアの研修が不十分ではないか、したがって基本的な診療能力が修得されていないというような課題がそのときには指摘がございました。このため、医師法の改正を平成十二年に行いまして、十六年度からのこの新しい臨床研修制度におきましては、医師が、医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁にかかわる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることを基本理念として実施しているところでございます。
#162
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。プライマリーケアができる医師の養成というものを目標としていると理解をいたしました。
 では、内科、外科、救急、小児科、産婦人科、精神科、地域医療の七診療科が必要であったにもかかわらず、なぜ平成二十二年度の研修から外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科は選択必修科目となってしまったんでしょうか、その理由をお答えください。
#163
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 二十二年度の見直しに向けて、十六年度からのいろいろな研修の反省をいたしました。その中で、研修医の基本的な診療能力が向上したという効果、これは見られたわけでありますが、一方で、将来のキャリアなどにかかわらず多くの診療科での短期間の研修が一律に行われたということで研修医のモチベーションを損なった、あるいは専門医等の多様なキャリアパスへの円滑な接続の妨げとなるなどの指摘もあったところでございます。このため、二十二年度から研修に対する見直しにおきまして、研修医の将来のキャリアなどへの円滑な接続を図ること、また各病院の個性や工夫を生かした特色ある研修が可能となるようにこのプログラムの弾力化をするという趣旨で行ったところでございます。
 今回、また見直しをいたしましたが、この見直しの過程の中におきまして、どの診療科を研修するかにつきましては、卒前教育、また新たな専門医の仕組みなど、それらの一連の医師を養成する仕組みなどの動向も踏まえながら、次回以降の見直しに向けて到達目標と一体的に見直すということが望ましいとされておりまして、およそ五年後に予定をしております次の見直しに向けて、関係者の意見を伺いながらしっかり検討していきたいと考えております。
#164
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 更に質問を続けたいと思います。
 いわゆるハードが整備されても、その中身のソフトというものの充実が図られなければ全く意味がないものだと考えます。
 現在、医師の臨床研修制度というものは十年経過しようとしておりますが、臨床研修の必修化によって地域の医師不足というものが顕在化をしてまいりました。そして、研修医が都市部に集中してまいりました。その結果、地域では医療の質が低下したまま、現在も事態に変化はありません。
 今後、地域格差を解決するためにも、医師の研修の制度というものをどのような方向性で行っていくべきなのか、そのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#165
○政府参考人(原徳壽君) 臨床研修制度は医師の基本的な診療能力の修得を目的とするものでありますが、地域の医師確保は近年の医療をめぐる主要課題でありまして、地域医療への配慮も必要であると考えております。
 実際問題、制度施行後、研修医が都市部に集中しやすいなどの御指摘もありました。したがいまして、前回の見直しの二十二年度からいわゆる研修の定員、募集定員につきまして、人口やそれぞれの大学の養成数であるとか地理的条件などを勘案して、都道府県ごとに上限を設けるということをしてまいりました。この結果、平成二十五年度には、都市部である六都府県以外の研修医の採用実績数が過去最大となっております。六都府県といいますのは、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、そして福岡県、この六都府県での集中度は逆に言うと減ってきているというのが実態でございます。
 また、基本的な診療能力の向上、これが一番大きな点なんですが、これにつきましては、アンケートで自信を持ってできる、あるいは普通にできると回答した研修医の割合が全体的にも年々上昇してきているということからも、一定の効果が上がってきていると考えております。
 現在行われておりますこの制度の見直しの議論の中で、現在の基本理念は重要であり堅持するべきものであるということ、それから二つ目には、到達目標は人口構造や医療提供体制の変化などの観点から見直すべきだが、医学部での卒前教育、国家試験、それから研修があってそれから専門研修へと、連続性に考慮して次回見直しに向けて別途到達目標は検討すべき、それから、研修医の地域的な適正配置を一層誘導する観点から、募集定員の設定方法を見直すべき、このようなことが指摘されまして、平成二十七年度から実施予定の見直し後の制度においては、これらの内容を含んだものとなる予定でございます。
 今後とも、地域的な適正配置がより一層図られるように取り組んでまいりたいと思っております。
#166
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 そもそも、医学部教育というのは文科省、臨床教育は厚労省と、縦割り行政の中で一貫した教育システムというものを持っていないことが問題だと考えております。なぜ医療提供体制にマッチした医療養成プログラムを描かないのか、お答えいただけますでしょうか。
#167
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 先ほどから言いましたように、医師の養成というのは、医学部で基本的に教育を受け、それから国家試験を受けて、研修をして、専門医の修練をする、こういう流れでいきます。その中で、確かに医学部の部分は文部科学省が担当するということになっておりますが、この中で、例えば臨床研修制度の見直しにおいても、文部科学省の方にも御参加いただきながら議論を進めてきたところでございます。
 また、臨床研修制度の在り方については、今後どのような医師を育成すべきかというのが一番大きな観点かと思いますが、これは、医学部での様々な教育のカリキュラムの変更でありますとか、あるいは診療参加型の実習の充実、これらの改革が図られておりますので、そういう大学からの取組の差がまだありますので、そういうものの標準化などの状況とか、新たな専門医制度、後ろの方の専門医制度の仕組みの検討状況、これらをも両方にらみながら、全体として一貫的な教育になるように努めていきたいというふうに考えております。
#168
○薬師寺みちよ君 厚生労働省のレクチャーの中では、一度も文科省の委員の皆様方とそして厚労省の委員の皆様方と会議を共にしたこともないというようにお聞きいたしました。ですから、しっかりとした一貫した医師の養成というものを今後行っていただきますようお願いを申し上げます。
 時間がございませんので、質問を削らせていただきます。
 次に、診療、健診データの活用についてお尋ねをいたします。
 医療費抑制のためには、予防医学というものは必須であると考えられます。そのためには、正確なデータの取得とそして分析が必要です。その環境整備として、国、自治体、保険者、病院が持っている健診、レセプトなどの各種データを基にデータベースを構築し、新たな予防医学からの医療費抑制のアプローチを検討すべきと考えますが、このプログラム法案に組み込まれているのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#169
○政府参考人(木倉敬之君) 御指摘のように、データに基づいて健康づくり、予防を進めていただく、大変大事なことだというふうに思っております。
 今御審議いただいております法案におきましても、健康の維持増進、疾病の予防等を促進をして、これによる医療費抑制を図るために、保険者を始めとする皆様がレセプト等を活用して保健事業等の推進をしていただくということが盛り込まれているところでもございます。
 この規定を踏まえまして、健康保険組合あるいは市町村国保、こういうふうな保険者の皆さんがレセプトあるいは健診の結果の情報というものをきちんと分析をして、個人に合った取組を進めていただき効果を上げていただきたい、これをデータヘルス計画というふうに名付けまして推進をしていき、医療費適正化につなげることとしております。
 この結果によりまして、例えば重複受診、頻回受診等も適正にやっていただける、あるいは既に糖尿病等が始まっておっても重症化を予防できるというふうなこと、さらには個々人のニーズに合わせた後発医薬品の使用もお勧めができるというようなこと、こういうふうなこと。今もこういう取組が一部の県で進められておりますが、こういう事例も紹介しながら、全ての保険者に計画を作って取り組んでいただく、この取組を我々も進めていきたいと。そのために、国におきましても、我々も、全国のレセプトあるいは特定健診のデータを集積しておりますので、この結果をよく分析をして活用していただけるように提供していきたいというふうに思っております。
#170
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私のところにも多くの研究者の皆様方からそのビッグデータを活用したいという意見がございますので、是非、今後もそのビッグデータの活用につきまして検討を進めていただきたいと思います。
