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2013/12/06 第185回国会 参議院 参議院会議録情報 第185回国会 内閣委員会 第4号
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2013/12/06 第185回国会 参議院

参議院会議録情報 第185回国会 内閣委員会 第4号

#1
第185回国会 内閣委員会 第4号
平成二十五年十二月六日(金曜日)
   午前九時三分開会
    ─────────────
   委員長の異動
 十二月五日水岡俊一君委員長解任につき、その
 補欠として山東昭子君を議院において委員長に
 選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     北澤 俊美君
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     北澤 俊美君     神本美恵子君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     山東 昭子君
     世耕 弘成君     堂故  茂君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山東 昭子君
    理 事
                佐藤ゆかり君
                松下 新平君
                山下 芳生君
    委 員
                岡田  広君
                上月 良祐君
                鴻池 祥肇君
                堂故  茂君
                福岡 資麿君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                秋野 公造君
                江口 克彦君
                浜田 和幸君
                山本 太郎君
   衆議院議員
       内閣委員長代理  関  芳弘君
   国務大臣
       国務大臣     新藤 義孝君
   副大臣
       内閣府副大臣   岡田  広君
       内閣府副大臣   関口 昌一君
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        伊藤 忠彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
   政府参考人
       内閣官房地域活
       性化統合事務局
       長        川本正一郎君
       内閣官房内閣情
       報調査室内閣審
       議官       鈴木 良之君
       文化庁次長    河村 潤子君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       厚生労働省職業
       安定局次長    宮野 甚一君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    岡田 太造君
       国土交通大臣官
       房審議官     橋本 公博君
       観光庁長官    久保 成人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国家戦略特別区域法案(内閣提出、衆議院送付
 )
○アルコール健康障害対策基本法案(衆議院提出
 )
○青少年健全育成基本法の制定に関する請願(第
 八三号外九件)
○税と社会保障の共通番号制度を中止すること等
 に関する請願(第一〇五号外二件)
○子ども・子育て支援新制度に関する請願(第一
 八四号外一六件)
○戦時性的強制被害者問題の解決促進に関する請
 願(第三一〇号)
○マイナンバー法の廃止に関する請願(第五九〇
 号)
○国民監視の共通番号制の導入反対に関する請願
 (第五九一号外一件)
○戦時性的強制被害者問題解決促進法の制定に関
 する請願(第五九三号外三件)
○韓国・朝鮮人元BC級戦犯者と遺族に対する立
 法措置に関する請願(第七六六号外四件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(山東昭子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岩城光英さん及び世耕弘成さんが委員を辞任され、その補欠として私、山東昭子及び堂故茂さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山東昭子君) この際、申し上げます。
 民主党・新緑風会所属委員の出席が得られておりません。出席を要請いたしますので、しばらくお待ちいただきたいと存じます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#4
○委員長(山東昭子君) それでは、速記を起こしてください。
 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請いたしましたけれども、出席を得ることができませんでした。やむを得ず議事を進めます。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家戦略特別区域法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房地域活性化統合事務局長川本正一郎さん外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(山東昭子君) それでは、国家戦略特別区域法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○江口克彦君 おはようございます。また、大臣も早くからありがとうございます。
 一言冒頭に申し上げさせていただきますと、民主党が理由もなく欠席をするということはこの委員会を冒涜するものであり、また国民に対してもやっぱり申し開きができないと。要するに、国会議員の責任を放棄しているということに尽きると思います。この件につきましては、委員長の方から厳重にやっぱり抗議をしていただきたいということを冒頭にお願いしておきます。
 さて、大臣の方に御質問をさせていただきます。
 国家戦略特区制度が検討されている間に、オリンピックが決定しました。新しい事態ということも言えるのではないだろうかというふうに思いますけれども、東京オリンピックの成功に向けて政府一丸となって取り組むことが私はやっぱり必要だろうと強く思うのでありますけれども、国家戦略特区制度は東京オリンピックの成功にどんな寄与をすることができるのか、どのようなことをお考えになっておられるのか、ちょっと大臣のお考えを、またプランというか、今後のことについてお話をいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(新藤義孝君) この東京オリンピック誘致が成功した、招致が成功したことは極めて喜ばしいことであって、日本中が大きな喜びと希望に包まれたんだと思います。しかも、七年後という絶妙な期間をいただきました。ですから、私たちは、日本が総力を挙げてその七年後に向けていろいろなものを挑戦をし、そして花開かせると、そういう我々は希望が見えてきているのではないかというふうに思います。
 その上で、この国家戦略特区は、そもそもが長い間低迷しておりました日本経済を立て直して、そして新たな力強い日本をつくっていく、その中から経済を再生させ、教育や社会保障などの社会的な課題を解決していこうではないかと、こういう、我々安倍政権において象徴的なプロジェクトにしなくてはならない、日本経済の起爆剤となる、そういうものにしたいと思っておるわけでございます。そして、今どこにその特区を設定するか、どんなような事業が行われるか、それはこの法案が成立後に設置されます諮問会議の中で決められていくわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、どこの地区においても、日本の新たな成長分野、それから国内の挑戦とともに世界を引き込んでいく、また私たちは世界に出ていく、そういう特区というものが数か所できるというふうに思います。それらの成功が国力の充実となって、そして七年後の東京オリンピックにたくさんの人たちを世界中から迎え入れるわけでありますから、スポーツの祭典であって、それは世界中がスポーツを通じて一つになる機会でもあるし、一方で世界の方々に日本をアピールできるタイミングでもあるということでありますから、そのときに大勢の方が来て、そして、あっ、こういう国ならば自分たちも事業展開したいとか、さらに、もう一度また来てみたい、滞在したいと、こう思っていただけるような仕組みにしていく必要があると。その一環として国家戦略特区は大いに役に立つのではないかというふうに思います。
 もとより、東京オリンピックは東京のためだけのオリンピックに終わらせてはいけません。全国がホストシティーとなって、オリンピックの期間は決まっておりますけど、その前段階の準備がございます。ですから、それは日本中が世界からのお客様をお迎えをする、おもてなしという言葉がございましたけれども、そういった工夫をして、このオリンピックを機に日本全体が活性化するような、そういう取組が必要だと思っております。
#9
○江口克彦君 ありがとうございました。
 今全国がホストシティーにならないといけないというのは、まさにそのとおりだと思うんですね。また後で御質問させていただくかもしれませんけれども、やはり東京と地方の、このオリンピックによって格差というか、それが拡大してしまうんじゃないかというのを前回でも私、御質問させていただきました。
 そういう意味で、全国をホストシティーとしてということは、全国各地方をホストシティーにして活性化させるという、そういう方向で考えておられるということは、大変心強い御回答をいただいたわけでありますけれども、全国をホストシティーにするために、また地方を元気にするためにどういうことを今、今まだ決定されていないかもしれませんけれども、大臣の構想というか、頭の中でこういうやり方もあるなと、決定をしたことでなくてもよろしいですから、今構想されておられることをちょっとお話しいただければと思います。
#10
○国務大臣(新藤義孝君) 問題は、それぞれの地域がそれぞれの望む、またそれぞれの特性を生かした活性化をどう達成するかだというふうに思っております。
 今既に日本中を、地方行政といいますけれども、そもそも地方自治体が千七百八十九ございますが、人口が五万人以下の自治体が七割でございます。そして、三割の地域に八割の人口が住んで都市問題が起き、一方で地方は疲弊し、人口減少、高齢化が発生していると。その中身は全て、もう千差万別どころではなくて、一つ一つが違う状態であります。したがって、これからの地域活性化策というのは画一的なものであっては効果がなかなか出ない。ですから、ベースとなる制度はつくりますが、やはりその地域が望むようなやり方を、規制も含めてそういったものをできるだけ取り込んで、私は、自主性、自立と個性を追求する、そういう政策を国が支援するという形をつくるべきだと思っています。