 昨日も申しましたけれども、枝葉の改革では今回の検討事項も絵にかいたもち、机上の空論、意味のないものとなってしまいます。家でいえば、今回の改革は二階部分の改築だと思っております。二階部分が新しくなったとしても、一階部分が制度疲労を起こしていたり機能していないようであれば、いつかは家が崩壊してしまうんです。
 まずは一階部分の強化、まさに医師の養成、看護師の養成、そして計画的な配置、図っていただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#171
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 ちょっと冒頭、雇用のことをお聞きをしたいと思うんですが、やっぱり社会保障の土台は雇用です。雇用の安定それ自体大事であるとともに、社会保障の支え手を強化してまいります。
 若者を使い捨てにするブラック企業対策、これは人間らしい雇用を実現する上でも待ったなしだと思いますが、昨日、ある新聞の報道で、厚労省がブラック企業対策として離職率を公表するというふうにされておりますが、どのような中身でしょうか、対象となる求人数というのはどの程度なのでしょうか、お答えください。
#172
○委員長(石井みどり君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#173
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
#174
○国務大臣(田村憲久君) 離職率の話ですか。離職率を公表するとは言っていないわけでありまして、大卒のハローワークの求人、これの中において離職者数、この枠を設けたということでございまして、これは書く書かないはそれぞれの事業者の自由でございます。そのような意味でそのような枠をつくったわけでございまして、そこに書いていただくだけで、それは求職する側からしてみれば、そのようなことに対してデータを出しておられる企業だというようなことを認識できるということでございまして、それはそれで大変意味のあることであろうというふうな思いの中でそのような枠をつくったわけでありますが、高校卒業の場合はもう既にあったものでございまして、来年度から大学もこのような形で枠を導入するということでございます。
#175
○小池晃君 対象者数は十七万人から十八万人新たに増えるというふうに聞いているんですが。
 大臣が今御紹介された離職数ですね、私ども日本共産党が参議院に提出したブラック企業規制法案でも、これは職業安定法の改正で企業が採用者数と離職者数を公表することを盛り込んでおります。今度の厚労省の措置は我々の提案とも同じ方向のものだというふうにこれは受け止め、歓迎したいと思っているんですね。
 大臣に、このブラック企業規制法案、私ども出しましたが、この中には、例えばサービス残業の根絶、労働時間の上限規制など長時間労働の是正、パワーハラスメントの根絶などの課題を掲げております。この課題はやはり厚労省が掲げている政策方向とも私は一致しているというふうに考えるんですが、大臣の政治家としての御見解を伺いたいと思います。
#176
○国務大臣(田村憲久君) なかなかお答えしづらい部分ではありますけれども、御党の出された法律案、これに関しては承知をいたしておりますが、国会の中で御議論をいただく話であろうというふうに思います。
 我々厚生労働省として、労働者の権利をしっかり守るということは念頭に置きながらこれからも行政を続けてまいりたいというふうに思っております。
#177
○小池晃君 いや、法案についてどうこうというとそれは言いにくいでしょうから、私は、そういう課題は、例えば今、私言いましたね、長時間労働是正、サービス残業根絶、パワーハラスメントの根絶、これは厚労省の目指している政策方向と一致するんではないですかというふうに聞いているんです。
#178
○国務大臣(田村憲久君) いや、それは長時間労働というものは減らしていかなければならないというふうに思っておりますし、サービス残業なるものは、これは労働基準法で禁じられておるわけでございますから、そういうような意味ではサービス残業等々というものも減らしていくということは当然我々としては大変重要なことであろうというふうに認識いたしております。
#179
○小池晃君 私は、この中身、かなり多くの部分というのは厚労省が掲げている方向と一致する部分もあるというふうに思っておりまして、このブラック企業規制法案、幾つかの会派にも説明をさせていただきました。是非、党派を超えて取り組むべき課題だと思っていますので、国会でも御審議をいただきたいというふうに思っているということを申し上げておきたいと思います。
 法案に入ります。介護保険の問題です。
 介護サービスの範囲の適正化等による介護サービスの効率化及び重点化を掲げておりまして、要支援者への予防給付のうち、訪問介護と通所介護を新しい地域支援事業に移行させるといいます。しかし、新事業の内容は市町村の裁量、そして人員基準、運営基準はありません。
 要支援者の実態は一体どうか。北海道民医連が行った調査紹介しますと、例えば、要支援二で、肺がんの術後、両膝関節が人工関節という七十八歳の女性です。一人では階段昇降ができずに、週一回のデイサービスが唯一の外出の機会になっている。週二回の訪問介護で掃除、ごみ出しができる。配食サービスを利用して何とか在宅生活を続けている。年金が減らされ、介護サービスも利用できなくなるのかと嘆きの声を上げていらっしゃいます。
 要支援一で、ペースメーカー装着、高血圧の八十四歳の女性の例です。訪問介護を利用して在宅生活を続けています。週二回ヘルパーが自宅に来てくれるのが精神的な支えになっているそうです。独居生活に強い不安を持って、ヘルパーが来てくれないと困ると言っています。
 このように、大臣、やはり要支援者といっても、かなりやっぱり身体上、生活上の困難を抱えていて、きめ細かな支援を必要とする人は大変多いわけですね。こうした高齢者を予防給付から地域支援事業に移し替えれば、私は、支援が大きく後退し、困難が増していくということになることを大変危惧します。いかがですか。
#180
○国務大臣(田村憲久君) 予防給付を地域支援事業の方に移行していこうということを今議論をいただいておるわけであります。
 その中において、医療系のサービスに関しては、これはなかなか専門性も高いということもございますので、そのまま介護保険の方に残した方がいいのではないかと、こういう議論もその中ではいただいておりますが、介護予防、生活支援サービスに関しましては、特に軽度の高齢者に関しては様々なニーズがあるということでありまして、画一的な介護保険サービスだけではなくて、各地域地域の実情に応じたきめ細かなサービスを各自治体の中において御議論をいただいて提供いただけるような体制を取っていただくということでございまして、これに関しましてはガイドライン等々を我々も示してまいりたいと思っておりますし、あわせて、好事例等々はこれは広めていく中において、そのような形のいろんな体制整備というものに努めていただきたいと、これはもちろん自治体に対して我々もしっかりと協力をさせていただきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、これ、ケアマネジメントの中において必要なサービスを適切に対応できるような形でプランを作っていただけるというふうに思っておりますし、あわせて、今までのサービス事業者もこれはそのまま継続することができるわけであります。移行期間も設けておるわけでございますから、そういうような中でしっかりとした対応ができるような体制整備をつくっていただくべく、我々も努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#181
○小池晃君 多様なニーズがあって選択肢増えるというふうに言うんだけれども、現行制度でも予防給付と地域支援事業、両方選べるわけですよね。ところが、やっぱり多くの人が予防給付を選んでいるのは、保険給付として確実に専門家によるサービスを受けられるからだと思うんです。私は、選択肢を増やす、多様なサービス受けられるようにするというのであれば、従来の予防給付を続けたまま地域支援事業のメニューを増やせばいいと思うんですね。そういう改革が必要だと。
 それから、地域の実情に合わせるというふうにおっしゃいました。しかし、結局、要は、全国一律の基準をなくしてしまえば、予防給付に係る費用を抑制するということにこれは必ずなっていく。実際に、政府は、今回の制度改変によって予防給付に係る費用を抑制することを想定しているわけですね。
 局長にお伺いします。
 現行制度のままなら予防給付に係る給付費が五、六%で増えていくのを、結局今回の見直しで予防給付プラス新事業の給付費の伸び率を三から四%に抑え込むという試算されていますよね。結局、そのために新事業に掛ける予算にも上限を掛けていくと、こういうことになるんじゃありませんか。これ、そういう事実を認めていただきたいと思います。
#182
○政府参考人(原勝則君) 私どもの考え方といたしましては、介護予防の機能強化を通じまして、認定を受けなくても地域で暮らせるような高齢者を増やしていきたい、あるいは費用の効率化ということを図っていきたい、将来に向けてですね、ということを考えて、今回予防給付の地域診療への移行ということを提案をさせていただいているわけでございます。
 その際に、御指摘のように上限という問題がございまして、現在の介護予防・日常生活支援総合事業におきましても上限は設定されておりまして、原則、介護保険事業計画の給付見込額の二%とされております。これは、厚生労働大臣の認定を受けたときは三%まで引上げが可能という仕組みになっております。