 特区もそうでございますし、総合特区、構造改革特区、それから都市再生、中心市街地活性化、環境モデル都市、さらにはそれぞれの省庁で、私ども総務省とすれば地域の元気創造プラン、ICT成長戦略ですとかいろんなものを組ませていただいております。交付税も新しい仕組みを入れていこうと思っています。農業においても様々な工夫がございます。
 ですから、いろんなものを重ね合わせて、でもキーワードはやっぱり自立と個性、こういったものを追求する、そういうものを、国全体が形をつくっていきたいと、このように考えておるわけでございます。
#11
○江口克彦君 大臣も地方行政について経験も豊富だと思いますし、是非千差万別というところでいろいろと知恵を絞っていただいて、とにかく地方を活性化させるということと、オリンピックというと東京東京となりますから、ここだけは是非、東京だけの活性化ではなくて地方の活性化ということで、是非そちらの方にも重点を置いてお考えをいただきたいということであります。
 次に御質問させていただきますけれども、オリンピックの開催に伴いまして、首都圏の都市改造などの必要性から規制の特例措置が更に私は必要になるのではないだろうかというふうに思うのでありますけれども、オリンピック開催という新たな事態が生じたわけでありますから、オリンピック開催に当たって、国家戦略特区の規制特例の追加を含めて柔軟に必要な措置を講じていく必要があるのではないだろうかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(新藤義孝君) これは、東京オリンピックというのも一大プロジェクトだと、このように位置付ければ、国家戦略特区も同じようなプロジェクトでございます。そして今、国家戦略特区の御説明をする際にずっと私申し上げておりますのは、何か一つの規制でその規制を適用したもののみの特区というのはないんだということを申し上げているのであります。
 ビジネスにせよ、それから何かの産業を育成するにせよ、何かをしようとするときに、そこで働きたい人たちがいる。それから、それは海外から入ってくる人たちもいる。その海外からこの日本に働きに来てくれる人は家族を連れてくる。で、本人も家族も住みやすい国でなければ移住する気になりません。したがって、医療や教育や都市環境、そして文化やアミューズメント、いろいろなものを含めて迎え入れられるような、また、新しいそこで活性化ができるような、そういう仕組みを入れていこうというふうに考えているわけであります。
 したがって、東京オリンピックも、それは本当にたくさんの方がおいでになるわけですから、そこにおける通信環境、それから医療や教育、そしてショッピングですとかいろんな案内についてもやはり先進のものを提供する必要があると思いますから、必要な規制というものは当然のごとくいろいろ追求して、また新たな措置を加えていきたいと、このように考えております。
#13
○江口克彦君 最後の質問になるかもしれませんけれども、これまで大臣は国会等の議論を見守るとの答弁に終始しておられますけれども、報道では、自民党は道州制基本法案の今国会への提出を諦め、次期常会以降への先送りを決めたとされて報道されているんですけど、これ一体いつまで先送りするつもりなのか。
 これは自民党に聞いてくれというふうに大臣は言われるかもしれませんけれども、ただ、大臣は就任のときの記者会見で、最初ですよ、一番最初の記者会見で、道州制について、法律の制定も含め是非進めていくべき課題だというふうに大臣として答えておられるわけですよ。そのときは、自民党がどうの、政党がどうのって言われていない。御自身の考え方としてこの道州制に積極的に取り組んでいきたいというふうな発言をされているわけですけれども、いまだに、大臣、何か行動されているんでしょうか。私には大臣が行動されているというふうには見えないんです。だから、例えば第二次道州制ビジョン懇、私がビジョン懇の座長をやっていまして、中間報告で、最終報告していないんですよ、民主党政権に替わっちゃったために。誠に無責任極まりなかったんですけど。
 その道州制の導入に向けた議論の場を政府内に設けて主体的に進められると。要するに、道州制ビジョン懇と同じように道州制国民会議というものを基本法よりも先行させるというような、そういうふうなことを考えていただくというような、あるいはまた検討いただくということはお願いできないでしょうか。
#14
○国務大臣(新藤義孝君) 私は、民主党、前政権時代に担当がおりませんでした、この道州制の担当大臣、再び安倍内閣によって任命されたわけであります。私の使命は道州制を進めていくことでございますから、これは積極的な検討をしていきたいと、この気持ちには何ら変わりはございません。
 そして、その上で、今現在行われているのは、これは足踏み状態とは私は思っていないのでございます。そうではなく、そもそも江口委員が座長を務められて決めていただいたビジョン懇で、それに基づいてプログラムが進んでいると。そして、法律を、基本法を出して、また国民会議を設置していきましょうと、そのための御議論が行われていると。そして、党においては基本法の骨子ができ上がって準備が進んでおりますけれども、その法案を提出する前により広く国民の声を聞こうと。そしてまた御懸念も、また推進も含めて様々な意見が各団体から出てきております。そういったものを今与党の方がお受けをしていると。これは作業が進んでいる状態だと私は理解をしているんであります。
 今その、まずは第一次の委員がつくっていただいたあのビジョン懇に基づいてプログラムが進もうとする中で、それに対してまた別の、次のビジョン懇をかぶせるというのは、これはまた混乱のもとにもなります。ですから、表面上、物理的な手続としてのものが進んでいないというその御懸念は非常にお受けをいたしますけれども、でも仕事は進んでいるというふうにやはり御理解いただいた方がいいと思うんです、このプロセスを経なければ次に進めないわけですから。しかも、そこは慎重に国民的議論をやるというのは、それだけ大きな改革であって、国と地方の関係を根底から変えるものでありますから、これはしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
#15
○委員長(山東昭子君) 江口委員、時間が迫っております。
#16
○江口克彦君 かぶせるんじゃなくて、続けてほしいということですから。あれは一旦、民主党政権で潰されてしまっていますから、それを継続してほしいということです。
 質問を終わります。
#17
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 ちょっと通告とは順番が違うかもしれませんが、質問をさせていただきます。
 まず、この戦略特区法案では、特区会議の下に雇用相談センターなどを置いて、雇用のガイドラインを作成するなどとしております。
 私は、この法律を潜脱するような、脱法を促すようなガイドラインであっては絶対ならないと、こう思っております。いかに労働関係法制が分かりにくい面があるからといって、それを余計なガイドライン作って労働者に不利なように働くことをしてしまってはならない。行政はあくまで労働者保護の立場に立つべきであって、この分野に特区諮問会議の民間有識者の口を挟ませるべきではないと、私はこう考えております。
 この点はもう意見だけで終わっておきたいと思いますが、そこで、今本院にかかっております特定秘密法案についてもこれにかかわる問題が実は生じてくるんです。労働者の地位にとって重要な影響を与えると思われる適性評価の問題でありますが、まず、これは内閣審議官にも来ていただいておりますけれども、適性評価の対象となる労働者には、パートタイム労働者、契約社員、期間社員あるいは派遣労働者なども含まれるということでいいんでしょうか。
#18
○政府参考人(鈴木良之君) お答えします。
 先生御指摘の従業者は、いずれも適性評価の対象となります。
#19
○山下芳生君 そういうことなんですね。企業の直接雇用されている労働者だけではなくて、派遣労働者も特定秘密を扱うことが起こり得る場合は適性評価の対象になっております。
 そこで質問しますが、派遣先でかかわっている業務が特定秘密を扱うこととなった場合に、その派遣労働者も適性評価の対象となるわけですが、その派遣労働者が適性評価を受けることを同意しなかったとき、また適性評価で適性だという評価がなされなかったとき、派遣契約は解除されることがあるんでしょうか。
#20
○副大臣(岡田広君) お答えいたします。
 派遣労働者を含め、契約業者の従業者が行政機関から特定秘密の提供を受けてこの取扱いの業務を行う場合には、特定秘密を提供する行政機関の長が実施する適性評価を受けなければならないということは、議員御承知のとおりだろうと思います。
 そして、適性評価を行った行政機関の長は、契約業者に対して適性評価の結果又は当該従業者が適性評価の実施に同意しなかった旨のみを通知し、また通知を受けた契約業者は派遣労働者の雇用主に対してこれらの事項を通知することとなっております。これら以外に契約業者や雇用主に通知される情報はありません。適性評価で調査された事項が派遣労働者の人事考課に影響することもありません。
 加えて、特定秘密保護法では、第十六条第二項において、通知された適性評価の結果又は適性評価の実施に同意しなかったことを特定秘密の保護以外の目的のために利用又は提供することを禁止しており、特定秘密の取扱いに関係しない人事考課に利用することはそもそもできないということになっております。
 以上です。
#21
○山下芳生君 じゃ、厚労省に確認しますけれども、適性評価に派遣労働者が同意しなかった、あるいは適性評価を受けたけれども適性だという評価がなされなかったことを理由にして派遣契約を解除することは違法だという理解でいいですか。
#22
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 特定秘密を取り扱う業務への派遣の場合、特定秘密保護法の施行後に締結される派遣契約においては、派遣労働者が適性評価をクリアすることが業務遂行の前提になるものと考えております。そのため、派遣労働者が適性評価をクリアしなかった場合の対応については、派遣契約においてあらかじめ定められることになるというふうに考えております。
 したがって、派遣契約が中途解除された場合に、それが派遣先都合の解除であるかどうかということについては、当該派遣契約で定められた内容に従って判断されるものと考えております。
#23
○山下芳生君 今おっしゃった派遣契約というのは、例えば防衛省と派遣先企業のことなのか、それとも派遣労働者と派遣元の契約のことをいっているのか、どちらですか。
#24
○政府参考人(宮野甚一君) 派遣契約につきましては、これは派遣先と派遣元、それぞれの企業との間の契約でございます。
#25
○山下芳生君 それでは、今答弁にあった派遣先の都合による解約なのか、それとも派遣労働者の能力の問題なのか、それはどこで判断するんですか。
#26
○政府参考人(宮野甚一君) いずれにいたしましても、その点については、派遣契約においてどういった形で契約がされているのかということによるものというふうに考えております。
#27
○山下芳生君 現在、派遣労働者が派遣先で労働している場合、その派遣先企業に対し特定秘密が提供され得る場合もあるわけです、これから。その場合に、現在派遣先で働いている派遣労働者に対して適性評価が行われることになります。
 その結果、不適格だというふうになった場合、先ほどの答弁では、その派遣労働者はその当該企業では労働することができなくなるという趣旨の答弁がありました。そうすると、雇用を失うということになるんじゃありませんか。
#28
○政府参考人(宮野甚一君) 今委員御指摘がございましたように、特定秘密保護法の施行前に締結された派遣契約の場合は、派遣労働者が適性評価をクリアしなかったことを理由とした中途解除、これがあり得るわけですけれども、それは法律の規定により当該業務を遂行できなくなったことによるものであって、派遣先の責に帰すべき理由による解除とは認められないというふうに考えております。
 いずれにしても、その場合どうなるかということでございますが、派遣法においては、派遣契約の当事者は、派遣契約の解除に当たって派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項をあらかじめ定めるということとなっております。派遣契約が解除された場合には、この定めに従って適切に対応されるものというふうに考えております。
#29
○山下芳生君 二点確認します。
 なぜ派遣先の責任ではないんですか。
#30
○政府参考人(宮野甚一君) 繰り返しになりますが、法律の規定により業務を遂行できなかったということでございますので、これは派遣先の責に帰すべき理由にならないというものでございます。
#31
○山下芳生君 じゃ、労働者の責任ですか。
#32
○政府参考人(宮野甚一君) 繰り返しになりますが、いずれにしても、これは派遣先の責に帰する事由ではないということだというふうに考えております。
#33
○山下芳生君 質問に答えておりません。労働者の責任になるのかと聞いております。
#34
○政府参考人(宮野甚一君) これは、その事情によってどういうふうに判断されるのかというのは、個別の事情によって判断されることになるというふうに考えております。
#35
○山下芳生君 派遣先企業は責任はないと今判断できるのに、なぜ労働者の責任ではないと言えないんですか。おかしいじゃないですか。これまでずっと働いていた労働者が、派遣先とその派遣先の契約先が行政庁あるいは防衛省になって、そこが特定秘密の提供を受ける、あるいはその業務を委託する、そういうことになっただけじゃないですか。何でそれが労働者の責任になる可能性があるんですか。ならないでしょう。
#36
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 これは、派遣労働者が適性評価をクリアしなかったという理由について、これは恐らく様々な理由が考えられると思います。それによりまして具体的にどう判断されるかということになろうというふうに考えております。
#37
○山下芳生君 その派遣労働者が適性評価に合格しなかった、様々な理由と言いますが、労働者の責任だということになってしまうわけですよ、客観的には。そして、その派遣先で雇用契約が、雇用契約というか、そこで仕事をすることはできなくなる。その労働者の雇用の安定はどうなるんですか。
#38
○政府参考人(宮野甚一君) これも恐縮ですが、繰り返しになりますが、派遣法におきましては、これは派遣契約の解除に当たって派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項をあらかじめ定めるということになっております。それによりまして適切に対応していただくということになろうと思います。
#39
○山下芳生君 そんなことが実効性があるわけがないというのがこれまでの実際の結論じゃないですか。リーマン・ショックのときに派遣契約は打ち切られました。八割の労働者がそのまま解雇され、職も住まいも失ったんですよ。そんなもの紙に書いているからといって、派遣労働者が次の就職先、雇用、労働の場所が保障されるなんという担保は全くないですよ。
 派遣先企業の責任は免れるけれども、派遣労働者の雇用の安定は全く保障されないということにならざるを得ないということが確認されました。
 もう一つ聞きます。
 派遣先は、特定秘密にかかわる業務に就ける派遣労働者、つまり適性評価に合格をして特定秘密取扱者の資格を得た派遣労働者を具体的に要請することができるのか。派遣先が派遣労働者を特定する行為は派遣法違反となるのではないですか。
#40
○政府参考人(宮野甚一君) これは、派遣契約を結びまして、具体的にどの労働者を派遣するかという時点におきまして、派遣先におきましてこの適性検査を行うということになろうというふうに考えております。
#41
○山下芳生君 今の答えは、確認しますけど、派遣先で適性評価を受けるんですか。
#42
○政府参考人(宮野甚一君) 派遣先で、派遣先といいますか、適性評価を行う、この法律によりまして、特定秘密保護法によりまして適性検査を行う主体によって適性検査を行うということでございます。
#43
○山下芳生君 派遣法では、派遣先は派遣労働者の特定は禁止されているんです、事前面接も禁止されているんです。派遣される前に派遣労働者が適性評価のために、これ、適性評価を行うのは関係省庁の長ですから、防衛省の場合は防衛相、これは防衛大臣ができるわけありませんから防衛省の職員が面談をすることになります。派遣法の事前面接違反になるんじゃないですか。
#44
○政府参考人(宮野甚一君) これは、特定秘密保護法におきましてこうした仕組みが定められておりますので、この適性検査につきましては労働者派遣法の違反になるものというふうには考えておりません。
#45
○山下芳生君 重大な答弁ですよ。労働者の雇用の安定、それから労働者を物のように扱ってはならないという今の事前面接禁止をこの特定秘密保護法ができれば守らなくていいという、そういう答弁ですね、今のは。重大だ。もう一遍確認します。
#46
○政府参考人(宮野甚一君) 派遣労働者、この特定業務の遂行に必要であるために、それぞれの労働者の個人を特定することはできませんけれども、能力がどうかということを要請すること自体は可能であるというふうに考えております。
#47
○山下芳生君 要するに、実際は事前面接をやったのに等しい、そういう効果が生まれるんですよ。そうじゃないと、その派遣先、つまり防衛省の特定秘密を扱う仕事はできないわけですから。
 そうすると、これまで働いていた派遣先の労働者がその事前面接を理由にしてやっぱり契約解除ということ、あり得ますね。
#48
○政府参考人(宮野甚一君) これは先ほども御答弁したとおりでございますけれども、特定秘密保護法の施行前に締結された労働契約の場合について、この法律の施行後、法律の規定によって派遣契約が中途解除されるという可能性はあるというふうに考えております。
#49
○山下芳生君 何遍聞いても可能性ありなんですが、もう一つ聞きます。
 適性調査をする場合、今の特定秘密保護法では、派遣労働者の同僚、上司への聞き取りということがやられることになります。この場合は、派遣先の同僚なのか、派遣元の同僚なのか、どちらになるんですか。
#50
○政府参考人(鈴木良之君) お答えします。
 両方含まれると考えています。
#51
○山下芳生君 かなり広く聞き取り調査が行われるということですが、その派遣先あるいは派遣元で聞き取り調査をするのは誰ですか。
#52
○政府参考人(鈴木良之君) お答えします。
 行政機関の長が指名した行政機関の職員が行います。
#53
○山下芳生君 防衛省と契約している場合は防衛省の職員ということですか。
#54
○政府参考人(鈴木良之君) さようでございます。
#55
○山下芳生君 派遣法二十四条には、個人情報保護法に基づいて、思想、信条、出身地、社会的身分の個人情報を収集してはならないと派遣法二十四条に明定しております。適性調査はこの点からも派遣法違反ということになるんじゃないですか。
#56
○政府参考人(宮野甚一君) この適性調査については、この今回の特定秘密の保護法案、保護法に基づいて行われるものであるというふうに認識をしております。
#57
○山下芳生君 では、派遣法二十四条をじゅうりんする特定秘密保護法案だけれども、厚生労働行政の担当者としては容認するということですか。
#58
○政府参考人(宮野甚一君) 繰り返しの御答弁になりますけれども、この特定秘密の保護に関する法律に基づいて行われるものであるというふうに考えております。
#59
○山下芳生君 これ、もう本当にこの面からも派遣労働者は保護されないんですよ。非常に重要な、重大な内容が含まれている。この委員会の所管ではないですけど、こういうものはもっともっとこういう面からも慎重に検討がなされなければならないという感想を持ちました。
 別の質問に移ります。
 新藤大臣、伺います。
 新藤大臣の戦略特区コンセプトの素案段階の資料を見ますと、諮問会議などに関係大臣が正式メンバーとして入っていたということにこれなっているんですけれども、諮問会議にですね、関係大臣が。ところが、これが外されております。今度の法案では、諮問会議には関係大臣は入っておりません。何でこうなったんでしょうか。
#60
○国務大臣(新藤義孝君) コンセプトペーパーは案として作りました。その一体、今私見ておりませんが、関係大臣というのはどこまでを関係大臣と言うかということでございまして、この国家戦略特区にかかわる大臣を関係大臣と呼んでいるわけでありますから、それは、諮問会議には大臣というのは入っております。
#61
○山下芳生君 済みません、もう一度。ちょっと聞き漏らしてしまいました、関係大臣は。
#62
○国務大臣(新藤義孝君) 特区諮問会議には、総理とそして関係大臣と民間の有識者で構成するのでありますから、大臣は入っております。
#63
○山下芳生君 諮問会議ですよ。
 諮問会議には関係大臣は入っていないですよ。
#64
○国務大臣(新藤義孝君) それは、戦略特区担当大臣も関係大臣ではないんですか。
#65
○山下芳生君 戦略特区担当大臣はもう元々入っているんですよ。要するに、行政の規制を所管する大臣がそもそも新藤大臣のこの最初のコンセプトの素案段階には入っているんですよ、ここに。それが外されているんです。何でですかと。
#66
○国務大臣(新藤義孝君) それは、外したのでなくて、必要に応じて参加できるようにいたします。しかし、この特区諮問会議をこれは簡潔に、そしてスピーディーに進めていくために、そういう工夫をしたということでございます。
#67
○山下芳生君 外れた理由はいろいろあるかもしれませんが、一つの大きな要因に、私は、竹中平蔵さんが入れるべきじゃないという趣旨のことを発言されているんですよ。否定されていますけれども、客観的にはそういう事実がここにあるわけですね。