 新しい事業では、こうしたことも踏まえまして、新しい事業の上限につきましては、現行制度も踏まえながら、予防給付から事業に移行する分も賄えるように設定をすることを検討しております。
 具体的には、当該市町村の予防給付から移行する訪問介護と通所介護や予防事業の合計額を基本にしながら、当該市町村の後期高齢者の伸び率等を勘案して設定した額というふうにする方向で現在検討をしているところでございます。
 また、仮に市町村の事業費が上限を超える場合については、制度施行後の費用の状況等を見極める必要もございますので、市町村からもいろいろと御意見いただいていますので、市町村の御意見もよく聞きながら、個別に判断する仕組みなどの必要性についても併せて検討してまいりたいと考えているところでございます。
#183
○小池晃君 しかしながら、いずれにしても保険給付から外して上限が掛かっていくということになっていくわけで、実際何が起こってくるかというと、効率的な事業の実施ということで、厚労省が社会保障審議会の介護保険部会に示している文書を見ますと、例えば、柔軟な人員配置等により効率的な単価を設定する、あるいは付加的なサービスやインフォーマルサービスを組み合わせる、サービス内容に応じた利用者負担を設定するというふうになっていますよね。結局、人件費安く抑えて自費のオプションサービスをつくって利用者に負担させるということにこういった形ではなっていかざるを得ないんじゃありませんか。
#184
○政府参考人(原勝則君) サービスの利用に当たりましては、その高齢者の方の状態像等を踏まえたケアマネジメントによりまして、例えば専門職によるサービスが引き続き必要だと判断された利用者に対してはそれらのサービスが提供されるということだと考えております。地域で提供される多様なサービスの内容に応じてサービス単価を設定することが重要だと思っておりますけれども、専門職が必要なサービスを行う場合には専門職の人員配置を前提とした適切な単価を設定することが適当であろうと考えておりまして、国としてもガイドラインの策定などを通じて市町村の支援を検討していきたいと考えています。
 また、利用者負担についてのお尋ねがございましたけれども、これにつきましても、国が示すガイドライン等を踏まえながら、高齢者の多様なニーズを満たす多様なサービス内容に応じて市町村が設定する方向で検討しております。
 したがいまして、状態像に応じたサービスがそれにふさわしい費用で利用可能となるため、御指摘のように、利用者が全額自費でサービスを購入するとか、あるいは利用料の負担が重過ぎてサービスの購入ができないといったようなことにはならないのではないかと考えております。
#185
○小池晃君 いや、私は、やはり全国基準、人員基準、運営基準をなくして裁量にしていけば、やはり低下する方向に、これは地方自治体の財政の問題もあるわけですから、大変それを危惧するわけですよ。
 先ほどから専門性があるから医療系サービスは残しましたということを大臣もおっしゃいましたけど、私は要支援者にこそ福祉サービスだってやっぱり専門的視点が必要だというふうに思うんです。これ、大事なんですよ。
 例えば、要支援とされている人の中には、まだ認知症の診断が下っていないけれども、その前兆が出ているような人だって少なくないわけですね。要支援者のお宅にヘルパーが行っても、例えば頼んだ覚えはないというふうに入室拒否されるみたいな、そういうことがあったりする。そういう中で、やはり専門知識と資格を持っている訪問介護員が継続的にかかわることは非常に大きな意味があるわけですよ。
 また、要介護一と要支援二を行き来しているようなそういう状態の人は、そのたびに担当のケアマネジャーやあるいはデイサービスの事業者が変わってしまう。しかし、そういう人を継続的にやはり支援して重度化防止の役割を担っているのはヘルパーなわけです。
 事例紹介すると、例えば東京都で、妻が八十六歳、夫が九十二歳、老老夫婦です。妻は脳梗塞後遺症で右半身麻痺と言語障害があって、室内歩行できるために要支援になっていると。夫は認知症があって、新聞、勧誘されると五紙も取ってしまうという状態だけど非該当です。これ、綱渡りなんですけど、週三回、生活援助に行っているヘルパーが両方に目を配って、どちらも入院しないように頑張っている。認知症予備軍、老老世帯、貧困、本当に様々な問題が重なり合う状況の中でも、専門職が頑張っているから重度化を予防したり入院に至らないようにしていると。
 審議会でも、認知症の人と家族の会の勝田登志子氏が指摘しているとおり、初期、軽度の人へのケアの充実こそが認知症の進行を防ぎ、ひいては費用の節約につながると。私は本当にそのとおりだと思うんです。
 大臣、要支援者に掛かっている費用というのは介護給付費の五・七%です。これを抑制したために重度化や認知症の症状が進んで介護給付費全体を増やすような結果になったら本末転倒だと思うんですね。私、こんなこと絶対あっちゃいけないと。きちんとやはり専門職による保険給付で必要なサービスを福祉サービスも含めて継続をしていくと、これが必要だと思いますが、いかがですか。
#186
○国務大臣(田村憲久君) 今般、この介護予防給付事業を生活支援事業の方に移すという、特に通所介護、訪問介護の部分でありますけれども、軽度な高齢者の方々の場合にはやはり多様なサービスを求められておられますし、一方で、そのような方々の支援の担い手、この担い手自体が、例えば元気な高齢者が担っていただくことによってその方々の介護予防にもなる。これは、もう委員も御承知のとおり、介護従事者、介護職員の方々がこれから大幅に不足をしてくるわけですね。ですから、今委員が言われたような、軽度では、軽度といいますか、要支援ではありながらいろんな問題を抱えておられる方々は、これはケアマネジメントする中において既存のサービスがあるわけでありますから、そこで対応されるということになるんであろうと思います。
 しかし、一方で、そうではない軽度の高齢者の方々がどのような形でこれから要支援のサービスを受けていくか、生活支援を受けていくかということを考えた場合に、やはり多様な介護、要支援といいますか、その受皿を今のうちからつくっていかないと、一方で、支援する側の人員不足、これにも対応ができなくなってくるわけでありまして、多様な担い手というものを育てていくということもやっていかなければならないという側面もあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、委員がおっしゃられたような方々に対してサービスが落ちないような、その対応は必要だというふうに思っておりますので、既存事業者も含めて、これからのこの進め方、議論をしっかりやってまいりたいというふうに思っております。
#187
○小池晃君 そういうふうにしたいというのであれば、予防給付は予防給付のままで維持した上で地域支援事業のメニューを増やしていくということで多様なニーズにこたえていくことこそ私は現場の声にこたえる道だというふうに思います。やはりこのやり方、要支援者を予防給付から外すということについては撤回をしていただきたいというふうに思います。
 年金について伺います。
 私どもは、国民の財産である年金積立金をマネーゲームに投じることは、これは一貫して反対してまいりました。ところが、政府の有識者会議が、GPIFの運用資産における国内債券の比率を引き下げて投資対象を拡大すると、アクティブ運用の比率を高めるという報告書を出しています。
 局長にお伺いしますが、年金というのは加入者の老後生活を支えるための大事な資金です。これを今まで以上のリスク運用にさらして大穴が空いたら、一体誰が一体どういう責任を取るんですか。
#188
○政府参考人(香取照幸君) 年金の積立金に関しましては、委員も今お話ありましたように、厚生年金保険法、あるいはこの資金運用を行っている専門の法人であります独立行政法人、年金積立金管理運用独立行政法人法という法律の下で、専ら被保険者の利益のために効率的な運用を行うと書いてございます。
 運用に関しましては、申し上げましたように、こういった法人に寄託をしているわけでございますが、それぞれ今申し上げました法律の中で、年金積立金の運用に関しましては役職員の責任についての規定が置かれております。したがいまして、運用に関しまして損失が生じたりした場合において、法令に定められた義務の違反がある場合には、関係者については責任が問われるということになります。
 具体的には、役職員につきましては、全力でその職務を遂行する義務、それから秘密保持の義務というものが課されておりまして、特に後者につきましては免職処分等を受けるという場合もございます。
 それから、理事長及び理事に関しましては、受託者責任を負っているということになりますので、いわゆる専門家としての善管注意義務、それから忠実義務というものがありまして、これにつきましても免職処分等を受けるということになります。
 さらに、私ども厚生労働省で運用を担当している職員につきましても、同様に全力で職務を遂行する義務あるいは秘密保持義務というものが課されておりまして、後者について違反がある場合には懲戒処分ということになります。
 なお、厚生労働大臣は、当然ながら年金制度全体を所管するという立場において、積立金を含みまして年金制度全般について責任を負っていると、そういう構成になってございます。
#189
○小池晃君 そういうふうにおっしゃるけれども、今まで何兆円も大穴空けたときに誰も、誰一人責任取っていないんですよ。それが今の実態なわけで、これを更に、リスク運用を更に強めるなんてことは許されるのかと。
 有識者会議の報告書は、パッシブ運用の比率を低めてアクティブ運用の比率を高めるというふうに言っています。もう端的に、ちょっと時間ないので短く答弁していただきたいんですが、GPIFの国内株式、国外株式のパッシブ運用、アクティブ運用について、直近七年間の超過収益率、どうなっていますか。