 外すどころか、特区諮問会議の下、関係大臣に対する措置要求ないし勧告などの制度を設けるんだと。要するに、意見を言うんじゃなくて、諮問会議で規制緩和せいと言ったらちゃんと従えと、そういう仕組みをつくるべきだというふうに竹中さんは言っているんですよ。それに負けちゃったんじゃないんですか。
#68
○国務大臣(新藤義孝君) その方がいつどういう発言したか、私は承知をしておりませんけれども、私どもがこの問題を検討するときに、そういった意見は一度も検討の俎上にのせたことはございません。
 そして、今回の関係大臣は必要に応じというのは、先ほど申しましたように、スピーディーに、そしてシンプルな組織とすると。最終的には閣議決定を行います。そこで全大臣が参加をするわけであります。ですから、まずは、案を作るときには総理の強力なリーダーシップの下で関係者をできる限り絞り込んで決めていこう、しかし必要に応じての協議は行えます、また関係大臣も入っていただく場合もあります、そして最終的には全大臣が参加をする閣議においてこれを決定すると、こういう仕組みにしたわけでございます。
#69
○山下芳生君 ちゃんと四月十七日の竹中平蔵さんの、立地競争力の強化に向けて、アベノミクス戦略特区の推進というペーパーの中に今私が言った趣旨が入っているんですよ。新藤さんが知らなかったというのはそうかもしれませんけれども、だから大臣は知らなかったんでしょうけれども、こういうことがやられている。もういいです、これは時間ないですから。
 前から積み残している質問をしなければならないんで、そちらに移りたいと思いますが、もう一度厚生労働関係に戻りますけれども、この特区法の中にはわざわざ労働契約の規制緩和について触れた部分があります。有期労働契約の上限規制の問題ですが、厚生労働省に伺いますが、厚生労働省が所管する直接の法案以外にわざわざ労働契約の規制緩和について労政審で議論する、あるいは次期通常国会でなどと書き込まれたケースはありますか。
#70
○政府参考人(大西康之君) 委員御指摘のこの法案でございますけれども、十月十八日、委員御承知のとおり、日本経済再生本部の基本方針の中ででございますが、厚労大臣は検討に当たり労働政策審議会の意見を聴くとか、あるいは二十六年通常国会に必要な法律案を提出するという、そういう本部の決定に沿いまして法案を作るという、そういう作業をしたわけでございます。
 確かにこの法案、全体が別に労働関係ばかりではございませんが、この労働政策審議会の意見という部分につきましては、委員御指摘のとおり、有期雇用の特例という労働関係の事項についてこういったことを審議するというようなことが書かれたものという具合に承知しておるところでございます。
#71
○山下芳生君 いやいや、答えていないじゃないですか。こういうことをやった法案がほかにあるんですかと言っているんです。
#72
○政府参考人(大西康之君) 労働関係が何も書いていない法案におきまして労働政策審議会の意見という形で何か書かれているという、そういったものについては承知しておりません。
#73
○山下芳生君 これはたまたまそこの部分に入っているだけなんですよ。労働関係の法令じゃないんですよ。そこでこういうことまで義務付ける、方向付けするというのは初めてなんですよ。
 私が何を言いたいかといいますと、雇用と労働という人間にとって生きていくもう基本的条件の問題について、こんな特区というやり方で、本来であれば三者構成主義ですよ、使用者側、そして労働者代表、そして政府代表が、三者が一致してとことん話し合ってルールを決めていく。そして、労働行政は労働者保護の原則に立って物を言わなければならないんですよ。そういう原則がすっ飛ばされる危険性がある。もう結論はここにあるんだから、その三者構成主義を具体化している労働政策審議会にももうあらかじめ結論を持って議論せいよというようなことをやっちゃったら、労働者保護のルールがこの特区法案を通じて骨抜きになるんじゃないか、そういうことを危惧するわけであります。こういうことをやってはならないと思います。
 最後、時間が来ましたので、もう一問だけ聞いて終わりにしたいと思いますが、新藤大臣にかかわる問題ですが、これ、ある新聞、日本経済新聞ですが、特区の選定場所について、東京、大阪、愛知というもう具体的な地名が報道されました。あわせて、官房長官が沖縄を提案した、新藤大臣は新潟を提案していると。沖縄の普天間の基地、柏崎刈羽原発再稼働に向けて利益誘導ではないかという報道でありましたけれども、これは事実でしょうか。
#74
○委員長(山東昭子君) 新藤大臣、時間が来ておりますので簡潔に。
#75
○国務大臣(新藤義孝君) 私がそのようなことを申し上げた事実はございません。
#76
○山下芳生君 経過を見たいと思いますが、もしこのとおりのことやったら大変なことになるということですので、こういうことがあってはならないということで注視していきたいと思います。
 終わります。
#77
○浜田和幸君 おはようございます。
 新藤大臣に三点質問をさせていただきたいと思います。
 今回の国家戦略特区というのは、これは日本が世界で一番ビジネスのしやすい環境を整えるという大きな構想の下で進められていると理解しておりますので、これは日本再生の切り札として是非成功するように応援したいと思っていますし、賛成の立場で、確認の意味で幾つか質問をしたいと思います。
 この戦略特区が実際に成功するためには、やはりサイバーセキュリティー対策というものが欠かせないと思うんですね。様々な地方やその地方にベースを持っている企業、特に技術系の企業がそこで世界に提供できるような、あるいは地域の経済に貢献できるような、そういう新しいビジネスを展開するには、そこで得られた知見というものがきっちりと守られるという仕組みがないと安心してビジネスの展開ができないと思うんですね。
 昨今のサイバーテロに関する様々な報道を見ていますと、大手の企業のみならず、中小企業のウエブサイトに対する攻撃ですとか、企業の持っている情報というものがどんどん抜かれるというような事件が相次いでいるわけですね。これは日本だけじゃなくて、海外でもそうです。
 そういう意味で、この戦略特区のセキュリティー面をどうやって確立するのか、そのための方策としてどういうことを国として考えていこうとしているのか、その点をまずお聞かせいただきたいと思います。
#78
○国務大臣(新藤義孝君) 今回のこの国家戦略特区、どの地区でどのテーマになるかはこれからにしても、いずれにしても、ICTを始めサイバー空間の充実整備、これは欠かせないことだと思います。そして、そのサイバー、ICTを推進していく上で、両輪の一つがこのセキュリティーであります。
 したがって、今委員がおっしゃるように、まず信頼性を高める上でのサイバーセキュリティーの空間整備、これ必要だと思いますし、既に政府におきましては、内閣官房の情報セキュリティセンターが中心となりましてサイバーセキュリティ戦略というものを今年の六月でございますが定めて、様々な取組が始まっております。
 また、私は、このサイバーセキュリティーは、委員も御案内だと思いますが、一地域にとどまらず、また国にとどまるものでもありません。ですから、少なくとも世界中でやらなきゃならないんですが、私とすれば、まずASEANとこのネットワークをつくろうではないかと。今年のあれは九月でございますが、私の方で主宰をいたしまして、ASEANの情報通信の関係大臣会合というのを初めてやりました。
 そこで、我が国が中心となりまして、サイバーセキュリティーをASEANと日本が共同で取り組んでいくと、こういう仕組みも既に始まりました。人材の育成も行いますし、我々が研究しているサイバーセキュリティーに関する技術提供も行って、そういうネットワークを組んでいきたいと。その中で、今委員が御心配いただいたものについての懸念を払拭していきたいと、このように考えます。
#79
○浜田和幸君 是非、ASEANのみならず周辺国、世界に開かれた特区を推進する上においては、このサイバーセキュリティー対策というのは欠かせないと思うんですね。
 昨今の特に標的型メールというものの実態を見ていますと、やっぱり狙った企業のシステムの弱点を探る、その上で突破口を開くというような目的で実に巧妙なワームが送り込まれたりしているわけですね。ですから、サイバー攻撃の多様性ということをやっぱり国としてきっちりと対策を講じるということがなければ、株価の操作にもつながる、あるいはマネーロンダリングにも悪用されるということが十分考えられる。
 今大臣が内閣官房の情報セキュリティセンターのことを御説明いただきましたが、実は政府全体としてのe―Japan重点計画が進められていますよね。その中で、いろんな省庁がこのサイバーセキュリティーについて個別にいろんな仕組みを運用されていますよね。これはやっぱりどこかで一体化しないと、企業がばらばらにやっているということも問題ですけれども、省庁も、内閣官房から始まって総務省のテレコムアイザック官民協議会ですとか、あるいは経産省のサイバー情報共有イニシアティブ、警察もやはりサイバーインテリジェンス情報共有イニシアティブ、防衛省は防衛省でサイバーディフェンス連携、統幕にも来年からは新しいサイバー防衛隊が新設される。
 もろもろ役所が、各々の権益を懸けてサイバーセキュリティーについて対策を講じている。これ、一体化させる必要はないんですか。
#80
○国務大臣(新藤義孝君) 当然、連携をさせなければいけないと思います。そして、それは遠藤CIOの下でこういう統括がなされているわけでありますし、着々と様々な体制が整備されていくと、このように思っています。
 そして、しかしその上で、やはり各省それぞれが所管する業界団体やそれぞれの問題は、それは千差万別であります。ですから、統合した方針の下でまた連携、連絡を取りつつ、やはり個別の問題への対処という意味になると、それぞれの役所での作業というのは当然必要になってくると。
 問題は、そこに一貫性があるか、共有性を持つかと、こういうところだと思いますから、それは当然のごとく政府としても心掛けておりますし、CIOにしっかりとそこはチェックしていただきたいと、このように考えております。
#81
○浜田和幸君 やはり国家戦略特区という名前が付いているわけですから、国家、国がサイバーセキュリティー空間をしっかり守っていくんだと、そういう安心感を与えないと、民間の企業、これもなかなか安心して進出が難しいと思うんですね。
 是非、そういう意味では国家の司令塔としてはやはり総務省が中心となって、様々な省庁の専門分野はあるでしょうけれども、この特区構想を進めるに当たって、やっぱり多くの企業や多くの地域に対して安心できるという制度をつくるんだということを是非アピール、具体的な道筋も付けて紹介をしていただきたいと思うんです。
 というのも、情報漏えい、これがもたらす経済的な損失というのも大変大きいものがあるわけですよね。昨年、二〇一二年の情報漏えいに関するデータを見ても、平均して、一回の攻撃で流出した個人情報、これの平均件数が六十万件に達しているわけですね。この損害の賠償額も一件当たり七千五百万円、それを調査し修復するための再構築費用がやはり平均すると一億円以上も掛かっていると。こういう状況が続けば、地域や企業にとってのブランドの毀損あるいは風評被害、イメージの低下といった、せっかく新しいビジネスを展開しようとするこの国家戦略特区が黄ばんでずたずたになってしまうというおそれもやっぱり十分認識しておく必要があると思うんですね。