#190
○政府参考人(香取照幸君) 直近七年間、平成十八年度から二十四年度までの超過収益率でございますが、これは超過収益率と申しますのは、それぞれのアセットごとに設定されましたベンチマークの収益率に対してどれだけ超過があるかというものを見たものでございますが、全体としてパッシブについては〇・〇八%のプラス、アクティブが〇・三九%のマイナスということになってございます。
 外国株式につきましては、同じくパッシブが〇・〇五のプラス、アクティブは〇・三一のマイナスということになってございます。
#191
○小池晃君 収益率を高めるためにアクティブ運用の比率を高めるというけれども、結局過去七年間の、直近七年間の数字を見ると、パッシブ運用の収益率はプラスですがアクティブ運用の収益率はマイナスなんです。すなわち、損になっているわけですね。これは決してGPIFの特殊事情ではなくて、アメリカのプリンストン大学のマルキール教授が調査したアメリカにおける過去の二十年のアクティブ運用の実績を見ても、全ての資産クラスにおいてアクティブ運用の収益率はパッシブ運用の収益率を大きく下回っています。
 結局、この今の報告書にあるようなリスク運用を強めアクティブ運用を高めるという方向は、着実な収益を増やすという言い分と矛盾するんじゃないですか。
#192
○政府参考人(香取照幸君) 御指摘のように、運用の状況は市況の環境によるものがあります。左右されることが大きいわけですが、同様のアセットクラスで外国債券がありますが、外国債券は実はパッシブが〇・〇一のマイナスでアクティブが〇・四九のプラスということになってございます。
 有識者会議の提言も、基本的にはこれまでずっと長い間デフレが続いてきたという状況の下でこのような運用が行われてきたわけですが、適度なインフレ環境へと移行しつつある我が国の経済状況を踏まえて、公的・準公的資金全体についてのポートフォリオの見直しというようなお考えで示されてございます。
 私どもの立場からしましても、必要な運用利回りを安全確実に確保するという観点から申しますと、経済状況が変化するという中で日本国の経済の成長の果実を確実に享受をするという観点から運用の考え方について一定の見直しを行うということは、それはそれで合理的なことだと思っております。
 もちろん、法律に定められた年金の法的な性格あるいは資金というものがまず前提にありますので、それをあくまで基本にした上でこういった考え方で見直しを行うということになろうかと思います。
#193
○小池晃君 結局、何でアクティブ運用、成績悪いか。株式、まあ債権はそうかもしれません、しかし株は明らかに悪いですよ。
 配付資料もあります。GPIFの運用受託機関及び資産管理機関への二〇一二年度の支払手数料、幾らですか。運用受託機関分のアクティブ運用、パッシブ運用別に手数料それぞれ幾らか、数字だけお答えください。
#194
○政府参考人(香取照幸君) GPIFの資産管理機関とか運用機関の手数料でございますが、総額で約二百二十二億円。これは手数料としては〇・〇二%ということで、世界最低水準でございます。このうちパッシブに係る部分、受託機関の手数料は全体で二百八億でございますが、パッシブに係る部分が約三十一億、アクティブに係る部分が百七十七億ということになってございます。
#195
○小池晃君 政府の有識者会議も認めていますけれども、アクティブ運用の収益が上がらない一因に、やっぱりこの手数料、運用コストの高さがあるわけですね。この手数料は国民の年金保険料で払っているわけですよ。
 私は、大臣、今まで議論してきましたけれども、やっぱり国民から集めた年金保険料をマネーゲームに投じて、金融機関、証券会社、投資プレーヤーには手厚い報酬が払われていく、一方で、昨日も議論しましたけれども、年金額についてはマクロ経済スライドなどで削減、抑制していく、さらに支給開始年齢の先延ばしも検討されている、こういうやり方で更に一層マネーゲームに年金を投じていくようなやり方は、私はきっぱり断念すべきだというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
#196
○国務大臣(田村憲久君) 現行、年金の積立金の運用利回りの目標、四・一%と言っておりますが、そんなに上がっておりません。この半年ぐらいはアベノミクスの影響はあるわけでありますが、しかし、それほど毀損せずに、現状、今は逆に必要な積立金よりもプラスになっていると。それはどういうことかというと、デフレで名目賃金が上がらない中でありましたから、それほど高い運用利回りを取らずとも、要は年金の積立金、毀損せずに済んできたということがあるわけであります。
 しかし、これから名目賃金が上がってくるとなれば、やはりそれなりの運用利回りを目指さなきゃいけない。つまり、名目賃金とそれから取った運用利回りとのスプレッド、ここが問題であるわけでございますので、それを確保するためにはいろんなポートフォリオの見直しをやらなきゃいけないんでありましょう。その中において、一番リスクを最小化にできるようなものはどういうような言うなればポートフォリオなんだというようなことを勘案するわけでありまして、その中のメニューとして今般の会議の中でいろんなものを挙げていただいたということであります。
 いずれにいたしましても、GPIFの中において必要な、これから年金の財政検証するわけでありますけれども、どれだけの運用利回りを目指すかということにおいて最低リスクを取っていただくようなポートフォリオをお考えをいただけるものというふうに考えております。
#197
○小池晃君 私は、やはりその年金財政の政官財による食い潰しになるというふうに思います。やっぱりリスクマネーに投じる政策はこれは撤回をして、給付削減計画もやめて、本当に国民が信頼できる年金制度に切り替えるべきだと。今のようなやり方をするとますます年金に対する不信、不安は高まるばかりだということを申し上げて、質問を終わります。
#198
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日は、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案の中でも、今日も複数の委員の先生から質問が出ておりましたけれども、まず一つ目は、介護関係の人材確保のことについて質問をさせていただきます。
 これから高齢社会がまた更に進展していく中で、介護人材というものはますます必要になってくるわけであります。幾ら持続可能な社会保障制度の確立を図ったとしても、人材不足であってはそれを担う人たちがいないわけですから、これからの介護ということについて大変大きな問題になってくるというふうに思っております。よく介護関係の現場の人たちからは介護職の人材不足とか人材確保が難しいという声を聞きますが、厚生労働省としてその実態調査というものをしたことがあるのかどうか、まずはお聞きしたいと思います。
#199
○副大臣(佐藤茂樹君) 東委員の御質問にお答えをいたします。
 政治の道を入られる前に介護施設職員もされていた経験もおありなので、実態よく分かった上での御質問だと思いますが、今介護人材の実態調査をしているのかどうかということでございますが、公益財団法人介護労働安定センターにおきまして、毎年、介護労働実態調査を実施しております。これは介護保険サービス事業を実施する事業者を対象としておりまして、その中で介護サービスに従事する従業員の過不足の状況を把握しております。平成十四年から毎年この調査をしているわけでございます。
 一番直近の平成二十四年度の調査結果では、全体では、適当というのが四二・〇%と一番多くて、次いでやや不足が三四・二%だったわけでございますが、問題は、従業員の過不足の状況についての、大いに不足、不足、やや不足、この全て三つを足した不足感があると、こう回答した事業所の割合が五七・四%でございました。
#200
○東徹君 ありがとうございます。
 不足と大いに不足というのが五七・四%ということでありますけれども、やはり介護人材が不足しているというふうに思っている施設というのは非常に多いというふうに思います。
 そんな中で、まず給与のことについてお伺いしたいんですが、介護職の平均給与というのはどれぐらいなのか。例えば、特別養護老人ホームとか老人保健施設ではどうなのか。また、介護職の中でも訪問介護が非常に人材不足というようなことも聞きますけれども、訪問介護ではどうなのか。そして、介護保険が導入される以前と比較してどうなのかもちょっとお答えいただければと思います。
#201
○政府参考人(原勝則君) 特養あるいは老健施設、訪問介護員別の介護職員の平均給与というお尋ねでございます。
 平成二十四年度介護従事者処遇状況等調査結果によりますと、月給で常勤の者の介護職員の平均給与額ということで、これには手当とか一時金を含んでおりますけれども、まず介護老人福祉施設で三十万一千五百四十円、介護老人保健施設で二十八万七千三百七十円、訪問介護事業所で二十六万四千二百五十円となってございます。
 あわせまして、これらのものについての介護保険制度導入前後の状況というお尋ねでございますけれども、大変申し訳ございませんが、データがなくてちょっと比較が難しゅうございます。
#202
○東徹君 データがないということですけれども、措置制度の時代ですから、大体の金額というのは厚生労働省としては把握しているんじゃないでしょうかね。
#203