 是非、そういう意味ではセキュリティー対策をしっかりと打ち立てていただきたいと思います。いかがですか。
#82
○国務大臣(新藤義孝君) おっしゃるとおりだと思います。
 私も過日、そのチェックをしている機関を視察してまいりましたが、今現在で恐ろしいほどの攻撃を受けています。特定のものを狙ったハッキングもあれば、一方でウイルス攻撃というのは、知らない間に自分が被害者であって同時に攻撃者になっていると。
 ですから、今もすごい勢いで日本に攻撃がなされておりますが、攻撃されたものがそのまままた次の新たなる攻撃者となって、よその国、ほかの場所に出しているわけですね。したがって、地域、国を超えて大きな取組が必要であると思います。特に、戦略特区内に進出するそういった企業に対して信頼性を増やすということは重要だと思いますし、またその試みは取り組んでまいりたいと、このように思います。
#83
○浜田和幸君 是非万全の対策を講じていただきたいと思うんですね。
 その戦略特区の中に、例えば医療特区等も検討される。そうすると、海外からもいわゆる重要人物、政府の関係者、日本の先端医療に期待して検査だとか手術ですとか、そういう形で来られる方もこれから増えると思うんですね。しかし、そういう人たちの個人情報、これは守っていかないと、そういう方々もやっぱり日本では安心して治療が受けれないということにもつながりかねないと思います。
 また、バーチャル特区ということが法案の中でいろいろと議論されていると思うんですけれども、やっぱり特区そのもののバーチャル性を考えると、このセキュリティーは欠かせない。
 また、江口委員から御指摘のあった東京オリンピック、この法案の中にもオリンピックを追い風にということが至るところに出てきますけれども、オリンピックそのものも今、来年二月のソチのロシアの冬季オリンピックを見ても、周辺国、特にイスラム圏からのテロの言ってみれば脅し、大変厳しいものがありますので、東京オリンピックそのものが安全に成功するためにも、このサイバーセキュリティー対策、是非力を入れてやっていただきたいと思います。
 二つ目の質問は、やっぱりこれ地方との、自治体との連携についてお伺いしたいんですけれども、既に二百件近くの提案を受け取られて、ワーキンググループで六十二件ヒアリングを進めておられると承知しておりますけれども、その中で、やはりみんな地域がこぞって自分のところに特区を招きたい、しかし、残念ながらやっぱり選ばれたり選ばれなかったり。
 そこで、前回も質問しましたけれども、選ばれなかったけれどもやっぱりこれは地域のために必要だというような提案をどう吸い上げていくのか、その辺りのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#84
○国務大臣(新藤義孝君) 私どもの想定を超えた御提案をいただいて、本当に喜んでいるところであります。前々から報道をされていろいろな発信はしておりましたが、それにしても一か月間の申込期間でありましたから、果たしてどのぐらいの御提案いただけるかというのは我々少し心配もあったんでございますけれども、たくさんの方に御提案いただきました。
 ですので、今委員が言っていただきましたように、この中から参考にしながら、国と地方、民間が合わせた戦略特区、それは数か所選ぶことになります。そうすると、残りの百数十か所、二百でいえば二百マイナス数か所でございますが、そこのところをどう生かしていくかというのはとても大事だと思っています。
 ですから、少なくとも法案において、すぐに構造改革特区としての対応が可能なものは、これは構造改革特区の方に手続がスムーズにいくように、そういったものも修正をしていただきました。それから、総合特区の方で逆に使えるというものもあるかもしれません。
 さらには、私どもとすれば、これは少し時間いただかなきゃなりませんが、こういう御提案の中で良いもの、一つの事業として、これは研究テーマであるとか、そういったものも他省庁にあっせんをするだとか、いろいろと、せっかくこのいい御提案を私とすればできるだけ活用してまいりたいと、このように思っておるわけでございます。
#85
○浜田和幸君 是非、地方からのイニシアチブにのっとった提案、いいものを是非採用していただいて、たとえ漏れたとしても、いわゆる可能性を大事にしていただくような、そういう取組をお願いしたいと思います。
 三つ目は、やっぱりこの戦略特区、国がバックアップするわけですから、世界に開かれた特区というイメージ、これはとても大事だと思うんですね。やはり海外の企業に対しても呼びかける、そういうことも考えておられると思うんですけれども、やはりこれは国際大競争の時代ですから、日本だけが自分のところで戦略特区と言っても、周辺の海外でもっとすばらしい条件下で戦略特区が進められていれば、結果的に日本が魅力的なアピール、成功できない。
 ライバルの存在ということがあると思うんですね。特に、例えば中国なんかの最近の働きかけを見ていますと、私も上海あるいは青島なんかの経済特区を見ていますと大変な脅威で、例えば青島の映画特区、これはもうハリウッドの三倍の大規模な投資をして世界中から映画産業を呼び込もうとしていますよね。
 そういう規模あるいはビジョンといった意味で、海外のライバルの特区、どういう基本方針で戦うか、あるいは場合によっては協力するという可能性だってあると思いますけれども、その辺りのお考えをお聞かせください。
#86
○国務大臣(新藤義孝君) そこが一番の肝心なところだと思います。これはイメージとして、これから設定される戦略特区は、その分野においては世界の三大プロジェクトだと、若しくは五本の指に入ると、こういうようなものにしたいというふうに私どもは願っているわけであります。それをどのように、本当にそういう事業になっていくかは、これは諮問会議で煮詰めていかなくてはいけないということであります。
 もとより、これは、私たちはまず日本の経済を刺激すると。しかし、日本の経済は既に世界の一員としての、世界とつながった中で日本経済があるわけでありますので、この特区を指定した以降、海外の企業からの進出、また海外の人材を受け入れ、こういったものも想定したこれはプロジェクトになると、当然そうなるというふうに思っています。
 ですから、それに対するいろいろな居住環境、医療、教育関係も含めた対応をしていこうというふうになっているわけでありますし、きちんとした周知、PR活動、こういったものも今までとは違う考えを少し入れなければいけないんではないかなと、海外への広報というものも更に強めた形でやっていきたいと、このように思っております。
#87
○浜田和幸君 是非世界に誇れるような、世界に開かれた戦略特区にしていただきたいと思います。
 そこで、海外からの人の呼び込みという話がありましたけれども、日本の少子高齢化、労働力不足という状況を考えますと、やはり海外からの専門的な知識や技能を持った人たちをもっと積極的に受け入れる、そういう働きかけも必要だと思うんですが、この戦略特区の中において、やっぱり特に海外からの労働者に対して何らかの優遇的な措置ですね、ビザの緩和、そういうことについては何かお考えがありますか。
#88
○国務大臣(新藤義孝君) これはまさに事業の内容にかかわることでありますので、現時点で何かが決まっていることではありません。また、いろんな御議論の中で今委員がおっしゃったような取組をするとなれば、それは関係省庁との話合いというものが入ってくるわけであります。
 したがって、まずは、私とすればこの法案を成立させていただいて、諮問会議を立ち上げて、そして様々な御意見があるものを集約して、国の国家戦略とすべき分野は何だ、それをやるためにはどんな事業が必要で、どこの場所で展開していこうか、これを早くに決めていきたいと。その中で、今のようないろいろな工夫は、テーマが上がってくれば、必要に応じて関係大臣や関係省庁との調整をしながら、これは大胆に、前向きに進めていきたいと、このように考えているわけでございます。
#89
○浜田和幸君 そういう意味で、開かれた特区、開かれた日本という戦略を進めるに当たって、今話題になっていますが、やっぱりTPP、年内に道筋を付けるということで、甘利大臣もちょっとお具合が悪くなられた、大変心労が重なったんではないかと思うんですが、この戦略特区とTPPとの絡み、これについてはどういうような基本的なお考えでしょうか。
#90
○国務大臣(新藤義孝君) いろいろな部分で関連するところは出てくると思います。ただ、基本的に特区というのは産業の活性化、経済の刺激策であって、国の特別な区域において実験的なことをやってみる、また大きな取組を集中してやってみると、こういうプロジェクトであります。一方でTPPは、これは貿易交渉でありますし、経済連携協定の大きな枠組みの中の一環であります。そして、それは、我が国の経済連携政策はTPP一つにとどまらず、RCEPもあればFTAAPもございます、日・EUもあれば、いろいろな重層的、複合的な経済連携の枠組みをつくっていく中でのことであります。
 いずれにしても、しかし、それは私たちが世界に出ていく、また世界を我が国に取り込む、こういう意味においてはそれぞれの役割があるんではないかというふうに思っております。
#91
○浜田和幸君 是非、やっぱり日本が自信を取り戻す、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくるという大前提の下でこの議論が進んでいるわけですから、是非日本企業、日本企業といってもどんどんグローバル化が進んでいますよね。どこの国の企業なのか、働く人たちだって日本企業はどんどん外国の人を採用しているわけでありますし、本社だって日本じゃなくてどんどん海外に移転するようなケースもある。もうどんどん世界全体が一つのコミュニティーになる、そういう中で、この戦略特区というものを、日本が日本のアイデアで世界のモデルとなるような、そういう基盤づくりに何とかつなげていただきたいと思うんですね。
 ただし、先ほどTPP、連携する部分もある、重なる部分もあるけれどもこれはまた別々だとおっしゃいましたが、やはり多くの日本の企業にとっても、特に第一次産業にとって、このTPPというのは大変大きな言ってみれば懸念材料にもなっているわけですよね。国際競争力といっても、このスタンダードが、本当に日本のものが守られるのかどうか。食の安全や、あるいは命という面でも、TPPって広い分野をカバーしているわけですよね。
 だから、そういうところに対する不安感をやっぱり払拭していかないと、本当に戦略特区に重点的な人やアイデアや情報を提供できるのかどうか。サイバーセキュリティーのルールそのものも、これから通信環境、これを整えるとおっしゃいましたけれども、その中で、どこの国のスタンダードを使うのか。アメリカのものを使うのか、日本独自の暗号のシステムをこれから世界に広めていくのかどうか。また、様々、価値観ですよね。食の安全、遺伝子組換え作物をどこまで認めるのか、その表示をどうするのか。様々な問題があるわけですから、みんなこの戦略特区ともいろんなところで重層的に絡まってくるテーマばかりだと思うので、是非、このTPPの議論とこの戦略特区の議論も、ひとつ統一的な視点で、どういう日本の魅力を世界に発信するのかという観点ではやはり政府が大きな大方針を示して、国がこの日本の持っている力を守っていくということを是非もっともっと内外にアピールしていただきたいと思います。
 そういう点で、最後、是非大臣の、まとめ役、総合司令塔としての責任ある立場から、この国家戦略特区に懸ける思いを是非最後お聞かせいただきたいと思います。
#92
○国務大臣(新藤義孝君) ただいま委員が御指摘された点は、まさに国家的課題であり、その国の運営を担わせていただいております我々政権の大きな課題だと。そのトップに安倍総理がいらっしゃって、総理は今委員がおっしゃったようなことを日夜考えながら、どのように各省、各分野でそれを達成していくかということだと思っております。
 私たちはイノベーションを実現させなくてはいけないというふうに思っているわけです。それは、イノベーションは決まっている枠の中からは生まれないと、これが大原則だと思います。目の前のことをきちんとまず課題解決をして成果を上げつつ、その先の、次の展開を考えた、そういったものも組んでいかなくてはいけないだろうと。
 そして、TPPのことが出ますけれども、TPPだけではありません。私たちは、この日本国政府というのは、国民の福祉そして安全、そういったものを追求しつつ、国益にかなった活動をしていくわけであります。守るべきは守り、そして変えるべきものは変えながら、私たちはこの国をきちんと発展させていくための手を短期的に、中期的に、長期的な視点からやっていくというふうに思います。
 大変示唆に富んだ御指摘をいただいておりますが、各分野は我々が想像以上のスピードで変わっていくと思いますから、それに我々は後れを取らないようにしていきたいと、このように思います。
#93
○浜田和幸君 是非、国が日本の企業あるいは地域社会の盾となって、日本の国益をしっかり守りながら世界に貢献していく、そういう国家戦略特区、期待しています。応援しますので、よろしくお願いします。
 以上です。
#94
○委員長(山東昭子君) 速記をちょっと止めてください。
   〔速記中止〕
#95
○委員長(山東昭子君) 速記を起こしてください。
#96
○山本太郎君 どうも、政党要件は満たしておりませんが、新党今はひとり、山本太郎と申します。よろしくお願いします。
 安倍政権の経済政策の目玉の一つとして強力に推し進められておりますこの国家戦略特区の話なんですけれども、これによってこの国が豊かになるんじゃないかという期待を物すごく背負っていると思うんですけれども、その一方で、この国家戦略特区の法案イメージというのがあるんですよね。もう皆さん重々御存じだと思います。こちらのボードと同じものです。(資料提示)十六の法案イメージが書かれたもの。この中の一番上、容積率・用途等土地利用規制の見直し、これが、豊かになるどころか、今弱い立場にある人たちが更に厳しい状況に追い込まれかねないものがある、そのように思っているんです。
 どうしてこの容積率、土地規制の見直しというものがそのような懸念があるのかということなんですけれども、皆さんは重々御存じだと思うんですけれども、これはネット配信もされておりますので、ネットの方が御存じなかったらいけないので説明させていただきます。
 容積率って何だよということなんですけれども、容積率というのは建築基準法第五十二条に記される敷地面積に対する建築延べ面積の割合のこと。これぐらい土地があります、その中にはこれぐらいしか建物建てちゃいけませんよというルールですよね。この容積率のルール、これ取っ払おうじゃないかというふうにこの国家戦略特区法案で提案されていますよね。
 内閣官房によりますと、既に今地価が高いところの容積率を緩和することによって居住面積を広げようじゃないかという趣旨があるということでした。でも、この特区がどのくらいの地域、どのくらいの範囲にわたって指定されるのかということはまだはっきりと分かっていませんよね。もし特区が勢いに乗った場合、特別に地価が高い地域以外にも広がる可能性というのはあると思うんですよ。広い地域、範囲にわたって規制緩和が進んでいったときに、この日本中に影響を及ぼす可能性というのがあると思うんですよね。
 容積率を撤廃して、低層の木造住宅、アパートとかたくさんありますけど、そういうものを建て替えようじゃないか、土地の有効利用しようじゃないか、何かそういうことが推し進められていくと、安い家賃で入居が可能なアパート、低層のアパートだったりとか宿舎というものがなくなってしまうんじゃないかな、今安い物件がある場所を更地にして高層マンションたくさん建てようじゃないかということにつながっていくんじゃないかなというような心配をしているんです。
 大都市圏では地価が上昇し、バブル期のように民間賃貸アパートの家賃、跳ね上がることが懸念されますよね。既に東京などでは民間アパートの家賃や初期費用が高いです。敷金、礼金、それだけじゃなくて、保証人というものも用意しなきゃいけないですものね。住む場所を確保するということに対して幾つものハードルがある。一般のアパートに入居できないという人たちもたくさんいることはもう皆さん御存じだと思います。
 そこで質問したいんですけれども、国家戦略特区により、都市再開発の名の下、大都市圏で低所得者が最低限の居住すら確保できない状況が更に悪化することが予想されると思うんですけれども、その点、政府としてはどう考えていらっしゃいますか。
#97
○国務大臣(新藤義孝君) まず、容積率を取っ払うわけではありません。それは、容積率のルールを変更していくということであります。それから、その容積率に関する規制緩和は、全て一律でどこの地区でも適用されるわけではありません。それは、必要に応じてその地区ごとの計画を定めて、そのときに使われるメニューの一つとして出ていると、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
 それから、今委員が御心配されたことは、私どもはむしろ逆の議論をワーキングの中ではしておりました。それは、これから都心居住、例えば一つのコンセプトとして、ビジネスセンターを、国際ビジネス拠点をつくろうと、そういうときに、既存の都市を更に拡充していくと、こういう中で、日本の用途地域というのは、これは用途が純化、用途純化というのが前提になっていますので、工業、商業、住宅、それぞれがすみ分けるようになっているわけであります。だけども、国際ビジネスセンターをつくるときに、やはり都心居住って考えられないのかと。ニューヨークにおいてもロンドンにおいても大都市でありますが、まだ給料の上がらない所得の低い皆さんも住めるような場所って確保されているんです。ですから、そういったものも提供できるような仕組みがつくれないものだろうかというのはワーキングの中の議論としてございました。
 それを実際にやるかどうかはこれから諮問会議で決めていきますが、再開発を進めて経済性、効率性のみを追求するのではなくて、利便性を高めることと、それからグローバルな基準を作ってそこで住めるようにしようというようなことを考えて都市計画の変更をできるように考えているわけなんでありまして、御心配は、御懸念についてはそのようなことが起きないようにしなくちゃならないと思いますが、そもそもの発想としては、今もお話しされたところとは違う観点から私たちは議論してきたということは申し上げたいと思います。
#98
○山本太郎君 御丁寧にありがとうございました。
 新藤大臣のお話を聞いているだけで本当わくわくしてくるというか、本当に夢が広がるという部分もあるんですけれども、やはり一部の地域が地価が上がっていくということになっていくと、その周辺も徐々に地価が上がっていくというような現象というのは否めないと思うんですね。それによって住居費であったりアパート代であったりそういうものがどんどん高くなっていって、本当にぎりぎりの生活をしている人たちにとって住む場所を確保するのが余計困難になっていくという心配というのはどうしても外せない部分だと思うんです。
 それで、とにかく今の日本の現状というものをしっかりと皆さんに見詰めていただきたいと。もう十分に見詰めていらっしゃると思います。年々貧困層が増え続けていることももう皆さん御存じだと思います。これから更に増え続けていくという可能性があるということも皆さん重々御存じだと思います。この住宅の不安定さ、これが貧困を増やす重大な原因になっているということも御存じだと思います。そしてまた、居住が不安定なままでは貧困から抜け出せないというのはもう常識だということも御存じだと思います。
 ところが、日本では貧困対策といえば、雇用と福祉の施策が中心を占める状況。所得さえあれば、所得さえあればそれで必要なもの買えるじゃないか、住まいも確保できるだろう、そのような暗黙の仮説があるように思われているんですけれども、それは間違いだと思うんですよ。たとえ仕事が見付かったとしても、不安定で低賃金の仕事では適切な住まいは得られない。一方、生活保護を受給すれば住宅扶助が支給される。しかし、生活保護受給を必要としなきゃいけないほど困窮しないと住居費の援助を得られないというのはおかしくないですか。そのシステムが住宅対策というものの不十分さというのを表しているんじゃないかなと思うんですよね。
 住宅を雇用、福祉の附属物としてしか扱わないという伝統から抜け出して、住宅保障の独自の施策を構築する必要というのがあるんじゃないかなと思うんです。住まいの安定というのは、それ自体が重要であるというのと同時に、雇用、福祉の基盤をつくる。まさにこの国をより豊かにするためには、最低限の条件というものをやっぱり国がバックアップしていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんですね。住む場所さえ安定していれば生活の崩壊は避けられる。住まいを確保できれば仕事を探して生活を立て直せるという仕組みをつくる点に住宅保障の意義があると思うんです。
 戦後日本の住宅政策は中間層の持家制度という支援に集中したと言います。公的賃貸住宅は六%ですって。少ないですね。生活保護の住宅扶助を除けば、公的家賃補助はほぼ皆無。この政策編成、経済先進諸国の中で特異だそうです。ヨーロッパでは社会賃貸住宅、こういうものが二割程度あると。家賃補助受給世帯も二割前後という国が多いらしいです。低所得者向けの住宅対策、こういうものが貧弱と言われているアメリカでさえも家賃補助制度を持っていると。
 とにかく、日本では終戦からバブル破綻のころまで経済は成長し続けて中間層が拡大していった。だから、政府は大抵の世帯は家を買えるんじゃないか、そのように想定して持家促進に傾く政策を続けた。そして、低所得者に対する政策は弱いままだと。
 しかし、バブルが破綻して以来、経済の不安定さが増して中間層は縮小し始めましたよね。これから住まいに困窮して、そして貧困に陥る可能性というのがより大きくなっていく。皆さん御存じのとおり、九〇年代の前半からバブル経済の崩壊がきっかけとなって、全国の大都市で仕事と住まいを失った人々、野宿へと追い込まれるようになりましたよね。その多くは中高年の日雇労働者であったと。各地の路上や公園、河川敷など野宿生活を送るような人々、二〇〇〇年前後にピークを迎えた。