○政府参考人(原勝則君) こういった細かいちょっと調査がないものですから、先生のお尋ねに合うのかどうかちょっとあれでございますけれども、先ほど副大臣の方からございました介護労働安定センターが調査している調査で、これは平成十七年以降しかちょっと分からないんでございますけれども、介護職員で、これは賞与は含まず所定内賃金、残業等の手当は含まない所定内賃金ということで、正規職員で月給の者の賃金ということでございますけれども、平成十七年がこれは二十一万二千二百円、それから平成二十四年が二十二万一千四百円というような状況、そういった統計はございます。
#204
○東徹君 介護保険制度が導入される前というふうに申させていただきましたよね。全然その数字とは違うんですね。
 平成二十四年度の調査で、常勤職員で三十万円、それから特別養護老人ホーム、老人保健施設で二十八万円ということでありますけれども、私が本当にいろいろと現場の職員の方に聞く中でこれぐらいの給料をもらっているというふうに聞いたことが余りないんですが、調査のこの数字というのは信憑性は本当にあるんでしょうか。
#205
○政府参考人(原勝則君) もちろん限られた範囲での調査ということでございますから、ある程度の代表性にはそれなりのあれがあるとは思いますけれども、一応私どもの方で調査をした数字でございますので、一つの結果ではないかということで御理解いただきたいと思いますが。
#206
○東徹君 一度やっぱりその調査の資料を是非いただきたいと思います。
 次に、独立行政法人労働政策研究機構の調査によりますと、介護職の離職率というのは産業全体の離職率と大きな差がなくなってきているというふうにも報告もされております。給与水準などの処遇の問題や定着率の向上や質の確保のための介護職の人材育成の問題など、介護職の人材確保の観点から様々な問題が現在も存在しているというふうに考えております。
 今後、高齢化社会の進展を踏まえて、政府としては地域包括ケアシステムの構築しているものとされておりますけれども、その構築のために必要となる介護職の数は、二〇二五年には二百三十二万人から二百四十四万人とも推計をされております。一方で、現在の介護保険費用は、平成二十五年度予算ベースでは五二・二%が公費負担となっており、公費依存度は後期高齢者医療制度を上回る高い水準にあるというふうに思っております。
 財源が厳しい中ではありますが、介護人材不足をどう解消していくのか、政府の見解をお伺いしたいと思います。
#207
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、二〇二五年に向かって介護職員が、大幅にこれは養成していかなきゃならないということでございまして、百万人からの介護職員を増やしていかなきゃならぬと。先ほど地域支援事業の話をさせていただいたのも、実はそういうところの問題があって、多様な担い手というものを、この担い手のところを厚みを増していかないとなかなか人材が不足してくるというところであります。
 一つは、今、福祉人材センター、またハローワーク等々でマッチング、きめの細かなマッチングの強化というものをしっかりやっていくということをやっております。あわせて、やはり介護職というものに対してのイメージアップも図っていかなきゃならぬのだと思います。あわせて、やはりキャリアアップする、そういうような仕組みを取り入れていかなきゃいけないと同時に、何といいましても、キャリアパスの仕組みというものをしっかりつくっていかないことには、なかなか介護職の方々が自分の人生設計も含めて頭に浮かばないわけでありまして、そういう仕組みも今いろいろと考え、取り入れているところであります。
 今言われました、あとは処遇改善ということでありまして、処遇改善交付金、こういうものを使って今まで月給を上げてきたというような状況がございます。今や交付金の方からこれは介護保険の中に、報酬の中に入っておるわけでありますけれども、しかし、それだけではまだ十分ではないという認識も持っておりますので、更なる処遇改善ということも含めてしっかりと我々議論をしていかなきゃなりませんし、あわせて、環境、職場環境の整備というものもやはりやっていかなきゃならぬというふうに思っております。
 とにかく、いろいろなことをやっていく中において介護人材を確保していかないことには、日本の介護、これ成り立たなくなってくるわけでございますので、ありとあらゆる施策をこれから講じてまいりたい、このように考えております。
#208
○東徹君 ありがとうございます。
 ただ、おっしゃっていることはやっぱりそういう、まあマッチングは、私、そんなに今マッチングに一生懸命力を入れても効果が上がるというふうにはそんなに思えませんし、それなりにこれまでマッチング作業も各都道府県とか人材センターとかでもやってきたというふうに思っています。大事なのは、やっぱり介護職のイメージアップというのが非常に大事だというふうに思います。
 本当に介護の現場では、排せつ介護、入浴介護、食事介護、これで大体一日の三分の二がその三大介護に当たっているわけでありまして、その負担感とか、非常にきつい、汚い、感染症もかかるかもしれない危険な大変な仕事だというふうに思っておりまして、ただ、そういった大変な仕事だけれども、やっぱり非常に高齢者を支えていく大事な仕事なんだというところのイメージをどうつくっていくのかというのが非常に大事だというふうに思っております。
 それともう一つ、キャリアアップということがよく政務官からもこれまでに出ておりました。キャリアアップの制度というのが、いまいち、いろいろと資料を見させていただきましてもちょっとよく分からないというふうに思っておりまして、具体的にキャリアアップの制度をどのようにしていこうと考えておられるのか、是非説明をしていただきたいと思います。
#209
○政府参考人(原勝則君) やはり今離職率が高い状況の原因としては、将来、若い方が就職をされて、将来自分がどういうふうに研修を重ね、技術を身に付けて、そしてそのことがいわゆる地位に反映され、給与としてそれが支給を受けられるかと、そういうのが非常に見えにくいというのが一つやっぱり問題だろうと思っています。
 したがいまして、一つはやはりそういう給与表をきちんと整備してもらうのは当然のことなんですけれども、やはりその方自身の研修の機会なんかを確保いたしまして、やはり技術、そういうものをちゃんと高めていただく、そういうことをやっていただかないとやっぱりいけないんじゃないかと。それが、それの技能、技術に応じて、経験に応じて地位が上がってキャリアが上がっていって、それが報酬として報いられるというようなことでございます。
 例えば、その分かりやすい例としては、介護福祉士という国家資格の制度がございまして、介護報酬でも介護福祉士の資格を持っている方についてはそれなりの一定の評価をしているというようなことで、施設側でも事業者側でもそれに応じた給与を支払っていただいていると。例えばそういうようなこととか、研修なりそういうものを通じて御本人の技能を高めていただく、それに応じた報酬というもの、それがキャリアアップのシステムかなと考えております。
#210
○東徹君 今の説明を聞いていますと、当然、どこの職場でもやっぱりその人の経験年数であったりとかそんなんで給料というのはやっぱり上がっていくわけですから、特に給与の評価について目新しいようなものでもありませんし、研修制度というのも当然これはもう今までもこれずっとやってきているわけでして。
 あと、非常に地位が上がるというふうにおっしゃいましたけれども、地位というのは何か、どういうふうな地位制度みたいなのがあるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#211
○政府参考人(原勝則君) 済みません、ちょっと表現が余り適切じゃなかったかもしれませんが、いわゆる、例えば我々ですと、何年かすると主査になって、その後、係長になって、補佐になって、課長になっているみたいな、やっぱりその方の技術なり経験に応じた一定の仕事を遂行する能力というものの評価があるわけでございます。当然、事業所でもそういったものがあるわけでございますけれども、どうしてもやっぱり介護の場合には小さい事業所が多いということで、議員は何か研修はあって当然だろうみたいなちょっと言い方されましたが、実は、そういう研修の機会も、やっぱり事業所が小さいとなかなか研修を受けられないという実態がございますので、そういったものもやはり併せて整備をしていくことが大事じゃないかと考えております。
#212
○東徹君 そうしましたら、今ありました介護職のイメージアップ、キャリアアップ、それから処遇改善、いつまでにそういったものを改善してお示しされるのか、是非お聞きしたいと思います。
#213
○政府参考人(原勝則君) 基本的には、私、二〇二五年を当面の目標としておりますから、そこに向けて、先ほど大臣からもお話がありましたように、多様な担い手というような視点も含めましてとにかく介護を支えていただく人材というものを確保していくということでございます。
 具体的にそれをどういうふうにしていくかということについては、ちょっと今審議会で議論になっていますのは、まずは地域の中でどれだけの、どんな方々のいわゆる介護人材のニーズがあるのか、それに対してどのくらい供給ができるのか、そういうものを県を中心にして少し、需給計画というんでしょうか、そういうことをやっぱり取り組んでいく必要があるんじゃないかと。これは実は、実際取り組んでいただいている県もございますけれども、全国的にはまだまだ十分でございませんので、その辺から取り組んでいってはどうかなというような議論をしているところでございます。
#214
○東徹君 やはり答弁を聞いておりましても、きちっと計画的にやっぱりいついつまでにこういったものをつくっていくとか、具体性が全く見えないわけでして、検討検討でずっと何か二〇二五年まで検討しているような、何かそんなようなふうに聞こえますので、是非ともやっぱりきちっとお示しをいただきたいというふうに思います。
 続きまして、混合診療のことについてお伺いをいたします。
 混合診療の全面解禁についてでありますけれども、厚生労働省としては、国民が一定の負担で必要な医療を受けられるのが皆保険の本質であるとか、医療は安全性が確認された保険診療が基本などとかなり否定的な意見が多いようでありますけれども、患者にとってみれば、現在の制度では保険外の先進医療を受けると全額自己負担になるため、高額所得者のみが先進医療を使うことができるという仕組みになっており、混合診療の解禁によって今保険適用を受けている医療行為を受けることができなくなるわけではなくて、むしろ全体として費用を抑えつつ、受けられる医療行為の範囲が広がるのではないかというふうに思います。
 また、医療の安全確保につきましては、よくこういったことも言われておりますけれども、本年十一月二十八日の規制改革会議におきまして、医療法人鉄蕉会亀田理事長からも述べられましたように、混合診療の禁止によって医療の安全を確保することに無理があり、逆に、保険診療ではないことによってほとんど野放しに近い状態になっている医療行為もあるようであると。医療の安全性の確保は保険制度で規制するものではなく、医療における安全性を確保する義務を負う個々の医師の問題ではないかというような指摘もされております。
 混合診療を全面解禁すれば患者が受けたい治療の選択肢も増えますし、また、リスクもあるかもしれないけれども、そこにはインフォームド・コンセントをしっかりと行って、患者が自己責任で選べばいいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#215
○国務大臣(田村憲久君) 保険診療は、当然のごとく安全性というものが確保されなきゃいけないわけであります。それに付随するというか、今いわゆる混合診療とおっしゃられましたけれども、どういう定義で混合診療ということをおっしゃっておられるのかちょっと私は分からないんですけれども、やはり保険診療と併用するということになれば、一定程度の安全性、それから効果、これはある程度は確保されていないと、何もかも保険と同じ併用で使うということになれば、保険は御承知のとおり全ての国民が基本的には入っていただいて保険料を払っていただいておるものでありますから、そこのところはどうしても外せない点であるというふうに思います。
 その上で、問題は、今、保険外併用療養というのがあるんですけれども、条件は、今言った一定の効果、有効性と一定の安全性なんですが、あわせて、将来保険収載を目指すものという考え方に立っています。これはなぜかというと、そもそも、もう保険には収載するつもりはないと、高いままこの医療技術でやっていただく方、これ受けていただく方だけでもうければいいんだというような考え方の医療を併用療養に入れてしまうと、当然これ高いということが前提になっておりますから、高いものを、一部の方々がそれを受けながら他の付随しているものを保険で給付されると。これは、全ての国民が入っている保険において、将来まだ目指すのならともかく、将来も目指さないような医療行為に全ての方々が入っている保険から給付することというのは、やはりこれは公平性に欠けるんであろうという考え方であります。
 でありますから、高いものであれば、それが一定の費用対効果が生まれるまでの間は、それは例えば先進医療という保険外併用療養の評価療養の中にある一つのメニューの中でこれは保険と併用ができるわけでありまして、そのような制度を今拡充をしてきておりまして、例えば抗がん剤に関しましては、これは新薬に対して早く併用療養ができるような仕組みを今般考えさせていただいたわけでありますし、今回、医療特区等々の中においてそこは重点的に審査できるような体制を組んで、なるべく早く、抗がん剤以外のものに関しても、信頼を置ける医療機関であるならばその併用療養が行えるようにしようということで随時拡充をしてきておるわけでございまして、そのような形で対応していく方が我々としては正しいのではないかというふうに認識いたしております。
#216
○東徹君 そうすれば、保険外診療の拡充は行っていくということですね。
 私は、今回のこの混合診療のことについてでありますけれども、今、規制改革会議の方でも、大臣今おっしゃいましたように、いろいろと議論をされておるというようなことで、新聞報道にもありました。やはり、一つは、全額、混合診療を認めなくて、新しい高額医療も全て国民皆保険でこれを実施していくというのは非常に難しいというふうに思います。そういうことをしていけば、やっぱり医療費というのはただでさえ、今でも、今も毎年一兆円ずつ上がっていくわけでありまして、そうなっていけば、また更に保険料を上げるとか税金を上げざるを得ないとか、そういった状況になってくるというふうに思っておりまして、そしてまた混合診療を認めていくことによって新しい高額医療を取り入れていけば、日本の保険診療がやはり世界の医療の進歩、どんどん進んでいくというふうに思いますし、そういった観点からも混合診療というのは必要じゃないのかというふうに思っておるんですが、いかがでしょうか。
#217
○国務大臣(田村憲久君) 確かに、再生医療も含めて非常に高いといいますか、高額なこれから新しい医療というものが確立されてくると思います。しかし、それを保険収載することを目指すのであるならば、先ほど申し上げたような先進医療という枠の中で保険外併用療養というものができるわけであります。当然のごとく医療の技術進んでまいりますから、そのような高い医療行為もやがてはある程度金額が下がっていくと。下がってきたところで費用対効果というものを考えて保険に収載できるということになれば、それは国民全般が保険診療として受けられるわけでありますから、そのような形の中で我々は新しい医療等々に関してどのように取り込んでいくかということをこれから検討してまいりたいというふうに思っております。
#218
○東徹君 是非、そういう保険外診療、併用診療を含めてしっかりと進んでいくように取組を是非お願いしたいと思います。
 質問の方を終わらせていただきます。
    ─────────────
#219
○委員長(石井みどり君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として中西祐介君が選任されました。
    ─────────────
#220
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 この法案の二十八条の財源の確保のところに、消費税の収入、地方消費税の収入の活用により必要な財源を確保しつつ講ずるものとすると書いてあります。
 先日も質問いたしましたが、二十六年度の消費税増税分、私たちは反対ですが、例えば五%引上げの一〇%になった以降、消費税、お金に色は付いておりませんが、全部これは社会保障のために使うべきではないですか。
#221
○政府参考人(唐澤剛君) 消費税の使途の御質問でございますけれども、御指摘いただきましたように、消費税引上げによる増収分につきましては、消費税法の改正によりまして、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てると規定されたところでございます。したがって、全額が社会保障に充てられることになると考えております。
 具体的に今先生から御指摘ございました税制抜本改革法に沿って消費税率が一〇%に引き上げられたところでございますけれども、そのときの増収分が満年度化した場合、五%分でございますが、約十四兆円程度の税収になると見込んでおります。そのうち、最終的に四%程度が社会保障の安定化に、一%程度、二・八兆円程度でございますけれども、社会保障の充実に向けられることになると考えております。
 具体的にこの充実につきましては、〇・七兆円が待機児童の解消などの子ども・子育て支援の充実、〇・七兆円程度、それから医療・介護サービスの提供体制の改革、医療・介護保険制度の改革、難病に係る制度の確立というような医療・介護分野に一・五兆円程度、それから年金制度の改善につきまして〇・六兆円程度ということで、合計で約二・八兆円程度をネットで充実分に充てることとしているところでございます。
 なお、一体改革のメニューに含まれております重点化、効率化を実施した場合には、その削減分を財源として社会保障のグロスの充実額を増やすことができるものであると考えております。
 また、安定化についてでございますが、安定化につきましては、基礎年金国庫負担の二分の一の引上げに三・二兆円程度、後代への負担のツケ回しの軽減に七・三兆円程度、消費税率の引上げに伴う社会保障四経費の増に〇・八兆円程度を充てることを考えているところでございます。
#222
○福島みずほ君 これは先日も質問して、回答が同じなわけですが、この間、赤字国債の解消、また、確かにツケ回しの部分をこれに充てるということなんですが、先日も言いましたように、社会保障の充実は二・八兆円だけなんです。二十八条には消費税を充てるというふうに書いてあって、実際、社会保障の充実が一部であるというのはやはり違うのではないか。
 つまり、今回議論されているプログラム法案では、抑制あるいは重点化がとても前面に出ていて、消費税を上げたから社会保障が充実するという感覚はないんですよ、だって、充実のためには二・八兆円しか使わないわけですから。これは看板に偽りありと、消費税の使用の仕方については問題があるというふうに思います。それはやっぱり違うと。十四兆円の使い道については今後も問題を言っていきたいというふうに思います。
 第四条、医療制度のところですが、「原則として全ての国民が加入する仕組みを維持することを旨として、」と書いてあります。「原則として」というのにちょっと引っかかって、国民皆保険は日本は維持をするということがもうあるわけですから、「原則として」という言葉は要らないんじゃないですか。