 その後、大都市を中心に自立支援センターなどの対策が整備されましたよね。生活保護の適用が進んだこともありました。野宿者の数は徐々に減少していきましたけれども、二〇〇四年から五年の間、そのころから、中高年だけではなく若者まで、若年の非正規労働者の不安定居住の問題が表面化してきた。この問題はもう皆さん御存じでしょう。ネットカフェ難民という言葉、流行語にまでなりましたものね。実際には、ネットカフェだけではなく、個室ビデオ店、二十四時間のファストフード、カプセルホテル、サウナ、友人宅。これ、家と呼べますか、住まいと呼べますか。安定した住まいを失った人々が寝泊まりする場所が多様化していった、どんどん拡散していった。
 こうした不安定居住が広がった背景には労働分野での規制緩和が進んでいったことがある。派遣などの非正規労働者が増加したことに加えて、民間の賃貸アパート市場で、家賃を滞納した入居者、一方的に部屋のドアをロックされたりとかして強引に退去さすぞという入居者の居住権を侵害する業者が増えたことも影響したと言われていますよね。
 二〇〇八年の年末には世界同時不況の影響で大量の派遣労働者が失職する派遣切り問題、これ発生しました。その際、最も生活に困窮したのは、派遣会社の用意した寮に暮らしていたために、仕事と同時に住まいを失った人々であった。従前から労働者向けの低家賃住宅が整備されていれば、こうした問題も生じなかったと言えるわけですよね。この派遣切り問題も労働政策の問題であると同時に、日本の住宅政策の貧弱さが生み出した問題と言えるわけです。そういった要因によって生み出された家を持たない人たちが、今この瞬間にも若者を中心として爆発的に増えています。
 それでは、質問に移らせていただきます。済みません、話が長くなって。
 脱法ハウス、このような言葉、新藤大臣、お聞きになったことありますか。
#99
○国務大臣(新藤義孝君) いろいろな雑誌や報道などでそういった言葉が使われております。定義は定かではないと伺っておりますけれども、そういったお話は聞いたことはございます。
#100
○山本太郎君 ありがとうございます。
 そうですよね。テレビ、新聞などでもかなり大きく取り上げられましたこの脱法ハウス。こちらのフリップ、御覧いただきたいんですね。
 これは、国土交通省のウエブサイトを見ていただければ出ているものです。この左側の図、これが一人の方が住んでいる部屋ですね。物すごく狭い部屋なんですね。まるで刑務所の独房ですかというような部屋です。この右側の図はその全体的な絵なんですね。広い部屋に狭い部屋をたくさん集める、間仕切りを作ってたくさんの人を住ませている、これが脱法ハウスと言われるものだということです。こちらの方もどうぞ。済みません、こんな状況です。ありがとうございます。
 もうまさに非人間的というような環境そのものだと思うんですけれども、生活できない若者が爆発的に増えている、この脱法ハウス、建築法にも消防法にも違反しているそうです。
 今年五月、レンタルオフィスや貸し倉庫などの名目で人を集めて居住させる脱法ハウス問題、社会問題となりました。国土交通省は、こうした居室を建築基準法に基づく安全基準などに違反する違法貸しルームと呼んでいます。その規制に乗り出しています。しかし、脱法ハウスに暮らす人々のほとんどは、ネットカフェや二十四時間営業のファストフードなどに寝泊まりする人々と同様、アパートの初期費用、敷金、礼金ですよね、そして保証人を用意できない状況にあることが分かっているんです。
 そこで質問したいんですけれども、現在、脱法ハウスが規制されて、閉鎖が相次いでいます。追い出された人たち、どうなっているんですかね。追い出された人たちに手を差し伸べるような支援策、あるんでしょうか。
#101
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘の建築基準法に違反している建築物を賃貸しているケース、違法貸しルームと言われていると思いますが、そこから退去を余儀なくされた方々が生活に困窮している場合、そのニーズに応じ、必要な支援を行うことは重要な課題だというふうに認識しております。
 厚生労働省におきましては、まず、生活困窮者に対して様々な支援を実施していますが、生活保護を受給されている方につきましては、先ほど御指摘ありました生活扶助というような形で、生活保護の制度の中で適正な住居に移っていただくというような支援を行っているところでございます。
 また、例えば各都道府県の社会福祉協議会が実施いたします失業期間中の生活費や敷金、礼金などの費用の貸付けに併せて、世帯の自立に向けた相談支援を行います生活福祉資金貸付事業というのがございます。そういうのを利用していただくことも可能だと思いますし、それから、就職活動を行う離職者などを対象といたしまして、就労支援と家賃相当額の、有期でございますが、給付を行う事業を併せて行います住宅支援給付事業というのを行っておりまして、違法貸しルームから退去される方々についてもこういった制度が利用可能ではないかというふうに考えているところでございます。
#102
○山本太郎君 ありがとうございます。
 今丁寧な御説明がありました。そのような、生活困っている人たちに対して手を差し伸べるようないろんな方法があるんだよ、例えば生活保護だったりという話だったんですけれども、実際に今、日本の生活保護というのは、捕捉率、二割から三割ですよね。御存じないネットを御覧の皆さんに説明すると、捕捉率というのは、要は生活保護を受ける権利はあるけれども受けられていない状況を表すらしいです。二割から三割の人しか受けられていないこの捕捉率。ヨーロッパでは、フランスで九割、そしてスウェーデンで八割、ドイツで六割と言われている。捕捉率というぐらいなんですから、本当は、受けるべき人は一〇〇%受けていなきゃいけない状況ですよね。そのような人たちが二割から三割しか受けられていないというのが生活保護の実態であると。
 そして、この脱法ハウスという部分に住む人というのは稼働年齢層と呼ばれる人たちが多い。稼働年齢層、六十四歳以下。あなた若いんだからまだ仕事できるでしょうということで、役所で断られるパターンが多いということですよね。水際作戦をされてしまう。そして、生活保護の改悪という部分において、その水際作戦というものが合法化されてしまっているという現状がありますよね。これから先、例えば自分の身内に対して面倒を見ろと、扶養義務の強化みたいなものも進められていくと。だとしたら、生活保護を受けられない人たちというのはもうこれから大量に増えていくわけですよね。
 ほかにも出てきました、社会福祉協議会でお金を借りることもできるんだよ。でも、これには審査があるんですよね。それを受けられる人も、ここの審査に受かる人も、そう多くないということだと思うんですよ。とにかく、働きながら脱法ハウスに住んでぎりぎりの生活をしている人たちにとってはすごく難しい問題であると。
 住宅支援給付というのは、様々な問題点と使い勝手の悪さというものが指摘されています。まず離職者でないと受けられない、働きながらは受けられないよということなんですよね。働いていると受けられない。具体的に言うと、月に八万四千円以上の収入がある人は住宅支援給付の対象外ですって。月に八万四千円の給料でどうやって家借りて生活していくんだということだと思うんですけれども、こういう本当に低賃金でやっている人たちに対して住宅政策というものがもっと濃くなっていかないと、これ本当に、もう自己責任だぞ、面倒見ないよということをはっきりと宣言しているのと同じだと思うんですよね。貧乏人は死ねってことかという話だと思うんですよ。
 確かに、そのように手を差し伸べるようなこともあるかもしれないけれども、そのような政策は考えられているかもしれないけれども、圧倒的にそこから漏れる人が多過ぎるということですよね。
 とにかく、離職者でないと受けられない住宅支援給付、働きながら脱法ハウスに住んでぎりぎりの生活しているような人たちは対象にならないというのが一番の問題点なんですよ。ということは、脱法ハウス、このような状況、なくなるわけないんですよね。
 また、この制度、アパートの初期費用を捻出する仕組みがない。初期費用、敷金、礼金。これによって引っ越し諦める人って、昔そういう経験ないですか、ああ、引っ越しできないな、敷金、礼金高くてみたいな。そこをまずセッティングしないと、引っ越しというか、住まいを確保できないという状況自体がちょっとおかしいんじゃないかなと思うんですよね。そこをアシストするようなものがあればいいのになと思うんですけれども、先ほど言われました社会福祉協議会の貸付け、これ審査が厳しいだけじゃなくて、借金背負わされるよということなんですよね。借金を抱えての新生活、どんなスタートなんですかね。
 また、この住宅支援……(発言する者あり)何ですか。これつながっている話だということは最初にお話ししました。
 この住宅という部分を、この住宅支援という部分をしっかりと国がバックアップしなければ、この国が豊かになる、美しい国になる、強い国になるということは不可能だと思うんですよ。理想だけを掲げていてもしようがないんですよね。一番懸念される部分についてお話ししたいと思います。それが、僕の中で気になったのがこの住宅という部分です。容積率を入口にさせていただきました。
 とにかく、住宅支援給付金というのは二〇一二年までに住宅手当という名称で始まったんですけれども、二〇一三年から住宅支援給付となったと。名称変更に伴って家賃補助を受けられる期間というのは六か月から三か月に短縮された。ますます悪くなっていっているんですよね。支援としては後退したと言わざるを得ないだろうと。これらの住宅手当の利用実績、二〇〇九年十月から二〇一三年一月までの間で十三万二千七百五十四件、第二のセーフティーネットと呼ぶにはまだまだ規模が小さ過ぎるだろうと、もっとこの幅を広げていってほしいなと思うんですよね。
 このように、脱法ハウスに住む人が使える制度が少ない中、現状では規制のみが先行し、入居者が適切な住居に移行できるための支援策が実施されていない状況、脱法ハウスやネットカフェなどに移らなきゃいけないという人たちがたくさん出てくるというのは仕方ないなと思います。
 質問させてください。
 そもそも政府は、最低限の居住すら確保できない人々の数というのを把握されているんですかね。(発言する者あり)答えられる方にです。
#103
○委員長(山東昭子君) 山本委員、この内閣委員会は大変幅の広い委員会ではございますけれども、本日の一応委員会は国家戦略特別区域、これの法案でございますので、これに関する質問を是非していただきたいなと思いますが。(発言する者あり)
#104
○山本太郎君 ありがとうございます。御指摘ありがとうございます。
 これは国家戦略特区と全く関係がないことだというふうには僕は思わないんですね。というのは、先ほど見ていただきました十六の法案イメージというものの一番上、容積率・用途等土地利用の規制の見直し、これ十六の法案イメージの中から僕は抜粋したんですけれど、これが一番気になるということで質問を考えたんですけれども、要は規制緩和がどんどん進んでいった先には、特区だけじゃなくて違うところにも広がっていく可能性ってあるよね。特区だけだとしたとしても、その特区の中の土地の値段というものが上がっていったときに、その土地の値段の上昇というのはその近くの、その周辺というものにも影響していくよね。ということは、今住宅という部分において、本当に家とは呼べない、住まいと呼べないという場所に暮らしを強いられている人たちに対してもっとしわ寄せが行く可能性があるということを御指摘させていただいているんです。
 この国家戦略特区という部分に関して全くつながりがないということは言えないと思います。というか、そのものだと思います。だって、この法案自体が、具体的なこと何も決まっていないじゃないですか。だとしたら、具体的なことが決まっていないのであれば、懸念されることをここで話し合うということが僕は必要だったのかなと思って、このようになりました。
 済みません、ロスタイムですね。その先に行かせていただきます。
 質問させていただきたいんです。
 政府は、最低限の居住すら確保できていない人々の数というものを把握されていますか。
#105
○政府参考人(岡田太造君) 福祉の施策の対象になっておられる方で、特に住宅でお困りになられたというようなことという形でちょっと申し上げたいと思いますが、一つは、生活保護を受けられている方、それから、先ほど言いましたように住宅支援給付を受けられているような方、それから先ほど、貸付けを受けているような方もいらっしゃいますし、それからホームレスのような方を一時的に支援するようなシェルターというような仕組みで対応しているようなケースもございます。
 それらについてのトータルとしての絶対数として何人、例えば生活保護を受けられている方が約二百万人とかいうような個別の制度を持っておりますが、トータルとしてそういうような概数を把握しているということではございません。
 ただ、そういうことでお困りになられた方は、例えば各自治体の福祉事務所などその相談の窓口に来ていただいて、そこで相談をしていただいて必要な支援につなげていくというのが現在の仕組みで行っているところでございます。
#106
○委員長(山東昭子君) 山本太郎さん、もう時間でございますので簡潔に。
#107
○山本太郎君 ありがとうございます。
 概数調査というものは行われていないということですよね。その実態というものを把握できなければ、それに対処するということは難しいと思うんですよ。
 とにかく今、住まいという部分に関して、誰もが最低限、人間らしい暮らしをできるというものを確保できなきゃ、幾ら国が豊かになるとかって言われたって意味が分からない。そのしわ寄せが行く人たちがたくさん生まれるのであれば、豊かにさえなれない。一部の企業であったりとかそういう人たちがおいしい思いをするためにこのような国家戦略特区があるんじゃないかというふうに思われるのは、本当、誤解を招きかねないところですよね。
 だから、是非この国家戦略特区という部分に関しても、弱者という部分に与える影響というものを是非大臣の方にも深く、広く皆さんと話し合っていただきたいと思いました。
 ありがとうございました。
#108
○委員長(山東昭子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
#109
○委員長(山東昭子君) 御異議があるようでございますから、これより採決を行います。
 国家戦略特別区域法案に対する質疑を終局することに賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#110
○委員長(山東昭子君) 多数と認めます。よって、本案に対する質疑は終局することに決定いたしました。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#111
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、国家戦略特区法案に反対の討論を行います。
 法案の内容に入る前に、委員会審議のルールを真っ向から否定した与党の委員会運営について一言申し上げたい。
 国家戦略特区法案は、安倍内閣の重要法案とされているにもかかわらず、民主的ルールの下で公正で冷静な運営を進めようとしていた前委員長の首をすげ替えた上に、委員長職権で委員会を開会、参考人質疑もせず、委員の十分な審議を保障せず採決強行を推し進めようとしていることに強く抗議をするものであります。
 本委員会での審議時間は僅か七時間、衆議院の三分の一にもならず、会期末を迎えた本日、会期制の原則にのっとるなら、本来、廃案にすべきものであります。
 以下、国家戦略特区法案に対する反対の理由を具体的に述べます。
 第一の理由は、弱肉強食の経済至上主義で、規制緩和を国家の意思として地域指定も含めて上から一方的に国民に押し付け、全国区に広げるものであり、総理大臣の下に規制緩和メニューを次々と加えていくシステムを創設するものだからであります。まず規制緩和ありきで、そのことで安全、安心が脅かされる側の声は無視され、検証もされずに、国民の中に一層の格差と貧困を進めるものであります。
 反対理由の第二は、戦略特区地域の指定、特区計画の認定、雇用ガイドラインの検討など、要とされている戦略特区諮問会議に、総理、官房長官などとともに解雇特区や雇用の規制緩和を強力に主張する今や派遣会社最大手パソナ会長となっている竹中平蔵氏など、財界人の起用が進められようとしていることであります。
 私の本会議質問でも、竹中平蔵氏の起用について、菅官房長官は決して否定せず、根拠なく、利害のあるテーマの際には外し公正中立に行うなどと根拠も担保もなく述べましたが、法人税や労働法制の規制緩和などのたびに外すことなどできるわけがありません。
 使用者と労働者が対等の立場にない雇用関係において、人類は労働者保護のための労働法の必要性を学び、契約自由社会を修正してきたのが近代社会の知恵であり、到達点であります。事もあろうに、むき出しの労働者搾取のための解雇の金銭解決、労使で解雇ルールを決めればよいという解雇特区推進論者である使用者代表を諮問会議の重要なメンバーに据えるなど、到底許されるものではありません。
 反対理由の第三は、今や若者や女性の二人に一人が正社員になれず、不安定雇用と低賃金に苦しんでいる中、求められているのは、安心して働ける雇用のルールの確立、正社員と均等待遇、中小企業への支援と併せての最低賃金の大幅引上げなどであるにもかかわらず、この法案は、それと逆行する労働法制の規制緩和の道筋を付け、一層非正規化を進め、格差社会を広げるものだからであります。
 この間、国家戦略特区ワーキンググループでは、労使の契約でいつでも解雇できるようにすること、労働時間の上限規制の緩和など、解雇特区、過労死特区ともいうべきものが検討されてきました。こうした企ては国民の批判を前にトーンダウンしましたが、新たに有期労働の無期転換申込みを現行五年から十年に先延ばしすることが狙われており、何年働いても正規雇用、正社員の道がますます遠ざかることになろうとしております。
 これだけにとどまらず、医療、農業、教育など様々な分野で国民の命や安全、暮らしや営業にかかわる規制緩和が首相のトップダウンで次々と持ち込まれようとしています。日米の財界の要求を優先し、国民の命や暮らし、雇用や中小企業を守るルールを壊すことなどあってはなりません。
 以上、本法案に反対する理由を述べて、討論とします。
#112
○委員長(山東昭子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 国家戦略特別区域法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(山東昭子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、暫時休憩いたします。
   午前十時四十四分休憩
     ─────・─────
   午前十一時五十一分開会
#115
○委員長(山東昭子君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 アルコール健康障害対策基本法案を議題といたします。
 提出者衆議院内閣委員長代理理事関芳弘さんから趣旨説明を聴取いたします。関芳弘さん。
#116
○衆議院議員(関芳弘君) ただいま議題となりましたアルコール健康障害対策基本法案につきまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 本案は、酒類が国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、酒類に関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒がアルコール健康障害の原因となるのみならず、その家族への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことに鑑み、アルコール健康障害対策の基本となる事項を定めること等により、国民の健康を保護するとともに、安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、アルコール健康障害について、アルコール依存症その他の多量の飲酒、未成年者の飲酒、妊婦の飲酒等の不適切な飲酒の影響による心身の健康障害と定めることとしております。
 第二に、アルコール健康障害対策に対する国、地方公共団体、酒類の製造又は販売を行う事業者、国民、医師等及び健康増進事業実施者の責務を規定することとしております。
 第三に、政府は、アルコール健康障害対策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置等を講ずることとしております。
 第四に、政府は、この法律の施行後二年以内に、アルコール健康障害対策推進基本計画を定めることとしております。
 第五に、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、本法律案の趣旨及び概要であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#117
○委員長(山東昭子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 アルコール健康障害対策基本法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(山東昭子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#120
○委員長(山東昭子君) これより請願の審査を行います。
 請願第八三号青少年健全育成基本法の制定に関する請願外四十二件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることになりました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#122
○委員長(山東昭子君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#125
○委員長(山東昭子君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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