#223
○政府参考人(木倉敬之君) この第四条でございますが、これは社会保障改革推進法のときからの規定を受けているものでございます。国民皆保険制度で運営しておりますけれども、生活保護を受けられる方、これは適用除外でございますので、それを正確に記載されているものというふうに理解をしております。
   〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
#224
○福島みずほ君 「原則として」と書いてあると、例外としてというのをじゃ何か考えているのかというふうに思います。むしろ「原則として」という言葉は削除して、「全ての国民が加入する仕組みを維持することを旨として、」とするのが妥当ではないでしょうか。
 混合診療に関して規制改革会議が最近も意見を出しました。全ての国民が加入する仕組みを維持する、国民皆保険制度は維持する、混合診療の拡充は認めないということでよろしいですか。
#225
○国務大臣(田村憲久君) 混合診療じゃありませんから。今の現行制度の中で混合診療はありませんので、拡大も何もありませんから。混合診療はやりませんということでございます。国民皆保険は維持してまいります。
#226
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 だとしたら、「原則として」を是非条文から削除していただきたいというふうに思います。
 では、第四条の第四項の一、「病床の機能の分化及び連携」とあるんですが、「病床の機能の分化及び連携」とは何でしょうか。
#227
○政府参考人(原徳壽君) 病床の機能の分化、連携につきましては、それぞれの患者さんの病状に応じて必要な医療を提供していくと。このために、それぞれの病床が持っている急性期の機能でありますとか、あるいは回復期の患者さんを診る機能でありますとか、そういうようなものの機能の分化をそれぞれの医療機関で担当しながら、その連携の中で対応をしていこうというようなものでございます。
#228
○福島みずほ君 病床の機能の分化、どういう病床があるのか情報を集めて、どういうふうに有効に使っていくかは大事だと思います。しかし、入院しているがんの身内やいろんなところと話を聞くと、やはりある一定の時間がたてば、もうあなたは治る見込みがありませんから出ていってくださいというふうに言われると。そうしますと、それで本人ががっくりしてやっぱり亡くなってしまうとか。つまり、長期間入院をできるだけさせないという、診療報酬のことがありますので、この病床の機能の分化というのが社会的入院を防ぐという意味ではいいけれども、逆に今病院でどんどんやっぱり余命幾ばくか、もう治療の見込みがありませんから出ていってくださいと言われるような現状、これについてはどうお考えでしょうか。
#229
○国務大臣(田村憲久君) ですから、本来その病床に入る入らないというのがあるわけでありまして、例えば高度急性期の病床の中にそうでない方々がおられれば、それは当然のごとく、本来のニーズもかなえられないわけでありますので、そういうものを、例えば一般急性期なら一般急性期でありますとか、さらには回復リハでありますとか療養期、こういうようなところの方の病床に移していくわけでありますね。それは必要数というのはある程度これからいろんな議論の中で出てまいると思いますから。ただし、ここは連携していませんと、今言われたみたいに行くところがなくなってしまうという話になりますから、ちゃんとした急性期の受皿というものも確保しつつ、一方で、がんの方々も、仮に末期がんであられたとしても自宅ででき得る限り生活したいんだと言われる方も結構おられるわけでありまして、そういう方々には在宅で医療を受けられるような、そういう環境整備をしていくというのが今般の医療提供体制の見直しに合わせてこの病床機能の分化、連携という話でございますので、そこのところをしっかりと計画にのっとって進めてまいりたい、このように思っております。
#230
○福島みずほ君 しかし、もう大分がんやいろんなものがひどくなって、途中で退院してくださいと言われる負担もよく聞いておりますので、その点は是非よろしくお願いします。
 次に、同じ条文の四項の一のニなんですが、「医療法人間の合併及び権利の移転に関する制度等の見直し」、これは具体的にどういうことでしょうか。
#231
○政府参考人(原徳壽君) 今現在、医療法人間の合併等について議論がされております。これは、例えば地域の中で様々な医療機関がある中で、医療の連携を取るときに法人として統合してやっていくとか、そういうようなことが求められている場面がございます。そういう中で、例えば医療法人間の合併のルールをどうしていくかとか、あるいは、例えば今言われておりますのは、医療法人が海外に事業を展開しようというようなこともございます。
 これらも含めまして、今、医療法人全体についてどうしていくか、検討会をつくって進めているところでございます。
#232
○福島みずほ君 厚生労働省は、中小の病院の合併及び統合を進めるという立場でしょうか。
#233
○政府参考人(原徳壽君) 今ほど申しましたように、医療法人の簡単に言いますと吸収合併を進めていくということではなくして、地域の中で連携をしながら医療を提供していただくということが主眼であります。その中で医療法人同士で合併をする場合等がございますので、そういうものもルール化していくということを考えているところでございます。
#234
○福島みずほ君 これは、市町村合併ではありませんけれども、合併やこういうものが進むと、やはり患者の皆さんにとっては不便になることもあるので、これが今後どう展開していくのか問題だというふうに思います。
 医療制度のところも問題ですが、次に介護の部分についてお聞きをいたします。
 この間、効率化、重点化という部分はコストダウンだという衝撃的な答弁があったんですが、この介護の部分の第五条の二項の二の「前号に掲げる事項と併せた地域の実情に応じた介護保険法第七条第四項に規定する要支援者への支援の見直し」、これは今議論中の要支援と要介護を分けるという考え方なんですよね。
#235
○国務大臣(田村憲久君) 重点化、効率化の話でありますけれども、コストカットではありません。そこを重点化……
#236
○福島みずほ君 ダウン。
#237
○国務大臣(田村憲久君) あっ、ダウンではありません。重点化、効率化した部分を、これは要するに質を落とさずに重点化、効率化した部分を充実の方にちゃんと付けるわけでございますので、それだけコストダウンしてもうそれだけ社会保障はお金を使わないということではないので、その点だけは御理解をいただきますようにお願いいたします。
#238
○政府参考人(唐澤剛君) 介護のこの要支援のところの条文につきましては、これは地域包括ケアシステムの構築によりまして特に予防給付を見直して地域支援事業に移行していこうということをまだ今、現在介護保険部会で検討されている部分に該当するものでございます。
   〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕
#239
○福島みずほ君 今の答弁で、先ほども同僚議員からありましたが、要支援と要介護を分けることについては社民党も問題ありというふうに考えています。要支援の段階でしっかりやることがやはり要介護を減らすことにもなりますし、一番初めの段階からのケアというのがとても必要で、これを分離することは介護保険の制度のかなりの部分が減殺されるというふうに思っております。
 先ほどの大臣の答弁なんですが、社会保障制度一体改革に伴う所要額は、機能の充実、プラス分と重点化、効率化、マイナス分を差し引いて見積りを出しております、おっしゃるとおりです。財政審では、重点化、効率化の成果は未知数なので機能の充実を先行させるなと言われているわけです。ですから、先ほどの大臣の答弁は、重点化、効率化ばかり言っているのではなくて、プラスの方向に振り向けるのだからコストダウンだけではないよということなんですが、この間の質問は、効率化と重点化とは何かと聞いたら、コストダウン。だから、そのとおりなんですよ。そして、この法案の問題点は、機能の充実という言葉が本当に余りないわけです、機能の充実が。機能の充実が余りなくて効率化、重点化があるということ、これが問題だということなんです。
 ですから、やはりコストダウンと、こちらに充てるということでいえば、マイナスの面が強調されているというのがこの法案の問題点だというふうに思っております。ですから、効率化、重点化及び機能の充実で、機能の充実するというならいいんです。でも、そうでないというのと、この間も効率化、重点化とは何かといったらコストダウンと言われたので、衝撃的な答弁で問題だというふうに思います。
 では、四号、「特定入所者介護サービス費の支給の要件について資産を勘案する等の見直し」、これは何ですか。
#240
○政府参考人(唐澤剛君) これは、ちょっと老健局いなくて恐縮ですが、介護保険の施設の入所者の方につきまして、現在は資産については勘案をしないで所得によって見ているわけでございますけれども、補足給付ということで食費それから光熱水費相当の生活に関連する部分でございますけれども、この補足給付の支給につきまして、新たに資産を勘案することを検討することについて現在介護保険部会で検討していただいていると考えております。
#241
○福島みずほ君 やっぱり負担増なんですね。
 三号の「一定以上の所得を有する者の介護保険の保険給付に係る利用者負担の見直し」というのは、利用料の二割負担化ということでよろしいですね。
#242
○政府参考人(唐澤剛君) これは、利用者負担につきまして、現在一定程度以上の所得のある方、これをどこにするかということについては御議論がいろいろあるわけでございますけれども、今御指摘いただきましたように、一定以上の所得のある、相対的に負担能力のある方につきましては二割負担をしていただくことについて検討をしていただいているということでございます。
#243
○福島みずほ君 五号の「介護保険法第四十八条第一項第一号に規定する指定介護福祉施設サービスに係る同条の規定による施設介護サービス費の支給の対象の見直し」というのも負担増の話ですよね。
#244
○政府参考人(唐澤剛君) これは、介護保険法に基づく特別養護老人ホームへの入所を御希望する方につきまして、重度の方について重点化をしていくということについて検討しているものでございます。
#245
○福島みずほ君 重度の方について検討するということは、それ以外の者については支給の対象をしないということの検討ですよね。
#246
○政府参考人(唐澤剛君) これは原則的に重度の方に重点化をしていくということでございまして、それ以外の方についても、特養以外での生活が著しく困難であるという場合については、市町村の関与の下で特例的に入所を認めるということで、そういう方向で検討されているというふうに理解をしております。
#247
○福島みずほ君 結局、例外を除いては重度でなければ特養老人ホームに入れないという仕組みをつくると。つまり、私が質問をしました二、三、四、五の部分はいずれも負担増なんですね。ですから、負担増か、あるいは入りにくくなるし使いにくくなるという部分なんですよ。いや、ほかの人が入りやすくなるとも言えるが、重度でなければ入れないという点では使い勝手が困難になるということなんですよ。
 ということは、ここに書いてあるものは、いずれも負担増かその仕組みを使うことが排除されるということになるわけで、この方向は今の審議会で議論されていることとパラレルなんですが、非常に問題があるというふうに思っております。
 医療制度改革の概要について教えてください。
#248
○大臣政務官(赤石清美君) 福島委員にお答えいたします。
 今の概要でありますけれども、国民会議の報告書でも指摘されていますとおり、高齢化の進展や疾病構造の変化に対応し、国民負担の動向にも留意しつつ、患者が住み慣れた地域で生活を送るための地域完結型の医療を確保することが必要と考えております。
 諸外国に比べ人口当たり病床数が多いわけでありますけれども、病床当たり職員数が少ない日本の現状を踏まえると、病床の機能に応じて人的、物的資源を集中投入し、入院医療全体の機能強化や回復機能を持つ病床の整備を図り、早期の家庭復帰、社会復帰を実現し、退院後の受皿となる在宅医療、在宅介護を充実させるとともに、これらの連携を図ることにより、患者が住み慣れた地域で必要な医療を効率的かつ効果的に受けることができる体制の整備というふうに考えております。
 御審議いただいている法案においても、地域の医療ニーズに対応するための質の高い医療提供体制や、今後の高齢化の進展に対応した地域包括ケアシステムを構築するための様々な検討事項を盛り込んでいるところであります。
 例えば、具体的な施策として、病床機能の分化、連携については、医療機関が都道府県に病床機能を報告する制度を設け、都道府県が病床機能報告制度により把握される医療機能の現状等を活用して地域ごとに地域医療ビジョンを策定し、地域の医療ニーズを踏まえたバランスの取れた医療機能の分化、連携を進めていくことを検討しております。
 このように、今般の医療提供体制の改革は、患者の状態に応じた適切な医療を地域で行うことを目指すものであり、単に効率を図ることのみを目的とするものではありません。
 以上です。
#249
○福島みずほ君 医療機能の分化とはどういうことですか。
#250
○政府参考人(原徳壽君) 先ほども御答弁いたしましたように、例えば急性期の患者を診る機能とか、あるいは急性期の後の回復期の状態にある患者を診る機能とか、あるいは長期に療養が必要な方々を診る慢性期の機能であるとか、そういうことを考えております。
#251
○福島みずほ君 厚生労働省は、かかりつけ医みたいな制度を推進していくという考えはここに込められていますか。
#252
○政府参考人(原徳壽君) かかりつけ医機能というのは、主として外来の患者さんを中心に考えるということでございまして、今言いましたのは入院機能の分化ということで考えているわけであります。
 もちろん、それはかかりつけ医を持っておられるということは何らかの病気を持っておられます。そういう患者さんがもし急変した場合などは当然入院が必要になりますので、そういうときに適切なところに連携をしながら入院していただくと、そういうようなことを含めまして、かかりつけ医制度を推進することは重要だと考えております。
#253
○福島みずほ君 かかりつけ医の制度をどう定義付けるかというのもありますが、逆にがちがちにそれがないと病院にかかれないってなりますと、適切な医療をダイレクトに取れないということにもなりかねないので、この機能の分化とかそういう言葉を聞くと、一体厚労省はその奥で何を考えているのかとついこちらは思うわけですが、そういう意味ではないということでよろしいですか。
#254
○国務大臣(田村憲久君) 本来、比較的高度な医療を提供されるような病院機能、比較的大きな病院等々ですよね、こういうところに関しては、やはり初診、再診、これ紹介状なしに行っていただくと、外来の窓口に言うなれば力をそがれて、他の本来やらなきゃいけない医療行為というものがどうしても行えなくなってしまうという問題点があるということから、今現状、やはりそのような病院に関しましては、初診、再診に関しましては紹介状等々を持っていっていただく、ない場合に関しては何らかのことを考えていかなければならないというような御議論をいただいておるような最中でございます。
#255
○福島みずほ君 消費税増税により、医療サービスを受ける人々、介護サービスを受ける人々が現状と比べて被る負担の増減がどうなると想定をしていますか。
#256
○大臣政務官(赤石清美君) 現在御審議いただいているプログラム法案では、負担能力に応じて負担する仕組みとしていくべきとされた社会保障制度国民会議報告書に基づき、七十歳から七十四歳までの医療費の患者負担の見直し、一定以上の所得のある方の介護保険の利用者負担の見直し等の給付の見直しといった内容を掲げているところであります。
 その一方で、所得の低い方に対しては、同法案に基づき、国民健康保険、後期高齢者医療制度の低所得者の保険料の負担軽減、これは対象約五百十万人であります。もう一つは、介護保険の第一号被保険者の保険料負担に係る低所得者の負担の軽減、これは九百五十万人対象者であります。また、高額医療費について所得区分を細分化し、所得が相対的に低い方の自己負担限度額を引き下げる、これは対象者が四千六十万人おります。これらを講じることとしており、保険料の軽減拡大や患者負担の引下げを通じて所得の低い方に配慮しているところであります。
 このように、消費税引上げに伴う社会保障制度の充実分を低所得者対策に充てることにより、国民の安心できる医療・介護制度を構築していきたい、このように思っております。
#257
○福島みずほ君 後日また細かい数字をいただきたいですが、今の数字をざっと聞くだけでも、消費税増税により、いわゆる低所得者の人たちに負担が非常に増えると。その分を社会保障で相当見なくちゃいけないという部分について、本当にそれがうまく所得再分配機能を含めてやれるのかどうか、こちらとしてもきちっと検証していきたいと思っています。
 最後に、この間も質問しましたが、二条で「自助・自立のための環境整備等」として公助がなくなりました。社会保障制度が持つ公助という考え方から自己責任、自助の考え方を前面に押し出し、社会保障制度が持つ所得再分配機能を抑制しようとしているのではないか、社会保障の権利性をどう考えているか、政治家田村大臣にお聞きをいたします。
#258
○国務大臣(田村憲久君) ここで自助というようなことが入っているのは、それぞれ健康づくりをしっかりやっていただいて、予防等々も含めてそれぞれが御努力をいただく中においての環境整備という意味合いの中にこのような言葉が入っているわけでありまして、そのための環境整備はしっかり我々もやっていかなきゃいけない。それは、それぞれが皆さん、病気にならないで済む、若しくは重症化しないで済むというのは国民にとっても幸せなことでございますから、そのようなための環境整備をやっていかなきゃならないと。
 今言われた共助、公助も大前提でございますので、自助と共助と公助がバランス良く、これがないことには社会保障なんて成り立たないわけでございまして、これは大前提でございますので、あえてここには書いてありませんけれども、そのことは大丈夫でございますから、しっかりと申し上げておきます。済みません。
#259
○福島みずほ君 自分で自分の健康に気を付けたいと思うのは通常の人の考えることであって、当たり前のことだったら書いてくださいよ。当たり前のことだったら、自助でなく公助、共助をきちっと書いていただきたい、それが法律でしょうということを申し上げ、質問を終わります。
#260
○委員長(石井みどり君) 暫時休憩いたします。
   午後三時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後四時七分開会
#261
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案を議題として質疑を行います。
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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